人間擬きは異世界で静かに暮らせるか? ((´・ω・))
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第一話 転生なんて糞みたい

opEDってなんにしようか
そうだ幼女戦記持ってこよう


2019/4/30

いつものように朝8時に起きる

そういえば今日は平成最後か

 

あぁどうも。

俺は・・・・・・・やべ

本名はあれだし偽名は全部外国語ばっかだし

うん

 

私の名前は吉良吉影

なんか救急車で死ぬからだめだな

 

普通にしようか

わしの名はまぁいつもお主ら知ってるだろうし白夜さんでええやろ

いい名字思い付かんわ

青山ブルーマウンテンでいいか

嫌だめだな

 

それにしても今日は外がうるさいですねぇ

 

 

 

 

 

ガッシャーン

 

大きな音と同時に黒塗りの大きなトラックが突っ込んできた

この時俺は思った

俺の家に何突っ込んできたんだと

 

当然俺の家は改造済みたかだかトラック一台どうしたんだ

まぁなんだ、酔っぱらいの運転手には悪いが潰れて死んでくれ

俺は貴様の肉で朝食でも作るとするよ

 

 

タンスからワイングラスとそれほど古くない赤ワインを取り出す

何年かや何処産からは君たちの想像で決めてくれ、俺はあんまりそういうのわからないんだ

取り敢えず古いほうが個人的に良いとしか思っていない

 

ドゴン

と、大きな音と爆発音と共に人体が窓ガラスに張り付いていた

どうやら投げ飛ばされたのだろう

見た感じギリギリ生きてはいる

ほっとけば死ぬな

 

そう思いワインの栓を抜きグラスに注ごうとした時、重要なことを思い出した

音楽のつけ忘れだ

 

着ける音楽はそうだな。

キラー・クイーンだな

 

カチッ

うん、これでいい、今日はのんびりするか

 

おや、俺のガンプラが木っ端微塵・・・・まだあの運転手生きてるかな

 

「・・・・」

 

運転手はこちらを弱々しく見つめてはいる

応急処置を施し救急車を呼べば助かる命ではある

だが、俺は善人でも凡人でもない

悪人や野望を持った大馬鹿者の味方なんだ

運がなかったな

結局貴様はここで生を終えるのだ。

 

愉快だなぁ

やはりこの目だよ

死を悟りきったこの最後の希望にすがるあわれな目だよ。

 

 

おっと、これ以上はいけない

 

近場にあった瓶を片手でつかみ。

窓を開け死にかけの獲物を引っ張る。

 

「た・・・・・たす」

「安心してください、すぐ楽になりますよ」

 

 

そういって破片を取り除き瓶の中身をぶちまける

 

「ああああああっ!!!!!!!」

 

悲鳴か?

いいよな、この希望がなくなって絶望に染まる色

別にガンプラ壊さなきゃゆっくりあの暖かいところで寝かせてやったのに

まぁ、なんだ、遅かれ早かれ死ぬんだ、いま死ね。

 

ちゃんと楽になるように瓶の中身は薬物だ

人体の神経と過剰反応を引き起こして永続的に痛覚に刺激を与え続けるだけだ。

 

 

「ァァァア・・・・・・・」

 

糸の切れたように倒れたこの朝食の素材は倒れそのまま何も反応しなくなった

さてと、肉も確保できたし姉さんが来るまでに朝食でも作りますか

 

あ、その前に朝の一杯

 

・・・・・音楽も流れきっちまった

しゃあないもう一回だけ聞いてそれかでもいいか

 

カチッ

 

 

「・・・♪」

 

音楽が流れ終わった直後

部屋に掛けてあった刀で朝食を集めつつ周辺に飛び散った血を雑巾で拭き取りバケツに投げ入れる。

 

よし、やっぱこれいいな。

ループ再生して置いておこ

 

カチカタッ

 

 

 

切り落とした肉を縄で縛り

キッチンにむかう

 

少しだけ血がこぼれ落ちているけどいいか。

強火コンロの上にあるフライパンに肉を起き中火にしておき塩コショウやソースの用意をしておく

ご飯は昨日のあまりがあるから取り敢えずレンジで三十秒づつ試すか。

 

スマホを充電スタンドに起き、部屋の電気を着ける

そういえば今は焼酎切らしているんだったな。

姉さん焼酎好きだし絶対起こるだろうな。

 

ポケットに入っていたサブのスマホを使い、LINEを起動する。

 

 

 

爆弾魔「白」 姉さん今焼酎無いから欲しいのは自分で買ってきて、お金は後で出す

にゃる 了解☆

 

 

うわー、はえ

 

あ、やべっ、焼きすぎ・・・・・セーフ・・・・ちょっと黒いな

スマホを後ろの台に置いておき冷蔵庫からだして解凍させておいたソースをフライパンに乗せゆっくりと溶かす

ご飯の方はもういいぐらいに行けたな

 

さてと、後はどうしようか

生キャベツでエエか

 

わしもねえさんもそんな滅茶苦茶こだわってるって訳でもないし

 

 

さてと、一通りできたが暇だな

よし、ごちうさ見よう

 

 

「録画録画・・・・・やっぱやめ、まどマギだな」

 

 

BBchannel(着信音)

 

ん?

 

ピッ

 

「もしもし姉さん、酒あった?」

「あー、いやー、そうじゃなくて家まで近くにトラック突っ込んですけど」

「あっそ、裏口から入ればここ人気少ないし」

「あ、はーい」

 

 

さてと、丁度ステーキも終わったし、コップ持ってこないと

 

あ、やべ、頭とかの処理忘れた

取り敢えず布に包んで車に投げ捨てておくか

 

 

きゅきゅってしてぽーい

よし、処理完了

 

 

さてと、まどマギ見よう

 

 

 

(。>ω<)ノマミッターw

 

姉さん・・・・・

 

「姉さん、居るなら先に食べてていい・・・・・食べかけかよ」

「あぁ、うん、それなんか違う食感ね人肉?」

「さぁね、知らないよ」

「下手くそな嘘ね」

 

 

生レタスだけ丁寧に俺の分も食ってやがる

まあええか俺も食べよ。

 

 

「ねえ白」

「なに姉さん」

 

さあ来るぞこの糞姉貴の無理難題

 

「ちょっと前からいまらへんさ~、異世界転生ってあるじゃん、あれいいよね」

「そう?ガンプラも面白い番組もないし・・・・・まぁ、道化は多いな」

「だよね~」

 

なにが言いたいなにが望みだ

わからん

 

「どうしたのそんなこと言って」

「実はさ、私、一回死んで神様にあった」

「んで」

「転生させてやるって言うからアイアンクローかまして一回帰ってきた」

「そうか」

「・・・でだ、白」

「ん?」

「行こっか異世界」

「だと思いましたよはい!!逝きましょうかもうっ」

「じゃあ回収するね」

 

 

まじかよ、いま起こっていることをありのままに話すぜ

俺はなんか下らないと思いながらしてたら体から魂が抜けてお空に回収されている

超能力とかスタンド能力とかじゃねえ、もっと恐ろしい物の片鱗を味わっている。

 

 

 

 

よくある場所

 

「イタタタ帰ってきたかのう」

 

うわまじで決まってやがる、白衣に羽のおじいちゃん、よくある神様か、どうでもいいよもう考えない

 

「じゃあ神様予定通りチート能力貰うよ」

「あぁ、よいよい、そっちの男はどうだ?」

「俺?うーん」

 

別に要らんけど

暇潰しに向いたものだけでも一応もらっておくか面子とかありそうだし

 

「じゃあ制限解放で」

 

「制限解放・・・・・つまり無制限に成長し続けると言うことだな」

「あぁ、どうせ、静かに暮らすしやること無くなったときのための措置としてだ」

 

 

「・・・・・・え」

「は?」

 

「まぁ、白がそういうのはしったよ」

「え?それだけ?他のやつらなんて平然と最初から無敵とかハーレム体質とかだぞいいのか」

「いいんじゃない、人の勝手で」

「そ、そうかじゃあ、初期の契約通りお主も欲しいスタンドを選べ」

 

やったぜ

なんか話が裏で進んでるけどいいや

 

「キラークイーン一択だろ」

 

「・・・・・そのとなりのお主の姉さん複合じゃぞ」

「~♪」

「・・・・・別にいいよ、キラクイだけで実質三つだし・・・・成長性Aだし」

「ま、まあいいじゃろう、ほれっ、終了じゃ」

 

ん?姉さんの気配が変わった?

「白」

「・・・・・なるほど」

 

 

「はぁーよかった、もうすぐ消えるお前らに言うけどな、お主ら姉弟はあの世界では邪魔すぎたからな、何度転生させようと頑張っても死なないせいでどれだけ天界がそのイレギュラーに付き合わされたか」

 

さてと、お試しだ

 

ペタペタ

 

「キラークイーンはもう貴様に触れている」

「!?」

「よし、ガオンしたろ勿論時間停止中に何百回も」

 

「えーとこうか」スッ

「待て!!今わしを殺せばあの世界の70億ぐらいの人の命も」

 

 

すまんな、この糞姉貴のせいで実はストレスマックスなんだ

あとキラクイ使えることに喜びを隠せないんだ死んでくれ

 

「姉さん以外の人間がどうなろうが知ったことか、いいやもうストレスの限界だ。押すね!今だっ!!」カチッ

 

起爆スイッチを押した直後神様が綺麗に膨らんでぶっ飛んだと同時に世界がホワイトアウトしました。

これがこのくそったれだけど愉快な人生の始まりでした




次回予告!?

わしはもう関わらん
なにしようが興味ない

こんどこそ植物のように静かに暮らす

次回 白夜さんは静かに暮らしたい


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第second話 白夜さんは静かに暮らしたい

やっぱ名前のない怪物だな


白く染まっていた視界が薄れ、世界が見え始める。

重力とは実にくだらない

 

このまま落下すれば死ぬではないか。

 

そういや姉さんどこだ、座標ミスか?

まぁ良いだろう、別にただ壁掴んで窓蹴り破って入れば良いだけだしな。

 

「・・・・シアー・ハート・アタック」

 

取り敢えずなんかあったときのために出しとこ。

取り敢えずここがどこか知らないけどいいか、適当にぶらつこう

 

 

暗い廊下

ほんの少しの灯火を頼りにそれ以外の照明は無い。

時々遠くで爆発音と断末魔が反響してくる辺りまだ生命体はいるらしいがはてさてどうしようか。

 

 

「・・・・?何か踏んだな」

 

足元を確認すると人の肉だろうか、まだ新しい何かを見つけた。

傷のえぐれかたからして何か爪で引き裂かれた感じの兵士か?

よくわからんが爆破するか。

 

「うぅ・・・・・あ・・・・」

「・・・・勇者の肉盾ご苦労、この先に居るのだな」

「あ・・・あぁ」

 

 

直後唸っているだけの肉は完全に爆散し、何一つ残すものはなくなった。

あるのはランタンと小さなコインだけだ。

 

左手でランタンを持ち、ゆっくりと進む

この先で俺の平穏を乱しかねない危険分子がいる

始末しなくてはならない。

 

 

 

どの程度進んだだろうか

少しずつだが金属のぶつかる音が聞こえだした。

 

あぁ、居るな、数は5

さっさと終わらせよう。

 

扉を開け部屋にはい

そこには金の装飾に血のように赤いマント、瞳は赤く眼球は黒い、体はもはや人とは思えない異形の怪物

片や、そこには白と金をベースにした大きすぎず小さすぎない男、よくいる魔法使いな女と僧侶の男と戦士みたいな感じの全身を鎧で固めた男。

 

だがもう、シアハは左手に握られているんだ

 

「・・・・なんだその男は、貴様の仲間か?」

「・・・・いや知らない、あんなどす黒い何か、俺は」

 

話す暇があるか。

 

キラークイーンを使い思いっきりシアハを僧侶の顔面にぶつける。

「!?!?」

ぶつかったシアハはそのまま僧侶を爆破し、地面に落っこちる。

見えてないな。

 

勇者も魔王も見えていないな、うん

 

「・・・・どうした、急のさっきの人が爆発したぞ(無心)」

 

コッチオミロォ

 

「な、なんだ!?」

「貴様!!!貴様は何者だ!!そのどす黒いものはなんだ、人間ではなかろう」

 

ひでぇいわれようだ

あの頃とそう変わらないな

まぁそういう目を持ったやつを俺は始末するがな。

 

「私の名前は・・・・・うーん、ここは白夜でとおしておこうか気に入った偽名だしなうん」

 

「?」

「勇者様!!足元にへこみ・・・がっ!!」

 

あーあ、シアハ見てないせいで魔法使いさん吹き飛んで手だけになっちゃたよ。

まぁもう戦士もキラークイーンに触れられているがな。

 

「!?」

「さっきからワンパターンだな、もう仕舞いだ」

 

勇者の盾のように立たった戦士を起爆し勇者もろとも吹き飛ばし、同時にシアハをキラークイーンの左手で投げつけ魔王の心臓をぶち抜く。

 

「な・・・・がはぁ」

 

あ、爆破した。

取り敢えずこれで俺の平穏を乱しかねない危険分子は排除された。

 

「さてと、ここからおさ・・・・」

 

さすがに正義の味方は強かった。

全身に破片とかがささっているのによく立ち上がる。

 

「そら、貴様の仲間の手だ」

 

「・・・キサマァ!!」

 

「・・・最後にネタばらしでもしよう、私のスタンド『キラークイーン』は『触れたものを爆弾に変える能力』なんだ、そうだね『君のお仲間の手もだ』」カチッ

 

咄嗟に手を捨てつつ斬りかかってきたところでもう遅かった。

全身が膨れ上がり、爆発寸前の奴になにができる、ただ爆破して無に還るだけだ。

 

「シアハも回収しないとな、よいしょっと」

 

崩れた柱の下敷きになっていたシアハを左手に戻し部屋を出る。

もう、そこにあったものは一人の女性の手だけであった。




次回 白夜さんは静かに暮らしたい2


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第ドライ話 白夜さんは静かに暮らしたい2

バイツァ・ダスト版?
まぁまて


宝物庫

 

流石に魔王が消えたせいか静かになった、そしてこの大量のエリクサーよ、エリクサー病のわしですら使いまくれるぐらいあるな・・・・だがな、これをどうやってもって帰ろう。

 

金貨だけでも山のようにあるんだキラークイーンのパワーで引っ張るのは相当難がある。

布が欲しいな。

 

ん?まて、よく思い出せ。

 

 

そうだ勇者だ。

流石に勇者なら四次元ポケット的なの有るだろ。

この世界魔法あったんだし。

 

 

王座の間

女性の手が捨ててある部屋でしかないが勇者の爆破地点付近を調べる。

 

「あった、ぽっけだ・・・キラークイーン!!」

 

射程短いけどスタンドって便利だなぁ。

 

 

白は勇者の鞄を手にいれた▼

血まみれだ、あとで洗おう▼

 

 

「(ノ・ω・)ノ」

 

宝物庫

 

よし、金貨入れるか

道中に落ちていた布の切れはしや鎧や兜の破片を縄とかで結び大きな袋にして金貨や宝石をキラークイーンで引っ張って袋に積める。

 

時々宝箱があるからそれだけは部屋にポイ捨て。

 

取り敢えず金貨入れよう。

 

 

 

・・・・・入らん。

アホかいね

 

ただの鞄やないか、ラストエリクサーがパンパンに詰められただけの鞄かよ。

まさかキラークイーンでぶっ飛ばしたとき一緒にやってしまったか。

 

 

・・・どうしようか。

 

 

倉庫の箱かなんかをシアハで引っ張るか。

 

 

倉庫

・・・・確かに大きな金庫はあった、鉄製の頑丈な箱だ。

だがこっちも中身がパンパンだよ。

魔物の私物だろうか。

棍棒や斤、ナイフまであるよ。

 

全部コレクションしたいな・・・・持って帰るか。

 

 

やべ、そうなるともっと重くなってシアハ動かん。

ほんとドラクエみたいなカバンないのか。

 

 

あ。

 

 

『あなたの私物異空間で絶対管理、魔界金庫。使用料1kg/10000ペリカ』

 

ペリカwwww

 

こっちの世界じゃ高いのかな?

使用者

 

12/30魔王 お古のローブ

12/4フレイム デスサイス

12/3ヴァレット 人間の臓器100セット

11/21魔王 先代勇者の死骸

11/20魔王 NARUTO全巻

11/19オーク キノコ

ワロタ

変なの混じってるww

 

主な使用者は魔王か四天王ってやつかな?取り敢えず誰もいないな。

 

どっかにしよう方法ないかな?

カウンターの裏にあるかな?

 

『管理人へパスワードは4649です』

 

普段ならこんなカウンター裏はみないし、ガバではないか。

 

前線に行ったのかな?

 

4649とパスワードを打つとガチャンと大きな音がなり、真っ暗闇が見えた。

 

なんだこれわからん。

 

管理品『道具orアイテム』

 

魔法のふくろ

勇者の剣

聖騎士の鎧

闘神の斧

大神の弓

メモ

 

取り敢えずメモ取り出そ

 

メモ

著者魔王

『よく考えたら何であいつらに伝説の装備渡さないと駄目なんだ、アホらしいし倉庫に管理しとこ』

 

ps

『よく考えたらこれ装備できるのだろうか、サイズとか重さとか結構すごいぞ、まあ、この金庫見つけたならくれてやる』

 

ワロタ。

 

取り敢えず魔法のふくろにつめよか・・・・

お、いっぱい入る。

 

三十分後

 

 

「取り敢えず回収できる装備と資金と食料は回収したし何しようか・・・・家いるよな・・・・地図」

 

読めない

まぁ、魔族用だしな

取り敢えず近場の要塞都市っぽい所行こ。

 

一応移動速度上昇のブーツとかポーションあるからいいけど普通に歩いてきた勇者一行疲れたろうな、全マジックアイテムを金庫にぶちこまれてるとかww

 

 

 

要塞都市?

 

THE・中世だな

煉瓦を積み重ねて所々に大砲か。

それも形からして多分カルバリン?

 

「・・・こういう軍事都市の頂点になら立ってみたいな・・・毎日殺戮兵器作れるし拠点防衛とか建設好きだし」

 

取り敢えず家だ家。

・・・・警備はうん。

 

キラークイーンで防壁のレンガの一つを爆弾に変える。

堀とかがあったら射程距離的に無理だったけど無くて助かった。

 

「・・・・パワー足りるかな?」

 

左手からシアーハートアタックを取り出しキラークイーンでぶん投げる。

飛んでいったシアハはギリギリ防壁の上に乗り、人間の悲鳴と一緒に爆発しだす。

 

 

「・・・・お、鐘が鳴り出した・・・じゃあ、入りますかぁ」

 

爆弾に変えたレンガを軽く爆破し城壁内部に入る。

内部は意外と近代とは言いがたいけどまぁいいところまでいってる。

まぁ今はシアハが無数にいる標的に飛び付いて爆破の連続だから大パニックだけどさ。

 

取り敢えず民家はどこかな?

 

 

人混みを通りつつ時々人間を爆弾に変えては爆破を繰り返し少しずつ見て回る。

ある程度散歩していると赤レンガの地下に繋がっているタイプの家があった。

場所は結構隅であるが交通は申し分無し。

ここだ

 

 

「・・・鍵?無駄なことを」

 

爆破して普通にはいる。

 

中には一人の男と女。

そうだな、ちょっと遊ぶか。

 

「な・・・・なんだおぁっ!!」

 

おぉ、顔面からぶっとばすとこんなに良いのか。

 

「ひいっ・・・・だ、だれか」

「・・・おっと、旦那さんの血肉で汚れてしまいましたね・・・私の名前は岸波 『白』野ただの偽名名乗りです」

 

ポケットのハンカチ(爆弾)で女の顔の血を拭き取る。

あぁ、この目だ。

この恐怖に染まった目だよ。

いぃ、すごくいいよぉ。

 

あとはそれを殺意に変えれば最高の芸術品だなぁ。

 

「お嬢さん、殺さないと・・・・貴方もああなりますよ・・・あの人を殺したのは私、ちゃんと見てください」

「・・・・あ・・・あぁ」

 

そうだそうやって殺意を抱け、もうなにも見えてないと思うがいいさ。

突如女がこちらに向かって包丁を刺しに来た、取り敢えずキラークイーンで部屋の外に放り投げた。

もう、目は爆破して見えない、耳も爆破されて聞こえない、嗅覚は血の臭いで狂っている、あとはただ殺戮を繰り返す爆弾だ。

 

刃物を持った女がもう無差別に襲いかかってはその最後の感覚である触覚で人間を斬りつづける。

最高の芸術だ、誰でもいいキャンパス持ってこい。

 

「・・・ん?誰も触れなくなったな、下らん」

 

芸術をキラークイーンで蹴り飛ばし人混みへぶちこむ。

突然の出来事と恐怖の声。

あぁ、いいなぁこれ。

 

姉さん、やっぱりこれ楽しいよ。

薄茶色の土の道は赤く染まり。

無数の人間が血に倒れ伏せる。

 

だがその夢ももう終わり。

 

現れた衛兵が芸術にその汚い槍を突き刺し動きを止めた。

まぁ、アドレナリンとかがもう暴走している人間をちょっとやそってでとめれるか。

動き出して裂け始め

切り口から溢れる内臓

 

それは突如として爆破し、周辺に飛び散った。

目の前で破裂した人間を相手にどう思う?

いや、なんとも思わんか。

 

なんか今日はもう満足だ。

シアハ回収して寝よう。




次回 白夜さんは静かに暮らしたい3


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第4話 白夜さんは静かに暮らしたい3

すやぁ


一夜明けた今日

街は修復工事に明け暮れ、各地に警備の兵が歩き回っている。

 

・・・・取り敢えず情報がほしい。

どこかに図書館はないだろうか

 

服は奪っておいたのあるから良いとして、金は・・・まぁまたシアハぶん投げて荒らせば良いか、てゆーか魔王城の金庫にアホみたいにあったし戦後ドイツ見たく札束風呂でようやくものかえるぐらいの物価じゃなきゃ国家予算持ってるようなもんだしな。

 

 

良く考えれば資料はちゃんとしているのだろうか大方歴史改編されてそうだなぁ。

まぁ金属と魔法の概念の確認だけで良いか。

 

 

普通のレンガ造りの箱?

まぁ要塞都市なだけあってどこもかしこも似たようなものになってるから分かりづれぇ。

ここが図書館というか資料庫らしい。

 

・・・静かだ。

いやおかしいだろ、誰もいねぇ。

まぁええか、じゃあ全部死ぬまで借りましょう♪

 

えーと大陸とかの地図だろ、金属というか鉱石だろ、魔法関連だろ。

ん?妖精?ファンタジーだなぁ、姉さん好きそうだし瓶詰めした妖精とかあったら良いかな?借りよ

・・・対消滅魔法

対消滅エンジン

ネオグラ

 

これは借りねば。

 

ん?薬草図鑑か、これも良いな借りよ。

軍需系はないかぁ。

 

まぁ、今日はこれでいいだろ。

 

無人の倉庫を空き巣した後ドアノブを一応爆弾に変化させておきすぐにそそくさと街に溶け込む。

聞く話はどれもこれもちんけなもんだ。

 

いや、魔王と勇者が相討ちしたという噂は広がっているのか。

近々王国首都から三千人で無人の魔王城視察とは。

 

そういえば国とか大陸が良くわからんな、ここどこだ。

魔王城近場の要塞都市としかきいてねぇ

 

そういや税金回収の役所は爆破しておくか、変に調べられても面倒だしなうん。皆殺しだ資料もすべて爆破しよう。

 

大通りをまっすぐ進んで中央部のひときわ大きい建造物。

確かこれ、うん。

 

裏からはいる扉のドアノブを爆発し、鍵を強引に開ける。

すぐに腕だけ突っ込んでシアーハートアタックを射出。

後は冷えた紅茶でも飲みながら待てば処分完了ですはい。

 

裏扉のある方の煉瓦を爆弾に変換しすぐに退散して正面玄関に向かう。

あぁ~爆発する音ぉ~

 

悲鳴と同時に逃げ惑う職員や街の人たち。

いや~実に愉快だね。

せっかくあの地獄を潜り抜けたのに今度は自分達のいるところが地獄の中心なのだから。

 

とはいえ今回は対応が早いな。

街の衛兵の他にちょっと奇抜な連中、まぁあれも冒険者というか勇者と同じタイプの連中なのだろう。

 

だがな、シアーハートアタックは無敵だ。

貴様らのようなやつらに何が

 

何が

 

 

出来ちゃうかも。

 

やべぇ、どうしよ、変に重力魔法とかやられたらどうしよ。

キラークイーンの射程なんてたかが知れてるぞ。

 

直後一際大きな爆発が起こり、爆風が一部の壁は吹き飛んだ。

 

天は味方しているよ

空いた壁の穴からあいつらが見える。

 

明後日の方向に斬り続ける剣士、無意味に広範囲を電撃で凪ぎ払う魔法使い二人いやー愉快愉快。

だが満身はせんよ。

袋から一枚の金貨を爆弾に変化させ、キラクイに持たせる。

こんな人混みからコイン一枚飛んできたところで確認できるか。

 

弾き飛ばされたコインは魔法使いの一人に触れ、魔法使いは膨れ上がって爆破した。

勿論行動を止めた剣士はシアハにもう一人の魔法使いはもうひとつのコインで爆破。

 

こっちに向かってくるシアハ。

声は聞こえるため住人や衛兵はすぐさま反対方向に向かって走り出した。

あ、やべっ、人混みの中央だからながされっ

あかんっ

 

邪魔だ!!

爆弾にした石ころを投げ捨て爆破させる。

 

自分はキラクイでガードするけど回りは普通に破片とかを食らって重傷者多数。

右往左往する人間を抜けながらゆっくり裏扉へ移動する。

 

 

裏扉にはなにやら血飛沫があった。

あの短時間でか

 

すぐに倉庫まで走り、書類を調べる。

重要そうなものは全部回収し残りは全部爆破!!

適当に松明を投げ捨て邪魔なのも全部焼き払う。

 

戻ってきたシアハをつかんで燃えているところへ投げつけては爆破して回収しすぐにまた別のところに投げつける。

あらかたの書類を排除した後開いた穴からこっそり抜け出す。

隣をすり抜けていく無数の衛兵。

もうなにもないと言うのになぁ。

 

取り敢えずこれで数日はぐっすりと眠れる。




次回 這い寄る爆弾


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第⑤話 這い寄る爆弾

おはよう


わしの朝は早い

 

朝日が登り、人々が街を動く前に起き

部屋で数分の読書をする。

 

読むものはそう決めてはなく

ある日は鉱物

ある日は魔術

ある日は料理とバラバラだ。

 

そしてある程度本を読んでいると

街が活気づき始め、情報収集の時間だ。

 

良くいる平民の装いをし足音を立てずゆっくりと街を散策する。

 

・・・あれ。

なんか今日は看板に人が多いな。

 

「・・・・魔王軍残党討伐隊の一部隊が一夜で全滅・・・か」

 

確か一部隊2000人を1000部隊用意した連合軍だろ、大方こういうのはドラゴンの群れみたいなやべぇやつか残りの四天王なんだろうな。

 

・・・・見えん、下の方が見えんな。

・・・なんだ、国家同士の報酬決めがうまくいかなかっただけか。

 

「・・・なんかここら辺ばっかりだな」

 

どの事件の発生もここからそう遠くないのがなんかきな臭いな。

 

くだらなくなり人混みに紛れながら帰ろうとしたとき、一瞬だけ変な気配を感じ、石ころを一つだけポケットの中で爆弾にし、隠し持った。

 

少しだけ感じた視線は何故か無くなり

空からは

 

人間の死体が降ってきた。

 

最悪だ。

 

私の平穏を脅かす敵だ。

 

 

急な出来事に動揺を隠せない住民、響き渡る鐘の音。

最悪でしかない。

 

静かに、冷静に。

殺し方を考えよう。

いつもの事ではないか

平穏を乱し、不干渉を構えたこちらにこうさせる輩は。

 

あぁ、だから殺そう

無惨にいこうか

綺麗にいこうか

派手にいこうか

冷酷にいこうか

 

 

壁に向かって足を進める。

今回は確実に始末する。

いや、消し飛ばそう

 

石造りの階段を降り

そっと煙が昇っている所に爆弾にした石ころを投げ飛ばす。

 

着弾

 

そして手頃な石煉瓦を足元に置き

爆弾に変えては投擲と爆破を繰り返す

 

威力に関してはもう最大出力だ、人も魔物も関係ない

ついでにシアハも投擲。

 

投擲から大体二十分

爆発音以外聞こえなくなった。

 

おかしいな。

『シアーハートアタック』の爆発音もない。

だがダメージを受けた感じもしない。

 

それに帰っても来ない。

 

ここから考えられる答えはいくつかある。

まずは糸かなんかで無理矢理シアハを固めた。

これならダメージは来ないし動きも爆発もしない。

 

二つ目はそこら辺に転がっているであろう松明に触れては爆発を繰り返して森とか川に勝手にいった。

爆発音だってどこまでも聞こえるわけではない、遠くへいけば聞こえもしないさ。

 

三つ目はやめたいものだが

他にもスタンド使いがいてシアハが吹っ飛ばされたり永遠と熱源探知したり、鏡の世界に没シュートされたりだ。

正直、俺自身、頭の片隅ではこれもあり得ると思ってはいた。

あの席が空いているからって神になるって言い出してなりかねない姉のことだ。

 

どっかで一人勝手に落ちて一人勝手に世界荒らし回って一人勝手に愉悦してるやつだ。

どうせ当たり屋して矢と弓ぐらい持っている可能性もある。

 

姉さんは始めっから人類とか世界とか名誉なんて興味ないし、女の幸せなんて糞食らえって言いながら人を踏みにじるやつだ、どうせこの世界に飽きてスタンド使い量産して好き放題するなんて普通だ。

 

まぁ、人間なんて所詮その程度だし、しょうがないか。

まぁ考えてもしょうがないか

 

座っていた椅子から立ち、証拠も消す。

・・・静かだ。

 

この静けさが良かった。

あの馬鹿やってるのも良かったがやっぱり、ここだな。

 

臭いは別に無い。

穴ぼこだらけだな

死体はまぁ、うん、綺麗に吹っ飛んでるな

 

あ、シアハ埋まってた・・・・。

 

「・・・姉さんの手口じゃないなこれ」

 

杭で潰して泥で埋めて・・・氷の魔術で固めて・・・硬化してやがる。

 

シアーハートアタックは熱源に突っ込むことしかできないからって熱源奪うって・・・シアハの前にキャンプファイヤーの跡もあるし明らかに知ってるやつだ。

だけど姉さんならこんなまどろっこしい事はしない。

ハンドなら数百メートル程度空間削って吹っ飛ばしたり、世界で離れるぐらいできる。

 

いやだなぁ。

つまり「同じようなやつ」が居るってことじゃん、俺や姉さんと同じ、神に転生させてもらってチート使ってる奴だな、でなきゃシアハなんて対応できねえよ。

 

それか姉さんの差し金、まぁ、どっちにしても平穏が乱されるな。

殺すか

 

 

 

かってえぇ!!

 

三分後

 

 

 

ったく、手間かけさせんな、こちとら魔術なんて夢のある物には全く手を付けてなかったんだぞ。

ったく、しょうがない。

 

 

ん?

「コップ?まじでキャンプしてたのか、ここ有名な要塞都市らしいけどなんで野宿なんだよ」

 

・・・あれ。

襲撃地点はここだよな

こいつらはここでキャンプ

門も少し遠いし

・・・殺しに来てたのか?

 

何か嫌な予感がするな

なんか抜けてるような

 

( ;´・ω・`)

 

まぁ、下手に動くのも不味いし一回帰るか。

 

 

 

日が落ち月が上りきった真夜中。

 

「(ノ・ω・)ノ」ポイー

 

魔術書ってさ、なんかこうSANが削られるようなものやとおもうやん

辞書みたいなの読んでるみたいなもんなんだよね。

 

・・・どれもこれも最高ランクの術式か。

決まったな。

 

たまには、本気の殺しってのも楽しんでみようじゃないか。

寝てたいし




次回 天元の魔術師


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Ⅵ話 天元の魔術師

人間なんて人間ちゃうねん


いつものように朝は来る。

これは覆しようがない事実だ。

 

今日の朝食はシチューだ。

別に深い意味はない

 

ただ、いつも通りと言うわけにもいかない。

私の平穏を乱す敵は

 

確実に始末しなくてはならないからだ。

 

 

さぁ、今日も頑張ろう。

 

扉を開け、朝の世界を静かに、冷酷にゆっくりと歩く。

大道りに人が多いな・・・。

 

「・・・たいした人望だな」

 

 

街の住人の大半は居るな。

とりあえず爆弾に変えた石ころでも投げ捨てておくか。

 

 

 

 

「・・・遅いなぁ」

 

十分は待ってるんじゃが、亀なの、牛なの、のろまなの?

 

そうやってのんびり金貨を一、二枚刷りながらのんびりと眺めていると少し違和感を感じた。

いや、感じざるおえない。

 

 

こんな長い時間待っているのになぜ『一人も』去ろうとしない。

どう考えたっていつ来るかわからない現状、一旦家に帰るのも考え付くだろ。

 

それに金貨を刷っているときなぜかたまにナイフがある辺りおかしい。

よく見ると男どもの目には殺気すら宿っている。

 

まさかな。

 

どれだけ敵を作ってやがるんだよ

数は20かそこら、こんなちょっとした通りだけでこんにいるか普通。

 

聞いてみるか・・・。

 

腰にナイフを少し見えるように隠し、そっと男の近くに歩き、横にたつ。

 

「すいません、自分ここを通る人を待っているのですがいつ来るか知っていますか?」

「サァな、そのブツを見る限りお前も俺らと同じ奴だろ」

どうやら結構ヘイトは高いらしい、ただの老人みたいな落ちではないよねうん。

 

「いえ、確かに依頼はされたのですがどんな人物なのかは聞いていないので」

「あぁ~、そりゃオメェ、『天元の魔術師』だもんな、一流の暗殺者だってその名を聞くだけで逃げ出してしまうぐらい有名なヤツだからな、大方なにも知らない新人を使った鉄砲玉か・・・」

 

 

ふーん、本格的にやべぇやつか。

 

「これから始めるわけですが何かすごい逸話でもあるのでしょうか」

「そりゃあもちろん、何がすごいって全ての魔法を無詠唱で乱射できる上に魔力が無尽蔵だからな、それいがいにも一緒にいる巫女服の女は目をつぶっているだけは五秒先の未来を見続けるときた、他にも最上位のやつらもわんさかいてそりゃあ殺りづらいが、やっちまえば一発でこの暗殺世界の英雄だ」

「・・・・英雄」

 

こいつ二流だな。

普通ならこんなクソゲーやらねえよ。

 

「ほぉ、気押されているな、まぁ、始めの殺しがこれだからな、しっかりやれよ、まぁ俺も狙っているんだがな、この相手ばかりは手を組んでやるしかねえよ」

 

いやいやいや、未来視持ちと詠唱ゼロはあかんって・・・まぁ、平穏を乱す敵になりうる存在ではあるな。

 

「は、はは・・・そんなすごい人が・・・」

「それとこの世界に入りたての坊主に言っておくとな、ナイフは服の裏側や袖に巻き付けて隠せそれと黒く塗って光を反射させるな、それじゃあ光ってばれるぞ」

 

この雑さには気づくのか、ますます二流で確定だな。

名誉ほしさにこれはねえな。

 

「あっ・・・そうですね」

 

すぐにナイフを引き抜きやすい所に隠し本題にはいる。

 

「実は遠い田舎から来たので知らないのですがその人はどんなことをしてこれほどまでに狙われることを」

「坊主、観察眼は優れているな、ここにいる暗殺者を見つけたな。それでなぜか、かぁ、あの男はな、ここら辺の国に急に出てきてその圧倒的な力で数々の闇の取引相手を潰し回って資金援助してくれる死の商人や麻薬、奴隷売買を潰し回ったからなぁ、それどころかこの国の王を説得して奴隷制度を廃止ときた、こっちからすりゃ稼ぎも労働力も無くなって止めて欲しいのにあの糞野郎王の娘と結婚を取り付けそっからさらに俺らを潰すために国境全てに門を敷いて法外な税金とっていこうとするんだ、だから俺らは全員で結託してあの男を殺さなくちゃならない」

 

うわぁ、えっぐい。

まぁ、どうでもいいか。

 

 

そうこう語り合っていると少し遠くで大きな物音が聞こえ

 

人間が飛んできた。

210はある大男だ。

 

 

あぁ、きたのか。

 

 

黒い髪

白を主体としたどこの国とも取れない服

 

そこに刃物を突き立てようとする男達。

 

その鋭い刃は喉を裂くこともなく、ただ、空中に浮かべあげられるのみ。

確かに強者だ。

だが、臭いは感じない

ただ強いだけの獣だ

 

あれは強者ではない。

 

隣にいるずっと目を瞑って石ころ一つつかない巫女服の銀髪の女の方が恐い。

まるで殺人鬼の目だ

視線はないが気配は感じる。

 

明らかに感知されている。

 

「その首貰ったァッ!!」

 

「・・・・バカなヤツだ」

 

間合いに入った男にナイフを投げ、魔術だろうか、一瞬で天高く打ち上げられたナイフを無視し人をすり抜けて魔術師にナイフを突き立てた男。

 

結果だけ言うなら無惨なものだ。

 

打ち上げられたナイフは一瞬固定されたと思えば高速で男の頭と心臓と両足首を貫通しそのまま焼かれた。

視覚外からの攻撃を無理と知るや否やこれか。

 

まぁいい、本当に恐いのは巫女の方だ

本当に未来が見えているなら俺の置いた爆弾を警戒するはず。

 

さぁ、どう出る、ここはもうキラークイーンの射程圏内だ。

 

「・・・!?」

 

巫女が魔術師にの耳元で何かを訴えた瞬間、周辺に光が放たれ、視界が潰される。

やはり見えていた!!

俺は確かにあの勇者が後数秒歩けば爆風で始末できると思った距離でこれだ、あの女見えている。

 

 

光が沈む頃には

 

もう、無数の暗殺者達の死体と観客しかいなかった。




次回 十秒前の死


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第7話 十秒前の死

終わりがないのが終わり


さてどうしたものか。

 

人の居なくなった街道

ただ一人この惨状を見ているだけだが。

 

冷静に不味い。

 

まじの未来視はあかんって。

まぁ、確かに五秒先だったけどさ。

 

これがなぁ、ただの奴なら回避不能の攻撃でケリをつけれるがなぁ。

パーペキだわこりゃ。

なーんて

普通は思ってるんじゃろうな。

 

大方あの魔術師は転生者、でなきゃあそこまでシアハを無力化何てできるわけがない。

あっちも警戒してるだろーしなー

面制圧射撃も罠も近接戦闘もぜーんぶ無理。

はぁーくっそ

 

 

でも、抜け道がないわけではない。

どうせずっと巫女と同じところで行動するならこっちに手段がある。

どんな攻撃も防ぎどんな死すら回避する。

 

だがそれは五秒先での未来だ。

 

ならば

五秒以上先で死が確定する運命に固定させればいい。

 

知ったときには死

それ以外、純粋にやって勝ち目は無かろう。

 

・・・・・・ん

 

ちょい待て

 

よく考えたら未来視ってなんだ

・・もし、姉さんの粉かけだったら

 

来た方角は一緒だ

あり得ないわけがない

 

もしそうなら、あの巫女相当難敵だぞ。

・・・仕方がない、情報なしではやってられんか。

 

 

とはいえ、あぁも内部に籠られると並の方法じゃいけねよ。

 

地下水路から隠し通路を通って直接やりあってみるか。

秘策とはいえんが、一応の手段もあるしな。

 

 

 

 

 

今大体8時だろうか

月がのぼり、中央通りの活気が少し残っている今、やってみるしかない。

 

街一番の石橋の下にある鉄格子の錠を爆破しゆっくりと開けて中に入る。

この要塞はそもそも地上と地下両方のインフラが整っているから防衛戦においても強かったというのにこの捨てられ様、いずれ隠し通路を通って来る進行も・・・・

 

なんだこの青白い結晶・・・

メモにあったかな

 

 

あぁこれ、結界

 

うそやん

できて新しいし、これ最高ランクのやつんやん、あの魔術師もうか。

 

とはいえ、物質ならば無駄なことだ。

 

「・・・・あぁ」

 

そういうことか

そりゃそうだ

 

とはいえ、確認はいるな。

 

結晶に耳をあて、呼吸を落ち着かせる。

 

呼吸は12

鼓動は12

いるな

 

 

私にこんな精密さがあるだろうか。

スタンドは使用者の精神に寄りかかっているという、不安だな。

 

「・・・」

 

そっと始めるために目を下ろすと運は味方した

ネズミだ

 

この結界を迂回しようと細い土壁を掘っているねずみではないか。

あぁ、これなら未来が見えていようが爆風に巻き込める

 

 

ねずみを爆弾にし、全力でこの結晶を殴る

全力のラッシュではあるが狙いは正確に

張らす筋は計画的に

 

壊しきらない程度に

 

ねずみが隅の方の小さな小さな亀裂からねずみの出るであろう穴を確認する。

さぁ一発勝負だ

 

転生者

 

ねずみが穴を開け奥へ走り込むと同時に

「点火!!」

 

一瞬何かが跳んで逃げたがもう遅い

同時にスイッチを押し、爆発したねずみの爆風の方が早い!!

 

 

「うわぁあああ」「何が起こった!!報告いそげっ」

 

そして、綺麗にヒビを入れた結晶の一つを爆弾に変化させ、点火

こちらにもほんの少し爆風は来るが問題はない、だが、

ダイヤモンドみたいにしたこの結晶爆弾の向こうには

無数のヒビが爆風とあいまって延びきり弾け、それはちょっとした散弾になるであろう。

 

所詮は真似事だがな。

 

反応はない

呼吸も感じない

 

あぁそうか、一撃で頭を撃ち抜いたか。

おっそろしいものだよ、即死するほど固いのか

 

穴だらけの無数の出来立て死体と・・・・。

 

「そこのフード男!!顔を見せてみろ!」

 

無数の魔方陣の向こうからこちらを見据える二人。

射程距離外だが

無理か。

 

「・・・すまないな、貴様は私の平穏を乱す敵になるかもしれないのだ、だがな、聞かせろ」

 

こっからは賭けだな・・・シアハがうまく動いてくれよ

 

「それはこっちの台詞だ、お前も俺と同じ転生者か」

「そうだ」

 

何を怯えている?

震えが止まってない

 

まさかな

 

「貴様、俺と同じような奴に会ったのか」

 

拳を握った・・・やっぱりかぁ

 

「あぁ、助けてくれよ!!あの白髪の長髪女、『世界』で・・・俺の・・・俺の仲間を全員殺して・・・あんなの人のやることじゃねえ!!」

 

「ユウキ様!!」

 

・・・姉さん

さいっこうに遊んでるな

 

「・・・そうか、だが貴様ほどの者だ、なぜ勝てなかった、所詮は敵も人間、たかが知れてただろ」

 

「あぁ、そうだよ、行けると思っていた・・・・だがどうだ、あいつは・・・・11秒、13秒と少しずつ少しずつ・・時間を伸ばしていった」

 

うそだろおい

 

「貴様はせいぜい9秒だったのか」

 

「そこからは地獄だった、一人、また一人心臓を抜かれた後にミンチになるまで殴り飛ばして・・・・俺はこいつだけでも連れて逃げてきた・・・いや、生かされた、ある男を探せと・・」

 

・・・ん?あの巫女、なぜ金色のオーラ・・・・未来予知だからキンクリ・・・・いやまさかめんどくさい者を

 

 

「えぇ、ここまでの長旅ご苦労様、この体は不便ね、捨てよ」

 

「こっちにこ・・・・い」

 

 

言いきる一瞬

体が硬直したように重くなり

 

世界が変わった

 

 

貫かれた胴体

砕かれていた魔方陣

気がついたら俺はこいつの近くにいた

 

 

この吐き気を催す邪悪な姉に

 

「・・人の体を使って来るとはまぁ・・・大方、十秒かそこらは止めたか・・」

 

「えぇ、ちょーと、悪魔との契約でね・・確かに朝のこの娘は本人、でも・・これは知らなかったのよねぇ」

 

そういい、背中を見せる。

そこには小さな本当に3カラットダイヤでしかない宝石が埋め込まれていた。

 

「・・・ちょっ、まっ、やめっ、キラークイーンはだめっ、しぬっ」

 

「・・・・姉さん、神からかっぱらった物ってスタンドだけじゃないよね♪」

「イヤー、ソノー、キラークイーンでカタポンはソノーえぇ、貴方が爆殺前にもうちょっと持ち越ししたけどそれ以外は違うわよ天国に至って手にいれたものよ」

 

あ、これEOHだ。

「だってだってだって、せっかく空いた空席、奪わない手がないじゃない、数百万人を軽く殺せるのよ、欲しいに決まっているじゃない、白も欲しいでしょ」

 

そーゆうとこだぞ姉さん

 

「ハァ・・・・そりゃあ、姉さんが居なきゃ人類なんて消してもいいと思うよ、さっさと滅ぼしてもいいと思うよ、軽く消せるなら効率いいし殺るよ、でもさ、もうしがらみもないんだ、だから・・・・・さ」

 

どうしよう、あまりにもあっけなく幕切れしたからなんもいえねぇ。

 

まぁ、うん。しょうがないか。

 

・・・是非もなし

 

「ねぇ、覚えてる?昔、二人でこんなことやったの」

 

「えぇ、あの時は結構ハイテンションだったわね、白」

 

背を向け、そっと足を進める。

 

「精々、頑張るといいさ・・・俺はもう、俺でしかないんだ」

 

世界なんてどうでもいい

他者なんて興味ない

目的は遂行した

なればもう平穏以外はいらない

 

狂帝なんてもううんざりだ。

俺は名は捨てただけの男でいい

もう、この世界に来た時点で俺は刃を落とした

 

もう、誰も望まないでくれ

 

くだらねえ野心燃やして来ないでくれ

 

光と影を見せないでくれ

 

 

また、面白くなってはじめたくなるじゃねえか

あぁそうだよ

まだ、血を流し足りないのか?

まだ不幸が足りないのか

 

まだ栄光を望むのか

 

なら代償を示せ

犠牲を作れ

 

俺が叶えよう

空っぽの器が叶えよう

 

どんなどす黒い願いも

どんな純白な戯れ言も

 

刃は落ちた

だが誰も

 

使い手が死んだとも

刀身がへし折れたとも言ってはいない。

 

ただ休むだけかもしれない

いいじゃないかそういうの

楽しそうだ

 

俺は生憎、仙人みたいな生き方は御免だ

 

 

何も縛るものがない

だがそれは同時につまらなさも感じるな

 

自由ではあるが不自由だ

 

また、気分で動こう。

・・・・・

目的は決まったが腹が減ったな。

 

適当に店いくか。




次回 魔女?魔法少女?いえ魔女っ子です


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第8話 魔女?魔法少女?いえ、魔女っ子です

クトゥルフTRPGたのちい


静かな世界

ただ木々が立ち並ぶだけの世界

 

こんな無意味なところになぜ来る必要があったのだろうか。

どれもこれもアイツだ

あの姉さえ

 

邪魔しなければ

 

 

のんびり寝てるだけで落ち着けるのに

あぁ、憎らしい

 

あやちっち

 

(´・ω・)

そういや、あいつのくれたゲーム溶かしきってなかったな

あやちっち

あやちっち

 

らぁめん

 

「っぶはっ」

 

やっぱありゃねえよなぁ

 

 

 

 

 

 

黒い森を歩き始めてはや十分

結構早いつもりだったが

不思議なものだな

 

まぁ、もう目視で見えるところだし、別にいいか。

 

 

 

「・・・留守か?人気がしない」

 

燃やしとくか。

いや、ドアノブでも爆弾にするか。

 

 

 

また明日か。

 

 

翌日

 

 

 

「爆破跡・・・・でも薪が新しいし死んでないか」

 

そっとドアを爆弾に今日も帰るか。

 

 

翌日

 

 

「・・・うわー、窓が木っ端微塵、触れやがったな」

 

 

それでもなんか、本が置かれてるし生きてるんだろう。

今日もドア前の石ころを爆弾に変えて帰る。

 

 

 

 

翌日

 

「・・・」

 

地面が抉れてる・・・

 

 

帰るか

 

「オイコラ」

 

?

 

「・・・・気のせいか」

 

明らかに上から聞こえたけど聞こえないフリしとこ

 

「毎日毎日、なんか、来たら帰ってそのあとになんか爆発もして、あの男といいなにさ、異世界人は自分勝手なの?」

 

・・俺じゃない、あいつらのことだろ

 

「帰るか」

 

目的なんて忘れたけどいいや

 

「・・・もう許せない、あんた・・・・・」

 

もう、キラークイーンの能力で爆弾になってるんだよな、そんなちんたら詠唱されましても

 

「・・・・」(無言の点火)

 

 

 

あ、やべ。

思い出した

聞きたいことあったんだ

 

「・・・・首しかねえな・・・」

 

「生きてるわよ」

 

・・・・まじかぁ

 

 

「じゃあ話でもしようか、お嬢さん」

「・・・・吐き気がするわ、その眼」

「それはどうも、たしか、賢者なんだって?キミ」

「えぇ、私はこの大陸二番手の賢人r「覚える気無いから」・・・」

 

さて、何を聞きたかったっけ

 

「・・アンタ、災難だったね」

「・・読心系の魔術の発展か?それとも変異か」

 

「これは変異種よ、これのせいで若い頃はひどい目にあったわ、で、あぁ、他の転生者と天元の魔術師ね・・・」

 

わーはなしはやい

 

「えぇ、まずは彼ね、あの男は貴方より前に来た転生者、持ってきた能力は『無限魔力』『才能値限界無し』まさに元凡人がへんに夢見たものね、とはいえ所詮平和な世界にしか居なかった凡人、無駄な優しさや下らない顕示欲にまみれてか・・・えぇ、彼に魔術を教えたのは私」

 

・・・・どこまで見ている

 

「前世含めざっと三億年」

 

「覗くな」

 

「勝手に爆弾置くのもどうかと思うわ」

 

人前で再生するやつがあるか。

まぁ、やったの俺だけど。

 

「そうね、じゃあ次、他の転生者ね、私が知りうる限りだとざっと10人、とはいえ、システムからしてもっといるわね」

 

システム?

あぁ、他の神がいて別の世界から呼んでるのか。

馬鹿なのだろうか、そんなことしたらいつか

 

「もう、現在進行形で会ってるわよ」

 

「そうなん」

 

「えぇ、少し前にあなたが爆破した魔王は元転生者、はじめは正義感だらけだったけど、死への恐怖からかしら、それから魔王のガワを使って魔王になって人類を滅ぼし始めたわ」

 

「そうか、いやだなぁ、転生者祭りとか、とりあえず全裸じゃ寒いだろ、家はいるか」

「爆破したの貴方ですよね」

 

マントを彼女に与えたあと、ボロボロの家の扉を蹴り飛ばした。

 

「ちょっ」




次回 賢者 Rさん


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第9話 賢者Rさん

(´・ω・)


家のなかは特に荒れているわけでもなく、落ち着いた感じであった。

壁が全部本なのはどうなのだろうか。

 

「随分と集めているのだな」

 

形や色こそ理解できないがどれもこれも魔術の道具なのは分かる。

だが理解できんな。

 

どこにも大量破壊兵器がない。

 

「・・・さて、他にはなにかあるかい?」

 

聞いていいのだろうか

いや聞くか爆弾にしたし

 

「いい紅茶だな、どこのやつだ?」

「あ~、それは裏庭で栽培した自作の葉っぱだよ、そっちの世界じゃ存在しない品種さ」

 

通りでクッソ甘いわけだ

これ紅茶ではあるけど角砂糖入れまくった感じなんだよなぁ。

 

「そうかぁ、じゃあ帰るか」

 

「えっ?」

 

?

 

「用件すんだはずだし帰るんだけど」

 

「・・・君だって一人の男だろう、こう、なんだ、ないのか」

「殺意しかないが?」

「・・・私、何かしたかしら、むしろやられた方だとおもうのだけど」

「いや、俺、昔色々合って殺意以外の感情がわかんなくなってきた・・・てゆーかうん、もともとストレス貯めたくないから殺意に変換してたけどあの糞姉のせいでストレスマッハなんだよ、帰らせろ、死にてぇのか、バラすぞてめぇ」

「なにこの豹変ぶり」

「いいからさっさと用件言え、帰って寝たい」

「君の姉のことさ」

 

場合によっちゃ始末しないとな。

 

「あぁ、そうか、なら聞こうか、なぁ、賢人、いや魔女かな?」

「そんな呼び方は正直どうでもいいさ、好きで賢人名乗ってるだけで実際やってることは魔女だしね、それでだ、君の姉のことだが、正直、この世界になんの恨みがあってあんなことをする」

「知らんな、俺も姉さんも人間は好感持てないからな、気分で殺し回ってるのでは」

「・・・ただの人間嫌いが魔王軍の幹部と契約して、そこら辺の人間を怪物に変えて転生者をそそのかして殺しあいをさせるのか?」

 

あ、なんか読めた。

 

「なぁ、急いで止めないと取り返しのつかないことになるぞそれ」

「知ってても止めないのかい?」

 

当然の質問に答える必要もないだろう

 

「そうかい、君も傍観者か」

「今は本気で邪魔する気もないしな」

 

 

ドアを開け、空を見上げる、空はもう暗くなっていた

 

「・・・」

 

確かに一歩進んだはず、だが、現実は違った

ドアはしまり、手はドアノブを握っていた。

自分の服を爆弾の変え

もう一度ドアを開け、進む。

 

・・・

ありのままに起こったことを話す必要もないか

 

「え?どうして・・」

「なぁ、お前さ、前に姉さんに会ったろ」

「確かに先週・・・訪れて来たわ」

 

静かに

冷たく

恐怖は

 

変わる。

 

「伏せろ、死ぬぜ。これ」

 

彼女の頭を無理矢理床に叩きつけ直ぐに自分も姿勢を下げる。

直後、三十本ぐらいのナイフがドアや窓を貫通しそのまま反対側に突き抜け、遅れて一本の太刀が飛んできた。

 

 

それは一瞬だろうか

まばたきするほどの一瞬

もし、これが本当に一瞬だったら死んでいたのだろう。

 

黒い影が人になり

無数の斬撃が部屋を無差別に破壊した

 

ボクサーとは、殴られる一瞬、世界がスローモーションで動いているとよく言う。

だがそれは結局のところ

ただの集中力なのだろう。

 

 

「あっぶねぇ、見切れてなかったら死んでたな、本気で殺すことは無いんじゃないのか?俺は怪物は嫌だぞ、美がないじゃないか」

 

「地獄ってさ、遠くて近かったよ、白夜・・・・ねぇ」

 

黒い羽織

銀のイヤリング

金細工のされている白い鎧

金髪のポニテ

 

 

誰?

 

「・・・あ、やっべ、こいつ・・・ミンチよりひでぇ」

 

避けれなきゃ内蔵ぶちまけてそこらじゅうに四肢をとばされてったかぁ。

 

「・・・おーいもしもーし、きいてるぅ?」

「邪魔するなら帰って、俺はもうのんびりしたいんだよ、また気が乗ったらでいいでしょ」

「・・とりあえず世界中の宝剣とか全部置いておくから隠しといて」

 

どおしよ、再生遅い

 

「別にいけど、何かあった?大方空いた空席座ってやりたい放題したら周りから刺されたんだろうけどさ」

「正解、ちょっと世界作り直そうと遊んだらこの世界の他の神に目をつけられたからちょっと全面戦争してくる」

「あっそ、こっちに迷惑かけるなよ」

 

 

散らばっていたエリクサーを箱に詰め、飛び散った肉片を瓶に詰める。

その頃にはもう、姉の姿もなく、置いてあったのは一つの銀の指輪。

 

外にある荷車にかろうじて残っている本や石も詰め込み家に火を放つ。

 

「っちょ、私の家が」

「流石に変に対抗策を練られても困るしな、焼かせてもらったよ」

 

静かな黒い森をゆっくりと、進む

月は雲に隠れ

今歩いている一本の道以外にもう、なにもない。

 

「・・・逃げたら駄目なようね」

「敵を知っている貴様が逃げるものか」

 

森を半分くらいだろうか、進み続けるとそこからは血生臭さと肉片が砂と混じり、遠くの村があるはずの所には煙が上っていた。

 

「あそこの衛兵か・・」

「・・・・何よ、これ、傷がおかしいわ」

 

刃の刺さり方からして農具なのだろう。

愉快なことになってきたな

 

「複数人の農民に心臓や首を抉られているな、ここら辺はなんか恨みを変われるようなことをしたのか?」

「そんなはずないわよ、国民にも慕われているし軍だってそんじょそこらの国とは違って精鋭揃いよ・・・貴方とかあの女がイカれているだけで普通は余程の魔術がないと倒すのは無理よ」

 

まぁ、そうだよな、完全に読めた。

あの人本気だ

 

やっぱいいねぇ

 

「ならば、貴様はずっと俺の横にいろ、命の保証はする、姉さんえげつないからさ」

「楽しそうね」

 

新聞ってあるのかな

 

「そういえばさ、名前、なんて言うんだ、お嬢さん」

「リリム・シェール・マーキュリー・・・・昔の捨てた名前よ」

「そうか、なら、こっちも名乗っておくか・・・・・・」

 

忘れた

どうしよ

 

 

姓名とか全然使わねえよ

てか

うんいいや

 

「忘れた、まぁいいや、宮木 白夜。捨てた名前につけた新しい名前さ・・・・」

 

 

ぼろぼろの城塞を眺めつつ、ゆっくりと、気楽に

もう堪えられないかもしれない

 

この狂った盤面を早くみたい

あと何億人死ぬのだ

楽しみは取りたくないものだな。




次回 日常


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第10話 日常

白く湾曲した体
四対の翼
人は神に何を望むのだろうか


日が登りだし、街が修復のために活気づき始めたこのころ。

暖かな光は全てを包み込んではくれるが

同時に、どうしようもない闇も蔓延っているらしい。

 

「・・・・これで良いか、曲は・・・何でも良いか」

 

一枚の楽譜を箱に入れネジを回しゆっくりと離す。

 

朝はやっぱり洋学でも流しながら窓から差し込む程度の光の中の暗い部屋ですごすのがいいね。

人は怪物を生み出し

怪物は敵に牙を向き

ならばどうする

 

「暗い」

「うっせえ、適当に魔法使って自分の視界だけ明るくしとけ」

 

このちっちゃくないチビスケ同居人。

肝が座っているというかなんとか。

 

「んぅ・・・・あれ、なに作ってるのさ」

「これからお前かそこの宝剣目当てに神託受けた敵が来るだろうからな、平穏を犯すのであれば始末しなくてはならないさ」

「私は無価値かい」

「テメーを爆弾にして簀巻きにして街に捨ててやろうか?」

「死んじゃう、それ私絶対死ぬよねそれ」

 

ナイフをポケットにしまい適当に袋から金貨を取り出す。

正直、ハッタリなんて効かないだろうが

 

「ほれ、これでなんか買ってこい、俺はここで待っとくからさ」

「ちょっと、いや、私一応敵なのだけど」

「早く帰らんと死ぬだけだろうが・・・まぁ、運良く見つかるといな」

 

大体三日分の食料は用意できる金貨の袋を投げ、すぐに作業台の箱に手を伸ばす。

 

「・・・・なにつくってんのさそれ」

「ストキャ」

「・・・ふーん、じゃあ、行ってくるよ」

「はよいけ、ここらへん人のがわ被ったバケモノだらけだ、正直反吐がでる、幹部が来るまで掃除でもしておいてくれ」

「はいはい」

 

扉がしまり人がいなくなった部屋

とりあえず箱の中に宝石とちょっとした魔方陣を書き固定する。

仕組みは至って簡単

魔法は魔力のパスさえあれば魔方陣を使ってファンネルみたいな運用もできる。

なら空気を物質までとはいかないが風船みたいに塊にすればいいだけ。

まぁ、ただ猫草を魔法で応用してやるだけ。

 

「よし、入ったな・・・動きよし、出し入れよし」

 

問題は自動防御してくれないんだよな

空気弾強いけど千里眼と併用する頭痛くなるし、スタンド使い相手だとまず対処法知られてるだろうしなぁ。

矢は死にかねないし、まずレクイエムできるかもわからん。

 

念には念というが、苦労はいつまでたっても絶えないものだ。

 

「・・・ぽい」

 

なんとなく空気弾を爆弾にしゆっくりと街の時計に持っていく。

ふよふよととんでいった爆弾は時計のはりに触れて爆発しそのまま霧散した。

 

・・・そういえば、まだだったな朝食。

 

 

 

「・・・パンと卵とベーコンだな」

 

さてと、どうしたことか。

昔からどうしてもあの感じは嫌いだった

 

正直、こんな面倒事引き受けるべきじゃなかった。

別に抑える必要がないってのはむしろ虚無を与えるものとはな。

 

だめだ、頭が回らん、さっさと来ないかな。

 

 

「・・・・はぁ」

 

ついさっきおいたはずの朝食が消えてる

 

「やっぱ考え事しながらだとだめだな」

 

食器を片付けもう一食分作り直す。

日常とは常に退屈なものだ。

いやちがうな

 

面倒事に巻き込まれて殺しができないからか

 

 

また、考えないとな。

 

 

「ただいま~」

「随分と早いな、なにかあったのか」

「外ではすごい大規模な戦争が起こってるんだって、もう小国はいくつか滅んでいるらしいし」

 

どっちが勝っても駄目じゃねえか。

 

「そうか、で、外はどうだった」

「なんか魔王軍の幹部クラスが数人紛れ込んでたよ、ここは安全地帯だけどある意味地獄ね」

「まぁ、これからあの姉のことだ、周辺の村を全部焼いてここに人を集めるだろうな、ここが一番安全な理由なんて敵は計り様はないし」

 

別に目の前で虐殺なんてしなくても良いんだけどなぁ

 

「まぁ、本格的な動きはこれからさ、ゆっくりと待っておけば良いさ・・・待ちたくねぇ」

 

いやだめだ、面白いとわかっているからこそ荒らしたい

( ・ω・)

 

 

日常とは

 何をもってしてそういうのだろうか。

 

答えにはまだ遠い

だが

 

足音は聞こえてくる

誰も逃げられない

弱者は必ず生き残れない地獄

 

全てに決着がつくのは

神も知らないのだろう。




次回 紅月


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月紅 話21第 

『世界』ってさ
初期設定だと『全てのスタンド能力』をつかえるらしいね
まじでなんだあのハミパ


「~♪」

 

箒で家の床を払いながら今日の献立を考える。

あのときなら絶対にできなかった『干渉者』の居ない平穏。

 

物足りないものは特になく、静かな世界。

 

あぁ、もし言うならそうだな。

 

「びゃぁくぅやぁおしゃけぇ」

 

このクソザコさえ居なければ

とはいえ

こいつ、意外とぷにぷにしてるから暇潰しにはいいんだよな。

 

 

「ったく、外に出たら即狙撃されるわ、幹部クラスが殺しに来るわで辛いのはわかるけどよ、酒ばっかり飲むなよ・・・」

 

とっ散らかった瓶は台所に置き、水洗いした後の乾かした瓶と交換する、交換した瓶は木箱につめて部屋のすみに置いておく。

その後にタンスからビールを呑んだくれの前に置く。

 

 

「・・・ほら、今日は酒と夕食集めに行くから仕度しろよ」

「ふぁぁい」

 

 

ダメだこいつ、はじめの方は行き悠々と幹部どもをボコるために出ていったのにこれだ、いやまぁ、うん。

まさか魔王軍の最高幹部とか姉さんの息のかかったスタンド使いとか、謎の生命体とかまぁうん、タイマンで勝てる敵じゃあないな。

 

 

まぁ、不死身だろうがなんだろうがキラークイーンで魂ごと吹き飛ばして即死させられる辺り気にすることではないが、こいつは別だな。

 

実際今まで七回ぐらい勇者とか啓示受けたっぽい連中とか、国外の部隊が来てたが結果は広場でギロチン処刑。

この城塞都市の主はもう希望を捨てたのか動きもなし。

 

はっきり言ってもう天下を取れている。

問題はあの姉が世界を支配するかってこと。

 

そこだけが引っ掛かる。

ただ戦争をしたいだけでもない。

 

真意がわからない。

 

いや、なにかヒントを見落としているような

そんな感じで。

 

 

いや、おかしいな。

あれはただ楽しみたいだけ、なら縛られる立場なんて行かない。

それでもそこにしかないもの。

 

 

『世界』

 

 

 

『増えるスタンド使い』

 

 

 

『神』

 

 

 

 

 

『天国』

 

 

 

 

「そうか、そうかそうか・・・・おい、マキ、重大な話があるんだが」

「・・・すやぁ」

 

 

だめだこれ。

 

「一歩、いえ、一考かしら遅かったようね」

 

 

甘く醜い言葉がささやかれた瞬間すぐに自分を爆弾にして距離をとる。

 

そこいたのは

金のロングヘアー

純白というよりは死体に近い白い肌

まるで壊れたレンズのようにも見える色々な色が混ざった瞳と左目の銀の眼球

もうないか

 

「・・・・どおした姉さん、ここは鏡の世界だろ、さっさと触れれば良いじゃあないか」

 

「自分を爆弾にしているでしょ、抜け目ない」

 

一歩、後ろにろに下がり、鏡に触る。

腕は鏡を抜き元の世界へ繋がり続けていた。

 

 

「ねぇ、もし、『効率的に虐殺できる』方法があったら乗る?」

「乗らねぇ」

 

 

乗れるわけもねぇ

 

「なぜかしら」

 

 

思考を巡らせる

何を考えている

本当にそれだけか

 

「大方、しょうもない方法でやるからだろうが、そこには美しさの欠片も感じねえ」

 

「そう、じゃあ、いい加減こっちも面子の処理をしたいから、後はよろしく」

 

 

処理?

 

その言葉の意味はそれほど難しくはないが理由はわからなかった。

純粋になぜ『処理』するのかが。

 

 

 

「あ、そうだ、これを刺すのが本題だった」

 

直後時でも止まったのか左肩から一本の矢が貫通した。

 

咄嗟に鏡から脱出し矢を抜き取ろうとろうと右腕で矢を掴み全力で引っ張る。

勿論抜けるわけもなく

 

意識は途絶えた。

 

 

 

 

理由がわからない

 

なぜ今になってだ。

 

別にどうでもよかった。

 

だが、そういう奴だった。

 

 

 

次に意識が目覚めたのは紅い夜だった。

月が紅く染まり、周囲は腐った血の臭いが漂い、人も魔物も関係なくただ本能で殺しあいを続けていた。

 

世紀末を通り越してひでぇなこれ

 

「・・・もういいか」

 

落ちていた矢を拾いマキの背中にぶっ刺す。

 

適当に棚から鍋を取り出し具材を揃える。

今さら世界がどうなろうが興味はない

 

どうせ世界を一巡させる事が目的なのだろう。

 

処理の理由もいたって簡単

あれは簡単に言えば未来予知だ、全てに死の運命を告げるだけだろう。

 

そんなクレーマー処理をあの姉がしたがるわけもない、大方、神も何もかもを殺すなら世界そのものをおさめればいいと思ったのだろう。

 

くだらない

 

ただが数億の命になんの価値がある。

 

答えの無い問題は何の意味がある

時も場合も考えずただ問いを出せばいいわけでもない。

 

答えに到達することは無いのかもしれない。

 

結果は常に選択したもに委ねられる

 

結末は結果ではなく過程の終着点だ

 

 

 

これは選定だ

 

ここから先、存在するものはない。

 

 

「ダメだなぁ俺もお前も」

 

温まったスープを一口だけ飲みすぐに蓋をして家を出る。

 

鍵は掛けておきそっと町を出る。




次回  地獄への道連れ


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PV  VOODOO KINGDOM

殺し方を決めても

過程が存在しないんだよぉ!!!


さぁ、俺の『世界』は何をみた

 

これは『俺の正義』だ。

 

 

駄目な姉を持つと本当に苦労が絶えんよ。

 

 

だから

姉さんの幸せのために

 

 

 キ

      ミ

   ヲ 

    シ

         マ 

      ツ 

     サ

          セ

   テ

     モ

 ラ

     ヨ』

 

 

Another one bites the dust

 

 

私はずっと疎まれていた

私は逃げ続けた

 

でも、それじゃあどうしようもなかった

だから、私は立ち向かう、『絶望』に

 

 

「どおして・・・・どおしてなの・・・白夜・・・どおして私には優しくしてくれないのよ・・・」

 

 

「フハハハハッッ・・・バイツァダストは作動した!!!・・・だが、一手遅れたようだな・・・・今この一瞬をもち、『世界』は『一巡』するっ!!」

 

 

「『世界』!!時よ我が意に従え!!」

 

 

「さぁ、最終ラウンドだ、一気にカタをつけるぞ!!」

 

 

「さぁ!!祝うがいいこれが新たなる『究極の生命』の誕生よぉ!!」

 

 

「ふふ、あははっ、私の負けね、でも、きっと・・・意思を継ぐのだろうなぁ」

 

 

「これが真の私のスタンド・・・『メイド・イン・ヘブン』・・」

 

 

 

「これが答えだマーキュリー」

「どこまでも非道で優しいのね」

 

 

「俺はあの女を追い詰めた、追い詰めたはずなんだ!!!なのになぜ、俺の方が追い詰められている!!」

「フッ・・・・簡単なことよ、ここが私の『世界』だからさ」

 

 

「私は世界のために戦っているわけではない・・・今それに気づいたの・・・」

 

「水星のように綺麗な貴女に送ろう、白き月の屋敷の元に赴くといいさすれば天国への門は開かれる」

 

 

 

「じゃあな、マーキュリー、本当に終了だ、俺はどうしても姉さんの味方らしい・・・弟だからな、俺」

 

 

「ほざけぇぇ!!」

 

 

「『キング・クリムゾン』!!」

 

「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!」

 

「『パープル・ヘイズ』!!」

 

 

「フハハハハ、これが過去に滅亡したという吸血鬼の力だ!」

 

 

「ははっ・・・そうか、良かった」

「これが私の・・・スタンド・・・・『C-MOON』」

 

 

 

 

貴様はこの私に何をみた

 

絶望か恐怖か狂信か

 

答える必要はない

今ここで、貴様には死んでもらうのだからな

 

 

「私の敗けかぁ・・・」

 

「『メイド・イン・ヘブン』!!」

「『世界』!時よ止まれ!!」

 

 

「『キラークイーン』、時を巻き戻せ!!」

「『世界』時は再び停止する!!」

 

 

「姉さん、後何秒だ、何秒時を止めることができる十秒か?三分か?姉さんが止めたと同時に俺はキラークイーンのスイッチを押して止まった時間を巻き戻す」

 

「これが、『キラークイーン』第三の爆弾『バイツァダスト』」

 

 

「アハハハハハハッひれ伏すことしかできないのだって気付きなさいよ、ハァ、所詮『決意』だけの人間ね」

 

「ついにここまで来たぞ邪神!!」

 

 

「えぇ、その『白金』に勝利を」

「別にいいわ、もし勝ったら共に酒でも飲みましょ」

「えぇ、貴女とあえて良かったわ、ただ悪いことをしたね、私はどうしても人みたい」

「いいの、相棒」

 

 

 

「クレイジーダイヤモンド!!」

 

「キラークイーン!!私のディスクを爆弾にしろぉ!!」

 

「俺は言ったことは守る男だ、とはいえ、死んだら知らねえ」

「どおしてよ・・・・どおして」

 

「二手遅れたようね、マーキュリー」

 

 

「『C-MOON』!重力は逆転する!」

「『世界』!!時は止まる」

 

 

 

 

綺麗な紅い月

とてもじゃないが

 

 

絵にはできない。




無形


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13 『殺し屋の女王』

Voodooの歌詞を三人に合わせてたら一月かかったおそいよ


紅い月が世界を照らす太陽になり変わっている

人はただ本能でのみ動く肉の人形になり世界は衰退し始める

 

吐き気のするような血と肉の臭いが鼻を突き

無惨に捨てられている衛兵が視界に広がり

 

 

「や、やめて・・・止めてください!!」

 

ふと声に気付きその方向を見る

そこでは一人の女性が大男に迫られていた。

 

おもいついた

 

「いいじゃないか、もうこの世界では力だけなんだ、いまさら喚こうが無駄なのさ」

「い、いや、いや・・たす・・け」

 

大男の肩を触り爆弾にする。

 

「まぁまぁ」

「なんだこのガッ」

 

めんどくさくなったから爆発させ内蔵を噴射させる。

破裂したところから出た血が体にかかり少しだけ気分が悪くなった。

いややったの俺だ。

 

 

「えっとそのありがとうございま」

 

「ふふ・・・美しい・・・手首か・・・・うーん、まぁいいか」

 

切り取れた女の手首を内ポケットに入れそこから立ち去る。

背後にはぐちゃぐちゃに吹き飛んだ内蔵だけであった。

 

星がとても綺麗だけどずっと星が出るのも酷かった。

 

「・・・はぁ、確かに星は綺麗だが、しつこいのも考えものだぞ」

「いいじゃない」

「よくない、というか、どんどん人間の形が無くなってきたね」

 

前と違い少しだけ髪が伸びもう浮いていないと地面に触れるぐらいだった。

瞳ももう虹を通り越して吐き気がする

体はもう肌色から完全な白に

 

指も隠そうとしているが小指が溶け始めていた。

 

「・・・『天国の時』はまだなのね」

「知らない、俺はもう興味も失せた」

 

街道をなんとなく歩き続ける。

目的もなく

意味もなく

 

ただ黒い風が吹き荒れる中を通る

後ろからゆっくりとついてくる姉を見ず、ただそっと喋る。

 

「・・・なぁ、『何周目』だ」

 

少し、足音のテンポがずれ察した。

あぁ、俺は死んだのか。

 

 

これは決められた運命

バイツァダストが作動したのだと

 

 

「・・・いつから察したの」

「確定したのは今、疑問に思ったのは初めから、答えでも聞きたいか?」

「えぇ、久しぶりの二人だけの時間だもの」

 

周囲で死んでいる兵士を無視しながら道を進む。

風は少しずつ強くなり

 

進む

 

 

「まずおかしいに決まっているだろ、スタンドはあくまで精神の形、そう神がどうこうじゃねえよ、どうせ『リプレイとか』だろ、そもそも、姉さんの精神があんなもかと言うと別だ、鏡の世界で確定したよ、姉さんの『世界』の真の能力は『全てのスタンド能力を使用できる』ってのはまぁ、文字通り『全てを望む』姉さんならあり得るよ、まぁ、唯一の欠点は『スタンドとそれに準ずる能力』はその腕の飾りのような矢で刺せば与えられ、そしてそれは回収しないと使用不能になるのだろ・・・でなきゃあいつを殺すのに時間を止めてナイフなんざいらねえよ、だまって魂ごと吹き飛ばせばいい」

 

「わぁせいかい」

 

「じゃあ次な、まぁもう正解は出たな、前の世界では『俺が死んだかディスクになって死ぬか俺がバイツァダストを作動させてあそこまで戻した』の三択、まぁ三つ目はないな、自分で戻せば記憶は残るはずだ、なら残り二つ、まぁどっちも死んで別の誰かがバイツァダストを作動させるだけ、あぁ簡単だ」

 

「ほぉほぉ、うんうん、そうね、私が作動させたわ、白を殺したマーキュリーにやり直しをさせるためにね、前回は普通にオラオラされて私も死にかけたわ、やっぱりあれインチキだよ」

「じゃあなんで持たせたんだよ」

「ナメプ、いやー途中から同じ能力に変化したとき少し、泣きかけたわだから今回はメインのやべーのは全部信頼できる連中に与えたわ」

 

ナメプって

 

「しゃあない、『天国のついでだ』どこで待つ?そこまでいってやるよ」

「遥かなる旅路すんじゃないわよ、それでバイツァダストしたのよ」

「へいへい、重力が軽いところね」

「きけぇ」

 

黒い風が吹き荒れる中を走りながら周囲の世界と溶け込む。

 

「・・・ハハハ・・・やっぱ軽いわ」

「楽しそうね、本当に・・・」

「それはそうさ、俺は死ぬまで姉さんだけの味方さ、姉さんが楽しいなら俺も楽しい、ただそれだけさ」

 

薄氷の上を滑りゆっくりと回る。

世界は怨嗟や狂気で染まっているがとても清々しい。

 

あぁ本当に歌でもひとつ歌ってみたい気分だ

 

「・・・ねぇ、白。もし、全てが終わったらどうする」

「知らないね、俺はもう白夜である必要はないんだ、誰も望まないなら俺の仕事も終わりなのさ、少なくとも世界すら望まないならな、そのときは俺が考えて決めるさ」

 

暗い空から降り注ぐ美しい血の雨に濡れながら奥へと進む。

血で染まった樹海を抜け

とてもどす黒い悪意で歩く。

 

「こんな穢れきった大地・・・滅びれば良いのに」

 

まったくだ。

そしてそれをやった本人が言うのか。

 

「1ヶ月後、また来るわ」

「こなくていいよ」

 

軽い受け答えをした後、姉は影に溶け込んで消えてまた一人

俺しか残らなかった。

 

別にさみしいとかつらいという感情はない。

むしろ理解できなかった。

 

ただ少し、肌寒い

 

いや、これはただ濡れていただけか。

 

「・・あぁ、始めよう姉さん」

 

俺は一人で行けるだろうか

もし全てを持っていかれても大丈夫だろうか

俺はあいつを突き放したがこの熱はいつまで持つのだろうか

 

いや、覚悟を決めろ

 

俺はできている、準備万端さ、運命に逆らうな

この二本の足でたっているだかだやれるのだ

 

あぁまた誰かを殺そう

ひとりひとり

また一人生け贄としよう

 

あぁ倒れて砂を噛むのは俺かお前か

地獄への道ずれだ

 

帽子をいっそう深くかぶり再びいつもの調子で歩き始める

 

暗い世界に聞こえるのは自分の足音だけであった




次回 法皇の緑


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法皇の緑

長すぎず
短すぎず

三部っぽく分けようとして失敗した
じゃあもうすきほうだいするしかねぇ


ここはどこだろうか。

目的地に向かい道なき道を進み続ける。

 

野は無数の屍で埋め尽くされ

太陽は上らず

 

赤い月が常に大地を照らす。

 

「・・・さて、どう通ったものか」

 

世界からは秩序が消えた。

人は永久の闘争に明け暮れ滅ぶのみ。

 

だというのにいまだに神を信じる愚かな信者たちが関所を築いてる。

いつ怪物になるかわからないだろうにそれでなお神を信じすがるその姿勢。

 

「少し待てばいいか」

 

関所を無視し近場の街に入る。

街は至るところに破壊された跡があり血痕も至るところに残っているがある程度の人間はまだ理性を持って暮らしている雰囲気だった。

 

すこし街中をふらついたあと酒場に入る。

何人か大柄な男や小汚ない奴らはいたがカウンターの席が二つ空いていた為底に座る。

 

「おや、にいちゃんお若いね」

「いえ、それほどでも」

「ビールとステーキとパンしかないがそれでいいかい?」

「いいですね、お願いします、代金は?」

「いらないよ、こんなご時世だこんなことをするのはただの気まぐれさ」

 

そういったマスターは厨房に入り料理を始める。

言っていることも正しいと言えば正しいか。

 

「・・・何か用ですか」

 

囲むように立つ小汚ない肉が一斉に拳銃を向ける。

いまここで始めるという合図だろうか。

席を立ち空気弾をリーダーなのだろうか大男に向けて放っておく。

 

「小僧、ここは俺たちの縄張りだ!それに・・・なんだその手はやるのか!!」

「人の食事の邪魔をするのか?どうでもいいか」

 

点火し空気弾を爆発させる。

 

内蔵が吹き飛び綺麗に爆死した奴を見た瞬間周囲の奴等が一斉に拳銃の引き金を引き弾丸を放つ。

 

「『キラークイーン』!!」

 

飛んでくる弾丸を全てつまみ一個一個を爆弾にして指で弾き飛ばし一人一人確実に爆死させる。

 

「まったく、もう何人吹き飛んだのだろうか、まぁ気にしないでおくか」

「すまないねにいちゃん、久しぶりのまともな客が来てくれたからはりきってな、ちょいと作りすぎた」

 

確かにその大きさといい枚数といい普通に三人前だろうか。

まぁあせる必要もないから冷めないうちにゆっくりと食べる。

 

すると後ろから「じゃまするぜ」

 

という声と一緒に一人の男が入り隣に座った。

身長は平均男性ぐらいだろうか、170前後ぐらいで服は深緑を主体とした男だった。

 

「よぉ、お前があの糞野郎の弟か、探したんだぜ、あの野郎を脅すためになぁ」

 

うるせ

 

「だったらどうした」

「俺は転生者ってやつだよ、あの女に騙されたな、なーにが『チートとハーレムあげちゃいます♪ですから協力してください』だ、俺は力こそ貰えたが見ての通り女ひとつ貰えねぇ、それどころかあいつに肉の芽を植え付けられた」

 

自業自得かどうでもいい

 

「うん、うめーなこのステーキ、ごちそうさん、旦那」

「てんめぇ!!」

 

 

急に男が立ち上がるとオーラを纏い始めそこからスタンドが現れた。

 

「俺のスタンドは『法皇』そしてもう結界は張ってある、世辞の句ぐらい言わせてやるから言えよ、なんなら命乞いでもいいぜ」

 

物理攻撃の時点で無駄って気づかないか。

 

「そうか、なら、爆死しろ」

 

結界の一本をさわった瞬間そこが爆発し酒場の一部が吹き飛ぶ。

 

「はぁ、変なのに絡まれた」

 

席を立ってさっさとその場から離れ、広場に出る。

広場に出た瞬間四方八方からエメラルドスプラッシュが飛んでくる。

 

 

「ハッ!!例えキラークイーンでも全ての弾丸を爆弾にすることは不可能!!死んでいる貴様にはわかるまいか」

「なんか言ったか?」

 

全てを叩き落として再び向き合う。

 

「・・・嘘だろ・・・何しやがった!!」

「お前こそあれをどう生きたかは知らんが死ぬといい」

 

スイッチを押し男を今度こそ爆死させる。

 

「まったく・・・ん?なにあれ」

 

爆発しらところからなぜかハイエロファントの触脚が延び森の奥へ続いた。

取りあえず邪魔されないように森へ入る。

 

「あ、やべえなこれ」

 

ある程度進むと巨大な無数の鱗に包まれた龍のような何かがいた。

 

「やっぱり来たか、我こそは旧四天王レビア、あのゴミの弟であろう?実に儚き存在よな!!」

 

不意打ちは基本かいね

あったまおかしい数のハイエロファントの弾丸と急に飛び出た千をこえる鱗が全身めがけて飛んでくる。

 

「ハッハッハッハ、さっきの戦いで貴様の能力は把握済みよ、この攻撃は全て防げまい」

 

飛んでくる物を防ごうと殴るが数初はそのまますり抜けて膝や心臓に直撃し。

 

『全て爆発』した。

 

「はぁ、物理攻撃で俺を倒すのは不可能なんだよ、諦めて帰れ」

 

「な、何が起きた・・・爆弾は一つではないのか!!」

「?・・・言うと思ったか」

 

飛んでくる全ての弾丸を爆破しゆっくりと歩いて近づく。

 

近づけば近づくほど弾幕は濃くなり激しさを増すがそんなものは一切無意味というようにその体に手が当たる。

 

「はいどーん」

 

触れた瞬間竜はバラバラになり吹き飛ぶ。

 

同時に法皇も消え、消滅

 

「キラークイーンは成長したんだ、確かに爆弾は一発だね、でも、『何度でも使える』爆弾だがね、さぁ旅の続きといこうか」

 

消滅を確認しそっと答えを出してその場を離れる。




次回 達人二刀流VS逆転拳


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