降谷翠の暗殺教室 (連載休止) (リリーマクリーン)
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1学期
第0話会議の時間


初投稿です。まだ始めたばかりで違和感を感じる部分が多いと思いますが温かく見守って頂ければ幸いです。


~side防衛省~

今、会議が行われている。会議室に参加しているのは数名の人間そしてモニターに映されている各国の要人だけである。その場の空気は重くその場にいるだけで精神がやられそうなほどである。

それもそのはずだ。今、この場にいるのは内閣総理大臣、そしてテレビ電話を利用して会談をしているのは各国の首脳たちである。そして、ここで話されている議題は文字道理地球の存続に関わる議題なのだから。

 

「それで、どうなのだね?奴は?」

黒人の大統領が質問をする。

 

 

「はい!奴は今のところ契約通り生徒には一切手を出してはいない様子です。」

官僚が答える。

 

 

「そうではない。我々が聞きたいのは奴を殺せそうなのかどうかだ。生徒などどうでもよい。」

アラブ系の民族衣装を着た男が再度質問をする。

 

 

「、、、今現在奴にダメージを与えられた生徒は1名のみです。」

官僚が少しためらって答える。その答えを聞いた首脳たちはやはりか、、、といっ落胆した様子であった。 

 

 

「仕方あるまい。奴は最高時速マッハ20であり日本の自衛隊や我が空軍の最新鋭の戦闘機で不意打ちを仕掛けたとしても軽々と避けてしかも、、、、ぴかぴかに磨かれる始末、、、。」

ある大統領が他の首脳たちをなだめるも最終的には屈辱的な表情を浮かべていた。

 

 

「もとより奴がそう簡単に死なないには承知の上だ。我々もできる限りの手を尽くしている。だからこそそれよりも重要なのはこのことが世間に漏れないかどうかだ!特に日本、ちゃんと管理はしているのかい?」

女の首相が威圧をするかのように聞く。その威圧感にびびる官僚。そこで一人の若い官僚が答える。

 

 

「もちろん、情報の管理には細心の注意を払っております。しかし我々はある一つの可能性を危惧しております。”シルバーブレット”の存在です。」

 

「あいつか、、、確かにあいつならば国のセキュリティーすら突破してこの情報を手にいれるかもしれない。」

黒人の大統領の眉間にしわが寄る。

 

 

「誰なんです。その、、、シルバー何チャラは?」

若い大統領が訪ねる。

 

 

「シルバーブレット。裏の世界で奴はこう呼ばれたいる。奴が持ってくるスキャンダルはそれこそ1撃でターゲットを仕留めているからね。もっとも、奴のターゲットは重大犯罪を犯しているから当たり前だがね。奴の素顔を知るものはいない毎回顔が違うのさ。今分かっているのは奴は活動を日本に限定していることだけなのさ。」

黒人の大統領が疑問に答える。

 

 

「確かに奴は厄介だ。あのタコ同様普通の手段では殺せない。どうにかしないと100%情報を奪いにくるぞ!」

各首脳がまた頭を抱え始める。

 

 

 

「いっそのことシルバーブレットを教室に送ることにすればいいのではないか?」

アラブ系の大統領が提案する。

 

 

「何を言っているんだ。第1我々は奴への連絡方法を知らない。無理だ」

女の首相が否定をする。

 

 

「殺し屋屋ロブロ彼なら連絡先を知っていると言ってました。彼を経由して依頼するのはどうでしょう?」

アラブ系の大統領がこう付け足した。

 

 

「それが最善だろう。他に意見のある奴はいるか?」

誰かが問いかける。

 

 

「「「異議なし!!!」」」

全員がそう言った。

 

 

「では、よろしくお願いいたします。」

若い大統領がそう言った。

 

 

「では、本日はここまでといたしましょう。」

議長の初老の男性が呼びかけて会議が終了した。




最後まで呼んで頂きありがとうございます。主人公がまだ登場していなくて申し訳ございません。こんな感じで書いていこうと思います。リアルが忙しいのでとりあえずは不定期投稿とさせて頂きます。誤字脱字、アドバイス等は感想などからよろしくお願いいたします。


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第1話 交渉の時間

皆さんこんにちはいよいよ主人公登場です。遅れて申し訳ございません。
それではどうぞ。
今回は烏間先生がメインです。


~SIDE???~

客が一人もいないバーに男女が二人。

 

30代後半に見える女の方はコップを磨き、10代の若い男はテーブルを拭いている。

 

「あーー暇だなぁ。今日は一人も来ないなぁー」

男が一人呟く。

 

「仕方ないわよ、まだ昼だもの。」

男の呟きに女が反応する。

 

「そうだよねぇ、でも何かないかなぁ?少し前まではニュースなんて消し飛んだ月の話題で持ちきりで色々な考察がされていて面白かったのに。」

男がもう1度呟いたその瞬間

ジリリリリリリ

レジの後ろの黒電話がけたたましく鳴り響く。このバーには2つの電話がある。一般に流通しているのと一昔前の黒電話だ。普通の電話は予約などを取るための。黒電話の方は仕事用だ。

 

 

「しっ!」

男が口の前に人差し指を付けるて電話に出た。電話に出ると相手は低い声の男だった。

 

 

「私だ。久しぶりだな。」

 

「この声、、、ロブロか、」

 

「君に、、仕事の依頼が来た。内容は暗殺、依頼主は、、日本政府だ。」

ロブロの一言に男の表情はさっきまでの緩い雰囲気とは一変してキリッとした集中したような表情になった。

 

 

「暗殺?誰の」

 

 

「内容に関しては私の口からは言えない。」

ロブロは男の問いかけに答える。

 

 

「、、、、、分かった。2、3日ほど考える。その間に答えを折り返す。」

 

「分かった。では決まり次第連絡を私のもとへ、、頼んだぞ。」

そう言ってロブロは電話を切った。

 

 

「早速準備をするよ。」

そう言って男は階段を登って自分の部屋へと戻っていった、。

 

 

 

2日後

 

 

~side烏間~

時刻は既に午後4時を過ぎていて生徒たちの殆どは帰宅している。今日もひとりのの生徒が毒を使った暗殺を実行したそうだが失敗に終わり、しかも奴はさらに成長したそうだ。

俺はいつもと、同じようにその日の報告書を書き終えて防衛省へと送った。

今日は返信が早かった。

 

~メール内容~

報告書確かに受け取ったよ。ご苦労様だ。もうひとつ仕事を頼みたい。今夜の18時半東京キングダムホテルの513号室に向かって欲しい。新しい暗殺者がそこにいる。相手はシルバーブレットだ。頼んだぞ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「シルバーブレッド、、か。」

1人で呟く。

 

 

「おや、どうかしましたか?」

ガラリと職員室の扉を開けて奴が入ってきた。

 

 

「何でもない。」

俺は冷たく返す。当然だ。こいつは殺すべきターゲットなのだから。俺は荷物をまとめて職員室から出る。

 

 

「お疲れさまでした。」

奴が俺が出る際に言ってきた。

 

 

「お疲れ様。」

一応返しておく、これでも同じ職場の同僚出しな。

俺は下山をすると車に乗った。現在の時刻は17時このまま行けば間に合うだろう。俺は目的地のホテルへと足を運んだ。

現在の時刻は18時。

車を止めてフロントへ向かう。ホテルには話が通っているようで案内してくれた。

「ここまででいい。」

俺はホテルマンにそう言って戻ってもらった。ここから先は一般人を巻き込めない。

部屋の前に着いた。ドアの鍵の部分にガムテープが張られていてオートロックが掛からないようになっていた。

「なるほど、入ってこいと、、、」

ドアノブに手をかける。感触からして爆弾は仕掛けられていないようだ。

 

ドアを開けて中に入ると窓が全開に開いていた。それに気をとられて気づかなかった。ドアの後ろ、死角となる部分に奴がいたことに。俺はそれに気づいて咄嗟に前へ跳んだ。しかし。既に遅く首に冷たい感触を感じた。

 

 

「それは爆弾だ。無理にはずそうとすれば即ドカン!だ。一応の安全策さ。約束の通りに一人で来たみたいだがね。」

奴がいた。奴の雰囲気は独特のプレッシャーを放っていた。

 

 

「お前がシルバーブレッドか?」

俺が訪ねる。

 

 

「あぁそうさ。自分がいわゆるシルバーブレッドだ。最も自分で名乗った訳ではないけどね。」

奴がおちゃらけた風に答える。

 

 

「さぁ、話し合おう。その前に夜ご飯は食べたかい?」

奴が俺に訪ねてきた。確かに言われてみればまだだった。

 

 

「ルームサービスでも頼むかい?自分は頼むよ。腹は減ってるからね。さぁ、どれにする?」

奴がメニューを差し出してきた。

 

 

俺は少し考えて

「ハヤシライスを貰おう。」

と言ってメニューを、返した。

 

 

「お、奇遇だね。自分も、同じの頼もうと思ってたんだ。ここのは美味しいからね。」

ニコリと笑って注文をした。

 

 

「さぁ、本題に入ろう。」

奴はさっきとは一変して真剣な表情で俺を見つめた。俺は鞄から資料を取り出して渡した。

 

 

「まず、これから話すことは世間には公表しないで貰いたい。この事が世間に公表されれば世界中が、パニックになる。」

俺は強めの口調で言った。

 

 

「分かった、約束しよう。」

そう答えてくれた。

 

 

「まず、そこの写真に写っているのが3月に月を爆破した犯人だ。」

 

「、、、、、、ふざけてる?」

奴が呆れた感じで聞いてきた。

 

 

「その気持ちよくわかるがほんとなんだ。」

俺も諦めた感じで答えた。

 

 

「なるほど、、その感じどうやら、本当みたいだな。、、お前大変だな。ここは奢るよ。」

哀れみの目でこっちを見てきた。

 

 

「あぁ」

せっかくなのでご馳走になることにした。

 

 

「それで俺にこいつをどうしろと?」

 

「単刀直入に、言えば奴を」

コンコンコン

軽快なノック音が扉から聞こえてきた。

「失礼します。ルームサービスです。」

ボーイが来たようだ。

「俺がいこう。」

そう言って扉を開けてハヤシライス2つを受け取った。

「「いただきます。」」

話し合いは夕食を食べながらに変わった。

 

「で、俺にどうしろと?」

 

「そうだったな、単刀直入に言えば奴の暗殺が依頼の内容だ。奴を殺せた場合の賞金は100億円だ」

 

「なるほど、分かった。その依頼引き受けた!」

シルバーブレッドは2つ返事で引き受けてくれた。

 

 

俺は鞄から緑色のナイフそしてエアガンを出して奴に渡した。

 

「これは奴に効果がある銃とナイフだ。人間には無害であるがそこのタコの場合のみ効果を発揮する。これ以外の手段はない。」

シルバーブレッドはナイフを観察しながら分かったと、言った。気づけばこいつはハヤシライスを、完食していた。

奴は立ち上がりベランダへと足を運ぶ。

 

「全ての用意が出来るのはいつだ?」

 

「4日後だな。」

 

「分かった。では、4日後にその、教室に参加させて貰う。」

そう言って奴はベランダから跳んでいった。俺が見たときには既に姿を消していた。

 

 

「不思議な奴だった。しかし、、、この首輪どうすれば、、、」

そう困っていると

ピーー

と、音がなって解除された。

 

 

 

 

 




最後まで見ていただきありがとうございました。次回は主人公視点でいきたいと思います。感想、アドバイス、誤字脱字等がありましたら教えて下さると幸いです。


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第2話 交渉の時間(降谷視点)

今回は降谷視点でいきたいと思います。
それではどうぞ。


ロブロか電話から2日が経った。今はその返事をしている。

 

 

「こちら、ロブロ。」

 

「こちら、シルバーだ。」

 

「お前か、それでどうだ?結論は出たのか?」

相変わらず威圧感のある、流暢な日本語だ。

 

「あぁ、もちろんでたよ。その依頼今のところは受けさせてもらうことにした。

ただ、やっぱりその前に直接話をしたい。用意していいか?」

 

「問題はないだろう。それで?条件はあるのか?話をする場所の条件は。」

 

「さすがだ、分かっているじゃん。今から言う条件をのんで欲しいと伝えてくれないかな?」

 

「分かった。それで?その条件とやらは?」

 

「1 場所は東京キングダムホテルの513号室。

 2 その場所には交渉人をお互いに1人ずつ。

 3 盗聴器、発信器その他追跡用の道具の持ち込みの禁止。

最低、この3個を守って欲しいと伝えてくれ。」

 

「分かった。確かに伝える。それでは」

要件が終わるとロブロはさっさと電話を切ってしまった。

 

 

「さぁ、向こうはどうでるのかな?」

男は不敵に笑った。

 

「あら、楽しそうね。新しい仕事。どうなの?」

紗良さんが尋ねてくる。

 

「うーん、依頼主は日本政府なんだ。もしかしたら罠の可能性もあるんだよなあ」

 

「そうね、、、どうしたいの?」

 

「一応話だけは聞くつもりさ。これからその役人に会いに行く。」

 

「そう、、気をつけてね」

 

「分かってるって。そろそろ行くわ。」

そう言って荷物を持って店を出た。

 

現在の時刻15時25分

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

現在の時刻16時00分

 

少し早めにチェックインを済まさせてもらって部屋に入る。まず盗聴器が仕掛けられてないか確認する。

、、、、、どうやら仕掛けられていないようだ。約束を守ったのか、、単に間に合わなかったのか、、

今は約束を守ったと信じよう。安堵した自分はベットに横たわる。布団はフカフカで気持ちいい。

 

自分はベットに横たわりながら考える。なぜ、自分に暗殺なんかの依頼をしてきたのか。自分のメインは情報収集で暗殺ではない。たまに殺しもするが証拠は1つも残していないから知らないはず、、、、

そんな中1つの可能性が頭に浮かんだ。

「もしかして、目的は僕の暗殺、、、なのか?」

そのことを考えていると部屋の電話が鳴る。

 

「こちら、フロントです。山本様お客様がおみえです。」

とうとう来たらしい。

「通してください。」

そう言って電話を切った。ちなみにこのホテルは偽名で予約を取った。

自分は慌てて準備をした。なんとか間に合った。

 

 

 

廊下に足音が1つ。部屋の前で止まった。自分は扉の裏に隠れている。ドアノブが少しだけひねられる。どうやら爆弾を仕掛けられていないか確認したみたいだ。役人は扉を開けて入ってきた。

入ってきたのはスーツの若い男だった。案の定、窓に釘付けになる。その隙に首輪を取り付けた。

ギリギリで気づいてかわす動作をされたがなんとかつけられた。

自分は殺気を出しながら男に言う。

 

「それは爆弾だ。無理に外そうとすれば即ドカン!だ。一応の安全さくさ。約束の通り一人で来たみたいだけどね。」

そこからはトントン拍子で話は進んだ。どうやら暗殺の話は本当だったらしい。なにか色々大変そうだったので奢ることにした。男から緑色のナイフを2本、エアガンとBB弾を受け取って帰ってきた。

 

 

自分が加わるのは4日後、、初めての学校楽しみだ。




最後雑ですみません。自動保存が機能しなくて2回消えて心が折れました。近いうちに直します。

2話しか投稿してないのにたくさんの方に見てもらっていてビックリです。
ありがとうございます。


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第3話 挨拶の時間

皆さんこんにちは。気づいたらアクセス数が増えていてビックリしました。
ここでオリキャラの設定集を挟ませて頂きます。興味の無い方は本文へどうぞ。


降谷翠 身長 163cm
    体重 50kg
    容姿 白い髪を肩まで伸ばしている。右黒色、左白色のオッドアイ。
    年齢 14歳
    性別 男
    誕生日 9月24日
    職業 スパイ業 学生
    概要 訳あってスパイ業をしている。主に企業や人の汚職などを調査してマスコミに売っている。
    特技 情報収集、家事(特に料理)
    

高崎春菜 身長 155cm
     体重 秘密
     容姿 黒い髪を肩甲骨あたりまでのばしている。両方とも黒目。Bカップ。
     年齢 14歳
     性別 女
     誕生日 7月16日
     職業 学生
     概要 10歳の時に降谷たちに保護された。それ以降一緒に暮らしている。現在は椚ヶ丘中学校3-Eに通っている。
     特技 記憶 ギター


松本紗良 身長 172cm
     体重 秘密
     容姿 髪を首にかかる位にのばしている。
     年齢 38歳
     性別 女
     誕生日 4月5日
     職業 カフェの店長
     概要 上の2人と合計4人で暮らしているカフェの店長。
     特技 ラテアート


とりあえずはこんな感じです。これから物語が進むにつれて足していきたいと思います
それでは、本文をどうぞ。
     


~降谷視点~

店に戻ってくる。道中警戒をしていたが尾行はされていないようだった。

扉を開けて階段を降りる。中から話し声が聞こえてくる。どうやら帰ってきていたみたいだ。

 

「だだいまー!」

 

「「おかえりー」」

春菜と紗良さんの返事が聞こえてくる。

 

「あれ?あいつは?まだ帰ってきてないのか?」

俺がもう1人いないのに気づいて尋ねる。

 

「あぁ、今日ね友達の家に泊まりに行くんだって。だから、今日は帰ってこないよ。」

春菜が答える。

 

「またか、、、まぁいいや。」

 

「ご飯食べる?」

紗良さんが聞いてくる。

 

「外で食べてきたから大丈夫。」

 

「分かった。それでどうだったの?」

 

「どうやら、マジらしかったよ。僕も参加することにしたよ。」

 

「何々?何の話!?」

春菜が目をキラキラさせながら聞いてくる。

 

「この前政府から暗殺の依頼が来たんだよ。最初は罠かと思ったけどどうやらマジらしいからね。面白そうだし受けることにしたんだ。」

 

「へー、で?場所は?どこなの?対象は誰?」

 

「えーと、確か椚ヶ丘中学校だったかな?そういえばお前もそこだったな。」

 

「え、、、あ、うん。」

 

「「、、、ねぇまさか同じ、、、?」

 

「その感じどうやら同じのようね。」

紗良さんがそう言った。

 

「え、あ、そうなのか。じゃあこれから1年よろしくね。で、どんな奴なの?春菜」

 

「うーん、タコ!かな?まさに超生物だね。再生能力もあるし最近は奥田ちゃんが作った薬で液状化できるようになったんだよ。ますます、殺しずらくなっちゃったっだよね。」

 

「聞けば聞くほど訳の分からない奴だなあ」

頭が痛くなってきた。

 

「まぁ、悩んでも仕方ないわ。今日はもう遅いから寝る準備をしましょう。」

俺らが頭を抱えていると紗良さんが言ってくれた。

 

「そうだね!じゃあ、お風呂入ってくるね。」

春菜がそう言ってお風呂場に消えた。

 

「よし、じゃあ部屋に戻るわ。上がったら教えて。」

そう言って立ち上がる。

 

「分かったわ。」

 

「あ、翠くん着替え忘れたから取ってきてー」

 

「、、、はぁいい加減その癖直しなよ。今日で最後だぞ!」

 

「あんたもそのセリフかなりの数言っているわよ。」

 

「なんとかする。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

4日後

 

 

春菜は先に行った。自分は少し遅れて学校の前に着いた。ちなみに今の服装は私服である。住所は特定されるのは怖いので当日受け取るようにした。

 

山の麓の駐車場にはあの人がいた。

 

「これが制服だ。遅くなったが自己紹介をさせてくれ。俺は烏間だ。一応表向きはあのクラスの担任をしている。基本的に体育は俺が受け持つ。」

 

「そうか、じゃあこれからよろしくお願いします。烏間先生。では行きましょう。」

 

「そうだな」

そう言って山を登り始める。

 

「え?山の上にあるの?」

 

山を登っていると大きな音と共にタコが降りてきた。

 

「ヌルフフフフ、嗅いだことのない匂いがあったので来てみたら君が転校生ですね。

私が担任の殺先生です。よろしくお願いします。」

ホントにタコだ。もう、前に会ったときのようなおぞましい姿ではなくなっていた。

 

「よろしくお願いします。殺先生。」

そう言って近づいて能力を使うが反応がない。効かないらしい。

僕が考えていると少し風が吹いた。気づけば着ていた私服が制服に変わっていた。

 

「ヌルフフフフ、それではホームルームがあるのでお先に失礼します。君のことはホームルームの後に紹介します。それでは!!」

そう言って風と共に飛んで行った。

 

「速い、、、目で追えられなかった。」

 

 

 

そんなこんなあって、ようやく頂上に着いた。

木造も校舎に雑草だらけのグラウンド荒れ果ててた。校舎に入る。やはり中も綺麗とは言えない。

パンパンパンパン

教室から大量のエアガンの音が響く。数からして一斉射撃だろう。あの先生が名前も呼んでいるのでおそらく出席をとっているんだろう。

音が収まった。すると中から声が聞こえてきた。

 

「それでは、転校生君入ってきてください。」

その声を聞いて教室の扉を開けた。

 




今回はこんな感じです。短くてすみません。なるべく長くできるように努力します。


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第4話 対面の時間

こんにちは。今、やっていたことが一段落してほっとしている私です。それでは本編どうぞ。


~side潮田渚~

僕らは進学校で落ちこぼれた敗者だった。

ほんの少し前、うちのクラスに3月に月を爆破したというタコ型超生物がクラスの担任としてやって来た。来年の3月には今度は地球を爆破するらしい。僕らはその時にある任務を託された。

それは、、、この超生物を暗殺すること。

当然、色々な声が上がった。でも、次の一言でみんなが暗殺をすることを決意した。

 

奴を殺せた場合の賞金は100億円。

 

ここまで、みんな様々な暗殺を試みたけど未だにダメージを与えれたのはカルマ君の1人だけ。果たして僕らは地球を救えるのだろうか。

 

 

「おーい。」

いつもと同じ山道を登っていると後ろから声が聞こえてきた。

 

「杉野君。おはよう。」

 

「おう。おはよう渚。」

後ろから僕に追いついてきたのは元野球部の杉野君だった。

 

「なぁ、渚。お前昨日の一斉メールみたか?」

 

「うん、、見たよ。」tそう、今日はいつもとは違う。

 

「とうとう来たか、、転校生暗殺者。」

 

「しかも、あのシルバーブレット。」

そう、昨日烏間先生からの一斉メールにはこう書かれていた。

 

『明日から新しい暗殺者が生徒としてくる。みんなの中にも知っている人はいるだろう。そいつはシルバーブレットだ。よろしく頼む。』

 

シルバーブレットは僕らの中でも有名人だ。誰も気づけなかった犯罪やスキャンダルなどを手に入れてはマスコミに売って悪事を暴いている。正体については今まで何度か騒がれたは結局誰も知らない。そんな人物がここにやって来る。その事実に緊張してくる。もう、校舎は目の前だ。

 

 

 

「なぁ、渚はどんなやつだと思う?」

 

校舎に着いても転校生の話題で持ちきりだ。

 

「どうだろう。全く検討もつかないや。調べてみても、何も無いところとから刃物を作り出したとか、常に浮いているとか、あり得ないような都市伝説ばっかりだし、、」

 

「俺は女だと思う。それもとびきり巨乳の!」

そう盛り上がっているのはクラスのエロの王様 岡島君だ。彼の発言に何人かの女子が引いている。

 

「俺も女だと思うな。巨乳はともかく。テレビとかでよく白い少し長い髪をしているって言ってたし。」

 

「そっか、僕は男だと思う。なんとなくだけどね。」

 

 

「おはようございます。」

僕らが話しているとタコ型超生物、殺先生が入ってきた。僕らは急いで席につきHRの準備をする。

 

「ヌルフフフフ、残念ながら今日も着弾丸なし、、、。殺せますかねぇ?卒業までに

さて、今日はみなさん既に知っていると思いますが転校生が来ます。」

 

「先生、名前は?男ですか?女ですか?」

そう質問するのはクラスの学級委員長磯貝君だ。

 

「私も来るときに少しお話しただけで、、、あまり知らないのです。まぁ、詳しいことは本人に聞いてみましょう。それでは転校生君入ってきてください。」

 

~side降谷~

先生に言われて扉を開けた。中に入ると目線が自分に集中していた。まぁ、当たり前か。坊主の奴がこっちを見て明らかにガッカリしていた。何でだ?まぁ、別にいい。ここには仕事で来ているのだからな。

 

「それでは、自己紹介をお願いします。できれば偽名では無く本名を、、、

ここには君の敵はいません。みんなが味方です。」

先生が小さな瞳でこっちを見てくる。その言葉には嘘を感じられなかった。

その周りの生徒にも感じることはなかった。

いいだろう、もしばれたら、、、

 

 

 

 

 

全員殺せばいいんだし

 

 

 

 

 

俺はチョークを使って黒板に本名を書く。

 

「降谷翠です。これが本名です。まぁ信じるかは君たち次第だけどね。」

 

「はい、みなさん仲良くしましょう。席はあちらです。」

先生がそう言った。

 

 

 

その瞬間僕は本物の拳銃を4発発砲した。当然避けられる。

第2手、袖の裏に隠していたナイフを2本突き立てる。これは触手に押さえられる。

第3手 袖のナイフを突き立てると同時に靴に貼り付けたナイフでけりを入れたがこれも押さえられた。

 

大人しく降りる。

 

「なるほど、反射神経も化け物か、、、」

 

「ヌルフフフフ、そんな簡単には殺されまs、、、ニュウウ」

 

先生から苦しそうな声が聞こえた。おもわずニヤリと笑う。

 

 

そう、、最初に撃った4発が僕の手に戻ってきた。先生の体を貫通して。

 

「ビックリした?したかったのはこの一撃。本物玉は効かないことは既に知っていたからね。仕込ませてもらったよ。対先生BB弾。ナイフはミスリードさ。まんまと引っかかったが致命傷じゃあ無いみたいだな。これから1年よろしくね。殺先生。」

 

そう言って席についた。

 

 

 




月曜日が憂鬱です。


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第5話 転入の時間

みなさん、こんにちは。遅くなってしまい大変申し訳ございません。今週はメッチャハードでした。(言い訳です。)
文化部の私ですが見事にやけました。一応日焼け止めは塗っていたんですがね、、、。無駄話はこの辺にしてそれでは、本編どうぞ。


~side潮田渚~

僕らは目の前の光景に対して目を疑ってしまった。今日来た転校生が先生に暗殺を仕掛けた。そのことはもう僕らには日常なのであまり驚きはしない。

僕らが驚いたのはその後だ。彼が最初に撃った4発の弾丸が殺先生が避けた弾丸が殺先生の胴体を貫いたのだ。そしてその弾丸はなぜか彼の手元に戻っていた。

そして僕らは悟った「彼はただものではないと」

今まで何度か先生の触手に攻撃を当てられた人はいた。それでも胴体に攻撃を当てたのは彼が初めてだった。

 

「ニュウウウ、、、」

 

殺先生が苦しそうな声をあげながら起き上がってくる。

それを見てから席に着く転校生暗殺者。

今日はいつも以上に波乱の1日になりそうだ。

 

 

 

 

~side降谷翠~

自分は人生で初めてまともな授業を受けている。

さっき、確かに感触があった。確かに弾丸が体を貫いた感覚が。それでも今先生はピンピンして授業をしてくる。

(なるほど、流石は月を破壊する超生物。一筋縄では確実にいかないな。

、、、にしても先生の授業は確かに分かりやすい。自分のイメージでは何人かの生徒は寝ているようなかんじだけど周りを見渡す限りはそんな生徒はいないなぁ。やっぱり誇張されたものだったか、、、。

そんなことに頭を働かせていると授業の終了のチャイムが鳴る。

 

「それでは今日はここまで次は体育ですね。気をつけ、礼。」

先生がそう言って教室を出ていった。

 

(体育!?待って、何も分からない、、、困ったな。仕方ない)

自分は教室を出ようとしていた人物に小声で声をかける。

 

「春菜、僕はどうすればいいの?これからどこ行くの?」

自分が質問すると春菜はニヤリと笑って別の生徒へ声をかけた。

 

「渚!転校生くん案内してあげて。」

春菜がそう言うと水色の髪をしていてツインテールの男の子?がこっちに寄ってきた。

 

「えっと、、、、降谷くん、だよね?僕は潮田渚。渚でいいよ。次は体育でグラウンドに行くんだ。着いてきてくれるかな?」

彼は戸惑いつつも話しかけてきた。

 

「分かった。翠でいいよ。よろしく。」

渚に案内されてグラウンドに行く。そこにはあの烏間先生がいた。

 

「今日君には最初、見学をしてもらう。最後には俺と少しの間組手をしてもらう。それで問題ないか?」

烏間先生はそう尋ねてきた。

 

「問題ありません。」

自分はそう答える。

 

「そうか、、分かった。それでは授業を始める。日直は号令を!」

体育の授業が始まった。

 

 

 

 

しばらく、みんなの授業風景を観察している。やはり動きはぎこちなく初心者であるのは明確だ。しかし、始めて1月も経ってないのだとしたらかなり筋はいい。あの人の指導方法が理にかなっているのだろう。授業の進行としては最初にナイフの素振り、次に2人1組での組手、最後に先生との組手といる順番らしい。そんな観察をしていると先生に呼ばれた。どうやら時間らしい。

 

「これから、君と1vs. 1をする。時間は5分間。互いにこのナイフを使って1回相手に当てることができた方が勝ちとする。これでいいか?」

 

「大丈夫です。」

自分は答える。

 

「それでは始めよう。磯貝君審判を頼む。」

 

「は、はい。」

触覚のようなアホ毛が特徴のいかにもイケメンな男子生徒が答えた。

 

「そ、それでは始め!」

磯貝君は戸惑いつつ始めの合図を出した。

 

 

 

 

~~~~~3人称視点~~~~~

 

 

校庭の空気は張りつめていた。組手を始めたふたりは互いに動かずに様子を伺いプレッシャーを放っていたからだ。

しばらくの間、沈黙が続く。先に仕掛けたのは降谷のほうだった。

 

まっすぐ相手の方へ突っ込んでナイフの間合いに入ると剣道の突きのようにナイフを繰り出した。それを烏間は彼から見て右方向に避ける。

それを見た降谷は時計回りに回転してナイフで仕掛ける。体を反ることでギリギリで回避する烏間。

今度は烏間が脇腹めがけてナイフを突き出す。

降谷は1歩下がって避けた。

互いに1度距離をとる。互いに息は一切あがっていなかった。

今度は烏間から仕掛けてきた。一切の隙のない動きで降谷に迫ってくる。

すると、降谷は自分が着ていた上着を烏間の顔に一瞬で脱いで被せた。

それにより一瞬隙が生まれてしまった。生まれた隙は1秒程度、、もしかしたらもっと短いかもしれない。しかし、降谷はその一瞬を逃さなかった。その一瞬で烏間の後ろに回り込んでその背中にナイフを突き立てようとした。そのとき、、

 

「そこまで!」

審判の声がした。

 

 

~~~~~降谷翠視点~~~~~

 

「そこまで!」

審判の声が聞こえてきた。どうやらもう5分が経ってしまったらしい。早いものだ。

正直、危なかった。なんて、人だ。

視界を奪ったあの一瞬で順手で、持っていたナイフを逆手に持ちかえてこちらに正確に突き立てようとしていた。あそこで刺していたら間違えなく負けていた。

もし、時間切れになっていなかったら確実に自分が刺すよりも先に刺されていた。

これは、こちらの負けだ、、、

 

そんなことを考えていると先生はもう立ち上がって他の生徒たちへ授業の終了の合図をしていた。

生徒がバラバラになって校舎へ戻っていく。そんな中でひとりだけ近づいてくる人がいた。渚だ。

 

「スゴいね!烏間先生に、善戦ができるなんて。」

 

「そんなことはないんだ。あれは僕の負けだったんだ。時間切れで助かったのはこっちなんだよ。」

自分は否定をする。

 

「それでも、先生にあそこまでできた人はいなかったんだ。僕からしたらスゴいことだよ。」

彼は嘘偽りのない表情で自分に言った。自分はそれが少し嬉しく感じた。

 

 

 

 

 

放課後になった。春菜との関係はなるべく秘密にしなければいけないので行動は基本別々だ。

今は渚と話している。最初はたわいもない話だったけどとうとう核心を、つく質問をされた。

 

「ねぇ、翠君。なんで君はあんなことをしているの?」

 

「、、、、それは言えない。知らなくていいことたからね。」

自分は微笑みながら答える。

そうこうしていると駅に着いた。渚とは逆方向らしい。ここでお別れだ。

 

「あ、逆方向なんだね。じゃあね。」

 

「うん!また明日。」

 

そう言って自分達は別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電車に揺られている。ふと、あの娘のことを思い出していた。

今の自分の原点となったあの娘のことを

 




もう、6月ですね。遅れて本当にすみませんでした。
気づいたらお気に入りが10を越えていてビックリしています。してくださった方々本当にありがとうございます。


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第6話 お話の時間

みなさんこんにちは。
投稿を初投稿からもうすぐ1ヶ月が経とうとしていますね。早い。
不定期投稿で書いていますがそれでもきついところがあって毎日投稿をされている方は本当に凄いと思います。
ちなみにタイトルは思いつかないのでこれにしました。
それでは本編どうぞ。


~side降谷~

渚と改札で別れて電車に乗っている。ふと昔のことを思い出した。もう、5年も経つのか、、、。

そんなことを考えているとあるものが目に映った。

(あれは、、、椚ヶ丘の制服。まずいなああまり会いたくはなかったのになぁ。やり過ごすか。)

自分と同じ制服を着た緑色の珍しい髪の色をした女生徒が目に映った。自分は先生を殺すために送り込まれた暗殺者だ。出来るだけ目立ちたくはない。何もせずにやり過ごそうと考えていたとき違和感に気がついた。

(後ろのおっさん、やけにあの娘に密着している。あそこまで密着するほどまでは電車は混んでいないのに)

今は夕方、帰宅ラッシュよりは少しだけ早い時間帯多少密着はありえるがあそこまで密着する必要はない。 

(となると考えられる可能性は、、、痴漢。)

自分は気づかれないようにそっと近づいた。さっきまでは関わるつもりは全くなかったが痴漢なら話は別だ。もし、予想が当たっていたとしたら許す訳には絶対にいかない。

 

2人が確実に見える位置まで近づいた。

(やっぱりだ。このおっさんさりげなく触ってやがる。そうとなれば、、、)

確信した自分はズボンのポケットの中からそっと携帯をとりだして証拠をカメラに収めたら、女の子との間に入っておっさんの手を掴んで小声で言った。

「おっさん、今痴漢していたよな?写真があるんだ。冤罪じゃないよなぁ?さぁ、降りようか。な?」

おっさんは絶望した顔をしてうつむいたまま抵抗することもなく素直に電車を降りた。

 

 

 

 

あの後痴漢のおっさんを駅員に渡した。女の子は後ろに着いてきていた。

 

「ほら、ジュースでよかったかな?」

自販機で買ってきたオレンジジュースをベンチに座っている女の子に渡した。

 

「うん、、ありがとう。」

女の子はまだオドオドしている。まぁ、仕方ないか。

 

「じゃあ、もう僕は行くね。気をつけて帰ってね。」

気まずいので早めにその場を立ち去ろうとした。顔や名前を覚えられるのも困るしでも、、、

 

「あの、、、ありがとう。降谷君。」

自分がその場を立ち去ろうしたその時彼女は自分の名前を言った。1度も名乗っていないのに。その事実が立ち去ろうとした足を一瞬で止めた。

 

「ん、なんで僕の名前を知っているの?1度も名乗っていないのに。」

ベンチに座って彼女に尋ねる。返答次第では、、、

 

「え?」

自分が質問をすると少し間抜けな声を出した。

 

「そっか、ごめんね。私、茅野カエデ。同じ3ーEの生徒だよ。」

彼女の言葉で納得がいった。少し考えれば分かることだった。

 

「そっか、ごめんね。まだクラス全員の名前を覚えていなくて。」

自分は彼女に謝罪をする。

 

「ううん、大丈夫だよ。まだ転校初日だもん。覚えていなくてあたりまえじゃん!」

彼女はそう言って笑顔をこっちに向けてきた。

その瞬間自分は雷に打たれたような衝撃を感じた。

 

こっちを見た彼女の顔は”あの人”と瓜二つだったからだ。

 

「!!?」

自分はおもわず体をびくつかせてしまった。

 

「?どうかした?」

彼女は首をかしげて不思議そうにこちらを純粋な目で見てきた。

 

「あれ?本当にどうかした?大丈夫?」

 

「あ、、うん。大丈夫だよ。」

 

「じゃあ、なんで泣いているの?」

 

「え?」

そう言って自分の頬に手をやる。そこで初めて気がついた。

 

”自分が泣いていることに”

 

「え?あぁ、だ、大丈夫。はははなんでだろうね。滅多に泣かないのに。」

 

「?そう、ホントに?」

 

「う、うん。それよりも茅野?こそ大丈夫だった?」

 

「あ、うん。ありがとうね。本当に困っていたんだ。怖かった。」

 

その言葉を聞いて自分の中から化け物が出かけてきた。今は絶対に出てきちゃいけないのに。自分はそれを必死に押さえる。

 

「ご、ごめんね。僕、もう行かなきゃ。」

 

「そっか、本当にありがとう。助けてくれて。またね。」

彼女は純粋な目で言った。

自分はすぐにそこを立ち去って人目のつかないところまで走った。

 

「はぁはぁはぁ」

走った距離は決して長くないのに息があがっている。

 

(でてきちゃダメだ!押さえてくれ、耐えてくれ。)

自分の中の化け物に対して必死に頼み込む。

、、、なんとか収まってくれた。

今日はそのまま帰路につくことにした。

 

 

 

 

 

 

「ただいま。」

家に帰ってまず言った。

 

「あら、お帰りなさい。どうだった?」

紗良さんが出迎えてくれた。

 

「うん、まぁまぁ。まだ何も分からないからなんともいえない。」

 

「そっか、お疲れ様。」

 

「ありがとう。それよりもあれ見つかった?」

 

「えぇ、HPを検索すれば1発で。」

 

「そっか。ありがとう。」

紗良さんには椚ヶ丘学園について調べてもらっていた。

 

「ふむ、まあ普通の私立の学校か。このE組制度を除いては、、」

 

「何のためにこんな制度があるの?」

紗良さんが聞いてきた。

 

「さぁ、僕にも分からない。でも何かしらの教育関係の目的はあるはずだ。ここの理事長は教育の天才と言われているからね。」

 

2人で考えこんでいると扉が開いた音がした。

 

「たっだいまー」

どうやら春菜が帰ってきたみたいだ。

 

「あれー?2人で何しているの?そんな難しい顔しちゃって。」

 

「ん?いやなんでもないよ。」

 

「えぇ、さぁ晩ご飯にしましょうか。」

 

「そうだね。」

 

「やったー!翠またデザート作ってよ。」

 

「了解。」

 

 

こうして波瀾万丈な転校初日が終わった。

 

 

 




感想よろしくお願いします。


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第7話 集会の時間

みなさんこんにちは。
話せることを探しましたが見つかりませんでした。
それでは本編をどうぞ。


窓から差し込む朝日で目が覚める。今日も晴れらしい。

 

「んんんんんー」

 

布団から出て体を伸ばす。背骨がゴキゴキと鳴る。  痛い、、、

 

「ふぅ、おはよう。紗良さん。」

支度をしてキッチンに行くと紗良さんが立っていた。

 

「おはよう。悪いんだけど春菜ちゃん、起こしてきてあげてまだ寝ているみたいだから。朝ご飯は作っておくから。」

 

「またか、、あいつが朝に弱いのはホントに直らないな。はは、分かったよ。じゃあよろしくね。」

そう言って春菜の部屋に向かう。

 

「おーい!おきろー。朝だぞ。遅刻していいのか?」

 

「やだぁ、まだ寝るー。」

 

「、、、、、仕方ない。」

自分は孫の手を取りだして彼女の足の裏をくすぐる。

 

「わははは、や、やめてーー」

ようやく起きたみたいだ。

 

「はえ?」

 

「朝だ。ほらさっさと支度しな」

 

「ふぁい。」

どうやらまだ寝ぼけているようだ。

 

「戻るぞ。」

 

そう言って部屋をでた。

しばらくしたら支度を終えて春菜がでてきた。

 

「ごめーん。また寝坊しちゃった。今度から気をつけてね。」

 

「お前、それ何回目だと思ってるの?」

 

「そうね、もう毎朝言ってるわよ。」

自分と紗良さんが続けて言う。

 

「うぅぅ。はい、、」

春菜が反省したような表情を見せる。でもまた明日やるだろう。なんたってこの会話はもう何年も繰り返しているからだ。

 

「まぁ、そのへんにして食べよ。冷めちゃう前にさ、ね?」

春菜は強引に話を終わらせた。

 

「「いただきます」」

 

自分たちは朝ご飯を食べながらニュースを見る。内容は最近話題のスイーツだ。

 

「わーおいしそう。ねぇ、今度連れてってよ。」

春菜が自分にねだる。

 

「今度な、」

自分は軽くあしらう。

 

「ごちそうさま」

自分はそう言って家を出る準備を始める。

 

「え?ちょ、待って、待ってよ!」

自分の姿を見て春菜が焦り始める。

 

「焦らなくてもいいよ。どっちみちクラスに関係を知られる訳にはいかないから時間をずらすんだし。」

 

「あ!そっか、じゃあ先に行ってて。じゃあ向こうで。いってらっしゃい。」

 

「いってきます。」

扉に手をかけて家をでた。

 

 

 

 

 

~昼休み~

それぞれがグループを作って食べ始める。そんな中自分は1人で校舎の屋根で食べてる。そこにやつが飛んできた。

 

「どうですか?君が来てから数日が経ちましたがクラスになれましたか?」

話しかけてきた。暗殺を考えるがその考えはすぐに消える。先生はしっかりナイフの間合いの外にいる。そもそもむりな話だ。話に応じる。

 

「まぁ、ぼちぼちですかね?」

 

「そうですかね?私から見たらまだまだですよ。君はクラスのほとんどを信用していませんね?」

 

「できるわけがないだろ。いつ裏切るか分からない。当然警戒するさ。まだ、信用した訳ではない。」

 

「ですが、君の警戒が原因で君はクラスとの間に壁ができてしまっている。君が人を信用できないのは分かります。ですが、彼らは君を裏切らない。どうか信じてあげてください。」

先生はそう言った。

 

「、、、、」

 

「にしても雰囲気が変わりましたね~。数日前は穏やかだった雰囲気が今は少しピリピリしている。何かありましたか?」

先生は自分にそう言ってきた。心当たりがあるとするならこの前の茅野の1件か、、

 

「いや、特に、何でもありませんよ。ただ、あんたを殺す算段をつけていただけだからね。」

自分はそう誤魔化した。

 

「そうですかそうですか。ではそろそろ時間ですね。」

 

「?何の?昼休みが終わるにはまだ早いよ。」

 

「いいえ、今日は午後から全校集会なのでそろそろ行かなくては、、、、」

先生は少し暗い表情で言った。

 

「いつものやつか、、、」

 

「ええ、いつものやつです。しかし、彼らはこんな中で立派に生きている。必要なのは場所ではなくそこで何をするかなのです。」

先生がそう言った。

 

「あ、そんなところにいたの?おーい」

下から渚の声が聞こえた。

 

「ふぅ、じゃあ行ってくるわ。」

 

「はい、いってらっしゃい。」

 

「ところで先生は来ないの?」

 

「烏間先生に目立つからダメだと、、シクシク」

先生は泣きながらそう言った。

 

(まぁ、そりゃそうか、、)

 

自分は屋根から降りてみんなに着いていった。

 

 

 

 

 

椚ヶ丘中学校の全校集会は午後からある。そのためE組の生徒は昼休み返上で山を下って本校舎へ向かわなくてはならない。

 

 

「なぁ、渚。お前転校生と中がいいけど大丈夫なのか?」

杉野君が聞いてきた。

 

「あぁ、うん。大丈夫だよ。翠君は不良じゃないし。」

 

「でも、いつも無口で視線もこわいしよぉ、、、」

 

「なぁ?茅野はどう思っているの?」

杉野は近くにいた茅野に声をかけた。

 

「降谷君?悪い人じゃないよ。実はこの前困っているところを助けてもらったし、、」

 

「へーでもそれは上っ面だけじゃないのかなぁ?」

どうやら杉野君はまだうたがっているみたいだ。

 

「多分、人見知りじゃないかなぁ?話したら面白し、、じゃあ今日一緒に帰ろうよ。そうしたら分かるよ。ね?」

 

「あ、ぁ」

杉野君は弱々しいけど納得してくれた。

本校舎はもうすぐだ。

 

 

 

 

本校舎に着いた。みんな完全にバテている。まぁ、むりもないか。普通の道ならともかくこの山道を1kmだもんな。

 

「み、みんな疲れているだろうけど急いで並ぼう。」

そう声をかけたのは委員長の磯貝だった。

 

「「「は、はい」」」

みんなは力なく返事をした。

 

並んでいると周りがクスクス笑う。なるほど、このとき自分は初めてこのE組制度の意味を理解した。みんながこうなるのを嫌がるからだ。

今の惨めな姿に、、。

 

細い眼鏡をかけた生徒とデブでニキビのあるいかにも頭が悪そうな2人組が渚に絡んでいた。耳をすますと

 

「山からお疲れ様~」

など明らかにバカにしていた。

 

 

「みなさんは全国から選ばれたエリートです。この校長が保証しましょう。しかし、怠けてばかりいるとどうしようもない人になってしまいますよー」

校長は延々とこの話をしていた。気分が悪い。こっちだと滅多なことでイライラしない自分がイライラしている。それに拍車をかけたのは生徒会の時だった。

 

「えーお手元の資料をご覧ください。、、、、

生徒会という奴らが勝手に話を進める。ここで委員長の磯貝が

 

「すみません。僕らもらってません!」

そう声を上げた。しかし、回答は

 

「あぁ?すっみません~wE組の分忘れてしまいました~。でもほらーE組って記憶力も鍛えた方がいいとおもうんで~」

一切悪気がない。純粋な冗談でまるでさも当たり前かのようにあいつは言い放った。

もう、出てやる。そう決めてでようとしたその時体育館に突風が吹き始める。

それと同時に自分たちの手元には資料があった。

 

「問題ありませんねぇ~”手書きのコピー”があるので。」

みんなは提供元を見るとニコリと笑った。

 

「あ、大丈夫です。資料見つかりました。」

磯貝が報告すると生徒会のやつは少しだけとりみだしながら

 

「え?だ、誰だよ笑いどころ潰した奴、、」

と言った。そいつはすぐに失言に気づいて

 

「あ、、で、では報告を続けます。」

と言った。

 

 

 

 

集会が終わって帰る用意をしているとまた渚にさっきの2人組が絡んでいた。

その2人はやれ

 

「集会中に笑うな。」

(いや、お前らの方がもっと笑っていたし。)

やれ

「かわいい女といちゃつくな。」

(醜い嫉妬じゃねぇか。)

やれ

「E組は常に下を向いていればいい。」

などふざけた発言ばっかりしていた。

流石にこれには自分も烏間先生もカチンときて止めようとしたら殺先生に止められた。

 

「まぁ、2人とも見ててください。私の生徒はこんなものに屈したりはしませんから」

 

そう諭され大人しく見ていることにした。

しばらく見ているとさっきの内の1人が渚の襟を掴んで

 

「殺すぞ!」

と脅した。

 

すると渚はおじけづくことなく

 

「殺す?本当に殺そうとしたことないくせに。」

言い放った。その言葉には強い殺気が込められていた。

 

 

 

 

(なんだ?!今のは、、、渚、、、まさか、、、)

 

 

すると渚はこっちに気づいて寄ってきて

 

「待たせてごめんね。帰ろうか。」

一切殺気を感じさせずに言った。

 

 

 

 

もしかしたら渚はとんでもないモノを持っているのかもしれない。

 

 

 

 




誤字脱字等がありましたら教えてくださると幸いです。


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第8話 中間の時間

みなさんこんにちは。
暑いですね。みなさん、水分補給していますか?
自分は先日体育祭で体調をくずしてしまいました。

それでは本編をどうぞ。


今、自分の目の前で理解不能な出来事が起きている。自分の目には多数の分身して千世が見える。

 

「さぁ、みなさん。授業を始めます。」

先生はそう言った。

 

 

 

 

 

なにこれ、、、

 

 

 

「えっと、先生?授業とは?今から何を、、?」

誰かがそう質問をする。

 

「学校の中間テストが近づいてきました。」

 

「そうそう。」

 

「そこで本日は。」

 

「「「高速テスト対策授業です。!!!」

 

先生が1人1人?しゃべって説明した。

そういいおわると同時にさっきまで数体だった分身が一気にクラス全員分1人1人についた。ご丁寧になぜかハチマキをまいている。どうやらハチマキに書かれている教科の名前が自分がいまから勉強する教科らしい。

 

 

「ケッ!くっだらねぇ。」

クラスの不良寺坂?だっけ?が文句と一緒に唾を吐き捨てた。

 

(汚ね)

 

心のなかで密かに思っていた。彼はそう言っているが何の教科を勉強するのだろう。

そう思って見てみると、、、

 

 

彼のハチマキは

 

 

 

 

ナ●ト

 

 

 

だった。

 

 

「なんで俺だけ ピー なんだよ!」

彼は半ギレで尋ねた。

 

「寺坂くんは苦手教科が多いので特別コースです。」

先生はいつもの笑顔でそう答えた。

 

(やれやれ、こいつみたいな奴はこういう時苦労しているな普段からやっておけばよいものを)

 

心の中でそう思って前を向きハチマキを見ると

 

 

 

なぜか、、、自分も、、、

 

 

 

ナ●ト

 

 

だった。

 

 

 

「な、なんで僕まで!?」

口調を荒げて抗議をする。

 

すると先生は

 

 

「すみません。降谷君はまだここに来て日が浅いので先生自身君の能力を把握しきれていない部分があります。今日はこて調べということで勘弁してください。」

先生は申し訳なさそうに言った。

 

 

「そういうことならまぁ、いいよ。」

これに関しては互いに悪くない。許すことにした。

 

「あ、あと先生君のことがもっと知りたいので今日の放課後残ってもらえますか?」

 

「、、、うん。大丈夫だね。オッケー。」

 

自分は今日の予定を頭のなかで探して何もないことを確認してオッケーと返した。

 

 

 

 

 

 

~放課後~

今日は、掃除当番の日だった。

さくさくと掃除を終わらせる。因みに当番は自分と渚と茅野だ。

ふたりの中に加わった感じだ。

先生の補修を受けるために職員室に向かう。扉の前では渚が聞き耳をたてていた。

 

「何やってんだ渚?」

そっと小声で渚に聞く。すると渚は黙って中を覗かせてくれた。

 

中には先生たちともう1人。見知らぬ人が、いや、正確にはここにはいないはずの人がいた。

 

椚が丘学園理事長 浅野学峯

が。

彼は手にドライバーを握っていてその足元にはバラバラになったルービックキューブが転がっていた。

 

「私が考えなくてはならないのは来年もこの地球が生き残る場合、、、つまり生徒の誰かが貴方を殺せた場合です。単刀直入に言うとここE組はこのままてなくては困ります。」

 

「このままと言いますと学力も待遇も最底辺の今ということですか?」

先生がたずねる。

 

「はい。働きありの法則を知っていますか?どんな集団でも20%は働き20%は怠け残り60%は平均的になる法則です。

私が目指すのは95%の働き者と5%の怠け者です。全員がE組のようにはなりたくないそう願うことによってこの比率は達成できる。」

 

理事長はそう言った。

 

(考えることの次元が違うな。

なるほど、、、そのためにこのE組制度があるのか。合理的だ。)

 

「それと先日D組の担任から苦情が来ました。凄まれた。殺すぞと脅された。と」

 

ジーーー

 

自分は心当たりのある生徒に視線を送る。最も殺すとは言ってなかったな。

 

渚は気まずそうに視線を外した。

 

 

「暗殺をしているのですからそんな殺気が身に付くのは結構です。問題は成績最底辺が本校舎の生徒に逆らうことです。

以後慎むようにしてください。」

理事長はそう言って立ち上がった。

どうやら帰るようだ。

 

「そうだ!1秒以内に解いてください。」

そう言って殺先生に知恵の輪を投げた。

 

結果は見るに耐えないものだった。

 

 

自分は音を立てずに天井にくっついた。

渚は間に合わなかった。

 

「中間テスト期待しているよ。

君もね、、、」

理事長は渚だけでなく自分にも気がついた。気配を出していなかったのに。

 

 

このあとの補習は先生のやる気がすごかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなって申し訳こざいません。
理由としては部活の大会があってそっちに専念していたら時間が経っていました。
これから期末試験があるのでさらに投稿頻度が下がるかもしれないです。
申し訳こざいません。


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第9話 中間の時間 2

みなさんこんにちは。
遅くなってしまいすみません。
期末テスト終わりました。
本日より執筆を再開していきます。

それでは本編をどうぞ。


~次の日~

 

1日が経過した。 今日は、、、もっと増えた、、、

どうやら、昨日理事長に色々言われたのが相当きたみたいだ。

昨日は1人に1人の分身がついていたが今日は3人に増えていた。

でも、その影響で分身がより雑になってきた。具体的に言うとなんか自分の知らない格好をした人たちが混じっている。

 

授業が終わって休み時間になった。

固まった体を伸ばす。かなり疲れた。トイレに行ってこよう、、。

 

 

 

 

自分がトイレから戻るとクラスには誰1人としていなかった。

 

「あ、いた。先生が校庭に来て。だって」

 

渚に言われて校庭にでる。でると先生はサッカーゴールを動かしていた。

辺りを見渡すと烏間先生やビッチ先生までいる。

 

(本当に何の話をするのだろう。)

 

そう疑問に思っていると先生が話し始めた。

 

「イリーナ先生、貴方は暗殺をするとき用意するプランは1つだけですか?」

 

するとビッチ先生はいつもの表情とは一変してプロの顔付きになって言った。

 

「いいえ、実戦では本命のプラン通りいくことはほぼないわ。何かとどこかで綻びが生じるわ。だから予備のプランをより綿密に何個も作っておくものよ。それが暗殺の基本。」

 

ビッチ先生がそう言った後に殺先生は今度は烏間先生に質問をした。

 

「では烏間先生。ナイフ術を生徒に教えるとき重要なのは第1撃だけですか?」

 

「いや、もちろん第1撃は最重要だが手練れが相手だと高確率で避けられる。だからこそ2撃目3撃目をいかに素早く繰り出せるかが重要になってくる。」

 

「、、、つまり何が言いたいんだ?殺先生?」

クラスのチャラ男前原が尋ねた。

 

すると先生は校庭にど真ん中で高速回転を始めた。

その速さで次第に空気も渦を巻き始めて竜巻が起こる。中には砂や砂利が飛んでくるので腕で目を守る人やスカートを押さえてる人まで出るくらいだ。

 

「先生方のおっしゃる通り!自身がある次の手があるからこそ自身に満ちた暗殺者になれるのです。それに比べて君たちはどうでしょうか。自分たちには暗殺があるか。と、勉強の目標を低くしている。それはただ劣等感の原因から逃げているだけです。

もし、私がこの教室からにげたら?もし、私が他の誰かに暗殺されたら?

君たちには劣等感しか残らない!そんな君たちにアドバイスです。

第2の刃を持たざる者は暗殺者の資格なし!!」

 

先生はそう言うと回転を止める。すると雑草やでこぼこだらけだった校庭がきれいにならされていた。

 

「校庭が荒れていたので手入れをしました。」

 

「「「おぉ」」」

 

その光景に何人かは感嘆の声を上げる。

先生は話を続ける。

 

「先生は地球を消し飛ばせる超生物。ここら一体を平らにするなど容易いことです。」

 

先生は不気味な顔を浮かべて言った。

今度はみんなが息を飲む。

 

「もし、自身のある第2の刃を示すことができないのなら先生を殺すのに値する暗殺者はここにはいないと見なして今度は校舎も平らにして先生は去ります。」

 

先生はそう言い放った。

 

「第2の刃?一体いつまでに?」

 

渚が尋ねた。

 

「決まっています。明日です。明日の中間テストクラス全員50位以内に入りなさい。」

 

先生の言葉にみんなが驚いた。それも無理はない。ここにいる生徒はみんな成績が悪くてここに来ている。それなのに突然学年のトップを狙えなんて無理に決まっている。

ところが殺先生は違った。

 

「先生の第2の刃は既に先生が育てています。私は本校謝の先生に劣るようなトロい教え方はしていません。自信を持ってその刃を振ってきなさい。そして誇りを持つのです。自分たちが暗殺者でありE組の生徒であることに。」

 

先生は自信満々に言った。どうやら相当の自信があるようだ。

 

~~放課後~~

渚と2人で歩いている。

 

「大変なことになっちゃったね翠君。もしできなかったらほんとにいなくなっちゃうのかな?」

 

「さぁね。あれが本当のことなのか分からないけど自分たちにそれだけ危機感をもって欲しいってことでしょう。先生も心配なんだよ。」

 

「翠君は余裕そうでいいね。僕はちょっと不安かな?」

 

「そっか。僕としては理事長が少し気になっているかな?」

 

「なんで?」

 

「うーん。完全に勘だけどこの前来たやつは挨拶よりも宣戦布告のように今は感じているんだ。それにあの目、、。なにか確信をしているような目だった。」

(そしてとても氷ついた目だった。)

 

「宣戦布告?」

 

「まぁ、完全に勘で言っているだけだけどね。」

 

少しおちゃらけた感じで言ってみる。

真顔で。

 

「そ、そっか。じゃあ僕こっちだからバイバイ。」

 

いつの間にか駅に着いたみたいだ。渚はこっちに手を振って反対ホームへと走っていて行った。

 

(明日頑張らなきゃな。へたしたらクビになっちゃうし)

 

~~次の日~~

 

いよいよテスト本番だ。E組はテストの時だけは本校舎に来れるらしい。完全にアウェイの中でしかも試験監督がわざとらしい咳払いや指で教卓を叩くなどの妨害をするなかで戦うことになる。

 

「おいE組成績が悪いからってカンニングなんざするんじゃねぇぞ?」

 

先生が注意する。もちろんそんなことをするやつはこの中にはいない。そして試験監督の声など届かないほどに教室の空気は張りつめていた。

 

戦いがいよいよ始まる。

 

~第3者視点~

テストが始まってしばらくするとみんなの手が止まってしまった。それを見て試験監督はニヤリと笑う。

 

(こんなの無理だ!)

 

(解けるわけねぇよ。)

 

E組のメンバーのほとんどはそう思い絶望していた。しかしそこに神(殺先生)が舞い降りる。するとさっきとはうってかわってみんなのペンが一気に動きだした。

その光景に驚きを隠せていない試験監督。

その場にいる生徒の誰もが

(行ける!)

そう思ったとき生徒は背後から来る問題に殺られた。

 

 

 

~~数日後~~降谷視点~~

E組の教室は静まりかえっていた。

中間テストの結果は惨敗。

試験2日前に大幅な範囲の変更があったからだ。本校舎では理事長自らが教壇にたち教えていた。しかしE組には範囲の変更すら通達されなかったのだ。

烏間先生が抗議の電話を入れたが誤魔化されるだけだった。

 

「先生の責任です。先生はこの学校を甘く見ていました、、、、。」

 

殺先生は項垂れて生徒の方を見れずにそう言った。その言葉に誰も何も言えずにいるとどこからともなくナイフが先生に向けてとんできた。間一髪でかわす先生。投げたのはクラスの問題児赤羽業だ。

 

「こら!業君!先生は今落ち込んd」

 

バン!!

 

先生が言い終わる前に赤羽は紙を5枚教卓に叩きつけた。それを見た先生もその正露丸のような目を大きく見開く。

その紙はテストだ。そしてその殆どでが高得点を出していた。

 

学年5位

 

「「「おぉー」」」

 

驚きの声が上がる。

 

「先生が俺らの実力に合わせて先取りをしたから結果を出せた。そうだよね?」

 

赤羽はそう言ってこっちを見てきた。みんなの視線が集まる。こうなればもう隠すこと出来ないな。自分も前に出てテストの結果を見せる。自分も赤羽ほどではないけれどクラスの中では高得点をだした。

 

学年11位

 

「すげぇ、2人とも。」

 

その声をきっかけに暗かったクラスの雰囲気が少しずつ明るくなっていった。

ここで赤羽は王手をかける。

 

「で?どうするの?殺先生?誰も学年50位以内に入れなかったからってここから居なくなるの?それってさぁただ殺されたくないから逃げ出したくないだけじゃないの~?」

 

先生を煽る。後ろでは指で合図を送っていた。

 

「あー、なるほどねー。」

 

「ほんと殺されたくないんだ~。」

 

「そうなんだー。」

 

「それならそうと早く言えばよかったのに~」

 

次々と先生を煽っていく。すると先生は茹でタコのように真っ赤になって。

 

「逃げません!期末テストで本校舎にリベンジです!」

 

と言った。どうやらまだこの暗殺教室は続くようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで見ていただいてありがとうございました。
遅くなってしまい申し訳ございませんでした。これから、投稿を再開します。
誤字脱字、アドバイス等がございましたら教えて頂くと幸いです。


補足
1降谷の愛用する銃はリボルバーです。
2クラスには降谷と高崎の関係はまだクラスにはばれていません。


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第10話 修学旅行準備の時間

みなさんこんにちは。早い者でもう7月ですね。
今回から個人的には好きな修学旅行編です。
ここは少し話数を重ねてしまうかもしれませんが温かく見守って頂ければ幸いです。
それでは本編をどうぞ。


あれから数日が経過した。

 

「降谷君班決まった?」

 

学級委員の片岡メグに休み時間に唐突に聞かれた。

 

(販?飯?判?なんだそれまったく心当たりが無い。)

 

「班って?まったく心当たりがないんだけど?」

 

「え?あ、そっか。もうすぐね京都へ修学旅行があるの。それでクラスでは小さく班で分けることになっているからメンバー集めてきてね。決まったら教えて。」

 

そう言って片岡は他の人のところへ行ってしまった。

 

(修学旅行か、、前にあいつらがその類いのに行ったといっていたなぁ。しかし困ったなぁ。誰と行こうか。)

 

自分がそう悩んでいると後ろから声をかけられた。

 

「ねぇ、翠君。修学旅行一緒の班にならない?」

 

「うん。分かった。よろしく。」

 

自分は素直に渚の提案にのる。他にあてもないのでちょうどよかった。

 

「じゃあ、こっちに来て。」

 

渚に連れられて行く。既にある程度の人数が集まっていたようだ。

メンバーには渚とこの前テストで5位になった赤羽、よく渚といる杉野、この前助けた茅野、そしてロングと三つ編みの女の子2人がいるようだ。

 

「改めて降谷翠だ。よろしく。」

 

自分は手を顔の横あたりまであげて挨拶をした。何人かは歓迎してくれているみたいだ。ただ杉野だけはバツの悪そうな顔をしている。まぁ仕方ない。そりゃ当然の反応だ。この際うまいこと引き込もう。

 

「今度の修学旅行だが極秘に暗殺を行ってもらう。」

 

体育の時間に烏間先生からそう告げられた。

 

「どうやって殺るんですか?いつも通りナイフと銃ですか?」

 

誰かがそう質問をする。

 

「いや、今回は狙撃だ。京都の町はここ以上に複雑で広大だ。やつはそれに動向することになっている。今回はそんなロケーションを利用して狙撃による暗殺を行う。既に国は凄腕の狙撃手の手配をした。報酬の分け前は暗殺への貢献度によって決まる。何か質問がある生徒はいるか?」

 

誰も挙げる人はいない。

 

「それでは今回はここで解散だ。極力みんなの旅行に迷惑をかけないように務める。」

 

再び教室に戻る。この時間は班ごとに分かれて調べ学習だ。自分も班のみんなと一緒に色々な案を考えている。

すると教室の扉が開いて

 

「まったく!3年生が始まったばかりのこの時期にもう目玉の修学旅行、、先生あまり気乗りがしません。」

 

そう文句を垂れて殺先生が入ってきた。

 

そう、、、

 

 

舞子の姿で、、、

 

 

 

「ウキウキじゃねぇか!」

 

「しかも以外に似合っていあるし!」

 

先生のボケに鋭い突っ込みが入った。

すると先生は舞子から元の格好に戻って少し恥ずかしそうに頭をかきながら

 

「そうなんです。実は先生とても楽しみなんです。みなさんと旅行1年で1度しかないチャンスなんで。そこで先生こんなもの作ってみました。」

 

そう言うと先生は高速で厚い冊子を持ってきた。

 

「何ですか?それ?」

 

当然尋ねる。

 

「修学旅行のしおりです。」

 

先生はさも当たり前かのように言う。その厚さに流石にびびって持っていたペンを落としてしまう。それを拾おうしたときに一斉に配られた。なんとかキャッチをするがその重さに落としそうになる。それでも自分にはキャッチできた。

 

そう、、、、自分は。

 

ただ隣の奥田さんは支えきれずにこっちによろけてしまった。

そして今自分はしゃがんでいる。

 

つまりその厚いしおりが自分の後頭部に直撃した。激痛がはしる。

 

「痛。」

 

「ごごご、ごめんなさい。」

 

奥田さんは顔面蒼白になって謝ってくる。

 

「あ、だ、大丈夫。」

 

そんなの嘘だ。メッチャ痛い。

 

「ほんとにごめんなさい。」

 

気にしないようにした。流石にこれは重すぎるし、、、

先生はその間にも興奮した様子でしおりの解説をしていた。どうやら相当楽しみのようだ。

 

 

 

~~~~~~~

 

家に帰った。あと数日で修学旅行だ。今は春菜と一緒に修学旅行の準備をしていた。そうでもしないとあいつはやらないからね!

 

「へぇ、修学旅行かぁ。楽しんできてらっしゃい。」

 

「うん。どうだ?ちゃんと全部あるか?」

 

「うーん。何個か足りない物がある~」

 

「そうか、じゃあ明日は買い物に行こう。そこで必要な物はすべてそろえる。」

 

「うん!りょうかいー」

 

 

 

 

 

このときまだ知らなかった。まさかあんなことになるなんて。

 

 

 

 



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第11話 買い出しの時間

みなさんこんにちは。

最近、蚊やハエが増えてきて困っています。個人的にはあの羽音が耳元で聞こえてしまうと思いっきり叫んでしまいます。みなさんはどうですか?自分はとにかくビビリなのでつらいです。

それでは本編をどうぞ。


「ふぅ、必要な物はこれで全部か?」

 

「うん、そう。全部揃ったみたい。」

 

今日はもうすぐある修学旅行に必要な物を買いに近くの大型スーパーにやってきた。

一応必要な物はここで全てそろえることができた。しかし

 

「ねぇねぇ、せっかくだからあそこも行ってみようよ!」

 

春菜がそう言って指を指した場所は最近できたらしい大きいショッピングモールだ。

 

「そうだな。しばらく行ってなかったしたまにはいいか。ただし買いすぎるなよ?お金もスペースもあまりないんだから。」

 

仕方ない雰囲気をだして同行する。元々こうなることは想定済みなのでお金は多く持ってきていたから問題はないが買いすぎで持てなくなる可能性もあるのでそこだけは注意するようにしよう。

 

「うぅ、重。」

 

何点か店を回った。その中でもいくつか気に入ったものがあったらしくそれを買っていった。元々荷物の2人分それにさらに増えるのだから当然重くなり多くなる。

春菜はそんなのお構いなしに店を見て回っている。

しばらく回っているとこっちにやってきて

 

「ねぇ、そろそろお昼にしない?」

 

そう言ってきた。携帯の時計を見てみると既にお昼を回っていた。

言われてみれば確かに空腹感を感じてきたころだ。

 

「あぁ、そうだね。じゃあフードコートにでも行こうか。」

 

そう行って歩き始めるもここには初めてきたからどこになにがあるかは全く把握していない。なので場所を探すために地図を見ていた。すると奥が騒がしくなっていた。

 

「おい!誰かそいつを止めろ!」

 

その声を聞いてその声が聞こえてきた方向を見ると女物のカバンを持ったままこっちに走ってくる男の人が見えた。どうやらひったくりのようだ。

周りの人は驚いて道を空けてしまっている。そのままこっちに来た。

 

「よっ。」

 

両手はカバンで塞がっているのでひったくりを足でひっかける。

 

ズサァァァ

 

 

ひったくりはスピードがでていたので避けきれずひっかかりこけていった。

明らかに顎からいっており引っかけた側だけど一瞬痛そうと思ってしまった。

 

(うわぁ、痛そう、、)

 

そんなことを思っていると周囲にいた人がひったくりを押さえ込んだ。後ろから追いかけてきた若い男女も見えたしこれで一件落着。そう思っていた。

 

「追いついた!あれ?降谷君!?なんでここに!?」

 

 

 

 

 

そう、、、、

 

 

 

 

追いかけてきたのが渚たち修学旅行のメンバーでなければ。

 

 

 

~~~~~~

 

フードコートに行き近くの席に固まる。こうなれば正直に話すしか無い。

 

全員が昼ご飯の注文を終えてから尋問が始まった。

 

「2人って付き合ってるの?」

 

そう聞いてきたのは赤羽だ。しかもガッツリカメラを構えて証拠を押さえようとしている。

 

「いや、違うよ。この際だから隠さずに話すけど僕たちは一緒に暮らしている。i」

 

「「「えぇーーー」」」

 

当然驚きの反応をする。

 

「それってもしかして同棲?w」

 

「はわわわわ」

 

赤羽は半笑いで聞いてきて奥田はその言葉に反応して真っ赤になっている。

 

「違うよ。別に付き合っている訳ではないよ。僕らは家族だ。二人きりでは暮らしてないしね。」

 

「へー。そうだったんだ。なんで今まで言わなかったんだ?」

 

今度は杉野が聞いてくる。

 

「?ん。聞かれなかったから。それだけ。」

 

「え?それだけ?」

 

「うん。それだけ。そういえばなんでお前たちはここに?」

 

素朴な疑問がでてきたので尋ねる。

 

「あぁ、実はこの前みんなで修学旅行に必要な物を買いに行こうって話になっていてね。今日ここに来たんだ。ほんとは翠君も誘いたかったんだけど連絡手段が、、」

 

渚が答える。どうやら目的はほとんど同じだったみたいだ。こんな偶然もあるもんだ。

 

「なるほどね。来た目的はほとんど同じみたいだね。もっともこのショッピングモールに来たのは完全に付き添いだけど。」

 

「そうだったんだ。そうだ!せっかくだからこの機会に連絡先教えてくれない?」

 

渚が聞いてくる。

 

(どうしたものか、、伝えるのは少し怖い部分もあるが、、、)

 

自分の中で考える。自分は追われている身なのでできれば情報を渡したくない。そんなことを考えていると

 

「ねぇ、春菜ちゃん交換しようよ!あ、これから春菜ちゃんと呼ばせてもらうね。」

 

「あ、私もいいかしら?」

 

「あ、あの私も、、、いいですか?」

 

女性陣が交換をしていた。

 

「いいよ。渚。交換しようか。」

 

流石にこの光景を見ては断れない。交換をすることにした。

 

「そうだ!このあと一緒に買い物しよ!」

 

春菜が向こうでそう誘っていた。

 

「いいねいいね。行こ行こ。」

 

他の3人も乗り気のようだ。

 

「はぁ、じゃあ金渡すから先帰っていい?」

 

この後大荷物を持たされる未来が見えたので早々に退避するようにしようとしたら

そしたら

 

「あ、じゃあここからは男子チーム女子チームに分かれようぜ。」

 

杉野がそう提案する。

 

「いいね!そうしようか。」

 

「うんそうだね。」

 

次々とみんなが賛成する。

 

「ねぇせっかくだから翠君もいっしょに遊ぼうよ。」

 

渚が誘ってくる。

 

「え、あ、いや。」

 

自分が答えに困っていると

 

「いいじゃない!せっかくなんだから遊んできなよ。大丈夫だよ。みんなは翠が心配してることなんかしないから。ね?」

 

春菜は背中を押して無理矢理混ぜた。

 

そうやって2チームに別れた。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~

 

時刻は既に夕方になった。

 

「あ~楽しかった~。翠はどうだった?」

 

春菜が笑顔で聞いてくる。

 

「あの後ゲームセンターに連れて行かれたよ。」

 

「へ~。どうだった?」初めてのゲームセンター?」

 

「う~ん。まぁ楽しかったよ。」

 

実際楽しかった部分はある。銃を使うゲームでは人並みの成績だったがレーシングゲームや太鼓を使ったゲームでは逆走するわ全く音に合わせられないわでボコボコだった。

 

「楽しみだなぁ。修学旅行。」

 

春菜は希望に満ちた表情をしていた。

 

(初めて会ったときとは大違いだな。)

 

「そういえば、お前修学旅行だれと回るの?」

 

そういえば聞いていなかった。自分は渚の班にいえてもらったが春菜はいなかった。

 

「ん~私?片岡さんの班だよ~。」

 

(片岡、、、確かこの前の学級委員だな?)

 

だんだんとクラスメイトも覚えてきた。

 

「そっか。仲良くな。」

 

「うん。」

 

 

そんなことを話していると夕日はビルの陰に消えかけていた。

 

 

修学旅行がいよいよ始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。
実は今回の話ぴったり2500文字でした。なんかぴったりって気持ちがいいですね。

誤字脱字、感想、アドバイス等がございましたらどしどしお願いします。


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第12話 修学旅行の時間 1

みなさんこんにちは。

特に話せることが減ってきました。

それでは本編をどうぞ。


~東京駅~

今日はいよいよ修学旅行。椚ヶ丘中学校の3年生の生徒は東京駅に集まっていた。

自分は1人で集合場所に向かっていた。春菜は友達と約束をしていたようで朝早く先に向かっていった。普段は寝ぼすけなのに、、、、

 

(うわー、人がいっぱい流石だな。見つけれるかな?)

 

自分は人混みが苦手なのでさっさと待ち合わせ場所に行きたい。

人混みをかき分けながらホームへ向かう。すると後ろから声をかけられた。

 

「ハァ~イ、元気かしら?翠?」

 

ビッチ先生だ。彼女は端からみればかなりの美人だ。だが今注目するべきはそこではない。彼女の格好だ。いかにも高級そうなバックに金色の首飾りなどまるでハリウッド女優のような格好をしていたのだ。彼女は金持ちをターゲットにした殺し屋。少し豪華にになるのは分かるが修学旅行には合わないのではとも思ってしまう。

 

「ちょ、ビッチ先生。流石にその格好は怒られない?大丈夫?」

 

「あら?問題ないに決まっているじゃない?ガキどもに大人の旅行を見せつけてやるんだから!」

 

念のため聞くがダメそうだった。

 

「じゃあ、私トイレに行くから先に行ってなさい。」

 

そう行って先生はトイレに行った。

 

 

 

 

 

駅のホームに行くともう既にみんなが集まっていて新幹線を待っているところだった。

 

「遅かったね。高崎さんの方が早かったみたいだけど。」

 

渚が聞いてきた。

 

「あぁ、春菜は今日友達と待ち合わせてたみたいだから。」

 

「そっか。」

 

新幹線が到着する。

 

「うわー、A組からD組までグリーン車だ。」

 

「あたしらだけ普通車、いつも通りだね。」

 

美術がうまい長身菅谷と金髪ロングの中村がそう嘆く。

すると乗ろうとしていたD組の担任がこっちを向いて

 

「それが我が校の校則さ。入学説明会でそう言われたろ?」

 

とドヤ顔で言ってきた。

 

(いや僕はその説明会でてないし。)

 

今度はD組の知らない奴がわざわざ出てきて

 

「学費の用途は成績優秀者に優先されま~す。」

 

「おや?君たちは随分と貧乏くさいねぇ~」

 

と煽ってきた。

 

(じゃあ赤羽と僕はそっち行けるじゃん。それとグリーン車と普通車なにが違うの?)

 

そんなことを話していると

 

「ごめんあそばせ~。ごきげんよう生徒たち。」

 

どうやらビッチ先生が追いついたようだ。

やはりその格好は目立つようだ。

 

「なんなんだよ、そのハリウッド女優みたいな格好。」

 

当然生徒からも質問が飛び交う。

 

「あら?女を駆使する暗殺者としては当然の構えよ。いい女は旅ファッションにこそ気を使うのよ。」

 

ビッチ先生はそう言い放った。だがここで騒ぎを聞きつけた烏間先生が入ってくる。

 

「おい、なんなんだその格好は?どう見たって引率の教師の格好じゃないだろ?着替えろ!」

 

烏間先生が少し強めに言う。

 

「あら、堅いこと言ってんじゃないわよ。ガキどもに大人のたびw」

 

「脱げ!・・・着替えろ・・・」

 

今度は鬼の形相でいった。

 

 

 

 

 

 

 

あの後ビッチ先生は着替えた。寝間着に。流石に烏間先生にはかなわなかったようだ。

今は座席で1人ですねている。

 

「今まで金持ちばっかりを殺してきたから庶民感覚がずれているんだな。」

 

「寝間着しかなかったんだ。」

 

何人かが少しあきれながら言っていた。

 

今自分は車窓を見ている。

 

(流石新幹線、、早い早い。電車とは比べものにならないな。)

 

ちょうどトンネルにさしかかった。窓に自分の顔が写る。

 

(痛、、、、?)

 

なぜか自分の顔を窓越しに見ていたら頭に痛みが走った。

 

(なんなんだろう今のは、、、あの時の感覚ににている、、、、?)

 

しばらく思考にふけっていると

 

「い君!翠君!」

 

渚の声で元に戻る。振り向くと渚が心配そうな顔をしていた。

 

「ほんとに大丈夫?」

 

どうやら本当に心配させてしまったようだ。

 

「うん。大丈夫だよ。ちょっとボーっとしちゃっただけ。今日は特別朝が早かったからね。」

 

「そう?それならいいんだけど、、、」

 

「で?」どうしたの?」

 

「あぁ、今からトランプをしようと思うんだけど一緒にどう?」

 

「トランプ?いいよ。」

 

 

 

 

「ほい、あがり。」

 

今のところの勝率は3回中1回。普通だ。

自分には新幹線に乗ったときから疑問がある。

 

「なぁ、今回の修学旅行。肝心の殺先生はどこにいるんだ?」

 

「え?」

 

「そういえば見当たりませんね。」

 

自分の言葉で気がついたようで辺りを見渡す。

 

「うわ!」

 

自分たちは見つけた。先生が窓に張り付いているのを。

 

「なにやっているの殺先生?」

 

渚がすかさず携帯を取りだして聞く。

 

「駅前スイーツの物色をしすぎて乗り遅れました。次の停車駅までこのままでいきます。」

 

(教師が遅刻するなよ、、、)

 

自分は内心呆れていた。

 

「でもそのままだと目立つよ。」

 

渚が指摘する。

確かにこのままだといくら人がいない線路上だとしても目撃者を0にはできない。必ず誰かに見られてしまう。

 

「いいえ問題ありません。先生は保護色を使って次の駅までこのままでいます。これなら服と荷物が張り付いているようにしか見えませんので、、」

 

「それはそれで変だよ!」

 

自信満々の先生に渚がツッコミをいれる。まぁ当然だ。

 

 

 

 

 

次の駅に着きドアが開いた瞬間もう自分の隣には先生が座っていた。

 

「ふぅ、なんとかなりましたね。それと降谷君不意打ちはいいですがもっと工夫を凝らしましょう。これではバレバレです。」

 

実はさりげなく先生が座る席と背もたれの間にナイフを仕込んでいたが先生が着く前に回収されてしまったようだ。

殺先生が来たことでクラスメイトがこっちにやってくる。

 

「いやいや、目立たないように旅行するのは中々大変ですねぇ。」

 

殺先生が汗を拭きながら言う。

 

「くそでけぇ荷物持ってくるなよ。」

 

「そうだよ。殺先生ただでさえ目立つのに、、」

 

「てか、国家機密が目立っちゃまずくない?」

 

みんなが次々と先生をいじる。それに驚きうっかり変装用の鼻を先生は落としてしまう。

 

「それにその変装も近くで見れば人間じゃないこともバレバレだし、、」

 

「それ!」

 

菅谷が小さい何かを投げる。

 

「まずはそのすぐ落ちる鼻から変えようぜ。」

 

どうやら投げたのは変装用の鼻のらしい。殺先生がさっそくつけてみる。

 

「おぉ、すごいフィット感。」

 

「顔の曲面と雰囲気に合うように削ったんだ。俺、そういうの得意だから。」

 

先生からもみんなからも好評らしく注目を集めていた。

 

「修学旅行はみんなの意外な一面が見られるね。」

 

「そうだね。これからの出来事次第でさらに意外な一面が見られるかも。」

 

みんなもかなり期待しているようだ。そんな中杉野がボーットどこかを1点に見つめていた。

 

(、、、いや違う。どこかを見つめているわけではないな。さてはこいつ、、)

 

杉野は神崎を見つめているようだった。

 

「あ、そうだ。みんなの飲み物買ってくるけど何かある?」

 

神崎がそう提案してきた。

 

「あ、私も行きたいで。」

 

「私も!私も!」

 

神崎の提案に奥田と茅野が賛同し買いにいった。自分はスポーツドリンクを頼んでおいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~

旅館に着いた。殺先生は椅子に座ってグッタリしていた。

 

「新幹線とバスで酔ってグロッキー、、、」

 

三村がそう呟く。

 

「先生大丈夫?」

 

と心配しながらも岡野、片岡、磯貝はこの隙を突いてナイフで暗殺を試みるが一切当たらず避けられてしまっている。

 

「大丈夫でしゅ。先生これから1度東京に戻ります。枕を置いてきてしまったので、、、」

 

「あんだけあって忘れ物したのかよ!」

 

とツッコミが入った。

殺先生の荷物は縦大体人1人分、横人3人分と超巨大だからだ。

 

「どう?日程表見つかった?」

 

「ううん。」

 

隣でそんな声が聞こえてくる。

 

「どうかしたのか?」

 

「神崎さんがしおりを纏めていた日程表なくしたんだって。」

 

「確かに新幹線乗るときはあったのに、、、」

 

神崎はガッカリしている。

 

「神崎さんは真面目ですねぇ。ですがこの先生特別しおりを持てばもう安心です!」

 

先生は自信満々に言った。

 

(((それを持ちたくないから纏めたんだよ!!!)))

 

みんなの心が1つになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分は平和ボケをしていた。していなければ、、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




自分はグリーン車乗ったことがないので作中の主人公のセリフは純粋な作者の疑問でもあります。一度乗ってみたいです。
ちなみに主人公の班は7人班なので降谷は殺先生と一緒の席でその隣が渚の班という設定にさせて頂きます。


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第13話 修学旅行の時間 2

みなさんこんにちは。
お気に入りが20になりました。ありがとうございます。

今回の話は最初は降谷視点→高崎視点へと動きます。複雑ですみません。

それでは本編をどうぞ。




修学旅行2日目

 

自分たちは祇園付近に来ていた。自分たちは今殺先生をどこで暗殺をするかを考えながら観光をしている。

 

「渚、ここなら暗殺によさそうだな。」

 

「スナイパーの人からは見えるかな?」

 

「なんだか不思議な修学旅行になったね?」

 

「そうだね。でも僕は楽しいよ。茅野。」

 

「んぁ~折角京都まで来たんだから抹茶わらび餅が食べたい~。」

 

(え?嘘でしょ。さっき昼飯食べたばっかだけど!?)

 

茅野の言葉に自分は密かに戦慄していた。

 

「で、ではそれに毒を入れるのはどうですか?」

 

「なんで!?」

 

奥田の提案に体を大きく使ってリアクションをする茅野。

 

「ほら、殺先生は甘い物にはほんとに目がないので。」

 

「いいねぇ~。名物で毒殺。」

 

「そんな、、折角の抹茶わらび餅が勿体ないよ~。」

 

赤羽も賛同するのに抗議をする茅野。ほんとに彼女も甘い物が好きみたいだ。

 

「殺先生に有効な毒があればいいんだけど、、」

 

神崎さんがこの暗殺の問題点を指摘する。

 

「そこなんだなぁ。僕が来る前の話だから詳しくは知らないが効かなかったらしいじゃん奥田の毒は。」

 

クラスの中でトップの科学知識を持つ奥田時間をかけて準備をしても無理なら今この場で有効な毒を作るなど不可能だ。

 

「もっとも先生に効く毒が存在するのか怪しいところだけどね。」

 

付け加えとく。ここでみんなの思考が停止してしまった。

 

「んん~、にしても修学旅行の間くらいは暗殺は忘れて楽しみたかったよなぁ。暗殺とは一切縁が無い場所でさ。」

 

杉野が体を伸ばしながら言う。

 

「ううn。そんなことはないよ。着いてきて。」

 

そう言われて渚について行く。渚は小さな石碑の前で止まった。

その石碑には坂本龍馬の文字が。

 

「坂本龍馬?そっか1867年龍馬暗殺近江屋の跡地ここだったんだ。」

 

「他にもすぐ近くには本能寺もあるよ。」

 

「そうか、あれも暗殺の一種か。」

 

「うん。かつて日本の中心だったここ京都は観光地でもあり暗殺の聖地でもあるんだよ。」

 

(はぇ~歴史は面白いなぁ。全く知らないが。)

 

「なるほどそう考えるとこの修学旅行は確かに暗殺旅行だな。」

 

杉野は納得できたようだ。

 

「次はどこなんだっけ?」

 

自分が聞く。

 

「え~っと次は八坂神社です。」

 

「結構遠いなぁ。」

 

「もういいから休もう。甘~いコーヒーが飲みたい。」

 

茅野に続き赤羽も糖分を欲しがり始めた。

 

 

 

(つけられてる、、、?気のせいか?)

 

 

 

 

 

 

少し休憩を挟んだ後は神崎のオススメスポットに来ていた。

 

「祇園、、なにやら不思議な雰囲気だな。」

 

「そうだね奥まで来ればこんなに人気がないんだね。」

 

「そう、一見さんはお断りのお店が多いからここに来る人はいない。見通しがいい必要は今回ないからピッタリだと思って。」

 

「流石神崎さん。下調べ完璧~。」

 

「じゃあここで決行にしょうか。」

 

みんなが神崎の意見に賛成し意見がまとまった。

 

 

そこに奴らは現れた。

 

「マジで完璧~な~んでこんなに拉致りやすいところ歩くかね~?」

 

自分たちの前にいかにも不良です。と言ったような格好をした集団が現れた。既に後ろも包囲され逃げ場はないようだ。既に勝利を確信しているようでニヤニヤ気色の悪い笑顔を浮かべている。

 

「何おにいさんたち?観光が目的じゃないみたいだけど。」

 

「ほんと、ここにいたって時間の無駄だからどっかに失せな。」

 

自分と赤羽は状況を理解し挑発しながらも臨戦態勢にはいる。

 

「男に用はねぇ。女を置いてさっさと消えn。」

 

不良が言い終わる前に赤羽がすかさず顔面を掴んではりたおし不良を1人倒した。

 

「はらね渚君?目撃者がいなけりゃ問題ないでしょ?」

 

赤羽は余裕そうだ。

 

不良はいきなりの先制攻撃に一瞬気を取られるがすぐに立て直し路地裏の乱戦が始まった。

 

 

 

不良がこちらに攻撃を仕掛けようとして足を出す。

 

「てめぇなめてんじゃねぇぞ!  いだ。  な、なんだ。」

 

時間は十分にあった。不良の足は小さな針に貫かれていた。まきびしだ。

痛みによって一瞬隙が生まれる。その隙を使って壁を足場に不良の後ろにまわり顔面にけりをいれる。こちらに反応できたようで後ろを向いたが逆に蹴りが直撃した。そのまま飛ばされた。鼻は少し形が変わり血がでていた。それでも他の不良は気にもとめず襲いかかってくる。今度は鈍器を振りかぶり殴りかかってきた。振りかぶってがら空きになったみぞおちに拳をいれた。そいつもダウンした。後ろで奇襲をかけているのは気づいていたので倒れている不良を足場に少し高くジャンプした。

 

 

こんな相手自分には楽勝のはずだった。だが向こうは違った。かなりピンチだった。

赤羽が一瞬の隙を突かれリンチ状態になり茅野と神崎が捕らえられ渚と杉野は簡単に気絶させられていた。

 

(や、やばい。)

 

そう今戦えるのは自分しかいなくなってしまったのだ。

とりあえず奇襲をかけている不良は跳び蹴りで黙らせた。

ここまで3人不良を倒した。それでもかなりの人数がまだ残っている。やはり数の力は偉大だった。

流石の自分でもここではきつかった。ただでさえ人数では圧倒的な差がある。おまけにここは路地裏。

囲まれて潰されるのに時間はかからなかった。

 

「が」

 

「はぁはぁはぁ、クソがてこずらせやがって。」

 

「おい、ずらかるぞ。だいぶ時間を使った。あいつらの方も獲物を捕らえたそうだ。待ち合わせ場所に向かう。」

 

不良のリーダー格の男が指示を出す。それを聞き行動を下っ端は始めた。

 

(ま、待て、、、。)

 

(甘いんだよ。おめぇはよ、、、たく情けねぇあんな雑魚どもに負けやがって。見せてやるよ。殺り方を。あのクズやろうどもにようぅ。)

 

(だめ、、、だ。でちゃダメなんだ。おまえ、は)

 

意識を支配されながら去って行く不良を見ることしか自分にはできなかった。

 

 

 

 

 

 

~???~

(はぁ、あいつは簡単にやられやがった。ほんとに情けない。自分がやばい状況なのに本気を出さなかった。

そういうところがむかつく。

だが1番むかつくのはあのクズやろうどもだ。この借りはキッチリかえす。)

 

視界の端では難を逃れた奥田が降谷を心配して声をかけていた。だがもうその声は届かない。

 

(さぁ、今度は俺が殺る番だ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~高崎視点~~

心地よい風が髪を揺らして私をくすぐった。私たちの班は今殺先生と行動している。その殺先生と来てるのは

嵐山の辺りの嵯峨野のトロッコに乗っていた。

 

「いや~、時速25kmは速いですね~。」

 

殺先生がトロッコから身を乗り出して呟いた。ちなみにこのトロッコは窓ガラスも天井もない。だから風も一緒に入ってくる。それが心地いい。

 

「いや、マッハ20が何言ってんだ。」

 

前原君が呆れながら言っていた。

 

トロッコが進むたびみんなの表情に緊張が現れ始める。私たちはこのトロッコでの暗殺を計画した。

 

「えー鉄橋の上で少し停車いたします。」

 

のんびりとした乗務員の車内アナウンスが聞こえてきた。

 

(いよいよだ、、。)

 

今回私たちの班が狙撃を決行する場所に指定したのはこのトロッコ列車の名所の1つ保津川橋梁。

この場所は川下りをしている舟が見られる時がある場所だ。

 

「あ!殺先生下を見て。ちょうど川下りをしているよ。」

 

陽菜乃ちゃんがさりげなく殺先生を窓の外へ誘導した。これがスナイパーへの合図だ。

奥の森で何かが反射する光が見えた。おそらくあそこにスナイパーがいる。

結果が気になり殺先生の方を見てみる。殺先生には弾は命中していなかった。殺先生は止めた。

 

 

 

八つ橋で

 

 

 

 

「おや~八つ橋に小骨が、、、こんなこともあるもんですねぇ~」

 

殺先生は余裕そうに言った。やっぱり見抜いてたようだ。そうこうしている内に列車は発車して何事もなく終着駅に到着した。

 

「それでは先生次の班があるのでここで。」

 

そう言って先生は飛んでいってしまった。

 

(次は確か中村さんがいた班だっけ?)

 

「残念だったわね。」

 

まず始めに口をひらいたのは片岡さんだ。

 

「いや~、上手くいったと思ったのに、、、まさか八つ橋でとめるとは、、」

 

「「「ほんとそれ」」」

 

「まぁ暗殺はここまでだ。これから観光を楽しもう。」

 

「賛成~」

 

「私も~」

 

今は悔やむより楽しむ方が大切だ。

 

 

 

 

~~~~~

 

「ねぇこれとかどう?」

 

「あ、かわいい!」

 

今はお土産を探している。あの後京都に戻って色々な観光地を巡った。お昼や食後のデザートも食べた。

すごく楽しい。

 

「ねぇ男の子たちは買わないの?」」

 

さっきから店の外で待っている3人に聞く。

 

「あぁ俺たちはもう行きたい店決まってるし。」

 

「うん。」

 

「俺はそんな金ないから、、」

 

磯貝君が少し悲しそうな表情で言った。

 

(これくらいなら翠も許してくれるよね?)

 

やたらお金に厳しいあの人を思い浮かべた。

 

「じゃあみんなでお金出し合って買おうよ。」

 

私がそう提案する。

 

「お、それいいな。」

 

「私賛成~」

 

みんなが賛成してくれたことに内心ホッとする。

 

「い、いや、いいよ。気にするなって。」

 

磯貝君は遠慮をする。

 

「気にするなって!折角のみんなの好意だぞ?」

 

「う~ん、じゃあ甘えさせてもらおうかな?」

 

前原君が背中を押してくれたみたいで磯貝君も折れてくれた。

 

 

 

 

 

 

磯貝君たちのお土産も買って次の場所を目指していた。

 

 

すると隣で車が止まりドアが開いて

 

 

気がついたら自分と陽菜乃ちゃんと桃花ちゃんと私が中にいた。

 

(え?)

 

一瞬の出来事に訳が分からなくなっていた。

 

「ひゃひゃっひゃ~。思ったよりあっさり手に入ったなぁ。」

 

その言葉で自分たちが攫われたと自覚する。

 

自覚をすると共にあの時の記憶が蘇り恐怖心が体の奥底から湧き上がってくる。

 

その途端体の震えが止まらなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分たちは廃屋に連れてこられた。

 

「春菜ちゃん、大丈夫?」

 

陽菜乃ちゃんに聞かれる。

 

「う、うん、だ、大丈夫だよ。」

 

2人を不安にさせまいと必死に言葉を紡ぐが震えて上手く言えなかった。

しばらく時間が経つとまた扉が開いた。

 

「え?」

 

そこには同じく拘束されている茅野ちゃんと神崎ちゃん、そして何人もの不良がいた。

 

「2人も捕まったの?」

 

「うん」

 

「なんだ?お前ら知り合いか・よく見たら同じ制服だな。そうだこれ見ろよ。そこの黒髪ロングの奴だぜ。」

 

そう言って携帯の写真を見せて向こうの部屋に行ってしまった。

神崎ちゃんの目は暗くなっていた。

 

「神崎さんにもそんな時期があったんだね。」

 

「うん。私自分が嫌いなの。家でも学校でも居場所がなくてそれでそんな自分を捨てたくてゲームセンターに通ってたら成績が落ちちゃってもう、分からない。」

 

 

「「「、、、」」」

 

「ならぁよ俺らのところに来いよ。エリート気取ってる男には女使って落としたり女にも一生消えない傷作ってやったりしたりそんな遊びやってきたんだぜ。台無しの先輩が色々教えてやるよ。」

 

「さいてー」

 

茅野ちゃんが軽蔑した声で言った。

その瞬間不良が首を掴んで投げた。

 

「もういい!カメラ待つつもりだったがやっちまうぞ。」

 

(もうダメだ。)

 

そう思ったときまた扉が開いて自分が1番安心する顔が見えてきた。

 

「翠!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもその顔はいつもの顔ではなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時と同じ顔になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回自分の作品の中で最高字数になりました。
疲れました、、、、


感想・アドバイスありましたらどしどし送ってくださるとありがたいです。


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第14話 修学旅行の時間 3

みなさん、こんにちは。

最近蒸し暑いですね。普段から外に出ない自分はこの環境がつらいです。

今回は

高崎視点→降谷視点→高崎視点

です。

それでは本編をどうぞ。


「あぁ?お前さっきの生意気なやつじゃねぇか?」

 

「なんだぁ?」ここまで追ってきたのか?頑張るなぁ。」

 

不良2人が翠に絡みに行く。翠を見ていたら目があった。

翠は気がついた不良たちの目的に。その瞬間周囲の空気が変わった。

何年も暮らしている私ですら鳥肌がたち恐怖を覚えるくらいだ。

 

(まずい、、ブチ切れてる、、、あの状態になってる。)

 

こうなったらもう止めるのは難しい。

 

流石に翠の異常な雰囲気に気がついた不良のリーダーが指示をだす。

 

「おい、さっさとそいつをつまみだせ。気味がわりぃ。」

 

「あーい。」

 

そう返事をして翠の方へ向かう。

 

そして近づいた瞬間

 

 

 

 

不良が倒れた。翠の手には刃物が握られている。

 

「な、、」

 

不良に動揺がはしる。sの隙を突いてその刃物をこちらに投げるがこれは誰にも当たらず私のすぐ隣を通りすぎてソファに刺さった。

しかしこういう状況には慣れているのかすぐに立て直しリーダーが指示を出す。

 

「おい!もう遠慮いらねぇ、やっちまえ!」

 

リーダーの合図を皮切りに不良が一斉にかかる。

 

 

するとさらに殺気をだした。すると部屋の端に置いてあった鉄パイプが勝手に動き出し翠の方向に飛んで行き不良の1人の頭に直撃した。

 

「が、、、」

 

不良はそのまま気絶をする。翠は落ちた鉄パイプを拾った。

 

 

「こ、こいつ今何しやがった、、?」

 

「おい、こいつ本当にヤバいやつなんじゃ、、、」

 

 

不良が唖然とする中リーダーはさらにイラつき始めた。

 

「おい!何をモタモタしている。さっさとやれ!」

 

リーダーの声に戦機を取り戻した不良たちが襲いかかる。

 

 

2人の不良が鉄パイプを持ち殴りにかかる。翠はギリギリまで引きつけて2人の間に入ると1人には喉に鉄パイプ、もう1人にはみぞおちに拳をいれる。

 

しかし後続がやってきて襲いかかる。今度は鉄パイプを支柱にして倒立をする。落下する勢いで蹴りを入れてまた1人ダウンする。

浮いたままの姿勢で今度は上に上がった。そうすると必然的に不良たちの視線は上を向く。

翠は上を向いた不良の喉に刃物を投げ着地した。

 

 

 

「あ、あああ、はぁはぁはぁ」

 

 

 

そこからはあっという間に全員が倒された。残るはリーダーだけになった。そのリーダーも翠に拘束されている。

 

「お、おい何をする気だ!?やめてくれ。」

 

既に戦意を喪失しておりこれから起こることに恐怖を感じ命乞いをするだけになっていた。

 

「やめて欲しいのか?」

 

翠が尋ねる。

 

「た、頼む、俺らが悪かった。でもまだ手を出していないしセーフだろ?な?な?」

 

「なぁ、1つ聞いていいか?」

 

「はい?」

 

「お前よぉ、今まで何人の人間にこういうことをしてきた?」

 

「え、、、、」

 

翠の質問に不良は固まる。

 

グサッ

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

刃物が不良の腕に刺さる。

 

「今までにも同じようなことしてきたんだろ?さっきでけぇ声で言ってたもんなぁ。

そいつらには情けはかけたか?かけてねぇよなぁ?えぇ?そんな人間が自分の都合よく見逃してもらえるとでも思ってんのか。」

 

ザッザッ

 

不良の発言は翠をさらにヒートアップさせるだけで傷がさらに増えていく。

 

「ふ、ふざけるなよ、お前らが悪いんだ。お前だってそうなんだろ?俺らをバカと見下して、、そんなお前らが大嫌いなんだ、お前らが悪いんだ。お前らが、、いなければ、、、」

 

不良は恨みの言葉を吐く。その言葉で翠の中でなにかが切れた。

 

「いなければ?こっちのセリフだ。お前らみたいなのがいるから、いるから 死んだんだ!、、、」

 

翠は手に持っていた刃物を不良のリーダーの喉に刺そうと大きく振り上げ振り下ろした。

 

 

そしてその刃物が喉に刺さろうとしたその瞬間、、、

速く黄色い何かが翠の顎を叩いた。

 

その衝撃で翠は気絶した。

 

「みんな!」

 

扉の奥から安心する声が聞こえてきた。

渚や愛美ちゃんたちそして殺先生が入ってきた。

 

「みなさん!大丈夫でしたか?」

 

愛美ちゃんが心配して声をかけてくれる。

 

「うん、大丈夫。無事だったんだね。」

 

互いの無事を確認して安堵した。

 

何故だかいきなり自分の意識とは関係なく視点が高くなった。息も苦しくなった。気がつけば喉元にはナイフが突きつけられている。

 

「おい!てめぇーら。こっちに近寄るんじゃねえ。こいつをぶっ殺すぜ!」

 

不良はまだ気絶しておらず最後の力で抵抗をする。

 

「クソー!エリートを引きずりおろす予定が台無しに!ふざけるなよ、、てめぇーら、見下しているんじゃあねぇ!!!」

 

「ふざけるな?それはこちらのセリフだ。」

 

殺先生の声が聞こえたと思ったら自分は解放されていた。さっき翠にやったのと同じことを不良にもしたみたいだ。殺先生は顔を真っ黒にしてブチ切れていた。

 

「お前のようなやつがその汚い手で触るんじゃない。」

 

その言葉と同時に今度こそ不良は完全に気絶した。

 

「どんな川に住もうが魚は立派に成長する。環境ではない。何をするのかがいちばん重要なのです。」

 

そう殺先生は付け足した。

 

 

 

 

~~~~~

 

「みなさん。無事で本当に何よりです。

その後自分達は拘束を解かれ解放された。廃屋を出てみると時刻は既に夕方できれいな夕日が向こうにみえる。

 

翠はいまだに殺先生の触手(腕?)のなかで眠っている。それを渚たちが心配そうに見ている。

 

「殺先生、翠君は?」

 

「危険な状態だったので気絶させました。今回は緊急事態です。許してください。」

 

先生が申し訳なさそうに言った。

殺先生は(生徒には手を出さないこと)を条件にここの担任をしている。今回のことは通常であれば問題だった。

 

「大丈夫だよ、殺先生。みんな分かってる先生が普段からそんなことしないって」

 

私は先生に言った。私達と先生の中にはこと数週間で確かな絆ができていた。

 

「ありがとうございます。それにしても神崎さん。ひどい災難にあったのにむしろスッキリした顔になってますね。」

 

殺先生は神崎さんに言った。確かにさっきよりもスッキリした表情だった。そして神崎さんは元気よく

 

「はい!」

 

と答えた。

 

「ヌルフフフフフ。それでは修学旅行を続けましょう。」

 

「もう、夕方だけどな。」

 

 

 

 

 

~~~~~

side降谷

 

1度見たことのある天井だ。

酷い頭痛がする。これがあるってことは、、、

 

「起きたか。」

 

自分が状況を確認していると隣で声が聞こえてきた。自分は布団に寝かされていて隣では烏間先生がパソコンで報告書を書いていた。

 

「お疲れ様です。」

 

「かなり派手に暴れまわったようだが調子はどうだ?」

 

先生は自分の心配をした。

 

(やっぱりそうか、、)

 

自分にはそのときの記憶が全くない。

やってしまったようだ。

 

「まぁまぁです。酷く気分は悪い。体は正常てすけど」

 

「そうかならよかった。今はもう夜だ。異変がないならみんなと合流しなさい。」

 

先生は短く簡潔に言って作業に戻った。

 

「、、、先生。」

 

「どうした?」

 

「どうして拘束しなかったのですか?絶好のチャンスだったはずてす。」

 

そうだこの人は地球を爆破できる力を持った生物の監視を任される存在。こんなチャンスを逃すはずがない。

 

「今の君はシルバーブレットである前にここの生徒だ。生徒を捕まえることはできない。」 

 

「そうですか。分かりました。ご迷惑おかけしてしまい申し訳ございませんでした。」

 

「構わない。どっちにしろやつがやっていただろう。夕食はもう終わってしまったが売店があるから心配しなくていい。先に風呂に入ってきなさい。」

 

「分かりました。」

 

そう言って自分は部屋を後にした。

 

 

風呂に向かっているとゲームコーナーから渚たちが出てきた。その中には春菜の姿も。自分は反射で抱きついた。

 

「え、ちょ?ちょっと?」

 

春菜戸惑っていた。自分は

 

「ごめん、、無事でよかった。」

 

「うん、、、大丈夫だよ。」

 

「みんなにも迷惑をかけたすまなかった。」

 

(空気が重くなってしまった。)

 

「大丈夫だよ。助けてくれてありがとう!」

 

この空気を変えてくれたのは茅野だった。

 

「じゃあ」

 

自分はそう言って風呂場に向かう。

 

 

 

(ふー疲れた。)

 

1日の疲れを全て落として自分は部屋に向かっていた。ちなみにE 組は男子1部屋女子1部屋である。

 

廊下に見慣れた赤い髪をした男子を見つけた。

 

「赤羽なにしてるんだ?」

 

この時間まで出ていたのは珍しかったので聞いてみる。

 

「んー?飲み物買いにいっただけだよ」

 

そう言って手に持っていたオレをこちらに見せてきた。

 

「なるほど。ところで部屋はここで合ってる?」

 

「合ってるよ」

 

そう言ってふすまを開けた。

 

「お、面白そうなことしてるじゃん。」

 

(ん?面白いこと?)

 

「何やってんだ?」

 

中に入ると男子みんなで1つの髪を囲っていた。

 

「お、ちょうどいいや。お前らも言えよ。気になる女子。」

 

自分が状況を理解できていないなか赤羽はスラスラと答えていた。

 

「んー?奥田さんかな?」

 

「何で?」

 

誰かが意外そうに訪ねる。

 

「え、だって彼女クロロホルムとか怪しい薬とか作れそうじゃん。イタズラの幅が広がるじゃん。」

 

そのコメントにみんなの顔が青くなっていた。

 

「で?降谷は?」

 

「特にいないけど?」

 

正直に話す。

 

「えー?ほんとかぁ?」

 

疑いの声が中から出てくる。そんな中想定外の声が耳に飛び込んできた。

 

「俺さっき見ちまったんだ。あいつが高崎に抱きついているところ。」

 

(((あ、、、)))

 

「何だと?それは本当か?」

 

「あぁ本当だ。」

 

「どういうことだよ。抜け駆けか?」

 

「これはもう隠し通せないな。」

 

自分は諦めて鎮火するために正直に事情を話すことにした。

 

 

 

「「「えーー!?」」」

 

驚きの声が響く。

 

「お前ら一緒に暮らしているのか!?」

 

「同棲か。」

 

「いやそういう関係じゃないから。家族だから。」

 

「じゃあ、お前はいつもあんなことやそんなことを、、、」

 

ドガバキ

 

岡島がふざけた妄想を始めたので沈めておく。

それに周りは青ざめた。

 

「、、、でお前は誰が気になるんだ?」

 

この状況でも岡島は諦めずにきいてきた。その精神には少し感心した。

(感心することではないが、、、)

 

(ほんとにいないんだが、、)

 

どう切り抜けようか悩んでいると障子の奥でメモをしている殺先生を見つけた。

 

「おい。あれ放っておいていいのか?」

 

そう言うと全員の視線がそちらへ向く。その視線に気がついた先生は静かに戸を閉めてどこかへ言った。

 

「おい!待て!」

 

「メモを見られたぞ!」

 

「殺せ!」

 

男子は秘密を取り返そうと旅館ないで鬼ごっこを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~

 

「男子で気になる人?」

 

男子部屋で話がされているのとほぼ同時刻女子部屋でも同じ話がされていた。

 

「はーい。私は烏間先生。」

 

陽菜乃ちゃんが真っ先に告白する。

 

「そんなのみんな同じでしょ?あたしが聞きたいのはクラスの中の話だよ。」

 

この話を仕切っている中村さんがそういう。

 

「ほら、うちのクラスだと磯貝か前原が優良物件じゃない?前原はタラシだからあれだけど、、、」

 

「うーん。そうかな?」

 

「顔だけならカルマ君もいいよね。」

 

「普段の行動がよければね、、、」

 

その言葉に全員が苦笑いをした。

 

「でも意外に怖くないですよ。」

 

そんな女子の意見にフォローをいれたのは愛美ちゃんだった。

 

「うん。普段はおとなしいし。」

 

「うん。」

 

愛美ちゃんの言葉に同じ班のメンバーは同意する。

 

「野生動物、、、」

 

速水さんが静かにツッコミをいれた。

 

「神崎さんは?」

 

ここでカエデちゃんが有希子ちゃんにふる。

 

「私?私は特には、、」

 

「え~?ほんとか~?」

 

そう言うと押し倒してくすぐり始めた。それでもいないと言う。

 

「お~いガキどもそろそろ消灯の時間よ。と、言っても夜通し喋るんでしょ。他人に迷惑をかけるんじゃないわよ。」

 

そこにビッチ先生が入ってきた。

 

「さっすが分かってるね~」

 

中村さんがおだてる。

 

「当然よ。大人だもの。」

 

おだてられてご機嫌になった。

 

「そうだ!先生も話してよ。ためになる大人の話。」

 

そう言うと先生を拘束をして座らせた。

 

「仕方ないわねぇ。」

 

先生も話す気になってくれたみたいだ。

 

 

 

 

 

 

「「「え~!!先生まだ20?」」」

 

先生から衝撃の事実を聞かされる。

 

「そうよ。」

 

先生は自慢げに言う。

 

「意外。色々んあ経験しているからもっと上かと。」

 

「毒蛾みたいなキャラなのに。」

 

みんなが口々に言う。

 

「そうよ。私のような人生を送るとこの毒蛾みたいな色気が、、、

って誰だ今毒蛾っつたの」

 

少し遅めのツッコミが入る。

 

「遅いよ。ツッコミ。」

 

「それよりも春菜?あんた翠のやつとどんな関係なの?さっき抱きつかれてたけど、」

 

いきなりこっちに振ってきた。その言葉にみんなの視線が一気にこっちに向いてきた。

 

「え?どういうこと!?」

 

「ビッチ先生その話本当?」

 

「えぇそうよ。というかカエデたちも居たじゃない。何でなにも言わないの?」

 

(こうなればもう言うしかないよね。ごめんね。許して。)

 

心の中で翠に謝りみんなに本当のことを話すことにした。

 

 

 

 

 

 

「「「え~!!一緒に家族として暮らしているぅ!?」」」

 

みんなから驚きの声がでる。

 

(まぁ、そうだよね。)

 

「というか茅野ちゃんたちは知っていたの?」

 

「え~と、、うん。買い物に行ったときバッタリ会っちゃって 」

 

「へ~そうなんだ。で?プライベートあいつはどんな感じなの?」

 

さらに質問責めされる。

 

「それについてはノーコメントに、、」

 

「え~じゃぁビッチ先生さっきの続き~」

 

幸いにもすぐに興味は移ってくれたみたいだ。

 

「仕方ないわねぇ。でもあなたたちは大丈夫かしら。この大人の話に。」

 

ビッチ先生のトーンに生唾を飲み込む。

 

「あれは、、、っておいそこ!!」

 

先生が話そうとしたその時ツッコミが入ったいつの間にか殺先生が中に入り込んでいた。

 

「女子の部屋で何をしているの?」

 

「いや~いいじゃないですか。先生も聞きたいです。大人の話。」

 

「ていうか殺先生は?」

 

「そうだよ。人のは散々きいておいて自分のは全く話さないよね。」

 

「先生話してよ。巨乳好きだから片思いくらいあるでしょ?」

 

ここぞとばかりに先生を質問攻めする。すると先生はそのまま逃げてしまった。

 

 

「追え!捕まえて吐かせて殺すのよ!」

 

ビッチ先生の指揮で一気に動き出した。

向こうでは男子もいて挟み撃ちにした。

 

 

 

 

 

疲れて静かな方へきた。すると窓の外を見ている渚を見つけた。

 

「渚!」

 

声をかける。

 

「高崎さん。」

 

「結局こうなったね。」

 

「うん。そうだね。でもこれも楽しいよ。この瞬間しかこの時間はもう2度と楽しめないから。」

 

「そっか。」

 

「うん。それにみんなのこともっと知れた。高崎さんのことも、、」

 

「う、うん。また行きたいな修学旅行。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして3ーEの修学旅行が終わった。

 

 

 

 

 

 




遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。
あんまり主人公がでていませんね。上手くかけません、、、
今回は戦闘シーンを描写するのが特に難しかったです。

みなさん夏の暑さに負けないでください。


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第15話 転校生の時間

みなさんこんにちは。
お気に入りが25になりました。登録してくださったみなさん、本当にありがとうございます。

それでは本編をどうぞ。


修学旅行が終わりからまた授業だ。

あの後春菜から自分たちの関係を話したことを告げられた。自分も話したことでクラスのほとんどの人に知られたので今日は春菜の希望もあり一緒に登校していた。

 

「はぁ、いい加減直らない?その寝坊癖。」

 

自分は若干諦めながら春菜に注意をする。今日も自分が出るギリギリまで寝て慌てて出てきている。いつものことだから諦めかけているがやっぱり起きてきてほしいものだ。

しかし修学旅行中はいつもより起床時間が早いのにも関わらずしっかり時間通り起きれているらしいから不思議なものだ。

 

「ふぅ、着いたな。」

 

山を登り校舎が見えてくる。前に男子の集団が見える。立ち話をしているのは渚、杉野、磯貝だ。

 

「何話しているんだ。」

 

後ろから声をかける。

 

「あ、翠君おはよう。」

 

「おはよう。」

 

みんなが挨拶をしてきた。

 

「で、何を話しているんだ?」

 

「ほら、昨日の烏間先生の一斉メールにあった転校生の話。」

 

(そういえば昨日来てたなぁ)

 

ぼんやりと思い出す。

 

「そうだ、降谷なら何か知らないか?」

 

磯貝が聞いてくる。

 

「う~ん。心当たりがないなぁ。写真があればまた別だけど。」

 

少し考えて答える。これは本当の話だ。

 

(そもそも知り合いが多い訳じゃないからなぁ)

 

「写真か、、、」

 

「お前ら見たいか。」

 

後ろから気味の悪い声が聞こえてくる。思わず身の危険を感じて春菜を掴んで距離をとる。

 

「おいおい、その反応はひでーな。」

 

後ろにいたのはエロの王様岡島だ。

 

「悪いな身の危険を感じた。それでお前写真持ってるのか。」

 

すぐに切り替え聞いてみる。

 

「おうよ。あの後烏間先生に顔写真とかないか聞いてみたんだ。そしたらほら!」

 

岡島はそう言って携帯の待ち受けを見せてきた。

そこには赤目で薄紫の髪をした美少女が写っていた。

それに男子からは声があがる。

 

「可愛いな。」

 

「そうだろそうだろ。キャー」

 

興奮しだした岡島に春菜も少し引いてしまった自分も苦笑いをする。

 

「でどうだ?分かるか。」

 

杉野に聞かれる。

 

「、、、、やっぱりこんなやつ見覚えがないな。」

 

「そうか。」

 

「悪いな。」

 

「ううん。大丈夫。」

 

この転校生については教室にいけば分かることだ。そう結論をつけて校舎に入ってくる。

 

「ねぇ、翠。」

 

春菜が小声で話しかけてくる。

 

「何?」

 

「ねぇ   に今聞いてみればまだ学校のHR始まってないだろうし。なにか分かるかもよ。」

 

春菜がそう提案をしてきた。

 

「いや、いいよ。あと数十分すれば分かるんだから。」

 

「そう。」

 

提案は断って教室に入る。

 

(あいつに聞いたってロクなことにならないしな。)

 

教室に入るとみんなが棒のように直立不動になっていた。

 

「?どうした。」

 

みんなをかき分けて前に出る。するとそこには明らかに修学旅行前にはなかった黒い長方形の箱が立っていた。

 

(え?)

 

自分も理解出来ずに止まると画面にさっきの女の子が写り

 

「初めまして。自律思考固定砲台です。よろしくお願いします。」

 

簡単な自己紹介を済ませるとすぐに電源を切ってしまった。

 

(中学生暗殺者、僕、AI兵器。もうなんでもありだな、、、)

 

内心政府のやり方に呆れていた。

 

 

 

 

 

 

 

HR烏間先生が転校生の名前を黒板に名前を書いていた。流石に色々言いたいことがあるらしく若干震えていた。その姿に同情をする人も少なくなかった。

 

「ノルウェーから来た。自律思考固定砲台さんだ。仲良くしてやってくれ。」

 

烏間先生は気を取り直し転校生の紹介をする。

 

(ほんとお疲れ様です。)

 

「プークスクス」

 

とうとう耐えきれず殺先生は笑ってしまった。

 

「笑うな同じイロモノだろうが。」

 

烏間先生が注意をする。

 

「言っておくが彼女は正式に生徒として登録されている。彼女はお前に銃口を向け続けるがお前は反撃はできない。そういう契約だ。」

 

烏間先生は追加で警告をする。

 

「なるほど契約を逆手にとり機械を暗殺者に、、いいでしょう彼女を歓迎します。」

 

それでも先生は余裕そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

授業に入ったここまで転校生に動きはない。

 

(今は観察をしているだけなのか?)

 

転校生の行動を気にしながら授業を受ける。

 

「それではここを降谷君。前にでて答えてください。」

 

殺先生から指名を受けて前に出る。すると後ろから機械音と他のクラスメイトの声が聞こえてくる。

振り返ると転校生がさっきまできれいな長方形だったのが銃が展開されて先生に向けられてる。

 

(おぉ、すげぇ)

 

自分も心の中で驚く。だがここで気づく。

 

(あれ?これ巻き込まれね?)

 

そう思った瞬間転校生は撃ってきた。前にいた自分はその弾幕に巻き込まれる。

自分は咄嗟に教壇に隠れる。他のみんなも教科書やノートを頭に被せて自分を守っている。先生は自慢のスピードで余裕そうに避ける。最後の弾はチョークではじけるほどだ。

 

「いけませんねぇ。授業中の発砲は禁止です。以後気をつけるように。」

 

先生は注意をする。

 

「了解しました。続けて攻撃に入ります。」

 

転校生は先生の話を聞かずに謎の音を出し高度な計算を始めた。

この隙を突き自分は安全な場所へと移動する。

 

すぐに次の攻撃が開始された。それでも先生には問題で先ほどと同じようにチョークではじくと今度は先生の指がはじけ飛んだ。

その事実に驚きがはしる。

 

(隠し弾。同じ軌道に2発撃っていたのか。)

 

転校生の能力が分かった瞬間だった。

 

 

 

その後は1日中転校生の発砲は続いて授業どころではなくなってしまった。

 

 




今回はここまでです。中途半端で申し訳ございません。
期間が空いているので投稿させて頂きます。
投稿が遅くなってしまい申し訳ございません。


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第16話 転校生の時間 2

みなさんこんにちは。

最近、自分のタイピング速度が上がってきて嬉しいです。

前半は全話の続きです。

それでは本編をどうぞ。


次の日いつもより早く教室に来た。春菜は安定の寝坊だ。

教室に入るとTHE不良寺坂が居て固定砲台をガムテープで巻いて拘束をしていた。

残念ながら人がいるならば目的は達成出来そうにもなく諦めて座ることにした。

せっかくなので話かけてみる。

 

「何で拘束したんだ?」

 

「あ?決まってんだろ?授業の邪魔だからだよ。」

 

多少威嚇しつつも教えてくれた。

 

「それとも何だ?文句あるのか。」

 

向こうはさらに話かけてくる。

 

「いや、別に。文句を言う気はないよ。邪魔になっているのは事実だからね。」

 

「ケッそうかい。」

 

そんなこんな話しているとみんなが登校してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のHR。固定砲台が起動を始める。画面が明るくなり彼女の顔が映しだされるとすぐに異変に気がついたようだ。

 

「殺先生、これはどういうことですか?生徒へ危害を加えることは契約で禁じられています。」

 

彼女は先生に抗議をする。それに噛みつくのは拘束した張本人寺坂だ。

寺坂はガムテープを投げて

 

「俺だよ。俺が拘束したんだ。普通に考えて授業の邪魔だろ。」

 

「ほんとだよ。」

 

「まず常識を身につけてから来て欲しいね。」

 

「ごめんね。放課後になれば外してあげるから。」

 

寺坂を筆頭に固定砲台に言う。すると彼女は黙って電源を落としてしまった。

おかげでこの日は邪魔されることなく過ごすことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

~~放課後~~

 

みんなが家に帰り日が沈んだころに固定砲台が起動した。

どうやらこちらに気がついたようだ。

 

「何か用ですか。」

 

相変わらず感情のこもっていない声で話す。

 

「お前こそ聞きたいことがあるんじゃねぇのか?」

 

そう言うと素直に話し始めた。

 

「私には分かりません。なぜ今日生徒のみなさんから妨害を受けたのかが。」

 

「それはお前のことが邪魔なのさ。」

 

そう言うと明らかに動揺した声をだした。

 

『もちろん音だけで感情はこもっていなかったが』

 

「お前の学習して追い詰める戦法。先頭では合理的だ。だがここは戦闘が第1ではない場所なんだ。ここはあくまで勉強をする場所。みんなは勉強の邪魔をされて怒っている。だからみんなは君を拘束したのさ。」

 

そう言うと少し納得出来たみたいだ。

 

「なるほど理解しました。では私はどうすればいいですか。」

 

さらに聞いてくる。

 

「そこは専門家に任せるよ。僕もそこまで仲がいいわけではないからね。じゃあよろしくね。殺先生。」

 

そういうと示し合わせたかのように殺先生が入ってくる。その触手には大量の工具が入った段ボールが握られていた。

 

『関係のなさそうな物がいくつか確認できるが、、、』

 

「固定砲台さん。転校生の君には協調が必要です。君が周りと協調できれば暗殺の幅はより一層広がります。これを受け取ってください。もちろんウイルスなどは入っていませんよ。」

 

そう言うと先生は何かを取り出した。

 

「これは、、、」

 

「クラス全員の射撃データです。これで君にも暗殺における協調の大切さが理解できたでしょう。」

 

「はい」

 

「どうですみなさんと仲良くなりたくなったでしょう。」

 

「でも方法が分かりません。」

 

「ご安心を。そのための準備です。」

 

そう言うと殺先生は固定砲台の背中を開け始めた。

 

「なにを?」

 

「改良です。」

 

(待ってました。)

 

自分はこっそり心の中でガッツポーズをする。自分の本当の目的は固定砲台をクラスに引き込むことじゃない。データのコピーだ。ひっそりと機会を窺っていたがようやくきた。先生の改良途中なら自然にとらせてもらえるだろう。

 

「先生、僕も手伝うよ。」

 

さりげなく近づく。すると先生の悲鳴が聞こえてきた。

 

「どうした、、」

 

覗き込むと先生がうっかり工具を落としている。

 

(これ改良中に壊しそう。だが合法的な理由ができたな)

 

「先生、、、壊しそうだからバックアップとるよ」

 

そう言うと装置を取り付けてコピーを始める。その間にも先生は着々と改良を続ける。

 

しばらくするとコピーが完了する。これにて自分の目的は達成された。

それから1時間ほど経つと殺先生から帰るように言われた。時計を見るとすでに補導される時間が近づいていた。迷惑をかけるわけにはいかないので素直に帰るとする。もちろんデータを持って。

 

 

その後先生の改良は一晩中続いた。

 

 

次の日

 

学校に行くと体積が2倍に増えていた。そして昨日までとは違い表情が豊かに。

この劇的な変化には流石のみんなも度肝をぬかれたものでしょう。

 

昼休みにはすっかり人気物になっていた。銃を攻撃ごとに変えられたのは中でプラスチックを加工できるらしくそれを利用して色々な物をつくるらしい。女子が花を作って欲しいと言うと学習しておくと言っていた。他にも千葉とも将棋をしているらしいが3局目でもう勝てなくなったらしい。恐ろしい学習能力だ。

しばらく話していると今の名前は長いので別の名前を付けようということになった。

ここで漫画大好き不和が自律からとり律と名付ける。安直という意見も出ていたが律本人が喜んでいたので自律思考固定砲台、略して律となった。みんなが盛り上がる中

 

「け、所詮は機械だろ。また周りの迷惑考えずに撃つんだろ。このポンコツは。」

 

寺坂は異論を唱える。

 

「寺坂さんの言うとおりです。昨日までの私はみなさんのことを考えていませんでした。ポンコツ、そう言われても何も言い返せる言葉がありません。」

 

そう言うと律は背景を大雨にして泣き出してしまった。

 

「あ~寺坂君が2次元の女の子泣かせた。」

 

「可愛そ~」

 

「何か誤解をうむ言い方やめろ!」

 

 

女子が寺坂を責め始めた。

 

「いいじゃないか。女はDを1つ失うことで始まる。」

 

眼鏡をクイと上げて竹林がキメる。

 

「いいのか!?お前、それ初セリフだぞ。」

 

みんなから心配の声が上がる。しかしそれも気にしていないようだ。

 

「でも、寺坂の言うとおりだよ。彼女はただプログラムに従って動いているだけ本当にどうするかは開発者次第だよ。」

 

赤羽が静かに言った。

 

 

 

 

 

 

次の日

 

律は再び改良前に戻ってしまった。

 

「これからは改良も危害を加えたことにするそうだ。」

 

烏間先生が宣告する。その言葉に驚きの声が上がりざわつき始める。

 

「君たちもだ。彼女を拘束して壊れたら賠償を求めるそうだ。」

 

この言葉に寺坂がわかりやすく舌打ちをした。

 

「仕方ない。開発者の意向だ。従うしかない。」

 

烏間先生も納得しきれない部分があるみたいだが仕方なく従っている様子だ。

 

(これはバックアップが役に立つかな?)

 

自分自身そう思っていた。

授業が始まると律が起動し始めた。みんなはまたあの弾幕攻撃がくると身構え逃げる準備を始めた。

 

 

しかし

 

 

 

彼女の銃口からは花束が出てきた。

 

「花束を作る約束をしていました。」

 

そう言うと無表情な顔から笑顔がでてきた。律はさらに続ける。

 

「マスターは殺先生が施した改良のほぼ全てを暗殺に不要と判断し削除しました。しかし私自身で暗殺に協調が不可欠と判断し削除される前にメモリの隅へ隠しました。」

 

ここで彼女が何をしたのかを全員が理解する。

 

「つまり律さんあなたは、、、」

 

「はい!自分の意思でマスターに逆らいました。こんな律はいけない子ですか?」

 

真っ先に口を開いたのは殺先生だった。そしてみんなが彼女の元へ寄っていき喜んだ。

 

(どうやら必要なかったんだな。)

 

ここの教室ではAIも立派な暗殺者だ。

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。


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第17話 LとRの時間

みなさんこんにちは。
前原の回はイマイチ絡ませ方が思いつかなかったのでカットすることにしました。
もしかしたらどこかで追加するかもしれません。


それでは本編をどうぞ。


「いい?サマンサ達のエロトークには難しい単語は1つもないわ。日常会話なんてとても単純。周りに1人はいるでしょう。まじやべぇ。とかまじすげぇ。で会話を成り立たせるやつ。」

 

(確かに、、、)

 

自分の中にはチャラいあいつがでてきた。

 

「そのまじにあたるのがreally。木村言ってみなさい。」

 

「り、リアリー、」

 

「はい!ダメ~。LとRがゴチャゴチャになっているわ。日本人には相性がわりのよ。私には聞こえなくはないけどけど違和感があるわ。これからは発音は厳しく見ていくわ。もし間違えたら公開ディープキスよ。」

 

そう言うとビッチ先生は舌なめずりをして不気味な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

~~放課後~~

 

「いや~。すごいなビッチ先生。」

 

「そうだね。」

 

放課後今日は渚と杉野と一緒に帰っていた。3人で今日の授業の感想を言い合っていた。

 

「あの公開ディープキスよはどうかと思うが。」

 

自分がそう言うと2人は黙ってしまった。

 

「まぁ、確かに合ってても間違っても強制ディープキスなのは問題あるけど持ってくるビデオは面白いし体験談は聞いてて飽きないから僕は満足かな。」

 

「ふ~ん。」

 

ここで自分は違和感を感じ取る。普段感じなような気配を、、、

 

「あ、携帯忘れたから戻るわ。待たなくていいよ。バイバイ。」

 

そう言って校舎に戻ることにした。

 

校舎に戻るとすぐにステルス状態で気配をたった。廊下を覗くとビッチ先生がいた。何事もなさそうと安心していると先生の首にワイヤーがかかった。

 

(マズい!)

 

そう思いすぐに動こうとするといきなり少し老いた男が現れた。先生に何かを話しているようだが自分の知らない言語で何を言っているのかまでは分からなかった。

 

(この男は、、、)

 

だが自分にはこの男の顔を知っていた。自分がでるか迷っていると烏間先生が騒ぎに気がついたのか廊下に出てきて男に降ろせと言った。

男は烏間先生に素直に従いナイフでワイヤーを切断して降ろす。

 

「日本語で結構だ。突然の訪問を許してほしい。」

 

男はさっきまで話していた言語から日本語へチェンジして話し始める。

 

「何者だ。」

 

烏間先生はさらに警戒を強める。

 

「私の名はロブロ。イリーナとシルバーブレットを日本政府に斡旋した人物と言えば分かるかな?」

 

そうこの男は殺し屋屋ロブロ。かつては凄腕の暗殺者だったが今は引退し後継の育成また斡旋を行う人物である。

 

「な、なぜ先生がここに?」

 

「お前を連れ戻しにだ。イリーナ。ところで殺先生は?」

 

「やつは今杏仁豆腐を食べに中国に向かった。そろそろ戻って来る頃だろう。」

 

 

連れ戻すその言葉にビッチ先生が驚きの表情を見せる。

 

「そんな、、まだやれます。」

 

「確かにお前は潜入の暗殺なら能力を発揮するが正体がバレればそこら辺のやつと大した差はない。こここそお前にとってのLとRなんじゃないか?」

 

抗議をするビッチ先生に対し冷たくそして的確にロブロは返す。

 

「半分は正解。半分は不正解ですね。」

 

そう言って2人の間に入ったのは中国から戻ってきた殺先生だ。なぜか顔色は半分正解、半分不正解の色になっているが、、、、

 

自分はもう大丈夫だなと思いその場を離れることにした。だからこのとき知らなかった。あのあとあんなことになるとは。

 

~烏間視点~

 

「何しに来た。ウルトラクイズ。」

 

また変な顔色をしているやつに言う。

 

「仲裁です。確かにイリーナ先生は私に遠く及びません。くそです。」

 

「だれがくそだ?!」

 

「ヌルフフフフ。ですが殺し比べれば分かります。どちらがより優れた殺し屋か。」

 

そう言うとやつは2人にやつ専用のナイフを渡した。

 

「模擬暗殺、、なるほどそれなら納得だ。」

 

ロブロは自信ありげに言うが一方イリーナは不安げな表情をしていた。

 

「期間は明日1日。早く殺せた方の勝ちです。ターゲットは烏間先生でどうですか?」

 

「おい。ちょっと待て。なぜ俺が被害者になる。」

 

俺は当然抗議する。こんなのに付き合うのは疲れる。

 

「私だとイリーナ先生に有利に動くかもしれませんから。」

 

ニヤニヤとなめくさった笑みを浮かべていう。

 

「殺先生、少しいいか?」

 

「はい、なんでしょう。」

 

「ターゲットについてだがこちらが指定したい。」

 

「誰かにもよりますね。」

 

「ターゲットはシルバーブレットだ。俺からしてもやつの能力は未知数。

この機会に試してみたい。あの男がどれほどできるのか。」

 

「いいでしょう。彼なら不足無く公平にできるでしょう。確認です。

ではターゲットは降谷君。期間は明日1日。早く殺せた方の勝ち。イリーナ先生が勝てばこの教室に残留。ロブロ先生が勝てばイリーナ先生はここから立ち去るということで。」

 

そう言うとやつはどこかへとんで行ってしまった。

 

 

 

 

翌日

 

 

 

 

~~降谷視点~~

 

昨日椚ヶ丘駅に着いたところで殺先生に呼び止められまさかの事実を告げられた。

今日1日2人の人間から狙われるということだ。模擬暗殺のターゲット。なんで自分がという文句があったが次の提案でその文句は引っ込んだ。

その提案というのは今日1日逃げ切ったら1秒動かないという物だった。

これとない暗殺のチャンス。自分はこれを条件にターゲットを引き受けた。

 

 

 

体育の時間。今日は不安定な場所でもナイフを振れるようにする訓練。

しかし後ろの茂みから視線を感じる。

 

約3名。

 

あまり気分のよいものではない。

 

距離があるので仕掛ける気はないようだがそれでも集中力を割くのでもやもやがうまれる。

 

授業が終わり教室に戻ろうとする。

 

ビッチ先生が近づいて来る。仕掛けるつもりのようだ。

 

 

「お疲れさま~。疲れたでしょ。はい!これ冷たい飲み物。グイッといっちゃって。」

 

先生はとびきりの作り笑顔で先生が持参した水筒の中身を差し出してきた。

 

明らかに絶対になにか入っている。そんなものは誰の目からも明らかだった。

それでもガチで死ぬようなものは入っていないはずだ。飲んでも大丈夫なはず。

 

(よし、これでいこう)

 

「先生、疲れちゃった。ご褒美ちょうだい。そうだな、、、口移しとか、、、」

 

自分の発言にみんなが戦慄していたがビッチ先生は

 

「あら仕方ないわね。」

 

むしろ油断した。自分の得意分野にきたのだから仕方ないことでもある。

そして先生が怪しい飲み物を口に含んだ瞬間自分は動いた。

 

即座に先生の足を引っかけ倒し口を塞いだ。

 

(倒れた衝撃で肺から空気がぬけさらに口を塞いだんだ。そうとう息が苦しいはずだ。)

 

しばらく自分を剥がそうと抵抗をしたがとうとう耐えきれずに飲み込んだ。

それを確認をして自分は拘束を解く。

 

「あんた、何をするのよ!」

 

先生は当然キレる。

 

「別におかしいことではないだろ?殺される側が反撃してはいけないとは一言も言われていない。実戦でも大人しく殺される方が少ないだろ?」

 

黙ってしまったのでその場を立ち去る。あの飲み物に何が入っていたのかわ知らないがこれでしばらく襲ってこないだろう。

 

 

 

 

2時間目が終わった。あれから動きはない。

 

(ビッチ先生はダウンしているとして問題はロブロ、、、。いつくる?)

 

そう考えていると突如扉が開く。その瞬間ロブロが入ってきた。かなり間合いをつめられている。

 

(来たか、でもこの距離余裕で避けられる。)

 

そう思い椅子をひくが段差にひっかかる。

 

(こんなもの昨日まではなかった。体育の時間に仕掛けていたのか。)

 

暗殺は一瞬が命。今作ったこの隙がロブロが狙っていたものだ。

 

咄嗟に指を噛み血をだす。床に血が滴る。

そして腕を大きく振り血をロブロへ向けて放った。

 

放った血はロブロの顔面に付く。付着した血に一瞬ロブロは意識をよせた。自分はその一瞬にロブロの手を何とかはじくことに成功した。正直かなりのピンチだった。

 

「流石に歳には勝てないようだな。」

 

「どうやらそのようだ。私はここでリタイヤのようだな。」

 

「悪かったな。怪我を負わせてしまい。」

 

「なにこの世界では反撃されるのは当たり前さ。最もその反撃のチャンスを作らせないのが暗殺なんだがね。」

 

そうう言うとロブロは教室から出て行った。さっきはじいたことで手を痛めたらしいくここでリタイヤのようだ。

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

 

先ほどを反省して広く見渡しのいい場所で食べることにした。

 

 

すると近づいてくる人間が1人。復活したビッチ先生だ。

 

「ねぇぇ、私どうしてもここに残りたいの。だからお願い、ナイフ当てさせて。お礼は極上のサービスをするわ。ねぇいいでしょ?」

 

「いいよ。どこにでも当てろよ。」

 

そう言って自分は手を挙げる。

もちろん嘘だ。負ける気は一切無い。仕掛けた瞬間反撃にでる。

 

 

「そうじゃあ行くわね。」

 

そう言うと体に浮遊感がきた。

 

(まさか、、ワイヤートラップ!?)

 

自分は地面に叩きつけられ先生にマウントをとられた。

 

 

そして先生がナイフをおろす。

 

(マズい。)

 

自分はギリギリのところで止める。

 

互いに押し合いが始まる。力では自分には勝てないと悟った先生は

 

「刺したいのダメ。」

 

まさかのおねだりをしてきた。

 

(正面という苦手を克服か、、、これは負けたな。)

 

自分は力を抜いてナイフが刺さった。

 

その瞬間教室の方から歓喜の声が上がった。

この瞬間ビッチ先生残留が決定した。

 

 

 

 

苦手を正面から克服していくビッチ先生は間違いなくこの教室に先生だ。

 

 




最後まで読んで頂きありがとうございました。
投稿が遅れてしまい申し訳ございません。
理由としては旅行に行っていてパソコンに触れなかったです。
(自分の携帯は調子が悪くほぼ動きません。)
今日からまた投稿を再開していきます。


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第18話  出会いの時間

みなさんこんにちは。

もうすぐ8月が終わってしまいますね。最近本当に時間の流れが早いと感じてしまいます。

再現の難しさを改めてしりました。

今回はオリジナルストーリーです。

それではどうぞ。


自分が暗殺教室に加わって2ヶ月学校生活にも慣れてここ椚ヶ丘にもだいぶ詳しくなってきた。

 

「よろしくお願いします。」

 

そう言って20代前半の男性がこちらにチラシを渡してきた。朝早くから熱心なものだ。中身を見てみると今日は駅近くのスーパーが特売日らしい。あそこのスーパーは野菜にこだわりがつよく他のところよりもおいしい。今日の買い物はそこで済ませようと決めて今日も登校をする。

 

 

 

 

 

 

結局今日も誰1人として殺先生を殺せた人はいなかった。分かっていたことだが。

そういえばこの前の模擬暗殺の時どうやら先生は自分との約束を本気で守るつもりだったらしい。今思うと惜しいことをしたかもしれないと少しだけ後悔をした。

 

1人で街中を歩いていると負の考えが頭をよぎる。

 

自分はここにいていいだろうか。

 

 

自分は元々社会のはぐれものだ。この平和のなかにはふさわしくない人物だ。自分はもう汚れている。彼らはきれいだ。おそらく暗殺というものがなければ一生出会うこともなかっただろう。

 

彼らは陽の存在。

 

自分は陰の存在。

 

双方本来生きる世界は真逆なのだ。

 

自分はここにはふさわしくない。

 

そんなことを考えていると自分の携帯にメールがくる。

送り主は春菜だ。

 

今日 

カレー

希望

V(v)V                

 

                  了解。

 

なぜカタコトと思ったが気にしていたらきりがないのでカタコトには一切つっこまず返事だけをした。

 

今日はカレーと家族に伝えると自分は今朝チラシをもらったスーパーに向かうことにした。

 

「よいしょ。」

 

今日はビーフカレーにすることにした。材料を持ってスーパーをでるとじいさんが自転車に大量の荷物を乗せようとしているのが目に入った。自転車のカゴに入りきらないその量に苦戦しているようだ。それを見た自分はちょっとだけ手助けをすることにした。

 

近づいてみると胸のところに松方と書かれた名札がついている。この時代に不用心なものだ。

 

 

「おじいさん。手伝いますよ。」

 

「誰じゃ・お主は。」

 

「ただの通りすがりですよ。」

 

そう言うと自分はじいさんが持っていた袋を1つ預かった。

 

「、、そうかい。それは助かる。」

 

多少警戒しつつも受け入れてくれたようだ。

 

 

 

 

 

しばらく歩いている。気まずいので話しかける。

 

「何でこんなに持ってるの。運ぶのが辛い量。」

 

「子供のためじゃよ。わしは小さな学童をやっておる。そこに通う子達に必要なんじゃ。」

 

「そっか大変なんだな。」

 

「そんなことないわい。ところでお前さんこそなぜ見知らぬ老人を助けようと思ったんじゃ?」

 

「気分だよ。僕は決して善人なんかじゃない。悪人さ。それでも救われたいと思うときがあるのさ。」

 

「、、お前さんは何かを迷っているな。」

 

「え、、?」

 

「わしももうずいぶん長く子供達を見てきておる。多少は分かるさ。お前さんは今何かに悩んでおる。それが何かはわしにも分からない。でも気にすることはない。世の中お前さんが思っているよりドロドロしたものじゃないぞ。」

 

「、、、そっか。ありがとう。少し楽になったような気がする。」

 

 

 

 

 

「おぉ見えたぞ。あそこだ。そっかもう大丈夫か?」

 

「あぁ随分楽だった。ありがとう。」

 

「どういたしまして。」

 

「いつでも来い。相手になってやる。」

 

「はい。」

 




今回はオリジナルストーリーです。やっぱり難しいですね。内容もかなり薄いものになってしまいました。

すみません。

次回は原作を進めようと思います。


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第19話 襲来の時間

みなさん。こんにちは。

文化祭が忙し過ぎて辛いです。眠いよぉ。

それでは本編をどうぞ。


「私、ここからでたら叶えたい夢があるんだ。」

 

 

 

 

 

 

「これが、、、、、だよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「翠っていうの?今日からよろしく。」

 

 

 

 

「逃げて。生きて、、、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁ」

 

 

嫌な夢を見た。

 

 

いや、夢じゃない。現実だ。本当に起こったことなのだ。忘れられない忌まわしい記憶。

 

酷く頭が痛い。今にも意識を奪われそうだ。そんな中自分は布団からでて洗面所に向かった。

 

顔を洗って鏡を見る。そこには反射した自分の顔が写っていたがこいつは誰だ。という疑問が生まれる。自分が何者なのかについては知らない。だれから産まれたのかどこにいたのかも。自分に自我が現れたのは

 

「酷い顔をしているわね。また思い出していたの?」

 

後ろには紗良さんが立っていた。

 

「うん。」

 

「忘れろとは言わないわ。その記憶はあなたにとっては大切なものだもの。でも

あなたが背負っている者達はあなたがそうなることを望んでいないわ。」

 

「、、、分かっているよ。、、、分かっている。」

 

 

外にでると今日はどしゃぶりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みなさん。おはようございます。今日はあいにくの雨ですがビックニュースがあります。今日は転校生がやってきます。」

 

転校生、自分に律。これで3人目だ。人工知能を生徒に仕立て上げるほど政府は必死な今再び来るという転校生に教室は緊張感が漂う。

 

「みなさんに仲間が増えるのは先生は楽しみですよ。今回は律さんのときのように油断はしませんし。ヌルフフフ。」

 

殺先生は脳天気に言っていた。

 

 

「ねぇ律ちゃん。律ちゃんは何か知らないの?転校生について。」

 

原さんが律に聞く。

 

すると律は少し暗そうな雰囲気を出しながら答えた。

 

「元々は彼と私は同時投入の予定でした。彼が近接攻撃、私が遠距離からのサポートで先生を追い詰め暗殺の任務を達成。しかしその命令は2つの理由からキャンセルをされることになります。1つ目は彼の調整に時間がかかり間に合わなかった。そして

2つ目は私では彼のサポートには役ぶそくんだったのです。」

 

 

先生の指を飛ばした律でさえ役不足。どうやら政府の本命は今回の転校生だったようだ。律の発言から得られた情報は性別が男。近接戦闘に特化している。の2つだけだった。

 

謎が深まる転校生にクラス内はさらに緊張がはしる。

 

 

 

 

 

 

そのとき廊下に足音が響き始めた。廊下側に写るシルエットは明らかに烏間先生でもビッチ先生のでもない。つまり転校生が到着したことを表している。

 

 

 

教室の扉を開けて中に入ってきたのは全身を白装束で覆っている誰かだ。

服装のせいで男か女かすらも分からない。その人物はおもむろに握った手を出して

 

 

 

 

 

その手の中から鳩をだした。 

 

 

「ははは驚かしてってすまないね。私は転校生ではないよ。ただの保護者さ。そうだね。私は全身が白いし`シロ`とでも読んでくれ。」

 

不気味な見た目とは一変話をしやすそうな声と口調のギャップにクラスのあちこちから安堵に似たような声が聞こえてくる。

 

「なんだただの鳩か。」

 

「優しそうな人でよかったね。」

 

「にしてもいきなりあれはビビるよな。」

 

「ほんとだよ。あんなのにビビらないとしたら殺先生くらいだよな。」

 

だれかがそう言って視線を教卓に向けるとさっきまでそこにいた存在は跡形もなく消えていた。全員がその状況に気がつき教室を見渡す。

 

「あ」

 

誰かが声を上げて指をさす。その方向には奥の手液状化を使って避難をしている先生の姿があった。

 

「なんで1番ビビっているんだよ。」

 

「奥の手の液状化まで使ってんじゃねぇよ。」

 

「ニュヤ!?律さんが恐ろしいことを言うからじゃないですか。」

 

そう言って元の体に戻り始める。どうやら噂に踊らされやすいようだ。

 

「なんにせよ、あの子が馴染めそうでよかった。少々問題がある子でね。」

 

そう言うとシロはクラスを見渡す。視線は渚の辺りで止まる。

 

「みんないいこそうで安心しました。それでは紹介しましょう。堀部イトナです。よろしくお願いします。」

 

今度こそ本当に転校生が入ってくるようだ。自分が教室の扉に視線を移す。

すると自分の後ろから雨とは違う水のはねる音がした。

まさかと思い後ろを向いた瞬間教室にある壁の一部が破壊される。そして自分と同じ白髪の少年が入ってくる。

 

「買った。俺はこの教室の壁に買った。この教室の壁より強いことが証明された。」

 

かなり強烈な言葉を言いながら。

 

「「「いやドアから入れよ!!!」」」

 

みんながツッコむ。

その声を無視して近くにあった空いている椅子に座った。それでもなお小さな声でそれだけでいい。と呟いている。今まで色々な人間に会ってきたがこの転校生はトップクラスでヤバいやつだ。

流石のこの状況に先生もどうしたらいいのか分からず笑顔でもなく真顔でもなくとても中途半端な顔をしていた。

この転校生質問したいことが山のようにある。

 

「ねぇ、イトナ君。外、土砂降りだよね。傘も持っていないのにどうして濡れていないの?」

 

中でも1番聞くべきなのはそこだ。この雨の中傘をさしていても多少は濡れてしまう。なのに彼は全く濡れていない。どう考えたって不自然だ。それに壁を破壊した方法も不明だ。彼は素手であの壁を破壊できるほどの武器を持っていないし隠し持つこともできない。もし可能性があるとしたら自分と同じということだ。

 

そんなことに思考を巡らしているといつの間にか先生の近くまできていた。その手には羊羹が握られている。

 

「殺先生、この教室だけではあんただけだ。」

 

「けんかで先生の次元には立てませんよ。」

 

なるほどどちらが強いかの話をしていたようだ。

 

「いや勝てるさ。なぜなら俺とあんたは兄弟だからだ。」

 

その言葉に誰もが驚愕した。この転校生はさっそく巨大な爆弾を投下したようだ。

 




最後まで読んで頂きありがとうございます。

今日ようやく文化祭が終了し書く余裕ができました。

遅くなってしまいごめんなさい。


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第20話 襲来の時間 2

みなさんこんにちわ。本日とうとう天気の子を見てきました。

感想を言うとすごくきれいで自分の好みの作品でした。また色々と勉強にもなりました。(ネタバレ防止の為薄い感想にしています。本当はもっと語りたいです。)

それでは本編をどうぞ。



昼休み、学生にとってこの時間は堅い椅子から解放される至福の一時であろう。

しかし今日、このE組の昼休みは通常時とはかけ離れた空気になっていた。

理由は明白だ。今日やってきた転校生の爆弾発言である。転校生、堀部イトナは殺先生と対峙するやいなや自分は殺先生の弟であると言ったのだ。当然この告白にはクラス中が驚愕し一気に先生と転校生は注目の的となった。しかし先生は自分には兄弟はいないと否定クラスは半信半疑の状態になっている。

その渦中の転校生の机の上には殺先生の好物と同じ大量のお菓子が置かれていた。

 

「甘党なのは殺先生と同じ。」

 

クラスのほとんどが転校生、先生の行動に釘付けである。

その状態に先生は不満がある様子。

 

「にゅぅぅ、先生と兄弟疑惑が出て以降みなさんが比較をするのでムズムズしますね~。仕方ありません。ここは大人の嗜みを、、、。」

 

そう言うと先生は教卓からエロ本を取り出して読み始めた。それを見ていた何人かはそんなものをここで見るなと心のなかでツッコんだが次の瞬間その考えが吹き飛ぶ。

なんと転校生も同じ者を持っていてさらに先生と同じページを見始めた。さらなる共通点、メモをとるもの観察をし考察を深めるもの、ただただ驚愕するもの、反応はまさに十人十色だ。

 

「こ、これは俄然信憑性が増したぞ。」

 

岡島が震えながら声を上げる。自分には理解が微妙に分からなかったので尋ねる。

 

「巨乳好きは皆兄弟だ!!!!」

 

そう言うと岡島は自信たっぷりに2人と同じ本、同じページを見せてくる。

 

「な、お前もそう思うだろ?」

 

なぜか自分にも同意を求めてきた。

その一言に明らかな反応を示す人物が後ろから殺気を出している。

正直に言えば特に好みはない。ので

 

「ノーコメント。」

 

呆れた口調で突っぱねた。その一言で興味を無くしたのか他の方へ言った。

 

 

 

 

その後不和が生き別れた王子説を推していたがつじつまが合わないところがあったのでそれも否定されることになった。

結局、転校生が言っていた兄弟の意味は放課後の暗殺で明かされることになった。

 

放課後

教室は異様な空気に包まれていた。

教室の真ん中には机で囲われたリングが出来上がっておりその中には先生と転校生が戦闘態勢で構えていた。いつの間にか保護者を名乗るシロも戻って来ている。

 

「そろそろ普通の暗殺は飽きたでしょう。こんなルールを追加するのはどうですか?

リングの外に足をつけたらその場で死刑。こっちの方がスリルが増して面白くなりますよ。」

 

殺先生はその申し出を受けた。いやその立場上受けざるを得なかった。それでも先生の顔には余裕が見えていた。先生の中では恐れるに足らない相手と言うことだろう。

 

「それではそろそろいいかな?暗殺開始!」

 

シロがそう言った瞬間その場にいた誰もが釘付けになった。しかしそれは一瞬で切り落とされた先生の触手ではなく。

 

 

 

 

転校生の頭から生えた白い触手だった。

 

 

 

 

これで彼の兄弟の意味が繋がった。つまりはそういうことだったのだ。

触手は人間にも後天的に生やすことができ一兵器として扱うことができる。

あの日研究所でみたデータはそういうことだったんだ。

それを理解した瞬間心の底から憎悪がこみ上げてくる。だがその憎悪もすぐに消えることになる。

なぜなら自分以上にキレている人物がそこにいたからだ。

 

「ドコダ、、、ドコデソレヲテニイレタ、、、、」

 

先生は再生をしながら顔面を恐ろしいまでに黒く染め上げシロをにらみつけた。

 

 

「知らないね。なんだい?嫌な思い出でも蘇ったかい?」

 

しかしシロはそんな先生を見てもあっけカランとしむしろ余裕が見える。よほど勝つ自信があるのだろう。

 

「まず貴方から話を聞かなくてはいけないようですね。」

 

「聞けないね、君はこれから死ぬのだから。」

 

シロの言葉で転校生は攻撃を始める。最初は避けていたものの徐々に余裕がなくなっていきついにはラッシュを許してしまう。

 

「やったのか。」

 

一瞬期待の声があがるがそれは勘違いだとすぐに悟る。地面には先制の抜け殻しかなく本体はすでに天井へと逃げていた。先生の奥の手脱皮。月に1度しか使えないため滅多に見ることはないのだがこんなにも早く使うということは認めなくてはならない。本物だということを。

 

「脱皮、そんなのもあったね。でも実はそれは見た目よりエネルギーを使う。よって直後は自慢のスピードは落ちる。さっき腕を再生したね。あれもエネルギーを使う。

私の計算によると今はイトナとパフォーマンスの性能は同じになるはずさ。」

 

そんなことを話終えると袖から光を発し始めた。その光を浴びた先生は一瞬硬直する。

 

「この光はあんたの体にダイラタント挙動を起こし一瞬硬直する。」

 

自分らにはその違いは分からないが先生に焦りが見えていることから本当のようだ。

そんなことを聞いていると再び足が切断される。

 

「足を2本失ったね。また再生をしなくてはならなくなった。もう終わりだ。」

 

 

 

「なるほどシロさん。貴方の計算は確かに完璧です。ここまで追い詰められたのは初めてです。しかし1つだけ計算に入れ忘れている者がありますよ。」

 

「ないね。私の計算は完璧だ。負けたこの遠吠えだよ。やりなイトナ」

 

そう言うとイトナは攻撃を仕掛ける。

 

煙が晴れるとそこには触手が溶けたイトナが立っていた。

 

「ヌルフフフフ。おやおや落とし物を踏んでしまたようですね。触手がダメージを受けたら動揺するのは同じです。」

 

そう言うと先生は脱皮してできた皮で包んでイトナを外に投げた。

 

「リングの外に足をつけたので死刑です。もう2度と先生を殺しにこれませんね。」

 

反論はない。自分たちから決めたルールだからだ。

 

「生き返りたかったら学びなさい。確かに君たちの計算は完璧でした。しかし勝負を分けたのは経験の差です。ここで先生をみてその経験を盗むことが出来ればきっと殺せるでしょう。君は負けたのです。」

 

「ま、、、け、、、た。そんなはずはない。俺は力を手にイレタ。誰よりも強くなった。」

 

イトナの呼吸が荒くなっていくのが分かった。

するとシロがマズいな。呟いた。その瞬間イトなの触手が真っ黒に染まり暴れ出し始めた。まず最初に行動したのはシロだった。イトナがこちらに襲いかかってきた隙を狙い何かを発射する。それに当たったイトナは眠ってしまった。

 

「申し訳ないね殺先生。この子はまだ学習ができる精神状態じゃなかったみたいだ。初日でそうそう悪いけど休学させてもらうよ。」

 

「待ちなさい。その子は危険過ぎます。私が責任を持って預かります。」

 

当然殺先生は制止する。

 

「バカなことを言うなモンスター。何もかも奪ったくせに。」

 

シロは憎しみを込めて言う。

 

「させません。」

 

そう言い肩を掴むとなぜか先生の触手が溶けた。

 

「無理だね。この服はあんた対策の繊維で作られているからね。」

 

自身満々に言う。

 

 

「じゃあ、俺なら問題ないな。」

 

自分はシロの前に立ち塞がりながら言う。

 

 

「君が邪魔とは意外だね。」

 

「そいつを置いていけ。なにも関係の無いただの一般人だろ?!」

 

シロはにやけたかと思うとすでに教室の外にいた。

その状況に驚いたが確信は深まった。

 

 

 

 

その後みんなは殺先生に追求を始めたが結局はぐらかされてしまい謎は深まるだけだった。

 




疲れた~。1日かけて書き上げました。あいかわらず作業効率が悪くて嫌になります。


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第22話 仕事の時間

みなさんこんにちは。

今日までこの小説を書いてて思いました。

翠君らしさだしてなくね?

今回はオリジナルストーリー。少しシルバーブレットらしさをだしていこうと思います。ない頭で考えたので面白くなかったらすみません。


「お願い!一生のお願いだから。」

 

春菜は両手を顔の前で合わせて自分に頼み込んだ。一生のお願いと言うがそういうことを言う人間ほどこの言葉をよく使う。現に春菜はこのような形でわがままを言ってきたことは何回もある。

 

「また?どうせくだらないことだろ?」

 

こういうのはもう聞いてはいけない。このままだと本当に堕落をしてしまう。だから自分は冷たく突っぱねた。

 

「違うの!今回は物じゃないの。私の友達のためなの。だからお願い。話だけでも聞いてあげて。」

 

「えー、、、」

 

正直面倒くさい。このころに相談される内容などろくなものがない。絶対にお断りだ。と思ってたが結局上手いこと言いくるめられて会うことになってしまった。

やはり自分はなんだかんだ春菜には甘いようだ。

 

 

 

 

 

放課後、椚ヶ丘駅近くのファストフード店で待ち合わせている。テーブル席を確保してSサイズのドリンクを飲みながら待っていると階段の方に春菜が見えた。隣には同い年か年上くらいで春菜とは違う制服を着ている女子がいる。どうやら彼女が友達のようだ。

 

「ごめん。遅くなった。この子は保科彩美ちゃん。小学校の間に仲良くしてくれたの。彩美ちゃん大丈夫この人は。」

 

保科さんは春菜の後ろに隠れてこちらの様子を窺っている様子。まだ警戒されているようだ。

 

「まぁとりあえず立ち話もなんだから座って。それから話をしましょう。」

 

そう言って自分は彼女を席に着かせた。

 

「じゃあ早速で悪いけど話を始めようか。」

 

「はい、、、」

 

 

 

 

それから保科さんの口から依頼の内容が語られた。

要約すると

保科さんはネットで絵師をやっているがその関係で知り合った人と実際にあったらその後からつきまとわれている。

とのことだった。

 

 

改めてネットの恐ろしさを知った。最近このようなことが多いと感じていたがとうとう知り合いが被害に遭うことになるとは。

 

「、、、つまり僕はそのストーカーを撃退すればいい、ってこと?」

 

「そう!流石分かっているじゃん。」

 

そう言った春菜の手にはここに上がってきたときには持っていなかったポテトがあった。話の最中に買いに行くな。と思ったがマイペースなのはいつものことなので諦めることにした。

今回はストーカーの撃退。いつもよりは楽そうな内容に心の中で安堵する。だがこの時は知らなかった。まさかあんなことになるとは、、、

 

 

「、、お前はどれだけ食べるんだ?」

 

「いいでしょ。今日の体育中々にハードでお腹空いちゃったんだから。」

 

「お前夜ご飯どうするつもりだ?」

 

「あ、、、」

 

 

その後案の定春菜は夜ご飯は全く食べられなかった。

 




今回はここまでです。次回でこのオリジナルストーリーは完結させる予定です。


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第23話 仕事の時間 2

みなさんこんにちは。

最近の悩みは字数が安定しないことです。できれば1話3000文字を目指したいです。



保科彩美のプロフィールです。

保科彩美 性別 女
     身長 165cm
     体重 不明
     容姿 黒髪ロングの美少女。
     特技 絵を描く。
     職業 学生
     年齢 15歳
     誕生日5月8日


それではどうぞ。



依頼があってから数日後。自分たちは隅田川が見える公園に来ていた。時刻は9時を過ぎていてすでに人気はあまりない。今日この場所で保科さんはストーカーに会う約束をしている。今回の作戦は自分が保科さんに変装をしてストーカーを振る。素直に応じるならそれでよし。もし襲ってきたら武力行使だ。出来れば穏便に済ませたいところ。

 

自分はカツラをかぶって保科さんに借りた制服をまとっている。あまり体格差はないのですんなり着ることが出来た。

 

「オーケー準備完了だな。後は来るのを待つだけだ。」

 

「あの大丈夫ですか?」

 

保科さんが自分を心配し声をかける。

 

「大丈夫よ。翠はこう見えても強いから。」

 

「こう見えてもは余計だ。ほら静かにしろ。そろそろ時間だから行ってくる。じゃあ安全な場所に連れて行っておいて。」

 

「うん。気をつけて。」

 

春菜はさっき余裕そうな態度をしていたが最後の言葉を聞く限りはなんだかんだで心配してくれているのだと感じる。

 

 

 

体の正面を隅田川に向けて東京のシンボルを観察していると背後から足音が聞こえてくる。どうやら到着したらしい。

 

「久しぶりだね。彩美ちゃん。」

 

自分は耳にイヤホンをつけて音楽で聞こえないふりをする。実際には携帯で通話をしてて少し離れた場所で2人がストーカー本人かを確認をしている。本人と確定すれば作戦開始だ。

10秒もしないうちに通話を繋げていた携帯から春菜の声が聞こえた。

 

「間違いないって後ろにいる男がストーカー本人だよ。」

 

了解と心のなかで呟き行動を始めようとすると無理矢理体を反転させられる。

 

「おい!なんで無視するんだよ。」

 

少しの時間だけだったがその時間ですらこの男を怒らせるには十分待たせていたらしい。これは断られるわ。と心の中で納得する。

 

「ごめんなさい。やっぱりあなたと付き合うことは出来ないわ。だからもう金輪際近づかないで。」

 

自分は肩を掴んでいた腕を振り払ってそう言った。だがその言葉はますますヒートアップさせる結果になってしまった。

 

「どういうことだよ?!そうか、、、分かったぞ。男だな。俺以外の男にたぶらかされたな。」

 

そう言うと自分を地面にたたきつけ馬乗りになった。やっぱりと残念な気持ちが大木きい。やはり身代わりになって正解だった。子供と大人では体格や体重に大きな差がある。この状況普通の人間ならどうしようもない。

たたきつけられた自分は冷静に袖の中に隠していた果物ナイフで男の足を軽く傷つけた。突然の痛みに一瞬ひるんだ瞬間男の腹に頭突きをして起き上がる。その際カツラが落ちてしまったがこの際変装は関係ない。

 

「お前、彩美ちゃんじゃねぇ。何もんだ。」

 

男は酷く動揺している。それも仕方ない。さっきまで知り合いだと思っていたら全く知らない人間だったのだから。

 

「お前の言う彩美から怖いから代わりに振ってくれって頼まれたのさ。諦めな。」

 

「ふざけるなぁぁぁ」

 

さらに激高する。ここまで話を聞かないのにある意味感心する。修学旅行の不良の方が話は聞いていた。最も人間として嫌いなのは変わらないけど。

殴りかかってきたのであえて受ける。大義名分を作るためだ。口の中で鉄の味を感じる。どうやら切ってしまったようだ。

その直後、自分は男のみぞおちに蹴りをいれる。

 

苦しそうな声と一緒に何かが落ちる音がする。音源の方を見るとそこには拳銃が転がっていた。流石に寝耳に水なことなので視線が集中する。

 

「こうなれば仕方ない。消えてもらう。」

 

男はそう言うとこちらに向けて発砲してくる。

弾丸が頬をかする。至近距離だったため流石によけることはできなかったようだ。

男はその隙を突いて逃げていた。思った以上に足が速くすでに追いつける距離にはいなかった。

 

「大丈夫!?すごい大きな音がしたげど。」

 

発砲音を聞いてか戻ってきた春菜がこちらにきた。

 

「大丈夫。かすっただけ。」

 

「何があったの?」」

 

「逃げられた。厄介なことになった。どういう訳か拳銃を持っていたよ。どうやらただのストーカーじゃなさそうだ。出直そう。」

 

今回は失敗に終わった。どちらにしろ危険な存在には変わりない。調査を進めて突き止めなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日自分たちは今回の結果を伝えた。結果を聞いた保科さんは当然だが驚愕の表情を浮かべていた。

 

「逃がしたのは自分の見通しの甘さです。すみません。」

 

自分は正直に謝罪する。今言ったことは紛れもない事実だ。ただのストーカーと思って油断していた。その結果さらに危険がおよぶことになった。

 

「いえ、とんでもないです。ありがとうございました。」

 

そう言って彼女はその場をあとにした。昨日のことは目撃者ゼロとはいかずSNSで話題になってしまいニュースでも取り上げあれた。そのおかげか自分が当時の状況を細かく保科さんに伝えたことで彼女は重要な目撃者のひとりとして警察に保護されることになった。個人的には警察は信用できないが他に手段がない。あらためて自分の無力さを知った。

 

 

 

「大丈夫?」

 

帰り道口数の少ない自分を心配してか春菜が声をかけてくれた。

 

「あぁ、大丈夫。」

 

「ならよかった。気にしないで。結果的に彩美ちゃんの安全は確保できたから。ありがとう。」

 

「うん。ただやはり自分がつっこんだものだから最後までと思ってね。なにかしらの手段で追跡できないかなと。」

 

 

「私に任せてください。」

 

自分がそう言うとどこからか聞き覚えのある声が聞こえてくる。だがその声は本来ここでは絶対に聞こえるはずがないものだった。

 

「え?聞こえた?」

 

「うん。確かに。」

 

幻聴の可能性もあるので一応春菜にも聞いたが本当に聞こえるようだ。

 

「でも一体どこから。」

 

「ここです。携帯を見てください。」

 

促され画面を見てみるとなぜか律がいた。その手にはおじゃましています。と書かれた看板が握られている。

 

「なんでここにいるの。」

 

純粋な疑問をぶつける。

 

「みなさんと円滑に連絡が取り合えるようにクラスのみなさんの携帯にダウンロードさせて頂きました。」

 

律はそう言うとニコリと笑う。

 

「、、、それってハッキンg」

 

「ダウンロードです。」

 

「ハッk」

 

「ダウンロードです。」

 

ダウンロードということにしておこう。そう心の中で誓った。

 

「それで任せてってどういうこと?」

 

「はい。実は昨日のやりとりを撮影させて頂きました。そして付近の防犯カメラからその後の足取りをつかめました。」

 

息を飲む。思わぬところで手がかりを手に入れた。同時に律の能力の高さにも驚かされる。にしても一体いつから携帯にいたんだ。そんな疑問が喉まで出かかったが聞くのはやめることにした。どちらにしろアジトの場所は確定でバレる。律なら黙ってくれるだろう。

 

「律ちゃんすごい。それでどこなの。」

 

春菜が聞く。

 

「はい。XXXの4丁目のアパートです。」

 

律は即答する。場所は下町だ。しかもアパートなら大きな組織で暮らしている可能性は高くない。そのストーカーなら警察に引き渡せるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ着いたな。」

 

「うん。それにしてもこんな平和そうな町に本当にいるのかな?」

 

「さぁな。でも来る価値はあると思う。律がここにいると言っていたから。もしいなかったらそのときは本当に警察の仕事だろう。」

 

「うん。そうだね。ところでさ。お腹空いちゃった。何か食べに行かない?」

 

携帯の時刻を見ると確かに12時を過ぎていた。

 

「そうだね。行こうか。どこがいい?」

 

「ファミレスでいいんじゃない?」

 

「分かった。じゃ行こうか。」

 

 

 

 

 

 

昼食を食べて再び駅前にまで戻ってきた。ひとまず地図でルートを確認している。

 

「よしルート確認できた。」

 

「うん。行こうか、きゃ」

 

春菜が男とぶつかり倒れる。

 

「チッ」

 

男は舌打ちをするだけでその場を去ろうとした。

 

「なに、やな感j。」

 

春菜が抗議の声をあげようとするのを自分が止める。自分はその男に見覚えがあった。最も向こうは見た目が違いすぎて気がついてない。そうぶつかってきた男はあのストーカーだ。

 

「落ち着いて。見つけたよ。」

 

「え?」

 

「あのストーカーだ、追うよ。」

 

春菜は多少戸惑いを見せたもののすぐに状況を把握してくれた。流石。

 

 

 

 

尾行を続けると律が言っていた通りの住所に着いた。男はアパートに入ったまま出てこない。どちらにしろ今はチャンスだ。やつが今も銃を持っているかわ微妙なところだが保科さんの証言があればマークはつくだろう。春菜を離れた場所に移動させ簡単な変装をして自分はインターホンを押した。カメラはついていないので向こうは気がつかないだろう。

 

「ハイ、」

 

「宅急便です。」

 

ぶっきらぼうな返事と共に玄関が開いた。瞬間自分は中に入る。

突然の出来事に向こうはポカンとしたまま奥に入った。

 

「な、なんすか?」

 

向こうは質問をしてくる。

 

「シルバーブレット。」

 

思えばいつの間にかそう呼ばれるようになっていたその名前も随分と有名になっていたようだ。自分が名乗った瞬間向こうは顔面蒼白になっていた。

 

「さて質問をさせてもらう。あの拳銃はどこで手に入れた。」

 

「、、、なんのことですか。」

 

一筋縄ではいかないと悟った自分はとりあえず拘束し部屋の中を探すことにした。

だが探す必要はなかった。大胆にも机の上に置いていたのだから。不用心にもほどがある。

 

「こんなものでてきたけど、、。」

 

そう言うと自分は拳銃を見せた。

 

「、、、言いません。」

 

相変わらず頑固だが遠回しに認めてくれた。後はどこからを吐かせるだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく問い詰めたが結局吐くことはなかった。自分は警察に通報し男は逮捕された。警察は銃の出先を捜査するらしい。この情報は律が警察のデータに忍び込んで得た情報だ。本当に恐ろしい。

保科さんに逮捕のことを伝えると今度こそ本当に安心してくれたようだ。

とはいっても完全に終わった訳ではない。拳銃を売った後ろにいる組織に関しては謎しか残らなかった。今は警察の管轄だがもしかしたらどこかで関わるかもしれない。

 

 




これでひとまず終わりです。次回から原作を進めて行きます。


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第24話 球技大会の時間 1

みなさんこんにちは。

遅くなってしまい本当にすみません。

テストに大会が重なり終わってからでいいかと先延ばしにしていたら1ヶ月が過ぎてしまいました。今日から投稿を再開します。

急ぎで書いたので短めです。

それでは本編をどうぞ。



梅雨が終わり夏が近づいてきた。ここ暗殺教室ではLHR(ロングホームルーム)が開かれていた。今日の内容は近々行われる球技大会のチーム決めだ。

 

「スポーツで健康な心身を鍛える、実に素晴らしいことです。しかし、、E組だけトーナメント表に入っていないのはなぜですか?」

 

学校から受け取ったパンフレットを読み終えた先生が聞く。

 

「E組は本戦には出場しないんだよ。1チームだけ余るという素敵な理由でな。その代わりエキシビションマッチに出場することになっているんだ。男子は野球部、女子はバスケットボール部と。要は見世物だよ。」

 

「なるほどいつものやつですか。」

 

殺先生の問いに対してキノコ頭の三村が半笑いで答えた。三村の言葉で察せたらしい。

なるほどここでもお約束のあれがあるらしい。この学校はそんな行事でも抜かりがない。流石、、といったものなのかは分からないがその徹底ぶりには一種の執着を感じる。

 

「俺ら晒し者とか勘弁だからお前らで適当にやっていてくれ。」

 

後方で寺坂たちがその一言を残して教室を出て行った。磯貝が引き留めようと声をかけたが届くことはなかった。

 

「野球と言えば杉野だよな!」

 

誰かが暗くなった空気を払拭するかのように話題を変える。みんなの視線は杉野に向くが張本人は気まずそうに目をそらす。

 

「無理だよ。うちの野球部強いんだ。特に今の主将の進藤は剛速球で有名で強豪高校からも目を付けられている。勉強もスポーツも万能なんて不公平だよな。

だけど勝ちたいんだ。殺先生。好きな野球で負けたくない。ここに来てからその想いが強くなった。こいつらとチームを組んで勝ちたい!」

 

杉野が熱い胸の内を語り殺先生を見るとすでに先生はユニフォームに着替えバットを触手に持っていて一目でやる気満々なのが分かった。

 

「あ、あぁ殺先生も野球がしたいのは伝わったよ。」

 

「最近の君たちは実に素晴らしい。目標をしっかりと口に出して言えるようになりました。勝ちたい。殺りたい。まずは口に出すことが大切です。」

 

「今回先生が直々にコーチを務めましょう。実は先生一度スポ根ものをやってみたかったんです。もちろん殴ったりはしないのでちゃぶ台返しで代用します。」

 

殺先生がやる気に満ちた声でそう言う。

 

「用意良すぎだろ!」

 

いつものようにツッコミがとぶがこここそ先生のすごいところだ。

 

 

 

放課後

 

 

早速特訓が始まった。しかしの内容はおおよそ人間がやるような内容ではなかった。バッティングでは殺ピッチャーが時速300キロのボールを投げ仮に打てたとしても内野、外野共に先生も分身が守っており何人かが顔を赤らめているのを見るとどこかで何かを囁かれていたようだ。人間がやるような内容ではなかった。前に渚に先生は体育だけは教えるのが下手だと言われた真相をここで知った。

 

かくゆう俺は他よりも劣っている。今回初めて触る自分とは違いみんなは一度はやったことがあるらしく人並み以上にできていた。

みんな暗殺の訓練で鍛えられており普通以上の運動能力を持っているからだ。

そもそも今やっているのは野球であって野球じゃないのだから焦る必要はない。そう感じていた。しかしその考えは甘いと思い知らされる。

 

 

 

今日の練習が終わった自分は春菜を迎えに行った。ちなみに女子は近くの公民館の体育館で練習をしている。自分が扉を開けたとき中で小さな歓声が上がった。

春菜が他の女子をごぼう抜きして得点を決めたのだ。自分は雷に打たれたような衝撃を受けた。元々春菜の運動能力が高いのは知っていた。でも、、、春菜と出会って約5年まだ、、まだ娘に負ける訳にはいかない。

そう思ったらすぐに行動を始める。自分は杉野とに連絡を取る。

返事はオーケーだった。

 

次の日

 

早朝、校庭には杉野がボールとグローブを持って来てくれた。

 

「悪いな。こんな早朝から付き合わせちまって。」

 

自分は軽い謝罪をいれる。もちろん杉野がここでキレる性格ではないのは知っている。一応のだ。

 

「かまわねぇよ。こっちが協力してもらってんだ。にしても意外だな。朝から練習がしたいって。てっきり適当にやるのかと。」

 

別に何事も無気力で生きているわけではないが確かに昨日までの自分だったら杉野の言うとおり全力で挑むことはなかっただろう。しかし、現時点でみんなと差がついておりなおかつ春菜にも負けるなどあってはならない。足を引っ張るわけにはいかないのだ。

 

「まぁ。色々あったんだ。杉野も負けたくないだろ。」

 

「あぁ。とりあえずまずは基本だな。キャッチボールをして正確に投げられるようにしよう。」

 

杉野はじしんの経験から自分に1番必要な練習メニューを伝えてくれた。

 

 

「ヌルフフフフ。朝から練習とは頑張りますねぇ。」

 

しばらくするとかなり強い風が吹いて先生の声が聞こえてきた。

 

「なるほど、杉野君が降谷君に教えているのですね。確かに降谷君は他のみんなと違い経験が足りてなく劣っています。しかしここでの戦い方はもう学んでいるはずです。」

 

その言葉を残して先生は再びどこかへとんでいってしまった。

 

「ここでの戦い方か。先生らしいや。続けようか。」

 

杉野はそう言ってくれたが自分にはもう聞こえなくなってきた。

そうだ俺はここの生徒だ。普通の殺り方をしては勝てないんだ。思わず口角が上がった。決戦は球技大会エキシビションマッチだ。



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第25話 球技大会の時間 2

みなさんこんにちは。
最近投稿ができなくて本当にすみませんでした。

ちなみに自分はサッカー、水泳、器械体操で野球の経験は皆無なので矛盾があったとしてもお許しください。

それではどうぞ。


「優勝はA組です。」

 

野球のグラウンドに球技大会の優勝クラスが決まったアナウンスが響く。A組の生徒は優勝は当然だという顔でグラウンドを出て行く。

 

「あー負けた負けた。やっぱA組は違うな。」

 

「まぁ、この後の俺ら何かよりも何倍も出来ないやつらを見てスッキリしようぜ。」

 

「そうだな。」

 

小太りそばかすとヒョロリとした眼鏡が若干ヤケになりながらグラウンドから出てくる。そういえばあの2人は5月くらいの全校集会で渚に絡んでいた奴らだよな。と昔のことを思い出しながら今度きm

 

「さぁ、始めましょうか殺意と触手に彩られた地獄野球を。」

 

 

「1回表、E組の攻撃。サード木村。」

 

打者のアナウンスがウグイス嬢、、、ではなく男子生徒に呼ばれる。 

 

そのアナウンスが流れ木村がバッターボックスに入る。先生は見送りの指示をだす。

まずは様子を見るらしい。木村は先生の指示どおり1球目を見逃した。続いて先生からさらなる指令が入る。ここからは自分らのターンだ。

 

ピッチャーの球をバントで木村ははじく。そもそも1回も打たれることを想定していなかった野球部の完全に意表を突いた。一瞬固まっている間にクラス1の俊足を誇る木村は1塁にでた。

 

続いて渚。渚も同じくバントを使い塁を進めることに成功。続く磯貝も同じように出塁した。

ここまで見れば誰にでも今回の作戦は分かるだろう。そう今回の作戦はバントで少しつづ出塁し点を稼ぐというものだ。

素の運動能力や技術では野球部には遠くかなわない。それでもいい。ここは暗殺教室。普通なんかでは自分たちのターゲットを殺るなんてことはできない。頭を、知識を、フルに使って弱者なりの戦い方をしなくてはならないのだ。

3番も無事に出塁し満塁となる。そしてこの満塁のチャンスにバッターボックスに立つのは唯一の野球経験者杉野だ。

結果的に自分は並までにしか能力を上げることは出来なかった。それは杉野以外全員が同じだ。いくらあの教師の指導を受けたとしても一朝一夕で全国レベルの野球部に追いつける訳がないのだから。

 

一方作戦が順調なE組とは違い野球部は焦りが隠せなくなってきていた。彼らにとってはエンドのE組は格下、いやそれ以下の存在のはずだった。しかし蓋を開けてみればどうだろう。素人が付け焼き刃で使っているバント戦法に完璧に翻弄され満塁を許してしまっている。

そして次にバッターボックスに立ったのは元野球部の杉野。

自分らにはとるに足らない相手のはずだ。だがどうだ?素人がここまで正確なバントをしてきた。もちろん偶然うまく事が運んでいる可能性は十分にある。だが彼らの直感はE組に満塁を許したのは偶然ではないと確信していた。故に杉野に対する警戒値も必然的に上がる。

 

もしかしたら実力を上げているのではないのだろうか。

進藤の球を見切っているのではないのだろうか。

 

そんな疑心暗鬼のような状態の野球部は陥っていた。そしてこの野球場はまるで自分たちに対してナイフを首元に突きつけられている感覚に陥った。

 

しかし杉野がバッターボックスに立ちしたのは先ほどの3名同様バントの構え。

彼らの心には若干のゆとりができた。

 

杉野も所詮は杉野だと。その心の緩みが、一瞬あった安心感が彼らにとって最悪の結果をもたらす。

 

進藤はいつもと変わらず剛速球のストレートを投げた。

 

しかし杉野はそれを全て見切っていたかのようにバントから通常の構えに戻しストレートを打った。

その球はホームランとはいかなかったがそれでもスタジアムの端まで届き先に出塁していた3人はホームに戻り杉野自身も3塁まで出ることができた。

 

E組は一挙に3得点もあげたのだ。

 

これには観客、放送席、野球部に衝撃が走った。

 

「そんなバカな。マズいぞこれは、、」

 

顔を青ざめそうつぶやいたのは椚ヶ丘中学野球部顧問の寺井だ。最初は余裕でいた彼も今は汗を浮かべて事態打開の策を大慌てで練っていた。そんな彼に声をかける人物が1人。そう理事長浅野学峯だ。

 

「顔色が優れませんね、寺井先生。体調が悪そうだすぐに保健室で休んだ方がいい。」

 

理事長はベンチに入るや否やすぐに顧問に声をかける。

 

「い、いえ。私はこのように元気なので、、、」

 

 

「あぁ、病気でよかった。病気でもなければこのような醜態をさらすような指導者が私の学校に在籍しているはずがない。」

 

顧問はすぐに問題ないことをアピールしようとするが最後まで話し終える前に理事長のプレッシャーに耐えきれずに失神してしまう。

 

「おぉ、すごい熱だ。早く寺井先生を保健室へ。」

 

わざとらしく声を上げて顧問を退場させた。そして

 

「寺井先生のいないあいだ私が臨時で監督を務めましょう。」

 

見事に野球部の指揮権を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

「1回表からラスボス登場かぁ。」

 

E組サイドでは予想以上に早かった理事長の登場に不安を抱いていた。それには前回の中間試験での範囲変更の出来事がからんでいることは間違いないだろう。

今度はどのようなことをしてくるのかは検討もつかない。警戒をしておくことに異論はでなかった。

 

 

 

次の打順は岡島。理事長の策に警戒しつつもバッターボックスに立つ。

そこで理事長の策がみえてきた。

 

策と言うほどのものではない。野球部全員に前進守備を命じたのだ。ここまでを見れば野球経験のある杉野以外の全員がバントによって出塁をしている。だから相手方にはこちらにはバントしかないと気づかれた。

岡島にとってこの事態は完全に予定外。指示を仰ごうと殺先生の方をちらりと見るが先生も策が尽きたのか顔を隠して潜ってしまった。

 

結果、岡島はフライをあげてしまいアウトとなった。

 

「俺か。」

 

自分はそう呟いて準備を始める。ちらりと殺先生の方を見るが穴から出てくる気配はない。策が思いつかないのかあるいは俺に任せるということだろう。もし戦略上まずいことがあれば事前に注意をしてくるはずだ。

 

バッターボックスに立つと岡島が感じたプレッシャーがよく分かる。普通に考えたらすぐおかしいと感じる位の前進守備。通常の試合だとありえない光景だがE組がバントしかないと見抜いた手。こちらには効果抜群だ。

ここでふと違和感に気づく。先ほどよりも前進守備がほんの少しだが緩和されているのだ。

出される答えは1つ。警戒されている。杉野同様打てる人間として。それでも何人かはバントを警戒してかすぐに走りだせる状態にある。

この時点で策は完全に尽きた。俺の作戦は前進守備に集中させて奥に打ち杉野を帰らすつもりだったがこの状態ではその作戦も完全に潰れている。

 

 

大人しく諦めることにした。頭の中で考えても同じアウトになるという結論にしか辿りつかないからだ。

 

ピッチャー進藤君大きく振りかぶり投げた。」

 

 

「ストライク!」

 

審判の声が実況者のすぐに響いた。時間差をほとんど感じることがないほど進藤の球は速かった。殺先生の特訓を受けたおかげて多少遅くは感じても初見では素で見逃してしまう。先ほどとは大違いだ。理事長の手によりこの数分で一気に成長を遂げたのだ。

思わず体が熱くなる。ここ最近面白く感じる戦いがなかった。どこの奴らも少しの力を、優越感を持っただけで自分が強いと感じていただけで意志がなく面白さを持っていなかった。

だがこいつは違う。何かはわからないが強い意志を今は持っている。

 

 

改めて集中し直す今度こそ捕らえるためだ。再び進藤が振りかぶり投げる。

投げた球種はストレート。俺は球を見切り打ち上げた。

 

球は杉野ほどはいかなかったが元々前進気味な守備だったため追いつき戻すまでに猶予ができその間に杉野を返すことができた。私は一塁で止まることにした。

 

 

その後ダブルプレーをとられE組はチェンジになった。

 

 

 

 

 

「お疲れ様、翠。」

 

ベンチに戻っていると外から声をかけられる。

 

「春菜。終わったのか。そっちこそお疲れ。」

 

バスケの試合を終えた女子がこちらに応援にきたようだ。

 

「負けちゃった。残念残念。」

 

春菜は笑いながら報告する。

 

「そっか。」

 

「うん。」

 

「あ、そういうことごめんね。じゃあ頑張って。」

 

会話が続かないことで察してくれたようで女子の方へ春菜は戻っていった。

 

1回裏は杉野の新しい投球により無失点で抑えられた。

 

2回表最初のバッターは赤羽君。ここで動く。

 

「ねぇ、おかしくない。この前進守備どう考えても異常でしょ。あ!そっかお前らバカだからそんなことも分からないのか。」

 

殺先生と話していた赤羽君が周りを煽った。でもこの行動によって状況が変わることはなく結局前進守備の餌食になり3アウト。

 

次の裏では杉野君の球を学習した野球部が順応し2点を返してしまった。

 

3回表ここでも3アウト。追加点なし。

 

 

 

 

そして裏。ここで理事長の策により状況が大きく動く。野球部がバントをしてきたのだ。当然こちらは対応しきれずあっという間に満塁に。

 

 

本来素人相手にバントは愚の骨頂だが先にこちらが使うことで大義名分ができた。

「手本を見せてやる。」というそして最初と全く同じ状況を作り上げることで最高の見せしめになっている。

 

しかし殺先生はこれを予測していたのか再び地中から赤羽君に話しかける。

 

 

 

話終えると赤羽君が磯貝君に話しかける。磯貝の顔が若干引きつる。

 

「降谷君!!」

 

 

「わ。」

 

下からかけられた声に思わず驚いてしまう。

 

「これはすみません。突然ですが君の役割を話します」

 

「え、わたs、、、いや僕?」

 

「、、はい。今からカルマ君たちは前進守備をします。君には開いた守備の穴を埋めてください。万が一に備えてです。少し大変ですがよろしくお願いします。」

 

そう言って先生は戻ってしまった。

 

 

視線を戻すと理事長の魔改造でモンスターになってしまった進藤がバッターボックスにたつ。スターの登場に会場は沸き立った。

 

 

 

赤羽と磯貝は予定通り前進守備を始める。審判は注意をしようとするが赤羽が先制を打つ。

 

「さっき聞いたとき誰もダメだと言わなかった文句ないよね。」

 

なるほど、先ほどの抗議でその場にいた誰もが前進守備を容認した。バントと同じく真似をしたわけだ。

 

「どうぞご自由に。強者は近づいただけでは動揺などしませんから。」

 

理事長は余裕そうに答える。

 

「へぇーじゃあもっと。」

 

2人はゼロ距離守備を始めた。目の前に守備役。流石に進藤の集中も切れてしまった。

 

「思い切り振りなさい。たとえ骨を砕こうとも打撃妨害をとられるのは向こうの方です。」

 

 

理事長が発破をかけるがもう進藤の耳には届いていない。この時点ですでに進藤は理事長の予測を下回りプレッシャーに負けていた。

杉野投球に腰の引けたスイングをするが2人はクラス随一の反射神経と肝の持ち主。

ほとんど動かず避ける。

 

しかし進藤は最後の意地を見せた。

 

次の球に当てたのだ。すでに闘志をほとんど失ったスイングだったのでゴロだが3塁の方へ転がる。それをしっかりとり繋げてトリプルプレーをとり試合終了。

 

2ー5でE組の勝利となった。

 

 

 




しばらく時間を空けた期間で色々アイデアを纏めてもいました。
今回の話で違和感を感じると思います。
その違和感は次回の投稿で解明していけたらいいなぁ。(願望です。)

次回は年越さないように頑張りたいと思います。これからもよろしくお願いします。


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第26話 降谷翠の時間

みなさんこんにちは。

とうとう2019年が終わりますね。

だんだんと1年が過ぎていくのが早く感じてきています。不思議な感覚です。

今回はほぼ番外編的な立ち位置なのでかなり短めです。

それではどうぞ。


~春菜視点~

 

部屋に入りこむ太陽の光で目が覚める。ベットの近くにある机を手でまさぐり目覚まし時計をつかむ。時間はすでに8時を過ぎていていつもなら完全に遅刻だ。でも今日は土曜日、起きる必要はない。

 

まだまぶたが重くて起きたくない。よし寝よう。

 

そう思いすぐに布団をかぶりなおした。かぶりなおした直後、部屋の扉が乱暴に開く。

勢いよく開いた扉は壁に当たりガンと鈍い音がする。こんな酷いことをするのは1人。

 

「おい、起きろ。」

 

ピリピリした空気をまとってきたのはエプロンを着た翠だ。

 

「やだ!今日は土曜日だよ。絶対に寝るの。」

 

私は全力で抵抗する。そうだ。この休日絶対に満喫してやるんだ。

 

「今日は球技大会の打ち上げじゃないのか?このままだと確実に遅刻するぞ。」

 

翠に言われたその一言で一気に体が起床モードになる。完全に忘れていた。そうだ今日はこの前の打ち上げでみんなとファミレスでご飯の日だった。危ない危ない遅刻しちゃうところだった。

 

「ナイス!翠。」

 

私は跳上がりそう言った。

 

 

「はい。さっさと行け。」

 

翠の反応は思った以上に淡泊あった。今日はいつもより冷たい日だ。

それもしかたないこのなのだけど。クラスのみんなには話せていないことの1つ。

 

私の家族降谷翠は

 

 

 

 

 

 

多重人格者なのだ。

 

 

 

 

 

 

正確な数は3人。3人の人格が翠の体の中に入っている。

 

 

主人格で1番表に出ている草食系男子、翠。

今、表に出ている3人の中の1番子供っぽいケン。

内気な女の子、文(あや)。

 

この3人は互いの存在を認識しあっているみたいで入れ替わるのはいつも突然でコントロール出来ないのにうまく連携をとって生きているらしい。

 

私が翠と出会ったのは10年位前になるけどその頃からこの症状はあったらしい。

 

「い、、、おい!聞いてんの。」

 

「え、あ、ごめん。」

 

「ち、朝飯にするぞさっさと準備しろ。そんな格好で部屋から出てくるんじねぇぞ。」

 

そう言うとさっさと出て行ってしまった。口調が荒いので間違いなくケンだ。ケンは常にイライラしている風に見えるがそれは違う。精神年齢がとにかく子供なのだ。

 

子供だから簡単な挑発にものるしうまくいかないとすぐイライラしちゃう。

 

3人の中では1番扱いやすい人格なのだ。

 

 

~~~~

 

着替えて下りるとすでにみんなが起きていてやっぱり私が1番最後だった。

 

「おはよう。朝ご飯できているわよ。」

 

「おはよう紗良さん。ありがとう。」

 

今日の朝ご飯は食パンとベーコンスクランブルエッグ。このあといっぱい食べるので量は少なめにしてある。

 

「で、ケン。今日の打ち上げ結局行くの。翠は行くつもりだったけど。」

 

「面倒くさいから行きたくない。だいたいあの連中信用できるの?」

 

「またそんなこといって。いい加減信じなさいよ。見てきたでしょここ数ヶ月。」

 

「それはそうだけど、、、」

 

ケンは信用できないという盾を使ってなんとしてでも打ち上げに行くのをやめたいようだ。まぁこんなときは

 

「それともなに?もしかして怖いの?行くのが。」

 

こうやって煽ると、、、、

 

「は?そんなことねぇから。よし分かった。行ってやるよ。そんなこと言うならよ」

 

すぐにムキになって言うことを聞くようになる。このあたり殺先生によく似ている。

本当に扱いやすい。

 

「春菜ちゃん。悪い顔しているわよ。」

 

紗良さんに注意される。いけないいけないそんなに顔にでてまっていたか。

 

 

 

 

~~~~

 

「それじゃ行ってくるね。紗良さん。」

 

玄関を開けて留守番の紗良さんにそう言う。

 

「じゃ、行ってくる。よろしく紗良さん。」

 

人格は翠に入れ替わったので口調は穏やかになった。

 

「行ってらっしゃい。」

 

そう言われて扉をでる。

 

 

~~~~~~

 

「いってきます。」

 

春菜ちゃんはそう言って翠と出て行く。

 

私1人となったバーを見る。誰もいなくなったことを確認して隠していたタバコに火をつける。前までは堂々と吸っていたけど春菜ちゃんが害があると知った途端泣きながら止めてと言ってきたので目の前で吸うのは避けている。それでも吸うのは止められない。止めると嫌なことを思い出してしまうから。

 

 

 

 

 

 

 

    いつかお前も殺してやる。お前もあいつらも絶対に許さない。

 

 

 

 

 

 

 

10年ほど前に翠にそう言われてからもう随分と経った。私が許されないのは十分に分かっている。

 

 

 

 

 

       「我が子に殺されるのはいつなのかしら。」

 

 

 

 

呟いたその言葉を聞いた人はどこにもいない。

 

 

 

 




これが今年最後の投稿になります。1年間本当に応援ありがとうございました。

来年も投稿をがんばりますので応援よろしくお願いします。

もしよろしければ感想をお願いします。

それではよいお年を!!!!!


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第27話 才能の時間

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

いよいよオリンピックの年ですね。みなさんは見に行きますか?自分はチケットが外れたので生では行けません。


今年中に簡潔を抱負にしていきます。

いよいよあいつの登場です。

それでは本編をどうぞ。


side烏間

 

7月になり訓練開始から4ヶ月が経過した。訓練の成果もありクラスの中にも可能性を持つ生徒が出始めた。

 

磯貝悠馬と前原陽斗。幼なじみの2人のコンビネーションはよく2人がかりならば俺にナイフを当てられることも増えてきている。

赤羽カルマ。一件のらりくらりとしているがその目にはイタズラ心が眠っており俺をはめようとしているのがよく分かる。

降谷翠。どこかたたかい慣れをしているような動きをする。最初は引き分けだったが今では動きに磨きがかかりナイフを急所に当ててくることが増えてきた。

 

女子の中だと元体操部で意表のつく動きをする岡野ひなたと男子並みのリーチと運動能力を持つ片岡メグ、そして降谷に近い動きをする高崎春菜が優秀なアタッカーになるだろう。

 

 

「そして殺先生。あれこそ教師の鏡だ。あんな人格者を殺すなどあってはならない。」

 

「人の思考に入ってくるな、失せろターゲット。」

 

他に目立つような生徒はいないが全体的に能力の向上が見られる。このままいけばやつを殺すことは不可能から可能になるだろう。

 

そう考えていたとき背後にいままでに感じたことがないような悪寒がはしった。まるで蛇に首をとられいまにも丸呑みされるような感覚だ。

とっさに俺は防御をする。

 

「いてて。」

 

振り向いた先にいたのは潮田渚だった。

 

「すまない。強くやりすぎてしまった。」

 

首を押さえている彼のもとにかけより問題がないか確認をする。幸いにも筋肉などには異常が見られなかった。

 

しかし今回のことは俺の中に強く印象つけられた。

 

 

~~~

side降谷

 

今日の体育は1vs1での暗殺訓練だ。今は岡島と組んでいる。

訓練をしていると得体の知れない気配を感じたあいつに似た殺気を。

殺気を感じた方角を見るとそこでは烏間先生と渚がテストをしていて渚は倒されていたようだ。

 

今の殺気は一体。

 

 

 

後ろから弱い殺気がきたので反応する。岡島が隙だとばかりに仕掛けてきたが軽く避けて地面に置いておいた。

 

起き上がった岡島は鼻血がでていた。

 

「一切問題ないな。」

 

「大ありだよ。」

 

なにかツッコミを受けた気がするが気のせいと忘れる。運がなかったのだ岡島。

 

 

 

 

 

「今日はここまで。」

 

烏間先生の合図で授業が終わる。先生は生徒に目もくれずに校舎に戻る。

 

教室に戻ろうとすると下駄箱に、ここに来てから見たことのない両手で持ちきれないほどの荷物を抱えた男が立ってることに気がついた。

 

「よぉ、みんな俺は鷹岡明。今日から烏間の補佐で体育の教師をやることになった。よろしくな。」

 

鷹岡と名乗った横にも縦にも大きい男がグラウンドに下りた。

鷹岡はグラウンドに下りるとレジャーシートを広げて大量のスイーツを並べた。

 

「「「「うわー。」」」」

 

その光景に感嘆の声が上がる。

 

「これ、全部食べていいんですか?」

 

「ああ。もちろんだ。俺の財布を食うつもりでな。」

 

「よくこんな甘いものブランド知っていますね。」

 

「ぶっちゃけラブなんだよ。砂糖がな。」

 

鷹岡が舌をだしてお茶目な顔をする。

 

「でかい図体して可愛いな。」

 

「なんか近所の父ちゃんみたいですね。」

 

「いいじゃないか近所の父ちゃんで。」

 

烏間先生とは真逆の接し方でみんなの心をつかんでいる。そんな印象だった。

 

「春菜?どうかしたのか。」

 

春菜を見ると様子に違和感を感じた。何かにおびえるようなそんな空気を感じた。

 

「ううん、なんでもないよ。」

 

こちらの問いかけにそう答えるがなにかあるのは間違いないようだ。自分もなにかひっかかる部分はあった。自分も春菜も父親とは因縁があるから。

 

 

放課後自分は職員室に来た。中では殺先生と烏間先生の2人が話していたようだ。

 

「それでは私はイタリアに行ってきます。」

 

殺先生のほうはそう言うと飛び去っていった。

 

「烏間先生。あの男は何者なんですか。鷹岡と言う男は。」

 

「自衛隊時代の同期だ。育成に関しては俺より優秀と聞いている。」

 

「自分はあの男を信用できません。」

 

「上の決定だ。俺の力ではなにもできない。全ては地球を救うためだ。要件がすんだら帰ってくれこっちにも仕事がある。」

 

「、、、、失礼しました。」

 

結局なにも成果は得られず体育の時間を迎えることになった。

 

 

~翌日~

 

「よーしみんな今日から訓練内容を見直して新しい時間割でやることになった。よろしくな。」

 

配られた時間割に言葉を失う。平日は12時から夜の9時まで訓練。通常の授業はほとんどない。土曜日はもっとだ。

 

「待ってくれよ。授業これだけじゃ勉強時間が足りなくて成績落ちるよ。遊びにも行けないし。」

 

たまらず前原が抗議をする。鷹岡は前原の頭をつかんでみぞおちに膝で蹴りをいれた。

 

「出来ないじゃない。やるんだよ。」

 

うわべだけの気味の悪い笑みをしながらそう言い放つ。やっぱりこいつもそうだった。あいつらと同じだ。

 

「言っただろう?俺たちは家族なんだ。世の中に父親の言うことを聞かない家族が何処にいる?」

 

鷹岡の化けの皮が剥がれた。こいつは父親といい自分より力の無いやつを服従させてきたのだ。

 

「抜けたければ抜けていいぞ。その時は俺の権限で新しい生徒を補充するでもな父ちゃんはそんなことをしたくないんだ。みんなで殺したいんだよ。」

 

鷹岡はそう言うと歩き出し春菜と岡島の肩を組んだ。

 

「なぁ?お前らはついてきてくれるよな?」

 

どすのかかった低い声でささやく。

 

「い、い、嫌、、です。拒否します。」

 

春菜が震えながら答える。鷹岡は迷うことなく殴るために手を振り上げた。

 

「おい、鷹岡。」

 

振り上げた手をつかんで止めて蹴りをいれる。

 

「おいおいお前も父親に逆らうのか。」

 

角度が悪かったようでそこまでのダメージが入っているようにはみえない。

 

「悪いな、父親にはずっと逆らってばかりなもんで。」

 

自分もキレると思っていたが案外冷静だ。

 

「悪い子にはお仕置きしなきゃなぁ。」

 

標的が自分に移った。

 

「父親ってのはホントにくずしかいないな。」

 

煽り半分で本心を言う。いかにもキレやすそうな性格なのですぐにひっかかる。

 

「父親に向かってふざけた口をきいているんじゃねぇ。」

 

案の定プライドを傷つけたらしく顔を真っ赤に染めて殴りかかってきた。

自衛隊で訓練を受けただけのことはある。かなりの速度の拳が襲いかかってくる。

それでもキレていることから冷静さを失っているようで単調な動きしかしない見切りやすかった。

 

顔を右にそらして避け、腹に1発いれる。

 

「うご!」

 

今度はしっかり入ったようで鷹岡が空気を肺から吐き出す声が聞こえる。

間髪入れずに顎に向けてアッパーをいれる。

鷹岡が後ろによろめく。

 

しかしそれも一瞬ですぐにこちらになぐりかかってきた。腕でガードをするが体格の差もあり少し後退させられる間髪いれずに今度がこちらが顔面にパンチを受ける。

 

「っ」

 

後ろにとばされるが着地する。

 

手首に痛みがはしる。手の付き方が悪くひねったようだ。

 

「どうした?あんな女になんの価値があんだよ。父親の命令にも従えないあんな女に。」

 

鷹岡の一言に冷静だった自分の心が一気に熱くなるのを感じた。

 

「てめぇ。」

 

「いいぜいくらでもお仕置きしてやる。」

 

「そこまでだ。」

 

ここで騒ぎを聞きつけた烏間先生と殺先生が割って入る。

殺先生が自分を烏間先生が鷹岡を抑える形となっている。

 

「降谷君落ち着いてください。」

 

殺先生の説得も頭に全く入ってこなかった。それだけこいつの今の言葉は許せなかった。

 

「烏間先生あとはお願いします。」

 

気がついたら保健室にいた。

 

「放せ、先生。あいつは絶対に許さない。」

 

「落ち着いてください。鷹岡先生について見抜けなかったことはこちらに非があります。すみません。だからこそ後は任せてもらえないでしょうか。」

 

「、、、分かったよ。」

 

「降谷君今日は帰ってください。一応応急措置はしますがもし痛みが消えないようでしたら病院へ行ってください。」

 

「、、、分かったよ。」

 

自分は一足早く帰ることになった。

 

 

~side~

 

「渚君、君に託したい。」

 

僕は烏間先生にそう言われ本物のナイフを差し出されている。

 

なぜこうなったか、殺先生が翠君をどこかへ連れていった後鷹岡先生からこう提案した。

 

ここは教育で勝負をしよう。お前が育てたなかで1番優秀な生徒と俺が戦うもし1回でもナイフを当てられたらここを出て行ってやると。

 

ただし使うナイフは対殺先生用ではなく本物のナイフ。みんなが萎縮した。殺してしまうかもしれないという恐怖で。

 

「まず聞いてくれ。」

 

そう言って烏間先生が話し始める。

 

「地球を救う暗殺任務を依頼した側の人間として君たちとはプロ同士だと思っている。だからこそ我々が支払うべき最低限の報酬は当たり前の中学校生活を保障することだと思っている。無理にナイフを受け取る必要はない。そのときは俺が鷹岡に頼んで報酬を維持してもらえるように努力する。」

 

 

僕はこの人の目が好きだ。僕の目をこんなに見て話してくれる人は家族にもいない。

だからこの人の渡すナイフは信頼できる。それに前原君たちのことは絶対に許せない。

 

少し考えてナイフを受け取った。

 

「やります。」

 

力強く答える。

 

「烏間お前の目も曇ったなぁ。そんなチビをよこしてくるなんて。」

 

「気にするな渚君。いいかい、鷹岡にとってこれは見せしめのための戦闘。対して君は暗殺。鷹岡のようにみんなに力を見せつける必要も鷹岡に力を示す必要もない。ただ1回だけナイフを当てればいい。そこが鷹岡との違いであり勝機はそこにある。」

 

烏間先生が鷹岡先生に悟られないように僕に言った。僕は静かにうなずく。

 

いざ鷹岡先生と相対するとどうすればいいのか困った。

 

ここで烏間先生のアドバイスが頭をよぎった。

 

そうだ、なにも戦って勝たなくていい。

 

 

 

 

 

 

 

 

              殺せば勝ちなんだ

 

 

 

 

 

 

 

それに気がついたら体の震えがなくなった。迷いもいつの間にか消えていた。

 

 

 

 

 

 

僕は笑顔で先生に近づいた。学校に行くように普通に近づいた。

そして鷹岡先生とぶつかる。

ナイフを先生の顔をめがけて振った。

ここで初めて鷹岡先生は自分が殺されかけていることに気がついた。

先生はギョッとして後ろにのけぞった。

誰だって殺されかければギョッとする。

前から当てようとすれば防がれるから服をつかんで後ろに倒して回り込み確実に、、

 

 

~side烏間~

俺の予想をはるかに超えていた。殺気を隠す才能、殺気で相手を怯ませる才能、本番に物怖じしない才能、これは、、暗殺の才能。咲かせてもよい才能なのか。

 

「今回は随分迷っていましたね。」

 

「悪いか?」

 

「いえいえ。」

 

「ふざけるなよ、、、」

 

生徒の方を見ると鷹岡が起き上がり今にも襲いかかろうとする勢いでキレていた。

 

「今のはなしだ。もう一回だ。次は絶対に勝つ。」

 

俺がでようとするとタコがとめた。

 

「確かに次やれば僕が負けます。でもはっきりしたのは僕らの担任は殺先生で教官は烏間先生ただ1人です。僕らには父親を押しつける鷹岡先生よりプロに徹する烏間先生の方が温かく感じます。だからごめんなさい。大人しく帰ってください。」

 

 

潮田君が鷹岡にそう言い放った。

 

「生徒が教師の問いに対しはっきりと答えを出したとき我々もきちんと答えなくてはなりません。」

 

タコにそう言われたときにはすでに動いていた。俺は鷹岡を気絶させて担いだ。

 

「身内がすまなかった。上にはこれからも俺が教官を務められるよう脅してでも交渉する。」

 

 

「「「「烏間先生」」」」

 

今回はこの選択でよかったのだろう。

 

その後はごねる鷹岡を理事長が直々に首することで事態は収束した。

 

「ねぇーねぇー烏間先生?今回あたしたち頑張ったんだし臨時報酬があってもよくない?」

 

「仕方ないな。財布は預ける好きな者を頼め。」

 

「やったー。」

 

「そうだ、私行ってみたいお店があるの。そこにしましょ。」

 

茅野さんの一言で店が決まる。

 




完全に正月が過ぎました。すみませんでした。


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第28話 集合の時間

みなさんこんにちは。

2月ですね。特に喋れるネタがありません。

それではどうぞ。


~高崎視点~

 

「カエデちゃん。後どれくらいかかる?」

 

「う~ん。地図で見るともう少しだね。あと5分くらい。」

 

鷹岡先生を追い出したあとみんなでスイーツを食べにいくことになった私たち。今回はクラスでも随一のスイーツマスターカエデちゃんの希望するお店になりそこに向かっているがなにか嫌な予感。

 

なんでかそれは簡単なこと。私たちが住んでいるのがこの街で、私たちがやっているお店もスイーツをだしているからだ。

 

でもそんな偶然あるわけないよね。たまたま私たちの住んでる街に来ただけだよね。

と心の中で祈りつつ、ついて行く。

 

「はい到着!」

 

こういう時に限ってよく嫌な予感は当たる。カエデちゃんに案内されて来たのは間違い無くうちがやっているお店だった。まだ大丈夫。この現状を打破する方法はある。今いる場所は店の裏口、だからこのまま閉まっていると勘違いしてくれて帰ればセーフ。

 

「ねぇ大丈夫?顔色悪いよ。また体調悪くなった。」

 

「え?うん大丈夫。」

 

渚くんが声をかけてくれた。顔色が悪いのは今絶賛ピンチだからで体調はなにも関係ない。それにさっきみんなに心配をかけたばかりだ。今は楽しんでほしい。

 

「ほんとに?さっきもすごかったけど。」

 

「うん本当に大丈夫。」

 

「そう?ならいいんだけど。無理はしないでね。気分悪いならすぐに言ってね。」

 

「ありがとう。」

 

さっきというのは鷹岡がいたとき。鷹岡に肩を組まれたとき昔のことを思い出して体がなにも考えられなくなっていた。今でもさっきのことはほとんど何をしたのか覚えていない。あの時も異変に1番最初に気がついてくれたのは渚だった。

 

「あれ閉まっているね。」

 

案の定入ろうと扉を開けようとしたカエデちゃんが気がつく。

 

「もしかして今日定休日じゃない?もしくは場所が間違っていたか。」

 

ここで桃花ちゃんのアシスト。心の中でナイスと呟く。

 

 

「う~ん。おかしいな。地図では場所は合ってるしHP見ても定休日は今日じゃないよ。」

 

「あ、インターホンあるよ。押してみたら?」

 

ここで陽菜乃ちゃんからまさかの提案。

 

「でもそれはマズくない?」

 

「う~ん。まぁ1回試してみよ。」

 

陽菜乃ちゃんは一切迷わずインターホンを押す。

 

「はいはい。」

 

中から翠が出てきた。

 

詰んだ。

 

 

 

 

~降谷視点~

 

結局殺先生に諭され自分は帰路につくことになった。あの後鷹岡がどうなったのか気にはなるが先生を信じることにした。ただ1つきがかりなのは春菜。昔のこともある。

精神状態が不安定になっていたのは間違いない。

 

今からでも迎えに行こうとしたときにLINEが来てこれから茅野オススメのスイーツを食べにいくと来た。文字だけでは向こう側にいる春菜の現状は詳しく知ることはできないがひとまずスイーツを食べに行けるだけの元気があることが確認できたのはよかったことだ。

 

「春菜これからスイーツ食べに行くって夜は遅くなりそうだね。」

 

「そう、分かったわ。ほら湿布貼るからこっち来なさい。」

 

「はいはい。」

 

今、自分は紗良さんから怪我の治療を受けている。

 

「結構きついの貰ったのね。相当強かったのその体育教師。」

 

「実力があるのは間違いないだろ。ただ過程が気に入らなかった。案外僕自身も冷静じゃなかったのかも。」

 

「そうね。暴力教師、、、色々なことあったものね。」

 

少しあざ笑うような高さで話してくる。少しイラッときたが今はもうそこまでのエネルギーが残っていないので諦める。

 

「はい終わり。なるべく動かさないこと今日は店も臨時休業にするから休みなさい。

 

「はいはい。」

 

手に湿布を貼り終えた直後裏口のインターホンが鳴る。

 

「おかしいわね、発注した物は既に届いているから今日はもうなにも来ないはずだけど。」

 

「警察じゃないだろ。場所バレはしていないし。見てくる。」

 

自分は階段を登り扉を開ける。

 

 

そこにいたのはなぜか倉橋そしてみんな。奥の方で春菜がゴメンのジェスチャーをしているのが見える。ここで点と点が線で繋がる。

食べに来たのはうちの店だったのだ。

 

「え、なんで降谷くんがここに。」

 

茅野が驚いた様子で尋ねてくる。

 

「茅野が来たかった店がうちだったんだよ。まぁいらっしゃいませ。」

 

そう言って招き入れる。

 

「「「「あ、おじゃまします。」」」」

 

「いやーまさかここが降谷くんのお店だとは先生しりませんでした。」

 

最後尾にいた殺先生が声をかけてくる。

 

「まさかうちだとは、、、。」

 

「ところで少しサービスしてくれません?今月ちょっと、、、」

 

「いやだよ。」

 

「そ、そんな。」

 

今月金欠気味らしいがそんなの関係ないと切り捨てる。後ろで泣いているような声が聞こえたが無視だ。こっちも仕事だし。

 

自分はみんなが席に着いたのを確認すると棚からタバコと安物の中で1番度数の高い酒をコップにだ注ぎ込みタバコに火を付ける。

 

「降谷くんなにをやっているのですか未成年h」

 

案の定鼻の効く殺先生はタバコの煙に気がついて烈火のごとく説教を始める。自分はそんな先生をガン無視してグラスを先生の方に傾け中にタバコを入れる。すると引火して殺先生の体が火に包まれる。

 

しかし先生は音速に動きその勢いで火を消す。

 

「なるほど火を使った暗殺。即興ですが手際のよさ、そしてターゲットの特性をよく理解しています。しかし爪が甘かったですね。あと煙草もお酒も禁止です。」

 

「次からは気をつけます。」

 

「あら、随分大所帯じゃない。」

 

ここで紗良さんが戻ってくる。

 

「春菜の言っていた店、うちだったよ。」

 

簡潔に状況を説明する。

 

「ならちょうどいいわね。今日出す予定の分余っていたし。いらっしゃい。」

 

 

 

 

そこからはあらかじめ作っている分は3桁もないので1人2個でだけとう条件でみんなにスイーツを出した。

 

「このスイーツは降谷君が作っているの?」

 

「いや、スイーツは紗良さんがメインは僕が作っているよ。」

 

茅野からの問いに答える。この店は午後は喫茶夜はバーとしてやっている。

中でも紗良さんが作るスイーツは絶品らしく人気も高い。

 

「うっす。ただいま。」

 

裏口の扉から准が入ってくる。

 

「准!」

 

「え?だれ。」

 

突然の登場に周りがザワつく。

 

「同じ制服が一杯。こいつらお前が言ってた椚ヶ丘の連中か。へぇ。」

 

「えっとどちら様でしょうか。」

 

「あ、自己紹介遅れたね。俺は准。こいつの兄貴だ。」

 

「「「えええええ。」」」

 

准が私を指して紹介する。

 

「僕の兄貴です。」

 

「きょ、兄弟がいたんだ。」

 

みんなから驚きの声が上がる。

 

「こら、くだらない嘘をつかないの。」

 

私と准は春菜ちゃんにお盆で頭を叩かれる。

 

「いいじゃねぇかよちょっとくらい。」

准が春菜ちゃんに文句を言うけど春菜ちゃんはそれを無視して正しい情報を話す。

 

「ごめんね。翠と准は兄弟じゃないよ。私たちは翠、紗良さん、私、そして准の4人で暮らしているの。」

 

 

「そうなんだ。」

 

「そう。」

 

春菜ちゃんと渚くんが話している。心なしか春菜ちゃん嬉しそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな帰っちゃったね。」

 

私が春菜ちゃんに話しかける。今日は一杯はしゃいだ。准はカルマくんと気があったらしくカルマくんと一緒にイタズラをしたりしていた。

他には何人かで翠の部屋に入って翠の勉強量に驚いていた。

翠はみんなに追いつくために一生懸命やってた。本人は後で知ったら怒るだろうけど知ってほしいと思ったから見せた。

 

「ほら片付けるよ。」

 

下から紗良さんの声が聞こえてくる。お皿はみんなも運んでくれたけど私たちには掃除が残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しい時間の後に残るのは静けさと少しの孤独感だ。

 

 

 

 

 



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第29話 水泳の時間

みなさんこんにちは。

あれ気がついたら3月!!!!期末に向けて勉強していたら休校でなくなりました。

今年に入って数える程しか出せていない。本当に申し訳ございません。

それでは本編をどうぞ。


セミの声が山に響く。汗が頬をつたう。今年も夏がやってきた。

 

テレビをつけると毎日「異常気象による猛暑」という見出しのニュースでいっぱいだ。

いい加減飽き飽きしてきているが年々暑くなっているのはどうやら本当らしい。

紗良さんが小学校の頃は扇風機しかなかった。と前に話していたのを思い出す。そう考えると暑くなっているのは間違い無いのだろう。

 

なぜなら今はクーラーがないとやっていけないから。そんな気象状態なのに扇風機すらないここE組の校舎は異常なのだろう。

 

暑い

 

それしか考えられないほどここは今暑い。それは自分だけではなく他のみんなも同じでいつものような活気はどこにもみられなかった。

この学校には夏になると水泳の授業があるらしいがそれが天国になるのは本校舎の生徒だけだ。E組の校舎にはプールはなく本校舎まで歩かなくてはならない。往復2キロの道のりは地獄そのものらしい。

 

誰かが殺先生に本校舎まで運んでと頼むと先生は水着に着替え着いてくるように言った。みんなが不思議に思いながらそれでも何か考えがあるのだろうと指示に従い水着に着替え校庭に集まる。

 

「こちらです。」

 

先生はなにも言わずに校舎とは反対の方向に歩き出す。

1分ほど歩くと水の流れる音が聞こえてきた。ここに小さな沢があったのを思い出した。沢で水浴びかと理解する。

 

「いくら最高時速マッハ20の先生でもみなさんをプールへ連れて行くには1日かかります。なにせ小さな沢でしたので。」

 

茂みをくぐり抜けるとそこには小さな沢はなく、水のたまったプールがあった。

みんなはそれをみるなりすぐに飛び込む。自分の控えめに中に入る。蒸し暑かった外にさらされた皮膚が冷たい水に冷され体が生きかえる。

 

はっきり言ってここは暑い。

 

水から顔を出すと何かがとんできて当たる。とんできた方向を見ると春菜がニヤニヤしながら立っていた。

 

「油断したな翠。」

 

顔に当たったのはどこで買ったのか殺先生の顔のボール。

 

「返して~。」

 

手を振られた方向にボールを投げた。投げた瞬間耳が痛くなるような甲高い音が響いた。

 

「こら、降谷君。そんなに強くボールを投げてはいけません。他の人に当たったら危険です。」

 

「すみません。」

 

「木村君もプールサイドは危ないので走らないでください。岡島君カメラは没収です。狭間さんは本ばかり読んでいないで泳いでください。」

 

((((小うるさい))))

 

器の小ささがここでも発揮されたようだ。

 

「もうそんなことで怒らないでよ。水かけちゃえ。」

 

「キャン」

 

倉橋が手で水をすくい先生にかける。ただの悪ふざけで終わるはずだったが先生は予想外のリアクションをした。全員の頭に?マークが浮かぶ。

 

その間に先生に忍び寄った赤羽が先生が座っている椅子を揺らす。

 

 

「いや!やめて。落ちちゃう、プールに落ちちゃう~。」

 

このリアクション疑惑が確信い変わった。

 

 

 

 

 

 

 

             殺先生は泳げない

 

 

 

 

 

 

 

これまで先生の弱点は何個か見つけてきたが今回のは最大級の弱点だ。

 

 

 

 

 

 

        次の日

 

 

「おい、みんな来てくれプールが。」

 

学校に着いて早々岡島が汗だくになって教室に入ってきた。

岡島に案内されプールに向かうとそこには昨日まであった出来たてのプールはなくベンチやコースロープは破壊されゴミが散乱していた。

 

「酷い。誰がこんなことを。」

 

隣にいる茅野がそうつぶやく。

 

「別にいいんじゃねぇの。プールとかかったるいし。」

 

准が持って来た漫画にあるようなガキ大将寺坂だ。

よく見るとニヤニヤしている。間違い無く犯人はこいつだろう。

自分は怪訝な目線を送る。

 

「あ?なんだよ降谷、俺が犯人だとでも言いたいのか。」

 

何も言っていないにも関わらず寺坂が胸元をつかんでかかる。もう自分が犯人です。と自白したようなものだ。

 

「まぁまぁ、落ち着いてください。荒れたとしてもほら。さぁ帰りましょう。授業を始めます。」

 

殺先生がマッハで修理したことでこの場は収まった。

 

集まったみんなも戻っていく。

 

「ほらよ。」

 

寺坂が首をつかんでいた手を乱暴に放す。普通に降ろされれば別に問題はないが場所が悪い。ここは斜面でしかも若干ぬかるんでいる。

 

「うげ」

 

見事に制服のままプールに入る羽目になった。涼しくなったのはいいが張り付いて気持ちが悪い状態になってしまった。

 

「アハハハハ」

 

「大丈夫?」

 

一部始終をみていた春菜は笑い茅野が手を貸してくれた。プールから上がった後も笑っている。

 

「笑いすぎでしょ。」

 

「いや、フフッフ」

 

笑いをこらえられていない。完全に心の中でバカにされている。

 

一方寺坂はバツの悪そうに無言で立ち去った。一言あるだろとは思ったけど自分は大人なので許すことにした。大人だから。

 

放課後、トイレから帰ると何やら教室が騒がしくなっていった。

 

中では殺先生自作のバイクが倒されていて殺先生が泣いていた。みんなが寺坂を責めているところをみるとまた寺坂が暴れたらしい。

 

「あ~、お前らハエみたいにプンプンうるさい!害虫は駆除してやる。」

 

そう言うと寺坂はスプレーの形をした何かを取り出し投げつけた。その何かは床に叩きつけられたとたん破裂し中身が飛び出す。辺りは一瞬にして煙で覆われた。

 

「キャ」

 

「なんだこれ。」

 

視界が遮られたことにより教室内はパニックに陥る。鼻にツーンとした軽い痛みがはしる。中身は間違い無く薬剤、窓を開けてガスが充満した空気を入れ換える。

 

しばらくしてガスが晴れてくる。

 

「みなさん大丈夫ですか?」

 

殺先生がみんなを心配している声が聞こえる。周りをみた感じそこまでの異常は見られないようだ。

 

「おい、寺坂。」

 

流石に文句を言う。スプレー缶のパッケージは剥がされていて元がなにか分からない。幸いにも何もなさそうだが万が一のこともある。

 

「触るな。気持ち悪いんだよ。モンスターに操られて仲良しこよしのテメェらも。お前もそうだ降谷。世間ではちやほや言われているがお前も所詮は犯罪者だ。」

 

いつも以上に教室に響き渡る声に教室は静まりかえる。

 

「そんなに気に入らないなら殺せばいいじゃん。せっかくそれが認められているんだし。」

 

カルマが相変わらずの小馬鹿にした口調で煽る。単純な寺坂は簡単にのる。

 

「カルマだいたいお前も」

 

のせられた寺坂が赤羽にイチャモンをつけるがカルマはそんなのお構いなしに寺坂を捕まえる。

 

「ダメだよ寺坂。喧嘩するなら口よりも先に手を出さなきゃ。」

 

この時点で赤羽にも空気的にも完全に負けていた寺坂はそのままなにも言わずに帰ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「降谷君。少しよろしいですか?」

 

寺坂が帰った後、掃除を任されていた自分に殺先生が話しかけてくる。

 

「みんなの体調は?」

 

「ほとんどは問題なかったので異常がでたらすぐ病院ということで帰りました。ただ茅野さんが目が染みると言っていまして近くまででいいので送って行ってもらえませんかね。」

 

「別に問題ないですが殺先生が送って行った方が早いのでは?」

 

「そんな、万が一生徒と一緒にいるところを誰かに見られたら他ならぬ関係を疑われてしまいます。」

 

そもそもあんたは見られた時点でアウトだというツッコミは置いておいて世間体を気にする先生らしい理由だった。

 

「分かりました。じゃあ送って行きます。」

 

 

 

 

 

 

 

「う~シュバシュバする~。」

 

「大丈夫か?あ、あとそこ段差あるから気をつけて。」

 

「うん。ちょっとしみた程度だと思うから。」

 

「ならいいんだけど。そういえば茅野は泳げないの?昨日のプールほら」

 

「あぁ、うん。昔から泳ぐのは苦手なんだ。」

 

「そっか。それだけならいいんだけど。」

 

そうこう話しているうちに茅野の最寄り駅についた。

 

「あ、じゃあ私ここで降りるから。」

 

茅野は電車を降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、昨日ガスを浴びた中にその後体調に変化があった人はいなかったようでほとんどは来ていた。ただ寺坂だけはバツが悪かったのか先生への反抗なのか朝来ることはなかった。

 

昼休み弁当を食べていない中殺先生に異変が起こっていた。なぜか訳も分からず涙を流しているのだ。しかも黄色い。涙は教壇の近くを塗らしている。食欲が削がれる。

 

「なんであんた意味の無く泣いているのよ。」

 

ビッチ先生が思わず尋ねる。

 

「いえ、鼻から出ているので鼻水です。目はこっちです。」

 

そう言うとどこからか虫眼鏡を取り出して目の部分を拡大して見せた。確かに穴が4つある。

 

「え、じゃあこれ全部鼻水!?」

 

「翠、これで食欲削がれたんじゃない。繊細だし。」

 

「う、うん。ちょっと」

 

 

和気あいあいとそれぞれの昼休みを過ごしている中扉が開いて寺坂が登校してきた。

 

それを殺先生は駆け寄り全力で話しかけている。その弊害なのか寺坂の顔には殺先生の鼻水がついている。益々食欲が失せる。

 

それでも寺坂はそんなのお構いなしに先生のネクタイで顔を拭いて言った。

 

「お前らこいつを殺してやるよ。お前ら協力しろ。俺には完璧な計画がある。」

 

今まで寺坂は一切暗殺に関与してこなかった。その頃に比べるといい傾向だが寺坂に賛成の声をあげるものはおらず静寂だけが教室を包む。

 

「なぁ、寺坂。お前今まで俺たちの暗殺、協力してこなかったよな。そんなやつがいきなり協力しろって言ってはい分かりましたってなると思うのか。」

 

前原が寺坂に反対の意見をいうのをきっかけにみんなも次々とおりていく。

 

「そんなイジワルしないで協力してあげてください。せっかくやる気になった訳ですから。」

 

反対のみんなに対し殺先生が説得を始める。食欲がなくなった自分は外に行こうとすると立てないことに気がつく。

 

「え」

 

足下を見ると黄色いなにかが固まって動けなくなっていた。

 

「え、ちょこれ。」

 

殺先生が自分たちを鼻水で拘束されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

結局寺坂の暗殺に協力することになった。寺坂はみんなを水着に着替えさせプールに入らせた。寺坂に聞いた作戦によると寺坂がエアガンを使いプールに突き落とし泳げない先生にトドメをさすというものだ。

弱点をついているいい作戦だが殺先生をプールにつき落とせないとこが1番の問題だ。はたして寺坂にプールに落とす作戦は通用するのか。

 

「暑い。」

 

寺坂はただ指示するだけでこちらに一切作戦を伝えてくれない。動きに関しては完全にアドリブに近いのだ。

 

「お前を殺してやるよ。」

 

「ヌルフフフフ、いいですね。この後は面談をしましょう。ゆっくりと。」

 

何か話しているようだがここでは聞き取れないが顔がシマシマになっているところを見ると舐められているようだ。

 

 

 

 

「うぇ」

 

何も考えていないと目に赤い光が飛び込んできた。方向は水門。

 

(なるほど殺先生を落とす仕掛けか。)

 

好奇心で潜って確認する。水門にあったのは殺先生を落とせる仕掛けでもなんでもない水門が破壊できる程度の大きさがある爆弾だ。

 

「ずっとお前が嫌いだったよ。」

 

顔をあげた時寺坂が殺先生への暗殺を実行しようとしていた。

 

「待て!寺坂!!水門に爆弾が仕掛けられている。」

 

「え」

 

声は寺坂には届かず寺坂は引き金を引いてしまう。

轟音と共に水門が破壊され水が抜けて流される。

 

殺先生は既に事態に気がついて引き上げを始めている。

 

(マズい茅野は泳げない)

 

とっさの状況で考えたのはそのことだった。水の中で目立つ緑色が目に入る。透き通っているからこそよく見える。手を伸ばし茅野の腕をつかみ引き寄せる。

何とか岸に上がりたいが流れが速く泳げない。

 

どれくらい水中にいたのか流れがさらに速くなり水から抜け出すのと同時に浮遊感に襲われる。この沢の下流は崖になっていたのだ。

 

崖から落ちかけたとき黄色い触手が2人を掴む。なんとか殺先生が間に合ってくれた。が同時に白い触手が先生の体に巻き付いた。落下を防ごうとなんとか先生に上に投げられる。

 

(OKこれならなんとかなる)

 

茅野を連れてなんとか崖にはりつく。よく見ると原が垂れ下がった木に捕まっている。自分たち以上に緊迫した状況のようだ。

下を見るとそこにはブクブクに膨らんだ殺先生とイトナ、シロがいた。

 

ここで全て合点がいく。全てシロが暗躍していたのだ。1度教室にきた暗殺者は殺先生に覚えられている。だからこそ寺坂を駒として使い色々仕込みをしていたのだ。

 

プールを荒らしたのもスプレーをまいたのも実行したのは寺坂だが裏で道具の準備をしたのはシロだ。

シロは先生の弱点をなぜか熟知している。シロが利用したのだ水がダメなのもほぼ確実なのだろう。

崖の下では策にはまった殺先生がイトナと戦っている。

 

「茅野、茅野。大丈夫か大きく息を吸え。」

 

咳き込みながら息をしはじめた。

 

「どうだ大丈夫か。」

 

「う、うん。」

 

まだ辛そうだがとりあえず大丈夫そうだ。だがここで違和感に気がつく。今、自分たちは崖に捕まり密着している。熱いのだ。茅野が異常に熱いのだ。

 

「おい、茅野お前、、」

 

「翠君!」

 

尋ねようとするといつの間にか地面にいる。

 

「すみません。」

 

殺先生にいつの間にか救出されていた。イトナの隙をついて助けてくれたようだ。

 

崖下ではイトナに水をかけている。みんなに気をとられたことで隙ができたようだ。

 

 

 

 

 

その後、シロたちは撤退横取りをなんとか避けられた。寺坂もみんなの和の中に入りはじめた。自分は寺坂を許すつもりはなく文句を言うつもりだったが春菜に見抜かれ許せとおk説得されたので許すことにした。

 

 



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