ジオウリュウソウ2019 (ブレイアッ)
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ジオウリュウソウ2019ー前編ー
気分転換とリハビリで書きました。
全編ノリと勢い。ほぼ全編戦闘シーン。クロスオーバーらしいキャラ同士の絡みは少なめです……。
「この本によれば、仮面ライダージオウ、常磐ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなると運命が待ち構えていた。
そんな彼がある日、異世界から迷い混んだ5人の騎士と出会い……おっと、ここから先は皆さんにとって、未来のお話でしたね?」
2019年5月、日本。
十連休という長期の休日。この日は天気も良く、休日の街中には家族や友人、恋人と過ごす姿がよく見られる平和な日常。
しかし、日常というのは容易く壊れるもので。
「グオオオオオン!」
化け物の叫び声と共に炎の弾が街を破壊する。
「キャー!」
「うわぁあ!」
崩れ落ちる瓦礫。
悲鳴を上げながら逃げ惑う人々。
そして逃げる人々の流れに逆らって走る5人の男女。
《ケボーン!》
《リュウ!
竜の意匠が凝らされた剣、リュウソウケンを携えた赤、青、ピンク、緑、黒の戦士達。彼らの名は騎士竜戦隊リュウソウジャー。
戦闘民族ドルイドン族、マイナス感情から生まれる怪獣マイナソーと戦う古代人類リュウソウ族の若き騎士である。
「マイナソーを止める! 行くぞ!」
赤い戦士、リュウソウレッドが先陣を切って駆ける。
狙いは人形の竜のような姿をした異形の怪物。マイナソーだ。
「うおおお!」
リュウソウレッドがリュウソウケンを振り下ろす。
マイナソーの体から火花が散り、一瞬怯んだ隙に蹴りを入れる。
「がぅうう……」
リュウソウレッドの上を飛び越えてブルーとピンクが追撃を加える。
マイナソーがよろめいたところに両端からグリーンとブラックが息の合ったコンビネーションで滅多切りにする。しかし
「こいつ、全然効いてない!」
斬れば火花は散る。蹴れば飛ばされる。しかし、ダメージを負った様子が見られないのだ。
「あの装甲だ。あの装甲が俺達の攻撃を防いでいるんだ」
「兄さん、じゃあどうすれば」
「それなら!」
ピンクはベルトのバックルから竜の頭の形をした小さなアイテム、リュウソウジャーの力の源であるリュウソウルを取り出し、それを人形のナイトモードに変形させる。
「ムキムキソウル!」
ピンクはリュウソウケンにある竜の口を開き、ムキムキソウルをセット。そしてガブガブと噛ませる。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! ムキムキそう!》
右腕に騎士竜ムキムキソウリュウを模した装甲が出現し、それを
ムキムキソウルの力はその名の通りムキムキに、つまり筋力を増強させる。
「うおおっりゃあぁ!!」
ムキムキソウルによって強化されたリュウソウピンクの拳が叩き込まれ、舗装された道を砕きながらぶっ飛ばされる。
「グオオオオォォ!」
「よしっ、強力な攻撃なら効くみたい!」
「ナイス、アスナ!」
「これで突破口が見えた」
リュウソウジャーの全員がバックルからリュウソウルを取り出し、リュウソウケンにセットする。
「グオオオオオン!」
起き上がったマイナソーは怒りをあらわにリュウソウジャーに突撃する。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!ミガケそう!》
ブラックがミガケソウルを竜装し、リュウソウケンを地面に突き立てるとその先が磨かれ、鏡のようになる。ツルツルの地面で足を滑らせたマイナソーは尻餅をついてそのまま滑って直進。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!マブシそう!》
グリーンがマブシソウルを竜装。リュウソウケンの刀身から強烈な光を放ち、マイナソーの視力を奪う。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!カルそう!》
ブルーがカルソウルを竜装。滑ってくる怪物にリュウソウケンでレイピアのように突くとマイナソーから重さが消え、まるで塵のように軽くなる。
「はあぁっ!」
そして軽くなったマイナソーをピンクがアッパー気味に殴り、上空へと飛ばす。
飛ばされたその先にはプクプクソウルを竜装して、浮き上がっていたレッドが待ち構えていた。
レッドはマイナソーが打ち上げられたのを見るとリュウソウケンからプクプクソウルを取り出し、代わりに別のリュウソウルをセットする。
竜装を解除したことによってプクプクソウルの力が無くなり、落下しながらリュウソウケンを操作する。
《レッド!それ!それ!それ!それ!その調子!
「ディノ……スラァーシュッ!」
すれ違い様にリュウソウレッド必殺の斬撃が炸裂。
レッドが着地すると同時に上空で爆発が起こった。
「やったか……」
爆発を見ながらブラックが言う。
「いや、まだだ!あれを!」
しかし、ブルーが何かを見たのか爆発した場所を指差す。その指先はゆっくりと下へと動き
「が、ぐぅぅぅう……」
装甲が剥がれ落ち、全身から煙をたたせながらもかろうじて生きているといった様子の怪物を指した。
リュウソウジャー達は油断なく構え、追撃を加えようとグリーンが駆ける。
カチッ
時計の針のような音が鳴り、その場にいたリュウソウジャー達の時間が止まる。
動いているのは瀕死のマイナソーと一人の人間のみ。
「ふん、見知らぬ怪物に見知らぬ戦士……どうやら仮面ライダーでは無いようだが、こいつらがいては迷惑だな」
紫の服を身に纏った男が悠々と歩き、マイナソーの前に立つ。
「だが、コイツは使えそうだ。俺のために働いてもらう。意見は……求めん」
《ジオウ……》
男が懐から取り出した時計型のアイテム、アナザーライドウォッチを起動。それをマイナソーの体内に押し込む。
「グゥ……グオオオオオン!」
《ジオウ……!》
マイナソーは紫のオーラを纏い、黒をベースにピンクのラインが入った装甲を纏い、怪獣から怪人へと【変身】した。その胸の装甲には横一文字の傷で消されたZI-O:2019の文字が彫られている。
男はその場から姿を消し、時間が動き出す。
「グォオオオオン!」
何処からか二本の剣を取り出し、交差させるように振るうとピンク色の光の刃が放たれ、リュウソウジャー達を襲う。
爆発に飲まれるリュウソウジャー。彼らは容易く吹き飛ばされ、地面に転がる。
「何だ……今の」
「ドルイドンの仲間か……?」
「アイツに何かされてから、マイナソーが強くなった!」
「さっき……とは、桁違いのパワーだ」
「くっ、不覚を取ったか……」
「でも! 負けられない、負けちゃいけない!うおおおおおおお!」
レッドが立ち上がり、吼える。
「ツヨソウル!」
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!ツヨそう!》
ツヨソウルを竜装し、駆ける。
《それ!それ!それ!それ!その調子!
「だぁあああ!!」
跳躍して距離を詰め、リュウソウケンを両手に持って振り下ろし。それは二本の剣に阻まれるがパワーで押しきる。
「おおぉああっ!」
今度は距離を詰める為ではなく全体重を斬撃に乗せるための着地。着地の事を考えていないその一撃は相手を怯ませるには十分。装甲から赤い火が飛ぶ。
両手をついて着地、そしてすぐに足を上げて顔面を蹴る。
レッドの怒濤の攻撃に手も足も出ない。
しかし、さっきまでとは違ってダメージが入っている様子は全く無い。
「グガァアアア!!」
「うわぁああ!?」
怪人が二本の剣を合わせ、さっきのお返しとばかりに一撃でレッドを上空へと吹き飛ばす。
「「 コウ!」」
ピンクとブルーが彼の名を呼ぶ。
怪人は落ちてくるレッドを見つめながら剣にエネルギーを溜め……
《ヘイ!龍騎! デュアルタイムブレイク!》
何処からか飛んで来た炎の斬撃が怪人に当たり、溜め込んだエネルギーと共に爆発する。
《ターイム マジーン!》
またしても何処からか飛んで来た「ろぼ」と文字が書かれた赤いロボットが空中のレッドをキャッチ。そして地上のリュウソウジャー達の前に下ろす。
「あ、ありがと。えーっと……ろぼ?」
プシュウとロボットの胴が開き、中からかめんの戦士が現れた。
「カメン……」
「らいだー?」
「何だお前達、俺の事を知ってるのか?」
ブルーとピンクは当然ながらレッドを助けたこの人物の事など知らない。知らないが、顔に書いてあるのだ。「カメンらいだー」と。
「ゲイツ、ナイスキャッチ!」
そう言いながら現れたのは炎の斬撃を飛ばした張本人。
「今度はディケイドって書いてある!?」
「何なんだお前達は……」
ブラックが二人を警戒しながら聞く。
「俺は仮面ライダージオウ」
「仮面ライダーゲイツだ」
「それよりもリュウソウジャーの皆、詳しい話は後で! まずはマイナソーを、って……」
「逃げられたか」
そこには既に怪人の姿は無かった。
〰️〰️〰️〰️〰️
時計屋クジゴジ堂
「いやぁ~、まさかソウゴくんがお友達を連れて来てくれるなんてね、それも5人!」
クジゴジ堂の店主、常磐順一郎が変身解除したリュウソウジャーの面々にコーヒーを出していく。
「あ、砂糖とミルク、ここに置いとくから。好きなだけどうぞ。じゃ、ごゆっくり~」
角砂糖とミルクが入った小さな壺を机の上に置くと店の奥へと戻っていった。
「じゃあまずは自己紹介からしよっか。俺は常磐ソウゴ、仮面ライダージオウだ。それからこっちは」
「明光院ゲイツ、仮面ライダーゲイツだ」
「私の名はウォズ。仮面ライダーウォズだ」
「俺はリュウソウレッド、コウ」
「同じくリュウソウブルー、メルトだ」
「私はアスナ。リュウソウピンクよ」
「俺はトワ、リュウソウグリーンだ」
「バンバ。リュウソウブラックだ……教えてもらおうか、お前達が何故あの場にいたのか、何故マイナソー、そしてリュウソウジャーの事を知っているのか」
バンバの鋭い視線がソウゴを射抜く。しかしソウゴはそれを全く気にした様子もない。
「まずあの場にいたのか、だけど。もし俺達が間に合わなかったらリュウソウジャーの皆は死んでた。
アナザーライダーは同じライダーの力でないと倒せない。スウォルツにアナザージオウのライドウォッチを埋め込まれたマイナソーはリュウソウジャーの力だけじゃ倒せない……最後は、完全体になったマイナソーにキシリュウオーごと」
「そんなの、やってみなくちゃ分からないだろ!」
「分かりきった事だよ。今話したのは俺が見た未来だ。あのままだったら皆死んでた」
コウにきっぱりと断言するソウゴ。
「……未来予知。それで俺達の事を知ったのか」
「そういうこと」
頭の回るメルトがソウゴの言葉から推理し、結論付ける。実際、その推理は当たっており、リュウソウジャーが全滅する未来を見たソウゴがゲイツを連れてタイムマジーンでリュウソウジャーの元に飛んでいったのである。
「しかし我が魔王、一つ気になることがあるんだが」
「何?ウォズ」
「私はリュウソウジャーなんて戦士も、マイナソーなんて怪物も知らない、そもそも本来の歴史に彼らは存在しない。しかし実際にこの場にいる。我が魔王なら何か知っているのでは?」
「それは私から説明しよう」
「うおっ! びっくりした!」
「何? 誰このおじさん。初めて見るんだけど……」
突然、何処からかともかく現れた眼鏡をかけた壮年の男性。
「初めまして仮面ライダージオウ、そして騎士竜戦隊リュウソウジャーの諸君。君達が出会ってしまった理由。それは全てディケイドのせいなのだ」
「ディケイドって……ソウゴのこと?」
「ディケイドって……門矢士のこと?」
コウとソウゴの声がハモる。男はソウゴを指差して正解! と大声を出す。
「仮面ライダーディケイド、門矢士のせいで仮面ライダージオウと騎士竜戦隊リュウソウジャーの世界が不完全ではあるが融合し、そしてアナザージオウマイナソーという化け物を生み出してしまった……!
世界を元に戻すにはアナザージオウマイナソーからアナザーライドウォッチを取り出し、マイナソーを倒すしかない!
これも全て仮面ライダーディケイドというやつの仕業なのだ……おのれディケイドォオオ!!」
ピーポー。と気の抜けた時計が時を知らせるような音がし、男は跡形もなく消えていた。
バンッ! と勢いよくクジゴジ堂の扉が開かれ、そこから白い服を着た黒髪の少女、ツクヨミが大股で入ってくる。
「ソウゴ! ゲイツ! アナザーライダーが現れた!」
一瞬で戦士の顔になる8人。彼らはそれぞれ顔を見合わせて頷き合い、クジゴジ堂の外へと駆けていった。
「いやぁ~、ごめんごめん。お菓子出すのすっかり忘れてたね。チョコレートケーキあるから一瞬に食べない?
……って、あれ? 誰もいない。あっ、ツクヨミちゃん、おかえり~。チョコレートケーキあるけど、食べる?」
「……いただきます」
Qリュウソウジャーはどうやってジオウの世界に来たの?
Aディケイドのせいにしておけば良いと思います。
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ジオウリュウソウ2019ー中編ー
今回はクロスオーバーらしく、がっつり共闘です!
採石場跡地。そこにアナザージオウマイナソーがいた。
「グゥゥ……グォオオオオン!!!」
マイナソーが吼えると全身から紫のオーラが解放され、人形へと集束。赤をベースに黄色のラインが入った装甲を纏った怪人と白をベースに緑のラインが入った装甲を纏った怪人の2体へと変貌する。
「見つけた! あの黒いマイナソーだ!」
そこに駆け付けたコウ達リュウソウジャーとソウゴら仮面ライダー。
「一緒にいるのは……アナザーライダー!?」
「いや我が魔王、あれはアナザーライダーの紛い物、劣化コピーに過ぎない。見た目が私とゲイツくんに似ているのは気に食わないがね」
「どっちでも良い。とにかくヤツを倒すだけだ」
「「よし! みんな行くぞッ!」」
『応ッ!』
『リュウソウチェンジ!』
《ケッボーン!》
《ジオウ!》
《ゲイツ!》
《ウォズ! アクション!》
《ワッセイワッセイ! ソレ!ソレ!ソレ! ワッセイワッセイ! ソレソレソレソレ!》
8人の周りをリュウソウ族の戦士達の魂が囲み、列を作って踊る。
『変身!』
《ライダータイム!》
《ライダータイム!》
《投影! ヒューチャータイム!》
《リュウ!SO《ソウ》!
《仮面ライダージオウ!》
《仮面ライダーゲイツ!》
《スゴイ! ジダイ! ミライ! 仮面ライダーウォズ! ウォズ!》
《ワァーッハッハッハッハァー!》
そして、8人の戦士が並び立つ。
「勇猛の騎士! リュウソウレッド!」
「叡智の騎士! リュウソウブルー!」
「剛健の騎士! リュウソウピンク!」
「疾風の騎士! リュウソウグリーン!」
「威風の騎士! リュウソウブラック!」
『我ら、正義に仕える5本の剣! 騎士竜戦隊! リュウソウジャー!!』
「うぉおお! 格好いい! ねぇ、ゲイツ! 俺達も何かやろーよ!」
「知らん、絡むな」
「こほん、では私が……」
ウォズが一歩前に出て右手を横に広げる。
「祝え! 異世界より来た5人の戦士、騎士竜戦隊リュウソウジャーと! 時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウとその家臣。ゲイツ、ウォズ。8人の戦士が揃いし瞬間である!」
「おお! さっすがウォズ!」
「うおおお! 格好いい! 祝え! だってさ! すっごい!」
「うるさいぞジオウ! 後、誰が家臣だ! 誰が!」
「コウうるさい! ほら、さっさと行くわよ!」
「「はい」」
ジオウとレッドは一度顔を見合わせ、続けてマイナソーへと視線を移す。
「「よし、行くぞ!」」
マイナソーが火球を放つ。それは狙いを外れて彼らの後ろに着弾し、爆発。
8人の戦士は爆発を背にして駆け出した!
《ジカンデスピア! ヤリスギ!》
最初に激突したのはウォズ、ブルー、ピンクの3人と白いマイナソーだ。
マイナソーは槍と鎌が一体化し、反対側がフックのようになった奇怪な武器を出現させ、大振りに横に振る。
隙は大きいが当たれば相当なダメージがあるであろうそれをブルーとピンクは跳躍してかわし、ウォズが槍モードのジカンデスピアを縦にして受け止める。その隙にブルーとピンクの斬撃が火花を散らし、怯んだ所にジカンデスピアの突きが追撃する。
《シノビ! アクション!》
《投影! ヒューチャータイム!
誰じゃ? 俺じゃ? 忍者!
ヒューチャーリングシノビ! シノビ!》
マイナソーが怯んだ隙に未来の仮面ライダー、仮面ライダーシノビの力が秘められたシノビミライドウォッチを使用し、仮面ライダーウォズヒューチャーリングシノビへとフォームチェンジする。
《カマシスギ!》
ジカンデスピアを鎌モードに変形、シノビのスピードでさらに追撃を加える。
「ノビソウル!」
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! ノビそう!》
ブルーがノビソウルを竜装。リュウソウケンの刀身を伸ばしながらウォズの攻撃の間から追い撃ちをかけていく。
「グァゥ……ガォォォォ!」
「くっ!」
「しまった!」
「きゃあ!」
負けじとマイナソーも加速。ウォズのスピードを超え、影すら残さないスピードで3人に反撃する。
「ダメだ! 速すぎて見えない!」
「シノビのスピードを上回るとは……!」
「なら、動けなくしてしまえば! オモソウル!」
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!オモそう!》
ピンクがオモソウルを竜装。誰もいない、かつマイナソーが攻撃してきそうな方向に向けて右腕を振り下ろす。
《ドーン!》
誰もいなかったそこに膝をついたマイナソーの姿が現れる。オモソウルの力によって重力が増し、走ることが出来なくなったのである。
「今だ!」
《キカイ! アクション!》
《投影! ヒューチャータイム!
デカイ! ハカイ! ゴウカイ!
ヒューチャーリングキカイ! キカイ!》
ウォズはヒューチャーリングキカイへとフォームチェンジ。
両手を胸の前で縦に平行に構え、そのまま腰へ下げ、冷気エネルギーを充填。
「はぁぁぁ……」
《フルメタルフィニッシュ!》
そして両拳を前に突き出すと冷気が噴出され、地面共々マイナソーの下半身を凍らせて完全に動きを封じ込めた。
《クイズ! アクション!》
《投影! ヒューチャータイム!
ファッション! パッション! クエスチョン!
ヒューチャーリングクイズ! クイズ!》
続けてクイズミライドウォッチを使用し、仮面ライダーウォズヒューチャーリングクイズへとフォームチェンジ。
「問題、今から私はキックをする。○か×か」
《ビヨンド・ザ・タイム!》
マイナソーと3人の間に○と×が書かれたパネルが出現する。
2つの選択肢をキョロキョロと見ている間にタイムオーバー。
「はっ!」
「はぁっ!」
×のパネルを突き破って出てきたブルーとピンクの斬撃が交差し、×を描く。マイナソーは武器で受け止めるがそれは真っ二つに砕かれた。
《クイズショックブレーク!》
続けてウォズのパンチが炸裂。マイナソーは上空へと吹き飛ばされる。
「正解は×。リュウソウブルーとリュウソウピンクの攻撃の後にパンチをする。だ」
《投影! ヒューチャータイム!
スゴイ! ジダイ! ミライ!
仮面ライダーウォズ! ウォズ!》
《ブルー!》
《ピンク!》
ウォズは通常フォームへ戻り、ブルーとピンクはそれぞれブルーリュウソウルとピンクリュウソウルをリュウソウケンにセットする。
《ビヨンド・ザ・タイム!》
《それ!それ!それ!それ!その調子!
上空にキューブ状の時計型エネルギーが出現。マイナソーより高く飛び上がったウォズがキックでその中に叩き込む!
《タイムエクスプロージョン!》
「「ディノスラッーシュ!」」
リュウソウケンからマイナソーが叩き込まれたキューブ状の時計型エネルギーへ向かって騎士竜トリケーンと騎士竜アンキローゼの姿をしたエネルギー体が放たれる!
ウォズがブルーとピンクの間に着地、二人が振り返ると3人の背後の上空で大爆発が起こった。
「グォォォォォン!」
赤いマイナソーは上半分がノコギリのようにギザギザした刃を持つ斧のような形をし、下半分が二本の爪のような形をした歪な弓を出現させ、炎の矢を無茶苦茶に放つ。
しかし、狙いの定まっていない弾幕など歴戦の勇士であるリュウソウグリーン、リュウソウブラック、仮面ライダーゲイツには恐るるに足らない。
3人は炎の矢をくぐり抜け、マイナソーに接近する。
「ふっ!」
ブラックの突きがマイナソーの喉元を突く。それは装甲から火花を散らすだけでダメージにはならない。しかし無視できる攻撃でもないためか、マイナソーの標的は目の前のブラックに絞られた。
真横に振られる斧。刃はチェーンソーのように回転し、当たれば致命傷は免れないだろう。ブラックはそれを上体をそらすことでギリギリで避け、左手を地面に付けるとすぐに体を捻って右足を上げてマイナソーの左腕を蹴る。
マイナソーの体が僅かに揺れ、次の瞬間にはリュウソウケンによる追撃。
蹴りの勢いのまま右足、右手が地面に付き、ブラックの無防備な背中がさらされる。しかし先の攻撃で後ろによろめいたマイナソーは攻撃に移れない。
「はぁーっ、やぁ!」
ブラックの背を足場にグリーンが跳び、マイナソーの顔面を両足での蹴り、リュウソウケンでの斬撃による三連撃。
着地と同時にしゃがみこむ。
《フィニッシュターイム!》
なんとか目を開けたマイナソーが見たのはゆみモードのジカンザックスを構え、必殺技を放とうとしているゲイツの姿だった。
《ゲイツ!ギワギワシュート!》
「はっ!」
赤い光の矢がマイナソーの胴体に直撃。吹き飛ばされ、岸壁に叩き付けられ、遅れて爆発。
「やるな、お前達」
「まぁね、俺と兄さんが組めば最強だから」
ゲイツがグリーンとブラックの元に行き、並ぶ。
グリーンはゲイツの肩を軽く叩いて賞賛した。
「気を抜くなトワ、ゲイツ。まだ倒したとは確信できん」
油断なく構えたブラックが今だ煙の晴れないマイナソーの方を睨む。
煙の中から赤い光が見えた。
「━━ッ! マズイ!」
《カタソウル!》
《ゲイツリバイブ!
ブラックはカタソウルをリュウソウケンにセット、ゲイツはゲイツリバイブウォッチを起動させ、グリーンより前に並ぶ。
《リュウソウ!そうそうこの感じ!》
煙の中から放たれる赤く、直径2メートルはあろうかという極太の矢がゲイツとブラックに直撃する。
しかし。
《カタそう! カッチーン!》
《リ・バ・イ・ブ・ゴウレツ! 剛烈!》
カタソウルを竜装したブラックとゲイツリバイブ剛烈の防御力の前には傷一つ付けることは出来なかった。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! ハヤそう!》
二人の後ろからハヤソウルを竜装したグリーンが飛び出し、目にも止まらぬ速さで駆ける。
《スピードタイム! リバイリバイリバイ! リバイリバイリバイ! リバイブシップウ! 疾風!》
ゲイツはグリーンの背を見てゲイツリバイブ疾風へと瞬時にフォームチェンジし、超高速で飛翔する。
《それそれそれそれこの感じ!
《スピードクロー!》
緑と青の疾風がマイナソーの周りに吹き荒れる。
「すっげぇ……! 俺より速いヤツ、初めてだ」
「……ふっ」
グリーンとゲイツの動きが止まり、二人の背後でマイナソーから無数の火花が吹き出し、武器は細切れになって地面に落ちる。
「とどとめだ、行くぞ。トワ、ゲイツ!」
「オッケー!」
「ああ」
《グリーン!》
《ブラック!》
《フィニッシュターイム! リッバーイブ!》
《それ!それ!それ!それ!その調子!》
《百烈!ターイムバースト!》
グリーンとブラックより速く飛翔し、キックの構えをとったゲイツがそのあまりもの速さに100人に分身し、それらが青い流星群となって降り注ぐ。
《剣《ケン》ボーン!》
《一撃!ターイムバースト!》
マイナソーの背後に現れたゲイツリバイブ剛烈。一撃に集束させた超高密度のエネルギー込められた右足を叩き込み、グリーンのブラックの方へ蹴り飛ばす。
「「ディノスラッシュ!」」
蹴り飛ばされてきたマイナソーを騎士竜タイガランスと騎士竜ミルニードルの姿をしたエネルギーの刃が襲い、勢いそのまま二人の間をすり抜け……大爆発が起こった。
書いてて思ったこと。
「ゲイツリバイブ純粋に強すぎない?」
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ジオウリュウソウ2019ー後編ー
今回もほぼ全編戦闘シーンだぜぃ!
《ジカンギレード! ケン!》
「「はぁっ!」」
左右からジオウとレッドによる斬撃。それをマイナソーは両手の剣でそれぞれ受け止め、弾く。
「くっ、強い!」
「なら、これで!」
《ジオウ
《ツヨソウル!》
「はっ!」
《仮面ライダー! ジオウ! ジオウⅡ!》
《 ライダー! ジオウ!ジオウⅡ!》
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! ツヨそう!》
ジオウは仮面ライダージオウⅡへと強化変身。レッドはツヨソウルを竜装する。
《サイキョーギレード!》
ジオウはサイキョーギレードを顕現させ、ジカンギレードとの二刀流でマイナソーに斬りかかる。
二本から三本へ、単純に手数が増え、さらにそれぞれの攻撃力も増したことでマイナソーは二人の攻撃に対応しきれず、次第にダメージを受けていく。
「よし、行ける!」
《ジオウサイキョー! 覇王斬り!》
サイキョーギレードを横一線に振り、七色の時計盤に似たエネルギーの刃を飛ばし、爆発。
「ナイスソウゴ! よしっ、俺も行くぞ!」
続けてレッドが飛びかかりリュウソウケンを振り下ろす。
「ガゥゥウ!」
「何ッ!」
しかし、マイナソーの背中と同化していた尾が巨大化し、それに横から叩き付けられる。ゴキッと嫌な音がし、勢いそのまま野球ボールのように打ち飛ばされる。
そして口から火球が放たれ、さらに斬撃が飛ばされる。
「ぐああああっ!」
「見えた、お前の未来!」
しかし、それはジオウⅡが予知した未来であった。
今は覇王斬りを放った直後。レッドが飛びかかる直前である。
「おりゃあ!」
今から警告したのでは間に合わない。ジオウはジカンギレードをぶん投げた。
「ガゥゥア!」
マイナソーはジカンギレードを打ち払いってジオウの攻撃を防ぐ事は出来た。しかし、続くレッドの攻撃に対応出来ず、袈裟懸けに斬られて火花を散らす。
「はぁっ!」
レッドは着地と同時に胴を切り裂き、そのままマイナソーの背後へ。
「コウー! 一気に決めるよ!」
《ライドヘイセイバー!》
《ディ・ディ・ディ・ディケイド!》
「ああ!」
レッドはバックルからレッドリュウソウルを取り出し、リュウソウケンへセット。
ジオウはライドヘイセイバーを顕現させ、ディケイドライドウォッチをセット。ライドヘイセイバーに付いている時計の針を回す。
《レッド!》
《フィニッシュタイム! ヘイ! 仮面ライダーズ!》
《それ!それ!それ!それ!その調子!》
《ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!》
「おおぉぉ……!」
「はあぁぁ……!」
《ライダーフィニッシュターイム!》
マイナソーを挟み、エネルギーを貯める二人。
《トワイズ! ターイムブレーク!》
「たぁあああ!!」
「でぇやああ!!」
《
《ディディディディケイド! 平成ライダーズ! アルティメットタイムブレイク!》
騎士竜ティラミーゴの姿をした炎の刃と、金色の20枚のカードをくぐり抜けるピンク色の刃によって左右から水平に斬られ、最後に真上から20枚のカードを走り抜ける騎士竜ティラミーゴの牙に砕かれ、マイナソーは爆発。さらに大爆発が起こった。
3ヶ所で同時に火柱が上がっ……
カチッ
時間が止まる。逆巻く。爆発は早戻しするように消え、三体のマイナソーが姿を見せる。
「グォオオオオン!!!」
黒いマイナソーが吼えると赤いマイナソーと白いマイナソーが浮かび上がり、頭を除く体が光となって黒いマイナソーに吸収される。
最後に赤いマイナソーの頭が黒いマイナソーの右肩に、白いマイナソーが左肩にくっ付き、そして巨大化した。
カチッ
時間が動き出す。
「今のは……ジオウの力か!」
「多分……アイツはアナザージオウの力を持ってる。俺と同じ事が出来てもおかしくはない!」
「しかしあの巨体……どうする? 我が魔王」
「何が起こったかよく分からないけど、俺達に任せて! ティラミーゴ!」
「トリケーン!」
「アンキローゼ!」
「タイガランス!」
「ミルニードル!」
巨大化したアナザージオウトリニティマイナソーを見上げながら、リュウソウジャーは心強い仲間を呼ぶ。
彼らの言葉に答えるように5つの咆哮が上がった。
『ソウルを1つに!』
《ケッボーン!》
騎士竜達に向かってナイトモードにしたそれぞれのリュウソウルを投げると巨大化し、彼らを乗せて騎士竜の上に立つ。
「あれがヤツらの言っていた騎士竜か……!」
「おや、そう言えば我が魔王は?」
『竜装合体!』
騎士竜ティラミーゴを中心に4体の騎士竜が分かれ、武装として、鎧として合体する。
『完成!キシリュウオーファイブナイツ!』
「うおおお! すっごい!」
「えっ!? ソウゴ何でここに!?」
「何か行けそうな気がしたから!」
「……? そっか! よーしっ、行くぞ!」
土砂を上げながらキシリュウオーが走る。一飛びで山を超え、右手に持つナイトランスで斬りかかった。
「ジオウ! あの馬鹿ッ! 俺達もタイムマジーンで行くぞ!」
「ああ、行こう。ゲイツ君!」
マイナソーは赤いマイナソーが持っていた武器を出現させ、ナイトランスを受け止める。
「兄さん!」
「任せろ! ミルニードルショット!」
キシリュウオーの胸部に付いたミルニードルのドリルがミサイルのように撃ち込まれ、マイナソーを後退させる。
「グォオオオオン!」
マイナソーが矢を放つ。
それをティラミーゴの頭が付いたナイトシールドでガードする。盾で身を守りながら左肩をマイナソーの方に向け。
「今だアスナ!」
「アンキローゼショット!」
アンキローゼのパワーを貯めたキャノンで砲撃。
マイナソーは背中から倒れた。
「ガアアアアゥゥウ!」
マイナソーが吼える。すると、背中から時計の針の様な形をした翼が生え、大きく羽ばたくと天高く飛翔した!
「嘘だろ……!」
「アイツ、空も飛べるのか」
「コウ!どうしよう!?」
「キシリュウオーは空を飛べないぞ」
グリーン、ブラック、ピンク、ブルーの声がレッドとジオウがいる空間に聞こえる。
《ターイムマジーン!》
空を飛ぶマイナソーを追って飛翔する頭部がゲイツの顔をしたロボットとウォズの顔をしたロボット。2体のタイムマジーンが一斉に銃撃を放つ。
「あれは……あの時の!」
「うん、タイムマジーン。ゲイツとウォズが操縦してるんだ!」
しかし、あまり効いた様子がない。
それもそうだろう。巨大マイナソーの大きさは48メートル。キシリュウオーが50メートル。それに対してタイムマジーンは7.28メートルと小さい。純粋な火力不足だ。
「ダメだ、タイムマジーンではパワーが足りない!」
「どうする? 我が魔王」
タイムマジーンからゲイツとウォズの声がレッドとジオウのいる空間に聞こえる。
「キシリュウオーじゃ空での戦いは出来なくて……」
「タイムマジーンじゃパワーが足りない……そうだ!」
ジオウが何かを閃いた。
すぐにレッドの両肩を掴む。
「ねぇ、コウ! タイムマジーンを巨大化させる事って出来ない?」
「出来るけど……」
「じゃあやってみて! 良い作戦を思い付いた! 大丈夫、俺を信じて!」
「分かった、ソウゴを信じる! オーキソウル!」
レッドはバックルからリュウソウルを取り出し、リュウソウケンにセットした。
《オーキソウル!》
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! オーキそう!》
「はっ!」
オーキソウルを竜装。
その力はキシリュウオーを通じてタイムマジーンに届き、巨大化させる。
しかし、その大きさは10メートル程度。巨大マイナソーに立ち向かうには小さい。
「これで良いんだな?」
「バッチリ!」
レッドにぐっとサムズアップで返すとジオウはあるライドウォッチを取り出した。
「ゲイツ、ウォズ、リュウソウジャーのみんな! ライダーとスーパー戦隊の力を、1つに合わせるよ!」
《ジオウトリニティ!》
ベルトにジオウトリニティライドウォッチをセットする。
《ジオウ!》
空からの光がキシリュウオーを包む。
「おい、まさか! やめろ!」
ゲイツの制止を聞かずにウォッチのツマミを回す。
《ゲイツ!》
空からの光がゲイツが乗るタイムマジーンを包む。
「我が魔王!?」
《ウォズ!》
空からの光がウォズが乗るタイムマジーンを包む。
「はっ!」
《トリニティターイム!》
キシリュウオーの体が浮かふ。
タイムマジーンからゲイツの、ウォズの顔が分離し、キシリュウオーの肩に装着。
足の裏にタイムマジーンが合体。
最後にキシリュウオーの顔が消え、変わりに「ライダー」の文字が刻まれる。
《3つ力! 仮面ライダージオウー!ゲイツ!ウォズ!
トーリーニーティー! トリニティ!》
レッドの隣に仮面ライダージオウトリニティが並んだ。
「え……」
『えぇぇぇぇ!?!?』
リュウソウジャー全員とゲイツの声がハモって響く。
「ゲイツうるさい!」
「ソウゴ、これは一体……?」
「これは……祝わねばなるまい!」
「おーい、ソウゴ~?」
ジオウの様子がおかしい。左肩がキラリと光り、左腕をバッと勢いよく開いた。
「ひれ伏せ!」
「はいっ!?」
「我こそは仮面ライダージオウトリニティ。大魔王たるジオウとその家臣、ゲイツ、ウォズ。三位一体となって未来を創出する時の王者である!」
「も、もしも~し?」
「そしてぇッ!」
「まだ何か!?」
「仮面ライダージオウトリニティとキシリュウオーファイブナイツ、時間と世界の壁を超え、1つとなった奇跡の姿。その名もキシリュウオージオウトリニティ! 新たなる歴史が刻まれた瞬間であるッ!」
「わ~、ウォズ楽しそう……」
「付き合いきれん……」
「ソウゴ~?」
「あ、ごめんコウ。ウォズの祝い癖が出ちゃって。でも……」
「ああ!」
「「これなら、行けそうな気がする!」」
「俺達の騎士道、見せてやる!」
両足に付いたタイムマジーンによって飛翔能力を得たキシリュウオージオウトリニティ。足の裏からジェット噴射で空を飛ぶ。
「おぉー! 飛んだ飛んだ!」
「よーし! 行くよ!」
《フィニッシュターイム! ジオウ!ゲイツ!ウォズ!》
《トリニティ! タイムブレーク!バースト!エクスプロージョン!》
飛翔するキシリュウオーのさらに上空にいるマイナソーの周りを「キック」の文字が囲い、その後ろにはキューブ状の時計型エネルギー。その前には攻撃を受ける自分の姿とそれに向かって伸びる「キック」と「ライダー」の文字。
その延長線上には体を反転し、キックの体勢で飛び上がるキシリュウオーがいた。
『キシリュウオー!ライダーキーック!』
超重量の超威力のキック。
マイナソーはキューブ状のエネルギーに叩き込まれ、大気圏を超えて空高く宇宙まで飛ばされて爆発した。
「コウ、これも大きくして!」
ジオウトリニティが出したのはサイキョーギレードとジカンギレードを合体させた太剣。サイキョージカンギレード。
マイナソーはかなりしぶといらしく、装甲が剥がれて満身創痍でもなお反撃しようと口に炎を溜めている。
「分かった!」
サイキョージカンギレードを外に放り投げ、オーキソウルの力で巨大化。それをキシリュウオーが掴む。
「グォオオオオアァァァァ……!」
サイキョージカンギレードを構えるキシリュウオー。
《ジオウサイキョー!》
刀身が伸び、「ジオウサイキョウ」の文字が浮かび上がる。
『キシリュウオー……サイキョー斬り!』
《キング!ギリギリスラッシュ!》
長く、長く伸びた刀身は大気圏を超え、月を僅かに掠めながらマイナソーを一刀両断。
マイナソーに耐える術など無く、今度こそ大大大爆発!
強敵、アナザージオウトリニティマイナソーは仮面ライダーとリュウソウジャーによって倒されたのである!
仮面ライダージオウvsリュウソウジャー
戦いが終わり、変身解除したリュウソウジャーと仮面ライダーの面々が向かい合う。
コウ達の後ろには灰色のオーロラがあった。
「コウ、さきにかえってるティラ~!」
「おう!すぐに俺も行く!」
騎士竜達は灰色のオーロラをくぐり、元の騎士竜戦隊リュウソウジャーの世界に帰っていく。
「俺達も、先に帰ってるぞ」
「遅くなったらういを心配させちゃうからね~?」
メルトとアスナがオーロラをくぐる。
「じゃあまたね! 今度会うときはもっと速くなってお前を抜かしてやるからな! ゲイツ!」
「世話になったな。次に会うときは手合わせ願おう」
「言っておくが、俺は負ける気は一切無いからな。やる時は全力だ。また会おう! トワ、バンバ」
トワとバンバの二人もオーロラの向こうへと消える。
「ありがとう、ソウゴ。君達、仮面ライダーがいなかったらあのマイナソーは倒せなかった」
「それはこっちの台詞だよ。コウ達リュウソウジャーがいなかったら巨大化したアイツは倒せなかった」
「……じゃあ、お互い様ってことで!」
「だね!」
「また何処かで会おう! ソウゴ!」
「うん、コウも元気で!」
笑顔で大きく手を振りながらコウもオーロラをくぐり、元の世界に帰っていった。
コウがくぐると灰色のオーロラは消え、世界は元に戻る。
「行っちゃった……」
「寂しそうだね、我が魔王」
「うん……少しね。でも、世界は俺が思ってた以上を広いんだって実感出来た。世界を守る戦士は仮面ライダーだけじゃない……か。俺もコウみたいにもっと頑張らないと、良い王様にはなれないな」
「……斯くして、我が魔王と異世界の騎士達との戦いは一時の終わりを告げるのであった。
彼らとの出逢いは我が魔王に一体どんな影響を及ぼしたのか……おっと、これは皆さんの知る歴史とは違う物語でしたね」
とにかくジオウとリュウソウジャーの共闘が書きたくて妄想爆発させてノリと勢いで書ききった作品でしたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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設定集&あとがきのような
・ドラゴンマイナソー(未成熟)
自然発生した固い装甲を持つドラゴン型のマイナソー。
その装甲はリュウソウケンによる斬撃を受付ないほど固い。
・アナザージオウマイナソー
ドラゴンマイナソー(未成熟)にアナザージオウライドウォッチを埋め込まれたことにより生まれた。
黒をベースにピンクのラインが入った装甲が特徴で、二本の剣と口からの火炎で戦う。
・アナザージオウマイナソー分身体(赤)
アナザージオウマイナソーが生み出した分身体。本体とは違って赤をベースに黄色いラインが入った装甲が特徴。
弓、斧、鋸、爪が合体したような大型の武器を持ち、本体よりも火力に優れる。
モチーフは仮面ライダーゲイツ。
・アナザージオウマイナソー分身体(白)
アナザージオウマイナソーが生み出した分身体。白をベースに緑のラインが入った装甲が特徴。
鎌、槍、フックが1つになった長柄の武器を持ち、本体よりもスピードを生かしたトリッキーな戦いを得意とする。
モチーフは仮面ライダーウォズ。
・アナザージオウトリニティマイナソー
アナザージオウマイナソーと分身体2体が合体したマイナソー。周囲の土地のマイナスエネルギーを吸収することで急成長し、巨大化した。
分身体すべての能力に加え、飛翔能力を持つ。
誕生、成長の過程からその性質は魔化魍に近く、響鬼の力(清めの音)で弱体化させることが可能。(撃破にはジオウの力が必要だが)
モチーフは仮面ライダージオウトリニティ。
・オーキソウル
本作オリジナルリュウソウル(2019年5月3日現在)
体の大きな騎士竜オーキソウリュウの力を秘め、あらゆるものを巨大化させる力を持つ。
・キシリュウオージオウトリニティ
キシリュウオーファイブナイツと巨大化した2体のタイムマジーンが合体した姿。右肩にゲイツ、左肩にウォズの仮面が付き、顔に「ライダー」の文字が刻まれている。
両足のタイムマジーンにより、飛翔能力と時間跳躍能力を得た劇中最強ロボ。
必殺技技はその巨体を生かした超強力なキック「キシリュウオーライダーキック」と巨大化させたサイキョージカンギレードを使用した「キシリュウオーサイキョー斬り」
各話小ネタ
前編
・開幕リュウソウジャーパート。
ミガケソウルなど本編登場回数が少ないものを使用。リュウソウジャーの特徴である竜装をフルに活用したアクションは書いてて楽しかったです。
・紫の男乱入
本編でも絶賛暗躍中。冬でもノースリーブのあの人。
なんか知らない怪獣出てきた。なんか知らない5人組がいる。ちょうど良いから怪獣をアナザーライダー化させて邪魔になりそうな5人組倒そう。あわよくばジオウらも倒せたら良いな~みたいなノリでアナザージオウマイナソーを誕生させた。
・ヘイ!龍騎!
本編ではあんまり良いとこ無しのディケイドアーマーを登場させたかった。
龍騎使用は龍と騎士モチーフ繋がり。
・ソウゴの未来予知
リュウソウジャー全滅のバッドエンドを予知したソウゴ。ジオウ本編のキカイ編のように夢でバッチリ交流があったため、最初からコウ達との距離は近め。かつコウの性格的にあまり気にしないため素早く打ち解けられた。
・おのれディケイド!
い つ も の
とりあえずこの人出してこの台詞を叫ばせたらライダークロスオーバーの細かい設定は解決する。
中編
・いつもの採石場
特撮ではお馴染みの採石場跡地。これだけで風景の描写を省けて勢いを失うことなく戦闘シーンに入れる。
・アナザージオウマイナソー分身
ジオウトリニティから発想を得た。
1対8は流石に描写しにくいっす。
クレオン出しても良かったがただでさえ多い登場人物がさらに増えて混乱するのでカットした。
・分身体(白)vsウォズ、ブルー、ピンク
ウォズは全フォーム使用。クイズの扱いに悩んだがブルーとピンクがパネルから飛び出て×に斬る様子が思い浮かんで「パンチかキック」の二択に。
クイズショックブレークは本編未登場のため完全に妄想。
・分身体(赤)vsゲイツ、グリーン、ブラック
ウォズらに対してこちらはとても書きやすかった。全アーマータイムを使用すると長くなりすぎたのでゲイツリバイブのみ使用。スピードのグリーンと防御のブラックはゲイツリバイブと相性抜群。
なお、スピード、防御力共にゲイツの方が上のイメージで書いた。
疾風の必殺技は速すぎて分身したように見えるキック(ガタキリバイメージ)。剛烈の必殺技は単純に強いキック(カブトイメージ)である。
後編
・マイナソーvsジオウ、レッド
メイン武器がどちらも剣なので剣劇アクションをやりたかったが描写が増えすぎてテンポが悪くなったのでカット。
フィニッシュはうるさい剣対決(勝者はライドヘイセイバー)(ジオウⅡでライドヘイセイバーを使わせたかっただけとも言う)
・撃破したけど時間逆行→合体、巨大化
ツクヨミ、視聴者をドン引きさせたジオウⅡ初登場時の時間逆行能力をマイナソーも持っていた。
土地のマイナスエネルギーを吸収して巨大化するのは小説版響鬼から。
・巨大マイナソーvsキシリュウオージオウトリニティ
やりたかったやつ。エンジンオー式の下駄合体は想像しやすいかと。
キシリュウオーもタイムマジーンも顔が変わるのでキシリュウオーの顔にライダーって書かれても大丈夫かなと。春映画ならやりかねん。
全体的に春休み合体スペシャルと春映画の要素マシマシかつ、がっつり戦闘シーンの勢いで押しきる感じでお送りしました。
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