動物博士の個性 (あるにき)
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プロローグ

後悔はない


雄英高校

 

日本のトップクラスのヒーロー育成高校。

倍率は実に300倍

ここは、

現在の人口の内、約8割が『個性』という超常の力を持つ世界。

超常が日常となった世界である職業が脚光を浴びていた。

その職業とは『ヒーロー』。

悪を打ち倒し、人々を救う皆が憧れる仕事だ。

個性とは、

事の始まりは中国で『発光する赤子』が生まれた、というニュースから始まった。

以降、各地でそういった類の『超常』は発見され、原因も判然としないまま、時が流れた。

いつしか『超常』は『日常』に・・・・『架空』は『現実』へと変わっていった。

世界人口の約八割がなんらかの『特異体質』である超人社会になった現在。

ヒーローたる職業が公的な職務として定められていた。

そして、それは誰もが憧れる職業なのだ。

オレはこのヒーロー学校に受験生として足を運んでいる。

オレの個性は———『獣王の巣』

666の獣の因子と言われる概念をオレという存在に内包した『固有結界』

 

そう、月姫の中ボス、動物博士、教授でお馴染みの『ネロ・カオス』の力である。

 

 

 

 

—————————————————————

 

 

軽く一万はいるだろうか。

普通の高校ではあり得ない量の人が押し寄せている。

さすが雄英、というべきか。

オレのいた中学校では、内申、成績的には問題ないと言われたが、問題は個性だ。

普通に考えて『獣王の巣』なんて個性、なんなのかよくわからないだろう。

それで『体から獣を出せる』個性と個性届を出している。

普段の生活で幻想種や幻獣なと出すタイミングはないのでオレの友達からは『体から小動物が出せる』個性だと思われている。

というのもたまに猫や小型犬などを出して撫でていたのが原因だ。

そのせいであまり戦闘向き、つまりヒーロー向きの個性だとは思われてない。

爆豪あたりはオレの個性を『没個性』と思ってるだろうな……

同じ中学で雄英高校を受験するのはオレを含めて3人。

さっき言った爆豪と、緑谷だ。

爆豪の個性は爆破。

手汗を爆発させられるらしい。

それに緑谷は、無個性だ。

そんな奴が受けて大丈夫なのか?

とも思っていたが、あいつの様子を見る限り、記念受験などではないらしい。

ともあれ、2人の合格を祈るばかりだ。

 

ここでオレの説明をしよう。

オレはいわゆる前世の記憶がある。

前世ではゲームはあまりやらなかったが、友達がゲーセンでやっていたメルティブラットという格ゲー。

それにいくらか付き合っていたこともあり、月姫についてはだいたい知っている。(そのあと、めっちゃ高いPCゲーの月姫を買った)

オレの容姿は白髪に眼鏡。

身長は180かそこらでかなり高い方。

名前は五十嵐 夕

 

そして問題の個性だが、

さっき言ったメルティブラッドの、というか月姫アルクルートの中ボス。ネロ・カオスのそれだった。

ちなみに魔眼もある。

ネロの力といっても死徒なわけではないから身体能力だって一般人だ。

それと裸にコート。というわけではなく、ズボンは履いている。

この世界での補正だから知らないが、ネロの体は頭や手などを除いて全て真っ黒だったが、それはオレも同じではあるが、自分の体の一部(髪の毛とか)などで作った服などを着ていれば、その服の外側からでも獣を出せるようになっていた。ネロはコートからでも出せていたが、アレはきっと魔術とかいろいろの都合だったのだろう。ネロ風にしたいので上半身ははだかだが、コートがあるからな!

オレのコートの中は何故だか影が濃いので上半身裸をとやかくは言われない。(ズボンが陰で見えないという意味で)

流石に今は制服だが

そして何故オレがこの『個性』なんてものがある世界にいるかといえば、

 

 

理由なんてオレも知らない。

 

 

普通に友達と飯食べて、本を少し読んで寝たはずだが。

次の日には赤ん坊になっていた。

 

詳しい話はまた今度するとして、今は早く説明会場に行かないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

獣の王は、雄英高校の門をくぐった。




人気とか出たらやるかも


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入学試験

こんにちわー
続きましたね

ちなみにオリ主はヒロアカ原作知識ゼロです。
なんなら存在すら知りません


自分の席を探して説明会場というか試験会場に指定されて入り部屋に入ると、そこは大学講堂のようさなスペースだった。

自分の番号の席を見つけて、そこに座ると、隣に緑谷、その隣に爆豪がいた。

2人とも先に来ていたらしい。

爆豪は学校では有名だったから知っていたが、緑谷はオレの海岸沿いの散歩コースでゴミを移動させて特訓していた。あとなんかガイコツみたいな人が一緒にいたが緑谷の筋トレコーチとかか?スポーツインストラクター?

2人は幼馴染だとクラスの前田が言っていたが、オレ自体面識があるわけじゃない。

……ていうか、オレの存在を知っているのかどうか………

夕はその暗い考えを捨て、とりあえず話しかけてみることにした。

 

「よっ、緑谷に爆豪。話したことねぇけど、オレのこと知ってるか?」

 

話しかけられた2人は全く別のリアクションをした。

爆豪は「あ”!?しらねェよクソが!!」と。

緑谷はいかにもコミュ症です。みたいな緊張ぶりであんまり呂律が回ってない。

 

「た、たたた!確かキミは五十嵐君だよね………?3組の。キミも雄英受けていたなんて……」

 

「五十嵐………?ああ、テメェあの動物野郎か」

 

「動物野郎………いや、いいや。それよりオレのこと知ってるの?」

 

「う、うん………。生物のテストだけは必ず満点をとる生徒がいるって……先生が」

 

ま、まあ確かにそうではあるが……

別に生物だけしかできないわけじゃないし、噂されるほどか……

爆豪は爆豪で思い当たる節があるっぽいが言ってくれないので諦めた。

 

「ま、お互い頑張ろうぜ。」

 

そんな当たり障りのないことを言って話を終わらせるのだった。

 

 

 

ちなみに最初が筆記試験。

そのため試験はこの場所で行われる。

オレは机にシャーペンに消しゴムを出して、時間まで予習する。

前世では一般に名の知れたとある大学に通っていたので、勉強は得意な部類だが。流石に倍率200倍なんていう学校馬鹿げた学校でもなかったため、少し不安もある。

というのも、この世界に来てから前世での大学生までの記憶があることにかまけて勉強なんて一切しなかったのだ。

高校受験間際にようやく勉強を始めた。

なんて考えていれば、もう始まってしまう。

とりあえず全力で挑もう。

その後は………どうとでもなるさ

 

 

 

————————————————————

 

筆記は難しかったが、悪い点数ではないと思う。筆記試験が終わり、次は実技なのだが、それの説明は事前に配られたお手軽資料みたいなやつでしかもらってない。これからの案内もないため、どうすればいいのかとみんながぼけっとしていると、ガラッー!と、扉が開けられた。

 

『今日はオレのライヴにようこそー‼︎!エヴィバディセイヘイ!‼︎』

 

 声の方に目をやると、モヒカン頭にサングラスをかけた男が講堂の壇上で話している。

 

『こいつあシヴィー‼︎!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ‼︎アーユーレディ⁉︎』

 

「いえーーい」

 

特に大きな声で言ったわけではないが、周りの奴らはみんな大声で言うと思って、小さい声で済ませた……のだが。オレの想像に反して誰も声をあげなかった。え、くっそ恥ずかしいじゃねーか。

 

『まだまだ声が小させぇぞ、受験番号2235番!でもいいぜぇ!その調子だァ!!

説明に移る!

入試要項通り!リスナーはこの後!10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ‼︎』

 

市街地を模した演習場で仮装敵を相手に試験を行うらしく、採点方法はポイント加点式。3種類の仮装敵にはそれぞれポイントが割り振られており、強さが三段階に分けられている。仮装敵を各々の個性で行動不能にしたら、そのポイントが加点されるというものだ。制限時間内にいかにしてたくさんポイントを稼ぐかが問われる試験である。ただし、同じ受験生への妨害等ヒーローに相応しくない行為はご法度。

 

というかさっきから真隣で緑谷がうるさい。めっちゃぶつぶつ言ってる。

正直キモいが………それは言わぬが花だろう。周りに迷惑がかかりそうだし声をかけようとしたとき、

 

「質問よろしいでしょうか!?」

 

 隣の眼鏡の少年が挙手して立ち上がる。

 

「プリントには4種の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態‼︎我々受験者は基盤となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです‼︎」

 

いや、それを今から説明するんじゃないのかね?

 

「オーケーオーケー受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!4種目の敵は0P!そいつは言わばお邪魔虫!会場に各1体!所狭しと大暴れしているギミックだよ!」

 

画面にその0Pの外装系四つの写真が映し出された。

なるほどな。どれも馬鹿でかいロボットだから、そいつの攻撃は避けて進めってことか。

 

「有難うございます失礼致しました!」

 

 眼鏡の少年は一礼し席につく。

 

「俺からは以上だ‼︎最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=レオパルドは言った!"真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者"と‼︎"Puls Ultra"‼︎それでは皆良い受難を‼︎」

 

説明が終わり、他の受験生達は移動し始める。

オレも移動するために席を立つ。

緑谷に軽く聞いてみるとオレ達の実技の試験会場は違うようだ。

お互い頑張ろうぜ、と言葉を交わして、オレも行くことにした。




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