始まりはいつも終わりと共に (火桜 葵)
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絶望への片道切符

第2作品目です。
バンドリって好きな作品で書いてみました。


俺は第2の人生を送っている。

つまりはあれだ、転生ってやつだな。

俺が前世紀どんな風に死んだか気になる人も居るかも知れない。なので説明を一応しておこう。

 

死ぬ直前、前世の最後の記憶は電車に轢かれるというのが最後だった。

そのときはビックリした。

だって、いきなり後ろから衝撃があったと思えば気付いたら宙に舞っていたんだから。

いや~、あのときは焦った焦った。

だって、もうすぐそこまで電車が来ていたからね~。

イヤぁ、運転手さんには申し訳なかったなぁ、もう表情がスゴいことになってたもん。

色んなことをあの一瞬で考えていたと思うんだ。

焦り、怒り、戸惑い、苦しみ、絶望。

そんな心が全てあの人の表情となって出ていた。

 

いや~本当に申し訳ない!!

と、今では思ってますよ。

そもそも何で俺が突き飛ばされてしまったのか、ということを俺は考えていたと思うんだ。

まぁ、今となってはあまり覚えていないのだけれどね。

 

でも1つだけ覚えている事がある。それはただ単に

『怒り』と『殺意』だった。

突き飛ばしたやつをどう殺そうかと殺し方を何千通りも、何万通りも考えていた気がする。

 

そして突き飛ばした犯人を見たときその感情が全て消え去っていた。

朧気にしか覚えていないけど、これもちゃんと覚えている。

突き飛ばしたのは俺の、自分の家族だった。

それは兄だったのかも知れないし、妹だったのかも知れない。はたまた両親だったのかも知れない。

全員だったのかも知れない。

 

俺は殺意が消えて思い出したことは、やっぱり

という思いだけ。

両親は俺の事を邪険に扱うし、というか化け物を見るような目だった。

兄と妹も同じだった。

 

いつか、こうなるとは思っていた。

きっと、そうはなるとは考えていた。こんな風にいつか復讐されることを。

まぁ、それがその時だったとは思いもしなかったけど。

 

あのときは気を抜いていた俺にも責任があるけどね。

 

そして俺は死んだ。

 

死んだ人間はどこに逝くのか?

天国?はたまた地獄?

 

ここで言っておくが俺は一度人を殺した事があった。

後悔はしていたがあれは救済でもあった。

まぁね?俺は拐われた訳よ。

誘拐ってやつだな。

当時なんて多分俺の事だから

『えぇ、俺なの?他にも居るでしょ』

みたいな事を考えていたんだと思う。だって、考えて見ろよ。

両親からは邪険に、むしろ死んでくれれば良いなんて思っている人たちだぞ?

身代金なんて払ってなんてくれない訳よ。

ニュースでは良い両親の皮を被って裏ではもう帰ってくるなと言わんばかりの目だった。

兄&妹もこれで二人でイチャイチャ出来るとでも思ったんだろうな、悲しそうな顔しながら、顔を下に向けて体を震えさせていた。

 

あれは絶対に笑いを堪えている震えだったと思う。

もう少しニュースの人達が帰るのが遅かったら日本中にあの兄妹の笑いが放送されている所だったと思う。

 

というか、何でこんな嫌な記憶は残ってるんだと今でも思うよ。

 

その後はそのニュースを俺を誘拐した犯人と見ていたのだが何か俺の事を慰めてくれた。

辛かったなみたいな感じで。

あのあとの生活は自由だったと思う。

犯人は別に身代金なんて物は要らなくて、ただ単に話相手がほしかっただけなのだと。

その人は仕事場での出来すぎた栄光、実績、信頼の性で周りの奴等から疎まれていたのだとか。

そんなときに電車で帰っている時に濡れ衣を着せられたそうな。

男性ならこういう事があってしまうのだろうけど、痴漢の濡れ衣を着せられたらしい。

そのあと警察に連れていかれたらしい。

他の乗客は何と、全員が社内の同期、後輩、先輩だったらしい。

あまりにも出来すぎていたと思った。全力でその人を潰しにかかっている。

 

そんなこんなで俺が話相手になってあげていたのだが、俺を拐った理由は教えてくれなかった。

その人に家事の仕方等も教えてもらった。後は声真似とかの芸も。

後は剣術とかも教えてもらった。

その人は剣術の達人だったらしい。

確かに体格はそれなりに良かったけど、まさかそんな秘密があろうとは思ってもみなかった。

まぁ、流石に町中の道場でなんてやってたらバレるので少し離れた森の中で教えてくれた。

何か、平然と大木とか斬ってたよ。

笑えたね。

 

それを生かして生活すれば良かったのにとは思ったが俺は口には出した事は一度もなかった。

 

街中とかに買い物とかしに行って、俺だとバレると思ったが案外バレなかったものだった。

あぁいうのは堂々としてればバレないらしい。

 

そんな家で居るときより楽しかった時間を過ごしていた俺はそんな生活をしていて不謹慎なのかも知れないがここから俺という個人が始まるのだと思った。

でも、始まりが有れば終わりもある。

ある事件が起こった。

事件って言っても、俺が誘拐されている時点で事件なんだけども。

それは置いといてだ。

買い物に出掛けていた時に見つかってしまったのだ。

俺はその生活が日常となりつつあった。

それがいけなかった。

 

普通にただ単純に見つかってしまった。

見つけられたのは自分が通っていた高校の同級生。

『あれ?〇〇さんじゃない?』

 

その言葉を聞いた瞬間俺は〝逃げてしまった〟

あの時俺は逃げてはいけなかった。

ただ平然と自然に他人のフリをしていれば良かった。

その手段も教えてもらっていたにも関わらずに、だ。

 

俺は後悔した、後悔して、後悔して後悔して、後悔した。

 

俺は家主を放っていき先に家に戻った。そして泣いた。

俺は自分自身で自分の希望もあの人の希望も無くしてしまったのだ。

そこから俺は絶望への坂道をただ、下っていくだけだった。

 

家主は気付くと俺の隣に居た。

そしてあの人は俺の背中を擦りながらただ、俺に謝っていた。

何度も、何度も。

 

その日の夜あの人は俺を拐った理由を教えてくれた。

あの時絶望していたあの人は俺を見つけたらしい。

俺は自身と同じ目をしていた。

と、教えられていた。

絶望している目をしていると。

 

そんな時に俺は必死に感謝の言葉を紡いだ。

 

翌日、どう見つけ出したのか警察は家の下まで来ていた。

 

そんな時にあの人は口では元気そうに俺を心配させないように喋っていたが目が変わっていた。

最初の頃のような目に。

俺はそれを見てしまい、見なければ良かったと思った。

 

そしてあの人は俺に頼んできた。

『俺を殺してくれ』と。

泣きそうになった、だが躊躇いはなかった。

いつか、こんな時が来ると日頃言われていたからだ。

 

そして俺はあの人に貰った刀で首を落とした。

洗練された暗殺術は死体から無駄に血と痛みを出さないらしい。

この時もそうだった。

あの人は最後に穏やかな笑みを浮かべて死んだ。

 

俺は直ぐに突入してきた警察に保護された。

俺はそのまま意識が飛んでしまっていた。

後から聞いた話だが俺は意識が無くなっていた間も必ず一度も刀を放さなかったらしい。

 

報道はされなかったものの、俺が犯人を殺したという話は何故か周りに広まっていた。

可哀相だという者や、勇気があったという者。

人殺しと言う者も居た。

 

考える通り俺は家族に蔑まれた。

 

そして、殺された。

周りの視線に耐えれなかったのだろう。その事については本当に俺は申し訳なかったと思っている。

 

そしてそんな人殺しが天国にいける訳がない。

地獄に落ちた。

 

俺への判決はもう一度人生をやり直すことだった。

考える人によっては良かったのでは?

と、思う人も居るだろう。

だが俺からしたら何故またあの最悪の世界へいかなければいけないのか。

そんな事を考えいた。

ふ、と昔に祖母が言っていた事を思い出した。

地獄はこの世なんだと。

あぁ、俺はやっと体感した。

本当にそうだった。

もう、ここまで来ては戻れない。

 

そうして俺はまた人として生まれ落ちることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すいません!
バンドリの世界へ突入できませんでした。
ごめんなさい。


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誕生

ある日の放課後の事。

ガールズバンドのAfterglowは通学路を歩いて仲良く雑談しながら帰っていた。

 

「あそこ!あそこのラーメンは美味しかったなぁ。今度一緒に行かないか?って、蘭?聞いてるのか?」

 

このラーメンの話をしている少女はAfterglowのドラム担当 宇田川 巴

長い赤い髪が特徴的。

 

「あぁ、うん、聞いてるよ」

 

この少女Afterglowのボーカル担当美竹 蘭。

黒い髪に一部赤いメッシュをいれているのが特徴。

 

 

「うぅん、行きたいけどカロリーがなぁ。ねぇー蘭ーどうしようー!」

 

ラーメンのカロリーを気にするピンク色の髪色が特徴的な少女は上原 ひまり

ベース担当で、一応Afterglowのリーダーである。

さらに、中々な物をお持ちである。何処とは言わないが。

何処とは。

 

 

「私に言われても困るんだけど」

 

「ひまりちゃんそこまで気にしなくても良いと思うけど」

 

この茶髪の少女はAfterglow羽沢 つぐみキーボード担当である。

 

「だよね~、ひーちゃんは気にしすぎだよ~」

 

そして、おっとりとした喋りかたをしているのは

Afterglowのギター担当の青葉 モカ。

 

この物語の一つの歯車だ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

俺は眼が覚めると一人の幼女になっていた。

 

なった、というよりは前世の記憶が戻った、の方が正しいかもしれない。

 

しかし、しかしだ。まさかあの後自分が性転換するとは思わなかったぞ。

 

今のところまだ体が小さいので精神的にはそこまで苦痛は無い。

体が女なので徐々にそういう処は慣れていけるだろう。

人間慣れればどうにでもなるのだ。

かといって女の子に興味とか無いとかそういう意味では無いし。

断じて俺がそういう趣味なのでも無い。

普通に女の子の方が良いし、性欲だって少しはある。

まぁ客観的に見れば同年代の男とは大分無い方なのだろうが。

 

現在進行形で女の子な俺が女の子が好きなんて言ったらそれはそれで誤解されるだろうけどな。

まだ、小さいから大丈夫だと思うけど。

 

って、俺は何一人で考え込んでるんだ?

まぁいいか。今更だな。

 

とりあえず俺の名はチノと言うらしい。

変わった名前ではなかろうか?

俺はこの名前を聞いた時に即座に頭に出てきたのはウサギをご注文してそうなアニメの幼女だったりする。

 

後はバカだと言われる氷の妖精とか。一文字抜けてるだけだし。

というか、確かあのバカバカ言われてるのって二次創作が始まりじゃなかったか?

 

アイ《ピー》《ピー》ール!

 

俺自身の名前は解ってはいるが、まだ苗字は知らない。

この世界の両親は前の時と違い優しくしてくれる。

だが、それにずっと違和感を感じてしまうのだ。

恐らく前の時の影響だろう。

姉はいるにはいるが時折ボー、としている事が多いので此方から話しかけたりすることはあまりしていない。

 

俺と姉の名前を見るに日本人ではないのではなかろうか?

髪色も黒色でも茶色でも無いし。

どちらかというと銀髪?

この髪色のせいで余計にご注文なウサギの銀髪幼女を彷彿とさせるのだが。

何と容姿もそっくりというおまけ付きだ。

そのうちカフェで働いたりするのだろうか?

ウサギ飼いながら。

 

っと、そんなことはどうでも良いとしてだ。

俺は今、大ピンチを迎えて居る。

俺は幼稚園に連れて行かれるらしい。

つまり先程まであれこれ考えていたのはただの現実逃避だったりするのだ。

 

俺は正直に言ってあの小さい子供が嫌いというか、苦手なのだ。

 

前の時では何時も俺の読書の時間をワーワーわめいて邪魔してくるし。

蹴るは叩くは当たり前。たまに素行が悪い奴は噛んできたりもする。

ああいう小さい奴や性格が悪い奴に限って人が嫌がる事ばかりしてくる。

鼻水や鼻糞を服につけたりしてくるし。舐めてくるし。

 

あぁ、考えているだけでイライラしてきた。

あのクソガキ供が、何時か、イヤ、もう会うことはないのか。あの近所のクソガキ供の相手をしなくて良いことになるとは。

これほど死んだことに嬉しさを感じることはない。

もう一生感じることは無いだろうが。

 

とりあえずだ、俺は小さい子供が嫌いなのだ。

今の俺が言ったらブーメランだろうが。

 

だから幼稚園何ていう精神年齢が成人している俺からすると苦痛でしかない。

あんなところ何が楽しいんだ。

あれはモンスターの巣窟だ!俺は絶対に行きたくない。

 

かといって俺が親のその決定に逆らえる訳では無いのだが。

つまり俺が折れるしか元々選択肢は無いのだ。

まぁ、まだ保育園より幼稚園の方がマシだろう。

多分。

 

あぁ、明日からの日常が憂鬱だ。

 

こんな世界滅んでしまえば良いのに。

 




あらすじには主人公では無いとか少しイキッた、事書いてますがここでは主人公と呼ばせてもらいます。
本編では描写しませんが。

主人公の容姿はまんまごちうさのチノさんです。
中学生、高校生になったらどういう感じになるかはわかりません。
ウサギは居ません。
決して面倒だから一緒に仕様だとかそんな訳じゃないすよ?
名前はカプチーノのチーノからつけてます。
え?ごちうさのチノさんと一緒じゃないかって?
気のせいです。
付けた後にそういえば居たな、って思い出した位ですからね。本当です。

というか、少しキャラがぶれてる気がする。
子供が嫌い設定は作者の自分から来てます。
ほとんど実体験です。
クソォ!


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小学生チノ

幼稚園も無事全て終わり小学校へ進学の準備をしている。

幼稚園時代は特に何かがあったというわけではない。

明らかに近寄ってくるなオーラを放ち俺はお前達と仲良く何てしないぞというオーラも出していた俺に友達なんて出来る筈もなく隅の方で過ごした。

 

つまり今年から俺は小学生なのだが、だが、だ。

たいして幼稚園の時と変わらないだろう。

 

「どうしたの~?」

 

俺に誰かが話しかけてきた。

両親以外に話す相手が居ただろうか?

このようなおっとりとした喋り方をする奴は知らない。

俺は声がする方を見る。

ちょうど俺の真後ろにあたる所にその人は居た。

 

俺と同じ銀髪で些かほんわかしたような雰囲気な人だった。

というか俺の姉だった。名前は何だったけか?

喉まで出かかってるんだけどなぁ。

あっ、『モカ』さんだ。青葉 モカさん。

姉にさん付けというのも少し可笑しいかもしれない。

 

「何も無いですよ」

 

俺はとりあえず姉の対応をする。

こんな時にコミュ障の俺にはどんな話し方をすれば良いのかが解らないのが難点だな。

 

「そ~お~?何かあったら言ってね~」

 

その言葉を俺に伝え終えると何かすることがあるのか急いで外に出ていってしまった。

ふむ、あんな声だったのか。

俺は姉と話した事は一度も無いので声すらも聞いたことがない。

というか姉自体があまり家で喋らないし。

 

 

という事なので明日から小学生なので色々しなきゃいけない事がある。

そして問題が一つあるのだ。

俺の体は今は女子だ、そして元々は青年だ。

この意味がわかるか?そう。女の子ならそれ相応の格好をしなければいけないのだ。

つまり幼稚園の時のようにまだ、『小さいから仕方ないよね』が通じないのだ。

つまり下着はもう流石に諦めているが小学生になると学校側の決まりでスカートを履かなければいけないのだ。

何故世の女子達はあんなヒラヒラした防御力皆無な物を履くんだろうか?

だって風が吹けば見えてしまうじゃないか中の下着が。これでも一応今世は女の子なわけだしそれなりの恥ずかしさはあるのだ。

あとは、何かスースーしそうだから。それでも履かなきゃいけないのか?

 

ということで今からスカートなどの制服を買いにいかねならねばならない。

だが、俺は極端に外に出るのを嫌う。

格好良く言っているが只の引きこもりだ。

それでも出たいときには出れる軽度の引きこもりだが。

なるほど、なら先程慌てて出ていった姉は制服を買いにいったのか。

 

あぁ、憂鬱だ。そしてこの体の本能なのか初めての女の子っぽい服と制服にドキドキもしている。

はぁ、頭では嫌なのに体は求めてしまっている。

 

うーむ、何かエッチな感じがする。

 

 

そのあと何故かサイズピッタリな可愛らしい制服を俺が着ると両親とそしてモカさんまでもが可愛いと言っていた。

俺は恥ずかしさと体のドキドキが辛くなって自身の部屋に逃げ込んだ。

 




はい、もうほとんど原作チノさんですね。

あと、投稿時間遅れましたぁ!!


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温泉

わたし青葉 チノ9才!女の子なの!よろしくね!

 

いやぁ、今の状態なら何にも不思議じゃないな。

俺も少し女の子してるな。

もうそこのところはやはり慣れてしまった。

だが、やっぱり慣れないことがまだ1つある。

それは、同性、女子、女性の裸だ。

まだ俺はそこは少し恥ずかしくて見ることが出来ない。

出来ない、出来ないのだが、はぁ~最悪だ。

そして今居るのはお風呂屋さん、つまり温泉だ。

 

さて、現在俺の状況は天国と地獄っていう訳だ。

自身の体は見慣れた物だがやはり他の人はまだ慣れない。

 

つまり入ろうにも周りへの視野を狭めなきゃいけないのだ。

別に大して若い人何て居ないだろう、お年寄りの人ばかりだろうだと思って着いてきたのが仇になった。

こんなときに限って若い人が多い。しかも高校生だ。

前世の記憶と合間って何故か申し訳ない気持ちになってしまうのだ。

 

とりあえずお風呂に浸かって煩悩は消し去ってしまおう。

 

「あぁ、ちゃんとかけ湯した方が良いですよ」

 

いち早くお風呂に浸かろうとする姉に一応注意をしておく。

こういう所ではマナーが大切なのだ。

 

「は~い」

 

姉も何時ものように間延びした返事を返し俺と一緒に

かけ湯をする。

これをすると温泉に来たという感じがする。

 

 

そして俺は浴槽までたどり着きそのまま足からゆっくりとお風呂の温かさを体に浸透させながら浸かる。

姉も俺のを見よう見真似で俺と同様に入っていた。

 

「あぁぁぁぁ~~~」

 

あぁ、何て気持ち良いんだろうか。やはり日本人はお風呂が無くては始まらないこの体を温かく包み込んできてくれる。

家のお風呂でも良いがこういう大きいお風呂はやっぱり気持ちが良い。

周りの事なんてどうでも良くなってくる。

 

「何か~チノちゃん~、おじさんみたい~」

 

おじさんかぁ。前と今の年を合わせれば確かに成人はしているがまだおじさんでは無いはずなんだがなぁ。

こう考えているのがおじさんっぽいのかもしれないけど。

 

別に風呂上がりの一杯とかそんなの考えたこと無いし。

ビールとかが美味しそう何て思わない。

でもあれほど美味しそうに飲むもんなんだから凄いとは思うけど。

 

実際あれってそこまで美味しく無いんだけどね。

苦味というか何というかそういう物が多い。

昔、大分昔にビールを美味しそうに飲む人にそれが美味しいのかと聞いたことがある。

その時にその人は別段美味しいとは感じないが仕事終わりに飲んで一気に喉に流れるこの感覚が気持ちいいのだとか。

正直聞いたときは何が何だか解らなかったが。イヤ、今でも解らないけど。

 

とりあえず温泉内の全てのお風呂をコンプリートしてから1~2時間程入ってからお風呂を出た。

 

「はぇー、気持ち良かったぁ~」

 

俺達は風呂に入った後の休憩室のような場所でくつろいでいた。

 

「ね~え~、チノちゃ~んこれしよ~よ~」

 

姉が持ってきたのはまさかの将棋だった。

 

小学五年生にしては渋いチョイスですな~。

おっと思考内まで姉の口癖が移ってしまった。

恐るべしモカ癖。

 

さて、俺に将棋を挑んだ事を後悔させてやるとしようか!!

 

 

 

 

 

 

「ぐ、ま、負けました」

 

「いぇ~い、モカちゃん大勝利~」

 

う、嘘だろ。

まさか負けるとはこれでも俺は上手い方なんだけど。

 

 

「ねぇ~チノちゃん」

 

「何?」

 

「今日、楽しかったね~」

 

「そうだね」

 

確かにこんな日も悪くないな。

 

 




ちゃんとお母さんは隣に居ますが出してません。

遅くなってすみません。短くてすみません。


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姉妹

何ヵ月ぶりでしょうか、でもこの作品はこんな感じです、申し訳ありません



それでは本編へ


薄暗い部屋の中でパソコンの光だけが光源だった

私の耳にはヘッドホンが付けられ周りの音は全て遮断されている

 

自身に聞こえるのはゲームミュージックのみだった

パソコンの中のオンラインゲームでは私のキャラが活発に動きモンスターを倒していた

 

そのせいで気づかなかった、後ろから近付く人物に………………不覚

 

「チノちゃ~ん」

 

「うひぁっ!?」

 

俺のことを後ろから抱きしめてきた犯人は、やはり姉だった

 

「ちょっ、やめ、やめて……!」

 

「ふふふ~~」

 

「あぁっ、本当にやめてぇ!!」

 

ヤバイ!?体勢が崩れる!?

 

「あだっ!?」

 

思いっきり頭を机にぶつけた

 

「あっ……」

 

「痛い痛い…………あぁ!!出ていってーー!!」

 

俺は姉の背中を押して部屋から押し出す

 

「はぁ、カギは閉めてた筈なのにどうやって入ってきたのか」

 

俺は席に戻るとパソコンと向き合いヘッドホンを付けようとしたのだが……

 

「あーー、先に風呂に入るか」

 

自身のキャラが死んでしまっていた画面を見て少しやる気を削がれてしまったのでとりあえずお風呂に行こうと思い、目的の場所へと向かうために階段を降りる。

一階に降りたついでにリビングの方を覗いてみるが両親は居ない様子だった。

 

何処に行ったのだろうか?

 

「とりあえず風呂行くか」

 

ガチャ

 

う~ん、どうしようかな?このシチュエーション。

でもこのまま立ったままではいけないよな?

 

「きゃ~チノちゃんのえっちぃ~~」

 

ムカッ

 

ぶん殴ってやろうか、プロポーションなんかたいしたことないくせに……

そもそも中三が妹に対してエッチはないだろう?中身は男だけども

その辺はもう慣れたものだけど、別に姉の裸を見てどうしろと言うのだ。

 

「ハイハイ、私が悪かったから早く入ってきてよ、そのあと入るんだから」

 

「え~?昔みたいに一緒に入ってもいいんだよ~?」

 

「入るか!!」

 

バンッ

 

まったく恥というものを知ってほしいものだ。

そもそも家の風呂じゃもう一緒になんて入れないだろ!!

体の大きさ的に!!

 

さて、ここまでで良く分からない人も居るだろう

姉は成長、年を重ねて中学3年になっていた

勿論私も成長して中学2年生になった

 

姉は少し性格はアレなものの普通に成長していった

私は、まぁ少し色々あってこんな状態だ

学校には行かずに家で引きこもってる

そんな状態がずっと続いている

 

自分自身これで良いのかなって思ったりもする。

でも一歩外に出るだけで目の前が真っ暗になって倒れてしまうのだ

それを分かってる両親は私のことを何も咎めはしない

気をつかっているのか姉も私が話してほしいと言わない限りは外の話は一切しない

 

そんな感じで俺は家にヒキニート状態という訳なのだが、自分自身これを治すために努力はしてる

外に出るために頑張っているが上手くいかない、体が外に出るのが嫌だと言わんばかりだ

 

 

俺の精神の問題なんだろうけどさ

 

「はぁ、やめやめ暗いことは考えない考えない」

 

ガチャ

 

「チノちゃーん?入るよ~」

 

「もう入ってるからね?入るよじゃないからね?」

 

「これは失礼しました~」

 

というかまた鍵を開けてきたのか!?

本当にどうやって開けてるんだろう、ここまでされると少し気になるのだけれど。

 

「何をしてるのかな~?ほほぉ~?ゲームですか~」

 

「そうだけど、え~と、まさかやってみたいとか?」

 

いやいや、まさかそんな筈は……無いよね?

ゲームなんて縁遠い存在なモカさんがそんな訳ないですよね?

親からもあまりこういうのには触れさせてもらえなかったモカさんがまさかゲームに興味を持つとわ思わなかった。

いや?逆にか?

 

「やってみたい?」

 

「おぉ~~!!」

 

お、おぉスゴいキラキラした目で見てくるぞこの人。

 

う~ん、ここまでされるとやらせないって言うのは可哀想だしなぁ~

適当なのやらせとくかな

 

「じゃあこのゲームやってくれる?操作はこれがこうで、こうだよ」

 

「なるほど~理解した~」

 

「うん、ならお風呂入ってくるからそれまでやってて良いよ」

 

「は~い、行ってらっしゃ~い」

 

「はいはい、行ってきます」

 

ガチャン

 

 

 

 

「はぁ、少し一息つける」

 

服を脱いでそれを洗濯機にポイポイ入れていく。

この前怒られたけど、仕分けろって。

そんなこと言われてもどれがどれだか分からないですよ。

前は制服と安物の服とズボンと下着くらいしか持ってなかったし

 

今は良く分からない、色々な物が増えすぎだ。

ふと何故か鏡の方へ向いてみる、やっぱり貧相な体だなぁ。

スレンダーと言えばスレンダーだけど。

容姿は良いんだけどなぁ、残念ながら手入れはしていないので綺麗だったサラサラの髪は今ではボサボサであるし、綺麗に透き通っていた目は隈が出来て少し目の内が淀んでいる気がする。

そして少し自分のお腹の方へと目線をずらしてみる。

 

「う~ん、やっぱり最近太ったか?」

 

自身の腹の肉を摘まみながら引っ張る。

スゴいブニブニしてる

 

「これは本格的に運動しなきゃだなぁ、外に出られないけど」

 

………………風呂に入るか

 

ふむ、第3者から見れば美少女が入った残り湯に美少女(病み気味)(中身 男in)が入るという何処のエ〇漫画だというシチュエーションになってしまうわけだ。

 

正直に言っても俺がこの残り湯に入ったとしても何も思わない。

逆に実の姉に興奮する弟妹が存在するんですか?っていう話だ。

俺だけの可能性もあるけど。

世の中は広いからなぁ~様々な性癖を持った人が沢山居るんからな、そういう人も居るかもしれない、居るかもしれない!!

 

だからここでは個人の意見と言わせてもらおう。

 

「って何を考えてるんだろう、さっさと風呂に入ろ。」

 

あっ、サービスシーンはカットで!!

 

 

 

お風呂から上がってポカポカ気分のまま2階へ上がっていく。

 

部屋のドアを〝静か〟に開けて中に入る。

 

「やっぱり寝てる」

 

そこには完全なる寝落ちを極め込んだ姉が居た。

取り合えずこのままでは邪魔になるので姉の部屋に運ぼうと思い姉を背負って部屋を出ようとするが…………突然 俺のことを抱き締めてきた。

 

「まさか起きてる?起きてるなら自分でッ!?」

 

あっ、これ違うわ抱き締めたんじゃなくて首を絞めてきてる!!

 

「いやいや苦しいから止めて?」

 

「………………る」

 

「なんて?」

 

何か姉がボソボソと喋っているが聞こえない。

 

「一緒に寝る」

 

えぇ~何故に、だよ

 

「一緒に寝たいの?」

 

一応聞いてみる、間違いかもしれないですし?

 

「うん」

 

おぉ、マジかぁ~

ここで駄目なんて言ったら俺は死ぬことになるんだよな。

さっきから徐々に首を絞める力が強くなってきてる。

 

 

 

 

「はぁ~、分かった、分かったから手を離して?」

 

 

「うん」

 

 

やっと手を離してくれた、あぁ死ぬかと思った。

 

「それじゃあ奥の方で寝てね」

 

「うん」

 

うん、しか言わなくなったんだけどこの人。

とりあえずど真ん中で寝られても困るので姉を奥の方に詰めて、その横に私が寝ることにした。

 

 

 

 

 

数分したあと、隣を見ると完全に寝たようなので

一回ベットから出ようと思い、掛け布団をのけた瞬間 身体を絡めとられた。

 

完全に動けなくなってしまい、もうどうすることも出来なくなってしまった。

 

それほどに一緒に寝たいのか。

 

仕方がないので、自分も姉と一緒に寝ることにした。

 

昨日の徹夜が効いたのかすぐに眠気は襲ってき、夢の世界に引っ張りこまれた。



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日常


それとなく短いです
久しぶりの更新です

本編どうぞ


カーテンの隙間から太陽の光が射し込み、その光で目が覚めた

 

机の上に置いてあるデジタル式時計を見てみるとまだ6時だった

隣をチラリと見るとまだ寝息をたて寝ている姉がいた

 

こういう状況だとイタズラしたくなるのが人の性というものだろう

 

とりあえず、姉の頬っぺたをムニムニと押してみる

 

姉の頬っぺたは案外柔らかく、何というか幸せな感触だった

つつくだけではなく両手で引っ張ってみる。これも中々に良い感触だ

 

流石にこれ以上引っ張るのは可哀想だからやめておく

これだけ突っつかれても起きないなんて、神経が図太いのだろうか?

 

「すぅ、すぅ」

 

「むむ、こんなに幸せそうな顔をされながら眠られると俺も眠たくなってくる。よし、二度寝しよう」

 

モカさんは今日学校だけど、わざと起こさない

どうさ起きるだろうし、それに〝あの人〟が迎えにくるだろうし

 

そういうことで二度寝を決め込んだ

 

おやすみなさい

 

 

 

 

 

次、目が覚めると姉は隣に居なかった

一階に降りると親達も居なかったので仕事に行ってるのだろう

姉も同様、学校に行ったのだろうな、と思ったけど

バタバタ音が聞こえるから、まだ行ってないんだろうな

壁掛け時計を見ると7時半、ギリギリかな?

 

玄関を見ると、やっぱりあの人が制服姿で待っていた

 

挨拶しといた方が良いのかな?

 

「おはようございます、蘭さん」

 

軽い会釈もしながら言うと相手も挨拶を返してきた

 

「ん、おはよ」

 

口下手なのか、良く分からないけど、いや俺が嫌われてるだけかもだけど、この人との会話は短い

といっても挨拶くらいしかしないけど

 

「ごめ~ん、蘭~遅れた~」

 

「良いよ、早く行こ」

 

「は~い、あっ、チノちゃん起きたの?」

 

姉はこちらの存在に気がついたのか、そんな感じの日常っぽい話をしてきた

 

「ついさっきね、行ってらっしゃい」

 

俺もそれに日常のように答える

前じゃ考えられなかった光景だ

 

「行ってきま~す」

 

こうして、誰かに行ってらっしゃいと言って、行ってきますと返ってくるのがどれだけ素晴らしいことか

 

姉が家から出ていくのを見送ったあとに、俺も学校に行こう、とはならず

リビングの方へ行く

 

キッチンテーブルの上には自分の朝ご飯が置いてあり、テレビを着けてテレビを観ながら食べる

 

食べ終わると皿洗いをして、そのまま自室へ戻る

 

少し前まで自室からさえも出れなかったが、今では家の中を歩き回るくらいまでには治った

自室の戸を開け、ついでにカーテンも開けて何をするのか、自分のイスに座りテレビを着けてそのままテレビを観る

 

今朝のニュースを観るような性格ではないけど、この世界の情報収集の為に観ている

 

この世界では、やたらと女子率が高い

周りを見れば女子高校生、女子中学生と歩き回っている

しかも、美人揃いだ

 

つまり、つまりだ、ここは何らかの創作のアニメの世界なんじゃないか?

転生物、二次小説でも良くあることだ、アニメの世界に転生して原作キャラといちゃいちゃしたり、無双したり

 

でも、この世界、比較的に平和なんだよね

何があるわけでもない

もしかすると、百合日常系の世界なんじゃないかと俺は思ってる

 

そうだとしたらとても良い

 

そういえば最近は、ガールズバンドが増えだしてきた

本当にここ最近

 

ガールズバンドがメインのアニメなんて俺は知らないからガールズバンドは関係ないかもしれないけど、こういう情報は大事

 

何があって死ぬか分からないから、備えあれば憂いなし

転ばぬ先の杖って言うしな

 

さて、今日の予定は勿論ゲームだ

 

 

その後、姉が帰ってくるまでパソコンゲームをしていた俺だった





蘭とかこんなので良いのか分からない、このときにモカと仲良いのかも分からないからほとんど妄想


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1日の始まり

久しぶりの投稿となっております

本編どうぞ


 

気が付くと、周りは真っ暗に染まっており

不思議な場所に居た

 

『お前なんて……』

 

俺なんて、どうしたんだ?

 

誰かが喋りかけてくる

 

どこかで見たことある顔だ

 

『死ねばいいのに』『近づくなよゴミ』『疫病神が』『お前なんてお前なんて』『居なくなれば良いんだ』

 

 

はぁ、もうお前らの前には俺は居ないよ

安心して過ごしていけばいい

 

『黙れ』『うるさい』『目障りだ』『喋るな』『見るな』『動くな』『消えろ』

 

ごめんね、君達とは違って、俺はもう日常を掴み取ってるんだ。それが細やかなものだとしてもな

 

お前らみたいな狭い心のような奴等に俺は負けない

 

 

『ふざけるな、ふざけるなよ』

 

何がだよ

 

『俺を……殺したくせに』

 

そう言って俺の腹へと刀が刺さる

 

「おいおい、それは無しだろ。おじさん」

 

▲▼▲▼

 

 

 

「………夢か」

 

なんて最悪な朝だ、こんなのって信じられるか

 

「何でよりによってあの人が」

 

本当に嫌な夢を見てしまった

頬を触ると、ヌチャリとした汗の感触が手で感じた

 

「風呂、入るか」

 

時間を見てみると朝の9時、今日は日曜日か

休みか、朝風呂でバッタリ会うなんてことになったら更に憂鬱な気持ちになってしまう

 

細心の注意をして、風呂に入ろう

 

一階に降りると母が居た

父は仕事に出掛けている様子だ

 

さっさと母に見つからないうちに風呂場へ移動しなければ

 

そろりそろり

 

よし、リビングとキッチンを抜けれ ガシッ

 

「はうっ!?」

 

思いっきり首を捕まれて変な声が出てしまった

そこは弱いのだ、だから早く止めてほしいなぁだなんて

 

「チノちゃん?お風呂に入るのかしら?」

 

どうしよう、本当にどうしよう

 

「昨日、ちゃんとお風呂に入ったの?」

 

オーノー、昨日はお風呂に入っていない

出来るなら入りたかったけど、寝落ちしてしまったのだから仕方ない……仕方ないけど

 

「は、入ってません」

 

逆らうなんてことできません

 

「ふ~ん?それで?どうするの?」

 

「い、今からお風呂に入ってこようと。少し夢見が悪くて汗がびっしょりなので」

 

ここで嘘なんてついたら大変なことになるので本当のことを伝える

 

「それは災難だったわね。ごめんなさいね気付いてあげられなくて」

 

「いえいえ、そんな」

 

ヤバいヤバい、このままじゃ何時ものパターンに入ってしまう……ッ!!

 

 

「髪もボサボサね、本当は綺麗な髪なのに勿体無いわ」

 

「ケアの仕方とか詳しくないので。で、でも!!最近ケアの仕方とか調べたりしてたりしててですね!?」

 

「そんなの駄目よ~、女の子は髪が命なんだから。そうだモカに手伝ってもらいましょう。モカー」

 

ヤバいダメだ、来ないでぇ~~

 

そんな細やかな願いも尽く砕かれることになった

2階からトタトタと降りてくる足音が1つ

 

「は~い」

 

「オワタ」

 

 

そのあとの展開は、女子中学生同士がアワアワになってドッタンバッタンした

これから以上は想像に任せることにする

 

 

サービスシーン?カットだよ

 

▲▼▲▼

 

「だはぁ~」

 

俺の髪の毛は見事にサラサラの綺麗なロングヘアーになってしまった

 

まぁ、こんな長い髪の洗い方なんて知らないから何時もガーと洗って、ガーて流してで終わってたからなぁ

 

お風呂に入り終わったあとも色々ケアされた。主に母によって

 

スキンケアとか、髪の毛のケアだとかされた

 

今では肌は少し保湿液でベタついてる

 

「早く乾いてくれ~ 」

 

髪の毛なんてシルクの触り心地みたいだ

俺の髪の毛ってここまで手触り良かったんだなぁ

 

それはそれとして汗でびちょびちょのシーツや布団は、洗えるものは洗って、天気も良いので乾かしてる

 

さて、今からゲームだ

って思ってたけど

 

情報を整理することにした

 

ガールズバンドが流行りだしてから、一向に廃れる気配もなくずっと続いてる

最早日常になりつつあるガールズバンド

 

たまに外を窓から覗いてみるけど、変な髪色の人とか居るし

 

ここまでいくと、ガールズバンド系の音ゲーの世界かアニメの世界しかないだろう

 

 

そうなるといよいよ、何の世界なのか分からない

アニメも、ゲームもそれなりに知ってる筈

 

「うーんうーんうーん」

 

唸っても唸っても、何も出てきやしない

 

ピンポーン

 

唸っていると家の呼び鈴が突然鳴った

 

油断しきっている状態でそんなことが起きてしまえば想像に難くない

 

言ってしまえば、イスから転げ落ちた

 

「ぶわっ、あだっ!!」

 

豪快に後ろへと倒れ頭を強打した

 

「おー、ひぃー痛い~」

 

頭を抱え込んでその場から動けなくなってしまった

 

「へ、ヘルプ」

 

どうせ誰も来てくれはしないだろうけど

一応SOSを出しておく

 

 

案の定、誰も来なかった

 

「薄情者どもめ~」

 

仕方がないので痛める頭を抱えながら、一階に降りた

 

「あら、どうしたの?」

 

「頭、うった」

 

「あぁ、さっきの音の原因ね。ちょっと待ってなさいね?」

 

「あい」

 

母の言うとうりに、一度ソファに座って待つ

 

テレビはちょうどニュースの時間らしい

ガールズバンドのことがやはり報道されていた

 

他には事故とか、芸能人が結婚したとかだとか

というか、あの人結婚したんだな

 

突然、首に冷たい感触が走る

突然の感触に背筋がゾワゾワと悪寒が走った

 

「うへぁっ!!」

 

ついでに変な声も出た

 

恐らく涙目でバッと後ろを振り向くと

肩を震わせて、ひーひー言ってる母がいた

 

わ、笑ってる

 

「止めてよ~、いきなりこういうことするの」

 

「はぁはぁ、ご、ごめんなさいね」

 

笑いを堪えすぎて息が切れたのか若干息が荒い母

 

何か、えっちぃ

 

「これ、氷ね。頭これで冷やしておきなさい」

 

「うぅん、ありがとう」

 

一応善意で貰っているので少し釈然としないものの素直に受け取り後頭部をそれで冷やしておいた

 

「……冷たい」

 

そんなことがありながらも、また1日が始まった

 

 




久しぶりですね

今回は2000文字台といういつもより多い文字数でした

お待たせして、すみませんでした


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悩みの種

お久しぶりです

他に言うこと?
謝罪しかねぇっ!!


すいっませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!


 

俺は非常に頭を悩ませていた

度重なるお小遣いの無駄遣い、ゲームの課金

 

つまりは金銭問題だ、お金がないのだ

現在引きこもりニートの分際でこれ以上お金を貰うなんて行為は流石にダメだ

そろそろ姉も高校進学することだし、お金は大切である

 

さて、私も引きこもりニートになって長い

何を考えているのかというと、そろそろ外に出られんじゃないか?ということである

何故に引きニートになっていたのか、理由も忘れたくらいだ。そんな中で家から出られない方がおかしい

 

何をしようとしているのか察している人も居るだろう、そうなのだバイトをするのだ

バイトをしてお金を儲けて、ゲームをするのだ

 

だが、ここで考えてほしい、現在の俺の年齢は?

中学二年がバイトなんて出来るのか、答えはノーである

 

だから頭を悩ませているのだ

 

「お~ん、お~ん」

 

 

部屋の中で何度も唸るが何も解決はしない

 

ピンポーン

 

軽快な家の呼び鈴が鳴る

 

「お客さん?」

 

さてと、どうするか。今は家に誰も居ない。

ならば、俺が出るしかないのだが、正直に言って俺にコミュニケーション能力は皆無なのだ。

これが知ってる人なら良いものの、知らない人ならお察しの通りになる。

 

 

「仕方、ないか」

 

 

トタタタっ、と階段をかけ降りていく

 

降りている最中にもう一度、呼び鈴がなるが急かさないでほしい

 

 

「はいはーい、少し待ってくださいねー!!」

 

 

一応誰が来たか覗いておく

 

あれ?どっかで見たことあるような?

 

「はい~、どちら様ですか?」

 

「えーと、同じクラスの……」

 

この世界では珍しくない紫色の髪、どこかで見たことあるんだよなぁ

しかも同じクラス

 

ふと気付く

 

「もしかして、宇田川さんの妹?」

 

「お姉ちゃんのこと知ってるの!?」

 

驚き顔で詰め寄ってくる宇田川さんの妹

 

「あぁうん、まぁね。家の姉との付き合いもあるから、顔を会わせたことは無いけどね。それで妹さんは何をしに?」

 

2年生になってから学校にはあんまり行ってなかったから、俺を知ってる人は極少数だと思うけど

 

そんな中で、見知った仲でもないクラスメイトが家に来るのか

 

まぁ、そもそも友達は居ないけど

 

「あ、コレを持ってきたんだった」

 

「プリント?」

 

手に持ったプリントの内容を見てみるとそこには卒業式についてのことだったり

色々だ。

 

んん?でも、プリントならモカさんが持ってきてくれる筈

今までもそうだったし

 

ふむぅ、なるほど

 

「サプライズ、的な感じ?」

 

「おぉ、すごい当たりっ!!」

 

確かにサプライズなら今年卒業するモカさんには持ってこさせられないな

 

 

それにしても卒業式にサプライズ、かぁ

もう一度、内容を読み見る

 

面倒だな、正直に言って此処で俺がサプライズだけ卒業式だけ行くとか批判を貰いそうだ

 

良いね、女子は怖い

そうなるとメンタル的にも心がズタボロに

 

何とかその気持ちは顔には出さないようにする

 

 

「プリントありがとう、家上がってく?」

 

一応社交辞令だ

 

「う~ん、今日はいいや」

 

「そう、なら。また今度ね。バイバイ」

 

「バイバ~イ」

 

元気に声を出して別れの挨拶を告げる

妹さん

 

 

「どうすっかなぁ」

 

俺はまた1つ頭を悩ますのだった



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犯行


毎日更新27日目

久しぶりに投稿~
皆さん見てくださってるかな~?

本編どうぞ


 

卒業式のサプライズ……俺は行ってない

現在、俺は家でソシャゲのガチャを回しているところだ

考えに考えた結果、行かないことにしたということだ

 

自分でもクソだと思うし、最低だと思う

いやでも、流石に行くのもどうなんだ。という気持ちもある

 

だから、家に居て帰ってきたら卒業おめでとうと言えば良いだけだ

 

それなのに何故か胸のところがざわざわとざわめくような気がする

 

△▼△▼

 

外が暗くなってもモカさんは帰ってこない

母も慌てて、近所やモカさんの友達の家に電話を掛けたりしている

私は……なにも出来てない

父も今は仕事を早々に切り上げて捜索に出ている

 

自分があのとき一緒に学校に行ってたら、そんなことは思わない

それはもしの話で、そんなことを考えても仕方ない

 

「くそっ!!あぁ!!本当に世話の焼ける姉だっ!!」

 

ゲーム以外になんて使わないスマホを久しぶりに本来の使用方法で使う

モカさんの携帯へと電話をかける

既に母も電話をかけている筈だが、一応かける

 

数秒したあと、やっと繋がり

少しホッとした あとすぐに口を開こうとした直後

電話から聞こえたのはいつもの穏やかなモカさんの声じゃなく、知らない男の声だった

 

『おや~?モカちゃんの友達かな?それとも家族?』

 

一瞬 心が乱されるものの冷静に心を静めて話を聞く

 

「お前は誰だ。モカをどこへやった」

『ふむ、男のような口調なのに女の子の声。まぁいいか、どうでもいいな。さて、モカちゃんだが今俺達が確保して~今からあんなことやこんなことをしようと思っているところでーす』

「チッ、クソガ。どこに居ると聞いてるんだ下衆共が……」

『うーん、まぁ観客は多い方がいいもんなぁ?それじゃあ、今からいう場所に来てくれよー?』

「本当に下衆野郎共が……」

 

部屋の隠し扉の奥の更に奥に隠してある真剣を手に取ろうとして……止める

隣の木刀を手に取る

 

階段を駆け降りて、玄関の扉を粗雑に開け放つ

 

「──────!?────!!」

 

家の中から母の声が聞こえてくるが、それを無視して

走って走って走って。走る

 

夜の町を走る、不思議なほどに息は切れない

目は暗闇に食われない、まるで夜の動物のように夜が明るく見える

 

前までならここまでの速さは出ない、それでもそれでもまだ足りない

一秒でも……少しでも早く迎えに…姉を迎えに行かなければ

 

手のひらは固く握りしめていたせいで、赤く血が滴っている

 

「絶対に助けて、迎えに……そうして、お前らは嬲りご……っ!?違うそうじゃないだろう……」

 

俺は少しだけ自分が怖くなった

 

 

 

 



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決着


毎日更新28日目

今回は、うんその……バンドリ原作にあるまじき展開になりましたね
読むのは、控えた方がいいレベルでなんかクソなのでブラウザバックをオススメします

それでは本編どうぞ


 

 

1つの廃棄工場で男達が、騒いでいた

そのなかで1人囚われている少女

 

男はニタリと厭らしい顔をしながら、少女へと話す

 

「さてと、妹ちゃんかな?妹ちゃんが来るまで少し待つかな~?お前ら~まだ手は出すなよ~」

 

少女を脅しているのか、恐怖を植え付けるためか

わざとらしく、少女の妹のことを強調する

 

「えぇ~、早くヤりたいっすよ~」

「そうっすそうっす。JCなんて中々ヤれるもんじゃないんすから」

「バカかお前たちは、妹ちゃんが来たら姉妹で同時に犯せるンだぞ?」

「ほほっ、それは興奮するっ!!でも俺もう我慢できないです。手なら良いですかね?」

「はぁ、わかった手ならいい」

「よしっ!!やりぃ!!んじゃ、モカちゃ~ん?

一緒に楽しいことしようねぇ~?」

 

「んーーっ!!んーー!!」

 

男が近づき、話している内容はさっぱり分からない少女だったが、男が近づいてくるというだけで恐怖を覚え

口を縛られているものの叫ぶ

 

「ありゃ、そんな暴れちゃってぇ、涙でぐしゃぐしゃな顔も可愛いね~?」

 

男が嗤い、少女は声をひきつらせる

体をビクッとさせ、何もできなくなっていた

 

「それじゃあ、さっそ「触るな!!」…チッ、何だよぉ?」

 

△▼△▼

 

「触るな!!」

 

姉に今まさに下卑た手で触ろうとしていた男を睨み

叫ぶ

姉を見ると、まだ何もされていないようで安心する反面、泣いている姉を見て怒りが更に膨れ上がる

 

「おっと、早い到着だな妹ちゃん」

「姉さんを返せ!!」

「おっとと、誰もここに来たらお姉ちゃんを返すなんて言ってないよ?」

「チッ、この下衆が…力ずくでも返してもらう」

「そんな木刀1つでかなぁ?いやいや、俺達を嘗めすぎってもんだよ?なぁ!!お前達ぃ!!」

 

リーダー各の男なのか、ソイツが叫んだ瞬間に数人の男達が俺を囲む

個人個人が、鉄パイプやスタンガンを持っており

この状態では……

 

「でも、ここで引き戻せないよ」

「おぉっと?やる気かな、お嬢ちゃん。痛い目を見るか俺達と気持ちいい目に合うか、どっちがいい?」

「それなら、痛い目をみたほうがよっぽどマシだ」

「言ったな?覚悟しとけよ!!オラァァァッ!!」

 

鉄パイプを持った男が、大きい掛け声と共に俺の小さい体へと突進してくる

俺も叫びはしないが、木刀を手に男へと走る

鉄パイプを振り下ろした瞬間に、懐へと潜り込み

その硬い木刀を、男の股間へと振り上げる

確かな手応えと共に男は何も言えずに倒れる

 

男を見ると白目を向き、口から泡を出している

これでは当分起き上がれないだろう

ついでにもう一度股間を踏みつけておく

 

周りを見ると、誰もが青ざめた顔で自身の股間を押さえている

リーダー各の男でさえもだ

 

こんなやつらを相手してる暇はないので、即座に姉の法へと走りよる

 

「大丈夫……?安心して、もう大丈夫だから…ね?」

「ち、チノちゃん……何で、なんで来たの?危ないよ……」

「大丈夫……大丈夫だから。安心して?」

「…うん……わかっ…た」

「よかった……」

 

姉をぎゅっと抱き締めて、安心させるように背中を擦る

精神の疲労からか、眠ってしまった

 

「さて、帰るからそこを退いてよ。そこの男みたいになりたくなかったらさ」

「う、うるさい!!いくぞ!!」

「懲りない人達……」

 

一度姉を手放し、そばへと置く

またもやさっきと同じように3人ほどの男達が襲いかかってくる

1人は足を蹴りいれ、転ばし頭を思いっきり踏みつける

落としたスタンガンを拾い、そのまま次の男に食らわす

感電した男の股間を木刀で叩きつける

最後の肥満気味の男は、木刀で喉を突き スタンガンの最大出力で感電させる

 

そのまま倒れたところを確認すると顔を踏みつけておく

下にずっと強いていた男も勿論、スタンガンを使っておく

ビクビクとして、顔をあげさせると本当に気絶しているようなのでそのまま手を離しておく

 

「あとはお前だけだけど、どうすんの?」

「く、くそっ…なんでそんなに強いんだよ……聞いてないぞ……っ!?」

「そんなこと知らないよ……俺だって初めて知ったんだから」

 

実際、いつもより神経が研ぎ澄まされている気がするのは気のせいじゃないと思う

 

「こうなりゃ……殺してやる!!」

「なんでそう……頭悪いなぁ」

「知らねぇ!!……ははっ、これならお前でも抵抗できないだろ!!」

 

男が取り出したのは拳銃であった

いったい何処から持ってきたのか……明らかに使いなれてなさそうな

姉を類い寄せて、男の体の影に隠れておく

 

「死ね……っ!!」

 

男が拳銃の引き金を引いた瞬間……何かが爆発したような音が聞こえたと思った瞬間

男が悶えていた……拳銃が暴発したのか、片手が火傷し

拳銃の破片が腕に刺さっていた

少しこちらにも破片が飛んできており、頬が切れた

 

自滅してくれていたようなので、そのまま廃棄工場から姉を連れて出させてもらう

勿論、携帯電話で警察を呼んでおく

 

 

その後、少しボロボロになった俺と背負われたモカさんを見た母は泣きながら怒り

俺達を抱き締めた

 

 

その後、男達は捕まり。俺は警察の人からお咎めをもらった

これからは警察に言うようにとのこと、しかしただ1人でモカさんを救ったことは表彰され

国から直々に賞状を貰い、新聞にも一時期載ることになった

 

 



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まもなく再開です

久しぶりです皆さん

ですがこの作品は更新は遅いことは読者の皆さんは知ってると思うので余裕綽々で更新しておりませんでした。
バカは私です

短いですが、本編どうぞ


 

「チノちゃ~ん?行くよ~」

「はぁ、待ってよ。そんなに急かさなくても……」

「善は急げなのだ~」

「あー、イヤだぁ行きたくないよぉ~」

 

ズリズリと、家の玄関まで首根っこを捕まれ成されがれるままに引っ張っていかれてしまう。

本来ならその手を振り払うことなんて簡単なのだが…。

 

「ふふふ、チノちゃんがこうやってモカと学校に行くなんて。本当に大丈夫?」

「うぁ~、言っても高校と中学だから一緒なのかは知らないけど。大丈夫かと聞かれれば大丈夫じゃない」

「気をつけて行ってくるのよ?」

「うぃ~」

 

気のない返事をしながら、外でぽけ~と待ってるモカさんを見つつ靴を履く……履きにくくね?

 

靴を履く悪戦苦闘していると、どうやら来客のようで

外をチラリと見ると黒髪赤メッシュという奇抜な髪色をした蘭さんが居た。

モカさんを迎えに来たのだろうが、制服を着込んでいる俺を見て驚愕している。

そのことについてか、やいのやいのとモカさんと話してる。

 

「あっ、やっと履けた。それじゃ、行ってきます」

「はい、行ってらっしゃい」

「行ってきま~す」

「モカも新しい学校気をつけてね」

「了解なのだ~」

 

 

外へ出ると、新しい門出を祝うかのように春風に巻かれとんできた桜の花弁が手元に落ちてくる。

あぁ、憂鬱だ。

 

これからあるかもしれない、物事を考えて桜の花弁を握りつぶすのだった。

 

 

△▼△▼

 

「みなさん、少しの間学校を休んでいましたが今日から来ることになった青葉 チノさんです。仲良くしてくださいね」

「……どうも、青葉です。精神の不安定が原因で学校を休んでいましたが、復帰しました」

「自己紹介ありがとうございます。チノさんの席は、えーと、窓側の一番後ろの席です」

「……はい」

 

いよいよ、始まった中学3年の生活。

開幕そうそうだが、俺は今まで学校を精神の不安定で休養していたという扱いだったらしい。

正直、休みの理由なんて知らなかった。

 

そもそも、来なかった学校になんで今日きだしたのかというとだが……モカさんのゴリ押しである。

今までは俺が外に出れないから言うのを我慢してたらしいが、あの一件以来俺がもう外に出れることを知ってしまったモカさんは、それはそれは学校に行くことをゴリ押ししてきた。

今までは俺が外に出れなかったからセーブしていたみたいだが…。

 

それにしても窓側の一番後ろとは中々いい席じゃないか?

陽射しで机と椅子が暖かい……ほんわか。

 

「おーい」

 

1限目なんだったかな……勉強分かるかな。前のときにやったところだといいな。

 

「おーーい」

 

あー、ヤバい。ゲームのイベントどうしよ、いや今回はいっかパーティー構成的に上位にはいけないだろうし。

 

「おーーーいっ!!」

 

やばい……寝むみが半端ない。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉいっ!!」

「宇田川さんうるさいですよっ!!」

「ひゃうっ!?ご、ごめんなさい……」

 

なにやら隣が騒がしいなぁ……あっ、やばいま寝かけてた。

流石に初日から寝るのはいただけ…「ぐぅ~」抗えなかったよ。

 

 

 

 



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学校チノ





 

気がつけば二限目が終わるチャイムが鳴っていた頃だった。

初日から寝てしまうとは……、いやまぁ誰も話しかけてこなかったのなら問題じゃないんだろう。

 

寝てたの気づかれなかったのか無視されてたのか、それはそれで寂しい気もするけど。

授業が終わって各々友達と話す人や、開いた時間で本を読む人色んな人がいる。

 

そっか、学校てこんなだったっけ。

らしくもなく感傷に浸ってみる。

 

頬杖をつきながら1つ大きな欠伸をして、別に興味なんて何もありせんよとアピールしてみる。

まぁ誰も俺を見てないのだけど………。

 

それにしても女子中学生か、今では俺もその肩書きと立場ではあるけれど、そうだな昔はもっと違うことを思ってたりしたのだろうか。

女子中学生を見てもっと違うことを思ったのだろうかとかかなり危ない思考だな……。

 

そういえば、寝る前に誰かから話しかけられたような気もするけど……気のせいかな。

起きても話しかけてこないし、物珍しさから声を掛けてみただけなのかな?

 

それもまぁ、どうでもいいか。

知らない人のことを思い……だし…ても……うぅ、眠い。

慣れない場所に慣れない人集り、あといつもの徹夜疲れからか……一気に押し寄せてきたものだから眠いが過ぎる。

 

はぁ、元気そうだなぁ……化粧は流石にしてないか。

波田には艶と潤い、髪質にも気を使ってるのかサラッとしており制服を気崩す人も居ない……これが女子かぁ。

 

たいして俺は、幾分かマシになったもののパサついた髪に潤いなんてない肌……目の下の隈はデフォルトで常に目は死んだ魚のようである。

勿論全てケアすれば一級品に輝くことは間違いない、実際に自身の姉であるモカさんや母がそうであるのだから。

問題と言えば成長しない体型くらいであろう。

低身長にペッタンな胸部、小学生にしか見えない。

正直これ以上伸びる気配が見えないのも事実であるのだがもう少し身長は欲しい。

 

このからだの恐ろしいところもある、小さな体に似合わず怪力で身体能力も並のものではない。

ただ精神がイマイチであるのだが、外側のスペックに対して中身が伴ってないのだ。

 

つまりはなんだ、最近は少し体の性別らしく色々と気になって来てるということだ。

 

今度は欠伸の代わりに小さな口からため息が溢れる。

やっぱり学校はダメだ余計なことを考えすぎる、家でゲームしていた方がよっぽど精神に優しい。

 

そしてまたチャイムが鳴った……。

 

 

 

△▼△▼

 

ときは夕暮れ、勝手に抜擢されていた委員会の仕事を終わらせて学校から出ていこうとしていた最中である。

 

何故勝手に人を委員会などに入れているんだ。

不登校児の登校拒否に普通は任せないと思うんだけど。

 

だから学校は嫌だ……。

これに仲の良い友人でも居れば少しは違ったのだろうか?

学校に行くのが楽しみで仕方ないって人は本当に羨ましい。

まぁいいや、帰ろう。

 

トボトボと校門まで歩いていると、校門前に仁王立ちで1人誰かが立っていた。

俺よりは身長は高めではあるものの、平均的に言えば低い方に入る女の子かな、スカート履いてるし。

髪型はツインテール?なんだったかなあの髪型、まぁいいや。

しかし、そういえばどこかで見覚えがある。いや、誰だったか……。

 

「ふっふっふ、待ちわびたぞ!我こそは深淵の~、深淵の~えーとえーと……と、とにかくバーンとすごくて強い魔王だぞ!」

 

…………あぁ、中二病か。

この類いは本人には可哀想だけど放っておいてあげた方が良いだろう。

後に思い出して悶えていれば良いのだ。

見覚えがあると思ったけど、気のせいだろう。中二病の知人なんて居ないし。

しかもなんか、あやふやだし。

 

「ま、待って!なんで無視するのー!」

 

横を素通りしようとしたら抱きつかれた。

うっぜぇ、早く帰らして欲しい。

 

「あの、誰かは知りませんけど離してくれますか」

 

「そんなっ!覚えられてないなんてぇ……」

 

ショボショボと言った感じで涙目でこちらを見つめてくる。

俺は涙に弱いタイプの人間なんだ……。

えぇい!ままよ!

あとさき起こるかもしれない面倒事を全て無視して相手をしてあげることにした。

 

「はぁ、仕方ないですね。なにか用事があるなら早く話してください。早くしないと投げ飛ばしますよ」

「す、すごいカッコイイ!じゃ、なくて。本当に私のこと覚えてない?」

「……さぁ、わからない……いや待ってください。ここまでここまで出かかってます、もう少しで出てきそうな………ダメですね出てきません」

「そっか……でも仕方ないかな。私も大分変えたし。でもチノちゃんも大分変わったよね?前はそんなしゃべり方じゃなかったよね?」

 

前の俺のしゃべり方を覚えてる?

ってことは家まで来たことがある人間……んー、あっ思い出した。1人だけ居たな。

 

「えーと、もしかして宇田川さんの妹さんですか?」

「うんっ!そう!そうだよ!私ね宇田川 あこっていうのよろしくねチノちゃん!」

 

少し面倒なことになったかもしれないなぁなんて思いながら、自然と笑っていた気がした

 



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