Day after day (へーばる魂)
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めちゃくちゃ真面目に書いちまった本文

最近なのはシリーズハマってるんですよ。
理由としては、いろんなゲームのコラボなんですけど。
私自身興味を持つのがまず二次創作からなので何ともいえませんが。
それに加えて最近見たACの作品が個人的に受けまして。

作者は案の定フロム脳ではありません。それらしい言葉を羅列しているだけです。
最近ホワイトグリントVOB装備のプラモを作ろうと計画を立てています。

作者はAC5とACfaが好き。大好きVOBかっこよすぎ。


空に広がる青はその色を見せつけないように薄黒い白で隠すように、人という色もそれよりも濃い色で塗りつぶす。

大地が動物の亡骸を抱きしめるかのように、散っていった戦士たちは冷たくて暖かい対の腕に抱きとめられる。

生きているのなら必ず終わりは訪れる。いつ訪れるかわからないが、ただ一つ言えること。そいつは≪死神≫は、命を尊ぶ微笑みでいつでも命を待っている。

 

 

海鳴市、ここ最近ではこの地で大事件がいくつも起きていた。ジュエルシードによるPT事件。闇の書改め夜天の書のバグによる闇の書事件。その後、闇の書から生まれた闇のかけら事件。それに付随するように起きた砕け得ぬ闇事件。

数々の出会いと別れを繰り返し、少女達は成長をした。1人はエースオブエースとして、1人はエースを対等にある雷として、1人は歩くロストロギアとして。

失いながらも強くしなやかに成長していった。

舞台を変えミッドチルダ。そこで起きた世紀の大事件、JS事件も無事に終わることができた。管理局の信頼回復、復興など多くの問題はあるものの、平和を今は感じることができる。

ただ一つ、JS事件の際に突如別次元から乱入してきた謎の存在、通称“白き閃光”。戦艦型のロストギア、聖王のゆりかごが起動したと同時に侵入してきたその存在はゆりかごの損傷4割を担った。

起動キーとなるオリヴィエのクローン、ヴィヴィオを高町なのはが保護し、聖王のゆりかごを破壊したあと、管理局は白き閃光と接触しようとした。

しかし、その存在は謎の甲高い音を鳴らした後、あの高町なのはやフェイト・T・ハラオウンをもってしても追いつかない速度で二人を振り切り次空間移動を行った。

管理局はこの存在は対聖王のゆりかごに開発されたロストロギアと関連付けた。

ただ、一つだけ。かの存在に近づくことのできるものを管理局は見つけた。本当に微量しか得ることができなかった謎の粒子。性質は最悪に尽きるそれ。生きるものに悪をもたらすがエネルギー源としては破格の性能。

管理局はこの粒子を「コジマ」と仮定した。

 

 

―――――作戦目標クリア メインシステム 戦闘モードから通常モードへ移行 

 

 

 

時空管理局、提督のクロノ・ハラオウン。上司からの無茶ぶりに今頭を抱えていた。内容はもちろん例のあれ

 

「何が“白き閃光”を捕まえてこい、だ!ただでさえ今は信頼回復と復興に人手が割かれているんだぞ!今は動けん!」

 

白き閃光。例のJS事件の際に別次元から乱入してきた謎の存在。金属製であることは間違いないが、あれほどの機動性を持つならば今持つ艦の機動性では絶対に追いつくことができない。あのフェイトですら追いつけなかった代物をどう追いかければいいのだ。

誘いこんだとしてもどうせ次空間移動で逃げられる。もしこれが敵だったというならば時空管理局は全滅していたとしてもおかしくない。持つ武器自体はほぼ実弾である。それはあまり恐怖はない。しかし、それが見せつけた未知の兵器。既存ではあるが未知の武器。個人が持てるにしては強すぎる出力のビーム兵器。

 

「攻撃し返されたら聖王のゆりかごを数発で穴をあけた武器で全滅ですね分かりません」

 

白き閃光が突入したと思われる穴。その穴は突入前に突如発砲した白き閃光のビーム兵器数発で部隊が1~2つは入れる穴になっていた。最終的には艦隊の主砲一斉発射でようやく蒸発した聖王のゆりかごが数発で、だ。本当に敵に回したくない。

 

「今はこれは保留。今は復興だ。」

 

ゆえにこの案件をクロノは保留した。放置したと言い換えても相違ない。直ちに害がないなら今は手を割けない。なるほど、これがブラック。これが社畜。

時空管理局はいつでも局員を募集しています。

 

 

時代は次の主人公たちへと移る。時代は動く。背中に太陽の目を背負って

 




ここだけで俺の力は使い果たした
あとの分も作ったけどもうめちゃくちゃや


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ここからもう適当

もうきつい見なくてええで


生まれてきた時から謎の感覚があった。記憶ではあるが、前世とかではないただの戦闘光景の記憶。僕は、俺はそれを駆っていた。純白のフレーム。両手にある二挺の銃。背中の男心あふれるブースターユニットと思われるそれからは後退的な拡散式のミサイルをばらまき基地を制圧する。

やがて見える大きくそびえる大きな本当に大きな戦艦。後ろにあったものを切り離して、一人で戦艦に乗り込む。しかし、操縦ミスかそれとも相手が一枚上手だったのか。コックピット付近に撃ち込まれる一発の弾丸。吹き飛ばされる白き巨兵。

戦艦から離れてしまったその巨兵は戦艦の砲撃に目標を絞られる。

白き巨兵から謎の粒子が飛び出る。それは機体を包み込むかのように広がる。色は緑とも青ともいえる美しい色。巨兵が堪忍したかのように目を閉じる。瞬間、周りに波動が広がる。

そこでいつも夢は終わる。それだけだったらとてもかっこいい夢。だが、青年にはその光景は悪魔への一歩を踏み出すかのように感じた。

 

いつも目が覚めるときは不思議な感覚を襲う。今の平和な時代を偽りの平和として感じさせるその感覚。俺はもう慣れていた。かれこれ15年間も慣れ親しんだ今や親である。

この感覚は何時も如何なる時も俺の指標となってくれた。人が平和に生きている時代に戦争時の兵士の感覚。一歩間違えれば発狂ものではあるが、とあるきっかけで向き合えるようになった。

人には淡白であるといわれた。だが、それでいいのだ。俺は人の正義などわからない。俺の信じる正義を信じる。故にいつも一人。この一人の時間が俺は好きだ。幼子が母親にあやされるように、老兵が段ボールを被ると安心するように、俺もまた一人が好きなのだ。

俺はまた一人になるのだ。なってしまうのだ。なら一人でいい。愛を知らなくてもいい。

しかし、今の時代は愛が必要だ。なんとも皮肉が聞いている。だから表面上は読書が好きなクラスメイトCを装っている。

俺には両親も親戚もいない。だけど、だけれども名前だけはわかる。知っている。覚えている。

 

チャック・アナトリア

 

俺の名前。生まれたときに親に捨てられた俺を拾ってくれた孤児院のシスターがつけてくれた名前。名前がないあの夢よりも希望が持てるそれをシスターは与えてくれた。

俺にとっての親はシスターだ。いつも感謝をしている。理性と価値観が壊れた俺を抱きしめたシスターは俺の恩人だ。とあるきっかけがそれである。

今の俺には夢がある。俺が狂気へ落ちなかった理由。愛。シスターからもらった愛。どんな人にもその愛はどこかに存在すると理解した。

俺は理不尽をつぶす。愛を知らぬ者たちの愛をつぶすような奴らを俺は許さない。夢で見たあの巨兵、“ホワイトグリント”が笑ったような泣いたような感覚が心を覆った。

 

 

―――――パイロットデータ認証開始 認証終了 貴方の帰還を歓迎します

 



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ここからもう適当2

ビクンビクン


「お~い、チャック~!」

 

青年1の声に本から顔を上げる青年2。顔を上げた青年の名はチャック・アナトリア。頭がよく、スポーツ万能。しかし、授業態度が少し悪いために先生たちからの評判は悪い。

声を掛けた青年はオッツ・ダルヴィダン。勉学はそこまでいいとは言えないが、スポーツはいつも1番、みんなを引っ張る素質もあり、すっかりリーダーである。

そんなオッツは今日もチャックに話しかける。今日は少し別の要件もあるが。

 

「どうしたオッツ。何か用か」

 

「おうさ!インターミドル・チャンピオンシップ行こうぜ!」

 

不愛想に返事をしたチャックを誘うオッツ。周りの婦女子たちがちょっと興奮してるのが目に毒だろう。

インターミドル・チャンピオンシップ。10代の魔導士が頂上を目指す魔法戦競技会。これに出れるだけで名誉ものだが、これに優勝すれば全世界の10代の中では最強という称号を持つ。何を隠そう、オッツもこの競技会で上位に入るほどの強さを持つ。

そんな彼がチャックを一緒に出場しようと誘う。

しかし、周りの同級生たちは首をかしげる。確かにスポーツは上手だが、オッツほどの力があるとは思えない。いつも本を読んでいるのだ。戦い慣れしているとは思わない。だが、オッツは必ずと言っていいほどチャックを誘う。去年も断られたのに飽きないやつだなと苦笑しながらことの顛末を見守る。

そんなチャックから衝撃の一言が出た。

 

「……今回だけだ。」

 

「え!?マジで!?よおしゃぁ!」

 

なんと出場するといったのだ。オッツも断れわれると思っていたのだろう。雄たけびを上げる。周りの同級生も唖然としている。それほど彼の誘うのは難しいのだ。

 

「でもまたなんで急に?」

 

皆の心の中をオッツが言ってくれた。チャックの返事は

 

「本当は出る気がないのだがシスターがな…」

 

『ああぁ~』

 

同級生は一斉に納得した。彼が孤児であるということはもう知っている。育ててくれたシスターには頭が上がらないことも知っている。そんなシスターからのお願い事は、彼にとっては命令に近いそれ。

 

「とういうわけで俺も参加することになる。当たれば敵同士だが、正々堂々闘おう。」

 

「チャックなら予選も突破できるだろうな!本選で待ってるぜ!」

 

『きゃあああああ!』

 

誓いを立てた二人、それに続く黄色い悲鳴。この二人イケメンに部類されるのだ。チャックはクール系。オッツは熱血系。これは薄い本が厚くなる展開予感がする婦女子たち。その光景を見たチャックはため息をついた。

 

 

 

(本当に俺が行ってもいいものなのか)

 

帰り道、チャックはインターミドル・チャンピオンシップに参加するのがいいのかどうか悩んでいた。それは弱さからくるものではなく、ただ、子供たちを心配するだけ。他人がその内情を聞くことができたのなら慢心だ傲慢だと思われるだろうが、彼の力はそれほどに異常なのだ。

 

(“あれ”を使うことがないとは思うがそれでは俺がきつすぎる。)

 

客観的に見ても彼の本当の力を知ったらそう思うだろう。例えるならばハンドガンで壁抜き選手権を行う競技でアンチマテリアルライフルの使用を許可されたようなもの。あまりにもフェアではない。だからと言ってバリアジャケット無しはきつすぎる。

 

(予選負けはしたくない。シスターとの約束もオッツとの約束もある)

 

思い出されるのは彼を育ててくれたシスターの笑顔とオッツと笑顔。彼が守りたいと思ったものがそこにはあった。わざと負けるとかは彼のプライドもあってする予定はない。

ならば、

 

「明日から修行だな」

 

生身で魔導士に勝つしかないのだ。

 

 

オッツもオッツで心躍らされていた。チャックのインターミドル・チャンピオンシップの参加。なぜにここまでチャックを誘っていたのかというとちゃんと理由が存在する。

とある放課後、忘れ物をしたオッツが聞いた謎の駆動音。その音が鳴る部屋を恐る恐る見てみると自分でも見たことがないフルフェイスのバリアジャケットらしきものを来ていた一人の男子の高速機動。かの機動六課のフェイト執務官を超えうるその機動性にオッツは心を奪われた。

急に止まったと思えば急に進む。それも連続でだ。障害物も所狭しと並んでいる中でその機動性を殺すわけではなく後ろ限界を超えさせるかのような動き出し、オッツは思った。こんなやつがインターミドルチャンピオンシップにいたらどうなっていたのだろう。

オッツは思う。こんなすごい奴と戦いたい。それも真正面から戦いたい。その正体を知るものからしたら自殺ものだろう。ただ、その姿に魅了されたのだ。

それを感じた後、彼はすぐ逃げ出した。忘れ物を忘れて。

 

その次の日、学校に行ってみると彼がいた。体格は似ても似つかないが、がっちりしている同級生。なぜか彼があの純白の持ち主だと確信した。何故なのかはオッツも知らない。だが、感じるものがあったのだ。

それからだ。オッツが彼の本気を見てみたいと思ったのは。それから何回も誘った。だが、断られる。でもオッツは見たかった。本物を。粘ったのだ。粘り続けた。

そして今回である。彼の本気と戦えるのなら本望だ。あいつなら、チャック・アナトリアなら本選までなんも心配なく来れる。だから言えるのだ。

 

「見せてみろよ。お前の力をさ」



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ここからもう適当3

高町ヴィヴィオやアインハルト・ストラトス、ヴィヴィオの友達であるリオ・ウェズリーとコロナ・ティミルは合宿で切磋琢磨していた。と言ってもヴィヴィオはストライクアーツの練習、アインハルトは覇王流の練習、他のみんなもそれぞれの練習に力を尽くしていた。

 

「え?可能性がある?」

 

そんなところへヴィヴィオの母である高町なのははとある一本の通信を受けた。例の白い閃光の今ある分の解析が終わったというのだ。

ただ、それだけでなのはが呼ばれるわけではない。その白い閃光にはなのは出身の地である第97管理外世界の地球の文字と類似しているのだという。一度本局へ戻ってみないとわからないなのはは、ヴィヴィオたちに断ってから行くこととなった。

 

「高町なのは戦術教導官はいります。」

 

「ああ、よく来てくれた。さっそくこれを見てくれ」

 

出迎えたクロノは息を継ぐ暇もなくそのデータを見せる。なのははそのデータにある文字を確認した。

 

「ええっと…White…Grint…ホワイトグリントですか?」

 

見た感じ英語表記。なのはもそれぐらいは分かる。

 

「ああ、そうだ。かの白き閃光の名前はホワイトグリント。君たちの日本語にするとなんとなる?」

 

「Whiteは誰でもわかるはずです。白いって意味ですね。Grintは…人の名前…でしょうか」

 

「ああ、俺たちも同じ結果に行きついた。ただ、地球にはグリントなんて人はたくさんいる。探し当てられるとは思っていない。」

 

「私も同意見です。」

 

「そして、これだ。これもまた一つの手掛かりとなるだろう。これがもし本物だとすれば、管理局が立てた仮説も真実味を帯びてくる」

 

「これは…!」

 

白き閃光を解析した班はこれが一つの歴史書だと思ってしまった。それはクロノも例外ではない。白き閃光の胸付近、そこには、地球での英語と、古代ベルカ語が書かれていた。

なのはもこれをみて驚愕する。それも二つともホワイトグリントを表す表記だ。これによってもう一つの仮説が浮かび上がる。

 

“古代ベルカは管理外世界地球と交流していた可能性がある”

 

これによって白き閃光はロストロギアと認定されるだろう。それによってまた仮説が立てられる。

 

“地球の古代遺跡を調べれば古代ベルカのことが分かるかもしれない。”

 

場合によっては地球にロストロギアが紛れ込んでいる可能性もある。今後注意されたし。

以上がクロノとなのはの話し合いである。それでも地球には今のところそういったオーバーテクノロジーのものはなく、関係自体は1000年以上前のものだと推察されるため、これは打ち切りとなった。

実際に古代ベルカと地球はそれほど深い交流はなく、魔法で流れ着いてきた古代ベルカ人が地球人に保護され古代ベルカ人が帰った時に作ったものに名前を二つとも入れただけである。

それにこれは対聖王のゆりかごではない。対軍の想定で作られた強襲型兵器である。

 



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ここからもう適当Final

時は移り、インターミドル・チャンピオンシップ予選。早くも波乱が巻き起こる。

高町ヴィヴィオ、アインハルト・ストラトス、新人の枠で予選突破。今回は新人が多いなとはほくほく顔の一般観戦老人の一言。

そんな二人はある試合に釘付けになっていた。

 

「バリアジャケットなしで本選出場…?」

 

「危険すぎでは?」

 

会場に出てきて度肝を抜かせたバリアジャケットなしの青年、チャック・アナトリアである。魔導士戦は当然のように魔法を使う。非殺傷設定とはいえ、生身での戦いなど恐怖で動けなることが多い。

それに防御力も皆無なので、本来は危険行為なのだが、彼はその状態で予選を突破したのである。それに相手の油断を誘ってなどでない。確かに初戦は相手が油断していたのだろう。顎に一発入れられてKO。

2回戦目はさすがにしては油断しなかったものの、それでも地力の差が出てチャックの勝利。三回戦も同じようにして予選突破。会場は唖然としていた。それに対してヴィヴィオとアインハルトの感想はそれである。

しかし、二人とも感想は違えども一つの同じ感覚が目覚める。

 

((懐かしいようでそして悲しいようなこの“なにか”はなんだろうか))

 

これを二人が口に出していったのならば、間接的に古代ベルカに関するものだと考えることもできたが、そこまで頭が回ることはなかった。

 

それにしてもその青年は危ない。いつもぎりぎりで魔法を避けているのだ。一般人が見たら冷や汗ものである。だがその道に一歩でも踏み入れたものならわかる、もちろんヴィヴィオもアインハルトもリオもコロナも感じていた。

 

「すんげ~目と反射してんな。だれだこいつ」

 

そこにノーヴェが口を挟む。機動機人の彼女から見ても自分と同等かそれ以上の力を持っているのが分かった。それもバリアジャケットなしでだ。

 

「でもよくできるな~私だったら怖くてできないかも」

 

「私だってできないわよ」

 

コロナとリオは漫才していた。ラインハルトは思う。

 

(彼と戦えるなら覇王流はもっと高みへ行ける。)

 

つまりは戦闘狂である。

 

 

本選当日。やはり多くの来場客で賑わうスタジアムでは誰が優勝するのかが話し合われていた。やれ前回優勝者、やれ期待の新生だ。その言葉に呼応するように会場は熱気を帯びていく。そして今本選が開始された。

 

日程も進み、そろそろ一回戦組が終わるというころ、チャックはオッツと会っていた。順当に二人が勝ち進めば二人が本選2回戦目で当たるのだ。

 

「やっぱりチャックも本選これたんだな!」

 

「ぎりぎりだったがな」

 

オッツの言葉には確信めいた雰囲気が存在していた。それにチャックは苦笑いをもって返す。チャックもオッツもリラックスモードなのだ。

そこへオッツへ選手呼び出しが行われる。一回戦目は強いが、オッツはそれだけで負けるようなたまではない。

 

「それじゃ次で会おうぜ!」

 

オッツの真剣な表情に浴びせられたチャックも準備態勢に入る。といっても念のために持っているバリアジャケットのようなものだけだが。

 

(生身ではやっぱりきつい。解放してもいいのか…)

 

そういうことだろう。オッツの元気な声が会場に響き渡った。

 

 

オッツは負けることはない。実際勝った。そしてあとはチャックが登ってくるだけ。チャックの対戦相手を見る。別にきつくもないだろう相手だ。チャックなら絶対来る。

 

(チャック、次の試合、お互い最終兵器もって戦おうぜ!)

 

この日の為に作った新技をもってオッツは待ち構える。

 

 

チャックの試合はやはりチャックの勝ちで決まった。だけれども限界があった。

 

(次の試合はオッツか…使うか?これを?)

 

まあ、常時通常モードにしておけばいいだろうとあたりをつける。としても使うときだけだが。

 

 

一回戦目も終わり、二回戦目へ突入した。ラインハルトもコロナとの戦いでギリギリのところで勝ち抜き、ヴィヴィオも同じく勝ち抜き三回戦目へと駒を進める。

 

「ラインハルトさん!決勝で会いましょう!」

 

「はい。お互い頑張りましょう」

 

二人はお互いの健闘を称えあう。なのはもノーヴェも嬉しそうに楽しそうに試合を見ていた。

ヴィヴィオとアインハルトが試合観戦を始めたと同時に前回大会上位のオッツと新生チャックとの試合が訪れた。

 

「なあチャック」

 

「どうした」

 

試合前の軽い掛け合い。ここで本当の力を見たいオッツはチャックに提案する。

 

「次の試合、本気でこい。チャックの本当の速さを俺は見たことあるから知っている。だから俺もそれを想定して練習してきた。本気を見せてみろ」

 

「…」

 

チャックは押し黙った。あの姿が見られた。その対策も行った。なら、今の俺の姿だと確実に負けるだろう。ならば。

 

「…楽しみにしている」

 

本気を出すこととした。

 

 

「両者前へ!」

 

オッツとチャック、この試合も注目されていた。特にインパクトが強いのは生身でこれまで戦ったチャックであったが。

 

「用意!はじめ!」

 

試合開始の合図。しかし両者は動きすらしない。チャックはもちろん、オッツもバリアジャケットをつけていなかった。

観客の困惑した雰囲気が流れ始めて5秒たったころお互いの目が開かれた。

 

「レイス、セットアップ!」

 

オッツの声によってバリアジャケットが形成される。それは今までのものとは違かった。黒い下地にところどころに入った青い線。男心をくすぐるしようとなっています。

 

「起きろ、ホワイトグリント」

 

≪メインシステム 戦闘モードを起動します。≫

 

そして、本大会初めてのチャックのバリアジャケット。観客は期待した。あの少年はどんなバリアジャケットなのだろうと。だが、その中心にいたのはまさしく異形だった。

そしてなのははまさかの事態に目を見開く。その中心には管理局が4年前から追っているあの白き閃光がたっていたからだ。

観客はまずその佇まいに不思議と背を張ってしまう。

純白のバリアジャケットで身を包み、この世で見ることのできないであろうフルフェイス型。一種のロボットアニメのような感覚を覚えるその姿は本来わかる人がいないオーパーツ。

だが、この会場にはオリヴィエの記憶を持つものとクラウスの記憶を持つものがいる。つまりどうなるか。

 

「「ホワイトグリント!?」」

 

こうなる。声の発生源であるヴィヴィオとアインハルトは懐かしきその姿を見て驚愕と一緒に笑みが浮かぶ。

 

「懐かしいなぁホワイトグリント。」

 

「…えぇ。確かに言ってましたね。ホワイトグリントは世界を渡る兵器だって」

 

「え、ちょっとまってヴィヴィオにアインハルトちゃん。あれを知っているの?」

 

「ええ、古代ベルカ時代にひっそりと現れた自称、傭兵が乗る対軍殲滅長期稼働人型兵器(仮)のホワイトグリントです。」

 

「わたしのもとになったオリヴィエの陣営を支援していたよ。最後の時には別の世界に行ったけど。」

 

娘とその友達によってまさかの白き閃光の名前と情報を知ることができたなのはだったが、こんなところで暴れてはならないと慌て始めるが、娘はそれを止める。

 

「大丈夫。あの方は意味なき殺人は起こさないよ。安心してみてよ!フェイトママよりもすごいの見れるから!」

 

知っていますとはいえないなのはだったが、いったん心を落ち着かせてその試合を見ることにした。管理局に連絡を入れるのも忘れずに。

 

 

その間試合は少し動いていた。オッツがその機動性でチャックを翻弄していたのである。その速度は去年では見ることのできなかった速さ。観客は息をのむ。いくらか蹴られたところでチャックは反撃に出た。

オッツの機動性をも上回る旋回速度でオッツの後ろを取りそのまま蹴りを放つ。移動の際にキィンという甲高い音が聞こえたら後ろに回り込まれている。正直恐怖でしかない。しかし、オッツはこの機動性を見ているのだ。

対策を練って練って練りまくったのだ。その結果はというと、衝撃を後ろに流すことに成功した。わざと飛んでいくことでダメージを減少させたのだ。しかし、減少させたといってもダメージ自体は入るもの。確認したところ総HPの2割が消し飛んでいた。

軽く蹴っただけでその衝撃。このときオッツは聞いていなかったがチャックが蹴りを放ったと同時になった音。ガキィン!!という金属を蹴ったかのような音は会場を一瞬静寂へ導いた。オッツもやられてばかりではない。すぐに起きだし、自慢のゲイルブロウを繰り出す。

ゲイルブロウは空気の回転を利用した突きに特化した殴り。その素早い展開は今までの選手なら一瞬で倒すことができただろう。しかし、その殴りも不発で終わった。チャックがまた後ろを取ったのだ。だが二度も食らうオッツではない。その瞬間に後ろを向きゲイルブロウを繰り出す。

しかし、その殴りもチャックの繰り出した蹴りと相打ち。いや、オッツに一方的に帰ってくるという結果。

 

オッツは理解した。これがチャックの本気。これが輝き。これが…。楽しい…楽しい!

怖いという感覚がないわけではない、ただ、それ以上に楽しいのだ。友達との打ち合いが。強敵に挑むこの瞬間が!

もう自分にはこの試合で勝てることはないと思っている。だが、だが!あきらめるわけにはいかない!これが俺の全力!

 

「ゲェェェイルゥゥゥゥ!!!!」

 

それに対しチャックも楽しんでいた。ただ殺すだけではなく、お互いを鍛えあう素晴らしさ。やはり愛とはいいものだと再認識した。

今闘っているクラスメイト、いや、友達のオッツの全力攻撃。なら俺はそれを向かい打たなければならない。

本来そういうことは意味がない。しかし、相手がオッツなのだ。なら、俺もそれに乗るだけだ。

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

お互いの全力がぶつかる。オッツは自身の持つ最大の技を出した。チャックは全力の蹴りを出した。

 

「ぶおぉぉぉぉぉぉうううううううううう!!!!!!」

 

「てやあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁあぁ!!!!!!」

 

ぶつかる時、音響爆弾もかくやの音が鳴り響く。視界は余波で舞い上がったステージが覆い隠す。

やがてすべてが収まり立っていたのはチャックだった。バリアジャケットが解除される。チャックはそのままオッツのもとへ自分の足で出向き手を差し出す。

 

「ありがとう。いい試合だった」

 

「へへ!こっちこそだ!次はリベンジしてやるからな!」

 

オッツはその手を握る。途端に鳴り出す大喝采。やはり友情はいいものだ。それを体感したチャックは次の試合の準備をする。狙うは優勝。チャックの心に灯がともった。

 

 

そのあとの話をしよう。もちろん彼は優勝した。圧倒的速度から放たれる重い一撃に耐えられるものがいなかった。

試合が終わった後に管理局から呼び出しを食らい、そのままホワイトグリントのことについての説明。

ヴィヴィオとアインハルトとの顔合わせ。といってもチャックはホワイトグリントを継承しただけなので彼女たちのことが分からなかったが、これからも交流を深めるとのこと。

管理局はチャックの力、正式にはホワイトグリントの力を警戒したが、特に問題がなくなった。チャック自身が管理局に所属させてほしいとお願いしたからだ。

管理局は大喜び。これで世界の平和は保たれるのでした。

終わり。

 

 

 

「ハハハッ!見てたよルーキー。なかなかやるじゃない?ちょーっと時間がかかったけどね。…クローン、か。それでも懸命に生きている。これだから面白いんだ。」




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