偶にはこんな八折もいかがでしょう? (‐たま s2‐)
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偶にはこんな八折もいかがでしょう?

これは八幡が中学校時代すでに高校時代と同じくらいに捻くれていたら。

そしてそんな捻くれ者の八幡に興味を示す折本かおりと比企谷八幡の恋物語。

物語は八幡の中学生時代、色々な子に様々な告白(黒歴史)をし、孤立し、以降ぼっちとして生活を始めることを決意した三年生から始まる。

良くも悪くも純粋すぎて人を信じることをやめた彼と明るくコミュ力の高い彼女。

この一見相反する二人がどのような恋物語を見せてくれるのか、

ありがちな展開、ありがちなストーリーのオンパレードかも知れない。

ただ偶にはこんな八折もいいのではないでしょうか?

それでは物語の始まりです。

ごゆっくりお楽しみ下さい。


 

 

 

俺の名前は比企谷八幡、今日から中学三年生だ。

 

一年、二年の時は勘違いを繰り返し黒歴史をこれでもかという程に量産してきた。

 

しかしこれからはそういう訳にもいかない、何故ならマイエンジェル小町が今日から一年生として入学してくるのだ。

 

小町が入学してこんなのが兄だと虐められてしまうかも知れないだろ?

 

春休みは俺の噂をあの手この手で薄める事に全てを費やした。

 

受験と小町どっちが大事かって?

 

小町に決まってるだろ。

 

まぁ、そんな事は置いといて。

 

小町が俺のせいで虐められない為にも俺は今後問題を起こして噂になるのは避けなくてはいけない。

 

どうしたらいいかと悩んだ結果。

 

俺はぼっちになることを決意した。

 

他人に極力関わらない。話さない。自分の存在感を極限まで消す。他人を信じない。騙されない。

 

これで完璧だ。

 

 

そう思っていた矢先だった。

 

 

「比企谷~起きてるんでしょ~」

 

 

俺と小町の平穏を脅かす災厄が隣の席に居た。

 

 

「・・・・・・」

 

「比企谷~?ホントに寝てるの?」

 

「・・・・・・」

 

「落書きしよっかな~」ニヤニヤ

 

「ッ」ビクッ

 

「やっぱ起きてんじゃん!寝たフリとかウケるww」

 

「なんだよ折本...」

 

 

折本かおり。三年生になり新しい席が窓際の一番後ろだと言うことに喜んでいたのもつかの間、学年のマドンナ的存在のコイツが隣の席いて話しかけてきた。

 

 

「いや~他のみんな連絡先とか交換してんのに比企谷だけ突っ伏して寝てたからさ~、ああゆうのやらないのかな~って思って!」

 

「いいんだよ俺は...もうこの一年間をボッチで過ごすって決めたんだ、という訳でおやすみ。」

 

そう折本に伝えて再び寝ようとすると

 

「去年まではあんなに必死で交換しようとしてたのに?」

 

「なんでお前がそんなこと知ってんだよ...」

 

「去年も同じクラスだったじゃん!ウケるw」

 

「あ?」

 

 

まさか、んー、はっ。居たわ確かに。

話さなかったし全く覚えてなかった。

 

 

「あー、居たな、確かに」

 

「でしょ?で、何でボッチになるとか言ってんの?」

 

「いや、今年から妹が入ってきてな、俺が今年もやらかしたら妹に迷惑が掛かるやもしれんだろ?だから他人と関わらなければ勘違いもしない、噂にもならないで完璧じゃねぇか」

 

「へー、でも去年までの噂は?もう出回ってるのはどうするの?」

 

「それは俺の春休みを全て費やして薄めた」

 

「もしかして春休み中に大量の噂話が出てきたのって、」

 

「まぁ、俺のせいだろうな。」

 

 

俺がやったのは学校の裏サイトに「夜のプールに葉っぱを浮かべて好きな人の名前を三回唱えると恋が叶う」とか「学校裏の大きい木の下で好きな相手とキスをしたら永遠に結ばれる」とかそんなしょうもないものだ。

だが噂好きな彼らはどんどんとこれを広げる。そして噂話にどんどん尾びれが付いていって俺の噂は自然と薄まって行った。

 

 

「折本、この事他のやつに言ったりするなよ。俺だけが虐められるのは構わんがこれが原因で妹に手を出すやつが出たら俺はお前を許さないからな、どんな手段を使ってもお前を貶めるぞ」

 

「分かってる。てか、比企谷シスコンすぎてウケるんだけどw」

 

「千葉の兄妹ならこんくらい当たり前だろ」

 

「当たり前なんだwww」

 

「あぁ、当たり前だ」

 

「あー、笑った笑った。あっ、誰とも連絡先交換しないなら私と交換しよーよ!」

 

「は?なんでだよ話聞いてた?俺はボッチで過ごすの、関わりたくないの、目立ちたくないの、分かる?」

 

「えー!いいじゃん!」

 

しつこい。

 

「はぁ、どっちにせよ今は勘弁してくれ。周りの視線が痛い。」

 

「あっ、ごめん、気付かなかった。」

 

そう言ってシュンとする折本

 

(なんだ、一応俺が言ったこと理解してたのか)

 

「まぁ、なんだ。もう少し人が居ないときにしてくれ。」

 

「分かった、じゃあ放課後にね!」

 

「ちょ、声デカ」

 

言いかけた時に担任が教室に入ってきて遮られた。

 

 

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

 

そして放課後

 

 

よし、帰るか。あ、今日新刊の発売日じゃん。帰ったら本屋行こう。財布にいくらあったかな。

 

そんなことを考えながら靴を履き替えてると後ろから

 

 

「ちょ、比企谷ちょっと待ってって!」

 

「ん?なんだよ折本、俺早く帰って本屋行きたいんだけど。」

 

会話をしつつも靴を履き替えて歩き始める

 

「だからちょっと待ってって!」グイッ

 

「ぐえっ」

 

「ぷっ、ぐえってwカエルみたいでウケるwww」

 

「うるせぇよ、で、何の用だ」

 

「あ、歩きながらで良いよ」

 

そう言われたので歩き始める

 

「で?ホントに何の用だよ」

 

「連絡先!交換するって言ったじゃん!」

 

「あー、そう言えばそうだったな。」

 

「やっぱ忘れてたんだwウケるw」

 

「何にウケてんのか分かんねぇよ。」ガサガサ

 

「あ、」

 

「なに?どうしたの」

 

「携帯家に忘れてきてたわ。」

 

「え、マジ?」

 

「マジだ、明日でいいか?」

 

「明日土曜だよ」

 

「あー、マジか。じゃ、月曜で」

 

「んー、月曜までに忘れちゃいそうだな~、あっそうだ!」

 

「ん?」

 

あれ?何だかすごく嫌な予感がしてきたんだが..........

 

「今から比企谷ん家行っていい?」

 

「......ダメだ。」

 

 

━━━━━━━━━━━

 

 

「へぇ~、ここが比企谷の家か~、私の家からそんな遠くないんだね!」

 

 

はぁ、どうしてこうなった。

 

 

「比企谷が押しに弱すぎるからでしょw」

 

「サラッと人の心読むなよ。」

 

「じゃ、携帯取ってくるからそこで待ってろ。」

 

 

ガチャ「おにいちゃん?家入んないの...」

 

「あ、」

 

「あっ」

 

「おにいちゃん!?そこの女の人は誰!?彼女!?彼女さんなの!?」

 

「小町、おい小町!ちょっと落ち着け!」

 

「いや~おにいちゃんにも遂に彼女か~、小町は嬉しいようで少し寂しいような~、あ、ささっ、どうぞ上がってください!」

 

「いや、ちょっ、小町?」

 

「はは、あっ、お邪魔しまーす!」

 

「おい折本!?」

 

 

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

 

「だから、折本は彼女じゃないって言ってるだろ。」

 

「えー、じゃあ付き合ってないならなんで一緒に家に来たのさ」

 

「あっ、比企谷と連絡先交換する~って言ってたんだけどさ~、家に携帯忘れたって言うからここまで着いてきたんだ~!」

 

「ほほ~兄と連絡先を交換。おにいちゃん!折本さんめっちゃいい人だよ!これ以上ないくらいの優良物件だよ!」

 

「はぁ、もう部屋行って携帯探してくるわ。」

 

「じゃあ小町は折本さんと話して待ってるね!」

 

「はいはい、すまんな折本。」

 

「全然大丈夫だよ~、小町ちゃんと話すの楽しいし」

 

「そうか、じゃ、行ってくるわ」

 

 

***

 

「はぁ、小町のやつ、興奮しすぎだろ。あの勢いでお袋とか親父に話されたらたまったもんじゃないぞ。」

 

つーか、今日初めて話したばっかのやつを家に連れてくることになるとは、他人と関わらないって決めたばっかのはずだったのにな。

 

「つか、折本も去年俺と同じクラスだったら俺がやってきたこと見てたはずなのにな。何か企んでるのか、それともただの馬鹿か......後者だなきっと。」

 

じゃなきゃこんな俺と関わるはずがないもんな。

 

「さっさと携帯見つけて戻るか。」

 

 

***

 

「さて、おにいちゃんが居なくなったので聞きますが、折本さんはなんでおにいちゃんに近ずいたんですか?」

 

「え?小町ちゃんいきなり何を、」

 

「うちの兄は目が腐ってますし、一年生の時も二年生のときも色々とやらかしてます、それは同じ学校の折本さんならよく知ってるんじゃないですか?」

 

「まぁ、うん。」

 

「折本さんは恐らく学年でも中心人物でしょうし、そんな人がおにいちゃんと仲良く。なんてことをどうしていきなりするんですか?」

 

「それは、」

 

「もしそれが罰ゲームかなんかでやってるんでしたら小町怒りますよ」

 

「あんな兄でも小町の大好きなお兄ちゃんなんですよ。」

 

「もうお兄ちゃんは沢山傷ついた筈です。これ以上兄を苦しめるようなことはお願いですからしないでください。」

 

 

「......私さ、二年生の時に嫌な事があって、なんとなく公園に寄ったんだけどさ。そんときにナルガヤとかって呼ばれて虐められてた比企谷が水道でワイシャツ洗ってたんだよね。で、何となくどうしたのって聞いたんだよそしたらさ」

 

『血がついたから洗ってる。このまま洗濯に出したら妹が心配するから。』

 

そん時はその人が比企谷だってきづかなかったんだよね。

私は「なんで血が着いたの?」って聞いたんだけどそしたら

 

『まぁ、俺がちょっとした勘違いをしたから周りがキモチワルイってチョウシニノッテルって殴られたし蹴られた、』

 

同じくらいの歳の子がどうしてそんなことにって聞こうとしたんだけど、その前に比企谷が私に向かってさ

 

『あんたはそんなに明るく元気に振舞ってて疲れないのか?』

 

って聞いてきたんだよ、その時私は友達が好きだったサッカー部の男の子に告白されてさ、その事を聞いた友達に「かおりは可愛いし明るいしいつも元気だしいい子だし、本当に羨ましい。いつもみんなの中心でみんなかおりを好きになる。かおりが居なければ良かったのに。」って言われて落ち込んでたからさ、そんな時に比企谷にそんな子を言われてビックリしてさ

 

『疲れるよ。でも私がいつもどうりに明るく元気じゃないと皆が心配するから。』

 

って言ったら

 

『そんなに無理して作る偽物の関係なら俺は一生一人の方がいい』

 

って言われてさ、私そんときすっごい笑っちゃったんだ。

でも私は比企谷に

 

『いつか私に本物の関係が出来ると思う?』

 

って聞いたんだよ。比企谷なら答えをくれるんじゃないかと思ったから。

 

そしたらさ

 

『知るかよ。俺が考える本物とあんたの考えてる本物はきっと違うだろ。それに自分で見つけなきゃ意味ないじゃねぇか。』

 

って言われてさ。

あー、その通りだなって思って、

そんとき悩んでた私の心はすっごい軽くなったんだよね。

 

まさかそれが同じクラスでナルガヤとか呼ばれて虐められてる人だとは思わなかったけどね、まぁアホ毛で分かったんだけど。

 

でも私は比企谷が虐められてるのを止められなかった。

周りの人達に私が何か言うと余計いじめが悪化した。

 

私のせいで悪化したからせめていじめを止める事は出来なくてもせめて殴る蹴るの暴行を無くそうと思って暴力をふるってるところを動画で撮って校長に持っていった。

 

その事が公になることは無かったけど。

殴ってたヤツらは全員が転校して行った。

 

三年生になってまた同じクラスでしかも隣の席になるとは思わなかった。

 

目は二年生の時より腐ってたし、物凄い捻くれてたけど、私は比企谷となら、いや比企谷と本物の関係を作りたいと思ったから話しかけた。

 

長くなっちゃってごめんね小町ちゃん、私が比企谷に近ずいたら迷惑が掛かるってことは少なからずあると思うよ。

 

だから比企谷に迷惑だって言われたらもう関わらない。

 

 

 

「折本さん。おにいちゃんはきっともう人の好意を信じられなくなってます。」

 

「うん」

 

「きっとおにいちゃんと付き合っていくのは大変ですよ?」

 

「知ってる」

 

「シスコンで目が腐ってて捻デレさんですよ」

 

「全然大丈夫」

 

「そうですか、ではかおりさん。おにいちゃんを宜しくお願いしますね。」

 

「勿論!任せて小町ちゃん!」

 

 

「アレ。お兄ちゃんからメールきてる。」

 

(まだ話し続いてるみたいだから俺は一回本屋に行ってくる。終わったら呼んでくれ)

 

「もしかしたら話少し聞かれちゃったかもしれませんね」フフッ

 

「ちょっそれはウケないよ!!//」カァー

 

 

 

 

 

END




pixivで前に投稿した話です...。

今はいわゆるスランプと言うやつで書けなくなってます。

僕が投稿をお休みしてる間に少しでも僕の作品を面白い、そう思ってくれる人が増えると嬉しいのでハールメンも使ってpixivで投稿したお話を投稿しようと思いました。

興味があったらpixivの方のフォロー等もお願い致します。


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