天下人の内政官 (ゆっくり霊沙)
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細川の人質

 時は1536年?……魑魅魍魎蔓延る京にて大魔王細川晴元が法華宗を六角氏と比叡山延暦寺を動かし抹殺しているのと同時期に私は初陣として細川晴国討伐に参加しております……。

 

 どうも皆さま、私は三好元長の四男の四郎坊と申すものです。

 

 現在大魔王細川様の人質として過ごしておりますが、細川様のお小姓として働いております。

 

 はい、察しの良い方は気づかれておるでしょうが転生者です。

 

 あと細川様に開発済みです。……はい。

 

 まだ6歳(数え年でも7歳)なのに掘られたよ(泣)

 

 そんなことはどうでも良いのです。

 

 三好ですよ三好。

 

 衆道がわかるくらい歴史をお知りの皆さまはピンとくるでしょうが三好は幕府や公家以外の権威で初めて政権を獲得した一族です。

 

 長男全能の化け物、次男猛将の文化人、三男淡路水軍司令官にして仁慈の将、本来の四男鬼十河、本来の五男よくわからんと五男以外はチートである。

 

 いやぁーね、長男である三好長慶様が疑心暗鬼による精神病になるまでは本当に誰も勝てない化け物で性格が優しい以外は本当に完璧な人なのよ。

 

 今だって晴元様の命令で摂津中島の一揆を滅ぼしてますし。

 

 え、晴元様て誰だよ。早く語れって? 

 

 ……信長の数倍残酷非道で松永久秀よりも暗躍や謀殺が得意で京近辺にある宗教勢力を滅ぼすか本拠地燃やしてついでに京を燃やす人ですよ。

 

 流石大魔王様ですわ。早く死んだ方が皆の為ですわ……。

 

 ちなみに私の父親も大魔王様に謀殺されております。

 

(マジやばくね!?)

 

「おい四郎、適当な奴の首を持ってこい」

 

 この人の適当な首とは味方も含むという意味です。

 

 本当大魔王様……多重人格者としか思えないんですけど……。

 

 さてと首持ってこねーと自分の首が飛ぶからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーす、皆(戦場に住んでいた農民)、換金するから戦利品みせろー」

 

 この時代の農民は戦闘が決着し、勝者が追撃を開始すると追撃部隊が帰ってくる前に戦場に転がる遺体を漁る。

 

 一応人質の自分でも部下が数人いる。

 

 とはいっても実家からの護衛役3名で大魔王様に気づかれないように半農の振りをして生活しているが……

 

 今回みたいに大魔王様と離れる機会を彼らが気がつくか私が気がつかせ合流する。

 

 そんな護衛達付き添いのもと農民達から鎧や兜、武器を私の鎧の下や兜の裏に隠した銀貨や砂金、腰に巻いている3貫で買い取っていく。

 

「お、坊っちゃんまた買い取ってくれるだか、他の職人より中抜きなくて高値つけてくれっからまたよろしくだぁ」

 

「はいはい、死なない程度に剥ぎ取れよ~。一応追撃部隊だからな私は」

 

「いやぁしっかし戦だらけで田畑荒れちまってしかたねーだ、坊っちゃんどうにかならんだか?」

 

「上告した瞬間に死ぬから無理だな」

 

 今回は大魔王様の命令が首取ってこいと命令が出たから自然に抜け出せたが、何回かシラ~っと無断抜け出しして換金作業してるんだよね。

 

 たぶんバレてるけどいい感じの武器を上納してるから見逃してもらってる感じあるんだよな……いや、大魔王の事だからいつか私も謀殺されそうだけど。

 

「資金尽きたからこれで帰るわー、またよろしくなー」

 

「坊っちゃんもまた、ありがとうな」

 

 さて、戦利品と適当な首持って帰らなきゃなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 部下をそのまま戦利品を四郎坊鑑定と木版に書き、堺の大商人に換金してくるように指示をし、自分は大魔王様の元

 にすぐさま戻った。

 

「遅かったですね」

 

「は!! 晴元様申し訳ありませんでした」

 

「いいよ、いいよ。今日は気分が良いから」

 

 気分が良くて適当な味方の雑兵3名殺すんですか……

 

「今は多少のミスは許すよー。僕の性欲の捌け口だし、次代を見据えてだけど内政できる部下が君ぐらいしか居なくなる予定だからね。もっとも君以外にも揃うようだったら……わかるよね」

 

 ネットリした感じに喋る大魔王晴元様からほぼ直球で成長したら殺す宣言を頂きました。

 

 本気で嫌だ。

 

 なんでこんな多重人格サイコパスに殺されなければならないかな。

 

 能力は飛び抜けてるけど……。

 

 数年おとなしくてそのうち逃げ出さないと本気で殺されるからな……

 

 

 

 

 

 

 

 



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細川の財政官兼京治安維持の武官兼精奴隷

R-18ではありません


 はい、皆様こんにちは四郎坊でございます。

 

 今は9歳となり何百回目かわからない命の危機がつい最近終わりました。

 

 三好家の同族争いです。

 

 長男の長慶様と同族の三好政長が土地をめぐって争ってましたが、大魔王晴元様は三好政長の方を支援したため、兄達と敵対したのです。

 

 人質なのでいつ殺されるかビクビクしていると将軍様と六角様の和解の仲介で無事和解。

 

 死なずにすみました。

 

 んで、和解といっても大魔王が火種を残さないなんてことはなく、凄まじくギスギスしており、長慶様は外部圧力で京には短時間しか居られませんでした。

 

 それでも長慶様は何とか時間をお作りになり、弟の私と久しぶり(7年ぶりくらいのためほぼ初対面ですが)に会談しました。

 

 

 

 

 

「お久しぶりでございます兄上」

 

「四郎坊元気そうで何よりだ。晴元の情報ご苦労。堺衆経由だが手紙を受け取っている」

 

 おぉ、覇気がすごい。まだ20いってないのにこんなにか。

 

 天下人はさすがだなぁ……

 

 えー、皆様には言ってなかったのですが兄上達には晴元様の情報をなるべく複数のルートで送っております。

 

 こんなことをしていたら大魔王様に見つかってそうなものですが自分出世しまして堺衆との物資の売買役兼精奴隷を承っております。

 

 普通元服前にやらせる仕事ではないのですが、前任を大魔王様が感情斬り(誤字にあらず)をしたため私がやるはめになりました。

 

 まぁ堺衆とはマブダチ(会話可能な武士ってめっちゃ数が少ないし、なんか値切り交渉をしてたら気に入られた)ですのでね。

 

 そんな堺衆を取引するついでに手紙を渡しているのでまずバレない。

 

 まぁバレても大丈夫なように手をうってますが……。

 

「兄上、他の兄上達はお元気ですか」

 

 知ってはいるが一応聞いておく

 

「ああ、千満丸も千々世も元気だ。弟達も元気にすごしておる」

 

「それは良かったです」

 

 他愛ない世間話を少し、長慶様の時間も限られているため本題に入る

 

「兄上、いつ父上の(いや、晴元の事はやめよう。長慶様なら勘づくはずだし)……この前の兄上の戦った三好政長の再戦はいつになるでしょうか」

 

「……家内の整理は当分先だ。まず地盤を固める

 

「承知しました」

 

 地盤固め……これは長慶様だけでなく私に対しての命令と受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 会談はこれで終了し、この数日後長慶様は大魔王晴元様の命令では摂津に移動となり、摂津越水城を本拠地としてゆっくりと晴元様の勢力を浸食していくこととなり、私は数年後起こる中国地方の覇権争いを利用し、莫大な利益を獲得しようと準備を始める。

 

「さて、殆ど効果のない幕府の徳政令も大魔王様が止めると仰ってましたし、なにか金稼ぎに手をつけますかな……記憶が確かなら畿内大洪水……水害どっちかが起こるから建材と食糧を備蓄しておくか……堺衆に協力を依頼するしかないよな。占いだ、御天道様がお怒りだと言っておけばボンクラ商人は食い付くし、大商人達には細川家の取引優遇をちらつかせますかね」

 

 

 

 

 

 

 



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細川の財政官兼京治安維持の武官兼精奴隷 2

 あれから4年が経過して13歳になりました。

 

 西暦で言うと1543年ですね。

 

 はい、賭けにボロ勝ちしました。

 

 いや~、月山富田城の戦いは歴史を噛った事のある人ならピンとくるでしょう。

 

 そう、謀聖こと尼子経久が亡くなり影響力強化のため息子の尼子晴久が毛利家に戦を仕掛けた事がこの戦の始まりです。

 

 私的には毛利の証文(借金手形)を安値で買って勝利後に売り飛ばしたかったのですが、この時期小大名でしかなった毛利家の証文は極小数しか出回っていなかったので、毛利家進行に失敗した尼子の証文を買い漁りました。

 

 毛利家の攻略に失敗した尼子を大内家と毛利家が攻略を開始した時はまだ証文の暴落は発生しなかったのですが、月山富田城を包囲された時点で暴落を開始、元値の20分の1以下まで下がりましたね。

 

 まぁ尼子の逆襲が始まれば元値の2倍近くまで跳ね上がると見ているのでまぁ楽な商売ですね(暗黒笑み)

 

 ……こんな笑みできるようになったのは絶対大魔王晴元様のせいだろうな。

 

 と、皆さまに報告忘れてましたね。

 

 私四郎坊は晴元様に烏帽子親をしてもらい元服しました。

 

 三好優駿(みよしゆうしゅん)です。

 

 競馬かな? 競馬なのかな? 

 

 あの大魔王様の事だから意味は有りそうで無い気まぐれの可能性が高いんだよなぁー。

 

 こほん、まぁ13(数え年で14)だしそろそろかなぁと思ってら夜いっしょに晴元様と寝たら(ヤられました)

 

「四郎坊、直ぐに元服な」

 

 いきなり過ぎるんですよ本当に大魔王様は……

 

 経緯はこんな感じなので絶対優駿って名前これからも馬車馬の如く働けって意味ですかね……馬のように

 

(実際は優れているという意味で四郎坊が自身の行動を予測して主である自分が楽になっているのを感じたため優駿の名を与えただけだった。また、最初は四郎坊が優れているのではなく周りが無能だと思い込んだために十数人の家臣を斬り殺したりもしていた)

 

 あと皆さまにご報告しなければならないことがありました。

 

 兄上の命令に従い自身の基盤を作りました。

 

 広大な土地や米ではありません。

 

 金と動物です。

 

 金は商売を指し、数年前に発生した畿内大水害時、私はへそくりや借金をしながら食糧や建材の転売を行いました。

 

 で、災害時は仕事が無くなって働きたくても働けない人が沢山いたので優秀そうなのを百数十名雇いました。

 

 大半が水害で商品がダメになって借金の返済不能に陥った者、従業員が多数か店主自身が亡くなった(首吊りや身投げを含む)ため経営不振からの夜逃げをしようとしていた連中です。

 

 金と箱さえ有れば結構何とかなるんですよこういうのって……

 

 返済不能なのは私が名前と運用資金さえ出せば立て直せますし(それでも潰れるところは潰れるのでそうなったら家族か従業員を私の奴隷に落としましたがね)、従業員だけが残ったのはこちらが作った箱に押し込みました

 

 えぇ、私店をもちました。

 

 というのも前に堺の大商人連中に気に入られている話はしましたよね。

 

 最初は私のバックにいる大魔王様を気にしているだけだと思っていたのですが

 

「四郎坊様は武士ではなく商人の方が絶対に向いておられます」

 

 と複数人から言われれば気に入られてるんだなぁと思うようにもなります。

 

 水害の事も儲けるために手を組んで建材や食糧を集めたため、多数の中小商人が潰れるのは彼らの中では決定事項だったので、それらをバラバラにしたら犯罪者かスラムの住民が沢山出て堺周辺の治安が悪くなることを恐れ、そんな潰れた中小商人纏めて私に押し付けられたのでさばけるだけさばいて残った有能そうなので店を作ったのだ。

 

 まぁそれでも結構奴隷が発生しましたが、命懸けの仕事をさせないだけ優しいと思ってもらうしかないでしょうね。

 

 領地でも貰えばそこにぶちこみますが……武功が無いのよね殆んど……

 

 大魔王様、兵站ができるの私しかいないのは無しじゃない? 

 

 知ってるよ細川家の歴史はさぁ……内紛の末に弱体化して家臣団も親族もボロボロなのはさぁ……

 

 だからといって家臣団を更に弱体化して自分が優位に立てるように暗躍次いでに殺すのは無しでしょ。

 

 私が居なかったらどうするんだよ本当に……

 

 話が逸れましたね。

 

 店を構えた私に隙はありませ……有ります。

 

 それは商品です。

 

 主な売れ筋商品が私が書いた童話の写本や各宗派のお経、梅干し、漬物……です。

 

 利益は出なくはないですが月5貫が良いところ

 

 うん、これでは従業員は食わせられるけど奴隷が働ける程労働力が必要な仕事が無いのですよ。

 

 利益が少ない、従業員と奴隷の数が多すぎる、自身が細川家に長期間居なければならないの3つが隙というか弱点です。

 

 ああ金貸しや質屋を始めたい。

 

 それで利益問題は解決するのに……ノウハウが無い。

 

 理屈はわかるのよ私もさ、経営や内政に関わる身としてね。

 

 でも手を突っ込んだ瞬間に今までニコニコしてた大商人連中が鬼の形相で店を潰しにくるのはわかりきってるからなぁ。

 

 人のドル箱かっさらえばそうなるのは予想できるし……

 

 土地が有れば簡単な工場建てて色々できるけど今の情勢下で土地もらっても嫌がらせにしかならないんだよなぁ……

 

 そんなに土地が要らない理由? それは……

 

大魔王晴元様の無差別に置いた裏切りという爆弾が破裂しそうなんだよ

 

 



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政治基盤と解任

 皆さまこんちは四郎坊こと三好(元郎)優駿です。

 

 えー、政治基盤の話ですねはい。

 

 店を開いたのは言いましたので次は動ぶtu……

 

「何をブツブツ言っているのですか? 旦那様、管領様より書でございます」

 

 大魔王晴元様は私以外は管領様(まぁ実際には管領並の権力を持った人でしかないのですが)と呼ばれてます。

 

 政治基盤の話はまた今度ですね。

 

 それよりも私の奴隷1号こと同じ年で元商人の父親を持ち、私の秘書をしている鈴川千代吉(元服後は鈴川千秋)君から渡された晴元様の書の方が優先です。

 

 なになに……

 

「……うわぁマジかぁ……」

 

「何が書いてあったのですか?」

 

「解任だってよ。物資の売買係解任された」

 

 大魔王様は軍資金と兵糧以外はあんまり気にしないから私の手腕で上記の2つを注意しながら多少の役得を得ていたし、これが商人達への信頼を与えていたんだけどなぁ……解任されたなら仕方ない。

 

 後任は……あぁ、こいつか。

 

 こいつが私が不正してると大魔王晴元様に垂れ込んだな。

 

 もっとも証拠を残すような凡骨じゃないから晴元様も即処刑までいかなかったと思うけど……

 

(実際晴元様はただ単純に物資の売買よりも内政及び外交手腕を評価して寺社奉行に就任させ、周辺の寺社がらみの一揆を対応させたいという理由だったのだが……)

 

 

 

 

 

 

 

「旦那様、2ヵ月で結局元の役職も兼任する事になりましたね」

 

「あの馬鹿達じゃ無理だろ。鈴川達みたいな元商人出の奴等なら出きるだろうが……」

 

「普通の武家には居ませんからね私達みたいなのは」

 

 馬鹿ではなく馬鹿達なのは2ヵ月で3人物資の売買係の代表が大魔王様に斬られたからです。

 

 1人目は私よりも買値が高く、それを次に物資の売買係に就任する奴が大魔王様にチクって1人目が中抜きをしている疑惑をかけられ、大魔王様の信頼を取り戻そうと焦って商人との交渉中にまけろまけろとしつこく言って、遂には商人に斬りつけたため、逆に自身の首が文字通り飛んだ

 

 2人目は1ヵ月はもったがこいつ計算が苦手だったので部下にほぼ丸投げしてその部下が物資売買用の大金を持って逃げ出し、その責任を大魔王様に攻められ、さらし首にされた。

 

 あ、ちなみに逃げたした2人目の部下は逃げ切りました。

 

 ので警備責任者の首もさらし首にされ、この役職も自分が兼任するはめになりましたがね。

 

 3人目が一番凡骨で一時期一揆鎮圧のための兵達への兵糧が必要量に届かないということをやりやがった。

 

 こいつは斬られる事も許されず一族火炙りの刑でしたね。

 

 助けることも考えましたが大魔王様が満面の笑みをしながら火炙りを言いつけていたので、優しさを捨て私は油の用意を進めました。

 

 焼死体の家族の処理を命令され、私は本願寺に供養を依頼しました。

 

 本願寺……私の父親の直接的な仇であり、大魔王晴元様に振り回され続けた武装宗教勢力の総本山

 

 現在は幕府との関係強化と一向一揆を制御できなかった反動で、極端な平和主義に全力疾走している(この平和主義により三好が政権を確立できた一因でもある)

 

 最初、私と護衛として仲の良い奴隷5人と一緒にが本願寺を伺った時、大魔王晴元様の書状と三好の家紋が入った脇差をゴッツイ僧兵の門番が見ると慌てて門を開け、外交担当だった坊さんとのやり取りが本願寺との最初のコンタクトでした。

 

 その後供養が終わった後も大坂本願寺に奴隷を連れて勉強させてもらった。

 

 本願寺は戦国時代でほぼ唯一弱者救済をしっかりしていた宗教で、近くの比叡山延暦寺は暴利で金貸し、他宗教の村を僧兵で襲撃、自宗教の村にも献金をせかすとやりたい放題で後に信長に焼き討ちされた時は貴族と他宗教、近くの村では喜ばれた事からどれだけ暴れていたかわかるだろう。

 

 逆に本願寺は弱者救済をしっかりしていたため、信長を十数年苦しめるほどの勢力を保てたのだと私は考えている。

 

 上がしっかりしていれば門徒は自然についてくるから……

 

「旦那様?」

 

「悪い悪い、また本願寺に行こうかと考えていた」

 

「本当ですか!! そしたら他の皆も呼んできますね!!」

 

「あぁ、ちょっと待て、今行くとは一言も……行ってしまったか」

 

 ……それよりも記憶が確かならばそろそろ対晴元様の反乱が数年間連続発生するんだよな。

 

 晴元様の様子も最近おかしくなり始めたし……

 

「若干精神錯乱おこしているっぽいんだよなぁ」

 

 逃げの準備をした方が良いな。

 

 行くとしたら……西だな。

 

 東は天文の乱と武田、今川、北条がぶつかっていて危ないからな。

 

 ん? ……武田? 

 

 そういえば最近武田の人が上京していたような……



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信虎のおじさん49歳

 武田信虎……教科書や歴史物だと領民を圧政と連続した戦で疲弊させ、それを見かねた後の信玄と家臣達がクーデターを起こして追放されることしか書かれてない人物だが、この人81歳くらいまで生き、幕臣として15代将軍足利義昭の命令で対織田包囲網形成に尽力した守護大名から忠臣でもある人物です。

 

 そんな人物と

 

「胸はあった方が良いでしょう!! 子供に乳を与えるのに大きな方が良いです!!」

 

「胸は大きさではねぇぜ!! 問題は形よ。体に合った大きさこそ最高だぜ」

 

 下品な事を真剣に話し合っていた。

 

 きっかけは本願寺から帰って直ぐに大魔王様から招集でした。

 

「嫌な相手が来たから相手をしなさい」

 

 大魔王様さすがです。

 

 そもそも誰が来たのかすら解らないよ本当に……

 

 客人と思われる人が待っているので私は服装を整え、直ぐに部屋に入った

 

「……誰だてめぇ、管領様はどうしたよ」

 

「ご主人は体調が優れないそうなので私が相手をさせていただきます。三好優駿と申します」

 

「……あぁ、三好か。糞餓鬼じゃねえかよ。俺の息子よりも餓鬼を寄越しやがったなあの野郎」

 

 ふと服装に武田家の家紋が見えたので

 

「守護代の武田家の方でよろしいですか」

 

「ほぅ、餓鬼ながら分かってるじゃねえか。甲斐源氏宗家武田氏第18代当主の武田信虎様だ」

 

 元だろ。

 

 今は信玄(武田晴信)が当主ですし……

 

「餓鬼、ちょうど良い、ここら辺で一番良い女が食える場所知らねぇか? ……知ってるわけねーよな」

 

「奥様方がいるでしょうに」

 

「バッカ、おめぇ隠れてやるのが良いんだよこの良い子ちゃんがよぉ」

 

 このエロオヤジが……

 

「良いでしょう。とっておきを用意します」

 

 

 

 

 

 

 

 

「大将よ、誰を宛がうんだ?」

 

 こいつは奴隷2号の佐々木龍氏と言う男でこの時代に身長約180cmと大男と呼ばれる青年で、こいつも潰れた商人の御曹司を引き取った結果こうなった。

 

 というのも仲の良い奴隷5人組……言ってしまえば自分の忠臣達いや、奴隷達には無理矢理でも鶏を食わせている。

 

 この時代普通の農家や武家は鶏を時を告げる神聖な鳥として食されてなかった(一部地方にて例外あり)のだが、寺と商人は別だ。

 

 特に堺や博多の商人は貿易関連で大陸との食文化を少なからず影響を受けてきたため鶏を食べる事を農民や武士よりは受け入れやすかった。

 

 坊さん? 堕落してるから普通に食べてるよ。

 

 でだ、自分もこの時代で長生きしたいから再現できる現代食は再現したのよ。

 

 で、前に政治基盤の話をしようとして鈴川に邪魔されてできなかったけど自分牧場を何ヵ所か持ってるのよ。

 

 前世の職業今言うわ、畜産に関わってました。

 

 つまるところ食べるための牛を育てる職業よ、で会社の母体は養鶏で、そっちの部署にいた人が牛の部署に転属される事があって、仲の良い先輩がそっちから流れてきた人だったのよ。

 

 ……その先輩が住んでいた社宅から薬が出てきた時はビビったけど。

 

 おっとと話がそれたね。

 

 だから本職じゃないけど知識は有るから鶏も数匹潰しちゃったけど人口繁殖ができる環境は整えたんよ。

 

 牛は本職だけどいつも凍結卵(液体窒素に保存しておく方法 この前中国に和牛の受精卵が運ばれる映像に映っていたあれ)を子宮に入れてたから自然交配が難しいこと。

 

 受胎率約30%とかふざけんなよ(泣)

 

 それでも繁殖の技術は有るから農耕用の牛位なら商品にできるし、牛の技術転用して馬も幕府の軍馬借りて実験したりしてるんだけど、実験してるだけで将軍様からお褒めの言葉を貰えるんだから良いご身分だよな自分

 

 また話がそれたね。

 

 誰を宛がうんか、奴隷達の食生活改善による戦力アップを狙う傍ら、女性の胸をどれだけ大きくできるかを実験してたり……

 

 まぁあれだ、私の趣味だ。

 

 あと私にとって貴重な情報源と収入源……

 

「佐々木、家の経営している遊郭の遊女で上物5名頼む。教養は有り」

 

「了解だ大将」

 

 そして遊女を見せ最初の会話に繋がる



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信虎おじいさんハッスルする→した

 武田信虎様を接待として経営している遊郭に連れていき中に入ってから丸2日……

 

「いい加減出てこいエロオヤジが!!」

 

 首根っこ掴んで遊郭から引っ張り出す

 

「気持ち良いかもしれないですがこのままだと腹上死ですからね!!」

 

「あ、アァァ……」

 

「ダメだ飛んでる」

 

 

 

 ~エロオヤジが回復するまで今しばらくお待ちを~

 

 

 

「えがった、えがった。女は良いな。男を好んで抱くような馬鹿息子の気持ち等わかりたくないな」

 

 信玄が嫌いな理由はこれかよ。

 

 確かに少年を抱くのが趣味の大魔王晴元様との相性も悪いわなこれだと。

 

「良い事させてもらったから優駿と呼ぶぞ」

 

 信玄の気持ちが何となくわかったわ。

 

 悪く書かれてもしゃーない性格してるもんな……

 

「いやぁ……ここに住みたいのだが」

 

「働けエロオヤジ!!」

 

「素が出てるぞ。ん、働けばここに住んで良いのだな」

 

「はい、良いですよ。働けばですがね」

 

 働く事を条件にエロオヤジこと信虎様はこの遊郭に死ぬまで住み続けるとは優駿は知らない……知りたくもなかった。

 

 しかし、甲斐の武田家が織田により滅ぼされた後、この遊郭で生まれる堺武田衆10兄弟(女性がカウントされてないが他に4名の姉妹が生まれるため正確には14人の兄弟)が領地を持った三好優駿に合流し、武官文官各々で活躍することとなる。

 

 尚文官の武田衆を見た優駿は

 

「やっぱり育て方と周りの環境で変わるよね」

 

 と呟いたという……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、エロオヤジを遊郭に監禁もとい働かせることに成功した私はその後1年間京と堺を走り回りながら影響力と金、コネを集めることに集中しました。

 

 その姿に危機感を覚えたのか単なる気まぐれか1544年 私は14歳となり、その数か月後大魔王様から招集がかけられました。

 

「大内から勘合貿易を潰してきなさい」

 

 !!!??? www

 

 ご冗談を……と言いたい所ですが大内氏は大魔王様の母体というか細川氏と勘合貿易の主権を巡り対立した歴史があります。

 

 また大魔王様の先代や大内氏の先代は京を巡り政争及び実際に戦にもなってます。

 

 最終的には大内氏の勝利と尼子氏の反乱、細川氏の弱体化という結果に終わりますが私経由で堺衆からの幕府に対しての投資、本願寺等の有力寺院との和解(表向き)で余裕が出てきたため少しでも大名の弱体化を謀るための1つが大内氏の勘合貿易停止令だと私は直ぐに感づきましたよえぇ……

 

 史実にはない動きで怖いですがそれよりも布野崩れが数日前に発生しているんですよね。

 

 毛利大内連合と尼子の戦いで最終的には大内氏の勝利ですが序盤で毛利が裏崩れとはいきませんが毛利側の指揮官数名が討ち取られ壊走しているんですよね。

 

 しかもこの戦現在進行形で続いているため陸路で大内領地に行くことは不可能、四国経由で行きたいところですが四国は四国で細川の勢力以外に9つの勢力が犇めき合うまさに戦国時代の縮図のような場所です。

 

「これ死ぬかもしれない」

 

 と思っていた所思わぬところから助け船が

 

 そう、堺衆の商人達

 

 堺~博多間の貿易船に商人として乗船して良いとの御達しが来ました

 

 5隻の中型船に各15名ずつ部下(奴隷)を乗せ、博多経由で山口にある大内館を目的地として約半月の船旅を始まりでした。

 

 

 

 

 

 

【1544年8月不明日】

 

 幕府の実権を握っていた細川晴元は幕府の権威向上及び弱体化した細川氏再建のため軍資金を数年前から蓄えはじめ、謀略と数十に渡る戦を勝利し、推定150万石以上の実効支配に成功する。

 

 次に目をつけたのが勘合貿易で因縁のある大内氏と中国地方の大大名尼子氏であった。

 

 ただ尼子氏は大内氏及び毛利氏との合戦で大逆転勝利し凄まじい勢いがある勢力のため、中国地方の影響力が減少した大内氏を最初の標的とした。

 

 この時大内氏は養子であり大内義隆が大層可愛がっていた大内晴持が戦にて溺死(享年20歳)し、文弱的傾向に溺れ始めていた。

 

 文武官達でも対立が徐々に表面化し始めており、細川晴元が三好優駿以外の部下を送った場合即座に武官に斬られていた可能性が高かったが……

 

 希代の謀略家(本人はそんなものになるつもりは全くない)優駿は……

 

 

 



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大大名とは何か

 三好優駿達を乗せた船は途中大内氏配下の海賊……水軍衆に金銭徴収と引き換えに護衛してもらい無事博多へ到着しました。

 

 一応幕臣(大魔王晴元様の直臣)ですが商人としての肩書きで船に乗せてもらったので先に博多の大商人連中の挨拶回りで数日……流石博多、堺と同じいや、それ以上に栄えてる。

 

 大陸の物や海産物、芸術品が次々に船から降ろされたり積まれていく。

 

 中には鳥銃と呼ばれる中国で開発されたマスケット銃が積み荷に合ったので数丁買ったりしました。

 

「旦那様、何ですかこの鉄の筒は?」

 

「銃という物だ。鈴川、お前らにも貸すから馴れておきな」

 

「わかりました」

 

「大将、お客さんだぞ、何でも大内の使いだそうだ」

 

「流石大内、耳が良い。直ぐに向かうと言っておいてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 大内氏……中国地方を一時氏配下に置き、現在の当主大内義隆の父親の大内義興は一時的に天下人となった名門中の名門であり、ホモの楽園でもある。

 

【ホモの楽園なのだ】

 

 大内館に呼ばれ、当主大内義隆と面会しました。

 

 私から見た大内義隆様はぽっちゃりしたイケメンです。

 

 現代だったら動けるデブとか綺麗なデブとか言われてそうな感じがしました。

 

 で、この人部屋に入ってきた時は暗い顔をしていましたが、私が顔をあげるといきなり頬が赤くなり、息づかいが荒くなり始めます。

 

 顔合わせだけのつもりだったので勘合貿易の件は言わないで、現場の京や堺の話や、自身の出来事、博多や大内氏の統治を褒めまくったらどんどん息づかいが荒くなり

 

「ヤらないか♂」

 

 !? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、開発されました(泣)

 

 大魔王様もこの中国地方最凶のホモこと大内義隆様も何で私を抱きたがるのか……

 

 いやぁね、自分がバイなのはわかるんだけど御二人とも太すぎるんですよ……

 

 14歳で痔は厳しいなぁ(泣)

 

 しか~し、ただでは転ばないのが私三好優駿ですよ。

 

 幕臣ではなく客将としての待遇とそこそこの広さの屋敷、職人や貴族の方々とのコネが増える増える

 

 2日に1回抱かれることを除いて不満はないです(泣)

 

 特に貴族の方々は本当に有難い存在で、礼儀作法や詩、この時代の文学等を細かく教わりました。

 

 教わったことを復習がてら奴隷達にも教え、それを屋敷を改造した商店で接待にいかさせたりすることもで、自身も手駒も技能アップというここに来て良かったと本気で思いましたね。

 

 ……さて、本職(武将)として今現状の大内氏の内部を鑑みましたが……いつ陶が謀叛を起こすかわからないですね。

 

 私が来たことにより更に狂ったみたいで少ないながら仲良くなった武官達すら引くほど狂気に取りつかれているらしい

 

 ……よく史実だとあと7年も耐えられたな

 

 

 

 

 

 

 

「ということでここに来てから1年が経過して私こと三好優駿にもついに嫡子が産まれました……イエーイ!! ……はい、拍手」

 

「大将、幹部5人集めてネタから入るのやめようぜ」

 

「ノリ悪いな。こんな砕けた言葉話せるのお前ら含めて10人しか居ないんだからな」

 

「残り5人側室の方達ですよね……しかも3人は奴隷出身、残りの方達も町人の娘と農民の娘で武士が居ないという……」

 

 はい、三好優駿です。

 

 5人の奥さんと3人の子供を持つパパさん武将15歳、身長178㎝、体重71キロです!! 

 

 ……テンションが異常に高い理由ですがあの最凶のホモが息子を産んだためです。

 

 何が言いたいかって……武官達激怒、他の大名困惑と大内氏2アウトで何かもう1アウトしたら陶が謀叛(過激)しそうってことなんだよ。

 

 なので脱出計画を立てるために奴隷出身で今は武士にした(強制)重鎮達を集めたわけよ。

 

 1人目は奴隷1号 鈴川千秋……役職は秘書 カリスマ性があるのでこの面子のまとめ役だったりする。

 

 同じ年だから気軽に喋れるし、基本何でもボケに突っ込んでくれる。

 

 1児のパパ

 

 2人目奴隷2号 佐々木龍氏……身長あれから伸びて185くらいの大男、嫁が2人居るモテる奴で奴隷に集団行動を教えさせるため教官をしている

 

 何気にこの面子で最年長の20歳

 

 3人目奴隷3号 飯岡清蔵……童貞、商品の仕入れの管理、商品の開発をやっている童貞

 

 童貞で有ることをなぜか誇っている童貞

 

 そろそろ私は調子に乗っているホモの楽園にぶちこもうと画策中

 

 2つ年上

 

 4人目奴隷4号 多部善積……同じ年でロリコン、有能なロリコン、ペドも好きなド変態

 

 ただし能力は一級品、接客やらせると弁舌が神がかっており紳士的な対応をしたり、教えたわけでもないのに店前売り、定価販売の2つを見つけた天才

 

 どこまでも相手側を考えて動くため、商才もそうだが武才としても相手の裏をつくのが巧く佐々木とよく夜盗を潰している

 

 だがロリコンの変態で幼女3人を3回孕ませ、すでに男子4人、女子2人の父親の変態

 

 夢は子供と近親相姦というヤバイやつ

 

 5人目奴隷5号 白石最強 ……1つ下の最強、馬を操るのが得意 白石最強 唯一多部を完全に制御できるやつ 白石最強 剣の腕だけなら佐々木並 白石最強

 

 この愉快すぎるメンバー達が初期から優駿を支え続け、今後の戦を駆け抜ける



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大大名とは何か 2

 ホモの楽園(山口)に来て2年目になりました三好優駿です。

 

 はい 1546年です。

 

 ここ山口は本当に良いところですね……情報も早いですし……大魔王様が史実以上にはっちゃけて京から逃げ出してますはい(泣)

 

 何で更に家臣粛清して周りに喧嘩を売って逃げ出してるんですかねぇ……

 

 というか数年前に設置した裏切りという爆弾が畿内で大爆発しました。

 

 現在の幕府には内談衆と呼ばれる組織があり、今まではほぼ大魔王晴元様の傀儡だったのですが、何をとちくるったのか朝倉家に晴元排除の偽りの幕命を要請、更に史実であれば3年前に爆発していた細川家の家内紛争が再発……大魔王の対抗馬としてしゃしゃり出てきたのが細川氏綱という男だが私が見たときはあんまりパットしないなぁ~程度ですっかり存在を忘れていました。

 

 つまりどう言うことだってばよっていう人達に今の京都の様子を1言で表すなら……

 

 プチ応仁の乱でしょうな

 

 えー、整理いたしますね。

 

 最初に動いたのは大魔王様の家臣達でした

 

 文官数名武官十数名が家族を連れてボロボロになりながら京から脱出し、山口に居る私の所に逃げ込みました。

 

 普通より優秀だったが為に幕府の動きと大魔王様の機嫌、町人達が話す焦臭い噂、子飼の忍びから大魔王様が粛清を始める準備をしている事を掴み、細川家臣を囲っても何も問題にならず、確実に命の保障をしてくれる私と大内氏を頼りここまで逃げたそうです。

 

 この動きにキレた大魔王様が数名の家臣を粛清しました。

 

 この中に近畿周辺の国人や有力者の血縁者が居たため各地で反乱が発生しまし、鎮圧に三好家が動員され、長男の三好長慶兄様を大将に三好実休兄様、冬康兄様、弟の長正(十河一存)に三好政権下の初期の武将総動員と豪華メンバーで約1万5000の軍勢を2部隊計3万による畿内南部と中部の反乱を同時攻略を実行したらしいです。

 

 私の元にこの頃帰還書(三好長慶兄様からの命令書)が届き、大内氏を畿内に越させないようにと書いてありましたが……

 

 チラ

 

「まだヤるかい?」

 

「ウホ、良い大名」

 

 はい、男漁りに必死で関係ないです。

 

 現状で目標達成ですね(白目)

 

 

 

 

 

 でだ、反乱鎮圧に成功しました三好長慶兄様率いる軍は京付近の南部のとある地域にて軍を再編成し、細川氏綱を神輿として担ぎ上げ、そのまま幕府や大魔王晴元様を京から排除してしまいました。

 

 大魔王様は最近錯乱しており、思考能力が低下していたためこの動きを察知できず(出来そうなのが逃げたり粛清されてしまいましたからね)そのまま捕まり……とはいかないのが大魔王晴元様ですはい

 

 京に火を放ちました

 

京に火を放ちました!?!? 

 

 そのまま将軍と家族を連れて京から脱出

 

 このため細川氏綱を傀儡にして三好政権が爆誕しました。

 

 ……まぁ幕臣達はキレるわな

 

 そのまま南下した朝倉宗滴率いる朝倉軍と最盛期に突入した三好軍の決戦が現在の京都北部地域の宮津市付近で行われました

 

 結果は三好の戦略的勝利

 

 両者有力家臣に討死した者はおらず、3日半の死闘の末宮中を動かした三好政権の外交能力及び政治力の勝利であった

 

 私? ……じっとこの動きを静観しつつも山口を中心に発言力を強化しております。

 

 大内氏の内政に干渉、四国、中国地方に自分の店の支店を進出させ、その土地の有力者を金、酒、女でゆっくりと浸透させていきます

 

 そこで得た人脈から使えそうな者を片っ端から雇い、ほとんど使えればそのまま店員や家臣に組み込み、一芸特化ならそれが生かせる環境を四国の拠点予定地に送り、その能力を発揮できるように投資をし、有害若しくは間者と判明した者は人間牧場にぶちこんだ

 

 

 

 

 

「戦国の世は狂った者でなければ上には立てない、立ってはいけないと私は思うのですよ」

 

 人間牧場という施設を私が作った時に幹部である5人の家臣にこう言った

 

「戦に狂えば戦神や猛将と呼ばれ、謀略に狂えば謀神や謀聖、謀将と呼ばれ、名誉を欲してそのために行動する自分に酔えば魔王や覇王、地方の覇者と呼ばれる」

 

「わかるかい、今この世界は良い狂い方をすれば名君と後世で言われるのだよ」

 

「逆に酒、女、男、趣味に狂えば暗君と呼ばれる……私はそんな狂気の世界で生き延びなければならない。ならどうするか、こうするのだよ」

 

 レーベンスボルン……生命の泉作戦

 

 悪名高いナチスの人口増加及び純血保持政策を私は改造して後世でナチスの生命の泉よりも更にヤバイモノに変えた

 

人間の完全実験施設

 

 京で治安維持名目で捕まえた軽重両犯罪者、身投げしようとした者、餓死寸前で体に障害が発生してしまった者を施設にぶちこみ、秘密裏にケシの栽培及びアヘンを製造、大麻は結構な数の寺や農民が栽培していたためそこから購入して粉末にした

 

 要は薬漬けである

 

 男性及び女性を鎖で繋ぎ水だけ飲める状態にし、空気を換気することのできる部屋の中に入れ、大麻及びアヘンの煙を部屋に充満させ、1日密閉する

 

 1日経過後2時間換気し、女性の方だけ鎖を外す

 

 理性が無いことを確認したら男女を別の場所に移し、男性は薬物依存の兵に、女性は……生産するためだけの機械にする

 

 依存状態を維持するために食事を与える際、食糧に少量のアヘンを入れ、1本の大麻を吸わせる

 

 これが牧場である。

 

 まだ稼働して日数が経過していないため薬物の効能実験くらいしか活用できてないが時期に改善されることであろう……



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歴史を知っているための狂人

 三好政権が確定した1546年の暮れに私は密かに畿内に帰還していました。

 

 所在不明の元大魔王晴元様の逃走先が判明したためです

 

 歴史ではこの後も生き続ける大魔王様ですが、私にとって結構な情報を握ってるから消しに来ました。

 

 というのも畿内に複数箇所ある実験施設のうち複数個大魔王様は知ってるんですよね。

 

 ダミーが殆どですが怪しまれないためにアヘン製造施設だけは本当の場所とアヘンの鎮痛作用等の効能、依存性を知っているのでねぇ……

 

 ゴキゴキ

 

「いやはや、早く殺されてくれませんかね晴元様、私がここに居るのがバレたら三好家にも大内さんとこにも悪いんですから」

 

「ひ、ひぃ……ゆ、優駿なぜ私を殺そうとするのだ」

 

「いや~、正直私の裏面を知っているのでねぇ、あ、安心してください、痛みは無いですから。気持ちよく死ねますよー」

 

 12回に及ぶ私が山口に居る間に増員して大大名クラスが抱えるような忍び衆(数だけで練度はお粗末)達による襲撃で人質だった将軍と散り散りになり、現在だと三重県の四日市市付近で私が追い付いた

 

「ここから何処へ行くつもりだったのですか? あぁ、本当は西に逃げたかったですよね。私により四国と中国は封鎖しましたから無理でしたがね」

 

 多分知ってたから東に逃げたんだろうけど

 

「な、なぁ優駿、私は親子同然ではなかったか。毎晩繋がったではないか」

 

「あ、そう言うのは良いので。あー、痔が痛くなってきた。よーし大魔王これでもくらえ、イケーゾンビ兵」

 

 イケーと私が言った瞬間に家来が薬物中毒で命令に忠実かつ、痛覚が麻痺した者に背負わせた樽から伸びたヒモに火をつけた

 

 ジージジと音と指を指された場所に全力で走るように調教された人は飢えで逃げ足が遅くなっていた大魔王様に樽を背負った状態で直ぐに追い付いた。大魔王様は苦し紛れにそいつの首をはねたがもう遅い

 

「ゾンビって走ったらメチャクチャつよくね?」

 

 何てくだらない独り言を呟いた瞬間に樽が爆発した

 

 火薬と油、それに釘とか木片、小石を詰めた30キロぐらいの爆弾と呼ぶにも烏滸がましいそれはまぁ強烈

 

「おほ~、担いでたヤツと近くにいた大魔王様がぐちゃぐちゃだ。悪臭や衝撃的な光景過ぎて戦場だったら面白くなるね!!」

 

 私は大興奮だが、周りにいた兵はこんな事になるとは思っておらず、一斉に顔を青くして吐き出した。

 

「この光景絵にしておけ、ついでに晴元の遺体は埋めておけ、生きてるかもしれないという幻想が役に立つ」

 

 

 

 

 

 

 優駿以外の兵は畿内にを出るまで食が喉を通らなかったが、優駿はその数時間後にはバクバク飯を食べていたと追記しておく




短くてごめんね~、


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浸食の開始

外道 西が選択されました。おめでとうございます




 大魔王を討伐した私こと三好優駿は再び山口に戻っていた

 

 理由? そりゃ~大内さん所の職人や商人を四国にさりげなぁ~く流す作業を続けるためです

 

 というのも、四国の伊予の国の本当に一部(2から3万石程度)を三好政権のトップかつ、頭首の三好長慶兄様から授けられました

 

 ……大内氏を介入させなかった恩賞らしいが、三好の四国戦線最前線です本当にありがとうございます。

 

 まぁ問題ないですが、既にお隣は大内領の隣で私の手の届く範囲なので内輪揉めしてもらってます。

 

 ついでに一揆も数ヶ所で発生してるので大変ですね(元凶)

 

 下の長宗我部氏(国親)が怖いですがこちらもゴタゴタしていますね(ゲス顔)

 

 というわけで周囲は大丈夫です

 

 え、内部? 

 

 工事中ですが宇摩郡という地域に港を造船所とセットで建設中くらいですかね。

 

 できしだい直ぐに私が持っている牧場の家畜をこちらに移動させて大牧場にて一括管理……にしたら病気でリスクの分散ができないのである程度引き抜くくらいにしますが、馬、牛、鶏の一大生産拠点にします

 

(まぁ人間牧場も複数箇所作りますがね)

 

 暗躍と部下に指示をするくらいでで正直子育てと鍛練にドハマりしております。

 

 1547年 17歳 身長195cmの体重88キロ……ゴリゴリのマッチョです。

 

 一人だけ猿の惑星の中にターミネーターが混じってる感覚(笑)

 

 だって成人男性が平均155位ですから化け物ですね……

 

 まぁ元奴隷達や見込みありの若者(兵士予定)には良い物食わせているので結構180超えはいますがね。

 

 え、子供何人いるかだって? 

 

 ……20くらい(小声)

 

 側室も10人に増やしたし、毎年孕ませてればそうなるよね……いいじゃん孕んでる女性好きだし、子供も好きだし……大内義隆様、なにハァハァしてるんですか? まだ私は報告が終わって……え? 精液で腹が膨れた男が好き? まってまって、そんな情報要りませんから、やりませんよ私は……ってあぁ、やめてください!! 寝室に連れ込まないで

 

アーッ!♂

 

 

 

 

~汚いため規制中~

 

 

 

 

 

痔がね、酷くなるのよ。

 

痔でね、履き物が真っ赤になるのよ。

 

確かに私はバイだけど、痛いのは嫌なのよ・・・

 

 

 

「優駿様、帰ってきてくださーい・・・ダメだ、聞こえてないなこれは・・・」

 

どうも鈴川千秋です

 

一応筆頭家老という役職になりました

 

奴隷からここまでこれるとは正直驚いてますし・・・というか主君である優駿様は何者なのですかね、正直常識が全く通用しませんし・・・

 

(人体実験は我々でも人の道を外れた物だと解っては要るが、医学、薬学で計り知れない利益が出てますし、消毒がいかに必要か、身に染みて理解できましたし、栄養学という新しい概念まで発見されて・・・これ以上はやめましょう。)

 

・・・優駿様の力の源は金と信用です。

 

山口に来てから優駿様は大内様の金庫を堺や博多と連結させ、大内様の武力を背景とした両替屋を作り、優駿様が商人も抱き込んで莫大な利益をあげております。

 

その利益で遊郭の質を上げ、量を増やし、通常の漬物や干物の販売も程々に売れてますので金が入ってきています。

 

私が昔両親と働いていた店の数千倍規模で動く金、これに優駿様の幕府の忠臣や三好長慶の弟、大内様の寵愛という背後関係が商人に信用を与えていると考えております。

 

・・・というか素の優駿様結構精神が不安定なのが凄く怖いんですよね。

 

それを支えるのが我々と奥様方なのですが・・・




ちなみに選択の内容

外道→ナチス+ソ連風味 火器優先 謀略系統 富国的経済採用
畜生→モンゴル風味 騎馬優先 戦争多発 略奪経済採用
東→北条、上杉、武田のどれかと協力ルートもしくはどれかと戦争ついでに織田とも戦うかもルート
近畿→織田政権協力ルート
西→島津、毛利、龍造寺、長宗我部、大友との大戦争ついでに織田とも戦うかもルート

おめでとうございます(白目)

あ、作者仕事のし過ぎで過労でぶっ倒れました(笑)

幻聴、幻覚、寝れない、胸の圧迫、頭痛の役満です。

なので投稿が早くなるかも


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筋肉大隊

「お前ら!! 近衛大隊君主である大将をそんな練度で守れると思ってるのか!! 装填!! 騎乗!! そして発射!! 全てが遅いわ!!」

 

 オッス佐々木龍氏こと奴隷2号だ。

 

 今四国の伊予で常備兵800名を訓練してるところだ。

 

 半数は黒鍬隊(小荷駄隊)だがな……

 

 おっと話が逸れたな、んー、わかりやすく伊予三好家と言っておくが、三好本家(三好政権)は現在2万5000までなら動員可能、水軍と諜報部隊がある程度といったところだと優駿様はおっしゃっていたな

 

 現段階で約10国の国力を有してこの数の動員人数なので約2から3万石程度で800の兵を養えている伊予三好軍は結構無理しているように他からは見える

 

 他にも忍び衆を含めると1000名になるんだよなぁ……

 

 と言っても大将が金をなんとかしてるのと黒鍬が半農みたいな役割を担ってるんだよな

 

※優駿は黒鍬を使って道の整備費や建築費を浮かせつつ開拓させています、大半は元奴隷達です

 

 収支が釣り合ってない感じはするが、大将の事だからなんか考えが有るんだろうな

 

※佐々木は大内氏の金を使っての両替業をしりません

 

(というか大将は400の兵に何で騎兵、長槍、火縄銃、弓全部の練習をさせるんだ? 弓も南蛮弓〔クロスボウ〕が中心だし)

 

 これらには優駿としての考え方があった

 

 優駿の戦争方針として騎馬隊によるクロスボウや銃を使った一撃離脱による釣り、釣れたら今の数倍には増員されるであろう正規兵によるテルシオで殲滅、来なければ薬中の狂気の突撃をしたいなぁと考えていた

 

 ただ、平地が多い欧州と違い起伏が激しい日本の地形にはテルシオの様な集団陣形よりも散兵戦術が有ってると考えているので、テルシオという見せ札による敵の思考を誘導し、行動に制限をかけられればと思っていた。

 

 このためには今居る兵は増員される兵の教官や隊長クラスにはなってもらわないと困るので、全ての武器に触れさせていた

 

(……俺は普通に人を訓練する役割で良かったぁ……人間牧場なんかに配属されたら狂うぞ本当に)

 

 

 

 

 

 

 

 

 畿内の人間牧場に白石はいた

 

「白石最強(白石さんお疲れ様です!)」

 

「あ、畏まらなくていいから」

 

「うっす! 白石最強(ありかとうございます)」

 

 どうも皆様白石です

 

 よくわからないのですが拙者の名前が最強というのが優駿様的には気に入ったのか与えていただいた苗字を含め白石最強と言われております

 

 家老仲間達から馬鹿にされている気がしなくもないですが、優駿様から畿内の施設全てを任されております

 

 ここ人間牧場も私の管轄なのですが正直早く管轄から外してもらいたいです

 

 施設で働いている者達も軽度ながら薬物中毒になっていますし、人体実験を繰り返しているので精神的に狂う者が後をたちません

 

 それでも問題ないほど雇えるくらい畿内周辺は治安というか食糧難が続いているのが現状でございます

 

 幕府、宮、三好本家と政治の中枢が複数有るため混乱が治まる気配がありません

 

 話が逸れたね

 

 私がここに来た理由は畿内から四国に施設を転移させる為ですが、どうしましょうかね……薬は伊予でも作られ始めていますが量が足りませんし

 

「ある程度間引く必要があるかもしれませんね」



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義輝が将軍になったらしいが私には関係ないね

 えー、先程は取り乱して申し訳ありません、優駿です。

 

 いや~菊門が薔薇のようになっていますが気にしてはいけません

 

 あ、そうそう畿内を逃げ回っていた義輝さんが近江坂本で将軍に就任したそうです

 

 正直どうでも良いですし、足利義輝さん……私と三好長慶兄様と相性最悪ですから

 

(あの剣豪将軍野郎は危険すぎるからな、今は餓鬼だけれども全身から滲み出る真剣のごとく研ぎ澄まされた殺気は私でも手を出したくなくなりますからね)

 

 皆様に報告です、今年いっぱいでここを一端離れ、畿内に帰還することになりました

 

 理由は急激な政変で三好政権の政務処理能力がパンク寸前との事なのでね

 

 いや~、辛いわ人気者は辛いわ(絶対ブラック労働待ったなし、逃げて~)

 

 というかこの三好政権は三好長慶兄様の圧倒的なカリスマで纏まっているため、暗殺でもされたら一瞬で地方の覇者程度に権威が堕ちます

 

(宮廷交渉ができるのが私と三好側に協力している大魔王様時代からの胃痛仲間の伊勢貞孝様、長様慶兄様と次男の三好実休兄様だけですし……というか三好実休兄様も私も陛下に会うだけの官位が有りませんし……)

 

 なお後のボンバーマンこと松永久秀は弟松永長頼(兄がギリワンとは思えないほど忠臣かつ誠実、有能な人)の七光で出世しており、秘書的な役割でお兄様を支えていました。

 

 なので宮廷交渉ができるほど影響力はありません

 

 というか久秀が暗躍できる土壌ができるのが1550年代からなので今は1武将でしかありませんし……

 

「あーヤダヤダ……考えるだけでまた大変なことに巻き込まれるよ。のんびり牧場生活だけできれば……無理かぁ、狂人だし。血肉沸き踊る闘争しないと狂っちゃうからなぁ……」

 

 この狂人は留まるところをしらない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~尾張~

 

「火を放て、そのまま戻るぞ」

 

「三郎様よろしいのですかな?」

 

「爺、この戦、大局に影響せぬ。ただ私の初陣というだけで兵を減らすのは愚策だと思案するが?」

 

「お見事です」

 

 織田三郎信長初陣を済ませる

 

 これは普通であればただの若武者が毎回通る出来ごとで凄いことではないのだが、信長の初陣となれば話は別、歴史的な出来ごととなる

 

「あぁ~心がぴょんぴょんします!!」

 

「三郎様素敵!!」

 

「お前らなぁ……」

 

 歴女2名とその兄がこの戦場で戦っていた

 

(この馬鹿妹達は歴史になるとぶっ壊れるからな……普通にしていれば大和撫子なのによ)

 

 妹達は顔を隠して胸も晒しをきつく巻いて足軽の格好をしてるが女ってバレたら回されるぞ本当に……

 

 

 

 我々は転移されてここにいました

 

 私は20歳の大学生、妹達は18と17の高校生でした。

 

 ちなみに親父とお袋もこの世界に来ていますが、父親は根っからの農家なので転移した場所の近くの村で小作人の真似事をしてる

 

 といっても立場が小作人(最初は水呑み百姓よりも下の立場)だったのは村に入って数ヵ月だけで、親父の知識が村にとって有益と知った村長が手回しをして家の一族を囲いました

 

 なので最初だけ辛かったけど人並みには生活できてました

 

 で、余裕ができれば歴女は動く

 

 俺は普通に村長の息子(次男と3男 仲良しで剣道を教えたりしていた)と共に徴兵されたため、戦に向かったが

 

 いつの間にか隠していた足軽甲冑を着てこの馬鹿妹達が途中で合流してきた

 

 俺だって初陣で余裕がないのに妹達の面倒を見ないといけないのでもうパニックよ

 

 そんなパニックの私をよそに、妹達は若い武者に言われた弓で淡々と火矢をはなって命令をこなしていった

 

 村長の息子達と俺唖然としたよ

 

(゜ロ゜)こんな顔を3人揃ってしてたと思う

 

 撤退後も村長の息子達が妹達の弓の腕を褒めていたが、戦場に来るのはどうなのか? と聞いてきたが、良くないだろと言うので精一杯だった

 

 そんな話をしていると若武者が妹達に恩賞を与えていた

 

「「親衛隊に入れてください!!」」

 

 この瞬間後の世に苦労人として書かれる事になる石田慎吾の戦いが始まった。

 

 



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教育パパ

遅くなりました

こちらを再開していきます


 ~京~

 

 どうも皆さんこんにちは、優駿です。

 

 1548年(18歳)になって早々私は現在京の邸で京の治安維持活動と商人相手に商談を行ってます

 

 というかやることが多すぎるんだよなぁ~

 

 私は今回4歳になった2人の息子と1人の娘を連れて来ています

 

 いや~、やっぱり子供の頃から色々教えた方が良いじゃん

 

 ま、簡単な字を教えたりだとか足し引き算くらいだけどね~

 

 ……私の算盤を見て真似する姿可愛いなぁもう

 

 

 

 

 

 

 まぁそれはそれとして、現在私の本拠地四国の伊予で歯車の工場ができました。

 

 こう言うと皆さんなんの役に立つの? と思うかもしれませんが、多数の水車や風車を作るパーツ工場が出来たと言えば意味がわかるのではないでしょうか

 

 はい、南蛮弓と言われているクロスボウや鉱物の製錬量、穀物粉、粉末染料、生コンクリート等々……細々と研究して作られていた物があと数年で量産体制に入れます

 

 ま、当分は金属農具と鉄製の馬具生産で増設した水車や風車の生産ラインは消えてしまいますがね……トホホ

 

 あ、そうそう風の噂ですが、関東の北条さんとこの城が小田原城を中心とした巨大要塞を作り始めたらしいですね。

 

 何でも城内で5万人が自給自足可能な城にするとかなんとか……

 

 居ますよね

 

 なんか私みたいなのが。

 

 ま、当分は関係有りません。

 

 出来ることは関東の米相場を荒らすぐらいですが、今やっても意味無いですし、大内氏との財布との連携が切れたので自分の財布で両替屋しているので慎重にやらないといけないのでね。

 

 武力? 我三好家ぞ

 

 政権の幹部ぞ

 

 はい、信用は揺らぎません

 

 ……まぁそれは置いておいて

 

 こっち来てから引き継ぎだー、なんだーってやってたら東北で行われていた御家騒動こと天文の乱が終了しました。

 

 あとフリー素材こと信長さんが結婚したらしいですね

 

 私ですか? 正室はまだいませんよ(目そらし~)

 

 いや、聞いてくださいよ皆さん、パコパコ産ませてますが、この後の三好家の崩壊具合を考えるとそんぐらいしないと政治基盤も維持できなくなりますからね

 

 特に家臣達よ

 

 信長が天下とる辺りまで生き残ったのほぼゼロですからね……夜逃げ先どうしようかなぁ……

 

 

 

 

 現実逃避も程ほどにひとまず整理しましょう

 

 まず私は長慶兄様から三好家の分家として伊予三好家と拝命され、これからは本家とは別個として動く形になりました。

 

 まぁ他の兄弟もそうだから仕方ないね

 

 これで元奴隷だった幹部5名を老中にできました。

 

 宿老や家老は現在居ないので長く支えてきた5名をとりあえず横並びの地位にしました。

 

 不満と言うか鈴川千秋を筆頭家老にしろと他の4名が言ったので鈴川が直ぐに纏め役(生け贄)の筆頭家老となりました

 

 その下? ……い、育成中だし……

 

 正確には諸役(課長)クラスはゴロゴロしてるんですよ、育てたから

 

 ただ、部長クラスの奉行となると話は別

 

 元々孤児だの乞食だの遊女だの農民だの穀潰しなんかを拾いまくって出来上がった経緯から経験が不足していてとてもじゃないけど老中組以外は権限委託できねーのよ

 

 ま、勘定奉行だけは16名居るけどね……各牧場やら支店のエリアマネージャー的な人達と統括支配人

 

 つまりだ、戦闘指揮できるの私含めて幹部+αしかいないんよ

 

 これから四国切り取るのにそれだときついんだよねぇ……

 

 武田信虎おじさんを遊郭から引き離そうとしたけどあそこの主になんかなってて無理だったし、あぁ、どっかに統率力80、武力75くらいの便利な武将落ちてないかな~

 

 神様転生とかなろうなら落ちてる展開だけどそんな救済処置なんか末法末世の戦国時代にあるはず無いので、地道に部下を教育しますか……




短いけど一旦区切り

リハビリにしては上々かな?


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3年飛ばします

 ~京~

 

 1551年(21歳)になりました。

 

 戦国時代の数回ある時報になります

 

 はい、大寧寺の変ですね

 

 いやー、3年も京に貼り付けられるとは思わなかったわ……まぁ伊予はほぼほぼ手に入れました

 

 正確には村単位で支配下に置いたので大名は健在ですが、行商で必要物資を飢饉の村に配り、地形を把握し、村の有力者に間者を嫁がせ、親三好に1つずつしていきました

 

 こういう地道な調略は毛利元就とかよりも自分得意よ

 

 まぁ武将寝返らせるとかだと数多の謀将らにはまだ負けるんですがねぇ……

 

 あ、治安維持名目で山賊狩りをしたりもしてました。

 

 ……3年で色々ありましたねぇ……ねぇ大内義隆様

 

 

 

 

 

 

 知っていたから動きますよね……大寧寺の変

 

 私の数年間で作り上げた情報網及びシンパを使って貴族や大内親子を事件数日前に山口から脱出させました……脱出のために商売のコネで知り合っていた南蛮人に金を積んで山口から大坂まで彼らを輸送してもらいました。

 

 手痛い出費でしたがそこから兄上達と面会後身分を隠してもらいながら私の本拠地である伊予の領地に移動してもらいました

 

 長慶兄様、これで中国地方は荒れますね

 

 兄弟達はこれを理由に中国地方への出兵を行う事が決定し、私は伊予完全平定を命令されました

 

 三好家としてみれば6ヵ国を支配下に置く国が近くに有るので弱体化させ、将軍不在中でも中央の力強しと思わせることが目的で、裏には助けた貴族達により宮中を動かした朝命というのが事実です

 

 陶は朝敵認定されたのでもう終わりですが、毛利元就がどう動くのかが私的には気になります

 

 まぁ手に入れられるものは手に入れました

 

大友との秘密同盟

 

 同盟と言うよりも密条約と不可侵関連ですかね

 

 二段崩れでの混乱を回復しつつ北九州の覇権を確立させるのを目論んでいた大友宗麟(まだ違う名ですがこれで統一します)に、今回の変で完全に政治に興味を失ってしまった大内義隆様は家督を息子の大内義尊(3歳)に渡して隠居してしまいました

 

 ……完全に抜け殻みたいですね

 

 私を見てももう抱こうとはしませんし、寺でも男を抱こうとはせずに、殿として脱出の時間を稼いで死んでいった陶隆康の供養とたまに生存確認にやって来る明からの使者との面会だけの生活になってしまいましたが、私も面会して明との貿易の継続、博多経由で伊予を中継地として堺との貿易を行う事が決められ、貿易協定、不可侵、博多の商船入船許可等々……長慶兄様は好きにしろと言われているのでガンガン決めましたがね。

 

 兄様達的には山口に攻めて挟撃にしたかったんでしょうけど、絶対に宗麟はそんな事しないでしょうからね。

 

 まぁ弟さんを史実のように陶に差し出さないで済みましたし、大内親子の連署で書いた北九州の権利を譲る書類を渡したので不満がある国人を倒せば北九州における覇権は確立されるので利害の一致で喜んでましたよ

 

 私は四国を手に入れたら守りに徹することができれば良いのですよ

 

 まぁじわじわやりますか

 

(最近長慶兄様以外の兄弟との仲が微妙になり始めましたが、松永久秀の弟の松永長頼とは仲良いんですがね……兄弟揃って茶器好きねあんたら、久秀も仲良いですが、長慶兄様に絶対の忠誠誓ってるので警戒されてはいるんですよね……ま、茶器の名物あげると目茶苦茶喜びますけど)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「面倒くさいな……将軍様よ」

 

 尼子、朝倉、武田(若狭の)、六角を軸とした対三好同盟が完成

 

 四国でも河野、土佐一条・伊予宇都宮が一時的に和睦し、連合組んで11月頃にこっちに攻めてきましたが、筆頭家老の鈴川と教官の役割を担ってきた佐々木が800名で防衛に成功

 

 相手が連合で足並みが揃ってなかったのも有ったが7500名を800名で撃退したのは周辺諸国に衝撃を与えた

 

 12月頃には私や京の屋敷で教育してきた子供達と帰還し、死傷で減ったが700名で進行を開始、伊予の村々に使いを出し一斉に蜂起させ、年内に掌握を完了させた。

 

 戦の教訓はテルシオの完成、初めての大規模な火縄銃の一斉射撃の威力、クロスボウ(南蛮弓)の携帯性の良さ、騎兵の馬の乗り潰しの多さが教訓となった

 

 伊予平定後直ぐに年貢の改定、補充兵の募集、兵器、肥料等々工場の大規模化、新農法の普及を一気に行います

 

 金? 明、博多、堺との中間貿易でウハウハよ

 

 両替屋業もこれで安泰ですし、伊予の石高大体35万石と貿易の約50万石の金、それ以外の収入約10万石分で約95万石動かせます

 

 北の中国地方は毛利元就や海賊衆達も貿易の利益と朝敵認定の陶を倒し、大内の領地の継承したことを黙認を条件に数年の不可侵も手に入れました……毛利尼子攻めるって

 

 ほら兄様達、尼子挟撃にしましたから後頑張ってね

 

 こっち土佐の国人連合軍との攻防で忙しいから

 

 と言うか土佐取って早めに琉球王国との貿易をしたい

 

 明との貿易関係で商人達とのコネは有るのでなるべく早く取りたい

 

(ま、最終的には台湾を取れれば安泰なんだよなぁ四国の2倍の面積、米も採れる気候、島で海の壁がある、程よい中国との距離)

 

 ま、自分の代では無理だろうなぁ

 

「お前らに任せるからな……と言っても14歳しか離れてないから孫世代かな」

 

「父上なんですか?」

 

「何でもないぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 1552年3月頃

 

「勝てぬ……勝てぬな」

 

 土佐の長宗我部国親は伊予含めて四国のうち3国を手にいれた三好に頭を悩まされていた

 

 特に伊予平定を行った三好優駿殿は傑出しておられる

 

 前線に出られた姿を見たが……ああいうお方が英雄と呼ばれるのだな

 

 6尺半の巨体、前線に出て弓を射ろうが腕につけた盾で弾き、巨大な棒で雑兵を叩き潰しながら戦う姿は鬼神の如し

 

「……このままでは我が家が滅んでしまう」

 

 精鋭である土佐兵が野戦でこうも一方的にやられるとは……

 

「弥三郎を人質として降伏も視野にいれなければ……」

 

 ただ、守るだけで全く攻めてこない三好優駿率いる伊予三好勢がとても不気味にも思えた



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戦、戦、秋、戦

「あぁ、基本給金あげるぞ、1人当300貫に衣食住保証、負傷兵の登用もだ!! 遊郭の拡大と女の買い戻し制度も正確にしろ!」

 

 どうも皆さん優駿です

 

 ただ今私の本拠地である伊予を中心に人をとにかく集めております

 

 というより戦乱で荒れている人口密集地である関西と修羅の国九州からかき集めている状態です

 

 人間牧場から送られてくる子供達の洗脳教育も始まってます(一番歳いってて5歳だからあと10年は効果がないですが……)がとにかく工事も工場も遊郭も店も兵も全てにおいて人が足りない

 

 もうどうしようも無いので雑賀衆と根来衆を引き抜こうとしましたが宗派の違い、そもそもまだ傭兵としてあんまり動いていないただの僧兵集団なので引き抜きがうまく行かない……

 

 金の力で少し引き抜けたけどそれだったら飢え死にしそうな子供や女、怪我人の方が大量に集められるわ!! 

 

 兄達からも忠告文が届いたが伊予の国が周りから人攫いの国だとか餓鬼の国だとか噂が流れ始めたらしいがだったら噂を流している比叡山延暦寺とか言う馬鹿たれどもを黙らせてくれ!! 

 

 本願寺に献金してるのが気に入らないらしいが本願寺から紹介される飢えた人達が私の生命線なの!! 商人の仲間達も慈善事業して~見たいな顔しないで! 私武将! 国治めてる大名! 金稼げば良かった前とは違うの!! 

 

「多部!! あとどれくらいで土佐攻められるか? 自分の予想だと半年有れば2500名編成できるだろ」

 

「無茶言わないでください! 最低1年半かけて5000は居ないと厳しいですよ! 馬位しか用意できませんよ!! 武器や武具も工場拡大中で生産量ありませんから日々の小競り合いの損耗と訓練での損耗分で3ヶ月はこのまんまですから!」

 

「白石最強! 最強なら何とかしろ!」

 

「拙者も多部と同意見です! 薬物兵の使用実験ももう少しかかりますし、運用方法的に絶対に死ぬので替え玉が少ないので実験だけで精一杯です」

 

「覚えてろよ土佐の連合ども全員肉奴隷行きにしてやるからなぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長宗我部家は三好優駿殿に降伏いたす」

 

 あら~、長宗我部国親さん気合いを入れたら降伏ですか……

 

「なぜこの時なのですかな? 国親殿」

 

 わかっていますが言わせることに意味がある

 

「……まもなく連合は三好に屈伏致しまするゆえに」

 

「正確には保身及び裏工作かでしょう。寝首をかく時は転がっておりますしな」

 

 三好勢が将軍方の対三好連合に敗北して京を取られた時、勝ったとしても家督を相続する際に殆どの家で発生する家督争奪戦及び内紛、まんま私を毒殺して混乱に乗じてなんて数えきれないほど浮かび上がります

 

 ただ、こちらとしては長宗我部家が欲しい

 

 未来で四国平定した家臣団は是非とも吸収したい……特に元親含めた4兄弟が欲しい

 

「……国親殿は私を見てどう思われますか?」

 

「どう……とは?」

 

「失敬、私は今3人の覇者を見てきたもので人なりを調べるのが好きでしてね……細川晴元様は覇者たる器が足りないが、それを狂気で補っておられた」

 

「細川殿が……」

 

「大内義隆様は男色家であられたが、それを家臣団にも価値観を押し付けてしまったのがいけない」

 

「それで義隆様は家臣に裏切られ息子以外のほぼすべてを失われた」

 

「そして兄である三好長慶様は今が絶頂期ですが」

 

「三好殿!? 絶頂期ということは堕ちるのですか三好殿達が!?」

 

「あぁ、私以外15年以内に死にまして崩壊するでしょうな……ま、私は天下なんて興味ないのでそれでも下るのならどうぞ」

 

「……下りまする」

 

 流石国親殿、決断が早い

 

 ま、天下なんて信長に落ち着けて私は四国で国力を蓄えて逃げ切りますから……

 

 その前に怖いのが四国統一後なんだよなぁ緩衝地作らないと島津、大友、毛利、尼子、織田に将来包囲されますからね

 

 毛利と尼子はもうすぐ和睦でしょうし、尼子が三好の第二戦線作るために四国上陸は十分にあり得ます

 

 土佐一条家救出を命題にしてでしょうかね

 

 そして……私の様な異物が複数居ますね確実に

 

 北条に1人は確実、織田にも複数居るようですしいやはやはや、難しい

 

「国親殿、あなたの決断が正しかったと私が証明してあげましょう……1つ面白い戦を見せましょう」

 

「面白い……ですか?」

 

「えぇ、とても面白いですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1552年(22歳)

 

 毛利と尼子で和議が成立し、尼子が7国を有する中国地方の覇権を確立させ、朝倉と協力して京に一大攻勢を決行する

 

 兵数両軍合わせて5万が京目指して出陣し、尼子と三好は丹波国の現在で言うと柏原駅を挟む形で陣をしき、霧が濃い早朝にぶつかった

 

 尼子方2万9千 大将尼子国久(新宮党党首)

 

 三好方3万2千 大将三好実休 (三好家次男、尼子方面司令)

 

 猛将で知られる実休でも尼子の最精鋭部隊である新宮党相手では部が悪く、何より相手が尼子国久であることが最悪であった

 

 この尼子国久は後の新宮党粛清で粛清される人物だが、抵抗凄まじく粛清後は尼子家の軍事面での悪化と家そのものに大きな亀裂が入る事になるほど軍事面で突出していた武将で、中国地方の武力面だけで見た時、吉川晴元、最盛期の陶晴賢と同等と呼べる人物であり、毛利元就の才を惜しみ、尼子最盛期を築いた父である尼子経久の毛利元就暗殺を止めた人物でもある(ただ、この行為が尼子没落の切っ掛けになるのだからわからないものだ)

 

 霧で視界不良の状態で緩急をつけた攻勢、伏兵を使った

 三好方の攻勢を破綻させる等、史実の評価を上書きするかのごとく活躍し、決戦は尼子勝利でおわり、丹波方面は亀山盆地の砦を最終防衛線として第4次攻防戦が行われることとなる

 

 実際亀山盆地を抜けられると京までの道が多数広がるため防衛に不向きで、突発されると京での市街地戦になる可能性が高かった

 

 ただ朝倉方面は防衛に成功しており、そこから兵力を抽出し、3万5千まで兵数は回復していた

 

 ただ今回の三好敗北により将軍足利義輝は六角を説得させ、六角定頼率いる統率が取れた1万5千の軍が京に向かって進軍を開始した

 

 防衛には松永兄弟が指揮し、足止めには成功する

 

 が、経済力では畿内を押さえているにも関わらず六角は5:4の比率と規模だけであれば三好が圧倒しているのに六角と競り合いを繰り広げていた

 

 ……が、陣中で六角定頼は急死、嫡子である六角義賢が陣中で指揮を引き継ぐが、その動揺は兵に伝播してしまい、松永兄弟の逆襲により裏崩れが発生して六角軍は壊滅

 

 

 

「さて、私もそろそろ動かないと不味いですから行きますよ」

 

 三好優駿槍騎兵1000騎と騎馬鉄砲隊、クロスボウ弓騎兵各500騎が出陣

 

 やや遅れて荷馬部隊が800名の合計2800名が土佐に向かって進軍を開始した

 

 特筆すべきは騎兵だけというとこで、戦国時代最強騎馬隊のイメージが強い武田軍も足軽と歩調を合わせて突撃していた

 

 つまり遅いのと迫力不足

 

 武田騎馬隊が恐ろしかったのは迫力不足を信玄の軍才と周りにいる足軽の練度が高いのと情報戦術で何とかした

 

 だってポニーでしかないんだもん

 

 日本の在来種馬体125cm有れば良い方だよ……牧場で増やしまくったけど自分乗ったら1回で潰れたし……

 

 解決策として大陸から汗血馬……とは言い過ぎだけど高い値段で複数の中間種と呼ばれる馬を購入したのだが……なんか2頭アハルテケ種の馬居ないか? 汚れて黒ずんでたけど汚れ落としたら黄金に輝いているように見えるんだけど……

 

「とにかく強い軍馬を揃えないと……購入した牡馬でポニーどもと配合して強くしないと……」

 

 これも最低10年かかるため今回の出撃には関係ないが、ポニーゲフン、まぁ馬に乗る騎兵は小柄な人で固め、駄馬隊に本来なら主力の巨人(175㎝以上の人達)で固めたので1回で潰れないだろうけど……

 

 ……俺? 馬車だよ

 

 乗れないんだもん仕方ないね

 

 6頭で引かせていざ出陣っと

 

 御者? 私ですが何か? 馬車には私以外居ませんよ? 

 

(そこデブとか言わないでください)

 

 

 

 

 

 ドドドドと騎馬隊が音をたてて土佐に殺到する最前線に出ないと今回の作戦は成功しないので私が先頭で馬車に乗って敵に突っ込みます……歩兵が居ないのでやっぱり速いですね~

 

 ……見えた、敵陣が

 

「突貫」

 

 

 

 

 

 昔は騎馬だけの突撃はあった

 

 しかし少数での突撃であったため雑兵が槍を並べることで守れるようになり、それを更に突破するために馬の周りにも雑兵で囲むようになり、それが今も続く……

 

「なんだあれは!!」

 

 誰かが叫んだ

 

 凄まじい勢いで突っ込んでくる馬群……騎馬隊を

 

ドドドドドドドド

 

 地ならしの音と雄叫びが混ざり、恐怖が生まれる

 

「槍を並べ!!」

 

 武将が言った

 

 馬は臆病な動物だ

 

 鋭利な物を見ると止まってしまう

 

「な!?」

 

 槍を構えていた兵達が倒れた

 

 身体中に木の杭が突き刺さっており、死んでいたり、苦しんでいた

 

 優駿は騎馬隊の陣を魚鱗の陣とし、最前列にクロスボウ弓騎兵、続いて槍騎兵、騎馬鉄砲隊は両端を担当し、クロスボウ弓騎兵で敵の槍を崩し、その後の槍騎兵で突発する戦術を優駿は試した

 

 結果は成功だが、クロスボウ弓騎兵や騎馬鉄砲隊と槍騎兵の割合を8:2にした方が良いな、ハマれば強いが安定して指揮できる気がしない

 

 ま、騎兵だけの強みはこの後ですよ……追撃戦こそ本番

 

 乱取り、首実検、首取り全てを作戦中禁止を徹底

 

 一部命令無視した奴が居たが、見つけ次第処刑し、見せしめとした

 

 機動力の違いで直ぐに追い付き、囲んで逃げる足軽以外は基本殺していき、伊予統一戦から戦ってきた8家の国人衆及び戦国大名を戦に居なかった女と子以外戦死、土佐も長宗我部家以外は指揮取れる者はほぼ壊滅

 

 主な死因は圧死、次点で川に落ちての溺死であった




尼子国久なんだけど作者的には軍事面だけだとたぶん武田信玄クラスはある

まぁ軍事だけなら戦国最強の上杉謙信には劣るけど

あとこいつ時勢が読めないのが致命的なんだよなぁ


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2ヵ国手にいれたので競馬場を作ります→なんか戦場に飛ばされました

 産業の伊予、娯楽の土佐……なんて都市計画を進めている三好優駿です

 

 四国計画と私が昔に書いた計画に基づいているのですが、四国単独で秀吉の四国攻めを跳ね返すにはという自分なりに考えての土地活用計画なのですが、伊予の内陸部を中心とした武器工場及び穀倉地帯、海沿いを中心とした九州向けの中間貿易地点の港や商人街、寺社の参拝街道を中心とした宿町等々整備していきましたし、雨量が少ないので干ばつ被害が多いので10年以上かかる大規模な分水計画(中予分水)を行っており、フリー素材の信長さんが包囲網しかれる頃ようやく一段落つくかなって程の計画を抱えながら土佐の開発もやらなくてはいけない……楽しいねぇ(アヘ顔)

 

 土佐は現代と言う高知競馬場とひろめ市場(屋台街)を中心とした娯楽(賭博と女とスポーツ)で栄えられればなぁと……あと畜産かな気候的に

 

 全ダートのコースで金(G1)銀(G2)銅(G3)鉄(オープン)若(新馬)未(未勝利)でやれればなぁとか考えたり

 

 ま、借金して開発費捻り出してるし、堺と博多商人の仲間達に話して融資して5年後できるかな……

 

 その前になんとか大陸馬もっと輸入したいなぁ……

 

 あと吉原遊郭を参考にした日本一の遊郭も着工したりしてます

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石六角ですね」

 

 六角軍再編完了

 

 裏崩れと言う最悪の敗走から僅か8ヶ月後には再び包囲網の一翼を担える程戦力を再編したその力量流石としか表せない

 

 ただこっちも九州の睨みと死んだと思われていた一条家が影武者を使って現在も何処かに潜伏していることがわかり、管理している2国に飼っている忍衆や兵全てを動員して探してますが中々見つからない……もう逃げたか? 

 

 と言う旨を長慶兄様に手紙で送ったらなんか知らないうちに対六角方面軍の指揮をさせられました

 

 は? 

 

 私の伊予と土佐は? 

 

 え? 配置換えで活躍した松永兄弟を一時的に置く? 

 

「頭涌いてんじゃねえのかぁぁぁああ!? ふざけんじゃねえよ!!」

 

 誰だ仕組んだのは……絶対に力を削ぐためだろ

 

 三好政権内部か? 

 

 それとも兄弟の誰かか? 

 

 変に動きすぎたか

 

「あとは結婚ですか相手は……三条家ですか、養子にしてから嫁がせる感じだから元は……どこの貴族でしょうか? うーん、山口から助けたのが効いたのでしょうかね、まあ数年前から礼儀作法や教養教えてもらいましたし」

 

 ……遺書と指示書を書かなくては……3日以内に

 

 

 

 1552年(22歳)

 

 京で婚姻の儀を行いました

 

 好みのタイプかと言えば微妙なところ……11歳に流石手は出せないですよ

 

 彼女の名前は三条梅で梅姫とこれから呼びますが……まぁ実家が貧乏だったんでしょう

 

 発育不良ですね完全に

 

 三好家として三条家や関係者に大金を支払ったらしいですが、私からも個人的にお金を渡しておきました

 

 あと梅姫の実父の方に会えたので、京を出て教養を伊予や土佐で教える仕事に着きませんかとお誘いしたところ、当主と嫡子は無理だが、兄弟や他の子供達をお願いしたいと言われたので私に着いてきていた白石にお願いして彼らを四国に送り届けてもらいました

 

 ……梅さん? 四国行かないの? 

 

 え? 側に居たい? 

 

 ……後方だから大丈夫かな? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うわぁ……最悪だ

 

 私完全に御飾りですか

 

 実休兄様の家臣や服従した豪族が対六角方面の主力で、今回有力な家臣は連れてきてないので供廻りの10名しか直接動かすことができません

 

 予想としましては長慶兄様も含めた三好家の首脳達が私の管理している伊予と手にいれたばかりの土佐の国力や私の手駒の戦力把握、一向に見つからない大魔王細川晴元(私が暗殺済み)を元家臣の私が囲っている可能性が高い等々でしょうかね

 

 うーん、何年貼り付けられるこの戦線に? 

 

 兄上達や今ここにいる兵達から梅姫を陣での作戦会議中に横に居ても何も言ってこないことから攻める気無しで、三好家の主力は尼子戦線が片付けないと此方には来ないのでそれまで貼り付けられると思う

 

 ……作戦会議と名ばかりの式に居ても暇なので、梅や供廻りを連れて足軽達に混じってと会話する

 

「お侍様だべ」

 

「よ! 寒い中すまんなこんな戦場に集められて」

 

「……」

 

「いや、愚直ったって斬らんし罰を与えないよ」

 

 どっこらしょ

 

「これでも食うか? 私の部下が創ったんだが美味しいぞ」

 

「なんだべこれ?」

 

「薄っぺれーな」

 

「乾パンって言うんだ噛めば甘いぞ」

 

「うーん、甘いのは良いだべ」

 

「美味しいんだが……」

 

「寒いから……」

 

 足軽達から言われたことを私は羊皮紙(犢皮紙)のノートに書き込んでいく

 

 羊皮紙は家畜を屠殺した際に出た皮を加工した物で、インクを含めてここまで形になるのに5年かかったり……

 

(やはり、携帯食も季節に合ったものが良いな)

 

(従軍料理人の数を増やして野外でも温かい食事を食べさせられる様にしなければ士気に関わるっと)

 

 ガリガリと戦での改良点を纏める

 

 大魔王晴元様に付き添った戦、伊予統一戦や土佐平定含めた大小15回の戦に出てきましたが、常に反省点や改善点を何かしらの媒体に書き込んで保存しています

 

 特に足軽達の意見と言うのは最高です

 

 何かしらの利が無いと集まりませんからね

 

 飯が旨いから、確実に勝てる、出世、金稼ぎ、略奪狙い等々本当に様々な人が集められているので戦だけでなく、必要な物を開発したりするのにも役立つのでね

 

 足軽以外はそれら集団に売り込みに来る商人、売女等の話も聞きます

 

 今は立場が立場なので商人達はおべっかばっかりで聞きたいことが聞けないのですがね

 

 供廻り達はいつものことと呆れてますが、梅さんは不思議に思ったのでしょう

 

「優駿様は大将なのですから陣にいらっしゃればよろしいのに」

 

 大将と聞いた足軽達がざわつきますが

 

「現場を見ないで上に立つのは危険なのですよ」

 

「足軽の皆さん、ご安心ください私はただ不満を聞きたいだけなので、それを改善し勝利に繋げるのが私の役目なのですから」

 

「梅さん、少し場所を移動しますよ」

 

 

 

 

 

「さて、先程の質問ですが、陣に籠っていてもわからない事ばかりなので現場に行くのですよ」

 

「指揮官にも様々な種類が有ります」

 

「先頭で引っ張る、陣から指示を出す、更に後ろの城から指示を出す、中段で兵と動く等有りますが、比較的前で戦うか、ガッツリ後の2つが自分に合っているのです」

 

「……あと今回は暗殺の可能性が高いのでね、あんまり陣に居たくないのですよ」

 

「殿、暗殺ですか!?」

 

「供廻りの皆も聞いていてほしい、それだけ私が邪魔に思われている可能性がある」

 

「ま、1人だけ独自の動きを続けた結果だ……なーに、生き残れば何とでもなる。それに梅姫が居るからな」

 

「私ですか」

 

「長慶兄様が殺されないように手を打ってくださったのでしょう。三条家から嫁いだ娘が直ぐに鬼籍に入るなんて事になったら貴族の方々の信用も失いますからね」

 

 その後暗殺されることもなくジリジリ前線を進めていく

 

 

 

 

 

 ……負けだな

 

 

 

 

 

「殿、畠山氏の旗が見えます」

 

 そういうことか

 

 供廻りが耳打ちしてきた

 

「……」

 

 チラリと周りの将達を見ると油断しているのかあんまり危機感を感じていない

 

 ここで足止めをすれば良いと考えているようだが、地の利は六角有利で大軍を常に動かしてきた弊害で補給関係が悲鳴をあげているのを知っていた

 

 警告はしてきたが聞かないのではどうしようもない

 

 だって警戒心強すぎて打ち解けようが無いんですもの

 

 ま、侍大将クラスから下は仲良いのができましたがね

 

「……集められる者を集めろ、森が騒がしい……伏兵……いや、奇襲されるな」

 

「夜襲にそなえよ」

 

 

 

 

 

 

 栗太の戦い

 

 夜に琵琶湖の水運を使い少なくない兵を三好軍の後に回り込み、背後から夜襲をしかけ会戦

 

 油断していた本陣は2000名の兵が詰めていたため乱戦となり三好軍全体に動揺が広がる

 

 正面から六角氏、南部から畠山氏が攻勢に出たため大混乱に陥る

 

 本陣に居なかった大将の三好優駿は南部の畠山氏を掌握できた兵約1500名で迎撃

 

 善戦したものの左腕に矢を受け体制を崩し、大将の優駿が落馬したため南部が一気に崩れる

 

 正面は南部が崩れる前に壊走しており、敗北が確定

 

「止血はした。脱出する」

 

「しかし包囲されております!!」

 

「……突っ切る! 私の鎧は捨てる」

 

 身を軽くし、梅姫を背負って混乱する戦場を隠れながら逃げる

 

 供廻りの1人が自分が捨てた鎧を着て影武者を自分から行ったお陰と雨の視界不良になったため戦場から脱出には成功する

 

 着いてきた兵は7名と本当に決死の脱出だった

 

 髪が有ると落武者とバレるので髪を剃り、残った兵や供廻りらも僧、梅姫も尼の格好をさせ修行僧の集団に見せかけながら津島まで逃げれば知り合いの商人経由で堺まで行ける

 

 とにかく逃げた



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伊予三好家

 ~伊予 三好本城~

 

 伊予三好家(土佐も持っているが)では一族や重臣、派遣されていた松永兄弟が集まっていた

 

 三好優駿が率いていた対六角方面軍が崩壊してしまったため三好家が畿内掌握が怪しくなってしまったからである

 

 包囲網はジリジリと狭まっていますが本気になった三好長慶様の尽力により小康状態となっておりますが……

 

 筆頭家老である私……鈴川が一応司会をしております

 

 まず旦那様……優駿様が戦で行方知れずのため家長不在となってしまいました

 

 優駿様から預かっていた置き手紙……遺言書や計画書を読み上げていきます

 

 ……血がすさまじく複雑なのですが、優駿様の家族で決まっていたらしく嫡子が三好金杯(みよし きんぱい)、次男が三好銀杯(みよし ぎんぱい)に改名されました。

 

 自身の身に何かあれば金杯を家長とし、銀杯は支えよ、長女桜花姫(三好桜花 おうか)は長宗我部家の嫡子である長宗我部元親に嫁ぎ、元親を親族に入れるべし、元親の子と金杯の子供を婚姻させこの子を軸とした家長引継ぎとすと最初に書かれていた

 

 長宗我部家から来た者達は凄く驚いていたし、松永兄弟は三好の血をと口にしそうになったが、金杯様、銀杯様、桜花姫の3人が松永兄弟に土下座した

 

「三好の血の歴史は理解しております。しかし、我ら父である優駿様以外は武家の血が全く入っておりませぬ」

 

「農民、商人、売女母達は蔑まれる階級の者達ばかりでございますが、父の考えは我々兄弟も、更に下の弟達も次等ございます」

 

「私も女でありますが武、指揮、商を学び時に前にと言われております……どうか今は危機的な三好を守るため団結を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 松永久秀は考える

 

 三好家四男の三好優駿という男を

 

 幕府を動かしていた三好家の元主君細川晴元の下で事務方で功績を上げ、京を戦乱の世とは思えないほど復興させた手腕は名手であると疑いようがない

 

 大内に飛ばされた後も貪欲に知識を吸収していたと聞く

 

 毛利の嫡子である毛利隆元殿との友好的であり、商いの心がけ、商人とはを教えていたらしい

 

 事実今伊予三好家が討論できているのも三好優駿と毛利隆元殿か毛利元就殿の間に何かしらの密約が有るように見える

 

 四国計画は鈴川殿より拝見させてもらったが見事な出来だ

 

 完成すればかの中国の都と比べられる程の都市ができるであろう

 

 しかし、三好家全体として見たらどうか? 

 

 長慶様の指示には従うが、独自に動こうとする節が多く、現に四国計画は長慶様も閲覧されてない

 

 複雑な徴税方法、寺小屋なる学び舎、自由市場なる座の影響外の商売施設(屋台の集合施設 縁日を拡大したかんじかな?)等先進性は凄まじく、それでいて古い特権者に利益をなるべく与えようとする

 

 うむ、敵が少ない訳だ

 

 ……何より優駿……様、優駿様は上に立とうとしないのが良い

 

 長慶様以外にこの日ノ本を押さえられる方は居られない

 

 優駿様はわかっているのか、それともわからずとも感覚で三好家の危険性を感じてらっしゃる

 

 若い、全てが若い

 

 経験が何事にも足りてない

 

 現に天皇、京を押さえているのにも関わらず各地の敵に負けている

 

 ……首がなく、部分部分がふやけてわからないが、大柄な体格の者に優駿様の鎧や愛刀が見つかったと忍から報告を受けている

 

 近くに回された女の死体も有ったらしい

 

 もうこの世に居ないと考えた方が賢明だがこの家では誰もそう思ってないようだ

 

 今家督を継いだ金杯も父が戻り次第家督を返すと言っておられる

 

 ……弟の長頼は三好家全体で信頼されておる

 

 直ぐにでも畿内に連れ戻され、儂だけが監視役として残るだろう

 

 さてどうする? 

 

 

 

 

 

 

 会議前に金杯、銀杯兄様と桜花姉様に呼ばれた1つ下の弟達である春杯、夏杯、秋杯、冬杯の4名は金杯兄様の部屋で衝撃的な事を言われていた

 

「(次女の)秋華が父を探すと置き手紙を書いて脱走していやがった」

 

「「「「はぃ!?」」」」

 

「あの馬鹿、親父は大丈夫だって言ったのに数枚の反物と貯金箱(5貫)、兵の備品庫の足軽鎧一式が消えてたから足軽に偽装して逃げたらしい」

 

「金杯兄様どうなさるのですか!」

 

「普通なら連れ戻すが尼子と利権対立している瀬戸内海の海賊達が兵を集めていると情報が来ている」

 

「毛利、大友は大内親子を預かっている関係で中立だが経済的な締めつけが見られる」

 

「親父の弟弟子の方が居るんでしたよね……毛利には」

 

「水運でバチバチにやりあってるからな毛利とは」

 

「大友も一応博多の利権関係でまたもめる可能性も有りますよね」

 

「親父! 早く帰ってこい!!」

 

 これが戦国時代

 

 8歳と7歳達の会話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁぁぁどうだ六角ぅ! 尾張に出たぞぉぉぉ!」

 

 8度の落ち武者狩り、2度の斎藤家の兵の襲撃に耐えきり織田家管轄区域に逃げ込むことに成功した

 

 左腕の消毒が間に合ったのか奇跡的に破傷風にならなくてすみましたが、消毒のために塩を傷口に塗り込み、1回沸騰させ、更に塩を少量入れて包帯の代用とした布の消毒を繰り返したお陰だと思います。

 

 無茶苦茶痛かったのですが、死ぬよりはマシです

 

 ……砂糖が安く手にはいればなぁ……アルコール消毒用の蒸留酒生きて帰ったら作らないと

 

 しかし梅さん逞しくなったな

 

 11歳だから息子や娘達から3つしか変わらないのに

 

 ……ま、しかしまさか織田家の支配領域に入って直ぐに捕まるとは思わなかった

 

 まぁ私みたいな大男が市街地にヌッと現れたら怖いと思うけど、絡まれたチンピラを殴ったらそいつが信長の親衛隊構成員だったらしくなんか十数名の武士に囲まれた

 

 森とか人目につかない場所なら護衛も居るので戦うが、流石に街中で暴れる訳にもいかず私は素直にお縄につきました。

 

 

 

 

 

「大変です城主様!! 町で怪しい大男が暴れたから捕らえましたがその人物が三好家の者らしいのです!」

 

「は!?」

 

 城主前田利春は仰天した

 

 詳しく尋問に立ち会った部下に聞くと僧の格好をしていたため初めは分からなかったが、刀や証文、騒ぎの後に事情を誰かから聞き、津田から駆けつけて来た商人の旦那の面会後の本人証言で確定したため慌てて報告をしたらしい

 

「妙を三好名を優駿の三好元郎優駿様です、正五位下の官位もあり、付き添いしていた人物の中に尼の格好をした女子が三条家の養女も居られました」

 

「お会いした後、殿に直ぐ報告する! 無礼の無いように! よいな」

 

「は!」

 

 大変な事になったぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

「誠か利春!」

 

「は! 確認いたしたところ六角との敗戦後、少数で敵陣を突破、六角の追撃を振り切り美濃を抜け、津田の船場を使い堺経由で四国に戻ろうとしていた事がわかっております」

 

「……」

 

 重臣の方々は幕府と敵対している三好の者なのだから将軍の居られる六角に報告すべしと言うもの

 

 朝廷に近いため、何か有っては不味いため直ぐに解放して恩を売るべき等に別れた

 

 信長は静かにそれを聞き

 

「少し考える」

 

 と言って部屋から出ていってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

「石田、どう考える」

 

 転移者であった石田慎吾は知恵者として信長の筆頭書記という地位にいた

 

 妹達の活躍が目に留まり、そんな妹達の上は前田利家の側室に、下は乳兄弟の池田恒興の側室なり、本人の意思とは別に出世街道を進み、信長に真っ向から意見できる人物として周囲から見られていた

 

 そしてここ数年転移者と呼ばれる者が多数信長の配下か側室に加わっている

 

 俺の家の両親含めた家族5名、藤原光という元農大生の少女(両親と協力して来たときに持っていたという薩摩芋と馬鈴薯、小松菜、玉葱、砂糖黍の生産と自然に生えるしかなった椎茸、自然薯の栽培を数百年すっ飛ばしての確立)、元高級ホテル副料理長西村賢(信長の料理長)、元図書館司書の沙藤鞠(信長の子を産んだため側室入り)の計8名が信長に付き添う転移者達で、凄く同族に敏感だった

 

「殿、俺が会いに行って確かめてきます。個人的には将来を見越した友好が良いかと」

 

「……三好と幕府どちらに付くか決める判断にしたい。今家中は割れとるがな、不用意に上洛も他国に進行もできんがにゃー……石田、おみゃさんが見極め話せる相手なら出来りゃ会いたい」

 

「分かりました。最善を尽くします」



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怪物

 ~尾張 那古野城~

 

 俺は巨漢の男と対面に座っている

 

 三好優駿

 

 関西と四国の殆どを手中に収めた三好家の四男

 

 商人経由で噂話は聞いていた

 

 明朝との貿易や四国の開発、堺と京を中心とした配下の商家を使い莫大な利益を皆に振り撒く素晴らしい方だと

 

 ただ目の前の男はそんな噂の様な素晴らしいだけの人には見えなかった

 

 数ヶ所ある切り傷、効率的に鍛えたであろう肉体、動作一つ一つに美しさがあり、詫び錆びを表す

 

 そしてどこか達観し、狂気を含んだ瞳をしていた

 

「初めまして、三好四郎坊優駿と申します」

 

 この男を見極めなければ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は転生者で、あなた達は転移者不思議ですよね」

 

 石田殿と幾つか問答を行った後、私は転生や転移について話になった

 

 なぜ私達は戦国に肉体があるかないかの違いは有れど来てしまったのか。

 

 正直今は早く戻らないと四国が崩壊する可能性が高いので、早急に手を打たなければならないのに……

 

 織田家

 

 多数ある織田氏が尾張の覇権を握るべく蠢く現状

 

 話からすると多数の転生者と絶対の忠誠を誓う親衛隊、一部の忠臣により、史実よりまともな状態で勢力下の産業の育成をしているらしい

 

(あと8年後信長の覚醒が始まる……この様子だと今川を倒したら、返す刀で美濃の斎藤氏も下せるだろう……1562年頃には決着すると仮定して、三好政権は現状でも崩壊の可能性がある……とりあえず余裕が出るまで金での繋がりを作っておき、自身が四国を自由に動かせる段階で同盟を組む形にしなければいけませんね)

 

 石田殿は一応身の安全は保障しますと言っていましたが、信長の気分で殺されかねませんからね

 

「非公式でも良いので上総守と会話することはできませんか? 勿論私はこの非武装で良いので」

 

「確認してきます。ただ、会話できても長くはできませんよ」

 

「心得ています」

 

 約2時間石田殿との会談後、信長本人への会談となる

 

 天下人とはどのような人物なのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

 5メートル先に信長がいる

 

 周りには信長の家臣達が座る

 

 信長……日本史のターニングポイント、特異点とも言える硬直した時代という時計の針を一気に進めた人物

 

 私はいつになく興奮していた

 

 質問したくてしかたがない

 

 彼の思考を知りたい

 

「上総守殿、貴殿は日ノ本を治められますか?」

 

「できぬわけ無かろう。余だぞ」

 

 ざわつく評定の間

 

 尾張の国の統一もまだな信長が断言した

 

 家臣たちの顔色は青くなる

 

 捕まっているとはいえ、三好政権の中枢に言いきったのだから……うん、面倒事は彼に投げよう

 

「私は天下を治める気は無いので日ノ本なら四国を頂ければ、関西の領土的利権は全て手放しましょう」

 

「まぁそれだけでは足りないでしょう。一筆書きます。これを今回の件の手打ちとして頂きたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~伊予 三好本城~

 

「金杯様!! 優駿様が!! ……大将が!! 帰還いたしました!!」

 

「父上が!! ……よし! 賭けに勝った!」

 

 生存絶望とまで思われた三好優駿の帰還

 

 城の中は大騒ぎとなった

 

 家老と子供達が中心となり自身が不在の約4ヵ月見事職務を全うした

 

「ご迷惑をかけましたね。……ただいま戻りました。始めに松永兄弟殿と話し合いをしましょうか」

 

 疲れも癒えぬまま伊予三好家の家長たる優駿は松永兄弟に爆弾を投げ込む

 

「帰参遂にご兄弟に兄上からこちらを渡すよう指示されました」

 

 現在京の三好軍は京で応仁の乱の再現といえるの様相となっていた

 

 東部を支えていた軍団の壊滅により北部の朝倉氏と西部の尼子を支えきれず、最終防衛線を突破され市街地戦に突入

 

 混乱の為陣頭指揮をしている長慶兄様がこの様な手紙を逃走中の私に送ることなど不可能……なのですが、混乱の極み過ぎて私も商人経由で偶々知り得た情報を繋ぎ併せ、書類を偽装

 

 松永兄弟に紀伊にて兵の再編及び援軍を送るよう指示

 

 伊予三好家は今回の敗北の責任は追って指示を出すという内容だった

 

 松永久秀は疑いながらも私の偽書を見抜くことができず、海を渡ることとなる

 

 そして……

 

「讃岐、阿波を切り取る。出陣準備をしなさい」



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