モンスターハンター 自由気ままな狩人団 (蒼葉 桜木)
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1話

皆様。はじめましての方は初めまして!蒼葉 桜木と申すものです!書きたくなったので、書いちゃいました!モンハン小説!至らないところがございますが、どうかお楽しみください!


第一話−とある街クリュネルにて−

 

 

 

商業都市クリュネル。総人口25万人ほどのこの街は、ドンドルマに並ぶ大都市である。この街は、ハンターズギルドを中心に8つの通りが伸びる。そして、他の都市にはない特徴……

ハンターズギルド直轄の小規模ギルドが5つ存在するのである。その中でも、群を抜いて成果を上げるギルドがあった。

 

 

そのギルドの名は、『銀の飛竜亭』。酒場を営む一方で依頼を受ければ着実に完了する。知り合いの情報屋曰く、

『クリュネルを守る何でも屋』。そんな彼らのもとに、また新たな依頼が持ち込まれる……。

 

 

 

 

雲一つ無い晴天の日。酒場『銀の飛竜亭』のドアが開かれ、一人の少年が出てくる。長い白色の髪は朝日を浴びて輝いている。

「ふあぁ……眠い……」

寝ぼけながらも看板を『Closed』から『OPEN』へと変える。

少年の名は、『シルヴァ・バーナード』。『銀の飛竜亭』を

営む若き亭主である。そこへ、一人の少女がやって来た。

「シルヴァー?おはよー。いるー?」

「うん…いるよ……。おはよう。ミラ。」

少女の名は『ミラ・エルネット』。『銀の飛竜亭』ギルド員にして、彼の幼馴染だ。

「今日の依頼はどうなってるの?」

「確か……村の付近に出たイャンクックの討伐が入ってたかな?僕が行ってくるよ。」

「りょーかい。貴方なら大丈夫だと思うけど、気をつけてね?」

そう言うと、彼にギルドの支給品を手渡すミラ。

「分かった。それじゃ、行ってくる!」

そう言うと、シルヴァはリオレイアSの剣士一式を身に着けると、依頼されたクエストへと向かうのだった。

 

 

−遺跡平原−

 

 

 

「確か、このエリアに……。」

そう言いながら進むシルヴァ。その横をトテトテ歩きながらついて来る一匹のアイルー(ハンターの手助けをする獣人種の猫である)がシルヴァに語りかける。

「ニャーニャー、ご主人。エリア4の辺りにいるみたいだニャ!」

「分かった。そっちに行こうか。ありがと、ニャル太。」

そう言うと、彼はまた歩き出した。その時だった。

「イヤァァァァァァッッ!!!!」

「!」

悲鳴が聞こえてきたのは……。

「………!急ごう……方角は……エリア4!?」

「早く行かないと手遅れになるのニャ!ご主人、急ぐニャ!」

走り出した彼らは、エリア4へと向かった………。

 

 

 

−遺跡平原 シルヴァ達が来る数分前−

 

「ここが遺跡平原かぁー!」

遺跡平原に現れた一人の少女。彼女の腰には、ハンターナイフが装備されている。

「確か、依頼はジャギィ8頭の討伐……だよね?」

首をかしげる少女。そう、今日の遺跡平原はあまりにも静かだった……。

「とりあえず、ジャギィ探すかぁ………。」

そう言うと、少女は歩き出した。

 

 

「あーー!もう!どこにもいないじゃん!」

クエスト開始から早1時間。ジャギィを一匹も見つけられない。

「ジャギィがたくさんいたんじゃなかったのぉ……。」

そんなときだった。

 

「クェアァァァァッッ!!」

 

モンスターの鳴き声が聞こえてきたのは。

 

「もしかして、ジャギィ!?」

新米ハンターの彼女に、気づけるはずがなかった。

 

 

その鳴き声がイャンクックのものであると言うことに……。

 

「あっれぇ?確か、こっちから声がしたんだけどなぁ……?」

そうひとりごちながら歩き続ける少女。すると、足音のようなものが此方へ近づいて来ることに気付く。

「……。何?この音……?」

 

ズシン……ズシン……!

 

「クェアァァァァァッ!!」

 

「!?!?!?!?!?」

 

彼女の前に現れたそれは、彼女を見つめると、

 

ゴウッ! 

 

火炎球をはいてきたのだ!

 

「誰ぇぇっ!?」

 

何度も言うが、そのモンスターの名前はイャンクック。新米ハンターの登竜門であり、飛竜と言われる鳥竜種のモンスターだ。

それが今、彼女へと猛烈な敵意を向けていた。

 

「クェアァァァァァッ!!」

 

「何よコイツーー!?」

 

そう言いながらも武器を構える少女。火炎球をガードしながらイャンクックへと接近し、ハンターナイフで斬りつけた!!

 

が…………。

 

カンッ!

 

その刃は通ることなく弾かれた。

 

「なんでよぉぉっっ!!」

 

そして、イャンクックは彼女へと攻撃を仕掛ける。

 

「キャアッ!!」

咄嗟のことで避けられなかった少女は、激しく吹き飛ばされた。

 

「ううッ……。イタイぃ……。」

 

彼女は大きなダメージを受け、地面に倒れ伏していた。

 

そこへ、イャンクックが猛然と迫る!

 

「い……イヤ……」

 

「イヤァァァァァァッッ!!!!」

 

そして、彼女は逃げ出した。しかし、イャンクックは火炎球で追撃する。

 

「アグゥゥゥッ!」

 

まともに被弾した彼女からは、抗う気力は失われていた。

 

「お願いだよぉ……誰か……。」

 

 

「助けて…………。」

 

「任された!」

 

「!!!」

 

声が聞こえた方を見た少女。そこには

 

翡翠色をした鎧を煌めかせ、イャンクックの攻撃を受け止めたハンターとオトモアイルーの姿があった。

 

その光景は、彼女が幼い頃に読んだお姫さまを守る騎士のように見えた。

 

そして、ハンター………シルヴァはこうイャンクックに告げる

 

「一狩り……行こうか!!」

 

 

続く

 




はい!読んで下さり、有難うございました!よろしければ、是非とも感想、評価お願いします!それでは、次の話でお会いしましょう!


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2話

第2話−夢見る少女は翡翠のハンターの夢を見るか−

 

 

−シルヴァ視点−

 

イャンクックの討伐依頼を受けていた僕とオトモのニャル太は、悲鳴を耳にする。急いで向かったエリア4には、討伐対象のイャンクックと、それに襲われている少女を発見したのだった……。

「ご主人、まずいですニャ!」

「わかってる。ニャル太、あの子を任せるよ。」

そう言うと、僕は大剣−ヴァルキリーブレイド−を抜刀し、駆け出した。その時、少女の呟きが聞こえた。

 

「誰か……助けて……。」

 

咄嗟に僕はこう叫んでいた。

 

「任された!」

 

そして、僕はイャンクックの攻撃を受け止めた。イャンクックは、驚いたように僕を見たが、その目はすぐに怒りへと変わっていた。そんなイャンクックへと、僕はこう告げる。

 

「さぁ、一狩り行こうか!」

その時、イャンクックはクチバシで僕を攻撃してきた。が、僕は大剣でガードする。クチバシ連打が終わった瞬間、僕は大剣を大きく振り上げる。

「ソォラァッ!!」

ヴァルキリーブレイドの刃がイャンクックの顔面へと突き刺さる。そして、鮮血が飛び散った。

「クェアァァァァァッ!」

痛みに悲鳴を上げるイャンクック。更に僕は追撃する。

薙ぎ払い、縦斬り、強溜め切り、薙ぎ払い……。

しかし、イャンクックもただ攻撃されるだけではない。

回転尻尾攻撃、クチバシ、火炎球。それ等のいくつかは僕にヒットする。

「クッ……まぁまぁ痛いな……。」

「ご主人、及ばずながら、援護するニャ!」

そう言うと、ニャル太は笛を吹く。すると、僕の体の痛みが

引いていく。オトモの使う回復笛の効果だ。

「ありがと、ニャル太!」

そして、近くにあった段差からジャンプした僕は、イャンクックへと空中溜め切りを放つ!!

舞い散る血しぶき。自分の血であると認知したイャンクックの闘争本能は、燃え上がったようだった。

「クェアァァァァァッ!!!」

雄叫びを上げたイャンクックが、こちらへと突進してくる。

「いい覚悟だ。ならこっちも全力出さないと、失礼だよね。」

僕は、そう言うと呼吸を整える。そして、大剣の刃を地面につける。そして、イャンクック目掛けて走る!大剣から火花が上がる。そして、勢いのままにイャンクックへと、大剣を振り上げる!!

「喰らえ、イャンクック。これが、ハンターの狩猟本能に刻み込まれた一撃だ!!」

 

『地衝斬!!』

 

狩技。ハンター達の闘争本能のままに繰り出す、必殺技。その一撃は通常よりも重く、強い。そのうちの一つであり、大剣専用の狩技、地衝斬。その斬撃と衝撃波は、イャンクックへと直撃する!!

 

「グェアァァァァッ!!!」

悲鳴を上げるイャンクック。そして、ゆっくりとその体を地面に横たえる。

「依頼完了。」

そう言うと僕はイャンクックへと黙祷を捧げる。戦ったモンスターへの礼儀として。

 

そんなときだった。

 

「おい、大丈夫ニャ!?しっかりするニャ!」

 

「どうした!?ニャル太!」

 

「彼女が急に倒れたんだニャ!……!傷が深いニャ!すぐに治療しないと!」

 

「分かった!応急処置を!ちゃんとした治療は、ギルドに戻らないとだめかも……!」

 

「とにかく、急ぐニャ!」

 

そう言うと僕たちはベースキャンプへと走り出した。

 

−少女視点−

 

「……知らない……天井だぁ……。」

 

目を覚ますと、そこは何処かの部屋のようだった。

「……!」

体を起こすと、鈍い痛みが走る。

「そっか……。私、モンスターに襲われて……。」

それで、あのハンターさんが助けてくれたんだった。

 

ガチャ。キィー。

 

「!?」

 

「ご…ごめん!起こしちゃった?」

部屋に入ってきたのは、長い銀髪の男の人だった。

「あの……ここは……?」

「ここは、クリュネルにある酒場、『銀の飛竜亭』。そして、僕はここの亭主のシルヴァ。怪我、まだ痛む?」

「あ、ありがとうございます。私は、ミナ。ミナ・リュオンです。」

「ミナさん。だね。良かった。無事に助けられて。」

「え……。あなたが……?」

「うん…まぁね。そんなことより、君はなんであそこに?推測だけど、君はまだハンターになったばかりのはず……。」

「えっと……それが……。」

私は、助けてもらうまでの経緯をシルヴァさんに話した。その間、シルヴァさんは何かをずっと考えているようだった。

「これが、私があのモンスターに襲われるまでです。」

「なる程ね。全く……あの人、また忠告忘れたな……?」

「えと……大丈夫ですか……?」

「あ、うん。それと、お粥作ってきたんだけど、食べられる?」

そう言うと、シルヴァさんは私にお粥を差し出した。

「い……いえ……!そんな、そこまでしてもらうわけには『キュルルルルル』!」

「フフッ。はい、どうぞ。」

「ハウゥ。//い……いただきます。」

 

数十分後。私は近くの宿屋に部屋を借りていた。

「何から何までお世話になっちゃったなぁ……。」

あのとき、シルヴァさんに助けてもらってなかったら、私はここにいなかった。そう思うと、とても怖い。

「でも、カッコよかったなぁ。シルヴァさん……。」

イャンクックの攻撃から私を守ってくれたあのときの声が、私の耳に残っていた。

「あの人みたいに、強くなれたら……。」

そうだ!

 

−シルヴァ視点−

雲一つ無い晴天の日。『銀の飛竜亭』は今日も賑わっていた。そんなとき、従業員のセーラさんが

「マスター。お客様ですよー!」

「はーい!分かりました!」

そう言うと僕は厨房からカウンターへ向かう。そこに居たのは……。

「おはようございます!シルヴァさん!」

「おはようございます……。ミナさん。今日はいったいどうなされたんです……?」

「あの、シルヴァさん!私を……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「このギルドに入れて下さい!!!!」

 

まさか、ギルドに入りたいと言うとは…………。

 

 

続く




はい、読んで下さりありがとうございます。ここで、いきなりですが、皆さんに聞きたいことがありまして……。この小説に出すモンスターを募集しようと思います!コメントで書かれていた名前が多かったモンスターを登場させようと思いますので、どうか、ご意見よろしくお願いします!それでは、また次回、お会いしましょう!


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第3話

はい、第3話です。タイトル通り、ドスが登場します。それでは、お楽しみ下さい。


第3話−ドスから始めるハンター生活!!−

 

 

−とある晴れた日、『銀の飛竜亭』にて−

 

−シルヴァ視点−

 

「私をこのギルドに入れて下さい!!!」

 

シルヴァです。この前助けた女の子がこのギルドに入団希望のようです。

 

「き、急にどうしたのかな……?」

「私、この前助けられてからずっと考えたんです。どうやったらもっと強くなれるかなって……。」

「それで、ここに来たと……。」

「はい、ですから、このギルドに入団させて下さい!下働きでも何でもします!!」土下座

「待って!土下座はヤメテ!!」

何か変なことしてるみたいに見られるから!!

 

客A「おい、ギルドマスターさんあんな女の子に土下座させてるぞ……」

客B「と、とりあえずギルドナイトを……」

マズイ……それだけはマズイ……!

ギルドナイトとは、ハンターズギルドに所属する特殊なハンターの名称である。ハンターズギルドから与えられた任務をこなし、自然保護や各地の調査、悪質な行動をしたハンターの取り締まりまでも行う。そんな人たちが来たら……。

「分かった、分かったから顔を上げてぇぇぇっ!!」

 

−第三者視点−

 

そんなことがあってから数日後。シルヴァとミナは森丘にやってきていた。

 

「シルヴァさん、今日は一体何をされるんです?」

「今日はミナさんに、あるモンスターを狩猟してもらおうと思って。」

「ま…まさか…イャンクックですか……!?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

「いや、うん。トラウマなのは分かったから……。流石にそんな鬼畜なことはしないよ……。」

 

今回のターゲットは、ドスランポス。赤いトサカと、青い体表が特徴の鳥竜種だ。何でも、最近は大量発生しているんだそうで。その狩猟をミナにやってもらおうと思っていた。

 

「わ…私にできますかねぇ……?」

「大丈夫。何かあったら僕がサポートするから。」

 

−少年少女移動中−

 

「そろそろドスランポスが目撃されてるエリアだ。周囲を警戒しながら進んでね。」

「は……はい!」

 

ターゲットは突然現れた。数匹のランポスがこちらへと走ってくる。そして雄叫びを上げた。

 

「!?気をつけて。来るよ!!」

 

「ギァァァア!」

 

甲高い声を上げて飛び出してきたドスランポス。縄張りに入られたのが余程気に入らなかったらしい。こちらを見た瞬間に飛びかかってきた。

 

「イヤァァァ!来ないでぇぇぇ!」

 

「ミナさん!落ち着いて!盾でガード!」

 

「!!はい、分かりました!」

 

なんとかガードに成功したミナ。そんな彼女に苛ついたのか、ドスランポスは攻撃を続ける。

 

「クッ!こんのぉ!」

ガードした後にドスランポスの体へと斬撃を繰り出す。しかし、そんなダメージなど気にもならないようだ。

「ギァァァァァアアッ!!」

ドスランポスが叫んだ瞬間から次々とランポスが飛び出してくる。

「オット……。君たちの相手は僕だよ!」 

そう言うと、シルヴァは大剣でランポスたちを薙ぎ払う。

「ミナさんはドスランポスに集中!」

「はい!喰らえぇぇっ!」

次々と斬撃を繰り出すミナ。ダメージが蓄積していたのか、ドスランポスが地面に倒れ込んだ。

「やった!チャンス到来!」

そう言うと!頭部に向かって盾を使った打撃を与える。そして、斬撃。これを何度も繰り返す。

 

バギィ!

 

そんな異音を上げて、ドスランポスのトサカが破壊された!

 

「ギァァァァァアアッ!」

 

もがき苦しむドスランポス。その目には、ミナに対する憎悪と殺意が燃えたぎっていた。

 

「ギァァァァァアアッ!!!!」

怒りの雄叫びを上げたドスランポスは、ミナへと猛攻を仕掛ける。

 

「きゃあ!」

鉤爪をくらい、吹き飛ばされるミナ。どうやら傷は浅かったらしい。

 

「これでも喰らえ!」 

そう言うと、ミナはドスランポスへと駆け出した。

斬り斬りガードし、斬り斬り斬り裂く!

次々と繰り出される斬撃に、ドスランポスが怯む。すると、背を向けて逃げ出した!

 

「ミナさん!追いかけて!」

「はい!」

ミナはポーチからペイントボールを投げつける。ペイントボールとは、モンスターがどこに行ったかを匂いで探すことが出来るアイテムである。当たったペイントボールから独特の匂いが放たれる。それを追って、ミナとシルヴァは移動を開始した。

 

−少年少女移動中−

 

「居た……!」

 

どうやらドスランポスの体力はかなり減っていたらしい。

体力を回復させる為、ドスランポスは寝床で睡眠していた。

 

「今なら確実に倒せる。ミナさん、GO!」

「はい!」

寝ているドスランポスへと斬撃を与える!

 

「ギァァァァァアアッ!!!」

睡眠を邪魔されたドスランポスはたまったものではない。

悲鳴を上げると、ミナをしっかりと見据えた。

 

「此処で終わらせる!」

 

そう言うと、ミナとドスランポスは対峙した。どちらも手は出さない。様子をうかがっているのだ。

静寂が彼女たちを包み込む。その時、ドスランポスが仕掛けた。

「ギァァァァァアアッ!」

ミナは盾でガードする。そして、スキができたドスランポスに、全力で斬撃を喰らわせた!

その斬撃はドスランポスの顔を捉え、斬り裂く。

「ギャァァァアァァァッッッ!!」

断末魔の悲鳴を上げて倒れ込んだドスランポス。暫くその体を痙攣させていたが、やがて動かなくなったのだ。

「や……やった……!勝ったぁぁ!!!」

「クエスト完了。お疲れ様。ミナさん。」

「はい!ありがとうございます!」

その言葉に頷くと、シルヴァはドスランポスの亡き骸に近づき、黙祷を捧げた。

「?何をされているんですか?」

「僕たちハンターはモンスターの命を奪って生きてる。だから、戦ったモンスターに敬意と感謝を込めて黙祷をすることにしてるんだよ。」

そう語るシルヴァの横顔には、穏やかな微笑みが浮かんでいる。

(なんだろう……何か、心がポカポカする……。)

「ミナさん?剥ぎ取らないの?」

「ヘッ!?あ、はい、すみません!」

そう言うと急いで剥ぎ取りをするミナ。その頬は心なしか仄かに紅く染まっていた。

 

−『銀の飛竜亭』カウンター−

 

「お疲れ様です。ギルドマスター。」

シルヴァに話しかける一人の女性。彼女の着ている服はギルドの制服だ。そして、クエストの内容が記された分厚い本を抱えている。

彼女の名前は、『カーディナ・リンナ』。このギルドの受付嬢にして、給仕係を務めるおっとりとした女性だ。

「ありがとうございます。カーディナさん。」

「どうでした?彼女。」

「多分、彼女はもっと強くなれる。場数をこなせば、すぐにこのギルドの戦力になるよ。」

そう言うシルヴァの顔にはギルドマスターとして、彼女たちを守るという決意が見えていた。

 




はい、いかがでしたか?作者は只今絶賛テスト期間です……。はあ……勉強シンドイ……。
次回はもしかしたら、ギルドのメンバーが何人か登場するかもしれません。それではまた、次の話でお会いしましょう。





シンドイなぁ……勉強……。


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第4話


ヤバい……ネタが……ネタが思いつかない……!!


第4話−飲み込まれた荷物とキレた業者と潜行竜−前編

 

 

 

 

商業都市クリュネル、『銀の飛竜亭』フロントにて。

 

「荷物が飲み込まれたぁ?」

 

そう聞き返した長髪の青年。その髪色は美しい白色。

このギルドのマスターであるシルヴァはその依頼内容に疑問を抱いていた。

「はい。依頼主の業者さん曰く、積み荷をこの街に運んでいる最中に目の前の地面から突如大きな口が現れて荷物を持っていかれたんだとか。」

 

こう報告したのは、このギルドの受付嬢兼店員であるカーディナである。

 

「真逆……ハプルポッカかな……?」

 

ハプルポッカとは、砂漠に潜むモンスターだ。地面から突如現れて、さまざまなものを飲み込んでいく。その被害によく会うのが、物流の要である業者達なのだ。

 

依頼の文面はこうである。

『あの魚野郎!俺達が荷物を街まで運んでたときだ。地面から突如現れたと思ったら、積み荷を全部持っていきやがった!!アイツだけは許せねぇ!!野郎、ぶっ殺してやらァァァァ!!!と、キャラバンのリーダーが叫んでて大変なんです。このままでは、リーダー自らモンスターに突撃して逝きかねません!どうか、モンスター討伐をお願いします!!』

 

「なんというか……。すごい文面だね……。」

 

「それほどお怒りになっているのでしょうねぇ。」トオイメ

 

「よし、彼女たちに任せてみるか。」 

そう言うと、シルヴァはこの依頼を任せるギルドメンバーに連絡を送った。

 

 

       −2日後−旧砂漠にて−

 

「ふぃー。やっと付いたぜー。」

「もう、女の子がそんな言葉遣いしちゃだめでしょ?」

「……。眠い……。」

三者三様の言葉でベースキャンプヘ到着した3人のハンター。

彼女たちの装備は、砂漠の暑い日光を反射し、ギラギラと輝いていた。

「で?ハプルナントカはどこにいるって?」

そう言った男勝りな口調の女性『ストレナ・ヴェリアル』

太刀を使用する実力者のハンターだ。

「確か……。エリア4だったかしら〜?」

この間延びした喋り方をするガンナー装備の彼女は『フリア・リンドウ』装備している武器種は、機動力の代わりに威力に重きを置いたヘビィボウガンである。

「眠い……。寝てていい?」

そう言った剣士装備の少女。背には長い棍−操虫棍−を装備し、右腕には猟虫と呼ばれる虫がとまっている。少女の名『ヴァルトラ・エリン』。弱冠15歳で上位ハンターに登り詰めた天才である。…………ノンビリしすぎの性格が偶に傷だが。

「まぁ、とりあえず探してみようぜ。」

「そうね。行きましょうか。」

「(。-ω-)zzz. . . (。゚ω゚) ハッ!」

「おいエリン、寝るな。」

「私だけ寝てちゃダメ〜?」

「ダメに決まってるでしょ〜?依頼受けてるんだから(威圧)。」

「うい。」

 

 

−1時間経過−

 

「見つかんねぇじゃねぇか!!」

「おかしいわねぇ。この辺りにいると思ったんだけど〜。」

「居ないんだったら……帰ろ?」

「ンな事出来っかよ。ちゃんと依頼は完遂する。ギルドの方針以前に、ハンターとして重要なことだろうが。」

「それくらい分かってる。今のはジョーク。」

「エリン、貴女が言うと冗談に聞こえないのよぉ?」

「アーーー!!!さっさと出てきやがれってんだ!!」

そう言うと、近くにあった砂山を蹴るストレナ。

蹴られた砂と、血飛沫が飛び散る。

「「「…………血???」」」

「グルアアアアアアア!!!」

「「「出たァァァあああぁっっ!!!」」」

潜行竜パプルポッカ。砂に潜って移動し、獲物を飲み込むモンスター。よく商業キャラバンが被害に会い、荷物を飲み込まれることがよくある。

このモンスターは、偶に砂山に擬態していることがあるのだが、ストレナはどうやら近くに大量にあった砂山から一発で本物を引き当てたらしい。

「どどどどど、どうする!?いきなり出て来るなんて聞いてねぇぞ!?」

「モンスターが今から出ますよ〜なんて報告するわけ無いでしょーー!!」

パニックになる一行。不意打ちすぎて心の準備が整っていなかった。

「魚……。ムニエル……。ジュルリ」

……一人例外もいたが。

そんなやり取りをしている間にもハプルポッカは地面へ潜ってしまった。

「!クソッ。あの野郎、どこに消えた!?」

「……下。フリア、ストレナ、回避。」

その指示に従った二人がそこから離れた数秒後。大量の砂とともに姿を現したハプルポッカ。悠々と中を舞い、空中から急襲をかける。

「エリン!ストレナ!目を閉じて!」

その直後、周囲を閃光が照らした。

「ガアアアアアアアア!!」

閃光玉。雷光虫と呼ばれる光を放つ虫と、素材玉を調合して完成するアイテムだ。投擲すると、周囲に閃光を放つことでモンスターの視界を奪うことができ、モンスターに反撃する隙きを作ることが出来るのだ。

「よっし!さっきはよくもやってくれやがったな!!」

そう言うとストレナは背負っていた太刀を抜き、ハプルポッカへと斬りかかる。

「ガアアアアアア!!」

視界を奪われ、相手が何処にいるかを把握できないハプルポッカは、突如自身を襲った痛みに苛立ちを覚えたようだった。暴れまわるが、その攻撃が3人に届くことはない。

 

バンッ!!

 

轟音と共にハプルポッカに弾丸が炸裂し、爆発した。

「うふふ。痛かったかしら〜?」

ストレナが放ったのは、鉄甲榴弾。着弾した数秒後に爆発する特殊な弾丸である。

「二人にばっかり美味しい思いはさせない。行って、フラッガ。」

そう言うと、エリンは右腕にとめていた猟虫を、ハプルポッカに付着させた印玉目掛けて飛翔させた。

彼女の使用する武器、操虫棍は、単体では強い武器ではない。低い威力の斬撃を、手数でカバーする武器だ。そして操虫棍最大の特徴は、猟虫を使って、モンスターからエキスを採取することで自身を強化するのだ。エキスには4種類あり、赤・白・橙・緑。この内の緑を除く3種類を組み合わせて立ち回るのが操虫棍なのだ。

「グゥアアアアアア!!!」

視界が回復し、自身を痛めつけた敵の姿を再び認識したハプルポッカ。その目には、敵に対する憎悪が浮かび上がっている。

「さぁて。あちらさんもそろそろ本気みたいだなぁ。」

「まぁ、手早く済ませましょうか〜。」

「ん。了解。ムニエルのためにー。」

三者三様の言葉で狩猟開始を宣言した彼女たちは、声を揃えてこう呟いた。

「「「一狩り行くぜ(わよ)(よー)!!」」」

 

 

              −後編に続く!!−



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