けものフレンズB (けものフレンズ2絶対許さないマン)
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けものフレンズB

『けものフレンズ2』の設定をぶち壊したくて書きました。
そこに反省はない。あるのはあの駄作に対しての恨みだけや。


【ジャパリパーク:???】

 

ジャパリパークに佇むとある建物。

 

そこではヒトのフレンズが何かの実験をしていた。

 

外は悪天候にもかかわらず、彼女は実験を続けていた。

 

「…よし、後はこれをこの機械と一緒に入れれば」

 

彼女は両手にそれぞれ色の違う液体を、謎の機械に入れ始める。

 

「サンドスターとセルリウム…これらの関係性がわかれば…!」

 

そして機械が順調に作動し始め、彼女の表情も明るくなる。

 

しかし

 

ズドーン!!

 

突如として建物に落雷が走り、機械がおかしな動きを見せていた。

 

「そ、そんな!?どうして!?」

 

彼女は必死に機械を操作するも、一向に改善しない。

 

するとそこへ

 

「ーーーさん!研究所の周りの木に火が…!」

 

突如、彼女の友達と思わしきフレンズがドアを開けて入ってくる。

 

「!?だ、ダメ!ーーーーーラ!今来たら…」

 

彼女の悲痛の叫びと共に機械の周りに電流が走り、今にでも何か良くないことが起こりそうになっていた

 

「あ、危ない!」

 

フレンズは彼女を庇うかのように、彼女を機械から強引に離れさせる。

 

そしてつぎの瞬間

 

辺り一面に強い黒と白の光が包み込んだ。

 

二人は目を開けられないぐらいの眩しさに襲われる

 

そして、光が晴れた時

 

彼女は自分を庇ってくれたフレンズを見上げる

 

しかし、彼女は驚愕した

 

彼女の目に写っていたのは

 

『身体の半分がセルリアンと化していたフレンズの姿だった』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【日本:東京】

 

東京都にあるアパートの一室にて、若い男性がけものフレンズ(1期)を視聴していた。

 

彼はけものフレンズの最終回を見終えると、彼は背伸びをして視聴していたDVDを取り出す。

 

「いやー結構面白いな〜けものフレンズ!。なんだろう、なんかこう…昔の心を取り戻させてくれるみたいな?やっぱこういう暖かい世界っていいよな〜」

 

そう言いながら、今度はテレビの予約画面を操作していた。

 

そこには、『けものフレンズ2』のタイトルと話数が表示されていた

 

けものフレンズ2

 

この名を知らない人は殆どいないだろう。特にけものフレンズを1期から見ている人たちにとっては忘れたくても忘れられないタイトルだ。

 

何故ならけものフレンズ2は、けもフレ史上最悪のアニメかつ平成最後のクソアニメとして有名だった。

 

1話から始まるどことなくギスギスした感じ

 

フレンズを平気で貶したり、髪を引っ張るなどといった暴力

 

さらに、9話で起こったイエイヌへの酷い仕打ち

 

そしてなにより、最終回でイエイヌが見ていた絵

 

それはまさに1期を完全否定し、2期こそが本当のけものフレンズだというような絵だった。

 

などと数えるのもバカらしくなるくらいの不安要素や1期の優しい世界の否定要素、本当にこれはけものフレンズなのかと疑う人も少なくなかった。

 

放送終了後も、ツイッターなどで場外乱闘が勃発しており、今もなお『けものフレンズ2』はネットで大炎上している。

 

そんな事も知らない彼は、テレビに予約してあったけものフレンズ2を視聴しようとしていた。

 

「さーて、かばんちゃん達はごこくちほーに着いたのかなー?楽しみだなー」

 

そう言って彼は1話を視聴しようとしたその時

 

突然テレビから強い光が溢れ出した

 

「う、うわぁ!?な、なんだ!?」

 

光は彼を包み、光が晴れると、そこに彼の姿はなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【ジャパリパーク:海上】

 

海を走るジャパリバス

 

その近くには、新たなちほーであるごこくちほーが見えていた

 

「サーバルちゃん!見えてきたよ!」

 

「うわー!あれがごこくちほー?」

 

「森が沢山あるのだ!」

 

「すごいね〜」

 

かばん、サーバル、アライグマ、フェネック

 

そしてかばんの腕に付いているのは、今までかばん達を案内していた、ラッキービーストことラッキーさん

 

彼女達は、念願のごこくちほーに近づきつつあった

 

「モウスグ、ゴコクチホーニ着クヨそ、ソロソロ、降リル準備ヲシテネ」

 

ラッキーがそう言ったその時だった

 

突然、目の前から光が溢れ出していた

 

太陽とも違うその光に、みんなは驚いていた

 

「う、うわぁー!?た、食べないで下さーい!?」

 

「なにこれなにこれー!?眩しいよー!?」

 

「め、目が開けられないのだー!」

 

「アライさーん、そりゃ当然だよー」

 

「アワ、アワワワワ…」

 

光はジャパリバスを包み込み、光が晴れるとそこにジャパリバスやかばん達の姿はなかった

 

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【???視点】

 

「ん、んー…」

 

突然、テレビから強い光がが溢れ出したと思ったら、いつのまにか気を失っていたみたいだ

 

未だに視界がボヤけるけど、何とか目は開けられそうだ

 

頑張って起き上がり、先ずは周りを確認してみる事にする

 

確認するもなにも、ここは自分の家の筈だけど、なんか草木の匂いがするし、何より風や空気がとても気持ちがいい

 

だんだんと視界が晴れ、よーく景色を見てみる

 

………あ、ここ俺の家じゃねぇわ

 

だって草木の匂いがどうこう言ってたけど、まさしくその通りだし、てか森の中だし

 

え何?俺今巷で流行りの異世界転移系ですか?

 

うわー、嫌だなー

 

まーた気持ち悪いだとか何とか言われんのかなー

 

てか、誰に言われんだろうなーそれ

 

まあ、来てしまったからには、まずは帰れる方法を探さないとね

 

とりあえず先ずは食料や水を確保しなければ

 

これサバイバルの基本だってじっちゃんが言ってた

 

俺は道なりに森を進んでいき、木や葉っぱなんかを見ながら歩いた

 

葉っぱだって食えるのあるしね、見るのは当然です

 

でも、一向に見つかる気配がない

 

途中小さいリンゴなら見つけて食べてみたけど、とても酸っぱくて食えたもんじゃなかった

 

まあそれでも貴重な食料なので大事に食べてるんですけどね…うぅ、すっぺー…

 

そうして歩いていると、ようやく森を抜ける事に成功した

 

森を抜けると、そこには球体型の家があちこちにあった

 

もしかしたら人がいるかも知らないと思い、窓を覗き込んだ

 

でも、全ての家を見たけど、誰も住んでいないようだった

 

俺は思わずため息をつき、仕方ないと思いつつも、もしかしたら家の中に食料があるかもと思い、家の中に入ろうとした

 

すると後ろから何かを落としたような音が聞こえた

 

もしかしたらこの家の人かなと思い、後ろを振り向くと

 

そこには犬の耳みたいなのを頭に生やした女の子がいた

 

「あ、えっと…この家の人?」

 

「あ、あ、ああ…」

 

「?」

 

「会えたーーー!!」

 

「え?う、うわぁ!?」

 

その子は突然抱きつき、突然の事に対応できなかった俺はそのまま倒れてしまう

 

「会えた!やっと会えた!ヒトに会えましたー!」

 

女の子は顔をこれでもかとスリスリと押し付け、匂いを覚えるかのように色んな所をスリスリしてくる。

 

「ちょっ、く、くすぐったいってw!」

 

しかし女の子は興奮してるのか、中々やめようとしない。

仕方ないので俺はしばらく彼女の気がすむまで好きにスリスリさせてみる事にした。

 

そんでスリスリされること5分

 

ようやく女の子は落ち着きを取り戻した。

 

「す、すみません。私興奮してしまったみたいで…」

 

「あー、うん。別に気にしてないからええよ?」

 

てかこんな美少女に俺みたいな男にスリスリしてくれるのかと思うとちょっと嬉しかったりする。

 

「あー、えっと。まず自己紹介からだよね。俺は坂木 弘(さかき ひろし)。キミは?」

 

「あ、私イエイヌっていいます。えっと、サカキヒロ…」

 

「ああー、ヒロシでいいよ?イエイヌちゃん?」

 

「あ、はい。わかりましたヒロシさん」

 

イエイヌって…確か家で飼ってる犬の事かな?流石に専門家じゃないからわかんないな…

 

でも確かどっかで聞いたんだよな〜

 

まあ、今気にしたところで別にどうこうなる訳やあらへんし、別にいっか。

 

「ところでイエイヌちゃん。ここってどこ?」

 

「ここですか?ここは『ジャパリパーク』ですよ?」

 

「……………え?」

 

 

・・

 

・・・

 

・・・・(チーン)

 

「…えぇぇーーーーーー!?」

 

「うわぁ!?」

 

ジャ、ジャパリパーク!?

 

今この子ジャパリパークつった!?

 

い、いやいやいや

 

きっと同姓同名の人が世界には3人いるが如くきっと同じ名前の世界の筈!

 

そうだ!そうに違いない!

 

でも、一応ここがジャパリパークなら、聞いておく事もあるよなうん

 

「え、えーっと、つかぬ事をお伺いしますが。チミはなんのフレンズかなー?」

 

「私ですか?イヌのフレンズです!」

 

マジかよおい本物だよ本物のフレンズだよコンチクショー

 

どーりでなんかあちこちから四角い光みたいなのがあると思ったよ

 

マジもんのけものフレンズの世界じゃないですかーやだーチョーウレシー

 

「あ、よろしかったらおうちに入りますか?ヒトが作ってた葉っぱを入れるお湯を入れますよ?」

 

「アッハイ、イタダキマス」

 

そんなわけで俺は嬉しさ50%驚き50%の状態でイエイヌちゃんのおうちにご招待されました

 

そんで適当に椅子に座ってしばらく待つと、イエイヌちゃんがティーカップやポットを持ってきた

 

そんでティーカップの中にお茶を入れた。

 

「ど、どうぞ」

 

「あ、ども」

 

では一口………あ、これいい紅茶や。うめー

 

「んー。美味しい」

 

「よかった〜。ヒトが作ってたのを真似てみたんですけど、お口にあってよかったです!」

 

うーんこれマジでうめー

 

香りもいいし、これに砂糖とかミルクいれて飲むのもいいよなー。

 

あ、レモンとかいれてレモンティーもいいかもしれねぇ。

 

「ねぇイエイヌちゃん、このおうちにお砂糖はあるかな?」

 

「お、おさとう?」

 

「えーっと、こういう四角い白い塊か、細い棒みたいなのがあればいいんだけど」

 

「あ、それでしたら!」

 

イエイヌちゃんは奥へと入り、ガサゴソと戸棚を漁っているようだった

 

それでまたしばらくすると、カゴを持ってきた

 

その中には角砂糖やコンデンスミルク。オマケにレモン果汁の入った物まであった

 

「これのことですか?」

 

「あーそうそう!イエイヌちゃん賢い!偉い偉い!ありがとう!」

 

あまりの嬉しさにイエイヌちゃんの頭をナデナデする俺。

 

すると、イエイヌちゃんは嬉しかったのか、目を細めて嬉しそうにしている

 

「さて、それじゃあ砂糖とミルクを入れて…」

 

砂糖とミルクを入れてミルクティーにして、再び飲む

 

………最高〜

 

「ん〜。ミルクティーにしてもおいし〜」

 

俺の美味しそうな表情を見てイエイヌちゃんも同じようにティーカップに紅茶を注いで、砂糖とミルクを入れる。

 

「んぐ…。わぁ…美味しいです〜」

 

「ホント美味しいね〜」

 

そんな感じで俺とイエイヌちゃんはティータイムを楽しむのであった。

 

 

・・

 

・・・

 

・・・・

 

・・・・・

 

そんなこんなしてたらあたりはすっかり暗くなっていた

 

お茶をしながらこのジャパリパークの事をイエイヌちゃんに聞いたり、他にヒトのフレンズを見ていないかなど色々話したりした。

 

まず、このジャパリパークはここ最近おかしな現象が起こってるという。

 

突然強い光が出たと同時に、強い揺れや俺みたいにフレンズが現れたりするらしい。

 

イエイヌちゃんも森の中で強い光が発しているのを見てもしかしたらと思いおうちに戻ってきたら、案の定俺がいたという。

 

そのため、ヒトも俺以外見ていないという。

 

…なるほど。あの光かなんなのかはわからないけど、俺がジャパリパークに来れたのは、恐らくその光のお陰かもしれないな。

 

「さーて、夜になった事だし、これからどうするかねー?」

 

ここいらで野宿できる所あったかなー?

 

イエイヌちゃんの家があるからーとかそういうのはNGね?

 

いやだっていくらなんでも見も知らないヒトをおうちに泊めるのはいくらなんでも抵抗あるでしょ?

 

「…あの!ヒロシさん?」

 

「ん?どしたのイエイヌちゃん?」

 

「その…、ヒロシさんさえよかったら、行く場所がわかるまで、このおうちに泊まっていきませんか?」

 

…おうふ

 

マジかよ 泊まっていいの?

 

女の子と男が同じ屋根の下で寝泊まり?

……ヤッター\(^O^)/

 

「そ、そだねー。行くあてもないし、せっかくだから、その好意に甘えるよ」

 

そう言うとイエイヌちゃんの表情が花が咲いたみたいに嬉しそうな顔になった。

 

「ありがとうございますー!」

 

「わぷっ!?」

 

イエイヌちゃんは再び俺に抱きついてくる。

 

よっぽど心細かったんだなーと思うとちょっと泣けてくる。

 

こうして俺は、イエイヌちゃんのおうちでしばらく厄介になる事となったのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【1年後】

 

あれから1年が経っちまいました。

 

イエイヌちゃんとフリスビーで遊んだりかけっこやら散歩やらと色々してましたけど、やっぱ帰る手段ありまへんでしたわ。

 

あれから強い光の噂もなくなり、強い揺れは昨日の夜に来たぐらいでそれ以来音沙汰はない。

 

んで、現在俺はと言うと、イエイヌちゃんと散歩しながら揺れの原因を調査しているといった所っす。

 

いやね、ほら。イエイヌちゃんにもしもの事があったら嫌やん?

 

そんな事起きたらアタシ悲しみの向こうに旅立ちますわホント。

 

んな事考えてたらイエイヌちゃんが立ち止まってクンクンと匂いを嗅いでいた。

 

「どした?イエイヌちゃん?」

 

「…森の向こうから、変な匂いがします」

 

「変な匂い?例えば?」

 

「うーん…、おうちの近くにあったのりものっていうのと同じ匂いがします」

 

乗り物なんてあったのね。俺知らなかったよ。

 

まあそんな事はどうでもいい。今はそんなそんな重要でもあらへんしね。

 

イエイヌちゃんが匂いを嗅ぎながら進み、俺もそれにつづく

 

広い森の中をどんどん進み、気がつくと少し広い場所に出た。

 

すると、イエイヌちゃんは唐突に立ち止まり、なにかを見上げていた。

 

俺もイエイヌちゃんと同じように見上げると、そこには絶対にジャパリパークには無い物がそこにはあった。

 

「……なぁにこれぇ?」

 

そこには、座り込むような形で倒れていた。巨大な【ロボット】の姿があった。

 

というか、これは俺でも知ってるロボットだった。

 

そのロボットは、リアルロボット界の金字塔、『機動戦士ガンダムシリーズ』に出てくるモビルスーツ。

 

『バイアラン・カスタム』

 

そう呼ばれていたモビルスーツが、今俺とイエイヌちゃんの目の前にその存在感を示していた。

 

つづく

 




反響よかったら続き書きまーす


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第2話 もびるすーつ

続きを書いてほしいとあったので書かせていただきます!


【ジャパリパーク:森の中】

 

強い揺れをイエイヌちゃんと調査してたら、まさかのバイアラン・カスタムがありました。

 

いや、うん。

 

何言ってるのかわかんないよねー?

 

大丈夫、俺もわかんねーんだよコンチクショー!

 

なに?なんでこの平和な世界にこんな物騒なモンあんの?なに?ここは宇宙世紀なの?それとも黒歴史?

 

あーもうわかんねぇよ!今俺すんげー取り乱してますわ!心の中だけど!表情は多分ビックリしてるだけだと思うけど、心の中じゃ結構俺取り乱してんのよ!

 

「ご、ご主人様?大丈夫ですか?さっきからぼーっとしてますけど?」

 

あ、すごくおちついた

 

イエイヌちゃん可愛い

 

「大丈夫だよーオレは大丈夫だよーよーしよしよし」

 

「クゥ〜〜ン♡」

 

あ〜モフモフや〜

 

かわええんじゃ〜

 

てかイエイヌちゃんいつから俺の事ご主人様って呼んだんだっけ?

 

ま、いいか!1年も暮らしてればそんなの気にした方が負けか!

 

…さーてと、モフモフタイムはこれくらいにして、そろそろこのバイアランちゃんを調べてみますかねー

 

「イエイヌちゃん、年の為危ないかもだからそこにいて?俺あのデッカいの見てくるから」

 

「はい、ご主人様気をつけて」

 

んで、バイアランの前にきたけど、特に襲ってくるような事はしない。

 

って事はコックピットには誰もいないか、もしくは寝てるかのどっちか。

 

試しにバイアランの足に触ってみたけど、これといって暑くはない。

 

むしろヒンヤリしている。

 

んで見た目の状態はこれといって悪くない。いたって新品同然。

 

ただ左肩にある筈の『E.F.F』の文字が無い。

 

見た目の違いはそんなところ。

 

次にコックピットを調べてみたいけど、開き方がわからん

 

とりあえず色々な所を弄ってみる

 

するとコックピットの近くと思われる場所に手動で開けられる物があった。

 

とりあえずそれを捻ってみる事にした

 

すると

 

プシュー

 

という音と共にコックピットが開いた。

 

「お、あいたあいた」

 

とっさにイエイヌちゃんを見てみると、やっぱさっきの音で驚いたのか、少し怯えている。

 

「大丈夫だよー?何も怖い事してないよー?」

 

そう言うとイエイヌちゃんは安心したのか、こっちに近づいてきた

 

「ご主人様、どうですか?何かありましたか?」

 

「うーん、とりまコックピット見てみないとわからんね〜」

 

「こっく、ぴっと?」

 

「あーうん、こっちの話だから気にせんといて〜」

 

とりあえずコックピットの中を慎重に覗いてみると、中には誰もいなかった。

 

荒らされた様子もないし、埃一つない。

 

座席には埃防止用の袋が被せてあった。

 

てかこれまんま新品じゃね?

 

中に入ってみても、特にブザーみたいなのは鳴らないし、危険と思われるような物はなかった。

 

とりあえず大丈夫そうだったので、外で待ってたイエイヌちゃんをこっちに呼んで中に入らせた

 

「わー。意外と広いんですね?」

 

「だねー」

 

イエイヌちゃんはコックピットの中を興味津々な感じで眺めていた。

 

俺はその横でマニュアルみたいなのがないか探してみた

 

なんでマニュアル探しているかというと

 

単純にこんなところに置いてたら他のフレンズに迷惑かけるんじゃないかなーと思うのと、めっさ動かしたいという欲求があるからである。

 

んで探してみた結果だが、案の定座席の上にポンと置いてあった。

 

座席の埃防止用の袋を取って、それを丁寧に畳んでポッケに入れる

 

まあ案の定はみ出してるけど気にしなーい

 

んでマニュアルを見てみたけど、案の定英語でわかんにゃい

 

でも所どころに日本語も書かれていたので、そこを重点的に見てみた

 

『全く、マニュアルどおりにやっていますと言うのは、アホの言う事だ!』

 

……どっかの御大将の声が聞こえたけど俺は気にしねー。

 

気にしたら負けや。

 

マニュアルを見てたら隣でイエイヌちゃんも覗き込んできた。可愛い

 

「何を見てるんですか?」

 

「ん?このバイアランの動かし方だよー」

 

「うーん、私には何が書いてあるのかサッパリです…」

 

「安心して、一部俺でもわかんないのあるから」

 

んで何とか動かし方がわかったので、まずは電源を入れてみる。

 

ポチッとな

 

キュイーン…

 

お、動いた動いた

 

「ヒャッ!?な、何の音ですか!?」

 

「大丈夫大丈夫。バイアランの電源を入れただけだから、ね?」

 

しばらくするとコックピットにも明かりがつき、全天周囲モニターも起動した。

 

「ご主人様!外が見えますよ!」

 

「うん、全天周囲モニターも問題無しだね」

 

「ぜんてん?」

 

「要は、このバイアランが見ている景色を俺達に移してるって事」

 

「成る程!」

 

とりあえずコックピットむき出しは危ないので、コックピットのハッチを閉めて、改めて前方をみる

 

すると、そこも全天周囲モニターによって外の景色が見えていた

 

イエイヌちゃんは隣ではしゃぎながらすごいすごいと言っていた

 

俺はマニュアルを見ながら現在のバイアランの状態を見ていた。

 

最初見た時は問題ないかなーと思ってたが、やっぱり問題があった。

 

それはまず燃料。

 

現在このバイアランの燃料は32%しかない。

 

起動に問題なかったとはいえ、これじゃあ少し不安と言ったところ。

 

次の問題は、背部にあったプロペラントタンク直結型のブースターがない事。

 

これでは最初のバイアラン同様に飛ぶのにかなり燃料使うのでそんなに長く飛べない。

 

まあなんでこんなに詳しいかと言うと、俺の父ちゃんは直とともに認める程のガンダムマニアで、ガンプラ作ってる時に横から色々設定を聞かされたと言うところ。

 

んでバイアランの事も父ちゃんからよく聞かされていた為、覚えていると言った感じ。

 

んまあそんな感じで、バイアランの設定は少し頭に入っているといった感じだ。

 

そんでマニュアルを見てたら座席についての項目があったので、それを見てみるとどうもこの機体にはサブシートが数席程あるらしく、これならイエイヌちゃんも座って見られるかもしれないと思った俺は、一旦イエイヌちゃんを座席から降りさせて、サブシートを起こさせてみた。

 

すると右と左、そして後ろからサブシートが出てきた。

 

ホントに数席あったよと驚く俺を他所に、イエイヌちゃんは俺の隣のサブシートに座った。

 

「どう?イエイヌちゃん?座り心地は?」

 

「大丈夫です!」

 

「そっか、んじゃちょっと失礼して…」

 

俺はイエイヌちゃんの腰あたりにあったサブシートのベルトを伸ばして、それを取り付けた

 

「うん、これで危なくないかな?」

 

「ありがとうございます!」

 

「いえいえ」

 

さーて、それではお待ちかねの操縦タイムだ!

 

マニュアルはある程度見たから、軽く動かすぐらいなら俺でもできそうだ。

 

とりあえずバイアラン立たせてみることから始める。

 

慎重に操作しながら、バイアランを動かしていく

 

ゆっくり、ゆっくりと操作し、見事立たせてみせた

 

「ふぃー。とりあえず立たせる事はできたか〜」

 

「す、すごーい…。まるでお空を飛んでるみたいです…」

 

イエイヌちゃんは全天周囲モニターから見える景色に感動していた

 

かく言う俺も中々に感動していた。

 

たった数十mの高さでも、このジャパリパークの景色がわかると思うと、やっぱり感動してしまう。

 

「…さーて、とりあえず原因もわかった事だし、これどこに置こうかなー…」

 

やっぱり問題となるのは、こいつの格納場所だ。

 

家の前に置こうにもコイツはデカすぎるし、やっぱここに置くしかないかなー

 

なんて考えてたらイエイヌちゃんが服を引っ張ってきた

 

「ん?どした?」

 

「ご主人様、前の方に何かが…」

 

「どれどれ…」

 

前方の方をカメラを使いながらよく見てみると、そこにはかなりの大きさを誇るセルリアンと思わしき物体から逃げる二人のフレンズの姿があった

 

「マズイ!ありゃセルリアンだ!しかも誰か追っかけられてる!」

 

「そんな!ご主人様、どうしましょう!?」

 

「どうするも何も助けないと!」

 

「でもどうやって?」

 

「うーん……。仕方ない!このバイアランを使おう!これならなんとかなるかもしれない!。イエイヌちゃん!とばすからしっかりつかまってて!」

 

「は、はい!」

 

俺はバイアランを走らせ、フレンズ達の下に急いだ。

 

ここで飛ばした方がいいと言う意見もあるだろうが、コイツの燃料は貴重だからそんなに飛ばすことができない。

 

ましてやブースターが取り付けられてないなら尚更だ。

 

俺はとにかく無我夢中でセルリアンの下に急いだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ジャパリパーク:森の中】

 

「う、う〜ん…」

 

「アライさ〜ん、大丈夫?」

 

「フェ、フェネック?」

 

ヒロシとイエイヌがバイアランを見つける1時間前、アライグマのアライさんとフェネックギツネのフェネックがイエイヌのおうちの近くの森で目を覚ました。

 

アライさんはフェネックの手を借りながら起き上がり、周りを見渡す。

 

「…ここはどこなのだ?」

 

「さ〜?匂いはジャパリパークと似てるんだけど〜。な〜んか『違う』んだよね〜」

 

「クンクン…本当なのだ…。アライさんやフェネック、それに皆んなの匂いもあるのに、全然

『匂いが違う』のだ!」

 

アライさん達が知ってる筈のジャパリパークの匂いは微かにすれど、全然違うと困惑するアライさん。

 

しかし、アライさんの困惑は止まることを知らなかった。

 

「!そういえばフェネック!かばんさんやサーバル達はどこなのだ!?」

 

「それがさ〜。アライさんが倒れている間に匂いを探してみたんだけど〜。変な匂いも混じってて、よくわからなかったんだ〜」

 

「た、大変なのだー!直ぐにアライさんも一緒に探すのだー!」

 

かばん達がいないと知って焦ったアライさんは、地面に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。

 

そのまま四つん這いの状態で歩き、かばん達の匂いを嗅ぐ。

 

すると

 

「…!。微かだけど、サーバルの匂いがするのだ!」

 

「お〜。アライさん流石だね〜」

 

「ふふん!アライさんはスゴイのだ!この調子でかばんさんの匂いも探すのだ!」

 

そう言って再び地面に鼻を近づけて、四つん這いで歩くアライさん

 

その後ろをフェネックがついていった。

 

しばらく森の中を歩いていると、突然アライさんの頭にコツンと何かが当たった

 

「あいた!?」

 

「大丈夫アライさ〜ん?」

 

「ぐぬぬ…。匂いに夢中で、木にぶつかってしまったのだ」

 

そういって顔をあげると

 

そこにあったのは

 

『…』ズーン

 

かなりの大きさを誇ったセルリアンの姿だった。

 

その姿は、かつてジャパリパークのみんなで協力して倒したあのセルリアンとよく似ていた。

 

「うぎゃああああああああ!?」

 

「あらら〜。アライさん、またやってしまったね〜」

 

「フェ、フェネック!は、早く逃げるのだー!!」

 

「はいは〜い」

 

アライさんの掛け声と共に二人は全速力で逃げた。

 

その後をセルリアンはズシンズシンと音を立てながら追いかける

 

「ご、ごめんなさいなのだ!ごめんなさいなのだー!」

 

「アライさーん?謝ってもセルリアンは追いかけてくるよ〜?」

 

そう言いながら逃げる二人

 

しかし逃げども逃げどもしつこく追いかけてくるセルリアン

 

流石の二人でも、次第にスタミナが尽きてきて、スピードもどんどん落ち始めた

 

「はぁ…はぁ…はぁ…、も、もうダメなのだ〜」

 

「あ、アライさ〜ん、が、頑張れ〜」

 

フェネックの表情にも余裕がなくなってきていて、フェネックはせめてアライさんだけでも助けようと自分が囮になろうとしたその時

 

「……ん?何の音?」

 

突然、前からセルリアンの走る音とは違う別の何かがこちらに向かってきていた

 

そしてそれは、次第に二人の目が見える範囲内まで来ていた。

 

「な、なんなのだ…アレは!?」

 

それは、ヒロシ達が乗っているバイアラン・カスタムの姿だった。

 

そしてバイアランは、アライさん達を庇うやうにして前に出て、セルリアンの顔面にクローアームを叩きつけた

 

叩きつけられたセルリアンはそのまま後ろへとバウンドしながら下がっていった

 

「す、スゴイのだ〜!」

 

「お〜」

 

バイアランはセルリアンが少し遠くにいるのを確認すると、アライさん達の方を向き、しゃがみこんだ

 

そして、バイアランのコックピットが同時に開いた

 

「二人共!早くこっちに!」

 

出てきたのはヒロシ

 

顔と手を伸ばしてこちらに来るように言った

 

「み、耳のないフレンズ?」

 

「って事は、かばんさんと同じヒト?」

 

「訳は後で話す!それより早く!セルリアンがこっちにくる前に!」

 

そう言われてアライさん達が前をみると、そこには起き上がろうとしているセルリアンの姿が映っていた。

 

「さあ早く!」

 

「わ、わかったのだ!フェネックも早く!」

 

「う、うん」

 

二人はヒロシの手を借りながらコックピットの中へと入っていく

 

「フェネック!ジャパリパークがここからでも見れるのだ!」

 

「ホントだ〜」

 

中に入った二人はコックピットの中から映し出されている全天周囲モニターの景色を眺めていた

 

「さあ二人共、好きな所に座って」

 

ヒロシはそう言うと、コックピットのハッチを閉めて、操縦桿を握る

 

アライさん達も一旦外の景色を見るのをやめて、イエイヌが座っているのと同じサブシートにそれぞれ座った。

 

「こ、これでいいのか?」

 

「上出来。イエイヌちゃん、ベルトの閉め方教えてあげて?」

 

「はい!あ、私イエイヌって言います!」

 

「アライグマのアライさんなのだ!」

 

「フェネックだよ〜。よろしくイエイヌさ〜ん」

 

「はい、よろしくです!。あ、ベルトって言うのは、お二人の座っている下の方にありますので、それを…」

 

イエイヌは見よう見まねで二人にベルトの閉め方を教えて、二人は四苦八苦しながらもどうにかベルトを締めた

 

「よし、二人共閉めたね?ちょっと揺れるからしっかりつかまってて?」

 

「どうする気なのだ?」

 

「んー?ちょっとしたかりごっこさ?あ、俺ヒロシねよろしく」

 

セルリアンが起き上がったのを見たヒロシは、そのまま畳み掛けるかのように、バイアランを動かした

 

バイアランはセルリアンの下まで走り、前足をクローアームでつかんで、無理矢理腹を見せさせた

 

ヒロシは腹の下にはセルリアンの弱点であるヘシがないのを確認すると、そのままひっくり返させた

 

ひっくり返った事でジタバタと起き上がろうと暴れるセルリアン

 

それを見たヒロシは咄嗟に鼻笑いしてしまう

 

しかしすぐにセルリアンは起き上がり、怒ったかのようにバイアランに突撃してくる

 

「うわー!ぶつかるー!」

 

「心配ないよー!ちょっと燃料勿体ないけど!」

 

ヒロシはペダルを踏んで、バイアランをジャンプさせて、その間に真上にヘシがないか確認すると

 

「あった!丁度真ん中!」

 

ヒロシはターゲットマーカーを出現させて、セルリアンのヘシ部分をロックする

 

「みんな!念の為耳を塞いで!」

 

イエイヌやアライさん達はなぜ耳を塞ぐ必要があるのかわからなかったが、一応ヒロシの指示通りに耳を塞いだ

 

それを確認したヒロシは、トリガーを引いてバイアランの腕部に取り付けられているメガ粒子砲を発射させた

 

何故耳を塞がせたかと言うと、もし万が一メガ粒子砲の発射音がフレンズ達に合わなかったら嫌な思いをするかと思ったから

 

結果としてそこまで音は出なかったが、コックピットからなので音が結構響いていた

 

メガ粒子砲が発射され、ヘシ部分を目掛けて飛んでいく

 

が、突然ヘシ部分に黒い塊が現れて、ヘシをガードしてしまう

 

「何!?」

 

それによってメガ粒子砲はヘシには当たらず、セルリアンの体周りに当たった

 

「メガ粒子砲がダメなら!」

 

ヒロシはそのまま急行落下し、ガードされたヘシ目掛けてクローアームを伸ばした

 

「お、落ちるのだー!?」

 

「大丈夫!落ちてもこのバイアランなら平気さ!」

 

クローアームを伸ばし、ヘシに近くになるのと同時にビームサーベルを展開してガードごとヘシを串刺しにしようとした

 

しかしその前にセルリアンは何かを察したのか、そのまま避けてしまう

 

「ちぃっ!」

 

ビームサーベルを急いで仕舞い、体制を立て直すそうとするも、慣れない操作の為か尻もちをつく形で着陸する

 

「っつ〜!みんな大丈夫!?」

 

「な、なんとか大丈夫です〜」

 

イエイヌ達の無事を確認したヒロシは、すぐ様起き上がらせるも、そこを狙われてセルリアンが前足をつかって攻撃してくる

 

「やばっ!?」

 

とっさにクローアームを伸ばした事によりどうにか耐える

 

「くっ!こんにゃろ…め!」

 

ヒロシはバイアランの足先を利用して、そのままセルリアンを投げ飛ばした

 

そして投げ飛ばされたセルリアンはそのまま背中を強打し、そこら中をのたうち回っていた

 

しかも先ほど背中を強打した事によって、ヘシを守っていた塊も砕け散っていた

 

「よし!なんという幸運!」

 

それを見逃さなかったヒロシは、そのままジャンプし、再びビームサーベルを展開する

 

「これで…終わってくれええええ!!」

 

ビームサーベルはヘシごとセルリアンを串刺しに、ぱっかーんという音と共にセルリアンを倒した

 

「お、おわった〜」

 

「やりましたー!ご主人様が勝ちましたー!」

 

「ヒロシさんもすごかったけど、このバイアランもすごいのだー!」

 

「ホントだね〜」

 

こうしてヒロシの初戦闘は、勝利という形で終わるのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ジャパリパーク:イエイヌのおうち】

 

「……ふむふむ、なーるほどね」

 

バイアランを家の近くまで置いた後、アライさん達の話を聞くと

 

ごこくちほーにいざ着こうとしたら、俺と同じように強い光が出てきて、気がつけばあの森の中にいたと

 

うん、成る程。

 

よくわからん。

 

でも、かばんちゃんやサーバルちゃんまで居ないとなると、どっか別の場所に飛ばされた可能性もあるか…

 

うーむ。謎だ

 

「それで、二人はこれからどうするの?」

 

「もちろん!かばんさん達を探すのだ!」

 

「まだ旅の途中だったしね〜」

 

やっぱり探しにいくよな〜

 

できるなら一緒についていってやりたいけど…

 

…うん、やっぱイエイヌちゃんの事を尊重しよう

 

きっと、また帰ってくるかも知れない本当のご主人の事ま待ってなくちゃいけないだろうし

 

…うーん、どうしたものか

 

「あの…ご主人様?」

 

「ん?どしたの?」

 

イエイヌちゃんは何か言いたそうだけど、何故か口ごもってしまう

 

…もしかして?

 

「アライさん達のお手伝いしたいの?」

 

「え、あ、あの、その、…はい」

 

なーんだそんなことかー!

 

やっぱりこの子なりに心配もしてたのね〜

 

そうならそうと早く言えばいいのに〜

 

やっぱり困ったフレンズがいたら、助けたくなるよな〜

 

実際俺もそうです

 

「うっし!じゃあ俺もアライさんのお手伝いしようかな?バイアランの置き場所も探せるしさ?」

 

「て、手伝ってくれるのか!?」

 

「よかったね〜アライさ〜ん?」

 

「それに、もしかしたらイエイヌちゃんの待ってるヒトも見つかるかもしれないしね」

 

「あ!それでしたら」

 

イエイヌちゃんは何かを思い出したかのようにまた部屋の奥へと向かう

 

なになに?もしかして手かがり持ってる系?

 

もしそうならちょっと安心〜

 

そう思ってたら、イエイヌちゃんが一枚の紙を持ってきた

 

「これ、何かのお役に立てればいいのですが…」

 

「はいはいどれど………れ?」

 

イエイヌちゃんから渡されたのは、一枚の絵だった

 

そこに書いてあったのは、まだ運営していた時のジャパリパークと思わしき場所に色んな人やフレンズが書かれていた

 

だが、俺は思わず目を疑ってしまった

 

そこには1期で映像しか出てなかったミライさんもいたけど、それだけじゃない

 

そこには、サーバルちゃんもいたのだ

 

だけど、サーバルちゃんと手を繋いでいるのは、かばんちゃんではなく、別の誰かの手を握っていた

 

俺はこの時、何を考えていたのかはわからない

 

この絵を見て、サーバルちゃんが別の誰かと手を繋いで仲良くしてる姿を見て、何故だかわからないけど

 

「どう言う事だ」という感情しかわかなかった

 

もしかしたら、映像の中に移っていた別個体のサーバルちゃんかも知れないけど、でもやはりこのよくわからないモヤモヤした感情に俺はなんとも言えなかった

 

「…ご主人様?」

 

「え?ああ、なになに?」

 

イエイヌちゃんの言葉でハッと我に帰り、絵をイエイヌちゃんに返した

 

「…大丈夫ですか?顔色が悪いですけど?」

 

「あーうん、多分、疲れちゃったのかな?」

 

「そーいえばアライさんももうクタクタなのだ〜…」

 

「いっぱい走ったからね〜」

 

「あ、でしたら!今日はここに泊まっていきますか?夜も遅いですし?」

 

「いいのか?ありがとうなのだ!」

 

「じゃあお言葉に甘えよっか〜」

 

二人はそう言ってイエイヌちゃんの案内でほかの寝室へと向かった

 

一方の俺はあの絵の事が頭から離れないまま、イエイヌちゃんと共に寝室へと向かうのだった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ジャパリパーク:???】

 

「……ゃん、か……ちゃ…」

 

「う…ん…?」

 

「かばんちゃん!」

 

「あ、サーバルちゃん…」

 

「よかった〜。ボス〜、かばんちゃん起きたよ?」

 

ジャパリパークにある建物の一室にて、かばんは目覚めた

 

そこにはずっと一緒に旅をした友達のサーバルがいた

 

『オハヨウ、カバン』

 

「あ、ラッキーさん。おはようございます」

 

そしてかばんの腕についているのが、かばん達をジャパリパークの各ちほーを案内したラッキービーストのラッキーさんだ

 

かばんは起きて早々周りを見てみる

 

かばんの周りにあったのは、鉄の棒が何本も取り付けてある扉と思わしき物と、薄暗い明りと共に少し広い部屋にベットやトイレ、それに机なんかがあった

 

「ここ、どこだろう?」

 

「わかんない。ボスに聞いてもなんとも言わないし…」

 

「ラッキーさん、ここが何処かわかりますか?」

 

『マカセテ』

 

検索中…検索中…

 

といつものようにラッキーさんが検索していると

 

ピーーーガガガガガ

 

という音がラッキーさんから聞こえてきた

 

「ボス〜、また〜?」

 

「だ、大丈夫ですかラッキーさん!?」

 

『プロ…グラム…ヘノ…不正…アクセス…ハ…禁…止…ア、アワ…アワワワワ…』

 

「ら、ラッキーさん!?」

 

その後また先程の音が鳴り、ラッキーさんはその後なんとも言わなくなってしまう

 

「ラッキーさん?ラッキーさん!?」

 

「ボス!?どうしたの!?」

 

二人がラッキーさんに必死に話しかけるも、ラッキーさんは何も言わずに、ただ赤いランプが点滅していた

 

それでも二人が必死に話しかけていると、扉が開くような音が聞こえ、その音のした方を振り向いた

 

「…不正アクセスを探知したから、なにかと思ったら…やっぱり貴女達だったのね」

 

「え?」

 

「誰?」

 

二人が声のした方を見ると

 

そこには、二人にとっては目を疑うような光景が映っていた

 

「あ、貴女は…」

 

「え!?なにこれなにこれ!?かばんちゃんが『二人』いる!?」

 

そこにいたのは、かばんそっくりの見た目の姿だった

 

つづく




次回の更新はまだ未定っす


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