【SW2.5リプレイ】異世界行ったら女の子になってた件について。 (TS好きさん)
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第一期『わがまま』
第一回『ラクシアへ』 - 1


GMとPLが血反吐を吐きながら紡ぎあげる作品である……!
完結するかはわかりませんし、不透明なのですが、たぶん完結してくれます。
GMもPLもセッションの展開が気になりすぎて夜も眠れんのや……。

一応一区切りつくところまではセッションが終わっているので、順次投稿していきます。


GM:SW2.5でTSやろうぜ!

PL:ああ、いいっすねぇ!

GM:シチュどうする!?

PL:そうですねぇ……。

 

 なんて感じでめっちゃ軽いノリで始まった卓。

 GM とPLは最近リリースされた某ソシャゲに影響を受けてか妙にノリノリである。

 というかそもそもTS好きな為に波長が合ってしまったのである。

 

 ひとまずまとまったシチュエーションは以下の通り。

 

・転移の際に知り合いも巻き込まれる。

・転移と共に何らかの要因でTS

・強制的にさせられる

・TSと知らずに転移する

・召喚されます(強制)

・TSの際に若返ります

・古い神殿に呼ばれる(人為的ではない)

 

 さて、この様にまとまった。

 はてさて、本編はどのようになるのだろうか……。

 

GM:キャラシでけた?

PL:できましたー。でも転移なんで何も技能とってません。

GM:え? なんで?

PL:え? 転移者だからですよ?

GM:あ、はい。

 

 そしてキャラは悲しいが何も取っていない。何ともまあ悲しい。

 種族はこのGM オリジナルの転移者。

 種族特徴が[剣の加護/運命確定]という1日に1度までなんでもクリティカルにさせてしまうヤベー能力だ。

 ただし、生まれは一般人だけしかなく、能力ダイスは器用から順に 2d 1d 1d 2d 1d+6 1d となっている。

 比較的安定するが、こんな特徴持ってんだし弱くてもしゃーない。

 

PL:あ、PC社畜なんですけど。いいです?

GM:あ、じゃあ精神+6ね!

 

 ロールに合わせようとするので、その手の提案であるならばこのGM は比較的PLに甘い。

 と言うかそれがなくてもだだ甘である。そう言う点であれば氷砂糖すら目じゃないか。

 正直甘くしすぎたとは思うもこれから大変になるんだ、これくらいは許そうと思う。

 ただし、まだ展開は考え切れていない。これからどうしたものか。

 

 因みに能力値はこの様になった。

 

名前:羽崎 海音(はざき かいと)

種族:転移人

生まれ:一般人(技体心は人間のものと同じ)

能力「技体心+ダイス=合計(ボーナス値)」

器用: 7 + 8 = 15 (2)

敏捷: 7 + 6 = 13 (2)

筋力: 7 + 1 = 8 (1)

生命: 7 + 3 = 10 (1)

知力: 7 + 11 = 18 (3)

精神: 7 + 10 = 17 (2)

・メモ

21歳 社会人 社畜

転移する前までは大工工事関係の仕事に従事しており朝から晩まで働いてることが多い

珍しく有給が取れて今でもつるんでいる2人の友達と久しぶりに再会する

 

 メモはそのまま引用。最初に2人と会うとかいう話だったが4人に増えているのは何故なのか。

 

GM:(女体化だからって筋力は上げないとは言っていたが……、1とか気合入ってるな……)

GM:ただ、クロースアーマーだけは装備して?

PL -> 海音:あい。

 

 無理やりクロースアーマーを着せてやった。

 これでどうにか戦闘には耐えうるな。

 

GM:ひとまずNPCの立ち絵はこっちで決めるけどそっちの立ち絵は?

海音:いいのがないんですよねぇ……。

 

 この時、セッションは自分のサーバーにあるどどんとふで行っている。

 なので版権だろうが何だってあげれちゃう。

 みんなも自鯖を持とうね!!

 

GM:じゃあ、これどう?

 

 ひとまずそこらへんで拾ってきた立ち絵を提示した。

 

海音:あっ、いい。

 

 どうやら性癖にドストライクのようだ。やったぜ。

 

GM:それじゃあ一旦始めて行こうか。

海音:よろしくお願いします。

 

 

================================

 

 

GM:君は社畜だ。高校を卒業した時から建設業と言う職に就き、3年経とうとしている。

   忙しい日々送る君だったが、短い休暇を得ることができ旧友らとあう約束を取ることができた。

 

 因みにNPCたち、要するに友人たちの名前は決定している。

 彼らについては後々紹介しよう。

 

海音:「いやぁ、ひさしぶりの休暇っていいなぁ!」

 

 久しぶり、うん。この一言でかなりの社畜具合、ワーカーホリックっぷりがわかる。

 だが真の社畜は休暇を求めず働き続けるのである。こわい!

 

トウヤ:「休暇ねぇ、ワーカーホリック?」

 

 彼は一木 統夜(いつき とうや)。海音とは同い年の幼馴染である。

 高校を卒業して就職する海音とは別の道を選び、理工系の大学生となった。

 

海音:「ただ忙しいだけだよ!建築ラッシュでこっちの会社もてんてこ舞いなんだよ!」

イクト:「まー、仕事と言うのは大抵そう言うものだし、仕方ないでござるよ」b 

 

 最後にbなどと付けてサムズアップするデブオタこと渡長 善斗(となが いくと)。

 海音とは同級生であり、立ち絵の差分に痩せていたのがあったので後にものすごく痩せる。

 イクトは専門学生であり、今年卒業なのだとか。

 

リュカ:「あ、僕は来年からだしまだわからない悩みだなぁ~」

 

 小難しそうな顔になっているのは広本 流歌(ひろもと りゅか)。

 海音、トウヤ、イクトとは1歳下の後輩である。 

 

マサ:「そうですね、僕もそうです」

 

 地味に輪の中に入っているのは端谷 舞沙(はしたに まさ)。

 彼は鉄道とアニメオタクである。彼も1歳年下だ。

 

 そしてここから長きにわたるロールプレイング(以下RP)のセッションが始まる。

 

海音:「仕事は無心でやるのがいいぞ、後は体が勝手に覚えてくれる」

トウヤ:「まだ2年だったか、まあ早いうちにしないとな」

イクト:「仕事について拙者はもう大体決めたでござるよ? まあ今年で卒業だから仕方ないことでござるけども」

海音:「お、イクトも来年から社会人か」

イクト:「そうでござるよ~、早めに働いて軍資金を手に入れるでござる」

マサ:「来たるべき戦に向けて、ですね」

海音:「コミケとかはほんとにやばいって言うし気を付けろよ?」

マサ:「何を言ってるんです。あそこはもはや庭ですよ」

イクト:「プランはばっちり準備、戦には最適な状態で挑むものでござるよ!」

海音:「お、おうそうか」

リュカ:「はは、まあほしい同人誌とかあるもんね」

マサ:「リュカは親に連れられて4歳からの常連だし、敵はいない」

リュカ:「ははは……」

トウヤ:「ま、頼むもんあったらまたその時は頼むわ」

イクト:「任せるでござる!」

海音:「俺も一度は行ってみたいが、忙しい時機が重なるからなぁ」

 

 海音は軽くため息を吐く。

 それはもちろんオタクなので行きたくなるのは仕方のないことだ。

 地方民は辛い。

 

海音:「いやぁ、それにしても3年って早いもんだなぁ……」しみじみ

トウヤ:「まあな。俺らが卒業したらすぐにこいつらも卒業したし、あっという間だったな」

トウヤ:「さて、飲み行くか」

リュカ:「いいですね!」

海音:「このメンツだと久しぶりだな」

マサ:「僕はまだ19なので遠慮し解きます」

リュカ:「あれ、そだっけ」

イクト:「リュカ氏はもう成人でござるか?」

リュカ:「そだよー、だから楽しみでさ!」

トウヤ:「ほーんと、この面子は久しぶりだな」

 

 こうして軽食を食べ終えた彼らは店へと進む。

 

海音:「だったらまずはどこか食いに行くか?」

 

 その途中、信号待ちでの出来事だった。

 

トウヤ:「イイ店があんだよ」

 

 信号が青になりトウヤが先頭で歩きはじめる

 つられてイクトがそれに続き、トウヤと話すために君が追随する。

 

リュカ:「先輩!」

 

 後ろから君たちを呼ぶ声

 

マサ:「タンカーが……!!」

 

 だが、もう遅かった。

 

海音:「おう、どうs」

 

 この日、暴走したタンカーによって大規模な事故が起こることとなる。

 そして、十数人の死傷者が出ることになる。

 

 その内の死者5人、それは彼らであった。

 

 

================================

 

 

 "あらー、辛かったわねぇー"

 

 空間とも言い難い、あやふやな世界に立っていた

 目の前にはよくわけのわからない存在

 認識すると同時に姿を忘れるといった不思議の塊

 

 などという神様登場のテンプレである。

 

トウヤ:「ここ、は……?」

 

ダイスの神様:うん、君たち、死んじゃった☆

 

 だが、この神様ノリが軽い。

 

イクト:「ファッ」

 

 驚くのも当然である。

 

ダイスの神様:んー、いやいやまあまあ、落ち着き給え

ダイスの神様:これは私の手違いによるものではないからね?

ダイスの神様:しっかりと定められた運命さ。前任によって

 

 しっかりと保険をかける神様。

 

海音:「じゃあ、俺たちはあのタンカーで死ぬ運命だったと?」

ダイスの神様: そ ゆ ☆ こ と

 

 しかしこの神、ノリが軽い。

 我ながらイライラさせるのがうまいと思った。

 

ダイスの神様:まあ今は輪廻転生のシステムがメンテ中でね、私が直接出張ってきてるわけさ

ダイスの神様:君たちと同じような境遇の子らもたくさんいてねー☆

 

海音:「だったら、これからどうなる」

 

ダイスの神様:まあ、輪廻転生のシステムが壊れてるから同じ世界に転生ってのが今できないのよね

ダイスの神様:寿命によるものならまだしも

ダイスの神様:だから、元々私が担当していた世界に転生してもらってるよ

ダイスの神様:ただ、ちょっとここ最近力をつかいすぎちゃってね

ダイスの神様:一杯転生者がいるもんだから困っちゃうんだよ

ダイスの神様:記憶を引き継ぐなら多少の対価が必要になるんだね、うん

 

海音:「……頭がぐちゃぐちゃになるっていうのはこういうことを言うんだな……言いたいことがいっぱいあるくせになんも言えねぇ」

トウヤ:「俺もだ」

イクト:「いわゆる異世界転移ものでござるね……!」

ダイスの神様:君たちの世界ではそう言うのかな? まあ誰かひとり、でいいよ?

海音:「だが、こんなに空しいのな……」

トウヤ:「死んだってことだからな」

海音:「……だったら俺が行こう」

トウヤ:「だが……!」

海音:「自棄になった……とも言えねぇが対価が必要なんだろ?」

イクト:「……どうなるかわからないでござるよ!?」

イクト:「そんなだったら拙者が……!」

トウヤ:「二人とも落ち着け……!」

イクト:「このデブで主人公にもなれない拙者がいいでござる。海音氏は大事な存在でござる……!」

イクト:「……トウヤ!」

海音:「……おい、神様よ対価は死ぬことじゃないんだろ?」

ダイスの神様:そだよ

海音:「だったら、頑丈な俺が行ったがいいんじゃねぇの?社畜なめんなよ?体も精神も頑丈だっての」

イクト:「……でも、でも!」

 

 食い下がるイクトの肩を抑えるトウヤ。

 

海音:「ほれ、俺に任せとけって」にかっ

トウヤ:「カイト、すまん。俺にはお前らみたいな自己犠牲の精神がねぇ、だからいく、だなんて言い出せない」

トウヤ:「カイト、信じてもいいか? だから、ぜったい俺んとこに戻って来いよ」

海音:「そんなん人それぞれだろ、気にすんなって」

イクト:「カイト……!」

 

 海音らの友情が光る。

 

ダイスの神様:あ、決まった? 決まったみたいね!

ダイスの神様:んじゃあ時間も圧してるし、さっさといくわね~☆

海音:「おう、俺が対価を払おう」

ダイスの神様:ちちんぷいぷい、ちじょうへのあなをひらきたまへ~

GM:そう唱えるとイクトとトウヤの足元に穴が開き、落ちて行ってしまいます

 

 ただ、何とも雑な詠唱である。

 

ダイスの神様:さて、貴方は~……(ニヤリ

ダイスの神様:いい、カ・ラ・ダ☆

ダイスの神様:……ギャップって、いいと思わない?

海音:「……は?何言ってるんだ?」

ダイスの神様:フフフ、個人の趣味嗜好の話よ

ダイスの神様:私レベルになるとね、いろんなことができちゃうの、それこそ生命を作ったりだとかね。怒られるケド

海音:「つまり俺の体を組み替えるってことか?」

ダイスの神様:そんなこと言ってないわよ。ぶっそうねー

ダイスの神様:組み換えなんてものじゃないわ、もっと愉しいことよ~☆

海音:「いや、実質言ってるようなもんだろ」

ダイスの神様:……まあ実を言うと貴方の身体、あっちの世界から持ってこられなかったから助かったわ

ダイスの神様:とっても、損傷が激しくってね

海音:「……えぇ、そんなに酷かったの?俺の体」

ダイスの神様:うん、それはもう

ダイスの神様:骨が折れてあちこちから……うひゃー☆

ダイスの神様:じゃあさっさと済ませるわね

海音:「おう、よろしく頼む」

ダイスの神様:それじゃあ、いってらっしゃい

GM:海音の足元にも穴が開きます

 

こうして海音はラクシアの世界へと落ちていくことになる。

 




見直して一言

GM:ここから物語の幕が開く!


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第一回『ラクシアへ』 - 2

二つにわけました。


GM:気が付けば森の中です。

海音:「……どこだここ」

海音:「ええっと体は……」

海音:「……なんじゃこりゃあ!?」

 

 ここで立ち絵がごつい男のものから可憐な少女のようなものへと変化する。

 

海音:「は?おん……はぁぁぁ?」

海音:「……あの神はイクトらの同類だってことはよーく分かった」

 

 謎の納得。

 ただ、話を進めやすくするため+戦力増強のために専用のNPCを用意する。

 

???:「きゅー」

GM:鳥がいます

 

 青くてまるっこい鳥だ。

 

海音:「うわぁ……ん?」

GM:貴方を見つめているようです

???:「きゅー」

海音:「どうした?」

???:肩に留まります

???:「きゅ!」

海音:「うぉ、ずいぶん人に慣れた鳥だな」指先で軽く撫でます

???:「きゅ、きゅー!」

海音:「お、ここがいいのか?うりうり~」

海音:笑顔で撫でます

???:「きゅー……!!」

???:やめてほしそう

海音:「おっと、すまんな」

 

 因みにPLは癒し枠だーとか言ってたり言ってなかったりしている。

 確かに癒し枠になりうる存在である。こういった物語に小動物はつきものだ。

 

海音:「さて、これからどうするかな……」

海音:あたりを見渡します

GM:周りを見ると自然に囲まれた神殿のような場所だ

海音:「おお、まさに自然あふれるって場所だな」

海音:「さて、まずは外に出なきゃ話にならないが……」

海音:「丸腰で行って大丈夫なのか?これ」

 

 さすがに無理である。

 死ぬのは目に見えているので探索したらどうかと助け舟を出す。

 

???:「きゅー……」

海音:「んんー……今じゃ情報が少ないからまずは動かないとな」

海音:出口は見えますか?

???:「きゅ、きゅ!」

海音:「ん?どうした?」

???:「きゅー!」

???:貴方の周囲を飛び回っている

海音:「おぅ、ほんとにどうした?」

???:「きゅ~」疲れたのか再びあなたの肩に止まります

海音:「周りを見ろってことか?」

GM:因みに服は誰が用意したのかわからないが来ているゾ!

 

 そりゃクロースアーマーくらい着てないとね!?

 

海音:探索します

???:「きゅー……」

海音:「素っ裸でこっちに来てなくてよかった……」

 

 事案発生は勘弁だ。

 

海音:コロコロ……、失敗。

???:「きゅー」飛び回ります コロコロ……、成功!

 

この鳥、探索できるのである。

 

???:「きゅ、きゅきゅー!」

???:どこかにつかまってます。

海音:「お、そこに何かあるのか?」

海音:鳥の所に近づきます

GM:さて、あるモノは…… コロコロ……弓が見つかります。

GM:不思議な弓です

GM:貴方は弓に魅入られます

GM:思わず弓を手に取ってしまうことでしょう

海音:「弓か……俺、全然使ったことが無いんだがなぁ……まぁ、持たないよりはましだろ」

GM:すると弓は不思議と元から慣れたもののように自由に動かせるようになります

GM:この弓は必要筋力1、威力10、射程20mとして扱います

 

 つよい。

 

海音:「おお??なんか手になじむぞ?これ」

海音:「ああ、でも矢がないなこれ」

海音:あたりを探索します コロコロ……失敗。

???:「きゅー」 コロコロ……出目は良いが失敗。

 

そもそも用意もしていないし、あったら不自然だ。

 

海音:「うーん、弓だけ持っててもなぁ……」

海音:弦を弾いてみます

GM:何も起きません!

 

 弦をはじいて何かが起きるなんて、ファンタジー起きませんよ。ははは。

 

海音:「……最悪先っぽで突くか」

???:「きゅ」

 

 ここでGMは弓のデータを提示します。

 

 弓? 価格:取引不能 カテゴリ:ボウ?

 用法:2H 必筋:1 威力:10 C値:10 命中:+0 追D:+0 射程:20m

 豪華な装飾の施された80cmほどの弓。

 また、魔法の発動体として扱える。

 ・特性

 奮起 前提:なし

 次の生死判定時に自動成功。

 この判定はクリティカルするたびに使用回数が増加する。上限は生命B回まで。

 なお、運命確定は回数にカウントしない。この効果が発動したとき転倒しない。

 叡智 前提:なし

 見識など知識の判定などに補正がかかる(GM裁定)。

 また、人に師事することなく技能を習得できる。

 

 これは私ことGMがセッションを行ってきた中で使用したデータの流用だ。

 特性に関してはその場で考えたがかなりの強武器であろう。

 そうだというのに弓自体がAテーブルの技能のようなものを持ち、

 それを強化することで別な能力が解放されるといったえげつないものだ。

 バランスブレイカーと言っても過言ではない。

 

 そうして海音はオリジナルデータよりいろいろと選択を始める。

 詳細なデータに関してはあとがきに載せておくので気になれば見てもらいたい。

 

 そうして海音は悩んだ末に【矢生成】と【弓?強化・刃付】を習得する。

 前者はMPを1消費して矢を一本作り出せるというもので、後者は弓で威力0の近接攻撃が可能になるといったものだ。

 そのうえ弓の特殊能力で技能を取ってもらうことにした。

 これまたオリジナルのブレイバーと言う技能を1つはとってもらうこととして、技能をここで決めてもらう。

 

 ブレイバーはファイター、フェンサー、グラップラー、シューター技能を統合したものでBテーブルのこれまた壊れ技能だ。

 もうビルド考える必要ねえじゃんとか思う人もいるだろうが、このセッションは1対1なので勘弁してほしい。

 これぐらいしないとおそらくキツイと思うの……。あってもキツくなったのだから間違いない。

 

 結果、取った技能はブレイバー1 スカウト1 セージ1 弓?1 となった。

 器用貧乏だが一人なので仕方がない。

 

海音:「……ん?ああ、そういうことか」

海音:「いやしかし、こう持っただけでわかるとかなんかこう…不気味だな」

???:「きゅ」

海音:「……よし、これで準備万端かな?」

海音:「じゃあ、行くか」

海音:神殿を出ます

GM:はい

???:「きゅ?」

 

 にやりとGMはパソコンの前で顔をゆがめた。

 

GM:では危機感知ですね

海音:え!? ここで? コロコロ……成功!

 

 続いて鳥も成功し、戦いが始まる。

 

海音:「……この世界での初歓迎ってやつか」

エネミー?:「ギ、ギ……」

海音:「うわ、何だあいつ……」

 

 立ち絵にも表示させていたが、オリジナルの敵である。

 PLに説明は済んでいたが舞台の地方はもちろん、大陸のほうまで完全オリジナル。自由な世界だぁ!

 

 大破局後、人族と蛮族の争い合っていた大陸があった。

 そんな中に現れたのは魔族と呼ばれる謎の存在。

 蛮族は果敢に挑むも瞬く間に敗れてしまい、人族は防戦一方で大陸の端まで追い詰められてしまったのだ。

 

 ハードな世界だなぁ。

 

GM:ではまずまもちき

海音:よし…… コロコロ……成功!

 

 こうしてデータが開示される。

 データはこれもまたオリジナル。

 命中とかの数値が大半3の敵だ。

 防護点は3でHPは20だ。

 強さはランク2の魔物に相当するだろう。

 そんなやつが3体も。

 そりゃあキツくなるのもうなずけるな。うん。

 

海音:先制ですね。コロコロ……成功!

 

 因みに鳥も振ったが成功した。

 こうして初めての戦いが始まる。

 

 ~PC TURN~

 

海音:矢生成を発動し謎生物1に攻撃

海音:「狙い撃つぜ!…てな」少し赤面 コロコロ……ファンブル!

GM:あらぬ方へとんでった

 

 GMもPLも大爆笑である。

 しょっぱなの出目がファンブルとは……、先行きが不安になったのは言うまでもない。

 

海音:「お、俺って今回弓使ったの初めてだからなー!仕方ないなー!」真っ赤

???:「きゅー!!」

???:とびかかっていくよ コロコロ……成功!

 

 続いて威力判定と続き、8点のダメージが出る。

 ただし、

 

GM:謎の生物?_2のHPは5点減った。(HP:0->-5)

???:「きゅ」

 

 鳥はドヤ顔を決めてそうな感じである。

 こうして敵のラウンドに入り、海音に2回、鳥に1回攻撃が飛ぶもすべてよけられた。 

 

 ~PC TURN~

 こうして2ラウンド目である。

 

海音:矢生成使用、謎の敵1に攻撃 コロコロ……成功!

海音:「よし!」ガッツポーズ コロコロ……クリティカル! 1回転!

GM:謎の生物?_1のHPは6点減った。(HP:0->-6)

 

 回転したは良いもののカスダメである。

 筋力8がダメージを出すのは厳しいものがある。

 

 その後、鳥がクリティカルを出し謎の敵1に4のダメージを与える。

 

 ~ENEMY TURN~

 こうして回ってきた敵のラウンド。

 前のラウンドと同じような動きをし、残念ながらそれぞれ1回ずつもらってしまう。 

 

GM:???のHPは7点減った。(HP:0->-7)

海音:海音はHPは-7点減少した(HP:10->3)

 

 この時は何とも思っていなかったが、海音のHPが低すぎる……。

 

 ~PC TURN~

 3ラウンド目。

 海音はMPが惜しいのか刃付で襲い掛かるも同値で失敗である。

 逆に鳥はあてて敵のHPを7点削っていく。このときなぜか防護点を無視する凡ミスを発動する。

 

GM:謎の生物?_2のHPは7点減った。(HP:-9->-16)

 

海音:「くっそ、ウロチョロしやがって!」

???:「きゅー……」

海音:「あ、お、お前のことじゃないからな、な?」

 

 やはり小動物は癒しである。

 

 ~ENEMY TURN~

 海音にも鳥に襲いかかり、海音は運命確定を使用して難を逃れる。かわいそうなことに鳥だけに当たった。

 

GM:???のHPは11点減った。(HP:-7->-18)

???:「きゅ……きゅ~……」

海音:「うぉあ!?た、助かったぁ」

 

 大分ピンチである。

 

海音:「まずい……これはまずい」

 

 正直やれることもないのでうまく乗り切れそうにもないのがつらいところか。

 

 ~PC TURN~

 4ラウンド目。

 

海音:「どうにか逃げなきゃいけないが……逃げれそうにないもんなぁ……」

???:「……きゅ!!」謎の生物2に攻撃する。 コロコロ……成功!

 

 やはり鳥は癒しで偉大だ、攻撃を当てる。

 

???:k0$12+5

SwordWorld2.5 : KeyNo.0c[10]m[12]+5 → 2D:[2,2 4,6 5,5 3,2]=12,10,10,5 → 4,3,3,0+5 → 3回転 → 15

 

 すごかったので素材のお味を提供します。

 一応鳥も鳥で能力を使ったのでアレですが、一回目を除いてもなかなかすごいことをしてくれた。

 GMもPLも大歓喜である。

 

 尚、海音は矢生成をして命中させる。

 

海音:k10+3

SwordWorld2.5 : KeyNo.10c[10]+3 → 2D:[5,6 1,1]=11,2 → 6,**+3 → 1回転 → 9

GM:謎の生物?_1のHPは6点減った。(HP:-6->-12)

 

 2回目がファンブルで何ともいえない感じになった。

 

 ~ENEMY TURN~

 敵の攻撃が集中し、海音は回避に失敗する。

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-10点減少した(HP:9->-1)

 

 しかし、ここで奮起が発動する。残数は1回である。

 

海音:「う……ごふっ」

海音:「ま…じ…かぁ」

???:「きゅ……!!」

 

 ~PC TURN~

 

海音:「まず……グラグラ……する……」

海音:矢生成、謎1攻撃 コロコロ…自動成功!

 

 ここでGMはいったん提案をする。

 ハウスルールとして命中自動成功の場合、威力判定のの最初の一発の攻撃が自動成功になるといったものだ。

 

 というわけでここからはそれを導入しての威力判定だ。

 

海音:k10$12+3

SwordWorld2.5 : KeyNo.10c[10]m[12]+3 → 2D:[4,3 1,1]=12,2 → 7,**+3 → 1回転 → 10

 

 10点。防護点が差し引かれて7点。やはり火力は出なかった。

 

GM:謎の生物?_1のHPは7点減った。(HP:-12->-19)

???:「きゅ!」謎の生物1に攻撃 コロコロ…成功!

 

 あたった攻撃で謎の生物1を撃破する。

 

 その後も泥仕合が続くが……、

 

GM:???のHPは8点減った。(HP:-18->-26)

GM:2d

SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[2,2] → 4

GM:生死判定成功

GM:TWITTERは地に落ちた!!

???:「きゅ……きゅ」

 

 鳥、脱落。

 

海音:「こな……くそっ!」

 

 海音は抵抗を続けたが、やはり出目も揮わず長期戦に……。

 筋力の影響で火力が足りなさが深刻である。

 

 ~EN TURN~

 

 抵抗むなしく、2体撃破したところで……。

 

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 4[1,3]+4 → 8

エネミー?:2d+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 5[2,3]+4 → 9

GM:羽崎 海音(かいと)のHPは7点減った。(HP:1->-6)

海音:「あ………」

 

 回避に失敗。

 やられてしまう。

 

エネミー?:「ギ……」ガコン

GM:機能停止したかの如く動かなくなります

GM: そ し て だ れ も い な く な っ た

 

 

================================

 

そして怒涛の六連生死判定。

 

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 9[4,5]+4 → 13

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 5[1,4]+4 → 9

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 6[4,2]+4 → 10

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 7[5,2]+4 → 11

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 7[1,6]+4 → 11

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 7[6,1]+4 → 11

 

 カイネは生き残ることに成功する。

 尚、鳥は……。

 

???:2d #1

SwordWorld2.5 : (2D6) → 9[5,4] → 9

???:2d #2

SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[3,1] → 4

???:2d #3

SwordWorld2.5 : (2D6) → 8[6,2] → 8

???:2d #4

SwordWorld2.5 : (2D6) → 2[1,1] → 2

 

 デデドン(絶望)。

 残念、死んでしまった!!

 NPCなので死んだ後の処理は適当。

 

GM:暫くたって貴女は目が覚める

海音:「……うっ」

海音:「ぅ……ぁ……」

???:0(:3)~ チーン

海音:「……ぁぁ」

海音:「………そっか…くぅぅ」

海音:「くそっ……畜生……ちくしょうっ!!」

海音:「なんで……何でこんなことに……うぁぁぁぁあああ」

海音:泣き叫びます

???:「……」

海音:「あああぁぁぁあぁぁぁ……うぁぁぁああっぁあぁぁ」

海音:「………もっと強く……強くなりたい」

 

 海音は幸いにも叡智の特性で蘇生魔法があることを悟る。

 

海音:「ああ……会いたいなぁ」

海音:「……ここはファンタジーの世界、だろうな」

海音:「ふつうあんなのがいるわけないし」

海音:「……………そうか、そうかそうかそうかそうかそうか」

海音:「あるかもしれない、蘇生魔法が」

海音:「連れて行かなきゃ」

海音:鳥を何か包めるものはありますか?

GM:上着なんかが使えそうです

 

 最初にないって言ったのだが温情で取り消して上着でOKとした。

 そのまま持っていくのも可愛そうだしね……!

 

海音:脱いでくるみます

海音:「一緒に行こう」

GM:はい、では上着には鳥の血が付着します

海音:先に進みます

 

 こうして海音は当てもなく森を進むことになるのだった……。

 

 続く!!

 

 




見直して一言。

PL:この先の私は地獄を見ることでしょう。

GM:そだね。



載せ忘れていたので神弓データを追加(投稿日の23時04分)。
必要ない方はパパっと読み飛ばしてください。

神弓強化
テーブルA

神弓に所有者として登録されている場合、他の武器を装備しようとすると触れている部分に電流のような感覚が奔り、はじかれる。
また、神製武具の所有者は経験点を二倍獲得することができる。

1レベルごとに下記の項目から一つ適用可能。
奇数レベルごとにさらに一つ多く適用可能。

レベル1から適用可能なプラン
神弓強化Ⅰ・威力
威力+10

神弓強化Ⅰ:追D
追加ダメージ+1

神弓強化Ⅰ:命中
命中+1

神弓巨大化Ⅰ
威力+10。射程+10m
必要筋力が10になる。
弓の長さが二倍の長さになる。

神弓拡張Ⅰ 前提【神弓巨大化Ⅰ】
必要筋力を±5まで増減することができる。
必要筋力を1増減する毎に威力は2増減する。
ただし、威力が0以下になるような増減はできない。

弦強化Ⅰ
射程+10m、必要筋力+5

神弓強化・刃付
弓で近接攻撃を行えるようになる。
威力は0として扱う。また、神弓強化による威力増加、そしてしんきゅ巨大化の効果は半分となる(最大+30)。

神弓強化・劣矢
一日に神弓レベル*3本まで矢生成と別に矢を生成できる。
この矢は通常の矢として扱い、10秒で消滅する。

矢生成
補助動作でMPを1消費して矢を生成する。
この矢は1Rで消滅する。

レベル5から適用可能なプラン

神弓強化Ⅱ・威力 前提【神弓強化Ⅰ・威力】
威力+10(計+20)

神弓強化Ⅱ:追D 前提【神弓強化Ⅰ・追D】
追加ダメージ+2(計+3)

神弓強化Ⅱ:命中 前提【神弓強化Ⅰ・命中】
命中+1(計+2)

運命確定〆
主動作を消費して宣言する。次のラウンドに出る威力表を振るさい、出目を12として扱う。

神弓解放
神弓の隠された特性を解放する。

成長強化
成長で同じ出目が出た場合に、それを+2として扱うことができるようになる。

神弓巨大化Ⅱ 前提【神弓巨大化Ⅰ】
威力+20(計+30)射程+10m。
弓がさらに二倍の長さになる。
また、必要筋力が+10

神弓拡張Ⅱ 前提【神弓拡張Ⅰ】【神弓巨大化Ⅱ】
増減できる必要筋力が±10までになる。

神弓同化☆
神弓と一体化し、自身を特殊な状態へと移行させる。
一体化している間は危機感知判定、生命抵抗・精神抵抗に+3の修正を得る。
この間、他の武器を使用することはできない。

強化矢生成 前提【矢生成】
補助動作でMPを3消費して矢を生成する。
この矢を使用した場合、追加ダメージが+2される。
この矢は1Rで消滅する。

神弓強化・魔矢 前提【神弓強化Ⅱ・威力】
この武器で生成できる矢を魔法の武器として扱うことができるようになる。

神弓強化・竜炎 前提【神弓強化Ⅱ・追D】
この武器による攻撃を炎属性にすることができる。

神弓強化・隻眼 前提【神弓強化Ⅱ・命中】
1日に1回までMPを3消費して命中判定をやり直すことができる。

神弓強化・影羽 前提【神弓強化・刃付】
刃付の威力を20として扱う。

弦強化Ⅱ 前提【弦強化Ⅰ】
射程+10m、必要筋力+5

レベル10から適用可能な強化プラン

神弓強化Ⅲ・威力 前提【神弓強化Ⅱ・威力】
威力+10(計+30)

神弓強化Ⅲ:追D 前提【神弓強化Ⅱ・追D】
追加ダメージ+3(計+6)

神弓強化Ⅲ:命中 前提【神弓強化Ⅱ・命中】
命中+1(計+3)

運命強化☆ 前提【運命確定】
このラウンド中のC値+1、威力表の出目を+1して扱う。

神弓巨大化Ⅲ 前提【神弓巨大化Ⅱ】
この武器の威力を100として扱い、追加D+5。射程+10m。
弓がさらに二倍の長さになる。また、必要筋力+20
神弓拡張の効果は威力100に神弓強化を含めた値から増減する(100以上にはならない)。

神弓拡張Ⅲ 前提【神弓拡張Ⅱ】【神弓巨大化Ⅱ】【神弓強化Ⅲ・威力 または 神弓巨大化Ⅲ】
増減できる必要筋力が±15までになる。

神製武具統合
他の神製武具の特性を吸収する。
この効果は発動に1時間を必要とする。

神獣化 前提【神弓同化】
神弓の力を解放し、一時的に自身を別次元の存在へと移行させる。

神弓強化・弦断 前提【神弓強化Ⅲ・威力】【神弓強化Ⅲ・追D】【神弓強化・竜炎】
射撃時、弓の弦を切ることで捨て身の一撃を放つ。
この攻撃を威力100、追D+50固定の攻撃にする。
弦は1日で修復する。

神弓強化・光矢 前提【神弓強化Ⅲ・威力】【神弓強化Ⅲ・命中】【神弓強化・魔矢】
一日に一度だけ眩く光る矢を生成する。
この矢による攻撃は【射程50m】【形状:貫通】の魔法ダメージとして扱い、クリティカルしないが攻撃のC値だけ追加Dを得る。
追加ダメージは以下の通り。
7以下:10
8:8
9:6
10:4
11:2
12:0

神弓強化・叫朽 前提【神弓強化Ⅲ・威力】【神弓強化Ⅲ・命中】【神弓強化・劣矢】【強化矢生成】
劣矢による攻撃を5点の攻撃に変更し、1点以上のダメージを負った対象に6ラウンドの間だけ神弓レベル分の呪い属性の魔法ダメージを与えるものとするか選べるようになる。
この効果は【リムーブ・カース】などの効果で取り除く場合、達成値を神弓レベル+10として比べ合いになる。

神弓完全解放 前提【神弓解放】
神弓の隠された特性を解放する。

強化矢+ 前提【強化矢生成】
強化矢の追加ダメージを+3する。(合計+5)

海音が持っている神弓用の専用プランがありますがそれは割愛


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第二回『森の咆哮』

魔王魂さんのフリーBGM、使えますね。
基本的にこのセッションでは"Crying again"を流してました。

いやあ、聞きすぎると口ずさめるようになりますね!


 そのまま直接第二回に突入する2人。

 GWだからか調子に乗っているらしい。

 

GM:謎の存在の攻撃を退けたカイト。犠牲を払いつつも前を進む……。

 

海音:「……いや俺、この体に精神を持っていかれすぎじゃないか?」

海音:「俺は男だろ…なんだ今話していた言葉は」

海音:「もろ女じゃねぇか」

海音:「……確かに本心だけども」

 

GM:ォーーン……

GM:獣の遠吠えだ

 

海音:「っと、まずはこの森を抜けないと」

海音:羽崎 海音(かいと)のHPを7回復(HP:-6->1)

 

 気絶から回復した分のHPを回復する。

 初回からこれである。飛ばしすぎだろう。

 

海音:ふらふらしながら歩き続けます

 

GM:危機感知判定どうぞ、目標値は7

 

海音:コロコロ…成功!

 

GM:狼の群れが前方にいることに気が付けます

 

海音:「こんなときに……」

海音:身を隠しながらこの場所を離れます

 

GM:はい

GM:では、向かった先には大きな体を持つ動物が昼寝をしていますね

GM:狼の群れと挟まれています

 

海音:「くそ……考えろ……考えろ……」

海音:動物はまもちき出来ますか?

 

GM:できます

 

海音:2d6+4 まもちき

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 9[5,4]+4 → 13

 

GM:ではライガーであることがわかります

 

 ライガーはカルディアグレイスに乗っている魔物だ。

 ライオンとトラを交配した種で、蛮族領に多く生息しているらしい。

 PLよ、蛮族はほぼ全滅しているので安心してほしい。

 

海音:別の道はないんですか?

 

GM:行ってもいいですよ?

 

海音:行きます

 

GM:では危機感知12どうぞ

 

海音:コロコロ……失敗。

海音:やっべえ。

 

GM:あらー

 

 がさっと飛び出してくるのは植物の魔物だ。

 

GM:2d

SwordWorld2.5 : (2D6) → 6[5,1] → 6

 

 6点ののダメージをもらってしまう。

 防護点を差し引いても4点。

 現在HP1でふらつく海音くんちゃんには厳しいものである。

 

GM:せいしはんていどぞ

 

 この鬼! 鬼畜! GM!

 この時、PLからはそう罵られた覚えがある。

 そだね。いつ見返してもこのGMは鬼だわ。

 

海音:「がっ……」

 

 息絶える海音。またここで生死判定。

 ファンブルチェックだがどきどきと連続で生死判定を行う。

 GMもどきどきである。

 

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 10[6,4]+4 → 14

海音:2d6+4 #1

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 6[1,5]+4 → 10

海音:2d6+4 #2

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 12[6,6]+4 → 16

海音:2d6+4 #3

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 8[4,4]+4 → 12

海音:2d6+4 #4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 9[5,4]+4 → 13

海音:2d6+4 #5

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 6[5,1]+4 → 10

海音:2d6

SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[1,3] → 4

 

 成功してくれて良かった。そう胸をなでおろしつつ、次の展開へと進める。

 

GM:では目が覚めます

GM:目が覚めると近くにライガーが寝ています

 

海音:「ひ」咄嗟に口をふさぎます

 

GM:周りを見ると植物が荒らされてます

ライガー:「ヴ……」

 

海音:「っっっ」

ライガー:貴女を一瞥し、また眼を閉じます

 

GM:一応荒らされた植物にまもちき行けます

 

海音:コロコロ……成功!

海音:なんですか?

 

GM:ニードルアーチャーですね

 

海音:静かに距離を置きます

 

ライガー:「ヴヴ……」

ライガー:起き上がって貴方の方へと近づいてきます

 

海音:「ひぅ!」

 

ライガー:そのまま貴方の隣を通り、ガウッと吠えます

ライガー:すると狼が一目散に逃げだして行きます

ライガー:「グル……」

 

海音:「うぁ……」じわぁ

 

 PL、それは何の擬音だ。

 え? 涙? ごめん。

 

ライガー:やれやれといった感じで元の場所で眠り始めます

ライガー:もしかすると近くなら安全かもしれません

 

海音:「……大丈夫、なのか?」

 

ライガー:ライガーは貴方に対して何かをする素振りはありません。

 

海音:ゆっくりと近づきます

海音:近くに行った途端に気を失います

 

GM:出はしばらく時間が経過します

GM:目が醒めると辺りは薄暗くなっています

 

ライガー:貴女が目が覚めると同時にライガーも起きます

 

海音:「…んぁ……はれ?」

 

ライガー:「ヴ……」

ライガー:ライガーは貴方にすり寄ったりとやたら人馴れしている様子。

 

海音:「……おお、よしよし」なでなで

 

ライガー:どこかに案内してくれるみたいです

 

海音:「…付いて行けばいいの?」

 

ライガー:「グル」

 

海音:「……分かった」

 

ライガー:たどり着いた先には果物が鳴っている木があります

ライガー:見識で目標値9で判定できるよ

 

海音:「おお……」

海音:コロコロ……成功!

 

ライガー:たべれる!

 

海音:一つとってみます

 

GM:硬いですね

 

ライガー:ライガーが寄ってきて果物を咥えて取っちゃいます。

 

海音:「あ……」

 

ライガー:そしてガリッという音で果物の殻がはじけます

ライガー:「グル……」

ライガー:果物は地面に落ちましたが、中身は食べられそうです

 

海音:「おお、すごい」

 

ライガー:食べられそう!

 

海音:「食べてもいいのか?」

 

ライガー:よさそう

 

海音:「じゃあ、いただきます」

海音:かぶりつきます

 

GM:甘い!

 

海音:「んぅ、口がそこまで開かない……」

 

GM:全身にしみわたり生き返るかのようだ!

GM:k20+6の回復!

GM:@13ね

 

 優しいGMの鑑。

 

海音:k20@13+6

SwordWorld2.5 : KeyNo.20+6 → 2D:[5,2]=7 → 5+6 → 11

海音:羽崎 海音(かいと)のHPを11回復(HP:4->15)

海音:羽崎 海音(かいと)のMPを14回復(MP:3->17)

 

 寝た分も合わせて矢生成で消耗したMPも全快である。

 

海音:「ふぅ……ありがとうな」

 

ライガー:「ヴ……」

 

GM:では危機感知をどうぞ

GM:目標値は13

 

海音:コロコロ……失敗。

海音:あ、え、うっそ。

 

ライガー:するとライガーが突然貴女を押し飛ばす。

ライガー:「ヴ~~~~……」

ライガー:そして反対の方向へと低くうなり始める。

 

海音:「きゃっ……なにをっ……どうした?」

 

エネミー?:「ギ、ギ……」

 

 出てきたのは黄色いゴーレムのような存在。

 異質感が凄く、この世男ものではない存在感だ。

 

ライガー:「ヴ~~……」

 

海音:まもちき行けますか?

 

GM:どうぞ。成功しないと思いますが

 

 ダイスの目が揮わないという意味だ。

 

海音:2d6+4

SwordWorld2.5 : (2D6+4) → 5[3,2]+4 → 9

 

 揮わなかった。

 

エネミー?:「ギ、ギー」

 

ライガー:「ヴ~~……」

 

GM:さて、逃げますか?

 

海音:「ぅあ……あ……」

 

GM:今なら逃げられそう

 

海音:「に……逃げよう?な?」

 

ライガー:「ヴ~~……」動く気配はありません

 

エネミー?:「ギ、ギッ!!」

ライガー:「ギャウァ!?」

 

 エネミーによる攻撃によってライガーが吹き飛ばされる!

 

海音:「ひぃっ!?」

 

エネミー?:「ギ、ギィ……」

エネミー?:虫のような下半身で素早く距離を詰めてきます

 

ライガー:「ガァアアアアッッ!!」

ライガー:あなたの下にたどり着く前にライガーが飛びかかった!

 

GM:逃げられそうだ。

 

海音:「あ、あ、あ、あ、お、お前……」

 

エネミー?:「ギィ!」

エネミー?:ライガーが再び振りはらわれます

 

ライガー:「ギャッ!?」

 

海音:「くぅぅぅ……っ!」

海音:逃げます

 

エネミー?:ライガーのいたところを執拗になぐり続けているようだ……。

 

GM:逃げ切れた……、ようだ……。

 

海音:「うぁぁぁ……まただ…」

海音:「逃げなきゃ……逃げなきゃ……ぐぅぅぅうぅ」

海音:走り続けます

 

GM:では危機感知をどうぞ

GM:目標値は12

 

 忘れたところにこのGMはやりやがるのだ。

 

海音:コロコロ……成功! 

海音:同値か、あぶな……。

 

GM:……危うくニードルアーチャーの領域に足を踏み入れるところだった

 

海音:「はっ……はっ……はっ……」

海音:領域を避けて進み続けます

 

GM:ォーーーン……

GM:遠吠えは近い位置のようだ。

 

海音:遠吠えが聞こえてきた方向とは違う方向に逃げます

 

GM:では危機感知をどうぞ

GM:目標値は9っです

 

海音:「はぁ……はぁ……」

海音:コロコロ……成功!

 

動物:囲まれているようです

GM:数は……

GM:3d6

SwordWorld2.5 : (3D6) → 8[2,1,5] → 8

 

海音:「はぁ……はぁ……ふ、はぁ……」

 

GM:ざっと8匹程姿が見えます

GM:個体差があるようで、強力そうな個体も見えます

 

海音:まもちき行けますか?

 

GM:どうぞ、三種類です

 

 海音の出目は腐るもおおよそ成功。

 

GM:1.ウルフ 2.グレイウルフ 3.パックリーダー ですね

GM:数はそれぞれ5、2、1です

GM:では戦闘配置をどうぞ

GM:現在いるマスを中心に5*5で動けます

海音:「くそ…くそくそくそくそちくしょおおおおぉぉぉぉ!!」

 

 PLがGMにキレる。笑いながら。

 そうだよね、まあ流石に無茶だよね。知ってる。

 

海音:先制判定は、コロコロ……失敗か。

 

 まあ出目がずっと揮っていない。かなしいなあ。

 見かねてGMは助っ人を登場させる。

 

ライガー:「グルル……」血塗れの状態で現れます

 

 とまあ登場する先ほどのライガーです。死に掛けですが。

 

海音:「っ!!お前……」

 

GM:敵がそちらの方に気を取られて隊列だけを変更します

GM:ウルフ二匹はライガーに飛びかかりますがライガーは立ち続けています

 

 先制を取ることはできなかったが、ライガーの登場でウルフらは手番を放棄、隙が生まれます。

 

海音:「はっ!、まずリーダーを倒せば……」

 

 この後、PLは戦闘したがりますが、どうにかこうにか宥めて……。

 その間10分。

 

海音:逃げます

 

 逃げてくれてよかった。

 

GM:ライガーは奮闘を続けます。

 

海音:「くぅ……うぁ……くぅぅぅぅぅうううぅぅうぅ」

 

GM:ウルフは瞬く間に蹴散らされ、グレイウルフやパックリーダーは傷を負い、逃げだして行きます。

ライガー:「グル……」血を流しながらあなたの姿を見て去っていきます。

ライガー:おそらく彼の命はそう長くないでしょう

 

海音:「あぁ………ごめん……ごめん……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

GM:ふと、後ろを見ると街が見える。

GM:街を守るための壁、だろうか。

GM:短く、長かった。始まりが終わりを告げようとしている。

 

海音:「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

GM:そして物語の幕がようやく上がろうとしている。

GM:To be continued...

 

 そうして物語は続いていく。




見直して一言。

PL:このぐらいまだまだだよねぇ……(虚ろな目)

GM:そだね。


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第三回『出会いの街』 - 1

まだまだ続く。強行軍。


 茨の道を進むGMとPL。

 いい加減に休んだらどうなのだろうか。

 

GM:髪も顔も服装も乱れていた。当然、心も。

GM:苦悩に満ち溢れたその表情から何が起こったのかを汲み取ることは出来ない。

GM:彼女は大事そうに布の包みを抱えて街へと進む。

 

 やっとの思いで街である。

 長かった気がする。戦闘が泥沼になりすぎだと思うけど。

 

GM:街の城壁はまだ遠く、平原の中央にあるらしい。

GM:平原の奥には広大な海が広がっているのがわかる。

 

海音:「………町」

 

GM:道中には村らしきものがあるが、無残な姿だ。

 

海音:「………」

海音:立ち寄ってみます

 

GM:むざんです。

GM:すぐ後ろには広大な墓が広がっています。

 

海音:「………」

海音:「………この世界では、あんな都合のいい魔法なんてない……いや、縋ってたのが間違いだったんだろう」

海音:「………ここでお別れした方が良いのかもしれない」

 

冒険者A:「ここで奴らを抑えて!」

 

 冒険者が戦っている。

 

冒険者B:「ウー! ラー!」

エネミー?:「ギ、ギィー!!」

冒険者C:「大人しく打ち取られていろ!」

 

海音:「………」

 

GM:どうやら戦闘が繰り広げられているようだ。

GM:墓を背後にして大量の謎の生物?とたたかっている。

 

冒険者A:「これだけ数が多いとですね……」

冒険者D:「ま、押し切られそうだね」

冒険者E:「うろたえるな。ここは、」

冒険者C:「ここだけでも守り通すのが我らの使命だろう」

冒険者B:「応とも!」

 

海音:「……人?」

 

冒険者E:「それにしても数が多い……」

 

GM:動きから実力を推測できそうだ。

GM:セージ知力でどうぞ。目標値は10

 

海音:コロコロ……成功!

 

GM:ピッチピチの5レベルの冒険者のようです

GM:あなたはこのまま無視して街まで向かえます。

GM:一応劣勢と言うわけでもないらしく、しっかりとした感じでたたっていますね

 

海音:「……」

 

GM:無視する?

 

海音:無視していきます

 

GM:OK。

 

 安定のスルーである。

 傷心なんで仕方がない。

 

GM:街へとたどり着きます。

 

兵士:「君は?」

兵士:どうやら門番を担当している衛兵のようだ

 

海音:「……旅の者でして」

 

兵士:「旅……、難民の生き残りか……」

 

海音:「森で何とか生き延びてここまで来ました」

 

兵士:「辛かっただろうに……、ちょっと待っていてくれ。直ぐにいろいろと便宜を図ってくれるよう手配しよう」

 

海音:「……すみません」

 

兵士:詰め所に駆けていき仲間と話をつけているようだ。

GM:今ならこのまま無視もできそうだが……?

 

海音:そのまま待ちます

 

兵士:「よし、話はつけて置いてきたぞ。この手形を持って中央まで向かえばおそらくいろいろと支援を受けられるはずだ」

兵士:「……ダメだったらまた来てくれ。別の方法も考えてみる」

 

海音:「……すみません、ありがとうございます」

海音:頭を下げます

 

兵士:「いや、なんてったって俺も難民出身だからな。……まあ上手く生き残ろうや」

兵士:照れくさそうです

 

海音:「……はい」小さく微笑みます

海音:中央までの道のりを聞いて向かいます

 

 完全にキャラが崩壊している。

 動物とはいえ影響が大きいものなのだな。

 

 因みにこの時、PLもGMも共にライガーの事を嘆いていた。

 

GM:中央への行き方は兵士君が教えてくれる

GM:街は案外広く、数層に分けられているようだ

GM:外部が主に居住区、中央に行くにしたがってお金を持つ人間がいるような建物が多い。

GM:中央は高い塔が6本並んでおり、、おそらく6角形に並んでいるであろうことは簡単に予想が付く。

 

海音:(中央に裕福層……まぁそういう世界か)

 

GM:ここは正に要塞だ。

GM:中央は広く、いつ何時人が流れ込んでもいいように造られている、そう言った感じだ。

GM:折りたたまれたテントが積み上げられた場所もある。

GM:兵士がそんな広い中で走り込みや訓練を行っているのが見えた。

GM:要塞に入るとき、兵士に手形を見せることですんなりととおしてもらえた。

 

海音:(ここは難民が多いのか?)

 

GM:兵士に案内されたどり着いた部屋は、とても厳かな雰囲気を放つ部屋だった。

 

兵士:「失礼します。報告にありました難民です」

 

???:「ご苦労様」

 

 目の前に現れたのは静かな雰囲気を持つ女性だ。

 ただ、ただものではないことは一目でわかる。

 

兵士:「それでは失礼いたします」

 

???:「さて、ひとまず掛けてくれ。長旅だったろう」

 

 柔和な口調で話し出す女性。

 

海音:「はぁ」

海音:静かに座ります

 

カリア:「さて、私はこの要塞の総司令、カリアだ。短い間かどうかはわから荷がどうぞよろしく」

カリア:「君は難民と聞くがこれからどうする予定だ?」

カリア:「現状残り二便でこことアルフレイム大陸を結ぶ船が暫く途絶えることになるが……」

 

海音:「これからは……友人を探す予定です」

 

カリア:「友人ね……、生きている確証はあるのかい?」

 

海音:「ここに来る前に分かれたので確証はないのですが……いや、あいつらなら絶対生きてると思います」

 

カリア:「ふむ、それなら、私も応援したいものだが・……」

カリア:「何分ここには流れ者が多い、それも難民の出のな」

カリア:「おそらく大半が協力的なはずだろう」

カリア:「私はテラスティア出身だが、この大陸の援軍として来てはいるが、最後まで責任をもってここに座り続けるつもりだ」

カリア:「何か困ったことがあればまた来てくれ。相手になろう」

カリア:ふと後ろの机の様子を見ると、紙の束が詰みあがっているのがわかります。

カリア:忙しいというのは想像に難くない。

 

海音:「ありがとうございます」

 

カリア:「いや、これも軍人としての責務だ」

カリア:「是非頼ってくれ」

カリア:「そうだ、これを以って行くといい。ちょっとした食べ物さ。甘いから食べるといい」

カリア:そう言い、クッキーを渡してくれます

 

海音:「……ありがどうございまず」

海音:涙をこぼします

 

カリア:そんな海音を見て微笑んでくれます

 

 異様に涙もろくなったTS少女ととても優しい総司令。

 最初の言葉はどこに行ったのだろうか。

 体も精神も頑丈? ナニイッテルカヨクワカラナインデスケド。

 

海音:「すみません」

海音:「みっともないところを見せてしまって」

 

トウヤ:「……あー、難民の方が来ていると聞いて」

カリア:「来たかトウヤ、彼女を連れて行って差し上げろ」

 

海音:「………ぇ、とう、や?」

 

 カイネが驚くのもそのはず、トウヤはあのトウヤである。

 服装以外に関してはあまり変わっていない。

 

トウヤ:「場所はA-28番地でいいんですよね」

 

 トウヤは傍にいる難民(?)の少女が友人の海音であることに気が付いていない様子だ。

 

海音:(……あ、ここで気づかれたら絶対に黒歴史になる)

 

カリア:「彼女は友人を探しているらしい。よければ協力してやってくれ」

トウヤ:「はい、勿論です」

 

 にこやかに返答をするトウヤ。

 

海音:(……しばらく様子見かぁ?)

 

トウヤ:「それじゃあ、行きましょう」

トウヤ:「ええと……お嬢さん?」

 

海音:「あ、はい」

 

 PLとGMで"あ、いい"となった瞬間であった。

 こういうシチュエーションはいいぞ。

 

GM:そして移動すること十数分。

GM:要塞を出て、中央から、富裕層の暮らすエリアへと向かっていく。

 

トウヤ:「……」

 

海音:「……」

 

トウヤ:(めっちゃ可愛い……、やっぱ異世界ってスゲーわ……)

 

海音:(やべぇ、下手に話したらぼろが出そうだ……)

 

 気が付かない友人と、下手に切り出せないTS少女。

 誰だって自分の事を笑いごとにされるのは嫌である。特に付き合いの長い友人とか。

 

トウヤ:「……(何から切り出そうか?)」

 

海音:「……あの」

 

トウヤ:「え、あ、はい」

トウヤ:ちょっと慌てる

 

海音:「ここはどんな街ですか?見た感じ何枚もの防壁がありますけど……」

 

トウヤ:「……最後の砦、だね」

 

 しみじみといった感じで話し始める。

 そんなトウヤにはなんだか貫禄が見えた。

 

海音:「……人類のですか?」

 

トウヤ:「難民、いやこの大陸の住人を守る最後のね」

トウヤ:「多分ここが落ちれば他の大陸に影響が出るかもしれない。」

トウヤ:「そういう意味でも最後の砦ってわけさ」

トウヤ:(イクトが見たら萌え萌えきゅんだとかほざきそうだな……)

 

 まじめな解説の裏では変なことを考えている。

 

海音:「へぇ……」

海音:(やっべぇ……バレないか心臓がバクバク言ってやがる)

 

イクト:「トウヤ!」

 

 痩せているデブオタ登場。

 立ち絵を見たときPLはこんなに変わるものかと大爆笑。

 

トウヤ:「どうした、イクト?」

 

海音:(……ん?よく考えれば今恥の上塗りをしてるのでは…?)

 

イクト:「いや、アイツに関する有用そうな情報が見つかったんだ」

イクト:「至急、会議室まで来てもらいたいでござるよ……」

 

海音:(あれ?じゃあ先に言った方がよかったのでは?)

 

イクト:「マサ氏はもう来てるでござる」

 

海音:「あああぁぁぁ!?失敗したぁあ!?」

 

 突然の失敗宣言。

 名乗りだせばよかったといった後悔である。

 

イクト:「……分かった。あとで行く」

イクト:「それじゃあ、至急、でござるよ」

 

トウヤ:「念を押すな。分かってるって」

トウヤ:「用事が入ったから急いでいくけど……」

トウヤ:「って、どうしたんだい?」

 

海音:(うわぁ、うわぁ、今更俺が海音だって言えるわけねぇよ……どうしようどうしよう)

 

トウヤ:「大丈夫? 熱はない?」 額に手を当てる

トウヤ:年下だと思っているので無遠慮

 

 イケメンムーヴ発動! これがやりたかった。

 

海音:「ひゃわ!?なななな、なんでもないですわよ!?」

 

トウヤ:「え、いや、顔真っ赤だし……」ですわよ?

 

海音:「何でもないです!なんでもないったら何でもないです!」

 

トウヤ:「……それならいいんだけど」

 

海音:「……ぁぅぅぅ」

 

トウヤ:「???」

トウヤ:(やっぱり女性はわかんねえや)

 

海音:(女ってわからないなって顔してるぅ)

 

 これもやりたかった。

 やりたいづくめで辟易しろ。

 

トウヤ:「それじゃあ、いこうか?」

 

海音:「……はい」

 

トウヤ:す、と手を差し出してくるよ。

 

海音:(え、握った方が良いのかなこれ)

 

トウヤ:「ほら、はぐれると迷うから。手」恥ずかしげもなくサラリ

 

海音:「……はぁ、はい」

海音:手を取ります

 

 

================================

 

 

トウヤ:「……」

GM:そのあと無言な時間が過ぎました。まる。

 

海音:(はぁ……どうやって報告と確認をしようか……)

 

トウヤ:「ここが君が暮らすA-28。まあただの屋敷だけどね。同じ境遇の子が数人既にいるから。仲良くね。」

 

海音:「あ、はい」

 

トウヤ:ノックをするよ

???:「誰かと思えば。トウヤお兄ちゃん。どうしたの?」

 

 扉を開いて出てきた少女はカイネほどの背丈の少女です。

 どこか不思議な雰囲気を持っています。

 

トウヤ:「おう、リリシャ」

トウヤ:少女の抱擁をするりと避けます。

トウヤ:「さて、この子が暫く一緒に暮らす……」

トウヤ:「そう言えば名前効いてなかったな」

 

海音:「え、あ、わ、私はカイネ、です」

 

トウヤ:「カイネ、ね。うん、じゃあカイネちゃんだ。よろしくしてやってくれ」

リリシャ:「わかった、それじゃあ後で他の人にも紹介しておく。それより何で避けるの」

 

海音:「やっぱ、トウヤは子供に好かれるんだな」ぼそ

 

 懐かしい思い出に浸るTS少女。

 

トウヤ:「じゃあ、お兄ちゃんは用事あるから」

 

リリシャ:「えぇー……」

 

海音:「あ、ご案内ありがとうございました」

 

トウヤ:「うん、いつでも頼っていいから」

トウヤ:「それじゃあね」

 

海音:「はい、また」

海音:手を振ります

 

 結局言い出す機会がなかった。

 どうするかなーとはPL談である。

 

リリシャ:「トウヤお兄ちゃん行っちゃった……」

 

海音:「……はぁ、あの喋り方は疲れる」

 

リリシャ:「む……」じー

 

海音:「あー、今さっきも言ったが俺はカイネだ、これからよろしくな?」

 

リリシャ:「……あなたはお兄ちゃんの何?」

リリシャ:じー……

 

海音:「あ、えーっと……アイツに言わない?」

 

リリシャ:「お兄ちゃんがまた会いたいって顔してた」

 

海音:「……え、あいつそんな顔してたの?」

 

リリシャ:「そう」

 

海音:「あーっと、そのーな、ほら、あれだよあれ」

 

リリシャ:「やっぱりお兄ちゃんに直接……」ぶつぶつ

 

海音:「ぬぅ……なんていえばいいのか……」

海音:「あぁ、そう俺はここに来た難民で案内してもらっただけなんだよ」

 

リリシャ:「……る、……がする」

 

海音:「だからな、あいつとはそういう関係じゃないんだよ」

 

リリシャ:「……キヤお姉ちゃんとおんなじ、嘘のにおいがする」

リリシャ:「じー、じー、じとー……」

 

海音:「………へ?」

 

リリシャ:「やっぱり、直接聞かないと……」

 

海音:「あー、うーん……貰ったクッキー食べるか?」

 

リリシャ:ぴく

 

海音:「まずはそこから始めよううん」

 

リリシャ:「……悪くない、提案」

リリシャ:「じゅるり」

 

海音:「あとは、何か飲み物が欲しいな」

海音:「何かあるか?」

海音:「無いなら何か買ってくるが」

 

リリシャ:「ここから市場まで遠い。疲れるわ」

 

海音:「そうか………」

海音:「じゃあ今日はクッキーだけにしようか」

 

リリシャ:「……この感じ、キヤお姉ちゃん?」

 

海音:「明日からこの町のことを教えてくれよ、俺、この町に来たばかりだからさ」

 

キヤ:「呼ばれた気がするよー!」カイネの後ろから登場するぞ

 

 登場したのはリリシャより年下そうな少女だ。

 快活そうでとにかく元気いっぱいという印象。

 

海音:「ふわ!?」

 

キヤ:「どしたの、どしたの?」

 

海音:「ななな、なんだ!?」

 

キヤ:「ってかこの子だあれ?」

リリシャ:「新入り?」

 

海音:「そういうことになるな、」

 

キヤ:「新入り……、そっかまた私お姉ちゃんになったんだ! よ ろ し く ね!」

 

海音:「え、俺これでも21……」

 

キヤ:「お水入れたげるー! 紅茶は数量が少なくてあんまり出せたもんじゃないから!」

キヤ:「是非お召し上がりをー!」

 

海音:「あ、ああ、ありがとうな」

 

リリシャ:「うにゃあ……」キヤに引きずられていく

 

海音:(アイツ……俺を子供と思ってこっちに連れてきたな?)

海音:「確かにたっぱは低くなったけどさぁ……」

 

 

 ================================

 

 

 そしてGMは場面を区切る。

 不穏なBGMと共に始まる幕間。

 

 

トウヤ:「来たぞ」

 

イクト:「……丁度いいでござる」

カリア:「そうですね先ほどトウヤ以外が揃いましたし」

マサ:「ええ、始めましょう」

イクト:「……絶対に無念を晴らすでござる」

 

トウヤ:「……ああ」

 

マサ:「そして、カイト先輩を見つける」

イクト:「拙者らはそうして、先に進めるでござる」

 

トウヤ:「……ああ、リュカの仇は絶対に取る!」

 




見直して一言

PL:ようやく腰を落ち着けられる場所だよ。でも最後が不穏なんですけど……?

GM:そだね。


・補足
 この町は魔族によって脅かされているため裕福な人々はほとんどが逃げだしています。
 なので中央部は難民に貸し出されていたりします。


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第三回『出会いの街』 - 2

まだ寝てなかった、あの頃。


 GMとPLの時刻は深夜。

 まだまだロールプレイだけが続いていく。

 

キヤ:「はい、お水どーぞ」

リリシャ:ズズ…「うん、水」

 

海音:ゴク…「水だな」

 

キヤ:「だって、水だもん!」

リリシャ:「知ってる」

 

 水以外に表しようがない。

 

海音:「さて、クッキーはどうかな」

 

キヤ:「あ、そうだ、まだ私よりおねーさんな日田たちもいるし、会い行こうよ!」

キヤ:「クッキーもみんなで食べた方がおいしいだろうし!」

 

海音:「ん?おお、まだ他にもいるのか?」

 

リリシャ:「うん、あとふたり」

 

 リリシャはそう言い、また「……水」とつぶやいている。

 

海音:「じゃあ、その二人は今何を?」

 

リリシャ:「古参が引きこもり」

キヤ:「二番目のお姉ちゃんは……遊びに?」

 

海音:「え?うん……おう?」

 

アルイル:「ただいま、戻りましたわ」

 

 現れたのはロングの赤っぽい髪をたなびかせる少女。

 言葉からはどこか気品を感じる。

 

リリシャ:「あれが二番目のアルお姉ちゃん」

アルイル:「ああ、新しい人でしょうか。事前に連絡が来ていないということは……」

キヤ:「うん、今日から住むことになった、カイネちゃん!」

 

海音:「よろしくな」

 

アルイル:「ええ、よろしくお願いします」

アルイル:「それなら、後でミンツにも報告しないとですね」

 

海音:「さて、じゃああと一人はどこに?」

 

キヤ:「ミンツお姉ちゃん、外に出たがらないから……」

リリシャ:「三階の奥の部屋……、らしい」

アルイル:「ミンツ様はいわゆる引きこもりと言うやつですから……」

 

海音:「まずは、挨拶からだよな、そのあとでみんなでクッキーを食べようか」

 

リリシャ:「私もまだ会ったことがない……」

キヤ:「そう言えば、リュカお兄ちゃんが……」

アルイル:「キヤ」

 

 キヤの迂闊な発言を窘めるアルイル。

 地雷なのだろうか。

 

キヤ:「うっ」

 

海音:「ん……リュカ?」

 

 ふと聞こえた知り合いの名前に海音は反応は隠せない。

 

アルイル:「先ほどのは聞かなかったことにしていただけますか?」

 

 苦笑いといった様子でアルイルが言う。

 

リリシャ:「……?」

 

海音:「…おう」

 

アルイル:「リリシャも、お願いします」

 

リリシャ:「……わかった」

 

海音:(お兄ちゃんてことは……まさかアイツにも彼女が!?)

海音:(いや、それは軽率だろう、同じ名前で同じ同姓で違う人なだけかもしれないし)

 

アルイル:「こちらのクッキー、カリヤ様がお好きなものですわね」

キヤ:「ホントだー、私これ好きなんだよね!」

 

海音:「ああ、そうなんだな」

 

アルイル:「こちらはどこで?」

 

海音:「ああ、今日ここに来た時にカリヤさんから貰ったんだよ」

 

アルイル:「あの人らしいですわね……」

キヤ:「今、難民が受け入れられてるのもあの人が来てからなんだったっけ?」

アルイル:「ええ、そうなりますわ」

 

海音:「……ここの人たちは暖かいんだな……」

 

リリシャ:「トウヤお兄ちゃんたちが、私たちを救ってくれた」

アルイル:「場所は違えども、ですわね」

 

海音:「……トウヤたちはいつからここに?」

 

アルイル:「トウヤ様は……、かれこれ2年も前になりますわ」

 

海音:「2年!?」

 

アルイル:「あの時、この要塞を救ってくれたのもトウヤ様ですし……」

アルイル:「彼がいなければ、今ここに私はたっていないでしょう……」恋する乙女の顔

 

 恋をしている者の顔である。

 ただ、GMはトウヤと海音を結ばせる気でいっぱいだ。

 

海音:(は?どういうことだ!?なんで同じくらいに転移したのに俺が二年も後に来てるんだ!?)

 

キヤ:「私がー……、一年前にここからそこそこ東にある村から助けてもらって。リリシャが半年前だっけ」

リリシャ:こくり

 

海音:「で、俺が最近と…」

 

アルイル:「この屋敷は自ら残る選択をした若い女性に貸し出されるの。どのようなことがあったにせよ、あなたもそのような選択をなさったのでしょう」

アルイル:「そもそも残るといった選択をするのは稀ですから、ここに来る人は少ないのです」

 

海音:「うん、そうだな」

海音:(うーん……何とも言えん)

海音:複雑な表情をする

 

アルイル:(リュカ様がお亡くなりになられたのも一年前ですわね、人が来るたびに思い出しますわ)

アルイル:(全部私のせい、なのです……)

 

 アルイルは憂いがある表情で俯く。

 

リリシャ:ズズ…「……水しかないの?」

アルイル:「そうですね……、配給も少々減ってしまうみたいですし。紅茶は我慢です」

キヤ:「え~……」

リリシャ:「そう」

 

海音:(……結構無理してるっぽいな)

アルイル:「水路に魔族が出ているらしく、遠回りで安全な陸路で運ばなきゃいけない……」

 

 PLには適当に言ったがGMの手書きの図で説明。

 以下がここら一体の周辺地理だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 1がこの街、近くにあるのは湖。そしで2が魔族が出没している場所となっている。

 今回PLは強さ的に行くことができないのでかなり後回しになるだろう。

 強い冒険者がトウヤ達以外に存在しないというのもあり対応が遅れてしまっているのだとか。

 

アルイル:「そう言った面でも時間がかかるし、奴らを追い払うのにも配給が必要なの」

アルイル:「わたしたちはその分、我慢しなくてはなりませんわ」

キヤ:「そっか……」

リリシャ:「トウヤたちは向かわないの?」

 

海音:(途中の戦闘してるやつらを見た感じ……あの不気味な奴らか)

海音:しかめっ面をします

 

アルイル:「……トウヤ様は、別にやることがあるのですわ」

アルイル:「まあ、この様な話をしていても埒があきませんわね」

キヤ:「カイネちゃんは、なにか面白そうな話とかってある?」

 

海音:「ん?面白い話?」

海音:「俺は特にそういうのは無いな…」

 

キヤ:「ふーん、そっかー」

アルイル:「こら、キヤ。あまり無理に聞くのもよくないです」

 

海音:「いや、良いよ、ほんとにそういうのは特にないしな」

 

アルイル:「お部屋は……、キヤが空いてる部屋に案内してあげて。リリシャはそのお手伝いを」

キヤ:「はーい」

リリシャ:「わかった」

 

 アルイルの指示に対してキヤとリリシャが返事をする。

 

アルイル:「助け合いですから、仲良くしましょうね」

 

海音:「ああ、よろしくな」手を出します

 

アルイル:両手で握手をしてくれるよ

アルイル:追加で微笑んでくれます

 

キヤ:「それじゃあカイネちゃん、いこっ♪」

 

海音:「おう」

 

リリシャ:「ついてくる」

 

海音:「じゃあ、アルイルまたな」

 

アルイル:「ええ、また会いましょう」

アルイル:(さて、私はミンツ様のお部屋までお話をしに行きますか)

 

 こうして、海音は自分の住む場所を手に入れることができた。

 ここからは現状の情報と強さを手に入れるだけなのだが……?

 

キヤ:「ココが部屋だよー」

リリシャ:「もとが貴族の屋敷なだけあってとても広い」

キヤ:「備品とかは一通り置きっぱなしだから掃除とかして使ってね」

 

海音:「おお、広いな」

海音:部屋を見まわします。なにがありますか?

 

GM:大きな化粧台、大きなベッド(天蓋付きでキングサイズはありそう)、大きなクローゼット、大きな魔動ランプが数本、大きな姿見とかいろいろ

 

海音:「分かった、案内ありがとな」キヤの頭を撫でます

 

キヤ:「ひゃ、わー! 私はお姉さんだってば―!」

リリシャ:「キヤお姉ちゃんは負けず嫌い」一応年上……

 

 突然のカミングアウト。

 

海音:「はは、じゃあもっと頑張らないとな」

 

リリシャ:「お姉ちゃんと呼ばないと直ぐ怒るの」

キヤ:「だ、だってお姉ちゃんだから!」涙目

 

海音:「あ、そうなのか……」

 

リリシャ:「分かってる、キヤお姉ちゃん」

リリシャ:「それじゃあ、ごゆっくり。困ったら誰かに相談して」

キヤ:「待ってよリリシャー!」

キヤ:「あ、カイネちゃん、また後でねー!」

 

海音:「おーう」

 

リリシャ:「お夕飯は6時ごろ。下の食堂に来て」

 

海音:「分かった、遅れないように行くな」

 

リリシャ:「ん、賢明」

キヤ:「それじゃあねー」

 

海音:「おう、またな」

 

GM:と言うわけでお二方は去っていきます

 

海音:「……さてじゃあまずは改めて俺の姿の確認かな?」

 

キヤ:「あ、言い忘れてたけど外出は自由だよー! でもでも、あんまり遅くならないようにねー!」

GM:外から聞こえますね

 

海音:「ひゃわ!?……お、おう、ありがとな」

海音:「……はぁ、心臓に悪い」

海音:改めて姿見の所に行きます

 

GM:なんとなく、上着が匂う気がします

GM:くるんでるやつ

 

???:ニコッ

 

 微笑む鳥の影。

 PL曰く忘れていませんよとのこと。

 

 一日も経過してたらやばそうだよね。

 

海音:「……ぁ、鳥の体はどうしようか……」

海音:「……化粧台に置いておこう」

海音:化粧台に行きます

GM:はい

 

 男なので化粧台を使わないという判断なのだろう。

 少女なのだが。

 

海音:「……こいつにも結構助けられたな……」

海音:そっと化粧台にそっと置きます

海音:「……くそっ…」

海音:「……姿を確認した後、情報も集めなきゃな」

海音:姿見の所に行きます

 

GM:姿見にはあなたが写ります

 

 姿見に映ったのは銀髪のショートヘアーの小柄な女の子だった。

 青い目が自分の姿に見とれるかのようにうるうるとしている。

 

海音:「……うわぁ…あの神ギャップ萌えとか言ってたが変わりすぎじゃねぇか?」

 

GM:その通りである

 

 そのあと、身長をどうするのかという話になり、ダイスを振るGM。

 

GM:4d60

SwordWorld2.5 : (4D60) → 134[1,36,58,39] → 134

GM:134cmですね

 

海音:小さすぎません? ちょっと振らせてください。

 

GM:あー、振るだけならいいよ?

 

海音:4d60

SwordWorld2.5 : (4D60) → 148[55,8,48,37] → 148

海音:これくらいがよかった……。

海音:「うわぁ……これじゃアイツも解らないはずだよ」

 

GM:134cm程度、……縮んだな!

GM:男の時がどうだったかは分からんけど!

 

海音:「ちっこ過ぎやしねぇか?」

海音:「体も貧弱だし……うわぁ……これそどうやって俺って証明すればいいのやら……」

海音:「……後は今の時間の確認か?」

海音:時計みたいのはありますか?

 

GM:ありますね

GM:元の世界と似たような感じです

 

 機械類はだいたい魔動機で片が付く。やっぱり魔動機って便利だな。

 

海音:今の時間はどのくらいですか?

 

GM:午後1時くらい

 

海音:ここから市場までどのくらいかかりますか?

 

GM:1時間程度

GM:急げば40分程度

GM:地味に立地が悪いみたい

 

海音:「掃除道具やら日用品やらそろえに……あ、お金がねぇ」

 

GM:さて、ふと気が付きます。

GM:あなたの腕、二の腕のあたりに何か刺青のような何かが刻まれています

GM:それはこのような印です

 

 GMはすっと画像を提示する。

 

 

【挿絵表示】

 

 

海音:「うん?なんだこれ?」

 

GM:右腕にあります。はい

 

海音:「なにかの模様みたいだが……わっかんねぇなぁ……」

海音:印に触ってみます

GM:入れ墨みたいなものですね。

GM:見識もいいですよ。叡智のおかげで目標値は14

 

海音:コロコロ……失敗。ちくせう

 

GM:何の印かはわかりませんね。

 

海音:運命確定使用します

 

 GMが使うように煽ると易々と使ってくれた。

 

GM:ではメジャーゴッドの聖印です

GM:名前はテスタエキナ

GM:言い伝えでは古き時代に間違った信仰をされた結果、堕ちた神です。

GM:この大陸で昔信仰があったらしいですが、他の大陸でも信仰はいまだに残っているのかもしれません

GM:何と憐れな神様

 

海音:「……え、俺無神論者なんだけどいつ信仰したっけ?」

海音:「というか、今まで自然と無視してきたが、なんでこんな知識があるんだ!?」

 

GM:弓によるものだとわかりますね

 

海音:「俺はただの一般人だったろう!?」

海音:「ほんとに何なんだよこの弓……」

 

GM:ただ、この聖印はもうすでに廃れ、あまり知られていません

GM:弓による補正がなければ28くらいの目標値になりそう(曖昧

 

海音:「はぁ、頭が痛くなる……地雷案件じゃねぇかこれ」

海音:「……蘇生はあるが高位の神官じゃないとダメ……と」

 

 弓のおかげで蘇生魔法について、あることを確信する海音。

 

GM:弓が教えてくれる(便利ワード

GM:外で声がします

アルイル:声を荒げ怒るアルイル、そして……

トウヤ:申し訳なさそうな顔をするトウヤ

トウヤ:言い合っている、のでしょうか?

海音:「……どうしたんだろうか」

 

 

================================

 

 

GM:海音が窓を開けると外の言い合いが聞こえてきます

 

アルイル:「この街の住人たちを助けるのが先ではなくて!?」

アルイル:「復讐だなんてそんな者は何も生まないのですっ! それに悪いのは私なのに……!」

 

トウヤ:「……いや、あれは俺に落ち度があるんだ。そうしなければアイツは死ななかった。だから、アイツを倒す。あれは別の危険分子だ。潰さないと」

 

アルイル:「ダメです! アレには敵いませんっ、だから、だからぁ……!」

トウヤ:「……倒す算段はあるんだ。だから安心してくれアル」

 

海音:(……あいつ?トウヤは何を言っているんだあいつ)

 

トウヤ:ものすごく悲しそうな顔でアルイルを抱いています

アルイル:対してアルイルはトウヤに縋りつくように泣いています。

 

海音:(……修羅場兼惚気ってか?中身はクッソ重そうだけどな)

 

リリシャ:「……どうしたの?」入り口から顔をのぞかせます。

 

トウヤ:「リリシャか、いや、気にしないでくれ。これはこっちの問題だ」

 

アルイル:「あなただけの、問題では、ありませんっ」

アルイル:「この町の、問題なのですよ!?」

 

カリア:遠くの馬車から降りてきているのが見えます

カリア:「トウヤ、どうだ」

 

トウヤ:無言で首を振る

 

カリア:「馬車にはイクトらが待っている」

 

トウヤ:「なら待たせるわけにはいかないな」

 

イクト:「……」馬車から顔を見せています

 

マサ:ちらりと見えますね

 

トウヤ:「……あんまり待たせるわけにはいかない。だから、アルイル」

 

海音:(マサもいr……誰だアイツ!?)

 

アルイル:「トウヤ様っ、トウヤ様ぁっ……」

 

海音:(え、何この二年間でアイツあんなにやせたの!?)

 

 重い会話の中でどうでもいいことに気が付く海音。

 違う、そうじゃない。

 

トウヤ:「……ごめん」

 

リリシャ:「トウヤお兄ちゃん。帰ってくる?」

 

トウヤ:「……」

トウヤ:「……当然だ」

 

 長い沈黙の末に答えるトウヤ。

 

リリシャ:「……気を付けて」

 

海音:(んー、そういえばリュカが居ないな、何処にいるんだろう)

 

トウヤ:カリアと歩いて馬車へと向かいます

 

海音:(そろっているから彼奴だけいないわけないだろうしなぁ)

海音:(なんかの病気だったりして?)

 

ミンツ:「本当にバカばっかりなんだからぁーー!!」上から聞こえます

 

トウヤ:「……ミンツ」

 

海音:「うぉ!?」

 

ミンツ:「みんなみんなみんな自分勝手すぎるのよ、アルイルもカリアも、トウヤもイクトもマサも! バカなリュカだって! みんなみんな……!!!」

 

トウヤ:「……」

 

海音:(こりゃリュカになんかあったな)

 

カリア:「子供の言葉に耳を貸す必要はない……」

 

 カリアがトウヤに言う。

 その表情は暗く、辛そうだ。

 

トウヤ:「……はい」

 

海音:(重症負ったとか?それだったら、ここにいないのも頷けるな、うん)

 

ミンツ:「本当に、バカ、バカ、大バカ者……、なんだか、らぁ……!」

ミンツ:上からすすり泣く音が聞こえます

 

GM:下からも!!

 

 まさに空気的にも描写的にも地獄!

 

リリシャ:「アルイル、中、行こう」

アルイル:「んく……、わかった……」

 

海音:(うん、だから、重症で動けないんだ、うん、そうだ、きっとそうなんだ)

海音:「だから違う、違うはずなんだ、そんなことはあり得ないんだ、うん」

 

ミンツ:「帰ってこないなんて、約束してないんだから……、だから……」

ミンツ:「リュカ……」

ミンツ:「帰ってきてよ……」

 

海音:「違う……違う違う違う違う、そんなはずないじゃないか」

海音:「うん、落ち着け、うん」

 

リュカ:『先輩今度カラオケとかどうっすか?』『それ俺のから揚げですよ!?』

リュカ:『卒業したらまた会える機会減りますね……』『まあ、いつでも連絡取れるし大丈夫ですね!』

 

海音:「だから違うっつってんだろ!?」

 

リュカ:『俺、これでも法務系目指してるんでいつでも頼ってくださいよ、先輩!』

 

海音:「あああぁぁ……」

海音:「違う……違うんだよ……」

 

 海音はベッドで一人、うずくまる。




見直して一言

PL:はぁー!? ロールプレイングしかしてねえ!?

GM:そだね。


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第四回『花嫁』 - 1

小説に書き換えてもいい気がしてきたけど、手間がかかるんでそのままで。
でもまあ小説にしないと書き込み辛いというのもあるなぁ……。
編集しててGMの一言コメントはあんまり使いたくなくなるし。困った。


GM:気が付いていたら朝になっていた。

GM:どうやら気が付かないうちに眠ってしまったらしい。

GM:扉が小さくノックされる

 

リリシャ:「……起きてる?」

 

 静かな声。リリシャだ。

 

海音:「……ああ」

 

リリシャ:「昨日、寝てたみたいだったから……」

 

海音:「ああ、心配かけてごめんな?」

 

リリシャ:「朝ごはん。できてる」

 

海音:「おう、もう少し待っててくれ」

 

リリシャ:「わかった」

リリシャ:「案内、任されてるから待つ」

リリシャ:「……貴女、どこから来たの?」

 

海音:「……なぁ、神様よ……たった2日でちと厳しいことを起こしすぎじゃねぇの…くそったれが」

 

リリシャ:「……聞こえなかった」

 

海音:「ああ、ただの痛い独り言だ」

 

リリシャ:「そう」

 

海音:軽く身だしなみを整えて部屋を出ます。

 

リリシャ:「……さっきの質問、答えてくれる?」

 

海音:「ん?おう、なんだ?」

 

 PLが質問の存在に気が付いていなかったらしい。

 会話が地味にかみ合っててGMも気が付かなかったんですが。

 

リリシャ:「貴女、どこから来たの。って」

 

海音:「…ああ……これぐらいはいいか」

海音:「トウヤたちと同じところからだよ」

 

リリシャ:「知り合い、なの?」

 

海音:「そうだな、あいつらは気づかないと思うがな」

 

リリシャ:「……」

 

海音:「あー、辛気臭い辛気臭い、早く飯を食べに行こうぜ?」

 

リリシャ:無言で貴女の服を掴みます

 

海音:「ん?どうした?」

 

 リリシャは目をそらし、ばつが悪そうに聞く。

 

リリシャ:「ねえ、貴女なら……。トウヤお兄ちゃんを助けられる?」

 

海音:「今の体じゃ全く無理だな」

海音:「アイツらとは大きすぎる差がある」

 

リリシャ:「言葉は届く。それだけでも、いい。あのままだと死んじゃう……」

リリシャ:「お兄ちゃんたちが、死んじゃう……」

 

 必死なのだろうか。

 言葉を紡ぐごとに彼女の銀髪が揺れる。

 

海音:「……俺には声をかける資格なんて……」

 

リリシャ:「……っ、ごめんなさい。無理な相談、だった」

リリシャ:「この話は、秘密。あなたと私で」

 

海音:「……ああ、たすかる」

 

リリシャ:そう言って、少しあなたの先を歩くようにして食堂へと案内してくれます

 

海音:「……ああ、なんて無様なんだ、俺は」

 

リリシャ:「誰だってそんなもの」

リリシャ:「私も、貴女に縋ることしかできない」

 

海音:「…そっか」

 

リリシャ:「縋るものを失ったものは。無様と言うよりも、無残になる」

リリシャ:「アルイルだって、そう」

リリシャ:目を伏せます

 

GM:食堂につくと、ひっそりとしています

 

キヤ:「おっそーい!」

キヤ:「朝からリリちゃんしか見てなかったし、アルお姉ちゃんも出てこないし、どうなってるのよー!」

 

海音:「おう、ごめんな、キヤ」

 

リリシャ:「アルイルは……、ミンツ状態」

キヤ:「うぇえ……」

キヤ:「う~……」

 

海音:(まぁ、そりゃそうだよな)

 

リリシャ:ちらりと貴女を見た気がした

キヤ:「どうしたの? カイネちゃんに何か用があるの?」

リリシャ:「ううん、何もない」

 

海音:「ほら、後で二人にも届けに行こうな、ほら、お姉ちゃんなんだろ?」

 

キヤ:「うん」

キヤ:「本当ならみんなで食べたかったのだけど」

 

海音:「二人とも今は疲れてるんだよ」

海音:「だからそっとしといてやろうな?」

 

キヤ:「……無理してぼかさなくていーよ。私がお姉ちゃんなんだから」

キヤ:「昨日の話、裏で聞いてたもん……」

リリシャ:「トウヤお兄ちゃんの顔、嘘のにおいがした」

キヤ:「わたしも、そう思う」

 

海音:「……はぁ、分かったわかった降参だ」

海音:「話くらいはしてくるよ」

 

リリシャ:「……本当?」

 

海音:「おう」

 

キヤ:「へ、どうしたの?」

リリシャ:「こっちの話」

キヤ:「ずるいよ、おしえてよー!」

リリシャ:「はやく頂きましょう、冷めるわ」

リリシャ:「キヤお姉ちゃんの作る料理はおいしいのだから、覚めさせるわけにはいかないわ」

 

海音:「そうだな、早く食べようぜ?」

 

キヤ:「あ、うれしい、そんな、ぐぅ……」

 

 チョロい。

 

 

================================

 

 

リリシャ:「御馳走様」

海音:「ご馳走様でした」

キヤ:「お粗末様でした」

 

キヤ:「それじゃ、私用事があるから行って来るねー。お姉ちゃんたちの分は持って行っておくよ」

 

 そう言って、お盆を二つほどをそれぞれ片手で持って走っていく。

 零しそうなものだが、器用なものである。

 

リリシャ:「分かった」

 

海音:「おう、気を付けてなー」

 

キヤ:「うん、アルイルお姉ちゃんをどうにかする方法を探さなきゃ!」

キヤ:「いってきまーす」

リリシャ:「元気ね」

 

海音:「そうだな、あー、それにしてもほんと美味かったな」

 

リリシャ:「食器を片しましょう、作った人じゃなくて私たちの仕事よ」

 

海音:「昨日の晩に食べれなかったのが残念だな」

海音:「おう、わかった」

 

 

================================

 

 

GM:食器をリリシャと片づけた!

リリシャ:「大体綺麗になったわ」

 

海音:「ふぅ、この体だとなかなか大変だな」

 

リリシャ:「……? 生活は(じき)に慣れるわ」

 

海音:「うん、そうだな」

 

リリシャ:「話をしましょう」

 

 リリシャはいつの間にか向かい側の席に立っています。

 

海音:「そうだな」

 

リリシャ:「貴女のことを深く聞いてもいい?」

 

海音:向かいに座ります

海音:「おう、どんとこい、この際隠し事は無しだ」

 

リリシャ:「貴女はトウヤお兄ちゃんと同じ世界から来たと聞いたけど、彼とはどんな関係だったの?」

 

海音:「友達だな、それも同姓の」

 

リリシャ:「……つまり?」

リリシャ:小首をかしげよう

 

海音:「この体は神様のいたずらでこうなった」

 

リリシャ:「……??」

リリシャ:小首がさらにかしげる

 

海音:「……そりゃそうなるよな」

海音:前世での最期をリリシャに話します

 

リリシャ:「……ええと、身体が違う?」

リリシャ:「それも、大男だったけど、今はこんなに縮んだ、と」

 

海音:「そうそう、後から神様から聞いたらあっちの体はハンバーグになってたんだと」

 

リリシャ:「貴女も随分難儀なのね」

 

海音:「……うーん、なんか釈然としないな」

 

リリシャ:「貴女が自分の事をしゃべってくれた、平等ということで次は私」

リリシャ:「つまらない話だけど、いい?」

 

海音:「ん?大丈夫だぞ?」

 

リリシャ:「分かった。本当につまらない話なのだけども」

リリシャ:「私は元々この大陸の半分を治めていた魔法王だったの」

 

海音:「……うん?つまり王様?」

 

リリシャ:「これは前々前世の話よ」

 

海音:「あー、転生前の記憶がいくつかあると?」

 

リリシャ:「やがて魔法文明は崩壊し私は死んだ。だが神はそれを許さなかった。前世の記憶を持った私は魔動機が栄枯する様も間近で見てきた。そのうちに1回は死んだわ」

リリシャ:「やがて大破局が起き、今の文明が出来上がった。その境目で私は再び死に、生を受けた」

リリシャ:「貴女の話もそう分からない話ではないわ」

 

海音:「……うーん、確かにつまらない話じゃなくて、壮大な話だった」

 

リリシャ:「これでも最初は男だったもの」

 

海音:「あー、何?じゃあ同類?」

 

リリシャ:「正に酒池肉林ね。あの時の私は」

リリシャ:「今思えば憐れに思えるけど」

 

海音:「ふーむ、そんなもんか?」

 

リリシャ:「利用されていることに気付かず、罪を重ねていたのよ。こうやって生き続けるような罰を受けるほどには、ね」

 

海音:「ふむ…俺には分からない話だな」

 

リリシャ:「1度目も、2度目も、3度目も、そして今度も私は同じ罪を犯そうとしている。大切なものを捨てようとする」

リリシャ:「……ごめんなさい、つまらない話だったわ」

 

海音:「……まぁ、これで秘密を共有した者同士だ、お互い仲良くしようぜ?」

 

リリシャ:「今はこの身に魂を窶し現世をさまよう亡者よ、改めてよろしく?」

 

海音:「ああ、よろしく」

海音:「…ああ、お前にだったら聞けるな」

 

リリシャ:「前世以前の事なんて所詮他人事よ。私は高々数十年を生きる悲しい存在。今まで通りで構わないから」

 

海音:「ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

リリシャ:「ええ」

 

海音:「この印の神について詳しくわかるか?」

海音:右腕の印を見せます

 

リリシャ:「テスタエキナ。崩壊神と呼ばれる。魔動機文明時代に信徒が殲滅されていたわね」

リリシャ:「元は私も信徒よ」

 

海音:「へ?崩壊神?」

 

リリシャ:「いつしかその理念は捻じ曲げられたけどね」

リリシャ:「これが彼女の聖印。私の手作りよ」

 

 そうしてリリシャはどこからか取り出した聖印を海音に見せる。

 確かにその聖印は同じ形をしている。

 

リリシャ:「他の大陸に信徒が逃げている可能性は捨てきれないけど」

リリシャ:「私の国では国教だった」

 

海音:「ほぇぇ……」

 

リリシャ:「崩壊神と言割れているけど、また別の呼び方がある」

リリシャ:ズズ…「水」

リリシャ:「……貴女もいる?」

 

海音:「お、おう」

海音:貰います

 

 リリシャが水入れからコップに水を注いでくれた。

 

海音:ゴク、ゴク「ぷはぁ……」

 

リリシャ:「まあ、私のつまらない身の上話なんてどうでもいいわ」

 

海音:「え?あ、おう」

 

リリシャ:「本題ね、トウヤお兄ちゃんたちについて聞きたいことはある?」

リリシャ:「状況把握は大事」

 

海音:「聞きたいこと……ああ、まずはトウヤたちのことについてかな?」

海音:「俺はあいつらと2年も離れてこっちに転移している」

 

リリシャ:「……まず、知っての通りリュカと呼ばれる人物は死んでいるわ。1年も前の話だから知りもしない話だけど」

 

海音:「……そうか」

 

リリシャ:「私が実際に見聞きしたのはここ半年の出来事、それ以外は人づてに聞いた話になるわ」

 

海音:「おうそれでもいい」

海音:「教えてくれ」

 

リリシャ:「ぞう、まずはトウヤお兄ちゃん。便宜上ここではトウヤと呼ぶ」

リリシャ:「トウヤはこの街エウルクレイムの英雄」

リリシャ:「理由はこの街を救ったから、らしい」

リリシャ:「かれこれ2年も前になるから真実かどうかはわからない。」

リリシャ:「アルイルが満足げに言っていたから確実だろうけど」

 

海音:「ほぅ…アイツがそんなことを……」

 

リリシャ:「次にイクト。彼は腕の立つ真語魔術使いよ。私には劣るけど」

 

海音:「そりゃそうだろうな」

 

リリシャ:「ただ、戦士としても鍛えているようで、魔法剣士と言った部類ね、あれは」

リリシャ:「彼はトウヤと共にこの町を救ったわ」

リリシャ:「次にマサという人物。彼は滅多に前には出ないけどそれなりにトウヤらとは親密らしい」

リリシャ:「密偵、野伏といろいろとこなすようだけど本職は魔動機術による狙撃、だと思う」

 

海音:「……あいつら、早くに合流してたのか」

 

リリシャ:「因みに彼はリュカと共に1年半前にこの町に現れた。トウヤが連れ帰ってくるような形で」

リリシャ:「どこでどうであったのかは不明ね」

 

海音:「あー、俺以外は大体2年前にこっちに来てそうだな」

 

リリシャ:「次はリュカ。この人物」

リリシャ:「彼は話を聞いて回るに優秀な弓兵だったようね」

リリシャ:「特殊な武器を持ちトウヤらの中でも突飛な才能を持っていたとか」

 

海音:「特殊な武器?」

 

リリシャ:「あらゆる知識を素早く吸収し、自分のものにしたり。時には誰もが知らないことをも言い当てて見せた」

リリシャ:「……らしい」

リリシャ:「本人がいなければ確かめようのない話ね」

 

海音:「……んんん?」

 

リリシャ:「そして彼は1年前にアルイルをかばい、死んだ」

 

海音:「……だから昨日の修羅場か」

 

リリシャ:「それが、堕神テスタエキナの分体による攻撃だったとか」

リリシャ:「あくまで、聞いた噂だけどね」

 

海音:「…ふぁ?」

海音:「……それが真実だったら俺まずくね?」

 

リリシャ:「テスタエキナなど、誰も知らないわ」

リリシャ:「貴女のその刻印と何の因果関係があるかは不明だけど」

リリシャ:「……研究者として、気になりは、するわ」

 

海音:「……」軽く腰を浮かせます

 

リリシャ:「冗談」

 

海音:「……」じとー

 

リリシャ:「考察の余地はあるわ」

リリシャ:「信徒としてね」

 

 少し、表情をほころばせて言う。

 海音の反応が満足いくものだったのだろう。

 

リリシャ:「さて、ここまでで質問はある?」

 

海音:「質問は…教えてもらった分にはないな」

 

リリシャ:「そう」

リリシャ:「なら、私から一つあるのだけど」

 

海音:「なんだ?」

 

リリシャ:「貴女が部屋に持ち込んでいる鳥の死体は一体?」

リリシャ:「放置すれば穢れが溜まってアンデッドになる。危険」

 

海音:「……ああ、まぁ、恩人?恩鳥?みたいなやつだよ」儚い笑み

 

リリシャ:「……あれなら蘇生できると思うけど」

リリシャ:「……貴女には特別」

 

海音:「……え!?まじで!?」詰め寄ります

 

リリシャ:「……ええ、魔術に於いての契約は絶対と同じように、私は嘘を吐かないわ。こうして目を合わせて言うときはね」

 

海音:「……ぁぁ…ありがとう、ありがとう……」

海音:涙を流しながら感謝します

 

リリシャ:「大事なのでしょう?」

リリシャ:そう言ってリリシャは立ち上がります

リリシャ:「一時間ほどかけて蘇生するわ。彼はお借りするけど、いい?」

 

海音:「ああ、問題ない」

 

リリシャ:「……対価として、正体を明かしても明かさなくてもいい。今トウヤはこの街の正門にいるはず。よろしくできる?」

 

海音:「おう、任せろ」

 

リリシャ:「ん、賢明。よろしく」

リリシャ:そう言って、食堂を後にしていきますね

 

海音:「……腹、括るか」

海音:トウヤたちの所に向かいます

海音:一応弓も持っていきます

 

 




見直して一言

GM:気が付いたらリリシャの設定ががおっきくなってる。

PL:即興セッションの弊害ですね。それだけじゃない気がしますけど。


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第四回『花嫁』 - 2

もはや長くなりすぎて読者がへばって離れちゃいそうで戦々恐々している。


GM:では、正門近くですね。

GM:凱旋パレードさながらのようにトウヤが住人に見送られていく様子が見えます。

 

海音:「はぁ……はぁ……体力がなさすぎる……」

 

GM:走ってもギリギリ間に合うだろうか分からない。

 

使い魔:『このままだと間に合わない、いそいで』とリリシャの声

 

 赤い鳥が海音の少し上を飛ぶ。

 

トウヤ:馬車からのぞく顔は、見送られる英雄の顔には見えず、なにか深いものにとり憑かれているかのようだ。

 

海音:「はぁ……こな、くっそぉぉぉ」

海音:全力で追いかけます

 

GM:如何せん集まった住民の数は多く、簡単にどかせそうにありません

 

使い魔:『厄介……』

海音:「トウヤああぁぁぁ!」

 

 海音は叫ぶ。だが、脆くも人の圧によってその声はかき消されてしまう。

 

海音:「クッソ、何かないか……」

 

使い魔:『私が近づいたところで、警戒されたうえで撃ち落とされるのが関の山ね』

 

海音:「だからと言って矢を飛ばすのは……」

 

 何か、無いだろうか……。

 GMもPLも考えを巡らせる。

 

キヤ:「はれ? カイネちゃん?」

キヤ:「どしたのこんな場所に」

 

 近くには丁度よくキヤが。

 

海音:「ん?キヤ?」

 

使い魔:『キヤ、力を借りてもいい?』

 

キヤ:「はへ、リリどこにいるの!?」

 

使い魔:『……説明は後回し、トウヤを止めたい』

 

キヤ:「お姉ちゃんを呼び捨てなんて……」

 

使い魔:『キヤお姉ちゃん、力を貸して』

 

キヤ:「うん、どんとこい!」

 

 やはり、チョロい。

 

海音:「おう、俺からも頼むよき、キヤお姉ちゃん」

海音:(うぅぅ……恥ずかしい)

 

 任せて、という大きな返答によって、とある作戦が決行される。

 

 

================================

 

 

キヤ:「グォー!! グルルァーーーーー!!!」 

キヤ:「たべちゃうぞー!」

 

 と、のたまうドラゴン。

 

 ドラゴン。

 

 ドラゴン?

 

使い魔:『大根芝居にもほどがある』

 

キヤ:「うるさいやい!」

 

GM:ただ、突然のドラゴン出現に辺りは混乱に包まれます

 

海音:「あの屋敷は人外魔境かよおおおぉぉぉ!?」

 

トウヤ:「……」

 

 トウヤは馬車から飛び出し、キヤに一気に肉薄する。

 

トウヤ:剣を抜き身にせず鞘の状態でキヤを無力化していく。

 

キヤ:「きゃぁーー!」

 

海音:「ちょ、ストップすとーーっぷ!!?」

 

トウヤ:「キヤ、何やっている」

トウヤ:「……この姿になるなと!」

 

 小声だ。キヤに聞こえるくらいの。

 

キヤ:「えへへ……」

 

トウヤ:「……はぁ」周囲を見て

トウヤ:「このドラゴンは俺が責任をもって野に放つ。可愛い幼ドラゴンだ。危害はない」

トウヤ:「……全く」

 

 トウヤの言葉によって周りは安堵したのか少しばかり混乱が収まる。

 

海音:「いや、キヤすまんな、こんな無茶をしてもらって」

トウヤ:「……何を」

キヤ:b

 

 キヤ、無言のサムズアップ。

 

海音:「よう、トウヤ、お前からしたら2年ぶりか?」

 

トウヤ:「は?」

 

海音:「俺な、あの時咄嗟に偽名を言ったが本当の名前は海音、羽崎海音だ」

 

トウヤ:「……は?」

 

海音:「ええっと……昨日ぶり?」

 

トウヤ:「………は?」

トウヤ:「そんな冗談なんか言って……」

 

海音:「あのタンカーに巻き込まれる前に飲みに行こうって言ってたよな」

 

トウヤ:「だって、カイトはあれだろ。もっとゴリラでガサツで……?」

 

海音:「おう、可憐な美少女様になって帰ってきたぞ?」

 

トウヤ:「は????」

イクト:「トウヤ、どうしたでござるか?」

マサ:「対処が遅いですよ……?」

 

 遅れて登場する、イクト、マサの両名。

 

トウヤ:「いや、え、その?」

 

海音:「いやぁ、初めて酒を飲んだ時のお前の暴れっぷりはすごかったなぁ?」

 

トウヤ:「……」

 

海音:「誰彼構わず絡んで、挙句にキスしようとしたりなぁ」

海音:「いや、あんなに酒癖が悪いと俺は思わなかったぞお前」

 

 あることないこと全部が設定としてその場で生えていく。

 これもTRPGの楽しさの一つである。

 

イクト:「待て待て待て待て、その話は……」

マサ:「まずいですよ!」

トウヤ:泣きかけてる

 

海音:「おう、イクト、マサ、久しぶり?」

 

トウヤ:「その話、それ以上は……!」

 

海音:「イクトお前、だいぶ変わったなおい」

 

トウヤ:「……はあ?」

トウヤ:「……本当に、本当にカイトなのか?」

 

海音:「おう、カイトだぞ?」

 

イクト:「こんな萌え萌えボディとは……たまげるでござるな……」

 

海音:「皆強くなってて、羨ましいぞおい」

 

マサ:「僕はまだ信じきれませんがね……」

 

海音:「んんん?何?お前も公開処刑がお望み?」

 

マサ:「いやっ、そ、そう言うわけではありませんけど……」

マサ:「信じきれないといいますか……」

 

海音:「いやぁ、疑うんだったら仕方ないなぁ、俺姿が違うから信じられねもんなぁ?」

 

マサ:「だ、騙されませんよ……!」

 

トウヤ:「ま、マサ……!」

 

海音:「おう、お前高校くらいだっけ?好きな女ができたって言って俺たちに告白してきたの?」

 

イクト:(ナムアミダブツ、でござる)

マサ:「ヘブシッ!?」 K . O ! !

マサ:「その話は、また後日ゆっくり……!!」

 

海音:「昔から何かと堅かったから俺たちの助言もうまく出来ずに1日で撃沈してたなぁ?」

 

マサ:「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!??」

 

海音:「おう、その時のシーンを再現しようか?」

 

マサ:返事がない、真っ白に燃え尽きた灰のようだ。

イクト:「カイト、死体蹴りはやめるでござる……!!」

 

海音:「……よし、イクト、お前はそういうやつじゃないよな?」上目遣い

 

イクト:「当然、当然でござる……!!」

 

 流石にビビる。

 黒歴史をばらされるなどたまったものじゃない。

 

トウヤ:「そうだな、言わせておけばいい気になりやがってな……」

トウヤ:ッギロリ

 

海音:(おっと?)

 

トウヤ:「お前、同じ中学だったよな」

 

海音:「?おう、そうだな」

 

トウヤ:「なんだ? "アルデバランの死霊が、俺にささやきかけたのが運の尽きだったな"か? 決め台詞は」

 

海音:「お、お前それ……っ!」

 

トウヤ:「いや、"グレイトアルティメットな不死鳥だ、負け戦などせん……"とかもあったな?」

 

海音:「うおおおおぉぉぉおお!!???」

 

イクト:「痛い、痛すぎる……」

 

海音:「やめろぉぉぉ!?背中が痒くなるぅ!?」

 

マサ:「流石にそれは……」←生き返った

トウヤ:「おな中の好だァ、語り合おうか……??」

 

海音:「ぐおおぉぉぉぉ……」

 

使い魔:『(大変そうね)』

キヤ:「(そだね)」

 

海音:「やめろぉぉぉ……今割かし設定を踏襲しかけてるからやめろぉぉぉ……」

 

トウヤ:「……ったく、変なタイミングで現れやがったな」

イクト:「拙者らが動くだけでも割かし大事でござるからな」

 

海音:「……あんな悲壮的な顔を間近で見せられて、挙句に説得されて頼まれたら、な」

 

トウヤ:「そんな顔してたか?」

イクト:「……」

 

海音:「おう、分かりやすかった」

 

マサ:「言うべきでしょう。トウヤ先輩」

 

海音:「いや、お前らが悩んでるのはリュカの事なんだろ?話は聞いた」

 

トウヤ:「……知ってたのか」

 

海音:「いや?今さっき聞いた」

 

トウヤ:「仇討ちなんだ」

 

海音:「仇ねぇ」

 

トウヤ:「このチャンスは二度もない。刺し違えてもやつを亡き者にする」

 

海音:「ふむ……どんな奴なんだ?」

 

トウヤ:「強い、理不尽なほどに強い奴だ。リュカはそいつに殺された」

トウヤ:「……リュカはよ、お前と再会する日、楽しみにしてたんだぜ? 死ぬときも、そんな、感じで、みんなの事気にしやがって……、お前の事とか……、最後まで、アイツは……!!」

 

海音:「……おう、そうなんだな」

海音:「……ほら、全部吐き出せよ」

 

トウヤ:「カイト先輩、会えるといいですね……ってよッ……!!」

 

海音:「はは、あいつなら言いそうなことだな」

 

トウヤ:「お前のせいだかんな……、何言ってんだ……俺ぁ……」

 

マサ:「……」

イクト:「……」無言でそっぽを向く

 

海音:「おう、泣けや英雄様」

海音:「……聞き手くらいにはなってやるよ」

 

トウヤ:「クッ、ぁあ……、ああぁ……!!」

 

海音:「ほれ、吐き出せ吐き出せ、ぜーんぶ出しちまえよ」

 

マサ:「遠征はまた今度、とても遠い機会になりそうですね」

 

海音:優しく頭をなでます

 

トウヤ:カイトの胸の中で皮を震わせすすり泣きます。

GM:嗚咽は声にならず、涙となって消える。

 

海音:「ほら、よしよし」

 

カリア:「遠征は中断だ。……英雄の探し物は見つかったようだからな」

 

トウヤ:「く、うぅ……ぁあ……!」

 

海音:「おう、カリアさん、協力ありがとうな?」

 

カリア:「勝手に見つけたようだからな。私は何もしていないさ」

 

海音:「いや、トウヤたちの面倒を見てくれただろ?」

海音:「それだけでもありがたいよ」

 

カリア:「私も英雄殿を無下にはできんからな。手伝ってただけだ。敵役だろうが何でも引き受けるさ」

カリア:「さー、引き揚げろ」

 

海音:「あんたは敵役って柄じゃないだろうに……」

 

カリア:「帰って、パーティーでも開いてやればどうだ」と、イクトとマサの肩をたたきながら言います。

イクト:「え、あ、わかったでござる」

マサ:「……わかりました」

 

 

================================

 

 

 その日、要塞内でささやかなパーティーが開かれることなった。

 参加者は少なかったものの、笑顔があふれていていたのは言うまでもない。

 

 ついでに称号『英雄の花嫁(名誉点50点分)』を獲得した。

 




※この後滅茶苦茶寝た。

見直して一言

PL:これぞTSって感じがする。

GM:激しく同意。


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第五回『仕事』 - 1

オリジナルのデータとかはしっかりと出したほうがいいんですかねぇ……。
ひとまず出さないようにはしますが。

というわけで一区切りついた後のお話です。
相変わらずRPの量が尋常ではありません。
どうしてこうなった。



 英雄の花嫁、そんな称号を入手。

 PLとGMは笑いながら、いいシチュだわーとかほざきつつもセッションを再開する。

 

GM:目が覚めるとそこは要塞の一室だった。

 

トウヤ:「目が覚めたか」

 

海音:「……んぁ?……ここは……?」

 

トウヤ:「中央の要塞、北塔9階の景色のいい場所だ。俺のお気に入りの部屋だぞ」

トウヤ:「ま、お前が俺のベッド占領してたんだが。」

 

海音:「んぉぉ………そうか………」

 

トウヤ:「おかげで雑魚寝だよ、悪かないが」

 

海音:「くふぅ……くぁ……」あくびをする

 

トウヤ:「ごめんな、最初に気が付けなくて」

 

海音:「んー……何がぁ…?」

 

トウヤ:「許せ、なんてセリフは言わねえけどよ、ここ一年リュカがいなくなったりしていっぱいいっぱいだったんだ」

 

海音:「あぁ……んー?……最初にあったときかぁ?」

海音:「そんなん気にするなよぉ……」

 

トウヤ:「気にしてくれていないならいいんだけどよ」

 

海音:「んぁ……あ、ごめん…すぐにどくわ」

 

トウヤ:「いや、ゆっくりしていってくれや」

トウヤ:「俺の部屋ってわけじゃないし」

 

海音:「ん?そうなのか?」

 

トウヤ:「……まあな」

トウヤ:「好き好んで誰も使わない部屋に来てるだけだ。別に自室がある」

 

海音:「え?いやだってお前のお気に入りの部屋だって…」

 

トウヤ:「リュカと、よくここに来てたんだよ。景色がいいからってな」

トウヤ:「ま、昨晩は絡み酒でずっと絡まれてあんま寝れてないのは事実だが」

 

海音:「ああ……リュカの最期はどうだった?」

 

トウヤ:「ああ、お前も会っただろ? アルイルをかばってな」

トウヤ:「死んだ、遺言は聞いてやれたが直後に仇に"取り込まれた"」

 

海音:「……あいつは笑顔だったか?」

 

トウヤ:「……無理をした顔だったな」

 

海音:「……じゃあ俺も力を付けないとな!」

 

トウヤ:「一つ聞いてもいいか?」

 

海音:「今度は仇じゃなくてケジメとして!」

 

トウヤ:「……そう言えばお前の持ってる弓、装飾も何もかもがリュカ思ってた弓と同じなんだが。関係あったりするのか?」

 

海音:「ん?え、ああ、やっぱり?」

 

トウヤ:「確か、リュカは弓の事をテスタノレッジって呼んでいた」

 

海音:「うん、こいつも同じ名前だな」

 

トウヤ:「何か、関係がありそうだな。まだ、その因果関係はよくわからないけど」

 

海音:「話を聞いた感じ、同じやつだと思うけどな」

 

トウヤ:「これからどうする? そのままあの屋敷で暮らすか?」

トウヤ:「一時的とはいえ、勝手に住まわせちまった。自由に決めてくれよ」

 

海音:「うーん、そうだな、そっちで住もうかな?」

海音:「あの子たちにもお礼が言いたいし」

 

トウヤ:「屋敷ってことでいいんだな? OK、カリアにも伝えとくな」

 

海音:「お、ありがと」

 

トウヤ:「イクトとマサは……、まだ寝てるか」

トウヤ:「相当飲んでたもんな……」

 

海音:「うーん……昨日の記憶がない……」

海音:「俺ってこんなに弱かったかぁ?」

 

トウヤ:「身体とか、関係あるんじゃないのか?」

トウヤ:「小さなグラス2、3杯でもうやばかったからな」

 

 目をそらしながら言うトウヤ。

 

海音:「あー……まじで?」

海音:何やらかしたし。

 

トウヤ:「あー、ずっと絡まれてた」

トウヤ:(昨日の事は内緒にしてやるか……)

 

海音:「うわぁ……これが小さくなった弊害かぁ……くそっ、酒が楽しめねぇじゃねぇか」

海音:マジで昨日何やらかしたの!?

 

トウヤ:「たしなむ程度にしとけよ、こっちが疲れる」

 

海音:「おーう、今度から気を付ける」

 

トウヤ:「おう、そうしてくれ」

トウヤ:「マジで絡み酒とか勘弁な」

トウヤ:(流石にあのべったりは看過できねえっての)

 

海音:「……え?そんなひどかった?」

 

トウヤ:「ああ、んじゃ、俺は自分の部屋で寝とくから」

トウヤ:「寝不足なんだ」

 

海音:「あ、おーう」

 

トウヤ:そう言い、部屋を後にします

 

海音:「……うーわ、酒癖まで悪くなってるのか……マジで気を付けよ」

 

使い魔:『お疲れさま』

 

 外から赤い鳥が入ってくる。

 

海音:「お、リリシャ、お疲れ」

 

使い魔:『昨晩は随分と仲良さそうだったわ』

 

海音:「へ?何の話だ?」

 

使い魔:『甘え上手なのね』

 

海音:「へ?」

 

使い魔:『みんな言いたいことがあるみたい。ここには長居もできないし、待ってるわ』

使い魔:飛び去っていきます

 

海音:「ごめん、え、待って、マジで何のこと!?」

海音:「……マジで何やらかしたんだ……俺……」

海音:屋敷に向かいます

 

イクト:途中すれ違いますがちょっとよそよそしい

イクト:恥ずかしそうだった

イクト:まあ話しかけてもさっさと逃げていく感じ

 

海音:「……マジで何やらかしたの………」

 

 

================================

 

 

GM:富裕層のエリア、もとい難民避難エリアへ向かう貴女

GM:妙に周りからの視線を感じる気がした

 

海音:「……すごいいたたまれない………」

海音:「俺……外でなんかやらかしたか?」

 

 ※やらかしました

 

海音:そそくさと屋敷に急ぎます

 

キヤ:「あ、おかえりー!」

リリシャ:「おかえりなさい?」

 

海音:「おう、ただいまー」

 

アルイル:「……」むすー

 

海音:「ん?アルイル?どうかしたか?」

 

アルイル:ちらちらとカイネを見てはそっぽを向いています

リリシャ:「カイネ、魔導王としての私は応援する」ぼそ

 

海音:「へ?何のことだ?」

 

リリシャ:「……でも、リリシャとしての私は負けない」

アルイル:つかつかとカイネの下へ来ます

アルイル:「……」

 

海音:「お、おう、ほんとにどうしたアルイル」

 

アルイル:「トウヤ様を止めていただいたのは感謝しています……、ええ」

 

海音:「ん、おう」

 

アルイル:「ですが、ですが、……ぜ、絶対に認めませんからね!! 絶対!!」

 

 アルイルは逃げ出した!

 

キヤ:「へ? へぇ??」

キヤ:「みんなどしたの???」

リリシャ:「妬いてる」

 

海音:「うん?妬いてる?俺に?なんで?」

 

リリシャ:「私も例外じゃない」カイネを見ながら

キヤ:「焼く? なにを?」

 

海音:「マジで朝から疑問しか浮かばないんだが、どういうことだ?」

 

リリシャ:「ひみつ」

 

海音:「???」

 

リリシャ:「そこはまだ男の子。よしよし。がんばれ」

リリシャ:なでてくれます

キヤ:「???」

 

海音:「え?んえ?」

 

リリシャ:「応援だけする」

 

海音:「?お、おう?」

 

リリシャ:「お酒でも飲んだらわかるんじゃない?」

リリシャ:「ただ、ほめられたこととは思わない」

 

海音:「……やっぱりそんなに酒癖が悪い?」

 

リリシャ:ツーンとして答えてくれません

リリシャ:「さすが、英雄の花嫁は言うことが違う」

キヤ:「あー、そうそう、カイネちゃんになんかえいゆうのはなよめってあだ名? それが付けられてたよ?」

 

海音:「マジで教えて、ほんと教えて!?それじゃあ、今後おいしく酒が飲めなくなる!?」

海音:そう言った称号とかを気にすることなく、リリシャに縋りつきます。

 

リリシャ:「まず人間関係を気にしてはどうかしら」

リリシャ:「一番のおすすめ」

 

海音:「え?人間関係?」

 

リリシャ:「貴女は女性。立場を改めて見直しておいた方がいい」

 

海音:「??うん??」

 

リリシャ:「ただでさえ英雄の花嫁なんて、呼ばれてるのに」

 

海音:「……聞き流してたけど、何そのあだ名」

 

リリシャ:「アルイルも浮かばれない」

リリシャ:「公衆の面前で"あれ"をさらしていたら嫌でもそう言う称号は付くものね」

キヤ:「いつ婚約したの????」

 

海音:「え?婚約?誰が誰と?」

 

キヤ:「え? トウヤお兄ちゃんとじゃないの?」

リリシャ:「英雄といったらトウヤの事。常識」

 

海音:「え?」

海音:「え、何?トウヤと?俺が?」

 

リリシャ:「昨日の事を思い出すといいわ」

 

海音:「思い出せないから困ってるんですけど!?」

 

キヤ:「あー、竜になったのに放置されたアレ?」

リリシャ:「そう」

キヤ:「蚊帳の外だったねー」

キヤ:「そう言えばあの赤い鳥さんて何だったの?」

リリシャ:「ひみつ」

 

海音:「え?あの時のこと?」

 

リリシャ:「そしてアルイルもあんな状態。仕方のないこと」

キヤ:「確かにカイネちゃんがおかあさんて感じだったね!」

 

海音:「?俺がただトウヤの愚痴を聞いてあげただけだろ?」

 

リリシャ:「重症ね」

キヤ:「そうなの?」

リリシャ:「ええ、重篤よ」

 

海音:「うん?俺に悪いところなんてどこにもないぞ?」

 

 鈍感にもほどがある。

 というか鈍感ってレベルじゃない。

 

 くっ、PLめ、どうしても野郎とくっつけたくないか……!

 

リリシャ:「そう……、貴女がすごくきれいな女性に女性に泣きついて、優しくされていたらどう思う?」

リリシャ:「トウヤでも、誰でもいいわ。それを見たらどう覆う?」

 

海音:「うん?あー、そういうやつじゃなかったら恋人とかに思うな」

 

リリシャ:「自分に置き換えれば簡単よ。そう思われているの」

 

海音:「うん?なんで関係ない話をしてるんだ?」

 

リリシャ:「電流を与えれば思考もマシになる?」

 

海音:「え?電流?」

 

リリシャ:「|操≪ゼス≫|、≪・≫|第一階位の攻≪ヴァスト・ル・バン≫……」

リリシャ:魔術の詠唱であると分かりますね!

 

海音:「え、何その不穏な詠唱、ちょ、待った待った待った!?」

 

リリシャ:「電流を喰らうのを待つ前に、考え方を矯正すべきだとは考えない?」

リリシャ:詠唱を中断します。

 

海音:「だから何の話だよー!!?」

 

リリシャ:「……貴女の主観なんてどうでもいい。傍から見れば貴女とトウヤは恋人みたいなものよ。そう思われても仕方のないことをした」

リリシャ:「これ以上貴女の顔を見ると魔法をたたきつけたくなる。部屋に戻るわ」

 

海音:「はぁ?ないない、なんで男どうし…………あ」

 

 リリシャがここまでしたのだ。流石に理解してもらわなきゃ困る。

 

リリシャ:向かう途中足を止めます「……そう、あの青い鳥は部屋に戻しておいたわ」

リリシャ:「それじゃ」

 

海音:愕然としたまま聞き流します

海音:「ああああああぁぁ!?マジでやっちまったぁぁあぁ!!?」

 

キヤ:「リリちゃん難しいこと知ってるなぁ……」

キヤ:「……カイネちゃん? どしたの?」

 

海音:「……ごめん今傷心中……」

 

キヤ:「へ、あー、わかった?」

 

海音:「あ、昨日は俺の無茶に付き合ってくれてありがとうな」

 

キヤ:「ん? いやー、いいってことだよ! 私も、アルお姉ちゃんにいつもみたいな姿になってほしかったし、トウヤお兄ちゃんも元気になったみたいだから!」

キヤ:「うんうん、万事解決!」

 

 ※してないです

 

海音:「…そうか、ちゃんとお姉ちゃんしてるな」死んだ目で頭を撫でます

 

キヤ:「わー! 頭撫でなーい! トウヤお兄ちゃんじゃないと嬉しくないよー!」

 

海音:「あー、ごめんなキヤ姉さん」

 

キヤ:「もー、分かったら今度は私がなでるからー!」

キヤ:なでなで

 

海音:「おーははは……ありがと」

海音:「俺も…部屋に戻るわ……」

 

キヤ:「そーいえば、カイネちゃんはお昼済ませた?」

 

海音:「ん……そういえばまだだったな」

 

キヤ:「カイネちゃんが帰ってくるだろーなーって、カイネちゃんの分も作ってたんだ」

 

海音:「え?本当か!」

 

キヤ:「うん!」

キヤ:「ちょっと冷めちゃったからあったかくするね!」

 

海音:「キヤの料理はおいしかったからほんと嬉しい!ありがと!」

 

キヤ:まっててーと言ってキッチンへと走り込んでいきます

 

 こうして、カイネはキヤの料理を食べて自室へと戻るのだった。




見直して一言

PL:RPの量が多いんですけど……、こんなにやってたの?

GM:そだね。まだまだ続くし編集量が多くてつらいまである。


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第五回『仕事』 - 2

海音ちゃんの成長の履歴みたいなの忘れてたのであとがきの方に書いておきます。



 キヤの昼食を食べ終えて部屋へと戻る海音。

 

海音:「ふぅ……やっぱり美味しかったなぁ……」

 

???:「きゅ!」

 

海音:「……ぇ?」

 

???:「きゅ、きゅー!」

???:貴女の顔めがけてダイブ!

 

海音:「……は、ははは、生き返った、んだな?」

 

???:「きゅー!」

 

海音:「ああ……よかったああぁぁぁ……」優しく抱きしめます

 

GM:羽毛も心なしか綺麗になってます

GM:もしかするとリリシャが洗ってくれたのかも

 

???:「きゅ、きゅー、きゅー!?」

???:苦しそうに貴女の腕でもがきます

 

海音:「あ、ご、ごめんごめん」

 

???:「きゅ、きゅ!」

 

海音:「ほんとに良かったぁ……」

 

???:「きゅー」

 

GM:お昼過ぎ。どうしますか?

 

海音:「またよろしくな?」

 

???:「きゅー」

 

海音:「そういえば、市場を見てなかったな、何があるか見に行くか」

 

???:「きゅ!」

 

海音:「ん?一緒に来るか?」

 

???:「きゅっ!」

 

海音:「よし、じゃあ行こうか」

海音:鳥と一緒に市場に行きます

 

GM:はい、では降りていくとエントランスで

 

アルイル:「うっ」

アルイル:げ、出くわした みたいな顔

 

海音:「あ、アルイル」

 

アルイル:「う~……」

???:「きゅ! きゅきゅ!」

 

海音:「あー、朝は、そのー、すまなかった」

 

アルイル:「きゃっ、と、とり!?」

 

???:アルイルに飛びついていきます

アルイル:「か、かわいい……」

 

海音:「ああ、こいつは……そういえば名前がなかったな」

海音:「む、どうしようか……」

 

アルイル:「まだお名前が無いのですか……」

 

海音:「そうなんだよ……うーん俺のネーミングセンスじゃなぁ……」

 

アルイル:「私も、人の名前から付けるくらいしか……」

アルイル:「と、トウヤとかですか?」

 

海音:「いや、さすがにそれは……分かりづらいし恥ずかしくないか?」

 

アルイル:カーッと赤面させて自滅します

 

海音:「うーん……アルーはどうだ?」

 

アルイル:「私と、被ってしまって言いづらいのではないでしょうか……」

 

???:「きゅー……」

 

海音:「…うーん、誰かに助けを求めよう」

 

GM:扉がノックされます

 

海音:「ん?はーい」

 

アルイル:「誰でしょうか」

 

海音:扉を開けに行きます

 

アルイル:追従するような形で玄関へ

 

トウヤ:「あ……」

トウヤ:「よう?」

アルイル:「と、トウヤ様!?」

 

海音:「ん?お、トウヤじゃないか?どうした?こんな時間に」

 

トウヤ:「あー、その、噂について知ってるか確かめに来ててだな……」

トウヤ:「俺も今さっき初めて知ったんだが……」頬を染めつつ苦笑い

 

海音:「うん?噂?……まさか花嫁以外で何かあるのか?」

 

アルイル:「……」

トウヤ:「あー、いや、知ってるならいいんだ。うん」

???:「きゅー!」

 

海音:「あ、おい」

 

???:トウヤの顔をめがけてブレイブバード

 

 反動ダメージはなかった。

 

トウヤ:「ほぐぅッ!?」

トウヤ:「と、鳥!?」

 

海音:「と、トウヤ!?大丈夫か?」

 

トウヤ:「ああ、まあ大丈夫だが」

アルイル:「トウヤ様、お怪我はありませんか!?」

トウヤ:「ああ、心配してくれてサンキュな」

トウヤ:「何というか、自分で言うのもなんだが災難だな」

 

海音:「こら!急に顔面目掛けて飛ぶのは危ないじゃないか!」

???:「きゅ」トウヤの頭の上に陣取る

トウヤ:「この鳥め、人様の上でなにやってんだ」

 

海音:「うーん…気に入ったとか?」

 

トウヤ:「いや、頭を爪で執拗にだな……」

トウヤ:「痛いから降りろ」

 

海音:「ん?がりがりされてるのか?」

 

トウヤ:「その通り」

???:「きゅー!」はたき落される

 

海音:「おっとっと」受け止めます

 

トウヤ:「なんて鳥だよ……」

 

海音:「こら!なんでそんな攻撃的なんだお前は……」

 

 鳥はトウヤをガン見。

 

トウヤ:「めっちゃ睨まれてる……」

 

海音:「あー、これはトウヤに頼むのは悪手か?」

 

トウヤ:「頼む?」

 

海音:「ああ、こいつには今名前が無いんだよ、それじゃ不便だから名前を付けようと思ってな」

 

トウヤ:「あーなるほど、理解した。俺はやめとけ安直なのしかつけれん」

 

海音:「俺もアルイルもネーミングセンスがなー……」

 

アルイル:「わ、わたくしはトウヤちゃんが……!」

トウヤ:「え、いや。やめてくんない?」

 

海音:「だから自分が恥ずかしくなるだけだぞ?」

 

アルイル:「う~……」

 

海音:「その選択はお前が後で後悔するだけだぞ」

海音:「いやマジで」

 

トウヤ:「はいはい、俺が好きだってのはわかるが、ほどほどにな」

アルイル:「はい、トウヤ様……♪」撫でられてまんざらでもなさそうにします

 

海音:「(これが恋は盲目ってやつか……)」

海音:「あ、そうそう、これからはカイトじゃなくてカイネで呼んでくれ」

海音:「この姿でカイトはおかしいだろ?」

 

トウヤ:「そうか?」

トウヤ:「……」

 

海音:「うん?そうおかしくもないのか?」

 

トウヤ:「そうだな」じろりと全身見渡してそっぽを向きます

 

海音:「うん?なんでそっぽ向くんだ?」

 

トウヤ:「何でもねえ……!」頭を軽くつつきます

トウヤ:(可愛いとか思うな。ダメだ、こいつは男だ。そう男だ)

 

海音:「うぉっとと、なんだよ」

 

アルイル:「……むぅ」

 

海音:「うーん、ここら辺はリュカがネーミングセンスが良かったんだけどなぁ……」

 

???:「きゅ……」

 

海音:「うん、いないのは仕方がない、ほかのやつに当たるか」

 

アルイル:「リュカ様、ですか……」

トウヤ:「残り二人は危険だ、やめとけ」

 

 言わずもがなイクト&マサである。

 

???:「きゅ」

トウヤ:「アイツらは、好きなものの名前を付けたがるからな」

 

海音:「あー、あいつらは最悪ちゅんちゅん丸とか付けかねん」

 

トウヤ:「マサが鉄オタ+アニオタ、んでイクトはアイドル+アニメ+ゲーム+漫画オタだからな」

 

海音:「うーん、やっぱり漫画からの引用が高そうだよな」

 

海音:「リリシャとかはそこらへん得意かな?」

海音:「そういえば、お前は雄なのか?雌なのか?」

 

リリシャ:「無性よ」

 

 ふらりと現れるリリシャ。

 

アルイル:「にゃひっ!?」

アルイル:「リリシャ、いつの間に……!?」

 

海音:「うぉ!?リリシャお前何処から出てきた」

 

トウヤ:「神出鬼没だな……」

 

リリシャ:「この子は性器を保有していない変な生物ね」

 

海音:「え、こいつ」

 

???:「きゅ」

 

海音:「ええ……生物としてそんなことあり得るのか?」

海音:「いや、あり得るからここにいるのか」

 

???:「わからないわ。幻獣か造られたというのならば頷けるわ」

トウヤ:「不思議なこともあるもんだな」

 

海音:「うん?造られた?……あ」

海音:(うーん、可能性の話だしやめとこ)

海音:「そうだな」

海音:「それはそれとして名前だ名前」

 

トウヤ:「ああ、そうだ。噂の話なんだが、どうやったら誤解が解けると思う?」

トウヤ:「名前はあとだ、あと」

トウヤ:「女とはいえ、元男のお前と噂が立つのなんて御免だ。だからこっちが優先。わかるな?」

 

海音:「え、うーん……特にまた変なことをしなければ下火になって消えるんじゃないか?」

 

リリシャ:「随分と楽観的」

 

海音:「今から消しまわっても手遅れどころの話じゃないし」

海音:「もう全体に回ってるくらいだろ」

 

アルイル:「噂と言うものは放置すればどんどんと尾ひれが付いていつしか独り歩きするものです……」

トウヤ:「お前、噂を舐めてんな?」

 

海音:「うーん……だからと言って消しまわると、逆に燃料を投下するだけじゃないのか?」

 

トウヤ:「ぐぅっ、どうすれば……」

 

海音:「ほんとに何かあるんだ、的な?」

 

リリシャ:「いっそのこと契りを結べば?」呆れ

アルイル:「それはダメです!」

 

海音:「いや、それはトウヤが嫌がるんじゃないか?」

 

リリシャ:「アルお姉様、こう言っている以上もう契りでも結んだ方が早い」

 

海音:「俺だってこの体になってから4日目だし」

 

リリシャ:「私的には、契りを結んだ瞬間に天から雷に撃たれればいいと思う」

トウヤ:「怖い! リリシャが怖い!?」

 

海音:「おっと辛辣ぅ」

 

アルイル:「むむむ……」

???:「きゅ~……」

 

海音:「うん?どうした?お腹がすいたのか?」

 

リリシャ:「呆れているのよ、貴女に」

 

海音:「うん?なんでだ?」

 

???:「きゅ」リリシャに賛同する感じ

 

海音:「えぇ……」

 

リリシャ:「知能は高いみたいね」

トウヤ:「どうすりゃいいんだ……」

リリシャ:「土に全身埋まればいいと思う」

 

海音:「何その犬の気持ちがわかるみたいな感じ、俺も欲しい」

 

トウヤ:「なんでぇ!?」

リリシャ:「カイネも同罪よ」

 

海音:「うぇえ!?」

 

リリシャ:「土に埋もれて雷に打たれればいいわ」

リリシャ:プイ

トウヤ:「まじかよ……」

アルイル:「ああいわれても仕方がないですし、当然の結果です……!」

 

海音:「うぬぅ……仲良くしたいのに現状が許さない」

 

アルイル:怒ってどっかい来ます

???:「きゅ~」やれやれ

 

海音:「ったく、たかが友達を慰めただけだろ……はぁ、どうしてこんなことに…」

 

トウヤ:「お前な……」

トウヤ:「俺らの世界の言葉を借りるが、男女間に友情って存在しないらしいぞ」

トウヤ:「お前は現状を把握しろ。もっと、よーく考えとけ」

 

海音:「うん?ああ、そんな言葉あったな」

 

トウヤ:「お前は女だ。傍から見ても可愛いんだよ……。チッ」

トウヤ:「あーもう! 調子が狂うわ。帰るな」

 

海音:「うーん?まぁ神様の趣味だからそんなもんだろ」

 

トウヤ:「マジで雷落ちないかな。俺も打たれていいから」

 

海音:「うん?気を付けて帰れよ?」

 

トウヤ:「あー、そうだな。雷に気をつけろよ」

トウヤ:「じゃーな」

 

海音:「うーい」

 

トウヤ:ぶつぶつ

 

???:「きゅう……」

 

海音:「うーん、なんか調子狂うなぁ……」

海音:「こんなん続いたら胃に穴が開いちまうぞ……」

 

???:「きゅ」

???:呆れ鳥

 

海音:「…それより名前だな」

 

ミンツ:「君が……」

 

海音:「うーん……うん?」

 

ミンツ:「……その、私はミンツ。その、トウヤたちを止めてくれてありがとう」

ミンツ:「……それだけ」

???:「きゅー!」

ミンツ:「わ、何だ、鳥!?」

 

海音:「ああ、貴女が、よろしくお願いしますミンツさん」

海音:「ああ、また…こら!」

 

???:「きゅきゅ!」

ミンツ:「か、かわいいな……」

ミンツ:「……」

ミンツ:「リュ、カ……」ふとそう漏らします

 

海音:「あ、ミンツさん、そいつ、今名前が無いんですよ」

海音:「…へ?リュカ?」

 

ミンツ:「あ、え、いや、うん、名前!?」

ミンツ:「ちょっと思い出してただけで、その~///」

 

海音:「アツアツだったんですね」

 

ミンツ:JI ☆ ME ☆ TSU

海音:(・∀・)ニヤニヤ

 

ミンツ:「うわぁあああああ!!??」

 

海音:「そんな人がいてくれて……アイツは幸せ者ですね」

 

ミンツ:「なんでもなぁーいッ!」なぜか近くにあった椅子を投げ飛ばしてくるよ(

???:「きゅ!?」

 

海音:「うおわぁ!?」

 

 しかし攻撃は外れた。

 

ミンツ:「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」にげだした!

???:「きゅ、きゅー……」

 

海音:「…嵐のような人だったな」

海音:「……なぁ、お前の名前レニアスじゃだめか?」

 

???:「きゅー」

 

海音:「本当の名前があるのなら、その名前が判るまでのつなぎな?」

 

??? -> レニアス:「きゅ」

レニアス:「きゅきゅ」

 

海音:「じゃあ、改めてよろしくな、レニアス」

 

レニアス:「きゅー」

 

海音:「さて、改めて市場に行くか」

 

レニアス:「きゅ、きゅー?」

レニアス:ホントにいくの、みたいな顔

 

海音:「うん?……ああ、花嫁の件すっかり忘れてたわ」

海音:「……きょうは、おとなしく部屋の掃除を掃除するか」

海音:「まぁ、掃除道具くらいはあるだろ」

 

レニアス:「きゅ」

 

海音:キヤに掃除道具の場所を聞いて掃除します

 

キヤ:残念! 外出中!!

 

海音:掃除道具を探します

 

GM:探索判定でいいよー

 

海音:コロコロ……成功!

 

GM:みつかりますね

 

海音:「お、あったあった」

海音:「よし、そうじはじめますかぁ!」

 

リリシャ:「自分の心の掃除を?」

 

海音:部屋を掃除します

海音:「あ、そっちもしなきゃな……」

 

リリシャ:「……それはそうと、雷にはまだ打たれてないのね」

 

海音:「おう、今日の天気はいいみたいだ」

 

リリシャ:「嵐に変えてもいい?」

 

海音:「やめろぉ!?」

海音:「お前だとシャレになんないだろうが!?」

 

リリシャ:「今日のリリシャはいじわる。まだ妬いてる」

リリシャ:「嫌な感じでごめんね」

 

海音:「うぐぅ……」

 

リリシャ:「ただ……」

リリシャ:「土に埋めるくらいはダメ?」

 

海音:「いや、改めて考えるとこっちに落ち度しかないからあれだけど、せめて頭だけは出してくれないかなーって」

 

リリシャ:「だめ、逆さで且つ全身」

 

海音:「ちょっ、それ死ぬやつじゃん」

 

リリシャ:「死んでも、いいんじゃない?」じとー

 

海音:「うぐぅ……ほ、ほんとに悪かったって」

 

リリシャ:ぷい

 

海音:「さすがにこのままの状態が続いたら俺がつらい、胃に穴が開いちゃう……」

 

レニアス:「きゅ~」

 

GM:この日は掃除に精を出すカイネであった……




見直して一言

PL:レニアスが生き返ってくれてよかった。

GM:それでも慢性的な火力不足なんだよなぁ……。


海音ちゃんの成長の記録

第一回
経験点 500+500+90
戦利品 くすんだコア 500G/赤緑白黒金A ×3
成長1回 生命1
ブレイバー1 スカウト1 セージ1 神弓1

第二回
経験点 500+500+140
成長3回 器用1 筋力1 生命1
ブレイバー2 スカウト1 セージ1 神弓2

第三回
経験点 なぜか 500
成長1 筋力1
ブレイバー2 スカウト1 セージ1 神弓3

第四回
経験点 なぜか 500
名誉点20
成長1 知力1
ブレイバー3 スカウト2 セージ1 プリースト(信仰:テスタエキナ)1 神弓3

成長に関しては毎回最後に1d6を振って決めています。
また経験点はここから2倍になります。ぬるま湯みたいだぁ……。
因みにプリーストの「信仰:テスタエキナ」に関してはプリーストするならと強制的にとらせています。GM曰くこの時点で特殊神聖魔法はいまだに考えていないとか。


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第五話『仕事』 - 3

お気に入り登録ありがてえ……、ありがてえ……。
暫くは5000字前後になるように分けます。


海音:「ふぃ~……」

 

 掃除を終えて汗をぬぐう海音。

 

レニアス:「きゅ~」

リリシャ:knockをして「失礼するわ」

 

海音:「うん?リリシャか、どうした?」

 

 海音は突然やってきたリリシャに少し不思議になりつつも扉を開く。

 

リリシャ:「謝罪?」

リリシャ:「妬いて妬きつくしてゴメンナサイ?」

 

海音:「うん?リリシャが謝ることなんて何もないだろ?」

 

リリシャ:「……そうね、あなたのせいだものね」

 

海音:「あれは、俺のうかつが呼んだ自業自得だしな」

 

リリシャ:「いけない、直ぐ妬いてしまう」

リリシャ:「お詫びと言っては難だけど、仕事が受けられる場所を紹介するわ」

 

海音:「お、マジで?そういえばお金を持ってなかったんだよな」

 

リリシャ:「ここから南門へ行ってまっすぐ進めば光盾堂と言う店があるの」

リリシャ:「あそこは冒険者の店として機能しているわ。上手くすれば依頼を請けられる」

リリシャ:「勿論命の危険はあるけど、手っ取り早い」

 

海音:「おお、さんきゅ」

海音:「さすがに何もしないのはまずいよなって思ってたところなんだ」

 

リリシャ:「そう」

リリシャ:「……それじゃ」

リリシャ:「おやすみなさい」

 

海音:「おう、おやすみ」

 

 

================================

 

 

GM:朝です。太陽が差し込んできて、貴女は目が覚めることでしょう

 

海音:「んぅ……あしゃ………」

 

レニアス:「きゅ!」

 

海音:「んぅ……おはよ……」

 

レニアス:「きゅー」

 

海音:「顔……洗う………」

海音:よたよたしながら水場に行きます

海音:「んぅ……」顔を洗います

海音:「ぷはぁ……よし」

 

キヤ:廊下を掃除をしているのが目に入ります

 

海音:「うーん……この体すっごく不便だ」

 

キヤ:「掃除掃除おっそうじぃ~」

 

海音:「朝まで弱くなってやがる……もっと早く起きて目も起きたら冴えてたのに……」

海音:「お、キヤ姉さんは朝が早いんだな」

 

キヤ:「あ、おはよー!」

 

海音:「おはよう」

 

キヤ:「今日は掃除当番なんだー!」

キヤ:「しばらくしたらアルお姉ちゃんから言い渡されるんじゃないかな?」

キヤ:「こんなに大きな屋敷でも掃除する人や料理する人は自分たちだからね~」

 

海音:「ああ、だから分からなかったのか」

 

キヤ:「まあ、住んでる人が少なすぎて回し切れてないのが現状なんだけどね~、あはは」

 

海音:「そりゃ、こんな広い屋敷なんだ、それは当たり前だな」

 

キヤ:「おっと、そろそろ朝ごはんだ! 急がなきゃ!」

 

海音:「あ、なんか手伝うことはあるか?」

 

キヤ:「掃除道具とかは片づけるから先に準備していった方がいいと思うよ!」

キヤ:「大丈夫、どうせ一人でやる羽目になるから今のうちに自由を謳歌するといいよ!」

 

海音:「お、おう」

 

キヤ:「だってー、掃除当番は一日中家に張り付く羽目になるんだもーん。辛いよー」

アルイル:「あら、起こしに行こうと思えば。起きていたんですね、カイネさん」

キヤ:「アルお姉ちゃんだー、おはよ」

アルイル:「おはよう、キヤ。カイネさんもおはようございます」

 

海音:「ああ、アルイル、おはよう」

 

アルイル:「朝ごはんが準備できています。早めに来てくださいね」

 

キヤ:「はーい!」

 

海音:「ああ、あの小鳥の名前はレニアスになったぞ」

 

アルイル:「レニアス、いい名前ですわ」

レニアス:「きゅ!」カイネの後ろからひょっこり

アルイル:「では、先に行きましょう。カイネさん」

 

海音:「ああ、後でな、キヤ」

 

キヤ:掃除道具をせっせと片付けるよ!

 

 

================================

 

 

GM:こうして朝食を食べ終える。

 

キヤ:「おいしかったー」

 

海音:「ご馳走様でした」

 

アルイル:「お粗末様でした」

リリシャ:「よかった」

 

海音:「さて、おれの掃除当番とかはいつからになるんだ?」

 

アルイル:「……そういえば言おうとしていましたね」

アルイル:「明後日からです」

 

海音:「おい、忘れるなよ」

 

アルイル:「別に、貴女の事でいろいろ考えていたとかそう言うのじゃありませんからね」

 

海音:「明後日からな、わかった」

 

アルイル:「たーだ、認めません、ぜったいです、ぜったい!」

アルイル:「花嫁だなんて、なんてはしたない……」

 

海音:「あーはいはい、あ、俺はこれから光盾堂に行くけど何かあるか?」

 

キヤ:「みんなトウヤお兄ちゃんのこと好きだねー……」

キヤ:「光盾堂かぁ……あそこ何を売ってたっけ?」

 

海音:「そうだな……」

 

アルイル:「主に盾、鎧などの防具類です」

アルイル:「一応冒険者用の道具類も取り揃えていますが品ぞろえはいまいちです」

リリシャ:「アルお姉様、よく知ってる?」

アルイル:「当然です。お世話になりましたから」

 

海音:(こんな小さな子たちにもモテるとかあいつ、いつかロリコン呼ばわりされそうだな)

海音:「ん?じゃあ特にないか?」

 

アルイル:「トウヤ様と出会ったのも、あそこですし……」

リリシャ:「私は特に」

キヤ:「私もないかなー」

 

海音:「じゃあ、行ってきます」

 

 

================================

 

 

GM:「あれが英雄の花嫁?」「ちっちゃい」「英雄の花嫁ってやっぱかわいいな」

GM:なんて声がちらほら

 

海音:「ぬぐぐ…予想はしていたが……なんかいたたまれない」

 

GM:視線も常に集まっている感じ

 

海音:そそくさと目的地に向かいます

 

GM:向かうもジロジロと得意なものを見る視線が集まります

GM:光盾堂に入ってもその状況に変わりはありません

 

海音:「あ、あのぉ」

 

光盾堂の店主:「いやはや、英雄の花嫁様直々にいらっしゃるとは……」

 

海音:「ここで依頼がもらえるかもと聞いてここに来たんですけど……後花嫁とかじゃありません」

 

光盾堂の店主:「何とも、鼻が高いですなぁ……」

光盾堂の店主:「ですけど、あのような場面を見せられてはね、誰もが花嫁と言うに決まっている」

光盾堂の店主:「それも、この街を救った英雄ともなると、噂は中々消えんよ?」

光盾堂の店主:「観念してはいかがだろう?」

 

海音:「……ええぇ…」げんなり

 

光盾堂の店主:「っと、こんなことをトウヤ殿に効かれればさっくりと刺されかねんな、ははは」

光盾堂の店主:「……さて、お仕事でしたかな」

 

海音:「ええ、そうです……実を言うと金銭を一銭も持っていなくて……」

 

光盾堂の店主:「斡旋する前に一つ、実力を確かめさせていただいてもよろしいですかな?」

 

海音:「ええ、当たり前です」

 

光盾堂の店主:「勿論報酬は出るので安心ください」

 

海音:「ん?正直でないと思ってました」

 

光盾堂の店主:「ただ、英雄の花嫁ともあろう方を一人で向かわせたとトウヤ殿に聞かれれば刺されますので仲間が最低一人欲しいところですなぁ」

 

海音:「……あ、それは考えてなかった」

 

トウヤ:「……いた」

トウヤ:「おい、カイネ。こんな場所で何やってんだ」

 

海音:「ん?おう?トウヤ?」

 

光盾堂の店主:「おっと、婿殿ではありませんか」

 

海音:「何って、小遣い稼ぎと修行?」

 

トウヤ:「マスター、あんまり茶化さないでくれ」

トウヤ:「小遣い稼ぎにせよもっと別の方法があるだろ。こっちの道は危険だ」

 

光盾堂の店主:「だ、そうで、花嫁様?」

 

トウヤ:「マスター……」

 

海音:「えー、だから言ってるじゃん、修行も兼ねてるって」

海音:「もう何も出来ないのは嫌なんだよ……」

 

トウヤ:「だーかーらー、お前は修行なんてしてたら勝手に死にかけるだろうが」

トウヤ:「……そのだな、心配なんだよ」

 

GM:店内で一斉に「ひゅー」と声が上がる

トウヤ:「うるせえ!」

 

 茶化しがひどくなっていくのにどんどん油を注ぐ英雄様。

 

海音:「ぶー、何だよけちー」

 

トウヤ:「……危険な場所に行かせられるわけないだろ、イクトとか、マサとか、リュカにも怒られかねん……」

 

海音:「あー、そうだな、前と比べて色々貧弱だもんなこの体」

 

トウヤ:「分かればいいんだよ」

 

海音:「でも俺は意思を曲げねぇぞ?」

 

トウヤ:「( ゜Д゜)ハァ?」

トウヤ:「ぐ……、しゃーないな」

トウヤ:「勝手にすればいいだろ……」

トウヤ:「ご自由にどうぞ」

 

海音:「だーかーらー、言ってるじゃん、何も出来ないで引きこもるのは……お?いいのか?」

 

トウヤ:「ああ、勝手にしろ」

 

海音:「まぁ、死なない程度に頑張るよ」

 

トウヤ:「ただ、ちゃんと気をつけろ。いいな?」

 

海音:「ん、おーう」

 

トウヤ:「死なないじゃない、危険にツッコんだりすんじゃないぞ?」

 

海音:「お前は俺のおかんかなんかか」

 

トウヤ:「お前ってやつは気が付いたら変なことに首突っこんでんだ、目も離せない」

 

海音:「そんなことはない……ぞ?」

 

トウヤ:「オカンのかわりでもなってやるよ、とにかく心配すぎるんだ」

トウヤ:「イクトの奴がそれでどんだけやせたと思ってんだ」

 

海音:「そんなにかぁ?」

 

トウヤ:「ここに来る前にも激やせしたことがあったろ、それも大半がお前のせいだかんな」

 

海音:「え、あっちでそんな危険に突っ込んだ覚え無いんだけど」

 

トウヤ:「……ち、無自覚が」

 

海音:「ええ?」

 

光盾堂の店主:「んじゃあ話いいか?」

 

海音:「おう、さっさと行こうぜ、店主さん」

 

光盾堂の店主:「まあ、このカウンターで十分だ。座りなって……、ちょっと高すぎるか」

 

海音:「………おう」

 

トウヤ:「アルイルの椅子、まだ残ってんだろ」

光盾堂の店主:「そうだな、持ってこよう」

 

海音:「………すまん」ほんのり顔を赤くする

 

トウヤ:「この椅子は高さがある程度調節できるんだ。まあ座高を上げる場合は他人の手伝いがいるんだけどな」

トウヤ:「ほれ、座れ」

 

海音:「……おう」

海音:座ります

 

トウヤ:「ほれ、いくぞ」

GM:トウヤの掛け声とともに視界がどんどん上がっていく

 

海音:「………くっそ恥ずかしいんだけど」

 

トウヤ:「知るか、甘んじて受けろ」

光盾堂の店主:「よし、これで話ができそうだな」

トウヤ:「マスター水だけ2杯くれ」

光盾堂の店主:「おうよ」

光盾堂の店主:「さて、頼みたいのは簡単な仕事さ」

光盾堂の店主:「いまこの要塞において治療薬が圧倒的に不足している」

トウヤ:「……そうだな」

光盾堂の店主:「それの材料となる薬草を取ってくるだけ。簡単だろ?」

光盾堂の店主:「報酬は基本が1000G、1本追加で採取するごとに20Gだ」

トウヤ:「……」

 

海音:「あそこの森からか?」

 

光盾堂の店主:「場所はここから東に行った森」

光盾堂の店主:「比較的浅い場所でも取れるぞ」

トウヤ:「どうするんだ?」

 

海音:東の森は自分たちが出てきた森ですか?

 

GM:違う方向ですね

GM:ただ近いかも

GM:ちょっと行けば直ぐって感じ

 

海音:「浅瀬ならまだ大丈夫だろう、さすがに奥まではいかねぇよ、森の恐ろしさは嫌っていうほど味わってる」

 

トウヤ:「……アイツらは森尾外でも出てくるぞ」

 

海音:「え、あのガタイのよさそうなやつとか?」

 

トウヤ:「いわゆるソルジャーってやつだ」

トウヤ:「小さいやつから大きいやつまでより取り見取りだ」

 

海音:「うん?あの緑の鉱物がついてるやつか?」

 

トウヤ:「とにかく、いろいろだ」

 

海音:「む……一応どのくらい集めればいい?」

 

光盾堂の店主:「そうだな、こんな植物を5本の束で8つあるのが最低限だな」

光盾堂の店主:サンプルも見せてくれます

 

海音:「じゃあ最低合計40本からと、あとはそこから出来高制ってことか」

 

光盾堂の店主:「そうなる」

 

トウヤ:「マジで無理すんなよ?」

 

海音:「おう、っとその前に仲間が欲しいな」

 

光盾堂の店主:「英雄殿は仲間がいた方が?」

 

海音:「俺とレアニスだけじゃ火力が足りない」

 

トウヤ:「……俺は行かないが、仲間の有無はどっちでもいい」

 

海音:「うーん……話聞いた感じだとアルイルも戦闘経験がある感じだがなぁ……」

海音:「さすがに急には無理だろうし……」

海音:「……うーん、今回はレアニスとだけで行くかぁ……」

海音:「じゃあ、行ってくる」

 

トウヤ:「まあ、せいぜい頑張るこった」

 

海音:店を出て東の森に行きます

 

レニアス:「きゅー」

 

海音:「おし、初仕事だ、頑張ろうな」

 

レニアス:「きゅ!」

 

 

================================

 

 

光盾堂の店主:「英雄殿は心配ですかな?」

 

トウヤ:「……当然だろ」席を立って店を出ていきます

 

光盾堂の店主:「やれやれ、どういった仲なのか読めませんな」

 

 トウヤの海音に対する中途半端な距離感に光盾堂の店主はため息を吐いた。

 




見直して一言

PL:ようやく、TRPGらしく判定ができるんだなって。

GM:なんでRPばっかなんだろね。ふしぎ。

 判定目的で見に来ている人には申し訳ない……。



このテスタノレッジには専用プランというものがありまして、神弓強化プランとは別に用意されたプランです。通常のプランとは枠が同じなので何取るかはよく考えないといけないのですが。
どうでもいい、という方はぱぱっと読み飛ばしてください。

1Lvから習得可能な専用プラン
バインドショット
生成した矢で1点以上のダメージを与えたとき判定する。
ダメージを受けた対象は精神抵抗判定を行う。
失敗したとき3Rの間、対象は制限移動しか行えず宣言動作も行えない。
この効果は呪い属性のものとして扱う。
専用プランの【~ショット】はどれか一つしか一度に発動できない。

ブラインドショット
生成した矢で1点以上のダメージを与えたとき判定する。
ダメージを受けた対象は精神抵抗判定を行う。
失敗したとき3Rの間、対象の知覚をなしとして扱う。
この効果は呪い属性のものとして扱う。
専用プランの【~ショット】はどれか一つしか一度に発動できない。

ジェルンショット
生成した矢で1点以上のダメージを与えたとき判定する。
ダメージを受けた対象は精神抵抗判定を行う。
失敗したとき3Rの間、対象は命中判定にー1のペナルティ修正を受ける。
この効果は呪い属性のものとして扱う。
専用プランの【~ショット】はどれか一つしか一度に発動できない。

ツワイスブレイド 前提【神弓強化・刃付】
【神弓強化・刃付】による攻撃が命中したとき、一回まで追加で攻撃を行うことができる。

5Lvから習得可能な専用プラン
ボムショット
矢生成の矢が「威力20」で「半径3m/5体」に魔法ダメージを与えるものになる。威力上昇の効果は半分となり、神弓巨大化の効果は受けない。
専用プランの【~ショット】はどれか一つしか一度に発動できない。

スタンショット
生成した矢で1点以上のダメージを与えたとき判定する。
ダメージを受けた対象は精神抵抗判定を行う。
失敗したとき3Rの間、対象は回避判定にー1のペナルティ修正を受ける。
この効果は呪い属性のものとして扱う。
専用プランの【~ショット】はどれか一つしか一度に発動できない。

ワイドストライクアロー
矢を5本まで消費して消費した本数だけ敵を攻撃できる。
また、命中は使用した本数だけ減少する。

アタックバック
攻撃後、5m移動することができる。この能力は乱戦内であっても宣言を必要としない。

ジャストアタック
威力判定の際に任意の数値を宣言する。
この数値が最初の威力と一致した場合はこの威力判定を使用したダメージ算出を2倍にする。

10Lvから習得可能な専用プラン
ゼロストレイト 前提【弦強化Ⅱ】【神弓完全開放】
射程が短ければ短いほど最大20点まで追加ダメージが向上する。
「追加ダメージ」=「(「射程」-「敵までの距離」)/4」点

ストラトスフォール
「抵抗:必中」で「範囲:半径5m/15」

アンチエイミング
矢を放ち、射撃攻撃と「形状:射撃」の攻撃を相殺する。
命中に−2のペナルティがかかるが、上記の二つを命中判定で回避を行うことができる。

ライフブロークンアロー
最大HPと現在HPを5点消費し、防護点を無視する矢を生成する。
この効果で減った最大HPは1日経過することで回復する。

リミットオフ
主動作を2回行うことができる。主動作を二回行った後、現在HPを最大HPの半分だけ減らす。


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第五回『仕事』 - 4

探索、探索ですよ!
なんか珍しいものを見るような眼でPLが見てます!!
やめて!!


 久々の探索パート。

 ここしばらくRPしかしてなかったもんね……。

 

GM:森にたどり着きます

 

海音:「浅くてもやっぱり鬱蒼としてるなぁ」

 

レニアス:「きゅ」

 

海音:よしまずは群生地を探すか

海音:探索します

 

GM:はい、では危機感知判定をどうぞ

 

海音:探索させて!? コロコロ……成功!

レニアス:コロコロ……成功!

レニアス:「きゅきゅっ」

 

 海音たちは森にいる存在に気が付くことができる。

 視界に入ってきたのは生物、とも言い難い動く物。

 炎のような赤い身体を持ち、馬のような形をしている。

 そのはずなのだが無機質で、この世の生物ではないことがわかる。

 

エネミー?:「ギ、ギィ……」

海音:(此奴もこの前の……って前のやつよりも強そうなんだが!?)

海音:まもちき行けますか?

 

GM:どうぞ

 

海音:コロコロ……失敗。

 

GM:うるさく鉄がきしむ音を鳴らしており、非常に目立っています

 

海音:相手に見つかってそうですか?

 

GM:いえ、みつかっていないようです。

 

海音:静かに離れることは出来ますか?

 

GM:出来ます

 

海音:離れます

海音:(やべぇ……あっちの森より断然やべぇんじゃねぇの!?)

 

GM:さて、遠目からでも気が付けますが、この浅いエリアには敵のような何かが多そうですね

 

海音:(外に危険が多すぎじゃないですかねぇ!?)

 

エネミー?:ただ先ほどの奴はめったにいなさそうです

 

 いてたまるものか。

 流石にPCが死んじゃうのでNG。

 

 今回の依頼はマップを1~9で割って探索していく方式です。

 マップを表すと以下のような感じですね。

 [①][2][3]

 [4][5][6]

 [7][8][9]

 

 このマップを探索してもらうのですが、探索するたびに1d6の遭遇表を振ってもらいます。

 1~3のエリアは3以下、4~6のエリアは2以下、7~9のエリアは1以下で敵と遭遇します。

 森の外縁部に敵が集中しているってことだ。

 敵は固定ですが遭遇するたびに数が増えていきます。

 敵と遭遇した場合、探索を振ることができません。

 

 探索が可能なとき、探索判定を振ってもらいます。

 このときの達成値が10で1本、12で2本、15で3本採取できるというわけです。

 ただし、奥のエリアの方はあまり探索されていないので4~6のエリアは2倍、7~9のエリアでは4倍の薬草が取れるというわけです。

 

 現在海音は[①]のエリアにいます。

 移動の際は隣接しているエリアにしか行けません。

 

海音:(今回は最低限の分だけ隠れて取りながら帰ろう)

海音:コロコロ……3本!

レニアス:コロコロ……2本!

GM:合計5本ですね

GM:初回なので遭遇表は無しです。

 

 ルールは作りながらだったので仕方のないことである。

 

海音:4に行きます

 

 [1][2][3]

 [④][5][6]

 [7][8][9]

 

 こうしてエリア4へと向かう海音。

 ここでGMがルールを追加する。

 

 それは、探索するたびに敵と遭遇する確率が上がるといったものだ。

 簡単に言うと、一回探索するたびに1dで出すべき数値が1つずつ上昇していくといったものだ。

 こうでもしないと奥で延々と採り続けられるからね! しかたないね!

 

海音:探索します

海音:コロコロ……回避!

 

 運よく回避する海音。

 次は探索判定だ。

 

海音:コロコロ……2本!

レニアス:コロコロ……4本!

 

GM:6本採取できました。

GM:これで合計11本になります。

 

海音:7に行きます。

 

 [1][2][3]

 [4][5][6]

 [⑦][8][9]

 

 7へ到着する海音。ついに高倍率エリアである。

 

GM:探索する場合は遭遇判定からどうぞ。

 

海音:コロコロ……回避!

海音:コロコロ……なし!

レニアス:コロコロ……4本!

 

GM:4本採取しました。

GM:合計15本になりますね。

 

 1本なのだが、倍率は恐ろしいものだ。

 正直ヌルゲーになったな、とか思った。

 

海音:8に行きます

 

 [1][2][3]

 [4][5][6]

 [7][⑧][9]

 

 8へ到着。

 ただ、ながらくRP続きだったからかPLが眠そうにしている。

 GMはもう一回採取したらよかったのにとか思いつつも処理を続ける。

 

海音:コロコロ……回避!

海音:コロコロ……12本!

レニアス:コロコロ……4本!

GM:16本

GM:合計31本です。はい。

 

 倍率ってヤバイ。

 

海音:9行きます。

 

 [1][2][3]

 [4][5][6]

 [7][8][⑨]

 

 こうして9にたどり着く海音。

 今度の判定は……?

 

海音:コロコロ……失敗!

 

 まさかの出目が1である。

 眠いながらにも自分の出目を警戒していたのかもしれない。

 

エネミー?:「ギ、ギ……!」

 

 戦闘開始。

 とはいえ数は一体。

 まもちきは失敗するも、安定して敵を倒すことに成功する。

 火力不足感は否めないのは言うまでもないが。

 

GM:勝利したよ!

 

 眠気からかGMも裁定がぼろっくそに。

 まさかの探索を振らせてしまう。

 

レニアス:コロコロ……4本!

海音:コロコロ……8本!

GM:12本採取

GM:合計43本

 

 やはり高倍率は正義であると分かった瞬間であった。

 

 

================================

 

 

 なんだかんだ眠気がピークだったので日をまたいだ。

 こうして脳をすっきり、セッションを頑張っていこう!

 という感じでセッション再開である。

 

GM:これから戦闘の場合は探索できないです

 

 そもそも高倍率でヌルゲー化しているのでこうなるわな。

 

海音:「よし、何とか集まったな」

レニアス:「きゅー」

 

GM:ズン……、ズン……と遠くから響き渡る音がしますね

 

 かなり距離はあって接触はしないので安心である。今は。

 

海音:「後は帰るだけだが、こういう時こそ気を引き締めないとな」

海音:「……早く帰ろうか」

 

レニアス:「きゅ」

 

海音:6に行きます

 

 [1][2][3]

 [4][5][⑥]

 [7][8][9]

 

海音:「……ちょっとぐらい良いよな……」

 

 人間だれしも欲があふれる。シカタナイ。

 

海音:コロコロ……成功!

 

海音:コロコロ……4本!

レニアス:コロコロ……2本!

 

GM:6本手に入ります

GM:49本になります

 

海音:「こんだけあれば、少しは足しになるだろ」

海音:3行きます

 

 [1][2][③]

 [4][5][6]

 [7][8][9]

 

 不穏な音を鳴らしてやったにもかかわらず3へと進む海音。

 帰るには123からじゃないという説明をしていたのでしゃーないか。

 

エネミー?:「ギ、ギ……」

 

 姿が見えるのはあのライガーをぼこぼこにしたアイツ。

 

GM:あの、エネミーですね

GM:同一かはわかりませんが、ひっかき傷まみれです

 

海音:「げ……アイツ……もしかしてあんときのやつか?」

 

GM:不幸にも周囲には……

 

 先ほど戦闘した敵が16体←

 

エネミー?:「ギ、ギィ……」

GM:6へと退くことはできそうですが、それ以外にうまく身動きが取れそうにありません

 

レニアス:「きゅ……」

海音:「……一旦下がろう」

海音:「あの数にアイツはまずい」

 

GM:では危機感知をどうぞ

GM:目標値は10

 

海音:コロコロ……成功!

 

エネミー?:では、退路に集まっています

エネミー?:???「やぁ」

 

 気さくな挨拶。闘いとは挨拶に始まり挨拶に終わる。

 とはいえ、5体ほど初日にも戦った敵がいる。

 

海音:(ちょっ……まず!?)

レニアス:「きゅ~……」

海音:「……見事に囲まれてらぁ」

 

エネミー?:近づいてきています、みつかるのも時間の問題でしょう

 

 ここでGMからオリジナルルールの提示である。

 簡単な話、敵が視界持ってるのでそれを避けて進めということだ。

 マップの下部に左右にそれぞれ5つと3つ、計8つほどマスクされている部分を用意しており、そこを通ればとりあえずは安全であるという話だ。

 

 先制はPC側。温情である。

 

 早速、海音は右側を進み一つ目のマスクされた場所にたどり着く。

 

GM:ではめくります

GM:エリア1解放!

 

 マスクを消し……。

 

エネミー?:「やぁ」

 

 四つ足の兵士級君だ。

 先ほどの戦闘時にも戦った奴である。

 

海音:「……あ、どうも」

 

 そんなこんなでダメージをいい感じにもらいつつも突破する海音。

 

GM:エリア2オープン!

 

 エリア2には誰も居ない。

 

海音:ほっ。

 

 よかったね!

 

GM:エリア3オープン!!

海音:あ

 

 いらっしゃった。エネミー君。

 また同じ奴である。

 

 戦闘はまたまた安定感のある感じで海音がダメージをもらい……。

 

レニアス:2d+8 「きゅ、きゅきゅーー!」

SwordWorld2.5 : (2D6+8) → 12[6,6]+8 → 20

レニアス:k0$12+7

SwordWorld2.5 : KeyNo.0c[10]m[12]+7 → 2D:[4,6 6,4 5,6 5,6 1,3]=12,10,11,11,4 → 4,3,4,4,0+7 → 4回転 → 22

 

 鳥が決めた。

 

海音:「……はぇ?」

レニアス:ドヤッ

海音:「……すげぇ」軽く撫でます

 

 その後、欲を出して他のエリアをオープンするも更にいい感じにダメージを食らってエリアオープンのコンプを断念。

 海音は泣く泣くコンプ報酬の経験点をあきらめた。命は大事に!

 

GM:逃げ切れました

GM:現在地は6です

 

 [1][2][3]

 [4][5][⑥]

 [7][8][9]

 

 6に戻された海音。

 ここでGM痛恨のミス!

 遭遇判定を振らせ忘れる!

 

海音:「はぁ……はぁ……さすがに……きっつ……」

 

レニアス:「きゅー……」

 

海音:「はぁ…………これからどうするかなぁ……」

 

レニアス:「きゅ」

 

 鳥は何も答えてくれない。

 答えられれば楽にセッションを回せるのにね……。

 

海音:「ここじゃ……下手に休めもしねぇ……」

海音:「………回って出られるか…?」

 

 ということで5を通って2に行くらしい。

 ただ、GMがそう簡単に逃がしてくれるわけもなく……。

 

 [1][②][3]

 [4][5][6]

 [7][8][9]

 

 というわけで2に到着だ。

 

エネミー?:「ギ……」

 

 そのエリアにいるのは馬のような敵である。

 確実に格上な炎を吐いてる感じのお馬さん。

 

海音:「うぐぅ……はぁ……もう少し……」

 

エネミー?:あなた達から見えますが見られてません。

 

 逃げられるやさしさ。

 

海音:「……はは……」

海音:5に戻ります

 

 [1][2][3]

 [4][⑤][6]

 [7][8][9]

 

 やさしさは有れどもダイスはそれを許さない。

 

海音:コロコロ……失敗!

 

 遭遇表に失敗。闘いじゃあ!

 敵は最初に戦ったやつが2体。

 先制先取に失敗。

 

 ~EN TURN~

 

エネミー?:レニアスに群がります

エネミー?:牽制しつつ攻撃!

 

海音:「……っ、くそっ」

 

 牽制攻撃の餌食になる鳥。

 

GM:レニアスのHPは16点減った。(HP:0->-16)

 

 防護点なしのダメージはやはり痛い。

 

レニアス:「きゅ!」

 

海音:「まずいまずいまずいっ!」

 

 そりゃまあPCも焦るよね。

 PLに至ってはぐぬぬって感じだし。

 

 その後のPCターンではレニアスとの連携で上手く体力を削り、次のラウンドにて完全に削り切る。

 中々な連携である。最初の戦いが嘘のようだ。

 

 そうこうしているうちに何か色々とあって……。

 

GM:勝利!

 

海音:「………はぁぁぁ」

 

 辛勝といったところか、完全にヘイトをレニアスに任せることで回避タンクとして頑張ってもらっていたらしい。

 鳥である以上、飛行持ちなので近接攻撃に命中・回避+1である。つまり回避タンクとして優秀なのは明白だろう。

 

 そのあとは戦利品ロールでそこそこのモノを獲得。

 

海音:4に行きます

 

 [1][2][3]

 [④][5][6]

 [7][8][9]

 

GM:遭遇表をどうぞ

GM:3以下で遭遇します

海音:コロコロ……成功!

 

 出目は5。次が心配だ。

 

GM:OK

海音:1に行きます

 

 [①][2][3]

 [4][5][6]

 [7][8][9]

 

 やっとの思いで1に向かう海音。

 さすがのGMもここでは何も用意していない。

 

GM:遭遇表をどうぞ

GM:現在探索地が1なので4以下で遭遇します

海音:コロコロ……失敗!

 

 3かぁ……、悲しいなぁ……。

 

 敵は先ほどのが3体。

 先ほどは2体だからどうにかなっていた感があるので今回は辛そうだ。

 

海音:先制! コロコロ……成功!

 

 さて見てもらおう、この素材の味を。

 

SwordWorld2.5 : (2D6+5) → 12[6,6]+5 → 17

 

 この生への執着である。

 こういうのがあるからTRPGはやめられねえ!

 

 とはいえ戦闘は冗長で火力不足チクチク戦闘が続くのでカット。

 ラストは無駄に海音が敵をオーバーキル!

 GMもPLも最初に出てくれと突っこんだのは言うまでもない。

 

レニアス:「……」

 

 鳥さんは気絶である。

 

海音:「はぁ……早く……しなきゃ……」

 

 よみがえるトラウマ。

 

レニアス:息はあります

 

 さて、怒涛の生死判定である。

 

レニアス:2d #1

SwordWorld2.5 : (2D6) → 10[5,5] → 10

レニアス:2d #2

SwordWorld2.5 : (2D6) → 3[1,2] → 3

レニアス:2d #3

SwordWorld2.5 : (2D6) → 6[3,3] → 6

レニアス:2d #4

SwordWorld2.5 : (2D6) → 5[4,1] → 5

レニアス:2d #5

SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[3,1] → 4

レニアス:2d #6

SwordWorld2.5 : (2D6) → 6[3,3] → 6

 

 よし、目標値も下回らなかったしOK。

 というか前回のファンブルがひどいと思う。

 

 折角なので戦利品判定も振ってもらった。

 PCはレニアスを早く連れ帰りたがってたけど迷ってたってことにしたらいいよね?

 

 

================================

 

 

レニアス:「……きゅ?」帰り道に目覚めます

 

海音:「……ああ、目……覚めたか?」

 

レニアス:「きゅ」

 

海音:「……はは……ふがいねぇなぁ……ただ薬草を取るだけだったのによぉ……」

 

 薬草を取るだけにしても大変なものだ。死にかけているのがその最たる例と言えよう。

 

海音:「あー……体がいてぇ……」

 

GM:では危機感知判定かな

 

 

海音:やめよう?

海音:コロコロ……失敗!

レニアス:コロコロ……成功!

 

レニアス:「きゅ! きゅー!」

エネミー?:「ギ……」真後ろに現れます

 

 現れたのはあのお馬さん!

 海音は気が付かず、レニアスが気づかせようと必死である。

 

海音:「………ぁ」

 

 気が付く海音。時すでに遅し……!

 だが死んでしまうのは流石にどうかと思うし、レニアスは海音を守ろうと動くだろう。

 

レニアス:レニアスは貴女を押しのけ……

レニアス:「きゅー!!」

レニアス:突き飛ばします

 

海音:「レニっ……やめろぉぉぉ!?」

 

GM:そして……!

 

エネミー?:「ギ、ギィ……!」

 

GM:それは一瞬だったでしょうか、一つの影が間に割り込み、目の前の敵を切り伏せた。

 

トウヤ:「……チッ、ついてきてたか」

トウヤ:「……大丈夫か? 鳥っころも」

 

海音:「……ぁ?とう、や?」

 

トウヤ:「安物はダメだな、すぐに壊れる」

 

レニアス:「きゅ……」

海音:「れ、レニアス!」

 

トウヤ:「何だよ、俺の事は心配しねえのかよ」

 

海音:「……お前は強いから問題ないだろ」

 

トウヤ:「その通りだからいいんだけどよ」

 

海音:「こんな俺らとは違ってな……」

 

トウヤ:「中身がお前であることをのぞいたら、美少女であるお前に応援されてえも悪い気はしねえんだが。なんてな」

トウヤ:「チッ、マサの奴何で撃たねえんだよ……」

 

海音:「すまんな……ふがいない所……見せちま……て……」

 

トウヤ:「っ、オイ!?」

 

海音:トウヤの方に倒れます

 

トウヤ:「カイネ!?」

 

レニアス:「きゅ……」カイネにおなじく

 

トウヤ:「鳥っころも!?」

 

 こうして、初めての(まともな)探索パートが幕を閉じる。




見直して一言

PL:久しぶりの探索……、でもなんかつらい……。つらくない?

GM:まあ正直無理やりすぎた感じは強いな。このGM、裁定がやはり甘い。



明日からは1日1回投稿です。
残弾が少なくなってんだもん。
しょうがないよね。


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第五回『仕事』 - 5

探索パートも終わり再び始まる激長RPパート。
終わりを告げるのはいつか、PLもGMもわからない。


GM:目が覚めると貴女は要塞内にいるようです

GM:医務室でしょうか、薬品の臭いがします

 

海音:「……気ぃ、失っちまったのか……」

 

GM:トウヤが貴女の寝ているベッドに突っ伏してますね

 

イクト:「気が付いたでござるか」

イクト:「よかったでござる」

 

海音:「ん……イクト……」

 

イクト:「そ、そうでござる」

イクト:「トウヤは、その……。か、かか、カイトが心配と」

 

海音:「あぁ……見舞いか?……ありがとな」

 

イクト:「つ、疲れてるだろうから、そのままにしてあげてほしいで、ご、ござる」

イクト:そわそわ

 

海音:「ああ……はぁ……体のいたるところがいてぇ……」

 

イクト:「こ、これはお見舞いの品でござる、し、しつれいしました!」

GM:お菓子を詰めたものを置いて逃げるように部屋を出ていく。

 

海音:「……何でアイツ慌ててんだ?」

 

トウヤ:「ん、ぐ……」

トウヤ:すやぁ

 

海音:「んんぅー……あいたたた……」

海音:「こいつもまぁ、無防備な姿で寝やがって……」

 

キヤ:「おいすー、げーんき?」

キヤ:「はれ、邪魔した?」

 

海音:「ん?おお、キヤ」

 

リリシャ:「……」じぃー

アルイル:「は、はは、はしたない……!」

アルイル:かおまっか

 

海音:「邪魔とかなかったけど、どうしてだ?」

 

リリシャ:「お願いだから自覚してほしい」

 

海音:「うん?」

 

アルイル:「~~~!!」

アルイル:「トウヤはべつのべっとにいきなさーーーい!!」

アルイル:トウヤを馬鹿力でもってちゃう

 

海音:「おおー、アルイル凄いな」

 

トウヤ:「んぐ……、ふぐっ」

キヤ:「わー、すっごい」

リリシャ:「はやく、女性としての自覚が必要・・・」

キヤ:「へ? カイネちゃんは女の子でしょ?」

リリシャ:「そうだけど、そうじゃない……」カイネをじとーと見るよ

 

海音:「さすがにこの体になってまだ5日目だぞ?そういわれても……」

 

リリシャ:「早ければ早い方がいいわ」

 

海音:「うーん……そうなんだけどなぁ……」

 

マサ:「A-28の皆さんお揃いで……」

キヤ:「あ、マサあ兄ちゃんこんにちはー!」

 

海音:「お、マサ、お前も見舞いに来てくれたのか?」

 

マサ:「え、ええ……」顔を背けるよ

マサ:「いえ、僕はトウヤ先輩に用がありまして……」

 

海音:「ごめんな?迷惑かけて」

海音:「ん?トウヤならあっちだぞ?」

海音:アルイルの向かった方を指します

 

キヤ:「アルお姉ちゃんが持ってちゃった」

キヤ:「どこ行ったんだろー……?」

マサ:「そうですか、ありがとうございます。僕はこの辺で、と言いたいところですが、お見舞いお品を持ってきてはいるのです」

 

海音:「なんか、いろいろごめんな?」

 

マサ:「ついでにこちらをどうぞ」そう言って果物を4個ほど入った箱を置いていきます

マサ:「それでは」

キヤ:「ばーいばーい!」

 

海音:「おーう」

 

リリシャ:「随分、友人としては仲がいいみたいね」

 

海音:「うん、トウヤたちは全員友達同士だぞ?」

 

リリシャ:「そうね、そうであるといいわね」

 

海音:「?なんでそうであるといいな?」

 

リリシャ:「自分で考えて、考える頭はあるでしょう?」

キヤ:「リリシャちゃん、カイネちゃんに冷たいね……」

 

海音:「ん?おうそうだが……んんん?」

海音:首をかしげます

 

リリシャ:「全てのものは動いているの、時も、空間も。それは人同士の仲であったとしても例外ではないわ」

キヤ:「あれ、リリちゃん貫禄あるね……」

 

海音:「うん……うん?」

 

リリシャ:「キヤお姉ちゃん、果物を貸して」

キヤ:「あ、うん」

リリシャ:そのあとは無言で果物を切り続けるマシーンと化すリリシャ

キヤ:「わー手際いいねー」

 

海音:「おお、綺麗に剥くな」

 

キヤ:「と言うかカイネちゃんはリリちゃんが怒ることしたの?」

 

海音:「うーん……見た感じそうらしいな」

 

リリシャ:「沢山してるわ、 た く さ ん 、ね」

リリシャ:「低位魔術で生み出した使い魔でもここまでどんくさくない」

キヤ:「わ、怒ってる……」

 

海音:「それもとってもだな……」

 

リリシャ:「そうね、とってもね」

アルイル:「もう、トウヤ様ったらデリカシーがないんだから!」

トウヤ:「いや、そう言われてもな……」

GM:二人が戻ってきたようです

 

海音:「まぁ、まぁ、トウヤも疲れてたんだろ?別にいいじゃないか」

 

トウヤ:「ああ、そうだ……」

リリシャ:「よくない」

アルイル:「よくないですわ!」

トウヤ:「うぇっ」

 

海音:「え?あ、お、おう」

海音:「うーん、それにしてもあんな狭いエリアになんであんだけいるんだっての」

 

リリシャ:「んう~~……」

 

海音:「理不尽だ、まったく」

 

リリシャ:「トウヤもカイネもバカ! 考える頭がない! 使い魔以下! ばかばか、バーカ!」医務室から逃げていきます

アルイル:「リリシャさん……」

キヤ:「わー、ほんとあんなに怒るんだ……。始めて見た」

 

海音:「うぇ!?……あいつ、どうしたんだ?急に……」

 

アルイル:「私もです……」

トウヤ:「俺もだな……、何考えてんだか」

アルイル:「……トウヤ様?」にっこり

トウヤ:「……おっと?」

アルイル:「後で、お話があります。さっきのお話も含めてですから」

 

海音:「おう、がんばれよー」

 

トウヤ:「へ?」

アルイル:「カイネさんも、あんまり、調子に乗らないでくださいね?」

 

海音:「アイツも大変だなぁ……」

海音:「う……はい……」

 

キヤ:「アルお姉ちゃんも怒ってる……」

 

海音:(やっぱり、二人だけじゃ迂闊だったよなぁ……)

 

アルイル:「キヤ、先に帰っていて下さい。私はトウヤ様にお話がありますので」

キヤ:「え、うん。わかった?」

トウヤ:「……本当にすまんかった」

 

海音:「キヤ、気を付けて帰れよ?」

 

キヤ:「いや、私はもうちょっとだけここにいようかなー、なんて?」

アルイル:「はい、それでもたぶん戻らないので」

アルイル:「その時は先に帰ってください」にっこり

キヤ:「う、うん」

トウヤ:「……」

アルイル:「いきましょうか? トウヤ様」

トウヤ:「はい」

GM:また病室を去っていく二人

 

海音:「……トウヤもほんと大変だなぁ」

 

トウヤ:「……あー言い忘れてたけど、1日寝たらここでてもいいらしいぞ、なわけでじゃあな……」

アルイル:「いーきーまーすーよー!?」

トウヤ:「わかった、わかったから!?」

キヤ:「みんな怒ってる……」

 

海音:「怖いなぁ……」

 

キヤ:「んー、私も怒ったほうがいいのかな?」

 

海音:「ん?何のことでだ?」

 

キヤ:「んーよくわからないけどー……、がおー!」

キヤ:「みたいな?」

 

海音:「うーん、無理に怒らなくてもいいんじゃないか?」

 

キヤ:「んー、そうだね。理由もなく起こるのはダメだねー」

キヤ:「それにしても本当になんで怒ってるんだろう?」

 

海音:「そこなんだよなぁ……」

 

キヤ:「怒られてるのに分かってないの?」

 

海音:「うーん、そうなんだよ……」

 

キヤ:「だめだよー? お姉ちゃんだから言わせてもらうけど、ちゃんとなんで怒ってるのか聞いて謝らないと!」

 

海音:「そうなんだけど、教えてくれないんだよ……」

 

キヤ:「教えてもらえるまで粘らなきゃ! ファイト!」

 

海音:「お、おー!」

 

 

================================

 

 

GM:夜になりますね

 

海音:「ふぁぁ……今日も色々あったなぁ……」

海音:「……レニアスは何なんだろうな」

 

トウヤ:「よ」

トウヤ:「夜分遅くにすまねえな」

 

海音:「ん?こんな夜中になんだ?……まさか夜這いか?」にやにや

 

トウヤ:「何だよ、襲われてえのか。自意識過剰もいい加減にしろ」

 

海音:「嘘だよ、お前がそんなことするはずないだろ?」

 

トウヤ:「まあ、確かにかわいいのは認めるけどよ……、お前だからな……」

 

海音:「そうだろそうだろ?」

 

トウヤ:「一応鳥っころはアルイル任せといた」

トウヤ:「それにお前もお前で疲れが原因の失神らしいし。無理しすぎだ」

 

海音:「うぐ……すまん」

 

トウヤ:「みんな心配してんだからな? 俺も例外じゃない。体は大事にしろ」

 

海音:「おう、気を付けるわ」

 

トウヤ:「ああ、そうしてくれると助かる」

 

海音:「しっかし、奴らって毎回あんなに固まって出てくるのか?」

 

トウヤ:「まあ、どこかに統率している個体がいるんだろうな」

 

海音:「狭い場所に30近く位いたんだが……」

 

トウヤ:「よくあるさ。まああの森は通過儀礼みたいなもんだったんだが今は状況が違う」

トウヤ:「どこも危険だ。この大陸の冒険者も手練れしか残ってねえしな」

 

海音:「うへぇ……」

 

トウヤ:「お前じゃ……、手に負えねえ。だから、だからこそあんまり無茶はするな」

 

海音:「そうしようとしてるんだけどなぁ……」

 

トウヤ:「そうは見えねえよ」頭をポンポンとたたく

 

海音:「んぅ……ほれ、小さいからといって頭を叩くな」

 

トウヤ:「ああ、小さいからつい手が出ちまったわ」

GM:元の世界で触ったことのあった手はより大きく、温かく感じる。

 

海音:「……やっぱお前はお前だな」ぼそ

 

トウヤ:「何か言ったか?」

 

海音:「はぁー、何でもねぇ」

海音:「今日まで含めて転生してから毎日が濃ゆすぎだっての……」

海音:「眠いし、もう寝るわ」

 

トウヤ:「おう、ゆっくり休め」

 

海音:「おやすみ」

 

トウヤ:「……」

トウヤ:ぼーっとカイネの顔でも見ておこう

 

海音:「……なんだよ、そうじーっと見つめられると寝るに練れんのだが」

 

トウヤ:「おう、わりぃ、説教続きで疲れたんだ。気にしないでくれ」立って反対側を向こう

 

海音:「おーう………」

海音:毛布に包まって寝ます

 

トウヤ:(まずいまずい、ずっと見てタイだなんて考えるんじゃない、俺はどうかしてるんだ……!!!  あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!)

トウヤ:(こんなのリュカに見られたらおちょくられる挙句に脅し文句にでもされるんじゃなかろうか……)

トウヤ:「……」そっと後ろを見ます

 

海音:「んぅ……」

海音:寝相で見つめあう形になります

 

トウヤ:「っ……!」

トウヤ:(く。ガワだけはいっちょ前に美少女しやがってぇ……)

 

 ガワも何も女の子やぞ。

 

海音:「んふぅ……」

 

トウヤ:「はぁ……」

トウヤ:「ばからし、行こ」

 

 

================================

 

 

GM:翌朝

 

海音:「……くぅ……あさ……」

 

トウヤ:「……起きたか」

 

海音:「んぅ……?とおやぁ?」

 

トウヤ:「……おまえ、そんなに朝弱かったか?」

 

海音:「……しらにゃぁい……」

 

トウヤ:トゥンク……

トウヤ:顔を大きく左右に振って理性を取り戻す!

トウヤ:「ばからし、朝早く来て損した」

 

海音:「……んぅ?……しょうかぁ?」うつらうつら

 

トウヤ:「そうだよ」カイネの様子を極力見ないようにしよう

 

海音:「……かお……ありゃう……」のそのそとはい出ます

 

トウヤ:「ココは家じゃねえ、待ってろ」

 

海音:「いいぃ……じぶんでやるぅ」

 

トウヤ:「あほ、待ってろ」

 

海音:「やぁ……」

海音:トウヤにしがみつきます

 

トウヤ:「や、やめろ!?」

 

海音:「やぁ……いくぅ……」

 

トウヤ:隣の別途からとってきた掛け布団でもひっかけてやるぞ!

トウヤ:「あほう!? やめんか!?」

トウヤ:即座にベッドから離れるよ!!

 

海音:「んぅぅぅぅ……」

海音:引きずられながらもしがみついときます

 

トウヤ:「み、水持ってくるから!?」

トウヤ:「やめんか!」

 

海音:「んんぅぅぅぅぅぅ……!」

 

トウヤ:「個人用の部屋で助かった!?」

 

海音:「……駄目?」上目遣い

海音:目がすごいとろんとしてます

 

トウヤ:「バカか、離れろ……」

トウヤ:極力見ないようにしているので効果は薄いようだ!

 

海音:「……ぶぅー……」

 

トウヤ:「いまだ!」

 

海音:「もう一人で行くぅ……」

 

トウヤ:離れたよ!! はなれたよ!!!

トウヤ:「おい、そんな状態だと転ぶぞ……!」

 

海音:ゆらゆらしながら歩きます

海音:途中もつれて転びます

 

トウヤ:素早く駆け出して水を桶に汲んでくれます

 

海音:「んにゃ!……」

 

トウヤ:「言わんこっちゃなかろうが!?」

トウヤ:「ほら!? 水君出来てやったから!?」

 

海音:「んぁぁ……ありがと……」

 

トウヤ:「布濡らしてやったから!? 顔拭いてくれ!?」

 

海音:のそのそと顔を拭きます

海音:「んんん……あちゅい……」

海音:服を脱いで体を拭きます

 

トウヤ:「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!???」

 

海音:「んふぃぃぃぃ………」

 

トウヤ:「やめ、やめ、やめめめめめ……!?!?!?」

トウヤ:逃げるように部屋を出ていきます……

 

海音:「?なぁに……?」

 

GM:取り残されるよ

 

海音:「……?」

 

 

================================

 

 

海音:何事もなく拭き終えます

 

トウヤ:「……っ、はぁ……、っく、ふくぅ……!!」ゼエゼエ……

 

リリシャ:「あら、無茶したものね」

 

トウヤ:「……何だよ、……来てたのかよ」

トウヤ:「た、助け……」

 

リリシャ:「彼女の危険さを知ってもらえるのならいいことずくめじゃない? 使い魔以下同志お似合いよ」

 

トウヤ:「ご、ゴミを見るような眼だ……」

 

リリシャ:「失礼するわ」

リリシャ:「トウヤお兄ちゃんは責任をもって家まで連れてくるように。知らないっ」

 

トウヤ:「り、リリシャ……!?」

トウヤ:「く、ぐぬぬ……、どうすれば……!?」

 

海音:扉を開けます

 

トウヤ:「ヒィッ!?」

 

海音:「ふぃぃぃぃ……すっきりぃ」

 

トウヤ:どういう状態ですか?

トウヤ:カイネの状態ですね

 

海音:中途半端に着替えて桶を持ってる状態

 

トウヤ:「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?」

トウヤ:部屋に押し込むよ!?

 

 GM、PLに翻弄されるの図。

 力関係の逆転をここに見た。

 

海音:「?とうやぁ?これどこもっていくぅ?」

 

トウヤ:「服を着てくれ!? 頼むから!!」

トウヤ:「桶は俺が責任をもって直す! 気にするな!!」

 

海音:「うぅ?ちゃんと着てる?ほらぁ」

海音:桶を置いて両腕を広げます

 

トウヤ:「あほ!? ボタンが4つずれてる!?」

トウヤ:「ぐ、ぐぬぬ……」

 

海音:「んぅ?」分かってない顔

 

トウヤ:「き、着替えさせてやるから!?」

 

海音:「うぅ?ちゃんと着てるよぉ?」

 

GM:勘弁して?

 

 GM精一杯の懇願。

 

トウヤ:「わかった、わかった、わかった!? でもお前はは全く理解してないだろうがっっ!!??」

 

海音:「んぅ?」

 

トウヤ:「チクショウめェ!!!!!」

 

 

================================

 

 

 帰り道、否。拗ねて街をふらふらと歩くリリシャ。

 

リリシャ:「……もう、使い魔以下」

リリシャ:「自分が何やってるかも理解できていないバカなんだから……」

 

 怒りもままならないのか、ブツブツと小言を言っている。

 

キヤ:「あれ、リリちゃん? 迎えに行ってたんじゃないの?」

 

リリシャ:「キヤお姉ちゃん?」

リリシャ:「……怒らせたのがわるい」

 

キヤ:「そっかー、ホント二人ともおかしいよね」

 

 リリシャに同意するキヤ。

 

リリシャ:「そう。そうなの」

 

キヤ:「だから、お姉ちゃんは怒ってもしょうがないよ……?」

 

リリシャ:「……キヤ? それってどういう?」

 

キヤ?:「だから、今はゆっくりして?」

 

 伸びるキヤの手、彼女はキヤではない。

 そう悟ることができたリリシャだが、気が付いたときには既に手遅れだった。




見直して一言

PL:小説だよね。このTRPG。

GM:ノベルゲーかADVだよね。


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第六回『魔法王の少女』 - 1

トウヤ:「……」

トウヤ:(考えるんだ。この状況を切り抜ける何か。光明を……!!)

 

 前回の続きである。

 海音の幼児退行。うん、トウヤじゃあこの海音は御しづらいな……。

 でもトウヤじゃないと意味がないので我慢である。楽しいし←重要

 

海音:「んぅ?」

 

トウヤ:(この部屋に放置するとどんな格好で歩き回られるかもわからないし、友人である俺としてはやめてほしい)

トウヤ:(だが、この部屋にいるといろいろとまずい……)

トウヤ:(今の奴は……、歩く核弾頭だ……!)

 

海音:「んにぃ……」

 

トウヤ:「マジでやめてくれないか頼むから」

 

海音:「んぅ?何がぁ?」

 

トウヤ:「その状態だよ、ふざけるんだろ? そう言ってくれよ……」

 

海音:「んぅ?」分かっていない顔

 

トウヤ:「お前は女になってんの、だから自覚持って離れてくれない!?」

 

海音:「んう……」離れます

 

トウヤ:「っく、ふぅ……」顔を赤くしてますね

 

海音:「んぅ?どうしたんだぁ?」

 

トウヤ:「生理現象だ!! 恥ずかしいの!」

 

海音:「ん……そっかぁ」

 

トウヤ:「思えは男とは言えガワだけは女なんだから!」

トウヤ:「マジで恥ずか死すんの!!」

 

海音:「んぅ……ごめんなさい」しょんぼり

 

トウヤ:「マジ何なのコイツ……」

トウヤ:「……」

 

海音:「んぅ?」

 

トウヤ:「服は着替えさせた、顔も洗わせた」

 

海音:「んぅ」

 

トウヤ:「後は食事とか、かあ……」

トウヤ:「戻ってきてくんないかな、リリ……」

 

海音:「んぅ?」

 

トウヤ:「……飯食うぞ」

トウヤ:「食堂は……、まだ空いてる時間だよな」

 

海音:「んぅ、わかったぁ」

 

トウヤ:「花嫁って呼ばれてるからってアイツら俺に全部押し付けやがって……」

トウヤ:「大事な友人だろうがよ……」

トウヤ:「……歩けるか?」

 

海音:「んぅ」

海音:しっかり歩けます

 

トウヤ:(風呂とかちゃんと入れてあげた方がいいだろうが……、まあ無理だよな……)

トウヤ:「ちゃんとついて来いよ」

 

海音:「あい」

 

トウヤ:(視線が、痛い……)

トウヤ:(コイツは男だぞ……、花嫁とか変に呼びやがって)

 

海音:静かにトウヤの後を静かについていきます

 

カリア:「おお、トウヤ。……おっと、邪魔だったようだな」

トウヤ:「いや、別に邪魔なんかじゃ……」

カリア:「なに、気にするな。ゆっくりな」

トウヤ:「いや、ちょっと……?」

トウヤ:「誤解が広がりすぎてる……」

トウヤ:「とりあえず、飯食わねえと……」

 

GM:そんなこんなしてるうちに食堂につきますね

 

トウヤ:「今日は、サンドイッチか。丁度いいか?」ちらりとカイネを見ながら

トウヤ:「丁度いいだろ」自己完結

トウヤ:「おい、俺とコイツの分二人分頼む」

トウヤ:「あ? 花嫁じゃないって言ってるだろうが!?」

トウヤ:どうやら厨房の人と言いあっているようです

 

海音:「……?」

海音:「トウヤぁ?」

 

トウヤ:「気にするな、これもってどっか席を取っておけ」

トウヤ:今日の献立が載ったお盆を渡します

 

海音:「あい」

海音:空いてる席に座りに行きます

 

トウヤ:「サニティかけれるやつ、居ねえな……」

トウヤ:のそのそとカイネの座った席の向かいに座ります

 

海音:「ん……いただきます」

 

トウヤ:「いただきます」

トウヤ:(心配事が多すぎて味しねえし、食った気もしねえ……)

 

海音:黙々と静かに食べます

 

トウヤ:「まっず……」

トウヤ:「おい、カイト、お前記憶は大丈夫か?」

 

海音:「記憶?……どういうことぉ?」

 

トウヤ:「ここは異世界で、お前が女になってること。そう言うのだ」

 

海音:「んぅ、大丈夫ぅ…」

 

トウヤ:「大丈夫でそれかよ……、マジで何なんだよコイツ」

トウヤ:「あーつかぬことをうかがうけどよ……」

 

海音:「んぅ?」

 

トウヤ:「おまえ、サニティって使えるか?」

 

海音:「んぅ?サニティ…?なにそれぇ?」

 

トウヤ:「神聖魔法って言ってな、ありがたーい魔法だ」

 

海音:「ありがたーい?」

 

トウヤ:「もしかすると使えるかもしれない、自分に使ってみてくれよ」死んだ目で

 

海音:「んぅ……わかったぁ」

 

トウヤ:(まあ無理だよな……)

トウヤ:「この要塞で神官いたっけ……」

 

海音:サニティを自分に使います

GM:どうぞ

海音:2d6

SwordWorld2.5 : (2D6) → 9[4,5] → 9

海音:「ふぅ……ほれ、つかったz………」

海音:頭を抱えて顔を真っ赤にします

 

 この時、案外面白くなかったとかPLがほざいた。

 ん? 何言ってんだ??

 面白かっただろうが! RPしてる側だと分かりづらいかもだけど!

 

トウヤ:「戻った……」

トウヤ:「あべふ……」くたー

 

海音:「…………マジですまん」

 

トウヤ:「歩く核弾頭が……」

 

海音:「言い訳できない…………」

 

トウヤ:「幼児プレイが好きだってことがよくわかった。覚えておくよ」

トウヤ:「まあ、酔ってた時より数倍マシだな」

 

海音:「やめろぉ!?マジでどうしてああなったのかこっちも理解できてなかったんだからマジでやめてくれぇぇぇ!?」

 

トウヤ:「理解できてるだけましだろ、記憶がないより」

 

海音:「……ああ……いっそ殺してほしい」

 

トウヤ:「あー、丁度いい部屋があるぞ。眺めが素晴らしくてな」

 

海音:「おう……連れて行ってくれ」

 

トウヤ:「あほ、冗談だ。それ食ったら家に送る」

 

海音:「……………おう」

海音:手早く食べます

 

トウヤ:「……食ったな、んじゃ行くぞ」

 

海音:「………」無言で付いて行きます

 

トウヤ:「何今更恥ずかしがってんだ、気にしてないから」

 

海音:「いやだってよぉ………」

 

トウヤ:(役得じゃなかったといえばウソにはなるしな)

 

海音:「あんなん俺じゃないってぇ……」涙目

 

トウヤ:「わかったわかった、気にすんな」頭ポンポン

 

海音:「うう………」

 

 こう言ったシチュにつなげられるからなぁ……。良き。

 

 

================================

 

 

GM:家にたどり着きます

 

トウヤ:「おーい、いるんだろ」

キヤ:「はーい、ってあれ。リリちゃんは?」

 

海音:「…………」俯いて顔を真っ赤にします

 

トウヤ:「あ? 帰ってきてないのか?」

キヤ:「え、いや、カイネちゃん迎えに行くって」

トウヤ:「いや、来たけど帰ってったぞ」

キヤ:「えぇ~?」

キヤ:「アルお姉ちゃんは掃除係だし、私はお昼ご飯に仕込みしてたし……」

トウヤ:「どこか街をふらついてるんじゃないか? まーた怒ってたし」

キヤ:「そっかぁ、うーん?」

キヤ:「と言うかカイネちゃんどしたの?」

トウヤ:「まあ、いろいろあったんだよ、な?」

トウヤ:頭を無意識で撫でるよ

 

海音:「ううううぅぅぅぅうぅぅ……」もっと顔を真っ赤にします

 

キヤ:「?」

トウヤ:「ま、よろしく頼むわ」

キヤ:「わかった?」

トウヤ:「うす、それじゃあ用事もあるし行くわ」

キヤ:「はーい、またねー」

 

海音:「………」

 

キヤ:「なんだったんだろ?」

キヤ:「それじゃ、お昼の仕込みに戻るねー」

 

海音:「………おう」

海音:部屋に戻ってベットでじたばたします

 

レニアス:「きゅ~」

 

海音:「レアニスぅ~……」

 

レニアス:「きゅ~」

 

海音:「マジで何だったんだあれ……やったことは分かっていても全く理解ができねぇ……」

 

使い魔:窓の外に赤い鳥が見えます

 

海音:「……ん?あれはリリシャの使い魔?」

海音:窓から使い魔がどこにいてるのか見ます

海音:「そういえばリリシャがいないって言ってたし」

 

使い魔:ぱたぱたと飛んでいます

 

海音:どこかに向かっているとかじゃなく?

 

使い魔:です

使い魔:窓のあたりを飛んでいます

 

海音:「ん?リリシャが俺を呼んでるのか?」

海音:「………まさか朝の件で?」

 

使い魔:とりあえず、ものすごく貴女の部屋の窓辺りでぱたぱたと

 

海音:窓を開けてみます

 

使い魔:入ってきます

使い魔:ぱたぱたと貴女の周りを少しの間飛び回ります

 

海音:「リリシャ、どうした?」

 

使い魔:そして、そのまま外へと飛び出していってしまいます

 

海音:「あ、おい!」

海音:「……ついて来いってことか?」

海音:外に出て追いかけます

 

使い魔:窓を飛び出すと鳥はどんどんと遠くへ行きます

 

海音:走って追いかけていきます

 

使い魔:鳥はある程度の場所まで行くと上空を旋回しています

使い魔:貴族の使っていたエリアからは離れ、冒険者やそのほか一般市民が使っているエリアです。

使い魔:その中でも人がいないエリアにで飛び回っています

 

海音:「リリシャはどうしたってこんなとこに……」

 

使い魔:さながらゴーストタウンと言った所でしょうか。兵士も見かけません

使い魔:人は稀に見かけますが今現在ほとんどの建物が利用されてはいないようです。

使い魔:貴女がある程度の場所につくと急降下していきます

使い魔:急降下した先は路地ですね。

 

海音:「リリシャー?何処にいるんだー?」

 

GM:返答はありません

 

海音:「んんんー?」

海音:周りを探索します

海音:コロコロ……失敗。

海音:使い魔はどこら辺にいますか?

 

GM:見えません

 

海音:奥の方に向かってみます

海音:探索をもう一度します

海音:コロコロ……成功!

 

GM:では見つけますね

 

リリシャ:「遅いわ」

GM:血塗れで壁にもたれかかっているのが見えます

 

海音:「り、リリシャ!?」

海音:応急手当行けますか?

 

GM:応急手当判定の効果は気絶している対象のみです

 

 PLの気の動転しようがスゴイ。

 応急手当は使えんぞと言って窘めた。

 応急手当で回復ってどこのCoCだ。

 

海音:「まて、すぐに医務室に連れて行くからな」

 

リリシャ:「待って」

リリシャ:「頼みがあるのだけど」

 

海音:「おう、聞くからまずは医務室に」

 

リリシャ:「だめ。ここで」

 

海音:「……どうしてだ?」

 

リリシャ:「緊急性を要する」

リリシャ:「時間がない」

 

海音:「それで内容は?」

 

リリシャ:「私を殺して」

 

海音:「………は?何を言っている?」

 

リリシャ:「聞けない頼みと言うのは分かってる。でも、はやく、私を殺して……」

 

海音:「は、なんでさ?」

 

リリシャ:「つまらない話よ」

リリシャ:「それでも、貴女になら頼めると思って」

リリシャ:「ダメと言うなら、私はあきらめるわ」

リリシャ:「短い、ほんの短い時間の中で、貴女と心を通わせることができたと思ったの」

リリシャ:「ただ、そんな中でも運が悪かった。時間が来てしまった」

リリシャ:「話せるのはこれだけ」

 

海音:「…………………ふざけるなよ?」

 

リリシャ:「……ふざけてない」

リリシャ:「この傷は自分でつけたの。歩けぬよう足を落とし、戦えぬよう腕を落とした」

 

海音:「だから、恩人であるお前を殺せと?」

 

リリシャ:「……ないの、……したくない」

リリシャ:「皆を殺したくないの……!」

リリシャ:「このままだと私はただ人を殺すだけの人形になり果ててしまう!」

リリシャ:「だから、だから……」

 

海音:「………治す方法は?」

 

リリシャ:「治す?」

リリシャ:「ふざけないで、これはもとからそのように"造られて"ある」

リリシャ:「反吐が出るわ。自分で造り上げたのにね」

 

海音:「……つくりあげた……魔法王としてのお前がか?」

 

リリシャ:「そう」

リリシャ:「3体造られた戦闘用のホムンクルス。その最後の一体が私」

 

海音:「ホムンクルス……」

海音:「(レニアス、イクトたちを呼んできてくれ)」

 

レニアス:「きゅ!」

 

使い魔:インターセプト!

 

 使い魔が移動妨害に掛かる!

 

リリシャ:「だめ、よばないで」

リリシャ:「殺すしかなくなる。リミッターの利いている今、ここで殺してほしいの」

リリシャ:「まだ、私が私であるこの瞬間に……!」

 

海音:叡智で今リリシャが話した件について何かわかりませんか?

 

GM:この地で魔導王は生き続けるための研究をしていたことは分かります

 

海音:「……生きるための研究……」

 

リリシャ:「……」

 

海音:「………ホムンクルスは依り代………じゃあ代償がある可能性……」ぼそぼそ

 

リリシャ:「嵌められたのよ。実験中に」

リリシャ:「こうして私は身をホムンクルスに(やつ)して今ここにいる」

リリシャ:「解放してもらえないかしら、その弓で」

 

海音:「………」

 

リリシャ:「……頼み。いえ、お願い」

リリシャ:「似た境遇のあなたになら、殺されてもいいって。そう思った……」

 

海音:「………叡智って言うくせして、人一人救えないんじゃ……何も意味がねぇじゃねぇかよ……ちくしょうっ……!」

 

リリシャ:「ダメ?」

 

海音:叡智で魔法王関係のことは分かりますか?

 

GM:この地一帯を古代魔法文明時代に治めていました。名をハルート・ルドカイズ

 

海音:その末路は?

 

GM:事件中、魔法爆破に巻き込まれ消息不明。後に死体が上がったとかないとか。

GM:古代魔法文明末期まで生きたとされているが不明。

 

海音:周りのの印象は

 

GM:そこまではわかりません

GM:なんせ、古い時代の話なのですから

 

海音:そうだよなぁ……。

海音:生き続ける研究とあったが何をもってして生きようとした?

 

GM:古代魔法文明の命題ですから。寿命を捨てることは。

 

リリシャ:「決まった?」

リリシャ:血塗れの状態でゆらりと立ち上がります。

 

海音:「は?お前、その足……」

 

 魔法で治したのだろうか、自分で斬ったはずの足で立ち上がるリリシャ。

 リリシャはどこからか取り出した自身の背丈をも超える鎌を手に取る。

 

リリシャ?:「あまり強行的な手段はとりたくはなかった」

リリシャ?:「~~……」詠唱を行います

 

海音:バインドショット使います

 

リリシャ?:軽やかに避けますね

 

 "まだ"戦闘でもないのに邪魔しようとは、いい度胸だな!!

 

リリシャ?:「これで短くても1時間。邪魔は来ないわ」

 

海音:「ちぃっ」

 

リリシャ?:「私を殺せばあなたは生きられる」

リリシャ?:「もし、殺せなかったとき」

リリシャ?:「それはあなたが死ぬときよ」

 

 




見直して一言

PL:ここらへんから展開速くなぁい?

GM:わかる。でもこういうのいろいろねじ込みたかったの。


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第六回『魔法王の少女』 - 2

 リリシャが鎌を構えた。

 海音は空気が凍るような錯覚さえした。

 

海音:えぇ……。嘘でしょ……。

 

GM:では戦闘開始です

GM:魔物知識判定どうぞ

 

海音:コロコロ……成功!

 

GM:ルルブⅠ p。471

GM:腕利きの傭兵のデータです(改造はしていますが)

GM:尚、レニアスは使い魔に足止めを喰らいます

GM:先制判定どうぞ

 

海音:2d6+5

SwordWorld2.5 : (2D6+5) → 7[2,5]+5 → 12

 

 この時、裏でわちゃわちゃと言いあうGMとPL。

 たしか叡智でリリシャについて分からんかとかどうのこうの言われて分かるわけないだろと一蹴してた思い出。

 

海音:叡智使えねえじゃんかよ……。

 

 そりゃそうだ。叡智は知恵であって全てを知り得ているわけではない。

 それでもちょっとGMはカチーンときていた。

 

叡智:使えないとは失礼するわ!

叡智:いいですよ、つかわせてあげますよ!!

 

 GMもPL同様にリリシャへの思い入れが強すぎたのかもしれない。

 立ち絵がかわいいのはやっぱり駄目だね。贔屓したくなっちゃう!

 

叡智:提案:疑似崩壊

GM:

疑似崩壊 前提:神弓解放

1日に1度だけ半径50m以内の任意のキャラクターの能力を1体につき1つまで封じる。

冒険者レベル+精神Bで判定し、対象は精神抵抗判定で抵抗する事ができる。

効果は任意で解除するかこの範囲外に出る、または1日経過すると失われる。

叡智:この能力の応用で封印は可能です。ただ、まだ力の開放が足りません。

叡智:時間が要ります。

叡智:超突貫で1分半です。これ以上縮められるかは運次第ですが。

 

 叡智さんマジイケメン。

 知り得ていることだけを出してくれるブレなさは正直好き。

 

 PLさんテンションアップ。

 GMもテンションアップ。どんどんRP決めてくぞー!

 

海音:「おう、一度頭冷せやおらぁ!!!」

 

リリシャ:「……行くぞ、我に力を見せよ」

 

 助けられる可能性を知り、離れる糸を掴もうとする海音。

 それに対峙するのは自身の終わりを願う人形、リリシャ。

 

GM:剣の欠片もりもりです

 

 なんともリリシャを殺す気のないGMである。

 先制判定はリリシャが先取。

 

 1ラウンド目。叡智曰く残り90秒、つまり9ラウンドである。

 

 リリシャは接近し、海音へ鎌を振り下ろす。

 

リリシャ:「手加減はしない」

リリシャ:命中判定、コロコロ……。

 

海音:「畜生!!」コロコロ……失敗。

 

リリシャ:攻撃! 威力20で判定するよ! コロコロ……7点!

 

 威力判定は手加減である。

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-5点減少した(HP:25->20)

 

リリシャ:「……」

 

 続いて海音の手番。

 

海音:ガゼフ使用 矢生成バインドショット使用

海音:コロコロ…… 珍しく出目が高い!

リリシャ?:「……」 コロコロ……失敗。

GM:こっちは出目が腐った!

 

 ちなみにこの時、専用プランであるバインドショットは命中時に1点以上のダメージを与えることで自動で効果が発動する壊れ性能を誇っていた。

 後にこれは修正されるが今はそんなことはどうでも良い。

 

海音:コロコロ……8点だ!

GM:リリシヤのHPは5点減った。(HP:0->-5)

 

 うーん、やっぱり海音は火力が低い!

 海音の手番が終わり、叡智に稼いでほしいと要請されたのは残り8ラウンド。

 リリシャが動き始める。

 

リリシャ:「次、外さない」

リリシャ:コロコロ……出目が高いな。

海音:「くそっ」コロコロ……失敗。

 

海音:当てるなぁ!?

リリシャ:コロコロ……9点!

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-7点減少した(HP:20->13)

海音:「ぐぅぅっ」

 

 こうして海音へ手番が回る。

 

海音:戦線離脱宣言します

 

 時間稼ぎがしたいらしい。

 バインドショットは確かに時間稼ぎには有効。

 つまり、このままだと展開が海音から一方的な攻撃だけになるのは目に見えている。どうしたものか……。

 

 叡智の指定した時間まで残り7ラウンド。

 

リリシャ:「……何をする気?」

リリシャ:命中判定! コロコロ……10出た!

海音:避けられないでしょー…… コロコロ……失敗。だよね。

海音:運命確定使用でよけます。

 

 GM的にちょっともったいない気がした。

 

海音:「何でもいいだろうが!」

 

 こうしてカイネの手番。

 リリシャから大きく10m以上も距離を離して手番を終える。

 

リリシャ:「……」

リリシャ:「射手としては正しい判断」

 

 対するリリシャは近接攻撃しかしないので3m海音に近づく形で移動。これで手番終了だ。

 こうして残りは6ラウンド。

 

海音:制限移動後に、矢生成 バインドショット使用

海音:2d6+8 「当たれぇ!」

SwordWorld2.5 : (2D6+8) → 11[6,5]+8 → 19

 

 ここで素材の味。

 当てる気満々である。

 

リリシャ:避けられないでしょ コロコロ……失敗。

 

海音:コロコロ……13点! かなりダメージ出た!

 

GM:リリシヤのHPは10点減った。(HP:-5->-15)

 

リリシャ:「……簡単に死なれたら困るわ。あと1時間も猶予があるのだもの」

リリシャ:バーチャルタウネスⅡとアルティメットヒーリングを行使、対象はカイネ

リリシャ:コロコロ……成功!

リリシャ:コロコロ……成功!

 

 舐めプを発動するリリシャ。よっぽど海音に勝ってもらいたいらしい。

 

リリシャ?:最大HP21追加+100点回復

 

海音:「こんなに優しいのに殺してくれとか悲しいじゃねぇかおい!」

 

リリシャ?:ころんと砂時計が足元に落ちます。

 

海音:ファッ!?

 

リリシャ:「更にいかせてもらうわ」

リリシャ:まずはパーフェクトキャンセレーション行使。

 

 かーらーのー……?

 

リリシャ:「ザス、フィブレド、フォ、ルタ。コルプス、フォーシェイフ、バルスト、ディッグ ーーー イーシルラデリタ!」

リリシャ:イモータル行使

 

 解説しよう!

 イモータルとは2.0には存在していた操霊魔術で呪い属性などの効果を無効化したり気絶しなかったりと超人になれるやべー魔法なのである!

 あまりの強さに2.5からは消えた。悲しいなぁ。まあ魔法王なので使えるということで。

 

 つまり矢の効果が呪い属性でそれを無効化したいから使ったよ!

 

リリシャ:「我、汝に問う。ここで死ぬか、生きるか」

 

 不敵な笑みを浮かべるリリシャ。こうしてリリシャの手番は終わりを告げる。

 

叡智:まずいですよ!

 

海音:(くっそ!状況は!?)

 

叡智:すべて無効化されました。彼女に矢の効果は、通用しません。

 

海音:「ちぃ!」

 

叡智:どちらの魔術も高階位のもの……

叡智:ですが神製武具のこの特性は高次元に働きかける特殊なものですので通用すると思われます。

叡智:やってみる価値はありますぜ

 

海音:(たのむ!)

 

叡智:……わかりました。

 

リリシャ:「来なさい……」

 

海音:「くそがぁぁ!!」

海音:矢生成 ガゼフ使用 リリシャに近づくように移動して攻撃

海音:コロコロ……低いけど……。

リリシャ:コロコロ……成功! 期待値!

リリシャ:「あまい」

 

叡智:~EN TURN~

叡智:残り4ラウンドです……!

 

 Oh……1ラウンド少なくミスってる……。やらかした。

 

リリシャ:「ではこちらの番」

 

GM:近接攻撃を仕掛けます

GM:全力攻撃を宣言

 

リリシャ:命中判定 コロコロ……期待値の一個上、どうだ?

 

海音:コロコロ……失敗……。くそう

 

リリシャ:コロコロ……13点ダメージ

 

 意図的なのかリリシャのダメージは揮わない。

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-11点減少した(HP:46->35)

海音:「がぁ!?」

 

リリシャ:「……」

 

 こうして回るラウンド。

 

海音:刃付きで攻撃します

海音:「こなくそ!」

 

 弓の利点を捨てて殴りかかる海音。

 リリシャには命中させるが出目は揮わない。

 

 強みは専用プランの(ツワイスブレイド)による二回攻撃か。

 うーん、やっぱり強すぎただろうか。

 

リリシャ:「いい攻撃。でも浅い」

リリシャ:「……本当に殺す気があるの?」

 

海音:「これでも全力なんだよ!」

海音:「くそっ……くそっ!!」

海音:涙を流します

 

リリシャ:「でも、きっと私を倒せる」

 

海音:「なんで……なんでそんなに諦めきれるんだよっ!!」

海音:「トウヤが好きなんだろ!!?」

海音:「なんで……なんでそんな……」

 

リリシャ:「トウヤに殺されるのは嫌だもの」

 

 一瞬だけ微笑むリリシャ。

 こうして残りが3ラウンドに。

 

リリシャ:「殺される似た境遇のあなたがいいって思った」

リリシャ:指輪を割ります

 

 少女はGMオリジナルのアイテムを砕いて複数魔術を行使する。

 

リリシャ:マルチアクション宣言

リリシャ:ファイアウェポン+アイシクルウェポン+ソニックウェポン+ヘイスト 行使>カイネ

リリシャ:2d #1

SwordWorld2.5 : (2D6) → 6[5,1] → 6

リリシャ:2d #2

SwordWorld2.5 : (2D6) → 10[5,5] → 10

リリシャ:2d #3

SwordWorld2.5 : (2D6) → 5[4,1] → 5

リリシャ:2d #4

SwordWorld2.5 : (2D6) → 6[1,5] → 6

 

 怒涛の四回行使である。因みに戦闘特技は使えない上に魔力はないものとして扱われる。

 

リリシャ:全成功

リリシャ:受け入れる?

 

海音:はい

海音:「これ……」

 

リリシャ:「行く」

 

 リリシャはバフに関してはノーコメントで海音に突撃する。

 

リリシャ:コロコロ……きたいち

海音:コロコロ……成功!

海音:「っぶね!」

 

リリシャ:「あら、避けるのね」

 

海音:「こっちも意地があるんでなぁ!!」

 

 そして海音が動く。

 

リリシャ:「最後の私を刻み付ける、なんて。一度は言ってみたかったものよ」

 

 海音は刃付きで攻撃するも辛くも避けられる。

 そしてリリシャの手番へ。

 

叡智:あと2ラウンドです!

叡智:あと少し!

 

海音:「くっ」

 

リリシャ:「まだ余力はありそうね」

 

海音:「リリシャのおかげでなぁ!ちくしょう!」

 

リリシャ:「まだ、終わりは遠いわ」

 

リリシャ:コロコロ……10またでたぁ!

海音:コロコロ……失敗。むりぃ!

リリシャ:コロコロ……9点!

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-7点減少した(HP:35->28)

海音:「ぐっ」

 

リリシャ:「我の攻撃に抗う術はない、受け入れよ……。なんてね」

 

 海音は再び近接戦で反撃に出る。

 

リリシャ:「惜しいわね」

 

 だが、なぜか高いGMの出目に翻弄される。

 

海音:「くっそ、当たんねぇ!」

海音:「ちったぁ、当たれや!」

 

リリシャ:「嫌よ、誰しも、散り際は華々しくしたいものでしょう?」

 

 今にも崩れ去ってしまいそうなほど弱弱しい笑みを浮かべるリリシャ。

 

リリシャ:「……それじゃあ、次行かせてもらうわ」

 

 リリシャが鎌を構え、足を踏み込む。 

 が、体勢が突然崩れる。

 

リリシャ:「っく、あ、あぁぁあ……!」

 

 リリシャは苦しみつつも鎌を振る。

 

海音:「リリシャ!?」

 

リリシャ:2d+26

SwordWorld2.5 : (2D6+26) → 2[1,1]+26 → 28

 

 素材のお味。高い補正値に変えたとたんにこの出目である。

 やめてほしい。本当に。

 

リリシャ:運命変転しよう

 

海音:え、ちょ!?

海音:コロコロ……失敗。

 

リリシャ:外れた、そう思った鎌の動きが急に変化します

リリシャ:鎌の得が貴女の腹部にねじ込まれる。

リリシャ:k0+26@9

SwordWorld2.5 : KeyNo.0c[9]+26 → 2D:[6,3 2,4]=9,6 → 3,1+26 → 1回転 → 30

 

 ぐるんいい回り方だ。こういう時程うれしくはないけどね。

 

海音:「がぁぁぁぁぁっぁあああ!!!!!?」

 

リリシャ:「カイ、ネ……!」

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-28点減少した(HP:28->0)

海音:「ぐぅぅぅぅ……がはっ」

海音:「もう……ギリギリなのか?」

 

???:「どうした、その子娘一人すら殺れんのか? 魔法王」

 

 ローブを深くかぶった男がどこからともなく現れる。

 

リリシャ:「っぅぐあああっ、あああああぁぁあ!?!?」

リリシャ:一気に貴女に接近して攻撃を仕掛けます

海音:「りり………しゃっ!」

リリシャ?:コロコロ……修正がクソ高い。

海音:コロコロ……失敗。運命確定なんで使っちゃったんだろ……。

 

リリシャ:「だ、め……!」

 

 リリシャの攻撃は彼女の意思か寸でのところで止められる。

 

海音:(……少し………)

 

???:「……抵抗するか」

???:「より深くにまで、押し入るのみ……」

 

リリシャ:「あぁっ、あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?!??!?!??」

 

海音:「お前が………お前が原因かっ!」きっと睨む

 

???:「なに、この男には恨みがあるのだよ。憐れにも今は醜い人形の姿だがな。」

 

海音:(えい………ち!進捗……は)

 

叡智:(だめです!)

叡智:(今の状態だと、浸食がこちらにも!)

 

海音:「くそ………くそっ………」

 

???:「見るがいい、この外界の神の賜りし短剣を!!!」

 

海音:(……こっちが侵食されながらでも行けるか?)

 

???:禍々しく、とても嫌なオーラを纏った短剣です。

???:これが原因であることは火を見るよりも明らかです。

 

叡智:おそらくはあれはこの弓と同じく神製武具でしょう。ですが、歪みすぎています。

 

海音:(あれを壊せればっ………!)

 

リリシャ:「ああ、ああああ……!! にげ、にげて……!!」

リリシャ:「ヴェス、ザルツェン……!!」

 

海音:「は………はは………体……動かねぇ……」

 

???:「おかしな真似はやめてもらおうか!!」

 

リリシャ:「……っぐ、ら・フザ……」

リリシャ:「カイロス・クリル・コーロス!!」

 

叡智:あれはテレポートの類の魔術の可能性が高いです!!

 

リリシャ:「でぃ、グ……!」

 

海音:(まて、待ってくれ!まだ終わってないんだ!?)

 

リリシャ?:「でぃ、グ……!」

 

GM:精神抵抗を行えます、回数は3回。目標値は17です

GM:成功すれば解析が成功します。

 

海音:コロコロ……失敗。

 

叡智:解析、解析……!

 

海音:コロコロ……失敗

 

叡智:解析……!

 

リリシャ:「シルト……」

 

???:「ええい、こざかしい! そんな男だったか!!」

 

リリシャ:「あ゛あ゛あ゛……、あ゛く゛……」

 

GM:あと一回どうそ……!

 

海音:コロコロ……失敗。

 

リリシャ?:「フォル……」

 

GM:成功させて……、あともう一回やっていいから……!

 

叡智:まだ、まだ……!

海音:(あと……少し……なのに……っ!)

海音:コロコロ……失敗。

 

リリシャ:「ーーー テン……!」

 

 リリシャが魔術を完成させ、強いまなざしで言った。

 

リリシャ?:「にげ、て……」




見直して一言

PL:あと、あと少しだったのに……!

GM:出目が悪いよね。うん。

 GMよ、目標値を設定したのはお前だろうに。


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第六回『魔法王の少女』 - 3

海音:「リリシャああぁぁぁぁ!!!!!」

 

 海音の視界は歪み、リリシャの姿が見えなくなる。

 気が付くとそこは結界の外のようだ。

 結界は硬く、いかなる手段を以てしても入れそうにない。

 

海音:「くそ……くそ……開け……開けよぉ!!!」

 

トウヤ:「ッ! カイト、無事か!」

 

 どうやら、トウヤらも駆けつけて来ていたらしく海音の姿を見るや否や近づいて来る。

 

イクト:「無事で何よりでござる」

マサ:「……」

 

海音:「リリシャ!……リリシャぁぁぁ!」

 

マサ:「なにか、あったんですね」

トウヤ:「リリシャが、中にいるのか」

 

海音:「あああぁぁぁぁ………」

海音:結界に縋りつきます

 

イクト:「これは、無理でござる、拙者邪力不足でござるよ。これを破壊するにも魔法に精通、いや完全に極めたものでなければ無理でござる……」

トウヤ:「……これほどの結界を、いったい誰が」

 

海音:(叡智………リリシャの意思が残っている可能性は?)

海音:(なぁ……あるんだろ?……あるって言ってくれよ……)

 

 叡智はただの知恵だ。何も返事を返さない。

 

海音:「………はは………全部……全部力が無いのが………いけないのか?」

 

トウヤ:「クソ、クソクソクソ!! 何だって、こんな!」

トウヤ:「リリを、これじゃあ、助けに……!!」

トウヤ:「また、また、……俺は失うのか!?」

 

海音:(……なぁ、叡智)

 

イクト:「それは拙者も同じ気持ちでござるよ……。でもここは冷静に!」

マサ:「……」

 

海音:(リリシャを助けれる可能性は………少しでもいいからあるのか?)

海音:(正直に答えてくれ)

 

トウヤ:「どうすりゃ、どうすりゃ……!」

トウヤ:結界に縋りつきます。

 

レニアス:「きゅ!」結界の向こう側から

使い魔:『……』

 

海音:「………レニアス?」

 

使い魔:動いています

使い魔:ぱたぱた

トウヤ:「鳥っころ?」

マサ:「カイト先輩、彼らは?」

 

海音:「……ああ、リリシャの………使い魔…と……俺の……相棒……だ」

 

イクト:「使い魔……」

イクト:「もしかして、テレポートは可能でござるか?」

 

レニアス:「きゅ?」

使い魔:頷いているような、気がします……

 

海音:「……使い魔ならいける?」

 

イクト:「魔力はギリギリ足りるはずでござる」

マサ:「作戦はあるんですか?」

イクト:「それは……」

トウヤ:「テレポート、それも1度のみ」

イクト:「拙者じゃ中にテレポートはできないでござろうし……」

 

海音:「……邪魔されなければ、俺が行けるかもしれないが……」

 

マサ:「……成功率は?」

 

海音:「……限りなく低い」

叡智:0%です。限りなく近い。

 

トウヤ:「ダメだ。お前ひとり生かせるなんて……」

 

海音:「……だろうな」

 

イクト:「拙者も反対、考え直した方がいいでござろう」

 

海音:(完璧に0じゃないんだろ?)

 

叡智:…………肯定します。

 

海音:(じゃあ行く価値はあるだろ)

海音:「なんてったってお前は叡智なんだろ?やれるさ」

 

トウヤ:「何言ってるかわからんが、無茶だ」

イクト:「拙者も、そう思うでござる」

マサ:「敵はどれほどの強さです?」

マサ:「リュカの弓ならばあるいは分かるでしょう?」

 

海音:「さぁな………判んないくらいだ」

 

叡智:彼らより強い

 

叡智:おそらく彼らでは死ぬ確率が9割を超えます。

 

海音:「さぞ高いだろうってよ」

 

叡智:推奨しません

叡智:時間稼ぎと言うなら、可能ですがそれまでです。

 

海音:(……だろうな)

海音:「あーあ……俺にもっと力があったらな……」

 

マサ:「それならば、僕はカイトに賛成させていただきます」

マサ:「この街における最高戦力で敵わないのでしょう?」

トウヤ:「それは、そうだが……」

 

海音:「時間稼ぎぐらいだってよ」

 

イクト:「はっきり言われると怒無でござるな……」

トウヤ:「……まだ、力が、足りない!」

 

海音:(結解はあとどのくらいで消える?)

 

トウヤ:「俺じゃ、まだ……!」

マサ:「可能性に賭けましょう。可能性のあるほうに賭ける方が……現実的です」

 

海音:(疑似崩壊にしてもさっきよりも時間はかかるだろ?)

 

トウヤ:「でも、カイトは、弱い。死なせるわけには……!」

 

海音:(救えるんだったらいくらでも考えないとな)

 

叡智:いえ、大半は解析が完了しています。大詰めの終盤と言ったところです

 

海音:「……そうか」

海音:「なぁ、トウヤたち、ポーションやら生き残れるやつありったけ貰えるか?」

 

トウヤ:「……ダメだ、ダメだダメだダメだ!」

イクト:「トウヤ……」

マサ:「……トウヤ先輩」

トウヤ:「また、リュカみたいに、おいていくんだろ!?」

 

海音:「あともう少しなんだよ……確率は低くても……もう少しで助けれるんだ……」

 

トウヤ:「……俺は、もう、そんなのはごめんだ!!」

トウヤ:涙で顔をぐしょぐしょにして言います

マサ:「逃げる、と?」

 

海音:「たとえ先延ばしでも……救える方法を見つける時間が延びるんだよ」

 

トウヤ:「救えるとは限らない。共倒れになっちまったらどうすんだ!?」

 

海音:「だから、どういわれようが死のうが、俺は考えを変えねぇぞ?」

 

トウヤ:「だから、お前は自分を大事にしてくれよ……!!」

 

海音:「こんなことしか……俺は出来ないんだからな」

 

トウヤ:抱き着きます

トウヤ:「犠牲になって、それでも得られたからだ何だろうが……!」

 

海音:「……おいおい、男だろ?そんなに情けない顔をするなよ」

 

イクト:「……」

トウヤ:「俺って男はな、弱いんだよ……」

トウヤ:「英雄なんて崇高なものなんかじゃない。ただの大学生だった一般人なんだよ……!」

トウヤ:「出会い、別れ……繰り返した。もう二度と御免だ!」

 

海音:「もうチャンスはこれっきりなんだよ……リリシャを後は何もかも破壊する殺戮マシ?ンにしたいのか?」

 

イクト:「拙者も゛……ぜっじゃも゛ぉ゛……」

 

海音:「違うだろ?」

 

マサ:「……」

 

海音:「馬鹿なことだって解ってる」

 

トウヤ:「だから、俺が、力をつけて止めるんだよ……!」

 

海音:「そんなんでリリシャを殺したって誰もうれしくないだろ?」

 

トウヤ:「でも、だけど……!」

 

海音:「アイツだって…リリシャだっていやだから俺に頼んだんだよ……殺してくれってな」

 

イクト:「トウヤ、ズズッ、でももだけどもなしでござるよ……グスッ」

マサ:「……ええ」

 

海音:「だけど、俺が嫌だから今から行くんだ」

 

マサ:「僕はカイト先輩を信じます」

 

海音:「絶対に……また笑いたいから行くくんだよ」

 

マサ:「リリシャさんにはいろいろ知らない子をと教えていただきました。助けられる可能性に賭けませんか」

イクト:「拙者も、拙者も、沢山教えられたでござる。だから、トウヤ……!」

 

海音:「だから、な?もう泣き止めよ……トウヤ」

 

トウヤ:「く、くぅうううぅぅぅぅ……!!」

トウヤ:「なんで、俺に力がないんだよ……! こんな、大事なときに限って……」

トウヤ:「届かずに、全部、無くなっちまうんだ……」

 

海音:「それは、俺だって同じさ」

海音:「恩人…友達をなくしてきた」

 

トウヤ:「……」

 

海音:「だけど今から助ける恩人はまだ救えるだろ?」

海音:「だから………だから俺はいくんだよ」

 

トウヤ:「……絶対、戻って来いよ。俺も信じてやるんだからな」

 

海音:震える手を血がにじむほど握りこみます

 

トウヤ:口をかみ切ったのか、口から血が流れます。

 

海音:「おう!そん時は、また宴会でもしようや!」

 

レニアス:「きゅ……」

マサ:「それでは、お願いできますか。使い魔さん」

使い魔:ぱたぱた

 

海音:「皆でさ、パーってやって、笑って過ごせるようにさ!!」

 

トウヤ:「……っく、……うぅう」

 

海音:「じゃあ、行ってくる」

海音:「宴会の準備をして待っとけよ?」

海音:「そん時はしこたま酒を飲んでやる!!」

海音:「うん、良いじゃないか……それで良いんだよ」

海音:優しい笑みを浮かべます

 

海音:「それが……俺の望みだ」

海音:(叡智……準備はいいか?)

海音:(正直負け戦みたいなもんだが……すまんが付き合ってくれるか?)

 

レニアス:「きゅ!」行けるはずだ、そんな感じな表情に見えます。

使い魔:ばさばさ!

 

海音:「……そうだな……うん、行けるさ、俺らなら」

 

マサ:「では、テレポートをお願いします」

使い魔:バサバサッ! バサバサバサ!!

使い魔:テレポートが発動し、貴女は結界の中へと入ります

 

海音:(手が震える……死にたくないって思いが湧き出す……恐怖で足が竦みそうになる……けど)

 

レニアス:「きゅ!」貴女に追従するように飛んできます

 

海音:「俺たちは出来る」

海音:「だから……行こう」

海音:「リリシャを助けに」

海音:歩き出します

 

================================

 

 描写はなかったが海音は

 魔晶石20点5つ、トリートポーション6本

 アウェイクンP*3、レッドポーション*2、デクスタリティP*3

 熱狂の酒*1の支援を受け取り結界の内部へと進む。

 

 あれ、海音ってお酒飲めたっけ。まあいいか。

 

================================

 

???:「厄介なものを残しおって……」

???:「これほどの結界とはな、それも独自の魔術と来たか……」

???:「まったく、この武器も役立たん、無理やり力を引き出したはいいのだが……」

???:「人形一つ動かすので精一杯か……チッ!」

リリシャ?:「……」

 

海音:「よぉ……また会ったな」

 

使い魔:ばさばさ!

 

海音:「迎えに来たぞ?リリシャ」

 

レニアス:「きゅ」

 

???:「性懲りもなく……ぞろぞろと!」

???:「さっさとやってしまえ」

 

海音:「まぁまぁ、そう言いなさんなって」

 

GM:では戦闘開始です

 

 手始めに魔物知識判定。

 

海音:コロコロ……失敗。

 

 というわけで先制判定だ。

 

レニアス:コロコロ……失敗。

海音:先制判定!コロコロ……失敗。ちくせう。

 

叡智:あれは格上です。看破は不可能かと

海音:「まぁ、格上も格上だろうな」

 

 相手が先制です。

 さて、海音は耐えきれるのか……?

 

叡智:~EN TURN~

 

GM:配置は?

 

海音:使い魔は何ができますか?

 

GM:MPの抜け殻です

GM:出来て移動妨害程度でしょう

 

叡智:~EN TURN~

 

???:「さて、あの使い魔との契約を解除せよ」

リリシャ?:「……」

 

使い魔:リリシャが指ではじくと使い魔は靄となり消え去ります

 

???:「行くがいい……!」

???:「剣よ、彼の者に力を与えよ!」

 

リリシャ?:「……」ギギ……

リリシャ?:レニアスに攻撃!

リリシャ?:コロコロ……暴力的なまでの修正値!

レニアス:コロコロ……クリらず失敗!

レニアス:不思議な力が発動し、避けた!

レニアス:「きゅ!」

 

 ふしぎなちから。

 

???:「ええい、クソ!」

 

 ~PC TURN~

 

叡智:解析が完了しました

海音:「おう」

叡智:発動しますが、抵抗を突破するのに時間がかかる可能性があります。

 

GM:神弓レベル+精神Bで目標値15!

 

海音:コロコロ……失敗。

 

叡智:失敗です……

海音:「ちっ」

叡智:ダメージを与えられれば、あるいは……

海音:「くそ……運命確定があれば……」

海音:デクスタPを飲みます

海音:「もう少し耐えてくれ!!」

 

レニアス:「きゅ!?」

レニアス:無理!? みたいな顔をします。

 

海音:「あ、やっぱり?」

 

 ~EN TURN~

 

海音:「やっべぇ……あんな啖呵切ったのにクッソ恥ずかしい」

 

リリシャ?:「……」

 

リリシャ?:レニアスを攻撃します

リリシャ?:コロコロ……暴力的な修正値だ!

 

レニアス:避けられねえよなぁ!? コロコロ……失敗。

 

リリシャ?:コロコロ……30点

 

レニアス:「きゅっ!?!?」

レニアス:ぽーんごろごろごろ~。ぱた

 

 一撃死である。防護点があったら違った。

 

海音:「レニアス!」

 

???:「剣よ、彼の者に力を……」

 

海音:「ちくしょー!レニアスの仇ー!」

 

リリシャ?:「……ゴフッ」

リリシャ?:喀血します

 

???:「く、グぬぬ……!」

 

 リリシャは2回行動ならず。

 

 ~PC TURN~

 

叡智:抵抗突破判定をどうぞ

海音:コロコロ……成功! よし!

 

リリシャ?:「ふぐ、ゴフッ……」バサァ!

リリシャ?:大きな音を立てて崩れ落ちます

 

海音:「よし!」

 

???:「くっ、何が起きて……!」

 

 男は狼狽えるも、魔導書を取り出して戦闘態勢に入る。

 

???:まもちきできます。目標値は14

 

海音:コロコロ……失敗。

 

叡智:あれは小国の魔法王並みの実力を持ち合わせています……

 

 中々の実力者である。

 

 それでも海音は恐れを押し殺し前へと進む。

 わずかに進んだ場所でローブの男に向かい矢を放った。

 

海音:「そぉい!!」コロコロ……自動成功!

海音:コロコロ……24点!

 

 矢は男に命中し、男に大きくダメージを与えた。

 

 ~EN TURN~

 

???:「く、動け動け! 人形が!!」

 

海音:(どうだ叡智!!?)

 

叡智:現在リリシャの生命は通常の状態を下回っています。

叡智:疑似構築による治癒を推奨します。

 

海音:「よし分かった!」

 

叡智:疑似構築開始……

 

???:「ええい、どうにかならんのか!!」

???:短剣をもってリリシャの下に向かいますよっと

 

海音:「うわぁ!?ちょ、待て!」

海音:インターセプト!

 

GM:移動妨害でそんなに進めません。

???:「く、何をする!?」

 

海音:「行かせねぇよ!?」

 

???:手元の魔導書で攻撃してきます

???:よけて

 

海音:コロコロ……どうじゃろ……。

 

???:コロコロ……成功!

 

海音:うわっ、あたったか。

 

???:コロコロ……13点

 

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-11点減少した(HP:25->14)

 

 ~PC TURN~

 

海音:「がっ!」

海音:「くそ表じゃねぇかその本!」

 

???:「小娘ぇ……!」

 

リリシャ?:「ぐ、あぁ……!」

 

 損傷は疑似構築で再構築され、再び動き出すリリシャ。

 だが、その眼には先ほどまでの機械的な表情はなかった。

 

海音:「お?お目覚めか?お姫様?」

 

???:「そうだ、やれ! この小娘を1」

 

リリシャ?:「死ね、羽虫が」

リリシャ?:コロコロ……ぎりぎり成功! ファンブルしかけた!

リリシャ?:鎌が巨大な剣となり……ローブの男に襲いかかる! コロコロ……60点!

 

???:「あぶ、おごっ……!?」

 

 男は一振りの斬撃をまともに食らい、大きくのけぞる。

 

リリシャ?:マルチアクションです

リリシャ?:「失せよ、その顔を二度と我に見せるな」

リリシャ?:ディメンジョンソード行使

リリシャ?:コロコロ……成功!

リリシャ?:コロコロ……43点!

 

???:「あが、う、ごお……!!」

???:胴体を横に薙がれ、男は息絶えた。

 

 二つに分かれた男は地に伏す。

 

海音:「気分はどうだ?リリシャ姫?」

 

リリシャ?:「……」

リリシャ:「疲れたわ」

 

海音:「まぁ、そりゃそうだわな」

海音:「お疲れさん」

 

リリシャ:「休んでも、いい、かし、ら……」ふらり

 

海音:「おうおう、ご自由に」

海音:そっと支えます

海音:「さぁ、帰ろうか」

 

 ※結界がまだ残ってます。

 

海音:「……あ、結界忘れてた」

 

リリシャ:「……」

 

海音:「はぁ……迎えが来るまで休もうか」

 

レニアス:「」チーン

 

海音:「あ、そうだレニアスレニアス」

海音:アウェイクンポーションを使います

 

レニアス:ビクン!

レニアス:「きゅ!?」

レニアス:「きゅ……」

 

海音:トリートポーションも一緒に使います

 

レニアス:「きゅ!」

 

海音:コロコロ……8点!

 

レニアス:HPが9になります

 

海音:「ごめんなレニアス、大変な役を任せて」

 

レニアス:「きゅー……」

レニアス:その通りだ見たいな顔。

 

海音:「さて、これで一見落着か?」

海音:「よっこいしょ」リリシャに膝枕をします

海音:「まぁ、しばらくこんな感じで休んどけ」頭を軽く撫でます

 

リリシャ:「……」

 

海音:「拒否は認めん」

 

GM:================================

GM:称号「小さな勇者(5点分)」入手。

GM:================================

 

 こうして、リリシャの物語は幕を閉じる。

 

 ……はずだった。




見直して一言

PL:不穏な幕引きしてるよこのGM!? セッションの時なかったよね!

GM:即興だったからね。後付けが入るのは仕方がないことサ。


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第七回『決意』 - 1

今回は長めに切ってます。


 

================================

 

 

GM:あの後、結界が消滅した。

GM:救助に来たトウヤたちによってカイネ、リリシャ両名は介抱され要塞へと急いで戻ることになる。

GM:カイネは軽傷(その前に1回程死に掛けているのだが問題ない)と言うことで直ぐに開放された。

GM:神弓の力ってスゲー。

 

海音:んな雑な。

 

 

================================

 

 

GM:そして、病室である。

 

トウヤ:「……」

リリシャ:「……」静かに寝ています

トウヤ:「良かった」

 

海音:「見舞いに来たぞー」

 

キヤ:「しずかに、しーっ」

アルイル:「寝ていますわ」

 

海音:「あ……寝てるのか…」

 

GM:キヤ、アルイル両名は一緒についてきたようである。

 

海音:「ああ、見舞いの品はここに置いとくぞ?」

 

トウヤ:「そんな金あるんだったら、自分の装備ぐらい整えたらどうだ……」

 

海音:「あ……あはははは」

 

キヤ:「そいえば、よく死にかけてるって聞くよー……」

アルイル:「そう言うところも認められないのですっ……」

 

海音:「うーん……そろそろ買いそろえる時期かぁ?」

 

トウヤ:「その通りだ、強い防具を仕立てたらどうだ?」

 

海音:「そうだなぁ、できる限り身軽が良いんだがなぁ」

 

トウヤ:「なら非金属鎧だな」

 

キヤ:「はやく、リリちゃんも起きて良くなるといいね!」

トウヤ:「ああ、あれからまだ目を覚ましてないからな」

 

海音:「そうだな……疑似構築も後の負担が大きいしな」

 

アルイル:「話だけ聞き及びましたが、大変だったみたいですね……」

 

海音:「一時的な延命だからもう少し休んだ方が良いだろうな……」

海音:「……いやぁ、それにしたって全員無事に帰れてよかったよかった」

 

トウヤ:「……あほ、確率低かったんだろうが」

トウヤ:「二度とあんな無茶すんじゃねえ」

 

海音:「ああ、今だから言うが0に近い確率だったらしいぞ?」

 

アルイル:「トウヤ様、女性に向かって"あほ"とは何ですか!」

 

トウヤ:「いいんだよ、コイツには。それだけのことをしでかしてるんだ」

 

アルイル:「……カイネ、それは本当なのですか?」

海音:「あ、まず、地雷踏んだか?」

 

アルイル:じとー

アルイル:「カイネ、後で、お話よろしいですか?」

アルイル:にっこにっこり

 

海音:「……はい」

 

トウヤ:「これは半日コースだな……」

 

 

================================

 

 

GM:半日+αの説教をうけ、解放された時には日が暮れていた。

 

アルイル:「お買い物も済みましたわね」

 

海音:「……はい」

 

GM:気が付いたら買い物に来ている。日用品、雑貨、服、エトセトラ、エトセトラ……。

GM:気が付けば1000G程消えていた。

 

海音:ファッ

 

アルイル:「まだ、買いたいものがありますが……、本日はこのくらいですわ」

 

海音:「イエス、マム!」

 

アルイル:「私は、屋敷に戻りますけど、カイネはどうするんですか?」

 

海音:「あ、おれ?うーん、今回はあとこれを売りに行くだけかな?」

海音:コアを出します

 

アルイル:「そうですか、それなら屋敷で待っておきますわ。私はあまり詳しくありませんし」

アルイル:「ただ、聞くのであれば光盾堂がいいとは思います」

海音:「そうだな、そこに聞きに行こうと思ってた」

 

海音:「それじゃあ、また後でな?」

 

アルイル:「ええ、それでは」

アルイル:「夕食をキヤが作っていますからはやく戻ってくださいね?」

アルイル:そう言うと足早にステップで去っていきます。

アルイル:キヤの料理がうれしいのだろうか、はたまたこの日常と言う幸せを享受しているのか。

アルイル:知っているのは神でもなく本人だけだろう。

 

海音:「お、それは早く戻らなくちゃな!」

海音:「……さて、俺も行きますかね」

海音:光盾堂に行きます

 

GM:はい、では光盾堂につきますね

 

光盾堂の店主:「おお、花嫁ちゃんか。この前依頼を請けたとき以来だが、調子はどうだ? こっちは英雄殿にこっぴどく叱られたよ……ハハハ」

光盾堂の店主:店主は笑いながら話し掛けてきます。

 

海音:「ああ、ごめんな?」

海音:「俺がポカやらかしちまってよ」

 

光盾堂の店主:「いいや、冒険者の新しい芽を摘むわけにはいかんからな? 当然の行いさ。ただ、時機を見極めるのを間違えたな。そこはすまんと思っとる」

 

海音:「じゃあ、お互い相子ということで!過ぎたことなんだから気にしねぇよ!」

 

光盾堂の店主:「これはほんの詫びだよ、嬢ちゃんの鎧も痛んでるみたいだからな」

光盾堂の店主:「ハードレザーかソフトレザーどっちが好みだ?」

 

海音:「お、まじで!?…うーん、ソフトで!」

 

光盾堂の店主:「ブレストアーマーでもいいぞ」

光盾堂の店主:「まあ、見た感じ嬢ちゃんには時期尚早といった感じだがなぁ、はっはっはっ」

 

海音:「そうだなぁ……そこら辺もつけれるようになりてぇな」

 

光盾堂の店主:「ほれ、ソフトレザーだ。持っていくといい。仕立はこの前この眼でさせてもらった」(ニヤリ

 

海音:「おお…」

海音:早速来てみます

 

モブ冒険者:「女性に向かってそれは嫌われますよ?」

 

光盾堂の店主:「はは、いつもの事じゃないか!」

 

海音:「おお、ピッタリ!店主良い目持ってんじゃん!」

 

光盾堂の店主:「まあ、ここは防具屋だ。冒険者が入り浸ってるが、貝に来てくれよ!」

光盾堂の店主:「今度は、でいいぞ」

 

海音:「あ、そうそうこっちの目的を忘れてた」

海音:今まで手に入れたコアを出します

 

光盾堂の店主:「ん? これはコアか」

 

海音:「なぁ、これを換金してくれねぇか?」

 

光盾堂の店主:「魔族のコアだな」

 

海音:「そろそろポーション類とか準備しなきゃ辛い」

 

光盾堂の店主:「……大きい小さい、傷物も含めてざっと5300Gと言ったところか」

光盾堂の店主:「ま、大体相場通りになるな」

 

海音:「おお、結構な金になるな」

 

光盾堂の店主:「買い取っていいなら、すぐに支払おう」

 

海音:「あ、マジ?それはありがたい」

 

光盾堂の店主:貴女が了承するとラグビーボールほどの大きさを誇るガメル袋を渡されますね

光盾堂の店主:ずっしりと重く、全部が銅貨です。

 

海音:「おっとと、結構重いな」

 

光盾堂の店主:「すまんな、銀貨はいま少なくてな、銅貨での支払いになる」

 

海音:「少ないんじゃ仕方ねぇよ、おう、ありがとな」

 

光盾堂の店主:「そう言ってくれると助かるよ。今後ともご贔屓にしてくれ~」

 

海音:「依頼の時はまたよろしくなー」

海音:店を出ます

 

GM:点から差し込む日差しがあなたをやさしく包む。

GM:夕方の光だというのにここまで心地よいと感じるのは初めてかもしれない。

 

海音:「うーん、キヤの夕飯もあるし、早く帰らないとな」

海音:背伸びをしてから足早に帰ります

 

 

================================

 

 

キヤ:「おかえりなさいー!」

 

海音:「ただいまー」

 

キヤ:「もうっ、おそいよーカイネちゃん」

キヤ:「もうアルお姉ちゃんは食べ終えちゃったよー」

 

海音:「ごめんごめん、でも結構な金になったぞ?」

 

キヤ:「それはカイネちゃんのお金でしょ?」

キヤ:「私は私でお手伝いで稼ぎをもらってるからいいの~」

 

海音:「おー、そうなのか」

 

キヤ:「まぁねー」

キヤ:「ほらっ、はやく食べに行こっ」

 

海音:「じゃあ大事に保管しとかないとなー」

 

キヤ:「わたしまだ何にも食べてなくてお腹ペコペコなんだー」

キヤ:「ほらっ、ほらー」

 

海音:「じゃあ早くいかないとな!」

 

 

================================

 

 

キヤ:「御馳走様でした!」

 

海音:「ご馳走様でした」

 

キヤ:「よーし、じゃあお片づけはよろしくね~」

 

海音:「おーう」

 

キヤ:「お風呂行ってきまーす」

 

海音:「おう、ゆっくりつかれなー」

海音:「よっこいしょっと」

海音:食器類をもって洗い場に行きます

 

キヤ:何気ない食器洗いだったが、ふしぎと楽しさを感じるカイネであった。

 

 

================================

 

 

GM:何気ない一日、何気ないいつもの日常だ。

GM:こんなに短い間でもそう感じられる。ただ、足りないものがある。

 

海音:「うーん……リリシャが居ないのって何かが物足りねぇなぁ」

海音:「早く良くなるといいんだが……」

 

GM:こうして、久々な気がする一日は幕を閉じる。

 

 

================================

 

 

GM:翌朝、カイネの部屋にも朝日が差し込む。

 

海音:「んぅ………あしゃ……」

 

レニアス:「きゅ」

 

海音:「……かお、洗う……」

 

レニアス:「きゅー」

 

海音:顔を洗いに行きます

 

キヤ:「相変わらず朝に弱いねー、カイネちゃんは」

 

海音:「んぅー………」

 

キヤ:「ほら、早くしないとアルお姉ちゃんのごはんが食べられなくなるよー、ファイト!」

 

海音:「おーぅ……」

 

 

================================

 

 

キヤ:「御馳走様でしたー」

 

海音:「ご馳走様でした」

 

アルイル:「お粗末様でした」

キヤ:「よーし、今日もみんなでお見舞い行こうよー!」

 

海音:「そうだな」

 

キヤ:「リリちゃん寂しがってるよー」

アルイル:「そうですね」

キヤ:「よーし、みんなで行こ?!」

 

海音:「おー!」

 

GM:ではみんなで向かいますね

 

海音:あい

 

 どうやらトウヤ、イクト、マサが先に来ていたようだ。

 

マサ:「来たみたいですね。それじゃあ僕は行きます」

イクト:「拙者も失礼するでござる」

トウヤ:「いや、失礼する必要ないだろ……」

マサ:「いえ、用事がありますので」

トウヤ:「あ、おい……、行っちまったよ……」

 

海音:「おーう」

 

キヤ:「いっつもイクトお兄ちゃんたち逃げるなー」

トウヤ:「アイツらも気恥ずかしいんだよ」

 

海音:「そうなのか?」

 

トウヤ:「多分な」

トウヤ:「あ、そうだ、この前渡した消耗品あったよな」

 

海音:「あ、そうだ、お前らに返さないとな」

 

トウヤ:「あれ、俺らからの餞別ってことで、自由に使ってくれや」

トウヤ:「餞別ってのも語弊がある言い方だな。贈り物って感じだな」

 

海音:「え、いいのか?だいぶ高いだろ?魔晶石とか特に」

 

アルイル:「あら、何を贈られたのです?」

トウヤ:「冒険者に必要そうな消耗品だよ」

アルイル:「あ、なるほど、そうですか……」

 

海音:「おもっくそ高いな」

 

アルイル:「面白みはないですね」

トウヤ:「だろうな、俺もそう思う」

 

海音:「いや、魔晶石20点とかおもっくそ高いだろ」

 

 高いが贈り物としてはどうだろうか。

 

トウヤ:「まあ、今度何かお礼してやらねえとな……。経過はどうであれ助けてくれたしな」

 

海音:「いや、俺が助けたいから助けただけだし良いだろ別に」

 

トウヤ:「知るか、こっちの気が済まねえんだよ。PT代表してなんか贈るわ……」

 

海音:「そんなのいいのに……」

 

トウヤ:「気にすんな。英雄様からの贈呈品だぞ? 勲章授与みたいなもんだと思ってくれ」

 

アルイル:(……ずるい)

 

海音:「うーん、そうしとくわ」

 

キヤ:「リリちゃん起きないねー……」

トウヤ:「……そうだな」

 

海音:「うーん……かなり強引だったからなぁ」

海音:「早く起きろよな」軽く頭を撫でます

 

トウヤ:「本当に何しでかしてるんだお前は」

 

海音:「うん?助けるために……色々?」

 

トウヤ:「いろいろって何だよ……」

 

海音:「いや、戦ったり死にかけたり?」

 

トウヤ:「あー、懲罰房にでも入ってアルイルに毎日説教されろ」

 

海音:「なんで!?」

 

アルイル:「ひ、人を刑罰みたいに扱わないでください!?」

アルイル:「確かに、カイネにはどれだけ説教しても足りなさそうですが……」

キヤ:「認めるんだ」

 

海音:「アルイルまでぇ!」

 

アルイル:「ええ、そこは認めざるを得ませんね……」

リリシャ:「……そう、カイネにはお説教が必要。それも、たくさん」

キヤ:「リリちゃん!?」

トウヤ:「リリ!?」

 

 リリシャが目を覚まして静かに話す。

 

海音:「リリシャまでなんだよぉ!」

 

リリシャ:「だって、使い魔以下の、おバカさんだもの」

 

 そう言い、リリシャは微笑んだ。

 

キヤ:「り、りりちゃんが笑ってる……!?」

 

海音:「うぐぅ……」

 

アルイル:「明日は嵐になりそうね」

リリシャ:「それもこれもカイネのせい、責任取って」

トウヤ:「おい、マジで何したんだ」

 

海音:「え、俺?」

海音:「ただ助けるために頑張っただけなんだけど……」

 

リリシャ:「相手が女の子でも……、これは重症、いえ、重篤な病ね」

キヤ:「なるほど?」

トウヤ:「……なるほどな、罪作りな奴め」

 

海音:「すっごい貶されてるけど、納得いかない……」

 

リリシャ:「一度死に瀕するといい」

トウヤ:「瀕したんだよなぁ……」

 

海音:「いや、一回やられたじゃん」

 

リリシャ:「なら匙を投げる」

キヤ:「あら~?」

アルイル:「いったい、何をどこでやってるんですか、カイネは……」

 

海音:「え?うーん……」

 

リリシャ:「使い魔以下の感覚じゃあ気付けようが無いわ」

アルイル:「随分と辛らつなものね……」

 

海音:「やっぱり納得いかない……」

 

リリシャ:「私も、どうして気が付かないのか納得がいかない」

トウヤ:「……鈍感なんだな」

 

海音:「なぜかお前にだけは言われたくないって感覚がした」

 

キヤ:「リリちゃん、よくしゃべるようになったね?」

リリシャ:「自覚があるだけまし。使い魔と同等だわ」

トウヤ:「それでも使い魔と同等なのか……」

 

アルイル:「いい変化、かもしれないわね」

キヤ:「私もそう思うよ~」

リリシャ:「ねえ、カイネ」

 

海音:「うん?なんだ?リリシャ?」

 

リリシャ:「顔近づけて?」

トウヤ:「どうしたんだ?」

 

海音:「ん?こうか?」

海音:顔を近づけます

 

リリシャ:「そう♪」

リリシャ:「ん……」腕で、カイネの顔を自分の顔と重ね……

リリシャ:「ファーストキスはもらったわ ♪」

キヤ:「だ、だいたん……」

 

海音:「……ふぁ?」

海音:急なことで訳が分からない顔

 

トウヤ:「な、何やってんだ……」

リリシャ:口パクでダイスキとしてくれますよ

 

海音:「うぁ……う……ぁぅ……」真っ赤にします

 

リリシャ:「ふふっ♪」

トウヤ:「あー、何だこの状況、俺どうしたらいいの?」

リリシャ:「お先にリード、ね」>トウヤ

トウヤ:「は? 荷に言ってんだ?」

リリシャ:「お休み、無理して起きたからまた暫く寝るわ」

トウヤ:「お、おう???」

 

海音:「あ、お、おう」

 

リリシャ:「お休み、……カイネ」

リリシャ:「後、他のみんなも」

 

海音:「あ、ああ……お休み、リリシャ」

 

アルイル:「そ、そういう愛の形もあるわよね……、うん」

キヤ:「他で一括りにされちゃったよ……」

トウヤ:「……ま、残念な気がしなくもないが。いいか」

 

海音:「ふぅー……よし、帰ろうか」

 

キヤ:「た、立ち直り早い?」

アルイル:「そ、そう言う愛のカタチも、ある、あるある……?」

リリシャ:「……スー」

 

海音:「いや、早く出ないと何かがまずい」

 

トウヤ:「兄考えてるのかわからない顔だよ。本当に」

トウヤ:「おーい、アルイル」

アルイル:「は、はい!?」

キヤ:「私はもうちょっとリリちゃんの顔を眺めていくよー」

キヤ:「カイネちゃんはー?」

 

海音:「お、俺はちょっと先に帰らせてもらうな?」

 

キヤ:「照れてる~?」

 

海音:「そ、そう、かも?」

海音:「今までこういうことは全然なかったからなぁ……」

海音:「正直よくわからないんだよ」

 

GM:火照った顔はそう簡単に収まりそうにない。それだけは痛感したカイネ。

 

海音:(ぅぅぅ……なんだこれなんだこれ)

 

リリシャ:『だいすき』

GM:O☆I☆U☆CHI

 

海音:「ううぅぅぅぅ………」

海音:足早に部屋を出ます

 

トウヤ:(あいつもあいつで災難なもんだよな、子供に弄ばれて)

トウヤ:(あとでフォローくらい入れてやるか)

トウヤ:「アルイル、ありがとな、それじゃ」

アルイル:「わ、わかりました。また今度」

キヤ:「あれ、トウヤお兄ちゃんもう行っちゃうの?」

トウヤ:「まあな」

トウヤ:「おい、カイト」

 

海音:「ん?あトウヤ、おまえはもういいのか?」

 

トウヤ:「細々としたパーティの招待状をだな」

 

海音:「お?宴会か!?」

海音:「マジで用意したのか」

 

トウヤ:「ああ、お前もしっかり帰ってきてくれたからな。それに勝るものはないよ」

 

海音:「へへ……いやほんと良かったよ」

 

トウヤ:「いいたいことは山ほどあったが、帰ってきてくれただけでいい。本当によかった」軽い抱擁をします

トウヤ:ちゃんと背の高さを合わせてあげるよ!

 

海音:「おっとと、ああ、ほんとに良かったよ……」

 

トウヤ:「べ、別に感謝ん気持ちを伝える方法がこれしかなかったとかそう言うのじゃないからな。いいな?」

 

海音:「うん?そうか……あ、そういえばあの魔術師が持ってたあの短剣は?」

 

トウヤ:「あれは、一度研究機関に送られて解析される予定だ。まあ地下にあるんだが」

 

海音:「そうか…」

海音:(この弓と同じものだったらしいが……なんであそこまでゆがんだんだ?)

海音:(気持ち悪い気配しか感じれなかったし……)

海音:「まぁいいや、それより宴会だ宴会!」

 

トウヤ:「ま、何を気にしてるのかはわからんが、二度と外に出ることはないだろ」

トウヤ:「そうだな、今日の夜でもどうだ?」

 

海音:「そうだな、早い方が良いだろ」

 

トウヤ:「まあ、イクトらは呼んでるし、お前も弓持ってきてくれよ。リュカの代わりってことでさ」

トウヤ:「5人で、な」

 

海音:「おう!」

海音:「よーし、今日はいっぱい飲むぞー!」

 

トウヤ:「あ、それは勘弁してくれ」

 

海音:「え!?なんで!?」

 

トウヤ:「頼む、この通りだ!」90° 直角謝り!

 

海音:「こんな時ぐらい良いじゃないかー!」

海音:「ぶぅ……」

 

トウヤ:「頼む……」

 

海音:「……分かった、分かったからやめてくれ」

 

トウヤ:「なら、いいんだが……」

 

海音:「はぁ………この体がクッソ恨めしい………」

 

トウヤ:「そうだな、信用も失ってるしな」

 

海音:「ん?しんy……ああ……」死んだ目

 

トウヤ:「人の話を聞かないお前が悪い。俺からの信用も低いぞ」

 

海音:「うぐぅ………」

 

トウヤ:「まあ、信頼はしてる。お前がいてくれて助かってる。これからも頼むぜ」

 

海音:「お、おう」てれてれ

 

トウヤ:「じゃ、パーティは6時ごろだな」

トウヤ:「6時に会おうな」

 

海音:「おう、場所は砦でいいのか?」

 

トウヤ:「北の塔だ。そこの上階、9階だ。そこで待ってるよ」

 

海音:「分かった、またなー」

 

 

================================

 

 

GM:気が付けば翌朝になっていた。

GM:頭が、痛かった。そのおかげか目が冴える。

 

海音:「………うーん?ぐぅ………あったまいってぇ……」

 

トウヤ:「やっぱ、信用できねえわ……」床にぶっ倒れながら

 

海音:「うお!?と、トウヤ!?」

 

イクト:「正に、お姫様でござったな……」

イクト:こやつも床に倒れている。

 

マサ:「然り、然り、然り……」ガクッ←机の上で力尽きた

 

海音:「イクト!?マサまで………はぁ!?何がどうなってんの!?」

 

トウヤ:「記憶がないなら気にするな。ああ、気にするな」

トウヤ:「飲むってのを止められなかった俺たちが、悪いんだ……」

 

海音:「…………え、まさかまた酔ってやらかした?」

海音:「さらに飲む?え?一杯で俺落ちたの!?」

 

トウヤ:「一杯? 一口だったな……」

イクト:「そのあと、服を脱ぎだそうとするわでどうなることかと……」

 

海音:「嫌まさかそんな……じゃあ前のグラス2、3杯は行けてたって………はぁぁぁ!!!?」

 

トウヤ:「ああ、それは酔ったあとにのんだグラスって意味だな」

トウヤ:「あの時は水にすり替えたが無意味だったな。気が付かなくて裏で爆笑してたが」

 

海音:「は、ハハ……………マジで酒が駄目じゃねぇかよちくしょーーー!!!恨むぞ神様ーーーーー!!!!!!」

 

マサ:「カイト、先輩、キスはダメっす……」

 

海音:「はぁ!?キスはぁ!!?」

 

トウヤ:「ほっぺチューで済んでよかったよな……」

 

海音:「マジでどんな酒癖してんの俺!!!!!???」

 

トウヤ:「一回目は似非お持ち帰りされたし、散々だったが、今回も今回で、な……」

イクト:「やっぱり任せるでござるよ。世話係は」

トウヤ:「いや、なんで……?」

 

海音:「はい?今回初耳でいただけない言葉が聞こえたんですけど!?え!?ナンデ!!?」

 

マサ:「せ、先輩たちは幼馴染なんでしょう?」

イクト:「せ、拙者、高校からなんで……」

トウヤ:「知るか道連れじゃ……!」

イクト:「だが断る、でござるよ」

 

海音:「ちくしょう……チクショウ………なんで酒好きの俺にこんな卑劣な試練を出すんだよぉ………神様よぉ…………」

 

トウヤ:「マジで、今度から飲むな……1」

 

 

================================

 

 

海音:「うぉぉぉぉぉ!!ちくしょおおおぉぉ」

 

キヤ:「お酒臭ーい」

アルイル:「二日酔いには水が一番よ、まあくれぐれもほどほどに?」

 

海音:「うううぅうぅぅぅぅ…………お酒が飲めなぁぁい…………」

海音:机に突っ伏して涙で濡らします

 

キヤ:「リリちゃんなら、何か鋭いこと言ってくれるかな」

アルイル:「さあ?」

 

海音:「お酒好きだったのによおおぉぉおぉ…………酒癖すこぶる悪いってなんだよぉぉ………一口で落ちるとかなんだよぉぉぉ………前はざるだったのによぉぉぉ………」

 

アルイル:「そうだったのですか……、ざんねんですね」

レニアス:「きゅー……」

 

海音:「お酒は命の洗濯っていうだろぉぉ……洗濯どころかほんの少し湿らせるだけじゃねぇかよぉぉぉ………」

 

レニアス:「きゅきゅきゅー……」呆れ

キヤ:「お昼ごはんもあるよ? た、食べよ?」

 

海音:「食べるぅ……」

 

アルイル:「そうね、今日はキヤの手作りだものね!」

 

海音:「絶対食べるぅぅ………」

 

キヤ:「なんか最近私が作ってる気がする……、というか今日はアルお姉ちゃんが当番だったよね……?」

アルイル:「仕方がないじゃないですか、ただでさえ人がいないんです、ようやくカイネさんにもお掃除を頼めるのですから……」

 

 アルイルもキヤに胃袋を掴まれているらしい。

 

キヤ:「リリちゃん、もどってきて~……」

 

 キヤの悲鳴にも似た声が小さく響いた。

 




見直して一言

PL:酒臭い臭いをすっごい出しながら机に突っ伏して涙を濡らしながら酒が飲めないと嘆く見た目幼女な男性……、もうこれわかんねぇな。

GM:『お酒なんて飲めなくてもいいの、そのままのあなたがスキ』とかほざく見ため子供だが実は数十歳でそのうえ中身数百歳の魔法王。こっちもなかなか。


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第七回『決意』 - 2

今回も長め


GM:翌日の昼下がりに入りますね。

GM:キヤは稼ぎに出てたりアルイルは屋敷中を掃除してたり、おのおの自分の事をやっています

 

海音:「うなぁー………やっぱり納得できない………」

海音:「だからといって一口飲んでサニティかけてはなんだかなぁ………」

海音:「あーあ……酒に強くなるアイテムとかないかなぁ………」

 

ミンツ:「サニティかけても酒は抜けないと思うんだけど……」

 

海音:「あ、ミンツ」

 

ミンツ:「この前ぶり?」

ミンツ:掃除道具を持っています。

 

海音:「おう、そこまで経ってないけどな」

 

ミンツ:「あ、うん。そうだけど」

 

海音:「なぁ、酒に強くなるアイテムとかねぇの?」

 

アルイル:「こら、ミンツ。手を止めないで掃除を続けて!」と遠くから

ミンツ:「あ、あー、怒られるしじゃあね」

 

海音:「あ、すまん、じゃましたな」

 

ミンツ:足早に走り去っていきます

 

海音:「あー、他のやつに聞いてそろそろ装備とか買いに行くかなぁ……」

 

アルイル:「カイネ、お客様」

アルイル:なんかむすっとしている

 

トウヤ:「よう、カイネ」

 

海音:「うん、客?誰だ?」

海音:「お、トウヤ、どうした?」

 

トウヤ:「いや、貧相な装備のままじゃかわいそうって思ってな。どーっせ冒険者まがいの事でもやるつもりなんだろ」

 

海音:「そうだな……あ、丁度いい、ちょっと付き合ってくれよ」

 

トウヤ:「……ま、武器の事は無理でも装備品くらいなら、な?」

アルイル:「……むぅ」

 

海音:「アルイルもそんなムスッとするなって」

 

アルイル:「何でもありませんわー! 掃除の邪魔なのでさっさと出てってくださいな!」

アルイル:「ほら、行った行ったー!」

トウヤ:「おわ、押すなってば」

 

海音:「おっとっと、夕飯までには帰ってくるなー」

 

アルイル:トウヤはそのまま外に押し出されてしま居ます

アルイル:「カイネは、支度しないといけませんわ!」

アルイル:「知らないようですし、私がおめかしの仕方を教えて差し上げます!」

 

海音:「え、このままじゃ駄目か?」

 

アルイル:「女性はいつでも綺麗な姿でいないといけません、トウヤ様ともあろうお方が何だが貧相な少女と一緒だなんて知られるのは私が認めません」

アルイル:「ほら、用意します、来てください」

 

海音:「わぁぁ!分ったから引っ張るなって!」

 

アルイル:「いえ、やめません。カイネはどうせ分かってくれないのですから」

 

海音:「ちょ!なんだとー!」

 

 

================================

 

アルイル:10~20分経過

 

================================

 

 

アルイル:「最低限かつ簡単なものですが、終わりです。覚えてください」

アルイル:「覚えるまで私が手取り足取り教えて差し上げますので」

 

海音:「あーい………何か疲れた」

 

アルイル:「だんだんと複雑な化粧の仕方も覚えてもらわないといけませんしね」

 

海音:「うへぇ………」

 

アルイル:「英雄である方の隣に立とうとするのなら当然の行いです……」

アルイル:「ノーとは言わせませんからね」

 

海音:「あー、そういえばあいつは英雄って呼ばれてたな……」

海音:「そう考えると、確かに言い訳できない……のかぁ?」

 

アルイル:「そして、認める気はありませんが"英雄の花嫁"です。少なくともそう認識されていることは自覚してください」

アルイル:「トウヤ様ももう少し行動を自嘲していただきたいのですけど……。あの方は気が付けば居なくなりますから……はぁ」

 

海音:「そうだなぁ……いっつもいろんなところに行ってるもんなぁ……」

 

GM:※類は友を呼ぶ

 

アルイル:「貴女もなのですけどね……」

 

海音:「そうかぁ?」

 

アルイル:「リリシャとどこかに行っていると思えばリリシャは意識不明で見つかるし……」

アルイル:「まあまだ前科は少ないとは思うけど、あまりトウヤ様を見習わないようにしてくださいね」

 

海音:「あれはリリシャから呼ばれただけなんだが……」

 

トウヤ:「まだかー?」外から

 

海音:「あ、もういいか?」

 

リリシャ:「……あまり待たせるのも悪いですしね」

 

海音:「おう、教えてくれてありがとうな」

海音:トウヤの所に行きます

 

アルイル:(半分説教のつもりだったのだけど……)

トウヤ:「おそか……、……なんか可愛くなったな」

 

海音:「おう、英雄の近くにいるんだから綺麗にしとけだと」

 

トウヤ:「……そうか、まあお前が綺麗になるんら悪い気はしねえな」

 

海音:「お、やっぱり英雄様も色を好むってか?」

 

トウヤ:「……」

トウヤ:そっぽを向くぞ

 

海音:肘でわき腹を軽くつつきます

 

トウヤ:「……悪かったな」ガチトーン

 

海音:「うりうりー」

 

トウヤ:「いいから、……さっさ行くぞ」

 

海音:「おっとっと、そうだな、行くか」

 

トウヤ:「俺ですら嫌でもわからされたってのによ……、本当にお前は鈍感だな」

 

海音:「ん?何の話だ?」

 

トウヤ:「お前が女になった話だよ。男の俺に言わせんな……親友だから言うけどよ……」

 

海音:「ん?そうそうかわr………お酒飲めないのつらい」死んだ目

 

トウヤ:「あー、らしくなかったわ。まじでさっさ行くぞ」

 

海音:「おーう………」

 

トウヤ:「リリの言っていた意味を理解するとは、俺って女になる才能あるな……。なりたくはないが」

 

海音:「お前は何を言ってるんだ?」理解できないような目

 

トウヤ:「理解できないならこの話はそれまでだ。お前には早かったんじゃねーの?」

 

海音:「え、何お前………女装趣味でもあったとか?」

 

トウヤ:「あほか、お前じゃあるまいし」

 

海音:「これは不可抗力だっての!!」

 

トウヤ:「さっさ行くぞつってんだろ」

 

海音:「解ってるよ……なんだよ全く……」

 

トウヤ:「ったく、痴話喧嘩がしたいならリリとやれ」

 

海音:「?なんでリリシャの名前が出てくるんだ?」

 

トウヤ:「あれだけさせてマジで言ってるのか?」

トウヤ:「……ねーわ、まじでねえ」

 

海音:「え、いや……」

 

トウヤ:「リリに刺されとけ」

 

海音:(意識しないようにしてたのが裏目だったか?)

海音:「ぐ……」

 

トウヤ:「(´Д`)ハァ…」

トウヤ:「この店とかどうだ、大体の道具はそろうぞ」

GM:魔晶石は不足しすぎていて5点石が一人5個までしか買えないようです。

 

海音:「お、良いんじゃねぇの?そこらへんあんま詳しくないから任せた!」

 

GM:それ以上のものは売っていません

 

海音:装飾品類はどうですか?

 

GM:一通りそろっているみたいです

GM:5000G以上のものはなさそうですが

 

トウヤ:「まあ、品薄なんだ。水路の魔族を俺が手っ取り早く処理できればいいんだが……」

 

海音:「ああ、こっち来た時に聞いたやつか」

 

トウヤ:「まあ嫌でも耳にするだろうな」

トウヤ:「今となってはここを守るのが俺の仕事みたいなものだし……、なんせあれが来た時に対処できないと困る」

GM:そう辛そうな顔で吐き捨てるトウヤ

 

海音:「うーん……それは依頼としてあるか?」

 

トウヤ:「あるにはあるがダメだ。お前じゃ力量が足りなさすぎる」

 

海音:「あー……そっか……」

海音:「なんかもどかしいなぁ……」

 

トウヤ:「この街の冒険者に頼ろうにも連日防衛に出てくれてるから強くも言えねえし。八方塞がりなんだな……」

トウヤ:「冒険者の奴らは稼ぐだけ稼ぐ魂胆なんだろうな……」

トウヤ:「どうにもなんねえことばっかだよ……」

 

海音:「……よし買い物終わり!」

 

トウヤ:「結構買ったな」

 

海音:「何があってもいいように準備しないとな!」

 

トウヤ:「料理とかできるのか?」調理道具セットを見て

 

海音:「おん?一人暮らしなめんなよ?」

海音:「自炊ぐらいできるわ」

 

トウヤ:「まあ、腕は鈍ってなさそうだな。そう言えば俺もここ1年近く料理作ってねえな」

トウヤ:「偶にはなんか作らねえと……」

 

海音:「前よりかなんか知らんが手先は器用になったからなー」

 

トウヤ:「弓とか使ってるし、そうっぽいな」

 

海音:「ザ・男飯みたいなやつ以外も作れるんじゃねぇか?」

 

トウヤ:「そう言うのは自分でやっててくれ」

 

海音:「そうだな、後で試してみるわ」

 

トウヤ:「後は買いたいものとかはあるのか?」

 

海音:「うーん………後お酒!」

 

トウヤ:「嗜好品は高いぞ」

トウヤ:「価格にして市場価格の大体10倍だな。安くて4倍くらいか」

 

海音:「エールみたいな感じのやつから入って体を慣らそうかとな」

 

トウヤ:「それに、今のお前じゃ飲めないだろ」

 

海音:「だから慣らすために回数を重ねるんだよ」

海音:「そしたら自然と強くなって前みたいに飲める……ならいいなぁ……」

 

トウヤ:「アルコールがどれだけ飲めるかってのはな、遺伝なんだぜ?」

トウヤ:「だからやめとけ」

 

海音:「いいや、止めないね!酒は命の洗濯なんだ!」

海音:「飲みすぎは確かに駄目だが嗜むぐらいには飲めるようになりたい!」

 

トウヤ:「お前の場合は人格の崩壊だがな」

トウヤ:「たかだか一口程度で記憶が吹き飛ぶようじゃ、洗濯以前の問題だろ。例えるなら水アレルギーってレベルだぞ」

 

海音:「ふん!言ってろい!ぜっっったいに強くなってやる!」

 

トウヤ:「そっくりそのままその言葉を返してやるよ。絶対に変わんねえよ……」

 

GM:お酒を買いにお店へ向かいます

GM:トウヤが渋々案内してくれます。

GM:ですが、酒蔵に入る直前で生命抵抗力判定をどうぞ。

GM:カイネは以上にお酒に弱いのでボーナスなしで2dで11以上を出してください

 

海音:は?(威圧)

 

海音:キレそう コロコロ……失敗。

 

GM:では記憶が吹っ飛びます

GM:起きると部屋にいました。

 

海音:「……………今の俺なら神殺しが出来る気がしてきた」

 

トウヤ:「あー、起きたか」

トウヤ:「酒屋の店主が酒盛りしててな、度数の高い酒を酒蔵中に振りまいてたらしい……」

トウヤ:「たまに変なことやってんだよ酔っぱらって」

トウヤ:(店主を止めるのつかれた……)

 

海音:「ちょっと神様の所に行ってぶん殴ってくる」真顔

 

トウヤ:「どこにいるってんだ」

 

海音:「やめろ!とめてくれるな!!」

 

トウヤ:「止めなくても見つからないんだろうがな……」

 

海音:「一発殴らなきゃ気がすまん!!!」

海音:「うがぁぁぁぁ!!」

 

トウヤ:「まあ落ち着けよ、成長したら耐性が付くかもしれないだろ? まだ体は比較的子供なんだし……」

 

海音:「うううぅぅぅぅぅぅ…………」涙目

 

トウヤ:「ハァ……」

トウヤ:(可愛いんだが……、中身がこれじゃなあ……)

 

海音:布団の中でじたばたします

海音:「お酒お酒お酒ぇ~!!」

 

トウヤ:「エール、一応買っておいたから部屋の隅に置いてる。まあ飲むんじゃねえぞ」

 

海音:バット起き上がります

 

トウヤ:「観賞用だ、いいな?」

トウヤ:「まあ飲めばアルイルに殺されるだろうな。精神的に」

 

海音:「ううぅぅぅ……とうやぁぁぁぁ…………あ゛り゛か゛と゛お゛お゛お゛お゛……」

海音:縋りついて泣き出します

 

トウヤ:「泣きつくんじゃねえ、気持ち悪い」

トウヤ:「俺も叱られるから、ぜったいに飲むなよ!?」

 

海音:「ぞんなごむだいなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

トウヤ:「やっぱお前は信用できねえわ」

トウヤ:「俺が要塞に持ち変えって倉庫で大事に保管しておいてやる。ちゃんとラベルもつけてやるから安心しろ」

トウヤ:ヒョイとエールの入った樽を持ち上げます

 

海音:「ああぁ!?まって!?待ってくださいトウヤさまぁぁぁ!?」

 

トウヤ:「放置したら絶対飲むだろ、お前」

 

海音:「当たり前だろ何言ってるんだ………あ」

 

トウヤ:「じゃあな」

 

海音:「まってぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

トウヤ:「飲みたくなったら要塞に来いよ~。飲ませねえけどな」

 

海音:「ああぁぁぁぁぁ…………おしゃけぇぇぇ……」

 

トウヤ:(やっぱ中身がダメだな)

トウヤ:ひらひらと手を振って去っていきます

 

海音:「あああぁぁぁぁ………まってぇぇぇぇぇ………」

 

トウヤ:「子供が酒を呑もうとするんじゃないよ、まったく」

GM:尤もである

 

海音:「21なのにいぃぃぃぃ………」

 

GM:肉体年齢をダイスで決めよう!(唐突)

 

海音:唐突ゥ!

 

GM:ではー、勝手に振ります。

 

海音:は?

 

GM:6d3

SwordWorld2.5 : (6D3) → 14[2,3,1,3,3,2] → 14

 

海音:若い、若くない?

 

GM:妥当な気がする。

GM:結果が気にくわないなら振ってみたらええんとちゃいます?

 

海音:やったるわ。

海音:6d3

SwordWorld2.5 : (6D3) → 10[2,2,1,3,1,1] → 10

 

GM:わかいね

 

海音:もう一回振り直させてぇぇ!?

 

GM:しょうがないにゃあ、一回だけよ

 

海音:6d3 やったぁぁぁぁ!

SwordWorld2.5 : (6D3) → 8[2,1,1,2,1,1] → 8

海音:ぁあぁっぁぁぁ!!!??

 

GM:下がっていく……!!

GM:これは定められた運命!!

 

海音:止めろおおおぉ!!?

 

GM:もう一回いいでしょう……ただし、4d5で

 

海音:4d5

SwordWorld2.5 : (4D5) → 12[4,2,5,1] → 12

海音:……。

 

GM:どうします?

 

海音:14歳で

 

GM:はいな

GM:振った意味無しなのは草

GM:まあ、エールはトウヤが持ってっちゃった

 

海音:「あああぁぁぁぁぁ………」

海音:嘆き悲しみます

海音:「お酒ぇぇぇ……待ってくれよぉぉぉ……俺を……俺を置いて行かないでくれよぉぉぉ……」

 

キヤ:「……えっと、カイネちゃん、何やってるの?」

 

海音:「………お酒との悲しい別れ」

 

キヤ:「……あー、うん、そっか」

キヤ:「辛かったね?」

 

海音:「うわぁぁぁ……きやぁぁぁぁ……」

 

キヤ:「うひゃ、なんで泣いてるの、お酒くらいで……」

 

海音:「お酒……くらい………?」

 

キヤ:「へへ?」

 

海音:ゆらぁっとゆっくり立ち上がってゆっくりとキヤのもとに歩き出します

 

キヤ:「にゃー!? こわいこわいこわい!」

 

海音:「お~さ~け~は~なぁ~………」

 

アルイル:ワインボトルを持って後ろを通りがかります

ミンツ:後ろに追従していますね

 

海音:ばっと振り返ります

海音:「………」

 

キヤ:「あ、ああ、アルお姉ちゃんだ!」

アルイル:「……? どうされたのですか?」

 

海音:血涙と手を白くなるまで握りしめて耐えます

海音:「………いや、何でもないよアルイル」

 

キヤ:「カイネちゃんが、こわいの!」

 

海音:その顔は悟りを開いたような顔をします

 

アルイル:「……? なにか理由が?」

 

海音:「いや、ほんと何でもないよ……うん」

 

アルイル:「そうですか……」

ミンツ:「アル、早くいこ」ワイングラスを二つ持ってます

アルイル:「ええ」

 

海音:(ちくしょおおぉぉぉぉ!!)

海音:「はは………」

 

GM:そんなこんなでカイネのお酒への思いは募るばかりなのであった……。

 

 

================================

 

 

GM:翌日、ああたははやくからお見舞いに来ています。

リリシャ:スー……

 

海音:「よぉ、リリシャ」

海音:「ちょっと早いがお見舞いに来たぞ?」

海音:「昨日もさ、アルトが俺に酒を飲ませてくれなくてよぉ、いやぁまいったまいった」

海音:「……なぁ、呆れでもいいからさ、早く目を覚ましてくれよ」

海音:「俺さ?あの選択には後悔は無いんだ」

海音:「だけど……だけど、もっといい助け方があったんだと思うんだよ」

海音:「あんな、先延ばしで後に反動が来るような救い方じゃなくて」

 

猫:「にゃー」病室の隅で丸まっています

 

海音:「あいつに操られる前に助けれたのかもしれないのに……俺が……俺が失敗しちまってよぉ………」

海音:「ごめんな……ごめんな、リリシャ……こんなつらいことをしちまってよぉ……っ!」

 

猫:「なう……」

 

海音:片手を握りながら手を額に当て祈るような体制で泣きます

 

リリシャ:『こんなにも思ってもらえるなんてうれしいものね』

 

海音:「………ははは、ついに幻聴まで聞こえるようになっちまったのか?」

 

リリシャ:「……」スー…スー…

 

海音:「……そう、だよな……話せるはず……無いもんな……」

 

猫:『存在を否定されるのは傷つく』

猫:「なう~」

 

海音:「…………へ?」

 

猫:『それに、カイネがお酒に弱いということも知れたし……』

 

海音:「………りりしゃ?」

 

猫:「……」

 

海音:「……聞き間違いか?」

 

猫:『いるけど、そのベッドに』

 

海音:「へ?え、りり、え?何で?」

 

猫:『ベッドにいるのは私の身体だけだけどもね』

猫:「なう」ベッドに昇る

 

海音:「え、へ?あ、あぇ?」

 

猫:『今の私は危険な状態。おそらく自力で回復しきるのは不可能ね』

猫:ぺろぺろとリリシャの手をなめる

 

海音:「え、ちょ、ちょっと待ってくれ……お願い、いったん整理させて?」

 

猫:『どうぞ』

 

海音:「ま、まずはリリシャの今の状況は?」

 

使い魔:「この子は私の使い魔。新たに契約を行ったわ」

使い魔:『私? 正直回復は絶望的ね。このホムンクルスの体のつくりは特殊だもの』

 

海音:「あ……あの鳥は解除させちゃったもんな……」

 

使い魔:『いえ、正確にはさせられたが正しいわ』

 

海音:「いや、そうなんだけども……」ばつの悪そうな顔

 

使い魔:『カイネは気負いすぎ。そこがスキなのだけど』

 

 スキにも種類がある。

 隙、鍬、鋤……。

 

海音:「くぅぅ……そ、」

海音:「それで体のつくりが特殊っていうのは?」

 

使い魔:『簡単に説明するならば魔法生物と人族の中間というべきね。ルーンフォークとは微妙に違うわ』

使い魔:『一応この状態でも身体を動かすことはできるのだけど、十分な力も発揮できない。そのうえ通常稼働であれば数十分と経たないうちに動けなくなる』

使い魔:『研究の途上だった。3体とも数十年レベルで稼働できていたのは奇跡と言うべき』

使い魔:『正直なところレイスになって貴女に纏わり憑くのも良いのだけど、愛せないし愛してもらえない』

使い魔:『だから私の身体の修繕を手伝ってもらいたいのだけど……』

 

海音:「そんなこと言わないでくれよ、俺に手伝えるんだったら何でもするぜ?」

 

使い魔:『なら話は決まったわね』

使い魔:『夜、またここに来てもらえる?』

 

海音:「おう、わかった」

 

使い魔:『ありがとう、優しいところも貴女の魅力ね』

 

海音:「な、なんか照れるな………」

 

使い魔:『貴女の弓で一時的な修繕も頼みたいの』

使い魔:『そうすればある程度動くことができるようになると思う』

 

海音:「……それは大丈夫なのか?」

海音:「後の反動がすごいが」

 

使い魔:『貴女の弓の力、あれは対象を正しい状態にする働きがあると私は考えているわ。あの時、マナの流れに異常もなかったし』

使い魔:『ここでの、正しいの定義はそのモノが正常に動く事を指すわ』

 

海音:「だが1日経つとそそれと同じぐらいの反動が来る」

 

使い魔:『それならその時に掛け直してもらうだけ。私は貴女になら殺されてもいい』

使い魔:『それだけの覚悟はある』

 

海音:「そんなことするわけないだろ!?」

海音:「絶対に……絶対にするもんかっ!」

 

使い魔:『ふふっ♪』声は愉しそうにしている。

 

リリシャ:「魔法王であった私も、次に魔女として恐れられた私も、森に篭りきりだった私も。そして今の私も、貴女を認めているの」

リリシャ:寝ていたリリシャが貴女の頬に手を伸ばします。

 

海音:「……ぁ」

 

リリシャ:「だから、私の所有物(もの)になりなさい?」

 

海音:「ぁ……………はぃ………」

 

リリシャ:「いい子、いい子……」頬をやさしくなでます

 

海音:「…………ぁぅ……」顔真っ赤っか

 

リリシャ:気が付くとベッドに再び横たわっている。

リリシャ:「……」スゥ……

 

海音:「………………」ぽぉっとしている

 

使い魔:「なう……」

 

海音:「……………はっ」

海音:「と、とりあえず、夜にだな!!?」

 

使い魔:リリシャのベッドの上で寝始める

 

海音:「ぅぅぅぅぅぅぅぅ………」

海音:顔を真っ赤にしながら部屋を出ます

 

トウヤ:「お、カイネ。どうした?」通りがかった

 

海音:「なんでもない!!!」

 

トウヤ:「お、おう……?」

 

海音:そのまま通り過ぎます

 

トウヤ:「ど、どうしたんだアイツ?」

トウヤ:(キスの事でも思い出したのか?)

 

 トウヤはカイネの挙動不審さに何かを感じ取る。

 だが気恥ずかしいのか、目を背けて見なかったことにした。




見直して一言

PL:ここで自分自身が落ちたのである。

GM:GMもキュンってきた。


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第七回『決意』 - 3

GM:夜になります。

 

 カイネが要塞までたどり着くと、

 リリシャの使い魔が要塞の入り口にちょこんと座っているのが見えた。

 周囲を見渡すが警備はだれ一人おらず、不気味な感じがする。

 

使い魔:『書置きはしてあげた?』

 

海音:「…………おう」

 

 海音は心なしか元気がない。

 

使い魔:『アル御姉様、キヤお姉ちゃん、きっと怒るだろうから』

 

海音:「………そうだな」

 

使い魔:『トウヤお兄ちゃんたち、もとい貴女の友人も』

 

海音:「…………ああ」

 

使い魔:『……あの青い鳥は?』

 

 GMから連れてくるかで展開が変わるといわれて長きに悩んだ末にPLは結論を出す……。

 

海音:「………………置いてきた」

 

使い魔:『……貴女がそうしたいと望むなら、提案者である私がその意図を汲んであげなければいけない』

使い魔:『少し奥、中庭に面した上の部屋。よろしくお願いできる?』

 

海音:「……………ああ」

 

GM:後は疑似構築をリリシャに掛けるだけだ。だが、何かを見落としている気がする。本当に良いのだろうか……?

 

 さすがにGM的にはリリシャと駆け落ちENDは食い止めたいのでSTOPをかける。

 これでそのままのルートを突き進むのであるならGMはこれ以上止めはしないつもりだが。

 

海音:(本当に………本当にこれでいいのか?………俺はリリシャの言葉に流されているだけじゃないのか?)

 

使い魔:『……気が変わったのであれば早めに言って。怒りはしないから』

 

 リリシャは海音を宥めるように、優しい声音で言う。 

 

海音:(でも………あの言葉は………………)

海音:「………一日」

海音:「あと一日だけよく………よく考えさせてくれないか?」

 

リリシャ:『……ええ、勿論。ゆっくり考えて。後戻りはできないかも知れない。だから、後悔の無いように……』

リリシャ:『……待ってる、から』

 

 この時のリリシャの声は芯がなく震えていたように聞こえた。

 

 

================================

 

 

GM:気が付けばカイネは逃げ帰っていた。

GM:リリシャの事が怖くなったのか、それとも言葉に流されゆく自分に悔しさを覚えたのか。

GM:家に帰ってくるまでの記憶はない。

GM:ただ、彼女の安心したような、寂しそうな声が耳に残っていた。

 

海音:「はぁ………………」

海音:「本当の俺は………何がしたいんだろうな………」

 

GM:気が付くと自分の部屋だ。夜は更け、闇が街を支配する。

 

海音:(確かに、あの言葉が嬉しくないかといったら…………確実に違う)

海音:(確かに自分だけを見ようとしている彼女が、俺も好きだ……)

海音:「けれど………それはあの言葉に流されているだけじゃないのか?」

海音:「ほんとに、他の皆を見捨てるのは俺として本当に合っているのか?」

海音:「……………これは……隠しとかないとな……」

海音:置手紙を隠しときます

海音:「……………頭ががぐちゃぐちゃだ………もう寝よう」

海音:ベットで包まります

海音:「……ほんとの俺って………なんなんだよ……」

海音:そう言って眠りにつきます

 

 

================================

 

 

GM:翌日になりますね

 

海音:「……………朝か」

 

GM:朝だ。だが、妙に眼が冴えている。

 

海音:「はぁ……………」

 

GM:全然眠れた気がしない。

 

海音:「……」

海音:無言で顔を洗いに行きます

 

キヤ:「あ、カイネちゃんだ! おはよー!」

 

海音:「………」

海音:無言で通り過ぎます

 

キヤ:「はれ?」

ミンツ:「……おはよう?」

 

海音:「……」無言で通り過ぎます

 

ミンツ:「……どうしたんだろうか」

アルイル:「カイネ、おはようございます。なんだか暗いですわね」

 

海音:「……」無言で通り過ぎます

 

アルイル:「昨日の夜、貴女が屋敷を出るのを……。行ってしまいましたか」

 

海音:(何でこんなに優しいんだよ!って思う自分に嫌気がさす)

海音:顔を洗います

 

レニアス:「……きゅ?」心配してくれています

 

海音:「……なんでこの気持ち悪さは取れないんだよ………くそがっ………」

 

キヤ:「暗いよー?」

レニアス:「きゅ、きゅきゅ~?」

 

海音:「………あぁ」

 

アルイル:「昨日の夜、何かあったのですか……?」

 

海音:「…………お前らには関係ねぇよ……」

海音:「ああ………そうなんだよ」

海音:「……」

 

アルイル:「そんなことありません、一緒に暮らす仲では、ありませんか……!」

アルイル:「何か、悩みがあるのなら……」

 

海音:「いいからっ!」

 

アルイル:「……ッ!!」

 

海音:「………ごめん、お願いだ……今は放っておいてくれ……」

 

キヤ:「か、カイネちゃん、言いすぎだよ!?」

ミンツ:「……キヤ」

キヤ:「……」

アルイル:「……」

 

海音:(一度寝たって、頭の中はぐちゃぐちゃで何もわかんねぇよ………ちくしょうっ!)

 

イクト:「急でごるが、テレポートで失礼するでござる!!」

イクト:「リ、リリシャ氏は、来ていないでござるか……?」

アルイル:「リリシャ? いえ、要塞の医務室にいるのでは?」

イクト:「それが……」

イクト:「居なくなったのでござるよ……」

 

海音:「……っ」

 

イクト:「いまトウヤも、マサ氏も探し回っているでござるが……!」

キヤ:「リリちゃんが? どうして?」

 

海音:がたっっと急に立ち上がります

 

ミンツ:「カイネ!」

 

海音:「あいつっ…バカ!」

海音:外に走り出します

 

キヤ:「……何か知ってるのかな?」

アルイル:「き、キヤ?」

 

 

================================

 

 

海音:「くそっ……こんぐらい予想は出来ただろうがっくそ野郎がっ!」

海音:「アイツが優しいのに罪悪感を感じない?馬鹿じゃねぇのか!?」

 

キヤ:目の前に人よりも倍の大きさのドラゴンが立ち塞がります

 

海音:「自分でも見ようとしてるって感じただろうがっ」

海音:「どけぇぇぇ!!」

 

キヤ:「いやだ!」

レニアス:「きゅ!」止めに入ります

 

海音:「っっっ!……キヤ?それにレアニスも……」

 

アルイル:「カイネ……、何があったのか、話してしていただけませんか?」

 

 キヤの背中からアルイルが降りてくる。

 

海音:「……ああ」

海音:昨日のことを包み隠さず言います

 

アルイル:「そのようなことが……」

 

海音:「………俺のせいだ……俺が……」

 

アルイル:「いえ、貴女が悪いわけではありません……」

アルイル:「ですが、リリシャが悪いわけでも、ありません……」

 

海音:「……アイツは何も悪くはねぇよ」

 

アルイル:「ええ、勿論。その通りです……」

 

海音:「ただ、独占欲が少しばかり強い女の子なんだよ……」

 

ミンツ:「だが、どうやっていなくなるんだ?」

 

叡智:推測:転移を行ったと思われます。

叡智:推測だけを伝え黙ります

 

海音:「……あいつは、ありとあらゆる魔法が使える」

海音:「おそらく転移だろう……それも自分の命を削った……な」

 

キヤ:「リリ、ちゃん……」

 

海音:「もうアイツの体はボロボロだ……アイツでさえ修復が不可能だって言えるぐらいには」

 

アルイル:「修復?」

 

海音:「……これ以上は黙秘する」

 

キヤ:「話の途中にごめん、人が集まってきてる、離れよう?」

アルイル:「ええ、勿論」

 

海音:「とにかく、まずはイクトと合流だ」

 

ミンツ:「私は街を探す。任せる」

アルイル:「……ええ」

 

海音:「アイツなら、今のリリシャだったら魔力の残滓ぐらい見えるはずだ」

 

レニアス:「……きゅ!」空高く飛びあがっていきます

 

海音:「レアニス!?」

 

レニアス:そのまま城壁の外の方へと姿を消していきます

キヤ:「追うよ!」

アルイル:「……乗って」

 

海音:「ああ!」

 

キヤ:「行くよー……!!」

キヤ:一気に空高くへと跳びあがっていきます。

キヤ:その速度は速く、レニアスにすぐに追いつきます。

レニアス:「……!!」

 

海音:「レニアス!方角はどっちだ!!」

 

アルイル:「レニアス! 当てはあるのですか!?」

レニアス:レニアスは答えることなく飛び続けます

キヤ:「本当についてきてよかったのかなぁ……?」

 

海音:「信じよう……っ」

 

アルイル:「弱音を吐かない! 責任は私が持ちます……!」

レニアス:「……きゅ!?」

エネミー?:「ギィーーー!!!」

 

 とても巨大な魔族だ。

 おそらく海音でも敵わないような……。

 

キヤ:「ひゃ!」

アルイル:「こんな時に……、ですか」

 

海音:「邪魔を……するなーー!!」

叡智:疑似崩壊起動……

 

エネミー?:「ギ、ギィ!?」浮力を失い、落下していきます

レニアス:「きゅ……!」

 

海音:「叡智……っ」

 

レニアス:「きゅ!」

 

 暫く飛んでいただろうか、だんだんと大きな山が見えてくる。

 

叡智:ここはこのファルグリーフ大陸の南端に位置する青竜の咆哮と呼ばれる山です。二つの山が重なるような土地が特徴で……

 

海音:「そんなことはどうでもいい!!リリシャの場所は!」

 

叡智:……ここの中腹部には魔法文明時代にこの大陸で最も栄えた国の王が籠っていたと云われる研究所が眠っているという伝説があります。

叡智:あくまでも、伝説ですが……。

 

海音:「そこにいる可能性が高いんだな!?」

 

レニアス:「きゅー!」

 

叡智:確率はあります

 

海音:「よし!あの山の中腹に向かってくれ!」

 

キヤ:「え、ああ、うん!?」

 

海音:「レニアスは戻って来い!」

 

レニアス:「きゅー!」

レニアス:飛び続けます

 

海音:「お前、正確な場所がわかるのか!?」

 

レニアス:ただ、速度が足りず慌てて貴女の下に戻ってきます。

 

海音:「ほら言わんこっちゃない……」

 

レニアス:「きゅー……」

キヤ:「とりあえず旋回してみるけど……」

レニアス:「きゅ……」

 

海音:「ああ、怪しいところはこっちで見つける!」

 

アルイル:「……どこか、無いのでしょうか」

 

海音:「どこだ………何処にある……っ」

海音:探索で運命確定行けますか?

 

GM:探索判定どうぞ、と言おうとしたら……

 

レニアス:コロコロ……むり。

 

海音:コロコロ……失敗。

海音:運命確定使用します

 

GM:では、転移者としての加護が発動し、運命が確立されていく……

GM:ふとあなたには見えることでしょう、小さな祠が。そこに刻まれているのが見覚えのある印であることに。

 

海音:「っ!!!あそこだ!」

海音:祠を刺します

 

GM:そこに、跪く少女の姿が……

 

海音:「リリシャぁぁぁぁ!!!!」

 

キヤ:「ま、、待ってぇ!?」

キヤ:「二人載せてると辛いんだよぉ!!」

アルイル:「どうか、耐えてください!」

 

海音:キヤの背中から飛び降ります

 

アルイル:「ちょ、カイネ!?」

 

叡智:疑似構築発動

叡智:カイネのHP+23

 

海音:羽崎 海音(かいと)のHPを23回復(HP:45->68)

 

叡智:では20mの高さから落下します。

叡智:受け身判定をどうぞ

海音:2d6+5

SwordWorld2.5 : (2D6+5) → 6[5,1]+5 → 11

叡智:59点の物理ダメージを受けます。

 

 GM痛恨のミス!!

 ここは60点のダメージが14点軽減されるのだが……。

 

海音:「ぐぅぅぅぅ!?」

海音:羽崎 海音(かいと)はHPは-59点減少した(HP:68->9)

 

キヤ:「んうーーーー!!」

アルイル:「カイネ―!?」

レニアス:「きゅ、きゅー!」

 

海音:「ぐ……」

海音:起き上がってリリシャのいた所に走り出します

 

アルイル:「カイネ!? どこ!?」

キヤ:「見失ったよ……!?」

レニアス:「きゅ、きゅ~……!?」

 

海音:「また……見捨てるもんか……!」

 

GM:では、祠にたどり着きます。

GM:祠に手作りの聖印が一つおかれています。

 

海音:「はぁ……はぁ……入り口は……何処に…」

海音:聖印に触れてみます

 

GM:この祠に刻まれた印と同じ形の聖印です。

GM:材質には見覚えがあります。

GM:おそらくリリシャの手作りと言っていたものでしょう。

 

リリシャ:ーーー テスタエキナ。崩壊神と呼ばれる。魔動機文明時代に信徒が殲滅されていたわね ーーー

 

海音:「これは……」

海音:「リリシャは……ここで祈っていたはずだ……」

海音:リリシャを見つけた時と同じ体制になってみます

 

GM:何も起きません

 

海音:「くそ……何がトリガーだ!?」

 

GM:祠は小さくみすぼらしく、これもまた手作りかもしれません。

GM:叡智が静かにそう伝えてくれます。

 

海音:どこかに入れそうな穴がないか探索いいですか?

 

GM:どうぞ

 

海音:コロコロ……どうだ?

 

GM:偶然にも足跡を見つけます。

 

海音:「っは!聖印!」

 

リリシャ:ーーー これが彼女の聖印。私の手作りよ ---

 

GM:小さな人族の足跡です。

 

海音:「この先にリリシャが……!」

海音:足跡をたどります

 

GM:足跡追跡判定をどうぞ

 

海音:コロコロ……成功!

 

GM:では、一つの施設。いえ、遺跡にたどり着きます。

 

海音:途中でトリートPは飲めますか?

 

GM:2d振って[1,1]ファンなら飲めません。どうぞ

 

海音:ファンチェ! コロコロ……成功!

海音:コロコロ……13点回復!

海音:羽崎 海音(かいと)のHPを13回復(HP:9->22)

 

 こうして海音は魔法文明時代に建てられたであろう施設にたどり着く。

 

海音:「ここが……彼女の研究所……」

海音:中に入ります

 

GM:非常に暗いです。

エネミー?:無残にも切り刻まれた死骸が転がっています。

エネミー?:3、4体ほどでしょうか

 

海音:「確かにリリシャは……この先にいる!」

海音:構わず進みます

 

 ーーー 似た境遇のあなたになら、殺されてもいいって。そう思った…… ---

 

GM:では、前が見えずらく、何があるかもわからない暗闇です。進むのは困難でしょう。

エネミー?:こんな死骸に躓いてしまうかもしれません。

 

海音:「ぐぅ!」

 

 海音は残骸に足を引っかけて転ぶ。

 

海音:「リリシャ……」

海音:素早く立ち上がって進みます

 

GM:暗いです。

 

海音:「確か……松明が……」

海音:どうぐは持ってきてますか?

 

GM:そういえば、急いできてるからな……

GM:持っていないみたいですね

GM:弓だけは勝手についてきているようですが

GM:思わず手に取ったのでしょうね

 

海音:手探りで前に進みます

 

 ーーー 魔法王であった私も、次に魔女として恐れられた私も、森に篭りきりだった私も。そして今の私も、貴女を認めているの ーーー

 

GM:では、1d6を振ってください。GMと同じとき、部屋にたどり着きます。

GM:1d

SwordWorld2.5 : (1D6) → 6

 

海音:1d6

SwordWorld2.5 : (1D6) → 2

海音:「くそ……周りが見えねぇ……」

 

 ーーー ファーストキスはもらったわ♪ ーーー

 

GM:1d6

SwordWorld2.5 : (1D6) → 6

海音:1d6

SwordWorld2.5 : (1D6) → 6

 

 ーーー ……待ってる、から。いつまでも ---

 

GM:部屋に入ると、一つのカプセルが明るく輝いており、貴女の視界に入ります。

 

海音:「…………リリシャ」

 

GM:カプセルの中に影が一つ。

 

海音:近づいてみてみます

 

GM:その影はリリシャ本人であることがわかりますね。灯りが薄く分かりづらいですが間違いないはずです。

 

海音:そっと優しく触れてみます

 

GM:薄い透明な壁がそれを阻みます

 

海音:「………」

海音:静かに涙を流します

海音:「なぁ……リリシャ………次会えるのは……いつ、になるん……だろ……うな……」

 

GM:目の前の人形が答えることはありません。

 

海音:「…………確かに……おれは……好きだったんだよ……大好きだったんだ……」

海音:「はは………今更だよな……お前が……おまえが聞いていなきゃ……意味ないもんな……」

海音:「うぁ……あああぁぁぁ………あああぁぁぁぁ……」

海音:「お前が好きだったんだよ!!」

海音:「ほんとにほんとに………うぁぁぁ……ああああぁぁぁぁあぁあ!!!」

海音:周りには何がありますか?

 

GM:同じようなカプセルが二つ。黒く、稼働していないのがわかります。

 

海音:叡智へ質問 

海音:疑似構築の上位の能力はありますか?

叡智:返答はありません

海音:代償を経ての疑似構築は可能ですか?

海音:何でもいいです

 

GM:叡智は何も答えません。

GM:ですが、スペック以上の"何か"はできないのは確かです。

 

海音:本当に何もないですか?

 

GM:ないです。

 

海音:何を犠牲にしてもいいので何かないですか?

 

GM:対価で手に入れられるものはありません。例え命でも。

 

海音:「なぁ……神様………俺が何やったって良い………リリシャを……リリシャを救えないのかよぉぉぉ!!」

 

GM:無情にもカイネの声は施設内にこだまするだけだ。

 

海音:「チクショウ………ちくしょうちくしょうちくしょー!!!」

海音:「何もないのかよ………何も………何も………」

 

 

================================

 

 

 街。トウヤが走り回ってリリシャを探すも一向に成果はない。

 

 そんなトウヤにイクトが駆け寄る。

 

トウヤ:「イクト、なんだ。リリはいたのか!?」

 

GM:イクトは街を駆けずり回るトウヤに声をかけるも怒鳴り声で委縮してしまう。

 

イクト:「い、いや、トウヤ。その……、見つけた物があるんだ」

トウヤ:「もの? そんなのはいいんだ、本人を、リリシャ見つけてくれよ……!」

イクト:「……これを見て考えるでござるよ」

 

GM:これは、どうやら誰かに宛てた手紙の様だ。

 

 

 愛しき人へ

 

 これを読んでいるころには私は居なくなっているはず。

 不謹慎ね。ごめんなさい。

 なぜこのようにしてしまったのか。

 それは私がわがままだったから。

 魔法王とか、魔女だとか、森の賢人だとか。

 そんなもの関係なく。

 私がわがままで、好きでどうしようもなくなったから。

 独占欲で溢れ、醜く、自分を殺したくなるほどだった。

 でも死んだらあなたがきっと悲しむだろうから。

 どのような形でもいい、私は元気で再びあなたに出会えることを切に願う。

 ===、========。

 あなたに幸せが訪れますように。

                 リリシャ

 

 

トウヤ:「なんだよ、なんだよ、……これは!」

 

 思わず涙が溢れ、止まらなくなる。

 それは自分に対する無力感か。

 

トウヤ:「救えねえ、じゃないかよ……、手遅れって言いたいのか!? イクト、お前は!?」

イクト:「そうじゃない、けど……、でもあるなら見せなきゃって……」

トウヤ:「……畜生、くそっ……!」

イクト:「拙者は一度カリア指令に報告してくるでござる」

トウヤ:「……」

 

 トウヤはその場に立ち尽くしていた。

 

 




見直して一言

PL:……!

GM:泣いてる……!?


というわけでこのリプレイは一区切り!
次回は1時間後!
とても短い後日談ですが、読んでいただけるならうれしいです。


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第一期『わがまま』 エピローグ

GM:では、あの事件から3日ほど経過しますね

 

トウヤ:choice[見せる,見せない] あの手紙を……

SwordWorld2.5 : (CHOICE[見せる,見せない]) → 見せる

 

GM:あの手紙を3日のうちにあなたは読ませてもらえました。

 

海音:「…………」

海音:顔から感情が何も無くなったような顔をします

 

GM:そっとしてもらえますね。

 

海音:「…………」

海音:改めて、もう一度手紙を読みます

 

 

 愛しき人へ

 

 これを読んでいるころには私は居なくなっているはず。

 不謹慎ね。ごめんなさい。

 なぜこのようにしてしまったのか。

 それは私がわがままだったから。

 魔法王とか、魔女だとか、森の賢人だとか。

 そんなもの関係なく。

 私がわがままで、好きでどうしようもなくなったから。

 独占欲で溢れ、醜く、自分を殺したくなるほどだった。

 でも死んだらあなたがきっと悲しむだろうから。

 どのような形でもいい、私は元気で再びあなたに出会えることを切に願う。

 ===、========。

 あなたに幸せが訪れますように。

                 リリシャ

 

 

海音:「………?」

海音:叡智に質問

 

GM:なんでも頼るな、叡智はただの知識です

 

海音:「……この消された字はなんだ?」

海音:筆跡から読み取ることは出来ますか?

 

GM:いえ、上からぐちゃぐちゃに書かれて消されているので判別は難しいでしょう

 

海音:「……元気に出会えることを……切に願う……か……」

 

GM:最初と、最後の文字は何とかでしょうか

GM:最初が"た"みたいななにかと最後が確実に"う"です

GM:後はセージ知識で判定できますが完全に読み取るのは不可能でしょう

 

海音:行けますか?

 

GM:完全には無理ですが、ある程度なら

GM:まず最低の目標値が12です

 

海音:2d6+5

SwordWorld2.5 : (2D6+5) → 4[3,1]+5 → 9

海音:時間をかけてなら、読み取れますか?

 

GM:セージがなければ難しいでしょう。自動成功による成功は+6ルールに従います。

 

海音:2d6+6

SwordWorld2.5 : (2D6+6) → 4[2,2]+6 → 10

海音:2d6+6

SwordWorld2.5 : (2D6+6) → 5[4,1]+6 → 11

海音:2d6+6

SwordWorld2.5 : (2D6+6) → 6[4,2]+6 → 12

 

海音:出目低い……。

 

GM:言い忘れてたけど最初の所要時間が10分です

GM:再判定ルール適用で1日かけて読み解きます

GM:===、========。だったものが

GM:だ==、ま==い===う。であると分かります

 

海音:……!! よめ、……たぁ!!

 

 簡単すぎたか。

 

海音:「ぁ……ああ……あああぁぁぁぁぁぁ………」

海音:「リリシャぁぁぁ………」

 

 読者の皆様はお分かりいただけただろうか。

 簡単なので答えは書きませんが、そう言うことである。

 

海音:「………やる」

海音:「絶対に………また助けてやる……っ!」

海音:「また会って………今度こそ…今度こそ本人に………大好きだって、伝えるんだ……」

海音:「あんなカプセル越しじゃなくて……直に触って」

 

GM:と言うわけでTRUEの道を踏みしめるカイネちゃんなのだった。まる。

 

 第一期『わがまま』 完




見直して一言

PL:TRUEってなんだよ。

GM:知らね。


ここで第一期は完結です。
次は第二期に入るのですがゆっくりとセッションを進めていますのでキリがいいところでまた投稿を再開したいと思っています。
情報不足なリプレイでしたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!


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