魔物の主人 (光車)
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1章 果て無き世界へ行き着くまで
1話 ドラクエの世界に生まれて。


俺はルミア。

所謂転生者て奴だ。

何故か転生時に女の子になってしまったが。

 

とりあえず、転生モノって大抵チートを貰うよね。

俺が転生してチートで貰ったと思える能力、それはモンスターマスターとしての力。

最も劣化版。

モンスターマスターとしての力は弱い。

 

なぜか。

それは、一体しか戦闘に出せないから。

 

俺がじいちゃんに拾われた時には既に俺はとある指輪をしていた。

これによってモンスターを連れ歩ける。

が、戦闘に出せるのは一体だけなのだ。

 

まあ、戦況によって出せるモンスターを変えれるのは良いことだな。

 

あ、あくまでも一体しか外に出せないというだけであって、同時に何百匹も連れ歩くことは出来る。

だから完全な劣化って訳でもないか。

あ、後従えられない魔物ってのもいる。

DQMに一切出てこない魔物だね。

 

という事らしい。

何故か知ってた。

 

でも、今はモンスターを連れていない。

だって普通に生活してても、モンスターなんて従える必要ないし。

 

でも、それも今日で終わり。

せっかくドラクエの世界に転生したんだ。

旅をしなきゃ損だろう?

 

***

 

「じいちゃん、ばあちゃん、今までありがとうございました」

 

じいちゃん達のお墓の前で、お礼を言う。

じいちゃん達はもう寿命で死んじゃってるけど、今でもその顔と声は覚えている。

昔は荒れてた俺を止めてくれたし、本当に優しかった。

だから、俺はじいちゃん達が好きだ。

例え血が繋がってなくても、この世界で唯一の家族だから。

 

っと、柄にもない話をしてしまった。

まあ、行くか。

 

さあ、俺の冒険の始まりだ!

 

***

 

俺は早速職業に就く。

ダーマ神殿は近くにあるし。

 

俺が就いたのは………。

戦士だ。

戦士で剣スキルを上げ、他の職業でも剣スキルが使えるようにする。

先ずはスライムでお試しだ!

 

ダーマ神殿を降りて、外の草原で戦う。

ここにはスライムも出る。

だから、それで戦う。

 

剣を装備して、スライムに近付き………。

そのまま一撃!

 

スライムは吹っ飛ばされるけど、倒れてはいない。

それどころか攻撃してきた。

 

「うわっ!」

 

慌てて避ける。

………戦闘に慣れてないせいか、あまり戦えないな。

 

剣スキル0で使えるのは何も無いから、地力で倒さなきゃならない。

気を引き締めなきゃ。

 

再度斬りかかる。

けど、今度はスライムは吹っ飛ばず、逆にはじき返してきた(・・・・・・・・・・)

 

「………え?」

 

その硬直を狙われて、スライムは俺に体当たりする。

幸い体勢が崩れていたこともあり、紙一重で当たらなかった。

だが、豪速球の球が目の前を通っていって、戦闘素人の俺が冷静でいられる訳がなかった。

 

「………うそ、だろ?何だよ今の………」

 

掠ってすらいないのに、俺は怯える。

その隙にスライムは横に揺れ、

 

スライムが近くから寄ってきた。

 

「んな!」

 

そして、そのスライムがまた揺れ、

 

スライムが三体集まって。

 

スライムタワーが生まれてしまった。

 

「………ッツ!」

 

俺は意を決して攻撃を放つ。

当然ダメージなんて殆ど与えられない。

 

けど、よく見れば。

よく見れば、浅いけど、傷が付いている。

先程入れた一撃のダメージは無いみたいだけど。

 

と、よく考えてみたら、MP使えば何とかなるんじゃね?

みたいな感覚で、MP、つまりはこの世界に転生してから感じていた物を入れてみた。

雷をイメージして。

 

すると、剣に雷が纏わり付いた。

といっても、弱々しい雷だ。

ダメージなんて期待できない。

けど、やらないよりはマシ。

そう思い、斬撃を繰り出す。

 

それは、先程よりも圧倒的に早く。

 

スライムタワーに少し深い斬撃を刻みつけた。

 

「………な!?」

 

俺は予想外すぎてびっくりする。

ダメージなんて碌に期待してなかった。

けど入った。

これは………いける!

 

そう確信した直後。

 

スライムの体が盛り上がり、その傷を塞いでしまった。

 

………嘘だろ?

 

いや、でもやらないよりはマシ!

だが、こちらが攻撃するより前にスライムタワーは突っ込んできて、着地の瞬間に回転して攻撃を放ってくる。

 

……避け切れるか!?

 

ギリギリまで後ろに下がったが、僅かに擦り、それだけで吹っ飛ばされる。

 

「………ぁ」

 

受け身なんてまともに取れず、背中から一気に落ちる。

 

「あ、っく」

 

その痛みで悶絶し、動けなくなる。

その間でスライムタワーは近づいてきて。

 

無慈悲なヘッドバットで最後の気力を押しつぶされた。



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2話 専用武器

気付くと俺はベットの中だった。

………あれ?

ここは?

 

此処は何処?

 

「おや、漸く起きたね。調子はどうだい?」

 

この声は………。

 

「神父さん!」

 

「急にそこに現れるからびっくりしたよ。まさか初日でやられるなんて」

 

………うっ。

 

「スライムタワーにやられました………」

 

「スライムタワーだって?何でそんなのに挑んだんだい?」

 

え?

 

「いや、スライムに攻撃したんですけど………。仲間を呼ばれてスライムタワーになってしまって………」

 

「………ああ、それは………。まあ、気にするな」

 

あ、まあ、………。

うん。

仕方ないのかな?

 

………ええ………?

どうしよう。

此処らへんの魔物相手には勝てないのか?

 

………もう一回行ってみるか!

 

スライム………見つけた。

 

また、斬りかかる。

今度はちゃんと切れる。

けど、足りない。

 

………何か、物足りない。

 

そんな思考の途中、スライムが跳んで来た。

避けきれずに当たってしまうオレ。

 

その一撃で俺は意識を失った。

 

***

 

「全く、またですか。ルミアさん、少しは自重してください」

 

「………はい」

 

肝に命じておきます………。

 

あれから数回、何度も死に戻りし続けた結果、神父さんに怒られてしまった。

オレ、剣向いてないんじゃ無いかな………。

もうちょっと火力が出た方がいいな………。

 

そうだ!

武器を変えよう!

 

槍を装備する。

 

それでスライムに挑戦だ!

 

 

いつもの如く、スライムに突っ込む。

今度は突き。

突いて突いて、突いて。

5回ほど突いた所で、回避されてそのまま攻撃された。

回避はできない。

なら!

 

オレは槍を横にして受ける。

その直後、右手で持って、槍でスライムを払う。

それでスライムは少し吹き飛ばされたが、それでは終わらない。

そのまま回転しながら槍の先端部分をスライムにぶつける!

 

それは、穂先の根元部分が当たった為ダメージはそれほどでも無い。

けど、これならいける。

 

「はああぁ!雷鳴突き!」

 

かっこよく名前を付けてみた。

先ずは右手を後ろにして右手の力だけで突く。

左手は補助だ。

次に右手を滑らせて前に持っていく。

左手を離して、右手の後ろに持って行き、また付く。

最後にそこから自分を回転させて、スピードを付けたまま槍を回す。

そして、突く。

 

………この世界って思うように体を動かせるから便利だよね………。

まあ、とにかく、その試みは見事に成功し、スライムに大ダメージを与える事に成功した。

 

しかし、そのスライムは最後の力を振り絞ってプルプルした。

スライムは仲間を呼んだ!

 

スライムBが現れた!

 

「………ふざけるなー!」

 

結局オレはそのあと死に戻りした。

 

***

 

そのあと試行錯誤して、オレに合った武器を考えて、オレに合っているのは『鎌』だという事が分かった。

 

偶々知り合いに鎌を持ってる人がいて、それを使った。

 

武器名は『じごくのおおかま』。

これ、かなり使えそうだ。

 

「《雷鳴刺斬》!」

 

何となく浮かんだ名前を言いながら放つ。

 

それは、これまでオレが放っていた物とは威力が桁外れだった。

風切り音?

そんなもんじゃない。

轟音とも形容すべき音がなって、オレがこれまでやってきた行動がほんの1秒ほどで終わった。

 

オレは驚いて、目を見開いた。

まさかここまでのことができるなんて。

早速試したくてスライムに戦いを挑んだ。

 

「《雷鳴刺斬》!」

 

それを放つと、一撃目でスライムは大きく抉り取られ、二撃目で体の大部分が消滅。

そして、三撃目で体が切れ、消滅した。

 

………凄い、な。

 

よし、じゃあスライムタワーとも戦ってみよう。



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3話 因縁の対決?

スライムが三匹集まって、スライムタワーになった。

そこから戦いは始まる。

 

「《雷鳴刺斬》!」

 

放つ。

が、一撃目、二撃目は避けられ、三撃目は命中したものの掠っただけ。

殆どダメージは入っていない。

 

一瞬の硬直。

その隙にスライムタワーはオレに向かってヘッドバットを繰り出す!

 

「ぐあっ!」

 

当然オレは吹っ飛ばされる。

ダメージは大きい。

 

「………ッ!」

 

だけど何とか立ち上がって、何とか攻撃を加える。

だが、それはなんとも弱々しい軌道を描き………。

 

スライムタワーの防御により容易く受け止められた。

 

「く、っそ!」

 

後ろに下がるが、鎌の重さでよろける。

 

「あっ、」

 

そのまま尻餅をついてしまう。

その後は攻撃されて。

 

からくも鎌で防ぐ。

 

そして、尻餅をついた態勢のままから短い刃を叩きつける。

僅かに切り裂いたのか、若干スライムタワーに切り傷が生まれる。

それは前の時と同じように治ってしまうかと思い、事実その通り治った。

 

「クッソ!」

 

悪態を吐きながらオレは立ち、もう一度駆け出す。

そして思い付きの技を試す。

 

「《死神》ィ!」

 

オレは神速でスライムタワーの後ろに回り、鎌を振り抜く。

 

それはスライムタワーを持ってしても防げず、

スライムタワーをバラバラに引き裂いた。

 

***

 

………やった、のか?

 

数秒経つ。

が、スライムタワーが起き上がってくることは………あった。

 

〜スライムタワーが起き上がって仲間にして欲しそうにこちらを見ている〜

 

「ピッキー!」

 

思わず鎌を構えたが、一向にスライムタワーが攻撃してくる気配はない。

そして、オレはオレがつけている指輪が発光している事に気付いた。

 

………まさか、仲間になったのか?

 

「………えっと、スライムタワー?」

 

「ピッキ?」

 

あ、仲間になったわ。

これ。

 

〜スライムタワーが仲間になった!〜

 

………まあ、戦力が増えたのは大歓迎だな。

予想外ではあったけど。

 

と、スライムタワーが光になり、指輪に吸い込まれていった。

………うん、これで大丈夫。

 

にしても、さっきの技………。

よく発動したな。

まあ、後で練習しよう。

 

そしてその後、そこら辺にいるモンスターに対して《死神》を使い続け………とは行かずに、MP切れで直ぐに発動できなくなった。

 

正直言って《死神》が生命線だった為、直ぐに死んだ。

 

***

 

死神の練習は、少しでも早く動けるようにする事だ。

 

やはりこの世界の体は便利だ。

どういう風に動かしたいか思うだけで動ける。

いや、自分も動かなきゃいけないんだけど、それに補正というか、思うように動けるようになってるのだ。

 

勿論訓練しなきゃいけないし、完全に思うように動けるわけじゃない。

けど、ある程度は簡単に出来るというか………。

少なくとも一定ラインまでは思うように動けるのだ。

 

これのおかげで歩術『神速』が完成した。

そしてこれで相手の後ろに回り込んで、後ろから斬りつける。

これが《死神》。

 

それになんでMPを使う理由は。

 

MP、つまり魔力を放出して鎌を加速させているから。

でも、それをやると直ぐにMPが切れてしまうから、移動だけにしている。

 

………本当にどうやって移動してるんだろ。



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4話 宝の地図

鍛治といえばドミールの里。

と言うわけで、サンマロウに行く。

 

というのは建前で、魔物を倒してたらサンマロウ地方の宝の地図を見つけたから。

 

どれ程の力を持つのか気になる。

 

地図名は、見えざる星々の氷河Lv63。

 

………ん?

え、Lv63?

しかも見えざる?星々?氷河?

え、最高レベルじゃん。

 

勝てるのこれ?

 

………ま、まあそれは置いといて。

行く方法は簡単。

ルーラ結晶を使用するだけ。

ルーラ結晶とは、船を使用せずに移動する為に作られた道具。

結晶には主要都市に行くルーラが登録されていて、一回買えば何度でも………とは行かないものの、50回使える超便利道具だ。

まあ、一回使い切りの他に、10回、50回、100回、そして無限のルーラ結晶があって、それぞれ値段が違うんだけど。

 

まあルーラが普及されているわけではないから、まあ無限のルーラ結晶を買われることが多いね。その影響でキメラのつばさが使われなくなったけど。

全くって訳じゃない。

本家のルーラはMP使うし、ルーラ結晶は高いし。

キメラのつばさはある程度応用が効くとして使われる。

けどまあ、使われることは少ないよね。

 

て言うわけで、サンマロウにルーラします。

 

「サンマロウ、ルーラ」

 

オレはその場から消え去った。

 

***

 

サンマロウ到着。

一瞬だった。

呟いた直後に気付いたらここにいた。

 

………まあいいや。

さっさと宝の地図の場所探そ。

下に川があるから………。

ここか。

 

移動する。

 

「ギヤあゝ!」

 

ッツ、ピンクモーモン!

 

鎌を構えて、担ぐように振りかぶる。

そしてピンクモーモンを斬りつける。

が、大したダメージになってない。

MPは出来るだけ使いたくないし〜〜ッ!

 

そうだ、こうすれば!

 

「《幻魔》!」

 

ピンクモーモンは攻撃してくるが、虚しく空を切る。

オレはその隙に切りつけて、直後持ち手を前に出して、ぶつける。

ピンクモーモンは派手に吹っ飛び、消えた。

 

………ふう、倒せた。

オレはそのまま進む。

 

***

 

やっと見つけた。

 

該当箇所。

 

そこで宝の地図を高く掲げる。

 

すると、宝の地図が光り、洞窟が現れた。

同時に地図が消える。

 

オレはその洞窟に入った。

 

***

 

寒い。

 

寒すぎるだろこれ!

 

って、ひょうがまじん?

ナイトキング?

 

ちょっと待て。

ヤバイ、ここ。

死ぬわ!

 

………でも、やるっきゃない!

 

「《紅蓮刃》!」

 

焔を纏った鎌がひょうがまじんに当たって、弾かれた。

 

「ッツ!」

 

ナイトキングはその隙に攻撃してきて、からくも防御。

けど、弾かれて壁にぶち当たる。

 

じごくのおおかまは健在だけど。

 

と、とにかく攻撃しなきゃ!

 

「《ソウルイート》!」

 

刃にMPを纏わせて、吸引するイメージで攻撃する。

 

ひょうがまじんが即死した。

 

「………え?」

 

え?

ドユコト?

何で一撃で?

 

「………即死効果?」

 

ナイトキングは突っ込んできて、

 

反射的に裏刃で防御、だけど今度は剣が滑り、ズレたもののこちらに!

ギリギリで避けて、

ナイトキングは転んだ。

 

「………え?」

 

………。

ま、まあ今の内に攻撃を仕掛ける。

 

攻撃。

今度は当たらない。

 

ッツ!

早い!

けど、今度はカウンターを!

 

「《受け流し》!」

 

そして、何とかタイミングを合わせて防御を重ねて、相手の力を利用した一撃を放てた。

それはナイトキングを一撃で倒した。

 

「………ふう、倒せた。………次からは戦わずに先に下へ行こう」

 

そう思った。



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5話 マンモデウス

オレは命からがら洞窟を突破していた。

そして、16階層。

 

プラチナキングが現れた。

 

………え?

 

「えええええええ!?」

 

見渡せばそこら中プラチナキング。

こ、これは経験値大量取得のチャンス!

 

先程覚えた魔神斬りで攻撃。

 

【会心の一撃】!

 

プラチナキングを倒せた!

よっしゃ!

 

既にレベルは70程まで上がっているが、また上がった。

なんでこんなに上がってるかって?

………。

いや、だってそりゃあ、自分より圧倒的に強い相手と戦えばこうなるよな?

そして、何十体と倒し、レベルが99まで上がった後、もう一階下がった。

 

 

そこは氷のフィールド。

奥には氷の柱が立っており………。

 

そこには。

 

 

象がいた。

 

 

え?

え?

そんなモンスターいない筈だけど。

 

ってまさか!

 

「マンモデウス!?」

 

ーーパオオオオオオオオオオン!ーー

 

洞窟全体を揺らすような音と共に、世界が割れた。

 

そして、空間は異次元へと移行する。

 

そこはとても広い雪の空間。

目の前には巨大化した、いや、元の大きさに戻ったマンモデウスがいる。

 

「ッツ、いくぞ!」

 

オレは一瞬怯むが、でも直ぐに突撃。

 

「《煉獄双斬》!」

 

焔を纏ったギロチンがマンモデウスに襲いかかる。

マンモデウスはそれを受け、

だがしかし、ダメージはほとんど受けていなかった。

 

「ッ、《断頭台》!」

 

違う技を放つ。

が、それはマンモデウスの頭を捉えただけであり、全くもって切れていない。

 

マンモデウスは硬すぎるのだ。

 

………まさか最高レベルでこんなに苦戦するなんて!

 

強すぎる!

 

オレはそのまま攻撃。

一撃一撃は浅いものの、ダメージは確実に与えれている。

テンションを奪うタメトラ攻撃でなんとか戦えているものの、それでもダメージがほとんどない。

だからといってテンション最大まで上げようとすれば絶対強力な魔法やブレスを放ってくる。

具体的に言えばマヒャデドスとか絶対零度とか。

 

とにかく、避けて避けて避けまくって、攻撃しなきゃ一撃死する。

現に今避けた攻撃は、空間を割っている(・・・・・・・・)

 

………このままではまずい。

本気で負ける。

 

だから、次の攻撃で終わらせる。

 

傷はつけた、テンションは奪った。

 

ならあとは!

 

「《テンションバースト》!」

 

テンションが最大まで上がる。

心が興奮して、同時に力が湧き上がってくる。

 

そして、オレのMPを全て消し飛ばして使う、オレの最強の一撃を放つ!

 

「《てんぺんちい》!」

 

天からの星が降り注ぎ、それがマンモデウスにぶち当たる。

 

ーーPAOOOOOOOOONNNーー

 

悲鳴を上げながら倒れていく。

 

そして、マンモデウスはしばらくもがくが、しかしそれも最後の抵抗。

 

だが侮ることなかれ。

全長五十メートルを超える超巨大モンスター。

その上、モンスターとしての格もとても高い。

 

それが我武者羅に暴れたら。

 

どうなることかなど目に見えている。

 

辺りに氷のレーザー、絶対零度が何十本と駆け巡り、その間を氷の塊、マヒャデドスが追い打つ。それによってオレは………。



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6話 冥獣王ネルゲル………?へ?

爆炎。

 

炎が舞い上がり、絶対零度の攻撃から守る。

その炎の中に、彼女はいた。

 

「………ふう、なんとか生き残れた………」

 

オレはなんとか生き残れたが、これかなりきつい。

何せMPはほぼ尽きていた。

なのに最大MPを下回る程の威力を出したのだ。

もう苦しい。

 

………でも、なんとかオレはマンモデウスのいた所にたどり着く。

そして、そこにある地図を見る。

 

そこには、

 

ネルゲルの地図Lv1

 

地図があった。

 

え?

 

………え?

 

………まあいいや。

 

とりあえず、転職しよう。

スキルポイントを振り分け、戦士スキルを上げて、基礎値を上げる。

 

転職、しに行くか!

 

***

 

転職で賢者になって、相変わらず鎌を使って戦うオレ。

もちろんレベルは99まで上げてからネルゲルの地図の場所を探した。

 

そしてオレはネルゲルの地図の該当場所にたどり着いた。

ネルゲルの地図を解放する。

 

それによって洞窟が現れる。

そして、そこにいたのは、緑色の巨体の獣だった。

 

「我は冥獣王ネルゲル!! 全ての死を創り出し、全てを死に帰せし者」

………ッツ!

なんて圧力!

 

さっき戦ったマンモデウスとは比べものにもならない!

 

「ゴオオォォォォ!我の前に立つ者全てに等しく死を与えん!」

 

そして、空間を破り、オレに襲いかかってきた!

 

ここで思った事。

 

………お前ら空間割るの好きだな!?

 

***

 

宇宙空間みたいになった。

そこでは冥獣王ネルゲルがいる。

勝ち目は、ある!

 

攻撃してくる。

防御しようとして、咄嗟に避ける。

 

冥獣王ネルゲルの攻撃は、足元を砕いた。

………え!?

嘘でしょ!?

 

………気を取り直して、攻撃!

 

違う足場にたどり着くと、オレは攻撃を開始する。

 

「《制裁雷光》!」

 

賢者になって使えるようになった、魔法系の特技。

それで攻撃。

だが、大したダメージを与えれているようには思えない。

………一応光属性なんだけどね。

 

にしてもこれで足りないか。

………辛いね。

 

「《光刃》!」

 

放って、だがダメージは通らない。

 

………カウンターしかないな。

 

「《ギャンブルシールド》」

 

それで防御。

 

冥獣王ネルゲルはそこに不用意にも殴ってくる。

もちろんギャンブルシールドが発動して、ダメージが向こうにようやく入る。

 

受け流されて大きなダメージを受けている隙に。

 

「《魔神斬り》!」

 

流石にこんな大きな的を外すとかあり得ない。

普通に当てて、ダメージを与えていく。

 

「《超暴走ベタナマータ》!」

 

強引に当てていく。

 

って、

 

あ、終わった。

 

冥獣王ネルゲルが消えた後には、鎌が残っている。

それを持つ。

 

…重っ。

 

………後でカスタムしよう。

そうすればなんとか使えるかも。

 

地図は………。

 

命の地図Lvーー

 

ええ?

 

ナニコレ。

命の地図?

しかもLvないじゃん。

………まあ、後で行くか。

 

様子見で転生したらすぐいこ。

 

***

 

その後、オレは転生してレベル1に戻った。

けど、なんか魔力がかなりある状態だし、力も凄い事になってる。

さて、命の地図の所に行きますか!

 

 

………で、場所何処?

 

サンマロウじゃないし、ダーマでもない。

セントシュタインでもないし、その他何処でもない。

 

いったい何処だ?

 

オレは暫く探し続けた。



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7話 命の地図

あの後、どうやったら見つかるのかわからないオレは他の宝の地図を攻略しまくった。

その影響で、今の従えているモンスターはこんな感じ。

 

ファイナルウェポン

ゴールドマジンガ

ゴールデンスライム

プラチナキング

スライムマデュラ

スライムタワー

メタルブラザーズ

ナイトリッチ

ひょうがまじん

竜王

グレイナル

エスターク

 

うん、なんかおかしい。

スライム系が異様に仲間になりやすかった。

 

後、なんか宝の地図のボスも仲間になった。

やめろ。

 

………まあいいんだけどさ?

戦力は必要だし。

 

レベル99までまた上がった。

今度は全職業を99まで上げた。

 

で、もう転生しても意味ないし、99の賢者で行こう。

 

***

 

そこら辺で地図を広げる。

いったい何処だ?

これ。

 

………って、この大きな木。

 

もしかして、あれかな?

 

オレはグレイナルに乗せてもらって早速その場所に行ってみる事にした。

 

そして、十数分後。

着いたところは、雨の島。

 

世界樹の葉が落ちてる所だ。

 

そこで地図を広げてみる。

すると………。

 

地図が光り、洞窟が出現………するのではなく、オレが引き込まれてしまった。

 

***

 

………うう、ここは………。

 

なんかフワフワする。

 

目を開けてみると、体の下にあったのは、なんと綿。

というか多分雲。

 

そんな、雲でできた迷宮なんて聞いたことがない。

 

…まあ、とにかく行きますか。

 

ちなみに武器は、絶望の大鎌・改。

例の冥獣王ネルゲルが落とした鎌を改造した奴。

持ちやすくもなってるし、使える。

 

と、魔物が出現。

 

………って!

 

これって、え?

嘘でしょ?

 

そのモンスターは、JOKER。

神獣と呼ばれるモンスターだ。

 

それに加えて、クインガルハート2体、ディアノーグエース3体。

………マジか。

でも、こっちもタダじゃやられない。

 

というか負けれない。

 

まずはJOKERに斬りかかって、

 

「《死神》!」

 

殺す。

 

直ぐにJOKERは消えるけど、もう関係ない。

次はクインガルハート。

 

炎を出してきて、オレはそれを順々に避けていく。

 

だが、最後の一発が当たってしまった。

 

「あづ!」

 

正確には熱いどころの騒ぎではない。

灼け爛れ、一瞬にして死ぬ程の熱は持っていた。

ただそれがオレには死なない程度でしかないだけ。

 

「〔エスターク〕、《ギガブレイク》!」

 

エスタークを召喚して、ギガブレイクを使わせる。

それでディアノーグエース一体以外は全て処理終了。

 

そして、最後にディアノーグエースに対して攻撃。

それでディアノーグエースは死んだ。

 

………ふう。

こんなのが出るって事は、ボスは神様とかそういう奴かな?

 

オレはそんなあたりをつけて、先に進んだ。

 

***

 

5階層。

 

新モンスターが出現した。

 

モンスター名は『狂聖龍の眷属』。

 

………え?

狂聖龍?

 

なんかやばそうな雰囲気。

 

剣やら弓やら槍やらを使ってくるから苦戦。

だけど、なんとか撃破。

 

そして、そんな狂聖龍の眷属の大群を倒して続け、17階層下がって。

 

やっとボス部屋。

 

到着した所にいたのは、

 

『狂聖龍・朧』

 

紅いオーラを放つ純白の竜だった。



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8話 狂聖龍・朧

ーーGHAAAAAAaaaa!!!ーー

 

 

そんな咆哮が迷宮の雲を晴らしていく。

そして、雲が足元に集まって、雲のフィールドが完成した。

 

「ッツ!」

 

オレはその直後に足元(・・)から紅いレーザーが貫く。

右に避けるが、そこに今度は上から発射。

 

直撃してしまう。

 

なんとか耐えて、そして攻撃しようとした瞬間、

狂神竜・朧は光り輝く光線を放った。

 

同時にそれぞれの魔法の最高火力魔法も。

 

「ちょ、対応できないって!」

 

オレには運良く直撃しなかったが、最早不利有利なんて状況ではない。

 

もう負けが確定………?

 

「あ、そうだ。

 

モンスター全員解放」

 

モンスターを全員解放すれば勝てるのでは?

という僅かな希望を。

 

エスタークはギガブレイクを放ち、ファイナルウェポンとゴールドマジンガは矢を大量に降らす。

スライムタワーとメタルブラザーズはそれぞれの雨を降らして、他の魔物達も思い思いの攻撃を放つ。

 

だがそれは狂聖龍・朧が放つ大量の紅いレーザーによって対消滅した。

 

「………クッソ!」

 

オレは最後の勝ち筋を願い、走る。

 

狂神竜・朧は魔物達に意識を向けているようで、こちらには攻撃してこない。

 

だから、その隙にオレは、絶望の大鎌は振りかぶって、

 

「《死神》」

 

放った。

 

それは狂聖龍・朧に命中し、傷を付けはしたが………。

 

それだけだった。

 

「《木枯らし》」

 

次の攻撃を放つ。

 

これは一応即死効果付きの体力吸収技。

けど、ダメージは与えられたものの即死は効かない。

 

「………マジ、かよ」

 

勝ち目がない。

そう察してしまったオレは、膝をついて、

 

『クククククク』

 

赤黒いオーラを纏った変な奴が現れた。

 

狂邪神・朧。

それがこの魔物の名前。

 

ーーGHAAAAAAaaaa‼︎ーー

『クククククク!』

 

その二体のモンスターは目の前で大災害とも言える戦いをする。

 

「………ッ、みんな、モンスター全員収納」

 

この余波でモンスター達が死なないようにする。

 

そしてそれは………。

 

正解だった。

 

空間が破れて、破れて。

何度も何度もぶつかって、その度に世界が誇張ではなく崩れかける。

そして、気付いた時には世界は変わっていた。

 

周りは銀河がある。

闇夜に包まれた世界。

即ち宇宙。

それがここ。

 

勝てない。

 

でも、本能的にこれをクリアしなきゃ死ぬと、直感できたから。

 

オレは、その2つに突撃した。

 

***

 

狂神竜・朧が倒れ、消える。

後にはボロボロの狂邪神・朧が残り………。

 

そこにオレは突っ込んだ。

 

「《死の宣告》」

 

そう、口から紡ぎ、鎌を構え、

 

振り抜いた。

 

それは、狂邪神・朧に命中し、

 

黒いオーラが狂邪神を包み込んだ。

 

あとは、逃げ切るのみ!

 

『クククククク!』

 

心なしか憤ってる感じが伝わってくる。

 

………こいつの鳴き声クククなんだ…。

って、そんなしょうもない話を考えてる暇はない。

 

狂邪神は右手を上げて、そこから大量の光弾を天に発射。

それがオレに降り注ぐ。

 

オレにはギリギリ当たらず、しかし狂邪神は次の攻撃を用意している。

 

『クククククク!?』

 

しかし、それが放たれる前に、狂邪神は崩れ落ち、

 

『クク…ク…ククク………ク、』

 

消え去った。

 

直後、オレをなにかが包み込んで、

オレもこの場から消え去った。



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