やはり俺が艦娘と共にいるのは間違っている (翔説1200)
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艦娘と世界と俺と
前から書いてみたかったのでチャレンジしてみようと思います。
まずこの小説は 比企谷八幡が提督になったらどうなるのだろうか?という疑問から生まれた物です。出来るだけ原作の彼をそのまま生かそうと思ってるので多分 八幡ハーレムも起きませんし葉山アンチも多分ないです。俺ガイル原作キャラはあんまり出ません。
幼稚な文ですがよろしくお願いします。1週間に2本ペースでやって行きます。登場して欲しい艦娘、俺ガイルキャラが居たら感想と一緒にコメントください。
1話 艦娘
青春とは嘘であり、悪である。
青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺く。自らを取り巻く環境の全てを肯定的に捉える。何か致命的な失敗をしても、それすら青春の証とし、思い出の1ページに刻むのだ。
例を挙げよう。彼らは万引きや集団暴走という犯罪行為……果てには深海棲艦に対抗する為の組織[大本営]その直属の機関にあたる鎮守府へのイタズラや妨害。失われた7割の海上を取り戻し世界を救った“彼女ら”を当時は英雄などと騒ぎたてていたが今となっては“機械”などと言われている。青春の前には社会通念も道徳も全てねじ曲げられるのだ。
結論を言おう
リア充爆発しろ。
「これは何なんだ?」
白衣を着た現国教師 平塚静がタバコに火を付けながら言う。何と言われましても
「高校2年の振り返りの作文っす」
「これがか?。何だ君は……高校生活に鎮守府の話まで持ち出して君はとことん弄れているな」
確かに思い出の1ページあたりからは調子こいちゃったけどこれは俺の本s
スンマセン 書き直します。だから睨まないでください。
「書き直します」
「いやいい。君の意見には私にも同意するべき所もある。それに・・・・・・」
平塚先生は俺のさらに後ろの場所。来客室を見つめる。そして平塚先生はついてきたまえ と言い俺の手首を掴み来客室へ移動する。せめて手にしてください。俺の脈を止める気ですか。
平塚先生はそんな事、気にせず来客室の扉を開ける。そこにいた人物は……
「んっ君が比企谷八幡君だね」
軍服を着た30代ほどの男性とその娘だろうかピンク髪の美少女が居た。
誰すか……?俺は平塚先生にクエスチョンマークを投げる。それを感じとったのだろうか。軍服のオジサンが言う。
「私は大本営の者です。君に大切なお話があって来ました。こっちは由良。艦娘と言えば君には分かるだろう?」
「大本営の人間と艦娘が俺になんの用すか?」
言葉に刃を仕込む。お前を警戒しているぞ、怪しいぞと伝える事で自分から離れさせる効果を持つ……自分に近づいてくる人間など誰一人居ないので効果は不明だったりする。駄目じゃねぇか。
「まぁ警戒しないでくれよ。君の作文は見させてもらった。最近の鎮守府、そして艦娘の状態をよく分かっているな。単刀直入に言うと“君を提督にしたい”」
「は?」
俺が提督?。提督といえば深海棲艦に世界がお手上げだったころ艦娘を指揮し世界を救った英雄みたいな仕事だ。まぁ平和ボケした今じゃ不必要なゴミみたいになってるけど。
「なんかの冗談すか?」
「そんな事は無いさ。ただ大事な話をしたい。君と私達と日本、いや世界に関わる重要な話だ。聞いて欲しい」
長澤さんは真剣に俺に話を聞くよう頼み込む。提督は“軍”の人間で命令権を持っている。だが長澤さんは俺に命令権を使わない。それは使うまでも無いという事なのか それとも。
俺は話を聞くことにした。
---
長澤さんの車内にて
俺と長澤さん、艦娘の由良は長澤さんの3人で車の中にいる。学校では話せない大切な話だそうな。
「まず提督になれる条件を君は知っているか?」
「はい。大前提として“艦娘を建造する特殊な生物を視認出来るか”ですよね」
「そうだ。我々はソレを妖精と呼んでいる。妖精とかメルヘンチックな名前にした理由は見れば分かるだろう。まぁ君にはその妖精の姿が見えるんだよ」
艦娘を建造する生物。大本営から発表された情報は当時世界を存在でその妖精?とやらが居なければ世界は崩壊していただろう。ただ俺は妖精とやらを見た事がないし自覚すら無かった。だが検査などで見える見えないの体質が判断出来るというなら心当たりがある。
数ヶ月前に献血をした時、軍服のオジサン達を見た事がある。あの時から目星を作られていたのだろう。
「俺には妖精が見えるから提督になれと?学生を採用する程人事不足なんすか?それに艦娘だって指揮自体は出来るでしょ」
「君は要点をよく分かっているな。さぁいい加減本題に入らなきゃな」
「私は大本営に反旗を翻し革命を起こす。それに協力してほしい」
「は?」
その日俺の人生は大きく針路がズレ、新たなる一歩を踏み出すのだった。それはまるで錨を上げ海原を進む少女達の様に。
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思惑
1話だけじゃ読んでもらっても内容が分からないなって思ったので2話も投稿します。ほら、本のサンプルってあんまサンプルになってないじゃん?あれを防ぎたいんだよ。
2話 思惑
「実はね。艦娘に人権を与えるか否かは重要な事なんだ。だろ?由良」
大本営の長澤さんは由良に聞く。由良は苦虫を噛み潰したような顔を一瞬して俺の顔を真っ直ぐ見つめて言う。
「はい。確かに私達は造られた存在です。ですが心だってあります……辛い事は辛いです」
「だが提督達はそうじゃない。自分の利益の為、艦娘を道具のように使う。暴行……売春……商売のように艦娘を使う。だが今の凝り固まり廃棄物のような大本営はそれを認めている」
「……」
沈黙は俺と由良。確かに機械に人権を与えるのはとても悩ましい事でAIに仕事を奪われないか。人権を与えるべきではと日々、科学者達が討論している。だが機械だが感情を持つから人権を与えれば次は家畜にも人権を与えなければいけなくなる。そうなれば人間は生きていけなくなる。誰かを犠牲にして生きていく。それはリア充だけの話ではなく人間の性なのだ。
「だから私は世間にこの事実を発表する。その後大本営の上層部を解体し乗っ取る……君には“傷ついた艦娘のケア”とその捻くれて明察で感のいい脳と心を使ってこの腐りきった大本営をぶっ潰してほしい!」
熱が入ったように熱くなる長澤さん。だがそれは反逆行為に値するはずだ。内部告発なんて上がもみ消すに決まっている。
「だからこの事実を俺が公表してアンタは問題にならないように黙っているって事すか?俺を利用するような感じに聞こえるんですけど」
「違うんだ。君の作文を読んで君に手伝って欲しいと思った。掌返しをする世界と腐った大本営。2つをなんとかするには俺1人じゃ無理だ」
長澤さんは自らの非力さを嘆くように呟いた。由良は悲しそうに目を伏せる。あの目は……
「非力な俺だ。もしかしたら内部告発の後、俺の身も危ない。もし俺が上層部を解体し俺に何かがあった場合、同じ過ちを繰り返さない為に君が代表になって欲しい。あと告発するのは俺だ。君の役割は腐った提督共に傷つけられた艦娘のケアとさっき言ったように俺の後継だ」
「「提督をやってくれませんか?」」
2人は俺に向かって頭を下げる。
やっぱり……この人達は俺に似ていて”1番似ていない“
「分かりました。やります……ただ俺、ぼっちですよ?艦娘のケアとか出来そうにないんすけど」
「ありがとうございます!!」
由良は花が咲いたような笑顔で俺に言う。さっきの由良の顔は……俺の昔の顔に似ていた気がする。
小学4年生。花瓶を割ったリア充に濡れ衣を着せられやってもない罪で先生に謝りクラスに謝罪させられた。あの時、俺はこの現状を変える術が無いことに嘆いた。由良もそうなんだろう。なら、俺はぼっちとしてその気持ちに応えてあげたい。俺にしては優しい気がするが……長澤さんの熱意に動かされたのだ。多分。
「ありがとう!比企谷君!。とりあえず来週からは千葉鎮守府生活だ!。とりあえず作戦の準備期間は艦娘のケアを頼む!」
「うす」
後日 学校には国の力で大本営の試験プロジェクトに参加し鎮守府生活を送ることになったと連絡が行ったそうだ。だがそれは前置きでしか無い。国の力を使えたという事は国に内部告発 革命の事はバレていないようだ。
そして俺の所属先 千葉鎮守府に着いた俺はプレゼントとして1枚のCDを貰った。
比企谷八幡の役割
①傷ついた艦娘達のケア ②長澤の補佐
③長澤の跡継ぎ(長澤に何かあったら)
次回は艦娘達が出てきます。cdの内容とは?
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責任
暇だったんで3話目投稿。うちの鎮守府には赤城さんと龍驤ちゃんが来ました。ボーキサイトが消えたんですけど?
感想、お気に入り、しおりありがとうございます!。
これからも失踪せずに頑張ります!。
3話 責任
???「長澤の奴ガキを新しい提督にしたらしいぜ?」
???「マジかよww見る目ねぇなww」
???「艦娘が少ないから俺の鎮守府から艦娘を引き渡すんだがもう使えなくなったボロボロのゴミらを渡してやるよ」
???「この前輪姦した……なんだっけ瑞……瑞なんとかチャンとかはもう”ゴミ“だから渡しちまえ」
---
『さらば〜慢心の心。我ら提督。轟沈だけは許されぬ過ち……』
バカなんだろうか。俺はそう思いながらPCの電源を切る。全く、長澤さんと由良のあの顔を見て仕方なく提督になったものも……”艦娘が少なすぎる“
長澤さんによればこの千葉鎮守府は前提督の指示により過剰に労働させられ艦娘達の心は擦り切れ動けなくなったそうだ。そして多くの艦娘が解体され残った艦娘は大本営の所に回収され別鎮守府に分配されたそうだ。腹立たしい。
まるで道具のように……。社会人ですら働きすぎで精神を壊すのだ。軍人だが彼女達は少女でもある……少女が働き詰めで無事な訳が無い。俺は残った艦娘を会議室に集めた。
「「「艦娘!全員集合しました!」」」
残っていた艦娘は特型駆逐艦 吹雪と航空母艦 鳳翔と白露型駆逐艦 時雨の3人。
「あ〜俺が新しい提督の比企谷八幡だ」
怖がられないように小町を愛す……甘やかす時の表情で話しかける。吹雪、ビビらなくていいから。大丈夫だから。
やはり提督というのがトラウマなのか恐怖を感じている様子だった。
「ビビらないでくれ。俺は艦娘をこき使ったりなんてしないから。でだ、お前ら」
「何でしょう……提督」
鳳翔さんが俺に問いかける。やはり彼女が初めに聞いてきたか。吹雪と時雨に嫌な命令をさせない為に自分が犠牲になろうという魂胆だろう。高校生活を行なっている俺なら「偽善だな。死ね」とか言っていただろうが、今は違う。提督という仕事をして俺の行動次第で苦しんでる艦娘を救う事ができる。なら……偽善だと言われようが
「お前ら、しばらく休め」
「「「は?」」」
3人とも唖然とした。何言ってんの?この童貞って顔はしていないがとてつもなく驚いていた。
「聞こえなかったか?休め。お前らが頑張ったおかげで資材も沢山ある。しばらくは働き詰めじゃなくても大丈夫だ」
「提督……それ本当?。僕達もう悲しまなくていいの?」
時雨が問いかける。その目には微かな安堵と少しの不安が感じられた。彼女は涙を流し俺に問いかける。
「あぁ、今は仕事はしなくていい。しばらくしたら遠征?とかしてもらうけど」
「……グスン……大破で出撃したり……仲間が消えていくのを見なくていい……の?」
「あぁ、そうだ。そんな事させない」
俺はゆっくりと時雨を落ち着かせる様に語りかけ頭を撫でる。小町も泣いた時は撫でていたら落ち着いてたし大丈夫だろう。あっ……嫌われたりしない?。嫌な思い出がフラッシュバックしていた俺に鳳翔さんが言う。
「ありがとうございます。貴方が良い人間で良かったです」
「褒められるべきは俺じゃないっすよ。俺は言われた事をやっているだけです」
「それでも嬉しいのです。優しい言葉をかけていただき……本当に……感謝しています」
鳳翔さん……。ぐーー!!!
俺の腹がなった。あぁ!今いい雰囲気だろ!くそっ!恥ずかしい!!
「……ふふっ。今、ご飯作りますね!」
鳳翔さんはありがとうございますとお礼をすると食堂に向かっていった。俺も泣いている時雨とそれを支える吹雪と一緒に食堂へ向かったのだった。
最初のcdのくだりは さらば慢心 という艦これvocalから持ってきました。許可なく使っちゃったけど怒られたら変えますw。
艦娘達が提督を呼ぶ時 司令官だったり提督だったりしますが本作品では提督に限定します。理由は楽だから&いきなり提督になった八幡がわかりやすい様にです。
八幡って自分から行動することタイプだとは思えないですが誰かにお願いされたり感化されたら動いちゃう人間だと思うんです。
八幡が捻くてなかった理由は由良と長澤さんの自分の非力さに悲しんでいる顔が昔の自分に似ていたから という理由です。
原作でも 三浦にキレられていた由比ヶ浜を助けようとしたシーンで
そういう立場は俺のものだ。そうやすやすと取られちゃたまらん。みたいなセリフ言っていた気がするんですよね。あれは比企谷は過去の経験から由比ヶ浜の気持ちが理解出来るから助けてあげたいみたいな感じだと思うんです。
雪ノ下に感化?影響された比企谷は由比ガ浜を助けたという感じです。今作は奉仕部の代わりの長澤さんと由良みたいな感じです。
最後に お気に入り しおり 感想 ありがとうございます!。1週間に2本よりあげたい時にあげることにします。
誤字脱字あったらすんません。
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孤独じゃないグルメ
GODZILLAの歌なんですって奥さん!。
俺は虚淵さん達が作ったGODZILLA アニゴジも好きなんですけどねぇ。賛否両論です。
あと僕は八幡ハーレムは絶対に作りません。もしかしたら艦娘が悲しい目にあうかも。可哀想だけどこれ戦争なのよね(遠い目
艦娘と八幡のやり取りをもっと描きたかったんです。
4話 孤独 じゃないグルメ
俺と鳳翔さんは食料庫と書かれた札がある部屋にいる。そこにあるはずの食料が
全く無いのだ。
「あのすいません!。食料庫が完全にカラでした!」
「気にしないでください。どうせ前提督が何かしたんでしょう。今日は出前でも取りましょう」
「ありがとうございます……ですが……もし宜しければ」
鳳翔さんは恥ずかしそうに頬をほんのりピンクにさせ俺に近づく。へっ?鳳翔さん!?まずいですよ!。
「付き合ってくれませんか?」
---
「提督〜!凄いです!こんなに!」
俺達4人は近くのショッピングモールまで来ていた。ネタばらしをしよう。付き合って欲しいとは①艦娘達の服を買うこと②食材をかうこと だ。俺が並の男子だったら告って振られて轟沈して沈んぢゃうね。振られちゃうのかよ……
「ありがとうございます。彼女達、パジャマを持ってなくてあの格好で寒い夜を過ごしていて……」
鳳翔さんが言う。確かにあの際どい格好はキツイ(いろんな意味で) 後に妖精に聞いたところあの格好が1番艦娘の能力を上げられる様だ。どうなってんだ、艦娘。
「大丈夫です。あいつらには本来与えられるべきだった休暇日と給料がありますから」
「提督、僕この服が欲しいんだ。どう……かな?」
時雨は恥ずかしそうに俺にハンガーにかかった服を見せる。俺は女物には詳しくないのでよく分からないが、時雨にきっと似合うと思う。
「いいんじゃないか?欲しいんなら買えよ。金だってある」
「ん〜。提督……ムスー」
「なんだよ?」
なんだよその顔は……拗ねた顔して……可愛いからやめなさい。見てるこっちのライフが削られる。やめて!ハチマンのライフはもうゼロよ!。
「なんでもないよ」
そう言い吹雪と共にレジを済ませていた。鳳翔さんはニコッと笑うと耳元で言う。
「聞きたかったのは提督の気持ちだったんじゃないですか?。お金や時間、そんな都合じゃなくて提督本人の気持ちです」
「……まさか」
---
その後、食材を大量に買い鎮守府に無事戻った。大量に買い込んだのは理由があって明日、この少ない人材を解消するために大本営から艦娘が送られるそうだ。
数が増えるなら食料も沢山買わなければいけなくなり爆買いする羽目になったのだ。
「おいしい……うん、おいしいね」
吹雪達は嬉しそうにカレーを食べている。
彼女達によると全提督は人間としての食べ物は一切与えず。スマホを充電するように機械として艦娘の必需品のボーキサイトを食わせていたそうだ。
なので彼女達が人間として暖かい食べ物を食べるのは久しいのだ。
「美味いな……」
俺は1人黙々と飯を食っている。ゴロゴロと食感を楽しめるように切られた野菜達、柔らかい肉。思わずスプーンが進む。家カレーより美味いかもしれん。
やっぱり変に葉っぱとか入れるより昔ながらの味が美味いな。月桂樹の葉っぱ……別名ローリー?ロリエ?みたいな名前だった気がする。ロリエ!?
『ふぇ〜カレーに葉っぱ入っちゃったよ〜』
「……とく!」
「ていとく!」
俺の妄想を遮ったのは吹雪だった。吹雪の方を向き不審がる俺に言った。
「一緒に食べませんか?皆んなで食べた方がおいしいですよ?」
「皆んな……皆んなか」
「はい!」
「わかった。俺でよければ一緒に食おう」
こうして俺は一人で食べるのをやめ彼女達と暖かい飯を食べたのだった。
---
「…………」
夢を見た。燃え盛る海で1艦の空母が沈んでいく。いかないでいかないで。何度も何度も願ったのに呼びかけたのに聞こえない。
次の瞬間、私にも魚雷が命中する。水しぶきと共に爆音、そして痛みが私を襲う。至る所が火災を起こし甲板は血の海に染まる。
「……翔鶴姉」
孤独のグルメ
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人ならば
今回からはちょっとキツ目です。
原作八幡ぽくしてみました。 眠いっす
誤字あったらすんません。
5話 人ならば
『君なら大丈夫だとは思うが連絡をしておく。明日、君の元へ訪れる艦娘の1人はかなり危険な状態にある……いいづらいが輪姦されている。姉妹艦、姉にあたる翔鶴も行方不明……家族を失い精神をやられた果てに輪姦されたんだ。あの子のケアには気をつけて』
俺の携帯に1件の音声が送信されていた。現在午前2時……皆んな寝ているようだ。にしても、酷いな。もし小町がそんな目に遭っていたら俺は……
「やめよう。仕方ない。働くか」
俺は執務を開始する。将来は専業主婦を希望していた俺が仕事を自分から行うなんて偉業 ノーベル賞物だが、嫌な事を聞いてしまった。今から寝られる気もしない。仕方なくペンを滑らす。
---
「zzz。ぼーきさいとーがすくなっ」
「提督!提督!!」
「ハッ! 今何時だ!吹雪!」
俺は完全に二度寝してしまったようだ。現在朝7時。もう引き受けの時間が迫っている。
「失礼します。横須賀鎮守府の高木提督がいらっしゃいました」
「入れてくれ」
鳳翔さんが執務室の扉をノックし横須賀鎮守府の提督が来た事を伝える。吹雪には俺の後ろで待機させ提督を執務室に入れる。
「やぁやぁ、君が最少年提督の比企……ひきたに君だね」
「うす」
横須賀鎮守府の提督。小太りした金髪のおっさんが俺を品定めするように眺める。あの目は……悪意。ぼっちは悪意に敏感で過敏なんだ。あとひきたに誰?。
ここにはそんな人居ませんよ?。
「なんだその返事は……その髪に目、寝ていたのか?。そちらがゴミクズを欲しいというのだから朝から来てやったのに」
「ゴミク「提督!」
文句を言おうとしたら吹雪に遮られた。
ありがとう。吹雪。今言ってしまったら絶対に問題になる……それに長澤さんや由良に迷惑をかける事になる。今は抑えよう。
「ごほん!。ではコイツらを」
そう言っておっさんは4人の艦娘を執務室に入れる合計7人が入ったこので執務室の人口密度が上がり暑苦しくなる。嫌な汗が出る……やってきた艦娘はどの子も目のハイライトが無く。俺が言うのもなんだが腐った目をしている。俺よりも目が腐ってるのではないだろうか?いやそれはないか。
「じゃ、あとはよろしく。私は今からお楽しみの時間でね笑」
最後までクソみたいな奴だったな。アイツ……渡された資料と艦娘の顔を見る。
どうするべきか……4人。速吸、武蔵、ゴトランド、瑞鶴。
「とりあえずよろしく頼む。俺はアイツみたいにクソな事はしない」
「そうだろうか?人間とは嘘をつく生き物だ。人間なんてクズばっかだ」
そう吐いたのが大和型2番艦 武蔵。
俺でも知っている……かなり有名な艦だ。ちなみに大日本帝国最後に作られた戦艦だったり……
「それじゃ自分自身もクズだと言ってるぜ?自己紹介か?」
「何を……言っている……私達……私達は機械、ロボットだ」
「そうなのか?じゃあ……速吸、夜俺の部屋で待っている。分かるな?」
「「「「「「!!」」」」」」
俺以外の全員が驚いる。当たり前だ。こんだけ意味深にドスの利いて腐った目で言われたんだ。俺同様に悪意を敏感に感じ取る事ができる彼女達なら……
「待て!提督……私だ!私でいいだろう!。大和型だ……胸もある!。命令だってなんだって聞こう!」
「俺は速吸がいいんだがなぁ!」
武蔵は速吸を庇うように俺に懇願する。
あぁ、そうだ“それでいい”
「頼む。速吸には……もう」
「俺に刃向かうって言うのか?これは“命令”だぞ?」
「提督!もう……もうやめて!」
「吹雪……ちょっと黙れ」
「頼む!提督!……私ならどうなったっていい!。どんなプレイだってやろう、だから皆んなには……」
武蔵は先程の様子とは打って変わって惨めに……俺の様に無様だった。自分が無様だって認めちゃったよ。
「そうか……武蔵。お前は俺に刃向かった。いいか武蔵。お前は人間だ。ソースはロボット工学三原則」
「え……」
さぁ俺のターンだ。
コメント お気に入り 頼むぜ!
コメントしてくれると嬉しすぎて1日に3本も投稿しちゃうぞ!(嬉しすぎて+1本投稿した人
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武蔵-勇気-
自己犠牲は諸刃の剣。他人の反省、失敗を自らの物にする。
それは成長を止め自らも朽ち果てる
その力で救った物は……
6話 武蔵-勇気-
「この世にはロボット工学三原則というのがある。お前は自分を機械、ロボットと言ったな?人によって解釈は違ったりするが大前提はこれだ。人間への安全性、命令への服従、自己防衛この3つだ」
「それが何だ。私達がいいように使われる機械である事に変わりない」
武蔵は目に涙を浮かべながらだが力強く威嚇するように話す。皆を守ろうとするが自らが機械であると言う。彼女は諦めたのだろう。自らの境遇は変わらない。大切な者を守る最後の手段。自己犠牲。
分かっている……趣味は“人間”観察だ。
「ロボットてのはこの命令に従わなきゃならない。だがお前は2つを破った。分かるか?1つは主人、つまり提督である俺に刃向かった事。これは命令への服従。もう1つは自己防衛だ。お前は自分ならどうなってもいいと言ったな?。ロボットに自己犠牲なんてできるかよ」
「上っ面の話ではないか!。人間どもはそんな則を作っておいて私達の様な存在を……」
「そんな事はどうてもいい。俺はお前が人間だって言ってんだ。俺の趣味は人間観察だぞ?。人間を見るのは得意だ。お前は誰よりも人らしく生きている。俺から速吸を守ろうとした時だって勇気を持った」
「私は人間として、人らしく生きていいのだろうか?」
「あぁそうだ。お前達には深海棲艦と戦って大切な者を守る人間だ。あと……悪かった。“お前のような奴”を知っててな。こういう奴には感情で説得するより、証拠を集めた方がいいと思ってな」
武蔵は自らが生きている事を確かめる。
自らの身体をゆっくり見つめ心臓が力強う動いているのを感じ取る。冷たく凍り痛みすら感じなくなった心に暖かな光が差し込む。だんだんと世界が鮮やかに変わっていく気がした。
「提督……ありがとう。私の世界は変わったよ」
「んな、大袈裟な」
「そんな事は無い。皆んな……速吸、ゴトランド、瑞鶴。私は戻ったぞ。提督、改めて自己紹介をさせてくれ」
「おう」
「大和型戦艦二番艦、武蔵だ。長崎生まれだ。よろしく頼むぞ!。
姉妹艦の大和や信濃と同じく、極秘裏に建造されたのさ。
ああ、この主砲を存分に撃ち合いたかったな。今度は頼めるか…ありがたい!」
彼女の“人”としてはじめての自己紹介をする。その顔は笑顔でまるでツツジの花のようだった。
夢を見た……青空を飛ぶのは二羽の鶴。だが気づいた瞬間、鶴は落ちていた。空を舞っていた鶴は海に落ち、沈んでいく。
それは自分を見ているようだった。
ロボット工学三原則って小説の話だし人によって解釈変わっちゃうけど武蔵を助けるぐらいならこれでいいでしょう。
武蔵と八幡て似てると思うんです。表裏一体的な?武蔵が光なら八幡は闇みたいな。お前のような奴ってのは八幡自身です。
八幡は感情で語りかけても上っ面だとか言われて無意味そうだから平塚先生の言っていたように計算しつくした確かなる事実を見せた方が効果あると思いました。
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アイデンティティクライシス
八幡にも人並みの優しさはあるはず!。自らがレスバで勝ちたい為に八幡を使うな!(ハチマン過激派
では本編どぞ
7話 アイデンティティクライシス
「あぁぁぁぁぁぁ!!恥ずかしい!」
俺は執務室のソファでじたばたしていた。何あれ!?思い出すは昨夜の事
「頼む。速吸には……もう」
「俺に刃向かうって言うのか?これは“命令”だぞ?」
「提督!もう……もうやめて!」
「吹雪……ちょっと黙れ」
「頼む!提督!……私ならどうなったっていい!。どんなプレイだってやろう、だから皆んなには……」
プレイってなんだよ!ちきしょう!恥ずかしい!恥ずかしい!
「どうしたんだい?提督」
そこに現れたのは時雨。
「放っておいてくれー。提督ちょっと今 アイデンティティクライシスだから」
「提督、アイデンティティー?はぁー・・・?往々にして個性個性言ってる奴に限って、個性がねぇんだ。大体ちょっとやそっとで変わる物が個性な訳あるかよ。。。」
いきなりあの時雨がまるで何処かの腐った魚の目の様な過去のあだ名がカエルだった男に似た喋り方だった。……俺かよ。
「時雨ちゃん?何その言葉遣い、乱暴よ。あと顔が変だわ。」
「提督のマネだよ」
「似てるな……頼むから似ないでくれよ?」
マジでそれはやばい。時雨が腐っちゃったら全俺が死ぬ。いや……サバサバ系時雨も悪く無いな。豚肉や牛肉でもいい。
それはしぐれ煮じゃねぇか。なんてレベルの低いボケツッコミを行い食堂の方へ向かった時雨を見て思い出した。
「なぁ時雨……お前はあの時来てなかったな」
あの時とはもちろん俺のアイデンティティクライシスの原因たるアレである。分からない?前回と前々回だよ。前回とか俺何言ってんの、疲れてんのかな。
「それはね……信頼してるからだよ」
一言だけ言い彼女は扉を閉めた。
残されたのは俺1人。
「……信頼か」
---
俺は今日は鎮守府ベストプレイスで過ごそうと朝食を持って外に出る。ここは丁度、執務室の真後ろに当たる場所で風が涼しく海の香りと風を肌で感じられるベストプレイスになっていた。
「……お前は」
「提督……frukost?」
「あ?悪りぃスウェーデンの言葉は分かんねぇ。日本語で頼めるか?」
「あっ、ごめんなさい。朝食って意味よ。私……日本には全然慣れなくて、前は時報をしっかり出来なくて。ほら私……あまり搭載機も多くはないし、カタパルトも一基だけだし」
「だが艤装は良かっただろ?」
俺はそう言う。ルドさんも言ってただろ?『スウェーデンの兵装技術は世界イチィィィィィィ!!!!』ってな。言ってないか、言ってないな。
「だけど私の上なんて沢山居る。ムサシは私より上なの……あの時、提督に言えなかった。ハヤスイをいじめないでって」
「あれは悪かったよ。武蔵をなんとかする為の手段だった」
「うん、分かってる。けど私は……」
そう言って彼女は立ち去った。
俺はスクランブルエッグを食べる……いつもより美味しく無いな。やっぱり
女の子が悩んで苦しんでると“飯が不味くなる”
あの4人を選んだのは理由があって
速吸とゴトランドは艦娘 シコリティランキングみたいな所で上位だったので入れました。これはクソ提督達に好かれそう、つまりエロそうな艦娘を調べる為です。決して、決して悪意がある訳では!
時雨はおかん はっきりわかんだね
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ゴトランド-護-
感想でいつもの八幡じゃないって言われて確かにって思いました。
ただ八幡も根はいい奴なんで(誰目線)
長澤さんや由良の願いを聞いてくれるんじゃないかなぁって
あとは……ね?
高評価も低評価も大歓迎!。コメント、お気に入り、しおりしてくれると早く投稿するかも?
最近はずっとコメント読んでニヤニヤしてます。
8話 ゴトランド-護-
「どうすっかね〜」
俺は執務室で作業をしている。翔鶴。瑞鶴の姉で今は行方不明状態だ。長澤さんによると提督達に連れていかれた。ただそれだけしか分からなかったそうだ。
だがあのバカ達が完璧に足跡を残さないなんて有り得ない。必ず何かある。
「仕方ない……」
俺は長澤さんに電話をかける。このチャンネルは長澤さんと俺専用の物で長澤さんとこの艦娘……たかし、いやサトシ?とかいう艦娘にお願いして作った改造品らしい。
『どうしたんだい?』
「翔鶴の捜索、どうなってますか?」
『まだ尻尾を出てないよ。今、全力で捜索してる。また何かあったら報告するよ』
「ありがとうございます」
---
風呂……それは人類最大の発明と言ってもいい。親父が風呂に入って極楽状態になっている理由が分かったよ。社畜のように働いた後に入る風呂は最高だ。
凝り固まった筋肉が解れ血が回り出す。
脳がスッキリするようになる
俺はウキウキワクワク気分でお風呂へ向かおうとしていた。ちなみに此処は入渠用のドックで妖精さん達に貸してもらっている。執務室の隣にはシャワー室しかないからな。風呂は日本の魂だよ。
「提督!」
「あ?」
今は俺が独占している。だが聞こえるはずがない女の子の声が聞こえる。これは……ゴトランドだ。
「提督!性処理してあげる!」
「はぁ!?はぁー!!!」
---
俺とゴトランドは風呂を上がりベストプレイスで2人で牛乳を飲んでいた。
あっ?さっきの続き?ありゃ有料だよバーカ。
本当はすぐ止めたよ?。本当だよ?。
「ゴトランド……お前」
「ごめんなさい。力が無い私はああやってするしか」
ゴトランドは申し訳なさそうに下を向く。前はこうやって生き延びて来たのだろう。上司のご機嫌取り。嫌気がさす。
親父もやってるんだろなぁ。そりゃ風呂も気持ちよくなるわ。頑張って働いてね
「力が無い……か?」
「うん。私にはムサシみたいに皆んなを庇うことなんて出来ないし、提督みたいに頭も良くない」
「なぁゴトランド。俺には見つけなきゃ行けないモノがある。1人の少女を救う為に絶対に必要な者だ」
「ショウカク?」
「あぁそうだ。瑞鶴の姉、翔鶴だ」
「だが見つけられない。お前は頭が良いというが俺の頭をフル回転しても翔鶴は見つからない。見つかったのは俺の無力さと不安だけだ。提督という権限を使っても見つからなかった」
「それは……」
「そして俺には深海棲艦から人々を守る術が無い。お前のように大切な友をもっていた訳じゃない」
過去の話だ……今はアイツらがいる。
「提督、私」
「ゴトランド。お前が自分は使えないと思うのは勝手だ。だがお前より力のない奴の前で言うのはズルくないか?俺は提督として出来ることをする。だからお前は俺達を護ってくれ。俺にはお前が必要だ。信頼してくれ」
「提督。私……私、必要?」
「あぁ、必要だ。お前は俺にとって何より必要で本物だ」
「そっか私頑張るよ!」
そういう事か、やっと分かった。
---
「鳳翔さん、ありがとうございました。やっと貴女が言っていた事を理解出来ました」
「聞きたいのは提督の気持ち。分かってくれて嬉しいです」
「意外と簡単なんですね。今までは相手の心を読み解く。計算を続け残った物が答えでそれ以外に方法は無いって諦めていた。計算をしているつもりで諦めてました。それに”いつもの“やり方じゃ救えない……ただ先延ばしにする。それは余計に辛い事だったんだ。気づけてよかったです」
「なら良かったです。私は貴方に助けられましたから。助ける事が出来て本当に良かった」
「ありがとうございます」
時雨と鳳翔さんが言っていたこと。やっと分かった。時雨は俺を信頼してくれたのだ。もっと簡単で良かったのか
八幡が時雨と鳳翔のあの言葉の意味を学び考えた結果がコレです。
描写が甘くてごめんなさい。八幡の心理描写的なのはまた番外編か何かでやります。
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本物
とりあえず嬉しいので頑張ります!
9話 本物
「すごいな……お前は」
俺に話しかけてきたのはあの大和型2番間武蔵だ。俺は資料を見ていた……そろそろ休憩するか。
「何がだ?」
「私やゴトランドまで変えてしまった……もっと早く出会いたかったよ」
彼女はしみじみと言う。ゴトランドはもうそれはそれは元気になっていた。だが……
「だがな」
「速吸と瑞鶴の事か?」
速吸は仮面をつけているように見えた。
元気そうに笑顔を振りまく……だがそれも胡散臭い。どこか悲しそうだ。
瑞鶴は完全に精神をやられて部屋から出てこない。今はそっとしておこうの精神で放っているが……いつまでもって訳にも行かない。
「私が言うのもアレだが頑張ってるな。寝てないのだろ?」
「バレたか……」
「休む気は無いのか?」
「無いな。俺もアイツらもやっと出来た居場所だ。居心地のいい物にしてやりたいだろ?」
俺も変わってしまった。最初は変わる事は逃げ。どうして自分を愛せないとか思っていたが変わる事も悪くは無い。
だから頑張らなきゃ行けない。
「責めるつもりは無いさ。ただ速吸は……速吸を頼む」
武蔵は執務室を出て行った。
あの時、武蔵は妙に速吸の事を気にかけていた。少し探りいれるか……
---
「速吸……おはよ」
「提督さん、おはようございます!」
彼女は元気そうに声をかける。ここに来てからずっと上下ジャージ姿だ。俺は速吸の隣に座り鳳翔さんに注文する。
「鳳翔さん。鮭のホイル焼きセットください」
「フフ……了解です」
鳳翔さんは眩しい笑顔で注文を取り厨房へ向かう。ただその時、頑張ってと言われた気がした。
「速吸……お前なんでドックを使わない?。お前だけ小破状態なんだが」
「いえ……私を修理するよりも他の方を修理した方がいいかと思いまして。それに速吸は大丈夫です!」
「……後で執務室に来れるか?」
「……はい」
---
「速吸……腕を見せてもらっていいか?」
俺は速吸の腕を確認したかった。ある物を確認するために……別にフェチじゃないからね!?
「……提督さん」
速吸はキュッとジャージの袖を握る。
くっ……やめろ。いけない事してる気分になる!。煩悩を振り払い問いかける
「やっぱいい。そのかわり聞きたい事がある」
「はい?」
「お前は俺が武蔵を傷つけているのを見てどう思った?正直に言ってくれ……俺はお前を傷つける気はない。お前が良ければ武蔵について来てもらえよ。もし俺が危ない事をしそうになったら即46cm砲でドカンだ」
「……武蔵さんに迷惑をかける訳には」
「なら答えてくれるか?」
「はい。私は悲しかったです。武蔵さんが……あんな姿になってまでも……グズッ……」
「誰かが辛そうにしている所を見てるのは辛いよな……。他人の不幸は蜜の味なんて言うが飯も不味くなる。分かるか?みんなそうなんだ。例えばお前が暴力を振られて辛いのに笑顔で我慢している事とか……な?」
「私が悪いんです。大した仕事も出来ず……私には提督の気持ちを収める事しか……。提督は悪くないんです」
やっぱりか。DV被害者にありがちで加害者を守りたがる……自らの不甲斐なさのせいだと。原因を自分になすりつける。
「誰かが悪いって言ってるんじゃない。今はお前の話だ。誰かの気持ちとか善悪とかどうだっていいんだ。お前の……速吸の本音が聞きたいんだ」
「私に喋る権利なんてありません」
「権利?……必要なら与えてやるよ。俺が与えられる物ならなんだって与えてやる」
権利だとかそんな物は関係ない。俺はただ速吸の気持ちが知りたい。あの時、時雨が俺に問いかけた様に……誰かの本心が聞きたいんだ。俺の熱意に諦めたのか速吸が口を開く
「私は愛が欲しかったんです。痛い思いはしましたが提督に必要とされていました。だから私は頑張れた」
「暴力でしか感じられない愛が本物の筈無いだろ」
彼女は愛を欲しがった。誰かから暖かな温もりをもらう事。優しい言葉をかけてもらう事。
「提督……私は本物が欲しいです。ひどく傲慢な願いですが……本当に浅ましくおぞましくて、でも私は……私はそれでも本物の愛が欲しいです!。提督……貴方は言いましたよね……与えられる物ならなんだってくれるって!」
「あぁ言ったさ。お前が本当にもう要らないって言うまで渡し続けるさ」
最後の八幡の言葉は[Alexandros]prayから引用しました。
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二羽の鶴は
八幡が優しすぎるかもですが彼の弄れの対象はクソ提督達です。
11話からはvs提督になります。 これからもよろしくお願いします!
10話 二羽の鶴は
「翔鶴姉……今行くよ」
---
ウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
サイレンが鳴り響いていた。午前7時……訓練中だった速吸から連絡が入った。深海棲艦の艦隊がこちらに迫っているそうだ。俺は速吸に帰投かせ直ぐに準備に入った。
「とりあえず武蔵を旗艦として時雨、吹雪、ゴトランド、速吸で敵の頭を頼む。武蔵達第1艦隊の後ろで第2艦隊の鳳翔、瑞鶴の2人が上空から叩く」
「頼めるか?瑞鶴」
今日の瑞鶴は珍しく部屋から出てきていた。目は腐っていて俺よりも酷い状態かもしれないが今はそんな事は二の次だ。初めての実戦だ。失敗しないようにしないと。
「うん。分かったわ」
不安そうだが答える瑞鶴。なら良かった……俺は執務室にて艦娘を指揮する
---
海上
『鳳翔、瑞鶴。索敵頼む!。具体的な敵戦力を確認次第、第一艦隊に報告だ』
俺は無線で指示を出す。
「はい!」
鳳翔さんは弓を構え一直線に前を見る。
パシュッ
心地いい音と同時に一本の矢が発射される。その弓は炎をまとい複数の飛行機に変わる……飛行機は上空を飛行し深海棲艦を偵察する
「武蔵さん!。敵戦力は駆逐イ級が2つ軽巡ヘ級が2つ……軽空母ヌ級が1つ……あれは!戦艦ル級!」
『戦艦かよ!!。駆逐と軽巡は吹雪、時雨、ゴト、速吸で頼む!。武蔵はル級を叩け!支援に瑞鶴と鳳翔だ!』
「「「「了解!」」」」
時雨から発射された魚雷は軽巡に直撃し水柱が上がる。反撃の砲撃をすらりすらりと華麗に避け一気に砲撃を打ち込む。
何発もの砲弾をくらい軽巡は沈んでいく。海には焦げ臭いような硝煙の匂いが漂っていた。
「武蔵さんは大丈夫なんですか!」
---
『武蔵!大丈夫か!?』
「あぁ、まだ行ける!」
武蔵の46cm砲が唸る。ル級は砲撃を避け反撃する。武蔵は被弾し、後退する。
それを援護するは鳳翔さんと瑞鶴
彼女達の艦載機がル級に攻撃する。武蔵の46cm砲に比べれば豆鉄砲の様な物だが時間を稼ぐ事が出来た
「一気に決める!? おい!何してる!」
『どうした!?武蔵!』
「瑞鶴が!」
俺は武蔵からデータを貰う。彼女の見ている風景を共有し確認する。
瑞鶴は武蔵の横を高速で通り抜け一直線にル級を目指す。
『瑞鶴!下がれ!』
「翔鶴姉!今行くよ」
「提督!砲撃が出来ない!瑞鶴に当たるぞ!?」
瑞鶴は武蔵や吹雪の様に近接戦闘できる程の装備は持っていない。それに鳳翔さんがやって見せた様に艦載機を発艦させるには弓を打たなければならない。近接で動いている瑞鶴にはそんな余裕などない。
『くそっ!……武蔵、助けたいか?』
「当たり前だ。彼女も私の家族だ」
『なら!』
「任せろ。私はお前を信頼している。何だってこなしてやるさ」
---
鎮守府 執務室
「武蔵、頼んだぞ!」
俺は武蔵に作戦を伝えると時雨達にも同じ事を伝えた。あとは……
プルプルプルプル
この音は……長澤さんの所からか
『もしもし!私です。由良です!』
「悪りぃ。今戦闘中なんだ!また後……なんだって?もう一度言え!」
『だから!翔鶴さんが見つかったんです!彼女は無事です!』
---
「うぉぉぉぉ!!!」
武蔵はル級と瑞鶴に急接近する。
ル級は武蔵に一斉射する。何発かは武蔵に直撃するが無視し接近する。
数メートルの距離まで近づく。
武蔵は拳に力を入れ急接近してル級を殴る。
「!!」
ル級は驚きながら吹っ飛ばされる。そこに46cm砲の一斉射。瑞鶴を回収していた為、精度は低かったが彼女の気合いでカーバーしル級の砲塔に直撃する。ル級は砲塔を失いよろけていた時に時雨や吹雪、ゴトや速吸の攻撃をくらい完全に爆散する。
「提督!やったぞ!」
『あぁ、よかった』
---
「ごめんなさい。私……」
ボロボロになった瑞鶴は俺に謝る。
彼女は死ねば翔鶴にもう一度会えると思ったらしい。
「死んだって翔鶴には会えない。死ななくて良かったな。もう会えなくなる所だったぜ?」
「え?」
「さっき翔鶴が見つかったよ。俺の知り合いが発見してくれた。明日にはこっちに来るそうだ」
「嘘……翔鶴姉、生きてるの?」
「嘘じゃねぇよ。あと翔鶴はウチの鎮守府で預かる事になった。つまりお前と同じ……俺の……いや俺達の鎮守府のメンバーだ」
「……ありが と……わた、し……ああぁぁぁぁっ」
彼女は安心からか涙を流し泣いている。
吹雪やゴトももらい泣きをしていた。
「だが……お前は重大なな規則を犯した。明日、お前の処置を言うから。覚悟しとけよ」
俺はそう言い執務室へ行く。あまり一緒にいると俺まで泣いちまいそうだ。
「うん!”提督さん“私、翔鶴姉に会えるんだったらなんでもするよ!」
「あぁそうだ。俺はお前の提督だ」
戦闘描写が下手くそじゃ!
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飛ぶ
投票ありがとう!。 にしても、こんなに自分の作品を見てくれる人がいるなんてびっくりです。毎回お気に入り登録者が増えているのを見てニヤニヤしてます。
80人もいるよ!凄いよ凄くない?(少年の様に輝いた目
11話 飛ぶ
あれから1日。翔鶴を迎えた我が鎮守府は瑞鶴の処置の為に執務室に全員集合していた。
「あ〜瑞鶴。お前は俺の命令を聞かなかった」
「はい」
「だから反省として3日間、謹慎だ」
「それだけですか?」
瑞鶴はぽかんと口を開けて戸惑っていた。どうせコイツの事だからクソ提督達にやられた事をさせらると思っていたのだろう。
「それだけだ。不満か?。あと翔鶴。お前もだぞ……瑞鶴がこうなったのはお前にも原因がある。だからお前は3日間の謹慎。そして俺の為にマッ缶を買ってこい。俺は幕張新都心で買ったマッ缶しか飲めないんだ。瑞鶴と一緒に買ってこい」
どこのマッ缶も一緒だが瑞鶴と翔鶴を外に出すにはこうするのがいい。
俺が変に贔屓するのもアレだ。だからコレは謹慎として……処置だ。処置。
「フフ……分かりました」
翔鶴は見透かした様に笑う。まぁいい。
行ってこいよ。
---
瑞鶴達が休暇……じゃなくて謹慎の為幕張新都心へ出かける直前。すっかり元気になった瑞鶴は俺に尋ねる。
「提督さん?缶コーヒーを買うにはお金多くない?」
「今月中に使わなきゃならない金なんだ。マッ缶買って余ったらお前らが使え。さっさと行ってこい」
「はーーい!」
本当はあいつらの為に鎮守府の金を使わせてやったのだ。まぁあいつらにも少しぐらい幸せがあったっていいだろ。
---
「提督は本当に捻デレてるね」
「おい時雨、変な造語作んなよ。お前、マジ小町に似てきたな」
「小町?お米?」
「俺の妹だよ。というか米に似るってマジやばいだろ」
「あはは笑」
今日は静かだ。俺は時雨に食堂に行くように伝え長澤さんに電話する。
「もしもし、翔鶴を見つけてくれてありがとうございました」
『大変だったよ……他の提督達に怪しまれない様に明石に頼んでいろいろしたし』
明石だったか、たかしでもサトシでもなかったようだ。
「ありがとうございます。あと……」
『あぁ……準備は殆ど出来たよ。速吸を見ただろう。彼女の様に提督を守ってしまう子も居たから準備に手間取ったが』
「分かりました。じゃ、もうすぐって訳ですね」
『だね。私が大本営の上層部に話をつけてくるから君は艦娘達を頼むよ。もし、私に何かあれば後は頼んだ』
「それなんっすけど。俺も大本営に連れて行ってください」
『駄目だよ!。君にそこまで迷惑をかけれない!』
長澤さんは戸惑う。前の俺ならば言わなかったであろう一言に俺自身も少し戸惑い心拍数が上がる。
「前の俺なら絶対に言わないと思います。でも、俺は変わった。鳳翔さ……鳳翔が言ったんです。聞きたいのは俺の本心だって。アイツらは学校で居場所が無くて変な作文を書く捻くれた俺でも本心を聞きたいって願って……くれた」
『うん……』
「俺はアイツらの提督です。アイツらを幸せにする義務があるはず。だから俺は行きます。大本営だろうが何だろうが構いません」
『君がそこまで言うとは……変わったな。平塚先生が聞いたら驚くだろうね。分かった。一緒に
行こう』
一区切りつきましたね。
次からはvs大本営です。
大本営と戦う作品って大して無いのかな?。てことは唯一のアドバンテージじゃん!生かさないとなぁ。しくじったら1万人の俺ガイルファンと1万5千人の艦これファンに殺される……
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権力の行方
あんまり詳しくないからwiki見て書いてるけど
大本営って実際に施設あったよね?
12話 権力の行方
「吹雪……今日からしばらくお前に指揮を任す」
「えっ?」
吹雪は戸惑い問いかける。突然、俺達が始めてあった時を思い出す。吹雪は提督を怯えていた……もうあんな思いはしなくていいように。
「頼んだ。行ってくる」
---
「提督さん一体……どうしたんだろ?」
---
「やっ。じゃ行こうか」
長澤さんは車の窓から俺に声をかける。
笑顔だったがその裏には緊張があった。
車に乗り込んで、シートベルトをする。
緊張を納める様に深呼吸する。
「緊張してるかい?」
長澤さんは車を走らせる。そりゃ、緊張するでしょ。だって大本営は艦隊を指揮する最前線……の筈だったが、今は腐ったおっさんの根城だが。
「しまくりですよ。というか、俺大本営行ったことないんすけど」
「全国の提督を指揮する場所ってのが1番分かりやすいかな。時々、会議があってそこには大本営の代表達と日本の総理大臣が集るんだよ」
「総理大臣ってあの矢部膵臓(やべすいぞう)ですか?」
「そうだよ。僕らはそこで話をつける」
2人で話しながら東京を目指していると四方から巨大なトラックが迫ってきた。
「何だ……コイツらは!」
「囲まれてる!?」
そのまま車は停止を余儀なくされた。するとトラックから男達が降りてきた。
「比企谷くん……念のためこれを」
「これは!」
長澤さんからある物を貰い隠す。そして男達は車から降りる様に迫る。車から降りた俺達は歩き出した。
「倉庫……」
---
連れてこられたのは巨大な倉庫だった。
俺達は身動きが取れないようにロープで巻かれていた。
「……離せ!お前ら何者だ!」
「うるさいですよ。長澤」
倉庫の奥から現れたのは俺達と同じ提督の服を着ていた青年だった。俺より少し上か……?かなり紳士的でクラスの……誰だったか。葉山?とかに似ていた。
「お前は……桜井か。何の為に……」
「何の為?。貴方なら分かるだろう」
桜井と呼ばれる青年は何が面白いのか
笑いながら言う。
「貴方の持っているデータ。アレをこちらに譲渡しなさい。そうすれば……命は保証しますよ」
「なぁ、桜井さん。そのデータを手に入れてどうすんすか?。大本営の差し金なら俺達を殺してデータを消せばいい。何でそれをしない?」
もし大本営が俺達が裏切ると気付いているなら俺達を殺し有耶無耶にすれば済む話だ。なんで回りくどいんだ?。俺はそこに疑問を感じた。
「君は……比企谷君だね。分からないなら答えてあげよう」
「そのデータはね。腐りきった大本営を破壊し巨大な権力を手に入れる力を持つんだよ。言わば”錦の御旗““印籠”のような物さ。だから絶対に手に入れる」
「大本営を守る為じゃ無いって事か?」
「あぁ、そうだ」
桜井は笑った。ただその笑顔はとても悲しくて虚しい物だった。
誰だよ矢部膵臓
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番外編① 時雨ーそして2人は歩き出すー
投票ありがとうございます!。お気に入りも100を超えたよ!。
にしても平塚先生が3で長澤さんが6
平塚先生ェ.....それだから結婚出来ないんだよ(誰目線
番外編 そして2人は共に歩き出す
はて......休暇とは何をすべきだろうか?
友達とお外で遊ぶ事か?。恋人と星の降る夜をイチャコラする事か?。違う......真のぼっちたるもの1人家で過ごす物だ
---
「一日の休暇......?」
俺はとてつもなく悩んでいる。原因は
長澤さんから貰ったメールにある。
メールを要約すると「一日の休暇があるから何処かに出かけるといいよ。あっ、艦娘の誰かを連れていってね」
「えぇ......どうしよ」
そもそも何故、艦娘の誰かを連れていかなければならないのだ?。艦娘は確か陸じゃ大した戦力にはなれない筈だ。
「ん?提督、どうしたんだい?」
「おぉ、時雨か。ちょっと......お前、今日予定あるか?」
「無い......かな」
前、俺と吹雪と時雨、鳳翔さんの3人で出かけたのを思い出した。思い返せばあの買い物が無ければ俺は今でもあの腐った状態だったかもしれない。俺は色々変わったのだ。たとえば、前は出来なかった事......女子を遊びに誘う事!!
「しっ、時雨ェ......俺ときょ、今日......遊びに行かねぇかッッッ?」
「ぇっ?」
出来なかった〜。キョドりすぎだろ俺。
ッッッってなんだよ刃牙かよ。恥ずかしい......やっぱり変わってなかった......。
「いいよ。提督」
「えっ?」
「遊びに行くんでしょ?。僕、着替えてくるよ。提督も......ね?」
「おう」
---
「で......どこ行く?。鎮守府?」
「帰っちゃうんだ......提督は何処か行きたい所はある?」
この質問は俺に効く!。俺は女子の好きそうな場所なんて一切知らねぇ......。これは提督力......いや男子力が試される!
「ん〜少し遠出して」
---
「やって来ましたマザー牧場」
「提督、誰と話てるの?」
「なんでもねぇよ」
やってきたのはマザー牧場。ここなら時雨も楽しめるだろう。我ならがいい選択をした筈だ。俺達は園内に入る......人が多いな......。
「迷子になるなよ?」
「じゃ......提督」
時雨はそう言うと俺の手を握ってきた。
これは......手繋ぎ......。この俺が?女子と手を繋ぐだと?。
「僕、あっちの方を見てみたい!」
「おっ、おう」
時雨は頬を赤らめ走っていく。手を引っ張られ俺も着いていく。たどりついたのは羊のコーナーだった。
「羊だ!提督!僕初めて見たよ!」
「お前......こういう場所に来たのは始めてか?」
「うん。来たことは無いんだ......僕だけ、楽しんじゃっていいのかな?」
時雨は悲しそうに下を向く。
「別にいいだろ。次はアイツらだ。皆で遊びに行けばいいだろ?。そんときに皆を引っ張る為の練習だと思えばいいさ」
「そうだね。“私” 楽しむよ」
時雨は微笑み、走り出す。俺は後ろから着いていく。乳搾りをしたりガイドのベッキーに付き合ってるのかとか聞かれたり......大変だった。だが
「楽しかったな」
夕暮れ、俺は呟いた。
「うん。次は皆で......行こう」
「だな。じゃ帰るか」
「うん!」
時雨は微笑み帰路につく。その微笑みは機械には絶対に出来ないような優しい微笑みだった。再度俺は誓う。
「......大本営、いつかお前らを......」
10連休中に沢山出すよ!
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相入れぬ正義
ストーリーが思いつかなかったのとリアルがいそがしかったんです。
では13話どうぞ
13話 相容れぬ正義
「大本営を守る為じゃ無いって事か?」
「あぁ、そうだ」
桜井は笑った。その笑顔は何かを悟り辛そうな笑顔だった。桜井はデータを手に入れ大本営を乗っ取ろうとしている。
要するに俺たちとやろうとしている事は同じだ。なら……
「桜井さん、聞きたいことがある」
俺は縛られながら桜井に問う。
桜井は表面だけの笑顔で言う。
「ん、何かな?」
「大本営を乗っ取った後、お前はどうしたい?艦娘をどうするつもりなんだ?。返答次第じゃ…………」
俺は縄を抜け出す。ふっ……皆、驚いているな。バカが、縄の抜け方なんて小学生の1人スパイごっこで習得してんだよ。中学生になると恥ずかしくてやめたけど。そして……俺が持っているブツ。
もちろん、ピストルだ。車に居る時に長澤さんから護身用に貰っていた。
「比企谷くん僕は無茶をする為に銃「黙ってください。今は桜井と話してるんです」
桜井の仲間たちは銃を構えたが桜井の指示によって下げられる。
「君にそれを撃つ覚悟はあるn
パァァァァン!!!!
「あるに決まってんだろ?」
俺は直ぐに引き金を引いた。銃はゲームで勉強したけど撃ててよかった。弾は桜井の右側を通り過ぎ壁に命中した。かわりに俺は反動で壁に頭をぶつけた。痛ってぇ……。
「覚悟はあるみたいですね。では、君のご要望通り応えましょう。ただし……」
「比企谷くん!」
長澤さんが叫んだと思ったら側頭部に鈍い痛みを感じ吹っ飛ばされる。
直ぐに桜井に銃を向けるが、屈強な桜井の手下に取り押さえられてしまう。
「くっ……そ」
俺の瞼は落ちた。
---
あれから数時間後、俺は目を覚ました。
また長澤さんと一緒に縄に縛られていた。今度は抜け出せぬ様にきつく縛られていた。
「おはようございます。では、話しましょう。私は艦娘の扱いなんてどうでも良いのです」
「お前!」
「黙れ!艦娘なんて……俺の邪魔でしか無い……あの時、俺を助けなかった……見ているだけで」
桜井はそのイケメン顔を酷く歪め、どこか遠くを見ている目をしていた。
そして化けの皮が外れ口調が変わる。
あの時、俺を助けなかった?
どういう意味だ?
「何があったか知らないが彼女らも心を持った人だ!彼女らには権利がある」
長澤さんは言った。その言葉は桜井には届かない……酷くもどかしい。
多分、桜井も大本営に何かされたのだ。
そして大本営を憎み、変えようとしている。そして桜井は艦娘すらも憎んでいる。つまり軍そのものを憎んでいると言っていい。
「もうおしまいだ。データを渡せ」
「お前にデータを渡さない。」
「お前に選ぶ権利なんて存在しない!」
「お前みたいな……憎悪で全てを変えようとする奴に未来は託せない!」
長澤さんはキッパリと言う。
すると桜井は叫んだ。
「黙れ!私は変えてやる!この腐った世界を…………HAHAHA!分かったよ……したくなかったが仕方ない」
桜井はピストルをこちらに向ける。
っ、俺の銃はもう奪われているし……
ダダダダダダダダダダダ!!!!
俺は目をつぶる。直ぐに銃声が聞こえた。だがおかしい……桜井の持っていたのはピストル。あの銃声とは一致しない。おそるおそる目を開ける。
「何だ!……艦載機!まさか、艦娘か」
桜井の周りには艦載機が群がり、足元を攻撃していた。あれは……そっか、助けに来てくれたのか!
「瑞鶴!」
「提督!助けに来たよ!」
「私達も居ます!」
瑞鶴に吹雪、武蔵やゴトランド、鎮守府の全員が居た。
「何故だ!艦娘は陸上で攻撃出来ない!何故!」
「それは!私の出番だったんですよ!」
光が差し込む。そこには1人の艦娘の姿があった。あれは……
「明石!よくやった!」
長澤さんが叫ぶ。
「艦娘を陸上でも活動出来るように全艦娘を改修しました!資材は全部、比企谷さんの所から頂きました!」
「はっ!てめ……まぁいい!サンキュー明石!」
「ふざけるな!お前ら!皆殺しだ!」
「させるわけないだろ!」
武蔵が……ぶん殴った。砲は使わないのね、まぁ使ったら使ったでヤバいけど。
「形勢逆転、だな?」
俺達は艦娘に縄を解いてもらい。桜井の前に立つ。
「まだだ、革命はまだ……終わって」
「終わったんだ」
長澤さんは悲しそうにそういい、桜井の腹にパンチを入れる。クリーンヒットぉ、えげつねぇ。
「がはっ!まだっ……まだ、くそっ」
---
『桜井!邪魔だ!』
俺は殴られる。これは遠い過去の記憶。
あの時、不正をした大将に不正した事を認めさせようとした。結局は邪魔だと殴られる。俺は地面にうつ伏せになる。
『分かるか、桜井。この世界は上の立場が正しいんだよ!』
俺の頭を足で踏む。顔面を蹴られる。
頭が暖かい……血が出てる?。
口の中も鉄っぽい。
助けてくれ……艦娘、お前なら
「…………」
結局は目を逸らされた。
あの時、俺の全てが壊れた。
家族や友達を守る為に軍に入った。だが大本営は腐っていた。立場が上の者が正義、悪事は悪事ではない。
希望も夢も全部壊された。
なら復讐してやる。
お前らの望むように力でねじ伏せてやる。あの時の痛みを俺は
---
「忘れ……ない」
俺達は桜井を見る。復讐に囚われた成れの果て、錦の御旗を追い続けた者。
俺も……あの時、吹雪と時雨と鳳翔さんと出会わずに俺のやり方で反旗を覆していたら……こうなったのではないか?
それが頭から離れない。
「桜井。俺を見ろ……お前とは長い付き合いだったな。一緒に訓練だってした」
「長澤……私は、俺はただ……」
「なんでお前の計画が失敗したか分かるか?お前は誰も信じなかったからだ」
「信じる?……そんな事で」
「俺には仲間がいる。比企谷くんに艦娘達だ。道具じゃない。仲間だ」
「仲間など必要ない……要らないんだ」
「なら、お前は、お前の望んだ世界なんてやってこない。行こう、比企谷くん」
「はい」
リアルが落ち着いたら14話投稿します。
感想もお待ちしてます。
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おしまいは静かに
14話 おしまいは静かに
ここが.........大本営か。
「待たせて申し訳ない」
俺達は大本営の地下、大会議室に居る。
本来の予定より大きくズレ、総理は帰ったらしい。
「総理は居ないようですね……」
長澤さんは深呼吸をしていい放った。
あぁ。始まるんだ.........。
“妖精が見える力”それが提督になる資格だ。この場にいる全員が妖精を視認できる。
なんで.........こんなクズどもが妖精を見えるんだ。
なんで.........艦娘達があんな事にならなきゃいけないんだ。
なんで.........俺は.........なんで.........なんでなんで、桜井は.........なんでゴトランドや.........なんでなんでなんで
「.........比企谷くん大丈夫」
長澤さんは俺の胸を強く叩いた。
けど目は.....凄く優しくて暖かかった。
だから俺は理解した。
俺達がやらなければいけない事は、不幸を嘆く事じゃない。不幸に囚われず不幸を変えるために何をするかなんだ。
さぁ.........長澤さん!。やろうじゃないか!
「今すぐ呼べ。これはクーデターだ。呼ばないとお前らの不祥事を全世界に公開する」
「「「「!!!!」」」」
---
それから30分後、総理はやってきた。
俺達は揃った大本営のお偉いさんと話す。
「君達か!クーデターなどと「おっと、総理、お静かに願います」
俺は睨み総理に言う。俺の殺気に恐れたのか席につく。じゃあ最後の戦いだ。
まぁ銃でどんパチする訳じゃないけど
「私達からの要求は1つだけ。貴方達、大本営のお偉いさん方には辞任してもらう」
「貴様!何をするつもりだ!」
「おっと静かに。もし“怪しい行動”“我々にとって不利益”な行動をすれば貴方達の不祥事を世界中にばら撒く。先程言いましたよね?」
「ぐっ、」
お偉いさんってバカばっかなのかな?。
黙れったら黙るんだよ。まぁ焦るのも仕方ないか、奴らは自らの立場が第1だ。理由は分かるよな。自分達が下に行ってきた行動、それを思い出せば分かるはずだ。
「要求を呑めなければ……データをばら撒きます。総理、ご決断を」
「ぐっ……分かった。大本営、上層部は解体。君達に体制を譲ろう」
「はい。それでいい」
長澤さんが満足したのを見て、俺は1つ付け足す。
「あっ、総理。国の力とか、総理の権限を使ってもし俺達に何かしたら……分かりますよね?。我々は貴方達の悪事についても色々、知っているんですよ?」
まぁ嘘だが、失敗を恐れ、失脚を嫌う彼らにはこんぐらいの嘘はバレないでしょ。
「わかってる、わかってる!」
「では、全員出ていってください。今日からこの大本営は俺達の物です」
俺は自分のモノだと言い張る様に机に座り足を組む。
「っ…………」
最後の一人が扉を力強く閉める。残ったのは俺と長澤さんだけになった。
「終わりましたね、やっと」
「あぁ、ありがとう!比企谷くん!」
「「あははは!!!!」」
俺達は腹を抱え笑いあったんだ。
その後、正式に上層部は解体。
長澤さん率いる新たな体制が誕生した。
長澤さんの就任は艦娘達に希望を与えたんだ。
---
ある日の午後 大本営 会議室にて
「ありがとう。比企谷くん.........君のおかげだよ」
長澤さんは俺の目を見て言う。
その目はなんか凄くカッコイイって思った。本当に俺らしくない。
「えぇ、お疲れ様です。じゃ俺、帰りますね.........あーマッ缶飲みてぇ」
「帰るって.........何処へ!」
「決まってるじゃないすか。俺達の鎮守府ですよ!」
「あぁ.........そうだな!」
これにて第1部~完~の予定です。
まぁまだ終わらせませんよ。
んじゃこれからもよろしくお願いします!
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番外編② 平塚静は未来を見る
番外編 平塚静は未来を見る
「you got a mail you got a mail」
夏の暑さにやられている俺。まだ7月の初めだぜ……暑すぎる。執務室のクーラはぶっ壊れ修理まで数日かかるそうだ。
「you got a mail you got a mailyou got a mail you got a mailyou got a mail you got a mail」
まるで壊れたラジカセのように着信音がなる。茹だる暑さ、俺は勢いに任せ叫ぶ。
「うるっせぇ!!」
俺はスマホをぺろぺろくぱぁと操作し、メールを開く。そこにはある1人からのメールが"やまほど"届いていた。
---
千葉県 某所
「久しぶりですね。先生」
「あぁ、久しぶりだな。それにしても.........目が柔らかくなったな」
俺は自分の顔を触りながら言う。
平塚先生は相変わらず男っぽい。
そこら辺の不良よりかは男だ。
「そうすか?」
「鎮守府での生活は君の刺激になったようだな」
「そうっすかね.........。大変っすよ?」
俺は呆れるように笑う。平塚先生はそれに答える様に笑い言った。
「そんな君の為に今日はデートだ」
「は。冗談は年齢d.........ごふっ!」
俺の腹に平塚先生の拳がクリーンヒットした。もうオーバーキルだよぉ.........。
『デート』かつて時雨とマザー牧場に行ったのが1番デートに近いだろう。
それにしても.........デートスポットが
「ラーメン屋っすか」
「好きだろう?ラーメン」
この先生は胃袋まで男なのか、完全に高校2年生の好物まで知っていた。
俺は額の汗を拭い、笑い言った。
「好きっすよ。ラーメン」
俺達は、それぞれ注文し品が届く。割り箸を割る。パキッと心地よい音がなる。
あっ.........今日は上手く割れた。あれいつもミスるんだよなぁ。割り箸を作ってる会社は確実に割れる割り箸作った方がいいぜ。多分売れる。
「君は.........高校生の割にはよく働いたな。君の性格からして“アレ”は断ると思ったが」
俺はあの車内での出来事を思い返す。
『やっぱり……この人達は俺に似ていて”1番似ていない“』
俺は社会を世界をよく知っているつもりだ。艦娘に対しての世間の反応は作文にもした。ただ俺は問題提示をしただけだ。解決しようなんて1回も思わなかった。いや出来ないとする必要がないと思っていた。けどあの人はあらゆる所に優しさを発揮し、艦娘を救っていく。
それが俺と長澤さんの決定的な違いだ。
だから俺は俺らしくなくあんな計画に参加したのだ。
「君は.........若いんだ。もしかしたら自分が変わっていく事を恐れているかもしれない。だがそれは普通なんだよ」
「変化が普通.........ですか?」
平塚先生は俺を見透かしたように言う。その一言には確かな重みがあった。これは平塚先生の経験なのだろう。
「そうさ。この世界は回って常に変わっていく。だがそれは普通なんだよ。君が元の自分の思考から何かの影響を受けて変わっていく。それは凄くいい事なんだよ。"様々な出会いをして、考えを聞いて自分の考えを持つんだ"」
「..................」
俺は静かに頷いた。この人は俺の事を分かってくれている。言葉にしなくても分かり合える関係、悩んでいる事、俺の事を言葉を通して伝えてくれている。
「いい事言うじゃないですか。なんで結婚出来ないんですかね」
俺は照れくさくなって嘲笑う様に言った。平塚センセイは顔を真っ赤にして割り箸を割った。いや.........折った。
割り箸作ってる人.........やっぱり確実に割れる割り箸は作らなくていいです。
人間であんなに真っ二つに割り箸を折ることが出来るんですね。まる
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「今日はありがとうございました」
俺は平塚先生に車で鎮守府前まで送って貰いお礼を言う。平塚先生はタバコを吹かしていた。
「んん、大丈夫さ。比企谷.........君は普通の高校生とは違う。そのせいで誰かに“非難されるかもしれない”。私はそれが不安でしょうがないんだ。今更遅いかもしれないが心配させてほしい」
「大丈夫っすよ.........。何が起きようと俺には家族が居ますからね」
「家族か、よし比企谷。頑張れよ。たまには連絡しろ.........甘えたっていい」
「うす」
俺は平塚先生の優しさに触れて胸が苦しくなった。けど嬉しいような気もする。
俺は前に進み、変わっていくんだろう。
前は.........俺は俺だとかアイデンティティとか言っていた。変わらない事を大切にし、変わっていく事を恐れた。
だがこれからはそうじゃない。
艦娘と長澤さんと出会い、自分の考えを自分なりの信念を持てるようになった。
俺は古い比企谷八幡から新しい比企谷八幡になったようだ。進化はしてねぇけど。ポケモンかよ.........。
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千葉県 某砂浜にて
「..................比企谷。君がその道を自ら選んだ事は私も分かっているつもりだ。
辛い事も納得いかない事もある。応援しているよ」
そ れ は そ れ と し て
「結婚したいなぁ.........」
3日月に1人独身アラサーの呟きがただよっていた。
第2部突入ですね
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