戦鬼のヒーローアカデミア (ルオン)
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プロローグ

個性

 

それは()()、個人特有の特徴を示す言葉だった。

でもそれは、特徴の意味を示すと同時に()()()()へと変わった。

 

始まりは中国の軽慶市、発光する赤ん坊が生まれたという報道からだった。

その赤ん坊の誕生以降、世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至り、社会は超人社会となった。

そしてそれを機に、夢であったヒーローは職業の1つとなったと同時に、個性を利用して悪事を働く(ヴィラン)も現れた。

 

そんな世界で1人の少年が、山奥でとある老人と組手をしていた。

 

「フッ!!ハッ!!タァッ!!」

 

「まだまだ!!腰をいれて拳を打たんかい!!」

 

「はい!!」

 

言われた少年は、老人へ更に拳を打ち込む。

が、老人は少年の拳を簡単に受け止め、少年を投げ飛ばす。

 

「あだっ!?」

 

「バカもん!!投げられた際の対応の仕方を教えたじゃろ!!」

 

「は、はい!!」

 

「よし!!もう1回打ち込んでこい!!」

 

「はい!!」

 

言われた少年は、めげずに何度も打ち込み、老人へと挑んでいく。

だが、少年は何度も投げ飛ばされる。

 

「どうしたどうした?その程度なのか?お主の力は?」

 

「くっ!!…………だったら!!」

―キーン―

 

少年は音叉のような物を取り出して音を鳴らし、額へと持っていく。すると額に鬼面が現れ、少年は紫の炎に全身を包まれる。

 

「ふぅぅぅぅ…………はぁ!!」

 

やがて少年は炎を弾き飛ばし、鬼の姿へと変わった。

 

「ほほう……鬼で来たか。では儂も少し本気出すかの!!」

 

「いきます!!」

 

鬼となった少年は、再び老人へ向かっていった。その際に右手に球体を作り出し、老人へ叩きつけようとするが、叩きつける前に蹴り飛ばされてしまう。

 

「ぐっ!?」

 

「どうしたどうした!?そんなんじゃ強くなれんぞ!?」

 

「まだまだぁ!!」

 

鬼となった少年は再び、老人へと向かっていく。

それから数時間が経ち、少年は山奥にある寺へとおり、老人と向かい合って座っていた。

 

「響助よ、お主も13となり、お主は遠い先祖たちと、その友、そしてお主自身の力を使いこなせるようになった」

 

「はい」

 

「よってお主には、儂の力【雷凰(らいおう)】を引き継いでもらいたい」

 

「なっ!?」

 

響助と呼ばれた少年は、老人の言い出したことに驚く。

 

「何を言い出すんですか師匠!?」

 

「よく聞け響助、儂ももう歳じゃ。今の体では名のある敵を相手にしても、辛うじて勝てるか、別なヒーローが来るまでの時間稼ぐことしかできんじゃろ。そして儂もいずれ死んでしまう」

 

「師匠!!何を言って!!」

 

「落ち着け。儂とて人間、いずれは寿命でこの世を去る。コレは必然なことじゃ。じゃから今のうちに、儂の力の()()を若き世代に継いでもらいたいのじゃ」

 

「でしたら俺じゃなく、あの方々に継いでもらえばよろしいではないですか!?俺には既に、数多くの力が宿っています!!とても使いこなせるとは思えません!!」

 

「あやつらから、お前ならば使いこなせると言っておるのじゃ」

 

「あ、あの方々たちが?」

 

響助は、師匠と呼ぶ老人の言葉に耳を疑う。

 

「奴等に儂の力の1つを継がせに行った際、雷凰の力も継がせようとしたが、皆口を揃えて、お前に継がせてほしいと、お前ならば使いこなせると言っておった」

 

「皆さんが……」

 

「そうじゃ。儂自身も、お主ならば使いこなせると思っておる」

 

「師匠……」

 

「力を……継いでくれるな?」

 

「……はい」

 

「では、儂の方へ来い」

 

「はい」

 

響助は言われた通り、師匠の元へと近づく。

すると師匠は、響助の胸へと手をつける。

そして

 

「ふぅ…………はぁ!!」

 

「ッ!?」

 

師匠の手が光、その光が響助の体へと入る。

 

「どうじゃ?違和感はないかの?」

 

「はい、特にありません」

 

「ならばよし。言っとくが、雷凰はお前に行き渡ったことで最初の状態となっておる。雷凰を進化させるのは、お主次第じゃ。毎日の修行を怠るなよ?」

 

「はい!!」

 

「最後に……お主はどんなヒーローになりたい?」

 

「俺は…………人々の心の支えになれるようなヒーローになりたいと思います!!」

 

「では行け、行って勉強をし、修行をこなし、雄英へ受かってみせい!!そして、青春を謳歌してこい!!」

 

「はい!!」

 

「そして!!女子とにゃんにゃんして、恋をしてこい!!リア充爆発しろぉおおおお!!」

 

「は…い……?……え?師匠?」

 

「行ってこぉおおおおい!!」

 

「ぎゃあああああああ!?」

 

響助は、師匠に自分の荷物と一緒に、その場から投げ飛ばされた。

そしてこの時から、少年こと波風(なみかぜ) 響助(きょうすけ)の、ヒーローになる運命の歯車が動きだしたのだった。




ということで、響鬼とヒロアカの作品をリメイクした作品です!!

次回は響助の日常の話になります。
次回も是非読んでください!!


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