遊戯王 WIND SEEKER (鐡 銀)
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一章
プロローグ:一人語り


やぁみんな、はじめまして。今回は僕が、この世界についての簡単な説明と、2人の少年少女を紹介するよ。
語り部なんて初めてだから勝手がわからないけど、許してね。


ここは遊戯王(デュエル)が盛んな街、フルーナシティ。そしてこれは、そんな街の片隅で行われている、ひとつのデュエルのラストターン。

 

「行くよ!ライズベルトのペンデュラム効果で、君のトリシューラのレベルは1アップする!」

「はぁ!?俺のモンスターのレベルを上げたぁ!?」

「ふふ、これが目的さ!手札から月鏡の盾をデス・シザースに装備!そしてバトル!トリシューラを攻撃だ!フルムーン・シザース!」

「くぅ、月鏡の盾の効果で100上回るから、100ダメか」

「いいや、デス・シザースの効果!戦闘で破壊したモンスターのレベル×500のダメージを与える!トリシューラは今はレベル10だから、5000ダメージだよ!ホーネット・ミサイル!」

「はぁぁぁ!?」

「そして、ヴァジュランダで直接攻撃(ダイレクトアタック)!フルブレイク・ターミナイト!!」

「なんなんだそのデッキはぁぁぁ!!!」

 

少年A LP 0

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽

 

「やった、勝利っ!」

 

…まぁ、何が起きたかと言うと、氷結界使いの少年が、ドラグニティ使いの少年に負けたと、それだけの話だ。そしてこの物語の主人公は、このドラグニティを使う女の子のような見た目をした少年、『星風(ほしかぜ)濡羽(ぬれは)』なのである。

 

 

そして重大な事実が他にもいくつかある。

ひとつ。この世界にはリアルソリッドビジョンが普及しており、誰もがリアルソリッドビジョン搭載のデュエルディスク(モチーフ:ARC-Vタイプ)を所持していること。

ふたつ。この世界にはカードの精霊がいるのだが、その事実が信じられてはいないこと。

そしてみっつ。主人公、星風濡羽は、この精霊の宿るカードを所持していること。

この3つは、忘れないでいただきたい。

 

 

さて、ここでもう1人。この奇想天外な物語に欠かせない人物をご紹介致しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はこちらもラストターンだったりする。

 

 

「…バトルフェイズ。ガスタ・ガルドで貴方の青眼の究極竜に攻撃」

「はぁ!?攻撃力4500の究極竜に攻撃だと!?」

「…場のスフィアードの効果、ウィンドミル。私のガスタの戦闘で発生するダメージは相手が受ける」

「何!?」

「…ガルドの攻撃力は500。差し引き4000の反射ダメージ。そしてガルドの効果、明色の羽ばたき。デッキからガスタ・イグルを特殊召喚。そしてイグルで自爆特攻。今度は200だから差し引き4300の反射ダメージ。お疲れ様」

「う、うぁぁぁ!!!!」

 

少年B LP 0

ゲームエンド

WINNER 緑葉風華

 

「…それなり…かな」

 

彼女がもう1人の主人公、『緑葉(みどりは)風華(ふうか)』さん。彼女も、精霊の宿るカードの所持者である。

 

 

彼ら2人は同じ学校に通っているのだが、最近まで面識はなかったらしい。何でだろうね。

そして、こんな語り部のような役割をしているこの僕の名前は…

 

「柊真さーん、早くしないと置いていきますよー」

「…龍凪さん、遅い。私も星風くんも待ちくたびれた」

「あーはいはい。ちょっと待ってねー」

 

…ズレてしまったね。僕は『龍凪(たつなぎ)柊真(とうま)』。2人の保護者役みたいなものさ。

僕は街の中心辺りにある一軒家の家主、2人は居候という関係だ。まぁ、2人の学校的にもこの場所は立地がいいんだよね。知らなかったけど。

さて、キリが悪いけど、この後は3人で出かける予定だからここまでだね。それじゃ…

 

「柊真さん、ホントに置いていきますねー」

「…先に行くから」

「え、ちょっと!?」

 

ごめんね、ホントにここで切るよっ!待って、置いてかないでー!!!

 




はい、初めまして。鐡 銀と申します。読みは『くろがね ぎん』です。読みにくいですね。

自分は文才が無い方だとは自覚しておりますが、色んな方の小説を読んでいて、どうしても…どうしても書きたくなってしまったのですよ。

そうして書いたモノをしまい込んでおくのも可哀想なので、投稿した次第です。

ちなみに自分は遊戯王の他にSAOやBanG Dream!も好きで、そっちも書こうかな〜とか悩んでいた結果、これになりました。何言ってんでしょうね。

他の方々に比べて、1話1話は短いとは思いますが、どうかよろしくお願い致します。

それではキャラ紹介を挟んで、本編開始です。


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キャラクター&舞台紹介

以前はプロローグにまとめてあったキャラクター紹介その他諸々です。
物語が進む度に更新していきますので、よろしくお願いします。


主要人物紹介

 

星風(ほしかぜ)濡羽(ぬれは)

年齢 16→17

性別 男

使用デッキ 全召喚対応型(超カオス)ドラグニティ

ヴァルバロイド搭載型SR(スピードロイド)

職業 デュエルアカデミア フルーナ校 高等部2年 シルバークラス→ゴールドクラス

精霊 召喚師ライズベルト クリアウィング・ファスト・ドラゴン スターダスト・ドラゴン 冥界龍 ドラゴネクロ

アイコン ☆

 

本作主人公となる少年。一人称は僕。

目元にかかる程度の黒髪に黒眼と蒼眼のオッドアイだが、普段は右眼に黒のカラーコンタクトをして隠していた。現在はとある一件以降、右眼を隠していない。

パーカーを好む、というかグレーのパーカーしか持っていない。アカデミアの制服の下にさえグレーのパーカーを着るほどのパーカー重度愛用者(ヘビィユーザー)。童顔で身長も少し低めなため、初対面だとよく女子に間違われる(だいたい160cm)。

元々記憶喪失の身で、幼少期に『召喚師ライズベルト』『クリアウィング・ファスト・ドラゴン』、そしてSRのデッキを握り決めた状態で柊真に発見され、引き取られる。本人は『星風濡羽』という名前しか覚えていなかった。

前述の通り記憶喪失だが、同時にサヴァン症候群であり、完全記憶能力に近いものを有する。

が、情報を仕入れることが少ないため、その記憶力に反してあまりにも無知(シンクロチューナーの効果を知らない、アイドルに関して何も知らない等)。

デュエルディスクは濃い緑色をしている。

SRはフルーナシティでは濡羽しか使用しておらず、不必要に目立つためにドラグニティのデッキも与えられた。基本的にはこのドラグニティデッキを使い、必要に応じてSRのデッキに持ち替える。

異世界に行ったあと、自身の心の闇から生まれたカード『Sin スターダスト・ドラゴン』を手に入れる。

二章時点で、目元までの長さだった髪は肩まで届く程伸びており、より女の子らしくなってしまっている(ライズベルト曰く『切りに行くのを毎回忘れる』らしい)。

 

 

緑葉(みどりは)風華(ふうか)

年齢 16

性別 女

使用デッキ WWガスタ

職業 デュエルアカデミア フルーナ校 高等部2年 ゴールド(プラチナ)クラス

精霊 召喚師セームベル クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 閃珖竜 スターダスト

アイコン ❀

 

もう1人の主人公となる少女。一人称は私。ゴールドクラス上位10人に与えられるプラチナの称号持ちであり、プラチナ1位(すなわち学校最強)。

足まで届くほど長く、ウェーブのかかったライトグリーンの髪に翠眼。オシャレでたまに伊達メガネ。とても整った容姿をしている。

淡い緑の服を好む。下はもっぱら白レースのスカート。

街有数の資産家である『緑葉財閥』の一人娘だが、その境遇から、家のお金目当てで言い寄ってくる男と、自分を値踏みしたり、妬んだりする視線が嫌になり家出。その日の夜に濡羽に拾われる。

彼女の薄い緑のデュエルディスクはガスタの色合いを意識しており、その選んだ色と使うデッキ、好みの服から『嵐の女王』と呼ばれている。

セームベルはガスタの展開補助の一部として使用している、お気に入りのカード。

自分の家など関係なく接してくれる濡羽と、1人の少女として接してくれる柊希には心を開いている…のかもしれない。あと、発育は結構いい方らしい(柊真談)。

濡羽同様、精霊に好かれやすい。

柊真とのデュエルから、クリアウィングの新たな力『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』を手に入れる。

2章より、柊真に譲渡された『WW』をデッキに組み込む。

決闘竜(デュエルドラゴン)である『閃珖竜 スターダスト』の所有者。

 

 

龍凪(たつなぎ)柊真(とうま)

年齢 22

性別 男

使用デッキ 超重武者

職業 カードショップの店員

精霊 ×××××

 

濡羽と風華の保護者的存在。濡羽達5人と精霊達と共に一戸建てに住む。一人称は僕。

短く清潔な黒髪に黒眼。傍から見れば濡羽と”兄妹”のように見える(濡羽は男だが)。

濡羽の育て親のような存在。れっきとした社会人。デュエルはあまりしない。デュエルディスクの色は白。

その場の空気を和ませようとするが毎度空回りする。

出番も少ない苦労人。

本人はそこまで強くないと言うが、風華に勝てるほどデュエルは強い。

 

 

聖川(ひじりかわ)小春(こはる)

年齢 16

性別 女

使用デッキ 捕食水晶機巧

職業 デュエルアカデミア フルーナ校 高等部2年 シルバークラス→ゴールドクラス

精霊 ×××××

アイコン ✧︎

 

濡羽の親友的立ち位置の少女。

群青色の髪をツインテールにまとめている。青眼。

彼と同時期にシルバーに上がった。特徴的な喋り方をする。多少天然気味であり、カードの知識に乏しい。

決闘竜(デュエルドラゴン)である『魔王龍 ベエルゼ』の所有者。

柊真の働くカードショップでバイトをしている。

ケリュクスでの大会中に、自身の持つ『精霊のカード』である『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』と会話できるようになると同時に、『グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』に目覚める。

デュエルディスクの色は水色。

 

 

 

神名(かみな)優姫(ゆうき)

年齢 17

性別 女

使用デッキ レベル1軸エクゾディア

職業 デュエルアカデミア フルーナ校 高等部2年 ゴールド(プラチナ)クラス

精霊 ×××××

アイコン ✡

 

風華の昔からの親友で幼馴染。黒髪のストレートロングで黒眼に眼鏡。

風華と同じくプラチナの称号持ちで、プラチナ2位。誰よりも風華のことを知っていると自負しており、彼女が家出したことに関しても納得している。

昔からある名家のお嬢様。

決闘竜(デュエルドラゴン)である『冥界龍 ドラゴネクロ』の本来の所有者。濡羽と咲のデュエル後、濡羽にドラゴネクロを譲渡する。

ケリュクスでの大会にて【魔術師オッドアイズ】を獲得する。

デュエルディスクの色は朱色。

 

 

西条(さいじょう)湊月(みつき)

年齢 17

性別 男

使用デッキ E・HERO

職業 デュエルアカデミア・フルーナ校 高等部2年 シルバークラス→ゴールドクラス

精霊 EMクリボーダー

アイコン ☪︎

 

シルバーに上がった濡羽に出来た新しい友達。一人称は俺。

濃い緑の髪に緑眼だが、左眼は失明しており灰色になっている。

親と離れて一人暮らしをしていたために料理が得意な反面、勉強は不得手。

カードデザイナーを目指して日々奮闘している。

霊体化した精霊を朧気ながら感じることができ、クリボーダーの精霊の存在も少し感じ取っている。

永久とのデュエルで、『D-HERO Bloo-D』を初めて使う。

ケリュクスでの大会で『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を初めて使う。同時に、過去に彼女と死別していることを公の場で明かす。

デュエルディスクの色は黄色。

 

 

醉宮(よいみや)(しょう)

年齢 18

性別 男

使用デッキ アンデッド族

職業デュエルアカデミア高等部2年 ゴールドクラス

 

優姫のストーカー。短い金髪に黄色の瞳。濡羽にデュエルを挑み、敗北する。割と弱い。

決闘竜(デュエルドラゴン)である『冥界龍 ドラゴネクロ』の元所有者。優姫を通じて濡羽に譲渡される。

 

 

新時(あらとき)(かい)

年齢 16

性別 男

使用デッキ 時械神

職業 デュエルアカデミア高等部2年 ブロンズクラス

 

湊月にデュエルを挑んだ生徒。水色の髪に水色の瞳。引きはいいが詰めが甘い。切り札は水星のプラネットシリーズ、『The tripping MERCURY』。

 

 

四季野(しきの)(かなで)

年齢 17

性別 女

使用デッキ ジャンクドッペル(っぽい何か)

職業 デュエルアカデミア高等部2年 ゴールドクラス

精霊 機械竜 パワー・ツール 妖精竜 エンシェント

 

黄色の髪に灰色の瞳。風華に憧れている。小規模トーナメントでの濡羽の対戦相手。

決闘竜(デュエルドラゴン)である『機械竜 パワーツール』と『妖精竜 エンシェント』の所有者。

風華を神格化しており、風華と対面したらすぐに逃げるほどの(風華限定の)照れ屋。

 

 

水川(みなかわ)(れん)

年齢 15

性別 女

使用デッキ ×××××

職業 デュエルアカデミア高等部1年 シルバークラス

 

白い髪に朱色の瞳の巫女服を着た少女。

『月華竜 ブラックローズ』の元所有者で、神託(の様な何か)により濡羽に譲渡する。

 

 

マリー・リュクス・ミネルヴァ

年齢 17

性別 女

使用デッキ 海晶乙女

職業 アイドル

精霊 海晶乙女 クリスタルハート

 

プリズムに訪れた濡羽と出会った少女。長い銀髪に黄色の眼をしている。

フルーナシティで人気のアイドルで、プライベート時は黒のキャップに伊達メガネをして出歩いている。

濡羽は彼女のことを知らなかったが、彼女との出会いを機に、世界の常識的知識を学び始めた。

彼女の持つ海晶乙女は濡羽手製のデッキ。

 

 

輝琉(きりゅう)ライン

年齢 18

性別 女

使用デッキ ライトロード

職業 アイドル

 

夏休みの長期旅行について来た少女で、ハーフ。黄色のメッシュが入った赤髪に赤眼。

マリーと同じ事務所のアイドルで、気が強いが面倒見のいい性格(要するにツンデレ)。

だいたい誰とでも打ち解けられる程にコミュ力が高い。

 

 

緋乃坂(ひのさか)(あかね)

年齢 17

性別 女

使用デッキ スピリット・ドラゴンワンキル

職業 ショップ店員兼アカデミア生

 

『海と山の町』ケリュクスに旅行に行った濡羽一行が偶然出会った少女。赤みがかった髪と目をしている。

濡羽と小春の小学校と中学校での同級生。濡羽を『ぬれたん』、小春を『こはるん』と呼ぶ。

可愛い、もしくは綺麗な人(主に女性。そして濡羽)に目が無い。

 

 

天翔(てんしょう)那由(なゆ)

年齢 24

性別 男

使用デッキ EM

職業 プロデュエリスト

 

青いメッシュが入った緑髪で赤眼。女性の様な名前だが男。

シュトルムに所属するプロデュエリスト。世界ランキング11位の『ナユタ』。

自称『エンタメデュエリスト』であり、突飛な演出のデュエルを好む。

 

 

松瀬(まつせ)永遠(とわ)

年齢 22

性別 女

使用デッキ サイバー・ドラゴン

職業 カードデザイナー プロデュエリスト

 

紫色の髪をサイドテールにしている。紫眼。

世界ランキング3位のプロデュエリスト『リンネ』。

一流のカードデザイナーでもあり、湊月の目標でもある。

茜の従姉妹であり、茜と同じ性癖(美少女好き)を持つ残念美人。

 

 

ヤクモ

年齢 不詳

性別 男

使用デッキ ヴァレット青眼

職業 プロデュエリスト

 

狐面をつけたプロデュエリスト。シュトルムのメンバーの中で唯一本名が明かされていない。ペンデュラム以外の全ての召喚法を一つのデッキで使える猛者。

 

 

世界観

 

フルーナシティ

主人公達の住む街。ほとんどが『緑葉財閥』の子会社で、『緑葉財閥』が経済の中心になっていると言っても過言ではない。

カードの精霊が集まりやすい『霊地』でもある。

 

 

ケリュクス

茜の住む『海と山の町』。多数の自然と都市部よりも古い町並みから、旅行客に人気の町。

町の郊外では、ひっそりと謎の実験が行われているようだが…?



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一枚目:出会い

本編開始です。
今回は会話パート。次回がデュエルパートになります。
この作品は会話・デュエル・会話の3話で一括りにする予定です。


 

ここはデュエルの盛んな街、フルーナシティ。各々の会社がデュエルチームを持つほどに広まっている。そして今は夜。だいたい8時頃だと思う。

 

「んー…少し遅くなっちゃったかな」

 

ちょっとした用事(風呂用洗剤の買い出し)で出かけていた僕は家に向かって歩いているところだ。え、自転車じゃないのかって?僕、自転車持ってないんだ。行動範囲=徒歩圏内だからね。

 

「うー、1人の夜道は怖いなーっと」

 

独り言を呟きながら歩いていると、街灯の下でキャリーバッグに座って寝ている人を見つけた。いや、器用だね…

 

「…すっごくスルーしたい…けど…」

『ダメですよ、こんな所に放置しては可哀想です。連れて帰ってあげましょう』

「…はーい…」

 

『彼』の言う通り、連れて帰るしかない。そうでなければ煩いから…ね。

買ったものを片手に、その人を背負った。予想外に軽かったので、案外楽に帰れそうかも。キャリーバッグは空いた方の手で引くことにした。

 

『…あれ、この人もしかして…』

「どうかした?」

『いえ、なんでもありませんよ』

 

ちょっと気になるけど、なんでもないなら放っておこうっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝。柔らかいベットの上で目が覚めた。けれど、今日に限ってはありえないはずだった。

 

「…なんで」

『あ、起きた?』

「…何が起きたの?」

『えっとね、昨日の夜、拾われたみたい!』

「拾われた…?」

 

夜の街の片隅で眠っていた私を拾うってことは…

 

「…体目当て?」

「寝起きに物騒な事言ってるねぇ!!」

 

いつの間にか空いていた扉の先に立っていた男の人がそう叫んだ。

 

「…誰?」

「うっわ、スルースキル高い…僕は龍凪(たつなぎ)柊真(とうま)。この家の家主だよ」

 

この人も充分スルースキル高いと思う。ブレイクスルー・スキルの親戚かなにか?

 

「…あなたが拾ったの?」

「いやいや、僕は単なる家主。君を背負って帰ってきたのはうちの居候だよ」

「柊真さん、いくら事実でも、居候って呼ぶのは酷いですよ」

 

そう文句を垂れながら現れたのは、グレーのパーカーを着た小さな子だった。目と耳にかかるくらいの黒髪に黒眼。背は低く、160センチくらいだと思う。童顔で、とても可愛らしい。それらをまとめて、私の結論は…

 

「…可愛い、女の子…」

「僕はれっきとした男子ですっ!!!」

 

…男の子だった。男の娘と言うべき?

 

「うぅ…また初対面で女の子扱いですか…」

「童顔で背が低いからしょうがないんじゃない?てか何回目?」

「1000超えてから数えてないですよ…」

「逆によく1000回も数えたよね!?」

 

どうやら、誰の目から見ても彼は女の子っぽいみたい。

 

「…と、ところで…あなた、女の人だったんですね。背負った時は気付きませんでした」

「…そう?」

 

私は、他の人と比べて、その…胸が大きいみたいなんだけど…(友人談)それでも、背負って気付かなかったの?

 

「…………本当に?」

「本当ですけど…なんでですか?」

「……いえ…その…」

 

私が言い淀んでいると、家主さんがキッパリと言い放った。

 

「あれじゃない?その立派なモノが背中に当たってたって言いたいんじゃない?」

「『セクハラじゃないですかね!!』」

「…えっ…?」

 

今…()()()()()が聞こえたような…

 

『全く、なんでトウマはそうもデリカシーがないんですか!僕はなんとなく気付いていましたけど!』

「え、気付いてたの!?ってそうじゃなくて!ライズベルトが出てきちゃダメだって!」

『…あっ、しまった!』

 

彼の隣に、同じくらいの背丈の男の子がいた。長い黒髪を肩にかけている。とても優しそうな顔をした、いわゆる美少年。でも、既視感がある。

 

『あ、お兄ちゃんだ!』

『…もしかして、セームなのかい?』

「「…え、知り合い?」」

『あ、はい。彼女はセームベル。ぼくの妹なんです』

『こっちはライズベルトお兄ちゃん!』

「はえぇ、フレーバーで知ってたけど…なるほど、君がライズベルトの妹さんなんだね」

 

…私も彼も馴染んでいるけれど、実はこの状況は普通に考えたら異常なことだ。

 

「…いや、君ら平然としてるけどさ…普通に考えたらありえないよね、二人とも『精霊』持ちとか…」

 

そう、彼の隣にいるのはきっと『召喚師ライズベルト』の精霊。そして私のそばに居るのは『召喚師セームベル』の精霊。この世界では全くと言っていいほど信じられていない、()()()()()()だ。

 

「いや、これでも驚いてますからね?僕以外に精霊を認識してる人って初めてで」

「…私も。精霊のカードを持ってる人がいるなんてね」

 

私としては、同士のようで少し嬉しい。

 

「…さて、話題を変えよう。君はこれからどうするの?」

「…どう、とは」

「状況からの推測だけどさ、君は夜中に1人で、しかもキャリーバッグを持って出かけていた。しかも昨日は金曜日。向かっていたのはこの街の中央区、多分目的地は中央駅だよね。連休前って訳でもないから旅行の線は消える。これらから導き出される答えって…()()だよね」

「…!!」

 

そう…家主さんの言う通り、私は昨日家出をした。理由は…言いたくはない。

 

「それで、提案なんだけどさ。君さえ良ければ、ここにいる?部屋ならまだ空いてるし」

「…良いんですか?」

「全然いいよ。デュエルアカデミア フルーナ校の2年生、緑葉風華さん」

「…!?!?」

「ごめんね、中身勝手に見ちゃった♪」

「…変態」

 

この人は、ダメな人だ。警戒しなければならない。

 

「変態なの!?」

『当然でしょう!人の荷物を勝手に漁ってるんですよ!?』

「普通に嫌悪感MAXですよ!!」

「う…そうだよねえ…」

「…本当に申し訳ないです、うちの柊真さんが…」

「君は僕の親かな!?というか、なんで敬語なの?」

「…だって…分かんないんですもん」

「…?」

 

何が分からないのだろう。

 

「はぁ。とりあえず下でご飯作ってくるから、自己紹介しときなよ〜」

 

そう言って家主さんは降りていった。ここって2階だったんだ…

 

「…本当に申し訳ないです…」

「…大丈夫…着替えと制服、財布とデュエルディスクにデッキ…それしか入ってないから」

「そう言って貰えるとありがたいです」

『それよりも自己紹介!』

「あ、そうだったね。僕はデュエルアカデミア フルーナ校の2年生、星風(ほしかぜ)濡羽(ぬれは)です。よろしくお願いします」

「…どうせ同じ屋根の下に住むんだから、敬語はいいのに」

「………………え、ホントに住むんですか??」

「…ダメなの?」

 

彼は本気で困惑していた。何か不都合でもあったのかな?

 

「うぅ…柊真さんって基本ノリで動くからなぁ…うーん…」

「…それより、敬語」

「あー…うーん…僕の方が格下かもしれませんし…」

「…クラスは?」

「僕はシルバーです。高等部の時に外部からブロンズに編入しました」

「…1年でシルバー…凄いね。私はゴールドよ」

「ゴールド…凄いですね…やっぱり敬語は外せそうにないなぁ…」

…彼の反応は、私のことを知らないのかもしれない。それならば黙っておこう。

私がゴールド生の中でも上位10人に与えられる『プラチナ』の称号持ちであり、プラチナの中でも1位…学園最強と呼ばれる存在であることは。

 

「それじゃあ、これからよろしくお願いしますね、緑葉さん」

「…よろしく」

 

予定外、予想外の同居人が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はあの後、自室に戻った。この家は割と広くて、個室に使えそうなのが幾つかある。そしてどの部屋も広い。

 

「んー…緑葉風華さんかぁ…聞いたことないなぁ」

『まぁ、ヌレハは楽しんでただけだもんね』

「それでたった1年でシルバーに上がったんだからねぇ」

 

ちなみに今は5月。まだ上がったばかりだ。

 

「にしても、まさかゴールド生の人だったとは…」

『ヌレハはゴールドを目指しているんでしたっけ?』

「ううん、楽しめればそれでいいよ。けどいずれは上がったりするのかなって」

『きっとゴールドに上がったら、ワンキルワンショットの洗礼を受けますよね』

「あはは、かもね」

「…試してみる?」

 

何故か扉を開けてこちらを覗いていた緑葉さんがいた。

 

「ひびゃあ!!み、緑葉さん!驚かさないでくださいよっ!!」

「…ごめん、デュエルに関する話が聞こえたから」

「それで開けないでくださいよぅ…」

「…それより、試す?家主さんがご飯を作るまでなら、相手できるよ」

 

僕は少し迷った。いくらシルバーに上がったとはいえ、そこまで強いとは自分でも思っていないから。

 

『せっかくなのでやりましょう、ヌレハ!』

「…うん、そうだね!緑葉さん、手合わせお願いします!」

「…わかった」

 

そして緑葉さんが部屋からデュエルディスクを持ってきて、デュエルをすることになった。どの部屋も広いとは言ったけど…具体的に言うなら『リアルソリッドビジョンを展開しても差支えのないほどに広い』だね。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします!」

「…ん、こちらこそ」

 

そして僕らは同時に宣言した。

 

「「決闘(デュエル)!!」」




実は間違えて投稿して、テンパって消してしまい、うろ覚えで書き直したのは内緒。

そのせいで初めに書いたのからだいぶ離れてしまった…

誤字脱字 アドバイス 改善点等よろしくお願いします。

(もう少し感覚開けるはずだったのになぁ…忍耐力ない)


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二枚目:風vs風

デュエルパートです。
今回対戦するのは主人公2人。
一応既に使用デッキは公開している…はずなので、初動を見れば、流れは何となくわかると思います。
それでは行きましょう。


デュエルスタンバイ

 

マスタールール LP8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 星風濡羽

後攻 緑葉風華

 

デュエル開始

 

 

「…あなたに先攻は譲るわ」

「じゃあ遠慮なく僕の先攻で行かせてもらいますね。手札から《ドラグニティ-アキュリス》を召喚。その効果で手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を特殊召喚し、アキュリスを装備します。そしてミリトゥムの効果で、装備状態のアキュリスを特殊召喚です」

 

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1700

ドラグニティ-アキュリス 守備表示 DEF 800

 

濡羽 手札 5→3

 

どうやら彼のデッキはドラグニティらしい。ドラグニティの特徴は、装備状態で効果を発揮するドラゴン族の下級チューナーと、装備状態のドラグニティを特殊召喚する鳥獣族モンスター達で、様々なシンクロモンスターを出すことだったはず。例外として、下級を装備する上級ドラゴン族もいたはずだが、あまり採用されている例は聞かない。というかそもそも、ミリトゥムを採用している時点で彼のドラグニティは主流じゃない。

 

「そして、レベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!」

 

ミリトゥム 鳥獣族 レベル4

アキュリス ドラゴン族 レベル2

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、魔法を打ち破る赤き槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ガジャルグ》!」

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ 攻撃表示 ATK 2400

 

いきなり攻撃力2400とは…と、言いたいところだが、ガジャルグの持つ効果を知っている身としては、そこまで恐怖は感じない。

 

「ガジャルグの効果を発動します。デッキからブラックスピアを手札に加え、手札のデストルドーを捨てます」

 

『デッキからレベル4以下の鳥獣・ドラゴン族を手札に加え、その後、手札から鳥獣・ドラゴン族一体を墓地に送る』。これがガジャルグの唯一の効果。普段なら恐れることは無いのだけれど、その効果でドラゴン族の汎用チューナーが落ちた。これは少しまずい展開になるのかもしれない。

 

「僕はカードを2枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター ガジャルグ (攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2枚

墓地 アキュリス ミリトゥム デストルドー

LP 8000

手札 3

デッキ 32

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 5→6

 

まずまずの手札。これは…彼の望み通り、ワンターンキルが出来るかもしれない。

 

「…まずは《おろかな埋葬》。デッキから《ガスタ・ガルド》を墓地に。そして《緊急テレポート》を発動。《ガスタの神裔 ピリカ》をデッキから特殊召喚。ピリカの効果で、墓地のガルドを特殊召喚」

 

ガスタの神裔 ピリカ 守備表示 DEF 1500

ガスタ・ガルド 守備表示 DEF 500

 

風華 手札 6→4

 

私のデッキはガスタ。鳥獣族チューナーとサイキック族モンスターで、デッキからガスタを特殊召喚し続けて耐え、シンクロ召喚に繋げるカテゴリ。そして私のデッキのエースは、そんなガスタの特性を活かしたモンスター。

 

「…レベル3のピリカにレベル3のガルドをチューニング」

 

ガスタの神裔 ピリカ ガスタモンスター レベル3

ガスタ・ガルド チューナー レベル3

3+3=6

レベル6シンクロ

 

「その猟銃は全てを撃ち抜く。風を操る彼女に、当てられない的は無い。シンクロ召喚。風の狩人、《ダイガスタ・スフィアード 》。」

 

ダイガスタ・スフィアード 攻撃表示 ATK2000

 

「…スフィアードの効果で、墓地のガルドを手札に加えて、そのまま召喚。そしてバトル」

「え、バトルですか!?なら(トラップ)発動!《威嚇する咆哮》!これで攻撃は出来ませんよ!」

 

彼の感は正しい。スフィアードには、ガスタの戦闘で発生するダメージを相手に押し付ける効果がある。ガスタのリクルート効果と合わせると、ワンターンキルも狙える。

 

「…残念。カードを1枚伏せてターン終了よ」

 

風華

モンスター スフィアード ガルド (どちらも攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1枚

墓地 おろかな埋葬 緊急テレポート ピリカ

LP 8000

手札 3

デッキ 32

 

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 3→4

 

攻撃力500のモンスターを攻撃表示で出した。ということはきっと、あのシンクロモンスターには何かしら戦闘に強い効果があるはずだ。けど、ドラグニティなら突破出来る!

 

「…よっし!墓地のデストルドーの効果!ライフを半分支払い、場のガジャルグのレベル分、つまりレベルを6下げて墓地から特殊召喚!」

 

濡羽 LP 8000→4000

 

「そして開け!鳥竜舞い踊るサーキット!」

「…リンク召喚ね…」

「召喚条件は『トークン以外のドラゴン族・鳥獣族モンスター2体』!僕はガジャルグとデストルドーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!来て、リンク2!《ドラグニティナイト-ロムルス》!」

 

ドラグニティナイト-ロムルス

リンクマーカー ↙ ↘ ATK 1200

 

「デストルドーは、自身の効果で特殊召喚された時、場を離れたらデッキボトムに戻ります。そしてロムルスの効果で、デッキから《竜の渓谷》を手札に加えます!」

「…名称指定のサーチ…!?」

 

濡羽 手札 4→5

 

お、どうやらあの反応、あの人はロムルスの効果を知らなかったみたい

 

『いけそうかな。さぁ、僕の力を!』

「もう少し待ってよ。僕は手札から《竜の渓谷》を発動し、その効果でデッキからドゥクスを手札に加えます」

 

濡羽 手札 5→4→5

 

「…手札の変動が激しい…」

「も、もう少しですから…僕はスケール2の《召喚師ライズベルト》とスケール7の《ドラコニアの翼竜騎兵》でペンデュラムスケールをセッティング!」

「…ペンデュラム使い…!?」

 

「吹き抜ける風よ、絆の輝石を揺らせ!描く軌跡は、新たな風の道標!」

 

召喚師ライズベルト スケール2

ドラコニアの翼竜騎兵 スケール7

ペンデュラム召喚可能レベル 3~6

 

「ペンデュラム召喚!手札より、《ドラグニティ-ブラックスピア》!」

 

ドラグニティ-ブラックスピア 守備表示 DEF 1000

 

「さらに手札から《ドラグニティ-ドゥクス》を通常召喚!」

 

ドラグニティ-ドゥクス 攻撃表示 ATK 1500

 

「召喚されたドゥクスの効果で、墓地のアキュリスを装備!さらにブラックスピアの効果で、自身をリリースし、墓地のミリトゥムを特殊召喚!そしてミリトゥムの効果でアキュリスを装備解除!」

 

僕のいつもの流れ!これさえ通れば勝てるかもしれない…!

 

「レベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!」

 

ミリトゥム 鳥獣族 レベル4

アキュリス ドラゴン族 レベル2

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、雷の牙!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ 攻撃表示 ATK1900

 

「…レベル6で…1900…?」

 

この竜が、このデッキの切り札!確かに攻撃力は低いけれど、その分強力な効果があるんだ!

 

「ヴァジュランダの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のドラグニティを装備できる!これでアキュリスを装備!さらに手札の《ドラグニティの神槍》も装備!これにより、ヴァジュランダの攻撃力はそのレベル×100アップします!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 1900→2500

 

「さらに、神槍の効果で、デッキからブランディストックをヴァジュランダに装備!ライズベルトのペンデュラム効果で、ヴァジュランダのレベルを1上げます!これでさらに攻撃力が100アップ!これで仕上げです!ヴァジュランダの効果で、装備状態のアキュリスを墓地に送ることで、攻撃力を2倍にします!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 2500→2600→5200 レベル 6→7

 

「…攻撃力…5200…なんて…」

「さらに、装備状態で墓地に送られたアキュリスの効果で、スフィアードを破壊!」

「うっ…」

「バトル!ヴァジュランダでガルドに攻撃!フルブレイク・ターミナイト!」

 

ドラグニティに伝わる槍を携えた竜騎士が、小さな鳥を小突いた。うんうん、優しくね。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 5200

ガスタ・ガルド ATK 500

5200-500=4700

風華 LP 8000→3300

 

「…うっ…けど、ガルドの効果、明色の羽ばたき。デッキからイグルを守備表示で特殊召喚」

 

けれど、倒した鳥の羽に導かれるように、さらに一回り小さな鳥が舞い降りた。

 

ガスタ・イグル 守備表示 DEF 400

「ブランディストックは、装備状態の時、装備モンスターに2回攻撃の権利を与えます!」

「…5200の…2回攻撃…!?」

「行け、ヴァジュランダ!フルブレイク・ターミナイト!」

 

再び優しく小突いた。もう君、そんな優しくするならデコピンでいいと思うんだよね。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 5200

ガスタ・イグル DEF400

ガスタ・イグル 破壊

 

「…イグルの効果、儚き願い。デッキから《ガスタの静寂 カーム》を特殊召喚」

 

今度は、杖を持った大人しそうな少女が現れた。

 

ガスタの静寂 カーム 攻撃表示 ATK 1700

 

「う…微妙に届かない…僕はこれでターン終了です」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 5200→2600

 

濡羽

モンスター ロムルス ヴァジュランダ ドゥクス (攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1枚 神槍 ブランディストック

フィールド魔法 竜の渓谷

墓地 威嚇する咆哮 アキュリス ミリトゥム ブラックスピア ガジャルグ

ペンデュラム ライズベルト ドラコニア

LP 4000

手札 0

デッキ 29

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 3→4

 

「…勝利は貰ってもいい?」

「っ!!」

 

何だ…今のドローで、一気に空気が変わった…!

 

「…まずはカームの効果。墓地のガルドとピリカをデッキに戻して1ドロー」

 

風華 手札4→5

 

「…そして、手札からガスタ・ガルドを召喚。レベル4のカームにレベル3のガルドをチューニング」

「ガスタでレベル7…」

『あり得るとすれば、ダイガスタ・イグルスだね』

 

ガスタの静寂 カーム レベル4

ガスタ・ガルド チューナー レベル3

4+3=7

レベル7シンクロ

 

「光蓄えし翼はいつまでも色褪せない。私と共に闘って。シンクロ召喚。その名は結晶竜。私の切り札、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》」

「く…クリアウィングぅ!?!?」

 

嘘でしょ…彼女()クリアウィング使いなのっ!?

 

「…? まぁいっか。手札から《巨大化》をクリアウィングに装備。ライフが少ないから、元々の倍になる」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500→5000

 

「…《死者蘇生》。墓地のスフィアードを特殊召喚。そして、スフィアードの力を借りる。《受け継がれる力》。スフィアードをリリースして、その攻撃力分、クリアウィングを強化」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 5000→7000

 

「こ…攻撃力…7000!?」

 

あんなのをマトモに食らったら…!!

 

「…バトル。クリアウィングでロムルスに攻撃。旋風のヘルダイブスラッシャー」

(トラップ)発動!《ハーフアンブレイク》!ロムルスは破壊されず、ダメージも半分に!」

 

明らかに巨大化した竜が竜騎士を貫こうとするが、脅威の弾力を持つ泡に弾かれた。いや、泡の領域超えてないかな、それ?

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 7000

ドラグニティナイト-ロムルス ATK 1200

7000-1200=5800

5800÷2=2900

濡羽 LP 4000→1100

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 7000→1250

 

「うぐぅっ…!!」

 

危ない…耐え切った…!

 

「…今のを耐えるなんてね。なら《二重召喚》。手札からイグルを召喚。カードを伏せてターン終了」

 

風華

モンスター クリアウィング イグル (どちらも攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2枚 巨大化

墓地 おろかな埋葬 緊急テレポート スフィアード イグル カーム 死者蘇生

LP 3300

手札 0

デッキ 31

 

 

 

正直に言おう。彼は強い。現状でシルバーにいることが不思議なくらいだ。きっと彼なら、次の試験結果次第ではゴールドにも入れるだろう。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「…このタイミングで(トラップ)発動、《緊急同調》。イグルとクリアウィングでシンクロ召喚」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7

ガスタ・イグル レベル1

7+1=8

レベル8シンクロ

 

「閃光に身を包む星の竜よ、今こそ来たれ。シンクロ召喚。《閃珖竜 スターダスト》」

 

閃珖竜 スターダスト 攻撃表示 ATK 2500

 

(…酷くないかな、フウカ。確かに巨大化のデメリットはあったけど、俺を素材にシンクロするか?)

(…仕方ない。引いたんだから)

(初手にな!!)

「知らないカード…ダメだ、呑まれるなっ!ヴァジュランダの効果で、ブランディストックを墓地に送ることで、攻撃力を倍にします!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 2600→5200

 

「そして《貪欲な壺》。墓地のアキュリス、ミリトゥム、ブラックスピア、ブランディストック、ガジャルグをデッキ・エクストラデッキに戻して2ドローします」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「…来た!《KA-2 デス・シザース》を召喚!」

 

KA-2 デス・シザース 攻撃表示 ATK 1000

 

…なんでそのモンスターが入ってるの…?絶対、ドラグニティに入れたら回らないよね…?

 

「そして《月鏡の盾》を装備!」

 

これで、デス・シザースは事実上全てのバトルに勝てる。けれど、そう易々と勝てるほど、私は甘くはない。

 

「そしてライズベルトのペンデュラム効果、ヴァジュランダのレベルを1上げます!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ レベル 7→8 ATK

5200→5300

 

「…スターダストの効果。自身を対象に、1度だけ、戦闘・効果では破壊されない耐性を付与。波動音壁(ソニック・バリア)

「うっ…けど関係ないです!先に消費させればいい!バトル!ヴァジュランダで攻撃!フルブレイク・ターミナイト!」

 

…そう、そう来ると思っていた。これで、私の勝ちは決まる。

 

「…(トラップ)発動。《ディメンジョン・ウォール》」

「そ、そのカードは…!」

「…この戦闘で、私の受ける戦闘ダメージは相手が受ける」

 

彼のライフは1100。この戦闘ダメージは2700。どう足掻いても耐えられない。たとえあの伏せがダメージ軽減でも、このダメージを防げるカードは…無い。

 

「はは、流石はゴールドクラスの生徒。勝てないや…」

「…けれど、あなたも十分強かった。誇っていい」

「それは次に勝ってからにします」

「…楽しみにしてる」

「行け、ヴァジュランダ!全力で貫けぇ!!」

「…迎え撃って、スターダスト。流星閃撃(シューティング・ブラスト)

 

赤き竜騎士の一撃と、閃珖の竜の光線が正面からぶつかり合う。その光線を穿つように進み続ける竜騎士だったが、目の前の空間が歪み、自身の召喚者へ攻撃することになった。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 5300

閃珖竜 スターダスト ATK 2500

5200-2500=2800

ディメンジョン・ウォール ダメージ反射

濡羽 LP 1100→-1700

 

ゲームエンド

WINNER 緑葉 風華




はい、単調なデュエルですが、今回は風華に勝ってもらいました。(自分、長々としたデュエルを書けないのかもしれない…)

理由は単純。ゴールドクラス(オベリスクブルー相当)の生徒がシルバークラス(ラーイエロー相当)の生徒に初回から負けるなんてのはどうなのかなーって。

今回はガスタが勝ちましたけど、普通に戦ったらどっちのデッキが強いんですかね。まぁお金さえあればどっちも組みたいんですけどね。

次回は会話パート。一応、次で1話が終わる感じです。この流れ、いつまで続けられるんでしょうか。

(そして今回も予定より早く投稿する忍耐力のなさ。こんなことするから不定期になるんですよね)


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三枚目:感想戦

再び会話パート。

次回も会話パートですけど、次回から一応2話目扱いです。

前置き考えられないので本編どうぞ。


 

「ありがとうございました、緑葉さん。勉強になりました」

「…こちらこそ、ありがとう。強かったよ、君」

 

決闘(デュエル)には負けてしまったが、この決闘で得られたものは大きい。現状のドラグニティデッキでの限界、未知のカードへの対抗策の少なさ、そして…自分の詰めの甘さ。改善点は多い。

 

『あの、ひとついいですか?』

「…何、ライズベルト?」

『その…フウカさんが使うクリアウィング・シンクロ・ドラゴン…精霊の宿るカードでは?』

「…正解」

『僕が精霊だってよくわかったね』

 

ライズベルトの質問に答えた緑葉さんの後ろに、クリアウィングが現れた。いや…現れたんだけど…

 

「………さっきより小さい…」

『気にしてるから言うなーっ!!』

『…僕ですら実体化する時は頭一つ分小さくなるだけなのに…大きすぎるが故…ですかね?』

「…きっとそう。クリアウィングが実体化する時はいつもこのサイズ」

『手のひらサイズ〜☆可愛いよね〜☆』

 

セームベルさんは手のひらサイズと言っているが、実際にはデフォルメされた感じだ。言うなれば、クリアウィング・トゥーン・ドラゴン…かな?トゥーン化をイメージすれば大体わかるこのサイズ感。

 

『トゥーン言うなー!!!』

 

全部口に出てたみたいです。

 

「…言い得て妙」

『あはは…確かにトゥーン味はありますけど…』

 

僕はトゥーンじゃないのにー…とクリアウィングは落ち込んでいたけどさ…ごめんね、どうしてもトゥーンにしか見えないんだ。

 

(あの…私は…)

(…柊真さんに言われたでしょ、あのデッキは使っちゃダメって。そっちに入ってる君はちょっと出しにくくて…ここで君を出したら、きっとそっちのデッキでもやろうって言われるから…)

(仕方ないですよねぇ…私の効果はあのデッキ以外では使いにくいですからねぇ…)

(いずれ顔合わせさせてあげるからさ…)

 

僕がもう一体の精霊と会話していることは、少しだけ渋い顔をしているライズベルト以外には気付かれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は、本当に強かった。もし一手でも違えれば、私は負けていたかもしれない。もしあの伏せが罠無効系だったら。もしディメンジョン・ウォールを引けていなかったら。もし彼が最後に引いたのがあのモンスターではなく伏せ除去のようなカードだったら。全ては、運によって導かれた仮初(かりそめ)の勝利なのかもしれない。

 

「…そう言えば、最後の伏せって…」

「あぁ、あの伏せカードですか?これですよ」

「…なるほどね」

 

彼が見せてきたのは《ミラクルシンクロフュージョン》。このカードには、シンクロモンスターを素材とした融合モンスターを融合召喚する効果と、セット状態で相手の効果で破壊された時に1枚ドローする効果がある。これを伏せていたということは、彼はドローのために破壊して欲しかったのだ。

 

「…これじゃあ、ディメンジョン・ウォールはどうにもならないね」

「はい…でも出したかったんですけどね、ドラゴエクィテス」

 

それだけはやめて欲しい。もしドラゴエクィテスにヴァジュランダの効果が付与されようものなら、間違いなく手に負えない。

 

「…というか、そもそも出るの?」

「出ますよ。ジャンク・シンクロン入れてるんで」

「…回るの?」

「デスシザ入れてる時点でお察しということで。まぁ今回は引けませんでしたけど、それなりにドロソ入ってますからね、このデッキは」

 

何だか、彼のデッキはもう少しまともにならないのかと思ってしまう。

 

『でも楽しかったですよね、神槍とビッグバン、それに僕のペンデュラム効果と合わせての9400ワンショット』

「あはは…やり過ぎて融合に対してメタ戦略流行ったからね、あれ…」

 

ゴールドの中で去年噂になっていた、ブロンズ生の異常なまでの融合メタっぷりは彼が元凶だったとは…あれにどれだけ融合使いのゴールド・シルバー生が苦労させられたことか…

 

『むしろシンクロをメタられなくて良かったと思いましょう?』

「シンクロメタなんてされたら、僕のデッキ戦えないよ…」

『だって、フウカ!』

「…わかった。次からそうする」

「やめてくださいよ!!というか次もあるんですか!?」

「おーいお二人さーん、ご飯出来たけど食べるかー?」

 

家主さんが階下からそう呼んできた。その時、私と彼…そして実体化していた2人と1匹のお腹が鳴った。

 

「「『『『……………』』』」」

 

全員が少し顔を赤らめて、リビングに降りた。その朝ご飯(午前九時。ギリギリ朝ご飯だと思う)はとても美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し遅めの朝ご飯を食べながら、さっきのデュエルを柊真さんに話していた。

 

「へぇ、濡羽くんが負けたのか」

「はい。まさかディメンジョン・ウォールが伏せてあるとは思いませんでしたよ…」

「スフィアードにディメンジョン…反射ダメージが好きなのかな?」

「…違う。魔法の筒やウェーブフォースも入ってる。神の宣告も」

「おう…それは…まぁ…」

「なんというか…凄くしっかりとした防衛策ですね…」

「…初手から威嚇する咆哮を使った君に言われたくない」

「ガルドを素で立てたのは何かあると思いましたからね。スフィアードの効果ってなんなんですか?」

「…自分のガスタの先頭で自分に発生するダメージを相手に肩代わりさせる能力」

「それ、永続ですか?」

「…永続」

「キッツ!!」

 

あの時、防いでおいて良かったー!!直感サンクス!!

 

「まぁ、もう濡羽くんにはその手は通じないよね」

「こーなりゃガスタの全カード、それと関連カード…あとは各大会で使われてるようなデッキタイプを覚えますか…」

「…覚える…? そんな芸当出来るの…?」

『無理じゃないかなー?』

『出来るよ。濡羽ならね』

「…どうして…?」

「ちょっとばかし矛盾した存在だけどね…僕は」

「…どういう…?」

『ヌレハは記憶喪失で』

「サヴァン症候群なんだよ」

 

ライズベルトと柊真さんがそう言い切った。

 

「…記憶喪失でサヴァン症候群…確かに矛盾してる」

『お兄ちゃん、どういうこと?』

『”全てを記憶できるのに、全てを忘れた”ってことだよ』

 

記憶喪失。それは一切の記憶を失うこと。ここには個人差があり、思い出だけを忘れる人もいれば、知識だけを忘れる人もいる。僕は前者だ。

サヴァン症候群。完全記憶の原型、雛形とも言えるもの。全ての記憶を忘れることがないから、創作作品では特殊な立ち位置が与えられることが多い。

医者の診断では、サヴァン症候群は生まれつきだった。

つまり僕は、『サヴァン症候群の身でありながら記憶喪失になった』矛盾を抱えている。

 

「…それ、どうなの?」

「事実、そうなんですもん。僕が10歳の頃にこの家の前で倒れてたんです。その時に覚えてたことは、僕自身の名前だけだったんですよね」

「…それだけ…なの?」

「はい。親の顔も、親の名前も、何も覚えていません」

『だから、僕とヌレハがどうやって出会ったのかも覚えてないんです。と言っても、僕も覚えていないんですけどね』

 

そう…僕は初めからライズベルトといたから、いつ出会ったのか、どこで出会ったのか、何も分からないんだ。

 

「…そう…なのね…」

『もー!この話終わりにしよー!』

 

見ていられなくなったらしいセームベルさんの一声でこの話は切り上げになった。

 

「…そうですね、終わりにしましょうか。それじゃあ、今日はどうします?僕は新しいカード買いに行こうかなって思ってますけど」

「そういえばそんなこと言ってたね。僕は今日は仕事あるけど…風華さんも着いて行くかい?」

「…そうします」

 

こうして僕達はしんみりした空気を払うようにカードショップに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「…すまんな、優姫(ゆうき)さん。娘に会ったら戻るように言ってくれ」

「ええ、分かりました。本日は土曜日。2日経てば否が応でも会うことになります。その時にでも」

「頼むよ」

「任せておいてください、おじ様」

 

 

そんな会話が行われているとは、この時の僕達は知る由もなかった。




はい。とりあえず1話分終了です。

こんな駄文なのにここまででお気に入り登録者4名…誠にありがとうございます。

次回はキャラ追加、その次は新キャラとデュエルになります。ちなみにそのデュエルは今回よりも更にダメなデュエルになっておりますので容赦なくダメ出しをしてください。次次回のデュエルから本気で反映させます。次回分は…手直しする努力が出来ません()

それでは〜



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四枚目:親友

忍耐力のない更新ペース。これもうホントにどうにかなりませんかね…

悲しくも今回も会話パートです。もうこれ明日デュエルパートを投稿しますね(宣言)

さて、短い本編どうぞ。


 

私は、彼と家主さんとカードショップに来ていた。

 

「…なんで家主さんまで着いてくるの…?」

「僕の職場、これから行くカードショップなんだよ。というかいい加減名前で呼んで?僕の名前が家主だったかもって勘違いするから」

「柊真さんは柊真さんでしょ?」

「わー、こーゆー時に君の記憶力がありがたーい」

 

この人…もしかして、彼に頼りきりなの?

 

「…家主さん…龍凪さんは、自分で頑張らないの?」

「おっかしいなぁ、今日初めて会ったのに凄い辛辣だぁ!!」

『トウマ、おふざけが過ぎますよ』

『そうだよ、ふざけ過ぎ!』

「ちょ、ライズベルト!出てきちゃダメだって!」

「…セームベルも。メッ」

 

2人の精霊が叱られて項垂れている。流石は兄妹、仕草も表情も似通っている。

「何だか散々な…あ、着いたよ」

 

喋っている間にカードショップまで来ていたみたい。案外近いのね。

 

「さて、いらっしゃいませ。僕の職場、カードショップ『プリズム』へようこそ」

 

自動ドアの先にあったのは、デュエルスペースもある、それなりに大きなショップだった。

 

「おー、柊真さん社長出勤かなー?」

「おぅふ…」

「あはは…まぁ、しょうがないっちゃあしょうがないけどね…」

「にゃははー、濡羽っちいらっしゃーい。隣にいる…のは…」

「…ごめんなさい、少しこっちに来て」

 

私は、エプロン姿のバイトらしきツインテールの女の子を連れて少し離れたところに行った。

 

「…あなた、私の事知ってるわよね。お願い。彼には私の事、秘密にして」

「え、どうしてですか?」

「…彼、私の事知らないから」

「あー、確かにそーゆー事には興味示さないですからねー」

「…龍凪さんも、敢えて黙っててくれてるんだと思うし」

「柊真さんって妙なとこで気が利きますよねー、分かります分かります」

「…だからお願い、本当に私の事は…」

「大丈夫ですよー。何かカード買ってくれたら黙ってますから」

「…商売上手ね、バイトさん」

聖川(ひじりかわ)ですよ、聖川小春(こはる)。フルーナ校の生徒です」

「…そう。ごめんなさいね、あなたのこと知らなくて…」

「いえいえー、『嵐の女王』サマに把握されてたら感極まって泣いちゃいますよー」

 

…そう、私の学校での通称は『嵐の女王』。なんでそう呼ばれるようになったのかは知らない。けれど、2年にしてプラチナ1位になれば女王と呼ばれても仕方ないのかもしれない。

 

「…それじゃ、カードを見せて欲しいわ」

「ハイハーイ、こちらですよー」

「あの二人、もう仲良くなってるね」

「そうですね。小春、流石って感じです」

 

…彼は、聖川さんと知り合いなのかな?

 

「…ねぇ、あなたは彼と知り合いなの?」

「濡羽とは親友ですよ〜。小学5年の頃から一緒なんです。今だってクラスメイトですよ〜」

「…そんなに昔から。あなたは知ってるの?彼が記憶喪失だってこと」

「知ってますよ〜。と言っても、彼がその事話してたのって、私と柊真さんだけなんですけどね〜」

 

それはそうだろう。彼も自分の境遇を好き好んで話したりはしないと思う。

 

「はーい、着きましたよ〜」

「…ありがとう」

「ではごゆっくり〜」

 

…さて、カードを見定めるとしましょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直な話、傍から見れば、僕もカードを選んでる時はあそこまで集中してるのかなって思った。

 

「…やっぱり、自分のデッキにあったカードを選んでるんですよね」

「そうだろうね〜。私の場合は闇属性や植物族のサポートがあれば吟味するし、濡羽っちなら風属性や鳥獣・ドラゴン族サポート探すよね」

「それと一緒ってのは分かるんだけど…あんなに真剣になってたのかなーって思ってさ」

「なってたよー。すっごいなってた」

 

やっぱりなってたみたいですね、分かってたけど。

 

「んー…でも今気になるのはこのカードなんだよねぇ…」

「なになに?《スノーマン・エフェクト》?」

「ヴァジュランダワンショットのお供にと思って」

「やーめーてー!!!それってブロンズ生のトラウマを強化するだけだからね!?」

「いや…小春も今はシルバーでしょ…」

「そうだけど…ってそうじゃなくて!」

「…ダメ?」

「うっ…濡羽っちの顔で上目遣いはズルいよ〜…」

 

…こういう時だけはこの顔で良かったと思うね。童顔って便利ー(現実逃避)

 

「小春さーん、レジお願ーい」

「はーい。それじゃ濡羽っち、また後でねー」

「頑張ってねー。さて、他にも見よっと」

 

小春を見送った時、視界の端で何か光ったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…やってしまった。つい集中しすぎて、朝の10時から居たのに、気がつけばもう13時だ。彼はどこにいるのだろう…

 

「あ、緑葉さん。カード、買えました?」

 

お店のデュエルスペースに、コンビニの袋を持った彼がいた。

 

「…ごめんなさい、待たせてしまって」

「いえ、気にしないでいいですよ。僕もちょっと集中しすぎて…これ、さっき買ってきたんです。ここは飲食OKですし、ここで食べましょう」

 

彼が差し出してきたのは、サンドイッチとリンゴジュースだった。

 

「…ありがとう」

「あ、それで大丈夫でした?僕の好きな物買いましたけど…」

「…大丈夫。私もこれ好きだから」

「そうですか、良かったです」

 

ふとテーブルの上を見ると、何枚かのカードが広がっていた。

 

「…それは?」

「あぁ、今日買ったカードです。ちょっと試しにやってみようかなって」

 

…《スノーマン・エフェクト》に《仁王立ち》…《Emミラー・コンダクター》と《EMカード・ガードナー》…4枚の共通点が見当たらない…というか、シナジーあるの…?

 

「…これ、何が目的なの…?」

「あー、それは秘密ですね…」

「にゃはは〜、秘密にするよね〜」

 

いつの間にか聖川さんが後ろに立っていた。もしかして神出鬼没?

 

「あ、小春。バイトは終わり?」

「そ〜だよ〜、私は午前だけなんだ〜。だからさ〜、デュエルしよーよー」

「うん、なんて流れ?」

「暇なんだもーん」

「はぁ…しょうがない…デッキ少しいじって、ご飯食べ終わるまで待ってて」

「りょーかーい☆」

 

そう言うと聖川さんはどこかへ行ってしまった。多分、あの人もご飯を食べに行ったのだろう。私も食べてしまおう。

 

「…このサンドイッチ、美味しい」

「緑葉さんもそう思います?このコンビニのサンドイッチ、すごく美味しいんですよね〜」

「…よく買ってるの?」

「休みの日とかは特に。今度場所教えますよ」

「…ありがとう」

 

そうして適度に会話しながらお昼を食べた。食べ終わって直ぐに彼はデッキを触り始めたから、私は少し離れることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よっし、デッキ完成かな」

 

ご飯を食べ終えて数十分。抜くカードを決めたり、入れたカードに合わせて少し変えたり、色々してこんな時間になってしまった。緑葉さんは少し離れたところに座っている。なんでだろ?

 

「…お疲れ様」

「緑葉さん、なんで離れてたんですか?近くにいても気にしないですけど」

「…相手のデッキは、デュエルで知りたいから」

 

なるほど…緑葉さんには緑葉さんの信念があったのか。

そう思っていると、こちらに小春が駆け寄ってきた。

 

「あ、濡羽っち〜。デッキ完成したー?」

「うん、ついさっきね。それじゃあ、やる?」

「モチのロン!やろやろ!」

 

乗り気でテンションの高い小春を先頭に、僕達は少し移動した。僕達が今までいたのは、デュエルディスクを使わないデュエルをするためのスペース。今から向かうのは、デュエルディスクを使うデュエルをするためのスペースだ。テーブルは無く、少し広くなっている。そして、スタンディングデュエルには大体の場合、ギャラリーが発生するんだけど、僕も小春もそんなことを気にしない。

 

「じゃあ、行っくよー!今日は勝つよ!」

「今日も負けないよ!」

「「決闘(デュエル)!!」」




次回、濡羽vs小春です。

親友なだけあって、濡羽は小春に対しては少し砕けています。でも完全にタメでは無いんですよね。

この後いずれ登場する男の子に対しても、実はこの姿勢だったりします。濡羽が完全に心を開けるのはいつになることやら…

そして次回のデュエルはカオス中のカオスです。今回濡羽が購入したカードと彼のデッキ…この2つから何をするのか分かった人はどうぞコメントしてください。展開予想大歓迎です。

ではでは。


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五枚目:捕食者vs竜騎士

デュエルパート、小春vs濡羽です。

今回も『らしい』動きは出来ていない自負があります。ドラグニティはともかく、捕食植物はデッキ組もうと躍起になってるはずなのになぁ(´;ω;`)

それでは本編!(ヤケ)




デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 聖川小春

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

「それじゃあ、私の先攻だね〜☆私はカードを2枚伏せて、手札から《融合》だよ!」

「いぃ、初手から!?」

「手札の《捕食植物 ドロソフィルム・ヒドラ》と《捕食植物 スピノ・ディオネア》で融合!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 捕食植物モンスター

捕食植物スピノ・ディオネア 闇属性モンスター

 

「麗しき2輪の花よ、1つに溶け合い咲き誇れ!融合召喚!現れ出ちゃえ!《捕食植物 キメラフレシア》!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃表示 ATK 2500

 

「初手からキメラフレシア…!」

「私はこれでターンエンドだよ」

 

小春

モンスター キメラフレシア(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2枚

墓地 融合 ヒドラ ディオネア

LP 8000

手札 0

デッキ 35

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

小春のデッキは捕食植物(プレデター・プランツ)。様々な植物族モンスターを展開し、融合に繋げるカテゴリだ。そして今出てきたキメラフレシアは、墓地に行った次のスタンバイフェイズに、融合系のカードをサーチ出来る、初動にはもってこいの融合モンスターだ。正直言って、あれはバウンスしたいけど、そんなカード初手に持ってないよ…

 

「…もういいや!よし、行っちゃお!僕は手札の《EMカード・ガードナー》と《召喚師ライズベルト》でペンデュラムスケールをセッティング!」

「おぉ、いきなり!」

「吹き抜ける風よ、絆の輝石を揺らせ!描く軌跡は、新たな風の道標!」

 

EMカード・ガードナー ペンデュラムスケール 8

召喚師ライズベルト ペンデュラムスケール 2

ペンデュラム召喚可能レベル 3~7

 

「ペンデュラム召喚!現れろ、《ドラグニティ-ファランクス》、《ドラグニティ-ミリトゥム》!」

 

ドラグニティ-ファランクス 攻撃表示 ATK 500

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1700

 

濡羽 手札 6→2

 

「そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ファランクス レベル2 チューナー

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4

2+4=6

レベル6シンクロ

 

「駆けろ、疾風の如く!その翼で空を巡れ!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃表示 ATK 2000

 

「チャージ・ウォリアーの効果で1ドロー!」

 

チャージ・ウォリアーが僕のデッキからカードを手渡してくれた。うん、有難いんだけど…自分で引けたかな…

 

濡羽 手札 2→3

 

「カードを2枚伏せて、ターン終了かな」

 

濡羽

モンスター チャージ・ウォリアー(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ミリトゥム ファランクス

ペンデュラム ライズベルト カード・ガードナー

LP 8000

手札 1

デッキ 33

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 0→1

 

「よーし、伏せカードオープン!《捕食惑星》!」

「…うっそぉ…」

「そしてもう1枚!《捕食生成》!手札のネペンテスを見せて、チャージ・ウォリアーに捕食カウンターを1つ乗せちゃうもんね!」

 

チャージ・ウォリアーがネペンテスの種に身体を蝕まれていく。見ていてちょっと可哀想…

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー

捕食カウンター 1

レベル 6→1

 

「うぐ…捕食カウンター自体の効果で、レベルが1になるんだよね…でも、狙いはそこじゃない」

「さっすが、分かってるー!墓地のヒドラの効果!1ターンに1度、相手の捕食カウンターの乗ったモンスター1体をリリースして、手札か墓地から特殊召喚する!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守備表示 DEF 2300

 

「捕食カウンターの乗ったモンスターが場を離れたから《捕食惑星》の効果!デッキからプテロペンテスをサーチするよ!」

 

小春 手札 1→2

 

これが捕食植物デッキの特徴。他に類を見ない、効果を持ったカウンターを使って相手を追い詰める。モンスター達も、カウンターを利用するカードとカウンターを置くカードに別れている。ヒドラは、利用するカードだ。

 

「開いて、花咲き誇るサーキット!召喚条件は、『植物族モンスター2体』!私はヒドラとキメラフレシアをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れ出ちゃえ!リンク2、《アロマセラフィ-ジャスミン》!」

 

アロマセラフィ-ジャスミン リンク2 ↙↘ ATK 1800

 

「うっわ…キメラフレシア落ちた…」

「そして手札から《捕食植物モーレイ・ネペンテス》を召喚して、ジャスミンの効果!ネペンテスをリリースして、デッキから《ローンファイア・ブロッサム》を守備表示で特殊召喚!そのままローンファイアをリリースして、デッキから《捕食植物バンクシアオーガ》を特殊召喚するよ!」

 

捕食植物バンクシアオーガ 攻撃表示 ATK 2000

 

小春 手札 2→1

 

「バトル!バンクシアオーガとジャスミンでダイレクトアタック!」

 

捕食植物バンクシアオーガ ATK 2000

アロマセラフィ-ジャスミン ATK 1800

 

バンクシアオーガに噛みつかれ、ジャスミンに小突かれた。ジャスミン…そんな所で気遣いされてもね…

 

濡羽 LP 8000→4200

 

「ぐぅっ!!」

「メイン2!再び開いて!調律を司るサーキット!」

「ま、またリンク召喚!?」

「召喚条件は、『チューナーを含むモンスター2体』!ジャスミンとバンクシアオーガをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れ出ちゃえ!リンク2、《水晶機巧-ハリファイバー》!」

 

水晶機巧-ハリファイバー リンク2 ↙↘ ATK 1500

 

「ハリファイバーの効果!デッキからレベル3以下のチューナーを守備表示で特殊召喚!来て、《水晶機巧-クオン》!」

 

水晶機巧-クオン 守備表示 DEF 500

 

何故か小春のデッキには、少しだけ水晶機巧(クリストロン)のカードが入っている。まぁ、あげたの僕なんだけどね…

昔の小春は捕食植物じゃなくて氷結界使ってたから、それのサポート的な感じで使えればいいかなって渡したはずの水晶機巧が、こんな形で敵対するとは思わなかったんだよねぇ…

 

「私はこれでターンエンドかな」

 

小春

モンスター ハリファイバー(攻撃表示) クオン(守備表示)

魔法・罠 惑星

墓地 生成 ヒドラ ディオネア キメラフレシア ネペンテス ロンファ ジャスミン バンクシアオーガ

LP 8000

手札 1

デッキ 31

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

「この瞬間、キメラフレシアの効果!それにチェーンしてクオンの効果だよ!まずはクオンの効果を処理!手札からプテロペンテスを特殊召喚して、この2体でシンクロ召喚するよ!」

「やっぱりその流れだよねぇ!!」

 

水晶機巧-クオン レベル1 チューナー

捕食植物プテロペンテス レベル3

1+3=4

クオン デメリット 機械族

レベル4 機械族シンクロ

 

「異形の腕は力の証!仲間のために力を貸して!シンクロ召喚!《アームズ・エイド》!」

 

アームズ・エイド 守備表示 DEF 1200

 

「アームズ・エイドの装備効果は使わない。そしてキメラフレシアの効果で融合を持ってくるよ」

 

小春 手札 1→0→1

 

小春は存分に動けて満足そう。でも、相対的に僕の手札は悪いんだよねぇ…

 

「まずは《命削りの宝札》!ダメージを与えられない代わりに3ドロー!」

 

濡羽 手札 2→1→4

 

よし、これで望んだカードは揃った!あとは場を整えるだけ!

 

「行くよ、ペンデュラム召喚!《ドラグニティ-プリムス・ピルス》2体!」

 

ドラグニティ-プリムス・ピルス 守備表示 DEF 1600

 

「じゃあこの瞬間にハリファイバーの効果!自身を除外して、エクストラデッキからシンクロチューナーをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!来て、加速する世界!《アクセル・シンクロン》!」

 

アクセル・シンクロン 守備表示 DEF 2100

 

「アクセル・シンクロンの効果で、デッキの《アンノウン・シンクロン》を墓地に送ってレベルを1下げる。そして、さらなる効果!」

「まだあるの!?」

「相手メインフェイズにシンクロ召喚をするよ!!」

「………」

 

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?

 

「ちょ、何それ!?相手ターンのシンクロってクリストロンの特権じゃないの!?」

「…クリストロン以外にもあるよ、その効果」

 

フィールドの外から緑葉さんが冷静にそう答えてくれた。だけど…その効果、ちょっと乱雑過ぎない?自由にレベル変えた後にシンクロとか…卑怯だよ…もういいや、後でシンクロチューナーの効果全部覚えよ…

 

「行っくよー!レベル4のアームズ・エイドに、レベル4になったアクセル・シンクロンをチューニング!」

 

アクセル・シンクロン レベル4 闇属性 チューナー

アームズ・エイド レベル4

4+4=8

レベル8シンクロ

 

「来たれ魔王!猛々しいその身を現世に顕現させよ!アクセルシンクロ!《魔王龍 ベエルゼ》!」

 

魔王龍 ベエルゼ 攻撃表示 ATK 3000

 

小春の場に、禍々しい龍が現れた。なるほど、魔王とは言い得て妙だ。

 

「…カードを1枚伏せる。そしてモンスターを1体伏せて、ターン終了。命削りの宝札の手札を全て捨てるデメリットは帳消しだよ」

 

濡羽

モンスター プリムス×2(守備表示) セットモンスター(裏守備表示)

魔法・罠 伏せ3

墓地 ミリトゥム ファランクス チャージ・ウォリアー 命削り

ペンデュラム ライズベルト カード・ガードナー

LP 4200

手札 0

デッキ 29

 

 

 

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

彼と聖川さんのデュエル、優勢なのはどう見ても聖川さんだ。彼はモンスター全てが守備表示だし、聖川さんは大型のシンクロモンスターを召喚している。威圧も充分。

 

「行くよー、このままバトル!ベエルゼで伏せモンスターに攻撃!」

(トラップ)発動!《アストラルバリア》!」

「にゃ!?」

「…えっ!!」

 

アストラルバリア…それは、相手の攻撃を自身へのダイレクトアタックに変える罠。彼のことだから、威嚇する咆哮だと思っていた。

 

「これでモンスターへは攻撃出来ないよ!」

「むぅ、ならダイレクトアタックだよ!」

 

魔王龍が無数の眷属(蝿っぽい)を召喚して、彼に攻撃した。なんというか…精神攻撃に向いてそう…

 

魔王龍 ベエルゼ ATK 3000

ダイレクトアタック

濡羽 LP 4200→1200

 

「私は1枚伏せてターンエンドだよー」

 

小春

モンスター ベエルゼ(攻撃表示)

魔法・罠 惑星 伏せ1

墓地 生成 ヒドラ ディオネア キメラフレシア ネペンテス ロンファ ジャスミン バンクシアオーガ ハリファ クオン プテロペンテス アンノウン アームズ・エイド アクセル・シンクロン

LP 8000

手札 1

デッキ 27

 

 

「ふぅ…僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

「このカードを伏せて、伏せモンスターをオープン。《メタモルポット》」

 

メタモルポット 攻撃表示 ATK 700

 

「お互いに全ての手札を捨てて5ドローだよ」

「にゃー、融合がー…」

 

濡羽 手札 0→5

小春 手札 1→0→5

 

5枚のカードを引いた時、彼の顔が変わった。具体的には、笑顔になった。きっと、何かいいカードを引いたのね。けれどその代わり、聖川さんの顔が渋くなった。あれは札が悪いのね。すぐわかるわ。

 

「行くよ!ペンデュラム召喚!来い、《ドラグニティ-レギオン》!《ドラグニティ-ブラックスピア》!そしてそのままレギオンにブラックスピアをチューニング!」

 

ドラグニティ-レギオン レベル3

ドラグニティ-ブラックスピア レベル3

3+3=6 レベル6シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、雷の牙!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ 攻撃表示 ATK 1900

 

彼の切り札、紅き竜騎士が舞い降りた。

 

「にゃ、ならこのタイミングで伏せカード、《サイクロン》!レベルを上げられたらたまらないもんね!ライズベルトを破壊だよ!」

「…それは有難いっ!まずはEmミラー・コンダクターを召喚!」

 

Emミラー・コンダクター 攻撃表示 ATK 600

 

「そしてカード・ガードナーのペンデュラム効果!僕のフィールドの全てのモンスターの守備力の合計をヴァジュランダの守備力に加える!」

 

カード・ガードナーから放たれた光が彼の全てのモンスターをつつみ、ヴァジュランダに力を与えた。

 

Emミラー・コンダクター DEF 1400

ドラグニティ-プリムス・ピルス DEF 1600 ×2

メタモルポット DEF 600

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ DEF 1200→6400

 

けど、守備力をあそこまで上げて…どうするつもりなの?

 

「そして(トラップ)発動、《仁王立ち》!ターン終了時に守備力が0になる代わりに、このターン、モンスター1体の守備力を倍にします!」

 

ヴァジュランダの後ろに、夜叉の幻影が現れた。その加護を受けたヴァジュランダは堅牢な体になったことだろう。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ DEF 6400→12800

 

「…守備力…12800」

「でも、攻撃力は変わらないよね〜☆」

「ミラー・コンダクターの効果!1ターンに1度、モンスター1体の攻守を入れ替える!その後、500ダメージを僕はうけるよ」

 

ミラー・コンダクターの魔法で、ヴァジュランダの防御力が全て槍に集まっていった。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ DEF→ATK 12800

 

濡羽 LP 1200→700

 

「…え…」

「えぇぇぇ!?!?!?」

「まだまだ行くよ!もう1枚の(トラップ)も発動、《スノーマン・エフェクト》!ダイレクトアタックを封じる代わりに、モンスター1体に攻撃力を集める!」

 

今度は、巨大な雪玉が力を集めていった。どうやって集めているのかしら…

 

Emミラー・コンダクター ATK 600

ドラグニティ-プリムス・ピルス ATK 2200 ×2

メタモルポット ATK 700

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 12800→16500

 

「…こ…攻撃力…」

「16500…って…酷くない?」

「え、これで終わりだと思うの?」

 

まだやるのね…これ…

 

「手札から《ドラグニティの神槍》を装備、さらに攻撃力600アップ!その効果でデッキからブランディストックを装備!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 16500→17100

 

「そーしーてー、手札から《団結の力》をヴァジュランダに装備!モンスターは5体、攻撃力4000アップ!さっき伏せたカードも《団結の力》だよ!さらに4000アップする!仕上げにブランディストックを墓地に送ってヴァジュランダの効果発動!攻撃力を2倍にする!」

 

仲間の思いを力に変えて、紅き竜騎士は声を轟かせた。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 17100→21100→25100→50200

 

「…攻撃力…50200…」

「酷いよ、濡羽っちー!!!」

 

これは…どう考えても初めからワンショット狙いだったわね…

 

「前の僕のターンに散々動いたお返しだよ!バトル!ヴァジュランダでベエルゼに攻撃!エクストラ・フルブレイク・ターミナイト!」

 

ありえないほどに力をつけた竜騎士が、魔王の名を冠する龍に向けて槍を放った。たとえ傷を力に変える魔王龍といえど、即死であればその力も無意味だ。南無。

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ATK 50200

魔王龍 ベエルゼ ATK 3000

50200-3000=47200

小春 LP 8000→-39200

 

「たーのしかったー!」

「…流石に酷いわね…これ…」

「こんなの…どうしろってゆーのよー!!」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽

ワンショットキル 達成




今回は濡羽くんの勝利です。

ぶっちゃけ、今回はこの50200やりたかっただけです、はい。もう少し別のカード絡めたら100400とか行けるんですけどね。いやぁ、何アップチャンスなんでしょうかね。

やることが分かってたって人、遠慮なく挙手。

それでは次回。

(命削り使った後にペンデュラムしてるのは許してください。これしないとどうしても終わりません。今回だけ、今回だけは!!)


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六枚目:結末

会話パートです。

6話目(実質7話目)ですが、既にサブタイに悩んでおります。

そして…前回はカードの効果を取り違える醜態を晒してしまい申し訳ございませんでした。次からは気を付けます。

気を取り直して本編どうぞ。


 

デュエル後に小春にちょっと聞いてみた。

 

「そう言えば、最後の手札って何引いたの?」

「フライ・ヘル、捕食接ぎ木、闇次元、サンデウ・キンジー、リビングデッド…どうしようもないでしょ?」

「…確かに、防ぎようがないわね」

「…………」

 

危ない…次のターン回してたら負けてたかもしれない…というか、フェーダー引かれてたら終わってたな…

 

「それよりもあれ何!?攻撃力おかしいでしょ!!」

「いやぁ…どうせダイレクトアタック出来ないし、否応なくカードを破壊しなきゃならないアキュリスとは併用しにくいんだよね」

 

それに、あれは手札がよかったから出来たわけで、場合によってはもっと上に行けたり行けなかったり…

 

「…でも、ちょっと面白かった。あんな頭悪いやり方、誰も思いつかない」

「確かにそうだけど…やられたこっちはたまったもんじゃないんですよー?」

「…それは分かる。だけど、見てる分には面白かったわ」

「ひーどーいーでーすーよー!!!」

 

小春が緑葉さんをポカポカ殴っている。この2人、もう仲良くなってるよ…でも女子二人がこう仲良さげにしてるの見ると…なんというか…

 

「ご馳走様です」

「…なんで合掌してるの?」

「にゃはは〜…濡羽っちの悪癖だよね〜」

「というか、さっきしれっとディスりましたよね」

「…バレた」

「バレるでしょう!?」

 

この人はあれなんですか、天然ボケですか!!

 

「…それより、周りの目をどうするの?」

「「えっ??」」

(初めからずっと見てる人達がいますよ?)

(見られてたの!?)

(こんな所でデュエルしたら否応なく見られるよ…)

「濡羽っち…どうする?」

「どうって…緑葉さん、どうします?」

「…決まってるよね」

 

「…「「早く帰ろう」」」

 

僕らの意見は見事に一致した。いやまぁそうなんだろうけどね。

 

「…あ、そうだ。聖川さん、連絡先交換しましょう」

「にゃ!?い、良いんですか?」

(なぜに敬語…)

「…構わないわよ」

「〜〜〜!!!」

「…それと、敬語は使わなくてもいいから。あと、名前で呼んで。私も名前で呼ぶから」

「…! うんっ!」

 

これは…あれかな。いわゆる『本当の意味での友達』かな。友達の定義知らないけどね。

とまぁこんな茶番()をしながらも僕達は荷物をまとめて『プリズム』を後にした。その時、僕の服のポケットに1枚のカードが潜り込んでいたんだけど、その時は気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼と聖川さんのデュエルが終わって数分後。私達は近くの公園で休んでいた。

 

「はひぇ…疲れたよー…」

「ひ…久しぶりに走ったよ…」

「…もう、嫌…」

 

三者三様の感想を抱いてはいるけれど、その根幹はきっと同じだろう。

 

(((今日はもう走りたくない)))

『そりゃあれだけ走ればそうだろうなー』

「「…誰?」」

「え、濡羽っち、風華さん、同化した?」

「…同化はしてないかな。ついでに言うなら、銅貨でも無いからね」

「何を言ってるんですか緑葉さんは…」

 

字面の問題。

それよりも、今の声はどこから…

 

『おーい、しょーねーん、入ったはいいけど出られないから出してくれー』

「いや…どこ?」

『お前さんのお腹の辺り』

「なんでパーカーのポケットなんかに…」

 

彼がぶつくさ言いながら取り出したカードは、《スターダスト・ドラゴン》だった。

 

『いやー、光だー!』

「…閃珖竜…いるけど?」

『げっ…決闘竜(デュエルドラゴン)…』

「…知ってるの?」

『パラレルワールドでの俺らの姿だな』

「…そう」

 

とりあえず、あまり面白くなさそうな話だというのはよく分かった。

 

「ぬ…濡羽っち…風華さん…?」

「…あ、小春さんがいるんだったわね…」

「……えーっと…これは…その…」

『んぁ?そこの青髪少女には見えてないのかね?』

「…彼女は”見えない”人だから」

「ねーねー、何話してるの?」

(緑葉さん…説明します?)

(…して、信じてもらえる?)

(それは…)

『じゃあこーすれば見えるよな!』

「ちょ、まっ!!」

 

スターダストはそういうが早いか、彼の制止も聞かずにクリアウィング・トゥーン・ドラゴンと同じサイズで実体化した。

 

「「…はっ?」」

『今、フウカからすごい侮蔑を受けた気がしたよ!!』

 

クリアウィング、それは気のせいだと思う。

 

「え、えぇぇぇ!!!何それ、スターダスト・ドラゴン!?」

「ほらぁ!やっぱりこの反応になるでしょぉ!!」

『いや、ごめん…こんな反応されるとは思わなかった』

『スターダストさん、今度こちらの常識を教えてあげますね』

『あぁ、ありがとう。えっと…』

『召喚師ライズベルトです。よろしくお願いします』

『よろしく』

「…日常風景?」

「ねぇねぇ、何これ!手品?手品なの??」

「あぁぁぁぁ十全にめんどくさいぃぃぃ…」

 

この状況、どうすればいいのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからさらに数分後、僕はしぶしぶ小春に全てを明かした。僕と緑葉さんがなし崩し的に同居状態なこと、カードの精霊は実在すること、2人とも精霊が見えること。その全てを明かした。

 

「ほへぇ…つまり、濡羽っちと風華さんは精霊のカードを持ってて、姿も見えるし声も聞こえるんだ」

「精霊が実体化してる間は誰でも同じなんだけどね…はぁ、あんまり知られたくなかったんだけどなぁ…」

「てことは、ベエルゼや捕食植物達も精霊だったりするのかなっ!」

「どうかな〜」

 

と、口では言いながらも僕は知っている。朧気ながら、小春の背後には紫の龍が立っているのが見える。あれが今回使わなかった小春のエース、そして小春の持つ精霊のカード。

 

「あ、そうだ!濡羽っち、カード見てよ!精霊か分かるかもしれないし!」

「え、いや…分からないと思うよ…?」

「いいからいいから!」

 

そう言って突き出してきたベエルゼのカードを渋々受け取た時、僕の視界は暗闇に包まれた。

 

 

 

 

 

 

(っ!?これは…っ!?)

 

その暗闇に映し出されたのは、赤い巨人の拳を受けるその瞬間だった。

 

『やれ、”-------”!!あの小童を叩き潰せ!抹消しろ!天聖雷撃(マヤクール・カクター)!!!』

「っ…!!(トラップ)発ど…」

 

僕は反射的に罠を発動しようとした。そして、2つの事実に気づいた。

1つは、これは実際のデュエルでは無いこと。つまり戦っているのは僕ではなく、単に視覚共有のような状態であること。

そして2つ…僕の場には攻撃表示の妙なモンスターが5体いるだけで…手札も場も、他にカードがないこと。つまりこの攻撃は防げない一撃…真に敗北をもたらす一撃なのだ。

 

「ーーーーーーーっ!!!!!」

 

 

 

 

 

「……ち……っち……濡羽っち!!」

「っ!はぁっ…小春…?」

「どうしたの、急に黙って遠くを見てたよ?」

 

僕は、さっきまで幻影を見ていたらしい。気付けば、頬を汗が伝っている。

 

「…何か、あった?そのカード、ホントに精霊が?」

「いや…なんでもないですよ。ただ、ぼーっとしてただけです」

 

我ながら苦しい言い訳だとは思うが、これで納得してもらうしかない。そう思いながらベエルゼのカードを小春に返却した。

 

「…不安。小春さん、悪いけど彼を連れて帰るから、ここでお別れね」

「うん、私も濡羽っちが少し心配だよ。風華さん、よろしくね?」

「病人じゃないんですけどね…」

「…それじゃあ、またね」

「うん。濡羽っち、ちゃんと休んでね!」

 

それだけ言い残して小春は帰っていった。僕はといえば、緑葉さんに肩を借りながら帰った。

その翌日は高熱で倒れて、1日動けなかった。




と、言うわけで濡羽くんの精霊にスターダスト・ドラゴンが加わりました(加わったのか?)。

参加の経緯としては、初戦で閃珖竜出したし、対になるカードとして参加させようかな〜という適当な理由です。

ベエルゼの見せたあの光景…これは物語の根幹に通ずるものです。分かるのはもっと先ですけど。

次回は1日超えて月曜日、アカデミアに行きます。ここで新キャラを1人か2人出します。と言っても、1人は既に出ていますけれどね。

そしてここで謝辞をば。
お気に入り登録6名、ありがとうございます!
そして評価9をつけてくださったレン・アンベルク様、yunnn様、ありがとうございます!
特にyunnn様の小説は自分が遊戯王を書きたいと思わせてくださった、原点とも言える小説の作者様です!そんな方に評価を付けてもらえて感謝しかございません!ありがとうございます!!

ではまた次回。


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七枚目:幼馴染

会話パートです。

今回登場する『✡』←このアイコンは、新キャラ目線です。ご理解の程をよろしくお願いします。

それでは本編、どうぞ。


 

月曜日、快晴。今日はいつもと違う通学。なぜなら、いつも一緒に登校していた幼馴染がどこかへ家出してしまったからです。

 

「今日アカデミアで会ったら、必ず戻るように言わなければなりませんね」

 

これはおじ様との約束でもあります。きちんと風華を連れ戻さなければなりません。

 

(それに…この歳になって恥ずかしいことですけど、1人の通学は寂しいものなのです)

 

今まで、ずっと一緒にいたからこそ、こうして離れてその人の大切さが身に染みる…とはよく言ったものですね。今ならよく分かります。

 

「はぁ…風華に会いたいです…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はいつもと違う時間…具体的には、普段よりも少し遅めにアカデミアに出発した。というのも、僕と緑葉さんが普段出ていた時間がたまたま同じだったのだ。

緑葉さんは今まで電車通学をしていたけど、距離が近くなったから歩いていくと言っていた。

 

「あ、濡羽くん!これ、風華さんに渡しておいて!」

 

そう言って柊真さんが渡してきたのはお弁当だった。

 

「これって…もしかして緑葉さんの分?」

「うん。渡しそびれちゃってさ。濡羽くんから渡しておいてよ」

「分かりました」

『ヌレハ、急がないと遅れますよ』

『遅れたりしたら駄目なのか?』

『はい、確か罰則がありましたよね』

「そうだね。でも今からなら歩いて充分間に合うよ。それじゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい。気を付けなよ」

 

いつもの挨拶を交わして、僕はアカデミアに向かった。

歩き始めて数分後

 

「おーい、濡羽ー!」

「あ、湊月君。おはよ!」

「はよ!今日はいつもより遅いんだな。なんかあったのか?」

「ちょっとね」

 

濃い緑色の髪をしている彼は西条(さいじょう)湊月(みつき)君。カードデザイナーを目指している、僕の同級生なんだ。実は左目を失明していて、左側の視野が狭いんだけど、それを感じさせないくらい明るいんだ。

 

「てか、今日は弁当2つか?」

「ううん、片方は他の人の分。柊真さんに届けてって頼まれたんだ」

「へぇ…そいつ、クラスはどこなんだ?ちょっと興味あるな!」

「えっと…緑葉風華さんって言って、ゴールドクラスの人だよ」

「………はっ??ちょ、ワンモア」

「え、だから、緑葉風華さんだよ。もしかして、知ってるの?」

 

僕がそう問うと、湊月君は頭を抱え込んだ。

 

「はぁぁぁぁぁ…いやまぁ、濡羽がそうゆうのに興味無いのは知ってたけどよ…まさかそこまでとは思わねぇわ…」

 

何故か湊月君に呆れられた。そんなに変な事言ったのかな…

 

「で、その緑葉さんに弁当渡すのか?」

「うん。そのつもりだよ」

「はぁ、頑張れよ」

「??」

 

僕には、湊月君の言っている意味が分からなかった。

 

 

 

 

 

さらに数分歩いて、僕達はアカデミアに着いた。

 

「そんじゃ、先に行ってるぜ」

「うん、また後でね」

 

湊月君と別れて僕はゴールドクラスの教室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカデミアに着き、自分の教室で私は風華を探してすぐに、いつもの席に風華を見つけました。入り口近くに座るのが風華の癖のようなものです。

 

「おはよう、風華」

「…おはよう、優姫。その顔は、お父様から聞いているってことでしょ?」

「えぇ。風華が家出したから連れ戻してくれと頼まれましたよ」

「…余計なお世話。私は、家に戻るつもりは無いから」

「なら、どこで生活を?」

「……公え」

「すいませーん、緑葉さんいますかー?」

 

私達の話に割って入ったのは、背の低い子でした。外見で判断してはダメだと言われてはいますが…あの容姿では、女の子としか思えませんね。きっと女の子でしょう。

 

「…………いるわよ」

「すごい不機嫌そうですね…それに、視線が凄い…あ、これお弁当です。柊真さんから緑葉さんにって」

「…わざわざありがとう」

「いえ、割と近かったので。では」

 

…今のは…どういう?

 

「……えっと…風華?今のは…一体?」

「…私の居候先の居候の子。あれでもれっきとした男の子」

 

……色々と驚きの内容なのですけど…

 

「い、今のは…風華が、他の方のお宅にお世話になっていて…しかも、あの女の子の様な男の子と同居していると…?」

「…そう。家主さんも、独り身の男の人。それと、彼は私達と同学年」

「………………」

 

絶句、としか言いようがありません。まさか風華が、男性2名と同じ屋根の下で過ごしているとは思いませんでしたから。

 

「…成敗しなくては」

「…物騒よ。それに彼も龍凪さんも、優しい人だから大丈夫よ。特に彼は、私の素性を知らないのだから、あまり余計なことをしないで欲しいわ」

「………え、知らないのですか?」

 

このアカデミアで、私はともかく風華のことを知らない人がいるとは…

 

「その人、世間知らずなんですか?」

「…そうかもしれない。私が言えることでも無いけど」

「……とりあえず、彼が信頼出来るか確かめなければなりませんね」

「…優姫、それよりも私は、この状況をどうにかして欲しいわ」

 

気付けば、周囲には人が集まっていました。まぁ当然と言えば当然なんでしょうけれど…

 

「ど…どうしましょうか…」

「…知らない」

 

その後、全員から質問攻めにされたのは言うまでもありませんよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼休み。僕は教室小春と湊月君と3人でお弁当を食べていた。基本的にみんな購買に行ったり学食だったりするので、教室に残るのは僕達3人だけだ。

 

「そういえば…緑葉さんのお弁当の中身も同じなのかな…」

「ふぇ?もしかして濡羽っち、風華さんと同居してたりする?」

「うん。言ってなかったっけ?」

「聞いてないよー」

「俺は朝知った。つーかあの人と一緒にいて平然としていられる濡羽がおかしいと思うんだが、聖川はどう思う?」

「んー、濡羽っちは昔からこうだからね〜」

「あ、酷い」

 

談笑しながら食べ進めていると、教室のドアが空いて、朝に緑葉さんと一緒にいた人が来た。

 

「すみません、星風濡羽くんはいますか?」

「あ、はい。僕に何か御用ですか?」

……なぁ、聖川…あれって…

うん…プラチナ2位の神名(かみな)優姫(ゆうき)さんだよ

だよな…そんな人が濡羽に何の用だ?やつぱ緑葉さん関係か?

「えぇ。簡潔に申し上げます。あなたにデュエルを申し込みます。放課後、スタジアムに来てください。では」

 

それだけ告げて黒髪の人は去っていった。

 

「…え、それだけ?」

「いやいや、割と大事だぞ!?」

「そ、そうだよ濡羽っち!」

「そんなに大事なの?単にデュエルするだけでしょ?」

「…ダーメだ…分かってねぇや…」

「そうだね…濡羽っちらしいと言えば濡羽っちらしいけど…」

 

とりあえず、放課後にスタジアムに行けばいいという事だけは理解した。

 

 

 

 

 

そして放課後。どこから話が漏れたのか、大勢の人が集まっていた。

 

「うひゃあ…人が大勢」

「困りましたね…まさかここまで人が集まるとは思いませんでした」

「…でもまぁ、悪くは無いですよね」

「そうですね。一応審判には風華を指名しましたが、よろしかったですか?」

「緑葉さんをですか?まぁ、僕には何も問題ありませんけど…」

「そうでした、私達は自己紹介がまだでしたよね。私は神名優姫といいます」

「僕は星風濡羽です。よろしくお願いします」

「こちらこそ」

「…そろそろいい?みんな待ってる」

「そうですね。では始めましょうか」

「はい!」

 

そして、緑葉さんが宣言した。

 

「…それでは、ゴールドクラス所属、プラチナ2位の神名優姫と、シルバークラス所属、星風濡羽のデュエルを始めます。デュエル開始」

「「決闘(デュエル)!!」」




今回登場した神名優姫さん、実は三枚目の終わりで話してた人です。

彼女は、風華さんの幼馴染です。

そして次回はそんな優姫さんと濡羽くんのデュエル。何気に優姫さんのデュエル書くのは難しいです。

それではまた次回。


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八枚目:守護神vs竜騎士

デュエルパートです。

今回のデュエルは濡羽vs優姫。

優姫のデッキは正直な話、とんでもなく書きにくかったです(何故選んだし)

では本編、どうぞ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 星風濡羽

後攻 神名優姫

 

デュエル開始

 

 

 

 

 

デュエルを挑まれた僕に先攻が譲られた。理由は分からないけど、デュエルを拒む理由はないもんね。

 

「僕のターン。手札から《テラ・フォーミング》を使い、デッキから《竜の渓谷》をサーチします」

 

濡羽 手札 5→4→5

 

「そしてそのまま発動。その効果でデッキから《ドラグニティ-ファランクス》をサーチします」

 

濡羽 手札 5→4→5

 

「…うーむ…」

 

この手札…大して動けそうにない。けど、一応やろうかな…

 

「手札から《ドラグニティ-アキュリス》を召喚。その効果で手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を特殊召喚して、アキュリスを装備します」

 

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1700

 

濡羽 手札 5→3

 

「そしてミリトゥムの効果で、装備状態のアキュリスを特殊召喚。そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4 鳥獣族

ドラグニティ-アキュリス レベル2 チューナー ドラゴン族

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、魔法を打ち破る赤き槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ガジャルグ》!」

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ 攻撃表示 ATK 2400

 

よし、ガジャルグは出せた。手札誘発もないみたいだね。

 

「ガジャルグの効果。デッキから《ドラグニティ-ドゥクス》をサーチして、手札から先程サーチしたファランクスを墓地へ」

 

濡羽 手札 3→4→3

 

これでやれることは全部かな。あとは相手次第っと。

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター ガジャルグ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

墓地 テラフォ アキュリス ミリトゥム ファランクス

LP 8000

手札 1

デッキ 32

 

 

「私のターン、ドロー」

 

優姫 手札 5→6

 

「では行きます。《手札抹殺》」

「いぃ!?」

「お互いに全ての手札を捨て、捨てた枚数分ドローします」

 

優姫 手札 5→0→5

濡羽 手札 1→0→1

 

(うっ…アングスが落ちちゃったか…)

 

対して優姫さんが落としたのは《ミスティック・パイパー》、《ワン・フォー・ワン》、《タスケルトン》、《クリッター》、《金華猫》の5枚。うーん…なんだっけ、見たことあるような…

 

「カードを5枚伏せて、ターン終了です」

「…えっ、もう終了ですか!?」

「そう言いましたよ」

 

優姫

モンスター 無し

魔法・罠 伏せ5

墓地 手札抹殺 ミスティック ワン・フォー・ワン タスケルトン クリッター 金華猫

LP 8000

手札 0

デッキ 29

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 1→2

 

うーん…何か思い出しかけたような…えーっと…金華猫とミスティック・パイパーはレベル1軸デッキだよね…

 

「このスタンバイフェイズ、《ギフトカード》を使用します」

「ギッ…ギフトカード!?」

「これで貴方のライフを3000回復させます」

 

濡羽 LP 8000→11000

 

なんでギフトカードなんて使うのか、ミスティックなどが入っているならレベル1軸ではないのか。そこまで考えた時、僕は相手のデッキに思い至った。ギフトカードを入れたレベル1軸のデッキといえば…

 

「あ、あぁぁぁぁぁ!!も、もしかして、【エクゾディア】…それも、【活路エクゾ】!?」

 

【活路エクゾ】。デッキの大半を、手札抹殺や活路への希望などのドローソースにして、デッキ全てを引き切ってでもエクゾディアパーツを手札に揃えるデッキ。世界大会でも上位に上り詰める成績を残していたはずだ。

 

「ふふ、ご名答。私のデッキはその通り【活路エクゾ】です。ですのでこれを使います。《活路への希望》。チェーンして《活路への希望》、さらに《ギフトカード》、最後に《積み上げる幸福》です」

 

決まった…決まってしまった。活路エクゾで1番見慣れた5枚をさっきの抹殺で引き当てていたんだ…

 

「チェーン処理、2ドロー、3000回復、1000払ってライフ差2000につき1ドロー、これをもう一度行います」

 

つまり…まずは神名さんが積み上げる幸福の効果で2枚ドローする。

 

優姫 手札 0→2

 

そして、ギフトカードで僕のライフが3000回復する。

 

濡羽 LP 11000→14000

 

活路への希望の効果で、1000ライフ払って、ライフ差2000につき1ドロー。これも神名さんの処理。

 

優姫 LP 8000→7000

14000−7000=7000

7000÷2000=3.5≒3

優姫 手札 2→5

 

そしてこの処理をもう一度。

 

優姫 LP 7000→6000

14000−6000=8000

8000÷2000=4

優姫 手札 5→9

 

ここまでやって、ようやく終わり。これでまだ僕のスタンバイフェイズなんだよね…

 

「一気に手札が9枚に…」

「ふむ…これでも引けませんか」

 

良かった…どうやらパーツは揃ってはいないみたい。

 

「ですがまぁ、良いでしょう。さぁ、続けてください」

「…はい。僕は《竜の渓谷》の効果で、《ドラグニティアームズ-ミスティル》をサーチします」

 

濡羽 手札 2→3

 

「そして《ドラグニティ-ドゥクス》を召喚。その効果で墓地のファランクスを装備します」

濡羽 手札 3→2

 

ドラグニティ-ドゥクス 攻撃表示 ATK 1500

 

「そしてファランクス自身の効果で装備状態から特殊召喚。そして開け、水晶が導くサーキット!」

「リンク召喚ですか」

「召喚条件は、『チューナーを含むモンスター2体』!僕はガジャルグとファランクスをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れろリンク2、《水晶機巧-ハリファイバー》!」

 

水晶機巧ハリファイバー リンク2 ↙ ↘ ATK 1500

 

ハリファイバーは、シンクロデッキ御用達の汎用カード。この間パック買ったらようやく当たったんだよね…長かった…

 

「そしてハリファイバーの効果!デッキからブラックスピアを守備表示で特殊召喚します!」

 

ドラグニティ-ブラックスピア 守備表示 DEF 1000

 

「そしてドゥクスをリリースして《ドラグニティアームズ-ミスティル》を特殊召喚します」

 

濡羽 手札 2→1

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示 ATK 2100

 

「ミスティルの効果で墓地のファランクスを装備。そして自身の効果でファランクスを特殊召喚。そのままチューニング!」

 

新しく手に入れた、君の力を試すよ!

 

『いつでも行けるよ、ヌレハ!』

 

ドラグニティアームズ-ミスティル レベル6

ドラグニティ-ファランクス レベル2 チューナー

6+2=8

レベル8シンクロ

 

「集いし星の煌めきを、その身に宿し飛び立て!シンクロ召喚!《スターダスト・ドラゴン》!」

『行くよぉっ!!』

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「そして《貪欲な壺》。墓地のファランクス、アングス、ミスティル、ミリトゥム、アキュリスを戻して2ドローします」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「そして今引いた《調和の宝札》を使い、《ドラグニティ-コルセスカ》を捨てて2ドロー!」

 

濡羽 手札 2→0→2

 

「…さらに、《貪欲で強欲な壺》。10枚除外して2ドローです」

 

濡羽 手札 2→1→3

 

 

(…!そうだ!)

 

正直、この手段は賭けに近い。けれど、やるしかない。パーツを引く、もしくは引いている、その可能性にかけるしかないのだ。

 

『えぇ、なんで!?それ使わなければまだ楽だよ!?』

「だって…動けないんだもん」

 

スターダストは心配性なのかな…?

 

「何を1人でブツブツと言っているのですか?」

 

そうだった…僕と緑葉さん、それに長く一緒にいる柊真さんが特別なだけで、小春や目の前の神名さんは精霊が見えないし、精霊の声も聞こえないんだった。

 

「すいません…続けます。《二重召喚》を発動して、召喚権を2回にします。これでモンスター1体をセット。カードを1枚伏せてターン終了です」

『攻撃しないのっ!?』

「フェーダー握られてたらと思うと…ね」

 

妙なところでヘタレなのでした。

 

濡羽

モンスター ハリファイバー スターダスト(攻撃表示) ブラックスピア 伏せ(守備表示)

魔法・罠 伏せ3

フィールド 竜の渓谷

墓地 貪欲 二重召喚 コルセスカ 調和 強貪 ガジャルグ

除外 裏向き10

LP 14000

手札 0

デッキ 18

 

 

 

 

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 9→10

 

先程のドローで、デッキの半分は引いた。そのおかげで今、手札にはエクゾディアパーツが2枚ある。あとはこの手札でそれを揃えるだけ。

 

「まずは《金華猫》を召喚致します。その効果で墓地より《ミスティック・パイパー》を蘇生。パイパーの効果で自身をリリースして1ドロー。ドローカードがレベル1のモンスターであれば、さらに1ドロー出来ます。ドロー」

 

優姫 手札 10→9→10

 

なるほど、最良のカードを引きました。

 

「今引いたのは《封印されし者の右腕》。さらに1ドローです」

 

優姫 手札 10→11

 

「今しかない!(トラップ)発動!」

「…えっ…?」

 

このタイミングで、罠を発動?一体何を…

 

「永続(トラップ)、《星遺物(せいいぶつ)傀儡(かいらい)》!!」

「《星遺物の傀儡》…ですか?」

「その効果で1ターンに1度、自分フィールドの裏側守備モンスターを表側攻撃表示か、表側守備表示にする!」

「なるほど、その伏せモンスターを表側守備表示にするのですね。ですが、何を伏せたのですか?」

「偶然ですけど、神名さんによく効くカードです!リバース、《メタモルポット》!」

「な…」

 

メタモルポット…ですか!?そんな、このタイミングで!?

 

「メタモルポットの効果!」

「っ!チェーンして手札より《リロード》を使います!」

 

リロードは、手札全てをデッキに戻して、戻した枚数分ドローするカード。本来なら、《打ち出の小槌》の方が良いのですけれど、生憎と引けていないのです。

 

「10枚戻して、10ドロー!」

 

優姫 手札 10→0→10

 

引いたカードは…《黒き森のウィッチ》、2枚の《積み上げる幸福》、2枚の《擬似空間》、《ミスティック・パイパー》、《チキンレース》、《テラ・フォーミング》、《クリボール》、そして……《封印されし者の右腕》。

 

「そ…そんな…!!」

「チェーン1の処理です。メタモルポットの効果で、お互いに全ての手札を捨てて、5ドローです!」

 

濡羽 手札 0→5

優姫 手札 10→0→5

 

優姫 残りデッキ 12枚

 

まさか、こんな方法でエクゾディアが敗れるとは思いませんでした。けど…けれど…

 

「…ふふふっ、やってくれましたね、星風さん!私、非常に燃えてきましたよ!」

「こちらとしては、今の10ドローでパーツ揃えられる方が怖かったんですよ?」

「そうでしょうね。ですが、私の勝つ手段はエクゾディアだけではありません!手札から《イリュージョンの儀式》を使います!」

「儀式召喚!?」

「墓地のクリボールの効果。自身を除外することで儀式召喚のリリースコストにできます。そして儀式召喚!来てください、瞳の魔人、《サクリファイス》!」

 

サクリファイス 攻撃表示 ATK 0

 

「サクリファイスの効果、あなたのスターダストを装備します。邪眼の魔力(ダーク・アイズ・マジック)!」

『うわぁぁ既視感あるぅぅぅ!!!』

「何の話!?」

 

サクリファイス ATK 0→2500

 

「バトルフェイズ、サクリファイスでハリファイバーに攻撃!幻想(イリュージョン)・シューティング・ソニック!」

 

スターダストを取り込んだサクリファイスの光線が、水晶の調律師を貫いた。そしてそのまま、星風さんの元まで光線は貫通した。

 

サクリファイス ATK 2500

水晶機巧-ハリファイバー ATK 1500

2500-1500=1000

濡羽 LP 14000→13000

 

「っ…でも、痛くはない!」

「メイン2、2枚のカードを伏せ、ターン終了です。このエンドフェイズ、金華猫は手札に戻ります」

 

優姫

モンスター サクリファイス

魔法・罠 伏せ2 スターダスト(装備)

墓地 手札抹殺 ミスティック・パイパー×2 ワン・フォー・ワン タスケルトン クリッター ギフトカード×2 活路への希望×2 金華猫 黒き森のウィッチ 積み上げる幸福×3 擬似空間×2 チキンレース テラ・フォーミング 封印されし者の右腕 リロード イリュージョンの儀式

除外 クリボール

LP 6000

手札 2

デッキ 12

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

前のターン、予想もしなかった手段でエクゾディアを切り抜けた彼はこのターン、一体どんな方法でこの場を切り抜けるのだろう。

 

「…これは…あんまり褒められた手段じゃないのかも…」

「何を言っているのですか?」

「少しだけ確認させてください…緑葉さん、()()()()()()()()()()()()()()?」

「…いえ、それは流石に可哀想だわ」

 

…もしかして、情けをかけられてます?それとも、風華に見られているから、遠慮しているのですか?

 

「だ、そうですので…火力でどうにかしますね」

「なぜあんなことを聞いたの?」

「いえ…《月の書》引くまで耐えようかなーって」

 

…メタモルポットを使い回すつもりだったのですね。

 

「まぁ無理になったので、《マジック・プランター》を発動。《星遺物の傀儡》をコストに2ドローします」

 

濡羽 手札 6→5→7

 

「そして、《竜の渓谷》の効果を使い、デッキから《ドラグニティ-ファランクス》を墓地へ送ります。そして手札より《ドラグニティ-レギオン》を召喚。墓地よりファランクスを装備します」

 

濡羽 手札 7→6

 

ドラグニティ-レギオン 攻撃表示 ATK 1200

 

「そして、ファランクス自身の効果で装備状態から特殊召喚。レギオンを対象に《下降潮流》を発動し、レベルを2にします」

 

濡羽 手札 6→5

 

ドラグニティ-レギオン レベル 3→2

 

「レベル2扱いのレギオンとレベル2のメタモルポットに、レベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティ-レギオン レベル2

メタモルポット レベル2

ドラグニティ-ファランクス レベル2 チューナー

2+2+2=6

レベル6シンクロ

 

「風が導く閃光、戦場を駆け巡る!シンクロ召喚!《スターダスト・アサルト・ウォリアー》!」

「…別の、ウォリアー…」

 

スターダスト・アサルト・ウォリアー 攻撃表示 ATK 2100

 

今、風華が『別の』ウォリアーと言いましたね…ということは、星風さんは少なくとも2体はウォリアーシンクロを使うのですか…となれば、入っているのはチャージ・ウォリアーでしょうかね。

 

「そして、《死者蘇生》を発動。墓地から《ドラグニティナイト-ガジャルグ》を特殊召喚します」

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ 攻撃表示 ATK 2400

 

ここでガジャルグ…2体のレベルはどちらも6でしたね。となれば、ここで使いましょう。

 

「ここで(トラップ)を発動します、《次元障壁》。宣言する召喚は、『エクシーズ召喚』です!」

「神名さん…残念でしたね!」

「えっ…どういう事ですか?」

「…優姫、彼のデッキにはね…」

「エクシーズモンスターは入ってませんよ!」

「なん…ですって…!?」

 

つまり、次元障壁は空打ち…!

 

「僕の目的はこっちです!セットカードオープン、《ミラクルシンクロフュージョン》!場と墓地のモンスターで融合召喚をします!」

 

スターダスト・アサルト・ウォリアー 戦士族

ドラグニティナイト-ガジャルグ ドラゴン族 シンクロ

 

「調律せし竜よ、勇士に宿れ!波動を導き覇道を駆け上がれ!融合召喚!《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃表示 ATK 3200

 

「…なんでわざわざ蘇生させたの?」

「召喚反応系の罠を使わせようと思いまして…まぁ、結果オーライですよね!」

 

そう、目的は違ったとしても、結果は上々。私の罠は1枚無駄になりましたからね。

 

「手札から魔法カード、《サイクロン》を発動し、神名さんの最後の伏せカードを破壊します!」

「それにチェーンして発動します、《メタバース》!」

「さらにチェーン!手札から《サモンチェーン》!」

「そ、それは!」

「逆順処理、サモン・チェーンの効果で僕はこのターン、3回まで通常召喚を行えます!」

「…メタバースの効果でデッキから《チキンレース》を発動します」

「最後に、サイクロンでメタバースを破壊します」

 

濡羽 手札 5→3

 

私はこれで、彼に召喚権を与えてしまったことになる。これは正直、痛手以外の何物でもない。

 

「手札から《カイザー・シーホース》を召喚、リリースして《轟雷帝ザボルグ》をアドバンス召喚!」

 

濡羽 手札 3→1

 

轟雷帝ザボルグ 攻撃表示 ATK 2800

 

「自身の効果でザボルグを破壊、お互いにエクストラデッキからザボルグのレベル分、8枚を墓地に送ります」

「私のエクストラデッキは初めから0です」

「では僕はエクストラデッキから8枚を墓地へ送ります」

 

彼が送ったのは、《ドラグニティナイト-アスカロン》、《ドラグニティナイト-ハールーン》、《ドラグニティナイト-バルーチャ》、《ドラグニティナイト-トライデント》、《ドラグニティナイト-ゲイボルグ》、《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》、《ドラグニティナイト-ロムルス》、《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の8枚だった。

 

「ライフを1000払い、《チキンレース》の効果。チキンレースを破壊!」

 

濡羽 LP 13000→12000

 

「バトルフェイズ!ドラゴエクィテスでサクリファイスに攻撃!スパイラル・ジャベリン!セットカードオープン、《決闘融合-バトル・フュージョン-》!融合モンスターが相手とバトルする時、バトルする相手モンスターの攻撃力分、その融合モンスターの攻撃力をアップさせます!」

 

竜騎士の槍が、サクリファイスが取り込んだスターダストを貫き、その衝撃で星風さんにダメージが発生した。

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200→5700

サクリファイス ATK 2500

5700-2500=3200

濡羽 LP 12000→8800

 

「装備状態のスターダストを墓地へ送り、サクリファイスは破壊されません」

 

サクリファイス ATK 2500→0

 

「いや、なんで僕にダメージが!?」

「サクリファイスの戦闘で発生するダメージは相手が受けるんです」

「くっ…カードを1枚伏せて、ターン終了です」

 

濡羽

モンスター ドラゴエクィテス(攻撃表示) ブラックスピア(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

墓地 貪欲 二重召喚 コルセスカ 強貪 調和 傀儡 マジプラ ファランクス レギオン メタポ 下降潮流 死者蘇生 ミラクルシンクロフュージョン サイクロン サモンチェーン カイザー・シーホース 轟雷帝 アスカロン ハールーン ゲイボルグ バルーチャ トライデント ロムルス チャージ・ウォリアー 決闘融合

除外 裏向き10 アサルト・ウォリアー ガジャルグ

LP 6600

手札 0

デッキ 8

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 2→3

デッキ 11

 

「金華猫を召喚、墓地のパイパーを特殊召喚します。そして効果発動、リリースして1ドローします」

 

優姫 手札 3→4

デッキ 10

 

「ドローしたのは《封印されし者の左足》。さらに1ドロー」

 

優姫 手札 4→5

デッキ 9

 

残りデッキが1桁に入った。そろそろ決めなければ、本当にデッキアウトで負けてしまう。けれども、今のドローで良いものを引いたわ。

 

「手札から巨大化をドラゴエクィテスに装備しますね」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200→6400

 

優姫 手札 5→4

 

「あっ、まず…」

「…サクリファイスの効果は…」

「星風さんも風華も、サクリファイスの効果は知ってますよね。バトル、サクリファイスでドラゴエクィテスに攻撃!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 6400

サクリファイス ATK 0

6400-0=6400

 

「サクリファイスの攻撃で発生する自分へのダメージは相手が受けます」

(トラップ)発動、《ブレイクスルー・スキル》!サクリファイスの効果を無効にします!」

「チェーン、《神の宣告》です」

 

これで、私のライフ半分とサクリファイスを引き換えに、6400ダメージを与えられる。

 

濡羽 LP 8800→2400

優姫 LP 6000→3000

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 6400→1600

 

「うぐぅ…残り200…ですか」

「メイン2、カードを2枚伏せてターン終了です。エンドフェイズ、金華猫は再び手札に戻ります」

 

優姫

モンスター 無し

魔法・罠 伏せ2

墓地 手札抹殺 ミスティック・パイパー×2 ワン・フォー・ワン タスケルトン クリッター ギフトカード×2 活路への希望×2 金華猫 黒き森のウィッチ 積み上げる幸福×3 擬似空間×2 チキンレース テラ・フォーミング 封印されし者の右腕 リロード イリュージョンの儀式 次元障壁 サクリファイス 神の宣告

除外 クリボール

LP 3000

手札 3

デッキ 9

 

 

 

 

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

彼の場には守備表示のブラックスピアだけ。彼が勝つには、今引いたカードと1枚の伏せカード、そして竜の渓谷で戦うしかない。

 

「…ふぅ…ここでこのカードを引くんだね」

「何を引いたのですか?」

「そりゃもう…勝利へ繋がるカードですよ!」

「そうですか。ではこのタイミングで使わせていただきます。(トラップ)発動、《ライバル登場!》。ブラックスピアと同じレベル3のモンスターを召喚します」

「レベル3…?」

 

レベル1を多数入れている優姫のエクゾディアデッキでレベル3のモンスターといえば…

 

「…まさかっ!」

「そのまさかですよ。《封印されしエクゾディア》を召喚します!」

 

封印されしエクゾディア 攻撃表示 ATK 1000

 

優姫 手札 3→2

 

「そして、モンスターが召喚されたので(トラップ)、《激流葬》!!」

「そんなっ!!」

「…なるほど、ね」

 

これで彼のブラックスピアは破壊される。そして優姫のモンスターが『効果で破壊され、墓地へ送られた』。つまり、優姫の3枚目の切り札が現れる。

 

「私のモンスターが効果で破壊されたので、手札の《機皇帝スキエル∞》を特殊召喚です!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻撃表示 ATK 2200

 

「…優姫、やり過ぎよ」

「ここまで熱くさせたのは星風さんの方ですよ。ですから、この程度で負けてもらっては困ります」

「〜!強そうなの来たーっ!!」

「…君も、ブレないね」

「そりゃ、負けるつもりはありませんからね!!」

「…!面白いですね!ならば私に勝ってみせてください!」

「行きます!まずは《竜の渓谷》で《ドラグニティ-セナート》を手札に加え、そのまま召喚!」

 

ドラグニティ-セナート 攻撃表示 ATK 1800

 

「セナートの効果で、手札の《ドラグニティ・ドライブ》を墓地に送り、デッキから《ドラグニティ-ブランディストック》を装備します。そしてバトル!」

「な、そのままバトルですか!?」

「セナートでスキエルに攻撃!そして(トラップ)発動!《魂の一撃》!」

「…魂の一撃…!それなら!」

「僕のライフが4000以下の時にのみ使え、ライフ半分を払うことでその効果を適用する!その効果は、4000を下回る分の数値をモンスターの攻撃力にプラスする!」

 

つまり、彼のライフは1200になり、セナートの攻撃力は2800ポイントアップする。

 

濡羽 LP 2400→1200

ドラグニティ-セナート ATK 1800→4600

 

主の魂をその身に背負った鳥獣の騎士は、共に戦う竜を携え、機械の竜に立ち向かう。その姿は、正しく戦士だ。

 

「攻撃力4600…ですか」

「スキエルの攻撃力を上回りました!行け、セナート!!」

「墓地の《タスケルトン》を除外!デュエル中1度だけ、攻撃を無効にします!」

 

セナートの攻撃は、骸骨の飛び出した黒豚によって空振りに終わった…かに見えた。

 

「ブランディストックを装備したモンスターは、2回攻撃が出来ます!追撃しろ、セナート!!」

 

1度は躱された攻撃だったが、その騎士は止まらない。2度目の攻撃で機皇帝を貫き、そのまま優姫にもダメージを与えた。

 

ドラグニティ-セナート ATK 4600

機皇帝スキエル∞ ATK 2200

4600-2200=2400

優姫 LP 3000→900

 

「うー、ギリギリ足りなかった…僕はこれでターン終了です」

 

濡羽

モンスター セナート

魔法・罠 ブランディストック

フィールド 竜の渓谷

墓地 貪欲 二重召喚 調和 コルセスカ 強貪 傀儡 マジプラ ファランクス レギオン メタポ 下降潮流 死者蘇生 ミラクルシンクロフュージョン サイクロン サモンチェーン カイザー・シーホース 轟雷帝 アスカロン ハールーン ゲイボルグ バルーチャ トライデント ロムルス チャージ・ウォリアー 決闘融合 ドラゴエクィテス スターダスト ブレスル ブラックスピア 魂の一撃

除外 アサルト・ウォリアー ガジャルグ 裏向き10

LP 6600

手札 0

デッキ 5

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 1→2

 

残りデッキ 8

 

「三度金華猫を召喚、ミスティック・パイパーを特殊召喚します」

「何度その効果を使うんですか!休ませてあげてくださいよ!《ブレイクスルー・スキル》を墓地から除外して、金華猫の効果を無効にします!」

 

障壁を撃ち破る竜により、金華猫は効果が無効にされた。

 

「…さすがに、無効にしないとキツイわよね」

「では…一応の意味合いで入れていたこれを使いますね。《貪欲な壺》!」

 

…確かに…貪欲な壺は、エクゾディアデッキではあまり見ない。何せ、墓地にモンスターが溜まることが殆どないから。

 

「墓地のエクゾディア、右腕、パイパー2体、金華猫を戻して2ドローです!」

 

優姫 手札 1→0→2

残りデッキ 8→13→11

 

「…仕方ないですね。こうなればもうやけです!カードを1枚伏せて《命削りの宝札》!3ドローです!」

 

命削りの宝札は、そのターン中、ダメージを与えられず、特殊召喚出来ない代わりに手札が3枚になるようにドローできる。けど、そのターン終了時に手札を全て捨てなければならない、とても重い制約がある。けど彼が無効にしたおかげで、このターンはまだ特殊召喚していない。命削りは使える。

 

優姫 手札 2→0→3

残りデッキ 8

 

「今引いた《一時休戦》を使い、お互いに1ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

優姫 手札 3→2→3

優姫 残りデッキ 7

 

もしかして優姫…このタイミングで戦闘からドローにシフトするの?

 

「今しがた引いた《貪欲な壺》を発動します!」

「2枚目っ!?」

「スキエル、クリッター、黒き森のウィッチ、金華猫、サクリファイスを戻して2ドロー!」

 

優姫 手札 3→2→4

残りデッキ 7→10

 

「手札が3枚以上なので、セットした《無の煉獄》を発動できます!1枚ドロー!」

 

優姫 手札 4→5

残りデッキ 9

 

「ふふ…ふふふふっ!」

「か…神名…さん?」

「私の手札にこの5枚が揃った時、私はゲームに勝利します!」

「そ、その効果って!!」

「…やっぱり、優姫は凄いわね。何があっても揃えてくる」

 

あれを揃えてこそ、優姫…私の誇る幼馴染よね。

 

「《封印されしエクゾディア》の効果!怒りの業火 エクゾードフレイム!」

 

優姫の背後に、彼女を守る守護神が現れ、業火を放つ。それは、必然的に彼女の勝利を意味する。

 

封印されしエクゾディア 特殊勝利(エクストラ・ウィン)

 

ゲームエンド

WINNER 神名優姫

 




今回の勝者は優姫さん。デッキの大半を引きました。まぁそれは濡羽くんもなんですけどね。

優姫さんのデッキは【活路エクゾ】にサクリファイスと機皇帝を入れたデッキ。レベル1軸なのでサポート共有出来ると思いまして。

そして彼女のデッキにはエクストラがありません。理由は強欲で金満な壺を採用していないからです。

さて次回は会話パート。濡羽くんは認められたのでしょうか。

では次回。誤字脱字・デュエル内容に関する意見等はどうぞ言ってください。



























(今回もとんでもなく効果を取り違えていました。誠に申し訳ございません)


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九枚目:評価

まずは謝罪から始めます。
前回も盛大に効果を間違えました!本当に申し訳ございません!!以後気を付けます!!

そして評価9を下さったHRT様、遅くなりましたが評価ありがとうございます!

自信なくすレベルで間違いが溜まっておりますが、本編どうぞ!


 

「デュエルありがとうございました。まさか、あの土壇場で揃えてくるとは思いませんでした」

「私も、エクゾディアを阻止されかけるとは思いませんでしたよ。あなた、なかなか面白いですね」

「面白い…ですか?」

 

そこら辺の基準がよくわからない。

 

「…お疲れ様。優姫にサクリファイスとスキエルを出させたのは凄かったわ」

「そうなんですか?」

「…いつもの優姫なら、君がメタモルポットを出した時点でもっと引いてエクゾディアを揃えに来てたから」

「そうですね。あの時点で手札に《折れ竹光》と《黄金色の竹光》がありましたからね」

「うわぁ…引く気満々だったんですね…」

 

やっぱりこの人のデッキは活路エクゾなんだなって再認識しました。

 

「…それじゃ、行こう」

「そうですね。では星風さん、また」

「あ、はい」

 

簡単な挨拶をして緑葉さんと神名さんは立ち去った。そう言えば、目的を聞いてなかったっけ…

 

「濡羽っちー!凄かったねー!」

「すげぇな濡羽!プラチナ2位の人とあそこまでやり合えるとはな!」

「プラチナ2位…?緑葉さんもそんなこと言ってたけど、それって凄いの?」

「凄いんだよ!このアカデミアで2番目に強いって事だよ!」

「へぇ…それじゃあ、1番は誰なの?」

「秘密〜!」

 

秘密にされるとすごい気になるなー!!

 

「それよりもさ、この状況どーすんだ?」

「へぁ?」

「にゃ?」

 

気が付けば周囲には人だかりができていた。

 

「…これ、どうしよう…」

「知らねぇよ…」

「にゃはは〜、諦めるー?」

 

返答する間もなく、質問攻めにあった。小春に言うなと小声で言われた事に関しては黙っていた。

 

『なぁライズベルト。人間ってなんでこんなに集まりたがるんだ?』

『興味があるからだと思いますよ』

 

この会話には凄く共感した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…優姫、どうだった?」

「正直な話、彼は強かったですね。けどそれ以上に楽しんでいるようでした」

「…うん。彼は基本的に楽しんでる」

「あそこまで純粋だと、疑う余地もありませんよね」

「…そう。それはどう捉えれば良いかしら」

「おじ様には、風華が帰るつもりがないこと、信頼出来る相手の元にいることを伝えます」

「…ありがとう、優姫」

 

よかった。私としては最良の結果になった。もし彼がお眼鏡にかなわなければ、私はあの最悪な場所に連れ戻されていただろう。

 

「いい友達を得たのですね」

「…同居人よ。友達は他にいるわ」

「あら、そうなのですか?」

「…ええ。今度紹介するわね」

「ふふ、楽しみにしていますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今、緑葉家の門の前に立っている。このもんを通り、屋敷に入ったその先におじ様…緑葉財閥の長である緑葉陽斗(はると)氏がいる。おじ様に風華の事を報告しに来たのです。

まずは門の前に立っている女の人に聞くことにします。

 

「すみません、おじ様はいらっしゃいますか?」

「はい。陽斗様は奥の自室に居られます」

「ありがとうございます」

 

おじ様の居場所を確認したあとは、そこに向かうだけです。

 

「おじ様、神名です」

「あぁ、優姫さんか。どうぞ入って」

「失礼致します」

「風華は…いないのか」

「はい。帰るつもりは無いと。それに、信頼のおける人の元に居るとも」

「…それは、君も知っている人なのかな?」

「今日会ったばかりですが。デュエルを通して、信頼出来る人であると思いました」

「…そうか。なら私も信頼してみようか」

 

良かった。おじ様も風華の家出を許してくれたようですね。

 

「ただ、条件がある」

「条件…ですか?」

「あぁ。1つは、たまにでいいから顔を見せること。曲がりなりにも親なのだ。娘のことは心配になるだろう?」

「…そうですね。私も、風華のことは心配でしたから」

「そして2つ目だが………」

「は、はいぃ!?」

 

その2つ目を聞いた時、私は今まであげたことの無いような声を出してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の晩に、緑葉さんのお父さんからの言伝を神名さんに教えてもらった。

 

「…なるほど。それをわざわざ伝えに来てくれたんですね」

「まぁ、そうですね」

「…優姫、それだけじゃないんでしょう?」

「へっ?」

「風華には隠せませんね。実は、条件が2つありまして」

「じ、条件?」

「1つは、たまにでいいからおじ様の元に顔を出すこと」

「…それくらいなら大丈夫」

「そして2つ目は…」

 

そこで一旦切ると、神名さんは部屋の外から少し大きめの荷物と…同じくらい大きな荷物を持った小春と湊月君を連れてきた。

 

「み、湊月君!?」

「…小春まで。どういうこと?」

「2つ目の条件、それは私と星風さんのご友人2人、この3人も共に過ごすことです」

「えぇっ!?」

「…それ、許されたの?」

「もちろんだよ〜♪」

「いや…割と驚いたんだが…すんなり許された」

「家主さんにも許可は得ています」

「柊真さんも!?」

 

まさか柊真さんまでグルだとは…というか、どうやって2人のことを知ったの!?

 

「まぁ正確には、私と…星風さんにご友人がいるならばその人達も含めて、風華と過ごすこと、でしたけどね」

「しれっとディスられた!?」

(『友達いるんですよね?』)

(『いないのか?』)

(いーまーすー!!)

「てな訳で!」

「これからお世話になりまーす♪」

 

本日、三日月。同居人が3人増えました。




はい、というわけで同居人増えました!(ヤケ)

まぁこの5人はとりあえず仲良くなります。(なりました、かな?)

そしてこの中で一番何も知らないのは湊月君ですね。

次のデュエル回は湊月君のデュエルの予定です。彼のデッキはリアルでも回してるので多分ミスは無いと思います。

ではまた!


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十枚目:合同デュエル

はい、ようやく不定期です(なんでや)

間違いを減らすために、とりあえず主役5人のデッキを作りました。というか、使うカード40枚+αをまとめました。疲れました。

関係ないこと話しましたが本編どうぞ。
『☪︎』このマークは湊月君のアイコンです。


 

色々あった翌日の火曜日。今日から通学はちょっと変わる。なんでかって言うと…

 

「…優姫、まだアスパラ嫌いが治ってなかったのね」

「はい…なんというか、噛んだ時の感触が嫌なんです」

「じゃーアスパラもーらいっ!」

「湊月っち、行儀悪いよ〜」

「みんな、朝から元気だね」

 

昨日、僕と緑葉さん以外にも、小春と湊月君、それに神名さんがこの家に住み始めたから。今日からこの5人で通学するんだよね。というか、神名さんってアスパラガス苦手だったんだ…意外だよ。

 

『わーい!人がいっぱい!』

『他にも精霊がいそうだな!』

『セームもスターダストさんも静かにしててくださいよ?』

『そうだぞ。今の僕らの姿は見えてないんだからな』

 

精霊達も嬉しそうで何よりだよ。やっぱりライズベルトとクリアウィングは諌める側なんだね。今、足元のカバンの中でカードが動いたけど気にしない。

 

「ご馳走様でした」

「濡羽っちはやーい!」

「え、早いの…?」

「いえ、私達がゆっくりなだけですよ」

「…特に西条君とか」

「あっ、ひでぇ」

(これ、遅刻したりしそうだなぁ…)

 

楽しそうな面々を見ながら、1人そんなことを思う僕なのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✧︎

 

今日はみんなで通学♪

 

「ねぇ濡羽っち、今日は何があったっけ?」

「確か…午後から3クラス合同でデュエルをしたと思うよ」

「そうですね。普段あまりデュエルしない方とデュエルするのは楽しみです」

「…優姫のデッキは特殊勝利デッキなのに?」

「それは言わないでください」

 

やっぱり、新しいお友達といるのって楽しいな〜♪

 

「つーか俺、まだこの人達と過ごしてる事に違和感あるんだが」

「「わかる!」」

「まぁ、逆に違和感ない方が不自然ですよね」

「…優姫が一緒なのは、慣れてるけどね」

 

そうだった、2人は幼馴染だったっけ。良いなぁ、幼馴染。私にはいないよ〜。

 

「というか、急ぎません?遅れそうで怖いんですけど」

「大丈夫じゃね?」

「大丈夫だよ〜」

「大丈夫だと思いますよ」

「…大丈夫じゃないかな」

「それで遅れても僕は責任とりませんからね!?」

 

濡羽っちは昔から妙なところで心配性なんだよね〜。楽しく行こ〜よ♪

 

「はぁ…なんでこうも…」

『キーンコーン』

「「「「…あっ」」」」

 

今のって確か…門が閉まるまであと10分のチャイムだよね〜?

 

「ほら言わんこっちゃないっ!!」

「にゃはは〜、走ろー♪」

「ちょ、ふざっ…!!」

「風華、走りますよ」

「…分かってる」

「湊月っちー、やっぱりおぶって〜」

「嫌だわっ!自分で走れ!」

「なんでこうなったんだっけー!!!!」

 

結局、門が閉まるギリギリのタイミングで、みんな汗だくになりながら入ったよ♪

 

 

 

 

 

「てなことがあったよね〜」

「僕は悪くないっ!」

「まぁ…そうっちゃそうだが…」

 

今はお昼だよ♪午前中は遊戯王の歴史を学んだり、普通の化学反応を学んだりしたよ♪

 

「そんなことより〜」

「そんなこと!?」

「午後、楽しみだね〜♪」

「そうだな。いろんなやつとデュエル出来ると思うと楽しみだぜ!」

「僕は憂鬱だよ…主に君らのせいで…」

 

あはは〜、なんか悪い気もするな〜♪

 

「ま、まぁ、とりあえずこの後のデュエル楽しもうぜ!な?」

「…分かってるよぅ…」

 

よーし、私も楽しも〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

午後、3クラス合同デュエル。この時間は授業で唯一、格上にも格下にも挑める時間だ。他のデュエルの時間だと、同じクラス内でしかデュエル出来ないからな。マンネリ化してくるんだよ。

 

「それでは、これから3時間は自由にデュエルしてください。こちらでデータを取っていますので、勝数勝率の高い4名には、最後にデュエルをしてもらいます」

 

そう、これがこの時間の特殊なところだ。多くデュエルして、多く勝った4人の小規模トーナメントをする。そしてこのデュエルの結果次第では、中間や期末のクラス転属試験が受けられるかに響いてくる。確か、ここで上位10人に入れれば可能性大だったよな。頑張るぜ!

 

「では、スタート!」

 

先生が宣言した途端、周りでデュエルが始まった。よく見ると、みんなもデュエルをしている。

 

「あ、僕が先攻なんだね。じゃあ手札から《竜の渓谷》を発動するよ!」

「手札から《融合》だよ〜♪」

「…シンクロ召喚、《ダイガスタ・イグルス》」

「カードを5枚伏せてターン終了です」

 

いや進むの早っ!!出遅れる出遅れる!!

 

「あの、すんません!」

「お、おう!なんだ?」

「俺、ブロンズクラスの新時(あらとき)(かい)って言います!俺とデュエルしてください!」

 

こいつは願ったり叶ったりだ!

 

「良いぜ、デュエルしよう!負けねぇぞ!」

「うっす!」

 

そして俺もデュエルを始めた。

 

「「決闘(デュエル)っ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『んー、なんか忘れてんだよなぁ』

『スターダストさん?』

『…いや、何でもねぇよ。さ、ヌレハの力になろうぜ!』

『ですね』

(『決闘竜と関係する何か…あったはずなんだよなぁ…』)

 

スターダストは、何かを忘れているようだった。




次回は湊月vs櫂です。

櫂くんはデュエル相手として登場させただけで、メインではありません。

彼の使うデッキは、彼の名前から察してください。レベル10軸といえば分かりますかね。
もしかしたらこのデッキはおざなりな動きをするかもしれません。リアルで組んでませんのでね。

それではまた次回。


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十一枚目:英雄vs時の神

デュエルパート、湊月vs櫂です。

今回は、効果ミスは無いと思います。無いと信じたい。というかそろそろミス0にしたい。

長々と話すのも億劫なので、本編どうぞ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 西条湊月

後攻 新時櫂

 

デュエル開始

 

☪︎

 

「俺のターン!まずは《E・HERO ブレイズマン》を召喚!」

 

E・HEROブレイズマン 攻撃表示 ATK 1200

 

「その効果でデッキから《融合》をサーチ!そして手札から《HERO,sボンド》を発動!場にE・HEROが存在する時、手札からE・HEROを2体特殊召喚する!こい、《E・HERO エアーマン》、《E・HERO フォレストマン》!」

 

E・HEROエアーマン 攻撃表示 ATK 1800

E・HEROフォレストマン 守備表示 DEF 2000

 

「特殊召喚されたエアーマンの効果で、デッキから《E・HERO オーシャン》をサーチ」

 

湊月 手札 5→3

 

よし、ここまでは上々!俺のデッキ、E・HEROは融合を軸にした動きをするデッキだ。同じ素材で複数の融合が可能なのが強みだな。さらにサーチ手段が豊富で、すぐに素材が揃うんだ!ただ、手札消費が荒いのと、融合モンスターのほとんどが蘇生不可能ってのが難点だな。

 

「開け、英傑を導くサーキット!召喚条件は『HEROモンスター2体』。俺はエアーマンとブレイズマンをリンクマーカーにセット。リンク召喚!現れろ、リンク2!《X・HERO ワンダー・ドライバー》!」

 

X・HERO ワンダー・ドライバー ATK 1800

リンク2 ↑↓

 

とりあえず様子見と行くか。

 

「俺はカードを伏せてターンエンドだ」

 

湊月

モンスター ワンダー・ドライバー(攻撃表示) フォレストマン(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 エアーマン ブレイズマン ボンド

手札 2

デッキ 34

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

櫂 手札 5→6

 

「俺は手札から《時械巫女》を特殊召喚!こいつは自分フィールドにモンスターがいない時、特殊召喚できる!」

 

時械巫女 攻撃表示 ATK 0

 

「時械巫女の効果で、自身をリリースして《時械神サンダイオン》を手札に加える。そして自分フィールドにモンスターが存在しないため、こいつをリリース無しで召喚!」

 

時械神サンダイオン 攻撃表示 ATK 4000

 

「ウッソだろお前」

 

時械神とか聞いてねぇぞ!!いや確かに言われてねぇけど!!

あいつの使う時械神は、天使族・レベル10のモンスターで構成された半上級デッキ。戦闘をトリガーに発動する効果がエグい強ぇんだ!

 

「カードを3枚伏せてバトル!!サンダイオンでワンダー・ドライバーに攻撃!」

 

神の雷光を受けた杖持つ戦士が弾け飛んだ。いや…それもエグッ。

 

時械神サンダイオン ATK 4000

X・HERO ワンダー・ドライバー ATK 1800

ワンダー・ドライバー 破壊

時械神サンダイオン 効果 戦闘ダメージ0

 

「…あ、サンダイオンは互いに戦闘ダメージ0だったな」

 

時械神達は共通効果で、コントロールするプレイヤーへの戦闘ダメージを0にするが、サンダイオンはお互いのプレイヤーへの戦闘ダメージを0にするんだった。忘れてたぜ。

 

「そうだ。だがここでサンダイオンの効果!戦闘で相手を破壊したから2000ポイントの効果ダメージっ!」

 

時械神サンダイオン 効果ダメージ 2000

湊月 LP 8000→6000

 

「うぐぅっ!!」

 

たとえ戦闘ダメージが0でも、この効果でガリガリ削られるんだよなぁ!

 

「けどこっちだってワンダー・ドライバーの効果だ!戦闘もしくは相手の効果で破壊された時、手札からHEROを特殊召喚できる!俺が特殊召喚するのは、《E・HERO シャドー・ミスト》!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 守備表示 DEF 1500

 

「うぉい制限カード素引きかよ!!」

「知らん!特殊召喚に成功したシャドー・ミストの効果でデッキから《フォーム・チェンジ》をサーチ!」

 

湊月 手札 2→1→2

 

「ふーん…てことはその伏せは融合っすね!」

「げ、バレた」

「バレるわっ!!とりあえず俺はこれでターンエンドだぜ」

 

モンスター サンダイオン

魔法・罠 伏せ3

墓地 時械巫女

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「クソッタレ!俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 2→3

 

「このタイミングでサンダイオンはデッキに戻るぜ」

 

よっしゃ、時械神の共通効果!こいつはありがたい!

 

「スタンバイフェイズ、フォレストマンの効果でデッキから《置換融合》を手札に加える。そして俺は伏せてある《融合》を発動!手札のオーシャンと場のフォレストマンを融合!」

 

E・HERO オーシャン 水属性

E・HERO フォレストマン E・HERO

 

「全てを凍てつかせる究極のZero!今こそ封印の氷を打ち破れ!融合召喚!《E・HERO アブソルートZero》!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻撃表示 ATK 2500

 

湊月 手札 4→3

 

「このターンで決めてやる!アブソルートZeroでダイレクトアタック!瞬間凍結(Freezing at moment)!」

「手札の《速攻のかかし》を捨ててバトルフェイズを強制終了だぜ!」

 

アブソルートの凍結攻撃は、ボロボロの案山子を凍りつかせるだけにとどまった。うーむ…あれ、どう見ても機械だが…ショートしてねぇよな…

 

「ちっ、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

湊月

モンスター アブソルート(攻撃表示) シャドミ(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 エアーマン ブレイズマン ボンド 融合 フォレストマン オーシャン ワンダー・ドライバー

手札 1

デッキ 30

LP 6000

 

 

「よっしゃ俺のターン、ドローだぜぃ!」

 

櫂 手札 1→2

 

「まずは永続(トラップ)、《虚無城アイン》を発動!手札の《時械神ラフィオン》を捨てて1ドロー!」

 

ここで手札交換か…ん、待てよ?伏せってあと2枚だよな…いや、まさかな…

 

「《虚無城アイン》を墓地に送って《無限悈アイン・ソフ》発動!さらにこいつを墓地に送って《無限光アイン・ソフ・オウル》を発動!!」

 

いやー!!やっぱり来やがったアイン・ソフ・オウル!!準備万端かよ!!つかアイン・ソフの効果使ってやれよ!!可哀想だろ!!

 

「アイン・ソフ・オウルの効果!手札・デッキ・墓地からカード名の異なる時械神を一体ずつ、召喚条件を無視して特殊召喚できる!手札から《時械神ミチオン》、墓地から《時械神ラフィオン》、そしてデッキから《時械神サンダイオン》をそれぞれ特殊召喚!!」

 

時械神サンダイオン 攻撃表示 ATK 4000

時械神ラフィオン 攻撃表示 ATK 0

時械神ミチオン 攻撃表示 ATK 0

 

「バトル!ラフィオンでアブソルートを攻撃!」

 

時械神ラフィオン ATK 0

E・HERO アブソルートZero ATK 2500

 

「時械神の共通効果で、戦闘・効果で破壊されず、俺への戦闘ダメージも0だ。そしてラフィオンの効果!アブソルートの攻撃力分、2500の効果ダメージ!」

 

時械神ラフィオン 効果ダメージ 2500

湊月 LP 6000→3500

 

「ぐっ…!」

「追撃しろ、ミチオン!」

 

時械神ミチオン ATK 0

E・HERO アブソルートZero ATK 2500

 

「ミチオンの効果!相手のライフを半分にする!」

 

時械神ミチオン ライフ半減効果

湊月 LP 3500→1750

 

「ぐぁっ!!」

「こいつで決める!サンダイオンで攻撃!」

「クソッタレ!速攻魔法発動、《フォーム・チェンジ》!アブソルートをエクストラデッキに戻し、同レベルのM・HEROを特殊召喚する!」

 

E・HERO アブソルートZero レベル8

 

「纏いし仮面は風の証!吹き抜けるは神の風!変身召喚!《M・HERO カミカゼ》!」

 

M・HERO カミカゼ 守備表示 DEF 1900

 

「本来ならアブソルートZeroの効果で相手の場のモンスターは全壊なんだが…」

「時械神は破壊されねぇ。でもカミカゼも戦闘破壊されねぇと」

「そうだ」

(だが…シャドミ倒されたら終わりなんだよな)

「ちっ、ターンエンド」

 

危ねぇ…気付かれなかったみたいだな。というか、防がれた事がアイツの中で大き過ぎるせいで盤面が見えてねぇんだな。こいつは好都合だ!

 

モンスター サンダイオン ミチオン ラフィオン

魔法・罠 アイン・ソフ・オウル

墓地 時械巫女 アイン アイン・ソフ 速攻のかかし

手札 1

デッキ 31

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 1→2

 

「本来ならこのタイミングで時械神はデッキに戻るが、アイン・ソフ・オウルがある限り、俺の時械神は効果の対象にならず、デッキに戻らねぇ!」

「わーってんよ!!」

 

くそ…あれを突破するにはどうすれば…

 

「君から貰ったダブル・アップ・チャンスで攻撃力194800になったドラゴエクィテスで伏せモンスターに貫通攻撃!」

「ベエルゼで君にダイレクトアタックだよ〜!」

「…攻撃力5400になったクリアウィングでダイレクトアタック」

「私の手札に5枚のエクゾディアパーツが揃いました。特殊勝利(エクストラ・ウィン)です」

 

…1人だけ攻撃力の桁がおかしいが、向こうでもみんな勝ったみてぇだな。うっし!俺も負けてらんねぇ!

 

「やるだけやってやる!《強欲で貪欲な壺》!トップを10枚裏向きで除外して2ドロー!」

 

湊月 手札 2→1→3

デッキ 29→17

 

よっし!いいカードを引いたぜ!これで行ける!

 

「俺は《皆既日蝕の書》を発動!全てのモンスターを裏側守備表示にする!」

「なっ!!」

「時械神は全体効果、そして表示形式の変更には無力だったよな!!」

 

これで、全ての時械神は裏向き!ここで攻撃する!

 

「カミカゼとシャドー・ミストを表側攻撃表示に変更!そしてフィールド魔法、《ゴーストリック・ミュージアム》発動!」

「ゴーストリック・ミュージアム????」

 

湊月 手札 3→1

 

「バトル!カミカゼでダイレクトアタック!」

「はぁ!?俺の場には裏守備の時械神達が…」

「言ってなかったな!相手の場に裏守備表示モンスターしかいない場合、ミュージアムの効果でダイレクトアタックが可能になるんだぜ!!」

「はぁ!?」

 

風を纏った戦士が、神達を通り越してプレイヤーに直接風をぶつけた。

 

M・HERO カミカゼ ダイレクトアタック ATK 2700

櫂 LP 8000→5300

 

「そしてセットオープン!速攻魔法、《フォーム・チェンジ》!」

「2枚目!?サーチしてた以外にも素で引いてたのか!」

「カミカゼをエクストラデッキに戻し、同レベルのM・HEROを特殊召喚する!」

 

M・HERO カミカゼ レベル8

 

「纏いし仮面は光の証!光の牙が敵を穿つ!変身召喚!《M・HERO 光牙》!」

 

M・HERO 光牙 攻撃表示 ATK 2500

 

「光牙の攻撃力は、相手の場のモンスターの数×500ポイントアップする!この効果には表示形式は関係ねぇ!!」

 

M・HERO 光牙 ATK 2500→4000

 

「光牙でダイレクトアタック!レイザー・ファング!」

 

M・HERO 光牙 直接攻撃 ATK 4000

櫂 LP 5300→1300

 

「そしてシャドー・ミストもダイレクトアタック!」

 

E・HERO シャドー・ミスト ダイレクトアタック ATK 1000

櫂 LP 1300→300

 

神風の戦士、光の戦士、霧の戦士の連続攻撃で櫂のライフを残り300まで減らした。もしここで火の粉でもあれば楽なんだが…生憎と、火の粉は入ってねぇんだよなぁ…

 

「メイン2、手札から《置換融合》を発動!場の光牙とシャドー・ミストを融合!」

 

M・HERO 光牙 光属性

E・HERO シャドー・ミスト E・HEROモンスター

 

「全てを照らす究極のシャイニング!閃光を越える極光をここに!融合召喚!《E・HERO The シャイニング》!」

 

E・HERO The シャイニング 攻撃表示 ATK 2600

 

「墓地に行ったシャドー・ミストの効果でデッキから《E・HERO オネスティ・ネオス》をサーチ。さらに墓地の置換融合を除外して、墓地の光牙をエクストラデッキに戻して1ドロー」

 

湊月 手札 1→0→2

 

来た、いいカードを引いた!こいつで勝ちは貰ったも同然!

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!このエンドフェイズ、皆既日蝕の書の効果で裏側にした全てのモンスターを表側守備表示にする。そして、相手は表側になったモンスターの数分ドローする。表側になったのは3枚の時械神、よってお前は3ドロー出来るぜ」

「そいつはありがてぇ!」

 

櫂 手札 1→4

 

湊月

モンスター シャイニング(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド ゴーストリック・ミュージアム

墓地 エアーマン ブレイズマン ボンド 融合 フォレストマン オーシャン ワンダー・ドライバー フォーム・チェンジ×2 強欲で貪欲な壺 皆既日蝕の書 シャドー・ミスト

除外 置換融合 裏向き10

手札 1

デッキ 15

LP 1750

 

 

「俺のターン、ドローっ!」

 

櫂 手札 4→5

 

「全ての時械神を表側攻撃表示に変更!そしてバトル!」

 

どいつだ…どいつで来るんだ!!

 

「こいつで決める!ラフィオンでシャイニングに攻撃!」

「結果は上々ってとこだな!(トラップ)発動!」

「な!何を使うつもりだ!」

「《ブレイクスルー・スキル》っ!!これでラフィオンの効果は無効になり、戦闘ダメージは通る!!」

「…っ!!これだけはしたくなかったぜ!それにチェーンして速攻魔法、《ライバル・アライバル》発動!!自分か相手のバトルフェイズ中に、モンスター1体を召喚する!」

「なっ!!」

 

このタイミングでモンスターを召喚だと!?だが、あいつのデッキは時械神。一体何が…

 

「俺はサンダイオン、ラフィオン、ミチオンをリリース!」

「はぁ!?3体リリースだぁ!?」

「こい、俺の相棒!相手を翻弄する水星の化身!《The tripping MERCURY》!!」

 

The tripping MERCURY(ザ・トリッピング・マーキュリー) 攻撃表示 ATK 2000

 

「こいつが3体素材でのアドバンス召喚に成功した時、相手モンスターの攻撃力は、その元々の数値分ダウンする!水星の呪いをその身に受けろ!アトモスフェリク ディサフェランス!」

 

E・HERO The シャイニング ATK 2600→0

 

「ちっ…!」

「さらにこいつは2回攻撃が可能!いけ、MERCURY!Temperature Change(テンパラチャー チェインジ)!!」

 

The tripping MERCURY ATK 2000

E・HERO The シャイニング ATK 0

 

「お前…この手札を忘れたわけじゃあるまいな!」

「…あっ」

 

いや忘れてたのかよっ!!詰めが甘いなっ!!!

 

「手札のオネスティ・ネオスを捨てて効果発動!シャイニングの攻撃力を2500アップするっ!!」

 

E・HERO The シャイニング ATK 0→2500

 

「不味ったー!!!!!」

「返り討ちだ、シャイニング!オネスティ・オプティカル・ストーム!!」

 

2000-2500= -500

櫂 LP 300→-200

 

「チックショーー!!もう1回!!」

「おぉ!何度でもやろうぜ!!」

 

ゲームエンド(?)

WINNER 西条湊月

 




はい、今回の勝者は湊月君。まぁ、リアルで回してるデッキを少し弄っただけなので割と楽だった可能性。

そして櫂君のデッキは時械神でした。元々時械神を使わせるつもりで、あとから名前決めたくらいですからね。時械神…時櫂新…新時櫂…ってな感じです()

少しくらい時械神らしい動きが出来たと信じたいですね。

それではまた。


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十二枚目:小規模トーナメント発表

恒例になるかもしれない開幕謝罪。
前回も盛大に効果を間違えておりました。申し訳ございませんでした!!把握漏れが多過ぎました!

そして自分、来週から期末試験週間に入りますので、更新できないかもしれません。

謝罪と報告をしたところで、本編どうぞ。



☪︎

 

3時間後…

 

「だぁぁぁぁ!!やらかしたぁぁぁぁぁ!!」

 

櫂とデュエルし過ぎて全体成績がギリ10位になっちまった!!

 

「つーかトップ4人誰だ?」

 

スコアボードに表示された名前は…

 

「1位緑葉風華、2位星風濡羽、3位四季野(しきの)(かなで)、4位聖川小春…2位と4位って誰?見たことない名前だ」

 

スコアボードを読み上げた櫂にそう問われた。まぁ、去年まではあの二人は楽しんでるだけだったからな。今回はなんでか上位にくい込んでるが…どうせ、楽しみまくった結果だろうな。それに、濡羽のドラグニティも小春の捕食植物も最近になって強化されてるし、妥当っちゃ妥当か。

 

「どっちもシルバーだ。んで、俺の友達だぜ」

「へぇ!湊月の友達は凄いんすね!」

「よーし櫂、お前は後で裏な」

「やめてー!!」

 

櫂とじゃれ合いながらも、俺は3人に心の中で声援を送った。

 

(3人共、頑張れよ!)

 

ちなみに、俺と櫂の戦績は、15戦10勝で俺が勝ち越した(ちなみに櫂は毎回初手アイン・ソフ・オウルまで揃えた。引き強過ぎ)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…優姫、残念だったね」

「いえ、仕方の無いことなんです。私のデッキはドローを主軸にしている関係上、時間がかかりますから」

 

今回は1位から6位まで、6人が勝率100%だった。けれど、5位の優姫と6位の人が何故その順位にいるかといえば、それは単に勝利数の関係。2人とも、4位の小春よりも勝数が足りなかったのだ。といっても、優姫は18勝。あと2勝していれば小春の19勝を上回って4位だったのだけれど。

 

「それにしても、今回も四季野さんは入ってきましたね。風華と同じく常連というわけですね」

「…そうね。でも、私と当たるかは分からないのよね」

 

この小規模トーナメント、決めるのは先生方だから、私が誰と当たるかも分からない。確率は…3分の1かしら?

数分後、私達の顧問の先生が試合の組み合わせを発表した。

 

「えー、まず第1試合は聖川小春vs緑葉風華!」

「風華、頑張って下さいね」

「…うん。小春には負けない」

 

小春とはまだやった事が無いから、とても楽しみ。

 

「そして第2試合は星風濡羽vs四季野奏!」

「…やっぱり、彼と四季野さんが当たるのね」

「風華の名前が呼ばれた時点で分かってはいましたけれどね」

 

それにしても、彼が四季野さんと当たるなんて…

 

「風華、なんで笑っているんですか?」

「…楽しみだからよ」

「聖川さんとのデュエルがですか?」

「…それもだけど、彼と四季野さんのデュエルもよ」

 

四季野さんのデッキは、彼のデッキに負けず劣らずの内容をしている。

 

「…内容がカオスなデッキ同士、どうなるのか楽しみ」

「確かに2人とも妙なデッキ使いますけれど…星風さんはどんな反応をしますかね」

「…彼のことだから『そんなカード入ってるんですか!?すごいですね!!』とか言うに決まってる」

「何故でしょうか…私もそんな気がします」

 

彼の思考回路は余程単純らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では10分後、試合を始めます。選手は準備をしてください」

 

僕は第2試合だから、まだ余裕があるかな。そう思っていると…

 

「濡羽っち〜!!風華さんとやれるよ〜〜!!」

「こふぁ!!」

 

勢いよく小春に抱きつかれた。割と痛い。

 

「あはは〜!やったよ〜!!楽しみだよ〜〜!!」

「わ、分かった!分かったから離れて!!痛い痛い!!」

 

主に首と腕が痛いから!!

 

「…楽しそうね」

「あ、風華さん!」

「星風さんは準備しないのですか?」

「神名さん…それより助けてください…」

 

僕の悲痛な願いは神名さんに届き、助けて貰った。というより、現在進行形で軋み続けている首の骨の音が聞こえたのかもしれない。この状況、割と危険だからね?

 

「まったく、聖川さんはもう少し落ち着きましょうね?」

「にゃはは〜♪嬉しかったんだもん♪」

「…首が痛いです…」

「…お疲れ様」

「それより、2人は準備をしなくていいのかしら?」

「あ、そうだった!向こうでデッキ調整してくるね!」

「…私も、小春用に少し見直してくる」

 

2人は別々の方向に歩いていった。そして僕は、残った神名さんに話しかけられた。

 

「星風さんは準備しなくていいのですか?」

「はい。僕の番はまだですし、何より相手のデッキが分からないので、対策もできませんし」

「えっ…四季野さんは合同デュエルの時間では毎回上位に入っていますよ?それなのに知らないんですか?」

「まぁ…楽しむことだけを考えてて、他の人のデュエルを見てなかったので…」

 

この時間は、年に4回ある。それなのに覚えていないのは、さすがに不味かったか。

 

「まぁ、事前知識がない方が、彼女のデッキは面白いですけどね」

「彼女…?女の人なんですか?」

「えぇ。私達と同じゴールドクラスです」

「ゴールドクラスなんですか!?」

 

僕はまたゴールドクラスの人と戦えるんだ…!!

 

「ふーん…君が私の相手なんだ」

「えっと…あなたが四季野さんですか?」

「えぇ、私が四季野奏よ」

 

僕の前に現れた四季野さんは、肩で切りそろえられた黄色の髪に灰色の目をしている、それなりに目を引く容姿の人だった。

 

「それにしても…こんなに小さな女の子が…」

「男子ですっ!!」

 

やっぱり初対面だと女の子扱いされちゃうんだねぇ!!

 

「…え、嘘…男の子なの…?私より可愛いのに…」

「傷口抉られますのでやめてください」

 

なんなら物理ダメージよりも効きますからね、それ…

 

「…でも、手加減はしないからね?」

「されたらされたで悲しくなりますので…」

「さて、私は準備出来てるけど、君は?」

「????」

「あ、知らないんだね…この小規模トーナメント、第1試合と第2試合は同時進行だよ」

「えっ、ホントですか!?」

 

ちょ…準備まだ終わってないよ!?

 

「では、試合を始めます。選手4()()は舞台へ」

「え、ホントに始めるの!?ま、待って!!」

 

僕は焦ってデッキをセットした。なんだか分厚いような気がしたけど、気にしなかった。

 

「…小春、よろしく」

「うん!楽しも〜!!」

「それじゃ、よろしくね、濡羽君」

「はい、よろしくお願いします!」

「では、聖川小春vs緑葉風華、四季野奏vs星風濡羽。始め!」

「「「「決闘(デュエル)!!」」」」

 

小規模トーナメントが、始まった。




というわけで唐突な新規登場。

先に宣言しておくならば、奏さんのデッキは【ジャンクドッペル】をメインに動かします。が、ジャンクドッペルとして動かすには少し余計なものが混じっています。

そして濡羽君…1回だけデッキが変わります。先に宣言するなら、濡羽君の回は効果ミスあるかもしれません。中身カオスなので…

さらに、次回次次回は流れをぶった切って連続でデュエル回です。

では、更新できないかもしれませんので、次回更新は良くて今週か来週中、悪ければ2週間後です。では。


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十三枚目:捕食者vs突風

デュエル回、小春vs風華です。

どこかで効果処理を失敗していないか不安になりながら投稿しております。目立った失敗はしていない…はず…です

不安ですが本編どうぞ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 聖川小春

後攻 緑葉風華

 

デュエル開始

 

 

 

「私のターン!」

 

確か、小春のデッキは捕食植物だったよね。あのデッキに勝つには、動きの核とも言える融合系統を止める必要がある。

 

「うー、手札が微妙だなー…2枚伏せて、モンスター1体セット。これで終了かな〜」

 

小春

モンスター 伏せ1

魔法・罠 伏せ2

墓地 無し

手札 2

デッキ 35

LP 8000

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 5→6

 

それなりに動ける手札。やっぱり、初動はこれにしようかな。

 

「…《召喚師セームベル》を召喚」

 

召喚師セームベル 攻撃表示 ATK 600

 

『わーい、久しぶりの登場だよ!』

「…セームベルの効果、このカードが場に表側表示で存在する限り1度、セームベルと同じレベルのモンスターを手札から特殊召喚できる。《ガスタ・ファルコ》を特殊召喚」

 

ガスタ・ファルコ 守備表示 DEF 1400

 

風華 手札 6→4

 

「…開いて、風が満たすサーキット。召喚条件は『風属性モンスターを含むモンスター2体』。セームベルとファルコをリンクマーカーにセット、リンク召喚。来て、リンク2 《蒼翠の風霊使いウィン》」

 

蒼翠(そうすい)風霊使(ふうれいつか)いウィン リンク2 ↙↘ ATK 1850

 

『えー、リンク素材にしちゃう!?』

「…さらに《緊急テレポート》。デッキから《ガスタの神裔 ピリカ》を特殊召喚。その効果で墓地のファルコを特殊召喚」

『無視しないでー!』

 

風華 手札 4→3

 

「う…レベル3のモンスターにレベル2のチューナーが…」

「…なら、分かるよね。レベル3のピリカにレベル2のファルコをチューニング」

 

ガスタの神裔 ピリカ レベル3 ガスタ

ガスタ・ファルコ レベル2 チューナー

3+2=5

レベル5シンクロ

 

「…その背に友を乗せ、雄々しく強く羽ばたけ。シンクロ召喚。《ダイガスタ・ガルドス》」

 

ダイガスタ・ガルドス 攻撃表示 ATK 2200

 

「うー、やっぱりー!」

「…けど残念。表側のモンスターがいないから効果は使えないわ」

「よ、よかったー」

「…だからバトル。ガルドスでセットモンスターに攻撃」

「セットモンスターは、《捕食植物プテロペンテス》だよ〜」

 

ダイガスタ・ガルドス ATK 2200

捕食植物プテロペンテス DEF 2100

 

巨大な鳥が翼竜を模した植物を蹴散らした。鳥を操る少女はどこか満足気だ。

 

「…ウィンでダイレクトアタック」

 

風を操る少女は杖で軽く殴りつけた。地味に痛そう。

 

蒼翠の風霊使いウィン ダイレクトアタック ATK 1850

小春 LP 8000→6150

 

「うぅっ!」

「…カードを2枚伏せてターン終了」

 

風華

モンスター ウィン ガルドス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 セームベル ピリカ ファルコ テレポート

手札 1

デッキ 33

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「よーし、《闇の誘惑》を使うよ!2枚ドローして、手札の闇属性を除外。私は手札から《捕食植物フライ・ヘル》を除外するよ」

 

小春 手札 3→2→4→3

 

「そして《闇次元の解放》発動〜♪除外されてるフライ・ヘルを特殊召喚〜♪」

 

捕食植物フライ・ヘル 攻撃表示 ATK 400

 

「フライ・ヘルの効果で、ガルドスに捕食カウンターを1つ乗せるよ」

 

ダイガスタ・ガルドス 捕食カウンター 1

レベル 5→1

 

「そして、捕食カウンターの乗ったモンスターがいるから、手札から《捕食植物ヘリアンフォリンクス》を特殊召喚だよ!」

 

ヘリアンフォリンクス…確か、最近のパックで追加された新しい捕食植物だったかしらね。捕食カウンターがあるだけで手札から特殊召喚できるなんて…

 

捕食植物ヘリアンフォリンクス 攻撃表示 ATK 1200

 

「さらに手札から《捕食植物サンデウ・キンジー》を召喚!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 攻撃表示 ATK 600

小春 手札 3→1

 

「そして、サンデウ・キンジーの効果発動だよ!」

「…しまった」

 

サンデウ・キンジーの効果は…融合を止められなかったみたいね。

 

「サンデウ・キンジー自身と、場のモンスターで融合召喚するよ〜!その時、相手の捕食カウンターの乗ったモンスターも融合素材にできる!私は、ガルドス、キンジー、フライ・ヘルで融合!」

 

捕食植物フライ・ヘル 闇属性

捕食植物サンデウ・キンジー 闇属性

ダイガスタ・ガルドス 風属性→闇属性

 

「3つの闇がひとつに重なるとき、新たな捕食者が目覚める!融合召喚!現れでちゃえ、《捕食植物トリフィオヴェルトゥム》!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 攻撃表示 ATK 3000

 

「…そのモンスター…闇属性3体融合かしら?」

「そうだよ〜♪さすが風華さん♪」

 

その時、見ていた学生のひとりが叫んだ。

 

「おい!ダイガスタ・ガルドスは風属性だろ!なんでそいつの融合素材にできんだよ!!」

 

周りからも、小さいながら同意の声が聞こえた。けれど、その他の人達の中には呆れ顔を浮かべる人もいた。そんな人達の思いを代弁するかのように、小春が答えた。

 

「サンデウ・キンジーの効果だよ〜。キンジーがいる時、捕食カウンターの乗ったモンスターは融合素材になる時だけ闇属性になるんだ〜♪」

「なっ…!!」

「…小春、続けていいよ」

「うん!といっても、する事なんて特にないんだけどね!バトル!トリフェオヴェルトゥムでウィンに攻撃!」

 

三つ首の竜の姿を模した植物が風を操る少女をどこかへ運び、私にも攻撃してきた。この扱いの差は何…

 

捕食植物 トリフィオヴェルトゥム ATK 3000

蒼翠の風霊使いウィン ATK 1850

3000-1850=1150

風華 LP 8000→6850

 

「…っ!けど、ウィンの効果。リンク召喚されたこのカードが戦闘及び相手の効果で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の風属性モンスターを手札に加える。私は《ガスタ・ガルド》を手札に」

 

風華 手札 1→2

 

「ヘリアンフォリンクスでもダイレクトアタックだよ!」

 

捕食植物ヘリアンフォリンクス ダイレクトアタック

ATK 1200

風華 LP 6850→5650

 

「…うっ…」

「私はこれでターン終了だよ〜」

 

小春

モンスター トリフィオヴェルトゥム ヘリアンフォリンクス (攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1 闇次元

墓地 フライ・ヘル 闇の誘惑 プテロペンテス サンデウ・キンジー

手札 1

デッキ 32

LP 6150

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 2→3

 

「一応説明しておくね!トリフィオヴェルトゥムには3つの効果があるの。

1つ、このカードの攻撃力は、このカード以外の捕食カウンターの乗ったモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。

2つ、融合召喚されているなら、相手のエクストラデッキからの特殊召喚を無効にして破壊できる。これは1ターンに1度だよ。

3つ!捕食カウンターの乗った相手モンスターがいる時、好きなタイミングで墓地から特殊召喚できる。これも1ターンに1度だね」

「…盛りすぎじゃないかしら」

 

儀式やアドバンス、手札からのペンデュラム以外へのメタ効果に近いわね。1度はブラフとして使うしかないのかしら…

 

「補足しておくね。特殊召喚無効の効果は、カード効果による特殊召喚には無力だよ〜。だから、《融合》とか《シャドー・インパルス》とかでの特殊召喚は無理だけど、普通のシンクロ召喚とかは止められるんだ〜♪」

「…そんなカード入ってないわよ」

 

仕方ない…これだけは使いたくなかったわ

 

「…《死者蘇生》。墓地のガルドスを攻撃表示で特殊召喚するわ」

 

ダイガスタ・ガルドス 攻撃表示 ATK 2200

風華 手札 3→2

 

「あっ、しまった」

「…ガルドスの効果。墓地のファルコとピリカをデッキに戻して、トリフィオヴェルトゥムを破壊」

 

ガルドスの起こした風に吹き飛ばされ、トリフィオヴェルトゥムは消え去った。なんだか、ハリボテみたいな壊れ方だったわね。

 

「にゃー!せっかく出したのにー!」

「そして《ガスタ・ガルド》を召喚」

 

ガスタ・ガルド 攻撃表示 ATK 500

 

ここは、シンクロせずに攻めた方が良いわね。

 

「バトル。ガルドスでヘリアンフォリンクスに攻撃」

 

ダイガスタ・ガルドス ATK 2200

捕食植物ヘリアンフォリンクス ATK 1200

2200-1200=1000

小春 LP 6150→5150

 

「うぅ…けどヘリアンフォリンクスの効果だよ!このカードが相手によって破壊された時、墓地のドラゴン族か植物族の闇属性モンスター1体を特殊召喚できるよ!トリフィオヴェルトゥムを特殊召喚!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 攻撃表示 ATK 3000

 

「…厄介。メイン2。1枚伏せて《下降潮流》。ガルドのレベルを2にする」

 

ガスタ・ガルド レベル 3→2

 

 

「…ターン終了」

 

風華

モンスター ガルドス ガルド(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ3

墓地 セームベル 死者蘇生 ウィン テレポート 下降潮流

手札 0

デッキ 31

LP 5650

 

 

✧︎

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

う〜ん…トリフィオヴェルトゥムの②の効果は融合召喚してないと使えないし、③の効果は実質的に無意味。今のところ使えるのは①の効果なんだけど…ガルドを立ててるってことはきっとあの伏せの内の1枚は《緊急同調》だよね〜。どうしよ。

 

「とりあえずドローしよっと♪《マジック・プランター》を使うよ。闇次元の解放を墓地に送って2ドロー!」

 

小春 手札 2→1→3

 

よーし、良いカードを引いたよ!

 

「伏せてたカードをオープンするよ!装備魔法、《捕食接ぎ木(プレデター・クラフト)》!」

「…墓地の捕食植物を特殊召喚する装備魔法ね」

「そのとーりっ!墓地のヘリアンフォリンクスを特殊召喚して、接ぎ木(クラフト)を装備するよ!」

 

捕食植物ヘリアンフォリンクス 守備表示 DEF 2400

 

「…守備表示でいいの?」

「うん!だってこうするから!《置換融合》発動!」

「…なるほどね」

「場のヘリアンフォリンクスとトリフィオヴェルトゥムで融合!」

 

捕食植物ヘリアンフォリンクス 闇属性

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 闇属性

 

「麗しき2輪の花よ、今こそひとつになりて、飢えたる竜を呼び覚ませ!融合召喚!現れでちゃえ、《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

「…フュージョン・ドラゴン…!?」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2800

小春 手札 3→2

 

ホントならドラゴスタペリアを出すつもりだったんだけど、何となくこの子を出した方がいい気がしたんだよね〜。

 

「スターヴ・ヴェノムの効果!このカードが融合召喚に成功した時、ターン終了まで相手の場の特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を吸収する!アジェクト・イーティング!」

「…チェーンして《緊急同調》。レベル5のガルドスにレベル2となったガルドをチューニング。これ、ちょっとややこしいかも」

「そうしたのは風華さんだよ〜!?」

 

ダイガスタ・ガルドス レベル5

ガスタ・ガルド レベル2 チューナー

5+2=7

レベル7シンクロ

 

「光蓄えし翼はいつまでも色褪せない。私と共に闘って。シンクロ召喚。その名は結晶竜。《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「…え、そうなの?…そう、それは…」

「???」

 

風華さんが急に独り言を言い始めた。もしかして…あのクリアウィングは濡羽っちのスターダストみたいに精霊なのかな〜?

 

「…それで、どうするの?」

「あ、うん。スターヴ・ヴェノムの効果!クリアウィングを対象に、クリアウィングと同名カードとして扱い、同じ効果を得るよ!スキル・グリード!」

「…クリアウィングの効果。レベル5以上のモンスター1体を対象にしたモンスター効果を無効にして、破壊する。ファースト・ダイクロイック・ミラー」

 

スターヴ・ヴェノムの伸ばした触手は、クリアウィングの翼から放たれる光によって掻き消され、スターヴ・ヴェノム自身もその光によって破壊されてしまった。

 

『ぐっ…すまねぇ…』

「…?」

 

今…何か聞こえたような…?

 

「…そして、クリアウィングの攻撃力は、この効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップするわ」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 2500→5300

 

「でも、破壊されたスターヴ・ヴェノムの効果だよ!融合召喚されたこのカードが破壊された時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!アシッド・ウェイバー!」

「…もう一度、クリアウィングの効果。今度は、レベル5以上のモンスターが発動したモンスター効果を無効にして破壊する。セカンド・ダイクロイック・ミラー。今回は破壊出来ないから、攻撃力は変わらないわね」

「う〜、強すぎるよ〜!!」

 

スターヴ・ヴェノムの2つの効果がどっちも無効化されちゃった…けど、まだ何とかなるかも!

 

「私はカードを1枚伏せてターン終了だよ!」

「…このエンドフェイズ、クリアウィングの攻撃力は元に戻る」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 5300→2500

 

小春

モンスター 無し

魔法・罠 伏せ1

墓地 フライ・ヘル 闇の誘惑 プテロペンテス サンデウ・キンジー ヘリアン 闇次元 マジプラ トリフィオ 置換融合 接ぎ木 スターヴ・ヴェノム

手札 1

デッキ 29

LP 5150

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 0→1

 

「この瞬間、(トラップ)発動!《リビングデッドの呼び声》!墓地のスターヴ・ヴェノムを特殊召喚だよ!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2800

 

「…邪魔…だからこうする。伏せカードオープン。《ガスタの交信》。墓地のガルドスとガルドをデッキに戻して、リビングデッドを破壊するわ」

「やーめーてー!!」

「…リビングデッドが破壊されたことで、スターヴ・ヴェノムも破壊よ」

 

う〜、いい感じに処理されちゃった…

 

「…手札から《チキンレース》を発動。1000ライフを払って1ドロー」

 

風華 手札 1→0→1

LP 5650→4650

 

「…伏せカードオープン。《巨大化》をクリアウィングに装備。私の方がライフが少ないから、攻撃力を倍にするわ」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 2500→5000

 

攻撃力は大きくなっちゃったけど、これで伏せカードはもう無くなったよ!

 

「…バトル。クリアウィングでダイレクトアタック。旋風のヘルダイブスラッシャー」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ダイレクトアタック ATK 5000

小春 LP 5150→150

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 5000→1250

 

「っ!!!」

「…私はこれでターン終了」

 

風華

モンスター クリアウィング(攻撃表示)

魔法・罠 巨大化

フィールド チキンレース

墓地 セームベル 死者蘇生 ウィン テレポート 下降潮流 緊急同調 交信

手札 1

デッキ 31

LP 4650

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

小春は、チキンレースの効果でダメージを受けない。けど私のライフは4650ある。あとは…小春の手札次第。

 

「墓地の《置換融合》を除外して効果!トリフィオヴェルトゥムをエクストラデッキに戻して1ドローするよ!」

 

小春 手札 2→3

 

「…どう?いいカードは引けた?」

「…うん!《捕食植物フライ・ヘル》を対象に2枚目の《捕食接ぎ木》を発動!墓地から特殊召喚して装備!」

 

捕食植物フライ・ヘル 守備表示 DEF 800

 

小春 手札 3→2

 

「フライ・ヘルの効果で、クリアウィングに捕食カウンターを乗せるよ!」

「…それは通してあげる」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 捕食カウンター 1

レベル 7→1

 

まだ、何とかなるから大丈夫。

 

「さらに、クリアウィングをリリースして《捕食植物バンクシアオーガ》を特殊召喚だよ!」

「…そんな…」

『フウカ、ごめんね!』

 

捕食植物バンクシアオーガ 攻撃表示 ATK 2000

小春 手札 2→1

 

「さらに手札から《捕食植物スキッド・ドロセーラ》を召喚!」

 

捕食植物スキッド・ドロセーラ 攻撃表示 ATK 800

小春 手札 1→0

 

「…手札は使い切った…墓地発動もない。どうするつもり?」

「こーするの!レベル2のフライ・ヘルとスキッド・ドロセーラにレベル6のバンクシアオーガをチューニング!」

「…レベル10のシンクロ…!?」

 

捕食植物フライ・ヘル レベル2

捕食植物スキッド・ドロセーラ レベル2

捕食植物バンクシアオーガ レベル6 闇属性 チューナー

2+2+6=10

レベル10シンクロ

 

「全てを飲み込む蝿の王!今こそ世界をその手中に収めよ!シンクロ召喚!私のとっておき!《魔王超龍 ベエルゼウス》!」

 

魔王超龍 ベエルゼウス 攻撃表示 ATK 4000

 

「バトル!ベエルゼウスでダイレクトアタックだよ!蝿王殲滅覇軍(ベエルゼウス・ジェノサイダー)!」

 

無数の蝿を引き連れた龍の一撃は、とても重かった。

 

魔王超龍 ベエルゼウス ダイレクトアタック ATK 4000

風華 LP 4650→650

 

「…うぅ…!」

「私はこれでターン終了だよ!」

 

小春

モンスター ベエルゼウス(攻撃表示)

魔法・罠 無し

墓地フライ・ヘル 闇の誘惑 プテロペンテス サンデウ・キンジー ヘリアン 闇次元 マジプラ 接ぎ木×2 スターヴ・ヴェノム リビングデッド バンクシア スキッド

除外 置換融合

手札 0

デッキ 27

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

「さ、流石に女王様でもあのモンスターは倒せないんじゃないか…?」

「か、かもね…」

「女王様が負けるのか…?」

 

随分と勝手を言ってくれる。ここまで魅せてもらったのに、それに答えないわけにはいかない。それに…私も私のデッキもまだ、諦めてはいない。

 

「…《強欲で貪欲な壺》。デッキを10枚除外して2ドロー」

 

風華 手札 2→1→3

デッキ 30→18

 

「…《おろかな埋葬》。ガルドを墓地へ送る。そして2枚目の《緊急テレポート》。デッキから《ガスタの神裔 ピリカ》を再び特殊召喚。その効果で墓地のガルドを特殊召喚」

 

ガスタの神裔 ピリカ 守備表示 DEF 1500

ガスタ・ガルド 守備表示 DEF 500

 

風華 手札 3→1

 

「…レベル3のピリカにレベル3のガルドをチューニング」

 

ガスタの神裔 ピリカ ガスタモンスター レベル3

ガスタ・ガルド チューナー レベル3

3+3=6

レベル6シンクロ

 

「その猟銃は全てを撃ち抜く。風を操る彼女に、当てられない的は無い。シンクロ召喚。風の狩人、《ダイガスタ・スフィアード 》」

 

ダイガスタ・スフィアード 攻撃表示 ATK2000

 

「…スフィアードの効果で、墓地のピリカを回収。そして《サイクロン》。私のチキンレースを破壊する」

 

風華 手札 1→0

 

「…小春、もう分かるよね」

「うん。チキンレースが無くなったから、お互いにダメージが発生する。そしてスフィアードがいる限り、ガスタと名のついたモンスターの戦闘で発生するダメージは全部私が受ける」

「…そう。私の勝ち」

「悔しいなぁ…追い詰めたのに」

「…次は、分からないかもね。スフィアードでベエルゼウスに攻撃」

 

ダイガスタ・スフィアード ATK 2000

魔法超龍 ベエルゼウス ATK 4000

2000-4000=(-2000)

 

「スフィアードの効果、ウィンドミル。戦闘ダメージを反射する」

 

ダイガスタ・スフィアード 戦闘ダメージ反射

小春 LP 150→-1850

 

「…またやろう、小春」

「次は勝つもんねっ!」

 

ゲームエンド

WINNER 緑葉風華




というわけで風華さん勝利です。

ベエルゼウスを出させた時点でこのデッキでの風華さんの勝ち筋ってこれしかないんですよね。おかしい、濡羽君よりマトモなデッキにしたはずだ…

そして次回はその濡羽君のデュエル…なんですが、先に言っておきます。

今 回 も カ オ ス な デ ッ キ 内 容 な の で 間 違 え て る 可 能 性 大 で す 。

いやですね…なんなら自分のデッキの中で最もカオスなのではないかと思いますよ、えぇ。

ではでは。


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十四枚目:屑鉄vs???

連続のデュエル回。

いつもだいたいカオスな内容の濡羽君のデッキですが…今回は恐らく、今まで以上にカオスな内容です(ミスがある可能性大です)。

それでは本編。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 四季野奏

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

僕は、初期手札5枚を見た瞬間に叫んでしまった。

 

「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!デッキ間違えたぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「は、はぁ!?」

 

僕は焦りすぎて、本来の【ドラグニティ】ではなく、別のデッキをセットしてしまったらしい。中身がまるで違うし…それに、明らかにデッキ枚数も違う。

 

「うぅ…このデッキ、昨日完成したばっかりで試運転もまだなのに…」

「い、一応聞いておこうかな…それ、何てデッキなの…?」

「それはネタバレでしょう…僕のターンに明かしますよ…明かせれば」

 

それで承諾してくれたのか、四季野さんはターンを始めた。

 

「じゃあ行くね。まずは《調律》発動!デッキから《ジャンク・シンクロン》を手札に加えて、デッキトップを落とすよ。落ちたのは…やったね、《ボルト・ヘッジホッグ》だよ!」

 

奏 手札 5→4→5

 

「うーん、もうやっちゃえ!《ジャンク・シンクロン》を召喚!その効果で墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚!さらに手札の《ドッペル・ウォリアー》の効果!墓地からモンスターが特殊召喚された時、手札から特殊召喚できる!」

「いぃ!古き良き【ジャンクドッペル】の動きだ!!」

 

ジャンク・シンクロン 攻撃表示 ATK 1300

ボルト・ヘッジホッグ 守備表示 DEF 800

ドッペル・ウォリアー 守備表示 DEF 800

 

奏 手札 5→3

 

「そして、レベル2のボルト・ヘッジホッグとドッペル・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

ジャンク・シンクロン レベル3 チューナー

ボルト・ヘッジホッグ レベル2

ドッペル・ウォリアー レベル2

3+2+2=7

レベル7シンクロ

 

「鋼の身体に纏うは数多の武具!触れて傷付いても知らないよ!シンクロ召喚!《機械竜 パワー・ツール》!」

 

機械竜パワー・ツール 守備表示 DEF 2500

 

『な…ありゃ、決闘竜(デュエルドラゴン)じゃないか!!』

(スターダスト、知ってるの?)

『あぁ、ありゃパワーツール・ドラゴンと対となる竜、機械竜 パワー・ツールだ!』

(へぇ…)

 

パワーツール・ドラゴンは知ってる。デッキから選んだ3枚の装備魔法の中からランダムに手札に加えるカードだよね。その手の効果って、同じカード3枚選ばれるだけなんだよね…

 

「ドッペル・ウォリアーの効果でドッペル・トークンを2体特殊召喚!さらにパワー・ツールに《折れ竹光》を装備!攻撃力を0上げるよ!」

 

攻撃力を0上げる…この効果自体に意味は無い。けれど、竹光がある事こそが意味をなす。そしてきっと、あのモンスターは『装備魔法を装備する』ことに意味があるのだ。

 

「そしてパワー・ツールの効果、装備特典(イクイップ・ボーナス)!自身に装備魔法が装備されたので1ドロー!」

「あ、ヤバいかも」

 

ドッペル・トークン 守備表示 DEF 400 ×2

奏 手札 2→3

 

竹光シリーズは、基本的に装備魔法で攻撃力は変化しない。けれど、《折れ竹光》をサポートする魔法がとても強いんだ。例えば…

 

「そして、《黄金色の竹光》発動!竹光がある時、2枚ドロー!」

 

奏 手札 3→2→4

 

そう、擬似的な強欲な壺とも言える黄金色の竹光。これが結構強い。制限はあれど、デメリットがないからね。普通にインチキだと思う。

 

「もういっちょ《黄金色の竹光》!2ドロー!」

 

奏 手札 4→3→5

 

「そしてカードを2枚伏せてターン終了!」

 

モンスター パワー・ツール ドッペル・トークン×2 (守備表示)

魔法・罠 伏せ2 折れ竹光

墓地 調律 ジャンク・シンクロン ボルト・ヘッジホッグ ドッペル・ウォリアー 黄金色の竹光×2

手札 3

デッキ 28

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

良かった、今のドローでこのデッキのキーカードを引けたよ!

 

「行きます!《隣の芝刈り》!!デッキが相手と同じ枚数、つまり28枚になるように墓地へ送ります。よって、26枚を墓地へ!」

「芝刈り使われた時点で察したけど、やっぱり60枚デッキだよねぇ!!!」

 

濡羽 手札 6→5

 

そう…このデッキの核を担うのは《隣の芝刈り》。この墓地肥やしが重要なんだ。問題は…

 

(良かった。あれは落ちてないみたいだね)

 

この芝刈りでキーカードが落ちなかったか。ここで落ちてもらっちゃ困るカードが幾つかあるんだよね。

 

「というか、なんで28枚って分かったの?」

「40枚デッキ前提でカウントしました」

「はい!?」

 

これ、ホントの話です。

 

「続けますね。手札から《封印の黄金櫃》!デッキの《ネクロフェイス》を除外し、2ターン後に手札に加えます!」

 

濡羽 手札 5→4

 

『うわ、えぐ』

「ネクロフェイスが除外されたので、お互いにデッキトップ5枚を除外!」

 

濡羽 残りデッキ 22

奏 残りデッキ 23

 

「そして《強欲で貪欲な壺》!デッキトップから10枚を除外して2ドロー!」

 

濡羽 手札 4→3→5

 

残りデッキ 10

 

「うわ…早くも残り10枚?」

「いえ、どうせ決まればワンショットですし。カードを3枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター なし

魔法・罠 伏せ3

墓地 29枚

除外 16

手札 2

デッキ 10

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 3→4

 

「私はターボ・シンクロンを召喚!」

 

ターボ・シンクロン 攻撃表示 ATK 100

 

「手札から《団結の力》をターボ・シンクロンに装備!モンスターが4体だから、攻撃表示3200アップ!」

 

ターボ・シンクロン ATK 100→3300

 

奏 手札 4→2

 

攻撃力3300…モンスターもいないし、これは相当不味い展開かもしれない。

 

「パワー・ツールを攻撃表示にしてバトル!ターボ・シンクロンでダイレクトアタック!」

 

ターボ・シンクロン ダイレクトアタック ATK 3300

濡羽 LP 8000→4700

 

「うぐっ…」

「パワー・ツールの効果、装備強奪(イクイップ・グラブリング)!装備魔法を正しい対象に付け替える!ターボ・シンクロンの装備魔法をパワー・ツールに!さらに装備したから1ドロー!」

 

パワー・ツールがターボ・シンクロンから装備魔法を無理やり剥ぎ取り、さらに手札も増やした。あれ、どこぞの壺よりも強欲じゃないかな…

 

ターボ・シンクロン ATK 1700→100

機械竜 パワー・ツール ATK 2300→5500

奏 手札 2→3

 

「パワー・ツールでもダイレクトアタック!重装解体(フルメタル・デモリション)!」

 

機械竜 パワー・ツール ダイレクトアタック ATK 5500

 

「くっ…これだけは受けれないですよ!(トラップ)発動、《ガード・ブロック》!ダメージを0にして1ドロー!」

 

僕のデッキからカードが1枚飛び出て、パワー・ツールの攻撃を防いだ後に僕の手札になった。いやまぁ、そういう演出なんだけどさ…無理ありすぎ。

 

濡羽 手札 2→3

残りデッキ 9

 

2体の攻撃に何とか耐えきったけど、なんだろう。まだ終わらない気がする。

 

「伏せカードオープン、《レベル・リチューナー》!パワー・ツールのレベルを1下げて6にする!そして《緊急同調》!シンクロ召喚をするよ!」

「ここで追撃!?」

「レベル6になったパワー・ツールにレベル1のターボ・シンクロンをチューニング!」

 

機械竜 パワー・ツール レベル6

ターボ・シンクロン レベル1 チューナー

6+1=7

レベル7シンクロ

 

「守護の光、竜に宿る!仮初の姿で降臨せよ!シンクロ召喚!《妖精竜エンシェント》!」

 

妖精竜 エンシェント 攻撃表示 ATK 2100

 

『妖精竜 エンシェント!エンシェント・フェアリー・ドラゴンと対をなす決闘竜(デュエルドラゴン)だ!!』

(え…2枚目なの!?)

「エンシェントでダイレクトアタック!妖精鞭尾(フェアリー・テイル・ウィップ)!」

 

妖精竜 エンシェント ダイレクトアタック ATK 2100

濡羽 LP 4700→2600

 

「うぁぁ!!」

「私はこれでターン終了だよ」

 

モンスター エンシェント(攻撃表示) ドッペル・トークン×2(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 調律 ジャンク・シンクロン ボルト・ヘッジホッグ ドッペル・ウォリアー 黄金色の竹光×2 ターボ・シンクロン 団結の力 折れ竹光 パワー・ツール レベル・リチューナー 緊急同調

除外 5

手札 3

デッキ 21

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 3→4

デッキ 8

 

よし…札は揃った!

 

「先に宣言します。このターンで四季野さんを倒します!」

「勝利宣言! やれるものならやってみせてよ!」

「まずはこのデッキを回す上で必要な彼に来てもらおうと思います!《トレジャー・パンダー》を召喚!」

 

トレジャー・パンダー 攻撃表示 ATK 1100

濡羽 手札 4→3

 

「トレジャー・パンダーの効果!墓地の魔法・罠カードを3枚まで裏向きで除外して、除外した数と同じレベルの通常モンスターをデッキから特殊召喚できる!まずは1枚除外、《弾圧される民》!2枚除外、《逃げまどう民》!そして3枚除外、《団結するレジスタンス》!」

 

弾圧される民 攻撃表示 ATK 400

逃げまどう民 攻撃表示 ATK 600

団結するレジスタンス 攻撃表示 ATK 1000

 

残りデッキ 5

 

芝刈りのおかげでコストは潤沢に揃ってたからね。というか、芝刈り搭載したのって八割くらいこのためだったりする。

 

「え…なんでその3枚???」

「この3枚が揃っている自分メインフェイズに発動できるカードがあるんですよ。それを見せてあげます!(トラップ)発動、《大革命》!」

「何それ!?」

「あのカードなんだ!?」

「知らねぇよ!!」

「あんなカードあるの!?」

 

見ているほかの学生からも驚きの声が上がっている。まぁ、《大革命》を決める人なんてほとんどいないよね。

 

「大革命の効果!相手のコントロールする全てのカードを破壊し、相手の手札を全て墓地へ送る!」

「うっそぉ!!!」

 

これで、相手の全てのカードは無に帰した!さらに繋げるよ!

 

「そして手札から魔法発動、《妨げられた壊獣の眠り》!フィールドの全てのモンスターを破壊し、僕のデッキから壊獣を一種類ずつ、お互いの場に特殊召喚する!四季野さんの場に《壊星壊獣ジズキエル》を、僕の場に《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》を特殊召喚!」

 

壊星壊獣ジズキエル 攻撃表示 ATK 3300

雷撃壊獣サンダー・ザ・キング ATK 3300

濡羽 残りデッキ 3

濡羽 手札 3→2

 

「わざわざ壊滅させたのに…なんで?」

「とあるサブプランの条件を満たしてないんです。まぁ、保険ってやつですよ。僕はエクストラデッキのカード15枚を裏向きで除外して《百万喰らいのグラットン》を特殊召喚!」

 

百万喰らいのグラットン 攻撃表示 ATK ?

 

濡羽 手札 2→1

 

「グラットンの攻撃力は、裏向きで除外されているカードの数×100ポイントになる。裏向き除外はグラットンで15枚、強欲で貪欲な壺で10枚、トレジャー・パンダーで6枚。計31枚だよ。よって3100ポイントになります!」

 

百万喰らいのグラットン ATK ?→3100

 

「そして僕は、グラットンとサンダー・ザ・キングを墓地へ送る!」

「そ、その条件って!?」

「現れろ、このデッキの切り札!《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》!!」

 

破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ 攻撃表示 ATK 0

濡羽 手札 1→0

 

「で、でも!グラットンは『リリースできない』んじゃ…」

「ギガ・レイズのテキストは『墓地に送る』。リリースじゃないから召喚コストに使えます!」

 

これ、組む時にルール質問用の掲示板で確認したからね。もしダメならジェスター・コンフィに変えてたけど、使えて良かったよ。シナジー無くなっちゃうからね。

そして、芝刈りのおかげで墓地には《破壊竜ガンドラ》《破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ》《破滅竜ガンドラX》の3種類が揃っている。つまり、ギガ・レイズ最大の効果が使えるんだ!

 

「ギガ・レイズの効果!墓地にガンドラが3種類あるため、ライフを半分支払い、このカード以外の場と墓地の全てのカードを除外する!」

「ひぎゃぁぁぁ!!!」

 

濡羽 LP 2600→1300

 

これで…いける!!

 

「僕の手札は0枚、デッキは3枚、場にモンスターは1枚。それ以外は全て除外されてるから、グラットンで除外した15枚と合わせて、僕の除外は71枚。四季野さんの除外は、デッキ21枚を引いた19枚に、エクストラデッキから出した2枚を合わせて21枚。僕らの除外合計は92枚。ギガ・レイズの攻撃力は、除外されているカードの数×300ポイントだから…」

 

破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ ATK 0→27600

 

「攻撃力27600なんておかしいよっ!!!」

「この【芝刈り大革命ガンドラ】はこの状況を作るのが大前提のデッキですからね!いっけー、ギガ・レイズ!ダイレクトアタックだ!ネオ・デストロイ・ギガレイズ!!」

 

全てを破壊する竜がその身体中から放つ光線が、乱反射しながら四季野さんに向かっていった。その威力は言うまでもない。

 

破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ ダイレクトアタック

ATK 27600

 

奏 LP 8000→-19600

 

「はぁぁぁ…良かったぁ、回ったよぅ…」

「回りすぎだと思うなっ!!!」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽




というわけで濡羽君勝利。4ターンキル。

もう少し長引かせてもよかったんですが…このデッキ、防ぐ手立てが少ないんですよ。タスケルトン、3枚のネクガ、ガードブロック…墓穴使われたら負けます()

そして濡羽君の今回のデッキは【芝刈り大革命ガンドラ】です。濡羽君の言うサブプランは《ファイナル・ギアス》です。これの発動条件を満たすために壊獣を入れ、サモプリも入っています。

さらに言うなら…このデッキの真価はもう発揮されません。さよならガンドラX…君の帰還を待っているよ…

それではまた。試験勉強頑張ります。


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十五枚目:大事な記憶

無事(?)テストが終わりましたので投稿します。

と言っても今回は会話パートですが。

それでは本編。


 

「四季野さん、ありがとうございました!」

「私はとても酷いものを見たよ…」

「そ、それは…」

 

申し開きのしようもございません…

 

「…そっちも終わってたんだ」

「あ、緑葉さん。どうでしたか?やっぱり勝ちました?」

「…結構ギリギリだった。小春はやっぱり強いね」

「う〜!負けちゃったよ〜!!」

「あはは…お疲れ様…」

 

いつもの光景、だったりする。

そんな時…

 

「しっ、しし、失礼しましたぁっ!!!」

「「へっ?」」

「あ…またですね」

 

何故か急に四季野さんが走り去ってしまった。一体、何が…?

 

「えっと…神名さん…説明を…」

「彼女は風華に憧れを抱いているんですよ。風華を神格化しているとも言えます。なので風華が近付くと、いつもあぁやってどこかへ行ってしまわれるのです」

 

要するに…緑葉さん限定のコミュ障かな?

 

「…あっ、カード落として行っちゃってるや」

 

僕は、四季野さんが落とした2枚のカードを何の気なしに拾った。そのカードは…

 

 

 

 

 

またしても視界が暗転したかと思ったら、次に広がったのは木々の生い茂る森だった。

 

「…!?」

 

見渡す限り、木、木、木、木、木、木、木、木。薄暗く、木しかなく、はっきり言って不気味とさえ思った。

 

「どこなのさ…ここは…」

 

直ぐには気が付かなかったが、視点の位置も低くなっている。どうやら、背が縮んだか、子供の視点らしい。

 

「…とりあえず、歩いてみようかな…」

 

どこを目指せばいいのか、何も分からないまま歩き続けた。

どれほど歩いただろう。不意に開けた場所に出た。

 

「うわっ…明るい…」

 

そこにあったのは、1件の民家だった。いや、民家なのかは分からないけどさ…

 

『…あっ…』

(…あ、ライズベルトだ…)

 

その民家にいたライズベルトは、僕を見た途端に家の中に入っていってしまった。なんだか、怯えてるみたいに見えたけど…

 

「おやおや、こんな森の中に来るとはね。迷子かい?」

「あ…えっと…その…」

 

ライズベルトと入れ替わりで出てきたのは、仙人みたいなお爺さんだった。

 

「迷子…と言いますか…」

「なんじゃ、違うのか?迷子でもなければここまで来んぞ」

「それよりも…」

 

さっきのって、ライズベルトですよね。僕はそう言おうとした。けれど口から出たのは…

 

「さっきの子は、誰なんですか?」

 

そんな言葉だった。

 

(えっ…誰って…僕は何を言ってるの!?)

「ほっほっほ。なんと、少年は『精霊』が見えるのか。そうかそうか」

「精霊…さっきのって、噂話のカードの精霊なの?」

(僕はなんて当たり前の事を聞いているんだ!?)

 

僕の意志とは関係なく口から出るこの言葉達。それに驚きながらも、僕は自然と受け入れていた。そう、あたかも…

 

前にも同じことを言ったかのように。

 

(…まさか…これって…でも、それなら…!)

「うむ。そうじゃよ。あれはカードの精霊。『召喚師ライズベルト』の精霊じゃ」

「精霊ってホントにいたんだ…!」

「そうじゃ。少年、君にライズベルトを預けても良いかの?」

『えっ!?』

(家の中から反応しちゃったよ…)

 

もう僕は既に考えることを諦めてたからね…

 

『老師、僕は人の世に馴染めるとは思えません!』

「馴染まんでも良い。じゃが、人と馴染むのは良い事じゃよ。というわけで、この少年と共に行きなさい」

『…分かり…ました…』

「そうじゃ、君にならこれを預けてもよかろう」

 

そう言って老人が取り出したのは、僕にとって見慣れたデッキ。そして、見慣れた切り札。

 

「こ、これって…」

『ん…ふぁ。老師、私も旅立つ時ですか?』

「そうじゃ。この少年と共に行きなさい」

『分かりました。よろしくお願いしますね』

「う、うん。よろしく」

 

老人に手渡されたデッキ。その1番上で表向きにされているカードの名前は…

 

 

 

 

 

「……星風さん?」

「…ぁ…」

 

神名さんの声で意識は現実に引き戻された。

 

「す、すいません。少しぼーっとしてました。小春、この2枚を渡してきて?」

「うん、分かった!」

 

小春はパワー・ツールとエンシェントを受け取ると、四季野さんを追っていった。

 

「それじゃあ僕は、デッキを見直してきますね。また後で、デュエルフィールドで会いましょう!」

「…ん、分かった。優姫、手伝って」

「分かりました」

 

僕は緑葉さん達と離れた後、こっそりとライズベルト達に話しかけた。

 

「…何となく、分かったよ」

『何がですか?なんて、言わなくても僕も分かってます』

「…なんでかは分からないけど、決闘竜(デュエルドラゴン)には、僕の記憶を取り戻すための力があるみたいだね」

決闘竜(デュエルドラゴン)にか?まぁ確かに、俺には詳しくは分からないことだらけだが…』

「ただ、まだ不確定要素があるんだよね…」

 

さっきの『機械竜』と『妖精竜』に見せられた光景は、なんとなくだけど僕自身の記憶だと認識できた。現に、僕の元にはライズベルトと、あのデッキ…そして、あのカードがあるから。

けれど、『魔王龍』に見せられた記憶が、僕自身の記憶なのかはあやふやだ。あの光景に当てはまるような情報は持ち合わせていないからね。

 

『ヌレハ。私、とても懐かしい事を思い出しました』

「…やっぱり、君もなんだね。ってことは、僕と君達の記憶はリンクしてるのかな…」

 

人間と精霊の記憶が繋がっている。そんなこと…あるのかな…

 

「…分からないことだらけだよ…」

『…とりあえず、今は考えないでおこうよ。目の前のことに集中しよ』

「その事なんだけど…」

 

僕は、もう1つのデッキから1枚のカードを取りだした。

 

「今回のデュエル、君を入れようかなって思ってるんだ」

『えっ…本当ですか!?』

『おー、その精霊も使うのかー。じゃあ、これも入れてくれないか?俺の新しい力だ』

 

スターダストが渡してくれたのは、見たことの無いシンクロモンスターと、チューナーモンスターの2枚。チューナーモンスターには、妙な縛りがある。

 

「…ちょっと扱いにくそうな効果だね…でもこれなら、あのカードと合わせられるかも」

『あの…スターダストさん…その2枚って、精霊にしか許されない力では?』

『ん、そうだぞ?』

『なんで安安と渡すんですかっ!?ヌレハだからいいもののっ!』

「…?」

 

話はよくわからないけど、デッキの方向性は決まったから、どうにかなりそう!

 

そうしてデッキを組み終えた頃に、放送が入った。

 

「緑葉風華さん、星風濡羽さん、デュエルフィールドに集まってください」

『ヌレハ、呼ばれましたね』

「うん、楽しもうね!」

 

デュエルフィールドに行くと、既に緑葉さんと大勢の学生が来ていた。

 

「…来たね」

「はい、遅くなりました」

「…大丈夫。そこまで待ってないから。それより、始めよう」

「ですね」

「では今から、トーナメント最終戦。ゴールドクラス・プラチナ1位 緑葉風華とシルバークラス 星風濡羽のデュエルを始めます」

(プ…プラチナ1位!?)

 

プラチナ1位、すなわちアカデミア生の最上位、正しく最強。その情報に驚いた反面、納得もした。どうりであそこまで強いわけだ、と。

 

「…黙っててごめんなさい。けど、この肩書きってあまり好きじゃないの」

「いえ、僕が知らなかったのが悪いんですから。でも、だからって気後れしたりはしませんよ。僕が戦うのは、あくまで『緑葉風華』さんですからね!」

「…うん。行くよ、『星風濡羽』くん」

「それでは、始め!」

「…「決闘(デュエル)!!」」




簡単にですが、ライズベルトとの出会いを思い出しました。

以前ちらっと登場した精霊、今回(というか次回)より本格参戦です。誰なのですかね。

次回は再びデュエル回。濡羽vs風華、2戦目です。
前回からデッキが少し変わった濡羽君、今回は勝てるのでしょうか。

ではでは。


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十六枚目:竜騎士vs突風 リベンジマッチ

デュエル回、濡羽vs風華、2度目の対決です。

書いてる途中で何度も見直したのでミスは極力減らせてるはずです(ないと言い切れない豆腐メンタル)

それでは本編。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 星風濡羽

後攻 緑葉風華

 

デュエル開始

 

 

 

 

「僕のターン!」

 

風華さんとの2度目のデュエル。前回は負けちゃったけど、今回は勝つつもりで行くよ!

 

「初動はこれから!《竜の渓谷》を発動!」

 

濡羽 手札 5→4

 

「手札から《スターダスト・シャオロン》を捨てて、デッキから《ドラグニティ-ブランディストック》をサーチします!」

 

濡羽 手札 4→3→4

 

「そして手札から《ドラグニティ-アキュリス》を召喚!」

 

ドラグニティ-アキュリス 攻撃表示 ATK 1000

 

「その効果で手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を特殊召喚し、アキュリス自身を装備します」

 

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1800

 

濡羽 手札 4→2

 

今回もよろしくね。アキュリス、ミリトゥム!

 

「…君のいつもの展開ね」

「ですね。ミリトゥムの効果で装備状態のアキュリスを特殊召喚。そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4

ドラグニティ-アキュリス レベル2 チューナー

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「駆けろ、疾風の如く!その翼で空を巡れ!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃表示

ATK 2000

 

「チャージ・ウォリアーの効果で1枚ドロー」

 

以前のように手渡しするのではなく、風を巻き起こして1枚だけ飛ばしてきた。器用なことを…

 

濡羽 手札 2→3

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター チャージ・ウォリアー

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

墓地 シャオロン アキュリス ミリトゥム

手札 1

デッキ 33

LP 8000

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 5→6

 

「…その手札、さっきサーチしたブランディストックよね」

「そうですよ」

 

この手札は最早公開情報とも言える。けれど、この伏せカードが僕を守ってくれる。きっとね。

 

「…その伏せがどんなカードかは知らないけど、私は私のデュエルをする。永続魔法、《アポート》を発動。自分の場にモンスターがいないことで、ライフ800をコストに手札から《ガスタの巫女 ウィンダ》を特殊召喚」

 

ガスタの巫女 ウィンダ 攻撃表示 ATK 1000

 

風華 手札 6→4

 

「…さらに、《召喚師セームベル》を召喚」

『2連続登場だよ!』

 

召喚師セームベル 攻撃表示 ATK 600

風華 手札 4→3

 

「…開いて、風が満たすサーキット」

『効果使ってよー!!』

「…召喚条件は『風属性を含むモンスター2体』。ウィンダとセームベルをリンクマーカーにセット。リンク召喚。リンク2、《蒼翠の風霊使いウィン》」

 

蒼翠の風霊使いウィン リンク2 ↙ ↘ ATK 1850

 

「…ウィンの効果。相手の墓地の風属性1体をウィンのリンク先に特殊召喚。来て、《ドラグニティ-アキュリス》」

「あ、アキュリスが!」

 

ドラグニティ-アキュリス 攻撃表示 ATK 1000

 

「…《緊急テレポート》。デッキから《ガスタの希望 カムイ》を召喚」

 

ガスタの希望 カムイ 攻撃表示 ATK 200

風華 手札 3→2

 

「…レベル2のカムイにレベル2のアキュリスをチューニング」

 

ガスタの希望 カムイ レベル2 ガスタ

ドラグニティ-アキュリス レベル2 チューナー

2+2=4

レベル4シンクロ

 

「共に育ち、共に生きてきた無二の友のため、さらに強くなれ。シンクロ召喚。《ダイガスタ・ファルコス》」

 

ダイガスタ・ファルコス 攻撃表示 ATK 1400

 

シンクロして出てきたのがファルコス…確かファルコスの効果は…

 

「…ファルコスがシンクロ召喚に成功した時、場の『ガスタ』と名の付くモンスターの攻撃力は600アップする。ガスタ・ロアー」

 

ファルコスが甲高く鳴き、ファルコス自身の攻撃力を上げた。そう言えば、アキュリスを素材にしたのに、ファルコスはどこから出てきたんだろ…

 

ダイガスタ・ファルコス ATK 1400→2000

 

「…手札から《団結の力》をファルコスに装備。攻撃力1600アップ」

 

ダイガスタ・ファルコス ATK 2000→3600

風華 手札 2→1

 

「…脳筋来たぁ…」

「…君がそれを言うの?まぁいいや、バトル。ファルコスでチャージ・ウォリアーに攻撃」

(トラップ)発動、《リビングデッドの呼び声》!墓地のブランディストックを特殊召喚!」

 

ドラグニティ-ブランディストック 攻撃表示 ATK 600

 

「…巻き戻し(ロールバック)。ブランディストックに攻撃変更」

「今度はこれです。《緊急同調》を発動!レベル6のチャージ・ウォリアーにレベル1のブランディストックをチューニング!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー レベル6 風属性

ドラグニティ-ブランディストック レベル1 チューナー

6+1=7

レベル7シンクロ

 

さぁ…君の封印を解こう!久しぶりに呼んであげる!

 

「結晶の名を持つ疾風の竜よ。次元の壁を越え、天地を裂きて現れよ!シンクロ召喚!《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「…クリアウィング・ファスト・ドラゴン…!?」

『お初にお目にかかります、フウカさん。私のことはファストとお呼びください』

「…う、うん…」

 

ファスト…デュエル中なのにブレないね…

 

「…それで、どうします?ファスト・ドラゴンに攻撃しますか?」

「…しない。効果が分からないから、少し怖い。メイン2、カードを1枚伏せてターン終了」

 

風華

モンスター ウィン ファルコス(攻撃表示)

魔法・罠 団結 アポート 伏せ1

墓地 セームベル ウィンダ カムイ 緊急テレポート

手札 0

デッキ 33

LP 7200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

『ヌレハ、久しぶりの戦場(フィールド)はワクワクしますね!』

「はいはい、分かったからさ…せめて女の子らしい事を言おうね…」

 

そう、実はファスト・ドラゴンは女の子なのです。シンクロ・ドラゴンとは真反対だね。

 

「僕は再び《竜の渓谷》の効果発動!手札の《ドラグニティ-ブランディストック》をコストに、デッキから《ドラグニティ-ファランクス》をサーチ。そして《マジック・プランター》!リビングデッドをコストに2ドロー!」

 

濡羽 手札 2→1→2→1→3

 

『入れ替わりが激しいね…もう少し刻みませんか?』

「こんなペースでもいいじゃん…」

「…せめて、もう少し小さな声で精霊と話したら?」

 

あ、そうでした。今は全クラスの生徒が見てるんだった…

 

「つ、続けますね!手札から《召喚師ライズベルト》と《ドラコニアの翼竜騎兵》をペンデュラムスケールにセット!」

 

召喚師ライズベルト スケール2

ドラコニアの翼竜騎兵 スケール7

濡羽 手札 3→1

 

「…ペンデュラム、する?」

「流石にまだしませんよ。足りませんから」

 

伏せカードも使い切り、手札はさっきサーチしたファランクス。レベルが合わないし、流石にこれ以上は何も出来ない。

 

「バトルフェイズ、ファスト・ドラゴンでファルコスに攻撃!」

「…嫌な予感がする。(トラップ)、《メタバース》。デッキから《チキンレース》を発動するわ」

「め、メタバース!?」

 

メタバースなんて、風華さんのデッキに入ってなかったよね!?

 

「…優姫から貰ったのよ」

「っ…でもやることは変わりません!ファスト・ドラゴンの効果!エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの攻撃力を、ターン終了時まで0にする!対象はファルコス!ギアース・クルセイド!」

「…それが、ファストの効果なのね」

 

ダイガスタ・ファルコス ATK 3600→0

 

「行け、ファスト・ドラゴン!虹風(こうふう)のリジェクト・ブラスト!」

 

風を纏ったファストがファルコスをはじき飛ばした。そのまま緑葉さんに向かっていったが、チキンレースに阻まれてしまった。

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ATK 2500

ダイガスタ・ファルコス ATK 0

チキンレース ダメージ0

 

「くぅ…アポートが大きかったかぁ…」

「…そうね。僅か800のコストでも、チキンレースの影響下ではとても重要」

「ならメイン2。チキンレースの効果を使って、1000ライフ支払って1ドローします」

 

濡羽 手札 1→2

LP 8000→7000

 

「僕はこのままターン終了です」

 

濡羽

モンスター ファスト・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠 なし

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト ドラコニア

墓地 シャオロン アキュリス ミリトゥム リビングデッド 緊急同調 チャージ・ウォリアー マジプラ ブランディストック

手札 2

デッキ 28

LP 7000

 

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 0→1

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン…あのモンスターのことを、私は知らない。見たことも、聞いたことも無いモンスター。でも、それを言い訳に逃げたりはしない。あのモンスターをどうにかしなければ、勝気は無いから。

 

「…まずは手札ね。私もチキンレースの効果を使う。1000ライフを払って1ドロー」

 

風華 手札 1→2

LP 7200→6200

 

「…うん、まずまず。《死者蘇生》。墓地のファルコスを特殊召喚」

 

ダイガスタ・ファルコス 攻撃表示 ATK 1400

風華 手札 2→1

 

「…そして《ガスタの静寂 カーム》を召喚」

 

ガスタの静寂 カーム 攻撃表示 ATK 1800

風華 手札 1→0

 

「…カームの効果。墓地のカムイとウィンダをデッキに戻して1ドロー」

 

風華 手札 0→1

 

仕上げは、このカード。

 

「…私は、レベル4のカームとファルコスでオーバーレイ」

「お…オーバーレイ!?嘘でしょう!?」

「…2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚」

 

ダイガスタ・ファルコス レベル4

ガスタの静寂 カーム レベル4

ランク4エクシーズ

 

「歴戦の猛者の如きその貫禄。鳥銃携えし狩人の勇姿を見よ。ランク4、《鳥銃士カステル》」

 

鳥銃士カステル 守備表示 DEF 1500

 

「ここでカステルっ…!」

「…カステルの効果。エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を2つ使って、ファストをデッキに戻す」

『すみません、ヌレハ…』

「大丈夫だよ。攻撃を防いでくれただけで充分さ」

 

これで、ファストはいなくなった。今が攻め時。

 

「…バトル。ウィンでダイレクトアタック」

 

蒼翠の風霊使いウィン ダイレクトアタック ATK 1850

濡羽 LP 7000→5150

 

「ぐっ…」

「…メイン2。カードを伏せてターン終了」

 

風華

モンスター ウィン(攻撃表示) カステル(守備表示)

魔法・罠 アポート 伏せ1

墓地 セームベル 団結 メタバース ファルコス カーム 死者蘇生 緊急テレポート

フィールド チキンレース

手札 0

デッキ 31

LP 6200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 2→3

 

彼の場にはモンスターはいない。けれど、ペンデュラムスケールは揃っている。つまりこの局面、あのスケールによって、レベル3から6のモンスターが特殊召喚される。それだけは防ぎたいが…生憎と、その手のカードは伏せられていない。

 

「ライフ1000払ってチキンレースの効果!再び1ドローです!」

 

濡羽 手札 3→4

LP 5150→4150

 

ここで、破壊を選ばなかったということは、このターンで倒しきれる訳では無いということだろう。それなら、まだ…

 

「《調和の宝札》!手札の《ドラグニティ-ファランクス》を捨てて、デッキから2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 4→2→4

 

「行きます、僕はセッティング済みのペンデュラムスケールを使用!」

「…来るっ!」

「吹き抜ける風よ、絆の輝石を揺らせ!描く軌跡は、新たな風の道標!」

 

召喚師ライズベルト スケール2

ドラコニアの翼竜騎兵 スケール7

ペンデュラム召喚可能レベル 3~6

 

「ペンデュラム召喚!手札から、《ドラグニティアームズ-ミスティル》!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示 ATK 2100

 

「ミスティルの効果で、墓地のファランクスを装備!さらに《デブリ・ドラゴン》を通常召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻撃表示 ATK 1000

 

「デブリ・ドラゴンの効果で、墓地の攻撃力500以下のモンスターを特殊召喚出来ます。僕は《スターダスト・シャオロン》を特殊召喚!」

 

スターダスト・シャオロン 攻撃表示 ATK 100

 

レベル1のモンスターを蘇生…なるほど、デブリ・ドラゴンと合わせてリンクに繋げるのね。

 

「開け、水晶が導くサーキット!召喚条件は『チューナーを含むモンスター2体』!デブリ・ドラゴンとスターダスト・シャオロンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!来て、リンク2!《水晶機巧-ハリファイバー》!」

 

水晶機巧-ハリファイバー リンク2 ↙ ↘

ATK 1500

 

「その効果で、デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で、効果を無効にして特殊召喚します!」

 

何が来るのかしらね…まぁ、あの盤面だから、何が来ても壁くらいにしか…

 

「来い、新たな力!《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》!」

「…救世竜…!?」

 

救世竜 セイヴァー・ドラゴン 守備表示 DEF 0

 

…ファストに続いてまた、知らないカードが…!

 

『……カ……フウカ…!』

「…!もしかして…スターダスト?」

『あぁ、そうだ。ようやく繋がったか』

 

エクストラデッキから私のスターダスト…閃珖竜が話しかけてきた。今まで話すことは出来なかったのに…

 

「…あなたも、精霊だったんだ」

『気付かなかったのか…まぁ、無理もないか。どうやら、フウカと繋がれたのはあの竜のおかげのようだ』

「…救世竜…ね」

『あの竜がもたらす力には気をつけろ。最悪、負けるやもしれぬ』

 

それは…気を引き締めないとね。

 

「緑葉さん…?」

「…大丈夫、続けて」

「分かりました。僕はファランクスの効果を発動し、装備解除します。そして、レベル6のミスティルにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル レベル6

ドラグニティ-ファランクス レベル2

6+2=8

レベル8シンクロ

 

「集いし星の煌めきをその身に宿し、飛び立て!シンクロ召喚!《スターダスト・ドラゴン》!」

『よっしゃぁぁ!!今回も出陣っ!』

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「スターダスト・ドラゴンのシンクロ召喚に成功した時、墓地の《スターダスト・シャオロン》は特殊召喚できる!そして、レベル8のスターダスト・ドラゴンとレベル1のスターダスト・シャオロンに、レベル1の救世竜 セイヴァー・ドラゴンをチューニング!!」

 

スターダスト・ドラゴン レベル8 固有名称指定

スターダスト・シャオロン レベル1

救世竜 セイヴァー・ドラゴン レベル1 固有名称指定

8+1+1=10

レベル10 セイヴァー シンクロ

 

数多(あまた)の願いが星に宿る時、奇跡は訪れる!星竜の光来を見よ!シンクロ召喚!新たな可能性(きぼう)、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン 攻撃表示 ATK 3800

 

「…攻撃力…3800…とはね…」

「バトルフェイズ!セイヴァー・スターでウィンに攻撃!シューティング・ブラスター・ソニック!」

『フウカ、伏せを使うんだ!』

「…言われなくても、分かってる。《聖なるバリア-ミラー・フォース》。これでセイヴァー・スターとハリファイバーは破壊される」

「セイヴァー・スターの効果!相手のカード効果の発動を、自身をリリースすることで無効にする!」

「…ミラーフォースが…」

 

でも、これだけじゃないはず。これだけだと、スターダスト・ドラゴンとほぼ変わらないから。

 

「それだけじゃありません!さらに、相手のカード全てを破壊します!」

「…そんな…っ!」

「打ち砕け、セイヴァー・スター!スターダスト・フォース!」

 

私のカードの枚数分、4体に増えたセイヴァー・スターにより、私のカードは全て破壊されてしまった。チキンレースが消えたのは、痛手だ。

 

「…けど、ウィンの効果でデッキから《ガスタ・イグル》をサーチ」

 

風華 手札 0→1

 

「関係ありません!ハリファイバーでダイレクトアタック!」

 

水晶機巧-ハリファイバー ダイレクトアタック ATK 1500

風華 LP 6200→4700

 

「…っ…」

「メイン2。カードを2枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター ハリファイバー(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト ドラコニア

墓地 ブランディストック アキュリス ミリトゥム リビングデッド 緊急同調 チャージ・ウォリアー マジプラ シャオロン ミスティル スターダスト ファランクス 調和の宝札 デブリ セイヴァー・ドラゴン セイヴァー・スター

手札 0

デッキ 24

LP 4150

 

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

セイヴァー・スターのおかげで圧倒的に優位に立てた。さて、ここからどうなるか…

 

「…モンスターをセット。これでターン終了しかないわね」

 

さすがに、動けませんよね。というか、これで動けたら恐ろしいですよ…

 

風華

モンスター 裏守備1体

魔法・罠 なし

墓地 セームベル 団結 メタバース ファルコス カーム 死者蘇生 ミラフォ アポート ウィン カステル チキンレース 緊急テレポート

手札 1

デッキ 29

LP 6200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「そのままペンデュラム召喚!《ドラグニティ-プリムス・ピルス》!」

 

ドラグニティ-プリムス・ピルス 攻撃表示 ATK 2200

 

「プリムス・ピルスの効果。召喚・特殊召喚に成功した時、場の『ドラグニティ』鳥獣族1体を対象に発動します。デッキからレベル3以下の『ドラグニティ』ドラゴン族を装備します。またよろしくね、ファランクス」

 

プリムス・ピルスは、デッキからファランクスを引っ張り出して自身に装備した。なんというか…物理法則無視してるよね…

 

「そして、自身の効果でファランクスを特殊召喚。レベル5のプリムス・ピルスにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティ-プリムス・ピルス レベル5 風属性

ドラグニティ-ファランクス レベル2 チューナー

5+2=7

レベル7シンクロ

 

「天地を裂きて再び現れよ、《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「僕はこれでターン終了です」

『ヌレハ、どうして攻撃しないんですか?』

「あの伏せは十中八九《ガスタ・イグル》だろうからね。攻撃してもリクルートされて倒しきれないから攻撃しないんだ」

 

濡羽

モンスター ハリファイバー ファスト・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト ドラコニア

墓地 ブランディストック アキュリス ミリトゥム リビングデッド 緊急同調 チャージ・ウォリアー マジプラ シャオロン ミスティル スターダスト ファランクス×2 調和の宝札 デブリ セイヴァー・ドラゴン セイヴァー・スター プリムス

手札 0

デッキ 23

LP 4150

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

「…君の予想は外れてるよ」

「へっ…?」

「…リバース。《ガスタの希望 カムイ》」

 

ガスタの希望 カムイ 攻撃表示 ATK 200

 

「カムイっ!!イグルじゃない!?」

「…カムイのリバース効果。デッキからガスタチューナー、《ガスタ・ガルド》を特殊召喚」

 

ガスタ・ガルド 攻撃表示 ATK 500

 

「…レベル2のカムイにレベル3のガルドをチューニング」

 

ガスタの希望 カムイ レベル2 ガスタ

ガスタ・ガルド レベル3 チューナー

2+3=5

レベル5シンクロ

 

「その背に友を乗せ、雄々しく強く羽ばたけ。シンクロ召喚。《ダイガスタ・ガルドス》」

 

ダイガスタ・ガルドス 攻撃表示 ATK 2200

 

「…ガルドスの効果。墓地のガルドとカムイをデッキに戻して、ファストを破壊」

「っ!チェーンしてファストの効果!ガルドスの攻撃力を0にする!ギアース・クルセイド!」

 

ガルドスの羽ばたきとその背に乗るウィンダの魔法攻撃で、ファスト・ドラゴンは破壊されてしまった。けれど、その効果でガルドスの攻撃力は0。まだなんとかなる。

 

「…手札から《貪欲な壺》。墓地のセームベル、ファルコス、カーム、カステル、ウィンをデッキ・エクストラデッキに戻して2ドロー」

 

風華 手札 2→1→3

 

「…《手札抹殺》。お互いに全ての手札を捨てて、捨てた枚数分ドロー」

 

僕の手札は0だから、実質的には緑葉さんだけがドローする形だ。

 

風華 手札 3→2→0→2

 

「…捨てられた《ガスタ・グリフ》の効果。デッキから《ガスタの神裔 ピリカ》を特殊召喚」

 

ガスタの神裔 ピリカ 守備表示 DEF 1500

 

「…ピリカの効果で、墓地の《ガスタ・ガルド》を特殊召喚」

 

ガスタ・ガルド 守備表示 DEF 500

 

「…レベル5のガルドスにレベル3のガルドをチューニング」

 

ダイガスタ・ガルドス レベル5

ガスタ・ガルド レベル3 チューナー

5+3=8

レベル8シンクロ

 

「閃光に身を包む星の竜よ、今こそ来たれ。シンクロ召喚。《閃珖竜 スターダスト》」

 

閃珖竜スターダスト 攻撃表示 ATK 2500

 

「…バトル。スターダストで攻撃。流星突撃(シューティング・アサルト)

 

スターダストの突進攻撃により、ハリファイバーは破壊された。ごめんね、ハリファイバー。僕はまだ、シンクロチューナーを持ってないんだ…

 

閃珖竜 スターダスト ATK 2500

水晶機巧-ハリファイバー ATK 1500

2500-1500=1000

濡羽 LP 4150→3150

 

「…メイン2。カードを2枚伏せてターン終了」

 

風華

モンスター 閃珖竜(攻撃表示) ピリカ(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 団結 メタバース 死者蘇生 ミラフォ アポート チキンレース カムイ 貪欲 抹殺 イグル グリフ ガルドス ガルド 緊急テレポート

手札 0

デッキ 24

LP 6200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「僕は伏せていた《調和の宝札》を発動!手札の《ドラグニティ-アキュリス》を捨てて2ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「そして《貪欲な壺》!墓地のアキュリス、ブランディストック、ファランクス2枚、セイヴァー・スターをデッキに戻して2ドロー!」

 

濡羽 手札 2→1→3

 

まだ…まだ足りない…!

 

「もう一度、《貪欲な壺》っ!」

「…2枚目…!」

「墓地のプリムス・ピルス、ミリトゥム、デブリ・ドラゴン、シャオロン、ミスティルをデッキに戻して、再び2ドロー!」

 

濡羽 手札 3→2→4

 

揃った…!これで攻める!

 

「僕は《サイクロン》を発動し、ペンデュラムゾーンのドラコニアを破壊!ドラコニアは表側でエクストラデッキに加わります!」

 

濡羽 手札 4→3

 

「そして手札から《EM カード・ガードナー》をセッティング!」

 

EM カード・ガードナー スケール8

濡羽 手札 3→2

 

「そしてペンデュラム召喚!」

 

召喚師ライズベルト スケール2

EM カード・ガードナー スケール8

ペンデュラム召喚可能レベル 3~7

 

「手札から《ドラグニティアームズ-ミスティル》、そしてエクストラデッキから《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示 ATK 2100

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

 

「ミスティルの効果で墓地のアキュリスを装備!」

「…どうして…ファストがペンデュラム召喚を…!」

「クリアウィング・ファスト・ドラゴンは『シンクロ・ペンデュラム』のモンスターなんです!だから破壊されれば表側でエクストラデッキに加わり、レベル7のペンデュラムモンスターとして扱います!」

「…シンクロとペンデュラムの二重特性…!」

「そしてファストの効果で、閃珖竜の攻撃力を0にします!ギアース・クルセイド!」

 

閃珖竜 スターダスト ATK 2500→0

 

ありがとう。でもごめんね、ファスト。君はこれから融合素材になるんだ…

 

『構いませんよ。それが勝利のためならっ!』

「…うんっ!手札から《ミラクルシンクロフュージョン》発動っ!」

「…ここで…来るのね」

「僕はフィールドのクリアウィング・ファスト・ドラゴンと墓地のスターダスト・チャージ・ウォリアーを除外して融合!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ドラゴン族 シンクロ

スターダスト・チャージ・ウォリアー 戦士族

 

「調律せし竜よ、勇士に宿れ!波動を導き覇道を駆け上がれ!融合召喚!《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃表示 ATK 3200

 

「バトル!ドラゴエクィテスで、攻撃力0になった閃珖竜に攻撃力!スパイラルジャベリン!」

「…スターダストの効果、波動音壁(ソニック・バリア)。1度だけ破壊を無効にするわ」

「けどダメージは通ります!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200

閃珖竜 スターダスト ATK 0

3200-0=3200

風華 LP 6200→3000

 

「ミスティル、追撃!」

「…ごめんね、スターダスト…」

 

ドラゴエクィテスの攻撃に1度は耐えた閃珖竜だったけど、ミスティルの斬撃にまでは耐えられなかった。閃珖竜を切り裂いたその剣は、緑葉さんまで届いた。

 

ドラグニティアームズ-ミスティル ATK 2100

閃珖竜 スターダスト ATK 0

2100-0=2100

風華 LP 3000→900

 

「僕はこれでターン終了です」

 

濡羽

モンスター ミスティル ドラゴエクィテス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1 アキュリス

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト カード・ガードナー

墓地 ブランディストック リビングデッド 緊急同調 マジプラ スターダスト セイヴァー・ドラゴン ハリファイバー 調和×2 貪欲×2 サイクロン ミラクルシンクロフュージョン

除外 ファスト チャージ・ウォリアー

表側エクストラ ドラコニア

手札 1

デッキ 22

LP 3150

 

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 0→1

 

私のライフは、彼の攻撃で風前の灯。さっきのデュエルでは散々言ってた学生達も、今は何も言わない。それほどまでに魅せられている、ということかしらね。

 

「…私だって、負けたくないの。手札から《貪欲な壺》」

「風華さんもですか…!」

「ガルド、グリフ、イグル、カムイ、スターダストをデッキに戻して2ドロー」

 

風華 手札 1→0→2

 

いい感じ。この2枚の伏せカードと合わせて、一気に決める。

 

「…このターンがラストターンよ」

「…!いいですね、その宣言!受けてたちますよ!」

「…私は手札から《ガスタ・ガルド》を召喚」

 

ガスタ・ガルド 攻撃表示 ATK 500

 

「…そしてピリカを攻撃表示に変更。バトルフェイズ」

「シンクロしないっ!?」

「…ガルドでドラゴエクィテスに攻撃。この瞬間、(トラップ)発動。《レインボー・ライフ》。手札のグリフを捨てて、このターンの私への戦闘ダメージは回復になる。捨てられたグリフの効果で、デッキから《ガスタ・グリフ》を特殊召喚」

 

ガスタ・グリフ 攻撃表示 ATK 800

 

「くっ…仕方ない、迎え撃って、ドラゴエクィテス!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200

ガスタ・ガルド ATK 500

3200-500=2800

レインボー・ライフ ライフゲイン

風華 LP 900→3700

 

「…ガルドの効果で、デッキから《ガスタ・イグル》を特殊召喚」

 

ガスタ・イグル 攻撃表示 ATK 200

 

「…イグルでエクィテスに攻撃」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200

ガスタ・イグル ATK 200

3200-200=3000

レインボー・ライフ ライフゲイン

風華 LP 3700→6700

 

「…イグルの効果。デッキから《ガスタの巫女 ウィンダ》を特殊召喚」

 

ガスタの巫女 ウィンダ 攻撃表示 ATK 1000

 

「まさかこれって…リクルーターとレインボー・ライフでのライフゲインコンボ!?」

「…ご明察。イグルはレベル4以下の非チューナーのガスタを特殊召喚、ガルドはレベル3以下のガスタを特殊召喚。ウィンダもリクルーターなんだけど、相手から攻撃してこなきゃ使えないのが残念。ウィンダでエクィテスに攻撃」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200

ガスタ・巫女 ウィンダ ATK 1000

3200-1000=2200

レインボー・ライフ ライフゲイン

風華 LP 6700→8900

 

「ライフ8900…けどこのターンで決めるって…まさかっ!!」

「…君の予想通りかも。グリフでエクィテスに攻撃。この瞬間、最後の布せカード発動。《ぶつかり合う魂》」

「やっぱりそれでしたか!」

「…グリフはエクィテスよりも攻撃力が低いから、発動条件は満たしてる。私はライフを500払う度に、グリフの攻撃力を500上げることが出来る。これを、相手の攻撃力を上回るまで行う。ライフを2500払って、グリフの攻撃力を2500アップ」

 

ガスタ・グリフ ATK 800→3300

風華 LP 8900→6400

 

「…そして、どちらかがライフを支払わなくなるまで、この効果を続ける。君なら…乗るよね?」

「ふふ…あははっ!いいでしょう、どうせこの伏せはもう意味が無いんです!乗ります、乗ってやりますよ!乗らなきゃ面白くないっ!ライフを500支払ってエクィテスの攻撃力を500アップ!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200→3700

濡羽 LP 3150→2650

 

「…グリフの攻撃力を、ライフ500払って500アップ」

 

ガスタ・グリフ ATK 3300→3800

風華 LP 6400→5900

 

そして、私達はこれを何回も行った。その結果は…

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3700→6200

濡羽 LP 2650→150

 

ガスタ・グリフ ATK 3800→6300

風華 LP 5900→3400

 

「僕のライフは150、もう支払えませんよ」

「…これで、グリフがエクィテスを破壊ね」

 

普段なら有り得ないほどに攻撃力を上げられたグリフが、倍近い攻撃力を得たエクィテスを真っ向から殴り倒し、破壊した。

 

「…ぶつかり合う魂の効果で、戦闘ダメージは0。けれど、モンスターを破壊された方のプレイヤーは、コントロールする全てのカードを墓地へ送る」

 

グリフが、ついでと言わんばかりにミスティルと竜の渓谷、そして伏せカードを持っていった。その伏せは、ドラグニティ・ドライブ。確かに、意味は無いわね。これを使えば装備状態のアキュリスを特殊召喚出来るけど、どのみち墓地送り。壁にはならない。

 

「あははっ!また負けちゃいましたね。けど、楽しかったですよ!」

「…私も。できればまだ続けたいけど、そうもいかないわね。ピリカで…ダイレクトアタック」

 

ガスタの神裔 ピリカ ダイレクトアタック ATK 1000

濡羽 LP 150→-850

 

ゲームエンド

WINNER 緑葉風華




2戦目も風華の勝利。

今回より、閃珖竜の覚醒、そして濡羽くんの3体目(時系列的には2体目)の精霊、クリアウィング・ファスト・ドラゴンの登場です。
今回はドラグニティシンクロが出せなかった悲しみ。

話題は変わりますが、明日から新リミレギュ施行ですね。皆さんはデッキを組み直したりしましたでしょうか。自分はデッキにエアーマン3積みしました。あぁ…2枚目・3枚目のマスクチェンジと2枚目のアブソ、まだ持ってないアシッドとオネスティが欲しい()
そしてタイムリーな話題、ザライトニングの裁定変更です。①の効果に関してなのですが、以前までは『相手モンスターを効果対象にする』裁定だったのですが、つい先日に『相手プレイヤーを効果対象にする』裁定に変更されました。これでズシンやティマイオス殴り倒せるよやったね()

というわけで、個人的に色々嬉しい7月に入ります。ではでは。


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十七枚目:秘めた苦悩

前回の感想戦&ちょっとした内心の吐露です。

前書きの中身が思い浮かばないので本編。


 

「そこまで。勝者、緑葉風華!」

「…ありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

ジャッジ役の先生がそう宣言して僕達が互いに礼をした時、見ていた生徒達が一斉に沸き立った。耳が痛いくらいの歓声だけど、悪い気はしないかな。

それに、また負けちゃったけど、楽しかったし無問題(もうまんたい)

 

「凄かったよ濡羽っち、風華さん!」

「あぁ、見てて熱くなるデュエルだったぜ!」

「最後のあれは、どうかと思いましたけどね」

「…引いちゃったし、何より優姫が入れたカード。使わないわけない」

 

いや、神名さんが入れたのに苦言を呈してるんですか!?!?

 

「それはそれで嬉しいのですが…星風さんも乗らなければまだ勝負は分かりませんでしたよ?」

「なんと言いますか…乗りたかったんです」

 

こればっかりは僕の気分。それに、最後の手札は《テラ・フォーミング》。僕のデッキに入ってるフィールド魔法は竜の渓谷1枚だけ。次のドローにかけたとしても、ライフを削り切れはしなかった。返しのターンでシンクロされたら、それこそ手のつけようがなくなる。どのみち、乗っていようがいまいが、あれを発動された時点で負けていたんだ。だったら乗るでしょ?

 

(『言い訳だな』)

(るさい)

「それより濡羽、なんだよあのドラゴン!2体とも見たことねぇぞ!」

「そ…それは…」

 

言えないよね…片方は精霊、もう片方は精霊から貰った力だ、なんて。

 

「本日の授業はこれにて終了とします。各自、寮に戻るか帰宅をしてください」

 

説明しようか悩んでいた時、タイミング良く先生が帰宅を促してくれた。

 

「だってさ。帰ろうよ」

「色々気になるが、まぁ帰るか」

「…そうね。余り長居しても意味無いから」

 

さて…帰るまでにどうはぐらかすか考えなきゃね…

 

 

 

 

 

2時間後、晩御飯のあとで…

 

「では、教えてもらいましょうか」

「さぁて、根掘り葉掘り聞かせてもらおうかぁ?」

「どこの悪人なのさ…」

 

結局何も思いつかないまま、神名さんと湊月君に吊し上げを食らってます。小春は少し離れて笑顔で観戦。緑葉さんは少し困り顔で見てる。柊真さんは、キッチンで晩御飯の後片付け。スープパスタ美味しかったです(現実逃避)。

 

「私も、あの2体の竜に関しては興味がありますね」

「答えてもらうぜ。あれは、どこで手に入れたんだ?」

「うぅ…黙秘権は…」

「ねぇよ」

「ですよねぇ…」

 

どう答えれば良いのかな…

 

『ヌレハ、彼らにも明かしてしまいましょうよ』

「えっ…でも…」

『しょうがないさ。そうでもしないと、延々と続くぜるそれに、この2人は友達なんだろ?』

「…そう…だね」

「どうした、濡羽?1人でブツブツと…あ、やり過ぎたか?」

 

自分でもそう思ってたならやらないで欲しかったかな。

 

「ううん、そうじゃないよ。ちょっと、常識の範囲外だけど…誰にも言わないって約束できる?」

「なんか怖ぇな…でもまぁ、濡羽が言うなってんなら言わねぇさ」

「私も、星風さんがそう言うのであれば」

「ありがとうございます。じゃあ…出ていいよ」

『呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!』

『スターダストさん、いきなりそれはインパクトが!』

『なんということでしょう。3体ものカードの精霊が現れたではありませんか』

『ファストさんはナレーションしないで!』

「「…………」」

 

お2人、沈黙。というか唖然。

 

「……セイヴァー・スターはスターダスト・ドラゴンから貰ったカードで、クリアウィング・ファスト・ドラゴンはそのまま精霊なんだ。召喚師ライズベルトも精霊だよ」

「…ぬーれーはー」

「ハイ、ナンデショウカ」

 

なんだか、湊月君が、怖くて、カタコトに、なりました。

 

「そーゆー面白そうなのは早く言えーっ!!!」

「言えるわけないでしょぉ!!」

「あ…あの…風華…」

「…優姫、どうしたの?」

「もしかしてですが…風華も精霊を?」

「…えぇ」

『いるよー!』

『つーわけだ』

『何卒よしなに』

 

神名さんはさらにショックを受けてますね。そりゃそうか、幼馴染が精霊のカードを所有してるなんて知ったら驚くよね。

 

「うわ、なんか知らない内に精霊増えてる?」

「柊真さん。僕のはスターダスト・ドラゴンの、緑葉さんのは閃珖竜 スターダストの精霊ですよ」

「へぇ。僕は龍凪柊真って言うんだ、よろしくね」

『よろしく、トウマ!』

『よろしく頼む』

 

柊真さんは精霊を見慣れてるから、あんまり動じてないね。

 

「…とりあえず私は、優姫を部屋に連れて行ってくる」

「あ、いってらっしゃい」

 

緑葉さんは、神名さんを少し重そうにしながら引きずっていった。僕も、湊月くんをどうにかしなきゃなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ…」

 

なんとか、優姫を部屋に運べたわ。

 

『なぁ、フウカ』

 

閃珖竜が急に話しかけてきた。なんの用かしらね。

 

「…どうしたの」

『他の精霊から聞いた。かの少年はサヴァン症候群なのか?』

「…彼は、そうだよ」

『そうか…大変なのだな』

 

大変…?

 

『その表情…何も考えておらんかったのか…』

 

そう言われてみれば…少なくとも私は、サヴァン症候群だということを聞いただけで、あとは深く考えてなかったかもしれない。

 

『少し考えれば分かることだろう。サヴァン症候群で最も有名と言えるのが、完全記憶能力。それはつまり、全てを記憶する…逆に言えば、()()()()()()()()()という事だ』

「…それは、ダメな事なの?」

『あぁ。人間に限らず、生きとし生けるもの全ては『忘却』を最善の自己防衛機能としている。だが、かの少年はその『忘却』が出来ないのだ』

 

忘却が出来ない…忘れられない…それは、ダメなことなのかな。

 

『フウカ、やはりお主の表情は他の者より読み取りやすいな。忘却出来ないことが、一概に駄目だという訳では無い。ただ、人間としては辛いというだけだ』

「…表情で心情を読まないで」

『特技なのでな』

 

そんな特技の精霊がいるんだ…

 

『それより、何故辛いか分かるか?』

「…いいえ、分からないわ」

『ならば、本人に聞くといい。そこにいる』

「…えっ…?」

 

閃珖竜が示した先にあるのは、私の部屋の扉。ということは…

 

「…いるの?」

『いるぜ。閃珖竜に呼ばれたんでな』

「精霊って…なんかずるいですよね」

 

やっぱり、彼がいた。

 

「それで、話せばいいんですか?」

『あぁ。本人の口から聞く方が良いと思ってな』

「…確かに、なにも忘れられないことは辛いですよ。そりゃ、覚えてたいこともあります。例えば、今日初めて緑葉さんにちゃんと名前を呼んでもらえたこととか」

 

…そう言われてみれば、今まで(今も)『彼』や『きみ』としか呼んでないわね。

 

「けれどそれと同じくらい、忘れたいこともあるんです。辛かった記憶、嫌な記憶、悲しい記憶…本来なら忘れることで自分を守るはずなのに、僕はその全てを覚えている。常に脳裏にあるんです。夢に見るのではなく、気を抜けば視界を覆うような、そんな感じなんです」

「…………」

 

なにも、言えなかった。私だって、忘れたいと思うことはいくらでもある。優姫や小春、龍凪さんや西条君にもあるだろう。それはいずれ忘れられる。けれど彼は…

 

「…だから、僕は記憶を取り戻すことが、少し怖いんです。その中に、知りたくない、覚えたくない記憶があることが…怖いんです」

 

彼の…星風君の気持ちは、よく分からない。私はそんなことを思ったことがないから。けれど、これだけは言える。言わなきゃならない。

 

「…力になれるようなら言って。私も、みんなも、力になるから」

「……ありがとうございます、緑葉さん」

 

 

 

 

 

けれど数日後、別の意味で彼から助けを求められることになった。




結局、精霊の存在が全員の知るところとなりました。除け者は可哀想でしたので…(け○フレかな?)

次回は学生らしい辛さがあります。

ではでは。


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十八枚目:日常的悲鳴

会話パートです。

少し遅いけど書きたかったこの話。

それでは本編、どうぞ。


 

彼の苦悩を知ってから時は経ち、6月に入り数日が経ったある日。

 

「緑葉さん、一緒に勉強を教えてくださいっ!!」

「…えっ…?」

 

彼から妙な頼み事をされた。

 

 

 

 

 

「…まさか…小春と西条君が勉強苦手だったなんて…次の試験、大丈夫?」

「う〜…苦手なものは苦手なんだも〜ん…」

「だーっ!!ヴェルズ・ヘリオロープのフレーバーテキストなんて覚えてねぇってー!!!!」

「え、『ルメトモ ヲンエウユシ ツメハ イカハ ンネヤジルナウコウス ノズルエヴンイ イシマタノラレワ ルナクアヤジ テシニイスンユジ』でしょ?」

「星風さん、流石ですね」

「埒外っ!!」

 

今日から1週間後は定期試験。これまでの評価と今回の結果で、各学期末の進級試験が受けられるか決まるの。多分、星風君は受けられると思うのだけれど…小春と西条君は危ういかもしれないわね。

 

「『魂源への影劫回帰』の読みとか知らねぇぇぇ!!」

「『プルシャドール・アイオーン』ですね。手札のシャドールを捨てることで、場のシャドール1体の攻守を1000上昇させる罠ですよ」

「濡羽っち〜、『星墜つる地に立つ閃珖』ってなんて読むの〜?」

「『スターダスト・リ・スパーク』だね。緑葉さんの閃珖竜 スターダストと合わせて覚えたらいいと思うよ」

「『通常モンスター』と『効果の記述を持たないモンスター』の違いって何だ??」

「…前者と後者の違いは『特殊召喚モンスターであるか否か』ね。例え効果の記述がなくても、融合・儀式・シンクロ・エクシーズ・リンクのいずれかに属するなら、通常モンスターサポートは受けられないわ」

「うっげぇ…めんどくせぇ…」

 

面倒でも、やらなければならないのよね。それがアカデミアなのだから。

 

「つーか、なんで濡羽は指導側なんだよ…」

「全部覚えてるからね」

「むぅ、ずるいよ〜!」

 

ずるいと言われているけれど、星風くんから色々聞いてしまっている私としては、少し複雑ね…

 

「よーし、そんなこと言う2人には問題を出しちゃおっと。『現在存在する宝札魔法カードを全て答えよ』」

「知らねぇぇぇぇぇ!!!!」

「うー、覚えてないよ〜…」

 

…確か、11種類くらい合ったわよね…

 

「命削りの宝札、黒羽の宝札、紅玉の宝札、守護神の宝札、捨て身の宝札、生還の宝札、閃光の宝札、調和の宝札、天空の宝札、天よりの宝札、冥界の宝札の11枚でしたよね」

「正解です。神名さん、流石ですね」

「それほどでもありませんよ」

「いや、普通にすげぇと思うぜ…」

 

少しテキストの問題を眺めていると、少し引っかかる問題を見つけた。

 

「…ねえ、星風くん。この問題、私も分からないわ」

「風華、私にも見せてください。…『現在存在するトポロジックモンスターと、それらの効果を簡潔に答えよ』…ですか。確かにこれは少し難しいですね…」

 

星風くんは、どんな風に説明するのかな。私は…きっと、2枚くらいしか答えられないかもしれないわね。

 

「トポロジック・ボマー・ドラゴン、トポロジック・トゥリスバエナ、トポロジック・ガンブラー・ドラゴン、トポロジック・ゼロヴォロスの4種類がいるのは知ってるよね」

「知ってるよ〜♪」

「流石にそれぐらいはな」

「じゃあ、ボマー・ドラゴンの効果から説明するね。ボマー・ドラゴンの効果は、『モンスターのリンク先に自身以外のモンスターが特殊召喚された時、メインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する』効果と『モンスターを戦闘破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える』効果の2つだよ。湊月君にとっては、フレイム・ウィングマンの効果って言えばわかるかな?」

「おぉ、それなら分かりやすいぜ!」

「トゥリスバエナの効果は、『このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターと場の魔法・罠カード全てを除外し、相手の除外したカードの数×500のダメージを与える』効果だよ」

「しゅ〜…」

 

この時点で小春がショートしてしまった。トポロジックってややこしい効果持ってるから、そうなるのはよく分かるわ。

 

「ごめんね小春、もうちょっと続くよ。ガンブラー・ドラゴンの効果は『お互いに手札を2枚まで捨てる』効果と『エクストラリンクの時、相手の手札を2枚まで捨てさせて、0枚になったら3000ダメージを与える』効果だよ」

「…それは覚えてるわ。エクストラリンクを指定する珍しい効果だったから」

「恐らく、ガンブラーだけが持つ指定ですよね」

「最後にゼロヴォロスの効果だよ。『リンク先にモンスターが特殊召喚された時、場の全てのカードを除外する』効果、『自身の効果で除外された次のターンに、除外されている自身を特殊召喚する』効果、『除外されているカードの数×200、攻撃力を上げる』効果の3つと、『リンク先のエクストラモンスターゾーンに特殊召喚出来ない』ルール効果があるよ」

 

ここで、私も含めた全員が?マークを浮かべた。ゼロヴォロスに関しては、出たばかりのカードだから、ルール効果がイマイチ理解出来ないのよね。

 

「…星風くん、そのルール効果って必要?」

「必要ですよ。ゼロヴォロスのリンクマーカーは斜め方向4箇所なんです。この効果が無ければ、3枚でエクストラリンクが出来てしまうんです」

「なるほど、それなら必要ですね」

「…やっべぇ…ムズい…」

「だね〜。ちょっと頭痛いよ〜」

「じゃあ、休憩したらいいんじゃないかな」

 

いつの間にか後ろにいた龍凪さんの提案に、小春と西条君は大喜びで乗った。

 

「それだ!休憩しようぜ!」

「休憩、休憩〜♪」

「まぁ…そうだね。もう少し時間があるし、休憩しよっか」

「よーっし!知らねぇカードばっかだから自分のカード見てぇし、聖川、デュエルしようぜ!」

「いいよ〜♪私もちょっとデッキ触りたかったんだ〜♪」

 

割と自然な流れでデュエルすることになっているわね。休憩=デュエル…問題ないわよね?

 

「よーし、いくぜ!」

「バッチコイだよ!」

「「決闘(デュエル)!!」」




学生の皆さんは分かりますよね。はい、どうしても書きたかったテスト回です。

アカデミアの筆記試験対策ってこんな感じなのかなって想像です。

作中の問題は自作しました。トポロジックは何となく問題にしましたけどね(笑)

ではでは。


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十九枚目:英雄vs捕食者

デュエル回、湊月vs小春です。

今回は割とまともに出来たはずです。もう本当に自信が無いです…

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 西条湊月

後攻 聖川小春

 

デュエル開始

 

☪︎

 

「行くぜ、俺の先攻!」

 

うっし、まずまずだな。それなりに動くか。

 

「手札から《E・HERO ソリッドマン》を召喚、その効果で手札から《E・HERO エアーマン》を特殊召喚!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示 ATK 1300

E・HERO エアーマン 攻撃表示 ATK 1800

湊月 手札 5→3

 

「エアーマンの効果でデッキから《E・HERO シャドー・ミスト》をサーチ。そして《置換融合》!場のエアーマンとソリッドマンを融合!」

 

E・HERO エアーマン E・HEROモンスター

E・HERO ソリッドマン 地属性

 

「大地の戦士、ガイアの力纏いて奮起する!融合召喚!《E・HERO ガイア》!」

 

E・HERO ガイア 守備表示 DEF 2600

湊月 手札 3→4→3

 

「本来なら1ターン限定のフォースするんだが、モンスターがいないから不発だな。だが、置換融合で墓地へ送られたソリッドマンの効果!墓地のエアーマンを特殊召喚!効果でデッキから《E・HERO ソリッドマン》をサーチ」

 

E・HERO エアーマン 攻撃表示 ATK 1800

湊月 手札 3→4

 

「カードを2伏せてターンエンド!」

 

湊月

モンスター ガイア(守備表示) エアーマン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ソリッドマン 置換融合

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 5→6

 

「《闇の誘惑》発動!2枚ドローして、手札の《捕食植物プテロペンテス》を除外だよ!」

 

小春 手札 6→5→7→6

 

「手札から《捕食惑星(プレデター・プラネット)》を捨てて《D・D・R》発動!除外されてる《捕食植物プテロペンテス》を特殊召喚!」

 

捕食植物プテロペンテス 守備表示 DEF 2100

小春 手札 6→4

 

あ、やべ。これは絶対回り出したわ。

 

「さらに手札から《捕食植物モーレイ・ネペンテス》を召喚!」

 

捕食植物モーレイ・ネペンテス 攻撃表示 ATK 1600

小春 手札 4→3

 

「開いて、花咲き誇るサーキット!召喚条件は、『植物族モンスター2体』!私はプテロペンテスとモーレイ・ネペンテスをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れ出ちゃえ!リンク2、《アロマセラフィ-ジャスミン》!」

 

アロマセラフィ-ジャスミン リンク2 ↙↘ ATK 1800

 

「さらに《捕食活動(プレデター・プラクティス)》を発動だよ!手札から『捕食植物』モンスターを特殊召喚して、その後にデッキからプラクティス以外の『プレデター』カードをサーチするよ!」

 

はぁ!?なんだその特盛り効果っ!!

 

「けど発動後は、融合モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚出来ないんだよね〜。手札から《捕食植物フライ・ヘル》を特殊召喚して、デッキから2枚目の《捕食惑星》をサーチだよ!」

 

捕食植物フライ・ヘル 攻撃表示 ATK 400

小春 手札 3→2→1→2

 

あー、ターン回ってこねぇかなぁ…

 

「フライ・ヘルの効果で、ガイアに捕食カウンターを乗せるよ〜」

 

E・HERO ガイア 捕食カウンター 1 レベル 6→1

 

「カードを2枚セット、バトル!フライ・ヘルでガイアに攻撃だよ〜!」

 

守備力2600のガイアに攻撃…?自爆特攻ですらない。一体何を…

 

「フライ・ヘルの効果!このモンスターよりレベルの低いモンスターとバトルする時、そのモンスターを無条件に破壊するよ!」

「なぁ!?」

 

ガイアは、その身に植え付けられた種子ごとフライ・ヘルに喰われた。ダメージはないが…精神的にクルものがあるな…

 

「さらに、フライ・ヘルが破壊したモンスターの元々のレベル分、フライ・ヘルのレベルがアップするよ!」

 

捕食植物フライ・ヘル レベル2→8

 

「なぁ!?レベルアップだぁ!?」

「フライ・ヘルは、レベルを持つモンスターとの戦闘ではほぼ負けないよ〜」

「…エクシーズやリンクなら…」

「その時は、捕食カウンター乗せてヒドラとかバンクシアとかで処理してくると思いますよ」

「濡羽っち、分かってるね〜」

 

…俺…リンクモンスターでしかあいつ対処できねぇじゃん…やべぇ…

 

「私はこれでターンエンドだよ〜」

 

小春

モンスター ジャスミン フライ・ヘル(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 闇の誘惑 捕食惑星 D・D・R プテロペンテス モーレイ・ネペンテス 捕食活動

手札 0

デッキ 31

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローっ!!」

 

湊月 手札 2→3

 

あいつのレベルは8、つまりレベル9以上のモンスターかレベルを持たないモンスターとのバトルでしか戦闘破壊出来ないって訳か…なら!

 

「俺は2体目のソリッドマンを召喚し、手札から《E・HEROシャドー・ミスト》を特殊召喚!」

 

E・HEROソリッドマン 攻撃表示 ATK 1300

E・HEROシャドー・ミスト 攻撃表示 ATK 1000

湊月 手札 3→1

 

「特殊召喚に成功したシャドー・ミストの効果で、デッキから《マスク・チェンジ》をサーチ」

 

湊月 手札 1→2

 

「開け、英傑を導くサーキット!召喚条件は『HEROモンスター2体以上』!俺はソリッドマン、シャドー・ミスト、エアーマンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れろ、《X・HERO ドレッドバスター》!」

 

X・HERO ドレッドバスター リンク3 ↙ ↓ ↘

ATK 2500

 

「この程度じゃ終わらねぇ!《リビングデッドの呼び声》!墓地より甦れ、エアーマン!」

 

E・HEROエアーマン 攻撃表示 ATK 1800

 

「エアーマンの効果で、デッキからバブルマンをサーチ!」

 

湊月 手札 2→3

 

「そしてエアーマンを対象に、手札から《マスク・チェンジ》!エアーマンをリリースして、エアーマンと同じ属性のM・HEROを特殊召喚する!」

 

E・HEROエアーマン 風属性

 

「纏いし仮面は風の証!吹き抜けるは神の風!変身召喚!《M・HERO カミカゼ》!」

 

M・HERO カミカゼ 攻撃表示 ATK 2700

 

まだだ、まだ止まんねぇぜ!

 

「カードを1枚伏せる。手札がこのカード1枚のみのため、手札から《E・HEROバブルマン》を特殊召喚!」

 

E・HEROバブルマン 守備表示 DEF 1200

湊月 手札 2→0

 

「まだだ!バブルマンを対象に、既に伏せてあった《マスク・チェンジ》を発動!」

「え、2枚目!?」

 

E・HEROバブルマン 水属性

 

「纏いし仮面は水の証!持てる毒で全てを溶かせ!変身召喚!《M・HERO アシッド》!」

 

M・HERO アシッド 攻撃表示 ATK 2600

 

「アシッドが特殊召喚に成功した時、相手の場の魔法・罠カード全てを破壊する!」

「にゃ!?」

「それだけじゃねぇ!相手モンスター全ての攻撃力も300ダウンだ!」

「なら、チェーンして(トラップ)発動だよ!《捕食計画(プレデター・プランニング)》!デッキから《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》を墓地へ送り、フィールドのモンスター全てに捕食カウンターを乗せるよ!」

 

X・HERO ドレッドバスター 捕食カウンター 1

M・HERO カミカゼ 捕食カウンター 1 レベル 8→1

M・HERO アシッド 捕食カウンター 1 レベル 8→1

捕食植物フライ・ヘル 捕食カウンター 1 レベル 8→1

アロマセラフィ-ジャスミン 捕食カウンター 1

 

捕食植物フライ・ヘル ATK 400→100

アロマセラフィ-ジャスミン ATK 1800→1500

 

 

「だが、その伏せ諸共破壊だ!」

 

アシッドの放った毒により、小春の伏せカードと計画(プランニング)が破壊された。伏せカードは、やはり惑星(プラネット)だった。これでサーチは封じたぜ!

 

「行くぜ、バトル!ドレッドバスター!フライ・ヘルをぶっ飛ばせ!今のうちに説明しておくぞ。ドレッド・バスターの効果で、場のHEROは墓地のHEROの種類×100ポイントの攻撃力を得る!墓地にはエアーマン・ソリッドマン・シャドー・ミスト・バブルマン・ガイアの5種類。よって全員500アップ!」

 

X・HERO ドレッドバスター ATK 2500→3000

M・HERO カミカゼ ATK 2700→3200

M・HERO アシッド ATK 2600→3100

 

「にゃ〜!?でも、墓地のヒドラの効果だよ!墓地のプテロペンテスを除外して、カミカゼの攻撃力を500下げるよ!」

 

M・HERO カミカゼ ATK 3200→2700

 

「構わねぇ!ぶん殴れ!」

 

俺の指示通り、ドレッドバスターはフライ・ヘルを殴り倒した。嫌な音がしたが気にしない気にしない。

 

X・HERO ドレッドバスター ATK 3000

捕食植物フライ・ヘル ATK 100

3000-100=2900

小春 LP 8000→5100

 

「続け、カミカゼ!」

 

M・HERO カミカゼ ATK 2700

アロマセラフィ-ジャスミン ATK 1500

2700-1500=1200

小春 LP 5100→3900

 

「戦闘でモンスターを破壊し、墓地へ送ったことでカミカゼの効果!1ドローだ!」

 

湊月 手札 0→1

 

「飛ばせ、アシッド!」

 

M・HERO アシッド ダイレクトアタック ATK 3100

小春 LP 3900→800

 

うっし、これで全部ぶっ壊したな。存分に動けるぜ!

 

「うっ…でも耐えたよ!」

「メイン2。さっき伏せたカードを使うぜ!《融合》!」

「融合…でも、あの場で融合出来るモンスターなんていましたっけ…」

「…いいえ、いる。あの場で出来る融合は、3種類よ」

「湊月君のデッキ的に、出てくるのはあのモンスターですね」

「俺は、カミカゼとアシッド、2体目の『M・HERO』を融合!」

 

M・HERO カミカゼ M・HEROモンスター

M・HERO アシッド M・HEROモンスター

 

「異なる仮面、混ざればカオス!二律背反の力をここに!融合召喚!来い、俺の混沌!《C・HERO カオス》!」

 

C・HERO カオス 攻撃表示 ATK 3000

 

「うー…でも、それを出す意味ってあったのかな?」

「次のターンにヒドラの餌になるからな。カウンター処理のためだ。それと、墓地のHEROが増えたから攻撃力アップだ」

 

X・HERO ドレッドバスター ATK 3000→3200

C・HERO カオス ATK 3000→3700

 

「3000オーバーが2体…酷くない…?」

「知らん。俺はこれでターンエンドだ」

 

湊月

モンスター ドレッドバスター カオス(攻撃表示)

魔法・罠 リビングデッド

墓地 ソリッドマン×2 置換融合 エアーマン シャドー・ミスト マスク・チェンジ×2 バブルマン 融合 ガイア カミカゼ アシッド

手札 1

デッキ 29

LP 8000

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 0→1

 

「先に説明しておくぜ。カオスはE・HEROとしても扱うルール効果、光と闇の2属性持ち、ターン中1度、表側のカード効果を無効にできるぜ」

 

湊月君が説明した通り、C・HERO カオスは1つの効果と2つの特性を持つモンスター。E・HEROとして扱う効果は《摩天楼‐スカイスクレイパー‐》や《ミラクル・フュージョン》に対応している。光と闇の2属性は、両方のサポートを受けられるから扱いやすい効果ではあるし、効果無効はモンスターだけではなく、魔法・罠カードも対象にしている。けれどやはり、その素材が重いからそこまで使われてないんだよね。

 

「ふっふーん♪湊月っち、面白いものを見せてあげるね!手札がこのカード1枚のみのため、《E・HEROバブルマン》を特殊召喚だよ!」

「はぁ!?!?」

 

E・HEROバブルマン 守備表示 DEF 1200

 

「私の手札と場にはバブルマンしか居ないから、2ドロー貰うね!」

 

小春 手札 1→0→2

 

「………………」

 

あ、これは…ショックでプレミったね。今のバブルマンはカオスで止められたからね。そんなにバブルマン使われるのが辛い…?

 

「ふふー、手札から2枚目の《捕食活動》!手札のサンデウ・キンジーを特殊召喚して、デッキからスピノ・ディオネアをサーチだよ!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 攻撃表示 ATK 600

小春 手札 2→0→1

 

「そしてスピノ・ディオネアを召喚!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 攻撃表示 ATK 1800

小春 手札 1→0

 

「スピノ・ディオネアの効果だよ!カオスにカウンターを乗せる!」

「……!!…どっち止めてもキツイな…ならディオネアは通す!カオスの効果で、キンジーの効果を無効に!」

「けど、これでレベルは下がるよ!」

 

C・HERO カオス 捕食カウンター 1 レベル 9→1

 

「だが、これで融合は出来ねぇだろ!」

「そんなことは無いよ!まずはヒドラの効果!手札・墓地に存在する時、捕食カウンターの乗ったモンスターをリリースすることで特殊召喚できる!カオスをリリース、《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》を特殊召喚だよ!」

 

カオスに植え付けられた種を媒介に、ヒドラが芽吹いた。何というか…怖い。

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 攻撃表示 ATK 800

 

「墓地の《捕食惑星》の効果!このカードを墓地から除外して、手札・場の捕食植物で融合召喚をするよ!」

「何ぃ!?」

 

あの効果にはターン1制限がなかったはず。これは辛くなるよ。

 

「スピノ・ディオネアとサンデウ・キンジーを融合!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 捕食植物モンスター

捕食植物サンデウ・キンジー 闇属性

 

「麗しき2輪の花よ、1つに溶け合い咲き誇れ!融合召喚!現れ出ちゃえ!《捕食植物 キメラフレシア》!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃表示 ATK 2500

 

「この瞬間、墓地の《捕食計画》の効果!闇属性の融合召喚に成功した時、墓地の自身を除外して、フィールドのカードを1枚破壊する!ドレッドバスターを破壊だよ!」

「ぐっ…すまねぇ、ドレッドバスター…!」

「バトル!キメラフレシアでダイレクトアタック!」

 

キメラフレシアが放った無数の触手が湊月君を襲った。どれも当たりはしていないが、当たったら痛そう…

 

捕食植物キメラフレシア ダイレクトアタック ATK 2500

湊月 LP 8000→5500

 

「まだ、行けるぜ!」

「ヒドラも続いて!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ ダイレクトアタック ATK 800

湊月 LP 5500→4700

 

「このタイミングで2枚目の惑星の効果を発動だよ!キメラフレシアとドロソフィルム・ヒドラを融合!」

 

捕食植物キメラフレシア 捕食植物融合モンスター

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 捕食植物モンスター

 

「麗しき2輪の花よ、混ざり合いて龍を象れ!融合召喚!現れ出ちゃえ、《捕食植物ドラゴスタペリア》!」

 

捕食植物ドラゴスタペリア 攻撃表示 ATK 2700

 

出た、ドラゴスタペリア!捕食植物の切り札の1枚!

 

「ドラゴスタペリアもダイレクトアタック!」

 

捕食植物ドラゴスタペリア ダイレクトアタック

ATK 2700

湊月 LP 4700→2000

 

小春の連続融合からの攻撃で湊月君のライフは一気に減った。バブルマンを止めなかっただけでここまで減るとはね…

 

「ターンエンドだよ〜」

 

小春

モンスター ドラゴスタペリア(攻撃表示) バブルマン(守備表示)

魔法・罠 無し

墓地 闇の誘惑 D・D・R モーレイ・ネペンテス 捕食活動×2 フライ・ヘル ジャスミン サンデウ・キンジー スピノ・ディオネア ドロソフィルム・ヒドラ キメラフレシア

除外 捕食惑星×2 捕食計画 プテロペンテス

手札 0

デッキ 26

LP 800

 

 

「お、俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 1→2

 

「ここでキメラフレシアの効果だよ!デッキから《置換融合》をサーチ!」

 

小春 手札 0→1

 

「ぐ…これっきゃねぇ!《一時休戦》!次の俺のターンまでダメージを受けない代わりに互いに1ドロー!」

 

湊月 手札 2→1→2

小春 手札 1→2

 

渋い表情…2人とも手札が悪いのかな。

 

「このままターンエンドだ!」

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 リビングデッド

墓地 ソリッドマン×2 置換融合 エアーマン シャドー・ミスト マスク・チェンジ×2 バブルマン 融合 ガイア カミカゼ アシッド ドレッドバスター カオス 一時休戦

手札 2

デッキ 27

LP 2000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「私も、カードを2枚伏せてターンエンドだよ〜」

 

小春

モンスター ドラゴスタペリア(攻撃表示) バブルマン(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 闇の誘惑 D・D・R モーレイ・ネペンテス 捕食活動×2 フライ・ヘル ジャスミン サンデウ・キンジー スピノ・ディオネア ドロソフィルム・ヒドラ キメラフレシア

除外 捕食惑星×2 捕食計画 プテロペンテス

手札 1

デッキ 23

LP 800

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 2→3

 

このターンから一時休戦のダメージ遮断は無くなるから、湊月君の手札次第では攻めに転じるよね。はてさて、どうなるのかな。

 

「ぐ…カードが足りねぇ…《成金ゴブリン》!相手のライフを1000回復させる代わりに1ドローだ!」

 

湊月 手札 3→2→3

小春 LP 800→1800

 

「よし、まだ引けるな!《ホープ・オブ・フィフス》!墓地のソリッドマン2枚、エアーマン、シャドー・ミスト、バブルマンをデッキに戻して2ドロー!」

 

湊月 手札 3→2→4

 

「…揃ったぜ!《融合》!手札のシャドー・ミストとブレイズマンを融合!」

 

E・HEROシャドー・ミスト E・HEROモンスター

E・HEROブレイズマン 炎属性

 

「猛る魂、まさしくノヴァ!強く激しく燃え上がれ!融合召喚!《E・HERO ノヴァマスター》!」

 

E・HERO ノヴァマスター 攻撃表示 ATK 2600

 

「シャドー・ミストの効果でオネスティ・ネオスをサーチだ!」

 

湊月 手札 4→1→2

 

ここでオネスティ・ネオス。湊月君のデッキからして、もしかして最後の手札は…

 

「聖川、HEROにはHEROの戦う舞台があるんだぜ!」

「にゃ??」

「それを見せてやる!フィールド魔法、《摩天楼‐スカイスクレイパー‐》発動!」

 

やっぱり、それを引いてたんだね。

 

「バトル!ノヴァマスターで攻撃!この瞬間、スカイスクレイパーの効果!ノヴァマスターの方が攻撃力が低いため、攻撃力を1000アップ!」

「効果知らないから怖いもんね!ドラゴスタペリアの効果をチェーン!ノヴァマスターに捕食カウンターを乗せるよ!そしてドラゴスタペリアの効果で、捕食カウンターの乗ったモンスターが発動した効果は無効になるよ!」

 

E・HERO ノヴァマスター ATK 2600→3600

捕食カウンター 1 レベル 8→1

 

これで、オネスティ・ネオスも含めて、小春が受けるダメージ総数は3400。受けきれないけど…どうするのかな?

 

「さらにチェーン、《ダメージ・ダイエット》だよ!このターン受ける全てのダメージを半分にするよ!」

 

なるほど、これがあったから慌てて無かったんだね。

 

「…!だが、削れるだけ削らせてもらうぜ!ダメージステップ、《E・HERO オネスティ・ネオス》を捨てて効果発動!攻撃力を2500アップだ!」

 

E・HERO ノヴァ・マスター 3600→6100

 

「…攻撃力…6100…」

「ダメージ・ダイエットの効果を含めても、受けるダメージは1700。残るのは100だけですね。流石にきつくなりますよ」

 

…あ、もしかして、あのカードを使うのかな。でも、ほんとに伏せてるの…?

 

「ふふふっ、湊月っち、私もお返しで面白いものを見せてあげる!このダメージ計算時、《バイバイダメージ》を発動だよ!」

 

……まさか…ほんとに伏せてるとはね…小春も面白いことするなぁ…

 

「なんだそれっ!?」

「…優姫、知ってる?」

「いいえ、残念ながら。星風さんは?」

「もちろん知ってますよ。あのカードを使われたってことは…湊月君の負けです」

 

僕の発言に、僕と小春以外の4人(凄く静かだけど柊真さんも一応いる。)は唖然としていた。

 

「濡羽っちの言う通りだよ!バイバイダメージは、モンスターが攻撃されたダメージ計算時に発動できるの!」

「攻撃されたモンスターはその戦闘では破壊されない。そして、その戦闘で発生した自分への戦闘ダメージの倍の数値の効果ダメージを相手に与えるんだ」

「…それってつまり…」

「この戦闘で発生するダメージ1700の倍、3400の効果ダメージが西条さんに与えられるわけですね」

「正解です」

「うっそだろぉぉぉ!!!!」

 

バイバイダメージの加護を得たドラゴスタペリアは、白い羽根の生えたノヴァマスターの攻撃をものともせず、倍の力で押し返した。そのまま、湊月君の方に投げ飛ばしてたけど…ノヴァマスター、少しはその羽根で抵抗しなよ…

 

E・HEROノヴァマスター ATK 6100

捕食植物ドラゴスタペリア 2700

6100-2700=3400

ダメージ・ダイエット ダメージ半減

3400÷2=1700

小春 LP 1800→100

バイバイダメージ 2倍効果ダメージ

1700×2=3400

湊月 LP 2000→-1400

 

「チックショー!!次は勝つっ!!」

「にゃはは〜♪楽しかったね〜♪」

 

ゲームエンド

WINNER 聖川小春




今回は小春の勝利。何気に初勝利な気がしますね。まぁ、主人公ふたりと対戦でしたから、しょうがないですね。

少し雑談をば。
実は自分、7/10で1つ歳をとりました。プレゼントは夏服でした。解せぬ。

そして最近のVRAINS、Aiさんが面白すぎませんかね。あの人、ネタ枠だと思うんですよ。
それと『@イグニスター』と『ハイドライブ』、OCG化するんでしょうか。しないでしょうね。したとしても数年後かな()

ではでは。


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二十枚目:勉強続投

会話パートです。

デュエルの内容もそうですが、やっぱりサブタイトルに悩みます…

それでは本編へ。


 

デュエル後の一幕。

 

「負ーけたー!!!」

「にゃはは〜、濡羽っちから貰ったバイバイダメージが役に立ったよ〜♪」

 

なるほど、星風さんがバイバイダメージのことを知っていたのは、自分があげたカードだったからなんですね。

 

「いや、貰ったっていうか奪っただよね…『絵柄が面白いから頂戴♪』って無理矢理持ってったのはどこの誰だっけ?」

「にゃはは〜、知らないし覚えてないな〜♪」

「僕は知ってるし覚えてるからねっ!?」

 

口ではあぁいいながらも、少し楽しそうに星風さんが聖川さんに詰め寄っている。

…なんででしょうか…私は、この光景を以前にも見た事があるような気がします。けれど、2人と会ったのは最近なのです。勘違い…でしょうか…

 

「…優姫、どうかしたの?」

「…いえ、大丈夫ですよ」

 

…優姫達の監視役(これ以外の言い回しが思いつきません)でここにいるのに、優姫に心配されるようではダメですね…

 

「そう言えば、聖川さんはどうしてバブルマンを入れていたんですか?」

「このデッキドローソースが少ないからね〜♪」

「…それ、増Gで良くねぇか?」

「はっ、その手があったか〜!」

「いや気付けよっ!!!!!」

 

お二人のやり取りに自然と笑みがこぼれますね。けれども、そうしていられるのも今だけです。

 

「さて、気分転換も終わったし、続きをしよっか」

「「………………」」

「ほら、2人とも。そんな絶望しきった顔してもダメだからね。学生の本分は勉強です」

「「いーやー!!!!!」」

 

それから数分後、なんとか回避しようとお二人はデュエルを挑みましたが、二人ともワンショットキルをされて渋々勉強することになりました。なぜ彼は60枚デッキなんて持ってるのでしょうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✧︎

 

「ふぁぁ…疲れたぁぁ…」

「それはこっちのセリフだよ〜」

 

なんとか勉強が一段落したよ〜…というか、濡羽っちが疲れるのはなんか違うと思うな〜

 

「さぁて、少し適当な問題をやろっか」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「や〜め〜て〜!!!!」

 

濡羽っちは酷い〜!!!

 

「あ、緑葉さんと神名さんも出題、お願いしますね」

「…呼んだ理由、それだったのね」

「いやぁ…1人で教えるのがキツイっていうのもありましたけれど…3割くらいそれが目的でしたね…」

「…まぁ…出すけど…」

 

結局出すの〜!?

 

「自作問題でもいいですし、問題集からでもいいですよ」

「では、私から出しますね。問題集の試験範囲からです。『8期以前の〈「融合」魔法カード〉と9期以降の〈「融合」魔法カード〉の違いは何か述べよ』」

「8期以前と9期以降のテキストの違いかな〜?」

「なんかやった気がするな……あ、そうだ!『8期以前は〈《融合》単体〉を対象にしているが、9期以降は〈【融合】カテゴリ〉を対象にしている』、だったな!」

「正解です。E・HERO使いの湊月さんは融合関連はよく読んでいますね。やはり、フレンドッグとE・HERO ブレイズマンのテキストの違いがあるのが大きいのでしょうかね」

「…小春も融合は多用するはずよね?」

 

う〜、それは言わないで欲しかった〜!私のカテゴリは9期テーマだからそこは見てなかったんだも〜ん!!

 

「…次は私。『ミラクルシンクロフュージョンで融合召喚可能なモンスターを全て答えよ』」

「きっつ…俺シンクロ使わねぇよ…」

「私言えるよ〜♪アルティメットサイキッカー、WW-クリスタル・ベル、旧神ノーデン、ゴヨウ・エンペラー、地天の騎士ガイアドレイク、ナチュル・エクストリオ、ナチュル・ガイアストライオ、波動竜騎士 ドラゴエクィテス、覇魔導士アーカナイト・マジシャンだよね〜♪」

「…正解。どっちも使ってるから強いわね。よく見るのは、やっぱりエクストリオやクリスタル・ベルかりしね」

「聖川のデッキじゃどれも出ないだろうけどな」

 

濡羽っちは使ってるけどね〜。融合もシンクロもペンデュラムもリンクも入ってるし、あのデッキは色々とおかしいもんね!それならいっそエクシーズと儀式も入れたらいいと思うんだよね〜

 

「さて、最後は僕だよ。結構大雑把にいくね。『最もモンスターの種類が少ない属性と種族、最も多い属性と種族の4つを答えよ』」

「…………雑ぅ…」

「でも難しいよぅ…」

「…本当に大雑把ね…」

「一応補足しておくと、『神属性』、『創造神族』、『幻神獣族』は抜きだよ」

「だとしたら…少ないものはカウントし難いですね」

 

濡羽っちの問題、風華さんと神名さんも悩んじゃってるよ〜!?

 

「……さすがに、大雑把すぎました?」

「大雑把で、尚且つムズい。濡羽の問は滅茶苦茶だ…」

「あはは…」

「…降参するわ」

「恥ずかしながら、私もです」

「じゃあ…答え言っても?」

「頼む!」

「お願い〜!!」

「僕が覚えてる限り、種族で多いのは戦士族で少ないのは幻龍族、属性で多いのは闇属性で少ないのは炎属性だったかな」

 

そんなの答えられないよ〜…こんなの実際の試験に出ないよね〜?

 

「…そんな問題、過去問にもないと思うわよ」

「自作問題ですからね。それに、僕自身もこれに関しては確証が持ててないんですよね。今現在も増えてますから」

「確かに…今後のカードによっては最多と最少が変化する可能性は大いにありますね」

 

これでもし試験に出たら恐ろしいよ…

 

「さぁて…筆記試験まで残り5日。根詰めるつもりはないけど、それなりに厳しく行こっかな」

「それなら私も手伝います。教えるからには、散々な点数にはさせませんよ」

「…私も、ゴールドに上がってもらうつもりで手伝うわね」

「「いーやー!!!!」」

 

その後3日間は、濡羽っち達のスパルタ教育が続いた。もう受けたくないと思ったよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4日間の指導期間は終えて、試験までの残り2日間は自主勉強&休息期間にした。流石にぶっ通しはキツイからね。

 

「やぁ、濡羽君。勉強はどう?」

「柊真さん。僕の場合は応用問題を覚えるだけなので、そこまで苦ではないですよ」

「それなら、少しいいかな?」

 

柊真さんから相談なんて、少し珍しいな。何なんだろう?

 

「はい、何ですか?」

「実は、僕のデッキのことなんだけどね…」

 

それから1・2時間ほど、柊真さんのデッキ調整に付き合った。

 

「手伝ってくれてありがとうね」

「いえいえ…それで、いつ頃言うんですか?」

「みんなが気付くまで…かな?」

「そうですか…」

「それじゃあ、おやすみ。遅くならないようにね」

「おやすみなさい」

 

まったく…なんでこうも皆して隠し事が好きなのかな…

 

『隠し事好きなのはヌレハもでしょう?』

『そうだな、確かにヌレハも隠し事はあるな』

『いい加減、残りの3人にもサヴァン症候群のことを伝えてはどうでしょうか?』

 

それはもう少し後にしたいと心底思った。




なにも語らうことがないので雑談します。

先日、公式戦に行ってきたのですが、優勝は【BF】でした。これはまぁ良いのです。先行フルアーマードはどうしようもなかったです。
しかし、準優勝が【ガエルバージェストマ】とはどういうことなのでしょうか…とりあえず、アークロードのリンク先にアノマロカリス2体出すのは火力が…って感じでした。
自分は…【捕食HERO】で参加したのですが、カードが揃ってない上に初戦が【BF】だったのでボロボロになりました。やっぱりキメラフレシアとかオネスティとか欲しいですね。

ではでは。


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二十一枚目:試験本番と新たな出会い

会話パートです。

今回、新たにキャラが出ます。そしてテストの内容は…恐らく、前回の問よりも楽です(笑)

では、本編へ。


 

試験当日。

 

「それでは、はじめ!」

 

先生の合図と共に、教室の生徒全員が筆記試験に取り組んだ。今日は1日中筆記試験をして、明日はデュエルの実技試験をするんだけど…

 

(…今年、妙な問題が多くない…?)

『と言われても、去年の問題知らないから〜』

『まぁ、難しいというよりは奇妙な問題が多いですね…』

 

去年の問題は、基礎ルールの確認やチェーン処理の問題などが殆どだった。けれど今年の問題は、一癖も二癖もある問題ばかりだった。

 

(『トポロジック・ボマー・ドラゴンの影響で規制されたカードを答えよ』…なんでこんな問題があるのさ…)

『というか、実際そのせいで規制されたカードって1枚しか思い当たらないんですけど』

『俺がいれば普通に防げるけどな?』

 

それが出来ないからアレはキツかったんだよね…

 

(まぁ答えは『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』だよね)

『…次の問題もなかなか酷いですね』

『なになに…『最も多くの融合モンスターを融合召喚できる素材の組み合わせを答えよ。なお、融合素材代用モンスターは考慮しないものとする』…なんだこれ…』

 

この問題の答えは『E・HERO バーストレディとE・HERO フェザーマン』なんだけど…小春と湊月君がすごく心配になってきたよ…

 

(2人とも…大丈夫かな…)

『それより自分の心配…は要りませんでしたね』

『つか、時間気にしながらやれよ?』

 

スターダストの言うことが珍しく的を射ていて驚いたよね。

 

『しれっと罵倒された気がするぞっ!?』

 

 

 

 

 

そんなこんなで、何とか乗り切った試験後。

 

「やぁ、いらっしゃい、濡羽君。小春さんと湊月くんは?」

「2人は、緑葉さんと神名さんと一緒に自己採点してます。僕は試験前にデッキを見直しにここに来ました」

 

僕は『プリズム』に来ていた。今言ったように明日の実技試験前にデッキを見直したかったのもあるし、何よりカードを見ていたかったからね。

 

「あ、そうだ。新しいカードが入ったよ。向こうにあるよ」

「ありがとうございますっ!」

 

柊真さんに教えてもらい、僕は早速店の奥に行った。

 

「おー、色々入ってる!それに新しいストラクに、パックも!」

 

僕が追加されたパックに手を伸ばした時、その手に重なるようにもう一つの手が伸びてきた。

 

「えっ?」

「……っ!?」

 

その人は綺麗な銀髪で、黒いキャップを被っていてよく見えなかったけど、黄色い眼をしているように見えた。

 

「あ、もしかしてあなたもこのパック買うんですか?」

「…ハ、ハイ…」

「じゃあ、1つどうぞ。幸い、まだパックは残ってますから」

「…ありがとう…ございます…」

 

…もしかして、怯えられてる…?

 

「…で、では、失礼します!」

 

…逃げられちゃった…のかな?うーん、そんな妙なことをした覚えはないんだけどなぁ…

 

「まぁ、いっか」

 

僕は気にせず、2,3パック手に取って買いに行った。

 

 

 

 

 

「あ、さっきの」

「……ぁ…」

 

テーブルに向かうと、さっきの銀髪さんがいた。

 

「何かいいカードが出ました?」

「…………………」

 

無言でその人がみせてきたカードは…

 

「…《I:Pマスカレーナ》の20thシク…!?」

 

この人、運がえげつない…確か持っていったのって、1パックだけだったよね…?

 

「コレ…そんなに凄いんですか?」

「滅茶苦茶凄いですよ…お店によっては{自主規制}円で買い取ってもらえるくらいには」

「ヒェッ…」

 

まぁ、そんな反応になりますよね…

 

「…それでは…このカード…どうすれば…」

「持ってたらいいと思いますよ。シクじゃなくても、普通に使えるカードなので」

「…そう、ですか…」

「それより、この2枚貰っても良いですか?」

「えっ…あっ、どうぞ…」

「ありがとうございます!」

 

やった、これで僕の買ったパックからあのカードが出れば…

 

「…ぁ、マジ…?」

 

期待を胸に僕が買った3パックを開けると、僕の望んだカードが全て入っていた。何たる幸運。

 

「…カード、揃ったんですか?」

「はいっ!」

 

すごく嬉しかったけど、ふと思った疑問の方が大きかった。

 

「そういえば、なんでそのパック買おうと思ったんですか?」

「あ…それは…その…」

「??」

「…デッキを新しく組もうかと、思いまして…」

「なるほどー…あ、それなら!」

 

僕は単なる思いつきで、持ってきていた鞄の中からひとつのデッキを取りだした。

 

「少し待っててくださいね。このカードを抜いて、これを入れて…」

 

少しばかり手を加えたデッキを、僕はその人に差し出した。

 

「このデッキでよければ、差し上げますよ」

「えっ!?」

「カード貰ったお礼です」

「で、でも、そんな…」

「お礼と言ったそばから何ですけど、その代わりに…僕とデュエルしてください」

「…ふぇ?」

「そのデッキ、自分で回すよりも敵に回した方が楽しいと思うんです。だからお願いします!」

「わ、わかりました…」

 

なんか困惑しながらもデュエルを了承して貰えた。そのまま僕達はデュエルスペースへと向かった。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします。えっと…」

「…ワタシは、マリーです」

「マリーさん、よろしくお願いします。僕は星風濡羽です」

「…え、男の人なんですか?」

「生物学的にも男ですっ!!」

 

あーもー、また女の子だと思われてたのー!?いい加減、初見で気付く人いないのー!?

 

「…凄く、意外です…」

「そ、そんなことよりも、デュエル、始めますよ!」

「ハ、ハイ…それでは…」

「「決闘(デュエル)!」」




次回、マリーvs濡羽です。

マリーさんの簡単なプロフィール公開してしまうと

・女性
・17歳
・決闘者

です。この人、アカデミア生ではありません。何者なのかは、デュエル後に。

ではでは。


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二十二枚目:海姫vs竜騎士

デュエル回、マリーvs濡羽です。

毎回毎回、デュエルを投稿する度に本当にミスが無かったか不安になります…

それでは本編。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 マリー

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

「ワタシのターンです」

 

先攻はマリーさんに譲った。僕のあげたデッキ…レクチャーはしてないけど、ちゃんと回せるかな…

 

『してないんですか!?』

(しょうがないでしょ!しようと思ってたけど勢いで始めちゃったんだもん!!)

『割とポンコツですね!?』

ライズベルト、それ今更過ぎると思うな。

 

「ワタシは手札から《海晶乙女(マリンセス)ブルータン》を召喚します」

 

海晶乙女ブルータン 攻撃表示 ATK 1500

マリー 手札 5→4

 

「ブルータンの効果で、デッキから《海晶乙女シーホース》を墓地へ送ります」

 

マリンセスの理想的な動きだね。っと、感心してたらいけない。ここで使っておかなきゃ。

 

「僕はここで《増殖するG》を捨てて効果発動。相手が特殊召喚する度に1枚ドローします」

 

濡羽 手札 5→4

 

「…通すしかありません。けれどやれるだけやります!開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』。ワタシはブルータンをリンクマーカーにセット。リンク召喚!リンク1、《海晶乙女ブルースラッグ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女ブルースラッグ リンク1 ↓ ATK 1500

 

「増殖するGの効果で1枚貰いますね」

 

濡羽 手札 4→5

 

「ブルースラッグの効果です。ターン終了時まで水属性しか特殊召喚出来なくなるかわりに、墓地からブルースラッグ以外のマリンセスを手札に加えます。ワタシは墓地のシーホースを手札に加えます。さらにブルータンの効果です。リンク召喚の素材にされた時、デッキの上から3枚をめくり、その中からマリンセス1枚を手札に加えます。ワタシは《海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)》を加えて、残りをデッキに戻します」

 

マリー 手札 4→6

 

…やばいやばいやばい!滅茶苦茶回ってるじゃん!!てか説明してないのに使いこなせてる!?

 

「さらに手札のシーホースの効果です!1ターンに1度、マリンセスリンクモンスターのリンク先に特殊召喚できます!来て、《海晶乙女シーホース》!」

 

海晶乙女シーホース 守備表示 DEF 1000

濡羽 手札 5→6

マリー 手札 6→5

 

「再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシはシーホースをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク1、《海晶乙女シーエンジェル》、ON STAGE!」

 

海晶乙女シーエンジェル リンク1 ← ATK 1000

濡羽 手札 6→7

 

「シーエンジェルがリンク召喚に成功した時、デッキからマリンセス魔法カードを手札に加えることが出来ます。ワタシは《海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)》をサーチします」

 

マリー 手札 5→6

 

「3度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはシーエンジェルとブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女コーラルアネモネ リンク2 ← ↓

ATK 2000

濡羽 手札 7→8

 

「コーラルアネモネの効果!リンク召喚に成功した時、墓地の攻撃力1500以下のモンスターを特殊召喚します!墓地からブルースラッグを特殊召喚!」

 

濡羽 手札 8→9

 

…なかなか手札が減らない…マリンセス、僕が組んだとはいえ、恐ろしい…

 

「そして手札からフィールド魔法、《海晶乙女の闘海》を発動します!」

 

マリー 手札 6→5

 

…マリーさんの盤面が着々と完成していってる…ホントに回りすぎだってば…

 

「4度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!リンク2のコーラルアネモネとリンク1のブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、《海晶乙女マーブルド・ロック》、ON STAGE!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック リンク3 ← ↓ →

ATK 2500

濡羽 手札 9→10

 

手札2桁になっちゃったよ…これ、最悪デッキアウト…?

 

「バトルオーシャンの効果で、エクストラモンスターゾーンにマリンセスをリンク召喚した時、墓地のマリンセスリンクモンスターを3枚まで、そのモンスターに装備します。ワタシは、墓地のブルースラッグ、シーエンジェル、コーラルアネモネをマーブルド・ロックに装備!バトルオーシャンの効果で全てのマリンセスモンスターの攻撃力は200アップし、装備しているマリンセスカードの数×600アップします!」

 

今装備しているのは3枚、600×3で1800、それにプラスで200だから、合計2000ポイントの攻撃力アップだね。

 

海晶乙女マーブルド・ロック ATK 2500→4500

 

「さらに、コーラルアネモネの効果!墓地のブルータンを手札に!」

 

マリー 手札 5→6

 

「そしてマーブルド・ロックの効果、墓地のマリンセスカードを手札に加えます。ワタシはシーホースを回収します」

 

マリー 手札 6→7

 

「カードを2枚伏せてターンエンドです」

 

マリー

モンスター マーブルド・ロック(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2 ブルースラッグ シーエンジェル コーラルアネモネ

フィールド 闘海

墓地 無し

手札 5

デッキ 32

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 10→11

 

なんか、散々動かれたから手札が潤沢だよ。さぁて…お返ししなきゃね!

 

「僕は《竜の渓谷》を発動!その効果で手札から《嵐征竜-テンペスト》を捨てて、《亡龍の戦慄-デストルドー》を墓地へ!」

 

濡羽 手札 11→9

 

「手札から《EM カード・ガードナー》と《召喚師ライズベルト》でペンデュラムスケールをセッティング!」

「ペンデュラムですか!」

 

濡羽 手札 9→7

 

「吹き抜ける風よ、絆の輝石を揺らせ!描く軌跡は、新たな風の道標!」

 

EMカード・ガードナー ペンデュラムスケール 8

召喚師ライズベルト ペンデュラムスケール 2

ペンデュラム召喚可能レベル 3~7

 

「ペンデュラム召喚!現れろ、《ドラグニティアームズ-ミスティル》、《ドラグニティ-ミリトゥム》!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示 ATK 2100

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1800

濡羽 手札 7→5

 

「ミスティルの効果で、デッキから《ドラグニティ-ブランディストック》を装備。さらにライズベルトのペンデュラム効果で、ミリトゥムのレベルを1上げます」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル 4→5

 

「さらに手札から《ドラグニティ-ファランクス》を通常召喚」

 

ドラグニティ-ファランクス 攻撃表示 ATK 1000

 

「ミリトゥムの効果でブランディストックを装備解除。そして開け、水晶が導くサーキット!召喚条件は『チューナーを含むモンスター2体』。僕はミスティルとブランディストックをリンクマーカーにセット!リンク召喚!来て、《水晶機巧-ハリファイバー》!」

 

水晶機巧-ハリファイバー リンク2 ↙ ↘

ATK 1500

 

「ハリファイバーがリンク召喚に成功した時、デッキからレベル3以下のチューナーを特殊召喚する!」

「チェーンして《海晶乙女波動》を発動します!ハリファイバーの効果を無効にし、リンク2以上のマリンセスリンクモンスターがいるため、ワタシの表側のモンスターは相手の効果を受けません!」

 

くっ…やっぱりキツイなぁ。もう他にモンスター効果使うような場面ないのに…でも、やれるだけやろうかな

 

「僕はレベル5になったミリトゥムにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル5 鳥獣族

ドラグニティ-ファランクス レベル2 ドラゴン族 チューナー

5+2=7

レベル7シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、海神(わだつみ)が操りし三叉の槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-トライデント》!」

 

ドラグニティナイト-トライデント 攻撃表示 ATK 2400

 

「さらに、墓地のテンペストの効果!墓地のミスティルとブランディストックを除外して、墓地から特殊召喚!」

 

嵐征竜-テンペスト 攻撃表示 ATK 2400

 

残り手札は4…よし、行けるだけ行っておこう!

 

「僕は手札から儀式魔法《精霊の祝福》を発動!」

「今度は儀式ですか!?」

「場のテンペストをリリースして儀式を執り行う!」

 

嵐征竜-テンペスト レベル7

精霊の祝福 光属性制限

レベル7 光属性 儀式召喚

 

「光に従いし美しき龍よ、聖なる祝福と共に、舞い降りよ!儀式召喚!《古聖戴(こせいたい)サウラヴィス》!」

 

古聖戴サウラヴィス 攻撃表示 ATK 2600

濡羽 手札 4→2

 

これだけやってもまだ突破できない…やっぱり強固な盤面だよ…

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター ハリファイバー トライデント サウラヴィス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 渓谷

ペンデュラム カード・ ライズベルト

墓地 増G デストルドー テンペスト ミリトゥム ファランクス 精霊の祝福

除外 ミリトゥム ブランディストック

手札 0

デッキ 26

 

 

「ワタシのターン、ドローです!」

 

マリー 手札 5→6

 

「マーブルド・ロックの効果で、墓地から《海晶乙女波動》を手札に加えます」

 

マリー 手札 6→7

 

よし、このタイミングで!

 

「この瞬間に(トラップ)発動、《強欲な贈り物》!この効果で、相手は2枚ドローする!」

「え…良いのですか?では、2枚ドローします」

 

マリー 手札 7→9

 

「そして、相手の手札が8枚以上のため、《大暴落》を発動!相手は全ての手札をデッキに加え、新たに2枚ドローする!」

「…!さっきのは、そのためだったんですね…」

 

マリー 手札 9→0→2

 

よし、これで厄介なウェーブはデッキに戻った!今ので引かれてない限り、戦える!

 

「むぅ…ワタシはブルータンを召喚して、デッキから《海晶乙女クラウンテイル》を墓地へ送ります」

 

マリー 手札 2→1

 

「開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセス1体』。ワタシはブルータンをリンクマーカーにセット。リンク召喚!もう1度お願いします。リンク1、《海晶乙女ブルースラッグ》、ON STAGE!」

 

うぇぇ、2枚目…?

 

「バトルオーシャンの効果で、ブルースラッグの攻撃力は200アップします」

 

海晶乙女ブルースラッグ ATK 1500→1700

 

「ブルースラッグの効果で墓地のブルータンを手札に加え、さらにリンク素材にされたブルータンの効果。デッキの上から3枚を表に。その中の…《海晶乙女シースター》を手札に加えます」

 

マリー 手札 1→3

 

「このままバトルフェイズに…」

「その前に、ハリファイバーの効果!自身を除外することで、エクストラデッキからシンクロ・チューナーをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!来い、新たな竜騎士!《ドラグニティナイト-ハールーン》!」

 

ドラグニティナイト-ハールーン 守備表示 DEF 1900

 

「ハールーンが特殊召喚に成功した時、墓地のドラグニティを装備する!ファランクスを装備します!」

「構いません、マーブルド・ロック!トライデントに攻撃です!」

 

マーブルド・ロックの鋭い十爪がトライデントを切り裂いた。その爪は僕の元まで届き、近くの床を抉った。実際に抉れてたら…損害、幾らだろ…

 

海晶乙女マーブルド・ロック ATK 4500

ドラグニティナイト-トライデント ATK 2400

4500-2400=2100

濡羽 LP 8000→5900

 

「ぐぅっ…!!」

「メイン2に入ります。手札からブルータンを捨てて《鬼ガエル》を特殊召喚します」

 

鬼ガエル 守備表示 500

マリー 手札 3→1

 

「再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシは鬼ガエルとブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《海晶乙女クリスタルハート》、ON STAGE!」

 

海晶乙女クリスタルハート リンク2 ↙ ↘ ATK 0→200

 

「ここしかない!サウラヴィスの効果!自身を手札に戻すことで、特殊召喚を無効にし、除外する!」

「セットカードオープン、《海晶乙女波動》!」

「2枚目…伏せてあったんだ…っ!!」

 

クリスタルハートを消そうとするサウラヴィスの光を、マーブルド・ロックの放った水が消し去った。これで目論見は失敗…でも、クリスタルハート…まさかね…

 

「そして…3度開いて、蒼き海へのサーキット!」

 

もしかして、本当に出すの!?

 

「召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはリンク3のマーブルド・ロックとクリスタルハートをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク4、清らかな水の神霊、今ここに!《海晶乙女ワンダーハート》、ON STAGE!」

 

海晶乙女ワンダーハート リンク4 ← ↙ ↘ →

ATK 2400→2600

 

「バトルオーシャンの効果で、墓地のマーブルド・ロック、コーラルアネモネ、ブルースラッグを装備します。これにより、ワンダーハートも攻撃力1800アップです」

 

海晶乙女ワンダーハート ATK 2600→4400

 

「バトルオーシャンの効果で、クリスタルハートを素材にしたマリンセスリンクモンスターは相手の効果を受けません。ワタシはこれでターンエンドです」

 

マリー

モンスター ワンダーハート(攻撃表示)

魔法・罠 マーブルド・ロック コーラルアネモネ ブルースラッグ

フィールド 闘海

墓地 ブルータン クラウンテイル 鬼ガエル シーエンジェル ブルースラッグ 波動 クリスタルハート

手札 1

デッキ 34

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「くぅ…仕方ない、《貪欲な壺》!《増殖するG》、《ドラグニティナイト-トライデント》、《ドラグニティ-ミリトゥム》、《嵐征竜-テンペスト》、《亡龍の戦慄-デストルドー》をデッキに戻して2ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

使おうと思ってたけど、結局使えなかったデストルドー…ごめんね、今度は必ず使うから!

 

「《異次元からの埋葬》!除外されてるハリファイバー、ミスティル、ブランディストックを墓地へ!」

 

濡羽 手札 2→1

 

ダメだ…これじゃあまだまだ足りない!何か、何か革新的な一手を…!

 

「《強欲で貪欲な壺》!10枚除外して2ドローっ!!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

これなら…行ける…っ!

 

「……《ハーピィの羽根帚》!!」

「そ、そんな…この状況で…!」

 

僕の使ったハーピィの羽根帚が、マリーさんの魔法・罠カードを全て破壊した。これで、ワンダーハートを処理できる!

 

海晶乙女ワンダーハート ATK 4400→2400

濡羽 手札 2→1

 

「け、けど、フィールドから墓地へ送られたコーラルアネモネの効果で、墓地のシーエンジェルをエクストラデッキに加えます!」

「構いません、手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を通常召喚!そして、レベル4のミリトゥムにレベル6のハールーンをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4

ドラグニティナイト-ハールーン レベル6 ドラグニティ チューナー

4+6=10

レベル10シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、聖者が振りし龍滅の槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-アスカロン》!」

 

ドラグニティナイト-アスカロン 攻撃表示 ATK 3300

濡羽 手札 1→0

 

「ハールーンの効果!このカードが墓地に送られた場合、場のドラグニティ1体に、攻撃力1000アップの装備カードとして装備することが出来ます!アスカロンに装備!」

 

ドラグニティナイト‐アスカロン ATK 3300→4300

 

「アスカロンの効果!墓地のブランディストックを除外し、ワンダーハートを除外します!」

「っ!!破壊じゃないからワンダーハートの効果が…!!」

「バトルフェイズ!」

「墓地のクラウンテイルの効果を使います!墓地のこのカードを除外することで、墓地のマリンセスリンクモンスターのリンクマーカーの合計×1000ポイント以下の戦闘ダメージを受けません!」

「やっぱり使いますよねっ!!」

 

今、墓地に眠るマリンセスリンクモンスターのリンクマーカーの合計は10。よって10000以下のダメージは全て0になる。凄いや、マリーさん。初めてなのに、ここまで使いこなすなんて。

 

「ふふっ…」

『なんで笑ってるんですか?』

(あそこまで使いこなしてくれてると、作った身としては嬉しいからね)

『はぁ…これで負けたりしたら知りませんからね』

(はいはい)

 

ライズベルトは心配性だね…知ってたけど。

 

「メイン2。ライズベルトのペンデュラム効果で、アスカロンのレベルを1つ上げます」

 

ドラグニティナイト‐アスカロン レベル 10→11

 

「僕はこれでターン終了です」

 

濡羽

モンスター サウラヴィス アスカロン(攻撃表示)

魔法・罠 ハールーン

フィールド 渓谷

ペンデュラム カード・ガードナー ライズベルト

墓地 精霊の祝福 異次元からの埋葬 貪欲な壺 強欲で貪欲な壺 羽根帚 ミリトゥム ファランクス ミスティル

除外 ブランディストック 裏向き10

手札 0

デッキ 17

LP 5900

 

 

「…ワタシのターン、ドロー」

 

マリー 手札 1→2

 

あの手札のうち、片方はさっき加えたシースター。動くとすれば…あのもう1枚だね。

 

「ワタシも《貪欲な壺》を使います。墓地の《海晶乙女クリスタルハート》、《海晶乙女ブルータン》、《鬼ガエル》、《海晶乙女ブルースラッグ》2枚をエクストラデッキに戻して2枚ドローします」

 

マリー 手札 2→1→3

 

「ワタシは…モンスターを1体、カードを1枚伏せて、ターンエンドです」

 

…流石に、札が悪かったみたいだね。

 

マリー

モンスター 伏せ1

魔法・罠 伏せ1

墓地 マーブルド・ロック コーラルアネモネ 闘海 波動

除外 ワンダーハート クラウンテイル

手札 1

デッキ 32

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

可哀想だとは思うけど、僕も負けられないんだ。全力で行かせてもらうね。

 

「再びライズベルトのペンデュラム効果。アスカロンのレベルをさらに1つ上げます」

 

ドラグニティナイト‐アスカロン レベル 11→12

 

「そしてアスカロンに《ドラグニティの神槍》を装備。神槍の効果でデッキからブランディストックを装備します。装備モンスターは、自身のレベル×100の攻撃力を得ます。アスカロンのレベルは12、よって1200ポイントアップです」

 

ドラグニティナイト-アスカロン ATK 4300→5500

 

「アスカロンの効果。墓地のミリトゥムを除外して、その伏せモンスターを除外します」

「…それは通します」

 

伏せモンスターは、やはりシースターだった。けれど、その目は諦めてない。きっとあの伏せカードが、命運を分ける。そう思うよ。

 

「やっぱり…賭けに出るしかないですね。(トラップ)カード、《針虫の巣窟》を発動します。その効果で、デッキトップから5枚を墓地へ送ります!」

 

針虫の巣窟で墓地へ送られたカードは…《海晶乙女瀑布(マリンセス・カタラクト)》、《海晶乙女の闘海》、《海晶乙女シースター》、《海晶乙女シーホース》、《海晶乙女クラウンテイル》の5枚…いい落ちだけど、残念ながら、ギリギリ足りないね。

 

「そして今墓地に送られたクラウンテイルを除外することで再び効果を発動します!今回は、5000以下の戦闘ダメージを受けません!」

「だとしても、勝利は揺るがない!バトルフェイズ。アスカロンでダイレクトアタックです!」

 

巨大な槍を携えたアスカロンの突進は、一撃で多くのライフを奪っていった。きっと直撃したらひとたまりもないだろうなぁ…

 

ドラグニティナイト-アスカロン ダイレクトアタック

ATK 5500

マリー LP 8000→2500

 

「っ!けれど、クラウンテイルの効果で、ワタシは5000以下の戦闘ダメージを受けません!サウラヴィスの攻撃は通りませんよ!」

「ブランディストックを装備したモンスターは、1度のバトルフェイズ中に2回の攻撃ができます!」

「え、そんな!?」

「コーラルアネモネの効果で戻さなければ、耐えられたかもしれませんね。もう1度攻撃して、アスカロン!ダイレクトアタック!」

 

1度、その槍でダメージを与えたアスカロンは、ブランディストックを投擲する形で再び攻撃した。ブランディストック…可哀想…

 

ドラグニティナイト-アスカロン ダイレクトアタック

ATK 5500

マリー LP 2500→-3000

 

「ありがとうございました、マリーさん」

「…あれだけやった後に負けると…凄く悔しいですね」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽




はい、濡羽君の勝利です。マリンセス、書いてて思うけど先攻渡したら行けなかった気がします。初手にぶん回したせいでゴリ押し感が否めない。そのせいでミスが怖い(小心者)

そして今回は濡羽君が儀式を使いました。本来ならあそこからエクシーズするつもりだったんですけど…いいエクシーズが見つかりませんでした。というかこれエクシーズ使ったら濡羽君は召喚法コンプリートですね。主人公補正()

ただ、濡羽君がゴリ押したのでマリンセスの消化不良感があります。まぁ、彼女は今後も出る予定なので、その時にでも今回の鬱憤を晴らす勢いで勝ってもらいますかね(負けないとは言ってない)

ではでは。


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二十三枚目:予期せぬ報告

今回も会話パートです。三十超えたあたりからこれ言わなくてもいいんじゃないかと思い始めました。

少しだけ、次の試験について言及します(それメインのはずなんです)

それでは本編。


 

「マリーさん、何であんなに海晶乙女を上手く使えてたんですか?」

「実は…友達が海晶乙女を使っていたんです。なんだか性格的に合わなかったみたいで、2、3回使っただけでしたけど…その時の動きを覚えていたんです。見慣れないカードがありましたけど、そのカードとの合わせ方もなんとなく分かりましたから」

 

えぇ…何その記憶力…それに才能っていうの?それが凄いよね…

 

『記憶力に関してはヌレハが言えることじゃないでしょう!?』

『記憶力に関してはヌレハが言えることじゃねぇよ!!』

『記憶力に関してはヌレハが言えることではありませんよ』

(なんでみんな口を揃えてそういうかなぁ!!)

 

まぁ…割と事実なんだけどね…

 

「…どうかしましたか?」

「いえ、なんでもありませんよ。そのデッキ、大事にしてくださいね」

「はい、勿論です!…でも、帽子だけでそこまで気付かないものですかね…

「?? 何か言いましたか?」

「な、何も!」

『……』

 

僕が疑問に思っているとき、不意に僕とマリーさんのデュエルディスクとスマホが同時に鳴った。

 

「「???」」

 

2人して訳が分からないというような顔をしながらそれぞれの端末を見るとそこには…

 

【『マリー』を友達登録しました】

【『マリー』を連絡先に追加しました】

 

…きっと、マリーさんの方はこんな感じだろう。

 

【『星風濡羽』を友達登録しました】

【『星風濡羽』を連絡先に追加しました】

 

「「えぇぇぇぇぇ!?!?!?」」

 

 

 

 

 

しばらく、お互いのデュエルディスクとスマホを調べてみたが、原因は全く分からなかった。

 

「…なんで勝手に追加されたんでしょうか…」

「ワタシにも分かりません…」

『なぁ、ファスト、ライズベルト、これってさぁ…』

『だと思いますよ?』

『私もそうだと思いました』

(え、みんな分かったの!?)

『分かったけど言ーわね』

『自分で考えてみてください』

『ヌレハの特性みたいなものですよ』

 

全くもってわけがわからないよ…

 

「…あ、あの…連絡先、消しちゃいます?」

「いえ、そんなつもりは無いですよ?なんでですか?」

「その…なんだか、嫌そうだったので…」

「原因が分からないのが嫌なんですよ…それに、友達が増えることを嫌がる人なんていないと思いますよ?」

「…友…達…?」

「はい、友達ですよ?」

「友達…友達!」

 

なんだか、すごく嬉しそうにしてる…そんなに友達になれたことが嬉しいのかな?

 

「じゃあ、いつか連絡してもいいですか?またデュエルしたいので!」

「はい、いつでもいいですよ!」

「…!では、失礼します!」

 

ほんとにすごく嬉しそうにしながらマリーさんは帰っていった。もしかして、友達少ないのかな…

 

「あ、濡羽君。まだここにいたんだね、ちょうどよかったよ」

「柊真さん、僕に用ですか?」

「うん、アカデミアから連絡があったんだ。詳しい話は、家に帰って風華さん達に聞いたらいいと思うよ」

「分かりました」

 

謎の連絡先の追加も気になりながら、僕は(柊真さんの)家に帰った。

 

 

 

 

 

帰ってみると、リビングに全員集合していた。

 

「…星風くん、おかえり。龍凪さんから何か聞いた?」

「緑葉さん達が教えてくれるとしか聞いてませんよ。何かあったんですか?」

「あー、それがな…明日の実技試験あるだろ?」

「あれがね〜、すっごく変なことするんだ〜」

「変なこと??」

「先生方からシルバークラスの生徒に提示されたのは、『全ての召喚法を使えるデッキを持ち込む』か、『アカデミア側が用意したデッキで試験を受ける』か、『プラチナ生とデュエルする』かの3択です」

「……はいぃ!?」

 

何それ、面倒くさそう!!!

 

「…補足しておくわね。全ての召喚法を使うなら、1度のデュエル中に全て出さなければならない。アカデミア側が用意したデッキは、当日手に取るまで内容は不明。プラチナ生とデュエルするならば、その相手は勿論私達になる」

「うー…一応、僕のデッキには儀式も追加しましたから、あとはエクシーズですけど…」

「俺は自分のデッキじゃなくても構わねぇからなぁ」

「私は風華さん以外のプラチナの人ともやりたーい!」

 

うわー、意見が3人見事にばらけたね…

 

「…星風くんは、どのレベルのモンスターを多用するの?」

「んー…ドラグニティの特性上、下級なら2が、上級なら6とか7が多いですかね」

 

ドラグニティチューナーはほとんどがレベル2だし、上級もシンクロモンスターはほとんどレベル6な上に、ミスティルもレベル6だからね。レベル7は、テンペストや今日追加したサウラヴィスとか、あとはトライデントなんかだね。

 

「…それなら、これはどうかしら」

「これは…この2枚なら、使えそうです!ありがとうございます!」

 

緑葉さんがくれた2枚のエクシーズモンスター、これで僕は全部の召喚法が使えるデッキになったから、全部の試験から選べるね。

 

「それじゃあ俺はデッキ貸し出しでの試験にするか」

「私はプラチナの人とやる〜♪」

「僕は全部の召喚法での試験を受けますね」

「…了解。明日、先生から確認があるから、その時にそれを伝えればいいよ」

 

よーし、明日は頑張るぞー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

翌日。教室にて。

 

「さぁて、今日は実技だな!」

「うん♪楽しみだね〜♪」

「楽しみって…確率的には、小春が1番負け筋あるからね…?」

「ヒドーイ!」

 

いや、プラチナ生に挑むんだからそりゃそうだろ…

 

「はい、それでは20分後に順に試験を開始します。それぞれ、配布したプリントに書かれているフィールドに向かってください」

 

うし、担任からゴーサイン!俺は…3番フィールドか。濡羽は1番フィールドで、聖川は2番フィールド…やっぱ全員バラけるよな

 

「じゃあ、頑張ろうね!」

「勿論だよ〜♪」

「おぉさ!」

 

それぞれが意気込んで、フィールドに向かった。

 

 

 

 

フィールドについて数分後。

 

「西条湊月君、来てください」

「はいっ!」

 

俺の番だ!さぁて、なんのデッキだろうな?

 

「では、そこにあるデッキを使って私とデュエルをしてもらいます。よろしいですね?」

「勿論!」

「では、3分与えます。デッキ内容を把握してください」

 

そう言われた瞬間、俺はデッキを手に取り、中身を確認した。

 

(…なるほどな…今回は全員これなのか?これは…得手不得手が別れるデッキだな…)

 

一通り目を通して、どう動くべきか、フィニッシャーたり得るカードは何か、全て把握し切った。

 

「そこまで。それでは、実技試験を始める。私に勝利出来れば、実技は満点とする。勝利を目指して頑張ること」

「おぉさ!行くぜぇ!」

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ちょっとした幕間の物語。

 

連絡先追加の犯人について

 

カチカチ…カタカタ…ピコン。

 

『よし、ライズベルト、向こうとデュエルディスクが繋がったぜ』

『ありがとうございます。もしもーし、聞こえてますかー?』

『…聞こえています。やはりあなた方には気付かれていますよね』

『はい。端末を操作したのはあなただったんですね、クリスタルハートさん』

『いつ気付いたのですか?』

『私達が気付いたのは、ヌレハがデッキを取り出した時です。あの時、クリスタルハートのカードから同じような波動を感じましたから』

『それに、ヌレハんとこには精霊が集まりやすいみたいだからな』

『…そうですか。なんと言いますか、凄く…雑な理由なんですね』

『あはは…否定はしませんよ。それ以外、特に論理的な理由があったわけでもありませんから』

 

トッ…トッ…トッ…

 

『あ、ヌレハが戻ってきます!すいません、ここで切らせてもらいますね』

『はい。こちらも、マリーが戻ってきますからちょうど良かったです。では、失礼します』

 

プツン。

 

「ふぁぁ…あれ、ライズベルト。スターダストに、ファストも。何か話してた?」

『ち、ちょっと、明日の試験について…』

『俺達、出れるかなーって…』

『私は出れなくても構いませんけどね』

「ペンデュラムを使う以上、ライズベルトは使うけどね。それじゃ、おやすみ」

『おやすみなさい、ヌレハ』

『…ヌレハにバレなくてよかったな…』

『…気付かないのもどうかと思いますけどね…』

『ま、まぁ、それより!明日は試験、僕達も頑張りましょう!』

『出れたらな』

『出れたらですね』

『デスヨネー』

 

やっぱり苦労人っぽいライズベルトなのでした。




試験対象のキャラが3人いたので、3通りの試験にしました。濡羽君のドラグニティはどこを目指しているんでしょうか。自分にもわかりません。

次回は湊月君の試験。本来のデッキとは違うデッキでどこまで戦えるんでしょうか。

ではでは。


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二十四枚目:鎧化vs侵食者 湊月の試験

デュエル回、湊月君の実技試験です。

今回、どちらも触ったことの無いデッキを書いたので結構難しかったです(終盤ゴリ押しですけどね)。

それでは本編。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 試験官

後攻 西条湊月

 

デュエル開始

 

 

☪︎

 

「私の先攻で行かせてもらう。私のターン」

 

さぁて、試験官の先生は何のデッキで来るんだ?

 

「私は手札から《V・HERO ヴァイオン》を召喚」

 

V・HERO ヴァイオン 攻撃表示 ATK 1000

試験官 手札 5→4

 

「ヴァイオンの効果で、デッキからシャドーミストを墓地へ。更に墓地へ送られたシャドーミストの効果で、デッキから《D-HERO ディアボリックガイ》をサーチ」

 

試験官 手札 4→5

 

「ヴァイオンのもうひとつの効果。墓地のシャドーミストを除外して、デッキから《融合》をサーチ」

 

試験官 手札 5→6

 

「そして《融合》を発動。手札のディアボリックガイと場のヴァイオンを融合」

 

D-HERO ディアボリックガイ D-HEROモンスター

V・HERO ヴァイオン 闇属性

 

「融合召喚、《D-HERO デッドリーガイ》」

 

D-HERO デッドリーガイ 攻撃表示 ATK 2000

試験官 手札 6→4

 

「墓地のディアボリックガイの効果。自身を除外して、デッキから同名カードを特殊召喚する」

 

D-HERO ディアボリックガイ 攻撃表示 ATK 800

 

「さぁ開け、戦士を呼ぶ未来回路。召喚条件は『戦士族モンスター2体』。ディアボリックガイとデッドリーガイをリンクマーカーにセット。リンク召喚。リンク2、《聖騎士の追想 イゾルデ》」

 

聖騎士の追想 イゾルデ リンク2 ↙ ↘ ATK 1600

 

「イゾルデの効果。リンク召喚成功時、デッキから《D-HERO ダイナマイトガイ》を手札に加える」

 

試験官 手札 4→5

 

…試験官の目的がわかんねぇ。ここまでは戦士族の理想的な動きだからな。

 

「さらにイゾルデの効果。デッキから《月鏡の盾》を墓地へ送り、《アタック・ゲイナー》をデッキから特殊召喚」

 

アタック・ゲイナー 守備表示 DEF 0

 

「さぁ開け、調律を呼ぶ未来回路。召喚条件は『チューナー1体以上を含むモンスター2体』。聖騎士の追想

イゾルデとチューナーであるアタック・ゲイナーをリンクマーカーにセット。リンク召喚。リンク2、《水晶機巧-ハリファイバー》」

 

水晶機巧-ハリファイバー リンク2 ↙ ↘ ATK 1500

 

「ハリファイバーの効果。デッキから《アーケイン・ファイロ》を守備表示で特殊召喚」

 

アーケイン・ファイロ 守備表示 DEF 400

 

アーケイン・ファイロ!?これまでの動きからして、試験官のデッキってまさか!!

 

「墓地のディアボリックガイの効果。最後の1体を特殊召喚。レベル6のディアボリックガイにレベル2のアーケイン・ファイロをチューニング」

 

D-HERO ディアボリックガイ レベル6

アーケイン・ファイロ レベル2 チューナー

6+2=8

レベル8シンクロ

 

「シンクロ召喚。《ギガンテック・ファイター》」

 

ギガンテック・ファイター 攻撃表示 ATK 2800

 

「シンクロ素材となったアーケイン・ファイロの効果。デッキから《バスター・モード》を手札に加える」

 

試験官 手札 5→6

 

やっぱスラバスかぁぁ!!

 

「ギガンテック・ファイターは墓地の戦士族の数×100ポイント攻撃力がアップする。墓地には5体。よって500アップ」

 

ギガンテック・ファイター ATK 2800→3300

 

「カードを2枚伏せてターン終了とする」

 

試験官

モンスター ハリファイバー ギガンテック・ファイター(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ヴァイオン ディアボ デッドリー イゾルデ アタック・ゲイナー ファイロ 融合 月鏡の盾

除外 ディアボ×2 シャドミ

手札 4

デッキ 25

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 5→6

 

スラバスか、相手に不足はねぇ!勝たせてもらうぜ!

 

「俺は手札から《インヴェルズの魔細胞》を特殊召喚!こいつは、自分フィールドにモンスターがいない時にのみ、手札から特殊召喚できる!」

 

インヴェルズの魔細胞 攻撃表示 ATK 0

湊月 手札 6→5

 

「インヴェルズの魔細胞をリリース!アドバンス召喚、《インヴェルズ・モース》!」

 

インヴェルズ・モース 攻撃表示 ATK 2400

湊月 手札 5→4

 

「モースの効果!1000ライフを払い、相手のカード2枚を選択し、その2枚を手札に戻す!」

「チェーンして《バスター・モード》発動。ギガンテック・ファイターよ、鎧を纏え。《ギガンテック・ファイター/バスター》」

 

ギガンテック・ファイター/バスター 攻撃表示

ATK 3300

 

「くっ…バスター・モードは墓地へ送られる…」

 

湊月 LP 8000→7000

 

「ギガンテック・ファイターが特殊召喚に成功した時、デッキから戦士族2体を墓地へ送る。が、これは『時の任意効果』だからタイミングを逃す、だったよな?」

「正解だ」

 

特殊召喚後にモースのバウンスを挟むからタイミングを逃す!この手の問題は嫌という程濡羽に解かされたからな!

 

「《カード・アドバンス》発動だ!デッキトップ5枚を見て、好きな順序でデッキトップに戻す。その後、俺は1度だけ通常召喚とは別にアドバンス召喚が行える!」

 

湊月 手札 4→3

 

「だがその前に《トレード・イン》!手札の《インヴェルズ・ガザス》を捨てて2ドローだ」

 

湊月 手札 3→2→1→3

 

「そして、インヴェルズ・モースをリリース!来い、《インヴェルズ・ギラファ》!」

 

インヴェルズ・ギラファ 攻撃表示 ATK 2600

湊月 手札 3→2

 

「こいつは自身の効果で、インヴェルズ1体でアドバンス召喚出来る!さらにギラファの効果!インヴェルズをリリースしてアドバンス召喚に成功した時、ギガンテック・ファイター/バスターを墓地へ送り、1000ポイントのライフを得る!」

 

湊月 LP 7000→8000

 

「こいつは破壊じゃねぇからギガンテック・ファイターを蘇生できねぇぜ!バトル!」

「バトルフェイズ開始前にハリファイバーの効果。自身を除外してシンクロチューナーをシンクロ召喚扱いでエクストラデッキから特殊召喚する。《フォーミュラ・シンクロン》を守備表示で特殊召喚」

 

フォーミュラ・シンクロン 守備表示 DEF 1500

 

「フォーミュラ・シンクロンがシンクロ召喚に成功したので1枚ドロー」

 

試験官 手札 4→5

 

「さらに《戦線復帰》を発動。墓地よりディアボリックガイを守備表示で特殊召喚。この特殊召喚成功時、フォーミュラ・シンクロンの効果。相手メインフェイズにシンクロ召喚を行う」

「っ、アクセルシンクロ!」

「レベル6のディアボリックガイにレベル2のフォーミュラ・シンクロンをチューニング」

 

D-HERO ディアボリックガイ レベル6

フォーミュラ・シンクロン レベル2 チューナー

6+2=8

レベル8シンクロ

 

「再び現れろ、《ギガンテック・ファイター》」

 

ギガンテック・ファイター 攻撃表示 ATK 2800

 

「ギガンテック・ファイターは墓地の戦士族の数×100ポイントの攻撃力を得る。今は7体、よって700ポイントアップ」

 

ギガンテック・ファイター ATK 2800→3500

 

「…バトルフェイズに入るが何もしない。メイン2。カードを2枚伏せて、《悪夢再び》。墓地の魔細胞とモースを手札に加える」

 

湊月 手札 3→1→0→2

 

「ターンエンドだ」

 

湊月

モンスター ギラファ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 カード・アドバンス ガザス トレード・イン 悪夢再び

手札 2

デッキ 31

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー」

 

試験官 手札 5→6

 

「ふむ、動けるだけ動かせてもらおう。《死者蘇生》。墓地より《ギガンテック・ファイター》を特殊召喚」

 

ギガンテック・ファイターA 攻撃表示 ATK 2800→3400

ギガンテック・ファイターB ATK 3500→3400

 

試験官 手札 6→5

 

「バトルフェイズ。ギガンテック・ファイターAでギラファに攻撃」

 

ギガンテック・ファイターのヘッドバットで俺のギラファは粉砕された。なんつーか、ソリッドビジョンってどっかズレてるよな。

 

ギガンテック・ファイターA ATK 3400

インヴェルズ・ギラファ ATK 2600

3400-2600=800

湊月 LP 8000→7200

 

「この程度…!」

「ギガンテック・ファイターBでダイレクトアタック」

 

ギガンテック・ファイターB ダイレクトアタック

ATK 3400

湊月 LP 7200→3800

 

「ぐっ…まだまだ!」

「速攻魔法発動。《バスター・モード・ゼロ》。ギガンテック・ファイターBをリリースし、手札からギガンテック・ファイター/バスターを特殊召喚」

 

ギガンテック・ファイター/バスター 攻撃表示

ATK 3300

ギガンテック・ファイター ATK 3400→3500

試験官 手札 5→3

 

「ギガンテック・ファイター/バスターの効果。デッキから《ガンバラナイト》2体を墓地へ送る」

 

ギガンテック・ファイター ATK 3500→3700

 

「/バスターで追撃する」

 

ギガンテック・ファイター/バスター ダイレクトアタック

ATK 3300

 

「通せねぇなぁ!《リビングデッドの呼び声》!墓地からギラファを攻撃表示で特殊召喚!」

「ではそのギラファに攻撃」

「もういっちょ!《ヘイト・バスター》!悪魔族モンスターが攻撃対象にされた時、攻撃してきたモンスターとその悪魔族モンスターを破壊し、破壊した相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

効果ダメージ 3300

試験官 LP 8000→4700

 

「だが破壊された/バスターの効果。墓地よりギガンテック・ファイターを特殊召喚」

 

ギガンテック・ファイターB 攻撃表示 ATK 2800→3700

 

「やれ、ギガンテック・ファイターB」

 

ギガンテック・ファイターB ダイレクトアタック

ATK 3700

湊月 LP 3800→100

 

「メイン2、《貪欲な壺》。墓地の2枚の/バスターと2枚のガンバラナイト、アーケイン・ファイロの5枚を戻して2ドロー」

 

試験官 手札 3→2→4

ギガンテック・ファイターA ATK 3700→3300

ギガンテック・ファイターB ATK 3700→3300

 

「カードを2枚伏せてターン終了」

 

試験官

モンスター ギガンテック・ファイター×2(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ヴァイオン ディアボ デッドリー イゾルデ アタック・ゲイナー 融合 月鏡の盾 バスター・モード フォーミュラ・シンクロン 死者蘇生 バスター・モード・ゼロ 貪欲

除外 ディアボ×2 ハリファイバー シャドミ

手札 2

デッキ 24

LP 4700

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 2→3

 

くっそ、やべぇ…たった3ターンで残りライフ100かよ…燃えるぜ!!!

 

「俺の場にモンスターが居ないため、手札から魔細胞を再び特殊召喚!んでもって《手札抹殺》!俺は1枚捨てて1枚ドロー!」

「私は2枚捨てて2枚ドローしよう」

 

湊月 手札 3→0→1

試験官 手札 2→0→1

 

試験官の落ちはフェーダーと速攻のかかしか。アイツらスルーしてダイレクトアタック狙っても防げる手札だったのか…流石だな。だが俺の引きも強ぇぜ!

 

「なーんでこれが入ってんのか疑問だが、使わせてもらうぜ。ギガンテック・ファイター2体をリリース!《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を相手の場に特殊召喚!」

「…!」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 攻撃表示 ATK 3000

 

「俺はこれでターン終了!」

 

湊月

モンスター 魔細胞(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 カード・アドバンス ガザス トレード・イン 悪夢再び リビングデッド ヘイト・バスター ギラファ 抹殺 モース

手札 0

デッキ 29

LP 100

 

 

「私のターン、ドロー」

 

試験官 手札 2→3

 

「この瞬間、ラヴァ・ゴーレムの効果!1000バーンだ!」

「…私達で組んだとはいえ、厄介なカードを入れてしまったものだな」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム 効果ダメージ

試験官 LP 4700→3700

 

「バトルフェイズ。ラヴァ・ゴーレムで魔細胞に攻撃」

 

ラヴァ・ゴーレムの放った溶岩は容易に魔細胞を溶かしてしまった。魔細胞、頼むから少しくらい抵抗の意思を見せてくれ。

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ATK 3000

インヴェルズの魔細胞 DEF 0

 

「ぐ…だが守備表示のおかげでダメージはねぇぜ!」

「メイン2。伏せてある《大欲な壺》を発動。除外されている2枚のディアボリックガイとハリファイバーをデッキに戻して1枚ドローする」

 

試験官 手札 3→4

 

「ラヴァ・ゴーレムが邪魔だが、現時点で処理方法がないな。私はカードを1枚伏せてターン終了とする」

 

試験官

モンスター ラヴァ・ゴーレム(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ヴァイオン ディアボ デッドリー イゾルデ アタック・ゲイナー 融合 月鏡の盾 バスター・モード フォーミュラ・シンクロン 死者蘇生 バスター・モード・ゼロ 貪欲 ギガンテック・ファイター×2 大欲 フェーダー 速攻のかかし

除外 シャドミ

手札 3

デッキ 22

LP 3700

 

 

「俺のターン、ドローっ!」

 

湊月 手札 0→1

 

「く…使いたくねぇけどしゃあねぇ!フィールド魔法《魔鐘洞》発動!モンスターが多い方のプレイヤーはモンスター効果を使えず、攻撃出来ない!」

 

湊月 手札 1→0

 

これで魔鐘洞が割られねぇ限り俺は攻撃されねぇが、代わりにラヴァ・ゴーレムのバーンも発生しねぇ。一長一短、マジに遅延だな…

 

「ターン終了だ!」

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 なし

フィールド 魔鐘洞

墓地 カード・アドバンス ガザス トレード・イン 悪夢再び リビングデッド ヘイト・バスター ギラファ 抹殺 モース 魔細胞

手札 0

デッキ 28

LP 100

 

 

「私のターン、ドロー」

 

試験官 手札 3→4

 

「…何もすることがないな。ターン終了だ」

 

……罪悪感やべぇ……

 

試験官

モンスター ラヴァ・ゴーレム(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ヴァイオン ディアボ デッドリー イゾルデ アタック・ゲイナー 融合 月鏡の盾 バスター・モード フォーミュラ・シンクロン 死者蘇生 バスター・モード・ゼロ 貪欲 ギガンテック・ファイター×2 大欲 フェーダー 速攻のかかし

除外 シャドミ

手札 4

デッキ 21

LP 3700

 

 

「俺のターン、ドロー…」

 

湊月 手札 0→1

 

「…カードを1枚伏せてターン終了だ!」

 

くっそぉ…俺が言うのもなんだが、ちまちまとめんどくせぇ!早く打開の切り札を引かなきゃだな

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 伏せ1

フィールド 魔鐘洞

墓地 カード・アドバンス ガザス トレード・イン 悪夢再び リビングデッド ヘイト・バスター ギラファ 抹殺 モース 魔細胞

手札 0

デッキ 27

LP 100

 

 

「ちっ…私のターン、ドローだ」

 

舌打ちしやがった!?

 

試験官 手札 4→5

 

「流石に鬱陶しいな、そのカードは」

「俺もそう思うんだが…ラヴァ・ゴーレム共々、なんで入れたんですか?」

「枠が余ったからだ」

 

理由雑かよ!!せめてもっと除去とか入れろよな!!回しにくいぞこのデッキ!

 

「だが今日の試験、ここまで抗ったのは君が初めてだ。他の者は、/バスターを2体並べた時点で諦めたからな」

 

諦め早いなおいっ!!まだ対処法あるんじゃねぇの!?

 

「動けない以上仕方がないな。カードを3枚伏せてターン終了」

 

試験官

モンスター ラヴァ・ゴーレム(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ5

墓地 ヴァイオン ディアボ デッドリー イゾルデ アタック・ゲイナー 融合 月鏡の盾 バスター・モード フォーミュラ・シンクロン 死者蘇生 バスター・モード・ゼロ 貪欲 ギガンテック・ファイター×2 大欲 フェーダー 速攻のかかし

除外 シャドミ

手札 2

デッキ 20

LP 3700

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

湊月 手札 0→1

 

「布せカード発動、《針虫の巣窟》!デッキトップ5枚を墓地へ落とす!」

 

この効果で墓地へ送られたカードは《インヴェルズの先鋭》、《インヴェルズを呼ぶ者》、《ブレイクスルー・スキル》、《インヴェルズの斥候》、《スキル・サクセサー》の5枚だった。さて、やるか。

 

「ドロソ他になかったのか…?《天よりの宝札》!魔鐘洞を除外して2枚ドロー!」

 

湊月 手札 1→0→2

 

「…マジラッキー!《終わりの始まり》!墓地の呼ぶ者、先鋭、魔細胞、モース、ガザスの5枚を除外して3枚ドローする!」

 

湊月 手札 2→1→4

 

「良かったのか?魔鐘洞が消えれば、君は私に攻撃されて終わるぞ?」

「このターンで勝つから問題ねぇよ!《ハーピィの羽根帚》!」

「引いていたのかっ!!」

 

これで試験官の伏せカードは全滅!妨害を気にしなくていいのは楽だな!

 

「俺の場にモンスターがいないため、《インヴェルズの魔細胞》を特殊召喚!」

 

インヴェルズの魔細胞 守備表示 DEF 0

湊月 手札 4→3→2

 

「そして魔細胞をリリース!再び現れろ、《インヴェルズ・ギラファ》!」

 

インヴェルズ・ギラファ 攻撃表示 ATK 2600

湊月 手札 2→1

 

「ギラファの効果!ラヴァ・ゴーレムを墓地へ送り1000ライフ回復だ!」

 

湊月 LP 600→1600

 

「だが私のライフは3700。攻撃力が足りないようだね」

「おいおい、このデッキを組んだのは先生方だろ?なら分かるよな、この状況で決めきれるカードを!ラストカードはこれだ!《一騎加勢》!自分モンスター1体の攻撃力を1500アップさせる!」

 

インヴェルズ・ギラファ ATK 2600→4100

 

「バトル!ギラファでダイレクトアタック!」

「ふっ、見事だ!」

 

インヴェルズ・ギラファ ダイレクトアタック

ATK 4100

試験官 LP 3700→-400

 

ゲームエンド

WINNER 西条湊月

 

 

 

 

 

「おめでとう。今日私に勝利したのは君が初めてだ。実技試験は満点だろうね」

「ざっす!」

 

よっしゃ、勝利だ!濡羽達はどうなったんだろうな?今頃終わってっかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湊月の試験開始と同時刻。

 

 

「次、星風濡羽君」

「はい!」

 

試験官の先生に呼ばれた僕はデッキを持ってフィールドへ向かった。

 

「君は全召喚法の試験を受けに来た。それで合っているかな?」

「はい、合っています」

「では早速始めようか。ちょっと細かいけど、先に申告してね。メインデッキの枚数とエクストラデッキの枚数は?」

「メイン40のエクストラ15です」

「こちらも同じだよ。それじゃあこれより、シルバークラス 星風濡羽の実技試験を開始します。僕に勝利すれば実技試験は満点ですから、頑張ってください」

「分かりました、よろしくお願いします」

 

そして僕の試験が始まった。

 

「「決闘(デュエル)!」」




湊月君、実技試験突破。
今回使ってもらったデッキは【インヴェルズ】。3体リリースのあいつも出したかったのですが流石に無理でした。

次回は濡羽君の試験。濡羽君が貰ったエクシーズは一体全体なんなのでしょうか。

ではでは。


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二十五枚目:古代儀式vs竜騎士 濡羽の試験

今回は濡羽君の試験、全召喚法を使えるようにしたドラグニティでのデュエルです

というか、今回の場合は試験官のデッキの方が悩みました。どうしてくれようかホントに悩んだんですよね。

それでは本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 試験官

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

「僕の先攻で行かせてもらうね。手札から儀式魔法《リチュアの儀水鏡》を発動!」

「リチュアデッキ…!」

「手札の《リチュア・シェルフィッシュ》をリリースして儀式召喚を行う!」

 

リチュア・シェルフィッシュ レベル4

リチュアの儀水鏡 リチュア儀式モンスター制限

儀式召喚

 

「儀式召喚!現れろレベル4、《イビリチュア・プシュケローネ》!」

 

イビリチュア・プシュケローネ 攻撃表示 ATK 2150

試験官 手札 5→2

 

確かリチュアは、水属性の儀式テーマ。コントロール系の儀式モンスターが多いカテゴリだったように記憶している。

 

「効果で墓地へ送られてシェルフィッシュの効果。デッキトップ3枚を確認し、デッキのトップかボトムに好きな順番で戻せる。僕は…うん、デッキトップに戻すよ」

 

強い。先攻でデッキトップを操作するなんて。これで少なくともトップ3枚は先生にとって確定事項なんだ。

 

「てことで《デーモンの宣告》発動だよ。500ライフをコストに、カード名を宣言。デッキトップを捲り、宣言したカードなら手札に加えるよ」

「…デッキトップ、分かってますよね」

「勿論。僕が宣言するのは《イビリチュア・ソウルオーガ》。トップは当然ソウルオーガだから、手札に加えるよ」

 

試験官 手札 2→1→2

LP 8000→7500

 

「さらにプシュケローネの効果。1ターンに1度、属性と種族を宣言。相手の手札1枚をランダムに選び、宣言した属性と種族のカードであればデッキに戻す。宣言するのは『風属性』『鳥獣族』。じゃあ…僕から見て1番左のカードを見せて」

「…残念ながら、この手札は《召喚師ライズベルト》。『風属性』『サイキック族』です」

「風属性は合ってるのになぁ…ターンエンドだよ」

 

試験官

モンスター プシュケローネ(攻撃表示)

魔法・罠 デーモンの宣告

墓地 シェルフィッシュ 儀水鏡

手札 2

デッキ 34

LP 7500

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

「僕は《召喚師ライズベルト》と《EM カード・ガードナー》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

濡羽 手札 6→4

 

「ペンデュラムする前に《竜の渓谷》を発動!手札の《嵐征竜-テンペスト》を捨てて、デッキから《ドラグニティ-ミリトゥム》をサーチします」

 

濡羽 手札 4→3→2→3

 

「行きます!吹き抜ける風よ、絆の輝石を揺らせ!描く軌跡は、新たな風の道標!」

 

EM カード・ガードナー ペンデュラムスケール 8

召喚師ライズベルト ペンデュラムスケール 2

ペンデュラム召喚可能レベル 3~7

 

「ペンデュラム召喚!現れろ、《ドラグニティ-ミリトゥム》、《ドラグニティ-プリムス・ピルス》!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示 ATK 1800

ドラグニティ-プリムス・ピルス 攻撃表示 ATK 2200

濡羽 手札 3→1

 

「ペンデュラム召喚、クリアだね」

「プリムス・ピルスの効果!デッキから《ドラグニティ-ファランクス》を自身に装備!ファランクスの効果で装備解除!そして開け、水晶が導くサーキット!召喚条件は『チューナー1体以上を含むモンスター2体』!僕はプリムス・ピルスとファランクスをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《水晶機巧-ハリファイバー》!」

 

水晶機巧-ハリファイバー リンク2 ↙ ↘ ATK 1500

 

「リンク召喚、クリアだよ」

「ハリファイバーの効果!デッキから《ドラグニティ-アキュリス》を特殊召喚!そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4

ドラグニティ-アキュリス レベル2 チューナー

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「駆けろ、疾風の如く!その翼で空を巡れ!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃表示

ATK 2000

 

「シンクロ召喚、クリアっと」

「チャージ・ウォリアーの効果で1枚ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

「…このターン、一気に行くのもありかな。墓地のプリムス・ピルスとアキュリスを除外して、墓地から《嵐征竜-テンペスト》を特殊召喚!」

 

嵐征竜-テンペスト 攻撃表示 ATK 2400

 

「そして《祝祷の聖歌》発動!レベル7のテンペストをリリースすることで儀式召喚を執り行う!」

 

嵐征竜-テンペスト レベル7

祝祷の聖歌 固有名称指定

儀式召喚

 

「光纏し聖なる竜。その清光にて戦場を浄化せよ!儀式召喚、《竜姫神サフィラ》!」

 

竜姫神サフィラ 攻撃表示 ATK 2500

濡羽 手札 2→0

 

「儀式召喚、クリア。もう残り2つ…早いね」

「バトルフェイズ!サフィラでプシュケローネに攻撃!」

 

サフィラの纏う光に触れただけでプシュケローネは消え去った。少しだけ、美しいと思ってしまったけど…ちょっと絵面が強過ぎるかな

 

竜姫神サフィラ ATK 2500

イビリチュア・プシュケローネ ATK 2150

2500-2150=350

試験官 LP 7500→7150

 

「続け、チャージ・ウォリアー!スターライト・スラスト!」

「流石に受けたくないかな。手札から《バトルフェーダー》の効果発動。特殊召喚してバトルフェイズを終了させるよ」

 

バトルフェーダー 守備表示 DEF 0

 

「くっ…僕はこれでターン終了。このエンドフェイズ、サフィラの効果が発動。2枚引いて1枚捨てる効果を適用します」

 

この効果で僕は《仁王立ち》を捨てた。残ったカードも落ちたカードも優秀だね。

 

濡羽 手札 0→2→1

 

濡羽

モンスター ハリファイバー サフィラ チャージ・ウォリアー(攻撃表示)

魔法・罠 なし

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト カード・ガードナー

墓地 ミリトゥム ファランクス 祝祷 テンペスト 仁王立ち

除外 プリムス・ピルス アキュリス

手札 1

デッキ 28

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

試験官 手札 2→3

 

「現れろ、小さき者の未来回路。召喚条件は『レベル1モンスター1体』。僕はバトルフェーダーをリンクマーカーにセット。リンク召喚!リンク1、《リンクリボー》!」

 

リンクリボー リンク1 ↓ ATK 300

 

「自身の効果で特殊召喚されたバトルフェーダーが場を離れる時、除外される。そしてデーモンの宣告の効果。500ライフ払って、《リチュアの儀水鏡》を宣言。これも当然、宣言したカードだから手札に加えるよ」

 

試験官 手札 3→4

LP 7150→6650

 

「更に墓地の儀水鏡の効果。このカードをデッキに戻すことで墓地のリチュア儀式モンスターを手札に加えるよ。プシュケローネを回収させてもらうね」

 

試験官 手札 4→5

 

「手札から《リチュアの儀水鏡》を再び発動。手札のヴィジョン・リチュアをリリースして儀式召喚を行う!ヴィジョン・リチュアは水属性儀式モンスターの素材となる時、1体でレベル条件を満たせる!」

 

ヴィジョン・リチュア レベル2

リチュアの儀水鏡 リチュア儀式モンスター制限

儀式召喚

 

「儀式召喚!現れろ、レベル8《イビリチュア・ソウルオーガ》!」

 

イビリチュア・ソウルオーガ 攻撃表示 ATK 2800

試験官 手札 5→3

 

このタイミングしかない!

 

「その着地時に《仁王立ち》の効果!墓地の自身を除外することでこのターン、相手はハリファイバーにしか攻撃出来ません!」

「構わない!ソウルオーガの効果!手札のプシュケローネを捨てて、ハリファイバーをデッキに戻すよ!」

「チェーンしてハリファイバーの効果!自身を除外して、エクストラデッキからシンクロチューナーをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!僕はエクストラデッキから《ドラグニティナイト-ハールーン》を特殊召喚!」

 

ドラグニティナイト-ハールーン 守備表示 DEF 1900

試験官 手札 3→2

 

「ハールーンの効果で墓地からファランクスを装備します。さらに、仁王立ちの効果を受けたハリファイバーが場を離れたため、先生は攻撃出来ませんよ!」

「有名な裁定だよね。うーん、面妖な…」

 

いや、ひとをそんな(あやかし)みたいに言わないでくださいよ…それを言うなら面倒でしょうに…

 

「まぁいいさ。カードを2枚伏せてターン終了だよ」

 

試験官

モンスター リンクリボー ソウルオーガ(攻撃表示)

魔法・罠 デーモンの宣告 伏せ2

墓地 シェルフィッシュ 儀水鏡 ヴィジョン・リチュア プシュケローネ

除外 バトルフェーダー

手札 0

デッキ 31

LP 6650

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

「このままペンデュラム召喚!手札から《ドラグニティアームズ-ミスティル》!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示 ATK 2100

濡羽 手札 2→1

 

「このタイミングで、ハールーンに装備されているファランクスの効果。自身を特殊召喚します」

 

ドラグニティ-ファランクス 守備表示 DEF 1100

 

さぁ、緑葉さんから貰ったエクシーズモンスターの出番だよ!

 

「そして僕は、レベル6のミスティルとハールーンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル レベル6 ドラゴン族

ドラグニティナイト-ハールーン レベル6 ドラゴン族

 

「神の名を持つ龍の皇!聖なる刻印を刻みて彼の地に舞い降りよ!ランク6、《聖刻龍皇-アトゥムス》!」

 

聖刻龍皇-アトゥムス 攻撃表示 ATK 2400

 

「エクシーズ召喚、クリア。あとは融合だけだね」

「アトゥムスの効果!デッキから《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》を攻守0で特殊召喚する!この効果発動後、アトゥムスは攻撃出来ません」

 

ドラグニティアームズ-レヴァテイン 守備表示

DEF 1200→0

 

「レヴァテインの効果で、墓地のハールーンを装備します。そして開け、鳥竜舞い踊るサーキット!召喚条件は『鳥獣族・ドラゴン族モンスター2体』!僕はアトゥムスとサフィラをリンクマーカーにセット。リンク召喚!リンク2、《ドラグニティナイト-ロムルス》!」

 

ドラグニティナイト-ロムルス リンク2 ↙ ↘

ATK 1200

 

「ロムルスの効果でデッキから《ドラグニティの神槍》をサーチします」

 

濡羽 手札 1→2

 

「そしてレベル8のレヴァテインにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティアームズ-レヴァテイン レベル8

ドラグニティ-ファランクス レベル2 ドラグニティ チューナー

8+2=10

レベル10シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、聖者が振りし龍滅の槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-アスカロン》!」

 

ドラグニティナイト-アスカロン 攻撃表示 ATK 3300

 

今日もよろしくね、アスカロン!

 

「僕はアスカロンに《ドラグニティの神槍》を装備します。神槍の効果で、アスカロンのレベル×100ポイント、攻撃力がアップします」

 

ドラグニティナイト-アスカロン ATK 3300→4300

濡羽 手札 2→1

 

「更にライズベルトのペンデュラム効果。アスカロンのレベルをひとつ上げます」

 

ドラグニティナイト-アスカロン レベル 10→11

ATK 4300→4400

 

「そして僕は手札から《ミラクルシンクロフュージョン》を発動します!フィールドのチャージ・ウォリアーと墓地のハールーンを除外して融合召喚をします!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 戦士族

ドラグニティナイト-ハールーン ドラゴン族 シンクロ

 

「調律せし竜よ、勇士に宿れ!波動を導き覇道を駆け上がれ!融合召喚!《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃表示 ATK 3200

濡羽 手札 1→0

 

「融合召喚、クリア。全召喚法コンプリートだね。4ターンで揃えるとか、流石に早すぎだよ…」

 

けど、墓地にシンクロモンスターが居ないんだよねぇ…ドラゴエクィテスの効果が…

 

『やりすぎだからですよ』

(分かってるけどさあ…)

「…ま、いっか。神槍の効果を使います。デッキからブランディストックをアスカロンに装備します。更にアスカロンの効果!墓地のミスティルを除外してリンクリボーを除外!」

「う…容赦ないね…」

「バトル!アスカロンでソウルオーガに攻撃!」

(トラップ)発動、《攻撃の無力化》!バトルフェイズを終了する!」

「う…ターン終了です」

 

濡羽

モンスター ロムルス アスカロン ドラゴエクィテス (攻撃表示)

魔法・罠 神槍 ブランディストック

フィールド 竜の渓谷

ペンデュラム ライズベルト カード・ガードナー

墓地 ミリトゥム ファランクス 祝祷 テンペスト

サフィラ アトゥムス レヴァテイン ミラクルシンクロ

除外 プリムス・ピルス アキュリス 仁王立ち ハリファイバー チャージ・ウォリアー ハールーン ミスティル

手札 0

デッキ 23

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドローだよ」

 

試験官 手札 0→1

 

「墓地の儀水鏡の効果。墓地のプシュケローネを手札に戻して、儀水鏡をデッキに戻すよ」

 

試験官 手札 1→2

 

「宣告の効果。ここからは賭けだね。僕が宣言するのは…そうだね、《ブラック・ホール》。トップは…宣言したカード!手札に加えるよ!」

 

試験官 手札 2→3

LP 6650→6150

 

嘘でしょ…トップ操作せずに当てたよ!!凄い!!

 

『ってそんなこと言ってる場合じゃねぇぞ!!』

『そうですよヌレハ!』

「そのまま発動!フィールドの全てのモンスターを破壊する!」

 

試験官 手札 3→2

 

試験官の先生が放った黒い渦に全てのモンスターは吸い込まれていった。けれど1体だけ、朱色の竜騎士だけが場に残った。

 

「相手によって破壊されたアスカロンの効果!エクストラデッキから攻撃力3000以下のドラグニティシンクロモンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!この効果で僕は《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》をシンクロ召喚させてもらいました!」

「くっ…残ったかぁ…」

「さらにシンクロ召喚されたヴァジュランダの効果。墓地のブランディストックを装備します!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ 守備表示

DEF 1200

 

「しょうがないか。セットカードオープン、《リビングデッドの呼び声》!墓地よりシェルフィッシュを特殊召喚!そして《マジックプランター》!リビングデッドを墓地へ送り2枚ドロー!」

 

試験官 手札 2→1→3

 

「リビングデッドが場を離れたため、シェルフィッシュは破壊される。そしてカードの効果で墓地へ送られたシェルフィッシュの効果!デッキトップ3枚を確認する。これは…デッキボトムへ戻すよ」

 

ボトムってことは…引きたくないカードだったのか、もしくは引いても仕方の無いような3枚だったんだろうね。

 

「さて…攻めようかな。《死者蘇生》。墓地からソウルオーガを蘇生するよ」

 

イビリチュア・ソウルオーガ 攻撃表示 ATK 2800

試験官 手札 3→2

 

「そして《リチュアの写魂鏡》!リリースコストの代わりに、召喚する儀式モンスターのレベル×500ポイントのライフを払うことで儀式召喚を行う!僕は2000ライフを払い、手札から《イビリチュア・プシュケローネ》を儀式召喚!」

 

イビリチュア・プシュケローネ 攻撃表示 ATK 2150

試験官 手札 2→0

LP 6150→4150

 

「バトル!プシュケローネでヴァジュランダを攻撃!」

 

イビリチュア・プシュケローネ ATK 2150

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ DEF 1200

 

「くっ…ごめん、ヴァジュランダ…」

「ソウルオーガ、ダイレクトアタック!」

 

プシュケローネが切り開いた僕への道をソウルオーガが突き進んできた。僕には防ぐ手立てはなく、ソウルオーガの拳を受けるしかなった。

 

イビリチュア・ソウルオーガ ダイレクトアタック

ATK 2800

濡羽 LP 8000→5200

 

「くぁっ!!」

「僕はこれでターン終了だよ」

 

試験官

モンスター プシュケローネ ソウルオーガ(攻撃表示)

魔法・罠 デーモンの宣告

墓地 シェルフィッシュ ヴィジョン・リチュア 攻撃の無力化 ブラック・ホール リビングデッド マジックプランター 写魂鏡

除外 バトルフェーダー リンクリボー

手札 0

デッキ 29

LP 4150

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「《大欲な壺》!除外されているハールーン、チャージ・ウォリアー、アキュリスをデッキに戻して1枚ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→1

 

よし、なんとか行けそうだ!

 

「《貪欲な壺》!墓地のロムルス、アスカロン、ブランディストック、サフィラ、アトゥムスを戻して2ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「今引いた《調和の宝札》を発動!手札の攻撃力1000以下のチューナー、《亡龍の戦慄-デストルドー》を墓地へ送り2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 2→0→2

 

「僕も《死者蘇生》を使います!墓地より甦れ、ドラゴエクィテス!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス 攻撃表示 ATK 3200

 

「ドラゴエクィテスの効果!墓地のヴァジュランダを除外し、そのカード名と効果を得る!さらに2体目の《ドラグニティ-ミリトゥム》を通常召喚!」

 

このカードを起点に、荒れるよ!

 

濡羽 手札 2→0

 

「墓地のテンペストの効果!墓地のミリトゥムとファランクスを除外して特殊召喚!さらに墓地のデストルドーの効果!ライフを半分払い、場のミリトゥムを対象に発動!墓地から特殊召喚し、ミリトゥムのレベル分、自身のレベルを下げる!」

 

嵐征竜-テンペスト 攻撃表示 ATK 2400

亡龍の戦慄-デストルドー 攻撃表示 ATK 1000

レベル 7→3

濡羽 LP 5200→2600

 

「僕はレベル4のミリトゥムにレベル3となったデストルドーをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4 風属性

亡龍の戦慄-デストルドー レベル3 チューナー

4+3=7

レベル7シンクロ

 

「結晶の名を持つ疾風の竜よ。次元の壁を越え、天地を裂きて現れよ!シンクロ召喚!《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

 

「これは…緑葉風華さんとのデュエルで初めて見たシンクロモンスターだね」

「ファスト、1回だけ離れてね。開け、鳥竜舞い踊るサーキット!召喚条件は『鳥獣族・ドラゴン族モンスター2体』!テンペストとファスト・ドラゴンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《ドラグニティナイト-ロムルス》!」

 

ドラグニティナイト-ロムルス リンク2 ↙ ↘

ATK 1200

 

「ロムルスの効果でデッキから2枚目の神槍をサーチ」

 

濡羽 手札 0→1

 

「そしてペンデュラム召喚!エクストラデッキから、《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

「シンクロでありながらペンデュラムなんだったね、そういえば。ホント、つくづく規格外のカードだよ…」

『あれ、褒められてます?えへへ…』

 

褒められてるといえば、褒められてるかな…

 

「ヴァジュランダの名前を得たドラゴエクィテスに《ドラグニティの神槍》を装備!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 3200→4200

 

「ライズベルトのペンデュラム効果で、ドラゴエクィテスのレベルを1つ上げる」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス レベル 10→11

ATK 4200→4300

 

「神槍の効果で、デッキからアキュリスを装備。ドラゴエクィテスの得たヴァジュランダの効果!アキュリスを墓地へ送り、攻撃力を2倍にする!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ATK 4300→8600

 

「そして装備状態で墓地へ送られたアキュリスの効果!ソウルオーガを破壊!」

 

ドラゴエクィテスに投げられたアキュリスは、ソウルオーガを貫きながら墓地へ消えていった。ちょっと変な絵面だったけど、これで布陣は整った!このターンで決めるよ!

 

「バトル!ファスト・ドラゴンでプシュケローネに攻撃!虹風のリジェクト・ブラスト!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ATK 2500

イビリチュア・プシュケローネ ATK 2150

2500→2150→350

試験官 LP 4150→3800

 

「ぐっ…」

「決めろ、ドラゴエクィテス!フルブレイク・スパイラル・ジャベリン!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス ダイレクトアタック

ATK 8600

試験官 LP 3800→-4800

 

「全召喚法使用確認しました。試験合格です!」

「〜! やったー!!」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽

 

 

 

 

 

 

「僕にも勝利したから、君は実技試験満点だね。4ターン目で揃えたのは凄かったよ」

「ありがとうございます!」

 

よっし、終わった!きっと今頃は2人も終わってるだろうなぁ。

 

『なぁヌレハ、なんで俺は出なかったんだ…?ファストやライズベルトは出たのによぉ…』

(いやまぁ、ライズベルトはペンデュラムする以上必要だし、ファストはペンデュラム召喚で火力増やせるから出したんだ。スターダストは…まぁ、ごめんね)

『ひでぇ!!』

 

スターダストとそんな話をしながらフィールドを出た時だった。

 

「…お疲れ様」

「ひゃあっ!!」

 

出口に、緑葉さんがいました。

 

「び、びっくりさせないでくださいよ!」

「…ごめんなさい。そろそろ終わる頃だと思って、待っていたの」

「そ、そうなんですね…ところで、小春の方の試験官って、誰が務めてるんですか?」

「…それはね…」

 

緑葉さんからその名前を聞いた時、僕らはみんな同じことを考えた。

 

((((小春(コハル)…負けたんじゃない?))))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり試験開始と同時刻。

 

 

「次は聖川小春さんです」

「はーい♪」

 

うー、ようやく私の番!他の人を呼ぶ声で誰か分かっちゃってるけど、それでも楽しみだよー!

 

「今回の試験の試験官は私、神名優姫が務めさせていただきます。よろしくお願い致します」

「うん、よろしくお願いします!」

「では早速始めましょうか。今回の試験は、私個人が実技点を付けさせて頂きます。こういうのもなんですが…私を満足させてくださいね」

「勿論ですっ!」

 

どこかで聞いたことあるようなセリフだけど、気にしないでおこーっと。

 

「では、聖川小春さんの実技試験を始めます!」

「「決闘(デュエル)!」」




濡羽君の勝利でした。まぁあんだけ出したら負けませんよね。マイフェイバリットの扱いが雑になってるけど…

次回は小春の試験。相手はなんと優姫さんです。エクゾディア、まともな対面になる気がしません。

そしてここで宣伝を。
今回、yunnn様の小説『遊戸 里香の表裏生活』に濡羽君を登場させて頂きました!お誘いが来た時、本当に嬉しかったです!初陣は二名の決闘者との共闘になっております。皆様、是非とも『遊戸 里香の表裏生活』もご閲覧下さいませ!(言葉遣い合ってますかね?)

ではでは。


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二十六枚目:守護神vs捕食者 小春の試験

3連戦、今回は小春の試験です。
対戦相手は神名さん。勝てますかね()
では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 神名優姫

後攻 聖川小春

 

デュエル開始

 

 

✧︎

 

「私の先攻です」

 

確か神名さんのデッキってエクゾディアだったよね。前に濡羽っちとデュエルしてたの見てたもんね〜。

 

「《チキンレース》を発動します。1000ライフ払って1枚ドローします」

 

優姫 手札 5→4→5

LP 8000→7000

 

「今引いたのでもう1枚《チキンレース》を発動し、同じ効果を適用します」

 

優姫 手札 5→4→5

LP 7000→6000

 

「さらに《チキンレース》です。三度効果を適用します」

 

初手3枚のチキンレースって、神名さんのデッキ的に強くないかな〜!?

 

優姫 手札 5→4→5

LP 6000→5000

 

「カードを5枚伏せてターン終了です」

 

優姫

モンスター なし

魔法・罠 伏せ5

フィールド チキンレース

墓地 チキンレース×2

手札 0

デッキ 32

LP 5000

 

 

「私のターン、ドローだよ〜」

 

小春 手札 5→6

 

「このタイミングで(トラップ)カードを発動します。《活路への希望》。チェーンして2枚の《ギフトカード》を発動します。まずはコストの処理で1000ライフを払います」

 

優姫 LP 5000→4000

 

「そしてチェーン処理で、2枚のギフトカードの効果で聖川さんは6000のライフを得ます」

 

小春 LP 8000→14000

 

「そして私は相手とのライフ差2000につき1枚ドローします。ライフ差10000なので5枚ドローです」

 

優姫 手札 0→5

 

「あともう1枚あれば10枚引けていたのですけどね」

 

流石に10枚ドローは怖いよ〜。でもエクゾディア揃わなかったのはラッキーかな〜。

 

「私は手札から《捕食植物オフリス・スコーピオ》を召喚するよ〜」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻撃表示 ATK 1200

小春 手札 6→5

 

「オフリスの効果。手札から《捕食植物ドロソフィル厶・ヒドラ》を捨ててデッキから《捕食植物ダーリング・コブラ》を特殊召喚だよ〜!」

 

捕食植物ダーリング・コブラ 守備表示 DEF 1500

小春 手札 5→4

 

「コブラの効果!デュエル中1度、捕食植物モンスターの効果で特殊召喚された時、デッキから『融合』魔法カードか『フュージョン』魔法カードを手札に加える。私は…うん、《超越融合》を手札に加えます!」

 

小春 手札 4→5

 

「《捕食活動》発動だよ〜!手札から《捕食植物コーディセップス》を特殊召喚して、デッキから《捕食計画》を手札に加えるね」

 

捕食植物コーディセップス 攻撃表示 ATK 0

小春 手札 5→3→4

 

「そして〜、《超越融合》発動!ライフ2000をコストに、フィールドのモンスター2体で融合!融合素材は《捕食植物コーディセップス》と《捕食植物オフリス・スコーピオ》!」

 

捕食植物コーディセップス 捕食植物モンスター

捕食植物オフリス・スコーピオ 闇属性

 

「麗しき2輪の花よ、1つに溶け合い咲き誇れ!融合召喚!現れ出ちゃえ!《捕食植物キメラフレシア》!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃表示 ATK 2500

小春 手札 4→3

LP 14000→12000

 

「墓地の《超越融合》の効果だよ!墓地のこのカードを除外し、キメラフレシアを選択して発動する。その融合素材1組を墓地から特殊召喚するよ!この効果で特殊召喚したモンスターは攻守が0になり、効果は無効になるよ」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 守備表示 DEF 800→0

捕食植物コーディセップス 守備表示 DEF 0

 

「忘れない内にチキンレースの効果。1000ライフ払って自壊させるよ〜」

 

小春 LP 12000→11000

 

「そしてバトルフェイズ!キメラフレシアでダイレクトアタックだよ!」

「《バトルフェーダー》を使います。手札からこのカードを特殊召喚し、バトルフェイズを終了させます」

 

キメラフレシアが触手を伸ばして攻撃したけど、鐘の音で攻撃をやめちゃった。あと少しで届いたのに〜!!

 

バトルフェーダー 守備表示 DEF 0

優姫 手札 5→4

 

「ぅー、カードを2枚伏せてターン終了だよ〜」

 

小春

モンスター キメラフレシア(攻撃表示) オフリス コブラ コーディセップス(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ドロソフィルム 捕食活動

除外 超越融合

手札 1

デッキ 31

LP 11000

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 4→5

 

「…エクゾディアパーツがなかなか来ませんね。《ワンフォーワン》を使います。手札の《ドットスケーパー》を墓地へ送り、デッキから《ミスティック・パイパー》を特殊召喚します。さらに墓地へ送られたドットスケーパーの効果発動です。デュエル中1度、墓地へ送られた場合に特殊召喚出来ます」

 

ドットスケーパー 守備表示 DEF 2100

ミスティック・パイパー 攻撃表示 ATK

優姫 手札 5→3

 

「ミスティック・パイパーの効果発動です。このカードをリリースし、1枚ドローします。そのカードがレベル1のモンスターであれば追加ドローです。私が引いたのは…《金華猫》。さらに1枚ドローします」

 

うっ…ドローエンジンが手札に…

 

優姫 手札 3→5

 

「《イリュージョンの儀式》を発動します。バトルフェーダーをリリースして儀式召喚を行います」

 

バトルフェーダー レベル1

イリュージョンの儀式 固有名称指定

儀式召喚

 

「来てください、瞳の魔神。《サクリファイス》!」

 

サクリファイス 攻撃表示 ATK 0

優姫 手札 5→3

 

「サクリファイスの効果。邪眼の魔力(ダーク・アイズ・マジック)。キメラフレシアを装備します」

 

サクリファイス ATK 0→2500

 

「バトル。サクリファイスでダーリング・コブラに攻撃します。幻想・紫炎の棘(イリュージョン・サポート・ソーン)!」

 

サクリファイスの前方に展開された空間から触手が生え、ダーリング・コブラを捕食した。うーん、いつも後ろから見てる光景だから、される側になるって新鮮だね〜。

 

サクリファイス ATK 2500

捕食植物ダーリング・コブラ DEF 1500

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

 

優姫

モンスター サクリファイス(攻撃表示) ドットスケーパー(守備表示)

魔法・罠 伏せ4 キメラフレシア

墓地 チキンレース×3 ギフトカード×2 活路への希望 パイパー ワンフォーワン イリュージョンの儀式

除外 バトルフェーダー

手札 1

デッキ 23

LP 4000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

「このスタンバイフェイズに2枚目の《活路への希望》を使います。1000ライフを払い、相手とのライフ差2000につき1枚ドローします」

 

優姫 LP 4000→3000

 

「現在のライフ差は8000、よって4枚のドローです」

 

優姫 手札 1→5

 

また手札5枚なの〜!?

 

「うー、もう雑に行こっ!開いて、花咲き誇るサーキット!召喚条件は『植物族モンスター2体』!私はコーディセップスとオフリス・スコーピオをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れ出ちゃえ!リンク2、《アロマセラフィ-ジャスミン》!」

 

アロマセラフィ-ジャスミン リンク2 ↙ ↘

ATK 1800

 

「《闇の誘惑》!2枚引いて、手札から《捕食植物フライ・ヘル》を除外するよ」

 

小春 手札 2→1→3→2

 

手札交換にはなったね。それに、いいカード引いたよ。

 

「《捕食接ぎ木》を発動だよ。墓地のコーディセップスをジャスミンのリンク先に特殊召喚!さらにジャスミンの効果!リンク先のコーディセップスをリリースして、デッキから植物族モンスターを守備表示で特殊召喚するよ!来て、《捕食植物プテロペンテス》!」

 

捕食植物プテロペンテス 守備表示 DEF 2100

小春 手札 2→1

 

「ついでに《水晶機巧-リオン》を通常召喚!」

 

水晶機巧-リオン 攻撃表示 ATK 500

小春 手札 1→0

 

「うーん…これでターン終了かな〜」

 

小春

モンスター ジャスミン リオン(攻撃表示) スピノディオネア(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ドロソフィルム 捕食活動 コーディセップス オフリス コブラ 闇の誘惑 接ぎ木

除外 超越融合 フライ・ヘル

手札 0

デッキ 27

LP 11000

 

 

 

「私のターンです。ドロー」

 

優姫 手札 5→6

 

それなりに潤沢な手札なのですが、悲しいことにエクゾディアパーツは中々揃いませんね。でもやることは決まっています。

 

「このメインフェイズにリオンの効果だよ!除外されてる自分のモンスター1体を特殊召喚して、そのモンスターとリオンで機械族をシンクロ召喚するよ!異次元より来たれ、《捕食植物フライ・ヘル》!そしてレベル2のフライ・ヘルにレベル3のリオンをチューニング!」

 

捕食植物フライ・ヘル レベル2

水晶機巧-リオン レベル3 チューナー

2+3=5

レベル5シンクロ

 

「加速する世界を駆け抜けろ、赤き調律者!シンクロ召喚!現れ出ちゃえ、《アクセル・シンクロン》!」

 

アクセル・シンクロン 攻撃表示 ATK 500

 

「リオンの効果でシンクロ素材にしたモンスターはデッキに戻ります」

「攻撃表示で素立ちですか…まぁいいでしょう。《金華猫》を通常召喚。その効果で墓地のパイパーを特殊召喚。さらにパイパーをリリースして効果発動です。再び1枚ドロー。引いたのは…《機皇帝スキエル∞》。さらに1枚ドローです」

 

優姫 手札 6→5→7

 

未だに0枚…もっと引いて揃えるしかないようですね

 

「このタイミングでアクセル・シンクロンの効果!シンクロ召喚しますよ!」

「良いでしょう、通します」

「レベル3のプテロペンテスにレベル5のアクセル・シンクロンをチューニング!」

 

捕食植物プテロペンテス レベル3

アクセル・シンクロン レベル5 闇属性 チューナー

3+5=8

レベル8シンクロ

 

「来たれ魔王!猛々しいその身を現世に顕現させよ!アクセルシンクロ!《魔王龍 ベエルゼ》!」

 

魔王龍 ベエルゼ 攻撃表示 ATK 3000

 

「むっ…ならばバトルフェイズ。サクリファイスでジャスミンに攻撃です」

 

サクリファイス ATK 2500

アロマセラフィ-ジャスミン ATK 1800

2500-1800=700

小春 LP 11000→10300

 

「私の方がライフが多いとき、ジャスミン及びジャスミンのリンク先の植物族モンスターは戦闘では破壊されませんよ!」

「メイン2。カードを1枚伏せてターン終了。このエンドフェイズに金華猫は手札に戻りますが、手札超過なのでそのまま捨てますね」

 

優姫

モンスター サクリファイス(攻撃表示) ドットスケーパー(守備表示)

魔法・罠 伏せ4 キメラフレシア

墓地 チキンレース×3 ギフトカード×2 活路への希望×2 パイパー ワンフォーワン イリュージョンの儀式 金華猫

除外 バトルフェーダー

手札 6

デッキ 15

LP 3000

 

 

「私のターン…ドロー!」

 

小春 手札 0→1

 

「通常召喚、《捕食植物セラセニアント》!」

 

捕食植物セラセニアント 攻撃表示 ATK 0

 

「そして伏せカード発動、《プレデター・プライム・フュージョン》!」

 

プレデターカテゴリの融合魔法ですか…!?

 

「このカードは、場に捕食植物モンスターがいることで使える速攻魔法!自分フィールドの闇属性2体以上を含む自分・相手フィールドのモンスターで融合召喚をします!セラセニアント、ベエルゼ、サクリファイスを融合!」

「なっ…私のモンスターも!?」

 

捕食植物セラセニアント 闇属性

魔王龍 ベエルゼ 闇属性

サクリファイス 闇属性

 

「3つの闇がひとつに重なるとき、新たな捕食者が目覚める!融合召喚!現れ出ちゃえ、《捕食植物トリフィオヴェルトゥム》!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 攻撃表示 ATK 3000

 

「っ…キメラフレシアが墓地へ…」

 

これでは、また融合召喚されてしまいますね…

 

「セラセニアントが効果でフィールドから墓地へ送られたので、デッキから《捕食惑星》をサーチしますね〜」

 

小春 手札 1→2

 

「まだまだ動くよ!もう1枚の伏せカード、《捕食計画》!デッキからサンデウ・キンジーを落としてフィールドの全てのモンスターに捕食カウンターを乗せる!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 捕食カウンター 0→1

レベル 9→1

アロマセラフィ-ジャスミン 捕食カウンター 0→1

ドットスケーパー 捕食カウンター 0→1

 

「捕食カウンターの乗ったドットスケーパーをリリースすることで、墓地のドロソフィル厶・ヒドラを特殊召喚!」

 

捕食植物ドロソフィル厶・ヒドラ 守備表示 DEF 2300

 

「トリフィオヴェルトゥムの攻撃力は、このカード以外の捕食カウンターの乗ったモンスターの元々の攻撃力の合計分、アップします!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム ATK 3000→4800

 

「バトルフェイズ!ヴェルトゥムでダイレクトアタック!」

「《レインボー・ライフ》です!手札から《クリボール》を捨てることで、このターンのダメージはライフゲインになります!チェーンして最後の《活路への希望》!」

 

優姫 LP 3000→2000

手札 7→6

 

「チェーン処理。ライフ差は8300なので4枚ドロー、そしてその攻撃はライフゲインとなります」

 

優姫 手札 6→10

LP 2000→6800

 

なんとか、まだ戦えますね。

 

「っ…メイン2に入ります。カードを伏せてターン終了です」

 

小春

モンスター ジャスミン ヴェルトゥム ヒドラ

魔法・罠 伏せ1

墓地 捕食活動 コーディセップス オフリス コブラ 闇の誘惑 接ぎ木 ディオネア セラセニアント ベエルゼ キメラフレシア サンデウ 計画 プライム・フュージョン アクセル プテロ

除外 超越融合

手札 1

デッキ 24

LP 10300

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 10→11

 

「この瞬間、キメラフレシアの効果が発動します。デッキから《置換融合》をサーチしますね」

 

小春 手札 1→2

 

「では…このターンで決めさせて頂きます」

「っ!?」

「伏せカード《二重召喚》を発動します。そして手札から《クリッター》と《黒き森のウィッチ》をそれぞれ召喚します」

 

クリッター 攻撃表示 ATK 1000

黒き森のウィッチ 攻撃表示 ATK 1100

優姫 手札 11→9

 

「さらに伏せていた《ブラック・ホール》を発動し、お互いのモンスター全てを破壊します」

「っ!!チェーンして《捕食惑星》を発動します!」

 

ですが、全てのモンスターは破壊されました。そして、これで様々な効果が起動します。

 

「黒き森のウィッチ、クリッターの効果が発動します」

「私も捕食惑星の効果が発動します!捕食カウンターの乗ったモンスターが場を離れたため、デッキから《プレデター・プランター》をサーチします!」

「クリッター、黒き森のウィッチの効果で、それぞれデッキから攻撃力・守備力1500以下のモンスターを手札に加えます。私は《封印されし者の左腕》と《封印されし者エクゾディア》をサーチします」

 

小春 手札 2→3

優姫 手札 9→11

 

最後の活路への希望で、右腕と左足は引き当てました。ですから…

 

「では…このデュエルを終えましょう。私の場のモンスターが効果で破壊され墓地へ送られたため、《機皇帝スキエル∞》を特殊召喚します」

 

機皇帝スキエル∞ 攻撃表示 ATK 2200

優姫 手札 11→10

 

「終える…ってことは、アレですよね〜」

「えぇ。手札から《ワンチャン!?》を発動します。私の場にレベル1モンスター、機皇帝スキエル∞がいるため、デッキからレベル1モンスターをサーチします。このターン、そのモンスター及び同名モンスターを召喚していない場合、2000ポイントのダメージを受けますが…関係ありませんね。《封印されし者の右足》を手札に加えます」

 

優姫 手札 10→9→10

 

右足を手札に加えた時、私は5枚のカードを選び抜いて聖川さんに向けた。その5枚が輝き、巨大な守護神を呼び出した。

 

「手札にエクゾディアパーツが全て揃いました。エクストラ・ウィンです。怒りの業火 エクゾード・フレイム」

「うー、あと少しだったのに〜…ありがとうございました…」

 

封印されしエクゾディア 特殊勝利(エクストラ・ウィン)

 

ゲームエンド

WINNER 神名優姫

 

 

 

 

 

✧︎

 

「お疲れ様でした。以上で試験を終了します」

「はーい…」

「個人的には、今日1番のデュエルでしたよ」

「…えっ?」

 

神名さん…今、1番よかったって言ったの?

 

「殆どの方は私が相手という時点で諦めていましたからね。それに、どれだけ私の手札が増えても攻めることを諦めなかったのは評価出来ます」

 

…途中、雑に行ったんだけどな〜。でも、褒められちゃった♪

 

「試験結果は後々通達されますから、楽しみにしていてください」

「はい!」

 

合格点貰えるかな〜?うー、ちょっと怖いよ〜…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、教室にて。

 

 

「そーいやこの間の試験って、期末のヤツだったよな?」

「そうだね。ってことはもうそろそろ夏休みかぁ…」

 

ちなみに僕の誕生日は6月だから、既に17歳だったりする。おかしいなぁ、身長160だよまだ…

 

「試験結果出たかな〜?」

「僕と湊月君は満点貰えるけど、小春は分からないんだっけ?」

「うん。神名さんは『平等に点をつけるので安心してください』って言ってたけど、安心できないよ〜…」

 

まぁ確かに、話を聞く限りだとライフコスト以外でロクに削れなかったらしいからね。

 

「つか今回の試験、相性の問題だろ…あんだけポンポンスラバス出されてインヴェルズで対処できるかっての…」

「した人が何を言いますか」

「ラヴァゴと魔鐘洞のおかげだぞ!?」

 

そんな感じで3人で話していると、不意に校内放送がかかった。

 

『シルバークラス、西条湊月・星風濡羽・聖川小春。この3名は至急校長室へ来るように。繰り返す…』

 

 

 

 

 

数分後。

 

「…なんで呼ばれたんだ?」

 

3人揃って校長室で校長先生を待っていました。

 

「分からないよ〜?」

「僕ら…なにかしたっけ…」

「知らん!」

「そうじゃろうな」

 

駄弁っていたら後ろに校長先生が立っていました。あれ、聞かれてた?

 

「うお、校長!!ビックリさせんなよ!」

「先生を付けてよ湊月君!!」

「はっは、良い良い。それよりも呼ばれた理由を知りたいのだろう?」

「は、はい。なんで僕達3人が呼ばれたんですか?」

「うむ、それはな…」

 

そこで校長先生が紡いだ一言は、僕達3人を驚愕させるのには充分だった。

 

「今回の試験結果で判断してな。君ら3人を二学期よりゴールドクラスに配属しようと思っているんじゃよ」




というわけで神名さんの圧倒です。ライフコスト以外でライフは減らず、しまいには大半を回復してしまいました。この人強過ぎませんかね。

小春は今回頑張ったんです。使いづらいプライム・フュージョンも使ったんです。でも勝てませんでした。

次回は久しぶりの会話パートとなります。

ではでは。


(一部ミスがあったので手直ししました)


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二十七枚目:転属の条件

久しぶり(?)の会話パートです。

とりあえず書く事は特にありません。

それでは本編へ。


 

「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」

「ちょ、校長!それマジか!?」

「ホントにホントのホント!?なんでなんで!?」

「星風君は筆記も実技も問題なく満点で満場一致。西条君は実技担当の教師からのお墨付き。聖川君は筆記でも高得点、実技担当の神名君からも高評価だったからじゃよ。3人同時に転属というのは、儂がここに勤めてから初めてじゃ」

 

湊月君と小春は荒ぶっていたから、僕は頭が妙にスッキリして、少し余計なことを考えてた。そして、それが疑念になってしまったから、校長先生に聞いてみた。

 

「あの…そういう通達って本来、担任から言われることじゃないですかね。なんでわざわざ校長先生が伝えるんですか?というか、本来は転属試験があるのでは?」

「順に答えようか。先に試験に関してなんじゃが、先の評価からわかると思うが、我々は君ら3人は試験を行うまでもなく、ゴールドクラス相当の実力を持っているため、試験は不要と判断したんじゃ」

 

…校長先生直々に言われるとなんだか照れるな…

 

「そして、儂が直々に伝える理由じゃが…君らの担任に伝えるのと同時に、先んじてゴールドクラス、ひいてはプラチナの生徒達には伝えているんじゃよ。じゃが1名、君ら3人がゴールドに上がることに強く反発しておるのじゃ。して、これが本命なのじゃがな…」

「本命だぁ?」

「なにか条件でも付けられたの〜?」

「実はそうなんじゃ。しかも名指しでな。星風濡羽君、3人を代表して君が彼と…醉宮(よいみや)(しょう)君とデュエルして勝利する事が、君らがゴールドクラスに上がる条件なんじゃよ」

 

 

 

 

 

「って言われたんですよ」

 

僕は、校長先生との会話を丸々緑葉さんと神名さんに伝えた。といっても、この2人はゴールドクラス(というかプラチナ)だから、当事者といえば当事者だからその場で見聞きしてるはずなんだけど。

 

「…確かに、醉宮はそんなこと言ってた」

 

…あれ、珍しく呼び捨て?

 

「彼はそういう人ですからね、仕方ないです。ぶちのめしてやってください」

 

神名さんもなんか怒ってません!?

 

「な、なぁ…なんでそんな険悪な雰囲気なんだ?そんなに醉宮って奴は嫌な奴なのか?」

「…当然よ」

「醉宮咲は私の親戚であると同時に、私のストーカーなんです」

「「「…は?」」」

 

親戚で、ストーカー?え?

 

『なぁライズベルト、『すとーかー』ってなんだ?』

『一方的な恋愛感情を押し付けて相手に付きまとう変態さんです』

 

あながち間違ってないけど言い方っ!!!

 

「…何年も前から醉宮はストーカーなの。だから私もアレのことはよく知ってる。一言で表すなら鬱陶しい」

「よし分かった。濡羽、手加減抜きでボコせ。俺らの転属とかどうでもいいからそのストーカーぶっ飛ばしてこい」

「いや湊月君も言い方ぁ!!!」

 

なんでこうも血気盛んな人が多いのかなぁ!!

 

「というか、なんで僕が名指しで指定されたんですか?」

「理由1、私とデュエルしたから。理由2、私と同棲しているから。理由3、私と風華がクラスで星風さん達の話を良くするようになったから。この3つでしょうね」

「あはは〜、ここの存在バレてる前提なんだね〜。標的にされなくて良かった〜」

 

平然と言ってるけど、やっぱりストーカーなんだね!!僅かながら希望を持ってたのに打ち砕かれたよ!!

 

「…なんでこうも損な役回りなんですか僕は…」

「安心しろ、もし負けたら代わりにぶっ飛ばしてやっから」

「そうならないようにするよ…」

 

湊月君に任せたら火力全振りで妨害しないから負けそう…

 

「…みど」

「却下です」

「言い切ってませんよ!?」

「…流石に【緑一色】はダメ」

 

【緑一色】。デッキの全てを魔法カード、しかもドローソース、ライフコストを必要とするカード、そしてバーンカードで統一したデッキで、ライフを極限まで減らして《大逆転クイズ》を成功させてお互いのライフを入れ替え、伏せてあった《黒いペンダント》や《風魔手裏剣》でバーンダメージを発生させて勝利する先攻ワンキル型のデッキなんだ。

 

「うぅ…日の目を見ないから今回使ってあげようかなって思ってたのに…」

「大勢の人が見ている中で一人でやってもしょうがないでしょう?」

「うー…じゃあ順当にドラグニティで行きますよ…」

「…彼は弱いから、気負わなくても大丈夫」

 

なし崩し的に使用デッキが決まりました。

 

 

 

 

 

校長先生に指定された7月某日。僕は大きな大会で使われるステージの待機室で準備していた。

 

「ここに来たのは入試以来だなぁ…なんか緊張するよ」

『ヌレハ、頑張りましょうね!』

『私もサポートします!』

『今回こそは出てぇなぁ』

 

三者三様の声援(?)を受けながらデッキを回していると、待機室のドアがノックされた。

 

「はい、空いてますよ」

「失礼致します」

 

入ってきたのは、見慣れない女の子だった。ここにいるのは学生のはずなのに、何故か巫女服を着ていた。

 

「星風濡羽様ですね。私は貴方と同じシルバークラスの水川(みなかわ)(れん)と申します」

「はぁ、ご丁寧にどうも。それで、なんの用ですか?」

「貴方にこれを」

 

水川さんが差し出してきたのは、1枚のカード。そのカード名は…

 

「《月華竜 ブラック・ローズ》…これって…」

決闘竜(デュエルドラゴン)です」

水川さんも、決闘竜のことを知ってるんだ…

 

「…なんでこれを僕に?」

「神託がありました。このカードを貴方に渡すようにと」

 

神託って…本格的に巫女さんみたいだね。

 

「…ありがとう、ございます」

 

僕は少し怖々としながら月華竜を受け取った。決闘竜ということは…

 

「…あれっ?」

 

また暗転して記憶の再生が始まると思っていたけれど、今回は暗転せず、ただ普通に思い出すだけだった。そして思い出した内容は…

 

(…僕は、この街の生まれじゃない…だって、見た事ない建物ばかり思い出すから)

『今回思い出したのはそれなんですね』

『なんというか、少ないですよね、毎回』

『確かにな』

 

でも、思い出したものは思い出したのだから良いとしよう。

 

「では、私はこれで失礼します。ご武運を」

「はい、ありがとうございます、水川さん」

 

本当にカードを渡すだけだったのか、水川さんは去っていった。それと同時に、僕を呼ぶ放送がかかった。

 

『星風さん、スタジアムへ向かってください』

「…よしっ、行こっか!」

『そうですね!』

 

僕らがスタジアムに着くと、既に金髪の男の人がいた。あの人が醉宮さんかな?

 

「遅せぇぞ泥棒猫!!」

「…はい?」

 

急に何…この人…

 

「俺から神名を奪いやがって、お前は絶対○す!」

 

…なんて言うか、その…ボキャ貧?

 

「神名も神名だ、俺という男がいながら他の男に手ぇ出しやがってよ。しかもこんな女みたいな弱々しいやつに」

「OK、そっちがそのつもりならこっちも加減しませんよ」

 

女と言われるのは慣れてる。でも外見で実力を判断するのだけは許さない。僕は本来使う予定だったドラグニティではなく、普段使わないもう1つのデッキをデュエルディスクにセットした。

 

『ヌレハ、そのデッキは!!』

『ダメです、トウマに止められているのでしょう!?』

「イライラした、手加減なんてしない」

『あ、珍しくガチギレムード』

 

例え柊真さんに止められていても関係ない。僕はこのデッキであの人を倒す。徹底的に、完膚なきまでに。

 

「さぁ…始めましょうよ。今ちょっと機嫌が悪いですから、ダメージ受けずに完封勝利目指しますよ」

「ちっ、ノーダメ宣言かよ!ぜってぇにてめぇをぶっ倒してやるよ!」

「ではこれより、代表者・星風濡羽による転属試験を始める!」

 

あ、一応試験って体でやるんだね。

 

決闘(デュエル)開始!」

「「決闘(デュエル)!!」」




次回、濡羽君の本来のデッキでの対戦です。
お相手は醉宮さん。ゴールドクラスの中でも(実力的にも人間的にも)下の下の人です。

さてさて、どのような展開になりますかね(失敗していないことを祈りつつ)

ではでは。


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二十八枚目:不死vs古玩具

デュエル回、濡羽君のデュエルです。予想外に早く書き上がりました。

今回はドラグニティではありませんので悪しからず。

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 醉宮咲

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

「俺が先攻を貰う!」

「どうぞ」

 

相手のデッキは知らない。どう動くのかな…

 

「俺は《牛頭鬼》を召喚!」

 

牛頭鬼 攻撃表示 ATK 1700

咲 手札 5→4

 

牛頭鬼ってことは、アンデット族デッキなのか。警戒すべきはアンデットワールドだね。

 

「効果で《屍界のバンシー》を落とす。カード2枚伏せエンド!」

 

モンスター 牛頭鬼(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 バンシー

手札 2

デッキ 34

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 5→6

 

アンデットにしては予想外に静かな出だし。でも僕は荒れるよ。

 

「久しぶりだね、みんな。今日はよろしく。僕の場にモンスターがいないため、《SR(スピードロイド)ベイゴマックス》を特殊召喚」

 

僕の宣言と共に、複数のベーゴマが連なった機械が現れた。

 

SRベイゴマックス 守備表示 DEF 600

濡羽 手札 6→5

 

途端、会場中がざわめいた。その思いを代弁するように醉宮さんが言った。

 

「な、なんだそのモンスターは!?見た事ねぇぞ!!」

「…スピードロイド、僕の本来のデッキだよ。ベイゴマックスが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからスピードロイドをサーチできる。《SRタケトンボーグ》をサーチ、場に風属性がいるためそのまま特殊召喚」

 

ベイゴマックスが竹とんぼを射出し、その竹とんぼは人型に変形した。

 

SRタケトンボーグ 守備表示 DEF 1200

濡羽 手札 5→6→5

 

これが僕の本命、【スピードロイド】。風属性・機械族のカテゴリで、シンクロ召喚に特化したスペックをしている。デッキから呼び出したり墓地から引きずり出したりして場を整え、レベルを変えて様々なレベルのシンクロに繋げることを得意としている。多くのモンスターに風属性しか特殊召喚出来なくなる縛りがあるけど、殆ど風属性しか使わないから関係ないんだよね。

 

「っ、どこまで展開されるか分からねぇならここで使うぜ!墓地のバンシーの効果!自身を除外してデッキから《アンデットワールド》を発動する!」

「構わない。タケトンボーグをリリースして効果発動。デッキからスピードロイドチューナーを特殊召喚する。この効果発動後、僕はターン終了時まで風属性しか特殊出来なくなります。僕は《SR赤目のダイス》を特殊召喚」

 

SR赤目のダイス 守備表示 DEF 100

 

「赤目のダイスの効果。ベイゴマックスを選択し、ベイゴマックスのレベルを1~6の任意のレベルにできる。僕はレベル4を宣言」

 

SRベイゴマックス レベル 3→4

 

「手札から《ヒドゥン・ショット》発動。墓地のタケトンボーグを除外してアンデットワールドを破壊します」

 

墓地にいたタケトンボーグが弾丸のようになって、死者たちの世界を打ち壊した。

 

濡羽 手札 5→4

 

「レベル4になったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング」

 

SRベイゴマックス レベル4

SR赤目のダイス レベル1 チューナー

4+1=5

レベル5シンクロ

 

「躍動感溢れる剣劇。その魂は戦場(いくさば)にて映える。シンクロ召喚、《HSR(ハイスピードロイド)チャンバライダー》」

 

HSRチャンバライダー 攻撃表示 ATK 2000

 

「バトルフェイズ。チャンバライダーで牛頭鬼を攻撃。このバトルフェイズ、チャンバライダーの攻撃力は200アップします」

 

HSRチャンバライダー ATK 2000→2200

牛頭鬼 ATK 1700

2200-1700=500

咲 LP 8000→7500

 

「ぐぅっ!!だが《戦線復帰》!牛頭鬼は守備表示で蘇生だ!」

 

医療兵によって牛頭鬼は無理矢理戦場に戻されたが、さらに力を増したチャンバライダーに切り裂かれた。

 

HSRチャンバライダー ATK 2200→2400

 

「なぁ!?」

「チャンバライダーは2回攻撃持ちです。さらにチャンバライダーの攻撃力上昇は永続です」

「くっ、泥棒猫の癖にインチキ効果使いやがって!」

 

…いや、この程度まだまだですからね?

 

「メイン2。カードを3枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター チャンバライダー(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ3

墓地 ベイゴマックス 赤目 ヒドゥン

除外 タケトンボーグ

手札 1

デッキ 33

LP 8000

 

 

「ちぃっ、俺のターン、ドローだ!」

 

咲 手札 2→3

 

「《もののけの巣くう祠》発動だ!墓地から牛頭鬼を引きずり出す!さらに2枚目の《アンデットワールド》だ!ついでに牛頭鬼の効果でデッキから《死霊王ドーハスーラ》を落とす!」

 

咲 手札 3→2

 

アンデットの汎用エース落とした…もしかして特定のカテゴリじゃなくて種族単位のデッキなのかな…まぁいっか。

 

 

「速攻魔法、《サイクロン》。アンデットワールドは消し飛ばします」

「はぁ!?クソッタレかよ!!」

 

悪態をつかれても、アンデットワールドは嫌なんだもん。

 

「ちっ、《ユニゾンビ》を召喚!」

 

咲 手札 2→1

 

「レベル4の牛頭鬼にレベル3のユニゾンビをチューニング!」

 

牛頭鬼 レベル4

ユニゾンビ レベル3 チューナー

4+3=7

レベル7シンクロ

 

「屍を喰らえ、死せる真紅竜!敵の屍をも力とせよ!シンクロ召喚!《真紅眼の不屍竜(レッドアイズ・アンデットネクロドラゴン)》!!」

 

真紅眼の不屍竜 攻撃表示 ATK 2400

 

「アンデットネクロの攻撃力は、互いの場と墓地のアンデットの数×100ポイントアップするぜぇ!!」

 

真紅眼の不屍竜 ATK 2400→3100

 

「バトルフェイズ!」

「この瞬間、(トラップ)発動、《リサイコロ》。墓地の赤目のダイスを特殊召喚し、サイコロを振る(ダイスロール)。赤目のダイスのレベルは出た目の値と同じになる。出た目は…3。よって赤目のダイスはレベル3になります」

 

SR赤目のダイス レベル 1→3

 

「だが止めらんねぇぞ!!」

「さらに墓地から《リサイコロ》の効果。このカードを除外して、スピードロイドチューナーを素材に風属性限定のシンクロ召喚を行う」

「なっ、まだやんのか!!」

「レベル5のチャンバライダーにレベル3となった赤目のダイスをチューニング」

 

HSRチャンバライダー レベル5

SR赤目のダイス レベル3 風属性 機械族 チューナー

5+3=8

レベル8シンクロ

 

「羽根を広げ、大空を舞え。如何なる壁も超えていけ。シンクロ召喚、《HSRカイドレイク》」

 

HSRカイドレイク 攻撃表示 ATK 3000

 

「カイドレイクの効果。シンクロ召喚に成功した時、相手の場のカード全ての効果を永続的に無効にする。さらに墓地へ送られたチャンバライダーの効果で除外されているタケトンボーグを手札に」

 

真紅眼の不屍竜 ATK 3100→2400

濡羽 手札 1→2

 

「ちぃ、猪口才(ちょこざい)な!ターンエンドだ!」

 

モンスター 不屍竜(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 アンデットワールド×2 祠 戦線復帰 牛頭鬼 ユニゾンビ ドーハスーラ

除外 バンシー

手札 1

デッキ 31

LP 7500

 

 

 

「…凄い」

 

見た事のないカードばかり使っている。あれが星風くんの本気のデッキ…

 

「にゃはは〜、久しぶりに見たよ〜」

「久しぶりってことは、聖川はスピードロイドのこと知ってたのか?」

「うん。昔はよく使ってたんだよ〜。でも優しいね濡羽っちは」

「…優しい?」

 

醉宮をあそこまで圧倒しているのに、優しいの?

 

「カイドレイクはね、シンクロ召喚成功時に2つの効果から選べるの。1つはさっき使った全体効果無効だけど、もう1つは自分以外の全てを破壊する効果なんだ〜」

「はぁ!?えっぐ!!」

 

なるほど…確かにそれは優しいわね。

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 2→3

 

…星風くんは、ここからどう動くの?

 

「風属性がいるため、手札からタケトンボーグを再び特殊召喚。そして開け、玩具が溢れるサーキット。召喚条件は『風属性モンスター2体』。僕はカイドレイクとタケトンボーグをリンクマーカーにセット、リンク召喚。リンク2、《HSR-GOMガン》」

 

HSR-GOMガン リンク2 ↙ ↘ ATK 1000

濡羽 手札 3→2

 

「…ここでリンク召喚?」

「何か考えでもあるのか?」

「僕はGOMガンの効果発動。エクストラデッキのレベル5の《HSRマッハゴー・イータ》を除外して、デッキからレベル1の《SR-OMKガム》とレベル4の《SRダブルヨーヨー》を選択。さぁ、右か左か選んでくださいよ。選ばれた方は僕の手札に加わり、選ばれなかった方は墓地へ送られます」

「っ…俺から見て右だ!」

 

彼が墓地へ送ったのはOMKガムと呼ばれていたカード。つまり手札に加わったのは…

 

「《SRダブルヨーヨー》を召喚。効果で赤目のダイスを墓地から特殊召喚。赤目のダイスの効果でダブルヨーヨーをレベル6にします。レベル6になったダブルヨーヨーにレベル1の赤目のダイスをチューニング」

 

SRダブルヨーヨー レベル6

SR赤目のダイス レベル1

6+1=7

レベル7シンクロ

 

「蒼き月の元に芽吹く一輪の薔薇。風を受けて花開け。シンクロ召喚、《月華竜 ブラック・ローズ》」

 

月華竜 ブラック・ローズ 攻撃表示 ATK 2400

 

「ブラック・ローズの効果。このカードが特殊召喚に成功した時、もしくは相手がレベル5以上のモンスターを特殊召喚した時、相手の場のモンスター1体を手札に戻す。この効果でアンデットネクロを手札に戻します。退華の叙事歌(ローズ・バラード)

 

ブラック・ローズの身体から舞い散る花弁に包まれてアンデットネクロは消えていった。凄く綺麗…

 

『ほう、月華竜か』

(…知ってるの?)

『我が同胞だ。まさかあの少年の手に渡っているとはな』

 

世間って狭いのね。

 

「バトルフェイズ。ブラック・ローズでダイレクトアタック。散華の鎮魂歌(ローズ・レクイエム)

 

月華竜 ブラック・ローズ ダイレクトアタック ATK 2400

咲 LP 7500→6100

 

「ぐっ、くっそったれぇ!!」

「GOMガンでダイレクトアタック」

 

HSR-GOMガン ダイレクトアタック ATK 1000

咲 LP 6100→5100

 

「カードを1枚伏せて、ターン終了です」

 

濡羽

モンスター GOMガン 月華竜(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 ベイゴマックス 赤目 ヒドゥン タケトンボーグ チャンバライダー アクマグネ ダブルヨーヨー カイドレイク サイクロン

除外 マッハゴー・イータ リサイコロ

手札 1

デッキ 29

LP 8000

 

 

「くそっ、俺のターン、ドロー!」

 

咲 手札 1→2

 

「墓地の《もののけの巣くう祠》を除外して効果発動!ドーハスーラを効果を無効にして特殊召喚!」

 

死霊王ドーハスーラ 攻撃表示 ATK 2800

 

「ブラック・ローズの強制効果で手札に戻します」

 

咲 手札 2→3

 

「だがこれでもう邪魔はできんだろ!《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)》発動!墓地の牛頭鬼とユニゾンビを融合!」

 

牛頭鬼 アンデット族

ユニゾンビ アンデット族

 

「不死者の魂がひとつになり、冥府の王が降臨する!冥界の扉が開く時だ!融合召喚!喰らい滅ぼせ!《冥界龍 ドラゴネクロ》!」

 

冥界龍 ドラゴネクロ 攻撃表示 ATK 3000

咲 手札 3→2

 

『むっ、あれは…』

(…あれも知り合い?)

『…一応な』

 

本当に世間は狭いわね。

 

「バトルフェイズ!ドラゴネクロでブラック・ローズに攻撃!ソウル・クランチ!」

「永続(トラップ)、《スピリットバリア》。僕の場にモンスターがいる限り、戦闘ダメージは受けません」

 

冥界龍 ドラゴネクロ ATK 3000

月華竜 ブラック・ローズ ATK 2400

 

「ドラゴネクロとバトルしたモンスターは破壊されねぇ。だがそいつの攻撃力は0になり、同じレベルと攻撃力を持ったダークソウルトークンを特殊召喚する!」

 

月華竜 ブラック・ローズ ATK 2400→0

ダークソウルトークン 攻撃表示 ATK ?→2400

レベル ?→7

 

「ダークソウルトークンでブラック・ローズに攻撃!!」

 

力を失った月華竜を、ドラゴネクロから生み出された影のようなものが容赦なく貫いた。花弁を散らして倒れるその姿は、最後まで美しいと思えたわ。

 

月華竜 ブラック・ローズ ATK 0

ダークソウルトークン ATK 2400

 

「くっ…ごめん、ブラック・ローズ…でも無駄にはしない。《シャドー・インパルス》発動です。僕のシンクロモンスターが破壊された時、そのモンスターと同じレベル・種族を持つシンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。次元を切り裂き現れろ、《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 守備表示 DEF 2000

 

「ふん、ターン終了だ」

 

モンスター ドラゴネクロ ダークソウルトークン(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 アンデットワールド×2 戦線復帰 龍の鏡

除外 バンシー 牛頭鬼 ユニゾンビ 祠

手札 2

デッキ 30

LP 5100

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 1→2

 

「《マジックプランター》。スピリット・バリアを墓地へ送って2ドローです」

 

濡羽 手札 2→1→3

 

「《手札抹殺》。僕は2枚捨てて2枚ドローします」

「俺は1枚捨てて1枚ドローだ」

 

濡羽 手札 3→2→0→2

咲 手札 2→0→2

 

『今のって良かったのかな?』

『あんまし良くは無いよな、ドーハスーラ落ちたし』

 

セームベルの疑問にクリアウィングが答えている。クリアウィングの言う通り、あれは悪手だったと思うのだけれど…

 

「多分濡羽っちは気にしてないよ〜」

「そうなのか?」

「機嫌が悪いらしいからね〜、もしかしたら徹底的に叩きのめすかも〜」

 

…嫌な予感がしてきたんだけど…

 

「GOMガンの効果。今度はレベル6の《HSR魔剣ダーマ》を除外して、デッキからレベル3の《SRオハジキッド》と《SR三つ目のダイス》を選択。今度はどちらを?」

「…俺から見て左だ!」

 

濡羽 手札 2→3

 

今度落ちたのは三つ目のダイスというカード。手札に加わったオハジキッドと呼ばれていたカードを見て、星風くんは笑顔になった。

 

「君が来てくれて良かったよ。《強欲で貪欲な壺》。デッキトップ10枚を裏向きで除外して2枚ドローします」

 

濡羽 手札 3→2→4

 

引いた2枚のカードを見て、星風くんはまた笑顔になっていた。ちょっと怖いわね…

 

「ふふふ…このターンで決めても?」

「な…このターンで決めるだと!?」

「《SRオハジキッド》を召喚。その効果で墓地のチューナーモンスター、《SR-OMKガム》を特殊召喚し、オハジキッドとOMKガムで風属性をシンクロ召喚をします」

「あいつ、始めの頃に落ちてたカードだな」

「…チューナーだったのね」

 

SRオハジキッド レベル3

SR-OMKガム レベル1 チューナー

3+1=4

レベル4シンクロ

 

「迷宮の混沌を刃で切り裂き颯爽登場。シンクロ召喚。《HSR快刀乱破(かいとうらっぱ)ズール》」

 

HSR快刀乱破ズール 攻撃表示 ATK 1300

濡羽 手札 4→3

 

「は…ははっ!なんだよ、啖呵切っといて出てくんのが攻撃力1300かよ!」

「OMKガムの効果。シンクロ素材になった時、デッキトップを墓地へ送ります。そのカードがスピードロイドモンスターなら、シンクロ召喚したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップします。デッキトップは……《SR電々大公(でんでんだいこう)》。攻撃力が1000ポイントアップします」

 

HSR快刀乱破ズール ATK 1300→2300

 

「魔法カード、《ハイ・スピード・リレベル》。墓地のカイドレイクを除外して、ズールのレベルをカイドレイクと同じにし、除外したカードのレベル×500ポイント、攻撃力をアップする。カイドレイクはレベル8、よって4000ポイントアップです」

 

HSR快刀乱破ズール ATK 2300→6300

レベル 4→8

濡羽 手札 3→2

 

「なぁ!?」

「さらにファストの効果、相手のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にする。ギアース・クルセイド」

 

冥界龍 ドラゴネクロ ATK 3000→0

 

「っ!?!?」

「バトルフェイズ、ズールでドラゴネクロに攻撃。この瞬間、速攻魔法発動」

「ま、まだなんかやんのかよ!!」

「《リミッター解除》×2。機械族の攻撃力を合計4倍にします」

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?』

 

凄い会場中の大合唱。流石の私もやりすぎだと思うわ…

 

HSR-GOMガン ATK 1000→4000

HSR快刀乱破ズール ATK 6300→25200

濡羽 手札 2→0

 

「ズールが特殊召喚されたモンスターと戦闘するダメージステップ開始時に効果発動。ダメージステップ終了時まで、自身の攻撃力を2倍にします。ブレード・アクセラレイト」

 

HSR快刀乱破ズール ATK 25200→50400

 

「こ、攻撃力50400だぁぁ!?!?」

「決めろ、ズール。LB(リミットブレイク):エクステラ・スラスター」

 

HSR快刀乱破ズール ATK 50400

冥界龍 ドラゴネクロ ATK 0

50400-0=504000

咲 LP 5100→-45300

 

「…うわぁ…」

 

私は辛うじて声が出せたけど、他のみんなは声すら出せないみたい。そういえば、優姫はどこに行ったのかしら…

 

「宣言通り、ノーダメージキル達成っと。久しぶりに回すとやっぱり楽しいなぁ!」

 

怒りは収まったみたいね(現実逃避)

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽




という訳で濡羽君の勝利です。

攻撃力50400…どこかで見た数値に似ていると思い見返したら小春の初デュエルの時の攻撃力50200でした。5万超えるのが濡羽君のアイデンティティかな?(全然違います)

スピードロイドで1番火力が出るのはチャンバライダーでも魔剣ダーマでもなく快刀乱破ズールだと思っています。今回みたいなことすれば火力面では無双するでしょ、合計8倍ですし。

次回も会話パートですが、次々回はついにあの人がデュエルします。

ではでは。


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二十九枚目:後語と一戦

会話パートなんですけどサブタイはあんまり関係ありません(そもそもサブタイが絡んだ内容がほとんど無いような…)

まぁ簡単に言えば後日談です。

では本編。


 

「そこまで!勝者、星風濡羽!転属試験合格!」

「はぁぁ、すっごい楽しかった!」

『そ、それは何よりで…』

『久しぶりに実家(スピードロイド)のみんなと遊べて良かったです!』

『新入りの方が出番あるとか酷いわぁ…つか雑すぎだろ今回』

 

スターダストの愚痴をスルーして『おい!』いると、ショックから復帰した醉宮さんが喚き出した。

 

「っ…てめぇ、ディスクに細工してるだろ!」

「…いや、なにを根拠に?」

「スピードロイドなんて見たことも聞いたこともねぇカードが認識されてる時点でおかしいだろ!」

「これはれっきとしたデッキです。ディスクに細工なんてしてません。というか、細工したらバグが起きて使い物にならなくなるでしょう…」

 

僕の(個人的には)真っ当な言い分にも耳を傾けず、ただただ訳の分からないことを喚いているこの人に対して、僕は一瞬だけ、この人なんでゴールドクラスにいるんだろうなぁ、って考えてしまった。

 

『うだうだとうるせぇやつだなぁ。シューティング・ソニックしていいか?』

『ダメですよ!!』

『そうです、私がギアース・クルセイドして黙らせますから』

『それならヴィクテム・サンクチュアリするわ』

『なんでそうなるんですかぁ!!!!』

(君ら暴れたらどうなるか分かんないからね!?ちょっと落ち着こうか!!)

「往生際が悪いですね」

 

僕がスターダスト達を落ち着かせていると、僕の後ろにいつの間にか神名さんが立っていた。

 

「か、神名さん!?」

「神名…っ!」

「貴方が何を言おうと貴方は星風さんに負けた。その結果は覆りませんよ。それに星風さん達は、先生方が認めてこの試験を受けたのです。それがどういうことか分かりますか?」

「わ、分かんねぇよ…」

 

僕らは校長先生直々に説明されたから知ってるけどね。

 

「既に3人はゴールドクラス相当の実力があるということです。星風さんに至っては、デッキが違うとはいえゴールドクラスの生徒を下していますし、聖川さんもこの間の小規模トーナメントではゴールドクラスの生徒、それに私をも差し置いて上位4名に入りましたからね」

 

湊月君に関してはなにも触れられていない。けどまぁたしかに、湊月君はこれといっていい戦績が残ってる訳でもないからね…

 

「たしかに今回、星風さんは見慣れないカードを使ったかもしれません。ですが、貴方が負けたのはそれが理由ではなく、単に星風さんより弱かっただけですよ」

「神名さん、さすがに言い過ぎでは…」

「普段の鬱憤を晴らすには良い機会でしょう?」

 

うわぁ…割と黒い…

 

「くそっ…くそがぁっ!!」

「そろそろ諦めませんか?貴方は…」

「うるせぇ!!」

「テメェの方がうるせぇぇぇぇ!!!!」

 

あぁ、湊月君…我慢出来なくなったんだね…観客席から飛び降りてこっちに来ちゃったよ…って飛び降りて!?それなりに高さあるのに、足腰大丈夫なの!?

 

「さっきから聞いてりゃうだうだうっせぇんだよ!負けたなら負けたで終わらせろ!次勝ちゃ良いだけだろ!いつまでもガキみてぇに喚くな!」

「んだとぉ!!てめぇもぶっ飛ばすぞ!」

「濡羽に勝てねぇクセに俺に勝てると思うな!」

 

何故か成り行きで湊月君が醉宮さんとデュエルしました。結末?描写するまでもなく湊月君の圧勝でした。相手の盤面は3枚の伏せカードにアンデットネクロだったけど、伏せカードをバブルマンからのアシッドで一掃。残されたアンデットネクロはバトルフュージョンオネスティ・ネオスで倒したらあとはフォーム・チェンジとマスク・チェンジの闇鬼2体連続攻撃で後攻ワンキルしてました。僕以上に怖かったね…

 

 

 

 

 

デュエル後、何故か倒れた醉宮さんが運ばれていく時に神名さんが1枚のカードを醉宮さんから抜き取って来ました。

 

「…ドラゴネクロ…なんでそれを?」

「これは元々、私のカードなんです。これでも私、デュエルを始めた頃は不知火を使っていたんですよ」

「そうなのか!?」

「えぇ。その時のエースがこのドラゴネクロだったのですけど…彼に盗まれまして」

 

…盗まれたカード、放置してたんだ…

 

「中々取り返す機会がありませんでしたけど、今回取り返せました」

「…ストーカーなんですもんね、彼…出来れば近付きたくは無いですよね…」

「ではこれは、勝者の権利ということで星風さんに差し上げますね」

「え…良いんですか?」

「えぇ。私は今はエクゾディアですから」

「ありがとうございます」

 

僕のデッキにも入らないんだけどなぁ…とか思いながらドラゴネクロのカードを受け取った。

 

 

 

 

 

そして視界が暗転した。

 

「…またこれなんだね…」

『よぉ、お前さんが俺の新たな所有者か?』

「へっ、誰? というか、今回は記憶じゃないの?」

『お前さんの後ろだ後ろ』

 

僕が後ろを振り向くと、そこにはドラゴネクロが鎮座していた。

 

『さっきは精神貧弱な元所有者が迷惑かけたな。俺は冥界龍 ドラゴネクロだ。ま、好きなように呼んでくれや。あと、あの軟弱者がぶっ倒れたのは気にすんな。格下と侮ってた相手に二連チャンで負けてメンタルブレイクされただけだからな』

 

うわ…すっごい罵倒してる…というか気絶した理由が二連敗したからって…

 

「…先に言っとくけど、僕のデッキに君は入らないよ?」

『何言ってんだお前さんは。俺の素材は『アンデット族×2』だ、手札誘発幼女(うららやわらし)使った後に龍の鏡でどんなデッキでも出せるぜ?』

 

何でだろう、出せるような気がしてきた。そもそも龍の鏡採用するデッキってなんだろ、【F・G・D】?

 

『デッキによっちゃドラグニティにも入るだろ龍の鏡…まぁデッキに入らなくてもアンデット関連なら情報面でサポートしてやんよ。そんで、お前さんは妙なこと言ってたな、記憶がどうのって』

「…うん。僕は記憶が無くてさ…でも、決闘竜達のカードに触れたら、いつも記憶が戻ってきてたんだ」

『ほーん…ま、俺は渡さんがな。月華竜にまだ渡すなと言われたし』

「…えっ?」

 

ブラック・ローズに、そう言われたの? というか、ブラック・ローズも話せたの!?

 

『なんだその顔は。俺達決闘竜はみんな精霊だぜ?』

「えぇ!?」

 

ってことは、小春のベエルゼも、四季野さんのパワー・ツールとエンシェントも!?

 

『まーそんな話は置いといてだな。本題はこっからだわ』

「…何?」

『お前さん、そのデッキをどこで得た』

「スピードロイドのこと?昔、森に迷い込んだ時に老師から譲ってもらった…みたい」

『ほー、それは思い出してたってことか』

「うん、そうだよ」

『譲り受けたってんなら大丈夫だろうが、1つ忠告しておくぜ。そのデッキ、スピードロイドは精霊のデッキ。人の手を巡る、世界でお前さんしか所有者のいねぇカテゴリデッキだ。そいつを持ってる内はお前さんが大切にしてるカード全部が精霊と同質のモノになるぜ』

 

…つまり?

 

『お前さんが妙な力を付けたら、ドラグニティも精霊として目覚めるかもしれねぇってことだ』

「何それ!?」

『今すぐってわけじゃねぇがな。ま、いずれ分かるさ。お前さんの持ってる全てのデッキを大切にしろよ。じゃあまた後でな』

 

 

 

 

 

「…はっ」

「なんだ濡羽?なんかあったのか?」

「…あったと言えばあったかな…詳しくは言えないけど」

 

少し焦って時計を見てみたけど、そこまで時間は経ってなかった。

 

「つか、いつまでもここにいるのもあれだな。早く戻ろうぜ」

「星風さんはともかく、私と西条さんは勝手に来ましたけどね」

「それは言わないお約束ってもんだぜ」

 

そうして僕らは観客席で待ってる緑葉さんと小春のところに戻った。観客席でクラスメイト達にもみくちゃにされ、家に帰って事の顛末を伝えたら柊真さんに怒られた話はまた別の機会にでも。

 

 

 

 

 

 

そして数日後には終業式があり、僕らは夏休みに入った。

 

「よっしゃぁぁぁ!!夏休み!決闘しまくる(遊び倒す)ぞぉぉ!!!」

「遊ぶのもいいけど、勉強もちゃんとするんだよ」

「うぐっ…柊真さん、それはなしだぜ…」

「…そう言えば、龍凪さんがデュエルしてるの見た事ない」

「そう言われればそうですね。龍凪さんはどのようなデッキを使うのですか?見てみたいです」

「私も知りた〜い!ショップでもデュエルしないもん!」

 

柊真さん、助けを求めるように僕を見ないでください。僕には無理です。

 

「柊真さん、諦めてデュエルしましょう。ね?」

「嘘でしょ…ろくに濡羽君に勝てないのに?」

「そりゃ柊真さんのデッキをメタってますからね。まぁ多分、初見だとそうそう負けませんよ」

「…なら、私がやりたいわ」

「じゃあそういう事でやっちゃいましょう!デュエル開始っ!」

「いきなり!?」

 

柊真さんは焦りながらもデュエルディスクを付け、緑葉さんと対峙した。

 

「「決闘(デュエル)!」」




次回は柊真さんの初デュエルです。

彼は遊戯王の中では影の薄いであろうカテゴリを使います。なにを使うんでしょうね。乞うご期待です。

ではでは。


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三十枚目:突風vs不動

デュエル回、柊真さんの初デュエルです。
本人曰く「弱い」とのことですが、その実力やいかに。

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 緑葉風華

後攻 龍凪柊真

 

デュエル開始

 

 

 

「…私の先攻」

 

大雑把な流れで始まった柊真さんと緑葉さんのデュエル。どっちが勝つのかな。

 

「…なるべく動きたくないのだけれど…手札から《召喚師セームベル》を召喚」

『なんか久しぶりだよ!』

 

召喚師セームベル 攻撃表示 ATK 600

風華 手札 5→4

 

「…《シンクロ・ヒーロー》をセームベルに装備。レベルを1つ上げて、攻撃力を500アップ」

 

召喚師セームベル ATK 600→1100

レベル 2→3

風華 手札 4→3

 

「…そしてセームベルの効果発動。《ガスタ・ガルド》を特殊召喚」

 

ガスタ・ガルド 攻撃表示 ATK 500

風華 手札 3→2

 

「…レベル3のガルドとセームベルでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚」

 

召喚師セームベル レベル3

ガスタ・ガルド レベル3

 

「…闇夜を渡り歩く吸血鬼の案内人。ランク3、《ゴーストリック・アルカード》」

 

ゴーストリック・アルカード 守備表示 DEF 1600

 

「…カードを1枚伏せて、《チキンレース》。1000ライフ払って1枚ドロー」

 

風華 手札 2→0→1

LP 7000→8000

 

「…ターン終了」

 

風華

モンスター アルカード(ユニット×2)(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド チキンレース

墓地 シンクロ・ヒーロー

手札 1

デッキ 34

LP 7000

 

 

「僕のターンだね。ドロー」

 

柊真 手札 5→6

 

「うーん、伏せカードを破壊するアルカードかぁ…」

 

柊真さん、なんで悩むんだろ…

 

「僕は手札から《超重武者カゲボウ-C》を通常召喚だよ」

 

超重武者カゲボウ-C 攻撃表示 ATK 500

柊真 手札 6→5

 

「ち、超重武者ぁ!?」

「…また扱いにくそうなデッキを…」

「その反応好きだよ、2人とも。僕はカゲボウ-Cの効果発動。このカードをリリースして、手札から超重武者を特殊召喚する。刺又操りし荒武者到来!《超重武者ビッグベン-K》!」

 

超重武者ビッグベン-K 攻撃表示 ATK 1000

柊真 手札 5→4

 

「ビッグベン-Kは召喚・特殊召喚に成功した時、表示形式を変更するよ。守備表示に変更!」

 

大仰に立って現れたビッグベン-Kは「よっこらせ」とか言いそうな動きで胡座をかいて座り込んだ。

 

超重武者ビッグベン-K 守備表示 DEF 3500

 

「バトルフェイズ!ビッグベン-Kがいる限り、僕の超重武者は守備力を攻撃力とすることで、守備表示でも攻撃できる!」

「えーと、つまり?」

「こういう事さ。ビッグベン-Kでアルカードに攻撃!」

 

ビッグベン-Kは座ったままで刺又を振るい、アルカードを切り裂いた。というかあの刺又、如意棒みたいに伸びるんだよね…材質なんなのさ…

 

超重武者ビッグベン-K DEF→ATK 3500

ゴーストリック・アルカード DEF 1600

 

「…くぅっ…」

「メイン2にチキンレースで1枚貰うね」

 

柊真 手札 4→5

LP 8000→7000

 

「はい、これでターンエンドだよ」

 

柊真

モンスター ビッグベン-K(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 カゲボウ-C

手札 5

デッキ 33

LP 7000

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

「…チキンレース、1000ライフ払って1枚ドロー」

 

風華 手札 2→3

LP 7000→6000

 

「…モンスターセット。手札から《太陽の書》。リバース、《ガスタの希望 カムイ》。効果でデッキからガルドを特殊召喚」

 

ガスタの希望 カムイ 攻撃表示 ATK 200

ガスタ・ガルド 攻撃表示 ATK 500

風華 手札 3→1

 

凄い淡々と展開してる…なんで?

 

「…レベル2のカムイにレベル3のガルドをチューニング」

 

ガスタの希望 カムイ レベル2

ガスタ・ガルド レベル3 ガスタ

2+3=5

レベル5シンクロ

 

「…その背に友を乗せ、雄々しく強く羽ばたけ(守備力お化けは大抵効果破壊に弱い)。シンクロ召喚。《ダイガスタ・ガルドス》」

 

ダイガスタ・ガルドス 攻撃表示 ATK 2200

 

なんか普段と違いません!?そんなに守備力高いモンスターに恨みでもあるんですか!?

 

「…ガルドスの効果。2体のガルドをデッキに戻してビッグベン-Kを破壊するわ」

「嘘ぉ…」

 

柊真さん、早々にビッグベン-Kが破壊されて悲しそう。まぁ僕の時はもっと酷いことしてたんだけどね…

 

「バトルフェイズ。ガルドスでダイレクトアタック」

 

ガルドスの背に乗るウィンダが杖から放った光線は、柊真さんの脇を掠めてライフを持っていった。

 

柊真 LP 7000→4800

 

「くぅ…けど僕が戦闘ダメージを受けた時、手札の《超重武者ココロガマ-A》を特殊召喚できる!」

 

超重武者ココロガマ-A 守備表示 DEF 2100

柊真 手札 5→4

 

「特殊召喚条件の割に、守備力が高いですね」

「守備力が高いのが超重武者の特性ですからね」

「…ターン終了」

 

風華

モンスター ガルドス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド チキンレース

墓地 シンクロ・ヒーロー セームベル アルカード カムイ

手札 1

デッキ 34

LP 6000

 

 

「僕のターン、ドローするよ」

 

柊真 手札 4→5

 

「僕もチキンレースを使おうかな。1000ライフを払って1枚ドローさせてもらうね」

 

柊真 手札 5→6

LP 4800→3800

 

このタイミングでドロー…あ、もしかして前に追加したアレを使うのかな?

 

「僕はスケール1の《超重輝将ヒス-E》とスケール8の《超重輝将サン-5》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

柊真 手札 6→4

 

「…ペンデュラムもいるの…!?」

「輝石は大きく揺れ動く!されど導くは不動の猛者(つわもの)也!」

 

超重輝将ヒス-E ペンデュラムスケール1

超重輝将サン-5 ペンデュラムスケール

特殊召喚制限:超重武者

ペンデュラム召喚可能レベル 2〜7

 

「ペンデュラム召喚!手札から《超重武者テンB-N》、《超重武者コブ-C》!」

 

超重武者テンB-N 守備表示 DEF 1800

超重武者コブ-C 守備表示 DEF 900

柊真 手札 4→2

 

「テンB-Nの効果!墓地からレベル4以下の超重武者を特殊召喚する!甦れ、カゲボウ-C!」

 

超重武者カゲボウ-C 守備表示 DEF 500

 

「さらにヒス-Eのペンデュラム効果発動!カゲボウ-Cのレベルを1つ上げるよ!」

 

超重武者カゲボウ-C レベル 3→4

 

「そしてレベル4のテンB-Nとカゲボウ-Cにレベル2のコブ-Cをチューニング!」

「えぇ〜!?」

 

超重武者テンB-N レベル4 超重武者

超重武者カゲボウ-C レベル4 超重武者

超重武者コブ-C レベル2 機械族 チューナー

4+4+2=10

レベル10シンクロ

 

「荒武者は戦神(いくさがみ)となりて、千の刃をその身に纏う!シンクロ召喚!出陣せよ、《超重荒神(ちょうじゅうこうじん)スサノ-O》!」

 

柊真さんの場に、ビッグベン-Kよりも大きな武神が現れた。

 

超重荒神スサノ-O 守備表示 DEF 3800

 

「バトルフェイズ、スサノ-Oでガルドスに攻撃!草薙剣(くさなぎのつるぎ)・一閃!」

 

超重荒神スサノ-O DEF→ATK 3800

ダイガスタ・ガルドス ATK 2200

3800-2200=1600

風華 LP 6000→4400

 

「…あぅ…」

「ターン終了だよ」

 

柊真

モンスター スサノ-O ココロガマ-A(守備表示)

魔法・罠 なし

ペンデュラム ヒス-E サン-5

墓地 カゲボウ-C ビッグベン-K コブ-C テンB-N

手札 2

デッキ 31

LP 3800

 

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

カードが足りないわね。

 

「…チキンレースで1枚ドロー」

 

風華 手札 2→3

LP 4400→3400

 

「…セットカードオープン、《手札抹殺》」

「ありゃ、ブラフだったのか」

「…私は3枚捨てて3枚ドローするわ」

「僕は2枚捨てて2枚ドローするね」

 

私はグリフとウィンダ、仁王立ちを捨てて、龍凪さんはビッグバンとジシャ-Qを捨てていた。

 

風華 手札 3→0→3

柊真 手札 2→0→2

 

「…手札から捨てたグリフの効果。デッキから《ガスタの静寂 カーム》を特殊召喚」

 

ガスタの静寂 カーム 攻撃表示 ATK 1700

 

「…《貪欲な壺》。セームベル、アルカード、カムイ、そして手札から捨てたウィンダとグリフをデッキ・エクストラデッキに戻して2枚ドローするわ」

 

風華 手札 3→2→4

 

「…私は手札から、《ガスタ・ガルド》を召喚。そして、レベル4のカームにレベル3のガルドをチューニング」

 

ガスタの静寂 カーム レベル4

ガスタ・ガルド レベル3 チューナー

4+3=7

レベル7シンクロ

 

「光蓄えし翼はいつまでも色褪せない。私と共に闘って。シンクロ召喚。その名は結晶竜。《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》」

『俺、降臨!』

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

風華 手札 4→3

 

『うぉ、あいつ硬くね!?』

「…やっぱり、そう思う?」

『こーなりゃあれだな!フウカ、エクストラデッキに俺の新しい力を追加しといたから使ってくれ!レベル8のシンクロで、必要なのはシンクロモンスターとチューナーだぜ!』

「…面倒」

 

この盤面で用意できると思ってるの?用意出来るけど。

 

「…《ワン・フォー・ワン》。手札の《ガスタ・ファルコ》を捨ててデッキから《ガスタ・イグル》を特殊召喚」

 

ガスタ・イグル 攻撃表示 ATK 200

風華 手札 3→1

 

「…レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル1のガスタ・イグルをチューニング!」

「閃珖竜…?でも、閃珖竜単体で突破できるかな…?」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 シンクロモンスター

ガスタ・イグル レベル1 チューナー

7+1=8

レベル8シンクロ

 

「煌めきの翼は進化する。共に高みへ!シンクロ召喚、その名は水晶龍。《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

『うぉっしゃぁぉぁ!!!俺、進化っ!!』

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示

ATK 3000

 

「く、クリスタルウィング!?」

「何そのカード!!見た事ない!!」

「…バトルフェイズ、クリスタルでスサノ-Oに攻撃。烈風のクリスタロス・エッジ!この瞬間、クリスタルウィングの効果。スサノ-Oの攻撃力分、自分の攻撃力をアップする。ミラージュ・ライト!」

 

強く光り輝いたクリスタルウィングがスサノ-Oを貫いた。

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 3000→5400

超重荒神スサノ-O DEF 3800

 

「くっ…スサノ-O…!」

「…私はこれでターン終了」

 

風華

モンスター クリスタルウィング(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド チキンレース

墓地 シンクロ・ヒーロー ガルドス ガルド カーム クリアウィング イグル ワン・フォー・ワン 仁王立ち ファルコ

手札 1

デッキ 30

LP 3400

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

柊真 手札 2→3

 

「ふふ、柄にもなく熱くなって来たよ…!再びペンデュラム召喚!手札から《超重武者テンB-N》、《超重武者グロウ-V》!」

 

超重武者テンB-N 守備表示 DEF 1800

超重武者グロウ-V 守備表示 DEF 1000

柊真 手札 3→1

 

「テンB-Nの効果発動!再び来たれ、コブ-C!そしてレベル3のココロガマ-Aとグロウ-V、レベル4のテンB-Nにレベル2のコブ-Cをチューニング!」

「さっ、最大レベルのシンクロですか!?」

 

超重武者テンB-N レベル4 超重武者

超重武者グロウ-V レベル3 超重武者

超重武者ココロガマ-A レベル3 超重武者

超重武者コブ-C レベル2 超重武者 チューナー

4+3+3+2=12

レベル12シンクロ

 

(くろがね)の鬼よ、不動を打ち破り戦場を駆け抜けろ!シンクロ召喚!常住戦陣!《超重蒸鬼(ちょうじゅうじょうき)テツドウ-O》!」

 

超重蒸鬼テツドウ-O 守備表示 DEF 4800

 

「守備4800、くそ硬ぇぞ!!」

「1000ライフを払ってチキンレースの効果、自壊!」

 

柊真 LP 3800→2800

 

破壊した…ということは、このターンで決める気なのね。

 

「バトルフェイズ、テツドウ-Oでクリスタルウィングに攻撃!機動剛進・炎熱破!!」

「…このダメージステップ、クリスタルウィングの効果が発動する。テツドウ-Oの攻撃力分、このカードの攻撃力をアップするわ。ミラージュ・ライト!」

「チェーンして墓地の《超重武者装留ビッグバン》の効果!場に守備表示の超重武者が存在し、相手がバトルフェイズ中に効果を使った時、このカードを墓地から除外することでその発動を無効にし、その後場の全てのモンスターを破壊する!そしてお互いに1000ポイントのダメージを受ける!テツドウ-Oは超重武者としても扱うため、効果を使えるよ!」

「…っ、クリスタルウィングの効果!このカード以外のモンスター効果の発動を無効にして破壊する!この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力はアップするけれど、破壊はしないから攻撃力は上がらないわ」

 

これで返り討ち…そう思った時、柊真さんは笑みを浮かべながらこう言った。

 

「クリアウィングの進化系なら、その手の効果はあると思っていたよ!これが僕のラストカード!チェーンして手札の《超重武者装留バスター・ガントレット》の効果!手札のこのカードを捨てることで、超重武者の守備力を、元々の数値の倍にする!テツドウ-Oは超重武者として扱う効果を持つため、この効果は適用可能!!」

「…そんな…!!」

 

チェーンの逆順処理で、テツドウ-Oの守備力は倍の数値になり、その攻撃力分、クリスタルウィングは強くなる。けれど、クリスタルウィングは『攻撃力』を参照し、テツドウ-Oは『守備力』で攻撃してくる。つまり…

 

超重蒸鬼テツドウ-O DEF→ATK 4800→9600

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK 3000→5000

 

こうなる。私、久しぶりに負けたわね。

 

9600-5000=4600

風華 LP 3400→-1200

 

「…ありがとうございました、龍凪さん」

「久しぶりに楽しかったよ。こちらこそありがとうね、風華さん」

 

ゲームエンド

WINNER 龍凪柊真




というわけでまさかまさかの柊真さんの勝利です。
柊真さんのデッキは超重武者でした。使いたかったんです、超重武者。

最後のカード効果の大乱舞はアニメみたいなことをやりたかった結果です。効果ミスしてても悔いはありません!!

ではでは。


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三十一枚目:無知な濡羽

会話パートです。サブタイはお気になさらず…(ろくに思いつかないんです)

では本編へ。


 

「風華が…負けたのですか…?」

「…負けることもあるわよ。私はあくまでも学園最強って言われてるだけで、別に世界最強って訳では無いのよ?」

「まぁ次回以降は僕が負けるかもね。特に濡羽くんみたいなことしてきたら」

「濡羽っち、何やったの…?」

「3000ダメージ受けました」

「おけ、全部察したわ。流石にそりゃ酷いわ」

 

湊月君だけじゃなくて、全員が渋い顔をしている。まぁそりゃそうだよね。あ、ここで少し解説しておくね。

柊真さんのデッキは【超重武者】。墓地に魔法・罠カードがあると効果を使えなかったり、召喚・反転召喚できなかったりするモンスターが多数存在するカテゴリで、主にビッグベン-Kの効果で守備力を使って攻撃してくるんだ。その特性上、効果をフルに使いたいなら【フルモンスター】構築になりがちで、だからこそ《ヘル・テンペスト》がよく刺さるんだよねぇ。デッキが全部除外される様を見るのはちょっと快感だったよ。

 

『ヌレハ、ゲスいですよ』

『ヌレハ、ゲスいですね』

『ヌレハは下水じゃねぇだろ?』

「うん、どうしてスターダストは毎回ズレるのかな?」

『それが星屑の性格ってことだろ、諦めてやれよ』

『ん、もしかして馬鹿にされたか?』

『もしかしなくても小馬鹿にしてんだよ』

『こんにゃろ!!』

 

はい、今日も精霊は元気です。というかドラゴネクロが馴染むの早い…

 

「ま、まぁ…一応これで僕のデッキは分かったでしょ?」

「うん、【超重武者】だったね〜」

「なんで柊真さんはそんな使いにくいデッキにしたんだ?」

「単純だよ。周りと違うデッキが使いたかったんだ。なかなか見ないでしょ、フルモン構築のデッキってさ」

「…確かに、フルモン構築前提のカテゴリ自体珍しいのにね」

(そもそもそんなカテゴリ、超重武者しかいない気が…)

 

それに僕は知ってる。柊真さんにはもう1つ、超重武者を選んだ理由があるって。まぁそれは黙っておくけどね。

 

「っと、そうだ、忘れる所だった。みんな、夏休みって何か予定あったりする?」

「俺は特には無いっすよ。盆にちと行くとこがあるくらいで」

「私も〜♪お盆も暇だよ〜」

「…私も同じ。お盆はどうなるか分からないけど」

「私もです。お盆に一度帰らなければならないこと以外は予定は今のところありません」

 

ちなみにみんなのお盆の予定ってだいたいお墓参りだったりするよね。

 

「僕の場合は予定なんて組んだところで柊真さんに崩されるので組んでないです」

「なんかトゲのある言い方!?まぁ予定がないなら良いや。実は団体旅行券貰ってさ、行けるのが7人までなんだ。僕と皆で6人、あと1人誘えるんだけど、行く?」

「行く〜!!」

「おぉ、どこに行くんだ?」

「近場に海も山もあるよ」

「…楽しそうね」

「柊真さん、それってもう1人誘ってもいいってことですよね?」

「うん、そうだよ」

 

その言葉を聞いて僕は、彼女に連絡をしてみた。

 

『マリーさん、急にすみません。夏休みの予定ってありますか?』

 

返信はすぐに来た。

 

『いえ、今年は特にはありませんよ。どうかされたんですか?』

 

『今年は』?どういう事かな…?

 

『良かったです。実は僕の保護者的な人が旅行券を貰ってきて、それの最大人数が7人なんですよ。僕らは6人いるので誘ってみたんですけど、一緒に行きます?』

『ぜひ!』

「柊真さん、僕の友達が1人来れるみたいなんですけど、良いですか?というかもう誘ったんですけど」

「うん、構わないよ。来週の月曜から二週間だけど、一応確認しておいてね」

 

oh...割と長いんですね。

 

『来週の月曜日から二週間らしいんですけど、どうですか?』

『大丈夫ですよ。二週間って長いんですね、楽しみです』

「大丈夫みたいです。楽しみだなぁ、マリーさんと一緒に旅行かぁ」

「「「「「…えっ?今なんて?」」」」」

 

異口同音に言われると怖いんだけど…

 

「えっ…マリーさんだよ?僕の新しい友達です」

「…はぁ、流石星風くんね」

「ですね…星風さんらしいです」

 

何の話か分からないでいると、湊月君が何故かマリーさんの画像を見せてきた。

 

「濡羽、お前のいう新しい友達ってこいつか?」

「うん、そうだよ?というかなんでマリーさんの画像を?」

「あはは…濡羽っち…」

「その人、アイドルだよ…?テレビとかにもよく出てるしね。なんで休みなのかは知らないけど…」

「…えっ、えぇっ!?」

 

…全っ然気付かなかった。

 

 

 

 

 

割と衝撃的な(僕が無知なだけの)事実を知ったその日の夜。僕の部屋を湊月君が訪れた。

 

「…濡羽〜、起きてっか〜?」

「起きてるよ。どうしたの、こんな夜中に」

「いやなぁ、視界の端に茶色いのがチラチラ見えてんのが気になって眠れねぇんだよ」

 

湊月君が言ってるのは湊月君の精霊だね。実は湊月君や神名さんにも精霊はいるんだけど、感じれてるのは湊月君だけなんだよね。

 

『…お前さんの周りには精霊が多いのか?』

『そうですよ、体質みたいなものなんです』

『何故かヌレハとその友人には精霊が集まりやすいんですよね。でも鈍いんですよ。私達が言わないと気付かないレベルで』

『人に関してもだよな』

 

君ら僕に対して容赦ないよね…

 

「あはは、まぁなんとなく察したよ。眠れないからデュエルしようってこと?」

「おぉ、正解。ま、テーブルデュエルだけどな」

「じゃあやろっか」

 

僕らはデュエルディスクのデッキスロットからデッキを取り出して、机の上に置いた。久しぶりにこのスタイルだよ。

 

「「決闘(デュエル)!」」




次回は濡羽君と湊月君のデュエルです。SRのリベンジです。というか夏休み終わり頃になって夏休みストーリー始まるとか時期外れもいいとこですね。

少し雑談を。
先日、部活の後輩から遊戯王のカードを何枚か譲ってもらったんですよ。オルターガイストやエレメントセイバーに混じって初期の青眼の白龍やブラックマジシャンがあったのには驚きましたけど、それ以上に驚いたのがイブリースと墓穴があったことなんですよね。喜び勇んでデッキに投入しました。これで能動的にトゥリスバエナが使えます(捕食HEROにトゥリスバエナ入れてる人です)。

ではでは。


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三十二枚目:古玩具vs英雄

デュエル回、濡羽vs湊月です。

先に宣言します。
今回はHSRは出ません(たしか)。

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール(テーブルデュエル) LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 星風濡羽

後攻 西条湊月

 

デュエル開始

 

 

「僕の先攻!」

 

前回のデュエル以降、妙にスピードロイド達の主張が激しかったから使ってあげなきゃね(勝手にデッキスロットに入ってたりして怖かったよ)。

 

「…この手札ならこの動きだね!お互いの場にモンスターがいないため、手札から《SRパッシングライダー》を特殊召喚!」

 

SRパッシングライダー 攻撃表示 ATK 2200

濡羽 手札 5→4

 

「さらに僕が特殊召喚に成功した時、手札から《SR56(ファイブシックス)プレーン》を特殊召喚するよ!この効果発動後、僕は風属性しか特殊召喚出来なくなるよ」

 

SR56プレーン 守備表示 DEF 0

濡羽 手札 4→3

 

「56プレーンが特殊召喚に成功した時、場のモンスター1体を選択して攻撃力を600ポイント下げるよ。僕は56プレーン自身を選択するね」

 

SR56プレーン ATK 1800→1200

 

「僕はカードを3枚伏せてターン終了。このエンドフェイズ、56プレーンの攻撃力は元に戻るよ」

 

SR56プレーン ATK 1200→1800

 

濡羽

モンスター パッシングライダー(攻撃表示) 56プレーン(守備表示)

魔法・罠 伏せ3

墓地 なし

手札 0

デッキ 35

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 5→6

 

「手っ取り早く行くぜ、《増援》!デッキからソリッドマンをサーチだ!」

 

湊月 手札 6→5→6

 

「でもって《E・HERO ソリッドマン》召喚!効果で手札から《E・HERO ブレイズマン》を特殊召喚し、ブレイズマンの効果でデッキから《置換融合》をサーチ!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示 ATK 1300

E・HERO ブレイズマン 守備表示 DEF 1800

湊月 手札 6→4→5

 

「そのまま《置換融合》発動!ブレイズマンとソリッドマンで融合!」

 

E・HERO ソリッドマン E・HERO

E・HERO ブレイズマン 炎属性

 

「猛る魂、まさしくノヴァ!強く激しく燃え上がれ!融合召喚!《E・HERO ノヴァマスター》!」

 

E・HERO ノヴァマスター 攻撃表示 ATK 2600

湊月 手札 5→4

 

「魔法カードの効果で場から墓地へ送られたソリッドマンの効果だ。墓地のブレイズマンを守備表示で特殊召喚するぜ」

 

E・HERO ブレイズマン 守備表示 DEF 1800

 

今のうちに使っておこうかな。

 

「このタイミングで(トラップ)発動、《ワンダー・エクシーズ》!僕の場のモンスターでエクシーズ召喚をするよ!」

「スピードロイドってエクシーズもいんのか!?」

 

残念だけど、ちょっと違うんだよね…

 

「僕はレベル5のパッシングライダーと56プレーンでオーバーレイ!2体の機械族モンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

SRパッシングライダー レベル5 機械族

SR56プレーン レベル5 機械族

 

「爆炎とともに生まれし黒き機械竜の咆哮が轟く!ランク5、《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 攻撃表示 ATK 2100

 

「うぉい!!それサイバー・ドラゴンのエクシーズじゃねぇか!!俺の期待を返せ!!」

「あはは、ごめんね…スピードロイドにエクシーズモンスターはいないんだ…」

「ちぇっ、まぁいいぜ。そのままバトルだ!ノヴァマスター、サイバー・ドラゴン・ノヴァに攻撃!」

「湊月君、僕がノヴァしか持ってないと思う?」

「…おいちょっと待てまさか…」

「2枚目の《ワンダー・エクシーズ》!サイバー・ドラゴン・ノヴァでオーバーレイネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

「だよなぁ!!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 固有名称指定

 

「無限を描きし機械龍よ、夢幻の世界の扉を開け!ランク6、《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃表示

ATK 2100

 

「てんめぇ許さねぇぞこんにゃろ!」

「知らないよ。インフィニティの攻撃力は、自身のエクシーズ素材(オーバーレイユニット)の数×200ポイントアップするよ。今は3つだから、600アップ!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ ATK 2100→2700

 

「うぐぉ、超えられた。攻撃中断してメイン2だ。カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

湊月

モンスター ノヴァマスター(攻撃表示) ブレイズマン(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 増援 ソリッドマン 置換融合

手札 2

デッキ 32

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

「じゃあインフィニティの効果でノヴァマスターをエクシーズ素材に(モグモグ)するね」

「モグモグ言うな!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ユニット 3→4

ATK 2700→2900

 

「ったく…なんでそんな高額カード持ってんだよお前は…」

「超が幾つ付いても足りないくらいなレアカード持ってる湊月君に言われたくないよ」

「はは、言うじゃねぇか」

「バトルフェイズ。インフィニティでブレイズマンに攻撃。エヴォリューション・インフィニティ・バースト!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ ATK 2900

E・HERO ブレイズマン DEF 1800

 

「ちっ、だが俺のモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られたため、《ヒーロー・シグナル》発動!デッキから《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚だ!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 守備表示 DEF 1500

 

「シャドー・ミストの効果でデッキから《マスク・チェンジ》を手札に加えるぜ」

「いいよ、その効果は通すよ」

 

湊月 手札 2→3

 

「僕はこれでターン終了かな」

 

濡羽

モンスター インフィニティ(ユニット4 内1は相手)(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 ワンダー・エクシーズ×2

手札 1

デッキ 34

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローだ!」

 

湊月 手札 3→4

 

さて、湊月君はこの盤面をどう制するのかな。

 

「《マスク・チェンジ》!どうする、止めるか?」

「止めるよ。インフィニティの効果!素材のノヴァマスターを剥いでその効果を無効にして破壊するよ!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ユニット 4→3

ATK 2900→2700

湊月 手札 4→3

 

「なら突破法はこれだな!《融合》!手札のエアーマンと場のシャドー・ミストで融合!」

 

E・HERO エアーマン E・HERO

E・HERO シャドー・ミスト 闇属性

 

「その黒きは永久(とこしえ)エスクリダオ()!未来永劫闇夜で包め!融合召喚!《E・HERO エスクリダオ》!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻撃表示 ATK 2500

湊月 手札 3→1

 

「墓地に送られたシャドー・ミストの効果でデッキから《E・HERO バブルマン》をサーチするぜ」

 

湊月 手札 1→2

 

「エスクリダオの効果。こいつの攻撃力は、墓地のE・HEROの数×100ポイントアップする。今は墓地に5体いるから500ポイントアップだ!ダーク コンセントレイション!」

 

E・HERO エスクリダオ ATK 2500→3000

 

「うわぁ、攻撃力3000…というか、やっぱり属性HERO全部入りなんだね」

「モチのロンだぜ!つーわけでバトル!エスクリダオでインフィニティに攻撃だ!Dark(ダーク) diffusion(ディフュージョン)!」

 

E・HERO エスクリダオ ATK 3000

サイバー・ドラゴン・インフィニティ ATK 2700

3000-2700=300

濡羽 LP 8000→7700

 

「くうっ!」

「俺はこれでターン終了だ」

 

湊月

モンスター エスクリダオ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 増援 ソリッドマン 置換融合 ノヴァマスター ブレイズマン ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ シャドー・ミスト エアーマン 融合

手札 2

デッキ 29

LP 8000

 

 

☪︎

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 1→2

 

うっし、先制パンチは決まったからな。こっから濡羽がどう動くか気になるぜ。

 

「このスタンバイフェイズ、手札の《SRビードロ・ドクロ》を特殊召喚するよ」

 

SRビードロ・ドクロ 攻撃表示 ATK 0

濡羽 手札 2→1

 

「ちょ待て、なんで出てきたお前」

「ビードロ・ドクロは、相手の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターがいるなら、お互いのスタンバイフェイズ時に手札から特殊召喚出来るんだよ」

 

割と緩い…のか?よく分かんねぇけど、俺のバブルマンよりは緩いな。

 

「で、バトルフェイズに入るよ。ビードロ・ドクロで自爆特攻だぁ!」

「はぁっ!?」

 

SRビードロ・ドクロ ATK 0

E・HERO エスクリダオ ATK 3000

0-3000=-3000

 

「ビードロ・ドクロの戦闘で発生する僕へのダメージは代わりに相手が受けるよ!」

「んなっ!!」

 

SRビードロ・ドクロ ダメージ反射

湊月 LP 8000→5000

 

こんな急に3000も持ってくか普通!?

 

「メイン2に入るよ。僕の場にモンスターがいないから、手札の《SRベイゴマックス》を特殊召喚するよ」

 

SRベイゴマックス 攻撃表示 ATK 1200

濡羽 手札 1→0

 

「その効果でデッキから《SRタケトンボーグ》をサーチして、そのまま特殊召喚!」

 

SRタケトンボーグ 守備表示 DEF 1200

濡羽 手札 0→1→0

 

前にも見たなこの動き。もしかしてこれ、スピードロイドの強ぇ動きなのか?

 

「タケトンボーグをリリースして効果発動。デッキから《SR赤目のダイス》を特殊召喚するよ。そして効果。ベイゴマックスをレベル6にするね。レベル6となったのベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!」

 

SRベイゴマックス レベル6 風属性

SR赤目のダイス レベル1 チューナー

6+1=7

レベル7シンクロ

 

「結晶の名を持つ疾風の竜よ。次元の壁を越え、天地を裂きて現れよ!シンクロ召喚!《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

 

うげ、いつもの。

 

「僕はこれでターン終了だよ」

 

濡羽

モンスター ファスト・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 ワンダー・エクシーズ×2 パッシングライダー 56プレーン ノヴァ インフィニティ ビードロ・ドクロ タケトンボーグ ベイゴマックス 赤目のダイス

手札 0

デッキ 31

LP 7700

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 2→3

 

さぁて、3000ダメージの借りはきっちり返すぜ!

 

「墓地の《置換融合》を除外して効果発動だ!ノヴァマスターをエクストラデッキに戻して1枚ドローするぜ!」

 

湊月 手札 3→4

E・HERO エスクリダオ ATK 3000→2900

 

「そして伏せていた《ブレイクスルー・スキル》を発動だ!ファスト・ドラゴンの効果を無効にするぜ!」

「くっ、チェーンしてファストの効果!エスクリダオの攻撃力を0にして、効果を無効にする!」

 

E・HERO エスクリダオ ATK 2900→0

 

これで厄介な効果は使わせたぜ!

 

「俺は最後の《融合》を発動するぜ!場のエスクリダオと手札のフォレストマン、オーシャンを融合!」

 

E・HERO エスクリダオ E・HERO

E・HERO フォレストマン E・HERO

E・HERO オーシャン E・HERO

 

「その鼓動はCoreの如く力強く、マグマの如く熱く滾る!さぁ、今こそ目覚めの時だ!融合召喚!《E・HERO Core》!」

 

E・HERO Core 攻撃表示 ATK 2700

湊月 手札 4→1

 

「攻撃力2700…ファストを超えてきたね」

「バトルだ!Coreでファスト・ドラゴンに攻撃!エレクトロマグネティックインダクション!長ぇ、噛む!」

「最後余計じゃない!?」

 

E・HERO Core ATK 2700

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ATK 2500

2700-2500=200

濡羽 LP 7700→7500

 

「くっ…けど破壊されたファストの効果!自身をペンデュラムゾーンに置くよ!」

「そんな効果があんのか!まぁ俺はこれでターン終了だぜ」

 

湊月

モンスター Core(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 増援 ソリッドマン ブレイズマン ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ シャドー・ミスト エアーマン 融合×2 エスクリダオ オーシャン フォレストマン ブレスル

除外 置換融合

手札 1

デッキ 27

LP 5000

 

 

「僕のターン、ドローっ!」

 

濡羽 手札 0→1

 

さて、濡羽はどう返して来るんだ?

 

「…引けなきゃそれまでってことで!《貪欲で強欲な壺》!10枚を裏向きで除外して2枚ドローするよ!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「…湊月君、とっておきの秘策を見せてあげる!これがスピードロイドの切り札さ!」

 

なんだ、なにが来る…!

 

「《サイバネティック・フュージョン・サポート》!ライフ半分をコストに、僕はこのターン、墓地のモンスターを素材に機械族を融合召喚できる!」

 

濡羽 LP 7500→3250

手札 2→1

 

「…おいちょっと待て」

「《パワー・ボンド》発動!墓地のパッシングライダー、56プレーン、ビードロ・ドクロ、タケトンボーグ、赤目のダイスの5体で機械族融合モンスターを融合召喚するよ!」

 

SRパッシングライダー ロイド 機械族

SR56プレーン ロイド 機械族

SRビードロ・ドクロ ロイド 機械族

SRタケトンボーグ ロイド 機械族

SR赤目のダイス ロイド 機械族

 

「調律の世界に生きる機械達はひとつに溶け合うことを選ぶ。その先にあるのは、新たな力の覚醒!融合召喚!《極戦機王ヴァルバロイド》!」

 

極戦機王ヴァルバロイド 攻撃表示 ATK 4000

濡羽 手札 1→0

 

「くぉら濡羽っ!そいつの素材は『ロイドと名のついた機械族モンスター×5』!ロイドデッキの切り札だろーがっ!!」

「スピード『ロイド』だもん!機械族だもん!ロイドカテゴリに入ってるもん!出したって問題ないでしょ!」

「だーっ!もういいわ!処理続けろ!」

「言われなくてもするよ!パワー・ボンドで融合召喚した機械族融合モンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップし、ターン終了時にアップした攻撃力分のダメージを受けるよ」

 

極戦機王ヴァルバロイド ATK 4000→8000

 

 

「面倒だから使っとくぜ!《エフェクト・ヴェーラー》を捨てて効果を無効だ!」

 

湊月 手札 1→0

 

これでバーンもねぇし、厄介な2連続攻撃もねぇ。何とかなるぜ

 

「酷い…でもバトル!ヴァルバロイドでCoreに攻撃!」

「Coreが攻撃された時、攻撃力を倍にするぜ!」

 

極戦機王ヴァルバロイド ATK 8000

E・HERO Core ATK 2700→5400

8000-5400=2600

 

湊月 LP 5000→2400

 

「Coreが破壊された時、墓地のE・HERO融合モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚するぜ!復活しろ、エスクリダオ!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻撃表示 ATK 2500→3200

 

「ヴァルバロイドの効果も発動するよ。相手モンスターを破壊したため、1000ポイントのダメージだよ」

「いや使えねぇぞ!?」

「あ、バレた?メイン2。《貪欲な瓶》を発動するよ。墓地のノヴァ、インフィニティ、2枚のワンダー・エクシーズ、ベイゴマックスをデッキに戻して1枚ドローするね」

 

濡羽 手札 0→1

 

「このエンドフェイズ、僕はパワー・ボンドの効果で4000ダメージを受ける。けど手札から《ハネワタ》を捨てることで効果ダメージを0にするよ。僕はこれでターン終了」

 

濡羽

モンスター ヴァルバロイド(攻撃表示)

魔法・罠 なし

ペンデュラム ファスト・ドラゴン

墓地 貪欲な瓶 強欲で貪欲 フュージョン・サポート パワー・ボンド ハネワタ

除外 裏向き10 パッシングライダー 56プレーン ビードロ・ドクロ タケトンボーグ 赤目のダイス

手札 0

デッキ 19

LP 3250

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 0→1

 

「くっそー、どーすっかねぇ。まぁこれっきゃねぇか。《貪欲な壺》だ。墓地のシャドミ、エアーマン、ソリッドマン、ブレイズマン、Coreを戻して2枚引くぜ」

 

湊月 手札 1→0→2

E・HERO エスクリダオ ATK 3200→2700

 

「いいもん引いたぜ!《最強の盾》!エスクリダオの攻撃力は、その守備力分アップする!」

 

E・HERO エスクリダオ ATK 2700→4700

湊月 手札 2→1

 

「バトルだ!エスクリダオでヴァルバロイドに攻撃!」

 

E・HERO エスクリダオ ATK 4700

極戦機王ヴァルバロイド ATK 4000

4700-4000=700

濡羽 LP 3250→2550

 

「うぐっ…くぅ、ヴァルバロイドが突破されちゃったかぁ」

「俺はこれでターンエンドだ」

 

湊月

モンスター エスクリダオ(攻撃表示)

魔法・罠 最強の盾

墓地 増援 ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ 融合×2 オーシャン フォレストマン ブレスル ヴェーラー

除外 置換融合

手札 1

デッキ 28

LP 2400

 

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

うーむ…ヴァルバロイドが倒されちゃったのが痛いなぁ…

 

「…これっきゃないかなぁ。《ブラック・ホール》発動だよ」

「雑かっ!!」

 

濡羽 手札 1→0

 

「ターン終了で」

 

濡羽

モンスター なし

魔法・罠 なし

ペンデュラム ファスト・ドラゴン

墓地 貪欲な瓶 強欲で貪欲 フュージョン・サポート パワー・ボンド ハネワタ ヴァルバロイド ブラック・ホール

除外 裏向き10 パッシングライダー 56プレーン ビードロ・ドクロ タケトンボーグ 赤目のダイス

手札 0

デッキ 18

LP 2550

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 1→2

 

「…カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

湊月君も手札事故!?

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 なし

墓地 増援 ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ 融合×2 オーシャン フォレストマン ブレスル ヴェーラー エスクリダオ 最強の盾

除外 置換融合

手札 1

デッキ 27

LP 2400

 

 

「僕のターン、ドローだよ」

 

濡羽 手札 0→1

 

「…よし!《SRベイゴマックス》を特殊召喚だよ!その効果でデッキから《SR赤目のダイス》をサーチして、そのまま召喚!」

 

SRベイゴマックス 守備表示 DEF 600

SR赤目のダイス 攻撃表示 ATK 100

濡羽 手札 1→0

 

「赤目のダイスの効果でベイゴマックスをレベル6にするよ。そしてファストのペンデュラム効果!」

「どんな効果なんだ?」

「ファストのペンデュラム効果はね、合計レベルが7になるようにスピードロイドチューナーと非チューナーをリリースすることでペンデュラムゾーンから特殊召喚出来る効果なんだ!」

「はいぃ!?」

「次元シンクロ!《クリアウィング・ファスト・ドラゴン》!」

『久しぶりのペンデュラム効果ですよ!!』

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

 

「バトルフェイズ、ファストでダイレクトアタック!」

「このときを待ってたぜ!頼んだ相棒!《EM(エンタメイト)クリボーダー》の効果発動だ!相手のダイレクトアタック宣言時、手札のこのカードを特殊召喚し、攻撃対象を移し替える!さらにこの戦闘でのダメージはライフゲインとなる!」

『クリクリ!』

 

EMクリボーダー 攻撃表示 ATK 300

湊月 手札 1→0

 

久しぶりに来たね、湊月君の精霊。可愛いから、出来れば攻撃したくないよぅ…

 

「…仕方ないね、ファストでクリボーダーに攻撃!」

『テーブルデュエルとはいえごめんなさいクリボーダーさぁん!!』

『クリリィ!?』

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ATK 2500

EMクリボーダー ATK 300

2500-300=2200

EMクリボーダー ライフゲイン

湊月 LP 2400→4600

 

「このバトルフェイズ終了時、伏せてあった《奇跡の残照》を発動するぜ!墓地から相棒を蘇生だ!」

 

EMクリボーダー 守備表示 DEF 200

「良かったぁ…僕はこれでターン終了だよ」

「なにが良かったのか分かんねぇわ」

 

濡羽

モンスター ファスト・ドラゴン

魔法・罠 なし

墓地 貪欲な瓶 強欲で貪欲 フュージョン・サポート パワー・ボンド ハネワタ ヴァルバロイド ブラック・ホール ベイゴマックス 赤目のダイス

除外 裏向き10 パッシングライダー 56プレーン ビードロ・ドクロ タケトンボーグ 赤目のダイス

手札 0

デッキ 16

LP 2550

 

 

「まぁいいか。俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 0→1

 

「《エネミー・コントローラー》!クリボーダーをリリースしてファストのコントロールを得るぜ!」

「えちょ!!」

『クリィ!!!』

『ヌレハ〜!!』

 

ファストを盗らないでぇ!!というか相棒リリースするのぉ!?

 

「んでもってそのままファスト・ドラゴンで攻撃だぜ!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン ダイレクトアタック

ATK 2500

濡羽 LP 2550→50

 

「うわ、超鉄壁…」

「ターン終了だ。ファストは返すぜ」

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 なし

墓地 増援 ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ 融合×2 オーシャン フォレストマン ブレスル ヴェーラー エスクリダオ 最強の盾 クリボーダー 残照 エネコン

除外 置換融合

手札 0

デッキ 26

LP 4600

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「来た!《SR-OMKガム》召喚!レベル7のクリアウィング・ファスト・ドラゴンにレベル1のOMKガムをチューニング!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン レベル7

SR-OMKガム レベル1 チューナー

 

「久しぶりにご登場願います!《スターダスト・ドラゴン》!」

『うぉっしゃぁぁぁぁ!!!!!』

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

濡羽 手札 1→0

 

「OMKガムの効果でデッキトップを落として、それがスピードロイドであればシンクロ召喚したスターダストの攻撃力は1000ポイントアップするよ。墓地に送られたのは…《SRバンブー・ホース》!攻撃力1000アップ!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK 2500→3500

 

「スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック!シューティング・ソニック!」

『しゃおらぁくらえぇ!!』

 

スターダスト・ドラゴン ダイレクトアタック

ATK 3500

湊月 LP 4600→1100

 

久しぶりに出てきて攻撃も決めれて、スターダスト、嬉しそうだね。今後はもうちょっと出したげよ…

 

「僕はこれでターン終了だよ」

 

濡羽

モンスター スターダスト

魔法・罠 なし

墓地 貪欲な瓶 強欲で貪欲 フュージョン・サポート パワー・ボンド ハネワタ ヴァルバロイド ブラック・ホール ベイゴマックス 赤目のダイス OMKガム バンブー・ホース

除外 裏向き10 パッシングライダー 56プレーン ビードロ・ドクロ タケトンボーグ 赤目のダイス

手札 0

デッキ 14

LP 50

 

 

「俺のターン、ドローするぜ!」

 

湊月 手札 0→1

 

「ちっ、流石にもう打つ手なしだぜ。ターン終了だ」

 

湊月

モンスター なし

魔法・罠 なし

墓地 増援 ヒーロー・シグナル マスク・チェンジ 融合×2 オーシャン フォレストマン ブレスル ヴェーラー エスクリダオ 最強の盾 クリボーダー 残照 エネコン

除外 置換融合

手札 1

デッキ 25

LP 1100

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

「スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

スターダスト・ドラゴン ダイレクトアタック

ATK 3500

湊月 LP 1100→-2400

 

「だーっ、負けた負けた!またやろうぜ!」

「うん、今度はデュエルディスクを使ってやろうね!」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽

 

※時間が夜のため、今回の彼らのセリフは全て小声です。




という訳で濡羽君の勝利です。

ノヴァとインフィニティは普通に入っていてもおかしくは無いでしょうけど、ヴァルバロイドは分かりません。

そして湊月君の精霊が分かりましたね。クリボーダーは初めから入っていましたけど、出す機会がなかっただけです、はい。

次回は普通の会話パートとなります。

ではでは。

(ヴェーラーのタイミング間違えてたので直しました)


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三十三枚目:初日の日常

会話パート、サブタイは最早中身とあまり関係ないかもしれません。本文よりこっちが難題です。

では早速本編へ。


 

「くかー…すぴー…」

『クリィ…クリリ…』

 

あの後すぐに湊月君は寝てしまった。クリボーダーも寄り添うように寝ている。僕と緑葉さん以外に見えないからいいものの、もし実体化して同じことをしていたらと思うと、少し怖いよ。誰かに見られでもしたらどうするのかな…

 

「…はぁ…湊月君の部屋に運んであげなきゃね…」

『ミツキさんの部屋はどこなんですか?』

『ヌレハ、知ってるの?』

「当然。2部屋先だよ」

 

僕が湊月君を運ぼうとしたけど、流石に僕1人で運ぶのは無理だったからライズベルトに手伝ってもらった。頭にクリボーダー乗せてるの面白かったなぁ。

湊月君を部屋に運んだ後、僕らは自分の部屋に戻って寝たよ。割とぐっすり寝られたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日は、夏休み初日の土曜日。食卓でみんなの予定を龍凪さんが確認していた。

 

「今日はみんなはどうするの?僕は仕事があるけど」

「…私は優姫と小春と買い物に行くわ」

「そうですね。旅行に行くのであれば、色々と必要なものがありますから」

「だもんね〜♪」

「俺は今日は櫂と会う約束してるぜ。あいつ、時械神デッキを組み直したらしいからな、楽しみだぜ!」

「僕は特に予定はありませんよ」

 

星風くんからは、殆ど予定らしいものを聞かないわね。本人が言うように、龍凪さんに予定を崩されるから立ててないのかしら。

 

「濡羽くんも買い物に行ったらどうかな?水着、持ってないでしょ?」

「そりゃ海とかプールに行きませんからね、僕」

「じゃあ一緒に買いに行こ!うん、決定♪」

「なんで決定されたのかな?」

「じゃあ行ってらっしゃい」

「柊真さんまでっ!?」

「見た目女子グループだから大丈夫だろ」

「大丈夫じゃないからね!?僕男子だからね!?」

 

…よく考えたら星風くんってほぼツッコミ役よね。疲れないのかしら。

 

『そう思うのならフウカもツッコミ役に回ってはどうだ?』

『あ、それは僕も思ったな』

『フウカがツッコミ役って想像できないよ〜』

 

私も想像できないわ。せめて湊月君がツッコミ役になるかしらね。

 

「それじゃあ今日はみんな外に出るんだね」

「あ、はい、そうですね…」

「じゃ、俺はもう行くわ。そろそろ待ち合わせの時間だからな」

「行ってらっしゃ〜い、湊月っち〜」

「私達はもう少しゆっくりしてから行きましょうか」

「…そうね」

 

急に予定の出来た星風くんの準備もあるだろうし、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

待ち合わせ場所であった公園に行くと、既に櫂は来ていた。

 

「わりぃ櫂、待たせたか?」

「そうでも無いっすよ。寝てたんで」

「いや公園で寝んなよ!!酔っぱらいのおっさんかお前は!!つか何時起きだ!?」

「昨日は日の入りと共に寝て、今日は日の出と共に起きてここに来たっす!」

「爺さんか!爺さんなのかお前は!!」

「休みの日はいつもこうっすよ?」

「かんっぜんに爺さんだわお前!!」

 

だーっ、こいつといるとなんでかツッコミ役に回る気がする!!遠くで白い竜がガッツポーズした気がしたんだが、きっと気のせいだな。

 

「それより早くデュエルしましょうよ!」

「いやまずは移動だろ。人目のある公園(こんな場所)でやれるかっての」

 

というのも、何の因果か柊真さんトコに住まわせてもらっている俺達5人は、割と人前に出るのが苦手だったりする。濡羽はその容姿を見られるのが苦手なんだと。小春は確か、アレであがり症らしいな。イベント事の司会なんかは務まらないって威張ってたな。俺は視線が集まるのが苦手なんだ。何か気味わりぃからな。緑葉さんと神名さんは家柄が家柄だから、他人からの視線が嫌らしい。濡羽は2人の家の事とか知らないだろうけどな。濡羽だし(謎の信頼感)。

 

「確かに、ここはデュエルスペース無いっすもんね。ここでデュエルするのは難しいっすか…」

 

おお、見事な曲解。まぁいちいち説明する手間が省けて楽だわ。

 

「そういうこった。ほれ、行くぞ」

「うぃっす」

 

 

 

 

 

 

というわけで、俺達はデュエルのできる場所に移動した。

 

「ここって…」

「やっぱここに来るんだよなぁ、『プリズム』に」

 

ここら辺でデュエルできる場所って言われたらここになるんだよなぁ。

 

「あ、湊月君。ここに来たんだね」

「柊真さん、もう出勤してたんすね」

「あの後すぐにね。僕はこれでも免許持ってるから、君よりは速いよ」

「徒歩と比べんなっ!」

 

スピードで車に勝てる人間いねぇだろ…いたらそいつは人間じゃねぇ。

 

「つか、デュエルスペース空いてます?」

「全然空いてるよ。やっぱりデュエルしに来たんだね」

「モチのロン!」

 

俺は櫂を伴って奥のデュエルスペースに向かった。

 

「よし、ここでならデュエルできるな!」

「それより、今の人との関係が気になるんすけど」

「あぁ、柊真さんだ。俺の保護者的な人だぜ。今はあの人んとこに下宿してんだよ」

「そうなんすね。普通に敬語なのにツッコむ時だけタメなの気になったっすけど」

 

それは言わんといてくれ。敬語でツッコむのは何か違うじゃん?

 

「ま、それよりデュエルだろ!」

「そうっすね。俺から頼んだ訳ですし、とことん付き合ってもらいますよ!」

「おぉさ!」

「「決闘(デュエル)!!」」




次回は湊月君vs櫂君、2戦目です。
前回と変わったらしい時械神、楽しみにしていてください。前回みたいなミスはしません。

ではでは。


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三十四枚目:時の神vs英雄 二戦目

2度目の櫂vs湊月です。

前回から少し変わった櫂君のデッキに、湊月君はどう立ち向かうのでしょうか。

ミスがないことを祈りつつ本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 新時櫂

後攻 西条湊月

 

デュエル開始

 

☪︎

 

「先攻は貰うっす!場にモンスターがいないため、手札から《時械巫女》を特殊召喚!」

 

時械巫女 守備表示 DEF 0

櫂 手札 5→4

 

「さらに《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》を発動する!」

 

櫂 手札 4→3

 

「リチューアル・チャーチ…前は見なかったカードだな…」

「んで、巫女の効果。自身をリリースして、デッキから攻撃力0の時械神を持ってくるぜ。《時械神ハイロン》をサーチする!」

 

櫂 手札 3→4

 

「場にモンスターがいないため、《時械神ザフィオン》をリリース無しで召喚!」

 

櫂 手札 4→3

 

「《アドバンスドロー》発動!ザフィオンをリリースして2ドロー!さらにザフィオンが墓地へ送られたから1枚ドロー!」

 

櫂 手札 3→2→5

 

展開早くね!?ガン回りか!!

 

「カードを2枚伏せてターンエンドっすよ!」

 

モンスター なし

魔法・罠 伏せ2

フィールド リチューアル・チャーチ

墓地 時械巫女 ザフィオン アドバンスドロー

手札 3

デッキ 31

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローだ!」

 

湊月 手札 5→6

 

あいつの伏せは2枚、手札は3枚。内1枚はさっきのハイロンだから、分かってねぇのは2枚か。さぁて、どうすっか。

 

「俺は手札から《E・HERO ソリッドマン》を召喚!その効果で手札から《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚する!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示 ATK 1300

E・HERO シャドー・ミスト 守備表示 DEF 1500

湊月 手札 6→4

 

「うわ、嫌な予感しかしないんすけど」

「シャドー・ミストの効果でデッキから《マスク・チェンジ》をサーチだ!」

 

湊月 手札 4→5

 

「さっさと止めねぇと荒れるぜ!《融合》!場のソリッドマンと手札のエアーマンを融合!」

 

E・HERO ソリッドマン E・HERO

E・HERO エアーマン 風属性

 

「突き抜ける嵐は即ちTORNADO!強く激しく、更に荒ぶれ!融合召喚!《E・HERO GreatTORNADO》!」

 

E・HERO GreatTORNADO(グレイトトルネード) 攻撃表示 ATK 2800

湊月 手札 5→3

 

「魔法カードの効果で墓地へ送られたソリッドマンの効果!墓地のエアーマンを守備表示で特殊召喚!」

 

E・HERO エアーマン 守備表示 DEF 300

 

「エアーマンの効果!場にTORNADOとシャドー・ミストがいるから、その伏せ2枚貰ってくぜ!!」

「チェーンして《虚無城アイン》発動!場にある限り1度だけ、相手の効果では破壊されない!」

「だがもう1枚は貰ってくぜ!」

 

エアーマンが破壊したのはミラーフォースだった。いやぁ、ミラフォ先生は仕事しねぇな。あ、破壊されんのが仕事か。

 

「バトルだ!俺はTORNADOでダイレクトアタック!タウンバースト!」

「《速攻のかかし》を捨ててダイレクトアタックを無効にしてバトルフェイズを終了だ!」

 

TORNADOの起こした竜巻はジェットエンジンを噴射しながら飛んできたかかしに防がれた。うーんこの。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

湊月

モンスター TORNADO(攻撃表示) シャドミ エアーマン(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 ソリッドマン 融合

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

櫂 手札 2→3

 

「《時械神ハイロン》を召喚!」

 

時械神ハイロン 攻撃表示 ATK 0

櫂 手札 3→2

 

「アインの効果!手札から《時械神ミチオン》を捨てて1枚ドローする!」

 

櫂 手札 2→1→2

 

「カードを1枚伏せてバトル!」

「させねぇよ!《威嚇する咆哮》!バトルフェイズは行えねぇ!」

「なぁっ!?」

「時械神は殴らせなきゃ良いだけだからな!」

「くっそー、ターンエンド!」

 

モンスター ハイロン

魔法・罠 伏せ1 アイン

フィールド リチューアル・チャーチ

墓地 時械巫女 ザフィオン アドバンスドロー ミラフォ 速攻のかかし ミチオン

手札 1

デッキ 29

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 2→3

 

ここはどーするべきか…なんて悩む暇あるなら動くべし!

 

「このスタンバイフェイズ、アインの効果!手札から《時械神ガブリオン》を墓地へ送り1枚ドロー!」

 

櫂 手札 1→0→1

 

「構わねぇさ。《E・HERO エアーマン》召喚!効果でその伏せとアインを貰ってくぞ!」

「チェーンしてアインを墓地へ送り《無限械アイン・ソフ》発動!こいつはターンに1度破壊されねぇ!」

 

やっぱそれかよ!!お前引き強すぎんだよ!!

 

「そしてその効果を発動!墓地から《時械神ミチオン》を特殊召喚!」

 

時械神ミチオン 攻撃表示 ATK 0

 

「ミチオン…ライフ半減のカードだったな。だったら殴らなきゃいいんだ!開け、英傑を導くサーキット!召喚条件は『HEROモンスター2体以上』!俺は2体のエアーマンとTORNADOをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク3、《X・HERO ドレッドバスター》!」

 

X・HERO ドレッドバスター リンク3 ↙ ↓ ↘

ATK 2500

 

「さぁて…時械神にはこいつだよな!《マスク・チェンジ》!シャドー・ミストを墓地に送ることで、シャドー・ミストと同じ属性のM・HEROを特殊召喚する!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 闇属性

 

「纏いし仮面は闇の証!鬼の力、闇夜に映える!変身召喚!《M・HERO 闇鬼》!」

 

M・HERO 闇鬼 攻撃表示 ATK 2800

湊月 手札 3→2

 

「墓地に落ちたシャドミの効果でデッキから《E・HERO オネスティ・ネオス》をサーチだ」

 

湊月 手札 2→3

 

「ドレッドバスターの効果だ。このカードとこのカードのリンク先のHEROの攻撃力は、墓地のHEROの種類×100ポイントアップするぜ。墓地のHEROは4種類。よって400アップだ」

 

ドレッドバスターが自身と闇鬼に、腕の注射器をぶっ刺して謎の薬品を注入した。それによって2体とも強化されたんだが…あれっていわゆる…いや、黙っとこう。

 

X・HERO ドレッドバスター ATK 2500→2900

M・HERO 闇鬼 ATK 2800→3200

 

「バトルフェイズ!闇鬼でダイレクトアタックだ!暗影乱擊!」

「えっ!?俺の場にはミチオンとハイロンがいるんすよ!?」

「闇鬼は、与えるダメージが半分になる代わりにダイレクトアタック出来んだよ!」

「そんな効果が…!」

「さらにこのダメージステップ!《E・HERO オネスティ・ネオス》と《禁じられた聖杯》の効果発動だ!聖杯の効果で攻撃400アップする代わりに効果を無効に、オネスティ・ネオスの効果で攻撃力2500アップ!更に墓地にHEROの種類が増えたため、攻撃が100アップ!合計3000アップだ!」

 

闇鬼の黒さがより一層深くなり、背に白い翼が生えた。そしてミチオンとラツィオンを飛び越え、櫂に直接攻撃を食らわせた。

 

M・HERO 闇鬼 ダイレクトアタック ATK 3200→6200

櫂 LP 8000→1800

 

湊月 手札 3→1

 

「痛ぁ!!ってか、なんで6200そのまま!?」

「ダメステに聖杯使ったからだ。バトルフェイズに使ってたらダイレクトアタック自体出来なかったが、ダメステに使ったらダメージ半減だけが無効化されんだよ。ダイレクトアタックしてるっつー情報は消えねぇからな」

「…なんかめんどくさいっすね」

「諦めろ。俺はこれでターンエンドだ。このエンドフェイズ、闇鬼の攻撃力は元に戻るぜ。あ、ドレッドバスターの攻撃力も100上がってるからな」

 

M・HERO 闇鬼 ATK 6200→3300

X・HERO ドレッドバスター ATK 2900→3000

 

湊月

モンスター ドレッドバスター 闇鬼(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 ソリッドマン 融合 威嚇する咆哮 TORNADO エアーマン×2 マスク・チェンジ シャドミ オネスティ 聖杯

手札 1

デッキ 30

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローっす!」

 

櫂 手札 1→2

 

「このスタンバイフェイズ、時械神達はデッキに戻るっすよ」

 

ミチオンとハイロンは光の粒子となって櫂のデッキに帰っていった。まぁどーせまた出てくるんだろうがな。

 

「こうなりゃ荒れるだけっす!リチューアル・チャーチの効果!墓地のアドバンスドローをデッキに戻すことで墓地から戻した枚数分のレベルを持つ光属性・天使族モンスターを特殊召喚する!甦れ《時械巫女》!そしてそのままリリースすることでデッキから再びミチオンを手札に!」

 

櫂 手札 2→3

 

「カードを1枚伏せて《王家の神殿》を発動!その効果でさっき伏せたカードを発動する!アイン・ソフを墓地へ送って《無限光アイン・ソフ・オウル》を発動!」

 

櫂 手札 3→1

 

やっぱ揃えやがったこんにゃろう!!てかコレはやばくねぇか?

 

「アイン・ソフ・オウルの効果!手札・デッキ・墓地から時械神を召喚条件を無視して特殊召喚する!墓地から《時械神ガブリオン》、手札から《時械神ミチオン》、デッキから《時械神サンダイオン》!」

 

アイン・ソフ・オウルが輝くと、3体の時械神が現れた。やっぱ時械神並ぶと壮観だな…

 

時械神ガブリオン 攻撃表示 ATK 0

時械神ミチオン 攻撃表示 ATK 0

時械神サンダイオン 攻撃表示 ATK 4000

櫂 手札 1→0

 

「バトルフェイズ!ガブリオン、ミチオン、サンダイオンで闇鬼に攻撃!!!」

 

3体の時械神が一斉に闇鬼に攻撃を仕掛けた。ガブリオンとミチオンの攻撃は捌けたが、サンダイオンの攻撃だけはマトモに受けて弾け飛んでいた。サンダイオンだけ一回りデカいし、しゃーないか。

 

時械神ガブリオン ATK 0

時械神ミチオン ATK 0

時械神サンダイオン ATK 4000

M・HERO 闇鬼 ATK 3300

 

「くっ、すまねぇ闇鬼…だが墓地にHEROが増えたからドレッドバスターの攻撃力はまた上がるぜ」

 

X・HERO ドレッドバスター ATK 3000→3100

 

「ミチオン、ガブリオン、サンダイオンの順に効果を発動!ミチオンの効果でライフを半分に、ガブリオンの効果で相手の場のカードを全てデッキに戻し、サンダイオンの効果で2000バーンだ!」

 

ミチオンの炎に体を焼かれ、ガブリオンの渦にドレッドバスターが飲まれ、サンダイオンの雷に体を打たれた。やべぇ…精神的にきつい…

 

湊月 LP 8000→4000→2000

 

「メイン2。ガブリオンとミチオンでオーバーレイ!」

「…げっ、嫌な予感…」

「2体のレベル10モンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

時械神ミチオン レベル10

時械神ガブリオン レベル10

 

「その背に背負う弩級の砲撃で全てをぶっ壊せ!《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

DEF 3000

 

「グスタフの効果!エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を1つ使い、2000ダメージを与える!」

「《エフェクト・ヴェーラー》!グスタフの効果は使わせねぇぜ!」

「くっ…ターンエンド…」

 

モンスター サンダイオン(攻撃表示) グスタフ(守備表示)

魔法・罠 アイン・ソフ・オウル 神殿

フィールド リチューアル・チャーチ

墓地 時械巫女 ザフィオン ミラフォ 速攻のかかし ミチオン アイン アイン・ソフ

手札 0

デッキ 29

LP 1800

 

 

「俺のターン…」

 

俺の場も手札も0。残されたのはこのドローだけ。これで逆転のカードを引けなきゃキツイ…でも、行ける気がするぜ!

 

「ドローっ!」

 

湊月 手札 0→1

 

「…ふっ…ふふふっ、ふははっ!やっぱ最高だぜお前らっ!《ホープ・オブ・フィフス》!墓地のエアーマン、TORNADO、シャドミ、ソリッドマン、オネスティ・ネオスをデッキに戻して2枚ドローするが、手札と場にこれ1枚のため、3枚ドローするっ!」

 

湊月 手札 1→0→3

 

「《マスク・チャージ》!墓地のマスク・チェンジとエアーマンを手札に戻す!」

 

湊月 手札 3→2→4

 

「そして《E・HERO エアーマン》を召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻撃表示 ATK 1800

 

湊月 手札 4→3

 

「エアーマンの効果でデッキから再びオネスティ・ネオスを手札に!」

 

湊月 手札 3→4

 

「《マスク・チェンジ》!エアーマンを素材に変身召喚!」

 

E・HERO エアーマン 風属性

 

「纏いし仮面は風の証!突風よ、戦場を駆け抜けろ!《M・HERO ブラスト》!」

 

M・HERO ブラスト 攻撃表示 ATK 2200

湊月 手札 4→3

 

「ブラストの効果!グスタフの攻撃力を半減!」

「でも守備表示だから無意味っす!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

ATK 3000→1500

 

「ブラストの効果!1ターンに1度、500ライフを払うことで相手の魔法・罠カードを手札に戻す!アイン・ソフ・オウルを手札に戻せ!」

「うっ…破壊されなくてもバウンスには弱いんすよね…」

 

湊月 LP 2000→1500

 

よっし!これで暫くはアイン・ソフ・オウルは使えねぇ!

 

「バトル!ブラストでグスタフ・マックスに攻撃!この瞬間、手札のオネスティの効果!ブラストの攻撃力が2500アップ!」

 

M・HERO ブラスト ATK 2200→4700

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

DEF 3000

 

「くっ、グスタフ…!」

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

湊月

モンスター ブラスト(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 融合 威嚇する咆哮 聖杯 闇鬼 ホープ・オブ・フィフス マスク・チャージ エアーマン マスク・チェンジ オネスティ ヴェーラー

手札 1

デッキ 29

LP 1500

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

櫂 手札 1→2

 

「このスタンバイフェイズにサンダイオンはデッキに戻るっす。けどこれで終わりっすよ!カードを1枚伏せ、神殿の効果でそのままオープン!(トラップ)、《エクシーズ・リボーン》!墓地のグスタフを特殊召喚し、このカードを素材にする!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

攻撃表示 ATK 3000

 

櫂 手札 2→1

 

げっ…グスタフが蘇りやがった…

 

「そしてグスタフの効果!再び2000バーンでエンドっすよ!」

「2枚目のエフェクト・ヴェーラーなめんじゃねぇ!!ついでに500ライフ払ってリチューアル・チャーチ戻せやぁ!!」

 

湊月 LP 1500→1000

 

「くっ…ならバトル!グスタフ・マックスでブラストに攻撃!」

「櫂、これが本当のエンドカードだ!(トラップ)発動!《魔法の筒(マジック・シリンダー)》!」

「あっ、ひでっ」

「その攻撃を無効にし、3000ポイントのダメージだ!」

 

グスタフ・マックスの砲撃はブラストの前に現れた筒に吸い込まれ、もう片方の筒から打ち返された。さっきよりも速い速度で飛んでんだが…ムカデ砲か何かなのか、あの筒は?

 

魔法の筒 効果ダメージ 3000

櫂 LP 1800→-1200

 

「くぁーっ!やっぱゴールドに上がるような人は強いっすね!」

「いや、お前も充分強いぞ?」

 

ゲームエンド

WINNER 西条湊月




というわけで今回"も"湊月君の勝利です。
正直、闇鬼の効果が時械神に対して相性よすぎなんですよね。聖杯も使えば簡単にダメージ稼げますし。

そして時械神なんですが、とうとう使いましたグスタフ・マックス。まぁ決まりませんでしたけど。
時械巫女は不完全燃焼気味でした。効果を十全には活かせていませんね。そこはこれからの櫂君に期待します。してください。

ではでは。


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三十五枚目:買い物

会話パートです。ちょっとだけ湊月君がマトモ(?)なこと言います。

それでは本編へ。


☪︎

 

「どうでした?」

「リチューアル・チャーチとかグスタフが入ってたのは良かったと思うぜ。だがエクシーズ・リボーンはあんま良くねぇかな。時械神や時械巫女の召喚・特殊召喚条件が満たせねぇからな」

「あー…確かに、最後は時械巫女の墓地効果が使えなかったっすからね…」

 

まぁ正直、俺もホープ・オブ・フィフス引けなきゃどうなってたか分からねぇけどな。

 

「そのデッキは時械神だから、脇道に逸れずに時械神で攻めることを考えろ。それと今回みたいに、アイン・ソフ・オウルは破壊耐性はあってもバウンスには耐性がないからな。そこの穴を埋めるカードを入れたらどうだ?」

「うーん…汎用性考えたら神宣とかっすかね…」

「だな。あとはやっぱ墓地発動もできるブレスル使ってもいいかもな。アイン・ソフ・オウルにプロトコルみたいな効果あったらスキドレも視野に入ったんだがなぁ…」

 

流石にそこまで都合よくは無いんだよなぁ…

 

「プロトコル?なんすか、それ?」

「ん、あぁ。《オルターガイスト・プロトコル》だ。あいつにはオルターガイストの効果は無効にならないって効果があってな、スキドレと同時に発動してると、相手だけ無効化されて、自分のオルターガイストは普通に効果が使える状況が生まれるんだ」

「うっわぁ、酷い…」

「しかもオルターガイストってパーミッション系のデッキだからな。相当キツイぜ」

 

昔相手した時は絶望しかなかったぜ…ソリッドマン出しても効果使えず、融合しようにも無効化される。スキドレ割ろうにも、こっちも無効化だ。正直勝てる気がしねぇ…

 

「じゃあこのままここで使えそうなカード探してみるっす!」

「俺も色々見てぇから、別行動な」

 

そうして俺達は『プリズム』でカード探しを始めた。目下の問題は、展開阻止だな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃…

 

 

僕は今、緑葉さんと神名さん、小春の3人と一緒にショッピングモールに買い物に来ています。来ているんですが…

 

「なんで僕まで女性用の水着を見ないといけないんですかっ!!」

 

何故か女性用の水着を買いに来ています。いや、まぁ、4分の3は女性ですし、分かるんですよ…でも店内に僕がいる必要ありました?

 

「…君を1人にさせたら、勝手にどこかへ行くでしょう?」

「そうですね。実際、以前にも急に消えてしまわれた事がありましたよね。帰ってきたと思ったら暗い顔をしていましたし」

 

…あれは…まぁ…『女の子の声が聞こえたので異世界に行ってきました』、なんて言えないじゃないですか…精霊以上に信じられないよ…それに、誰にも言えないような経験(コト)、だったしね…

 

「聞いてる〜?濡羽っちは私達と一緒にいるんだよ〜♪」

「ねぇ…せめて向こうの男性用の水着を見させてよ…」

「…君が選ぶとしたら、グレーのフード付きラッシュガードでしょ」

「あれは…水着なのでしょうか…」

「ラッシュガード…?」

 

そもそも水着を着たことがないので(小学校と中学校の授業は全部見学してきました)、そこら辺はよく分かりませんね。

 

「上に羽織る水着だよ〜♪」

「…あながち間違ってはないわね」

「本来は、サーファーが擦り傷から身を守るために着ていたものですね」

 

…それってもしかして、水着の下に着るものなんじゃ…?

 

「グレーのパーカーがあれば1番ですけど…ないならそれで…」

「だから買ってあるよ〜♪」

「いつの間に!?というか今の会話の流れで買ってあるの!?」

 

なんか小春ってたまに妙なことするよね…しかも少し大きめのサイズだし…

 

「じゃあ濡羽っちの買い物は終わってるし〜」

「…向こうの女性服売場に行きましょうか」

「ですね。実は私達、前から星風さんに女性服を着せてみたいと思っていたんです」

「嘘でしょう!?」

 

僕が連れてこられた目的ってそれなの!?というか、神名さんはストッパー側だと思ってたのに!!

 

「それじゃ、レッツゴー!」

「十全に嫌だぁぁぁぁ!!!!!!」

 

結局、小一時間着せ替え人形にさせられました…

 

 

 

 

 

 

「もう嫌…今日は散々だよ…」

 

僕はさっきのお店から少し離れたところにあるベンチで項垂れていました。流石に…ね。

 

「…でも、私達は楽しかったわ」

「だね〜♪」

「普段できないような体験でしたね」

『…ちと思ったんだが…お前さん、もしかして結構不憫な立ち位置か?』

『もしかしなくてもヌレハは結構不憫な立ち位置ですよ』

 

精霊達は平常運転です。羨ましいよ…

そう思っていると、小春が何かに気付いたんだ。

 

「あれ…ねぇ濡羽っち、あれってさ〜、いわゆるナンパって奴だよね〜」

「どこ?…うん、あれはそうだと思うよ」

「…されてる方は困ってるみたいね」

 

まぁ、当然困りますよね。されて困らない人って相当少ないと思いますよ。

 

「助けますか?なんて、愚問ですよね」

「そうですね。小春、ちょっと手伝って」

「いいよ〜♪」

 

僕と小春はナンパされてる人を助けるために動く事にした。ま、やる事はよく見るアレなんだけどね。

 

「なぁ、良いじゃんかよ。俺らと一緒に行こうぜ?」

『……』

「いい加減無視すんのも寒いぞ?なんとか言えよ」

「あ〜、いた〜!」

『…?』

「すみません、その娘、僕達の友達なんですけど…」

「お借りしますね〜♪」

『…!?』

 

僕らはナンパされてた子を半ば無理やり連れ出した。小春のコミュ力あれば多分なんとかなると思ったんだよね。

 

「あ、ちょ、おい!」

「ほんとごめんね〜♪」

 

小春が女の子を連れて走っていくのと同時に、ベンチで待っていた緑葉さんと神名さんもこっちに来て一緒に走り去った。僕は…まぁ、みんなの荷物持って走りましたよ。えぇ、こんな時だけ男子扱いされるんですよねぇ…

 

 

 

 

 

「…まさか割と強引に連れ出すとは思わなかったわ…」

「ですね。もう少し上手く出来なかったのですか?」

「なんか…ごめんなさい…」

『ヌレハ、そんなことより!』

『ちょっとばかし信じたくねぇ状況なんだが…』

 

ライズベルトとスターダストが焦ってるんだけど…なにか変な状況なの?

 

「あはは〜、大丈夫だった〜?」

『…ありがとうございました』

「気にしなくていいよ」

『それで…その…』

「…どうかした?」

『あ、いえ…精霊が多いんだな〜、って』

「「「「…え、精霊見えるの?」」」」

『はい。というか…」

 

女の子は被っていた帽子を脱ぐと、こう続けた。

 

『実体化してるだけで、私も《閃刀姫-レイ》の精霊なので』

「…えっ」

「ええっ!?」

「そ〜なの!?」

「まさか…ですね…」

 

この時、僕と緑葉さんの精霊はみんなこう思ってたらしいんだ。

 

(いや、少なくともヌレハ(フウカ)は気付こう…?)




男の娘主人公にしようと決めた時から描きたかった女子の着せ替え人形にさせられる回。そして新しい精霊が現れました。ナンパされてたけど。
次回は少し趣向を変えて会話&デュエル回となります。

そして雑談。
とうとうヴレインズ終わりましたね。まさか遊作がフュリアス使うとは思いませんでした。しかもアクセスコード・トーカー…使いたいですね。ジ・アライバル・サイバース@イグニスターも。Ai君、なんだかんだ一番人間味がありましたね。けど最後…もしかして、全イグニス復活フラグですかね。だとしたら残り3体のカテゴリも出して欲しいです。
そして次は11期…でしたっけ。新しい召喚法、来るんでしょうか。新しい種族か属性は来そうですよね。個人的には風属性カテゴリが増えてくれるとありがたいですね。濡羽君と風華さんが強くなりますから。

ではでは。


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三十六枚目:戦姫vs竜騎士

会話を少し挟んでデュエル回、レイvs濡羽です。

初の精霊とのデュエル、濡羽君は勝てるでしょうか。
実は途中で少し手直しがあったのでどこか失敗してそうだと思ってる小心者。

それでは本編。


 

あの後すぐ、私達は近くのファストフード店に入ってレイから話を聞く事にした。

 

「へぇ〜…精霊になったのって数ヶ月前なんだね〜」

『はい。でも周りに他に精霊がいなくて霊化する方法がわからず、ずっと実体化したままだったんです…』

「…私達のところには精霊は沢山いるから、色々聞くといいよ」

『ありがとうございます、そうさせてもらいますね』

 

うん、やっぱりこの子はイラスト通り、生真面目な子みたいね。でも、隣にいる彼がちょっと気になるわね…

 

「星風さん、レイさんとデュエルしたいと思ってませんか?」

「えっ…なんで分かったんですか?」

「…そんなにソワソワしてたらすぐ分かるわよ。デュエルを始めた頃の優姫もそうだったから」

「風華、それは言わないでくださいよ」

 

あの頃の優姫は挙動不審だったんだもの、言いたくなるわ。

 

「それで…レイさん、お願い出来ますか?」

『良いですよ。でも、流石にここじゃ出来ないですよね』

「あ、それなら家に帰ろ〜♪」

『…えっと、どなたのお宅に?』

「…全員よ」

「色々事情がありまして、私達は一緒に暮らしているんです」

『えぇっ!?』

 

まぁ、初めて聞いたら驚くわよね。もう1人いるって知ったらどんな反応するのかしらね。

 

「じゃあ帰りますか?僕としてはプリズムの方でやってもいいんですけど」

「…荷物があるから、ね」

「なるほど、納得しました」

 

そんなわけで、私達はレイを連れて帰ることになった。さすがに荷物はみんなで分けて持って帰ったわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰った僕達は、まず荷物を各々の部屋に置いてきた。家だと精霊達はみんな出てこれるから、待ってる時間はレイさんと談笑してたみたい。みんなすごく楽しそうだったよ。

 

「すみません、レイさん。お待たせしました」

『いえ、私以外の精霊と話せて楽しかったです!』

「そうですか。じゃあ早速ですけど…デュエル、しましょう!」

『分かりました!』

 

そうして僕らは向かい合い、僕はデュエルディスクを構え、レイさんは空中にデュエルステージ(フィールドが描かれた台座のこと。僕らで言うプレイマットだよ)を展開した。さぁ、始めるよ!

 

『「決闘(デュエル)!!」』

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 レイ

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

『私の先攻です!私は《トゥーンのもくじ》を使い、デッキから同名カードをサーチします!そしてこれはターン1がないので、合計3回使用!最終的に《トゥーン・サイバー・ドラゴン》を手札に加えます!』

 

レイ 手札 5→4→5

 

うっわぁ…あの初動って…

 

『そして《閃刀起動-エンゲージ》!デッキからエンゲージ以外の閃刀カード、《閃刀姫-レイ(私自身)》をサーチします!さらに、墓地に魔法カードが3枚以上あるので1枚ドロー!』

 

レイ 手札 5→4→6

 

ほらきた、閃刀デッキの最高の初動!でも、僕の知ってる初動はここでホーネットビットをサーチすることなんだよね。やっぱり精霊だから自分を使いたいのかな?

 

『そしてそのまま私自身を召喚します!』

 

閃刀姫-レイ 攻撃表示 ATK 1500

レイ 手札 5→4

 

『閃刀解放!機動術式〈流水〉!青き鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-シズク》!』

 

閃刀姫-シズク リンク1 ↗ ATK 1500

 

閃刀姫-シズク…確か召喚条件は水属性以外の閃刀姫1体、だったよね。そして閃刀姫リンクモンスターは全て、同名モンスターはターン中1度しか特殊召喚出来なかったよね。

 

『シズクの効果で、相手の場のモンスターの攻撃力と守備力は、私の墓地の魔法カードの数×100ポイントダウンします。今は4枚あるので400ポイントダウンですね。でも増やします!《手札抹殺》!お互いに手札交換です!』

 

うっ…墓地に魔法を増やしつつ手札にあるトゥーン・サイバー・ドラゴンを捨て、さらにこっちの手札も入れ替える…うん、理にかなってるね…

 

レイ 手札 4→0→3

濡羽 手札 5→0→5

 

『私はエリアゼロとハーキュリーベース、錬装融合を捨てました。よってさらに400ポイントのダウン追加、合計800ダウンですが、墓地の《錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)》の効果を使います。墓地のこのカードをデッキに戻して1枚ドローします!』

 

レイ 手札 3→4

 

『私はカードを3枚伏せてターンを終了します!このエンドフェイズ、シズクの効果で墓地にない閃刀魔法カード、《閃刀術式-ベクタードブラスト》をサーチします!』

 

レイ

モンスター シズク(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ3

墓地 8

手札 2

デッキ 27

レイ LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

さっきの手札抹殺で少しだけ良いカードを引いたからね。ちょっと動いてみよっと!

 

「僕は《竜の渓谷》を発動!手札の《嵐征竜-テンペスト》を捨ててデッキから《ドラグニティ-ドゥクス》をサーチします!」

 

濡羽 手札 6→4→5

 

「そしてそのままドゥクスを召喚し、効果で墓地のクーゼを装備します!」

 

ドラグニティ-ドゥクス 攻撃表示

ATK 1500→800→1200

濡羽 手札 5→4

 

「ドゥクスの攻撃力はドラグニティカードの数×200ポイントの攻撃力を得ます。よって400アップし、差し引き300のダウンで済みます。そしてクーゼは装備状態のとき、自身の効果で特殊召喚出来ます!」

 

ドラグニティ-クーゼ 守備表示 DEF 200→0

 

「そしてレベル4のドゥクスにレベル"4"のクーゼをチューニング!」

「…えっ?」

 

ドラグニティ-ドゥクス レベル4 鳥獣族

ドラグニティ-クーゼ レベル4 ドラゴン族 チューナー

4+4=8

レベル8シンクロ

 

「槍の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、騎兵が操るしなやかな槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-バルーチャ》!」

 

ドラグニティナイト-バルーチャ 攻撃表示

ATK 2000→1300

 

「バルーチャの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のドラグニティと名のつくドラゴン族モンスターを好きな数装備する!僕はクーゼ、ブランディストック、コルセスカ、ファランクスの4枚を装備!バルーチャの攻撃力は、装備しているドラグニティカードの数×300ポイントアップします!」

 

ドラグニティナイト-バルーチャ ATK 1300→2500

 

「…ちょっと待って。ドゥクスの効果で装備できるってことは、クーゼはレベル3以下のはずよね。どうしてレベル4になっているの?」

「それはですね…」

「クーゼはドラグニティのシンクロ素材とする時、レベル4のチューナーとして扱えるんですよ、風華」

「とまぁ、そういう事です」

 

うー、僕の説明を神名さんに取られちゃった…まぁいっか!デュエルの続きだよ!

 

「というか、手札に4枚もドラグニティチューナーいたんだね〜」

『それって…軽く事故ですよね…』

 

それは言わないで〜!!

 

「ば、バトルフェイズ!バルーチャでシズクに攻撃!」

『速攻魔法《閃刀機-イーグルブースター》を発動します!このターン、シズクは他のカード効果を受けず、墓地に魔法カードが3枚以上あるので戦闘破壊もされません!さらに、墓地に魔法カードが増えたので合計800ダウンになります!』

 

バルーチャの槍による攻撃は翼を得たシズクに全て回避されて、少し掠めるだけに終わった。というか、縦横無尽に動き過ぎて少し酔ってないかな…あれ。

 

ドラグニティナイト-バルーチャ ATK 2500→2400

閃刀姫-シズク ATK 1500

2400-1500=900

レイ LP 8000→7100

 

「けど装備されてるブランディストックの効果で、バルーチャは2回攻撃出来ます!もう一度お願い!バルーチャ!」

 

ドラグニティナイト-バルーチャ ATK 2400

閃刀姫-シズク ATK 1500

2400-1500=900

レイ LP 7100→6200

 

『くぅっ!』

「メイン2。ファランクスとクーゼを自身の効果で特殊召喚します!」

 

ドラグニティ-クーゼ 守備表示 DEF 200→0

ドラグニティ-ファランクス 守備表示

DEF 1100→300

ドラグニティナイト-バルーチャ ATK 2400→1800

 

「そして開け、鳥竜舞い踊るサーキット!召喚条件は『トークン以外の鳥獣族・ドラゴン族モンスター2体』!僕はバルーチャとクーゼをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《ドラグニティナイト-ロムルス》!」

 

ドラグニティナイト-ロムルス リンク2 ↙ ↘

ATK 1200→400

 

「ロムルスの効果でデッキから《ドラグニティの神槍》をサーチ!」

 

濡羽 手札 4→5

 

うん!まだまだ行けるね!

 

「墓地からバルーチャとクーゼを除外して《嵐征竜-テンペスト》を特殊召喚!」

 

嵐征竜-テンペスト 攻撃表示 ATK 2400

 

「儀式魔法《祝祷の聖歌》!場の《嵐征竜-テンペスト》をリリースして儀式召喚を執り行う!光纏し聖なる竜。その清光にて戦場を浄化せよ!《竜姫神サフィラ》降臨っ!」

 

竜姫神サフィラ 守備表示 DEF 2400→1600

濡羽 手札 5→3

 

「カードを2枚伏せてターンエンド。このエンドフェイズにサフィラの効果が発動します。今回は2枚引いて1枚捨てる効果を選びますね」

 

濡羽

モンスター ロムルス(攻撃表示) サフィラ ファランクス(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

墓地 8

除外 2

手札 2

デッキ 24

LP 8000

 

 

『私のターン、ドローします!』

 

レイ 手札 2→3

 

『早速行きます!閃刀解放!機動術式〈火炎〉!赤き鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-カガリ》!』

 

閃刀姫-カガリ リンク1 ↖ ATK 1500

 

カガリは確か、炎属性以外の閃刀姫1体でリンク召喚出来るんだよね。そしてその効果はシズクと対極の攻撃的効果だったはず…

 

『リンク召喚成功時、カガリの効果によって墓地のエンゲージを回収します!そしてカガリの攻撃力は、墓地の魔法カードの数×100ポイントアップします!今は7枚なので700アップです!』

 

閃刀姫-カガリ ATK 1500→2200

ドラグニティナイト-ロムルス ATK 400→1200

ドラグニティ-ファランクス DEF 300→1100

竜姫神サフィラ DEF 1600→2400

 

「…でもその攻撃力じゃサフィラは超えられないわ」

「いえ…手札のベクタードブラストとエンゲージを使えば2400なんて簡単に超えられます」

『その通りです。まずは《閃刀術式-ベクタードブラスト》を使い、お互いにデッキトップ2枚を墓地へ!さらに墓地に魔法カードが3枚以上あるので、ロムルスを破壊します!』

「させません!チェーンして手札から《灰流うらら》を捨てて、その効果を無効にします!」

『けど墓地に魔法カードが増えました!さらに《閃刀起動-エンゲージ》!デッキから2枚目のベクタードブラストを手札に加えて1枚ドローします!』

 

閃刀姫-カガリ ATK 2200→2400

濡羽 手札 2→1

レイ 手札 3→1→2

 

「やっぱり2枚目…確かそのカードにターン1は無かったはず…」

『その通りです。2枚目のベクタードブラストを発動します。その効果でお互いにデッキから2枚を墓地へ送ります。その後、墓地に魔法カードが3枚以上あるので、エクストラモンスターゾーンのロムルスを破壊します!』

「させないと…言ったでしょう!《神の宣告》!ライフ半分を払い、魔法カードの発動を無効にするっ!」

 

閃刀姫-カガリ ATK 2400→2500

濡羽 LP 8000→4000

 

『…ならバトルフェイズに入ります!カガリでロムルスに攻撃します!神焔の太刀!』

 

炎を纏ったカガリの剣が、攻撃を防ごうとしたロムルスの槍ごと切り裂いた。

 

閃刀姫-カガリ ATK 2500

ドラグニティナイト-ロムルス ATK 1200

2500-1200=1300

濡羽 LP 4000→2700

 

「くぅっ…!」

『私はこれでターン終了です』

 

レイ

モンスター カガリ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 12

手札 1

デッキ 24

LP 6200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

「…《調和の宝札》!手札からデストルドーを捨てて2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 2→0→2

 

「っ…これって…」

 

僕が引いたのは、あの日異世界から帰ってきた時に手に入れていた見知らぬカード。スターダストが言うには、僕の心の闇が生み出したカードらしい。まさかこんな時に引くとは思わなかったけど…使ってもいいのかな…

 

『ヌレハ、気にせず使え。俺の事は気にすんな。どーせ除外多めなんだ。大欲入れてんだろ?復帰出来るさ』

「…大欲引いても使わないよ?」

『なっ!?それだけは勘弁!!』

「ふふっ、冗談だよ」

 

スターダストのお陰で、少しだけ気が楽になったよ。さぁ…行ってみようか!

 

「僕はエクストラデッキから《スターダスト・ドラゴン》を除外する!」

「何その召喚条件!?」

「私達の知らない…新しいカードですか…!?」

「これは僕の闇、僕の罪。僕の背負う咎は、非力!災禍の渦より現れよ、《Sin スターダスト・ドラゴン》!」

『行くぜ、ヌレハっ!』

 

僕の場にスターダスト・ドラゴンが現れ、黒白の鎧を纏った姿に変わった。少し厳つくなったけど…それでもカッコイイな。

 

Sin スターダスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500

濡羽 手札 2→1

 

『《Sin スターダスト・ドラゴン》…!?』

「このカードがいる限り僕のフィールド魔法は破壊されず、Sin スターダスト以外の自分のモンスターは攻撃出来ず、フィールド魔法がない時、Sin スターダストは破壊されます」

「…意外と厳しいのね」

「でもカガリは倒せますからね。バトルフェイズ!Sin スターダスト!カガリを討て!Sin シューティング・ソニック!」

 

鎧を纏ったスターダストの放つ、黒の混じった光線はカガリの装甲を打ち砕いたが、カガリの燃え盛る刀身に鎧ごと切り裂かれていた。

 

Sin スターダスト・ドラゴン ATK 2500

閃刀姫-カガリ ATK 2500

 

『っ…ですが、閃刀姫リンクモンスターが戦闘破壊されたので、墓地から私を特殊召喚します!チェーンして速攻魔法《閃刀機-シャークキャノン》!墓地のSin スターダストを除外します!』

 

閃刀姫-レイ 攻撃表示 ATK 1500

 

「…別にそんな事しなくても、Sin スターダストは効果的に蘇生不可だと思いますよ…?」

『…えっ、そうなんですか?』

「…メイン2に入ります」

『スルーしないでください!』

 

いやまぁ…ミスは誰にでもありますから、はい。

 

「僕は手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を通常召喚。さらに伏せていた《ドラグニティの神槍》を装備し、その効果でデッキから2枚目のクーゼを装備。そのまま装備解除します。そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のクーゼをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4

ドラグニティ-クーゼ レベル2 チューナー

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「駆けろ、疾風の如く!その翼で空を巡れ!シンクロ召喚!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻撃表示

ATK 2000

 

「チャージ・ウォリアーの効果で1枚ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「カードを1枚伏せてターン終了です」

 

濡羽

モンスター チャージ・ウォリアー(攻撃表示)サフィラ ファランクス(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド 竜の渓谷

墓地 20

除外 4

手札 0

デッキ 20

LP 2700

 

 

『私のターン、ドローします!』

 

レイ 手札 1→2

 

『閃刀解放!起動術式〈烈風〉!緑の鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-ハヤテ》!』

 

閃刀姫-ハヤテ リンク1 ↙ ATK 1500

 

『そして装備魔法《ガーディアンの力》と《閃光の双剣-トライス》をハヤテに装備します!』

 

閃刀姫-ハヤテ ATK 1500→1000

レイ 手札 2→1

 

『トライスは装備したモンスターの攻撃力が500下がる代わりに2回攻撃が出来ます。そしてハヤテ自身ダイレクトアタックが可能で、ガーディアンの力は戦闘を行う度に魔力カウンターが乗り、このカードに乗った魔力カウンターの数×500ポイント、攻撃力がアップします!』

「…ってことは…!」

『バトルフェイズ!ハヤテでダイレクトアタック!新風の太刀!』

 

ハヤテはサフィラとチャージ・ウォリアー、ファランクスを飛び越えると僕に直接攻撃を仕掛けてきた。

 

「…この二連撃を受けたら…」

「星風さんは負けてしまいますね」

「まだ、終わらせません!永続(トラップ)、《スピリットバリア》!僕の場にモンスターがいる限り、戦闘ダメージを受けません!」

『そんなっ!』

 

ハヤテの攻撃は、光の壁によって防がれた。危ない、このカードを引いてなかったら負けてたよ…

 

『っ…ですが攻撃力は500上昇します。さらにハヤテが戦闘を行ったダメージ計算後、デッキから閃刀カードを墓地へ送ります。ハーキュリーベースを墓地へ送り、ターン終了です』

 

レイ

モンスター ハヤテ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1 ガーディアンの力 トライス

墓地 15

手札 0

デッキ 22

LP 6200

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

正直、このまま続けても勝てる気はしない。閃刀姫には豊富な除去があるし、魔法カードを多く積む関係上、汎用性の高いカードも入れているから、より除去は増える。だからこそ、このターンで決める勢いで行かなきゃね!

 

「《マジック・プランター》を発動します。スピリットバリアを墓地へ送り2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「さらに墓地の《亡龍の戦慄-デストルドー》の効果!サフィラを対象に、ライフを半分支払い、サフィラのレベル分自身のレベルを下げて墓地から特殊召喚します!」

 

亡龍の戦慄-デストルドー 攻撃表示 ATK 1000

レベル 7→1

濡羽 LP 2700→1350

 

「そしてこの特殊召喚成功時、《地獄の暴走召喚》!」

「えぇ〜!?」

「僕はデッキからデストルドーを特殊召喚します!さぁ、レイさんは出来ますか?」

『わかってて聞いてますよね…私はハヤテを選択しますが、特殊召喚は出来ません』

 

1体目のデストルドーが鳴くと、僕のデッキからもう1体のデストルドーが現れた。彼ら(?)は自身の効果で特殊召喚されていないので、レベルは7のままだ。

 

「そして僕はレベル6のチャージ・ウォリアーにレベル1となったデストルドーをチューニング!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー レベル6

亡龍の戦慄-デストルドー レベル1 チューナー

6+1=7

レベル7シンクロ

 

「蒼き月の元に芽吹く一輪の薔薇。風を受けて花開け!シンクロ召喚、《月華竜 ブラック・ローズ》!」

 

月華竜 ブラック・ローズ 攻撃表示 ATK 2400

 

「ブラック・ローズの効果!ハヤテをバウンスします!退華の叙事歌(ローズ・バラード)!」

『させません!(トラップ)発動、《ブレイクスルー・スキル》!ブラック・ローズの効果を無効にします!』

「なら僕はブラック・ローズとデストルドーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

月華竜 ブラック・ローズ レベル7 ドラゴン族

亡龍の戦慄-デストルドー レベル7 ドラゴン族

 

「全てを破壊する撃滅の力!今が進化の時!《激滅龍 ダーク・アームド》!」

 

撃滅龍 ダーク・アームド 攻撃表示 ATK 2800

 

「ダーク・アームドの効果!エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を1つ使い、相手の場のカード1枚を破壊する!僕はガーディアンの力を破壊します!」

『うっ…ガーディアンの力自体に耐性はありませんからね…』

「その後、僕の墓地のカード1枚を除外します。僕はマジック・プランターを除外します」

 

閃刀姫-ハヤテ ATK 1500→1000

 

これで厄介な戦闘破壊耐性も消えたから…あとは、ライフを削りきるだけ!

 

「《貪欲な壺》を使います。墓地のチャージ・ウォリアー、ドゥクス、ブラック・ローズ、ミリトゥム、クーゼの5枚を戻して2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 1→0→2

 

「そして墓地のロムルスとクーゼを除外!《嵐征竜-テンペスト》を特殊召喚!」

 

嵐征竜-テンペスト 攻撃表示 ATK 2700

 

「僕は…ファランクスとダーク・アームドをリリースしてアドバンス召喚!《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》」

 

ドラグニティアームズ-レヴァテイン 攻撃表示 ATK 2600

濡羽 手札 2→1

 

「…なんでわざわざダーク・アームドを?」

「ダーク・アームドは効果を使ったターンには攻撃出来ないからだよね〜♪」

「そうだよ。そして召喚に成功したレヴァテインの効果で墓地のブランディストックを装備!サフィラを攻撃表示に変更してバトルフェイズ!サフィラでハヤテに攻撃!」

 

竜姫神サフィラ ATK 2500

閃刀姫-ハヤテ ATK 1000

2500-1000=1500

レイ LP 6200→4700

 

『うぅっ!けど墓地の私の効果!墓地から特殊召喚!そして効果起動!私をリリースすることで、エクストラデッキから閃刀姫を特殊召喚します!』

 

フリーチェーンの擬似リンク召喚!?

 

『閃刀解放!起動術式〈皇土〉!黄の鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-カイナ》!』

 

閃刀姫-カイナ リンク1 ↘ ATK 1500

 

『カイナの効果!特殊召喚に成功した時、相手モンスター1体の攻撃を封じます!私が対象に取るのはレヴァテイン!』

「構いません!テンペストでカイナを攻撃!」

 

嵐征竜-テンペスト ATK 2400

閃刀姫-カイナ ATK 1500

2400-1500=900

レイ LP 4700→3800

 

『うぐ…けどこれで…』

「メイン2に入りますね。《竜の渓谷》の効果で手札の《光の護封霊剣》を捨て、デッキから《ドラグニティ-アキュリス》を手札に加えます。これでターン終了です」

 

濡羽

モンスター レヴァテイン テンペスト サフィラ(攻撃表示)

魔法・罠 ブランディストック

フィールド 竜の渓谷

墓地 20

除外 7

手札 1

デッキ 12

LP 1350

 

 

『私のターン…ドロー!』

 

レイ 手札 0→1

 

『…《閃刀起動-エンゲージ》!デッキからホーネットビットを手札に加え、墓地に魔法カードが3枚以上あるので1枚ドローします!』

 

この土壇場でエンゲージを…!

 

レイ 手札 1→0→2

 

『さらに《貪欲な壺》!カガリ、シズク、ハヤテ、カイナ、トゥーン・サイバー・ドラゴンをデッキ・エクストラデッキに戻して2枚ドローします!』

 

レイ 手札 2→1→3

 

『そして《閃刀機-ホーネットビット》!場に閃刀姫トークンを特殊召喚します!墓地に魔法カードが3枚以上あるので、このトークンは攻守1500になります!そして、閃刀解放!起動術式〈火炎〉!赤き鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-カガリ》!効果は使いません!そして墓地に13枚の魔法カードがあるため、攻撃力1300アップです!』

 

閃刀姫-カガリ ATK 1500→2800

 

『バトルフェイズ!カガリでテンペストに攻撃!神焔の太刀!』

 

カガリの赤々と燃える刀でテンペストを切り裂いていた…んだけどさ…テンペスト、自分の風で炎を強くしてない?気のせい?

 

閃刀姫-カガリ ATK 2800

嵐征竜-テンペスト ATK 2400

2800-2400=400

濡羽 LP 1350→950

 

『メイン2に入ります。閃刀解放!起動術式〈流水〉!青き鎧をその身に纏う!リンク召喚!《閃刀姫-シズク》!』

 

やっぱり…ここでシズクを!

 

『シズクの効果。墓地に魔法カードが13枚あるので、相手モンスター全ての攻撃力と守備力を1300ダウンさせます!』

 

ドラグニティアームズ-レヴァテイン ATK 2600→2400

竜姫神サフィラ ATK 2500→1200

 

『私はカードを1枚伏せてターン終了です。このエンドフェイズ、デッキから《閃刀姫機-ウィドウアンカー》をサーチします』

 

レイ

モンスター シズク(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 18

手札 3

デッキ 17

LP 3800

 

 

「僕のターン…ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

シズクの効果は墓地に魔法カードが増えれば増えるほど厄介になる。それにあの伏せ…きっと速攻魔法だろうね。だから最低でも2900はないと突破出来ない…

 

「…うん、やれるだけやってみよっか。《大欲な壺》!除外されているスターダスト、Sin スターダスト、チャージ・ウォリアーをデッキに戻して1枚ドロー!」

 

濡羽 手札 2→1→2

 

「《アドバンスドロー》!レヴァテインをリリースして2枚ドロー!」

 

濡羽 手札 2→1→3

 

「…このターンで決める!墓地のデストルドーの効果!対象はサフィラ!」

 

亡龍の戦慄-デストルドー 攻撃表示 ATK 1000

レベル 7→1

濡羽 LP 1350→675

 

「レベル7のテンペストにレベル1となったデストルドーをチューニング!」

 

嵐征竜-テンペスト レベル7

亡龍の戦慄-デストルドー レベル1 チューナー

7+1=8

レベル8シンクロ

 

「集いし星の煌めきをその身に宿し、飛び立て!シンクロ召喚!《スターダスト・ドラゴン》!」

『今度はこっちだぜぇ!』

 

スターダスト・ドラゴン 攻撃表示 ATK 2500→1200

 

「《閃光の双剣-トライス》をサフィラに装備!レイさんも使ったから分かりますよね」

 

竜姫神サフィラ ATK 1200→700

濡羽 手札 3→2

 

「バトルフェイズ!サフィラでシズクに攻撃!閃光の龍擊!」

「…自爆特攻…なわけないわよね」

『何かありますね…けどさせません!(トラップ)、《聖なるバリア-ミラーフォース-》!』

「だろうと思いました!スターダストの効果!このカードをリリースして破壊効果を無効にし、破壊します!ヴィクテム・サンクチュアリ!」

 

レイさんの発動したミラーフォースは粒子になったスターダストにより、無効になった。これで邪魔するものはない!

 

「このダメージステップ!手札から《禁じられた聖典》!互いに元々の攻撃力でバトルします!さらに《墓穴の指名者》!墓地のレイを除外し、このターン中に同名カードは効果を使えません!」

『そんなっ!』

 

竜姫神サフィラ ATK 700→2500

閃刀姫-シズク ATK 1500

2500-1500=1000

レイ LP 3800→2800

濡羽 手札 2→0

 

「さらに追撃!この瞬間、墓地の《スキル・サクセサー》の効果!墓地から除外して、攻撃力を800アップします!」

 

竜姫神サフィラ ATK 2000→2800

 

『そのカード…まさか…あの時のサフィラで捨てたカード!』

「これで…決められます!サフィラでダイレクトアタック!」

 

竜姫神サフィラ ダイレクトアタック ATK 2800

レイ LP 2800→0

 

「お疲れ様でした。星風さん、レイさん」

「凄かったよ〜!!」

『ありがとうございます。凄く楽しかったです!』

「僕もです!」

 

ゲームエンド

WINNER 星風濡羽




というわけで濡羽君の勝利です。
ベクタードブラストを止めるためだけに使われたうららと神宣…ぶっちゃけてしまえば、墓地カウントが面倒だっただけだったり…

今回は少しいつもと変えてみたんですがどうでしたか?普段通り墓地のカードまで記した方がいいでしょうかね。

そして今回新たに使ったSin スターダスト。メインデッキに火力が少ないなと思ったので追加しました。

次回で一応ひとつの区切りとしようかと思います。つまり、次回で一章終了という形になると思われます。どうなるかは書いてみないと分からない。
まぁても、夏休み編は相当長くなる予定ではあるので。

ではでは。


(ミスがあったので少しデュエルの中身を変えました。ご了承下さい)


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三十七枚目:Sinの謎

会話パート、一章最終話です。
デュエルの後、濡羽君はなにを考えるのか。

では本編へ。


☪︎

 

俺は櫂と昼飯を食べて、それからも何度かデュエルをしてから帰った。いくつか新しいカードも試してみたが楽しかったな。やっぱり濡羽みてぇに複数個デッキを組んでも良いかもなぁ。組むとしたら何にすっかね。クリボーとかか?

 

「たっだいまー…ってなんじゃこりゃ!」

 

帰ってみると、そこには小春と神名さんと緑葉さんの3人に、実体化した濡羽と緑葉さんの精霊達…そして見知らぬ少女がいた。いや、少女っつーか、見た目はまんま《閃刀姫-レイ》なんだがな?まさか、また精霊か?

 

『なんつーかな、胸っつーの?その辺にこう…ぐっとする感じ?』

『クリアウィングの説明は曖昧だね〜』

『まぁ、クリアウィングらしいと言えばクリアウィングらしいな』

『私も一応クリアウィングなんですけどね〜…』

『はぁ…ライズベルト、我らで説明するしか無さそうだな…』

『ですね…閃珖竜さん…』

 

…なんだこれ…どんな状況なんだ…?

 

「あ、湊月っちおかえり〜。意外と早かったんだね〜」

「意外は余計だ意外は。で、これは何なんだ?」

「まだ霊化することの出来ないレイさんに、星風さんと風華の精霊達が霊化する方法を教えているんです」

「…クリアウィングは全然教えれてないけどね」

『うるしゃー!』

 

まぁ…たまーに実体化して出てきた時のスターダスト見てりゃ何となく分かるんだが…あいつ、なんだかんだ説明とか適当なとこがあるんだよなぁ…

 

『それで…本当に、どうすればいいんですか?』

『何、簡単なことだ。我らにもあるだろう、心臓が』

『そこに力を込める…というよりは、精霊として持ち合わせた霊格を集める感じですね』

『集め初めの頃は心臓の辺が熱くなるが、すぐに消えるから安心して試みるといい』

『1度成功すればあとは自分の意思で自由に出来ますからね』

『わかりました、やってみます!』

 

…やっぱライズベルトと閃珖竜がマトモ枠か…ってか見慣れねぇ精霊がいたぞ!?

 

「…そうだった。私達もさっき知ったんだけど、ドラゴネクロも精霊だったんだって、星風くんが言ってたわ」

「今言うのかよ!!つか、その濡羽はどこだ?スターダストもいねぇみてぇだが…」

「濡羽っちは自分の部屋にいるよ〜」

 

普段の濡羽ならこんな時は必ず混ざるのにな。何があったんだ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なぁヌレハ。何をそんなに気にしてんだ?』

「…あのカード、Sin スターダストだよ」

 

そう…僕が気にしていたのは、僕の心の闇から生まれたという(Sin)を名に冠するカード…《Sin スターダスト・ドラゴン》のことだった。

 

『あぁ、あれか。そんなに気にする事か?誰の心にも闇はあるもんだぜ?』

「それは分かってるよ。そうじゃなくてね…」

 

僕は心の闇を認めている。心に闇がない人なんていないだろうし、いるとしたら何も考えてない人だと思う。僕が気にしているのはそんな事じゃなくて…

 

「どうして今、このタイミングで今まで引けなかったSin スターダストが引けたのかなって」

『理由なんてないんじゃねぇの?』

「ううん、きっと理由はあると思うんだ。スターダスト、僕はね…この世界にある全てのカードに精霊が宿っていると、そう思っているんだ」

『はぁ、そりゃまた突飛な…』

「現に、湊月君や小春、神名さんも精霊のカードを持ってるからね。本当は僕達が知覚出来てないだけで、まだまだ精霊がいるんじゃないかって思っているんだよ」

 

だけども、Sin スターダストは生まれた経緯が経緯だからなのか、ライズベルト達とはまた違うモノを感じている。使えば使うほど、その闇に飲まれてしまうような、そんな感覚を。

 

「実を言うと…僕は怖いんだ。もしもこのカードを使い続けていたら、スターダストが消えてしまうんじゃないかって…スターダストどころか、僕の周りから、精霊達やみんなが消えてしまうんじゃないかってさ…」

『はーーーー…そりゃ杞憂だろ。俺達はヌレハの傍にいてぇからここにいるんだ。心の闇から生まれたカードを使ってるからって、消えたりはしねぇよ』

「…そうだと有難いんだけどね…」

『あ、そーだ。明後日からの旅行、どこに行くのかもちゃんと伝えてんのか?』

「急に話変わるね!?ちゃんとマリーさんには伝えてるよ。僕らが行くところは『ケリュクス』って町だよ、って」

 

急に話題を変えるって、スターダストらしいと言えばスターダストらしいんだけど、なんだか調子狂うなぁ…

 

「おーい、濡羽ー!降りてこーい!!」

「レイちゃんが霊化に成功したんだよ〜!!」

『だとさ。降りよーぜ』

「…だね」

 

リビングにいた小春と、いつの間にか帰ってきていたらしい湊月君に呼ばれて僕とスターダストはリビングに降りて、霊化しているレイさんを祝福した。

この時はまだ、僕の心が生み出した…言うなれば『闇のカード』であるSin スターダストが、予想もつかないような災厄を引き込むとは、僕は想像もしていなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

一方、海と山の町『ケリュクス』郊外の廃屋、その地下にて。

 

「ここしばらく研究を続けてきたが…流石にこれは使えないな。闇が強すぎて使い物にならない…闇を制御することも出来ないとなると、封印するしかないか。この闇のカード…『No.(ナンバーズ)』は。くそっ…これじゃあダメだ…もっと強く、それでいて楽に制御できる力は無いのか…」

 

 

僕達が行くことになる町で謎の研究が行われている…そして、その研究が世界を揺るがすだなんてことも、僕達は考えさえしなかった。

 

 

【一章】-了

続-【二章】




濡羽君の心の闇から生まれたSin スターダスト。このカードが二章に起こる事件の引き金となります。

次回より二章、夏休み編です。

ではでは。


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特別編:2019年7月リミットレギュレーション

今回は即興の特別編です。

前置き短いですが、本編。


 

とある夜。僕達5人は、柊真さんの部屋にあるパソコンで、新しく公開されたリミットレギュレーションを見ていた。

______________________________

新リミットレギュレーション(2019年7月適用)

 

禁止

破滅竜ガンドラX

トロイメア・マーメイド

 

制限

転生炎獣ガゼル

超雷龍-サンダー・ドラゴン

雷鳥龍-サンダー・ドラゴン

レディ・デバッガー

メタバース

 

準制限

ABC-ドラゴン・バスター

SPYRAL-ジーニアス

ダーク・アームド・ドラゴン

ダーク・グレファー

ダイナレスラー・パンクラトプス

TG ハイパー・ライブラリアン

デビル・フランケン

氷結界の龍 トリシューラ

影霊衣の反魂術

魔鍾洞

 

制限解除

E・HERO エアーマン

真竜拳士ダイナマイトK

餅カエル

ルドラの魔導書

神の宣告

停戦協定

______________________________

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!おかえりエアーマンっ!!!」

「ついにエアーマン3積みだね」

 

歓喜の声を上げたのは、E・HERO使いの湊月君。

 

「…メタバースに関しては、誰も被害受けてないね」

「そうですね。私はそもそも1枚しか入れていませんし、他の方はデッキに入れてさえいませんからね」

「それにしても、ガンドラXがとうとう禁止だね〜。ワンキルデッキで猛威を奮ってたからね〜♪」

「うっ…今組んでるデッキが使えなくなっちゃう…」

「…ガンドラXの効果で、8000越えのバーンでもするの??」

「違いますけど、ガンドラXが必要なんです。これは、デッキ見直さないとなぁ…」

〈話に上がったのは次回の濡羽くんのデッキです〉

「今なにか空耳が…」

「気のせいだよ湊月っち〜」

 

それからも他愛のない話をしていた。

 

「さて、時間も時間だし、そろそろ寝よっか」

「そうだね〜」

 

そうして僕らは自分たちの部屋に戻って、明日のために眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈はい、どうも、鐡 銀です。いつもご迷惑をおかけしております。今回は特別回。新規リミットレギュレーションが公開されたので投稿した次第です(執筆時間30分とは言えない)。今回のリミレギュでパンクラトプスは準制限化。その出張能力が危険視されたのかな。ガゼル制限は…転生炎獣使ったことがないので分かりません。ガンドラX禁止はこちらとしては地味に痛手でした。先にも言いましたが、次回の濡羽君のデッキにガンドラXが2枚入っていますからね。リアルではエアーマン解除が最高級に嬉しいです。E・HERO使いなのでね。さて、1000文字を超えたのでここら辺で失礼します。ではでは〉




遊戯王 WIND SEEKER では、リミットレギュレーションを適用するのは小規模トーナメント終了後にします。でないと濡羽君のデッキが…


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二章
三十八枚目:旅行開幕


二章第1話です。

今回から夏休み編、新キャラも登場しながらの旅行となります。
今回は会話パート、次回はデュエルです。

では本編へ。


 

夏休み初めての月曜日。僕らはフルーナシティの中央駅に来ていた。ここでマリーさんと待ち合わせてるんだよね。

 

「そろそろ待ち合わせ時間だね」

「うー、アイドルに会えるなんて楽しみだよ〜!」

「あまりはしゃぎ過ぎると目立ってしまいますよ」

 

そうは言ってもはしゃぎたくなるよね。小春の気持ちはよく分かるよ。

 

「じゃあ僕は乗車券を貰ってくるね」

「お願いします、柊真さん」

 

柊真さんが新幹線のチケットを貰いに行ってすぐ、マリーさんがやって来た。

 

「あ、来ましたよ!」

「すみません、お待たせしてしまいましたか?」

「…そこまで待ってないわよ」

「なんだかんだ全員ワクワクしてたからな。そこまで待った気はしないぜ」

 

マリーさんと話をしながら、僕はどうしても気になっていたことを聞いた。

 

「それで…マリーさんの後ろの人は?」

「…まぁ、そうよね」

「前なら『なんで知らねぇんだ!?』って叫んでたとこだが…」

「星風さんがこの手の知識がないことは以前分かりましたからね」

「なんか驚かないよね〜」

「そ、そうなんですか!?じゃあ前に会った時も単に知らなかっただけだったのですか…」

「ってか、アンタらはなんでそうも平然としてられるのよ!?」

「「「んー…アイドルより珍しいもの見てるから?」」」

「…かもしれないわね」

「自己紹介しておいた方が良いですよ。星風さんは貴女のことを知りませんからね」

 

マリーさんより頭1つ小さい、赤い髪に黄色のメッシュの入った赤眼の人は渋々ながら名乗った。

 

「なんで知らないのよ…私は輝琉(きりゅう)ライン、16歳。名前で分かると思うけどハーフで、マリーと同じ事務所のアイドルよ」

「ワタシも一応自己紹介をしますね。ワタシはマリー・リュクス・ミネルヴァと言います。歳は17です。今日から2週間、よろしくお願いします」

「私は聖川小春だよ〜♪よろしくねっ!」

「俺は西条湊月だ、よろしくな」

「神名優姫と言います。どうぞお見知り置きを」

「…緑葉風華よ。よろしく」

「僕は星風濡羽です。先んじて言っておきますけど、僕は男子ですから」

「…………ふーん、アンタがねぇ」

 

とりあえず一通りの自己紹介は終わったかな。それで、ラインさんにもどうしても聞きたいことが出来てしまった。

 

「ラインさんは、どうしてここに?」

「マリーが夏休みに入ってすぐに新しい友達と旅行に行くって言うから、場所と期間聞き出して私も自腹でついていくことにしたのよ。新しい友達は可愛い人だ〜、とは聞いていたけど…まさか男だなんてね…言われなきゃ分かんなかったでしょうけども…」

「マリーさん…どんな説明をしてるんですか…」

「し、しょうがないじゃないですか!濡羽さんは本当に可愛いんですから!」

 

マリーさんは握りこぶしを作ってまで熱弁した。うん…半ば諦めはあるんだけどさ…みんなも頷かないでよ…

 

「みんな〜、乗車券貰ってきたよ〜…って1人多くないかな?」

「濡羽さん、彼は?」

「この人は龍凪柊真さん。僕らの保護者役の人ですよ」

 

合っているような合っていないような説明をしたけど、柊真さん、聞いてないね…

 

「えっとね〜、1人実費で急遽参加だって〜♪」

「はぁ…まぁ向こうの旅館は割とお世話になってるところだったから、少しくらい無理は聞いてもらえるだろうけども…」

「…旅館には、行ったことがあるの?」

「うん、昔にちょっとね。『ゆきはな旅館』ってとこだよ」

 

ゆきはな旅館…楽しみだなぁ!

 

「まぁ、とりあえずホームに行こっか。あと数分で駅に着く時間だしね」

「マジか。まー余裕はあるか」

「…優姫、お土産はどうするの?」

「2人で買いましょうか。流石に1人で買うのは無理がありますからね」

「…マリー、コイツら、非日常(こんな展開)に慣れてない?」

「ラインちゃん…コイツら、なんて言っちゃダメですよ。でも確かに、慣れてる感じはしますね」

 

…まさかこの旅行にカードの精霊がついてきてる、なんて言ったら驚くかな…

 

『言わないでくださいよ!?レイさんがまだ慣れてないんですから!』

『うぅ…本当に見えてないんですか?』

『安心してください、見えてないですよ』

 

うん、そもそも言わないけどね?

ちなみにレイさんはあの後、ライズベルト達の提案で僕らと一緒に過ごす事になったんだ。柊真さんも承諾してくれたし、また一緒に過ごす友達が増えたんだよね!

 

「それじゃ早速、しゅっぱ〜つ!」

「小春、まだ新幹線は来ないからね?」

「もう!ノリ悪いな〜」

 

 

 

 

 

その後ホームに上がってすぐに来た新幹線に全員で乗った。たまたま全員の席が近くて良かったよね。

 

「そう言えば、マリーさんに会ったら聞こうと思ってた事があったんです」

「ワタシに?何ですか?」

「アイドルって普通、忙しいですよね?なんで2週間の旅行に行けるくらいの休みが貰えたのかなって…」

「それはですね…ワタシ達の事務所のスポンサーをして下さっている企業の社長さんが、『2人はまだ若いんだから、少しくらい長い休みがあっても良いと思う』って、2ヶ月分の夏休みをくれたんです」

「まぁ結局、事務所と話し合って『2ヶ月の間、本人達が自由に仕事をする』って体で休みを貰ったんだけどね。実をいえば、私らは7月の頭から8月の終わりまでずっと休みなのよ」

「へぇ…そんな面白い人がいるんだね。なんて人なのかな」

「確か…ハルトさん、でしたっけ」

「えぇ、事務所の人達もハルト様、ハルト様って言ってたからね」

 

柊真さんの何気ない質問から出てきた名前に、なんでか知らないけど緑葉さんと神名さんが微妙に反応していた。

 

「…優姫…もしかして…

えぇ…恐らく、晴人おじ様ですね…

「…全く…粋なのか考え無しなのか分からないわね…

ですね…

「?」

 

小声で聞き取りにくいな…何を話してるんだろ?

 

「それじゃ、私達からも質問するけど。みんなには夢や目標ってある?私達は勿論トップアイドルだけど」

「すごく自信満々に言うね…僕は答えなくてもいいよね?」

「柊真さん、もう大人ですからね。僕に夢はないですけど…目標ならあります。秘密ですけどね」

「秘密なんですか?教えてくださいよ」

「いいじゃないですか、秘密でも…」

 

『記憶を取り戻すこと』…なんて目標、言えないよ…

 

「俺の夢はカードデザイナーだな。効果の方も、イラストの方もやりてぇぜ」

「そうなのね。てことは、相当絵が上手いのかしら?」

「本職には及ばねぇけど、アマチュアとしては上手い方だと思うぜ。ま、まだまだ修行中ってとこだな」

「私はカードショップで働きたいな〜って思ってるんだ♪」

「そのためにカードショップでバイトしてるもんね」

「うん♪」

「…私は…そうね。目標、と言うならば、プロで活躍したいわ」

「それは私も初耳です。まさか風華がプロデュエリストを目指していたなんて…」

 

これには僕も驚いたけど、確かに緑葉さんの実力ならプロでも戦えそうだよね。

 

「残ったのは…優姫さんだけですね」

「私の夢や目標…ですか。そうですね…私は…まだ決まっていませんね」

「決まってない…?」

「えぇ。なんというか、将来というものを想像するのが苦手なんです。漠然としたものより、確実なものの方が安心するといいますか…」

「ふぅん…なら、この旅行中に夢や目標が見つかるといいわね」

 

ラインさん、少しきつい口調だけど、根は面倒見がいい人なのかな?

 

「わ〜、見て!海!海だよ!」

「…小春、あまり騒がないで」

「今更ですけどね…」

 

柊真さんが言ってた到着予定時間までまだあるから、みんながはしゃいでいる中で僕は少し眠ることにした。




次回は今回登場した誰かがデュエルします。
そして二章から、あとがきを利用してちょっとしたカード紹介を始めようと思います。ではよろしくお願いします。

「はい、という訳で今回からカード紹介を行わせていただきます!今回は僕、星風濡羽と」
「…私、緑葉風華が担当します。今回紹介するのはこのカード。《召喚師ライズベルト》よ」

召喚師ライズベルト
ペンデュラム・通常モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻 800/守 800
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを1つ上げる。
【モンスター情報】
妹セームベルをとても大事に想っている、心優しき兄ライズベルト。
昼下がりの午後に妹と一緒に魔術書を読む時間は毎日の日課になっており、
そんな二人の仲睦まじい様子に周囲の人々は自然と心が癒されてしまう。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「僕の友達、ライズベルトのカードですね。フレーバーテキストから妹の存在は知ってましたけど、まさか緑葉さんの精霊だとは思いませんでしたよ」
「…私も、ライズベルトの精霊がいるとは思わなかったわ」
「さて、肝心な効果ですが…通常モンスターなので効果はありません。その代わり、ペンデュラム効果でモンスターのレベルを1つ上げることが出来ます!」
「…シンクロやエクシーズのレベル合わせ、星風くんみたいにドラグニティで使って神槍での攻撃力上昇に貢献、色々使い方はあるわね。それにレベル3のサイキック族だから、《緊急テレポート》で呼べるのも利点よね」
「通常モンスターなので、《予想GUY》等、通常モンスターのサポートも受けられますよ。ペンデュラムスケールも2と小さく、通常モンスター主体だったり、ローレベルのデッキには入れていい1枚だと思います」
「…次回は誰と誰が紹介するのかしらね」
「それはみんなの気分次第ですよ。それでは皆さん、次回もお楽しみに!」


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三十九枚目:光騎士vs竜騎士

二章初のデュエル回、誰がデュエルするのかはお楽しみです。
それでは本編へ。


 

「…星風くん、起きて。着いたわよ」

 

既に新幹線は目的地に着いていた。ここでしばらく止まるみたいだから、少しゆっくりと星風くんを起こせるわね。

 

「ん…ふぁぁ…おはようございます、緑葉しゃん…もう着いたんですか?」

「…えぇ、着いたのよ。もうみんな降りてるわ」

「そうなんですね…まだ少し眠いです…」

 

そう言いながら星風くんは新幹線から降りた。少し足元がふらついているのは見なかったことにしましょう。

新幹線から降りて駅に出た瞬間、星風くんの眠気は吹き飛んだみたい。

 

「うわぁ!凄く綺麗な海ですね!」

「だよね〜!」

「フルーナシティから海は見えねぇからな。新幹線からも見えたが、改めてこうしてみるとやっぱすげぇよな!」

「…本当に綺麗よね」

「そうですね、とても綺麗です」

「それに広いですよね」

「海なんだから当然でしょ…でもホントに綺麗ねぇ」

「駅から海が見えるって最高だよね」

 

みんな海を見て感動しているわ。少し街から出るだけでここまで綺麗な海が見えるなんて知らなかったわ。

 

「柊真さん、旅館までどのくらいなんだ?」

「駅を出てすぐだよ。先に荷物を置いてこよっか」

「さ〜んせ〜♪」

「それなら、星風。あとでデュエルしましょ。マリーが気に入った奴のことは知っておきたいからね」

「良いですよ。デュエルならいつでも大歓迎です!」

「何はともあれ、旅館に行きましょうか」

「…そうね」

 

そうして私達は旅館に向かった。

 

 

 

 

 

駅から出て5分、本当にすぐ近くにあった旅館に、私達は荷物を全て置いてきた。小春だけ荷物が多かったのが少し気になったわね。

 

「すっごく大きな旅館でしたね!」

「でしょ?僕も前にお世話になったゆきはな旅館、ここら辺じゃいちばん大きな旅館なんだって」

「へー、そうだったんだな。てか、デュエルするにしてもどこでするんだ?」

「デュエルってどこでも出来るでしょ?」

「否定はしないけど、場所くらい選ばせてくれない?私達、あんまり人に見られたくないから」

「あ〜、アイドルだもんね〜。"ぷらいべーと"は大切にしなきゃね〜」

 

…なんで小春はプライベートが棒読みなのかしらね。きっとわざとでしょうけど。

 

「それなら、カードショップに行くのは無理ですね。どこかデュエルできそうな場所は無いものですかね…」

「でもワタシ、前に濡羽さんとデュエルした時はショップでやりましたよ?」

「そうでしたね。あの時はアイドルだなんて知りませんでしたけど…」

「それならショップでやろうかしらね。ここから近いショップって…」

「…目の前にあるわよ。どんな偶然かしらね…」

 

本当に適当に8人で町を歩いていると、目の前にカードショップがあるのって、どれくらいの確率なのかしらね。

 

「すげぇラッキーだな。入ってみようぜ」

「そうだね〜♪」

 

そうして私達はそのショップに入ることにした。

 

「あっ、いらっしゃいませー!」

「…えっ?その声って…」

「ん…その声は…こはるん!?」

「あ〜!やっぱり茜っちだ〜!!久しぶり〜!!なんでここにいるの〜?」

「言ってないっけー?ここ、私の実家だもん!」

「…誰?」

 

至極当然な私の問いに答えたのは、星風くんだった。

 

「彼女は緋乃坂(ひのさか)(あかね)さん。僕と小春の小学校と中学校での同級生です。本当に久しぶりですね、茜さん」

「ぬれたんも久しぶりー!やー、やっぱちょっと硬いねー。まだ敬語外せない?」

「外せませんよ…半ば癖みたいなものですから…」

「元同級生と再会て、なんつー偶然だよ」

「…こはるん…ぬれたん…独特な渾名ね」

「確かにそうですね。ぬれたん…ふふっ」

「笑わないでくださいよ!?って茜さん、ジリジリと寄ってこないでください!何度でも言いますけど僕は男ですからね!?」

「髪も伸びてるし、完全に見た目は女の子でしょぐへへへへ〜」

 

確かに星風くんと初めて会った時よりも髪は伸びてるけど…(初めてあった時は耳元までの長さだったけど、今は肩まであるわ)

…この人、相当危ない人なのかもしれないわね…

 

「茜っちはねー、可愛い子や綺麗な人を見ると興奮せずにはいられないんだって〜。多分風華や神名さん達だけで来てたら被害に遭ってたかもね〜」

「星風がいて助かったってわけね…」

「助けなくて良いんですかね…」

「放っておけば濡羽っちで遊ぶから大丈夫だよ〜」

「大丈夫じゃないですよね、それ!?」

「つかそれより、ここに来た目的果たそうぜ…」

「そうですね。すみません、緋乃坂さん。ここでデュエルをすることは出来ますか?」

「んむ?もちろんできるよ。とゆーかこの時間帯って人来なくて暇なんだよねー。ぜひぜひやっちゃってよ!」

「だ、そうですよ」

「じ、じゃあ、早速しましょうか!」

「そうね」

 

まだお昼まで少し時間があるし、デュエルの後にカードを見るのもありかもしれないわね。それよりも今はデュエルよね。確か輝琉さんのデッキは…60枚だったわよね。星風くんはどう攻略するのかしら。

 

「2人とも、準備はいいかな?」

「大丈夫ですよ、柊真さん」

「こっちもOKよ」

「あ、ぬれたんー、負けたらいつものねー」

「急に負けられなくなった!?」

 

…いつものって、何かしら…

 

「それじゃあ、デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 輝琉ライン

後攻 星風濡羽

 

デュエル開始

 

 

 

「私の先攻で始めるわ!」

 

輝琉さんのデッキは一体なんなんだろう…楽しみだな!

 

「まずはこれ!《光の援軍》!デッキトップ3枚を墓地へ送って、デッキから《ライトロード・ハンター ライコウ》を手札に!」

 

ライン 手札 5→4→5

 

「なるほど、【ライトロード】ですか」

「やっぱり知らなかったのね…言っとくけど、60枚だからね」

「でしょうね…でないと早々にデッキアウトですよ」

 

まあ、僕も60枚デッキを使ってるんだけど…あれは墓地に大量に落とさなきゃ動けないからあぁなったわけで、ライトロードとはまた理由が異なるんだ。

 

「さて、さらにこれで動くわ。《ソーラー・エクスチェンジ》よ。手札から《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》を捨てて2枚ドロー。そのあと、デッキトップ2枚を墓地へ送るわ」

 

ライン 手札 5→3→5

 

「そして《ライトロード・サモナー ルミナス》を召喚!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス 攻撃表示

ATK 1000

ライン 手札 5→4

 

「ルミナスの効果!手札から《ライトロード・ハンター ライコウ》を捨てて、墓地の《ライトロード・アサシン ライデン》を特殊召喚!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻撃表示

ATK 1700

ライン 手札 4→3

 

「ライデンの効果よ!デッキトップ2枚を墓地へ送るわ。その中にライトロードがいれば、攻撃力が200アップするんだけど…《ライトロード・ウォリアー ガロス》がいたわ!攻撃力200アップよ!」

 

ライトロード・アサシン ライデン

ATK 1700→1900

 

「ま、実を言えばこのパンプはターン終了時までだから関係ないんだけどね。だからこうするわ!レベル3のルミナスにレベル4のライデンをチューニング!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス レベル3 光属性

ライトロード・アサシン ライデン レベル4 チューナー

 

「英雄の魂を導く光の天使!騎士達の君主として降臨せよ!シンクロ召喚!《ライトロード・アーク ミカエル》!」

 

ライトロード・アーク ミカエル 攻撃表示

ATK 2600

 

「カードを2枚伏せてターンエンドよ。このエンドフェイズ、ミカエルの効果でデッキトップから3枚を墓地へ送るわ」

 

ライン

モンスター ミカエル(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 15

手札 1

デッキ 42

LP 8000

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 5→6

 

ライトロードは、墓地を活用する効果を多数持った、光属性で統一されたカテゴリ。モンスターの大半がエンドフェイズにデッキからカードを墓地へ送る効果を持っていて、60枚にでもしないとすぐにデッキアウトで負けてしまう、個人的には使いにくそうなカテゴリだと思うよ。

 

「例のアレが出てくるまでに決められるといいなぁ…《テラ・フォーミング》を使うよ。デッキから《竜の渓谷》を手札に加えて、そのまま発動します」

 

濡羽 手札 6→5→6→5

 

「その効果で、手札から《ドラグニティ-ファランクス》を捨てて《ドラグニティ-アキュリス》をサーチします」

 

濡羽 手札 5→4→5

 

「ふぅん、聞いた通りのドラグニティね。それでどうするのかしら?」

「僕はそのままアキュリスを召喚します」

 

ドラグニティ-アキュリス 攻撃表示

ATK 1000

濡羽 手札 5→4

 

「アキュリスの効果で、手札から《ドラグニティ-ミリトゥム》を特殊召喚し、このカードを装備します!」

「おぉ、濡羽っちの十八番だよ〜!」

「ホント、昔っからこれだけはブレないよねー」

 

ドラグニティ-ミリトゥム 攻撃表示

ATK 1700

濡羽 手札 4→3

 

「ミリトゥムの効果で、アキュリスを装備解除!そしてレベル4のミリトゥムにレベル2のアキュリスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム レベル4 鳥獣族

ドラグニティ-アキュリス レベル2 ドラゴン族 チューナー

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「武器の名を持つ竜を駆る鳥獣の騎士!その槍の原典は、雷の牙!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》!」

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ 攻撃表示

ATK 1900

 

「出たぜ、濡羽の切り札!」

「切り札って言うか、どちらかと言えば切り込み隊長かな。ヴァジュランダの効果で、墓地のアキュリスを装備します」

「…何か嫌な予感するわね。装備後に《ブレイクスルー・スキル》よ。ヴァジュランダの効果を無効にするわ」

「う…それはキツイ…って、前までの僕なら言ってましたよ。チェーンして《ダブル・サイクロン》!装備状態のアキュリスと、その伏せカードを破壊します!」

「くっ…」

 

濡羽 手札 3→2

 

ダブル・サイクロンが破壊したのは《閃光のイリュージョン》。完全にライトロードなんだね…

 

「更に、装備状態から墓地へ送られたアキュリスの効果!場のカード1枚を破壊します!ミカエルを破壊!」

「そんなっ!」

「バトルフェイズ!ヴァジュランダでダイレクトアタック!フルブレイク・ターミナイト!」

 

効果を無効にされ、少し色褪せたヴァジュランダは、それでもその手に持った槍の柄でラインさんを小突いた。うん…なんでそんな攻撃方法?

 

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ

ダイレクトアタック

ATK 1900

ライン LP 8000→6100

 

「いったぁ!!」

「…最近、モンスター達が自由になっていってる気がする…カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

濡羽

モンスター ヴァジュランダ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド 竜の渓谷

墓地 5

手札 1

デッキ 32

LP 8000

 

 

「うぅ…私のターン、ドロー!」

 

ライン 手札 1→2

 

「こうなったら、全力出して回してやるわよ!《光の援軍》!デッキトップ3枚を墓地へ送って、今度は《ライトロード・マジシャン ライラ》をサーチ。さらに墓地に落ちた3枚の《ライトロード・ビースト ウォルフ》の効果!墓地から特殊召喚よ!」

「3体もですか!?」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ 攻撃表示

ATK 2100

ライン 手札 2→1→2

 

「つーかさ、デッキトップ3枚全部同じとか、60枚デッキであろうとなかろうと事故だよな…」

「確かに…事故と言えば事故ですよね…」

「むっ、それは言わないでよ。まぁいいや。私の墓地にライトロードが4種類以上あるため、手札から《裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)》を特殊召喚するわ!」

 

裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン) 攻撃表示

ATK 3000

ライン 手札 2→1

 

「さらに《ライトロード・マジシャン ライラ》を召喚!」

 

ライトロード・マジシャン ライラ 攻撃表示

ATK 1700

ライン 手札 1→0

 

「ライラの効果!このカードを守備表示にすることで、その伏せカードをを破壊するわ!」

 

ライラの持つ杖から放たれた光により、僕の場に伏せられた《スピリットバリア》は破壊されてしまった。そして、ひと仕事終えたライラは跪いた。

 

ライトロード・マジシャン ライラ DEF 200

 

「攻撃力合計は9300。1900を引いても7400。ギリギリ耐えられますね…」

「それはどうかしら?バトルフェイズ!裁きの龍でヴァジュランダに攻撃!この瞬間、墓地の《スキル・サクセサー》の効果!」

「やっぱりその手のカード入れてますよねぇ!」

「裁きの龍の攻撃力800アップよ!行きなさい、裁きの龍!シャイン・テスタメント!」

 

裁きの龍

ATK 3000→3800

ドラグニティナイト-ヴァジュランダ

ATK 1900

3800-1900=1900

濡羽 LP 8000→6100

 

「うぁっ!くぅ…」

「これでワンショットキルかしらね?行きなさい、ウォルフ!ダイレクトアタックよ!」

「ここで…止めます!《バトルフェーダー》の効果!相手のダイレクトアタック宣言時に手札から特殊召喚し、バトルフェイズを終了します!」

 

バトルフェーダー 守備表示

DEF 0

濡羽 手札 1→0

 

「あら残念。メイン2よ。レベル4のウォルフ2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ レベル4×2

 

「光に導かれし聖女。その高貴なる魂で戦場に新たな光を!《ライトロード・セイント ミネルバ》!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ 攻撃表示

ATK 2000

 

「ミネルバの効果!エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を1つ使い、デッキトップ3枚を墓地へ送り、その中のライトロードカードの数だけドローするわ!」

 

ミネルバの祈りにより、デッキから3枚のカードが墓地へ送られる。その中にあったのは、《ライトロード・ウォリアー ガロス》《ライトロード・シーフ ライニャン》《ライトロードの裁き》 の3枚だった。

 

「3枚のライトロード確認!3枚ドローし、モンスター効果で墓地へ送られた《ライトロードの裁き》の効果!デッキから《裁きの龍》を手札に!」

 

ライン 手札 0→4

 

「一気に4枚も!?」

「カードを1枚伏せてターンエンドよ!」

 

ライン

モンスター 裁きの龍 ウォルフ ミネルバ(攻撃表示)ライラ(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 22

除外 1

手札 3

デッキ 30

LP 6100

 

 

「うーむむ…僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 0→1

 

僕の場にはバトルフェーダーと竜の渓谷だけ。墓地で発動できるカードはない…

 

「攻撃力の高い裁きの龍がキツイなぁ…でもどれも残せないし…うーん…」

「ふふん、どうよ!この盤面、突破できるものならしてみなさい!」

「まぁとりあえず引いてから考えます…《命削りの宝札》!このターン特殊召喚出来ず、相手にダメージを与えられず、ターン終了時に手札を全て捨てる代わりに、手札が3枚になるようにドローします!よって3ドロー!」

 

濡羽 手札 0→3

 

「よしっ!《ブラックホール》!場のモンスター全てを破壊します!」

「はぁ!?引き強すぎでしょ!」

 

これで場はがら空き…運良く引けたこの2枚でどうにかしなきゃね。

 

「僕はカードを2枚伏せてターン終了です。このエンドフェイズに、命削りの宝札のデメリットが発生しますが、捨てる手札はありません」

 

濡羽

モンスター なし

魔法・罠 伏せ2

フィールド 竜の渓谷

墓地 7

除外 1

手札 0

デッキ 28

LP 6100

 

 

「むぅぅ…私のターン、ドローよ!」

 

ライン 手札 3→4

 

「…!ふふ、やーっと来たわね!」

「…一体…何を?」

「《トワイライトロード・ジェネラル ジェイン》を召喚!」

 

トワイライトロード・ジェネラル ジェイン 攻撃表示

ATK 1800

ライン 手札 4→3

 

「ト…トワイライトロード!?」

「…また見たことの無いカードが…」

「あれがラインちゃんの隠し玉ですよ」

 

トワイライトロード…一体どんな効果なんだろ!楽しみだなぁ!

 

「ま、先にこっちを使うわ。セットカードオープン、《黄昏の交衣(トワイライト・クロス)》!墓地のウォルフ、ライラ、ライニャン、ミネルバの計4枚を除外!ターン終了時まで、ジェインの攻撃力と守備力は、除外したライトロードの数×200ポイントアップするわ!」

 

トワイライトロード・ジェネラル ジェイン

ATK 1800→2600

 

「さらに、除外されてるライトロードが4種類以上あるため、手札から《戒めの龍(パニッシュメント・ドラグーン)》を特殊召喚!」

 

戒めの龍 攻撃表示

ATK 3000

ライン 手札 3→2

 

「《裁きの龍》みたいな条件のモンスター…!多分、トワイライトロードの切り札ですよね!」

「えぇ、そうよ!さらに2体目の《裁きの龍》も特殊召喚するわ!」

 

裁きの龍 攻撃表示

ATK 3000

ライン 手札 2→1

 

「攻撃力3000のモンスターが2体も…!」

「バトルフェイズ!戒めの龍でダイレクトアタック!イービル・テンペスター!」

(トラップ)発動!《カウンター・ゲート》!そのダイレクトアタックを無効にし、1枚ドロー!そのカードがモンスターであれば、特殊召喚します!」

 

戒めの龍が放った黒い光線は、僕の前に開いた扉に吸収された。そして、その扉から新たに小さな影が飛び出した。

 

「僕が引いたのは《マシュマロン》!攻撃表示で特殊召喚します!」

 

マシュマロン 攻撃表示

ATK 300

 

「マシュマロンは戦闘では破壊されません!」

「む…これ以上攻めても仕方ないわね。ならメイン2!ちょっとやりたく無かったけど…裁きの龍の効果!ライフ1000をコストに、自身以外の全てを…破壊するわ!フラッシング・オーバーロード!」

「な…全体破壊を使った…!?けど、セット状態で破壊された《ミラクルシンクロフュージョン》の効果!1枚ドローします!」

 

濡羽 手札 0→1

 

「私はこれでターンエンドよ。さぁ、返してみなさい!」

 

ライン

モンスター 裁きの龍(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 26

除外 5

手札 1

デッキ 29

LP 5100

 

 

「…僕のターン、ドロー!」

 

濡羽 手札 1→2

 

今の裁きの龍の効果で、場に残されたのは裁きの龍1体だけになった。攻めるなら今だけど…正直、攻め手がないんだよね。

 

「…これしかないかな。《天よりの宝札》!僕の場と手札全てを除外して、2枚ドローします!」

 

濡羽 手札 2→0→2

 

「さらに、除外された《嵐征竜-テンペスト》の効果で、デッキから《ドラグニティアームズ-ミスティル》をサーチ!」

 

濡羽 手札 2→3

 

「天よりの宝札とは…また珍しいカードですね」

「…けど、除外するからテンペストと相性は良いわよね」

「黄金櫃でいい気もするけどな」

 

うーん、散々な言われよう!

 

「……て、手札から《ドラグニティ-ドゥクス》を召喚します!」

 

ドラグニティ-ドゥクス 攻撃表示

ATK 1500

濡羽 手札 3→2

 

「ドゥクスの効果で、墓地のファランクスを装備!そしてファランクスを自身の効果で特殊召喚!」

 

ドラグニティ-ファランクス 攻撃表示

ATK 500

 

「そしてファランクスを墓地へ送り、手札からミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル 攻撃表示

ATK 2100

濡羽 手札 2→1

 

「特殊召喚に成功したミスティルの効果!墓地のファランクスを装備し、再び装備解除!」

 

ミスティルの元を離れたファランクスは、小さくため息をついた。ごめんね、ファランクス…でも君がいないとこのデッキほとんど回らないからさ…

 

「…レベル4のドゥクスにレベル2のファランクスをチューニング!」

 

ドラグニティ-ドゥクス レベル4 鳥獣族

ドラグニティ-ファランクス レベル2 ドラゴン族 チューナー

4+2=6

レベル6シンクロ

 

「槍の名を持つ竜を駆る、鳥獣の騎士!その槍の原典は、魔法を打ち破る赤き槍!シンクロ召喚!《ドラグニティナイト-ガジャルグ》!」

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ 攻撃表示

ATK 2400

 

「ガジャルグの効果!デッキから《ドラグニティ-ブラックスピア》をサーチし、そのまま墓地へ送ります。そして《シンクロ・ギフト》!このエンドフェイズまで、シンクロモンスターであるガジャルグの攻撃力を0にすることで、ミスティルにその攻撃力を加えます!」

 

ドラグニティナイト-ガジャルグ

ATK 2400→0

ドラグニティアームズ-ミスティル

ATK 2100→4500

濡羽 手札 1→0

 

「っ…裁きの龍の攻撃力を超えられた…!」

「バトルフェイズ!ミスティルで裁きの龍に攻撃!」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル

ATK 4500

裁きの龍

ATK 3000

4500-3500=1000

ライン LP 5100→4100

 

「くっ…ごめん、裁きの龍…」

「僕はこれでターン終了です。このエンドフェイズにシンクロ・ギフトの効果は終了します」

 

ドラグニティアームズ-ミスティル

ATK 4500→2100

ドラグニティナイト-ガジャルグ

ATK 0→2400

 

濡羽

モンスター ミスティル ガジャルグ(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 15

除外 2

手札 0

デッキ 21

LP 6100

 

 

「やってくれたわね!私のターン、ドロー!」

 

ライン 手札 1→2

 

「…!これなら、面白いことが出来るわ。カードを2枚伏せてターンエンドよ!」

 

…2枚伏せただけ…?でも、何だか怖いや…

 

ライン

モンスター なし

魔法・罠 伏せ2

墓地 27

除外 5

手札 0

デッキ 28

LP 4100

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

濡羽 手札 0→1

 

なんだか怖いけど、やるだけやってみよう!

 

「僕はガジャルグの効果発動!デッキから《ドラグニティ-ドゥクス》を手札に加えて、手札の《ドラグニティ-ブラックスピア》を墓地へ!そしてドゥクスを召喚!効果で墓地のファランクスを装備し、このファランクスを守備表示で特殊召喚します!」

 

ドラグニティ-ドゥクス 攻撃表示

ATK 1500

ドラグニティ-ファランクス 守備表示

DEF 1100

濡羽 手札 1→0

 

これで壁になるモンスターも増えたし、次のターンも大丈夫だよね!

 

「バトルフェイズ!」

「この瞬間、墓地の《光の護封霊剣》を除外して効果を発動するわ!」

「なっ…護封霊剣!?そんなカードが墓地に行ってたんですか!?」

「このカードを除外することで、相手はこのターンダイレクトアタックが出来なくなる!これで攻め手は奪ったわよ!」

「うっ…ターン終了です…」

 

濡羽

モンスター ミスティル ドゥクス ガジャルグ(攻撃表示) ファランクス(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 15

除外 2

手札 1

デッキ 19

LP 6100

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

ライン 手札 0→1

 

「伏せていた《死者転生》を発動!手札の《トワイライトロード・ファイター ライコウ》を捨てて、墓地の《戒めの龍》を回収するわ!そしてこの戒めの龍を再び特殊召喚!」

 

戒めの龍 攻撃表示

ATK 3000

ライン 手札 1→0

 

「…もしかして…ラインちゃん、あのカードを使うんですか?」

「えぇ。マリーが一番苦手なカードよ」

「うひゃあ…」

 

え、何?何を使われるの…僕…

 

「このカードで沈む事を光栄に思いなさい!(トラップ)発動、《現世と冥界の逆転》!」

「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

「…《現世と冥界の逆転》…!?」

「ちょま、そんなカードをライロに入れてんのか!?」

「こはるん、あれ、なんて効果なの?」

「えっとね〜、デッキと墓地が入れ替わるの!」

「そうですね。デュエル中1度、お互いの墓地が15枚以上の時に発動でき、1000ライフを払うことでお互いのデッキと墓地を入れ替えることが出来るトラップです。過去に先攻デッキアウトワンキルすら行っていた、最凶とも言えるカードですね」

「で、でも!昔みたいにそれがエンドカードになる訳では…!」

「甘いのよ!チェーンして戒めの龍の効果!1000ライフをコストに、お互いの墓地と除外ゾーンから、ライトロードモンスター以外のカードを全てデッキに戻す!私の墓地からは8枚ほど戻るわ。けど、君の墓地にライトロードはいない!全部デッキに戻るわよ!」

「んなっ!!」

 

それじゃあ…僕の墓地は0!しかも、お互いの墓地が15枚以上っていうのは『発動条件』であって、既に発動したこの状態だと、お互いの墓地の枚数なんてもう関係ない…!

 

「私のデッキはまだまだ残るけど、星風のデッキはこれで0。何もしなくても勝手に負けるわよね。ターンエンドよ」

 

ライン

モンスター 戒めの龍(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 38

除外 4

手札 0

デッキ 19

LP 2100

 

 

「…僕のターン。ドローできないので、僕の負けですね」

 

ゲームエンド

WINNER 輝琉ライン

 

 

 

「そこまで。勝者、輝琉ライン…っと。審判らしいことなんてこれくらいだよね」

「ありがとうございました、ラインさん。まさか現世と冥界の逆転を使われるとは思いませんでしたよ…」

「デッキに1枚しか入れてないから、ライトロードの効果で落ちないかいつもヒヤヒヤしてるのよ」

 

…戒めの龍…なんであれ程のカードが世に出回らないのかしらね…

 

「さぁてぬれたん、負けちゃったねー」

「…はっ…」

「ちょっと奥に来よーねー!」

「ちょ、茜さん!慈悲は…!」

「ないに決まってるよね☆」

「いーやーだー!!」

 

…星風くん…何をされるのかしら…

 

 

 

 

 

数分後…

 

「おっまたせー!いやー、2年くらい会ってなかったけど、体格変わってなくて安心したよー!」

「…恥ずか死にます…」

「にゃはは〜♪なんか懐かし〜ね〜♪」

 

お店の奥から出てきた緋乃坂さんと…もう1人は…星風くん…なのよね?

 

「…なんでお前そんな服(ゴスロリ)着てんだ?」

 

西条君の言う通り、星風くんはゴシック・ロリータ…ゴスロリに身を包んでいた。ハイソックスも履いて、知らない人が見たら完全に女の子だと思うわね。

 

「…なんで女装させられてるのかな?」

「もし濡羽っちが負けたら、茜っちか私の持ってる服を着てもらうって条件で昔よくやってたんだ〜♪」

「本当ならカツラもあったんだけど、ぬれたんの髪が伸びてるから要らなかったんだよねー」

「…小学校の頃にどこか傷ついたような顔をして帰ってきてたのって、それが理由だったんだ…」

 

…昔からやってたのね。それにしても…本当によく似合うわね、女装姿

 

「うへへー、ぬれたん、写真撮らせて!100枚単位で!」

「嫌ですよ!?今すぐにでも脱ぎたいです!!」

「つか、小春の言い方だとその服って緋乃坂…だっけ?お前の持ち物って事になるが…お前、そーゆー趣味なのか?」

「ううん。中学の頃にぬれたん用に買った服だよー」

「中学の頃にもやってたんだね!?」

「…風華、私達は向こうでカードを見ましょうか」

「…そうね、そうするわ。マリーさんとラインさんも行きましょう?」

「は、はい!」

「えぇ、そうした方がいい気がするわ…」

 

私達は、星風くんから離れてしばらくカードを見ていた。その間、シャッター音がなりやむことはなかったわね。




ラインさんvs濡羽君、ラインさんの勝利です。
ラインさんのデッキはトワイライトロード入りの【ライトロード】。このデッキに関しては枚数を数えるのに苦労したので手元に60枚用意して書きました。

それではカード紹介。

「つーわけで前回からやってるカード紹介だ!今回は俺、西条湊月と!」
「聖川小春でお送りするよ〜♪今回紹介するのは、ラインちゃんが使ったカード、《現世と冥界の逆転》だよ♪」

現世と冥界の逆転
通常罠
「現世と冥界の逆転」はデュエル中に1枚しか発動できない。
(1):お互いの墓地のカードがそれぞれ15枚以上の場合に
1000LPを払って発動できる。
お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキと墓地のカードを全て入れ替え、
その後デッキをシャッフルする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「デッキと墓地を入れ替えるっつー、他じゃ見ねぇ効果だな」
「『墓地へ送る』じゃなくて『入れ替える』だから、《M・HERO ダーク・ロウ》や《マクロコスモス》があっても除外されないんだよね〜♪」
「エクストラデッキのカードはちゃんとエクストラデッキに戻るから、相手の墓地がエクストラデッキの15枚だけなら、それだけでデッキアウト確定だな。今回の場合なら、《戒めの龍》の持つ『墓地か除外されているライトロードモンスター以外のカードを全てデッキに戻す』って効果で墓地を0枚にされてデッキアウトしたな」
「という訳で今回は2枚目だよ〜♪湊月っちの言った《戒めの龍》〜♪」

戒めの龍
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2600
このカードは通常召喚できない。
除外されている自分の「ライトロード」モンスターが4種類以上の場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、1000LPを払って発動できる。
「ライトロード」モンスター以外の、
お互いの墓地のカード及び表側表示で除外されているカードを全て持ち主のデッキに戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):1ターンに1度、自分の「ライトロード」モンスターの効果が発動した場合に発動する。
自分のデッキの上からカードを4枚墓地へ送る。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「相手ターンでも墓地を空に出来るってのは強いな!?」
「だよね〜♪召喚条件や効果発動のコスト、レベルや攻撃力から見てもら《裁きの龍》を意識してるよね〜♪」
「妨害にも良し、火力面でも申し分ないカードだな。強いて言うなら、《裁きの龍》同様に蘇生制限を満たしても蘇生出来ねぇってのが辛い点か」
「次は誰と誰なのかな〜?」
「さぁな。ま、そりゃ次回にならねぇと分からねぇさ」
「ってことで、次回もお楽しみに〜♪」


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四十枚目:一日の終わりに

普通の会話パートです。
やっぱりサブタイトルに悩む今日この頃です。
では本編へ。


 

カードを見始めて3時間くらい経ってると思ったけれど、実際には1時間しか経ってなかった。まぁ星風くん達はと言えば…

 

「やー、満足満足!久しぶりにぬれたんを撮れて私は嬉しいよ!」

「……僕はもうボロボロです……」

「にゃはは〜♪茜っち、後で私にも送って〜♪」

「おー、いーよいーよ!ぜんっぜん良き!」

「やーめーてー…」

 

…関わらない方がいいわね、あれ。もう少しカードを見ている方がいい気がするわ…

 

「風華さん、何か捜し物かな?」

「…柊真さん…いえ、星風くんがSRっていう別のデッキを使ってるのを見て、私もガスタを少し見直そうと思ったの。けれど、なかなかいいカードが見つからなくて…」

「そっか、風華さんは新しいカードが欲しいんだね。それなら、このカードを上げるよ」

「…え?いいの?」

「全然いいよ。それになんというか、このカードは風華さんには似合うんじゃないかと思うんだ」

 

そう言って柊真さんは私に数枚のカードをくれた。

 

「…風属性で、魔法使い族なのね。それに、シンクロ召喚をしやすそうな効果。柊真さん、有難く使わせてもらうわ」

「どんなデッキになるのか、僕も楽しみにさせてもらうね」

 

早くこのカードを組み込みたいわ。今からでもデッキを組み直しましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2,3時間後。僕達は茜さんと別れて1度旅館に戻ってきた。というのも、小春の提案で午後から海に行くことになったから、水着を取りに戻ってきたんだ。

そして僕達は海に行ったんだけど…

 

「わ〜、広〜い!」

「それに、人も少なくて良かったわね、マリー?」

「そうですね、ラインちゃん…本当に良かったです…」

 

マリーさん…反応的にもしかして人見知りなのかな?アイドルなのに…

 

「つーか着替えたは良いけどよー…」

「うん…湊月くんの言いたいこと、凄くわかるよ…」

 

湊月君と柊真さんは、我慢できないようにほぼ同時に叫んだ。

 

「「物凄く目のやり場に困るっ!!」」

 

…そんなに困るのかな?確かにみんな水着だけど…

 

「濡羽さんは…理解出来てないみたいですね…」

「にゃはは…濡羽っちってどこか鈍いもんね〜…」

「…鈍いどころの話じゃない気もするわね…」

「昔っからぬれたんは女の子になびかないからねー」

 

あ、そうそう。茜さんと別れたとは言ったけど、合流してないとは言ってないよ(軽い絶望感)

 

「そんなに変なのかな…」

『おう、ヌレハは割と変だぞ』

『お前さんは、男としてはどうかと思うな。女だと言うなら納得だが』

 

スターダストもドラゴネクロも酷くないかなっ!?僕は男子だからね!?

 

「星風は、なんで急に渋い顔をしてるのよ…するならもう少し前からでしょ」

「星風さんにも色々あるんですよ、きっと」

 

神名さんは輝琉さんと違って、精霊のことを知ってるから、僕が渋い顔をした理由も何となく察してくれてるんだろうなぁ…

 

「だーっ!しゃらくせぇ!とりあえず遊ぶぞこんにゃろー!」

「…西条君は何に怒っているのかしらね」

「さぁ…僕にも分からないです」

「まぁ、気を取り直してみんなで遊ぼうか。スイカも持ってきたからスイカ割り出来るよ」

「わ〜い!スイカ割りやってみたかったんだ〜♪」

「マリー、私達は海に入りましょ!」

「はいっ!」

 

うん、みんな楽しそうだね。さて僕は…

 

「ぬれたん、どこに行くのかなー?」

「えっ…どこって…」

「ぬれたんも遊ぶんだぞー!」

 

えぇ…僕はパラソルの下にいたいんだけどなぁ…

 

「って、ちょっ、引っ張らないでください!コケますから!」

「ほらほらー、海に入りなよー!」

「うわ、うわわっ!」

 

そのまま僕は茜さんによって海に投げ込まれた。いや、投げ込まれたというより遠心力を使って放り込まれたって感じなんだけどね…

 

「ぷはっ!けほっ、けほっ…茜さん!何するんですかっ!」

「やー、ごめんごめん!ついやっちゃった☆」

「うぅ…目に海水が入ったよ…」

 

僕は何も考えず、いつも通り振り返ってみんなを見た。目に違和感もなかったから、僕はそれに気づけなかったんだ。

 

「…ふぇ?ぬれたん?」

「…星風くん…その眼…」

「眼?眼がどうかし…」

 

半ばまで言ったその時、僕は全てを察した。もしかして…

 

「…と、柊真さん…もしかして今…」

「あー、うん。カラコン外れてる。思いっきり外れてるよ」

「…ってことは…」

「濡羽…お前…右眼、青いぞ…?」

 

にゃー!やっぱりー!?今まで隠してたのにーっ!!

 

「濡羽っち、右眼が青かったんだね〜…知らなかった〜」

「うぅ…目立つから隠せって柊真さんに言われて、それ以来ずっと隠してきたのになぁ…」

「恐らく、緋乃坂さんに投げ込まれた時に海に流れてしまったのでしょうね」

 

神名さん…冷静に分析されても困りますよ…

 

「うぅ…見ないでぇ…」

「…どうして?とても綺麗なのに」

「…ふぇ?」

「そうだな。そこまでして隠すようなもんでもねぇぞ?」

「…そうなの?」

 

何だか、あからさまに柊真さんが目を逸らしてる気がするんだけど…気のせいかな?

 

「…柊真さん…?」

「い、いやー…なんか、みんなの適応力というか、なんというか…それが予想外に高かったね…」

 

うん…後でまたヘル・テンペスト打ってあげよっと…

 

「なんか物騒なこと考えてないかなっ!?」

「イヤー気のせいですよ気のせい」

「うん、気のせいじゃないよね!!」

 

柊真さんの悲痛な叫びにみんな苦笑いになりながらも、海を満喫した。

そしてこの時から僕は、右眼を隠すことをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

その日の夜。俺達は旅館に用意された部屋に泊まった。女子組は5人になったから、緑葉さんと聖川と神名さんの3人組と、マリーとラインのアイドル組で二部屋に分かれた。俺と柊真さんと濡羽の男子組は一部屋だけどな。

んで今は温泉から上がったとこ。俺が一番最後に入ったんだよな。

 

「ふぃぃ、気持ちよかったなぁ」

「おかえり、湊月君。もう布団は敷いてあるよ」

「あざっす。濡羽は?」

「もう布団に入っちゃったよ」

 

早いなおい…って早くねぇな。もう11時だしな。

 

「じゃあ俺も寝ますわ。柊真さんも夜更かしは禁物っすよ」

「分かってるよ。お休み、湊月君」

 

そうして部屋の奥に敷かれていた布団に向かうと、濡羽はスマホの電源をつけたまま寝落ちていた。

 

「ったく…無駄に充電消費するだけだぞ…って、ん?こりゃ…」

 

濡羽は何かを調べていたようだが…開いてあるタブを見て、俺は少し笑ってしまった。

 

「ははっ、なーんだ。この事を気にしてたのか、濡羽は」

 

開かれていたタブは『マリー・リュクス・ミネルヴァ』『輝琉ライン』といったアイドル関連の事柄を筆頭にした、現代社会の常識みてぇな物だった。

 

「すぅ…すぅ…」

「普段ロクに調べることもしねぇ濡羽が、こんなこと調べるなんてなぁ…」

 

俺は濡羽のスマホの電源を落とし、友の些細な変化を喜びながら布団に潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、少しずつ、静かに、でも確実に闇は侵食していた。

僕が災厄を見るまで、あと僅か。




次回か次次回にはまたデュエルすると思います。
そして早速カード紹介。

「はい、という訳でカード紹介も3回目。今回担当するのは僕、龍凪柊真と」
「神名優姫です。柊真さんは一応メインキャラなのに出番が少ないですよね」
「うっ、それは言わないで…それよりもカード紹介だよ。今回はどんなカードなのかな?」
「はい。今回は風華のカード、《召喚師セームベル》です」

召喚師セームベル
効果モンスター
星2/風属性/魔法使い族/攻 600/守 400
自分のメインフェイズ時、
このカードと同じレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚する事ができる。
この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「手札から同レベルモンスターを特殊召喚出来るモンスターだね」
「ですが良くも悪くも同レベルしか特殊召喚出来ませんからね。しかも、フィールドに存在する限り1度だけ、という縛りもありますから、何度も使いたければセルフバウンスが必須です」
「けど、レベルさえ調整してしまえばエクシーズ召喚がしやすいし、チューナーを特殊召喚すればレベルの合うシンクロモンスターもシンクロ召喚出来るから、上手く使えるかどうかってところだね」
「風華はよくリンク召喚に利用していますよ。ウィンの素材を簡単に満たせますからね」
「確かにそうだね。さて、次は誰が担当するのかな?」
「この流れから予想するのは容易いですが、私の口からはなんとも」
「それなら僕も黙っておこうかな。それじゃあまた次回だね」


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四十一枚目:守護神vs冬風

部活だったり期末試験だったりで投稿が遅くなりました。(まぁもうひとつ理由がありますけれど…)今回はデュエル回です。誰がデュエルするのかは…タイトルで分かるかとと思いますけどお楽しみ、ということで。

それでは本編へ。


 

旅行2日目。私は朝の6時に起きました。というのも、普段から朝早くに起きているので、何も無くても目が覚めてしまったのです。

風華と聖川さん、実体化して一緒に泊まったレイさんはきっとまだ起きていないでしょうけども…

 

「…──でダイレクトアタックよ」

『うぅ…また負けてしまいましたね…』

 

あら、私が一番早いかと思ったのですが、風華とレイさんの方が早かったみたいですね。

 

「風華、レイさん。おはようございます。2人とも早いですね」

『ユウキさん!おはようございます。私は早いというより、なんだか気分が高揚して眠れなかったんですよね…』

「…おはよう、優姫。私は5時頃に起きたわ。レイさんも起きていたし、デッキ調整に付き合ってもらったの」

「デッキ調整…ですか?」

 

風華は普段、滅多なことではデッキの中身を変えることはしないのですが…珍しいこともあるものですね。

 

『本当に凄いんですよ、フウカさんのデッキ。私じゃ相手にならなくて…』

「…元々私のデッキはダメージを反射するようなカードが多いから、シズクがそこまで刺さらないっていうのもあるけどね」

「どんなデッキになったのか気になりますね。風華、私とも1戦、お願いできますか?」

「…良いわよ。やっぱりエクゾディアかしら?」

「えぇ、当然です」

 

レイさんは私のデッキを聞いて、なんとも言えない表情をしていますね。言いたいことは分かります。ですがそれは言わぬが花、というものですよ。

 

「…じゃあ、始めましょうか」

「そうですね。では…」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 神名優姫

後攻 緑葉風華

 

デュエル開始

 

 

「私のターンから始めさせてもらいますね」

「…構わないわ」

 

新しくなったという風華のデッキ。けれど私のすることは変わりませんね。

 

「《チキンレース》を発動します。1000ライフポイントを支払い、デッキから1枚ドローします」

 

優姫 手札 5→4→5

LP 8000→7000

 

「今引いた《チキンレース》を発動、同様の処理を行います」

 

優姫 手札 5→4→5

LP 7000→6000

 

「今回はここまでですね。カードを5枚伏せてターン終了です」

 

優姫

モンスター なし

魔法・罠 伏せ5

フィールド チキンレース

墓地 1

手札 0

デッキ 33

LP 6000

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 5→6

 

「…正直な話、私のデッキって優姫のデッキと相性最悪なのよね」

「確かにそうですね。風華は効果ダメージを好みますけど、私に効果ダメージを与えてしまえば、それだけドローされますからね」

『…ダメージがドローに…もしかしてユウキさんのデッキってエクゾディアはエクゾディアでも【活路エクゾ】なんですか?』

 

レイさんは察しが良いですね。星風さんは活路への希望で気づきましたけども。

 

「…そうよ。私も何度もやってるけど、勝率は五分って所ね」

『うひゃあ…』

「…少し逸れてしまったわね。ターンを進めるわ。手札から《召喚師セームベル》を召喚」

『行っくよー!』

 

召喚師セームベル 攻撃表示

ATK 600

 

風華 手札 6→5

 

「早めに使っておきますね。《ギフトカード》です。風華のLPを3000ポイント回復させます」

「…チェーンしてライフ半分をコストに、手札から《レッド・リブート》よ」

 

風華 手札 5→4

風華 LP 8000→4000

 

「…これでギフトカードは発動を無効にされ再びセット。魔法・罠ゾーンも埋まってるから任意の罠セットも不可能よ」

「さらに言うとすれば、レッド・リブートを手札から発動する際のコストでライフを半分にしていますから、《活路への希望》も現状では使用不可能。そもそもこのターンは罠を発動出来ませんけどね。なかなか嫌なカードを使われました」

「…星風くんの罠が変なことばかりするから、その対策よ」

 

それに関しては否定はしませんよ。私も星風さんと初めてデュエルした時は、彼の使った《星遺物の傀儡》でエクゾディアを封殺されかけましたからね。

 

「…それじゃあ、続けるわね。セームの効果。手札から《ガスタ・ファルコ》を特殊召喚するわ」

 

ガスタ・ファルコ 守備表示

DEF 1400

風華 手札 4→3

 

『フウカ、ここからどうするの〜?』

「…こうするのよ。レベル2のセームにレベル2のファルコをチューニング」

 

召喚師セームベル レベル2

ガスタ・ファルコ レベル2 ガスタ チューナー

 

「…共に育ち、共に生きてきた無二の友のため、さらに強くなれ。シンクロ召喚。《ダイガスタ・ファルコス》」

 

ダイガスタ・ファルコス 攻撃表示

ATK 1400

 

『うー、シンクロ素材にされちゃったよー!』

「…ごめんなさい。でも仕方ないのよ」

『むー!』

 

確かに、風華の言う通りですね。基本的なステータスが低いセームベルさんを棒立ちにさせておくよりは、各種素材にした方が良いですからね。

 

「…ダメね、脱線ばかりしてしまうわ。ファルコスの効果。シンクロ召喚に成功した時、ガスタの攻撃力を600ポイントアップさせる。ガスタ・ロアー」

 

ダイガスタ・ファルコス

ATK 1400→2000

 

「…チキンレースの効果。破壊するわ」

 

風華 LP 4000→3000

 

「…カードを2枚伏せてターンエンドよ」

 

風華

モンスター ファルコス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 3

手札 1

デッキ 34

LP 3000

 

 

「私のターンですね。ドロー」

 

優姫 手札 0→1

 

『フウカー、なんで攻撃しなかったのー?』

「恐らく、私のライフを減らしたくなかったからですよ、セームベルさん」

「…そうよ。優姫のライフを減らしてしまえば、それだけ活路への希望で引かれる枚数が増えるわ。それだけは避けたかったの」

『まぁ、ライフ差開きますけどね』

 

レイさんの発言は時折容赦がありませんね。事実なので仕方ないのですけど。

 

「では行きます。《ギフトカード》を2枚発動します」

「…止める手は無いわ」

「では6000ライフ、回復してもらいますね」

 

風華 LP 3000→9000

 

「そしてチキンレースで1枚ドローします」

 

優姫 手札 1→2

LP 6000→5000

 

さて…普段よりは望めませんが、引いてみましょうか。

 

「3枚の《活路への希望》です」

『うぇ、3枚も伏せてあるんですか!?』

「…通すわ」

「まずはライフコスト3000ですね」

 

優姫 LP 5000→2000

 

「そして、ライフ差は7000。3枚ドローを3回行います」

 

優姫 手札 2→11

 

『て、手札が一気に11枚…』

「…けど、ここで揃えないのが優姫なのよね」

「確かに揃っていませんが…その言い方は酷くないですか?」

「…でも、いつもそうよね?」

「もう怒りました。《イリュージョンの儀式》を使います。手札のミスティック・パイパーをコストに儀式召喚を執り行います!」

 

ミスティック・パイパー レベル1

儀式召喚

 

「来てください、瞳の魔人。《サクリファイス》!」

 

サクリファイス 攻撃表示

ATK 0

優姫 手札 11→8

 

「サクリファイスの効果。ファルコスを装備します。ダーク・アイズ・マジック!」

「…ごめんね、ファルコス」

 

サクリファイス

ATK 0→1400

 

「まだ行きます。《金華猫》を召喚します!」

 

金華猫 攻撃表示

ATK 0

優姫 手札 8→7

 

「その効果で墓地のミスティック・パイパーを特殊召喚し、そのまま効果を発動します。ミスティック・パイパーをリリースして1枚ドロー。ドローしたカードがレベル1のモンスターならば、さらにもう1枚ドローします」

 

ミスティック・パイパーは、手に持った笛を奏でながら1枚のカードを残して墓地へと消えていきました。そして、私の手に残されたカードは…

 

「私が引いたのは《封印されし者の左足》!もう1枚ドローします!」

 

優姫 手札 7→9

 

『ま、まだ9枚も…』

「…これが優姫のデュエル。1度動けば、手札が尽きることは無いわ」

「バトルフェイズに入ります。サクリファイスでダイレクトアタック!」

 

風華 LP 9000→7600

 

「…っ…まだ余裕はあるわ」

「メイン2に入ります。カードを4枚伏せてターン終了。金華猫は手札に戻ります」

 

優姫

モンスター サクリファイス(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ4 ファルコス

墓地 9

手札 6

デッキ 20

LP 2000

 

 

 

 

 

 

「…私のターン、ドロー」

 

風華 手札 1→2

 

優姫の手札はまだ6枚。内2枚は金華猫と左足だとしても、伏せ4枚に未判明の手札が4枚…恐らく、伏せカードの内の2枚は《レインボー・ライフ》と《貪欲な瓶》。予想の域を出ないけど、普段の優姫のデュエルからして、これはほぼ確実。どう返そうかしら…

 

「…抹殺でも引けていたら良かったのだけどね」

「それだけは勘弁ですね、本当に…」

「…けれど、この手札ならこう動くだけね。私のフィールドにモンスターがいないから、《WW(ウィンド・ウィッチ)-アイス・ベル》を特殊召喚するわ」

 

WW-アイス・ベル 攻撃表示

ATK 1000

風華 手札 2→1

 

「…更に、この効果で特殊召喚した時、デッキから他のWWを特殊召喚するわ。《WW-グラス・ベル》を特殊召喚するわ」

 

WW-グラス・ベル 攻撃表示

ATK 1500

 

「なるほど、WW(ウィンド・ウィッチ)ですか。ガスタとは噛み合うのですか?」

「…噛み合わせてるのよ。特殊召喚に成功したアイス・ベルの効果とグラス・ベルの効果をチェーンして発動するわ」

「WWならば、使わざるを得ませんね。手札1枚をコストに《レインボー・ライフ》です。チェーンして《貪欲な瓶》も発動します」

 

予想通りの伏せね。これで残り2枚…あとは何なのかしらね。

 

「さて、風華…気付いていますか?ここまでチェーン4、同名カードは発動されていませんよ」

「…まさか…」

「チェーン5、《積み上げる幸福》です」

『こ、ここに来てまだドローするんですか!?』

「全ての処理を行いましょう。まずは手札コストとして《絶対王 バック・ジャック》を捨てます。そして積み上げる幸福で2枚ドロー、貪欲な瓶で墓地の3枚の活路への希望、2枚のチキンレースを戻して1枚ドロー。レインボー・ライフによってダメージはライフゲインとなります」

 

優姫 手札 6→5→8

 

「…グラス・ベルの効果でデッキから《WW-スノウ・ベル》を手札に加え、アイス・ベルの効果で500バーン…だけど500回復されるのよね」

 

風華 手札 1→2

優姫 LP 2000→2500

 

「ではここで、墓地へ送られたバック・ジャックの効果を使います」

『えぇ!?使えるんですか!?』

「場合の任意効果ですから。バック・ジャックの効果で、デッキトップ3枚を確認し、任意の順番に置き換えます」

 

…これで少なくとも次のターン、優姫の運命は確定したようなもの。そうでなくても、バック・ジャックの効果でデッキトップが通常罠であれば即座に使えるのだけどね。

 

「…グラス・ベルの効果を使ったターン、私は風属性しか特殊召喚出来ないわ。けれど構わない。私の場に風属性のみが存在し、更にその風属性が2体以上いる時、《WW-スノウ・ベル》は特殊召喚出来るわ」

 

WW-スノウ・ベル 守備表示

DEF 100

風華 手札 2→1

 

これが私の新しい友達、WW(ウィンド・ウィッチ)。大量とは言わないけど展開手段に長けていて、バーンも使える。それにこの子達のおかげで、あのカードにアクセスしやすくなったのよね。

 

「…レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング」

 

WW-アイス・ベル レベル3

WW-グラス・ベル レベル4 チューナー

3+4=7

レベル7シンクロ

 

「…光蓄えし翼はいつまでも色褪せない。私と共に闘って。シンクロ召喚。その名は結晶竜。《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》」

『よーっし!ここで俺登場!』

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

 

「…そのまま、レベル7のクリアウィングにレベル1のスノウ・ベルをチューニング」

『ですよねぇ知ってた!』

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 シンクロモンスター

WW-スノウ・ベル レベル1 チューナー

7+1=8

レベル8シンクロ

 

「…煌めきの翼は進化する。共に高みへ!シンクロ召喚、その名は水晶龍。《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

『進化して再登場ぉ!』

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻撃表示

ATK 3000

 

「出ましたね、クリスタルウィング。戦闘ではほぼ無敵ですし、効果を発動すれば無効にされるんですよね…どう突破しましょうか…」

「…一応言っておくと、スノウ・ベルを素材にしたシンクロモンスターは、効果では破壊されないわよ」

『そうなんですか!?スノウ・ベルにそんな効果が…』

「…そうなのよ。私はこれでターン終…」

「その前にバック・ジャックを除外して効果を使います。デッキトップは《活路への希望》。セットしてそのまま発動します。今度も3枚ドローです」

 

優姫 手札 8→11

 

「…また11枚…まぁいいわ。改めてターン終了よ」

 

風華

モンスター クリスタルウィング

魔法・罠 伏せ2

墓地 7

手札 1

デッキ 31

LP 7600

 

 

「私のターン、ドローです」

 

優姫 手札 11→12

 

「これはいいカードです。クリスタルウィングをリリースして風華の場に《多次元壊獣ラディアン》を特殊召喚します」

 

多次元壊獣ラディアン 攻撃表示

ATK 2800

 

優姫 手札 12→11

 

「…なんてカードを入れてるのよ…完全にクリスタルウィングメタじゃない…」

「壊獣は耐性持ちのモンスター除去には便利なんですよね。邪魔するモンスターもいなくなったので再び金華猫を召喚し、墓地のミスティック・パイパーを特殊召喚します。そしてそのまま効果を発動します。引いたのは…残念ながら、レベル1のモンスターではありません」

 

優姫 手札 11→10→11

 

「ですがこれはこれでいいカードです。《ブラック・ホール》を発動します。これでお互いの全てのモンスターを破壊しますが、サクリファイスは装備したファルコスを犠牲にすることで破壊されません」

 

目の前に発生した黒い渦によって、私の場に強制的に出されたラディアンと優姫の金華猫は破壊された。けどこのおかげで、私の墓地にファルコスが舞い戻ってきた。

 

サクリファイス

ATK 1400→0

優姫 手札 11→10

 

「さらに《ハーピィの羽根帚》です。風華の魔法・罠カード全てを破壊します」

「…チェーンして2枚の《戦線復帰》を発動するわ。クリアウィング、クリスタルウィングを守備表示で特殊召喚よ」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 守備表示

DEF 2000

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 守備表示

DEF 2500

優姫 手札 10→9

 

「2体とも蘇生されてしまいましたか…これは少し失敗したかもしれませんね」

『そりゃああれだけ引けば制限カード2枚も引きますよね…』

「…そもそも、エクゾディアを真っ当に揃えればいいものを、戦闘にまで対応しようとするから、優姫のデッキはいつも読みにくいのよね」

「揃えることに特化させてもいいですけど、そうしたら単調になって相手としてもつまらないでしょう?」

「…そうかもしれないけど…」

「それに…こんな事も出来ますからね。手札2枚をコストに《魔法石の採掘》。ブラック・ホールを回収します」

 

優姫 手札 9→6→7

 

優姫は魔法石の採掘のコストに…左足と右腕を捨てていた。

 

『ええっ!?エクゾディアパーツを捨てるんですか!?』

「えぇ、捨てますよ。そして再びブラック・ホールを発動し、全てのモンスターを破壊します」

 

優姫 手札 7→6

 

再び現れた黒い渦にサクリファイスとクリアウィング達が飲み込まれた。その黒い渦が消えた後には、青い機械の竜が残っていた。

 

「私の場のモンスターが効果で破壊されたので、手札から《機皇帝スキエル∞》を特殊召喚しました」

 

機皇帝スキエル∞ 攻撃表示

ATK 2200

優姫 手札 6→5

 

「バトルフェイズに入ります。スキエル∞でダイレクトアタックします!」

 

機皇帝スキエル∞ ダイレクトアタック

ATK 2200

風華 LP 7600→5400

 

「…っ…やっぱり地味に痛いわね、それ」

「私のデッキのメインアタッカーですからね。あと地味って言わないでください」

 

実際、他のカード(主に星風くんの)に比べたら、少し地味な火力なのだけど。

 

「たとえ風華と言えども、私のモンスターを馬鹿にするのは許しませんよ」

「…馬鹿にした訳では無いわよ。むしろ、そのカードがある限りシンクロモンスターを容易には残せないから、私にとってはキツイくらいよ」

「そう言うなら許します。メイン2に移りますね」

 

良かった、そこまで機嫌は損ねてないわね。

 

「《おろかな埋葬》を発動します。デッキから《封印されし者の右足》を落とします」

『ま、またパーツを墓地に…』

『あー、やることわかったー!ほz』

「…セーム、言っちゃダメよ」

『むー!』

 

私も分かっているけれど、さすがに言うのは酷というものよ。

 

「ではカードを1枚伏せてターン終了とします」

 

優姫

モンスター スキエル∞(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 18

除外 1

手札 3

デッキ 15

LP 1500

 

「…私のターン、ドローよ」

 

風華 手札 1→2

 

「ここで伏せカードを発動します。(トラップ)、《補充要員》です。この効果で、墓地の通常モンスター3体を回収します」

「…わかっているからこそ、よ。手札から《屋敷わらし》を捨てて、墓地から手札に加える効果を無効にするわ」

 

数体のモンスターがエクゾディアの手足を運んできたところに、ゴスロリを着た女の子が現れて無理矢理モンスター達を優姫の元へ送り返した。エクゾディアの手足は…女の子が盗っていったわ。

 

風華 手札 2→1

 

「…何故かしら。屋敷わらしを見たら星風くんを思い出したわ」

「奇遇ですね、私もです」

 

きっと昨日、星風くんのゴスロリ姿を見たせいね。

 

「…それはそれとして続けるわ。《貪欲な壺》よ。墓地のアイス・ベルとスノウ・ベル、ガスタ・ファルコ、屋敷わらし、セームの5枚をデッキに戻して2枚ドローするわ」

 

風華 手札 1→0→2

 

「…さて、と。これから動くためには、シンクロするしか無いのよね。しかも出す以上、このターンで決めるかスキエルを倒さなきゃいけない」

「いえ、風華のデッキはその手のことが得意ですよね?」

「…まぁ、そうね。《ガスタの神裔 ピリカ》を召喚するわ。その効果で墓地のグラス・ベルを守備表示で蘇生するわ」

 

風華 手札 2→1

 

「…レベル3のピリカにレベル4のグラス・ベルをチューニング」

 

ガスタの神裔 ピリカ レベル3

WW-グラス・ベル レベル4 チューナー

 

「…雪原を舞いし精霊よ、真冬の風の音と共に吹き抜けよ。シンクロ召喚。《WW-ウィンター・ベル》」

 

WW-ウィンター・ベル 攻撃表示

ATK 2400

 

「なるほど、風属性チューナー全般を蘇生させられるピリカと上手く合わせましたね」

『フウカすごーい!』

「…別に凄くはないわよ。ただ上手く噛み合っただけ。ウィンター・ベルの効果発動よ。墓地のWWのレベル×200ポイントのダメージを与える。今選べるのはグラス・ベルだけ。よって800ダメージよ」

「流石に受けれませんよ。《地獄の扉越し銃》です。効果ダメージを反射します」

 

風華 LP 5400→4600

 

「…っ…」

「まさか、これで終わり…なんてことはありませんよね」

「…えぇ、もちろんよ。場をよく見て。何が残っている?」

「場に…?」

『えっと、残っているのは…ユウキさんの場にスキエルと…フウカさんの場にウィンター・ベルですね」

「まさか、その手札は…!」

「…優姫の予想通りかもね。《ミラクルシンクロフュージョン》を発動するわ」

「っ…やはりそれですか!」

「…場のウィンター・ベルと墓地のグラス・ベルを除外して融合召喚を行うわ」

 

WW-ウィンター・ベル 固有名称

WW-グラス・ベル WW

 

「…雪原を吹き抜ける真冬の風よ、儚き音を奏でる鈴よ。今こそひとつとなりて、戦場に強く響き渡れ。融合召喚。その名は水晶の鐘。《WW-クリスタル・ベル》!」

 

WW-クリスタル・ベル 攻撃表示

ATK 2800

風華 手札 1→0

 

「…クリスタル・ベルの効果発動よ。優姫の墓地のサクリファイスと同名カードとなり、同じ効果を得るわ」

 

クリスタル・ベルはその身を輝かせ、サクリファイスの姿を映し出した。

 

「…これでクリスタル・ベルは、相手のモンスターを吸収出来るようになったわ。サクリファイスとなったクリスタル・ベルの効果で、スキエルを装備し、その攻撃力をコピーするわ」

 

WW-クリスタル・ベル

ATK 2800→2200

 

「ふふっ…これは流石に予想外ですよ。風華が融合召喚をするなんて思いもしませんでした」

「…だとしたら、今回の敗因はそれね。バトルフェイズ。クリスタル・ベルでダイレクトアタック。ラプソディ・ソング!」

 

WW-クリスタル・ベル ダイレクトアタック

ATK 2200

優姫 LP 1500→-700

 

ゲームエンド

WINNER 緑葉風華

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石ですね、風華。今回は負けてしまいました」

「…運が良かっただけよ。最後の伏せが扉越し銃じゃなくて2枚目の補充要員だったら、私は負けていたわ」

『そう思うと、結構ギリギリの戦いだったんですね。ライフ的には余裕でしたけど』

「…そうだ、レイさんも優姫とやったら?閃刀姫でどう勝つのか、見てみたいわ」

『え、えぇっ!?』

「私もやってみたいですね。レイさん、お願い出来ますか?」

『うぅ…分かりました…』

 

それから私達は、小春が起きてくるまでずっとデュエルしていた。私と優姫の戦績はやっぱり五分だったけど、レイさんは全敗していたわ。少し悪い事をしたかしらね。




優姫vs風華、風華の勝利です。
風華さんの新規カードはWW。これによってデッキはWWガスタになりました。作中でも明言したようにクリスタルウィングへのアクセスも楽になりました。
今回遅れた最後の理由が『どう優姫に勝つか』というその1点で悩んだからです、はい。あの人に負けてもらうのがこんなに難しいとは…

そして新規リミレギュやマスタールール改定、新規ルールなど新しい情報が沢山ありましたね。
アザトートとガンブラーの禁止、十二獣の更なる緩和、マルチロールと炎陣規制にシャドミ完全復活。個人的にはシャドミ3枚も積む必要はないと思ってます。
新マスタールール2では、融合・シンクロ・エクシーズは直接メインに出せるみたいですね。リンク主体なキャラがレイさん以外にいないので、うちの子たちはみんな強化されました。この新マスタールール2は、施行されてから取り入れます。
ラッシュデュエルはこの作品では…なるべく使わない方針です。というか、毎ターンハンド5枚ってエクゾディア使えないルールでしょう…優姫ぇ…

それでは気を取り直してカード紹介へ。

『と、いうわけでカード紹介を行います!今回は僕、召喚師ライズベルトと』
『召喚師セームベルでお送りしまーす!お兄ちゃんと一緒だよー!』
『今回紹介するカード、何にしよっか?』
『私はねー、これがいい!』
『うん、じゃあそれにしよっか。今回紹介するのはこのカード!風華さんの切り札、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》です!』

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、このカード以外のフィールドの
レベル5以上のモンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(2):1ターンに1度、フィールドのレベル5以上の
モンスター1体のみを対象とするモンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(3):このカードの効果でモンスターを破壊した場合、
このカードの攻撃力はターン終了時まで、
このカードの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

『レベル5以上に関する2つの無効効果と、それらを行った場合のパワーアップ効果を持ってるよ』
『でもレベル5以上にしか使えないし、墓地には対応してないよねー』
『そうだね。それに、『1体のみ』を『対象にとる』効果にしか使えないから、複数選ぶ《恐牙狼 ダイヤウルフ》や対象にとらない《アーティファクト-モラルタ》なんかには弱いね』
『でもモラルタはレベル5のモンスターだよねー』
『…確かにそうだね…』
『あ、そうそう!クリアウィングを使う時は、自分の効果を無効にするのもいいと思うよー!』
『パンプ効果を使うんだね。確かにその手段もあるね』
『そろそろ終わりかなー?次は誰なんだろーね?』
『他の精霊達じゃないかな、とは思うよ?』
『そっかー!それじゃあみんなまたねー!』
『次回もよろしくお願いします!』


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四十二枚目:自由行動開始!

久しぶりの会話のみの回です。
今回は最後の方に新キャラが出ます。次回はその新キャラにデュエルしてもらいます。
それでは本編へ。


 

旅行2日目の朝。僕達は旅館の食堂に集まって朝食を食べていた。昨日は調べ事をしてたら寝落ちちゃったんだよね…しかも調べてる内容を湊月君に見られてたみたいで…なんというか、凄く恥ずかしかったよ…

 

「何これ、すっごく美味しいよ!!」

「流石旅館って感じよね〜」

「ふふっ、そうですね!」

 

確かに、ここのご飯すっごく美味しいよ。けど…

 

『お兄ちゃん、この黄色いのってなぁに?』

『それは沢庵漬けって言ってね、大根を漬けたものだよ』

『へぇ〜、甘くて美味しいね!』

『モグモグウマウマ』

『何故星屑はいちいち口に出すんだ…』

『そちらのスターダストのことは我にも分からぬ』

 

…気付かれてないとはいえ、精霊達も一緒に食べてるのってどうなんだろ…ここ、仮にも人がいるんだよ?

 

「それで、今日はみんなどうするの?僕はちょっと行くところがあるけど…」

「柊真さんの行くとこってどこだよ…俺は…そうだな、ここら辺ブラブラしようかと思ってるぜ。そん時に絵でも描けりゃいいんだがな」

「でもせっかく旅行に来たんだし、何か旅行っぽいことしたいよね〜♪」

「…旅行っぽいことって何かしら…」

「う〜んとね〜、お土産買ったりすることかな〜♪」

「私は、大会を見に行こうかと思っています。今日は近くでデュエルの大会があるらしいので。何でも、プロの方のエキシビションマッチもあるとか」

 

神名さんがこの話をした時、柊真さんが静かに目を逸らしたの、僕は見逃してませんからね?柊真さんの行くところって、多分その大会なんでしょうね。

 

「へぇ〜。神名さん、それホントなの?」

「えぇ。私は見に行くつもりですが、マリーさんとラインさんも行きますか?」

「行きたいです!」

「マリーが行くなら私も行くわ。いくら神名さんがいるとはいえ、マリーを放置するのは心配なのよね」

 

…ラインさん、マリーさんに対して過保護な気がするのは僕だけなのかな?

 

「…プロのデュエル、私も見てみたいわ」

「風華と神名さん、マリーちゃんとラインちゃんは大会に行くんだね〜♪」

「ち、ちゃん!?マリー以外からそんな親しげな呼び方されたの初めてよ!」

 

何故か憤慨しているラインさん。でもなんだか嬉しそうなんだよね。

 

「それじゃあ、濡羽っちはどうするの?」

「スルー!?」

「僕は…うーん、どうしよっかなぁ…」

『あ、それなら僕、山に行ってみたいです』

「山かぁ…うん、そうだね。今日は山に行ってみるよ」

「虫とかに気をつけるんだよ?」

「分かってますよ、柊真さん」

「それじゃあ、僕はそろそろ行かなきゃいけないから、先に行くね」

 

そう言って柊真さんは食堂を後にした。僕は山に行くから…長袖長ズボンがいいかと思ったけど、よく考えたら僕の着てるパーカーがそもそも長袖だったね。

 

「俺も今から出るわ。少しでも長く見てたいからな」

「湊月君、画材は?」

「心配すんな、持ってるぜ。んじゃお先ー」

 

湊月君も街に繰り出して行った。いい絵が描けると良いね。

 

「…優姫、私達はいつ頃出ればいいのかしら」

「大会は10時頃かららしいです。当日参加枠も用意されているようなので、参加してみるのもいいと思いますよ」

「ほんとに〜!?それじゃあ風華さん、私もそっち行くから参加しよっ!マリーちゃんも!」

「え、えぇ!?ワタシもですか!?」

「…えぇ、そうね。私の新しいデッキがどこまで通用するのか楽しみだわ」

「緑葉さん、デッキ変えたんですか?」

「…えぇ、少しだけね。いつか星風くんにも見せるわ」

 

緑葉さんの新しいデッキ、楽しみだなぁ!僕も大会に行きたくなっちゃったけど、ライズベルトが山に行きたいみたいだしそっち優先だよね。

 

「うぅ…ワタシ、大会なんて出たことないですよ…」

「そうでした。この大会、優勝者と準優勝者はプロの人とデュエルできるらしいですよ」

「…俄然やる気が出るわね」

「余計不安ですよぅ…」

「ん〜、楽しみだなぁ♪」

 

そんな光景を見て、僕はふと思った。

 

「そういえば、マリーさんって海晶乙女をいじってます?」

「……………?????」

「OK、星風の言いたい事を理解してないわねこれ。星風は、『自分の扱いやすいようにデッキに手を加えてるか』って聞いてんのよ」

「意訳ありがとうございます」

「あ、あぁ!そういう意味ですか!いえ、貰ったデッキの中身は変えてませんよ」

「それなら、デッキにこのカードを入れておいてください。きっと役に立ちますよ」

 

そう言って僕は、マリーさんに2種類のカードを渡した。どっちもエクストラデッキに入るようなカードなんだよね。

 

「それで、大会頑張ってくださいね」

「うぅ…善処します…」

 

少ししょぼくれたマリーさんを見ながら、僕は自分の準備をするために部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

「…さぁて、どこを目指して行こうかねぇ…」

 

自由気ままに散策するとはいえ、大雑把な目的くらい決めとかないと流石にヤバイよな…

 

「あっれぇ?みつきん?1人で何してるの?」

「おぉ、緋乃坂。いやなに、街を歩いて回ろうかと思ってな」

「画材持って、1人で?」

「画材持って、1人で。そーゆー緋乃坂は何してたんだ?」

「えっとね、今日こっちに従姉妹が来るの。それで従姉妹を迎えに行くところなんだー。あの人、方向音痴だし」

「ってことは駅に行くのか。どーせ予定ねぇし、俺も行っていいか?」

「全然OKだよ。まぁ、あの人に会ったら色んな意味で驚くかもね」

「はぁ???」

 

緋乃坂の言葉はあまり理解できなかったが、俺は緋乃坂と一緒に駅に向かった。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろのはずなんだけど…」

 

駅に着いて数分。待ち人来らず…ってとこだな。割と目立つらしいんだが…

 

「…あっ、いた!絶対あれだー!」

「おっ、見つけ…た…」

 

俺は言葉を失った。緋乃坂が見ている方には、特徴的な紫色の髪をサイドテールにした、平均より少し背の低い女性がいたからだ。その人の名は──

 

「ま、松瀬(まつせ)プロっ!?!?」

 

松瀬(まつせ)永遠(とわ)

世界ランク4位のプロデュエルチーム、”シュトルム”。そのチームに所属する、世界ランキング3位、チーム最高のプロ決闘者(デュエリスト)『リンネ』にして、一流のカードデザイナーでもある人。そして…

 

「やほやほー、茜ちゃん。久しぶりー。また可愛くなっちゃってウヘヘヘヘ」

「そーゆーとわちんも綺麗だよぐへへへへー」

 

別の意味で近寄り難い人柄(社会的にアウトな人)なのだ。

 

「…てか、緋乃坂の従姉妹って、松瀬プロだったのか…」

 

言われてみれば確かに、その特徴的な性格とか口調とか似ているが…

 

「ん、そだよ。言ったじゃん、色んな意味で驚くかもねって」

「あぁ驚いたよ驚いたさ。けどなぁ………出会って1秒でそんな会話するか普通?」

「これが私たちの普通なのだよ少年!」

「そんな普通があってたまりますか!!」

「おー、一応敬語なんだね、みつきん」

「全然普通でいいのになぁ」

 

…一応、目上の人だからな…あんな性格ではあるが…

 

「あ、そだ!とわちん、久しぶりに会ったんだしデュエルしよ!うちの店で!」

「おー、賛成賛成。少年も来るよね?」

「え、あ、おう。行きますけど…」

 

妙な流れであの店に行くことになった。

 

「そーいや緋乃坂んとこの店、なんつー名前なんだっけ?」

「今更ぁ!?むー、あのお店は『茜屋』だよ!よろしくね」

 

いやお前の名前が入ってんのかよ。

 

 

 

 

 

そんなこんなであの店…『茜屋』に着いた途端に2人はデュエルする体制になった。

 

「それじゃ初めよっかぁ」

「そーだね。いやー、久しぶりにやるよ!」

「…昔っからプロとやってたとか普通に羨ましいんだが…」

「君とも後でやったげるよ。それよか目の前のデュエル!さぁ始めるよ!」

「「決闘(デュエル)!!」」




というわけで今回は本作『初』のプロ、松瀬さんに登場してもらいました。次回は松瀬さんに2戦やってもらいます。
それではカード紹介へ!

『はいっ、つーわけでカード紹介コーナー!今回は俺ことスターダスト・ドラゴンと!』
『我、閃珖竜 スターダストで行う。よろしく頼む』
『いやー、筆者も飽きねぇなぁこれ。俺なら即辞める』
『お前には忍耐力がないのか…まぁいい。今回紹介するのはこのカードにしよう。星屑の進化したカード、《セイヴァー・スター・ドラゴン》だ』

セイヴァー・スター・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000
「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体
相手が魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した時、
このカードをリリースする事でその発動を無効にし、
相手フィールド上のカードを全て破壊する。
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、
その効果をエンドフェイズ時まで無効にできる。
また、この効果で無効にしたモンスターに記された効果を、
このターンこのカードの効果として1度だけ発動できる。
エンドフェイズ時、このカードをエクストラデッキに戻し、
自分の墓地の「スターダスト・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。
※テキストは遊戯王wikiより引用

『ヌレハに1回使わせたが、相当ヤバい効果だよなぁ…』
『あの試合から我はフウカと話せるようになったのだったな。そして肝心の効果だが…それ以前にチューナーとチューナー以外のモンスターそれぞれにカード名を指定する珍しいモンスターだな』
『ファンカスでネームコピーしても使えるから、必要以上に俺を使わなくても良いんだぜ』
『セイヴァー・ドラゴンがレベル1だからな。ファントム・オブ・カオスが使えれば幾分か楽だろうな』
『効果の方は、俺の持ってる効果破壊無効にプラスして全ブッパ!』
『さらに相手モンスターの効果を無効にし、その効果を1度だけ使用可能ときた。高い攻撃力と併せて、エンドカード足り得るだろうな』
『けどデメリットとしちゃあ、エンドフェイズにエクストラに戻って、墓地から俺を特殊召喚することだな。次のターンに破壊無効を持ち越せないってのは悲しいよなぁ…』
『相手ターンにシンクロする、という手も無くはないが、厳しいだろう。やはり破壊無効はオマケ程度に考えておくのが吉だろうな』
『だな。それじゃあ紹介はここまでだ!』
『次回を楽しみにしていてくれ』


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四十三枚目:機械竜vs精竜、vs英雄

今回は茜さんと、前回登場した松瀬さんの初デュエル回です。
タイトルからもわかる通り、今回は2戦行います。
それでは本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 緋乃坂 茜

後攻 松瀬 永遠

 

デュエル開始

 

☪︎

 

「私の先攻だよー!」

 

そーいや松瀬プロのデッキは知ってるが、緋乃坂のデッキは知らねぇな。あいつ、どんなデッキなんだ?

 

「ふっふー、今日は手札がいいよ!永続魔法《凡骨の意地》を発動!」

 

茜 手札 5→4

 

「…は?《凡骨の意地》???」

「うーむ、茜ちゃんのメインカードが来ちゃったか。次のターンに割れるかなぁ」

「カードを2枚セット!《守護竜ユスティア》を召喚して《馬の骨の対価》!ユスティアをリリースして2枚ドローするよー!」

 

茜 手札 4→0→2

 

「んー、これでターン終了!」

 

モンスター 無し

魔法・罠 凡骨の意地 伏せ2

墓地 3

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「ターン貰うね。私のターン、ドロー!」

 

永遠 手札 5→6

 

「凡骨の意地は処理出来ないけど、なかなかに良い初手だね。手札の《サイバー・ドラゴン》を捨てて《サイバー・ドラゴン・ネクステア》を特殊召喚!」

 

サイバー・ドラゴン・ネクステア 守備表示

DEF 200

永遠 手札 6→4

 

「出た!とわちんのサイドラ!」

「松瀬プロのデュエル…生で見れるとかマジで嬉しいんだが…!」

 

【サイバー・ドラゴン】。

攻撃力2100の《サイバー・ドラゴン》を主軸に据えた融合カテゴリであり、前に濡羽が使ったノヴァとインフィニティの2体のエクシーズモンスターもこのカテゴリに入る。

属する融合モンスターは全て強力な効果を持っていて、中には素材として相手のモンスターを要求するような奇想天外なモンスターもいる。

俺のE・HEROと同じ融合主体のカテゴリだが、俺がE・HEROを使ってるのは別に松瀬プロが融合使いだからって訳じゃねぇぜ。

 

「特殊召喚に成功したネクステアの効果。墓地から攻撃力または守備力が2100のモンスターを特殊召喚出来る。甦れ、私の魂!《サイバー・ドラゴン》!」

 

サイバー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2100

 

「この効果を使ったターン、機械族しか特殊召喚出来なくなる。けど、サイバー・ドラゴンを特殊召喚した時、手札から《サイバー・ドラゴン・フィーア》を特殊召喚する!」

 

サイバー・ドラゴン・フィーア 守備表示

DEF 1600

永遠 手札 4→3

 

「うっわー、とわちん容赦ないねぇ」

「いつもみたいにサクッと終わらないことを祈るよ。フィーアが存在する限り、私の場のサイバー・ドラゴンの攻守は500アップするわ」

 

サイバー・ドラゴン

ATK 2100→2600

サイバー・ドラゴン・ネクステア

DEF 200→700

サイバー・ドラゴン・フィーア

DEF 1600→2100

 

「ふみゅ?なんでフィーアとネクステアも?」

「あの2体は場と墓地でサイバー・ドラゴンとして扱う効果を持ってんだよ。大体のサイバー・ドラゴンモンスターはその手の効果持ってるぜ?」

「そーなんだー!」

 

…昔っからデュエルしてんだよな?なんで効果把握してねぇんだ?

 

「さて、と。バトルフェイズ!サイバー・ドラゴンでダイレクトアタック!エヴォリューション・バースト!」

 

サイバー・ドラゴン ダイレクトアタック

ATK 2600

茜 LP 8000→5400

 

「うにゃぁ!うー、酷いなー」

「そう言ってられるのもあと少しかもねぇ。速攻魔法、《瞬間融合》!フィールドの《サイバー・ドラゴン・ネクステア》と《サイバー・ドラゴン》を素材に融合!このカードで融合したモンスターはエンドフェイズに破壊されるわ」

 

サイバー・ドラゴン・ネクステア 名称指定

サイバー・ドラゴン 名称指定

 

「一対の機械竜がここに交わり、双頭の竜と成る!融合召喚!《サイバー・ツイン・ドラゴン》!」

 

サイバー・ツイン・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2800

永遠 手札 3→2

 

「このカードは2回攻撃出来る。サイバー・ツイン・ドラゴン、攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!」

「相手の直接攻撃宣言時、(トラップ)発動だよ!《カウンター・ゲート》!相手の攻撃を無効にして1枚ドロー!それが通常召喚可能なモンスターなら召喚出来るよ!てことで1枚ドロー!」

 

茜 手札 2→3

 

「どう?召喚出来そう?」

「出来るけどしないよ。その方がいいもん!」

「…そう。なら2回目の攻撃を受けなさい!」

「《ガード・ブロック》!攻撃を無効にして1枚ドロー!」

 

茜 手札 3→4

 

「うわ、防ぎ切りやがった」

「しょうがないか。メイン2。場に機械族2体のみなので《アイアンドロー》。2枚引くわ。チェーンして《融合解除》よ。ツインをエクストラデッキへ戻し、素材となったモンスターを特殊召喚」

 

永遠 手札 2→0→2

 

「そして今引いた《置換融合》を使い、再びサイバー・ツインを融合するわ!」

 

永遠 手札 2→1

 

「カードを1枚伏せてターン終了。さぁ、茜ちゃんのターンだよ」

 

永遠

モンスター サイバー・ツイン(攻撃表示) フィーア(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 6

手札 0

デッキ 32

LP 8000

 

 

「私のターン、ドローだよ!」

 

茜 手札 4→5

 

「《凡骨の意地》の効果!引いたのは通常モンスターの《ラビー・ドラゴン》なので更に1枚ドロー!私はこれを…通常モンスターを引かなくなるまで繰り返しまーす!」

 

そう言って緋乃坂は次々とドローしていった。そうしてドローを繰り返し続け、最終的に引かなくなるまで、実に15枚もドローした。

 

茜 手札 5→6→21

 

「て、手札21枚…」

 

なーんか嫌な予感してくるんだよなぁ…手札を大量に消費するデッキ…融合系か?

 

「そんなに引いたってことは、流石にアレを引いてるってことよね。うーん、勝てるかな、これ」

「…はっ?」

「行くよーとわちん!私のお友達、《スピリット・ドラゴン》召喚!」

 

スピリット・ドラゴン 攻撃表示

ATK 1000

茜 手札 21→20

 

スピリット・ドラゴン…?さっき緋乃坂は凡骨の意地で大量にドローしてたよな……?しかもそのカードって確か全部ドラゴン族通常モンスター……

 

「…ま、まさか…【スピリット・ドラゴンワンキル】…か?」

「せーかいっ!スピリット・ドラゴン大好きだからね、組んじゃった!」

「このデッキ、下手したら私でも負けるのよね。単発が大きすぎなのよ」

 

【スピリット・ドラゴンワンキル】。

濡羽に教えてもらった程度の知識しか持ち合わせてねぇが一応説明しとくぜ。

《スピリット・ドラゴン》は手札のドラゴン族を捨てることで、バトルフェイズ中だけ攻撃力を1000ポイントアップさせられる効果を持っている。さらにこの効果で捨てる手札に上限はない。

この効果を最大限利用するために、デッキにドラゴン族通常モンスターを大量投入。通常モンスターを引き続ける限りドローし続けられる《凡骨の意地》を使って手札にドラゴン族を集めてスピリット・ドラゴンのコストにする、そんな頭悪いデッキが【スピリット・ドラゴンワンキル】だ。

濡羽曰く、「1番頭の悪い構築だと、60枚デッキに凡骨の意地をピン刺し。あとはドラゴン族通常モンスターを可能な限り入れて、スピリット・ドラゴンもピン刺し。その方が凡骨の意地でドロー出来る確率上がるからね。これで全部引き当てれば攻撃力58000アップするかな?」との事。いやさすがに頭悪すぎだろ。

 

「さぁて、行っくよー!バトル!スピリット・ドラゴンでサイバー・ツインを攻撃!ここでスピリット・ドラゴンの効果を発動!手札のドラゴン族モンスター17枚を捨てて、攻撃力17000ポイントアップするんだから!!」

 

スピリット・ドラゴン ATK 1000→18000

茜 手札 20→3

 

「サイバー・ツインを焼き尽くせー!スピリット・エヴォリューショナル・フレイム!」

「易々とは、負けられないのよね。(トラップ)発動、《パワー・ウォール》!戦闘ダメージが0になるように、ダメージ500につき1枚のカードをデッキからカードを墓地へ送るわ」

「サイバー・ツインの攻撃力は2800。差し引いて…15200か。てことは…」

 

松瀬プロは、デッキから躊躇なく31枚ものカードを墓地へ送った。えげつねぇ……

 

「だよなぁ…やっぱ31枚墓地送りだわなぁ…」

「うーん、とわちんっていつもこんな感じだよねー」

「茜ちゃんとやる時だけよ、こんな事になるの。いつもなら5,6枚なのに…」

「まぁいっか。ターンエンドだよ」

「松瀬プロ側はあんま良くなさそうだけどな」

「全くもってその通りなのよねー」

 

スピリット・ドラゴン

ATK 18000→1000

 

モンスター スピリット・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠 凡骨の意地

墓地 22

手札 3

デッキ 13

LP 5400

 

 

「さて、と。私のターンだね。ドロー」

 

永遠 手札 0→1

デッキ 0

 

「うんうん、やっぱり残ってるのはこのカードだよね。てか残っててよかった。魔法カード、《オーバーロード・フュージョン》発動!場と墓地から融合素材を除外することで、機械族・闇属性モンスターを融合召喚する!」

「うわー、残った1枚がそれー!?」

「さぁて…茜ちゃん、さっきのお返しだよ。私が除外するのは、場のフィーアと墓地のサイバー・ドラゴンを含む機械族モンスター21枚!」

 

サイバー・ドラゴン×3 名称指定

サイバー・ドラゴン・フィーア×3 機械族

サイバー・ドラゴン・ドライ×3 機械族

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ×3 機械族

サイバー・ドラゴン・ネクステア×3 機械族

サイバー・ドラゴン・ヘルツ×2 機械族

サイバー・ドラゴン・コア×2 機械族

サイバー・エルタニン 機械族

サイバー・ツイン・ドラゴン 機械族

 

「無数の機械竜が一つに集い、殲滅を開始する!融合召喚!過剰殲滅兵器(オーバー・ジェノサイド・マシン)、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》!」

 

キメラテック・オーバー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 0

 

「攻撃力0のモンスター…とわちんとのデュエルじゃあ初めて見るよ」

「あー…ありゃやべぇや。パワウォ入ってる時点で察してたけどなぁ…」

「キメラテック・オーバーの攻撃力は、融合素材にしたモンスターの数×800ポイント上昇するわ。素材は21枚。はい計算!」

「えっ!?えーっと……」

「2×800で1600、それを10倍して16000。残り800をプラスして攻撃力16800だな」

「正解。高校生なら1発でいって欲しいものだけどね」

 

キメラテック・オーバー・ドラゴン

ATK 0→16800

 

「ふみゅうぅ!?そんな攻撃力になるの!?しかも永続!?」

「茜ちゃんはもっと高かったでしょ?18000だし」

(言えねぇ…濡羽は50000超えの数値叩き出したなんて言えねぇ…)

 

つってもあいつは複数枚の組み合わせで50000超えたわけで、単騎で永続的に16800出せるキメラテック・オーバーの方が強いっちゃ強いんだがな。

 

「バトル。キメラテック・オーバー!スピリット・ドラゴンを滅ぼせ!エヴォリューション・レザルト・バースト!」

 

キメラテック・オーバー・ドラゴン

ATK 16800

スピリット・ドラゴン

ATK 1000

16800-1000=15800

茜 LP 5400→-11400

 

ゲームエンド

WINNER 松瀬 永遠

 

 

 

 

 

「うー、悔しいぃぃ!!あと少しだったのになー!」

「ま、茜ちゃんもまだまだってことよ。スピリット・ドラゴンのワンキルを防がれた後のことも考えなって。ガード・ブロックとカウンター・ゲートも、結局はスピリット・ドラゴンを引き込むためのカードだし」

「だって使いたいんだもーん!」

「はぁ…まぁいっか。それで少年。君もやるんでしょ?」

「お、おう!あと、少年ってのはやめてください。俺は西条湊月です」

「湊月くんね…覚えとくよ」

「あざっす。それじゃあ連戦になりますけど…行くぜ!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 西条 湊月

後攻 松瀬 永遠

 

デュエル開始

 

 

「俺の先攻!俺は手札から《E・HERO ブレイズマン》を召喚!」

「ふーん、君はE・HERO使いなのか」

 

E・HERO ブレイズマン 攻撃表示

ATK 1200

湊月 手札 5→4

 

「ブレイズマンの効果発動!デッキから《融合》をサーチ、そのまま発動!ブレイズマンと手札の《E・HERO リキッドマン》を融合!」

「ほー、新しいE・HEROだね」

 

E・HERO ブレイズマン E・HERO

E・HERO リキッドマン 水属性

 

「全てを凍てつかせる究極のZero!今こそ封印の氷を打ち破れ!融合召喚!《E・HERO アブソルートZero》!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻撃表示

ATK 2500

湊月 手札 4→5→3

 

「融合素材になったリキッドマンの効果発動!2枚引いて1枚捨てる!」

 

湊月 手札 3→5→4

 

「すごーい、実質手札消費1枚で融合しちゃった!」

「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

湊月

モンスター アブソルート(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 4

手札 2

デッキ 32

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー」

 

永遠 手札 5→6

 

「E・HEROかぁ…ってことは、()()()()()オネスティ・ネオスも入ってるってことよね」

「当然っすよ」

 

そう、俺の使っているオネスティ・ネオスを作ったのは、何を隠そう目の前の松瀬プロなのだ。正直、ネオスってのは何なのか知らねぇけどな。

 

「実際に使ってもらってるの見ると嬉しくなるわね」

「ターン1の制限はありますけど、HERO全般にパンプ出来るし、結構使いやすいっすよ、オネスティは」

「そう言って貰えるとありがたいね。ま、今はデュエルに集中集中。相手の場にモンスターがいて、私の場にいないから《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

サイバー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2100

永遠 手札 6→5

 

「サイバー・ドラゴンが特殊召喚に成功した時、手札から《サイバー・ドラゴン・フィーア》を特殊召喚出来る!」

 

サイバー・ドラゴン・フィーア 守備表示

DEF 1600→2100

サイバー・ドラゴン

ATK 2100→2600

永遠 手札 5→4

 

「くーっ、やっぱり揃えてるよなぁ!けどアブソルートを除去したらそいつらも道連れですからね!」

「言われなくてもわかってるわよ、そんな事。だからこうする!《サイバー・ドラゴン・ドライ》を召喚!」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ 攻撃表示

ATK 1800→2300

永遠 手札 4→3

 

「ドライが召喚に成功した時、場のサイバー・ドラゴン全てのレベルを5に統一するわ!」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ

レベル 4→5

サイバー・ドラゴン・フィーア

レベル 4→5

 

「そしてレベル5となったドライとフィーアでオーバーレイ!2体の機械族モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ レベル5 機械族

サイバー・ドラゴン・フィーア レベル5 機械族

 

「真なる炎を纏いし機械竜よ、その身を黒く染め上げ起動せよ!ランク5、《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 攻撃表示

ATK 2100

サイバー・ドラゴン

ATK 2600→2100

 

「サイバー・ドラゴン・ノヴァ…濡羽も使ってたエクシーズモンスター!」

「へぇ、ぬれたんも使ってるんだねー」

「2人の友達も使ってるのね。ま、本命はノヴァじゃないんだけど。サイバー・ドラゴン・ノヴァでオーバーレイ!1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 固有名称指定

 

「その黒き機体(からだ)に秘めるは永久(とこしえ)の力!《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》!!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃表示

ATK 2100

 

「くーっ!やっぱインフィニティも出てくるよなぁ!」

「そりゃあそうでしょう。そもそも【サイバー・ドラゴン】というカテゴリを作ったの私なんだし、カテゴリに含まれる全てのカードを持っていたっておかしくは無いのよ?」

 

そうだった、サイバー・ドラゴンから列なる全てのカードを作ったの、高校生の時の松瀬プロだったな。そう思うとやっぱ松瀬プロはすげぇな!

 

「それじゃあインフィニティの効果発動ね。アブソルートZeroをこのカードのエクシーズ素材(オーバーレイユニット)にする!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ORU 3→4

ATK 2100→2900

 

「バトルフェイズ!サイバー・ドラゴンでダイレクトアタック!エボリューション・バースト!」

 

目の前の機械竜が放つ熱線が俺の視界を塞いだ。ソリッド・ビジョンだから当たっても痛みはねぇが、もし実際に当たったらと思うとゾッとするな…

 

サイバー・ドラゴン

ATK 2100

湊月 LP 8000→5900

 

「インフィニティでもダイレクトアタック!」

「そいつは受けれないですよ!(トラップ)発動!《ヒーロー見参》!」

「ヒーロー見参…?何それぇ?」

「相手の攻撃宣言時に発動できるトラップカードだよ。相手に手札1枚を選ばせて、それがモンスターなら特殊召喚、それ以外なら墓地へ…って具合のね。茜ちゃん、知らなかったの?」

「滅多に使われないもーん」

 

まぁ確かに使用頻度低いけどな…そこまで悪いカードでもねぇぜ?

 

「さて、俺の手札は2枚。どっちにします?」

「そうだねぇ…うん、右にしよう」

「選ばれたのは…よっし、《E・HERO エアーマン》!特殊召喚だぜ!」

 

E・HERO エアーマン 攻撃表示

ATK 1800

湊月 手札 2→1

 

「エアーマンの効果発動!デッキからHEROモンスターを手札に加える!」

「さすがに通せないよね。オネスティ加えられたら嫌だし。インフィニティの効果発動だよ。素材のノヴァを剥いで、その効果を無効にして破壊するよ」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ORU 4→3

ATK 2900→2700

 

「そのままダイレクトアタック!」

「直接は通さないですよ!《ライバル・アライバル》!手札から《E・HERO バブルマン》を召喚!」

 

E・HERO バブルマン 攻撃表示

ATK 800

湊月 手札 1→0

 

「このタイミングでバブルマン…!?」

「バブルマンの効果は通常召喚時にも起動する!自分の手札及びフィールドに、このカード以外のカードが存在しないならば2枚ドローできる!」

 

湊月 手札 0→2

 

「けど攻撃表示であることに変わりはないわ!インフィニティ、バブルマンを攻撃しなさい!」

「…俺はこいつを待っていた!手札から《E・HERO オネスティ・ネオス》を捨てて効果発動!!」

「なっ、今引き!?」

「言わずと知れた効果で攻撃力2500アップ!返り討ちだぁ!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

ATK 2700

E・HERO バブルマン

ATK 800→3300

2700-3300=-600

永遠 LP 8000→7400

 

「くぅっ!まさかこうもあっさりとインフィニティが倒されるとはねぇ…メイン2。カードを2枚伏せてターンエンドだよ」

 

永遠

モンスター サイドラ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 4

手札 1

デッキ 34

LP 7400

 

 

「行くぜ!俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 1→2

 

「俺にだって火力要員はいるぜ!《E・HERO ソリッドマン》を召喚!効果で手札から《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚だ!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示

ATK 1300

E・HERO シャドー・ミスト 守備表示

DEF 1500

湊月 手札 2→0

 

「シャドー・ミストの効果!デッキから《マスク・チェンジ》を手札に!」

 

湊月 手札 0→1

 

「このタイミングで(トラップ)発動!《エクシーズ・リボーン》!墓地からノヴァを特殊召喚し、このカードをエクシーズ素材(オーバーレイユニット)にするよ!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 攻撃表示

ATK 2100

ORU 1

 

ちっ、モンスターが増えちまったか。だがまだ動けるぜ!

 

「俺は《マスク・チェンジ》発動!ソリッドマンをリリースし、同じ属性のM・HEROを特殊召喚する!」

 

E・HERO ソリッドマン 地属性

 

「纏いし仮面は地の証!輝石の力で仲間を導け!変身召喚!《M・HERO ダイアン》!!」

 

M・HERO ダイアン 攻撃表示

ATK 2800

湊月 手札 1→0

 

「魔法カードの効果でフィールドから墓地へ送られたソリッドマンの効果発動!墓地のエアーマンを守備表示で特殊召喚する!そして特殊召喚に成功したエアーマンの効果!デッキから2枚目のオネスティ・ネオスを手札に加える!」

 

湊月 手札 0→1

 

「このまま決めてやる!バトルフェイズ!ダイアンでサイバー・ドラゴンに攻撃!」

「そのタイミングでノヴァの効果発動だよ!フィールドの《サイバー・ドラゴン》を除外して攻撃力を2100ポイントアップ!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

ATK 2100→4200

 

「くっ…そーいやそんな効果ありましたね…ならダイアンでノヴァに攻撃!この瞬間、手札のオネスティ・ネオスの効果発動!攻撃力2500上昇!打ち砕け、クリスタル・インパクト!」

「迎え撃って、ノヴァ!エヴォリューション・ノヴァ・バースト!!」

 

ノヴァが放つ熱線はダイアンの輝石の身体の前に傷1つ付けることすら出来ず、その手に握る細剣(レイピア)で体を貫かれた。

 

M・HERO ダイアン

ATK 2800→5300

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

ATK 4200

5300-4200=1100

永遠 LP 7400→6300

 

「モンスターを戦闘で破壊したダイアンの効果発動!デッキからレベル4以下のHEROを特殊召喚する!来い、2体目のエアーマン!その効果で、そのセットカードを破壊する!」

 

ダイアンに導かれて現れたエアーマンの起こす風で松瀬プロの伏せカードは破壊されたが、何故かサイバー・ドラゴンが場に佇んでいた。

 

「破壊された(トラップ)カード、《サイバー・ネットワーク》の効果。このカードがフィールドから墓地へ送られた時、除外されている光属性・機械族モンスターを可能な限り特殊召喚できる。サイバー・ドラゴンを戻させてもらったわよ」

「ぐっ…他のメンツじゃ超えらんねぇ…メイン2。バブルマンを守備表示にしてターンエンドだ」

 

湊月

モンスター エアーマン ダイアン(攻撃表示)バブルマン シャドミ エアーマン(守備表示)

魔法・罠 無し

墓地 11

手札 0

デッキ 27

LP 5900

 

 

「私のターン、ドロー」

 

永遠 手札 1→2

 

「まさかここまで荒らされるとは思わなかったよ。君、アカデミア生だよね?」

「まぁ…そうっすね。目指してんのはデザイナーですけど」

「デザイナー志望でこれとか…最近の若い子は恐ろしいねぇ」

「いや、松瀬プロも22じゃないっすか」

「女性に年齢の話は禁句。あとそろそろその松瀬プロって呼び方止めて…普通に永遠でいいよ」

「…後で考えます。今はデュエルを…」

「ん、それもそうだね。私は《サイバー・ドラゴン・ネクステア》を召喚」

 

サイバー・ドラゴン・ネクステア 攻撃表示

ATK 200

永遠 手札 2→1

 

「ネクステアの効果で、墓地のドライを特殊召喚。そして開け、機龍集いしサーキット!召喚条件は『「サイバー・ドラゴン」を含む機械族モンスター2体』!私は、サイバー・ドラゴンとして扱うネクステアとドライをリンクマーカーにセット!リンク召喚!」

 

サイバー・ドラゴン・ネクステア 「サイバー・ドラゴン」

サイバー・ドラゴン・ドライ 機械族

 

「現れて、リンク2!新たな力の奔流!《サイバー・ドラゴン・ズィーガー》!」

 

サイバー・ドラゴン・ズィーガー

リンク2 ← ↓

ATK 2100

 

「おぉ!リンクモンスターのサイバー・ドラゴン!この目で見られるとか光栄だぜ!」

「あ、そう?でもまぁ、すぐ消えるんだけどね」

「はっ?」

 

すぐ消える?なんでだ?

 

「茜ちゃんには1回見せたよね。覚えてる?」

「うにゃ?覚えてないよー」

「だよねー、期待してなかった。まぁいっか。私は、フィールドのサイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン・ズィーガー、M・HERO ダイアンを墓地へ送る!」

「なっ、俺のダイアンもっすか!?」

 

松瀬プロの使う2体のサイバー・ドラゴンモンスターにダイアンが吸収されていき、新たな機械龍が誕生した。その機械龍の名は──

 

「エクストラフュージョン!全てを飲み込む複合機械龍!《キメラテック・メガフリート・ドラゴン》!」

 

キメラテック・メガフリート・ドラゴン 攻撃表示

ATK 0

 

「あれだけ壮大な召喚して、攻撃力0なのー?」

「いや、あの手のモンスターにゃ面倒な効果があるはずだ…何より見た事ねぇモンスターなんて、ワクワクするなぁ!!」

「メガフリートは、自分と相手のフィールドに存在するサイバー・ドラゴンモンスターとエクストラモンスターゾーンのモンスターを素材に特殊召喚できる。だからダイアンも素材にできたの。そしてこのカードの元々の攻撃力は、素材としたモンスターの数×1200ポイント上昇する!」

 

キメラテック・メガフリート・ドラゴン

ATK 0→3600

 

「攻撃力3600…まだ余裕で耐えられるな」

「そう思えるのも今のうちだよ。《死者蘇生》!甦れ、ズィーガー!」

 

いや結局戻ってくるんかい!!

 

「バトルフェイズ!メガフリートで攻撃表示のエアーマンに攻撃!この瞬間、ズィーガーの効果発動!このカードが攻撃していないバトルフェイズ、攻撃力2100以上の機械族モンスターの攻撃力を2100ポイントアップさせる!」

「なっ、それは不味いだろっ!!」

 

キメラテック・メガフリート・ドラゴン

ATK 3600→5700

E・HERO エアーマン

ATK 1800

5700-1800=3900

湊月 LP 5900→2000

 

「うぐぅっ!!一気に4000近く削られるとキツいぜ……」

「ズィーガーの効果を使ったターン、ズィーガーとの戦闘で発生するダメージは0になるけど、残り全部守備表示だから関係ないよね。ズィーガーでバブルマンに攻撃!」

 

サイバー・ドラゴン・ズィーガー

ATK 2100

E・HERO バブルマン

DEF 1400

 

「私はこれでターンエンド。メガフリートの攻撃力は元に戻るよ」

 

キメラテック・メガフリート・ドラゴン

ATK 5700→3600

 

永遠

モンスター メガフリート ズィーガー(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 9

手札 0

デッキ 33

LP 6300

 

 

「くそっ…俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 0→1

 

手札が丸っきり足りねぇな…けどこれで引けるぜ!

 

「《貪欲な壺》!墓地のエアーマン、オネスティ、ソリッドマン、リキッドマン、バブルマンを戻して2枚ドロー!」

 

湊月 手札 1→0→2

 

「…よしっ!《E-エマージェンシー・コール》!デッキからエアーマンを手札に!そしてそのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻撃表示

ATK 1800

湊月 手札 2→1

 

「エアーマンの効果でデッキからHEROモンスター、オネスティ・ネオスを……」

 

俺がオネスティ・ネオスを手札に加えようとした時、デッキから1枚のカードが勝手に出てきた。

 

「……? 俺、まだ選んでねぇんだがな……」

 

そう呟きながら飛び出たカードを捲ってみると、そのカードは……

 

「っ!?!?」

(なっ…なんでお前が……!!!!)

 

なぜ。ありえない。このかーどは、でっきには、いれて……

 

「みつきん!?」

「ちょっ……湊月君、大丈夫なの!?」

「はぁっ…はぁっ…ぁぁ…大丈夫だ…」

 

気が付けば俺は片膝をついて、胸を抑えていた。

大丈夫だと言ったが、本音を言えば息が辛い。けどこれはいつもの事だ。()()()を手にした時は、いつもこうだ。こうなる理由なんて、分かりきっている事だしな。

 

「……今は、お前が希望か…頼むぜ、ヒーロー。俺は、エアーマン2体とシャドー・ミストをリリース!!」

「えぇっ!?3体リリース!?」

「HEROで3体リリース…まさか、そのカードは!!」

「血塗られた運命を切り開け、黒き英雄!!その心は、託された遺志(おもい)と共に!レベル8、《D-HERO(デステニーヒーロー) Bloo-D(ブルーディー)》!!」

 

3体の英雄がその身を溶かし、一人の黒き英雄へとその魂を繋いだ。その英雄こそ、俺の…

 

D-HERO Bloo-D 攻撃表示

ATK 1900

湊月 手札 2→1

 

「なんで君が…そのカードを…」

「手ぇ貸せ、Bloo-D!Bloo-Dの効果、ブラッディ・バインド!コイツが存在する限り、相手のモンスター効果はすべて無効になる!」

 

キメラテック・メガフリート・ドラゴン

ATK 3600→0

 

「っ…メガフリートの攻撃力は効果で定められた数値…効果が無効化されればその攻撃力は0…!」

「リリースされたシャドー・ミストの効果で俺はオネスティを……」

 

今度こそオネスティを加えようとしたが、次に手札に来たのはさっき戻したリキッドマンだった。

 

「…くっそ!自分から出てきといて、E・HEROとは協力しねぇってかよ!!ならBloo-Dの効果、クラプティー・ブラッド!ズィーガーを装備し、その攻撃力の半分の数値を自身に加える!!」

 

Bloo-Dの翼から血の鎖が放たれズィーガーを吸収し、その力を自分のものにした。

 

D-HERO Bloo-D

ATK 1900→2950

 

「…この感じ、やっぱりそのカードは……」

「バトルフェイズ!Bloo-Dでメガフリートに攻撃!ブラッディー・フィアーズ!!」

 

D-HERO Bloo-D

ATK 2950

キメラテック・メガフリート・ドラゴン

ATK 0

2950-0=2950

永遠 LP 6300→3350

 

「くぅぅっ!!」

「…?」

 

なんだ…?Bloo-Dの攻撃を受けた時、松瀬プロが顔を(しか)めたように見えたんだが…

 

「だ、大丈夫っすか?」

「平気平気。続けなよ」

「…はい。俺はカードを1枚伏せてターンエンドです」

 

湊月

モンスター Bloo-D(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1 ズィーガー(装備:Bloo-D)

墓地 14

手札 1

デッキ 26

LP 2000

 

 

「…ふぅ、私のターン、ドロー」

 

永遠 手札 0→1

 

「ねぇ、君の方こそ大丈夫なの?さっき息苦しそうにしてたけど」

「今は大丈夫です」

「それなら良かった。けどまぁ、そのモンスターが出てくるなら、早々に決めなきゃねぇ…私は《命削りの宝札》を発動!手札が3枚になるようにドローするから、3枚引くわ」

 

永遠 手札 1→0→3

 

「…全捨てのデメリットがあるけど、これは丁度いいわね。手札を全部伏せてターンエンドよ!」

 

永遠

モンスター なし

魔法・罠 伏せ3

墓地 11

手札 0

デッキ 29

LP 3350

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 1→2

 

「…ちっ!セットカード、《リビングデッドの呼び声》!今度は邪魔させねぇ、ブレイズマンを攻撃表示で蘇生する!そしてブレイズマンの効果で融合を手札に加え、そのまま発動!ブレイズマンと手札のリキッドマンで融合する!」

 

E・HERO ブレイズマン 炎属性

E・HERO リキッドマン 水属性

 

「奇跡を導くサンライズ!光よ降り注げ!!融合召喚!《E・HERO サンライザー》!!」

 

E・HERO サンライザー 守備表示

DEF 1200

 

「新しいE・HEROの融合体だね。けど…守備表示でいいの?」

「…くそっ、ブレイズマンの蘇生に干渉しねぇと思ったらこっちに干渉してくんのかよっ!!融合召喚したサンライザーと融合素材になったリキッドマンの効果を発動!2枚引いて1枚捨て、《ミラクル・フュージョン》をサーチする!」

 

湊月 手札 1→3→2→3

 

「けど、そのカードを発動するにはサンライザーが邪魔よね」

「…分かってますよ。けどこのままやるに決まってるでしょう。最初に捨てた《ADチェンジャー》を墓地から除外して効果発動。サンライザーを攻撃表示に変更する」

 

E・HERO サンライザー 守備表示→攻撃表示

ATK 2500

 

「さらにサンライザーの効果で俺の場のモンスターの攻撃力は、俺の場にいるモンスターの属性の種類×200ポイントアップする。光属性のサンライザーと闇属性のBloo-Dの2種類がいるから、攻撃力400アップだ」

 

E・HERO サンライザー

ATK 2500→2900

D-HERO Bloo-D

ATK 2950→3350

 

「これでBloo-Dの攻撃が通れば俺の勝ちだ!バトルフェイズ!Bloo-Dでダイレクトアタック!この瞬間、サンライザーの効果発動!サンライザー以外のHEROが攻撃した時、相手の場のカード1枚を破壊する!対象は、真ん中のセットカード!」

 

Bloo-Dの攻撃に合わせて、サンライザーが松瀬プロの伏せカードを狙いにいった。だが、Bloo-Dとサンライザーは共に見えない力で地面に叩きつけられた。

 

「なっ、何が起きたんだ!?」

「サンライザーの破壊効果にチェーンして対象になった《威嚇する咆哮》を発動したのよ。本当ならバトルフェイズ開始前に使うつもりだったのに、君が勢いで進めるから…」

「…す、すんません…」

「まぁいいよ。チェーン処理で威嚇する咆哮は破壊されるけど、君は攻撃宣言出来ない。メイン2に入りなよ」

「…メイン2。俺は…このままターンエンドです」

「うにゅ?伏せないの?」

「…ほっとけ」

 

湊月

モンスター サンライザー Bloo-D(攻撃表示)

魔法・罠 リビデ ズィーガー(装備:Bloo-D)

墓地 16

除外 1

手札 3

デッキ 21

LP 2000

 

 

「私のターン、ドローよ」

 

永遠 手札 0→1

 

「セットしていた《サイバネティック・フュージョン・サポート》を発動するわ。ライフ半分をコストに、墓地融合を可能とするわ」

 

永遠 LP 3350→1675

 

「うっわぁ、色々と面倒な数値になったねぇ」

「……俺のせいだから何も言えねぇ……」

「まぁまぁ気にしない気にしない。もう1枚の伏せカード、《パワー・ボンド》を発動!」

「はぁっ!?命削りでそのセット引き当ててたんすか!?」

「フュージョン・サポートの効果で墓地融合が可能!私は墓地のサイバー・ドラゴン、フィーア、ドライの3体を除外して融合!フィーアとドライは、墓地で《サイバー・ドラゴン》として扱うため融合素材に指定可能!」

「サイバー・ドラゴン3体融合…まさかっ!!!」

 

サイバー・ドラゴン 固有名称指定

サイバー・ドラゴン・フィーア 固有名称指定

サイバー・ドラゴン・ドライ 固有名称指定

 

「全てを終わらせる究極の機械龍、今こそ起動せよ!!融合召喚!最終決戦兵器(ファイナル・バトル・ウェポン)、《サイバー・エンド・ドラゴン》!!」

 

サイバー・エンド・ドラゴン 攻撃表示

ATK 4000

 

松瀬プロが融合したのは、3つ首の機械龍。サイバー・ドラゴンの究極系、最強の龍。松瀬プロの切り札だ。

 

「やっぱり来た…サイバー・エンド…!!」

「パワー・ボンドの効果で、その攻撃力は2倍になる!」

 

サイバー・エンド・ドラゴン

ATK 4000→8000

 

「は…はは…やっぱプロってすげぇや…ここぞって時に切り札を出してくるなんてな…」

「ふふっ、私はいつでも最高を目指すのよ。バトルフェイズ!サイバー・エンドでBloo-Dを攻撃!この瞬間、速攻魔法《リミッター解除》を発動!」

「だぁぁぁっ!!引きが強過ぎるっ!!あとオーバーキル!!!」

「そんなん知らないわ!!機械族モンスターの攻撃力を2倍にする言わずと知れた効果を適用っ!!打ち砕け、エターナル・エヴォリューション・バースト!!」

「最後まで抗え、Bloo-D!ブラッディー・フィアーズ!!」

 

恐ろしい程の攻撃力を得たサイバー・エンドから放たれる途方もない熱量を持った光線は、容赦なくBloo-Dを穿った。

…俺の気の所為かもしれないが、倒される寸前、Bloo-Dがこちらに不服そうな顔を向けたような気がした。

 

サイバー・エンド・ドラゴン

ATK 8000→16000

D-HERO Bloo-D

ATK 3350

16000-3350=12650

湊月 LP 2000→-10650

 

ゲームエンド

WINNER 松瀬永遠

 

 

 

 

 

「くーっ、負けちまったかぁ…対戦ありがとうございました」

「こっちこそありがとね、湊月君。君、すっごく強いね」

「松瀬プロには及ばないですよ。それに、濡羽達にも…」

「それよりさ…さっきのHERO。Bloo-Dって、君のカードなの?遺志がどうのって口上だったけど」

「あー…正確には、俺の…その…元カノのです」

「えー、みつきんって彼女いたの!?意外すぎる!!」

「るせー!」

 

俺だって人並みに恋愛ぐらいするわっ!!女子になびかない濡羽の方がおかしいんだっ!!

 

「…そう。ま、深くは聞かないけどね。そのカード、気をつけて使うんだよ」

「え?あ、はい」

 

気をつけてって…どういう事だ? 確かに、コイツを使うと大抵E・HEROが手札に来なかったり、Bloo-Dでしか戦わざるを得ない手札になることが多いが…(今回は融合できた分マシな方だったけどな)

 

「さて…そろそろいいくらいの時間かな」

「そーいえば、とわちんってなんで今日こっちに来たの?」

「チームメイトが大会のエキシビションやるって言うから、それを見に来たのよ。今日はちょうど休みだったからね。2人も来る?私と一緒なら入れると思うよ」

「行く行くー!とゆーか私いなきゃ、とわちん絶対に目的地に着かないし!」

「そういう事なら俺も行きたいです。松瀬プロのチームメイトってなると、シュトルム所属か…」

「ならみんなで行こうか。あと湊月君、ホントに永遠でいいからね?」

「……せめて永遠さんで…」

「むっ…まぁ許す!」

 

…許された。

まぁそれは置いといて、大会でのエキシビション、楽しみだな!シュトルムのメンバーの中で、誰がやんのかねぇ…

 

 

 

 

 

あ、ちなみに言っとくと俺が最後に捨てた手札は《未来融合-フューチャー・フュージョン》で、残ってた手札は《ミラクル・フュージョン》《並行世界融合》《置換融合》の3枚だ。どうしようもなく動けなかったぜ…てか融合系引きすぎだわ。




というわけで、2戦とも松瀬さんの勝利です。
松瀬さんのデッキは【サイバー・ドラゴン】、茜さんのデッキは【スピリット・ドラゴンワンキル】です。どっちも使わせたくて仕方なかったデッキです。
今回の話書いてて、意外とドラゴン族通常モンスターっているんだなぁ、と実感しました。
それではカード紹介へ。

『というわけで、困った時に命削りに頼りすぎる作者さん主導のカード紹介です!今回は私、閃刀姫-レイと』
『冥界龍ドラゴネクロでやらせてもらう。本来ならクリアウィング達だったのだが…』
『以前作者さんがフリー対戦した時、おふたりともドラグーン・オブ・レッドアイズにコテンパンにされて、作者さん共々落ち込んでいらっしゃいます…』
『あれはダメだろう…アナコンダと共にどのデッキにも入っているからな。サブテラーから飛んでくるのは卑怯だ…おっと、話が逸れたな。今回紹介するカードは…そうだな、ミツキが使っていたカード《D-HERO Bloo-D》にしよう』

D-HERO Bloo-D
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻1900/守 600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する(1体のみ装備可能)。
(3):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分だけアップする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

『E・HERO使いのミツキさんが初めて見せたD-HEROですね。モンスター3体のリリースを要求する特殊召喚モンスターでもあります』
『その効果を大まかに説明するならば…『相手フィールドのモンスター効果無効』『相手モンスターを一体だけ装備』『このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分だけ自身を強化』だな』
『モンスター効果の無効は相当きついですよね。場に出た時点で効果が使えませんから、殆どのデッキは機能しなくなります。永続効果も無効にされてしまいますし、何よりこの効果自体も永続効果ですしね』
『墓地や手札、デッキで発動する効果は使用可能なので、そこを攻めると良いだろうな。相手を装備する効果は、裏側表示のモンスターでも可能だ。その場合は攻撃力は上昇しないがな』
『弱点としては、自身をコストとして除去する類の効果を止められないこと、重い召喚条件に見合わない耐性の無さ、素のステータスの低さの3つでしょうか』
『そうだな。それと…ミツキは、このカードと浅からぬ因縁があるようだが、それはいずれ分かることか』
『ですね。先に宣言しておきますと、次回はファストさんとクリアウィングさんが行います!』
『というか必ず行わせるぞ。ではまた次回だ』


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四十四枚目:大会遠征!

お久しぶりです。会話パートです。

…2ヶ月も空いたのには深くない理由があります…
サブタイトルに悩みました。いつもの事です。

それでは本編へ。


 

私達5人は、ケリュクスにあるスタジアムへ向かっています。受付まではまだ余裕がありますね。

 

「…それで、結局誰が出るのだったかしら?」

「全員参加ではありませんでしたか?」

「マリーちゃんも出るならってラインちゃんが参加表明して〜、1人だけでないのもあれだからって神名さんも出ることになったよね〜」

「うぅ…本当に不安です…」

「大丈夫よマリー、私も少し回したことあるけど海晶乙女は強いわ」

 

恐らく、ミネルヴァさんの悩みはそちらではないと思いますが…輝琉さんもそちら側の感情に疎いのでしょうか…

 

「…マリーさん。別に、デュエルは勝ち負けだけが絶対じゃないのよ。どれだけ自分が楽しめるか、どれだけ相手を楽しませられるか。それを重要視する人もいるの」

「そうだね〜。濡羽っちは『楽しかったらそれで十分です!』ってよく言ってるよね〜」

「確か、プロの方にも何人かいらっしゃいますよね。対戦相手や観客を楽しませるデュエルをする”エンタメデュエリスト”の方が」

「エンタメ…?」

「エンターテインメントの略よ。意味合いとしては、人々を楽しませる娯楽、ってとこかしら」

「…そうね、その意味で合ってるわ」

 

エンタメデュエリストの方のデュエルを実際に見たことはありませんが、とても華やかなものだと聞いています。いつか見てみたいですね。

 

「…優姫、今見えるあれが会場のスタジアムかしら?」

「えぇ、その通りです。今回は2つのクラスに分かれています。1つは大会に初めて参加する、もしくは初参加から半年までの方が参加するルーキークラス。もう1つは、初参加から半年以上が経過している方が参加するアマチュアクラスです。私と風華はアマチュアクラスに参加しますね」

「私は初めて大会に出るからルーキークラスだね〜」

「ワタシとラインちゃんもルーキークラスですね」

「そうね。そう考えると、何気に私たちが大会に出るのって初めてなのね」

 

おふたりはアイドルですから、時間が取れないのも納得ですけれどね。聖川さんは何故出ていなかったのでしょうか?

 

「神名さんが疑問に思ってる顔してるから答えとくね〜。私が大会に出なかったのは、単純に濡羽っち達が出てなかったからだよ〜」

「…ということは、星風くんもルーキークラスなのね」

「湊月っちもだよ〜」

「相手したから分かるけど、星風って相当強いわよね。それなのになんで参加しなかったの?」

「湊月っちはデザインの勉強に時間使ってたからだよ〜。濡羽っちは…出るつもりがなかったんだって〜。『大会に出たら勝たなきゃいけないって感じがしてあんまり好きじゃないんだよね』って言ってたよ〜」

 

…確かに、大会参加者の方の多くは勝ちに来ていますからね。素直にデュエルを楽しみたい星風さんからすれば、少し居心地が悪いかもしれませんね。

 

「今度は濡羽さんも連れてきましょう。そうしましょう」

「マリー、1人で何言ってんのよ…そんなことより、スタジアムに着いたわね。受付は……って、あれは…」

「や、やっぱり来ちゃうよねぇ…来るって言ってたもんねぇ…」

「あーっ!柊真さんだ〜!なんでいるの〜?」

「…今回の主催者が僕の友達でね、受付やってくれって頼まれたんだよ。今回の旅行の目的も6割くらいそれでさ…店長にも無理言って仕事休ませてもらったくらいなんだ…」

「「「「「あー」」」」」

 

…ご愁傷様です、としか言葉が出ませんね…

 

「そ、それより。みんな大会に出るんでしょ?受付、するよ?」

「…そうね。私と優姫はアマチュア、小春とマリーさん、輝琉さんはルーキークラスでお願いします」

「了解だよ。開始までもう少し待ってね」

「分かりました。ありがとうございます」

「…あ、忘れるところだった。はい、これ持っててね」

「なぁにこれ?番号が書いてあるよ?」

「あとのお楽しみだよ」

 

そう言って龍凪さんは私たちに紙を渡して来ました。私の紙に書かれている番号は『7』と書かれています。風華は『18』、聖川さんは『4』、ミネルヴァさんは『12』、輝琉さんは『15』でした。

 

「神名さん、ラッキーナンバーじゃない。羨ましいわ」

「そういうものですかね?」

「そういうものよ」

「…それで、開始までまだ時間があるのよね?」

「そうですね、あと20分程でしょうか?」

「うーん、それなんだけどね。なんかもう少し仕込みに時間かかるからあと30分くらい必要だって言ってたよ」

「仕込み?何のでしょうか?」

「さぁ…そこまでは言ってくれなかったよ。まぁ受付は10分もすれば締め切るけどね。みんなもスタジアムの中に入って待ってるといいよ。初めはプロの人達のエキシビションマッチだから、観客席に行っててね」

「分かった〜!」

 

 

 

 

 

そうしてスタジアムに入場してしばらく経ちました。続々と人が集まってきています。デュエルディスクをつけている人は誰もいないので、誰が参加者で誰が観戦者か分かりませんね。

 

「ねぇねぇ、いつ始まるのかな〜?」

「コハルさん、もう少し待ちましょう!」

「そうよ。多分もうすぐ始まるから気長に待ちましょ?」

「…もうすぐなのかまだなのか分からない弁当ね」

「けれど、柊真さんは30分ほどかかると言っていましたし、本当にもうすぐだと思いますよ」

 

そんな話をしていた矢先、急にスタジアム全体の照明が落ちました。辺りが真っ暗になって、何も見えませんね。

 

「きゃあっ!な、何ですか!?」

「おおお落ち着いてマリー!大丈夫だから!大丈夫ですわよね!?」

「…輝琉さんこそ落ち着いて。色々おかしくなってるから」

「けど、本当に何なのでしょうか。停電ですかね?」

「なんで2人は落ち着いてるの〜!?」

「…父が、この手の悪戯が好きだったのよ」

「私も、おじ様の悪戯には巻き込まれていましたからね。慣れてしまいました」

 

慣れとは恐ろしいものですね。

そんな話をしていると、急に照明がつきました。

 

「うっ、眩しっ!!急に明るくしないで欲しいなぁ!」

「…ねぇ、優姫。真ん中に誰かいるんだけど」

「本当ですね。あれは…」

 

スタジアムの中央に立っていたのは、マントを羽織り仮面を被った方です。髪は全体的に緑色ですが、ひと房だけ青いですね。体格的に男性でしょうか。

まぁこのような格好をして、こんな事をする方を私は1人しか知りませんが。

 

「…あれ、どう見ても天翔(あまがけ)プロよね」

「ですね」

 

天翔(あまがけ)那由(なゆ)さん。

先程私が話した”エンタメデュエリスト”の1人であり、”シュトロム”所属のデュエリスト”ナユタ”さんでもあります。以前は別のデュエルチームに所属していましたが、何らかの理由で移籍したのでしたね。

 

「ハロー、エブリワン!いやー、驚かせちゃってごめんねー!僕はナユタ!世界一のエンタメデュエリストだよ!」

「”自称”を忘れるな」

「むっ、出てくるの早いよ!」

「知らん」

 

ナユタさんの後ろに現れたのは、狐面をつけた和装の男性です。高い声のナユタさんとは対称的にとても低い声をしています。そんな彼は…

 

「うわぁ!ヤクモプロだぁ!私ファンなんだよね〜!」

「有名な方なのですか?」

「すごい有名よ。世界ランク5位だったかしらね」

 

ヤクモさん。

常に狐面をつけていて、素顔はチームメイトしか知りません。彼も”シュトルム”所属のデュエリストですが、チーム内で唯一本名を明かしていません。謎多きデュエリスト、といった感じですね。

その実力は折り紙付きで、リンネさんと共にシュトルムの二枚看板となっています。

 

「むー、なんか予定崩れちゃったなぁ。ま、いっか!今日の大会のエキシビションは、僕達がやるから楽しんでってね!そしてその前に…お楽しみターイム!」

「「「「「…お楽しみタイム?」」」」」

「みんなには入場する時に番号の書いた紙を配ったよね!今からビンゴマシーンを回して、出てきた玉に書いてある番号の人にはプレゼントをあげるよ!」

「スタッフさん、ビンゴマシーンを頼む」

 

ヤクモプロのお願いどおり、スタッフさんがビンゴマシーンを台車に乗せて持ってきました。ただ、あれって…

 

「どう見ても《ビンゴマシーンGO!GO!》ですよね…」

「…それを言ったらおしまいよ」

「それじゃあ…ビンゴターイム!!」

 

ナユタプロが回したビンゴマシーンから、ふたつの玉が出てきました。けれど、なぜ2つ?

 

「あ、言い忘れてたや!この景品、別々のを二人に渡すからね!」

「言うのが遅い。それで、何が出た?こちらは4だ」

「えーっと…こっちは7!とゆーわけで、4番さんと7番さん!降りてきてよ!」

「4番と7番って…」

「小春さんと優姫さんですね!」

「行きましょうか、聖川さん」

「うん!何が貰えるのかな〜?」

 

私たちは一緒にスタジアムに降りました。一体何が貰えるのでしょうか?

 

「やーやー、君が7番さん?」

「はい。神名優姫と言います」

「優姫ちゃんね。優姫ちゃんにプレゼントするのはー…これっ!」

 

ナユタさんから渡されたのは、1束のカード。これはもしや…

 

「デッキ…ですか?」

「正解っ!それはリンネが作った新しいデッキだよ。一般には出回ってない、今現在君しか持ってないデッキになったね!」

「そ、そんなものを私に…?いいのですか?」

「リンネには話を通してあるから無問題(もうまんたい)!」

「そ、そうですか…」

「今すぐにとは言わないけど、いつかそのデッキを使ってみてね♪」

「分かりました」

 

デッキを受け取った私が会話を終え、観客席に戻ろうとした時…

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

 

聖川さんの叫び声が聞こえました。と言いますか、隣で叫ばれたので耳が痛くなりました。

 

「ひ、聖川さん…?どうされたんですか?」

「い、いやっ、そのっ、ちょっ、わたっ」

「…ヤクモさん、何言ったの?」

「いや、プレゼントの事などお前から聞いていなかったのでな。渡せるような物も無かったからエキシビションの後に1戦交えようと言ったまでのことなのだが」

 

…なるほど、つまりヤクモさんからのプレゼントは自分への挑戦権、といった所でしょうか。ヤクモさんのファンである聖川さんにとってはこれ以上ないプレゼントですね。

 

「はぁ…ヤクモさんもつくづく突拍子もないこと言うよねぇ。それじゃあ手早くエキシビションやらなきゃねー。お二人も早く観客席に戻ってね。でないと見逃しちゃうよ♪」

「分かりました」

 

ナユタさんに言われたとおり、私達は観客席に戻りました。その頃には聖川さんも普段の調子に戻っていました。

 

「あの二人も戻ったね♪それじゃ、準備は良いですかヤクモさん?」

「いつでも来い、ナユタ」

「それじゃ…レディース&ジェントルメン!!これより始まりますは同じチームに所属するチームメイト同士のエキシビションマッチ!片やエンタメデュエリスト、片やパワープレイヤー。どんなデュエルになるかは見てのお楽しみ!早速行ってみようかぁ!」

「「決闘(デュエル)!!」」




次回はプロ同士のデュエルですが……書いてる範囲で既に迷走しているのであまり期待はしないでください。

話題を変えて新規リミレギュ等の話を。もう5月ですけども。
レダメがエラッタで帰ってくるとは思いませんでした。もう少し居ても良かったんよ?
ドラグーンは制限、アナコンダとオフリスも制限行きですね。オフリス何かした…?絶対ドラグーンのせいでしょ。
最近のパックでは色々出ましたね。魔救や六華、メルフィー辺りを組みたいな〜、とか思ったりしました。デストーイは魔改造されましたね。ホエール強い。
デッキの話。三幻魔ストラクはみんな言ってるけどユベルにも対応してるのが面白いですね。知り合いにもユベリストがいるのでおそらく大歓喜している事でしょう。ユベルデッキに七重スリーブとかしているくらいですし。
それではカード紹介へ。

『はい、今回のカード紹介です!今回担当するのは私、クリアウィング・ファスト・ドラゴンと!』
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴンだ!ドラグーンにやられたショックから復帰したぜ!』
『もうやりたくないですねー…作者さんも『今度は捕食植物で食ってやるー!!』って意気込んでましたし』
『ゆーてネット環境とかボロクソだからリモート出来ねぇんだろ?』
『それは言わないお約束です。今回紹介するのはヌレハの愛用する融合モンスター、《波動竜騎士ドラゴエクィテス》です!』

波動竜騎士ドラゴエクィテス
融合・効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3200/守2000
ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、
エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。
また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、
相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。
※テキストは遊戯王wikiより引用

『融合素材はドラゴン族シンクロモンスターと戦士族っつー地味な重さだな。主に《ミラクルシンクロフュージョン》とか《ドロドロゴン》とかで出すことになると思うぜ』
『基本的な効果は墓地からドラゴン族シンクロモンスターを除外することでカード名と効果をコピーする効果、相手からの効果ダメージを反射する効果の2つですね』
『こいつ自身高いステータスを持ってるから、コピー先によってはとんでもない事になるぜ。主にヴァジュランダとかな』
『楽しそうでしたよねぇ、攻撃力50000超での攻撃。まぁそのせいで効果ダメージ反射はオマケになってますけど』
『このカードの欠点は墓地から除外しなきゃコピー出来ないから、回数に限りがある事だな。あとこいつ出すぐらいならコピー元出して殴った方がいい時もあるぜ』
『それと、ヌレハたちが使うカードの例に漏れず、このカードにも一切耐性がないので出したターンに決めることを心がけましょう』
『…なんでこの手のカードばっか集まるんだろうな』
『そろそろ高ステータスで耐性持ちも見たいですよねぇ…』
『…気分変えよう!次回は”自称”エンタメデュエリストのナユタと、ナユタ曰く”パワープレイヤー”のヤクモのデュエルだ!マジで迷走してるみたいだからあんま期待すんなよな!』
『それではまた次回です!』


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四十五枚目:エンタメvs伝説

デュエルパート、ナユタvsヤクモです。

迷走し続けた結果、時間もないので諦めました。
今回は2本連続で投稿します。

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール2 LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 本名不詳(ヤクモ)

後攻 天翔 那由(ナユタ)

 

デュエル開始

 

 

「先に説明しておくね!今日行われる大会から新ルールが適用されるよ!一部のカードの処理が変更されたってのも大きいけど、何より大きいのは融合・シンクロ・エクシーズに限り直接メインモンスターゾーンに展開できるようになったこと!これで前より戦術の幅が広がるね!」

「そうだな。では先攻で動かせてもらうぞ。俺は手札から《龍の霊廟》を発動する」

「ちょ、説明してたんですけど!?チェーンはないよ!」

「ならばそのままデッキからドラゴン族モンスターである《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を墓地へ送る。通常モンスターを墓地へ送ったのでさらにもう1枚墓地へ送る。《太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)》を送る」

 

ヤクモ 手札 5→4

 

早速墓地へ送られましたね、《青眼の白龍》。

ヤクモさんのデッキは【青眼の白龍】。高い攻撃力を持つ通常モンスターである《青眼の白龍》を主軸にしたデッキです。構築法によってデッキタイプがガラリと変わるのが特徴ですね。

中には私の使うエクゾディアと絡めた【青眼エクゾディア】などもあるそうですが、私は見たことがありませんね。

 

「そして《青き眼の護人》を召喚」

 

青き眼の護人 攻撃表示

ATK 800

ヤクモ 手札 4→3

 

「護人の効果。手札から光属性・レベル1のチューナーを特殊召喚する。《青き眼の祭司》を特殊召喚」

 

青き眼の祭司 守備表示

DEF 1200

ヤクモ 手札 3→2

 

「祭司を対象に護人の効果。祭司を墓地へ送り、手札からブルーアイズモンスターを特殊召喚する」

「うっわ、早速ぅ?」

「古の時代より崇められし伝説の白龍!《青眼の白龍》召喚!」

 

刹那、空からこのスタジアムに一体の白い龍が舞い降りました。美しいその身体に秘められた力は、見ている側にも伝わってきます。これが…青眼の白龍ですか…

 

青眼の白龍 攻撃表示

ATK 3000

ヤクモ 手札 2→1

 

「そして俺はレベル8の青眼の白龍にレベル1の青き眼の護人をチューニング!」

 

青き眼の護人 レベル1 チューナー

青眼の白龍 レベル8 ブルーアイズ

8+1=9

レベル9シンクロ

 

「その身に秘めるは精霊の力。崇め祀るは白き龍!シンクロ召喚!来るは精霊龍、《青眼の精霊龍(ブルーアイズ・スピリット・ドラゴン)》!」

 

青眼の精霊龍 守備表示

DEF 3000

 

「エンドフェイズに《太古の白石》の効果発動。デッキから3体目の《青眼の白龍》を特殊召喚する!」

 

青眼の白龍 攻撃表示

ATK 3000

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

ヤクモ

モンスター 青眼の白龍(攻撃表示) 精霊龍(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 6

手札 2

デッキ 31

LP 8000

 

 

「うーん、雑に並んだなー。僕のターン、ドロー♪」

 

ナユタ 手札 5→6

 

「おっと、これはなかなかいいカードだね。僕はスケール6の《EMギタートル》とスケール3の《EMリターンタンタン》でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

EMギタートル スケール6

EMリターンタンタン スケール3

 

ナユタさんが使うのは【EM(エンタメイト)】。ペンデュラム召喚を主軸にしたカテゴリです。属するモンスターは数多く存在しますが、攻撃力2000以上のモンスターは少ないという珍しいカテゴリでもあります。

そして…なかなかに面白い演出を行うカテゴリでもあると聞いています。というのも、ナユタさんのデュエルを見るのはこれが初めてなのです。

 

「リターンタンタンが発動したから、ギタートルのペンデュラム効果が発動!1枚ドローするよっ!」

 

ナユタ 手札 6→4→5

 

「これは…うん、リターンタンタンのペンデュラム効果発動!自身を手札に!」

 

ナユタ 手札 5→6

 

「な、なんでリターンタンタンを戻すの?ペンデュラム召喚出来たんじゃ…」

「スケールを貼り直すのが目的だと思います。まぁそれ以前に精霊龍の効果がありますけれど」

 

私たちの会話に答えるかのように、ヤクモさん達も話し始めました。

 

「ふっ、忘れていないようだな。青眼の精霊龍がいる限り、相手はモンスターを2体以上同時に特殊召喚出来ないという事を」

「ホントそれ明らかなペンデュラムメタですよねぇ。けどそれもこれで解決っ!《サンダー・ボルト》発動!」

 

ナユタさんが発動した魔法により、ヤクモさんのモンスター達は雷に打たれて消えた…かに見えましたが、簡素な鎧を纏ったようなブルーアイズが場に残っていました。

 

「えっ、何…?何が起きたの?」

「精霊龍の効果、真光の霊導。精霊龍をリリースすることでエクストラデッキから光属性・ドラゴン族のシンクロモンスターを守備表示で特殊召喚する。ただし、このターン終了時に破壊されるがな。この効果で《蒼眼の銀龍》を直接特殊召喚させてもらった」

 

蒼眼の銀龍 守備表示

DEF 3000

 

「うーん、けどエンドフェイズに破壊されちゃうなら壁としてしか意味無いですよね〜」

「いえ、そうでもありませんよ。蒼眼の銀龍が特殊召喚された次のターンの終了時まで、ナユタさんの場のドラゴン族は効果の対象にならず、効果では破壊されません」

「デメリットってなんだっけ〜!?」

 

むしろ、あのモンスターは精霊龍との併用を意識して作られたように感じますね。

 

「ふっふーん、要は戦闘破壊すればいいんだよね!僕はスケール1の《EMレ・ベルマン》をセッティング!」

 

EMレ・ベルマン スケール1

ナユタ 手札 5→4

 

「これでレベル2から5のモンスターが同時に召喚可能!揺れ動く輝石は笑顔を運ぶ!Show must go on(お楽しみはこれからだよ)!」

 

EMレ・ベルマン スケール1

EMギタートル スケール6

ペンデュラム召喚可能レベル 2~5

 

「ペンデュラム召喚!手札からレベル5、《EMダグ・ダガーマン》!同じくレベル5、《EMパートナーガ》!そしてレベル4、《EMペンデュラム・マジシャン》!」

 

EMダグ・ダガーマン 攻撃表示

ATK 2000

EMパートナーガ 守備表示

DEF 2100

EMペンデュラム・マジシャン 攻撃表示

ATK 1500

ナユタ 手札 4→1

 

「特殊召喚されたペンデュラム・マジシャンの効果をチェーン1、パートナーガの効果をチェーン2で発動するよ!まずはパートナーガの効果!ダグ・ダガーマンの攻撃力を、僕の場のEMモンスターの数×300ポイントアップさせる!」

「えっと、EMモンスターは三体いるよね…ってことは…」

 

パートナーガとダグ・ダガーマン、そしてペンデュラム・マジシャンが手を繋ぎ輪を描く。そしてその輪を通してダグ・ダガーマンは笑顔になった(力を増した)ようです。

 

EMダグ・ダガーマン

ATK 2000→2900

 

「ふん、それでも200足りん」

「まぁまぁ慌てない慌てない♪チェーン1のペンデュラム・マジシャンの効果!パートナーガとギタートルを破壊して、デッキから《EMドクロバット・ジョーカー》と《EMゴールド・ファング》をサーチ!」

 

今度はペンデュラム・マジシャンの手に持つ秤に縮小されたパートナーガとギタートルが乗せられ、次の瞬間には手品の如くドクロバット・ジョーカーとゴールド・ファングに入れ替わっていました。一体どのような仕組みなのでしょうか…

 

ナユタ 手札 1→3

 

「そしてダグ・ダガーマンの効果!手札のリターンタンタンを捨てて1枚ドロー!」

「いいカードは引けたか?」

「ふっふっふ。ヤクモさん、僕がドローに頼ると思いますか?」

「エンターテイナーとしては逆転のドローにかけるものだと思うのだが」

「ぐっ、正論がダイレクトアタックを!?」

 

大仰な動きでよろめくナユタさん。なんというか…エンタメデュエリストというより芸人の方が近い気がします。

 

「そ、それより!僕は《EMゴールド・ファング》を召喚!」

 

EMゴールド・ファング 攻撃表示

ATK 1800

ナユタ 手札 3→2

 

「なるほどな。確かにサーチしたそいつなら突破可能か」

「ゴールド・ファングの効果発動!僕の場のEMの攻撃力を200ポイントアップさせるよ!」

 

EMダグ・ダガーマン

ATK 2900→3100

EMゴールド・ファング

ATK 1800→2000

EMペンデュラム・マジシャン

ATK 1500→1700

 

「バトルフェイズ!ダグ・ダガーマンで蒼眼の銀龍を攻撃!」

 

EMダグ・ダガーマン

ATK 3100

蒼眼の銀龍

DEF 3000

 

「くっ、銀龍…」

「続いて、ゴールド・ファングとペンデュラム・マジシャンの攻撃!」

 

EMゴールド・ファング

ATK 2000

EMペンデュラム・マジシャン

ATK 1700

ヤクモ LP 8000→4300

 

「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!ここでゴールド・ファングとパートナーガの効果は終了!」

 

EMダグ・ダガーマン

ATK 3100→2000

EMゴールド・ファング

ATK 2000→1800

EMペンデュラム・マジシャン

ATK 1700→1500

 

ナユタ

モンスター ダグ・ダガーマン ゴールド・ファング ペンデュラム・マジシャン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

ペンデュラム レ・ベルマン

墓地 2

手札 1

デッキ 30

LP 8000

 

 

「ふっ…流石に食らったな。だが負けんさ。俺のターン、ドロー」

 

ヤクモ 手札 2→3

 

「《トレードイン》を発動する。手札の《青眼の白龍》をコストに2枚ドロー」

 

ヤクモ 手札 3→2→3

 

「…これで、ヤクモプロの青眼の白龍は全て墓地へ行ったわね」

「ですね。ここからあり得るとすれば…」

「墓地融合だな」

「いや、ヤクモくんならきっと別の選択肢を持ってくるかな」

「ひゃっ!?」

 

いつの間にか私たちの隣に座っていたのは、朝に別れたはずの西条さんと、昨日出会った緋乃坂さん…そして、プロデュエリストのリンネさんでした。

 

「り、リンネプロ!?なんでここに!?」

「2人のデュエルを見に来たんだよ。茜ちゃんに連れてきてもらったんだ〜」

「とわちんは方向音痴だからね〜」

「驚きました。おふたりは知り合いだったのですね」

「従姉妹だよー」

「ま、今は2人のデュエルを見よ。多分、これからが面白いよ」

 

リンネさんに促され、西条さんと緋乃坂さんも加えた私たち7人はエキシビションに目を向けました。

 

「観客席の動揺…どうやら、リンネが来たらしいな」

「そうみたいですね〜。ま、今はエキシビション優先ですよ?」

「そうだな。俺は《カオス・フォーム》を発動!墓地の《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を除外し、『カオス』儀式モンスターの儀式召喚を執り行う!」

 

青眼の白龍 レベル8

 

「白き龍の魂を贄とし降臨せよ、混沌に染まりし龍!儀式召喚!《青眼の混沌龍(ブルーアイズ・カオス・ドラゴン)》!」

 

青眼の混沌龍 攻撃表示

ATK 3000

ヤクモ 手札 3→1

 

「ほらね」

「…青眼の混沌龍…あの盤面から儀式召喚に繋げるのね」

「さらに《死者蘇生》!墓地より甦れ!《蒼眼の銀龍》!」

 

蒼眼の銀龍 守備表示

DEF 3000

ヤクモ 手札 1→0

 

「ふふん。ヤクモさん、プレミったね!蒼眼の銀龍の与える耐性は混沌龍は標準装備!それなら精霊龍や白龍を出した方が良かったんじゃないの?」

「さぁな。それもじきに分かる。バトルフェイズ!混沌龍でダガーマンに攻撃!この瞬間、混沌龍の効果発動!相手モンスター全ての表示形式を変更する!さらに、この効果で表示形式を変更されたモンスターの攻守は0になる!」

「んにゃび!?」

 

混沌龍の咆哮に怯えたのか、ダガーマンはナイフを取り落とし、ゴールド・ファングは蛇に睨まれた蛙の様に縮こまり、ペンデュラム・マジシャンはあらぬ方向を向いてしまいました。

 

EMダグ・ダガーマン

ATK→DEF 600→0

EMゴールド・ファング

ATK→DEF 700→0

EMペンデュラム・マジシャン

ATK→DEF 800→0

 

「そして混沌龍は貫通持ちだ。ダガーマンを貫け!」

 

青眼の混沌龍

ATK 3000

EMダグ・ダガーマン

DEF 0

3000-0=3000

ナユタ LP 8000→5000

 

「くぁっ!うー、やっぱり効くなぁ……」

「ターンエンド。さぁ、返してみせろ」

 

ヤクモ

モンスター 混沌龍(攻撃表示) 銀龍(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 11

除外 1

手札 0

デッキ 28

LP 4300

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

ナユタ 手札 1→2

 

「うーん…決めた!これだね!レディース&ジェントルメン!今回のエンタメの演目は『白龍討伐』!見事に達成できましたらご喝采!!」

 

白龍討伐…ということは…あの2体を倒す、ということですか?

 

「まずはこのカード!開け、振り子の揺れるサーキット!召喚条件は『ペンデュラムモンスター2体』!僕はゴールド・ファングとペンデュラム・マジシャンをリンクマーカーにセット、リンク召喚!破壊を力に変える錬金術師!リンク2、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》!」

 

ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム リンク2 ↙ ↘

ATK 1800

 

「エレクトラムのリンク召喚成功時の効果発動!僕はデッキから《EMラフメイカー》を表側でエクストラデッキに加える!そしてスケール8の《EMドクロバット・ジョーカー》をペンデュラムスケールにセッティング!ペンデュラム召喚!」

 

EMレ・ベルマン スケール1

EMドクロバット・ジョーカー スケール8

ペンデュラム召喚可能レベル 2~7

 

「エクストラデッキからレベル4《EMペンデュラム・マジシャン》、同じくレベル4《EMゴールド・ファング》!」

 

EMペンデュラム・マジシャン 攻撃表示

ATK 1500

EMゴールド・ファング 攻撃表示

ATK 1800

ナユタ 手札 2→1

 

「ペンデュラム・マジシャンの効果とゴールド・ファングの効果をそれぞれ発動!僕の場のEM全ての攻撃力が200アップし、ペンデュラムゾーンの2枚を破壊することでデッキから《EMエクストラ・シューター》と《EM五光の魔術師》を手札に加える!」

 

ナユタ 手札 1→3

 

「一気に盤面が変わりましたね」

「…これで終わりじゃないわ」

「そうね。まだエレクトラムの効果があるわ」

 

私の率直な感想に、風華と輝琉さんがそう答えました。エレクトラムの効果とは一体…?

 

「ここでエレクトラムの効果発動!ペンデュラムゾーンのカードが破壊された時、1枚ドローできる!」

 

ナユタ 手札 3→4

 

「えぇ〜!?まだドローするの!?」

「元々ペンデュラム召喚は融合と同じくらい手札消費の激しいデッキだ。そんな召喚法に限って、ハンドアドバンテージを稼ぐ手段に長けてんだよなぁ」

「融合使いの湊月くんが言えたことじゃないよね」

「永遠さんも同じっすよね」

 

リンネさんが使うのは確か…サイバードラゴン、でしたね。なるほど、確かにハンドアドバンテージを稼ぐカードが多いです。

 

「…うん、これだけあればなんとかなる!スケール1の《EMスマイル・マジシャン》をセッティング!そしてエレクトラムの効果発動!ペンデュラム・マジシャンを破壊して、エクストラデッキの表側のペンデュラムモンスターを手札に加える!僕はラフメイカーを手札に加えるよ!」

 

ナユタ 手札 4→3→4

 

「ここでスマイル・マジシャンのペンデュラム効果発動!元々の攻撃力より高い攻撃力を持つ自分のモンスターが破壊された時、ペンデュラムゾーンから特殊召喚できる!笑顔を生み出す奇術師!《EMスマイル・マジシャン》!スマイル・マジシャンの効果でデッキから《スマイル・ワールド》をサーチ!」

 

EMスマイル・マジシャン 攻撃表示

ATK 2500

 

ナユタ 手札 4→5

 

「セットカードオープン!《戦線復帰》!墓地のリターンタンタンを守備表示で特殊召喚!」

 

EMリターンタンタン 守備表示

DEF 600

 

「そして、リターンタンタンとエレクトラムをリリース!笑顔を作る稀代の天才魔導師!白龍討伐隊のリーダー!《EMラフメイカー》召喚!」

 

EMラフメイカー 攻撃表示

ATK 2500

ナユタ 手札 5→4

 

「お、出た出たナユタの切り札」

「あれがナユタプロの切り札なんですね。ラインちゃん、効果って分かります?」

「残念ながら知らないわ。緑葉さんは知ってるかしら?」

「…知っているけれど言わないわ。実際に見た方が面白いから」

「そしてここで《スマイル・ワールド》発動!お互いの場のモンスターの攻撃力は、フィールドのモンスターの数×100ポイントアップする!」

 

EMゴールド・ファング

ATK 2000→2500

EMスマイル・マジシャン

ATK 2500→3000

EMラフメイカー

ATK 2500→3000

青眼の混沌龍

ATK 3000→3500

蒼眼の銀龍

ATK 2500→3000

ナユタ 手札 4→3

 

「えっ…お互いの?それじゃあ相手のモンスターまで…」

「…今回の場合はあまり関係ないわ、小春」

「ふぇ?」

「ねーねー、どうして関係ないのー?」

「ま、見てれば分かるよ茜ちゃん」

 

…何が起きるのでしょうか。少し楽しみです。

 

「ここでスマイル・マジシャンの効果!僕の場の元々の攻撃力よりも攻撃力が上のモンスターの数だけ、デッキからドローできる!この効果は僕の場に『EM』『魔術師』『オッドアイズ』しかいない時にしか使えないけどね。3枚ドローさせてもらうよ!」

「構わん。もとより止める手段などない」

 

ナユタ 手札 3→6

 

「…『オッドアイズ』…『魔術師』?聞いた事のないカテゴリだわ」

「私もです。なんなのでしょうか…」

「そのふたつなら私が新しく作ったカテゴリだよ。ナユタが混成デッキをプレゼントするとか言ってたから預けたんだけど…」

「えっ…?」

 

それでは…私の手元にある、これが…オッドアイズと魔術師の混成デッキ…言うなれば【オッドアイズ魔術師】…ということですか?

 

「……なんだか、とんでもないものを戴いた気がします」

「あ、貴女が貰ったんだ。それじゃあ後で使い方教えてあげよっか?」

「是非お願いします」

 

頑張って使いこなさないといけませんね。

 

「《EM五光の魔術師》をペンデュラムスケールにセッティング!そして、カードを4枚セット!」

 

EM五光の魔術師 スケール12

ナユタ 手札 6→2

 

「これで五光の魔術師のペンデュラム効果が発動するよ!お互いのプレイヤーは、自身の場に伏せられた魔法・罠カードの枚数により効果が発動する!4枚の効果は…僕の場のモンスターの攻撃力は、元々の数値の倍になる!」

 

EMゴールド・ファング

ATK 2500→3600

EMスマイル・マジシャン

ATK 3000→5000

EMラフメイカー

ATK 3000→5000

 

「バトルフェイズ!まずは鎧龍を討伐しようかな!スマイル・マジシャンで蒼眼の銀龍を攻撃!」

 

EMスマイル・マジシャン

ATK 5000

蒼眼の銀龍 DEF 3000

 

「そしてラフメイカーで混沌龍を攻撃!この瞬間、ラフメイカーの効果発動!このモンスターの攻撃力は、このモンスターと相手の場のモンスターのうち、攻撃力が元々の数値より上昇しているモンスターの数×1000ポイントアップする!ラフメイカーは当然アップしているし、ヤクモさんの混沌龍も攻撃力がアップしている!よって攻撃力2000アップ!」

 

EMラフメイカー

ATK 5000→7000

 

「笑顔の魔導師よ、混沌に染まりし白龍を討て!スマイル・バースト!」

 

ラフメイカーの持つ杖の先から虹色の光が四方八方に広がり、混沌龍を包み込みました。そして、混沌龍は笑顔になりながら消滅していきました。

 

EMラフメイカー

ATK 7000

青眼の混沌龍

ATK 3500

7000-3500→3500

ヤクモ LP 4300→800

 

「決めろ、ゴールド・ファング!ダイレクトアタック!」

 

EMゴールド・ファング ダイレクトアタック

ATK 3600

ヤクモ LP 800→-2600

 

「これにて演目『白龍討伐』終了!」




というわけでナユタプロの勝利。
そして迷走した言い訳をさせてください。
エ ン タ メ デ ュ エ ル っ て 難 し い で す 。
正直な話、ラフメイカーが使いたかったんです。そうなるとエンタメイトにするしかなく、そうするとエンタメデュエルするしか無くなるんです。今後彼の出番は減らしマス。毎回エンタメってたらメンタルが持ちません。

では気を取り直してカード紹介へ。

「と、言うわけで!今回も行いますカード紹介!今回担当するのはワタシ、マリー・リュクス・ミネルヴァと、輝琉ラインちゃんです!」
「ちょ、マリー!自己紹介くらいさせなさいよ!ったく…まぁいいわ。今回は何を紹介するの?」
「今回はこのカード、《EMラフメイカー》です!」

EMラフメイカー
ペンデュラム・効果モンスター
星8/光属性/魔法使い族/攻2500/守2000
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、相手フィールドに元々の攻撃力より
高い攻撃力を持つモンスターが存在する場合に発動できる。
自分は1000LP回復する。
【モンスター効果】
「EMラフメイカー」の(1)(2)のモンスター効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードの攻撃宣言時に発動できる。
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、
このカード及び相手フィールドのモンスターの内、
元々の攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターの数×1000アップする。
(2):元々の攻撃力より高い攻撃力を持つこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、
自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「攻撃力が上がっているモンスターが多ければ多いほど有利になる、エンタメイトの切り札です!」
「けどこのパンプ、ラフメイカー自身と相手のモンスターしかカウントしないから気をつけなさいよ。自分のモンスターだけ上げても1000しか上がらないわ」
「そこで使うのが《スマイル・ワールド》なんですよね!」
「そうね。全てのモンスターが一律で強化されるから実質上がっていないようなものだから、ラフメイカーの大幅強化が狙えるわ」
「さらに、元々の攻撃力よりこのカードの攻撃力が上がっているなら、破壊された時に墓地の好きなモンスターを蘇生させることができます!」
「けどラフメイカーはペンデュラム。自身の蘇生は難しいわ」
「なので蘇生させたいモンスターを墓地に用意して、《デストラクト・ポーション》などでバトルフェイズ中に破壊して次に繋げるのもありかもしれませんね!」
「紹介するのもこのくらいかしらね。次のデュエルは誰かしらね」
「それはすぐに分かりますよ!それでは皆様、また次回です!」


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四十六枚目:捕食者vs伝説

連続投稿2本目。

今回は小春vsヤクモとなりますが、大半会話パートですね。

それでは本編。


 

割れんばかりの拍手喝采の最中、私は誰かが拾ってくれることを願って呟いた。

 

「…デュエルが終わっての感想を1つだけ良いかしらね?」

「風華ちゃん、だったかな?私で良ければ聞くよー」

 

…プロデュエリストの永遠さんに言うのもどうかとは思うけれど、聞いてくれるのなら言った方が良いわよね。

 

「…なんだかあのデュエル…()()()()()()()()()()()()()()()()()()気がしたわ。ナユタさんが勝つための、そんなエキシビションだった気がするの」

「あっははー、察しがいいねー。そうだよ。あのデュエルには大雑把だけど台本があったの。『ヤクモが混沌龍を出し、それをナユタのラフメイカーが倒し勝利する』っていうね。だからナユタは他にもあった選択肢を全て消して、わざわざあんな回りくどい手を打った。ヤクモも死者蘇生で銀龍を出して、しかも守備表示にした。全てはあの盤面を作るために、ね。まぁ銀龍は完全に余計だったけど」

「…それで、あの2人は満足しているの?」

「してないだろうねー。だから小春ちゃんにデュエルを頼んだんだろーし」

 

……小春、デュエルしたとして何ターン持つのかしら……

 

「つーか確か、今回の大会の主催者って柊真さんの知り合いだったよな?んでその主催者が、言っちゃなんだが茶番も依頼したんだよな?誰なんだ?」

「……その話普通に初耳なんだけど。君たちの知り合いの知り合いが主催してたとか、普通に知らなかった」

「そうなんすか?意外っすね」

「それじゃあ、私行ってくるね!」

「…行ってらっしゃい。頑張ってね」

「うん!」

 

そう言って小春はスタジアムに降りていった。大丈夫…よね?

 

 

 

 

 

✧︎

 

私は駆け足でスタジアムに降りた。着いたらヤクモプロが腕を組んで待っていて、ナユタプロは笑顔で手を振ってたよ。

 

「…来たか。済まないな、急にあんな事を言ってしまって」

「い、いえ!全然大丈夫ですよ〜!むしろ嬉しいです!」

「そうか。なら始めよう。大方、リンネから聞いているのだろう?一方的になってしまっても…恨むなよ」

「望むところです!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール2 LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 聖川 小春

後攻 本名不詳(ヤクモ)

 

デュエル開始

 

 

 

「私の先攻!」

 

憧れのヤクモプロとのデュエル…!けど浮ついたデュエルだけはしないよ!

 

「《捕食活動(プレデター・プラクティス)》発動!手札から《捕食植物(プレデター・プランツ)オフリス・スコーピオ》を特殊召喚して、デッキから『プレデター』カード、《捕食植物(プレデター・プランツ)コーディセップス》を手札に加えるよ〜!そして特殊召喚されたオフリスの効果!さっき加えたコーディセップスを捨てて、デッキから《捕食植物(プレデター・プランツ)ダーリング・コブラ》を特殊召喚!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻撃表示

ATK 1200

捕食植物ダーリング・コブラ 守備表示

DEF 1500

小春 手札 5→4

 

「ダーリングの効果発動だよ!デュエル中1度だけ、捕食植物モンスターの効果で特殊召喚された場合にデッキから融合またはフュージョン魔法カードを手札に加えます!《置換融合》をサーチ、そのまま発動!場のオフリスとダーリングで融合!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 闇属性

捕食植物ダーリング・コブラ 闇属性

 

「麗しき2輪の花よ。今こそひとつになりて、飢えたる竜を呼び覚ませ!融合召喚!現れ出ちゃえ、私の友達!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

攻撃表示

ATK 2800

小春 手札 4→5→4

 

「スターヴ・ヴェノム…か。初めて見るな」

 

そう、そうなんだよね〜。私のスターヴ・ヴェノムといい、風華と濡羽っちのクリアウィング達といい、私たち以外に使ってる人を見ないカードって割とあるんだよね〜。なんでだろ?

 

「カードを2枚伏せてターンエンドです!」

 

小春

モンスター スターヴ・ヴェノム(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

手札 2

墓地 5

デッキ 31

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローだ」

 

ヤクモ 手札 5→6

 

「知らんカードだが、動かない訳にはいかないな。《青眼の白龍》を相手に公開することで手札の《青眼の(ブルーアイズ・オルタナテ)亜白龍(ィブ・ホワイト・ドラゴン)》を特殊召喚する!」

 

青眼の亜白龍 攻撃表示

ATK 3000

ヤクモ 手札 6→5

 

「そして《トレード・イン》。先程公開した青眼を捨てて2枚ドローする」

 

ヤクモ 手札 5→3→5

 

「ふっ…行くか。《クイック・リボルブ》発動!デッキから『ヴァレット』モンスター、《ヴァレット・トレーサー》を特殊召喚する!」

 

ヴァレット・トレーサー 守備表示

DEF 1000

ヤクモ 手札 5→4

 

「うぇ!?ヴァレット!?」

 

今までヤクモプロ、青眼しか使ってこなかったよね!?ヴァレットなんて使ってるの見たことないよ!?

 

「今まではろくに引けなかったからな。俺のデッキは青眼ではなく【ヴァレット青眼】だ。さぁ、続けるぞ。開け、銃弾飛び交うサーキット!召喚条件は『レベル4以下のドラゴン族モンスター1体』!俺はヴァレット・トレーサーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!来い、リンク1!《ストライカー・ドラゴン》!」

 

ストライカー・ドラゴン リンク1 ←

ATK 1000

 

「ストライカー・ドラゴンの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した時、デッキから《リボルブート・セクター》を手札に加える!そしてそのまま発動!」

 

来た…ヴァレットデッキの要!あのカードの効果って確か…

 

「《ストライカー・ドラゴン》の効果をストライカー自身と墓地のトレーサーを対象に発動!対象にとった場のカードを破壊し、墓地の対象カードを手札に加える。そして《リボルブート・セクター》の効果!手札からカード名の異なるヴァレットモンスターを2体まで特殊召喚する!来い、《ヴァレット・トレーサー》!そして《マグナヴァレット・ドラゴン》!」

 

ヴァレット・トレーサー 守備表示

DEF 1000

マグナヴァレット・ドラゴン 守備表示

DEF 1200

ヤクモ 手札 4→2

 

「トレーサーの効果!マグナヴァレットを破壊し、デッキから《シルバーヴァレット・ドラゴン》を特殊召喚する!」

 

シルバーヴァレット・ドラゴン 攻撃表示

ATK 1900

 

「うー…凄い並んだ。3体いるから…リンク3?」

「いいや。ヴァレット・トレーサーはチューナーだ」

「ふぇぇ!?」

「行くぞ。俺はレベル4のシルバーヴァレット・ドラゴンにレベル4のヴァレット・トレーサーをチューニング!」

 

シルバーヴァレット・ドラゴン レベル4

ヴァレット・トレーサー レベル4 チューナー

4+4=8

レベル8シンクロ

 

「塞ぐ壁を撃ち壊すは、廻り集う赤白の銃龍!シンクロ召喚!来たれ、レベル8!《ヴァレルロード・S(サベージ)・ドラゴン》!」

 

ヴァレルロード・S・ドラゴン 攻撃表示

ATK 3000

 

「サベージの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、墓地のリンクモンスター1体を装備する!そして、そのモンスターのリンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを置く。ストライカー・ドラゴンを装備!さらにこの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力の半分の数値をサベージに加える」

 

ヴァレルロード・S・ドラゴン

ヴァレルカウンター 1

ATK 3000→3500

 

き、来ちゃったー!!ヴァレットデッキのエースの1枚、ヴァレルサベージだよ〜!!確か、カウンターを取り除いてあらゆる効果の発動を無効にするんだったよね…あれ?これってもしかして…

 

「ここで俺は亜白龍の効果発動!このカードの攻撃権を放棄する代わりにスターヴ・ヴェノムを破壊する!」

「うぅ、やっぱり…破壊されたスターヴ・ヴェノムの効果!相手の特殊召喚されたモンスター全てを破壊します!」

「サベージの効果!ヴァレルカウンターを1つ取り除くことで効果の発動を無効にする!」

 

そうなるよねぇ…ごめんねスターヴ・ヴェノム。また活躍させてあげられなかったよ…

 

「…俺はこのターン、まだ通常召喚を行っていない。《青き眼の乙女》を召喚!」

 

青き眼の乙女 攻撃表示

ATK 0

ヤクモ 手札 2→1

 

「手札の《青き眼の賢士》を捨てて効果発動!乙女を墓地へ送り、デッキからブルーアイズを特殊召喚する!チェーンして乙女の効果!墓地のブルーアイズを特殊召喚する!現れよ、2体の《青眼の白龍》!」

 

青眼の白龍 攻撃表示

ATK 3000

ヤクモ 手札 1→0

 

「こ、攻撃力3000のモンスターが3体に…3500が1体…?酷くないですか…?」

「はじめに断っただろう。一方的になっても恨むな、と。バトルフェイズ!行け、サベージ・ドラゴン!迅雷のヴァレル・ファイア!」

 

ヴァレルロード・S・ドラゴン ダイレクトアタック

ATK 3500

小春 LP 8000→4500

 

「きゃあっ!!」

「決めろ、ブルーアイズ達!ツイン・バーストストリーム!!」

 

青眼の白龍 ダイレクトアタック

ATK 3000

小春 LP 4500→1500→-1500

 

ゲームエンド

WINNER ヤクモ

 

 

 

 

 

「…ありがとう…ございましたぁ…」

 

うー、結局一方的に負けちゃったよー!後攻ワンターンキルなんて予想外過ぎる…

 

「興味本位で聞くが、最後の2枚は何だったんだ?」

「《捕食惑星》と…《闇次元の解放》です…」

「セラセニアントは引けていなかったのか?」

「残りの手札…《プレデター・プライム・フュージョン》と《マジック・プランター》でした」

「……なんというか…すまない」

「謝らないでくださいよ〜。結局プロがとっても強かっただけですから!」

「そうですよヤクモさん。それにほら。今のデュエルでみんなやる気みたいですし」

 

そう言ってナユタプロが座席の方を指さしていたから釣られて見てみると、みんな本当にやる気を出しているみたいだった。立ち上がって何か叫んでる人、隣の人とデュエルしてる人、デッキを見直してる人、たくさんいたよ。

 

「…そうか、なら良かった…のかもしれないな。それじゃあ少女よ。今日の大会、楽しんでいってくれ」

「はいっ、もちろんです!」

 

こうして私の初めてのプロとのデュエルは、惨敗に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…流石というか、なんというか。容赦ないわね」

「あはは、確かにね。ヤクモくん、ホントに本気だすんじゃないかと思ったよ」

「えぇ!?あれで本気じゃないんですか!?」

「うん、全然?だってまだ融合もエクシーズも使ってないもん。ま、切り札を出してないって意味ならリンクもだけどね」

「そういえばヤクモプロって、ペンデュラム以外なら全部使えたのよね。そう言われると、儀式とシンクロ、簡単なリンクしかしてない今回って相当優しい方みたいね」

「…そう言われると、そうなのかもしれないわ。それで優姫。デッキの方はどう?」

「なんとか回せるようになりました。まだ慣れが必要ですけど…今回は、このデッキを使ってみようかと思います」

「…そう。大会の中で当たっても手加減はしないわよ?」

「もちろんです」

 

そう話している内に小春が戻ってきて、ナユタプロがスタジアム中央に再び陣取った。

 

「レディース・アンド・ジェントルメン!今回のエキシビションとヤクモさんの我儘、2本のデュエルは楽しんでもらえたかな?楽しんでもらえたよね!楽しんでもらえたと信じて、今回のメインイベントを始めるよ!ルールは勝ち抜き(トーナメント)戦!ふたつのグループに分けてデュエルを行っていって、それぞれのグループの優勝者同士でデュエルをしてもらうよ!それじゃあ早速…トーナメント表を公開するよっ!!」

 

スタジアムに表示されたトーナメント表によると、私は…アマチュアのAグループみたいね。

 

「私はアマチュアBグループですね。風華と当たるとしたら最後ですか」

「私もルーキーのBだったよ〜♪私たちの中でBグループ最初は私だね〜」

「ワタシはAです!しかも1戦目ですよ!緊張してきました…!」

「マリーも?私もAなのよね」

「いや…なんで俺Bでエントリーされてんだ?した記憶ねぇんだけど…」

「私がしといた♪」

「何してくれてんすか永遠さぁぁぁん!!!」

 

…なんだか茶番が繰り広げられた気がするけど…気にしないでおきましょう。それはそれとして、私は…1番最後ね。1回戦の相手は…

 

「…穂紫(ほむらさき) 紅煉(ぐれん)…えっ、穂紫先輩?」

 

…デュエルアカデミア・フルーナ校の3年生、穂紫 紅煉先輩だった。




というわけでヤクモプロの勝利。ワンターンキルです。

実はこの話、今日書き始めて今日書き終えました。というのも、自分は本日18歳の誕生日を迎えまして、本格的に大学受験に入ります。なのでしばらくの間投稿を自粛することになります。そうなった時、1本だけ出して自粛っていうのもなんだか締りが悪いので2本出すことにした次第です。その結果あんなデュエルになりました。一方的が過ぎましたね。

それではカード紹介へ。

『というわけでカード紹介を行います。今回の担当は私、海晶乙女クリスタルハートと…』
『クリクリィ!(EMクリボーダーで行います!)』
『私のこと、覚えている方はいるのでしょうか?そんな事よりカードを紹介しましょう。今回はヤクモ様が使われた、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をご紹介します』

ヴァレルロード・S・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
自分の墓地からリンクモンスター1体を選び、
装備カード扱いとしてこのカードに装備し、
そのリンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを置く。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分アップする。
(3):相手の効果が発動した時、このカードのヴァレルカウンターを1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

『クリクリリィ(特に縛りもない3000打点のシンクロモンスターとして、実際に多用されたカードだよね)』
『そうですね。効果もリンクモンスターを装備することでカウンターを乗せる効果、装備したモンスターの攻撃力の半分を自身に上乗せする効果、カウンターを取り除いてあらゆる効果を無効にする効果の3つとかなり扱いやすいものばかりですね』
『クリリクゥ(ヴァレットだとクイック・リボルブから出てくるんだって)』
『そうなのですか?それは初耳です。まぁそれより効果の説明をしましょう』
『クリィ…(それよりって…)』
『すみません、言い方の問題です…効果ですが、1番説明すべきは3つ目の効果ですね』
『クリクリィ、クリクリクゥ(どんな効果でも無効にするから、手札で発動しても墓地で発動しても無効に出来るよ)』
『ですが1ターンに1度なので、その点では安心ですね』
『クリリィ(制圧盤面でサベージがいるとキツイけどねぇ)』
『それは言わないお約束です。次のお話ですが…穂紫様とはどのようなお方なのでしょう?』
『クリクゥ(紅煉って名前からして炎属性使いそうだね)』
『次回になればわかることですね。ではまた次回、です』
『クリリリィ!(長くなるかもしれないけど待っててねー!)』


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四十七枚目:第一試合 幻流vs海姫

お久しぶりです。受験も終わって投稿復活です。結果ですか?ハハッ、聞かないでください(血涙) えっ、実はハーメルンにいただろ?ナンノハナシデスカネー
久しぶりの投稿でちょっとテンションおかしくなってます。
今回から大会遠征編、開幕を飾るのはマリーさん。はてさて、対戦相手は誰なのでしょうか。
それでは本編。



 

「…なんで、穂紫先輩の名前が…」

「いや、名前があるなら参加者だろ。んで、俺たちみたいに旅行で来てるんじゃないなら、十中八九遠征だな」

「ですね。しかし穂紫先輩ですか…懐かしい名前ですね」

「なんで懐かしい名前なの~?知り合い?」

「…優姫が、私を除いて唯一負けた相手だからよ」

 

そう…思い返してみれば、優姫が私以外に負けたのは、後にも先にもあの一戦だけだったのよね。

 

「はっ?それマジ?その人、そんな強ぇのか?」

「えぇ、とても強いです。私の場合、攻撃を防ぐ手立ても展開を妨害する手立ても少なかったので、後攻ワンキルを受けてしまいました」

「うっそぉ!?ワンキル!?」

「ワンキルできるデッキなの!?」

「…まぁ、簡単には負けないわ」

「いやいや、闘志燃やしちゃってるけど先に他の子のデュエルでしょ。確かルーキークラスの一戦目はマリーちゃんだったよね」

「は、はい!緊張してきました…」

「気楽にやればいいのよ、気楽に」

 

マリーさんは気負っているみたいだけど、リラックスしなきゃ勝てるものも勝てなくなるわ。それが分かるといいのだけれど……

そう考えていた時、ナユタプロのアナウンスが流れてきた。

 

「それじゃあ、早速ルーキークラスの試合から始めるよ!!一戦目のカードは…マリー・リュクス・ミネルヴァVS真藤(まとう) (ながれ)!!ってアイドル参戦とかサプライズすぎでしょ!?僕も聞いてないんだけど!?と、とりあえずお2人はスタジアムに降りてきてね!第二試合のプレイヤーも降りてきて準備しててねー!ちょっと深呼吸しよ…

「わわっ!よ、呼ばれちゃいました!?」

「呼ばれたわね。ほら、頑張ってきなさい!」

「はいっ!行ってきますね、ラインちゃん!」

 

楽しそうでありながらもどこか危なっかしい足取りでマリーさんは走っていった。途中でコケないか心配だけど…

 

「マリーの実力なら大丈夫でしょうけど、ヘマしないか心配ね」

「それは…何となく分かりますね…」

「ここで俺達が気にしてもしゃーないだろ。本人がどうするか、だぜ」

「…西条君の言う通りね。マリーさん次第だわ」

 

そう話していると、スタジアムにマリーさんともう1人、私達と同い年に見える青髪の青年の姿が現れた。どうやら準備が終わったみたいね。

 

「さーて、それじゃあ初戦に挑むお2人に意気込みを聞いていこうかな!マリーさん、ドーゾ!」

「あっ、はい!今日使うワタシのデッキは最近できたお友達に頂いた物なのですが、凄く強いので楽しみにしていてください!」

「おー、それは楽しみだねー!マリーさん自身、今回が初めての大会らしいからそっちの意味でも楽しみだね!それじゃあ真藤君、ドーゾ!」

「勝つ!以上!」

「うわー、簡素!でも分かりやすくていいね!それじゃあ意気込みも聞いたし始めよう!開幕にふさわしいデュエルを期待するよ!デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 真藤 流

後攻 マリー・リュクス・ミネルヴァ

 

デュエル開始

 

 

「先攻は貰う!俺は手札からフィールド魔法《幻煌の都 パシフィス》を発動する!」

 

彼が発動したのは、海底に沈んだような都市を写したフィールド魔法。あのカードには見覚えがあるわ。というか、ここまで声が届くってことはマリーさん達が立っている場所にはマイクが内蔵されているのかしらね?

 

「…彼は()()()()()を使うのね」

「そうみたいね。アレを使う人って割とひねくれてる気がするんだけど」

「アレってなぁに?」

「見てれば分かるよ茜ちゃん。というか多分茜ちゃん以外わかってると思うよ」

「あ、あはは〜…」

「あっこれは聖川も分かってねぇな」

 

わからなくても、見ていれば自ずとわかるのだけれどね。

 

「そして俺は、《幻殻竜》を召喚!!」

 

 

幻殻竜 攻撃表示

ATK 2000

流 手札 5→3

 

「この瞬間、パシフィスの効果が起動する! 通常モンスター1体のみが召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから『幻煌龍』魔法・罠カード1枚をサーチする。この効果で俺は《幻煌龍の螺旋波(スパイラル・ウェーブ)》をサーチ!」

 

流 手札 3→4

 

「そして幻殻竜にスパイラル・ウェーブを装備。俺はこれでターン終了!」

 

モンスター 幻殻竜(攻撃表示)

魔法・罠 螺旋波(装備:幻殻竜)

フィールド パシフィス

墓地 0

手札 3

デッキ 34

LP 8000

 

 

「割と大人しめ…ですかね?ワタシのターン、ドローです!」

 

マリー 手札 5→6

 

「ワタシは《サイバネット・マイニング》を発動します!」

「サイバネット…サイバース族デッキか!?くっ、だがこの瞬間、パシフィスのもうひとつの効果が起動する!」

「えっ、もうひとつの…!?」

 

あの反応…やっぱりマリーさんは知らなかったみたいね。ここからがあのデッキ…【幻煌龍】の本領発揮よ。

 

「相手が魔法・罠カードを発動するか、効果モンスターの効果を発動した時、俺の場にトークンが存在しないなら《幻煌龍トークン》を特殊召喚する!」

 

幻煌龍トークン 守備表示

DEF 2000

 

「またモンスターが…!ですがマイニングの効果で手札の《海晶乙女クラウンテイル》を墓地へ送ることで、デッキから《海晶乙女ブルータン》を手札に加えます!」

 

マリー 手札 6→4→5

 

「マリンセスか…厄介だな。だがいま特殊召喚したトークンも『通常モンスター』、よって再びパシフィスの効果が起動する!今回は(トラップ)カード、《幻煌龍の戦渦(せんか)》をサーチ!」

 

流 手札 3→4

 

パシフィスの中から現れた灰色の海龍。そしてその海龍に導かれるように手札に加わった1枚の(トラップ)カード。

【幻煌龍】は、《幻煌の都 パシフィス》を中心にデッキを回す『通常モンスター特化デッキ』。属する装備魔法は通常モンスターにしか装備できず、パシフィスの効果も通常モンスター1体のみの召喚・特殊召喚にしか反応しない、まさしく通常モンスターのためのデッキ。そんなデッキの切り札を早期に出せるかが課題でもあるわね。

あと、ひねくれてるって感じてる理由がもうひとつ。あのデッキのカードに『効果モンスター特効』とも言えるカードがあるのよね。現代遊戯王を否定しているようなカードだから、ひねくれてるように感じるのかしら?

 

「セットしないと使えない罠カードを…?次のターンのためでしょうか…けど、やる事は変わりません!《海晶乙女パスカルス》を召喚します!」

 

海晶乙女パスカルス 攻撃表示

ATK 1200

マリー 手札 5→4

 

「パスカルスが召喚に成功した時、手札からマリンセスモンスター1体を守備表示で特殊召喚できます。この効果で先程サーチしたブルータンを特殊召喚します!」

 

海晶乙女ブルータン 守備表示

DEF 1200

マリー 手札 4→3

 

「ブルータンの効果発動です!デッキからマリンセスカードを墓地に送ります。この効果で《海晶乙女シーホース》を墓地へ!」

 

ここまでは海晶乙女デッキの基本の動き。けど、さっき彼…真藤君は、アレをサーチしていた。となると、問題はどこで使うか。

 

「開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシは海晶乙女ブルータンをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク1、《海晶乙女ブルースラッグ》ON STAGE!」

 

海晶乙女ブルースラッグ リンク1 ↓

ATK 1500

 

「リンク召喚に成功したブルースラッグの効果をチェーン1、リンク素材になったブルータンの効果をチェーン2で発動します!」

「…通そう!」

「ではブルータンの効果です!デッキから3枚をめくり…その中から《海晶乙女マンダリン》を手札に加えて、残りをデッキに戻します。そしてブルースラッグの効果で墓地の《海晶乙女シーホース》を回収します!そのまま手札のシーホースをブルースラッグのリンク先に特殊召喚します!」

 

海晶乙女シーホース 守備表示

DEF 1000

マリー 手札 3→5→4

 

「再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシは海晶乙女シーホースをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク1、《海晶乙女シーエンジェル》ON STAGE!」

 

海晶乙女シーエンジェル リンク1 ←

ATK 1000

 

「リンク召喚に成功したシーエンジェルの効果を発動します!」

「…ここもまだ違う!通す!」

「ではシーエンジェルの効果を解決します!デッキから《海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)》を手札に!」

 

マリー 手札 4→5

 

ここまで真藤君はマリーさんを止めないわね。彼の発言からして、彼は海晶乙女デッキについての知識があるってことかしら?

 

「《海晶乙女の闘海》をそのまま発動します。そして三度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはブルースラッグとシーエンジェルをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》ON STAGE!」

 

海晶乙女コーラルアネモネ リンク2 ←↓

ATK 2000

マリー 手札 5→4

 

「コーラルアネモネの効果発動です!墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスターを特殊召喚します!」

「…ここだ!手札から(トラップ)発動!」

「えっ、手札から!?」

「《幻煌龍の戦渦》!自分フィールドに通常モンスターのみが存在する場合、相手のカード1枚を破壊する!消え去れ、コーラルアネモネ!」

 

真藤君のフィールドであるパシフィスから渦を伴った銃弾が放たれ、コーラルアネモネを撃ち抜いた。あの銃弾、きっと《海皇の狙撃兵》のものね。イラスト通りとは恐れ入るわ…

 

「そんなっ…けど、コーラルアネモネの効果が無効になったわけではありません!墓地からシーエンジェルを特殊召喚します!そして墓地へ送られたコーラルアネモネの効果で墓地のブルータンを手札に!」

 

マリー 手札 4→5

 

「ねーねー風華さん。なんであのトラップって手札から使われたの?」

「…あのカードを含む『幻煌龍』トラップカードは、《海》がフィールドに存在する場合に手札から発動できるのよ。そして《幻煌の都 パシフィス》には『カード名を《海》として扱う』効果があるの」

「ほぇぇ、そんな効果があるんだねー」

「そーなんだー。ふーちゃんは物知りなんだね!」

「……ふ、ふーちゃん?」

「そ!風華だからふーちゃん!」

 

……ま、また妙な愛称ね…っと、マリーさんの試合に注目しないと。

 

「…少し変わってしまいましたけど、問題ありません!手札の《海晶乙女マンダリン》の効果を発動します!自分フィールドにマリンセスモンスターが2体以上存在する時、自分の水属性リンクモンスターのリンク先に特殊召喚できます!シーエンジェルのリンク先に特殊召喚!」

 

海晶乙女マンダリン 守備表示

DEF 100

マリー 手札 5→4

 

「ちっ、3体揃えられたか…」

「四度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはマンダリン、シーエンジェル、パスカルスの3体をリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク3、《海晶乙女マーブルド・ロック》ON STAGE!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック リンク3 ←↓→

ATK 2500

 

「自身の効果で特殊召喚したマンダリンは場を離れると除外されます。そしてこの瞬間、バトルオーシャンの効果発動です!エクストラモンスターゾーンにマリンセスリンクモンスターが特殊召喚された時、墓地のマリンセスリンクモンスター3体をそのモンスターに装備します。マーブルド・ロックに、ブルースラッグ、シーエンジェル、コーラルアネモネを装備します!これによりバトルオーシャンの1つ目の効果で200ポイント、2つ目の効果で1800ポイント、合計で2000ポイント攻撃力がアップします!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 2500→4500

 

「バトルフェイズに入ります!マーブルド・ロックで幻殻竜に攻撃!」

 

マーブルド・ロックはその鋭い爪で幻殻竜を切り裂いた…かに見えたが、幻殻竜は渦に護られ無傷だった。やっぱり、マリーさんはあのデッキについて知らないのね。

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 4500

幻殻竜

ATK 2000

4500-2000=2500

流 LP 8000→5500

 

「…スパイラル・ウェーブを装備したモンスターは、1度だけ戦闘では破壊されない。追撃はあるのか?」

「うっ…これでバトルフェイズは終了です」

「ならこの瞬間、スパイラル・ウェーブの効果発動!」

「っ、このタイミングで装備魔法の!?」

「破壊耐性効果を適用したバトルフェイズ終了時、デッキから《幻煌龍 スパイラル》を特殊召喚し、このカードを装備する!現れろ、歴戦を経し最強の幻龍!《幻煌龍 スパイラル》!!」

 

幻殻竜の纏っていた水色の渦が分離し、同じく水色をした龍を呼んだ。そして、その渦は新たな龍を護るように周囲を囲んでいった。

 

幻煌龍 スパイラル 攻撃表示

ATK 2900

 

「攻撃力、2900…ですが、まだマーブルド・ロックの方が攻撃力は上です!」

「スパイラル・ウェーブの効果には続きがある。この効果で装備された時、相手は手札を1枚捨てなければならない!さぁ、1枚選べ!」

「うっ、ではこのカードを…」

 

マリー 手札 4→3

 

「メイン2。何もせずにターン終了です…」

 

マリー

モンスター マーブルド・ロック

魔法・罠 ブルースラッグ シーエンジェル コーラルアネモネ

フィールド バトルオーシャン

墓地 4

除外 1

手札 3

デッキ 32

LP 8000

 

 

「ふっ、予定が狂ったか?俺のターン、ドローだ!」

 

流 手札 3→4

 

「…これは使えるな。俺はトークンをリリースし、《フロストザウルス》をアドバンス召喚!」

 

フロストザウルス 攻撃表示

ATK 2600

流 手札 4→3

 

「ここでパシフィスの効果を起動し、《幻煌龍の螺旋絞(スパイラル・ホールド)》を手札に加えさせてもらう。そしてスパイラル・ホールドをスパイラルに装備する。その効果でスパイラルの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

 

今度は、スパイラルを群青色の渦が包んだ。あのカードも結構厄介よ。

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 2900→3400

 

「攻撃力3400…けどマーブルド・ロックよりも攻撃力は下です!」

「ふっ、それはどうかな。手札より(トラップ)カード、《幻煌龍の浸渦(しんか)》を発動!」

「また、手札から…!」

「その効果により、マーブルド・ロックの効果を無効にして攻撃力を1000ポイントダウンさせる!」

「そんなっ…!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 4500→3500

流 手札 3→2

 

そう、これが幻煌龍の厄介な点。手札から罠を発動できるだけじゃなく、どれも強力な効果を持っているの。さらに言うなら、【海晶乙女】の守りの要である《海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)》はモンスター効果を無効にしなければならず、無効にする効果を持たない通常モンスターばかりで構築される【幻煌龍】とは相性が悪過ぎるのよね。

 

「で、ですが!それでもまだマーブルド・ロックよりも攻撃力は下です!」

「そうだな。だがまぁ、100程度ならギリギリどうにかなるさ!《竜角の狩猟者》をペンデュラムスケールにセッティング!」

 

竜角の狩猟者 ペンデュラムスケール3

流 手札 2→1

 

「狩猟者のペンデュラム効果により、俺の場の通常モンスターは攻撃力が200アップし、戦闘では破壊されなくなる!」

「うっ、微妙な差で越えられました…」

「微妙って言うな!」

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 3400→3600

フロストザウルス

ATK 2600→2800

幻殻竜

ATK 2000→2200

 

「バトルフェイズ。スパイラルでマーブルド・ロックに攻撃!スパイラル・ストリーム!」

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 3600

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 3500

3600-3500=100

マリー LP 8000→7900

 

「くうっ…ですが、ここでフィールドから墓地へ送られたコーラルアネモネの効果が発動します!墓地から、先程捨てたブルータンを再び手札に加えます!」

 

マリー 手札 3→4

 

「まぁいいさ。そのままフロストザウルス、幻殻竜でダイレクトアタック!」

 

幻殻竜 ダイレクトアタック

ATK 2200

フロストザウルス ダイレクトアタック

ATK 2800

マリー LP 7900→2900

 

「きゃあっ!うぅ、一気に5000も…」

「バトルフェイズ終了。この瞬間、スパイラル・ホールドの効果発動!デッキから2体目のスパイラルを特殊召喚し、このカードを装備する!」

 

スパイラルから群青色の渦が離れ、2体目のスパイラルを呼び出した。そしてスパイラル・ウェーブの時と同じく、2体目のスパイラルを群青色の渦が包んだ。

 

幻煌龍 スパイラルB 攻撃表示

ATK 2900→3400→3600

幻煌龍 スパイラルA

ATK 3600→3100

 

「そしてこの効果で装備した後、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

「ええっ、そんな!?」

 

幻煌龍の螺旋絞 効果ダメージ

マリー LP 2900→1900

 

「うっ、うぅ…残りライフが一気に1900に…」

「これが幻煌龍の力だ。俺はこれでターンエンド!」

 

モンスター フロストザウルス 幻殻竜 スパイラル×2(攻撃表示)

魔法・罠 螺旋波(装備:スパイラルA) 螺旋絞(装備:スパイラルB)

ペンデュラム 狩猟者

フィールド パシフィス

墓地 2

手札 1

デッキ 29

LP 5500

 

 

「ここから巻き返さないと…ワタシのターン、ドローです!」

 

マリー 手札 4→5

 

前のターンでマリーさんはライフを6100も削られた。さらにパシフィスが健在なので、何かアクションを起こせばトークンが呼び出され、また幻煌龍トラップを加えられる。そうでなくても戦闘破壊できない通常モンスター達を突破するのは至難の業。どうするのかしらね。

 

「このカードなら、突破できますけど…うぅ、気が引けます…でもやらなきゃですよね。ワタシはスパイラル・ホールドを装備しているスパイラルをリリースして《海亀壊獣(かいきかいじゅう)ガメシエル》を攻撃表示で特殊召喚します!」

「……………はっ?」

 

海亀壊獣ガメシエル 攻撃表示

ATK 2200

マリー 手札 5→4

 

「…あっ、酷い」

「……酷い、ですね」

「………詰んだわね、アレ」

「え?え?どゆこと?こはるん、分かる?」

「わかんない!」

「あー、2人のためにざっくり言うとな、ガメシエルがいる限り幻煌龍トラップは発動できねぇんだよ。アレ、通常モンスターしかいない時にしか効果使えねぇんだ。そうっすよね、永遠さん」

「そーそー。だから真藤君は詰んだねー。次のドローでレベル5か6(上級)の通常モンスター引くか自爆特攻しか手がない。ま、もしくは幻殻竜と一緒にリリースするならレベル7以上(最上級)の通常モンスター引くってのもアリだね」

 

…まぁ正直、戦闘破壊できない相手とかを処理するならガメシエルもとい壊獣は効果的なのよね。今回は特に相性が良いってのは偶然でしょうけど。

 

「………………………」

「うぅ、恨みの籠った視線が痛いです…けどこれで動けます!再びブルータンをし、召喚します!」

 

意気揚々と現れたブルータンも、真藤君の目を見て若干引いてるわね。可哀想に…

 

「ぶ、ブルータンの効果でデッキから《海晶乙女バリランシマ》を墓地へ送ります!そしてブルータンを素材に2体目のブルースラッグをリンク召喚します!ブルースラッグの効果、チェーンしてブルータンの効果を処理します。ブルータンの効果で…今回はシーホースを手札に加えます。そしてブルースラッグの効果で墓地のパスカルスを手札に戻します」

 

マリー 手札 4→3→5

 

「そして手札のシーホースをブルースラッグのリンク先に特殊召喚します。そして再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはシーホースとブルースラッグをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来て、リンク2!愛しき海の心、《海晶乙女クリスタルハート》ON STAGE!」

 

海晶乙女クリスタルハート リンク2 ↙↘

ATK 0

マリー 手札 5→4

 

「さらに手札の《粋カエル》を墓地へ送ることで手札から《鬼ガエル》を特殊召喚します!」

 

鬼カエル 攻撃表示

ATK 1000

マリー 手札 4→2

 

「鬼ガエルの効果で、デッキから2体目の鬼ガエルを墓地へ送ります。そして三度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはクリスタルハートと鬼ガエルの2体をリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》、ON STAGE!コーラルアネモネの効果で墓地からクリスタルハートを特殊召喚します!ここから、行きます!四度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはリンク2のコーラルアネモネとクリスタルハートをリンクマーカーにセット、リンク召喚!清らかなる水の神霊、今ここに!《海晶乙女ワンダーハート》、ON STAGE!」

 

海晶乙女ワンダーハート リンク4 ←↙↘→

ATK 2400

 

「ここでバトルオーシャンの効果とコーラルアネモネのを発動します。コーラルアネモネの効果でこのターンに墓地へ送られたシーホースを手札に加え、墓地からブルースラッグ、シーエンジェル、コーラルアネモネをワンダーハートに装備します!これにより、再び攻撃力が2000ポイントアップです!」

 

海晶乙女ワンダーハート

ATK 2400→4400

マリー 手札 2→3

 

「ちっ、やっぱり流石だなマリンセスは。妨害が無けりゃここまで回せるか…」

「まだまだですよ、流さん」

「はぁ…? ま、まさかまだ回そうってのか!?」

「はい!ワタシは初めのターンに墓地に送られていたシーホースを除外して効果を発動します!手札のマリンセスモンスター、パスカルスをワンダーハートのリンク先に特殊召喚します!」

 

海晶乙女パスカルス 守備表示

DEF 2000

マリー 手札 3→2

 

「パスカルスの効果で手札のシーホースを再び守備表示で特殊召喚します!さらに墓地の《粋カエル》の効果発動です!墓地の鬼ガエルを除外して墓地から特殊召喚します!」

 

海晶乙女シーホース 守備表示

DEF 1000

粋カエル 守備表示

DEF 2000

マリー 手札 2→1

 

「五度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!粋カエルとシーホースをリンクマーカーにセット、リンク召喚!《海晶乙女クリスタルハート》、Re:ON STAGE!」

 

海晶乙女クリスタルハート リンク2 ↙↘

ATK 0

 

「再び墓地の粋カエルの効果を発動します!」

「なっ、ターン1ねぇのかよ!!」

「ないです!2体目の鬼ガエルを除外して、墓地から再び特殊召喚!最後にもう一度開いて、蒼き海へのサーキット!」

「もう6回目だけどなぁ!」

「召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはパスカルスと粋カエル、リンク2のクリスタルハートをリンクマーカーにセット、リンク召喚!美しき海の女神、今ここに!リンク4、《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女グレート・バブル・リーフ リンク4 ←↙↓→

ATK 2600

 

「グレート・バブル・リーフ…攻撃表示2600か。だが俺のフィールドには攻撃力3600のスパイラルと2800のフロストザウルス、2200の幻殻竜がいる!ついでにお前の寄越した攻撃力2200のガメシエルもなぁ!」

「問題ありません、突破できます!最後の1枚、装備魔法《呪いのお札》をガメシエルに装備します!」

「の、呪いのお札??」

 

……またマイナーなカードが入ってるわね…そういえばあのデッキ、星風くんが組んだのよね。それなら納得だわ。

 

「バトルフェイズに入ります。ワンダーハートでガメシエルを攻撃です!」

 

海晶乙女ワンダーハート

ATK 4400

海亀壊獣ガメシエル

ATK 2200

4400-2200=2200

流 LP 5500→3300

 

「ぐっ…だが、グレート・バブル・リーフ1体でライフを3000以上も削れないだろう!」

「えぇ、削れません。攻撃力2600ですからね。けどグレート・バブル・リーフだけで削る必要はありません!ガメシエルと共に破壊された《呪いのお札》の効果発動です!」

「っ、さっきの装備魔法か!」

「装備モンスターが破壊されることによって呪いのお札が墓地へ送られた時、その装備モンスターの元々の守備力分のダメージをコントローラーに与えます。ガメシエルのコントローラーは貴方なので、貴方に3000ポイントのダメージです!」

「なっ、なにぃ!?」

 

ワンダーハートに包まれるように破壊されたガメシエルは、札の呪いの影響なのか、首だけが動いて真藤君に光線攻撃をしていた。なんというか…敵陣に押し付けられ、戦闘破壊され、最後には呪いで無理矢理バーンダメージに変えられる…ガメシエルも散々な扱いね。

 

呪いのお札 効果ダメージ3000

流 LP 3300→300

 

「これでフィニッシュです!グレート・バブル・リーフで幻殻竜に攻撃です!」

 

海晶乙女グレート・バブル・リーフ

ATK 2600

幻殻竜

ATK 2200

2600-2200=400

流 LP 300→-100

 

「クソっ、俺の負けか…」

「対戦、ありがとうございました!」

 

ゲームエンド WINNER マリー・リュクス・ミネルヴァ

 

 

「決着!勝者、マリーさん!マリンセスデッキ、凄い回ってたね!真藤くんも通常モンスターしかいない幻煌龍デッキでここまで戦えたのも凄いよ!これからに期待だね!」

「次は、負けねぇからな!」

「はいっ!次も楽しみにしてます!」

 

マリーさんは満面の笑みで真藤君にそう言っていた。その笑顔がスタジアムの大画面に映されるものだから、周りの男性陣が沸き立っていたわね。西条君は動じてないけど。

 

「…ねぇ、優姫。感想を一つだけ言わせて」

「何となく分かりますけど、良いですよ」

「…最後、別にマーブルド・ロックでも良かったわよね。カード消費も抑えられたし」

「言うと思いましたよ。それは私も思いましたから」

「別にいいんじゃないの〜?ワンダーハートとグレート・バブル・リーフの並び、すっごい綺麗だったもん!」

「それは、確かに私も思いましたけど…」

「まぁ、マリーも初めての大会だし、楽しくなったんじゃない?それでやれることを全部やりたくなったんだと私は思うわね」

「あー、それ分かるー。私も初めて参加した大会は色々やらかしたもん」

「とわちん、何やったの?」

「全試合後攻ワンキル、やっちゃった♪」

「やっちゃった♪、じゃないでしょそれは!?」

 

…なんというか、茶目っ気あるわね、松瀬プロ。

 

 

 

 

 

少しした後、マリーさんが戻ってきてから二試合目が始まった。二試合目の内容は【霊神】vs【宣告者】、勝者は【霊神】使いの人だったわね。【宣告者】も上手く立ち回ってたけど1歩及ばず、といった感じね。三試合目は【彼岸】vs【黒蠍】、勝者は当然【彼岸】の人だったわ。なんで黒蠍…とは思ったけど、好きなデッキで挑むのがデュエルよね。

そんな二試合を経て、ラインさんが挑む四試合目が始まる。

 

「さて、ここまで熱戦ばかりだったね!次は前半戦、すなわちAグループ最後の第四試合!対戦カードは輝琉ラインvs戸ヶ崎(とがさき)莉久(りく)!本日2回目のアイドル戦、そして今大会初の女性対決!お二人に意気込みを聞いてみよう!ラインさん、どーぞ!」

「順当に行けば準決勝でマリーと戦えるのよね。そこまで負ける気はないわ!もちろん、マリーにも勝って決勝に行くけどね!」

「うわーお、凄く強い意気込みだね!それでは次に莉久さん、どーぞ!」

「アイドルが相手でも負けない、わたしが勝つ!」

「こっちも強い意志を感じるよー!男性陣にも負けない熱いぶつかり合いを期待するよ!それじゃあ…デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!!」」




幻煌龍使いとの対決、見事(?)勝利です。対戦相手を幻煌龍にしたのに深い意図はありません。水属性テーマで誰がいいかと探した結果、幻煌龍に行き着きました。切り札は使えませんでしたけどね(ネオダイダロス入れようと思ってたのは内緒)
それではカード紹介。

「というわけでカード紹介〜♪今回は私、緋乃坂茜と!」
「リンネこと、松瀬永遠でやるよー。いやー、まさか私たちまで紹介に参加とはね」
「知ってたー、とわちん?私ってそもそも原案だと存在すらしてなかったんだってー。しかもこはるんと口調被ってるから動かしにくいんだってー」
「ならなんで出したんだろーね。まぁ茜ちゃん可愛いから良し!」
「えへへー。まぁカード紹介しよ、とわちん!」
「そうだねー。今回紹介するのはコレ、《幻煌の都 パシフィス》!」

幻煌の都 パシフィス
フィールド魔法
このカードのカード名はルール上「海」として扱う。
このカードの効果を発動するターン、自分は効果モンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
デッキから「幻煌龍」カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドにトークンが存在せず、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。
自分フィールドに「幻煌龍トークン」(幻竜族・水・星8・攻/守2000)1体を特殊召喚する。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「【幻煌龍】の要であるフィールド魔法だね。このカードを使うなら、通常モンスターしかデッキに入れられない…と思うじゃん?実は効果モンスターありでも動けるのだ!」
「えーっと、『トラップをメインに使うなら効果モンスターありでも戦える』…なるほどー!」
「ガッツリカンペだねー。まぁそんなとこだよ!相手の行動に反応してトークンを出して、相手に1番刺さる幻煌龍トラップを持ってくるのが効果モンスターありでの流れだよ。まぁトラップ使うためには効果モンスター退けなきゃならないから、そこら辺は構築センス次第だね」
「今回はそのトラップの制限のせいでガメシエルに突破されたんだよねー」
「そゆこと。まぁ真藤くんの今後に期待だね。さてさて、次回のデュエルは…ラインちゃんだね。お相手は何を使うのかな?」
「何が来ても面白そうだよねー!」
「そうだねー。私も楽しみだよ!それじゃあまた次回!」


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四十八枚目:第四試合 妖精歌vs光騎士

大会二戦目(内容的には四戦目)、ラインさんのデュエルです。対戦相手は…正直、書いていて自分でも鬱陶しいなぁ、と感じました。リアルでは対面したくありません。
それでは本編。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 戸ヶ崎莉久

後攻 輝琉ライン

 

デュエル開始

 

 

 

「先攻、貰ってもいい?」

「どうぞ、譲るわ」

「どうも。それじゃあ私の先攻!私は《トリックスター・ライトステージ》を発動!発動時の効果処理として《トリックスター・キャンディナ》をサーチ!そのままキャンディナを召喚!」

 

戸ヶ崎さんの発動したフィールド魔法により、フィールドは一瞬にして煌びやかなステージへと変わりました。そしてそのステージには、黄色い衣装に身を包んだ妖精が現れました。

 

トリックスター・キャンディナ 攻撃表示

ATK 1800

莉久 手札 5→4

 

「召喚されたキャンディナの効果発動!デッキから《トリックスター・ナルキッス》を手札に加えるわ」

 

莉久 手札 4→5

 

「そして発動、《トリックスター・フェス》!フィールドにトリックスタートークン2体を特殊召喚するわ」

 

トリックスタートークン 守備表示

DEF 0

莉久 手札 5→4

 

「一気に3体も並べるなんて…流石ね」

「まだまだここからよ。手札の《トリックスター・マンジュシカ》の効果発動!このカードを手札から特殊召喚し、場のキャンディナを手札に戻すわ!」

 

トリックスター・マンジュシカ 守備表示

DEF 1200

莉久 手札 4→3→4

 

「…なるほど。ここからリンク召喚するのね」

「えぇ。開きなさい、輝く舞台へのサーキット!召喚条件は『レベル3以下のトリックスターモンスター2体』!私はトリックスタートークン2体をリンクマーカーにセット、リンク召喚!ステージに舞い降りる、輝ける妖精の歌姫。リンク2、《トリックスター・ディーヴァリディス》!」

 

トリックスター・ディーヴァリディス リンク2 ↙↓

ATK 1800

 

「ディーヴァリディスのリンク召喚成功時の効果発動よ。相手に200ポイントのダメージを与えるわ!」

 

トリックスター・ディーヴァリディス 効果ダメージ

ライン LP 8000→7800

 

「ここでライトステージの効果発動!トリックスターモンスターが戦闘か効果でダメージを与えた時、相手に200ポイントのダメージを与える!」

「〜っ!」

 

トリックスター・ライトステージ 効果ダメージ

ライン LP 7800→7600

 

「相手が効果ダメージを受けたことで手札から《トリックスター・ナルキッス》を特殊召喚するわ!」

 

トリックスター・ナルキッス 守備表示

DEF 1800

莉久 手札 4→3

 

「カードを1枚伏せてターン終了よ」

 

莉久

モンスター ディーヴァリディス(攻撃表示) マンジュシカ ナルキッス(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド ライトステージ

墓地 1

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「…トリックスター対面ってこのドローが憂鬱なのよね」

「あら、最高の褒め言葉ね」

「褒めたつもりは無いのよねぇ…私のターン、ドロー!」

 

ライン 手札 5→6

 

「相手がドローしたことでマンジュシカの効果が発動するわ。相手のドロー枚数×200ポイントのダメージを与える!」

「それが嫌なのよっ!」

 

ラインさんのドローに気づいたマンジュシカは、手に持ったレイピアでラインさんに向けてビームを放ちました。レイピアって、そういう使い方でしたっけ…?

 

トリックスター・マンジュシカ 効果ダメージ

ライン LP 7600→7400

 

「そして再びライトステージの効果!200ダメージよ!」

 

トリックスター・ライトステージ 効果ダメージ

ライン LP 7400→7200

 

「くっ…この盤面は普通にキツいわね」

「あら、分かる?」

「えぇ。マンジュシカでドローする度にダメージを受け、ディーヴァリディスは召喚・特殊召喚に反応して効果ダメージを与える効果、ナルキッスは手札・墓地のモンスター効果を使えばダメージを与える効果なのよね。安全に使えるのは魔法・罠、フィールドのモンスター効果くらいなものって所よね」

「そうね。なんでナルキッスはフィールドのモンスター効果に対応してないのかしら…」

「いや対応してたらダメージ加速ヤバいでしょ!?」

 

それに関してはラインさんの言う通りですね。仮にフィールドのモンスター効果にも対応していた場合、ナルキッスだけでも累計で40回、ライトステージを含めると20回モンスター効果を使うと8000ダメージが出る計算です。多いと捉える方も多いでしょうが、モンスター効果とは思っているより多く発動するものなので、相当削られてしまいます。星風さん辺りだと、半分は削れるのではないでしょうか?

これが【トリックスター】の恐ろしさです。自身の行動、そして相手の行動に合わせて各種効果ダメージが与えられる、いわゆる【ビートバーン】を行うテーマです。ただのビートバーンではなく、デッキ破壊やハンデス、ターボなど様々な手段を持つトリッキーなデッキとなっています。このデッキの効果ダメージは200を基盤にしているので、1回1回のダメージは小さいですが積み重なるととてつもないダメージになります。

 

「くぅ…とりあえず動かないことにはどうしようもないわね。《ソーラー・エクスチェンジ》を発動!手札の《ライトロード・メイデン ミネルバ》を墓地へ送り2枚ドロー。そしてデッキトップ2枚を墓地へ送るわ」

 

ライン 手札 6→4→6

 

「手札・デッキから墓地へ送られたミネルバの効果発動よ。デッキトップを墓地へ送るわ」

「その効果にチェーンしてナルキッスの効果、さらにチェーンしてマンジュシカの効果よ。400と200、合わせて600のダメージを受けてもらうわ!」

「それくらい必要経費よ!」

 

トリックスター・マンジュシカ

トリックスター・ナルキッス 効果ダメージ

ライン LP 7200→6600

 

「これでやっとミネルバが処理できるわね。デッキトップを墓地へ送るわ」

「そうね。そして全ての処理が終了したあと、ライトステージが2回分起動し、400ダメージ!」

 

トリックスター・ライトステージ 効果ダメージ×2

ライン LP 6600→6200

 

「っ、けどまだ動くわよ!モンスターの効果で墓地へ送られた《ライトロード・アーチャー フェリス》の効果!墓地から特殊召喚できるわ!」

「ならその効果にチェーンしてナルキッスの効果よ。200ダメージを受けなさい!」

「もう受け付けないわよ!その効果にチェーンして《無限泡影》!ナルキッスの効果を無効にするわ!」

「っ、今ので引いたの!?」

「これで問題なくフェリスは通る!守備表示で特殊召喚するわ!」

 

ライトロード・アーチャー フェリス 守備表示

DEF 2000

 

「ダメージ無しでモンスターが出ちゃったか。けど特殊召喚されたからディーヴァリディスの効果が発動!200ダメージよ!そのまま通るならライトステージも発動するわよ!」

「ならライトステージを壊すまで!チェーンして《サイクロン》!ライトステージを破壊!」

「くっ、けど200ダメージは受けてもらうわ!」

「それは甘んじて受ける!」

 

トリックスター・ディーヴァリディス 効果ダメージ

ライン LP 6200→6000

手札 6→4

 

「けどこれでもう効果ダメージは怖くないわ。フェリスの効果発動!このカードをリリースすることで相手のモンスター1体を破壊し、デッキトップから3枚を墓地へ送るわ。消えなさい、ディーヴァリディス!」

「くぅっ、ディーヴァリディスまで…!」

「そしてトップ3枚が墓地へ送られるわ。ふふ、なかなかいい落ちじゃない。墓地へ送られた《トワイライト・イレイザー》の効果、チェーンして《ライトロード・ビースト ウォルフ》の効果よ!」

「なら…使うわ!リバースカードオープン、《トリックスター・リンカーネイション》!相手は手札全てを除外し、同じ枚数ドローする!」

「やっぱり伏せられてるわよね。ならこのドローで引くまでよ。手札4枚を除外して4ドロー。親切心で教えておいてあげる。除外したのは《ライトロード・ハンター ライコウ》、《ライトロード・アサシン ライデン》、《ライトロード・サモナー ルミナス》、《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》よ」

「ルミナスが消えたのは僥倖ね。そしてこのドローでモンスターを引けなければ、トワイライト・イレイザーの効果で特殊召喚されることは無い」

「その前にウォルフが出るけどね。そしてイレイザーの効果を処理して…手札から《ライトロード・サモナー ルミナス》を特殊召喚!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス 守備表示

DEF 1000

ライン 手札 4→3

 

「2枚目…引かれてしまったわね。けどここでマンジュシカの効果が発動して800ポイントのダメージよ!」

 

トリックスター・マンジュシカ 効果ダメージ

ライン LP 6000→5200

 

何とか輝琉さんは妨害を乗り越えつつ展開しましたが、ここまでで既に2800ものライフを削られています。さらに言えば戸ヶ崎さんの手札にはナルキッスがあり、次ターンでも変わりない展開が可能でしょう。このターンである程度整えなければ、輝琉さんの勝ち目は薄いと思います。

ですが、フィールドにいる2体のライトロードから充分展開は可能ですね。

 

「さて、動くわよ。ルミナスの効果発動。手札の《ライトロード・シーフ ライニャン》を捨てて墓地の《ライトロード・アーチャー フェリス》を再び特殊召喚!ここは…レベル4のウォルフとフェリスでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ レベル4

ライトロード・アーチャー フェリス レベル4

 

「光に導かれし聖女。その高貴なる魂で戦場に新たな光を!《ライトロード・セイント ミネルバ》!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ 攻撃表示

ATK 2000

 

「ミネルバの効果発動よ。エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を1つ使い、デッキの上から3枚を墓地へ送る。その中のライトロードの数だけドローするわ。3枚墓地へ!落ちたカードは…《光の護封霊剣》、《戒めの龍(パニッシュメント・ドラグーン)》、《黄昏の双龍(トワイライト・ツイン・ドラグーン)》の3枚。ドローはないけど、ライトロードモンスターの効果でデッキから墓地へ送られた《黄昏の双龍》の効果よ。墓地の《戒めの龍》を手札に加え、デッキトップ4枚を除外するわ」

 

ライン 手札 2→3

 

「除外されているライトロードが4種類以上の時、このカードは特殊召喚できる。来なさい、《戒めの龍(パニッシュメント・ドラグーン)》!」

 

戒めの龍 攻撃表示

ATK 3000

ライン 手札 3→2

 

「そ、そのモンスターは!?」

「こうして公の場で見せるのは初めてよね。私の切り札の1枚、戒めの龍。《裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)》と対になる闇の龍よ。バトルフェイズ!まずはミネルバでマンジュシカに攻撃!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ ATK 2000

トリックスター・マンジュシカ DEF 1200

 

「続きなさい、戒めの龍!イービル・テンペスター!」

 

戒めの龍 ダイレクトアタック

ATK 3000

莉久 LP 8000→5000

 

「くぅっ、一撃が重い…!」

「そうでしょう?けどもう一撃よ!ルミナスでダイレクトアタック!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス ダイレクトアタック

ATK 1000

莉久 LP 5000→4000

 

「メイン2。カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

ライン

モンスター ミネルバ(ORU:1) ルミナス 戒めの龍

魔法・罠 伏せ1

墓地 12

手札 1

除外 8

デッキ 35

LP 5200

 

 

「あれだけトリックスター達でライフを削ったのに、もう逆転されちゃったわね。流石ね、ラインさんは」

「あら、逆転の手くらい考えてあるんでしょ?丸分かりよ」

「それは買い被りすぎじゃないかしら?まぁ期待に応えましょうかね」

 

…なんと、言いましょうか。お二人の間に火花が飛び散っている気がします。女性同士の戦いはこうも恐ろしいのですね…私も女ですけど。

 

「それじゃあ、どうにかできるカードを…ドローしたいわねっ!」

 

莉久 手札 2→3

 

「いい感じね。それじゃあメインフェイズ。キャンディナをを再び召喚!その効果で《トリックスター・リリーベル》を手札に加えるわ。そして効果で手札に加わったリリーベルはフィールドに特殊召喚できる!来なさい、リリーベル!そして開きなさい、輝く舞台へのサーキット!召喚条件は『トリックスターモンスター2体』!ナルキッスとリリーベルをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来なさい、リンク2!天使の名を冠する妖精の歌姫、《トリックスター・ホーリーエンジェル》!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル リンク2 ↙↘

ATK 2000

莉久 手札 3→2

 

「ここで私は新しいフィールド魔法、《トリックスター・ライブステージ》を発動!発動時の効果処理として墓地のナルキッスを手札に戻す。そしてライブステージの2つ目の効果!1ターンに1度、私の場にトリックスターモンスターがいる場合に発動できる。トリックスタートークンをホーリーエンジェルのリンク先に特殊召喚!この瞬間、ホーリーエンジェルの効果が発動、レゾナンス・ソング!このカードのリンク先にトリックスターが特殊召喚される度に相手に200ダメージを与える!」

「っ、また効果ダメージが…」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル 効果ダメージ

ライン LP 5200→5000

 

「ここでホーリーエンジェルの2つ目の効果、ソング・トゥ・ソング!相手が効果ダメージを受ける度に、その数値分ホーリーエンジェルの攻撃力がアップする!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 2000→2200

 

「そのモンスターは効果ダメージが発生する度に強くなる…やっぱり、トリックスターのエースはそのカードよね」

「よく分かってるじゃない。それじゃあ、もっと動くわよ。ライブステージの3つ目の効果!相手の場に魔法・罠カードがあるとき、トリックスタートークンを特殊召喚できる!同じことを繰り返すわよ?」

「っ、構わないわよ!」

「それじゃあ、また200ダメージを与えて200ポイントの攻撃力アップよ!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル 効果ダメージ

ライン LP 5000→4800

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 2200→2400

 

「さぁて、トークンも2体出たことだし、もう少し動こうかしらね。開きなさい、輝く舞台へのサーキット!召喚条件は『レベル2以下のトリックスターモンスター1体』。私はトリックスタートークンをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来なさい、リンク1。《トリックスター・ブルム》!」

 

トリックスター・ブルム リンク1 ↓

ATK 100

 

「これにより三度ホーリーエンジェルの効果が発動するわ!」

「好きに、しなさい!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル 効果ダメージ

ライン LP 4800→4600

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 2400→2600

 

「本来ならブルムのドロー効果もあるのだけれど、今回は使わないわ。手札を増やしても今はいいことがないもの。それに、お膳立ては充分整ったわ!手札より《トリックスター・フュージョン》を発動!」

「っ、トリックスターの融合カード!?」

「私はトリックスタートークンとトリックスター・ブルムの2体を融合!音を奏でる2人の妖精よ、その音を響かせ、新たな音の風をここに!」

 

トリックスター・ブルム 『トリックスター』リンクモンスター

トリックスタートークン 『トリックスター』モンスター

 

「融合召喚!来なさい、レベル7!強き音を奏でるギタリスト、《トリックスターバンド・ギタースイート》!」

 

トリックスターバンド・ギタースイート レベル7

ATK 2200

莉久 手札 2→1

 

「まさか融合モンスターとはね…恐れ入ったわ」

「お褒めに預かり光栄ね。けどまだ展開は止まらないわよ!ホーリーエンジェルの効果!リンク先にトリックスターが特殊召喚されたので200ダメージ!ここでギタースイートの永続効果、オーグメント・サウンドが適用されるわ。このカードとリンク状態のトリックスターリンクモンスターの与える効果ダメージは2倍になる!よって400ポイントのダメージよ!」

「ここに来てダメージ倍加!?」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル 効果ダメージ

トリックスターバンド・ギタースイート ダメージ倍加

ライン LP 4600→4200

 

「くっ、流石にライフが半分見えるとキツいわね…」

「もう少しだけ耐えてもらうわよ。効果ダメージが発生したので手札のナルキッスをホーリーエンジェルのリンク先に特殊召喚!その効果にチェーンしてホーリーエンジェルとギタースイートの効果!」

「ま、まだ効果があるの!?」

「えぇ。といってもギタースイートの効果はホーリーエンジェルと一緒よ。バーンに応じたパンプアップ。優しいで「優しくないわよ!」く、食い気味に否定されるなんて…」

 

トリックスター・ナルキッス 守備表示

DEF 1800

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 2600→3000

トリックスターバンド・ギタースイート

ATK 2200→2600

 

「そしてホーリーエンジェルの何度目か分からないバーン、そして2体のパンプアップよ!」

「もう見飽きたわよっ!!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル 効果ダメージ

ライン LP 4200→3800

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 3000→3400

トリックスターバンド・ギタースイート

ATK 2600→3000

 

「ここまでやれば充分ね。バトルよ!ホーリーエンジェルで戒めの龍を攻撃!」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 3400

戒めの龍

ATK 3000

3400-3000=400

ライン LP 3800→3400

 

「続きなさい、ギタースイート!ミネルバに攻撃!」

 

トリックスターバンド・ギタースイート

ATK 3000

ライトロード・セイント ミネルバ

ATK 2000

3000-2000=1000

ライン LP 3400→2400

 

「…やっぱり、効果ダメージの方が戦闘ダメージより多いって、なんとも言えないわね…破壊されたミネルバの効果よ。デッキトップ3枚を墓地へ送り、その中のライトロードの数だけ相手モンスターを破壊するわ」

「その効果に対してナルキッスが反応するわ。200バーンを受けなさい」

 

トリックスター・ナルキッス 効果ダメージ

ライン LP 2400→2200

 

「っ、あぁもう!何度も何度も!ミネルバの効果を処理!デッキトップを…っ!」

 

そこでラインさんは詰まってしまいました。残念ながら落ちたカードまでは見えませんが…何が起きたかは分かってしまいました。

 

「あれ…ラインちゃん、どうしちゃったんでしょうか?」

「…きっと、落ちなかったのよ」

「えっ?」

「そうですね。恐らく、ライトロードが1枚も落ちなかったので効果が不発になったのだと思われます」

「そ、そんな!?」

 

これは私と風華の推測でしかありませんが、きっと正しいでしょう。その証拠に、ラインさんはそのまま進めてしまわれましたから。

 

「くっ…何も破壊しないわ。さぁ、進めなさい!」

「それじゃあ遠慮なく。メイン2、墓地の《トリックスター・フュージョン》の2つ目の効果。このカードを除外することで墓地のトリックスターを回収するわ。戻ってきて、キャンディナ。このまま私はターンエンド。このエンドフェイズ、ギタースイートの3つ目の効果が発動するわ。このカードが攻撃したターンのエンドフェイズに、自身の効果で上がった攻撃力が元に戻る。そして墓地のトリックスター1枚を手札に加える。帰ってきて、マンジュシカ!さらにホーリーエンジェルの攻撃力も元に戻る。これで本当にターンエンドよ」

 

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 3400→2000

トリックスターバンド・ギタースイート

ATK 3000→2200

 

莉久

モンスター ホーリーエンジェル ギタースイート(攻撃表示) ナルキッス(守備表示)

魔法・罠 なし

フィールド ライブステージ

墓地 9

手札 1

除外 1

デッキ 31

LP 4000

 

 

「…ホント、酷い盤面ね。ナルキッスがいる限りモンスター効果を使う度にダメージを受け、ホーリーエンジェルとギタースイートが強くなる。しかもホーリーエンジェルのリンク先の2体は破壊されない…やってられないわよ、こんなの」

「ならサレンダーする?私は認めてあげるけど」

「そんなの有り得ないわよ。言ったでしょ?私はこの大会で、マリーとやるのよ。そこまで負けるつもりは、毛頭ないわ!」

「…ふぅん。それならドローしなさいよ。この盤面を突破出来るならね!」

「乗り越えてみせるわよ!ドロー!」

 

ライン 手札 1→2

 

「…《ソーラー・エクスチェンジ》!手札の《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》を捨てて2枚ドロー!その後、デッキトップ2枚を墓地へ!」

 

ライン 手札 2→0→2

 

「…これで、万全ね。残りライフ4000、削り取ってあげるわ!」

「っ、そんなこと出来るわけが」

「出来るわよ。それがライトロード…いえ、私のデッキよ!リバースカードオープン、永続(トラップ)《閃光のイリュージョン》!墓地のグラゴニスを攻撃表示で特殊召喚!」

 

ライトロード・ドラゴン グラゴニス 攻撃表示

ATK 2000

 

「グラゴニスの攻撃力は墓地のライトロードの種類×300アップする。墓地にはウォルフ、フェリス、ライニャン、セイント ミネルバ、メイデン ミネルバの5種類が確定しているわ。さて問題。貴女が知らない墓地のカードは何枚かしら?」

「何よ急に…私が知らない、でしょう?ミネルバで落ちた6枚にライトロードがないのは確定しているわよね。だから不明枠は…ソーラー・エクスチェンジで落ちた4枚ね?」

「残念。もう1枚、フェリスで落ちた最後の1枚が不明枠よ」

「そうだったわね。けどそれが何か?」

「まだ分からないかしら。確定枠だけでも1500アップしているグラゴニス。あと何枚で4000ライフを削り取れるかしら?」

「…今時点で攻撃力3500。ホーリーエンジェルを超え、4000を削るのに足りないのは2500、最低でも9枚よ。それで、どう集めるというのかしらね?」

「ふふっ、なら教えてあげるわ。貴女の知らない5枚を!」

 

そう言ってラインさんが公開した5枚は…

 

「《ライトロード・エンジェル ケルビム》、《トワイライトロード・ファイター ライコウ》、《ライトロード・パラディン ジェイン》、《ライトロード・マジシャン ライラ》、《ライトロード・ウォリアー ガロス》!全てライトロードよ!」

「っ、そんなに落ちてたの!?」

「これで累計10枚、攻撃力3000アップよ!」

 

ライトロード・ドラゴン グラゴニス

ATK 2000→5000

 

「攻撃力5000…けどそれでもホーリーエンジェルを超え、4000は削れないわ!」

「ホーリーエンジェルを超える必要なんてないわよ?手札の《トワイライトロード・ソーサラー ライラ》をコストに《閃光の双剣 トライス》を装備!攻撃力が500ポイントダウンする代わりに2回攻撃が可能よ!墓地にライトロードが増えたので攻撃力がさらに300アップ、差し引き200ダウンね」

 

ライトロード・ドラゴン グラゴニス

ATK 5000→4800

 

「攻撃力4800の2回攻撃…そんな…まさか、本当に!?」

「これでフィナーレね、バトルよ!グラゴニスでホーリーエンジェル、ギタースイートの2体を攻撃!トライス・シャイン・ブレイザー!」

 

ライトロード・ドラゴン グラゴニス

ATK 4800

トリックスター・ホーリーエンジェル

ATK 2000

トリックスターバンド・ギタースイート

ATK 2200

4800-2000=2800

4800-2200=2600

莉久 LP 4000→1200→-1400

 

「そ、そんな…あそこまで削ったのに…!」

「ライフコストを払うカードが安易に使えない相手っていうのは、相当キツいわね…」

 

ゲームエンド

WINNER 輝琉ライン

 

 

「決着!削り削られの超接戦を制したのはライン選手!おめでとう!」

「噂には聞いていたけど、トリックスター相手って本当にキツイのね。無限泡影とサイクロンが引けてなかったら負けてたわ」

「そうね…その2枚さえなければ勝ててたと思うと悔しいわ!」

「それなら連絡先を交換しない?また今度デュエルしましょうよ、個人的に」

「!! 望むところよ!」

「うわーお、熱い友情が生まれたね!それじゃあ次はアマチュアBグループの試合だね!1戦目は聖川 小春選手vs阿久津 舞斗選手!2人はフィールドに来てね!」

「うわぁ、呼ばれちゃった!それじゃあ行ってくるね〜!」

「…えぇ、行ってらっしゃい」

 

ラインさんの試合も終わり、次は小春さんですね。お相手の阿久津さんはどのようなデッキを使うのでしょうか?楽しみですね。

 

 

 

 

 

✧︎

 

「それではBグループ第1試合を始めるよ!それじゃあ意気込みを聞いていこう!聖川選手、どうぞ!」

「めいっぱい楽しむよ〜!それだけ〜!」

「本当にそれだけなの!?まぁデュエルを楽しむのも大切だよね!それじゃあ阿久津選手、どうぞ!」

「……あ、はい。頑張り、マス」

 

うわ〜、すっごいカタコトになってる。大丈夫なのかな〜?

 

「緊張してる?そんなに固くならなくてもいいんだよ!意気込みも聞いたところで試合を始めよう!思いっきり楽しんじゃってよ!デュエル開始!」

決闘(デュエル)!」

「……あ、デュ、決闘(デュエル)、デス」

 

うーん、調子狂うな〜!




ということでトリックスターvsライトロード、ライロの勝利です。
実は最初、ドラゴニスの効果が『ライトロードの数×300』だと思っていたので、種類だと判明した瞬間に普段なら入れないライロを突っ込みました。次の試合には抜かれていると思います。多分そのままかな。
それではカード紹介。

「…というわけでカード紹介よ。今回は私、緑葉風華と」
「神名優姫でお送りします。今回は見ている側だったので出番が少なかったですね」
「…作者さん曰く、『大会中だと見てる側のキャラが動かしにくい〜!!』だそうよ」
「それは自業自得ですね」
「…そうね。それで優姫、今回は何を紹介するのかしら?」
「今回はラインさんを苦しめた1枚、《トリックスター・ホーリーエンジェル》です」

トリックスター・ホーリーエンジェル
リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/天使族/攻2000
【リンクマーカー:左下/右下】
「トリックスター」モンスター2体
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカードのリンク先に「トリックスター」モンスターが召喚・特殊召喚される度に、相手に200ダメージを与える。
(2):このカードのリンク先の「トリックスター」モンスターは戦闘・効果では破壊されない。
(3):「トリックスター」モンスターの効果で相手がダメージを受ける度に発動する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、そのダメージの数値分アップする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「効果ダメージを与えつつ、火力も上乗せするトリックスターのエースモンスターですね。リンク先のモンスターを破壊から守る防御効果も持ち合わせた優秀な1枚です」
「…バーンを与える上で展開も重要視する【ビートバーン】の要素の強いトリックスターならではの効果ね。今回はギタースイートの効果でダメージが加速していたわ。もしライトステージを破壊できていなければ、ライフが一瞬で削られていたのでしょうね…」
「そう考えると恐ろしい効果ですよね。弱点としては、このカードのリンク先に出なければバーンが発生しない点、このカード自身に耐性がない点ですね。次のターンまで攻撃力増加が引き継がれない点は、相手ターンにもバーンを与えられるトリックスターではデメリットになりませんから」
「…グラゴニスで突破できていなければ、次のターンで負けていたかもしれない。ラインさんの引きの強さの勝利だったわね」
「次の対戦は聖川さんです。お相手はどのようなデッキなのでしょうか?」
「…それに関してはヒントを貰ってるわ。『ニコニコ動画の投稿者様で、悪魔に魅入られた強くて面白いデッキを自分なりに組んでみました』、だそうよ。だいたい分かるわね、これ」
「何故風華が分かるのですか…それではまた次回です」


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四十九枚目:第五試合 捕食者vs悪魔

筆が乗って割と早期に書き上げられたので投稿。
今回のデッキ、分かってた人は結構いると思います(偏見)

では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 聖川小春

後攻 阿久津 舞斗

 

 

✧︎

 

「先攻は貰うよ〜。私のターン!手札から《ローンファイア・ブロッサム》を召喚〜。自身をリリースして効果発動!デッキから《捕食植物(プレデター・プランツ)オフリス・スコーピオ》を特殊召喚だよ〜!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 守備表示

DEF 800

小春 手札 5→4

 

「特殊召喚されたオフリスの効果を使うよ〜!手札のフライ・ヘルを捨ててデッキから《捕食植物ダーリングコブラ》を特殊召喚!」

 

捕食植物ダーリング・コブラ 守備表示

DEF 1500

小春 手札 4→3

 

「……あ、よく言われる、オフリスダーリング、ですね」

「うん、そうだよ〜。ということでダーリングの効果!捕食植物の効果で特殊召喚された場合、デッキから融合系カードを手札に加えるよ。私はデッキから《置換融合》を手札に!そして発動、《置換融合》!場のオフリスとダーリングで融合!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 捕食植物モンスター

捕食植物ダーリング・コブラ 闇属性

 

「麗しき2輪の花よ、1つに溶け合い咲き誇れ!融合召喚!現れ出ちゃえ!《捕食植物キメラフレシア》!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻撃表示

ATK 2500

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだよ〜」

 

小春

モンスター キメラフレシア(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 4

手札 2

デッキ 33

LP 8000

 

 

「……あ、えっと、僕のターンです。ドロー、します」

 

舞斗 手札 5→6

 

「……その、魔法カード、《名推理》を、発動します」

「うにゅ?名推理なんて珍しいカード使うね〜?」

「……あの、その、このカードが1番、動きやすいので。それで、レベルを、宣言してください」

「うーん…そうだね〜」

 

名推理は特殊なカードだよね〜。レベルを宣言してもらって、モンスターが出るまでデッキをめくる。その時めくれたモンスターが宣言されたレベル以外なら特殊召喚、宣言されたレベルなら墓地へ…ってカードだよね〜。うーん、1番当たりやすいレベルは…

 

「4!レベル4を宣言するよ〜!」

「…あ、その…それなら、外れます、ね」

「ふぇっ?なんでぇ!?」

「……このデッキは…その…『レベル6以上の』『悪魔族』で統一されているんです。といっても、レベル6の悪魔族は、1種類しかいないので、実質『レベル7以上の』『悪魔族』、ですが」

「何そのデッキ〜!?そりゃ名推理じゃないと回らないよ〜!!」

「……そ、それでは、めくります。1枚目…《シャッフル・リボーン》。魔法カードなので、墓地へ。2枚目…《ディザスター・デーモン》。レベル9の、モンスターです。なので、特殊召喚できます。来て、破壊を司る悪魔、《ディザスター・デーモン》!」

 

ディザスター・デーモン 守備表示

DEF 3000

舞斗 手札 6→5

 

にゃ〜!手札1枚から最上級悪魔族が出た〜!?とんでもないよ〜!!

 

「……さ、さらに…《デビルズサンクチュアリ》です。メタルデビルトークンを、特殊召喚、します。そして、《モンスターゲート》、です。その効果で、デッキをめくります。1枚目…あっ、モンスターカード、《暗黒の侵略者》です。特殊召喚、します。来て、闇よりいでし者、《暗黒の侵略者》!」

 

暗黒の侵略者 攻撃表示

ATK 2900

舞斗 手札 5→3

 

「……まだ、行けます。カードを1枚セット。そして、ディザスター・デーモンの効果を、発動します。僕のセットカードと、そちらのキメラフレシアを、破壊します」

「うにゃ〜!?」

 

ディザスター・デーモンの放った雷により、私のキメラフレシアと、舞斗君の伏せカードが破壊された。破壊されるためだけに伏せられたあのカード、ちょっと可哀想…

 

舞斗 手札 3→2

 

「……それと…このカード、です。《闇の誘惑》。2枚引いて、手札の闇属性を、除外します。この効果で、《エンド・オブ・アヌビス》を、除外します。そして、《D・D・R》です。手札の《グリード・クェーサー》をコストに、除外されているモンスターを、特殊召喚します。来て、魂裁く地獄の裁判官。《エンド・オブ・アヌビス》!」

 

エンド・オブ・アヌビス 攻撃表示

ATK 2500

舞斗 手札 2→0

 

「今度は攻撃力2500〜!?」

「……い、今、そちらにモンスターはいません。バトルフェイズ、です。アヌビスと、侵略者で、ダイレクトアタックです!」

 

エンド・オブ・アヌビス ダイレクトアタック

ATK 2500

暗黒の侵略者 ダイレクトアタック

ATK 2900

小春 LP 8000→5500→2600

 

「うわぁっ!うぅ、もうこんなにライフが…」

「……ぼ、僕はこれで、ターンエンド、です」

 

舞斗

モンスター ディザスター(守備表示) アヌビス 侵略者(攻撃表示)

魔法・罠 DDR(装備:アヌビス)

墓地 7

手札 0

デッキ 29

LP 8000

 

 

「うーん…一気に削られちゃった…私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「このタイミングで墓地へ送られたキメラフレシアの効果!」

「……通りま、せん。エンド・オブ・アヌビスの効果、ガーディアン・オブ・ハデス。相手の墓地のカード効果、そして、墓地のカードを対象にするカード効果は、無効になります。さらに、暗黒の侵略者の効果、アンチクイックエフェクトが発動しています。相手は、速攻魔法が、使えません。二重のロック、突破、できますか?」

「にゃ〜!?」

 

うっそ、そんな効果だったの!?墓地発動も蘇生も封じられた〜!?し、しかも速攻魔法も封じられたから《プレデター・プライム・フュージョン》と《捕食生成(プレデター・プラスト)》が使えないってこと〜!?

 

「うっ、うぅ…どうしよぉ…」

「……ぼ、僕の悪魔達は、強い、ですからね。簡単には、負けませんよ」

「うー…本当に強いよー…」

 

どーしよう…セットカードは《捕食計画(プレデター・プランニング)》だけど、ドロソフィルム・ヒドラが蘇生できないからなぁ…って、あれ?そうだよ、そうすればいいんだよ!

 

「よーし、攻略法見つけたよー!セットカード、《捕食計画》を発動〜!デッキから《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》を墓地へ送り、場のモンスター全てに捕食カウンターを置く!これでみんなレベル1だよ!」

「……さ、さすがに、トラップは、止まりません…」

 

ディザスター・デーモン

捕食カウンター 1

レベル 8→1

暗黒の侵略者

捕食カウンター 1

レベル 8→1

エンド・オブ・アヌビス

捕食カウンター 1

レベル 6→1

 

「これで動けるよ〜!《捕食活動(プレデター・プラクティス)》を発動!手札の《捕食植物サンデウ・キンジー》を特殊召喚し、デッキから《捕食植物セラセニアント》を手札に!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 守備表示

DEF 200

小春 手札 3→2→3

 

「……こ、ここで、そのモンスター、ですか…」

「うん!この子で突破しちゃうよ〜!サンデウ・キンジーの効果発動!このカードを含む手札とフィールドのモンスターで融合召喚を行える!この時、相手の捕食カウンターの乗ったモンスターも融合素材にできる!私はサンデウ・キンジーとエンド・オブ・アヌビスで融合!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 闇属性

エンド・オブ・アヌビス 闇属性

 

「麗しき花よ、冥界の番犬よ。今こそひとつになりて、飢えたる竜を呼び覚ませ!融合召喚!現れ出ちゃえ、私の友達!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2800

 

「スターヴ・ヴェノムの効果発動だよ〜!このカードが融合召喚に成功した時、相手の場の特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を吸収する!対象は暗黒の侵略者!行っけー、アジェクト・イーティング!」

 

スターヴ・ヴェノムの背中の触手が伸びて、暗黒の侵略者に喰らいついた。そしてそこから…何かを吸い取ってるみたい。うーん…何度見てもちょっと怖いな〜…

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 2800→5700

 

「さらにスターヴ・ヴェノムの2つ目の効果!相手の場のレベル5以上のモンスターのカード名と効果を得る!こっちの対象はディザスター・デーモンだよ!スキル・グリード!」

「……僕のデッキと、相性最悪、ですね…」

 

さっきまで暗黒の侵略者に喰らいついていた触手が、今度はディザスター・デーモンに喰らいついていた。また、なにか吸い取ってるぅ…

 

「こ、これでスターヴ・ヴェノムはディザスター・デーモンの効果を得たよ!それに、アヌビスが消えたから墓地のカードも使える!手札から《プレデター・プランター》を発動するよ!その効果で墓地のオフリスを特殊召喚!ただし効果は無効になってるよ〜」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 守備表示

DEF 800

小春 手札 3→2

 

「ここでスターヴ・ヴェノムがコピーしたディザスター・デーモンの効果を使うよ!私の場のプランターとそっちの暗黒の侵略者を破壊!」

 

ディザスター・デーモンの力を吸い取ったスターヴ・ヴェノムの触手がプランターと侵略者に噛みつき、そのまま噛み砕いた。それとなんでか分からないけど、侵略者の力を貰った…みたい?

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 5700→7150

 

「うにゅ?なんで攻撃力上がったの?」

「……ディザスター・デーモンの、効果です。ディザスター・デーモンの効果で、表側の悪魔族を破壊したら、その攻撃力の合計の、半分の攻撃力をプラスするんです」

「そ〜なんだ〜。それでスターヴ・ヴェノムの攻撃力が上がったんだね〜。おっと、忘れないうちに使っておこっと!墓地のドロソフィルム・ヒドラの効果発動!?捕食カウンターの乗ったディザスター・デーモンをリリースして墓地から特殊召喚!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守備表示

DEF 2300

 

「それじゃあバトル、行くよー!スターヴ・ヴェノムでディザスター・デーモンに攻撃!破甲のアーセナル・バイト!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ダイレクトアタック

ATK 7150

舞斗 LP 8000→850

 

「……ぅぁっ…けど、まだ、残ってます」

「そうだね〜。それに私に追撃の手はないし…メイン2だよ。カードを1枚伏せてターンエンド!この時、スターヴ・ヴェノムの攻撃力は元に戻るよ〜」

「……ディザスター・デーモンの効果も、終了します」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 7150→2800

 

小春

モンスター スターヴ・ヴェノム(攻撃表示) オフリス ドロソフィルム(守備表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 8

手札 1

デッキ 31

LP 2600

 

 

よーし、これで形成大逆転!ここから一気に決めれたらいいなぁ!

 

「……僕の、ターンです。ドロー…!」

 

舞斗 手札 0→1

 

「……墓地の、《錬装融合(メタルフォーゼ・フュージョン)》の、効果。デッキに戻して、1枚ドローします」

 

舞斗 手札 1→2

 

「《錬装融合》なんていつの間に!?」

「……ディザスター・デーモンで、破壊したカード、です。…それに、このカードなら、まだ…!《名推理》、2枚目、です!さぁ、レベルを!」

「…そっちのデッキに下級、上級がいないのはもう知っちゃってるからね〜…7~12を宣言すればいいんだろうけど…うーん…」

 

それでもほぼ6分の1だからねぇ…どれにしよっかなぁ…

 

「んー…8!今回は8で行くよ!」

「……では、めくります。1枚目…《暗黒界の門》。魔法カードなので、墓地へ。2枚目…《悪魔の依代》。罠カード、墓地へ行きます。3枚目…《錬装融合》…墓地へ。4枚目…モンスターカード、《The supremacy SUN(ザ スプレマシー サン)》!レベルは、10です!」

「そんなぁ、ここでレベル10〜!?」

「……ここで来てくれるなんて…ありがとう、僕の、切り札!沈まぬ悪魔の太陽、《The supremacy SUN》を、特殊召喚!」

 

The supremacy SUN 攻撃表示

ATK 3000

舞斗 手札 2→1

 

「……このカードは、カード効果でしか特殊召喚出来ません。ですが、それに見合った力があります…!バトルフェイズ、The SUNでスターヴ・ヴェノムに攻撃します!焼き尽くせ、SOLAR FLARE(ソーラー フレア)!」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 2800

3000-2800=200

小春 LP 2600→2400

 

「うわぁっ!けど、破壊されたスターヴ・ヴェノムの効果だよ!融合召喚されたこのカードが破壊された時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊するよ!アシッド・ウェイバー!」

 

太陽に焼き切られたスターヴ・ヴェノムの身体から毒液が吹き出して、悪魔の太陽を溶かしきった。うーん、あれって、胃酸だったりするのかなぁ?

 

『んなわけねぇだろっ!!』

「ひゃっ!?」

 

ま、またなにか聞こえたよ!?うー、前にも聞こえたんだよね〜…怖いなぁ…

 

「……なんてことは、ありません。僕はこれで、ターンエンドです」

 

舞斗

モンスター なし

魔法・罠 なし

墓地 15

手札 1

デッキ 24

LP 850

 

 

「まだまだここからだよ!私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

「……ここ、です!The SUNの効果、発動!相手によって破壊された次のターン開始時、手札1枚を捨てることで、墓地から特殊召喚できます!その者は沈まない。再び昇れ、The supremacy SUN(至高なる悪魔の太陽)よ!」

 

The supremacy SUN 守備表示

DEF 3000

 

「えぇぇ!?そんな効果持ってたの!?」

「……言ったはずです。悪魔の太陽は、沈まないって。The SUNは手札を捨てる度に、何度でも蘇ります!」

 

そんなぁ…あれじゃあ倒しても倒してもキリがないよぅ…今の手札じゃあ突破もできないし…

 

「モンスターを1体伏せてターンエンドだよ…」

 

小春

モンスター オフリス ドロソフィルム(守備表示) 裏守備

魔法・罠 伏せ1

墓地 9

手札 1

デッキ 30

LP 2400

 

 

「……まだ、戦えるね。僕のターン、ドロー、です!」

 

舞斗 手札 0→1

 

「……The SUNを攻撃表示に変更、バトル。The SUNでオフリスを攻撃、です!」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

捕食植物オフリス・スコーピオ

DEF 800

 

The SUNの攻撃で、今度はオフリスが焼き払われた。うぅ、このままだと全滅しちゃうよぅ…

 

「……何も、することは無いですね。ターンエンド、です」

 

舞斗

モンスター The SUN(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 15

手札 1

デッキ 23

LP 850

 

 

「どうにか突破口を見つけなきゃ…私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

「…これじゃない…まだ、ダメだよぅ…ターンエンド…」

 

小春

モンスター ドロソフィルム(守備表示) 裏守備

魔法・罠 伏せ1

墓地 10

手札 2

デッキ 29

LP 2400

 

 

「……行けそう、かな。僕のターン、ドロー」

 

舞斗 手札 1→2

 

「……カードを1枚伏せます。そして、バトル!ドロソフィルムに、攻撃です!」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ

DEF 2300

 

「きゃあっ!そんな…もう、1体しか…」

「……ターンエンド、です」

 

舞斗

モンスター The SUN(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 15

手札 1

デッキ 22

LP 850

 

 

「どうにかしなきゃ…私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「…モンスターを伏せて、ターンエンド!」

 

これで、何とかしなきゃ…!

 

小春

モンスター 裏守備(2)

魔法・罠 伏せ1

墓地 11

手札 2

デッキ 28

LP 2400

 

 

「……僕のターン、ドロー、します!」

 

舞斗 手札 1→2

 

「……いい子を、引きました。リバースカードオープン、永続(トラップ)、《悪魔の依代》!その効果で、1ターンに1度、レベル5以上の悪魔族の召喚の、リリースが不要になります!」

「えぇっ!?ということは…」

「……その効果を適用して、この子を通常召喚!来て、星喰いの悪魔、《グリード・クェーサー》!」

 

グリード・クェーサー 攻撃表示

ATK ?

舞斗 手札 2→1

 

「こ、攻撃力不明のモンスター!?」

「……グリード・クェーサーの攻撃力は、自身のレベル×300ポイント、です。今はレベル7なので、攻撃力2100です」

 

グリード・クェーサー

ATK ?→2100

 

「……バトルフェイズ!The SUNで、先に伏せたセットモンスターに攻撃!」

「っ、こっちのカードは《捕食植物セラセニアント》!」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

捕食植物セラセニアント

DEF 600

 

「くぅっ…けど、セラセニアントとバトルしたモンスターは破壊されるよ!さらにセラセニアントの効果!このカードが戦闘破壊されて墓地へ送られた時、デッキから《捕食植物プテロペンテス》を手札に加えるよ!」

「……手札は1枚、残っています。蘇生は可能…なので追撃します。グリード・クェーサーで残りのセットモンスターに攻撃です!」

「こっちは《水晶機巧-シトリィ》だよ!」

「……ク、クリストロン…ですか!?」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

水晶機巧-シトリィ

DEF 500

 

「……っ、けど、相手モンスターを破壊したグリード・クェーサーの効果、発動!破壊したモンスターのレベルを、吸収します!」

「それにチェーンするよ!シトリィが破壊されたこの瞬間、リバースカードオープン!《クリストロン・エントリー》!手札と墓地からクリストロンチューナーを1体ずつ特殊召喚するよ〜!来て、《水晶機巧-クオン》、《水晶機巧-シトリィ》!」

 

グリード・クェーサー

レベル 7→9

ATK 2100→2700

 

水晶機巧-クオン 守備表示

DEF 500

水晶機巧-シトリィ 守備表示

DEF 500

小春 手札 3→2

 

「……闇属性・植物族テーマの捕食植物に、水属性・機械族テーマの水晶機巧を混ぜてるなんて…思いもしませんでした…」

「でしょ?だからこそ通用するところもあるんだよね〜。ということでこのバトルフェイズにクオンの効果発動!手札のプテロペンテスを特殊召喚し、機械族モンスターをシンクロ召喚するよ!レベル3のプテロペンテスにレベル1のクオンをチューニング!」

 

水晶機巧-クオン レベル1 チューナー

捕食植物プテロペンテス レベル3

1+3=4

クオン デメリット 機械族

レベル4 機械族シンクロ

 

「異形の腕は力の証!仲間のために力を貸して!シンクロ召喚!《アームズ・エイド》!」

 

アームズ・エイド 守備表示

DEF 1200

小春 手札 2→1

 

「さらにシトリィの効果発動!プテロペンテスを特殊召喚し、シトリィと共にシンクロ召喚するよ!レベル3のプテロペンテスにレベル2のシトリィをチューニング!」

 

水晶機巧-シトリィ レベル2 チューナー

捕食植物プテロペンテス レベル3

2+3=5

シトリィ デメリット 機械族

レベル5 機械族シンクロ

 

「調律を司る赤き勇士!加速する世界に走り出せ!シンクロ召喚!《アクセル・シンクロン》!」

 

アクセル・シンクロン 守備表示

DEF 2100

 

「シトリィの効果でシンクロ召喚した時、素材の2枚は除外されるよ」

「……っ、シンクロチューナー…けど、どうしようも、ないです…ターンエンド」

 

舞斗

モンスター グリード(攻撃表示)

魔法・罠 依代

墓地 16

手札 1

デッキ 21

LP 850

 

 

「これで何とかなったかな。私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 1→2

 

「……けど、ここでThe SUNの効果が発動、します!三度昇れ、The supremacy SUN!」

 

The supremacy SUN 守備表示

DEF 3000

舞斗 手札 1→0

 

「構わないよ〜。アクセル・シンクロンの効果発動!デッキの《ジェット・シンクロン》を墓地へ送り、レベルを1つ下げる!」

 

アクセル・シンクロン

レベル 5→4

 

「私はレベル4のアームズ・エイドにレベル4となったアクセル・シンクロンをチューニング!」

 

アクセル・シンクロン レベル4 闇属性 チューナー

アームズ・エイド レベル4

4+4=8

レベル8シンクロ 

 

「来たれ魔王!猛々しいその身を現世に顕現させよ!シンクロ召喚!私の友達、《魔王龍 ベエルゼ》!」

 

魔王龍 べエルゼ 攻撃表示

ATK 3000

 

「……こ、攻撃力3000の、シンクロモンスター…」

「行っくよー、バトルフェイズ!グリード・クェーサーに攻撃ー!」

 

魔王龍 べエルゼ

ATK 3000

グリード・クェーサー

ATK 2700

3000-2700=300

舞斗 LP 850→550

 

「……くぅっ…」

「よぉっし、これで動けるね!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

小春

モンスター べエルゼ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 17

手札 1

除外 2

デッキ 25

LP 2400

 

 

「……けど、まだ、負けたわけじゃ、ない!僕のターン…ドロー…ッ!」

 

舞斗 手札 0→1

 

「……墓地の、《錬装融合》の効果、発動!デッキに戻し…1枚、ドロー!」

 

舞斗 手札 1→2

 

「……よし…お願い…!依代の効果!来て、闇を司る堕天使、《闇の公爵 ベリアル》!」

 

闇の公爵 ベリアル 攻撃表示

ATK 2800

舞斗 手札 2→1

 

「……一気に、攻める…!墓地の《シャッフル・リボーン》の、効果!悪魔の依代をデッキに戻し…1枚、ドロー!」

 

舞斗 手札 1→2

 

ここに来ての手札交換連打…もしかして、このターンで決める気なの!?

 

「……3枚目の、《名推理》です!さぁ、レベルを!」

「っ…今度も、8だよ!」

「……では…めくります!1枚目…レベル7モンスター、《冥府の使者ゴーズ》!特殊召喚、できます!」

「また、成功した…!?」

「……きて、死の世界へ導く戦士、《冥府の使者ゴーズ》!」

 

冥府の使者ゴーズ 攻撃表示

ATK 2700

舞斗 手札 2→1

 

ここに来て、モンスターを並べた…けど、舞斗くんってエクストラをここまで使ってない…なら、何を…?

 

「……僕の切り札は、1枚じゃ、ありません!僕の場のモンスター全てを、リリース!」

「っ、この条件の悪魔族って、まさか!?」

「……来い、魔の獣宿す悪魔!《真魔獣ガーゼット》!」

 

真魔獣ガーゼット 攻撃表示

ATK 0

舞斗 手札 1→0

 

「し、真魔獣…ガーゼット…」

「……ガーゼットの攻撃力は、リリースしたモンスターの攻撃力の合計になります。よって攻撃力は…」

 

The supremacy SUN

ATK 3000

闇の公爵 ベリアル

ATK 2800

冥府の使者ゴーズ

ATK 2700

3000+2800+2700=8500

真魔獣 ガーゼット

ATK 0→8500

 

「攻撃力8500ぅ!?」

「……バトルフェイズ!ガーゼットで、べエルゼに攻撃!統合真魔極滅撃!」

 

真魔獣 ガーゼット

ATK 8500

魔王龍べエルゼ

ATK 3000

 

「…っ、まだ、負けられないんだもんっ!リバースカードオープン!(トラップ)カード、《ガードブロック》!戦闘ダメージを無効にして、1枚ドロー!そしてべエルゼは自身の効果で破壊されないよ!」

「……っ、ターンエンド、です」

 

舞斗

モンスター ガーゼット(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 19

手札 0

除外 1

デッキ 19

LP 550

 

 

「……フゥ…けど、まだダメ。耐えただけだもん…私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「…墓地の置換融合の効果!自身を除外して、墓地の融合モンスター、キメラフレシアをエクストラデッキに戻して1枚ドロー!」

 

小春 手札 3→4

 

「……っ!」

 

ダメだ…これじゃあ耐えられない…!ガーゼットは何体かいるけど、真魔獣には貫通効果がある…だから、守備表示にしても意味は無い…レベルも8だからキメラフレシアで除外できない…あっ、スターヴ・ヴェノムを戻せば勝てたんだ…うぅ、正常な判断出来てないよぅ…このままじゃ、負けちゃう…

 

『おい、何諦めてんだ!まだ負けてねぇぞ!』

「ひゃうっ!?」

 

ま、またこの声!?誰の…って、この感じ…濡羽っち達と話す時と似てる…もしかして、もしかするの?

 

「…君、もしかして、スターヴ・ヴェノム?」

『!! 聞こえてんのか!それなら話が早い!お前はまだ負けてねぇ!エクストラの1()5()()()がお前を勝たせる!』

 

ふぇ?15枚目…?私、何入れようか悩んで14枚しか入れてないのに…

 

『オレの力を貸してやる!今のお前じゃあ常用はきついが、この局面を突破するくらいなら問題はねぇ!さぁオレを出せ!オレの覚醒した力…()()()()()()()()()()()を!』

「…うん、やってみる!装備魔法《捕食接ぎ木(プレデター・クラフト)》を発動!墓地のサンデウ・キンジーを特殊召喚!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 守備表示

DEF 200

小春 手札 4→3

 

「サンデウ・キンジーの効果発動!このカードと手札・フィールドのモンスターで融合召喚を行う!私はサンデウ・キンジーと、手札の《捕食植物ヘリアンフォリンクス》で融合!」

 

捕食植物ヘリアンフォリンクス 元々のレベルが8以上の闇属性モンスター

捕食植物サンデウ・キンジー 捕食植物モンスター

融合召喚

 

「飢え喰らう毒龍よ。今こそ目覚め、暴喰の限りを尽くせ!融合召喚!私の新しい切り札、《グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

『オレの、本気だぁ!!!』

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示

ATK 3300

小春 手札 3→2

 

「……グリーディー…ヴェノム!?そ、そんなカード、知りません…!」

『さぁ、効果を使ってもいいが、お前のライフを増やしても良いんだぜ?』

「次に当たる相手に情報はあんまり渡したくないから効果使って勝つよ。グリーディー・ヴェノムの効果発動!1ターンに1度、相手モンスターの効果を無効にし、攻撃力を0にする!インベイジョン・ディストーション!」

 

グリーディー・ヴェノムの触手がガーゼットに噛みつき、その牙から毒を流し込んでガーゼットを弱体化させた。垂れた毒で地面が若干溶けてるってことは…酸性なんだねぇ…

 

真魔獣 ガーゼット

ATK 8500→0

 

「……そんな…っ!」

「バトルフェイズ!グリーディー・ヴェノムでガーゼットに攻撃!壊悪のエクスティンクション・バイト!」

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 3300

真魔獣 ガーゼット

ATK 0

3300-0=3300

舞斗 LP 550→-2750

 

「……負けました」

「つっよいなぁ…グリーディー・ヴェノム…」

 

ゲームエンド

WINNER 聖川小春

 

 

 

 

 

「そこまで!勝者、聖川小春選手!というか何あれ!?見たことないカードがまた出てきたねぇ!?」

「えへへ〜♪べエルゼもグリーディー・ヴェノムも私の切り札ですよ!まだ見せてない効果も、見せてない切り札もありますから!」

「うわぁお…空恐ろしい発言だね…最上級悪魔で統一してた阿久津選手も健闘したけど、流石に未知のカード相手じゃ分が悪かったね?」

「……い、いえ…僕の、もう1枚の切り札を引けていれば、勝ってました。僕の、ドロー負けです…」

「うーん、いい子!さて、それじゃあ次の試合に──」

 

 

 

 

 

☪︎

 

そうして聖川のデュエルの後に行われた試合は2本。6試合目は【氷結界】と【フルモン素早いボーグ】…だったか?そんな水属性対決を制したのは【フルモン素早いボーグ】だった。あのデッキ、案外回るんだなって感心したぜ。7試合目は【イビルツイン】と【ワーム】、勝利したのは【ワーム】だったな。この試合に俺が勝ったらワームと戦うことになるんだな。って訳でもう俺の試合だぜ。

 

「アマチュアBグループ初戦最後の試合だよ!僕も知らない決闘者(デュエリスト)と相対するのは西条湊月選手!両名はフィールドへ!」

 

その宣誓を合図に俺はフィールドに出た…んだが、すぐに絶句することになった。

 

「な、んで……」

「…まさか、初戦からアンタと当たるとはね。名前を伏せてた甲斐が有るわ」

「…………結…」

 

碧乃(あおの)(ゆい)……俺の最も会いたくない相手が、そこにいた。




…はい、というわけで『レベル7以上の』『悪魔族』『けど1種類だけレベル6悪魔』というデッキに仕上げました。事故要素の族結は入れていません。トリプル族結なんて出来ませんでした。
今回も活躍した《錬装融合》くん。墓地を肥やすデッキでのドローソースになり得るので比較的優先して採用してます。
それではカード紹介。

「つーわけでカード紹介、行くぜ!今回は俺、西条湊月と!」
「僕、龍凪柊真で行うよ。いやー、久しぶりの出番だね。1年ぶりくらい?」
「柊真さんの最後の出番ってそんなに前でしたっけ!?」
「あはは…多分ね…さて、今日紹介するカードは決めてきてるよ。阿久津君の使ったこのカード、《真魔獣 ガーゼット》だ!」

真魔獣 ガーゼット
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドのモンスターを全てリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードを特殊召喚するために
リリースしたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「フィールドのモンスター全てをリリースする重い召喚条件、それに見合ったパンプアップ効果、そして高い攻撃力を活かす貫通効果を持ってるね」
「パンプ条件は『元々の攻撃力』だから、《墓地墓地の恨み》とかのカード効果で攻撃力が下げられてても問題ねぇぜ」
「欠点らしい欠点といえば、このカード自身の耐性の無さだね。毎回言ってるけど、決戦用カードって捉え方だね。さて、次の対戦相手は…湊月君の知り合いみたいだね?」
「…知り合いっつーか…まぁ、次の話になれば分かるっすよ」
「それもそうだね。それじゃあ、また次回!」

P.S.話の都合上、次回・次次回はそれなりに重めの話になります。ご容赦ください。


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五十枚目:第八試合 英雄vs輝石

というわけで大会も八試合目。主人公グループの大会初参加勢はこれで全員出ます。湊月君の相手は因縁の相手…なのですかね?

それでは本編へ。


☪︎

 

碧乃(あおの)(ゆい)。俺達と同じデュエルアカデミア・フルーナ校の生徒であり、高等部1年にしてプラチナ6位に食い込む実力者。そして…俺とも面識がある。とても、嫌な意味で。

 

「……なんで、お前がここにいんだよ」

「別に。たまたまよ。フルーナシティでの大会を探してたら何故かここがヒットしたから、面白半分で来てみればアンタが居たってだけ。アンタこそ何しにこんなとこに来てんのよ」

「…友達と、旅行だよ。そんで、大会に何故かエントリーさせられてただけだ」

「ふぅん…そのお友達は、風華さんと優姫さんみたいだけど?」

「…………」

 

コイツは、俺が女子と絡んでいることを知るとだいたい突っかかってくる。その理由を、俺は嫌という程知っている。だからこそ、コイツには強く出れないんだ…

 

「…男も、いるんだがな」

「……ま、そんなのどうだっていいんだけどね。さっさと始めましょ」

「うっわぁ、すっごい置いてけぼりくらったよ…司会進行任されてるのに、曲がりなりにもプロ決闘者(デュエリスト)なのに…(´・ω・`)」

 

……この人、リアルでショボン顔作れんのな…

 

「ま、いっか!面識もあるみたいだし始めよう!それじゃあ…デュエル開始!」

決闘(デュエル)!」

「……決闘(デュエル)

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 西条湊月

後攻 碧乃結

 

デュエル開始

 

 

「…俺のターンで始める。俺は…モンスターをセット。カードを2枚伏せて…ターンエンドだ」

「それだけ?普段のアンタなら、先攻だろうとお構いなく展開するのに?」

「……うるせぇよ」

 

…アイツを見たばっかりで、コイツにも会ったら、こうなるのも当然だろ。

 

湊月

モンスター 裏守備

魔法・罠 伏せ2

墓地 0

手札 2

デッキ 35

LP 8000

 

 

「…私のターン、ドロー!」

 

結 手札 5→6

 

「アンタが動かなくたって、私は動くわよ。永続魔法《宝玉の樹》を発動!さらに《宝玉の絆》!デッキから《宝玉獣 サファイア・ペガサス》を手札に加え、デッキから《宝玉獣 エメラルド・タートル》を永続魔法扱いでフィールドに置くわ!」

 

結の場に、様々な宝石のなる樹…そして、エメラルドの結晶が現れた。あれが、結のデッキだ。

 

結 手札 6→4→5

 

結のデッキは、【宝玉獣】。破壊されることで永続魔法扱いで場に残る宝玉獣を利用し、特定の切り札に繋ぐデッキ。そして…アイツが、『絶対に変えない』と誓い、昔から使い続けているデッキでもある。

 

「そしてエメラルド・タートルが魔法・罠ゾーンに置かれた時、宝玉の樹の効果発動!このカードにジェムカウンターを1つ乗せる。さらに《宝玉獣 サファイア・ペガサス》を召喚!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサス 攻撃表示

ATK 1800

結 手札 5→4

 

「サファイア・ペガサスの効果発動!このカードが召喚された時、デッキから宝玉獣1体を永続魔法扱いで置くことができる。《宝玉獣 トパーズ・タイガー》を置くわ。サファイア・コーリング!」

 

サファイアをその羽に宿す天馬の嘶きに合わせ、トパーズの結晶が場に現れた。それに伴い、宝玉の樹の実がまたひとつ輝いた。

 

「これでジェムカウンターは2つ。ここで宝玉の樹の2つ目の効果!ジェムカウンターの乗ったこのカードを墓地へ送り、その時点で乗っていたジェムカウンターの数だけ宝玉を置く!《宝玉獣 アンバー・マンモス》、《宝玉獣 コバルト・イーグル》を置くわ。これで4つ!」

 

宝玉の樹が砕け散り、場にアンバー…琥珀とコバルトの結晶が現れた。ここまでは…順調、だな。

 

「そしてフィールド魔法《虹の古代都市-レインボー・ルイン-》を発動!」

 

そして場は、古めかしい広場のような舞台へと変わった。空には、雨の降った様子のない晴れ間にもかかわらず虹がかかっている。

 

「レインボー・ルインの効果発動!場に宝玉化した宝玉獣が4枚以上あるので、1枚ドロー!」

 

結 手札 4→3→4

 

「…なるほどね。魔法カード《レア・ヴァリュー》!さぁ、宝玉化したカードを1枚選びなさい。選ばれたカードを破壊して2枚ドローするわ」

「……」

 

…俺は、アイツらの効果を知っている。この場合、優先して残すべきなのは攻撃力が低く、防御寄りの効果を持つエメラルド・タートルと、宝玉をデッキトップに戻す効果を持つコバルト・イーグル。優先して破壊するべきなのは攻撃力強化を持つトパーズ・タイガー。だが…

 

「……俺は、コバルトを選ぶ」

「…あっそ。それじゃあコバルト・イーグルを破壊して2枚ドロー!」

 

結 手札 4→3→5

 

「…魔法カード《宝玉の導き》!宝玉化した宝玉獣が2体以上いる場合、デッキから新たな宝玉獣を呼び出す!仲間を導く伝説の獣、《宝玉獣 ルビー・カーバンクル》!」

 

宝玉獣 ルビー・カーバンクル 守備表示

DEF 300

結 手札 5→4

 

「ルビー・カーバンクルの効果、ルビー・ハピネス!このカードが特殊召喚された時、宝玉化した宝玉獣を可能な限り特殊召喚する!来なさい、トパーズ・タイガー!アンバー・マンモス!エメラルド・タートル!」

 

宝玉獣・トパーズ・タイガー 攻撃表示

ATK 1600

宝玉獣 アンバー・マンモス 攻撃表示

ATK 1700

宝玉獣 エメラルド・タートル 守備表示

DEF 2000

 

「壮観、だな。一気に3体のモンスターを展開か」

「…バトルフェイズ!トパーズ・タイガーで裏守備モンスターを攻撃!この瞬間、トパーズ・タイガーの効果発動!相手モンスターに攻撃する時、攻撃力が400アップする!」

 

宝玉獣 トパーズ・タイガー

ATK 1600→2000

 

「その牙でモンスターを引き裂け!トパーズ・バイト!」

「セットモンスターは、《E・HERO シャドー・ミスト》」

 

宝玉獣 トパーズ・タイガー

ATK 2000

E・HERO シャドー・ミスト

DEF 1500

 

「…墓地へ送られたシャドー・ミストの効果で、《E・HERO ソリッドマン》を手札に加える」

「まだ追撃の手はあるわよ!アンバー・マンモスで攻撃!アンバー・スタンプ!」

 

宝玉獣 アンバー・マンモス

ダイレクトアタック

ATK 1700

湊月 LP 8000→6300

 

「続きなさい、サファイア・ペガサス!サファイア・トルネード!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサス

ダイレクトアタック

ATK 1800

湊月 LP 6300→4500

 

「っ、もう半分近くか…」

「…メイン2。エメラルド・タートルの効果でアンバー・マンモスを守備表示に変更。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

モンスター ペガサス タイガー(攻撃表示) マンモス タートル カーバンクル(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

フィールド レインボー・ルイン

墓地 5

手札 2

デッキ 25

LP 8000

 

 

「…俺のターン、ドロー」

 

湊月 手札 3→4

 

「……っ!」

 

このタイミングで俺が引いたのは…《D-HERO Bloo-D》。このカードを…使うべき、なのだろうか…いや、使わない。何より俺自身が…使いたくは、無い。

 

「…《E・HERO ソリッドマン》を召喚!その効果で、手札の《E・HERO エアーマン》を特殊召喚!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示

ATK 1300

E・HERO エアーマン 攻撃表示

ATK 1800

湊月 手札 4→2

 

「さっきドローしたカード…もしかして…」

「特殊召喚されたエアーマンの効果!デッキから《E・HERO リキッドマン》を手札に!そしてリバースカードオープン、(トラップ)カード《戦線復帰》!守備表示でシャドー・ミストを蘇生する!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 守備表示

DEF 1500

湊月 手札 2→3

 

「モンスターが3体並んだ…やっぱり、来る!」

「特殊召喚されたシャドー・ミストの効果で《マスク・チェンジ》をサーチ、そして発動!エアーマンを墓地へ送り、同じ属性のM・HEROを特殊召喚する!」

 

E・HERO エアーマン 風属性

 

「纏いし仮面は風の証!吹き抜けるは神の風!変身召喚!《M・HERO カミカゼ》!」

 

M・HERO カミカゼ 攻撃表示

ATK 2700

 

湊月 手札 3→2

 

「なっ…!?」

「…バトルフェイズ!」

「待ちなさいよっ!!」

「…なんだよ」

「その手札、絶対Bloo-Dがいるでしょ!なのになんで使わないのよ!」

 

結は、唐突にそう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

西条さんが攻撃に移ろうとした最中、対戦相手の結さんがそれを止め、特定のカードを使わないことを責め立てています。それにしても…Bloo-Dとは…?

 

「……使いたくねぇんだよ。コイツだけは、使いたくねぇんだ…」

「っ、アンタ…まだ"お姉ちゃん"の事引き摺ってんの?いい加減、吹っ切りなさいよ!」

「お姉ちゃん…?」

「あっ、なるほど〜!」

 

何故か、結さんの言葉に茜さんが納得しています。その理由は、永遠さんが説明してくださいました。

 

「実はね、ここに来る前に私達でデュエルしてたの。その時に湊月君が使ったのがBloo-D。そのカードは湊月君曰く『元カノの持ち物』らしいんだよね。で、あの子の話をふまえると、どうやら湊月君の元カノはあの子のお姉ちゃんだと」

「なるほど…」

 

西条さんに彼女がいた、というのも意外ですが…なぜ彼女さんの持ち物を持ったまま別れてしまったのでしょうか?

 

「っ…吹っ切れるわけ、ねぇだろ!!アイツが…玖織(くおり)()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

「…………えっ?」

 

西条さんの、その言葉に、会場中が静まり返りました。冷たく、なる…と、いうことは…まさか……

 

「そうだよっ、お姉ちゃんは()()()()()()()()()()()()()()()!!それなのに、なんで未だに引き摺ってんのよ!!そんなんじゃ、お姉ちゃんも浮かばれないわよ!!」

 

………………そんな…まさか、死別……していたとは……

 

「…お前に、分かるかよ!未だに夢に見るんだ、あの瞬間を!玖織が、冷たくなる、息を引き取る、あの瞬間を!!その度に、あいつの冷たくなる感触を、嫌でも思い出すんだっ!!!」

「っ、それは…!」

「この気持ちをっ、この感情を分かんねぇ奴が口を出すんじゃねぇっ!バトルフェイズ!カミカゼでトパーズ・タイガーに攻撃っ!」

「っ!! アンバー・マンモスの効果!宝玉獣が攻撃される時、このカードに攻撃対象を変更する!」

「関係ねぇ!そんな奴ぶっ壊せ、カミカゼ!!」

 

M・HERO カミカゼ

ATK 2700

宝玉獣 アンバー・マンモス

DEF 1600

 

「っ、破壊されたアンバー・マンモスは宝玉化する!」

「ソリッドマンでルビーを攻撃!」

 

E・HERO ソリッドマン

ATK 1300

宝玉獣 ルビー・カーバンクル

DEF 300

 

「っ、ルビーも宝玉化!」

「リバースカードオープン!速攻魔法《マスク・チェンジ》!シャドー・ミストを変身させる!!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 闇属性

 

「纏いし仮面は闇の証!鬼の力、闇夜に映える!変身召喚!《M・HERO 闇鬼》!」

 

M・HERO 闇鬼 攻撃表示

ATK 2800

 

「闇鬼でサファイア・ペガサスに攻撃!!」

 

M・HERO 闇鬼

ATK 2800

宝玉獣 サファイア・ペガサス

ATK 1800

2800-1800=1000

結 LP 8000→7000

 

「…っ!! サファイア・ペガサスはそのまま墓地へ!」

「なら戦闘破壊した闇鬼の効果!デッキから最後の《マスク・チェンジ》を手札に!そして発動!ソリッドマンを変身させる!」

 

E・HERO ソリッドマン 地属性

 

「纏いし仮面は地の証!輝石の力で仲間を導け!変身召喚!《M・HERO ダイアン》!」

 

M・HERO ダイアン 攻撃表示

ATK 2800

湊月 手札 3→2

 

「魔法カードの効果で墓地へ送られたソリッドマンの効果!墓地のエアーマンを守備表示で特殊召喚!その効果でセットカード2枚とルビーを破壊!」

「けど1枚は囮よ!フィールドから墓地へ送られた《宝玉の解放》の効果!デッキから《宝玉獣 アメジスト・キャット》を宝玉化!」

「ダイアンでエメラルド・タートルに攻撃!!!」

 

M・HERO ダイアン

ATK 2800

宝玉獣 エメラルド・タートル

DEF 2000

 

「っ…エメラルド・タートルを宝玉化!」

「戦闘破壊したダイアンの効果!デッキから2体目のエアーマンを特殊召喚!その効果で《E・HERO オネスティ・ネオス》を手札に!!そしてトパーズ・タイガーを攻撃!」

 

E・HERO エアーマン

ATK 1800

宝玉獣 トパーズ・タイガー

ATK 1600

1800-1600=200

結 LP 7000→6800

 

「くぅっ…!トパーズを、宝玉化!」

「…これでターンエンド」

 

湊月

モンスター カミカゼ 闇鬼 ダイアン エアーマンA(攻撃表示) エアーマンB(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 7

手札 3

デッキ 28

LP 4500

 

 

「…何よ、なんなのよっ!!私のターン、ドロー!!」

 

結 手札 2→3

 

「レインボー・ルインの効果発動!宝玉化されたカードが4枚以上ある時、1枚ドローできる!」

 

結 手札 3→4

 

「…貴方が来てくれるのね。心強いわ。私の場と墓地に宝玉獣が7種類存在する時、このカードは特殊召喚できる!」

「来るね、宝玉獣の切り札」

「えっ…?」

 

宝玉獣の切り札…ですか?それは、どのような…

 

「永き時の旅路より蘇れ、宝玉を統べる虹の龍!《究極宝玉神 レインボー・ドラゴン》!」

 

その時、レインボー・ルインの空にかかる虹から白い龍が舞い降りてきました。その体には7つの宝石が嵌め込まれていて…とても、美しいです。

 

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 4000

 

「…攻撃力、4000の、モンスター…」

「すっご〜い!茜っち、アレすごいね!」

「そうだねー!けど私の相棒も負けてないもん!」

「茜ちゃんのは攻撃時限定でしょーに…」

「バトルフェイズ!レインボー・ドラゴンで闇鬼に攻撃!オーバー・ザ・レインボー!」

 

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン

ATK 4000

M・HERO 闇鬼

ATK 2800

4000-2800=1200

湊月 LP 4500→3300

 

「ぐぅっ…!」

「…メイン2、《宝玉の契約》を発動!宝玉化したアンバー・マンモスを守備表示で特殊召喚!さらにカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

西条さんのライフは既に半分を下回っています。ここから…どう逆転するのでしょうか…?

 

モンスター レインボー・ドラゴン(攻撃表示) マンモス(守備表示)

魔法・罠 アメジスト エメラルド トパーズ 伏せ1

フィールド レインボー・ルイン

墓地 10

手札 1

デッキ 22

LP 6800

 

 

 

 

 

☪︎

 

「…俺のターン…ドローッ!」

 

湊月 手札 3→4

 

…俺の手札はオネスティ・ネオス、リキッドマン、Bloo-D、そして今引いたカード…これで、戦う必要がある。だが…

 

(……おいそれと、玖織のカードを…アイツの形見を、使いたくはねぇんだよ…)

 

『玖織の形見であるBloo-Dは余程の緊急事態でない限り使わない』。そう、決めているのだ。

 

「……俺は」

 

ここで取れる選択肢は、3つ。

1つはリンク召喚。ダイアンと2体のエアーマンで《X・HERO ドレッド・バスター》を出してもいい。だがこの手を取ってもレインボー・ドラゴンは倒せない。

もう1つはBloo-Dの特殊召喚。だがこれは絶対に選ばない。これを選ぶくらいならサレンダーする。

だから…最後の1つを使う。俺が、ずっと隠し通してきたカードを、ここで使う。さぁ…お披露目だ。

 

「俺は、エアーマン2体でオーバーレイ!」

「っ、アンタがエクシーズを!?」

「2体のレベル4モンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!」

 

E・HERO エアーマン レベル4×2

 

こいつは、玖織にしか見せたことのない俺の鬼札(JOKER)。そして、俺以外の使用者を知らない…恐らくは、濡羽達の使うあのカード達と同質のカード。そいつの名は──

 

「深く愚かしい闇に抗う、反逆の黒牙!雷鳴と共に現れよ!ランク4、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!!」

「っ…未知の、エクシーズモンスター…!?」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。黒い身体に鋭い牙を携えた、俺の鬼札。そして、ずっと俺と共にある第2の相棒だ。

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

 

「…今日からお前もお披露目だ。さぁ、お前の力を見せつけてやれ!ダーク・リベリオンの効果発動!エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を2つ使い、相手のモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分ダーク・リベリオンの攻撃力をアップする!トリーズン・ディスチャージ!!」

 

ダーク・リベリオンの翼が大きく広がり、そこから放たれた電撃でレインボー・ドラゴンは弱体化した。そして、ダーク・リベリオンの力は相反するように増していった。

 

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン

ATK 4000→2000

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK 2500→4500

 

「これじゃあ…また…!」

「バトルフェイズ!ダーク・リベリオンでレインボー・ドラゴンを攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

ATK 4500

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン

ATK 2000

4500-2000=2500

結 LP 6800→4300

 

「きゃあっ!!」

「まだ、終わんねぇ!カミカゼでアンバー・マンモスを攻撃!」

 

M・HERO カミカゼ

ATK 2700

宝玉獣 アンバー・マンモス

DEF 1600

 

「っ、アンバー・マンモスはそのまま墓地へ送られるわ!」

「それならカミカゼの効果が発動する!」

「チェーンして(トラップ)カード発動!《究極宝玉陣》!宝玉獣が戦闘破壊された場合、手札・フィールド、そしてデッキのモンスターを素材に《究極宝玉神》を融合召喚する!」

「…っ、究極宝玉神の、融合だと!?」

「私はデッキに存在する7つの宝玉を融合する!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサス

宝玉獣 アメジスト・キャット

宝玉獣 ルビー・カーバンクル

宝玉獣 エメラルド・タートル

宝玉獣 トパーズ・タイガー

宝玉獣 アンバー・マンモス

宝玉獣 コバルト・イーグル

宝玉獣×7

 

「時の狭間に消えし宝玉がここに集い、空間を超えて神を呼ぶ!解き放て、虹の力!融合召喚!新たなる伊吹、《究極宝玉神 レインボー・オーバー・ドラゴン》!」

 

究極宝玉神 レインボー・オーバー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 4000

 

「レインボー・オーバー…だが、突破はできる!チェーン処理でカミカゼの効果、1枚ドロー!」

 

湊月 手札 4→5

 

「続け、ダイアン!レインボー・オーバーに攻撃!この瞬間、オネスティ・ネオスの効果発動!」

「…虹の輝きは衰えない!レインボー・オーバーの効果発動!融合召喚したこのカードをリリースすることで、場の全てのカードをデッキに戻す!レインボー・フューチャー・ドライブ!!」

「なっ…!」

 

レインボー・オーバーの身体が七色に輝き、俺の場の英雄達もダーク・リベリオンも…結の宝玉達とレインボー・ルインさえもデッキに戻してしまった。

 

「っ…メイン2!《E・HERO リキッドマン》を召喚!その効果で墓地のエアーマンを蘇生!さらにエアーマンの効果で《E・HERO ブレイズマン》を手札に加える!」

 

E・HERO リキッドマン 攻撃表示

ATK 1400

E・HERO エアーマン 攻撃表示

ATK 1800

 

「…カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

湊月

モンスター リキッドマン エアーマン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 10

手札 3

デッキ 25

LP 3300

 

 

「アンタには、絶対負けない…!私のターン、ドロー!」

 

結 手札 1→2

 

「…カードを1枚、セット。《宝玉獣 サファイア・ペガサス》を召喚!最後の、1枚よ!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサス 攻撃表示

ATK 1800

結 手札 2→0

 

「サファイア・ペガサスの効果、サファイア・コーリングを再び発動!デッキに眠る最後の《宝玉獣 トパーズ・タイガー》を宝玉化!そしてバトルフェイズ!サファイア・ペガサスでリキッドマンを攻撃!サファイア・トルネード!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサス

ATK 1800

E・HERO リキッドマン

ATK 1400

1800-1400=400

湊月 LP 3300→2900

 

「グッ…だが、まだ、やれるぞ!」

「…っ…ターンエンドよ!」

 

モンスター ペガサス(攻撃表示)

魔法・罠 トパーズ 伏せ1

墓地 20

手札 0

デッキ 17

LP 4300

 

 

「俺の、ターン…ドロー!」

 

湊月 手札 3→4

 

「…《E・HERO ブレイズマン》を召喚!その効果で《融合》を手札に!」

 

E・HERO ブレイズマン 攻撃表示

ATK 1200

湊月 手札 4→3→4

 

「…まだ、続けるぜ。《融合》!手札の《E・HERO オーシャン》と《E・HERO フォレストマン》で融合!」

 

E・HERO オーシャン 固有名称指定

E・HERO フォレストマン 固有名称指定

 

「星を司る守護者、今ここに覚醒する!アースの加護を受け出陣せよ!融合召喚!地球のプラネットシリーズ、《E・HERO ジ・アース》!」

 

E・HERO ジ・アース 攻撃表示

ATK 2500

湊月 手札 3→1

 

「ジ・アースの効果、地球灼熱(ジ・アース・マグマ)!場のE・HEROをリリースすることで、ターン終了時までその攻撃力を上乗せする!ブレイズマン、力を貸せ!」

 

ジ・アースはブレイズマンの力を取り込み、炎…いや、マグマの鎧と剣を纏った姿になった。あれこそ、ジ・アース本来の姿だ!

 

E・HERO ジ・アース

ATK 2500→3700

 

「バトルフェイズ!ジ・アースでサファイア・ペガサスを攻撃!地球灼熱斬(アース・マグナ・スラッシュ)!」

 

E・HERO ジ・アース

ATK 3700

宝玉獣 サファイア・ペガサス

ATK 1800

3700-1800=1900

結 LP 4300→2400

 

「サファイア・ペガサスは、宝玉化しないわ!」

「続け、エアーマン!」

「…この瞬間、リバースカードオープン!《虹の行方》!トパーズ・タイガーを墓地へ送り、その攻撃を無効にする!そしてデッキからレインボー・ドラゴンを手札に加える!」

「っ…ターンエンドだ」

 

E・HERO ジ・アース

ATK 3700→2500

 

湊月

モンスター ジ・アース エアーマン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

墓地 15

手札 1

デッキ 24

LP 2900

 

 

「…私のターン、ドロー!」

 

結 手札 1→2

 

「条件は整っている。再び現れて、レインボー・ドラゴン!」

 

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン 攻撃表示

ATK 4000

結 手札 2→1

 

「そして《貪欲な壺》!墓地のサファイア・ペガサス、ルビー・カーバンクル、トパーズ・タイガー、レインボー・オーバー、コバルト・イーグルの5枚を戻して2枚ドロー!」

 

結 手札 1→0→2

 

「……この、2枚は…ふふっ、なるほどね…貴方達は、それが答えだと思ってるのね」

「…結…?」

「私が…そしてアンタが迷ってる間にこの子達は答えを出したわ。『アンタがこっちに戻るつもりがないのなら私がそっちまで堕ちればいい』ってね」

「なっ、お前っ!!」

「これが、私の覚悟よ!フィールド魔法《アドバンスド・ダーク》発動!!」

 

結の発動したそのフィールド魔法…それにより、俺たちの周りは闇に包まれた。何も見えない…暗い、暗い闇に。

 

「こ…こいつは…!?」

「このカードがある限り、私の宝玉獣達は闇に堕ちる。そして、墓地の闇属性モンスター7種類を除外することでこのカードを特殊召喚できる!」

「…っ、その、条件は…!?」

「心の闇を写し取る黒き龍。虹を侵食し現れよ!《究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン》!!」

 

そこに現れたのは…黒く染まった、レインボー・ドラゴンだった…

 

究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン 攻撃表示

ATK 4000

 

「レインボー…ダーク…」

「……ねぇ、湊月。私ね、気付いてたわよ。私とやる時、いつも手を抜いてたでしょ?」

「…っ!? んなわけ…!」

「今回だけでも複数回、納得のいかない行動があったわよ。最初のターン、何らかの手段でルビーが出れば宝玉化したトパーズ・タイガーが出てくる。アンタはそう分かってるはずなのにレア・ヴァリューで敢えてあの中で使い道に乏しいコバルト・イーグルを破壊した。ダイアンで攻撃力の下がったレインボー・ドラゴンを、オネスティ込みで破壊していればそこからエアーマンを展開して、私の伏せカードを破壊できた。そうすればレインボー・オーバーが出ることはなく、ダーク・リベリオンのダイレクトアタックで私を倒せた。そうでなくてもダーク・リベリオンの効果を使った後にリキッドマンでエアーマンを蘇生していれば、もっと安全に攻撃ができた。さっきのターンだってジ・アースの効果を使わずにエアーマンとブレイズマンでダーク・リベリオンを出して効果を使っていれば、ダメージ合計は5000。結果的には不可能だったけどライフ計算上は私を倒しきれた。けどアンタは…そのどれも選択せず、私が有利となるような選択をした。それは、手を抜いている以外の何物でもないのよっ!!」

「……っ、それ、は…」

 

……実際のところ、結の推測は、正しい。俺は…結と戦う時、いつも手を抜いている。その理由は…分かっている。分かり、きっている。

 

(…なぁ、玖織…俺は一体…どこで間違えたんだ…?)

 

「…もう、終わらせるわ。レインボー・ダークの効果発動。墓地の闇属性モンスターを全て除外し、除外した枚数×500ポイントの攻撃力を加える。今回除外するのは6体。よって3000アップするわ。シャドウ・レインボゥ!」

 

究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン

ATK 4000→7000

 

「終幕のバトルフェイズ!レインボー・ドラゴンでジ・アースを攻撃!オーバー・ザ・レインボー!」

 

究極宝玉神 レインボー・ドラゴン

ATK 4000

E・HERO ジ・アース

ATK 2500

4000-2500=1500

湊月 LP 2900→1400

 

「……終わらせなさい、レインボー・ダーク!エアーマンを攻撃!オーバー・ザ・ダークレインボー!」

 

レインボー・ダークから放たれる黒い奔流にエアーマンが飲み込まれ、その余波で俺のライフも尽きた。だが…何故か視界が歪んでいて、その光景は、よく見えなかった。

 

究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン

ATK 7000

E・HERO エアーマン

ATK 1800

7000-1800=5200

湊月 LP 1400→-3800

 

ゲームエンド

WINNER 碧乃結

 

 

 

 

 

「そこまで!勝者、碧乃選手…なんだけど…進めづらいね…暗い話も出たし、見たことないカードも出たし…」

「…湊月…」

「…………」

 

試合が終わって、俺は黙って結に背を向けた。

 

「湊月っ!」

「……勝ったんだからな。次、頑張れよ」

 

それだけ言って、フィールドを立ち去った。

 

「……あ、神名さん」

 

出口には、何故か神名さんが待っていた。

 

「西条さん…その…」

「……ちょうど良かったですよ。このカード、渡しておきます」

 

俺は有無を言わさず、1枚のカードを神名さんに預けた。それは──

 

「ダーク・リベリオン…う、受け取れませんよ、このカードは、西条さんの…!」

「俺は、活躍させてやれませんでしたから。代わりに、活躍させてやってください。あと、聖川達にも断りを入れて置いてください。すこし…1人になりたいんで」

 

一方的に捲し立てて、俺はその場を立ち去った。そして、俺は1枚のカードを思い出していた。

 

(…玖織…お前にあのカードを渡していたら…違う未来はあったのか…?お前に、『希望』を…託せたのか?)

 

そう考えながら、デッキに組み込んでいなかった1枚のカードをポケットから取り出した。

そのカードは、N()o().3()9()と銘打たれている。




E・HEROvs宝玉、十代とヨハンを思わせる対決は宝玉の勝利、なのですが…本編でも言及したように湊月君は手を抜いています。その理由は一応次回。
前回のスターヴ・ヴェノムの精霊、そして新たな力グリーディー・ヴェノムに引き続きダーク・リベリオンの登場、そして第二章の主軸となる『No.』の初出がまさかの湊月君。けど湊月君自身『No.39』にはいい思い出がなさそうですね…? その理由も次回。
それではカード紹介。

「ではカード紹介を始めます。今回は私、神名優姫と」
「聖川小春でしま〜す♪ 湊月っち、大丈夫かな〜?」
「どう、なのでしょうか…私としては不安です」
「ん〜、まぁ湊月っちなら多分大丈夫ですよ〜。それで、今回はどんなカードを紹介しますか〜?」
「…そう、ですね。今回はこのカード、《宝玉獣 サファイア・ペガサス》をご紹介します」

宝玉獣 サファイア・ペガサス
効果モンスター
星4/風属性/獣族/攻1800/守1200
(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「宝玉獣」モンスター1体を選び、
永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
(2):表側表示のこのカードがモンスターゾーンで破壊された場合、
墓地へ送らずに永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「宝玉獣の主力!下級宝玉獣の中でも特に高い攻撃力に扱いやすい宝玉化効果持ちだよ〜!」
「破壊された際の置換効果は宝玉獣共通の効果です。このカードを出すだけで宝玉神に繋ぎやすくなる、文句なしの必須カードです」
「レベル4だからエクシーズにも繋ぎやすい!チューナー採用型だとシンクロ先も豊富だもんね〜」
「欠点らしい欠点の見つからない、優秀なモンスターです。欠点らしい欠点といえば、(1)の効果が『時の任意効果』なのでタイミングを逃す場合がある、ということでしょうか」
「そうですね〜。それじゃあまた次回だよ!」


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五十一枚目:忘れられない過去

今回は基本的に湊月君の独白回です。多くは語りません。そして多分重いです。
それでは本編。


☪︎

 

──少しだけ、過去について語ろう。

俺と結との間で交わされた会話の主軸である彼女の名は碧乃(あおの)玖織(くおり)。俺の元彼女であり…故人だ。

玖織と出会ったのは幼少期の頃…小学1年の頃だ。その頃に俺は別の街からフルーナシティに引っ越してきたばかりで、街の地理も分からず道に迷っていた。どこに行く訳でもないが迷っていた俺を見つけ出し導いてくれたのが、玖織だった。玖織は右も左も分からない俺の手を引いて、プリズムとは別のカードショップまで導いてくれた。その店は今でも贔屓にしている。そしてその店で俺は【E・HERO】とクリボーダー…そして、ダーク・リベリオンと出会った。

それから俺は地域の小学校に転入し、玖織が1学年上のいわゆる先輩であると知った。そして、俺より1つ下の妹…つまり、結がいることも。俺達は自然と3人で遊ぶようになり、長い時を共に過した。その中で俺は自然と、玖織に惹かれていった。

小学3年に上がってから、俺は玖織に告白した。玖織の方も快く承諾してくれて、俺達は付き合うことになった。ただ、付き合う条件として玖織の望むデッキを作ってくれと頼まれた時には悩んでしまった。あいつのやりたいことはめちゃくちゃ過ぎて必死になって組んでいた。そうして組み上げたのが、Bloo-Dが本来組み込まれるべきデッキ、【D-HERO】だった。

玖織本人がカード自体に興味があることもあり、俺達はたまにカードのデザインコンテストに応募することもあった。ただ俺達は応募すること自体を楽しんでいたから、結果は気にしていなかった。とはいっても、当選して実際にカード化された場合はある程度の量が手元に届くから合否はそれで判明するんだがな。

それからさらに時はすぎ、小学5年の時に、全てが変わった。玖織が倒れて入院することになったんだ。その時に玖織の親から聞かされたのは…玖織が、不治の病であるということ…そして、余命は、もってあと2年、ということだった。

それから俺は毎日のように玖織の元に通い、玖織を勇気づけようとした。色んなカードを持ち込んだし、色んな話もした。過去の話も、今の話も…未来の話だってした。玖織にせがまれてカードのイラストを描いたりもしたし、デザインコンテストに応募しては一喜一憂した。そうして何とか玖織を元気にしようと過ごし続けて…2年。俺が中学生になって初めての夏を迎えた時、その日が来てしまった。それ以前からだんだんと玖織は生気が抜けていっており、目も見えなくなっていた。ギリギリ耳が聞こえ、触覚が残っていたことから俺がいる間は玖織の手を握って話しかけ続けていた。その日も、ずっとそうして語りかけていた。不意に玖織が話の合間に割り込んで、こう言った。

 

「今までありがとう。結のこと、みんなのこと、お友達のこと…よろしくね」

 

…そう言って、玖織は見えなくなった目を閉じた。どれだけ語りかけても起きる気配はなく、だんだんと握りしめた手は冷たくなっていった。その部屋も、外も、嫌になるような暑さなのに、玖織の手は酷く冷たくて、俺は、その事実を認めたくなくて、必死に声をかけ続けていた。玖織の家族が来て、結が遅れて来て、主治医の人が来て、俺の親が来てようやく、俺は玖織から離れた。

その日、玖織は14歳の若さで亡くなった。

葬儀の日、玖織のご両親から俺宛ての遺書と共に【D-HERO】のデッキを手渡された。虚ろな目で遺書に目を通した俺は…何度目になるか分からない、涙を流すことになった。

 

『湊月へ

この手紙を読んでるってことは、私は死んじゃったってことだよね。もっと湊月と一緒にいたかったけど、残念だなぁ。でも私の代わりに私のお友達が、D-HERO達がきっとそばにいてくれるよね。それにあの子達もいるから、大丈夫だよね。けど【D-HERO】は湊月が組んだデッキだから、好きなようにしていいよ。湊月が使ってもいいし、ずっと持ってるだけでもいい。手放してもいいけど…その代わり、Bloo-Dだけは持っててほしいかなぁ。その子は私のお気に入りだもん。けど…きっといつか、目も見えなくなって、その子達の事も…湊月の顔も、見れなくなっちゃうんだよね…そう思うと、寂しいかな。ねぇ、湊月。私はもう君と未来へは行けないけど、君はちゃんと未来に向かって歩んでいってね。ずっとずっと、大好きだよ、湊月。

追記 結のこと、ちゃんと守ってあげてね。約束だよ』

 

この遺書に遺された玖織との約束が、結とのデュエルで手を抜く要因になっている。俺にとって結は、守るべき相手だから、本気を出せない。本気を出して勝って、傷つける訳にはいかなかったから。けど結局…手を抜いたせいで俺は、結を傷つけてしまっていた。

 

葬儀の帰り、何気なく通った道で俺は1枚のカードを拾った。拾った時点では白紙だったのだが、急に光輝いたと思ったら、『No.39』…そして、『希望皇』の名だけが読み取れるエクシーズモンスターとなった。玖織を喪い『絶望』している俺に、『希望』を見せつけるソイツを、俺は好きにはなれなかった。そして同時に、「玖織にこのカードを渡せていたら、少しは結末が変わったのだろうか」と、考えてしまった。そう思うと、そのカードを手放すことが出来なくなった。

結局、『No.39』と【D-HERO】は今もなお俺の手元に遺されている。そして俺は、未来へは歩めていない。俺の心は、あの日から、ずっと、止まったままなのだから──

 

 

 

「あれ、湊月君。どうしたの、こんなところで?大会はまだ続くよね?」

 

あの頃を思い返していた時に、会場の外にいた柊真さんと出会った。

 

「…柊真さんこそ、外で何してんすか?」

「僕?僕はちょっと外の空気を吸いたくてね。それで…その手に持ってるカー…ド…」

 

俺の持つ『No.』を見たであろう柊真さんは、何故か言葉に詰まっていた。

 

「…? いや、これは…」

「………湊月君、デュエルしよっか。そのカードを使って」

「……は?」

 

柊真さんは、No.を見たと思ったら急にデュエルを挑んできた。それも、殺気立った感じで。

 

 

 

 

 

 

西条君が不安だからと迎えに行った優姫は、1枚のカードを手に持ったまま1人で帰ってきた。優姫曰く、『1人になりたいからと、ダーク・リベリオンを託してどこかへ行ってしまった』らしい。無理も、ないわね。

 

「…さて、しんみりした空気をとり払おう!これで一回戦目は全て終了!続くのは二回戦!まずは第一試合、【海晶乙女】vs【霊神】!マリー・リュクス・ミネルヴァ選手と天魅(あまみ) 睦也(むつや)選手はスタジアムへ!第二回戦は【彼岸】vs【ライトロード】!赤花(あかばな) (めぐる)選手と輝琉 ライン選手は準備しておいてね!」

 

次のマリーさんの相手は天魅 睦也君。彼の姓は聞いたことがあるのだけれど…まさか、ね。

 

「…で、では、行ってきます!」

「はぁ…あの空気の後にデュエルするのキツイんだけど…ま、行ってくるわ」

「い、行ってらっしゃ〜い…」

「…優姫、本当に彼は大丈夫なの?」

「分かりません…ですが、預かったカードは大切に使わせていただく所存です」

「…そう」

 

…彼は、立ち直れるのかしら。こんな時、星風くんならどうするのかしらね。

 

(…どうしていつも、困ったことがあると星風くんの事ばかり考えてしまうのかしらね…?)

 

その理由を、この問に対する答えを、私は知らない。

 

「さあ、それじゃあ第二回戦の開幕だよ!第一試合はマリー選手vs睦也選手!2人とも準備はいい?」

「はい、大丈夫です!」

「こちらも万全だ」

「OK!2人の確認もとったし始めるよ!デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!」」




次回は海晶乙女vs霊神。今回もマリーさんは勝てるのでしょうか。
今回明かされた湊月君の過去、そして切り札や相棒、『No.』との出会い。書いてて若干心苦しかったです。
最後に現れた柊真さんの発する不穏な空気。彼も何かを秘めているようですね。
それではカード紹介へ。

「さてさて、カード紹介のお時間だよ。今回は私、松瀬 永遠と──」
「俺、ヤクモで行う。まさかお前と組むとはな」
「それ、こっちのセリフー。それで、今回はどれを?」
「個人的に興味のある1枚だ。今回は《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》だ」

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
レベル4モンスター×2
(1):このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力を半分にし、
その数値分このカードの攻撃力をアップする。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「うっわぁ、汎用的な効果だね。一度に素材を2つ使うってのはちょっと重いけど、永続的なフォースは強いよ」
「効果を使わずともそこそこある攻撃力は魅力的だな。また、この効果はターンに一度の制限がない。素材を補充出来れば連続で使えそうだな」
「ロマンの域を出ないけどねー。さて、次回は私の友達になったマリーちゃんのデュエル。対戦相手は霊神使いの子なんだってね」
「霊神か。どこまで扱いこなせているのか見物だな。次回が楽しみだ」


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五十二枚目:二・第一線 海姫vs六神

準々決勝、1回戦です。
今回戦うのはマリーさん。お相手は【霊神】。回すのに苦労しました。
では本編へ。


デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 マリー・リュクス・ミネルヴァ

後攻 天魅 睦也

 

デュエル開始

 

 

 

「先攻は貰いますね」

「構わない、こちらが後攻になろう」

「では行きますね。手札から《海晶乙女パスカルス》を召喚します!」

 

海晶乙女パスカルス 攻撃表示

ATK 1200

マリー 手札 5→4

 

「パスカルスの効果で手札から《海晶乙女バシランリマ》を特殊召喚します!」

 

海晶乙女バシランリマ 守備表示

DEF 2100

マリー 手札 4→3

 

「開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』。ワタシはパスカルスをリンクマーカーにセット。リンク召喚!リンク1、《海晶乙女ブルースラッグ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女ブルースラッグ リンク1 ↓

ATK 1500

 

「ブルースラッグの効果です。ターン終了時まで水属性しか特殊召喚出来なくなるかわりに、墓地からブルースラッグ以外のマリンセスを手札に加えます。墓地のパスカルスを手札に!」

 

マリー 手札 3→4

 

「再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシはシーホースをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク1、《海晶乙女シーエンジェル》、ON STAGE!」

 

海晶乙女シーエンジェル リンク1 ←

ATK 1000

 

「シーエンジェルがリンク召喚に成功した時、デッキからマリンセス魔法カードを手札に加えることが出来ます。ワタシは《海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)》をサーチします。そしてそのままバトルオーシャンを発動!」

 

ここまではいい流れ。ブルータン初動では無いにせよ、理想的な動きが出来ているわね。

 

「3度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはシーエンジェルとブルースラッグをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女コーラルアネモネ リンク2 ←↓

ATK 2000

 

「コーラルアネモネの効果で墓地から攻撃力1500以下のモンスターを特殊召喚します。ブルースラッグを特殊召喚!そして4度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!リンク2のコーラルアネモネとリンク1のブルースラッグをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク3、《海晶乙女マーブルド・ロック》、ON STAGE!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック リンク3 ←↓→

ATK 2300

 

「この瞬間、バトルオーシャンの効果が発動し、マーブルド・ロックに3体の海晶乙女リンクモンスターを装備します。これでマーブルド・ロックの攻撃力は累計2000アップです!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 2300→4300

 

流石ね。ここまでは本当に理想通りの展開。欲を言えばワンダーハートかグレート・バブル・リーフ辺りまでは繋いでほしかったけれど、高望みというものよね。

 

「ワタシはカードを1枚伏せてターンエンドです!」

 

マリー

モンスター マーブルド・ロック(攻撃表示)

魔法・罠 ブルースラッグ・シーエンジェル・コーラルアネモネ(装備:マーブルド・ロック) 伏せ1

フィールド バトルオーシャン

墓地 1

手札 3

デッキ 34

LP 8000

 

 

「なるほど、なかなかの展開力だ。俺のターン、ドロー」

 

睦也 手札 5→6

 

「ふむ、これを先に使うか。《手札断殺》。お互いに2枚捨てて2枚ドローするカードだが、止めるか?」

「…いえ、止めません。ワタシは《海晶乙女クラウンテイル》と《海亀壊獣ガメシエル》を捨てて2枚ドローします」

「壊獣を捨てるか。俺は《エレメントセイバー・ナル》と《エレメントセイバー・マカニ》を捨てて2枚ドローだ」

 

マリー 手札 3→1→3

睦也 手札 6→5→3→5

 

「今し方引いた《増援》を発動する。《エレメントセイバー・ラパウィラ》を手札に加える。そしてフィールド魔法《霊神の聖殿》を発動する」

 

睦也 手札 5→4

 

「これで準備は整った。手札の《エレメントセイバー・ウィラード》の効果発動。手札のエレメントセイバー2体を墓地へ送ることで特殊召喚できる。だがここで霊神の聖殿の効果を適用する。1ターンに1度、エレメントセイバーが効果を発動するためのコストをデッキから墓地へ送ることで代用する。これによりデッキの《エレメントセイバー・マロー》と《エレメントセイバー・アイナ》を墓地へ送り、《エレメントセイバー・ウィラード》を特殊召喚する」

 

エレメントセイバー・ウィラード 攻撃表示

ATK 2400

睦也 手札 4→3

 

「ウィラードの効果は、特殊召喚するために墓地へ送られたエレメントセイバーの属性により変化する。地属性と炎属性を墓地へ送った場合は、戦闘及び効果では破壊されなくなる」

「っ、ふたつの破壊耐性ですか。厄介ですね…」

「さらに《エレメントセイバー・ラパウィラ》を通常召喚」

 

エレメントセイバー・ラパウィラ 攻撃表示

ATK 400

睦也 手札 3→2

 

「攻撃力400のモンスターを、攻撃表示で?」

「この局面ではコイツが重要なのさ。魔法カード、《サンダーボルト》。相手のモンスターを全て破壊する。クリスタルハートを素材にしていないマリンセスは、バトルオーシャンでは守れないだろう?」

「っ…それは、通せません!手札から《海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)》を発動します!ウィラードの効果を無効にし、ワタシの海晶乙女はサンダーボルトの効果を受けません!」

「そう来ると思っていた。チェーンしてラパウィラの効果だ。手札の《エレメントセイバー・モーレフ》を捨てて、(トラップ)の発動を無効にする。これで結果的にサンダーボルトが有効になる」

「っ…それが、ラパウィラを召喚した理由…!」

「その通り。全て破壊させてもらうぞ!」

 

マリーさんの使った海晶乙女波動はラパウィラから放たれた雷により粉砕された。そしてマリーさんのモンスター達も、ラパウィラとは別種の雷により消し飛んだ。

 

「これでバトルフェイズに入る。ウィラードとラパウィラでダイレクトアタックする!」

 

エレメントセイバー・ウィラード

ダイレクトアタック

ATK 2400

エレメントセイバー・ラパウィラ

ダイレクトアタック

ATK 400

マリー LP 8000→5600→5200

 

「きゃあっ!」

「さて、ここからどうするか、とは悩むまい。手札もないのだからな。このままターン終了だ」

 

睦也

モンスター ラパウィラ ウィラード(攻撃表示)

魔法・罠 なし

フィールド 聖殿

墓地 8

手札 0

デッキ 29

LP 8000

 

 

「ワタシのターン、ドロー!」

 

マリー 手札 2→3

 

「さっきはいいようにされちゃいましたけど、挽回します!パスカルスを再び召喚して、手札の《海晶乙女ブルータン》を特殊召喚します。そしてブルータンの効果を発動し、その効果でデッキの《海晶乙女シーホース》を墓地へ」

 

3ターン目だけれど、いつもの初動に辿り着けたみたいね。ここから今回はどう展開するのかしら。

 

「ここからは、ワタシの新しいお友達を紹介します。開いて、新たな海へのサーキット!召喚条件は『サイバース族モンスター2体』。ワタシはブルータンとパスカルスをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来て、リンク2。《サイバース・ウィッチ》、ON STAGE!」

 

サイバース・ウィッチ リンク2 ↙↓

ATK 800

マリー 手札 3→1

 

「サイバース・ウィッチだと…?闇属性のリンクモンスターをわざわざ海晶乙女デッキに…?」

「そして手札の《死者蘇生》を発動します。墓地のブルータンを特殊召喚!」

 

海晶乙女ブルータン 守備表示

DEF 1200

マリー 手札 1→0

 

「ここでサイバース・ウィッチの効果を発動!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地の魔法カード、死者蘇生を除外することでサイバース族の儀式モンスターである《ウォーターリヴァイアサン@イグニスター》と、儀式魔法である《サイバネット・リチューアル》を手札に加えます!」

 

マリー 手札 0→2

 

「っ、いきなり2枚も手札に加えるだと!?」

「さらにサイバース・ウィッチの効果は続きます!この効果を使ったターン、墓地のレベル4以下のサイバース族モンスターを特殊召喚できます。もう一度お願い、パスカルス!そして儀式魔法《サイバネット・リチューアル》!場のブルータンとパスカルスを用いてサイバース族の儀式召喚を執り行います!」

「手札には、先程加えたカードが…!」

 

海晶乙女ブルータン レベル3

海晶乙女パスカルス レベル4

サイバネット・リチューアル サイバース族制限

レベル7 サイバース族 儀式召喚

 

「蒼く深い海に眠るワダツミよ。今こそ眠りより目覚め、母なる海を守り給え!儀式召喚!レベル7、《ウォーターリヴァイアサン・@イグニスター》、ON STAGE!」

 

ウォーターリヴァイアサン@イグニスター 攻撃表示

ATK 2300

マリー 手札 2→0

 

「まさか、海晶乙女で儀式召喚が拝めるとはな。だが攻撃力は2300。ウィラードは越えられない」

「そんなことはありません。ウォーターリヴァイアサンの効果を発動します!儀式召喚された時、攻撃力2300以下のモンスター全てを手札に戻します!」

「っ、だがそれで戻るのはラパウィラだけ。やはりウィラードは突破できない」

「…ウィラードは、戦闘と効果では破壊されないんでしたよね?」

「? あぁ、そうだが?」

「他に効果はありますか?」

「…いや、無い。強いて言うならば、光・闇属性をコストに特殊召喚していたならば効果の対象にならなかったが…」

「ではその選択が命取りになりますね。ウォーターリヴァイアサンの2つ目の効果を発動します。墓地のリンクモンスターを全てエクストラデッキに戻すことで、相手モンスター1体の攻撃力を永続的に0にします!」

「何っ!?」

 

ウォーターリヴァイアサンの起こした波は初めにラパウィラを遠くへと押し流し、その並に飲み込まれたウィラードは己の足で立つことが出来ずに膝をついた。武器も落としているし、太刀打ち出来そうにないわね。

 

エレメントセイバー・ウィラード

ATK 2400→0

 

「バトルフェイズです!ウォーターリヴァイアサンとサイバース・ウィッチでウィラードに攻撃します!」

 

ウォーターリヴァイアサン@イグニスター

ATK 2300

サイバース・ウィッチ

ATK 800

エレメントセイバー・ウィラード

ATK 0

(2300+800)-0=3100

睦也 LP 8000→4900

 

「くっ…」

「確かにウィラードは戦闘と効果で破壊されません。けど攻撃力が0であるならば、そのモンスターは何もできません!ワタシはこれでターンエンドです!」

 

マリー

モンスター ウィッチ ウォーターリヴァイアサン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ1

フィールド バトルオーシャン

墓地 12

除外 1

手札 0

デッキ 38

LP 5200

 

 

「流石に、効くな。俺のターン、ドローだ」

 

睦也 手札 1→2

 

「…なるほど。モンスターを伏せて、ウィラードを守備表示に変更。ターンエンドだ」

 

睦也

モンスター ウィラード(守備表示) 伏せ1

魔法・罠 なし

フィールド 聖殿

墓地 8

手札 1

デッキ 28

LP 4900

 

 

「ワタシのターンです。ドロー!」

 

マリー 手札 0→1

 

「…あのカードは、きっと…よし、カードを1枚伏せてバトルフェイズです!サイバース・ウィッチでセットモンスターを攻撃します!」

「──なかなか冴えた読みをしている。セットモンスターは《メタモルポット》。そのリバース効果によりお互いに手札を全て捨て、新たに5枚ドローする」

「やっぱり、それですよね!」

 

マリー 手札 0→5

睦也 手札 1→5

 

「…メイン2。カードを2枚伏せてターンエンドします」

 

マリー

モンスター ウィッチ ウォーターリヴァイアサン(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ4

フィールド バトルオーシャン

墓地 12

除外 1

手札 3

デッキ 32

LP 5200

 

 

「さて、予想外に追い詰められたな。俺のターン、ドロー」

 

睦也 手札 5→6

 

「これだけ引けば、お前が来るだろうな。さぁ、頼むぞ」

「っ、何か、来る──」

「俺は墓地のナル、アイナ、マロー、ラパウィラの効果を発動する。下級エレメントセイバーの共通効果として、1ターンに1度、墓地に存在する場合に属性を変更できる。これによりこの4体を『風属性』に変更する」

「墓地での属性変換…?それに、なんの意味が…」

「これで俺の墓地に風属性モンスターが5体。今こそ顕現せよ、風の力纏いし霊験あらたかな神!《風霊神ウィンドローズ》、来ませい!!」

 

風霊神ウィンドローズ 攻撃表示

ATK 2800

睦也 手札 6→5

 

「霊神は過去に一度禁じられた(禁止指定を経験した)カード達の力を秘めている。ウィンドローズが司るのは、《ハーピィの羽根帚》。よって相手の魔法・罠カード全てを破壊する!」

「っ!! 通し、ます!」

 

ウィンドローズの召喚により睦也君が圧倒的に優勢になった。4枚のセットカードとバトルオーシャンを破壊されたマリーさんは、3枚の手札とサイバース・ウィッチ、ウォーターリヴァイアサンで防がなければならない。けどウィンドローズはウォーターリヴァイアサンの攻撃力を上回り、大抵のエレメントセイバーはサイバース・ウィッチを破壊できる。盤面は、一掃されてもおかしくない。

 

「…この手札なら、そういう手も悪くは無いか。普段ならしないが、こういう場だ。やっても悪くは無いだろう。《手札抹殺》だ」

「……ここで、手札抹殺…?」

「お互いに全ての手札を捨て、捨てた枚数分ドローするぞ」

 

睦也 手札 5→4→0→4

マリー 手札 3→0→3

 

「ふっ、俺のデッキはよく回ってくれるな。墓地に残っているマカニとモーレフ。そして今し方捨てたマローとアイナの効果を発動。今回は『水属性』を選択する」

「今度は水…まさか!?」

「もう1枚、俺が捨てたカードにナルがいる。これにより墓地には5体の水属性が存在する。水の力纏いし霊験あらたかな神!《氷霊神ムーラングレイス》、来ませい!!」

 

氷霊神ムーラングレイス 攻撃表示

ATK 2800

睦也 手札 4→3

 

「ムーラングレイスが司るのは、《いたずら好きな双子悪魔》。相手の手札2枚をランダムに捨てさせる!」

「っ、そんな…!」

 

マリー 手札 3→1

 

「残り手札が1枚に…」

「手加減も容赦もしないがな。さらに《エレメントセイバー モーレフ》を召喚する」

 

エレメントセイバー モーレフ 攻撃表示

ATK 1900

睦也 手札 3→2

 

「バトルフェイズ。2体の霊神でモンスターを攻撃する」

 

風霊神ウィンドローズ

ATK 2800

ウォーターリヴァイアサン@イグニスター

ATK 2300

2800-2300=500

氷霊神ムーラングレイス

ATK 2800

サイバース・ウィッチ

ATK 800

2800-800=2000

マリー LP 5200→4700→2700

 

「きゃあっ!」

「さらにモーレフでダイレクトアタック」

 

エレメントセイバー モーレフ

ダイレクトアタック

ATK 1900

マリー LP 2700→800

 

「メイン2。レベル8のウィンドローズとムーラングレイスでオーバーレイ。2体のレベル8モンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚」

 

風霊神ウィンドローズ レベル8

氷霊神ムーラングレイス レベル8

 

「《神竜騎士フェルグラント》、神竜に仕えし光の騎士。今ここに推参」

 

神竜騎士フェルグラント 攻撃表示

ATK 2800

 

「これでターンエンドだ」

 

睦也

モンスター ウィラード(守備表示) フェルグラント(ORU:2) モーレフ(攻撃表示)

魔法・罠 なし

フィールド 聖殿

墓地 15

手札 2

デッキ 18

LP 4900

 

 

この展開は、正直に言って予想外。手札抹殺を握っていたこともそうだけど、何よりあの場面でムーラングレイスを引き当てた。これで場はがら空きで手札も乏しい。2枚で戦うのは正直に言って無謀だとさえ思う。それに、モーレフは相手モンスターを裏守備に変更する効果を持っている。手札にエレメントセイバーがなくとも、聖殿の効果でデッキから落としてしまえば問題ない。フェルグラントも、モンスター効果の無効化及び完全耐性の付与ができる。厄介すぎる盤面になった。

 

「…ワタシの、ターン」

「続けるのか?俺が言うのもなんだが、この盤面をひっくり返せるとは思わない。悪いことは言わないからサレンダーした方がいい」

「サレンダーは、しません」

「何?」

「ワタシと戦うために準決勝まで勝ち進むって宣言した友達がいるんです。それなのに、ワタシがここで負けて、その思いを無下にするのは嫌です!それに、まだ負けたと決まったわけじゃありませんから!」

「…ふっ、そうか。すまない、余計なことを言ったようだな」

「いえ、大丈夫です。ワタシのターン、ドロー!」

 

マリー 手札 1→2

 

「…行きます。《海晶乙女ブルータン》を召喚します!ブルータンの効果でデッキから海晶乙女を墓地へ!」

「……止めよう。モーレフの効果だ。聖殿の効果でデッキからウィラードを墓地へ送り、ブルータンを裏守備に変更する」

「…まずは1枚です。ブルータンの効果でクラウンテイルを墓地へ。ここから…勝ちます」

「…!ほう、勝つと来たか」

「墓地の《サイバネット・リチューアル》の効果を使います。墓地のウォーターリヴァイアサンと共に除外することで2体の《サイバネット・トークン》を特殊召喚します」

 

サイバネット・トークン 守備表示

DEF 0

 

「開いて、融け合う世界へのサーキット!召喚条件は『サイバース族モンスター2体』。ワタシは2体のサイバネット・トークンをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク2、《クロック・スパルトイ》、ON STAGE!」

 

新たにマリーさんの場に現れたのは、槍を携えた小柄な騎士。あれは確か──

 

クロック・スパルトイ リンク2 ↓↘

ATK 800

 

「お願いします、クロック・スパルトイ。リンク召喚成功時のクロック・スパルトイの効果で、デッキから《サイバネット・フュージョン》を手札に加えます!」

「なっ、今度は融合だと!?くっ、フェルグラントの効果発動!エクシーズ素材(オーバーレイユニット)を1つ使い、クロック・スパルトイの効果を無効にする!」

「では《強欲で貪欲な壺》!デッキトップ10枚を裏向きで除外して2枚ドローします!」

 

マリー 手札 1→0→2

 

「…まだ届きそうにはありません。けど、希望は見えました」

「何…?」

「《貪欲な壺》。墓地のパスカルス、ブルータン、サイバース・ウィッチ、シースター、マンダリンを戻して2枚ドローします」

 

マリー 手札 2→1→3

 

「届きました。やっと…!《サイバネット・フュージョン》発動!」

「っ、引かれてしまったか…!」

「ワタシは手札の《クロック・ワイバーン》と場のクロック・スパルトイで融合します!」

 

クロック・ワイバーン 固有名称指定

クロック・スパルトイ リンクモンスター

サイバネット・フュージョン サイバース族制限

 

「雄々しきツバサを天に広げ、雄大なる穹を駆け巡る!融合召喚!《サイバース・クロック・ドラゴン》、ON STAGE!」

 

サイバース・クロック・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2500

マリー 手札 3→1

 

「サイバース・クロック・ドラゴン…いや、待て!なんなんだそのデッキは!?海晶乙女になぜ儀式と融合が含まれている!?」

「このデッキはワタシのお友達が作ってくれたデッキなんです。その人は、出会って日が浅いワタシでも分かるくらい火力に寄り過ぎている一面があります。儀式モンスターは同じ水属性なのでいいですけど、この子はきっと高い攻撃力が出したくて入っています。ワタシも正直、扱いにくいです」

「ならば、何故──」

「お友達が、くれたからです。きっと、ワタシなら扱えると信じて、渡してくれたから」

 

……いえ、きっと星風くんは調整し忘れていただけでしょうし、デッキに手を加えられる前提で渡していると思うわ。

 

「サイバース・クロック・ドラゴンの効果発動です!融合召喚に成功した時、融合素材にしたリンクモンスターのマーカーの数だけデッキトップからカードを墓地へ送ります。こうして送ったカード1枚につき攻撃力が1000アップします。今回は2枚送るので2000アップです」

 

サイバース・クロック・ドラゴン

ATK 2500→4500

 

「バトルフェイズに入ります!サイバース・クロック・ドラゴンでエレメントセイバー モーレフに攻撃します!」

「っ、だがそれでもダメージは2600。クロックの攻撃力上昇は永続ではない。次のターンは無理だがその次は──」

「次はありません。このターンで決着です!速攻魔法、《アクションマジック-フルターン》!」

「な、そのカードは…!!」

「ご存知なようですね。フルターンの効果により、この戦闘で発生するダメージを『倍』にします!もちろん、反射されればワタシも倍のダメージを受けますが、貴方にはそのカードがありません。ですよね?」

「…あぁ。俺はその手のカードは入れていない。はは、なるほど…俺の負けか」

「決めて、クロック・ドラゴン!フルリアクション・オーバーロード!」

 

サイバース・クロック・ドラゴン

ATK 4500

エレメントセイバー モーレフ

ATK 1900

(4500-1900)×2=5200

睦也 LP 4900→-300

 

「──いい戦いだった。その実力に敬意を評する」

「え?あ、ありがとうございます」

 

彼の姓といい、あのセリフと言い…やっぱり、彼は()()の弟さんみたいね。

 

ゲームエンド

WINNER マリー・リュクス・ミネルヴァ

 

 

「決着!勝者はマリー選手!ホントに意外なカードのオンパレードだったねぇ。マリー選手のデッキを組んだ人が気になるよ。主に頭の中が」

(会わない方が身のためだと思うわ)

「次は輝琉さんですね。お相手は…」

「ま、どんな人でもあの子なら勝てるんじゃない?見た感じ強いし」

「あ、そーだ。ちょっと時間あるし湊月っち探してくるね!」

「こはるん行ってらっしゃーい」

 

そう言ってこはるん…小春は席を立った。ダメね、愛称が移ってしまうわ。

 

「さぁ、次のデュエルも楽しみだね!対戦カードは──」

 

 

 

 

 

その裏で、1人の少年が地に伏していた。

 

「かはっ……」

「…まだ完全には目覚めてなかったみたいだね。ゴメン、少し、頭に血が上ってたみたいだ」

 

そう言って、1人の青年は立ち去った。

その場に、少年を残して。

 

(なんなんだよ…なんだってんだよ…意味わかんねぇよ…)

 

()()に悶えながら、少年は思案する。理解できない現状に、理解できない言動。それでも、口に出してしまわずにはいられなかった。

 

「…『No.(ナンバーズ)』って、なんなんだよ…」




というわけでマリーさんの勝利。
なんで海晶乙女に儀式モンスターや融合モンスターが入ってるのか?言ったじゃないですか。このデッキを作ったのは濡羽君ですよ。やりたいことを詰め込む彼ならやりかねません。実際やってます。
兎にも角にも勝利は勝利。次は誰がデュエルするのでしょうね。
それではカード紹介。


「はい、ではカード紹介を行います。今回はワタシ、マリー・リュクス・ミネルヴァと、星風濡羽さんで行います!」
「何故か呼び出されましたー。僕、今は山にいるはずなんですけどね」
「だってこのままだと星風さん、主人公なのに2年近く出番がなくなりますよ?筆者さん曰く『もしかしたら出番ないの3年目に入るかも』とか言ってましたし」
「嘘っ、そんなに!?そ、それはカード紹介に出ないと大変ですね…」
「でしょう?なので一緒に紹介しましょう!今回はワタシの使ったこの子、《サイバース・クロック・ドラゴン》です!」

サイバース・クロック・ドラゴン
融合・効果モンスター
星7/闇属性/サイバース族/攻2500/守2000
「クロック・ワイバーン」+リンクモンスター1体以上
(1):このカードの融合召喚成功時に発動できる。
その素材のリンクマーカーの合計分だけ、
自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。
次のターンの終了時まで、他の自分のモンスターは攻撃できず、
このカードの攻撃力はこの効果で墓地へ送った数×1000アップする。
(2):自分フィールドにリンクモンスターが存在する限り、
自分フィールドの他のモンスターを、相手は攻撃・効果の対象にできない。
(3):融合召喚したこのカードが相手の効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから魔法カード1枚を手札に加える。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「僕も大好きな超火力効果に、リンクモンスターがいる時に仲間を守る効果、相手に除去されたら魔法カードをサーチできる効果と、扱いやすい能力ばかりですね」
「融合素材に指定されている《クロック・ワイバーン》はトークンを生み出す効果を持っているので、最低でも1000アップは出来ますね。さらに、融合素材に指定されているリンクモンスターは『1体以上』なので何体でも素材にできます!」
「ただし、(1)の効果を使った場合はクロック・ドラゴンしか攻撃できなくなっちゃうんだよね。連続攻撃やダメージ倍化、守備貫通辺りのサポートも必要になる1枚だね」
「…でもこれ、海晶乙女だと使いづらいですよ、星風さん」
「……ゴメンナサイ…」


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五十三枚目:捕食者vs英雄 吐き出す思いと××××

最近はスピードロイドにアーティファクトを入れている鐡 銀でございます。相手ターンにいきなり素材揃えてシンクロできたりするので普通に楽しいですよ。あとは19日のBDSPが楽しみだったりします。既にBDのダウンロードカードを買ってるので当日入れます。
それでは本編。


✧︎

「…アレ…って…」

 

湊月っちを探しに外に出て、すぐに目に入った。ボロボロで傷だらけの湊月っちが、倒れているのが。

 

「み、湊月っち!?」

「……あ? あぁ…聖川か…」

「ど、どうしたの!?なんでそんなボロボロなの!?」

「…ちょっと、な…つーか、何しに来たんだよ。お前、勝ってたろ?」

「湊月っちを探しに来たんだよ!そしたらなんかボロボロで倒れてるしさぁ!!」

『──気の所為、だよな?』

 

んむ?スターヴ・ヴェノム、何か言った?気の所為とかなんとか?

 

「…クソッ、なんだったんだよアレ…」

「アレ…?」

「あぁ…よく分かんねぇけど、クソ強かった…こっちのことなんかお構い無しにぶちかましてきて…気がついたらこのザマだ。デュエルしてた、だけだってのに…クソッタレ!!」

「お、落ち着いてよ湊月っち…」

「あぁクソッ、落ち着いてられるかよ!!会いたくねぇ奴に会って、訳わかんねぇままやられて、気がつけばボロボロで…なんなんだよ、俺に何を求めてんだよこの世界は!!」

 

…いや、正直何の話かワケワカメだよ?

 

『…あー、なんつーか…色々あって錯乱してんな、コレ』

「あ、やっぱりぃ?うーん……”荒領地”しちゃおっか」

『”荒療治”な。荒れた領地広げてどーすんだよ…』

「そーとも言う」

『そうとしか言わねぇ』

「……聖川…?」

「…はっ、これが濡羽っちがよくやってる事か…!」

「…意味分かんねぇ…」

「あはは…そ、それより!湊月っち、デュエルしよ!」

「はぁ…?お前、試合は──」

「ラインちゃんなら長引くよ!多分!」

「なんだそりゃ…」

「ほらほら、構えて!」

「…マジで、意味分かんねぇぞ…」

 

ちょーっと、いや、かーなーり強引だけど、これでデュエル出来るね!ラインちゃんは…きっと、ホントに長引くと思うし!(希望的観測)

 

「行っくよー!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 聖川 小春

後攻 西条 湊月

 

デュエル開始

 

 

「先攻は貰うよー!私のターン!手札から《捕食植物(プレデタープランツ)スピノ・ディオネア》を召喚!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 攻撃表示

ATK 1800

小春 手札 5→4

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

小春

モンスター ディオネア(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 0

手札 2

デッキ 35

LP 8000

 

 

「俺のターン、ドローだ」

 

湊月 手札 5→6

 

湊月っちが使う【E・HERO】は私と同じ融合メインのデッキ。だけど私と違ってレベル4モンスターの展開がしやすいからランク4にも繋げられるっていう明確な違いがある。ダーク・リベリオンは今は神名さんが持ってるけど、他にランク4がいないとは限らないもん、警戒するに越したことはないよね。その点、私の【捕食植物】はエクシーズやシンクロの妨害がしやすいんだよね〜。

 

「…足りねぇな。《E-エマージェンシー・コール》。デッキから《E・HERO エアーマン》を手札に加える。ついでに《増援》。今度は《E・HERO ソリッドマン》だ」

 

うわー、いきなりレベル4が2体並べられるようになっちゃった…けどまだ何とかなるもんね!

 

「《E・HERO ソリッドマン》を召喚!その効果で手札から《E・HERO エアーマン》を特殊召喚!エアーマンの効果で《E・HERO リキッドマン》を手札に加える!」

 

E・HERO ソリッドマン 攻撃表示

ATK 1300

E・HERO エアーマン 攻撃表示

ATK 1800

湊月 手札 6→4→5

 

「うーん…ここで使っちゃおう!リバースカードオープン!(トラップ)カード、《捕食計画(プレデター・プランニング)》!デッキの《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》をコストに、場のモンスター全てに捕食カウンターを乗せるよ!チェーンしてこれも使っちゃうよー!永続(トラップ)、《捕食惑星(プレデター・プラネット)》!」

「っ、通す!」

 

E・HERO ソリッドマン

捕食カウンター 1

レベル 4→1

E・HERO エアーマン

捕食カウンター 1

レベル 4→1

捕食植物スピノ・ディオネア

捕食カウンター 1

レベル 4→1

 

「だが、関係ねぇ!《融合》!手札のリキッドマンと場のソリッドマンで融合!」

 

E・HERO リキッドマン 水属性 HERO

E・HERO ソリッドマン 地属性 HERO

 

「奇跡を導くサンライズ!光よ降り注げ!融合召喚!《E・HERO サンライザー》!」

 

E・HERO サンライザー 攻撃表示

ATK 2500

湊月 手札 5→3

 

「融合素材となったソリッドマン、チェーンして同じく融合素材となったリキッドマン、さらにチェーンして融合召喚に成功したサンライザーの効果を発動!」

「ならそれにチェーンしてプラネットの効果も使うよ〜。デッキから《捕食植物セラセニアント》を手札に〜!」

「俺はサンライザーの効果でデッキから《ミラクル・フュージョン》を手札に加え、リキッドマンの効果で2枚ドロー。その後1枚を墓地へ。そしてソリッドマンの効果でリキッドマンを守備表示で特殊召喚だ!全ての処理を終えたあと、リキッドマンの効果で捨てた《E・HERO シャドー・ミスト》の効果発動!デッキから《E・HERO オネスティ・ネオス》を手札に!」

 

湊月 手札 3→4→6→5→6

小春 手札 2→3

 

「うーわー…手札減ってないじゃん!」

「バトルフェイズ!」

 

うにゅ?エクシーズしないんだ。そうでなくてもリンク召喚とかミラクル・フュージョン使っての墓地融合とか…

 

『だから言ってるだろ、錯乱してるって。どれだけ取り繕ってても冷静になれてねぇんだよ、アイツ』

「んー、そっか…」

「サンライザーでスピノ・ディオネアに攻撃!サンライザーの効果で、俺のモンスターの攻撃力は俺の場の属性の数×200ポイントアップする!」

「え?あ、うわぁ!!」

 

E・HERO サンライザー

ATK 2500→3100

捕食植物スピノ・ディオネア

ATK 1800

3100-1800=1300

小春 LP 8000→6700

 

「続け、エアーマン!ダイレクトアタックだ!」

「そのダイレクトアタック宣言時に手札のセラセニアントの効果!このカードを特殊召喚するよー!」

 

捕食植物セラセニアント 守備表示

DEF 0

小春 手札 3→2

 

「っ、確かアイツはバトルした相手を強制的に破壊する効果と、墓地へ送られたらサーチする効果があったな…厄介だな。バトルは中断、メインフェイズ2だ。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

湊月

モンスター エアーマン サンライザー(攻撃表示) リキッドマン(守備表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 5

手札 4

デッキ 27

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

ディオネアは倒されちゃったけど、まだまだモンスターに余裕はあるよ。それに…

 

「こーすれば並べられるもんね!捕食カウンターの乗ったエアーマンをリリースして墓地のドロソフィルム・ヒドラを特殊召喚!」

「っ、いつものやつか!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守備表示

DEF 2300

 

「捕食カウンターの乗った相手モンスターが場を離れたからプラネットの効果で《捕食植物オフリス・スコーピオ》を手札に加えるよー。さらに手札から《捕食活動(プレデター・プラクティス)》!手札からさっき加えたオフリスを特殊召喚して、デッキから《捕食植物コーディセップス》を手札に!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻撃表示

ATK 1200

小春 手札 3→4→2→3

 

「オフリスの効果だよー!手札のコーディセップスをコストに、デッキから《捕食植物ダーリング・コブラ》を特殊召喚!さらに捕食植物の効果で特殊召喚されたダーリングの効果で、デッキから《置換融合》を手札に!」

 

捕食植物ダーリング・コブラ 守備表示

DEF 1500

小春 手札 3→2→3

 

ここからはちょっと悩むんだよね〜。どー展開しようかなぁ…

 

『素直に…いや、ここはアイツだな。ほれ、アレを出しとけ、アレを』

「…? あー、アレだね!開いて、力を繋ぐサーキット!召喚条件は『モンスター2体』!私はドロソフィルム・ヒドラとダーリング・コブラをリンクマーカーにセット、リンク召喚!現れ出ちゃえ、リンク2!《クロシープ》!」

 

クロシープ リンク2 ↙↘

ATK 800

 

「ここで《置換融合》発動だよ〜!場のオフリス・スコーピオとセラセニアントで融合!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 闇属性

捕食植物セラセニアント 闇属性

 

「麗しき二輪の花よ。今こそひとつになりて、飢えたる竜を呼び覚ませ!融合召喚!現れ出ちゃえ、私の友達!《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

『さぁて、暴れますかぁ!』

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示

ATK 2800

小春 手札 3→2

 

「まずは融合召喚成功時のスターヴ・ヴェノムの効果!チェーンしてリンク先にモンスターが特殊召喚されたクロシープの効果!最後に効果で墓地へ送られたセラセニアントの効果!」

「っ、チェーンは無い!」

「なら処理していくよー!セラセニアントの効果で《捕食接ぎ木(プレデター・クラフト)》を手札に加え、クロシープの効果でセラセニアントを守備表示で特殊召喚!スターヴ・ヴェノムの効果でサンライザーの攻撃力を上乗せするよー!アジェクト・イーティング!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 2800→5700

小春 手札 2→3

 

「バトル!スターヴ・ヴェノムでサンライザーを攻撃!破甲のアーセナル・バイト!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 5700

E・HERO サンライザー

ATK 2900

5700-2900=2800

湊月 LP 8000→5200

 

「かはっ…」

 

あれ、通った?

 

「……んー、私はこれでターンエンドだよ」

 

小春

モンスター スターヴ・ヴェノム クロシープ(攻撃表示) セラセニアント(守備表示)

魔法・罠 惑星

墓地 8

手札 3

デッキ 27

LP 6700

 

 

☪︎

 

「…俺のターン、ドロー!」

 

湊月 手札 4→5

 

無理矢理押し通されて始まった聖川とのデュエル。現状は、盤面的には俺の不利。手札の枚数的には有利だが、そんなものは関係ない。勝てなきゃ、意味ねぇ。

 

(クソッ、どーするか…)

「ねぇねぇ湊月っちー」

「…なんだよ」

「なんか悩んでるなら吐けばー?」

 

…その言葉は、俺の思考を一瞬とはいえ止めた。俺が、悩んでる?何を言っているんだ?

 

「何の話だよ。俺は悩んでなんか…」

「いやいや悩んでるでしょー。悩んでないなら考え纏まってない。湊月っちとは思えないくらいプレミ多いよー?」

「…何言って…」

「リキッドマンの効果が名称ターン1なのは私も知ってるけど、それ抜きにしてもミラクル・フュージョンでエスクリダオだったりアブソルートだったりを出してれば私のライフ削れたし、攻撃力も増えてたよ。アブソルートならなおのこと警戒して私は展開できなかっただろーしねー。それに、リバースカードなんで使わないの?湊月っちのデッキ的に、《ヒーロー・シグナル》とかその辺のハズだよね?それ使って後続確保とかしないの?」

 

……聖川達とは3、4ヶ月一緒に過ごして来たからな。そりゃ、中身も割れてるか。だが…改めて言われて、実感する。なんで使わなかったんだ、ヒーロー・シグナル(このカード)を。エアーマンを出しても良かったし、ブレイズマンでも良かった。何か出しさえすればいいカードを…なんで…

 

「私が思うに、湊月っちがおかしくなった理由ってあの子だと思うんだよねー。結ちゃん、だっけー?」

「…結は、関係ねぇだろ」

「大ありだと思うよー。結ちゃんとデュエルしてから、湊月っちの元カノさんの話してから、湊月っちおかしいもん」

「…おかしく、なんて…なってねぇ」

「なってるよー。湊月っち、自覚してた?デュエルに負けた時、湊月っち泣いてたんだよ?」

「────」

 

泣いていた…?あの時、俺が…?

 

「…訳、わかんねぇ…」

「多分、考えないよーにしてるだけだよ、それ。全部ぱーっと吐き出しちゃいなよー。絶対そっちの方が楽だよー」

 

聖川の、普段と変わらない口調で告げられたその言葉に、俺は考えないようにしてきた…()()()()()()()()()()()()思いの全てを吐き出してしまった。

 

「っ、なんなんだよ…なんでそんなに関わってくるんだよ!!これは、俺の問題なんだ…俺と玖織の『約束』なんだ!!」

 

そうして1度吐き出してしまったモノは、止まらない。

 

「俺は玖織と約束したんだ、結を守るって!絶対、傷つけたりしねぇって!だからあいつが負けて傷つかねぇように手を抜いてきた、いつだってあいつに負けてきた!あいつに勝ちそうな相手に勝って、あいつにだけは負けてきた!いつだって…守ってきた、つもりだったんだ!」

 

1度動き出してしまったモノは、止まれない。

 

「結を守るのは、玖織の遺志だったのに!俺が、彼氏としてできる、最後の事だったのに!あいつとの約束を、俺は、守れてなかった!いや、違う!積極的に、破ってた!俺は結を、傷つけてたんだ!」

 

1度崩れ出してしまったモノは、止められない。

 

「結は気づいてた、俺が手を抜いてることを!結はその事実に気がついて、傷ついてたんだ!なのに俺は、それに気づかないで、お前らと過ごしてたんだ!あいつが傷ついてる中で、俺は、『幸せ』を得ていた!それが、許せねぇんだ!!結を傷つけて、玖織を無下にして、それでも幸せを得ていた、俺が!!」

 

分かっている。頭では理解している。考えもなくあんな事を言う聖川じゃないってことくらいは。きっとあいつも、何か抱えているんだ、俺達には言えない、暗い、黒いモノを。それでも敢えて、俺に吐き出させたんだ。抱え込むのが、辛いことだと知っていたから。

 

「…ならさー。それ全部、本人にぶつけちゃえば?」

「──は?」

「よーするにそれってさー、『玖織ちゃんも結ちゃんも大切に思ってる』ってことでしょ?意味合いは違うと思うけどー」

 

否定は、しない。玖織の事は彼女として、結の事は、彼女の忘れ形見…では無いにせよ、妹として。大切に()っている事に変わりはない。だが…

 

「直接って…何を…」

「だーかーらー。私、次のデュエル終わったら湊月っちにバトンタッチするよ。ナユタプロってエンタメってる人だからねー。そういうハプニングというかサプライズ的なの面白いと思う人だと思うんだよねー。だからちょっと後で掛け合ってみるよー!」

「…いや、それは…」

「いーからいーから!」

「聖川さん」

 

そこに、神名さんが訪れた。このタイミングで来るということは…

 

「あれ、神名さん?どうかしたんですかー?」

「いえ、探しに行くと言ったきり帰ってこられないので探しに来たんです。輝琉さんのデュエルは終わりましたよ。次は聖川さんの番です」

「もう終わったんだー。じゃあ行かなきゃ!そーゆー事だから、とりあえず行ってみよー!」

「なっ、はぁ!?」

 

そう言うが早いか、聖川はデュエルを中断して駆け出して行った。

 

「…西条さんは、聖川さんと何を?」

「あー…デュエルっつーか…説教?まぁ、デュエルしてました…ね」

「はぁ…そうですか?」

 

……まぁ、聖川がやれって言うなら、やるか。今度は…アレを、使ってみるか。

 

 

デュエル中断

NO CONTEST(結果なし)

 

 

 

 

 

「ふー、危ない危ない。あともうちょっとで堪えられなくなるとこだったよー」

 

オレの相棒は、誰も見えない場所まで走ってから、そう呟く。

 

『…オレは昔からお前を見てるから分かってるが…良かったのか?あんな事して』

「いいんだよー。湊月っちは私と同じ道を歩まない方が幸せだよー」

 

「そう、”幸せ”、なんだよ」

 

「”××××”な()()()()()と同じ道を歩まない方が、誰にとっても幸せなんだよ、絶対に」

 

そう言う相棒の声は冷たく、全てを飲み込む闇のように澱んだ目をしていた。




今回は珍しく(というか本作初の)結果なし、となりました。あのまま続けていた場合、多分湊月君は精神的にまともに回せないので小春さんのグリーディー辺りに蹂躙されてます。
…あと、何故か湊月君の救済フラグを立てたら小春さんの闇フラグが立ちました。なんででしょう……?

前書きに続き、少し今後の楽しみを。まさかの海晶乙女大幅強化に驚いています。これはマリーさんのデッキも混ぜ物から純になる予感…まぁウォーターリヴァイアサンは入れるんですけどね。他メンバーはそこそこって感じです。ガーディアン・キマイラは…ちょっとエクストラ枠と相談ですね。
ではカード紹介を。

「というわけでカード紹介です。今回も僕、星風濡羽が参加します。しばらく出番がないのでここの専門になりますね…」
「そんな濡羽君をサポートするために僕、龍凪柊真も参加するよー。濡羽君と会うのも久しぶりだね?」
「僕のいない間に色々やってた柊真さんじゃないですか。今回はどのカードを持ってきたんですか?」
「あははー刺があるー。今回はこれ、《ドラグニティナイト-アスカロン》だよ」

ドラグニティナイト-アスカロン
シンクロ・効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200
「ドラグニティ」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地から「ドラグニティ」モンスター1体を除外し、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
(2):S召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。
EXデッキから攻撃力3000以下の「ドラグニティ」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

「あれ、今回は2人のデュエルで使ったカードじゃないんですね?」
「うん。今回は紹介できそうなのが出なかったからね」
「それでアスカロンですか。このカードはレベル10のドラグニティシンクロモンスター、攻めの切り札ですね。ターンに1度の制限がない除外効果、破壊された際にエクストラデッキから後続を呼び出す効果を持っています。倒れても次を呼び寄せる、絶対に攻め切るという強い意志を感じますね」
「除外には墓地コストが必要だけど、サーチや墓地肥やしを頻繁に行うドラグニティだとコストの確保はしやすいね。けどこの効果を使いすぎると次のターン以降の展開が辛くなるから、使い所や使う回数は見極める必要があるよ」
「アスカロンは他のドラグニティとは違ってチューナーにしか指定がありませんから、バルーチャからはもちろんクーゼを経由すればヴァジュランダからも出せます。当然、ドラグニティ以外を素材にもできますよ。ドラグニティとの混成デッキでも充分活躍できます」
「耐性がないのも(2)の効果を使うためなら納得だね。《ドラグニティの神槍》を装備すれば罠には耐性が得られるから《無限泡影》警戒で装備させてもいいね」
「ただ、注意すべきは除外効果は対象を取るということ、そして後続の対象が攻撃力3000以下のドラグニティシンクロモンスター、という点ですね。自身の効果で2枚目を、とはいきません」
「ま、出来たら強すぎだもんね」
「僕はこの除外効果を活かすために《D.D.ダイナマイト》なんかも入れてますよ」
「…うん…殺意高いね……」


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五十四枚目:二・第三戦 海魚vs捕食者

マスターデュエルで召喚シャドールを握っています。このデッキ、割と安定感あって好きですね。

今回は水属性フルモンに挑む小春さん。勝負の行方やいかに。
それでは本編へ。


 

優姫が2人を迎えに行ったと思ったら、何故かボロボロな西条君と共に帰ってきた。優姫曰く『小春に怒られていた』らしいけど…そこまで、ボロボロになるかしら?

 

「…ほら、早く座って。小春の試合が始まるわよ」

「あ、はい…」

「みつきん、もう大丈夫なの?」

「……あんま大丈夫じゃねぇけど、まぁ、なんとかな」

 

『さぁ、有り得ないようなノーダメージ勝利を見せてくれた輝琉選手の後にやるのはちょっと怖いかな?聖川 小春選手と、水原(みずはら) 紗里(さり)選手!フィールドに来てよ!』

「うー、二戦目も勝つぞー!」

「ウチも負けんからね!」

「楽しみにしてるよー!あ、ナユタプロー!これ勝ったらちょっとお願いがあるんですけどー!」

『ん、何かな?面白くなるようなお話なら歓迎だよ!』

「わーい!それじゃ始めよ!」

「さらっと勝つ宣言をされた気がする!?けどいいよ、やろー!!」

『そうだね。それじゃあ準備はいいね?デュエル開始!』

「「決闘(デュエル)!!」」

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

先攻 水原 紗里

後攻 聖川 小春

 

デュエル開始

 

 

「ウチの先攻で行くよ!」

「ばっちこいだよー!」

「まずはこの子から。《深海のディーヴァ》召喚!」

 

深海のディーヴァ 攻撃表示

ATK 200

紗里 手札 5→4

 

「ディーヴァの効果発動!デッキからレベル3以下の海竜族モンスターを特殊召喚する。《深海のミンストレル》を特殊召喚!」

 

深海のミンストレル 守備表示

DEF 1500

 

「手札の《白棘鱏(ホワイト・スティングレイ)》の効果。手札の《素早いアンコウ》を捨てて特殊召喚!」

 

白棘鱏 攻撃表示

ATK 1400

紗里 手札 4→2

 

「手札、デッキから墓地へ送られたアンコウの効果でデッキから素早いモンスターを2体まで特殊召喚できる。《素早いマンタ》と《素早いマンボウ》を特殊召喚!」

 

素早いマンタ 守備表示

DEF 100

素早いマンボウ 守備表示

DEF 100

 

「行くよ!ウチはレベル2のマンタとマンボウにレベル3のミンストレルをチューニング!」

 

素早いマンタ レベル2

素早いマンボウ レベル2

深海のミンストレル レベル3 水属性 チューナー

2+2+3=7

 

「深海より来るは勇ましき一角の獣!シンクロ召喚!《白闘気一角(ホワイト・オーラ・モノケロス)》!」

 

白闘気一角 攻撃表示

ATK 2500

 

「モノケロスの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、墓地の魚族モンスターを特殊召喚できる!来て、《素早いアンコウ》!」

 

素早いアンコウ 守備表示

DEF 100

 

「レベル2のアンコウとレベル4のスティングレイにレベル2のディーヴァをチューニング!」

 

素早いアンコウ レベル2

白棘鱏 レベル4

深海のディーヴァ レベル2 水属性 チューナー

2+4+2=8

 

「深海より出でたるは勇猛なる白き獣!シンクロ召喚!《白闘気白鯨(ホワイト・オーラ・ホエール)》!」

 

先に現れた純白のイッカク、それと同じ名を持つ純白のクジラが、海の底より現れた。ホワイト・オーラ…私はそのカードをよく知らないわ。あとで優姫に聞いてみましょう。

 

白闘気白鯨 攻撃表示

ATK 2800

 

「んーむ…これで一旦打ち止めかな。ウチはこれでターンエンド!」

 

……このターン、手札3枚から2体の大型シンクロモンスターが出たって本当なの?

 

紗里

モンスター モノケロス ホエール(攻撃表示)

魔法・罠 なし

墓地 6

手札 2

デッキ 32

LP 8000

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 5→6

 

「私は《ローンファイア・ブロッサム》を召喚!その効果で自身をリリースしてデッキから《捕食植物オフリス・スコーピオ》を特殊召喚するよ!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻撃表示

ATK 1200

小春 手札 6→5

 

「オフリスの効果!今回は…趣向を変えてみよう!手札の《捕食植物コーディセップス》をコストにデッキから《捕食植物サンデウ・キンジー》を特殊召喚!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 守備表示

DEF 200

小春 手札 5→4

 

「さらに《捕食生成(プレデター・プラスト)》を発動!手札の《捕食計画(プレデター・プランニング)》と《捕食惑星(プレデター・プラネット)》を公開して、モノケロスとホエールに捕食カウンターを1つずつ乗せるよー!」

 

白闘気一角

捕食カウンター 1

レベル 7→1

白闘気白鯨

捕食カウンター 1

レベル 8→1

 

「アレ、これってもしかしてヤバい?」

「もしかしなくてもヤバいよー。私はサンデウ・キンジーの効果発動!私の手札とフィールド、そして相手の場の捕食カウンターの乗ったモンスターで融合できる!」

「ウッソォ!?」

「私も昔は水属性デッキ使ってたから知ってるよー。『ホワイト・オーラ』は破壊されたら墓地の魚族モンスターを除外して帰ってくる。しかも墓地から特殊召喚された『ホワイト』モンスターはチューナーになるんだよねー。だーかーらー、破壊なんてせずに『融合素材』にしちゃえばいいのさぁ!サンデウ・キンジー自身と、相手の場の2体のホワイト・オーラを闇属性として融合!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー フィールドの闇属性

白闘気一角 フィールドの闇属性※

白闘気白鯨 フィールドの闇属性※

※サンデウ・キンジーによる闇属性への変更

 

「麗しき花と、純白なる2体の海獣。3つの闇がひとつに重なるとき、新たな捕食者が目覚める!融合召喚!現れ出ちゃえ、《捕食植物トリフィオヴェルトゥム》!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 攻撃表示

ATK 3000

 

「バトル!トリフィオヴェルトゥムとオフリス・スコーピオでダイレクトアタック!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ

ダイレクトアタック

ATK 1200

捕食植物トリフィオヴェルトゥム

ダイレクトアタック

ATK 3000

1200+3000=4200

紗里 LP 8000→3800

 

「うわっとぉ!?」

「にゃははー。カードを2枚伏せて、これでターンエンド!」

 

小春

モンスター オフリス トリフィオ(攻撃表示)

魔法・罠 伏せ2

墓地 4

手札 1

デッキ 32

LP 8000

 

 

「やられたらやり返さないとね!ウチのターン、ドロー!」

 

紗里 手札 2→3

 

「さっきと同じ動きをしよう!《深海のディーヴァ》召喚!その効果で《深海のミンストレル》を再び特殊召喚!」

 

2枚目のディーヴァ。握ってたのかしらね。小春はトリフィオヴェルトゥムを出したけれど、アレは強い。シンクロの天敵とも言えるわ。

 

「さっきは使えなかったミンストレルの効果発動!デッキの上から3枚を墓地へ送り、墓地の水属性モンスターをデッキの上か下に戻せる。ウチは《深海のディーヴァ》をデッキの下に戻すよ。そして開け、調律司りしサーキット!召喚条件は『チューナーを含むモンスター2体』!ミンストレルとディーヴァをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来てよリンク2。シンクロ使い御用達!《水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》!」

「トリフィオヴェルトゥムの効果発動ー。1ターンに1度、このカードが融合召喚されてる時にしか使えないけど、相手がエクストラデッキからモンスターを特殊召喚する際にそれを無効にして破壊するよー」

「ねぇちょっとぉ!?」

 

意気揚々と現れた機械の戦士は、絶対なる三つ首の捕食者に容赦なく食べられていた。機械さえも食べられるとは、思わなかったけど。

 

「ひっどくない?展開手段減ったんだけどー」

「そりゃ減らすよー。てか減るだけで無くなってないの怖いんだけどー?」

「まぁ墓地で動けるからねー。ウチの場にモンスターがいないから墓地の《フィッシュボーグ-アーチャー》の効果が発動できるよ。手札の《フィッシュボーグ-プランター》を切って特殊召喚。さらに墓地へ送られたプランターの効果!1ターンに1度、デッキの1番上のカードを墓地へ送ることができる。それが水属性ならプランターを特殊召喚できる。ぶっちゃけると絶対特殊召喚できるからガチャだね」

「うわ酷い」

「さーてデッキの1番上のカード(ガチャの結果)は…《フィッシュボーグ-ドクター》!プランターを特殊召喚!さらにドクターの効果!ウチの場がフィッシュボーグだけの時、墓地から特殊召喚できる!さらに墓地の《フィッシュボーグ-ランチャー》の効果発動!ウチの墓地が水属性だけの時、このカードを特殊召喚できる!」

 

フィッシュボーグ-アーチャー 守備表示

DEF 300

フィッシュボーグ-プランター 守備表示

DEF 200

フィッシュボーグ-ドクター 守備表示

DEF 400

フィッシュボーグ-ランチャー 守備表示

DEF 100

紗里 手札 2→1

 

「んー、使っとこう!《捕食計画》!デッキの《捕食植物(プレデタープランツ)ドロソフィルム・ヒドラ》をコストに場のモンスター全てに捕食カウンターを乗せるよ!チェーンして《捕食惑星》!」

「むっ、まぁいいよ!ウチはレベル1になったプランターとドクターに、レベル1のランチャーをチューニング!」

 

フィッシュボーグ-プランター レベル1

フィッシュボーグ-ドクター レベル1

フィッシュボーグ-ランチャー レベル1

1+1+1=3

レベル3シンクロ

 

「さぁさぁウチの可愛い可愛いお友達を呼ばせてもらうよ!シンクロ召喚、レベル3!《たつのこ》ちゃん!」

 

たつのこ 守備表示

DEF 500

 

「自身の効果で蘇生されたドクターとランチャーは除外されるよ。そしてシンクロ召喚されたたつのこちゃんを素材にする時、手札のモンスターとシンクロできちゃうのだ!」

「うぇぇ!?そ、その前にプラネットの効果を解決するよ!捕食カウンターの乗ったモンスターが場を離れたから、デッキから《捕食植物セラセニアント》を手札に!」

 

あの可愛らしい見た目に反してなかなかえげつない効果を持っているたつのこ。さらに言えばあのカードはシンクロチューナー。手札次第では…とんでもないカードが出るかもね。

 

小春 手札 1→2

 

「いってっみよー!ウチは手札のレベル7、《超古深海王シーラカンス》にレベル3、シンクロチューナーのたつのこちゃんをチューニング!」

 

超古深海王シーラカンス レベル7

たつのこ レベル3 シンクロチューナー

7+3=10

レベル10シンクロ

 

「紡ぐ力は神をも超える!来るは神龍、我らが海神(わだつみ)!シンクロ召喚、レベル10!ウチの切り札!《白闘気双頭神龍(ホワイト・オーラ・バイファムート)》様!!」

 

白闘気双頭神龍 攻撃表示

ATK 3300

紗里 手札 1→0

 

「ば、バイファムート!?出てるの初めて見たよー!?」

「バイファムート様の効果発動!自分ターンにシンクロ召喚された時、場に《神龍トークン》を守備表示で特殊召喚するよ!」

 

神龍トークン 守備表示

DEF 3000

 

「んー、一応使っとこうかな。ミンストレルの効果で落ちた最後のカード、《揺海魚デッドリーフ》を墓地から除外して効果発動。墓地のアンコウ、マンボウ、マンタの3体を戻して1枚ドローするよ」

 

紗里 手札 0→1

 

「バトルフェイズ!バイファムート様でオフリス・スコーピオに攻撃!」

 

白闘気双頭神龍

ATK 3300

捕食植物オフリス・スコーピオ

ATK 1200

3300-1200=2100

小春 LP 8000→5900

 

「うにゃあぁ!!うぅ…けど他のモンスターは守備表示だから攻撃できないもんね!それにトリフィオヴェルトゥムは捕食カウンターの乗ったモンスターの攻撃力を吸収できるから、どっちかにカウンター乗せられれば勝てるもん!」

「それキッツゥ!けどターンエンドだよ!」

 

紗里

モンスター バイファムート(攻撃表示)アーチャー 神龍トークン(守備表示)

魔法・罠 なし

墓地 10

除外 3

手札 1

デッキ 29

LP 3800

 

 

✧︎

 

うーむむ、これ、今の手札じゃどーしようもないなぁ。

 

「このドロー次第で…私のターン、ドロー!」

 

小春 手札 2→3

 

「…うー、バイファムートはトークンがいれば破壊されても蘇るし、トークンを倒しても自分で補充できちゃう。同時に倒さなきゃダメなモンスターなんだよねぇ…」

「おー、正解。よく知ってるねー」

「言ったでしょー、昔は水属性使ってたってー。けどこれ…どうしようもないから、奥の手使うよ」

「奥の手…?」

「墓地のコーディセップスを除外して効果発動ー。墓地の捕食植物2体を特殊召喚する代わりに、融合モンスターしか特殊召喚できなくなるよ。墓地より蘇っちゃって、サンデウ・キンジー、オフリス・スコーピオ!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 守備表示

DEF 200

捕食植物オフリス・スコーピオ 守備表示

DEF 800

 

「ウゲ、またそれー?」

「あはは、安心してー。今回は私だけで融合するからー。サンデウ・キンジーの効果発動!手札の《The supremacy SUN》とサンデウ・キンジーで融合!」

「えちょ、それって──!!」

 

The supremacy SUN 元々のレベル8以上の闇属性モンスター

捕食植物サンデウ・キンジー 捕食植物モンスター

 

──あ、あの、聖川さん──

──うにゅ、阿久津くん、だっけー?どーしたの?──

──こ、この子が、あなたと行きたいって──

 

そんな事を言いながら自分のエースを託してくれた阿久津くんの、このカードの力を借りるんだー!

 

「飢え喰らう毒龍よ。沈まぬ太陽喰らいて今こそ目覚めよ!そして、暴喰の限りを尽くせ!融合召喚、強欲なる悪食龍!《グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」

『俺が出たからには、さっさと終わらせるぞ!』

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻撃表示

ATK 3300

 

「グリーディー、ヴェノム…」

「グリーディー・ヴェノムの効果発動!相手モンスターの攻撃力を0にして効果を無効にするよ!インベイジョン・ディストーション!」

 

グリーディー・ヴェノムから伸びた紫の触手が、今回はバイファムートに噛み付いて捕食し始めた。なんというか…その…グロイね?

 

『お前が使っておいてそれは無いだろ……』

 

白闘気双頭神龍

ATK 3300→0

 

「バトルフェイズ!グリーディー・ヴェノムでバイファムートに攻撃!壊悪のエクスティンクション・バイト!」

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン

ATK 3300

白闘気双頭神龍

ATK 0

3300-0=3300

紗里 LP 3800→500

 

「きゃあっ!!」

「追撃だよ、トリフィオヴェルトゥム!神龍トークンに攻撃!」

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム

ATK 3100

神龍トークン

DEF 3000

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

小春

モンスター グリーディー・ヴェノム トリフィオ(攻撃表示) オフリス(守備表示)

魔法・罠 惑星

墓地 6

除外 1

手札 2

デッキ 29

LP 5900

 

 

「うぅ、またひっくり返された…ウチのターン、ドロー!」

 

紗里 手札 1→2

 

「んーむむ…アーチャーが残ってるけどレベル1だからなぁ…しっかたない、ギャンブルのお時間だよー!墓地のプランターの効果を発動!!デッキトップは何かなー!! …ま、また素早いアンコウ!?え、えっと、とりあえずプランターを特殊召喚!そしてアンコウの効果でマンタ2体を特殊召喚するよ!」

 

う、うっわぁ…今回何度目のアンコウ…?多分3積みしてるとはいえ、運命力高すぎないかなぁ…?

 

「ここからの勝ち方はぁ…これだね!《氷弾使いレイス》を召喚!」

 

氷弾(ひょうだん)使いレイス 攻撃表示

ATK 800

紗里 手札 2→1

 

「ふぅ、これであの子を出せるね!レベル2のプランター、マンタ2体にレベル2のレイスとレベル1になったアーチャーをダブルチューニング!」

 

氷弾使いレイス レベル2 チューナー

フィッシュボーグ-アーチャー レベル1 チューナー

フィッシュボーグ-プランター レベル2

素早いマンタ レベル2×2

2+1+2+2+2=9

レベル9シンクロ

 

「黄金の鎧をその身に纏い、全てを打ち砕く機械の勇士!2つの調律の音を以てその力を発揮せん!!シンクロ召喚、ウチのもう1つの切り札!《水晶機巧-グリオンガンド》!!」

 

水晶機巧(クリストロン)-グリオンガンド 攻撃表示

ATK 3000

 

「うっそ、グリオンガンド!?なんでなんでなんでぇ!?」

「水属性の大型シンクロなんだもーん!シンクロ召喚に成功したグリオンガンドの効果発動!シンクロ素材にした5体分のモンスター──場のグリーディー・ヴェノムとトリフィオヴェルトゥム、墓地のオフリス・スコーピオとサンデウ・キンジー2体を対象にして発動できる!」

「対象のモンスターを、除外するんだよねー…よく知ってるよー。これ、あんまりしたくなかったんだけどなぁ…」

『仕方ねぇだろ。オレもあんま乗り気じゃねぇが…このまま負けるくらいならやっとけ』

「……だよねぇ。チェーンしてリバースカード発動!《デストラクト・ポーション》!グリーディー・ヴェノムを破壊してその攻撃力分のライフを回復するよ!」

「えぇ!?」

 

私はしぶしぶグリーディー・ヴェノムを破壊して、ライフを回復した。この子、破壊したくなかったんだけどなぁ…

 

小春 LP 5900→9200

 

「うーん、場のグリーディーが離れちゃったな。けど他の4体は除外するよ!」

「…あーあ、この効果はもうちょっと隠しておきたかったなぁ…グリーディー・ヴェノムが破壊され墓地へ送られた時の効果発動!場のモンスターを、全て破壊する!カタストロフィック・ダウンフォール!!」

「うにゃぁぁぁ!?!?!?」

「そしてこの効果で破壊できた時、墓地のレベル8以上の闇属性モンスターを除外することでグリーディー・ヴェノムは蘇る!悪魔の太陽を喰らい蘇れ、グリーディー・ヴェノム!!」

「……そ、そりゃないよぉ……ターンエンド…」

 

紗里

モンスター なし

魔法・罠 なし

墓地 17

除外 3

手札 1

デッキ 25

LP 500

 

 

「それじゃ、私のターン、ドロー」

 

小春 手札 1→2

 

「これでトドメだー!グリーディー・ヴェノムでダイレクトアタックするよー!」

「うぅぅ、ウチの負けだよぉ…」

 

紗里 LP 500→-2800

ゲームエンド

WINNER 聖川 小春

 

 

 

『決着〜!!勝者は聖川選手!とんでもない効果を持った大型融合モンスターで蹂躙してたねー。対する水原選手も、水属性・魚族を主軸にしたフルモンスターデッキを思いっきり回してたね。運命力の高さもあるけど、何よりカード同士のシナジーが強い良いデッキだったねー』

 

そう言うナユタプロ。けど私はそれ以上に気になっていたことがあった。

 

「…小春の使うあのカード、何か嫌な感じがするわ」

「嫌な感じ、ですか?」

「あー…それは俺も感じたな。なんつーのかね…汚染される、とまではいかないがどことなく空恐ろしい感じがするんだよな…」

「そーなの?よくわかんないよー」

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン。スターヴ・ヴェノムの進化した姿。私のクリスタルウィングからは感じない、嫌な気配を感じるカード…星風くんがいたら、なんというのかしら。

 

『さて、そういえば聖川選手は何か話があるんだったよね?何かな?』

「あ、えーとですねー。次の準決勝、私の代わりに湊月っち…西条選手を出して欲しいなって!」

『……ソレは、うーん……ルール上、1度負けた選手を再び参加させるのはアウトなんだよねー。いくらエンタメを好む僕とはいえ、それは許容できな──』

「私は別に構わないけど?」

 

小春の提案を断ろうとしたナユタプロの言葉を遮ったのは、次の対戦相手である碧乃選手だった。

 

『ほぇ?いいの?君、1度勝った相手でしょ?』

「あんな手を抜かれたデュエルで、勝ったなんて思えないわよ。今度こそ、骨の髄まで叩きのめしてやるわよ。二度とあんな腑抜けたデュエルができないように、ね」

『う、うわぁお…凄みのある意気込み…そ、それなら特例で許可しようかなぁ……』

 

……碧乃選手の、鳥肌が立ちそうなほど恐ろしい声音での宣言に、ナユタプロも若干引き気味で応えていた。これ、本当に西条君は戦ってもいいのかしらね…?

 

「……やってやるさ。今度は、ちゃんとぶつかってやるよ」

 

…どうやら、こっちもやる気みたいね。

 

 

 

ちなみに、ワーム使いの人は語るまでもなく瞬殺されていたわ。可哀想と思ってしまうのも無理はないわ。彼も怯えていたもの。

けどこれで、準決勝の組み合わせも決まり。

準決勝第一戦 マリーさんvs輝琉さん

準決勝第二戦 西条君vs碧乃選手

これから、準決勝が始まる。




というわけで割と圧勝した小春さんでした。裏で手に入れていたThe SUNの使い道はもっぱら融合素材です()
先日の新規で捕食植物が大幅強化されましたね。自分は4箱開けてプレデターフュージョンのレリーフが2枚出ました。そしてサイコエンドがレアリティ3種揃いましたよ。どうしろと。
せリオンズは仮組みしましたが安定感高いですね。エクストラに依存しないのでそこそこ回しやすいです。

次のDBPのテーマではルーンが気になってます。戦うことのないLOテーマというのは珍しいですよね。ヘルテンペストでも入れてモンスター死滅させるのも面白そうですよね。

それではカード紹介。


「と、いうわけで今回もカード紹介を行います、星風濡羽です」
「今回は私、神名優姫もご一緒しています。星風さん、お久しぶりですね」
「そうですね、本当にお久しぶりです。今回はどのカードを紹介するんですか?」
「今回はこちら、《白闘気双頭神龍》です」

白闘気双頭神龍
シンクロ・効果モンスター
星10/水属性/魚族/攻3300/守3000
Sモンスターのチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分ターンにこのカードがS召喚に成功した時に発動できる。
自分フィールドに「神龍トークン」(魚族・水・星10・攻3300/守3000)1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):相手ターンに1度、自分フィールドにトークンがない場合に発動できる。
自分フィールドに「神龍トークン」1体を特殊召喚する。
(3):このカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に、自分フィールドに「神龍トークン」が存在していれば発動できる。
このカードを守備表示で特殊召喚する。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「シンクロチューナーを必要とする大型のシンクロモンスターですね。シンクロ召喚成功時にトークンを特殊召喚し、そのトークンとの相互作用で高い耐久性を誇ります」
「その高い攻撃力と守備力、効果による耐久性がありますが、逆に言えば耐久性に全振りの性能をしてますね。それに、本体が戦闘で破壊されてしまえばその耐性も発揮できなくなります。その辺は上手く立ち回る必要がある1枚になってますね」
「星風さんでしたら、このカードはどのように対処しますか?」
「僕だったら、ファストで攻撃力を0にするかヴァジュランダやズールで上を取って倒しますね。神名さんはどうしますか?」
「スキエルで吸収するか、出される前にエクゾディアを揃えますね」
「「……」」
((お互い、真っ当な対処法とそうでない対処法を挙げましたね…))


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