よくある異世界転生 ドライアドに転生したった (アルミ缶の上にあるミカン)
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よくある異世界転生 ドライアドに転生したった
いやー、まさか俺が異世界転生するなんて思わなかったわ。
しかもドライアド(木の精)なんてな。
転生したと気がついた時は森の中だし、体は動かせないわで絶望しかなかったよ。
そんな状態でも何十年か経てば慣れるもんだな。
今じゃあ楽しみもあるし、スローライフと思えば・・・。
おっ、そんな思索に耽ってたらお目当ての物が来そうだ。
ここは只の森の中と思っていたが成長したら山の中腹だったらしい。
樹高が伸びて、木々の合間から森を一望できるんだ。
そしてお目当ての物、木々の葉を揺らしながら風がこちらに吹いた。
んんん、ぎもっぢぃいいいぃぃぃ。
俺は風と一緒に雄しべのある枝を揺らし花粉をばらまいた。
樹齢を重ね、数年前から花粉を蒔けるようになった楽しみが、これ。
雄しべはあれだ、男の大事なとこ?息子?っていうか生殖器?
花粉蒔くのめっちゃ気持ちいいわー。前世にも負けない感じ?
しかも森の中で全裸、圧倒的な開☆放☆感。
また風がキタキタキター。
うおおおぉぉぉ(ばっさばっさ)。
ーどこかの城ー
「はーっくしゅん!!ええい、毎年この季節になると流行る、くしゃみや目のかゆみが出る季節病の薬はまだできんのか!!」
「王よ魔導師達が最優先で研究しております。もう暫くのお待ちを・・・。はくちゅん。」
「それでは次!!うちの妻や姫を孕ませた下手人は見つけたか?はーっくしょん!!」
「くちゅん。失礼、それにつきましては衛兵、冒険者総動員で探索中です。城下でここ数年父親の分からぬ子を身ごもる女達が急増している現象との関連も考慮し、捜査しております。は、は、はくしょん!!」
その時、勢いよく会議室のドアが開かれた。
「王よ!!吉報でございます。季節病の原因と下手人が分かりましたぞ。ごほごほ。」
「でかした!!うちの可愛い娘に手を出した不届き者は、生きてる事を後悔させてくれよう。はーくしゅん。それで原因と下手人は?」
「はっ、ごほっごほつ。原因は魔物の花粉でございます。目に見えないほど小さな花粉が男に付くと奇病に、女に付くと奇病と子宮を目指し移動し、子を孕む様でございます。げふん。尚、この季節のみ流行る事から対象は王都に向かって季節風が吹く西の山だと思われます。」
「なんと!?その様な魔物が・・・。将軍!!王都の守りは最小限でよい、全軍と冒険者を・・・は、は、はーっくしょん。」
「了解です!!出陣じゃぁぁぁ。皆の者、我に続け-!!」
ー数年後ー
・・・そして俺は軍と冒険者に波状攻撃され、根っ子まで燃やされ、ばらばらにされたらしい。
え?今、話しているのは誰だって?それは・・・。
「王子。部屋に居られますか?姫様が探して居ますよ。」
「うん、わかった。すぐに母上の所へいくよー。」
そう、ドライアドの俺は死んだが俺の花粉の子達へ意識が移せたんだ。
某ミカサシリーズじゃないが数万人の俺が並列に意識を共有して、この国に居る。
生まれた時は殺されそうになったり、実際に殺された俺も居た。
特に未婚で幼い姫から生まれた俺は真っ先に無かった事にされそうだったが、姫の必死の嘆願でなんとか命を繋いだ。
しかし成長するにつれ、物事を並列に数万倍の早さで習得できる事で今は神子の世代と呼ばれている。
些細な問題はあるがこのまま成長すれば、今は小さいこの国が一気に大陸有数の国家へと成長するだろう。
それまでは今暫くモラトリアムの期間を過ごすとしよう。
「あっ母上!!お呼びですか?」
そんな訳で必死に助命してくれた、未だ若すぎる母上は慕っているし頭が上がらない。
むしろやっとJK歳になりそうな・・・おっと、げふんげふん。
俺は煩悩を捨てて素直に全裸で母上に抱きついた。
「もう、何度言ったら分かるのです。ちゃんと服を着なさい。貴方は優秀なのにこれだけは昔から言う事を聞かないんだから・・・。」
「はーい・・・。城下では裸の人が一杯居るらしいのになー。ちぇ。」
「こーら、私の可愛い王子様。それは下々の人だから許されるのです。」
「わかってるってば!!ほらっ、ちゃんと服を着たからまた一緒に寝てくれる?」
「まったくもう、何時までも甘えてはいけませんよ。お父様には内緒ですからね。」
「大丈夫!!お母様と一緒に居られるならなんでもするからー(ぐへへへへ)」
こうして裸族の性癖が付いた俺たちは順調に成長していった。
ー大陸史xxxx年ー
その年、隙あらば脱ぐ裸の王、裸王の裸の軍により大陸を統一。
裸王と敵国将軍との一騎打ち、「俺の裸の剣を切って見ろ」が演劇になり大陸ベストセラーを記録。
尚、裸王が裸になる度、その母と嫁に折檻されていた事から母と嫁が大陸最強との説が流れる。
さらに好みの女性に全裸でぶっかけながら告白する者が急増したが因果関係は不明。
大陸の歴史がまた1ページ Fin.
春らしい馬鹿っぽい話が見たくなってこんな話が出来ました。
春だからね。しょうがないね・・・。
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