吸血鬼は骸骨と踊る (ストレスマッハな介護士A)
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プロローグ 死は新たな世界へと
マイペースに投稿していきます。
それでも良い方は短いですがゆっくりしていってね。
「お嬢様、お疲れ様でございました」
「えぇ、ようやく落ち着いたから明日はゆっくり休みなさい。お疲れ様」
「ありがとうございます。本当にお疲れ様でございました。やはりお嬢様がいらっしゃらないと……」
「世辞は良いわ。早く帰りなさい。私も寝るから」
「お疲れの中長々と申し訳ありません。では私はこれで失礼させて頂きます。お嬢様もゆっくりお休みくださいませ」
"ガチャン"
扉がしまり、ようやく部屋に1人になる。
ああもう!仕事をしていたらもうこんな時間になってしまったじゃない!!!
自分のベッドに急いで横になり、すぐにゲームを手に取る。
うちの会社のバカ社員が仕事を溜め込んで、トラブルを起こすだけ起こして辞めていったのだ。
それをこの私が尻拭いする為、3ヶ月間自室のパソコンを使い、部屋に籠って仕事をする羽目になったのだった。
だが、ようやく片付いて時間が出来た。
「もう時間が5分しかない!モモンガさんに謝罪もしなきゃいけないのに!人事部は何であんなバカを雇ったのよ!!!」
私は手元にあるゲームを起動させる。
DMMO-RPG ユグドラシルオンライン
私が初めてプレイし、夢中になったゲームであり心の拠り所でもあったもの。
周りが引くぐらい課金可能な部分は課金をしまくったけれど、それ以上の価値があった。
今まで他のゲームをしてこなかったので最初は知らなかったが、他のゲームと違って、すさまじく自由度が高く人気の高いゲームであった。
だが物事には永遠はなく、終わりは来る。
「モモンガさんは真面目だから最後まできっとログインしてる筈!というかログインしてくれてないと謝れないからログインしていてよ!?」
『アインズ・ウール・ゴウン』
ユグドラシルの中で9位に入る強豪ギルドの一つ。
それが私がお世話になっている『アインズ・ウール・ゴウン』
全員が異形種であるというギルドで、色んな意味で有名なギルドだった。
私は正式なギルドメンバーではない。
異業種への偏見だけで1500人の討伐隊を結成して、異業種ギルドへ「正義の鉄槌を異業種共に下す!」とか息巻いていたバカ共にムカついたので『アインズ・ウール・ゴウン』への助っ人として参加してから、『アインズ・ウール・ゴウン』のメンバーとの付き合いが始まった
それ以来メンバーでないのにギルドの中に拠点を作らせてもらうとか、暇な時はギルドの女子メンバーとお茶会したり、たっちみーさん達と模擬戦させて貰ったりとか破格の待遇を受けていた。
個性的なメンバーがいっぱいで苦労もしたがそれ以上に楽しかった。
そんな私がゲームの中でなっていた種族は『吸血鬼』で『真祖』である。
名前は『レミリア・スカーレット』
名前で悩んだ際に、吸血鬼の名前で調べてたまたま出てきた昔のゲームのキャラクターの名前で、気に入ったのでそのまま貰った。
最初はそこまで外見を気にしてなかったので、調べて出てきたレミリアの外見や服装を真似していたら、後に某大型掲示板からは「レミリアたんがまさかのユグドラシル参戦!?」「レミリアたんはぁはぁ」といわれてネタにされているのを茶釜ちゃんから教えて貰って、色々とビックリしたのも今となっては良い思い出だ。
モモンガさんに最後に謝りたい……!
そして……
「……最後に紅魔館のみんなにもさよなら言いたかったな」
紅魔館メイド長 十六夜咲夜、紅魔館図書室室長 パチュリー・ノーレッジ、紅魔館図書室室長補佐 小悪魔、紅魔館門番 紅美鈴、そして紅魔館に多数配置した妖精メイド達。
自作NPCを作る際、『アインズ・ウール・ゴウン』の一部の設定厨達からアドバイスを貰って作り上げた。
ログインする度に反応がないと分かっていても声をかけたりしていたのを走馬灯のように思い出す。
そう記憶に浸っているとメニュー画面になっていたので、すぐにログインをする。
だがログインする時に突如けたたましい警告音がなった。
「エラー発生!エラー発生!すぐに強制終了してください!エラー発生!エラー発生!すぐに強制終了してください!エラーh……くぁwせdrftgyふじこlp」
その警告音が聞こえてゲームを一旦強制終了をしようとした時はもう遅く、私は意識を失った……。
・
・
・
「本日未明、○◇×社の社長令嬢である□□□□さんが部屋で亡くなっているのを、早朝部屋の外から声をかけても反応がなかった為、部屋へ入った家政婦が発見しました。亡くなった原因は亡くなる前にしようとしていたゲームがショートして感電死したようです。尚、そのゲームは何者かが細工をした後があり、それを受けて警察が捜査すると、住所不定無職の○○○○容疑者が捜査線上へ浮かび上がり、すぐに逮捕されました。○○○○容疑者は少し前まで被害者と同じ会社に勤めており、『会社を辞めさせられた腹いせに寝ている間に部屋に忍び込みゲームへ細工した。だが嫌がらせの為で殺すつもりはなかった』と話しておりますが、警察は殺人も視野に捜査が進められています。」
誤字、脱字ありましたら報告あり次第修正します。
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大混乱
ゆるりと更新していきますので、これからもよろしくお願いします。
「………………a!お………a様!……じょ……ま!」
意識が朦朧とする。
誰かが呼んでいるような気がするが、だるいし眠いし周りも真っ暗なので、脳内のまどろみに身を任せて一眠りしよう。
昨日は夜遅くまで仕事をしていたのだ。
眠っていてもバチは当たるまい。
そう思っていた私だったが、一瞬で周りが明るくなった為、一気に意識が覚醒した。
何!?何事!?
頭が若干パニックになった時に、綺麗な女性が上から覗き込んできた。
その顔は私は心当たりがある。
でもそれはありえないことだと頭の中で否定する。
が、目の前に見える光景が私を否定し、混乱の度合い酷くなる。
「お嬢様!お目覚めになられましたか!?大丈夫ですか?どこかお体の悪いところはございますでしょうか?」
「……えっ?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?さ、咲夜!?咲夜なんで!?喋ってるし、自分で動いているしな、何コレ!?夢!?夢なの!?何が起きてるのぉぉぉぉー!?」
「お嬢様!?落ち着いてください!どうされたのですか!?」
私は驚きのあまり、思考がパンクした?ショートした?上手く例えられない。
咲夜はNPCなのに何故喋ってる?
私の知らないログイン出来ない間にアップデートでもされた?
いやそれはない筈。
サービス終了3ヶ月前にアップデートするとかは流石にないだろう。
混乱しながら体を起こして周りを眺める。
豪華絢爛といってもいい部屋だが、壁は真っ赤に染められ、高そうな絵が立て掛けられている。
周りには金色に輝くインテリアの数々。
そして私が今まで気持ち良く寝ていたのは、何と中に布団や可愛い動物のぬいぐるみが敷き詰められていた棺桶だった。
大事なことだからもう一度言う。
今まで気持ち良く寝ていたのは棺桶の中だったのだ。
え?何?何で私は棺桶に入れられていたの?もしかして一時的に心臓とかが止まっていて死んだと勘違いされていた?
何コレ?何コレ?何コレぇぇぇぇぇぇー!?
私が混乱を深めていると、こちらの目線に合わせてしゃがむ少女。
従者のようにメイド服を着こなしている。
銀色煌めく髪のショートヘアー。
澄んだ綺麗な瞳。
スラッとしながらも出ているところは出ている抜群のスタイル。
メイド服のスカートの裏からチラリと見える太股にある銀色に煌めくナイフ。
紅魔館で奉公するメイド長、私が作成した自慢のNPCの一人。
十六夜咲夜その人だった。
見間違える筈も無い。
この子は私の……
「お嬢様申し訳ありません。私も嬉しさのあまり混乱していたようです。お嬢様、体のお加減はいかがでしょうか?」
「えっと、ごめん、まだ寝ぼけてるのかな?……えと、咲夜?ここは?」
まだ混乱していたが、頭を下げてくる咲夜を見て少しだけ冷静になる。
そして自分の声に違和感を感じる。
子供のような幼い可愛らしい声。
これが私の声なの?
「ここは紅魔館のレミリアお嬢様の個室でございます。お部屋の前にお倒れになっているところを、紅魔館の妖精メイドが発見して私に連絡、お嬢様をお部屋の棺桶に移動致しました」
「あ、ありがとう咲夜。ごめんなさい、ちょっと寝ぼけてるみたい」
見覚えがあると思ったら、ここは紅魔館のマイルームか。
あれ? 警告音がなっていてエラーエラーうるさかったのに結局ログインは出来たの?
いやちょっとまて、ってことは私は今はレミリアのアバターなのは分かるけど声まで変わるのはおかしい。
それに咲夜が普通のプレイヤーのように喋ったり、命令もなしに動くなんてNPCが動くなんて……
何がどうなってるの?
と、分からないことだらけだが、取り敢えずコンソールを開こうとするが開かない。
チャットもGMコールも使えない。
どういうことなの?
予想外のことばかりで意識がショートしそうになる。
もしかして夢なの?
いや、物に触れている感覚とかちゃんとあるし……
こういう時にモモンガさんが居てくれたら……ってモモンガさんに連絡すればいいんじゃない!!!
でもメッセージって送れるの?
いや、まずは試そう。
ダメだったらその時考えよう。
(モモンガさん!モモンガさん聞こえますか!?)
お願い!届いて!!!
(え?レミリアさん!?レミリアさんどこにいるんですか!?)
(紅魔館のマイルームにいるわ。最近ずっとログイン出来ていなくてごめんなさい。私はさっきまで気を失ってて今気が付いたの。ちょっと混乱してて、モモンガさんに今聞きたいことがたくさんあるの。聞きたいことなのだけれど……)
(もしかして何故ユグドラシルのサーバーが落ちていないか、またはNPCが喋ったりしていることですか?)
(そう!それよ!まあ他にもあるのだけれど)
(俺もレミリアさんに話したいこと、確認したいことがたくさんありますので、一度そちらに行きますよ。ちょっと待っていてくださいね)
(分かったわ。取り敢えず合ってから話しましょう)
モモンガさんとのメッセージのやり取りを終えると、咲夜がこちらに何か話したそうにしているのが見えた。
モモンガさんと連絡がついて私も少し落ち着いたから咲夜とも話はしたい気持ちはあったが、モモンガさんがこちらに来るのなら急がなければ。
「咲夜、いきなりだまっていてごめんなさい。今モモンガさんと連絡を取り合っていたのだけれど、彼が今からこちらに来るらしいの。詳しい話はそれが終わってからで良いかしら?」
「はい、大丈夫ですお嬢様。モモンガ様がこちらに来られるのであれば今から美鈴にこちらに案内するように連絡致します」
「お願いね咲夜」
咲夜はこちらに一礼すると部屋から消えた。
恐らくスキルを使ったのだろう。
さて、モモンガさんが来る前に少しでも思考を整理しなくちゃ。
私はそう思い考えに更けるのだった。
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骸骨とロリ吸血鬼の再会
何とか5月中に間に合いました。
仕事の合間合間に書いたものなのでおかしなところがあるかもしれません。
その場合は後で修正します。
そして感想、お気に入り登録、評価をしてくださった方々、ありがとうございます。
ゆるりと更新していきますので、これからもよろしくお願いします。
咲夜が部屋を出て何分たったかなぁ~。
はぁ~、それにしても部屋にある調度品も相変わらず綺麗だわ。
ほぼ金色に統一されてるのに何故か成金臭くないし。
テーブルはおそらくガラス製かな?
ソファは高そうな天然の皮っぽい。
こんなの生前でも見たことない。
それなりに金持ちだったつもりだったけど、これを見るとねぇ~。
って、現実逃避してる場合じゃなーい!!!
やばいじゃん!もうすぐモモンガさん来ちゃうじゃん!
思考を整理?んなもん簡単に出来れば苦労しないよ!?
だってゲームの中にいてログアウト出来ないし、NPCの咲夜は喋ってるし!
まさか昔小さい頃に本で見た異世界転生!?
あーもう!考えが纏まらない!!!
非常事態に臨機応変に対応なんて出来るかー!!!
私は頭の中で現実逃避をしたりパニックになったりして思考を整理どころか混乱を深めていた。
よく異世界物の物語ですぐに順応してる主人公とかいるけど、普通に凄いと思う。
普通無理、少なくとも私には無理。
経験があること、例えば急な仕事とかなら難なくこなせるだろうけど、経験がないことが突発的に何かしないといけないとか無理。
あぁもう!誰か助けてよー!!!
"コンコンッ"
「お嬢様。モモンガ様をお連れしました」
「ありがとう咲夜。通していいわよ」
私はまだ混乱していたが、咲夜の声が聞こえて我に返り応答した。
モモンガさんが来るのだ。
もしかしたら何かしら情報等持ってるかもしれない。
もしも情報が分かってなかったとしても、1人よりかはモモンガさんみたいに頭の回転が早い人と一緒ならまだ安心できる。
「分かりました、失礼します」
"ガチャッ"
部屋の扉が開いた。
そこにいたのはメイドの咲夜と神器級アイテムに身を包んだオーバーロード、モモンガさんだった。
……ヤバい、安心してちょっと泣きそう。
「モモンガさん、よく来てくれたわ。咲夜下がっていいわよ。お茶とかは持ってこなくても良いわ。こちらが呼ぶまで誰も部屋の近くには近付かせないように出来るかしら?」
「分かりました、お嬢様。そのように他メイドにも連絡致します。ご用がありましたらまたお呼びください。モモンガ様もごゆるりと」
"ガチャン"
咲夜は私の言葉に答えてすぐに部屋から出ていった。
部屋には2人。
お互いに黙して語らず。
互いに何から喋れば良いか計りかねてるのだろう。
「レミリアさん、お久し振りです」
「モモンガさん……私、私……」
あ、やばい、咲夜がいなくなったら涙腺が……
「レ、レミリアさん!?」
「最近ログイン出来なくてごめんなさい……私、私いきなり起きたら棺桶の中にいて、レミリアになってて、ログアウトとかも出来なくなってて……」
ダメだ……涙が…………泣いちゃったらモモンガさんも困るのに……
「レ、レミリアさん、落ち着きましょう、ね?大丈夫です。1人じゃありません。不安だったんですよね?大丈夫です。大丈夫ですから」
「ありがとう……モモンガさん私……心細かったぁぁァァァァ!!!」
「レミリアさん!?お、落ち着いて!?」
「うわぁぁぁぁん!!!」
私はモモンガさんの言葉に我慢出来なくなりモモンガさんに抱き付いて泣きじゃくった。
モモンガさんの困った声が聞こえていたのだけれど、我慢出来なかったのだ。
最初こそモモンガさんも慌てていたが泣きじゃくっている私を見て冷静になったのか、途中から黙って抱き止めて頭を撫でてくれていた。
私が落ち着くまでずっと。
「「…………………………」」
しばらくして私は落ち着いたが、落ち着いた後に恥ずかしくなってすぐに離れて顔が赤く染まった。
男の人にいきなり抱き付いたのだ。
それに私は……まあそういう相手、経験もなかった。
だからどうしていいのか分からなくなったのだ。
モモンガさんも同じなのか部屋の隅で頭を抱えている。
あっ、頭が光った。
状態回復のポーション等を使ったのだろうか?
そして互いに落ち着いてから、私とモモンガさんは今までの情報を共有し、これからのことを話し合った。
その折、私も色々モモンガさんから衝撃の事実を聞かされた。
ナザリック地下大墳墓ごとNPC達と丸々異世界に転移したらしい。
そしてその際に墳墓内にいるNPC達が生きているように意思を持ったんだそうだ。
モモンガさんは地下大墳墓のNPC達と闘技場に集まった際に忠誠を誓われたんだとか。
ただうちの紅魔館のNPC達は階層守護者達を集める際に一緒に呼んだらしいのだが……その時一悶着あり、解散後にアルベド達が紅魔館を潰すべきだとキレたらしい。
そしてそのタイミングで私がモモンガさんに連絡して、アルベド達を宥めてこちらに来たと。
……まったく何してんのよ、咲夜達は。
まあNPC達が集まってモモンガさんに忠誠を誓っていた中、咲夜はモモンガさんに
「私が忠誠を誓うのはアインズ・ウール・ゴウンというギルドではなく、レミリアお嬢様ただ1人。お嬢様はギルドメンバーではありません。そのお嬢様の我が儘を聞いて頂き、ギルド内に館を建てさせて頂いたり等、皆様にはとても感謝しております。ですので、何かありましたら積極的にご協力、お手伝いさせて頂きます。ですが忠誠を誓うことは出来ません。これは紅魔館にいる者達全ての意思でございます」
と告げたみたい。
そのせいでアルベドとシャルティアがキレて、咲夜とその時に一緒に出席していた美鈴と一触即発の雰囲気になったらしい。
その他の階層守護者達は手や口は出さなかったが、咲夜達を睨み付けていたんだそう。
モモンガさんは宥めるのにかなり苦労したと言っていた。
忠誠誓ってくれるのは嬉しいけれど何してるのよ……。
取り合えずモモンガさんに謝ったが、モモンガさんは大丈夫と言ってくれた。
あ、あとモモンガさんが改名してギルド名を名乗ることにしたそうだ。
モモンガさんにアインズさんと呼んだ方が良いか尋ねたら、他に誰かいる時はアインズと呼んでほしいが2人だけの時はモモンガと呼んでほしいと言われた。
知り合いには気軽に接してほしいんだそう。
……このことが忠誠心MAXのアルベド達にバレたら面倒くさそうだけれど、私もそちらの方が楽だし、何よりモモンガさんがそちらの方が良いと言っているので、2人きりの時は今まで通りに接することにした。
「ところでレミリアさん」
「何かしら?」
「此処の総括としてお話を聞きたいんですが、ギルドメンバーではないレミリアさんの処遇どうしますか?」
「ん~、無難にアドバイザーや協力者とかで良いんじゃないかしら」
「あの、レミリアさん、良かったらギルドに入りませんか?メンバーとも仲良かったですし、あの時からずっと誘われてい「モモンガさん、前から言っているようにそれはダメよ」た……そうですか……」
色々な報告を聞いていた時にモモンガさんから
またというのも、昔からギルドメンバーにならないかは誘われていたのだ。
ただ問題があって、自作NPCの咲夜、パチュリーの種族が人間なのだ。
一応、パチュリーは人間でありながらも魔法を極めたことにより長生きしてるって設定だから普通の人間とは言いづらいけれど。
ほとんどのメンバーから入るように言われたが、反対していたメンバーがいたのも事実。
それでギルド内で争いになりかけたこともあった。
だから私は協力者……扱い的に傭兵かな?
に徹してギルドには入らないことを約束したのだ。
……まあ茶釜ちゃん達、一部のメンバーが協力者ならギルド内に拠点を作るようにと言われて紅魔館を作ったりしたし、会う度にギルドに入らないかも勧誘されるし、反対するメンバーも日に日に減っていっていたし、外堀を埋められていたような感じがしないでもないけれど。
今は反対していたギルドメンバーがいないではないかと思うかもしれないが、反対していたギルドメンバーの代わりに自分の意思を持ったNPC達がいる。
しかも設定的に人間軽視でカルマ値高い子が多いのだ。
私は異業種とはいえ咲夜達と暮らしている。
あまり良くない感情しか持たれてないだろう。
それに咲夜達が対立したしね……。
「あいわらずの即答ですね」
「諦めなさい。まあこちらから裏切ることもないし、協力は惜しまないからそれで良しとしなさいな」
「そうですね。ていうかレミリアさんが敵対とか考えたくないですよ……」
「敵対は私もしたくないわよ。折角の気軽に接することの出来る人ですもの。……ってあれ?人?人ではないから骨?」
「ふふっ、そうですね。それに上位プレイヤーでもあるレミリアさんとなんて勝てる気しませんよ」
「いや、モモンガさんも強いじゃない。模擬戦とはいえ、私に勝ったこともあったじゃない。あんなに私の出す手を片っ端から対策されたの初めてよ?」
「いやー、勝った時は嬉しかったですよ。ほぼ相討ちでしたけど。あと同時に敵対したくないとひしひしと感じましたが」
「えー、楽しいじゃない。敵対とかは嫌だけど、戦うのは楽しいと思わない?」
「嫌ですよ。レミリアさんと戦って勝てたのあの一度っきりですし、スキル凶悪過ぎです……。何ですか対策を立てて初見殺しもいれながらの万全の状態で挑んでほぼ相討ちって。うちのギルドメンバーでほぼ互角に戦えるのってたっちさんぐらいだったじゃないですか」
「いや、流石にたっちさんには負け越してるわよ。2回くらい。楽しかったなぁ」
「バトルジャンキー……」
「何か言ったかしら?」
「いえ何も」
モモンガさんと互いに笑い合う。
ギルドメンバーとの思い出は楽しいものばかり。
どんどんメンバーとは疎遠になっていったが私はユグドラシルを捨てられなかった。
モモンガさんもそうだろう。
楽しかったのだ。
とても。
「とりあえずまたアルベド達を集めてレミリアさんが戻ってきていたことを知らせましょう。そして協力者ということも一緒に」
「あれ?伝えてなかったの?」
「いや、アルベドと近くにいたセバスは伝えてます。いきなりだったので全員に伝える暇なんてないですよ」
「ごめんなさい」
「謝らなくていいですよ。とりあえず集まった時にどうするかとかも今の内に決めておきましょう」
「そうね、そうしましょうか」
また私たちお互いに笑い合った。
それから暫くの間、集めた時の流れをおおまかに話し合ったのだった。
仕事が忙しい……。
人数いない、上は土日完全不在、新しく人が入っても抜けていく……。
すいません、愚痴りました。
まあそんな状況なので相変わらず更新はマイペースにゆっくりさせて頂きます。
次回かその次辺りにモモンガと咲夜達の視点をあげるつもりですのでお楽しみに。
次は1週間以内にあげれるといいなぁ……。
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