このカオスな世界に祝福を (アルさん)
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このカオスな世界に祝福を
作者は暫くダクソをやっておりません。
設定がガバガバになる可能性があります。
上記のことをご確認の上で読んで頂ければ幸いです。
何度目なのだろうか?
この使命に縛られて何年過ぎたのだろう。
使命を果たしていくうちにまともな人間だった頃の記憶がほとんど消え去っていた。代わりに得た知識はボスの効率的な倒し方やパリィのタイミング、カエルの危険性ぐらいであろう。
最初はあの上級騎士に託された使命を遂行することで自分は呪いから開放されると信じて疑わなかった。しかし、長い旅の果てに遂ぞ私は呪いを解くことは叶わなかった。それならばせめて私のような哀れな人間をこれ以上出さないためこの世界の薪になろうと思った。しかし、それさえもまやかしだった。
長い年月が経った後、火の無い灰として蘇った私の目に写ったのは以前と変わらないただの地獄だった。そして、また私の旅が始まった。
この旅は前回のものとほとんど変わりはなかった。
しかし、決定的に違ったものが一つあった。
私は火を継がなかった。
だからなのだろうか、私の旅は火を奪うだけでは終わらなかった。 灰の墓所からやり直しになってしまったのだ
それからというもの何度も火を奪った。
そして何度も殺した、ファランの騎士も、踊り子も、無名の王も、化身も。
それを千回ほど繰り返したとき
ー最初の火の炉ー
私は火防女を呼び出した。何百回とやってきたことだが今度は火を奪うのが目的では無い。
「どうかしましたか、灰の方?」
最後に別れを言いたかった。
思えば、この火防女には随分と世話になった。
それに対して私が行ったことといえば、眼を与えその度に殺し、火を奪うだけだった。私は死ぬことすら出来ずこの地獄のような世界に縛られ続けるのだろう。例え火を継いだとしても。
ならば彼女には生きていてほしい
彼女には私が火を継いだ後暫く続くであろう平和を私の渡した瞳で見てほしい。
「今まですまなかったな。」
そう言って彼女の手に帰還の骨片を握らせ潰させる。
そして最初の火に触れる。
(また繰り返しか、次に目を覚ますときは何万年後になっているのだろうか?)
そう思ったときいきなり腕を捕まれた。
その瞬間始まりの火は神々が最初に見つけた頃のように燃え始めた。
ーーーーーーーーーー
(何処かの草原)
「何処だここは?」
目を覚ましたのは草原の上だった。
腕に重みを感じると思い見てみると火防女が腕を掴んだまま気を失っていた。
(ここはアノールロンドなのか? )
辺りを見回してみても何も無いただ自然が広がるのみである。
「灰の方?此処は何処なのでしょうか。」
火防女は気がついたようで私に尋ねてきた、
「さぁな、皆目見当もつかん。」
この世界がどのようなものなのか、何をすればいいのかまったくわからない。
しかし、不思議とこの世界にきらめく太陽をみてどことなく安心感のようなものが湧き上がって来る。
そしてこれから起こるであろうことに期待を膨らませ亡き友のポーズを取るのである
ー太陽万歳ー
その姿を見て火防女は困惑した。
短いですよね。
ごめんなさいm(_ _;)m
至らぬ点を見つけたら教えてくれるとありがたいです。
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この世界の情報を
カズマ達の登場は後になると思います。
書き忘れていましたが主人公の装備は基本火継シリーズのイメージで書いています。
それと今回このすばのネタバレを含んでいますので気をつけてください。
ーーーーーーー
私達は3日程歩き続けとある街にたどり着くことができた。最初私達は大勢の人間の営に多いに感動し、興奮した。しかし、そこで問題が起きた。
「すまない、少し聞きたいことがあるんだが」
「%#@+(+%(7&4?」
言葉が通じないのである。さて、どうしたものか。この世界に来る前の私ならば言語の習得等も簡単に出来たのだろうが、この世界に来てからどうにも力が出ない。もしかしたらステータスが著しく落ちてるのかも知れない
そんなことを考えてるといきなり声をかけられた
クリス視点
今日は久々に下界に降りて羽を伸ば.....ゴホン、任務に来たのだか変な二人組を見た。一人はボロボロの鎧を着ており所々に焦げており騎士というよりもアンデットのような雰囲気を漂わせていた。もう一人は何か仮面のようなもので目を覆っており聖職者のような印象だ。しかし、注目すべきは見た目ではない。彼らの話す言葉である、この世界のものではない。新しい転生者の報告は受けていないことからたまたまこの世界に紛れ込んでしまった人間ということなのだろうか。そんな話今まで聞いたことはなかったが取り敢えず接触を測ってみることにした、人通りの少ない道に入ったときこっそりと頭にこの世界の言語の情報を入れ、そして潜伏スキルを切って話しかけた
「はじめまして私はクリス!見ての通り盗賊だよ。見た所ここら辺はh」
その瞬間前に居た騎士はローリングしながら私と距離をとった。
ーーーーーーー
まさか背後を取られることになるとは思わなかった。前のレベルならまだしも今致命を取られればこの生命力では致命の一撃を食らわされ死んでいただろう。見たところ私を襲撃したのは少年だった。
(少年でこれほどの技術を会得するとはな、案外この世界も平和ではなのかもしれんな。)
「クリスと言ったか?惜しかったな、しかし私も対人には腕に覚えがある。いくらレベルが下がろうとも貴様のような小僧には負けんぞ」
そう言って???は自分の腰に下げているロングソードに手をかける
(ん?今さっきこの少年の言葉がわかった様な...)
「お待ち下さい灰の方!この少年は挨拶をしただけです」
「そうだよ、それと私は女!!!」
「何故お前は私達と喋れているのだ?」
ーーー説明中ーーー
「なる程この世界はそのようになっているのだな」
「わかってもらえた?」
この少年の様な少女クリスが言うにはこの世界というものは魔王軍が存在し、ソウルの代わりに経験値でレベルが上がりソウルの代わりにエリスという通貨が存在している。そして、冒険者になることでスキルポイントと言うものを使い魔法や技能を身につけることのできる世界だということを知った。そしてクリスが実は女神で彼女の力で言葉が話せるようになったことなど
「これで私からの説明は終わり。今度はそっちが質問に答えてくれる?」
「ああ、わかった少し長くなるがな」
そう言って私はあの忌々しい世界のはなしを始めた。
ーー説明中ーーー
神殺しの話のあたりから少し渋い顔をされたがあの世界のことを洗いざらい話した。
「にわかには信じられないけど本当の話なのね?」
「ああ」
「はぁ、折角の休日だったのに。まぁいいわ私はこれから上司にこの話をしてくるからそれまで変な行動は控えててね」
面倒くさそうな顔をしながらクリスは言う
「私達を拘束しないのですか?」
火防女がそう言うと
「そうしたいのは山々だけど私たちはこの世界にいる人間にできるだけ干渉してはいけないの。だから貴方たちを罰することはできないけど絶対に問題は起こさないでよ」
そう言って彼女は天界に帰って行った。
今までは自分自身の為に冒険というものをしたことがなかった。
「火防女よ」
だからなのだろうか?
「何でしょうか灰の方?」
自分の為だけにするという冒険に強い憧れを抱いた。
「冒険者になろう」
火防女の扱いが難しく出さなければよかったと思い始めた今日この頃です。ですが一緒にこさせたのなら冒険ぐらいさせないといけないと思うので頑張ります。火防女のレベルってどうなってるのでしょうね?
次回
転生したら主人より強かったかぼたん
デュエルスタンバイ!!
(この作品では主人は強くはなりますがチートにはなりません)
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初めてのクエスト
この世界の言語を使えるようになった俺達はギルドに来ていた。そこで酒を飲んでいた冒険者に金を恵んでもらいステータスを写してくれる登録者カードというものを作成した。
「あれ?名前が書かれてませんね。」
名前などあの世界ではほとんど意味を成さなかったのですっかり忘れてしまっていた。
「私達の生まれた場所では名前をつける文化がなかったからな。」
かなり苦しい言い訳だったがあまり詮索してこなかったので助かった。
「そうですか、随分変わったところから来たのですね。それとこちらがあなたのステータスになります。」
受付が渡してくれたカードには私の能力が書かれていた。
「これは…」
「すべての能力値が平均もしくはそれよりも低いため職業は冒険者しか選ぶことができませんね。」
まさかこれほどまでに弱くなっているとは思わなかった。ステータスは初期の頃のものになっているようで筋力が他より少し高いだけで、後はすべて低い。…と思う。
「その冒険者という職業の特徴はどのようなものなのだ?」
「職業が冒険者の方はすべてのスキルを習得することができますが習得するスキルを他人から教えてもらわなければいけませんそれに消費ポイントも他の職業の方に比べて多く掛かります。」
「そうか。」
私が落胆していると
「大丈夫ですよ!レベルが上がればジョブチェンジできるので。」
「そうか。」
そう言ってその場を立ち去り、これから受けるクエストを選んでいると後ろから声が聞こえてきた。
「知力が高く魔力量が多いですね他の能力値は平均ですね、これならウィザードをオススメします。」
「わかりました、ではそれでお願いします。」
なんだと?嘘だろ、火防女も何の取り柄もないものと思い込んでいたがまさか俺よりも強いのか?いやそんなわけが無い、火防女よりも弱い不死人など聞いたことがない。
「灰の方只今終わりました。」
「ああ、すまないがギルドカードを見せてくれないか?」
「わかりました。」
そうやって見せてきた登録者カードには恐ろしい真実がかかれてあった。
(筋力が私と同じだと!!)
嘘だ、ありえない、まさか何一つ彼女に勝てていないとは
「火防女よ、私のレベルを上げることはできるのか?」
もしできるのであれば今すぐ手持ちのソウルをすべて握り潰しレベルを100程あげてやる。
「すみません、それはできません。世界が変わった影響なのかもしれませんがソウルを感じることができないのです。」
「…そうか」
落胆した私だったがそれならばするべきことは一つ
レベル上げだ。
そう言ってジャイアントトード討伐のクエストを受けた。
ーーーーーーー
(なる程デカイな。)
大きさは冷たい谷のボルドと同じぐらいか。受付嬢が言うには初心者には丁度いいぐらいの強さらしい。
「私が試しに戦ってくる、危ないと思ったら逃げて応援を呼んでくれ。」
「わかりました灰の方、お気をつけて。」
手にとったのは炎派生のロングソード+10だ。最初から最後まで使ってきた武器であり、最も手に馴染んでいる。それに他の武器に比べて軽いので問題なく振るうことができる。
『静かに眠る竜印の指輪』を着け後ろに回り溜め攻撃をする。
(弱いな)
無事一撃で倒すことができた。
同じ様に2匹倒し、レベルが上がったことを確認した私は火防女を呼んで雷派生のロングソードと指輪を渡す
「私でもできるでしょうか灰の方?」
「大丈夫だ、お前の筋力はほとんど私と変わらない、一撃で倒せるはずだ。」
そう言ってレベル上げに戻る。これこそが私の得意分野だ、クエスト期間は後5日あるがあと10匹程倒したら今日の所は帰ろう。色々と試したいことがある。
「すいません灰の方、助けて下さい」
後ろを見ると顔から下がカエルの口に入っている火防女が見えた。私は急いで彼女の元に走っていった。
ーーーーーーー
「ジャイアントトード六匹の討伐ですね」
結局火防女が粘液塗れになってしまったので今日の所は終わることにした。
「確認が取れました。こちら報奨金の30000エリスです。」
「わかった、それと体を洗えるような場所はあるか?」
「それでしたら街の銭湯をオススメします。場所は…」
というわけで銭湯に火防女を連れていき、火防女が風呂に入っている間に何処か拠点を探す。
すると街外れに古い教会があったのでそこを調べる。
(誰かが住んでる気配も無い、金が貯まるまでここを拠点にするか)
真ん中に不死の遺骨と大量のソウルを置き『螺旋の剣』
をつきたてる。するとそこから火が燃えはじめた。
(簧火は使えるのにレベルは上げられないのか、変な世界だ。)
簧火の近くに腰を下ろし体を温める。するとこびり付いた血や汚れが落ちていく。
(もうそろそろ迎えに行かないとな)
早く彼女には魔法を覚えてもらわなければならない
登録者カードを取り出し上がったステータスを確認する。やはり火防女の筋力を上回っていた。
ウィザードの筋力を上回ったことに対し狂喜して太陽のポーズをきめる不死人の姿がそこにはあった。
はい、次はだいたい2ヶ月経ったくらいから始めたいと思います。間違い等ありましたら教えて頂ければありがたいです。
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駄女神
この世界に住み始めて既に5ヶ月が経った。私は今2つの問題に悩まされている。一つ目はいくらレベルを上げようとも生命力が上がらないのである。この点に関しては回避に関するスキルを獲得することで何とかしている。2つ目はより深刻である。何故かというと
「浄化してやるわこのクソアンデット!」
この自称女神の少女に殺されそうになっているからである。
事の発端は一時間程前に遡る。レベルもそれなりに上がり金も貯まったので勝手に住まわしてもらっていた教会を買う為にこの教会の所有者と話をつけた帰りだった。
(いくら古いといっても1000万エリスは安すぎではないか?)
まぁ正確には頭金が1000万エリスなのであってあとは炎のロングソード+10と雷のダークソード+10を担保に入れ、月100万を40回払いだが、それでも5000万エリスだ。教会まるまる一つの値段としては安すぎる気がする、何か裏がありそうだ。そのような事を考えながら正式な我が家となった教会にたどり着くと中から大きな声が聞こえてきた
「エリスみたいなパッドも外せないような小娘なんかが国教になったせいでアクシズ教は廃れてしまったのよ。この教会だって元々はアクシズ教会だったのよ!」
(なる程通りで安かったわけだ。)
アクシズ教徒のヤバさは私も理解している。アクシズ教会の跡地を買ったと知られてしまえば因縁をつけられ無理矢理入団を強要されるだろう。もし断れば陰湿なイジメを受けるのは目に見えている。
「火防女今帰って来たぞ。それとその客人は一体誰なんだ?」
我が家に帰るとそこには困っている火防女と愚痴を垂れる髪が青色の少女がいた。
「おかえりなさいませ灰の方、こちらはアクア様といい、元々はこの教会の持ち主だったそうです。」
「そうよ、私は水の女神アクア様よ!分かったら早く走ってシュワシュワを買って来なさい。」
何と図々しい女だ、だがここまで図々しいと神と言うのも信憑性が出てくるな。
「火防女よどうしてこの女を入れたのだ。」
「すみません灰の方、この方熱心なアクシズ教徒みたいで、この教会の前で泣いていましたので声を掛けたら教会の中に入り込まれてしまいました。」
火防女はこの世界に来て少しポンコツになってしまったのかもしれない。
「あなたこの教会を買ったそうね。」
「ああ、そうだ。」
何か嫌な予感がする
「この大きさの建物に二人だけで住むっていうのは大きすぎると思うの。」
「いや、私達は別の使い道も考えていてだな…」
「ここをアクシズ教会にしましょうよ。」
「はっ?」
何を言い出すんだこの女は?
「そうよ!それがいいわ!そうと決まれば早速…」
そう言うと急に黙り込んでしまった。
(やっと酔いが冷めたのか、早くお帰り願おう。)
「すまないがそろそろ帰っt…」
「臭うわ。」
「えっ?」
「あなたアンデットだったのね!」
何故バレたのだ?
こうやって現在に至る
「このクソアンデットめ!どうせこの教会を買ったお金も人を騙して得た物でしょ!」
「いや、キチンとモンスターを狩って得た報s…」
「安心しなさいクソアンデットあなたを退治したあと私がこの教会をもらってあげるわよ。」
話を聞く気はないのか仕方ない、少し気絶してもら…
『セイクリッドターンアンデット』
「ぐはっ!」
カズマ視点
異世界転生をして初めてのクエストは散々だった。カエルに襲われて、粘液塗れになったアクアから服を触られてヌメヌメになってしまい、こちとら死ぬかもしれなかったのに報酬がたったの10000エリスって安すぎるだろ。
カエルすらまともに倒せない異世界転生になった原因の駄女神はというと風呂から上がったとたん
「そうだ!私の信者なら私の事女神って気づいてくれるはずよ!」
と言い出して街の中に消えていった。はぁこのまま帰って来なければいいのに。
(待てよ?もしあいつが何かやらかした時責任を背負わされるのは俺だよな。)
俺は事の重大さに気づき急いでアクアを探し始めた。
そしてやっとのことでアクアがいると思われる教会にたどり着き、中に入ると男を襲っているアクアの姿が目に入った。
「何をやってるんだお前は!」
『セイクリッドターンアンデット!』
「ぐはっ!」
アクアが呪文を唱えると男は消え去っていた。
「アクアお前何してんだよ?」
「あらカズマ、来てたの。今この教会の持ち主のアンデットを倒したの。これでこの教会は私のものよ。土下座するんだったら住まわしてあげてもいいけど。」
「このバカ!」
そう言ってアクアの頭を叩く
「痛っ!何すんのバカズマ私はただアンデットを浄化しただけよ!」
「女の人が泣いてるじゃねえか!」
そう言って指を指す方には目を仮面で覆った女性の頬を涙が伝っている姿が見える。
「うっ、でも仕方ないじゃない。アンデットは全部消え去るべきなのよ!」
「だからってお前…」
流石にこれは可哀想ではないだろうか。女の人はずっと灰の方と繰り返し呟いている。
「それに今この家がお前のものになると、4000万エリスの借金が付いてくるぞ。」
「「えっ!」」
振り返るとそこにはさっき消えたはずの男が立っていた。
「ギャあーーーーーーーーー!!!!」
主人公視点
何とか二人を落ち着かせ私達の現状を説明する。
「ということはあんたも転生者なのか?」
「ああそうだ。」
このカズマという少年は相方の駄女神と違って話の通じる人間だった。
「ふん、転生者であろうと無かろうとアンデットであることに変わりはないわよ!」
「お前は黙ってろ!」
そう言いながらカズマ少年が駄女神の頭を叩く
「痛!あんた私は女神なのよもう少し敬いなさい。」
「ならもう少し女神らしい行動をしろよ!」
「すまないが話しているのは私なんだが。」
この二人はさっきからケンカばかりしている。本当にパーティーメンバーなのだろうかこの二人は?
「すみません」
「ああ、そして私からの頼みなんだが私がアンデットだと言うことは黙っていてほしい。」
「はん、絶対言いふらしてやるわ。」
「まじで黙ってくれ。アクア。」
簡単にケリをつける方法はある。この二人を殺せばいい。しかし、そんなことをすればクリスもといエリスは黙っていないだろう。
「なら交換条件といこう。君たちが私の正体を黙っている代わりに私は君たちのクエストの手伝いをするというのはどうだろうか?」
「絶対却下よ!!」
そう言い放つ駄女神に全力の拳骨が落とされた
キャラクターの口調がおかしくなっていないか心配です。
やっとカズマ達を出すことができました。できるだけ原作と矛盾がないよう頑張るいきます。
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5話
今日は天気がいい、まさに平穏を絵に書いたような景色が広がっている。どこまでも続く草原。素晴らしい太陽。そして、女神達とそれを追いかけるカエル。
「ギャァァァァァァ!」
「こっちくんなよ!向こうにいけ!」
「酷いカズマさん私のこと見捨てるの?女神の私を!」
これは決して復讐などではない。この世界にきて初めて殺されてイラっときたわけではない。
「あんた見てないで助けろよ!てか俺たちのレベル上げを手伝いにきてくれたんですよね!!」
「そうよ!早く助けなさいよアンデッドまた浄化されたいの?!」
仕方ない、もう少し遊……修行をつけさせたかったがここは普通にレベル上げさせたほうが強くなるだろう。
「わかった、すまないがこっちにカエルを連れてきてくれ。」
「早くこのカエル殺してちょうだい!!」
ソウルからグレートソードを取りだす。
「ほら連れてきたわよ!早く!お願いもうベタベタは嫌なの。」
アクアの顔には余裕がなく涙目でこちらに嘆願してくる。
大分溜飲も下がったところでカエルの前足を切り取る。バランスを失ったカエルが仰向けに転がったところでもう片方の足を切り取り、最後の抵抗に出してきた舌をグレートソードで串刺しにして地面に突き立てる。
「ほら、止めをさせ。」
そういってロングソードを渡す。
「えっ」
「経験値と言うものは止めをさした人間がもらえるのだろ?ならお前達のうちどちらかが止めをささないと意味がないだろ。」
死にかけのモンスターを殺すのに抵抗があるのだろうか、かなり動揺がみてとれる。
「あの、カズマさん?私ねステータスの限界がもうきてるから、これ以上レベルを上げても意味がないの。だからここは貴方に譲って上げるわ。」
「いやいや、女神ともあろうものがレベルが低いのは体裁が悪いんだろ。ほら、ここは譲ってやるから殺してあげるんだ苦しんでるだろ。」
「ほらクソニートさっさと殺っちゃてよほら」
「譲ってやるって言ってるだろ駄女神」
「また駄女神って言った!もう許さないわクソニート」
「許さねえのはこっちだよ駄女神お前がいなかったら今頃俺はチート能力でハーレム作ってたんだよ!」ぐさっ
「「ぐさっ?」」
音源を確認すると俺の持っていた剣が??さんの胸を貫いていた。
ー???の家ー
「すいませんでした。」
この世界にきて今まで死んだことはなかった。それがすでにこの女神達に関わってからすでに二度も死んでいる。もうこれ以上関わるべきではない。
「ああ、それとロングソードを返してくれないか?」
「どうぞ、てか本当にすいません。」
「まぁ、別に気にしなくてもいい。死ぬのは俺の目標みたいなものだしな。」
生き返ることのない生者に戻る、それこそが私の長年の夢だった。まぁ、半分諦めているが。
「死ぬのが魔王討伐の願い事ですか?」
魔王討伐の願い事?何だそれ?エリスから聞いてないぞそれ
「あの、その願い事とはどういったものなんだ?」
「えっ!知らないんですか?」
「ああ、それとタメ口でいい。」
無理に敬語を使われるのは何だか気分が悪くなる。
「えーと、転生者が魔王を倒したとき何でも一つだけ願いを叶えてくれるらしいぜ」
「何でも?」
「何でも」
「そうか。魔王城ってどこら辺だ?それとアクアだったか?お前のとこの駄女神借りていくぞ。」
「えっ?」
「安心しろあれだろ?魔王ってパリィが効くんだろ?わかってるこっちの糞神も同じようなもんだったから。」
「なに言ってんだよ!それとあんたキャラ崩壊してないか?」
キャラ?なんだそれ?そんなもん数千年前に燃え尽きたわ!俺の長年の夢がやっと叶うというのに落ち着けと?やっと叶う。あっちの糞神に騙され数千年やっとまともな人間に戻れる。待てよ?
「誰がそんなこと言ったんだ?」
「アクアっていう馬小屋に残してきた駄女神だよ」
危ない、また騙されるとこだった。神のことは信じてはいけない。あの世界で学んだ少ないことの一つだ。
「お前これからどうするんだ?」
「いきなり話しを変えるんじゃねーよ」
「とりあえずパーティーメンバーを増やすことを勧めるよ。じゃあな」
「あんた面倒くさくなっただろ。」
そう言ってカズマくんを家から追い出す。
「火防女いるか?」
「はい、灰の方」
「お前って年取るのか?」
「はい。」
「そうか。それなら早く死ぬ方法を見つけなきゃな。」
「何ででしょうか?」
「一人だけ生きててもつまらないだけだろ。」
はぁ、早く人間になりたい!
すいません遅れました。本当に申し訳ない。インフルエンザやらテストやらで。全然書けませんでした。
メイン弓さん誤字報告ありがとうございます。
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6話
それと捏造やら自分のダクソの考察をぶちこんでます。気をつけて下さい。
この世界にきて初めて死んだ次の日、冒険者ギルドにきてみたが椅子にぼんやりと座っているカズマ達を発見した、勿論スルーするつもりだったのだが発見されてしまった。話によると私の助言の通り仲間を募集することにしたらしい。
「それにしても参加条件が上級職だけというのは厳しすぎるだろ。」
「なによクソアンデッド、私みたいな凄腕アークプリーストがいるチームに入るんだからこの程度の条件満たして当然でしょ。」
確かに優秀なプリーストは引っ張りだこだが、こいつがまともな人間じゃないことぐらいここにいる人間は知っていると思う。
「冒険者ギルドの中で私のことをアンデッドというのはやめて欲しいんだが。」
「灰の方、この人に近づくのは危険です。早く遠ざかりましょう。」
同感だ、さっさと自分たちの分のクエストを受けることにしょう。
「それでは私t……「募集の張り紙見させてもらいました。」」
また面倒くさそうなやつが出てきた。
「ほら見なさいクソアン……」
「あー!えー!えーと君の名前は?」
ナイスだカズマくん。
「クソアン?まぁいいでしょう。我が名はめぐみんアークウィザードを生業とし爆裂魔法を操るもの!」
「そうか俺の名前はサトウカズマだ。そして横にいるのは」
「凄腕アークプリーストで女神のアクア様よ。」
「と思っているかわいそうな人だ。」
「ちょっとクソニート、今聞き捨てならないことを言ったわね!」
「ほうほう、そしてそこの騎士風の男性と目を隠している女性は?」
「ちょっと無視しないでよ!」
さっさと逃げていればよかった。
「私には名前が無くてな、好きに呼んでくれ。」
「「「えっ?」」」
「私は火防女です。灰の方と同じく名前はないので好きに呼んでもらって構いません。」
((火防女って種族名みたいなものなのだろうか(かしら)?))
なんだろう、めぐみんが少し嬉しそうに見える。
「そうですか、なるほど名前がないのは困りますね。ここは私たち紅魔族のような立派な名前をつけてあげましょう。」
何で上から目線なのだろうか?まぁ名前をつけてくれるのはありがたいのだが。
「そうですね、こちらの女性は"かぼたん“というのはどうでしょう?男性の方は"コロザブロー"いや"ヒッコロ"も捨てがたい。」
うん、駄目だな。私はそういう名前は嫌だ。
火防女、いや"かぼたん"は思いの外嬉しそうにしている。紅魔族と同じ様なセンスを持っているのかもしれない。
しかし私は違う、そこでこの中で一番常識人であろうカズマくんに助けを求める。頼む、別にカッコよくなくていいせめて普通の名前をつけてくれ。
私の願いが通じたのだろうか少し考え込むような仕草を見せたあと
「アッシュっていうのはどうだろうか?」
「アッシュ?何故ですか?」
「いや、俺の知っている英語って言語で灰は"Ash"っていうからさ、単純にそこから取ったんだよ。」
アッシュ、いい名前だ"コロザブロー"と比べるまでもない。
「アッシュか、ありがとうカズマくん。」
「私も気に入りました。ありがとうございます。」
「ところでアクア、紅魔族って何なんだ?」
「紅魔族っていうのは高い知力と変な名前を持っていることで有名よ、あと全員目が赤いわ。」
((偽名じゃなかったのかよ))
「そうかえーと、めぐみんだっけ?とりあえず冒険者カードを見せてくれないか?」
そういうと素直に冒険者カードを見せてくる
私も横から覗きみる。なるほど確かにステータスは高いな。
「貴方さっき爆裂魔法を操るものって言ってたわよね!あのねカズマ爆裂魔法っていうのは最強クラスの攻撃魔法なの絶対チームに加えるべきだわ!」
何でそんな凄そうな魔法を使えるのにどこのチームにも入っていないのだろう?もっと待遇のいいところはあっただろうに。
「とりあえず、その魔法の威力を見るからクエストに同行してくれないか」
「わかりました、ですがその前にお願いが。」
「何だ?」
「ご飯を奢ってくれませんか?暫く何も食べてなくて」
今ので確信した、絶対こいつ何か問題を抱えているな。
ー草原ー
結局爆裂魔法見たさについてきてしまった。こいつらとは関わったらろくな目に会いそうじゃないのに。まぁ何度死んでも結局生き返るし特に問題はないか。
「詠唱に時間がかかるのでその間時間稼ぎをお願いします。」
「わかった、アッシュさんよろしくお願いします。」
「結局私頼みかよ。」
めぐみんは詠唱を唱え始める
近づいてきたカエルを三匹ほど倒したところで詠唱を終えたようで
「エクスプロージョン!」
と叫ぶと遠くにいたカエルを跡形も無く消し去った。
「なるほど確かにこれは凄いな。」
そういってめぐみんの方を見ると倒れている。
「見ましたか、これこそが爆裂魔法です。凄いでしょう」
「ああ、凄いがどうして倒れているんだ?」
うつむせになって倒れているめぐみんに聞いてみる。
「爆裂魔法はその威力ゆえに消費する魔力も膨大なんです。ですから一度放ったら暫くは動くことができません。」
「成る程燃費が悪いんだな。」
それとさっきの爆発でカエル達の目が覚めたらしく、5匹ほどに囲まれてしまった。
「ほらアッシュあんた強いんでしょさっさと全滅させちゃって。」
「そういえばまだ私の弱点を教えてなかったな。」
「何よ?」
「実をいうと私の体力は村人よりも少ない。よって敵の数が三匹より多くなるとほぼ確実に死んでしまうのだ。」
「えっ?」
「そういうわけで私は退散させてもらう。」
そういって帰還の骨片を握りつぶそうとしたときだった
なんとカエルが俺のことを飲み込んだのだ。
「ぷっぷー、何が「退散させてもらう」よ、まんまとカエルに食べられちゃってるじゃない!」
何だろう、すごく恥ずかしい。
というかこいつら金属が苦手じゃなかったか?
「笑ってないで助けてくれ」
「それが人にものを頼む態度かしら?ほらまずはこういいなさい「アクア様どうかお助けを、アクア様の手でわたしを浄化してくださいお願いします。」そして私に大量のお酒を渡すの、そしたら助けてあげなくも」パク
「食われてんじゃねー!」
「あの私も早く助けてくれませんか?このままだと私も食べられて」パク
ヤバイな、これでカズマくんも食べられてしまえばこのパーティーは全滅じゃないか
その時だったいきなり天気が悪くなったのである。
するといきなりカズマくんが青ざめてこういった
「何で初心者の街にドラゴンがきてんだよ!!」
なに、ドラゴン?カズマくんが指差す方を見てみる
「ウソだろ……あり得ない…」
「ウソでしょドラゴンなんて勝てっこないわ早く逃げるわよ」
「そうか、じゃっお前らは自力でカエルから脱出しろよ」
「待って下さいえーとカズマさまよく見ると貴方ってえーとそこはかとなくいい男よね」
「あのー私完璧に空気ですよね」
「じゃあな」
「たずげでくださいカズマさまーーー」
「違う」
「?」
「?」
「?、何が違うのよ」
「本当にヤバイのはドラゴンじゃない」
「あれを知ってるのですか、灰の方?」
「やつとは向こうの世界で何度も戦った」
そういうと目の前に雷が落ちてきた
「このかたは無名の王いや、太陽の長子」
雷の落ちた地点を見ると巨人がたたずんでいる。
「私の世界の糞神の息子だ」
はいすいません。
私は"無名の王"="太陽の長子"と考えています。
いやー、キャラクターはたくさん出していきたいんですけどね、出すタイミングがなかなかありませんね。
この小説のタイトル通りどんどんカオスなことになっていきますよ。
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7話
太陽の長子
簡単に説明すると自称神の糞野郎の息子。
私はこいつと前の世界で何度も戦ったことがあるがこいつのことは嫌いではない。というか今は亡き友を見習って一応誓約を交わせているし、アノールロンドを追放され存在を忘れ去られても誓約を交えた戦士に奇跡を与えているこいつに対して尊敬の念も多少は持っている。
そしてこいつのことを倒せるか否か答えは簡単だ、倒せる。というか既に幾度となく戦っているのだ、一度も攻撃をくらわずに一方的に倒すことができる。
問題があるとすれば私は今カエルに食われていて身動きがとれないでいることだろう。
「すまないがカズマくん早く私を助けてくれないか?」
今のところカエルに食べられていないのはカズマくんだけだ。
「いや、あんた一人助けたところでどうにかなる話じゃねーだろ!」
「安心しろ、確かに生命力は無いが一対一なら負けることはない。」
「あんたのその自信はどこからくるんだよ。」
「長年の経験と実績からだよ。」
「ちょっとカズマさん、そんなクソアンデッド助けるぐらいなら女神である私を助けなさいよ!」
「「黙ってろ駄女神が」」
「あー!また私のこと駄女神っていった!もう許さないわ、トイレの水が流れない呪いをかけてやる」
「あの~私もうすぐでカエルに飲み込まれてしまいそうなんですが。」
すまないなめぐみん、ここで死んでもアクアが蘇生させてくれると思うよ。そういえばそのアクアも死にかけだったな。
「でもアッシュさんはあのデカイ人と知り合いなんでしょ?だったら助けてもらえませんか。」
確かに知り合いではあるのだが…
「無理だと思う。」
「なんでですか?」
そんなこと決まっている 。
「前の世界でこいつの父親と弟、親友とこいつ自身を殺しちゃったからな私。」
「「「へっ?」」」
まぁ父親と弟の件に関してはこいつは知るよしもないだろうが。
「父親以外は別に好き好んで殺したわけじゃあないからそこ勘違いするなよおい、カズマくんなぜ距離を取る?早く助けてくれ。」
「今あんたを助けたら俺も殺されるだろうが!」
そう言って走り出した。
「カズマ様ぁぁ!!私を助けてよぉぉお!」
「助けてください!私は爆裂魔法を極めるまで死ぬわけにはいかないんです!!」
カズマくんの進行方向に嵐の竜が降りてきた。口から煙が見える。どうやら私に対して威嚇しているようだ。やはり前の世界のことを覚えているらしい。その姿に恐れを抱いたのだろうカズマくんは動けなくなっている。
視線を目の前に向けると太陽の長子が槍を振り下ろそうとしているところだった。
「ギャァァーーーー」
「うわぁぁぁーー」
スパ
「「「あれ?」」」
振り下ろされた槍はカエルの腹を切り裂いた。
そしてそのままカエルの口から這い出た私を無視して嵐の竜に乗って飛び去っていった。
アクアとめぐみんを飲み込んでいるカエルを倒す
(何で助けたんだ?)
まぁ今はそれよりも
「おや?カズマくん何処に行こうとしているんだ?」
「おやおや?パーティーメンバーである私達を置いて何処にいくんですか?」
「おやおやおや?クソニートが美しい女神を見捨てるんですか?」
「まぁ落ち着けってな、ほらみんな助かったじゃないか。」
とりあえずカズマくんに一発ずつ喰らわせて帰路につく。
「あれっ?なんか忘れてないか?」
「確かに何か足りてない気がしますね。」
………ヤバ…
「かぼたん忘れてた。」
短くてすいません。
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8話
やっとお気に入り数30を越すことができました。
読者の皆様本当にありがとうございます。これからもこの駄作を読んでいただければとてもありがたいです。
「お~い、そっちのカエルの腹にはいたか~!」
「いないわよ」
「そうか」
私達はいま、かぼたんを食べたカエルの捜索をしている。ずっとカエルを殺しているのだがなかなか見つからない。
「クソッ、どうしてこうなった」
「いや俺たちが存在を忘れてたからだろ」
こんなことならわざわざ一度めぐみんを街に置いてこずすぐに探しにくるべきだった。
「なんで女神である私がアンデッドの仲間を探さなきゃならないのよ」
「そうか、後で手伝ってくれたお礼に高級シュワシュワを渡そうと思ってたんだが……」
「任せてちょうだい、例えアンデッドの仲間だとしても慈悲深い女神であるこの私は困ってる人間を見捨てたりしないわ」
この駄女神の扱いも慣れてきた
「全然見つからないな」
「ぼやぼや言ってもどうにもならないだろ、もうすぐで日が暮れる早く助けなければ」
そういって近くにいたカエルの腹を切り裂く
(こいつも違う)
「前から思ってたけどアッシュさんって戦い慣れしてるよな、前の世界ではどんなことしてたんだ?」
説明に困るな、どんなことか
「私達の故郷ではとある事情によって不死人…まぁ要するにアンデットになる呪いが蔓延していてな、それを防ぐため資格を持つ者がやる特別な仕事があったんだが、ほとんどのやつらがボイコットしてしまっていてそいつらを連れ戻すのが私の仕事だった」
かなり端折ったがまぁ嘘ではないだろ
「そんな異世界もあるんだな、アンデットが蔓延する世界か、なんか暗そうだな」
「まぁ、嫌なところだったがそれなりに楽しみもあったぞ」
「へえ~、ちなみにどんな?」
「コスプレだ」
「…………」
「お~いカズマさん達~、なんか変なのがカエルの中にあったわよ~」
変なの?
「すまないが少し見せてくれ」
「なんなのこれ、あんた知ってる?」
アッシュは
火防女の魂を手に入れた
「おい、すぐアクセルに戻るぞ」
「ちょっと待って!まだなにかあるわ」
「今度はなんだ?」
「なんかバケツかぶってる変な人がいるんですけど」
「バケツかぶった変な人?」
うそだろ?
__________
アッシュの家(元アクシズ教会)
戻ってきたら既に、我が家の篝火は消えていた。
火を管理しているかぼたんが死んだのだから当たり前だが。
「魂だけだから絶対失敗すると思うけど、それでもいいなら蘇生魔法使ってあげるわよ」
「すまないが、しばらくそこで何もせず待っていてくれ。かぼたんが生き返ったら高い酒奢ってやるから」
とは言ったもののどうすればいいんだ?
一度だけ火防女を生き返らせたことはあるが何しろ数千年前の話だしな、正直全然覚えてない。
とりあえず火防女の魂を適当に投げてみる。
ペチャ
勢いよく壁に当たった魂が力なく落ちていく。
違ったか
「おいアクア、時間制限とかないのか?」
「多分大丈夫よ、今さっきエリスに勝手にかぼたんを天国に行かさないよう脅しておいたか
すまないなエリス、恨むなら酒に目が眩んでいるこの駄女神を恨んでくれ
その後いろいろ試してみるがなかなか反応がない。
最後の手段だ。
「アクアすまない、蘇生魔法をかけてくれ」
「アンデッドの言うことを聞くのは癪にさわるけどまぁいいわ、失敗してもお酒はもらうわよ」
そういって火防女の魂に蘇生魔法をかける。
するといきなり火防女の魂が震えだし、辺りが一瞬明るくなり篝火に火がつく。
そしてヌメヌメのかぼたんが倒れていた。
「おい、かぼたん!しっかりしろ!」
「…灰…の方…」
「そうだ私だ、大丈夫か」
「…エリス…様…と話してた時…いきなり壁に叩きつけられた…ような衝撃が」
カズマくんとアクアがジト目で私の方を見てくる。何を見ているんだ?かぼたんが体験した不思議な出来事と私の行動は無関係だ、多分。
「…他…にも火で炙…られたり、踏まれ…たり色々と」
「ソレハ不思議ダネ、何デダロウナー」
「ちょっとかぼたん、さっきそいつがあんたの魂を…「せっかくだし酒場にでもいくか!」……そうね!」
危なかった
さて
「こいつはいつになったら目を覚ますんだ?」
アッシュの視線の先にはバケツのような物を被り、鎧に太陽のマークが描かれている珍妙な騎士に向けられた
次の投稿は少し遅いと思います。
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9話
(↑これよく見ますよね)
「「「「乾杯ー!!」」」」
私達は今クエスト達成のお祝いにご馳走を食べている
「ウワッハッハッハ!!、あまり喋らなかった貴公がこんなに愉快な仲間に囲まれているなんて驚いたぞ!」
いやいや、驚いたのはこっちだよ!
昔の記憶には自信がないが、たしかこいつ死ぬ前に『太陽が見つからない』とかいっててめちゃくちゃ暗い雰囲気だった上、亡者化して私に襲いかかってきたのに、元気だなおい!もしかしたら戦わないといけないとか思ってた俺の気苦労を返せよ!
「へぇ~昔のアッシュさんってどんな感じだったんですか?」
「うむアッシュは強かったぞ、だが結構うっかりしているところがあってだな、これはアッシュと二人でガーゴイルと戦ったときの話なんだがあと少しで倒せるというところで………」
どうしてこうなったっけ?
___________
一時間前
パチ
「うん?うーむどこだここは?」
「やっと起きたか。」
「貴公は!」
「私のことを覚えているか?」
「ああ覚えているとも当たり前だ、ついさっき貴公と話したではないか!」
「ついさっき?お前が死んだのは結構昔のことだが。」
「そうなのか?まぁ貴公がそう言うならそうなのであろうが。」
(やはり、死んだ直後にこの世界に飛ばされたのか)
「それで貴公の後ろにいる御仁達は?」
「ああ、こいつらは…「私は水の女神であるアクア様よ!」」
「ほう、貴公はアクアというのか私はそこにいる…えーと…ゴニョゴニョの友である「ちょっと待て!」…うむ?」
「うむ?じゃないぞおい、まさか私の名前を忘れたのか?」
「すまない…。」
「本当に忘れたのか。」
まぁ私自身忘れたし、しょうがない…のか?
「これは当てつけというわけではないが貴公は私の名前を覚えているだろうな?」
「も、もちろんだともえーと、ソウーンだろ」
「最初の一文字しか覚えてないではないか!!」
「仕方ないだろ、お前が死んで何年経ってると思ってるんだ!」
「私の名前はソラールだ!今度こそ忘れてくれるなよ」
「あの~、本当にあなた達って友達なの?」
「「そうだ」」
((お互いの名前を忘れている友達って一体))
そしてこの世界のことを話して現在に至る。
「今回はアッシュの奢りだからお金のことは考えなくてもいいわよ!」
「おいアクア、そういうことは金を払っている私が言うべきことじゃないか?」
「爆裂魔法は体力を使うのでありがたいです。」
「いつの間に混ざったんだお前は。」
「すいませんアッシュさん、奢ってもらって。」
「別に気にする必要はない、アクアにはかぼたんを生き返らせてもらったからな。」
「そうよ…モグモグ…別に気にする…ゴクン…必要はないわよカズマ。」
「食べながら話すな。」
女神のくせに品がない。いや、別にうちの世界の神が品行方正だったわけではないんだがな
「そういえば、かぼたんはどうしたんですか?」
「少し傷が深いみたいでな、家で待ってるみたいだ」
「そうですかそれは大変ですね。」
おいアクア、カズマ何故こっちを見る?
「そうだ、ソラールお前はこれからどうするんだ?」
((話を変えた))
「そうだな、貴公と同じように冒険者をやろうと思っているが、もうひとつやろうと思っていることがあってな。」
「なんだ?また太陽探しか?」
「それも勿論するが」
((太陽探し?))
「この世界で太陽信仰を広めようと思ってな。」
「太陽信仰か。」
「ちょっと、アンデッドが勝手に私の商売敵を立ち上げるなんて絶対に許さないから!」
((太陽信仰?))
「ああ、元の世界では何故か廃れてしまってたからな。」
「ちょっと無視しないでくれる!!」
「すいません太陽信仰とはどういったものなんでしょうか?」
「太陽の長子と誓約を交えて太陽の戦士になることだ。」
((太陽の戦士?))
(てかこの人のアイデンティティーの半分以上を太陽が占めている気がする)
「太陽の長子って今日会ったデカイ人のことですよね?」
「ああそうだ、だがあの方は人間じゃなくて神だからな。」
((神?))
「えっ、あいつ神だったの?」
「貴公、太陽の長子に会ったのか!」
「ああ、こっち(の世界)に来てるぞ」
「おお!それは会ってみたいな。」
「でもあいつ精々信者はあんた達ぐらいでしょなら、案外すぐ消滅しちゃうかも知れないわね。」
消滅?
「アクアそれはどういう意味だ?」
「この世界ではね神は信者が力の全てなの、だから信者がいないと消滅しちゃうの。」
(((だから、カエルに食われそうになっていたとき助けてくれたのか)))
うん?待てよ、
「要するに信者数が多いほど力も大きくなるのか?」
「ええそうよ」
あれ以上強くなるのか、ちょっと想像できないな
___________
三時間後
「ここら辺でお開きにするか。」
「そうね、お腹もいっぱいになったし。」
まさか、めぐみんと駄女神が一番食うとは思ってなかった、てか食いすぎだろ、私の所持金のほとんどを持っていきやがった
「じゃあなまた明日。」
「ああ。」
テクテク
テクテク
「私は嬉しく思うよアッシュ。」
「いきなりどうした?」
「貴公は自我というものが薄かったからな、気分を悪くするかも知れないが貴公に対して操り人形のようなイメージを持ったこともあった。」
「…操り人形、か」
確かにそうだった、昔の火を継ぐという目標ですら元々は私を牢から出してくれた不死のものだったし、それこそ神からすれば私など使い勝手のいい人形のようなものだっただろう
「だが、今の貴公からはそのような感じはしない、その事に対して私は一人の友として嬉しく思う。」
なんだろう凄く恥ずかしい
「そうか、私としては太陽虫に殺された経験を活かしてお前がもう少し用心深くなっていることに期待していたのだがな、まさかカエルに食われているとは思わなかったよ。」
そう言うとソラールは少し驚いた顔をして、笑いだした
「ウワッハッハッハハ、確かにその通りだな!貴公が変わったのだ私も精進せねばな!」
「「ウワッハッハッハ!!」」
笑うのは何年振りだろう。
私はあの暗い世界で何年も縛られて生きてきた、いや違う私を含めた全ての人間はあの世界に捕らわれている。
いつの日か、ソラールや、太陽の長子のようにこの世界に来る者達が笑うことのできる居場所を作っておこう
それが一度火を継ぎ、あの醜き世界を生き長らえさせた私のできる唯一の償いだと信じて。
???「ああ、我らが闇の王よ、あなた様もこちらの世界に来ておられるとは。」
念のため言っておきます作者は
主×ソラール
とか考えてません。
かぼたんが一番かわいい
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10話
少なくとも30話以上書くまで俺は止めない
先日友人との突然の再開を果たした私がギルドに入ると、とある少年が女性ものの下着を両手で握りしめている光景が目に入った。
「助けて下さいアッシュさん誤解なんです!」
その言葉にカズマくんに集まっていた視線が一気に私に向けられる
アッシュっていうんだあいつ
てか知り合い居たんだあいつ
言葉喋れるのかあいつ?
あれ?おかしいぞ、カズマくん達より数ヶ月も早くこの世界に来てるのに名前はしょうがないにしても言語能力の有無すら知られていないのか私は。
「何だこの状況?」
「「「「「おおーーー!!」」」」」
あいつ喋ったぞ
初めて見た
……これからはもう少し喋ろう…
その後、ダクネスという女がカズマくんのパーティーに入りたいと言ってきた
「ちょっと、この方クルセイダーではないですか!断る理由なんてないのではないですか?」
「よかったじゃないかカズマくん、上級職が三人もいるパーティーなんてなかなかないぞ。」
使えるかどうかは置いておくが
「いいか、実はこう見えて俺とアクアはガチで魔王を討伐しようと思っている。」
「そうなのか?」
「ああ、だからダクネスなんかがもし魔王に捕まったりすれば酷い目に会わせれるんだぞ。」
「ああ!望むところだ」
「えっ?」
「昔から魔王に捕まって凌辱させられるのは女騎士の役目だ!」
うわー、こんなに真っ直ぐな目でこんなこと言ってるやつ初めて見た。
『緊急クエスト、冒険者の方はすぐに正門前に集まって下さい。』
なんだいきなり?
「ちょっと二人とも早くしてちょうだい、出遅れてしまうわ!」
周りを見渡すと今まで青ニート先輩やホークウッド先輩のような目をしていた冒険者達が今ではパッチのような顔をしている。
「もう、時間がないから移動しながら説明するわね。」
なんだろう、この駄女神に何か教えてもらうというのは無性に腹が立つな。
「いい?この世界のキャベツは育ったらひとりでに動き出して最後には人知れず死んでしまうの。だったら死んでしまう前に美味しく頂きましょうった話よ!!」
「すまないが、帰っていいか?今金が必要なんだよ」
前までは多少支払いが遅れても許してくれていた教会の(元)持ち主が担保であるロングソードがこの世界で数千万エリスぐらいで売れることがわかったらしく隙あらば取り立てに来る上、最近こいつらに付き合ってたせいでまともに稼げてないのでマジでやばいのだ。
「ププ、本当に何も知らないのね。いい?このキャベツは質が良ければ1玉1万エリスもすることがあるんだから!」
えっ、1万エリス?
待てよ冷静に考えろ、まぁ誤差はあるがエリスの価値をソウルに当てはめればだいたい1エリスが10ソウルだ、えっ?
1匹10万ソウル?
えっ?
たかがキャベツが10万ソウル?
「なぁアクア、そのキャベツは強いのか?」
「まぁ強いと言えば強いけど、基本的には剣で1突きすれば倒せるわよ。」
気がついたらキャベツの群れに飛び込んでいた。
アッシュの家
「うん?どうした貴公。」
「まさか死んでしまったんですか灰の方。」
今思えばあのキャベツは不死人に取っては天敵とも言えるかもしれない。
小さくて攻撃が当たりにくい体に加えあの数とスピード、何の考えもなしに突っ込んでも勝てる敵ではない
「ソラール、お前たしか雷の槍使えたよな?」
「うむ」
「ちょっと来てくれ」
こいつにと少し働いてもらうとするか
アクセル正門前
目の前で一瞬にしてキャベツに殺されてしまったアッシュを見届ける
もしかしてアッシュは凄く弱いのではないのか?
いや、アッシュは貴重な常識人枠なのでこれからも関係は持ち続けていきたいが正直戦力としてはあまり当てにしない方がいいみたいだ
「ここにいたのかカズマ!今から私のクルセイダーとしての実力を見てもらおうと思う。ふふ、今からあのキャベツの集団の中に入るのかと思うと体が疼いてしょうがない。」
ああ、変態が来た。
俺の周りにはこんな変なやつしか来ないのか。今度アッシュにめぐみんとかぼたんを交換できないか聞いてみよう。
「うわぁぁーー!?」
おっと見たことのない冒険者がアッシュの二の舞になりかけている。するとそこに先程まで横にいたダクネスが楯になるように飛び込んでいった。
「凄い!」
「騎士の鑑だ!!」
と周りの冒険者達が口々に言う。
俺も最初のうちは素直に感心したが、だがよく見るとダクネスの顔がだらけている。こいつはどこまでも欲望に忠実だな
「ソラール打て、打ちまくれ。ふはははキャベツがゴミのようだ!!」
ついさっき死んだと思ってたアッシュがソラールさんとかぼたんを連れて戻ってきた。
セリフと見た目のせいで魔王軍の関係者にしか見えない
そのせいか、他の冒険者がちらちらアッシュの方を向いている。
てかソラールさん強いな
「もう我慢できません!」
あれ、頭のおかしなロリっ娘がなんか言い出したぞ
「待て!めぐみん」
「いいえ、もう限界です!」
そういうと、アッシュさんの近くに魔方陣が作られる
「えっ?待てめぐみん、ちょっ近くに私が…」
「エクスプロージョン!」
「グハァァーー!!」
「ふぅ、スッキリしました」
「今すぐアッシュさんに謝りにいくぞ」
その夜
「「「「乾杯!!」」」」
「ようこそダクネス!これでこのパーティーも四人ね」
「6人ではないのですか?」
「ああ、めぐみん言っとくけどあのクソは別にうちのパーティーじゃないわ」
「そうなのですか、そういえばアッシュさんを見かけませんね」
めぐみんがアッシュを爆発させた後あちこち探してみたが結局見つからなかった。死体も見つからなかったので死んではないと思う。めぐみんが「私の爆裂魔法をなめてはいけませんよ、肉片すら残さずに消し飛ばすことなんてお茶の子さいさいですから」と言っていたのは聞かなかった事にした。
「やあ、カズマ君たち」
突然後ろから話しかけられた
「アッシュさん!生きてたんですね!どうです、これから一緒に飲みませんか?」
動いている姿を見れた俺は安堵からアッシュさんを飲みに誘った。
「いや、これから少し街を出るからな」
「えっ!何でですか?」
「何でですか?いやいや、それは自分の胸に手を当てて考えてみればすぐにわかると思うが?」
あ、ヤバいこれはメチャクチャ怒っているな
「すいません」
「別に謝らなくてもいいぞ?まぁ、あれは事故みたいなものだしなハハ。」
「本当にすいませんでした。」
「いやぁ私が取ったキャベツごと燃やされるとはなお陰で金がなくて大変だよ。今月中に100万エリス必要なのになぁぁーー!!!」
俺は誠心誠意を込めた見事な土下座を披露した。
「はぁ…、まぁそういうわけで暫く金稼ぎとレベル上げのためにこの街を出る、何か用があるときはソラール達がいるからそっちに話してくれ。」
「わかりました、ごめんなさい」
こうして哀愁を漂わせている騎士は暫くこの街から姿を消すのであった。
やっと出せました!!
これから少しの間カズマやソラール目線で物語は進みます。
それとお気に入り数が40を越えました!ありがとうございます。できればこのまま読み続けてくれるととても嬉しいです!
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11話
まだまだこの話は続きます。
完結させますのでどうか見ていただけると幸いです。
あと、遅れて申し訳ございませんでした(土下座)
「何でどのクエストも難易度が高いんだよ!」
朝の冒険者ギルドにカズマの叫び声が木霊するが他の冒険者は誰1人としてカズマに意識を向けることなく死んだ目をして酒を飲み続けている。
少しすると申し訳なさそうな顔をしたルナさんが話しかけてきた。
「すいません、近くに魔王軍の幹部が住み着いてしまったようでここら辺いったいは強いモンスターしか出なくなってしまって…」
「始まりの街であるアクセルにいるような冒険者が出来るクエストはないと言うことですか。」
「こうなっては仕方ない。暫くはおとなしくしておいた方がいいだろう。」
ダクネスがそう締め、解散しようとした俺たちに救いの手がさしのべられた。
「少しいいか、この一撃熊とかいうやつの討伐クエストを受けたいのだが?」
声のする方を向いて見ると…
「ソラールさん!」
「おお、貴公達いったいどうしたのだ?」
「いやー、それがちょっと。俺達が出来そうなクエストがなくて途方にくれてたんですよ。」
「なるほど」
「そこで少しお願いがあるんですが、俺達をクエストに同行させてもらえませんか?」
「おお!それは助かる」
「ちょっとニートこっちに来なさい。」
アクアが手招きをしている
「なんだよアクア別にいいだろ、お前だってあの人がキャベツをどんどん倒してた所を見てただろ。」コソコソ
「いい?いくら強くてもあいつはあのクソアンデットの仲間なのよ!それにクソアンデット程じゃないけど、あいつからもアンデッド臭がするのよ。」コソコソ
「えっ!そうなのか?」コソコソ
でもまぁ考えてみたらアッシュさんの知り合いなんだから当たり前か。あんなに明るいアンデッドもいるんだな。
「話しているところ悪いが出来れば早くしてくれるとありがたいのだが…」
「あっ、すいません。」
「ソラール様、早くしなければ野宿することになってしまいます。」
…かぼたん居たんだ
その後、結局ソラールさん達と一緒にクエストをすることになった
「ここから先は私が先頭を歩こう、フフフ前から一度一撃熊の攻撃を受けて見たかったのだ。」
今回のクエストはアクセルの周りにある畑の持ち主からの依頼だった。近くに魔王軍の幹部が住み着いたことにより、一撃熊が出現し始めた、今はまだ被害は受けてないが危険だから討伐してほしいという話だ。
「でも本当によかったんですかソラールさん?自分で言うのもなんですけど俺達全員、使えないポンコツ冒険者ですよ。」
知力が低い駄女神、爆裂魔法しか使えない残念紅魔族、自分から攻撃をもらいにいくドMクルセイダー、元ニートで最弱職のこの俺。…ここまで使えそうにないパーティーは他にないだろう…たぶん。
「そうなのか?まぁ俺は別に構わないぞ。なに、これも人助けと思えば楽なものだ、フハハハ。」
なにこの主人公?
俺の隣に居る駄女神の100倍は神々しいぞ。この人のおかげで異世界に転生して初めて人の温かさというものを感じることができた………アンデッドだけど
「でも、あなたみたいに明るい人が何でアッシュさんと友達になったんですか?」
めぐみんが質問する。
それと、それ遠回しにアッシュさんをディスってないか?
「うーむ、強いていうならあいつが俺の夢を笑わなかったからだな。」
「あなたの夢?」
「ああ、俺の夢は『太陽になること』…だ、自分で言うのも何だが、変な夢だろ?実際俺の夢を聞いたほとんどのやつは俺のことを変人だバカだと言ってきたがアッシュだけは俺の夢を笑わないで真剣に聞いてくれた。それからまぁ、アッシュと共に色々な敵と戦って今の関係があるのだ。」
「凄くいい話ですね!」
「フハハハ何だか照れ……いたぞ。」
「えっ。」
視線を前に向けると畑にデカイ熊がいるのが見える。全長は三メートルぐらいだろうか?とにかくデカイ。なんだろう、道中は少しでも手伝えたらいいなとか考えてたが、いざ実物を目の前にするメチャクチャ怖くなってきた。てか何でこのクエストについてきたんだっけ?……金のためだった。
「まじで大丈夫なんですよね?俺達のことを戦力として考えないでくださいよ。」
じゃあ何で付いてきてるんだよ、と言われそうだがあんなのと戦いたくねーよというのが本心だ。ソラールさん達が負けそうになった時はすぐ逃げるつもりだ。
「ではまずは俺とかぼたんが戦ってみる、もし俺達が負けそうになったら貴公達は助けを呼んどきてくれ。」
「いや、私も一緒に戦おう。なに、防御力には自信がある。フフフ、話によるとあの熊の一撃は人の頭など簡単にぶっ飛ばしてしまうらしい、興奮してきた!」ハァハァ
「?まぁいい、それでは俺とダクネスで攻撃を仕掛ける、かぼたんとめぐみんは後方で俺達に当たらないように魔法を打ち込んでくれ。」
「「無理です」」
「「「えっ」」」
「ちょっと待て、めぐみんは分かる。なんでかぼたんまで。」
「私は灰の方に『お前には上級魔法を覚えてもらうからなスキルポイントは使うなよ』と言われていまして、まだ一つも魔法を覚えていません。」
俺が言えることではないけど、じゃあ何で付いてきてるんだよ
「私は最強の魔法、爆裂魔法を使えますよ!」
「おお!」
「ですが強力すぎるが故、ここら辺一帯が更地になります。」
「えーと、それじゃあアクア、確か貴公はアークプリーストだったな。確かアークプリーストは支援魔法を使え……「嫌よ」…えっ?」
「別にダクネスに支援魔法をかけてあげる分には問題ないけどあなたには絶対、死んでもかけてあげない!」
「…そうか…っ!」
「「「!?」」」
何この空気?何でみんな俺の方を見てるんだ?
「あの~カズマさん?絶対に今動いちゃ駄目よ。ほら、よく言うじゃない熊には死んだふりが効くってだからここは落ち着いてゆっくりね。」
フンフン フンフン
あれ、何か後ろから音が聞こえるぞ?おかしいなー、それに何だか背中が生暖かい。
「カズマ動いちゃダメですよ。今動いたら確実に頭がぶっ飛びます。」
「俺の後ろに何が居るんだ?なぁ、教えてくれよ頼むよ…。」
フンフン
ダクネスが呟いた。
「羨ましい」ボソ
「ふざけんな、このド変態クルセイダーがぁーー!!」
「ブオーーーー!!!」
「伏せろカズマ!」
何とか伏せた俺の頭の数ミリ上を一撃熊の巨大な手が通過していく
「危っねーーー」
何とか熊から距離を取る。
そこへダクネスが盾になるように前に出ていった
「来い、この獣め!その巨大な手で私を…『ドン』…クゥーーン!!!」
「大丈夫ダクネス?安心して今回復魔法を掛けるから!」
「お構い無く」
「この状況でふざけてんじゃねー!、このド変態クルセイダーが!」
「そんにゃ、殴られたあとに言葉責めにゃんて‼️」ハァハァ
駄目だこいつ
「ブオーー」
ダクネスに興味を無くした一撃熊が今度は俺に狙いを定めた。
「ソラールさん助けてくださいー!」
「任された。」
そんな声と共に電気の槍が一撃熊の振り上げた手に突き刺さる。
「ブオーーーー!」
そこからソラールさんと一撃熊との対決が始まった。ソラールさんは一撃熊の攻撃を紙一重で避けながらダメージを与えていく。
「カッコいいな」
やっと落ち着くことができた俺はめぐみんに話しかける
「ねぇ知ってますか?」
「何をだよ」
「紅魔族はですね」
「うん?」
「一番最後の美味しいところを持っていく種族なんです」
「ちょっと待てめぐみん!」
「いいえ待てません!むしろこんなに待ったんですよ!褒めてほしいぐらいです…紅より紅く、黒より……」
こいつマジだ‼️
「ソラールさん逃げてください!」
俺の言葉が届いたのかソラールさんがその場から逃げ出す
「エクスプロージョン!!」
ドゴォーーーーン
辺り一面が更地になった。
-どこかのギルド-
やっとクエストが終わった。
やはり、アクセルなどにあるクエストよりも数段難しいものだったがそれに見合った報酬も手に入った。
(かぼたんにお土産でも買ってやるか)
そんなことを思いながらギルド職員にクエスト報告をしていると
「そういえば!アクセルの方から手紙が届いていましたよ」
「手紙?」
職員から封筒を受けとる。
封筒のなかにあった手紙には大きな字ですまないと書かれてあった
(なんだこれは?)
そう思ったあと封筒の中にもう一枚紙が入っていることに気づく。
その紙には恐ろしいことが書かれてあった…
損害賠償請求;貴方のパーティーメンバーであるソラールがクエストの際、畑を全壊させてしまったため以下の料金を請求します。
30000000エリス
アッシュは気絶した。
頑張ります
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12話
今回からオリジナル要素が増えていきます。
気をつけてください
俺の名前はカズマ、冒険者だ。
魔王を倒すという目的のために転生させられた俺だが、いろいろあり、チート能力の代わりに駄女神をもらってしまった俺は日夜この異世界で生き残るため、頭のおかしなチームメンバーに囲まれながらも頑張っている。
そして今、俺はおそらく今までの人生の中でも最大のピンチに遭遇している。
「おい、カズマ聞いているのか?何故たった数日この街から離れていただけで300万エリスもの借金を背負わされているのだ?」
原因は目の前にいるこの男、名前はアッシュ、俺と同じ転生者だ。
この人実はアンデットであり、そのことを黙っている代わりにクエストを手伝ってもらったりしている。
「すみませんでした」
俺は今土下座をしている。何故かというとさっき説明したアッシュの仲間であるソラールさんと一緒にクエストに向かった際、俺のチームメイトが更地にしてしまった畑の賠償請求を隣にいる駄女神が「安心しなさい私にいい考えがあるの」と言ってアッシュに丸投げしてしまったからだ
「はぁ、いいか?私は謝罪が欲しいのではない、何故こうなったのかを聞いているんだ」
「いや、それはめぐみんが……」
「仲間を売るんですか!」
「うるせー!元はといえばこの件は全てお前が悪いだろ!」
なぜ俺はあの時めぐみんをぶん殴って止めなかったのだろうか?
「ちょっとさっきから聞いてたらなによあんた、いい?あんたみたいなクソアンデット本来ならちゃちゃっと浄化して終わらせるところを見逃してあげてるのよ?その恩返しとして300万エリスぐらいの借金肩代わりするのは当たり前でしょ!」
「今さらっと言いましたけどアッシュさんってアンデットなんですか?」
「なっ!アンデットなのか!!」
やべー、アッシュさんの雰囲気がどんどん変わっていく。まさかこのまま口封じのため殺されたりするのかな俺?
「まさか仲間だと思ってたお前が実はアンデットだったとはな。そしてそのことを知られたお前は欲望のままに敬虔なるエリス教徒である私の体を貪り征服しようとするのだろう悪くな……くっ、襲うなら私を襲えだがその代わりに二人には手を出すな、ほら遠慮するな。なっ!まさかこのまま私を焦らし続けるつもりなのか!なんと卑劣な!だが私は絶対に屈しないぞ」
「おい勝手に人を獣みたいに言うな、あと手を出されたいのか出されたくないのかはっきりしろよ、それとお前達一応今ピンチなんだならな、少しは緊張しろ」
見た感じ怒りが一周してもはや冷静になっているみたいだ。このまま見逃してもらえねーかな?
「はぁ…、まぁ今回はお前らを放置した俺の責任と言えないこともない。」
おっ!これは期待してもいいのか?
「今回の借金は肩代わりしてやる。ただし、その代わりと言ってはなんだが一つ頼まれてくれ」
どんな無理難題を押し付けられることだろうか。いや、まぁ悪いのは俺達なんだけどね
「えっと、ちなみにどんな頼み事ですか?」
「ここの近くに共同墓地があるだろ。そこの悪霊が最近こっちに来てちょっかいをかけてくるんだが。そいつらを浄化してきてくれたら今回のことはなかったことにしてやる」
「えっ?」
「んっ?駄目なら今すぐ300ま…「いやいや喜んでやらせていただきます!」そうか」
「あの…これはちょっとした疑問なんですけど」
「なんだ?」
「そのお願いの内容とその値段では明らかに釣り合わないと思うんですが?」
「ふむ、さっきそこのバカが私の正体を言ったから…「ちょっと!アンデットごときが私のことをバカって言ったわねもう許さないわ!」ぶっちゃけるが私が下手にプーリストに頼み事をすると私の正体がバレてしまうかもしれないからな…「アンデットごときが無視とはいい度胸ね」丁度良かったというわけだ」
「それでも安すぎると思いますが、……一応納得しました。」
「私は反対よ!アンデットの言う事を聞くなんて!」
「そうかそれでは頼む。」
「わかりました。」
「無視しないでよぉぉー!!」
__________
「アッシュ様、本当にあれだけで良かったんですか?」
「ああ、まぁこちらとしては今回のことは
「そうですか。それでソラール様は今どこにいるんですか?」
「ん?あいつなら……」
_______________
「やっとここまで辿り着いた。」
「この先にドラゴンが居るのよね?」
「大丈夫、どれだけ強くてもこの魔剣グラムで倒してみせるさ。」
「さすがキョウヤね!」
ドゴン
「なんだこの音は!」
「見てドラゴンと誰かが戦ってるわ!」
「あれは、バケツ?」
「全く5日以内に300万エリス稼げなどと、アッシュも無茶な事を言うな。ふむ、少し弱ってきたかな?あと少しだ????殿頼んだぞ!」
「はい!任せてください!」
待たせた挙げ句短くてすいません。
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13話
俺達はアッシュさんの頼み事を済ませる為に墓地にまで来た。
「おいアクアさっさと浄化しろよ、いくら使えないとはいえ流石に悪霊を浄化ぐらいはできるだろ」
まさかできないとかないよな?流石にこいつだって一応女神だし。
でもこいつ駄女神だからなぁ。
「気に入らないわ、なんで私がアンデットなんかの頼み事を聞かなくちゃならないのよ!」
両手に握りこぶしを作りながら声を張り上げる
「お前今何時だと思ってんだ?近所迷惑になるから静かにしろよ」
今の時間は大体2時と言った所だろう、深夜になってもインターネットやらで一定数起きている人間がいた元の世界とは違ってこの世界ではこの時間に起きている人間など殆どいない。
「私もエリス様に仕える身としてはアンデットを見過ごすというのはちょっとだな…」
宗教上の問題というやつか、一般的な日本人の俺としてはよくわからないが面倒くさいということはわかる。
「まぁ落ち着けって、そりゃあ人を襲うようなアンデットは倒されるべきだって俺も思うけどよ、アッシュさんだぞ?まぁ、何か怪しい感じはするけど基本的にはいい人だし、今回だって300万エリスの借金を肩代わりしてもらったんだぞ?」
「それはそうだが……」
「私の話は聞かずにダクネスの話だけ聞くってどういうことよ!」
「それにお前が信仰してるエリス様だって温和なアンデットも殺せとは言わないだろ」
「いや、エリス様はアンデットや悪魔に対してはアクシズ教の主神である女神アクアより凶暴になると言われていて…」
「なによ、その私が凶暴みたいな言い方!」
「あっ!すまない、そういえばアクアは熱心なアクシズ教徒だったな。」
「だ・か・ら、私こそが女神アクアだって言ってるでょ!」
こいつに自分が女神であることを周りに言いふらすなと言い聞かせるのはもう諦めた。というか、こいつがいくらそう言っても信じる人間はいないだろう。
「……待て、敵感知スキルに引っ掛かった誰か来る」
「そういえば、確か冒険者ギルドで最近ここら辺にゾンビメーカーが出現すると聞いた気がします。」
「そういうのはもっと早く言えよ!」
「すいません、忘れてました。」
この貧乳め、後でパンツ剥ぎ取ってやる
「とりあえず一旦隠れるぞ。」
「プーックスクスww、カズマさん貴方の目の前にいる御方が誰なのかも忘れてしまったようね、いい?たかがゾンビメーカーなんて私にかかればちょちよいのちょいよ!」
うん、とりあえずこの馬鹿が泣く未来はみえた。
そうやって俺達がモタモタしている間に足音が近付いてくる。
「そこね!喰らえゴッドブローーー!」
ポフ
アクアの放った攻撃が暗闇から出てきた
「「「「……………」」」」
それはこの前遭遇した 神 だった。
(あっ、死んだな)
てか何でこいつここにいるんだよ
「置いて行かないで下さいよリュウさん!」
図々しいのはわかっていますが感想を貰えるとありがたいです。
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14話
「貴方達リュウさんの知り合いだったんですね!」
「…ええ…まぁ、知り合いの知り合いといか…」
「あっ!申し遅れました私の名前はウィズ、このアクセルの街で魔法道具店をやらせて頂いているものです」
「ちょっと、こいつリッチーじゃない!」
いつもだったらそう言った後、浄化魔法を放つこの駄女神も流石におとなしくしている。
それもそのはずだ、何故かというとこのウィズという女性の後ろで2m30はあるであろう巨体がこちらを睨みつけているのだから。
そしてこのデカイ人はアッシュさんと同じ異世界からきた神様らしく向こうでは"無名の王"と呼ばれていたらしい。
「なぁ、めぐみんリッチーって何なんだ?」
「リッチーというのは別名"ノーライフキング"とも呼ばれている凄まじい魔力を持ったアンデットのことです」
それ間違いなく初心者が相手したら駄目なやつだろ。
「えっ!何でバレて……えーと、あの!…私この街の人達に危害を加えようとか、そういうのは無いんです…ですから、見逃してく貰えないかな…と。」
「もう既にあんたみたいなアンデットがこの街にいるのよ!これ以上増えたら私の沽券に関わるわ!」
「おいアクア、お前あの人の後ろにいるデカイのが見えてねーのかよ、お前のあるかないかもわかんねぇ沽券の為に俺達を巻き込むな!」
「はぁー?!貴方この街がアンデットだらけになってもいいっていうの!」
「別に、襲いかかって来るわけでもないならそれでもいいぞ。」
正直な話、目の前にいるウィズさん含めこの世界に来てから出会ったことのあるアンデットは全員アクアよりよっぽど話が通じるし、全員常識人だしむしろ何故アンデットは駄目なのだろうか?
「貴方それでも私のチームメンバーなの!!」
「うっせーー!!こーいうときばっかりやる気出しやがってこの駄女神が!いーか?この際はっきり言ってやる。アンデットなんかよりお前の方がよっぽど人に迷惑かけてるわ!!」
「……うっ…ヒっグ…ゔぇーーーーーん!!!…がズマのバガーーー!!」
「あ…あの…、流石にそれは言い過ぎではないでしょうか?」オロオロ
さっきまで消そうとしていたリッチーに守られる女神か、……あんなのが俺の転生特典か…やばい、無性に泣きたい。
「えっ?あっ…はい、えっと…リュウさんが話したいことがあるそうです。」
そう言った後、今までウィズの後ろにいたリュウ(?)さんが前に出てくる。
そして腰に差してあった長さが50センチ程ある黒板の様なものに文字を書いていく。
『名前リュウよろしく。』
下手くそな字でそのように書かれていた黒板を俺たちに見せてくる。
「…えーと、俺たちに何のようでしょうか?」
『お前一緒にいた男場所教えろ。』
「こっちよ!」
いつの間に復活していたアクアが嬉々としてアッシュさんの場所を教えようとしている。
「ちょっと待て!お前アッシュさんのこと売る気か?」
「人聞きが悪いわねカズマさん?私はただ道案内するだけよ」
「待って下さい、一時的とはいえ仲間だった人を裏切るのは紅魔族的にもアウトです!」
「ああ、私も騎士として見逃すことはできない!」
「そう、じゃあ後ろの人の説得はお願いね。」
「「「………」」」
「……」ジー
「どうぞこちらです!」
すまないアッシュさん、自分の命には変えられないんだ。それにあの人死んだと思ってもいつの間にか戻ってるし今回も大丈夫だろ。
_______________
「この中に貴方の探している人がいるはずです」
俺達は今アッシュさんの家の前に来ている。
「あの…すいません、カズマさんと言いましたっけ?…その貴方の知り合いの方とリュウさんの関係って何なんですか?」
「……俺もあまり詳しくは知らないんですけど、そのアッシュっていうんですが、その…リュウさんの父親と弟と姉を殺したそうで」
「ということは、リュウさん復讐の為にここに来たんですか!」
「………おそらく」
「何で止めなかったんですか!?」
「いや、だって怖いし」
あんな強そうな人にわざわざ喧嘩をふっかけるような真似はしたくないし。
「止めて下さいリュウさん、復讐は何も産みません!もしかしたら相手にも何か理由があるかもしれないし、一度話し合うべきです!」
ウィズが止めようとするのを無視してリュウさんが扉に手をかける。
「……………ああ、早かった……ってはぁぁーー!!??何でここに無目の王が!?」
「ププー!マジでウケるんですけど、あんなに偉そうにしてた癖にあんなに慌てるなんてマジで滑稽なんですけどー!!」
「アクア、まさかお前の差し金か!?」
「はっ、今更気づいたの?でももう遅いわ、やっちゃえバー●ーカー!!」
やめろよマジで!いや、確かにそう見えないこともないけど!!
「すいませんリュウさん!でも、貴方に人を殺して欲しくないんです!『カースドクリスタル…』」
ウィズがリュウを止めるため魔法を唱え始める
てかもうこれどっちが女神かわかんねぇな
「カズマ!凄い魔力があのリッチーに集まっていきますよ!私も対抗するために爆裂魔法を用意しておいた方がいいですよね!」
「いいか、もし今爆裂魔法を撃ってみろ?そしたら俺は容赦なく、動けないお前をカエルの巣に叩き込んでやるからな」
「ふふふ、流石のカズマでもそんなことは…………しませんよね?」
めぐみんが言葉を言い終わるのと同時になんとリュウさんが腰を曲げ、アッシュさんに対して頭を下げた
「…プリズン』「「「えっ?」」」」
最後に気が抜けたからだろうかウィズが放った魔法がリュウさんに当たらず、そして何故かアッシュさんの方に向かっていく。
「ぐわぁァァァァーー」
何度目かわからない、アッシュさんの断末魔が響き渡った
____________________
「あの…リュウさんは貴方に初めてあったとき攻撃したことを誤りたかったそうです」
「そうか、許してやるから今すぐ周りの氷をどうにかしてくれないか?もう体の感覚が全くないんだが」
「何でリュウさんは出会ったばかりのアッシュさんを攻撃したんですか?」
「おい、そこの爆裂娘。話を逸らすな早く私を助けろ」
「…………」
「…はい、えーとそこのアッシュさんの匂いがリュウさんの父親にそっくりでつい間違えてしまったそうです」
「ウィズだったか?…その、何であんたは無名の王が喋ってないのに会話が通じてんだ?……………待て今なんて言った?」
「はい?」
「今なんて言ったと言ったんだ!」
「えっと、貴方を匂いで間違えてしまったと。」
「誰と?」
「リュウさんの父親とです。」
「ふむ、…………………って、はァァァァァーーー!!??」
「ちょっといきなり大きな声出さないでよ!」
「クソが!おい、今すぐ氷を剥がせ!ちょっと風呂入りに行ってくる!」
こんなに取り乱したアッシュを今まで見たことがない。あまりの変わりようにみんなちょっと引いている。
「かぼたん聞いてもいいか?」
「はい、何でしょう?」
「リュウさんの父親とアッシュさんの関係って………」
「知りません。」
即答かよ
「ですがアッシュ様からは『この世で最も恨んでる敵』と聞いたことがあります。」
改めてアッシュの方を見る。
そこには狂ったように叫ぶ、絵に書いたようなアンデットがそこにはいた。
「出せぇぇぇーー!!体を洗わせろぉぉぉーー!!!」
マジで何があったんだよ
「わかりました、私が貴方を助けて上げましょう!『我が禁じられた力を今解き放つ……「何やってんだこのバカが!」』イタっ!」
「次やったら殴るどころじゃすまないからな!」
「私に死ねと言うんですか!!」
「なんでそうなるんだよ!」
頭が痛くなってきた
「待ってみんな、落ち着きましょう。」
アクアがここにいる全員の視線を集める
「私が思うに、とりあえずこのアンデットのことは置いといて帰るべきだと思うの。」
その言葉にアッシュがギョッとした表情を浮かべる
「おいマジで言ってるのか?」
「よく考えてみんな、ここにいる私達は大小はあっても今回の件で全員アッシュに恨まれてるわよね」
確かにそうだ、ウィズは今回の氷、俺達は三百万エリスの借金で恨みを買っている
「今助けたら許してやるから…おい、聞いてるか?」
「それに今のこいつは冷静じゃないし、助け出した瞬間襲いかかって来るに違いないわ!だから暫くこの氷の中で頭を冷やしてもらおうってわけよ!」
「…見た感じ冷静なような……「よし帰るか!」…え!?」
「待てカズマ!ちょっ、おい!」
「じゃあウィズ、また今度な」
「えっ?…あ…はい…本当にいいんですか?」
「あんた…もし、こいつを助けたりなんかしてみなさいよ浄化しちゃうからね!」
「ヒィッ…あ、あのもしよかったら今度店に来てくださいね…じゃあ、…さ…さようなら」
ウィズはそう言って小走りでこの場から離れていった
「待ってくれぇぇぇぇぇぇ!っ、あっ!そうだったおい、かぼたん今すぐ……「私は暫く灰の方とは距離を取ろうと思います」…はい?」
「えっ?おいどういうことだ、かぼたん!」
「この前私が死んだとき、灰の方はすぐに気づいてくれなかったそうですね。」
「あっ…」
「それに今回だって最初に助けを求めたのは私ではなくあのウィズとか言う人に助けを求めてたじゃないですか?」
「…いや、それは忘れてたというか…。」
「そのことを言ってるんです。」
「あっ…はい。」
「確かに私は貴方にお仕えすることができて嬉しく思っています。ですが、最近あまりにも私のことをないがしろに考えてませんか?」
「すまなかった。」
「謝罪をしていただきたいわけではないです、ただ私のことを考えて欲しいので距離を置かせていただきます」
「わかった…」
俺達は何を見せられてるのだろうか?
夫婦喧嘩とか元の世界で散々見せられたので正直勘弁してほしい
「それでは少しの間ですが灰の方さようなら。」
「ああ」
そう言うとかぼたんは俺達の方を向き
「というわけであなた方の家に暫く泊めて貰ってもよろしいでしょうか?」
「「「「「はっ?」」」」」
疲れた
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15話
ウィズとかいうアンデットらしき人物に氷漬けにされ早くも3週間が経とうとしている。いったいあいつはどれほどの魔力を使ったんだ?全然溶ける気配がしない。
不死人としての体質のせいで何も食べずとも生きていけるため餓死することもできずに時間だけが流れていく。
今思えば火防女もといかぼたんには色々酷いことをしてきたな…元の世界では火を奪っては殺して、武器の試し切りと称して新しく作った武器の性能を試し。しまいにはこっちの世界に来てからはカエルに喰われたことに気づかないまま帰宅して死なせてしまった………………あれ…?何かおかしいぞ。
何でかぼたんは死んだ後すぐに生き返らなかったんだ?
かぼたんは確かに不死人だったはずだ。
この手で殺した後生き返ってるのをしっかり確認したことがあるから確実だ。
…だったら何でだ?
この世界に来た人間は不死人ではなくなる?……私が不死人のままだからそれはないな。
いや、それとも私が特別なのか?……ふむ、わからんな、まぁいいか。
「今戻ったぞ!…すまないなかなり遅くなってしまった。…いったい何があった!」
「ああ、まぁいろいろとな。すまないが早く出してくれないか?」
「あっ…ああ、わかった」
久しぶりに自由になった体を伸ばす。
「きちんと300万エリス集めて来たんだよな?」
「ああ、金の方はギルドの方に渡してきた。だいぶ苦労したぞフハハハ、そうだ!そういえばなかなか腕の立つ魔法使いの少女が居てだな!友誼を結んだお礼にと無料でクエストに付いて来てくれて…………すまないが1つ聞いていいか?」
「何だ?」
「…何で武器に手を伸ばしてるんだ?」
「大変申し訳ないが少し、実k……ゴホン…確認したことがあってだな」
「待て待て待て!、今さっき確実に実験と言おうとしただろまさか俺を殺す気か!?」
「大丈夫だって、ほらそれに私達は不死人だろ?多少死んだ所で直ぐに生き返れるだろ?」
「誰でもお前みたいにポンポン死んでも大丈夫だと思うな!もし、亡者になったらどうするつもりだ!」
「じゃあほら犠牲の指輪貸すから、なっ?頼むよ」
「うっ、うーむ。しかしだなぁ…」
「大丈夫、大丈夫ちょっとビリッとするだけだから」
そう言って無理やりその指に犠牲の指輪をつける
「そうだ、一ついい忘れてた、もしかしたら貴公不死人じゃなくなってるかもしれないからな」
「えっ!ちょっ待っ……」
ソラールが何か言い終わる前にロングソードで首を切り落としてみる。
しかし、ソラールの死体が転がるだけで特に変化はない。死体が消えないことを見るに不死人としての体質が改善されているのは確実のようだ。
いや、そうとも言えないか。
不死人というとのは近くで死んだ敵や、ある程度の大きさの道具はソウルという物質に変化して自分の体に取り込むことができる。
私が見た限りソラールはその能力は失われてないようだった。
ならば不死人から不死性のみが失われたのか?
「ふむ、考えてもよくわからんな、少しずつ解明していく必要があるな。しかし何故私は不死のままなのだろうか?」
さっき切り落したソラールの頭と体をソウルに変換して自分の体の中に取り込む。
「はぁ…復活しなかった時の事を全く考えてなかった。昔はここまでうっかりではなかったはずだが、これもこっちの世界に来た際に起きたステータスの低下のせいなのだろうか?まぁ、またあの駄女神に復活させて貰えばいいか」
そう言って家の扉を開ける。
「とりあえずギルドのほうに行ってみるか、たぶん居るだろう」
____________________
「ぶえっくしょん!!」
「うわっ!汚え鼻水飛ばすなよアクア」
「アンタって本当失礼ね!美しい女神様の体液なのよ、汚いはずないじゃない!」
俺達は今ミツルギとかいう勇者候補の魔剣を売っぱらった金で酒を飲んでいる。
「風邪を引いては大変ですよアクア様、何か羽織った方がよろしいのでは?」
「大丈夫よかぼたん、それよりもお酒のお代わりを貰って来てくれない?」
「畏まりました」
「お前最近かぼたんに何でもやらせすぎじゃないか?」
「いいのよあの子は!ほら見てあの子の人の命令を聞くときの嬉しそうな顔!」
「うん、あんまり表情は変わんないけどな」
かぼたんが俺達と行動を共にするようになってもう二週間が経つが…もはやパシリとなりつつあった。
「………はぁ、アッシュさんが来たらどうなるか」
「何よカズマ、まだあんな奴のこと心配してるの?大丈夫よ、あいつがアンデットである限り私がパパッと浄化してやるわよ!」
「お前そういうのは日本で"フラグ"って言うんだぞ。というか最初あったときはお前の浄化魔法で倒しても生き返ってたじゃないか、それに俺達が間違って剣を突き刺したときもケロッとしてたし、もしかしたらとんでもないスキルでも持ってるんじゃないか?それこそ"不死身"みたいな……」
というかキャベツのときめぐみんが爆裂魔法で吹っ飛ばしてたけどあれどうやって生き延びたんだろ?
「ププックック、プハハハハハハハッ!あなた本気で言ってるの?冗談でしょ、私を笑い死にさせる気?たかがアンデットごときがそんな凄いことできるわけないでょっププッ、いいカズマ?世の中に死なないなんて能力はないの、わかった?今までの件だってどうせ変な魔法道具でも使ってただけに違いないわよ」
「だからそういうのはフラグだって言ってるだろ、まぁいいか、じゃあ俺はめぐみんと爆裂散歩しに行っ来るからな」
「動けないめぐみん相手に変なことしないようにねぇ〜」.
「しねーよ!」
『緊急事態、冒険者の方々は直ぐに正門の前に集まってください』
「いったい何だ?」
「とりあえず行ってみるか」
「そう行ってらっしゃい気をつけね〜」
「お前も来るんだよ!」
_______________
久しぶりにギルドに来てみたが誰もいない。
いや本当に誰もいない。何だろう?私が居ない間に冒険者は全滅したのだろうか?
誰もいない席に座り特に意味はないがソラールの頭を取り出してみる。
「いいよなーお前は簡単に死ねて」
喋りかけてみるが当然言葉は返ってこない。
「はぁ…普通に歳を取って、いろいろ嫌な事とか良い事とかある人生をお前は送れるかもしれないんだろう?」
私の人生の9割…いや、9割9分9里は燃えてた、もしくは牢屋の中でボーッとすることしかできなかった。何もできずに時間だけが過ぎていく。私はそれが何よりも嫌だった。そしてついには死ぬことしか考えることができなくなった……
この世界に来てからは楽しいと思える時間が増えた。できることならこのような一日がずっと続いほしい。
だが、それはあり得ない
人間は死ぬものだ。
そして滅びる。
いつか、私はまた一人になるのだろう。
そうなる前に…
「お前は私に殺されるときどんな顔してたんだろうな?私だったら死ねるかもしれないと喜ぶだろうが、お前のことだから心底驚いた顔をしてるんだろうな」
そこでふと気づいた。今ならソラールの素顔が見れるんじゃね?
そのことに気づいた私の手は自然とソラールの兜に手が伸びていく。
「大丈夫だよな?まぁバレなきゃ犯罪じゃないとよく言うし」
少しずつ兜を上に上げていく、少し髭が生えている顎が見える…戦士らしい角ばった輪郭、真一文字に結ばれた口あと少しで目元が見え…
「あっ名無しの人」
その瞬間手に持っていたソラールの頭を直ぐに体の中にしまう。
(ヤバイな、てか今まで私はいったい何をやってたんだ?親友がき返るか実験したいから首を切り落とした後暇だったから生首と会話してましたってか?何だろうこう……、胸の下あたりと頭の方が痛くなってきたな…、クソ少し前の自分をぶん殴ってやりたい気分だ。というバレてないよな?)
「あのー聞こえてますか?」
私に声をかけた人間の顔を見れば私が冒険者カードを作った際の受付嬢だった。
髪がボサボサで顔の半分が隠されており、そのうえかろうじて見える目の下には濃い隈があり、愛想もよくないので同業の冒険者(男)からは信じられないほどの人気の低さを誇っている。
というか受付嬢なのにその髪は許されていいのか?
まぁ、そのおかげで自分は家に帰れる時間が30分ほど早くなっているので文句は言えないのだが。
「ああ、すまないボーッとしていてな。ところで他の冒険者達がどこに行ったか知らないか?」
「あれ、聞いていなかったんですか?冒険者は全員城門前に集合していますよ?」
「そうか」
相手の反応を見る限りソラールの生首は見られてないみたいだ。
「それでは私も向かうとするか、教えてくれたこと感謝する」
「いえいえ、これも仕事ですから。気をつけてくださいア
「ああ」
この時アッシュは受付嬢が自分のことを灰の方と呼んだという異常事態に気づくことはできなかった。
この主人公の死生観は元の世界のせいでかなり歪んでますが本人はそのことをこのすばの世界に来て生活してきたことにより多少理解してます。
なのでこっちの世界の住人に対しては自分の感覚を押し付けることはしないように気をつけてますが、同郷の人間に対しては少し容赦がありません。
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