陵南を全国一のチームに (無理やー)
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二人の天才

俺は八神和真15歳。今中学3年のためどこの高校を受験するか悩んでいる。

 

 

俺は一月前までアメリカにいてバスケをやっていた。その為日本の高校のバスケ事情を知らない。

 

 

所詮日本のバスケレベルなんてたかがしれてるそんなことを考えていた。現に同じ学校のバスケ部員は俺の相手にはならない。どうせどこの高校にいっても同じなら適当に決めるか。そんなことを考えている。

 

 

今日もいつもの公園でバスケをしようと公園に着いたがすでに先客がいた。身長は俺より少し大きいぐらいだが歳は俺とタメぐらいかな?早く空かないかなと思いながら陰で見ていたら俺は驚いた。ものすごく上手い正直俺とどっちが上手いか分からない。こんな人が日本にいたのかと思うと興味があった為俺は話しかけた。

 

八神「あの~…」

 

???「ん?俺かい?」

 

八神「エエ、そうです。よかったら俺と1on1やりませんか?」

 

???「……まっ、いっか。やろう!」

 

そういわれ俺はボールを渡された。

 

???「そっちからだ。こい!」

 

そう言い彼は腰を落としDFに入る。

 

最初は序の口どれぐらいできるかを試すために小細工なしでスピードで右に抜こうとしたが見破られクロスオーバーで逆をついたがそれにもついてきた。少し緩急をつけてズバッと右に抜きレイアップを決める。

 

???「やるねぇ~」

 

八神「おし、次はそっちからだ。」

 

そう言い彼にボールを渡す。そして彼はドリブルをし始めた。

 

???「…………」

 

八神「…チェンジオブペースか。………………来る!」

 

和真を抜きにかかったが、すぐさまストップ&ジャンプシュートをうたれ反応する暇もなく決められた。

 

その後も決めつ決められの繰り返しで結局勝負はつかずに終わってしまった。

 

???「………もう終わりにしようぜ。……キリがねぇよ。」

 

八神「………」

 

???「……なぁ、お前何処の高校だ?」

 

八神「……イヤ、俺は中3だ。」

 

???「…中3?じゃあ何処の高校受けるんだ?」

 

八神「…まだ受けるとこ決めてないんだ。」

 

???「そうなのか?じゃあ俺と同じ高校こいよ。お前となら全国行けるぜ。」

 

八神「全国?全国にいけなかったのか?」

 

???「ああ、去年ベスト4だった。」

 

八神「そうなのか?」

 

これだけ上手いのに全国にいけない?余程周りが下手なのか?それとも高校レベルがそれだけ高いのか?……それはないような気がする。

でも面白そうだ。

 

八神「なんて高校?」

 

???「陵南高校。」

 

八神「分かった。俺もそこを受けるよ。」

 

???「そうか。……来年楽しみにしている。」

 

八神「ああ、……今さらだけど俺は八神和真だ。」

 

仙道「俺は仙道彰。よろしく」

 

その後二人はその場を去り結局高校入学まで二人は再会することはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は陵南高校に入学し、早速バスケ部に入部した。新入部員だけで50人はいるな。でも、上級生は3年は二人、二年は13人しかいなかった。

 

???「次‼」

 

そんなことを考えているうちに自分の番が来た。

 

八神「1年3組八神和真。186㎝体重79㎏ポジションは…ガードです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???視点

 

???「(あいつが仙道が言ってたやつか…仙道は自分と同等と言っていたがもしそれが事実ならば今年は間違いなく全国に行ける!!)」

 

そんなことを思い耽っていると…

 

池上「田岡監督これで部員全員です。」

 

副キャプテンの池上が声をかけてきた。

 

監督「そうか、今日は一年の実力が知りたい。一年同士で試合をしろ。」

 

そうして、これから一年の紅白戦が行われようとしていた

 

 



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紅白戦

今から紅白戦をやる。50人もいるので俺の出番は4番目と後の方だ。それまで他の人達の腕前を見ていたが、正直微妙。確かにパス、シュート、ドリブル基本ができてるとは思う。でもそれだけで眼を見張るような特別なプレイが出る訳じゃない。これなら以前のチームのベンチメンバーの方ができてたんじゃないか?そんなことを考えていたら…

 

パスッ テンテン……

 

???「オオオオ~~~~スリーポイント!!!いきなり決めやがったぞアイツ!!」

 

大した新人がいないと思いきやいきなりスリーポイントを決めたやつがいた。…あれって…

 

八神「…アイツ竹中じゃないか?」

 

竹中夏陽。俺が小学生の頃一緒にプレイしたことがあるやつだ。だが、中学に入ったとき俺は違う中学に入った為それから会っていない。

 

八神「…それにしてもアイツやるな…今のはマグレじゃなく間違いなく狙って打ちやがった。しかも完全にフリーだったぞ。ポジショニングが格段にうまいな。なおかつクイックで打たれたらたまったもんじゃない。」

 

そんなことを考えているうちに…

 

パスッ 

 

???『オオオオオオオオ~~~~~~~~また決めやがった!!しかもこれで4本連続だ!!』

 

ディフェンスが大したことなかったので見落としていたがオフェンス力はかなりのものだ。これは十分レギュラーを狙えるな。アイツ。

 

紅白戦の結果は34対28で勝ったようだ。結局一人で22点決めた。

 

そして次が俺の番だ。

 

八神「おっし!!次は俺達の番だが軽く自己紹介するか。俺は八神和真。ガードだ。」

 

???「じゃあ俺も石井努。フォワードだ。」

 

バンダナをつけたデカブツ。192㎝

 

???「水沢彰。ポジションはフォワード。」

 

今度は長髪の澄ました男。179㎝

 

???「沢村智樹。フォワード。」

 

金髪のイケメン。182㎝

 

???「近藤誠也です。ポジションはフォワードです。」

 

メガネをかけている。172㎝

 

八神「俺以外全員フォワードかよ…」

 

石井「俺はセンターもやったことあるからゴール下は任せろ」

 

八神「おっし、じゃあ俺がポイントガードやるからゲームメイクは任せろ。」

 

そう言い俺達はそれぞれポジションについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が始まり最初の攻撃権は俺達からだ。まず俺は、左右に揺さぶるフェイクからのペネトレイト。俺のマーカーを抜き去り相手センターがカバーに寄せる瞬間、狙い澄ましたかのノールックパスを石井に渡りそのまま決めた。

 

石井「おっし!!」

 

八神「ナイッシュー!!」

 

石井「おおよ!」

 

石井と八神がタッチした。

 

石井「ディフェンス!!」

 

石井以外のチームメイト『オオオオ!!』

 

その後も正確無比なパスやドリブル、チャンスがあれば自分から切り込みダンクやスリーポイントを決めたりもしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魚住「アイツが仙道が連れてきたやつか…」

 

池上「…スゲエな。ノーモーションからの高速パス、手元を全く見ないドリブル、コート全体を見渡す視野の広さ、自信で決めるシュート力、正にポイントガードの理想形だ。」

 

試合を見ている魚住と池上はそう言い…

 

越野「それに、あの石井ってやつも上手いですよ。魚住さんほどパワーはありませんが、その分スピードとテクニックがあります。リバウンドも強い。」

 

植草「さっきもフェイダーウェイを決めてますし、ファール貰ってからのフリースローも決めてます。魚住さんとは違うタイプですね。」

 

監督「(…魚住が剛のセンターならあの石井は柔のセンターだな。何よりチームに勢いをつけてくれるあのガッツ溢れるプレイ。今年はいい新人が来てくれたな。)」

 

試合はその後一方的とは生温い。正しく蹂躙という言葉が相応しく結果八神のチームが52対4と圧勝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池上「…信じられない。たった10分で50点以上決めるとは…」

 

魚住「だが頼もしいやつが入ったな…」

 

越野「此方としてはうかうかしていられないんですが…」

 

植草「そうですね。さっきの竹中もですが、少なくとも八神はスタメン入りはほぼ確定ですしょうし…」

 

此れだけのプレイをした八神がスタメンとして起用しないとは思えなかった。今日は初めての練習。初めての紅白戦だ。それゆえ、チーム内のプレイスタイルなど知るよしもないはず。にもかかわらず、八神は一寸のズレもない完璧なチームプレイをやり、ゲームを支配したのだ。

 

そして八神の他にも同じチームにいた石井、前の試合で6本のスリーポイントを決めた竹中も間違いなくスタメン候補には入る実力を示している。同ポジションの池上、越野、植草は若干複雑な気持ちだった。

 

監督「……仙道もとんでもないやつを連れてきたな。だが!……魚住、仙道、そして八神。この3人が入れば間違いなく今年の陵南は県を制することが出来る!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「フー。」

 

俺は水を飲んで一息ついていると

 

???「八神!」

 

八神「?…お前、竹中か?」

 

竹中「久しぶりだな。」

 

八神「ああ…」

 

竹中「お前、前はフォワードだったよな?何時からポイントガードなんてやりだしたんだ?」

 

八神「…中2の時アメリカに留学してたのはお前もしってるだろ?その時向こうの監督から俺はガードのほうが合ってるって言われてな、それからさ。」

 

竹中「そうだったのか…」

 

八神「お前こそ、何時からシューターに転向したんだ?前はカットインからのドリブルシュートが殆どだったじゃないか。」

 

竹中「ああ…俺は中2の時身長が止まっちまって、177㎝以上伸びなくなったんだ。そのせいでゴール下のパワープレイに負けることが多くてな…だからアウトサイドシュートを磨かなきゃいけないとって思ってな。それから毎日200本のシューティングを欠かしたことがないぜ。」

 

八神「なるほどな…」

 

竹中「…なぁ…八神…?」

 

八神「ん?」

 

竹中「…お前…湊とは…あれから…」

 

八神「…ああ、1年位前から連絡とってない…」

 

竹中「…そうか…」

 

八神「お前こそどうなんだよ。確か…ひなたちゃんだっけ?」

 

竹中「俺?俺は去年から付き合ってる。ひなたも陵南に来てるぞ。」

 

竹中は顔を頬を若干赤らめながらそう言った。

 

八神「マジかよ!」

 

竹中「ついでに言うと湊も綾南に来てるぞ。」

 

八神「はあ!?」

 

竹中「…八神、お前湊のこと今どう思ってるんだ?別に嫌いで別れたんじゃないだろ?っていうか、湊はまだお前のこと好きだぞ。間違いなく。」

 

八神「はあ!?何を言っている。そんなわけ…」

 

竹中「アホマホがお前が綾南に入ることを知って湊は志望校を陵南に変えたんだ。そしてついでにマホも紗季も香椎も綾南に来たんだぜ。」

 

八神「…もう何から突っ込んだらいいかわからん…」

 

竹中「…それで?どうするんだ?」

 

八神「……さぁな……俺から智花に会いに行く気はない。」

 

竹中「まぁどうせひなたたちもバスケ部に入るだろうから何時でも声かけられるだろ。」

 

八神「…智花からじゃなく、長塚辺りから声かけられそうだな…それもそう遠くないうちに…」

 

そんな会話をしながらその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙道「よー。ナイスプレイ。」

 

俺は声がした方に振り向くと

 

八神「うっす。仙道さん。」

 

仙道「それにしてもスゲーなあれは。あれがお前の本来のプレイな訳だな。」

 

八神「…俺のパス、受けてみたくなりました?」

 

仙道「まぁな。だがこれでウチは今年こそ全国に行ける。」

 

八神「違いますよ。仙道さん。……全国に行くんじゃありません。今年の陵南は全国制覇が可能なチームです。」

 

俺は笑みを受けながら答えた。

 

仙道「…ほう、言うじゃないか。まっ、よろしく頼む。」

 

八神「こちらこそ。」

 

その場で俺達は全国を制することを互いに誓い、握手をした。

 

 



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元カノ

今回の話でヒロインが登場します。前回の話で名前が出ていたので気づいている人はいるかもしれませんがよろしくお願いします


翌日から本格的な練習が始まった。俺は一年でありながら昨日の試合で目をつけられたのかレギュラー陣と共に練習することが多かった。

 

陵南の練習はキツいと聞いていたが、俺としてはそうでもなかった。練習後一人でシュート練習をする余裕があるほどだ。

 

だが、いくらなんでも始めて初日目にこんなことがあっていいのか?

 

???「………あ………か……ず…ま……さん……?」

 

声がしたので振り向いてみると…

 

八神「………と…も…か………?」

 

中学の時付き合っていた湊智花がそこに立っていた。

 

八神、智花「「…………………」」

 

お互い何を話したらいいのか分からない。別に嫌いで別れたんじゃない。俺が中2の時アメリカに留学し、暫くは連絡を取っていたのだが、馴れない生活や自分と同等以上にバスケが上手い人達に出会ってしまい、3ヶ月も経ってもレギュラーになれない現状に監督からポイントガードに転向するよう進められ、馴れないポジションの為練習後も一人で毎日練習しバスケ漬けの毎日を送っていた。そのお陰で更に3ヶ月後俺はレギュラー獲得。その後も誰にも追い付き追い抜かれたくなかった為練習後の練習も欠かさずやっていた。

 

だが、その性か、俺は智花との連絡を途絶えた。日本に帰ってきてからも最初はチームメイトのレベルの低さにつまらなく思っていたが、偶々公園で出会った仙道さんに出会い、仙道さんと一緒にプレイするために今日までバスケ漬けの毎日を送った。

 

最早俺の頭の中にはバスケのことが一杯で智花のことを忘れかけていた。先日竹中に会うまでは…

 

その智花が今目の前に立っている。最後に会ったのはまだ体が小さく幼さが残ったような感じだったが、今は背は若干大きくなったか、以前とは違い女子特有の出るとこ出てる体つきになり顔も若干大人っぽくなり以前より魅力的な女になっていた。

 

智花「…あ……あ…の……?」

 

八神「……久しぶりだな、智花。」

 

智花「!?……うん!」

 

八神「竹中から聞いたときは驚いた。まさか智花も陵南に来ていたなんてな。」

 

智花「私だけじゃなく真帆たちもだよ。」

 

八神「そうだったな。…ところで」

 

智花「ん?」

 

俺は持っているボールを智花に渡した。

 

八神「やるか?久々に。」

 

智花「!?うん。」

 

それから俺と智花は久々に1ON1をやることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と智花の1ON1。3本先取したほうが勝ちだ。これは俺達がいつもやっているルール。言葉で交わさなくてもお互いに分かっていることだ。最初のオフェンスは智花。

 

智花「………………」ダムダム

 

八神「………………」

 

智花が右に抜きに来たのでそれを防ぎに動いた直後智花は

【クルッ】と反転ロールターンでかわしに来たがこれは智花の得意なドリブルだったためすぐに対処したがその後さらにロールターンやって逆をつかれた。

 

八神「!?」

 

そして智花はそのままレイアップをうった。

 

『バン』

 

智花「えっ!?」

 

抜いたと思っていたが八神すぐに反転シュートブロックに跳んでいた。

 

八神「フーッ、危ない危ない。さて、次は俺からだ。」

 

智花からボールを貰いドリブルをついた。そして俺は素早い動きで右側を抜いた。

 

智花「速い!?」

 

ズバッと抜いた俺はそのままレイアップを決めた。

 

八神「あまいな、智花。」

 

智花「うっ…でも次は決める!」

 

そう言い次は智花のオフェンス。今度は智花は右から左へのクロスオーバー、ストップからのジャンプシュート。しかしこれも八神に反応され止められた。

 

智花「くっ!」

 

八神「おっし。んじゃ俺の番な。」

 

次の八神のオフェンスは、緩急をつけながら左右に小刻みに動きレッグスルーで左にいきストップ&ジャンプシュート。智花は全く反応できずに決められた。

 

八神「おいおいどうした?智花らしくねぇじゃん。今日は調子悪いのか?」

 

智花「そうじゃないよ。…和真君が上手くなったんだよ。…でも私はあきられない。」

 

八神「…フッ、そうこなくっちゃな。」

 

智花は性格は内気だがバスケのことになると人一倍負けず嫌いになる。俺もそういうところがあるからわりと気に入っている。

 

智花のオフェンスだが迷いがあるのかドリブルをついてなかなか攻めてこない。だが、ディフェンスのほうから動くわけにもいかないので待っていたが10秒経っても攻めてこない。集中力が切れそうになった瞬間右へのドライブなんの小細工もなし、その分今までよりもスピードあった。行きなりのことで反応が遅れてしまったが後ろからボールだけをはじきなんとか止めた。

 

八神「ヤバいヤバい。危うく抜かれるところだったよ。」

 

智花「ん〰️〰️〰️〰️〰️!抜いたと思ったのに〰️〰️〰️。」

 

八神「さて、次で最後だ。最後は本気でいくぜ。」

 

そう言い八神はドリブルを始めた。今までと違い高速のドリブルで前後左右に動き生粋。ストリートボーラーのような動きを始めた。基本に忠実な智花に取って真逆のプレイ。当然智花にはまったくついてこれず、そのまま智花を抜きにかからず右に動きクイックからのジャンプシュートが決まり、3対0で八神が勝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

智花「は〰️〰️………全く歯が立たなかった…。」

 

八神「昔とは違うさ。思春期の男と女では体力や筋力に差がある。身長差もあるしな。アメリカにいたときは最新の科学トレーニングを積んで栄養管理も徹底されていたからな、ポジションもフォワードからガードに変えられたから色々覚えなきゃいけないことができて日本にいた頃以上に練習を欠かさなかったからな。」

 

智花「…だから音信不通になったんだ…」

 

八神「…智花には悪いと思っている。でも、あの時の俺はバスケにだけに取り組まない付いていけかったんだ…」

 

智花「…私は…邪魔物なの…?」

 

八神「そうじゃない!俺だって智花のことは大事だ!それは今も変わらない。でも海外留学は1年しかない以上それに全力で挑みたかったんだ。」

 

智花「………私のこと……今も…大事なの……////////」

 

八神「!?/////////」

 

智花の言葉に俺は真っ赤になった。勢いで言ってしまったが今俺は智花に告白紛いなことを言ってしまったのではないだろうか。…だがこれで一つハッキリわかったことがある。俺はまだ智花が好きなんだ。そうじゃなかったら智花が邪魔者と言ってすぐに否定する言動はしなかっただろう。

 

八神「//////ああそうだよ。俺はまだ俺はお前に惚れてんだよ!だからって俺から連絡途絶えたんだ!どの面下げて会いに行けってんだよ!」

 

かなり恥ずかしかったせいで逆ギレという最低の告白をしてしまった。俺は後悔した。

 

八神「(終わった…何逆ギレしてんだ俺。どう考えても悪いのは俺じゃないか。もっと上手い言い方だってあるだろ。それなのに俺はいつも智花といると平常でいられない。)」

 

そんなことを考えていると…

 

智花「//////和真君。……私も……和真君が……好…き…です」

 

智花が俺にそんなことを言ってきた。

 

智花「私…ここに和真君が入学するって真帆から聞いて…どうしても会いたくて…それで私もここに来たの…」

 

智花は俯きながら、目から小粒の涙を流し、俺にそう言ってきた。

 

八神「(…ああ、俺はまた智花を泣かせちゃったな…いつも心配されては泣かせ、いつも恥ずかしさのあまり思ってもいないことを言っては泣かせ、俺はつくづく駄目な彼氏だな…)……智花。」

 

智花は俯いていた顔をあげた瞬間俺は智花の唇を俺のそれで塞いだ。

 

八神、智花「「………んっ………っ………」」

 

いつまでしていただろう。俺はこのままの状態が凄く気持ちよくて離れられなかった。智花も俺の背中に手を回して俺を求めてくれた。俺達が離れたのはそれから7分後の事だった。

 

八神、智花「「……………………」」

 

お互い何を話したらいいのか分からない。離れたと言ってもキスを止めただけで体は離れなかった。凄く居心地がよく安心するからだ。

 

八神「…………智花。」

 

智花「…………はい。」

 

八神「……俺はやっぱり智花が好きだ。これからも俺は智花を泣かせることがあるかもしれない。でもその涙を俺は嫌な涙じゃなく嬉し涙にして見せる。だから俺と付き合ってくれ。俺から離れないで側にいてほしい。」

 

智花「……離れていったのは和真君の方だと思うんだけど…でもこれからは私が和真君から離れない。離さない。だから私を彼女してください。」

 

智花は泣きじゃくりながら俺に言った。

 

それから俺たちはそのまま、さっきよりも深くお互いを求め口づけをした。

 

 

離れたのは10分後。それから練習は終わり恋人繋ぎをしながら家へ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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湘北

智花と寄りを戻してから一週間が経った。といってもデートあれから一度もしていない。部活帰りにファミレスやマックによるくらいだ。学校ではいつも昼休みに智花と屋上で食べている。竹中は袴田といつも一緒にいる。小学校時代を知っている俺からしてみたらあり得ないと思った。あのヘタレの竹中が…

 

部活ではお互いバスケ部だから同じコートにいるし、部活の帰りはいつも一緒に帰っている。

 

そのせいでバスケ部のみんなは俺と智花が付き合っていることを知っている。特に同じ一年からは殺気染みた視線を感じるのは気のせいであってほしい…

 

そして今日の練習が始まる。

 

監督「2週間後、ここで練習試合を行うことになった。相手は湘北だ。」

 

池上、植草、越野「!?」

 

魚住「!?赤木…」ゴオオオオオオオ

 

仙道「…………」フッ

 

八神「?湘北?」

 

監督「湘北は以前は1回戦敗けが当たり前なほど弱小だったが、一昨年キャプテンの赤木、MVPシューターの三井の二人が入ったことによりかなりのチームになった。更に、去年はガードの宮城が入ったことによってウチは去年苦戦をした。今年はあの富ヶ丘中の流川が入り私の予想では今年インターハイにいくための鍵は湘北だと思っている。絶対に負けられんぞ!いいな!」

 

部員全員『はい!』

 

監督「よし!練習始めるぞ!3対3再開!」

 

部員全員『はい!』

 

そして全員別れ練習に戻った。

 

八神「仙道さん。湘北ってそんなすごいんですか?」

 

仙道「ん?ああ、去年はウチとベスト8で当たったんだが、センターの赤木さんは魚住さんでも手も足もでなかった。それから魚住さんは【打倒赤木!】を目標に練習しているんだ。」

 

八神「なるほど練習終わった後よく練習に付き合わされたけど、俺はオフェンス、魚住さんはディフェンスばっかりやらされてたからな。赤木さんって人によっぽど負けたくないんですね」

 

仙道さんとそんな会話をしていたら、

 

魚住「ウチには点を獲れる奴がいるからな、俺が30点も40点もとる必要はない。センターはチームが苦しいとき体を張ってプレイする。それが一番大事なことだ。」

 

八神「魚住さん…」

 

魚住「だが、湘北は赤木のワンマンチームではない。」

 

仙道「エースの三井さんですね。」

 

八神「三井?」

 

魚住「元中学MVPシューター三井寿だ。」

 

仙道「中は赤木さん、外は三井さんが決めてくる。しかも二人とも全国でもトップクラスのプレイヤーですからね。」

 

魚住「そして去年入ったポイントガードの宮城。スピードで相手のディフェンスをかき乱し自らも切り込んでくる。県内で3本の指にはいるガードだ。去年、一昨年湘北がベスト8止まりだったのも去年はウチが、一昨年は翔陽と当たったからだ。実力的には去年4位の武里より間違いなく強い!」

 

八神「なるほど。新チームでの初めての試合。相手にとって不足なしですね。」

 

そんな会話をしてたら俺たちは3人になっていたためこのまま3対3を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時が過ぎるのは早く、湘北との練習試合は明日に迫っていた。俺たちはいつも通りの練習メニューこなし…

 

監督「いよいよ明日湘北との練習試合だ。今からスタメンと一緒にユニフォームを渡すから取りに来い。」

 

監督がそう言いスタメンが発表された。スタメンは以下の通り

 

 

ポイントガード→八神⑨

セカンドガード→植草⑧

スモールフォワード→仙道⑦

パワーフォワード→石井⑩

センター→魚住④

 

 

となった。

 

監督「明日は遅刻するなよ。特に仙道!…?仙道は何処いった!」

 

いつの間にか仙道さんがいなくなっていた。というかさっきまでいたのにマジで何処いった?

 

???「仙道さんならもう帰りましたけど…」

 

監督「…全くアイツは…いつも突然いなくなる…まぁいい!とにかく遅れるなよ!」

 

仙道以外の部員「はい!」

 

その言葉を最後に解散した。

 

???「八神君、流石やなぁ、一年でいきなりレギュラーやなんて。」

 

八神「ん?彦一か。まぁな。」

 

こいつは相田彦一。いつも『要チェックや!』とか『アンビリーバブルや!』とか言ってる関西人。中学までは大阪にいたらしい。うるさい奴だが面白いやつだから嫌いじゃない。

 

彦一「そういえば八神君。昨日実は湘北までいったんやけど、そこで会った桜木さんって人がキャプテンの赤木さんに勝ったそうなんです。」

 

八神「何!?あの魚住さんが手も足もでなかったっていう赤木って人にか?」

 

それが事実ならヤバいぞ。全国でもトップクラスの赤木さんとその桜木ってやつがゴール下を守っているってことは明日勝てるかどうかわからんぞ…

 

彦一「そうです。昨日ワイは見た。その桜木さんのジャンプ力を…」

 

八神「桜木か……」

 

俺は桜木との勝負を密かに楽しみにしていたが、それがかなり期待外れ…いや、幻滅することになるとはこのときは思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、俺はいつも通り智花と一緒に帰っている。

 

智花「明日はいよいよ練習試合だけど調子はどう?」

 

八神「問題ない。寧ろ早く試合したくて堪らない。」

 

智花「?…何かあったの?」

 

八神「彦一が言ってたんだが、湘北にキャプテンの赤木や富ヶ丘中の流川より上手いやつがいるらしい。」

 

智花「え!流川ってあの?」

 

八神「知ってるのか?」

 

智花「うん。確か去年の全中得点王だよ。それに女子に人気があることで有名だよ。」

 

八神「………………智花も流川ってやつに興味あるのか…………!?」

 

智花「ふぇ!?そんなわけないよ。私は和真君が好きなんだよ!だから他の男の人なんて……///////」

 

智花は思わず反論してものすごく恥ずかしくなった。

 

八神「ああ、分かってるよお前の気持ちは…」

 

和真はそう言いながら智花の肩を抱きよせ智花も和真に寄り添いながら二人は帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習試合当日俺は智花と一緒に学校に来た。女子バスケ部は練習休みだそうなので見に来てくれたのだ。

 

学校に着き体育館に入ると既に湘北は来ていたようだ。自分達は湘北の連中が来る前に準備をしていなければならなかったにも関わらず俺は来るのが遅かったのでやらなかった。しかも遅刻したにも関わらず智花と一緒に来たのだ。

当然監督に怒られた。

 

監督「八神!何をやっている!遅刻だぞ!」

 

八神「すんません、監督。んじゃな、智花。」

 

智花「うん。」

 

監督「………まったくお前たちはところ構わずイチャイチャしおって…練習とはいえ試合前に…」

 

八神「いいじゃないっすか。男が何かの為に一番頑張れる時なんてのは女の為って決まってるんすよ」

 

監督「ぐっ…。堂々と言いおって、怒る気がなくなるわ。」

 

そんな会話をしながら俺は彦一が持ってきたユニフォームに着替えた。

 

魚住「八神。急いでアップしろ。後10分で始まるぞ。」

 

八神「うっす。ところで魚住さん、仙道さんは?」

 

魚住「まだ来とらん。全くウチのエースは何でこうルーズなんだ…」

 

俺はその後軽くアップをしていたら仙道さんが来たようだ。

 

竹中「八神そろそろ始まるぞ。」

 

俺のアップに付き合っていた竹中に言われ

 

八神「じゃ、行ってくる。」

 

竹中「負けんじゃねぇぞ八神。」

 

八神「おう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神がアップをしている頃、湘北ベンチ…

 

???「おい、誰だあの9番は?赤木、知ってるか?」

 

赤木「いや、俺も知らん。彩子。」

 

彩子「えっと…9番…あった。名前は八神和真。今年入った一年です。それとスターティングファイブに入っています。」

 

赤木「あの体格にあの動き…三井、お前がアイツを頼む。」

 

三井「ちょっと待て赤木?じゃああの10番は誰が止めるんだ?」

 

赤木「……桜木しかいない…木暮や宮城では身長差に難があるからな…木暮、そういうわけだ…」

 

木暮「…仕方ないな…俺から安西先生に言っておく。」

 

そう言いながら木暮は桜木を連れて安西先生に伝えにいった。その結果湘北のスタメンは…

 

赤木、三井、宮城、流川、桜木

 

の5人となった。

 

 

 

 

 

 




本来この練習試合で宮城、三井は出ないのですが、三井がグレないという設定にしたので宮城が不良グループに絡まれないということで二人は入院せず練習試合に出れるということにしました。二人はその分ブランクがないため原作より上手くなっているのでよろしくお願いします


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練習試合前半①

湘北との練習試合が始まった。スターティングファイブは次の通り

 

陵南

ポイントガード→八神⑨

セカンドガード→植草⑧

スモールフォワード→仙道⑦

パワーフォワード→石井⑩

センター→魚住④

 

湘北

ポイントガード→宮城⑦

シューティングガード→三井⑥

スモールフォワード→流川⑪

パワーフォワード→桜木⑩

センター→赤木④

 

となっている。

 

試合は湘北ボールからスタートだ。

 

彩子「でもジャンプボールは互角だったわ。去年は赤木先輩が必ず勝っていたのに。」

 

木暮「今年の魚住は去年までとは違うってことだ。」

 

魚住「さぁ来い湘北!!!」

 

桜木「おお!!気合い入ってんじゃねーかボス猿!!でもオメーは俺に倒されるけどな!!」バコーン

 

三井「いったぞ!!」

 

三井がパスしたボールが桜木の頬に当たり石井がそのこぼれたボールを奪った。

 

三井「何やってんだ!」

 

石井「おし、速攻!!」

 

石井が投げたボールが八神に渡った。その八神に三井が追い付いた。八神はそのままシュートにいった。三井もブロックに跳んだ…が、八神はシュートにいかず右にいた仙道にバックパス、フリーの仙道が決めた。

 

八神「ナイッシュー!」パン

 

八神と仙道がタッチをした。

 

観客、陵南ベンチ『おお~~~~っ!!!ナイスアシスト八神!!ナイッシュー仙道さん!!』

 

八神「(バァン)ディフェンス!!止めるぞ!!」

 

魚住、石井、仙道、植草『っしゃあ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田岡監督「フッフッフッ、(キャプテンは魚住だが、仙道が精神的な支えになり、八神がチームのムードをよくしてくれる。この3人を中心にいいチームだ。今年は行ける。)今日がそのスタートだ。お前たち、この試合20点差をつけてみろ!!」

 

コートにいる陵南選手『おおう!!』

 

赤木「20点だと!!……!?」

 

陵南にいいムードになりつつあるとき田岡監督は言ってきたが、背後から赤い髪のした人影が見え妙な殺気が放たれていた。

 

桜木「うるせーー!!」

 

田岡監督「!!」

 

桜木が田岡監督にカンチョーを決める。

 

田岡監督「ななな、何をする貴様!!おい、審判!!」

 

ピピピー~~~~っ

 

審判「テクニカルファウル赤⑩番」

 

桜木「ぬ??」ゴン「!?」

 

赤木「試合中にウロチョロするな!!バカたれが。」

 

三井「バカヤロー。」

 

宮城「湘北の恥。」

 

流川「ハァーーーーッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩子「いきなりテクニカルとられましたよあの子…」

 

木暮「桜木らしいというか…なんというか…」

 

彩子「それにしても桜木花道をスタメンで使って大丈夫何ですか?」

 

木暮「…仕方がない。俺では身長差がありすぎて一気にやられる恐れがある。」

 

彩子「…確かに…魚住202㎝、石井192㎝、仙道190㎝、八神186㎝ですもんね…」

 

木暮「今年の陵南の高さは県でも1、2を争うぞ…」

 

彩子「……桜木花道にユニフォームを渡していて正解でしたね。」

 

木暮「………そう……だな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が始まる前の湘北ミーティング

 

彩子「では先生からスターティングファイブとユニフォームを配ります。先生お願いします。」

 

安西先生「んむ。…センター赤木君ナンバー④」

 

赤木「はい。」

 

安西先生「ポイントガード宮城君ナンバー⑦、シューティングガード三井君ナンバー⑥」

 

宮城、三井「「はい。」」

 

安西先生「では次にスモールフォワード木暮君ナンバー⑤」

 

木暮「はい。」

 

安西先生「最後にパワーフォワード」

 

桜木「何!?最後!?」

 

安西「流川君ナンバー⑩」

 

とこうなるはずだったのだが…

 

桜木「…ちょ……ちょ…ちょ…ちょっと待てぇ!!オヤジ!!何でこの俺がスタメンじゃねんだ!どういうことだこれは!」

 

赤木、三井「止めんかぁ!!」

 

赤木「バカモノ!!昨日今日でバスケを始めた奴がいきなりスタメンになれるわけねぇだろ!」

 

桜木「騙したな!!」

 

赤木「何!!」

 

桜木「リバウンドを制する者は試合を制すとかいって特訓させたくせに!!」

 

赤木「バカモノ、スタメンじゃなくとも試合に出るチャンスはいくらでもあるんだ!!」

 

桜木「しょせん補欠じゃねーか!!騙しやがって!!」

 

三井「赤木、バカを相手にするな。疲れるだけだぞ。」

 

桜木「あーん!何だとミッチー!!」

 

三井「誰がミッチーだ!!」

 

赤木「そうだな。彩子、ユニフォームは配り終わったか?」

 

彩子「はい。15番まで全部。」

 

赤木「そうか。」

 

桜木「ちょ…ちょっと、俺まだもらってないんすけど…」

 

その後赤木は桜木が来ている服に16とテープで貼り…

 

赤木「これでよし!と。さぁいくぞ!!」

 

桜木「……………」プルプルプルプルプルプル

 

桜木「ふんぬーーーーーっ!!!てめえゴリ、なんだこりゃあ!!俺はスタメンだ!!背番号は3!!」

 

桜木は赤木にヘッドロックをしチョップをしながら叫んだ

 

赤木「3などないわ!!たわけ、4からだ!!」

 

木暮「ああ~~試合前だっていうのになんてこった!!メチャクチャだ!!」

 

そこで終止符を打ったのが…

 

安西先生「ホッホッホッ、桜木君。」

 

桜木「あ!?」

 

安西先生「キミは秘密兵器だからスタメンじゃないんです。」

 

桜木「!!」ピク

 

湘北部員『…………………………』シー~~~~ん

 

桜木「ひ…ひ…ひみつ兵器。」

 

安西先生「秘密兵器は温存しとかないと。」

 

桜木「温存!!はっはっはっ、なるほどオヤジの考えはわかったぜ!!」

 

安西先生「ホッホッホッ」

 

赤木、三井「手を放せ、無礼者!!」

 

桜木「じゃあユニフォームくれ、秘密兵器だからいい番号を。」

 

そう言い桜木は流川のいる方に歩き…

 

桜木「ルカワ、テメーはテープで十分だ。俺に寄越せ、ユニフォーム。」

 

流川「放せ。」

 

桜木「おらぁ、よこせルカワ!!」

 

流川「イヤだ。」

 

今度は桜木と流川が小競り合いを始めた。

 

桜木「テメーちょっとスタメンだと思っていばってやがるな!!」

 

木暮「わかった。もうやめろ桜木!!桜木は⑩番、流川は⑪番、あとは1番ずつずれてくれ。練習試合だからこれでいいだろう赤木。揉め事は沢山だ。」

 

赤木「どこまで甘いんだお前は。」

 

三井「全くだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木暮「なんてことがあったからな…」

 

彩子「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから陵南はテクニカルファウルで得たフリースロー2本を決め4対0となった。

 

続いて湘北ボール

 

宮城「よーし一本とるぞ!!」

 

ボールは宮城に渡りマークは植草。魚住は赤木、仙道は流川、石井は桜木、そして八神は三井についた。

 

三井「フッ、舐められたもんだな…俺のマークが1年坊とは…」

 

八神「…どうですかね。」

 

三井「宮城!」

 

宮城「三井さん。」

 

宮城から三井にボールが渡った。右、左とフェイクをいれ小さくシュートフェイクを入れ左から抜こうとしたが…

 

バァァァン

 

三井「何!?」

 

三井のフェイクにかからず八神がボールを奪った。

 

陵南ベンチ『オオオオ~~~~ナイススティール八神!!』

 

八神「植草さん!!」

 

八神から植草へパスが渡り宮城と流川の戻りが速いため速攻は防がれた。

 

植草「八神。」

 

植草から八神へパスが戻された。

 

今度は陵南のオフェンス、湘北のディフェンスはマンツーマン、赤木が魚住、流川は仙道、桜木は石井、宮城は植草、三井は八神についた。

 

八神「おっし、一本とるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木暮「陵南は一年の八神をポイントガードにしている。」

 

彩子「一年をチームの司令塔にするなんて…」

 

木暮「それほどの選手ということなんだろう…(頼むぞ三井。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神がドリブルをつき、前後左右にトリッキーなドリブルをし、そのままパスをだした。

 

三井「な!?」

 

それが石井へと渡った。

 

陵南ベンチ『でた~、八神のキラーパス、ゴール下通った!!』

 

桜木のマークを振り切った石井はそのままゴール狙ったが

 

バァァァン

 

石井「!?」

 

赤木がシュートブロックに飛び防いだ。

だがそのこぼれ球を仙道が拾いシュートにいこうとしたら流川がシュートブロックに飛んでいた。仙道は八神へバックパス。その八神が受け取ったと同時に石井にまたもパスをだした。

 

八神「もう一回いけえっ石井!!負けてんじゃねぇぞ!!」

 

ディフェンスの間を抜きそれが石井に通った。

 

観客『ナイスパス!!』

 

石井「うおあああ!!もらったー!!」

 

ガシャアーーーーン

 

観客『オオオオ~~~~⑩番のダンクきたーーーー!!』

 

陵南『ナイッシュー、石井!!』

 

今度はしっかりと石井がダンクを決め6対0で陵南がリード

 

魚住「よーし、ナイス石井!!」

 

仙道「さあっ、ディフェンスいこか!!」パンパン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、湘北は宮城が鋭いドリブルで植草を抜きそのまま突っ込もうとしたが、魚住がフォローに入った。その瞬間を見逃さなかった宮城が素早く赤木へのラストパス赤木はフリーでもらいそのままダンクを決めた。

 

その後も陵南と湘北はお互いに決めては決められの繰り返しで前半10分で28対22とはなされずについてきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田岡監督「う~む、やはり宮城を抑えなければ湘北の攻撃は抑えられんか…だが三井、流川にマークが割く以上どうにもならん。ゾーンにすれば三井のスリーポイントがある。ディフェンスを広げざるおえない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北の宮城がそのままレイアップをうち。それが決まり28対24となった。

 

植草「………くそ。」ハァッハァッハァッ

 

八神「植草さん、仙道さん、魚住さん、石井、ちょっと」

 

八神が全員を手で呼び出し

 

八神「次のディフェンスなんですが………………でいきましょう。」

 

魚住「おっし、それでいくぞ!!」

 

仙道「さぁオフェンス、きっちりとっていこう!!」

 

陵南スタメン『おう!!』

 

 

 

 

 

 



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練習試合前半②

陵南の攻撃八神は自らスリーポイントを決め31対24。三井はシュートには無警戒だっため難なく決められてしまった。

 

三井「くそっ、あいつスリーポイントもあるのかよ。」

 

赤木「さすがに陵南で一年からレギュラーになれるだけのことはあるな。」

 

桜木「ホレ見ろ、だからミッチーじゃとめられねぇって言ってんだろ?ゴリやはりヤガミはこの俺が(ゴォン)」

 

赤木「バカたれが。」

 

三井「身の程知らず。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の湘北の攻撃に陵南のディフェンスがマンツーからゾーンになった。

 

木暮「陵南のディフェンスがゾーンに変わった。ウチのインサイドを潰しにきたか」

 

彩子「!?いえ違います。⑨番の八神はそのまま三井先輩をマークしています。」

 

彩子の言う通り4人でゾーンを作り八神だけは三井のマークについていた。

 

木暮「これは、ボックスワン!!ウチのインサイドを防ぐと同時に三井のスリーポイントを防ぐ作戦か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城はドリブルキープしているがディフェンスがゾーンになったせいで中にうまくきり込めない。仕方なく赤木にパスを出すが、190㎝以上が3人いるためどうすることもできず三井にパスを出す。

 

しかし、マークについていた八神にパスカットされ陵南ボール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボールを奪った八神は既に走り出している植草にパスをだしその隣に仙道がしっかりフォローに走り出している。

湘北ディフェンスは宮城、流川が戻ってきて2対2。だがそのまま二人は突っ込んでいった。

 

宮城が植草についたが、植草はすぐに仙道にパスをだしマークについた流川と1対1、仙道は鋭いドリブルで流川を抜きそのままシュートにいった。その時遅れて戻ってきた桜木が仙道のシュートを止めにきた。

 

桜木「センドーはオレが倒す!!」

 

桜木はシュートブロックにいったが間に合わず仙道はシュートをうち、桜木はそのままの勢いで仙道にぶつかった。

 

ピィィィーーー     パサッ

 

審判「バスケットカウントワンスロー!!」

 

桜木「何!?」

 

審判「赤⑩番、プッシング!!」

 

陵南ベンチ『よっしゃぁーー、ナイッシュー仙道さん!!』

 

陵南ベンチ『これでフリースロー入れて10点差だ!!』

 

陵南『このまま一気に突き放せ!!』

 

観客『陵南!!陵南!!陵南!!陵南!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の仙道のフリースローを決め34対24。湘北はエース三井が八神に完璧に抑えられているため攻撃に精彩を欠き完全に陵南ペースで試合が進んでいた。

 

バァァァン

 

流川「!?」

 

流川のシュートを仙道がブロック、こぼれ球を魚住が奪いそのまま八神へパスを送った。

 

三井がマークにつき仙道があがってきたが流川がマークにいった。

 

だが流川の後ろから誰かがジャンプした。八神はそのタイミングに合わせパスを出した。パスを受け取ったのは石井。石井は空中でボールを取りそのままダンクを決めた。

 

観客『オオオオ~~~~マジか!!』

 

観客『アリウープだ!!』

 

彦一「アンビリ~バブルや!」

 

陵南ベンチ「いいぞー、石井!!」

 

陵南ベンチ「八神もナイスパスだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三井「くそっ!!」

 

赤木「大丈夫か、三井!!」

 

三井「ああ。(ちっ、認めたくはねぇがコイツかなりスゲェ。この俺がここまでやって止められねぇ奴は初めてだ。なんとかしねぇと…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北の攻撃をことごとく防ぐ陵南は着々と点を入れていった。湘北も流川の個人技などで点を決めているが反撃の意図が掴めず…

 

観客『ハイポスト入った!!』

 

八神から石井へパスが入り八神はそのまま石井のところまで走った。

 

観客『⑨番に合わせるぞっ!!』

 

ボールをもらおうとした瞬間

 

観客『いや違う、⑩番がそのままインサイドにきりこんだ!!』

 

石井が中へ切り込み、中へ切り込んできた八神にパスを出す。八神はそのままシュートにいった。

 

三井「うたすか!!」

 

赤木「ウオオオ!!」

 

そこで八神はまたもゴール下まできた石井にパスをだしシュートにいった。後ろから桜木がブロックにいった。

 

桜木「うたすか!!」

 

ガシィ 石井「うおあ!!」 ピィィィーーー

 

審判「プッシング、赤⑩番」

 

陵南ベンチ『おっしゃぁぁーー!!』『いいぞー石井!!』『これであの赤い髪はファール3つめ!!』『湘北のゴール下崩壊近いんじゃないの!?』

 

田岡監督「(あの⑩番桜木、やつはやはり素人だ!!素質はあるスピード、ジャンプ力は並みじゃない!!それは認めよう。しかしヤツは全くパワーフォワードとしての動きをしていない、メチャクチャだ!!それにヤツのリバウンドはジャンプ力にまかせてただ高く飛んでいるだけだ。ごく簡単な基礎すら出来ていない!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木暮「くそっ!!やはり桜木にはまだ無理だったか…」

 

ベンチメンバー『ああ…』シーン

 

木暮「だが交代させるわけにはいかない。桜木が抜けたら高さのバランスが崩れて一気にいかれてしまうかもしれん。」

 

彩子「今の段階でも崩れてますよ、先輩!!ここは桜木花道を一度下げてチームの流れを変えた方がいいんじゃないですか?安西先生?」

 

安西先生「………」

 

安西先生が立ち上がり

 

ピィィィーーー 審判「交代です!!」

 

木暮がコートに入り

 

木暮「桜木、交代だ!!」

 

桜木「何!?ふざけるな!!何で天才のこの俺が交代しなきゃなんねぇんだ!!おいルカワ!!お前が代われ!!」

 

流川「どあほう…」

 

赤木「いいから早くコートから出ろ、桜木!!」

 

三井「時間がねぇんだ!!さっさといけ!!」

 

宮城「退場になるぞ!!」

 

桜木「ぐぬぬぬ~~~…」

 

全員から言われても納得せず結局ベンチにいる皆で無理矢理ベンチに下がらせた。

 

桜木「オヤジー俺様の活躍ぶりを見ただろ!!考え直せ!!早く俺様を出させろ!!」

 

安西先生「まだ交代したばかりですよ、桜木君?」

 

桜木「それがどうしたってんだ?この俺が許すだから(スパァァン)!?」

 

彩子「アンタは大人しく座ってなさい!!」

 

桜木「(おのれ~~)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方陵南ベンチでも

 

田岡監督「む~、(スタミナのある植草が既にかなり消耗している。やはり宮城とのマッチアップはかなり堪えるのだろう。前半残り3分だが…後半からでもいいかもしれんが…)…竹中。」

 

ピィィィーーー 審判「交代です!!」

 

八神「…竹中、久しぶりに一緒にプレイできるな。」

 

竹中「おう、俺のスリーで更に引っ掻き回すぜ。」

 

八神「ここからは点の取り合いにいきます。⑤番にもスリーポイントがあるかもしれないからディフェンスをマンツーに戻します。竹中、大丈夫だな。」

 

竹中「任せろ!!」

 

八神「おし、じゃあいくぞ!!」

 

魚住、石井、仙道、竹中『オオオオ~~~~!!』

 

お互いのチームが交代し終えたところで試合が陵南ボールで試合が始まる。

 

 

 

点数43対28、陵南リード



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練習試合前半③

八神「よーし、1本とるぞ!!」

 

八神がボールをキープしているときに

 

赤木「(ガシィ)!?」

 

石井がスクリーンをかけ魚住がフリーになりそのタイミングを八神が逃さずパスを送り魚住はそのまま決めた。

 

魚住「よぉぉし!!」

 

八神「ナイス石井!!」

 

石井「おし、ディフェンス!!」

 

続く湘北のオフェンスを宮城のドリブルに竹中は一度抜かれたが後ろからスティール、ボールがこぼれた。こぼれたボールを木暮がとり返した。その時仙道のマークを外した流川がフリーになり木暮が流川にパス。

 

ガシャアーーーーン

 

流川がそのままダンクを決めた。

 

観客「オオオオ~~~~また流川だ!!!」

 

三井「全くお前ってやつは…」

 

流川「うすっ…」

 

田岡監督「コラァー、仙道!!お前は一体何点とられるつもりだ!!今ので14点とられとるんだぞ!!八神をみてみろ!!三井を相手に4点しかとられとらんのだぞ!!少しは見習え!!」

 

観客『おお~、陵南の監督おっかねぇなぁ…』

 

その後の陵南の攻撃、八神は右よりにポジションをとり竹中に渡した。竹中はドリブルで左側を抜きにかかり宮城はちゃんとついていくが、センターの魚住がスクリーンをかけに来ていた。そのおかげで竹中はフリー。スイッチしてきた赤木がマークにきていたが…

 

竹中「……(シュッ)」

 

赤木「!?」

 

赤木のブロックが飛ぶ前に竹中のクイックからのスリーポイントをうち、決めた。

 

観客『オオオオ~~~~スリー決めやがった!!』『しかも何だよ、メチャクチャ早かったぞ今の!!』

 

木暮「早い!!赤木がブロックに飛ぶ暇もなかった。」

 

三井「今のがマグレじゃなかったらそう簡単に止められないぞ!!」

 

赤木「とられたら取り返す!!いくぞお前ら!!」

 

 

 

 

 

 

桜木「おいオヤジ、俺の出番はまだか?ピンチだぞ。」タプタプタプタプ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城がドリブルでまたも竹中を抜きにきた。その先に八神がいた為二人でダブルチームで止めに入った。その瞬間を宮城は狙いマークを外した三井にパスが渡った。

 

八神「しまった!?」

 

三井はシュートをうちにいったので八神は急いで戻りブロックに跳んだが間に合わず

 

スパッ  

 

決められた。

 

観客『オオオオ~~~~湘北もスリーを決め返したぞ!!』

 

湘北ベンチ『さすが三井さん!!』『その調子です!!』

 

宮城「ナイッシュー、三井さん。」

 

三井「1年坊にいつまでも抑えられてたまっかよ。」

 

 

 

 

 

田岡監督「八神!!褒めた直後にスリーを決められるんじゃない!!まったく…」

 

八神「……ハハハ…」

 

仙道「あわてるこたーない。落ち着いて攻めよう。…さ…いこうか!!」

 

魚住「おーし!!」

 

石井「いくぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く陵南の攻撃は魚住の3秒オーバータイムで止められた。

 

木暮「よーし、ナイスディフェンス赤木!!」

 

赤木「ソッコー!!」

 

陵南ディフェンスは戻りきれず宮城がそのまま決めた。

 

48対35。

 

陵南の攻撃八神は仙道さんにボールを預け中に切り込んだ。マークの三井には石井がしっかりスクリーンをしてくれてマークを外した八神は仙道からのパスを受けダンクにいった。赤木がフォローしに動いたが反応が遅れ…

 

ガシャアーーーーン ピィィィーーー

 

審判「赤④番ハッキング、バスケットカウントワンスロー!!」

 

八神「っしゃああああ!!!」

 

観客『オオオオ~~~~!!』『スゲェ~~!!』『アイツまた決めやがった!!』『⑨番!!』『アイツさっきからすごくねぇか!?』

 

八神はその後のフリースローも決め51対35。

 

宮城「気持ちを切り換えろ!!一本取り返そうぜ!」

 

湘北はエース三井を八神がしっかり抑えているため攻め手にかけている。流川も仙道のマークを振り切れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北ベンチ「ん~不味いな、三井先輩はあの⑨番に抑えられて流川も仙道に抑えられてるせいで攻めの一手が足りない。」

 

桜木「そう、そうだろ!!オヤジ、ここはやはり秘密兵器の出番しかねぇ。いいな!」

 

そう言い残し桜木がコートに入ってきた。

 

ズン ズン ズン

 

桜木「さあ、ついに秘密兵器桜木の出番!おいルカワ、交代だ!!」

 

湘北ベンチメンバー『待て待て待て!!』

 

彩子「何がついによ!!交代してまだ2分しか経ってないじゃないのよ!!座ってなさい!!」『駄目だよ桜木君!!』

 

桜木「放せ~俺が出る~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃陵南は宮城のドリブルを殆ど止められなかった。去年以上にドリブルスピードに磨きがかかり、テクニックも半端じゃない。陵南の失点は宮城を止められずディフェンスを欠き乱されて失点するパターンが多い。特に宮城と赤木のコンビプレイが止められない。

 

案の定、またも宮城のドリブルで中に切り込まれ魚住が止めにはいるが

 

ピィィィーーー   パサッ

 

審判「ハッキング、白④番!!バスケットカウントワンスロー!!」

 

観客『オオオオ~~~~今度は湘北が決め返したぞ!!』『湘北も負けてねぇぞ!!』

 

陵南ベンチ『大丈夫、大丈夫!!宮城はフリースロー苦手だぞ!!』『そうだ、リバウンドしっかりとっていこう!!』

 

事実去年までの宮城のフリースローの成功率は2割程しかなかった。

 

魚住「おっし、リバウンドとるぞ!!」

 

石井「おう!!」

 

しかし、その後のフリースローもしっかり決め

51対38。

 

魚住「なっ!?」

 

宮城「いつの話をしてんだ?俺にとってもう苦手でもなんでもないんすよ!?」

 

宮城はフリースローが苦手という欠点を克服していた。これで陵南は迂闊にファールができなくなった。今出ている湘北メンバーにフリースローが苦手という選手が一人もいないからだ。

 

八神「魚住さん、フリースローが入るからといってミドルが入るとは限りません。これからはファール気をつけていきましょう!!」

 

魚住「おう!!」

 

前半も残り1分陵南ボール、後1本は確実にとりたい。そう思い竹中にボールを渡し、陵南メンバーは竹中以外全員右によっていった。

 

アイソレーション。一対一で勝負できるようにするオフェンスフォーメーションのことだ。

 

竹中のマークは宮城。竹中は宮城を抜こうとしたが宮城はちゃんとついていっているが竹中はここでバックステップ。竹中はスリーポイントをうった。クイックだったので宮城はブロックに飛ぶこともできない。それが見事に入り54対38。

 

観客『オオオオ~~~~!!』『また決めたぞ、スリーポイント!!』『しかも早すぎだって!!』『ブロック跳ぶこともできなかったぞ!!』

 

陵南ベンチ『いいぞ、いいぞ、た・け・な・か!!いいぞ、いいぞ、た・け・な・か!!』

 

田岡監督「(フッフッフッ、竹中のスリーはほぼ同時に跳んでやっとブロックできるかどうかだ。しかも竹中177㎝、宮城168㎝、この身長差では同時に跳ばなければ宮城の手は届かないだろう。しかもやつはスリーポイントだけじゃない。)」

 

スパッ

 

木暮「ナイッシュー、赤木!」

 

田岡監督が物思いに耽ってる間湘北は点を決めた。

 

赤木「さあ、この一本きっちり止めるぞ!!」

 

宮城、三井、流川、木暮『オウ!!』

 

陵南の攻撃はまたも竹中のアイソレーション。竹中はシュートフェイクをやり宮城は見事に引っ掛かりジャンプしている。竹中はドリブルで中に切り込みレイアップにいったが、赤木がシュートブロックにきた。竹中は赤木のブロックをかわしダブルクラッチリバースを決めた。

 

観客『オオ~~ダブルクラッチリバース!!』『また、⑪番だ!!』『あれでなんでベンチなんだ!!』『交代してまだ3分もたってないのにもう8点も決めてるぞ!!』『この精度はエースだろ!!』

 

田岡監督「(そうだ、奴は元々フォワードからガードになったためドリブルもインサイドもかなりの強さをもっている。アイソレーションなら味方のフォローも期待出来まい。どうですか?安西先生、何か策がありますか?)」

 

その後湘北は流川がスリーポイントを決め前半が終了した。

 

得点は56対43。陵南リード。

 

田岡監督が宣言した20点差まであと7点。

 

 

陵南の得点

仙道11点

石井16点

八神13点

竹中8点

魚住6点

植草2点

 

 

 

湘北の得点

流川17点

三井7点

赤木12点

宮城7点

桜木、木暮0点



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ハーフタイム

陵南ベンチ

 

田岡監督「1試合20点以上とる三井を前半たった7点に抑えたのは大きい。」

 

彦一「さすが八神君や!このままたのんまっせ!」

 

田岡監督「だが、それに比べて魚住、仙道!!お前たちは一体何点くれてやるつもりだ?流川に17点、赤木に12点もとられとるんだぞ!特に魚住!点はとれない、点はとられる、今年もアイツに負けるのか!?」

 

魚住「いえ!!絶対勝ちます!!」

 

田岡監督「一年坊主にこれ以上好き勝手やられたら承知せんぞ!!」

 

 

 

 

 

その頃八神と仙道は…

 

八神「仙道さん、はいポカリ。」

 

仙道「おう、サンキュー。」

 

八神「(ゴクゴク)ぷはー、さて…お!?きたきた。」

 

俺と仙道さんがポカリを飲んでいるとタイミングよく智花がきた。

 

智花「あっ、和真君。はいこれ!?」

 

智花が俺に渡してくれたのはレモンのハチミツ漬けだった。

 

八神「おおこれこれ。サンキュー智花。」

 

智花「うん///////」

 

八神「ん~~これこれ。やっぱりこれがないと。…仙道さんもどうっすか?」

 

仙道「お、サンキュー。ん~旨い。」

 

智花「それで、どう?湘北は?」

 

八神「そうだな、思ってたよりできるかな?特に⑪番流川は期待以上、俺がマークしたいぐらいだよ。マーク代わりません?仙道さん。」

 

仙道「ん、俺も結構楽しんでるんだ。その要望には答えられないな。」

 

八神「でも17点もとられるのはどうやら監督には不服みたいですよ。」

 

田岡監督『魚住、仙道!!お前たちは一体何点くれてやるつもりだ?………』ガミガミガミガミ

 

八神「ほらね?」

 

仙道「………」タラ~

 

智花「そういえば和真君、試合前に話してた桜木って人はどうだったの?」

 

智花から桜木という名前を聞いて俺は極端にテンションが下がった。

 

八神「ああ、あれね。もうどうでもいい。」

 

智花「えっ?えっ?、どういうこと?」

 

八神「今言った通りさ、期待外れもいいとこ。下手すぎる。間違いなく彼は素人だよ。智花が勝負したら間違いなく智花が勝つよ。大差をつけてね。っていうか小学生のときの智花より下手だよ。

 

というより湘北のキャプテン赤木さんに勝ったって言ってたけど間違いなく嘘だね。あの程度で勝てるなら、魚住さんだって苦労しないよ。

 

仮に本当だったとしても何本か勝負して一本決めたからそれが偶々一本入れて勝ったっとか言ってる類いだね。まぁ、本人はどうもプライドが高すぎるみたいだから認めないだろうけどな。」

 

智花「…………」

 

八神はかなりご立腹のようだ。無理もない。彦一から聞かされて今日まで桜木と対戦するのを楽しみにしていたのにその結果がこれだ。腹もたつだろう。

 

八神「まぁ、センスはあるみたいだから1年、2年後は面白いかもね。…って仙道さん食べ過ぎっすよ、俺の分も食べないでくださいよ!」

 

仙道「ん?そうか、悪い悪い。」

 

そんな雑談をしているとき…

 

田岡監督「……聞いとんのかお前たち!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリアスな空気で監督が全員に発破をかけているのに、八神と仙道だけはかなりリラックスして駄弁っていた。しかも八神の場合は彼女とイチャイチャしているおまけ付き。

 

仙道「いや、でもあの二人を止めるのはかなり難しいですよ。あの二人の存在だけでベスト8は確実にあります。」

 

八神「それに、エースの三井さんに、ガードの宮城さんでしたっけ?あの二人も加われば今年は全国は狙えるんじゃないっすかね?」

 

八神、仙道「「だから、全然恥じゃない。…ん〰️すっぺぇ」」

 

レモンを食べながら二人はそんな返答をしたが

 

田岡監督「バカモンンンン!!エース二人がそんなことでどうするか!!」

 

耳元で叫ばれたので二人は耳を塞いだ。

 

田岡監督「いいか、後半開始早々に勝負をかける。例の作戦でいくぞ!!」

 

八神と仙道以外の陵南メンバー『はい!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北ベンチ

 

宮城「…つえーよ。アイツら。」

 

赤木「ああ、特にあの⑨番八神。」

 

木暮「…ああ、ノーモーションからのパス、トリッキーなドリブル、さらにスリーポイントまである。」

 

彩子「それだけじゃありません。何より視野の広さやフリーの仲間を見つけるタイミングが半端じゃありません。とてもつい最近まで中学生とは思えません。」

 

桜木「だから言っただろう。やはり俺が出るしかねぇ!!オヤジ選手交代だ!!この俺を出せ!!」タプタプタプタプ

 

赤木、三井「「やめんか!!」」

 

三井「フーッ、だが赤木アイツだけじゃねぇ他の二人、⑩番と⑪番もどうにかしねぇと。」

 

赤木「ああ分かってる。だが3人に気をとられれば魚住、仙道が動く。このままいくしかない。」

 

湘北メンバー『…………………』

 

湘北メンバーは沈黙した。無理もない。今年の陵南の主力は魚住、仙道この二人を抑えればなんとかなると思っていた。そして去年は魚住を赤木が完全に抑えていた。実質、要注意なのは仙道だけだと思っていた。

 

対して湘北は赤木、流川、三井この三人がとことん点をとってくれる。如何に魚住、仙道でも三人を抑えるのは不可能だ。

 

『今年は陵南に勝てる』

 

そう思っていた。

 

 

だが実際ここまで陵南に13点のリードを赦してしまっている。しかもここまで陵南を引っ張っていったのは誰がどう見ても1年の3人、八神と石井、そして竹中だ。

 

八神は完璧なゲームメイクとパスをしながら自らも点を決めている。ディフェンスでもエース三井を前半7点に抑えられたのはでかい。それが13点差をつけられている一番の理由だろう。

 

石井は魚住と共に陵南のゴール下を守っている、いや、魚住以上に守っているといっても過言ではない。宮城や流川がゴール下に攻めてくるときシュートブロックで防いでいたのはこの男だ。前半だけで既に3度も防がれている。ディフェンスだけでもそれだけ活躍しているのに、陵南で前半一番点を決めているのは彼だ。

 

このルーキーコンビだけでも要注意なのだが、前半ラスト3分で交代してきた竹中も要注意だ。陵南がアイソレーションをしてまで信頼している選手。ブロックに跳ぶ暇を与えない超早スリーポイント。それを警戒してディフェンスが間合いを詰めると接近したディフェンスを今度はドリブルで抜いてしまう。そのドリブルも生粋の点取り屋ともいうように鋭い。

 

この3人のせいでリードされてるといってもいい。

 

赤木「とにかく宮城、あの⑪番のスリーポイントだけはなんとしてでも止めろ。これ以上突き放されるわけにはいかん。」

 

宮城「…分かってます…」

 

赤木「それから三井、後半は俺がスクリーンをかけてお前をフリーにする。決めろよ、スリーポイント。」

 

三井「フン、そういうのはできてから言いな。」

 

赤木「木暮、向こうがまだマンツーならできるだけ外に行き⑩番を外に締め出すんだ。」

 

木暮「ああ、分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピィィィーーー  審判「後半始めます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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練習試合後半①

後半が始まり湘北ボールから始まった。陵南のディフェンスは前半と同じマンツー。湘北のエース三井には八神がついている。

 

開始早々湘北は赤木が八神にスクリーンをかけてきて三井がノーマークになりスリーポイントを決めてきた。

 

湘北ベンチ「やったぁ。さすが三井さん!!」

 

湘北ベンチ「本領発揮スリーポイント!!」

 

湘北ベンチ「これで10点差だ!!」

 

赤木「さあ、ここからだ!!ディフェンス止めるぞ!!」

 

宮城、三井、木暮『オオ~~!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く陵南ボール。前半のラスト同様アイソレーションで来るかと思いきや、今度は普通に攻めてきた。

 

陵南ベンチ「八神のペネトレイト!!」

 

八神のドリブルに三井はついてきているがクロスオーバーで逆をつかれ抜いた。赤木がフォローに入りシュートができず魚住へパス。

 

陵南ベンチ『通った!!』『ノーマークだ!!』

 

パァン

 

魚住「!?」

 

魚住はパスをもらった瞬間宮城からスティールを受けボールをとられそうになるが、そのこぼれたボールを竹中がフォロー。シュート体制に入るが三井がシュートブロックにいっていた。竹中はすかさずパス。そこにははいポストに来ていた石井に渡った。石井へのマークは木暮。完全にミスマッチだ。右には仙道が走り込んでいる。

 

仙道「石井!!」

 

その声につられ流川は仙道を警戒。その隙を逃さず石井はドリブルで左側を抜いてきたため流川はヘルプに行けず

 

石井「おおおおおおお!!」

 

ガシャァァァン!!

 

観客『オオオオ~~~~!!』『また⑩番のダンクだ!!』『さっきからスゲェ目立ってるなアイツ!!』

 

彦一「すごい!すごいで~石井君!!これでチーム19点目や!!」

 

陵南ベンチ「これが高校での初試合とは思えんな。」

 

田岡監督「(フッフッフッ、いいぞ石井。だが後半のウチは前半とは違う。後半4分で30点差をつけさせてもらう)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三井「ドンマイドンマイ!取り返すぞ!!」

 

宮城「OK。」

 

宮城にボールが渡った。すると……

 

三井「あ!?宮城!!」

 

宮城「?」

 

 

仙道と八神がダブルチームをかけてきた。

 

湘北ベンチ『プレス!!』

 

陵南は後半開始早々ゾーンプレスを仕掛けてきた。

 

 

 

田岡監督「仙道と八神のダブルチームを抜くのはおそらく海南の牧にも不可能の筈だ。抜くこともパスすることも出来まい。さらに…」

 

パァン

 

仙道「ナイス八神。」

 

八神が宮城からスティール、ボールを奪った。

 

田岡監督「八神のボール奪取率はチーム1だ。」

 

八神はそのままシュートをうちにいった。三井がブロックに跳んだが届かずシュートを決める。

 

これで60対46。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も陵南は手を緩めず宮城がどこにパスしてもカットされ、ドリブルをするにしても考える隙を与えない仙道と八神のディフェンスは宮城の冷静さを奪っていった。

 

そして、後半が始まって早くも2分…

 

 

スパッ

 

観客『オオオオ~~~~今度は竹中のスリーだ!!』『無理もねぇって後半始まってから今までずっと仙道と八神だけで決めてきたんだ。止められっこねぇ!!』『だがこれで69対46!!』

 

 

ピィィィーーー 審判「チャージトタイムアウト湘北!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北ベンチ

 

赤木、三井、宮城、流川、木暮『ハァッハァッハァッハァッハァッハァッハァッハァっ』

 

湘北ベンチメンバー『………………』

 

湘北ベンチは完全にお通夜のようなムードだ。無理もない。最初は三井のスリーポイントで後半はいけると思いきやふたを開ければそれ以降湘北はハーフコートも突破できず陵南に点を決められている。10点差だったのが、たった2分で23点差をつけられ陵南田岡監督が宣言した20点差を既に越えている。

 

宮城「…あの…八神ってやつの…ディフェンス…半端じゃないです。…こっちが冷静に対処したくても…考える隙を与えてくれない。」

 

三井「…おまけに…仙道との…ダブルチームだからな…だが、パスコースも…全部塞がれている。…1人で…突破するしかないんじゃないか?」

 

木暮「俺が安田と代わってボール運びを3人にしないか?とにかくプレスを突破しないと話にならない。」

 

皆で色々思案してみているがこれといっていい方法が思い付かなかった。そんな時…

 

安西「赤木君。」

 

赤木「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陵南ベンチ

 

田岡監督「よーし!!いい感じだ。湘北は全くついてこれてないぞ。このままペースでいけば何の問題もない。」

 

彦一「ナイスディフェンスです。八神君、仙道さん。」

 

魚住「よ~しこの勢いで湘北を倒す!!」

 

陵南メンバー『『『オオオオ!!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピィィィーーー 審判「始めます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半が始まり湘北ボール。23点のリードをしている陵南だが、全く手を緩める気はないらしい。三井がボールを出し宮城にボールが渡るとすかさず仙道、八神のダブルチーム。プレッシャーをかけボールを奪おうとするが宮城が真横にドリブルをし八神がついていこうとしたら、赤木が現れてスクリーンをかけてきた。

 

八神「!?しまった!!」

 

いきなりのことで対処が遅れて宮城はその一瞬の隙を逃さず八神を抜いた。その後竹中が素早くフォローしたが三井がノーマークになりパスを送った。

 

そこで三井はスリーポイントを決めた。

 

湘北ベンチ「やったぁ、三井さん!!」「スリーポイント!!」「これで20点差だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「ちっ、ミスっちまった。まさかスクリーンをかけてくるとは。」

 

仙道「ドンマイ、次気を付けていこう!!」

 

八神「はい。(しかしこれで三井さんは連続でスリーポイントを決めてきた。調子にのらせるとマズイな…)」

 

シューターは決めてくると調子がよくなる傾向があるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガン

 

???『リバウンド!!』

 

石井がリバウンドをとった。

 

彦一「石井君、ナイスリバウンドや!!」

 

八神「そのままターンしてシュートだ!!石井。」

 

石井は素早くシュートを放ち決めた。

 

陵南ベンチ『きたーー!!』『ナイッシュー!!石井。』

 

パン

 

八神と石井がタッチし

 

八神「いいぞ!!石井は思いっきり攻めてるときが一番怖いんだ。ガンガン攻めろ。」

 

石井「っしゃあディフェンス!!」

 

陵南はまたもプレスをかけ宮城にダブルチームをしかけた。すると先程同様赤木がスクリーンをかけてきた。それに気づいた八神は宮城が動く前にファイトオーバーディフェンスを赤木のスクリーンをかわした。

 

赤木、宮城「「!?」」

 

逆にファイトオーバーディフェンスをしたため間合いを詰め宮城が同様している一瞬の隙を逃さず八神はボールを奪った。ボールを奪った八神は仙道へパス。仙道はシュートをうとうとしたが赤木がブロックに跳んでいた。仙道は八神にパス。シュートをしにいったら今度は宮城がブロックに跳んでいた。

 

ぐしゃっ ピィィィーーー パサッ

 

審判「バスケットカウントワンスロー!!赤⑦番プッシング!!」

 

八神「っしゃあ!!」

 

観客『オオオオ~~~~!!』『バスカンきたーー!!』『これで22点差!!』

 

魚住「よーし!!」

 

仙道「ナイス、八神。」

 

八神「うっす、仙道さん。」

 

八神はボーナススローを決め74対49。

 

陵南はまたもダブルチーム。今度は赤木がファイトオーバーディフェンスを出来ないように手渡しで宮城にボールを渡した。

 

八神「仙道さんスライドです!!」

 

仙道「わかった!!」

 

今度は八神と仙道はスライドで赤木のスクリーンをかわした。

 

赤木、宮城「「!?」」

 

その直後、八神はまたも宮城からスティール、ボールを奪った。それを察知したのか。三井が素早くフォローに入り今度は三井と宮城のダブルチームで八神を止めに来た。

 

陵南ベンチ『ダブルチームだ!!』『八神!!』

 

だが八神は冷静にパスを出した。

 

三井、宮城「「!?」」

 

パスを出した先には竹中。竹中が得意のスリーポイントを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城「おっ!?」

 

陵南はゾーンプレスを止めマンツーに戻した。

 

???「やっとあのすごいディフェンスやめてくれたよ。」

 

???「追い上げだ!!」

 

桜木「っとくればやはりここは秘密兵器の出番。おいルカワ交代だ!!」

 

湘北ベンチ『まてまてまて!!』

 

彩子「黙って座ってなさい!!」

 

???「ダメだよ、桜木君!!」

 

桜木はコートに入ろうとするがベンチメンバーに抑えられてベンチに連れてかれた。

 

???「ハハハハ花道またダダ捏ねてるよ。花道がでたってどうにもならねぇに決まってんのによ。」

 

???「ああ、あの陵南の⑨番はスゴすぎるぜ。」

 

???「負けず嫌いだからなあいつは…味方がこれだけやられちゃ黙って見てられないんだろ。」

 

???「喧嘩と同じくらいに考え点じゃねぇか?」

 

???「きっとそうだ。」

 

???『ハハハハ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半残り15分、77対49。28点差。

 

陵南は八神と石井、そして竹中の1年3人をベンチに下げた。

 

 

 

 

 

 

 



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練習試合後半②

後半残り9分。82対67。

 

赤木「うおお!!」

 

パサッ

 

三井「おっしゃあ!!ナイス赤木!!」

 

魚住「くそっ…」

 

観客『これで13点差だ!!』『一次は28点差だったんだぞ!!』『どうした陵南!!』

 

ピィィィーーー 審判「チャージドタイムアウト陵南!!」

 

遂に田岡監督から笑みが消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田岡監督「何をやっとるかお前ら!!20点差空けろと言った筈だ!!八神達が抜けてからなんだ?この体たらくは!!やる気あるのか!?1年の力を借りんと何も出来んのか!?恥を知れ!!特に池上!越野!植草!お前達が出てから15点も縮まったんだぞ!!このままだと逆転されるぞ!!」

 

池上、越野、植草『は、はい!!』

 

田岡監督「魚住!!お前もだ。今お前いくつファールやってるか分かってるか?3つだ。後2つで退場だぞ!!分かっているか!!」

 

魚住「はい!!分かっています。」

 

田岡監督「このままではウチはベンチが弱いと言われてしまうぞ。お前たちの力で20点差にしてみろ、いいな!!」

 

魚住、池上、越野、植草『はい!!』

 

魚住「おっし、もっとチェック厳しくいくぞ。池上、越野、植草はスタミナは有り余ってるな、ビシビシ当たれ。多少のファールは仕方ない。あと…ん?」

 

越野「あ!?」

 

池上「ああ!?」

 

魚住が田岡監督の後ろに何かいると気付き見てみると桜木が聞き耳をたてて聞いていた。

 

越野「スパイだ!!敵のスパイだ!!」

 

田岡監督「貴様!!」

 

魚住「またお前か…」

 

桜木「………!!バレたか。はっはっは」

 

観念した桜木は立ち上がり堂々と出てきた。

 

越野「おい!!ふざけるなよお前!!どういうつもりだ!!」

 

これまでの桜木の言動や行動に遂に越野がキレ桜木の胸ぐらを掴んだ。その背後にいる何人かもかなりご立腹のようだ。

 

桜木「ぬ?」

 

田岡監督「越野!!」

 

越野「いくら練習試合でもこっちにとっちゃ今年最初の大事な試合なんだ。さっきからウロチョロしやがって…やる気がないなら帰りやがれ!!」

 

桜木「やる気がねぇだと?」ピク

 

ザワザワザワ………

 

桜木「小僧…この…やる気が有り余ってるなうずうずしてるが秘密兵器だから我慢している俺に…やる気がねぇだと?」

 

彦一「ああ…あかん…!!桜木さん、越野さんやめなはれ!!」

 

険悪なムードになってきたため彦一が間に入って止めようとしたが…

 

桜木「どけサル!!」

 

彦一は桜木に投げられた。

 

桜木「上等だ、やる気がねぇかどうかみせてやらあ…」

 

越野「なんだと。」

 

田岡監督「おいっやめろこら!!」

 

桜木「うるせージジイ。」

 

田岡監督「なに…?」

 

桜木「補欠を3人も出しやがって、湘北はゴリやルカワやミッチーだけじゃねぇんだ。舐めてんじゃねぇぞクソジジイ。」

 

魚住「てめぇ…なんて口の聞き方だ!!」

 

越野「先生に向かって少しは礼儀をわきまえろ!!」

 

池上「それでもスポーツマンか!!変な頭しやがって!!」

 

タイムアウト中に桜木が陵南ベンチに現れて色々揉めている。八神は少し離れたところで見ている。

 

八神「…あーイライラする。タイムアウト中に敵のベンチに来て邪魔するなんてルールもまともに守れねぇのか。さっきは堂々と勝手にコートに入ってくるしよ。」

 

八神は前半で既に桜木のプレイに対して失望していたのに今度はルールも守れないと来てる。八神の桜木に対する評価は最悪だ。そんな八神の心情を知らず桜木が近づいてきた。

 

桜木「何か言ったかヤガミ…てめぇも俺が倒してやるから覚悟しておけ!」

 

八神「あー、何か雑音がきこえるなぁ!」

 

桜木「あ!?」

 

八神「……………」

 

桜木「……………」

 

ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズン ズンズン ズン

 

八神「?(なんだ?この巨大な何かが近づいてくるような音は?)」

 

ズン ズン ズン ズン ズン ズン

 

桜木の背後に巨大な何かが現れた。その正体は…

 

赤木「バカたれが!!」ゴツン

 

鬼の形相をした赤木であった。

 

八神「………………」タラ~

 

赤木が桜木の頭に拳骨をやったと同時に

 

木暮「さあ今だ!!皆でとりおさえろ!!」

 

湘北部員『はい!!』

 

湘北は全員で桜木を取り押さえた。

 

桜木「コラァてめぇら!!なにをする!!」

 

赤木「大変失礼しました。どうかお許しを。

 

赤木は田岡監督に頭をさげて謝罪した。

 

田岡監督「うむ…まあいいが…赤木君、あの男は辞めさせたほうが部のためだと思うぞ!!」

 

赤木「はあ…」タラ~

 

田岡監督「さあ!!試合再開だ審判!!」

 

 

 

 

仙道「辞めさせるわけねーさ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合再開後は差は縮まらなかった。点はとってはとられの繰り返しで後半残り5分となった。

 

そこでアクシデントが起きた。

 

ピィィィーーー 審判「オフェンスチャージング白④番!!」

 

魚住「!!」

 

湘北ベンチ『よーしやった!!』『これで4つ目のファールだ!!』

 

湘北メンバー『あ…!?』

 

赤木の右目の上辺りが切れて出血していた。

 

湘北メンバー『赤木さん…!!』『魚住の肘があたったんだ!!』

 

魚住「………………」

 

審判「レフェリータイム!!」

 

 

 

 

彩子「赤木先輩!!」

 

赤木「大騒ぎするな。大したことねえ。」

 

田岡監督「大丈夫か赤木君!!おい誰か医務室に案内しろ!!」

 

赤木「あ、大丈夫です。田岡先生」

 

魚住「お…おい赤木…」

 

赤木「気にするな、すぐ戻るさ。」

 

魚住「……………」

 

湘北メンバー「しかし大変なことになったな…」「大黒柱の赤木さんが抜けちまったら…せっかくここまで追い付いてきたのに…」「いったい誰が代わりのセンターを務めるんだ…?」

 

赤木が医務室に向かう途中

 

赤木「ちょっと待ってくれ」

 

赤木が桜木の方を向き

 

赤木「桜木…」

 

桜木「!!」

 

赤木「代わりはお前だ」

 

桜木「………!!お…おうよ!!」

 

審判「それじや残り時間5分から…試合再開します!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤木がいなくなったことで陵南はさらに点差を開くためにインサイド主体に攻めていった。赤木がいない今湘北のゴール下は絶望的だ。だが仙道以外のコートにいる連中が桜木を嘗めてるのか、魚住にパスを出しても桜木にあっさりカットされ、ボールをもらっても魚住は強引なシュートばかりで桜木にブロックされてしまう。

 

桜木は確かにバスケは素人だが身体能力は並外れている。それ故簡単なパスやシュートは防げてしまう。

 

陵南メンバーはそれに気づいていない。気づいているのは八神、仙道、そして前半マッチアップしていた石井くらいだろう。

 

そしてディフェンスでも桜木の予測できない動きに惑わされ木暮が連続でゴールを決められ…

 

観客『うわああ!!また木暮だ!!』『これで88対81!!』『これで7点差!!』『一次は28点差だったんだぞ!!』『残り時間は4分、まだわかんねぇぞ!!』『完全に湘北ペースだ!!』

 

桜木「はっはっは、俺の力だ!!全て!!」

 

???『おお、完全にのぼせあがってんぞ!!』『もはや有頂天だ!!』

 

 

 

田岡監督「(くっ、まさかこんな展開になろうとは…今出ているメンバーだけでも十分だと思っていたが、まさか湘北がここまでやるとは…「秘密兵器なんや!!さすがや!!要チェックや!!ワイのいってた通りや!!」…こいつはうるせーし…やはり八神達を出すか?)」

 

魚住「慌てる必要はない。まだ逆転されたわけじゃない!!じっくり攻めていけばいいんだ!!」

 

陵南メンバー「おう!!」

 

桜木「はっはっはバカめ!!この天才桜木が出てきたからにはもう逆転されたも同然!!さあこいや!!」

 

観客『頑張れ陵南!!』『仙道さん頑張って!!』『魚住~!!』

 

 

 

 

彩子「陵南のエース仙道がここまで20点。残り4分でこの得点なら仙道としては少ない方だわ。流川はよく抑えてる。信じられないくらいよ。」

 

湘北ベンチ「去年は仙道一人に36点とられてるからな。」「さ…36点!!」「流川…俺達と同じ一年なのに…俺だったらもう80点くらいとられてるぜ!!」「あたりめーだ。」「頑張れ~流川君!!」

 

流川「!!」

 

仙道がドリブルで抜きシュートを決めた後流川が倒れた。どうやら足をつったようだ。

 

審判「交代しますか?」

 

木暮「いや、ちょっと待って…」

 

桜木「どけいメガネ君!!足がつっただと!?情けねー!!そんなのはこうすりゃいいんだ!!とう!!」

 

桜木が流川の足に蹴りを入れる。

 

宮城「止めろ花道!!」

 

木暮「お前は出たばかりだから元気だろうが流川はずっと仙道をマークしてきて相当疲れてるんだ!!

 

桜木「うるせー!!湘北の看板を背負う男として許せん!!」

 

三井「いつお前が湘北の看板背負ったんだ…」

 

桜木「おいオヤジ交代だ!!流川はバテバテ…」

 

桜木が後ろから蹴られた。

 

桜木「ぬ…?」

 

流川「誰がバテてるって?」

 

桜木「オメーだオメー!!」

 

流川「うるせーちょっとつまずいただけだ。交代はなし試合再開、」

 

田岡監督「なに?」

 

桜木「けつ!!俺の足をひっぱりやがったらすぐ交代さすぞ!!」

 

流川「オメーこそ恥をかく前に早く代われよ。どあほう」

 

桜木「ほざけ、この天才に向かって!!」

 

流川「いってろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「仙道さん、魚住さん!!慌てる必要はありません。相手には赤木さんがいないんですよ!!つまりリバウンドをとれる選手がいないんです。シュートをどんどん積極的にうっていきましょう!!」

 

魚住「!!そうか、よしお前らどんどんシュートをうっていけ!!外れても俺がリバウンドをとってやる!!」

 

陵南メンバー「おお!!」

 

 

 

 

 

 

 



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練習試合後半③

後半残り4分、90対81。湘北ボール。

この試合は宮城のドリブルが特に冴え渡るが流石に試合終盤ではこれまでのようなキレがなくディフェンスもついていっている。

 

宮城「ちっ!!」

 

他にも三井には陵南一のディフェンス力のある池上が交代で入ってきたため体力は十分、流川は体力がつきかけている上にマークは陵南のエース仙道がついているため八方塞がり。

 

本来なら宮城がドリブルでディフェンスを切り崩し赤木へとパスして決めるというのが湘北の必勝パターン。だがその赤木は今いない。

 

桜木「リョーちんパスくれ!!パス!!」

 

宮城「もっと中だ!中にはいれ花道!」

 

他に攻撃手段がないため桜木にパスを出すが相手のマークは魚住。

 

桜木「くらえボス猿!!天才による庶民シュー!!」

 

バチン

 

魚住が桜木のシュートをブロックした。

 

桜木「ああ!!」

 

こぼれたボールを越野が奪い陵南ボールかと思いきや、宮城がスティール、ボールを奪い開始その一瞬の隙を逃さず宮城がゴール下へ走っていた流川へパス。

 

宮城「決めろ流川!!」

 

魚住「うおおおお!!」

 

田岡監督「よせ!!魚住!!」

 

ガシャァァァァン ピィィィィーーーー 審判「ファール白④番、バスケットカウントワンスロー!!」

 

流川がダンクを決めた。

 

観客『オオオオ~~~~』『また決めたぞ⑪番!!』『あれで本当にまだ1年なのか!!』『これで7点差だ!!』

 

しかもそれだけではなく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魚住、5ファール退場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田岡監督「くっ、あのバカ者が…石井、準備しろ!!」

 

石井「うっす。」

 

八神「監督、俺も出ていいっすか?」

 

田岡監督「何?」

 

八神「ラスト4分、アイツとやってみたいっす。」

 

八神は流川に視線を向けた。

 

八神「誰が本当のナンバーワンルーキーなのか教えてやりますよ。」

 

田岡監督「…いいだろう。お前は流川、仙道は三井につかせろ。」

 

八神「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピィィィィーーーー 審判「メンバーチェンジ、陵南。」

 

観客『八神だ!!』『それに石井もだ!!』『また、あの二人が出てきた!!』

 

湘北ベンチ『あの⑨番八神がまた出てきた。』『せっかく追い上げムードなのに。』『でもキャプテンの魚住が退場したんだ、流れはこっちに来てるはず。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「仙道さん、残り4分流川には俺がつきますね。」

 

仙道「何?」

 

八神「どっちが上か残り4分で分からせてやります。」

 

仙道「フッ、なるほど…」

 

八神「越野さん、そういうわけで俺がフォワードに仙道さんがガードになります。ボール運びは仙道さんとお願いします。どんどんボール回してください」

 

越野「おう!」

 

八神は忘れがちだが二年前まで点取り屋のフォワードだった。それがアメリカに行きガードに転向したのだ。だから未だにフォワードの動きは出来る。

 

仙道も2年になり1年のときと比べ、ゲームメイク、視野の広さ、そしてパスセンス、ポイントガードに必要な要素を兼ね備えている。

 

この二人は似た者同士なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、流川はボーナススローを決め90対84。6点差になった。そして陵南ボール。八神のマークは三井。

 

三井「お前、ガードじゃないのか?」

 

八神「…フッ…」

 

八神は越野からボールをもらい、ドリブルを始めた。右に抜こうとしたが三井はしっかりついてきている、だが次の緩急をつかれたクロスオーバードリブルで完全に逆をつかれた。そして八神のストップ&ジャンプシュート。

 

三井「!?」

 

三井は八神の動きについていけずフリーでうたせてしまい決められた。

 

仙道「ナイス八神。」

 

八神「うっす。」

 

陵南ベンチ『いいぞいいぞ八神!!いいぞいいぞ八神!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の湘北の攻撃に陵南のマークが代わった。三井に仙道、流川に八神、宮城に越野、木暮に池上がついたのだ。

 

流川はボールをもらい八神と目線があった。

 

流川「…………」

 

八神「残り時間で俺とお前の実力差を見せつけてやる。」

 

八神はスティールをし流川からボールを奪った。

 

八神はそのままワンマン速攻を決め、94対84。

 

 

 

 

その後の湘北の攻撃宮城がパスを出したボールを八神がカットした。流川はディフェンスに切り替え八神を止めようとしたが、八神にドリブルで抜かれてしまった。

 

桜木「コラー流川!!抜かすなバカ者!!」

 

流川「ちっ。」

 

流川を抜いた八神は桜木と一対一となった。

 

桜木「ヤガミ…テメーは俺が倒す!!」

 

だが何の苦もなく八神は桜木を抜き八神はフリー。

 

八神はジャンプし、体を反転そのままダンクをした。

 

観客『オオオオ~~~~』『何だよ今の!!』『バックダンク!!』『本当にこの前まで中学生だったのか?アイツ!!』『アイツは高校生じゃね~!!』

 

彦一「アンビリ〰️バブルや!」

 

 

 

 

八神「お前たちじゃ俺には勝てねぇぜ。」

 

桜木「あんだと!!この天才に向かってえらそうに。」

 

流川「………………」ゴオオオオオ

 

 

 

 

 

ピィィィィーーーー 審判「メンバーチェンジ湘北!!」

 

桜木「ぬ?」

 

木暮「あれは?」

 

三井「赤木!!」

 

宮城「ダンナ!!」

 

???『おおおっ湘北の怪物が帰ってきたぞ!!ゴリ復活!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴーリ!!ゴ…』ゴンゴンゴンゴン

 

赤木「やめんか。」

 

後半ラスト3分なんとケガで離脱していた赤木が帰ってきた。交代されたのは流川。バテバテでは仕方がない。

 

流川が抜けたため仙道には三井、八神には桜木がついた。だが陵南も魚住がいないため赤木には石井がついた。その赤木が交代早々点を決める。だが陵南も八神にボールを回し

 

桜木「フッフッフッ、覚えてるかヤガミ!!テメーは俺が倒す!!」

 

八神は桜木を簡単に抜き去りシュートを決める。

 

ここから先は八神と赤木が一歩も譲らずゴールを決めていった。

 

残り時間2分となり湘北は木暮に代わり、流川を入れてきた。

 

陵南ベンチ「流川だ!!」「流川」「流川君や!!」「流川が出てきた!!」

 

湘北の安西先生が立ち上がった。

 

安西先生「流川君。桜木君。」チョイチョイ

 

桜木「ぬ!?」

 

流川「!!」

 

安西先生が二人を呼び出し何か指示を出していた。何か騒いでいたがすぐにコートに戻ってきた。

 

田岡監督「(一体あの二人にどんな作戦を…読め~ん!!全っっ然読めん!!)」

 

越野「八神!!」

 

八神「おう!!」

 

越野からのパスを八神が受け取った。すると

 

マークが三井ではなく流川、桜木のダブルチームになっていた。

 

田岡監督「ダブルチーム!!八神封じか!!」

 

桜木「俺の足を引っ張るんじゃねーぞルカワ!!」

 

流川「よそ見してんじゃねぇ初心者!!」

 

八神「…………フッ、おもしれえっ!!」

 

八神はドリブルで抜こうとした。だがダブルチームでは簡単には抜けない。

 

そこでフリーになった越野がフォローに来た。

 

越野「八神!!」

 

八神「!フーッ…」

 

桜木「フーッ…」

 

八神は桜木の一瞬の隙をつき抜いた。赤木がフォローに入ったが、すかさず石井へパス。石井がそのまま決めた。

 

八神「おーし!!」

 

 

 

流川「気を抜きやがってどあほうが。」

 

桜木「ぬ!!なんだと!!」

 

流川「どう考えてもこの作戦は失敗だ。こんなどあほうとコンビとは…」

 

桜木「うるせールカワ!!テメーこそさっきまでセンドーにやられてバテバテで泣いてたくせにえらそーに!!」

 

八神「さあ、かかってこい。まぁ無駄だろうけどな。」

 

桜木、流川「………」ギロ

 

桜木「上等だヤガミてめえ!!!俺が倒すつったら倒す!!!」

 

流川「上等だ。」

 

八神「フッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北ボールになったが、湘北の必勝パターンである宮城のドリブルから赤木へのキラーパスが通りゴールを決めた。

 

田岡「(…やはり魚住がいなくなってせいで石井一人では湘北のゴール下の攻撃をとめられん。やはりゾーンにすべきではないのか?)」

 

赤木「さあ、この一本止めるぞ!!」

 

残り1分ちょい、104対94。

残り時間を考えれば湘北が逆転するのは不可能だろう。だが陵南も宣言した20点差にするのは不可能だろう。ならば最後の攻めを任されるのはエースとしての使命。

 

陵南は仙道ではなく、八神にボールを渡された。

 

八神「さぁて、いくぜ!!」

 

八神のこの試合で一番の鋭いドリブルを見せ桜木が抜かれた。そのあとを流川が追い、八神がシュートに入り、流川とフォローに入った赤木がブロックに跳ぶが届かなかった。八神はシュートをうったが、抜いたはずの桜木がブロックに跳び八神のシュートをとめた。

 

八神「なっ!?」

 

流川、赤木「!!」

 

会場全体『『『オオオオ~~~~、止めたーっ!!』』』

 

陵南ベンチ「八神がブロックされた!!」「信じられねえっ!!あの打点の高いシュートをっ!!」

 

彦一「アンビリ〰️バブルや!!ヒー・イズ・アンビリ〰️バブル!!!」

 

湘北ベンチ「おおおお、信じられん!!あの初心者花道が天才を止めた!!」「あの単純王が!!」「あの万年フラれ男が!!」「スゴイスゴイスゴイスゴイ桜木君!!」

 

こぼれたボールを桜木がとった。

 

桜木「とり!!ハッハッハッみたか天才の実力!!俺の勝ちだヤガミ!!」

 

八神「あめー!!」

 

八神が桜木のドリブルをカットした。だが桜木がまたも拾った。

 

桜木「ぬおっ!!」

 

八神「この程度で俺に勝てると思うな!」

 

八神のディフェンスで桜木は徐々に追い込まれていった。

 

???「うしろ!!パス!!」

 

桜木「フン!…ハッ!」

 

桜木は後ろへパスを出した。ボールをもらったのは…

 

桜木「ルカワ!!!」

 

流川はそのままシュートをうった。

 

 

スパッ

 

 

観客「決まった~!!スリーポイント!!」「これで7点差だ!!」

 

残り時間1分を切り現在104対97。

 

この流川のスリーポイントで一気に湘北に流れが変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「……………」ゴオオオオオ

 

自分のシュートをブロックされ、ボールを奪えなかったことによりかなりプライドを傷つけられた男がいることを誰も知らない。




諸事情のため次の話からペースを下げます。よろしくお願いします。


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練習試合後半④

残り時間1分、104対97。

 

流川のスリーポイントで湘北はいいムードになっていた。

 

湘北ベンチ「いいぞ流川!!」「このまま終わる湘北じゃないぞ!!」「ディフェンス!!あたれあたれ!!」

 

 

 

八神「越野さん、仙道さん、ボール回してください。」

 

越野「?おう!」

 

仙道「………………」

 

陵南の攻撃、越野はすかさず八神に渡した。流川、桜木はあたりを強くしてボールを奪おうとするが奪うことができない。

 

桜木「くそっ!!」

 

流川「…………………」

 

八神「お前たちにいいことを教えてやる。」

 

流川、桜木「?」

 

八神「ダブルチームはかけ算。いかに優秀な相方がいたところで0が一人いると…」

 

八神の今日一番の鋭いドリブルで桜木の横を抜いていった。

 

八神「0になる。」

 

そのまま八神はジャンプをし赤木がブロックに跳んでいる。しかし八神のジャンプはその上をいっていた。

 

赤木「くっ!!(高い!)」

 

ガシャァァァァン

 

ピィィィィーーーー 審判「赤④番ハッキング バスケットカウントワンスロー」

 

陵南ベンチ「よーし!!」「ナイッシュー八神!!」「いいぞいいぞ八神!!いいぞいいぞ八神!!」

 

八神はボーナススローも決め107対97。

 

湘北はまたも宮城のドリブル突破を図ろうとしたが途中池上がカバーに入り宮城は抜くことができない。宮城は流川へパスをだし、マークは八神。流川はドリブルで八神を抜きシュートにいったが…

 

バァン!!

 

流川「!!」

 

八神が追い付きシュートブロック。こぼれ球を仙道が拾い

 

仙道「ソッコー!!」

 

仙道から越野へボールがわたった。湘北は宮城がいち早く戻りソッコーを食い止めたが走っていた八神へパス。八神はシュートへいき、マークしていた流川もブロックへ跳んでいたが間に合わず

 

ガシャァァァァン

 

八神がダンクを決めた。

 

観客「オオオオ~~~~!!」「これで2本連続!!」「アイツ後半に入ってからメチャメチャ入れてるぞ!!」「スゲー!!」

 

彦一「アンビリーバブルや!!」

 

田岡監督「(おそらく、あの⑩番桜木に自分のシュートをブロックされたことが気にさわったんだろう。アイツは普段は少し残念な性格だが、バスケットに関しては誰よりも貪欲で、厳しく、負けず嫌いだからな。プライドをへし折る気だろう。…叩き潰されているのは流川だが…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「どうした?もう終わりかい?」

 

流川「まだだ…。」

 

流川が一つフェイクを入れるが

 

パァン!!

 

流川「!?」

 

八神「フェイクをいれるときボールが無防備だぞ!!」

 

八神はまたも流川からスティールボールを奪った。そのままワンマンソッコー。

 

赤木「止めろ!!諦めずに止めろ!!」

 

そのまま八神はレイアップにいこうとしたが後ろから流川が跳びこみブロックに跳ぶが

 

ピィィィィーーーー パサッ 審判「バスケットカウントワンスロー!!赤⑪番プッシング!!」

 

観客「オオオオ~~~~!!」「3連続得点!!」「これでだめ押しだ!!」

 

陵南ベンチ「さすが八神!!」「みたか流川!!」「格が違うんだ!!格が!!」

 

竹中「あれが本来のアイツのスタイルなんです。」

 

陵南ベンチ「?」

 

竹中「俺とアイツは小学生の時チームメイトでしたが同じフォワードを争ってました。アイツは俺とは違い相手にぶつかってもあたり負けしないパワーで相手からファールをもらい3点プレイが得意でした。ですがここ最近そんなプレイをみていなかった。俺としては違和感がありましたね」

 

彦一「なんでプレイスタイルが変わっとったんですか?」

 

竹中「アメリカにいってたからだろうな。アメリカではアイツよりパワーがあるやつが一杯いて高さでも勝てない。そのスタイルでは生き残れなかったんだろ。だからやつはポイントガードに転職してパスやゲームメイクを覚えた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな会話をしている間に八神がボーナススローを決めた瞬間。

 

ピィィィィーーーー 審判「タイムアップ!!」

 

結果。112対97

 

陵南メンバー「っしゃああああ!!」「おおおっし!!」

「勝ったー!!」

 

陵南が15点差で勝った。目標の20点差には届かなかったが、まぁ上々だろう。向こうの方で桜木が整列せずに赤木となにか騒いでいるが、負けたことに納得できないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

練習試合が終わり日も暮れて来た。湘北メンバーが帰るため体育館外にみんなが集まっていた。

 

赤木「ありがとうございました。田岡先生。」

 

田岡監督「赤木君。この一年でさらにすごいチームになったな、湘北は。このチームなら決勝リーグで当たるかもしれん。それから……いや、インターハイ予選で会おう。」

 

赤木「はい。」

 

二人が会話をしているときに間から、

 

魚住「赤木、今日のところは俺の敗けだ。だが、インターハイ予選では俺が勝つ。覚えとけよ。」

 

赤木「…生意気な。」

 

二人は握手をした。

 

 

 

 

 

 

八神「おう…」

 

八神は流川に声をかけた。

 

八神「今のお前じゃ俺に勝てねぇ。絶対にな。」

 

流川「……………」

 

それだけ言い二人は目線を合わさなかった。

 

そして、八神は三井を見つけ声をかけた。

 

八神「三井さん。」

 

三井「お前…」

 

八神「今日はいろいろ楽しかったです。ありがとうございました。」

 

三井「…俺は全然楽しくねぇよ。」

 

二人は握手をした。

 

安西先生「それじゃ、行きますか。」

 

田岡監督「安西先生、ありがとうございました。」

 

田岡監督は頭を下げた。

 

湘北メンバーは帰っていった。

 

 

 

 

 

 

田岡監督「さて、…ん…八神と仙道はどうした!?」

 

越野「あいつらならもう走りにいきましたけど…」

 

田岡監督「そうか、フフッ(アイツは常に上を目指す。どんなに実力を身に付けてもそこでとまるやつじゃない。仙道もそんな八神の姿に対抗意識が芽生えてるからな。チーム内に競争あいてがいることはいいことだ。)よし、お前らもあいつらに負けるなよ。走ってこい!!特に植草、越野、池上はやつらの倍走れ。お前たちが入って点差を縮められたんだからな!!そして魚住!!お前は退場した罰として3倍だ!!」

 

陵南メンバー『『『ええええ~~~~』』』

 

田岡監督「そら、いけ!!終わるまで帰らせんぞ!!」

 

因みに八神はみんなが走り始めたため誰にも負けたくなかったため試合後にも関わらず20㎞走った。

 

その事でみんなに恨まれることになるのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神と仙道が一緒に走っている途中…

 

八神「ところで仙道さん、その手どうしたんですか?」

 

仙道の手が真っ赤に腫れていた。

 

仙道「くっ、あのバカ力め…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、湘北との練習試合は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陵南メンバー

 

八神→40点(後半27点)

石井→22点(後半6点)

仙道→22点(後半11点)

竹中→14点(後半6点)

魚住→12点(後半6点)

植草→2点(後半0点)

越野→0点

池上→0点

 

 

 

湘北メンバー

 

赤木→30点(18点)

流川→25点(8点)

三井→23点(後半16点)

宮城→13点(後半6点)

木暮→6点(後半6点)

桜木→0点

 



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神奈川県予選前

湘北との練習試合から3週間。いよいよ県予選が1週間後に迫った。といっても、陵南はシード校だから初戦はまだまだ先だ。

 

八神たちはいつも通り体育館で練習をしていると

 

田岡監督「よーし、集合!!」

 

そう言われ全員集まってきた。

 

田岡監督「いよいよ県予選まで後1週間だ。だが、うちの初戦はわかっていると思うがまだまだ先だ。だからと言って気後れするなよ。そんなやつは試合には使わんからな!」

 

全員『『『はい!!!』』』

 

田岡監督「よし!これが今年の県予選のトーナメント表だ!!」

 

田岡監督はトーナメント表を壁に張り付けた。

 

池上「うちは、第3シートか。」

 

魚住「海南と翔陽が第1と第2シードか。当然だな。」

 

越野「うちのブロックには対して目立つチームはありませんね。」

 

仙道「だが、今年はそう簡単でもないですよ。魚住さん。」

 

魚住「仙道?」

 

仙道「残った第4シード、武里のブロックを見てください。」

 

仙道に言われその場にいた全員が見てみると

 

池上「!!湘北が武里のブロックに!?」

 

仙道「そう。今年の湘北は強い。武里ではまず、勝ち目はない。今年の県予選はちっと手こずるかもしれませんよ。」

 

確かに今年の湘北はベスト4まではいけるだけの実力はある。しかも湘北のブロックのシード校は去年4位の武里。

魚住さんが言ってたが去年の時点で湘北は武里より強いと言ってたくらいだ。今年の湘北は流川が入ったことで去年より格段に強い。もし、今年の一年に俺や石井、竹中がいなかったら間違いなく大差で練習試合は負けていただろう。そこからみても今年のダークホースは湘北で間違いない。

 

田岡監督「今年こそ海南を倒し、うちがNo.1になるときだ。いや、なれる!俺はそう確信している。そして、全国制覇も夢ではないはずだ。」

 

全国制覇。全国トップクラスの赤木、三井、宮城、流川を擁する湘北に15点差をつけて勝ったのだ。確かに全国制覇できても不思議ではない。

 

田岡監督「神奈川を制するのはその通過点に過ぎない。俺は決して諦めん。さぁ、その為にも練習を始めるぞ!!5対5再開!!」

 

全員『『『はい!!!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湘北では…

 

彩子「みんな、今年のトーナメント表がきたわよ。」

 

部室に入ってきた彩子がみんなにいい、トーナメント表を壁にはった。全員それに注目した。

 

宮城「武里がうちのシード校か。」

 

木暮「いけそうだな?赤木。」

 

赤木「だが油断するな。相手は連続でベスト4まで勝ち残る強豪だ。うちより実績はある。」

 

彩子「その通りよ。それよりうちの初戦の相手は三浦台と角野高校の勝った方よ。」

 

湘北は2年連続でベスト8まで来ているため今年は2回戦から初戦になる。

 

木暮「おそらく三浦台だろう。去年はうちと同じベスト8で王者海南と当たった強豪だ。」

 

彩子「海南に敗れてからの1年間猛練習を積み上げて来たという話よ。」

 

桜木「ふん!その1年間が無駄になる。この天才率いる湘北に早くも当たるんだからな!!」

 

流川「…ど阿呆…」ボソ

 

三井「だがそうなると今年の決勝リーグは大変なことになるな。」

 

赤木「うむ。」

 

彩子「神奈川の王者海南大付属。ここは10年以上インターハイ出場を逃したことのない全国でも有名なところ。その海南に年々迫っている去年2位の翔陽。そして天才二人仙道と八神を擁する陵南。」

 

桜木「ぬ!?」

 

流川「…!?」ピク

 

赤木「いいか、それらを倒すのは「湘北!!」…そうだ桜木(一々言わんでいい)。」

 

桜木「超ミラクル天才桜木&大怪獣ゴリを擁する湘北が勝~(ゴン)つ。」

 

赤木が桜木に拳骨をした。

 

赤木「誰が大怪獣だ。」

 

流川「…ど阿呆…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神は練習が終わりいつも通り智花と一緒に帰っている途中マックにより二人でハンバーガーやポテト等を食べながら喋っていた。

 

智花「もうすぐ県予選が始まるね。」

 

八神「まぁね。といってもうちの試合は後1ヶ月はあるけど…」

 

智花「調子はどう?」

 

八神「全く問題ない。うちのブロックも他と違って強いとこと当たらないらしいから本番は決勝リーグかな?」

 

智花「もしかして、決勝リーグまで1年は試合に出さないつもりかな?」

 

八神「かもね。態々うちの情報を与える必要ないし。でも決勝リーグの初戦て、第1ブロック対第2ブロック、第3ブロック対第4ブロックなのが普通だから、決勝リーグの初戦は湘北になる可能性が高いんだよね。」

 

智花「それってあまり秘密にならなくない?」

 

湘北とは練習試合で1年の戦力を見られている上に、温存なんてことをしたら間違いなく負ける。

 

1年全員が抜けただけで10分ほどで、28点差が7点差にされたのだ。1年抜きで勝てるとは思えない。

 

そうなった場合海南と翔陽がその試合を観に来ていたら1年を温存する意味があまりないような気がする。

 

八神「同じ時間に同じ会場でやるとも限らない。もしかしたら違う会場で同じ時間にやるかもしれない。そうなれば海南と翔陽に俺達の情報を与えずにすむかもしれない。」

 

智花「確かにそうかもだけど…どこでやるかはまだ決まってないの?」

 

八神「今のところは俺にはわからない。…まぁ、1試合だけで俺達のデータを取れるなんてことはさすがに無理があると思うし大丈夫だろ。」

 

智花「そうですね。」

 

そんな会話をしているとよく見知った顔の二人が店に入ってきた。

 

竹中「あ!?」

 

八神「あ!?」

 

智花「ひなたちゃん!?」

 

ひなた「お~、ともかとやがみ~。」

 

竹中と竹中の彼女の袴田ひなただ。ひなたは小学校の時からの智花の友達で同じバスケ部にいる。八神も小学校の時に何度か言葉を交わしたことがあるがそれほど親しい仲というわけではない。

 

ただ、ひなたはクラスの半数の男子が好意をよせるほど人気があり竹中もその一人である。だから当時はよく恋の相談をしていた。智花とはその時には付き合っていたから。

 

高校ではクラスは別だが智花とひなたは同じクラスなのでたまに会ってたりする。

 

竹中「珍しいな。ここで会うなんて…」

 

八神「まぁ、たまにはな…」

 

基本、八神と智花は部活が終わった後よく1on1やり、一緒に帰った後八神の家でご飯を食べてから帰るというパターンが日常だからだ。

 

八神「そうだ!竹中、第1シードの海南と第2シードの翔陽ってどんなチームか知ってるか?」

 

竹中「少しならな。まず海南大付属、ここは16年連続優勝している王者海南といわれている。」

 

智花「16年!?」

 

ひなた「おお~。」

 

八神「主力メンバーは?」

 

竹中「まず、ポイントガードの牧。神奈川No.1プレイヤーといわれている。おそらく仙道さんより上だろうな。去年のインターハイの試合を観に行ったが、プレイスタイルはペネトレイトしてディフェンスを崩し自らも決める。湘北の宮城にパワーがついたような感じだな。」

 

八神は思考を凝らしイメージするが、なるほど、かなり手こずりそうだ。湘北の宮城を結局練習試合では誰も止められなかったからな。さらにそこにパワーが加わるとなると…

それに、ペネトレイトを得意ということはポジションはポイントガード。マッチアップ相手はおそらく八神になるだろう。だが、湘北の三井、流川のような点取りやが二人海南にいればわからない。

 

八神「他には?」

 

竹中「確か二年の神って人がスリーポイントをバンバン決めてたな。ただそれ以外は気になったところがなかった。後同じ二年の高階って人がかなりのテクニシャンだった。ドリブルもシュートもリバウンドも強い。なんでもそつなくこなす器用貧乏的な選手だ。俺が知ってるのはそれくらいだな。」

 

八神「去年2位の翔陽は?」

 

竹中「去年のスタメンで残っているのは確かエース藤間って人だけだな。」

 

八神「1人だけか。ならその藤間って人を止められればなんとかなるか?」

 

竹中「いや、去年観たときベンチには190㎝以上の人ばかりだった。つまり今年のスタメンは190㎝をこえる人は4人ぐらいいると考えるべきだ。」

 

八神「…そうなると高さは向こうのほうが上だな。リバウンドも強そうだ。おそらく高さを活かしたインサイド主体の攻撃だろう。それとディフェンスも高さを活かしたゾーンになる可能性が高いだろうな。」

 

相手がゾーンならアウトサイドシュートは必須だ。翔陽戦は竹中のスリーポイントが必要になるだろうな。

 

智花「そのにチームに一年で誰かいい人は入ったの?湘北には流川って人が入ったことで練習試合前から噂になってたくらいですよね。」

 

八神「…確かに…竹中、なにか知ってるか?」

 

竹中「いや、俺にもわからない。」

 

八神「そうか…」

 

なら大した新人を獲らなかったのか、いや、神奈川の2強がいい選手を獲らないわけがない。となると県外から誰か入ってる可能性があるな。

 

竹中「まぁわからないことを考えてても仕方ないだろ。」

 

八神「そうだな。」

 

そんな会話をしながら10分ぐらいが経ち、八神と智花は先に家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹中「それにしてもあいつ、付き合う前は自分から会いに行くことができなかったヘタレの癖に今じゃ、処構わずイチャイチャしてるよな。」

 

学校でも帰りでも八神は智花と一緒にいることが多い。八神はコミュ障だから自分のクラスでも同じ部活をしているやつ以外とはあまり喋らない。

 

そのせいか、違うクラスの智花に会いに行くことが多い。

 

智花もまたコミュ障なので、ひなたや真帆といった小学校の時から一緒にバスケをやって来た4人以外とはあまり喋らない。

 

なので智花も八神が会いに来てくれることが嬉しかったりする。

 

二人は小学校の時からラブラブだったのだが中2の時に八神がアメリカに行ったことで連絡がとれなくなり別れるはめになってしまった。でも、お互い嫌いで別れたのではなく好きだったのに別れてしまった。

 

今の二人はその会えなくなった2年間を埋めたく長く一緒にいたいのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間が過ぎ県予選が始まった。



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県大会開幕

県予選が始まって4日が過ぎ湘北の初戦が今日始まることになっている。八神たちは偵察のため試合会場に来ている。

 

観客『おお~!陵南だ!陵南が来てるぞ!』『仙道はどこだ!』『あれだ!あのツンツン頭!』『陵南も湘北を見に来たのか!』『練習試合では大差つけたって話だろ!』

 

彦一「初戦からいきなり三浦台とはキツいですね~湘北…」

 

観客も陵南もお目当ては湘北である。三浦台も去年湘北と同じベスト8。過去の実績でいえば三浦台の方が遥かにうえだ。にもかかわらず三浦台が勝つと思っている人は大勢いる観客の中でも極一部。ここ近年の湘北はシード校である翔陽、陵南以外には大差で勝利している。2年前はベスト8まで全試合20点差以上差をつけたゲームをし、シード校である翔陽に81対60で負けている。去年はベスト8まで全試合30点差以上差をつけたゲームをし、シード校である陵南に75対66と僅差まで来ている。

 

三浦台は同じベスト8でも王者海南に100点差ゲームをされている。

 

湘北の主力メンバーの3人は今年も健在。特に、3年である赤木と三井は全国トップクラス。さらに今年は、富ヶ丘中の流川が入ったため去年より更にスケールアップしているとすでに噂されている。

 

どっちが注目されるかなど、最早比べるまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「へっ、湘北なんざ陵南相手に大敗したらしいじゃねーか。俺たちの目標は王者海南大付属。去年の借りを返すぜ牧!湘北なんざ眼中にねえ!行くぞ!!」

 

???『『『『オオオオ~~~~!!!』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合は始まり湘北ボール。宮城からの素早いパスを流川が受け取りすかさずダンクを決める。

 

観客『オオ~!!いきなり決めたぞ⑪番!!』『あれでまだ1年だってよ!!』『1年?嘘だろ!!』

 

池上「さすが流川だな。いきなり決めやがった。」

 

越野「あれでホントに1年かよ。」

 

竹中「でも今のは寧ろ宮城さんですよ。ボールを受け取った瞬間走っている流川にディフェンスの隙間を通したパス。状況判断の早さも並みじゃないです。」

 

魚住「うむ、確かにそうだ。湘北は赤木、三井が注目されるが、ガードの宮城の存在を忘れてはいかん。ヤツが相手ディフェンスを乱すことで上手いパスを出している。」

 

彦一「更に今年は流川君がいてはりますからこれはメチャメチャ要チェックや!!」

 

その後も湘北は赤木、流川、三井の3人がとことん点を決めていき前半終了時には62対16と圧倒的な力を見せつけていた。そして後半が始まり木暮に替わり桜木が出てきた。

 

彦一「お!湘北は遂に秘密兵器桜木さんが出て来ましたよ。これは後半益々面白くなりそうや!!」

 

八神「…面白く…ね………確かに……」

 

彦一は桜木が出てきたことでどんなすごいプレーをみせてくれるのか楽しみのようだ。逆に八神は桜木が出てきたことにより流れが三浦台に傾くのではと、点をとれるとも思えない。

 

そして、その直後…

 

ピィィィィーーーー 審判「ファール、白⑩番!!」

 

宮城が流川にパスを出したが桜木がそのパスを横取り、流川に何か言いながらドリブルをしていたせいで前にいた相手選手に激突し、交代した最初のワンプレイ目でいきなりファールをした。

 

八神「プッ!プププ…いきなりファールしやがった。……やっぱりアイツはおもしれえ!」

 

八神はいきなりファールをした桜木を見て、笑いを堪えていた。

 

その後も1分もしないうちに今度は相手にボールを奪われ相手選手がダンクにいこうとしたとき、後ろから桜木がブロックにいきボールを奪った。その時、桜木の膝が相手の背中にあたり2度目のファールをした。

 

八神「あと3つ。時間の問題だな。…プププ」

 

八神の予想通り…いや、予想以上のことが起きた。その後さらに1分もしないうちに、今度は桜木がボールを受け取りダンクをしにいったのだが、相手選手がブロックに飛びその上から決めようとした。だが、相手の頭にダンクをしてしまった。そのせいで1発退場。まさか、5ファールまでいかずに退場するとは思わなかった。

 

八神「ハッハッハッハッハッ!!!やっぱりおもしれえ!!間抜けすぎる!!」

 

八神は桜木のあまりにも情けない退場シーンを見て今まで我慢していたが遂に我慢できず爆笑する。回りのみんなも笑ってる人もいれば、呆然と何も言えず呆れ帰っている者もいる。

 

結局この試合は湘北が129対38という圧倒的な力を見せた。

 

なお、この試合で桜木のことは一挙に知れ渡った。

 

その後も湘北の勢いは止まらなかった。続く三回戦も113対32。4回戦は125対59という全試合100点ゲームをしベスト8まで勝ち進んできた。

 

なお、桜木は3、4回戦でも5ファール退場。それも途中交代でありながら前半の内に。魚住さんと越野さんは完全に呆れている。八神も爆笑していた。コート脇で海南も観に来ていたが、八神同様爆笑していた人がいた。いくらなんでも後ろからボールめがけて相手選手ごと激突したり、ロングパスをジャンピングキャッチするのはいいがそのまま相手にぶつかりにいったり、リバウンドを取りにいったとき相手の顔面に肘をおみまいしたり、ラグビーの方が合ってるんじゃないかと思えるプレーをすれば笑いたくもなる。

 

因みに湘北は続く5回戦、ベスト8でシード校である武里と対戦する。

 

同じ日に八神たちも試合があるが、八神たち1年は決勝リーグまで出す気はないと田岡監督に言われてしまった。

 

準々決勝を明日に迫ったある日、八神は今何をしているかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

智花「和真君!ここだよ!」

 

智花とデートしていた。

 

八神「悪い。待たせたな。」

 

智花「ううん!私も今来たところ。じゃあ、行こう!」

 

智花が八神の腕に抱きついてきて一緒に歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神と智花は今、バッシュを買いに来ていた。智花のバッシュが大分古くなり買い換えないといけなかったからだ。八神も自分のバッシュをそろそろ買いたいと思っていたところなので自分のも買いに来た。

 

目的の店につき店内を二人で探していた。まずは智花のバッシュを買ってから決めようとした思っていたら、智花は買うやつが決まっていたらしくあっさり見つかった。なので次は八神のバッシュを探していたのだがなかなか見つからない。そこにこの店の店長が声をかけてきた。

 

店長「いらっしゃい。何か気に入ったのあったら言ってね。ん~デカイね君。バスケ部?」

 

八神「え、え~…まぁ………」

 

店長「何処の学校?」

 

八神「陵南ですけど…。」

 

店長「おお~、あの天才仙道君がいる陵南かい。どうだい?今年は海南に勝てそうかい?」

 

八神「どうでしょう?やってみないことには分からないですね。自信はありますけど。」

 

八神は口許を緩ませながら答えると

 

店長「本当かい!楽しみにしているよ。」

 

店長がそう言い

 

智花「八神君!あったよ!」

 

智花が青と白の柄のバッシュを持ってきてくれた。

 

八神「おっ!あったか?ちゃんと28㎝だよな?」

 

智花「うん。大丈夫。」

 

智花はちゃんと八神の好きなシューズを知っている。足のサイズも。さすが俺の嫁。そんなことを考えてきたら。店長が八神をつついてきて

 

店長「このこの!あんなに可愛い彼女を連れてきて憎いねこの!」

 

店長が智花のことをそんなふうに言ってきた。無理もない。智花は端から見れば何処かのお嬢様といわれても不思議じゃない。容姿端麗、成績優秀、礼儀作法、どれをとってもお嬢様だ。

 

八神「まぁな!」

 

そう答え智花の元へ行った。

 

八神「………うん、これがいいな。サンキュ!智花。」

 

智花「ううん。大丈夫だよ。」

 

その後八神と智花はバッシュを買い、店を出た。いろいろ雑談しながら帰っていってる途中の公園にバスケットのリングがあった。日本ではアメリカと違いバスケットのリングは町中では滅多にない。

 

八神「智花、この公園バスケットのリングがあるぜ。」

 

智花「本当だ。ねぇ、せっかくだからここでフリースローでもしない?」

 

八神「いいぜ!じゃあ、俺が勝ったら智花の方からキスしてもらおうかな?」

 

智花「ふえっ!!う、うん。いいよ。じゃあ私が勝ったら和真君からしてくれる?」

 

八神「ああ、いいぜ!」

 

どっちが勝ったとしてもキス自体はするらしい。だが、智花からしてもらったことが一度もないのだ。だから八神からしてみれば智花からしてもらえないことに若干不満があった。

 

二人は早速フリースロー勝負をした。最初は10本勝負の予定だったが二人とも1本も外さなかった為、どちらかが外すまで続けていた。そこで32本目を八神が決め智花が32本目を打ったとき横から誰かがシュートを打ってきた人がいて外してしまった。シュートを打ってきた方を見ると4人組の男達が近づいてきた。

 

八神「おい!いきなり何しやがる!」

 

八神は先頭を歩いている背がデカイ男に言った。

 

???「お前、俺と勝負しろ。」

 

先頭の男が言ってきた。

 

八神「シカトしてんじゃねーよ!しかも突然勝負しろ?いきなりなんだ?」

 

???「俺の方が1個上だから敬語を使えよ。」

 

八神「生憎俺は、いきなり邪魔した挙げ句命令してくるやつに敬語を使うつもりはねぇ!」

 

正確には智花との勝負に邪魔されたせいで気が立ってるだけだが…

 

八神「智花、帰るぞ。」

 

智花「えっ!う、うん。」

 

そう言い二人はその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ねぇ、フクちゃん?一体アイツはなんなの?邪魔までしてあんな態度とってたら誰だって怒るよ。見た感じカップルっぽかったし…」

 

???「そうだよ。本当、プライド高いんだから、フクちゃんは。」

 

4人組の一人が背の高い男(フクちゃん)に聞いてきた。

 

フクちゃん「アイツは、仙道が一目おいている男だ。」

 

???「「「えっ!?」」仙道って!あの天才仙道君!?」

 

そして、フクちゃんはドリブルをし、その場でボースハンドのバックダンクを決めた。

 

???「「「おお!!フクちゃん!!」」」

 

フクちゃん「(八神和真。1度その実力を見ておきたかったんだけどな…。一緒にプレイする前に…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八神「(ああ!!ムカつく!!折角あとちょっとで智花からご褒美貰えたのに!!)」

 

公園から去ってから、八神は非常に機嫌が悪い。智花とのデートという名のフリースロー勝負を邪魔され、勝負をノーカウントとされてしまった。そのせいで八神は鬱憤が溜まっていた。

 

智花「ねぇ、和真君。」

 

八神「ん?」

 

八神が智花の方に顔を向けた瞬間

 

八神「!?」

 

智花から唇を奪われた。

 

智花「今度は私が勝つから!」

 

そう言われ、智花は歩いていった。八神は一瞬何で?とも思ったが深く考えず智花の後に続いた。

 

もうすでに、八神には公園であった出来事を忘れ、先程までの怒りも一瞬で消えてしまっていた。

 



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