火の無い灰はどうやらゴブリンスレイヤーの世界に来たようです (ロッキード)
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第1話 冒険者

「火攻め、水攻め、毒気無し!」
「つまりやれってことだな。分かった。」
火の無い灰はこんな人です。
ゴブリンスレイヤーさんとは気が合いそうな感じですね。


気がついたら知らぬところに居た。

白霊の召喚でもなければ、誓約によるものでもない。

とりあえず歩くと街があった。

そこにはいくつかメッセージがあった。

『この先にギルドあり』

『心が折れそうだ』

『どうせみんな玉ねぎになる』

ギルドがある?聞き慣れないものだ。

一体何なのであろう。自分の勘だと、誓約のようなものだろうか。

心が折れそうだ、とはどういうことだろう。

この先にまともな人間が居て、うっかり攻撃してしまって詰んだのだろうか。

3つ目はよく分からない。

皆というのだから、多く居るのではないだろうか。

街に入ると、そこは活気あふれる人々が居た。

武具を身にまとった者も多く、彼らも巡礼者か火を継ぐために旅をしているのだろうか。

 

ここがギルドというところか…。

この街を警戒して歩いても何も無かった。

ガーゴイルのひとつでも出てきてもおかしくはなかったのだが。

そこを入ると多くの人が武具を纏い、飲み食いしたり、話をしていたりした。

灰だらけのあの場所とは大違いだ。

私を見ると女性が話しかけてくる。

「こんにちは!新しく冒険者になりに来た方ですか?」

「冒険者?それはなんだろうか。

貴公らは一体何者なのだ?ここに来たばかりで全く分からんのでな。」

すると少し驚いたような顔をしてこう言った。

「え?もしかして、全く知らないでここに来ました?

鎧とか剣とか持ってたのでてっきり…」

なるほど、このような格好をしているということは、大抵は冒険者とやらなのか。

となると騎士団だろうか。なんらかの誓約なのであろう。

「説明をさせてもらうと、冒険者は基本的に依頼を達成して報酬を得られるんです。それで生活をするんです。

等級もあるので、功績を挙げれば上がっていきますよ。」

そんなふうに一通り説明をしてもらった。

なるほど、普通の誓約と似ているな。

流石にあれだけで生活はしないのだが。

「ではそのギルドやらに入ろう。今のところそれしか頼りがない。」

「はい、では手続きをしますね。」

 

『火の無い灰は「冒険者ギルド」の誓約を交わした』

 

「では手続きは済んだのでこれをどうぞ」

そう言われ、等級や身分を証明するものだという。

それを首に下げ、早速「ゴブリン退治」とやらを受けようとする。

すると、先程の受付の者が止めるようにこう言う。

「白磁の方はまずはドブさらいなどをオススメするんです。しかもゴブリン退治はまだ危険かと…。

あと、行くのであればパーティを組むことをオススメします。」

パーティなど組まなくても、1人で何役も出来るから心配はするなと言っておいた。

それに、武具はこれ以外にも木箱から沢山出せるから問題ないとも言った。

 

後ろを振り向くといつの間にかそこには『篝火』があった。

ここにもあるとは。理由は分からないが、変に死んで人生が終わることは無さそうだ。

篝火に火を灯す。

 

『Bonfire Lit』

 

では、向かうとしよう。

ゴブリンがどんなのかは知らないが、何とかなるだろう。

そしてその背中を心配そうに見る受付嬢。




メッセージネタは割と好きなので沢山出していきたいです。
のんびりと他の小説と並行で作っていくのでのんびり投稿になるかと思います。
間違いがあれば、優しく指摘をお願いします…。


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第2話 ゴブリン狩り

たまに死にます。
不死って彼の特徴だものね。
木箱は今回、ド〇えもんのポケット的な役割です。
苔玉だけでなく、一通りの武器や防具、道具がそろっています。
あと、今作は武器の性能や魔術の独自解釈や変更点等があったりします。大幅に変えるわけではないです。

ちなみに主人公のデフォの防具は逃亡騎士です。


洞窟についた。

ここにゴブリンが出たという。

地面にはメッセージがある。

『頑張れよ』

『この先、ゴブリンあり』

『この先、宝あり』

『嘘つき』

松明の火をつけ、洞窟に入っていく。

七色石を置き、直ぐに外に出られるようにしておく。

暗闇ほど怖いものは無い。

すると、脇に分かれ道が分かりにくいところにあった。

敵が潜んでいる可能性がある。進んでいこう。

奥の方まで行くと、ゴブリンが待ち伏せして挟み撃ちにでもしようとしていたのか、行く準備をしていた。

数は少ない。だが、油断は禁物だ。

近づこうとするゴブリン数体を弓で撃つ。

痛みでもがいている所を刺し、トドメを入れる。

『フォース』でゴブリンの集まりを吹き飛ばし、一体ずつ『パリィ』をして倒す。

そして、引き返して、先程の分かれ道からもうひとつの道へと進む。

案の定、ゴブリンはこちらに気づくと襲いかかる。

弓を放ってきたが、その程度は盾で防ぐ。

剣で一体を刺し、そのまま弓を持ったゴブリンに投げつける。

そして『雷の槍』を投げ、トドメを指す。

あとのゴブリンは松明で焼き、剣で斬る。実に単純だ。

 

奥まで行くと、集団で溜まるゴブリンがいた。

「面倒だな。魔術で一気に片付けよう。」

杖に持ち替え、『追う者たち』を展開させ、『闇の飛沫』でゴブリンの集団を片付け、デカめのゴブリンを『追う者たち』で片付ける。

残るは後ろにいた、魔術を使うゴブリンだったが、一体だけでどうにもならず、ゴブリンは倒される。

そこでボロボロの状態の娘が1人いた。

見たところ、ゴブリンの慰みものにされていたのだろう。

服も破かれた様子だったため、手持ちの盗賊装備を着させた。

これなら普段着だと言っても、さほど違和感はない。

村から攫われたと見て間違いはないな。

奥にはゴブリンの子供がいた。

ここで聖職者や善人ぶった者なら、見逃したりするのだろうな。

だが、私は『火の無い灰』に過ぎない。

目の前の敵は何であれ、殺すまでだ。

洞窟内は子供のゴブリンの悲鳴がしばらく響いていた。

 

洞窟から出ようとすると奥の方に、メッセージが幾つかあった。

『おれはやった!』

『この先に敵あり』

『心が折れそうだ』

近くの村に娘を返した。

「大丈夫…ではないな。これを飲むといい。

酒だが、傷には効く。それにそこらの薬草やポーションなんかより余程美味い。」

娘を恐る恐る『ジークの酒』に手を伸ばす。

1人の友に貰ったのだが、どうも勿体なくて飲めなかったものが溜まってしまっていた。

だから人のためになるならと思い、娘に差し出した。

「あり…がとう…ございます………」

「貴公よ。今は辛いかもしれん。だが、太陽のように大きく立派であれ。貴公が生きているだけで幸運だ。」

大した言葉はかけられないが、思ったことを口にしておく。

去り際に娘に言っておいた。

「貴公の幸運と我が剣に、太陽あれ!」

 

村の者な首を傾げ、何を言っているのかと口にしていた。

ただ、娘だけは彼の背中をじっと見ていた。

 

ギルドに戻り、一連のことについて報告する。

すると受付嬢は驚いた様子で言う。

「その規模を1人で…!?」

「あぁ、そこまで強くはなかった。落とし穴も難解な仕掛けもなかった。故に攻略はさほど難しくはなかった。」

「報告を聞く限りですと、最初に予想されていた規模よりずっと大きいんですよ?それを1人で…。」

どうやら、ゴブリン退治はよく死人が出るようだ。

しかも、生きて帰れても大きく負傷していることもあるそうだ。

私からしたら、不死街などの方が余程キツイ。

「私は依頼を達成させただけだ。特に変わったことはしていない。」

「そうなんですけど……」

そう話していると後ろから鎧を着た男がやってくる。

「ゴブリンだ。」

「ゴブリンスレイヤーさん!えっと、今日あったゴブリン退治の依頼、隣の方が達成してしまって…。

今日は無いんです…。」

「お前がやったのか。子供もやったか?1人を逃がしてはないか?」

皆殺しにしたと伝えると、彼は少しホッとしたように、良かったと言った。

「貴公よ。私は火の無い灰だ。貴公はなんと呼ばれている。」

「ゴブリンスレイヤーだ。」




2話でようやくゴブスレさんと会いましたね。
まだ、最初の方は不死院よりヌルゲーなので死にません。
ステ振りはかなり強いかと。
実戦で考えたら、放つフォースとフォースってめっちゃ役に立ちそうですが、ゲームだと精々、奈落に落とすための物な感じですね。


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第3話 変人と変人

よく考えたら、どっちも変人ですよね。
ゴブスレ「ゴブリン…」
火の無い灰「薪の王…」

ちなみに、1の主人公と3の主人公は同じものと考えてください(プレイヤーが同じっていう意味で)


ひょっこりと後ろから少女が顔を出す。

「えっと…は、初めまして……。」

白い神官のような格好をした少女だった。

神官や聖職者には基本良い者が多い。

まぁ、例外は居るのだが……。

そういえば、聖職者が嫌いな奴がいたな。

思い出しただけでイライラしてきた。

本当は良い奴なのだと知った時は少し驚いたが。

「貴公は神官か?私も奇跡の類いを使える。何かと話が出来れば光栄だ。」

「そ、そんな…!私はそんなに立派じゃないですし…。仲間を守れませんでしたし……」

過去に何かあったのか、俯いてそう言う。

「守れなかったか………。私は数え切れないくらい救えなかったな。

気にするな、貴公ばかりが守れなかった者がいる訳では無い。」

「そう…なんですか…。あ、すいません!初対面の人にこんな話を…!」

申し訳なさそうに頭を下げるが、大丈夫だと言う。

どうやら悪い者では無さそうだ。安心した。

「ところでゴブリンスレイヤーと言ったか。

私は『火の無い灰』だ。うーん、短いのであれば『王狩り』や『不死人』と言ったところだな。」

「王狩りか。」

「そうだ。」

なんか似たもの同士の気がする。

少し近親感がある。

「そういえば、王狩りさんはパーティなんかは組んでないんですか?」

「組んでいない。今までずっと一人でやってきた。だから今回も別に1人で問題は無い。」

「でも白磁ですよね…?冒険者になる前に戦闘の経験が?」

「あぁ、倒せるものはなんだって倒してきた。」

「なんでも…ですか。例えば何を?」

何を、か。かなり難しい問いだ。

やるなと言われたことはやったし、とりあえず倒せるものは倒して後悔したこともある。

「うーむ、竜にデーモン。神に近い力を持った者も倒したな。自慢にはならんがな。何度も死んで倒せたんだ。強くはない。」

「え…?ど、どういう事です…?例えですか?それともそのままの意味ですか?」

明らかに混乱している。まぁ、こちらの世界は少し訳が違うのだろう。無理もない。

「まぁ、ゆっくりと理解していけば良い。」

ゴブリンスレイヤーとやらの装備。

私の視点からして中々好みのものだ。

なんというか、独特のカッコ良さがある。

不死人は物を収集することが良くある。

そのせいだろうか、彼の装備が無性に欲しいのだ。

綺麗な装備も良いのだが、こういう薄汚れたのはより一層好みだ。

私の装備は逃亡騎士の物。今は使い勝手もよく、気に入って使用している。

「良かったらパーティに入りませんか?

人手が増えればゴブリン退治も楽でしょうし。」

「冒険者ギルドとやらは、人を助ける場所らしいな。誓約を交わしたのだ。助けとあらば助太刀しよう。」

「それは入るってことですか?」

そうだと答えると、彼女は嬉しそうにお礼を言う。

「何が出来る?」

ゴブリンスレイヤーがそう聞く。

「近接や遠距離からの弓、魔術に呪術、奇跡も使える。武器も一通りある。様々な戦法に対応出来る。」

「す、凄い……。そんなに出来るんですか…。」

私は1人だったからそのくらい出来ないといけないのだと言った。

どうやら、明日からゴブリン退治に彼らと行くことになった。「仲間」という言葉は中々慣れないものだ。

今日は武器や防具の確認と入れ替えをしておこう。

閉所だと使いにくい武器も多い。

そうして今日は解散した。




どんな装備がいいかなぁー。
カタリナ装備で車輪背負う?それとも全裸車輪盾??
大扉とかもいいかも!
そんなことを考えるだけで楽しい今日この頃。


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第4話 全裸車輪盾

今回は多分ネタ回です。
元ネタがわかる人は分かるのでは??w
車輪盾の無印の方は強いんです!w
ということでどうぞ!


今回は軽量化をしつつ、洞窟のような所で使いやすいのを選んでみた。

最低でも頭は守るために防具をかぶり、後は何も付けない。

下着は付けないとまずいので付けてはいる。

ギルドに入ると真っ先に受付嬢が驚きながら言う。

「へ?は?え、えっと王狩りさんですよね??」

「そうだ。よく分かったな。」

「あぁ……その装備は…………?」

「まだ試験的な運用だ。これでずっと行く訳では無い。」

「よ、良かった……。そんな格好で毎日来られたら精神が持ちませんから……」

そんなことを話していると、ゴブリンスレイヤーと神官がやってくる。

神官も同じような反応をしたが、ゴブリンスレイヤーだけはなんか違った。

「ゴブリンの武器には毒がある。それでは危険だ。」

「大丈夫だ。これを見ろ。」

木箱から苔玉を出す。

「これは食べれば毒をかき消せる。猛毒であるならば、この花の着いた方を食べる。そうすれば、どんなに体に毒が回っていようと問題は無い。」

そんなことをいうと、また神官が何かを思い詰めた顔をしている。

「あの時、そういったものがあれば…。あ、いえ何でもないです!」

若いのだ、多少のことで思い詰めるのは仕方がない。

そして神官なのだ。余計に思い詰めてしまうのだろう。

「全く…隙あらばだな。これからそうならないようにすれば良い。過去は変えられるものだ。」

「すいません…そうですよね…!」

この時受付嬢は思った。

そんな裸で車輪を2つ持った変な格好の人に言われてもどんな表情で聞けばいいんだと。

そんな思いは他所に火の無い灰の彼はゴブリンスレイヤーとゴブリン退治のために洞窟へと行く。

「やはり暗いな。先頭は私が行く。光と後方の支援は頼んだぞ。」

「あぁ。」

「は、はい!」

そして進むとゴブリンの集団がこちらに駆けていく。

数はかなり多い。

「こんなに…!?一旦下がった方が…」

少し下がっていろと言い、車輪盾を持ち敵の元へ向かう。

そして敵が来たところで車輪を回し、攻撃をする。

その攻撃力は凄まじく、ゴブリンの集団を薙ぎ払うようにやられていく。

敵の攻撃も元々はこの車輪は盾であるため、攻撃を阻まれて届かない。

それを見たゴブリンスレイヤーは我慢できなかったのか、ゴブリンへの攻撃が始まる。

戦法を見れば分かったのだが、かなりよく考えているものだ。流石ベテランと言ったところだ。

あらかた倒したところでゴブリンスレイヤーが質問する。

「その武器はなんなんだ?ただの車輪には見えん。」

「これは車輪の盾。車輪盾だ。元々は敵である『車輪骸骨』のものだ。その敵は恐ろしく強かった。

だが、それを倒しそれを利用し戦っている。」

あの走り回る車輪骸骨には何度も苦労させられた。

今でもあの時の光景が鮮明に蘇る。

「骸骨…となるとアンデッドの類いですか?」

「まぁ、そんな所だ。この車輪盾、持てば分かるのだが中々筋力を必要とする。」

神官が試しに持つと、かなり重たそうにしていた。

「こんなのを振り回してたんですか…?確かにこれは強そうですっ…!」

そろそろ可愛そうになってきたので返してもらった。

私も最初はこれを持つほどの筋力は無かったが、敵を倒す度に鍛え上げられていった。

いや、ソウルによるものなのであるが。

そろそろ奥に辿り着く。

私はその盾をしっかりと持ち、進んでいく。




今日はメッセージネタは出せませんでした。
まぁ、特に変わった場所ではありませんでしたし…。
車輪骸骨怖いですよね。
私も嫌いです。


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