インフィニット・ストラトスの世界に転生する事になったんだけど転生特典が違う件。まぁそれでも元気にやってます。 (遅筆戦士ハルトマン)
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転生そして自己紹介

 

 

 

いきなりだが俺、霧雲優斗(きりぐも ゆうと)は転生者である。

前世の時の俺はHGUCのシナンジュ・スタイン(NT仕様)を作ってる最中にふと

 

「そうだ。ナラティブ見てないから見に行こう。」

 

とパーツにサフ掛けをしてから映画館に向かう事にした。帰りに必要な塗料とか買うか~とか考えながら。まぁその途中で事件に巻き込まれた結果、俺は死んだ。死ぬ間際色々思ったよ。田舎に住む家族は悲しむかな。とか、友人と飲み会する約束果たせんな。とか、まだ作ってないプラモ沢山あるとか、見たかったアニメ沢山あるとか、ナラティブ見れずに死ぬんか、とか色々とな。

 

 

ただ、気が付いたら真っ白な空間に居て、目の前に見知らぬ女性とおっさん(女性曰く神様でおっさんは上司に当たる神様らしい。神様世界も縦社会なのか。と驚いた)が居た。そしてすごい勢いで謝られたし、感謝もされた。何でも、

俺は本来92歳まで健康的に過ごして死ぬ筈だった事(ちなみに俺、25歳だった)。

俺が死んだ原因の事件は本来歴史上起きない事件(神様曰く、こういった事は有り得ない事らしく、現在も調査中との事)。

それによる死傷者は10名を越える大事件になる筈だったのに俺の行動により犠牲者は俺だけになった事。

と言う事で感謝と申し訳なさから俺は転生対象となったらしい。俺は転生しないで元の世界で生き返れないか聞いてみた。が、出来ることは出来るが・・・・と前置きされて聞いてみると、何と俺が死んでから3年経過しており、俺の身体は実家のお墓に、家族はもう俺の死を乗り越えており、更には弟は近々結婚するらしい。

何でも俺の魂を綺麗に回収するのにこれだけの時間が掛かってしまったとまたもや謝る神様。ならしょうがないか。ここで俺が生き返ったらそれこそ親父とお袋が卒倒して天国に行きかねないし、弟も腰抜かすだろう。骨壺から生き返ったらゾンビ化ってレベルじゃねえ。

それならしょうがない。前向きに転生するしか無いか。と思い、神様の説明を聞いていると、ここでも問題が起きる。

 

「あれ?転生先が固定されている?設定できない?どうして?え?なんで?」

 

困惑している神様曰く、俺の場合だと転生先が選択可能で、原作がある場合、原作に関わるか否かの選択も可能。更には特典も五個位貰えるDXパック的なプランに該当するらしいのだが、何故か転生特典は二つしか選べず、それ以外が全て固定されており、変更できないらしい。これには上司のおっさん神も驚いていた。報告案件やな。とかぼやいてた。なんか僕の人生、トラブル続きじゃありませんかねぇ?

転生先はライトノベル作品であるインフィニット・ストラトスという所らしいが、俺はタイトルしか知らない。なんでもインフィニット・ストラトスというパワードスーツがある世界だそうだ。

 

ただ、転生すると固定された設定のせいで、原作の物語と関わるのは避けられない状態なので、もし嫌なら転生しないでここで見習い神様をやらないか?とお誘いを受けたが、丁重に断った。凄く残念そうにしてるんだけどおっさん神。会社よろしく、人手不足なんかなぁ。

 

気になりつつも、転生する事にしたわけだが、2つある転生特典内容はISを操作する力(適性が必要らしい)と、そのISの専用機が貰えるのだが、神様が希望はありますか?との事。

これは非常に悩む。パワードスーツならアイアンマンは勿論仮面ライダーも大丈夫だ。何だったらメタルウルフなアメリカ合衆国大統領もいけるだろう。

ロボット系なら更に選択が増える。あえてのマジンガーやゲッターなどのスーパーロボット系や無難にガンダムやフルメタ等のリアルロボット、ダンボール戦記やらフレームアームズも捨てがたい。が、個人的に好きなマクロスシリーズや可変機は無理そうだ。パワードスーツの大きさを考えると変形させたら俺の身体の間接が不味いことになりそうだ。

悩んだ結果、出した答えはユニコーンガンダムにした。選んだ理由としては、戦闘中にデストロイモードに変身するのは相手にインパクトを与えられるし、何より格好良いからだ。変身時のスライド機構ならパワードスーツで十分賄える。

 

そんな俺の願いを神様は了承した。そして俺は転生する事になった。終始謝りっぱなしだったなぁあの神様・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから15年が経つ。最初の方は俺が居た世界とこちらの世界の若干のズレに戸惑っていた。と言ってもISの登場から歴史の流れが根本的に変わった事位で基本的に俺が居た世界とほぼ同じだった。だが俺個人が驚いたのはこの世界に仮面ライダーやウルトラマン、ジブリ作品やディズニー作品はあるのだが、ガンダムシリーズだけが無いのだ。これは俺がユニコーンガンダムを選んだ弊害で、ガンダムが無くなってしまった可能性がある。ガンプラが無いと言うのは、へっぽこモデラーとしては残念だった。まぁその分コトブキヤのプラモ作ってたけど。しかし、それ以上にISの方が問題だった。

 

インフィニット・ストラトス。通称ISは女性にしか扱えないパワードスーツで、それは従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能を有していた。それにより女性による政界進出やら権力が向上、そして男性を追い抜き、今では女尊男卑が定着した世界だった。いや、個人的には女尊男卑についてはしょうがない事だと思う。力あるものがやがて権力を持つのはいつの時代でも変わらない事だし、言ってしまえばこれも人種差別の延長線だ。まぁ、それが良いことではないが。

 

ただ、それ以上に問題なのが俺は前世と同じく男である。と言うことだ。あの神様の言う通りだとすると転生特典で俺はISを扱える。つまり世界的に見てあり得ない男性操縦者という事だ。

見つかったらただじゃすまない。まず高確率で研究所にドナドナだ。解明のために解剖したがる奴は多いだろうしな。原作開始時に世界初の男性操縦者として研究所でホルマリン漬けになっている。とか、弄くり回され続けた結果廃人となり、暴れていた所を主人公達に討たれる敵。とかそんな役割の原作介入は断固拒否だ。

ただ、それよりも恐いのが女性利権団体に目をつけられる事だ。発足当初は男女平等を推進していた団体なのだが、ISの登場以降、女尊男卑を推進する様になり、今ではお偉い女性の殆どが所属していると言われている。そして基本的に親の敵レベルで男性を敵視している。

そんな団体の人達に捕まったら問答無用で殺されるだろう。いやいや法治国家の日本で一団体が処刑を行うとか有り得んだろ常識的に考えて?とか思うだろうが、そう思うぐらいには女性利権団体の一部がヤバい。このままなら数年後には相手が男なら、魔女狩りよろしく、冗談抜きで火炙とか、ギロチン処刑しておk。を罷り通るまでやりかねない頭がハッピーセットなイカれた団体と言っても過言ではない。本当に最初に提唱していた男女平等何処いった?

少なくとも、男ならそんな奴等とは関りたいとは思わないだろう?常識的に考えて。

そしてどのタイミングで原作が始まるのかもわからない俺は、普通に振る舞いつつも、内心ではこの2つがずっと不安だった。

その後、受験だどうだの時期にニュースで世界初の男性操縦者が見つかったと報じられた。それは俺では無く、別の少年だった。その時の俺はホッとしたと同時にいよいよかと覚悟を決めたと思う。そして世界規模で行われる男性の適性検査。案の定引っ掛かる俺。政府命令で家族離散、保護と言う名の監禁、あれよこれよと言う間にIS学園に強制入学である。時期が時期の為にかなりゴタゴタしていた。

 

 

 

 

 

 

そしてIS学園一年一組の教室・・・

 

俺の隣に座る最初に見つかった少年、織斑一夏による簡素な自己紹介で皆がズッコケたり、織斑一夏の姉で世界最強と言われる織斑千冬が担任だと知るや、女性陣による超音波攻撃を耳を塞いでしのぎ、身体が疲弊していた時、織斑先生に呼ばれる。

 

「霧雲、見本を見せてやれ。」

 

はい。と返事をしつつ俺は立ち上がり、振り返る。皆の目の期待している視線がヤバい。隣の席の織斑一夏もだ。なら期待に応えないとな。

 

そう・・・・

 

 

 

俺の自己紹介は、これからだ!!

 

 

 

 




更新される際、毎回打ち切りみたいな終わり方になるかも


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遭遇そして困惑

メインで書きたい方が書けない不具合。あると思います。ようやっとタイトル回収


 

何とか自己紹介を終え、休み時間を迎える事ができた。周りの女の子達はと言うと、遠巻きにこちらの様子を伺っている様だ。まぁ俺達が居るこのIS学園はまず女性しか居ない上に、人工島に造られた場所らしいので当然周りは海、言ってしまえば閉鎖空間だ。だとすれば男であ

る俺と織斑一夏は異常な存在だろう。あっちからすればツチノコレベルの珍獣を見つけた様な物だ。酷い言い方をすれば現在進行形で未知との遭遇をしていると言っても間違いでは無いだろう。だからと言ってそこの女子、勝手にスマホで撮るな。

そんな視線にウンザリしながらも次の授業に向けて準備をしていると、一人目の男性操縦者であり、恐らくインフィニット・ストラトスの原作主人公であろう織斑一夏が緊張しているのが伝わるレベルの状態で話しかけてきた。

 

「あの・・・少し良いですか?」

 

こちらの様子を伺いつつ、ぎこちなく話しかけてきたい彼。まぁこんなに注目されてちゃしょうがないわな。と思いつつ、俺は前世で培った営業スマイルを浮かべてこう提案する。

 

「ああ。お互い(一応)同い歳なんだから気を使わなくて良いよ。気軽に話そうぜ?」

 

最近の悩みと言うのが精神年齢が40歳のせいか肉体年齢相応の振る舞いがわからない事だ。15歳の頃の俺ってどんな感じだったのかうろ覚えだからなぁ・・・・・・多分アホの子だったのは確実だが、かと言ってアホの子は演じれんぞ・・・・・今なんて好奇な視線に晒されているのに動じない冷静な奴だと思われそうだし。

 

「そっか・・・じゃあ名前で呼んで良いか?」

 

そう聞いて安心したのか、砕けた感じで話し掛けてくれた。

 

「おうよ。こっちも名前で呼ばせて貰う」

 

「よろしくな優斗。」

 

「ああ。よろしく、一夏。」

 

そう言って握手する俺達に何故か黄色い悲鳴が挙がり、お互いに苦笑する。この珍獣扱いは暫く続くんだろうなぁ・・・・そう考えていると一夏の知り合いらしい女性が話しかけてきて、一夏を連れて教室を出ていった。

 

 

 

 

いや~・・・・・・原作主人公の織斑一夏が普通の好青年で良かった~。最初に懸念していた「俺様系主人公」とか「鬼畜系主人公」じゃ無くて良かったぁ~。その場合俺の立ち回りが面倒な事になる。かと言ってここで彼との友好を結ばないと今後三年間ボッチ生活の可能性が高くなる。それはキツい。

女の子と友達になると選択肢もあるかも知れないが・・・女性との友情は成り立つと思えない。と言うのも、前世の話になるのだが

 

男女の友情は成り立つんや!!

 

と力説していた友人が居た。がしかし、そいつはそいつの友人と一年後にできちゃった婚(今では授かり婚。というらしいが)し、そして

 

男女に友情では無く、愛ができるんや!!

 

と熱い手のひらクルーをかましてたので、あまり信憑性に欠ける話だと思っている。

では、この三年間の内に恋人ならできるのでは?と考えたが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

何故なら、俺は彼女居ない歴=精神年齢だ。もはや魔法使いではなく、大魔道士を名乗っても良いだろう。・・・くそっ何だか涙が溢れそうだぞ。

精神を落ち着けているうちにチャイムが鳴り、次の授業となった。基本的な部分を解説しているが、山田先生の教え方は丁寧で解りやすいなぁ。と思っていたらまさかここで一夏が全部解らない発言をするとは思わなかった。山田先生が慌てて俺にも解らない所が無いか聞いてきたが、今の範囲は大丈夫です。と答えた。どうやら一夏は入学前に貰った参考書を捨ててしまった様だ。あれを一週間で覚えろと言っていた織斑先生。身内には厳しいタイプなんかな。と思いました。

 

 

 

 

「いくら何でもうっかり過ぎやしませんかねぇ一夏さんや・・・・」

 

「返す言葉もねぇ・・・」

 

休み時間になり、隣の席の一夏にそう言うと、項垂れて反省している。それから他愛の無い話をしていると話しかけてきた女性が居た。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「うん?」

 

「はい?」

 

話しかけてきた女性は腰まで届く綺麗な金髪に、整った顔立ちをしたまごうことなき美少女だった。世界中から集まる学園だから、こうした外国の人も居たりする。

 

「まぁ、何ですのその態度は?折角この私が話しかけたと言うのに?」

 

この感じと威圧感、彼女は女尊男卑的な思考の持ち主だ。ならある程度話を合わせながらやり過ごすか。と考えていると

 

「いや、俺は君の事を知らないし。」

 

一夏が初手で地雷を踏んだ。いやまぁ俺も知らないんだけどさぁ・・・・時間の都合上で自己紹介俺で最後だったし。それまでちゃんと聞いてたけど、彼女は自己紹介をしていない筈だ。

 

「知らない!?イギリス代表候補生であるこの私、セシリア・オルコットを!?」

 

あ、わざわざ教えてくれた。結構親切な娘だな。しかし代表候補生か。マジでエリートじゃないか。

 

「なぁ質問。」

 

一夏が手を上げてそう言った。何だかオジサン、嫌な予感がするぞ?

 

「代表候補生って何?」

 

案の定だった。近くで聞き耳をたてていた女子達全員ずっこけてた。リアクション芸は素晴らしいがパンツ見えそうになるからもう少し気を使うとか、恥じらいを持って欲しいんだがな・・・

 

「代表候補生ってのは国家代表になりうる将来有望な人。例えるならオリンピックの強化指定選手とか。もっとざっくりと言えばエリートだな。」

 

「なるほど。」

 

「そうです!!エリートですわ!!」

 

ざっくりとした説明だが一夏は理解してくれた様だ。彼女も大きく頷いている。そして私が勉強を教えて差し上げても良いのよ?との事だった。俺としてはありがたいが、女尊男卑の人と居続けるのは精神負担がヤバい。彼女お嬢様っぽいのでパシリとか召し使いみたいな扱いされそうだな。いや、下手したら奴隷扱いか?とか考えていたら試験の試験官を倒した事で揉めている。どうやら入試試験の時に試験官を倒したのは彼女だけだと思ったら、一夏も倒していたらしい。

 

「貴方はどうなんですの!?」

 

「あ~、俺は見つかった時期もあってISを動かせるか否かだけで終わったんだよなぁ・・・」

 

彼女にそう答えると丁度チャイムが鳴った。結構疲れたし、これで解放される。

 

「また来ますわ!!」

 

彼女がそう言って自分の席に戻るのを少し絶望した眼で見送っていた。また来るのか・・・・・・俺は面倒は嫌いなんだが・・・・・・

 

 

 

授業の前にクラス代表を決めると言う話になった。多分これ、原作なら一夏が選ばれるんだろう。なら問題無いな。と楽観的に考えていたら、何故か俺に票をいれる女子が結構居た。いや待ちたまえ諸君?何故私を推薦する?俺触っただけに等しいんですがっ!?主人公補正なんてありませんがっ!?

一夏が異議を申し立てたが、織斑先生により却下されていた。ならばと俺は代表候補生であるセシリア・オルコットを推薦する。だが、ここで推薦したのが俺だけだった事にプライドの高い彼女がキレ、日本への盛大なヘイトスピーチを発動。それに反論する一夏に更に激おこプンプン丸な彼女を見てやっちまった。と思うと同時に、こいつは面倒な事になった。と頭を抱えた。

その後織斑先生の提案により一夏とセシリア・オルコット、そして俺の三人で戦って代表決定戦をする事になった。因みに俺達もデータ収集の為に専用機が宛がわれるとの事。授業終了後宣言通り、また来たオルコットさんの相手をして胃がキリキリしたり、なんかんやとあって放課後になった。

 

 

 

はてさて、試合まで一週間あるのだが、俺と一夏の専用機が来るまで出来る事は少ない。早速一夏と共に訓練機でISの練習が出来るか山田先生に聞いて見た所、既に練習機は予約で満杯だった。

それを奪い取って練習する様な真似は出来ないな。と一夏と話し合い、ここで一応対戦相手である一夏とは別に練習する事にした。一夏は幼馴染みの少女に勉強と剣道を教わる(一夏は元々剣道を嗜んでいたらしい。)との事。

俺はまず運動とイメージトレーニング、そして実銃射撃訓練に時間を割いた。学園の中に実銃を撃てる射撃場があるとは思わなかったな。前世から好きな銃であるM1911を撃てたのは感動した。一応マシンガン、スナイパーライフル、アサルトライフル等一通り撃ってみて、どんな感じなのかも確認した。

 

 

 

 

試合当日になったが、俺と一夏の専用機が未だに到着しないと言う想定外のアクシデントが起きていた。どんな練習をしていたのか一夏と駄弁りつつ(一夏は剣道しかしていなかったと震え声で言っていた。)待っていたが、時間的にマズくない?と考えていたら、山田先生が慌てながらこちらに来た。どうやら一夏の専用機が先に届いたみたいで一夏が先にが戦う事になった。一夏は初心者ながらも粘った戦いをして、後少しと言うところで負けたようだ。しかし・・・

 

「悲報、俺の専用機が来ない件。」

 

幸いセシリアの機体の修理や補充があるとは言っても、これはいよいよマズイ事になった。

 

「ごめんな優斗、俺がもっと戦えていたら・・・・」

 

「いや、一夏は何にも悪くないから。むしろかなり頑張ってたから。」

 

初搭乗したISであそこまで動いて、攻撃を避けれていた一夏は普通に凄い。しかもファンネルも破壊しているし。そこまでできる初心者なんてまず居ないと思うのだが。

 

「霧雲君、届きましたぁ!!」

 

ファイルを抱えながら山田先生がピットに駆け込んでくると同時に、コンテナも搬入される。

 

「良かったな優斗。」

 

「ああ・・・・だけど緊張してきた。」

 

そう言って一夏に苦笑して見せるも、コンテナの方に意識が向いていた。この中に俺が神様に希望していた機体・・・RXー0 ユニコーンガンダムが入っている。

 

「それでは、開けますね。」

 

山田先生がそう言ってコンテナのハッチを開ける。徐々に開いていく扉と共に、緊張が高まる。そして、俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

困惑した・・・・・・

 

「・・・・・・・・」

 

「これが優斗の専用機・・・・格好良いな!!」

 

「今時全身装甲とは珍しいな。」

 

隣に居た一夏とその幼馴染みである篠ノ之箒が俺の専用機を見てそうコメントするが、俺は黙って機体を眺めていた。

 

「霧雲君の機体ですが、間に合わない武装があるという事でした。気をつけてください。」

 

「霧雲、時間が押している。全身装甲型だから手間だが、正面装甲が展開したらさっき織斑がやっていた様にISを装備しろ。」

 

教師二人の言葉を聞きながらも俺は機体を凝視していた。全身白色であり、ライフルと盾を装備している。何より目を引くのが、背中のスラスターとプロペラントタンク、そして角は無いがツインアイタイプである顔付き、両脚脹脛にも大型のスラスターが付いている。これはどう見ても・・・・

 

(ユニコーンガンダムじゃねぇ!?シナンジュ・スタインじゃねえか!?)

 

 

 

悲報、神様が転生特典を間違える。

 

いやちょっと待って、さっきまでユニコーンに乗る予定で考えてたからこれは想定の範囲外だし困る。デストロイモードは?ビームマグナムは?Iフィールドは?あれですか?『お前にはまだ早い(キリッ)』とかそういうやつですか?

 

「この世界に・・・神は居ない。」

 

「何を言っているんだ霧雲は?」

 

「緊張してるみたいだったからなぁ。」

 

いや、待て、落ち着け俺。まだ慌てる時間じゃない。

シナンジュ・スタインは一応ユニコーンのプロトタイプと言える機体。言わばユニコーンガンダム0号機だ。フィッティングが済んだ後に時間経過したら行われるファーストシフトだったり、大分後になるがセカンドシフトしたらワンチャンユニコーンになる可能性がビレ存だ。

俺はその可能性に掛ける・・・・

 

気を取り直してスタインに乗り込む。少ししたらフィッティングが完了した。ハイパーせンサーも問題なく稼働している様で、アリーナ中央付近にはセシリアが既に待機していた。待たせるわけには行かないなと、おっかなびっくりと、操作に戸惑いつつもアリーナへ飛び立てるカタパルトへ歩いていく。イメトレをしたのだが、所詮はイメトレ。実機を操ると全然違うので、拙い動きになっているだろう。

 

「・・・・・・あれ?」

 

ふと気付く。当初のプランでは操作に慣れるまではユニコーンの盾を構え、火力のあるビームマグナムで勝負を決めようと考えていた。セシリアの機体はビーム兵装メインだったので、ユニコーンのIフィールドでメタれるからだったが、今俺が乗るのはシナンジュ・スタイン。ビームマグナムもなければIフィールドも無い。

 

普通に詰んでいた。

 

「・・・・」

 

全てを悟った俺は天を仰ぎ、こう呟いた。

 

「・・・俺、この戦いが終わったら・・・結婚するんだ。」

 

「そ、そうだったのか。おめでとう霧雲。」

 

「そうだったんですか!?知りませんでした・・・・おめでとうございます霧雲君。・・・・教え子に先を越されるなんて・・・・・・」

 

「落ち着け箒。山田先生も落ち着いてください。優斗の嘘だから。死亡フラグを立ててるだけだから」

 

一夏が冷静に二人にツッコんでいた。

 

「その後、故郷に帰って、山の神様の怒りを沈める為の人柱になるんだ・・・」

 

 

「なんだと!?それでは結婚相手が浮かばれないでは無いか!?」

 

「ええっ!?そんな風習があるんですか!?でも霧雲君は希少な男性操縦者ですし、何とかしないと・・・・」

 

「二人とも信じるなって!?後、優斗も避けられない死亡フラグみたいなの立てるな!?」

 

「馬鹿をやってないでさっさと出撃しろ。」

 

「アッハイ。」

 

流石に織斑先生に怒られたので現実逃避をやめてカタパルトに乗る。

 

「霧雲優斗、シナンジュ・スタイン。逝きます!!」

 

覚悟完了した俺はそう叫び、自ら死地へと飛び込んだ。

 

そう、俺とセシリアの戦いは、これからだ!!

 

 

 

 




打ち切りEND(二回目)



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戦闘そして理解

お久しぶりです。拙いけど、どうぞ


 

 

 

アリーナ中央で待ち構えているセシリアの前へとゆっくりと慎重に操作して何とかたどり着く事ができた。神妙な表情をしていたので、遅くなった事をどう言い訳しようかと考えていたら

 

「霧雲さん、先日は申し訳ありませんでした。」

 

なんと彼女が謝って来たのだ。何でも一夏との戦いの中で男性に対する認識を改めた。との事。流石原作主人公。普通に出来ない事をしてのける。

 

「俺は気にしてないから良いよ。オルコットさん。」

 

俺自身は気にしていなかったし、後でクラスの皆にも謝ると言うことだったので、俺からは何も言うつもりは無い。

 

「ありがとうございます。霧雲さん。」

 

「いえいえ。」

 

今後彼女とのいざこざが無くなるのは良い事だ。ただ、今はクラス代表を決める為に結局は戦わなければならない。正直、実力差がありすぎて無理ゲーであるが。

彼女の機体は一夏との戦いで見た限りファンネルとファンネルミサイルにビームスナイパーライフルと言う構成。同時に操作はできないと一夏は言っていたが、普通に驚異であることに変わりが無い。近接戦が苦手そうだが、操作が拙い俺が接近戦を挑めるかはわからない。

 

(やれるだけやるしかないな・・・)

 

カウントダウンが始まり、試合開始と同時に左側に動き、ライフルで牽制しようとしていた俺は左側に動いた瞬間にアラートを聞き、そして全身に響く様な衝撃を受けて吹き飛ばされていた。

 

(直撃!?動きが読まれていた!?・・・いや、俺があからさまに動こうとしていたからだな・・・)

 

そう考えつつ機体制御を行い、体勢を立て直す。セシリアの方を見ると彼女は既にライフルを此方に向けていた。放たれた二射目を全力で回避しようとした瞬間、俺は壁に激突していた。

 

ドゴォ!!

「ぷぎゅっ・・・!?」

 

「だっ大丈夫ですか!?」

 

突然の衝撃に俺は変な声をあげ、これにはセシリアも構えていたスナイパーライフルを降ろして心配してくれた。

 

「大丈夫だ。問題ない・・・・」(震え声

 

そう答えながらも何が起きたのかは直ぐにわかった。目の前にフィッティングの進行具合(現在15%)の表示ともう1つ、インテンション・オートマチック・システムが作動している表示だった。

 

インテンション・オートマチック・システム

 

シナンジュやユニコーンガンダムタイプに搭載されているシステムでサイコフレームにパイロットの脳波を直接反映するシステム。要は「考えるだけで機体を動かせる」というものだ。なお、常人には過敏すぎて機体をデッキから出すことすらままならないため、操作系の反応レベルを大幅に落とした状態で運用された事がある。

あくまでガンダム作品の話であってISには意味無いシステムなのでは?と思われるが、IS適性C+位である俺がシステムが作動した瞬間から機体が嘘みたいに機敏に反応してくれる。が、

 

(これ・・・・不味くないか?)

 

例えるなら、初めて遊ぶロボゲーで機動性極振りの機体に操作感度、カメラスピードマックスでガックガクに動く状態で戦わされている様な物だ。試合開始前までは作動していなかったのだが、さっきの攻撃を全力で回避しようとした時から作動してくれた為、文字通り最大出力で回避してくれたようだ。お陰で壁にダイナミックタックルしたわけだが。そうならない様に作動レベルを落としたいのだが、調整も出来ない様だ。

 

「・・・派手にぶつからない様にしないといけんのか・・・」

 

そう呟いた後、改めて試合を再開した俺は、何度も壁や地面にぶつかりながらもセシリアの攻撃を避け、時には反撃を行う。

ただ、さっきから気になる事がある。本来、シナンジュ・スタインの盾にはミサイルどビームキャノンが積んである筈だがそれがない。間に合わない装備があるとは聞いていたが、それの事らしい。

 

「いや、まさかな・・・・」

 

シナンジュ・スタインにはそのシールドにミサイルとビームキャノンが装備していない第二種仕様があるのだ。具体的に言えば俺が前世に見に行こうとして見れずに死んだ作品に出てくる奴。ビームライフル以外に武器が無いのか確認してみると、拡張領域にロケットバズーカと、先込め式のグレネードランチャーがあるのを見た瞬間、俺は察してしまった。これユニコーンガンダムならん奴だわ。と。

 

そんな事を考えている内にフィッティングが終了し、ファーストシフトが行われた。ファーストシフト完了後、俺の機体は白いシナンジュ・スタインのまま。ただ、プロペラントタンクが大型化し、胸部と腕の袖部分にレリーフが追加、盾の先端部分の形が変わり、裏には拡張領域にしまわれていた先込め式のグレネードランチャーが付いていた。

 

結果

俺、シナンジュ・スタイン第二種仕様(NT仕様)に乗っていた。ユニコーンじゃねぇじゃねえか!!死ぬ前に手掛けてたプラモじゃねえか!思わず叫んじまった。

 

「やっぱり違うじゃねぇか!!」

 

「なっなんなんですの!?」

 

「あ、ごめん、ちょっと想定外の出来事に叫んじまった。すまん。」

 

驚かせてしまったセシリアとそんなやり取りをした後、戦闘再開。ファーストシフトが終了して俺の専用機となったからか、さっきよりしっくりする感覚はある。しかし、相変わらずインテンション・オートマチック・システムは作動レベル全開のままである為、機体操作に四苦八苦だ。

 

「慣れるしか無いっ・・・・か!!」

 

機敏過ぎる機体を何とか操作して、セシリアに反撃を行う。ビームライフルでファンネルを、左手にバズーカを呼び出して本体を狙う様に戦うが、バズーカを撃ち切った段階でセシリアに命中0、ファンネル1基のみ破壊と言う、パイロットの実力差が露呈している状況だ。

 

「それでも・・・・諦める気は無い!!」

 

バズーカを捨て、グレネードランチャーをライフル下部に装着し、放つ。当たらないがそれは想定していた。セシリアがファンネルでこちらを囲んできた瞬間、俺はライフルを投げ捨ててセシリアの元へ真っ直ぐ突っ込んだ。ガンダムUCでクシャトリアに対してスタークジェガンが行った様に接近戦を仕掛ける。

彼女は焦る事無く、ファンネルミサイル二基飛ばしてくる。俺は頭部に取り付けられてるバルカン砲(ISであるためバルカン砲では無いのだがこちらの方が分かりやすいのでバルカン砲とする)で迎撃、1基は破壊に成功したが、もう1基分は迎撃が間に合わない。ので左腕のシールドで防ぐ。シールドは砕け、ダメージもあるが、迷わずに突き進む。瞬間

 

「っ来る!?」

 

俺は咄嗟に両腕装甲内に格納されたビームサーベルを引き抜かず、格納されたまま使用できるトンファーモードとして使用、ビーム部分で顔を守るようにクロスさせる。それと同時に

 

「貰いましてよっ!!」

 

彼女が勝利を確信したかの様にスナイパーライフルを放った。ビームは俺の顔面へと向かうが、俺が展開していたビームトンファーでそれを防ぐ事ができた。

 

「なっ!?」

 

「うぉぉぉ!!」

 

ビビって怯みそうになる心を叱咤する為に叫び、彼女が動揺している隙に近づく。そして

 

「っインターセプター!?」

 

「遅い!!」

 

彼女がナイフで防ごうとしたが、それより先にビームサーベルで切りつける。二撃目はナイフに阻まれた。

 

「この距離なら!!」

 

ファンネルもスナイパーライフルも扱えない接近戦なら俺でも勝てる可能性がある。彼女も理解しているから距離を取ろうとするが、このチャンスを逃さない様に俺は彼女の機動に死ぬ気で追従していく。追いかけながらも少しでもダメージを与えるためにバルカン砲を打ち続けていたが、弾切れとなった。

 

(キッツい・・・けど!!)

 

ビームサーベルを振るい、今度は左腕装甲を一部破壊した。もう一撃与えようとしたが、それより先に彼女の機体が瞬間的に加速し、大きく距離を取られてた。そして

 

「ティアーズ!!」

 

彼女の叫びと供にファンネルが正面に三基展開されていた。

 

「っ!?誘導されていた!?」

 

動揺している隙に被弾するも、距離を詰めてファンネルを二基破壊した。そして彼女を見ると、既にスナイパーライフルが放たれていた。

 

(あ、これ無理だ。避けられないわ)

 

そう悟った瞬間、ビームが俺に直撃し、SEが0になり、敗北した。

 

(初めてだからしょうがないとは言え、射撃の命中率が低かったな。何よりも機体制御を重点的に練習しないと駄目だわ。毎試合壁にタックルするのは勘弁だしな。)

 

お互い挨拶と握手を交わした後、俺はハンガーへ戻りながら試合の反省点を振り返る。今後は専用機があるので練習時間を割かないとな。ハンガーへ帰投すると一夏や山田先生に健闘を称えられた。

 

「お疲れ様でした。織斑君もそうですが、初めてとは思えないですよ。」

 

「凄かったぜ優斗!!良くあの攻撃防いだな!?」

 

「あれ、直感で狙われると思って防いだら成功しただけなんだよな・・・」

 

「それでもスゲーって!?」

 

一夏とそんな話をしていると織斑先生がこちらに来た。ちなみに篠ノ之菷は居なくなっていた。まぁ俺と言うよりは一夏の為に来ていたみたいだしな。

 

「残りの織斑と霧雲の試合だが、試合が長引いてアリーナの使用可能時間が足りない。だが、クラス代表を決めるのにまたアリーナを借りるのも難しい。よって二人の試合は無しだ。」

 

「わかりました。」

 

「わかったぜちふ・・・・織斑先生。」

 

 

そんな感じで本日は解散する事となった。。俺は一夏と反省会を兼ねた晩御飯を食べ(ちゃっかり篠ノ之箒も合流していた。)、疲れていたのもあり、すぐに眠る事ができた。その翌日、セシリアさんが朝礼の際にクラス全員の前で謝った。そこまでは良かったのだが、何とクラス代表を俺か一夏に任せる。と言うのだ。この展開は予想外。

 

「なら、公平にジャンケンで決めようぜ。」

 

「そうだな。だが、負けた方がクラス代表になるのは縁起が悪い。三本先取の勝った方だ。」

 

「わかった。」

 

その後、俺と一夏による仁義なき戦い(ジャンケン)が行われ、結果としては一夏がクラス代表となった。・・・実は本気でじゃんけんに勝とうとしたが、駄目だった。恐らく原作だと一夏がクラス代表になると思ったので、その流れを変える事ができるかの試みだったが、駄目みたいだな。

 

そして、クラス代表のサポート役として俺とセシリアが選ばれた。しかもセシリアは俺と一夏の訓練にも付き合ってくれると言うのだ。代表候補生の彼女に機体制御のアドバイスを貰えば俺も壁にぶつからなくて良くなるだろう。

 

 

放課後・・・

 

 

 

 

「ペギャァ!?」ドゴォ!!

 

「優斗ぉぉぉ!?」

 

そこには元気良く壁にぶつかる俺と、叫ぶ一夏、絶句するセシリアが居たとか。

 

 

 

 

 

 




後日シナンジュ・スタインの機体設定とか乗せたい。
そして打ち切りENDじゃない


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機体解説

機体解説はシナンジュ・スタインのwikiを参考に自分のフロム脳を駆使して書いてたりします。


 

 

 

 

機体名 シナンジュ・スタイン

 

操縦者 霧雲優斗

 

コアNo.006

 

世代 第3世代(2.5世代とも揶揄されている)

 

製作 国際IS委員会技術部?

 

解説

国際IS委員会が開発した第3世代型の高機動型IS。背中の大型スラスターと増槽用プロペラントタンク、両脚脹脛の大型スラスターが特徴。

しかし、コアがシングルNoである事や装備されている武器、更にはブラックボックスがある事等から国際IS委員会では無く篠ノ之束が初期に作ったISでは無いかと噂されている。また第3世代型特有のインターフェイス兵器を搭載していない。

委員会側の発表ではISの開発者である篠ノ之束が最初に作製した[白騎士]のデータを大いに参考にして作られたISであり、英国のティアーズを参考にした[インテンション・オートマチック・システム]が第3世代型の装備であると公表している。またブラックボックスもこの技術流出を避ける為としている。

しかし[イグニッションプラン]の機体であるティアーズシリーズの技術応用と言うのは時間的に無理があり、[篠ノ之束が試作した第3世代機のプロトタイプである]と言う説が広まっている。

 

インテンション・オートマチック・システムは思考によるダイレクトな機体制御を可能とするシステムだが、元々第3世代型はマシンインターフェイスの向上により思考操作が可能である(例えば第2世代型が呼び出しによる武器変更に対して第3世代型は思考により武器変更が可能である)為、それをより強化できるシステムであるとされている。

現にIS適性が全てと言われるISバトルにおいてIS適性C+である霧雲優斗が適性Aであるセシリア・オルコットの動きに追従する事ができた事から、適性を底上げできるシステムとして注目を浴びている。しかしこのシステムの根幹を成す部分がブラックボックスとなっている。

試作機だからか、インテンション・オートマチック・システムの作動レベルを調整する事は出来ない。

備考だが主に胴体部分にブラックボックスが集中している。

 

武装(問題ないけど少しだけネタバレあり)

 

ビームライフル

長銃身型ビームライフルで射程距離や照射時間が長い。

上部にライトセンサー、下部にはグレネード・ランチャーやロケットバズーカを装着することが可能。

シナンジュ・スタインの場合、IS委員会が製作したジャケットパーツと呼ばれる高性能射撃センサーシステムと大型バッテリーを搭載したユニットに覆われており、通称[ハイ・ビームライフル]と呼ばれている。

しかしジャケットパーツを取り付けているとライトセンサーを装備する事が出来ず、ジャケットパーツ自体が重い為、普通のビームライフルと比べて取り回しが悪いと言う欠点がある。

 

グレネードランチャー

ビームライフルに取り付け可能な先込め式のオプション兵装。 非使用時はシールド裏のラッチに装着している。余談だが操縦者である霧雲優斗はこの兵装を好んで使う。

 

ロケットバズーカ

総弾数5発の実弾兵器。砲身の伸縮が可能で、バズーカ上部に取り付けられてるセンサーはビームライフルのライトセンサーと組み合わせる事で倍率強化が可能で、ビームライフルと組み合わせる事により狙撃使用として扱う事が可能。バズーカ自体はビームライフルの銃身下部に装着することもできる。砲身を縮めている場合は弾頭の初速が遅くなるという欠点もある。

 

頭部内蔵型9mmマシンガン(頭部バルカン砲)

頭部に内蔵されているマシンガン。総弾数は拡張領域分を含めて200発程。ミサイルの迎撃用であるが、操縦者の霧雲優斗は牽制や追撃でも使用している。また、彼は[頭部バルカン砲]と呼んでいる。

 

ビームサーベル

前腕部の装甲内に格納される斬撃武装。前腕部に取り付けたまま使用する[トンファーモード]としても使用可能。この近接兵装は現在まで装備されているのが白騎士とシナンジュ・スタインのみであり、これが篠ノ之束製作者説の要因となっている。(類似品として上げられるのが暮桜の雪片だが、これも篠ノ之束が作った物である。)

 

シールド

左腕に装備されている盾。本来裏側にビームキャノンとミサイルが搭載されている予定だったが、一次移行の際にグレネードランチャーの懸架ラックに変更されると言う様変わりな変化を遂げた。

余談だがビームキャノンとミサイルの実装が間に合わなかったのは篠ノ之束では無くIS委員会が作成しようとして、再現出来なかった為と言われている。

 

ビームアックス

臨海学校から追加される装備。出力を上げる事で「ビーム・ソードアックス」となる。また、ユニットを連結してビーム・ソードアックスを2基同時に発生させることで「ビーム・ナギナタ」としての運用も可能。

ビーム・ナギナタを手元で高速回転させることで疑似的なビーム・シールドのように用いることもできる。

 

ロングライフル

臨海学校でのみ使用される予定の装備。メタい事言えばサザビーVerkaに附属してるロングライフル。持たせたら意外と似合う為採用。

しかし元々シナンジュのビームライフル自体ロングモデルであり被っている。

ライフル下部にロケットバズーカを装備可能。

 

 

 

 

 

 




機体解説では書けない部分は削除してたりしてます。


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お出かけそして出会い

 

 

「皆は日曜日空いてるか?」

 

クラス代表戦も終わり(途中所属不明機が乱入したせいでクラス代表戦は中止になり、学園側から箝口令が敷かれたけど。)、落ち着いた頃。俺、一夏、セシリア、箒に加えて隣のクラスの2組のクラス代表であり、一夏の二番目の幼馴染でもある凰鈴音の5人で昼食を食べていた時、ふと一夏がこんな事を聞いてきた。何でも買いたいものがある為、外出届けを出して街へ行く予定らしい。直ぐ様付いていくと行って火花を散らし合う幼馴染みーズの二人に申し訳ないと思いつつ、便乗する。

 

「俺も一緒に行って良いか?」

 

「おう、良いぜ。元々皆で行こうと思ってたしな。」

 

そう聞くと一夏は即決で承諾して、それを聞いた幼馴染みーズが諦めた様に肩を落としていた。なんか正直すまんかった。

 

「助かった。ここら辺の土地勘が無くてさ。紹介もしてくれると助かる。」

 

「そう言えば霧雲はどこ出身なのだ?」

 

箒の問いかけにそういえば言ってなかったな。と今さらながら気付いた。まぁ、誰も聞いてこなかったしね。仕方ないね。

 

「俺は秋田だよ。住んでた所が田園風景広がる田舎でさ、こっちに来たら建物ばっかりで圧倒されたよ。」

 

ちなみに前世では青森出身でそこから上京してきたのだが、今世ではIS学園がある関係か大分街並みが違う為、前世の知識で歩き回ると危ないだろうと感じる位には土地勘が無い状態である。

 

「私もご一緒しますわ。」

 

セシリアも一緒に行くと言う事だったので全員でお出かけと言うことになった。

 

「あっ、なら外出届け出しに行かないといけないな。」

 

貴重な男性操縦者である俺と一夏は基本的にIS学園に軟禁されている状態に近い。と言っても余程の事がない限りは問題なく外出できる。しかし万が一何かがあっても対応できる様にする為に遠巻きに護衛を配置させる都合上、外出届けを出さなければならないのだ。ある意味モテる男は辛いぜ(震え声)

 

「なら一緒に行こうぜ。」

 

「おう。」

 

その後、他愛もない話をしながら昼食を終え、俺と一夏は外出届けを出しに行った。そして日曜日、問題なく集合し皆で近くにある大型施設、レゾナンスに買い物に出掛けた訳だが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ・・・私は・・・こんな物には・・・屈しませんわ・・・」

 

「クックック・・・口ではそう言ってるが、体は正直なようだな。」

 

えっちぃ本とかゲームとかに出てくる姫騎士みたいな事を言うセシリアに俺はニヤニヤと言った。意地で抵抗しているだけに過ぎないのは解っている。後は背中を押してあげるだけだ。そう、優しくな。

 

「セシリアさんやセシリアさんや」

 

今なお抗い続けているセシリアに近付いて話し掛ける。

 

「な、何ですの・・・私はまだ駄目になって居ませんわ!?」

 

キッとこちらを睨み付けようとしているが、迫力も無く、可愛いものだ。

 

「駄目になって・・・ええんやで?」

 

「っ!?」

 

セシリアが息を呑んで俺を見ている。俺は優しく、諭す様に囁く。

 

「意地を張る必要は無い。今の気持ちを受け入れて素直になればええんやで?」

 

「私は・・・・・」

 

俺の言葉に揺れ動いているセシリア。もう一息だな。

 

「大丈夫だ。こいつは受け止めてくれる。恐がらなくて良い。」

 

「・・・」

 

彼女はおそるおそると言うように身を委ねる。そして

 

「はぁ~~~・・・」

 

蕩ける様な、甘い声を出し、セシリアは恍惚の表情を浮かべる。・・・申し訳ないけどエッッッロいな!?申し訳ないけど!!

 

「ンンッ!!・・・さぁセシリア?欲しいならどうすれば良いのか?賢い君ならわかるだろう?」

 

強めの咳払いをしてから俺は彼女に問いかける。

 

「・・・か・・・わ。」

 

彼女は小さく、呟く様に答えた。

 

「何だって?聞こえないよ?ほら、はっきりと聞こえるように言わないと駄目だよ?」

 

「買いますわぁ!!」

 

セシリア、ビーズソファ(通称人を駄目にするソファ)購入決定。

 

「やったぜ。堕ちたな・・・」

 

「何をやっているんだ?お前は・・・」

 

俺が最高にゲス顔を決めた時、後ろで箒が呆れた様に呟いていた。

 

「いやいやいや、僕はただ悩める子羊に手を差し伸べてを救って見せた。それだけですよ。」

 

「あんたその顔で言ってたら胡散臭いだけよ。」

 

鈴からジト目でそう言われたので肩を竦めるしか無い。

 

「俺も買ってみようかな・・・」

 

一夏は興味を持っているようだ。後で布教しなきゃ(使命感)。なお幼馴染みーズに阻止された模様。その後一夏の欲しい物(フライパンや調理器具等)を買ったり、俺がプラモデルを衝動買い(限定キットだから俺は悪くない)したりした。女性陣の皆様の買い物は俺達より多かったのだが、後日IS学園に送る様にしたらしい。漫画とかである荷物係にされるかな?とか買う量を見て思っていたんだけど鈴音曰く

 

「こっちの方が効率良いし友達にそんな事させるわけ無いでしょ。」

 

との事。ついでに俺と一夏の買った物も送ってくれる様にしてくれた。めっさええ子やん。ってなった俺。しかし、箒もだけど、一夏が好きなら物理的アピールしなければ良いのにな・・・恋愛事には鈍感極振りな一夏に対してイラッ☆とするのはまぁしょうがないけど、それに怒って暴力に訴えるのはアカンよ。それに女尊男卑とは言え、行き過ぎたDVは男性が勝つ事だってあるのだ(まぁ最近はそれに納得いかずに最高裁まで続ける女性も居るんだが)。

買い物も終わり、皆で昼御飯も食べた後はゲーセンやらカラオケやらを時間一杯楽しんだ。お陰でIS学園に帰ってきた時には俺は疲労困憊だったのだが、皆はまだ元気な様だ・・・これが若さか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏達にまた明日。と言って別れた後自分の部屋に向かう。余談だが一夏は部屋の改装が終わるまで箒と同室で、俺の部屋は狭い為か一人部屋となっている。

 

「シャワー浴びて寝よ・・・」

 

そうぼやきながら鍵を開けて扉を開ける。すると

 

「お邪魔しています。霧雲優斗様。」

 

流れる様な銀髪に、白と青のゴスロリ風の服装を来た美少女がお出迎えしてくれた。

 

「・・・ああ、ようこそ。立ち話もなんだし、座って座って。」

 

そう言って彼女をテーブルの前に案内し、座らせる。俺は冷蔵庫から緑茶のボトルとコップを持ってテーブルに向かい、コップにお茶を注いで彼女の前に置く。自分も向かい側に座り、自分の分のコップにお茶を注いだ。俺はゆっくりとお茶を飲み干して一息着いた後、確認するように話し掛ける。

 

「所で・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どちら様ですか?」

 

セキュリティ万全のIS学園、更には鍵を掛けていた俺の部屋に侵入していた彼女。何処かから送り込まれた刺客かもしれない相手に俺は人生で一番間抜けな質問をするのであった。

 

 

 

 

 




皆様、新年明けましたおめでとうございました。
僕はFGOで欲しかった新年礼装の為に回したのですが、何故か楊貴妃の宝具レベルが5になりました。元旦で5枚来たので今年の運使いきりましたね(確信)

クラス代表戦
ダイジェストの為いきなり仲間入りの鈴ちゃん。メタ話をすれば前話からまだそんなに経っていない為、ゴーレムに挑むと途中で壁や地面に激突してその隙に消し炭待った無しな為、あの時は避難誘導をしていた。と言う設定です。

セシリアとビーズソファ。
お嬢様である彼女はビーズソファ知ってんのかな?と言う仕事中頭に降りかかった疑問で書いていったネタ。セシリアを落としに行く際の描写が今話で一番筆が進んだのはここだけの話。しかしこれマッサージチェアの方が良いのでは?となったが気にしない。
出会った娘
不法侵入者。なお主人公の一連の行動は現実逃避の模様
ヒロイン候補は今のところ二名。なのですが色々悩んでるのでアンケート取ります。



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料理そして転校生

お久し振りです。アンケート投票有り難うございます。某国と束さん伸びてますね。
後は意外とクロエが変わった立ち位置になりました。


 

 

 

セットしていたアラームが鳴り響く音で目を覚ました俺は半分寝ぼけながらもアラームを止めた。

 

「・・・・夢だったのか?」

 

ベットから起き上がり、部屋を見回した後俺は呟いた。まだ頭が働いて居ない上、喉も渇いたので冷蔵庫を開けてみると緑茶のペットボトルの中身が減っていた。

 

「・・・・やっぱり夢じゃ無かったかぁ・・・」

 

そのお茶を飲みつつ、俺は昨日の事を思い出していた。こんな事を言うのもなんだが、彼女との出会いは余りにも衝撃的だった。

 

昨日部屋で出待ちしていた彼女の名前はクロエ・クロニクル。どうやら俺に挨拶する為に部屋で待っていたらしい。なにそれ怖い。

 

「そう言えば料理を教える約束をしたんだったな・・・」

 

話を聞いていく内に彼女を引き取った義理の母親は研究一筋らしく、下手したら飲まず食わずで研究に没頭する人物だと言う。そうならない様にする為、また自分を引き取ったお礼に料理を作っているのだが、料理をしたことの無い彼女が作っても失敗ばかりで、それでも美味しいと言って完食してくれるので申し訳ないと思っているらしい。

それを聞いた俺は多少なりとも料理を作れるので、ある程度簡単な料理なら教えれるぞ。と話したら、お願いしますと言われた。その後は彼女は帰り、俺は風呂入って寝たんだったな。

 

「となると、俺も動かないとな・・・」

 

俺はそう呟いて着替えを済ませ、部屋を後にする。ある人に頼み事をする為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探していた人物は教室で皆と話していた。俺は真っ直ぐと目的の人物の所へ向かい、挨拶もそこそこに俺は早速頼みを受けてくれるか聞いてみる。

 

「一夏、男と見込んで頼みがある。受けてくれるか?」

 

「どうしたんだいきなり?だけど、男と見込まれたなら断れないな。良いぜ。」

 

「ありがとう。助かる。」

 

流石一夏。交渉成立である。後は一夏との時間調整するだけだ。

 

「いや、そんな安請け合いしてどうすんのよ。あんたもちゃんと話しなさい。」

 

鈴音にそう言われたので改めて交渉開始する。

 

「俺に料理を教えてほしい。ある程度はできるがバリエーションを増やしたいんだ。」

 

俺は一夏に頭を下げて頼んだ。俺が作れる料理は多くない。クロエに教える為にも、俺が作れる料理を増やした方がいいと考えた。問題は誰に教わるのか?である。答えは簡単。そう、一夏だ!!(断言)

小さい頃から忙しい織斑先生に代わり料理を作っていたと言う。その為、色んな料理を作れると聞いていたし、実際食べさせて貰ったので、味も保障できる。

 

「おお、そう言う事なら全然良いぜ。」

 

一夏は快諾してくれた。流石一夏。略してさす一。

 

「それなら私も料理を教える事ができる。」

 

「私も力になれるわよ。中華料理は任せなさい。」

 

「微力ながら、私も力になれますわ。」

 

と幼馴染みーずとセシリアも協力してくれると言うので俺は笑顔で

 

「あ、良いです。遠慮しときます。」

 

秒で断った。

 

「何っ!?」

 

「何で断るのよ!?」

 

「理由をお聞かせください!?」

 

「えっ?いや、だってなぁ・・・」

 

彼女達から教わると言う考えは無かった。と言うのも、ISの操作を教えて貰っている時だが・・・

 

箒「そこをズガッといってドォォォン!!だろ!!」擬音過多

 

鈴音「そういうの感覚で解らない?」感覚論

 

セシリア「ここで(以下長文)」超絶理論

 

 

 

 

とまぁセシリアならまだしも、箒と鈴音はフィーリング講習だもんなぁ。何を言っているのか紐解くのも大変だし・・・

 

「もしかして、料理を作れないと思っているのか?」

 

箒の指摘に俺は頷いた。本当はフィーリング講習が不安だからだけど、黙っておこう。余計な事を言うの良くない。

 

「一応一通りは作れるのだ。心配するな!」

 

「私は中華料理屋の娘よ。料理は得意よ!」

 

心外だと言う表情の箒と鈴音。後ろで頷くセシリア。

 

「セシリアの料理は食べたこと無いけど、箒と鈴の料理は美味いぞ。箒は転校する前に作ってくれた玉子焼き、美味かったし。鈴の酢豚は絶品だ。」

 

と一夏の発言に幸せそうな幼馴染みーず。その後、一夏が「久しぶりに食べたいなぁ・・・・」と発言したことにより、来週の月曜日の昼食はいつものメンバーで弁当会を開くことになった。俺もどの程度料理ができるか一夏にも見せれるし、彼女達の料理を食べてみて、教えて貰うかどうか決める事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はてさて、何を作るかだな・・・」

 

授業も終わり、練習を終えて自室に戻る途中、俺は弁当会に向けて何を作るか悩んでいた。箒と鈴音はそれぞれリクエストされた卵焼きと酢豚を作ると言っていたし、セシリアは何も言っていなかったが、恐らくイギリス料理とかだろう。一夏も作ってくると言っていたが、健康志向が高いから魚料理とかで来そうな気がする。等と考えながら自分の部屋のドアを開けると

 

「お待ちしていました。霧雲優斗様。」

 

クロエに出待ちされていた。ビックリである。

 

「えっ速くない?」

 

「速くありません。約束ですし、日本の諺に“善は急げ”とあります。」

 

「確かにそうだが・・・・」

 

取り敢えず、一夏達に今日は自炊するので食堂には行かない事を連絡しておいた。幸い食材はそこそこ買ってあるので、問題は無いはず。

 

「取り敢えず、クロエがどれくらい料理ができるか知らないとな。まずは包丁の扱い方を見たいからきゅうりを切ってみようか。」

 

俺の言葉に彼女は頷き、きゅうりを手に取り、まな板に置く。そして両手で包丁を持って振り上げ―

 

「貴公、またれよ。」

 

俺は彼女の腕を掴んで止めた。彼女は不思議そうにこちらを見ている。

 

「その構えで力量は見抜いた。OKだから振り上げている包丁をゆっくり降ろそうか?」

 

俺は穏やかな口調で彼女の腕を降ろさせて包丁を回収した。成る程・・・大体わかった。

 

「まずは包丁の扱い方を教えよう。」

 

俺は包丁の持ち方を彼女に教え、それからは切り方をひたすら練習をさせて、覚えさせた。お陰で両手持ちで振り下ろそうとすることは無くなり、今では問題なく包丁を扱えるし、林檎の皮だって最後まで綺麗に剥く事ができるようになった。ちゃんと教えたかいがあったぜ。彼女に包丁の扱いは合格だと伝えると、満足そうに帰っていった。しかし問題が。

 

「明日の弁当会・・・どうしようか。」

 

そう、一日でクロエの包丁マスターを成し遂げたように見えるが残念、トリックだ。教えれる時間が限られているのもあり、今はもう日曜日の夕方。明日は弁当会、作る料理は決まっていない。時が流れるの速すぎない?精神年齢オジサンだからか?俺はクロエが切ってくれた林檎を食べながら考える。冷蔵庫の中身は豚肉に、クロエの練習から免れた野菜達、それらを使って作るとなると・・・

 

「肉野菜炒めにするしかないなぁ。」

 

俺はそう呟いて作ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月曜日、HRの時に山田先生から今日から転校生が二人来たと言う話があり、背は低いがとても凛々しく、威圧感を放つ銀髪の眼帯少女と、金髪の柔和な雰囲気を持つ男性?だ。しかし三人目の報道は聞いていないし、身体の線も細い気がする。

 

(あれってもしかして男装?・・・・いや、流石に入学前の検査とかでバレるだろうしそんな訳無いよな。そんなん通したらガバガバ管理すぎるし、只でさえ希少価値の男性操縦者だ。身バレを防ぐために国の方で報道規制を掛けていたとかか・・・)

 

最も、ファーストマンの一夏とセカンドマンの俺は入学の段階で個人情報駄々もれだ。お陰で外出するのも一苦労な訳だが。とそんな事を考えていたらふと隣の一夏が耳を塞いでいた。何してんだと思っていたが、気付いた。これは耳を塞がないと不味い。慌てて塞ごうとしたがもう遅い。

 

『キャーーーーー!!!!』

 

クラスメイトの絶叫に近い悲鳴に、俺の三半規管はものの見事にイカれたのだった。

 

 

 




アンケート二回目投票とります。ストーリーの展開上束さんのヒロインと考えてませんが一応入れておきます。後気づいたけど百合が多くなかったかな某国サイド。個人的に百合に挟まろうとする奴は許されない存在だと思う。


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邂逅そして弁当会

お久し振りです。
実は書き始め当初、ヒロインはセシリアとラウラどちらかの予定でした。故にセシリアは一夏寄りと言う描写が無かったりします。ただ束さんと某国サイドの方に票が集まってるのでそちらをヒロイン予定に据えていきます。


 

 

 

 

 

「やぁ、初めまして僕は--―」

 

俺がクラスメイト達の超咆哮に耳をやられている間にもう一人の転校生である銀髪の眼帯少女、ラウラに一夏がビンタされると言うアクシデントがあったが、無事ホームルームを終えた。早速フランスから来た少年、シャルルが俺達二人に挨拶をしてきた。が、

 

「すまないがゆっくり話す余裕は無さそうだ。急ぐぞ二人とも。」

 

「ああ、シャルル、運動は得意か?」

 

「えっ?何?何なの?」

 

困惑しているシャルルを急かしつつ、教室を出る。すると地響きを感じた。

 

「えっ地震?」

 

「一夏やべぇぞ!?思ったより速い!!」

 

「シャルル、手を離すなよ!?」

 

一夏はシャルルの手を掴み、走り出す。俺も二人の後に続く形で走り出した時、後ろの方から叫び声が聞こえた。

 

「いたぞー!!いたぞー!!」

 

「者共、であえー!!であえー!!」

 

「逃がすなー!!夏の祭りの資料の為にー!!」

 

そして俺達を追いかけてくる他のクラスや学年の女子生徒達。前世で女の子に追いかけられる程モテた事無いからウレシイナー(棒)後最後の奴、資料って何ですかね(震え声)

 

「何!?何なのさ!?」

 

困惑しているシャルルに俺は端的に答える。

 

「あれに捕まると質問責めと揉みくちゃにされて身体がボドボドにされたあげくに授業に間に合わず、遅刻による織斑先生の鉄拳制裁の三段コンボだ。シャルルは今日転入して来たばかりだから、皆お前を狙ってる。ちなみに一夏は一回、俺は二回あの集団に捕まった事がある。それでわかったのはあの中にめちゃくちゃ尻を揉んでくる変態が居る。」

 

「ひっ」

 

シャルルは顔を真っ青にして小さく悲鳴を上げた。痴漢現行犯で捕まえたい所だが、揉みくちゃにされている中で触ってくる上に、こちらが下手に抵抗しようとすると他の女生徒の身体に触ってしまいかねないので厳しい物がある。

 

「捕まったらこの先生きのこれないぞ。」

 

俺達は走り続け、何とか授業に間に合ったのだった。しかし、シャルルは恥ずかしがり屋なのか着替える所を見ないで欲しいと言っていた。まだ転校初日だし、どうもお坊ちゃまみたいな感じだから同年代の友達も少なかったのかもしれない。まだ警戒されてるんだろうなぁ。

その後授業では山田先生がセシリアと鈴音を完封したり、ISを使った初めての授業で専用機持ちをリーダーをグループを作るとなった際、一夏や俺、シャルルに集中して織斑先生が怒ったり、IS歩行訓練の際、一夏が姫様抱っこして生徒を乗せたりしていた。俺?もちろん俺もせがまれたのでお姫様抱っこしましたよ。全身装甲だから肌の感触とか触れ合いなんて無かったので何にも問題ないですよ。ただ、眼福でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてお昼になり、いつものメンバーにシャルルを加えた六人で屋上に集まった。お弁当会Withシャルルだ。

 

「あの・・・・僕も一緒に居て良かったのかな?」

 

購買のパンを抱えながらシャルルはそう聞いてきたが、皆は特に問題ないと答えた。交流を持つのは大事だしな。

 

「さて、まずは俺から行こうか。俺が作ったのは肉野菜炒めだが、味は少し濃いめのご飯が進くんスタイルだ。」

 

そう言って皆に食べて貰う。中々好評だったが、ご飯が進くんスタイルの味付け

はしなくても良いと言う事だった。田舎の味付けは濃すぎるのかも知れないな。

 

「次は俺だな。鮭の切り身の塩焼きだ。」

 

一夏が出した焼き鮭を食べる。流石一夏。うまかった。スゲーうまかった(語彙力喪失)。他の女性陣やシャルルにも大好評だ。

 

「次は私だ。」

 

箒が出してきたのは卵焼きと唐揚げだ。一夏は卵焼きを一口食べて、「そうそうこの味だよ。やっぱり箒の卵焼きは美味いなぁ。」と誉めていて、箒はめちゃくちゃ嬉しそうだ。唐揚げも美味かったので、一夏の進めもあり、箒も料理を教えて貰うことになった。まぁ、料理も擬音祭りじゃない事を祈ろう。

 

 

「次は私ね!!」

 

鈴音は酢豚を出した。パイナップルが入っていたので、本場の方でも入れているんだなぁと関心した。そう言えば少し前に一夏が鈴音と酢豚がどーのこーので揉めたと聞いた。結局クラス代表戦のゴタゴタでの後、解決したらしいが。

 

「鈴さんや、聞きたかったんだが酢豚にパイナップルを入れるのはなんでなん?」

 

俺は長年の疑問を鈴音に聞いてみた。相棒の右京さんですら[意味がわかりません。]と言うのだ。気になるのも無理は無いだろう。

 

「ああ、パイナップル入り酢豚って昔中国に住んでた西洋人向けに作られた料理なのよ。当時は高級感を出そうとしたらしいけど今では酵素作用でお肉を柔らかくしてくれる効果があるのがわかってるから入れる意味はあるのよ。ちなみに酵素は熱に弱いから熱処理してる缶詰じゃなくて生のパイナップルじゃなきゃダメよ。」

 

へぇ~勉強になるな。当然の如く美味しいので教えて貰うことになった。フィーリング講習じゃないことを祈る。

 

「最後は私ですわね。」

 

そう言ってセシリアが意気揚々と出したのはサンドイッチ。見た目は整っており、とても美味しそうだ。

 

「じゃあ、いただきます。」

 

そう言って皆で食べ始めた瞬間、衝撃が口の中を駆け抜けた。俺は意識が飛びそうになるのを必死に耐え、お茶を流し込む。まわりは俺と同じく飲み物で必死に流し込もうとする者、吐き出しそうになるのを堪えるもの、天を仰いで涙を堪えるもの、放心状態に近い者。先程までの和気あいあいとした雰囲気は無くなり、地獄と化していた。

 

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

 

この地獄を産み出してしまった本人は泣きながら頭を下げてひたすら謝っていた。だが俺は彼女を責める気は無かった。考えたら無理も無い。彼女はイギリスの名家の当主も勤めている貴族なのだ。料理も使用人がいるだろうから彼女自身、恐らく初めて料理を作ったのかもしれない。なまじ俺が煽りまくった為、引くに引けない状態になったのだろう。そうしてしまったのは自分が原因だ。

 

「ふぅ・・・」

 

ならば・・・やるべき事はひとつだ。覚悟を決めろ。心を燃やせ。霧雲優斗。

 

「うぉぉぉぉ!?」バクッバクッ

 

俺は、セシリアの作ったサンドイッチを自分の元に持ってきて一気に食べ始めた。

 

「何やってんだよ優斗!?」

 

一夏がそう叫んでいるが俺は無視して食べ続ける。

 

「そんな・・・やめてください優斗さん!!」

 

セシリアの制止を振り切り、一気に頬張る。

 

「止めろ!!それ以上はお前が死んでしまう!!」

 

「アンタそれ以上はダメよ!!痙攣してるし顔真っ青になってるから!?」

 

箒や鈴音の言う通りかも知れない。だが俺は止まらない。

 

「・・・」

 

シャルルは絶句していた。まぁ、そうなるな。

 

 

「うぷっ・・・」

 

最後の力を振り絞って口にいれ、お茶で流し込み、そして俺は完食した。皆が心配そうに見守る中で俺は肩で息を吐きながら感想を述べる。

 

「何だよ・・・結構食えんじゃねえか・・・グゥッ」ダメージ声

 

「優斗さん!!」

 

皆が泣いていた。俺の無茶を最後まで見守っていたからだ。

 

「泣くなセシリア・・・過ちをただ認めて・・・次に生かせば良い。それが大人の特権だ・・・」

 

俺は立ち上がると思った以上に身体がヤバイ事になっていた。視界が明滅し、震えも止まらない。頭もグワングワンと揺れながらも保健室へ向かおうとするが、限界を迎えて倒れてしまう。

 

「俺は止まらねぇからよ・・・だから・・・」

 

倒れながらも、最後の力で前を指差す。

 

「止まるんじゃねぇぞ・・・」

 

俺はそう言った後、皆が俺の名前を叫んでいたような気がした。

 

 

 

 




アンケート、まさかの束さん伸びてますね。執筆開始時の構想ではラスボスでしたし、今考えてる立ち位置的にもヒロイン化は難しいかなぁ・・・やはり田村ゆかりボイスにえちえちぼでーアネキだからでしょうか?
弁当会は後半ふざけました。だが私は謝らない( ・`д・´)キリッ
最初はオルガの止まるんじゃねぇぞのパロディだけの予定でした。台詞を思い出すためにの為に久しぶりにオルフェンズの例のシーンを見直しましたが、意外とオルガ喋ってるんですよね。全部組み込むの僕の才能じゃ無理やな~ってなって取り敢えず皆に引き留められても止まらないオリ主になりました。ちゃっかり一番酷いことを言っているかもしれない箒。シャルルは言う台詞が思い付かなかった。
ちなみに最初から読み直して書き忘れていた設定があったので一つ。
全員でセシリア料理を食べてセシリアが自分の料理がヤベー奴だと自覚しますが、原作ではない展開です。クラス代表を決める際、原作の流れを変えられないんだろうとオリ主は推測していますが、実はそんな事はありません。オリ主は普通に負けただけです。
オリ主がいる以上、原作通りとは行きません。原作と違う事が起きれば、原作とは違う展開になります。今回では些細な事ですが、今後、大きなターニングポイントでそういった事が起きれば、大きく変わります。クロエの接触とかもそうですね。
ではまた次回


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お願いそして相談

 

あの後俺は無事に保健室へ運ばれた。回復するのに時間がかかり、俺が復帰したのはHRの最中だった。まず皆に迷惑や心配させてしまった事を謝った。織斑先生からは次から気を付ける様に。と注意され、山田先生はとても心配してくれていた。

HR終了後、いつものメンバーで訓練をする為アリーナに移動する時にセシリアから謝られた。俺にも原因があるので気にしなくても良いのだが、それでもセシリアは気にしている様だったので、ならISの射撃と狙撃のコツを教えて貰うことにした。

最近になり、漸く壁ドン(体当たり)回数が減ってきたので次のステップに進める様になった。シナンジュは射撃寄りの機体だし、いつものメンバーでは射撃型の機体はセシリアだけなので教えてくれたら助かる。と伝えたら誠心誠意対応しますと言う感じで了承してくれた。いや、本当に料理の件は気にしなくても良いんだけどなぁ・・・

 

 

 

アリーナでの訓練だが、今回からはシャルルも練習に参加するので見せてもらおうか、三人目の男性操縦者の腕前と言うものを。と後方腕組みオジサンをしようと思っていたら、シャルル君めちゃくちゃ操縦上手かったでござるの巻。今では俺と一夏はシャルルのアドバイスを熱心に聞いていた。教え方も非常に分かりやすい。こう言う指導者がもっと早く欲しかった。(いつものメンバーが何か言いたそうだが、俺は知らない。)

 

そんな時、嫌な気配を感じた俺はそちらに視線を向けると、もう一人の転校生であるラウラがISを纏ってこちらに来た。彼女は一夏に対してかなり当たりが厳しく、今も一夏と戦おうとしている。煽りの為とは言え、開幕レールガンぶっぱには驚いた。シャルルが防いでくれた後、教員が注意してくれたので何とかその場は収まった。一夏の様子を見るに何か心当たりがありそうだが、本人が話したく無さそうに感じたので、俺は触れずに練習をする事にした。無理矢理聞き出すのは良くないしな。親しき仲にも礼儀あり。だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ、優斗様。」

 

「ああ、ただいま。」

 

部屋に帰るといつもの様に料理を学びに来たクロエが出迎えてくれた。俺は普通に挨拶を返しつつ、彼女を見つめた。

 

(しかし・・・結局彼女は何者だろうか?)

 

自分が調べた限りでは少なくともIS学園の生徒や教員にクロエの名前は無かった。出入りしている業者関係にも該当せず。無論、卒業生の中にも。他の学年の人が偽名を名乗っている可能性は否定しきれないが、その可能性は低い。そもそもそんな事をするメリットも無いし。

始めて会った時は顔を見に来ただけだと言い、今では料理を教わりに来ている彼女だが、それだけでは無い気がする。

 

(まぁ、良いか。それに・・・)

 

「どうかしましたか?」

 

首を傾げて聞いてくるクロエに、なんでも無いと答えて荷物を置いてキッチンへと向かう。

 

(彼女は信頼しても大丈夫だ。って感じるからな。)

 

俺自身、よく分からないがそういう確信を抱いている。理由は分からないがそう感じるから仕方がない。

 

(まぁ、考えるだけ無駄か。)

 

取り敢えず気にしない事にして、俺はクロエに料理を教える事にした。

 

 

 

 

 

 

 

「優斗様、お願いがあります。」

 

料理を無事に伝授し終え、クロエが帰るのを見送ろうとした時、彼女が俺にそう話しかけてきた。料理の事かと思って聞いてみるとそれは意外な事だった。

 

「・・・わかった。努力はしてみるが、余り期待に添えないかも知れないぞ。」

 

俺がそう言うとクロエが頭を下げてお礼を言い、帰っていった。一人になった俺はベッドに寝っ転がり、天井を見ながら呟いた。

 

「さて、どうしようか・・・」

 

クロエのお願いと言うのは、ラウラの事で、彼女を気にかけて欲しいと言う事だった。知り合いなのかと聞いてみると、クロエが一方的に知っているだけだと言う。ただ、孤立してしまわないか不安だという事で、俺にお願いしたという事だった。

 

「明日話しかけてみるかぁ・・・」

 

完全に自信は無い。なんせ彼女は一夏に夢中(悪い意味)で俺の事眼中に無かったしなぁ。話しかけても無視されそう。

なんか不安になってきた。大丈夫だよな・・・?

 

そして翌日・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうむりぽ・・・」

 

机に突っ伏し、俺は無事敗北宣言をする。大体こんな感じだった。

 

「ボーデヴィッヒさん、ちょっと良い?」

 

「断る。」

 

「聞きたい事が・・・」

 

「話しかけてくるな」

 

「あの・・・」

 

「黙れ」

 

無視どころか邪険に扱われて取り付く島も無いと言う。転生した身でこの台詞は言いたく無かったけど、俺、何かしましたか?(震え声)

 

「大丈夫霧雲君?」

 

そんな俺に同じクラスの相川さんが声をかけてくれたが俺はうつ伏せのまま答えた。

 

「駄目です・・・泣きそうです。辛いです。」

 

精神年齢40歳でも、キツいものはキツい。こちとら心は豆腐 やぞ。折れる所か真っ二つに切れる潰せばグチャグチャになるからな。

 

「でもどうしてボーデヴィッヒさんに話しかけたの?」

 

一緒に居た谷口さんが不思議そうに聞いてくる。まぁ一夏と仲の良い俺が一夏を敵の様に嫌っているラウラに話しかけていればそう思うのは無理も無いだろう。

 

 

「・・・知り合いに気にかけてほしいと頼まれて、まずは友達になろうかと思ったけど、駄目でした。」

 

俺の言葉に皆が納得してくれた様だ。とりあえず現状はラウラとの友好を結ぶのは不可能に近いだろう。俺の心が回復したらまた挑戦してみるか・・・(震え声)

その後は傷心ながらも授業を受け、放課後の訓練では主にセシリアと射撃訓練をした。今日はクロエは来ないみたいなので、食堂で食べた後、ゆっくりと部屋でゲームをしていた。

 

「しかしどうしたものかねぇ・・・」

 

このゲームの攻略方法然り、ラウラとの友好関係を結ぶ方法然りだ。まったくもってわからん。後者に至っては詰んでる状態に等しい。バナージ君みたいに「これ以上、何をどうしろって言うんです!!」って叫びたい。なんて考えてたら、一夏からメールが来た。なんでも相談したいことがあるから部屋に来て欲しいということだった。何だろうと思いつつ、ゲームをスタートボタンで一時中断して一夏の部屋へ向かった。

 

 

 

「一夏、私だ。」

 

ドアをノックして呼びかけてみる。少ししたらドアの鍵が開く音が聞こえ、一夏が出てきた。

 

「悪いな優斗、こんな時間に・・・」

 

「大丈夫だ。問題無い。」

 

一夏の部屋に入るとシャルル君が居た。居たけど・・・・・身体付きがどう見ても女性だった。もしかしてシャルル君はシャルルちゃんだったのか?

 

「もしかして、相談したい事って、シャルル君もとい、シャルルちゃんの事か?」

 

俺が問いかけると一夏は頷き、シャルルちゃんは申し訳無さそうにこじんまりとしていた。

 

「成程・・・」

 

これは面倒な事に巻き込まれたな。と内心で深いため息を吐いた。でも、シャルルちゃんの秘密を知った以上しょうがない。

 

「とりあえず、事情や状況を把握したい。説明してくれるか?」

 

覚悟を決めた俺はシャルルちゃんにそう促すのであった。

 

 




お久しぶりです。最近なろう読み漁りに耽ってました。やっぱり他の人が書いた作品スゲーってなってます。なおそれを活かせない模様。
そしてお気に入り100超えてるのに驚きです。ありがとうございます。 


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相談そして恩返し

お久しぶりです。かなり間が空きました。


 

 

 

 

 

シャルルちゃんから身の上話と男装してIS学園に来た理由を聞き終えた俺は出されていたお茶をゆっくりと飲み、一息吐く。うん。 

 

自分の想像以上に厄介な案件じゃんこれ!?

 

母親と二人で暮らしていたけど母親の死後、実は社長の愛人の子供だったと言うことが発覚。所が立場故に本妻から疎まれていて、父親ともあまり話せない状態だったと。そんな中でISの適性が高い事が解り、デュノア社のテストパイロットしていた。そんで父親が経営しているデュノア社が第三世代の開発が難航し、経営的に厳しくなり、そんな現状打開の為にシャルルちゃんを男性と偽りIS学園に転入、一夏の白式や俺のシナンジュスタインのデータを入手してデュノア社に送り、それを元にして第3世代期を作る。という計画だったが、先程一夏に男装がバレたと言うことらしい。もしこれが公になれば、シャルルちゃんはIS国学園から強制退学の後に強制送還、そして処刑になる。諦めていたシャルルちゃんを一夏が説得し、そして協力者として俺を呼んだらしい。

 

「そしてシャルル君もとい、シャルロットちゃんの秘密を知ってしまった以上俺も共犯者か・・・この私の目をもってしても見抜けなかった。」

 

俺がそう言うと彼女は申し訳なさそうにしている。

 

「悪い。だけど優斗には話さなきゃって思って。」

 

一夏の言葉にまぁそうだよなぁとは思う。俺も一夏と同じ立場だったら真っ先に一夏に話す。学園内で心置きなく話せる人物で、協力してくれるという確信もあるが、話しておかないとラッキースケベとか起きそうな気がする。一夏なら特に。

 

「今日はもう遅いし、明日には織斑先生にこの話をするか。そんでIS学園側にも協力してもらおう。」

 

「えっ千冬姉に話すのか!?」

 

「えっ話すんじゃないのか?」

 

俺がそう言うと一夏が驚いていたので俺も思わず聞き返した。話してみるとどうやら認識の齟齬があり、一夏の考えだとこのまま隠し通して生活して行き、解決策を探すつもりだったみたいだった。そして協力者として俺を呼んだらしい。

 

「まぁそれも一つの方法だけどさ・・・このまま隠すと言う方法は駄目だ。作戦的にも将来的にも下の下策だと思うぞ。」

 

どういう事だ?と一夏が聞いてくるので説明する。

 

「まずシャルロットちゃんがこのままシャルル君でいる事事態が問題だな。このまま残り二年半も隠し通せる保証はまず無いから今の内に学園側に全部話して保護してもらう方が良い。それに隠し通すならその間男装し続けなきゃいけなくなるからシャルロットちゃんに掛かる負担がでかすぎるのも問題だ。」

 

なにかの拍子にバレる可能性があるのは先程経験しただろう?と二人に問えば顔を赤くしていた。

 

「それに時間が経てば経つ程恐いのがシャルルファンクラブの連中だなぁ。」

 

「ちょっと待って!?僕のファンクラブってあるの!?」

 

「うん。転校初日にはもうできてたよ。」

 

「嘘ぉ・・・・」

 

シャルロットはその事に驚いているが、世界的に有名人の弟である一夏や、デュノア社の秘蔵っ子のシャルル君の二人に比べると何もないそこらへんの一般人である俺にもファンクラブが出来てんだからそっちの方に驚きである。偏見だけど女の人ってブランド力とか玉の輿を狙ったりする人が多いと思ってたんだけどなぁ・・・前世の会社の後輩達がそうだったし。ブランド物とか有能彼氏のマウント合戦はそれはもう見ていて恐ろしかった・・・っとそれは置いておこう。

 

「シャルル君は実は女の子でした。って知った時、ファンクラブの娘たちがどんな事をするかわからないからな。騙し続けてバレるより、今の内に全部公表しておいた方がシャルロットちゃんの身の安全に繋がるよ。過激なファンってのが一番恐いからなぁ・・・」

 

前世でも今世でもそうだったが、有名人の熱愛報道が発覚して暴走したり凶行に走るファンが居たりする。裏切られたと感じた瞬間、好感度MAXが反転して嫌悪感MAXになるんだろうか?

俺は推しが幸せになるならOKです。の後方腕組おじさんだから、イマイチわからないからなぁ・・・

 

「後、少なくともIS学園側はシャルロットちゃんの事は把握していた上でシャルル君として入学させたと思うんだ。じゃないと織斑先生が見過ごす筈が無いからね。」

 

「確かに千冬姉なら気付くよな。」

 

俺の言葉に一夏は納得している。俺個人の見解だが、織斑先生は一夏の事を気にかけているようなので、仮にシャルロットちゃんがハニートラップ目的で近づいてきたら見過ごさないと思う。だけど、今の所何も起こしていないところを見ると問題は無いと判断しているのだろう。

 

「俺の予想だと学園側はすぐに対応してくれると思う。だから、明日時間が合うタイミングで織斑先生の所に行こう。隠し続けるより断然良い。」

 

「うん。そうだね・・・そうするよ。」

 

「ああ・・・」

 

俺がそう言うと、シャルロットは納得しているが、一夏はまだ悩んでいる様に見えた。気になった俺は聞いてみると、一夏は答えてくれた。

 

「悪い・・・個人的な事でさ。千冬姉に迷惑をかけたくないって思うんだ。そうしなきゃいけないのはわかってるけど・・・」

 

前に一夏は物心付いた時から両親が居らず、ずっと織斑先生が頑張って面倒を見てくれていたと言っていた。だからこれ以上迷惑や心配させたくないとも。

 

「一夏のその気持ちは理解できる。だけど、俺達はまだ15歳の子供だ。できる事は限られている。悪いけど今は織斑先生を頼るしかない。」

 

やはり一夏は理解はしているがまだ納得しきれてない。だから俺は続ける。

 

「だからさ、俺達が大人になったら迷惑かけた事とか、世話になった恩を返してやろうぜ。感謝の分だけ利子をつけてさ。」

 

俺の言葉に一夏はハッとした表情をしてこちらを見る。気付いてくれたようだ。今は返せなくとも後で返せば良いという事に。

 

「お金の利子は法律があるけど、恩に利子の法律は無いからな。倍返ししてもなんらって問題はないって事さ。今は駄目でも未来に倍返しってな。」

 

まぁ裏を返せば踏み倒したりても問題無いって事にもなるけどな。返すかどうかはその人自身の裁量になるが、姉思いの一夏なら倍返しにするだろう。

 

「そっか・・・そう言う考え方もあるのか。ありがとう優斗。」

 

一夏も納得してくれた様で良かった。その後、明日の朝に織斑先生に話そうという事になった。俺も行こうと思ったんだが、二人で大丈夫だと言うので俺は了承して、自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です。優斗様。」

 

部屋に戻ったらクロエが椅子に座って待っていた。今日は遅く来たんだなと驚きつつ、彼女の向かい側に座る。

 

「今日はどうかしたの?」

 

聞いてみるとどうやら入れ違いに近い形だったようでつけっぱなしのゲームとか片付けてくれていた。申し訳ねぇ・・・

 

「今日は何をしていたんですか?」

 

彼女の質問に俺はラウラとのやり取りや、シャルロットの事は伏せつつも一夏の事を話した。

 

「感謝の分だけ利子を付けて恩を返す。ですか・・・」

 

「うん。まぁ身も蓋もない事を言えば恩を返すか、返さずに踏み倒すか、仇で返すかはその人の裁量次第さ。」

 

俺がそう言うとクロエは少し考え、そして俺に問いかける。

 

「私は返しても返しきれない恩を貰っているんですが、どうすれば良いのでしょうか?」

 

「そうだなぁ・・・クロエは恩を返す為に毎日料理を頑張っているんだろう?それを続けて行くしかないかなぁ。後は忙しいみたいだから掃除とか整理するとかやってみるのも良いかもしれないな。」

 

彼女を引き取った義理の親に対する恩の事だろう。こればかりは俺から言える事はあまり無い。返したいと言うクロエの気持ち次第になるからな。

 

「その様子だと義親とは仲良くしてるみたいだな。」

 

俺がそう言うと、彼女は嬉しそうに肯定した。研究一筋の義親だけどもよく話したり、また、作った料理を褒めてくれるようだ。

そんな彼女を見て、ふとシャルロットの事が浮かんだ。クロエは義理の親との関係が良好であるのに対し、シャルロットが実の父親との関係が上手くいってないのは日頃の会話が少なかったからなのでは無いだろうか?まぁそもそもシャルロットからすればいきなり自分が愛人の子で、見知らぬ人が自分の父親だ言われても話しかけれるかと言われたら無理だわなぁ・・・

シャルロットの父親も会社が忙しいとはいえ、そこらへん気を使わなかったのだろうか?シャルロットの話を聞く限りでは無理矢理連れて来たみたいだけど、義理の子が心配だからという割には塩対応みたいだし、目の届く所に置きたいと考えたか?だけどそうなると会社の危機とはいえ急に目の届かないIS学園に送りこむか?それにスパイをするなら訓練をした信用出来る奴にやらせるだろう。ちゃんと訓練を受けてないシャルロットにやらせるだろうか?男装させたのも俺や一夏に近づきやすくするためだとしても・・・

 

「どうかしましたか、優斗様?」

 

思考の海に落ちていた俺を引っ張り出したのは、クロエだった。気になる事が多すぎて深みに嵌ってしまっていた。 

 

「ああ、ごめん。考え事をしてた。」

 

「そうですか・・・でも大丈夫だと思います。彼女の事も不安かもしれませんが、問題ありません。いずれ解決すると思います。」

 

俺が謝った後、クロエがそう言った。彼女とは恐らくラウラの事だろうけどすまない、考えていたのはシャルロットの事なんだ・・・・

 

「そうか・・・うん。ありがとう。」

 

まぁ、何にせよわからない事が多すぎるし一人で考えてもしょうがない。シャルロットの事は何かあったら一夏に任せよう(他力本願)。まぁ、実際俺よりも一夏の方が上手くやるだろう。頑張れ一夏。何かあったら後方腕組みおじさんがアドバイスしたり、骨は拾ってやるからな。

そう決めた俺はその後クロエと他愛もない話をしながら過ごしたのだった。

 

 

 



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対応そして連行

 

 

 

 

 

 

 

今、俺達男組Withシャルロットはアリーナへ走っている。

 

「嫌な予感しかしないな・・・」

 

走りながら俺は小さく呟いた。経緯は不明だが、なんとアリーナで練習していたセシリアと鈴音がラウラと戦闘しているという話を聞き、三人で向かっていた。アリーナに到着し、確認すると二人のISはボロボロにも関わらず、ラウラが追撃をかけようとしていた。

 

「鈴、セシリア!!」

 

一夏は白式を展開してアリーナのバリアを切り裂き侵入する。俺とシャルロットも後に続き、一夏はラウラへ向かい、俺とシャルロットもISを展開して二人の救出に向かおうとする。だが、ラウラの元に向かっていた一夏の動きが斬りかかる途中で変に止められた。そしてニヤリと笑い、背中のレールキャノンを構えるラウラ。それを見た瞬間、俺はヤバいと思い、全力機動で無理矢理側面に回り込んでビームライフルを放つ。ラウラは舌打ちをして回避行動を取る。すると一夏の拘束が解けた様だ。

 

(単体に対して拘束技が使えるのか?いや、それ普通にヤバくね?)

 

完全拘束からのレールガンとか確殺技だ。しかも軍人でもあるというラウラ自体の能力も当然高いので、それを抜きにしても当然強い。そりゃああの二人がボロボロにされるわけだ。正直二人を救出しながら戦うのはかなり分の悪い話だがやるしかない。一夏の動きに合わせて援護射撃を行い、ラウラの意識を逸らさせる。そして救出しているシャルロットにヘイトが向かないように注意する。嫌なタイミングで攻撃していた俺に意識が向いた一瞬の隙に一夏がラウラに斬りかかり、ラウラもそれに気付き迎撃しようとした瞬間、凄まじい圧を感じた。

・・・・気が付いたら織斑先生が打鉄の刀で二人の攻撃を受け止めていた。生身で。うん。ツッコミ所が多いけどそんな状態だった。その後織斑先生がトーナメント戦まで私闘を禁止する。という鶴の一声で決着が付いた。

 

 

 

 

 

 

 

その後、鈴音とセシリアの二人は保健室に搬送されて結果は要治療ということになった。しかし本人達よりISのダメージがひどく、次のトーナメント戦は参加出来ないとの事。ちなみにラウラと戦闘になった原因を本人達は頑なに喋らなかったが、恐らく一夏の事で何か言われたのだろう。そんな事を考えていた時、地響きが近付いてくる音がする。なんだこのプレッシャーは・・・・!?

 

「織斑君!!」

 

「デュノア君!!」

 

「霧雲君!!」

 

保健室に大量の女子生徒が押し掛ける。セシリアや鈴音のお見舞いじゃなさそうだ。なんか俺たちに用があるみたいだし。

 

『私のパートナーになって下さい!!』

 

そう言って頭を下げ、こちらに紙を差し出す女子生徒達。その紙を確認するとタッグマッチトーナメントの案内と申し込み表だった。どうやら前回の襲撃の事もあり、万が一また襲撃があった際の事を考慮しての事だろう。パートナーは基本的に自由みたいらしく、それを知った女子生徒達が専用機持ち+男子生徒である俺達に申し込んで来たのだ。

 

「あー、タッグマッチトーナメントの件か。・・・申し訳ないんだけど実は三人で話し合って一夏とシャルルは二人で組む事に決めてな。そうだろ二人共?」

 

俺が咄嗟にそう言って二人に話を振ると、困惑していた二人だが一夏がハッと気付いた様にシャルロットの肩を組んで答える。

 

「ああ、そうなんだ。ごめんな皆。」

 

「う、うん。」

 

そんな二人を見て残念〜と言ってる人も居れば一シャルてぇてぇとか、シャル一派だけどコレはコレでアリ。って言ってる奴も居る。コイツは腐ってやがりますねぇ・・・

だがとりあえずこれでシャルル君がシャルロットちゃんでしたってバレるリスクはかなり減ったはずだ。それに学年別タッグマッチトーナメントと言うなら、一年生の中で単体で実力があるラウラが一人でも勝ち進むのは確定的に明らかだ。セシリアと鈴音が出場出来ない今、実力のあるシャルロットと一夏が組む事で、ラウラと当たり、そして勝利の可能性を上げるのにも繋がる。俺はさっきの戦いでわかったけど停止攻撃中に差込で嫌がらせはできるけどラウラにダメージを与えるのは厳しそうだからなぁ。仮に俺と一夏が組んだ場合だとジリ貧で負けそうな感じがする。

 

「それで俺は・・・」

 

・・・・どうしよう?何も考えて無かったわ。そして皆さん何か少し距離詰めて無い?何か怖いんですけど。圧が凄いんですけど。保健室の壁際に追い詰められたんだけど、むしろ崖際に追い込まれた感じがする。

 

『お願いします!!』

 

何かさっきまで一夏とかシャルル君目当てだった人もこっちに来てるんですけど。俺に乗り換えんでもろて。何とか逃げ道はないかとタッグマッチトーナメント表の紙を見る。そこに

『ペアが出来なかった者は抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする。』

とある。それに活路を見出した俺は

 

「ペアを選ばず抽選でコンビ組もうかと思う。」

 

ドヤ顔でそう答えた。これで俺の危機も回避した。と思ったんだけど・・・そこでまさか集まっていた皆に待ったをかけられた。曰く、タッグマッチになった以上、トーナメント戦における連携や立ち回りも評価に入るだろうから即席コンビでは良くないのでは無いかと。私達には男子生徒とコンビを組む権利と義務がある。と。いや、権利と義務って何さ?

ただ、評価に繋がるのと即席コンビが良くないのは納得した。それに俺自身、連携練習をしたいとも思ったのもある。俺が悩んでるのを察知したのかパートナーを組みましょうという説得と圧が凄くなった。特にここでパートナーを決めろという圧が凄い。知り合いである箒と組もうと考えたが、当の本人が居ない為断念。

 

「わかった・・・とりあえず保健室だと迷惑になるから・・・食堂に行こう・・・」

 

彼女達の圧に負けた俺がそう提案した瞬間に両手、両肩を掴まれ、周りも囲まれて包囲網が作られた。絶対に逃さないという気概を感じる。女の子に囲まれて手を掴まれているのに別の意味でドキドキしてる。トキメキじゃなくて何かの危機的な意味で。保健室から連れて行かれてる俺に一夏が声を声をかけてきた。

 

「優斗・・・・骨は拾ってやる。」

 

「・・・・頼む。」

 

俺の言葉を聞いた一夏は大きく頷くのを見た俺は、皆に促されるまま、保健室を後にした。

 

 

 

 

 



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