淫ラグルイ (セイラム)
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プロローグ

 創立百二十二年を迎える名門校、私立百華王学園。

 上流階級・政財界の子女が数多く通うこの学園では、生徒同士のギャンブルによる階級制度が確立されていた。

 

 休み時間や放課後はあちこちで生徒同士のギャンブルが行われ、現金が飛び交っている。

 基本的には子供の小遣い程度の賭け……とはいえ、ほとんどの生徒が富裕層の人間だけに万札が平気で行き来してはいるが。

 それでも基本は笑って済ませられる額のお遊びギャンブルだ。

 

 しかし時には熱くなり、身の丈に合わない金額の負債を抱える者もいる。

 借金を抱え、生徒会への上納金が足りなくなればこの学園では人権が消失する。

 

 “家畜”と呼称される非協力傾向生徒達は他の生徒に何をされようと逆らえない。

 暴力を振るわれようと、金や私物を奪われようと、黙って耐えることしか許されない。

 女生徒の家畜がストリップを強要されたという話まであるくらいだ。

 

 

 

 だから俺は目立つことなくこの学園で暮らしてきた。

 敵を作らず、適度にわざと負けながら穏やかに狂った学園生活を送っている。

 いじめはいけないことだなんて青臭い正義感ではなく、純粋に自分自身が被害者になるのが嫌なだけなのだが。

 

 家畜に理不尽な振る舞いはしないが、かといって助けもしない。

 そこにいる可哀想な人種として、なるべく視界に入れないようにする。

 

 そんな日々を送っていたある日、俺は見てしまった。

 

 放課後に忘れ物を取りに教室へ戻ると、そこでは女生徒の家畜が同級生に性的奉仕を行っていたのだ。

 嗚咽を漏らしながら同級生の男根を両手で扱く姿を、俺は物陰で隠れて見ていた。

 

 思春期の欲望はあっという間に膨れ上がった。

 この学園ではギャンブルが強い人間こそが偉い。

 俺も女相手に欲望を吐き出したい。

 ギャンブルで勝ちさえすれば、それが叶う。

 

 

 

 そうと決めてからは、俺は手加減の仕方を変えた。

 以前は大勝も大敗もしないように調整していたが、逆に勝ち負けを大きくする。

 

 勝つも負けるも、とことん大きく目立つように。

 ある程度の資金力もさりげなくちらつかせ、カモを狩りに来る奴らを待つ。

 油断して甘い声をかけてくる奴を逆に喰ってやろう。

 

 地道に活動を続けていると、数週間後には一人目が釣れた。

 

「ねえ、放課後暇? もしよかったら私とギャンブルしない?」

 

 放課後。

 帰宅しようと廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。

 

 振り返ると、そこにいたのは二年華組の有名人。

 名前は確か、早乙女芽亜里だったか。

 

 金髪のツインテールが目立つ美少女。

 気の強そうな彼女を家畜に堕としたら、どんな反応をするだろうか。

 

「……うん、“僕”でよければ、喜んで」

 

 俺は少し悩む素振りを見せ、芽亜里の後を付いていく。

 さて、どんなギャンブルが待っているのやら。



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早乙女芽亜里①☆

 放課後の教室は、どこもギャンブルの喧騒が騒がしい。

 だというのに、芽亜里が選んだ教室には人が一人もいない。

 

「ここなら落ち着いて勝負できるでしょ」

 

 胡散臭い笑みと共にそう口にする芽亜里の姿に、俺はイカサマを確信した。

 できるだけ平静を装いながら、俺はギャンブルの内容を確認する。

 

「特殊なギャンブルだと不公平だし、シンプルにポーカーでどう?」

 

 前もって用意していたのだろう。

 芽亜里は自分の鞄からトランプを取り出した。

 

 イカサマの内容も分からない今、断る理由もない。

 了承し手近な椅子に座ると、詳しいルールが芽亜里から説明された。

 俺は適度に頷き、時折口をはさんでルールを自分好みに変換していく。

 数分の話し合いの結果、ルールは以下の通りになった。

 

・勝負は五枚づつ配ったカードで勝負するシンプルなドローポーカー。

・カードチェンジは一回まで。

・場代は一万円、掛け金の上限は無し。

・流れはベット→カードチェンジ→ベット→勝負。

・取れる行動は以下の三つ。思考時間は一手につき一分。

 ‣同額を賭けるコール。

 ‣掛け金を上乗せするレイズ。

 ‣勝負から降りるフォールド。

・お互いに掛け金が釣り合えば勝負。一回毎に現金で精算。

 

「じゃ、早速始めましょうか」

 

 芽亜里は慣れた手つきでカードをシャッフルし、こちらにデックを差し出した。

 俺はそれを軽くシャッフルし、机の中央へ置く。

 

 場代である一万円を机に出し、勝負開始だ。

 

「……さて」

 

 配られた五枚のカードに規則性は見えない。

 ランダムに混ざっていると判断してもよさそうだ。

 流石に芽亜里が自由自在にデックの順序を操作できるとも思えないが。

 

 まあ、情報の足りない開幕にあれこれ考えていても仕方ない。

 不自然な動きをしないことが先決か。

 

「コール」

「同じく」

 

 お互いに掛け金は一万円のまま。

 俺は三枚、芽亜里は二枚カードチェンジし、再度ベットの時間だ。

 

「コール」

「消極的ね。ベット、一万」

 

 メアリが掛け金を追加した。

 さて、降りるか、勝負するか。

 

「じゃあ、コール」

 

 同じく一万を机の上に追加。

 これで掛け金はお互いに二万円だ。

 

「コール」

 

 メアリのコールで掛け金が釣り合った。

 いよいよショウダウン、勝負だ。

 

「あら、ラッキー」

 

 俺の手は四と六のツーペア。

 芽亜里もツーペアだが、二とキングだから俺の手より強い。

 

 掛け金が芽亜里の元へ移動し、俺はマイナス二万円。

 現状、芽亜里に不審な動きは無い。

 だが、カモである俺を狩るためにこの部屋を指定し、己のトランプでポーカーを提案したのだ。

 なにかしら自分が有利になるような細工をしているはず。

 

 そのタネを見破ってからが勝負だ。

 

 

 

 十回戦が終了した。

 結果は俺の十八万負け。

 

 芽亜里はこちらが高い手だと即座に降り、勝負する際は必ずこちらより強い手を作っている。

 あまりにも露骨で、笑いをこらえるのが大変なくらいだ。

 

「まだやる?」

「大丈夫。芽亜里さんと勝負する前に有り金かき集めてきたから、まだ手持ちも二百万くらいはあるよ」

 

 勝負はここからだと、何も気づいていないように演じる。

 芽亜里はとんだ馬鹿だとでも思っているのだろう。意地の悪い笑みが隠しきれずに透けて見えていた。

 

 十一回戦。

 配られたカードは、初手でクイーンのスリーカードが完成していた。

 やはりイカサマはデックを弄る類ではないようだ。

 

 こちらの手を覗いているというのも考えたが、この教室には誰もいない。

 背後には黒板があるだけで、誰かが覗いている様子もない。

 

 となると考えられるのはガンカード。

 カードに区別用の傷か印があるのだろう。

 相手の手が見えていればポーカーなど必勝だ。

 

「レイズ、二万」

「強そうね、コール」

 

 降りてこない。

 向こうの手がそれ以上に強いのか、それとも。

 

 二枚交換。こちらの手はフルハウスにまで昇格した。

 チェンジが一回きりのルールではほぼ勝ちの手と言っていい。

 向こうは三枚交換……つまりスリーカードではない?

 

「レイズ、五万」

「受けるわ。レイズ、重ねて十万」

 

 こちらの五万に追加で十万。

 計十五枚の万札を追加する芽亜里。

 これは、勝負所か……?

 

「レイズ、重ねて百万!」

 

 俺の宣言に、芽亜里はニタリと気味悪く笑った。

 

「レイズ、重ねて三百万!」

 

 ドサリ、と。

 分厚い札束を四つ机上に作り、芽亜里は笑う。

 

「確か残金二百万だっけ? 残念、それじゃあコールできないわねぇ!」

「え、だって、そんなの……」

「ルールはお互い確認したでしょ? 上限なしの青天井。取れる行動は同額を賭けるコール、上乗せのレイズ、降りのフォールドのみ。そして勝負が成立するのは、“掛け金が釣り合った時”。つまりあんたは追加で三百万積むか降りるかのどちらかしか選択肢が無いのよ!」

 

 勝利を確信し、芽亜里は上っ面の優しい笑みを捨てて醜悪に笑う。

 嗜虐者としての視線は、彼女がいつも家畜に向けているそれと同一のものだった。

 

「でも私は優しいからね、特別に勝負してやってあげてもいいわよ?」

「……え?」

 

 突然、芽亜里の表情が優しい笑みへと戻る。

 無論、それが虚飾であることは明白なのだが。

 

「勝負はこの一戦で終わり。その代わりに最終戦だけ借金をしてのコールを認めましょう」

「ほ、本当に?!」

 

 救いの手を受け取るように、俺は叫び声を上げる。

 同時に、内心で俺はこの女の強欲ぶりに爆笑してしまう。

 最後の一滴まで、いやそれ以上を搾り取るつもりか。

 

 まさかここまでうまくいくとは。

 言質を取り我慢の必要がなくなった俺は、ようやく笑うことを許された。

 

「レイズ、重ねて五百万」

「――え?」

 

 文字通りの札束。

 百万円の札束を八つ鞄から取り出し、俺は机に放る。

 

「ちょ、え、なに、それ」

「レイズ、五百万だ。勝負に乗るのか、降りるのか?」

「いや、おかしいでしょ。だってあんた、残金は二百万ちょっとって……」

 

 馬鹿かこいつは。

 青天井のルールで馬鹿正直に懐具合を明かす人間がどこにいる。

 相手の所持総額より高い金額をレイズすれば確定で勝てる欠陥ルール。

 わざわざそうなるように口をはさんでルールを“調整”したのだ。勿論、芽亜里にも気づいてもらわなければ困っていた。

 

 イカサマをしているという絶対的優位と、相手の資金が透けているという錯覚。

 その両方が芽亜里の瞳を濁らせ、偽りの必勝へと迷い込ませた。

 

 弱者を相手にしているという油断をしてもらい、一度の失敗で破滅するだけの金額を賭けさせるのが俺の勝利条件だった。

 数百万の大金など、軽く放課後にギャンブルをするような人間が持っているはずもない。

 

「十、九、八、七……」

「乗った、コールよ」

 

 だが、芽亜里はすぐに勝ち誇った表情に戻った。

 合計九百十八万円の大勝負。

 

 簡易なポーカー勝負程度ではありえない掛け金。

 この学園の生徒がいくら金持ちとはいえ、負けた方は人生が狂いかねない額だ。

 

 だというのに、芽亜里はどこまでも得意げに笑っている。

 そして己の手を机の上に叩きつけ、公開した。

 

 その手はハートのフラッシュ。

 スリーカードを超える大物手だ。

 

「残念、これで私のか……え?」

 

 芽亜里の表情が、呆然とした驚きに変わる。

 俺の手はフルハウス。

 芽亜里のフラッシュよりも強い。

 

「な……なんで、あり得ない?!」

「やはりイカサマはトランプにあったか」

 

 俺の指摘に、芽亜里は露骨に動揺した。

 ばれていないと本気で思っていたらしい。

 

 恐らくはマークドトランプ。

 一見何の変哲もないように見えるこのトランプには、芽亜里だけが区別できるなんらかの印があるのだろう。

 

 なら、イカサマにはイカサマをぶつけるだけだ。

 

 勝ち誇った瞬間、俺の五百万レイズに動揺した瞬間。

 すり替えのチャンスはそれこそいくらでも存在した。

 

 捨て札置き場からカードをすり替え、己の手をスリーカードからフルハウスに昇格。

 あとは勝ちが見えて油断している芽亜里から有り金を引っ張り出すだけだ。

 

「ぐ、くぅっ……!」

 

 ようやく芽亜里も俺のすり替えに気付いたのだろう。

 しかし証拠はなく、手が変わったと主張するのは己がイカサマをしていたと暴露するのと同義だ。

 

 

 

 そして勝負は終了。

 芽亜里は大敗以上の敗北に震えていた。

 

 涙を浮かべながら、芽亜里は俺の足元へと縋り付く。

 負債は彼女のキャパシティを四百五十万円ほどオーバーしていた。

 途中の三百万レイズは、ほぼ彼女の有り金全てだったらしい。

 

「お願い、支払いを待って、いや待って下さい……このままじゃ私、上納金も払えない……」

 

 想定通りだ。

 この学園において最も避けたいのが、家畜に成り下がること。

 今まで何人もの家畜を虐げてきた芽亜里には、余計にその未来が耐えがたいのだろう。

 

 俺は吊り上がりそうになる口端を抑え、平静を装って芽亜里へ提案する。

 芽亜里に与える選択肢は二つ。

 

 学園の家畜になるか。

 それとも、一発逆転に賭けて更に勝負をするか。

 

 芽亜里は悩みに悩んだ末に、後者を選択した。

 四百五十万程度の借金では破滅には足りない。

 文字通り全てを奪い尽くしてやろうと、俺は新たなギャンブルを芽亜里に突きつけた。



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早乙女芽亜里②☆★

 相手がギャンブルを提案してきた際、その勝負を受けるのは得策ではない。

 提案してきたということは勝算、あるいは必勝の策がある可能性が高いからだ。

 それが慣れかイカサマかは時と場合によるが。

 

 イカサマが入り込まない純粋な勝負であれば、相手が受ける可能性は多少上がるだろう。

 故に俺が芽亜里に提案した勝負にも一切のイカサマは入り込まない。

 まあ、提案する自分の立場が圧倒的に優位な今の状況を利用はするが。

 

「くっ……!」

 

 ゲーム内容を理解し承諾した芽亜里は、唾でも吐き捨てるようにこちらを睨みつける。

 この下種めとでも罵ってきそうな視線の強さも、この状況ではただの強がりにしか見えない。

 

 俺は椅子に座ったままズボンを下ろし、勃起した肉棒を膝立ちになった芽亜里へ突きつける。

 そしてゲーム開始の合図と共に、携帯のストップウォッチ機能をオンにした。

 

 ゲーム内容は単純だ。

 芽亜里が俺を射精させれば五百万を芽亜里に支払う。

 ただし射精までにかかった時間一分につき五十万を芽亜里は俺に追加で支払う。

 十分で俺を絶頂させられれば芽亜里のプラスになる計算だ。

 

 レートもルールも、悪態こそ吐いたものの芽亜里は受け入れた。

 下手にイカサマの介入するオリジナルのギャンブルで勝負するよりは勝ち目はあると考えてのことだろう。

 

 俺の方から芽亜里には触れないという条件だけを提示してきたので、その程度ならと受けてやる。

 普通に奉仕されれば十分耐えるのはキツイだろうが、相手が芽亜里であればその心配も無用だろう。

 

「うっ、くぅ……」

 

 ぎこちない手つきで芽亜里は俺の肉棒に触れ、ゆっくりと扱き始めた。

 予想通りこの手の経験は無いのだろう。

 嫌悪感と忌避感を十全に漏らしながら、芽亜里は嫌々奉仕を行っていく。

 

 それはそれで興奮するが、こんな刺激なら耐えるのは容易だ。

 俺の肉棒は固くこそなるものの、達する気配を微塵も見せないままに二分が経過した。

 

「も、もう二分? う、嘘でしょ……!?」

 

 引きつった表情で机に置いた携帯を覗き込む芽亜里。

 無慈悲に刻まれる時間に、芽亜里は慌てだす。

 

「痛っ……!」

 

 刺激が強くなったが、これでは痛いだけだ。

 思わず漏れた声に、芽亜里は戸惑いを見せる。

 

「う、うぅ……」

 

 経験が皆無で、どうすればいいのかも分からないのだろう。

 意外と純情なのか、本なんかの知識にも触れてこなかったような乙女ぶりだ。

 

 おっかなびっくり触れ扱き、芽亜里はどうしよう、どうしようと呟き続けるだけだ。

 この様子では耐えるのは余裕だろうと確信しながら、俺は五分が経過したことを告げる。

 

「後五分でイカせられないと、借金が増えるだけだぞ」

「わ、わかってるわよ……!」

 

 その声で決心をしたかのように、芽亜里は己の服に手をかけると一息に上着を脱いだ。

 小さいながらも整った形の乳房とそれを覆う純白のブラが露になる。

 

 ピクンと俺の肉棒が反応したのを見て、芽亜里は顔を真っ赤に染めながらも自分の行動に意味があったのだと確信した。

 手で扱くだけだった動きを変え、肉棒を自分の胸へと押し付ける。

 

 全身を使って奉仕をする芽亜里だが、悲しいかな俺の肉棒は未だ達しなかった。

 相変わらずぎこちない動きで触れられる今の状況では、自慰の方が百倍気持ち良い。

 

「九分経過」

「ひ、ぃっ……!」

 

 あと一分で敗北。

 その現実が芽亜里を焦らせ、泥沼に引きずり込む。

 

 一秒ごとにカウントダウンをしてやると、芽亜里の目尻からは涙が零れだした。

 無理もない。

 一発逆転を狙い好きでもない相手に胸を見せながら肉棒を扱くなんて屈辱を味わったのに一銭の金にもならないのだから。

 

「五、四、三、二、一、零。残念、十分経過だ」

「あ、あぁぁ……!」

 

 芽亜里はその場で俯いたまま慟哭する。

 どれだけ泣き喚こうが嗜虐心をそそられるだけなので一向に構わないのだが、一応告げておかねばならないだろう。

 

「勝負はまだ終わっていないだろ。いいのか、ぼさっとしていて」

「――へ?」

 

 だってそうだろう、事前に決めたルールは。

 芽亜里が俺に支払う金額は、射精までにかかった時間一分につき五十万。

 俺が芽亜里の手で一度イカない限り、芽亜里の借金は無限に増え続ける。

 

「……あ、あぁぁっ!」

 

 芽亜里は慌てて経過時間を確認した。

 一分につき五十万。

 一秒あたり約八千三百円の借金が今も芽亜里に積み重なっている。

 

「う、うぁぁっ……!」

 

 悲鳴と慟哭、そして絶望を混ぜ合わせたような叫び声が、教室に響き渡った。

 

 

 

 開始から一時間が経過した頃。

 芽亜里は涙と鼻水を垂れ流しながら、俺に懇願していた。

 

「――お、お願い、許して……!」

 

 芽亜里の負債は三千万を超えた。

 仮にこの借金がそのまま生徒会に向かえば、一生家畜の未来が待っている。

 

 恥も外聞も捨てて……捨てる立場すら消失しようとしている芽亜里は必死だ。

 俺はそんな彼女へ向け、一つの選択肢を提供する。

 

 学園の家畜になるのではなく、俺個人の奴隷となる道を。

 同意するならこのギャンブルを現在時点で終了してやるという飴をぶら下げて。

 

 芽亜里はしばらく逡巡したが、迷えるほどの余裕があるわけでもない。

 どの道三千万の借金が確定している以上、家畜か奴隷かの二択を選ぶしかないのだ。

 

 芽亜里は後者を選択し、目の前の俺に頭を下げる。

 俺は最初の一人目を堕とした充足感に包まれながら、芽亜里の選択を受け入れた。



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早乙女芽亜里③★

 誰もいない教室で一人、俺は芽亜里がサインした借用書に目を通していた。

 内容は至極単純。

 三千万円の借金が完済されるまで、芽亜里は俺の命令に絶対服従となること。

 要は俺限定の家畜ということだ。

 

 無論、三千万の借金などそう簡単に返せるはずもない。

 事実上、早乙女芽亜里は永続的に俺の奴隷と化した。

 

 震えた文字で書かれた早乙女芽亜里の六文字が、彼女の苦悩を表している。

 家畜に堕ちた生徒の末路を知っているからこそ、芽亜里は断腸の思いでサインをしたのだろう。

 

 バン、と大きな音を立てて教室の扉が開く。

 買い物を命じた芽亜里が帰って来たのだ。

 

 顔を真っ赤に染め、芽亜里は俺の命じた物をきちんと買ってきた。

 中身は首輪や鎖、ローターやバイブなどのアダルトグッズだ。

 

 その手の店に入り、レジにこれらの商品を差し出した芽亜里の心境を想像するだけで心が躍る。

 やはり俺もついていくべきだっただろうか。

 

「くっ……」

 

 親の仇を見るような目でこちらを睨みつける芽亜里だったが、俺が借用書を見せつけると悔し気に俯いた。

 命令に一度でも逆らった瞬間に契約は破棄され、芽亜里は全生徒の家畜として学園生活を送ることになるのだ。

 

 芽亜里は震える手でゆっくりと服を脱ぎ始める。

 躊躇いながらの脱衣なのだろうが、そのゆっくりとした動きはストリップを見せつけているようで余計に淫猥だった。

 

 純白のブラとショーツも脱ぎ捨て、芽亜里は全裸になる。

 両手で胸と秘部を隠そうとしていたので隠すなと命令してやった。

 目尻に薄く涙を浮かべながら、芽亜里は命令に粛々と従っていく。

 

 自分の手で買った真っ赤な首輪を己の首に付け、芽亜里は椅子に座った俺の足元へと跪いた。

 首輪に繋がった鎖を持つと、征服欲が満たされていくのを強く感じる。

 

 この学園で家畜制度が好意的に受け入れられている理由を、俺はようやく実感した。

 これは最高に気持ちがいい。

 

 今すぐにでも目の前の女を犯したい。

 そんな沸き上がる欲望を抑え、俺は芽亜里に自慰をするよう命令する。

 

「ふざ……」

 

 ふざけるな。

 多分そう言いたかったのだろうが、開かれた芽亜里の大口はそれ以上言葉を発さない。

 自分の立場を理解したのだろう。

 

 芽亜里は黙って教室の床に座り込み、M字に足を開きながら芽亜里は己の秘部に指を伸ばす。

 ぎこちなく、ゆっくりとした動きで行われる自慰は悠長でじれったい。

 

「んっ、くぅっ……!」

 

 しかしそんな稚拙な自慰でも芽亜里の表情は次第に赤く、色っぽく変化していく。

 性知識が碌にない所を見ると、印象に反して純情なのだろうか。

 

 必死に声を押し殺してはいるが、漏れ出る嬌声が芽亜里が快楽を感じているのだと十全に語っている。

 次第に理性を本能が上回り、自慰は徐々に激しさを増していく。

 

「――ッ!」

 

 突然、芽亜里の全身が大きく跳ねた。

 秘部から愛液を垂れ流しながら、小刻みに痙攣を繰り返す。

 限界を超え、絶頂したのだ。

 

「う、あぁ……」

 

 しばらく放心状態になった後、芽亜里は静かに涙を流す。

 屈辱に震える芽亜里の姿を見て、俺は激しく興奮していた。

 

 ズボンを下ろし、そそり立った肉棒を芽亜里に突きつける。

 芽亜里の濡れ切った股へ視線を向けると、彼女は慌てて首を振った。

 

「お、お願い……それだけは……!」

 

 俺に芽亜里の懇願を聞く理由は無い。

 だが、この状況を楽しもうという欲求が、本番行為を行うという欲求に勝った。

 

 一度イカせたら今日は返してやる。

 そう言って、俺は己の肉棒を芽亜里の鼻先へと近づけた。

 

「う、うぅ……」

 

 嗚咽を漏らし、涙を流しながら芽亜里は俺の肉棒を咥えだした。

 柔らかな唇の感触が肉棒に伝わり、それだけで固さを増していく。

 

 行為そのものも快感だが、それ以上にこのシチュエーションが良い。

 空想でしか存在しなかったような状況を体験しているというのが、最高に俺を興奮させている。

 

 どう思っているのか、何を感じているのか。

 その全てを言葉にしろと、俺は芽亜里に命令する。

 

「く、臭くて、気持ち悪い……今すぐにでも口を離して汚れを濯ぎたい気分よ……!」

 

 罵倒交じりの感想も、腹立たしさは皆無だ。

 嫌悪しながらも奉仕する姿は、実に嗜虐心を唆る。

 こいつの自尊心や矜持を滅茶苦茶にしてやりたいという歪んだ欲望が、俺の心中で渦巻き始める。

 

 俺は新品のローターとバイブを取り出し、どちらがいいかと問いかける。

 芽亜里は肉棒を咥えたまま目を見開き、しばらく躊躇った後にローターの方を指さした。

 

 最悪の二択であろうとも、選んだのは芽亜里自身。

 その現実が芽亜里の心を蝕んでいることを、芽亜里の膣内にローターが飲み込まれていく様を眺めながら俺は実感していた。

 

「う、ぐぅぅっ……!」

 

 ローターのスイッチを入れると、芽亜里の全身が蛇のように悶え動く。

 先程絶頂を体験したばかりの肉体は敏感に快楽を感じているらしい。

 

 機械の振動音と口淫の水音が、静かな教室内に響く。

 可能ならばこの光景を永遠に見続けていたいが、そうもいかない。

 

「――ッ!」

 

 もう我慢は限界だった。

 芽亜里の喉奥にまで肉棒を突き入れ、俺はそのまま射精する。

 

「う、ぐぅっ……!」

 

 呼吸の止まる感覚に、芽亜里は反射的に肉棒から口を放す。

 そのまま口元を抑え何度か咳き込み、我慢できずに殆どの精液を吐き出した。

 

「苦い、熱い、臭い……は、吐き気が……ヒィッ!」

 

 苦し気に蹲る芽亜里の頭を掴み、床に落ちた精液へ力ずくで口付けをさせる。

 教室を汚して帰るわけにはいかない、俺は芽亜里に掃除を命じた。

 

「ひ、あぁ、うぁぁ……!」

 

 ボロボロと大粒の涙を零しながら、芽亜里は長い時間をかけて零れた精液を舐め取っていく。

 沸き上がる吐き気を必死に堪え、少しづつ白濁液を嚥下する姿に俺の肉棒は再び固さを取り戻しかけていた。

 

「ひ、い、嫌ぁっ……!」

 

 その様子に芽亜里は恐怖し、掃除のペースを上げる。

 全ての精液を嚥下したことを確認し、俺は芽亜里を開放した。

 

 教室の隅に置いていた制服を投げ渡し、“また明日”と別れの言葉を残して教室を後にする。

 芽亜里はその場から動くことなく、ただ静かにすすり泣いていた。



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早乙女芽亜里④★

 早乙女芽亜里という家畜を手に入れて、一週間が経過した。

 普段は別のクラスで接点もない一生徒同士としてお互いに振る舞い、放課後や休日に彼女で遊ぶ日々が続いている。

 

 手淫や口淫の奉仕で精処理させるのももちろんいいが、それ以上に芽亜里の羞恥を煽るのが楽しくて仕方がない。

 手始めに今日一日の下着着用を禁止してみたが、想定以上に愉悦を感じるものだ。

 

 前々から思ってはいたが、百華王学園の女子制服はスカートがやけに短い。

 普通に着用しているだけで膝どころか太股が半分ほど見えてしまっている。

 

 それが日常と化しているからこそ生徒たちは意識もしていないが、芽亜里のように一度意識してしまえば話は別なのだろう。

 休み時間にすれ違った芽亜里の表情は羞恥に震え紅潮していた。 

 

 何も知らない一般生徒達からすれば普段の制服姿だが、当の本人はいつ露見するのか気が気でないという有様。

 顔を真っ赤に染めて階段を早足で上る姿は、事情を知る身からすれば笑みが止まらなかった。

 

 無論、こちらとしても露見してしまっては困る。

 あくまでも芽亜里は自分の家畜なのだから。

 

 

 

「んっ、んぐっ……」

 

 放課後。

 いつものように無人の教室で、俺は芽亜里に口淫奉仕を命じていた。

 一週間もすれば慣れてきたのか、芽亜里は俺の肉棒を根元まで深々と咥えている。

 相変わらず目つきは鋭く、視線には敵意を超えて殺気すら混じる有様だが。

 

 彼女は賢い人間だ。

 逆らった場合のデメリットをしっかり理解しているからこそ、嫌々ながらも命令には従い続けている。

 

 大人しく従っていれば本番行為だけは勘弁してやっているというのも大きいのかもしれない。

 表面上の立場と純潔だけが、芽亜里が俺に奪われていない最後の砦だ。

 その領域を犯さない限り、芽亜里は俺に嫌々ながら従うのだろう。

 

「――ッ!」

 

 格段に上達した芽亜里の口淫奉仕に、俺の我慢は五分も持たなかった。

 芽亜里の後頭部を掴んで引き寄せ、喉奥に精液を注ぐ。

 

「むぐっ、んんっ……!」

 

 苦しそうに呻き声を上げる芽亜里。

 喉を小刻みに鳴らしながらしっかりと精液を嚥下していることを確認し、そこでようやく俺は芽亜里の頭から手を放す。

 

「けほっ……うぅっ……」

 

 床にへたり込みながら咳き込んでいる芽亜里の様子に興奮を覚え、俺の肉棒は再びそそり立っていく。

 目の前の女をもっと辱めてやりたいという欲望が、際限なく沸き上がってくる。

 

 

 

「ちょ、ちょっと……流石にこれ、は……!」

 

 じたばたと踠く芽亜里だが、その抵抗に意味はない。

 両手を手錠で拘束し、鎖で首輪と連結させた。

 金属製の拘束は、女の力でどうにかなる代物ではない。

 

 口元に両手を寄せた、ぶりっ子のようなポーズを強制される芽亜里。

 更に両足はロッカーに入っていたモップの柄を利用した即席の開脚具でM字に広げられ床に尻餅をついた状態。

 

 全裸でそんな恰好を取りながら、芽亜里は焦りと不安に包まれながら必死に全身をばたつかせている。

 首謀者が自分とは言え、妙にその恰好が間抜けでつい噴き出してしまった。

 

 立つことはおろかその場から動くことさえままならない芽亜里に近づき、両胸の乳首に一つずつローターを張り付ける。

 丸見えの秘部にはバイブを差し込み、一斉に機械のスイッチを入れた。

 

「ひ、ぎぃっ……!」

 

 電流でも流れたかのように芽亜里の体が跳ね上がり、悲鳴じみた声が漏れる。

 この教室は無人で周囲に人気が無いとはいえ、大声を出せば誰かがやってこないとも限らない。

 そう忠告し、俺は教室を後にする。

 

「ま、待って……これ、はず……う、くぅっ……!」

 

 バイブとローターに快楽を与えられ、芽亜里は満足に呂律も回っていない。

 そんな様子を尻目に、俺は教室の扉を閉める。

 さて、どこで時間を潰そうか。

 

 

 

 およそ一時間ほど時間が経ったのを確認し、俺は再び教室に入る。

 

「あ、ぁぁ……」

 

 芽亜里の声は小さく、掠れていた。

 

 何度絶頂を繰り返したのだろうか。

 床には芽亜里の愛液やその他の体液によって水溜まりが形成されている。

 

 瞳は虚ろで焦点が合っていない。

 口端からはだらしなく涎が零れ、床に滴り落ちていた。

 

 俺は芽亜里の元へと歩き、ローターとバイブを外してやる。

 その時に触れた衝撃で絶頂したのか、芽亜里の体がピクリと跳ねた。

 

 愛液塗れになった性具の汚れを手近にあった布……芽亜里の服で拭き取る。

 文句を付ける元気もないのか、芽亜里は何も反応しない。

 

 しばらく待っても動きが無いので使用した道具を片付け、お疲れさまと言い残し去ろうとした。

 すると、掠れた声で芽亜里が口を開く。

 

「……いいカモ、紹介しましょうか?」

 

 早乙女芽亜里は賢い人間だ。

 別の生贄が用意されれば自分の被害は半減すると考えたのだろう。

 

 実際、俺はたった一人の家畜で満足する気は無かった。

 だが、自分から相手を探すのは目立ってしまい警戒されるというデメリットが強い。

 芽亜里のようにカモを狩ろうと近づいてくる相手を返り討ちにするのが一番確実で安全なのだ。

 

 他人を売ることに対する葛藤など当の昔に消失している。

 両者にメリットを生むために他の誰かを犠牲にする。

 そんなお前が大好きだと、俺は溢れんばかりの笑顔で芽亜里の提案を受け入れた。



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皇伊月①☆

「いやぁ、今日は随分ツイてましたねぇ」

 

 芽亜里に紹介された相手、皇伊月はにこやかに笑って自分の勝ち金を回収する。

 俺は今日の負け額……十三万円を伊月の元へと投げ渡した。

 

 皇伊月は日本有数のトイメーカーの社長令嬢だ。

 一般生徒の芽亜里とは違い数百万程度の負債では破滅させることが出来ない。

 

 俺はここ数日、伊月が主催するギャンブルに参加し、撒き餌という名の現金を撒いていた。

 勝率が三割前後になるよう適度に調整し、御しやすいカモであると認識させる。

 

 珍しく勝ったクラスメイトにからかわれながら、俺は苦笑いの表情を作る。

 露骨にならないよう勝った時は喜び、負ければ悔しがる。

 無力なカモを演じ、笑みを張り付けることは忘れない。

 

 芽亜里が上手く入れ知恵をしていたのだろう。

 五日程繰り返せば、伊月の方から声をかけてきた。

 

「今日の放課後、よかったら一対一の勝負をしませんか?」

 

 垂らした釣り糸に獲物がかかった気分だ。

 

 

 

「ゲームはレッドドッグ。ルールは知ってます?」

 

 放課後。

 人気の無い教室で俺と伊月、そして芽亜里は机を囲む。

 

「本来はディーラーとの対決ですけど、今回は二人の勝負ですしルールはシンプルに変えましょうか」

 

 レッドドッグは簡単に言えば二枚のカードを表にし、その間の数字のカードを引けば配当になるというルールだ。

 

「一度模擬ゲームをしましょう。芽亜里先輩、ディーラーお願いします」

 

 そう言って、伊月は自分の鞄から新品のトランプを二組取り出した。

 自分の会社で取り扱っている人気の商品らしく、セールスマンのように褒め称えながらトランプを開封している。

 

「新品ですしサマの介入する余地は無いですけど……一応確認をどうぞ」

 

 手渡されたトランプを調べるが、特に怪しい部分は無い。

 まあ当然か、自社製のイカサマトランプなんぞ露見したら不祥事どころの騒ぎじゃない。

 リターンにリスクが合っていない行為だ。

 俺はそのまま、トランプを返した。

 

 芽亜里が軽くシャッフルをし、二枚のカードが表向きで机に置かれる。

 ハートの四とクラブの九。

 

「スートは関係ないので、見るべきは数字だけです。次に捲った一枚の数字が二枚の間だと思ったらベット、違うと思ったらフォールド。簡単でしょう?」

 

 伊月が試しにベットと宣言した。

 掛け金の一万円を机に置き、三枚目をオープン。

 カードはダイヤのジャックだった。

 

「このゲーム、掛け金は累積します。ベットして勝てば場の掛け金は総取り、負ければベット額に加えて同額を追加で場に放出です」

 

 例えば、今の累積金が五万円なら伊月は追加で五万円を場に置くこととなる。

 とんでもないインフレルールだな、なにがシンプルだ。

 そう思ったが無論顔には出さない。

 

 他の特殊ルールは以下の通り。

 

・掛け金は最低一万、上限は無し。

・より多くの掛け金をベットした方が先行権を得る。

・最初の二枚が同数や隣り合った数字の場合は掛け金を場に累積してノーゲーム。

・五と七のように間の数字が一枚のみでベットして勝った場合は特別配当としてベット額×(累積金/一万)を相手が支払う。仮に累積金が十万でベット額が二万なら特別配当は二十万。

・勝負は全二十ゲーム。二十ゲーム目終了時に累積金が残っていれば、無くなるまで続行。

 

「じゃあ、早速始めましょうか」

 

 一ゲーム目。

 場代として一万円を互いに出し、累積金は二万円に。

 そしてまず、お互いにベット額を決める。

 

「ふむ、随分慎重なんですね」

 

 俺のベットは最小の一万。

 伊月は三万だ。

 

 ベットが終われば、ディーラー役の芽亜里がカードを二枚表にして机に出す。

 数字は四と七。

 

「ありゃ、これは駄目ですね。フォールドです」

 

 同じく後攻の自分もフォールドだ。

 単純計算で十三分の二では勝負する気にはならない。

 両者共に、ベットした金を場に置く。

 

 第二ゲーム、累積金は六万。

 ベットは同じく、一万と三万だった。

 

 二枚のカードは三と十一。

 

「ここは、勝負ですね」

 

 裏向きで配られた三枚目を、伊月は勢いよく表返す。

 数字は九、伊月の勝ちだ。

 

「よっし! 累積金の六万とベット額の四万、頂きます!」

 

 これだけで十万もの金額が動いた。

 伊月からすれば大した額でもないのだろうが、こちらは気が狂いそうだ。

 

「さて、第三ゲーム行きますよ!」

 

 伊月は満面の笑みを浮かべ、次のカードを催促する。

 まあ、しばらくは普通に付き合うか。

 

 

 

 計十ゲームが経過。

 途中経過は伊月がプラス四十三万。

 一方的と言ってもいい程に、俺は負けていた。

 

 このゲームに必勝法は無いが、最善手は単純だ。

 間の数字が七以上なら勝負、それ以外なら降り。

 一から十三までの数字を使用する遊戯である以上、ベット時の勝率が五割を超えたら勝負という手法は単純で明快だ。

 

 故に、このゲームは両者フォールドの場流れが非常に多い。

 想像以上の速度で累積金は溜まる。

 

 その恐ろしさを理解しているのかいないのか。

 伊月の表情は勝負師ではなく、羊を狩る猟師の目だった。

 

 

「また流れですか」

 

 十八ゲーム。

 両者フォールドにより場が流れ、これで四ゲーム連続の勝負不成立だ。

 累積金は二十六万円にまで上昇している。

 

 十九ゲーム、場に出た二枚の数字は四と十二。

 間の数字は八、ギリギリとはいえ勝負時だ。

 

「んー、累積金が多いと勝負が怖いんですよねぇ……降ります」

 

 先行の伊月はフォールド。

 大勝している伊月が無理をしての勝負を避けるのは、まあ理屈が通っている。

 

「……勝負で」

 

 後攻に権利が移り、俺は勝負を宣言。

 伊月が降りた時点で分かってはいたが、次のカードは二で外れだ。

 

 最終ゲーム。

 累積金は六十二万円。

 

「おぉ……!」

 

 伊月の喉から思わず吐息が漏れる。

 場に出た二枚の数字は三と五。

 間は一枚だ。

 

「特別配当はベット額の六十二倍ですか……とんでもない大勝負ですね……!」

 

 勝負時の最終戦。

 両者のベット額は跳ね上がり、俺は二十万、伊月は五十万をベットした。

 

「よしっ! もちろん勝負です!」

 

 自信満々に、まるで“次に四を引くことを確信しているかのように”伊月は配られたカードを勢いよく捲る。

 振りかぶり、机に叩きつけられたカードの数字は、八。

 

「……へ?」

 

 そこで初めて、伊月の瞳が困惑の色に染まった。

 何度も何度も、芽亜里とカードの間を伊月の視線が行き来する。

 

「十三分の一を外しただけとは思えない動揺だな。まさか芽亜里と組んでイカサマでもやっていたとか?」

 

「ま、まさか。そんなわけないじゃないですか……芽亜里先輩は中立のディーラーですよ……!」

 

 そうか。

 なら問題はない、延長戦だ。

 

「うっ……」

 

 伊月の表情が露骨に険しくなる。

 ようやく、自分が陥った状況を理解し始めたようだ。

 

 場に出るカードは七と九。

 また、間は一枚。

 累積金は合計で百九十四万円である。

 

「べ、ベット、二百万!」

「ベット、三百万」

「――はい?」

 

 俺の三百万ベットに、伊月は間抜けな声を漏らす。

 

「――え、あの、ちょっと……?!」

 

 デックに改めて視線を落とした伊月の表情が、みるみるうちに曇っていく。

 俺が芽亜里に事前に指示していた仕込みが露見したのか。

 それとも、おいまさか、本当にイカサマトランプだったのか?

 

 良いカモがいるとでも言われて俺に声をかけたのだろう。

 芽亜里の甘言に見事に騙され、相手を侮り、その結果がこれである。

 本当にありがとう、俺を馬鹿なカモだと侮ってくれて。

 

 当然勝負。

 捲られたカードは見るまでもなく八だ、芽亜里がそうなるように仕込んだのだから。

 

「ひ、あ、ああぁぁぁぁぁ!」

 

 伊月の絶叫が教室中に響き渡る。

 特別報酬、五百万×百九十四=九億七千万円。

 オマケにこちらにはイカサマトランプの物証まで存在する。

 

 皇伊月は、この瞬間完全に破滅した。



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皇伊月②★

 皇伊月は、俺という人間の情報を芽亜里からの言葉のみに頼っていた。

 持ち金、人物像、その他諸々がデタラメな情報を得て必勝を確信していたのだ。

 

「数億程度の借金じゃ一流企業の社長令嬢を破滅させるのは難しいと思っていたんだが、まさかここまでリスクリターンを考えない奴だとは思っていなかったな」

 

 手元でイカサマトランプを弄びながら、俺はため息を吐いた。

 唯一の想定外がそこだ。

 この女、想定を下回る馬鹿だった。

 

 このトランプは一定以上の温度で模様が浮き上がるようになっているらしい。

 こんなもの、他者に露見した時点で会社が傾く不祥事だ。

 

 九億七千万円の借金だけなら、無理をすれば払えなくはないかもしれない。

 だが、このイカサマトランプが露見した場合のリスクはそれを遥かに上回る。

 

 だからこそ、皇伊月は無様に頭を垂れているわけだが。

 全身から冷や汗をダラダラと流しながら、伊月は俺へ向かって頭を下げている。

 

「な、なんでもします。だから、どうかこの事は……!」

 

 なんでもする。

 そう、伊月は宣言した。

 

 ならば取引だ。

 伊月の要求は、イカサマトランプについて公言しないこと。

 そのためになら対価を支払う覚悟はあるという。

 

 話が早くて助かる。

 こちらの要求を伝えると、伊月はまず驚き、そして困惑し、最後には覚悟を決めた。

 

 

 

「う、うぅっ……」

 

 俺と芽亜里、二人の視線を浴びながら、伊月はゆっくりと着ている制服を脱いでいく。

 まずは上着、次にスカート。

 下着姿になった伊月の顔は、羞恥で真っ赤になっていた。

 

 伊月はしばらくの間、両手で胸を隠し俯きだす。

 俺も芽亜里も、声をかけることは無く伊月をただ見ていた。

 

 こちらの要求は伝えた。

 伊月はその取引に同意した。

 

 ならば後は伊月が誠意を見せるだけだ。

 上下関係は既に決定しているのだから。

 

「うぁ、ぁぁ……」

 

 悲鳴とも嘆きとも取れそうな鳴き声じみた声を上げ、伊月は下着を脱ぎ捨てた。

 放課後の教室で全裸を晒す光景に、芽亜里は不愉快だとでも言いたげに視線を逸らす。

 

 伊月はそんな芽亜里に気付く余裕もないようで、目尻に涙を浮かべながらその場に跪く。

 足元に用意した契約書に、震える手でサインをしているのだ。

 

 内容は芽亜里の借用書とほとんど同じだ。

 負債の帳消し、そしてイカサマの秘匿。

 それらを対価に、伊月は俺専用の家畜となる。

 

 犬のように這いつくばったまま、伊月は芽亜里を見上げていた。

 もう伊月も理解している。

 芽亜里もまた、今の自分自身と同じ末路を辿っていたのだと。

 

 芽亜里が同族に向けた視線には、憐みの感情が混じっていた。

 そして同時に、負担が減るという安堵の感情も。

 

 サインを確認し、俺は伊月に隷属の証として首輪を渡す。

 芽亜里に渡したのと同じ形の、黒い首輪だ。

 

 伊月はその首輪をしばらく呆然と眺め、そして意を決したように己の首へ装着する。

 ジャラリ、と繋がった鎖が音を立て、伊月の心を蝕んだ。

 

 

 

 二匹目の家畜、皇伊月。

 後輩である彼女を売った芽亜里には、今回は休息という褒美を与えた。

 

 俺の手元から伸びる鎖の先では、黒の首輪を身に着けた伊月が悶えていた。

 伊月は四つん這いになり、俺の椅子と化している。

 

 今の伊月は全裸に首輪のみを着用した状態だ。

 秘部にはローターが挿入され、小さな振動音を鳴らしながら伊月の膣を責め立てている。

 

「うぅ、くぅっ……」

 

 呻き声に近い嬌声を漏らしながら、伊月は四つん這いの姿勢を保ち続けている。

 その背中に俺は腰を下ろしていた。

 

 右下を向けば伊月の後頭部が映り、左下には控えめに膨らんだ尻が。

 時折胸や尻を撫で回すと、敏感に伊月の肉体は反応する。

 息を荒げ、四肢を震えさせながらも必死に耐える姿が嗜虐心を煽って仕方がない。

 

「――ッ!」

 

 乳首を強くつまんだ瞬間、耐え切れなくなった伊月の体が潰れ、倒れる。

 秘部から溢れる愛液の量を見るに、どうやら絶頂したようだ。

 

「や、やめっ……」

 

 途切れ途切れの声で懇願する伊月を無視し、俺は彼女の膣に二つ目のローターを挿入する。

 すぐさまスイッチを入れると、伊月の体がビクンと大きく跳ねた。

 

「ひ、いぃっ……!」

 

 絶頂直後の敏感な肉体に刺激を追加され、伊月は芋虫のようにもがいている。

 手錠で両手を後ろ手に拘束してやると、より一層芋虫のような姿に変貌した。

 

「――ッ!!」

 

 背中を大きく反らし、伊月は再び絶頂に達した。

 眼から涙を流し、口端からは涎を、そして股からは愛液を零している。

 

「ひ、あぁ……」

 

 三つ目のローターを伊月に見せつけると、ようやく彼女は趣旨を理解したらしい。

 カチカチと歯を鳴らし、伊月は震えていた。

 

 

 

 そして、一時間ほどが経過した。

 

「あ、うぁ……」

 

 何度も絶頂を繰り返し、反応が鈍くなった伊月。

 流石に飽きてきたので彼女の拘束を解く。

 

 愛液塗れのローターを抜き取り、荷物をまとめて俺は教室を後にした。

 これで二人目。

 

 さて次はどうしようかと考える俺に、伊月は何も言葉を発しなかった。

 いや、そんな気力が残っていなかっただけか。



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夢見弖ユメミ①☆★

 早乙女芽亜里が自分のために皇伊月を売ったように、皇伊月も自分のために誰かを犠牲にしようとしている。

 己と同じ家畜に堕ちた犠牲者が多いほど、自分の負担は少なくなるからだ。

 

 折れない程度に心を軋ませてやれば、伊月の思考をそちらへ誘導することは容易い。

 元々利己的な性格をしていたこともあり、ある日伊月は一人の女子生徒を俺へ紹介した。

 芽亜里と比べて半分ほどの期間だったのは、懸命というべきか保身が過ぎるというべきか。

 

 夢見弖ユメミ。

 生徒会広報の二年生。

 

 彼女は学内でも人気のインディーズアイドルだ。

 実際に会ったことは無いが、その存在はよく知っている。

 

 伊月曰く、彼女のアイドル活動はアカデミー賞を取るという夢を叶えるための足掛かりなのだとか。

 故に、というべきか。

 ユメミの視線は一般生徒達のそれとは違う目線を向いている。

 それは、人生をベットしたギャンブルだ。   

 

 だからこそ、この人選は不可解だった。

 芽亜里や伊月のようにギャンブルで多額の借金を背負わせようにも、こちらの誘いに乗ってくる確率は低いと思うのだが。

 

「誰が彼女とギャンブルするって言いました?」

 

 だが、伊月はその前段階で終わらせる気らしい。

 

 

 

 数日後、ユメミは約束通りに一人で指定した教室へとやってきた。

 今は伊月が集めてきた目の前の証拠品を前に、その顔を青ざめさせている。

 

「こ、これ、どこからっ……!」

 

 震えた歯がカチカチと音を鳴らしていた。

 怒りと恐怖をかき混ぜたような感情が渦巻いているのが、傍から見ても十全に伝わってくる。

 

 伊月の揃えた証拠品は、ユメミのアイドル活動を終わらせかねない代物だった。

 生徒会役員の座を利用し、伊月はユメミのプライベートを録音・録画した。

 ファンへの暴言、悪態、握手会直後に両手を消毒する映像等……。

 清純なイメージを売りにしている彼女からすれば、これらは核爆弾並に危険な代物だろう。

 

「――いくらが、望みなの……?」

 

 金目的の脅迫と思っているのか、ユメミはそう問うてきた。

 否定の代わりに、俺は一枚の紙をユメミへと渡す。

 芽亜里や伊月の時と同じ契約書だ。

 

 まず訝しむような眼、そして驚愕、さらに恐怖。

 契約書に目を通すユメミの表情が数瞬ごとにコロコロと変化し、最後には苦虫を嚙み潰したような形相へと変化する。

 

 提案を蹴った際のリスク、乗った場合のリスク。

 天秤に乗せた二つの未来をユメミは思案しているのだろう。

 

 選択に悩むユメミに、俺は新たな選択肢を用意した。

 百か零かの、ギャンブルを。

 

「――ッ」

 

 彼女は乗る。

 全取りの可能性を見せつけられた以上、乗らざるを得ない。

 例え家畜というリスクがあるとしても、彼女の夢は全取りの先にこそあるのだから。

 

 ちなみに。

 許容できない選択肢に不利な選択肢を添え、相手に選ばせるような手法は詐欺などで多用されるものである。

 つまりは効果的であるということで、俺は今まさにその効果を実感していた。

 

 

 

 翌日の放課後、俺は学校近くのカラオケボックスへと入る。

 中ではすでにユメミがギャンブルの開始を待っていた。

 

 ギャンブルの内容は単純だ。

 好きな曲を歌い、ユメミが九十点以上を出せばユメミの勝ち。

 八十九点以下なら俺の勝ち。

 

 ユメミが勝てば、集めた証拠品は全て廃棄。

 二度と今回のような脅迫は行わない。

 ただし、負ければユメミは俺の家畜となる。

 

 無論、ただそれだけではユメミの必勝である。

 アカデミー賞という広大な壁に挑むだけあって、彼女の歌唱力は本物だ。

 

 だから、追加ルールを設けた。

 俺はユメミが歌っている間、彼女を妨害する。

 ユメミの指定した三か所……秘部と口と喉以外を刺激し、彼女の集中を乱すのだ。

 歌唱に不可欠な口と喉をしっかりと指定する辺り、彼女も馬鹿ではないらしい。

 

「…………」

 

 選曲も終了し、あとは演奏開始のボタンを押せばギャンブルが始まる。

 マイクを持ったユメミの体は、僅かだが震えていた。

 

 それも当然だろう。

 ユメミにとって、このギャンブルは得る物が無いのだから。

 

 勝てば証拠の破棄。

 それは僥倖ではあるが、ユメミ自身が特に何かを得るわけではない。

 俺にとってもユメミという美少女を家畜にする機会を失いはするが、実質的な掛け金は伊月の集めた証拠品だけだ。

 

 対して負ければ個人の家畜。

 それは学園の家畜に比べればまだマシというだけで、彼女にとって地獄であることに変わりはない。

 感じているプレッシャーは相当なものだろう。

 それこそ、普段通りの力を発揮できるはずもない。

 

 震える指でユメミが演奏開始のボタンを押し、音楽が流れ出す。

 普段のアイドル活動とは違い誰かに見せるためではないからか、直立して彼女は歌い出した。

 それを合図に、俺はユメミの背後に回り両手で彼女の乳房を鷲掴みにした。

 

「……っ」

 

 呻き声のような声も一瞬。

 持ち前のプロ根性でユメミは歌へと集中する。

 

 このような状況だというのに、リズムも音程も完璧だ。

 数秒ほど本気で感心してしまい、それどころではないと反省する。

 この曲の演奏時間は四分二十六秒。

 制限時間は非常に短いのだ。

 

「……くっ……んっ……!」

 

 俺はユメミの制服を捲り上げて腕を内部へと滑り込ませ、直接胸を刺激する。

 平静を装ってはいるが、指先で触れた乳首は確実に固くなっていた。

 

 吐息のようなノイズが歌声に混じりだしたのを見て、俺はユメミの首筋を舌で舐める。

 

「ひゃっ!」

 

 胸以外は無警戒だったのだろう。

 予想外の刺激に、ユメミは甲高い悲鳴を上げた。

 

 動揺している今がチャンスだ。

 そう思い、俺はユメミをより一層激しく責め立てる。

 両の乳房を荒々しく揉みしだき、耳や首筋など敏感な部分をなぞる様に舐め回すとユメミの歌唱が乱れていく。

 

 曲は最後のサビへ入ろうとしている。

 もう時間は無い。

 

 俺は最後の手段として、ユメミの乳房から手を放す。

 そしてユメミの両腋を全力でくすぐった。

 

「ひゃ、あ、あぁっ……!」

 

 性的なものとは別の刺激に、ユメミの体が一気に崩れる。

 間髪入れずに膝裏、背筋と人体の敏感な部分を責めていく。

 それでも歌おうとするユメミへ、俺は再び乳房への責めを再開した。

 

「――ッ!」

 

 それで、彼女は限界だった。

 力が抜けた肉体がマイクを落とし、部屋に大音量のノイズが響く。

 ユメミの体はその場に崩れ落ち、へたり込んだまま彼女はプルプルと震えている。

 乱れた衣服から除くショーツには、愛液で染みが出来ていた。

 

 そしてそのまま三十秒ほどが経過し、曲が終了する。

 点数は六十九点、俺の勝ちだ。



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夢見弖ユメミ②★

 今日もまた、夢見弖ユメミは学園内でライブを開催していた。

 普段と同じ制服姿だというのに、ステージに立てば特別なアイドル衣装に見えてくるのは不思議なものである。

 

 そして大盛況のまま、ライブは終了した。

 ファンたちの歓声をBGMに、ユメミはステージを後にして控室へと戻る。

 

 普段と違うのは、控室で待っているのがマネージャーではなく俺だということだ。

 

「最低ね……!」

 

 目を合わせるなりの暴言。

 アイドルの仮面を脱ぎ捨てたユメミは顔を紅潮させて俺を強く睨みつける。

 

 俺は本心から、ユメミのプロ根性を称賛していた。

 まさか俺が命令したあのような状態でも、普段通りのライブが出来るとは。

 ファンは誰一人、ユメミの異常に気がついていなかっただろう。

 

「っ……!」

 

 衣装の上から、俺はユメミの乳房に触れる。

 布越しの感触でもわかるほどに、彼女の乳首は固く勃起していた。

 

 声を堪えるユメミを肴に、もう片方の手をスカートの中へと潜り込ませる。

 そこにあるはずであるショーツの感触は存在せず、その代わりに柔らかな尻肉の感触がそこにはあった。

 

 殺気交じりの視線を向けるだけで、ユメミが動くことは無い。

 唇を噛み体を震わせるユメミの肉体を俺は存分に堪能させてもらう。

 

 今のユメミは、下着を着けていなかった。

 ブラジャーはともかく、ショーツを脱いだ状態でスカート姿ではダンスは無理だと思ったのだが。

 彼女は普段と変わらないライブを見事にやり遂げて見せた。

 

 太股が見えるほどに短いスカートの中を見せずに踊るという無理難題を達成する姿に、やはりユメミはアイドルとしては一流なのだと思い知らされる。

 そして同時に、そんな彼女を自由に汚すことが出来るという優越感に包まれた。

 

 

 

 ライブの後は、いつものように握手会が開催される。

 ユメミは再びファンの前に姿を見せた。

 

 列を形成して並ぶファンたちに、ユメミは精一杯の笑顔を見せて握手を繰り返している。

 少し離れて、俺はそんなユメミの様子を観察していた。

 

 ユメミは変わらず、下着を脱いだままだ。

 誰にも気づかれることなく、制服の下に隠れた痴態を俺だけに晒している。

 

「んっ……!」

 

 手元のスイッチを入れると、ユメミの体がピクンと少し跳ねた。

 周囲のファンが怪訝な表情を浮かべるが、ユメミはすぐに取り繕っている。

 

 俺は控室でユメミの秘部に小型のローターを挿入していた。

 手元のスイッチを入れれば、いつでも彼女に性的な刺激を与えることが出来る。

 

 無論、この行為が露見すれば俺も困る。

 だがそれ以上に、ユメミ自身は気づかれるわけにはいかないのだ。

 

 沸き上がる刺激による快楽を必死に抑え込もうとする姿は、傍から見ているだけで非常に嗜虐心を煽られて仕方がない。

 オンオフを定期的に繰り返し反応を楽しんでいたが、結局ユメミは握手会が終了するまで笑顔を崩すことなくファンサービスを完遂した。

 

 

 

 ユメミのライブは、今日も大成功を収めた。

 熱狂冷めやらぬファンたちは会場を後にしながら仲間内で熱弁を繰り返している。

 

 そんなファンたちとすれ違いながら、俺はユメミの元へと歩を進める。

 ユメミは一人でしゃがみ込んで、会場の隅へ隠れていた。

 

「ふっ、くうぅっ……!」

 

 両手で口元を抑え、全身を小刻みに震わせながらユメミは耐えていた。

 今も彼女の膣に挿入されたローターは振動を繰り返している。

 

 背後からこっそりと近づいてユメミの肩に手を置くと、彼女の体がビクンと跳ねる。

 

「――ッ!」

 

 声にならない絶叫と共に、ユメミの太股を愛液が伝う。

 限界間近だった彼女の肉体は仕事を終えた気の緩みと突然の刺激に耐え切ることが出来ずついに絶頂したのだ。

 涙と涎で端正な顔を汚しながら、彼女は愛液で水溜まりを形成している。

 

 俺という存在に気付き、ユメミは強く俺を睨みつける。

 だが快楽に歪んだ表情では嗜虐心を煽る効果しか発揮できてはいなかった。

 

 ユメミの両胸を鷲掴みにし、強く乱暴に揉みしだく。

 同時にローターのスイッチを一段階強くすると、ユメミの肉体は鋭敏に反応した。

 

「うっ……うぅぅ……!」

 

 両手で己の口を押えているせいで、ユメミは満足に抵抗することも出来ない。

 されるがままに責めを受け、秘部からはとめどなく愛液が溢れ出ている。

 

「――ッ!」

 

 二度目の絶頂は、あっという間だった。

 我慢に我慢を重ね続けた肉体はユメミに快楽を与え続ける。

 屈辱や恐怖、怒りを塗り潰すように沸き上がる快感に、ユメミの心が軋んでいくようだ。

 

「ぅぁ、っ……」

 

 ローターのスイッチを切り、彼女の膣へ指を入れ回収。

 そして手を放すと同時に、支えを失ったユメミの体はその場に倒れた。

 

 か細く呼吸を繰り返すユメミの瞳からは光が消えていた。

 俺は預かっていたユメミの下着を倒れた彼女の元へと投げ、会場を後にする。

 

 ユメミの痴態に興奮してしまった下半身を鎮めるため、俺はもう二人の家畜の元へと向かっていった。



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芽亜里・伊月・ユメミ★☆

 今までは家畜へ従順になってもらうために封印していたが、そろそろ我慢も限界だ。

 本番行為の解禁。

 そのために俺は放課後、三人の家畜である早乙女芽亜里、皇伊月、夢見弖ユメミを呼び出した。

 

 場所は学園内の賭博場。

 生徒会に規定額を支払えば貸し切りにできるここは、彼女たちで遊ぶには邪魔の入らない最適の空間と言える。

 

 ただ本番行為を行うだけでは面白くもない。

 よって今から彼女たちにはギャンブルで争ってもらい、負けた一名の純潔を貰う。

 

 そう宣言すると、彼女たちは一様にこちらを睨み、そして怯えに似た感情と共に周囲を見渡した。

 家畜である以上、逆らうことは出来ない。

 ならば勝負に勝つしかないのだと、賢い皆は理解したのだ。

 

 勝負内容は三人打ちの麻雀。

 点棒は使用せず、失点はペナルティで代替される。

 具体的には、失点千点につき十ミリリットルの媚薬をその場で飲む。

 満貫以上……つまりは八千点以上の失点の場合、別のペナルティも追加。

 イカサマは自由。ただし誰かに現場を指摘された瞬間にチョンボ扱いでマイナス八千点扱い。

 決着は誰かが絶頂するまで。

 どれだけ失点しようと絶頂しない限り敗北ではなく、逆に言えば一切失点しなくとも一番に絶頂すればその時点で敗北となる。

 

 麻雀自体のルールは以下の通り。

 北、及び花牌の抜きドラは各四枚の計八枚。

 五筒と五索は各二枚ずつが赤ドラ。

 喰いタン・後付け禁止。

 積み棒は無し。

 ノーテンの罰符は一律で媚薬十ミリリットル。

 東場固定・親は前局で上がった人間が担当。

 

 要は手が高くやりやすい超インフレルールだ。

 ルールを聞いた三人になにか質問は無いか聞くが、彼女たちは黙って首を振った。

 三人の姿を録画するビデオカメラを起動し、俺は勝負開始の合図を送る。

 親に決まった芽亜里が自動卓のスイッチを押し、純潔を賭けた勝負が始まった。

 

 

 

「ロン、二千」

 

 八巡目。

 ユメミの打牌に対して早速芽亜里の手配が倒される。

 手配や巡目を見る限りまだまだ手を高くできそうではあったが、失点だけはしたくないという思いでもあったのだろうか。

 

 俺は計量用のキャップに媚薬を二十ミリリットル注ぎ、ユメミの前に置く。

 ユメミはしばしキャップを見つめ、意を決したように飲み干した。

 喉の鳴る音が、大きく一度。

 ユメミが乱暴にキャップをこちらへ投げ、そして対局が再開される。

 

 

 

 長引くと飽きかねないと思いやりすぎな位のインフレルールを設定したのだが、目の前に流れる光景は予想に反して安手の応酬だった。

 失点を恐れて早上がりを優先する三人は、未だ微量の媚薬を飲んだだけだ。

 芽亜里が四十ミリリットル。

 伊月が六十ミリリットル。

 ユメミが五十ミリリットル。

 

 飲んですぐに効果を発揮する物でもないため、今のところ彼女たちに目に見えた変化はない。

 だが、そんな緩んだ空気を変えたのはユメミだった。

 

「リーチ!」

 

 この勝負初のリーチ宣言。

 大物手が入ったと認識したのか、他の二人は即座に降りを選択した。

 が、勝負に絶対はない。

 

「ロン、リーチタンヤオドラ三……裏二!」

「ひっ!」

 

 安牌の切れた伊月が跳満を直撃。

 媚薬百二十ミリリットルに加え、追加のペナルティだ。

 

 俺は伊月の元へと向かい、ペナルティを決定するクジを引かせる。

 目を閉じ、祈るように伊月が引いたクジには、“衣服没収”と書かれていた。

 用意していたペナルティでは一番マシな物だ。

 

「く、うぅっ……」

 

 この場には主人と家畜仲間しかいないとはいえ、空間内で一人だけ全裸というのは想像以上に羞恥を煽る。

 伊月はコップに注がれた百二十ミリリットルの媚薬をなんとか飲み干すと、片手で両胸を隠し前屈みになりながら進行を促した。

 

 

 

 それからしばらく、再び小競り合いが続き。

 ようやく三人の表情に変化が出始めた。

 全身に軽く汗をかき、顔もうっすらと紅潮しだしている。

 媚薬の効果が出始めたのだろう。

 

 特に他二名に比べ大量の媚薬を摂取している伊月の様子は目に見えて違う。

 息も荒く、時折何かを堪えるような声が喉から漏れだしていた。

 

 だが、未だ外部刺激は無い。

 勝負が決まるにはもう一押しが必要だろうと思った瞬間。

 

「ツモッ!」

 

 勢いよく、伊月の手配が倒される。

 そしてその上がりに、芽亜里とユメミは驚愕した。

 

 四暗刻、親の役満だ。

 無論、運が良かったなどという話ではない。

 皆の集中力が切れた瞬間を狙って山や捨て牌から抜いたのだろう。

 

 芽亜里がしまったという表情を浮かべるも、後悔に意味はない。

 逆転を狙う伊月の執念勝ちといった所か。

 

 これで芽亜里とユメミはマイナス二万四千。

 媚薬二百四十ミリリットルと同時に、ペナルティだ。

 

 

 

 グラスに並々と注がれた媚薬と己が引いたクジを前に、芽亜里とユメミは完全に固まっていた。

 芽亜里の引いたクジには“ローター”、ユメミの引いたクジには“バイブ”の文字。

 両者共に大外れを引いた結果だ。

 

「く、うぅっ……」

「う、ぁぁ……」

 

 己の秘部に性具を挿入する芽亜里とユメミ。

 敏感になった肉体は鋭敏に反応し、ゆっくりとした挿入ですら二人の喉からは嬌声が漏れだしていた。

 グラスの中身を飲み干し、なんとか耐えきった様子だったが、そこが限界だった。

 

「――ッ!」

「――ッ!」

 

 サイコロを回すと同時に性具のスイッチが入る。

 その瞬間に、芽亜里とユメミは限界を超えた。

 秘部を刺激する振動によって、盛大に股から愛液が噴き出し、両者の肉体がビクビクと痙攣している。

 ショーツを履いていても関係ないほどに大量の愛液は、座っている椅子や太股を伝い床を汚し始めていた。

 

「や、やった……!」

 

 伊月の限界も近かったのだろう、その表情には安堵の色が濃く出ている。

 全裸の女が顔を赤く染めながら勝ち誇る図は中々にシュールだ。

 

 さて、決着はついたが困ったことになった。

 二人が同時に敗北ではどうすればいいのか、ルールを決めていない。

 

「ち、違っ……これ、は……」

「イってない、イってないからっ……!」

 

 快楽と恐怖で醜く顔を歪ませながらも、芽亜里とユメミの二人は言い訳を繰り返している。

 誰がどう見ても絶頂中と表現するしかない二人の言い訳が見苦しく、俺はローターとバイブの振動を一段階強くした。

 

「――ッ!」

「――ッ!」

 

 たったそれだけで、二人は言い訳を口にできなくなる。

 声にならない絶叫と共に、より激しく彼女たちは絶頂した。

 

 一度スイッチを切り、俺は少し思案する。 

 別に二人纏めて純潔を頂くのもありかと思ったが、ここは二人で最後の決着を付けてもらうとしよう。

 

 ギブアップと宣言した方の負けだ。

 ぜいぜいと息を切らす芽亜里とユメミにそう告げて、俺は二人に挿入されていた性具を取り外す。

 そしてより太く凶悪な性具を取り出すと、二人に平等に装着させた。

 

 一旦性具を外された瞬間に浮かべた安堵の表情は一瞬で絶望に塗り替わり、二人は揃って悲鳴じみた声を漏らす。

 両乳首のローターと膣を埋め尽くす極太のバイブ、そして陰核に取り付けた吸引機のスイッチを纏めてオンにした瞬間、彼女たちの絶叫が部屋中に響き渡った。

 

 その惨状を眺め心の底から安堵していた伊月に服を返してやりながら、俺は二人のどちらかが敗北を認めるまでの数分をじっと待っていた。



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夢見弖ユメミ③★

 耐え切れず、先にギブアップしたのはユメミだった。

 性具のスイッチを切り取り外してやると、ユメミは床で仰向けになったまま咽び泣いた。

 全身を汗や涙、そして愛液や涎で汚し、これから純潔を散らすのだと理解して彼女は涙を流し続けている。

 

 “なんでもするから止めてくれ”と懇願した彼女の精神が弱かった訳ではない。

 むしろユメミは芽亜里より強かったからこそ、ギブアップを宣言したのだ。

 芽亜里は繰り返される責めに失神し、途中で気絶し意識を失ってしまった。

 今の芽亜里は意識の無いまま責めを続けられ、打ち上げられた魚のようにビクビクと痙攣を繰り返している。

 

 俺は己のズボンを下ろし、肉棒を露出させる。

 目の前の痴態を見続けたせいで、肉棒ははち切れんばかりに固く勃起していた。

 

「ひっ……!」

 

 改めて肉棒を視界に収め、ユメミは短く悲鳴を上げた。

 嗜虐心を唆る光景に肉棒は脈打ち、今か今かと性交を待っている。

 

 ユメミの秘部に、己の肉棒を密着させる。

 

「や、やめっ」

 

 ユメミの懇願を遮るように、俺は一息に肉棒を膣の奥まで突き入れた。

 

「――ッ!」

 

 多量の媚薬と数えきれないほどの絶頂でユメミの感度は限界まで上がっていた。

 たった一突きでユメミは絶頂し、甲高い悲鳴のような声が上がる。

 

 多種多様な液体で濡れ切った膣は一切の抵抗なく肉棒を受け入れている。

 だが緩いというわけではなく、肉棒を膣は容赦なく締め付けて極上の快楽を俺に与えていた。

 これが本番行為。

 肉棒を膣に持っていかれるのではないかと錯覚するほどの快楽に、俺の理性は一瞬で焼き切れた。

 

「あっ、ぐうっ、うぁ……!」

 

 獣のように、俺はピストン運動を繰り返す。

 等身大のオナホールで自慰をするように荒々しく、腰を動かし続ける。

 ユメミの喉からは途切れ途切れの悲鳴が漏れていたが、気にする余裕などあるわけもない。

 

「――ッ!」

 

 限界はあっという間だった。

 最奥にまで肉棒を押し込んだ瞬間に俺は果て、ドクドクと精液がユメミの膣内に注がれていく。

 

「お、ごぉっ……!」

 

 ユメミは人のものとは思えない声を上げていた。

 快楽に溺れているのは彼女も同じだ。

 

 そして当然、たった一度で収まるはずもない。

 膣に包まれたままの肉棒は即座に固さを取り戻し、膣内で復活を遂げる。

 

「う、あぁ、あぐぅっ……!」

 

 もはや俺もユメミも人の言語を話せていない。

 ユメミの肉体、表情、今のシチュエーション。

 その全てが興奮を煽る材料となって、俺を人から獣に変える。

 

 

 

 そこから先の記憶は無い。

 いつの間にか日は暮れ、全身に広がる酷い虚脱感で意識が覚醒した。

 目の前には白濁液に染まった状態で意識を失ったユメミが倒れている。

 

 自分のことながら、どれだけ出したのだと呆れそうになった。

 もう一滴も出ない。

 それだけは本能で理解できた。

 

 耳元に響く機械の振動音に、そういえば忘れていたと芽亜里のことを思い出す。

 スイッチを切り性具を回収すると、気絶している芽亜里の体がビクンと一度跳ねた。

 仰向けに倒れたまま気を失っている芽亜里の姿も中々に性的だったが、今の俺はそれに興奮を覚える気力すら残ってはいない。

 

 勿体ないという気持ちを感じながらも、俺は充足感とそれを上回る倦怠感に包まれていた。

 本番行為という一線を超えた以上、これから先の欲望は歯止めが利かなくなるだろう。

 三人の家畜はいずれも美少女で様々な意味で良い女だが、それだけでは足りなくなる恐れもある。

 

 精を放ち続け満足したはずなのに、俺の思考はもう次の獲物を求めている。

 雄の性か、それとも単に欲深いだけか。

 

 どちらにせよ問題は無い。

 一度踏み込んだ世界だ、引き返す意味も理由も存在しない。

 いっそ行ける所まで行くのが常道だろう。

 

 気を失って倒れる二人の家畜に部屋の掃除を命じる置手紙を残し、俺は帰路に就く。

 今はとにかく、家に帰ってゆっくりと眠りたかった。



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濡羽綾女☆★

「アニメしか見てないけどこんな子出てたっけ?」な方々へ軽く説明。
濡羽綾女はスピンオフ作品である“賭ケグルイ妄”に登場するメインキャラクターです。

今後登場するスピンオフキャラの時系列は都合の良いパラレル時空と思って下さい。


 三人の家畜は、今まで以上に必死な様子で新たな生け贄を求めていた。

 本番行為という一種の線引きを破壊した以上、これから先家畜の扱いは一層酷くなる。

 

 実際に身を持って体験したユメミと芽亜里はもちろん、その様を見ていた伊月も同様に必死だ。

 運よく降りかからなかった不幸が、次に自分に来るかもしれないという恐怖。

 実体験していないからこそ空想の中で恐怖は肥大化し、彼女の精神を蝕んでいく。

 

 都合が良いので、俺は黙ってその様子を眺めていた。

 時折奉仕をさせたり痴態を鑑賞したりはするが、本番行為はあれっきりだ。

 

 正直我慢は辛いし、あの快楽をもう一度味わいたいという欲求は強い。

 だが軽々しく行わないからこそ、彼女たちは必死に次の家畜候補を探して働いてくれているのも事実だ。

 自分自身が動くことなく新たな家畜を手に入れるというこの状況を捨てるには惜しい。

 

 だからこそ、伊月が新たな候補を連れて来た時俺は満面の笑みで彼女を出迎えた。

 

 

 

 その少女の名は濡羽綾女。

 眼鏡をかけた瞳は伏し目がちで、気弱な子犬のような印象を受ける。

 

 伊月曰く、彼女は鳳那々という生徒とのギャンブルに負け続け現在一千万円の借金があるという。

 返済のために援助交際を強要されていたという彼女を、伊月は持ち前の口八丁で連れてきたのだとか。

 

 警戒……というよりは怯えた様子の彼女の眼前に、俺は黙って一千万円を積み上げる。

 これであなたの借金はチャラだ。

 そう言うと、彼女……綾女はより一層怯えの色を濃くした。

 

 無論、ただで一千万円を渡すほど俺は裕福でも無ければ善人でもない。

 これから俺と綾女でギャンブルを行い、綾女が勝てば一千万円は彼女の手に渡り借金完済。

 俺が勝っても一千万円で借金の返済は行われるが、彼女は俺個人の家畜となる。

 

 見知らぬ無数の男に股を開くよりは、たとえ負けても俺一人相手の方がマシ。

 そう伊月が言いくるめたのだろう。

 彼女はこの提案に了承し、誓約書にサインを行った。

 

 これで鳳那々への借金は一旦消え、綾女は代わりに俺へ一千万円の負債を抱えた形になる。

 これから始まるギャンブルで一千万円を稼げば、綾女は晴れて自由の身だ。

 

「……そ、その」

 

 躊躇いがちに、綾女は手を上げた。

 

「ギャンブルはいいんですが、私、お金が……」

 

 掛け金を用意できないというのだろう、問題は無い。

 俺は準備をしながら、綾女へと説明する。

 

 俺の手元にある十枚のチップ。

 これが一枚百万円。

 十枚集めれば綾女の勝ちだ。

 

 そして綾女はチップの代わりに、着ている服を賭けてもらう。

 一枚脱衣でチップ一枚、もしくは指定した性具の着用でもチップ一枚分だ。

 

「……えっ」

 

 綾女の瞳が震える。

 驚愕、そして恐怖だろうか。

 彼女の心はあっという間にかき乱され、平静を保てずにいる。

 

 無論、律義に慰める必要なんてない。

 嫌なら帰れと、立場が上であることを利用し選択を突きつける。

 

 綾女は涙目で数分悩み、最後にはこのギャンブルを受け入れた。

 

 勝負内容は単純明快。

 三枚のトランプから、一枚の当たりを引けば綾女の勝ち。

 外れの二枚なら俺の勝ち。

 ベット額は綾女が指定。

 

 当たりの確率は三分の一で綾女には不利だが、この勝負で掛け金は一方的にしか動かない。

 無限に続ければいずれ勝てる以上、むしろ綾女に有利と言えるだろう。

 

 二枚のジョーカーと一枚のAを見せ、目の前でシャッフル。

 手で隠し目で追えないようにし、三枚を机に並べた。

 

「……一枚ベットで」

 

 ベットとして認める衣服は、全部で五枚。

 ジャケット、シャツ、スカート、ブラジャー、ショーツだ。

 靴下やリボンはカウントしない。

 

 綾女はジャケットを脱ぎ、脇に置く。

 まだシャツを着ている以上、羞恥はない安全な状態だ。

 

「これに、します」

 

 震える指で、綾女は真ん中のカードを指さした。

 俺が促すと、ゆっくり彼女はカードを表返す。

 

「うッ……!」

 

 表になったのはジョーカー、外れだ。

 左右のカードを俺が表にし、一枚がAであることを知らせる。

 

 これで一ゲームが終了。

 次のゲームを始めるためにカードを回収し、再びシャッフルする。

 

「い、一枚ベットで……」

 

 綾女はそう宣言し、今度はショーツを指定した。

 スカートの中に手を入れ、スルスルと純白のショーツを脱ぎ捨てる。

 

「こ、これ、です……」

 

 綾女は右のカードを捲るが、見えたのは再びジョーカー。

 またもや外れ。

 

「あ、あれ……?」

 

 頭に疑問符を浮かべる綾女。

 

 第三ゲーム、外れ。

 

 第四ゲーム、外れ。

 

 あっという間に、綾女はスカート以外の衣服を剥ぎ取られた。

 一応靴下やクロスタイは残っているが、そんなものは気休めですらない。

 

 当然、これは綾女の運が悪いというわけではない。

 彼女は単純だった。

 伏せた三枚の内外れの一枚にさりげなく、しかし気づかれるように目線をやる。

 それだけで彼女はそれが当たりのカードだと錯覚し、外れを指定する。

 

 一千万円の借金を背負うだけはあって、綾女はギャンブルが、特に駆け引きが異常に弱い。

 四連続で外しても何かおかしいと疑問に思うだけで、自分が嵌められているのだという発想に至らない。

 

 伊月から伝え聞いてはいたが、これではただのカモだ。

 いくつか用意していたイカサマも、これでは出番が無い。

 

 第五ゲームも、当然一枚ベット。

 綾女はスカートを躊躇いがちに脱ぎ、秘部が晒された。

 靴下とクロスタイだけを身に着け、椅子に座っている姿は滑稽でもある。

 

「ま、真ん中で……その、代わりに捲ってもらってもいいですか……?」

 

 右手で両胸を、左手で秘部を隠す綾女はそんな提案をしてくる。

 オマケにじっと見つめていたら、恥ずかしいのかこちらから目を逸らしだした。

 マジかこいつ。

 

 遠慮なく当たりだった真ん中のカードを左とすり替え、ジョーカーを表にする。

 

「な、なんで……!」

 

 なんでじゃないだろう。

 漏れそうになるため息を堪え、俺は続行を促す。

 

 

 

「くっ、うぅっ……!」

 

 賭ける衣服がなくなった綾女は、着用という掛け金を支払いギャンブルを続行した。

 無論、彼女は一度も当たりを引けないまま負け続けている。

 

 両胸と秘部にローターを付け、振動に身を捩じらせる。

 視線を何度もカードから逸らすせいで、こちらはイカサマし放題だ。

 

「――ッ!」

 

 沸き上がる快楽に耐え切れなくなった綾女は絶頂し、愛液を噴き出しながら机に突っ伏した。

 ビクビクと体を震わせながら、綾女は最後の決意を固めたようだった。

 

「じゅ、十枚、ベット……」

 

 追加のローターにバイブ、電極パッドや陰核への吸引機に身を包む綾女はもはや性具が衣服であるかのような恰好と化していた。

 無様を通り越して、もはや滑稽といえる。

 

「――ッ!」

 

 シャッフルを終え、カードを並べ。

 スイッチを一斉に入れた瞬間、彼女は盛大に絶頂し意識を失った。

 

 

 

「ほ、ほうまけでいぃ……だかりゃ、と、とめてくだはぃ……!」

 

 意識を取り戻した綾女は呂律の回らない声で真っ先に降参した。

 四人目の家畜を手に入れたというのに、沸き上がる感情は歓喜ではなく徒労感だった。

 今までの相手がいかに実力者であったのかが、比較対象が生まれたことで実感できる。

 



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濡羽綾女②★

 一千万円は大金だ。

 綾女を家畜に堕とすために借金を肩代わりしたが、その損失は決して小さくない。

 

 一般人に比べれば金持ちでも、この学園全体を見れば俺は貧乏人の部類に入る。

 芽亜里や伊月相手に勝った勝ち額も家畜に縛り付けるための借金としてであり、俺自身の資産として持っているわけではない。

 

 そして、無いなら稼ぐまで。

 

 

 

「ひぃっ……」

 

 目の前で着々と進む録画機材のセッティングに、綾女はガタガタと震えていた。

 身元の特定を防ぐため、今の綾女は別の学校のセーラー服を着用し大きいマスクで顔半分を隠している。

 

「よし、いつでも始められますよ」

 

 裏方を希望し、機材や売買ルート諸々の準備を担当した伊月が最後のケーブルを接続し声をかけてきた。

 伊月は顔が広く多方面に知識もある。

 献身に免じて、撮影対象をギャンブルで決定する際に伊月だけは初めから免除とした。

 結局は綾女一人がボロ負けだったので伊月が参加していても結果は変わらなかったかもしれないが。

 

 今から綾女の痴態を撮影し裏のルートで動画を売る。

 特別なことでもない単純な金策だった。

 配信という手も考えたが、事故やトラブルがそのまま配信されるリスクを避けた。

 動画なら予期せぬ事態が起きても後で編集すればいいだけだ。

 

 綾女へ向けてカメラを回すと、彼女の体がビクリと小さく跳ねた。

 やるべきことは先程伝え終わっている。

 断ればもっと過激なことを強制すると脅している以上、彼女は命じられた通りにするしかない。

 

「う、うぅ……」

 

 目の前に置かれたディルドへ、綾女はゆっくりと腰を下ろしていく。

 大股に足を開き腰を落としているため、丁度M字開脚のような姿勢になっていた。

 

 両足首は肩幅よりやや広めに開いた状態で棒を使って固定しているため、綾女は足を閉じることはおろか満足に歩くこともできない。

 

 

 本当は男を誘う淫猥な台詞なんかも収録したかったのだが、綾女の演技力が素人以下の酷い棒読みだったので中止に。

 指示した通りに、動き喘ぐだけでも需要はあるだろう。

 

 前もって下着は脱がせている。

 両手でスカートを持ち上げさせると、中から丸見えの秘部がビデオカメラに収まった。

 ゆっくりと、焦らすような速度でディルドと秘部の距離は縮まっていく。

 

「く、うっ……」

 

 長い時間をかけ、ついにディルドと秘部が触れる。

 そのまま綾女の腰は沈んでいき、ディルドが先端から膣の中へと飲み込まれていく。

 

 ディルドには滑りをよくするためにローションが塗布されているが、それでもこの手の経験がほとんど無い綾女の膣にはそうすんなりとは入らない。

 一ミリごとに苦悶の声を上げているのではと錯覚するほどにゆっくりとした速度で、綾女は徐々に己の体を沈めていく。

 

「――あっ」

 

 ディルドが半分ほど膣に入った瞬間だった。

 M字に足を開いて腰を下ろすという不安定な姿勢を取り続けていた綾女の体が、ぐらりと傾いた。

 

 慌てて体勢を立て直そうとしたが、もう遅い。

 綾女はそのまま尻餅をついて倒れてしまう。

 

「あ、あぁ……」

 

 カメラ越しの視点からは、大股に開脚しスカートの中身を見せつける綾女の姿と、ディルドが刺さったままの秘部と尻穴が綺麗に映っている。

 一拍遅れで今の状況を認識した瞬間、綾女の顔は真っ赤に染まった。

 

「う、あ、ぁぁっ……!」

 

 羞恥と混乱で頭が真っ白になった綾女の動きが止まる。

 今にも悲鳴を上げそうな彼女を止めるため、俺は手元のスイッチを入れた。

 

「ひ、ぐっ!」

 

 綾女の両胸にあらかじめ装着しておいたローターが小さな振動音と共に稼働を開始する。

 混乱を快楽とさらなる羞恥で上書きされ、綾女は大声や悲鳴を上げることもなく嬌声を漏らす。

 

 指示に従うという強迫観念と快楽を求める本能が、綾女の右手をディルドへと向かわせる。

 綾女はディルドの根元を掴み、そのまま残りの半分を押し込んでいく。

 

「くっ、ふっ、うぅ……!」

 

 カメラから見える綾女の姿は、酷く無様で淫らだ。

 下半身をこちらに突きつけ、秘部や尻を見せつけるように自慰を行っている。

 次第に動きは激しくなり、結合部からはぐちょぐちょといやらしい水音が鳴り響く。

 

「――ッ!」

 

 押し殺した呻き声と共に、綾女は絶頂した。

 浮いた両足が震え、彼女の秘部はカメラへ向けて愛液を噴射している。

 

「うぅ……ふぁぁ……」

 

 呆けた声を漏らしながら、綾女は呆然としている。

 カメラを切ると、彼女は終わったのだという安堵で緩んだ笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 無論、この程度で終わるわけなどなく。

 綾女の拘束が終わると、俺は再びカメラの電源を入れ綾女へと向ける。

 

 両手を後ろ手に手錠で固定。

 両足は先程と同じく開脚を強制。

 目隠し用のアイマスクとギャグボールで顔を隠す。

 

 今の綾女は見えず、話せず、動けない状態だ。

 もぞもぞと体を揺すって声を上げても、生まれるのは口端から垂れる涎だけである。

 

 まずは三十分ほどだろうか。

 そう伊月と示し合わせ、綾女の秘部にバイブを突き刺したままスイッチを入れる。

 

「……ッ!」

 

 視覚を塞がれ、敏感になった肉体への刺激。

 綾女の肉体は、芋虫のように動き続ける。

 

「――ッ!」

 

 絶頂。

 だがたとえ何度果てようとも、責めを止める気は無い。

 

 少し前に芽亜里にやったように、気を失おうとも延々と責めは続けられる。

 綾女が他にない反応をするたびに、この映像には需要が生まれるのだ。

 

 結局三十分の間に、綾女は二桁以上の絶頂を経験する。

 愛液の水溜まりの中で気を失った綾女を尻目に、俺は伊月と録画内容のチェックを行っていた。



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早乙女芽亜里⑤★

 家畜として扱い続けた成果か、早乙女芽亜里は徐々に俺へ対して従順になっていた。

 どんな命令でも顔を顰めこそするものの、彼女は即座に従う。

 今日は趣向を変えて、衣装を着せ変えての口淫奉仕を命じていた。

 

 今の芽亜里は制服ではなく、メイド服を着用している。

 実際のメイドが着るようなものではなく、あくまでもコスプレ衣装だ。

 フリルのついたスカートは太股が半分ほど露出する長さ。

 腹部や肩も丸出しで、実用には完璧に向いていないなんちゃってメイド服である。

 

「ん、んぐぅっ……」

 

 椅子に座った俺の目の前に跪き、芽亜里は大口を開けて俺の肉棒を根元まで咥えている。

 睨みつけているのだろう上目遣いは、しかし沸き上がる快楽のせいで蕩けていた。

 

 芽亜里の秘部にはローターが挿入され、内部からの振動で彼女を責め立てている。

 時折振動の強弱を切り替えてやると、陸に打ち上げられた魚のように芽亜里の体がビクビクと震えて嗜虐心が疼く。

 

「んぐ、むぅぅっ……!」

 

 限界が近づいた俺は芽亜里の後頭部を掴み、引き寄せる。

 喉奥にまで肉棒を突き入れ、一気に精を解き放った。

 

「――ッ!」

 

 ドクドクと多量の精液が芽亜里の喉へと注がれていく。

 それを切っ掛けに彼女も限界を迎えたのか、芽亜里の肉体は愛液を噴き出しながら痙攣しだした。

 

 上下共に下着を脱がせていたため、芽亜里の愛液は床へと直接落ちる。

 太股やスカートを濡らしながら、彼女は懸命に注がれた精液を飲み下していた。

 

「けほっ……」

 

 全て飲み下したことを確認してから手を放すと、芽亜里はその場で咳き込みながら崩れ落ちる。

 先に絶頂したらペナルティと宣告していたのだが、ギリギリ耐えられてしまった。

 

 俺は安堵したように呼吸を整える芽亜里へと手を伸ばした。

 両脇に腕を回し、崩れ落ちた体を抱え上げる。

 そのまま芽亜里を引き寄せ、騎乗位のような向かい合う姿勢で俺と同じ椅子に座らせる。

 

「んっ……」

 

 腰のあたりから腕を回し、スカートの中に手を入れて尻肉を揉みしだく。

 耳元で芽亜里の嬌声が漏れ聞こえているのを確認し、右手で尻を揉みながら左手で芽亜里を更に引き寄せる。

 

 お互いの前面がピッタリと密着し、芽亜里から胸の膨らみがそのまま伝わってくる。

 少々膨らみに乏しい芽亜里とはいえ、その柔らかな感触は俺の性欲を掻き立てた。

 再び勃起しだした肉棒の感触に、芽亜里が眉間へ皺を寄せる。

 

 俺は芽亜里へ再び奉仕を命じ、彼女から手を放す。

 秘部に挿入されていたローターを抜き取ると、愛液が糸を引いていた。

 

 芽亜里は俺が命じた通りにメイド服の上半身部分をたくし上げ、両胸を露出させる。

 ささやかな膨らみの先にある乳首は固く立っており、彼女も興奮しているのだということを無言のうちに伝えていた。

 

 椅子に座る俺の肉棒を、芽亜里は己の両胸で挟む。

 残念ながら芽亜里の胸では包み込むことは出来ない。

 谷間で擦るように、芽亜里は両腕で寄せた胸を上下させて肉棒を扱いていく。

 

 正直なところ、快感という意味では口や手に劣っていた。

 しかし見下ろした先のこの景色は、それを補って余りあるほどの興奮を俺自身に与えている。

 征服欲や嗜虐心が満たされていく感覚と共に、俺は再び芽亜里へと精を放つ。

 

「――ッ!」

 

 二度目の射精だというのに、我慢は五分と持たなかった。

 肉棒から放たれた白濁液はそのまま、芽亜里の顔面へと注がれる。

 心底嫌そうに目を細めた芽亜里の表情に、俺はどうしようもなく愉悦の感情を感じていた。

 

 

 

 二度の射精で精は出し切った。

 だがまだ満足はしていない。

 

 俺は芽亜里へ自慰を命令する。

 顔面を白濁液で汚したまま、芽亜里はこちらに秘部を突き出して自慰を開始した。

 

「ん、んぅっ……」

 

 すでに濡れている秘部へ、芽亜里は己の人差し指と中指を挿入する。

 第二関節ほどまで入った指を内部で動かし、芽亜里は己の快感を増幅させていく。

 

「あっ、あぁっ……!」

 

 必死に堪えようとしてはいるが喘ぎ声はどんどん大きくなっていき、それに比例するように指の動きは激しさを増していく。

 嫌悪感を丸出しにしてこちらを睨みつけていたはずの瞳は、甘く蕩けた雌のものへと変化していた。

 

「――ッ!」

 

 愛液の染みを床に作りながら、芽亜里は絶頂する。

 小刻みに痙攣しながらも、彼女の指は止まらない。

 果てながらもなお、芽亜里は自慰を止めなかった。

 

「うぅっ……うぁ……あぁ……!」

 

 動物のような呻き声を上げて、芽亜里は己の秘部をかき回し続けている。

 目の前の俺という視線も、すでに忘却しているのだろう。

 大股に足を開き、着衣の乱れも直さずに、ただ獣のように快楽のみを求め続ける。

 

 

 

 芽亜里が正気を取り戻し顔を赤くしてこちらを睨みつけるまでに、追加で三度の絶頂が必要だった。

 徐々に快楽の虜となっている証であるその姿に、俺は充足感に似たなにかを感じていた。

 



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夢見弖ユメミ④★

 休日、昼。

 多くの若者が行き来する繁華街入り口に、俺は夢見弖ユメミを呼び出していた。

 

 学園以外でも、彼女らは俺の家畜だ。

 命令に逆らうことは許されず、苛立ったというような表情で彼女は俺を待っていた。

 

 家畜たちと学園以外で会うのは、これが初めてだ。

 それはつまり、制服ではない私服を見るのも初めてということ。

 

 変装の目的もあるのだろう。

 ユメミは純白のキャペリンハットを深く被り、通行人たちから瞳を隠していた。

 飾り気の少ない白のワンピースを身に纏う姿は、外見だけなら清楚で純朴な少女に見えなくもない。

 軽く覗き込めば、そこにあるのは細められた険しい瞳だが。

 

 このままでも十二分に目の保養はできるが、それでは物足りない。

 性欲という主目的のために、俺はユメミを連れて裏路地へと歩いていく。

 

 

 

「予想はしてたけど、このっ、変態……!」

 

 誰もいない路地で、俺はユメミの衣装を性的に変えていく。

 上下の下着を脱がせ、代わりに銀色のピアスを装着させる。

 穴を開けない、フェイクピアスと呼ばれるものだ。

 両の乳首と秘部の陰核に、計三つのピアスを取り付ける。

 

 首にはギリギリオシャレなチョーカーに見えなくもない首輪を嵌める。

 そして首輪の前から延びた細いチェーンを股下に通して後ろまで一周させた。

 ややキツめに長さを調整したため、ユメミの秘部にチェーンが食い込んでいる。

 

 ワンピース越しに見れば、ほとんど変化はない。

 だがその中身は完全に家畜としての性的なものへと変化した。

 

 ただ立っているだけで、ユメミは顔を赤く染めている。

 羞恥の感情を更に高めてもらうため、俺はユメミの手を取ると再び雑踏の中へと歩きだした。

 

 

 

 喫茶店で軽食を取り、屋台でクレープを買い、町中を歩く。

 まるでデートのような平和な光景だが、彼女の限界は案外早く訪れた。

 他者から隔離されたカラオケの個室に入った瞬間、ユメミはその場に座り込んでしまう。

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 顔は真っ赤に紅潮し、全身にはうっすらと汗が浮いている。

 息は荒く、体は小刻みに震えていた。

 

 ただ街を歩くだけで興奮したのか。

 煽るようにそう問うと、帰って来たのは無言の視線。

 睨みつけるようなそれは、しかし潤んだ瞳と荒くなった呼吸によって色気へと変換されてしまっていた。

 

 夢見弖ユメミは理解している。

 逆らうことに意味はなく、従順に従うことが最も被害を少なくする方法なのだと。

 しかしその精神は反発を望んでいる。

 故に彼女の視線や態度はどこかちぐはぐなものとなっているのだ。

 

「んっ……あぁっ……!」

 

 ユメミの胸を掴み、軽く揉む。

 それだけで彼女の喉からは甘い声が響き出した。

 煽る目的で口にしただけだったが、案外本当に露出趣味に目覚めかけているのかもしれない。

 そう感じ、俺は新たな場所へと彼女を連れだした。

 

 

 そこは裏路地の奥の奥。

 人気が限りなくゼロに近い空間。

 その先にあるのは、一店のアダルトグッズ専門店だ。

 

「……っ」

 

 店員たちの視線を避けるように、ユメミは身を小さくして俺の後を付いてくる。

 女性客など滅多にいない店舗だ、すれ違う客や店員は皆がユメミに注目していた。

 彼女は店内に所狭しと並べられた性具を見ては、悲鳴に近い声を漏らしている。

 俺の気まぐれ一つで、ここに置かれたすべての道具が自分を襲うことになるとでも想像しているのだろう。

 

 そして、その想像はあながち間違いではない。

 俺はコスプレ衣装のコーナーへと向かい、二着の衣装をユメミへと見せる。

 梱包された二つの袋の片方には猫耳メイド服、もう片方にはゴスロリ衣装と商品名が記されていた。

 

 どちらがいいかと聞くと、ユメミは躊躇いがちにゴスロリ服を手に取った。

 まだこちらの方がマシだと呟くユメミを尻目に、俺は会計を済ませ、店員に試着室を借りる。

 そしてユメミと共に、衣装を手に試着室へと入っていく。

 

 この場で着替えるように命令すると、ユメミは顔を紅潮させプルプルと震えだした。

 そしてこちらに聞こえないほど小さな声で何かを呟きながら、脱衣を開始する。

 躊躇いがちに、しかし素早くワンピースを脱ぎ捨てた。

 

 残った首輪とチェーン、そしてピアスがユメミの肉体を淫猥に彩っている。

 全裸以上に淫らな恰好を晒し続けることに耐え切れないという様子で、ユメミはゴスロリ衣装を袋から取り出す。

 そして手早く袖を通し、鏡を見た。

 

「こ、これっ……!」

 

 ユメミの瞳が驚愕で開かれる。

 その衣装はゴシックロリータではなくゴスロリ、つまりはコスプレ用の衣装である。

 このような店で売っているような代物が、無論まともな衣装であるはずもない。

 

 真っ黒なゴスロリ衣装は、異常なまでに布地が少ない。

 ピッタリのサイズだというのに、ユメミの下半身は太股が丸見えになっている。

 パニエやドロワーズを履いていたら立っているだけでそれらが見えてしまいそうなほどにスカート部分の丈が短く、薄い布地で作られているせいで僅かな風でもふわふわと舞い上がってしまう。

 

 上半身はボレロによって胸と肩の一部は隠されている。

 しかし中に着るインナー生地が存在しないせいで、その他が一切隠されていない。

 申し訳程度に肌の見える部分はリボンとフリルで彩られてはいるが、肝心要の布地が足りないせいで何の慰めにもなっていない。

 

 ヘソや太股どころか胸の膨らみや肌に浮き出る骨盤まで衆目に晒す衣装。

 激しく動いて衣装が乱れれば、内側に施されたピアスやチェーンの痴態まで見えてしまうだろう。

 硬直し動けないユメミを尻目に、俺は彼女が着ていたワンピースを回収して先に試着室を出る。

 

「ちょ、まっ……!」

 

 引き留める声を無視し、待ち合わせ場所だけを伝えて俺は店を出た。



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夢見弖ユメミ⑤★

 およそ二十分遅れで、ユメミは待ち合わせ場所である喫茶店へとやってきた。

 客も店員も、皆が彼女へと視線を向けている。

 

 やけに露出の多いゴスロリのコスプレをした美少女。

 そんな印象を与え続けるユメミは、俺の姿を確認すると早足でこちらへ歩き出す。

 

「あんたっ……」

 

 開口一番に文句を告げようとしたユメミを置いて、俺は席を立つ。

 トイレに行ってくるから待っていろと言い残してテーブルから離れ、物陰からこっそりと彼女の様子を観察する。

 

 ユメミは店内中の視線を独り占めにしていた。

 居心地悪そうにキョロキョロと周囲へ視線を動かし、己の恰好を確認しては赤面する。

 不審者のように落ち着きのない態度が、更に注目を集めていた。

 

 五分ほどその姿を堪能し、何食わぬ顔を意識して席に戻る。

 苦虫を嚙み潰したような表情をこちらへ向けるユメミを意図的に無視し、近くを通った店員へとコーヒーを二つ注文した。

 

「ちょっと、早くここを……」

 

 出ていきたいとユメミが願うのなら、俺はそれを拒絶したくなる。

 彼女の表情は実に嗜虐心を煽っていた。

 店員が運んできたコーヒーが冷めきるほどの時間を、俺はユメミとこの喫茶店で過ごした。

 

 

 

 喫茶店を出ると、夕方を超えて夜に差し掛かりそうな時間になっていた。

 僅かに残った夕焼けが、街をぼんやりと照らしている。

 

 俺はユメミを再び路地裏に連れ込み、誰もいない空間で彼女の様子を観察する。

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 ユメミは全身に薄く汗をかき、苦し気に呼吸をしている。

 露出された太股や肩に手を置くと、ビクリと大きく彼女の肉体が跳ねる。

 

 見られて感じ、刺激に敏感になっているのか。

 そう問うと、ユメミは器用にも小声で叫んで否定する。

 だが、太股に添えた右手を這わせ彼女の股へと持っていくと、彼女の秘部は微かにだが濡れていた。

 

「違っ」

 

 必死に否定を使用とするユメミ。

 しかし確実に彼女の肉体は感じている。

 

 もしかすれば、それはただの汗なのかもしれない。

 だがこれは好機だ。

 

 冷静な判断力を失ったユメミへと、お前の股は愛液で濡れていると囁く。

 見られて感じる性癖を持っていたのか、今回の命令はただのご褒美になっていたのか。

 必死に違うと否定するユメミの秘部と尻を撫でるように愛撫し、彼女の興奮を煽る。

 

「あっ、んっ……!」

 

 己の手で口元を押さえ、声を出さないようにするユメミ。

 路地の外では今も通行人が大勢いる。

 そんな場所で果てようとするユメミを煽り、お前は露出趣味のある変態なのだと錯覚させる。

 

「――ッ!」

 

 そんなわけはないとユメミが首を振る瞬間、彼女は果てた。

 立ったまま秘部から愛液を噴き出し、しかし両手で口を塞いで声だけは漏らさないようにとユメミは堪える。

 

 ユメミの腰に手を回し、力の抜けた彼女が膝をつかないように支える。

 そしてそのままもう片方の手で愛撫を続けると、ユメミの喉から漏れる声は次第に甘く蕩けるような嬌声へと変化していった。

 

「んっ、んぅっ……!」

 

 野外で露出し果てたという事実を、ユメミに残す。

 その目論見は見事に成功し、彼女をまた一段階堕とすことができた。

 

 

 

 日の落ち切った深夜。

 最後の総仕上げを行うため、俺はユメミを連れて公園へとやってきた。

 

「ぐっ、うぅっ……!」

 

 今のユメミは、一切の衣服を身に着けていない。

 全裸にピアスと首輪だけを装備し、野外である公園を歩いていた。

 両手は後ろ手に手錠で拘束され、彼女の服と手錠の鍵は俺が持っている。

 公園の中心にある噴水前で待つとだけ伝え、俺は入り口近くで彼女を置いていった。

 

 実際は人が入ってこないように公園の入り口には進入禁止の看板を設置しておいたのだが、ユメミはその事実を知らない。

 誰かに見られるかもしれないというリスクを感じながら、彼女は一人で歩いてくるのだ。

 

 

 普通に歩けば五分ほどの道のりだが、ユメミがここまで歩いてくるまでにおよそ十五分の時間が経過していた。

 存在しない空想の視線に晒され続けた彼女はこちらに歩いてくるだけでゆらゆらと揺れており、まっすぐに歩くこともできなくなっている。

 

「ぅぁ、あぁっ……」

 

 俺の胸元へ倒れるように寄りかかるユメミ。

 涎や涙を零しながら、彼女はただ呻いている。

 両肩を掴むと、その刺激だけで彼女は絶頂した。

 

「――ッ!」

 

 一度のけ反って、ユメミの体はその場に崩れ落ちる。

 仰向けになって絶頂に震える彼女の姿に、俺の我慢は限界を超えた。

 

「い、ぎぃっ!」

 

 肉棒を露出させ、ユメミの秘部へと一気に突き入れた。

 己の肉棒は一切の前戯が不要なほどに勃起しており、彼女の膣も愛撫など不要なほどに濡れ切っている。

 挿入の瞬間にユメミの喉からは獣じみた悲鳴が上がったが、歪んだその顔は確かに歓喜を伝えていた。

 

「ん、うぅっ……!」

 

 ユメミの歪んだ顔面に顔を近づけ、艶やかに輝く唇を奪う。

 彼女の口内へ舌を入れ、貪るように唇を重ね合わせる。

 

 折角の接吻は柔らかな感触だけで、情緒やその他は性交の快楽にかき消されていた。

 ただ興奮を煽るという意味では、最大限にその目的を果たしている。

 ユメミの唇を奪ったという事実が、俺の肉棒をより一層固くそそり立たせた。

 

 二度目の本番行為だというのに、それは飽きや慣れという概念が存在しないかのような至福の時間だった。

 焼ききれそうな理性を必死に保ちながら、俺は目の前の肉体を貪り続ける。

 

「――ッ!」

 

 あっという間の絶頂。

 己の精液を注ぎ込みながらも、肉棒の勃起は一向に収まる気配を見せない。

 ここが野外であるということも忘れ、俺とユメミはそのまま何度も果て続けた。



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皇伊月③★

 俺が所有する四匹の家畜で、最も便利なのは皇伊月だ。

 元々誰かに取り入るのが上手い彼女は、裏方の手伝いを申し出ることで安全を買い続けていた。

 

 便利なのは確かだからと今までは甘やかしていたが、それも今日までだ。

 飴を与えるのは大切だが、舐められてしまっては意味がない。

 理想は飴と鞭。時には躾をするのも飼い主の務めだろう。

 

 

 

「う、うぅ……」

 

 放課後に伊月を呼び出し、彼女を跪かせた。

 服を脱がせ、首輪と名札を付けさせて彼女へと立場を自覚させる。

 

 四つん這いになった伊月の腰に座り、彼女の首輪に繋がった鎖を引っ張る。

 小さな呻き声と共に彼女の体ビクリと跳ね、四肢が震えだす。

 

「ぐ、うぁぁ………!」

 

 右手で鎖を引っ張ったまま、空いた左手を伊月の秘部へ。

 人差し指をゆっくりと挿入し円を描くように動かすと、彼女の喉からは呻き声のような嬌声が聞こえだす。

 ユメミや芽亜里ほどではないが、彼女の肉体も少しずつ性へ貪欲になり始めていた。

 

 そのまま五分ほど焦らすような愛撫を続け、伊月の快楽を煽る。

 限界寸前を見極め、瞬時に挿入している指に中指を追加、より深く体重をかけて彼女を苦痛と快楽の両面で責める。

 

「――ッ!」

 

 絶頂と同時に伊月は崩れ落ち、うつ伏せのまま床に這いつくばる。

 ぜいぜいと息を荒げる彼女を更に責め立てるため、俺は伊月の首輪に繋がる鎖を使い、彼女の両足を縛り上げる。

 強く引き絞ったため、伊月の体は海老反りの姿勢になって彼女は呻いた。

 

「ぐ、うぁっ……!」

 

 背筋の反れる感覚と首輪の締まる息苦しさが、伊月の肉体を休みなく責める。

 そして同時に快楽を与えるために、俺は伊月の秘部へバイブを挿入した。

 

「いっ、ぎぃっ……!」

 

 以前より太い物を選んだのだが、先程絶頂したばかりだからか伊月の膣は簡単にバイブを受け入れた。

 根元まで押し込みスイッチを入れると、バイブは生き物のように動き回り彼女の膣内を蹂躙する。

 

「と、とめっ……」

 

 伊月の懇願を無視し、俺は本物の椅子に座ったまま彼女の姿を観察し続けた。

 

 

 

 ニ十分ほどが経過した頃。 

 意識の飛びかけた伊月を確認し、俺はバイブのスイッチを止める。

 両足を縛っていた鎖を解くと、伊月は四肢を投げ出して呼吸を整え出した。

 ひゅうひゅうと、か細い呼吸はやがて安定し、元に戻る。

 

 ようやく終わったと安堵しかけた伊月の尻を、俺は全力でビンタした。

 

「――ッ!」

 

 バチンという音が響く。

 快楽ではないただそれだけの暴力で、伊月は絶頂した。

 

 苦痛と快楽。

 その二つを同時に味わった伊月の脳は混乱と麻痺を起こし、本来は異なるはずの二つを結びつける。

 

 今の伊月にとって快楽は苦痛であり、苦痛は快楽なのだ。

 うつ伏せに倒れる伊月を、俺は背後から犯す。

 

「ぎ、ぃぃっ!」

 

 絶頂直後の秘部は俺の肉棒をすんなりと受け入れる。

 あまりにも滑りが良すぎて物足りないくらいだ。

 

 俺は床に落ちたままだった首輪の鎖を持ち、一気に引っ張った。

 伊月の頭部が持ち上がり、彼女の首を締め上げる。

 

「ぐ、あぁっ……!」

 

 苦し気に呻く伊月。

 だがその声は甘く蕩け、膣の締りが良くなると同時により多量の愛液を分泌し始める。

 ここからでは見えないが、きっと伊月の表情は快楽に歪んでいるのだろう。

 

 乱暴に伊月の膣にピストン運動を繰り返す姿は、傍から見れば性行為というよりは交尾と表現するほうが正しい。

 しかし彼女は確かに感じている。

 乱暴で乱雑な本番行為に、伊月は性的な興奮を感じていた。

 

「――ッ!」

 

 俺と伊月は同時に絶頂した。

 膣の最奥に白濁液を注ぎ込み、知らず知らずのうちに鎖を持つ手に力が入る。

 より一層強く首を絞められた伊月は、更に強い快楽を感じ悲鳴と喘ぎ声の混じり合った嬌声を上げた。

 

「がっ、ごほっ……!」

 

 最後の一滴まで白濁液を注ぎ込み、そこでようやく俺は鎖から手を放す。

 べちゃりと潰れるように床に倒れた伊月は、何度も咳を繰り返した。

 

「む、無理っ、助け……」

 

 震える声で、伊月はそう呟く。

 俺は伊月の顔を見るため、彼女の体を掴んでうつ伏せから仰向けに転がした。

 

 伊月と視線が合う。

 彼女の瞳は涙で潤んでいた。

 だが、その表情は完全に快楽によって溶けている。

 

「や、やめっ……」

 

 俺は再び屈み、伊月の秘部に己の肉棒を近づける。

 口では拒絶の意思を見せているが、その声も表情も完全に期待に満ちていた。

 

 蕩け切った笑みを浮かべて、伊月はいつまでも俺の肉棒を受け入れ続ける。

 結局その後、体内の精子を全て伊月の膣に注ぎ込んだのではないかと錯覚するほどに俺と伊月の性交は続いた。



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濡羽綾女③★

「う、うぅ……」

 

 濡羽綾女を利用した動画販売による資金調達は順調だ。

 数度行い、売り上げは既に肩代わりした彼女の借金に届きかけている。

 

 故に、これはどちらかというと商売ではなく趣味、欲望が勝った結果である。

 

 ハンドカメラを手に、俺は綾女に指示を出す。

 視界の先では綾女が顔を真っ赤に染め上げて震えていた。

 

 奉仕や自慰とは違い、やはりまだ本番には抵抗があるらしい。

 命令しても他の奴隷のように賢く諦めることのできない彼女は、震えて動こうとしなかった。

 

 俺はため息を吐き、足を開いてじっとしていろと命令する。

 こいつは受け身にさせた方が手っ取り早いと判断した。

 

 戸惑いながらも、綾女は指示に従う。

 家畜たちの中で一番従順ではあるのだが、一番面倒なのも彼女だった。

 

 綾女はゆっくりと、体育座りのような姿勢から両足を横に開く。

 M字に開かれたことでスカートが捲れ、純白色のショーツがカメラに映される。

 

 下着を脱ぐように命令すると、綾女は俯きながら指示に従う。

 同じポーズのままショーツは脱ぎ捨てられ、彼女の秘部が丸見えになった。

 

 俺はカメラがしっかりと回っていることを改めて確認し、あらかじめ用意しておいた道具で綾女を拘束する。

 頭の上で腕を組ませ、手錠で固定。

 顔を隠す意味もあるアイマスクで目を隠し、唇をガムテープで塞ぐ。

 

 綾女は不安そうにキョロキョロと左右に頭を振っている。

 そんな彼女をカメラで捉えつつ、俺は己のズボンを下ろし、肉棒を露出させた。

 

「んっ……」

 

 右手でカメラを持ったまま、左手で綾女の胸を揉みしだく。

 綾女は一度ビクンと体を跳ねさせ、しだいに甘い声を漏らし始めた。

 

 大きく膨らんだ乳房は俺の指を包み込むように沈み込ませる。

 掌から伝わる柔らかな感触と綾女の嬌声で、俺の肉棒は早くもそそり立ちだしていた。

 

 沸き上がる衝動を押さえ、俺は左手を胸から秘部へと移動させる。

 人差し指をゆっくりと膣へ挿入すると、すでに綾女の秘部は愛液を分泌しだしていた。

 

「う、ぅっ……!」

 

 綾女はくぐもった声で喘いでいる。

 膣の内部で指を動かすと、その喘ぎ声は次第に大きくなっていった。

 俺は中指も同時に挿入し、二本の指で一気に彼女の膣をかき回す。

 

「――ッ!」

 

 綾女の全身がビクンと跳ね、膣から噴き出した愛液が俺の指を濡らす。

 俺は彼女の膣から指を抜き、代わりに肉棒を一気に挿入した。

 

「う、ぐぅっ……!」

 

 視界を塞がれた状態で貫かれる感覚に、綾女は先程の絶頂時よりも大きく声を上げる。

 絶頂直後の膣は容易く俺の肉棒を受け入れた。

 

「ぐっ、うぅ、ぐぅ……!」

 

 一突きごとに、綾女の喉からは嬌声が漏れる。

 甘く蕩けるようなその声が俺の興奮を更に増幅させ、俺自身でも気付かぬうちにピストン運動の速度を速めさせていた。

 

「――ッ!」

 

 綾女の膣で感じる快楽は尋常ではない。

 五分も持たず俺は絶頂し、彼女の肉体へ白濁液を注ぎこんだ。

 

 無論、一度で終わるわけもない。

 カメラを置き、自由になった両手で俺は綾女の体を裏返した。

 後背位の姿勢で、両手で綾女の胸を鷲掴みにする。

 

「うぅっ……!」

 

 両手で綾女の体を引き寄せ、再びピストン運動を再開する。

 彼女の肉体を突くたびに、俺の両手には乳房の感触が強く伝わってくる。

 

 出したばかりだというのに、俺の肉棒は微塵も萎えていなかった。

 固く大きく隆起した肉棒で突かれ、綾女は嬌声を上げ続けている。

 

 もはや撮影という大義名分すら捨て、俺はひたすら綾女の肉体を貪り続けた。

 汗が流れるほどの激しい動きで、彼女の膣をただ犯す。

 

「――ッ!」

 

 二度目の射精。

 全力で綾女の肉体を引き寄せた結果、二人の肉体は完全に密着している。

 結合部からは溢れるように白濁液が漏れだしていた。

 

「う、ぁぁ……」

 

 最後の一滴まで出し尽くし、そこでようやく俺は綾女を開放する。

 拘束具を外し、軽く頬を叩いてみるが反応は薄い。

 彼女は小さく呻き声を上げながら、焦点の合わない瞳で天井を見上げていた。



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早乙女芽亜里⑥★

 早乙女芽亜里は未だ折れず、反抗的な視線を俺へと向けている。

 快楽の虜となってもなお、その瞳からは光が消えていない。

 

 休日。

 俺は最後の一押しを行うため、丸一日をかけて芽亜里を調教すると決めた。

 

 邪魔の入らない一人暮らしの自宅に朝から芽亜里を呼び出し、早速服を脱ぐよう命令する。

 下着まで全て脱がせ芽亜里を全裸にした後、衣服の代わりに首輪を装着。

 部屋の中央に彼女を立たせ、乳首と秘部にローターを張り付け、スイッチを入れた。

 

「くっ……うぅっ……」

 

 振動は最も弱く設定し、絶頂しないよう彼女を焦らす。

 動くなとだけ命令し、俺は芽亜里にそれ以上の愛撫を行わない。

 長い時間をかけて、真綿で首を締めるように彼女を焦らし続ける。

 

 

 

「あうっ……くぅ……!」

 

 三十分ほど経過した頃。

 初めは趣味が悪いなどと悪態をついていた口はすっかり静かになり、時折短い鳴き声を漏らすだけになっていた。

 絶頂するか立てなくなれば罰を与えるとだけ伝え、更に待ち続ける。

 

 

 

「ふぅっ……うぅっ……!」

 

 更に一時間後。

 芽亜里の股から愛液が足元に水溜まりを形成しかねない勢いで垂れ続けている。

 床を汚されてはたまらないので、途中から彼女の脱いだ服と下着をタオル代わりに足元に敷いた。

 染み一つなかった芽亜里の衣服は、己の愛液でビショビショに濡れている。

 文句を口にする余裕もないようで、芽亜里は呻き声を上げ続けているだけだ。

 

 芽亜里の口端からは涎が垂れ続けている。

 端正な顔立ちは涙や涎で汚れ、歪んでいた。

 

 それだけの無様を晒してなお、芽亜里の心は折れていない。

 最後の一押しを行うため、俺は懐から一錠の錠剤を取り出した。

 伊月経由で海外から取り寄せた、日本ではまだ違法ではない“お薬”だ。

 

「それっ、て……」

 

 詳細が分からなくとも、マズイ物だとは直感的に理解したのだろう。

 恐怖の感情を沸き上がらせている芽亜里の口をこじ開け、喉奥へと錠剤を押し込んだ。

 

「んっ、ぐっ……!」

 

 怯えによって体を震わせながら、芽亜里は錠剤を飲み込んだ。

 そしてその効果はすぐにやってくる。

 

「――ッ!」

 

 貯め込んだ快楽と薬が反応し、芽亜里は盛大に絶頂した。

 力が抜けた肉体はその場に崩れ落ち、犬のように這いつくばったまま彼女の秘部は愛液を噴き出し続けている。

 

 甚大な効果を確認し、俺は倒れる芽亜里の両胸を鷲掴みにした。

 

「――ッ!」

 

 それだけで、芽亜里は二度目の絶頂を体験した。

 今の彼女は、全身が性感帯と化している。

 獣のような声を上げながら、芽亜里は絶頂を繰り返している。

 

「や、やめっ……とぉ、めっ……!」

 

 芽亜里が必死に懇願をするも、呂律の回っていない口調では詳細を判断できない。

 ということにして、俺は彼女への愛撫を続行する。

 

 濡れ切った膣内へ人差し指を挿入。

 愛液を掻き出すように内部で指を動かすと、芽亜里の肉体は陸に上がった魚のようにビクビクと跳ねだした。

 

「――ッ!」

 

 三度目の絶頂は、芽亜里の意識を飛ばす。

 気を失ったまま、彼女の肉体だけが痙攣を繰り返している。

 股から流れる液体は愛液だけでなく、黄色のものまで混ざっていた。

 

 

 

「――わ、ぷっ」

 

 頬を叩き、頭を揺すり、顔面に水を垂らしてようやく芽亜里は意識を取り戻した。

 呆けた顔で現状を把握しようとしている彼女の眼前へ、俺は露出させた肉棒を突きつける。

 

「……あっ」

 

 普段なら悪臭としか思わないであろう肉棒の臭いに、芽亜里は目を奪われている。

 幾度となく咥え続けた味を彼女の舌は覚えてしまっていた。

 そして絶頂を繰り返し快楽を貪りたいという欲求を叶えてくれる肉棒に、芽亜里はすでに抗う力を失っていた。

 

 芽亜里が自分から肉棒へ顔を近づけ、口で咥えようとする。

 しかし、俺は腰を引いて彼女の頭を引き離す。

 

「えっ……?」

 

 お預けをくらった犬のように、芽亜里は舌を出して戸惑いの表情を見せる。

 ここが彼女を堕とすチャンスだ。

 俺は芽亜里が自分から懇願するように、限界まで焦らすことを選択した。

 

「う、うぅっ……」

 

 そのことを芽亜里も理解したのだろう。

 脳内で葛藤を繰り返しているのか、視線を右往左往させながら苦悶の声を漏らしている。

 

「お、お願い、します……」

 

 数分後、芽亜里からついに懇願の言葉が出た。

 だが俺は芽亜里の頭を押さえた手から力は緩めない。

 

 家畜が主人に懇願するのだ、相応の態度を見せてもらわないと。

 芽亜里をとことんまで堕とすために、そう俺は口にした。

 

「くっ……!」

 

 一瞬悩む素振りを見せた芽亜里だが、すでに逆らう気力は残っていなかった。

 彼女はその場に跪くと、土下座の姿勢で懇願する。

 

「お願い、します……家畜の私を……お、犯してください……!」

 

 その言葉を合図に、俺は我慢し続けてきた欲求を開放させる。

 姿勢を崩すなとだけ芽亜里に囁き、背後から彼女の秘部へと肉棒を突き入れた。

 

「う、ぐぅっ……!」

 

 芽亜里のツインテールをハンドルのように両手で掴み、馬を制御するように引っ張りながらピストン運動を繰り返す。

 一突きごとに芽亜里の喉からは悲鳴が漏れ、結合部からは愛液が溢れ出てくる。

 

「――ッ!」

 

 まず初めに、芽亜里が絶頂した。

 そして彼女の絶頂により急激に締まった膣の感覚に、俺も絶頂する。

 

 最奥に白濁液を注ぎ込み、しかし性交は止まらない。

 芽亜里は己から腰を振り、更なる快楽を求めようとしてきた。

 

 俺は芽亜里が完全に堕ちたことを確認すると同時に、目的を達成した充実感に包まれながら彼女の肉体を貪り続けた。



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蛇喰夢子☆

 驚くほど簡単に、話題の転校生である蛇喰夢子はこちらのギャンブルに乗ってきた。

 転校初日からギャンブルを繰り返し、その全てに勝利したせいで対戦相手がいなくなったとは聞いていたが、なるほど噂通りの賭博狂いらしい。

 

 つまりは彼女の強さも噂通りと見るべきだろう。

 勝つには必勝の手筋で、イカサマが露見する前に速攻で潰すしかない。

 

 ギャンブルの内容はシンプルなサイコロ勝負。

 二つの六面ダイスをお互いに振り、より大きい目が出た方の勝利だ。

 勝者は金ではなく、敗者を個人の家畜とすることができる。

 

 サイコロの出目に文字通り全てを賭けた一発勝負。

 無論、通常の神経であればこんな勝負受けるわけがない。

 

 

「まあ、素晴らしいですね!」

 

 だがこの女なら話は別である。

 彼女は相手のイカサマを暴いてなお必勝を嫌い、スリルを求めるほどの賭ケグルイだ。

 このギャンブルにも当然乗ってくるだろうと予測はしていた。

 

 俺は懐から四つの六面ダイスを取り出した。

 どこにでも売っているような市販の、未開封の新品だ。

 区別がつくように、赤・青・黄・緑と色分けがされている。

 

 使用するダイスを先に選ぶよう促すと、夢子は数秒だけ悩み、赤と青の二つを手に取った。

 余った二つを俺が取り、開封する。

 

 無論、これは伊月に頼んで作らせたイカサマダイスだ。

 重心が弄られており、普通に降れば決まった目が確実に出る。

 

 夢子が選んだ二つは、一と四の出目が。

 残った二つは、三と六の出目が出るようになっていた。

 つまりこの時点で必勝だ。

 

 俺は鞄から教科書を取り出し、机の周りに並べて柵を作る。

 サイコロを振るのは机の上。

 もし落ちたら出目は零として扱うとルールを定め、夢子から了承を取る。

 

 もしも夢子が高い出目の出るサイコロを選択していれば、俺は重心の歪みを無視できる円形の茶碗を取り出しサイコロを振る場所にする予定だった。

 だが運が良い、他に仕込んでおいたイカサマの出番は無さそうだ。

 再度ルールを確認し、カウントダウンの合図と共に同時にサイコロを振る。

 

「三、二、一……」

 

 零。

 万が一にも落ちないように、俺は慎重にサイコロを振った。

 

「――えっ」

 

 気の抜けた声が、俺の喉から漏れる。

 夢子は勢いよく……振るのではなく投げつけるように二つのサイコロを投擲した。

 

 お互いのサイコロは机の中央でぶつかり、四方に飛び散っていく。

 教科書で作った柵に当たり、さらに机の上を縦横無尽に転がっていた。

 

「ずいぶん大掛かりな仕掛けですね、まさか専用のサイコロを作るなんて」

 

 ――見抜かれていた。

 冷や汗が俺の頬を伝い、緊張が俺の喉を乾燥させる。

 

「これだけ重心が違えば手に持った段階で気づきます、サイコロはギャンブラーが手に持ち続けている道具なんですから」

 

 そんなわけがない、常人には絶対に分からない差だ。

 こんな小型のサイコロ、いったい何グラムの重さを区別しているというのか。

 

「ですがわざわざ平らな場所を指定したということは、素直な振り方にしか対応は出来ない様子」

 

 完全に見抜かれている。

 しかし、ならどうして俺の不正を告発しない……?

 

「さあ、これでどの目が出るかはまさに神のみぞ知る」

 

 そうか。

 俺はこの女のギャンブル好きを甘く見ていた。

 こいつは必敗も必勝も嫌う、正真正銘の賭博中毒者だ。

 不正を告発すれば必勝になる。

 だからイカサマを無効化して、運の勝負に全てを預けた。

 

 怖い。

 俺は今まさに、目の前の女に恐怖を感じている。

 

 徐々にサイコロは勢いを失い、今にも止まりそうになっていた。

 こんなサイコロで、俺の人生が破滅するかもしれない。

 心臓の鼓動がうるさい。

 頭が痛い。

 うまく呼吸が出来ない。

 

 だというのに、目の前の夢子は恍惚の表情を浮かべていた。

 勝負を売る相手を間違えた。

 そう後悔するも、既に遅すぎる。

 

 気を失いそうになる緊張の中、ついにサイコロが止まり出目が確定した。

 

「あら、残念です……」

 

 がっくりと肩を落とす夢子。

 彼女の出目は二と四。

 俺の出目は、一と六。

 

「か、勝った……」

 

 腰が抜け、俺はその場でへたり込んでしまう。

 勝った側が震え、負けた側が楽しかったと呟く光景は、どちらが勝者なのか分かったものではない。

 

 だが確かに、俺は勝った。

 それが運に恵まれた物であったとしても、勝ちは勝ちだ。

 俺は無事に、五人目の家畜を手に入れた。



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蛇喰夢子②★

 蛇喰夢子は驚くほどに従順だった。

 全てを賭けたギャンブルに敗北した直後だというのに、彼女は薄く微笑みながら己の意思で首輪を装着し、服を脱いだ。

 

「こうして殿方に裸を晒すのは、流石に恥ずかしいですね……」

 

 口ではそんなことを言っているが、夢子の表情に羞恥や戸惑いの感情は見られない。

 多少頬が赤くなっているが、恥ずかしいというよりはギャンブルの興奮が残っているだけといった様子である。

 

 下手に反抗されるよりは話が早くて助かるのだが、これはこれで困った話だ。

 彼女からは屈辱に震える様を見ることができないということなのだから。

 

 夢子の裸体は、非常に美しい。

 男として、その整った肌色の肉体を拝めるという報酬は十二分に有難い。

 だが俺の心には、そんな彼女の余裕を崩したいという欲求がふつふつと沸き上がっていた。

 

「んっ……」

 

 夢子の両手を頭上で組ませ、手錠で拘束する。

 両足はM字に開かせたまま屈ませ、蹲踞のような姿勢を命じた。

 

 己の両胸や秘部を見せつける姿勢になった状態で艶めかしい声を漏らす夢子を見下ろし、俺は今にも襲い掛かりたくなる欲望を必死に抑えていた。

 ズボンのチャックを下ろし肉棒を露出させると、ちょうど屈んだ夢子の眼前に肉棒が突きつけられる。

 咥えろ。と命令すると、夢子は微笑みを浮かべ躊躇うことなく肉棒に舌を伸ばした。

 

「ん、じゅっ……んぐっ……」

 

 こういった経験は豊富ではないのか、夢子の口淫奉仕はどこかたどたどしい。

 しかし未経験ゆえの躊躇や躊躇いはなく、苦し気な表情を浮かべながらもあっさりと根元まで肉棒を咥えていた。

 

 大口をあけて顔を歪ませているのに、夢子からは余裕や落ち着きのような様子が消えることはない。

 その事実が俺を苛立たせ、しかし確実に肉棒へと与えられる刺激という快楽が苛立ちを誤魔化そうとしてきている。

 

「――ッ!」

 

 俺は射精の直前に夢子の後頭部を掴み、肉棒を喉奥へ押し付ける。

 多量の精液は一滴も零れることなく、夢子の胃の中へと消えていった。

 

「ぐっ、けほっ……乱暴ですね……」

 

 手を放し肉棒を抜き取ると夢子は口元に手を当て、苦し気に咳き込んだ。

 しかしその表情が崩れることはなく、未だ微笑みすら浮かべている。

 

 夢子のその余裕が無性に苛立ち、溜まった欲望と混ざり合う。

 気づけば俺の理性は焼き切れ、彼女を衝動的に押し倒していた。

 

「きゃっ」

 

 可愛らしい悲鳴はどこかわざとらしく、この場には不釣り合いだった。

 欲望の赴くままに、俺は再び固さを取り戻した肉棒を一息に夢子の膣へと挿入する。

 

「っ……!」

 

 そこから先の記憶は無い。

 正気に戻った俺を出迎えたのは精液を膣から溢れさせる夢子の姿と、彼女の余裕に満ちた微笑みだ。

 

 俺は夢子を家畜にし、その全てを手に入れた。

 今も彼女の肉体を貪り、犯した。

 

 だというのに、今俺が感じている感情は敗北感だ。

 この女を堕とすことができなかったという負の感情が、俺の心を満たしていた。



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夢子・芽亜里☆

「よろしくお願いしますね、早乙女さん」

「…………」

 

 いつものように、俺は放課後に家畜を貸し切った賭博場へ呼び出した。

 今回呼び出したのは夢子と芽亜里の二人。

 二人の表情は対照的と言ってもいい程に違う。

 

 夢子はギャンブルを早く始めたくて仕方がないようで、満面の笑みを浮かべている。

 対する芽亜里の表情は暗く、沈んでいた。

 

 今回行うギャンブルは、シンプルなインディアンポーカーだ。

 一枚ずつ配られるトランプを自分には見えないように掲げる。

 相手のカードだけを確認し、ベット額を決める。

 掛け金を決め、両者が降りなければカードを公開し、勝負。

 数字の強さは、A>K>Q>J>十>九>八>七>六>五>四>三>二。

 ただし二とAの勝負は例外として二の側が勝利。

 数字が同じ場合は、スペード>ハート>ダイヤ>クラブの順で強さが決まる。

 

 ただし、今回はベットするものが特殊である。

 俺は二人が向かい合うテーブルの上に、大きめのグラスと三つの液体が入ったビンを二セット置いた。

 金を賭ける代わりに、二人は好きな液体をグラスに注ぐ。

 内容は水と、媚薬と、利尿剤である。

 負けた方は二人が注いだ液体を飲む。

 降りた場合は、自分が注いだ液体を飲む。

 絶頂するか漏らした側の敗北。

 敗北した方には、無論罰ゲーム。

 

 以上のルールを説明すると、夢子は微笑み、芽亜里はうんざりした様子で頷いた。

 

 ディーラー役は俺だ。

 トランプをシャッフルし、一枚ずつを両者に配る。

 二人が額に掲げ、掛け金を決める。

 

 夢子のカードはハートの七。

 芽亜里のカードはクローバーの十だ。

 

 夢子と芽亜里は、それぞれビンから任意の液体を手元のグラスへと注いだ。

 芽亜里は二センチほど、夢子は五センチほどだろうか。

 どの液体を注いだのかは、相手には分からない。

 

「……降り」

 

 芽亜里が降り、自分で注いだ液体を飲み干す。

 地味な絵面で始まってしまったと、俺は軽くため息を吐いた。

 

 

 

 続く二戦目と三戦目も、あっさりと終了した。

 二戦目は再び芽亜里が降り、三戦目は夢子が降りた。

 

 動きがあったのは、続く四戦目だ。

 

「ぐっ……」

 

 公開されたカードは、スペードの五とハートの三。

 勝負に出た芽亜里が負けた結果だ。

 

 夢子の分のグラスを持つ芽亜里の手が震えている。

 恐らく、芽亜里は今まで己のグラスには水しか注いでいなかったのだろう。

 

 数秒の後、芽亜里は一息に五センチほど注がれた液体を飲み干した。

 媚薬も利尿剤も、飲んですぐに効果が出るような物ではない。

 自分がなにを飲んだのか分からない不安の中、次のゲームが開始する。

 

 その後も小競り合いのような戦いが続いた。

 相手の手が強いとすぐに降りる流れが続き、中々勝負が成立しない。

 

 十ゲームを超えて俺がそろそろ退屈を感じ出したころ、両者の表情に変化が訪れた。

 二人の顔が、僅かだが赤く染まりだしている。

 排尿を我慢しているのか、それとも媚薬の効果が出てきたのか。

 

「そろそろ、大勝負としましょうか」

 

 それを合図にしたかのように、夢子は掛け金を吊り上げる。

 夢子の提示した掛け金である液体は、グラス一杯に並々と注がれていた。

 

「……降りっ」

 

 勝負などできるものかと、芽亜里は即座に降りる。

 おそらくは水だろう液体を飲み、勝負は次へ。

 

「……降り」

 

「くっ……降り」

 

「降りッ!」

 

 夢子はそれから三ゲーム、毎回グラス一杯の液体をベットした。

 勝負の勇気を出せない芽亜里は、全ての勝負に降りる。

 三度目は勝負すれば勝っていたのだが、それは結果論と言える。

 

 通常のポーカーでも、大きく賭けて相手を降ろす戦術は一般的だ。

 夢子の作戦勝ちといった所か。

 

「……んっ」

 

 そして次ゲーム。

 カードを配られた芽亜里の様子がおかしい。

 彼女は顔を赤く染めながら、太股を擦り合わせていた。

 

 ずっと降りて水のみで回避していたとはいえ、かなりの量を摂取している。

 利尿剤を抜きにしても、芽亜里の膀胱は限界に近づいていた。

 

「くうっ……勝負!」

 

 そして提示される、夢子の一杯に注がれた液体。

 逃げていても始まらないと悟ったのか、芽亜里は降りずに勝負を受けた。

 

 夢子のカードはダイヤの四。

 芽亜里のカードは、クローバーの四。

 

「あっ……」

 

 数字は同じだが、スートの違いで芽亜里の負けだ。

 目の前に置かれた夢子のグラスを前に、芽亜里は完全に固まってしまう。

 

 夢子の性格上、この中身がただの水である確率は限りなく低い。

 十中八九、中身は媚薬か利尿剤だ。

 

 コップを持つ芽亜里の手が震え、机の上に液体が零れる。

 俺が急かす様に芽亜里の両肩に手を置くと、彼女の体はビクリと跳ねた。

 

「う、うぅ……」

 

 芽亜里はグラスをゆっくりと口元に運び、中身を嚥下する。

 そして全てを飲み干した瞬間、彼女の精神は限界を迎えた。

 

「あっ、あぁっ……!」

 

 チョロチョロという音が、芽亜里の元から流れる。

 彼女は太股を閉じ、俯きながらスカートの裾を押さえていた。

 その表情は絶望に染まり、瞳の端には涙が潤んでいる。

 

「あの……」

 

 勝者である夢子は恥ずかしそうに俺へと声をかけてきた。

 

「勝負も終わりましたし、お手洗いに行ってきても……?」

 

 俺がそのまま帰ってもいいと退室を許可すると、夢子はゆっくりと立ち上がり一礼して部屋を後にした。

 

 

 夢子を負かせなかったのは悔しいが、それは後回しだ。

 震える芽亜里の体で、ストレスは発散させてもらう。



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早乙女芽亜里⑦★

 早乙女芽亜里は椅子に座ったまま俯き、プルプルと震え続けていた。

 顔を羞恥で真っ赤に染め、涙を流し、スカートの裾を両手で強く握ったまま動こうとしない。

 

 俺はそんな芽亜里へ背後から近づき、彼女の首に首輪を嵌めた。

 慌てた様子で芽亜里は振り向くが、その表情に力はない。

 

 芽亜里の座っている椅子と彼女の両腕を手錠で繋ぎ、拘束する。

 同様に両の足首も椅子の足と手錠で繋いで、身動きできないようにした。

 

「むぐっ……!」

 

 芽亜里の口に開口具を押入れ、無理矢理装着。

 彼女の顎を軽く掴んで上を向かせ、無防備な口内へとギャンブルで使用した媚薬と利尿剤を注いでいく。

 

「んぐっ、んぅっ……!」

 

 必死にもがいて抵抗しようとしているが、芽亜里の四肢はしっかりと椅子に固定されている。

 ガチャガチャという手錠が鳴る音と共に椅子が動くだけで、彼女の口内はあっという間に液体で満たされていく。

 

 最後の仕上げに芽亜里の鼻を摘まんで塞いでやれば完了。

 呼吸を確保するために、芽亜里は嫌でも口内の液体を飲み干さなければいけない。

 

「んっ、ぐっ……ぷはっ」

 

 何度も喉を鳴らし、涙を零しながら芽亜里は飲み干し、ぜいぜいと呼吸を整える。

 そしてもう一度、俺は繰り返すように彼女の顎を掴んで液体を飲ませる。

 

 芽亜里の瞳が光を失い、絶望の色に染まっていく。

 用意していた媚薬と利尿剤を全て飲み干させるまでに、結局六度の繰り返しが必要になった。

 

 

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 トイレに行かせてくれと懇願する芽亜里の願いを、俺は聞いてやった。

 無論、今更優しさを見せたわけではない。

 

 芽亜里の服を剥ぎ、目隠しで全裸の状態で四つん這いに歩かせている。

 首輪に繋がる鎖を引き、俺は芽亜里をトイレまで誘導していた。

 

「ね、ねえ……まだ着かないの……?」

 

 必死に尿意を抑えながら、芽亜里は不安そうに問いかけてきた。

 媚薬の効果も出ているようで、彼女の肌は汗と愛液でぐっしょりと濡れている。

 

 返事の代わりに尻を叩いてやると、芽亜里の肉体がビクンと跳ねた。

 そろそろ限界が近いのだと確認し、俺は芽亜里を目的地へと誘導する。

 

 

 個室の洋式便器に芽亜里を座らせ、彼女の目隠しを解く。

 後ろ手に組ませた両手を背後のパイプと手錠で繋ぎ、身動きは封じている。

 視界が開けると、それを合図にしたかのように芽亜里の秘部から黄色い液体が勢いよく放出された。

 

「ふっ、うぅっ……」

 

 顔を伏せ、全身を震わせながらも、芽亜里の表情には安堵の二文字が浮かんでいる。

 無論、その奥底には羞恥や怒りも混じっているが。

 

「……えっ?」

 

 そこでようやく、芽亜里はここが男子便所であることに気付く。

 扉越しから聞こえるのは男の声だ。

 

 状況を把握し芽亜里の顔が真っ赤に染まる。

 そして身動きの出来ない現状を把握し、瞬時に表情が青くなった。

 

「んっ……!」

 

 そんな芽亜里を尻目に、俺は彼女の胸を揉みしだく。

 媚薬で敏感になった芽亜里の肉体は簡単に発情し、あっという間に乳首が硬くなっていくのが理解できた。

 

 芽亜里は外にバレないよう、必死に声を押し殺している。

 手で口を塞ぐことも出来ないため、強く唇を噛んで嬌声が漏れないようにしていた。

 

 俺としても実際に露見しては困るため、芽亜里がギリギリ耐えられるように愛撫の強さは調整していた。

 焦らすようにゆっくりと、俺は彼女の両胸を刺激し続ける。

 そして周囲の雑音が消え、便所内に誰もいなくなったことを確認し、俺は芽亜里の両乳首を一気に摘み引っ張った。

 

「――ッ!」

 

 声にならない悲鳴と共に、芽亜里の股から今度は愛液が噴き出した。

 涎と涙を垂れ流し、芽亜里は絶頂に打ち震えている。

 

「あ、ぁぁ……」

 

 貯め込んだ快楽を一気に解放し、芽亜里は気を失いかけている。

 便器に縛られ、そんな有様の状態になった芽亜里に、俺はズボンを脱ぎ露出させた肉棒を突きつけた。

 

 芽亜里は虚ろな目で眼前の肉棒を見つめている。

 普段の嫌悪や殺意のような感情は消え失せていた。

 

 俺は芽亜里に口を開けさせる。

 そしてそのまま彼女の後頭部を掴み、一気に肉棒を彼女の口内へと突き入れた。

 

「ぐ、うっ……!」

 

 歯を立てるなとだけ命令し、両手で芽亜里の頭を前後に動かす。

 舌と喉の感触に快感は一気に高まり、僅か数分で俺は絶頂した。

 

「――ッ!」

 

 芽亜里の喉奥に射精すると同時に、彼女は再び股から愛液を噴き出している。

 すでに喉を犯されるだけで絶頂するほどに、彼女の肉体は開発されているということだろう。

 

 肉棒を抜き取ると、芽亜里の口端からはドロリと精液が流れ落ちてきた。

 頬を伝い落ちる精液は彼女の身体に垂れ、白く汚していく。

 

 人としての尊厳を汚され続けた芽亜里の瞳からは完全に光が消えている。

 いつもの生意気な表情とは比べ物にならないほどに、その姿は雌として魅力的に映っていた。



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夢見弖ユメミ⑥★

 ライブを終えて控室に戻って来たユメミを、俺は出迎えた。

 二人以外誰もいない空間で、ユメミは黙って俺の目の前でスカートの裾を捲り上げる。

 命令通りに行動する従順な動きとは裏腹に、その表情は反抗心の塊といった様子だ。

 

 露出された純白色のショーツを俺は屈んで眼前に捉える。

 膨らみを帯びたショーツを指で押すと、ユメミの喉から嬌声が漏れ聞こえだす。

 

 ショーツを脱がせると、秘部には俺の命令した通りに太いバイブが突き刺さっている。

 ライブの度、徐々に過激にユメミを責めていった結果、もはやこんな状態でも彼女は普段通りの演技をしながらライブを行えるように成長していた。

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 息を荒げ、必死に快楽に抗うユメミ。

 だが、すでに彼女の肉体は被虐や露出で感じるようになってしまっている。

 その証拠に、突き刺さったバイブを抜き取ると中からは多量の愛液が太股を伝い零れ落ちだしていた。

 

「ち、違っ……いぃっ……!」

 

 否定の言葉は、膨れ上がった陰核を指で弾くだけで嬌声へと変化する。

 俺がズボンを降ろし肉棒を見せつけると、ユメミの喉からはしっかりと唾を飲み込む音が聞こえる。

 

 もはや否定は口だけだ。

 彼女の肉体は、着実に快楽へ堕ちている。

 

「ふぅぅ……うぅ……」

 

 ユメミは壁に手をついて、こちらへ尻を突き出す。

 ショーツを脱いでいるため、こちらの視点からは尻穴と秘部が丸見えだ。

 

「さ、さっさとしなさいよ……」

 

 そのまま焦らしてもよかったが、俺自身の我慢も限界に近い。

 細い腰に両手を這わせ、濡れ切った膣内へと一気に肉棒を突き入れる。

 

「――ッ!」

 

 どれだけ待ち望んでいたのだろうか。

 たったの一突きでユメミは絶頂した。

 

 控室に誰もいないとはいえ、大きな音を出しては気づかれる可能性がある。

 ユメミも理解はしているようで、必死に声を押し殺してはいた。

 

 俺はそのまま、ピストン運動を再開する。

 多量の愛液が潤滑剤になっているというのに、ユメミの膣は強くこちらの肉棒を締め付けて離さない。 

 

「う、あぁっ、あぁ……!」

 

 途切れ途切れに聞こえる喘ぎ声は可愛らしく、そして淫猥だ。

 そんな姿に長時間の我慢など出来るはずもない。

 俺はあっという間に射精し、ユメミの膣へと精を解き放った。

 

「――ッ!」

 

 それと同時に、ユメミも二度目の絶頂に達する。

 片手で口元を押さえ、目尻から涙を流しながら声を抑えて全身を震わせていた。

 

 肉棒を抜き取ると、注いだ精液が膣から零れ落ちそうになっている。

 俺は栓で塞ぐように、ユメミの秘部へと再びバイブを挿入した。

 

「ひ、いっ……!」

 

 絶頂直後のユメミの肉体は相当敏感になっているらしい。

 突き上げられたかのように彼女の肉体は跳ね上がり、踵が浮いていた。

 

 ショーツを履かせ、放課後まで今日一日その状態で過ごすようにと命令する。

 まあないとは思うがという前置きと共に、自慰も禁止だと付け加えた。

 ユメミは答えられる状態ではないようで、壁にもたれかかったままゼイゼイと息を切らすだけだった。

 

 

 

 放課後。

 いつものように空き教室に足を踏み入れると、ユメミは教室の中央で一人俯いていた。

 

 俺の存在を認識しても、声をかけたり目線を向けようともしない。

 挨拶の代わりにポケットに入れていたバイブのスイッチを入れると、ユメミの肉体が大きくのけ反った。

 

「――ッ!」

 

 俺がユメミに挿入していたバイブを振動させたのはたった今だ。

 ただの張子と化していたバイブですら、限界近くにまで彼女の快楽は高まっていたらしい。

 

 それとも、僅かな時間とはいえバイブを挿入したまま生活したという事実がユメミを興奮させていたのか。

 そう問うと、ユメミは力なく首を振って否定する。

 

 その否定は、自分自身が信じたくないというだけのものだ。

 それを証明するために、俺はユメミを立たせ誘導する。

 

「な、なに……?」

 

 この教室は今日は先約があって使えない。

 だから今回は俺の家にユメミを連れていく。

 

 まともに歩けなさそうだったのでバイブのスイッチだけは切ってやり、早く付いてこいと早足で歩く。

 ユメミはふらつく体を気合で支えながら、俺の後ろを歩き出す。

 

 

 

 自宅に到着し、玄関を潜って扉を閉めた途端、ユメミは俺の背中に縋り付いた。

 風邪を引いたかのようにぜいぜいと呼吸を荒げ、全身を小刻みに震わせている。

 

「お、お願い……します……シてください……」

 

 我慢の限界といった様子だ。

 やはり今の状況で外を歩くということに興奮していたか。

 

 露出趣味に目覚めたユメミに、俺は再び問いかける。

 その姿を見られるかもしれないという状況に興奮する変態であることを認めるのかと。

 

「み、認める……認めますから……!」

 

 俺が命じる前に、ユメミは己の衣服を脱ぎだした。

 玄関の床に彼女の制服が落ち、次いで下着が落ちる。

 あっという間にユメミは全裸になり、秘部に突き刺さったバイブが丸見えになった。

 

「私は、露出狂で変態の家畜です……! だから、ご主人様……!」

 

 ユメミはその場で土下座まで開始した。

 プライドも尊厳も投げ捨てて、彼女は快楽を求めて自分から墜ちた。

 

 その姿に、俺は至上の興奮と優越感を感じている。

 満たされながらも沸き上がる征服欲を満たすため、俺は足元にあるユメミの頭を靴を履いたまま踏み躙った。

 

「お願い、です……!」

 

 ここまでされても、ユメミは懇願を止めようとはしない。

 俺は笑みを必死に堪えながらしゃがみ、肉棒を露出させユメミの眼前へと突きつける。

 

「あっ……」

 

 いつものような、汚らわしいものを見つめる目ではない。

 ユメミは蕩けるような表情を浮かべ、俺の肉棒を凝視していた。

 だらしなく舌を出し、犬のように息を荒げている。

 

 俺はユメミの背後に回りバイブを抜くと、土下座したままの彼女の膣へ一気に肉棒を挿入した。

 

「――ッ!」

 

 それだけで、ユメミは絶頂した。

 彼女の肉欲は既にはち切れんばかりに高まっていたのだろう。

 

 電気が流れているかのように全身を痙攣させるユメミの膣を、俺は激しくピストンし続ける。

 結合部からは愛液が溢れ、彼女の喉からは叫び声のような嬌声が響き続けた。

 

 煩いユメミの口元を塞ぎ、何度もピストン運動を繰り返す。

 やがて俺の方も限界が近づいたため、最奥に突き入れながら精液を注ぎ込んだ。

 

「――ッ!」

 

 既にユメミの意識は飛んでいた。

 涙と涎で整った顔立ちは崩れ、失禁までしている。

 

 肉棒を抜き取り、立ち上がる。

 足元には愛液と精液、そして尿で汚れながら恍惚の表情を浮かべ気を失う女……いや、家畜の姿があった。



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皇伊月④★

 ユメミを堕としたことで、俺の中には新たな欲望が生まれていた。

 他の家畜たちも、同様に堕としたいという欲望が。

 

 伊月を放課後に呼び出すと、彼女は怯えたような視線をこちらに向けてきた。

 しかし逆らえる立場にないことは彼女自身が理解している。

 放課後、指定した教室で一人伊月は待っていた。

 

 伊月を全裸に剥き、首輪を装着させる。

 頭に犬の耳を模したカチューシャを付け、尻穴には犬の尻尾を模したバイブを挿入し、まずは見た目を人から犬へと変化させた。

 

 椅子に座ったままズボンのチャックを降ろして肉棒を露出させ、舐めるように命じる。

 伊月は四つん這いの姿勢で大きく口を開き、俺の肉棒を咥えだす。

 

「んっ、ぐっ……」

 

 涙目になってこそいるが、舌遣いはもう慣れ切っていると言っていい。

 深く咥えながら丹念に舐め回す様が、視覚的にも興奮を煽る。

 

 犬のように床に這い、手を使わずに首を突き出して肉棒を舐め回す姿は滑稽でもあり、淫猥でもある。

 手に持った鎖を軽く鳴らすと、伊月は慌ててより激しい口淫奉仕を行った。

 

「──ッ!」

 

 射精の直前、俺は伊月の後頭部を掴み、彼女の喉奥まで肉棒を突き入れる。

 胃の中へ直接精液を流し込まれた伊月は苦しそうに呻いているが、決して力は緩めない。

 

「げ、げほっ……!」

 

 肉棒を抜き取った途端、伊月は喉を抑えて激しく咳き込みだす。

 恨みがましい視線を向けてくるが、鎖を引っ張ると途端に怯えた視線へと変わり舌を伸ばして肉棒を舐めだした。

 付着した精液を全て舐め取った伊月の頭を撫でてやると、そこでようやく彼女はほっとしたようにため息を吐いた。

 俺が新しい道具を取り出すと、また彼女の顔は怯えに変化する。

 まるで百面相のようで、その様に俺は少し笑ってしまった。

 

 

 

「ぐっ……く、ふぅっ……!」

 

 四つん這いの姿勢のまま、伊月は身を捩じらせ続けていた。

 尻穴に挿入された尻尾とは別に秘部にもバイブが刺さり、振動音を響かせながら彼女の膣をかき回している。

 

 伊月には二本のバイブを落とさないようにと命じていた。

 彼女は土下座をしているように頭を垂れ、必死で穴に力を入れている。

 

「う、あぁ……あっ」

 

 だが、沸き上がる快楽に力が抜けたのだろう。

 秘部に刺さっていたバイブが重力に負け、床に落ちた。

 

「ひっ……」

 

 途端、伊月は俺に怯えたような視線を向ける。

 いや、正しくは俺の持つ道具に向けて。

 俺の右手には一本の鞭が握られていた。

 アダルトグッズの一種だが、これは乗馬用の本格的なものだ。

 

「あ、がぁっ……!」

 

 事前に通告していた通りに、伊月の尻に鞭を振るう。

 そう強くしたつもりはないが、甲高い音と共に綺麗な痕が残り、彼女の喉からは悲鳴が漏れた。

 

 涙を流して全身を震わせる伊月の秘部へ、再びバイブを挿入する。

 スイッチを入れ、今度は落とすなという言葉と共に地面へ鞭を振るう。

 

 

 

「う、うぅ、ぐぅっ……」

 

 伊月の秘部がバイブを落とす度に、鞭を振るう。

 そうして何度も繰り返すうち、伊月の尻には無数の痕が刻まれる。

 流れた涙が水溜まりを形成し、彼女の精神には恐怖がしっかりと刻み込まれた。

 

 再び伊月の眼前に肉棒を突きつけると、彼女は震えながらも肉棒を咥えだす。

 目尻に涙を浮かべながら頬を膨らませる姿に、俺の興奮は高まっていく。

 

 僅か数分で、俺の我慢は限界に達した。

 零すなと一言命じ、伊月の口内へ精液を注ぐ。

 

「――ッ!」

 

 肉棒を抜き取った途端、伊月は顔を上に向けて口内の精液を零さないよう嚥下していく。

 何度も喉を鳴らす伊月の鼻を、俺は摘まんでやった。

 

「うっ……けほっ……!」

 

 息苦しさに伊月は咳き込み、唾液と混ざった精液の一部が床に落ちた。

 その光景に、伊月は顔を真っ青に染め上げながら俺へと縋り付く。

 

 許しを求める様は哀れであったが、俺の返答は決まっていた。

 そして、俺は伊月に四つん這いを止めていいとは言っていない。

 

「え、あ……」

 

 二重の命令違反に対するお仕置きは決まっている。

 俺は伊月の首輪に繋がる鎖を一気に引っ張り、彼女の姿勢を崩した。

 床にうつ伏せで倒れた伊月の秘部に肉棒を挿入し、彼女を犯す。

 

 ピストン運動で快楽を与えると同時に、俺は彼女の肉体を鞭で打つ。

 痛みと快楽を同時に与え、薄っすらと目覚めかけていた彼女の被虐趣味を顕在化させていく。

 

 伊月の絶叫に近い悲鳴は、首輪を引っ張り首を絞めることで押さえつける。

 彼女の首と連動するように締まった膣に、俺はトドメの射精を放つ。

 

「――ッ!」

 

 最後の一滴まで注ぎ切り、俺は肉棒を抜くと同時に手を放す。

 伊月はその場で倒れ、ピクピクと痙攣している。

 薄れてはいるが、意識はあるようだ。

 

 結果を確認するため、俺は彼女の背中を鞭で軽く叩いた。

 

「あぐっ……!」

 

 痛みを伝えるだけの行為であるはずが、伊月の表情には悦びの色が見える。

 痛みを快楽に変換する癖が付いた彼女は、被虐趣味に目覚めていた。

 

「う、うぅっ……」

 

 鞭の先で伊月の尻を優しく撫でると、彼女は潤んだ瞳をこちらへ向けてきた。

 おねだりをする犬のように、伊月は尻を突き出しゆらゆらと揺らす。

 

 墜ちかけた彼女へ最後の一押しが必要な今、簡単に褒美を与えるわけにはいかない。

 俺は虚空へ向けて鞭を振り、伊月を焦らす。

 何が欲しいのかは丸わかりだが、彼女自身の口から発せられるという事実が重要なのだ。

 

「……ください」

 

 数分が経ち、伊月は俺の求めている言葉を理解したようだった。

 か細い、消え入るような声で彼女は懇願する。

 

「もっと、痛く……して、ください……!」

 

 涙を流し、醜く顔を歪ませながら、伊月は懇願を繰り返す。

 彼女が目覚めた被虐願望を認めたことを確認し、俺は褒美として伊月の尻へ全力で鞭を振るった。

 

「――ッ!」

 

 痛みでしかないはずのその衝撃に、伊月は愛液と尿を垂れ流して失神した。

 ビクビクと痙攣する肉体を眺めながら、俺は家畜として墜ちきった伊月の姿に満足感を覚えていた。



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濡羽綾女④★

 濡羽綾女の調教は、こちらが新たな手を加えるまでもないほどに順調だった。

 ギャンブルは弱く、プライドや意思も希薄。

 時折理由を付けてはその肉体を貪ってはいたが、まさかそれだけで快楽に墜ちるとは。

 

「んっ、く、うぅっ……!」

 

 目の前に置かれたカメラへ向けて秘部を晒しながら、綾女は一心不乱に自慰を行っていた。

 ぐちゅぐちゅと水音を立てながら、彼女は己の指を秘部に挿入し膣をかき回している。

 かつて羞恥で赤く染まっていた顔は、純粋な快楽によって紅潮していた。

 

「――ッ!」

 

 悲鳴にも似た嬌声を上げ、綾女は絶頂に達した。

 俯きながら全身を痙攣させ、膣から多量の愛液を分泌している。

 

 ぜいぜいと呼吸を荒げながらも、綾女の指は己の膣を刺激し続けている。

 彼女は完全に快楽の虜となっていた。

 

 家でも自慰を行っているのか。

 俺はカメラを止め、綾女にそう問う。

 

「は、はい……寝る前はいつも体が疼いて……お、オナニーしないと、眠れないんです……!」

 

 改めて口にするのは恥ずかしいのか、消え入るようなか細い声で綾女は肯定した。

 カメラは止めたとはいえ、俺に今も秘部を見せつけているのだがそれは恥ずかしくないのだろうか。

 

 一度絶頂したことで収まりがつかなくなったのか、綾女の自慰は激しさを増していく。

 既に右手の人差し指と中指が根元まで膣に刺さっていた。

 

 道具は使うのか。

 そう聞くと、綾女は数秒押し黙り、観念したように口を開いた。

 

「ろ、ローターとか、バイブとか……でも、最近は満足できなくなってきて、もっと激しいのを買おうかと思ってます……」

 

 思わずため息が漏れた。

 こちらが策を弄する必要がないというのは楽でいいのだが、なんというか、こう。

 

 俺は彼女の調教に使おうと思っていた性具を懐から取り出し、綾女に見せつける。

 途端、彼女の自慰をする手は止まり、見とれたように性具を注視しはじめた。

 まるで誕生日プレゼントを貰う子供のような反応に、俺はもう一度深くため息を吐いた。

 

 

 

「は、早く、お願いします……!」

 

 何があっても自分からは動くなと綾女に命じ、俺は彼女の膣にバイブを添える。

 新たに手に入れたこの極太バイブはその大きさもさるものながら、無数のイボが凶悪な印象を与えている。

 これを挿入されるなど泣き叫んでもおかしくないはずなのだが、綾女は餌を待つ犬のように責めを待ち望んでいた。

 俺は濡れ切った綾女の秘部に、バイブを一気に挿入する。

 

「――ッ!」

 

 挿入した瞬間に綾女は絶頂した。

 足をM字に開いたまま上半身をのけ反らせ、噴水のように愛液を結合部から噴き出している。

 

 しかしこのバイブはこれで終わりではない。

 根元のスイッチを入れると、電動式のバイブはゆっくりと回転を開始した。

 

「ひっ……うぁっ……!」

 

 バイブのイボが綾女の膣をゴリゴリと削っていき、彼女の喉から激しい嬌声を漏らさせる。

 三段階のうち最も弱い回転でこれだ。

 俺は綾女を休ませることなく、スイッチを一気に最大にする。

 

「――ッ!」

 

 高速回転を開始するバイブの刺激に、綾女の肉体は耐え切れない。

 俺は再び絶頂した彼女の背後に回り、嬌声を上げる口を塞いだ。

 

「むぐっ……!」

 

 そして動くなと再度命じ、バイブによる刺激を綾女に与え続けた。

 彼女は目尻から涙を流しながら絶頂を繰り返し続ける。

 綾女の精神が限界を超え失神するまで、十分もかからなかった。

 

 

 

「う、ぁ……」

 

 軽く頬を叩くと、綾女は意識を取り戻した。

 虚ろな意識のままキョロキョロを周囲を見渡し、十数秒の時間をかけて彼女は現状を認識する。

 

 綾女の膣に刺さっていたバイブは抜き取られ、代わりに俺の肉棒が突き刺さっている。

 彼女を起こそうと思って挿入したのだが、ここまで意識を取り戻さないとは想定外だった。

 

「え……あ、え……?」

 

 まだ脳が目覚め切っていない様子の綾女は、戸惑ったような声を上げるだけだ。

 そんな彼女の耳元で、俺はこう囁いた。

 動くな、十分動かなければお前の借金はチャラにしてやると。

 

「ほ、本当ですか……?!」

 

 その言葉で一気に目が覚めた綾女は、緊張に体を強張らせる。

 俺が一気に彼女を犯し始めるとでも考えたのだろうが、答えは逆だ。

 俺は一切動くことなく、綾女を見つめ続ける。

 

「う、ぅぅ……」

 

 僅か二分ほどで、綾女は瞳を潤ませて結合部に視線を落とす。

 肉体から沸き上がる欲求に必死に耐えているのだろうが、既に限界が近い様子だ。

 

 三分、四分。

 どんどん綾女の呼吸は荒くなり、苦し気な表情を浮かべだす。 

 五分、六分、そして七分が経過した頃。

 

「……え、あれ……?」

 

 綾女は自分から腰を振りだした。

 初めはゆっくりと、そして徐々に速度が速くなっていく。

 

「ち、ちがっ……!」

 

 思考とは別に、彼女の本能が肉体を動かしているとでも言うのだろうか。

 否定の言葉を浮かべながらも、綾女は快楽を求めて腰を振り続ける。

 言い訳の言葉は喘ぎ声に変化し、困惑の色を浮かべていた瞳は焦点の合わない虚ろな物へと変わっていく。

 

「――ッ!」

 

 俺が精を放つと同時に、彼女も絶頂した。

 唸り声に似た絶叫は、人と呼ぶよりも獣という呼称が相応しい。

 

 そして、綾女の欲望は尽きていなかった。

 薄れる意識の中、それでも腰を振り快楽を求める姿に俺は満足感を覚える。

 性の虜となった彼女は家畜に墜ち、二度と人に戻ることは無いだろう。



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夢見弖ユメミ⑦★

 休日、俺はユメミを街に呼び出した。

 時間通りにやってきた彼女は、以前と同じように顔を赤く染めている。

 しかしその理由は以前までのような怒りではなく、期待に満ち溢れたものだ。

 

 普段はツーサイドアップにしている髪を下ろしたユメミの姿は、それだけで印象を変える。

 道行く人々がユメミを知っていたとしても、彼女がそうだとは気づかないだろう。

 

 ユメミの服装は、大胆に腹部や太股が見える白いセーラー服だ。

 上下共に極端に丈が短く、学生服というよりは過激なコスプレ衣装という印象が強い。

 一歩間違えば痴女に見えかねないそれをオシャレに着こなす姿は、流石アイドルと呼ぶべきか。

 

 俺はユメミの肩に手を置き、彼女を抱き寄せるようにしながら歩く。

 周囲からはお熱いカップルのように見られているのだろうが、当の彼女は興奮に息を荒げていた。

 

 今のユメミは当然のように下着を着けてはいなかった。

 至近距離から目を凝らせば透けた乳首の色が見えている。

 注目を集めている今、風でスカートが舞い上がればユメミの秘部は衆目に晒されるだろう。

 

 そんな未来を想像しているのか、ただ歩くだけでユメミの興奮は高まり続けていた。

 縋るように俺の腕に両手を絡ませ、彼女は俯いたまま歩いている。

 

 このままでは往来で絶頂しかねない。

 そう感じた俺はユメミを連れて近くのカラオケボックスへと入店した。

 

 

 

「くっ、ふぅっ……!」

 

 案内された個室へ入った途端、ユメミはその場で崩れ落ちた。

 四つん這いの姿勢になりながら、荒くなった呼吸を必死に整えている。

 

 後ろに立つ俺の視点からは、スカートが捲れ秘部と尻が見えていた。

 秘部からは愛液が垂れ、太股の付け根を妖しく照らしている。

 

 見られるかもしれないという想像だけで、今のユメミはここまで性的興奮を煽るのか。

 驚くと同時に笑みが浮かび、俺はしゃがみ込み彼女の秘部に顔を近づける。

 

「う、ぁぁ……」

 

 スカートを捲って中を覗いているだけでユメミの呼吸は荒くなり、秘部からは愛液が分泌され続けている。

 俺は彼女の肉体に触れず、ただ眺めてユメミを焦らしていく。

 

「そ、その……」

 

 僅か数分で、ユメミは折れた。

 言い難そうに、彼女は己の欲望を吐露する。

 

「あ、アソコが……う、疼いてしまって……」

 

 恥ずかしそうに呟く彼女の懇願を、俺は無視した。

 言いたいことがあるのならハッキリと言えと、彼女を言葉でも責めていく。

 

「う、うぅ……」

 

 逡巡は、しかし一分にも満たなかった。

 快楽の虜と化したユメミは既に獣のような本能を優先して動いている。

 

「わ、私の、アソコを……」

 

 アソコとはどこだ。

 そう問うと、一瞬悩んだ後にユメミはやや声を大きくして懇願した。

 

「私、の……お、おまんこを……ご主人様の手で……私を、ぜ、絶頂させて下さい……!」

 

 ようやく出た答えを合図に、俺はユメミの秘部へ右手の人差し指と中指を入れる。

 愛液で濡れた穴に奥まで挿入し、一気に中身をかき回した。

 

「――ッ!」

 

 既に我慢の限界だったのだろう。

 あっという間にユメミは絶頂し、噴水のように愛液を噴き出した。

 

 このままユメミを責め続けてもよかったが、俺は秘部から指を抜き取る。

 一度絶頂したというのに、ユメミは物足りない様子でこちらに視線を向けてきた。

 

 快楽に蕩ける顔もいいが、それだけでは面白くない。

 俺はバイブを取り出すと、それをユメミの秘部に挿入する。

 愛液が潤滑剤となり、バイブは簡単に奥まで入っていった。

 根元だけが見える状態で奥底にまでバイブを飲み込み、ユメミは次の展開を待ちわびている。

 スイッチが入り、膣内をかき回される想像で息を荒げる彼女を、しかし俺は放置した。

 

 戸惑うユメミを立たせ、カラオケボックスを後にする。

 そこでようやく、ユメミは俺の思惑を理解したようだ。

 見られることで興奮を高める今のユメミにとってはご褒美になるだろうが、たまには家畜に優しくするのも悪くない。

 

 

 

 喫茶店や洋服店を、俺とユメミはデートのように回っていく。

 無論、ユメミの秘部にはバイブが突き刺さったままだ。

 下着を着けず秘部を丸出しの状態も相当だが、今の状態はそれ以上に露見した際のリスクが高い。

 そしてそうであるが故に、ユメミは顔を赤くして興奮し続けている。

 

「ふ、うぅっ……」

 

 愛液で太股を濡らし、内股で歩くユメミ。

 下腹部の力を抜けばバイブはすぐさま落ちる状況だ。

 必死に力を籠めるが、もしバイブを落として周囲に気付かれたらと妄想し、彼女はより一層股を濡らし愛液を分泌させる。

 

「ち、ちょっと……もう、限界……!」

 

 ふいに、ユメミは俺の上着を指先で摘みながら囁いた。

 俺を誘導するかのように何度も小刻みに引っ張り、限界なのだと訴え続けている。

 

 丁度俺の我慢も限界に近い。

 俺はユメミを連れ、早足で歩き出した。

 

 

 

「は、早く……」

 

 公園の隅に置かれた、小さな男子便所。

 決して清潔とは言えない個室の中で、ユメミは便器に座っていた。 

 両足を上げM字に開いて座り、バイブの刺さった秘部を目の前に立つこちらに見せつけている。

 

 俺は突き刺さったバイブをゆっくりと抜き取っていく。

 ユメミは両手を口に当て、嬌声を堪えようと必死だ。

 

 それもそのはず、今現在個室の扉を隔てた先では二人の男が小便器で用を足している。

 この状況で女性の声が聞こえようものなら騒ぎになるのは想像に難くない。

 

「ん、あっ……!」

 

 そんな状況だからこそ、俺は彼女の秘部に己の肉棒を挿入する。

 音を最小限に、ゆっくりとピストン運動を行うたびに、ユメミの喉から堪え切れない嬌声が小さく漏れ聞こえる。

 

 待ち望んだ肉棒の刺激と、今にも露見するかもしれないというリスク。

 その両方に耐えるユメミの目には涙が浮かんでいる。

 そして同時に、彼女の表情は発情した雌犬のように蕩けていた。

 

 二人の男が去り、話し声が小さくなる。

 我慢を続けた欲望を発散するかのように、俺はユメミの膣内へと射精した。

 

「――ッ!」

 

 それを合図に、ユメミも絶頂する。

 くぐもった声で、それでも決して小さくない声が個室に響く。

 

 愛液と精液の混合物が結合部から垂れ、便器の中へと落ちていく。

 俺はユメミの膣から肉棒を抜き取ると、綺麗にするようユメミへ命令する。

 

「は、はぃ……」

 

 絶頂直後の虚ろな意識のまま、ユメミは俺の肉棒に付着した精液と愛液を舐め回す。

 唾液以外の汚れが無くなったのを確認し、俺は褒美として再び彼女の秘部へバイブを挿入する。

 

「ひ、ひょっとして……まだ……?」

 

 無論そうだ。

 まだ時刻は夕方にもなっていない。

 膣内に精液を貯め込んだまま、バイブを栓代わりに、ユメミには再び人前へと出てもらう。

 

「あ、はぁっ……」

 

 そう伝えただけで、ユメミの表情は恍惚に染まりだした。

 すでに彼女にとって、この命令は褒美にしかなっていないようだ。

 

 結局、この日は夜まで街を歩くだけで解散した。

 しかし、ただそれだけでユメミは数えきれないほどの絶頂を町中で体験していた。



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早乙女芽亜里⑧★

 休日、俺は芽亜里を朝から自宅に呼び出した。

 

 俺が指定したメイド服に着替えた芽亜里は、怒りや怯えの入り混じった複雑な視線をこちらに向けて立っている。

 アダルトグッズと共に購入したメイド服は非常に布地が少ない。

 ヘソや背中は大胆に露出され、スカートの丈は太股が丸見えになるほどに短い。

 下着を脱がせているため、芽亜里は今も落ち着きなくスカートの裾を懸命に両手で引っ張っていた。

 

 秘部や尻程度、もう何度も晒してきただろうに。

 未だ羞恥心を残した芽亜里の様子は、逆に言えば精神力が非常に強いことの証でもある。

 

 それを打ち砕くため、俺は椅子に座ったまま芽亜里の目の前で肉棒を露出させる。

 それだけで全てを理解した芽亜里は、俺が命令する前に跪き肉棒を咥えだした。

 

「んっ、ぐぅっ……」

 

 汚らわしいものに触れるようだった過去の姿と比べれば、今の芽亜里はまるで別人のようだ。

 多少の嫌悪感こそ残ってはいるものの、慣れた舌使いで奉仕を続ける彼女の姿に過去の面影はほとんど残っていない。

 

「ん、ぐっ、ぶっ……!」

 

 足を延ばし、芽亜里の秘部を足指で刺激する。

 芽亜里の肉体は雑な愛撫にも敏感に反応し、彼女は全身を震わせながら必死に耐えていた。

 こちらの我慢が限界に近づいたタイミングで俺は芽亜里の後頭部を押さえつけ、強制的に喉奥へと肉棒をねじ込み射精した。

 

「――ッ!」

 

 ドクドクと精液を注がれ、芽亜里は苦しそうに喘ぎ続けている。

 最後の一滴を注ぎ終わり手を放すと、芽亜里は俺の肉棒から口を離し盛大にむせ返った。

 

「げほっ、こほっ……!」

 

 咳を繰り返す芽亜里に装着された首輪から延びる鎖を引くと、彼女は慌てた様子で俺の肉棒を再び舐め回す。

 折檻を恐れて肉棒を掃除する芽亜里の姿に嗜虐心をそそられ、俺の肉棒は再び固さを取り戻していった。

 

 咳をした際に芽亜里の唾液で床が汚れたことを理由に、俺は彼女に罰を与える。

 四つん這いの姿勢でこちらに尻を向けさせ、丸見えとなった秘部に尻尾を模したバイブを挿入した。

 スイッチを入れるとバイブが振動し、芽亜里の喉から悲鳴じみた嬌声が漏れる。

 

「んっ……あぁっ……!」

 

 身を捩じらせながら快楽に耐えようとする芽亜里。

 俺は彼女の背後から両胸を鷲掴みにし、そのまま強く揉みしだく。

 

 柔らかな乳房は俺の指に合わせて形を変えていく。

 すでに固くなっている乳首を摘まんで引っ張ると、より一層芽亜里の嬌声が大きくなった。

 

「――ッ!」

 

 数分の愛撫で、芽亜里は耐え切れず絶頂する。

 獣のような声と共に膣から愛液を噴き出し、四つん這いの姿勢すら保てなくなった彼女はその場に崩れ落ちた。

 

 

 

 その後も、俺は芽亜里に罰と称して調教を繰り返す。

 勝手に絶頂した罰。

 床を愛液で汚した罰。

 満足な奉仕が出来なかった罰。

 

 芽亜里は既にメイド服を剥がれ、全裸に首輪と尻尾を装着した格好だ。

 両の乳首にはフェイクピアスを装着し、右側のピアスには家畜であることを示すミケの名札がぶら下がっている。

 

 今も振動し続けているバイブの刺激に耐えたまま、芽亜里は両手を胸の前に上げ、蹲踞に近い姿勢をとっていた。

 犬の芸である“ちんちん”の姿勢だ。

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 姿勢を崩せばまた罰がある。

 そう学習させたかいもあり、芽亜里は必死に滑稽な姿勢を崩さないよう堪えていた。

 

 だが、限界はやがて訪れる。

 俺が芽亜里に許しを告げない限り、無限に耐え続けなければいけないのだから当然の話なのだが。

 

「――ッ!」

 

 尻尾を引っ張ってやると、新たな刺激に耐え切れなくなった芽亜里は絶頂した。

 尻を突き出した姿勢でうつ伏せに倒れ、ぜいぜいと息を荒げている。

 まるで誘っているかのような姿の芽亜里から尻尾を引き抜き、俺はそのまま彼女の秘部へと肉棒を突き入れた。

 

「あ、ぎぃっ」

 

 芽亜里の悲鳴を無視し、俺はそのままピストン運動を繰り返す。

 刺激され続けていた芽亜里の膣は油でも塗っているのかと錯覚するほどに滑りが良い。

 

 快楽で意識が混濁している芽亜里の耳元で、刷り込みのように俺は囁き続ける。

 これは罰だ。

 これはお仕置きだ。

 何度も何度も、今芽亜里が犯されているのは命令に逆らったからだと囁き、彼女の意識に刷り込みを行っていく。

 

「――ッ!」

 

 調教というよりは洗脳に近い行為。

 最後に白濁液を注ぎ込んだ瞬間、芽亜里は意識を失いその場に倒れ伏した。

 

 

 

 意識を取り戻した芽亜里は、従順な雌犬へと変貌していた。

 頭を撫でてやると嬉しそうにこちらへ体を預けてくる。

 

 一番強情だった芽亜里を堕とすことに成功し、俺は次の目標を求め始める。

 次は何を、そして誰を……。

 そう考えながら、俺は再び芽亜里の肉体を貪りだす。



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桃喰綺羅莉☆

 公式戦。

 それは家畜に唯一許された権利であり、たった一度だけだが任意の相手と自由にギャンブルを行うことが出来るというものだ。

 

 家畜の証である名札を首から下げ、俺は生徒会長である桃喰綺羅莉へと公式戦を挑みに来た。

 生徒会室の机を挟み、綺羅莉は無言でこちらを見定めるように目を細めている。

 

「ギャンブルの内容を説明します」

 

 俺と綺羅莉の間に立つディーラー役の五十嵐清華が、静かな空間でゆっくりと言葉を紡ぐ。

 生徒会書記であり桃喰綺羅莉の秘書でもある彼女が説明した内容はこうだ。

 

・勝負内容はドローポーカー、カードチェンジは一回。

・掛け金は一万円単位で、下限は一万円、上限は無し。

・持ち時間は一ゲームにつき一分。

・一分以内にコール・レイズ・ドロップのいずれかを宣言しない場合は自動的にコールしたと見做す。

・一ゲームの流れは掛け金の提示→カード配布→カード交換→コール・レイズ・ドロップの宣言→勝負。

・どちらかがギブアップを宣言するか一時間の経過でギャンブルは終了。

 

 ポーカー自体は経験があるが、こんな破滅的なインフレルールは初めてだ。

 下手をすれば十分も持たないで破滅の可能性があるというのに、綺羅莉は微笑みながら秘書の入れた紅茶を飲んでルールを聞いている。

 俺の前にも同じ紅茶が置かれているが、緊張で震えた手はカタカタと音を鳴らしながらでないと紅茶を持てなかった。

 

 

 

 第一ゲーム。

 お互いに初期掛け金である一万円を場に置き、配られたカードを手に取る。

 

「……コール」

「コール」

 

 両者コールで、手札を交換。

 俺は三枚、綺羅莉は二枚チェンジ。

 

「コール」

「レイズ、十万」

「……フォールド」

 

 流石に四のワンペアに十万は賭けられない。

 お互い小手調べのような一戦目が終了。

 次のゲームへ移行しようとした時、綺羅莉の瞳がすっと細められた。

 

「あなた、奇妙ね」

 

 必死に平静を装うも、ビクリと跳ねた体は正直だ。

 たった一戦で何かを見通された……?

 

「意識がこの場に向いていない……まるで別の何かと戦っているような」

 

 ゲームを進行しながらも、綺羅莉は俺という人間を見定めていく。

 心の中を直接覗き込まれているような感覚に、俺の背中に冷や汗が噴き出していた。

 

「……コール」

 

 口を開いた瞬間に全てが暴かれるような感覚に襲われ、俺はゲーム進行に必要な単語以外を発することが出来ない。

 威圧感とはまた違う、静かで冷たいプレッシャーが俺を襲っていた。

 

 一分が一時間以上にも感じられる。

 引き伸ばされた体感時間、心臓を握りつぶされるようなおぞましい錯覚。

 

 永遠にも感じられる心理的重圧から解放されたのは、ゲーム開始から僅か二十数分後のことだった。

 

 

 

 

「──はっ」

 

 綺羅莉が意識を取り戻したころには、既にゲームは終了していた。

 何が起こったのかを理解しようとする綺羅莉に、清華はゆっくりと口を開く。

 

「会長は九回戦目の途中で意識を失っていたのです。九回戦目の十億レイズに対し、時間切れにより自動でコールが成立。会長が敗北し、一億円の移動が行われました」

 

「二十億、四十億、八十億、百六十億……以降行われた全てのオールインは会長の時間切れにより自動でコールが成立、敗北しています」

 

 清華の声は震えている。

 目を伏せ、目には涙さえ浮かんでいた。

 

「最終戦の五千百二十億円を含め、結果は会長の約一京二百三十億円負けです」

 

 綺羅莉が驚愕の表情を浮かべたのは一瞬だった。

 意識は既に明瞭なのか、彼女の意識は過去の思考へと移行している。

 

「……薬、睡眠薬でも盛られた……? でも、そんな物を仕込めるのは……清、華?」

 

 視線を向けられ、清華は泣きそうな目で綺羅莉を見る。

 

「申し訳、ありません……!」

 

 その言葉だけで、綺羅莉は全てを察したらしい。

 

「そう、あなたは既に負けていたのね」

 

 これは読めなかったと、綺羅莉は薄く微笑んだ。

 恨みも怒りもなく、その表情はどこまでも穏やかだ。



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五十嵐清華

 時を戻して、生徒会室。

 

「理が、見えませんね」

 

 生徒会書記の五十嵐清華は、挑戦者である俺たちに向けてそう言い放つ。

 

「おや、一人の強者に複数で挑むのは至極当然の理屈では?」

 

 同僚であるはずの伊月から挑発染みた言葉を投げかけられても、清華の冷ややかな瞳は変わらない。

 冷淡な視線を向けたまま、彼女は淡々と言葉を紡ぐ。

 

「無論、身の程知らずの挑戦を受けた経験は幾度もあります」

 

 生徒会長の秘書を務めるだけはあり、その手の経験は豊富らしい。

 清華が疑問を抱くのは、集団を形成する面子にあるのだろう。

 

 早乙女芽亜里。

 皇伊月。

 夢見弖ユメミ。

 濡羽綾女。

 蛇喰夢子。

 

 繋がりの見えない五人組で、しかも仲間であるはずの生徒会役員が二人。

 挙句の果てに唯一混ざった男子生徒の俺は見届け人を自称しギャンブルには不参加。

 役員の反逆……にしても他の面子の意味が不明。

 

 裏事情を把握していない清華からすれば、理が見えないという主張も尤もである。

 

「まあ、構いません。裏切者共々、全員叩きのめすまで」

 

 光の灯らぬ瞳を細め、清華は俺たち全員を睨みつけた。

 

 生徒会長、桃喰綺羅莉。

 権力という意味でもギャンブルの実力という意味でもこの学園最強と呼べるだろう彼女を打倒するため、俺たちは五十嵐清華へと勝負を挑みに来た。

 

 正攻法で勝てる相手ではない。

 あるいは夢子であれば可能性はあるが、あの賭博中毒者は計算不能だ。

 計画の中枢に置いて何が起こるか分かったものではなかった。

 正直今回の計画からも外したかったが、奴一人だけ省いてギャンブルなどしたら拗ねた夢子が暴走しかねない。

 

 故に、綺羅莉に最も近しい人物である五十嵐清華をまずは全員で落とす。

 正直、こちらも生半可な相手ではないのだが。

 

 

 

 今回のギャンブルは、“選択双六”。

 サイコロの目とマス目の指示を自分たちで選択する双六だ。

 

・各プレイヤーは十枚の紙にそれぞれ自由な指示を記入。

・記入した紙を裏返して並べ、全六十マスの双六を作成。

・各自が一~六の数字が書かれたカードを一枚ずつ持ってゲームスタート。

・サイコロを振る代わりに所持しているカードを一枚づつ使用し、双六を順番に進んでいく。

・一度使用したカードは使用できず、全てのカードを消費後再び再配布される。

・止まったマスの紙が裏返しの場合表にし、その指示に従う。

・指示に従えない場合は一回休みのペナルティ。

・止まったマス目の紙が既に表の場合はそのまま指示に従う。

・一番初めにゴールした人物が勝者となり、他の参加者全員を自分の家畜とすることが出来る。

・不正行為の発覚は即失格。

 

 さらに清華によって、俺によるギャンブル中の一切の干渉を禁止するという項目が加わった。

 俺は完全に傍観者として、部屋の隅で記録用のカメラを設置し見学するだけだ。

 

「…………」

 

 各自が指示を記入している間も、清華はこちらへ視線を向け続けている。

 俺がこの場にいる意味を思考しているのだろうが、無駄なことだ。

 

 彼女の中には、挑戦者全員が俺の家畜であるという情報が無い。

 その前提が無い限りは、誰であってもこの状況を把握することなど不可能だ。

 

 全員の記入が終わり、シャッフルされた紙が机に並べられる。

 六十マスの双六が完成し、駒代わりのチップがスタート地点に六枚置かれた。

 

「順番はどう決めましょうか」

 

「じゃんけんでもクジ引きでも、ご自由に」

 

 夢子の問いに、清華は平坦な声で答える。

 さっさと終わらせようという、倦怠感にも似た感情が僅かながら見てとれた。

 そしてその感情を塗り潰すがごとき怒りが、隠しきれずに漏れ出ている。

 

 ジャンケンの結果、順番が決定する。

 芽亜里→綾女→清華→伊月→ユメミ→夢子の順番だ。

 

 俺は最後にもう一度カメラのチェックを行うと、これから始まるギャンブルを見届けるため深く息を吐き心を落ち着ける。

 作戦は用意したし、夢子以外の家畜たちは確実に指示に従うだろう。

 だがそれでも、ただ待つだけというのは落ち着かないものだった。



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五十嵐清華②☆★

 選択双六、一巡目。

 

 芽亜里が最初に提示したカードは六。

 どのマスに進んでも白紙であれば最大限に進む、という思考は当然と言えば当然だ。

 

 芽亜里は自分の駒を六マス進め、ついた場所の紙を表にする。

 

「げっ」

 

 そこに書かれた難解な数式と“証明せよ”という一文に芽亜里は露骨に顔を顰めた。

 パスを宣言し、芽亜里は早速の一回休みとなる。

 

「早速六分の一を引くとは、ついてないわね……」

 

「え、えっと……じゃあ私は五で……」

 

 次の順番である綾女は高校どころか大学生でも難しいのではないかと思われる数式を避け、五マス進んで指示を開く。

 “六のカードを消費する”と書かれた紙に従い、彼女の手持ちからは五と六のカードが消えた。

 

「……これ書いたのあんたでしょ」

「あら、バレました?」

 

 案の定協力する気の無い夢子へと、芽亜里は冷ややかな視線を飛ばす。

 どの指示がどのマス目に配置されるかがランダムな以上、記入する指示は清華のように自分だけが実行可能なものにするべきだ。

 指定したカードを消費する指示など、そのカードを消費せずに持っているかは完全に運なのだから有利になる要素が微塵もない。

 

「仲間割れですか。まあ、こちらにとっては好都合ですが」

 

 そう言って、清華は四のカードを提示。

 高い数字のカードを一気に二枚消費するのを避けたのだろう。

 

「では指示は……は?」

 

 そしてようやく、清華は自分の嵌った罠に気付く。

 掛かれていた指示は“全ての衣服を脱衣する”だ。

 

「……拒否、します」

 

 女性相手でも羞恥心があるというのに、今ここには男がいてしかもビデオカメラで撮影をされている。

 完全に予想外の指示に、清華は一回休みを選択してしまった。

 

「じゃあ私も四で」

「なっ……?!」

 

 伊月が四マス進み、流れるような動きで服を脱ぎだしたことで清華の喉からは驚愕の吐息が漏れる。

 顔を赤く染め、恥ずかしそうに全裸を晒した伊月の姿に、清華の能面は簡単に崩れ去った。

 

「まあ、四かなぁ。いきなり出遅れるのもねぇ」

「そうですね、私も四で」

 

 続くユメミと夢子も同様に服を脱ぎ、全裸になる。

 羞恥心が欠けているわけでもないのに簡単に裸体を晒す様子を理解できず、清華は言葉を失ったまま震えていた。

 

 だが清華はこの後すぐに思い知る。

 服を脱ぐ程度の指示はこのゲームにおいてまだ軽いものであったのだと。

 

 

 

 一回休みを挟み、三巡目に六のカードを提示した清華。

 そこには“自慰を行い、五分以内に絶頂する”と書かれていた。

 

「くっ……」

 

 流石に清華も、もう理解した。

 このゲーム、マトモな指示を書いているのは自分だけだ。

 

 既に二巡目を休んだ清華と芽亜里以外のプレイヤーは全裸を晒しゲームを進行している。

 更に芽亜里とユメミの膣にはローターが挿入され、今も振動し彼女たちの顔を紅潮させていた。

 

 時折清華の書いた指示が見えるが、所詮は六分の一。

 例外の夢子を除いたとしても六分の四で性的な指示が書かれているとなると、拒否し続けていれば清華の敗北は必死だった。

 

「拒否、します……」

 

 だが踏み切れない。

 潔癖とまではいかなくても“お堅い”清華は、どうしても生理的な拒否感を抱いてしまう。

 負ければ全てを失うとしても、その一歩がどうしても踏み出せないのだ。

 

「ありゃ、また脱衣指示……もう脱ぐものないんですけど」

「“バイブを挿入したまま落とさずにゲームを進行”かぁ」

 

 そんな清華を尻目に、他のプレイヤーたちは次々と痴態を晒しながら駒を進めていく。

 ローターの刺激に耐え切れず、芽亜里が絶頂する。

 ローターに加えさらにバイブを挿入したユメミが、身を捩じらせながら嬌声を上げだした。

 

 愛液の臭いが部屋に充満し、複数の嬌声が上がり続ける部屋。

 慣れ親しんだはずの生徒会室が、今の清華には異世界のようにしか思えない。

 

 清華が頭を抱え涙を流し始めた頃、三度目の絶頂と共にユメミがゴールし勝負は終わった。

 マトモな人であることを捨てきれなかった結果、清華は家畜に墜ちたのだ。



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五十嵐清華③★

 勝負に負けた清華は、勝者であるユメミの家畜となった。

 そしてユメミが俺の家畜である以上、清華は俺の家畜でもある。

 

 全裸になり首輪を嵌めた清華は、椅子に座った俺の前で四つん這いになっている。

 先程までユメミが使っていたバイブを尻尾代わりに膣へと挿入され、持ち手の部分がゆらゆらと生き物のように揺れていた。

 その目からは大粒の涙が零れ、喉からは甘い嬌声が漏れ聞こえている。

 

 勝者となったユメミは甘えるように俺の胸元へともたれかかっていた。

 俺はユメミという勝者を労いながら、褒美として彼女の体を愛撫する。

 

 蕩けたように甘い声を漏らすユメミの姿を見て、清華は強い拒絶感を抱きながらも全てを理解していた。

 俺の狙いが生徒会長である桃喰綺羅莉であるということも。

 

 そう、本命である綺羅莉に勝利するためには清華の協力が不可欠だ。

 故に俺は今から清華の心を家畜に堕とし、綺羅莉への崇拝を俺への崇拝へと塗り替えなくてはならない。

 

 ただ犯すだけでは、より強い反抗心を抱かせる危険性がある。

 だからこそ、まずは彼女を人ではなく家畜として扱うことでその強靭な精神を削ることにした。

 

 俺からは一切触れず、犬のように四つん這いにさせたまま機械で清華の快楽を煽り続ける。

 絶頂したり尻尾を落とすたびに形式上の主人であるユメミへ尻を叩かせ、躾を行う。

 ユメミが一切の手加減なく折檻を行ったこともあり、二十分ほどで清華の尻は赤く腫れあがっていた。

 

「くっ……ふぅっ……!」

 

 清華は俯き唇を強く噛み締め、涙を流し続けている。

 沸き上がる快楽を跳ねのけようと必死に抵抗しているのだろう。

 だがその抵抗虚しく定期的に彼女は嬌声を漏らしながら絶頂し、折檻を受け悲鳴を上げる。

 

 要するに伊月を堕とす際に使った手法の応用だ。

 痛みと快楽を同時に与え、清華の脳内を混乱させる。

 今回は精神的な凌辱も加え、被虐に快楽を感じているのだと錯覚させる。

 

 そして定期的に言葉で責め立てることも忘れない。

 叩かれて感じているのかと問えば、清華は力ない声で否定した。

 

「そんな……こと、は……!」

 

 ビクリと体を震わせ、清華の体が崩れ落ちる。

 ユメミに尻を叩かれると、清華は慌てて四つん這いの姿勢に戻った。

 

 もはや彼女の精神は限界に近い。

 刷り込み染みた教育はあっという間に清華の精神を侵食している。

 痛みを恐れる恐怖心、快楽に身を委ねたいという欲求。

 否定の言葉だけは途切れることがないが、すでに本能は理性と異なる行動を取り出していた。

 

 俺は全裸の清華にパンツを履かせ、バイブが落ちないように固定する。

 そして、清華の眼前でユメミを後背位の姿勢で犯す。 

 

「あっ、んぅ、はぁっ……!」

 

 恍惚の表情を清華に晒しながら、ユメミは喘ぎ声を響かせる。

 待ち望んだ褒美に、ユメミの膣は洪水を起こしたかのように愛液で溢れていた。

 

 ユメミはただ快楽に溺れ喘ぎ声を発しているだけだ。

 だが、その表情がお前もこちらに堕ちてこいと清華を誘っているように見えて仕方がない。

 

「――ッ!」

 

 ユメミの膣に精液を注ぐと同時に、彼女の肉体が大きくのけ反る。

 だらしなく涎を垂らし絶頂するユメミから、清華は目を逸らす。

 だが、甘く蕩けるような嬌声は清華の耳に残り続ける。

 

「く、うぅっ……」

 

 絶え間なく責められ続ける膣が疼くのだろう。

 清華は苦悶の表情を浮かべたまま、沸き上がる欲求に耐え続けていた。

 

 だが、この地獄に終わりはない。

 俺は清華が墜ちるまで、彼女への調教を続けるつもりなのだから。

 

 

 

「う、ぁぁ……」

 

 清華の精神は、俺の想像以上に強靭だった。

 調教の開始からすでに二時間が経過している。

 

 幸せそうな笑みを浮かべたまま精液塗れで意識を飛ばしているユメミを尻目に、俺は床に這いつくばる清華を見下ろした。

 生まれたての小鹿のように震える四肢を支えるのは、俺への嫌悪感か、それとも会長への忠誠心か。

 

 俺は清華を責め続けていたバイブを抜きとった。

 そして代わりに、清華の鼻先へと肉棒を突きつける。

 

「っ……!」

 

 肉棒は付着した愛液と精液が混ざり合い、酷い臭いを放っている。

 しかし、清華の表情はまるで麻薬を嗅いだかのように蕩けだしていた。

 

 俺は舐めろと命令しない。

 彼女の膣に肉棒を突き入れもしない。

 清華自身に、全てを捨てて家畜に墜ちることを選ばせなければならないのだ。

 

「くっ、うぅっ……」

 

 獣のように唸り声を上げ、葛藤を繰り返す清華。

 それはつまり、悩みが生まれるほどに彼女の精神は崩れかけているということでもある。

 

「んっ、あぁっ……」

 

 やがて清華の右手は己の股へと伸びていく。

 濡れ切った秘部を刺激し、肉棒から放たれる雄の臭いを嗅ぎながら自慰を開始した。

 

 その表情はしかし、未だ葛藤したままだ。

 彼女の本能が勝手に右手を動かしているとでも言うのだろうか。

 指摘してやると、清華は信じられない物を見るような目で己の右手を見つめた。

 

「えっ……?」

 

 清華の喉から呆けたような声が漏れ、そしてそれが崩壊の合図だった。

 

「は、ははっ」

 

 渇いた笑い。

 それは清華が踏みとどまっていた最後の一線が崩壊した証だ。

 

 ひとしきり笑った清華はゆっくりと立ち上がると、家畜の証である首輪を自分の首に装着した。

 光の無い瞳はより一層深い闇へと染まっている。

 

 俺は家畜となった清華へと、会長である桃喰綺羅莉と勝負すること、そしてそのために協力を必要としていることを伝える。

 清華は黙って俺の前に跪き、首輪に繋がった鎖を俺へと差し出した。



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五十嵐清華・桃喰綺羅莉★

 無事に桃喰綺羅莉を家畜へと堕とすことに成功した俺は、快く協力してくれた清華へ褒美を与えることにした。

 立ったままの姿勢で、俺は清華と性交を行う。

 

 綺羅莉は首輪を嵌めさせ、目隠しと口枷を装着し、両手足を拘束し動けない状態にしたまま全裸で床に転がしている。

 俺と清華は綺羅莉に跨るように両足を広げ、腰を前後に動かしていた。

 

「あっ……あぁっ……!」

 

 抱き着くように両手を回し、清華は俺へ胸を押し付け懸命に腰を動かす。

 一突きごとに溢れる愛液が、かつての主人である綺羅莉へと降りかかる。

 

「あぁっ、うぁっ……!」

 

 涙を流し、恍惚の笑顔を浮かべる清華の心中はもはや自分でも把握できないほどに混沌としているのだろう。

 綺羅莉への謝罪、自己嫌悪、快楽、歓喜。

 全てが混ざり合った結果として清華は家畜に墜ちた今を楽しんでいるように見える。

 

「――ッ!」

 

 俺よりも先に、清華は絶頂した。

 肉棒を抜き清華から離れると、立っていられなくなったのか彼女は綺羅莉と重なるように床へ崩れ落ちた。

 構図だけ見れば清華が綺羅莉を押し倒しているようにも見える。

 

 視界を奪われたまま、満足に喋ることもできない綺羅莉。

 しかしその雰囲気から感じ取れる表情は薄い笑みだ。

 

 夢子で懲りた。

 この手の狂人に下手に自由を与えてもこちらが敗北感を感じるだけだ。

 俺はただ、ようやく手に入れた桃喰綺羅莉という肉体を味わうだけでいい。

 絶頂寸前のそそり立った肉棒を、俺は一気に綺羅莉の膣へと突き入れた。

 

「んっ……!」

 

 口枷越しにくぐもった声が聞こえる。

 しかし微かなその声は性交の水音にかき消されていく。

 

 桃喰綺羅莉は美人であり、客観的に見れば様々な意味でいい女だろう。

 だがそれは今までの家畜も同じことだ。

 

 今俺を興奮させているのは、あの桃喰綺羅莉を犯しているのだという優越感。

 この世で自分だけが体感できる最高の状況に、ピストンの速度はどんどん早くなっていく。

 

「――ッ!」

 

 沸き上がる欲求を我慢することなく吐き出す。

 最奥に突き入れた肉棒から精を注ぎ込むと、綺羅莉の喉からは悲鳴のようなくぐもった声が漏れる。

 

「あ、ぁぁ……」

 

 かつての主が犯される様を、清華はじっと黙って見つめていた。

 複雑な心中は、快楽に染められた脳内で理解することが出来ない。

 

 自分と同じように俺の精が垂れ落ちている綺羅莉の秘部に、清華は己の舌を這わせ始める。

 命令していないその動作に、彼女の屈折した感情が滲み出ていた。

 

 俺は清華を叱責することはせず、無意識のうちにこちらへと突き出された清華自身の膣へと再度肉棒を挿入する。

 射精を終えたばかりとは思えないほどに固くそそり立ったままの肉棒を前後させると、清華の喉からは獣のような嬌声が聞こえだす。

 

 涙と涎、そして愛液と精液で顔を汚し、清華は快楽へと溺れていく。

 

 

 

 結局この日、俺は清華に二度、綺羅莉に三度精を注ぎ込んだ。

 流石に五度で限界を迎えたので、後半は二人を手や機械で攻め絶頂させ続けた。

 二人の絶頂した回数はお互い二桁を軽く超えている。

 

 最後の仕上げとして、俺は清華へ命令を下す。

 それは彼女が主を完全に切り替えるための儀式でもあり、綺羅莉を家畜へ堕としたのだという証明でもある。

 

 清華は大粒の涙を流したまま、新たな主である俺へと宣誓する。

 

「私……五十嵐清華は、元主人である綺羅莉会ちょ……桃喰綺羅莉を捨て……新たなご主人様へと忠誠を誓います……!」

 

 宣誓を終えた清華は震える足を動かし、床に転がされたまま放置されていた綺羅莉の顔面を己の足で踏みつけた。

 踏み絵のような行為を済ませ、清華は改めて俺の前で犬のように四つん這いになり頭を下げる。 

 俺は腰を落とし、清華の頭を優しく撫でてやった。

 

「あ、あぁっ……!」

 

 清華の瞳から、さらに多くの涙が床へと落ちていく。

 喪失の苦しみと主人に褒められたという喜びの間で、彼女の精神は容易く崩壊していた。



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エンディング★

 百花王学園にギャンブル至上主義を定着させた張本人である桃喰綺羅莉をギャンブルで家畜に堕としたことで、俺は実質的に学園の権力を手に入れたことになる。

 

 それを記念して、というわけでもないが。

 土日の休日を利用し、俺は七人の家畜全員を家に呼び寄せた。

 無論、男の夢であるハーレムを十二分に堪能するためである。

 

 

 

「んぐ、じゅっ……」

 

 露出の多いメイド服に身を包み、芽亜里はベッドで横になっている俺の肉棒を咥え込んでいる。

 この二日間の家畜七名の立場を決めるギャンブルで運に恵まれ三位という好成績を残した芽亜里は、敗者たちに比べれば人道的な扱いを受けている。

 

 鋭く強気な瞳は相変わらずだが、頬を膨らませて肉棒の味を堪能する様は淫欲に溺れていると言って差し支えない。

 奉仕をすると言うよりは己の欲望を満たすための口淫が癪に障ったので、俺は芽亜里の後頭部を掴み一気に喉奥へと肉棒を押し込んだ。

 

「――ッ!」

 

 そのまま射精し無理矢理喉へ精液を流し込み、芽亜里の口から肉棒を抜き取る。

 芽亜里はその場で苦し気に咳き込み目尻に涙を浮かべながらも、速やかに汚れた俺の肉棒を綺麗にしようと肉棒に付着した精液を舌先で舐め取っていく。

 

 隅々まで舐め取り、味わうように全ての精液を嚥下した芽亜里の頭を撫でてやる。

 芽亜里は黙ってされるがまま、犬のような扱いを受け入れていた。

 

 視線を横に向けると、夢子と綺羅莉が一位二位を決めるためのギャンブルを行っていた。

 敗北条件をチップの全損に設定したせいで、数時間が経過したというのに未だ一進一退で決着がついていない。

 ただ待っているのも暇なので両者の股にはバイブを挿入し、絶頂したほうは即座に敗北というルールを決めたのだが、ギャンブルに集中している二人には大した障害にはなっていないようだった。

 

 窓を開け、空気を入れ替える。

 雄と雌のむせ返るような熱気の代わりに入ってくる涼し気な風を浴びながら視線を足元に向けると、そこには首輪と手錠だけを身に着けた裸のユメミが蹲っていた。

 

 その気になれば誰であろうと様子を覗ける庭に手錠で拘束されたユメミは、身を縮ませながら息を荒げていた。

 ギャンブルで負けた罰ゲームではあるのだが、ユメミは完全に興奮している様子だ。

 その証拠に俺を見上げる彼女の顔は、発情した雌犬としか表現のしようがないほどに蕩け切っていた。

 

「はっ、はぁっ……!」

 

 胸と秘部を隠していた両手をこちらに伸ばし、ユメミは犬がじゃれるように俺へと縋り付く。

 俺は帰ってくるまでに決着をつけておくように夢子と綺羅莉へ伝え、ユメミを散歩へと連れていくことにした。

 

 

 近場の公園は、まだ日中ということもありそれなりに人が多い。

 全裸の女などが目撃されれば一瞬で通報沙汰だ。

 よってユメミには首元から太股の半ばまでを覆うサイズのコートを羽織らせている。

 

 無論コートを脱げばそこに映るのは首輪、両乳首に装着されたフェイクピアス、秘部と尻穴に挿入されたバイブという変態三点セットだ。

 他者からは見えていないとはいえ、万が一のリスクを想像しただけでユメミは太股に愛液を垂らして歩いていた。

 

 恋人のように手を繋いで公園を一周。

 ただそれだけで、普段なら完璧に仮面を被れるはずのユメミの表情は完全に崩れている。

 まともに歩くことも困難なのか、後半は俺に体を預けるようにもたれかかる有様だ。

 

「も、もう駄目……力、抜けて……バイブが落ちる……!」

 

 ユメミの懇願もあり、俺は彼女の手を引いて近くのベンチへと腰かける。

 一息ついて視線を横に向けると隣でユメミが必死に呼吸を整えようとしていたので、俺は周囲に人がいなくなったタイミングを見計らってユメミのコートを捲り上げ、秘部へと手を伸ばす。

 

「えっ、ぁ……!」

 

 疑問や戸惑い、そして快楽によって声を上げそうになった自分を抑えるためにユメミは己の口元を両手で押さえる。

 秘部に突き刺さったままのバイブへ触れスイッチを入れると、いとも簡単にユメミは絶頂した。

 

「――ッ!」

 

 必死に声を押し殺し、全身をのけ反らせ絶頂するユメミ。

 愛液塗れのバイブが秘部から抜け落ち地面に転がるが、今の彼女にはそれを回収する気力も余裕もないようだった。

 

 それなりに満足する光景が見れたので、人が集まる前に退却しよう。

 俺はユメミの秘部へと再びバイブを挿入し、乱れたコートを元に整える。

 足腰が立たないのか俺の腕へとしがみつくユメミを引きずりながら、俺たちは帰宅した。

 

 

 

 帰宅した俺とユメミは、汗を流すために風呂場へと向かう。

 服を脱ぎ中に入ると、丁度風呂掃除をしていた清華と遭遇した。

 四位の彼女には掃除などの雑務を命じていたのだが、丁度かち合ってしまったようだ。

 

 スク水に首輪、そして猫耳という属性過多な恰好で真面目な表情を浮かべてスポンジを片手に持つ清華の姿は、自分が命じたこととはいえ奇妙な可笑しさがあった。

 そして同時に、水に濡れ泡塗れな肢体は淫靡な雰囲気も兼ね備えている。

 コスプレ用に購入したスク水は清華にはサイズが小さいようで、胸の形や尻のラインがくっきりと浮かび上がっている。

 

 そんな姿に再び俺の肉棒は勃起し、固さを取り戻していた。

 ユメミも清華も、自然と俺の肉棒に視線が吸い寄せられ目線が下がっている。

 清華に俺の体を隅々まで綺麗にするようにと命じると、彼女はごくりと一度唾を飲み込みゆっくりと頷いた。

 

 椅子に座った俺の背後から、清華は俺の肉体を抱きしめるように肉棒へと両手を伸ばす。

 スク水越しに乳房の柔らかな感触が、背中全体へと伝わってくる。

 

「んっ……」

 

 泡を纏った両手で、清華は俺の肉棒を擦り上げていく。

 背後から抱き着く姿勢になっている関係上、俺の耳元近くにある清華の口から漏れる吐息が妙に大きく聞こえてくる。

 それがより一層、俺の興奮を煽り肉棒を固くそそり立たせていく。

 

「わ、私も……お願いします……!」

 

 眼前では全裸のユメミが、我慢できないといった様子で立ったまま秘部をこちらに見せつけている。

 丁度目の前に彼女の秘部が広がり、その愛液に塗れた内部までが丸見えになっていた。

 

 俺は彼女の秘部に己の右手を伸ばし、人差し指と中指を挿入する。

 愛液が潤滑油となり、二本の指はすんなりと根元まで入っていった。

 

「――ッ!」

 

 今日のユメミはすでに感度が全開だ。

 指の挿入だけで軽く絶頂した彼女の秘部からは愛液が噴き出し、俺の指と顔を濡らす。

 

「あっ、えっと、あぁっ……!」

 

 快楽に呆けかけた表情を一変させ、ユメミは必死に何かを訴えようとしていた。

 恐らくは、罰せられる理由ができてしまったとでも怯えているのだろう。

 

 その期待に応えるため、俺はユメミへと土下座を命じる。

 反射的にその場で土下座の姿勢をとったユメミの後頭部へと、俺は己の肉棒を向ける。

 

 いい加減清華の奉仕で限界だったのだ。

 そのまま俺は我慢を止め、精を放ちユメミの髪を白濁液で汚していく。

 根元や玉までしっかり刺激された俺の肉棒は、多量の精液をユメミへと放っていた。

 

「あ、熱っ……!」

 

 白く染まったユメミの髪から、ポタポタと白濁液が垂れる。

 自慢の髪を汚されたユメミは、涙を流しながらも笑っていた。

 

「あ、ありがとう、ございます……」

 

 それが本心からの言葉だったのかどうかは、ユメミ自身にしか分からない。

 

 

 

 放心状態のユメミを放置し、俺は清華を連れて部屋へと戻る。

 部屋の隅では芽亜里が座りながら、部屋の中央で倒れ伏す夢子と綺羅莉を眺めていた。

 ギャンブルの決着は、両者同時に気を失ったことによる引き分けということらしい。

 

 夢子と綺羅莉は涎と汗と愛液で全身を濡らしたまま、ピクピクと痙攣を繰り返している。

 すでに意識は無いが、振動し続けるバイブの振動に肉体は無意識のまま反応していた。

 

 俺は芽亜里と清華に命令をし、一人部屋を後にする。

 

 

 

 便所の扉を開けると、そこには綾女という先客がいた。

 いや、いたも何も俺がこの場に拘束し放置していたのだが。

 

 全裸のまま、綾女は洋式便器に座るように固定されている。

 両手は手錠で、両足は縄でM字に。

 目隠しとボールギャグで顔は殆どが隠れ、両の乳首にはローターが張り付けられたまま振動を繰り返していた。

 

 絶頂には至らない程度の微弱な責めを受け続け、彼女からは涎と愛液が垂れ流され肌を伝って便器へと落ちていっている。

 

「――ッ!」

 

 軽く腰あたりの肌を撫でただけで、綾女は簡単に絶頂した。

 くぐもった声が響き、噴き出した愛液が便器をはみ出して床を汚す。

 

 俺は下準備の済んだ綾女の秘部へ肉棒を差し込み、連続で激しく腰を打ち付ける。

 肉がぶつかる破裂音に似た音と連動するように、綾女は獣のような激しい嬌声を上げ続けた。

 

「――ッ!」

 

 俺が綾女の膣へ射精するまでに、彼女は十数回絶頂していた。

 最後に本来の目的であった小便を綾女に挿入したまま済ませ、俺はそのまま部屋へと戻る。

 去り際に聞こえた悲鳴か悦びの声か判別の付かない鳴き声は、意図的に無視をして。

 

 

 

 部屋へと戻った俺を迎え入れたのは、先程よりも濃い雌の臭いだ。

 意識を失った二人を犯すよう芽亜里と清華に命じていた通り、芽亜里は夢子を、清華は綺羅莉を双頭ディルドで犯していた。

 芽亜里の顔には優越感が、清華の顔には後悔の感情が強く出ていたものの、あっという間に二人の表情は快楽のみに侵食される。

 

 盛りの付いた猿のように腰を動かす二人を眺めながら、俺は己の精力が回復する時を待つ。

 あらゆる意味で至福の光景とはいえ、流石にもう勃たない。

 

 さて次は何をしようか。

 今日という日ははまだまだ終わらない。

 それこそ明日だって丸々残っているのだ。

 

 夢を叶えた実感に包まれながら、俺は夢が叶った幸せを噛み締めた。



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