探偵見習いの物語 (海人)
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プロローグ

風都探偵を読み『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』知り、そして仮面ライダージオウのアギト回をみてふと思いついて書いてみました。


お前は■■をどう思っているんだ?

 

 

 

 

その問いかけにこう叫んでいた。

 

 

 

 

2人を■■になりたくない、と。

 

 

 

 

だから俺はそれを気づかせてくれたあの人……

 

 

 

 

 

鳴海 荘吉(師匠)の2番弟子になることを選んだ。

 

 

 

 

 

そしてこの選択が俺に数多の出会いと腐れ縁と呼べる友達達をくれたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「おい、起きろ氷川」

「いきなり何しやがる、夜吹」

 

転寝してた俺を叩き起こした悪友?兼贔屓の情報屋 夜吹英士郎に至高の一時を中断された文句を言うが次の一言で鉾を収めることにした。

 

「もう放課後なんだけどな……お前が探してた人達の埋葬された場所分かったぜ」

「……そうか、悪かったな」

「良いって、場所はお前のスマホに送ったからよ」

「サンキュ、報酬は?」

「この前のやつをチャラで」

「了解」

 

明日から3連休で学校は休み、私事(プライベート)も予定はなし。

なら決まったも当然。

鞄を片手に持ち椅子から立ち上がる。

 

「今から行くのか?」

「準備だけして朝一で行く、依頼の報告もしないといけないしな」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「って訳でこの3連休は東都の方に足を運ぶんでよろしく」

「オーケー」

「お土産宜しく」

「って待て待て!」

 

 

俺の言葉にアキさんとフィ兄は軽く返してくれたが翔兄が待ったをかけてきた。

 

「なんだよ、翔兄?」

「「なんだよ?」は俺のセリフだ! 説明しろ、説明を」

「依頼完了の報告と『俺のビギンズナイト』に一区切りつけに行くんだ」

「……行ってこい、但し無茶はするなよ」

「了解」

 

だけど俺のこの言葉に少しだけ考え込んだがすぐに了承をくれた。

 

「後、土産を宜しく頼むぜ」

「……土産代、頂戴(下さい)

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

西暦2002年、日本国首都東都。

この街では、人々が忽然と失踪する事件が連続発生していた。

極めつけは湧き出るように現れた未確認生物による2日間の蹂躙劇。

そしてその事件の真相を知る者は西暦2017年(現在)において極一握りしかいない。

 

 

 

 

東都の一角にある墓地1つ、手塚家之墓と刻まれた墓石の1つ。そこで俺は手を合わせて報告していた。

 

「……以上がライダーバトル(あの戦い)が行われた理由です、手塚さん」

 

 

 

俺が辿り着いた事実を墓石に語る。

そうしながらあの時を思い出す。

 

 

 

……違う……あの時占った……次に消えるライダーは……本当はお前だった……

 

 

 

運命を変えるんじゃないのかと叫ぶ俺にそう告げた手塚さんは笑みを浮かべあの言葉を口にした。

 

 

 

 

……だが…これ()運命が……変わる……

 

 

 

そう言って亡くなった貴方の名前を呼び続けた俺は……

 

 

 

「…俺は貴方の信頼に応えられましたか?」

 

 

 

次に訪れたのは城戸家之墓と刻まれた墓石。

そこで思い返すは仮面ライダー龍騎の変身者、城戸真司こと真兄。北岡さんや蓮兄が彼奴に関わってどこか変わったと言い切り、あの男(・・・)を殺そうと躍起になっていた俺をライダー同士で戦う事を嫌ったにも係わらずに戦って止めてくれた強い人。

 

 

 

 

 

 

 

…邪魔、するなアアアッ!!!

………駄目だ! このままじゃお前は帰るべき場所に帰れなくなる!!

お前が探していた答えを伝える資格を無くしてしまう!!

だから真昼…俺がお前を止める!!

 

 

 

 

 

 

 

「俺は生きてます、真兄。あの時、真兄が『ドラグレッター』の契約カードと『サバイブ』のカードを託してくれたから」

 

 

 

 

 

 

……俺はもう…駄目……みたいだ……だから真昼…お前に此れを……お前も…蓮も……死ぬな……

 

 

 

 

 

 

「ミラーワールドは閉じられたよ、最後の1人が(俺がそう)願ったから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に訪れた場所は慰霊碑が置かれた公園。

 

「蓮兄、貴方無縁仏って……」

 

そう言えば蓮兄が自分の家族の話をした事が無かったのを思い出す。

 

「オーディンとの最終決戦で貴方(ナイト)のカードデッキを託してくれたお陰で俺がライダーバトル(あの戦い)の勝者になったよ」

 

 

 

龍牙のカードデッキをオーディンに変身した神崎士郎に砕かれ消滅は時間の問題だった俺と致命傷を受け変身が解かれた蓮兄。

このまま終わるのかと絶望したあの時。

 

 

……お前に…コレを……くれて……やる…

 

 

 

 

そう言って投げ渡されたナイトのカードデッキ。

 

 

 

これが最初で……最後の…頼みだ……ヤツを…勝者に……するなッ!!…

 

 

 

それを使って俺はナイトサバイブに変身。

そして……

 

 

「俺の命には貴方達から託されるだけの価値が有ったのかな?」

 

 

 

……俺は『最後の1人(ライダーバトルの勝者)』になった。

 




主人公設定も今日中に投稿します。


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主人公設定

名前:氷川 真昼(ひかわ まひる)

誕生日 - 3月20日

身長 - 175cm、血液型 - AB型

 

氷川家3つ子の長男で氷川 紗夜と氷川 日菜の兄。

周りから秀才と天才の妹2人と比べられ、また比べられる2人からは慕われていた事から荒れかていたところを鳴海 荘吉と遭遇、見知らぬ他人ということで相談という名の愚痴を聞いてもらいその際に自身の持つ感情の正体を知る。また鳴海 荘吉の提案で氷川家両親と話し合った結果、彼の2番弟子となり小学校卒業とともに花咲川から風都へと引っ越しをする。

なお、妹2人には相談せずに行った。

 

 

左 翔太郎やフィリップは兄弟子に辺り翔兄、フィー兄と呼び慕い鳴海 亜樹子をアキさん、照井 竜をリュウさんと呼ぶ。親しい間柄(主に友人)は名前呼びだがそれ以外の間柄は名字呼びとなる。主な依頼主は中学生、高校生から受ける(報酬は相手任せ)。

他にも翔太郎やフィリップの依頼、稀に照井 竜の捜査の手伝いなどもする。

 

 

あるガイアメモリの事件に巻き込まれ、12年前の西暦2002年にタイムスリップし仮面ライダーリュウガのカードデッキを入手しライダーバトルに参加、その過程で手塚 海之死後のエビルダイバー、北岡 秀一死後のマグナギガ、城戸 真司死後のドラグレッダーと再契約するがオーディンに変身した神崎士郎との最終決戦前には3体とも撃破されている。

神崎士郎との最終決戦時に龍牙のカードデッキをオーディンに変身した神崎士郎に砕かれ秋山 蓮から託されたナイトのカードデッキを使いナイトサバイブに変身、ライダーバトルの勝者となりミラーワールドを閉じる選択をしターミナルの連絡を受けた仮面ライダー電王、野上良太郎によって西暦2014年に帰還。

 

 

 

 

 

その後、財団Xが関わった事件に巻き込まれた際に取引されていた■■■ドライバーと36本の『SHUFFLE』メモリを強奪、仮面ライダー■■■■に変身する、だがその事件以降■■■■には変身せず適合率が低い『ETERNAL』メモリを使用している。

 

翔太郎やフィリップは真昼の2つの「ビギンズナイト」の片方について知っているがもう1つは詳しくは真昼が話していないため詳細は知らない。

 

 

 

 

 

『SHUFFLE』メモリ

 

トランプで言う「切り混ぜ」の記憶を内包したメモリ。数あるガイアメモリを作成するよりも購入者の適合率の高い記憶を宿すガイアメモリに変化するメモリを作成する方がメモリ作成のコストが抑えられるのでは? と言った意見から財団Ⅹによって作成された。当たりか外れかは、『SHUFFLE』メモリのスイッチを押す使用者の引きの強さに掛かっている。

 

 

 

■■■ドライバー

 

財団Ⅹによって作成されたWと同タイプの変身ベルト(ライダーシステム)

左右2本のメモリスロットを備え、メモリを挿入し展開することで使用者を仮面ライダー■■■■へと変身させる。

後のフィリップの調査によると決まったメモリの組み合わせでしか使用出来ない様に設定(現時点で3種類のフォームが確認)されている。

初変身の直後にバックルの状態で翔太郎に6本のガイアメモリと共に預けられ現在封印状態にある。

 

 

 

 

 

仮面ライダー■■■■

 

氷川 真昼と■■■■が変身した仮面ライダー。ボディサイドを真昼、ソウルサイドを■■が担当する。

基本スペックはW、アクセルを上回るがその為■■■■への変身は2人に相当の負荷が懸かる。

 



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1話 Mの日常/纏うは永遠

タグを追加します。
そしてライダー初変身。


『文月学園』

 

 

 

風都に存在する革新的な学力低下対策として「試験召喚システム」を導入した進学校である。

クラス発表は個人個人に渡されており、同時に最新技術の「実験場」としても扱われており、多くのスポンサーが付いているため生徒の学費は極めて安く抑えられている。

生徒を大量に取られたことから近隣の高校からは目の敵にされており、また試験校のため経営が世論に左右されやすく、イメージの低下を避けるため不祥事を大っぴらにできないという問題点がある。

 

 

 

だから俺みたいな『何でも屋擬き(探偵見習い)』が重宝されるんだがな。

 

 

◇◇◇

 

 

その日も何時も通りだった。

 

「すいません、此処が文月学園相談室ですか?」

「そうですよ。名前と学年、そしてご用件をどうぞ」

「中等部2年A組の刀藤 綺凛です。相談したいのはクラスメイトの羽柴 旭さんの事なんです」

 

ここで自己紹介をしておこう。

俺の名前は氷川 真昼。2年C組のクラス長であり文月学園相談室の室長?だ。

相談者から相談内容を聞き、解決可能な範囲の相談を引き受け無理なら他言無用を約束し教師陣や翔兄などの外部の人達の仲介者となる。

 

「担任の先生を含めたクラスの全員が彼女を覚えていない?」

「はい」

 

相談内容は自分以外のクラスメイトが『1人のクラスメイトの存在を覚えていない』異常事態についてだった。

 

「心当たりは?」

「昨日家の用事で学校を休んだんです、クラスの出席簿を見たらクラスで休んだのは私だけでした」

「昨日刀藤さんのクラスで『何か』がおきた、けど昨日クラスに居なかった刀藤さんは『何か』の影響を受けなかった」

 

 

自分で『何か』と言いながらも思い当たるモノ(・・)があった。

 

「相談室に来た理由は?」

「私、転校した朝日先輩と面識が有るんです、その時に先輩の事を教えてもらいました」

「六花からか……よし、その相談を引き受けよう」

 

俺のギターの弟子であり1度だけの■■だったアイツの名前を出され断りきれなかった俺は依頼を引き受けた。

 

「よろしくお願いします」

「その前に刀藤さんに頼みたい事がある」

 

 

だが念の為に1つ手を出しておこう。

 

 

 

◇◇◇

 

 

「婆さん今、大丈夫か?」

「言葉に気を付けな、クソジャリ」

「何時の日か改めますよ学園長(・・・)

「真面目な話かい」

 

ノックをして学園長室に入る俺を容赦無い御言葉で出迎えてくれた学園長(ババア)こと藤堂 カヲルに依頼が入った事を伝える隠語(キーワード)を伝える。

 

「微妙、かな?………『失礼します、学園長。お話したい事が……って氷川が居るのか』……鉄人(西村)先生、俺は問題児か危険物かですか?」

 

話そうと口を開こうとしたら生徒指導の西村先生ーーー通称、鉄人ーーーが入室してきた。

あの吉井 明久(ミラクルバカ)をAクラス下位レベルの学力を身に着けさせると言う偉業(レジェンド)を為し遂げさせた功績?も追加された偉大にして規格外な御方だ。

 

「いや、丁度良いかもしれん。中等部の羽柴についてなのですが…」

「そっちもですか」

「相談室に誰か来たか?」

「ええ、羽柴のクラスメイトの刀藤綺凛からなんですが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「刀藤を除いた2ーA全員が羽柴を覚えていない?」

「刀藤の話だと担任も含めて、らしいですよ。だから俺は学園長に会いに来たんですよ」

 

俺が学園長室に来るまでの経緯を語ると2人とも神妙な表情を浮かべる、と同時に学園長は俺の用件に感づいたようだ。

 

「学園のデータベースを使う為かい?」

「この一件が『ガイアメモリ』が関わるなら情報は多い程良い」

 

最終手段(フィー兄)を頼るにしても検索の選択肢を出来るだけ減らせるようにしたいからな。

 

「仕方ないね、西村先生」

「了解しました。氷川、相談室のパソコンを借りるぞ」

「はい、じゃあな婆さん」

 

許可をもらった俺は西村先生に連れられ学園室を後にした。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「データには有りましたね」

「有ったな」

 

 

氏名:羽柴 旭

クラス:2-A

性別:女

 

新学年時確認試験成績

 

現国 134点

数学 213点

地理・公民 245点

日本史 315点

英語 371点

家庭科 162点

美術 64点

 

 

 

 

A組だけあって成績は優秀な方か……

 

「あれから確認したが中等部の教師陣はクラス担任以外は羽柴の記憶が有ったそうだ」

「部活動関係は?」

「帰宅部だ、友人も少ないらしい」

 

その数少ない友人の1人が刀藤さんか。

なんで居ない日に行動に移した?

 

「忘れる……忘却? 若しくは嘘?」

「忘却は分かるが嘘だと思う根拠は?」

対象(クラスメイト)に『羽柴と言うクラスメイトは居ない』と言う嘘の記憶を上書きした、なら嘘でも対応出来るかなと」

 

まだ何かが見えてない気がする。

それが判れば……

 

「クラスメイトがドーパントか?」

「或いは担任かも……一応候補に入れときましょう、ところでどうします?」

「羽柴の自宅に行きたいんだか……」

「予定有り?」

「ああ、バカ供の補習がな…」

 

俺が尋ねると溜め息を出しながら口にした言葉に納得してしまった。

 

「俺が行きます」

「頼む」

 

先生もバカ供の補習頑張って下さい。

 

 

 

◇◇◇

 

 

「教えてもらったマンションは次の角を」

 

あれから西村先生と別れた俺は学園を出て教えてもらった羽柴の住所に向かって歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

 

 

「…は?」

 

聞き覚えがある、いや有り過ぎる……だが、この世界では二度と聞こえる筈のない金切り音(・・・・・・・・・・・・)に呆けた声が漏れる。

だがそれと同時に少し先に置かれたガードレールから長い尾羽のような物が伸び巻き付こうとしたのを間一髪で避ける。

それを見たのかソレは此方側にその姿を現す。

 

「ミラーモンスター?! ウソだ…ろッ!!」

 

有り得ない存在からの攻撃を回避しながら距離をとりつつ懐から取り出したロストドライバーを腹に添え、固定されたのと同時に右手に握る白色のガイアメモリのスイッチを押す。

 

 

 

 

 

 

【ETERNAL】

 

 

 

 

 

そして『永遠(とわ)』を意味する単語(スペル)がガイアメモリから発せられる。

 

 

 

 

 

「…変身!」

【ETERNAL!!】

 

 

 

 

 

そして起動させた【ETERNAL】メモリをロストドライバーのスロットに挿し込み斜めに倒すと、俺の周りで青白い電流が迸り、風によって舞い上がる塵が全身を包みその姿を変える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは一度、風都(この街)を地獄に変えようとした『仮面ライダー(悪魔が変身した姿)』であり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あの時の(・・・・)俺が望んだ力を持つ『仮面ライダー(手段)』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 



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2話 Mの日常/過去へ誘う絵札

投稿します。


『ミラーワールド』

 

 

鏡の中に存在し、左右反転されている以外は現実世界とそっくりだが、モンスターやミラーワールドの住人以外の生物は存在しない世界。

現実世界の鏡像であるため、建造物や文字などすべてが左右反転しているが、仮面ライダーだけは正しい姿となる。

 

ミラーワールドには生身の人間など現実世界の物質は長時間存在することが出来ず、侵入すると拒否反応を起こし、一定時間を過ぎると粒子化が始まり、やがて消滅してしまう。逆にミラーワールドに生息する者が現実世界に長時間存在することもできない。ミラーワールド内でのライダーの活動限界時間は9分55秒となる。

 

基本的に鏡から出入りするが、ガラス、水たまり、ヘルメットなど鏡面化しているものなら全て出入口として使うことが可能である。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「まさか、手塚さんをぶちギレさせたミラーモンスターを相手にするなんてな」

 

コンバットナイフ型エネルギーナイフ、エターナルエッジを右手に握り目の前に在るミラーモンスター……ガルドサンダーに対峙する俺は困惑を必死に隠し思考を続ける。

 

(……この世界の時間軸なら俺がミラーワールドを閉じてから10年近く経っている筈、それに…)

 

「インペラーの契約モンスターみたいに同種類の個体が複数いるのか?」

『シャァァ!!』

 

(あのモンスターは手塚さんが倒した! それを俺は見ている!!)

 

「考えるのは後で、かな!」

 

雄叫びをあげ口から火焔弾を放つモンスターにそう叫ぶと同時に俺は左手に現時点で所持するガイアメモリの1つを呼び出しエターナルエッジのグリップ部分のマキシマムスロットに装填、起動させる。

 

 

 

 

【CYCLONE】

 

 

 

 

疾風()を意味する単語(スペル)が発せられると同時にエターナルエッジの刀身部分に風が纏われる。

 

「オラアァァァァァァッ!」

『シャァァ?!』

 

叫ぶと共にエターナルエッジを横凪ぎに振るい眼前に近付いた火焔弾を切り裂きガルドサンダー目掛け駆け出し胸元を十字に切り刻む。

 

「……悪いけど、これでサヨナラだ!!」

 

【LUNA】

 

更に呼び出したガイアメモリを右腕部分のマキシマムスロットに装填、起動させ幻想・神秘を意味する単語(スペル)が発せられると共に造り出した分身4体でモンスターを囲み2体で上半身を切り裂き、残りの2体で凪ぎ払い地面に叩きつけエターナルエッジに装填させたメモリを起動させる。

 

 

 

 

【【【【【CYCLONE! MAXIMUM DRIVE!】】】】】

 

 

 

 

四重に重なり合う宣告と共にエターナルエッジの刀身部分が蒼く輝き纏う風が凝縮される。

 

 

 

 

 

「ファントムブレイザー!!」

 

 

 

 

 

そして振るわれたエターナルエッジから放たれた斬擊がモンスターの身体を切り裂き爆発した。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

「時間が係ったな」

 

ミラーモンスターを倒した俺は早足で羽柴の住所欄に書かれたアパートに向かうが其所は何故かパトカーが複数留まり制服警官が辺りを警戒し規制線が敷かれていた。

 

「これ何事?」

 

なんか事件が発生した? 誰かに事情を聞くかと考えると野次馬の中に居た1人が俺に声をかけてきた。

 

「真昼?」

明久(ミラクル)か?」

 

声をかけてきたのは片手にスーパーで買ったであろう食材を買い物袋に入れている吉井 明久(ミラクルバカ)だった。丁度良い、色々教えてもらうか。

 

「事件か?」

「殺人事件らしいよ。真昼、やっぱりこれって……」

「待て、此処で言うな」

 

明久が聞きたいのはガイアメモリが関わっているかだろうがこの場で言うな、誰かに聞かれたらどうする。

 

「詳しく知りたいけど今は後回ししないとな」

「真昼はどうして此処に来たのさ? 確か住んでる場所(鳴海探偵事務所)は反対方向だよね?」」

「……それは俺も聞きたい」

「「ウワッ?!!!」」

 

突然の問いかけに2人して驚き後ろを振り返る。

 

「康太?」

「ムッツリーニ?! 」

 

振り返った先に居たのは2年Fクラスに在籍する男子生徒で1年生のときからの友人で並外れたスケベ心を持ち、本心に実直な行動を取るが、それを絶対に認めないことから『ムッツリーニ(寡黙なる性識者)』の異名を取る土屋 康太だった。

 

「真昼が居るって事は『メモリ』が絡んでいるんだろう?」

「今のってどう言う事?」

「現場の部屋が異常らしい」

「異常?」

 

明久の疑問の声に康太が答えるが俺はその内容に絶句した。

 

 

 

 

 

 

「ああ、昨日は熱帯夜にも関わらず窓はカーテンで塞がれて鍵が閉められていたらしい。それと化粧台の鏡や姿を映す類いの物が割れたモノを除いて布や新聞紙で隠されていたそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにソレ?」

「…何処から情報仕入れてるんだよ」

「言って良いか?」

「止めてくれ」

 

真顔でそう言う康太に釘をさす。

学園内では諜報(盗撮&盗聴)・探索・ピッキングなどの技術にも優れた「情報屋」で、裏方のエキスパートとして俺も情報収集や工作の面で度々協力してもらってます。

 

「康太、中等部2-Aの羽柴の顔写真って手元に有るか?」

「現像に2日はほしい」

「商品としてじゃないんだ。容姿を確認出来れば良い、ないか?」

「ないな」

「仕方無い」

「今回の一件と関係あるのか?」

「どうしてそんな事聞くのさ?」

 

俺と康太の会話を聞いた明久が康太に尋ねると驚きの返答が来た。

 

「現場が羽柴母子の住居だからだ」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「リュウさん」

「氷川か、何処から聞きつけたんだ?」

「別件で此処に来たんですよ、いきなり言うけど俺も中に入れません?」

「無理だ、と言いたいが一応理由を聞こう。それ次第だ」

 

明久と康太と別れた俺は警察官の中に見覚えのある人――――仮面ライダーアクセル、照井 竜さんの姿を見つけた俺はリュウさんに接触し現場に入れないかを聞く。当然断られたけどな。

 

「現場の現状に心当たりが有る、って言ったら?」

「ガイアメモリ関連か?」

「別件、かつ同レベルの危険性がある」

 

俺の返事に驚いたリュウさんは直に手配をしてくれた。

 

「鑑識は待避させた、中は無人だ」

「ありがとうございます、なら大丈夫ですね」

 

懐から取り出したロストドライバーを腹に添えて固定されたのを確認し【ETERNAL】メモリを起動させロストドライバーのスロットに挿し込み何時でも変身出来るように準備をする。

 

「リュウさんも念の為に」

「ナニが在るんだ?」

 

俺の行動に驚いたリュウさんの問う声に俺はこう答える。

 

 

 

 

 

「無い方が良いモノですよ」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

「無い、か。そうだよな……」

 

氷川の呟く声に籠る感情は落胆と安堵が混ざり合った複雑なモノに感じた。

 

「リュウさん、何も動かしてませんよね?」

「ああ、鑑識が調べ始める前に一騒動合ったからな」

「一騒動?」

 

本来非番たった俺が喚ばれた一騒動(理由)を告げた。

 

「そこの鏡に怪物が見えた、と大騒ぎになった。普通なら笑い話だが風都(此処)ならドーパントの可能性があるからな」

「だからリュウさんが喚ばれた」

「そうだ」

 

俺の言葉に考える氷川は少ししてから俺にあることを尋ねた。

 

「リュウさん、鑑識の人達から変な音が聞こえたって報告有りましたか?」

「いや、ないな」

「化粧台の正面にあるのは神棚……失礼します」

 

そして氷川は神棚を漁り…ソレを見つけ出した。

 

「冗談だろ?!」

 

氷川の右手に握られたのは俺が予想していたガイアメモリではなかった。握られていたのはを黒や紫等の暗黒色などを背景とし中心に渦が描かれていた絵札(カード)

 

「氷川、それは?」

「なんで……『SEAL』のカードが在るんだ…」

 

 

 

To be continued……

 

 

 



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3話 Mの日常/明らかにする為に

地球の本棚(ほしのほんだな)

 

地球の記憶の全てが存在するアカシックレコードのような精神世界。

果てしなく広がる真っ白な空間に無数の本棚が並んでおり、それら一冊一冊が地球の記憶のデータベースとなっている。使用者が検索をかける(キーワードを唱える)と自動的に本が選抜されていき、任意の情報が入った本を絞り込むことができる。ただし万能ではなく、情報が無ければ本を絞れず、個人に関する本でもその感情に関する情報はない上に、中身が全て破かれたように削除されていたり、何かしらの都合で施錠されて閲覧できないものもある。この世界に入っている人間は一種のトランス状態となっている(会話は可能)。

 

 

漫画『風都探偵』では、あくまでも本棚で検索できるのは通常の世界の情報だけで、裏風都のような別世界の情報は入手できないことが言及されている。

 

 

◇◇◇

 

 

 

「……………………………」

 

これは如何するべきかと悩む僕の耳に事務所の扉が開く音が聞こえた。

 

「遅くなって悪かっ……なんだ、この状況?」

「真昼、どうしたの?」

「いや、リュウくんが連れて来てから黙り混んでるよ」

 

帰ってきた翔太郎とときめの2人に亜樹ちゃんが事務所の椅子の1つを占拠しナニカを堪えている真昼について説明しある程度察してくれたようだ。

 

「真昼」

「…なんだよ」

「経験者として言ってやる、1人で抱え込んだら危ないぞ」

「翔兄の勘違いだ」

 

翔太郎は今の真昼を見てあの時の僕達とダブって見えたようだ。

まあ、僕も同意見だけどね。

 

「アホ、そんな表情()で言っても説得力ゼロだからな」

「そんなに酷い?」

「ああ、千聖嬢に会う前のお前と同じだ。相談ならいつでも聞いてやる」

「ありがと」

 

そして真昼は今日の出来事の全てを僕達に話してくれた。

 

 

◇◇◇

 

 

 

「…なるほどな」

「『ミラーワールド』か、興味深い」

「問題は真昼が閉じた『ミラーワールド』を誰がどうやって開いたかだね」

 

真昼の話した内容は真昼自身の『ビギンズナイト(過去の出来事)』に繋がるモノだった。

真昼と真昼に託した仮面ライダーたちによって閉じられた筈のミラーワールドから襲撃してきたミラーモンスター。

そして『現在(いま)』に存在しない筈のカードが現れた事。

 

 

「俺は【SEAL】のカードも気になってる」

「どう言う事?」

「【SEAL】のカードはミラーモンスターを封印出来る効果があるんだ、そしてミラーモンスターは鏡や窓ガラスみたいな『姿を映すナニか』がないと此方側に干渉出来ない」

「つまり殺された犠牲者は真昼が言った知識を持っていた?」

「そうなるし、現場に凶器が無いのも『ミラーワールド』で刺されてから此方側に逃げたのならある程度納得出来る」

「してないよね」

 

真昼はときめの問いに頷いてから自身の予測を語る。

 

「それなら【SEAL】のカードを肌身離さず持っていないと可笑しいから。なら俺が考えた可能性は1つ、『犠牲者は【SEAL】のカードを万が一の保険として手元に置かなかった』になる」

「それ可笑しくない?」

 

亜樹子の言葉に思わず頷いていた俺は真昼の反論を聞き何を危惧しているのかを知った。

 

「逆に納得出来るから。つまり被害者は【SEAL】のカード以上のモノ……例えば『仮面ライダー』に変身する『カードデッキ』を所持していた、とか考えられない?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「検索を始めよう」

 

早速本棚に入り情報収集を開始する。

 

「知りたい項目は『ミラーワールド解放の手段』。キーワードは、『ミラーワールド』、『ミラーモンスター』、『カードデッキ』…………駄目だ、絞りきれない」

 

ある程度のキーワードを入れて見たが本棚の数に変化はない。

 

「『羽柴 寧々』……被害者の名前は?」

「了解、『羽柴 寧々』……先程よりほんの僅かだが減った、が時間が係る」

「なら後回しで」

 

真昼の追加ワードでも特定には及ばないと告げると言うと驚くべき答えが返ってきた。聞き返すと申し訳なさそうな顔でこう言われてしまった。

 

「良いのかい?」

「実は他にも厄介な事が」

 

 

◇◇◇

 

 

「真昼、お前の『巻き込まれ体質』酷くなってないか?」

「言わないで」

 

真昼から話を聞いてこう言ってしまった俺は決して悪くはない。ってか学校で依頼を受けてその途中でミラーモンスターの奇襲受けるって……『大気圏突入事件』や『鬼ヶ島の鬼退治』も気付いたら巻き込まれていたパターンだしよ。

 

「それでは改めて検索を始めよう」

「知りたい項目はメモリの『名前』、キーワードは『記憶の改竄』、『2年A組』、『羽柴旭』……他には無いかい?」

「フィー兄、『母子家庭』を追加で」

「先程よりかなり減って82件残った」

 

『母子家庭』で減ったってことは……このワードも当てはまるか?

俺が考えている間に真昼も何かを思いついたらしい、2人同時にその言葉を発していた。

 

「フィリップ、追加キーワードに『父親』を頼む」

「…それと『クラス担任』も加えて」

 

フィリップは笑みを浮かべ告げた。

 

「……ビンゴ。該当メモリは………。後、メモリの所持者も判明した」

「やっぱり」

 

フィリップが告げたメモリの所持者の名前を聞きそう呟く真昼。

 

「聞き覚えがあるみたいだね」

「改竄範囲が1クラスの生徒だけだから……って可能性も有りかな、と」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「……柴田先生、ご結婚おめでとうございます」

 

学園内の教職員用の駐車場に車を停めた私の前にそう言って彼は現れた。

 

「君は…高等部の氷川君か、どこで聞いたんだい?」

「学校中の話題ですよ、イケメン教師が大企業のご令嬢をオトした、てね」

「いや、まだ婚約の段階さ」

 

まさか30歳過ぎてから結婚出来るなんて思わなかったからな……だからこのチャンスは逃がせない。

 

「なら一安心です」

「何故かね?」

「警察が先生に聞きたいそうですよ。……懐に入れている『ガイアメモリ』の入手経路についてね」

「………………」

 

『ガイアメモリ』について知っている?

だが次の言葉で私の疑問は消し飛ぶことになる。

 

 

 

 

 

 

 

「それともう1つ、羽柴旭の行方とその母親である羽柴寧々の殺害方法もね」

 

 

 

 

 

 

「……その2人は何者だい?」

「羽柴寧々は先生が14年前に別れた元恋人、羽柴旭は別れた後に元恋人が産んだ子供で貴方のクラスの生徒だ」

 

 

彼の言葉で悟ってしまった。

彼は全てを把握していると。

 

「……俺は悪くない…彼奴がいきなり現れたんだ!」

 

気付いたら叫んでいた。

 

「いきなり子供が居るのだとか籍をいれようとか訳分からないこと言いやがって!!」

「……14年も前の話ですよね?」

「そうさ、これが産まれた直後なら納得したし話し合おうと思った」

「話聞かなかったんですね」

「当たり前だろ!!」

 

なんか氷川が俺に同情してるぞ。

 

「それで口論に「違う」、なんですと?」

「彼奴はいきなり叫んで鏡から怪物(モンスター)を喚び出したんだ」

「……それって赤い鳥みたいな外見してました?」

 

ふざけてるのかと言われると思ったんだが・・・

 

「…知ってるのか?」

「俺も襲われました」

「よく生きてたな」

「先生もね、どうやって助かったんですか?」

「白服の男に助けられた、その時にこのガイアメモリを渡されたんだ」

 

この時、俺と氷川は分かり合えたと確信し懐のガイアメモリを取り出し見せる。

 

【TEACHER】

 

「【TEACHER】……『先生(教える者)』の記憶を宿したメモリ」

「ああ、実際使って便利な力だと分かったよ」

 

彼奴を返り討ちにした後で2回(・・)使用したがその効果に驚いたからな。

 

「Aクラスの生徒に『羽柴 朝日と言う名前の生徒は居ない』と『教えた』から使用時に居なかった刀藤 綺凛を除いたAクラスの生徒だけがメモリの影響下にあった」

「大正解だ」

 

元々、羽柴 朝日は人見知りで交友関係が狭いと事前に聞いていたから1回で終わると考えたんだ。

だがそれは誤りだったと今なら分かる。

 

「先生、今なら間に合いますよ」

「……どう言う事だい?」

「『死人に口無し』……上手くやれば正当防衛を勝ち取れます」

 

だからこそ彼の言葉に虚を突かれた。

 

「意外だな、普通なら罪を償えといいそうだが?」

「生憎俺は普通じゃない」

 

自嘲する彼には本当に……申し訳無いと思う。

 

「…無理、だな」

「何故ですか?」

「理由を話したら納得するだろう、が」

 

 

 

 

 

…キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

「悪いが話す気はない、君には消えてもらうよ」

 

 

 

 

俺にだけ(・・・・)聞こえるこの音が準備が整ったと知らせてくれたのだから。

 

 

 

To be continued……

 

 



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4話 Mの日常/掴んだ仮面


今回は蟹VS黒龍です。


…キィィィィィン……キィィィィィン…

 

「悪いが話す気はない、君には消えてもらうよ」

 

 

 

 

 

警告音と宣告は同時に俺の耳に届き俺は側面から迫ったナニカによって突き飛ばされソコに往った。

 

 

 

 

 

 

 

目に映る全ての光景の物が鏡越しで見たかのように映る場所にして嘗て殺し合い(ライダーバトル)が繰り広げられた世界(ミラーワールド)に。

 

 

 

 

 

 

「……ミラーワールドか・・・ヤバい、な」

 

何がヤバいかというと戻れるかが分からない。

最初の時だって『リュウガのカードデッキ』を渡されなかったら出られなかったのは間違いなかったからな。最悪懐のコレ(・・)を使おうかと決めかねていた時、その声が響きその姿に絶句する。

 

「悪いね、氷川君」

「?! その、姿は…」

 

金色に彩られている身体。

蟹の目と触角を連想させる頭部。

契約モンスターの一部を模したであろう左腕の鋏型の召喚機(バイザー)

そして腰に装着されたベルト、Vバックルに嵌め込まれた蟹の紋章が描かれたカードデッキ。

 

 

現れたそれは両手を上げ高らかに謳う。

 

 

 

「この街では僕の様な存在をこう呼ぶのだろう?」

 

 

 

『仮面ライダー』と………

 

 

 

 

「悪いが君には死んでもらうよ、僕が変身した『仮面ライダーシザース(ゴールドクラブ)』によってね!!」

 

 

 

 

 

 

高らかに口に出すその言葉に思った事……

 

 

 

 

 

「……名前ダサすぎ」

 

 

 

 

ひょっとしたら俺よりネーミングセンスが無いんじゃないかと思ってしまう。

翔兄の場合必殺技名とか良いんだよな、俺も幾つか考えてもらったし……

 

「冗談を言えるのも今の内さ」

 

考え込んでいたら接近されていたので慌てて距離を取りロストドライバーを装着、【ETERNAL】メモリを取り・・・・・

 

「仕方ない…えっ・・・無い!!!??」

 

慌てて辺りを見渡し・・・ミラーワールドの外に落ちているのを見つけてしまった。

 

「最悪だ!?」

「ちょこまかと!」

「いや、死にたくないからな」

 

ゴールドクラブの攻撃を全力で避け続けている俺は諦め懐から取り出したソレを起動させた。

 

「俺、これからギャンブラー白夜(はくや)って名乗ろう」

【SHUFFLE】

 

 

鳴り響くと共に無色のガイアメモリは俺の手を離れ、空中で目紛るしく変色しながら輝き始めた。

 

 

 

 

「さあ、ナニ(・・)が来る?」

 

 

 

『SHUFFLE』メモリ

 

トランプで言う「切り混ぜ」の記憶を内包したメモリ。

使用者の適合率の高い記憶を宿すガイアメモリに変化する特殊なメモリであるそうだが俺はあの時(・・・)の経験からこう解釈している。

 

 

 

 

 

『使用者が必要と思う記憶を宿したメモリに変化する』と。

 

 

 

 

 

だからこの状況ではーーーミラーワールドから脱出する為に適した手段に関わる記憶ーーーを宿したガイアメモリに変化する。

 

そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

【RYUGA】

 

 

 

 

 

 

 

だが、響いたのは始まりの……

既に俺からは失われた仮面の名前だった。

 

「ッ?!……変身!!」

【RYUGA!!】

 

そして起動させた【RYUGA】メモリをロストドライバーのスロットに挿し込み斜めに倒す。そして俺の体に複数の鏡像が同時に重なり、姿を懐かしさを覚える物へと変化させた。

 

 

 

闇夜を纏う身体。

赤く光る複眼。

暗黒龍(契約モンスター)の頭部を模した左腕の召喚機(バイザー)

頭部に描かれた黒き龍の紋章。

そして腰に装着されたベルト、Vバックルに嵌め込まれた黒龍の紋章(ライダークレスト)が刻みこまれたカードデッキ。

 

「なんだ、その姿は?!」

「……リュウガ」

 

驚くゴールドクラブを横目にカードデッキから取り出したカードをバイザーに装填し告げる。

 

「この姿は仮面ライダーリュウガだ!!」

【SWORD VENT】

 

認証音と共に空中から現れ手元へと落ちて来たドラグセイバーを右手に握りゴールドクラブに振り落とした。

 

 

◇◇◇

 

 

 

こんな筈じゃなかった。

氷川をミラーワールドに入れ込み消滅させようとした。だがあのモンスターを撃退したのを思いだし確実にトドメを刺す為に変身し終わらせる、その筈だった。だが現実は俺と似たような仮面ライダーに変身した氷川に圧倒されていた。

 

「遅い!」

「嘗めるな!!」

【STRIKE VENT】

 

呼び出した武装(シザースピンチ)を右腕に装着し殴り掛かるが当たらない。焦る俺に氷川はこう言って取り出したカードを左腕の機械に差し込む。

 

「爪っぽい武装2つで益々蟹に近付いてますね、ならじっくり焙ってやるよ」

【STRIKE VENT】

 

その音声と共に氷川の右腕に装着された龍の頭を模した黒い籠手で左頬を殴らたれ俺はその衝撃で地面へと弾き飛ばされたと同時にその言葉を耳にした。

 

「こんがり焼かれてくれ!」

「ガアァァァァァァッ?!」

 

起き上がりかけた俺にそう叫ぶと共に突き出された氷川の右腕に装着された籠手から噴き出した黒炎に焼かれ地面に再び倒れ身体に受けたダメージの多さに踞る。そしてそれが全てを決めたのだ。

 

「先生、思いっきり足加減するからさ…」

 

【FINAL VENT】

 

氷川の言葉と同時に響いたのは、これで終わりだと(チェックメイトを)告げる宣言。

 

「ハァァァァァァ……」

 

氷川が気合いを込めた声を口から漏らすと同時に宙に跳び上がる、その周囲を黒龍が飛来し、ある程度の高さまで到着した瞬間……

 

「……ハァッ!!!」

 

黒龍が放つ黒い炎を纏い、飛び蹴りの体勢に入った氷川の姿が近付いて来た。

 

「動くなよ、動くと……痛いぞ!!」

 

身体を起こし逃げようと足掻くが分かってしまった。

避けられない、と。

 

「…る……な…」

 

終わりたくない! 俺はまだ……

 

 

 

 

 

「来るなああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」

 

 

 

 

 

 

そして俺の身体に氷川の必殺技が直撃し激しい衝撃と共に俺の意識は薄れ……

 

 

……消えた。

 

◇◇◇

 

◇◇◇

 

 

『文月学園教師柴田勝政被告、殺人及び生徒への性的暴行の疑いで逮捕』

 

 

 

その日の夕方のニュースはこの一件が飾った。

内容は、過去に交際していた被疑者と被害者が口論の末に起きた殺害現場を帰宅した被害者の娘が偶然目撃してしまい口封じ目的に性的暴行を行った。

 

 

……表向きはそう伝えられた。

 

 

◇◇◇

 

風都警察署の一部屋で集まる風都に()仮面ライダー達(3人)の姿があった。

 

「……それでどうだった?」

「駄目だ、柴田は本人の供述通り巻き込まれただけだな、ガイアメモリはフィリップに調査が終わり次第メモリブレイクする」

「ブレイクしないと効果は消えないから仕方無いですけど」

 

竜さんと翔兄の会話に思わず口を挟んだ俺を2人して見てくるがその顔には仕方ないと描かれていた。だって押収した【TEACHER】メモリを調べた最初の段階と供述でとんでもないことが分かったんだからな。

 

「新型のメモリ、か」

「コネクタ無しで起動出来た訳だからな」

 

そう、【TEACHER】メモリは本来必要であるコネクタを使用しないタイプ(新型)のガイアメモリだった。なら詳しく調査するためにメモリブレイクしない方が良いのでは?とも考えた。

 

だが時間を掛けずにメモリブレイクしなくてならない理由が出来た。

 

「羽柴 旭は?」

「駄目だ、完全に壊れてる」

「男性が視界に入っただけで御主人様とよび性行為を行おうとするそうだ。今は女性警官を中心に監視させている」

「最悪ですね」

 

あの時、柴田が俺の提案を断った理由がそれだった。

柴田は羽柴 旭に【TEACHER】メモリを使用した。

 

 

 

 

 

 

 

----羽柴 旭は自身が親に売られた(・・・・)存在で自身の言葉に従う性奴隷であると『教えられ』強姦されていた。----

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、フィリップに聞いたが『メモリブレイクしても記憶の再認識から精神崩壊する可能性が高い』と言われたよ」

 

やりきれないと表情に出ている翔兄に同感しつつも俺にとっての本題を聞く。

 

「……カードデッキの方は?」

「真昼との戦闘の衝撃で壊れたからな、使い物にならないそうだ」

「けど、ミラーワールドの調査ならコレがあります」

 

懐から漆黒の色のガイアメモリを取り出し2人に見せる。

 

「『仮面ライダーリュウガ』の記憶が宿ったガイアメモリ、いや『ライダーメモリ』って呼ぶべきか」

「使えるのが氷川だけなのが気がかりだが…」

 

リュウさんはそう言うが俺としてはエターナル以外の選択肢(・・・)が出来た事に安堵していた。そんな事を考えていた俺に何か気になったのかリュウさんが尋ねてきた。

 

「そう言えば氷川の学校の方はどうなった?」

「落ち着いてはいますけど行事が入れ替わったんですよね」

「行事?」

「ああ、『清涼祭』か」

不祥事(今回の一件)のほとぼりを冷ますために先に『学力強化合宿』持ってきやがった、2年生()達には良い迷惑だよ」

 

因みに『清涼祭』は他校の文化祭の様なモノと思えばいい。

更に言えば今年の『清涼祭』、実はFクラスの召喚戦争で去年より1週間程遅く開催される予定だった。

裏事情を思い出す俺に翔兄は何かに気付いたのか俺に問いかけた。

 

「まて、確かその合宿って4日はなかったか?!」

「なんで知ってんの?」

「俺、文月卒業生だからな」

「納得」

「まあ真昼は暫く学業に集中ってことで良いな」

「はいはい」

「ところでその合宿って何時からだ?」

「来週」

 

今日は木曜日だから3日後に開始される。

 

 

 

そしてこの時、俺は翔兄の『学業に集中』の言葉にこう突っ込まなければいけなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それフラグじゃねえ?って。

 

 




次回はバンドリキャラを出します。
予定では・・・


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5話 Eの蠢動/依頼承諾

予定通りとはいきませんでした。
あと、今回から学力強化合宿編です。


学力強化合宿が来週に迫った今週最後の登校日。

 

「室長、家庭部の助っ人終わったぞ」

 

そう言って相談室に入って来た男は()FFF団団長須川 亮である。

 

 

 

 

FFF団(異端審問会)

 

それは文月学園2年Fクラスに存在するクラス内の異性に縁のある奴を粛清するのが目的で立ち上げられた血の掟を破りし異端者の捜索と断罪を行う断罪集団である。

が他クラスの彼女持ちの男子生徒を審問にかける事もあり、粛正範囲は特に制限がないらしい。

主な団員はFクラスの男子達+α

団員は全員黒覆面と黒マントを着用、背信行為(抜け駆け)や女子から好意や興味を持たれている者が判明すると何処からともなく出現し、粛正する。

その行動力・統率力はすさまじく、対象者が逃走した場合即座に編隊を組んで捜索を行う。

なお、FFF団団員が背信行為を行った者は会長であろうとも粛清対象とされる。

 

「どうだった、須川?」

「感謝されるって気持ち良いな。後、FFF団が如何に非常識の固まりだったか理解出来た」

「そりゃ良かった、でFクラスはどうなると思う?」

 

何故、FFF団団長であった須川が相談室に…しかも俺を室長と呼ぶのかは何時か説明するとして気になっている事を尋ねてみる。

Fクラスの召喚戦争はC、Eクラスを除いた3クラスと戦いD、Bを降しAクラスを変則的な形ではあるが2勝2敗1分で引き分けを収めたのだ。

そしてFクラス代表『坂本 雄二』はFクラス生徒全員の再試験を提案。

ババアが了承し行われた再試験の結果、須川がCクラス、坂本、土屋、木下の3名がAクラスに再編入された。

で俺が鉄人の要請を受け須川の監視役となり相談室の一員として扱き使っている。

 

「俺がCクラス、坂本、土屋、木下がAクラスだろ。正直言って不安しかない」

「理由は?」

「奴等の司令塔になり得る奴等が姫路さんと島田のみの時点でな……室長の話なら島田が吉井達含めたAクラスと揉めるのが確実だ、と思う」

「合宿中は何も起こらないといいな」

「起きるに俺は500円賭ける」

 

 

ーーーーー2年Cクラス代表氷川 真昼、2年Cクラス須川 亮の2名は至急学園長室に向かうように、繰り返します……ーーーー

 

 

「……起きた、か?」

「なんで俺まで?」

 

お互いに顔を見合せ呼び出された理由も分からぬまま学園長室に向かう為に相談室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「「学園長、失礼します」」

 

そう口に出して学園長室に入るとババアが信じられない一言を口にした。

 

「2人とも悪いね」

「ババアが労りの言葉を口にした?!」

「室長、口悪くねえ?」

 

須川、お前はババアを知らないから言えるんだよ。だって何もしてないにも関わらず労りの言葉を述べたんだぞ?! 明日は『ノイズ』に遭遇するか『お祓い』をする羽目になるのか?

 

「まあ、良いさ」

「……厄介事か?」

 

俺の無礼極まりない言葉を受け流した時点で何か合ったと分かり尋ねた。

 

「まあ、取り敢えず吉井宛てのコレを読んでみな」

「脅迫文だな」

 

内容は『お前が異性に近付く事は許されない。今後、異性に近付いた場合貴様はこのような事になることが確定すると思え!』

 

「で、コレが添えられてた写真さ」

 

ババアが渡された写真にはスプラッタにされた人達の残骸と其処に立つ残骸の血が身体を彩る異形(ドーパント)の姿。

 

「ドーパントの犯行現場か? ババア、学生に見せて良いモノじゃないだろ」

「見せんと始まらんからな」

「あの、俺が呼ばれた理由は?」

 

一般人が見たらその日の夕食は食べられなくなる光景が収められた写真の文句を言う俺とババアに須川が尋ねた。それに確かにと思う、『ガイアメモリ』絡みなら俺個人だけ呼べばいい。そんな俺の疑問に答える声と同時に入ってきた。

 

「其処は俺が説明する」

「「鉄人?」」

「……今回は見逃す」

 

入ってきた西村先生(鉄人)だが呼び方を注意しないで須川に問いかける。

 

「須川、()FFF団団長として聞くが犯人がFFF団団員の可能性は無いか?」

「無いですね、ってか奴等にこんな複雑な手順で事を実行する知能があるかどうか……」

「確かに、直接行動するだろうな」

 

即答する須川に思わず頷いていた俺と鉄人が居た。

 

「吉井に怨みって……まあ、想像出来んわな」

 

彼奴、おバカだけどグズじゃないしな。

となると……

 

「逆怨みか?」

「だからFFF団が候補に」

「分かってくれたかい?」

 

俺達が理解したのを見たババアの問い掛けに頷いて答えた。

だが疑問点がある。

 

「だけど『ガイアメモリ』に手を出すか?」

 

いくらFFF団(馬鹿共)でも1回使ったら破滅確定の劇物に手を出すか? しかもかなりの額の購入資金が必要な筈だ。

 

「出さない、と言い切れない時点で警戒は必要だろ」

「確かに」

 

だが可能性が1%でもあるなら警戒は必要だと言うババアの言葉に納得するのであった。

 



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6話 Eの蠢動/騒動発生

「……って事で明久、分かった?」

 

合宿所に到着早々、貸し切りバスで送迎されて来た明久御一行を合流させ事情説明と言う名の雑用、因みに内容は明日に使う合宿用の教材のプリントの仕分けである の真っ最中だ。

 

「分かったよ」

「お前も脅されてたのかよ」

 

俺と明久の会話に驚き半分呆れ半分の突っ込みを入れる坂本雄二、その反応と内容が意外だったので詳しく聞く事にする。

 

「雄二もか?」

「俺の場合はそこまで深刻じゃないからな」

 

話を聞くとAクラスの代表、霧島 翔子にニセ告白の録音が渡り修羅場になりかけたそうだ。

取り敢えず霧島さんが響やクリスを筆頭とした苦笑いレベルのヤンデレにならないように祈っておこう。

 

「……康太、調べるなら気をつけろよ」

「了解。ところで真昼、雑用はこれで終わりか?」

「ああ、とりあえず鉄人に……」

 

報告を、と言う前に部屋の扉が開きバットを始めとした鈍器や何等かの道具類を携えた女子学生達(武装集団)が雪崩れ込んだ。

 

「全員手を頭の後ろに組んで伏せなさい!」

 

 

 

 

 

 

この言葉を聞いた俺達の反応。

 

・明久

・雄二

・康太

・須川

 

部屋の窓を開け逃走経路の確保&逃走3秒前の態勢で固まる。

 

 

 

 

・秀吉

 

予想外の展開に呆然と立ち竦む。

 

 

 

 

・俺

 

懐に事前に渡された録音用の小型集音マイク+鉄人直通のSOS発信装置のスイッチをONにする。

 

 

 

 

 

「はい?」

「何事だ?」

「氷川代表、木下君は此方に」

「加賀か?一体何事?」

 

呆けた声を上げる秀吉と状況を理解しようと女子学生達(武装集団)に声をかけた俺に気付いたCクラスの加賀によって逃走準備を整えていた4人と分断された。そして加賀から説明を受ける。

 

「これが女子風呂の脱衣所に設置されていました」

「CCDカメラと小型集音マイク?」

「それで容疑者に土屋君があがって……」

「-------------ああ」

「「「「「真昼(室長)、納得するんじゃない!」」」」」

 

すまん皆。俺も学校でコレを見せられたら康太を真っ先に疑う。

けど今回は違うんだ……違うよな?

 

「おい、武装集団(女子一同)

「なによ」

 

俺の疑問は捨て置き先ずは弁明だ。

 

「B組の小山か、俺達は無実だ」

「証拠は?」

「今まで鉄人……じゃなく西村先生の雑用を遣らされていた」

 

俺達6人が纏めた明日に使う合宿用の教材のプリントの束を指さしそう言った.

 

 

 

◇◇◇

 

コレハマズイデスネ

 

「ウソだと思うなら西村先生に確認しろ」

「そっちに須川がいるじゃない。FFF団を使ったんでしょう?」

 

ミナミチャンハハンロンシテイルケドホカノヒトタチニハマヨイガデキチャッテル

 

「須川はFFF団から除名処分を受け退団済みだ。よってッ?!」

「「「「真昼?!」」」」

「室長!」

「おい! 妖怪関節砕鬼!! いきなり凶器を持ち出すか?」

 

アア、ジャマモノノカオニバッドガアタッテクレレバヨカッタノニ

 

「ごちゃごちゃ五月蝿いわね、吉井達と一緒に大人しく殺られなさい」

「残りも島田(コイツ)と同意見か?」

「私も美波ちゃんと同じ意見です」

「西村先生に確認出来るのならしてからでも良いわ」

「私も」

 

マズイデス、コノママダト……

 

「なら加賀頼めるか?」

「はい、直ぐに「おい、この騒ぎはなんだ」西村先生、丁度良いところに」

 

コンカイハアキラメナケレバイケマセンネ

 

 

◇◇◇

 

 

 

「……以上です」

 

まさか初日からSOSが来るとは思わなかったぞ。

 

「成る程、悪いが氷川の言う通りだ」

「なら本当に?」

 

女性陣達の視線が集まる中で説明を始める。

 

「氷川、須川、吉井、坂本、木下、土屋の6人には合宿所到着から先程まで雑用を手伝ってもらっていた」

「そうですか」

「待ってください、そちら側に須川君がいます。FFF団を使えば犯行は可能です」

 

納得していないのは姫路、島田を中心とした数人か。

 

「須川はFFF団を退団済みだ。氷川には監視を頼んでいるが異常無しと報告を受けてる」

「ですが……」

「そもそもだ…」

 

直も反論を行おうとする姫路を遮りある事の確認をとる。

 

「この一件、教師陣に報告したか?」

「…あッ……」

「その様子だとしていないようだな」

 

報告をしていないのが感情の先走りによるものか、それとも故意によるものか。

 

「まあ、今回は事情が事情だから見逃すが次はないぞ」

「分かりました」

「なら解散だ、後加賀と小川、それと男性陣は残れ。それぞれの担任が用があるそうだ」

 

先ずは確認からか。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「すまないな」

「いきなり来ましたからね」

 

鉄人と真昼の会話を聞きながらもある事を考えてしまう僕がいた。

 

「加賀と小山、2人に幾つか聞きたい」

「はい」

「ちょっと待て鉄人。2人を巻き込むのか?」

「俺の予測が当たった場合はな」

 

雄二の問い掛けにそう返答する鉄人。

 

「予測?」

「加賀、此方側の事情だ。先ず最初にCCDカメラと小型集音マイクを見つけたのは誰だ?」

「Dクラスの女子だったと聞いてます」

「加賀と小山の2人は現場を見てないのか?」

「BとCの2クラスは入浴時間が違うのよ」

「ああ、パンフレットにも書いてる」

 

鉄人の質問に答える加賀さんに真昼が疑問に思った事を問いかけるが小山さんとムッツリーニの返答に納得していた。

 

「次の質問だが、なんで集団になってたんだ?」

「しかもバットなんかで武装してたよな」

 

しかも真昼は下手したら大怪我だよ、まあ普通(ケンカ真っ最中)だったら真昼は避けた後に返撃して沈めるだろうけどね。

 

「私達は誘われたんです」

「ええ、確か「覗きを企てた犯罪者に制裁を!!」って」

「雰囲気が異常だったので万が一のストッパーとして加わりました」

「私達が最後辺りだったからDEFの3クラスの誰かが纏めたかと」

 

うん、2人の判断は大正解だよ。

けどストッパーとして機能して無かったよね?

 

「土屋、CCDカメラと小型集音マイクの性能はどれほどだ?」

「安物だから余り良くない、俺なら金が係るがもう少し性能が良いのを……西村先生、まさか」

「俺もそのまさかを憂慮している」

 

「「(デゴイ)か!!」」

「「「「(デゴイ)?」」」」

 

鉄人の考えに辿り着いた真昼と雄二の2人が叫ぶ。が分からない僕達はどう言う意味?と尋ねた。

 

「見つかる前提で仕掛けたモノなら安物で問題なし、それどころか犯行を康太の仕業にする事で設置した本命が発見される可能性を下げる」

「犯人が見つかり『次は無い』と思わせる……厄介だな」

 

真昼と雄二の考えに全員納得する。

だから聞いてみた。

 

「……ねえ、真昼」

「明久?」

「どうした?」

「…僕が狙われた可能性無い?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

どうやら私達は厄介事に巻き込まれたようだ。

 

「……ねえ、真昼」

「明久?」

「どうした?」

「…僕が狙われた可能性無い?」

 

 

 

「吉井君、そう思う理由は?」

「加賀さん、島田さんが言ってたよね「ごちゃごちゃ五月蝿いわね、『吉井達』と一緒に大人しく殺られなさい」って。あの時容疑者筆頭はムッツリーニだったよね」

「ええ」

 

吉井君の言葉に答える加賀さんの言葉に周りの男性陣が納得の表情を浮かべる。

 

「成る程、それなら明久じゃなく康太の名前が上がるはずじゃな」

「なら例の脅迫文を出したのは島田?」

「だかこんな回りくどい方法島田が使うか?」

「脅迫犯と盗撮犯が同一人物とは限らない、けどなら誰が?ってなるんだよな」

「俺の意見を言って良いか?」

「先生どうぞ」

 

 

 

「盗撮犯が女性の可能性はないか」

 

 

 

西村先生の言葉に吉井君達は顔を見合せてる。

 

「…盲点」

「それなら幾つかの問題はクリア出来る」

 

土屋君と氷川君が呟き考えこむ。

 

「ならDEF3クラスの誰かが犯人?」

「盗撮犯はな、問題は脅迫犯だ」

 

須川君と坂本君も考えこむがちょっと無視出来ない言葉が先程から聞こえるから加賀さんと一緒に聞いてみる事にした。

 

「あの」

「すいません、先程から出てくる脅迫犯って?」

 



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