魔王の右腕がヒーローに (高笑いする混沌)
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卿異世界へ

はい、ついにやっちゃいました。だって、卿がカッコいいから是非もないネ!

まあ、楽しんでくれたら幸いです。

増えろ卿もの!!


「てことで、ちょっと異世界行って来てくれよ」

「しょっぱなから、何言ってんの!?」

 

そんな、「ちょっとコンビニ行ってきてくれよ」みたいなノリで異世界に行かせようとしてくるのは、我らが神殺しの魔王様。南雲ハジメ。

 

対してツッコミを入れているのはクラスメイトから「何気に最強格」とまで言われている暗殺者。遠藤浩介。何故こうなったかというと。少し遡ること数分前。

 

いつものようにグラント家のみんなで朝食を食べたり、突撃してきた駄ネッサの相手をしていると突然携帯が鳴りだした。

 

「悪い、電話だ、...なんだ、南雲か。ああ、今エミリーの家にいるぞ。...わかった。今からか?ああ、了解。 じゃあな」

「なんだって?」

「また、頼みごとですか?」

そう聞いてきたのは"ベルセルク事件"で、浩介が助けた、お猫様のような目をしている白衣っ娘エミリー・グラント。もう一人はクールな見た目をしているが中身がオタクの捜査官、ヴァネッサ・パラディン。

 

「まだ、分からん。急に家に来いだと」

 

そう答えて、宝物庫Ⅱから劣化版クリスタルキーを出して、

 

「ちょっと、行ってくるよ」

 

言うないなや、何もない空間にまるで鍵を開けるようにクリスタルキーを差し込み捻る。すると、最初から有ったかのように両開きの扉が現れてひとりでに開く。

 

「相変わらず、よくわかんないわよね、それ」

「博士、こういのは考えたらダメなんですよ。感じなきゃ」

 

二人が言う通り、目の前に突然扉が現れたら普通の人間は正気を疑うだろう。某青いたぬきのド○でもドアーのようなものが目の前に現れたら。 しかし、これを作ったのは未来の人間ではなく、魔王である。何気にその魔王なら某アニメの再現が出来なくもない。「はい、クリスタルキ〜」(だみ声) それは、置いといて。

 

 

〜南雲家〜

 

クリスタルキーを使い遠藤が南雲家に着いた時、家には、南雲ハジメとその最愛の吸血姫ユエの二人しか居なかった。

 

「おう、来たか」

「ん、遠藤久しぶり」

「ああ、久しぶり。ってほどでもないっすけどね。で、今日は何の用なんだ?」

 

そう聞くと、返事はすぐ帰ってきた。

 

「俺は思う、最近何やかんやで異世界に行くことが多い。そこで、未知の脅威に出会うこともあった。...てことで、ちょっと異世界行って来てくれよ」

「しょっぱなから、何言ってんの!?」

 

ということで冒頭に戻る。

 

「つまり、だな異世界には俺達が知らない技術やら、能力やらがあって、それを盗ん ゲフン、掻っ払って来て欲しいんだよ」

「全然誤魔化せてないし、言い直す必要も無かったよね!?今!?むしろ悪くなってるからね!?」

 

ようするにこの魔王は未知の技術やらに興味が湧いたようで異世界に行ってそこでスパイもどきをさせようとしているのだ。

 

「なら、南雲が直接行けばいいだろ?」

「それも考えた。しかし...安全かどうかも分からないところにいきなり行くのはハードルが高い。ということで誰かが安全を確認した後に行く事にした。そこで、白羽の矢が立ったのは信頼しているアビスゲート。君なんだよ」

「アビスゲート言うなや、で、本音は?」

「俺ばかり異世界に行ってるからたまにはおまえも行ってこい」

「妬みかよ!?魔王がみみっちいぞ」

「うっさい。まあ、それだけじゃないぞ?信頼してるってのは本当だぞ?」

「ん..遠藤なら必ずやってくれる」

 

 

 

そう、ニヤケながら魔王は言う。隣の吸血姫も似たような事を言う。それもそのはず過去にも、魔王の頼みごとを成し遂げて自他共に"魔王の右腕"名乗るほどに認められている実績があるからこその指名だった。遠藤は諦めたかのような溜息の後、質問をした。

 

「はぁ、で、その異世界ってどんなとこなんだ?」

 

魔王は少し意外そうな顔をしながら言った。

 

「へぇ、今回ばかりは流石に断わると思ったが、少し安心したわ」

「何言ってんだ、俺がお前の頼みを断らないの知ってるくせに」

「それもそうか、さて、今回行って貰うのは個性とやらが溢れている世界だ」

 

遠藤は少し首を傾げた。個性なら今も充分に溢れているが?魔王の嫁〜ズはもちろんのこと、ウサミミの狂戦士。服屋の漢女。八重樫雫を義姉とするソウルシスター、ね、個性的でしょ?

 

「個性ってのはそういんじゃない。なんつーか?突然変異で火が吹けるようになりましたー、とか、隣の人が寄○獣みたいな奴でしたみたいなかんじの世界」

「何それ怖い」

 

恐怖に慄きながら呟いた。それもそうだ、いきなり隣の人の顔が開いてバクッされる世界なのだ、割と本気で不安になった。

 

「まあ、詳しくは向こうで調べてくれ。それじゃ、行って来い。報告とかはスマホでできるからな」

 

「本当に万能だなこのスマホ。わかった。向こうに着いて落ち着いたらまた連絡するわ」

 

そう言い魔王は異世界へのゲートを開く。そこに、遠藤が入りしばらくするとゲートが閉じた。そして、魔王はふと、思い出したかのように呟いた。

 

「やべ、あいつに"体が中学生ぐらい"になること言い忘れてた」

「ハジメ、うっかりさん」

 

まあ、なんとかなるだろうと魔王は気にしなかった吸血姫は遠藤に少し同情した。

 

かくして、世界一影が薄い暗殺者は異世界に渡った。これからどのような物語が紡がれるのか、それは神ですらも知らない。

 

 

 

 




今まで読み専で、卿ものが少ないなぁと思いないなら作ればいいと、思いやっちゃいました。(^^)

感想などがあると励みになります。


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卿の入学試験


皆さん久しぶり!?


今回は少し、卿を入れたいなって思って。


誤字報告、感想待ってます。(^^)


それじゃ、どぞ!


 

まず、ゲートをくぐって見えたのは何処かのリビングだった。取り敢えず南雲に連絡するかと思い、ポケットのスマホを取ろうとするが少し違和感を覚えた。

 

(あれ?なんか、服がダボついてる?てか、俺の手ってこんなに小さかったけ?)

 

その後、急いで洗面所に行き鏡で確認すると、いつも見慣れている顔が少し幼い。服もやはりサイズが合わず、背も縮んでいた。

 

「どうなってんだ!?なんで縮んでんだ!?変な薬飲んだ覚えなんてないぞ?...そうだ!南雲!あいつなら、なんか知ってるだろ!」

 

慌てて、スマホを取り南雲に連絡を取る。

 

「おい!南雲!これはどう言う事だよ!?ここどこだよ!なんで縮んでんだ!説明しろ!」

 

画面の向こうではやっぱりか、という反応が返ってきた。

 

「説明するから落ち着け。まず、何故縮んでるかというとだな、...これから、雄英って、とこに受験して貰うからだ。」

「受験!?聞いてねぇよ!」

「そりゃ、今行ったからな」

「なんで、そこに行かなきゃならないんだ?」

「そこは、倍率がクソ高い。だから、粒ぞろいがいると判断したんだよ」

 

確かに、そこには優秀な人材が集まるよなぁ。でも、俺に行けるか?(医大受かってます)

 

「まぁ、お前なら大丈夫だろ、あとそこは、仮住まいだ。そこで生活してくれ、だいたい揃ってるはずだ。通帳とカードはそこの机の上にあるだろう?毎月振り込まれるようにしてあるから安心して使えよ。さて、これぐらいか?また何かわからない事があったら、そのスマホで調べればだいたい分かるはずだから。んじゃ、ガンバ」

「ちょまっ、てっ、切りやがった。」

 

取り敢えず、通帳を確認してみる。桁がちげぇ。これ、散財してもいい金なのかな?ヤバイ金じゃないよね?...ま、まあ大丈夫だろ。次に雄英について調べてみる。

 

「ヒーロー?ヴィラン?なんじゃこりゃ?」

 

知らない単語が出たのでそれを調べてみる。そしたら、ヒーローが職業となり国からお金を貰ってた。なにこれ、子供の夢壊してるやん。今の心境はニチアサの特撮ヒーローの真実を知った時ぐらいの衝撃だ。そして、ヴィランとは個性を悪用して暴れる犯罪者の総称で、ヴィランを捕まえるのがヒーロー、警察は受け取り係と揶揄されていた。個性の無い一般人もいるようでそれらは無個性と呼ばれてイジメにあっているらしい。それを見て、かつての南雲ハジメの事が頭によぎる魔王になる前は、無能と言われていた南雲が今では世界最強なんて呼ばれてるんだからなにがあるかわからないもんだなぁ。

 

「あの最終決戦やミレディG、魔王に比べたら、楽勝じゃん」

 

取り敢えず、スキルの確認と、ズレを直さないとダメだよなぁ。

 

「よし、技や魔法は問題なく使えてる。魔力もある。けどなぁ、やっぱりズレがあるんだよな」

 

よし、考えても仕方がない。気分転換に街を散策するか。

 

 

しばらく歩いていると、様々な見た目の人がいた。トカゲみたいな見た目の奴、腕が複数ある奴、トータスでさえ見た事が無い異常性だった。今更ながら自分の個性。名前どうしよう?

 

キングクリムゾン!!

 

 

あっと言う間に受験当日!今、雄英の門の前に来ている。

 

「改めて見るとやっぱでかいなー、コレ全部雄英?金掛かってるなー」

 

そのまま、講堂に向かう。途中で、受験票を係に見せたが、スルーされた。な、泣いてねぇし、最近、コンビニの自動ドアに完全に反応されなくなって、他の人が来るまで入れないなんてことなんてねぇし(震え声) その後、何とか気づいて貰えて、無事にたどり着くことが出来た。そのとき、浩介の目から汗が流れていた。

 

『今日は、オレのライブにようこそ!!エビバディ、セイ、ヘイ!!』

 

シーーーン

 

『コイツは シィヴィ〜!!受験生のリスナー! 実技試験の内容を簡単にプレゼンするぜ! are you ready!』

 

シーーーーーーン

 

『それじゃあ説明するぜ!入試要項の通り!リスナーにはこの後!10分間の[模擬市街地演習]を行なってもらうぜぇ!プレゼン後は各自指定の演習場所に向かってくれよな!OK⁉︎』

 

シーーーーーーーーーーン

 

『演習場には[仮想敵]を三種、多数配置してああり、それぞれの[攻略難易度]に応じてポイントを設けてある‼︎各々の[個性]で[仮想敵]を行動不能にし、ポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ‼︎もちろん他人への攻撃等アンチヒーローな行為はご法度だぜ⁉︎』

 

まあ、そうだよな、他人の邪魔をするヒーローとか嫌だよね。

 

「質問よろしいでしょうか⁉︎」

 

眼鏡の人が声を上げた。見るからに、眼鏡だ。

 

「プリントには四種の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰の雄英において恥ずべき痴態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座定しているのです‼︎」

 

眼鏡の人がそう言ったので俺はプリントに目を通すと、確かに仮想敵は四種記載されていた。

 

(どう言うことだ?)

 

「ついでにそこの縮毛の君‼︎さっきからボソボソと…気が散る‼︎物見遊山のつもりなら即刻ココから立ち去りたまえ!」

 

 

『オーケーオーケー。受験番号7111番くん、ナイスなお便りサンキューな!四種目の敵は0ポイント!そいつはいわばお邪魔虫!スーパーマリオブラザーズやったことあるか⁉︎あれのドッスンみたいなもんさ!各会場に一体所狭しと大暴れしている[ギミック]よ!』

 

スーパーマリオブラザーズ!?この世界にもあったんだ。

 

『俺からは以上だ!最後にリスナーに我が校の校訓をプレゼントしよう!かのナポレオン=ボナパルトは言った!

「真の英雄とは自身の不幸を乗り越えていくもの」と‼︎

Plus Ultra‼︎それでは皆良い受難を‼︎』

 

 

一通り説明を受けた後、それぞれのバスに乗り込み試験会場まで行く。降りたら、一つの街ぐらいの広さがある会場に着いた。

 

(でけー!?金掛かってるなー)

 

キョロキョロ周りを見渡して、落ち着きのないように見える浩介であるが、"既に敵の位置"は、軒並み把握していた。

 

(あそこの建物の裏、それに、柱の影に一体、..近くに居るのはそれくらいかな?)

 

そして、いつでも攻撃出来るように苦無を構える。

 

『はいスタート』

 

その言葉が聞こえた瞬間、『縮地』を使い誰よりも速く標的に向かい動いた。最初に柱の影に居た一体を苦無で倒す。

 

(強度はイマイチかな、体術でも十分に倒せる。これでグリムリーパー並みの強度だったらやばかった。)

 

なお、グリムリーパーとは魔王、南雲ハジメが制作した兵器で、神の使徒ともやり合える魂なき鋼鉄の死神達。コレと真正面からやり合った、使徒達は泣いていい。なにせ、自重しなくなった魔王の兵器。超電磁砲(レールガン)、ペンシルロケットなどが搭載されているのだから...

 

 

『ヘイ、ヘイ!どうした!?実戦じゃカウントなんてねぇーぞ!!ホラ走れ!走れー!際はとっく投げられてるぞ!?って、もう仮想敵を倒してるヤツがいんぞ!急がねーとポイントがドンドン無くなっちまうぞ!』

 

その言葉と共に、出遅れた受験生達が慌てて走り出すが、ーーすでに浩介は街の中心部にいた。

 

「闇の波動は、全てを浸蝕する――“羅刹の魔手”(深淵に触れること叶わず)」

 

そして、向かって来た仮想敵は冗談のように吹き飛んでいく、たった今2Pの仮想敵を倒したところだった。

 

「ふむ、コレだけで、十分だな」

 

指貫グローブ型アーティファクト“再臨と拒絶の羅刹黒手”を見つめながら呟いた。

 

「では、行くとするか」

 

目の前に迫る機械の群れを前に浩介。否、卿が不敵に「ふっ」をすると異世界で初めてとなる名乗りを上げる。

 

仮想敵達は「なんか、わからんけど攻撃しろ!」と言いたげに一斉に仕掛けてきた。

「俺こそ、奈落の底より生まれた神殺しの魔王の右腕にして、影! 深淵より出でし、闇よりなお深き闇! さぁ、この忌み名、その魂に刻め!――疾牙影爪のコウスケ・E・アビスゲート。いざ、参る!」

 

卿が名乗りを上げて攻撃を仕掛けている一方では...

 

 

ーー教師サイドーー

 

 

試験が行われている最中、別室では、「今年は粒ぞろいだね。」と一人の教師が言った。それに同調するように他の教師も口々に褒めるなか。一人の無精髭を生やした教師は一つのモニターを注意深く見ていた。

 

(この受験生だけが、スタートの合図に反応した。それに、仮想敵が何処にいたのか"最初から分かっていた"かのような動きをしていた。それに)

 

そこには、仮想敵相手に無双している卿が映っていた。

 

「どうした!イレイザー!なんか気になるやつでもいたか?」

「マイクか、ちょっとコイツをな」

 

「あっ!コイツか、オレのスタートに唯一反応したリスナーだな?」

 

「ああ、コレ見て何か気づかないか?」

 

「いや、ただ実戦なれしてるなぁ、としか」

 

(それが、一番おかしいんだがな)

 

「まぁ、それもこれからが本番なんだけどな!」

 

そう、言うとヤル気スイッチと書かれたボタンを押した。

 

 

 

ーー卿サイドーー

 

ドンッ!と大きな音がした。ん?と、卿が振り返ると見上げる程の巨大な仮想敵がこちらを見下ろしていた。周りにいた受験生達は、巨大な仮想敵の反対側つまり、"逃げだした"。

 

(おい、おい!?ヒーローが逃げちゃダメでしょ。)

 

卿が呆れていると、一人逃げ遅れた受験生がいた。

 

「おいっ!何してる!?お前も速く逃げろ!」

 

「何って、アレの相手をしようとしているところだが?」

 

「馬鹿か!アレは0Pのギミックだぞ!?それに、あんなデカイやつどうやってたおすんだ!?」

 

「お前、それでもヒーロー志望か?勝てない?意味がない?そんな理由で逃げたなら、後ろの守るべき人はどうなる?」

 

受験生はハッ、とした。そうだ、自分が憧れたヒーローは、逃げていたか?否、断じて否!決して背はむけず、むしろ笑いながら向かっていったじゃないか。

 

「それでは、俺は行くとしよう」

 

その声に受験生は顔を上げた。すると、目に入ってきたのは不敵に笑う卿の姿だった。"ああ、これは叶わないや"。受験生は諦めと共に一種の清々しさを感じた。こう言うやつがヒーローと呼ばれるのかと。ならば、最後に自分にも出来ることをしよう。

 

「ああ、頑張れよ。"ヒーロー"」

 

その言葉を背に卿は飛んだ。圧倒的な脅威に向かい、そして...

 

「さあ、木偶の坊!懺悔の時だ!」

 

サングラス入りま〜す。ちょっぴり卿モードが深くなった卿はサングラス型アーティファクト"天眼"をくいっとした。そして、キレッキレッのターンをして、攻撃に入る。まず、振り上げてきた腕を避けてその上に乗り、頭部に向かい走り出した。そして、飛び上がり、頭に向け、蹴りを入れる。

 

「重墜焔撃脚!!」(深き闇に堕ちるがいい)

 

重力魔法と火炎魔法を纏った真横からの水平飛び蹴りをくらい0P敵は頭部を吹き飛ばし倒れたのを最後にタイムアップとなった。

 

 

 

 

「ハリボーだよ。ハリボーを食べな、怪我人はいるかい?おや?君は大丈夫かい?」

 

リカバリーガールの視線の先では...「また、卿になっちゃったよ、最近、卿になる事に慣れちゃってる自分がいるよぉ。」そこには、体は無傷、心に深刻なダメージを食らっている浩介の姿があった。それを、見ていた一人の受験生は。「あの時の感動は、幻だったのかなぁ〜」と首を傾げていたとかいないとか、何はともあれ。

 

 

 

試験終了!!

 

 

 

 

 

 

 

 





やっぱむずいわ〜、卿っぽくない。

卿の技なんかいいやつある?



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卿、クラスメイトと会う

すいません(汗)

FGOやクソ猫のイベントに追われてましてね、ノッブがふつくしくて誰だお前ってなってました。

最近、エルメロイⅡ世もいいかな、と思い始めた今日この頃です。数ヶ月ぶりの更新、待ってくれていた人お待たせしました。では、どぞ。


姿見の前で真新しい制服に着替える、パリッとのりがきいていて否が応でも自分が新入生だと自覚する。我らが魔王様に異世界に送られて

早、数週間。ついに入学式の日になりまして、まぁ、その前に合否の発表だったり、ウサ耳の嫁を筆頭に嫁〜ずが遊びに来たり、いきなり異世界に行ったことで怒られたり、南雲の愚痴を聞いたりといろいろと忙しかったが、

 

「制服を着るとやっぱり慣れないなぁ」

 

「まぁ、コウちゃんは卿の衣装が一番似合ってるからね!」

 

そんな、浩介の愚痴に対して答えたのが、浩介の一番の嫁と自称する。疾影のラナインフェリナ・ハウリア。又の名をただのラナさん。

 

神話大戦、後にそう呼ばれる。まさに、人類の存亡を賭けた戦いで出会ったウサ耳のお姉さん。そこで、浩介は恋に落ちた。右葉曲折を得て、ゲットした。初めての恋人兼嫁である。

 

「まぁ、着ていくうちに慣れてくさ。さてと、そろそろ行ってくるよ」

 

「いってらっしゃい。頑張ってね!」

 

なんかこういうやり取りって夫婦ぽくていいなぁ。と思いながら、扉を開けて外に出る。空は澄み渡ってどこまでも蒼い。まるで今日という日を祝福しているようだった。

 

 

「ここが教室か...さて、クラスメイトはどんな奴がいるんだろう?」

 

不安と期待に胸を膨らませながらドアを開ける。

 

「コラ君!!机に足をかけるんじゃない君には高校の品格を守っている先輩方や苦労して机を製造して下さっている制作者方に感謝の気持ちが無いのか!!」

 

「思う訳ね~に決まってんだろ。どこ中だよ端役が!!」

 

パタン、直ぐにドアを閉めた。あれ?教室間違えた?でも、1ーAて書いてあるし、あるぇー?浩介は混乱した。もしかして雄英はヤンキー校なのではないかと思い始めた。が、そんなはずはない。覚悟を決めてもう一度ドアを開ける。

 

「ぼ..俺は私立聡明中学出身、飯田 天哉だ」

 

「聡明ぃ~?糞エリートじゃねえか、ぶっ殺し甲斐がありそうだなオイィ!!」

 

「ぶっ殺し甲斐?!君の物言いはなんて酷いんだ。本当にヒーロー志望なのか?」

 

また、閉めそうになるがなんとか堪える。座席を確認して、そそくさと自分の席に向かう。しばらくして、にわかに教室が騒がしくなった。すると....

 

「お友達ごっこがやりたいなら他所に行け」

 

廊下から寝袋から顔だけを出した男が立っていた。その風貌は余りにも整っているとは言えない、切らずに放置されている無精髭に伸び放題なぼさぼさの髪の毛、疲れ切った瞳とその周囲に刻まれた深い隈。あれはホームレスだと言われたら素直にそうと思うこと間違いないだろう。

 

「此処はヒーロー科だぞ」

 

そう言い、十秒チャージをわずか二秒で吸ってしまった。

 

「ハイ、静かになるまで八秒かかりました」

 

「時間は有限。君達は合理性に欠けるね」

 

そう言い、寝袋の中から体操服を出した。担任だと言うその男は自分は相澤消太と名乗り、これを着てグラウンドに出ろと言った。渋々着替え、グラウンドに行くとこれから、体力テストを行うと言い始めた。すると、一人の女子生徒が、

 

「テ、テストっていきなりですか!?あの、入学式とかガイダンスは!?」

 

「ヒーローを目指すならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。それは先生達もまた然り」

 

質問に対して、一蹴すると。相澤はこう続けた。

 

「個性禁止の体力テストをお前ら中学にやってんだろ。平均を成す人間の定義が崩れてなおそれを作り続けるのは非合理的、まあこれは文部科学省の怠慢だから今は良い。おい、遠藤。お前から投げろ」

 

すると、あたりお見渡しだした。

 

「オイ!遠藤いるか?まさか、来てないなんて事はないよな?あと5秒以内に返事をしなければ、除籍にするぞ」

 

なんと、初日から脅しを掛けてきた。目を見たら分かる。コレはガチなやつだ!っと周りが思っていると。

 

「すいません。ここにいます!」っと、最前列から声が聞こえた。

 

「遠藤、何処に行ってた?」

 

「いや、最初からいましたよ?!最前列で説明を聞いてました!」

 

(そんなはずはない、俺はこれでも現役のプロヒーローかつ、気配を読むのは得意だ。なのに見つけられなかっただと?)

 

相澤は、疑問は置いておいて先に進めることにした。

 

「まあ、いるのならそれでいい。では早速やってみろ」

 

(身体強化をして、よし!)

 

助走を着けて、腕を大きく振りかぶり投げる!

 

ゴォ!!

 

大きな音を立てながらボールは斜め上に行き良いよく飛んでいく。

 

「記録。852m」

 

「なにそれ面白そう!」

 

「さすが雄英!」

 

「さすがヒーロー科!」

 

「"面白そうか...よし、最下位のものは除籍処分とする」

 

突然だが、あっさりと言われた言葉に理解が追いつかず、意味が分かるまで数秒を要してしまった。理解したと同時に困惑の叫び声を上げた。

 

「はあー!?入学初日だぞ!?それで除籍?!」

 

「入学初日じゃなかったとしても理不尽すぎる!?」

 

まる顔の女の子が叫ぶが相澤先生は冷静に告げた。

 

 

「…自然災害…大事故…身勝手な敵たち…いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる。そういう理不尽ピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから三年間。雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。”Plus Ultra”さ、全力で乗り越えてこい。」

 

確かに、"ヤツ"らは此方の事情など考えてくれない。コンビニ行く気軽さで滅ぼして来る。理不尽を跳ね返すには力が必要だ理不尽に理不尽を返すような圧倒的な力がそうして、かつての魔王は理不尽を殺した。これを乗り越えられない様なら魔王の右腕は名乗れ無い。

 

「やってやろうじゃないか。その受難乗り越えて見せよう。」

 

少し、卿になりかけながらテストに望む。

 

......このす(言わせねぇよ!?)

 

「時間がもったいないから一斉に掲示するぞ。」

 

順位が映し出された。2位だった。いや、そりゃ頑張ったよ。でも、万力やバイクには勝てんわ。

そして、...最下位の緑のモジャモジャ頭の男の子が死にそうな顔をしている。大丈夫か?

 

その後、合理的虚偽によりなんとかなった。

 

この調子で大丈夫か?

 

 

 

 

 

 

 



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