ソードアートオンライン~ アインクラッドの完全制覇~ (黒刃 竜壱)
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プロローグ

こんにちは、黒刃竜壱です。
ソードアートオンラインが好きで、書いてみました。
この物語はアインクラッドでキリトと同じくらい最強のプレイヤーがいた、
という設定なのである意味ソードアートオンラインの世界観を壊してしまうので、
好まない人が多くいらっしゃるかも知れませんが気になったらぜひ読んでみてください。

誤字脱字の報告や文法の間違いなどは言ってくださると幸いです。
また、感想なども随時受け付けております。
不定期更新なので間が空いたり連続で書くこともあるかもしれませんが、
よろしくお願いします。


2022年5月、《ナーヴギア》と呼ばれるゲームマシンが発売された。

そして、このゲーム機のソフトであった《ソードアートオンライン》は

世界初のVRMMОであると同時に、日本全土を震撼させたデスゲームでもある。

 

ナーヴギアは脳から体に向かって出力される命令を後頭部の下、

つまり延髄をインタラプトしてゲーム内のアバターを動かす信号に変換している。

その為、〘完全ダイブ〙中は現実の肉体を一切動かすことが出来ない。

この状況を利用し、SAОの開発ディレクターでありナーヴギアの基礎設計者でもある

[茅場晶彦]はゲームにダイブ中のおよそ1万人のプレイヤー達をSAОの世界に閉じ込めた。

 

ーーーーそして、彼等が生きたまま現実世界へとログアウト出来る条件は唯一。

 

ゲームの舞台である《浮遊城アインクラッド》の全100層を突破し、

最終ボスを倒してこの鋼鉄の城を制覇することのみ。

 

しかし、そんな絶望的な状況の中ある一人のプレイヤーの活躍により

全階層の4分の3地点である75層でゲームはクリアされ、閉じ込められていた

彼を含む約6000人ものプレイヤー達は現実世界へと無事、帰還することが出来た。

 

その者の名前は『キリト』。

 

彼は全プレイヤー中最速の反射速度を持つものにのみ与えられるユニークスキル、[二刀流]

を駆使して第100層の最終ボスであったヒースクリフこと茅場晶彦を倒し、ゲームクリアを果たした。

こうして、4000人もの犠牲者を出したデスゲームは幕を閉じた。

 

ーーしかし、そんな彼をも超える剣術を持ったプレイヤーがこの世界に二人だけ存在した。

 

1人は「絶対無敵の剣」、[絶剣]の異名を持ちALOで

キリトとの正式なデュエルによって2度勝利したという伝説を遺した者。

 

そしてもう1人はその絶剣をも上回る剣技を持ち、

アインクラッドで最も仮想世界に適応し最強の剣技を持つとカーディナルシステムが

判断したものにのみ与えられるユニークスキル、《大剣豪》を取得した物である。

 

その者の名前は〘アベル〙。

 

彼は76層で行われたヒースクリフとのデュエルで、

彼にシステムアシストを使わせる間もなく勝利し、第100層の最終ボスである

『魔王ヒースクリフ』をキリトと共に撃破してアインクラッドを完全踏破した。

 

ーーーーこれは、キリトが75層のフロアボス攻略直後にヒースクリフの正体を看破出来無いまま76層へと進み、アインクラッドを完全踏破したもう一つの《SAО事件》の物語。

 

 

 




楽しんで頂けたでしょうか?
次回は75層ボス攻略のシーンの予定です。


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75層ボス攻略 上

予告通りスカルリーパー戦です。
ソードスキルがバンバン出てきます。


「大鎌は俺たちが食い止める!!みんなは側面から攻撃してくれ!」

キリトの必死の叫び声がつい今しがた目の前で起こった

【絶望】によって立ち尽くしていたプレイヤー達を呪縛から解いた。

 

ーーーーーーーここは75層、ボス部屋。

 

74層でキリトが[青眼の悪魔]を独力で倒したと言う事は

鼠の〘アルゴ〙や他のプレイヤー達からは耳にしていたが、

彼のあの最強っぷりは第1層のボス攻略の頃から相変わらず凄まじい。

 

二刀の剣で大鎌を猛烈なスピードで捌き切る彼の姿は本物の剣士にも見える。

そしてキリトは、このアインクラッドで1位か2位を争うほどのトッププレイヤー。

そんな彼を横で支えるのがキリトの妻、アスナだ。

彼女はアインクラッド内でとても少ない女性プレイヤーの中でも5指に入る美貌を持ち、

尚かつ[閃光]と言う異名がある程、細剣術の腕前を持つ。

彼女もキリトと同じく名のしれたトッププレイヤーである。

 

そしてその二人は、つい数十時間前までラブラブの新婚生活を送っていた為に

彼等は数週間、最前線には出ていないはずなのに剣の腕前を少しも落としていない。

それどころか逆に上達している様にも見える。

流石はトッププレイヤー、いや。ラブラブの夫婦と言うべきか。

 

僕は自分の弱さとキリトの円満な生活を比べて軽く舌打ちをすると、

スカルリーパーに走り寄る。

もう既に何人かのプレイヤー達はソードスキルを発動させ、

膨大なボスのHPを僅かながら削り取っている。

そんな混戦の中でもスカルリーパーは彼等に向けて

背についた棘だらけの凶器をしなるほど振り上げる。

 

「マズいっ······!!」

 

僕は攻撃用ソードスキルで奴のHPゲージを

削り取ろうと上位剣技を発動させかけたが、慌てて防御姿勢を取る。

 

数秒後、僕の読み通り致死の攻撃が降り掛かってきた。

 

「っ·····!!」

 

思った以上にダメージを受けて片膝を地面につく。

防御姿勢を取ったのに最大値から一気にイエローゾーン表示になってしまっている。

一瞬防御に遅れた周りのプレイヤー達はレッドゾーンにまで突入し、しかもスタン状態だ。

僕は腰ポケットから回復用のハイ·ポーションを取り出すと、すぐに口に突っ込む。

 

それこそ僕は、最前線で毎日の様にこの緑茶にレモンジュースを混ぜたような絶妙な味を

体験しているが未だになれず、顔をしかめる。

しかし今は、正直そんなことに構ってはいられなかった。

 

僕は口に瓶を突っ込んだままバックステップですぐさまリーパーから距離を取ると、一気に飲み干す。

徐々にHPゲージがグリーン表示へと変わっていくがすぐに剣を構え直し、

スタン状態に陥ってしまった3人のプレイヤー達に振り下ろされる致死の尾を

防ぐためにソードスキルを発動させる。

 

瞬く間に刀身が獰猛なオレンジ色に輝き、システムアシストによって

体が勝手に動き始めた瞬間、床を思いっ切り蹴って

10メートルの距離を0·5秒で駆け抜ける。

両手用大剣突進技、《アバランシュ》。

 

僕は奴の背骨に剣を叩きつける直前、ソードスキルの威力を上げる為に

体全体をスキルが中断されないギリギリまで弓なりに反らし、反動をつける。

 

『キュイイイイイイイイインンン!!!』

 

刀身のライトエフェクトも更に輝きを増し、

甲高いサウンド音と共にシステムアシストの勢いも上がる。

そして最大まで剣を振りかぶると、渾身の力で振り下ろした。

 

『ガガアアアアンンン!!!』

 

クリティカルヒットにより、凄まじいサウンド音と衝撃が

辺りを震わせリーパーの長大な一段目のHPゲージが目に見えて減少する。

同時に奴の背骨攻撃が止まって大きな隙が生まれ、

これを好機とばかしにクラインやエギル達が猛攻撃を仕掛け始めた。

 

その様子をクールタイム(技後硬直時間)が終わった僕は

今回の戦闘2回目のバックステップで

リーパーから距離をとりながらこの技が成功した事に内心驚いていた。

 

 

敵味方含め攻撃途中またはソードスキルによる攻撃直前に比較的弱い箇所に

大きなダメージを与えられると、攻撃をキャンセルさせられたり威力が半減する事がある。

 

これを僕は[スキルキャンセル]と呼んでいる。

 

成功率は約70%程で上位モンスターになればなる程その確率は減少し、

中ボスレベルだと20%程まで減少したはずだからクリティカルまで伴って

成功したのは奇跡と言っていい。

 

なんにせよ、ボス攻略で犠牲が無くて良かった。まだこの上に後25層もあるのだ。

さっきの様に最前線のトッププレイヤー達が呆気なくHPを0にして、

儚いポリゴンの欠片へと変貌するのは見たくないし、そんなことは絶対にさせたくない。

 

しかし、僕がタゲ(ヘイト値)を取りすぎたせいでキリトやアスナ、ヒースクリフに向かっていた奴の意識が一気に僕の方へと回ってきた。

 

リーパーは僕の姿を一瞥すると、辺り一帯に響き渡るほどの大きな咆哮を上げながら

凄まじいスピードで突進しながら致死の大鎌を僕に向けて振り下ろしてくる。

 

僕はキリト達が鎌の迎撃に間に合わないと判断、すぐさまソードスキルを発動させる。

両手用大剣上段斬り、《カスケード》。

刀身が薄紫色に輝きながら、途轍もない速さで空中に縦の軌道を描いた。

直後、鎌が僕の剣に当たり途方もない衝撃と火花が僕の体に襲い掛かる。

僕は渾身の力を込めて鎌を押し返そうと両足と両足に力を込める。

どちらもほとんど筋力値は互角のようで刃と刃同士が均衡状態に突入する。

数秒間の間に僕と奴との間に複雑な補正がかけられ、演算が行われていきーー

ーーーー競り勝ったのは、こちらの方だった。

 

『ガキィィィィンンン!!』

 

相手が僅かに体制を崩した瞬間、僕は息をつく間もないほどの

速さで次のソードスキルを発動させた。

刀身が深紅色に染まると同時に床を蹴って奴の懐に飛び込むと、

全力の上段斬りからすぐさま

上段へと斬り上げる。両手用大剣2連撃技、《イラプション》。

 

2連撃とはいえ連続のスキル使用は敵のHPゲージと僕の精神力を大きく削り取った。

ソードスキルによる衝撃で奴も僕も軽くノックバックする。

 

しかし僕の連撃はまだ終わらない。

 

僕は緊張感による疲労で背中からぶっ倒れそうになるのを

両足に力を入れてなんとか堪えると、3連撃目となるソードスキルを発動させる。

 

『ギュウウウウウンンン·····!!!』

 

剣全体が激しく震え、重い響きと共に刀身が深紅色に輝き始める。

腰を最大限まで低く落として剣を右後方に倒し、意識をスカルリーパーに集中させる。

コンマ数秒の間に周りの景色に色が無くなり、

時折聞こえるソードスキルの甲高い音やプレイヤー達の絶叫すらも遠ざかっていく。

 

周囲の動きがゆっくりとなり、自分の意識が研ぎ澄まされていくのを感覚で感じる。

そして両者とも、きっちり数秒後になんの前触れも無く動き始めた。

 

リーパーは体制を低くしながら僕に向かって

突進しながら両手の鎌を振り下ろそうと襲い掛かり、

僕は腰を落としたままの状態で剣を突き出して全速力で走り寄る。

 

『グゴオオオオオオオオオオオオ!!!!!』

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

急速に両者の間が縮まっていき、僕の目の前にギラリと輝く巨大な鎌の刃が迫る。

しかし、敏捷パラメータの差は僕に軍配が揚がった様だった。

 

僕は鎌がギリギリの所で肩を掠ったのを

意識の一部で感じ取ったのを見届け、攻撃を開始した。

 

右下から左上へ斬り上げ、すぐに左下から右上へ斬り上げる。

そしてもう一度右下から左上へ斬り上げて、一度腰まで剣を引き戻す。

その後右側へ水平に斬り払う。

 

この間にリーパーは大きく大勢を崩し、完全にお手上げ状態になっている。

肋骨部分が完全に無防備状態で、攻撃を受けまくって蜂の巣状態になっている。

 

大剣は両手が塞がる上に、回避率が減少し一撃一撃が遅い。

しかし、大剣はそれを補って余りある程のポテンシャルを秘めている。

 

それは❲攻撃力の高さ❳だ。

 

ダメージディーラーの僕等は[敵からダメージを受ける前に倒す]というモットー

を持って戦っている為この長所は非常に有り難い。

勿論、回避率が減少してしまうので強敵との戦闘では少々キツイが。

 

そのため、普通はソロでそんな無謀な事はすると死亡する確率が上昇してしまうが、以前

やっていたMMОRPGでも大剣を得物にして戦っていた為、その動作が身に沁みているという理由がある。

 

僕は最大限剣を腰に引き絞るとリーパーに慣れた動作で思いっ切り突進する。

巨大な岩でも相手にしている様な手堅さが手にかかるが気にせず

そのまま5〜6メートル程伸長すると、リーパーに背中を見せた格好になった。

敵に背中を見せるのはこの世界では自殺行為に等しいが、

僕にはまだ最後の一撃が残っていた。

 

今度は左腰にピタリと剣を引き戻すと、

すぐさま振り向き様に渾身の力で右水平斬りを見舞った。

 

「グギャアアアアアアア!!!!!」

 

両手大剣最上位6連撃ソードスキル、《スティール·ディザスター》。

しかし、これだけ上位ソードスキルを見舞った

筈なのにまだ上段のHPゲージは半分をようやく半分を切った所だ。

 

その現実が、微かに僕の全身を絶望感が覆う。

 

だが、僕の体に一瞬隙が出来てしまった事で

スカルリーパーの反撃のチャンスを作ってしまい、

結果的に今までで一番恐ろしい経験をする事になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長々と書いてしまってすみません。
次回も結構長くなってしまうかもです。


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75層ボス攻略 下

今回もかなり長くなります。ご了承下さい。


普通ならモンスターは大ダメージを連続で喰らうと数秒間、動きが止まる。

そのため大技を連発した僕とスカルリーパーは

数秒間固まり、一瞬早く硬直から回復する僕が優位に立てるハズ······だった。

 

今回のボス戦では結晶無効化エリアに加え、25層、50層に続く25の倍数層。

その時点で僕は気付くべきだったのだ。

結晶無効化エリアだけではなく、モンスターのアルゴリズムにも補正がかけられているだろうと。

更に強くなって僕達プレイヤーに襲い掛かって来るだろうと。

 

スカルリーパーはクールタイムによって動けない僕よりも予想以上に早く硬直が回復、

その致死の大鎌を僕に向けて大きく振り被る。

 

キリト達も突然の事で対応が追いついておらず、

僕とは完全に正反対の位置にいた為、どれだけ走っても5秒はかかる。

しかしそれでは遅い。もうスカルリーパーは攻撃体制に入っているからだ。

 

僕は慌てて硬直から回復しようと、体を拘束しているシステムに抗う。

しかし僕の体は全く微動だにしない。

しかもそんな姿を嘲笑うかのように、巨大な致死の刃が

僕の体を斜めに斬り裂こうと凄まじいスピードで襲い掛かって来る。

 

体に何度も力を込めて動こうとしてもやはり駄目だ。

最後に大技を使ったのが失敗だった。

ボス部屋だというのにあんな簡単に最上位ソードスキルを使ったのがそもそもの失敗だったのだ。

もっと慎重に行動し、使うタイミングをしっかり判断するべきだったのだ。

しかし、もう遅い。

鎌はもう目の前まで迫っている。もうここで僕の命は消え去るのかーーーー。

 

遂に、僕の闘志は消えかけ

死神の鎌が僕の肩口に触れようとしたその瞬間ーーーーーー。。。

 

硬直が、解けた。

 

「くっ········!!」

 

僕は失いかけた闘志を奮い立たせると、

剣の柄を握り直して体を捻り、鎌が直撃するタイミングをほんの僅かに遅らせる。

 

そしてその時に出来た一瞬の隙を使って剣を鎌が交錯する軌道に強引に入れ込んだ。

 

『ギイイイイイイインンン!!!!!』

 

重い響きとこれまで以上に強い衝撃が僕の体を叩く。

僕は思わず剣を手放しそうになるのを必死に堪えてしっかりと柄を握る。

 

剣と鎌の間に凄まじい量の火花が迸り、目が眩む。

 

『ガガアアアアアアンンン!!!!!』

 

足元の床に巨大な鎌が盛大な音を立てて突き刺さるのを間近で見ながら

僕は敏捷力パラメータを全開にして素早くバックステップに転じる。

 

ここまでの一連の動作に掛かった時間は約2秒。

その一瞬の動作にアドレナリンが全身を駆け巡ったせいか、酷く体を倦怠感が襲う。

なんとか回避できたものの、今のは本当に危なかった。

 

そう、ここは自分の命を懸けた剣と戦闘の世界。

一瞬でも気を抜いたらその隙をついてモンスター達が襲い掛かって来る。

僕はすぐ目の前にあった【死】への恐怖心を取り払うとスカルリーパーに向かって剣を掲げる。

 

と、その時だった。

 

『キシャアアアアアアアア!!!!!』

 

スカルリーパーはいきなり雄叫びを上げると、大鎌を交差するようにして上に掲げ始めたのだ。

僕はすぐにスカルリーパーから距離を取って防御姿勢を取る。

しかし周りで一心不乱に攻撃していたプレイヤー達は出来なかった。

数秒後に彼等はスカルリーパーの不審な動きに気づいたものの、それはすでに攻撃を放つ直前だった。

 

『ドオオオオオオオンンン!!!!!』

 

スカルリーパーは上に掲げていた致死の鎌を鈍く光らせて

それを水平に構えると、体ごと一気に回転した。

轟音と共に多くのプレイヤー達が数メートルも吹き飛ばされる。

しかも攻撃を受けたプレイヤー達はレッドゲージのまま

何かに取り憑かれた様に動けなくなっている。

 

「マズい·····!」

 

どうやらあの回転攻撃にはスタン効果が付与されていたようだ。

この戦場で数秒間でも動けなくなってしまうと、それは【死】を意味する。

たちまち数人のプレイヤー達が抵抗すら出来ずに

大鎌攻撃をまともに喰らい、無数のポリゴンへと姿を変える。

 

キリトやアスナも必死に鎌を食い止めようと奔走するが、

あちこちで倒れているプレイヤーを避けながら進まなければならず、苦戦している。

 

このままでは最悪、全滅もあり得る。

何より、キリト達が危ない。

 

僕は右手を振って装備ウインドウを呼び出すと、使用スキルを急いで変える。

 

そして背中に吊った鞘から大剣を取り出すと、

一目散にスカルリーパーに向かって走り始めた。

 

その間にもキリトやヒースクリフが

鎌を次々と迎撃しているが、苦難の表情を浮かべている。

 

こうなれば僕がやるべきことは一つだけ。

 

パーティーが壊滅するのを防ぐために、

僕やキリト達にタゲを集めて戦線が回復するのを待つしかない。

僕は覚悟を決めると、剣を右腰に思いっ切り引いてソードスキルの初期動作を発動させる。

 

『キュイイイイイイイイインンン····!!』

 

甲高い音と共に刀身が鈍くブルーのライトエフェクトを纏わせ始め、

同時に僕のアイコンに凍傷デバフが付いて体全体を刺すような冷気が漂い、

徐々にHPを削っていく。

そんな中でも僕は全力疾走でリーパーとの距離を急速に縮め、しっかりと相手を凝視する。

 

流石にリーパーも僕の存在に気づいたのか、

キリト達への攻撃を止めて新たな標的に向かって鎌を振り上げようとした。

 

しかし、もう遅い。

 

リーパーが鎌を振り下ろした頃にはもう、僕は奴の目の前まで接近していた。

その一瞬の隙をついて、僕はブルーに光り輝くライトエフェクト

と共に次々と軌跡を描いていく。

 

リーパーの肋骨部分に水平の斬り払い攻撃を行い、即座に左へ斬り返す。

更に上段に剣を振りかぶって垂直に斬り降ろした後、その勢いを殺さずに上段へ斬り返す。

そして一拍間をおいてから中心点に渾身の力で剣を突き

左斜め斬り上げ、右斜めに斬り下げて最後にもう一度強力な突き攻撃を喰らわせる。

 

これが僕のユニークスキル、《大剣豪》。

 

キリトの《二刀流》やヒースクリフの《神聖剣》等とは違って、

目に見えるような外見の変化は無い。

大剣を使う所までは普通だがそのソードスキルや威力、

スキルボーナスに関しては通常とは全く異なる。

 

 

《大剣豪》

ノーマルスキルよりも攻撃力が高くなり、

大剣を使用して専用のソードスキルを駆使して戦う。

 

[攻撃力上昇ボーナス:1.80]

 

[武器防御ボーナス:1.50]

 

[クールタイム短縮ボーナス:1.20]

 

その上位剣技、《ライトニングアイススプラッシュ》。

絶対零度の破壊力を以て8連続の強力な剣技を叩き込む

ハイレベルなソードスキルで、大剣豪スキルの熟練度が800以上ないと習得出来ない。

 

このソードスキルは威力故に発動中、[凍傷]デバフが付く。

しかしこれが、相当キツい。

ゲームの中の、ましてや単なる状態異常なのに

体中が途方もない冷たさに苛まされ、とても我慢出来るようなものではない。

それはこれがいくらナーヴギアが発する擬似的なものだとしても。

 

実際僕は今、全身の筋肉が強ばり始めていて

気を抜けばすぐにでも剣の柄を手放しそうになるのを必死に堪えている状況だ。

 

僕が苦しんでいる間にも甲高い効果音がたて続けに唸り、

ブルーのライトエフェクトが周囲に拡散する。

アドレナリンが体中を物凄い速さで駆け巡り、体の感覚が段々と失われていく。

もうすでに剣を振っている感覚すら無くなり、

ただシステムアシストに従って体が勝手に動き続ける。

 

それは凍傷デバフによって体の感覚が麻痺しているのか、

アドレナリンのせいなのかは分からない。

 

「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」」

 

『『キシャアアアアアアアアアア!!!!!』』

 

僕は雄叫びを上げながら最後の突き攻撃をスカルリーパーに放った。

 

 

》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》》

 

 

『カシャアアアアアアンン!!!!!』

 

膨大なライトエフェクト共に白銀の欠片が周囲に爆散した。

同時に、残ったプレイヤー達が音を立てて崩れ落ちる。

さすがのキリトも1時間のボス戦には応えたのか

アスナと背中合わせに座り込み、顔には疲労感が漂っている。

 

僕も大剣を床に突き立てて、座り込んでいる状態だが

長時間の戦闘による疲労感からか、軽く目眩がする。

 

僕が目を閉じてしばしの間まどろんでいると、

ふいに近くでガシャリという鎧の音が聞こえたので目を開ける。

 

すると、僕の目の前にヒースクリフが立っていた。

 

「おわっ···!?」

 

いきなり目の前にいたのと、

彼の両眼から放たれる威圧感でついつい圧倒されて奇妙な声を上げてしまう。

 

しかし、彼は別に気を悪くした風でもなく僕に目を向けて言った。

 

「アベル君、と言ったかな?先程の戦いは見事だった。」

 

「ありがとうございます。そちらこそ素晴らしい戦闘技術でしたね。」

 

何故か敬語になってしまう。現実世界の癖がつい出てしまった。

なんだか僕の苦手な先生に雰囲気が似ているからかもしれない。

 

すると、ヒースクリフは両目に軽い好奇心を滲ませて僕に問いかけた。

 

「アベル君、君は変わったソードスキルを使っていたが

                      あれはユニークスキルの一種だろう?」

 

やはり駄目だったか。

大剣豪の上位剣技は戦闘中、

一度きりしか使わずその後は通常の大剣スキルを放って

有耶無耶にしようとしていたがこの男はあの乱戦の中で

しっかりと僕のソードスキルを捉えていた訳だ。

流石はトップギルドの団長と言うべきか。

 

多分このままスルーしても彼には見逃されないだろう。

ならばいい機会だ。いっそここでこの前のキリトのように公表して

コソコソ隠さずに最前線で堂々と使えた方がいい。

 

そのほうが自分の為になるし、何よりキリトにとっても仲間が増えるのは心強いだろう。

 

僕は腹を決めるとヒースクリフに向かって言った。

 

「ああ、そのとおりだ。あれはユニークスキル、大剣豪だ。」

 

その瞬間、周りからおおっという声が上がる。

いつの間にか他のプレイヤーも僕達のやり取りを聞いていたらしい。

 

するとヒースクリフはやはり、というような顔をした。

情報屋のスキル一覧にも乗っていないのに、一体どこでこんなユニークスキルを知っていたのだろうか?

僕が混乱している中、彼はさも当たり前なことを言うようにサラリと僕に向けて言った。

 

「ならばアベル君、君の強さを見込んで頼みがある。

                  私のギルドに入ってみる気はないかい?」

 

「なっ·······!?」

 

僕はあまりの事にしばらく絶句する。

最強ギルドに誘われた事もあるが、わざわざ団長自ら誘うとは。

キリトやアスナも驚愕の表情を浮かべている。

 

しかしこの持ちかけは僕を大いに悩ませた。

 

ギルドに入れば死亡する可能性は格段に減少するが、

関わる人が増えればそれだけ厄介なしがらみ事も増える。

この前もキリトがクラディールとかいうメンバーに

危うく殺されかけた事もあって、あまり気乗りしない。

 

無論そんな事をされる程の真似はしていないと言い切りたいが

人間、どこで恨みを買っているか分からない。

 

それにもう一つ、koBに加入したくない理由があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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トップギルドと葛藤

     ❲キリトとアスナのラブラブバカップルの姿を見たくない!❳

 

 

 

このデスゲームでは裏切りなどが平然と行われ、PK行為もあとを絶たない。

しかも圧倒的に美人のプレイヤーは少なく、結婚やら付き合うことが出来るのは極一部。

 

そんな中、キリトが美人の奥さんを手に入れられたのは僥倖以外の何物でもないだろう。

僕はそんな彼を羨ましく、また少し妬ましくも思うが基本的には

友人として応援している立場だ。

 

しかし、彼等がイチャイチャしている姿を目の前で見たら

最近ようやく吹っ切れた僕の決心が音を立てて一瞬で崩壊していくだろう。

 

「キリトを絶対に恨めしく思わず、普段通りに接し二人の中を応援する」

 

という僕の気持ちが。

 

これは男として、そして彼の一人の友人としての決意。

 

そんな僕の決心を簡単に揺るがせない為にも、KОBに加入する訳にはいかない。絶対に。

 

僕はそう心を決めると、面と向かってヒースクリフを見て返事を返した。

 

「申し訳ありませんが、僕はギルドに入る気はありませんのでお断りさせて頂きます。」

 

その返答にヒースクリフは一瞬不意を突かれた様子だったがすぐに口を開いた。

 

「そうか·····ならば致し方あるまい。デュエルで決着をつけよう。」

 

「······はいっ!!?」

 

僕は本日二度目の驚愕の表情を顔に貼り付けながらヒースクリフの言葉に唖然とした。

周りにいるプレイヤー達もポカンと口を開けたまま固まっている。

 

たっぷり数秒間周りに沈黙が続いた時、一人のKОBのメンバーが彼に向かって反対の意を示した。

 

「だ、団長!何を考えているんですか!?

  こんな一人でいるのが好きなボッ···一匹狼のソロプレイヤーなんかと関わり合わない方が我々の身の為です!それにこんな奴がいなくとも、我々血盟騎士団はトップギルドとしてやっていけます!!」

 

〘いま絶対ボッチと言おうとしただろ絶対·······。〙

 

僕が辟易して何も言えずにいると、ヒースクリフがその発言に異論を唱える。

 

「フィザード、その発言はいささか過激過ぎるのではないか?撤回したまえ。」

 

フィザードとかいう男は団長に一喝されて一瞬ビクリと震えたが、

 

すぐにボソリと「て、撤回します」

 

と撤回の思いが一欠片も感じない声で言うと、僕のせいだと言わんばかしの顔でじろりと睨めつけられる。

 

先日のクラディールの件と言い、どうしてこうもKОBには変なのが多いのだろうか?

 

僕は彼の事を気にしないようにと何事も無かったような顔でヒースクリフに疑問を投げかける。

 

「ヒースクリフ、そこまで人材が不足しているわけでも無いだろう。

     ついこの間、トッププレイヤーに加入して貰ったばかりの筈だが?

そしてなぜ、メンバーの反論を押し切ってまで僕に加入して欲しいのか、教えて欲しい。」

 

僕の軽い挑発に団長はピクリと眉を動かしたがそれも一瞬の事で、すぐにいつもの厳格な表情に戻る。

そして、ヒースクリフは奇妙な笑みを浮かべると最終通告とでもいうように僕にしっかりとその意志を告げた。

 

「先程の戦闘で我々の戦力不足が判明し、ギルド無所属の君を勧誘しただけの事だ。

    なあに、悪いようには扱わないし君にとっても都合の良い話の筈だと思うが?」

 

確かに他のプレイヤー達から見れば、

この話は喉から手が出る程に羨ましい事だろう。

最近のモンスターはアルゴリズムにイレギュラー性が

増してきている気がするし、トップギルドと呼ばれるこの血盟騎士団に

加入したとなれば他プレイヤーからも一目置かれる存在へとなり得るだろう。

 

しかし僕の心はもう決まっている。僕は彼に逆らうように静かに言った。

 

「それでも僕はソロプレイヤーを通したい。」

 

その僕の言葉にヒースクリフは一切表情を崩さずに

聞いていたが、やがてゆっくりと口を開いた。

 

「いいだろう。ならば君の剣と語り合うしか道はないようだ。」

 

ヒースクリフはそう呟くと右手を掲げて即座におろし、

メニューウインドウを開く。するとたちまち

 

[ヒースクリフ から一対一のデュエルを申し込まれました。受諾しますか?]

 

という画面が僕の目の前に現れる。

僕はすぐに受諾し、オプションを初撃決着モードを選択する。

 

同時に60秒のカウントダウンが始まり、周囲に緊張が走る。

と言ってもここは圏外なので単なるスタート開始の表示に等しいが。

 

僕は床に突き刺さった大剣を引き抜き、腰を落として低く構える。

ヒースクリフも長剣を十字盾の後ろに構えると僕をジッと凝視してくる。

 

その威圧感に気圧されて半歩ほど後退しかけたが、危ういところでグッと踏み止まる。

そして挑戦するかのように逆に右足を一歩踏み出した。

 

僕は気を取り直すとヒースクリフと視線を交錯させ、彼の呼吸の仕方や体勢を見て

初発はどんな攻撃を繰り出して来るのかとこれまでの経験から見極めようとする。

 

周りのプレイヤー達が一人、また一人と視界から消えていき

僕を必死で鼓舞するクラインやキリト達の声援すらも遠ざかっていく。

 

色彩は無くなり、白黒の世界のみが

視界に広がっていきアドレナリンが全身を駆け巡り始めるのを感覚で感じる。

 

 

 

そして大きく詰めていた息を吐き出した瞬間、カウントがゼロになった。

 

 

 

ダッ!!という音と共に僕は体が一瞬ブレるほどの速さで黒曜石の床を蹴り

ヒースクリフより先手を取ろうと一気に走り寄った。

 

そんな中、彼はそのままの体勢で僕の攻撃を受けようと身構える。

 

剣の刀身が深紅色に輝き甲高いサウンドを響かせながら

彼の体に急速に接近、即座にソードスキルを発動させた。

 

剣を振りかぶって大きく振り下ろす。

両手剣2連撃技、《イラプション》。

勿論、盾にガードされてしまうがそこまでは予想済み。

上段斬りを防御しようと少し大きく盾を振り上げた所を狙って即座に下段からの斬り上げ攻撃。

すると彼の下半身が無防備な状態になった。

 

その隙を逃さず僕はすぐさまソードスキルを見舞った。

剣を右後方に倒し、一気に水平に抜き放つ。

 

両手剣用全方位広範囲技《サイクロン》

 

しかしヒースクリフはソードスキルの軌道をまるで

先読みしていたかのように、余裕のあるステップで躱して距離を取る。

僕はソードスキルの残光が虚しく空中に漂う姿を横目で見つめながら

回避された事に軽く落胆する。

 

すると、今度はヒースクリフは盾を体の前に掲げると一気に突進してきた。

 

しかし、これもこの前のデュエルで見ているから予想済み。

僕は左側へと退避すると、鍔迫り合いに持ち込める様に

ソードスキルの初期モーションを発動させる。

 

獰猛なオレンジ色のライトエフェクトが刀身を包み込み始める。

 

両手剣上位突進技、《アバランシュ》だ。

 

僕が走る速度がシステムアシストによって一気に加速する。

 

しかし彼は、それも先読みしていたようだ。

 

ヒースクリフはほとんど速度を落とさず、

突進する角度を90度変えながら右手の剣を突き出す。

 

すると彼の長剣が鈍色に輝き始める。

どうやら神聖剣特有のソードスキルのようだが、多分あの軌道からしてニ連撃以上。

一撃目で僕のソードスキルを弾き、ニ連撃目で技後硬直(スキルデュレイ)を強いられて

反撃に転じられない無防備な僕に技を当てるつもりなのだろう。

 

僕は自分がかなり危ういというのに、コンマ数秒の中でそこまで冷静に分析すると

すぐに脳をフル回転させてこの状況を打破しようと考える。

 

その間にも僕とヒースクリフとの距離は途轍もない速さで縮まっていく。

そして、剣同士が当たるまでのおそらく数秒前に決死の案が僕の脳裏を横切った。

 

システムが止まらないギリギリまで反動をつけてソードスキルの

威力を倍増させる[ブースト]技でソードスキルの一撃目を

なんとかして防ぎ切り、その時の反動で間合いを取るしかない。

 

 

即座に僕は自分の体を弓なりに反らして勢いをつけると、

たちまち刀身のライトエフェクトが輝きを増し始め、

甲高く鳴り響くサウンド音も更に音量が上昇する。

 

しかし、ヒースクリフがその現象に気付かないわけがない。

 

驚愕によって一瞬、目が見開かれるがすぐに真剣な表情へと戻る。

そして数秒後、剣同士が火花を盛大に散らしながらぶつかり合った。

 

流石はあのキリトを倒しただけあって、筋力パラメータも防御力同様に高いようだ。

 

手に伝わって来る振動が迷宮区の雑魚MОBとは大違いだ。

下手したらフロアボス級の手応えがある。

 

僕はソードスキルが終了する直前まで渾身の力を込めると、

ヒースクリフの剣を押し返した。

 

『ガガアアアアアアンンン!!!』

 

という音と共に二人の距離が一気に五メートル程開く。

 

衝撃に耐えかねてフラリと体勢を崩しかけるが剣を床に突き立ててなんとか回避。

ここで技後硬直を強いられ、数秒動きが止まる。ここでヒースクリフが超人的

速さで体勢を立て直して速度重視型のソードスキルを発動させれば勝敗が決まる。

しかし衝撃に耐えかねてか、それともわざとなのかヒースクリフは

軽やかな動作で黒曜石の床に音も立てずに着地した。

 

僕よりも重装備で、

しかも左に十字盾を持ってるからバランスは僕よりも悪いはずなのになあ、

と微かに落胆しながらも油断なく彼の隙を伺う。

 

これでまたデュエルの開始直前位置に

見事に戻ってしまった訳だが、収穫もあった。

彼は基本的に自分の手の内を明かさずにコチラが攻め込んで来るのを待ち、

ソードスキルをしっかりと見極めてから反撃に移りこむのが

特徴の戦闘スタイルで、又しっかりソードスキルをブーストすれば向こうの反撃を

押し返して体勢を立て直せるということだ。。

 

これらの情報を踏まえて戦法を考えるとなると、

こちら側からしっかりとブーストした突進系ソードスキルを使用して

その衝撃で相手の体勢を崩し大剣豪最上位技で一気に攻め込むゴリ押しも出来る。

 

しかしそんな単純な技が果たして通用するだろうか?

そこまでもヒースクリフは予測しているのでは無いか?

 

僕はすぐに決着を着けたいと思う気持ちをグッと押し止めると、

もう一度思考を加速させる。

 

地道に削るべきか?

牽制しつつソードスキルを使いながら戦うか?

それとももう少し相手の出方を見てから戦法を考えるべきか?

 

僕の脳内では沢山のアイデアが浮かびながらも、

次々とデメリットを発見しては通り過ぎていく。

そんな僕の顔をヒースクリフは見透かしたかの様な微笑を浮かべながら口を開く。

 

《アベル君、やはり私が見込んだ通り素晴らしい戦闘スタイルを持っているようだ。

     そこまで真剣に私のギルドに入りたくない理由は測りかねるが、

    コチラも戦力増強の為には致し方あるまい、ここで負けてもらおう。》

 

彼はそう言うとなんの予備動作も無く、いきなり猛スピードで突進してきた。

不意をつかれて不利な状況になったが、

この勝負(デュエル)に負けるつもりはさらさら無い。

 

僕は覚悟を決めるとコチラも即座に攻撃体勢に入り、一気にヒースクリフに向かって走り寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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