足して2で割ると丁度いい…何てことはない (モーナフ)
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僕っ娘と出会う

出会いは夏のとある日の事…


「リサちゃーん!友希那ちゃーん!帰ろー!」

 

「あ、すぐいく!ほら、友希那も」

 

「…えぇ、そうね」

 

「…友希那、やっぱり苦手?」

 

「言わなくてもわかるでしょ…」

 

「あはは…」

 

そう、彼女…須脇琉杏がこの羽丘女子学園に転校してきたのはあと二週間で夏休み!って言うわけのわからない時期だったんだ。

普通休み明けとかだよね?クラスの皆もかなりざわついてたし。

あ、ちょっとそのときの話をしよっか。

たしかそのときは…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「友希那!転校生が来るんだって!」

 

「もう聞いたわ。それにしてもこんな時期に転校する何て変わってるわね」

 

「そうだよねぇ…」

 

やっぱり転校生が来るってなると皆、気になるよね。アタシもそうだし。せっかくだから仲良くなりたいな~って友希那に言ったら

 

「リサはすぐになるでしょ」

 

って言われちゃった。それにしても即答過ぎない?アタシだって合わない人はいるし別にそんなすぐに仲良くはならないと思うけどなぁ。

 

「それはリサちーだから!」

 

「そっか。…って日菜!?」

 

「あはは!おはよー」

 

「おはよう!もー、驚かせないでよ!…って言うかさらっと心読まないで!」

 

「リサちー分かりやすいんだもん」

 

だからって…。我が校が誇る天才は違うなぁ何て思っちゃったり(日菜は別格だけど)。

 

「友希那ちゃんもおはよっ!」

 

「おはよう。相変わらずね」

 

「友希那ちゃんもねー」

 

あ、もうこんな時間か。そろそろ行かないとね!

 

「二人ともーそろそろ時間だよー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それじゃあ、また後でね」

 

「えぇ」

 

毎日いるけどやっぱり教室の中って落ち着くよね。聞きなれた声で満たされてるし何かワクワクする。ウチのクラスは一部分キラキラしてるところがあるけど。

 

「…どんな子だろうなぁ」

 

どこから来るのかな。運動部かな。ダンス部に誘ってみようかな。音楽は好きかな。おしゃれ好きかな。

聞いてみたいことがたくさんある。何でこんなにワクワクしてるんだろ。小学生の頃に戻ったみたいだ。あぁ、楽しみだ。

 

教室のドアが開き担任の先生が入ってくる。さっきまでの騒音が嘘のように静まり返る教室。

 

「皆も知ってると思うけど今日から転校生が来ます」

 

先生の一言で再び教室を満たすクラスメイトの声。

 

「入ってきてください」

 

そう呼ばれ入ってきたのは黒髪ショートカット、軽く焼けた肌、運動部です!と言わんばかりの見た目をした子だった。でも、誰かににてる気がする…。

 

「軽く自己紹介をお願いします」

 

「はい!僕の名前は須脇琉杏。愛知から来たんだ。よろしくね!」

 

一瞬にして静まり返る教室。当の本人は…

 

「あれ?僕、変なこと言った?」

 

何て言ってるけど

 

(((僕っ娘かい!!!)))

 

ってクラスの皆は思ってるよね。アタシも少しビックリしたし。

 

「須脇さんは、先程言っていたとおり愛知県の高校から来ました。分からない事が多いと思いますので皆さん助けてあげてください。」

 

「気を付けてるけどたまーに方言出ちゃうかもだから許してね!」

 

この子すごいコミュ力高そう…って思ってたら小さな声で

 

「今井さんが増えた…」

 

何て言ってる声が聞こえた。アタシあんな感じなんだ…。

 

「はい、それでは少し質問の時間をもうけます。何か質問がある人は…」

 

「はーい!はいはいはーいっ!」

 

「氷川さん、どうぞ」

 

「何で、自分のこと僕って言うの?」

 

教室ないがざわつき出す。そりゃそうだろう。いきなり初対面の人に自分の一人称について聞かれたら少しは戸惑うだろう。

アタシだってそんなこと聞かれたら詰まっちゃうし。

 

「うーん、昔からこうだからわかんないかなぁ。あ、別に気にしてないからね?昔っからよーけ言われてるからね。あ、僕の事は気軽に琉杏って呼んでね!」

 

「おっけー!よろしくるーちゃん!あたしは日菜ね!」

 

「よろしくね!日菜!」

 

うん、この人…じゃなかった琉杏って子ヤバい。日菜と同じ臭いがする。すでに仲良くなったし。というかるーちゃんでいいんだ…。

 

「みんなー!どんどん質問していいよー!」

 

じゃあ、アタシもあげてみよ。皆あげてるしそんな簡単にはあたら…

 

「じゃあそこの茶髪の子で!」

 

…あ、当たっちゃった。え、えっと。

 

「な、なにか運動部とかしてた?」

 

「そうみえる?」

 

「え?してないの?」

 

「してないしてない。僕、インドア派だからさ~」

 

ざわついてる…。いやそうだよね。あの見た目で!?あ、アタシも言えないか。

 

「次は紫の子!」

 

ん?紫って言うと。

 

「私かい?」

 

「うん!」

 

まさか薫とは。何聞くんだろ。変なこと聞かないよね…。

 

「そうだね。では、どうしてこの学校にしたんだい?」

 

…普通!!!薫が普通のこと聞いた!あの薫が!

 

「ここと花咲川で迷ったんだけどね~。コイン振って羽丘になったから羽丘にした!」

 

ここって進学校だよね?も、もしかしてめちゃくちゃ頭いいんじゃ。

 

「いや~編入試験難しくってさ~。半分くらいわかんなかったしもうあかんかなーって思ったんだけど僕かんこーするの苦手だから天任せに鉛筆振ったら受かっちゃった~」

 

皆すごいひきつってるよ!?半分運任せ!?

 

「ちなみに須脇さんは編入試験ほぼ満点です」

 

「お、ラッキー!」

 

色んな意味でヤバすぎる。日菜とは別のベクトルで天才だよ…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「はい、じゃあここまでにしましょう。須脇さん席はあの左奥です」

 

「わかりましたー!」

 

左奥って…アタシの横!?

 

「よろしくね!」

 

「う、うん。よろしく、す、須脇さん?」

 

「琉杏!」

 

「ま、まだ会ったばっかだし…」

 

「いいから!」

 

「わ、わかった。よろしくね、琉杏」

 

「うん!」

 

 

 

夏も本番。そんな時期にこの羽丘女子学園に転校してきたのは太陽のように眩しく吹き抜ける風のように爽やかな幸運の僕っ娘でした。




タイトル回収してない?

それはまだまだ先のお話

どこまで続くのか書いてる本人も不明なので次も未定

そのうち書きます

遠くない未来にー

それではまた


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僕っ娘とパン屋

今日も幸運を持って幸運を運ぶ…


いやー、今日も暑いね。もう4時になるってのに。まぁ夏だししょうがないかぁ。あ、僕は今日この町を散策してるんだ!引っ越したばかりだし何があるか知らないしね。それにしても…

 

「また焼けるな、こりゃ」

 

元気な太陽のもと日傘もささず歩いてたら焼けちゃうよね。元々焼けてるしいいかなと思ったんだけどそんなことないかな?お風呂染みちゃう~。

 

べちゃっ!

 

…べちゃ?ん、冷たい?

 

「あ…ご、ごめんなさい…」

 

下を向くと小学生低学年?くらいの子がソフトクリームのコーン持ちながら謝ってきた。ということは今の冷たかったのはソフトクリームか。そんな泣きそうな顔しないでよ~。

というか一人?保護者は?

 

「ねぇ」

 

「っ…」

 

あ、恐がらせちゃった?震えちゃってるし。こういうときはあれだよね!目線合わせるといいって言うしね!

 

「大丈夫大丈夫!怒ってないからね?」

 

「う、うん…」

 

「一人?家族の人は?」

 

「ソフトクリーム買って…食べてたら一人になってたの…」

 

迷子かぁ。時間あるし一所に探すかな。子供をかまうのは好きだしね!

 

「じゃあ僕と一緒に探そっか!」

 

「え。で、でも…」

 

「ん?」

 

「お母さんが知らない人について行ったらダメだって…」

 

あ~どえりゃあいい子!撫で撫でしたーい!…それこそ不審者か。

 

「でも、一人じゃ探せないでしょ?僕がちゃんと見つけてあげるから。ね?」

 

「う、うん…」

 

疑ってる。まぁ、そうだよね。じゃあ…

 

「指切りしよっか!」

 

「指切り?」

 

「うん。僕が必ず家族の人と会わせてあげる約束。どう?」

 

「うん!」

 

「「指切りげーんまん嘘ついたら針千本のーます、指きった!」」

 

「それじゃあ行こー!」

 

「おー!」

 

自分から手を繋ぎにくるなんて…。可愛いすぎる~!あっといけない。ちゃんと探さないと。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

私のせいだ…。私が目を離したから。

 

「はぁ…はぁ…。紗南ー!」

 

どこ行っちゃったの…。

体が休めと叫んでいる。足が棒みたいで前に出ない。

辛い…痛い…苦しい…。

 

「紗南…紗南…」

 

「お姉ちゃん?」

 

「え?」

 

振り返るとそこには今誰よりも会いたい妹がいた。

あぁ…

 

「紗南!紗南ぁ…」

 

人目何て関係ない。抱き締めた腕の中の紗南の温もりが本当に嬉しい。

 

「お姉ちゃん、苦しいよ…」

 

「あ、ごめんね。紗南、大丈夫だった?怪我とかしてない?」

 

「うん、琉杏お姉ちゃんが一緒に探してくれたの」

 

「琉杏お姉ちゃん?」

 

「君が紗南ちゃんのお姉ちゃんかな?」

 

「は、はい」

 

紗南に会えた嬉しさで全く気付かなかった。とても失礼なことをしてしまった。この人が紗南と一緒に探してくれたのだろう。

 

「紗南のことを守ってくれてありがとうございました」

 

「いいっていいって。紗南ちゃん、無事に見つかって良かったね」

 

「ありがと!琉杏お姉ちゃん!」

 

「うん、今度は気を付けるんだよ。またね~」

 

「あ、琉杏お姉ちゃん服…」

 

「だから、大丈夫だって~」

 

「服?」

 

琉杏?さんの服を見ると乾いてはいるが白い服に茶色いシミのようなものができていた。あれって…まさか。

 

「紗南…?もしかしてソフトクリームを…」

 

「うん…。琉杏お姉ちゃんにぶつけちゃったの…」

 

最悪だ。知らない人にそんなことを…。しかも白い服。紗南のソフトクリームはチョコ味だからきっととれないだろう。

 

「す、すいません!妹が…」

 

「気にしなくていいって~。別に死んじゃう訳じゃないし、これも古いから変えようかと思ってたしね!」

 

「でも…」

 

「もう気にしないの!」

 

「は、はい」

 

でも、流石にこのままありがとうございましたでは私の気がすまない。

 

「え、えっと…る、琉杏さん?」

 

「なに?沙綾ちゃん」

 

「え?私の名前」

 

「あ、紗南ちゃんがね?それでどうしたの?」

 

「このあとってお時間とか…」

 

「あるよ?ただの散歩だしね」

 

「良かったら私の家に来ませんか?」

 

「沙綾ちゃんの?」

 

「はい、私の家パン屋なんです。お礼…と言ってはなんですけど、貰っていただけませんか?」

 

「いいの?」

 

「はい」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて!僕、パン好きなんだよね~」

 

僕…変わった人だな。子供みたいに喜んでるけど、紗南を助けてくれるお姉さんみたいな人でもある。

 

「琉杏お姉ちゃんうちに来てくれるの?」

 

「うん。そうだよ」

 

「やったぁ!いこいこ!」

 

「走ったら危ないからね?沙綾ちゃんと手を繋いで?」

 

「うん!あ、琉杏お姉ちゃんとも」

 

「もちろん」

 

少しの間でこんなに仲良くなるなんて…。本人も子供っぽいし?って失礼だね。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「お母さんただいまー!」

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい。…そちらのかたは?」

 

「琉杏お姉ちゃん!私のこと助けてくれたの!」

 

「私が紗南から目を離したときにはぐれちゃって…。その時紗南を助けてくれたの」

 

「そんなことが…。本当にありがとうございます」

 

「いえいえ!たまたまですから」

 

「良かったら晩御飯でも食べていって?」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

本当に誰にたいしても明るい人だなぁ。香澄見てるみたい。今度となりにたって…まとめられなくなるからやめとこ。おたえもいるし。

 

「沙綾」

 

「え、な、なに?」

 

「晩ご飯準備するから店番変わって?」

 

「あ、うん」

 

「僕もやりまーす」

 

いやいや、お礼のために来てもらったのに店番何てやらせられないよ!?ここはやんわりと…

 

「琉杏さんはお客さんゆっくりしててください。」

 

「大丈夫大丈夫!バイトしてたから馴れてるって!」

 

「い、いや…。そういう意味じゃ…。」

 

だ、ダメだ…。この話が微妙に通じていない感じは、おたえ相手してるみたい。

 

「琉杏ちゃんって言うのね。そこまでいってくれるならお願いしちゃおうかしら」

 

「お、お母さん!?」

 

「わざわざいってくれてるのに断るのも…ね?」

 

「お任せくださーい!」

 

「わ、わかったあ、琉杏さん服だけ洗濯しましょう?」

 

「別にいいんだけどなぁ。着替えないしね」

 

琉杏さんのペースにのせられたら絶対曖昧になっちゃうしここは言い切らないと。

 

「服?」

 

「紗南が迷子になってるときに紗南のソフトクリームがついて染みになっちゃったの」

 

「あらあら、じゃあ沙綾の服を貸すから来てる服かして?洗濯して落ちるか試してみるから」

 

「うーん。そこまでいってもらえるならお言葉に甘えまーす」

 

あ、ここはあっさり折れるんだ。ますますわからない。つかみどころのない人だ。

 

「じゃあ、沙綾は先に店番お願い。琉杏ちゃんは着替えたら手伝ってもらおうかしら」

 

「わっかりました!」

 

「うん」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ありがとうございましたー!」

 

「ありがとうございました」

 

琉杏さん、本当に手際いいな。愛想もいいから初めて会うはずの人たちにもすぐに好かれちゃうし…。

 

「ん?どうかした?」

 

「あ、えっと…。私って琉杏さんのこと全然知らないなって」

 

「あーそうだね。お客さん今いないし軽く自己紹介しちゃおっか。お互いにね!」

 

「はい」

 

「じゃあ僕から。羽丘女子学園にこの間転校してきた須脇琉杏。2年生だよ」

 

と、年上だったんだ…。同い年かと。

 

「私は花咲川女学園1年の山吹沙綾です。」

 

「あ、僕のことは気軽に琉杏って呼んでね!」

 

「でも、年上ですし…」

 

「名字呼びは他人行儀だから嫌いなんだよね」

 

「じゃあ今まで通り琉杏さんで」

 

「妥協点かな~」

 

そういえば、転校?こんな時期に?聞いてもいいのかな…

 

「あ、転校のこと気になる?」

 

「まぁ…。聞いていいんですか?」

 

「いいよー。えっとね、1つはこっち来てみたかったから」

 

「…は?」

 

いったい何をいっているんだろう。来てみたかった?それが理由?嘘でしょ。そんなの普通許されないでしょ?

 

「僕の両親は好きにやれって言うからさ。こっちに従姉もいるしね」

 

「従姉がいるんですか?」

 

「うん、学校はねぇ…」

 

カランコロン

 

「あ、いらっしゃませ」

 

「いらっしゃませ~」

 

タイミングよすぎでしょ。大事なとこだったに。学校名だけでもわかれば誰かわかったかもしれないのになぁ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

まさか1食分浮くなんてラッキー。やっぱり人助けは大事だね!それにしても母親の味って感じでどえりゃあ美味しいし。

 

「琉杏ちゃん今日は本当にありがとう」

 

「お店まで手伝ってもらっちゃって悪かったね。何か困ったことがあればいつでも頼ってほしい。」

 

「あはは、大袈裟ですよ。私もこの町のこと知れて楽しかったですし!ね?紗南ちゃん」

 

「うん!私も琉杏お姉ちゃんとまわれて楽しかった!」

 

「今度は俺も連れてってよ!」

 

「もちろん!純君も行こうね」

 

「あら、もう二人とも仲良くなったのね」

 

「「うん!」」

 

二人ともいい子~。撫で撫でしたい。沙綾ちゃんもしっかりものでいい子だし亘史さんはしっかりしてるし千紘さんは優しいし…。うん、満点突破!

あ、そうだ!

 

「亘史さん、千紘さんお願いがあるんですけど」

 

「なんだい?」

 

「何か困りごとでもあるの?」

 

「お金はある程度もらってるんですけどやっぱりバイトしてないと落ち着かないんで人手足りてないなら働かせてもらえませんか?」

 

「それは助かるけど…いいのかい?」

 

「勿論です!」

 

「本当にありがとね」

 

「じゃあ、また琉杏お姉ちゃんと会えるの?」

 

「今度は俺とも遊んでよ!」

 

可愛さ溢れる。至極満足。…って僕ヤバイやつみたいになってるじゃん!?僕はロリコンではない。断じて。

 

「琉杏さん…いいんですか?」

 

「うん。沙綾ちゃんもこれからよろしくね」

 

「はい!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「琉杏さん、今日はありがとうございました」

 

「気を付けて帰ってね?」

 

「何かあったらすぐに言うんだよ」

 

「はい!それじゃあ今度のバイトの日お願いしまーす!」

 

速いなぁ。あっという間にいっちゃった。琉杏さんって変わってるけどなんでもできるし完璧な人なのかな?

 

「いい子だったわね」

 

「まさか手伝いまでしてくれるとはな。沙綾も少しは気にせずバンドができそうか?」

 

「る、琉杏さんに任せっぱなしになんてしないよ!」

 

「分かってるわ。けど、沙綾も無理しすぎないようにね?」

 

「うん」

 

 

 

ある夏の日、私と妹の危機にやって来たのは嵐のような人。でも彼女の通ったあとは嵐とは違いたくさん笑顔が溢れる…そんな幸せを運ぶ僕っ子でした。




何か書けたのでおきます

思い付いたのを書いただけなのでまとまり?何てものはございませんのでご了承を

次回…未定!

それではまた


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僕っ娘と5つ星

小さな出会いそして彼女は…


今日はね、散歩ついでに面白いところ見つけたんだ~。それは…ライブハウスでーす!いや~こんなところにもあるんだね。カフェ併設でしかも綺麗!

なんかライブハウスって一見さんお断り!みたいな雰囲気あるじゃん?ここはいいね。ふらっと遊びにこれそう。時間あるときに遊びに来よっかな~。

とりあえずカフェで休憩しよーっと。

 

「有咲ー、早く行こうよー!」

 

「だーっ!走んなって!」

 

若いねぇ。高校生ぐらいかな、元気一杯だぁ…って僕も高校生だった。

あの猫耳の子が持ってるのはギターケースかな?

 

「あれ?まだ誰も来てない?」

 

「当たり前だろ!?集合の1時間前だぞ!」

 

「…そうだっけ?」

 

「マジ、勘弁してくれ…」

 

金髪の子も大変だね。猫耳の子の保護者か何かかな?

ん?何か見られてる?あんまり見られちゃうと照れるなぁ~って、あはは!こっち走ってきてるや。

 

「あの!」

 

「ん、どうしたの?」

 

「私たちのこと見てたので、何かあったのかなって」

 

やっぱり見てたのバレてたか~。まぁ、あれだけじっと見てたらそれりゃばれるよね!

 

「あのー」

 

「あ、ごめんごめん!元気だな、って思ってね。二人ともバンドでもやってるの?」

 

「はい!」

 

「…」

 

金髪の子はすごい警戒してるね。まぁ知らない人から見つめられてたら警戒するよね。完全にヤバイ人だし。

 

「そんなに警戒しないで。僕はただの高校生だからさ~」

 

「別に警戒なんてしていません」

 

「はっ!有咲が猫かぶりモードに…」

 

「猫なんてかぶってねー!…あ」

 

何かなこれ。僕はショートコントでも見せられてるのかな?息ぴったり完璧な乗り突っ込みだったね!

 

「立ち話もなんだし座りなよ。暑いけどね。なんなら好きなもの頼んできなよ。お金だしてあげるからさ」

 

「さすがにそれは…」

 

「いいんですか!ありがとうございます!」

 

「お、おい香澄…」

 

「君も気にしないでよ」

 

「…そこまで言うなら」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「引っ越してきたばかりなんですか?」

 

「うん、それで羽丘女子学園に転入したんだ~。香澄と有咲は花咲川?」

 

「はい、ウチのバンドは5人とも花咲川です」

 

同じ学校の仲良し5人組かな?バンドかぁ、あの子もやってるって聞いてるし知り合いだったりして。でもあの子がバンドなんて驚いたよね。

 

「あの!」

 

「ん?なに?」

 

「話しかけても返事がなかったので…」

 

「あ、ごめんごめん!ちょっとぼーっとしてただけだよ。それより2人のバンドはどんなバンドなの?」

 

「キラキラドキドキしてるバンドです!」

 

「お前なぁ。その説明で通じるわけないだろ…」

 

「いいじゃん!キラキラドキドキ?わくわくするね!」

 

「はぁ!?」

 

「やっぱりそう思いますか!」

 

「わかるわかる!」

 

「…(あぁ、この人もそっち側の人か)」

 

キラキラドキドキか。なんかワクワクするってことだよね!生でライブ見てみたいし今度いつやるんだろ。予定合えば見に来よっと。

 

「そういえば、他のメンバーの子ってどんな子なの?担当楽器は?」

 

「メンバーは私と有咲とりみりんとおたえと沙綾です!」

 

「沙綾?山吹沙綾ちゃんかな?」

 

「沙綾のこと知ってるんですか?」

 

「私、山吹ベーカリーでバイトしてるしね」

 

「えー!?そうなんですか!?」

 

「最近始めたばっかりだからね」

 

「…(話に入っていけねぇ。弾丸トークかよ)」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ふむふむ。猫耳ちゃんこと香澄ちゃんがギターボーカルで金髪ちゃんこと有咲ちゃんがキーボード、沙綾ちゃんがドラムか。他の二人は会わないとわかんないかな?高校で知り合ったメンバーでバンドを組むなんて…最高じゃん!

 

「おまたせ」

 

「遅れてごめんね?香澄ちゃん、有咲ちゃんと…」

 

「琉杏さん!?」

 

「沙綾ちゃん、おつかれ~」

 

「どうしてここに…」

 

あはは、沙綾ちゃん本気で驚いてるじゃん。後ろの二人はポカーンとしてるけど。

 

「散歩してたらカフェ見えたから休んでたら香澄ちゃんと有咲ちゃんと出会ったんだ~」

 

「そ、そうですか…」

 

「沙綾、知り合い?」

 

「うちでバイトしてるの。羽丘の2年生の先輩だよ」

 

「須脇琉杏だよ。気軽に琉杏って呼んでね」

 

「琉杏先輩、ウサギは好きですか」

 

「いきなり何を聞いてんだよ!」

 

「今ビビってきたから」

 

「アホか!?」

 

おたえちゃんだっけ?この子天然なのかな?りみちゃんって子はまだよくわからないけど面白い子達だよね。

 

「ウサギ?好きだよ?ほら、スマホのストラップもウサギだしね。貰い物だけど!」

 

「やっぱり、仲間ですね。」

 

「あれ?これって」

 

「リサさんがつけてるやつですよね?」

「そうだよ。リサからもらったものだからね」

 

そっかリサもバンドやってるとか言ってたしバンド仲間かな?じゃあ、あのこの子とも知ってるのかな?あ、でもそろそろ練習する時間かな?

 

「みんな練習しなくていいの?」

 

「もうこんな時間なんだ。琉杏先輩、今日はありがとうございました!」

 

「頑張ってね~」

 

「はい!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「バンドかぁ…」

 

どうやったってたてない場所。あの舞台の上は僕には眩しすぎる。きっと彼女たちはあの舞台でいっそう輝いてくれる。

 

「最高の演奏をみせてよね。」

 

 

 

雲1つない晴れたある日。そこで出会ったのは太陽にも負けないほど光輝く星のような少女達でした。




書けた書けた

ねむいねよう

そのうちつづきかきます

批判とか批判とか批判とかあったら好きに書いてくださいね

それではまた


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僕っ娘と夏祭り

再び交わるときそれは…


日も暮れ僅かに気温が下がり始めた町の中、人の熱と活気で日中よりも暑く感じるこの空気。賑やかな声と囃子の音。僕はお祭りの雰囲気が昔から好きだった。ここにいるだけで体の奥の方から沸き上がるものがある。それにこの町の祭りも遠い過去の記憶のものだけだから。

 

 

 

今日は…夏祭りに来ていまーす。もう、7月も終わりだもんね!まぁ、一人寂しく回るわけだけど。友達がいない訳じゃないよ!?みんなもう予定が入ってただけだよ。たぶん…。

それにしても…この町の人はみんな髪色カラフルなのかな?入り口にはピンク、赤、白、茶色、赤メッシュの子達いたしさっき水色の子もいるしお花畑かな?

 

「あ!琉杏先輩!」

 

「ん?香澄ちゃんと有咲ちゃんじゃん。2人でお祭り?」

 

「どうも。残りの3人はあとで合流です」

 

お祭りも5人でか~、ほんとに仲良しだね。僕のなんてぼっ…ごほん、一人で探検なのにさ。

 

「先輩も一緒に行きませんか!ね、有咲もいいでしょ?」

 

「私はいいけど…」

 

女神…女神が二人もいる…。でも、嬉しいけど5人の邪魔をするのも申し訳ないし気も使わせちゃうしだめかな。

 

「気にしないで5人で回りなよ」

 

「…いいんですか?」

 

「気にせず回れるしね。いろいろ見てみたいからさ!」

 

「わかりました!それじゃあ、また!」

 

「気を付けてねー」

 

お祭り来るとついお金を使いすぎちゃうんだよね。食べ物美味しいし、射的とか金魚すくいとか遊べるものも多いし子供心くすぐられちゃう。確かまだ今月は大丈夫なはずだしたくさん遊ぼーっと!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「りんりん、リサ姉いくよー!」

 

「あはは!あこ、落ち着きなよ」

 

「ま、まってあこちゃん…」

 

今日はあこちゃんのお願いでお祭りにきたんだけど…。やっぱり人がたくさん…。

それに…

 

「やっぱり燐子の浴衣姿は絵になるよね~!」

 

「そ、そんなことありません…。今井さんやあこちゃんの方が…」

 

「そんなことないよ!りんりん似合ってるよ!」

 

「そうそう、燐子には勝てないって」

 

そう、今日は今井さんに言われて浴衣で来たんだけど…動きにくい…。

 

「はぁー、友希那さんも最初からこれば良かったのになー」

 

「まぁまぁ、そんなに言わないであげなよ。友希那もすぐ来ると思うからさ」

 

「あこちゃん…。友希那さんならちゃんと来てくれるよ…」

 

今日、あこはRoselia5人で回ろうと練習終わりに声をかけていた。しかし、紗夜は妹に予定を入れられており友希那は曲が中途半端な状態なので仕上げてからということでリサと燐子とあこの3人で回ることになっていた。

その時あこは納得はしたものの不満そうだったのである。

 

あこちゃん、元気だなぁ…。あんなに走り回ってるのに全然疲れてない…。私も頑張らなきゃ…。

 

「りんりーん!はやくー!」

 

「う、うん。すぐ行くね」

 

あこちゃんを見てるとあの子のことを思い出しちゃうな…。もう10年はあってない。いつも元気で私を引っ張ってくれた、人見知りな私に楽しいことをたくさん教えてくれた子。

 

((燐ちゃん!いこ!))

 

懐かしいなぁ…。ずっと昔のことだけど今も鮮明に覚えてるよ…。だって…

 

「りんりん?」

 

「え…。ど、どうしたの…?」

 

「呼んでも返事なかったしぼーっとしてたから体調悪いのかなーって」

 

「燐子、疲れちゃった?」

 

「だ、大丈夫です…。行きましょう…」

 

「辛くなったら言ってね?」

 

「うん…。ありがと、あこちゃん」

 

今考えてたらまたぼーっとして心配かけちゃう。今はお祭りを楽しまないと…。

 

(いつかまた…。会えるよね…)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「っくしゅん!」

 

「…琉杏。風邪なら、移さないで頂戴」

 

「誰かが噂してるんだよ!友希那も、酷いなぁ…。せっかく一緒に探してあげてるのに」

 

「一人だから一緒に行くって言ったのはどこの誰かしら」

 

「…そんな人もいるんだねー」

 

あ、そんな冷たい目で僕のことみないでー!だってこんな祭の中一人で回るの寂しいじゃん!?最初は良かったけどむなしくなってくるじゃん!

 

「それで、リサと…誰を探すの?」

 

「あこと燐子よ。紫色の髪の子と黒髪の子」

 

「燐子…?それって白金燐子?」

 

「えぇ、そうよ。知っていたかしら?」

 

「そりゃ知ってるよ!だって…「あー友希那さんだ!」ん?」

 

「やっと見つけましたよ!…と、知り合いですか?」

 

「琉杏じゃん。一人で…って燐子?」

 

「う…そ…。ぇ…琉杏…ちゃん…?」

 

そんな泣きそうな顔しないでよ。昔とほんとに変わらないなぁ…。

 

「久しぶり。燐ちゃん」

 

そう声をかけると燐ちゃんは走りだしそのまま抱きついてきた。恥ずかしがり屋なのにどうしたのかなって、僕のせいだね。

 

ねぇ、燐ちゃん。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あー友希那さんだ!」

 

どうやらあこちゃんが友希那さんを見つけたようだ。こんな人混みの中でよく見つけられるなぁ…。

そこには友希那さんともう一人いた。その人を見た瞬間、まるで時間が止まったかのような感じがした。

 

「琉杏じゃん。一人で…って燐子?」

 

今井さんが何か言っている…。でも聞き取れない。それほど今の私には余裕なんてない。

だって…その子は…

 

「う…そ…。ぇ…琉杏…ちゃん…?」

 

間違えるはずない。私の大切な大切な従妹、ついさっきまで私の頭の中心に居続けた…。

 

「久しぶり。燐ちゃん」

 

その声もその呼び方も何もかもが懐かしい。あの頃のまま、まるで時が戻ったかのように…。

 

人目なんて気にしない。どれだけ人がいようともこの喜びを押さえることなんてできなかった。駆け出しその勢いのままだきつくと琉杏ちゃんは優しく抱き止めてくれた。

 

ねぇ、琉杏ちゃん。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(るあちゃん…いっちゃうの…?)

 

(りんちゃん、だいじょうぶだよ!またあえるって!)

 

(ほんと…?)

 

(ほんとだよ。だからなかないで?)

 

(…やくそく…だよ?)

 

(うん、やくそく!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「やっと会えたね…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある町のとある夏祭り。人の声と囃子の音が混ざりあうそんな普通の景色の中、10年の時を越え再会した少女達がいた。それは、純白の薔薇と幸運の僕っ娘でした。




なんか書けたので…

平成の終わりに置き土産

そして平和に令和を迎えます

それではまた


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