ラブライブ!サンシャイン!!〜僕とAqoursの物語〜 (saint shine)
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番外編
小原鞠莉誕生日祭


小原鞠莉さん誕生日おめでとうございます!
今回の話は鞠莉と真也の話がメインです


〜鞠莉side〜

 

「真也今日はマリーの誕生日よね?」

 

「急に家に来て連れ出されたと思ったらどうしたの突然?確かに鞠莉の誕生日ではあるだろうけど」

 

真也は不貞腐れた態度でそう言う

 

「もう連れないわねそれが誕生日を迎えた恋人に言う言葉なの?」

 

「恋人は関係無いよ鞠莉」

 

私と真也は付き合っているのだがそれ以外が以前と変わらないのでなんとも言えない

 

「それに鞠莉から言い出したんでしょう?Aqoursのみんなには内緒って」

 

そう私と真也が付き合っている事は真也の姉のちかっちですら知らない(因みに楓ちゃんや他のお姉さん達は知っている)

 

「YES!でも、今日ちかっち達に言うつもりよ」

 

「やっと面倒くさい状況から脱出できる訳か」

 

「そう?私は結構楽しかったわよ」

 

そう言って腕を組む私

 

「まぁ、僕も楽しかったけど…付き合ってるならきちんとみんなに知って貰っておきたかったかな」

 

「真也…もしかしてルビィの事?」

 

「うん、多分そうだと思うよ向こうは気づかれてないと思ってるみたいだけど」

 

ルビィが真也の事を好きな事は真也と付き合い始めてから知った、もう少し早く気付いて居たら何か変わったのかしら?

 

『鞠莉(ちゃん)(さん)お誕生日おめでとう!!』

 

ちかっちがみんなと一緒にそう言って私と真也を迎える

 

「thank you!みんなとっても嬉しいわ!」

 

私が来た事でパーティーが始まった。楽しい時間はあっという間に過ぎていきパーティーもあと少しで終わりとなったのでちかっち達に言う決心をした

 

「ちかっちそれにみんなも私と真也から重大発表があるの」

 

私がそう言うと目線が私と真也の方に向く

 

「何々?」

 

「千歌ちゃん落ち着いて、それで何なの?」

 

梨子がちかっちを落ち着かせながらそう聞く

 

「実は」

 

その後の言葉が出てこないすると隣に居た真也が私の手を握る。ありがとう真也

 

「ずっと黙っててごめん!私と真也付き合ってるの!!」

 

「え!そうなの!?」

 

ちかっちが驚くがそれ以外の声が聞こえなかった

 

「えっと、「そろそろ良いかな?ルビィ!花丸!」!?」

 

ルビィと花丸が1つのプレートを持ち上げるとそこには

 

【サプライズ成功!!】

 

こう書かれて居た

 

「どう言う事真也!!」

 

「鞠莉よっぽどな事がないと驚かないと思って事前にルビィ達に知らせてたんだ」

 

真也はそう言ってまるでイタズラが成功した時の子供のような表情を浮かべる

 

「酷いわ真也!誰にも言わないでって言ったのに!」

 

「よく考えて鞠莉、こんな面白い事僕が話さないと思う?」

 

そう言われて押し黙ってしまう確かに真也がこんな面白い話黙って居る筈が無い

 

「でも意外ねダイヤがそんな話に乗るなんて」

 

「真也に言われましたからね。普段鞠莉さんに迷惑をかけられて居る仕返しになりますよと」

 

成る程ね、それでダイヤも話に乗ったんだ

 

「参ったわ真也、その代わり約束を破ったからには今夜は寝かせないわよ?」

 

「ははは、お手柔らかに頼むよ」

 

私の言葉に真也は苦笑いを浮かべてそう言う

 

「片付けお疲れ真也こっちに来て」

 

パーティーが終わり片付けを済ませて来た真也を呼ぶ

 

「はいはい、仰せのままにお嬢様」

 

そう言って私の隣の布団に入る真也

 

「2人じゃちょっと狭いわね」

 

「なら出ようか?」

 

「NO!それはこのマリーが許さないわ」

 

そう言って真也を引き留める

 

「ありがとう真也今まで生きて来た中で最高の誕生日だったわ」

 

私はそう言って目を瞑る

 

「それは良かった」

 

真也は私が何を求めて居るのか理解したらしくそう言って顔を近づけてくるがいつまで経ってもそれが来ない事を疑問に思い目を開けると

 

「私の部屋?真也もいないと言う事は夢?まさかの夢落ち!?」

 

夢だとわかっていればもっといろんな事をしたのに!!

 

「もう少しぐらい夢を見させてよー!!」

 

「どうかしたのですか鞠莉お嬢様!?」

 

その声を聞いて執事が慌てて私の部屋に来た

 

〜鞠莉side out〜

 

鞠莉がそんな事を嘆いて居る同時刻十千万では

 

「んー!何であんな変な夢見たんだろ?今日が鞠莉の誕生日だからか?」

 

同じ夢を見て目を覚ました真也がそんな事を呟いて居た

 

誕生日おめでとう鞠莉




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津島善子誕生日祭

津島善子ちゃんお誕生日おめでとうございます
今回は善子ちゃんとの話がメインです


「遅いわよ真也!」

 

「いや、善子が遅いから近くを探してたんだけど」

 

そう言われて善子が時間を確認する

 

「ごっごめん真也」

 

「別に良いけど、それじゃ行くよ」

 

そう言うと善子は頷く

 

「にしても鞠莉の家がわからなくて連絡して来るなんて」

 

「仕方ないじゃない知らない物は知らないんだから」

 

今日は善子の誕生日なので鞠莉の家で誕生日パーティーをする予定だったが主役の善子が時間になっても来ない為迎えに行く事になった

 

「それにしても意外だったよ。花丸かルビィに連絡すれば良いのに僕に連絡して来るなんて」

 

「しっ仕方ないじゃない!あんたぐらいしか頼れそうに無かったんだもの。ルビィに来て貰って逆に帰り道がわからなくなって泣かれても困るし」

 

あー、なんか想像出来る。帰り道がわからなくなって途中で泣き出すルビィが

 

「ずら丸でも良かったんだけど、その…あんたの方が頼れそうだったから」

 

目を逸らしながら善子はそう言う

 

「まあ良いけど、着いたよ善子」

 

「そう…ねえ真也連れて来て貰った私が聞くのもどうかと思うけど、本当に此処なの?」

 

「はぁ、流石にやり過ぎだよ」

 

鞠莉の家に着いたのは良いがそこはとてつもなく怪しい館に変わっていた恐らく犯人は鞠莉か千歌姉だろう

 

「ダイヤ善子連れて来たから入れて、それと鞠莉に外の飾り片付けさせて」

 

『はぁ、やはり流石の善子さんも引きましたか。わたくしも止めたのですが鞠莉さんも千歌さんも善子さんが喜ぶと聞かなくて、今からそちらに向かいますので少々お待ち下さいませ』

 

ダイヤはそう言うと電話を切った

 

「この飾り善子が喜ぶと思ってやったんだって」

 

「私が喜ぶと思って…やり過ぎ感はあるけどこれはこれで」

 

善子はそう言って不敵な笑みを浮かべる

 

「頼むから変な気は起こさないでね「お待たせしましたわ真也、善子さんもう皆さんもお待ちなので直ぐに向かいますわよ」はい、ほら行くよ善子」

 

「ええ、なんだかパーティー会場まで心配になって来たわ」

 

言わないでよ善子僕も心配になる

 

『善子ちゃんお誕生日おめでとう!!』

 

そう言って千歌姉達が善子を出迎えるが

 

「普通ね」

 

「まあダイヤが居るから余り心配はしてなかったけどもしもの事があったからね」

 

お礼よりも普通の部屋だった事の安心感が凄かったみたいだ

 

「うーん、善子ちゃんが喜ぶと思ったんだけどなぁ。何がダメだったんだろう?」

 

「全部だよ千歌姉、外のあれはやり過ぎ善子も軽く引いてたし」

 

「そっか!気を取り直してお誕生日会始めよー!」

 

千歌姉のその言葉でパーティーが始まった

 

「全く、振り回させるこっちの身にもなって欲しいよ」

 

「そう言いながらも真也君何時も楽しそうにするよね?」

 

僕がそう言うと梨子がそう言って近づいて来る

 

「そうでもしないとやってられないからね」

 

「そうかもね、所で真也君はまだ渡さないの?」

 

恐らく誕生日プレゼントの事だろうが

 

「まだかな?此処で渡してさっきの梨子みたいにはなりたく無いし」

 

「あはは、確かに私も恥ずかしかったよ」

 

さっき梨子が誕生日プレゼントを渡した際に何を渡したのかを千歌姉と鞠莉から聞かれていたのを見て後で渡す事にした

 

「そう言えば、忘れてた。善子これ穂乃果さん達から」

 

「へー、あんたが受け取ってたの?」

 

「千歌姉が渡す予定だったのを忘れて行くもんだから焦ったよ」

 

そう言うとみんなが千歌姉の方を見る

 

「あはは、そう…だったかな?そうだ!真也君はいつ渡すの?」

 

「さっきの梨子みたいになりたくないからこのパーティーが終わってから渡すよ」

 

「えー!つまんないよ!」

 

そもそも千歌姉が楽しむものじゃないと思う

 

「それじゃあね善子ちゃん!」

 

パーティーも終わり僕が善子を家に送り届ける事にしてそこでプレゼントを渡す

 

「これが僕からの誕生日プレゼント」

 

「ありがとう真也、開けても良いかしら?」

 

「別に良いけど?」

 

そう言うと善子はプレゼントを開ける

 

「これ…ありがとう真也大切にするわ」

 

「どういたしまして、おやすみ善子」

 

そう言って僕は十千万に帰る

 

〜善子side〜

 

私は自分の部屋の中で真也から貰ったネックレスを再び手に取って見る

 

「彼奴いつ私が欲しい物がわかったのよ」

 

そのネックレスはついこの間見つけた私好みのネックレスだったが値段が高くてが出せない物だった

 

「本当にありがとう真也」

 

真也から貰ったネックレスを持ったまま私は眠りに就いた

 

〜善子side out〜

 

誕生日おめでとう善子




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高海千歌誕生日祭

高海千歌ちゃん誕生日おめでとう
今回は千歌ちゃんとの話がメインです


「千歌姉そろそろ起きなよ」

 

「うーん、後もうちょっと」

 

何時も通りの千歌姉を見て安心する辺り僕もこれに慣れて来たのかな?

 

「はぁ、本当に後少しだけだからね」

 

僕はそう言って下に降りる

 

「どう千歌姉起きた?」

 

「嫌まだ起きない。高校卒業したらどうするつもりなんだか、そもそも卒業出来るのかな?」

 

本気で千歌姉の将来が心配になってそう言うと楓は苦笑いを浮かべる

 

「それに起きられてもそれはそれで今日は困るしね」

 

「それもそうだね曜達なんて?」

 

今日は千歌姉の誕生日と言う事で曜達がサプライズでパーティーの準備をしてくれており僕と楓がその足止めを頼まれた

 

「やっぱり終わるのは夕方くらいになるだって」

 

それはそうか特に曜とか一番張り切ってそうだし

 

「ふぁ〜、おはよう真也君、楓ちゃん」

 

しばらくすると大きなあくびをしながら千歌姉が起きて来た

 

「全く、練習が無いからってだらけ過ぎだよ千歌姉」

 

「あはは、練習が無いと思うとつい「練習があっても無くても千歌姉は起きるの遅いよね?」ですよね。あれ?今日はお休みなの?」

 

「美渡姉ちゃんは仕事志満姉ちゃんも用事で出かけたから今日の十千万は臨時休業だよ千歌姉」

 

僕がそう言うと千歌姉は少し寂しそうな表情をする

 

「それでね、今日は3人で何処かに遊びに行こうって話してたんだけど千歌姉何処か行きたいところある?」

 

「うーん…特にないかな?」

 

まあいきなり言われてもね

 

「そう言えば最近水族館行ってないかも」

 

「そう言えばそうだね」

 

「やっぱり身近だと次第に行かなくなるものなの?」

 

東京だとあまり行く機会のない水族館だがこの近く大きな水族館がある為何度も行っているうちに行かなくなるのかもしれない

 

「もうこのままじゃ決まりそうもないし、久しぶりに行こっか水族館」

 

「そうだね、うん!それじゃあ早速着替えて来るね」

 

千歌姉はそう言って部屋に戻る

 

「へー、行かない間に結構変わってるね」

 

「そうだね、ペンギンの散歩なんてイベント前まで無かったのに」

 

どうやら千歌姉と楓が水族館に行かないうちに新しいイベントが増えていたらしい

 

「あれがそうかな?」

 

そう言って楓が見ている方には複数のペンギンが歩いていた

 

「きっとそうだよ可愛い」

 

「そうだね、ごめんちょっと電話もしもし?」

 

『もしもし、真君?』

 

相手はルビィか確認しないで出たから誰か分からなかったから良かった

 

「真也君誰から?」

 

「ルビィからだよ、そろそろお昼だし楓と先に席取りに行ってて」

 

「わかったよ、行こ楓ちゃん」

 

「うん、待ってるね真也兄」

 

そう言って楓と千歌姉はお昼を食べる席を取りに行く

 

『もしかしてルビィお邪魔だった?』

 

電話越しでの会話を聞いてルビィがそう聞く

 

「ううん、それでどうかしたの?」

 

『千歌ちゃんどう?気付いた様子ある?』

 

ああ、千歌姉に気づかれていないかが気になってるのか

 

「今の所は無いよ。そろそろ切るね流石に此処まで来てルビィと話してるのも2人に悪いしさ」

 

『うん、じゃあね真君』

 

そう言ってルビィは電話を切る

 

〜千歌side〜

 

「なあ良いだろ?それにこんな可愛い子達掘っといて他の子と電話するなんてろくな奴じゃねえよ」

 

「そうそう、俺らはそんな事しねーからさ」

 

席を取って真也君を待ってると2人組の男性が来て断っても話を聞いてもらえず正直言って困っている

 

(どうする千歌姉?)

 

(千歌に聞かれても困るよ。楓ちゃんは何かいい案あるの?)

 

(私から聞いたんだからあるわけないじゃん)

 

だよねえ、真也君早く戻って来て

 

「居た千歌姉、楓お待たせ」

 

そう思って居ると真也君が到着した

 

〜千歌side out〜

 

「居た千歌姉、楓お待たせ「んだテメェ?」あんたこそ僕の姉と妹になんかよう?」

 

千歌姉達を見つけると2人組の男性と居た

 

「テメェが他の奴と電話ばっかしてっから俺らと遊ぼうぜって誘ってたんだよ」

 

「そうそう、それにこの子達も俺らと居る方が楽しいみたいだしな」

 

そう言って男性の1人が楓の肩に手を回す

 

「あの…辞めておいた方が「いやー!」やっぱりこうなるんだ」

 

「おい大丈夫か!?」

 

「あっああ、にしてもなんなんだいきなり「楓男の人が苦手で恋人が出来て少しはマシになったんですけどまだ少し抵抗があるみたいで」あー、なら俺らは居ない方が良いかもなそんじゃ!!」

 

男性の1人が軽々と投げ飛ばされた事に流石に危険だと思った男性2人は何処かに走って行った

 

「大丈夫楓?」

 

「うん、なんとか」

 

「楓ちゃんまだ苦手なんだ男の人」

 

「うん、真也兄と綾人君ならなんとか大丈夫なんだけど」

 

一先ず楓を落ち着かせる為に椅子に座らせる

 

「楓お水」

 

「ありがとう真也兄」

 

そう言って水を受け取り一気に飲み干す楓

 

「それにしても相変わらずの威力だったね」

 

「もう言わないで真也兄!!そもそもの原因は真也兄がルビィさんと電話で話し始めたのが原因じゃない!!」

 

楓はそう言って水の入っていたカップを勢い良くテーブルに置く

 

「ごめんごめん、代わりにお昼は奢るから許してよ」

 

「今日の夜」

 

楓は顔を赤くして何かを呟く

 

「へ?何?」

 

「だから!今日の夜一緒に寝てくれるんだったら許すって言ったの!は!」

 

楓は自分が言った事の意味がわかり顔を更に赤くする

 

「ふーん、今日の夜一緒にね」

 

「楓ちゃん浮気はダメだよ」

 

「違う!違う!そう言う意味じゃなくて!!「千歌姉早くお昼買いに行こ、楓は此処で待ってて」ちょっと!誤解したまま行かないでよ!」

 

後ろで何かを叫ぶ楓を無視して僕と千歌姉はお昼を買いに向かった

 

「それじゃあ、最後に行く所行こっか楓」

 

「そうだね真也兄」

 

「何々?まだ何処か行くの?」

 

僕と楓で話してるとそこに千歌姉が来た

 

「うん、次が最後だからこっちだよ千歌姉」

 

「それと千歌姉、目は瞑ってて私が手を引いてあげるから」

 

「わかった、よろしくね楓ちゃん」

 

そう言うと千歌姉は目を瞑って楓に手を引かれながら目的地に向かった

 

「「もう良いよ千歌姉」」

 

「うん、わぁぁあ!」

 

『千歌(ちゃん)(さん)ちかっち)お誕生日おめでとう!!』

 

千歌姉が目を開けるとそこには準備をしていた曜達と大きなプレートに千歌ちゃんお誕生日おめでとうと書いてあった

 

「みんなありがとう!すっごく嬉しいよ!!」

 

そう言った千歌姉の顔は今日一番の笑顔だった

 

誕生日おめでとう千歌姉




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桜内梨子誕生日祭

1日遅れですが桜内梨子ちゃん誕生日おめでとうございます!
今回は梨子視点での話がメインです


〜梨子side〜

 

高校を卒業して一年が経った

 

「おはよう高坂さん」

 

「あ!梨子ちゃんおはよう!」

 

「おはようございます、梨子」

 

東京の大学に通う為内浦からこっちに戻って来て高坂さんと園田さんの2人と大学で再開した

 

「まさかことりが居なくなった次の年に真也が東京に戻って来るとは」

 

今年の入学生の中に真也君とルビィちゃん、それと花丸ちゃんと善子ちゃんAqoursの一年生全員が居た

 

「昨日その事ことりちゃんに言ったら今すぐにでも戻りたいって言ってたよ」

 

去年高坂さんと園田さんから聞いた話だと南さんは海外に服飾関係の事を学びに海外留学に行って居て戻るのは再来年になるらしい

 

「穂乃果あまりことりに真也の話はやめてあげて下さいね」

 

「何で?その方がことりちゃんも喜ぶでしょ?」

 

「あはは、高坂さんに悪気は無いんだろうけど南さんがどう受け取るかかな」

 

私は苦笑いをしながら高坂さんにそう言う。でも高坂さんの事だから善意でやってるんだろうなぁ。こう言う所は何処と無く千歌ちゃんに似てる。元気かな千歌ちゃん

 

「梨子ちゃん、同好会の時にも言ったけど私と海未ちゃんの事名前で呼んでくれないかな?」

 

私が千歌ちゃんの事を考えてると高坂さんが私の顔を覗かせてそう言う。同好会とは去年高坂さんの作ったスクールアイドルの同好会で去年まで私と高坂さんと園田さんの3人だったけど、今は今年入学した真也君とルビィちゃん、花丸ちゃんと善子ちゃんも入れた7人になって居る

 

「ごめんなさい、まだ慣れなくて」

 

「穂乃果無理強いは良くないですよ」

 

「そうだね、それにしても今日一年生はお休みなんだよね。良いなぁ、きっと今頃ルビィちゃんと真君2人でデートしてるんだろうなぁ。そうだ!今日午前授業だしどこか遊びに行こうよ!」

 

何時もなら良いんだけど

 

「ごめんなさい、今日は約束があって」

 

「嘘!?誰と!」

 

「真也君とクラシックのコンサートに行く事になったの」

 

そう言って昨日真也君に渡されたコンサートのチケットを取り出す

 

「真君となんだ私てっきり真君はルビィちゃんと何処かに行くと思ってたんだけど」

 

「ルビィちゃんと一緒に行こうと思ったらしいんだけどその日ルビィちゃん善子ちゃん達と遊ぶ約束してたみたいで、先に約束してたのが善子ちゃん達だから無理に誘うのは辞めたみたい」

 

「それで梨子とですか、まあ穂乃果も私もあまりクラシックは聞きませんからね」

 

「良いなぁ梨子ちゃん、私も行きたい!」

 

「駄目ですよ穂乃果、それに遊ぶなんて言ってますが今日は予定がありますよ」

 

高坂さん達も予定あったんだ

 

「そうだった、それじゃあ私達はこっちだからまたね梨子ちゃん!」

 

「失礼します、穂乃果走ると転びますよ!」

 

高坂さんと園田さんはそう言って走って行く

 

「講義が思ったより早く終わったけど、流石に真也君もまだ来てないわよね」

 

そう思い歩いていると大学の前に人集りが出来て居た

 

「あれって」

 

私が目を細くして確認していると向こうがそれに気づいたみたいでこっちに走って来る

 

「講義早く終わったんだね梨子」

 

「真也君、まさかもう来てるなんて」

 

人集りが出来ていた理由は真也君だった。この大学は2年前まで女子大だったんだけど去年から共学になって男子が増えたけど、女子生徒の数に比べ男子生徒が少ないから1人居るだけで多くの人が集まる

 

「何してるの?早く行くよ?」

 

そう言って真也君は私にヘルメットを1つ渡す

 

「待って、まさかだけどこのまま直接行くの?」

 

「?私服なんだし当たり前じゃないの?」

 

確かに私服だけど色々と準備が

 

「取り敢えず後の事は着いてから決めよう」

 

「そうね」

 

未だに後ろから騒ついた声が聞こえるけど真也君はそれを気にした様子も無くバイクを走らせた

 

〜梨子side out〜

 

クラシックのコンサートも終わり現在春風に向かっている

 

「真也君何かあるの?」

 

「着いてからのお楽しみだよ梨子」

 

僕は梨子の問いかけにそう答える

 

「真っ暗ね」

 

「そうだね」

 

そもそも僕は電気がついていない理由を知っているがあえて梨子には教えていない

 

「それじゃあ入ろっか」

 

「ちょっと真也君!?」

 

僕は戸惑う梨子の手を引いて中に入る

 

「本当に真っ暗ね」

 

「今電気がつくから」

 

梨子の手を引きながら目的の部屋まで連れて行く

 

「着いた」

 

「まだ暗いわよ?きゃ!」

 

急に電気がついた事に驚く梨子を他所に

 

『梨子ちゃん(梨子さん)(リリー)誕生日おめでとう!!』

 

千歌姉達が梨子さんに向けてクラッカーを鳴らしながらそう言う

 

「え?誕生日?あ、そっか私今日誕生日だったっけ」

 

梨子やっぱり忘れてたんだ

 

「梨子ちゃん忘れてるみたいって真也君から聞いたからサプライズでしたら良いと思ったんだけど駄目だったかな?」

 

梨子の反応がイマイチだったので千歌姉がそう聞く

 

「違うのとっても嬉しいわ、今はその状況が飲み込めてないだけで」

 

梨子が弁解を始める

 

「それにしても…ダイヤさん達も居るから本当に驚いたわ」

 

梨子が驚くのも無理はないけどね、何せダイヤ達3年生も居るんだから

 

「私が集めたのよ!大変だったわ真也」

 

「無理に集めなくて良かったんだよ鞠莉?」

 

「it'sjoke!本当はもっとgorgeousな所でしたかったんだけど真也が駄目だって言うから」

 

「誕生日パーティーの為だけに秋葉ドーム借りようとしたら誰だって止めるよ」

 

僕がそう言うとダイヤは呆れて何も言えない表情を浮かべる

 

「全く鞠莉さんは相変わらずですのね」

 

「まあ鞠莉らしいと言えばそうなんだけどね」

 

「待ってお母さんに電話「梨子私はここに居るわよ」お母さん!?何で!?」

 

そこには梨子の母親も居たまあ僕が呼んだんだけど

 

「真也君から梨子の誕生日パーティーをサプライズでするって聞いたから来ちゃった」

 

「お母さんまで、でも…ありがとう真也君」

 

梨子は困った顔をするが直ぐに笑顔になりそう言う

 

「どう致しまして」

 

誕生日おめでとう梨子




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黒澤ルビィ誕生日祭

黒澤ルビィちゃん誕生日おめでとうございます!
今回はルビィちゃんとの話がメインです


「ふぁ〜、おはようココア、ルビィ」

 

「わん」

 

僕は起こしに来たココア、隣でまだ寝ているルビィにそう言う

 

「ほら、ルビィ起きて」

 

「うゆ、真君後ちょっと」

 

ルビィは朝が未だに弱く起きるのに少し時間がかかる。月日が経つのは早くルビィと付き合ってもう9年になる。大学に入学した時から春風で手伝いをしながら暮らして居てる

 

「ほら、今日は久しぶりに旅館の仕事もしなくて良いんだから2人でどっか遊びに行くんでしょ?」

 

「うゆ、真君おはよう」

 

ルビィはまだ眠い目を擦りながら布団から出る

 

「まだ眠い?」

 

「うん、ちょっとだけ…」

 

「それじゃあ、これで覚めるよね?」チュッ

 

僕はそう言ってルビィにキスをする

 

「しっ真君!?」

 

「ほら、起きた」

 

ルビィは未だにキスだけで顔を赤くする

 

「そろそろ慣れたらルビィ?」

 

「いっいきなりされるのは無理だよ」

 

「本当に可愛いねルビィは」

 

そう言って抱きつくとルビィは一瞬ビクッとしたが直ぐにルビィも力を入れて抱きつく

 

「えっと、あった」

 

「真君、何があったの!?真君これって」

 

朝食を済ませて書店にあるものを買いに行く

 

「今回のスクールアイドルの雑誌のメイン記事がAqoursの記事だったからね。しかもルビィの」

 

「はっ恥ずかしいよ真君」

 

ルビィはそう言って赤くなった顔を手で隠す。あるものとはスクールアイドルの雑誌で今回のメインとなる記事がAqoursの時のルビィがメインになって居るのでそれを買いに来た

 

「それにしても、Aqoursの時と見た目もあんまり変わって無いからその時の写真を見ても今のルビィに当時の衣装を着てみて貰ってる物なんだけどね」

 

「うう、ルビィ身長もお胸もあんまり変わらなかったなぁ、花丸ちゃんはと善子ちゃんは結構変わったのに」

 

花丸と善子は大学に入ってから身長や色々な部分が変わり大学を卒業する頃には、Aqoursの一年の時の面影が残って居なかった。(善子の堕天使は未だなお善子の中に君臨して居る)

 

「そう言えば花丸ちゃん高校の先生になれたってこの間電話があったよ」

 

花丸は大学の在学期間中に教師の資格を取り現在、内浦に新しく出来た学校の教師をしているらしい

 

「僕が一番驚いたのは善子が本物のアイドルになった事かな」

 

善子は大学卒業後に東京でアイドルにスカウトされ今年デビューをした。

 

「まさかそのマネージャーがにこさん何て凄い偶然だよね」

 

この間知った事だが善子のマネージャーはにこでμ’sをして居た経験を生かして善子をサポートしてくれているそうだ

 

「何も変わってないのはルビィだけだね」

 

「そんな事ないよ。ほら、ルビィの記事のページ見て」

 

僕はそう言ってルビィの事が書いてある記事を見せる

 

「わぁぁあ!」

 

「ルビィは変わってる、それは何時も一緒に居る僕が保証するよ」

 

「えへへ、ありがとう真君」

 

ルビィは笑ってそう言う

 

書店の後もスクールアイドルショップに他にも色々と周り今はの観覧車に乗って居る

 

「綺麗だね真君」

 

「そうだね、後これ」

 

僕はそう言ってルビィに小さな箱を渡す

 

「開けて良いかな?」

 

「良いよ」

 

僕がそう言うとルビィは箱を開けて中身を確認すると僕と箱の中身を交互に見る

 

「真君これって」

 

「僕やっぱりルビィの事大好きなんだ、それで…ルビィさえ良いなら…結婚してくれないかな?」

 

僕がそう言うとルビィが固まる。あれ?

 

「あの、ルビィ?」

 

「はっはい!!ほっ本当にルビィで良いの!?ルビィ可愛くないし、直ぐに嫉妬しちゃうし、それに…」

 

ルビィは自分の短所を幾つも上げていくが

 

「僕はルビィが好きなんだ、他の誰でもない黒澤ルビィが」

 

「ルビィも…ルビィも真君が大好きだよ!だから…その…不束者ですが宜しくお願いします!」

 

ルビィはそう言って僕に抱きつく

 

「ルビィ?」

 

「ごめん真君、今顔見られるのは恥ずかしいからしばらくこのままで居させて」

 

「わかった」

 

観覧車も終盤になった所でルビィはやっと顔を見せてくれた(まだ顔は赤いまま)

 

「それじゃあ、改めてこれからも宜しく」

 

「うん」

 

ルビィが目を閉じ何を待っているのかわかっている僕はルビィにキスをした

 

『ルビィ(ちゃん)誕生日おめでとう』

 

「みんな、ありがとう」

 

僕とルビィは春風に戻り元々集まる予定だった千歌姉達と合流した(結婚云々の事はまだ伝えてない)

 

「それじゃあ最後にルビィちゃんの恋人の真也君からのプレゼント!」

 

「千歌姉完全に酔ってるね」

 

鞠莉の持って来たお酒に酔った千歌姉に向けて僕はそう言う

 

「まあまあ、たまには良いじゃん」

 

曜は久しぶりにあそこまで楽しそうな千歌姉を見たからか止めようとしない

 

「はぁ、全く千歌姉は「真く〜ん」ルビィ?顔赤いけどもしかして酔ってる?」

 

「酔ってないよ〜」

 

そうは言うが顔は赤いしフラフラだし酔ってるとしか思えない

 

「ほらほら、早くルビィちゃんに誕生日プレゼント渡さないと」ニヤニヤ

 

「千歌姉は一回黙って!はい、誕生日おめでとうルビィ」

 

煽る千歌姉にそう言って僕はルビィに誕生日プレゼントを渡す

 

「ありがとう真君、綺麗」

 

ルビィへのプレゼントはルビーのネックレス

 

「色々と迷ったんだけどね、やっぱり肌に離さず持ってて欲しいからアクセサリーが良いかなって思って」

 

「ありがとう真君、今日は2つも貰っちゃった」

 

酔った勢いでルビィが口を滑らせる

 

「2つずら?1つじゃないのずら?」

 

「花丸ちゃん、実はさっきのデートの時観覧車で真君から指輪貰ったんだ」

 

あー、言っちゃった

 

『えー!!』

 

ルビィの発言に千歌姉達も驚く

 

「取り敢えず…「逃がさないわよ真也」鞠莉」

 

全員が驚いている隙を見て部屋に逃げ込もうと思い逃げ出そうとした僕だけど鞠莉に止められる

 

「真く〜ん」

 

「ルビィ離れて」

 

「えへへ、いや〜」

 

もう完全に酔ってる(確信)ルビィが抱きついて離れない

 

「それじゃあ、全部話して貰うわよ真也」ニヤニヤ

 

「そうだね鞠莉ちゃん」ニヤニヤ

 

逃げ場を失った僕は全員の前で鞠莉と曜に全て話した(その間ルビィは2人以外の全員から祝福を受けていた)

 

色々あったけど…誕生日おめでとうルビィ




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黒沢ダイヤ誕生日祭

ダイヤさん誕生日おめでとうございます
今回はダイヤさんとの話がメインです


〜ダイヤside〜

 

「ダ…ダイヤ」

 

身体を揺さ振りわたくしを呼ぶ声で目が覚める

 

「ん、おはようですわ真也」

 

「おはようダイヤ」

 

そこには少しばかり大人びた真也の姿があった

 

「あけましておめでとうございますわ」

 

「あけましておめでとう、それと誕生日もおめでとう」

 

「誕生日…そうですわね今日はわたくしの誕生日でしたね」

 

(此処は何処なのでしょうか?)

 

辺りを見渡すが此処はわたくしの知っている部屋ではない

 

「どうかしたの?」

 

「何でもありませんわ」

 

こちらの思考とは裏腹にそう言ってわたくしは立ち上がる

 

「それにしても随分と反応が薄くなったね?」

 

「当たり前ですわ、流石にもう慣れましたわ」

 

朝食を取って居る時に気になる事があった。それは真也の恋人である筈のルビィが居ない事、もう1つが此処が内浦では無い事、しかしこの2つの疑問は直ぐに解決した

 

「貴方と付き合い東京に出てから2年、流石に慣れないとやっていけませんわ」

 

「そうかもね」

 

(此処は東京でしたか、道理で見慣れない筈ですわ。それよりも…わっわたくしが真也と!?一体何の冗談ですの!?そっそれにルビィとはどうなったんですの!?)

 

わたくしは自分の言って居る事の意味が分からず頭が追い付かない

 

「そうそう、今日は鞠莉達も誕生日のお祝いに来るって」

 

「そうですか、何だか毎年誕生日を祝って貰うのも少し照れ臭くなってきましたわね」

 

そう言ってホクロを触りながら頬を染めるわたくし

 

「ふーん、それじゃあダイヤの為に用意した特大のプリンケーキも要らないんだ?」

 

真也が悪戯っぽい顔をしてそう言う

 

「そっそれは!もう…真也は意地悪ですわ」

 

「ダイヤが誕生日を祝って貰うのが照れ臭いなんて言うからだよ。僕にとってはダイヤが生まれてきてくれた凄く大事な日なんだから」

 

笑ってそう言う真也からわたくしは目を晒す

 

「本当にずるいですわ、そんな事言われてしまっては断れませんわ」

 

「当たり前だよ、断られない様に言ったからね」

 

真也がそう言うとわたくしも真也も互いに笑う

 

『ダイヤ(さん)(お姉ちゃん)お誕生日おめでとう!』

 

「ありがとうございますわ、皆さん」

 

あれからわたくし達は東京にデートに出かけ夜になり部屋一杯に飾り付けをされた真也の旅館の食堂、そこには千歌さんやルビィ、果南さんなどAqoursが集まっていた

 

「それじゃあダイヤさんお待ちかねの真也君お手製特大プリンケーキどうぞ!」

 

千歌さんがそう言うと果南さんと曜さんが2人掛かりでケーキを運んで来た

 

「ほっ本当にこんな大きなプリンを食べてしまってだっ大丈夫ですの!?罰なんて当たらないですの!?」

 

我ながらプリンには目がないのですねわたくし

 

「年に1回しか無い誕生日何ですから大丈夫ですって」

 

「そうだよお姉ちゃん」

 

「そっそうですわよね!」

 

わたくしはそう言ってスプーンで大きなプリンの一部を食べる

 

「ん〜、幸せですわ」

 

「それじゃあ私達も食べよう!」

 

千歌さんがそう言うと真也も含め全員がスプーンを持ってプリンのケーキを食べ始めた

 

「あっという間でしたわね」

 

「そうだね」

 

誕生日パーティーも終わり千歌さん達は今日此処に泊まって行くらしく各自の部屋で休んで居る

 

「真也、千歌さん達を呼んでくださって本当にありがとうございますわ」

 

「ううん、このくらい構わないよ。どうしたのダイヤ?」

 

目を瞑り何かを待つわたくしに真也がそう聞いてくる

 

「もう、わかっているのでしょう?」

 

「勿論わかってるよダイヤ」

 

そう言うと真也の顔がわたくしに近づいてもう少しで互いの唇が触れる所で目が覚め頭を抱える

 

(うう、わっわたくしは何という夢を!!こっこれはしばらくの間真也の顔をろくに見れそうにありませんわ!)

 

わたくしが冷静さを取り戻せたのは起きてから1時間後の事だった

 

〜ダイヤside out〜

 

誕生日おめでとうダイヤ




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松浦果南誕生日祭

松浦果南さん誕生祭おめでとうございます。
今回は果南さんとの話がメインです


「おはよう果南」

 

「おはよう真也君、それじゃあ行こっか」

 

今日は果南の誕生日なのでその準備が終わるまでの間果南と2人で出かける事になった(千歌姉達は気付かれて居ないつもりなんだろうけど果南はとっくに気付いている)

 

「そう言えばルビィちゃんとはこう言うデートとかってよく行くの?」

 

「ううん、実の所最近はあんまり行って無いかな」

 

と言うより最近僕は旅館の仕事、ルビィはAqoursの事で手一杯で練習の時以外会って居ない

 

「そんなんじゃダメだよ真也君、ルビィちゃんだって練習を抜きにして真也君との時間が欲しいだろうしさ」

 

「うーん、考えてみるよ。それにしても良かったの?鞠莉に任せっきりにして?」

 

「まあ、ダイヤが居るんだしそこまで大型の誕生日パーティーにはならないんじゃ無いかな?多分…」

 

(本当にそうかな?)

 

鞠莉って喜んで貰おうと言う善意でやってるからダイヤも少し止め辛い気がする。そこに千歌姉まで加わったんだダイヤの苦労は計り知れない

 

「ずっと話してても仕方ないし早く水族館に行こっか」

 

「そうだね」

 

果南の言葉に同意して水族館に向かう

 

「こう言う所に来るとつい夢中になっちゃうね」

 

「わかるよ、果南あれって」

 

「ペンギンの子供だね」

 

辺りを見渡しながら歩いて居たペンギンの子供を捕まえる

 

「随分と懐かれてるね真也君」

 

「昔から動物には懐かれやすかったけど此処までだなんて」

 

そのペンギンの子供は僕が抱えても別段嫌がらず人馴れしてるのかと思って果南に渡そうとすると突然暴れ出した

 

「どうしてこんな所に居るんだろ?」

 

「そう言えば前に千歌姉の誕生日に来た時はペンギンの散歩とかしてたからその時に逸れたのかな?」

 

「へー、そんなのもあるんだ。一先ず水族館の係員に届けよっか」

 

果南の言葉に頷きペンギンの子供を係員の所に連れて行く

 

「いやー、助かったよ。居なくなったのに気づいたのがついさっきでね。係員総出で探してたんだよ」

 

「そうですか」

 

そう言って係員にそのペンギンの子供を渡そうとすると果南の時と同じ様に暴れ出した

 

「よしよーし、怖くないからね。ほら、お母さんも待ってるよ」

 

ガラス越しでずっと僕に抱かれて居るペンギンの子供を見て居た大人のペンギンあれがこの子の親だろう

 

「また遊びに来るよ、だからね?」

 

そう言うとペンギンの子供は名残惜しいそうに僕を見た後親のペンギンの元に向かって行った

 

「本当に助かったよ、これお土産の割引券だから彼女さんと楽しんでね」

 

係員はそう言って別の場所に向かって行った

 

「彼女さんだってさ果南」

 

「あはは、なんか恥ずかしいね…」

 

その後微妙な空気の中水族館を後にした

 

『果南(ちゃん)(さん)お誕生日おめでとう(ずら)!』

 

水族館を後にした僕と果南は暫く内浦を歩いて準備が出来たと言う千歌姉からのメールを見てパーティー会場の小原家のホテルに入ると千歌姉達がそう言って僕と果南を出迎える

 

「ありがとう皆んな」

 

出迎えてくれた千歌姉達に果南は笑顔でそう言った

 

誕生日おめでとう果南




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国木田花丸誕生日祭

花丸ちゃんお誕生日おめでとうございます!
今回は花丸ちゃんとの話がメインです


「遅い…」

 

今日は花丸の誕生日で準備が終わるまで2人で時間を潰して欲しいとルビィに頼まれ花丸を待って居るが一向に花丸が来ない。何度か電話も掛けてみたが電話にも出ない事を考えるとまだ寝てるんだと思う

 

「仕方ない」

 

僕は花丸の家に向かい歩き出す

 

「すいません!」

 

「はいはい…高海君ごめんなさいね花丸ってばまだ寝てるの」

 

花丸のお婆ちゃんが出て来て花丸が寝ている事を教えてくれた。やっぱりまだ寝てたんだ

 

「そうですか「良かったら花丸が起きるまで上っ行きなさい」いえ、流石にご迷惑でしょうし」

 

「良いのよ、それにお爺さんが本堂の方に居るから私も話し相手が欲しかったのよ」

 

「それじゃあお邪魔します」

 

「今お菓子を持って来るわね」

 

花丸のお婆ちゃんはそう言って居間にお菓子を取りに行った

 

「それにしても初めて来るはずなのに何処か懐かしさを感じるのは何でだろう?」

 

そう思いながら縁側に座って居ると1つの部屋の襖が開いた

 

「あ…お婆ちゃんおはようずら」

 

花丸は寝ぼけて居るのか僕の隣に座ってそう言う

 

「ポカポカ陽気で気持ちいいずら」

 

「確かに気持ちいいね、でも僕は花丸のお婆ちゃんじゃないよ」

 

「お待たせ、あらおはよう花丸」

 

「あれ…お婆ちゃん…」

 

後ろから聞こえるお婆ちゃんの声に目を擦りさっきまでお婆ちゃんだと思って話しかけて居たのが僕だと認識する

 

「しっ真也君!?どうしてマルの家に居るずら!?」

 

「花丸お茶でも飲んで落ち着こう」

 

そう言って花丸にお婆ちゃんが入れてくれたお茶を渡す

 

「ふぅ〜、落ち着くずら〜」

 

「落ち着いたなら思い出そう昨日話した事を」

 

「昨日…は!」

 

花丸も思い出してくれた様だ

 

「心配して来てみればまだ寝てたなんてね」

 

「ごめんずら真也君」

 

「別に良いよ、この際だし今日は神社でゆっくり過ごさない?」

 

これから何処かに向かっても長くは居られないならいっその事此処で過ごさないかと花丸に提案する

 

「マルは大丈夫ずら」

 

「決まりだね、先ずは着替えて来たら?」

 

「そうするずら」

 

花丸はそう言って出て来た部屋に入って行った

 

〜花丸side〜

 

「真也君はやっぱり優しいずら」

 

マルは部屋で着替えながらそう呟く

 

「お待たせずら真也君」

 

マルが真也君の居た縁側に向かうと真也君がお婆ちゃんと話して居た

 

「お帰り花丸、今お茶持って来るね」

 

お婆ちゃんはそう言って居間にお茶を入れに行った

 

「それにしても良い天気だね」

 

「そうずらね、こんな日は日向で本でも読むずら」

 

「本か、花丸一冊借りて良いかな?僕本持って来て無くてさ」

 

真也君は苦笑いをしてそう言う

 

「良いずらよ、どんな本が良いずら?」

 

「花丸に任せるよ」

 

「それじゃあオラ一押しのを持って来るずら」

 

そう言ってマルは何度も読み返して居る一押しの本と読んで居る途中の本を取りに部屋に戻った

 

〜花丸side out〜

 

「ん〜!そろそろ頃合いかな?ん?ルビィ?」

 

花丸の一押しの本を読み終え携帯を確認すると数件ルビィから電話が掛かって来て居た

 

「どうしたのルビィ?」

 

『真君?今花丸ちゃんと一緒?』

 

「うん、花丸なら隣で本を読んでるよ?」

 

『準備が終わったから花丸ちゃんと一緒に十千万に来て』

 

何処でやるのかと思ったらうちだったんだ

 

「わかった、花丸行くよ」

 

そう言うが花丸は本に熱中して居てこっちを向こうとしない

 

「ほら、花丸」

 

「ずら!?も〜!酷いずらよ真也君今とっても良い所だったずら」

 

花丸が不服そうな顔をしてそう言う。ちょっと悪い事したかな?

 

「ごめんね花丸、ルビィが準備出来ただって皆んなも待ってるしさ」

 

「わかったずら」

 

まだ少し不服そうな顔をした花丸と僕は十千万に向かった

 

「偶には今日みたいにゆっくり本を読むのも良いかもしれない」

 

「そう…ずらね…」

 

花丸は本に熱中し過ぎて目が疲れたのか少し眠そうにして居る

 

「着いたら起こしてあげるから大丈夫だよ」

 

「それじゃあ…ちょっとだけ…す〜」

 

暫くして降りるバス停に着いたのは良いが花丸が起きない

 

「ほら降りるよ花丸」

 

「…もう…食べられない…ずら…」

 

一向に起きる気配のない花丸を背負い十千万に向かう

 

「あ!真君達来た!!」

 

十千万が見えて来た所でルビィが走って来た

 

「ごめんルビィ、花丸がバスの中で寝ちゃって」

 

そう言ってルビィに謝るとルビィは首を左右に振る

 

「仕方ないよ、花丸ちゃん気持ち良さそうにしてるね」

 

「仕方ないと言えば仕方ないんだけどね、今日は1日中花丸のお寺の縁側で本を読んでたから」

 

「そう何だ、でも花丸ちゃんが起きてくれないと誕生日パーティーが始められないよ」

 

「多分それは大丈夫だよ」

 

花丸の事だたとえ寝て居てもご馳走の匂いに釣られて起きるだろう

 

「ん…ふぁ〜、何だか良い匂いがするずら」

 

パーティー会場である十千万の中に入ろうとした時に花丸が食べ物の匂いに釣られて起きた

 

「ほら起きた」

 

「あはは…花丸ちゃんおはよう」

 

「おはようずらルビィちゃん、真也君も此処まで背負ってくれてありがとうずら」

 

「どういたしまして、それよりも早く入ろう」

 

そう言って十千万の大広間に向かうと千歌姉達を含めたAqoursが居た

 

『花丸ちゃん(さん)(ずら丸)お誕生日おめでとう』

 

「凄いご馳走ずら!」

 

大広間の中は至るところに料理が並べられて居た

 

「それじゃあ花丸ちゃんも来た事だし誕生日パーティー始めよ!!」

 

千歌姉のその言葉を聞いた花丸は目を輝かせながら料理に向かって行った

 

誕生日おめでとう花丸




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渡辺曜誕生日祭

曜ちゃん誕生日おめでとうございます
今回は曜との話がメインです


〜曜side〜

 

「お願い千歌ちゃん!1日だけで良いの!」

 

「うーん…曜ちゃんのお願いだから聞いてあげたいんだけど」

 

私があるお願いをすると千歌ちゃんは困った表情でそう言う

 

「曜ちゃんどうしてもしたいの?」

 

「うん!だからお願い!」

 

「わかった、良いよ曜ちゃんでも本当に1日だけだからね?」

 

「ありがとう千歌ちゃん!」

 

そう言って千歌ちゃんは私のお願いを聞いてくれた

 

「千歌姉終わったの?」

 

「うん!今終わったよ」

 

「なら手伝ってよ、お客さんも沢山来てるんだから。あ、遅くなったけどいらっしゃい曜。所何を頼んでたの?随分と必死だったけど?」

 

そこに旅館を手伝って居た真也君が来た

 

「そうそう、曜ちゃんが真也君を1日弟にしたいんだって」

 

「僕を1日弟に?それくらい別に良いけど…千歌姉どうしてダメだったの?」

 

「だって曜ちゃん真也君取られたく無いんだもん!」

 

千歌ちゃん私が真也君取ると思ったんだ

 

「曜に限って千歌姉が嫌がる事なんてしないよ」

 

「そうだよ千歌ちゃん」

 

「そうだよね!「何やってんだ千歌!」今行く!それじゃあ明日ね曜ちゃん真也君!」

 

千歌ちゃんはそう言って下に降りて行った

 

「それじゃあ行こっか真也君」

 

「そうだね曜」

 

そう言って私と真也君は十千万を出て私の家に向かった

 

〜曜side out〜

 

「それにしても曜が僕を弟にしてみたかったなんてね」

 

「私昔から弟や妹に憧れてたんだ。2日続けて千歌ちゃんにお願いした甲斐があるよ」

 

(そんなに欲しかったんだ弟か妹)

 

そんな話をしながら曜の家に向かう

 

「「ただいま(お邪魔します)」」

 

「お帰り曜…ちゃん…ちょっと待っててね…」

 

僕と曜が家に入るとそこには曜と同じ歳くらいの人が居た。その人は僕と曜にそう言ってリビングと思われる場所に入るって行く

 

『大変だよ叔父さん!叔母さん!曜ちゃんが恋人連れて帰って来た!!』

 

『曜に恋人だと!?曜の奴何時の間に…母さん俺は曜に恋人が出来たのは嬉しいが素直に喜べないんだがどうすれば良いんだろうか?』

 

『分かるわ、でも曜も年頃だもの恋人の1人くらい出来るわよ。今夜は赤飯にしようかしら?』

 

何か変な方に話が進んでる気がする

 

「お父さん!お母さん!月ちゃんも誤解だから!!真也君は恋人なんかじゃ無いから!!」

 

話す内容に耐えられなくなった曜が顔を赤くしてリビングに走って行った事で事態は収集した

 

「いやぁ、済まないね可笑しな誤解をしてしまって」

 

「いえ、大丈夫です」

 

数分後誤解を解いた曜が戻って来てリビングに入った

 

「それにしても曜ちゃんに男子の友達が居たなんて驚いたよ」

 

「もう月ちゃん私にも男子の友達くらい居るよ」

 

曜はさっきの誤解を招く要因となった従姉妹の渡辺月さんと話して居る

 

「それで曜、千歌ちゃんの弟さんがどうして家に?」

 

「私が千歌ちゃんに頼んだよ1日真也君を弟にさせて欲しいって」

 

「曜ちゃん弟とか妹に憧れてたもんね。それなら友達の弟を借りようと」

 

月さんの言葉に曜は頷く

 

「それじゃあ真也君は曜ちゃんの事お姉ちゃんって呼ぶの?」

 

「そこまでは…」

 

考えてなかったんだ

 

「なら曜のままで良いよね?」

 

「う〜ん…折角だからお姉ちゃんって呼んで」

 

お姉ちゃんか…流石に少し対抗がある…そうだ

 

「曜姉ちゃん…これで良い?」

 

「曜姉ちゃん…うん!それじゃあ明日の誕生日パーティーまでそれで宜しく!」

 

「わかってるよ曜姉ちゃん」

 

僕がそう言うと曜はご機嫌になって部屋に向かって行った

 

「真也君そろそろ観念しよう」

 

「やっぱりダメだよ曜姉ちゃん!月さんも止めて下さい!」

 

「私も曜ちゃんと同じ意見だよ真也君」

 

夜も遅くなって来たのでそろそろ寝ようとリビングにあったソファに向かおうとすると曜と月さんに止められる

 

「前にも一緒に寝てくれたのに」

 

「それって曜が勝手にした事だよね!?しかもそれ僕が子供になってる時だよね!?」

 

それにあの時は既に寝て居たが今はまだ寝れそうに無い

 

「ほら真也君床に布団3つ敷いたからね?」

 

「月さんまで…はぁ、わかりました」

 

「やった!」

 

「それじゃあ真也君は真ん中で決まり、私と曜ちゃんで真也君を挟んで寝ようか」

 

「賛成!」

 

「あの…僕の意見は…」

 

そう言う物の曜も月さんも既に布団に入って寝ようとしている

 

「それじゃあ消すね」

 

「「うん(はい)」」

 

曜の言葉に僕と月さんがそう返すと曜は電気を消す

 

「お休み真也君、月ちゃん」

 

「「お休み曜姉ちゃん(曜ちゃん)」」

 

そう言って3人揃って眠りに着いた

 

「ん…朝か…誕生日おめでとう曜姉ちゃん」

 

翌日僕は何時も通りの時間に起きてまだ眠る曜姉ちゃんに向かってそう言ってからランニングに出かけた

 

『誕生日おめでとう曜(ちゃん)(さん)』

 

夕方月さんを送って千歌姉達の居る鞠莉が用意した船の中に入ると千歌姉達はクラッカーを鳴らして曜と僕を出迎える

 

「うわあ!鞠莉ちゃんありがとう!」

 

「no problem このくらい大した事ないわ曜」

 

いや、誕生日パーティーの為だけに豪華客船クラスの船を用意するって中々できる事じゃ無いと思う

 

「それでどうだった曜ちゃん?」

 

「ありがとう千歌ちゃん凄く楽しかったよ!」

 

「えへへ、喜んでもらえて良かったよ」

 

その後も誕生日パーティーは進んで行き後は誕生日プレゼントを渡すだけになった

 

「千歌姉、僕が曜に渡す誕生日プレゼント持って来てくれた?」

 

「うん!はい曜ちゃん真也君から」

 

そう言って何故か千歌姉が曜に僕からの誕生日プレゼントを渡す

 

「千歌姉が渡してどうするのさ」

 

「あわわ、やっちゃった!ごめん曜ちゃん」

 

「ううん、ありがとう真也君」

 

誕生日プレゼントを受け取った曜は笑ってそう言った

 

誕生日おめでとう曜




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七夕特別編

「真君、来週の七夕の日って空いてるかな?」

 

Aqoursの練習が終わり千歌姉達は何か話し合いをするらしいのでルビィと2人でバスに乗って帰っている時ルビィにそう聞かれた

 

「ごめんルビィ、七夕の日はこの近くの幼稚園である七夕のイベントを手伝う事になっちゃって」

 

こう言うイベントに率先して参加して居たのは穂乃果さんで僕はそれに巻き込まれて参加するって事が多かったから何をすれば良いのかよくわからない

 

「Aqoursがライブをするみたいなのじゃダメなのかな?」

 

「うーん、それだとみんなを巻き込む事になっちゃうしね。急に言っても迷惑になるだろうし」

 

ルビィの案は確かに良いと思うけど家の事情なんかもあると思うから巻き込めない

 

「真君、ルビィにできる事があったら言ってね?」

 

「ありがとうルビィ、あ…それじゃあ早速良いかな?」

 

僕が思いついた事をルビィに相談してみる

 

「それでどうかなルビィ?」

 

「やるよ真君、それならルビィにも出来ると思う」

 

ルビィは少し迷ったが良いと言ってくれた為明日から練習を始める事にした

 

「真也君!七夕の日Aqoursのみんなでライブする事になったから!」

 

僕が帰って来て少ししたら千歌姉も帰って来た。今の言葉から察するにダイヤさん達も巻き込んだんだろう

 

「話し合いってイベントの事だったんだ。それじゃあ無理そうかな?」

 

「どうしたの真也君?」

 

僕の言葉が聞こえた千歌姉がそう言って首をかしげる

 

「今日バスの中で決めたんだけど、ルビィと2人で出し物をするって話してたんだけどAqoursがライブをするんだったらルビィもそっちに参加しないとだから無理そうかなって思って」

 

出し物の内容を伏せて千歌姉にそう言う

 

「うーん、それじゃあ真也君とルビィちゃんの出し物もAqours全員でしない?」

 

「その気持ちは嬉しいけど、ライブの練習もしないといけないのにこっちの練習もする訳には行かないでしょ?」

 

流石に2つの練習の両立は難しいと思いそう言う

 

「真也君とルビィちゃんは何するつもりなの?」

 

「一様七夕の話の劇をしようかなって考えてるんだけど、「良いじゃん!みんなでやろうよ!」でもライブするんだったらその練習も必要だよね?流石に2つの練習の掛け持ちはキツいんじゃないかな?」

 

そう言うと千歌姉は考え込む

 

「真也少し肩の力抜いた方が良いんじゃないか?」

 

仕事から帰って来た美渡姉ちゃんが話を聞いていたらしくそう言う

 

「美渡姉ちゃん、でも出来れば喜んで貰いたい、それに成功もさせたい」

 

「そっか、お前は子供達の為に一生懸命なんだな。だが前にも言ったよな真也。家族を頼れって、あの子もきっとお前の力になりたいって思って一緒にやってくれるって言った筈だ。偶にはその行為に甘えても良いんじゃ無いか?」

 

そう言って美渡姉ちゃんは僕の頭を力強く撫でる

 

「美渡姉ちゃん…わかった、千歌姉みんなに伝えてくれる?明日から劇に向けて練習したいから来れる人は朝十千万の前に来てって」

 

「うん!曜ちゃん達に言っておくね」

 

そう言って千歌姉は曜や梨子達に電話でそう伝えた

 

「真君、子供達喜んでたね?」

 

「うん、良かったよ」

 

そして七夕当日結局劇の方にも全員が参加してくれたお陰で無事成功したのでその打ち上げをする為に十千万に戻っている

 

「真也君!ルビィちゃん!早く早く!」

 

「千歌姉先に戻ってて!行こルビィ」

 

「真君、この服走り難い」

 

千歌姉にそう言って僕は織姫の衣装を着たままで居るルビィの手を引いて走り出す

 

「わぁぁあ!」

 

「凄いでしょ?毎年夏と冬の夜に一度は此処に来るんだ」

 

僕とルビィが始めて会った花畑は近くに建物もないので星空がよく見える

 

「ねえ真君、織姫と彦星は会えたのかな?」

 

「そうだと良いね」

 

「うん」

 

僕とルビィはしばらくの間、時間も忘れて星空を見上げた




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ハロウィン特別編

「トリックオアトリート!!」

 

「はぁ、これあげるからもう少しだから我慢して」

 

僕がそう言ってまたあめ玉を渡すと千歌姉は喜んでから厨房を出て行った。今日あった内浦のハロウィンイベントでのAqoursのライブを終え各自色々な仮装して鞠莉が貸し切りにしたホテルに集まって居る

 

「果南、ダイヤそっちは終わった?」

 

「もう少しで完成って所かな」

 

「わたくしもこれが最後の仕上げですわ」

 

果南もダイヤももう直ぐって事は大丈夫そうかな

 

「シーンヤ!」

 

「はいはい」

 

後ろから抱きついて来る鞠莉にチョコレートを渡す

 

「NOマリーは真也のお菓子を希望するわ」

 

「そう言われても」

 

僕の作ってるお菓子はまだ出来てない

 

「鞠莉さん、真也をあまり困らせてはいけません。わたくしと果南さんは作り終えたのでそちらを食べて下さい」

 

「もー、ダイヤってばそんなに怖い顔してるとまたシワが増えるわよ」

 

怒らせて居る張本人の言う言葉じゃ無い気がする。

 

「誰のせいですの!!」

 

「これ以上はダイヤも本気で怒りかね無いわね、それじゃあ楽しみにしてるわ真也」

 

ダイヤが強めに怒鳴ると鞠莉はそう言って厨房を出て行った

 

「全く、鞠莉さんには困ったものですわ」

 

「それじゃあ私達も先に行ってるから、真也君も早く来ないとお菓子無くなっちゃうよ」

 

「わかった」

 

僕は果南にそう言ってオーブンの中を見る

 

「後はこれで、よし出来た」

 

お菓子が完成したのでそれを台車に乗せて千歌姉達の所に向かう

 

「みんな出来たよ!」

 

『おー!!』

 

僕の作って来た大きなカボチャのケーキを見た千歌姉達が驚く

 

「美味しそうずら」ジュルリッ

 

「そっそうね」ゴクリッ

 

「ねえ皆んな!ケーキに乗ってるチョコレート千歌達だよ!!」

 

「本当だ!ルビィも居る!」

 

「これは一年くらい真也君にイタズラは出来ないなぁ」

 

「そうね、でも体重が…」

 

「そうですわね、これは果南さんのように朝早くから走った方が良いかもしれませんわね」

 

「なら一緒に走るダイヤ?」

 

「期待通りよ真也!さ!食べましょう!」

 

そう言って鞠莉がケーキを切り分ける

 

「そう言えば真也は仮装しないのね」

 

鞠莉がそう呟くと同時に全員が僕を見た

 

「何?」

 

「嫌、何で仮装しないのかなって」

 

「ハロウィンだから仮装しなきゃいけない何て決まりは無いからね。そもそも仮装する気も無いしね」

 

去年は確かことりさんに無理矢理仮装させられたっけ

 

「あ!そう言えば!」

 

曜が何かを思い出したのか鞄を探る。ことりさん?嫌な予感がするので僕はそっと部屋の外に避難しようとするが

 

「あった!これだよ!あれ?真也君何処行くの?」

 

僕が出るよりも先に曜が目当ての物を見つける

 

「えっと…部屋の甘い空気で少し気分が悪くなって来たので外の空気を吸いに行こうと思って」

 

「そうなんだ、それじゃあついでにこれに着替えて来てよ。ことりちゃんにその仮装の真也君の写真送って欲しいって言われてるんだ」

 

そう言って曜に渡された紙袋には丁寧に畳まれた服が入って居た

 

「これをですか?」

 

「うん!私は何か知ってるけど千歌ちゃん達は知らないしさ、ほら早く早く!」

 

曜が満面の笑みでそう言って僕を部屋の外に追い出す

 

「仕方ない諦めよう」

 

抵抗した所で曜か鞠莉に着せられる未来が見えるので諦めて自分で着る事にした

 

〜曜side〜

 

「曜ちゃん!真也君の仮装ってどんなのなの!?曜ちゃん知ってるんだよね!?」

 

「うん、でも今言ったら楽しみが無くなっちゃうよ?」

 

「うーん、それじゃあ辞めとくよ」

 

私がそう言うと千歌ちゃんは聞くのを辞めて真也君の帰りを楽しみに待つ事にした

 

「それで曜さん、一体どんな仮装なんですの?」

 

「気になるんですかダイヤさん?」

 

「ええ、少しばかり興味がありますわ」

 

興味があるんだダイヤさん

 

「これですよ」

 

「……本当に真也はこれを着てくるのでしょうか?」

 

まあ相手に私と鞠莉ちゃんが居ないなら多分着て来ないだろうけど今回は私も鞠莉ちゃんも居るから着てくると思う

 

「ただいま…」

 

そう言って入って来たのはメイドさん(真也君)だった

 

〜曜side out〜

 

「ただいま…」

 

僕がそう言って中に入ると事情を知ってる曜以外が驚いた顔をする

 

「鞠莉ちゃん貸し切りじゃなかったの?」

 

「ええ、その筈よおかしいわね、それにあんな可愛い子マリーも見た事無いわ」

 

そりゃ見た事無いよ今日だけなんだから、それと可愛いって言葉は冗談であって欲しい

 

「…苦労して居ますのね真也…」

 

僕のそばに来てダイヤがそう耳打ちする

 

「…何で知ってるのダイヤ…」

 

「…曜さんから聞きましたわ…それでは皆さんそろそろ終わりにしましょう。真也は先に帰るとわたくしに今連絡が来ました」

 

ダイヤが僕だとバレない内に終わらせようとそう言ってくれた事でここに居るメイドが僕だとバレないで終わった。次の日から1週間の間曜の練習を誰よりも厳しく見て、ことりさんとは1ヶ月連絡を取らなかった




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クリスマス特別編

「それじゃあ、みんなクリスマスライブお疲れ様!それとメリークリスマス!」

 

『メリークリスマス!!』

 

千歌姉のその言葉でAqoursのクリスマスパーティーが始まった

 

「いやー、ライブ楽しかったね!」

 

「そうだね、みんな喜んでたしね」

 

Aqoursはほんの1時間前までクリスマスライブを沼津で行いそのまま淡路島にある鞠莉のホテルに直行してクリスマスパーティーをして居る。千歌姉やAqoursにも体力がついて来た証なのだろうか?誰一人として疲れた顔をしていない

 

「それにしてもホテル一つ貸し切るって本当に良かったの鞠莉?」

 

「YES!せっかくのXmasだもの特別な場所でやりたいじゃない。真也こそ平気そうね、飾り付けから料理まで全部1人でやったのに」

 

そう千歌姉達がライブをして居る間僕は1人でと言っても鞠莉の家の執事さんが飾りに使う物なんかは全て準備してくれて居たので飾り付けはあまり時間が掛からなかった。料理の材料も小原家の物を使ったのでスムーズに進んだ

 

「んー、どれも美味しくて幸せずら」

 

「ずら丸、あんた取りすぎじゃない?」

 

「美味しい物は一度手をつけると止められないずら」

 

「わかるよ花丸ちゃん、私もダメだと思ってもついつい手が出ちゃうんだよね」

 

「まあ真也君の料理だし分からない訳じゃないけど」

 

「あはは」

 

花丸が凄い勢いで料理を食べて行く。あの体の何処にあの量が入ってるのか気になってくる

 

「それじゃあケーキ持ってくるね」

 

「待って!ケーキの前にプレゼント交換しようよ!」

 

「OK!それじゃあ皆んなから集めたプレゼントを配るわね」

 

そう言って鞠莉が大きな袋の中から10個の箱を取り出す

 

「それじゃあ音楽スタート!」

 

そう言って千歌姉が音楽を流す

 

「千歌姉これって」

 

「うん!真也君が音楽コンクールで演奏した曲だよ」

 

それは音楽コンクールで僕が演奏した曲だった

 

「やはり素晴らしい演奏ですわね」

 

「そうね」

 

その音楽を聴いて誰1人としてプレゼントを回してないこれじゃあプレゼント交換にならない

 

「千歌姉ストップ、曲は僕が選ぶよ」

 

「えー!良いじゃん別に!」

 

千歌姉が文句を言うが誰1人としてプレゼントを回さないと言う状況を作り出した千歌姉に僕は任せて居られなくなった

 

「むー、それじゃあ音楽スタート」

 

そう言って千歌姉が今度は僕が選んだ音楽を流す

 

「ストップ!」

 

音楽が止まった所で全員プレゼントを回すのを止める

 

「「これルビィ(僕)が選んだプレゼントだ」」

 

僕とルビィの2人が自分のプレゼントが回って来た為プレゼントを交換する

 

「いやー、それにしても凄いね10人も居てルビィちゃんと真也君がお互いのプレゼント貰うって」

 

「そうだね、あ!これって恋人パワーって言うのじゃないかな!?ほら、漫画でもあるじゃん!相手の事思って選んだプレゼントがその相手に行くって言うの!」

 

「ルビィと真也のLoveがお互いのプレゼントを呼び寄せあったのね」 

 

Loveかどうかは知らないが何かの力が働いたとかなら面白いかも

 

「それじゃあせーので開けるよ!」

 

『せーの!!』

 

千歌姉の掛け声に合わせて全員が一斉にプレゼントを開ける

 

千歌姉→曜…兎のぬいぐるみ

 

「ありがとう千歌ちゃん大事にするね」

 

「うん!」

 

曜→花丸…クッキーの詰め合わせ

 

「ありがとうずら曜さん」もぐもぐ

 

「喜んで貰えて良かったよ」

 

花丸→果南…おすすめの本

 

「おらの一押しの本ずら、良かったら読んで欲しいずら」

 

「ありがとう花丸ちゃん」

 

梨子→善子…花の髪飾り

 

「ありがたく頂くわリリー」

 

「喜んで貰えて良かったわ」

 

善子→梨子…猫のネックレス

 

「ありがとう善子ちゃん」

 

「ふふふ、ありがたく思いなさい…良かった…」

 

ダイヤ→鞠莉…手編みのマフラー

 

「thank youダイヤ、とっても嬉しいわ」

 

「喜んで貰えたのなら良かったですわ」

 

果南→ダイヤ…スノードーム

 

「ありがとうございます果南さん」

 

「どういたしまして」

 

鞠莉→果南…指輪

 

「あっありがとう鞠莉」

 

「喜んで貰えて良かったわ果南」

 

僕→ルビィ…ニット帽

 

「どうかな真君?」

 

「似合ってるよルビィ」

 

ルビィ→僕…チョコレートの詰め合わせ

 

「ありがとう、後で一緒に食べよう」

 

「うん」

 

各自プレゼントを貰ってからクリスマスケーキを食べて解散となった




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正月特別編

あけましておめでとうございます
今年も頑張って投稿していくのでよろしくお願いします


「あの、本当に良かったんですか?」

 

「何を言って居るんですの?真也貴方は黒澤家の一員、此処に居る事にお父様もお母様もわたくしもそしてルビィも誰1人として不服はありませんわ」

 

今年も残すところ後数時間、去年までは千歌姉達と十千万で過ごして居たが今年はルビィの家に呼ばれ黒沢家で年越しを迎える事になった

 

「真君、もしかして迷惑だったかな?」

 

ルビィが申し訳無さそうに聞いてくる

 

「そう言う訳じゃないけど、なんだか落ち着かなくて」

 

「旅館は年末も忙しいでしょうしね、落ち着かないと言うのもわかる気が致しますわ」

 

十千万には年越しでも宿泊して居る人も数人居るのでする事が山ほどあるのだが黒澤家ではルビィとダイヤの母親がしてくれるのでそのせいで落ち着かないのかもしれない

 

(大丈夫かな千歌姉達?)

 

僕の心配をする十千万は例年より宿泊客が多く人手が足りなくなっていた事は後になって千歌姉から聞いた

 

「皆んな年越し蕎麦が出来たわよ」

 

「ありがとうございます。あの、後は僕がしますのでゆっくりして居て下さい」

 

「そう?それじゃあお言葉に甘えて後はお願いしようかしら」

 

「任せて下さい」

 

流石に全部して貰うのは申し訳なく思いそう言って年越し蕎麦を取りに台所まで向かう

 

〜ルビィside〜

 

「真也君、彼本当に働き者ね」

 

「ああ、此処に来る前も旅館の仕事があったろうに、ルビィ良い恋人を見つけたな」

 

「お父さん!!」

 

ルビィは思わず顔を赤くして大きな声で叫ぶ

 

「ええ、わたくしも真也の事を見習わなければなりませんね。それとルビィ、初詣に着て行く晴れ着は決まりましたか?」

 

「ごめんねお姉ちゃん、中々決まらなくて」

 

お姉ちゃんに言われて初詣に着て行く晴れ着が決まってない事に気付く

 

「まだ時間もあるので大丈夫ですが早めに決めておく事にそんはないですわよ」

 

「うん、また後でお部屋で選ぶね」

 

ルビィがお姉ちゃんにそう言うと真君が年越し蕎麦を持って来てくれた

 

〜ルビィside〜

 

「あの、真君」

 

初詣は明日の朝に行く事になり部屋に戻ろうとするとルビィに止められる

 

「どうしたのルビィ?」

 

「あのね、明日初詣に着て行く晴れ着が決まらなくて、一緒に選んでくれないかな?」

 

「晴れ着?僕で良ければ良いけどそう言うのダイヤとかの方が良いんじゃないかな?」

 

「それがね、今まで毎年お姉ちゃんに選んで貰ってたから今年はルビィが自分で選ぼうって思ったんだけど中々決まらなくて」

 

それでダイヤじゃなくて僕に言って来たんだ

 

「わかった、一緒に選ぼう」

 

「うん!」

 

僕とルビィで晴れ着を選ぶそこまでは決まったんだけど

 

「凄い量だね」

 

「うん、この中から1つ選びたいんだけどどれも可愛くて」

 

これはルビィじゃなくても迷うかもね

 

「それでね、ルビィがいくつか選ぶから真君にその中から選んで欲しいの、ルビィだけじゃ無理だから」

 

「うん、取り敢えず着て見せて僕は外で待ってるから」

 

そう言って外に出る

 

「うう〜、決まらないよ〜」

 

あれから1時間、僕とルビィは未だに晴れ着が決まっていなかった

 

「ルビィが選ぶのって似合ってるのばかりだから僕も決められないよ」

 

そうルビィの選ぶ晴れ着は全てルビィに似合って居るのが多くてとてもじゃないけど選べない

 

「どうしよう」

 

「う〜ん、それじゃあこれにしよう」

 

僕はルビィが選んだ晴れ着の中の1つを選ぶ

 

「これ?」

 

「うん、ルビィにはこれが一番似合ってたと思うし」

 

「うん、真君がそう言うならそうするね」

 

晴れ着を選び終えた所で除夜の鐘が鳴る

 

「真君、あけましておめでとう。今年もよろしくね」

 

「あけましておめでとう、僕の方こそよろしくルビィ。それじゃあお休み」

 

「うん、お休み真君」

 

そう言って年越しの挨拶をした後各自、自分の部屋で寝たが翌日2人して寝過ごし初詣に行くのはお昼時になった




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バレンタイン特別編

「おはよう千歌姉、随分と早いね」 

 

朝起きて下に行くと珍しく千歌姉が早く起きて居た

 

「真也君おはよう、はいこれ私からのバレンタインチョコ」

 

そう言って千歌姉からチョコを貰う

 

「ありがとう、今年は手作りなんだ」

 

「去年まで真也君は東京だからね」

 

「それもそうだね「真也ー!荷物届いてるぞ!」ありがとう美渡姉ちゃん。今年もなんだ」

 

「何々?凄い量だね真也君!」

 

「殆どが穂村からの和菓子だけどね」

 

毎年穂村はバレンタインの時期限定でチョコレートの和菓子を作って並べるが毎年売れ行きは微妙な上にバレンタインの時以外買わない人が多いから毎年売れ残りを貰って居る。今回はその中に穂乃果さん達μ'sとツバサさん達A-RISEからのチョコレートもあった

 

「中学までは陸上部だったから良かったけど今年は部活自体入ってないから辛いよ穂乃果さん」

 

「ねえねえ!千歌にも頂戴!」

 

「良いけどその前に朝練は大丈夫なの?」

 

「あ!忘れてた!ちょっと待ってすぐ着替えて来るから!」

 

そう言って千歌姉は部屋に着替えに行く

 

「今千歌姉が寝巻きで走って行ったけど何かあったの?」

 

「朝練の時間忘れてチョコ作ってたみたいだよ」

 

「そうなんだ、真也兄1つ貰うね」

 

「うん、ついでに8箱は持っていくから残りを冷蔵庫入れて置いて」

 

「わかった」

 

楓はそう言って和菓子の入った箱を持って台所に向かった

 

「お待たせ!それじゃあ出発!!」

 

「千歌姉近所迷惑だから朝から大声出さない。美渡姉ちゃん自転車借りて行くね」

 

「別に良いぞ」

 

美渡姉にそう言って和菓子を自転車の籠に入れて朝練の場所に向かった

 

「あ!……!」

 

後で何か言う千歌姉は無視した

 

「おはよう果南」

 

「おはよう真也君、自転車だなんて珍しいね」

 

「今日は荷物もあったから、はいバレンタインチョコ」

 

そう言って果南に和菓子を渡す

 

「ありがとう、これチョコじゃなくて和菓子だよね?」

 

果南は箱を見てそう言う

 

「朝穂乃果さんの家から届いたチョコレートの和菓子だよ」

 

「そう何だそれで千歌は今日も遅刻?」

 

直ぐに遅刻って出て来る辺り千歌姉のせいなんだけど

 

「今日は違う、僕より先に起きてたし」

 

「へー、あの千歌がね…あ、本当に来た」

 

僕が到着して暫くすると千歌姉が見えて来た

 

「もー!真也君だけ自転車なんてずるいよ!!自転車で行くなら千歌も乗せてよ!」

 

「だろうと思ったよ」

 

「ま、千歌だし仕方ないか」

 

「真也君も果南ちゃんも酷いよ!!」

 

千歌姉が珍しく早く来たと思うと今日遅刻をしなかったのは千歌姉の少し後に来た曜だけだった

 

「遅いねダイヤさん達」

 

「そうだね」

 

「どうする?私達だけで練習始める?」

 

「ん〜、取り敢えず先に走り込みしてて、僕も後から行くから」

 

そう言うと果南達は砂浜に走り込みに行った

 

「はぁはぁ、しんくーん!」

 

「遅刻だよルビィ」

 

「すみません真也」

 

果南達が走りに行ってから少しするとルビィとダイヤ後ろに花丸と善子それから鞠莉も居た

 

「今日は大目に見るけど次からは気を付けて、それじゃあ下で千歌姉達も走り込みしてるし僕達も行くよ」

 

ルビィ達も来たので千歌姉達と合流して本格的に朝練を始めた

 

「そう言えばルビィ達の遅刻の原因って結局の所なんなの?」

 

「それはですね、ほらルビィ」

 

「うゆ…これお姉ちゃんと一緒に作った真君のバレンタインチョコ受け取って真君」

 

それで遅刻したんだ

 

「別に無理しなくて良かったのに」

 

「真君にはルビィが作ったチョコレートを食べて欲しかったから頑張って見たんだ」

 

「ありがとうルビィ、そうだこれ皆んなに持って来たんだ」

 

果南と千歌姉以外のまだ渡して無かったメンバーに渡す

 

「真也君、今日は女の子が男の子にチョコを渡す日だよ」

 

「そうでも無いわよ曜、アメリカとかじゃバレンタインは男女問わずに恋人や親しい人にプレゼントを渡す日なのよ」

 

「それにそうなるとチョコの量が物凄い事になるからね」

 

僕がそう言うとルビィが固まる

 

「おーい、ルビィ?」

 

手を上下に振って見るが全く動かない

 

「真也君、向こうで結構モテてる?」

 

「モテる?僕は穂村のチョコレートの和菓子の事を言ったんだけど?」

 

『紛らわしい!!』

 

「?」

 

何が紛らわしいんだろ?

 

「ま、それは置いといてまだいっぱいあるからこれから皆んなで食べようよ!」

 

「それも良いけど私達も一様真也にチョコ作ったんだからそれを取りに行く時間くらい貰うわよ。どうしたのよ真也、何であんたは私を家に帰すのが嫌なのよ」

 

僕が善子を家に返したく無い理由?そんな決まってる

 

「善子…僕はまだ死にたく無いよ」

 

「失礼ね!お母さんに見てもらったしちゃんと味見もしたわよ!死なないわよ!!」

 

「良かった」

 

「あんたが私の事どう見てるかよくわかったわ」

 

善子が若干睨みながら僕を見る流石にやり過ぎたか

 

「ごめん善子」

 

「ふん!今更取り繕ってもあげないわよ!」

 

そう言って善子はそっぽ向く

 

「なら良いよ「待ちなさいよ!ちゃんとあげるから!」ふーん、くれるんだ」

 

「な!?はぁ、あんた本当にいい性格してるわね」

 

善子はため息を吐いてそう言う

 

「ついでよズラ丸あんたの分も取って来てあげるわ」

 

「ありがとうずら善子ちゃん」

 

「良いわよ別に、真也この自転車借りるわよ」

 

善子はそう言って自転車に乗って家に向かった

 

「シーンヤ」

 

鞠莉は後ろから抱きついてチョコレートを僕の口に持って来た

 

「ん…ありがとう鞠莉」

 

「それじゃあ私も、はい真也君」

 

「梨子ちゃん私達も渡しちゃおっか」

 

「そうね」

 

その後も果南と曜そして梨子の3人からチョコレートを受け取り1度千歌姉に預け固まるルビィを背負い全員で十千万に向かった。




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本編
プロローグ


「すみません遅刻しない様に言ったのに」

 

「いえ、気にしないで下さいあの人ならあり得ますし」

 

東京のとある駅前でそんな話をしている男女2人本当は後2人来る予定だったのだがその2人は遅れている

 

「「海未ちゃーん!真也くーん(真くーん)!」」

 

「遅いですよ穂乃果!ことり!」

 

「まあまあ落ち着いて下さい海未さん」

 

穂乃果と呼ばれた高坂穂乃果、ことりと呼ばれた南ことり、海未と呼ばれた園田海未、最後に真也と呼ばれた高海真也この4人は幼馴染で穂乃果とことりそして海未は真也の一つ歳上

 

「全く、今日は真也が静岡に引っ越す日だと前々から言っていた筈ですよ」

 

「ごめん海未ちゃん、真君もごめんね」

 

そう言って謝る穂乃果さん

 

「ううん、それじゃあ電車も出るし行って来ます!」

 

「「「行ってらっしゃい!!」」」

 

海未さん達に見送られながら僕は静岡に向かった

 

「さてと、千歌姉は驚いてくれるかな?」

 

自分の姉のうちの1人を驚かせる為に姉2人と妹には言った。真也はそう言ってその姉の待つ内浦に向かった

 

〜千歌side〜

 

「んー!今日もいい天気」

 

こうして私高海千歌の1日が始まった

 

「おはよう美渡姉」

 

「おはよう千歌」

 

「おはよう千歌姉」

 

「おはよう楓ちゃん」

 

楓ちゃんが台所から出て来る

 

「千歌姉もう直ぐまた学校始まるんだから今日みたいな時間に起きるのはやめてね。それと美渡姉お弁当」

 

美渡姉は楓ちゃんにお弁当を受け取ると仕事に行った

 

「おはよう千歌」

 

「志満姉おはよう」

 

私が朝ごはんを食べに食堂に行くと志満姉が居た

 

「そうそう千歌今日は大切なお客さんが来るからね」

 

「大切なお客さん?」

 

「ええ」

 

そう言って志満姉は受付に向かった

 

「楓ちゃんは聞いてる?」

 

「ううん、知らないよ?」

 

「そうなんだ」

 

大切なお客さんて誰だろとそう思いながら私は朝ごはんを食べた

 

〜千歌side out〜

 

「やっと着いたやっぱり静かで落ち着く」

 

時刻は12時を少し過ぎた所僕は内浦に着いた

 

「さてと、それじゃあ行きますか!」

 

そう言って僕は十千万に向かった

 

「こんにちは!」

 

「いらっしゃいませ!」

 

そう言って出迎えてくれる志満姉ちゃん

 

「ただいま志満姉ちゃん」

 

「お帰り真也」

 

小声でそう言って辺りを見渡す

 

「あれ?お客さんだ!」

 

そう言って僕に近づいて来るのは唯一此処に来る事を知らない千歌姉

 

「んー、どこかで見た事のある様な」

 

そう言って顎に手を当てて考える千歌姉

 

「」プルプル

 

それに笑いを堪える為に震えてしまう僕

 

「あのお客さ「ごめんもう無理!ははは!」えっ?何!?」

 

いきなり笑い出した僕に驚く千歌姉

 

「千歌姉気付こうよそれ真也兄だよ」

 

「えっ!?真也君なの!?」

 

「気づいてよ千歌姉」

 

そう言って被っていた帽子を取る

 

「本当だ真也君だ!久しぶり!」

 

そう言って抱きつく千歌姉

 

「ただいま千歌姉」

 

「でも真也君は東京…は!もしかして志満姉も皆んな知ってた!?」

 

僕がいる事に疑問を抱かなかった志満姉ちゃん達を見て千歌姉がそう言う

 

「「「正解!サプライズ成功!!」」」

 

「やっぱり皆んな知ってたんだー!!」

 

楓の持ったプレートを見て千歌姉が顔を真っ赤にしてそう叫ぶ

 

「ふー、帰って来たのは良いけど、どこの高校通うの?」

 

「浦の星女学院だよ千歌姉」

 

僕の言葉に千歌姉が驚く。まあ無理もない

 

「千歌姉何を勘違いしてるか知らないけど共学化のテスト生として入学するからね」

 

「何だー、てっきりそう言う趣味に目覚めたのかと」

 

(目覚めたくはないけど慣れたかな)

 

そう思い僕はことりさんの顔を浮かべる

 

「試験は?」

 

「明日の朝から出る予定だよ」

 

「そっか!頑張って入学したら私と同じ学校だから!」

 

力強くそう言う千歌姉何が彼女をそこまでさせるのだろうか?

 

「わかったよ千歌姉」

 

僕がそう言うと千歌姉は安心していた

 

「そう言えば真也君は此処に住むの?」

 

「うん、そのつもりだよ千歌姉」

 

「あれ?でも荷物は?」

 

「明日になったら届くよ」

 

僕がそう言うと千歌姉は僕の部屋に案内してくれた




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1話

「んー!朝か」

 

環境が変わってもいつもと同じ時間に起きれる辺りもう癖になりつつあるのだろう

 

「行って来ます」

 

そう言って僕は十千万を出た

 

「今日は居るかな?居た!果南さーん!」

 

「あれ?真也君?何で居るの?」

 

松浦果南さん千歌姉の幼馴染で僕の2つ歳上で内浦に来た時はよく一緒に走っている

 

「浦の星女学院の共学化のテスト生として入学するんですよ」

 

「へー、それじゃあ入学したら私の後輩になる訳だ」

 

そう言って果南さんは走るペースを上げる

 

「ええ、合格しなかったら東京の音ノ木坂学園って言う今年から共学化した学校ですけどね!」

 

そう言って今度は僕が走るペースを上げる

 

「お!真也君やるねー、何時もの行くの?」

 

「ええ、今回も負けませんよ!」

 

そう言ってそのまま神社の階段を登り始める僕と果南さん

 

「ふー、今回も僕の勝ちですね」

 

「やっぱり真也君凄いね」

 

(まあなりたくてなった訳じゃないですけど)

 

そう思い僕は海未さんの道場での事を思い出す

 

「試験は軽い面接だから頑張ってね」

 

「はい、それじゃあ」

 

そう言って果南さんと別れて僕は浦の星女学院に向けて出発した

 

「この坂も結構あるなぁ」

 

浦の星女学院前の坂を登り終えると1人の女性が居た

 

「お待ちしていました。高海真也さんですね?わたくしは此処の生徒会長黒澤ダイヤですわ」

 

黒澤?何処かで聞いた事のある苗字だ

 

「高海真也です。よろしくお願いします」

 

「それでは生徒会室に向かいましょうか」

 

そう言って歩き出した黒澤さんの後を僕は着いて行く

 

「それでは面接を始めましょうか、まずこの学校を志望した理由は何ですか?」

 

「えっと、すみません特には強いて言うなら姉が心配だからですかね」

 

僕がそう言うと黒澤さんが小さく笑う

 

「いえ、すみませんそんな理由で来た方は初めてなので」

 

「そうですよね」

 

そう言って僕は苦笑いを浮かべる

 

「さて次に、貴方がこの学校でやってみたい事は何ですか?」

 

「やってみたい事…友人を出来るだけ多く作るですかね?」

 

小中と友人と呼べるのは幼馴染の3人と1人くらいなので流石に少ないと思っている

 

「そうですか、出来ると良いですね」

 

「ありがとうこざいます」

 

黒澤さんはそう言って僕に制服を渡す

 

「おめでとうございます、新学期からよろしくお願い致します高海真也さん」

 

どうやら合格したらしい

 

「ありがとうございます、そう言えば黒澤さんは妹とか居ますか?」

 

「ええ、居ますが?」

 

そう言うのと同時に生徒会室の扉が開かれた

 

「お姉ちゃんお母さんが忘れ物…」

 

そう言って入って来た赤髪のツインテールの女の子は僕の顔を見て固まる

 

「あの真也さんあまりルビィに近づかない方が」

 

「どうして「真君?」ん?何で僕の名前を?」

 

そう言ってルビィと言われた子は僕の名前を呼んだ

 

「ルビィ、ルビィ?え?もしかしてあのルビィ!?」

 

「うん!それじゃあ本当に真君なんだ!」

 

黒澤ルビィ僕の小さい頃よく一緒に遊んだ親友だ

 

「真也さんはルビィと面識が?」

 

「はい、黒澤さんに妹が居るか聞いた理由もそれですしね」

 

「そうでしたか、真也さんそれとわたくしの事はダイヤで構いませんわ」

 

そう言って僕の顔をじっと見つめる黒澤さん

 

「黒澤「ダイヤ」黒「ダイヤですわ」わかりましたダイヤさん」

 

「よろしいですわ、それと連絡先も交換しておきましょう。何かわからない事があれば力になりますわ」

 

そう言って満足そうにするダイヤさんとおずおずと頼んできたルビィの2人と連絡先を交換した

 

「真也さんこれからもルビィと仲良くしてあげて下さいませんか?」

 

「当たり前ですよ、これからよろしくねルビィ」

 

「うん、よろしく真君!」

 

こうして僕は無事試験に合格しルビィと再会した

 

「それで真君はどこに住んでるの?」

 

ダイヤさんは生徒会の仕事があるらしく学校に残って今はルビィと帰っている

 

「十千万って言う旅館が僕の家だからそこに住んでるんだ」

 

「そう何だ…えへへ」

 

「どうかしたのルビィ?」

 

「真君と一緒の学校に行けるって思ったら嬉しくて」

 

可愛い事言うなぁ

 

「僕もルビィと同じ学校に行けて嬉しいよ」

 

そう言って僕とルビィは別れ十千万に帰る途中に千歌姉に電話をした

 

「千歌姉合格したよ」

 

『本当!良かった!そうだ!幼馴染紹介したいんだ!』

 

「果南さんなら知ってるよ?」

 

『果南ちゃんじゃなくてもう1人の幼馴染だよ真也君!』

 

あのお騒がせな姉に2人も幼馴染が居たとは

 

『早く帰って来てねそれじゃあ!』

 

そう言って千歌姉は電話を切った

 

「それじゃあ行きますか」

 

そう言って千歌姉の待つ十千万に向けて足を運ぶ




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2話

「千歌姉ー!」

 

「あ!真也君!紹介するね私の幼馴染の曜ちゃん!」

 

そう言って千歌姉に紹介されたのはグレー色の髪をした女性だった

 

「ヨーソロー!渡辺曜だよ!よろしく!」

 

渡辺さんはそう言って敬礼をする

 

「えっと、高海真也ですヨーソロー?」

 

僕も見習って敬礼をする

 

「浦の星女学院の試験受かったんだって?私も同じ学校だからよろしくね後私の事は曜で良いよ!」

 

「はい、よろしくお願いします渡辺「曜」渡「曜!」わかりました曜さん」

 

「うん!それで真也君は何かやってるの?」

 

そう聞かれて答えられるのは…あ!1つだけあった

 

「バイオリンのコンクールで賞をいくつか」

 

「バイオリン!?凄いね真也君!」

 

「バイオリンやってたんだ!ねえねえ聞かせて!」

 

「ごめん千歌姉、ちょっとスランプ気味で」

 

そう言ってバイオリンの演奏を断る

 

「スランプなら仕方ないよごめんね真也君、他には何かやってるの?」

 

「すみません、バイオリン以外となると特には」

 

「真也兄志満姉がお使い頼みたいんだって!」

 

「わかった!失礼します曜さん」

 

そう言って楓にメモをもらいお使いに行く

 

「えっと、夕食は任せます。ってお使いじゃなくて夕飯の買い出しじゃん楓」

 

メモを見ると買うものは一切書いておらず夕飯の材料を買って来るようにとだけ書いてあった

 

「これだと今日は僕が作るって事なんだろうけど、何でも良い見たいだし楓の好き嫌いが克服出来てるかの確認で良いかな」

 

夕飯のメニューが決まったのでその材料を買いに行った

 

「さてと、買い物も終わったし帰ろうかな」

 

「ん?真也何やってんだ?」

 

スーパーを出た所で美渡姉ちゃんに会った

 

「美渡姉ちゃん?何って夕飯の買い物だけど?」

 

「今日は私の筈なんだけどまあ良いや乗って行くか?」

 

「この状況で置いて行く程美渡姉ちゃんは意地悪じゃないでしょ」

 

「よくわかってんじゃん」

 

そう言った美渡姉ちゃんは笑っていた

 

美渡姉ちゃんと車で帰っている途中に美渡姉ちゃんがこんな事を聞いて来た

 

「なぁ真也、おまえコンクールでバイオリン弾けなかったって本当か?」

 

「知ってたんだ」

 

「私の仕事仲間がさそん時東京の音楽コンクール見に行ってたらしくてさ、私の弟じゃないかって聞かれたんだよ」

 

変な偶然もあったものだ

 

「うん、最初はただ楽しいそれだけなんだけど…いつからか期待されるようになって、そのプレッシャーに押しつぶされた感じ」

 

「そうか、あんま1人で抱え込むなよ。悩んだら私や志満姉に頼れ、頼りないかも知んないけど千歌にもな、それに楓だっている。だからさもっと頼れよ家族をさ、っと話してる間に着いたぞ!」

 

「うん、ありがとう美渡姉ちゃん」

 

その言葉が聞こえたのか美渡姉ちゃんは優しい笑みを浮かべていた

 

「「ただいま!」」

 

「お帰り美渡姉、真也兄も」

 

中に入ると楓が走って来た

 

「そういや今日の晩飯は何だ真也?」

 

「ん?パエリアとサラダだよ」

 

「ほー、パエリアか」

 

美渡姉ちゃんは僕がパエリアをチョイスした理由を察してくれたらしい

 

「パエリア!?真也兄今日ちょっと友達の家に泊まりに行く予定が「逃げんな楓」離して美渡姉!パプリカと玉ねぎはどうしても苦手なの!」

 

どうやら楓の好き嫌いは改善されていなかったみたいだ

 

「美渡姉ちゃん楓を逃がさないでね」

 

「任せとけ真也」

 

嫌がる楓を無視し美渡姉ちゃんにそう言って僕はパエリアの準備を始めた

 

「真也ー!お前の荷物届いたぞー!」

 

「うん!ありがとう美渡姉ちゃん!」

 

荷物が届いたと聞いて玄関まで向かう

 

「結構少ないんだな」

 

「殆どが手で持てる物だったんだけど流石に多くてね」

 

「成る程な、運ぶの手伝うか?」

 

「ううん、良いよ美渡姉ちゃんは…あそこで逃げようとしてる楓を抑えてて」

 

そう言って楓が逃げるのを阻止する

 

「あ!こら逃げんな楓!」

 

「真也兄の意地悪ー!」

 

抵抗も虚しく直ぐに捕まる楓がそう叫ぶ

 

「千歌姉」

 

「あ!真也君荷物来たんだ」

 

「うん、それと良かったらお鍋見ててダンボールの中身は後で出すから」

 

僕がそう言うと千歌姉は鍋を見に行ってくれた

 

「これで最後っと、千歌姉鍋の様子どう?」

 

ダンボールを運び終えたので千歌姉が見ている鍋の様子を僕も見に行った

 

「あ!真也君!鍋から水が吹き出してたから弱火にしておいたよ」

 

「ありがとう千歌姉もうすぐ出来るからお皿の準備お願い」

 

「わかった」

 

そう言った千歌姉は人数分の皿を手に取って運んだ

 

夕食中楓が全くパエリアに手を着けなくて美渡姉ちゃんに怒られていたのは言うまでもない




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3話

「真也兄にお客さんが来てるよ!」

 

「僕にお客さん?わかった今いくよ楓!」

 

そう言って僕は階段を下りて玄関に向かった

 

「はい?「シンヤー!!」え?鞠莉さん!?」

 

そうそこに居たのは留学中の筈である鞠莉さんだった

 

「知り合い真也兄?」

 

「うん、まあ色々あってね「それじゃあlet's go!」ちょ!何処に連れてく気ですか鞠莉さん!!」

 

鞠莉さんに腕を引かれて行く僕を見て楓は唖然として居た

 

「あの鞠莉さん「紅茶飲む?」ええ頂きます。ってそうじゃなくて!」

 

鞠莉さんに連れてこられたのは淡路島にあるホテルのスイートルーム

 

「分かってるわ、なんで自分を連れ出したかでしょ?」

 

「分かってるなら変にふざけないで下さい」

 

小原鞠莉さん思えばこの人がバイオリンを演奏する機会をよく作ってくれていた。そのお陰で人前でバイオリンを演奏事に対する抵抗がなくなったがスランプに陥った原因とも言える人だ

 

「真也貴方にきちんと謝れて居なかったでしょ。本当にごめんなさい」

 

鞠莉さんがそう言って頭を下げる。多分鞠莉さんが謝っているのはコンクールの後鞠莉さんに連れて行かれた小原家のパーティーでの事だろう

 

「最初はコンクールでのプレッシャーがぶり返しただけそう思って居た。でも逆効果今まで以上に貴方は人前でバイオリンを演奏するのが怖くなってしまった。本当にごめんなさい」

 

「鞠莉さん」

 

確かに鞠莉さんのパーティーが決め手となって僕は人前でバイオリンを演奏するのが怖くなった。でも

 

「それは鞠莉さんのせいじゃないです」

 

そう決して鞠莉さんのせいじゃないそれにもう少数ならば大丈夫にはなった

 

「真也、ありがとう。それじゃあ今ここで演奏してもらうわ」

 

「相変わらず突然ですね鞠莉さん、しますけど」

 

鞠莉さんが指を鳴らすと何故か黒服の人が僕のバイオリンを持って来た

 

「一応ブランクとかありますし、あんまり期待しないで下さいね」

 

「OK!」

 

鞠莉さんに確認が取れた所で僕は演奏を始めた

 

〜鞠莉side〜

 

真也の演奏は2年のブランクを感じさせないくらいに素晴らしいものだと思える。それと同時に本当にパーティーに連れ出した事を後悔する。周りの期待に応えられず自分に自信が無くなった真也を私の身勝手で連れ出しパーティーに参加させもっと深い傷を負わせてしまった。それに気づいたのは留学の途中真也がコンクールに一切出ていないと聞いてから、その事をずっと謝りたかったでもどんな顔をして彼に会えば良いのかわからなかった。そして怖かった私を恨んでいるんじゃないか結果的にそうじゃなかたでもそれは彼が優しいから、もし私が同じ立場だったのなら到底許せないそれでも彼は許してくれた。本当にありがとう真也こんなバカな私を許してくれて

 

「大丈夫ですか鞠莉さん?」

 

私が気付くと演奏は終わり私を心配した真也が私の顔を覗かせていた

 

〜鞠莉side out〜

 

「鞠莉さん終わりました」

 

僕はそう言うが鞠莉さんは俯いたまま返事をしない

 

「大丈夫ですか鞠莉さん?」

 

「えっええ大丈夫よ!Excellentとっても良い演奏だったわ!」

 

僕が近づき俯く鞠莉さんの顔を見て再度問いかけると鞠莉さんは返事をしてくれた

 

「ありがとうこざいます鞠莉さん」

 

「帰りのヘリを準備するからちょっと待ってて!…本当にありがとう真也…」

 

鞠莉さんはそう言って部屋を出たが最後の言葉が小さすぎて聞こえなかった

 

「ヘリの準備が出来たわ!」

 

しばらくすると鞠莉さんが戻って来たのでヘリに乗り十千万に戻った




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4話

「真也兄今日から学校でしょ?行かなくて良いの?」

 

「友達と待ち合わせしてるから大丈夫だよ」

 

昨日の夜ルビィから友達を紹介したいから一緒に学校に行かないかと連絡が来て特に断る理由もなかったので了承した

 

「それじゃあ行って来ます!真也君学校でね!」

 

そう言って千歌姉が学校に向かう

 

「そろそろ時間かな。行って来ます楓、志満姉ちゃん」

 

「いってらっしゃい真也」

 

「行ってらっしゃい真也兄!」

 

志満姉ちゃんと楓(楓の中学は明日かららしい)に見送られルビィと友達との待ち合わせ場所に向かった

 

待ち合わせ場所には約束の5分前に着いたのでそこで読書をして待つ事にした

 

「あの」

 

「ん?何?」

 

ルビィを待って居ると恐らく同じ学校の女の子が話しかけて来た

 

「その制服浦の星女学院ずら?」

 

「そうだけど」

 

ずら?どこかの方言?

 

「真くーん!花丸ちゃーん!」

 

「「ルビィ(ちゃん)」」

 

あれ?隣の子今ルビィの名前呼んだ?

 

「はぁはぁ、ごめんね遅れちゃって」

 

ルビィはそう言って息を整える

 

「気にしなくて良いよルビィ」

 

「そうずらよルビィちゃん」

 

「それにしても真君と花丸ちゃんもう会ったんだ」

 

やっぱり隣に居た子がルビィの友達か

 

「紹介するね「紹介は後にしてバス来た」あ!本当だ急ごう花丸ちゃん」

 

ルビィが僕と花丸?の事を説明しようとした所でバスが来たので紹介はバスの中でする事になった

 

「それじゃあ、花丸ちゃんこの人は高海真也君ルビィが小さい頃からの友達なんだ。真君この子は中学校に入ってからできた友達の国木田花丸ちゃんだよ」

 

「よろしく国木田」

 

「よろしくずら高海君」

 

そこからルビィと国木田と話して居るとあっという間に学校に着いた

 

「同じクラスだと良いね」

 

「そうずらね」

 

「そうだね」

 

そう言って坂を登りきった所でアホ毛が特徴的な人が走って来たと言うか千歌姉だった

 

「あなた達!」

 

「ずら!?」

 

「ぴぎい!?」

 

「千歌姉ストップ2人とも驚いてるよ」

 

そう言って千歌姉を止める

 

「真也くーん!」

 

「曜さん何ですかあれ?」

 

走って来た曜さんに事情を聞くどうやら僕の姉はスクールアイドルを始めようとしているそうで今はその勧誘をして居るらしい

 

「どうどうスクールアイドル興味ない!?」

 

「えっと、マルは図書委員の仕事があるから」

 

国木田は図書委員かルビィはどう答えるんだろう?

 

「ライブとかあるんですか!」

 

「うん!まだ曲とかも決まってないんだけどねー。あはは」

 

「わぁ…!」

 

ルビィはそう言って目を輝かせる

 

「スクールアイドル興味あるの!?」

 

「好きなんです」

 

ルビィはスクールアイドルが好きなんだ。それじゃああの話したら喜ぶかな?

 

「わぁ!あなたどう!?可愛いし絶対人気出るよ!」

 

そう言って千歌姉がルビィの手を握るとルビィの顔色はどんどん悪くなる。そう思って居ると国木田に見習い僕も耳を塞ぐ

 

「……」

 

曜さんが何か言って居るが耳を塞いでいて聞こえない

 

「ぴぎゃぁぁぁぁ!!!?」

 

うわ!耳塞いでても聞こえて来たよルビィの叫び声国木田大丈夫かな?

 

ひとしきり叫び終わるとルビィは顔を真っ赤にして固まってしまった

 

「おーい、ルビィ大丈夫?」

 

そう言ってルビィの前で手を上下に動かすが反応がない

 

「という事は貴方達は下等で下劣な人間達と言う事ですか?」

 

すると突然下劣で下等人と人を馬鹿にして居るを見かけたので近くにあった石を投げてみた

 

「痛ぁ何すんのよ!」

 

「急に下等で下劣なんて言われたら怒って当然だと思うけど」

 

「う!そっそれは「善子ちゃんずら?」げ!花丸!?」

 

「やっぱり善子ちゃんだ幼稚園以来だね「善子言うな!私はヨハネなんだからねー!」待って善子ちゃーん」

 

そう言って国木田は善子?を追いかけて何処かに行ってしまう

 

「はぁ、仕方ない」

 

そう言ってルビィを背負う

 

「千歌姉程々にしないと怒られるよー」

 

「大丈夫だよ!真也君その子と同じクラスだったら誘っておいてー!」

 

「無理強いはしないけど誘ってみておくよ!」

 

そう言ってルビィを背良い校舎に入るとダイヤさんが居た

 

「おはようございま!真也さんルビィに何が!?」

 

「おはようございますダイヤさんそれが」

 

ルビィが気絶した経由を説明するとダイヤさんはその勧誘を止めに行った

 

クラス発表の紙が貼られて居る場所の近くで国木田と合流しその数分後にルビィが目を覚ました

 

クラスは同じでクラスに着くまでルビィに謝られ周りの2、3年生からの目線が結構気になった




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5話

『一年の黒澤ルビィさん、高海真也さん至急生徒会室まで来て下さい繰り返します…』

 

「ルビィちゃんも真也君も何かやっちゃったずら?」

 

そう言って放送で呼ばれた理由を聞いてくる花丸(クラスでの自己紹介の後名前で呼ぶ様に言われたのでそうする事にすると向こうも名前で呼び出した)

 

「うーん、多分ルビィが気絶したとは言え男子が女子を背負ったから?」

 

「多分ルビィが気絶して真君に迷惑かけちゃったせいだと思う」

 

色々考えるがダイヤさんの所に行けばわかるので花丸には先に帰ってもらいルビィと生徒会室に向かった

 

「真也さんこの度はルビィが迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした」

 

「ごめんなさい真君」

 

まさかのルビィの考えが当たったよ

 

「こちらこそすみません姉が無茶な勧誘をしたせいで」

 

「姉?ああ、あの方の名字も高海でしたね。それでお詫びをしたいのですが」

 

「いえいえ!元々は僕の姉の責任なのでこちらがお詫びをしたいくらいですよ!」

 

うちの姉が無茶な勧誘さえしなければルビィが気絶する事も無かったろうに

 

「それ以前の問題なのです。ルビィは人見知りで」

 

あっ、そうなんだ確かにそれ以前の問題だ

 

「それでお詫びとしてわたくしの家にご招待したいのですが。今週の土曜日と日曜日は大丈夫ですの?」

 

今週の土曜日と日曜日の予定は

 

「特に無いので大丈夫ですよダイヤさん」

 

「それでは金曜の夜から日曜日の夕方まで」

 

「お姉ちゃんその日は花丸ちゃんがお泊りに来るよ?」

 

花丸も来るのか

 

「真也さん大丈夫でしょうか?」

 

「はい、ルビィが元々花丸と約束してた事ですから」

 

そう言って生徒会室を出て十千万に帰る

 

「ただいま!」

 

「真也兄おかえり、それで千歌姉から聞いたけど学校初日から何したの?」

 

楓の言う何とは放送で呼ばれた理由だろう

 

「ふーん、それで生徒会長の家に泊まりに行くんだ」

 

僕は楓に生徒会室に呼ばれた理由を話した

 

「うん、多分ダイヤさんってきちんとお礼しないと気が済まないタイプの人だろし」

 

会った時から海未さんと似た雰囲気があったから大体予想は出来る。海未さんもきちんとお礼しないと気がすまないタイプだから恐らくダイヤさんもそうだろう

 

「真也兄それで将来的に私のお姉ちゃんになりそうな人いた?」

 

中学生ってそう言う話好きなのかな?雪穂と亜里沙にも何度か聞かれたし

 

「うーん、子供の頃よく遊んでた子と再会したのとその子の友達と仲良なったくらいかな?」

 

僕がそう言うと楓は面白くないと言って仕事に戻ろうとする楓を止める

 

「それじゃあ逆に聞くけど楓には将来的に僕の弟になりそうな人いるの?」

 

「え!?そっそんなの居ないよ!真也兄!私仕事に戻るから!」

 

そう言って慌てて僕の部屋を出る楓

 

「あの顔は」

 

「居る顔だったよな真也」

 

そう言って影から聞いていた美渡姉ちゃんが顔を出す

 

「どうする美渡姉ちゃん?」

 

「どうするってわかってるだろう真也」

 

「そうだね」

 

そう言って2人して悪い笑みを浮かべる

 

「「楓が誰か言うまで問い詰める!!」」

 

やっぱり美渡姉ちゃんとは話が合う

 

夕食の時間に千歌姉達が居る前で僕と美渡姉ちゃんが楓にその話を振り当然気になった千歌姉までもが楓に問い詰めて学校で気になって居る子が居るらしい

 

「そう言えば楓の通ってる学校って女子…気づかなかった事にしておこう」

 

楓の新たな一面を知る事が出来た所で眠りに就いた

 

僕は楓が好きになったのが同性でも楓の恋を応援するからね




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6話

楓の新たな一面を知った翌日

 

「真也君さっきの授業退屈そうだったずらね?」

 

授業が終わり隣の席の花丸がそう言って僕の席に来る

 

「うん、結構退屈だった花丸は頭抱えてたけど何処かわからない所でもあったの?」

 

「ここずら」

 

花丸はそう言ってテキストのページを開く

 

「ここはまだやってないけど、この公式を使ってね」

 

僕は出来るだけわかりやすく花丸に説明する

 

「これで解いてみて」

 

「えっと…解けたずら。ありがとうずら真也君」

 

花丸はそう言ってテキストを持って席に戻る

 

「花丸ちゃんどう解けた?」

 

「真也君に教えてもらったら解けたずら」

 

「あの、真君」

 

今度はルビィが席に来た

 

「花丸ちゃんから聞いたんだけどルビィにも同じ所教えて貰えないかな?」

 

「良いよ、今日も午前授業だし良かったら3人で勉強会でもする?その方が教えやすいし」

 

「うん、ルビィは良いよ花丸ちゃんにも聞いておくね」

 

そう言ってルビィも席に戻る

 

「ただいま」

 

「「お邪魔します(ずら)」」

 

あの後花丸も予定がない為勉強会に参加する事になり場所は十千万でする事になった

 

「真也兄おかえり、隣の人達は?」

 

「紹介するよ、僕の隣に居るのが国木田花丸昨日話した友達だよ。それから…花丸の後ろに隠れて居るのが黒澤ルビィこの子も昨日話した子供の頃よく遊んでた子だよ」

 

ルビィはいつのまにか花丸の後ろに隠れて居たので少し探してしまった

 

「そうなんだ、真也兄の妹の高海楓です。よろしくお願いします花丸さん、ルビィさん」

 

「よ…よろしくお願いします」

 

「真也君の妹さんずらか、丸の方こそよろしくずら楓ちゃん」

 

ルビィは未だに花丸の後ろに隠れたままだが歳下にもこれだと卒業した後が心配だ

 

「真也兄、私ルビィさんに何かしたかな?」

 

「ルビィが人見知りなだけで楓は何もしてないよ」

 

「ルビィさん小動物みたいで可愛い人だね」

 

小動物…言われてみればそうかもしれない

 

「それじゃあ勉強会始めるから千歌姉が帰って来たら騒がないようにだけ言っておいて」

 

「わかったよ真也兄、そう言えば志満姉が真也兄に何か届いてるって言ってたよ。はい」

 

楓は奥に行き届いたもの持って来る

 

「ありがとう楓、この大きさから考えたらあれかなもう来たんだ」

 

「真也兄何か頼んだの?」

 

「うん、東京に居る知り合いにね」

 

そう言って届いた物を受け取りルビィと花丸を連れて僕の部屋に向かう

 

「真也君東京に居る人に何を頼んだずら?」

 

「そうだった、ルビィスクールアイドル好きなんでしょ?だったら喜んでくれると思って頼んだんだ」

 

僕がルビィに届いた袋を渡すとルビィは中身を確認して僕と中身を交互に見る

 

「良いの真君!!」

 

「うん」

 

「ありがとう大切にするね!」

 

ルビィは本当に大事そうに袋を抱える

 

「ルビィちゃん何が入ってたずら?」

 

「A-RISEのサインだよ!花丸ちゃん!でも真君A-RISEのサインなんてよく貰えたね?」

 

やっぱり気になるんだ教えても良いか

 

「実は優木あんじゅさんが小学校の頃の先輩でね。その経由で頼んだんだ」

 

優木あんじゅさん小学校の頃の2つ上の先輩で穂乃果さん達同様によく面倒を見てくれた人だ

 

「まあ僕もあんじゅさん頼まれてマネージャーをしてたからそのお礼なのかもしれないけどね」

 

「A-RISEのマネージャー!凄いよ真君その時の話聞かせて」

 

「良いけどその話はルビィの家に泊まる時にして先ずは勉強だよルビィ」

 

「真也君もルビィちゃんの家にお泊りするずら?」

 

僕の言葉に花丸がそう質問して来た

 

「ルビィ言ってないの?」

 

「ごめん花丸ちゃん金曜日の夜から日曜日夕方ごろまで真君もお泊りに来るんだ」

 

そう言って花丸に謝るルビィ

 

「良いずらよルビィちゃん、丸も真也君とのお泊り楽しみずら」

 

花丸がそう言って話がお泊りの方に進みそうだったのを勉強会に戻すが2人とも勉強に集中出来ていない

 

「はぁ、2人とも勉強に集中できてないからここまで」

 

「「ごめんなさい(ずら)」」

 

結局勉強会は二時間程で終了した




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7話

「それじゃあ行って来るね楓」

 

「うん、お泊り楽しんで来てね真也兄」

 

勉強会から数日経ちルビィの家に泊まる日が来た。僕はルビィの家を知らないからあらかじめルビィと花丸2人と待ち合わせをしている

 

「真也君こんばんはずら」

 

「こんばんは花丸、ルビィはまだ来てないんだ」

 

既に待ち合わせ場所には花丸が来ていた

 

「ルビィちゃんはさっき家を出た所って連絡が来たずら、そう言えば真也君が持ってるケースには何が入っているずら?」

 

「ああ、バイオリンだよ一様腕が落ちない様に日課で毎日練習はしてるから」

 

「真也君はバイオリンを弾いてるずら?」

 

「最近はスランプ気味であんまり人前で弾いてはいないけどね」

 

花丸とそんな話をしながらルビィを待つ

 

「真くーん!花丸ちゃーん!」

 

待ち合わせギリギリでルビィは来た

 

「2人ともこんばんは」

 

「「ルビィ(ちゃん)こんばんは(ずら)」」

 

ルビィと合流してから家に案内してもらう

 

「これがルビィのお家だよ」

 

「でかい」

 

「いつ見ても大きいずら」

 

ルビィの家の大きさに驚かれるがルビィに続いて中に入る

 

「お帰りなさいルビィ、真也さんに花丸さんもよくいらっしゃいました」

 

家に入るとダイヤさんが出迎えてくれ僕の部屋を案内してくれた

 

「真也さんはこの部屋を使って下さいませ、浴室は右側の角の突き当たり、お手洗いはその隣ですわ、他に聞いておきたい事はないですの?」

 

「いえ、あ!少しバイオリンの音が聞こえるかも知れないですけど良いですか?」

 

「バイオリンですの?そのくらいなら構いませんわ」

 

「ありがとうございます」

 

僕がそう言うとダイヤさんは部屋を出たので早速バイオリンの練習を始める

 

〜ルビィside〜

 

「ルビィもうすぐ夕食なので真也さんを呼んで来て下さい」

 

お姉ちゃんにそう言われてルビィは真君が使っている部屋を聞いて真君を呼びに行くと真君の使っている部屋に近づいて行くに連れてバイオリンの音が大きくなっていき真君の使っている部屋の扉を静かに開けて覗くと真君がバイオリンを弾いて居た

 

「ルビィ?」

 

「ごめんね演奏の邪魔しちゃって、お姉ちゃんが晩御飯が出来るから真君を呼んでくるように言われたんだけど」

 

「それで呼びに来たら僕がバイオリンの練習してたんだ。言ってくれれば直ぐにでも辞めたのに」

 

そう言って真君はバイオリンをケースの中に入れる

 

「そのルビィ真君の演奏が素敵だったからもうちょっと聞いていたくて」

 

「ありがとうルビィそう言ってもらえると嬉しいよ」

 

そんな話をしながら食堂に向かう

 

「すみませんダイヤさん全部任せちゃって」

 

「構いませんわ、冷めてしまわないうちに食べてしまいましよう」

 

食堂に着くともう既に花丸ちゃんとお姉ちゃんは席に着いてルビィと真君を待って居た

 

「それでルビィ少し遅かったですけど何かあったのですか?」

 

「実は僕がバイオリンの練習をしていてルビィが入らずらかったらしくて」

 

「うん!真君の演奏素敵だったんだよ!お姉ちゃん!」

 

ルビィはさっき聞いた真君のバイオリンの演奏の事をお姉ちゃんと花丸ちゃんに伝える

 

「そんなに素敵な演奏でしたのならわたくしも聞いてみたかったですわ」

 

「丸もずら」

 

ルビィがあまりにも褒めるからお姉ちゃんと花丸ちゃんも聞いてみたくなったみたい

 

「良いよ花丸、ダイヤさんも明日の朝に僕の部屋に来て僕のバイオリンで良かったら聞かせるから」

 

「「ありがとうございます(ずら)真也さん(君)」」

 

お姉ちゃんと花丸ちゃんは明日の朝演奏すると言ってくれた真君にお礼を言った

 

〜ルビィside out〜




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8話

「ふぁ〜、よく寝たおはよう志満姉ちゃ…そっか、ルビィの家に泊まりに来てるんだった」

 

いつも通りに起きたのでつい家に居る感覚で志満姉ちゃんに挨拶しようとしてからルビィの家に泊まった事を思い出した

 

「んー、ランニングにでも行ってる間にダイヤさん達が起きて心配させるのも悪いし、そうだ昨日の夜はダイヤさん達に作って貰ったから朝食は僕が作ろう」

 

やる事も決まったので早速朝食を作りに台所に向かう

 

「おはようございます真也さん、随分と早いんですのね」

 

「おはようございますダイヤさん、いつもこの時間に起きてるので体に染み付いてるんだと思います。いつもならランニングに出かけてるんですけどね」

 

しばらくするとダイヤさんが起きて来た

 

「気になさらずに行ってくれても良かったんですよ?」

 

「朝起きて僕がいなかったらダイヤさんも驚いたかもしれないのでそれも良かったかもしれませんね」

 

「もう、からかわないで下さい真也さん」

 

ダイヤが頬を膨らませてそう言う少しからかい過ぎたかな?

 

「すみませんダイヤさんって反応が正直なのでつい」

 

「ふふ、真也さんの前では気をつけなければいけませんね」

 

そう言ってダイヤさんも参加で朝食作りが始まった

 

「ルビィ遅いですね」

 

「休みだからと言って夜更かしをしてはいけないとあれほど言ったのに」

 

朝食を終え今はダイヤさんとルビィと花丸の2人を待っている。ダイヤさんは本当に海未さんに似てる穂乃果さんが寝坊した時もそう言って穂乃果さんを叱る海未さんを中学の時よく見かけた

 

「なんですの真也さん?わたくしの顔に何かついてますか?」

 

「いえ、東京に居る幼馴染に似てるなと思って」

 

「そう言えば真也さんは東京から来たのでしたね。東京と比べると何もない所ですよね此処は」

 

「うーん、確かに東京と比べると何もないですけど僕は静かな場所が好きなので東京よりもこっちが良いですかね」

 

そう話して居ると扉が開いた。どうやらルビィと花丸が起きて来た様だ

 

「お姉ちゃん真君おはよう」

 

「ダイヤさん、真也君おはようずら」

 

まだ寝起きなのか2人は目を擦りながら起きて来て席に座る

 

「おはようルビィ、花丸」

 

「おはようございますルビィ、花丸さん今朝食を取って来ますわ」

 

そう言ってダイヤさんは2人の朝食を取りに台所に向かった

 

「ルビィと花丸、ダイヤさん言ってたよ夜更かししないように言ったのにって」

 

「うゆ、それは」

 

「わかっててもおしゃべりしちゃうずらね」

 

そう言えば雪穂と亜里沙もそんな事言ってたっけ

 

雪穂と亜里沙とは僕の1つ下の子で雪穂とは穂乃果さんと仲良くして居るうちに自然と仲良くなって亜里沙とは図書館で2人に勉強を教えたのがきっかけで仲良くなった

 

「どんな話ししてたの?」

 

「それはね」

 

そこからダイヤが来るまでの間ルビィと花丸が夜話していた内容を教えて貰っていた




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9話

〜ダイヤside〜

 

昨日の約束通りバイオリンの演奏を聞かせて貰おうとわたくしとルビィそして花丸さんは真也さんの使う部屋で演奏が始まるのを待っている

 

「あんまり期待しないで下さいね、昨日のはルビィが大袈裟に言っただけなんで」

 

「わかりましたわ」

 

わたくしがそう言うと真也さんは演奏を始めた

 

(これで2年のブランクがあるとは到底思えませんわ)

 

わたくしはそう思いながら演奏を聴きルビィと花丸さんに至っては真也さんの演奏に釘付けになっている

 

彼の奏でる音に魅了されてしまう。それほどまでに素晴らしい演奏で時間すらも忘れて聴き入ってしまいそうになる。楽しい時間はあっと言う間に過ぎて行き気がつくと真也さんの演奏は終わってしまっていた

 

〜ダイヤside out〜

 

「あのダイヤさん?ルビィ?花丸?」

 

演奏が終わりバイオリンの手を止めるが周りからは何の反応もない

 

「真也さん、本当にスランプなんですの?」

 

「ダイヤさん、それはどう言う」

 

「貴方の演奏にブランクが感じられませんでした。それ程までに素晴らしい演奏でした。それはもういつまでも聴いて居たかった程です、ですから不思議に思いました何故コンクールなどに出ないのですか?」

 

やっぱりその質問が来るよね

 

「ブランクと言うよりかは怖いんです。大勢の人の前で演奏するのが」

 

「怖いですの?」

 

ダイヤさんの言葉に頷く

 

「最初にバイオリンを始めたのは6歳の時です。その時はただバイオリンを弾くのが楽しくてどんどん上達するのが嬉しくて続けて居ました。ですが、何度かコンクールに出て賞を受賞して行くうちに期待されて、中学2年生の時のコンクールでプレッシャーに押しつぶされて、それ以来大勢の人の前で演奏しようすると手が震えて上手く演奏出来なくなったんです」

 

「そうでしたの、すみません真也さんそんな事とは知らずに」

 

そう言って頭を下げるダイヤさん

 

「良いんですよダイヤさん、僕が臆病なだけなんで」

 

そうこれはただ僕が臆病なだけだからダイヤさんが責任を感じるのは可笑しな話だ

 

「そんな事ないよ!真君!そんなのルビィだって怖いもん!」

 

「おらもずらよ!それは怖くて当たり前ずら!」

 

「ルビィ、花丸」

 

そう言ってルビィと花丸が僕を励ましてくれた

 

「真也さん周りから期待をされてプレッシャーに押しつぶされるなんて事はよくある話ですわ、大切なのはその後どうするかですわ。真也さんは大勢のとは行きませんがこうしてわたくし達の前で演奏が出来ているではありませんか、それは真也さん自身が成長して居る証拠ですわ」

 

「ダイヤさん、はい!ありがとうございます!」

 

「ふふ、別に構いませんわ」

 

僕がダイヤさんに頭を下げてそう言うとダイヤさんはそう言って部屋を出て行った

 

「真君、その今言うのも変かも知れないけど」

 

そう言ってルビィが近づいて来る

 

「A-RISEのマネージャーしてた時の話聞かせて!!」

 

確かに今言うのは変だねルビィ

 

「わかった、うちからパソコン持って来たから…どうしたの花丸?」

 

僕がノートパソコンを取り出すと花丸は不思議そうに見つめる

 

「これがぱそこん?」

 

「え?」

 

花丸から出た衝撃の言葉に思わず手が止まる

 

「真君ちょっと来て」

 

僕が花丸に質問をしようとするとルビィに呼ばれる

 

「花丸あれ本気なのルビィ?」

 

「うん、お爺さんが古風な人で家に電化製品があんまりないから」

 

「いやいや、学校で使うでしょ!?」

 

「学校で使うのってディスクトップだからノートパソコンを見るのは初めてだと思う」

 

今時そんな家庭あるんだ!?

 

「真也君触っても良いずら?」

 

「うん、良いけど触り方わかる?」

 

「教えて欲しいずら」

 

そう言って花丸がパソコンを持って来る

 

「うん、まず此処を押して」

 

「ずら」

 

僕がそう言うと花丸は電源ボタンを押す

 

「おー!ついたずら」

 

「待って花丸ロック外すから、出来た」

 

僕はロックを外して花丸に渡す

 

「今回はここまでにしよ…ルビィも待ちきれないみたいだし」

 

「ごめんずらルビィちゃん」

 

「ううん、良いよ花丸ちゃん」

 

今回はあくまでA-RISEのマネージャーをして居た時の話だが、今後のために花丸に少しくらいノートパソコンを使わせておいた方が良いかな

 

「ルビィそれから花丸も、ここからは動画サイトにも出回ってない物が大半だから誰にも言っちゃダメだよ」

 

僕がそう言うと2人は頷いた

 

「好きに見て良いよルビィ」

 

「ありがとう真君!A-RISEのPVや動画がこんなにいっぱい!」

 

そう言ってルビィはノートパソコンに釘付けになっている

 

「真也君またノートパソコン?触らせて欲しいずら」

 

「良いよ花丸「真君」何ルビィ?」

 

花丸と話しているとルビィが来た

 

「このPV統堂英玲奈さんが映ってないよ?」

 

ああやっぱりその事か

 

「英玲奈さんは初めから居た訳じゃないんだ。ツバサさんが何度も何度も勧誘してさ英玲奈さんがその押しに負けてA-RISEに入った感じなんだ」

 

「へー、そう言うのはA-RISEのマネージャーをしてないと知らない事だね。もっと他にそう言う話ある?」

 

「うーん、ツバサさんが結構やらかしてくれたかな?1番酷かったのがライブに1時間近く遅れて来たのかな」

 

そこからはA-RISEの話でルビィが盛り上がり僕と花丸はついていけなくなった




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10話

結局あの後ルビィが止まらなくなり2日目は殆ど家の中で過ごした。そして泊まりも最終日を迎えた

 

「ルビィ、花丸そろそろ行くよ!」

 

「「待って(ずら)真くーん(真也くーん)!!」」

 

今日は昼過ぎからダイビングに向かう事になった

 

「真君は泳げる?」

 

「うーん、普通かな?ルビィと花丸は?」

 

ルビィの質問に答えて僕も聞き返す

 

「ルビィはあんまり得意じゃないかな」

 

「丸は体力が持つか心配ずら」

 

そう言って話している間にダイビングショップに着いた

 

「真也君珍しいね女の子と一緒なんて」

 

「そうですか?」

 

別に珍しくないと思うけど

 

「真也君この人は?」

 

果南さんと話していると花丸がそう聞いてくる

 

「自己紹介がまだだね、松浦果南真也君と同じ学校の3年だよよろしくね」

 

「おらは国木田花丸ずら。真也君とはクラスメイトずら」

 

「黒澤…ルビィです」

 

ルビィは僕の後ろに隠れながらも自己紹介をする

 

「黒澤?ああ、ダイヤの妹かよろしくね」

 

「お姉ちゃんの事知ってるんですか?」

 

「まあダイヤとは幼馴染だしね、それと真也君千歌達も一緒だけど大丈夫かな?」

 

先に予約してたの千歌姉なんだ

 

「おーい!果南ちゃーん!!」

 

そう言って千歌姉が走って来た

 

「千歌姉走ると転ぶよー!!」

 

「大丈夫大丈夫!わっ!」

 

そう言った途端に千歌姉は転んだ

 

「大丈夫千歌姉?」

 

「あはは、大丈夫だよ真也君」

 

そう言って千歌姉は僕の手を取る

 

「千歌ちゃん大丈夫?」

 

「うん!全然平気だよ曜ちゃん!そうだ!真也君に紹介しなきゃ!同じクラスの桜内梨子ちゃん音ノ木坂って言う東京の高校から転校して来たんだ!」

 

そう言って千歌姉は曜さんの反対側にいる人を紹介してくれた。桜内?何処かでそれに音ノ木坂?

 

「桜内梨子ですよろしくね真也君」

 

「高海真也ですこちらこそよろしくお願いします。あの音ノ木坂で高坂穂乃果さんって人と同じクラスじゃなかったですか?」

 

「ええ、そうだけど?」

 

やっぱりこの人が穂乃果さんが話してた人なんだ

 

「穂乃果さんから聞いています。ピアノが凄く上手な人が同じクラスに居るって」

 

「そうなの?真也…ああ、高坂さんの話してた真君ね、私も高坂さんから聞いてるわバイオリンが凄く上手な1つ下の幼馴染が居るって。それじゃあ園田さんや南さんとも?」

 

「はい、海未さんとことりさんとも幼馴染です」

 

桜内さんと話していると後ろから千歌姉に声をかけられる

 

「真也君、梨子ちゃんと既に知り合い?」

 

「ううん、前に話したよね1つ上の幼馴染その1人が高坂穂乃果さんでその人が桜内さんの話を聞かせてくれてたんだ」

 

「そうなんだ、それじゃあ行こ2人ともみんなはもう着替えに向かったよ」

 

千歌姉に言われて後ろを振り返るとルビィと花丸も着替えに向かって居なかった

 

「真也君覗いちゃダメだよ」

 

「はいはい、しないから早く着替えて来て」

 

「はーい!行こ梨子ちゃん!」

 

「ええ、また後でね真也君」

 

そう言って千歌姉と桜内さんも着替えに向かった

 

「真也君!どうどう!」

 

そう言って千歌姉が水着を見せてくる

 

「良いと思うよ千歌姉」

 

「えへへ、ありがとう真也君」

 

そう言って照れくさそうに笑う千歌姉

 

「「真君(真也君)ルビィ(おら)はどう(ずら)?」」

 

次はルビィと花丸かこの調子だと桜内さん以外全員ありそうだ

 

「2人とも似合ってるよ」

 

「ありがとう(ずら)真君(真也君)」

 

「あれ?なんか私の時と違う?」

 

喜ぶルビィと花丸に対し対応の差を感じる千歌姉

 

「真也君私はどうかな?」

 

「曜さん水泳部でしたよね?凄く似合ってます」

 

「ありがとう真也君」

 

これで終わりそう思っていたが

 

「真也君梨子ちゃんには何も言わないの?」

 

「ちょっと高海さん!良いのよ聞かなくても!」

 

そう言って千歌姉の後ろに隠れる桜内さん

 

「とても似合ってますよ桜内さん多分この中で1番似合ってます」

 

「うう、わー!!」

 

僕がそう言うと桜内さんは顔を真っ赤にした顔を両手で覆い走って行った

 

「梨子ちゃんどこ行くの!?」

 

そう言って千歌姉が桜内さんを追いかける

 

「海未さんと同じ反応だ」

 

「やっぱりからかってたんだね真也君、まあ梨子ちゃんの反応も可愛かったけど」

 

曜さんからそう言われる

 

「あの感じ前にプールに行った時の幼馴染の1人に似てたので試しにやって見たんですよ。まさかここまで同じとは思いませんでしたが」

 

そう言った僕の頭の中には高1に上がってから初めて行ったプールで背伸びをして選んだビキニを着てから恥ずかしくなり穂乃果さんの後ろに隠れた時にそう言うと同じく走って行った海未さんの姿が浮かんだ

 

その後桜内さんは少し涙目になりながら千歌姉に手を引かれて帰って来たちょっとやり過ぎたかな?

 

「すみません桜内さんまさかあそこまで恥ずかしがるとは思ってなくて」

 

「真也君…今は私の半径5㎝以内に入らないで!」

 

「そんなに恥ずかしかったんですか!?」

 

いやこれでも海未さんよりマシなのだろうか?海未さんには視界に入らないで下さいって言われたし

 

「みんな準備出来たよー、何かあったの?」

 

船を出す準備を済ませて来た果南さんに説明すると僕は潜る場所に着くまで果南さんに軽い説教をされた

 

「真也君、ルビィちゃん丸はもう限界ずら」

 

「花丸まだ初めて10分だよ!?」

 

そして花丸は船に戻る手前で体力が尽きて動けなくなったので僕とルビィで花丸を運ぶ

 

「真君ルビィもそろそろ」

 

「うん、そろそろ戻ろうと思ってたから気にしないでルビィ」

 

そう言ってルビィと船に戻ると千歌姉達も戻って居た

 

「真也君お帰り」

 

「ただいま千歌姉、ルビィ上がれそう?」

 

中々上がって来ないルビィにそう聞く

 

「真君手伝って」

 

「わかった」

 

そう言ってルビィが船に上がるのを手伝う

 

「ありがとう真君」

 

そう言ってお礼を言うルビィに気にしなくて良いと返してから千歌姉と桜内さんそして僕で十千万に帰った(因みに桜内さんの家は隣の家だった)




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11話

「真也君詞って何か知ってる?」

 

「突然そんな事言われてもわからないよ千歌姉」

 

授業が終わり帰ろうとすると千歌姉に呼び止められる

 

「あのね梨子ちゃんがスクールアイドルの曲作りを手伝ってくれる事になって詞を頂戴って言われたんだ」

 

「それなら歌の歌詞の事だよ」

 

「歌詞?」

 

この反応からするに何も出来ないのだろう

 

「あれ?ここって旅館でしょ?」

 

「そうだよ」

 

「ここなら時間気にせず考えられからねバス停も近いし」

 

そう言って千歌姉と曜さんは中に入って行くが桜内さんは家の前に居るしいたけを見てた途端に僕の後ろに隠れる

 

「桜内さんもしかして犬苦手ですか?」

 

「ええ、少しね」

 

少しなら僕の後ろに隠れないで下さい

 

「ワン!」

 

「ひぃぃぃいい!」

 

「ちょ!桜内さん苦しいです」

 

しいたけが吠えたと同時に走り出す桜内さんに引きずられながら僕は家の中に入った

 

「苦しかった」

千歌姉の部屋の前に着くと桜内さんは落ち着いてくれた

 

「ごめんなさい真也君」

 

そう言って謝罪をする桜内さん

 

「犬が苦手なんですから仕方ないですよ」

 

「それと私のことは梨子で良いわ」

 

「わかりました梨子さん」

 

そう言って部屋の中に入ると千歌姉が伊勢海老のぬいぐるみを抱えて座って居た

 

「酷すぎるよ美渡姉!せっかく志満姉が東京で買って来てくれた限定プリンなのに!そう思わない!」

 

「そう言う千歌姉もこの間置いてあった限定メロンパン勝手に食べたよね?もう一個は美渡姉ちゃんが食べたみたいだけど」

 

美渡姉ちゃんはそろそろ人のを勝手に食べる癖を治して欲しい

 

「そんな事より作詞を」

 

梨子さんがそう言うと襖が勢いよく開かれる

 

「何時迄も取っとく方が悪いんですー」

 

「うるさい!」

 

そう言って千歌姉が投げた伊勢海老のぬいぐるみは梨子さんの顔に当たった

 

「甘いわ!」

 

次に美渡姉ちゃんが浮き輪を投げるがそれも梨子さんに当たった

 

「やば…」

 

そう言うと梨子さんが立ち上がり

 

「失礼します」

 

そう言って襖を閉めた

 

「さあ始めるわよ」

 

「曜ちゃんもしかしてスマホ変えた!?」

 

「は・じ・め・る・わ・よ」

 

「はい」

 

また話が脱線しそうになり流石に痺れを切らした梨子さんが有無を言わさない迫力でそう言った事でようやく作詞が始まる

 

「それじゃあ僕は仕事があるのでこれで失礼します」

 

そう言って僕は千歌姉の部屋を出た

 

「真也あの子怒ってなかったか?」

 

下に降りると美渡姉ちゃんにそう聞かれる

 

「心配なら見て来れば良いじゃん、それよりも早くメロンパン返してよ、千歌姉は何とか起きて僕と一緒に買いに行ったんだから」

 

「あの千歌がか!?」

 

「うん、あの千歌姉がだよ美渡姉ちゃん」

 

美渡姉ちゃんが信じられない顔をするが実際に僕のメロンパンを食べてしまった千歌姉は何とか起きて僕と一緒に限定メロンパンを買いに行った

 

「そうか、弟に嫌われない為に頑張ったんだな千歌は」

 

「大袈裟だよ美渡姉ちゃん、僕がそんな事で千歌姉を嫌いになるわけないじゃん、美渡姉ちゃんみたいにわざとやってる訳じゃないし」

 

千歌姉の場合は天然でやってるので怒るに怒れない

 

「今月中に買って来ないと今後美渡姉ちゃんのお弁当は作らないから」

 

限定メロンパンが売られてるのは毎週金曜のみしかも数に限りがあるので千歌姉は本当に頑張って起きていた

 

「ちょ!今月中って後2回しかチャンスないじゃん!?せめて来月まで持ち越しに」

 

そう言う美渡姉ちゃんの方に向き直り笑って僕は

 

「頑張ってね美渡姉ちゃん」

 

「薄情者ー!!」

 

そう言った。いくら美渡姉ちゃんの頼みでもこればかりは譲れない。食べ物の恨みは怖いと言う事を美渡姉ちゃんに教える為にと僕は自分に言い聞かせて仕事を再開する




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12話

『1年の高海真也さん至急理事長室まで来て下さい繰り返します…』

 

教室でルビィと話して居ると放送で呼ばれる

 

「お姉ちゃんが今理事長は居ないって言ってたのに」

 

「取り敢えず行って来るよ」

 

ルビィにそう言って僕は理事長室に向かう

 

「失礼します放送で呼ばれた高海ですが「Hello!真也」鞠莉さん?」

 

「YES!真也久しぶりって程じゃないわね」

 

中に入ると鞠莉さんの他にダイヤさんに千歌姉達も居た

 

「真也さんは鞠莉さんとお会いした事があるのですか?」

 

「当然よ、真也は私の恋人なんだから」

 

『なっ!?』

 

鞠莉さん絶対反応を楽しもうとしてるよ

 

「どっどう言う事真也くん!」

 

「どう言う事ですの真也さん!」

 

そしてその冗談を信じる千歌姉とダイヤさん

 

(鞠莉さん変な事言ってないで本題に入って下さい)

 

問い詰める2人を無視して鞠莉さんに目で訴える

 

(もうちょっとだけね)

 

(また変な事言って巻き込むようなら速攻で教室に戻りますからね)

 

「はぁ」

 

そう返してため息を吐く

 

「ダイヤさんも千歌姉も鞠莉さんの冗談だからね」

 

「Yes It's jork!」

 

「「冗談なんだ(でしたか)」」

 

そう言って安心する

 

「それと久しぶりねダイヤ!!」

 

「触らないで下さる」

 

抱きつく鞠莉さんにダイヤさんは心底嫌そうな声でそう言う

 

「胸は相変わらずね」

 

「やかましい!…ですわ」

 

鞠莉さん出来れば男子の居ない所でやって下さい

 

「全く1年の頃に居なくなったと思ったらこんな時に戻って来るなんて、一体どう言うつもりですの?」

 

「シャイニー!!」

 

「人の話を聞かないのも相変わらずのようですわね」ガシッ

 

そう言ってカーテンを開ける鞠莉さんの胸ぐらを掴むダイヤさん

 

「It's jork!」

 

鞠莉さんが笑ってそう言うとダイヤさんは手を離す

 

「とにかく、高校3年生が理事長だなんて冗談にも程があるわ」

 

「そっちはジョークじゃないのよね」

 

そう言って鞠莉さんは一枚の紙を広げる

 

「私のホーム小原家のこの学校への寄付は相当な額なの」

 

目を通したダイヤさんが驚く

 

「じつはこの学校にschool idleが誕生したって聞いてね」

 

「まさかそれで!?」

 

「そう、ダイヤに邪魔されちゃ可哀想だから応援しに来たのです」

 

「ホントですか!?」

 

千歌姉がそう言って喜ぶ

 

「Yes、このマリーが来たからには心配いりません、デビューステージにアキバドゥームを用意してみたわ」

 

「はっ!?そんな、いきなり!」

 

まあ冗談だろうけど

 

「it's joke!」

 

ほらやっぱり

 

「ジョークの為にわざわざそんなもの用意しないでください」

 

「実際には…貴方達着いて来て」

 

そう言って鞠莉さんは千歌姉達を連れて行く

 

「真也貴方もよ!」

 

僕も?

 

「此処が貴方達がライブをする場所よ」

 

鞠莉さんに連れて来られたのはこの学校の体育館だった

 

「此処で?」

 

曜さんが意外そうに聞く

 

「はい!此処を満員に出来たら人数に関係無く部として認めてあげるわ」

 

「本当ですか!!」

 

「部費も使えるしね」

 

千歌姉と質問に鞠莉さんはそう答える

 

「待って、もし満員に出来なかったらどうなるんですか?」

 

「まあその時は解散してもらうそう言う事ですよね鞠莉さん」

 

「Yes!やっぱり真也は物分かりが良いわ!」

 

そう言って抱き着く鞠莉さんを軽く叩く

 

「そんなぁ」

 

「嫌なら断ってくれて結構ですよ?それとも真也を私の弟にしても良いなら許可しますよ?どうします?」

 

鞠莉さんはそう問いかける。

 

「どうって・・・」

 

「結構広いよね、ここ。やめる?」

 

曜さんと梨子さんも不安そうに千歌姉に問いかける

 

「やるしかないよ!他に手があるわけじゃないんだし!それに鞠莉さんに真也君取られたくないし!」

 

「そうだね!」

 

「OK!それでは行うって事で良いのね?」

 

そう言って鞠莉さんは体育館を後にする

 

「よし!絶対ライブ成功させるぞ!」

 

「千歌ちゃんが珍しく燃えてる」

 

「よっぽど真也君を取られたくないのね」

 

そう言って気合を入れるのは良いけど

 

「千歌姉此処の生徒だけじゃこの体育館満員にならないよ?」

 

「え?そうなの!?」

 

「まさか鞠莉さん、それを分かってて」

 

僕の言葉に全員が驚くやっぱり知らなかったんですね皆さん




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13話

体育館でライブをする事になりいよいよ明日がライブ当日

 

「真也兄ちょっと私の部屋に来て」

 

「どうしたの楓…どちら様ですか?」

 

そう言われて僕は楓の部屋に行くと1人の女の子が居た

 

「楓この子は?」

 

「紹介するね私の友達の統堂綾人君だよ」

 

統堂?英玲奈さんと同じ苗字だ

 

「初めまして統堂綾人です」

 

そう言って統堂さんは頭を下げる

 

「それで楓僕を部屋に呼んだ理由って何?」

 

「真也兄私の学校が女子中だからって女の子が好きだって絶対勘違いしてるでしょ?」

 

ああ、そう言えば気になる子が居るって言ってたっけ?

 

「でも統堂さんって女の子じゃないの?」

 

「あはは、よく間違われるんですけど僕男なんです」

 

どうやら僕は勘違いをしていたらしい

 

「ごめんね楓それじゃあ楓が気になってる子って」

 

「わぁぁあ!真也兄ストップ!」

 

僕がそう言うと楓に口を塞がれる

 

「綾人君ちょっと真也兄と話して来るから待ってて」

 

「うん、待ってるよ」

 

そう言って楓は僕を連れて部屋を出た

 

「もう!なんて事言うとしてるの!!」

 

「違うの?」

 

「違わないげど…そう言うのは自分の口から言いたいの!!」

 

確かにそれもそっか

 

「それで僕を連れて来た理由って何?」

 

「うん、綾人君ね東京から引っ越して来たんだけど真也兄のバイオリンが聞きたいらしくて、と言うか真也兄バイオリンなんてしてたの?」

 

そう言えば言ってなかった

 

「うん、してたよ今は人前では余り弾いてないけど」

 

「そうなんだ良かったら綾人君にバイオリン聞かせてあげられないかな?」

 

そう言われて少し考える。此処は兄として妹の背中を押そう

 

「うーん、わかったその代わり楓は今日統堂君に告白する事その条件を飲めるなら演奏するよ」

 

「うっ、わかった今日綾人君に告白するよ。でも1人じゃ曖昧にしちゃいそうだから真也兄も一緒に居て」

 

「もちろんだよ、僕が言い出したんだから」

 

「ありがとう真也兄、それとまだ千歌姉達には内緒ね」

 

僕は頷いて楓は部屋に戻り僕はバイオリンを取りに行く

 

〜楓side〜

 

「お待たせ綾人君」

 

「ううん、それで真也さんは何て?」

 

告白の事は話さなくて良いかな

 

「弾いてくれるって」

 

「やった!コンクールの時に一度だけ聞いてから耳から離れなくてもう一度聞きたいってずっと思ってたんだ!」

 

真也兄の演奏そんなに凄いんだ

 

「それでね綾人君演奏が終わったら少し大事な話があるんだけど良いかな?」

 

「大事な話?うん、良いよ」

 

綾人君はそう言って了承してくれた

 

「お待たせ楓、統堂君」

 

そう言ってバイオリンを持った真也兄が入って来た

 

「統堂君少しブランクがあって下手になってるかもしれないけどそれは目を瞑ってね」

 

「はい!弾いて貰えるだけでも嬉しいです!」

 

綾人君がそう言うと真也兄は演奏を始めた

 

真也兄が演奏を始めると私はその演奏に夢中になった。真也兄の奏でる音1つ1つが私を魅了していくもう一層の事いつまで聞いて居たい。綾人君が耳から離れないって言ったのも分かる気がする。

 

「どうだった?」

 

演奏が終わり感想を私と綾人君に聞いてくる

 

「凄いかったです!ブランクなんて全然感じなかったです!」

 

「私も!真也兄凄かったよ!」

 

「良かった、それで楓いつするの?」

 

は!真也兄の演奏が凄すぎて忘れてた!

 

「あの、綾人君」

 

「どうしたの楓ちゃん?」

 

やっぱり緊張するよ真也兄

 

「楓なら大丈夫だよ」

 

私の耳元で真也兄がそう囁いたありがとう真也兄

 

「初めて会った時から綾人君の事が好きでした!私と付き合って下さい!」

 

そう言った私の顔は今物凄く赤いと思う

 

「喜んで!と言うか、僕も楓ちゃんの事好きだったんだ」

 

「そっそれて所謂」

 

「両思いって奴かな?」

 

そう言うと綾人君顔も赤く染まる

 

「良かったね楓」

 

「うん!ありがとう真也兄!」

 

そう言って私は真也兄に抱きつく

 

「これからよろしくね綾人」

 

「はい!その良かったら何ですが、僕お兄ちゃんに憧れていてお兄ちゃんって呼んでも良いですか?」

 

綾人君はそう言って更に顔を赤くする

 

「良いよ綾人」

 

「これからよろしくお願いしますお兄ちゃん!」

 

そう言って綾人君も真也兄に飛び付く

 

「綾人君結構甘えん坊さんなんだね」

 

「お姉ちゃんが居るんだけどお兄ちゃんにも憧れてたんだ!」

 

そう言って綾人君は笑う

 

こうして私と綾人君は付き合う事になりました

 

〜楓side out〜

 

楓が告白した後僕は綾人に聞きたい事があったので僕の部屋に来てもらった

 

「もしかして綾人のお姉さんて統堂英玲奈さん?」

 

「お姉ちゃんの事知ってるんですか?」

 

「英玲奈さんのやってるスクールアイドルのマネージャーしてたからね」

 

僕がそう言うと綾人は何かを思い出した顔をした

 

「それじゃあお姉ちゃんの言ってたマネージャーってお兄ちゃんの事だったんだ」

 

「そうだよ、英玲奈さんなんて言ってた?」

 

「真面目で凄く頼りになるマネージャーが居るって言ってました」

 

真面目で頼りになるか

 

「そっか教えてくれてありがとう綾人。これからも楓の事よろしくね」

 

「はい!」

 

そう言って綾人は楓の部屋に戻った




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14話

連続投稿



鞠莉さんとの約束の日が来たが僕は学校ではなく駅で人を待っている

 

「「しんくーん(真也くーん)!!」」

 

「穂乃果!ことりも走ると転びますよ!」

 

どうやら僕が待ってい居た人が到着したらしい

 

「海未さん大変ですねこの2人を1人で抑えるの」

 

「はい、お久しぶりですね真也」

 

僕は海未さんにそう言うと海未さんも疲れた顔をする

 

「穂乃果さん、ことりさん歩きにくいです」

 

今は右腕にことりさん、左腕に穂乃果さんが抱きついた状態で歩いているので本当に歩きにくい

 

「「えー!真君(真也君)なら大丈夫だよ!」」

 

その自信はどこから来るのだろうか?

 

「穂乃果!ことり!離れなさい!真也が迷惑してるじゃないですか!!」

 

海未さんがそう言うが一向に離れてくれない

 

「はぁ、仕方ないですね学校に着くまでですよ」

 

「「はーい♪」」

 

そう言って学校に向かうがその間周りからの嫉妬の目線が凄かった

 

「ほら、もうすぐ学校ですよ離れて下さい」

 

「「えー!もうちょっとこのまま」」

 

「残念ですね、今年の夏休みは殆ど東京に居ようと思ってたんですが」

 

「「今すぐ離れるよ!!」」

 

そう言って穂乃果さんとことりさんはやっと離れてくれた

 

「全く2人がすみませんね真也」

 

「いえ、もう離れてくれたので大丈夫です」

 

海未さんの謝罪にそう返す

 

「おはようございます真也さん、あら?そちらの方々は?」

 

校門前に居たダイヤさんにそう聞かれる

 

「東京に居る僕の幼馴染です」

 

「そうですか、ようこそいらっしゃいましたわたくしはこの学校の生徒会長の黒澤ダイヤですわ」

 

そう言って穂乃果さん達に挨拶をするダイヤさん

 

「園田海未です、今日はお世話になります」

 

「私は高坂穂乃果!よろしくダイヤちゃん!」

 

「南ことりです、よろしくお願いします」

 

「ええ、よろしくお願い致しますわ。ではわたくしは生徒会の仕事があるのでこれで失礼致します」

 

そう言ってダイヤさんは校舎に向かった

 

「千歌姉ー!!」

 

「あ!真也君!その人達は?」

 

千歌姉がそう言って穂乃果さん達を指差す

 

「東京に居る幼馴染だよ前に話したでしょ?」

 

「ああ!私高海千歌よろしく!」

 

「よろしく千歌ちゃん!私は高坂穂乃果!」

 

そう言ってステージから降りて来た千歌姉と穂乃果さん挨拶を交わす

 

「千歌ちゃんどうしたの?お!真也君が女の子2人に囲まれてる!」

 

「もう曜ちゃん真也君の事だから友達でしょ?「梨子ちゃん!」高坂さん!?何で!?」

 

控え室から梨子さんが出てきたのと同時に穂乃果さんが梨子さんに抱きつく

 

「お久しぶりですね桜内さん」

 

「久しぶり梨子ちゃん」

 

そう言って海未さんとことりさんも梨子さんの方に向かう

 

「何々?梨子ちゃんのお友達?」

 

「ええ、音ノ木坂にいた時のクラスメイトよ」

 

曜さんの質問に梨子さんはそう返す

 

「穂乃果さん、海未さんにことりさんも座って待ちましょう」

 

「うん!梨子ちゃんまた後でねー!!」

 

「ええ、また後でね高坂さん」

 

そう言って穂乃果さん達は僕の座っている席の近くに梨子さんは控え室に戻った

 

「「真くーん(真也君)!!」」

 

後ろから呼ばれて振り返るとルビィと花丸が走って来た

 

「ルビィ、花丸おはよう」

 

「「おはよう(ずら)!」」

 

「真也この方々は?」

 

海未さんがそう言ってルビィと花丸の事を聞いてくる

 

「同じクラスの花丸とルビィですよ。ルビィ、花丸この人達は僕が東京に居た時の幼馴染だよ」

 

「おらは国木田花丸ずら」

 

「く…黒澤…ルビィです」

 

ルビィは相変わらず花丸の後ろから自己紹介をする

 

「園田海未です」

 

「高坂穂乃果だよ!よろしく!」

 

「南ことりです。よろしくね」

 

その後は他愛ない雑談をしながらライブが始まるのを待った

 

そしてステージの幕が上がる

 

「え?」

 

きっと千歌姉はもっと多くの人がいて、そんな中でキラキラ輝いて踊りたかったんだと思う。けど、現実は残酷だ。

 

梨子さんと曜さんも体育館を見渡し、暗い表情で落ち込むすると、千歌姉は一歩踏み出した

 

「私たちは!スクールアイドル!せーの!」

 

そんな千歌姉につられ曜さんと梨子さんも前に出て来た

 

「Aqoursです!」

 

「私達はその輝きと」

 

「諦めない気持ちと」

 

「信じる気持ちに憧れ、スクールアイドルを始めました。聴いてください!」

 

千歌姉の声で体育館に曲が流れ始めた

 

曲は順調に進み、ミスもない。人は少ないが、千歌姉達の歌声がしっかりと響く。サビに入ろうとした瞬間アクシデントが発生した。

 

いきなりの落雷。そのせいで停電したのだ。暗いステージに残された千歌姉と曜さんと梨子さん。曜さんと梨子さんは千歌姉を見て、不安気に立ち尽くす。千歌姉も同じだ。今の状況で言葉をなくしていた。

 

何か出来ることはないかそう考えていると体育館の扉が勢いよく開かれた

 

「バカチカ!あんた開始時間書き間違えたでしょ!」

 

この声は美渡姉ちゃん!?

 

僕は美渡姉ちゃんの元に駆け寄る

 

「美渡姉ちゃん!」

 

「真也居たんだ」

 

そう言って僕の頭を軽く叩く

 

「それより千歌姉が開始時間間違えてたって?」

 

「これ見てみな」

 

そう言って美渡姉ちゃんに渡されたのは千歌姉達が貼ったビラ確かに開始時間を間違えていた

 

「それで遅れたのって外のも関係してるんでしょ?」

 

「正解だ真也」

 

そう外には大勢の車とこの付近の学校の生徒がいる

 

この体育館に入り切らない程の観客。

 

みんなこのAqoursを見に来てくれた。

 

「キラリ!」

 

千歌の声で曲が再開すると歓声が上がる。何度も練習したであろうステップ、何度も歌ったであろう歌詞、A-RISEのマネージャーをしていた僕からすればまだまだだでもそれが今、歌として完成している。

 

曲が終わり、暫くの静寂の後湧き上がる歓声、ステージに居る千歌姉達は肩で息をしながら、やり遂げた顔をしている。

 

曲は上手く行かなかったかも知れない、完璧でもないかもしれない、でも、千歌姉達は輝いてた。このライブは成功だ。

 

しばらくすると観客の波を突っ切って行くダイヤさん観客の先頭に立ち、ステージ上の3人を睨む。

 

「これは今までのスクールアイドルの努力と街の人たちの善意があっての成功よ。勘違いしないように」

 

確かにそうだけどどうしてそこまで威圧感を出して言う必要があるのだろうか?

 

「分かってます!」

 

千歌姉は全く怯むことなく言葉を返す。

 

「でも、でもただ見てるだけじゃ始まらないって!上手く言えないけど、今しかない瞬間だから。だから!」

 

3人は手を取り、高らかに言う。

 

「「「輝きたい!」」」

 

そう言うと辺りから大きな拍手が起こった

 

「今度は東京に遊びに来てね!」

 

「うん!絶対行く!」

 

ライブが終わり今は穂乃果さん達の見送りをしている

 

「真也体に気をつけて下さいね」

 

「わかりました。穂乃果さんあまり海未さんに迷惑をかけちゃダメですよ?それとことりさんはそろそろ離れて下さい」

 

「後もうちょっと」

 

そう言ってもう10分くらい経ってますよことりさん

 

「ことり電車が出ますよ!!」

 

「ことりちゃん早く早く!!」

 

「はーい!バイバイ真也君」

 

そう言ってことりさんが電車に乗ったのと同時に電車は出発した

 

「真也君モテモテだったね」ニヤニヤ

 

「やめて下さい曜さん。はぁ、何度言っても辞めてくれないんですからことりさんも穂乃果さんも」

 

2人が僕に抱きつくようになったのは中学に上がって僕と違う学校になってからだ海未さん達が通ったのは女子中だったから休日は殆どあんな感じに抱きつかれながら過ごした

 

「それで真也君お願いがあるんだけど」

 

「何千歌姉?」

 

「Aqoursのマネージャーやってくれない?」

 

マネージャーかやってもいいけどどうせなら

 

「本来の部に必要な人数が集められたら良いよ千歌姉」

 

「えー!良いじゃん!」

 

「仕方ないわよ千歌ちゃん真也君にも用事があるんだし」

 

そう言って千歌姉を落ち着かせる梨子さん。その調子で千歌姉をコントロールして下さい

 

「それじゃあ、部室の掃除くらいなら手伝うよ力仕事もあるだろうし」

 

「ありがとう真也君!」

 

そう言って千歌姉が抱きついて来た

 

「あ!私も!ことりちゃんが抱きついてたからやってみたくて!うーん、このもふもふ具合癖になりそう」

 

千歌姉に続いて曜さんも抱きついて来た

 

「そんなになの?」

 

そう言って梨子さんもやってみたそうにこちらを見る

 

「うん!梨子ちゃんも来なよ!」

 

「そっそれじゃあ…えい!!」

 

そう言って梨子さんまでもが抱きついてくる

 

「わぁ!本当にもふもふしてる確かに癖になりそうだよ」

 

「皆さんこんな人の多い駅のホームでやめて下さいー!!」

 

僕の節句が駅のホーム中に響き渡った




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15話

「真也君お願いがあるずら」

 

「お願い?」

 

放課後鞠莉さんから貰った部室に向かおうとすると花丸に止められる

 

「ルビィちゃんの事ずら」

 

「ルビィの事?成る程スクールアイドル関係ね」

 

僕がそう言うと花丸は頷く

 

「ルビィちゃんはスクールアイドルをやりたい筈ずらだからその後押しを一緒にしてあげて欲しいずら」

 

そう言って花丸は深々と頭を下げる

 

「うーん、こればっかりはルビィが決める事だからね。それに今日は部室の掃除で潰れると思うよ?」

 

「部室の掃除ずら?」

 

「うん、理事長が言うには長い間倉庫として使われてたらしいし」

 

僕は花丸にそう言ってスクールアイドル部の部室に向かった

 

「千歌姉ごめん花丸と話してて…この部間違えて書いたの誰ですか?」

 

「あ!千歌だ!!」

 

そう言って千歌姉は部の漢字を書き直す

 

「千歌姉小学生の漢字間違えないでよ」

 

「あはは、取り敢えず入ってみよ」

 

千歌姉が誤魔化すように鍵を開ける

 

『うわぁー』

 

部室の中はものすごく散らかっていた

 

「片付けて使えって言ってたけど」

 

「これ全部!?」

 

千歌姉がそう言ってげんなりとする

 

「文句言っても誰もやってくれないわよ」

 

「千歌姉帰りにお菓子買おっか」

 

「任せて真也君私頑張るよ!」

 

そう言って千歌姉は掃除を始める

 

「流石真也君ね千歌ちゃんの扱いならこの中で1番得意ね」

 

「ねー!このホワイトボード何か書いてあるよ?」

 

掃除をしていた千歌姉がそう言ってホワイトボードを見る

 

「本当だ」

 

「歌詞かな?」

 

「歌詞ですね」

 

でもこの字何処かで見た事あるような

 

「千歌姉この本てこの学校のだよね?」

 

そう言って僕は千歌姉に本を見せる

 

「本当だ、返しに行こっか」

 

「よいしょ!重!」

 

「千歌姉貸して僕が持つよ」

 

そう言って千歌姉から本を貰う

 

「ありがとう真也君!」

 

「ちょ!千歌姉危ない!うわぁ!」

 

千歌姉が抱きついて来た事により持っていた本をぶちまけてしまう

 

「もー!千歌姉!本が傷んじゃうよ!次同じ事したら本気で怒るからね!」

 

「ごめん真也君」

 

「全く」

 

そう言って本をあらかた持って図書室に向かう

 

「花丸居る?」

 

「真也君どうしたずら?その本の山?」

 

そう言って花丸は僕の持っている本の山を指す

 

「この学校の本みたいだから持って来たんだ。千歌姉達は先に部室に戻ってて僕は花丸と本の整理してから部室に戻るよ」

 

「うん!真也君帰りにお菓子ね!」

 

千歌姉はそう言って部室の掃除をしに戻った

 

「ルビィそろそろ隠れてないで出て来ていいよ」

 

僕がそう言うと机の影からルビィが出て来た

 

「真君ルビィも手伝うよ」

 

「ありがとうルビィ、それじゃあ始めよっか」

 

「「うん「わかったずら)!!」

 

こうして図書室の本の整理を始めたら止まらなくなり結局本の整理が終わったのは夕方ごろで千歌姉に怒られた




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16話

「本当!?やった!!これで5人だよ!それに真也君もマネージャーをやってくれるし!「千歌姉話聞いてた?体験入部だよ?」え?」

 

そう言って千歌姉は疑問符を浮かべるやっぱり聞いてなかったんだ

 

「要するにお試しでやってみて行けそうなら入部、逆に合わないと思ったら入部しないって事」

 

「そうなの?」

 

「いや、まあ色々あって」

 

「もしかして生徒会長?」

 

曜さんの質問に花丸と2人で頷く

 

「だから此処に来た事は内緒で…言ってる側からバラすような事しない千歌姉」

 

そう言って部員募集のチラシに花丸とルビィの名前を書いた千歌姉を止める

 

「千歌ちゃん人の話は聞こうね」

 

そう言って曜さんが千歌姉の肩に手を置く

 

「真也君も大変ね、こんなお姉さんが居て」

 

「まぁ、退屈はしないです」

 

「大変なのは否定しないずらね」

 

「あはは」

 

花丸の言葉に苦笑いをするルビィ

 

「じゃあ取り敢えず練習やって貰うのが1番ね」

 

やっと練習が始まるようだ

 

「これが練習メニューよ」

 

そう言って梨子さんはホワイトボードに練習メニューを書いた紙を貼る。あれ?この練習メニュー見覚えが

 

「真也君どうかしたずら?」

 

「いや、あの練習メニュー見覚えがあって」

 

そう言って考えてるうちに1つの答えが見えたそりゃ見覚えがある筈だ

 

「梨子さんそれってA-RISEの練習メニューを参考にして考えましたか?」

 

何故なら僕が考えた練習メニューなのだから

 

「ええ、そうよ」

 

「良くわかったね真也君?」

 

曜さんがそう言う

 

「そりゃ僕が考えた練習メニューだからね…あ」

 

曜さんの質問に答えるように言ってしまった

 

「真也君どう言う事!?」

 

そう言って千歌姉が僕のすぐ近くまで走って来るだから言いたく無かったんだよなぁ

 

「優木あんじゅさんが小学校の時の先輩でね、かなりお世話になったからマネージャーを引き受けて欲しいって言われた時に断れなくてそれでマネージャーを引き受けたって訳」

 

「あのA-RISEの優木あんじゅさんが小学校の時の先輩か、都会だとそんな偶然もあるんだ」

 

「穂乃果さん達も最近音ノ木坂でスクールアイドルを始めたらしいですよ」

 

昨日穂乃果さんからスクールアイドルを始めた事を聞いたのでそれを千歌姉達に伝える

 

「穂乃果ちゃん達もなんだ!」

 

「ルビィちゃんと花丸ちゃんはあんまり驚いてないね?」

 

既に知ってるルビィと花丸はあまり驚かなくて当然だがそれを知らない曜さんがルビィと花丸に聞く

 

「丸とルビィちゃんは前に真也君から聞いたずら」

 

「うゆ、千歌先輩達も知ってると思ってたんだけど」

 

「もー!真也君また千歌に意地悪するの!?」

 

「千歌姉意地悪じゃないよ、千歌姉は直ぐにそうやって騒ぐから言いたく無かったんだよ」

 

「「あー」」

 

僕の発言に納得してしまう曜さんと梨子さん

 

「取り敢えず練習をしましょう。いつまでもこうしてる訳にも行かないし」

 

梨子さんの言葉で今度こそ練習が始まろうとしたが1つ疑問に思った

 

「それで練習ってどこでするんですか?グラウンドも中庭も運動部が使ってますし、部室もそこまで広く無いですよ?」

 

僕の質問に千歌姉達は固まる

 

「まさかとは思いますけど、考えてないとか?」

 

そう言って梨子さんを見る

 

「えっと、あはは」

 

「帰ります」

 

そう言って部室を出る

 

「真也君お願いだから待って!!」

 

そう言って千歌姉に止められる

 

「いや、練習場所も決まってないのに部員募集するってどう考えても可笑しいよね?」

 

「う!それは…その」

 

そう聞くと言葉に詰まる千歌姉

 

「あ!屋上なんてどうかな?」

 

曜さんがそう提案する

 

「屋上…確かに良いかも知れませんけど、雨天の場合はどうするんですか?その場合も視野に入れて今後の練習場所を確保をした方が良いと思いますよ」

 

「はーい」

 

練習場所が決まったので早速屋上に向かう

 

「富士山くっきり見える!」

 

「でも日差しは強いかも」

 

「それが良いんだよ!太陽の光をいっぱい浴びて海の空気を胸一般に吸い込んで!あったかい…」

 

そう言ってしゃがんで床に触れる千歌姉の近くに全員が集まる

 

「本当だ」

 

同じ様にしゃがんで床に触れた曜さんががそう呟く

 

「んー!気持ちいいずら」

 

そう言って寝転ぶ花丸の頬をルビィがつつく

 

「それじゃあ練習始めよっか」

 

千歌姉の言葉に花丸も起き上がり、全員頷き5人で円陣を組み、手を重ねる。僕はその光景を後ろで見ていた。

 

「いくよー!Aqoursー」

 

『サーンシャイーン!』

 

「ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー」

 

曜さんがリズムに合わせて千歌姉とルビィが踊る

 

「出来た」

 

「流石ルビィちゃん」

 

「出来ました千歌先輩!」

 

「あれ?」

 

初めてするルビィが出来たがいつもしている筈の千歌姉が失敗していた

 

「千歌ちゃんはやり直し」

 

「次は曜さんと梨子さんと花丸、3人同士に僕が見ます」

 

僕がそう言うと梨子さん達もそれぞれの位置に立つ

 

「花丸リズム遅れ気味だよ、曜さんと梨子さんは今のリズムのままでお願いします」

 

「はい」

 

指摘された花丸はリズムを合わせる

 

「花丸大丈夫?」

 

「大丈夫じゃないずら」

 

そう言って床に仰向けで寝転がる花丸

 

「まぁ、千歌姉みたいなミスは無かった訳だし残りは千歌姉だけだね」

 

「真也君もやるの!千歌だけなんて寂しいよ!」

 

「確かに、私達に指摘するって事は真也君も出来るって事だよね?」

 

「わかりました、その代わりこっちのリズムに合わせて貰うよ千歌姉?」

 

「了解!」

 

そう言って千歌姉は僕と並んで踊る

 

「もっもう限界、なんでそんなに上手なの!?」

 

「他人に指摘するんだから自分は出来て当然だよ」

 

流石にこれ以上踊らせるのは酷に思った曜さんはダンスの練習を切り上げて部室に帰った

 

「今日までって約束でしょ?」

 

「思い付かなかったんだもん」

 

部室に戻ると千歌姉と梨子さんがそんな話をしていた

 

「何かあったんですか?」

 

「ああ、今新しい曲の歌詞考えてるんだ」

 

へー、千歌姉が歌詞考えてるんだ

 

「花丸ちゃん、それに真也君も何か思い付いたら言ってね」

 

「「はあ?」」

 

その間ルビィはさっきの振り付けの練習をして居てそれを見た花丸は微笑んでいた

 

「これを一気に登るんですか!?」

 

「そうだよ、途中で休憩とかしちゃうけどね」

 

そう言って曜さんが苦笑いを浮かべる

 

「真也君もこれを休憩無しは「行けない事もないよ?」嘘!?」

 

「嘘じゃないよ、一様毎日果南さんと一緒に登ってるんだし」

 

「でも今日は居なかったよね?」

 

「え?僕は千歌姉達とすれ違ったけど?」

 

僕の言葉に千歌姉達は首を横に降るどうやら気づかれてなかったらしい

 

「でもライブで何曲も踊るには頂上まで登るスタミナが必要だし」

 

「それじゃあ、ヨーイ!ドーン!」

 

千歌姉のその言葉を合図に全員走り出した

 

「あら?真也さん?」

 

「ダイヤさん?どうして此処に?」

 

途中で千歌姉達を待って居るとダイヤさんが来た

 

「わたくしは花丸さんに呼ばれて」

 

「ダイヤさん!」

 

そう言った方を見ると花丸が居た

 

「こんな所に呼び出して何のつもりですの?」

 

「ルビィちゃんの話を…ルビィちゃんの気持ちを聞いてあげて下さい」

 

「ルビィの?」

 

花丸は頷いて走って行く

 

「花丸!!ダイヤさんそれじゃあ!」

 

「えっええ」

 

そう言って僕は花丸を追いかける

 

「花丸待ちなよ、これで良かったの?」

 

花丸の手を掴み引き止めてそう聞く

 

「きっとルビィちゃんはダイヤさんにきちんと気持ちをスクールアイドルをやりたいって伝えられたずら。だから、丸の役目はもう終わりずら、真也君ルビィちゃんの事は頼んだずら」

 

「わかったよ花丸」

 

僕はそう言って花丸の手を離すと花丸は走り去って行く

 

「でもね花丸、その後ルビィがどうするかは知らないからね」

 

そう言って僕は千歌姉達の元に戻る

 

「それで、真也君ルビィちゃんの事頼んだのにどうして図書室に居るずら?」

 

「確かにそう言ったね、でも僕がマネージャーをするのは正式な部に必要な人数が集まってからって約束なんだ」

 

花丸の質問にそう答える

 

「そうずらか」

 

「そうなんだ」

 

(さて、あの子はいつ来るのやら)

 

そう考えていると廊下を走る足音が聞こえてき図書室の扉が開かれた。どうやら来たらしい

 

「ルビィちゃんどうして」

 

そう僕が待って居たのは黒澤ルビィ彼女だ

 

「ルビィね!花丸ちゃんの事ずっと見てた!ルビィに気を使ってスクールアイドルやってるんじゃないかって!ルビィの為に無理してるんじゃないかって心配だったから、でも…それは違うって真君が教えてくれた」

 

ルビィがそう言った所で花丸は僕を見る

 

「だってさ、屋上に居る時とみんなで話してる時はともかくさ、スクールアイドルを好きじゃないと出来ないよダンスの練習を楽しそうには」

 

「ルビィもそう思った!花丸ちゃん好きなんだって!ルビィと同じくらいスクールアイドルが好きなんだって!」

 

「丸が?まさか」

 

「じゃあ何でその本そんな真剣に読むの?」

 

僕はさっきまで花丸が読んでいたスクールアイドルの雑誌を持って聞く

 

「ルビィね!花丸ちゃんと一緒にスクールアイドル出来たらってずっと思ってた!一緒に頑張れたらって!」

 

ルビィの言葉に花丸は首を左右に振る

 

「それでもおらには無理ずら、体力ないし向いてないよ」

 

「体力ならこれから付けていけば良いんだよ花丸、それに最初から向いてる子なんていないよみんな最初の動機なんて」

 

僕はそう言って扉に目線を向けると

 

「でも好きだった、やってみたいと思った」

 

そう言って梨子さんや千歌姉、曜さんも中に入って来る

 

「そんな感じで良いと思うよ」

 

梨子さんがそう言うと千歌姉が花丸に近づき手を伸ばす

 

「ルビィ!スクールアイドルやりたい花丸ちゃんと!」

 

「丸に出来るかな?」

 

「私だってそうだよ?1番大切なのは出来るかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!」

 

そう言って千歌姉は微笑む

 

「あの、丸…運動は苦手だし体力もないけど精一杯頑張ります!」

 

そう言って花丸は千歌姉の手を取る

 

「よし!これで5人だ!「千歌ちゃん1人忘れてるよ」え?」

 

曜さんの言葉に千歌姉は驚く

 

「真也君これで5人になったずらよ」

 

「そうだね、僕がマネージャーになったからには練習に関しては一切手を抜かないからそのつもりでいて!それでも良いなら約束通りマネージャーを引き受けるよ」

 

僕は悪い笑みを浮かべてそう言うと千歌姉達は互いに顔を見合わせる

 

「うん、望むところだよ真也君!」

 

こうしてAqoursはメンバーは5人にマネージャーが1人計6人になった




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17話

ルビィと花丸がAqoursに入部しマネージャーを引き受けた翌日

 

「んー、どうしたものか」

 

「何をずら?」

 

学校に着いてから悩んで居た僕に花丸が話しかける

 

「いや、今朝学校に着いたら下駄箱に手紙が入っててさ」

 

「それってラブレターずら!?」

 

「いや、不幸の手紙じゃ無いかって思って」

 

僕の言葉に花丸がキョトンとする

 

「どうしてそう思うずら?」

 

「中学の時にも何度かあったんだけど全部が男子からの妬みのこもった手紙で」

 

あの時は本当に酷かった穂乃果さん達と一緒に居る所を見られその件で手紙で呼び出される事が度々あった。まぁ海未さん直伝の護身術で対抗してたけど

 

「真也君この学校には真也君以外男子生徒は居ないからそんな事にはならないずら」

 

「わかってるよ、まぁラブレターだったとしても付き合う気は無いかな?スクールアイドルのマネージャーで忙しくなりそうだし」

 

昨日の今日でマネージャーの仕事をほったらかす訳にはいかないし

 

「真也君、千歌さんが今日は練習を休みにするって言ってたずら」

 

「そうなんだ、ありがとう花丸、そう言えばルビィは?」

 

「ああ、ルビィちゃんは真也君がラブレター貰ったって聞いて固まっちゃったずら」

 

花丸にそう言われて右後ろのルビィの席を見ると本当に固まって居た

 

「おーい、ルビィ?大丈夫?」

 

そう言ってルビィの前で手を上下に振る

 

「うゆ、真君そのラブレター誰から!?」

 

「そう言えば、名前書いてないんだよね」

 

「おっちょこちょいな人なんだね」

 

それルビィにだけは言われたく無いと思う

 

「中に書いてあるかもしれないずら」

 

「まだ開けてないからありえるかもね。ルビィも花丸も何で目を手で隠してるの?」

 

僕が封筒を開けようとすると2人が目を手で隠して居た

 

「だって真君宛の手紙何だからルビィ達が見たらダメなんじゃ無いかな?」

 

「何言ってるの?僕が良いと思ったら良いじゃん。それに今はルビィと花丸の方が好きだしね」

 

僕がそう言うと周りが騒つきルビィと花丸は顔を赤くする

 

「2人共顔赤いよどうしたの?」

 

「「ルビィ(まる)お花摘みに行ってくる(ずら)!!」」

 

そう言うと走って教室を出て行く

 

「なんなんだろう?まぁ良いや。えっと、差出人は同じ1年で名前は…」

 

未だなお騒つく教室の声をBGMにしてラブレターの内容を確認する

 

〜ルビィside〜

 

「る!ルビィちゃん!さっきの真也君わざとずら!?」

 

「そっそんな訳無いよ花丸ちゃん!真君はきっと友達としてルビィ達の事が好きって意味だよ!」

 

そう言って話をする花丸ちゃんとルビィだけど赤くなった顔が元に戻らない

 

「あれ?ルビィちゃんに花丸ちゃんだ顔真っ赤だけどどうしたの?」

 

そこに千歌先輩が来たのでさっきの教室での事を話す

 

「へー、真也君がそんな事を多分ルビィちゃんの言った通り友達として何だろうけど…それでラブレターの相手の学年はわかったの?」

 

そう言えば

 

「「知りません」」

 

「そっかぁ、同じ1年生だったら言いにくいかもね」

 

千歌先輩の言う通り同じ1年生だったら言いにくいと思う

 

「「それにルビィちゃんは良いの(ずら)?」」

 

「ふぇ?ルビィ?」

 

そう言うと千歌先輩と花丸ちゃんが頷く

 

「真也君の事好きなんでしょ?」

 

「ルビィが真君を!?そんな事…それにルビィじゃ真君に似合わないよ」

 

そうルビィじゃ真君に似合わない

 

「それじゃあ想像してみて、真也君がそのラブレターの相手の子と手を繋いで、良い雰囲気になって来たと思ったら抱き合って、そのままキス…ちょ!?ルビィちゃん泣かないで!!」

 

千歌先輩に言われた事を想像していると次第に悲しくて泣いてしまった

 

「それでルビィちゃんどう思ったずら?」

 

「凄く悲しくて、辛くて、胸の辺りが苦しくなった」

 

花丸ちゃんの質問にルビィはそう答える

 

「「ルビィちゃんそれは恋だよ(ずら)!!」」

 

ルビィの言葉に花丸ちゃんと千歌先輩はそう言う

 

「うん、ルビィ真君の事が好き。でも真君は」

 

「多分真也君もルビィちゃんの事好きだと思うよ?最近ルビィちゃんの話よくしてるんだけど凄く楽しそうだもん」

 

真君がルビィの事を楽しそうに話してるんだ

 

「ルビィちゃん自分の気持ちを真也君に伝えてみるずら。きっと真也君は真剣に考えて答えを出してくれるずらよ」

 

「花丸ちゃん、うん!ルビィ頑張って真君にルビィの気持ちを伝えてみる!!」

 

そこで予鈴のチャイムが鳴ったのでルビィと花丸ちゃんは教室に戻った

 

〜ルビィside out〜

 

そして時間は過ぎて放課後になった

 

「あの、来てくれてありがとうございます」

 

「ううん、手紙を貰ったのに返事をしないなんて人として最低だからね」

 

その場に居た同じクラスの女子にそう言う

 

「それで…その…良かったら私と付き合って下さい!」

 

「ごめん「わかっています」え?」

 

続きを言おうと思ったらその子に言葉を遮られる

 

「黒澤さんと国木田さんのどちらかが好きなんですよね?」

 

「待って「良いんです気持ちを伝えたかっただけですから」それ誤解って速!?」

 

そう言ってその子は走り去って行った誤解したまま、いや別に誤解でも無いか

 

「いやぁ!真也君も隅に置けないなぁ!」

 

そう言って影から曜さんが出てくる

 

「見てたんですね」

 

「うん、水泳部の後輩でね。それで真也君の好きな子ってどっちなの!?」

 

どっちとはルビィか花丸どっちが好きかって事だろう

 

「そうですね、あの物陰に隠れてる残りのメンバーが出て来たら答えても良いですよ?」

 

僕がそう言うと千歌姉達が倒れて来た

 

「覗きとは感心しないね」

 

「あはは、いつから気付いてた?」

 

苦笑いをしながらそう聞いてくる

 

「最初から」

 

「そっか、それで真也君私達も出て来たしルビィちゃんと花丸ちゃんどっちが好きなのか答えてよ」

 

千歌姉がそう言うとルビィと花丸が前に出て来る

 

「はぁ、千歌姉も薄々気づいてるのに言わせるんだね。僕が好きなのは黒澤ルビィです。ルビィ良かったらだけど、僕と付き合って貰えるかな?」

 

僕はそう言ってルビィに手を差し出す

 

「はい!ルビィも!ルビィも高海真也君の事が好きです!ルビィの方こそよろしくお願いします!」

 

そう言ってルビィは僕の手を取る

 

「おめでとうずらルビィちゃん!」

 

「うん!ありがとう花丸ちゃん!」

 

そう言ってルビィと花丸が抱きつき合う

 

「ルビィ喜びあうのも良いけど…今は逃げるよ!」

 

「え?真君!?」

 

そう言ってルビィの手を握って走る

 

「あ!こら待てー!」

 

「真也君逃げないでよー!」

 

そう言って僕とルビィを追いかけて来る千歌姉と曜さん

 

「もう、花丸ちゃん私達も行きましょうか」

 

「はい!」

 

その後を梨子さんと花丸も追って行く

 

「ルビィこっち!」

 

「ピギィ!」

 

そう言ってルビィと一緒に抜け道を通る

 

「真也君この道何処に繋がってるの?」

 

「僕とルビィの思い出の場所だよ!」

 

ルビィの質問にそう返す

 

「着いた!」

 

「わぁぁあ!」

 

僕とルビィが辿り着いた先にあったのは昔2人でよく遊んだ花畑

 

「此処は変わらないね真君」

 

「うん、そうだねルビィ」

 

そう話して居ると携帯が鳴る

 

「もしもし?」

 

『もしもし真也君!?今何処に居るの!?』

 

ああ、そう言えばそのままだった

 

「千歌姉さっき僕とルビィが居なくなった茂み近くに抜け道無い?」

 

『抜け道?あ!うん!あったよ!』

 

抜け道を見つけたなら後は簡単だ

 

「その抜け道は一本道だからそこを走ってこれば僕とルビィの居る場所に着くよ」

 

『うん!曜ちゃん!みんなこっちだって!じゃあね真也君』

 

そう言って千歌姉は電話を切る

 

「これから騒がしくなるね」

 

「うん…それで…その…真君その前にキスしても良いかな?」

 

ルビィが恥ずかしさのあまり顔を赤くした状態で聞いてくる

 

「うん…それじゃあ」

 

そう言ってルビィに顔を近づけてもう少しの所で

 

「真也君…お邪魔しました。ほらほら、戻るよ千歌ちゃん」

 

「え?何どうしたの曜ちゃん!?」

 

「良いから良いから」

 

そう言って曜さんは一瞬こちらを向いてウインクをする

 

「曜さんに感謝しないとね」

 

「うゆ」

 

そう言って再度ルビィに顔を近づけた

 

この日僕とルビィは恋人になった




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18話

ルビィと付き合って数日が経った

 

「今日も上がってない」

 

千歌姉が昨日から上がってないランキングを見てそう言う

 

「スクールアイドルは毎年増えてるからね。でもライブの歌は評判良いみたいだよ特に花丸の人気が凄いかな?」

 

「花丸ちゃん応援してます」

 

「花丸ちゃんの踊ってる姿が早く見たいです」

 

曜さんと梨子さんが花丸に対するコメントを読んで行く最中花丸はパソコンにちかずく

 

「これがパソコン?」

 

「「そこ!?」」

 

花丸の発言に対して曜さんと千歌姉が驚く

 

「これが知識の海に繋がっていると言われているいんたーねっと!」

 

花丸はそう言って目を輝かせる自分を褒めるコメントよりそれが気になるんだこの子は

 

「そうね、知識の海かどうかはともかくとして」

 

「お〜!」

 

そう言って花丸はパソコンの画面に釘付けになる

 

「真也君!真也君!この間みたいなのはどこで見れるずら!?」

 

「この間?ああ、あれは僕のパソコンの中だけに入ってるのだからそれでは無理だよ」

 

僕がそう言うと花丸はしょんぼりする

 

「真君ルビィからもお願い」

 

「うーん、僕のパソコンがあれば回線繋げたら何とかなるけど持ってきてたかな?」

 

そう言って鞄の中を探る

 

「触っても良いですか!?」

 

「勿論」

 

千歌姉がそう言ったので花丸はパソコンに触れる

 

「花丸?」

 

すると突然花丸は一箇所だけ光るボタンを見つめるまさか!?

 

「花丸ストップ!」

 

「え?」ポチッ

 

止めるのが遅く花丸は電源ボタンを押してしまった

 

「何いきなり何したの!?」

 

梨子さんが慌てて花丸に尋ねる

 

「えっと、「花丸電源ボタンの事前に教えなかった?」ずら!?」

 

花丸が何のボタンを押したか理解した梨子さんと曜さんがパソコンに慌ててパソコンを確認する

 

「大丈夫!?」

 

「衣装のデータ保存してたかな?」

 

梨子さんと曜さんの慌て様に花丸も慌てる

 

「真也君まる何か行けない事しちゃったずら!?」

 

「あー、事と次第によってはパソコンが壊れる可能性があるのとデータを保存してなかったらそのデータが消えちゃう事があるんだ」

 

「!!」

 

僕の言葉に花丸は泣きそうになる

 

「花丸は知らなかったんだから仕方ないよ。今度から気をつけよ」

 

そう言って花丸にティシュを渡す

 

「うん、気をつけるずら」

 

花丸はそう言ってティシュで涙を拭き取る

 

「真君パソコンあった?」

 

「ごめんなかったよ、花丸もごめん」

 

そう言って花丸に謝る

 

「大丈夫ずらよ、でもまた持って来て欲しいずらまるもっとノートパソコン?使えるようになりたいずら!」

 

「わかった、明日にでも持って来るよその時に一緒に覚えよ花丸。あ!この後音楽室でバイオリンの練習するから今日の練習見れないけど千歌姉サボらないでね。後で梨子さんに聞くから花丸は無理しすぎないでね。それじゃあ」

 

「うん!真君ガンバルビィだよ」

 

ルビィの言葉に頷いて僕は部室を出た




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19話

〜善子side〜

 

ずら丸と別れ家に帰ろうと廊下を歩いていると上の階から何か聞こえた

 

「確かこの上って音楽室の筈よね?この学校吹奏楽何て無かった筈だけど」

 

そう言いながら上に上がり中を覗くと1人の男子生徒がバイオリンを弾いて居た

 

(何だろ、初めて聴く筈なのにどこか懐かしい)

 

「さっきからずっと見てたけど何か用?」

 

気がつくとさっきまで音楽室の中でバイオリンを弾いて居た男子生徒は私の目の前に来ていた

 

〜善子side out〜

 

バイオリンを弾いているとなぜか視線を感じたので扉の方を向くと入学式の時に居た自称堕天使が居た

 

「さっきからずっと見てたけど何か用?」

 

「そのごめんなさい、邪魔するつもりはなかったの」

 

そう言って謝る自称堕天使

 

「もし気になるなら中で聞いたら?誰かに聞いて貰ってる方が上達するだろうし」

 

「そっそれじぁあお言葉に甘えて」

 

そう言って中に入って来る

 

「そう言えば名前言ってなかったね。僕は高海真也、君は?」

 

「ククク、我が名は堕天使ヨハネ…またやっちゃったー!」

 

堕天使ヨハネさんはそう言って頭を抱える

 

「すみません堕天使ヨハネさん本名でお願いします」

 

「つ…津島善子よ」

 

本名は津島善子か

 

「よろしく津島さん」

 

「よろしく高海さん、それと…引かないのね」

 

その言い方だとよく引かれるのかな?

 

「まあそれで誰かに迷惑をかけたなら悪い事かもしれないけど特に迷惑をかけてないなら良いと思うけど?」

 

「そんな風に言ってくれたのは高海さんが初めてよ」

 

そう言って音楽室に合った椅子に座る

 

「その…聴かせてくれるのよね?」

 

成る程僕の演奏を聴くために座ったのか

 

「もちろんだよ」

 

そう言って演奏を始める

 

「それでどうだった?」

 

「そうね、ねぇ私と高海さんって何処かで合ってる?高海さんのバイオリンの音がすごく懐かしく感じたの」

 

津島さんにそう言われて記憶を辿る

 

「初めて合ったのが入学式の時だからそれ以前となると」

 

「そう、ありがとう。私こっちだから、それと明日から学校行くからまたね」

 

「うん、またね津島さん」

 

そう言って津島さんと別れて十千万に帰る

 

「堕天使ヨハネと共に堕天の時が来たのです!」

 

「その声津島さん?」

 

次の日教室に入ると黒いコートを羽織ってロウソクを手に持った津島さんが魔方陣の書いてある布の上に居た

 

「高海さん!?」

 

津島さんが悲鳴にも聞こえる声で僕の名前を呼ぶと花丸がロウソクの火を消す

 

「どうして止めてくれなかったのよ!!」

 

放課後スクールアイドル部の部室で津島さんがそう叫ぶ

 

「せっかく上手く行ってたのに!」

 

「まさか学校にあんな物持って来てるなんて思わなかったずら」

 

花丸が机の下に居る津島さんに向かってそう言う

 

「魔方陣なんかはまだ良いとしてロウソクに火をつけた状態で教室に持って入るのはどうかと思うよ?」

 

下手したら大惨事になりかねないし

 

「善子ちゃん中学時代自分は堕天使だと思い込んで居たらしくてまだその時の癖が抜けきってないって」

 

まあ癖なんてそう簡単に抜けないからね

 

「わかってるのよ、自分が堕天使じゃないって事もそもそもそんなの居ないんだし」

 

「だったら何でそんな物持って来てるのよ?」

 

「それは…ヨハネのアイデンティティみたいな物って言うの、あれが無かったら私が私じゃなくなるって言うか!」

 

そう言って津島さんがポーズを取るが直ぐにやってしまったと言う顔をする

 

「なんだか心が複雑な状態にあると言う事はよくわかった気がするわ」

 

「ですね、実際今でもネットで占いやってますし」

 

そう言ってルビィがその動画を流す

 

『またヨハネと一緒に堕天しましょ』

 

その動画を見た千歌姉以外が少し引く

 

「辞めてよ!兎に角私は普通の高校生になりたいの!何とかして!!」

 

「ずら」

 

津島さんの言葉に花丸が困った顔をする中

 

「可愛い」

 

千歌姉がそう言ってパソコンを持ち上げる

 

「これ!これだよ!津島善子ちゃん!嫌!堕天使ヨハネちゃん!スクールアイドルやりませんか!?」

 

「何?」

 

千歌姉の言葉に津島さんは疑問を持った声を上げる。それが普通の反応だよね




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20話

津島さんを勧誘した後十千万にて次のPVの衣装合わせをして居るそこまではまだ普通だ問題は

 

「こっこれで歌うの!?この前より短いこんなのでダンスしたら流石に見えるわ」

 

何がとは言わないでおこう流石に可愛そうだ

 

「大丈夫!」

 

「ちょっと!隣の部屋には真也君も居るんだからそう言う事しないの!はぁ、良いのかな?」

 

「真也君入って!」

 

千歌姉に言われて入るが

 

「うわぁ、何その格好可愛いとは思うけど」

 

成る程これならさっきの梨子さんの発言にも納得がいく。一言で言うと酷いあまりにも酷すぎる

 

「調べたら堕天使アイドルって居なくて結構インパクトあると思うんだよね!」

 

「確かに、昨日までこうだったのが…こう変わる」

 

曜さんがそう言ってルビィ達を見る

 

「ルビィ大丈夫そう?」

 

「真君うん、でも恥ずかしい」

 

「落ち着かないずら」

 

ルビィは恥ずかしいのか顔が少し赤い花丸も落ち着かないようで裾を持ち上げたりしてる

 

「ちょ!花丸待って!今は僕も居るんだから!」

 

「ずら!?みっ見たずら真也君?」

 

「見てないから、気を付けてよ津島さんは普通に着こなしてるね?」

 

津島さんは普通に似合っている

 

「まぁ、こう言うの偶に着てるしね」

 

「真君はこう言うの好きなの?」

 

ルビィは恥ずかしがりながらもそう聞いてくる

 

「うーん、僕は普段のルビィの方が良いと思うよ」

 

そう言ってルビィの頭を撫でる

 

「そっか…えへへ」

 

ルビィはそう言われて嬉しかったのか笑みを浮かべる本当小動物みたいだなぁ

 

「ずら丸あの2人って付き合ってるの?」

 

「ちょっと前に付き合い始めたばかりの筈なんずらけど、ルビィちゃんと真也君は時々ずっと前から付き合って居た感じに見える時があるずら」

 

花丸と津島さんが何か話しているが声が小さくて聞こえない

 

「真也君しいたけ家の中に居ないよね?」

 

「あ」

 

僕が気付いた時にはもう遅く

 

「いやー!」

 

「ワン!ワン!」

 

しいたけと梨子さんが家の中で追いかけっこをして居た

 

「大丈夫だよ梨子ちゃん!しいたけは、うわぁ!」

 

千歌姉がそう言うが梨子さんは止まらずしいたけはそれを追いかける

 

「とりゃー!」

 

そう言って隣の自分の部屋のベランダに飛び移る梨子さん

 

『飛んだ!』

 

「ワン!」

 

「痛ぁ、もう!」

 

「お帰り」

 

そこに梨子さんの部屋を掃除して居た梨子さんのお母さんがそう言う

 

「ただいま」

 

そう言った梨子さんは少し元気がなかった。まぁ親にあんな姿見られたらそりゃ嫌か

 

「美渡姉ちゃんしいたけは家に入れないでって言ったじゃん!」

 

「悪い、あの子来てるの忘れてた」

 

僕はしいたけを家に入れたであろう美渡姉ちゃんにそう言う

 

「全く、ほらしいたけこっちにおいで」

 

「クゥン」

 

僕が呼ぶとしいたけは悲しそうなに鳴いてから来た

 

「よしよーし、お前は悪くないからなぁ」

 

そう言ってしいたけを撫でる

 

「真也お前しいたけに甘く無いか?」

 

「実際問題悪いのはしいたけを家に連れ込んだ美渡姉ちゃんでしょ?」

 

「おっしゃる通りで」

 

そう言った美渡姉ちゃんは戻って来た梨子さんに謝った

 

「災難でしたね梨子さん」

 

「ええ」

 

僕は戻って来た梨子さんにそう言ってしいたけと一緒に家の外で皆んなが帰るのを待った




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21話

翌日の放課後音楽室でのバイオリンの練習を休憩して居ると

 

『スクールアイドル部の方々は早急に生徒会室まで来なさい!!』

 

「ルビィがあんな衣装でPVに出てるんだから当然か」

 

投稿前に少し見せて貰ったがルビィがかなり酷いもんだった

 

『ヨハネ様のリトルデーモン4号、く、黒澤ルビィです。一番小さな悪魔・・・、可愛がってね!』

 

そもそもランキングの上昇と言う目的でああ言った物を撮るのも間違って居たんだ

 

「僕も行こうかマネージャーをしてる事くらいダイヤさんなら知ってるだろうし」

 

そう言って千歌姉達が行ったであろう生徒会室に向かった

 

『こう言うのは破廉恥と言うのですわ!』

 

生徒会室の中では早速ダイヤさんのお説教が行われて居るらしい

 

「失礼します」

 

「真也さん今は大事な「僕はAqoursのマネージャーですよ?来ない訳がないじゃないですか?」そうですか」

 

そう言ってダイヤさんは僕を睨む

 

「そもそも!わたくしがルビィにスクールアイドル活動を許可したのは、節度を持って自分の意思でやりたいと言ったからよ。こんな格好をさせて注目を浴びようなど!真也さんもマネージャーなのであれば何故あの女達の止めなかったのですか!!それでも貴方は彼女達のマネージャーなのですか!!」

 

「僕が止めなかったのは止める理由がないからです。確かにこの行動に移った理由は酷いものでした。キャラが立って居ないとか、個性がない、人気がないなんて理由でこんな事をするのもいただけません」

 

「それが止める理由になるではありませんか!!」

 

「止めてどうするんですか?確かに止めればこんな失敗はしなかったでしょうね。ですが今回失敗した分次の成功に生かせます!それに堕天使アイドルその発想自体はそこまで悪くない物だと考えています!貴方の独断で!貴方の偏見だけでそれ自体を否定しないで下さい!!それと千歌姉はっきり言わせて貰うけど、そんな人気は一時的なもので直ぐに落ちるに決まってるじゃん!パソコンを見てみたら絶対に前より低い順位になってるから」

 

僕はそう言ってダイヤさんを見るとダイヤさんはパソコンを使う許可をくれた

 

「見て千歌姉」

 

「え」

 

そこにあったAqoursの順位は問題に上がって居る動画を投稿する前よりもさらに低くなって居た

 

「本気でラブライブを目指すのならばどうすればいいのか、もう1度考える事ね!」

 

ダイヤさんのその言葉を最後に千歌姉達が生徒会室を出るのに乗じて僕も出ようとするとダイヤさんに止められる

 

「真也さん、貴方に言われて気づきましたわ。確かにそこに至った経由は酷いのかもしれません、ですがアイデアそのものを否定してはいけないですね」

 

「わかって貰えたなら良いですよ」

 

「それとルビィから付き合う事になったと聞きました。今後ともルビィの事を宜しくお願い致しますわ。それとお父様とお母様が明日真也さんにお会いしたいそうですので是非いらっしてください」

 

そう言ったダイヤさんには先程の様な険しい顔はしておらず1人の姉としての優しい顔をして居た

 

「千歌姉ただいま、あれ?津島さんは?」

 

「善子ちゃんは帰ったよまた迷惑をかけそうだからってスクールアイドル部を辞めて」

 

津島さん今回の事の責任を感じて居るんだ

 

「千歌姉今回の事津島さんだけが悪いの?」

 

「ううん、善子ちゃんだけが悪いんじゃない私も悪かったんだ。みんな明日は休日だよね?朝に協力して欲しい事があるんだけど良いかな?」

 

そう言って千歌姉は梨子さん達に協力して欲しい事の内容を話す

 

そして翌朝花丸の案内で津島さんの住んでいるマンションに着いて待って居ると津島さんが段ボールを持って出て来た

 

「堕天使ヨハネちゃん!」

 

『スクールアイドルに入りませんか?』

 

千歌姉達が昨日ダイヤさんに怒られた時のPVで着ていた衣装で津島さんにそう言う

 

「はあ?」

 

「ううん、入って下さい!Aqoursに堕天使ヨハネとして!」

 

「何言ってるの昨日言ったじゃないもう「良いんだよ堕天使で自分が好きならそれで!」…ダメよ!」

 

千歌姉の言葉に少し考えた津島さんだがそう言って走り出す

 

「津島さん僕言ったよね!誰かに迷惑をかけたなら悪い事かもしれないけど特に迷惑をかけてないなら良いと思うって!」

 

「迷惑かけたじゃない!先輩やずら丸達に!私のせいで皆んなが生徒会長に怒られたじゃない!」

 

やっぱり責任を感じて辞めたんだ

 

「それは津島さんだけが悪いんじゃない!止めなかった僕も一緒にやった千歌姉達も悪いんだ!だから津島さんだけが悪い訳じゃない!」

 

「そうだよ!だから善子ちゃんは良いんだよそのまんまで!」

 

「どう言う意味!!」

 

津島さんは走りながらそう言う。その後も津島さんを追いかけ続けとうとう津島さんのスタミナが限界に達した様だ

 

「良いの変な事言うわよ?」

 

「良いよ」

 

津島さんの問いかけに曜さんがそう返す

 

「時々儀式とかするかもよ?」

 

「そのくらい我慢する」

 

再度問いかける津島さんに今度は梨子さんがそう返す

 

「リトルデーモンになれって言うかもよ?」

 

「それは、でも嫌だったら嫌だって言う私もここに居るみんなも。だから…ね?」

 

そう言って千歌姉は1つの黒い羽を持って津島さんに近づくと津島さんは千歌姉の手を取る

 

「これから迷惑かけると思うけど、宜しく」

 

「こちらこそよろしく善子ちゃん」

 

こうして堕天使ヨハネもとい津島善子がAqoursに加入した

 

「そう言えばルビィ、昨日ダイヤさんからルビィのお父さんとお母さんが僕に会いたがってるって聞いたんだけど本当なの?」

 

「うん、ごめんなさい真君昨日言おうと思ってたんだけど善子ちゃんの事があって言い出せなくて」

 

成る程それなら仕方ないか

 

「それで今日行く事になってるんだけど聞いてる?」

 

「今日なの!?ルビィそれは聞いてないよお姉ちゃん!」

 

ダイヤさん時々抜けてる事があるなぁ

 

「真君ルビィのお部屋には入っちゃダメだよ!」

 

「心配しなくても勝手に入ったりしないよ」

 

そう言って千歌姉達と別れてルビィの家に向かった




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22話

「真君やっぱり緊張する?」

 

「当たり前じゃん、自分の彼女の両親に会うんだから」

 

逆に自分の恋人の親に会う前に緊張しない人が居るのなら見て…いや、穂乃果さんに海未さん、それにことりさんの親なら緊張せずに会えるかも

 

「真君?」

 

そんな事を考えて居るとルビィに声をかけられる

 

「ううん、何でもないよ取り敢えず入ろうか」

 

「うゆ、ただいま」

 

そう言ってルビィが中に入るのに連れて僕も一緒に家の中に入る

 

「お帰りなさいルビィ」

 

「ただいまお母さん」

 

と言う事はこの人がルビィとダイヤさんの母親か

 

「貴方が真也君ねあら?貴方前に会ってないかしら?」

 

そう言って僕の顔をジッと見つめるルビィの母親

 

「えっと、「思い出したわ、ルビィが幼稚園の頃に良く遊んでた男の子よね?」はい、そうですけど会ってるんですか?」

 

「ええ、ルビィがあまりにも楽しそうに話すから私も会って見たいと思って次の日ルビィと一緒に行ったのよ峠にあるお花畑に」

 

「思い出しました!あの時のてっきりルビィのお姉さんか何かかと」

 

そう言われて思い出す確かに昔ルビィの母親に会った事がある。僕が引っ越す少し前にルビィが1人の女性と一緒に来たことがあるその人の事をルビィがお母さんと呼んでいた記憶がある

 

「母さん何をして居るんだい?おや?その子は?」

 

そう話して居ると今度は1人の男性が奥から出て来たこの人がルビィの父親だろう

 

「貴方ルビィが幼稚園の頃に遊んでいた男の子が居たって話はしたわよね?その子がルビィの恋人になったらしいのよ」

 

「ほー!君がルビィが小さい頃から話て居た子か!!成る程な男性が苦手なルビィが好きになる訳だ君の事を話すルビィはいつでも楽しそうだったよ。今後ともルビィの事を頼んだよ真也君!」

 

あれ?随分とあっさりしてる

 

「お父様、お母様それにルビィも朝食の用意が出来ましたわ、真也さん?なぜ此処に?」

 

「えっと、取り敢えず早いに越した事はないと思って早く来たんだけど一家団欒の中を邪魔しちゃ悪いし「遠慮なんてしなくて良いんだよ真也君、これからは君も私達の家族じゃないか!」いえ、そうではなく「良いじゃない、真也君も一緒に食べましょ?」そっそれじゃあお言葉に甘えて」

 

何だろこの2人にはペースを持っていかれる

 

「真也君料理はするのかしら?」

 

「ええ、東京に引っ越して叔父さんと叔母さんの家に住んでいたんですがその家が旅館でよく料理を作って居ました」

 

「ほー、旅館に泊まっているお客に出せる程の料理の腕前か少しきになる所だな」

 

そんな話をしながらダイヤさんが朝食を持って来るのを待つ

 

「真君ねバイオリンが凄く上手なんだ!」

 

「へー、バイオリンを弾くのね真也君は」

 

「はい、最近はあまり人前では引いては居ないですけど」

 

ルビィの母親はバイオリンに興味があるらしい

 

「そう言えば前に東京で聞いた事があるな、最年少で賞を受賞する程のバイオリンの実力を持った天才とまで言われて居たバイオリニストが居たと」

 

「それきっと真君の事だよ!それくらい上手だったもん!」

 

「朝食を持ってきましたわ。こらルビィテーブルに身を乗り出すのはブッブーですわ」

 

食堂に入って来たダイヤにそう注意されるルビィ

 

「ごめんなさいお姉ちゃん」

 

そう言ってルビィはきちんと座る

 

「そう言えば先程話が盛り上がって居たようですが何の話をして居たんですの?」

 

食事の途中にダイヤさんがふとそんな事を聞く

 

「真君がバイオリンを弾くって話だよ」

 

「成る程、それでお母様が真也さんすみませんが一度お母様の前で演奏をしてもらえませんか?」

 

うーん、どうするか

 

「真也さんわたくしが前にも言った様に真也さんの演奏にブランクなど感じられませんでしわ。もっと自信を持って下さいませ」

 

「そうだよ真君!ルビィ真君のバイオリン聞いて感動したもん!」

 

ルビィ、ダイヤさん

 

「分かりました、僕の演奏で良ければ引き受けさせてもらいます」

 

そう言ってルビィの母親の前で演奏をする事になり父親は仕事があるらしく出かけてしまった後にルビィの母親の要望通りバイオリンを弾き昼食を食べた後何時迄も此処に居る訳にはいかず帰ることにした。その際ルビィの母親にもう一度ルビィを頼むと言われたので僕は

 

「はい、わかっています」

 

そう返し十千万に帰った




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23話

「ダイヤさん登校して早々生徒会室に来て欲しいってどう言う事ですか?」

 

朝学校に登校するとダイヤさんに放送で呼び出された

 

「すみません、真也さんは知っておいても良いと思ったので、実はこの浦の星女学院が統廃合となる可能性が高くなって来ました」

 

「え?前々から分かりきって居た事じゃないですか?」

 

余りにも今更ながら事を言われたのでついそう言ってしまった

 

「真也さんはその考えがあったのですか?」

 

「はい、此処の生徒の数が少な過ぎます。この時点で廃校あるいは統廃合になってもおかしくないとは思ってました。都会の高校分かりやすく言うと穂乃果さん達の通っている音ノ木坂学院も廃校問題が上がって居ますがそれでも此処の生徒の数よりは居ましたから、その時点でいつかは廃校もしくは統廃合になるんじゃないかと思ってました」

 

「そうでしたか「真也居るかしら?」中に入る際はノックをして下さいと何度言わせる気ですか鞠莉さん」

 

ノックもせずに中に入って来た鞠莉さんは何の悪びれも無くダイヤさんに接する

 

「それで真也とダイヤは2人で何を話して居たのかしら?」

 

「はぁ、もう良いですわ統廃合の事について話して居ました。まあ真也さんは前からその考えはあったらしいのですが」

 

ダイヤさんはもはや呆れた様子で鞠莉さんに話す

 

「へぇ、真也その考えがあったのなら何故誰にも話さなかったのかしら?」

 

「理由は簡単ですよ自分の学校が廃校もしくは統廃合になるなんて事言ったら確実にパニックになるからですよ」

 

鞠莉さんの質問に僕はそう返す

 

「成る程ね、気づいたのが真也で良かったわ」

 

「まあ中にはその考えがついてもそれを認識したくないって人も居るでしょうけどね」

 

「そうですわね、そう言えば音ノ木坂ではどの様な取り組みを?」

 

ダイヤさんは可能であれば浦の星でも取り入れようと考えているんだろう

 

「スクールアイドルだそうですよ?」

 

「スクールアイドルですか、そのグループはAqoursの様な事にはなりませんわよね?」

 

Aqoursの様なとはこの間のアレな衣装なんかは着ないかって事なんだろうけど

 

「大丈夫ですよ、先日みたいな衣装は衣装担当の人が絶対に作りませんから」

 

ことりさんも流石にあんな衣装を海未さんには着せないだろう

 

「なら良いのですが、それと真也さんそろそろわたくしの事も呼び捨てで呼んで下さいませ」

 

「ダイヤさんだって僕の事はさん付けじゃないですか?」

 

「それは…そうですが」

 

ダイヤさんがそう言って目をそらすと鞠莉さんが悪い笑みを浮かべた

 

「真也ダイヤは恥ずかしがって居るのよ真也から呼んであげなさい」

 

「な!鞠莉さんわたくしがいつそんな事を!良いですわ!やってやりますわ!…は!」

 

そう言った後しばらく考えたダイヤさんが嵌められた事に気がつく

 

「ならダイヤからで問題ないわよね?」

 

「そうですね、ダイヤさんからで問題無いですよね?」

 

そんなダイヤさんに僕と鞠莉さんで追い討ちを仕掛ける

 

「真也さんまで、わっ分かりましたわ…真也…これでよろしくて?」

 

頬を赤らめながらもそう言うダイヤさん向こうがきちんと言った事だし僕もか

 

「うん、それで良いよダイヤ」

 

「なんだか違和感が半端無いですわね」

 

何で?これでも一様勇気出して言ったのに

 

「ならダイヤさんに戻しますか?」

 

「いえ、恐らくまだ慣れて居ないだけでしょうしそのままでお願いします」

 

「それじゃあ僕は教室に戻るねダイヤ、鞠莉さんも失礼しました」

 

そう言って生徒会室を出て教室に向かう

 

「統廃合絶対反対!!」

 

放課後部室に向かっていると中からそう叫ぶ善子の声が聞こえた

 

「善子声外まで聞こえてたよ。それで何で善子は統廃合反対なの?」

 

「真君、花丸ちゃんが統廃合したら中学の頃の友達に会えるねって言ったら善子ちゃんが」

 

ああ、善子の事だ中学時代の事を知ってる人に会いたく無いんだろう

 

「あきらめて善子それは自業自得だから」

 

「もうちょと言い方あったでしょ真也!?」

 

「自業自得?曜ちゃんどう言う意味?」

 

「千歌ちゃん」

 

バッサリと言われた善子がそう言って嘆き千歌姉に自業自得の意味を聞かれた曜さんは苦笑いをして居た

 

「千歌姉自業自得の意味は簡単にすると自分のせいって事だよ」

 

「そうなんだ、ありがとう真也君」

 

曜さんを気の毒に思い僕が千歌姉に意味を教えた

 

「千歌姉はもっと勉強をするべきだと思う。そう言えば善子は勉強の方は付いていけてるの?」

 

「これについても真也の言う通り私が悪いんだけど、いまいちついて行けてないわ」

 

そう言って善子は授業中のノートを見せる

 

「成る程、大体の事は理解してるんだまあこれなら何とかなる範囲だからわからない所があったら聞いてくれれば良いよ」

 

「助かるわ」

 

そう言って善子はノートを鞄に仕舞う

 

「それじゃあ早速練習しましょう」

 

梨子さんがそう言った事で練習が始まった

 

「ねえ、みんな明日1年生の歓迎会やりたいんだけどどうかな?」

 

練習の休憩をして居る時に千歌姉がそんな事を言い出した

 

「私は賛成だよ千歌ちゃん!」

 

「私も歓迎会には賛成だけど練習が先よ」

 

歓迎会をやるって事は明日の練習は休みか

 

「梨子さん朝練って何時からしてるんですか?」

 

「6時からよ」

 

6時か朝練の時間としては丁度良いのかな?

 

「丁度良い機会ですし明日からの朝練は僕も参加します」

 

「真也君起きれるずら?」

 

僕の言葉に花丸がそう聞いてくるが

 

「真也君なら起きれるね、何たって志満姉の次に起きてるんだから」

 

「何で千歌姉が威張ってるの?それとこの際だから朝練で遅れたら練習後に追加メニューを入れようと考えてるんだ」

 

その言葉に千歌姉と善子の顔から血の気が引く

 

「真也君追加メニューってどれくらいあるのかしら?」

 

「今の所はこれくらいを目安に考えてます」

 

そう言って梨子さんに追加メニューを書いた紙を渡す

 

「まあ、千歌姉達は同じとして、ルビィには千歌姉達メニューの軽いのを花丸は体力面の強化を中心的に、善子はこの間走ってた時に体力的には問題ないってわかったしダンスを中心的にやって貰おうと考えてるよ」

 

「これはきついよ真也君」

 

「遅刻しなければ大丈夫よ千歌ちゃん」

 

「千歌ちゃん頑張って」

 

「これならルビィにも出来るよ」

 

「丸は大丈夫ずら、体力がないのはおらが1番わかってるずら」

 

「私もダンスの経験なんて無いからお願いするわ」

 

これで遅刻者には追加メニューをして貰う事が決まった

 

「善子は明日が初日だよね?」

 

「ええ」

 

「初日から遅刻は出来れば辞めてもらいたいけど時間的に難しそうなら事前に誰かと約束して置いて貰える?」

 

もし遅刻の理由が寝坊とかなら怒れるが善子の場合朝練の場所がわからない事があるから事前に誰かと約束しておけばそれは回避できる

 

「そうね、ずら丸、ルビィ頼めるかしら?」

 

「「任せて(任せるずら)善子ちゃん」」

 

「ありがとう、真也頼みたい事があるんだけどもし2人が私のせいで朝練に遅れた時は出来れば追加メニューは目を瞑って欲しいの」

 

成る程もしも自分のせいで2人が遅れた時の為か

 

「わかった、その時は3人の追加メニューには目を瞑るよ」

 

「3人?私は良いわよ?」

 

「初日なんだし特別だよ」

 

こうして今日の練習は終わった

 

「それじゃあ遅れた千歌姉は歓迎会が終わり次第追加メニューね」

 

「うう、お布団には勝てなかった」

 

「それから善子次からはもう少し早く起きてよ」

 

「善処するわ、ずら丸もルビィもごめん」

 

「「気にしないで(気にしなくて良いずらよ)善子ちゃん」」

 

結果千歌姉が遅刻をして追加メニュー、善子達は善子が起きれず遅刻したので昨日言った通り今回は目を瞑った

 

「あ!バス来ちゃったよ!」

 

ルビィが焦ってそう言う

 

「みんな朝練終わったばっかりで悪いけど走って!!」

 

『はーい!!』

 

急いでバス停まで走り何とかそのバスに乗る事が出来た




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24話

〜ルビィside〜

 

「それじゃあ改めてルビィちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃんようこそAqoursへ!」

 

千歌先輩にそう言われて部室に入ると中はお菓子や飾りで一杯だった

 

「お菓子が一杯ずら」

 

そう言って花丸ちゃんががヨダレを垂らす

 

「花丸ちゃんヨダレ垂れてるよ」

 

「じゅら」

 

ルビィがそう言うと花丸ちゃんは制服の袖でヨダレを拭う

 

「千歌先輩真君は?」

 

「真也君なら家庭科室でケーキを作ってくれてるよ」

 

真君のケーキ楽しみだなぁ

 

「それでさ!これからの呼び方なんだけど名前呼びにしない?先輩も抜いて、その方が仲良くなれるしさ!」

 

「それ良いね千歌ちゃん!」

 

千歌先輩の意見に曜先輩も賛成する

 

「そっそれじゃ、千歌ちゃん!」

 

「うん、よろしくルビィちゃん」

 

「よろしくお願いしますずら曜さん」

 

「よろしく花丸ちゃん」

 

「宜しく梨子」

 

「こちらこそよろしく善子ちゃん」

 

「それじゃあ、真也君ケーキ以外にも作るからもうちょっとかかるみたいだし先に始めちゃおう!」

 

千歌ちゃんのその言葉を聞いた途端に花丸ちゃんはお菓子に向かって行った

 

「おー!花丸ちゃんお菓子に一直線だよ」

 

「どれも美味しくて幸せずら」

 

花丸ちゃんはそう言って幸せそうな顔をする

 

「そう言えば千歌ちゃん此処にあるクッキーとかも真也君の手作りなの?」

 

「うん!昨日の夜に作ってくれたんだ。それはそうと、ルビィちゃんに善子ちゃんも早く食べないと花丸ちゃんが全部食べちゃうよ?」

 

気付くともう少しで半分のお菓子がなくなりそうになっていた

 

「「花丸ちゃん(ずら丸)ルビィ(私)の分も取っておいてよ(とっておきなさいよ)!!」」

 

そう言ってルビィと善子ちゃんもお菓子を食べ始めた

 

〜ルビィside out〜

 

「お待たせ!ってお菓子殆どなくなってるじゃん!?」

 

僕が部室に着く頃にはあれだけあったお菓子が殆どなくなっていた

 

「真也君おつかれ!早くケーキ食べよ!」

 

「急かさないでよ千歌姉、ケーキだけじゃ無いんだからそれにしても減ったね?」

 

「花丸ちゃんが凄く幸せそうに食べてたよ」

 

幸せそうにか作った側としては嬉しい事この上ないかな

 

「それでケーキなんだけど…ごめんちょっと作りすぎた」

 

僕が部室に持って入ったケーキはショートケーキにロールケーキにガトーショコラその他数種類のケーキが皿に盛りつけられている

 

「張り切り過ぎじゃない真也?」

 

「丸はまだまだいけるずら!」

 

そう言って花丸がケーキを食べる

 

「確かに幸せそうに食べるねまだまだあるからたくさん食べて、それと花丸そんなに焦らなくても良いよ。口の周りクリームだらけだよ」

 

そう言って花丸の口の周りに付いたクリームをティシュで拭き取る

 

「……」

 

「何ルビィ?」

 

ルビィが僕をじっと見つめている

 

「ルビィちゃん嫉妬してるずら?」

 

「ちっちがうよ花丸ちゃん!ルビィはただ」

 

『ただ?』

 

そう言って全員でルビィを見つめる

 

「あの…その…羨ましいなって」

 

『それを嫉妬って言うの!!』

 

「うう」

 

そう言うとルビィの顔はみるみるうちに赤くなり顔から湯気を出して倒れた

 

その後しばらくしてルビィが起きて甘い匂いが充満し過ぎた部室の換気を行った後、結局食べきれず鞠莉さんやダイヤ、先生方にお裾分けをし千歌姉は追加メニューをこなしている間みんなでそれでも余ったケーキやお菓子を家に持って帰る事を決めた




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25話

1年生歓迎会の翌日放課後

 

「真也君廃校を阻止するために何か案を!」

 

僕達は部室で浦の星の廃校を阻止するための案を出し合っていた

 

「何で最初に僕なの?」

 

「真也君ならなんか良いの言ってくれそうだから?」

 

千歌姉がそう言うとルビィ達も僕に期待の眼差しを向けるそんな無責任な

 

「ならPVでも撮ってみれば?」

 

「PV…それ凄く良いよ真也君!!そうだよPVだよ!内浦の良い所をPVにして撮って沢山の人に見て貰えば良いんだよ!やっぱり真也君は頼りになるよ!!」

 

(喜んでる所悪いけどそこまで考えてなかったです)

 

心の中でそう千歌姉に謝って居るとルビィが耳打ちをして来た

 

「真君本音はあそこまでは考えてなかった?」

 

ルビィって偶に鋭い時があるよね

 

「うん、千歌姉が勝手にそう解釈しただけ」

 

「そうなんだ」

 

「真也君もルビィちゃんも行きましょう」

 

僕とルビィが話して居る間に声をかけてくれた梨子さん以外はみんな外に出て行った

 

「そう言えば誰かビデオカメラ持ってるの?」

 

「それなら善子が持ってると思いますよ?ネットに動画を上げるのに使ってると思いますし」

 

「わっ私のは駄目!!」

 

僕の意見を全力で拒否する善子

 

「もしかして、その中には今まで撮った動画が入ってるとか?」

 

「うっ!そうよ!私のカメラなんだから保存してても良いじゃ無い!!」

 

ついこの間まで堕天使を辞めるって言ってた人とは思えない

 

「そう言う真也はどうなのよ!」

 

「うーん、確か福引で当たったビデオカメラ放置してたような」

 

その言葉に全員の視線が集まる

 

「そのビデオカメラ今家にある?」

 

「ある…と思うけど無かったら向こうに忘れてるよ」

 

『向こう?』

 

千歌姉とルビィ以外が疑問符を浮かべる

 

「ああ、そう言えば真也君が東京に居る時に住んでた和叔母さんの家も旅館だったっけ?」

 

「うん、だから忘れてるとなると今日の撮影は諦めた方が良いと思うよ?」

 

「取り敢えず真也君はビデオカメラを探すとして、私達は撮影する場所を絞りましょ」

 

『はい!』

 

梨子さんの言葉で僕はビデオカメラを探しに十千万に、梨子さん達は撮影する場所を絞りに向かった

 

「真也君ビデオカメラあった!?」

 

「うん、撮影は僕がするよ千歌姉達は内浦の良い所を紹介して」

 

こうして撮影が始まった

 

「それで真也君このPVどう思う?」

 

撮影が終わり今は喫茶店でPVの確認をして居る

 

「ストレートに言うと全くダメ少なくとも内浦の良い所は伝わって来なかった。善子は編集しててどう思った?」

 

「真也の言う通りお世辞にも魅力的とは思えなかったわ」

 

まあそうだろうね

 

「そう言えばどうして喫茶店なの?」

 

「もしかしてこの間うるさくして怒られたとか?」

 

そう言えばなんでだろ?

 

「梨子ちゃんがしいたけ居るなら来ないって」

 

「行かないとは言ってないわ!ちゃんと繋いで置いてって言ってるだけ!」

 

まあ東京とかならちゃんと繋いであるしね

 

「でも梨子さんこの辺りって家の中では犬放し飼いの人が多いですよ?」

 

「そんなぁ」

 

「ワン!」

 

梨子さんがそう言った時僕の足元で子犬が何かを咥えて居たこれって

 

「梨子さんお財布落としてませんか?」

 

そう言って僕は梨子さんの財布を見せる

 

「え!?無いありがとう真也君どこにあったの?なんか濡れてるけど」

 

「それが」

 

そう言って僕が子犬を持ち上げる

 

「もしかして」

 

「はい、この犬が」

 

「そう、ありがとうね」

 

梨子さんがそう言うと子犬は梨子さんに飛びつく

 

「いやー!」

 

「ワンワン!」

 

店の中で梨子さんと子犬の追いかけっこが始まった

 

次の日千歌姉達はそのPVを鞠莉さんに見せたが鞠莉さんが途中で寝てしまいその上で酷評された。

 

「んー!さて、千歌姉起きて!海開き行くんでしょ!」

 

次の日毎年している海開きと言う行事に参加する事になって起きて僕が最初にしたのは千歌姉を起こす事だった

 

「うーん、真也君後5分」

 

それ少しずつ長くなる奴だから

 

「千歌姉起きて」

 

そう言って千歌姉を揺らすが全く起きない

 

「仕方ないおーいしいたけー!!」

 

僕は最終手段を使う為にしいたけを呼ぶ

 

「ワン!」

 

「しいたけ千歌姉起こして」

 

僕がそう言うとしいたけは千歌姉の上に飛び乗る

 

「ぐふっ!うう、重いよしいたけ」

 

「おはよう千歌姉」

 

「おはよう真也君、あ!所で今何時!?」

 

千歌姉が海開きの事を思い出し慌てて時間を聞いてくる

 

「午前4時5分前だよ」

 

「急がなくちゃ!」

 

そう言って急いで浜辺へ向かう千歌姉に着いて行く

 

「おはようルビィ、花丸、善子」

 

「真君遅刻なんて珍しいね?」

 

「千歌姉起こしてたら遅くなった」

 

「「「あー」」」

 

遅刻の原因を言うとルビィ達は納得してくれた

 

「梨子さんどうかしたんですか?」

 

掃除をして居ると梨子さんがみんなが掃除をして居る光景を見つめて立って居た

 

「真也君、これなんじゃ無いかなって此処や浦の星の良い所って」

 

そう言った梨子さんの隣に立ってその光景を見てみる

 

「確かにこれかもしれませんね」

 

そこに映って居たのは沢山の人が団結して浜辺の掃除をして居る姿だった。都会じゃこんな光景を見ることは出来ないと思う

 

「本当に暖かい所ですね此処は」

 

「そうね」

 

その光景を見て呟いた僕の言葉に梨子さんはそう返してくれた




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26話

先日撮ったPV(あの後取り直した物を鞠莉さんに見せた)の人気が出てAqoursのランキングは99位まで急上昇し現在僕達は理事長室に居る

 

「東京?」

 

「Yes!東京で開かれるTokyo school IDOL WORLDに招待されました!」

 

「嘘!?」

 

「Tokyo school IDOL WORLD確かツバサさん達A-RISEも参加するイベントだったっけ?」

 

この間電話でそんな話を聞いた気がする

 

「それで参加しますか?」

 

鞠莉さんが千歌姉にそう聞く

 

「参加します!」

 

「わかったわ、交通費なんかは小原家が負担するわ」

 

こうしてイベントへの参加が決まった

 

「ルビィ、花丸、善子も良かったら今日は十千万に泊まらない?千歌姉達は2年で集まって梨子さんの家で泊まるみたいだし僕達も1年で集まらない?志満姉ちゃん達も福引で温泉旅行が当たって今日から居ないしさ」

 

部活終わりにルビィ達にそう提案する

 

「もしかして真也あんた誰も居なくて寂しいの?」

 

「それなら善子は来なくて良いよ、ルビィと花丸はどうする?」

 

「ルビィは良いよ真君」

 

「丸も大丈夫ずら」

 

ルビィと花丸はそう言って頷く

 

「ねぇ真也?」

 

「なら2人共着替えを持って十千万に集合して」

 

「「わかった(ずら)!!」」

 

完全に善子を無視してルビィと花丸の2人と話す

 

「それじゃあ、僕は此処で降りるから善子明日はまともな格好で来てね」

 

そう言ってバスを降りる

 

「いらっしゃいルビィ、花丸」

 

「「お邪魔します(ずら)」」

 

そう言ってルビィと花丸は中に入る

 

「真君、善子ちゃん来るのかな?」

 

「さあ?まあ来たら入れない訳にはいかないから入れるけどね。ルビィそこのお味噌汁運んで」

 

ルビィにお味噌汁を運んで貰い残りを僕が運ぶ

 

「お待たせ花丸…善子来てたんだ」

 

「来るわよ!1人だけ仲間外れにしないでよ!」

 

そう言った善子の目には微かに涙があった仲間外れにされたのが本気で悲しかったんだね

 

「それで、3人には持って来た服を見せて貰ったんだけど…全員やり直し特に善子は論外!」

 

ルビィは東京を魔界の巣窟かなにかかと勘違いして居るとしか思えない服装だった。花丸は東京につるはしなんて持って行く必要はないよ?君は東京に何をしに行くの?善子に至ってはそんな格好の人と一緒に歩きたくないくらい酷かった

 

「ルビィはこの服かな?」

 

「それお姉ちゃんが選んでくれた服だ」

 

ありがとうダイヤ、ルビィにまともな服を持たせてくれて

 

「花丸はこの服」

 

「地味じゃないずら?」

 

さっきの服よりかは全然マシだよ花丸

 

「最後に善子だけど…全部却下!!」

 

「なんでよ!一生懸命選んだのに!」

 

「一生懸命選んだのになんでこんな服なの!?」

 

この子はこんな服しか持ってないのだろうか?

 

「確かこの辺りにあった」

 

「あんたそんな趣味があるの?」

 

まあ普通の反応かなんせ僕が取り出したのは女性用の服なのだから

 

「そうじゃない!僕もこんなの欲しく無かったよ」

 

「それじゃあなんで持ってるずら?」

 

「その…μ'sの衣装担当のことりさんに付き合わされて」

 

そう僕が持っている女性用の服は全部ことりさんが作った物だ

 

「あんた苦労してるのね」

 

「真也君」

 

「真君…ちょっと似合いそう…」

 

善子と花丸は同情してくれているみたいだが何故かルビィは僕と服を交互に見て顔を赤くして居る

 

「それじゃあ僕はお風呂に行って来るからその間に明日着ていく服は決めておいてね」

 

そう言って僕は部屋を出てお風呂に向かった




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27話

「うう、重いフサフサ、フサフサ?」

 

僕は体全体にかかる重さと触り慣れたフサフサした感触で目が覚めた

 

「やっぱりしいたけか」

 

「ワン!」

 

しいたけは何時も決まった時間になると朝食を貰おうと僕を起こしに来る

 

「待ってて今から用意するから」

 

そう言ってしいたけと共に部屋を出る。因みにルビィ達は隣の部屋で寝て貰っている

 

「しいたけ志満姉ちゃん達が帰ってくるのは今日のお昼だからそれまで家の事頼んだよ?」

 

「ワン!ワン!」

 

僕の言葉に答えるかのようにしいたけはそう吠えた

 

「さてと、3人共早く起きて!!」

 

そう言って叫ぶ僕の声に反応して少し動くが一向に起きる気配が見られない

 

「ほら起きてルビィ」

 

「お姉ちゃんもうちょっと」

 

ルビィ僕はダイヤじゃないよ?それとせめて声で女性じゃない事に気付いて!?

 

「ほら善子も起きなよ」

 

「お母さんあと5分」

 

僕は善子のお母さんじゃないよ?それに善子もせめて声で女性じゃない事に気付いて!?

 

「花丸も起きて」

 

「じゅら、真也君もう朝ずら?」

 

そう言って花丸が目を擦りながら起きる

 

「うん、まだ眠いなら先に顔洗ってこれば?それと朝ごはんできてるから下に降りて食べてて」

 

「ご飯!?先に降りて食べてるずら!!」

 

花丸はご飯と言う言葉を聞いた途端に目が覚めて下に降りていった

 

「ほら2人も起きて!!」

 

そう言って僕はルビィと善子の布団を取り上げる

 

「うう、お姉ちゃんまだ眠いよ…!しっ真君!?そうだった昨日は真君の家に泊まって!」

 

「お母さんまだ眠いのに…!真也!?そうだった昨日は真也の家に泊まって!」

 

ルビィと善子は誰をダイヤと母親に間違えていたのか理解したのかみるみるうちに顔が赤くなっていく

 

「2人は何時もダイヤとお母さんに起こして貰ってるんだろうけど一先ず声で女性じゃない事に気付いて?」

 

「「はい」」

 

ルビィと善子は顔を赤くしたままそう言って頷いた

 

「おはようずら、ルビィちゃんも善子ちゃんも顔が真っ赤ずらよ?何かあったずら?」

 

先に朝食を食べて居た花丸が未だに顔が赤いルビィと善子にそう聞く

 

「なっ何でもないわよ!?ね?ルビィ?」

 

「うん!そうだよ花丸ちゃん!!だから気にしないで!」

 

2人は物凄く慌てて否定するが何かあったと言うのは言動でバレバレだ

 

「真也君何かあったずら?」

 

何かあった事はわかって居るのにいくら問いかけても答えないルビィと善子に呆れた様子で花丸が僕にそう聞いて来る

 

「実はルビィは僕の事をダイヤに善子はお母さんに間違えて「「真君(真也)それ以上は言わないで!!」」こう言う事」

 

「成る程それでルビィちゃんも善子ちゃんも顔が赤いずらね」

 

花丸はそう言ってしばらくの間微笑ましいものを見る目でルビィと善子を見ていた

 

「全員忘れ物は無いね?」

 

「「「うん(ずら)(ええ)!!」

 

僕の言葉に3人はそう答える

 

「それじゃあ行ってくるねしいたけ」

 

そう言ってしいたけの頭を撫でて僕達は沼津の駅前に向けて出発した

 

「梨子さん昨日はどうでしたか?」

 

現在新幹線の中で梨子さんと昨日の夜の事を話しながら全員分の飲み物を買いに行っている

 

「もう大変だったわ、真也君が居るから千歌ちゃんは大丈夫だと思ってたんだけど何であんな格好なのかしら」

 

聞くと千歌姉は昨日のルビィと同じ服を着て行こうとして居たらしいやっぱり梨子さんに確認してもらって正解だった

 

「善子なんて全部似たような服ばかりでしたから本当に困りましたよ」

 

「ある意味1番大変だったわけね」

 

そう言って梨子さんは苦笑いを浮かべる

 

「ええ、ことりさんに遊びで着せられて居た服が無かったら夜も遅いですが家まで取りに帰って貰ってましたね」

 

「それは危ないんじゃ無いかしら?」

 

「……まあ冗談ですが」

 

「それじゃあ、今の間は何だったのかしら?」

 

そう言って梨子さんはジト目で見る

 

「いや流石にあんな時間に帰しても善子の両親に迷惑でしょ?」

 

「心配するのは善子ちゃんじゃなくて両親の方なのね」

 

梨子さんは納得した声でそう言う

 

「あ!梨子ちゃん真也君お帰り!」

 

「ただいま…みんなそれ東京に着いてから穂乃果さん達と合流して食べようと思っていたお弁当なんだけど?」

 

そう千歌姉達が食べて居たのはお昼に穂乃果さん達と食べようと思っていたお弁当だったしかも半分以上無くなっている

 

「千歌ちゃん達は東京でのお昼は抜きね」

 

「そんなー」

 

千歌姉が残念そうな声を上げる

 

「真君ルビィはちゃんと我慢出来たよ」

 

「ルビィは偉いよ、そして恐らく1番食べた花丸は夕食も少なめにするから和叔母さんに聞いたら今日から旅行でしばらく居ないらしいし」

 

僕はルビィの頭を撫でながら1番食べたであろう花丸にそう言う

 

「真也君それだけは勘弁して欲しいずら!?」

 

「ダメだよ花丸ちゃん、真也君一度決めた事は相当な理由がないと曲げないから」

 

千歌姉の言葉に目に見えて落ち込む花丸

 

そんな事をして居る間に東京に着いた




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28話

「人がいっぱい!」

 

「未来ずらぁー!!」

 

個人個人いろんな反応をしている。

 

この分だと東京は花丸にとって未来だらけになるだろう。善子は公衆の面前でやらないで!変な目で見られてるから!?

 

「流石に梨子さんは冷静ですね?」

 

「まあちょっと前まで住んでたものそう言う真也君も冷静ね」

 

「僕も少し前まで住んでましたから、それにしても迎えに来るって言っても写真だけじゃわからないですよ穂乃果さん」

 

そう言って駅に迎えに来る人の写真を見る

 

「この人たちが迎えに来てくれるの?」

 

そう言って曜さんが携帯を覗き込む

 

「はい、オレンジ色の髪が星空凛、その隣が小泉花陽、最後に西木野真姫って言うらしいんですけど…あれがそうかな?」

 

そう言って居ると写真と似た人物を見つけたので近づく

 

「あの?」

 

「はっはい!」

 

そう言ってこっちを向いた女性はやはり穂乃果さんの写真に写って居た小泉花陽と言う子だった

 

「小泉花陽さんですよね?」

 

「なっ何で私の名前を!?」

 

あっ!こっちの名前言わなかったらわからないか

 

「はじめまして、高海真也です」

 

「えっと、それじゃあ貴方が穂乃果先輩達の幼馴染?」

 

「はい、そうです」

 

僕がそう言うと小泉さんは落ち着いた

 

「その…小泉花陽です。凛ちゃんと真姫ちゃんとはもうすぐ合流します。それで他の方々は?」

 

「それならあっち…すいませんルビィ以外勝手にどっかに行ったみたいです」

 

後ろを振り返るとルビィ以外全員居なかった

 

「ルビィこの人が迎えに来てくれたμ'sのメンバーだよ」

 

「く…黒澤…ルビィです」

 

ルビィは僕の後ろに隠れたまま自己紹介をする

 

「小泉花陽ですよろしくね黒澤さん」

 

「よろしくお願いします」

 

そろそろ僕を間に挟んで会話するのはやめにして貰えないでしょうか?

 

「ごめん小泉さんルビィって人見知りで」

 

「そうなんだ、あ!凛ちゃん来た!」

 

「おーい!かよちーん!!」

 

そう言って走って来たのは写真に写って小泉の左側に写って居た確か星空凛だったかな?それと花丸に善子も来た

 

「あ!真也君!お迎えに来てくれた人見つかったずら!」

 

「真也は小泉さんと合流したのね。このまま全員それぞれと合流できれば良いけど」

 

後合流出来てないのは西木野真姫って子だけど

 

「凛!花陽!」

 

「真也君達も居る!おーい!!」

 

最後の西木野さんと一緒に千歌姉達も来てくれたこれで全員揃った

 

「小泉さん穂乃果さん達どこで待ってるって?」

 

全員揃ったので穂乃果さん達が待って居る場所を聞く

 

「えっと、旅館【春風】だったかな?」

 

(それ叔母さん達のやってる旅館だけど鍵閉まってるのにどうやって中に入るつもりなんだろ?)

 

そう思って居ると電話が鳴り出した

 

「もしも『真君どうしよう!旅館の鍵閉まってるよ!!』そんなことだろうと思いました。今小泉さん達全員と合流した所なので今から向かいます『わかった待ってるね』はい、そうして下さい」

 

そう言って電話を切る

 

「穂乃果ちゃん達なんて言ってた?」

 

「旅館の鍵が閉まってて入らないって慌てて電話して来たみたいです」

 

穂乃果さんの事だから昨日連絡したのに見てないんだろう

 

「はぁ、全く毎回こんな感じなんですから」

 

そう言ってついため息をついてしまう穂乃果さんと過ごすのは退屈はしないけどすごく疲れる

 

「取り敢えず旅館に向かいましょう」

 

「真君場所知ってるの?」

 

「叔母さん達の旅館だからね」

 

「それじゃあしゅっぱーつ!」

 

「意気込んで居る所悪いけど逆だよ千歌姉」

 

僕の言葉を聞いて恥ずかしくなった千歌姉は顔を赤くする

 

「なんか穂乃果先輩に似てるにゃ」

 

確かに千歌姉と穂乃果さんは結構似てると思う

 

「こっちです」

 

そう言って旅館に向かって歩き出した




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29話

旅館で穂乃果さん達と合流して連絡をした事を伝え穂乃果さんが携帯を確認すると案の定穂乃果さんが確認し忘れていてその事を知って現在穂乃果さんは僕の部屋で海未さんに説教をされている

 

「全く貴方はどうして確認を怠るのですか!!」

 

「ごめんなさい」

 

「海未さん、穂乃果さんに迷惑をかけられるなんていつもの事ですし怒るだけ無駄ですよ」

 

僕がそう言うと海未さんもため息をつきながらも怒るのをやめる

 

「ありがとう真君!!」

 

さっきまで怒られていた穂乃果さんが抱きついてくる

 

「はぁ、せめて真也が音ノ木坂に居てくれれば」

 

「海未さんは僕に女子校へ通えって言いたいんですか?」

 

「そう言う訳ではありませんが…真也は意地悪ですね」

 

そう言って海未さんは微笑む

 

「それも今に始まった事じゃないですよね」

 

「そうでしたね」

 

そう言って僕と海未さんは互いに小さく笑う

 

「それじゃあ、僕は他の部屋の掃除に行きます海未さん達はゆっくりしてて下さい」

 

そう言って僕は部屋を出る

 

〜ルビィside〜

 

「ねぇねぇ、海未ちゃんって私と穂乃果ちゃんと会う前から真也君と知り合いなんだよね?年も1つ下なのにいつ知り合ったの?」

 

「そうですね、2人共覚えてますか?1年生の時の初めての遠足は2年生の先輩と一緒に行く事になってましたよね?その1年生が偶然真也だったんです」

 

海未さんが懐かしそうにその時の事を話す

 

「そう言えば黒澤さんは真也とお付き合いしているんですよね?少しばかり遅くなりましたがおめでとうございます」

 

「え!?真君ルビィちゃんと付き合ってるの!?海未ちゃん私それ聞いてないよ!?」

 

「ことりは知ってたよ?真也君から電話がかかって来たから」

 

真君穂乃果さんにだけ話さなかったんだ

 

「穂乃果に話したら色々と聞かれて面倒だと思って避けたんじゃないですか?まあ、日頃の行いですよ」

 

そう言って海未さんはお茶を飲む

 

「あはは…ことりもそう思うかな」

 

ことりさんも苦笑いを浮かべながらそう言う

 

「そう言えば真也ってどう告白したの?凄い気になるんだけど?」

 

「そう言えば善子ちゃんが入るちょっと前だったよね。真也君が同じクラスの子からラブレター貰ってさ」

 

千歌ちゃんがその時の事を話し始めた

 

「そう言えば真也君が不幸の手紙って言ってたけどどう言う事ずら?」

 

花丸ちゃんの言った事が何を意味するか理解した海未さんが

 

「中学の頃でしたか?私と穂乃果それにことりと一緒に居る姿を見かけられてはそう言う手紙が届いて体育館裏に呼び出されたそうですよ?私が教えた護身術で対処して居たそうですが」

 

「海未ちゃんが教えたって大丈夫なの?」

 

穂乃果さんの言葉にことりさんも苦笑いをする

 

「大丈夫ですよ。真也の事ですからきちんと手加減もして居ると思います」

 

「そう言えば真也君足も速いし体力もあるけど、それも護身術が関係しているんですか?」

 

梨子ちゃんが思い立ったようにそう言う

 

「そうですね、足が速いのは中学の頃は陸上部でしたからそれが関係して居るんだと思います。体力面に関しては朝私と走り込みをして居たのが理由でしょうね」

 

「真也君陸上部だったんだ。道理で速い訳だよ」

 

そこからは真君の中学の頃の話しで盛り上がって居ると真君と一緒に黒髪をツインテールにした人が来た

 

〜ルビィside out〜




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30話

「ちょっと良いかしら?」

 

「はい」

 

部屋の掃除が大体終わったので穂乃果さん達の居る部屋に戻ろうとすると黒髪の女性に止められる

 

「此処に高坂穂乃果って来てない?」

 

「来てますけど、穂乃果さんのお知り合いですか?」

 

「ええ、来てるなら案内して貰えないかしら?」

 

「わかりました」

 

そう言って黒髪の女性を穂乃果さん達の元に案内する

 

「穂乃果さんからは何も聞いてないですけどどう言ったお知り合いで?」

 

「あんたこのスパーアイドルにこにーの事知らないの?」

 

スパーアイドルにこにーやっぱり知らない

 

「知りません」

 

「仕方ないわね、にっこにっこにー!笑顔届ける矢澤にこにこ!! にこにーって呼んでらぶにこっ!」

 

そう言って矢澤さんはやりきった顔をする

 

「これが矢澤さんのキャラですか?」

 

確かにうちにも似たのが居るが堕天使とは違うのだろうか?

 

「そうよ!これであなたもにこにーの虜に「いや無いです」ぬぁんでよ!」

 

逆になんでそれだけで虜になると思ってるんだこの人は

 

「あ!真君お帰り」

 

「ただいまルビィ。穂乃果さん矢澤さんが来るなら言っておいて下さいよ」

 

「あれ?言ってなかったっけ?」

 

言ってないですよ穂乃果さん

 

「今真也君の中学時代の話をしてたんだ」

 

中学時代の話か1番印象強いのはツバサさん達A-RISEのマネージャーした時かな?中々出来ない体験だし

 

「それで真也君が一番印象強かった出来事って何!!」

 

「一番印象強かった事ですか?3年の時のプールですかね?」

 

流石にA-RISEのマネージャーの事を言う訳には行かないのでその次に印象強かった事を言うとそれを聞いて何を言いたいのか理解した海未さんが顔を赤くする

 

「あー、海未ちゃんが背伸びして買ったビキニ「やめて下さい穂乃果!!あれは私もやり過ぎたと感じているのですから!」大丈夫だよ、海未ちゃん!!真君も似合ってるって言ってくれてたんだし!」

 

穂乃果さんが海未さんにそう言うが返って逆効果でその時の事を思い出した海未さんは顔を覆い端の方でうずくまった

 

「前に真也君が言ってた人園田さんだったの」

 

梨子さんの言葉に頷く

 

「海未ちゃん今年もあれ着るの?」

 

「あれはもう着ません!」

 

「えー!なんで!?凄い可愛かったのにねえ真君?」

 

そう言って穂乃果さんが僕に話を振る

 

「はい、凄い可愛かったのにもう着ないなんて勿体無いですよ」

 

「そうだよ海未ちゃん今年もあれ着ようよ!」

 

そう言って僕とことりさんでさらに追い討ちをかける

 

「やめて下さい!本当に忘れたい事なんですから!穂乃果貴方はどうしてそうやって私の恥ずかしい事を思い出させるのですか!?中学の事に関してもそうです!」

 

中学の時?ああ、そう言えば海未さん中学の時ポエム書いてたんだっけ?

 

「それじゃあ、僕は夕飯の買い出しに」

 

「ルビィも行って良い?」

 

「別に良いけど」

 

特に断る理由もないのでそう返す

 

「穂乃果さん達は帰らないんですか?」

 

「うん!穂乃果達は今日此処に泊まるから」

 

聞いてないですよ穂乃果さん

 

「真也君お菓子もお願い」

 

「はいはい、どうせ夜更かしでもするんでしょ?」

 

「うん!せっかく東京に来たんだもん楽しまなくっちゃ!」

 

千歌姉のこう言う前向きな所は取り入れたいなぁ

 

「夜更かしも良いけど明後日はイベントに出るんだから早めに寝てね」

 

『はーい!』

 

僕の言葉を聞いてAqoursの全員がそう返事をする




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31話

「ルビィ大丈夫そう?」

 

「うん、真君の方が一杯持ってるし」

 

ルビィと一緒に買い出しに行ったそこまでは良かったが

 

「ごめん、あの人達も悪気があるわけじゃないんだけど」

 

八百屋に肉屋でおまけをしてもらってしまい当初の予定よりも荷物が多くなってしまいルビィは片方の手が空いているが僕の両手は荷物で一杯一杯だ

 

「後はお菓子だけなんだけど」

 

「うん、1度戻った方が良いね」

 

これ以上増えても持ちきれないので1度旅館に戻る事にした

 

「ルビィ穂乃果さん達に電話して出て来て貰って両手が塞がってて僕は無理だから」

 

「うん、あ!花丸ちゃんルビィだけど」

 

ルビィは花丸に連絡をして事情を説明する

 

「お待たせずらルビィちゃん」

 

花丸はそう言ってルビィから荷物を受け取る

 

「ありがとう花丸ちゃん」

 

「花丸台所に案内するからついて来て」

 

「わかったずら」

 

僕は花丸を台所に案内する

 

「それにしても沢山買ったずらね」

 

買ったというかおまけが多いかな?

 

「真也買い出しお疲れ様です」

 

買った物を出していると海未さんが来た

 

「どうしたんですか海未さん?」

 

「買い出しは真也が行ってくれたのですから夕食は私が作ります」

 

こう言い出した海未さんが引かない事は理解しているので素直に夕食を海未さんに任せて花丸と部屋に戻った

 

「ただいま、ごめん千歌姉お菓子買えなかったよ」

 

「ルビィちゃんから聞いたよ荷物が一杯あったんだから仕方ないよ、お菓子は後でみんなで買いに行こ」

 

そこからは海未さんに呼ばれるまで全員でババ抜きをする事になり残るはルビィと僕、千歌姉と矢澤さん、小泉さんと花丸の6人になった

 

「....」パァッ‼︎

 

こっち?

 

「....」ズーン‼︎

 

やっぱりこっち

 

「....」パァッ‼︎

 

僕がカードを引く相手はルビィはポーカーフェイスと言う物を知らないのか表情でジョーカーがわかってしまう。相当いや、かなりやり難い!

 

「真也君早く取るずら」

 

「わかってるよ」

 

そして僕は恐らくジョーカーであろうカードを引くと思った通りジョーカーだった

 

「花丸の番だよ」

 

「うーん、これずら」

 

花丸は迷う事なくジョーカーのカードに手を伸ばしそれを引くさっきから大体これがループして居る

 

「そう言えば罰ゲームか何かあったんですか?」

 

ふと気になった事を聞く

 

「そう言えば無かったね、それじゃあ今回は罰ゲームありで行こっか。うーん、それじゃあ最下位の人は全員の命令を1つ聞く」

 

曜さんがそう言った

 

「全員の命令を1つですか」

 

正直言って負けたくないことりさんの命令が怖くて

 

「えっと…これ!あ!揃った!」

 

此処でルビィが抜けたので気を使う必要がなくなった

 

「ルビィちゃんが抜けてから急に真也君が強くなった気がしたずら」

 

結局あの後速攻で終わらせて千歌姉が最下位になった

 

「それで命令ですけど僕からで良いですか?」

 

僕の質問に対して全員が頷く

 

「それじゃあ命令だけど、1週間…いや一ヶ月朝練に遅刻しないで遅刻したら練習メニュー4倍」

 

「一ヶ月!?せめて1週間で」

 

「命令なんですからね拒否権はないですよね曜さん?」

 

僕は曜さんにそう聞く

 

「そう…だね…うん、拒否権は無しで」

 

「そんなー」

 

そう言う千歌姉に同情の目が向けられる

 

「真也君せめて1週間にしてあげない?」

 

流石に可愛そうになった梨子さんがそう言う

 

「仕方ないですね、1週間に変更するよ」

 

「ありがとう真也君「その代わり遅刻したら4倍から6倍に変更するよ」練習メニューが増えちゃった!?」

 

「遅刻しなければ大丈夫だよ千歌姉」

 

これで少しは遅刻が無くなれば良いんだけど僕はそう思いながら海未さんが呼びに来るのを待った




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32話

東京に着いた次の日僕は十千万に居る時と似た感触で目を覚ます

 

「十千万ではしいたけ此処ではココアなんか犬によく起こされて居る気がするよ」

 

「わん!」

 

ミルク僕が中1の時に拾った薄めの茶色い犬だ拾った当時はドロドロで真っ黒にだったが洗うと綺麗になり本来の薄い茶色になった

 

「おはよう真也君」

 

「おはようございます曜さん」

 

僕が起きて朝食を作って居ると曜さんが降りて来た

 

「曜さん寝癖付いてますよ?」

 

「嘘!?何処!?」

 

「後ろ髪なので見落としたんじゃないですか?」

 

「寝癖直して来るよ!」

 

僕がそう言うと曜さんは急いで部屋に寝癖を直しに戻った

 

「今曜ちゃんが走って戻って行ったけど、何かあったの?」

 

入れ違いで来た梨子さんがそう言って降りて来る

 

「寝癖を直しに戻りました」

 

梨子さんの問いに対して僕はそう答えた

 

「おはようございます真也、桜内さん」

 

「おはよう真也君、梨子ちゃん」

 

「おはようございます。高海君、桜内さん」

 

しばらくして海未さんにことりさん小泉さんも降りて来た

 

「海未さん、ことりさん穂乃果さんは…ああ、まだ寝てるんですか」

 

途中で海未さんが疲れた顔をしたので直ぐにわかった

 

「穂乃果さん朝練の時間大丈夫何ですか?」

 

僕の質問に何も返さない海未さんを見るからに大丈夫じゃないんだろう

 

「「おはよう真君(真也)」」

 

「ふぁ〜、おはようずら真也君」

 

海未さん達が起きて来てしばらくするとルビィ達Aqoursの1年が起きて来た

 

「花丸眠そうだね?」

 

「ずら…昨日はあまり…眠れなかった…ずら」

 

そう言う花丸は今も眠そうにして居る

 

「花丸ちゃんと起きてご飯の準備も出来てるから「ご飯ずら!」うん、相変わらずだね」

 

花丸がまた寝ないように直ぐに朝食を準備する

 

「んー!よく寝たにゃー!」

 

「もう、花陽は凛を起こさないで行っちゃうんだから」

 

「千歌ちゃんも穂乃果ちゃんフラフラだよ。まだ寝たりないならもう少し寝てこれば?」

 

「「あはは、大丈夫、大丈夫」」

 

「全くだらしないわね」

 

しばらくして残りも起きて来た

 

「それじゃあ、この近くに神社があるからそこまでランニング、その後階段ダッシュを往復2回」

 

朝食を食べ終わり少し休んでから始めの練習メニューを伝える

 

「私達も練習に参加させてくれてありがとうございます真也」

 

今回はμ'sも合同で練習をする事になって居る

 

「構いませんよ海未さんみたいな人は大歓迎です」

 

「それじゃあ、私達は歓迎していない訳?」

 

西木野さんが不機嫌そうに言う。確かに今の言い方は良くなかったかも知れない

 

「そう言う意味じゃないですよ?気分を害したならすみません」

 

「良いわよ、それよりも早く始めましょう時間が勿体無いわ」

 

「そうですね、それから無理だけはしないで下さいね。きついなら歩いて来ても構いませんから」

 

僕がそう言うと全員が頷いたので神社に向けて出発した




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33話

「それじゃあ、5分休憩してから階段ダッシュを始めるから」

 

神社に着いたので少し休憩を入れる事にした

 

「海未さんと星空さんは大丈夫そうですね?」

 

そう言って2人にドリンクを渡す

 

「凛も陸上部だったからこれくらい平気にゃ!それと高海君、凛の事は名前呼びて良いよ?」

 

星空さんがドリンクを飲んでからそう言う

 

「わかったよ凛、僕の事も真也で良いよ」

 

「わかったにゃ真也!」

 

少し話して居るともう5分が経って居た

 

「もう少しで着きますから頑張って下さい!」

 

穂乃果さん達を見てそう言いながら上を目指し1番上に着くと先に誰かがダンスの練習をして居た

 

「どうしたにゃ?真也?」

 

「いや、先客が居るみたいなんだ」

 

そう言って練習をして居る2人を見ると何処かで見た事のある2人組だった

 

「確かSaint snowだったかな?」

 

「知ってるのですか真也?」

 

「はい、北海道の姉妹ユニットでやってるスクールアイドルだった筈です」

 

北海道のスクールアイドルが此処に居るって事はSaint snowも明日のイベントに参加するんだ

 

「真也君誰が居るの?」

 

「あら?貴方達Aqoursとμ'sの方々かしら?」

 

千歌姉の声で練習をして居た片方(確か姉)がそう聞いてくる

 

「すみません、練習の邪魔をするつもりじゃなかったんです」

 

「いえ、気にしなくて良いですよ」

 

僕が謝ると相手は特別気にして居ない様子でそう言う

 

「私達の事知ってるんですか!?」

 

「ええ、Aqoursの方々は今度のライブにも参加されますよね?お互い頑張りましょう」

 

「はい!」

 

そう言って千歌姉と握手をする

 

すると、もう1人の方がものすごいテクニカルな技を繰り出しドヤ顔をする

 

「それから貴方がマネージャーの高海真也さん」

 

気がつくとさっきまで千歌姉と話して居た人が僕のすぐ目の前に来ていた

 

「姉様さっきから誰と話をして居るん…ですか?」

 

姉様と言ったSaint snowの妹の方が僕を見て固まる

 

「あの!もしかして高海真也さんですか!?」

 

「うん、そうだけど?」

 

「わっ私、鹿角理亜って言います!私貴方のバイオリンを初めて聞いた時からずっとファンで!この辺りに住んでるって噂を聞いたことがあって!良かったらその…サイン下さい!」

 

そう言って鹿角理亜は色紙を取り出して渡してくる

 

「えっと、ごめんサインとかした事なくてなんて書けば良いのかわからないんだけど」

 

「そうだったんですか?意外です。それじゃあ、私の名前を書いて下さい」

 

そう言われたので取り敢えず名前を書いて渡す

 

「ありがとうございます!それと演奏再開したんですね!?動画で見て驚きました!!」

 

動画?ああ、あれか

 

「真也君動画って何?」

 

蚊帳の外だった千歌姉がそう聞いてくる

 

「善子は知ってるよね?と言うか編集してるの善子だし」

 

「えっええ、再生回数も凄いもんよ1週間放置してたらいつのまにか2万回を超えてたんだもの」

 

2万回結構見てる人居たんだ

 

「真也さん、理亜は貴方が動画を出す前からファンなのよ」

 

「やめて下さい姉様!それと私の事は理亜で構いません。それで、宜しければ是非バイオリンを聞かせて貰いた居んですが?」

 

「それくらいなら「ストープ!!」千歌姉?」

 

僕が了承しようとしたら千歌姉がそう叫ぶ

 

「今は練習が先だよ真也君!!」

 

千歌姉がまともな事を言ってる!?

 

「真也君今何か失礼な事考えなかった?」

 

なんで女子って凄く鋭い時があるんだろう?

 

「そう言う事だからごめん理亜」

 

「いえ、仕方ないですよ。でもいつか機会があれば是非」

 

そう言って理亜は階段を降りて行く

 

「お互い悔いのないライブにしましょう」

 

そう言って鹿角姉(名前を聞いてないのでそう呼ぶ事にした)も階段を降りて行った

 

「それじゃあ、階段ダッシュを再開しよっか!」

 

『はい!』

 

僕の言葉で全員登った階段を下りて登るを繰り返した

 

そしてライブイベント当日千歌姉達Aqoursは今出来る全力のパフォーマンスをして居た結果はそこまで悪くないだろうと思っていたが

 

「…0」

 

そう誰もAqoursに票を入れなかった

 

(やっぱりそう簡単には行かないかな)

 

そう思って千歌姉達を探して居ると理亜が千歌姉達に何かを言って立ち去る姿が見えた

 

「千歌姉みんなお疲れ様」

 

「真…君…」

 

僕を見たルビィが今にも泣きそうになりながらそう呼ぶ

 

「帰ろ千歌姉?今日はご馳走だよ?」

 

「うん…」

 

僕はかける言葉が見つからずそう言うしかなかった。旅館に帰ってる時誰1人として話さなかった




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34話

旅館に帰っても千歌姉達は元気が無く夕食はお通夜のようになって居た。流石に耐えきれなくなり予定より少し早いが登場してもらう事にした

 

「そうだ、千歌姉達のためにサプライズで呼んでた人が居るんだ」

 

「サプライズ?」

 

そう言う千歌姉に僕は頷く

 

「どうぞ」

 

僕がそう言うと入って来た3人に千歌姉達が驚く

 

「真君夢じゃないよね?」

 

まあ、ルビィがこうなるのは大体予想できてた

 

「真也君凄すぎるよ!あのA-RISEを呼んじゃうなんて!」

 

なんせ僕がサプライズで呼んだのはツバサさん達A-RISEなのだから

 

「こんばんはAqoursの皆さん今日のイベントでのライブ見せてもらったわ。結果は残念だったわね。でも、私は好きだったわ貴方達のパフォーマンスあんじゅと英玲奈も同じよ。私達もうかうかして居られないそう思えたもの、だから真也君に呼ばれた時その事を伝えたかったのその為に私達は此処に来たんだものそうよね2人共」

 

ツバサさんはそう言って振り返りあんじゅさんと英玲奈さんを見ると2人は頷いた

 

「君が千歌ちゃんだね?綾人の事頼んだよ」

 

A-RISEを交えた食事会が始まり英玲奈さんが千歌姉にそんな事を言う

 

「綾人君?どうして…あ!綾人君と苗字一緒だ!!」

 

今更綾人のお姉さんが英玲奈さんだって気づいたんだ千歌姉

 

「そう言う事さ、なんでも君の妹と付き合うそうだね?夏休みにでも君の家の旅館にご挨拶に行きたいから宜しく言っておいてくれ」

 

「はい!あー!どうしよう真也君!あのA-RISEの統堂英玲奈さんが来るなんて!今から緊張しちゃうよ!」

 

「落ち着いて千歌姉、すみません英玲奈さんこんな姉で」

 

そう言いながらも僕は千歌姉を落ち着かせる

 

「綾人に聞いて居た通りの子だね千歌ちゃんは」

 

綾人は英玲奈さんにありのままの千歌姉の事そのまま伝えてるんだ

 

「綾人は昔から嘘が苦手だったからね。綾人の嘘は直ぐに分かるさ」

 

「千歌姉が英玲奈さんみたいに落ち着きのある人だったら助かったんですけどね」

 

「真也君、そんな事言ってると彼女さんがやきもち妬いちゃうわよ」

 

ツバサさんがそう言ってルビィを見る

 

「ルビィって意外と直ぐに嫉妬しちゃう方?」

 

「ルビィ嫉妬なんてしてないもん!!」

 

そう言って顔を真っ赤にしながら両手を左右に振り否定するルビィだがそんなルビィを見て周りは微笑む

 

「真也君ルビィちゃんって可愛い子だね」

 

「ええ、僕の自慢の恋人です」

 

そう言うとルビィは更に顔を赤くさせる

 

「ルビィお風呂行って来る!」

 

そう言ってルビィは顔が赤いままで部屋を出るとツバサさんが悪い顔をして居る

 

「ツバサさん何をするつもりですか?」

 

「ん?ちょっとしたイタズラをね?真也君も行ってこれば?」

 

このタイミングで言うって事は僕も協力しないといけないのか

 

「分かりました僕も行きます」

 

そう言って僕も部屋へ着替えを取りに行きお風呂に向かった

 

「ふー、ツバサさん結局何するつもりなんだろ?」

 

僕が協力する事で出来る事、お風呂もしかして!?2つのキーワードで何を企んでるのか確信がついたので急いで温泉を出ようとすると

 

「しっ真君!?」

 

ルビィが入って来てしまった

 

「やっぱり」

 

そうツバサさんが思いついたイタズラそれは男湯と女湯の文字を交互に入れ替え僕とルビィを混浴させる事だった

 

「ルビィちゃんと確認したよ!?女湯って!「ルビィツバサさんの仕業だよああ見えてイタズラとか子供じみた事好きだからあの人」ツバサさんが!?」

 

ルビィも意外だったのか驚いた声を上げる

 

「それじゃあルビィ僕は出るからゆっくり「待って真君」ルビィ?」

 

ルビィはそう言って僕の手を掴む

 

「ルビィその…真君になら…見られても良いよ?それに少しお話もしたいし」

 

「ルビィが良いなら僕は構わないけど」

 

そう言って僕は再び湯船に浸かりルビィを待つ

 

「お待たせ…はっ恥ずかしいからあんまり見ないで」

 

いやいや無理でしょこの状況で!?

 

「ルビィねずっと考えてたの、真君とお付き合い出来たのは凄く嬉しい…でもルビィは真君と一緒に居て良いのかなって」

 

僕と一緒にどう言う事だろう?

 

「真君はバイオリンが凄く上達だよね?でもルビィには得意な事は何も無いから心配なんだ、ルビィは真君に気を使って貰ってばっかりじゃないかなって」

 

今まで溜めていた事を全部出したルビィの目には涙が溢れていた

 

そんな風に思ってたんだ

 

「ルビィ…僕の事頼りないかな?」

 

「え?」

 

「僕だけじゃないよ?ダイヤもそれにAqoursのみんなもルビィにもっと頼って欲しいって思ってるんじゃないかな?少なくとも僕は思ってるよ?ルビィに頼って貰いたいって」

 

僕はルビィの事をあまり知らない知ってる事と言えばスクールアイドルが好きなの事と人見知りな事くらいだだから頼って貰いたい。そしてもっと知りたいルビィの色んな事を

 

「真君」

 

「それにさ、僕の隣に誰が居るかそれを決めるのは僕だよ、ルビィじゃない。だから良いんだよルビィはそのままで」

 

そう言って僕はルビィの頭を優しく撫でる

 

「真君…うん!でもルビィね真君にも頼って貰いたい」

 

「ならそうするよ、それでさ明日デートしない?東京に来てるって言うのに便乗するみたいでアレなんだけどね」

 

そう言って僕は苦笑いを浮かべる

 

「デート…うん!行こ真君!楽しみだな」

 

そう言ってルビィは空想の世界に行ってしまいその途中でのぼせたルビィを外に運びルビィの泊まる部屋に向かうとこれもツバサさんの策略なのか誰も居なかったので仕方なくルビィは僕の部屋にあらかじめ敷いてあった布団の上に寝かせた




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35話

〜ルビィside〜

 

「ん、ここ何処?…真君!?」

 

ルビィが起きて寝返りをうつと真君が隣で寝ていた

 

(なんで真君が隣で寝てるの!?確か昨日温泉で真君とデートに行こうって話しててそれから…あれ?どうなったんだろう覚えてない)

 

真君とデートに行こうって話した後どうやって温泉から出たのかルビィは覚えていない

 

「わんわん‼︎」

 

「ピギィ!子犬しゃん?」

 

ルビィがそう言うと薄い茶色の子犬は一度ルビィを見たが直ぐに真君に向き直り上に乗った

 

「ん、ココアおはよう」

 

「わん!」

 

ココアちゃん(さっきの子犬さんの名前)は起き上がった真君の顔を舐める

 

「くすぐったいよココア、起きたんだおはようルビィ」

 

ココアちゃんを床に下ろした真君がルビィが起きてる事に気付いてそう言う

 

「おはよう真君、その子犬さんココアちゃんって名前なの?」

 

「うん、さて早速出かけようか」

 

「うん!でもルビィの着替え花丸ちゃん達の部屋の中だよ?」

 

そうルビィの着替えは花丸ちゃん達の部屋にあるので着替えられない

 

「それなら心配ないよ下のフロントに行けば予備の鍵があるから」

 

「その鍵使って良いの?」

 

普通はダメなんじゃ

 

「ならそのまま行く?」

 

「ううん、着替える」

 

「着替えるだけなんだし大丈夫だよ」

 

そう言って部屋を出る真君に続いてルビィも部屋を出た

 

〜ルビィside out〜

 

「え!?それじゃあルビィ温泉の中でのぼせちゃったの!?」

 

ルビィが着替えて朝食を済ませた後ランニングを兼ねて昨日の神社まで走っている

 

「おはようございます希さん」

 

東條希さんこの神社の手伝いをして居る人で歳は僕の2つ上、確か今は希さんの通ってる学校の副会長をして居たと前に聞いた気がする

 

「お!真也君やん、おはようさん最近見かけへんかったけどどないしてたん?」

 

そう言えば此処で希さんに会うのも久しぶりな気がする

 

「静岡に引っ越したんですよ、今はマネージャーをしてるスクールアイドルの付き添いで東京に来てて明日には帰ります」

 

「そうやったんか、ほんでずっと真也君の後ろに隠れとるのは誰なん?」

 

そう言って希さんはルビィに目線を向ける

 

「ほらルビィ挨拶して」

 

「くっ黒澤ルビィ…です」

 

僕がそう言うとルビィは隠れたまま自己紹介をする

 

「すみません希さん、ルビィ人見知りで」

 

「かまへんよ真也君、うちは東條希言うんよ、よろしゅうなルビィちゃん」

 

希さんはルビィの目線までしゃがんでそう言う

 

「よろしくお願いします東條さん」

 

「うん、せっかくやしお参りして行ったら?きっと良い日になるで」

 

「そうします」

 

そう言って僕はルビィを連れて階段を登ってお参りを済ませてからデートを始めた




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36話

「ルビィは行ってみたい所とかある?」

 

デートに行く事は決まって居たが行き先を決めて居ない事に気づきルビィに聞く

 

「うん!ルビィスクールアイドルショップに行ってみたい!」

 

ルビィならそう言うと思ってたよ

 

「でも時間的にまだ開いてないし…この近くだとゲーセンくらいしか…ルビィ?」

 

現在の時刻は9時少し前スクールアイドルショップが開くのは大体11時頃だから少し時間がありどうするか迷っているとルビィの目が輝いて居た

 

「ゲーセン…ルビィゲーセン行ってみたい!」

 

どうやらルビィはゲームセンターにも行ってみたかったらしい

 

「なら、ゲームセンターでショップの開店まで時間を潰してからショップに向かうって経由で良い?」

 

「うん!」

 

ルビィに確認も取れた所でゲームセンターに向かった

 

「凄いよ真君人が一杯!!」

 

「ゲームセンターってこんな感じだよ」

 

ゲームセンターは開店してばかりだと言うのに既に沢山の人で賑わって居た

 

「花丸ちゃんが居なくて良かった」

 

「うん、流石にこんな場所で未来ずらは僕も勘弁したいかな」

 

ゲームセンターは花丸にとって未来の連発だろうがあれは少し恥ずかしい

 

「真君!ルビィあのゲームやってみたい!」

 

ルビィが指差したのはかつてツバサさん達と競ったゲームだった

 

「懐かしい、このゲームでツバサさん達とよくスコア競ったよ」

 

「A-RISEもこのゲームしてたんだ。ルビィもがんばルビィ!!」

 

ルビィはそのゲームにお金を入れる

 

「真君もやろうよ!」

 

ルビィは僕の分も出してくれたようで僕を呼ぶ

 

「真君上手すぎるよ」

 

「まあ、あのゲームは初心者向けでは無いかな?」

 

だが実際の所ルビィは初めてにしてはかなりのスコアを出して居た所を見ると普段の練習の成果は出ているようだ

 

「そろそろお昼だしスクールアイドルショップはお昼ご飯を食べてからにしよ?」

 

「うん、ルビィも一杯動いたからお腹空いちゃったよ」ぐ〜

 

そう言うとルビィのお腹が鳴った

 

「ラーメン屋にしない?そこならスクールアイドルショップも近いし」

 

「ルビィあんまりラーメン食べた事ないんだ、沼津にもあんまり無いし」

 

確かに沼津でもラーメン屋はあまり見かけない

 

「なら尚更行こうよ、今から行く所は僕のオススメのお店だから」

 

「うん、あれ?真君あれって凛ちゃんと花陽ちゃんじゃ無いかな?」

 

ルビィの目線を辿ると確かに凛と花陽が居た

 

「凛ちゃーん!花陽ちゃーん!」

 

「「ルビィちゃん!」」

 

ルビィはそう言って走り出し凛と花陽の元に向かう

 

「こんにちは凛、花陽」

 

「「真也(高海君)!」」

 

そう言って僕も凛と花陽に近づく

 

「真也はルビィちゃんと何処に行くつもりにゃ?」

 

「ラーメン屋だよ?凛と花陽は?」

 

「私達もラーメン屋に行こうって話してたんです」

 

成る程目的地は同じって事か

 

「2人さえ良ければ一緒に行かない?」

 

「え!でも、デート中にお邪魔じゃ無いですか?」

 

「そんな事ないよ?そうだよねルビィ?」

 

「うん、ルビィは良いよ?」

 

「それじゃあお言葉に甘えて」

 

「出発にゃー!」

 

ルビィも良いと言ったので凛と花陽も加えて4人でラーメン屋に向かった




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37話

「おっちゃんこんにちは」

 

「お!久しぶりじゃねえか真也!」

 

ラーメン屋に入ると何時ものおっちゃんが出迎えてくれた

 

「今日は穂乃果ちゃん達じゃねえんだな?」

 

「友人と恋人ですよ」

 

「へー、友人と恋人ねぇ…恋人だと!?」

 

店長はそう言って目を丸くした

 

「因みにどの子が?」

 

「えっと…ああ、あの2人の後ろに居る子です」

 

ルビィはいつの間にか凛と花陽の後ろに隠れて居て一瞬何処に居るのか分からなかった

 

「にしても意外だな、お前さんの事だからあの3人の中から選ぶもんかと思ってたのによお」

 

「それ肉屋のおばさんにも言われました」

 

何故か商店街の人達やこのおっちゃんは僕が穂乃果さん達の中から誰かを選ぶと思って居たらしい

 

「取り敢えずそろそろ座りたいんですけど」

 

「おお、済まねえ嬢ちゃん達も済まなかったな。詫びと言ってわなんだが真也の祝い込みでお代はいらねえから好きなだけ食ってくれ」

 

おっちゃんそんな事勝手に決めても良いの!?

 

「やったにゃー!」

 

「「すみません」」

 

「良いって良いって!!気にすんな」

 

そう言って笑うおっちゃん

 

「花陽、ルビィもだけどおっちゃんは良いって言った時は本当に良い時だから、凛は少しくらい加減したげなよ?」

 

そう言っておっちゃんに席を案内してもらう

 

「みんな決まった?」

 

「凛は決まったよ?かよちんとルビィちゃんは?」

 

「私も決まったよ高海君」

 

「ルビィも大丈夫だよ真君」

 

全員決まったので注文をしてラーメンを待つ

 

「真也は此処にはよく来るのかにゃ?」

 

「うーん、殆どが穂乃果さん達と一緒にかな?内浦や沼津にはこういうお店は殆ど無いから最近は行って無かったけどね」

 

「ヘイ!お待ち!」

 

「「「「いただきます」」」」

 

そう言っておっちゃんが持って来たラーメンを食べ始める

 

「花陽はライスも頼んでたけど大丈夫?」

 

「はい!ご飯ですから!」

 

何が大丈夫なんだろう?

 

「かよちんはスクールアイドルと同じくらいご飯が好きなんだよ」

 

「スクールアイドルと同じくらい…本当に好きなんだねご飯」

 

「はい!」

 

正直言ってどうしてご飯をそこまで好きになれるのかは謎だが人の好き嫌いはそれぞれだとあえて何も言わなかった

 

「ふー、満足にゃ」

 

「あれだけ食べたんだから当たり前だよ」

 

凛は1玉目を直ぐに食べ終わり替え玉を4回した

 

「真君スクールアイドルショップってこの近くなんだよね?」

 

「うん、品揃えも豊富なんだけどあまり知られていないショップだよ」

 

まあ理由としては大きな2つのビルの間にあるからあまり気づかれないって言うのがあるんだろうけど

 

「此処だよ」

 

「はわわ!こんな場所が!!本当に豊富ですね!これは!!発売してわずか数分で売り切れたA-RISEのグッズじゃ無いですか!しかも2つも!すみませんこれ下さい!」

 

「あ!ルビィも!」

 

2人はそう言ってその商品を持ってレジに走る

 

「スクールアイドルが絡んでる時の花陽あんな感じなんだ、人って変わるもんなんだね?」

 

「凛はこっちのかよちんも好きだよ」

 

そう言うけど凛はどんな花陽も好きなんじゃないの?そう言えば

 

「ルビィ家族へのお土産は買ってあるの?」

 

「あ」

 

僕がそう言うとルビィは何かを思い出した顔をするどうやら忘れていたようだ

 

「どっどうしよう真君!?」

 

「落ち着いてルビィ、まだ時間もあるしゆっくり考えよ?」

 

「うゆ」

 

そう言ったのは良いが家族へのお土産はその後も決まらず結局は穂乃果さんの家で和菓子を買った




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38話

〜千歌side〜

 

「ふぁ〜、おはよう…曜ちゃんも梨子ちゃんも寝てるんだ」

 

昨日の夜はツバサさん達と夜遅くまで喋って居て曜ちゃんと梨子ちゃんはまだ寝ている。ふと携帯を見るとメールが届いていた

 

「メール?真也君からだ…大変!!曜ちゃん梨子ちゃん起きて!!」

 

メールの内容を見た私は梨子ちゃんと曜ちゃんを起こす

 

「ふぁ〜、どうしたの千歌ちゃん?」

 

「真也君もう東京の観光に行っちゃったみたいなんだ」

 

「ん〜!当たり前じゃ無い、偶には真也君もルビィちゃんと2人だけの時間が欲しいに決まってるわよ」

 

伸びをしながら梨子ちゃんがそう言う

 

「それもそうだね、私達はどうする?何処に行くとか決めてないよね?」

 

「そうね、花丸ちゃんと善子ちゃんも加えてみんなで考えましょ」

 

梨子ちゃんはそう言って花丸ちゃんと善子ちゃんを起こしに向かった

 

「それで今日何処に行くかなんだけど、みんなはリクエストとかあるかしら?」

 

「「はい!」」

 

朝ごはんを食べ終えて梨子ちゃんがそう聞くと曜ちゃんと善子ちゃんが手をあげる

 

「取り敢えず曜ちゃんから」

 

「私は制服を見たいんだけど良いかな?」

 

制服か曜ちゃんらしいね

 

「どうだったかしら?そう言うお店を後で探してみましょ。次は善子ちゃんね」

 

「私は同然魔道書よ」

 

魔道書!?東京にはそんなものまであるの!?

 

「千歌ちゃん東京に魔道書は無いわよ」

 

「凄い梨子ちゃんなんでわかったの!」

 

「顔に出てたわよ千歌ちゃん、それにしても魔道書…ああ、本屋にでもあるんじゃない?だいぶ限られてると思うけど」

 

あれ?梨子ちゃんさっきは無いって

 

「善子ちゃん丸も一緒に行って良いずら?」

 

「良いわよずら丸、それにその類の本を置いてある書店は調べてあるわ!さあ戦場に向かうわよずら丸!付いて来なさい!!」

 

「丸を変な所に連れて行かないで欲しいずら」

 

そう言いながらも花丸ちゃんは旅館を出て行った善子ちゃんに付いて行った

 

「後は千歌ちゃんだけね、何処か見たい所あるかしら?」

 

「うーん…あ、あった!梨子ちゃん私服見たい!」

 

夏休みには英玲奈さんが十千万に来るその時に内浦を案内する事になったからその時の服考えないといけないと気づきそう言った

 

「それなら先ずはデパートに向かって千歌ちゃんの服を選びましょう。曜ちゃんはその間に制服を置いてるお店を探しましょう」

 

梨子ちゃんの言葉に私と曜ちゃんは頷いてデパートに向かった

 

「おっきー!」

 

「それじゃあしゅっぱーつ!全速前進ヨーソロー!!」

 

「おー!」

 

「ちょっと!逸れるわよ!」

 

デパートに着くと走って中に入って行く私と曜ちゃんを梨子ちゃんが追いかける

 

「曜ちゃん、梨子ちゃんこの服どうかな?」

 

「私は良いと思うよ千歌ちゃん」

 

「私もよ」

 

今はデパートの中で私の服を選んでいるけど中々『これだ!』って服が見つからない

 

「うーん、中々これって言うのが見つからないなぁ」

 

「私もわかるわ、そう言うのって色々と着てみてやっと決まるわよね」

 

「そうだよね、うーん、あ!千歌ちゃんこれなんてどうかな?」

 

そう言って曜ちゃんがオレンジをベースにしたワンピースを持って来てくれたので早速着替えてみる

 

「どうかな?」

 

「良いよ!千歌ちゃん凄い似合ってるよ!」

 

「そうね、凄く似合ってるよ千歌ちゃん!」

 

梨子ちゃんと曜ちゃんがそう言ってくれた

 

「そうだよね!決めた私これにする!ちょっと待ってて会計してくるよ!」

 

私は曜ちゃんと梨子ちゃんにそう言ってその服を買いに行った

 

「お待たせ、あれ?曜ちゃんは?」

 

私が戻ると曜ちゃんが居なかった

 

「曜ちゃんならこの近くに制服を置いてるお店があったみたいでそこを見に行ったわ」

 

「それじゃあ、梨子ちゃんはもしかして私を待っててくれたの?」

 

「当たり前でしょ?ほら、曜ちゃんの所行こ」

 

「うん!」

 

私と梨子ちゃんは曜ちゃんが制服を見ているお店に向かいある程度見てから曜ちゃんは色々な制服を買いその後もデパートの中を一頻り見て回ってから旅館に戻った

 

〜千歌side out〜




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39話

〜花丸side〜

 

「善子ちゃん待ってずら!」

 

丸が走りながらそう言うと善子ちゃんは止まってくれた

 

「全く体力がないわねずら丸は」

 

「はぁはぁ、もう…限界…ずら、少し…休むずら」

 

「全くしょうがないわね、書店は午後からにして午前中はゆっくり見て回りましょう。それならずら丸も大丈夫でしょ?」

 

そう言って善子ちゃんは丸に手を差し出す

 

「ありがとうずら善子ちゃん」

 

丸はそう言って差し出された手を握った

 

「書店以外にも色々調べて来たのよ、この近くだとネットカフェかカラオケが近いわねどっちにする?」

 

善子ちゃんがそう聞いてくる

 

「ネットカフェ?カラオケ?」

 

「ああ、ずら丸は知らないわよね。カラオケって言うのは簡単に言うと歌を歌って楽しむ所かしら?ネットカフェはインターネットをしながら食事をしたりパソコンを使ったりする「ネットカフェが良いずら!」分かったわ、それじゃあ早速行きましょ。早めに行かないと席が埋まっちゃうわ」

 

そう言って善子ちゃんはネットカフェに向かう

 

「おー!此処がネットカフェずら!?」

 

「あまりキョロキョロしないでよずら丸、ほら行くわよ時間は限られてるんだから」

 

そう言って善子ちゃんは丸の手を引いて丸達が使うお部屋に向かう

 

「善子ちゃん!善子ちゃん!これが此処のパソコンずら!?学校で使ってるのより大きい画面ずら!!未来ずらよ善子ちゃん!!」

 

「少しは落ち着いたらずら丸?私も気にはなってたけど…へー、メニューも豊富ね。これは迷うわね、カレーも良さそうだしこっちのラーメンも捨てがたいわね」

 

丸がパソコンに夢中になって居ると善子ちゃんがメニューを見て何かを呟いて居る

 

「善子ちゃん?」

 

「何よ、ずら丸も何か頼むの?それなら一緒に頼んであげるから早く決めなさいよ?私はもう決まったから「このカレーにするずら!」速!?もっとゆっくり決めなさいよ。まあそれで良いなら頼むわ」

 

そう言って善子ちゃんは電話で注文をする

 

「楽しかったずら」

 

「そうね、次は書店よ」

 

「分かってるずらよ、善子ちゃん」

 

そう言って本来の目的地の書店に向かう

 

「おー!此処も人が一杯居るずら!未来ずら!」

 

「あんたにとって東京は未来の宝庫ね。あった、残り1冊ギリギリ間に合ったわね」

 

そう言って善子ちゃんは目的の本を手に取る

 

「待たせたわねずら丸…あんたそれ全部買うつもりなの?」

 

「東京の思い出ずら、わわ!」バタバタッ

 

そう言った丸は何かに躓いてしまう

 

「ほら、私も半分持つから2人で持ちましょう」

 

「ありがとうずら善子ちゃん」

 

そして丸と善子ちゃんは2人で買った本を手に持って旅館に戻った

 

〜花丸side out〜

 

 




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40話

「見送りありがとうございます、皆さん」

 

東京から沼津に帰る電車の駅のホームに穂乃果さん達μ'sとツバサさん達A-RISEが来ている

 

「真君電車出るよ!」

 

「うん!わかったよルビィ!次は夏休みにゆっくり来ますね」

 

ルビィの言葉を聞いて僕は海未さん達に頭を下げてそう言ってから電車に乗り込むと電車は出発した

 

「真也君最後穂乃果ちゃん達と何の話ししてたの?」

 

「ん?今度は時間を作って夏休みに東京に行くって言ったんだ」

 

電車に揺られ沼津の駅に着くとそこにはダイヤが待っていた

 

「お姉ちゃん!」

 

ダイヤを見つけるとルビィは真っ直ぐダイヤの元に向かう

 

「よく帰ってきましたわルビィ、真也それに皆さんも少し話しませんか?」

 

ダイヤの言葉に千歌姉が頷くとダイヤは黙って歩き出した

 

「得票0ですか」

 

「はい」

 

「やっぱりそうなってしまったのですね。今のスクールアイドルの数の中では」

 

やっぱりって事はダイヤはある程度こうなる事は予想できていたのだろうか?

 

「先に言っておきますけど貴方達は決してダメだった訳では無いのですスクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれている人達を楽しませるに足りるパフォーマンスもしている。でもそれだけではダメなのです。知っていますか?去年のスクールアイドルの数は第一回のラブライブ参加者の約10倍以上、今年は更にその数は増しているでしょう」

 

確かにそうだ去年で第一回ラブライブの10倍なのだとしたら今年の数は計り知れない

 

「それじゃあ」

 

「そう、貴方達が誰にも支持されなかったのも、わたくし達が踊れなかったのも仕方のない事なのです」

 

踊れなかった?

 

「それってどう言う事ダイヤ?」

 

「2年前既に浦の星には統合になるかもと言う噂がありましてね…その時にスクールアイドルが一度浦の星に誕生していたのです。そのグループの1人がわたくしですわ。そしてスクールアイドルを始めて丁度貴方達と同じくらいの時ですね。東京のイベントに招待されましたわ、ですが…他のグループのパフォーマンスの凄さと、巨大な会場の空気に圧倒されて歌えなかったのですわ。むしろ貴方達は歌えただけ立派ですわ」

 

「それで反対してたんですね。こうなる事が分かっていたから」

 

僕はダイヤにそう聞き返す

 

「ええ、真也の言う通りですわ。それでは帰りましょうかルビィ」

 

そう言うとダイヤがそう言うとルビィはダイヤと一緒に帰った

 

あの後各自帰宅する事になり今は十千万で僕と千歌姉の2人で話している

 

「真也君、お願いしても良いかな?」

 

そう言った千歌姉の目には涙が溜まっている

 

「千歌姉…うん、我慢しなくて良いよ千歌姉」

 

僕がそう言うと千歌姉は黙って僕に近づいてくる

 

「千歌姉は頑張ったよ」

 

僕がそう言って千歌姉を優しく撫でると千歌姉は泣いてしがみついて来た

 

「落ち着いた?千歌姉?」

 

「うん、ありがとう真也君。もう大丈夫だよおやすみ」

 

「うん、おやすみ千歌姉」

 

そう言って僕は眠りに就いた




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41話

「だめー!」

 

翌日の朝学校でルビィ達を待って居ると上の階からそんな声が聞こえて来たので気になって窓から上を見上げる

 

「何やってるんですか曜さん!?」

 

そこには制服を持ってぶら下がって居る曜さんとそれを支えて居る千歌姉と梨子さんが居た

 

「あ!真也君!急で悪いんだけどこの制服受け取って後で持って来てくれないかな?」

 

「わかりましたから早く離して下さい!このままじゃ落ちますから!?」

 

僕がそう言うと曜さんは制服を離す

 

「取った?」

 

「取りました!なので早く」

 

その続きを言おうとした時

 

「もう限界…」

 

支えて居た千歌姉に限界が来たらしく曜さんが落ちる

 

「曜さん!!」

 

「わ!ありがとう真也君」

 

「曜ちゃん大丈夫!?」

 

落ちた曜さんが心配になり梨子さんが身を乗り出してそう聞く

 

「うん!真也君に助けて貰ったから!今から戻るね!本当にありがとうね真也君」

 

そう言って曜さんは教室に戻って行く

 

「真君、今の曜ちゃんだよね?何かあったの?」

 

教室から出て行った曜さんを見たルビィ達の中からルビィがそう聞いてくる

 

「実はね」

 

僕は今あった事をルビィ達に伝えた

 

「曜さんなんだか凄い人ずら」

 

「そうね、でも意外ね2年の中では梨子の次にまともだと思ってたけどそんな一面があったなんて」

 

そこに千歌姉が含まれて居ないのは仕方ないとして(原因としては遅刻の多さだと思う)確かに曜さんがあんな行動をするのは意外だった

 

「それにしても、なんの制服なんだろう?」

 

その制服を広げると制服と言うよりかはスクールアイドルの衣装に見える気がする

 

「それが曜が持ってた制服?制服と言うよりかはスクールアイドルの衣装に近いわね」

 

僕と同じ事を思った善子がそう言う

 

「そうなんだよね?取り敢えずこの服は善子が持ってて僕が持ってたらあらぬ誤解を招きそうだし」

 

「わかったわ、貸し1つね」

 

そう言って善子は服を鞄に仕舞う

 

「じゃあルビィに頼むよ「冗談よ真也、本気にしないで」善子なら本当に何か言って来そうで怖いんだよ」

 

「そうかしら?それより真也これいつ曜に渡すの?」

 

そう言えば決めてなかった

 

「部活の時で良いと思うよ?」

 

「そうね」

 

「ホームルーム始めるから席にいて下さい」

 

善子と話して居ると先生が来たので自分の席に戻る

 

「ごめん真也!これやっぱあんたが持ってて!」

 

放課後善子は先生の手伝いをしなければいけなくなったらしく僕に謝る

 

「日直の仕事じゃ仕方ないよその持ち主もさっきわかったし」

 

さっき千歌姉から電話がかかって来てその持ち主が果南さんである事が分かった

 

「それじゃあ、その人に渡しといて!「津島さん」はーい!それじゃあよろしくね」

 

そう言って善子は先生の手伝いに向かった




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42話

「スクールアイドルは絶対やらない!!」

 

部室まであと少しの所で大声で力強くそう言う果南さんの声が聞こえたと思うと部室から出てくる

 

「果南さん?」

 

「真也君もしかして今の」

 

果南さんの言葉に頷く

 

「あはは、驚いたよね?」

 

「はい、少しばかりそう言えばこれ果南さんのですよね?」

 

そう言って僕は善子から預かった服を果南さんに見せる

 

「そうだけどなんで真也君が…ああ、朝曜を助けた1年生って真也君なんだその服もう着るつもりないから曜にあげて」

 

果南さんは少し複雑そうな顔をしながらそう言って歩いて行く

 

「すいません!?」

 

「!!」

 

部室に入ろうと扉を開けると部室から出ようとしたダイヤとぶつかり転びそうになるダイヤの手を掴む

 

「ナイス真也君!!」

 

何故かわからないが千歌姉から賞賛される

 

「大丈夫ダイヤ?」

 

「え!ええ、ありがとうございます」

 

「?」

 

ダイヤはそう言うが何故だろう顔が赤い

 

「その…もう手を離して頂いて大丈夫ですわ」

 

「ああ、そう言う事」

 

僕がダイヤの手を離さなかったから恥ずかしくなったのか

 

「そうだった、曜さんこれ果南さんもう着るつもりないから曜さんにあげてって言ってましたよ」

 

「そうなんだ…」

 

「果南…」

 

僕がそう言うと曜さんと鞠莉さんが悲しそうな表情を浮かべる

 

「ごめん!先生の手伝いが長引いちゃって…真也なんなのこの場違いな空気」

 

「知らないよ善子」

 

部室に到着した善子にそう聞かれるが僕もついさっき来たばかりなので分からない

 

「一先ず状況の説明を」

 

「そうよ!あんた達だけで落ち込んで私と真也を仲間外れにするのやめなさいよ!」

 

それは少し違う気がする

 

黒澤家に向かって居る途中僕と善子が来るまでにしていた話を聞いた。この間ダイヤが言って居たスクールアイドルのメンバーの中に果南さんと鞠莉さんが居た事そこまで話した所でダイヤが部室から逃げようとした所に僕が来たそうだ

 

黒澤家に着いてからはダイヤは東京のイベントでの事を話してくれた

 

東京のイベント当日鞠莉さんは足に怪我をして居てそのまま進めれば怪我だけでなく事故に繋がる可能性もあったそれで果南さんは歌わなかった。それならその後もと言う話になったが鞠莉さんが職員室で留学の話を断って居る姿を偶然果南さんが見てしまった事

 

「果南さんは思ってしまったのですわ。このままでは自分達のせいで鞠莉さんから未来の色んな可能性を奪ってしまうのではないかと」

 

そこまで聞いて鞠莉さんは走ろうとするがダイヤが止める

 

「何処へ行くんですの!!」

 

「ぶん殴る!そんな事一言も相談せずに!」

 

「お辞めなさい、果南さんはずっと貴方の事を見てきたのですよ?貴方の立場も…貴方の気持ちも…何より貴方の将来も…誰よりも考えている!」

 

鞠莉さんはそれを聞くと走って外に出る

 

「僕鞠莉さんの気持ち少し分かるかな?千歌姉達を心配させたくなくて言ってなかったけど僕にも留学の話があったから」

 

「真也君に留学の話?」

 

千歌姉の言葉に頷いて続きを話す

 

「うん、中2の時にね。音楽を専門的に学ぶ学校に来ないかってそう言う話が来たんだ。その時に初めて穂乃果さん達と喧嘩した。喧嘩って言っても口喧嘩だけど、穂乃果さん達もみんな乗り気なんだけど僕は別に行きたくないって思ってた。そんな時に海未さんが僕の様子が可笑しいって気が付いたみたいで僕は行きたくないってそう言ったらさっきのダイヤと同じこと言われたんだ。穂乃果さんもことりさんもずっと僕の事を見てたからそう言うんだって、僕がどれだけバイオリンの練習をしてきたか知ってるから、僕がどれだけ努力したか知ってるからって、でも1番怖かったのはみんな同じで僕の可能性を奪う事が1番怖かったってそう教えてくれたんです」

 

あの時は海未さんに言われて初めて気が付いた自分がどれだけ穂乃果さんに、ことりさんに、そして海未さんに大切に思われているのか

 

「ダイヤ、どれだけ相手の事を思っていてもそれは言葉にしないと伝わらない。そのせいで相手を傷つける事もある。僕と穂乃果さん達のように」

 

「そうかもしれませんね」

 

ダイヤはそう言って鞠莉さんと同じく走って何処かに向かう

 

「真君、何で留学に行かなかったの?」

 

「もっと穂乃果さん達との思い出が欲しかったから。ただそれだけ」

 

「そんな理由で留学を断ったの?」

 

僕の言葉を聞いて曜さんがそう言う

 

「そうだよ、それにその留学を断ったお陰で今みんなと居られる時間を過ごしてられる。その事に比べたらどうって事ないよ」

 

『真也君(真君(真也))』

 

「さて、それじゃあ最後のメンバー勧誘に行こう!」

 

『おー!』

 

そう言って僕達はダイヤと鞠莉さんが向かったであろう浦の星に向かう

 

「ダイヤさんって本当に2人が好きなんですね?」

 

校門から出て来たダイヤに千歌姉がそう聞く

 

「それよりもこれから2人を頼みましたわよ?ああ見えて2人共繊細ですから」

 

「じゃあ!ダイヤさんも居てくれないと!」

 

「え!?わたくしは生徒会長ですわよ!?とてもそんな時間は」

 

「それなら大丈夫です!鞠莉ちゃんと果南ちゃんと後7人も居るんですから「千歌姉は居なくて良いと思うけど?それに中学では僕も生徒会長してたんだから逆に千歌姉が居ると邪魔になりそう」そこは黙って頷いてよ!真也君!」

 

千歌姉の言葉を聞いてその場に居る全員が笑う

 

「ルビィ?」

 

ダイヤがルビィの名前を呼ぶとルビィはダイヤの近くまで行ってこう言う

 

「親愛なるお姉ちゃんようこそAqoursへ!」

 

こうしてAqoursは9人とマネージャー1人を合わせた10人になった

 

「実はね私達がスクールアイドルをしてた時の名前もAqoursなんだ」

 

果南さんが懐かしむようにそう言う

 

「そうなの?」

 

「うん、でもこの状況は誰かさんにまんまとはめられたみたいだけどね」

 

そんな事をしそうなのは

 

「鞠莉さん?」

 

「少なくとも私では無いわ」

 

「わっわたくしでもありません…わよ」

 

聞いても居ないのにホクロを触りながらそう言うダイヤ

 

「ま、名前を考えた時に浜辺に文字を書いてた人なら知ってるけどね」

 

「え!?嘘!?誰々!?」

 

千歌姉がそう言って僕に近づいてくる

 

「ダイヤだよ千歌姉」

 

「真也!?わたくしでは無いと!「この写真を見てもそんな事が言えますか?」はぁ、やられましたわ。まさか写真を撮られて居たとは」

 

そうそこに写っているのは木の枝で浜辺に文字を書くダイヤの姿だった

 

「真也君、この際だから私達事名前で呼んで貰え無いかな?後良かったら敬語も抜いて」

 

「どうしたんですか突然?まあ良いですけど、果南これで良い?」

 

「あ!ずるいわ果南!真也私もね!」

 

「わかってるよ鞠莉、この調子だと曜と梨子もそうだよね?」

 

「お!真也君わかってるね!」

 

僕の言葉に敬礼をする曜

 

「私はそうでもなかったけど「それじゃあ戻しますか?」今ので良いわ!よろしく真也君」

 

僕がそう言うと慌ててそれを肯定する梨子

 

「真也君私は?」

 

「うーん、ルビィもダイヤの事お姉ちゃんって呼んでるしこれからも千歌姉で行くよ」

 

「その方が良いかもね、それじゃあ行くよみんな!」

 

千歌姉の合図で円陣を組む

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「10!」

 

『aqours!サンシャイン!!』




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43話

〜善子side〜

 

私は今スクールアイドル部の部室に向かっているそれはいつも通りだけど

 

「善子お姉さん!早く早く!」

 

「分かってるから待ちなさい!」

 

小さくなった(大体5、6歳)真也と居なければの話だ。正直言って周りからの視線が凄い。きっかけは私が真也を空き教室に呼び出した数時間前

 

「どうしたの善子?急に呼び出して?」

 

「ククク、来たわねリトルデーモン「ああ、そう言うのは良いから呼んだ理由教えて」分かったわよ、そのこれなんだけど」

 

私は真也に本のページを開いてみせる

 

「どれどれ?本当に大丈夫なの?」

 

真也が心配そうに聞いてくる

 

「大丈夫よ…多分…」

 

「最後の言葉で台無しだよ。はぁ、断っても無駄だろうしやるよ善子」

 

そう言って真也は私の用意した魔法陣の中央に移動する

 

「それじゃあ始めるわよ。先ずはこれとこれをここに撒いて」

 

「善子取り敢えず何を撒いたか教えて」

 

「確か、熊の唾液にコブラの血液この後に鳥の方の鷹の爪を瓶に入れた状態で1つ置くつもりよ」

 

私がそう言うと真也は不思議そうにこう質問する

 

「そんなの何処から集めてるの?」

 

「お父さんがお土産って持って帰ってくるの」

 

「善子のお父さんの仕事って?」

 

「知らないわ」

 

「知らないの!?」

 

仕方ないじゃないなんか知ったらダメな気がするんだもの

 

「これで最後っと「善子なんか変な匂いしない?」確かにそうね、少し換気しましょうか」

 

そう言って窓を開けて振り返るとそこには真也ではなく子供が居た

 

「あんたどっから「お姉さんお名前は?」津島善子よ。ってそうじゃなくて!「僕は高海真也!よろしくお姉さん!!」そう高海真也ね…へ?真也?」

 

そう言ってその子の顔をじっと見ると確かに真也の面影がある

 

「お姉さん?僕の顔に何か付いてる?」

 

「ごめんなさい、私の先輩に似てたからついね」

 

私がそう言って誤魔化すと真也は興味がなさそうに外に出ようとする

 

「待ちなさい、取り敢えずその先輩の所に連れてくからその後に学校案内したげるわ「本当!?」えっええ、急に元気になったわね?その代わりその間は大人しくしてる事分かった?」

 

「うん!善子お姉さん!」

 

善子お姉さん、なんか変な感じね

 

「ほら、さっさと行くわよ!」

 

「うん!」

 

そう言って私は小さくなった真也とスクールアイドル部の部室に向かった

 

「それで今に至るわけですわね?」

 

「はい」

 

そして今私は部室でダイヤに正座をした状態で説教をされている

 

「善子お姉さん早く行こ!」

 

「ちょ!待ちなさいよ!今立ち上がれな!きゃ!」

 

真也が正座をさせられて居て足が痺れている状態で引っ張った為私はそのまま真也を巻き込んで倒れてしまう

 

「ごめん真也!「うう、重い」失礼ねあんた!!」

 

そう言う真也につい怒鳴ってしまった

 

「「ごめん真也君(真君)!遅れちゃった!」」

 

しばらくすると千歌とルビィが部室に来た

 

「千歌姉!ルビィ!」

 

「「真也君(真君)!?いつの間にこんなにちっちゃく」」

 

嬉しそうに走っていく真也に2人は全く同じ反応をすると言うか

 

「千歌ちゃんに会えて嬉しそうにするのは分かるけどどうしてルビィちゃんにも同じ反応をするずら?」

 

そう、千歌ならまだわからない事はないがルビィに会えて喜ぶ理由が分からない

 

「花丸さんは知りませんでしたね。ルビィと真也は小さい頃に何度か一緒に遊んで居るそうですわ」

 

そうなの、てっきり私は高校になってから会ったものだと思って居たわ

 

「それにしても真君よくルビィの事わかったね?」

 

「当たり前だよ!ルビィとは結婚の約束もしたもん!」

 

『!?』

 

真也の悪気の無い言葉に部室の時間が止まる

 

「ルビィあなた」

 

「ルビィちゃん」

 

視線がルビィに集まる

 

「るっルビィそんな約束…あ」

 

ルビィは顔を真っ赤にして否定するがなにかを思い出したようだ

 

「ルビィちゃん?」

 

「したかも真君と約束」

 

本当にしてたのね

 

「いやー、真也君も大胆だね」

 

「子供の頃ってそう言うのあるじゃ無い?後になって考えたら何で言ったんだろうって言うくらい恥ずかしいのも稀にあるし」

 

「ルビィちゃん大人ずら」

 

ずら丸がそう言うとルビィは顔から湯気を出して倒れた

 

〜善子side out〜




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44話

〜花丸side〜

 

善子ちゃんの説教も終わり善子ちゃんと丸で真也君を案内する事になったんだけど

 

「ずら丸!善子!こっちこっち!」

 

「はぁはぁ、何て体力してんのよ彼奴」

 

「はぁはぁ、真也君待って欲しいずら」

 

外に出れたのがよっぽど嬉しかったのか走る真也君に全然追いつけない

 

「ずら丸、善子、大丈夫?」

 

すると真也君は丸と善子ちゃんの近くに来た

 

「誰のせいだと思ってんのよ!」

 

「あはは!くすぐったいよ善子!」

 

善子ちゃんは近くに来た真也君をくすぐるらながらそう言う

 

「おーい!花丸ちゃーん!」

 

「曜ちゃんルビィちゃんは目が覚めたずら?」

 

「それが全くなんだ。そう言えば善子ちゃんと真也君は?」

 

「それなら此処に…あれ?居ないずら!?」

 

丸が振り返りさっきまで善子ちゃんと真也君が居た所を見るとそこには誰もいなかった

 

〜花丸side out〜

 

〜善子side〜

 

私は急に走り出した真也を追いかける

 

「急にどうしたのよ真也!?」

 

私がそう聞くと真也は止まった

 

「善子…おトイレ何処?」

 

(トイレ!?それで走ってたんだ。にしてもどうしよう、女子トイレに連れ込むわけにはいかないし、かと言って男子トイレに入って変態扱いされたらシャレにならないどうしよう)

 

私が困惑していると制服の袖を引っ張られる

 

「善子…もう出る」

 

「ちょ!?待って本当に待って!?…あーもう!仕方ない!連れて行ってあげるから乗りなさい真也!」

 

「うん」

 

真也をおぶり私はトイレに急いだ

 

「ふ〜、何とか間に合ったわね」

 

結局私が男子トイレに入る抵抗があるので真也には女子トイレでトイレを済ませてもらっている

 

「善子ちゃん?」

 

「!?なんだずら丸驚かさないでよ」

 

トイレに誰か来たと驚き振り返るとずら丸が居た

 

「驚いたのは丸の方ずら!振り返ったら善子ちゃんも真也君も居なくなってたから驚いたずら!」

 

それは悪い事したわね

 

「ごめん」

 

「もう良いずら、それと真也君の事ずらけど鞠莉ちゃんが必要なもの準備してくれるからその儀式?に必要なものを教えて欲しいそうずら」

 

「わかったわ、真也が出たら直ぐに部室に戻りましょう「善子終わった」ちゃんと手も洗ったのねそれじゃあ部室に戻るわよ」

 

「うん!」

 

そう言うと真也は私の手を掴む

 

「何?」

 

「千歌姉がみんなでいる時はこうしなさいって言ってたんだ。だからずら丸も!」

 

そう言われて私とずら丸は顔を見合わせる

 

「「わかったわ(ずら)」」

 

私とずら丸は真也と手を繋ぎながら部室に戻った

 

〜善子side out〜

 

〜ルビィside〜

 

「うゆ」

 

「あ!ルビィ起きた」

 

ルビィが目を覚ますと目の前に真君の顔があった

 

「ルビィやっと起きたのですね。もう部活も終わりましたし帰りますわよ」

 

「うん、千歌ちゃん達は?」

 

既に部室には私とお姉ちゃんと真君しか居ない

 

「千歌さん達なら既に帰りましたわ。わたくしはルビィを待っていましたが。それよりも、真也も帰りますわよ。わたくし達の家に来るのですから」

 

「はーい!」

 

お姉ちゃんとがそう言うと真君は走って外に出る

 

「真君泊まりに来るの?」

 

「ええ、千歌さんのご家族にも事情を説明しなければなりませんし。何よりルビィと居る時の真也がとても嬉しそうでしたわ」

 

もしかしてそれで千歌ちゃんはルビィの家に真君を?

 

「お姉ちゃん!ルビィ早く!」

 

「お姉ちゃん?」

 

「何故か真也に懐かれてしまいそう呼ばれているのですわ」

 

お姉ちゃんはルビィのお姉ちゃんなのに

 

「どうかしたんですのルビィ?」

 

「ううん、何でもないよお姉ちゃん」

 

ルビィはそう言ってお姉ちゃんと真君と帰った

 

「ルビィとお姉ちゃんのお家大きい!」

 

「一般的なものと比べるとやや大きいかもしれませんね。それと今日はお父様もお母様もいらっしゃらないので夕食はわたくしが用意いたしますわ。ルビィは真也を部屋に案内してあげてください。夕食が出来たら呼びに行きますわ」

 

「うん、行こ真君」

 

ルビィは真君の手を引いて真君の使う部屋に案内する

 

「此処が真君の使う部屋だよ」

 

ルビィが襖を開けると真君は中に入る

 

「広ーい!」

 

真君は部屋に入ると辺りを見回してそう言う

 

「お姉ちゃんが来るまでルビィと遊ぼう?」

 

「あそこ何が入ってる!」

 

「あ!真君そこは「わぁぁあ!」やっちゃった」

 

真君が布団が入っている襖を開けた途端中に入って居た布団が全部出て来て真君がその下敷きになった

 

「真君大丈夫!?」

 

「うう、重いよ〜」

 

ルビィが布団を退けて行くと真君がそう言う

 

「ルビィ、真也、夕食が出来まし…何があったんですの?」

 

「それが」

 

ルビィはお姉ちゃんにあった事を話す

 

「成る程それで、真也不用意に他の家の物を勝手に開けるものではありませんわ、次からはきちんと開けて良いかと確認をしてから開けてくださいね?」

 

「ごめんなさい」

 

「分かればよろしいのですわ。何はともあれ無事で良かったですわ」

 

お姉ちゃんはそう言って真君の頭を撫でると真君は気持ち良さそうに目を細める。それを見ているとモヤモヤした気持ちがした

 

「ふ〜、ルビィどうしちゃったんだろ」

 

その後もそのモヤモヤは取れずに何時もはお姉ちゃんと入っているお風呂にルビィは1人で入って居た

 

「ルビィ入りますわよ」

 

ルビィが湯船に浸かって居るとそう言ってお姉ちゃんが入って来る

 

「ふ〜、疲れが取れますわね。ルビィどうかしましたか?元気が無い様ですが」

 

お姉ちゃんはそう言ってルビィの隣に来る。ルビィはお姉ちゃんにルビィが思った事を全部話した

 

「モヤモヤですの?」

 

「うん、何でかわからないけど」

 

「それは良い事ですわ」

 

「良い事?」

 

ルビィがそう言うとお姉ちゃんは頷く

 

「それだけルビィが真也の事を大切に思っている証拠ですわ。ですから決して悪い事では無いですわ。此処からはルビィが自分で考えなさい」

 

そう言ってお姉ちゃんはお風呂を出て行く

 

(ルビィが自分で考える。ルビィの気持ち?…ああ、そっかわかったよお姉ちゃんルビィのモヤモヤ)

 

ルビィの中にあったモヤモヤしたのはルビィの嫉妬の気持ちだ。真君にお姉ちゃんを取られたみたいに、お姉ちゃんに真君を取られたみたいにルビィにはそう見えたんだだからモヤモヤしたんだ

 

「ちょっとのぼせっちゃった「わーいお風呂!」真君!?」

 

ルビィがお風呂から出ようとすると真君が入って来た

 

「ルビィ!一緒に入ろ!」

 

「ぴっ」

 

「ぴ?」

 

「ぴぎゃぁぁぁあああ!!」

 

そこでルビィの意識が途切れた

 

〜ルビィside out〜

 

ルビィが叫んでからしばらくすると大きな足音が聞こえて来た

 

「ルビィ何があったん…です…の?」

 

「お姉ちゃん?」

 

「はっ破廉恥ですわ真也!!早く服を着なさい!」

 

そう言ってお姉ちゃんは顔を赤くして顔を隠す

 

「お風呂に入るのに服を着るの?」

 

「へ?そうではなく…はぁ、わかりましたわ。一度服を着てください。わたくしとルビィが外に出てからお風呂に入って下さい」

 

お姉ちゃんはそう言うとルビィを連れてお風呂を出て行った




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45話

「ふぁ〜」

 

昨日はお姉ちゃんとルビィがいなくなった後お風呂入ってからすぐに寝たからいつもより早く起きた

 

「お姉ちゃん?ルビィ?どこ行ったんだろ?」

 

昨日教えて貰ったお姉ちゃんとルビィのお部屋を見たけど誰も居なかった

 

「お腹空いたけど…お姉ちゃんに勝手に開けちゃダメって言われたから待つ」

 

お姉ちゃんとルビィを待ってしばらくするとお家の電話が鳴る

 

「もしもし?」

 

『もしもし、真君良かった。ごめんねルビィもお姉ちゃんも朝練で早く家出ちゃって』

 

「朝練?」

 

初めて聞いたからそう聞く

 

『うん、それで真君のご飯なんだけど食堂のお盆の上に置いてあるから『ルビィちゃん続き始まるずら』今行くね花丸ちゃん。それじゃあお昼には戻るから』

 

ルビィはそう言って電話を切る

 

食堂の場所は昨日の夜ごはんの時に覚えたけど

 

「んー!んー!重い」

 

昨日はお姉ちゃんに椅子を持って来て貰ったけど今はお姉ちゃんがもルビィも居ないから1人でしないといけないんだけど椅子を持って行くだけで疲れるそれに

 

「寂しい」

 

叔父さん達のお家には僕以外にも沢山人が居るから寂しくないけど1人で食べるのは寂しい

 

(お姉ちゃん、ルビィ早く帰って来て)

 

僕はそう思いながらご飯を食べた

 

ご飯を食べ終わってからは何時もならお泊まりに来た人とお喋りをしてるんだけど此処には僕以外に誰も居ないのでやっぱり寂しいそこで

 

「いってきます」

 

僕もお姉ちゃんとルビィの居る場所に向かう事にした

 

「ねえ?ちょっとずら丸あれって」

 

「どうしたずら善子ちゃん?あれ?」

 

「善子!ずら丸!」

 

お姉ちゃんとルビィを探していると善子とずら丸を見つけたからそっちに向かって走る

 

「やっぱり真也なのね」

 

「でも変ずらルビィちゃんは家で待ってるって」

 

「1人が寂しかったからお姉ちゃんとルビィに会いに行きたくて出て来た。ちゃんと鍵も閉めたよ」

 

そう言って僕は善子とずら丸に鍵を見せる

 

「取り敢えず私は真也を連れてルビィの家に向かって鍵がちゃんと閉まってるか確認してから戻るからずら丸はルビィとダイヤの2人にこの事伝えて」

 

「わかったずら、真也君また後でね」

 

「うん、ばいばい」

 

ずら丸が見えなくなるまで僕は手を振る

 

「さてと、早く戻って鍵を確認したら直ぐに練習に戻るから行くわよ真也」

 

「うん!」

 

僕と善子はお姉ちゃんとルビィのお家の鍵が閉まっているか確認しに行った

 

〜花丸side〜

 

「ルビィちゃーん!ダイヤさーん!」

 

「「花丸ちゃん(さん)?」」

 

丸はルビィちゃんとダイヤさんの名前を呼びながら練習場所に戻る

 

「どうしたの花丸ちゃん?」

 

「それが」

 

丸はルビィちゃんに真也君と外で会った事を伝える

 

「真君外に居たの!?」

 

「ずら、何でも寂しかったからルビィちゃんとダイヤさんに会いに行こうとしてたみたいずら」

 

「そう言われると何も言わずに練習に向かったわたくしとルビィにも非がありますわね。真也には少し悪い事をしてしまったのかもしれませんわ」

 

ダイヤさんはそう言って苦笑いをする

 

「それにしても結構行動力があるのね真也君って」

 

「そこは千歌ちゃんの弟って感じがするね」

 

「そうかな?」

 

千歌ちゃん自覚ないずらね

 

「それじゃあ後は善子ちゃんが戻って来てからにしてもう少し休憩しようか「お姉ちゃーん!ルビィー!」善子ちゃん以外休憩は終わりみたいだね」

 

ルビィちゃんとダイヤさんめがけて走ってくる真也君のかなり後ろの方に居る善子ちゃんの姿を見ながら果南さんがそう言った

 

〜花丸side out〜




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46話

〜千歌side〜

 

「ほら帰ろ真也君」

 

「嫌!お姉ちゃんと一緒が良いの!」

 

練習も終わって帰る時間なのに真也君がダイヤさんから離れてくれない

 

「真也君やけにダイヤさんに懐いてるね?」

 

「特別何かしたわけではないのですが」

 

ダイヤさん自身どうして真也君がダイヤさんに懐くのかわからないらしい

 

「駄目なの!お姉ちゃんはルビィのお姉ちゃんなの!」

 

「お姉ちゃんはお姉ちゃん!」

 

挙げ句の果てにルビィちゃんとダイヤさんを取り合っている

 

「あの真也君のお姉さんは私なんだけど?」

 

「え?千歌姉は千歌姉だよ?」

 

「真也君、頼れるお姉さんが欲しかったのかもね」

 

あれ?それって

 

「梨子ちゃん私頼りないの?」

 

「わぁぁあ!千歌ちゃん!?待ってそう言う訳じゃなくてね!?その、真也君は千歌ちゃんの事ちゃんと頼ってると思うよ!ね!曜ちゃん!」

 

「うん!そうだよ千歌ちゃん!」

 

「曜ちゃん、梨子ちゃん」

 

落ち込む私を梨子ちゃんと曜ちゃんが慰めてくれる

 

「真也、明日何処かに遊びに連れて行って差し上げますわ。ですから今日は千歌さんの言う事を聞いてあげてくれませんこと?」

 

「お姉ちゃん…うん!」

 

ダイヤさんがそう言うと真也君は直ぐにダイヤさんから離れた

 

「それじゃあ帰ろっか真也君」

 

「うん!バイバイ!」

 

真也君はダイヤさん達に手を振りながらそう言った

 

〜千歌side out〜

 

「美渡お姉ちゃん!ただいま!」

 

僕はそう言って美渡お姉ちゃんに抱き着く

 

「お!本当に真也じゃねえか、まさか昨日千歌が言ってた事が本当だったとは」

 

千歌姉が何か言って居たみたいだけど何を言って居たかは教えてくれずに美渡お姉ちゃんは僕の頭を撫でる

 

「美渡姉信じてなかったの?」

 

「まあ、千歌だからな」

 

「千歌姉お帰り、へー、これが子供の頃の真也兄なんだ」

 

奥から知らない人が出て来た

 

「誰?」

 

「ああ、真也は知らないか。高海楓だ、歳は千歌の2つ下だ」

 

知らないうちにお姉ちゃんが増えて居た

 

「高海楓だよ宜しく真也君」

 

「うん!宜しくね楓お姉ちゃん!」

 

「可愛い!!」

 

そう言って楓お姉ちゃんは僕に抱きつく

 

「これ本当に真也兄なの?」

 

「まあ、子供の頃だからな」

 

「そうだね美渡姉」

 

楓お姉ちゃんがそう聞くと千歌姉と美渡お姉ちゃんが何故か遠い目をして居た

 

「千歌お帰り」

 

「志満お姉ちゃん!ただいま!」

 

「あら真也お帰り」

 

志満お姉ちゃんはそう言うと僕の頭を優しく撫でてくれた。そう言えば

 

「志満お姉ちゃんしいたけは?」

 

「しいたけなら外に居るわ「しいたけの所行ってくる!」もう直ぐ晩御飯だから早く戻ってくるのよ」

 

「はーい!」

 

志満お姉ちゃんにそう返事をしてしいたけの所に向かった

 

「しいたけただいま!」

 

「わん!」

 

「わ!」

 

しいたけは僕に気がつくと飛びついてきて舐め回す

 

「しいたけくすぐったいよ」

 

そう言うがしいたけは辞めてくれず結局帰りが遅い僕を心配して見に来た美渡お姉ちゃんが来るまで僕は舐められて居た

 

「お前ベトベトだなぁ、先に風呂入って来い」

 

「うん」

 

美渡お姉ちゃんにそう言われてお風呂に向かう

 

「美渡お姉ちゃんお風呂出たよ」

 

「ほーい、そう言や浴衣置いといたな結構似合ってんじゃん」

 

「そうかな?「真也上がったならご飯にしましょう」うん!」

 

志満お姉ちゃんにそう言われて僕は食堂に向かった

 

〜千歌side〜

 

「真也君お風呂上がったよ一緒に遊…もうしいたけたら」

 

真也君の部屋を覗くと真也君の隣でしいたけが寝て居た

 

「おやすみ真也君」

 

私はそう言って真也君の部屋の襖を閉めた

 

〜千歌side out〜




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47話

「うーん、重い」

 

次の日僕は全身に掛かる重みで目が覚めた

 

「おはようしいたけ」

 

「わん!」

 

重さの正体は何時の間にか僕の上に乗るしいたけだった

 

「しいたけ起きるから降りて」

 

僕がそう言うとしいたけは降りてくれた

 

「美渡お姉ちゃんおはよう」

 

「お!早いな真也、それに比べて彼奴は、真也千歌の奴を起こしてきてくれ呼んで起きなかったらしいたけ乗せて良いからそれでも起きなかったらお前も乗ってやれ」

 

「うん!行こしいたけ」

 

そう言って僕はしいたけと一緒に千歌姉を起こしに行く

 

「千歌姉朝だよ」バンッ

 

僕は千歌姉の部屋を勢いよく開けてそう言う

 

「千歌姉起きて!」

 

そう言って千歌姉を揺さぶるが起きてくれない

 

「行っちゃえしいたけ!」

 

「わん!」

 

そう言うとしいたけは千歌姉の姉に乗る

 

「千歌姉朝だよ!」

 

「もうちょっと…」

 

しいたけが乗っても起きなかったから僕も千歌姉の上に乗る

 

「ぐふ!重くなったねしいたけ…あれ!?なんで真也君まで!?」

 

「美渡お姉ちゃんがしいたけが乗っても千歌姉が起きなかったら僕も乗って良いって」

 

僕はしいたけを千歌姉から下ろしてそう言う

 

「美渡姉め文句言ってやる!ちょっと美渡姉!!」

 

千歌姉はそう叫んで下に降りて行く

 

「僕達も降りよっかしいたけ」

 

「わん!」

 

僕としいたけも千歌姉の後に続いて下に降りる

 

「酷いよ美渡姉!!真也君にそんな事言うなんて!」

 

「まさか本当にやるとは思わなかった、それにお前がちゃんと起きないのが悪いんだろ!いつも遅刻ギリギリで朝練に行きやがって!偶には誰もきてない時間から行ってみろ!」

 

「言ったな!今日は1番に行ってやる!」

 

下に降りると千歌姉と美渡お姉ちゃんがそんな話をしていた

 

「それで真也が起こしてくれたにも関わらず遅刻ですか?千歌さん?」

 

「ごめんなさい」

 

結局千歌姉は遅刻をしてお姉ちゃんに怒られている

 

「真也君頑張って起こしたんだね」

 

曜がそう言って僕の頭を撫でて褒めてくれる

 

「うん!でも曜、梨子はなんであんなに離れた所に居るの?」

 

今日はしいたけと一緒に千歌姉を送って来たんだけどしいたけが来てから梨子の様子がおかしい

 

「あー、梨子ちゃん犬苦手だから」

 

「そうなの?それじゃあ帰ろっかしいたけ」

 

「ごめんね真也君、でも良いの?今日はダイヤさんと遊びに行くんじゃなかったの?」

 

「?」

 

曜の言葉に疑問符を浮かべる

 

「あー、これは忘れてるね。じゃあね真也君、それと今日は私が迎えに行くからちゃんと待っててね!」

 

「うん!バイバイ曜」

 

僕はしいたけと一緒に家に帰った

 

〜曜side〜

 

千歌ちゃんへの説教が終わったダイヤさんは辺りを見渡す

 

「あの、ダイヤさん真也君なら帰ったよ?」

 

「え?そ、そうでしたか教えてくださってありがとうございます曜さん。それでは練習を始めますわよ!」

 

ダイヤさんは少し動揺した表情を見せたが直ぐに切り替えてそう言う

 

「もしかしてダイヤさん、楽しみにしてましたか?」

 

動揺した理由の真意を探る為にダイヤさんにそう聞く

 

「そ、そんな事ないですわ!さっさあ、練習を始めますわよ!」

 

あからさまに動揺してダイヤさんはそう言う

 

「ルビィちゃんダイヤさんもしかして」

 

「はい…ここだけの話お姉ちゃん楽しみだったみたいで昨夜も一生懸命服を選んでました…」

 

ルビィちゃんが耳元でそう言う

 

「ほら!ルビィも曜さんも早く来て下さい!」

 

「ダイヤ何時にも増して厳しくない?」

 

「そんな事無いですわ!今日は基礎からみっちりやりますわよ!」

 

うわぁ、こりゃ大変だなぁ

 

「あれ?ダイヤ、真也君と遊びに行くん「果南ちゃんストップ」曜?」

 

私は果南ちゃんが言い切る前に止めて練習をダイヤさんに練習を始めて貰う

 

「なんかあったのダイヤ」

 

「実は」

 

私は真也君がダイヤさんとの約束を忘れて帰った事を伝える

 

「それでダイヤ…はぁ、午後から行けば良いのに相変わらずだなぁ」

 

果南ちゃんはそう言いながらため息をついて肩を落としダイヤさんに近づく

 

「ダイヤ、残りは明日にして今日は終わりにしよ。今日は元々お昼までって言ってたから誰もお弁当持って来て無いだろうし」

 

「そうですわね…それでは残りは明日にして今日は終わりにしましょうか」

 

そう言ってルビィちゃんと帰ろうとするダイヤさんを果南ちゃんが止める

 

「曜に聞いたよ真也君約束忘れてたんだってね」

 

「な!?そっそんな事はどうでも良いのですわ!「お姉ちゃーん!」真也?」

 

遠くからダイヤさんを呼びながら走って来る真也君が見える服装も朝とは違って居た

 

「どうしたのですか?「遊びに行くんでしょ!」へ?そうでしか?」

 

あれ?真也君ダイヤさんと遊びに行く事覚えてる?もしかして

 

「真也君もしかしてだけど、しいたけ連れて帰っただけ?」

 

「うん、それとパジャマを着替えに行ってた」

 

あれパジャマだったんだ、普通に外も出歩ける格好なのに

 

「なんだ曜とダイヤの勘違いだったんだ」

 

「いっ今さら来ても遅いですわ」

 

ダイヤさんは顔を晒しながらそう言う多分今の顔を見られたく無いのだろう

 

「真也君こう言う時は何も言わずに一緒に何処かに行けば良いよ」

 

「わかった!お姉ちゃん!」

 

「ちょっと真也!何処に行くんですの!?」

 

私がそう言うと真也君はダイヤさんの手を取って走って行った

 

「何も言わずにとは言ったけど目的地は伝えないと」

 

だんだん見えなくなっていくダイヤさんと真也君を見てそう呟く

 

「曜の言い方も悪かったのかもしれないわね」

 

「うん、そうなんだけど…あの状況どっちが歳上なのかわからなかった」

 

「私もかな」

 

私と果南ちゃんの会話を聞いて千歌ちゃん達は苦笑いを浮かべていた




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48話

〜ダイヤside〜

 

「真也何処に向かうのですの!?」

 

そう言って思わずわたくしは真也の手を振り払う

 

「曜が言ってた何も言わずに一緒に何処かに行けばお姉ちゃん喜ぶってだから」

 

真也が残念そうな表情をしてそう言う

 

(曜さんが?まあ確かにさっきのはそれで良いのかも知れませんが)

 

そう思って居ると電話が鳴る

 

「メール?こんな時に…成る程…」

 

差出人は曜さんで『真也君私の言ったのを何も言わずに連れ出せば良いと思ったみたいなんです。真也君なりにダイヤさんに喜んでもらおうとしてると思うのでそのままで居てあげて下さい』と書かれてあった

 

「先程はすみません真也、わたくしを何処に連れて行ってくれるのですか?」

 

「うん!こっち!」

 

わたくしがそう言うと真也は笑顔になりまたわたくしの手を引いて走り出した

 

「まだですの真也?」

 

「もうちょっと!」

 

真也にそう言われてわたくしと真也は森の中を歩いて行く

 

「着いたよ!」

 

「そうですか、こんな所があったのですね」

 

真也に連れてこられたのは峠の上にある大きな花畑だった

 

「此処はいつ見つけたのですか?」

 

「ルビィと遊んでる時!!」

 

ルビィと遊んでる時と言う事は子供の頃と言う事ですか

 

「お姉ちゃん此処ならゆっくり出来る?」

 

「どう言う事ですの?」

 

「お母さんが疲れた時は静かな場所でゆっくりするのが一番だって言ってたから」

 

成る程それで真也はわたくしを此処に

 

「そうですね、此処ならゆっくり過ごせそうですわ」

 

「良かった」

 

わたくしがそう言って地面に座ると真也は余程嬉しかったのか本当に嬉しそうに笑う

 

「それじゃあ僕あっちで遊んでくるね!」

 

「あまり遠くまで行っては行けませんよ」

 

「はーい!」

 

真也はわたくしの見える範囲で遊んでいる

 

「ふー、そう言えば最近は生徒会の仕事やスクールアイドルの事でいっぱいいっぱいでこんな時間は無かったですね」

 

そう言ってわたくしは服が汚れる事も気にせずに地面に寝転ぶ

 

「風が気持ちいいですわ、それに少し眠くなって…来ました…」

 

わたくしの意識はそこで途絶えた

 

〜ダイヤside out〜

 

「お姉ちゃん?」

 

僕が戻るとお姉ちゃんが寝て居た

 

「良かった、お姉ちゃんも喜んでくれて」

 

そこで寝て居るお姉ちゃんの顔は笑って居る

 

「ふぁ〜、お昼に眠るなんていつぶりでしょうか」

 

お姉ちゃんは大きな欠伸をして起きる

 

「ゆっくり出来たお姉ちゃん?」

 

「ええ、しっ真也!?いつから居ましたの!?」

 

お姉ちゃんは僕が居ると思ってなかったのか顔を真っ赤にする

 

「ずっと居たよ?」

 

「ずっとですの?」

 

「うん、お姉ちゃんが寝てる時からずっと」

 

僕がそう言うとお姉ちゃんは更に顔を赤くした

 

「こっこの事はルビィや皆さんには内緒で」

 

「どうして?」

 

「この歳になってお昼寝なんて恥ずかしくてとても人に言えませんわ!」

 

お姉ちゃんは両手で顔を隠しながらそう言う

 

「うん、千歌姉にも言わない」

 

「ありがとうございます真也、さて今日は曜さんのお家でしたわね?早速向かいましょうか」

 

「うん!」

 

僕はそう言ってお姉ちゃんの手を持って曜の家に向かった

 

「確かこの辺りでしたわね「ダイヤさーん!真也くーん!」曜さん良かったですわ」

 

曜は家の前で僕とお姉ちゃんを待って居てくれたらしい

 

「それでは曜さん後は頼みました」

 

曜にそう言ってお姉ちゃんは帰る

 

「それじゃあ真也君入ろっか」

 

「うん!あれ?曜のお父さんとお母さんは?」

 

中に入っても誰も居なかったから曜にそう聞く

 

「ああ、お父さんもお母さんも今日は遅いんだ」

 

「寂しくないの?」

 

「うーん、全然って言ったら嘘になるかな?でもそれだけ私の為に頑張ってくれてるんだってそう思えるよ」

 

曜はそう言って笑う

 

「曜は強いんだね」

 

「あはは、そうかもね。よし!それじゃあさっさとご飯済ませて遊ぼっか!」

 

「うん!」

 

曜の言葉に僕は頷いた

 

〜曜side〜

 

「真也君もう限界?」

 

「うん、限界」

 

いつもより早い夕食を終えて真也君とトランプをして居たが真也君が時々うとうとして居たけどやっぱり眠かったんだ

 

「それじゃあ寝よっか」

 

「うん」

 

そう言って真也君は私の部屋に敷いてある布団に入ると余程眠かったのか直ぐに眠りに就く

 

「ちょっと失礼して」

 

小声でそう言って真也君の布団に入る

 

「可愛いなぁ、弟が居たらこんな感じなのかな?」

 

私はそんな事を思いながら眠りに就いた

 

〜曜side out〜




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49話

〜曜side〜

 

「曜起きて!」

 

「ん〜、真也君もうちょっと」

 

私は真也君に布団から出されるがそう言ってまた布団に入る

 

「お姉ちゃん曜起きないよ?」

 

「そうですか、仕方がありませんわね真也わたくし達は先に行きましょうか」

 

待って今聞こえる筈のない声が聞こえた!?

 

「ダイヤさん来てたの!?」

 

「曜さん起きましたか今の時間を見て下さい」

 

そう言われて電話で時間を確認すると朝練の時間が過ぎて居た

 

「全く、いつも来てる曜さんが居ないので心配して来てみれば寝坊ですか?」

 

「あはは、昨日遅くまで衣装作ってたからかな?」

 

本当は衣装なんて作って居ないけどそれくらいしか言い訳が出てこなかった

 

「次の衣装ですの?なら仕方ありませんわね」

 

あれ?意外と信じてもらえた!?

 

「あのダイヤさん寝坊です」

 

「やはりそうでしたか、昨夜衣装を作って居た形跡がないのでそう思って居ましたわ」

 

ダイヤさんにはバレちゃってたか

 

「早速着替えて行きますわよ練習時間もありませんし今回が初めてと言う事なので大目に見ますが次からは気をつけてくださいね」

 

「真也君なら初っ端から追加メニューだったかも知れませんね」

 

「ふふ、そうですわね「お姉ちゃん!曜!早く!!」今行きますわ、真也もこれ以上待てない様ですし行きましょうか」

 

「そうですね」

 

私はそう言ってダイヤさんに真也君と一緒に家を出た

 

〜曜side out〜

 

「それにしても曜ちゃんが遅刻なんて珍しいね」

 

「そうね、何かあったの?」

 

「いやー、それが自分が寝る隣に男の子が居るのってなんか緊張しちゃってさ中々寝付けなかったんだ」

 

バスに乗って学校?に向かっている時に後ろの千歌姉達からそんな話が聞こえて来た

 

「曜…もしかして嫌だった?」

 

「全然!むしろもうちょっと居てくれても良いくらいだよ!あの抱き心地がたまんなかったんだよねー」

 

「良かった、抱き心地…それで曜朝僕のお布団に居たの?」

 

僕がそう聞くと曜から汗が止まらなくなる

 

「曜暑いの?」

 

「これは暑いのとは別の汗だよ真也君…うわぁ、千歌ちゃんとルビィちゃんからの視線が凄い…」

 

「曜?」

 

「何でもないよ!何でも、あはは」

 

曜はそう言って笑うがその笑った顔は何処か無理をしている様に見える

 

「真也君今日は丸のお家ずら一緒に帰ろ」

 

「うん!よろしくずら丸!」

 

ずら丸と一緒に帰る約束をして僕は学校に着くのを待った

 

〜千歌side〜

 

「ふ〜、何とか間に合ったよ」

 

私が教室に入るのと同時にチャイムが鳴る

 

「それで真也君どうだった?」

 

移動教室で音楽室に向かっている途中に梨子ちゃんが真也君の事を聞いてくる

 

「う〜ん、部室に着くまでは楽しそうにしてたけど部室から私が出る時はちょっと寂しそうにしてたかな」

 

「やっぱり寂しいのかな?」

 

「そうかも、和叔母さんもそんな事言ってた記憶あるし」

 

昔和叔母さんがそう言ってた事を思い出しながら曜ちゃんにそう言う

 

「考えてもしかたないか、早くしないと授業始まっちゃう!急げー!!」

 

「「待ってよ千歌ちゃん!!」」

 

急いで音楽室に向かう私を梨子ちゃんと曜ちゃんが追いかけて来る

 

〜千歌side out〜




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50話

千歌姉が部室に連れて行ってくれて暫くして部室の扉が叩かれる

 

「はい?」

 

「Hello!真也元気かしら?」

 

「鞠莉?それと黒い服の人?」

 

扉を叩いたのは鞠莉だった一緒に黒い服を着た人が隣に居てその人は大きな箱とお菓子を沢山持っている

 

「此処に入ってるジュースにこのお菓子は好きに食べて頂戴ごめんなさいねこれくらいしかしてあげられなくて」

 

鞠莉はそう言って僕の頭に手を置く

 

「ううん!すっごく嬉しいよ!ありがとう鞠莉!」

 

「良かったわ、私はまだ授業があるから教室に戻るわね」

 

「バイバーイ!」

 

そう言って僕は鞠莉が見えなくなるまで手を振る

 

「わあ!美味しい!それに面白い形のも沢山入ってる!ねえ、千歌姉!そっか…千歌姉居ないんだ」

 

そう思うとやっぱり寂しい千歌姉には此処はお勉強をする所だから此処から出たらダメだって言われてたけど

 

「うう、千歌姉「真也くーん!!」千歌姉!!」

 

そう言って部室に入って来た千歌姉に飛びつく

 

「真也君お昼一緒に食べよ!」

 

「うん!でもお弁当持って来てないよ?」

 

「鞠莉ちゃんが準備してくれるって!それにしてもどうしたの?このお菓子とジュース?」

 

千歌姉が部室を出るまでは無かったお菓子とジュースを見てそう聞く

 

「あのね!鞠莉と黒い服の人が持って来てくれたんだ」

 

「鞠莉ちゃんが?それに黒い服の人?そっか、良かったね「「千歌ちゃーん!!」」曜ちゃん!梨子ちゃん!」

 

そこに曜と梨子も来た

 

「そう言えば真君は何してたの?」

 

お姉ちゃんやルビィ達も部室に来て一緒にお昼を食べてるとルビィがそう聞いてくる

 

「えっと、お菓子を食べて…ジュースを飲んで…それから、あ!ルビィ達の絵を描いたよ!」

 

「へー、私達か真也君ちょっと見せてくれる?」

 

「あー!果南ちゃんだけずるい!千歌も千歌も!!」

 

「うん!」

 

果南と千歌姉にそう言われて僕は千歌姉達の絵を取りに行く

 

「これが果南で、こっちがお姉ちゃんで、これが鞠莉と黒い服の人、これが曜で、こっちが梨子、それと千歌姉、これがルビィと善子それとずら丸だよ」

 

僕は自分の描いたよそれぞれの絵をみんなに渡す

 

「ありがとう真也君」

 

「ちょっと恥ずかしいね」

 

「そっそうね…可愛い…」

 

「よく描けてますわ真也」

 

「凄いずら真也君」

 

「excellent!とっても上手ね真也」

 

「ルビィ大切にするね」

 

「ありがたく頂くわリトルデーモン」

 

「期間限定でうちの店の前に飾ろうかな」

 

みんながそう言って僕を褒めてくれる

 

「えへへ、良かった」

 

「この後また少しの間1人にしちゃうけど次はもっと早く戻って来れるからまた此処で待っててね」

 

「うん!いってらっしゃい!」

 

僕はそう言って千歌姉達に手を振る




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51話

〜花丸side〜

 

「ずら丸起きて!」

 

「んー、後もう少し「ルビィから電話来てるよ?」ルビィちゃんからずら?」

 

そう言って丸は真也君から電話を受け取る

 

「もしもしずら?」

 

『花丸ちゃん!?もう練習始まってるよ!?早く来ないとバスにも間に合わないよ!?』

 

「本当ずら!?今から急いで行くずら!!」

 

やっぱり昨日の夜遅くまで起きて宿題をしてたのが悪かったのか起きたのは遅刻ギリギリの時間だった

 

「ずら丸お弁当!!」

 

「あわわ!いってきますずら」

 

丸はそう言って家を飛び出した

 

「はぁはぁ、疲れたずら」

 

結局練習には間に合わなかったけどバスには間に合った

 

「お疲れ花丸ちゃん、それにしても花丸ちゃんが遅刻って珍しいね?何かあったの?」

 

千歌ちゃんが丸にそう聞いてくる

 

「それが昨日の宿題でわからない所があって…気がついたらもう夜中になってたずら。真也君が同じ歳なら学校で聞けたずら」

 

「そうね、彼奴頭良いものね」

 

「改めて真也さんの存在が如何にありがたいのかわかりますわね」

 

ダイヤさんの言う通りずら

 

「そんなみんなに朗報よ、実はもうすぐ儀式に必要な物が全て揃うわ」

 

「それじゃあ、もうすぐ真也君は元に戻るの!!」

 

「Yes!でも最後の私の番が終わるまでは集まっても使うつもり無いわ」

 

鞠莉さんがそう言うと梨子さんと果南さん、善子ちゃんが安心した顔をする

 

「今日は私の家か、花丸ちゃんお寺までの案内よろしくね」

 

「はい!わかりましたずら」

 

果南さんの言葉に丸はそう返した

 

〜花丸side out〜

 

「真也君もうすぐお昼よ」

 

「うん!今行く!」

 

僕はずら丸のおばあちゃんにそう言われて手を洗いに行く

 

「美味しい!ありがとうおばあちゃん」

 

「どういたしまして、貴方って本当に美味しそうに食べるわね。そう言う所花丸にそっくりだわ」

 

僕とずら丸が似てる?そうなのかな?

 

「花丸が帰って来るまでまだ時間があるけどあまり遠くに行っちゃダメよ」

 

「はーい!」

 

僕はそう言って外に出る

 

「にゃー」

 

「猫さん!」

 

そこに一匹の白い猫が来た

 

「一緒に遊ぼう?」

 

そう言うと猫さんは神社の近くにある森の中に入って行ったので僕もそれを追いかけて森の中に入った

 

〜果南side〜

 

「「真也くーん!!」」

 

私は花丸ちゃんは神社に到着したが何処にも真也君の姿が見当たらない

 

「おばあちゃんが言うには最後はこの辺りで遊んでたらしいずら、まっまさか誘拐ずら!?」

 

「花丸ちゃん落ち着いてきっと近くに居るから」

 

そう話していると近くの茂みが揺れる

 

「しっ真也君ずら?」

 

「きっきっとそうだよ」

 

そう言って茂みに手を入れて中に居る何かを掴む

 

「果南?ずら丸?」

 

「「真也君!!」」

 

やっと真也君が見つかり私と花丸ちゃんは勢いよく真也君に抱きつくそのお陰で

 

「ドロドロずら」

 

「あはは、真也君がドロドロなの忘れてたね」

 

真也君がドロドロになってる状態で抱きついたから私達までドロドロになってしまった

 

「果南さんもシャワー浴びて行くずら?」

 

「ううん、家で浴びるよそれじゃあね、花丸ちゃん」

 

「バイバイずら丸!!」

 

そう言って私は真也君を連れて家に帰る

 

「そう言えば真也君はなんであんなにドロドロだったの?」

 

私は真也君を洗いながら気になっていたことを聞く

 

「えっと、猫さんと一緒に遊んでたらいつのまにかこうなってた」

 

猫と遊んでてドロドロになっちゃったんだ

 

「そっか、頭の泡流すから目瞑っててね」

 

「うん」

 

真也君が目を瞑ったのを確認して私は泡を流した

 

「真也君…もう寝ちゃったんだ」

 

晩御飯を食べ終え部屋に案内した後洗い物も終わったので真也君と遊ぼうと思って部屋に行くとよっぽど疲れていたのか真也君は既に寝ていた

 

「おやすみ真也君」

 

私は部屋の明かりを消してそう言うと静かに部屋の扉を閉めた

 

〜果南side out〜




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52話

〜果南side〜

 

「真也君私は朝練に行くけど真也君も行く?今日は梨子ちゃんの家だし千歌の家で待ってれば良いしさ」

 

「行く!」

 

朝練に行く前に起きて来た真也君にそう聞くと考える時間も無しで即答される

 

「そっか、それじゃあどっちが早く着くか競争しよっか」

 

「うん!」

 

「よーい、どん!」

 

私がそう言って走り出すと真也君も負けじと追いかけて来る

 

「ふ〜、私の勝ちだね」

 

「それは果南が先に走ったから一緒に走ってたら僕が勝ってたもん」

 

真也君は不貞腐れた顔でそう言う。実際先に私が走り出したから勝てた。それでも真也君に抜かされそうになった為本気で走った。理由としては大人気ないかも知れないけど負けたくなかったからだ

 

「ごめんごめん、ほらあっちでジュース買ってあげるから機嫌直してよ真也君」

 

「い…いらない」

 

真也君は一瞬嬉しそうな表情をしたが直ぐに私から顔を晒してそう言う

 

「果南さん何をしているんですの?」

 

「ダイヤ実は」

 

そこに来たダイヤに事情を話す

 

「はぁ、果南さんの負けず嫌いは今に始まった訳では無いですけどまさか5歳の真也を相手に本気で走るとは、負けず嫌いを通り過ぎて大人気ないですわね」

 

自分でもそう思うよでもなんとか真也君のご機嫌を取らないと

 

「真也」

 

「お姉ちゃん?」

 

「真也男の子がそんな事で落ち込んではいけませんよ。果南さんはわたくしが叱っておいてあげますから貴方は沢山走って疲れたでしょうし何か買って来てはどうですか?」

 

「わかった」

 

あれ?私があれだけ謝っても機嫌が治らなかった真也君の機嫌が治った!?

 

「ありがとうダイヤ」

 

「いえ、このくらい構いませんわ。一先ず真也が戻るまでわたくしに怒られている振りだけでもしておいて下さい」

 

ダイヤにそう言われて私は砂場で正座をする

 

「お姉ちゃんただいま」

 

しばらくすると真也君が戻って来たどうやらもう機嫌も治った様だ

 

「真也君さっきは私も大人気なかったよごめんね」

 

「僕もごめんなさい」

 

私がそう謝ると真也君も私に謝ってくれた

 

〜果南side out〜

 

〜梨子side〜

 

学校が終わり千歌ちゃんと一緒に真也君を迎えに行く

 

「「ただいま(こんばんわ)」」

 

「「おー、お帰り千歌(千歌姉)」」

 

そう言って美渡さんと楓ちゃんが出て来る

 

「美渡姉真也君は?」

 

「ん?真也なら私が帰った時は向こうでしいたけと遊んでたけど、もしかして居ないのか?」

 

「うん、しいたけも居ないし。リードも無かったからてっきり美渡姉か楓ちゃんが散歩にでも行ったんだと思ってたんだけど」

 

リードが無いから私もてっきりそうだと思ったんだけど、どうやら違うらしい

 

「どうしよう美渡姉!?しいたけはたまに1人で散歩とか行くからともかく真也君まで居ないのは問題だよ!」

 

「だな、まさか誘拐か!?」

 

「美渡姉こんな時にまでふざけないで!でも本当にどこ行っちゃったんだろ真也兄もしいたけも」

 

そう言って心配する楓ちゃん

 

「ただいま志満お姉ちゃん」

 

「ワン!」

 

すると真也君がしいたけを連れて帰って来た

 

「真也兄!?しいたけ!?何処行ってたの!?」

 

「しいたけの散歩だけど?どうかしたの楓お姉ちゃん?」

 

真也君が疑問符を浮かべながらそう言う

 

「ちょっと待て?お前今志満姉にただいまって言ったよな?もしかしてお前にしいたけの散歩頼んだのって」

 

「うん、志満お姉ちゃんだよ?」

 

真也君がそう言うと楓ちゃん達はため息を吐く

 

「志満姉そう言うのは私に言ってくれれば良いのに」

 

「最初はそうしようとしてたんだけどね美渡お姉ちゃんはお仕事から戻ったばっかりだから僕が行くって志満お姉ちゃんに言ったんだ!」

 

それじゃあ真也君美渡さんが少しでも休む為に?

 

「真也お前…ありがとな」

 

美渡さんはそう言って真也君の頭を撫でる

 

「それじゃあ帰りましょうか真也君」

 

「うん!じゃあね!美渡お姉ちゃん!楓お姉ちゃん!千歌姉!」

 

「「「真也(真也君)(真也兄)その子(梨子さん)(梨子ちゃん)に迷惑かけちゃダメだよ!」」」

 

千歌ちゃん達はそう言って真也君を送り出す

 

夕食も食べ終えて私の部屋で真也君とトランプをしているとそろそろ眠いのかうとうとし始める

 

「真也君そろそろ寝ましょう…その前に」

 

「?」

 

そう言って立ち上がりベランダに出る私に真也君は着いて来る

 

「あ!梨子ちゃん!今日は真也君と寝るんだ!」

 

「うん、そうなんだ千歌ちゃん真也君危ないから辞めて!?」

 

私が千歌ちゃんと話していると真也君が乗り出して千歌ちゃんと直接話そうとして居たのを慌てて止める

 

「あはは、ごめんね梨子ちゃん」

 

「ごめんなさい」

 

「気にしないで千歌ちゃん、真也君も次気をつけてくれれば良いから」

 

「うん」

 

相当に眠いのか真也君は時々目を擦る

 

「真也君も眠いみたいだし今日はおしまいにしましょうおやすみ千歌ちゃん」

 

「おやすみ梨子ちゃん、真也君」

 

千歌ちゃんが窓を閉めたのを見て私も部屋の窓を閉める

 

「真也君…ふふ、本当に眠かったのね」

 

私が振り向くとそこにはベットの上で寝る真也君の姿があった

 

「ちょっとだけ…そうちょっとだけ…」

 

そう言って真也の隣に寝転ぶ

 

(弟が居たらこんな感じなのかしら?)

 

そう思いながら私は眠りに就いた




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53話

「ん〜、苦しい」

 

曜の家と同じ感覚で起きる

 

「梨子、梨子起きて苦しいよ」

 

「ん〜、お母さんあと少し」

 

いくら呼んでも梨子は起きてくれないそれに次第に力が強くなっていく

 

「梨子起きてってば!」

 

そう言って頭の上にあった枕を梨子の顔に押し付ける

 

「!!」

 

梨子が苦しさの余り僕から手を離したのを見て僕は梨子の顔から枕を退ける

 

「ぷはあ!はぁはぁ、死ぬかと思った。あれ?どうして私真也君の隣に…そうだった!私真也君の隣に寝転がってそのまま寝ちゃったんだ!!」

 

「梨子おはよう」

 

「おはよう真也君、何か怒ってない?」

 

梨子がそう聞いてくる

 

「…くれなかったもん」

 

「ごめんなさい聞こえなかったわ」

 

「だって苦しいって言ってるのに梨子が離れてくれなかったんだもん!」

 

僕は怒鳴る様に梨子にそう言った

 

「そっそうなんだ、ごめんね真也君」

 

「知らない!」バンッ

 

そう言って僕は梨子の部屋から出た

 

「あらおはよう真也君、さっき物凄い音聞こえたけど梨子と何かあったの?」

 

下に降りると梨子のお母さんがおたまを持った状態でリビングから顔を出す

 

「ううん、何でもない。あ!ご飯!」

 

「お家に帰る前に食べて行きなさい。梨子も起きてないみたいだし」

 

「うん!それと梨子なら起きてるよ」

 

僕は梨子のお母さんの言葉に頷いてそう言う

 

「あの子が起きてすぐに降りて来ないなんて珍しいわね?梨子降りて来なさーい」

 

「今行く」

 

上からそう声が聞こえる

 

「おはよう梨子」

 

「おはよう…お母さん」

 

梨子は降りて来てお母さんに挨拶をするが心なしか元気がない

 

「ほら梨子、眠いなら顔でも洗って来なさい」

 

「うん」

 

そう言って梨子は顔を洗いに行く

 

「ごちそうさま!」

 

「もう食べ終わったの?それじゃあ気を付けて帰ってね」

 

「うん!お邪魔しました」

 

「またいつでも遊びに来てね」

 

梨子のお母さんの言葉に頷いて僕は扉を閉める

 

〜梨子side〜

 

「はぁ、失敗したなぁ」

 

まさか真也君があそこまで怒るなんて

 

「よし!今度こそおはようお母さん真也…あれ?お母さん真也君は?」

 

「真也君なら今帰ったわ流石男の子ね朝ごはんをあんなに早く食べ終わるなんて」

 

あの数分で食べ終わったんだ早いなぁ

 

「所で梨子、結局真也君と何があったの?」

 

ああ、真也君話してないんだ

 

「実はね…」

 

私は朝部屋であった事をお母さんに話す

 

「それで元気がなかったのね。真也君に嫌われちゃって」

 

「自分じゃ分からないけどそうなのかな?」

 

ダメだ幾ら考えてもわからない

 

「取り敢えず朝ご飯食べちゃいなさい朝練に遅刻するわよ」

 

「わかった」

 

お母さんにそう言われて私は朝食を食べて始めた

 

〜梨子side out〜

 

「美渡お姉ちゃんただいま!」

 

家に着くと美渡お姉ちゃんが上から降りて来た

 

「お帰り真也、もう朝ご飯食べて来たのか?」

 

「うん!楓お姉ちゃんもただいま!」

 

美渡お姉ちゃんが降りて来てから楓お姉ちゃんも降りて来る

 

「おはよう真也君、美渡姉千歌姉まだ寝てるの?」

 

「多分な、それに比べてお前は早いな真也少しは千歌も見習って欲しいもんだ」

 

美渡お姉ちゃんはそう言ってまだ寝ているであろう千歌姉の居る二階を見ていた




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54話

「千歌姉!早く起きないとまたお姉ちゃんに怒られるよ!」

 

この間と同じ様に美渡お姉ちゃんに頼まれてしいたけと千歌姉を起こしに行く

 

「う〜ん、真也君後5分だけ」

 

「しいたけ!」

 

「ワン!」

 

僕がそう言うとしいたけは千歌姉の上に乗る

 

「う〜、しいたけ重いよ」

 

千歌姉がそう言いながら起きたのでしいたけに退いて貰う

 

「おはよう千歌姉」

 

「ふぁ〜、おはよう…真也君」

 

まだ寝起きなので千歌姉の目は半分くらいしか開いていない

 

「おっ!お疲れ真也、千歌梨子ちゃんが来てるから早く行ってやれ」

 

「はーい、じゃあ行ってくるね〜」

 

千歌姉はそう言って梨子と練習に向かった

 

「おーい!居るか千歌?あのバカ弁当忘れて行きやがったよ」

 

少しして美渡お姉ちゃんが千歌姉のお弁当を持って来た

 

「どうするの美渡姉?」

 

「楓かどうすっかな?そう言や真也お前千歌達が練習してる場所知ってるんだよな?」

 

美渡お姉ちゃんにそう聞かれて僕は頷く

 

「悪いけどこの弁当千歌に届けてやってくれないか?」

 

「うん!わかったよ美渡お姉ちゃん!いってきます」

 

そう言って千歌姉を追いかけて家を出る

 

〜千歌side〜

 

「ふぁ〜」

 

「どうしたの千歌ちゃん随分と眠そうね?」

 

練習場所に向かっている途中に欠伸をする私に梨子ちゃんがそう聞いてくる

 

「実はさっき起きたばっかでまだ眠いんだ」

 

「そうなんだ、着いたわ「もうダメ、おやすみ」千歌ちゃんもうみんな来てるわよ!?起きて千歌ちゃん!」

 

そう言って梨子ちゃんが私の体を揺さぶるが眠気の方が強い

 

「千歌姉〜!」

 

「真也君?…」

 

曜ちゃんが誰かの名前を呼ぶけど途中で完全に寝てしまって誰かは分からなかった

 

〜千歌side out〜

 

僕が練習場所に着くと千歌姉も曜達も居た

 

「千歌姉〜!」

 

「真也君?どうしたの!」

 

最初に僕に気付いた曜がそう言って近づいて来る

 

「千歌姉お弁当忘れてるよ?」

 

「う〜ん、あっありがとね真也君」

 

千歌姉はそう言ってお弁当を受け取って鞄に入れる

 

「千歌姉まだ眠い?」

 

「うん、まだ眠いかも」

 

そう言って千歌姉は目を擦る

 

「真也君…今朝はその…ごめんなさい」

 

梨子が謝ってるのは梨子の部屋での事だと思う

 

「ううん、僕もごめんね梨子。ほら起きて千歌姉!」

 

そう言って地面に座り込んで眠そうにする千歌姉を起こす

 

「もう…ちょっと…」

 

「千歌ちゃん…もう真也君が千歌ちゃんのお兄さんかお父さんに見えてきたよ」

 

「そうね、私も時々そう見えるわ」

 

梨子と曜が何か話しているけど声が小さくて聞こえない

 

「曜さん、梨子さん、真也」

 

「「「お姉ちゃん((ダイヤさん))」」」

 

痺れを切らしたお姉ちゃんがこっちに来る

 

「千歌さんは遅刻扱いにするので梨子さんも曜さんも練習に参加して下さい」

 

「「わっわかりました」」

 

お姉ちゃんがそう言うと曜と梨子も練習に参加しに行く

 

「真也貴方も帰って大丈夫ですわ、後はわたくし達に任せてください」

 

「うん、ありがとうお姉ちゃん」

 

そう言って千歌姉をダイヤさんに任せて僕は家に帰った

 

〜千歌side〜

 

「う〜ん、此処は「やっと起きましたか千歌さん」だっダイヤさん!?どうしてダイヤさんが!?」

 

「覚えてないの千歌ちゃん?」

 

梨子ちゃんにそう言わるけど何の事かわからない

 

「ごめんなさい」

 

「全く、せっかく真也が起こしてくれたと言うのに彼方と言う人は、大体何が原因で寝坊したんですの」

 

声を聞いただけで分かるダイヤさんは今物凄く怒ってる

 

「それが良い歌詞が思いついたんだけど書き終わったのが真夜中で、その代わり良い歌詞が出来ました!歌詞も昨日のうちに鞄の中に入れてます」

 

私は鞄を開けて歌詞の書いたノートを出してダイヤさんに渡す

 

「確かに良い歌詞は出来ていますが…それとこれとは話が別ですわ!」

 

「う!確かに」

 

ダイヤさんからの説教は学校に着くまで続いた

 

〜千歌side out〜




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55話

「美渡お姉ちゃんただいま!」

 

僕は今からお仕事に行く美渡お姉ちゃんにそう言う

 

「お!帰ったか真也それで千歌に弁当渡せたか?」

 

「うん!」

 

「そうか、偉いぞ」

 

そう言って美渡お姉ちゃんは僕の頭を撫でる

 

「私は仕事に行くから今日世話になる家の善子ちゃんが来るまでおとなしくしてるんだぞ」

 

そう言って美渡お姉ちゃんは車に乗る

 

「わかった!いってらっしゃい美渡お姉ちゃん!」

 

車が見えなくなるまで僕は外で手を振った

 

〜善子side〜

 

「千歌私は帰るわね」

 

「待って善子ちゃん私も「千歌さんは追加メニューが終わるまで返しませんわ!」そんなー!善子ちゃんお願いだから追加メニュー終わるまで待って!」

 

千歌がそう言って私を止めるが

 

「悪いけど待ってたらいつになるかわからないし帰るわ」

 

「「待って(ずら)善子ちゃん!」」

 

そう言って部室を出る私をルビィとずら丸が追いかけて来る

 

「別に来なくて良かったのよ?」

 

「昨日善子ちゃんのお家にお泊りする約束したの忘れたずら?」

 

そう言えばそんな約束した気がする

 

「ずら丸はわかるけどルビィは良く許してもらえたわね?」

 

名家ってそう言うの厳しそうと思ってたけど案外そうでも無いのかしら?

 

「お姉ちゃんも一緒になって頼んでくれて何とか許して貰ったんだ」

 

ダイヤまで巻き込んで頼んだのね

 

「まあ良かったのかしら?私1人じゃ多分無理だっただろうし」

 

「善子ちゃんのお父さんとお母さんは居ないの?」

 

「ええ、お父さんは今日急な出張が入ってお母さんは学校に泊まり込みで仕事しなきゃいけないらしくて帰って来るのが明日なのよ。だからどうしようかって考えてたんだけどずら丸だけならともかくルビィが一緒なら大丈夫そうね」

 

私がそう言うとずら丸は疑問符を浮かべルビィは苦笑いをする

 

「善子ちゃんおらじゃ頼りないずら?」

 

「そうじゃ無いのよ、ずら丸あんた電化製品とかあんま使えないでしょ?」

 

前にずら丸と東京を回った時に乾燥機を未来と言っていた時から薄っすらと電化製品が珍しいのだろうと思っていた。そしてルビィからずら丸の家にあまり電化製品が無い事を聞いて確証した。子供の真也が居るのにずら丸の面倒まで見切れない

 

「それじゃあご飯はルビィちゃんと善子ちゃんに任せるずら。その間おらは真也君を見てるずら」

 

「頼んだわよ、それと…出来れば堕天使グッズのある私の部屋に近づかないで欲しいの。あの歳であんなの見たら絶対に興味示しちゃうじゃない?それで真也が私と同じになるのは出来れば避けたいの。もしそうなっちゃったら千歌や真也の両親、前に会った姉や妹にも迷惑を掛けちゃうだろうし」

 

子供は良くも悪くも影響を受けやすい私の堕天使グッズでそう言うのに興味を持ってしまったら確実に千歌達の迷惑になる

 

「わかったずら」

 

ずら丸にルビィと話しているうちにいつの間にか目的のバス停に着いていたので急いでバスを降りた

 

〜善子side out〜

 

「真也ー、ルビィちゃんと花丸ちゃんがお迎えに来てくれたわよ」

 

「はーい!」

 

そう言われた僕は着替えの入ったリュックを持って下に降りる

 

「ルビィ!ずら丸!お待たせ!」

 

「おら達も今来たところずらよ」

 

「そうだよ真君」

 

下に降りると玄関にルビィとずら丸が居た

 

「ルビィちゃんも花丸ちゃんも真也の事よろしくね」

 

「「はい(ずら)」」

 

「志満お姉ちゃんいってきます」

 

そう言って僕はルビィとずら丸と一緒に善子が待っているバス停に向かった

 

「善子!」

 

「早かったわね、そのリュックには何が入ってるのかしら?」

 

「お菓子とパジャマだよ」

 

善子に聞かれたので僕はそう答える

 

「バスも来たわね、ほら乗るわよ真也ずら丸にルビィも急がないと扉が閉まるわよ」

 

「「待って(ずら)善子ちゃん!!」」

 

善子にそう言われたルビィとずら丸はバスのドアが閉まる少し前にバスに乗った




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56話

「ずら丸おトイレどこ?」

 

善子の家に着いてからトイレに行きたくなったのでずら丸に聞く

 

「トイレはあそこずら」

 

そう言ってずら丸は少しだけ扉が開いている部屋と扉が開いてない部屋の2つの間をを指す

 

「ありがとうずら丸」

 

「ずら終わったらちゃんと手を洗ってから戻って来るずらよ」

 

「はーい」

 

そう言ってずら丸が教えてくれた2つの扉の開いてない方を見る

 

(こっちがトイレで向こうは、トイレの後で見よう)

 

そう思いトイレを済ませてずら丸に言われた通り手を洗ってから気になった部屋に入る

 

「かっこいい!」

 

部屋の中には黒い羽の付いた服あった

 

〜善子side〜

 

「ずら丸出来たわよ…ねえずら丸真也どこ行ったの?」

 

私がずら丸に真也を見ておく様に頼んだ部屋にはずら丸だけになっていた

 

「真也君ずら?そう言えばトイレに行ったきり戻ってこないずらね」

 

トイレ?何か忘れている様な…は!

 

「ずら丸真也がトイレに行ってから大体のどれくらい経つ?」

 

「えっと10分くらい「真也あんた間違えてないでしょうね!」善子ちゃんいきなりどうしたずら!?」

 

突然走り出した私にずら丸はそう聞くが今はそれどころじゃないもし真也がトイレの手前の部屋に入ってたら

 

「真也!「これ善子の!!凄くかっこいいね!」終わった…」

 

私は自分の部屋を開け灯りをつけると真也が私の堕天使の衣装を身につけて居た

 

〜善子side out〜

 

「善子ちゃん元気出すずら」

 

「うう、絶対明日怒られる」

 

部屋の隅で縮こまる善子の頭をずら丸が撫でている

 

「善子ちゃん、花丸ちゃんと真君は…あー、真君その服着ちゃったんだ」

 

「ルビィ!これ凄くかっこいいよ!」

 

「そっそうだね、そうだ!真君一枚写真撮ってあげるよ」

 

「うん!」

 

僕はルビィに携帯で写真を撮って貰う

 

「取れた」

 

「見せてルビィ!」

 

そう言ってルビィの携帯が見えるくらいにルビィに近づく

 

「うん…近いよ真君…」

 

ルビィが小さい声で何か呟く

 

「ルビィ?」

 

「なっ何でもないよ真君!でも、凄く似合ってるね真君」

 

ルビィがそう言ってくれると凄く嬉しい

 

「善子ちゃんそろそろご飯にしない?」

 

「そうね、ちょ!?真也何で私達が居る状態で脱ぎ出すのよ!?」

 

「?この服でご飯食べるの?」

 

元の服に着替えようとすると善子に止められる

 

「そっそうじゃなくて少しは恥ずかしいとかないの!」

 

「?」

 

善子の言いたい事がわからない

 

「真君、私達が部屋を出てから着替えて」

 

「わかった」

 

ルビィにそう言われて僕はルビィ達が部屋を出てから着替えてからご飯を食べた




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57話

〜善子side〜

 

真也が泊まった次の日の練習の休憩中に私は昨日の夜の事を話した

 

「真也貴方わたくしは言いませんでしたか?人の部屋に勝手に入ってはいけないと」

 

「言った」

 

「なら何故入ったのですか?貴方は約束も守れないのですか?」

 

私の予想とは違い真也が怒られている

 

「まあまあ、そう言えば善子ちゃん結局真也君が着ちゃった服どうしたの?」

 

果南がダイヤを落ち着かせながらそう聞いてくる

 

「真也にあげたわ。私も着られなくて捨てようと思ってたのだし」

 

昨日真也が着てたのは私じゃ着られなくなったので捨てようとしてた物だった。だからそれなら欲しい子にあげた方がまだましだと思って私はその服を真也にあげた

 

「そっか、それじゃあ真也君のリュックが膨らんでるのって」

 

「ええ、でも元に戻ったら着る機会あるのかしら?」

 

まあ後の事は元に戻った真也に任せれば良いか

 

「それでルビィちゃん昨日その服着てる真也君の写真撮ったんだよね?見せて見せて」

 

「はい、これなんですけど」

 

向こうではルビィが曜に昨日撮った写真を見せている

 

「可愛い!その写真私にも頂戴」

 

「あ!千歌も千歌も」

 

曜はわかるけど何故千歌まで欲しがるのかしら?自分の弟が着てるんだから後で着て貰えば良いのに

 

「ダイヤそろそろ終わりにしましょう。迎えも来たみたいだし」

 

鞠莉がそう言って空を見上げるのでその目線を追ってみるとヘリがこっちに飛んで来ていた

 

「鞠莉お嬢様真也様をお迎えに参りました」

 

ヘリを浜辺止め鞠莉の執事らしき人がヘリから降りてくる

 

「ご苦労様、と言うわけでダイヤ説教は終わりにしましょう」

 

「はぁ、そうですわね。真也鞠莉さんのお家では今回の様な事は無いようにして下さいね」

 

「うん」

 

真也はダイヤに怒られてしまい浮かない顔をしながら鞠莉の執事とヘリに乗ってその場を後にする

 

「ダイヤ説教も程々にしなよ?真也君結構しょげてたよ」

 

「果南さん、確かに今回は少し言い過ぎたかも知れませんね」

 

果南の指摘でダイヤ自身も少し言い過ぎたと反省した所で練習が再開された

 

〜善子side out〜

 

「真也様このお部屋をお使い下さい。何かありましたらすぐにお伺いします」

 

そう言って黒い服を着た人は部屋を出る

 

「ふぁ〜」

 

部屋にあったベットの上に寝転がっていると次第に眠くなって来たので少し寝る事にした

 

〜鞠莉side〜

 

「入るわよ真…起こしちゃ悪いわね」

 

練習が終わり私は家に帰って真也の様子を見に行くと真也はベットの上で寝て居た

 

「ちょっと失礼するわね」

 

小さくそう呟いて真也の隣に寝転ぶ

 

「可愛いわね、全くちかっちもダイヤもこんな可愛い弟が居るなんて羨ましいわ」

 

そう言いながら真也の頬をつつく

 

「ん〜」

 

真也は寝ながら私の手を払いのける

 

「ん〜、まり?」

 

流石にさっきので起きた真也が薄っすらと目を開けて私の名前を呼ぶ

 

「Yes!今帰ったわ!」

 

私はそう言って真也に抱きつく

 

「お帰り、ふぁ〜」

 

真也はそう言って大きなあくびをする寝起きのせいか真也の反応が薄い

 

「今日は早めの夕食にして後は思う存分遊びましょ!」

 

「うん!遊ぶ!」

 

やっぱり子供って遊ぶのが好きなのね、さっきまで眠そうだったのに一気に目が覚めてる

 

「それじゃあlet's go!」

 

「おー!」

 

私と真也は走って食堂に向かう

 

夕食も終わり真也がお風呂に入っているうちに明日の事を果南に相談する

 

「果南明日には全部私の家に届くわ。それで真也をどう説明するかだけど」

 

直球に私達とお別れなんて言ったら絶対に嫌がるから却下なんだけど

 

『うーん、私達と遊ぶ過程で真也君にやって貰うって言うのも手だけどそれだと戻った後が大変かな』

 

それもそうだ、元に戻るとなると体の大きさも服のサイズも変わり必然的に服が破れる

 

「私は寧ろwell camだけどね」

 

『それは鞠莉だけだよ』

 

そうかしら?

 

「あ、真也が出たみたいね。一先ず真也と遊ぶのは決まりとして儀式に至るまでの経由は明日みんなで考えましょう」

 

『そうだね、お休み鞠莉』

 

「お休み果南」

 

私はそう言って果南との電話を終える

 

「鞠莉誰と電話してたの?」

 

「果南よ、明日ちかっちやみんなと遊ぼうって話してたのよ真也も来るかしら?」

 

「行く!」

 

まあダイヤがいる時点でそうだろうとは思ったけどね

 

「それじゃあもう寝ましょうか」

 

「うん」

 

そう言って真也は布団の中に潜る

 

「お休み…鞠莉」

 

真也はすぐに眠り始めた

 

「お休み真也」

 

そう言った私は寝ている真也のおでこにキスをして部屋を出た

 

〜鞠莉side out〜




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58話

〜鞠莉side〜

 

「おはよう鞠莉」

 

「おはよう真也、まだ眠いなら寝てていいのよ?」

 

時刻は5時30分を少し過ぎたくらい私は朝練が無い事を忘れていつも通りの時間に起きてしまいどうしようか悩んでいると目をこすりながら起きて来た真也にそう言う

 

「ううん、起きてる」

 

真也は首を左右に振ってそう言う

 

「そう…真也もし私やちかっちみんなと会えなくなったらどうする?」

 

気がつくと私は真也にそう聞いていた

 

「それってお姉ちゃんやルビィとも?」

 

「そうなるわね」

 

私がそう言うと真也は寂しそうな表情をする

 

「やっぱり寂しい…でも次にお姉ちゃんやルビィに会った時に凄いね、頑張ったねって言って貰える事を一杯出来る様になってびっくりさせたい!」

 

あまりにも予想外の答えに私は驚く

 

「そっか…これなら大丈夫そうね…」

 

正直言って私は不安だった真也が元に戻る事に抵抗があるんじゃないか、嫌がる真也を無理やり小原家のパーティーに連れて行ったあの時の様にまた真也を傷つけないか、でもさっきの言葉を真也は本心で言って居た

 

「鞠莉、大丈夫?」

 

そう考えていると真也が下から私の顔を見上げている

 

「Yes!大丈夫よ真也!それじゃあ早く朝ご飯を食べて1番に行ってダイヤと果南を驚かせちゃいましょ!」

 

「うん!」

 

私が笑ってそう言うと真也もそう言って笑った

 

〜鞠莉side out〜

 

「真也君、鞠莉おはよう」

 

「真也、鞠莉さんおはようございますわ」

 

僕と鞠莉が待っているとお姉ちゃんと果南が来た

 

「お姉ちゃん!」

 

僕はお姉ちゃんに向かって走る

 

「きゃ!こら真也危ないですわ」

 

「ごめんなさい」

 

お姉ちゃんはそう言って僕を優しく受け止めてくれる

 

「真也君本当にダイヤの事大好きだね、ダイヤ見つけた途端走って来てたしね、それこそ千歌より好きなんじゃない?」

 

「そうね、真也ちかっちとダイヤどっちが好き?」

 

「お姉ちゃん!」

 

千歌姉も好きだけどお姉ちゃんの方が好きだ

 

「即答だね」

 

「愛されてるわねダイヤ、それじゃあダイヤとルビィはどっちが好きかしら?」

 

「な!鞠莉さんその質問は!」

 

お姉ちゃんとルビィか

 

「どっちも同じくらい好きだよ」

 

「今度はちょっと時間かかったけどルビィちゃんじゃないんだね」

 

「結婚を約束した相手と同じくらい好きだなんて本当に愛されてるわねダイヤ」

 

「本当にどこでわたくしの事をここまで好きになったのか不思議でなりませんわ」

 

お姉ちゃんはそう言いながら僕の頭を撫でてくれている

 

「千歌も来たみたいだし合流しよっか」

 

果南がそう言って歩き始める

 

「そうですわね、真也移動するのでわたくしと手を繋ぎましょう」

 

「うん!」

 

「ダイヤだけずるいわ!真也私とも繋ぎましょう」

 

僕はお姉ちゃんに鞠莉と手を繋いで千歌姉達の待っている場所に向かった




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59話

〜善子side〜

 

鞠莉達とも合流していよいよ遊ぶんだと思ってたけど

 

「そう言えば遊ぶって言ってもどこで遊ぶの?」

 

私のその一言で歩き出そうとしていた全員が止まる

 

「千歌はてっきり言い出した鞠莉ちゃんが考えて来ると思ってたけど」

 

「確かにみんなに連絡したのは私、だけどそもそも考えたのは果南よ?だから私は果南が考えるとばかり」

 

「鞠莉、昨日の夜みんなで考えるって言ったじゃん」

 

果南は呆れた顔で鞠莉を見る

 

「そう…だったかしら?」

 

これは鞠莉完全に忘れてたわね

 

「それで果南ちゃんは何処に行くつもりだったの?」

 

「私?私は無難に水族館で良いかなって思ってたけど」

 

水族館か確かに最近はあまり行ってないし良いんだろうけど

 

「そこでどうやって遊ぶの?」

 

「確かに遊ぶと言う事を考えると水族館は少し難しいですわね」

 

流石に水族館じゃあまり遊べないわよね

 

「でもこの辺りって水族館以外だと海か公園くらいしか無いんじゃ無いかな?」

 

そう考えると遊ぶ場所ってあまり…あ

 

「1つだけ心当たりがあるわ、と言っても遊べるのは真也くらい…いやルビィもギリギリ大丈夫かしら?」

 

そこまで言ってその案が没である事に気がつく

 

「ルビィと真也君だけが遊べてもダメなんじゃ」

 

まあ、そうよね

 

「それは何処にあるのですか?」

 

「えっと、この先にある森を抜けた所にツリーハウスがあって、その周りに小さいけど公園みたいなのを子供の頃友達と作った記憶があるわ」

 

私がダイヤにそう言うとずら丸が驚いた顔をする

 

「え?善子ちゃん友達いたずら?」

 

驚く所はそこなのね

 

「失礼ねずら丸居たわよ!…1人だけだけど…」

 

「1人だけだったんだね」

 

曜のその言葉が胸を貫く。それにその友達とは中学に上がった辺りから私が行かなくなって会ってないのよね。あれ?なんか前が見えずらく

 

「ごっこめん善子ちゃん私が無関心だったよ!」

 

何故か曜に謝られる

 

「だっ!大丈夫ずらよ善子ちゃん!今は丸やルビィちゃん達もいるずら!」

 

「そっそうだよ善子ちゃん!千歌達も居るから!だから泣かないで」

 

どうやら私は無自覚の内に泣いていたらしい

 

「なっ泣いてなんて無いわよ!だだ目にちょっとゴミが入っただけよ!」

 

確実に遅いだろうがそう言い訳をして涙を拭う

 

「まあ森の中ならある程度声を出しても大丈夫でしょうしそのまま練習にでもしましょうか」

 

「ダーイヤ!今日の練習は休みじゃなかったの」

 

そう言って鞠莉がダイヤに抱きつく

 

「そうでしたが何も決めてない状態で無駄な時間を過ごすのであれば練習をした方が良いですわ。夏休みにはラブライブもありますし」

 

ラブライブ?

 

「ダイヤ、ラブライブって何なの?」

 

「善子さん知らないのですか!?ラブライブとは全国のスクールアイドルが集い競い合う野球で言う甲子園のようなものですね。わたくし達Aqoursも当然出場しますわ!その為にも日々の練習は欠かせませんわ!」

 

うわぁ、ちょっと面倒な事聞いちゃったみたい

 

「お姉ちゃん一先ず善子ちゃんの言うツリーハウスに行こ」

 

「そっそうですわね」

 

暴走しかけたダイヤをルビィが止めてくれる

 

「それじゃあ行きましょう」

 

またダイヤが練習なんて言い出しても困るし早速ツリーハウスに向かう

 

「わーい!」

 

「待って真君!」

 

ツリーハウスに着いた途端にブランコや滑り台に向かって走る真也をルビィが追いかけていく

 

「確かにこれはルビィちゃんでギリギリだから私達は流石に無理かな」

 

まさか本当にルビィが入れるとは思ってなかったけど入れたなら真也の事はルビィに任せておけば大丈夫だろう

 

〜善子side out〜




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60話

しばらくルビィと遊んで居ると鞠莉が近づいて来た

 

「鞠莉?」

 

「真也朝聞いた事覚えてるかしら?」

 

朝聞いた事?

 

「お姉ちゃんやルビィとお別れするって事?」

 

「ええ、実は…今日がそのお別れの日なの」

 

鞠莉は寂しそうな顔でそう言う

 

「そっか」

 

「ごめんなさいね、「鞠莉お嬢様そろそろ」わかったわ真也とルビィは私に着いて来て善子ツリーハウス借りるわね」

 

僕とルビィは鞠莉に言われた通り着いて行く

 

〜ルビィside〜

 

「それじゃあ、真也此処に座って」

 

鞠莉ちゃんはそう言って真君を魔法陣の上に座らせる

 

「ルビィ真也が元に戻ったらこの服を着せて」

 

そう言って鞠莉ちゃんはルビィに浴衣を渡す

 

「鞠莉ちゃん真君服着てるのにその上からこれ着せるの?」

 

「No!ルビィ真也が元に戻ったら服はどうなる?」

 

(真君が元に戻ったら)

 

そこまで考えて浴衣を渡された理由に気づいた

 

「服が破れる!!」

 

「Yes!それで破れた服で居るのも寒いだろうからその浴衣を着てもらうのわかったかしら?」

 

「うゆ」

 

ルビィが頷くと鞠莉ちゃんはツリーハウスを出た

 

「ルビィ?何で泣いてるの?」

 

「え?ルビィが泣いてる?」

 

ルビィがそう言うと真君は頷く

 

「真君また遊ぼうね」

 

「うん!今度はもっとルビィと遊ぶ!」

 

真君はそう言って笑う

 

「それじゃあ、えっと」

 

ルビィは鞠莉ちゃんに貰ったメモに書かれている順番に置かれているものを撒いたり並べたりする

 

「これで最後ぴぎゃぁぁぁ!!」

 

メモに書かれている最後の事をすると大きな煙が出て思わず大声で叫んでしまう

 

「うう、どうしたのルビィ!?って何で僕裸なの!?「真くーん!!」わ!ルビィ服着たいから一回離れてよ!」

 

元に戻った事を喜んで真君に抱きつくとそう言われてルビィは真君見る

 

「あー、これはあのパターンかな」

 

そう言って真君は耳を塞ぐ

 

「ぴぎゃぁぁぁぁ!!」

 

一頻り叫び終えた所でルビィの意識は途絶えた

 

〜ルビィside out〜

 

「一先ずこの浴衣を着れば良いのかな?」

 

ルビィが叫び終えて倒れた所で僕は耳を塞ぐのを辞めて浴衣に袖を通す

 

「浴衣はまだかも「うゆ」おはようルビィ」

 

「うう、真くーん!!」

 

今度は浴衣を着ていたのでちゃんとルビィを受け止める

 

「よしよし、所で何があってこうなったの?善子に空き教室に呼ばれて変な儀式みたいな事した所までは覚えてるけど」

 

そこからルビィに事の顛末を教わり取り敢えず善子を処刑する事にした

 

「あ!真也君とルビィちゃん居たよ」

 

「お!本当だおーい!真也くーん!」

 

辺りを見渡すと曜に千歌姉あと死刑の対象である善子も居た

 

「ねぇ、なんか真也君怒ってないずら?」

 

「私もそう思「善子」なっ何かしら真也?」

 

僕が善子を呼ぶと善子はゆっくりと僕の方に振り返る

 

「何か言わないといけない事があるんじゃないかな?」

 

「ヒィ!そっその、ごめんなさい」

 

「善子君には今から3つの選択肢をあげるよ1つはそのまま僕が許すまで土下座を続ける、2つ自発的に練習メニューを増やして反省の意を見せる、3つ僕が良いって言うまでこれを引っ張りながらこの辺り一帯を走るか選んで」

 

そう言う僕の顔は笑って居るはずなのにみんなはどこか怖がって居るように見える。因みに3つ目を選んだ場合に引っ張って貰うのはタイヤだ

 

「その…走って来ます」

 

「そっか、水分補給はしっかりしてね」

 

善子はそう言って腰の部分にロープを巻いてタイヤを引っ張りながら走って行った




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61話

「それで3人共弁解は?」

 

「「「ありません(ないずら)」」」

 

現在スクールアイドル部の部室で僕以外の1年生組が床に正座をしている。事の発端は学校に登校した時だ元の体に戻った僕は翌日学校に登校したその時に先生から言われた一言を知らなかったのでルビィ達に目線を向けると思いっきり目を逸らされたそこで確信したこの3人が忘れていた事を

 

「まさか中間テスト1週間前だったなんてしかもテストは3日後ルビィ達はこの事知ってたんだよね?」

 

そう学校に登校して言われた事は中間テスト1週間前を過ぎている事だった

 

「でも変だなぁ、千歌ちゃんに真君に言っておいてってお願いしたのに?」

 

ルビィの言葉に千歌姉は首を傾げる

 

「そうだったかな?」

 

「ルビィ言ったよ?一昨日の練習が終わってから」

 

一昨日って事は僕はまだ小さくなっていた時か

 

「わたくしも聞きましたわルビィは千歌さんにテストの事を伝えていましたわ」

 

「私もかな」

 

ダイヤと果南が言うなら事実なのだろう

 

「千歌姉?」

 

「真也君!?千歌本当に知らな…あ、そう言えば言われたような気が「この!バカ姉!!」いひゃいよひんやひゅん」

 

僕はそう言って思いっきり千歌姉の両方の頬を左右に引っ張る

 

「おーい、お前らテスト週間中は部活は休み…なんかあったのか?」

 

そこに千歌姉のクラス担任の先生が来た

 

「成る程な、高海弟…高海姉に頼るなそいつはアホだから直ぐに忘れるぞ」

 

「ちょ!?先生!?」

 

「千歌姉がアホな事くらい百も承知です!だから僕は千歌姉が少しでもマシになるように怒るんです」

 

「真也君まで!?うう、曜ちゃーん!!」

 

仕打ちに耐えきれなくなった千歌姉が曜に抱きつく

 

「千歌ちゃんよしよーし」

 

「「曜(渡辺)、千歌姉(高海姉)を甘やかさないで(甘やかすな)」」

 

「先生と真也君なんて嫌いだー!」

 

そう言って千歌姉はその場に座り込んで号泣しだした

 

「はぁ、そろそろだと思って作っといて正解だったよ」

 

そう言ってノートパソコンを開ける

 

「おい教師の前で堂々と鞄からパソコンを取り出すとは良い度胸だな高海弟、ん?なんだこのテストファイル高1って?」

 

「ああ、それ自分なりに考えて作ったテスト対策の問題です。今日家に帰ったらコピーするつもりです」

 

「ほお、ちょっと見せて貰っても良いか?」

 

僕は頷いて先生にノートパソコンを渡す

 

「なかなか作り込まれてるな」

 

「中学の時からやってますからね。慣れれば簡単ですよ」

 

「ふむ、高海弟…此処の問題なんだが作ってくれないか?」

 

「いや仕事して下さいよ先生!?」

 

そうこうしているうちに完全下校の時間になったので全員帰宅した




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62話

「すみません!高海ですけど!」

 

僕は今日朝練に参加せずに学校に登校して職員室に向かったその理由は

 

「来たか高海弟、約束通りコピーして良いぞ」

 

「ありがとうございます」

 

昨日見せたパソコンの模擬テストのコピーをさせてもらう為だ。昨日千歌姉の担任に見せたら1年の全員にテスト対策のプリントとして配らせて欲しいと頼まれそれなら職員室のコピー機を貸して欲しいと言うと普通に貸してくれた

 

「それにしても…高海弟お前あんな姉で苦労してるんじゃないのか?」

 

「まあ苦労してないって言えば嘘になりますね …でも千歌姉が姉じゃない方が良いなんて事は思った事はないですね。いつも元気で前向きで真っ直ぐで確かに苦労する事は多いですけど千歌姉には本当に沢山お世話になってますから。終わりました」

 

「お疲れさん、こっちで担任に渡しとくわ」

 

「わかりました、失礼しました」

 

そう言って僕は職員室を出る

 

「真君おはよう」

 

「おはようずら真也君」

 

「おはよう真也」

 

教室に着くとルビィ達も到着していた

 

「おはようルビィ、ず…花丸、善子」

 

「今おらの事またずら丸って言いそうになってなかったずら?」

 

(最近花丸の事をずら丸って言いそうになるなんでだろう?)

 

そう思いながら席に着く

 

「あんた授業始まってないのに勉強って「3人が伝え忘れてたからだよ」ごっごめん」

 

僕がそう言うと善子は大人しくなった

 

「ホームルームを始める前に、皆さんに配りたい物があります」

 

そう言って先生は今朝僕が職員室でコピーした模擬テストを配る

 

「それは高海君が作ってくれたテスト対策のプリントだそうです。先生も確認しましたが本当に良く作られていました。高海君次のテスト対策も期待していますね」

 

先生からは期待の眼差しが生徒からは余計な事するなと言う目線が向けられる

 

「そこでですね、今日の1時間目と2時間目の授業は高海君による模擬テストの答えと解説をしてもらおうと思っているんですが大丈夫ですか?」

 

別に良いのだが何故そんな事になっている?

 

「真君ガンバルビィだよ」

 

「真也君ファイトずら!」

 

「まあ頑張りなさい真也」

 

こいつらルビィと花丸が本気で応援してくれているんだろうが善子は他人事に思っている気がする

 

「先生それって1人でしないと駄目ですか?」

 

「そうですね、1人なら手伝い人として指定しても良いですよ」

 

それなら手伝い人は決まってる

 

「善子手伝いよろしくね」

 

「ちょ!私なの!?ルビィやずら丸でも!「善子は僕の手伝いは嫌な理由でもあるの?」そっそう言う訳じゃ…わかったわ!やってやろうじゃない!」

 

こうして1時間目と2時間目の授業は僕が答えと解説をする事になり善子は僕の手伝いをしてくれる事になった

 

「はぁ、授業って疲れるのね」

 

2時間目の授業が終わった後善子は机に突っ伏して居る

 

「そうかもね、改めて先生って凄いって思うよ」

 

「そうね、と言うかあんた私が他人行儀な感じで言ったから私を選んだでしょ!」

 

バレてたか

 

「真君の教え方わかりやすくてルビィは好きだったよ?」

 

「おらもずら、解らない所は丁寧に教えてくれたからわかりやすかったずら」

 

(まあ考えは人それぞれだしね)

 

そう思いながら時計を見る

 

「不味い!3時間目は音楽だから移動しなきゃ!」

 

「そうだった!ルビィ!ずら丸!急ぎなさい!」

 

「「待って(ずら)!!」」

 

僕達は急いで音楽室に向かったが結局間に合わず4人まとめて怒られた




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63話

テストが終わり(心配だった善子と千歌姉もギリギリで回避)夏休みに入り現在部室に集まって居る

 

「皆さん!夏と言えば!何ですの!!真也!」

 

「夏休みの宿題を終盤になるころまでやらない人が居る」

 

僕はそう言って東京に居る穂乃果さんを思い浮かべる

 

「それはそうかも知れませんが…それ以外にもありますわ!」

 

これじゃないとなるとラブライブしかないと言うかダイヤはそう答えて欲しかったんだと思う

 

「では次!ルビィ!!」

 

「ラブライブ!!」

 

「流石我が妹ですわ、と言うか真也もわかって言いましたよね?」

 

正解したルビィを撫でながらダイヤが僕に目線を向けてそう言う

 

「まあダイヤならそうじゃないかとは思ってたからね」

 

「夏と言えばラブライブ!!その大会が開催される季節なのです!そこで!今日からラブライブ本番までこの練習メニューを行なって貰います!」

 

それで部室に入ってから貼ってあったんだ。それにしても…何処かで見覚えが…

 

「うーん…何処だったかな?」

 

「どうしたの真君?」

 

そこにさっきまでダイヤに撫でられていたルビィが隣に来る

 

「それがあの練習メニュー何処かで見覚えがあって」

 

「何処か?…もしかしてA-RISEのマネージャーしてた時の練習メニューじゃない?」

 

ルビィがダイヤに聞こえない程度の小声でそう言う。あ…それで見覚えがあったんだ、しかもあのメニューって1番最初に組んだから凄いキツくてツバサさん達もダウンしたメニューだ

 

「遠泳15キロ」

 

「ランニング20キロ」

 

善子と花丸が練習メニューを見て血の気が引く

 

「何とかなりそうね」

 

「「「え!?」」」

 

確かに果南ならこのメニューも大丈夫そうだけど

 

「ダイヤそのメニュー却下」

 

「どうしてですの真也!!」

 

「果南は大丈夫として、流石にA-RISEの練習メニューの中で1番キツイのを千歌姉達が出来るとは到底思えないからだよ」

 

そこまで言ってから気づくそう言えば3年と善子は知らなかったっけ

 

「あー、そう言えば真也君A-RISEのマネジャーしてたんだったね」

 

「真也貴方は何者ですの!?詳しく!詳しく教えて下さい!!」

 

ダイヤが僕の肩を掴んでそう言って前後に揺らす

 

「おっお姉ちゃん!それ以上は真君が!!」

 

「は!」

 

「もう…無理」

 

そこで僕の意識は途切れたが直ぐに目が覚めた

 

「取り乱してすみません真也」

 

「大丈夫だよダイヤ」

 

頭を下げて謝るダイヤにそう言う

 

「まあもしもの事も考えて作って来ただけあるよ」

 

そう言ってダイヤの練習メニューを外し僕の練習メニューを貼り付ける

 

「遠泳10キロ」

 

「ランニング15キロ」

 

「これは海未さんと案を出し合って作り上げたメニューです。なのでμ’sと殆ど同じと言っても良いですね。ここまでで質問はありますか?」

 

「はい!」

 

千歌姉が手を挙げるまあ大方

 

「おやつの「却下」まだ何も言ってないよー!」

 

「聞かなくてもわかるよおやつの時間はないのかだよね?」

 

図星だったのか千歌姉は罰が悪い顔をする

 

「全く、それに理亜にも言われたでしょ?ラブライブは遊びじゃないって」

 

「真也君そうだね!よーし!みんな頑張ろー!」

 

『おー!!』

 

皆んなの気合いが入ってる所悪いけど

 

「千歌姉、それと曜も海の家の手伝いの事忘れてない?」

 

「「あ…えへへ、ごめんね真也君忘れてたよ」」

 

千歌姉は兎も角曜が忘れるのは珍しい

 

「それではその日は練習は出来ないと?」

 

「そうですね…意地でも練習したいならAqours全員で海の家を手伝うなんて裏技もありますけど」

 

「成る程、それなら午後は練習に回せるかも知れませんね。わたくしは賛成ですわ」

 

ダイヤは賛成か他は聞くまでも無いかな

 

「それでは当日は午前5時に浜辺に集合と言う事で練習を始めますわ!」

 

『はい!』

 

結果海の家の手伝いはAqours総出でする事になった。




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64話

「いってきます志満姉ちゃん」

 

「気をつけてね」

 

海の家の手伝いをする当日、僕は志満姉ちゃんにそう言って家を出る

 

「あれって、おーい!花丸!!」

 

「真也君!!良かったずら、誰も来ないからもしかしたら集合場所間違えちゃったんじゃないかって心配しちゃったずら」

 

まあまだ大丈夫な時間だし問題はないだろう

 

「花丸は早いね」

 

「ちょっと早く来すぎちゃったずら。お陰で少し眠いふぁ〜」

 

花丸はそう言ってあくびをする

 

「大丈夫?良かったら少し寝る?みんなが来たら起こすよ?」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて…おやすみずら」スースー

 

そう言うと花丸は僕の膝を枕にして眠り始めた

 

「そろそろ果南なら来てもおかしくないのに」

 

時刻は4時50分になったけど誰も来ないましてや果南にダイヤが来ないのは明らかにおかしい

 

「試しに「おーい!真也くーん!!」果南おはよう遅刻ギリギリだよ」

 

「ごめんごめん、忘れかけちゃってさ。と言うかダイヤ達も来てないんだね」

 

「うん、心配だしルビィに電話してみるよ果南は梨子に電話して」

 

僕がそう言うと果南は電話を取り出して梨子に電話をかけ僕もルビィに電話をかける

 

「もしもしルビィ?」

 

『もし…もし、しん…君?ふぁ〜こんな朝早くからどうしたの?』

 

この感じだと今起きたんだ

 

「ルビィ今日の集合時間は?」

 

『えっと…5時……5時!?あわわ!ルビィ忘れてた!今から行くね!!お姉ちゃーん!』

 

ルビィはそう言って電話を切る

 

「果南どうだった?」

 

「梨子ちゃんも忘れてたみたいだね、千歌呼んでから来るって言ってたよ」

 

やっぱり梨子さんは頼りになる

 

「それじゃあ遅刻しなかったのは果南と花丸の2「おーい!」今来た曜の3人だね」

 

4時58分集合時間ギリギリで曜が到着する

 

「はぁ…はぁ…おはよう…真也…君…果南…ちゃん」

 

曜は息を整えながら挨拶をする

 

「おはよう曜大丈夫?」

 

「少し…休ませて…くれないかな?」

 

本当に急いで来たんだね曜

 

「うん、果南先に行って走ってて」

 

「うん、曜慌てないでゆっくり来なよ」

 

そう言って果南は階段を降りて浜辺を走る

 

「ふー、だんだん落ち着いて来たよ。それにしても気持ち良さそうに寝てるね花丸ちゃん」

 

「もう食べられないずら」

 

寝言でそう言う花丸の頬を曜が触る

 

「「真也(真君)!!遅れてすみません(ごめんなさい)」」

 

そこにダイヤとルビィが到着する

 

「本当にすみませんでした。言い出したわたくしが遅刻してしまって」

 

「ダイヤもう少し時間を考慮して決めてね」

 

「わかりましたわ、ルビィ!曜さん!行きますわよ!」

 

「うん、真君本当にごめんね」

 

「気にしないでルビィ、曜も大丈夫なら行きなよ?」

 

僕がそう言うと曜も立ち上がりルビィ達と下に降りて行く

 

「「「「真也君((真也))!遅れてごめん!!」」」」

 

そして30分後ようやく残りの4人も到着した

 

「全員集まったね、花丸起きてみんな集まったよ」

 

「うーん、真也君おはようずら」

 

花丸はそう言って立ち上がる

 

「大丈夫そう?」

 

「もう大丈夫ずら、ありがとうずら真也君」

 

花丸はそう言って満面の笑みを浮かべる

 

「それじゃあ下で練習してるダイヤ達と合流して海の家の開店準備始めようか」

 

そう言って立ち上がりダイヤ達と合流する為浜辺に向かう僕の後ろを花丸達も着いて来た




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65話

海の家の手伝いが始まり開店前のメニューの試作品を曜と鞠莉それから善子と僕の4人で作った

 

「ふふふ、出来たわ堕天使の涙」

 

「シャイ煮よ」

 

「美味しいよきそばヨーソロー!」

 

「海の幸をふんだんに使ったカレーなんだけど…鞠莉何入れたの?」

 

曜と僕それと善子のは普通だが鞠莉のは見た目が酷いなんか色々混ざってるし正直言って食欲は湧かない

 

「見た目で判断しちゃダメよ。ほら、騙されたと思って食べてみて」

 

「わかった、そこまで言うなら」

 

僕はシャイ煮の具を箸で掴んで覚悟を決めて食べる

 

「あれ?美味しい」

 

「「嘘!?」」

 

曜と善子からそんな声が聞こえるが実際に見た目を除けば味は確かだと思う

 

「これ一体何が入ってるの?」

 

「色々よ」

 

鞠莉の色々ってやっぱり

 

「鞠莉大体の値段は?」

 

「んー、10万円?」

 

「「「高すぎて頼めないよ!!」」」

 

海の家で10万出す人なんていないよ!

 

「鞠莉の料理は却下!ピジュアル的にアウト」

 

「残念ね、美味しいのに」

 

まあ美味しかったのは認めるけど今度から見た目も気にして欲しい

 

「次は善子か、一見普通のたこ焼きだけど…!?」

 

善子の堕天使の涙を口の中に入れて噛んだ途端に口の中一杯に辛味が広がる

 

「辛い!辛い!辛い!曜水!!」

 

「はい、大丈夫真也君?」

 

曜から水を貰い一気に飲み干すがまだ口の中がヒリヒリする

 

「そんな大袈裟な…辛い辛い辛い!!」

 

僕の反応が大袈裟だと思い食べた善子も同じ反応をする

 

「もしかして味見とかしてない?」

 

「しっして無いわよ」

 

道理でこんなに辛いわけだ

 

「善子のは論外で…曜は普通だよね?信じてるよ?」

 

「うん、2人からしたら普通かな?はいよきそばだよ」

 

これはオムそばじゃダメなのかな?

 

「良かった、普通に美味しいよ」

 

「まあ、私の前が独特過ぎたのかも知れないけどね」

 

まあ、そうだね

 

「そう言うならあんたのはどうなのよ!…美味しい」

 

「Very good!とっても美味しいわ真也」

 

独特な料理を作った2人に褒められてもあんまり嬉しく無い

 

「善子、鞠莉2人は接客に回って」

 

「「OK(わかったわ)」」

 

そう言って2人は厨房を出る

 

「曜、2人でなんとかしようか」

 

「そうだね」

 

料理担当の2人(鞠莉は見た目さえ気にしてくれればなんとかなる)が使えない為僕と曜でなんとかするしかないが流石に2人じゃ無理がある

 

「仕方ないし楓を呼ぶよ。もしもし楓?」

 

『もしもし真也兄?どうしたの海の家の準備中の筈だよね?』

 

僕は楓に事情を説明すると快く引き受けてくれた。綾人も助っ人に来てくれるらしい

 

「「真也兄(お兄ちゃん)お待たせ(お待たせしました)」」

 

「折角の夏休みなのに海の家の手伝いなんてごめんね2人共」

 

「大丈夫だよ!その代わりなんだけど…後で夏休みの宿題手伝って」

 

「僕もお願いします」

 

成る程それで手伝ってくれたんだ

 

「取り敢えず何か作って来て」

 

「「わかった(わかりました)」」

 

楓と綾人は厨房に入って行く

 

「それじゃあ!みんなお疲れ様!!」

 

『お疲れ様』

 

海の家の手伝いを終え現在Aqours +3人で海の家を借りてお疲れ様会をしている

 

「はぁ、鞠莉はまだ良いとして善子の料理の酷さを知った時はどうなるかと思ったよ」

 

「そんなに酷かったんだ堕天使の涙、あれ?でも試作品だとしても結構作ってからだよね?残りはどうしたの?」

 

「あれ」

 

僕が指差した方では善子が涙目で堕天使の涙を食べている。

 

「あはは、それで鞠莉ちゃんのシャイ煮は?」

 

千歌姉が何も見なかった様にそう聞く

 

「これがマリーの作ったシャイ煮よ」

 

「うわぁ、これは確かに」

 

楓が鞠莉の料理を見て少し引いている

 

「見た目は酷いけど味は確かだよ」

 

「Yes!真也も美味しいって言ってくれたわ」

 

「そっそれじゃあ」

 

楓は鞠莉の料理を始めて食べた時の僕と同じ様にシャイ煮を食べる

 

「ほっ本当だ美味しい」

 

「でしょ!」

 

「ですがこれはお客さんに出せる物では無いですわね」

 

ダイヤの言う通り味はよくとも見た目が酷ければ客の評価は落ちてしまう。

 

「それで楓ちゃんはチョコたこ焼きで綾人君はホットドッグにしたんだ」

 

「すみません、あまり料理はしなくて」

 

「気にしないで綾人、彼処で自分の作った激辛たこ焼きを食べる人よりかはマシだよ」

 

僕がそう言うと綾人は苦笑いを浮かべる

 

「そう言えば真君、あの事はいつ言うの?」

 

「あの事?」

 

「あ、ごめん真君」

 

「気にしないでルビィ、実は今度東京で音楽コンクールがあるみたいでそれに招待されたんだけどどうしようか迷ってて」

 

僕がその話をすると梨子さんは無言で携帯を見つめる

 

「凄いよ真也君!絶対行くべきだよ!」

 

「私もそう思うよ真也君」

 

「おらもそう思うずら!」

 

「ルビィも!」

 

「私も同じよ」

 

「真也前にも言いましたが貴方はもっと自分に自信を持つべきですわ」

 

「そうだよ何事も挑戦だよ」

 

「果南の言う通り何事もchallengeよ真也!」

 

「私は真也兄のやりたい様にすれば良いと思うよ」

 

「僕もそう思います」

 

千歌姉を始め曜達も賛成してくれる

 

「梨子にも来てるんだよね?」

 

「え?ええ、そうよ」

 

動揺しながらも梨子はいつも通りを装う

 

「嘘!梨子ちゃんにも来てたんだ!あれ?真也君いつ気づいたの?」

 

「さっきだよ千歌姉、僕がその話を始めた時に梨子が携帯をじっと見つめてたからもしかしてって思って」

 

「そう、真也君って本当に周りを見てるのね」

 

梨子はそう言って微笑む

 

「梨子ちゃん私梨子ちゃんも行くべきだと思うよ」

 

千歌姉が梨子の目をじっと見つめてそう言う

 

「千歌ちゃん…うん、私自分に出来る事してくるね」

 

こうして翌日僕と梨子は東京に向かう事が決まった




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66話

海の家の手伝いから数日経ち音楽コンクール二参加する為東京に向かう日になった

 

「真也君、梨子ちゃん忘れ物ない?」

 

「千歌姉じゃないから大丈夫だよ」

 

「大丈夫だよ千歌ちゃん、家を出る前に確認したから」

 

忘れ物の心配をする千歌姉に僕と梨子はそう答える

 

「真君」

 

「何ルビィ?」

 

「その…これ、色々と調べてお守り作ってみたんだ」

 

ルビィはそう言って手作りのお守りを僕に渡す

 

「ありがとうルビィ「真也君そろそろ電車出るわよ」わかった、いってくるね「待って真君!!」何?」チュッ

 

ルビィに呼ばれ立ち止まった僕の頬にルビィは軽くキスをする

 

「真君、がんばルビィ」

 

「うん、頑張って来るよ」

 

そう言って今度こそ電車に乗る

 

「梨子、コーヒー買って来たよ」

 

「ありがとう、それにしてもあのルビィちゃんがあそこまで大胆な事する様になるなんて思ってなかったわ」

 

まあ最初に比べるとかなり変わったかな

 

「そうだ、お弁当作ってきたの」

 

「えっと、僕も作って来たんだけど」

 

僕と梨子は互いにお弁当を出し合ってあることに気づく

 

「これ私達だけじゃ無理じゃないかな?」

 

「そうだね、仕方ない東京に着いてから穂乃果さん達と食べよう。僕が連絡しておくよ」

 

そう言って僕は穂乃果さん達に連絡をした

 

「着いたね東京」

 

「そうね」

 

駅のホームを出て梨子とそう話す

 

「だ〜れだ?」

 

そう言って突然前が見えなくなる。まぁ、声で犯人はわかってるけど

 

「ことりさんですよね?」

 

「残念、うちや真也君」

 

さっきとは変わり別の人の声になる

 

「希さん?」

 

「正解、せやけどことりちゃんってのも間違いやないで」

 

「どう言う事かわかりませんが、取り敢えず手を退けてください」

 

僕がそう言うと希さんは手を退けてくれたのでそっちを向くと希さんとことりさんが居た

 

「まさかとは思いますが、最初から希さんが視界を塞いでいる時にことりさんが喋ったんですね」

 

「相変わらずやな、ほな行こか」

 

「あの…どなたですか?」

 

それまで蚊帳の外だった梨子がそう聞く

 

「ごめんな、うちは東條希やよろしゅうな」

 

「桜内梨子です、私の方こそよろしくお願いします。それで行くって何処に?」

 

「それは僕も気になってました」

 

「勿論穂乃果ちゃん達の待っとる穂村やけど、穂乃果ちゃんから聞いてへん?」

 

希さんにそう言われて確認するもここ最近穂乃果さんからの連絡は来ていない

 

「すみません希さん、恐らくですが穂乃果さんが忘れているのかと」

 

「成る程穂乃果ちゃんらしいな、これは穂乃果ちゃんにはわしわしが必要やな」

 

「わしわしですか?」

 

希さんから始めて聞く言葉が出てそれが何か気になって聞く

 

「真也君は知らんかったな、わしわしちゅうんわ…こう言うんや!」

 

「ちょ!希さん!?」

 

何を考えたのか知らないが希さんは僕に抱きつき胸元に手を回すもしかして

 

「わしわしって胸を揉みしだくって訳じゃないんですよね?」

 

「おっ、当たりやで真也君」

 

実際に今受けてるのだから間違える訳がない

 

「ほな、今度こそ行こか」

 

ある程度終わると希さんはそう言って歩き出した

 

「大丈夫真也君?」

 

「大丈夫です。でもかなり体力を持っていかれた気がします」

 

「あれはかなり効きそうね」

 

僕達はそんな話をしながら希さんの後ろをついて行った




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67話

「意外でした絵里さんがμ’sのメンバーとしてスクールアイドルをしてるなんて」

 

「そうかしら?」

 

穂乃果さん達と合流して現在穂村の近くにある公園でレジャーシートを広げ僕と梨子が作って来たお弁当を食べている

 

「そう言えば、今日貴方に会うって言ったら亜里沙も会いたがってたわ」

 

「そうそう、雪穂も言ってたよ」

 

そう言えば亜里沙と雪穂に最後に会ったのって冬休みの宿題を見た時だったっけ?

 

「真也貴方亜里沙とはどう知り合ったのですか?雪穂とは小さい頃から知り合いなのは知っていましたが」

 

そう言えば絵里さん以外に話してなかった

 

「中学2年の時ですね。雪穂が友達と図書館で勉強をしている時に2人ともわからない問題があったらしくて、そのヘルプで勉強を見に行った時に居た雪穂の友達が亜里沙だったんです」

 

「ほんならエリチともそん時に?」

 

「はい、あれは驚きましたね。出会い頭に警察に電話しようとしましたから」

 

「う、あれは本当にごめんなさいね」

 

絵里さんと会ったのは勉強会が終わり暗くなり始めていたのでその付き添いとして家の近くまで送った時、帰りが遅い亜里沙を心配して家の中から出て来た絵里さんは、僕が亜里沙を誘拐しようとしていると勘違いをし、警察に電話をかけようとした。そして亜里沙が絵里さんに事情を説明した後に何度も謝られた。

 

「もう済んだ事なので大丈夫です。そう言えば、ラブライブの参加グループの中にμ’sが無かったんですけど何かあったんですか?」

 

僕がそう聞くと穂乃果さん達が暗い顔をする。どうやら何かあったようだ

 

「真也君、私から話すね」

 

「ことりちゃん」

 

「良いの穂乃果ちゃん、これはことりが言わないといけない気がする」

 

ことりさんはそう言うと話し始めた

 

「ことりさんに留学の話、それに学園祭のライブの途中で穂乃果さんが倒れ、ことりさんのお母さんからこんな結果を招く為にラブライブに参加したのかと言われラブライブの参加を辞退した。ですか、正直に言います。そんな状態でラブライブに出た所でスクールアイドルの顔に泥を塗る事になるので出なくて正解です」

 

「真也君少し言い過ぎな気がするんだけど」

 

梨子がそう言うけど

 

「そうかもしれない、でもそれが事実だよ」

 

「あんたね!もっと言い方があるんじゃ無いの!!」

 

そう言って矢澤さんは僕の胸ぐらを掴む

 

「なら矢澤さんは何て言うんですか?メンバーの矢澤にことしてじゃなく一個人の矢澤にことして」

 

「それは…」

 

矢澤さんは言葉に詰まる。恐らくだが自分も同じ事を言うだろうと考えているんだろう。その証拠に僕の胸ぐらを掴む力が弱まっている

 

「確かにメンバーとしてなら矢澤さんの気持ちも理解できます。ですが、それはメンバーとしてならです。他のスクールアイドル達からすればスクールアイドルのイメージダウンに繋がるグループとして見るグループがあっても不思議じゃです」

 

そこまで言うと矢澤さんは完全に僕から手を離した

 

「もう少し考えた方が良いと思います。これからのμ’sを」

 

僕はそう言って立ち上がり旅館に向けて歩いて行く

 

〜海未side〜

 

「何よ彼奴知ったような口聞いて「知っているんですよ真也はスクールアイドルの世界の厳しさを」どう言う事海未」

 

「梨子さんは知っていますよね?真也がA-RISEのマネージャーをしていた事は」

 

私がそう聞くと桜内さんは頷く

 

「ちょっと待ちなさい海未!?彼奴がA-RISEのマネージャー!?」

 

「ええ、A-RISEの優木あんじゅ彼女は私達の小学校時代の先輩なんです。覚えてますよね穂乃果、ことり」

 

「うん♪」

 

「うーん、あんな先輩居たかな?」

 

穂乃果がそう言って首を傾げる

 

「あれだけお世話になった先輩を忘れたのですか?まあ今は良いです、それよりも真也がスクールアイドルの世界の厳しさを知っていると言う話でしたね。にこ、花陽2人はA-RISEが最初に出たラブライブの順位を知っていますか?」

 

「「勿論よ(です)!ラブライブ史上初の2ndシーズンでの初参加優勝よ(です)!!」」

 

「そうなりますよね?それが秋の初め頃にあったのは知ってますよね?実はA-RISEはラブライブの1stシーズンに出場しているのです」

 

私がそう言うとにこも花陽も驚く

 

「ちょっと待ちなさいよ海未何であんたがそんな事知ってんのよ!?」

 

「実は真也から相談を受けていたんです。A-RISEのマネージャーを続けられるか自信がないと」

 

「そうなの?ことりちゃん知ってた?」

 

「ううん、ことりも初めて知ったよ」

 

私の言葉に穂乃果とことりも驚く

 

「真也からしたら不運の連続だったんでしょうね。コンクールでの事があって直ぐの事でしたから」

 

私がそう言うと穂乃果もことりも何があった後なのかを理解してくれた様ですね

 

「そっか、私とことりちゃんを心配させたくなかったんだ」

 

「私には話してくれましたがね。正直私にはまともなアドバイスも何も出来ませんでした。ただ不安そうな顔をする真也を励ますことしか」

 

あの時は本当に辛かった。真也もでしょうが私も同じくらい辛かった

 

「話を戻しましょう、ならA-RISEの順位はと言う話になりますね。A-RISEは予選で落ちて…いえ、ラブライブを辞退したんです。理由は綺羅ツバサさんが穂乃果と同じようにライブの途中で倒れてしまいそのままラブライブを辞退したそうです。原因は真也が居なくても上手くできる、真也を心配させたくないと言う彼女の意志からでした。ですが、当時の真也にはそれさえも自分に気を使いそう言っているように思えたのでしょうね」

 

「そうやったんか、真也君は知っとるんやね。どれだけ悔しいか、うちらに似た状況下におったから」

 

「その通りです希、ですがA-RISEは次のラブライブ2ndシーズンで下克上をして見事に優勝して見せました。それに真也は無意味に人の努力をバカにしませんよ。あの子がそう言う事を言う時は大抵相手の事を思って言っています」

 

「そうね、確かに考えなくちゃダメなのよねこれからのμ’sの事を」

 

私の言葉を聞いた絵里がそう言う

 

「それじゃあ私お邪魔ですよね?」

 

「すみません桜内さん」

 

「いえ、私もそろそろ春風に向かおうと思ってましたから。それじゃあ」

 

桜内さんはそう言って真也が向かったであろう春風に向かった

 

〜海未side out〜




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68話

「ただいま」

 

「お帰り真也、雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんが来てたから貴方の部屋に上げておいたわ」

 

旅館に入ると和叔母さんにそう言われる

 

「わかった、それと桜内梨子って人が来るからその人が来たら僕の部屋に来る様に伝えておいて」

 

そう言って僕は自分の部屋に向かう

 

「雪穂、亜里沙、入るよ」

 

そう言って扉を開けようとすると雪穂が中から顔だけ出す

 

「真兄少し待ってて」

 

そう言って雪穂が扉を閉めると中から凄い物音が聞こえる

 

「あれ?真也君?どうしたの?」

 

そこに梨子が来る

 

「実は…」

 

僕は梨子に今に至るまでの経由を話す

 

「つまり高坂さんと今日会った綾瀬さんの妹さんが中に入れてくれないと」

 

「はい「真也ー!ちょっと手伝ってくれー!!」わかった!僕は行くけど梨子は2人が出て来たら何があったかどうして来たのか聞いておいて」

 

僕はそう言って旅館の手伝いに向かう

 

〜梨子side〜

 

真也君が旅館の手伝いに向かって少しすると女の子が部屋の中から顔を出す

 

「真兄もう良い…あの、どちら様ですか?」

 

「桜内梨子です。貴方が真也君の言ってた高坂さんの妹さんで良いのかしら?」

 

「はい、そうですけどお姉ちゃんのお友達ですか?」

 

「ええ、私も去年まで音乃木坂に通っていたから、それで真也君に何があったか聞いて欲しいって言われたんだけど何かあったの?」

 

私がそう聞くと高坂さんの妹さんは扉を開けて私を中に入れてくれる

 

「実は亜里沙ちゃんがジュースをこぼしちゃってスカートを履き替えようとしてた所に真兄が来て、亜里沙ちゃんがスカートを脱いだ状態で開けようとしたのを私が止めて真兄に外で待ってくれる様に頼んだんです」

 

それで真也君外に居たんだ。確かに真也君には見せられない格好かも

 

「あ!私は高坂雪穂って言います。桜内さんの言った通り高坂穂乃果の妹で合ってます。あそこで子犬と遊んで居るのが綾瀬亜里沙ちゃんです。それで真兄は」

 

「そっそう…真也君なら旅館の手伝いをしに下に降りて行ったわ。それとどうして此処に来たの?」

 

「それが、私も亜里沙ちゃんも夏休みの宿題で分からない所があって」

 

それで真也君に聞きに来たのね

 

「雪穂?亜里沙?今度は良い?」

 

そこに旅館の手伝いに行って居た真也君が戻って来る

 

「良いわよ真也君」

 

「じゃあ入るね」

 

真也君がそう言って扉を開けて中に入って来る

 

「それで、2人はどうしたの?」

 

「夏休みの宿題で行き詰まっちゃったみたいなんだ」

 

「そっか、あれ?雪穂は兎も角として亜里沙は?絵里さんは賢くなかったっけ?」

 

真也君が亜里沙ちゃんにそう聞く

 

「その…お姉ちゃんスクールアイドル始めて」

 

「それで勉強も聞いちゃ申し訳ないんじゃないかって思ってるんだね」

 

真也君の言葉に亜里沙ちゃんは頷く

 

「僕はそうでも無いけど、何時も頼ってるお姉さんが何か夢中になれる事見つけたらそう思っちゃうのかもね」

 

それって遠回しに千歌ちゃんは頼れないって言ってない!?

 

「真兄のお姉さんか、きっと頭も良くて優しいお姉さんなんだろうなぁ」

 

雪穂ちゃんがそう言って真也君のお姉さんの千歌ちゃんをイメージする優しくはあるけど頭は良くないかな

 

「んー、穂乃果さんと性格が凄く似てるかな?」

 

「苦労しませんか?」

 

さっきの対応と打って代わり同情をする雪穂ちゃん、似てるって言われただけで妹にこの反応をされる高坂さんって一体

 

「まあ退屈するよりかはマシだって思ってるよ」

 

真也君も苦労するのは否定しないのね。そう言いたくなるのは分かる気はするけどそう思って居ると下から視線を感じる

 

「ワン!」

 

「ひっ!」

 

私はつい情け無い声を出してしまった

 

「あっココアそれ以上近づいたら「いや〜!」あ〜遅かったか、それじゃあ僕はまだ仕事があるから戻るね。それと梨子の部屋は隣だから」

 

真也君はそう言って部屋を走りまわる私とココアちゃんを捕まえようとする高坂さんと綾瀬さんの妹さんを残して部屋を出た

 

〜梨子side out〜




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69話

「真兄この宝箱何が入ってるの?」

 

雪穂が僕の部屋から見覚えのある1つの宝箱を持って来た

 

「懐かしい、それ僕が小学生の時に大事にしてたのが入ってるんだ」

 

「へー、真也君の大事な物ね中見ても良いかしら?」

 

中身に興味があるのか梨子がそう聞いてくる

 

「うん、良いよ梨子。僕の仕事も終わりだし部屋でその宝箱開けて整理するよ。終わったら行くから先に部屋で待ってて」

 

僕がそう言うと梨子と雪穂は僕の部屋に向かって行った

 

「それじゃあ、開けるね」

 

仕事を終え自室に向かって宝箱を開ける

 

「これって栞?」

 

「ああ、それ確か海未さんが初めてくれた誕生日プレゼントだったんだ。庭で見つけた四葉のクローバーを栞にして僕にくれたんだ。本も結構読んでたし」

 

中身の1つの四葉のクローバーの栞は海未さんが初めてくれた誕生日プレゼントで使って無くしちゃったら嫌だからそこに入れたんだっけ

 

「これとこれは?」

 

「それは右側が穂乃果さんで左側がことりさん」

 

穂乃果さんから初めて貰った誕生日プレゼントは穂むらの割引券と何でもしてくれるって言ってくれた命令券、ことりさんから初めて貰った誕生日プレゼントは音符のストラップで毎年違う形の音符くれたっけ

 

「へー、お姉ちゃん真兄の誕生日プレゼントにこんなの渡してたんだ」

 

「こんなのって、でも僕は嬉しかったなぁ海未さんや和叔母さん達以外で初めて貰った誕生日プレゼントだったから」

 

「そうなの」

 

宝箱の中身を出すたびにその時の事を思い出を1つ1つ梨子達に話していく

 

「あ、これが最後みたいだよ」

 

最後に出て来たのは黄色く丸い形をして居て頭に角の生えた人形だった

 

「これって…」

 

僕はその時の事を思い出そうとする

 

『良い?これを持っている限り貴方は私のリトルデーモン第1号よ!ありがたく思いなさい!』

 

『うん!ありがとう◯◯!』

 

『これで私と貴方は永遠の契りを結んだわ。だから…また会いましょう!私のリトルデーモン!!』

 

『うん!』

 

僕は1人の少女とした約束を思い出した

 

「…思い出した」

 

(そうだ何でずっと忘れてたんだろう?通りでバイオリンの音に聞き覚えがあるはずだよ。あの子は覚えているのかな?)

 

「しん…真兄!!」

 

「わっ!どうしたの雪穂?」

 

「どうしたのじゃ無いよ、ボーとしてたけど何処か具合悪いの?それなら私も亜里沙ちゃんも私達の使う部屋に向かうけど?」

 

どうやら思い出に浸っているうちに少しボーとして居たらしい

 

「ごめんね雪穂、これ貰った時の事思い出してて」

 

「そうなんだ、真也君にとって何か思い出の品なの?」

 

梨子がそう言って疑問符を浮かべる

 

「うん、本当に大切な思い出の品だよ。」

 

梨子の問いかけに対して僕は笑ってそう答えた




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70話

「それでこんな朝早くから何の用ですか?」

 

宝箱を開けた翌日、梨子と朝のランニングに出かけようと外に出ると穂乃果さん達μ'sのメンバーが立って居た

 

「穂乃果さん朝の練習に遅刻せずに起きれる様になったんですね。えらいですよ」

 

「えへへ、ありがとう真君」

 

僕がそう言って撫でると穂乃果さんは嬉しそうにして撫でられ続ける

 

「真也君ことりも」

 

「分かりました」

 

そう言って近づいて来たことりさんも撫で始めると穂乃果さん同様に嬉しそうに撫でられ続けている

 

「なんか手慣れとんな真也君」

 

「中学にあがって学校が変わってからずっとこんな感じでしたから、それで結局何しに来たんですか海未さん?」

 

海未さんは未だに撫でられ続ける穂乃果さんとことりさんを見てため息を吐いてからここに来た理由を話してくれた

 

「成る程、皆さんで話し合った結果僕に1日でも良いのでコーチをお願いしようとして来たと…本当に話し合ったんですか?」

 

あれから10分が経過した。海未さんは僕が帰った後、僕がA-RISEのマネージャーをして居た事、そしてどうしてあんな言い方をしたのかをμ's全員に話し、自分達のこれからを話し合った結果もう一度ラブライブに出場するチャンスがあれば出たい為僕にコーチの依頼をしに来たらしい。そしてそのグループのリーダーとメンバーの1人が海未さんの話が終わった後も撫でられて居る状態が続いている

 

「この2人にやる気が感じられないんですが?」

 

「はぁ、全くこの2人は」

 

海未さんのため息から普段から気苦労が絶えない事がわかる

 

「穂乃果ちゃん、ことりちゃん、今すぐ離れんとわしわし行くで」

 

希さんがそう言って穂乃果さんとことりさんに近く

 

「わかったよ希ちゃんだからわしわしは辞めて!?」

 

穂乃果さんがその言葉を聞いて離れるが

 

「ことりは真也君に撫でて貰えるなら希ちゃんのわしわしも喜んで受けるよ」

 

この人(ことりさん)には通用しなかった

 

「ことりさん、取り敢えず後にしましょう」

 

「はーい♪」

 

僕がそう言うとやっとことりさんは離れた

 

「それでコーチの件ですが…条件によっては引き受けても構いません」

 

「その条件って何かしら?」

 

絵里さんが条件の内容を聞いてくる

 

「条件は至ってシンプルです。今からランニングに出かけます、そのランニングが終わる頃に僕の見える範囲に7人以上入って居れば東京に居る間毎日コーチを引き受け、6人なら今日1日だけ、6人を下回った場合はこの話自体を無しにします」

 

僕が条件の説明を終えると穂乃果さん達は顔を見合わせるが

 

「やるよ真君!」

 

さっきとは打って変わり真剣な表情でそう言う穂乃果さんこの表情の穂乃果さんは本当に凄い

 

「分かりました、それじゃあ始めます」

 

こうしてμ'sのコーチを引き受けるかどうかのランニングが始まった

 

「ふー、こんな所かな。お疲れ様です海未さん、凛と梨子もお疲れ」

 

僕は旅館の入り口に戻り一息つく最初から最後まで着いて来たのは予想通り海未さんと凛と梨子の3人、少し後ろに絵里さんに希さんそれと真姫が見える、そしてギリギリことりさんが見えた。僕が走り終えた段階で6人と言う事は練習を見るのは今日1日だけだ

 

「はぁ…はぁ…ゴール」

 

「お疲れ様ですことりさん」

 

ギリギリでゴールしたことりさんが倒れる寸前に抱えてそう言う

 

「ありがとう真也君」

 

「いえ、これくらい大丈夫です」

 

そう言ったことりさんは残りの3人が来るまでずっと僕から離れなかった




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71話

「それでは今日1日よろしくお願いします」

 

穂乃果さん達が休日に練習をして居る神社の前でそう言って頭を下げる

 

「堅くは良いから始めなさい」

 

「その前に、皆さんがどの程度出来るのか知って置く必要があるので午前中はいつも通りの練習を見せてください。午後から僕が見ていきます」

 

「そうですね、それでは始めましょうか」

 

海未さんの掛け声で練習が開始された

 

「それでは少し休憩を挟みましょう」

 

2時間くらい練習した後の休憩中に絵里さんと海未さんがこっちに来た

 

「それでどうだったかしら?」

 

「そうですね…少し気になってたんですが花陽の事気付いてますか?」

 

「花陽がどうかしたのですか?」

 

この様子だと気付いて無いんだ

 

「皆さんに合わせがちなのかは分かりませんが所々無理をして居る様に見えました」

 

「それは私も少し思った。花陽ちゃんって他人に合わせちゃう所があるのかも」

 

僕と梨子の意見を聞いて海未さんと絵里さんが花陽に確認に行く

 

「梨子、念の為スポーツドリンクの準備お願い」

 

「わかったわ」

 

梨子は階段を降りてスポーツドリンクを買いに行った。僕の考えが正しかったら

 

「かよちん大丈夫かにゃ?」

 

「うん、大丈夫だよ凛ちゃん」

 

案の定練習を再開して30分くらい経った頃ダンスの練習をして居る途中、熱中症により花陽が倒れた

 

「花陽、午前中は休んでて残りは練習を再開する!」

 

『はい』

 

花陽以外のメンバーが返事をするが凛だけは返事をせず花陽を見ていた

 

「海未さん」

 

「そうですね、凛少し来て下さい」

 

「何にゃ?海未ちゃん?」

 

練習を中断して凛を呼ぶ海未さん

 

「凛、さっきから花陽の事見てるけどそんなに心配なの?」

 

「なっ何の事にゃ!?「誤魔化さないで」うん、実はかよちんの事すっごく心配にゃ」

 

このままじゃ練習に身も入らないだろうし、仕方ない

 

「凛、花陽と休憩してて、その代わり午後は特別メニューをこなして貰うから」

 

「特別メニューにゃ?」

 

「うん、結構キツイけど大丈夫そう?」

 

「やってやるにゃ!かよちーん!!」

 

凛はそう言って花陽の元に向かった。練習メニューを知らずに

 

「真也、隣よろしいですか?」

 

午前の練習が終わりお昼を食べて居る時海未さんが隣に来た

 

「大丈夫ですよ。どうかしたんですか?」

 

「凛の特別メニューと言うのが気になりまして」

 

「そう言う事ですか、これが凛にこなしてもらう特別メニューです」

 

僕は海未さんに1枚の紙を見せた

 

「成る程、ハードですが何とかなる範囲ではありますね」

 

「そうだと良いですね」

 

確かに海未さんなら何とかなる範囲だが今回そのメニューをするのは凛であり海未さんではない

 

「すみません、食べながらで良いので聞いてください。午後は3つに分けて練習をします。1つ目のグループはランニング、これは朝クリア出来なかった穂乃果さん・花陽・矢澤さんの3名にしてもらいます。距離は15キロ〜20キロこれは梨子に同行してもらいます。2つ目のグループはいつも通りの練習メニューで構いません、3つ目は凛限定の特別メニューです。凛にはこの練習メニューをこなして貰うよ」

 

練習メニューの書いてある紙を見て凛の顔から血の気が引いていく

 

「こっこれを半日でやるのかにゃ?」

 

「因みに、ツバサさん達も同じメニューしてたよ。かなりキツかったみたいだけどね」

 

「凛、ちょっと用事思い出したにゃ「逃げない、さっき練習メニューを確認しない凛が悪いんだよ」うわーん!かよちーん!!助けてにゃー!!」

 

凛が逃げない様にしっかりと腕を組み神社の階段を降りて行く姿を穂乃果さん達は唖然として見ていた。

 

その後、練習メニューを終えた凛は抜け殻の様になっていた

 

〜特別メニュー〜

 

ランニング 15キロ

 

腕立て伏せ・腹筋 50回

 

これを2セット




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72話

「いよいよだね梨子」

 

「うん」

 

μ'sの練習を見た翌日、コンクール当日になり今は控え室で順番を待っている

 

「桜内梨子さん!準備お願いします!」

 

「はい!行ってくるわね真也君」

 

そう言って梨子は控え室を出てステージに向かった

 

「電話?」

 

梨子が呼ばれて数分経った頃電話がかかって来た。相手はダイヤ?

 

「もしもし?」

 

『真也少しお時間よろしいですの?』

 

「うん、大丈夫だよダイヤ。どうしたの?」

 

『いえ、少しお節介かもしれませんが応援をと思いまして、真也これまでの練習の成果を十分に発揮できればきっと良い演奏が出来ますわ。悔いのない様頑張って下さい』

 

「うん、勿論だよダイヤ」

 

『あ!真也君?千歌だけど梨子ちゃん居る?』

 

最後は千歌姉か

 

「ごめん千歌姉、さっきまで梨子居たんだけどちょっと前に呼ばれちゃって」

 

『そっかー、それじゃあ仕方ないね、真也君頑張ってね』

 

「うん「高海真也さん!準備お願いします!!」はい!呼ばれたから切るね」

 

『うん!ルビィちゃん?』

 

『真君、ガンバルビィ♪』

 

「うん頑張るよルビィ」

 

そう言って電話を切ってバイオリンを持ちステージに向かった

 

〜真姫side〜

 

「楽しみだねことりちゃん」

 

「そうだね穂乃果ちゃん♪」

 

「2人とももう少し静かに話して下さい。周りの人に迷惑ですよ」

 

真也と桜内さんの参加する音楽コンクールの会場内、私達は真也と桜内さんから貰ったチケットのお陰でかなり前の席で見ている

 

「真也がどんな演奏をするか楽しみにゃ」

 

「そうだね凛ちゃん、真姫ちゃんは?」

 

「そうね、バイオリンの天才少年がどこまで上手くなってるかは楽しみね」

 

『バイオリンの天才少年?』

 

私の言葉に絵里と海未以外の全員が首を傾げる

 

「意味わかんない、《バイオリンの天才少年》この辺りじゃ有名よ?最年少で賞を受賞した上にこの辺りで開催されて居る音楽コンクールの全てで賞を受賞して居る少年、それが高海真也その才能からつけられた名前がバイオリンの天才」

 

凛達は兎も角幼馴染の穂乃果とことりは知っておきなさいよ

 

『それでは只今より高海真也さんの演奏を始めます』

 

そのアナウンスが流れるのと同時に少し騒ついていた観客席が静まり返った

 

(凄い、中学の頃1度聞きに行った事があったけどその時より遥かに上達して居る)

 

私もピアノには自信があった。でも、彼の演奏と比べればまだまだだ、そう思える程に彼の演奏は素晴らしいものだった。そして彼の奏でる音の1つ1つに夢中になった。楽しい時間はあっという間に過ぎる、気がつけば演奏は終わっており辺りから大きな拍手が湧き上がっていた。

 

〜真姫side out〜

 

「後は結果だけだね梨子」

 

「そうね、真也君は兎も角私は上位に入って居るか心配だわ」

 

「大丈夫だよ梨子」

 

音楽コンクール終了後、僕と梨子は会場の外のモニター前に向かって居ると見覚えのある人達が見えた

 

「おーい!!梨子ちゃーん!!真くーん!!」

 

大きく手を振りモニターの前で僕と梨子の名前を呼ぶ穂乃果さん

 

「梨子ちゃんも真也君も本当に凄かったよ!!」

 

「真也も桜内さんもとても素晴らしい演奏でした」

 

「お疲れ様梨子ちゃん、真也君」

 

「ハラショー!あんな演奏を聞いたのは生まれて初めてだったわ」

 

「ふん!まあまあだったわね」

 

「もうにこっちは不器用やな素直に凄いって言うたればええやん」

 

「お二人の演奏感動しました!」

 

「凛もにゃ!」

 

「まあ良かったんじゃない?」

 

各自思い思いの言葉を口にし僕と梨子を囲う

 

「メール?ツバサさん達も来てたんだ」

 

「「えー!?あのA-RISEも来てたの(来てたんですか)!?」」

 

「うん、そう見たい」

 

僕はツバサさん達からのメッセージを矢澤さんと花陽に見せた

 

「真也、あんたこれからはにこで良いわ。矢澤さん何て何時迄も他人行儀なの私嫌なの」

 

「分かりました、にこさん」

 

唐突にそう言われた僕はにこさんにそう返す

 

「結果が出た様ですね」

 

そう言って海未さんがスクリーンを見上げる

 

「まだ名前がないって事は」

 

「かなり上位って事ね」

 

順位も順調に出て残すは1位、2位、3位のみとなった

 

「嘘…」

 

「こんなのって、真也君、私のほっぺ思いっきりつねって」

 

「え?痛いですよ?」

 

「良いの」

 

梨子さんからの了承も得たので思いっきりつねる

 

「痛い痛い!もう大丈夫だからつねらないで!」

 

「痛いって事は」

 

僕は間を置いてスクリーンを見る

 

1位、桜内梨子・高海真也

 

「事実って事ですね」

 

僕と梨子が2人で1位入賞した

 

「「やった!!」」

 

何故か僕以上に喜んでいる穂乃果さんとことりさんが飛びつく

 

「穂乃果さん、ことりさん苦しいですよ」

 

「良かった!良かったよ!」

 

「おめでとう真也君!!」

 

僕の言葉を聞かずに穂乃果さんとことりさんは抱きつく力を強くする

 

「2人とも、真也が苦しそうにしてますよ」

 

「「真(真也)くーん!!」」

 

如何やら今この2人には何を言っても無駄な様だ

 

「改めて、おめでとうございます。真也、桜内さん」

 

「ありがとう園田さん」

 

この後穂乃果さんがお祝いをしようと言い出し旅館に戻った




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73話

〜ルビィside〜

 

「皆んな!真也君と梨子ちゃんの順位発表されたよ!」

 

「本当ですか曜さん」

 

ライブが終わって私とお姉ちゃん、千歌ちゃん達と真君と梨子ちゃんのコンクールの結果を確認しようとして居る

 

「どうする下から見るか上から見るか」

 

「そうね…下からにしましょう。上から見ても面白くないじゃ無い」

 

「そうですわね。まあ真也であれば上位に入って居るでしょうが」

 

「それじゃあ上から「待ってください千歌さん!まだ心のの準備が」それじゃあ下から見て行こう!」

 

千歌ちゃんはそう言って下から順に見て行く

 

「結構上位まで来たけど」

 

「真也と梨子どっちの名前もないわね」

 

今見た順位が10位でその中に真君も梨子さんの名前も無かったからお姉ちゃんの言う通り本当に上位何だ

 

「それじゃあ9位〜1位は一気に見ちゃおう」

 

「それが良いかもねダイヤもルビィちゃんもそろそろ限界みたいだし」

 

果南さんの言う通りで私もお姉ちゃんも真君の順位が気になって仕方がない

 

「それじゃあ、えい!」

 

千歌ちゃんが9位〜1位の順位を一気に見る

 

「かっ果南さん鞠莉さんわっわたくしの代わりにご覧になって下さい!」

 

「花丸ちゃん真君大丈夫かな?」

 

「きっと大丈夫ずらよルビィちゃん」

 

「千歌ちゃん?」

 

曜さんが携帯を見たまま動かない千歌ちゃんを呼ぶ

 

「…奇跡だよ…」

 

「?ごめんね千歌ちゃん「凄いよ!曜ちゃん!奇跡だよ!!」取り敢えず落ち着こう千歌ちゃん」

 

いきなり曜さんに飛び付く千歌ちゃんを落ち着かせて曜さんは千歌ちゃんの携帯で順位の確認をする

 

「えっと順位は…確かに奇跡だね真也君と梨子ちゃんどっちも1位何て」

 

千歌ちゃんの携帯で順位を確認した曜さんがそう言う

 

「やったよお姉ちゃん!真君1位だって!!」

 

「良かった…ですわ」

 

お姉ちゃんはそう言って涙を流して居た

 

「もうダイヤってば大袈裟ね、私も嬉しいけどね…良かった、ちゃんと乗り越えられたのね真也…」

 

「そうだ!真也君に電話しよう!」

 

千歌ちゃんは突然真君に電話をかけ始めた

 

「あれ?出ないなぁ…梨子ちゃんにかけてみよ」

 

『もしもし千歌ちゃん?』

 

「あ!梨子ちゃん!!コンクールの結果見たよ!」

 

千歌ちゃんは梨子さんの声が私達にも聞こえる様スピーカーにして梨子さんと話す

 

「おめでとう梨子ちゃん」

 

『ありがとう曜ちゃん、私自身驚いて居るわ。真也君の演奏私なんかよりよっぽど凄かったのに私と同じ順位なんだもの』

 

曜さんの言葉に梨子さんはそう返す

 

「あの梨子さん!真君演奏そんなに凄かったんですか?」

 

『ええ、ルビィちゃんや皆んなにも聴かせてあげたかったわ』

 

「それでね真也君電話に出ないんだけど」

 

電話越し千歌ちゃんが梨子さんにそう聞く

 

『ああ…旅館の手伝いが忙しくて暫くはこっちに居るみたい』

 

旅館のお手伝いをしてるんだ。それじゃあ電話にも出れないよね

 

「そっか、そうだ!明日私達も東京に行くよ!それなら真也君にも梨子ちゃんにも会えるでしょ?」

 

『あっ明日!?えっと…それは…明後日なんてどうかしら?ほら急な事じゃ真也君も驚くでしょ?』

 

「それが良いんだよ!偶には突然行って真也君を驚かせるのが目的なんだもん!梨子ちゃんも真也君に言っちゃダメだよ?」

 

『え…ええ』

 

梨子さんは困った声で了承する

 

「それじゃあバイバイ!梨子ちゃん!」

 

『待っ』

 

梨子さんが何か言おうとする前に千歌ちゃんは電話を切った

 

「ねえ、梨子何か言おうとしてなかった?」

 

「う〜ん、そうかな?」

 

「それで東京に行くのよね!直ぐに小原家のヘリを準備するわ!丁度知り合いが東京に居るもの!」

 

そこから話はとんとん拍子で進んで明日の明け方出発する事になった

 

〜ルビィside out〜




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74話

〜鞠莉side〜

 

「Hello!元気かしら?」

 

私は明日ヘリを止める家の知り合いに電話をして居る

 

『元気ですけど…時間を考えて頂戴』

 

「sorry!実は明日東京にヘリで向かう事になってね。そのヘリを止めさせて欲しいのよ」

 

『意味わかんない…第一どうしてヘリで来るのよ』

 

電話の相手の真姫は不機嫌な声でそう言う

 

「サプライズよ!」

 

『だからって…はぁ、貴方には何を言っても無駄なのよね。わかったわよ』

 

真姫はそう言って承諾してくれる

 

「thank you!お礼にまたギュって『い・り・ま・せ・ん!!』もう照れちゃって」

 

『照れてません』

 

「そんな事言って昔は鞠莉お姉ちゃんって後ろをついて来たのに」

 

『それは幼稚園の頃の話で!!』ゴンッ

 

電話越しで鈍い音が聞こえる

 

『兎に角、明日到着する時間を教えて下さい』

 

「そうねぇ…9時くらいかしら?」

 

『分かりました…』

 

真姫はそう言って電話を切った

 

〜鞠莉side out〜

 

〜真姫side〜

 

「またあの人は」

 

私は自室で電話の時に壁にぶつけた足を摩りながらそう呟く。

 

確かに私はあの人を尊敬して居たし今でもそれは変わらない。時々からかってくるのともう少し人の話を聞いてくれれば何も言う事はないのだがそれは無理だと断言しその考えを隅の方にやる

 

「留学から帰って来て初めて来た電話がヘリを止めさせて欲しいだなんて…それもたった2人のサプライズの為に」

 

相変わらず思い切った事をする人だと思う一方、それでいて色々と考えて居ることも否定できない

 

(取り敢えずパパとママに話しておかないと)

 

そう思い私はパパとママが居るリビングに向かった

 

〜真姫side out〜

 

「お疲れ様です真也、今お茶を入れますね」

 

「大変だね、コンクールの後に旅館のお手伝いだなんて」

 

旅館の手伝いを終えて自室に戻ると海未さんとことりさんがそう言う

 

「ありがとうございます海未さん。そう言えば穂乃果さんはどうしたんですか?家に帰ったって訳でも無いでしょうし」

 

「穂乃果なら着替えの準備をしてなくて1度戻りました。全く穂乃果は、何時も何時も」

 

「あはは、穂乃果ちゃんらしいけどね」

 

「そうですね」

 

穂乃果さんも千歌姉と同じでもう少し落ち着きがあれば尊敬出来るんだけど

 

「たっだいま〜!!「穂乃果さん、海未さんが寝てるので静かにして下さい」ごめん真君」

 

暫くして夜も更けて来て海未さんが眠って少しすると穂乃果さんが帰って来た

 

「それじゃあ穂乃果さん達の部屋に向かいましょうか、海未さんを背負うので…何してるんですか穂乃果さん?」

 

僕が穂乃果さんの方を見ると部屋に布団を敷き僕の部屋で寝ようとして居た

 

「ことりちゃん!」

 

「任せて穂乃果ちゃん、真也君…おねがぁい…」

 

ことりさんが僕の目の前まで来て目を潤ませて、手を胸元にもっていきそう言う

 

「分かりまし…絶対にダメです」

 

了承したくなった自分を押し殺して断る

 

「えー!海未ちゃんの時はこれで大丈夫だったのに!」

 

「ごめんね穂乃果ちゃん…」

 

ことりさんが残念そうに穂乃果さんにそう言うなんか知らないけど僕が悪いみたいな感じになってるのは気のせいかな?

 

「仕方ないですね、わかりました此処で寝て良いですよ」

 

「やったー!!「穂乃果…いま何時だと思って居るのですか…」うっ海未ちゃんおはよう」

 

穂乃果さんが大声を出した事により寝て居た海未さんが目を覚ましゆらりゆらりと立ち上がる

 

「しっ真君!!「ことりさん外に出て話しましょう」真君!?「覚悟は出来ていますか穂乃果?」うっ海未ちゃん落ち着いて!話し合おうよ!」

 

寝てる時に起こされた海未さんは物凄く機嫌が悪く僕で無いと止められない。その事を知って居る穂乃果さんは直ぐに僕に助けを求めるが僕はそれを無視してことりさんと部屋の外に出る

 

「大丈夫かな穂乃果ちゃん?」

 

「死にはしないので大丈夫ですよ。多分…」

 

暫くすると静かになったので少し襖を開けて中を覗く

 

「うう…助けて真君」バタッ

 

「すぅ~、すぅ~」

 

そこには僕の枕に顔を埋めて眠る海未さんと死闘の上何とか生きながらえた穂乃果さんが居た

 

「穂乃果ちゃん!」

 

「ことりちゃん…穂乃果もうダメだよ」

 

「そんな!しっかりして穂乃果ちゃん!」

 

向こうで茶番をして居る穂乃果さんとことりさんを他所に海未さんを布団に戻す

 

「はぁ、仕方ありませんね…また海未さんが起きて一悶着あるのはごめんですし僕の負けです」

 

考えてみれば海未さんが寝てしまった時点で僕の負けは決まっていたのかもしれない

 

「ありがとう真君ならそう言ってくれると思ってたよ」

 

そう言って穂乃果さんが抱きついて来る

 

「電気消しますね」

 

「「うん、おやすみ真君(真也君)」」

 

「おやすみなさい穂乃果さん、ことりさん」

 

部屋の電気を消した後穂乃果さんとことりさんの2人と一言だけそう言って眠りに着いた




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75話

「ん…ふぁ〜、おはようココア」

 

僕は何時も通りココアに起こされた

 

「ん…おはようございます真也」

 

僕が部屋を出ようとすると海未さんが起きた

 

「おはようございます海未さん。すみません起こしてしまって」

 

「いえ、私は何時もこの時間に起きて居ますから。穂乃果ことり起きてください朝練に行きますよ」

 

「「ん…海未ちゃん後5分…」」

 

海未さんの言葉に穂乃果さんとことりさんはそう返す

 

「仕方ありませんね、ことり今起きるのなら真也が朝練の後デートをしてくれるそうです」

 

「おはよう海未ちゃん♪」

 

海未さんがそう言うとことりさんは直ぐに起きたと言うか

 

「海未さん僕そんな事言ってませんよ?」

 

「穂乃果も起きてください、朝練に間に合わなくなりますよ」

 

「穂乃果ちゃん、起きないとことりのおやつにしちゃうぞ?」

 

海未さんとことりさんが穂乃果さんを起こそうとするが穂乃果さんは一向に起きない仕方ない

 

「穂乃果ちゃん、早う起きんとワシワシするで」

 

「起きるから希ちゃんワシワシだけはやめ…て」

 

穂乃果さんは布団から飛び起きて希さんの声のした方を見る

 

「おはようございます穂乃果さん」

 

「おはよう真君…あ!もしかして今の希ちゃんの声って!」

 

「はい、僕です」

 

僕は笑って穂乃果さんにそう言った

 

「酷いよ真君!穂乃果まだ寝たかったのに!」

 

朝練の行われる神社に向かって居る途中穂乃果さんにそう言われる

 

「そもそも私達が起こそうとしても起きなかった穂乃果が悪いんですよ。それにしても似てましたね」

 

「うん、ことりも真也君見てないとわからなかったよ」

 

こう言うの自分じゃわからないけどそんなに似てるんだ

 

「「「「おはようございます絵里(ちゃん)(さん)、希(ちゃん)(さん)」」」」

 

神社の階段に着くと既に絵里さんと希さんが来ていた

 

「おはよう海未、ことり、穂乃果、真也君」

 

「珍しいなぁ、穂乃果ちゃんがこんな早いん今日は雨でも降るんとちゃうか?なあ真也君」

 

穂乃果さんが早く起きた事が相当珍しいらしく希さんがそんな事を言い出した

 

「そうですね…天気予報では晴れでしたが一様傘持って来た方が良かったかも知れません」

 

「希ちゃんも真君も酷いよ!」

 

「日頃の行いですよ穂乃果」

 

「あはは…ことりもそう思うかな」

 

「そうね日頃の行いね」

 

本人以外の全員が同意、穂乃果さんが日頃どれだけ遅刻をして居るかが伺える

 

「真姫は用事で今日の練習は休むって連絡があったわ。それじゃあ練習を始めましょう。真也君悪い所があれば浅慮なく言ってね」

 

凛達も来て絵里さんにそう言われたので遠慮なく行く事にした

 

「10分休憩しましょう。みんな水分補給を怠らないで」

 

「ふぅ〜、やっと休憩だよ」

 

「お疲れ様です穂乃果さん。皆さんの分も用意してます」

 

そう言って穂乃果さん達にスポーツドリンクを渡す

 

「それにしても随分と厳しく見ますね真也」

 

休憩の途中海未さんが隣に座りそう言う

 

「ええ、遠慮なくって絵里さん言われましたからね」

 

「でも、もうちょい肩の力抜いてもええんとちゃう?」

 

いつの間にか後ろに来て居た希さんにそう言われる

 

「妥協はしたくありませんからね。やるからにはとことん厳しく行きます。それと絵里さん花陽はもう少し休ませて下さい。これじゃあ午後まで持ちません」

 

「わかったわ、花陽以外休憩は終わり練習を再開するわよ!」

 

「かよちん以外にゃ?」

 

「真也がそう言ったのこのままじゃ午後まで持たないって、だから花陽はもう少し休んでてそれじゃあ皆んな練習を再開するわよ」

 

『はい!』

 

絵里さんの言葉で練習が再開され5分程して花陽も再び練習に参加した




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76話

「おかえりなさいませご主人様♪」

 

「お帰りなさいませご主人様」

 

そう言って出迎える僕とことりさん。何故か僕は女装させられた上メイド喫茶の手伝いをしていた。どうしてこっなったんだっけ?確か練習が終わって朝海未さんが言った通りことりさんとデート?をして居る途中

 

「どうかしたんですかことりさん?」

 

「ごめんね真也君…はい南です。え?そんな店長今日はお休みってはい、はいわかりました今から向かいます」

 

ことりさんはそう言って電話を切った

 

「何かあったんですか?」

 

「うん…私メイド喫茶でバイトしてて今日はお休みの筈だったんだけど今日シフトの子が1人来れなくなったらしくてそれで」

 

「ことりさんに出て欲しいと」

 

僕の言葉にことりさんは頷く

 

「折角海未ちゃんが時間作ってくれたのに…」

 

「あの…ことりさんさえ良ければバイトが終わるまで待ちますよ?僕もメイド喫茶に行ってみたいって思ってましたから」

 

「真也君…ありがとう、それじゃあ行こっか」

 

ことりさんはそう言ってメイド喫茶に向かう

 

「ごめんねことりちゃん彼氏とのデート中にも関わらずシフトに入る様に頼んでしまって」

 

「いえ、大丈夫です。それじゃあ後でね真也君」

 

メイド喫茶に着いて謝る店長にそう言ったことりさんは更衣室に向かって行く

 

「君はことりちゃんの彼氏さんで良いのかな?」

 

「いえ、ただの幼馴染みです」

 

「そうなの?それにしても君女装とか似合いそうだね」

 

そう言って僕を見る店長は僕に女装させる時のことりさんに似ていた

 

「ねえ、1日だけ試しでやってみない?」

 

「謹んで遠慮します」

 

「勿体無いなぁ、絶対似合うのに「お待たせしました♪」ことりちゃん丁度良い所に彼なんだけどさ」

 

着替えを終え戻って来たことりさんに店長が何かを話しに行く

 

「女装とか似合いそうなんだけど実際にはどうなの?」

 

「そうですね、凄く似合いますよ店長」

 

「そっか…ことりちゃん後1人居れば本当に丁度良いんだよね。何とか後1人集まらないかな?」

 

店長はそう言って僕を見る。何だろ物凄く嫌な予感がする

 

「そうですね…ねえ真也君ことりのの願い聞いてくれないかな?」

 

「一様聞きますよ?お願いって何ですか?」

 

恐る恐る聞くとことりさんは

 

「もうわかってるでしょ?」

 

笑顔でそう答えた

 

「えっと…急用を思い出したのでこれで…「真也君ことりの事待っててくれるんじゃ無かったの?」それは…「真也君…これ以上抵抗する様ならことりのおやつにしちゃうぞ♪」ことりさんのおやつ…わかりました」

 

一度ことりさんのおやつにされかけた事があるのでそう言われると断れない

 

「ありがとう真也君」

 

そして現在に至る。今考えてもおかしな点しか見当たらない。それにことりさんからすれば僕のメイド姿が見れたので今日バイトになった事に少なからず感謝してるだろう。何時もなら海未さんに止められてるから

 

「おかえりなさいませ…お嬢様」

 

僕は客の顔を見て固まる

 

「わあ!本当にメイドさんだ!」

 

「メイド喫茶だからね」

 

そこには居たのは今東京に居る筈の無い千歌姉と曜だった




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77話

〜梨子side〜

 

私が春風に戻るとそこには一台の車が止まって居た

 

「桜内さん少し時間いいかしら?」

 

「えっと…西木野さんだったわよね?」

 

その車から西木野さんが出て来た

 

「ええ、それでどうなの?」

 

「えっと…大丈夫だけど…」

 

「そう、乗って」

 

私は西木野さんに言われるがまま車に乗り込む

 

「えっと…何処に行くの?」

 

「私の家、後は着けばわかるわ」

 

西木野さんはそう言って窓の外の景色を眺める

 

「此処よ」

 

「そう何だ…」

 

西木野さんの家はどちらかと言うと別荘に近かった

 

「そろそろ時間ね」

 

「時間?あれって…」

 

西木野さんの家に着いて暫くすると見覚えのあるヘリが飛んで来たと思うと1人の女性がパラシュートを使って降りて来た

 

「久しぶりね真姫」

 

「そうですね、鞠莉さん」

 

西木野さんはヘリからパラシュートを使って降りて来た鞠莉さんにそう言う

 

「もう、昔みたいに鞠莉お姉ちゃんって呼んでくれても良いのに」

 

「意味わかんない」

 

「それにしても梨子も一緒だったのは驚いたわ」

 

「鞠莉さん!全く貴方は又こんな事をして!!」

 

そこにヘリが着陸しカンカンに怒ったダイヤさんが出て来る

 

「もうダイヤたらそんなに怒ったらまたしわが増えるわよ」

 

「誰のせいですの!!」

 

「よっと、あ!梨子ちゃん!!」

 

私を見つけた千歌ちゃんがこっちに向かって来る

 

「コンクールの結果見たよ!凄いよ梨子ちゃん!!」

 

「ありがとう千歌ちゃん」

 

「ねえねえ!真也君は!」

 

千歌ちゃんが此処に居ない真也君の事を聞いてくる

 

「ついさっきまではμ'sの朝練を見てたから一緒だったんだけど南さんと出かけるって何処かに行っちゃったの」

 

「そう何だ、ルビィちゃーん!真也君ことりちゃんとお出かけしちゃってて居ないんだって!」

 

「うゆ、そう何だ…」

 

ルビィちゃんは真也君に会いたかったのか寂しそうな表情を浮かべてそう言う

 

「もしかして真也君ことりちゃんとデートだったりして」

 

「ぴぎぃ!そんな…でもことりさんはルビィなんかよりずっと可愛いし…」

 

「…曜今は少し言葉を選びなさい…」

 

善子ちゃんがルビィちゃんに聞こえないくらいの声で曜ちゃんにそう言う

 

「そうだった…ごめんルビィちゃん!大丈夫だよ真也君ルビィちゃんにベタ惚れだもん」

 

「そうずらよ、真也君がルビィちゃん以外の子を好きになるなんて事ないずらよ」

 

「そうかな…」

 

「そうじゃないかな?私から見ても真也君ルビィちゃんにベタ惚れだし」

 

果南さんの言葉を聞いてルビィちゃんは落ち着きを取り戻す

 

「一先ず春風まで送るわ、話はそれからにしてもらって良いかしら?」

 

「thank you真姫」

 

「すみません、西木野さんでしたねお願いします」

 

「別に…全員乗って」

 

西木野さんにそう言われた私達は車に乗り込み春風まで送って貰った

 

〜梨子side out〜




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78話

〜千歌side〜

 

「う〜ん…」

 

「千歌ちゃん如何したの?」

 

「それがさっきのメイドさん何処かで見たことあるんだけど何処か思い出せないんだ」

 

さっき私達を見て固まったメイドさん私はあの人に会った事がある筈何だけど

 

「あ〜、わかるよそう言うのって思い出せないともやもやした気分になるよね」

 

「そうそう!何処だったかな?」

 

「あれ?千歌ちゃんに曜ちゃん?」

 

私が考え込んで居ると聞き覚えのある声が聞こえる

 

「もしかして…ことりちゃん?」

 

「うん♪2人共来てたんだ」

 

「うん、Aqoursの皆んなでね。そう言えばことりちゃん今日は真也君と出かけるんじゃなかったの?」

 

「うん、その筈だったんだけど…今日バイトの子が1人来れなくなって急にバイトが入ったの」

 

それでことりちゃん此処に居るんだ

 

「あれ?それじゃあ真也君は?」

 

「そうそう、ことりちゃんがバイトに出ちゃったんなら真也君は春風に帰る筈だよね?」

 

「ああ、真也君ならあそこに居るよ」

 

ことりちゃんはさっき私達を見て固まったメイドさんを見てそう言う

 

「真也君があんな服着るわけないよ」

 

「それがね、真也君私がバイトの助っ人で行けないって言ったら終わるまで待ってくれるって言ってバイト先まで来てくれたんだ」

 

私がそう言うと、ことりちゃんが嬉しそうに話す

 

「へ〜、やっぱり真也君優しいんだ。でも…それと女装しての接客に何の関係が?」

 

「えっと…店長が真也君にバイトをしないかって話してて、そこに私が更衣室から出て来て…」

 

「ああ大体分かった、それにしても千歌ちゃんが分からないなんて」

 

曜ちゃんはそう言ってメイド服を着て居る真也君を見る

 

「何だろ…凄く可愛い…」

 

「曜ちゃんもそう思うよね♪もう真也君本当に可愛いんだよ♪「ミナリンスキーさん話してないで早くオーダーお願いします」は〜い♪ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「えっと千歌は…あ!この苺パフェ!」

 

「私はパンケーキ」

 

「かしこまりました♪少々お待ち下さい」

 

ことりちゃんはそう言って厨房に向かって行く

 

「あ!そうだ!ルビィちゃんに写真送ってあげよ!」

 

「でも勝手に写真撮って良いのかな?あ!ことりちゃん写真撮っても良いかな?」

 

「う〜ん…本当はダメなんだけど真也君なら大丈夫だよ」

 

「やった!」

 

「それじゃあ私も」

 

私と曜ちゃんは1枚ずつ真也君の写真を撮る

 

「撮れた、ルビィちゃん…ルビィちゃん…あった。送信っと」

 

「私も撮れた」

 

「曜ちゃん後でその写真私にも頂戴ね」

 

「うん、後で送るね。いや〜、それにしても大人気だね真也君」

 

曜ちゃんはそう言って真也君を見る

 

「お帰りなさいませお嬢様、此方にどうぞメニューが決まりましたらお呼びください」

 

「はい、あの子可愛いかったね」

 

「そうだね、高校生かな?メイド服も似合ってたし」

 

真也君に席を案内された私達の後ろの席のお客さんからそんな話し声が聞こえる

 

「あ、ルビィちゃんから返事来てる。えっと…今から行きます何処にありますか?だって」

 

「ルビィちゃんって確かダイヤさんと一緒なんだよね?う〜ん、ダイヤさんがなんて言うか分からないけど取り敢えず私が外で待ってるよ」

 

「わかったルビィちゃんにそう伝えるね」

 

曜ちゃんはそう言ってお店の外に出て私はルビィちゃんに曜ちゃんが外で待ってる事を伝えた

 

〜千歌side out〜




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79話

「じ〜」

 

視線を感じる

 

「何か御用でしょうかお客様?」

 

「ぴぎぃ!…いえ何でも」

 

ルビィにそう言われて仕事に戻るが

 

「じ〜」

 

やっぱり見られてる…

 

「もうお店も落ち着いたし上がってくれて大丈夫よ」

 

「ありがとうございます」

 

僕は店長にそう言って更衣室に向かう

 

「はぁ…散々な目にあった…」

 

「あ!そうそう、これ今日のお給料と思い出の品としてメイド服は持って帰って」

 

店長はそう言って封筒と紙袋を渡す

 

「ありがとうございます。お世話になりました」

 

「良いの良いの、それよりごめんね男の子なのに女装させて働かせちゃって、私時々ブレーキが効かなくなるのよね」

 

今日はブレーキ処ろかアクセル全開でしたね

 

「まあなかなかない経験はさせて頂きました」

 

「気が向いたら何時でもいらっしゃい歓迎するわ」

 

「あはは…」

 

僕は苦笑いをして出入り口に向かう

 

「真也君今帰り?」

 

「ことりさん、はいそうです」

 

「私も何だ直ぐに着替えるから千歌ちゃん達とちょっと待ってて」

 

「分かりました」

 

そう言って僕は千歌姉達の元に向かう

 

「お疲れ様です真也、事情は南さんから聞きましたわ。散々な目に遭いましたわね」

 

「ええ…本当に…」

 

「真君…その紙袋の中身って何なの?」

 

「ああこれ?店長が今日の思い出の品だって、メイド服なんて2度とごめんだからネットで売ろうかな?」

 

僕のその言葉を聞いて曜が笑顔でこっちに来る

 

「真也君売るなら要らないって事だよね?」

 

「ええ、まあ…そうですけど…もしかして欲しいんですか?」

 

僕がそう聞くと曜は頷く

 

「まあ洗濯の後なら大丈夫ですけど」

 

「やった!ありがとう真也君!いやぁ、メイド服って結構高いから中々手が出なくてさ」

 

まあ普通にかったら相当な値段するだろうけどね

 

「分かりました、それじゃあ明日の夕方に渡しますね」

 

「うん!あ、でもサイズとかどうなんだろう?入るかな?」

 

言われてみれば…男子の僕が入った上に年も一つ下何だからサイズ的にキツイかも

 

「この中で真也君と身長が変わらないのってルビィちゃんだけだよね?」

 

「ふぇ?ルビィ?」

 

確かにルビィなら身長あまり変わらないしもその他色々な部分も僕と変わらないし大丈夫だろう

 

「どうするルビィ?要らないなら本当にネットで売っちゃうけど?」

 

「えっと…真君…ルビィに似合うかな?」

 

「?似合うんじゃないかな?」

 

「わかった、ルビィちょっと着てみる」

 

「それじゃあルビィちゃん此処の更衣室使って」

 

そこに着替えを終えたことりさんが来てそう言う

 

「良いんですか?」

 

「うん♪それに私もルビィちゃんのメイド服姿見てみたいし」

 

「それじゃあ…」

 

そう言ってルビィは紙袋を受け取り更衣室に向かう

 

「どう…かな…」

 

「とても似合って居ますわルビィ」

 

「ルビィちゃんすっごく可愛い」

 

「ねえねえ!真也君はどう思う!」

 

「どうって似合ってて可愛いと思うけど」

 

「可愛い…可愛い…えへへ」

 

小さく何かを呟いたルビィが嬉しそうな表情を浮かべる

 

「真君これルビィが貰っても良い?」

 

「良いよルビィ」

 

「ありがとう真君」

 

ルビィはそう言うとそのまま外に出ようとする

 

「お待ちなさいルビィ、その服のまま外に出るつもりですの?」

 

「お姉ちゃん?あ…ルビィ着替えて来る」

 

ダイヤさんに止められてメイド服のまま外に出ようとして居た事に気付いたルビィは顔を赤くして更衣室に走って行った




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80話

「何よ真也あんたの部屋に来て欲しいだなんて」

 

あの後夕食の時に僕が部屋に来る様に言った善子が来た

 

「この事なんだけどこれ覚えてる?」

 

僕は善子に宝箱の中に入ってたものを見せる

 

「何であんたがそれを!」

 

「ついこの間まで忘れてたんだけど僕と善子会った事あるんだよ子供の頃に、思い出した今なら分かるよ。あのツリーハウス僕と善子が作ったやつだよね?」

 

「あんたがそれを持ってるって事はそうなんでしょうね。…何よなら…」

 

善子はそう言って何かを呟く

 

「どうしたの善子?」

 

「別に!!あんたが初恋の相手だった何て考えてないわよ!!」

 

「え?善子の初恋が僕!?」

 

「ちょっと!何で知ってんのよ!!」

 

「何でって…ついさっき自分で言ってたじゃん」

 

そう言うと善子は思考を巡らせ自分が言った事を理解する

 

「よ…よく見破ったわリトルデーモン!流石は我が眷属!!」

 

「ごめん、それはちょっと遠慮させて」

 

「何でよ!!」

 

僕の言葉を聞いて善子はそう叫ぶ

 

「一先ず初恋云々は後回しにして」

 

「何言ってんのよ!今1番重要な案件でしょうが!!」

 

「やっぱりそう思う?」

 

「思うわよ!はぁ…あんたあの時から何にも変わらないわね」

 

善子はそう言ってため息を吐く

 

「まあ、あの時善子が僕のバイオリンが初めてじゃないって言った理由もあのツリーハウスを見た時ちょっと懐かしく思った理由もわかったよ」

 

「まさかあんたがあの時の子だったなんてね」

 

「今思うと何で忘れてたんだろう、あの特徴的な堕天使とか言う設定があったのに」

 

本当に何で忘れてたんだろう…

 

「でも善子の初恋が僕って言うのは意外だったよ」

 

「意外って言うか…別にそうでも無いわよ…私あの頃から堕天使とか言っててそんな私を見て周りの子達は引いちゃって仲の良い友達とか全然居なかった…でもあんたは違った私のあれを見てかっこいい何て言ってくれた。最初はお世辞か何かだと思ってたけどそうじゃなかった。あんたはありのままの私を受け止めて受け入れてくれたそれが堪らなく嬉しかった。そんな人はあんたしか居なかった。そんなの…好きになるに…決まってるじゃ無い」

 

善子は涙を流しながらそう言う

 

「善子…」

 

「でも…あんたはルビィの恋人…ルビィの事が好きで私の事は…覚えてすら居なかった。そんなの…最初から答えが決まってる様な…ものじゃ無い…」

 

「ごめん善子…僕知らない内に善子の事傷つけちゃってたんだね」

 

「バカ…こんな時まで…優しくしてんじゃ無いわよ!!」

 

そう言って抱きしめると善子は涙を流しながらそう言った

 

「落ち着いた?」

 

「ええ…充分落ち着いたわ…ねえ、何か物音しなかった?」

 

そう言って善子は僕の部屋の扉を開ける

 

「えっと…ごめんね善子ちゃん…」

 

「ちょっと待ちなさいルビィ!!あんたは此処に居て!ちょっとルビィってば!!」

 

善子はそう言ってルビィを追いかけて行った




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81話

〜善子side〜

 

「はぁはぁ…ルビィってば何処まで行ったのよ」

 

私は外まで走って行ったルビィの事を追いかけて居たけど途中で見失ってしまった

 

「あ〜!こんな時に雨まで降ってきて!!仕方ない彼処に隠れよ」

 

私は近くにあった公園の遊具の下に隠れる

 

「髪も服もびしょびしょ「善子ちゃん?」ルビィあんたも雨宿り?」

 

「うゆ」

 

ルビィはそう言って頷く

 

「ねえ、あんたどっから見てた?」

 

「善子ちゃんと真君が抱き合ってる所から…」

 

まあそんな事だろうとは思ってたけどね

 

「あんたはそれで良いの?」

 

「うん…ルビィよりも善子ちゃんの方が可愛いし」

 

「そう…なら真也は私が貰うわ、良いのよね?」

 

そう言う私にルビィは何も答えない

 

「いや…だよ…」

 

「何聞こえないわよ」

 

「嫌だよ!だってルビィ真君の事好きだもん!」

 

私がそう言うとルビィは大声でそう言う

 

「なら何で逃げたのよ」

 

「それは…」

 

「私が真也の事が好きだってわかったから何て言うんじゃないでしょうね」

 

「…うゆ」

 

私がそう聞くとルビィは小さく頷く

 

「そうね、好きよ真也の事でも彼奴はあんたが好き。でも諦めるつもりはないわよ。あんたがそんな風にうじうじしてるんだったら私が彼奴を振り向かせてみせる。それを聞いてあんたはどうするのルビィ」

 

「ルビィは…真君に好きで居てもらえるルビィになる!善子ちゃんにも負けない!」

 

「そう…雨も上がった事だし帰りましょうルビィ」

 

「うん!善子ちゃん!」

 

そこまで言ってある事を思い出す

 

「ねえ、あんた此処何処か知ってる?」

 

「そう言えば…」

 

そう私もルビィも此処が何処か知らない、つまり帰り道がわからない

 

「どっどうしよう善子ちゃん!」

 

「落ち着きなさいルビィ!こんな時は携帯よ携帯!」

 

「でも…ルビィの携帯はお部屋だし」

 

「もう仕方ないわね」

 

そう言って私は携帯を取り出すが電源がつかない

 

「そう言えば電池切れてたんだった…」

 

「あんた達何やってんのよこんな所で」

 

そこに黒髪をツインテールで纏めた女の人が歩いて来た。確か何処かで…

 

「えっと…確か矢澤さんだったわね」

 

「そうよ、このにこにーの名前が一瞬とは言え出てこないなんてね」

 

矢澤さんはそう言って不敵された表情を浮かべる

 

「それで結局あんた達何やってんのよ」

 

「えっと…帰り道が分からなくなって…携帯の電池もなくて…」

 

ルビィが今にも泣きそうな顔でそう言う

 

「春風で良いの?」

 

「はい!」

 

「待ってなさい今地図書いて来てあげるから」

 

矢澤さんはそう言ってアパートの階段を上がって行く

 

「これで大丈夫よね」

 

「はい!」

 

「ありがとうございます」

 

「夜も遅いんだし気をつけなさいよ」

 

矢澤さんの言葉に頷き私とルビィは春香に向かった

 

〜善子side out〜




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82話

「UTX学院に来るのも随分と久しぶりな気がします」

 

「そう言うけど最後に来たの去年の受験シーズンの前だからそこまで前じゃないわよ」

 

「あの…私達も来て良かったんですか?」

 

「ええ、貴方達のマネージャーを借りるんだもの勿論良いわよ」

 

翌日僕は今Aqoursの皆んなとツバサさん達の通うUTX学院に来て居る

 

「あ!真也君また来たんだ」

 

「久しぶり!」

 

「お久しぶりです」

 

時々話しかけられるUTXの生徒にそう返す

 

「女子校の筈なのに真也君が居る事を誰も不思議がって無い」

 

「去年まで練習の度に来てもらってたもの、それに女子校だから男子が物珍しいって言うのもあるのかしら?うちの学院で真也君が私達A-RISEのマネージャーだったって事を知らないのは今年に入って入学して来た1年生くらいじゃ無いかしら?」

 

「確かに本来であれば女子校に男子が来る事が異例ですわね」

 

「皆んな真也君の居る状況に慣れてるのかもね」

 

「顔パスで入れるくらいですからね」

 

ツバサさんの言葉を聞いて曜は苦笑いでそう言う

 

『あんじゅさんも英玲奈さんもどうして止めてくれなかったんですか!!1年の間で話題になってるんですよ!』

 

『ごめんね、私達も真也君に練習見てもらえるってわかったら嬉しくて』

 

『悪いね』

 

『全くお姉ちゃんは』

 

部室が近づくにつれて中からそんな会話が聞こえて来る

 

「入って此処が部室よ」

 

『失礼します』

 

「あ!お姉ちゃん!もう何考えてるの!!」

 

僕達が中に入るとそこにはあんじゅさん達以外の人が居た

 

「ごめんね柚」

 

「本当にもう、お久しぶりです真也さんすみません姉が無理を言ってしまって」

 

「大丈夫だよ小柚もう慣れたから」

 

ツバサさんの妹の小柚にそう言う

 

「もうお姉ちゃんはマネージャーなら私が居るのに」

 

「まあまあ、偶には休みなさいよ体調を崩しでもしたら私達も練習に集中出来ないんだから」

 

「そうかもだけど…わかった、真也さんよろしくお願いします」

 

「任せといて小柚」

 

そう言って千歌姉達に頭を下げて部室を出ようとする小柚をあんじゅさんが止める

 

「あ、待って小柚ちゃん折角だから千歌ちゃん達にUTXを案内してあげて」

 

「わかりました。皆さん学院を案内するので着いて来て下さい」

 

『はい!』

 

そう言って僕以外は小柚に学院を案内して貰いに行った

 

「では早速始めましょうか」

 

「ええ、あれから私達も練習を重ねて来たもの見せてあげましょうあんじゅ英玲奈新しい私達のパフォーマンスを」

 

あんじゅさんも英玲奈さんもツバサさんの言葉に頷き練習を始めるが

 

「あんじゅさん僕が最後に見た練習の時よりも動きのキレが悪くなってるってどう言う事ですか?ツバサさんに至ってはテンポが遅れ気味になってるじゃ無いですか」

 

「「うっ」」

 

練習を開始して3時間昼の休憩を取って居る

 

「どうかしましたか英玲奈さん?」

 

「いや、やっぱり真也は頼りになるなと思ってね」

 

英玲奈さんは小さく笑ってそう言う

 

「ツバサさん!あんじゅさん!休憩は終わりにして練習を再開しますよ」

 

「「はい」」

 

「午後は午前よりも厳しく見ますから覚悟してください」

 

僕のその言葉で練習が再開された




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83話

「全くどれだけ待たせるんですの!」

 

「こう言うの苦手!」

 

A-RISEの練習を見て数日、1度内浦に帰りラブライブ予備予選の結果発表を待っている

 

「出た!真也君結果出たよ!」

 

「こっちで見るよ、と言うか1つの携帯をそんな大勢で見たら絶対見難いし」

 

僕がそう言うと千歌姉達の所からルビィと善子が歩いてくる

 

「真君隣で見ても良いかな?」

 

「あんたの言う通りあんな大勢じゃ見難いだろうし」

 

「良いよ、あったあった」

 

ラブライブ予備予選の結果発表はエントリー番号順Aqoursは遅い段階でエントリーしたから必然的に下の方になる

 

「落ちた…」

 

「そんな〜」

 

しかしその事を知らないのか千歌姉達の方からはそんな会話が聞こえる

 

「ねえ、何でそんなに下の方から見るの?Aqoursだから1番上じゃ無いの?」

 

「エントリー番号順だからだよ」

 

「そう…それ曜達は知ってるのかしら?」

 

知らないだろうね絶対に

 

「あった」

 

「本当!千歌ちゃん!あったよAqours!」

 

「本当!ルビィちゃん!」

 

ルビィがそう言うと千歌姉達がこっちに来る

 

「見せて見せて!」

 

「慌てないで千歌姉、はい」

 

僕はそう言って千歌姉に携帯を渡す

 

「本当だ!あった!」

 

「ま、当然ですわね」

 

「そう言うけどダイヤさっき結構しょげてなかった?」

 

「かっ果南さんやめてください」

 

果南の指摘にダイヤは顔を赤くする

 

「やっぱりA-RISEも突破して来たね」

 

「前回、前々回の優勝グループですので当然と言えば当然ね」

 

善子がそう言った所で電話が掛かって来た

 

「もしもし?どうかしましたかツバサさん?」

 

電話の相手は丁度話をして居たA-RISEのメンバーツバサさんだった

 

『ラブライブ予備予選の結果見させて貰ったわ。先ずはこう言わせて貰うわおめでとう』

 

「ありがとうございますツバサさん」

 

『真也そこに千歌ちゃんは居るかい?』

 

「はい居ますけど?」

 

英玲奈さんが千歌姉に何か用事なのかな?

 

『千歌ちゃんに今度そっちに行くと言ってね、その日時を決めたいんだ』

 

「分かりました。千歌姉英玲奈さんからだよ」

 

「ありがとう真也君!穂乃果ちゃん真也君に代わるね」

 

そう言って千歌姉に渡された携帯で穂乃果さんと話す

 

『千歌ちゃんにも言ったけどおめでとう真君!』

 

「ありがとうございます穂乃果さん」

 

『真也、動画サイトにコンクールでの貴方の演奏が配信されて居ましたよ』

 

「そうですか、後でチェックしておきます」

 

『それじゃあね真君』

 

穂乃果さんはそう言って電話を切る

 

「千歌姉終わったよ」

 

「私も英玲奈さんと一緒にツバサさん達も明後日来るって」

 

明後日来るんだ

 

「ちゃんと時間も聞いた?」

 

「聞いたよ、10時だって」

 

「ちゃんと起きなよ千歌姉」

 

「大丈夫!大丈夫!そうだ!明日部室で予備予選突破のお祝いしようよ!」

 

「良いね千歌ちゃん!」

 

千歌姉の提案に曜が賛成する

 

「皆んな大丈夫かしら?」

 

梨子の質問に全員頷き明日部室で予備予選突破のお祝いをする事になった




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84話

〜ルビィside〜

 

「凄〜い!!」

 

「ご馳走がいっぱいずら」

 

「花丸ちゃんヨダレ垂れてるよ」

 

ルビィがそう言うと花丸ちゃんは袖でヨダレを拭う

 

「千歌ちゃんこれ全部真也君が作ったのよね?」

 

「そうだよ!」

 

「何で千歌が自慢げに言うの…それにしても魚まで捌けるなんて本当要領いいね真也君って」

 

果南さんがため息を吐いてそう言う

 

「お待たせしました。後は真也と鞠莉さんが持って来るので最後ですわね」

 

「ダイヤ〜、先に始めてて大丈夫そうよ」

 

後に入って来た鞠莉さんがお姉ちゃんにそう言う

 

「そうですか、では先に頂きましょうか」

 

「そうね、ズラ丸も待ちきれないみたいだし」

 

そう言った善子ちゃんの視線の先にはじっと料理を見続ける花丸ちゃんが居た

 

「それじゃあ真也君は居ないけど皆んなラブライブ予備予選突破おめでとう乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

千歌ちゃんがその言葉を聞いてルビィ達は真君の料理を食べ始めた

 

〜ルビィside out〜

.

「お待たせ〜」

 

僕はそう言って部室の中に入る

 

「お疲れ様ですわ真也、随分と大きなケーキを作りましたわね」

 

「まあ、今日くらいはね。それにしても減ったね」

 

僕が部室に入るとあれだけあった料理が半分以上無くなって居た

 

「もう花丸ちゃんの勢いが凄かったんだよ」

 

「丸はまだまだいけるずら」

 

「相変わらずだね花丸」

 

僕は苦笑いを浮かべてそう言う

 

「真也君も早く食べようよ!」

 

「今行く」

 

そう言ってケーキを別の机に置いて料理をば食べに行く

 

「これも美味しそうずら」

 

「それにこのケーキの上に乗ってるチョコレート千歌達だよ!」

 

「でも…体重が…」

 

「そう…ですわね…」

 

「うゆ…」

 

「まあまあ、お祝いなんだし今日くらい」

 

「それ以前に食べ切れるのこれ…」

 

僕の作ったケーキを見てそれぞれ思い思いの反応をする中鞠莉は携帯で何かを見ている

 

「何見てるの?」

 

「今度のSeptemberにする事になった学校説明会の参加の申し込みの人数よPVの閲覧数からすると結構…」

 

「どうかした?」

 

そう言って鞠莉の携帯を覗く

 

「0」

 

「0ね」

 

「何の話?」

 

鞠莉は千歌姉達に学校説明会の申し込み人数が0人である事を伝える

 

「はぁ、また0か〜」

 

「やっぱり入学となると別なのかな?」

 

千歌姉と曜がケーキを食べながらそう言う

 

「あれだけPVが再生されてるから少なくとも20人くらいは居ると思ってたんだけどね」

 

「現実はそれ程甘くは無いと言う事ですわね」

 

「そうかもね」

 

ダイヤの意見に果南も同意する

 

「そう言えば真也君音ノ木坂学院はどうなったの?」

 

「学校説明会の申し込みの時点で人数が達して廃校は阻止出来たそうです。穂乃果さんから聞きました」

 

「都会は人も多いし直ぐに集まるでしょうね」

 

僕の言葉を聞いて善子がそう言う

 

「一先ず今日は解散してまた明日話そう」

 

「そうですわね、今日は解散にしましょうか」

 

千歌姉のその言葉で解散になったがバスの中でも沈んだ空気は変わらず誰1人話さなかった




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85話

「千歌姉!!起きなよ!!今日は英玲奈さん達が来るんでしょ!!」

 

数日後英玲奈さん達が内浦に来る日になりもうすぐ時間なのだが千歌姉が起きない

 

「ほら千歌姉!!」

 

「う〜、真也君後5分…」

 

そう言って僕が取り上げた布団に入る

 

「本当に…だから言ったじゃん夜更かししすぎないでって…先に行くから後から絶対に来てね」

 

千歌姉にそう言って僕は千歌姉の部屋を出た

 

「真也兄、千歌姉は…起きなかったんだね」

 

「まあ今日は練習がないから良いけど楓は準備出来てる?」

 

「うん…でも…やっぱり綾人君のお姉さんに会うのは緊張するよ〜!しかも相手はあのA-RISEの統堂英玲奈さんだよ!緊張するなって言うのが無理だよ!!」

 

まあ…うん…僕が慣れてるだけでこれが普通の反応なのかも知れない

 

「大丈夫だよ楓、英玲奈さんも楓に会ってみたいって言ってたし優しい人だよ」

 

「おはよう楓ちゃん、お兄ちゃん」

 

帰りますと話して居ると綾人が来た

 

「「おはよう綾人(君)」」

 

「千歌さんはまだですか?」

 

綾人の言葉に僕は頷く

 

「そろそろ時間だから先に行くね、楓は千歌姉起こしてから来て」

 

「わかった」

 

楓にそう言って僕は綾人としいたけを連れて駅に向かう

 

「ありがとうございますお兄ちゃんお姉ちゃんの為にしいたけを連れて来て貰って」

 

「これくらい大丈夫だよ、あの人に比べれば」

 

「あの人?」

 

「綾人は気にしないで良いよ」

 

僕の言うあの人とは穂乃果さんの事だ。昨日の夜いきなりこっちに来ると連絡が来たから驚いた。まあ連絡が来ただけマシかも知れない

 

「おーい!真くーん!!」

 

「穂乃果走ると転びますよ!」

 

駅に到着して暫くすると聞き慣れた声が聞こえて来る

 

「ワン!」

 

「可愛い!よしよ〜し」

 

「全く穂乃果は」

 

海未さんはしいたけを撫でる穂乃果さんを見てため息を吐く

 

「久しぶりだね綾人」

 

「お姉ちゃん!」

 

綾人も英玲奈さんを見つけるとそっちに向かって走って行く

 

「わ〜!もう英玲奈さん達来ちゃってるよ!!」

 

「千歌姉が早く起きないのが悪いんだよ!私なんて綾人君のお姉さんに初めて会うのに遅刻してるんだから!!」

 

後ろから千歌姉と楓の声も聞こえて来る

 

「はぁはぁ、遅れてすみません…」

 

「構わないよ、君が楓ちゃんだね?」

 

「はい、高海楓です」

 

「綾人の姉の統堂英玲奈です。綾人から話は聞いてるよ。電話では君の話しばかりだからね」

 

「お姉ちゃん恥ずかしいよ…」

 

英玲奈さんの言葉を聞いて綾人は恥ずかしそうにする

 

「こんな弟だけどこれからも仲良くしてやって貰えると助かるよ」

 

「いえ…綾人君のお陰で私も少しずつ男性にも慣れて来てますし」

 

「それは良かった」

 

英玲奈さんはそう言って優しい笑みを浮かべる

 

「千歌ちゃん早速頼めるかな?ツバサ達も一緒だけど大丈夫かい?」

 

「はい!」

 

英玲奈さんがそう言うと千歌姉はツバサさん達に内浦を案内しに行った

 

「穂乃果さん達はどうしますか?」

 

「そうですね、一先ずお世話になる十千万に挨拶に行きましょうか」

 

「え〜!!海が近くにあるんだよ!泳ぎに行こうよ!!」

 

「お世話になるのだから最初に挨拶に行くのは当然よ穂乃果、真也君案内頼めるかしら?」

 

「分かりました」

 

僕は絵里さんにそう言って十千万に向かった




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86話

「海だー!!」

 

「穂乃果そんな大声で私の名前を呼ばないで下さい恥ずかしいです」

 

十千万の近くの海を見て叫ぶ穂乃果さんに海未さんはそう言う

 

「海未さん多分穂乃果さんは海未さんの事ではなく海で泳ぎたいとでも考えてるんですよ」

 

「そうですね、ですが穂乃果お世話になる真也の家である十千万にご挨拶に行くのが先ですよ」

 

「そうよ穂乃果、失礼します」

 

絵里さんはそう言って十千万に入る

 

「いらっしゃいませ」

 

「ただいま志満姉ちゃん」

 

「あらお帰り真也、それじゃあこの人達がμ'sの皆さん?」

 

「はい、絢瀬絵里です。短い間ですがお世話になります」

 

絵里さんはそう言って志満姉ちゃんに頭を下げる

 

「良いのよ、それじゃあこの中に海未ちゃんに穂乃果ちゃんことりちゃんが居るのね?」

 

「私が園田海未です」

 

「貴方が海未ちゃんね、真也から話は聞いてるわ。そう言えば真也、ルビィちゃん達が来てたから貴方の部屋に上げておいたわ」

 

ルビィ達が来てるんだ

 

「うん、わかったよ」

 

「そうそう真也から部屋は3人一部屋って聞いてるわよね?」

 

「はい、そう聞いて居ます」

 

「ごめんなさいね、急な事だったから一部屋用意出来なかったの」

 

志満姉ちゃんはそう言って謝る

 

「そう何ですか、困ったわね…」

 

「あ!穂乃果春風の時みたいに真也君のお部屋に泊まりたい!」

 

絵里さんがどうしようか考えてると穂乃果さんがそんな事を言い出した

 

「ことりも賛成!」

 

「そうですね、良いですか真也?」

 

「部屋が空いてないんじゃ仕方ないですし構いませんよ僕も」

 

「やった!ありがとう真君!!」

 

穂乃果さんはそう言って僕に抱きつく

 

「ふふ、真也の言う通り千歌に似てるわね。部屋に案内するわ」

 

「僕達も行きましょう」

 

そう言って志満姉ちゃんは絵里さん達1年と3年を僕は穂乃果さん達2年をそれぞれ使う部屋に案内する

 

「ルビィ入るよ」

 

「うん、良いよ真君」

 

僕はそう言って部屋の中に入る

 

「お帰り真君、穂乃果さん達も来たんですか?」

 

「うん!昨日真君に連絡したんだ!」

 

ルビィの言葉に穂乃果さんはそう返す

 

「それでどうかしたのルビィ?」

 

「善子ちゃんに花丸ちゃんと海に行こうって話してて…良かったら真君も一緒にどうかな?」

 

ルビィがそう言うと穂乃果さんは目を輝かせる

 

「良いよルビィ、多分この後穂乃果さんかことりさんに海に連れ出されてたし」

 

「やった〜!!海だよ海未ちゃん!!」

 

「はぁ、全く穂乃果は…わかりました。今日は目一杯遊びましょう、ですが明日からの朝練もそうですが練習への遅刻は減らしてくださいね」

 

「ありがとう海未ちゃん!大好き!!」

 

「暑苦しいです穂乃果」

 

海未さんはそう言うが特別嫌そうな表情はしてない

 

「それじゃあ出発するずら」

 

「そうね、何時迄もここに居る訳にもいかない物ね」

 

花丸と善子はそう言って立ち上がり部屋を出る

 

「行こう真君」

 

「うん、穂乃果さん達も置いて行きますよ」

 

「待って真君!」

 

僕がそう言うと穂乃果さん達は慌てて僕達の後を着いて来た




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87話

「海未ちゃん!ことりちゃん!真君!早く〜!!」

 

「待って穂乃果ちゃん」

 

「かよちん行くにゃ〜!」

 

「誰か助けて〜!」

 

そう言ってことりさんは穂乃果さんを追いかけ花陽は凛に浮き輪に乗せられ沖に沖に連れて行かれる

 

「全く穂乃果は」

 

「相変わらずです穂乃果さんは…」

 

僕は額に手を立てる海未さんを見て苦笑いでそう言う

 

「凛!あんまり沖の方に行っちゃダメだよ!」

 

「わかってるにゃ!」

 

そう言いつつも凛は花陽を連れ更に沖に向かう

 

「何だか保護者気分になって来ました」

 

「確かに、μ'sに居れば貴方はそう言う立ち位置になって居たでしょうね」

 

「うちもそう思うで」

 

パラソルの下に移動し僕と海未さんがそう呟くと希さんがそう言う

 

「希さんは行かないんですですか?」

 

「せやな、うちも行くけど海未ちゃんと真也君も一緒に行こか」

 

「そうですね、行きましょうか真也」

 

「はい、海未さん」

 

僕と海未さんはそう言って立ち上がり穂乃果さん達の元に向かう

 

「真也久しぶりに勝負でもしますか」

 

「受けて立ちますよ海未さん」

 

海未さんにそう言われた僕はそう返す

 

「勝負って何するのよ」

 

「そうですね、先に誰かの決めた距離を1往復すると言うのはどうでしょうか?」

 

「良いですよ」

 

「凛もやるにゃ!」

 

そこに花陽を沖に連れて行って居た凛とくたくたになった花陽が帰って来た

 

「花陽大丈夫?」

 

「何とか…」

 

「仕方ない、花陽パラソルの下で少し休んで」

 

僕がそう言うと花陽は頷きパラソルの下に向かった

 

「それじゃあ善子スタートの合図と距離を決めて」

 

「私が決めるの?そうね…20メートルで良いんじゃない?往復だから40メートルあるけど」

 

20メートルを1往復、多くもなく少なくもない距離かも知れない

 

「私は構いませんよ」

 

「凛も大丈夫にゃ!」

 

「僕も問題無いよ」

 

「スタートの合図も私がするのよね…それじゃあスタート」

 

善子の合図と共に僕達は一斉に泳ぎ始めた

 

「ふぅ〜、僕の勝ちですね」

 

「負けました真也、やはり貴方もAqoursの練習に参加して居るだけあって体力は衰えて居ませんね」

 

結果海未さんとのかなりの僅差で僕が勝った

 

「海未ちゃんも真也も速いにゃ〜」

 

僕と海未さんに少し遅れて凛が海から上がって来る

 

「何にせよ僕の勝ちですね」

 

「ええ、あそこの自動販売機で良いですか?」

 

「はい、大丈夫ですよ海未さん」

 

僕がそう言うと海未さんは頷き自販機に向かって行った

 

「真君泳ぐの速いんだね」

 

「ルビィ?もう上がった…ああ、大体わかったよ」

 

パラソルの下にはルビィに膝枕されている花丸が居た大方体力が切れたんだろう

 

「全く、少しは体力が付いたと思ってたのに、花丸だけもう少し体力の付くメニューにした方が良いかも知れないね」

 

「もう食べられないずら〜」

 

寝てる時でも何か食べてるんだね花丸は

 

「変わろうかルビィ?僕は少し休むつもりだし」

 

「えっと…それじゃあお願いね」

 

ルビィはそう言って穂乃果さん達の元に向かい僕は花丸の頭を自分の膝に乗せた




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88話

「ん…海未さん…おはようございます」

 

「おはようございます真也、すみません起こしてしまいましたか?」

 

翌日の朝起きると海未さんが部屋を出て行こうとして居たので声を掛けた

 

「いえ、僕も毎朝この時間に起きて走ってますから」

 

「そうでしたか、真也もし良ければご一緒してもよろしいでしょうか?」

 

「大丈夫ですよ海未さん、行きましょうか」

 

そう言って僕と海未さんはまだ寝てる穂乃果さんとことりさんを起こさない様にして部屋を出た

 

「それにしても海未さん少し変わりましたね」

 

「そうですか?」

 

僕と海未さんは走りながら話す

 

「はい、以前の海未さんなら異性と同じ部屋で寝るなんて事しなかったでしょうし、何せ異性の部屋に入るだけでハレンチだなんて言ってましたから」

 

「そうでしたね、今思えば何が恥ずかしかったのか私もわかりません」

 

「まあ穂乃果さん達の影響と言うのもあるんでしょうけどね」

 

「そうですね、あの方がそうですか?」

 

海未さんの視線の先には果南が居た

 

「そうです、果南!」

 

「おはよう真也君、珍しいね女の子と一緒なんて」

 

「そうかな?そうだった、果南この人は幼馴染の園田海未さん、海未さんこの人は僕がマネージャーをしてるAqoursのメンバーの松浦果南」

 

僕は一瞬疑問に思うが直ぐにお互いの事を紹介する

 

「園田海未です、よろしくお願いします松浦さん」

 

「よろしく園田さん、それじゃあ行こっか」

 

そう言うと果南は神社に向かって行った

 

「松浦さんも真也と同じで毎日走っているんですか?」

 

「うん、中学の時も真也君が内浦に来た時は一緒に走ってたからね」

 

「確かに、今じゃ普通に登れてるけど最初はあの神社までの階段も辛かった」

 

初めて果南と神社の階段を登った時は何回か休憩したし

 

「流石です海未さん」

 

「やるね園田さん」

 

「ありがとうございます。穂乃果達にも此処を走って貰おうと思って居たんですが流石に難しいですね」

 

凛は何とかなるかも知れないけど穂乃果さん達にはかなり辛いと思う

 

「それじゃあ真也君また後でね」

 

「はい」

 

そう言って僕と海未さんは果南さんと別れた

 

「真也少し寄り道をしませんか?」

 

「良いですよ?」

 

僕がそう言うと海未さんは浜辺に向かって行った

 

「こうして真也と2人だけで歩いて話すのはのは久しぶりですね」

 

「確かにそうですね、中学の留学に行くってなった時以来ですかね?」

 

確か最後に海未さんと2人だけで歩いて話すは留学の話が来た時以来だと思う。それ以外は常に穂乃果さんとことりさんが居た

 

「初めて会った時は此処まで長い付き合いになるとは思って居ませんでした」

 

「僕もですよ。海未さんみたいな幼馴染が出来るなんて思ってませんでしたから」

 

僕がそう言うと海未さんは暫く何も言わなかった

 

「貴方と出会ってから毎日が新しい発見で溢れて居ました。それは穂乃果と出会ってからも変わりませんでした。ですが貴方は穂乃果とは違い私に合わせてくれてくれて居ました」

 

「僕もですよ、海未さんと出会ってから新しい発見で溢れてました。一緒に居るのがすごく楽しかったです。僕が悩んで居たら相談に乗ってくれました」

 

「「こんな私ですが(こんな僕ですけど)これからもよろしくお願いします」」

 

僕と海未さんは頭を下げてそう言う

 

「そろそろ戻りましょうか」

 

「そうですね」

 

そう言って僕と海未さんは十千万に向かった




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89話

「えっと…本当に良いんですかツバサさん?」

 

海未さんと十千万に戻った後千歌姉から昨日ツバサさんから提案された事に対して本当に良いのか確認を取る

 

「ええ、大丈夫よ真也君」

 

「分かりました。それではAqoursとA-RISEの合同練習を始めます」

 

ツバサさんが提案したのはAqoursとA-RISEの合同練習だった。正直言ってAqoursがA-RISEから学ぶ事はあると思うからメリットがある逆にA-RISEがAqoursから学ぶ事はないと思うからメリットと呼べるものが無い

 

「先ずはツバサさん達ですね。流石にこの2つのグループを同時に見るとどうしてもAqoursをA-RISEと同列に見てしまいそうなので」

 

「わかったわ、Aqoursとμ'sの皆さんも気になる所があったら気にせず言ってね」

 

ツバサさんがそう言うと千歌姉達は頷いた

 

〜千歌side〜

 

「ねえ曜ちゃん…真也君ってあんなに厳しかったっけ?」

 

私はA-RISEに色々と指摘する真也君を見て曜ちゃんにそう聞く

 

「ううん、あそこまで厳しく無かったと思う」

 

「だよね…」

 

私達にもある程度厳しかったけどツバサさん達には私達以上に厳しい

 

「これがAqoursとA-RISEの格の違いでしょうか?」

 

「そうね、そして私達μ'sとA-RISEの格の違いでもあるわ。私達も東京にいる時に何度か見てもらったけど練習そのものにダメ出しをする事は無かったものね」

 

「人数が少ないって言うのもあるんだろうけど」

 

「真也が指摘しているのはどれも細かく見て居ないと分からない物ばかりですわ」

 

「そうでもしないとA-RISEに指摘する部分が見当たらないのね。私達の時とは違うわね」

 

私達は初めて見る真也君に私達は自分達とA-RISEの差を改めて理解する

 

「勝てるのかな…A-RISEに…」

 

「きっと大丈夫ずらよルビィちゃん」

 

「そうよ弱気になっちゃ勝てる相手にも勝てないわよ」

 

心配するルビィちゃんに対して花丸ちゃんと善子ちゃんがそう言う

 

「あれがA-RISE…」

 

「あれが一度挫折したスクールアイドルを優勝に導いたマネージャー…」

 

私達はA-RISEの練習から目が離せなくなった

 

〜千歌side out〜

 

「お疲れ様です一度交代します千歌姉達準備して」

 

『はい!』

 

そう返事をする千歌姉達はいつも以上にやる気に満ちて居た

 

「何かあったの?」

 

「ううん、お願い真也君」

 

「わかった」

 

僕がそう言うと千歌姉達は練習を始める

 

「千歌姉それから花丸と善子もテンポが少し遅れてるよ。果南とダイヤは少しテンポが早い。他は今のテンポをキープし続けて」

 

「ずら!?」

 

「ストップ、大丈夫花丸?」

 

その途中花丸が転けたので一度練習を止めて花丸に近づく

 

「大丈夫ずら…はぁ…はぁ」

 

「この暑さだからね、花丸は少し休んで水分補給をして他は続けるよ」

 

「ルビィ花丸ちゃんと一緒に行ってくる」

 

そう言ってルビィは花丸の付き添いで穂乃果さん達の元に向かった




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90話

「だぎゃ〜!」

 

「だぎゃ?」

 

「これが来るべき清正の地」

 

AqoursとA-RISEの合同練習から数日、今度はラブライブの予選に参加する為に東京に来て居る

 

「はいはい、わかったから待ち合わせ場所探すよ善子。ルビィと花丸も行くよ」

 

「「待って(ズラ)真君(真也君)!」」

 

僕は変な目で見られている善子を引っ張り千歌姉が友達と待ち合わせをした場所を探す

 

「着いた彼処の筈だよ」

 

「でもお姉ちゃん達居ないよ?」

 

ルビィの言う通り待ち合わせ場所には誰も居なかった

 

「何処かで間違えたんじゃない?」

 

「そんな筈ないと思うけど…「真也君‼︎」千歌姉良かった待ち合わせ場所此処で合ってるたんだ」

 

「うん!そうだよ!」

 

僕の言葉を千歌姉が笑って肯定する良かった間違ってなかったんだ

 

「むっちゃん達来てないね」

 

「多分此処で合ってる筈なんだけど…「千歌!」居た!此処だよ‼︎」

 

少しすると千歌姉の友達が来た

 

「千歌姉この人達は?」

 

「あ、真也君は会うの初めてだよね、私と同じクラスのむっちゃん達だよ」

 

ごめん千歌姉むっちゃん達だなんて言われても誰が誰かわからない

 

「あの…千歌姉が言うむっちゃんって言うのは…」

 

「あ、それ私の事だよむつって言うんだ私」

 

「私はよしみ」

 

「私はいつき」

 

成る程、薄い茶色髪でバンダナを付けてる人が千歌姉の言うむっちゃんって人でその隣に居るのがよしみさんといつきさん

 

「初めましてむつさん、よしみさん、いつきさん、千歌姉の弟の真也です」

 

「どうどう!私の自慢の弟だよ!」

 

千歌姉がそう言って僕に抱きつく

 

「なんだろ…千歌の弟にしては落ち着いた感じの子だね」

 

「あはは…それで他の子は?」

 

曜がそう聞くとむつさん達は浮かない顔をする

 

「それなんだけど…実は…」

 

「そっか」

 

「しょうがないよ夏休みなんだし」

 

「私達何度も言ったんだよ、」

 

「でもどうしても!」

 

いつきさんがそう言うと周りに裏の星の制服を来た人達が集まって来た

 

「「「全員で参加するって!」」」

 

「凄い!これで全員でステージで歌ったら絶対キラキラする!学校の魅力も「それは無理だよ千歌姉…」え?」

 

盛り上がってる中言うのは気が引けるけど…

 

「全員でステージに立つのは無理だよ。ステージに立って歌えるのは事前にエントリーしたメンバーに限るって決まっててそれにステージに近づいて良いのはごく僅かな人達だけなんだ…黙っててごめん」

 

僕はそう言って千歌姉達に頭を下げる

 

「真也君…「ごめんなさい!」梨子ちゃん?」

 

「真也君の言う通りなの、私も少し前に調べて知ったわ黙って居てごめんなさい」

 

そう言って梨子も頭を下げる

 

「そんな…」

 

「ごめん…もっと早く話せば良かったんだけど…タイミングが見つからなくて…」

 

「そうなんだ…ごめんねむっちゃん」

 

「良いの良いの、いきなり言い出した私達も悪いし…」

 

そう言うがむつさん達も千歌姉達も残念そうにして居る

 

「でも…」

 

「どうかしたの?真也?」

 

「僕を除いて残り3人までならステージ近くでライブを観る事が出来ます」

 

「本当!」

 

そう言うと千歌姉は嬉しそうにする

 

「ちょっと待って、そこに真也君が含まれて居るのはどうしてなの?」

 

「これはスクールアイドルのイベントです。ですが僕はあくまでマネージャーなのでステージには立たないんです。その代わりステージ近くで見ることが出来るんです。これがさっき話したごく僅かな人達です」

 

「そうですか…決まりとあっては仕方がないですわね。それでどなたが真也とステージ近くで見るのですか?」

 

ダイヤは残念そうにしていたがすぐに切り替えてむつさん達にそう聞く

 

「私むっちゃん達が良いと思う」

 

裏の星の生徒の1人がそう言う

 

「私達?」

 

「確かにむっちゃん達ファーストライブの準備の段階から手伝ってたしむっちゃん達が良いんじゃないかな、皆んなはどう思う!」

 

その人がそう聞くと全員が賛成する

 

「わかったよ皆んなの分までステージ近くで千歌達を応援するよ!」

 

「それじゃあ、むつさん達はこの用紙に名前を書いて下さい。その後受付で提出すればステージ近くでライブを見る事が出来ます」

 

「わかった」

 

僕は用紙にむつさん達の名前を書いて貰いそれを受付に提出しに行った




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91話

「出来たよ」

 

僕はルビィの髪を結んでそう言う

 

「うん、ありがとう真君」

 

「ううん、気にしないでルビィ次は花丸だね」

 

僕は笑ってルビィにそう言う

 

「あんたそんな事まで出来んのね」

 

「まあ…ツバサさん達のマネージャーとして手伝ってたってのもあるけど大半は…善子の想像に任せるよ」

 

「ああ…あんたも苦労してんのね」

 

善子はそう言って苦い表情を浮かべる

 

「あのね花丸ちゃん、実はまだ信じられないんだ」

 

「おらもずら…「終わったよ」ありがとうずら真也君」

 

「それで信じられないって何が?」

 

僕はルビィにそう聞く

 

「今こうして此処に居られる事が」

 

「夢みたいずら…」

 

そう言えばツバサさん達も最初そんな事言ってたっけ…

 

「何今更言ってるの。今こそがリアル、リアルこそ正義‥ありがとね」

 

そう言った善子は走って来て僕達に飛びつく

 

「さあ、後はスクールアイドルとなってステージで堕天するだけ」

 

「うん!」

 

「黄昏のりたいしゃずら」

 

「行くわよ!堕天使ヨハネとリトルデーモン!ラブライブに降臨‼︎」

 

「あんまりやり過ぎないでね、それじゃ僕は先にステージ近くの席に向かってるから」

 

僕は決めポーズをする善子にそう言ってルビィ達と別れむつさん達の居るステージ近くの席に向かった

 

「お待たせしてしまってすみません」

 

「気にしないで、私達の方こそありがとうね」

 

「真也君のお陰で千歌達ライブを特等席で見れるんだから」

 

むつさんはそう言って千歌姉達のステージを今か今かと待って居る

 

「隣失礼するわ」

 

「はい…この声…ツバサさんですか?」

 

「ええ」

 

隣の席を見るとそこにはツバサさん達A-RISEの姿があった

 

「良いんですか?こんな所に居て」

 

「私達の地区予選は午前中に終わったわ今から行われるのは午後の分だから」

 

それでこんな所に居るんだ…

 

「それで真也君から見て千歌ちゃん達Aqoursは如何かしら?」

 

「そうですね…地区予選が突破出来れば良いみたいな感じですかね?」

 

「そうね、私達も最初は地区予選突破で喜んでいたものね」

 

初めて地区予選を突破した時は確か春風を貸し切り状態にしてお祝いしたんだっけ?優勝の時もそうだったけど

 

「そろそろ始まるみたいよ」

 

ツバサさんがそう言うとステージにスクールアイドルが出て来た

 

「今日は皆さんに伝えたい事があります!それは私達の学校の事!街の事です!」

 

千歌姉はそう言って裏の星の事そして内浦の事を話し始める

 

「それから本当はこのステージに一緒に立ちたかったマネージャーの高海真也君!」

 

「彼はAqours結成当時から私達の側に居てくれて」

 

「私達を助け、支えてくれていました。本当に感謝しています!」

 

千歌姉達の言葉を聞いている内に少し恥ずかしくなる

 

「本当に…」

 

「その割に嫌そうじゃないわよね」

 

「そうですね…嫌じゃないかもしれません」

 

僕はそう言ってステージの千歌姉達を見る

 

「あの日0だった物を1にする為に…さあ行くよ!」

 

前に出て居た千歌姉がダイヤ達の元に向かって行く

 

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

そこまで言った所で千歌姉が僕の方に顔をむける

 

(10…)

 

僕は指で1と0を作り千歌姉に見せると小さく笑う

 

「今全力で輝こう!0から1へ!aqours!」

 

『サンシャイン!!』

 

こうしてAqoursのライブが始まった

 

「どうどう!どうだった真也君‼︎」

 

「落ち着いて千歌姉…僕が今まで見てきた中で1番良いステージだったと思う」

 

「だよね!だよね!あ〜!早く結果出ないかな‼︎」

 

千歌姉がうずうずしながらそう言う

 

「結果出たよ」

 

「本当だ‼︎えっとAqoursは!え…」

 

Aqoursの結果を見て千歌姉達は固まる

 

《Aqours 0票》

 

「そんな…」

 

「ルビィ…頑張った…ルビィは凄く頑張ったよ」

 

僕に抱き付きながら泣くルビィの頭を撫でながらそう言う

 

「一先ず今日は春風に泊まって内浦には明日帰ろう」

 

「うん…」

 

沈んだ表情の中千歌姉はそう答えた




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92話

「これで良し…」

 

あの後春風に向かう途中に眠ってしまったルビィを布団に入れて善子と花丸を見る

 

「「……」」

 

「2人共そんなに落ち込まないでまた次があるからさ」

 

僕は同じ部屋の善子と花丸にそう言う

 

「それでも…」

 

「やっぱり悔しいわ」

 

「悔しいのは皆んな同じ、予備予選を突破出来なかったスクールアイドルの人達も同じ気持ちだよ。だから次のラブライブに向けて一生懸命練習するんだ」

 

A-RISEもラブライブを辞退した時は落ち込んでた。けどツバサさん達はその気持ちをバネにして次のラブライブまでの間今まで以上に練習に精を出して居た

 

「それは分かってるわよ」

 

「でもそう簡単には割り切れないずら」

 

ルビィは溜め込まずに泣いてそれなりに割り切れたかも知れないけどルビィ以外は誰1人として泣いて居ない

 

「善子、花丸」

 

「ずら⁉︎」

 

「ちょっと真也⁉︎」

 

突然僕が抱き付いて来た事に2人は驚く

 

「溜め込むのはあまり良くないよ。落ちた事が悔しい気持ちは分かるから泣きたい時は泣いても良いんだよ。だから…ね?」

 

「うう…真也君‼︎」

 

「ずるいわよ!そんな言い方されたら…頑張れないないじゃない‼︎」

 

僕はそう言って泣く2人を撫で続けた

 

「「す〜す〜」」

 

暫くすると2人してルビィと同じ様に眠り始めたので布団に入れる

 

「うゆ…真…君…」

 

「おはようルビィ」

 

少しするとルビィが起きたがまだ寝ぼけて居ると思うその証拠に

 

「あ…真君だ〜」

 

ルビィの目は半開きの状態でふらつきながら僕の所に来ている

 

「真君はルビィの事好き?」

 

ルビィは僕の膝の上に座りそう聞いてくる

 

「勿論好きに決まってるよ」

 

「そっか…えへへ」

 

ルビィはそう言うと嬉しそうな笑みを浮かべる

 

「ルビィジュースでも持って来ようか?」

 

「うん…リンゴジュースが良いな」

 

「分かったちょっと待ってて」

 

僕はそう言って部屋を出た

 

〜ルビィside〜

 

「ん…あれ?此処何処だろ?確か地区予選の結果を見てその後真君に泣き付いちゃってそれから…あれ?どうしたんだっけ?」

 

辺りを見渡すと花丸ちゃんと善子ちゃんが布団で寝て居るから多分春風の中なんだろうけど…どうやって来たんだろう?

 

「あ、完全に起きたんだねルビィ」

 

「ありがとう真君」

 

私はそう言って真君からリンゴジュースを受け取る

 

「ねえ真君、ルビィどうやって此処まで来たの?」

 

「ああ、あの後ルビィが泣き疲れて寝ちゃったから僕が背負って来たんだよ」

 

「え⁉︎ルビィ寝ちゃったの⁉︎ごっごめんね真君ルビィ重かったよね…」

 

「ルビィが重い?しいたけに比べたら全然重くなかったよ?」

 

しいたけちゃんと比べられても…

 

「そうだ真君、あのね今日の夜ルビィと2人でお話ししよう」

 

「別に良いけど皆んなでじゃダメなの?」

 

「うん、真君と2人でお話ししたいの」

 

「分かった」

 

真君はそう言うと善子ちゃんと花丸ちゃんを起こしに行った

 

〜ルビィside out〜




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93話

花丸と善子を起こした後2人に食器類の準備を任せて僕はルビィと2人で買い出しに向かって居る

 

「ルビィ何か食べたい物とかある?」

 

「えっと…ポテトフライ、お姉ちゃんはプリンが食べたいと思う」

 

「ルビィはポテトフライが好きなの?」

 

僕の質問にルビィは頷く

 

「そうなんだ、後はハンバーグとかグラタンも…」

 

「真君、お姉ちゃんハンバーグもグラタンも嫌いなんだ」

 

意外だダイヤに嫌いな食べ物があったんだ

 

「教えてくれてありがとうルビィ」

 

そんな話をしていると目的地のスーパーに着いた

 

「ちょっと待ってルビィ、どうしたの果南?」

 

スーパーに入って暫くすると果南から電話があった

 

『真也君?今善子ちゃん達と準備してるんだけど割り箸が人数分無いみたいなんだ。まだスーパーなら買って来て貰っても良いかな?』

 

「分かったよ、他に何か欲しい物とかある?あるなら今買っておきたいんだ」

 

『どうだろう?皆んな〜!』

 

果南が千歌姉達を呼んで欲しい物を聞く

 

「分かった、それじゃあそっちの準備は頼んだよ」

 

僕は果南にそう言って電話を切る

 

「持てそうルビィ?」

 

「うん、それに真君の方が沢山持ってるからルビィも頑張らないと」

 

「分かった、でも無理はしないでね「やっぱり真君だ!」穂乃果さん練習の帰りですか?」

 

「そうだよ「全く穂乃果は真也に会えて嬉しいのは分かりますがもう少し落ち着いて下さい」えへへ、ごめんね海未ちゃん」

 

「いえ、もう良いです」

 

海未さんはそう言ってため息を吐く

 

「手伝いましょうか?」

 

「えっと…良いんですか?」

 

「ええ、穂乃果も良いですか?」

 

「うん!」

 

僕とルビィは穂乃果さんと海未さんの行為に甘えて荷物を一緒に持ってもらう事にした

 

「そう言えばルビィちゃん!中継で観たよ地区予選!」

 

穂乃果さんのその言葉を聞いてルビィの足が止まる

 

「ルビィ?」

 

「ううん、何でもないよ真君」

 

ルビィはそう言って笑うが何処か無理をしている様に見える

 

「穂乃果すみませんが先に真也と春風に向かって貰えますか?私はルビィと少し話をしたいので」

 

「分かったよ海未ちゃん!行こう真君!」

 

「そうですね、それじゃあルビィ春風で待ってるから」

 

そう言って僕はルビィの荷物、穂乃果さんは海未さんの荷物を持って春風に向かった

 

〜ルビィside〜

 

「彼処で話しましょうかルビィ」

 

「はい」

 

私は海未さんと近くにある公園のベンチに座り話をする事にした

 

「何か悩み事ですか?」

 

「え?」

 

「先程真也に向けた笑みが何処か無理をしている様に感じたのですが」

 

海未さんにそう言われてルビィは頷く

 

「実はこのまま真君の隣に居て良いのか分からなくなって…」

 

「真也の隣に?」

 

「はい…何も出来ないルビィがこのまま真君の隣に居て良いのかって言うのは前に真君にも言ったんです。その時に真君は隣に居ても良いって言ってくれたんですけど…ラブライブの結果を見てまた同じ事を考えちゃって」

 

ルビィの話を海未さんは何も言わずに聞いてくれた

 

「そうでしたか、昔の私と同じですねルビィは」

 

「昔の海未さんと?」

 

「ええ、私も真也と仲良くなって初めて真也のバイオリンのコンクールに行った時に同じ事を思いました。その時に1度真也と距離を置こうとしたんですが尽く先回りされてしまって」

 

海未さんはその時の事を思い出しながら話す

 

「ある日真也に聞いたんです。どうしてそこまで私にこだわるのかと、そしたら笑って一緒に居ると楽しいからってそう言われたんです。そう言われて私は何も言い返せなくなってしまったんです。それからも度々そう思う事はありましたが隣で楽しそうに笑う真也を見ているとそんな事を考えている自分がどうでも良くなってしまうんですよね」

 

「そうですか…でもルビィ何時も真君に頼ってばっかりで…」

 

「それは真也が好き好んでやってるんです。少しでもルビィの力になりたくて、一緒の時間を過ごしたくて」

 

「海未さん…そうだと嬉しいです」

 

「きっとそうですよ真也はそう言う子ですから。さてそろそろ行きましょうか」

 

「はい!」

 

私はそう言って立ち上がる海未さんにと一緒に春風に向かった

 

〜ルビィside out〜




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94話

「お腹いっぱいで幸せずら」

 

「流石に食べすぎたよ」

 

千歌姉と花丸はそう言って床に寝転がる

 

「千歌さんも花丸さんもだらしないですわよ」

 

「本当にごめんダイヤ」

 

「真也が謝る必要はありませんわ、ほら寝るなら自分達の部屋で寝て下さい」

 

ダイヤがそう言って千歌姉と花丸を起こそうとするが2人はそのまま眠ってしまう

 

「全く」

 

「まあまあダイヤ今日くらい良いじゃん。それくらい疲れてるんだよ」

 

「そうですわね、真也毛布を用意して貰っても宜しいですか?」

 

「分かったよダイヤ」

 

「真君ルビィも手伝うよ」

 

そう言って立ち上がったルビィと人数分の毛布を用意しに行く

 

「そう言えばルビィ海未さんと何の話してたの?」

 

人数分の毛布を用意して居る途中ずっと気になって居た事をルビィに聞く

 

「うん…ルビィと真君の話」

 

ルビィはそう言うと海未さんと話していた内容を僕に話し始めた

 

「そっか、ごめんルビィ僕知らない内にルビィの事不安にさせてたんだね」

 

「ううん…真君はルビィの事…」

 

「うん、海未さんの言う通りだよ。ルビィともっと一緒の時間を過ごしたくて、ルビィの力になりたくてしてる事だよ」

 

「でも…ルビィはこのままじゃダメかなって…真君にももっと頼って欲しいなって」

 

「ルビィの事何時も頼りにしてるよ。ルビィが隣に居てくれてるだけで安心出来るから、此処が僕が僕でいられる場所だってそう思えるから、だから頑張れるんだルビィが居なかったらきっとコンクールにまた参加する勇気も出なかっただろうし」

 

コンクールに参加する為に東京に向かう前何度もルビィにバイオリンの演奏を聞いて貰った。ルビィが隣に居てくれたから僕はもう一度コンクールに参加しようって決心がついた。

 

「だからルビィこれからも隣に居てそしたら僕もっと頑張れる気がするから」

 

「真君…うん!ルビィも真君の隣に居ても恥ずかしくないそんなルビィになれる様にがんばルビィ!」

 

「一緒に頑張って行こう2人で」

 

「うん!」

 

僕とルビィはそう言って毛布を持って大広間に向かう

 

「ただ…いま…」

 

「お姉ちゃん達も寝ちゃってる…」

 

僕とルビィが大広間の戻るとダイヤを含め全員寝ていた

 

「う〜ん…もう食べられないずらよ真也君…」

 

「みかんが沢山…」

 

(何ともわかりやすい夢の内容だ)

 

僕はそう思いながら花丸と千歌姉に毛布をかける

 

「僕達も寝ようかルビィ」

 

「うん」

 

そう言って千歌姉達から少し離れた場所で毛布を被り手を繋ぐ

 

「真君…ルビィもっと頑張るから」

 

「僕もルビィに負けないくらい頑張るよ」

 

「「おやすみ真君(ルビィ)」」

 

そう言って僕とルビィも眠りに着いた




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95話

〜千歌side〜

 

「ん…何だろこの音…」

 

私は何かが襖を引っ掻く様な音で目を覚ました

 

「ワン」

 

「何だ子犬か…」

 

襖を開けるとそこには子犬が居て私にを見上げた後花丸ちゃんのお腹の上に乗った

 

「うっ、何ずら…」

 

「大丈夫花丸ちゃん?」

 

「千歌さん…何かおらのお腹の上に乗らなかったずら?」

 

花丸ちゃんが起き上がって私にそう聞いてくる

 

「それなら真也君の所に居る子犬が花丸ちゃんを踏み台にしてたからそれじゃないかな?」

 

「そうずらか…」ぐ〜

 

花丸ちゃんのお腹が鳴るのと同時に顔が赤くなる

 

「ん…おはようココア…」

 

「うゆ…真君もう朝?」

 

真也君が子犬に起こされると隣で寝ていたルビィちゃんも起きた

 

「おはよう真也君、ルビィちゃん」

 

「おはよう千歌姉…」

 

真也君はそう言って私の顔を見て固まる

 

「千歌姉⁉︎どうしたの⁉︎何があったの⁉︎千歌姉がこんなに早く起きるなんて‼︎」

 

「偶には千歌も早く起きるよ‼︎それより真也君その子って」

 

「千歌姉達は知らないよね。看板犬のココアだよ。あ…千歌姉の事で遅くなったけど花丸もおはよう」

 

「おはようずら真也君、今日の朝ご飯は何ずら?」

 

「まだ起きたばかりだからこれから作るよ。千歌姉も手伝って」

 

「は〜い」

 

私はそう言って台所に向かう真也君に着いて行った

 

〜千歌side out〜

 

「良い匂い…」

 

「そろそろかな?千歌姉ご飯と味噌汁を入れて」

 

「うん!」

 

千歌姉はそう言ってご飯と味噌汁を器に入れる

 

「花丸お待たせ」

 

「朝ご飯は魚とお味噌汁だよ」

 

「美味しそうずら」

 

花丸は前に置かれる魚と味噌汁を見てそう言う

 

「それじゃあ花丸も待ちきれないみたいだし食べよっか」

 

「賛成!いただきま〜す!」

 

「いただきますずら」

 

そう言って千歌姉と花丸が食べ始める

 

「ルビィ今日はどうする?帰るのは明日だから1日空いてるけど?」

 

「ルビィスクールアイドルショップに行きたい前に行った時はゆっくり見れなかったし…」

 

僕とルビィは朝食を食べながら今日の予定を話し合う

 

「ねえねえ、スクールアイドルショップって?」

 

「名前の通りスクールアイドルのグッズを売ってるお店だよ」

 

「そっか「おはよう千歌」果南ちゃんおはよう!」

 

果南は千歌姉がこの時間に起きてる事に何も思わないんだ…

 

「珍しいね千歌がこんなに早く起きるなんて」

 

「えへへ、実はココアちゃんが襖を引っ掻く音で目が覚めちゃって」

 

それで千歌姉起きるの早かったんだ

 

「雨でも降らないと良いけど…」

 

「真君それは流石に…」

 

「千歌さんに失礼ずら」

 

「まあ千歌が毎日この位の時間に起きてたら真也君もそんな事言わないだろうし練習に遅刻する事もないんだろうけどね」

 

果南は千歌姉を見てそう言う

 

「あはは…ごちそうさま」

 

そう言って千歌姉は食器を台所に運んで行く

 

「あ、逃げた」

 

「うん、逃げたね」

 

「「あはは…」」

 

台所に逃げた千歌姉を見てそう言う僕と果南に対してルビィと花丸は苦笑いを浮かべていた




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96話

東京から沼津に帰る電車の駅のホーム、今回ツバサさん達A-RISEはラブライブの調整をする為駅のホームには穂乃果さん達μ'sに加え亜里沙と雪穂が来てくれた。そこまでは良かったが

 

「あのそろそろ電車に乗りたいんですけど…」

 

「待って後もうちょっとでバイトの疲れが取れるから」

 

バイトが終わって直ぐに来たことりさんが中々離れてくれない

 

「バイトで疲れてるのは分かりますけどそろそろ…」

 

「真也君‼︎早く早く‼︎」

 

「今行く!ほらことりさん」

 

「は〜い♪」

 

僕がそう言うとことりさんは離れてくれた

 

「それでは真也体に気をつけて下さいね」

 

「はい、海未さん達も」

 

そう言って僕は電車に乗り込んだ

 

「いや〜、真也君モテモテだね」

 

「南さんって小学生の頃からああだったの?」

 

「そうだったと思う、まあ嫌われてる訳じゃないから悪い気はしないけど場所はもう少し考えて欲しいかな」

 

僕は梨子の質問にそう返す

 

「ですが真也ああ言うのは断るべきですわ、貴方はルビィの恋人なのですから、いくら仲が良いからと言って異性でああ言う事をするのはハレンチですわ」

 

「偶にはあれくらいのスキンシップも良いじゃない。ね、真也」

 

そう言って隣に座って居た鞠莉は僕に抱きつく

 

「鞠莉さん!冗談でもその様な事はしてはいけませんわ!」

 

「ダイヤ、電車の中では静かにしなきゃね」

 

「誰のせいですの!」

 

ダイヤが大声でそう言うと周りの人はダイヤに注目する

 

「あ…すみません」

 

ダイヤは顔を赤くしてそう言うとさっきまで居たルビィの隣に座る

 

「ふふふ、真也?どうしたの?痛い痛いわ真也」

 

「鞠莉電車では静かにね」

 

そう言って僕は鞠莉の頬をより強く引っ張る

 

「酷いわ真也、レディーの頬を引っ張るなんて」

 

「元はと言えば鞠莉さんが悪いのですから当然の報いですわ」

 

新幹線に乗り換え車両1つを鞠莉が貸し切りにした事でダイヤが説教を始めた

 

「楽しかったね曜ちゃん」

 

「そうだね千歌ちゃん」

 

「ん〜、この駅弁美味しいずら」

 

「あんた本当よく食べるわね」

 

皆んなが話して居る中僕の肩に何かが倒れてくる

 

「ルビィちゃん寝ちゃったのね」

 

「みたいだね」

 

僕はルビィの頭を膝の上に乗せてそう言う

 

「あ〜!ルビィちゃんだけずるい千歌も千歌も!」

 

「今はそっとしておいてあげなよ千歌、ほらさっきのさっきの駅でみかん買って来たから」

 

「本当果南ちゃん!」

 

そう言って千歌姉は果南にみかんを貰いに行く

 

「全く千歌姉は」

 

「あはは…」

 

僕が呆れた声でそう言うと梨子が苦笑いを浮かべる

 

「そろそろ起こさないといけないんだけど…」

 

もう直ぐ新幹線を降りなければいけないのだが気持ちよさそうに寝て居るルビィを見て居るとどうも起こす気にはなれない

 

「ほらルビィあと少しで降りるよ」

 

「うゆ…真君…」

 

「うん、もう降りる駅に着くから起きて」

 

「あと5分…」

 

そう言ってルビィはもう一度眠り始める

 

「どうしよう…」

 

「真也とルビィの荷物はわたくしが待ちますので真也はルビィをお願いします」

 

「ありがとうダイヤ、じゃあそうさせて貰うよ」

 

そう言って僕とルビィの荷物を持つダイヤにお礼を言ってから僕はルビィを背負い新幹線を出た




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97話

「こんにちは」

 

「来たわね真也、あんたが最後よズラ丸もルビィももう来てるんだから」

 

「ごめん善子」

 

「まあ良いわ入りなさい」

 

内浦に帰って来て数日夏休みも残り数日になった今日、僕は善子の住むマンションに来ていた

 

「そう言えば何で呼ばれたの?」

 

「直ぐに分かるわよ」

 

そう言って善子はルビィと花丸が居るリビングの扉を開ける

 

「2人共真也が来たわよ」

 

「真也君丁度良かったずら」

 

リビングに入ると夏休みの宿題をして居た花丸がそう言う

 

「善子もしかして呼ばれた理由って…」

 

「そう言う事よ。因みに私も全く終わってないわ」

 

そう堂々と言われても困るだけなんだけど…つまり僕は夏休みの宿題を終わらせる為の助っ人として呼ばれたんだ

 

「どうしたの花丸?」

 

「えっと…此処がどうしても分からなかったずら」

 

「此処はこの公式を使って」

 

僕は出来る限り分かりやすく花丸に説明する

 

「解けたずら、やっぱり真也君は頼りになるずら」

 

「ありがとう花丸、ルビィもわからない所があったら聞いてくれて良いからね」

 

「うゆ」

 

ルビィは一言そう言って宿題に取り組む

 

「ねえ真也此処ってどうするの?」

 

「此処はこの公式を使って」

 

《5分後》

 

「ねえ真也此処は?」

 

「此処は…」

 

《更に5分後》

 

「ねえ真也…「善子考える気ある?」…か…考えてるわよ」

 

本当かな?

 

「真君…」

 

「うん、ちょっと待ってルビィ…善子、全部教えるけど後で復習問題やって貰うから」

 

「ちょっと冗談よね⁉︎真也⁉︎ごめん!ちゃんとやるから‼︎」

 

僕は善子を無視してルビィの問題を見に行った

 

「真君…終わったよ」

 

「お疲れルビィちょっと見せて?」

 

僕はルビィに宿題のプリントを見せて貰う

 

「うん…間違いは無いと思うよルビィ。後は善子だけだよ」

 

「うう〜、頭がパンクしそう…大体1日で終わらせるのなんて無理なのよ〜」

 

集中力が切れて来た善子が机に突っ伏してそう言う

 

「そんな事言ってても宿題は無くならないよ。ほら早く次のページに行く」

 

「鬼〜‼︎しかもこの後復習問題もあるのよね!明日終わらせるから今日は勘弁して‼︎」

 

「全くちゃんと明日終わらせなよ。ルビィと花丸はこの後どうするの?」

 

「おらとルビィちゃん今日は善子ちゃんの家でお泊りずら」

 

『ただいま』

 

花丸がそう言うのと同時に玄関から聞き慣れない声が聞こえる

 

「ただいま善子、それとルビィちゃんも花丸ちゃんもいらっしゃいごめんなさいね善子の夏休みの宿題に…付き合って…貰っちゃって…」

 

そう言ってリビングの扉を開けたのは善子と同じ黒髪に赤い瞳の女性だった

 

「初めまして高海真也です。今日は津島さんから夏休みの宿題を終わらせる為の助っ人で呼ばれて今から帰る所です」

 

「ああ、善子の友達ね。善子の母の津島美星です。それで高海君だったかしら?帰るって言っても外は大雨よ?」

 

そう言われて外を見ると確かに大雨だいつの間にかこんなに降ってたんだ…

 

「すみません、雨がやむまで居させて貰います…」

 

「良いのよそんなにかしこまらなくて、夜中になるまで雨はやまないみたいだし、泊まりなさいよ」

 

「ちょっとお母さん!この家年頃の娘居るんだけど!その上同年代の女子が2人も居るんだけど!」

 

「でもこの中を帰すのはかわいそうじゃない、善子の事は気にしなくて良いから泊まって行きなさいよ」

 

「えっと…」

 

美星さんはそう言うが善子は断れと言う目をして居る

 

「それじゃあ…お言葉に甘えて」

 

「うん、宜しい部屋に案内するわ。善子は私が戻って来るまでに机の上を片付けて置きなさい」

 

こうして僕は美星さんに言われるまま善子の家に泊まる事になった




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98話

「ふぁ〜、早いわね高海君」

 

「おはようございます美星さん」

 

善子の家に泊まった翌日、起きて朝食を作って居ると大きな欠伸をしながら美星さんが起きて来た

 

「高海君は今誰かと付き合ってたりするの?」

 

「突然ですね、ルビィと付き合ってますよ」

 

「ルビィちゃんか、誰とも付き合って無かったら善子の事任せても良いと思ってたんだけど仕方ないわね」

 

美星さんはそう言って残念そうな顔をする

 

「放任してた私が言えた事じゃ無いけど教師職だからあの子の趣味の事あんまりよく思えないのよね」

 

「わからなくも無いです」

 

「でもね、あの子も小学生の頃は好きな男子が居たみたいで多少真面な時期があったんだけどね」

 

あの善子が真面な時期があったんだ。そして美星さんはその人物が僕だって知らないんだ

 

「あの〜、それが僕だって言ったらどうします?勿論ルビィと付き合って無かったらの話ですが」

 

「高海君だったら?そうね…」

 

そう聞くと美星さんは顎に手を当てて考える

 

「他の人に取られる前に猛アタックさせるわね。あの子顔とかは整ってるからあの趣味を容認できる人でも居れば1番良いんだろうけど難しいでしょうね」

 

そう言って美星さんはコーヒーを飲む

 

「僕は善子の趣味を悪い様には思ってません。その趣味で誰かに迷惑を掛けた訳でも無い限りそれを辞めるように言ったり否定したりするのは少し違うと思いますし、何よりそれが善子の魅力だと思ってます」

 

「それがあの子の魅力か…ご馳走様、それじゃあ私は仕事に向かうわ。それと善子の事宜しくね」

 

そう言って美星さんは僕の作ったお弁当を持って仕事に向かった

 

〜善子side〜

 

「ん…6時前…この時間帯に起きるって事は体が覚えてるのかしらね」

 

私は起きて携帯を確認した後にそう言う

 

「あの子顔とかは整ってるからあの趣味を容認できる人でも居れば1番良いだろうけど難しいでしょうね」

 

(私の趣味を容認?何の話かしら?)

 

私は耳を澄まして会話の内容を聞き取る

 

「僕は善子の趣味を悪い様には思ってません。その趣味で誰かに迷惑を掛けた訳でも無い限りそれを辞めるように言ったり否定したりするのは少し違うと思いますし、何よりそれが善子の魅力だと思ってます」

 

(なっ!何言ってんのよ彼奴‼︎それに私の魅力って…)

 

私は真也の言葉に顔を赤くする。真也は嘘を付くのが苦手だ。だからああ言うって事は彼奴は私の趣味を本当に悪くは思ってないんだろうし、あれが私の魅力だって本気で思ってくれてる。それがとても嬉しかった

 

「それじゃあ私は仕事に向かうわ。それと善子の事宜しくね」

 

お母さんがそう言って仕事に向かったから部屋を出ようとした所で私の携帯が鳴る

 

「誰よ…こんな朝から…」

 

私に対するメールの差し出し人はお母さんだった

 

《あんた盗み聞き何て趣味が悪すぎるわよ。それから、万が一ルビィちゃんと別れる様なら直ぐにアピールしなさい》

 

《分かった》

 

私はお母さんに一言だけ送って部屋を出た

 

〜善子side out〜




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99話

夏休みも終わり二学期が始まる日の朝、僕が起きて最初にした事それは

 

「千歌姉、朝だから起きなよ」

 

「後もうちょっと…」

 

千歌姉を起こして居た

 

「それで起きた試しないじゃん、良いから起きなよ」

 

「うう〜、まだ眠いよ…」

 

「今起こさないとそのまま寝坊するのが目に見えてるから起こしてるんだから」

 

「後5分…」

 

そう言って深く布団を被る千歌姉に腹が立ち一度千歌姉の部屋を出てスリッパを持ってまた部屋に入る

 

「起きない千歌姉が…悪いんだからね!」パンッ

 

「痛〜い‼︎」

 

スリッパで頭を叩くと千歌姉はそう叫んで起きる

 

「おはよう千歌姉」

 

「おはよう、真也君それにしてもスリッパで叩くのは酷いよ」

 

「お〜い千歌姉、始業式の日くらい何時もより早く起きた…ら」

 

そう言って部屋の中に入って来た楓は固まる

 

「千歌姉…1人で起きたの…」

 

「ううん!真也君が起こしてくれた!」

 

楓がそう聞くと千歌姉は自信満々にそう返す

 

「そう…だよね、千歌姉だもんね」

 

「そうそう!あれ?」

 

「先に降りてるから」

 

千歌姉と楓はそう言って部屋を出る僕に着いて来た

 

「待って梨子ちゃん‼︎」

 

「千歌ちゃん?随分と…ああ、真也君が起こしてくれたのね」

 

僕が一緒に来た事で千歌姉が早起き出来た理由を知った梨子がそう言う

 

「おはよう梨子」

 

「おはよう真也君」

 

バスが出発するギリギリで間に合った僕は椅子に座って梨子と話す

 

「朝から大変ね」

 

「大丈夫です、もう慣れましたから」

 

「慣れって怖いわね本当に」

 

「ええ」

 

穂乃果さんと同じで本当に慣れは怖いあの人の突拍子のない行動すら慣れればいつもの事に思えるんだから

 

「おはようございますわ梨子さん、真也…千歌さん」

 

「「「おはよう(ございます)ダイヤ(さん)」」」

 

学校の校門で挨拶をするダイヤも目を擦りもう一度千歌姉の存在を確認する始末。千歌姉が普段どれだけ朝練に遅刻して居るかが分かる

 

「おはよう真君」

 

「おはようルビィ、花丸達と一緒じゃないんだ」

 

千歌姉達と別れて教室に行くとルビィは居たけど花丸と善子が見当らない

 

「ルビィ今日はお姉ちゃんと一緒に来たから」

 

「それで、「おはようずら真也君」おはよう花丸」

 

ルビィと話して居ると花丸が教室に入って来た

 

「おはよう花丸ちゃん」

 

「ルビィちゃんおはようずら、善子ちゃんはまだ来てないずら?」

 

「まだ来てないよ」

 

そう言って自分の席に座る

 

「善子ちゃん遅いずらね」

 

「うん、もう直ぐホームルームが始まるのに」

 

「あれって…善子だけど今着いたみたい」

 

窓の外を見てると走って校舎に向かう善子の姿があった

 

「善子ちゃん急ぐずら!」

 

「もう直ぐホームルーム始まっちゃうよ!」

 

窓から善子に向けてそう叫ぶルビィと花丸を見てクラスメイトが小さく笑う

 

「はぁはぁ、何とか間に合ったわ」

 

「もっと時間に余裕を持って家を出たらそんなに急ぐ必要は無いんだけどね、ほら」

 

息を切らせながら教室に入って来る善子にお茶でもを渡してからある事に気づく

 

「あ、ごめんそれ飲みさしだった」

 

「‼︎ケホケホ!そう言うのはもっと早く…言いなさいよ…」

 

暫くすると善子の声は段々小さくなっていき顔も赤くなっていく

 

「ごめんって善子、なんか顔赤いけどどうしたの?」

 

「なんでもないわよ‼︎ひっ一先ずこれは私が全部貰うから」

 

「別に良いけど…」

 

そう言うと善子はそのお茶を飲み干した




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100話

体育館に着くと理事長挨拶が始まった

 

「本日よりセカンドシーズンのスタートデース!今シーズンも皆んなで裏の星で楽しく歌って踊ってシャイニーして下さいね」

 

2学期をセカンドシーズンって言うのはまだ良いとして流石に理事長挨拶がこれじゃ駄目でしょ

 

「理事長挨拶だと言いましたわですわよね!そこは裏の星の生徒らしい節度を持った行動と勉学に励むだと!」

 

「雪像を持つ?」

 

「節度‼︎」

 

小声で話して居たダイヤが大声を出してそう言う

 

「ダイヤも大変そうだねルビィ」

 

「あはは」

 

僕がそう言うとルビィが苦笑いを浮かべる

 

「それにしても惜しかったわよね」

 

「うん、あと少しで全国大会だったって真君も言ってたし」

 

「過ぎた事をいつ迄言ってても仕方ないずら」

 

「相手が悪かったって言うのもあるけどね」

 

今回のAqoursの相手グループにはA-RISEも居たから必然的にAqoursや他のグループと大差を付けて地方予選を通過、決勝でも殆どの票がA-RISEに集中して居た

 

「しっか〜し!参加賞が2色ボールペンってどうなの…ねえ真也A-RISEが初参加した時も2色ボールペンだったの?」

 

「確かそうだった気がする。確か今も制服のポケットに…あった」

 

僕は常に制服の裏ポケットに入って居るA-RISEが予備予選で辞退した時に貰ったボールペンを取り出す

 

「へー、今とは違うのね。グループの名前が彫られてる何て」

 

「まあ、あの時は参加するスクールアイドルも少なかったしね。それに今の参加したスクールアイドル全員に配ってたら時間がいくらあっても足りないだろうしね」

 

「確か決勝大会に出場したら3色になるんだったよね?」

 

「未来ずら〜」

 

「何処がよ!」

 

花丸には悪いけど僕も分からない

 

「シャラープ‼︎」

 

鞠莉がマイクでそう叫ぶともの凄い音になり全員が耳を塞ぐ

 

「確かに全国大会に進めなかったのは残念でしたけど」

 

「でも0を1にする事は出来た。此処に居る皆さんのお陰ですわ」

 

そう地方予選前の学校説明会の参加人数は0から1人に今では10人になって居る

 

「それだけではありませんわよ」

 

「本日発表になりました。次のラブライブが」

 

ごめん、それ絶対今言う必要無いと思う。後でわかる事だし

 

「本当お姉ちゃん!」

 

「ええ」

 

ルビィの問いかけにダイヤは頷く。うん、ルビィの事だから嬉しいのは分かってたでもねルビィ

 

「今は始業式の途中だから静かにね」

 

「あ」

 

僕がそう言うとルビィは顔を赤くして縮こまる

 

「同じようにラブライブ決勝はアキバドゥームデス!」

 

「皆んな!出ようラブライブ!そして1を10にして!10を100にして!学校を救って!そうしたら私達だけの輝きが見つかると思う、きっと!」

 

その後しばらくして、騒がしすぎる始業式が終わった




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101話

「1・2・3・4はい、善子ちゃんは相変わらず体固いわよね。ちゃんとストレッチやってる?」

 

「ぐ〜!ヨハネ!「そんなんじゃダメダメ」痛い痛い痛い!と言うか何であんたは平気なのよ真也!」

 

放課後屋上で果南に背中を押されて居る善子が僕にそう言う

 

「A-RISEに居た頃も僕だけ何もしない訳にはいかないから一緒にストレッチとかしてたからこれくらい出来て当たり前、果南変わるよ」

 

「ありがとう真也君、鞠莉お願い」

 

「OK!」

 

果南はそう言って鞠莉と柔軟を始める

 

「それはそうかも知れないけど「ほら行くよ善子」ちょっと待ちなさいよ!この体はあくまでかりそめ堕天使の実体は「話せるだけの気力があるならもう少しは大丈夫だよね」ちょっとこれ以上は本当に待‼︎痛たたた!」

 

「ほら善子、もうちょっと!」

 

そう言って僕は善子の背中を思いっきり押すと再び悲鳴を上げる

 

「そう言えば花丸はどう?少しは曲がる様になった?」

 

「毎日家でもやってるから善子ちゃんよりかは曲がる様になったずら、それに腕立ても」

 

「本当!」

 

「見てるずら」

 

本当に出来るようになったのかな?

 

「い〜〜ち、完璧ずら」

 

そう言って花丸は腕立ての体制から地面に倒れる

 

「凄いよ花丸ちゃん!」

 

「i it'smiracle」

 

「何処がよ!「善子は人の事気にしなくて良いから」痛たたた!真也もう少し優しくしなさいよ」

 

痛みの余り若干涙目になりながら僕を見てそう言う善子に対して僕は笑って

 

「い・や・だ」

 

「鬼‼︎「誰が鬼なのかな?」うっ嘘嘘‼︎だから今以上に押さない、みぎゃ〜‼︎」

 

「花丸も体が曲がる様になったなら腕立てをもう少し頑張りなよ。さもないと善子みたいな目に合うからね」

 

「わ、分かったずら」

 

善子の悲鳴を聞いて花丸は少し怯えた様子でそう言う

 

「そっそう言えば次のラブライブって何時なの?」

 

「多分来年の春だと思うけど」

 

「ぶっぶ〜ですわ‼︎その前に1つやるべき事がありますわよ!」

 

「「え?」」

 

ダイヤの言葉に曜と梨子はそう返す

 

「忘れたの曜、梨子?その前に入学希望者を増やさないとだよね?」

 

「学校…説明会」

 

「あ、そうだ」

 

この反応忘れてたんだ2人揃って

 

「折角な機会です。そこに集まる見学者達にライブを披露してこの学校の魅力を伝えるのですわ」

 

「それ凄く良いと思う」

 

「トイレ長いわよもうとっくに練習始まってんだからね「だから…人の事気にしてる暇があるの善子!」痛たたた!こっこれ以上は無理だから!」

 

本当にこれ以上は不味そうなので善子の背中を押すのを辞めて練習を再開する

 

「家でもちゃんとストレッチする様に善子のお母さんにも言っておくよ」

 

練習を終えてバス停に向かう途中善子にそう言う

 

「ちょっと待ちなさい!何でお母さんの番号知ってんのよ!」

 

「何でってこの前泊まりに行った時に教えて貰ったんだよ。因みに、ストレッチを怠る様ならまた今日みたいに僕がやるから覚悟しておいて」

 

「うっ、分かりました…」

 

そう言った善子は見るからに落ち込んで居た

 

「そっか、秋になると終バス早くなっちゃうんだね」

 

「そうずらね」

 

「日が暮れるのも早くなるから放課後の練習短くなっちゃうかも」

 

流石に放課後の練習が短くなるのは厳しいかな

 

「説明会まであまり日はありませんわよ、練習時間は本気で考えないと」

 

「朝後2時間早く集合しよっか」

 

果南の提案に全員が考える

 

「じゃあ決まりね」

 

「早すぎるわよ‼︎」

 

「そう言えば善子ちゃんもう少し早く帰って来る様に言われてるんでしょ?」

 

「そう言えば僕もそんな事言われた気がする」

 

「ぎく!どっどうして2人がそれを…」

 

善子が何とも言えない顔で僕と梨子にそう聞く

 

「家の母親がラブライブの時善子ちゃんのお母さんと色々話したらしくて、なんか部屋にも入れてくれないって」

 

「僕は昨日善子のお母さんから電話で言われたんだけど」

 

「だから、ヨハネは堕天使であって母親はあくまで仮の同居人でと言うか」

 

「お母さんてどんな人なの?」

 

「学校の先生だって善子が幼稚園に入るまで哺乳瓶離さなかったらしくて「それ以上はストップ‼︎」なんでさ、此処からが面白いのに」

 

「面白くない‼︎」

 

善子が大声でそう言った事である事に気づく

 

「あ、今の善子の話で思ったんだけど、沼津からのバスなら遅くまであるんじゃない?仕事とかで遅くなる人が内浦に帰れなくなったら困るし」

 

「確かに…そうだよ!向こうで練習すれば良いんだよ!」

 

「それなら時間も確保出来るずら、真也君流石ずら」

 

「ルビィ賛成!」

 

「そうだね、鞠莉は?」

 

果南は海を見つめる鞠莉に向かってそう聞く

 

「え?no problem!」

 

鞠莉はそう言って笑うが何処が影を感じる。その後、練習場所に明日探す事にしてバスに乗り込んだ




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102話

「そろそろ寝ないと果南?」

 

夜寝ようとして居ると果南から電話が掛かって来た

 

「どうかしたの果南?」

 

『夜遅くにごめんね真也君、今日の帰りの鞠莉どう思った?』

 

多分だけど果南が言ってるのは帰りに見せた影がある様に見えた鞠莉の笑った顔の事だと思う

 

「そうだね、影がある様に見えたかな?何かを隠して無理やり笑った感じがあったよ」

 

『やっぱり真也君もそう思う?今から鞠莉の家に行くつもりだけど真也君も来る?』

 

「僕も気にはなってたから一緒に行くよ」

 

そう言って僕は自転車に乗って果南の家に向かった

 

「お待たせしました!」

 

果南と鞠莉の家に向かい果南がライトを付けて居ると鞠莉が来た

 

「何があったの?」

 

「sorry!I can't speak japanese」

 

「鞠莉が何か隠してるのは帰りの時に見せた顔で分かるよ。本当に何があったの?」

 

「も〜!真也まで何の話デ〜ス「ダウト」wats?」

 

僕の言葉に鞠莉は首を傾げる

 

「今までどれだけの人を鞠莉に連れて行かれた小原家のパーティーで見て来たと思ってるの?帰りに見せたあれが作り笑顔、本当は何かあったのを隠してるんでしょ?それくらい分かるよ?」

 

「酷いわ真也!果南〜真也が虐める!「訴えるよ」…wait、wait」

 

果南がそう言うと鞠莉は果南から離れながらそう言う

 

「仕方ない真也が居るから言いずらかったけど実は…」

 

「「実は?」」

 

「最近ウェイトがちょっと上がって「さっきも言ったけどもう一度言うねダウト」真也?」

 

流石に痺れを切らして僕はそう言って鞠莉に詰め寄る

 

「鞠莉がそれくらいでブルーになる訳ないし。僕がどれだけ鞠莉を見てたと思ってるの?小さい頃から何度も会って話して鞠莉の事少しは分かってるつもりだよ。それにね」

 

「真也?その手は…何かしら」

 

「鞠莉が僕に隠し事なんて10年早いね」

 

そう言って僕は鞠莉の頬を引っ張る

 

「何かあったなら話して鞠莉」

 

「後輩が此処まで心配してくれてるんだから話したら鞠莉」

 

果南がそう言うと鞠莉は諦めた表情を浮かべる

 

「真也…果南…はぁ、私の負けよ」

 

「最初から話して…どうしたの鞠莉?」

 

「お願い…少しの間このままで居させて」

 

鞠莉が僕を抱きしめ震えた声でそう言うので果南に目線を向けると果南は頷く

 

「鞠莉…ゆっくりで良いから本当の事を話して何があったの?」

 

「実は…」

 

そこから鞠莉は本当の事を話してくれた

 

「学校説明会が中止?」

 

「ええ…今まで先延ばしにして来たけどこれ以上は難しいって、そして裏の星は来年度の生徒の募集を辞め統廃合が決定したって今日パパから電話で聞いたの」

 

そう言って鞠莉は果南の問いかけを肯定する

 

「そっか…ありがとう鞠莉、今までずっとず〜と僕にも果南にも誰にも言わずに1人で頑張ってくれて」

 

「真也…果南…」

 

鞠莉は泣きながら謝罪をし僕と果南で慰め程なくして鞠莉がそのまま眠った為後の事は果南に任せて帰宅した




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103話

「ふぁ〜」

 

「全く夜更かしし過ぎるからだよ」

 

翌日の放課後、部室で大きな欠伸をする千歌姉に僕はそう言う

 

「そう言う真也君だって昨日夜遅くに何処かに出かけてたじゃん」

 

「それでも僕は千歌姉みたいに寝坊したり授業中に居眠りしたりなんてしないよ」

 

僕がそう言うと千歌姉は罰が悪そうな顔する

 

「そう言えば千歌ちゃん良い場所あった?」

 

「う〜ん、中々見つからないんだよね」

 

まあそう簡単には見つからないよね

 

「ずら丸の家お寺でしょ?大広間とかないの?」

 

「うちのお寺で本当に良いずらか?」

 

「花丸ほっぺにパン付いてるよと言うかお昼食べたのによく食べれるね」

 

花丸が善子とルビィを怖がらせようとするがほっぺにパンが付いてた為そこまで怖くなかった

 

「ありがとうずら真也君、それにうちは遠いから無理ずら」

 

「なら善子ちゃんの家の方は…」

 

「何処にそんなスペースがあるのよ!」

 

花丸の家なら兎も角善子の家はマンションだから難しいかも知れない

 

「あはは…あれ?そう言えばダイヤさん達は?」

 

「さっきまで居たのに」

 

「鞠莉さんは電話かかって来てたみたいだけど」

 

鞠莉に電話がかかって来てたって事は廃校云々の話で間違いないかな、果南は知ってるけどダイヤまで居ないのは少し気になる

 

「ちょっと様子見てくるから曜達は練習場所探してて」

 

そう言って僕は部室を出て理事長室に向かった

 

「どうかしたのダイヤ?」

 

理事長室の前に着くとそこにはダイヤが立って居た

 

「真也実は鞠莉さんが少し前から何かを隠してる気がするんですわ」

 

果南が気付いたんだダイヤが気付かない訳が無い

 

「大方の内容は僕も知ってるから話すよ」

 

「ええ、お願いしますわ真也」

 

僕は昨日の夜鞠莉から聞いた事をダイヤに話した

 

「そうでしたのね」

 

「うん、鞠莉もダイヤには言いずらかったんだと思う」」

 

「そうですわね、入りますわよ」

 

そう言ってダイヤは理事長室の中に入る

 

「ダイヤ…」

 

「この前からこそこそこそこそ、本当にぶっぶ〜ですわ。昨夜の話しは真也から聞きましたわ」

 

「ごめん鞠莉、果南」

 

僕は鞠莉と果南に頭を下げて謝る

 

「皆さんにはいつ話すおつもりですの」

 

「今日話すつもりよ、それにしても酷いわ真也、私達の秘密って約束じゃ無い」

 

「そんな約束した覚えは無いけど…」

 

僕は不満を露わにしてそう言う

 

「it'sjoke」

 

「全く鞠莉さんはあまり後輩を困らせるものでありませんですわよ」

 

「本当に鞠莉は…でもその方が鞠莉らしいよ。練習の場所が決まったみたいだよ」

 

千歌姉から練習場所が決まったとメールが来た

 

「秘密をばらした罰よエスコートして頂戴」

 

「はいはい、分かったよ鞠莉」

 

僕はそう言って鞠莉の手を取って千歌姉達の居る部室に向かった




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104話

「広ーい‼︎」

 

「こんな所よく見つかったね?」

 

僕は此処まで案内してくれた曜にそう聞く

 

「パパの知り合いが借りてる場所なんだけど暫く使わないから使って良いよって」

 

「流石船長‼︎」

 

「関係ないけどね」

 

千歌姉達が思い思いの反応をする中鞠莉の表情が次第に曇っていく

 

「ちょっと待って、その前に話があるんだ実はさ…鞠莉」

 

「実は学校説明会は中止になるの…」

 

鞠莉の言葉を聞いてその場の雰囲気が一変する

 

「え…中止…」

 

「どう言う「言葉通りに受け取ってくれて良いよ梨子」真也君それじゃあ」

 

「うん、説明会は中止、浦の星は正式に来年度の生徒の募集を辞める。二学期が始まった日の放課後の練習の途中に鞠莉にお父さんから電話でそう言われたらしいよ」

 

果南は梨子が考えてる事を肯定してそう言う

 

「いきなり過ぎない?」

 

「そうずらよまだ二学期も始まったばかりで「そうでも無いよ花丸」ずら?」

 

「あの後少し調べてみたら2年前つまりダイヤ達が3人でAqoursの活動をした時既に統合の話は上がってた。生徒側からしたら確かに二学期が始まったばかりでいきなり過ぎる話にはなるだろうけど」

 

「そうですわね、真也の言う通り学校側は既に2年前から統合を模索して居たのですわ」

 

「今までは鞠莉が頑張ってお父さんを説得して先延ばしにしてくれてたの」

 

僕と果南ダイヤの話を聞いて千歌姉達は動揺を隠せない表情をして居た

 

「でも入学希望者は増えてるんでしょ?0だったのが今はもう10になって」

 

「これからもっともっと増えるって」

 

「それはもちろん言ったわ、けれどそれだけで決定を覆す理由にはな「鞠莉ちゃん!何処?」ちかっち?」

 

千歌姉ら鞠莉に詰め寄りそう聞く

 

「私が話す!「待って千歌姉」真也君…止めないで‼︎「アメリカに居る鞠莉のお父さんとどうやって話すつもり?」そうなの鞠莉ちゃん?」

 

「Yes…真也の言う通りよ」

 

「なら美渡姉や志満姉やお母さん、それからお小遣い前借りして前借りしまくって真也君からお金も借りてアメリカ行ってそして「千歌姉、辛いのも悲しいのも分かるでもそれは鞠莉だって、皆んなだって同じだよ」でも…でも‼︎」

 

千歌姉の気持ちは此処に居る皆んなが分かってる。何より全員が千歌姉と同じ気持ちだろう

 

「千歌、鞠莉はさ…この学校が大好きでこの場所が大好きで、留学より自分の将来よりこの学校を優先させて来た」

 

「今までどれだけ頑張って学校を存続させようとして来たか、わたくし達の知らない所で理事長として頑張って来たか」

 

「でもその鞠莉が今度ばかりはもうどうしよも無いって言うんだよ?皆んな今日は一度解散にしよう。千歌姉も帰ろ…ね?」

 

僕の言葉に無言に頷く千歌姉や皆んなとバスに乗り込んだが練習場所に向かって居た時の様な雰囲気は誰からも感じられなくバスに乗ってからも誰1人として話さなかった




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105話

翌日の放課後、僕はルビィ達と説明会のポスターの撤去をして居た

 

「やっぱりそう簡単には受け入れられないずらね」

 

「当然よね、自分の学校の統廃合が決まったって知って、はいそうですかって言える人って中々居ないわよね」

 

今朝、体育館にて浦の星女学院の統廃合が決定した事を知ると生徒全員が困惑して居た

 

「真君、ルビィ達がラブライブで優勝してたら何か変わったのかな?」

 

「変わったかもしれないし、変わらなかったかもしれない。それに過ぎた事は変わらないよ」

 

「ポスターの撤去ご苦労様ですわ、今日はもう遅いですし残りは明日にして頂いても構いませんわ」

 

ダイヤにそう言われて僕達は浦の星を出た

 

「お帰り真也、帰ったばかりで悪いけど千歌の奴呼んで来てくれないか?何回呼んでも降りてこないんだよ彼奴」

 

「分かった着替えたら呼んで来るよ」

 

「おう、頼んだぞ」

 

僕はそう言って自分の部屋に向かい着替えた後、千歌姉の部屋に向かう

 

「入るよ千歌姉」

 

僕はそう言って千歌姉の部屋の中に入る

 

「起きてるじゃん晩御飯の準備出来てるよ」

 

「……」

 

部屋に入ってそう言うが千歌姉はベッドの上に横たわって何も答えない

 

「はぁ、何も出来なくて悔しいのは分かるけどさ、あんまり志満姉ちゃん達に迷惑をかけるのは辞めなよ」

 

そう言って僕は千歌姉の部屋を出る

 

「お前だけか真也?」

 

「うん、千歌姉には後で僕が夜食でも作るよ」

 

「そうか、なら大丈夫だな行くぞしいたけ」

 

美渡姉ちゃんはそう言ってしいたけの散歩に向かった

 

「おはよう真也君!行ってきます!」

 

「いってらっしゃい…って千歌姉朝ご飯は⁉︎」

 

翌日の朝そう言って家を出る千歌姉を追いかけようとするが辞めた

 

「何だ彼奴?」

 

「まあ良いんじゃ無い美渡姉ちゃん、千歌姉がこんなに朝早くに起きる事なんてそうそう無いんだしさ」

 

「それもそうだな、お前は行かなくて良いのか?」

 

「今から限定メロンパン買って千歌姉を追いかけるよ」

 

そう言って僕はメロンパンが売っているパン屋に走った

 

「良かった、2個買えた」

 

僕はメロンパンの入った袋と鞄を持って浦の星のグラウンドに向かう

 

「あ!真君来た!」

 

「遅刻ですわよ真也」

 

「ごめんダイヤ、それで皆んなは此処で何を…」

 

して居たのか聞こうとした所で何故か千歌姉が鉄棒で逆上がりをする

 

「起こそう奇跡を!足掻こう精一杯!全身全霊、最後の最後まで皆んなで輝こう!」

 

「えっと…千歌姉?」

 

「真也君⁉︎」

 

千歌姉は僕を見た途端に鉄棒から降りる。今の千歌姉は浦の星の制服でスカートを履いているつまり

 

「みっ見た⁉︎」

 

「……ごめん」

 

「わ〜!恥ずかしいよ〜‼︎」

 

千歌姉はそう言って地面に座り込む

 

「あはは、凄いタイミングで来たね真也君」

 

「そうだった、はいこれ千歌姉朝ご飯も食べずに出たから」

 

僕はそう言ってメロンパンを千歌姉に渡す

 

「これって!限定メロンパン‼︎千歌が食べて良いの‼︎」

 

「もう一つ僕の分はあるからね」

 

「ありがとう真也君!これすっごく美味しいんだよね〜」

 

そう言って千歌姉はメロンパンを頬張る。よし、これで話が逸れる

 

「お〜!これが幻の限定メロンパンずらか!」

 

そう言って花丸は目を輝かせる

 

「花丸一口食べる?」

 

「良いずらか!食べるずら!」

 

そう言って花丸は僕のメロンパンを一口食べる

 

「ん〜、焼きたてメロンパン美味しいずら。丸も何度か買いに行った事があるずら、けど売り切れてて一度も食べた事が無かったずら」

 

「まあ焼く数が少ないからね」

 

そう言って僕もメロンパンを一口食べる

 

「…ルビィも花丸ちゃんみたいに…」

 

「どうかしたルビィ?」

 

「ううん!何でも無いよ!」

 

「そう?」

 

僕の言葉にルビィは頷く

 

「…真也君色々と出来るけど…」

 

「…これはルビィちゃんも大変でしょうね…」

 

「曜?梨子?何の話?」

 

「「何でもないよ真也君」」

 

そう言った曜と梨子は苦笑いを浮かべて居た




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106話

放課後、鞠莉が電話でもう一度お父さんを説得して居る

 

「お願いパパ!そう…「鞠莉少し良いかな?」真也?」

 

僕がそう言うと鞠莉は不思議そうにしながら僕に電話を代わる

 

「お久しぶりです」

 

『その声は真也君か、君も浦の星に居たのかい?』

 

「はい、それで学校の件ですが」

 

『う〜ん、君には鞠莉が迷惑を掛けてしまったからね。だがこればかりは』

 

鞠莉のお父さんはそう言うが僕の言いたい事とは少し違う

 

「何人居れば学校の存続が可能ですか?」

 

『どう言う事だい?』

 

「そのままの意味です。学校の存続に必要な人数が集まれば浦の星を存続させて欲しいんです。勿論、集まらなかったその時は全員を諦めさせます。だからもう一度チャンスが欲しいんです」

 

僕がそう言うと鞠莉のお父さんは考えて居るのか返答がない

 

『それは鞠莉を含む全員の意見として受け取って良いんだね?』

 

そう聞かれて鞠莉を見ると鞠莉は頷く

 

「はい」

 

『分かった、期間は今年の終わりそれまでに少なくとも100人の入学希望者を集める事が出来れば来年度も募集して入学試験も行おう』

 

「分かりました。失礼します」

 

そう言って僕は電話を切る

 

「何て?」

 

「それは皆んなの前で話すよ。一先ず出よう」

 

そう言って僕と鞠莉は理事長室を出る

 

「鞠莉さん」

 

「どうだった?」

 

「残念だけどどんなに反対意見があっても生徒が居ないんじゃって、でもそこは真也が何とかしてくれたのよね」

 

鞠莉がそう言うと全員が僕を見る

 

「鞠莉のお父さんは浦の星の現状を見て言って居ただから聞いたんだ何人居れば何人まで増えれば学校の存続が出来るかって」

 

「それで?」

 

「今年の終わりまでに少なくとも100人の入学希望者を集める事、それが出来れば来年度も募集して入学試験もしてくれるって。でも、集まらなかった場合は今度こそ諦める。その条件付きだからこそ今年の終わりまで伸ばしてくれたんだろうし、勝手に決めてごめん」

 

そう言って千歌姉や皆んなに頭を下げる

 

「真也君顔を上げて」

 

「千歌姉…」

 

「確かに100人は難しいかも知れない、でも…それでも可能性は繋がった。終わりじゃない、可能か不可能か今はどうでも良い、だってやるしか無いんだから!ありがとう真也君!」

 

千歌はそう言って笑い階段を登る

 

「可能性がある限り信じよう!学校説明会もラブライブも頑張って!集めよう100人!10を100にする為にそして真也君が作ってくれたチャンスを逃さない為に!頑張ろう皆んな!」

 

「それじゃあ練習頑張ろうか!なんたってラブライブの予備予選はもう直ぐだからね」

 

『え?』

 

僕がそう言うとまた全員が僕を見る

 

「え?もしかして知らなかった?」

 

そう聞くと千歌姉達は顔を見合わせてから全員が頷いた。こんなので本当に大丈夫かな?




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107話

「あ〜、とは言ったもののラブライブの予備予選がこんなに早くあるなんて思って無かったよ」

 

放課後、練習の休憩中に千歌姉が屋上で寝転びながらそう言う

 

「出場グループが多いですからね」

 

「この地区の予備予選は来月の初め場所は特設ステージで良かったよね真君?」

 

「そうだよルビィ」

 

「でも真也君どうして速い所もあるずら?」

 

花丸が疑問に思ったのかそう聞いてくる

 

「歌詞作りが必要だからだよ」

 

「私ばかりずるい!梨子ちゃんだって2曲作るの大変って言ってたよ〜!真也君だって英玲奈さんから聞いたよ!作詞作曲全部1人でした事あるって!」

 

英玲奈さんよりにもよって千歌姉に言っちゃったんだ

 

「でもそれ言ったら曜ちゃんだって」

 

「あはは、9人分だからね。それにしても真也君が作詞も作曲も両方出来たなんてね」

 

「出来ない事は無いけど、あくまでステージで立って歌うのは千歌姉達なんだし、それに…正直言って面倒くさい」

 

僕がそう言うとその場に居た全員が苦笑いを浮かべる

 

「同じ曲って訳にはいかないの?」

 

「残念ですがラブライブには未発表の曲という規定がありますわ」

 

「と言うか千歌姉ずるいとか言うって事は勿論歌詞作りは進んでるんだよね?」

 

そう聞くと千歌姉が動きをピタリと止める

 

「もっ勿論だよ急がなきゃだもん「此処に千歌姉の歌詞ノートがあります」えっと…」

 

「千歌ちゃん?」

 

千歌姉が呼ばれた方を振り返るとそこには梨子が居た

 

「真也君それ見せて貰っても良いかしら?」

 

「良いよ梨子「わ〜‼︎ダメダメ‼︎」花丸、ルビィ、千歌姉を捕まえて」

 

僕がそう言うと花丸とルビィは言われるがまま2人で千歌姉を捕まえる

 

「ルビィちゃん⁉︎花丸ちゃん⁉︎」

 

「ごめんずら千歌ちゃん、昨日の朝に限定メロンパン貰っちゃって真也君の言う事何でも1つ聞くって約束しちゃったずら」

 

「ルビィも真君のお願いは出来る限り叶えてあげたいんだ」

 

さて千歌姉も捕まえて貰った事だし

 

「はい梨子」

 

「ありがとう真也君、所で真也君は中身見たの?」

 

「まあ一様は」

 

「そう」

 

そう言って梨子は歌詞ノートを開く

 

「千歌ちゃん?」

 

「えっと…ごめんなさい」

 

梨子が千歌姉のノートを開くと…歌詞は全く進んで居なかった

 

「全く千歌姉は昨日夜遅くまで起きて頑張ってると思ってたら落書きしてただなんて」

 

「そう言えば真也君は歌詞作りの経験があるのよね?どんな歌詞なの?」

 

「ルビィも見たい‼︎」

 

「う〜ん、まあ秘密にしてる訳でも無いから別に良いよ」

 

僕はそう言ってパソコンを起動させる

 

「梨子ちゃん千歌にも見せて!」

 

「丸も見たいずら」

 

そこに千歌姉や花丸も加わりAqours全員が僕の歌詞を見る事になった

 

「凄く良い」

 

「歌詞もそうだけど作曲した曲も歌詞に合ってる」

 

「もうこのまま真也のこの曲で行っちゃえば良いんじゃ無い?」

 

善子の案は最もなんだけど

 

「それはA-RISEのマネージャーをしてる時に作ったから既にツバサさん達が歌ってるよ」

 

「それではこの曲は使えませんわね」

 

「うゆ、A-RISEの曲をパクった何て言われるかも知れないし」

 

「そうね、千歌ちゃんは部室で昨日の遅れを取り戻す様に努力して」

 

「は〜い…」

 

そう言った千歌姉は梨子に怒られて落ち込んで居た表情をして居た




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108話

「それじゃあ私達は千歌ちゃん家で曲作ってるね」

 

「それじゃあ頑張って」

 

「NO!真也はこっちよ」

 

あの後部室にて千歌姉と曜そして梨子が説明会用の曲作りを、そして残りの6人がラブライブ用の曲作りをすると決まったので千歌姉達と帰ろうとすると鞠莉に止められる

 

「え〜!駄目だよ‼︎真也君には私の作詞を手伝って貰うつもりなんだもん!」

 

「千歌ちゃんそんな事考えてたんだ」

 

「はぁ、ついさっき説明会用の曲は私達で作るって決めたばかりでしょ」

 

梨子がそう言ってため息を吐く

 

「だって本当に浮かばなくて…だから英玲奈さんに真也君が作詞をしてたって聞いた時からもしもの時は真也君を頼ろうって」

 

「千歌姉…頑張って梨子・曜・千歌姉の事宜しく」

 

「ええ…所で千歌ちゃんしいたけちゃん繋いでおく様に言った?言ったわよね?」

 

梨子が震えた声で千歌姉にそう言う

 

「大丈夫だよ梨子、僕がちゃんと美渡姉ちゃんに言っておいたから」

 

僕がそう言うと梨子はほっと胸を撫で下ろす

 

「そうそう、真也君がちゃんと言ってくれてるから大丈夫だよ!」

 

「どうして千歌ちゃんが自慢げなのよ」

 

「あはは」

 

そんな話をしながら3人はバス停まで向かって行った

 

「さてと私達は何処でしよっか?」

 

「此処ら辺だとやっぱり部室?」

 

「何か代わり映えしないんじゃない?」

 

ルビィの提案に善子はそう返す

 

「そうですわね…真也は何処か心当たりはありませんか?」

 

「この人数なら鞠莉の家で良いんじゃない?部屋も十分広いし、何より此処からの距離もそこまで離れてない」

 

「私の家?」

 

「確かに鞠莉さんの家であれば広さも申し分ないでしょうし」

 

ダイヤがそう言った所でルビィ達に視線を向けると3人で小声で何か話して居た

 

「私はno problemだけど3人はそれで良いの?」

 

「賛成ずら!」

 

「右に同じ!」

 

「ヨハネの名にかけて!」

 

「OK!lets go together!」

 

こうして鞠莉の家に向かう事が決定した

 

「凄い綺麗だよ真君‼︎」

 

「何か気持ちいいずら」

 

「心の闇が晴れて行く「少しは遠慮しなよ」痛い痛い!ごめんなさい!」

 

そう言って、来て早々ソファーに倒れ込もうとする善子の耳を引っ張る

 

「そんなに?」

 

「そう言う果南さんだって初めて来た時は」

 

そう言ってダイヤは果南が初めて鞠莉の家に来た時の事を話し始める

 

「真也は此処に来るのは入学式前以来ね」

 

「確かに、それと3人共此処に来た理由は歌詞を作る為だよ」

 

「そうですわ、早速始めますわよ!」

 

ダイヤやる気になってる所悪いけど

 

「未来ずら〜」

 

「善子ちゃんあっちの部屋にも行ってみよ!」

 

「いざ「3人共…」しっ真也⁉︎」

 

「良い加減にしろ〜‼︎」

 

「「「ごっごめんなさ〜い‼︎」」」

 

痺れを切らした僕が3人をその場に正座をさせた事でやっと歌詞作りが開始された




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109話

「お待たせアフタヌーンティーの時間よ」

 

「「「わあ〜‼︎」」」

 

「好きなだけ食べてね」

 

鞠莉の家に来て数分ダイヤ達は何もせずにゆっくりして居た

 

「嫌、そんなの持って来たら余計に作詞が始まらないでしょ」

 

「そうですわ!皆さん!此処には作詞をしに来たのですよ!」

 

「ダイヤ達もどうぞ」

 

そう言って鞠莉がダイヤと果南にマカロンを持って行く

 

「す…少しだけですわよ、食べ終わったら今度こそ作詞を始めますわよ」

 

「そう…だね」

 

(やっぱりこうなるんだ…)

 

ダイヤと果南がマカロンに手を伸ばすのを見て僕はそう思った

 

(さて、そろそろ始めないと本当に日が暮れる)

 

数時間が経過した頃には僕以外の全員が作詞をしに来た事を忘れて居た

 

「幸せずら」

 

「チョコ味がまた堪らないのよね」

 

とりあえず花丸と善子は論外として

 

「ルビィ、ルビィ」

 

「真君も見るの?ごめんねルビィが邪魔で見えなかったかな?」

 

僕の隣でテレビを見て居たルビィがそう言う

 

「違うよ、ルビィ此処に来た目的は何?」

 

「此処に来た目的?」

 

「確かに…わたしく達何しに来たんでしたっけ?何か大切な事を忘れている気がしますわ」

 

危ないダイヤまで此処に来た目的を忘れてた

 

「作詞だよダイヤ」

 

「作詞…は!そうでしたわ!」

 

ようやく1人此処に来た目的を思い出してくれた

 

「ほら、移動するよルビィ」

 

「え…」

 

そう言うとルビィは残念そうな表情を浮かべる

 

「此処に来たのはあくまで作詞をする為、今千歌姉達もやってるだろうし僕達だけ遊んでばかり居られないよ」

 

「そうだよね…うん!ルビィも頑張る!」

 

よし、ルビィはこれで良い後は

 

「あ〜ん」

 

「美味しいずら」

 

未だにだらけてる2人を何とかするだけ

 

〜ルビィside〜

 

「ごめん皆んな、ちょっと抜ける」

 

「どうかしたの?」

 

作詞をする場所をお姉ちゃんとルビィのお家にする事が決まりバスで向かって居る途中真君がそう言って立ち上がる

 

「実は千歌姉がちゃんとしてるかちょっと心配で」

 

「曜達も居るし大丈夫じゃない?」

 

「う〜ん、どうだろ?曜って千歌姉に甘い所あるし、それにさっき作った曲を梨子にも確認しておいて貰いたいし」

 

真君はそう言って鞄を手に持つ

 

「取り敢えず千歌姉達の進行状況を確認だけして大丈夫そうなら直ぐに向かうよ」

 

「うん!待ってるね!」

 

そう言って真君は千歌ちゃん達が作詞をして居る十千万に進行状況の確認に向かった

 

「おっほん!やはり鞠莉さんの家では全く作業になりませんわ!全く‼︎」

 

「あっちが良いずら…」

 

「もっとポップコーン食べたかったのに」

 

着いてからお姉ちゃんがそう言うのを他所に善子ちゃんと花丸ちゃんが鞠莉ちゃんの家の方面を見てそう言う

 

「やりますわよ…」

 

「「はい…」」

 

善子ちゃんと花丸ちゃんがそう返事をして歌詞作りが始まった

 

〜ルビィside out〜




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110話

「ただいま志満姉ちゃん、しいたけのそれ何?」

 

十千万に帰るとしいたけの首輪に外さないでと札が付けられて居た

 

「実は千歌が梨子ちゃんが居る間はこれを付けておくって言って聞かなかったの」

 

「そうなんだ」

 

正直言ってあまり意味は無いと思うけど気にしない方向で僕は中に入る

 

「どう千歌姉進んで…る?」

 

「真也君⁉︎えっと…今はちょっと休憩中で」

 

そう言うと千歌姉が1人で食べて居たお菓子を急いで片付けた

 

「ちょっとね…じゃあ少しは進んだんだ見せてよ」

 

「それは…その…「千歌ちゃん歌詞は進んだんだかしら?」梨子ちゃん…えっとね…」

 

梨子が来た事で観念して千歌姉は歌詞ノートを見せる

 

「浮かびそうもないんだね…千歌ちゃん」

 

「そんな事だろうと思ったよ」

 

結果、曜と梨子が席を外してから全く進んで居なかった

 

「う〜ん、輝きって事がキーワードだとは思うんだけどね」

 

「輝きね…」

 

そう言って梨子が難しい顔をする

 

「そう言えば詞はまだだけど曲なら完成したから梨子確認お願い」

 

「えっ⁉︎もう出来たの⁉︎」

 

「正直言って1週間前位から作ってた」

 

「一先ず聞いてみるわ」

 

そう言って梨子は携帯に送られて来た曲を聴く

 

「たった1週間で此処まで…取り敢えず曲の候補にして置いて歌詞を考えましょう」

 

「う〜ん、早くしないと果南ちゃん達に先越されちゃうよね」

 

(ごめんね千歌姉、ちょっと前まで多分全員が千歌姉以上にだらけてたよ)

 

心の中で千歌姉に謝罪をして居ると携帯が鳴る

 

「誰からだろう?ルビィ?」

 

「もしかしてもう出来たの⁉︎」

 

うん、それはない

 

「落ち着いて千歌姉、えっと…《直ぐに来て》だって」

 

「嘘⁉︎」

 

千歌姉はそう叫んで部屋を飛び出して行った

 

「ちょっと千歌ちゃん⁉︎何処で歌詞作りしてるか知ってるの⁉︎」

 

「あ…たはは、歌詞作りって何処でしてるの真也君」

 

「全く千歌姉はダイヤ達の家だよ」

 

そう言って僕は千歌姉達とダイヤの家に向かう

 

「それで来てみたらダイヤとルビィ以外全員が喧嘩してるってどう言う状況?」

 

「趣味が違い過ぎてそれで」

 

「それで喧嘩になったと…子供の喧嘩か」

 

僕の呟きに曜とルビィは苦笑いを浮かべる

 

「もう少しちゃんと話し合ってみたら?」

 

「散々話し合いましたわ。ただ思ったより好みがバラバラで」

 

「確かに3年生と1年生、全然タイプ違うもんね」

 

確かに曜の言う事にも一理あるけど

 

「でもそれは言い訳に過ぎない、何よりそんな事で喧嘩してたらいつまで経っても纏まらない」

 

「そうね、私も真也君の言う通りだと思うわ」

 

「確かにその通りですわね、真也を除くわたくし達は決定的にコミュニケーションが欠けて居るのかも知れません」

 

ダイヤの言う通り1年生の中で3年生の鞠莉達と良くコミュニケーションを取って居るのは僕だけかもしれない

 

「善子と花丸は積極的に話す方じゃないからね」

 

「鞠莉ちゃんと果南ちゃんもああ見えて人見知りな所あるし」

 

「となると必要なのは1つだけですわね。千歌さん達はそのまま作詞を続けて下さい。わたくし達にはまずやる事が出来ましたわ」

 

ダイヤは何か思いついたのか千歌姉達にそう言う

 

「わかりました。帰りましょう千歌ちゃんダイヤさんがああ言うんだからきっと大丈夫よ」

 

「そうだね、それじゃあ真也君先に帰るね」

 

「帰ったら今度は僕が見るからね千歌姉」

 

「うん!お願いね!」

 

そう言って千歌姉達は十千万に帰って行った




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111話

「nice ball」

 

鞠莉が果南の投げたボールを受け取りそう言う

 

「ねえ真也、何これ?」

 

「僕に聞かないでよ善子」

 

(どうしてこんな事に…確か千歌姉達が帰ってから)

 

僕はこの状況になるまでの経由を思い出そうとする

 

「「「「仲良くなる?」」」」

 

「そうですわ」

 

「曲作りは信頼関係が大事だし」

 

そう曲を作る上で信頼関係は大事だ、だが今の僕以外の1年生と3年生には信頼関係を築く程の交流を持ってない

 

「何よりわたくし達3年生と1年生では真也を除くと交流が極めて少ないという事が先程わかりましたわ。ですので先ずは仲良くなる事から始めるのが最適だと判断したのですわ」

 

「成る程ね、任せて小さい頃から知らない子と仲良くなるには一緒に遊ぶのが1番」

 

そして現在、僕達は浦の星の中庭でドッチボールをして居ると…うん、もう考えるのは辞めて楽しむ事にしよう

 

「さー!行くよ‼︎」

 

「ずら⁉︎」

 

花丸は悲鳴をあげて僕の後ろに隠れる

 

「ちょっ⁉︎花丸⁉︎」

 

「たっ頼むずら真也君」

 

それは良いけど…後ろに回られた上に引っ付かれると何とは言わないが花丸のアレがダイレクトに当たる

 

「此処は任せて、力を吸収するのが闇、光を無力化して深遠の後方に引き摺り込むそれこそ‼︎」

 

うわぁ…これは流石に…此処に僕達以外の人が居なくて良かった

 

「マリシャイニング…トルネード!」

 

「こくじく…」

 

善子が何かを言い終わる前に鞠莉の投げたボールが顔面に直撃し勢いの無くなりボールが上に弾かれた

 

「よっと、大丈夫善子?」

 

「善子ちゃん?」

 

ボールを取り倒れた善子に近づくと善子は気絶して居た

 

「気絶してるずら」

 

「仕方ない、花丸は善子を離れた場所に運んで」

 

「分かったずら」

 

そう言って花丸は善子を少し離れた場所にある木陰に運ぶ

 

「そろそろ終わりにしない?でないと花丸が「もう…無理…ずら」やっぱり…大丈夫?」

 

「はぁはぁ…大丈夫じゃ…無いずら…」

 

花丸は地面に寝転びながらそう言う

 

「仕方がありませんわね、場所を移しましょうか」

 

「そうだね」

 

こうしてドッチボールは終了し場所を移動する

 

「やっぱり此処が1番落ち着くずら」

 

「そうだよね」

 

次に向かったのは浦の星の図書室

 

「ふふ、光で汚された心が闇に浄化されていきます」

 

「「ふふふ、その顔〜」」

 

「何よ!聖痕よ!スティグマよ!」

 

善子の言葉を聞いて笑うルビィと花丸それに比べて

 

「退屈〜」

 

「そうだよ〜、海行こう海〜」

 

「運動も良いけど本を読むのも良いものだよ」

 

僕がそう言うが未だに果南と鞠莉は退屈そうに本を読む

 

「読書というのは1人でも勿論楽しいずら、でもみんなで読めば本の感想が聞けて互いの事を知り合えるからもっと楽しいずら」

 

「僕も元々はどちらかと言うとスポーツよりも読書とかの方が好きだからその気持ち凄く分かるよ」

 

「意外ね、千歌の弟だから元々そんな感じだと思ってたわ」

 

「違う違う、むしろ花丸に近かったよ」

 

(その性格も穂乃果さんに会ってからどんどん変わって行ったけど)

 

そう考えて居ると急に静かになった果南と鞠莉に目を向ける

 

「やっと静かに本を…ダイヤ2人共寝てるんだけど?」

 

「2人は長い話が苦手ですので、帰る時間になったらわたくしが起こしますわ」

 

「そっか」

 

こうして歌詞作りが何も進まないまま日が暮れた




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112話

翌日、僕が旅館の手伝いをしているとルビィとダイヤに呼ばれバスに乗り移動して居る

 

「と言う訳で何となく分かったのですが、このメンバーアウトドアな3年生そしてインドアな1年生に分かれていると言う訳ですね」

 

「まあ、花丸と善子は性格的に考えてインドア派だし反対に果南と鞠莉は今までの事を踏まえてアウトドア派なのは分かってたけど中庭から図書室に移動した後を見るとより理解させられたよ」

 

本当に彼処までつまらなそうに本を読む人に僕は初めて会った

 

「仕方ないですわね、こう言う時は互いの姿を晒せ出すしかありませんわね。真也、先程合流したばかりで申し訳ないのですが少しばかり席を外して頂いても宜しいでしょうか?」

 

「別に良いけど何するつもり?」

 

「安心してくださいませもう少しすればその理由も見えてきますわ」

 

ダイヤがそう言うので全員次のバス停で降りダイヤとルビィに着いて行くとダイヤの言ってた意味を理解させられた

 

「確かに此処に一緒に入る訳にはいかないね」

 

ダイヤ達が行き着いた先は銭湯、確かに僕が一緒に入る訳にはいかない

 

「私は真也ならno problem大丈夫よ一緒に入りましょう」

 

「早く行きますわよ鞠莉さん、それでは真也少し此処で待って居て下さい」

 

そう言ってダイヤが鞠莉を連れ銭湯の中に入って行った

 

「そう言えば天気予報で雨が降るって言ってたけど誰か傘持って出たっけ?」

 

ふと思い出して鞄を確認すると折り畳み傘が2本(恐らく1本は千歌姉に持って行ったのだろう)入って居たがダイヤが持って居ない事に気づいた僕は近くにコンビニがあるか確認したが無かった為諦めてダイヤ達を待つ事にした

 

〜ルビィside〜

 

「そう言えばお姉ちゃんどうして銭湯なの?」

 

「良い質問ですわルビィ、古来より日本には共にお風呂に入る事でコミュニケーションを測り物事を円滑に進める文化があったのですわ」

 

「でもこんな時間からお風呂か〜」

 

そう言えば

 

「花丸ちゃん善子ちゃんは?」

 

「丸達と一緒だったからもう直ぐ来るはずずらけど…ずら?」

 

「堕天使が人前で素肌を晒すなんてあり得ないわ!「善子ちゃん!」ん?何よずら丸?」

 

「暗黒ミルク風呂と言うのがあるずら!」

 

花丸ちゃんが指を指す方には鳥の口からお湯が出ている温泉があった

 

「「「「白黒どっちやねん!」」」」

 

そんなお風呂があったんだ

 

「ククク、かっ体に染み渡るこのパトスが!」

 

「笑いながらお風呂に入ってると不気味ずら」

 

「うっさい!」

 

「極楽〜、あれ?」

 

善子ちゃんと同じお風呂に入ってると上から水滴が落ちて来たと思ったら

 

「ぴぎ〜‼︎」

 

「皆さん直ぐに中へ‼︎」

 

急に雨が降りだしルビィ達はお風呂から上がって更衣室の中に移動した

 

「大丈夫ですのルビィ?」

 

「うん、くしゅん!」

 

「風邪を引きますからしっかり拭くのですよ」

 

そう言ってお姉ちゃんはルビィの髪を丁寧に拭く

 

「真君大丈夫かな?」

 

「そうですわね、お待たせしましたわ真也」

 

「そろそろ来ると思ったよ。雨の中露天風呂に入ってる訳にはいかないからね」

 

そう言って外で待っていた真君は傘をして居た

 

「真也君雨が降る事知ってたずら?」

 

「うん、朝天気予報で言ってたから。そう言えば誰か傘持って来てる?」

 

「すみませんわたくしは…」

 

「えっとルビィは…あった!あったよ真君!」

 

そう言ってルビィは鞄の中から折り畳み傘を取り出す

 

「でもこれで3本1本足りないずら」

 

「いいえ、3本で構いませんわ。わたくしは果南さんと鞠莉さん3人で入りますわ。…頑張るのですよルビィ…」

 

「ならもう一本は私とずら丸ね」

 

そう言ってお姉ちゃんはルビィの持って居る傘を善子ちゃんは真君の持って居る傘を貰い差す

 

「それじゃあルビィは僕の傘に入るって事だね」

 

「うん」

 

そう言ってルビィは真君の傘に入った。帰って調べて気づいた事だけど男女で一緒の傘を使うのを相合い傘と言う事を知って急に恥ずかしくなったのは真君には内緒だったりする

 

〜ルビィside out〜




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113話

「助かったよ真也君、でも中々止みそうにないね」

 

「それに傘って差してもどうしても濡れちゃうのよね」

 

善子がそう言って濡れた髪を触る

 

「そう思ってちゃんとタオルも持って来てるよ」

 

「本当あんたって有能ね。ほらずら丸ルビィに回しなさい」

 

そう言って善子は花丸とルビィにタオルを渡す

 

「ダイヤ達も」

 

「ありがとうございます真也」

 

「ありがとう」

 

ダイヤ達もタオルを受け取り髪を拭く

 

「結局何だったんですの」

 

「確かに何しに行ったんだか…」

 

確かにお風呂の直後に雨に降られて何しに行ったのかは分からない

 

「丸はご満悦ずら」

 

「ルビィも」

 

それでもルビィと花丸は満足したようだ

 

「はぁ、彼方を立てば此方が立たず全く」

 

「より違いがはっきりしただけかも」

 

「くしゅん!結局何も進んで無いかも「ほらルビィまだ濡れてるからじっとして」うん、ありがとう真君」

 

僕はそう言ってルビィの髪を拭き取る

 

「近くに知り合いのお寺があるにはあるずらが…」

 

『え?』

 

知り合いのお寺なんてあったの?

 

「取り敢えず何時迄も此処に居る訳にはいかないし花丸その人に連絡して使っても良いか聞いてくれる?」

 

「分かったずら、ちょっと待ってて欲しいずら」

 

そう言って花丸はそのお寺の持ち主の知り合いに連絡を取る

 

「入って良いずら」

 

「「え?」」

 

「こっ此処ですの?」

 

花丸が連絡を取った結果、お寺の持ち主は自由に使っても良いと言ってくれたらしいが

 

「花丸そのお寺の持ち主は何処に居るの?」

 

「此処に住んでる訳じゃないから居ないずら」

 

花丸の言葉を聞いて僕と鞠莉の後ろに居たルビィと果南が怯える

 

「となると此処で雨宿りしていくしかないですわね」

 

「雨もまだまだ止みそうにないし」

 

「そうだね、行こうルビィ」

 

「うゆ…」

 

ルビィは怖いのか未だに僕に引っ付いて離れない

 

「あ…懐中電灯の電池が切れそうずら」

 

「花丸電気って無いの?」

 

「ないずら」

 

やっぱり中に入っても電気を付けないからもしやと思ったら無いんだ

 

「あ、でも提灯があった筈ずら」

 

「提灯は流石に…仕方ない携帯のライトを使おう」

 

「彼処の大仏のある部屋に行けばロウソクがあるずら」

 

そう言って花丸は奥の襖を開けると確かに大仏の前にロウソクが2本あった

 

「どっどうする?私は平気だけど…」

 

「その割に声が震えてるよ果南?」

 

「そっそんな訳…ふぐ!」

 

果南は強がって居るみたいだが屋根の軋む音が聞こえた途端に柱にしがみつく所を見ると痩せ我慢にも程がある様に見える

 

「しっ真君は怖く無いの?」

 

「偶に春風の旧館の掃除をする事もあるから別段怖くは無いかな?」

 

「春風に旧館ですか?」

 

「うん、確かもう40年以上前のだったかな?」

 

その旧館の掃除は年に1回するかしないかだから殆ど行かないけど小学生の頃は叔父さん達の邪魔にならない様に宿題とかを旧館でやってたっけ

 

「他にする事も無いし曲作り?」

 

「でもまた喧嘩になっちゃったりしない?」

 

「まあ曲が必要なのは確かだからね、それに他の事に気を紛らわしておけば少しは怖くなくなるんじゃ無いルビィ?」

 

ルビィはまだ少し怯えながらも僕の案を肯定する

 

「意外とぱ〜と出来るかも」

 

「だと良いずらね」

 

「歌詞は進んでるんですの」

 

果南に抱きつかれた状態のダイヤが鞠莉達にそう聞く

 

「善子ちゃんがちょっと書いてるのこの前見たずら」

 

「ああ、確かに書いてたね。その時は今持ってる鞄の中に入れて無かったってけ?」

 

「ぎく!」

 

僕がそう言うと善子はあからさまに動揺する

 

「へ〜やるじゃん」

 

「凄い!」

 

「great」

 

確かに凄いが善子の考えた詞だからかなり心配だ

 

「良かろう、リトルデーモン達よ。だがお前達に見つけられるかな…このヨハネのアー「やっぱり鞄の中あった」こら〜‼︎」

 

「さて中身は…うわぁ…これは予想以上の…」

 

「何が書いてあったずら?」

 

花丸が隣から顔を覗かせる

 

「裏離聖騎士?」

 

「裏離聖騎士《りゅうせいきしだん》」

 

「この黒く塗りつぶされて居るのは?」

 

「ブラックブランク!」

 

「はぁ…」

 

(うん…もう文字ですら無い)

 

そう思いため息を吐くと廊下を歩く男が聞こえたので辺を見渡すと黒猫が居た

 

「猫?怖がらなくて良いよ」

 

僕がそう言うと黒猫は少しずつ近寄って来た

 

「にゃ〜」

 

「可愛い…「真也君何してるの?」果南、さっきの屋根の軋む音この黒猫の仕業だったみたいでね」

 

「そっそっか〜、いや〜私も何か動物なんじゃ無いかなって思ってたんだ。あはは…」

 

流石に無理があるよ果南

 

「そう言えばこのブラックブランク?動きますわ」

 

「おっお姉ちゃんそれ虫!」

 

「「ぴぎゃ〜〜‼︎」」

 

ルビィとダイヤが悲鳴を上げた途端にロウソクの火が消える

 

「ぴぎゃ〜〜!真君‼︎真君〜‼︎」

 

「ルビィ落ち着いて僕は此処に居るから」

 

急に真っ暗になったせいでパニックになって居るルビィを落ち着かせる為にルビィに近づく

 

「よ〜しよ〜し、大丈夫だから少し落ち着いてねルビィ」

 

「うう〜」

 

ルビィは僕の声が聞こえたのか少し落ち着いたらしい

 

「取り敢えず携帯のライトを付けて皆んな大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫ですわ」

 

「丸と善子ちゃんも大丈夫ずら」

 

「no problem 大丈夫よ」

 

「果南も…一応は大丈夫そうだね」

 

携帯の灯りで辺を照らすとダイヤ達は直ぐに見つかり果南を探して居ると隅の方でさっきの黒猫を抱えて小さくなって居た




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114話

「にゃ〜」

 

「よしよし…」

 

ロウソクを付けて数分果南が抱きしめて居た黒猫は僕の所に居る

 

「一体どうなっちゃうの私達」

 

「全然噛み合わないずら」

 

あれからまた全員で意見を出し合ってみたが全く噛み合わない

 

「このままだと曲なんか出来っこないね」

 

「そうですわね」

 

「so…bad…」

 

「そんなに違うのかなルビィ達」

 

全員が落ち込み沈んだ雰囲気になって居ると不意に天井から水滴が落ちて来た

 

「これってもしかして」

 

「雨漏りずら」

 

やっぱり雨漏りなんだ

 

「どうするの?」

 

「こっちにお皿あった」

 

「今度はこっち」

 

「鞠莉さん此方にお茶碗がありましたわ」

 

全員でお皿や茶碗、桶にコップを探して雨を受ける

 

「思ったんだけどこの音今の1年生と3年生と同じじゃない?」

 

「どう言う事?」

 

「良く聴いてみて、ほら雨を受ける物の音に1つも同じ音がないよ?それって今の僕達1年生とダイヤ達3年生にも同じ事が言えるよね?」

 

僕の言葉を聞いてルビィ達も雨の音を聞いて居る。次第に全員の顔に笑みが浮かぶ

 

「確かに真也の言う通りですわ。私達はテンポも音色も大きさも」

 

「1つ1つ全部違ってバラバラだけど」

 

「1つ1つが重なって」

 

「1つ1つが調和して」

 

「1つの曲になって行く」

 

「まる達もずら」

 

ダイヤの言葉を初めにルビィ、善子、鞠莉、果南、花丸が続く

 

「真君も!」

 

「うん」

 

ルビィに呼ばれたので僕も皆んなの所に向かう

 

「よーし!今夜は此処で合宿ズラ!」

 

「勝手に決めない、大丈夫そう花丸?」

 

「自由に使って良いって言ってくれたからきっと大丈夫ずら」

 

随分と簡単に言ってるが本当に大丈夫なんだろうか?

 

「そう言う訳にはいかないからほらちゃんと確認する」

 

「分かったずら」

 

花丸はそう言うと渋々と言った様子で持ち主の知り合いに連絡を取った

 

「大丈夫だそうずら、でも食料が無いのと洗い物何かの後処理は自分達でどうにかして欲しいそうずら」

 

「借りる側だから文句は言えないね。ほらそこあからさまに嫌そうな顔しない!」

 

僕は面倒くさそうな顔をする善子にそう言う

 

「取り敢えず食料は今から僕がスーパーに買い出しに行くとして…後1人来れる?」

 

「「はい‼︎」」

 

そう言って手を挙げたのはルビィと善子

 

「どっちか1人で大丈夫だからじゃんけんでもして」

 

僕がそう言うとルビィと善子は頷きじゃんけんをする

 

「それじゃあ行ってくるよ」

 

「行って来ますお姉ちゃん」

 

「ルビィ、車に気をつけるのですよ」

 

僕とルビィはダイヤにそう言って夕飯の買い出しに向かった




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115話

「千歌〜!」

 

「あっ!皆んな!」

 

翌日完成した歌詞を千歌姉に見せる為に十千万に行くと千歌姉は屋根の上に座って居た

 

「曲は出来た?」

 

「ばっちりですわ!」

 

曜の問いかけにダイヤはそう答える

 

「本当!」

 

「じゃあ練習しないとね」

 

「2曲分あるんだから頑張らないと」

 

千歌姉達が話す中鞠莉が鞄の中の携帯を取る

 

「千歌姉!危ないから降りなよ‼︎」

 

「大丈夫大丈夫「え〜⁉︎」鞠莉ちゃん?」

 

鞠莉の大声に全員が鞠莉を見る

 

「でも…分かったわ」

 

「今度は何?」

 

「良い知らせじゃ無いとは思うけど」

 

さっきの鞠莉の反応からして良い知らせじゃ無いのは確かだ

 

「実は学校説明会が1週間延期になるって」

 

「1週間って…」

 

「翌週の日曜って事?」

 

「Yes、雨の影響で道路の復旧に時間がかかるので1週間後にした方が良いと」

 

よりにもよってこの状況で1週間先延ばしになるなんて

 

「どうしたの皆んな?その分もっと良いパフォーマンスになる様頑張れば「千歌姉、ラブライブの予備予選はいつか覚えてるよね?」うん、学校説明会の翌週でしょ?それがどうかしたの真也君?」

 

此処まで言ってまだわからないのかこの姉は

 

「はぁ…さっき鞠莉が言ったのはその学校説明会が1週間先延ばしになるって事、ラブライブの予備予選の日時は変わりません。さて此処で問題です。ラブライブの予備予選と学校説明会この2つが行われるのはいつでしょうか?」

 

「そんなの簡単だよ!ん⁉︎」

 

今頃になってようやく事の重大さを理解したらしい

 

「わあぁああ」

 

「千歌姉!」

 

驚きの余りバランスを崩して屋根から落ちそうになる千歌姉

 

「よっと…何とか間に合った」

 

「ん〜!あれ?ありがとう真也君‼︎」

 

「全くだから言ったじゃん危ないって」

 

そう言って抱えた千歌姉を下ろす

 

「大丈夫?」

 

「うん!真也君が助けてくれたから!」

 

「それで分かったんだよね?何が大変なのか」

 

僕は千歌姉が本当に事の重大さを理解しているのか気になってそう聞く

 

「そうだよ!ラブライブの予備予選と学校説明会の日が同じ日曜になっちゃったんだよ!どうしよう真也君‼︎」

 

「うん、皆んなは最初からそれで困ってるんだよ?」

 

「嘘⁉︎皆んな知ってたの⁉︎」

 

千歌姉の言葉に全員が頷く

 

「此処が今回ラブライブ予備予選の場所は此処なんだけど」

 

数分後、僕達は千歌姉の部屋に地図を広げてラブライブ予備予選の場所の確認をして居る

 

「山の中じゃない」

 

「ええ、今回は此処に特設ステージを作って行われる事になったのですわ」

 

「それで学校は?」

 

「こっちの方角だけどバスも電車も通って無いから」

 

そう山の中だからバスも電車も通って無い、その為ステージまでは徒歩で行かなければならない

 

「じゃあそっちに電車を乗り継いで」

 

「ですが、往復と考えると難しいですわね」

 

「到底間に合いませ〜ん」

 

「空でも飛ばなきゃ無理ずらね」

 

「ふふふ」

 

花丸の呟きに善子が反応する

 

「ならばこの堕天使の翼で‼︎「善子ふざけて無いで真面目に考える」分かってるわよ!冗談よ!」

 

「そうだよ!空だよ‼︎」

 

「何か思いついたの千歌ちゃん?」

 

千歌姉の考えは鞠莉にヘリを準備して貰いそれに乗って会場に向かうと言う案だった

 

「ヘリで移動!」

 

「未来ずら!」

 

「かっこいい…」

 

確かに良い考えだと思うけど

 

「と言う訳で鞠莉ちゃん!「無理だよ千歌姉」え?」

 

「鞠莉のお父さんには自力で入学希望者100人集めるって言ったんだから今更力貸して何て言えないよ」

 

「Yes、真也の言う通りよ。だから…all or nothingだとお考え下さい」

 

鞠莉がそう言うと千歌姉達は残念そうにする

 

「あっ!それがダメなら海は?」

 

「船ですわね」

 

船も良い考えかも知れない

 

「果南の家は日曜も仕事があるから無理だよね?」

 

「そうだね」

 

「じゃあ曜ちゃんは?」

 

「私?」

 

そう言えば曜のお父さんってフェリーの船長だったけ?

 

「行けそう?」

 

「う〜ん、そもそもお父さんの船って千歌ちゃんが考えてる様な船じゃないし」

 

「これもダメか」

 

改めて考えると全部現実的じゃないし

 

「現実的に考えて説明会とラブライブ予備予選2つのステージを間に合わせる方法は1つだけありますわ」

 

「その方法って?」

 

「予備予選出場番号1番で歌った後直ぐであればバスがありますわ。それに乗れればギリギリですが説明会には間に合います。ですがそのバスに乗れなければ次のバスは3時間後」

 

「それってつまり予備予選で1番で歌うしかないって事?」

 

僕の質問にダイヤは頷く

 

「それってどうやって決めるの?」

 

「こう言う時こそ真也君だよ!真也君A-RISEのマネージャーをしてた時にこう言う経験ってあるよね?」

 

「1番多かったのは抽選かな?後はエントリー番号順この2つ以外は見た事ないよ」

 

今回がエントリー番号順だった場合Aqoursは少し遅れてエントリーした為1番に歌う事は無くどちらかを諦めるしかない

 

「えっと今回は…良かったね抽選だよ」

 

「一先ず安心ですわね」

 

そう言ってダイヤは安堵の表情を浮かべる

 

「その抽選って何処でするの?」

 

「来週の木曜日の17時にさっき話した特設ステージで行われるみたい」

 

「つまりそこで1番を引ければ!」

 

「ラブライブ予備予選と学校説明会、両方とも成功させられるかも知れないって事」

 

「よーし!頑張るぞ〜!」

 

まあ、どれだけ頑張ろうと所詮は運なんだけど

 

「さて一先ずこの話は終わりにして練習しようか」

 

『はい!』

 

こうして練習が開始された




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116話

「遂に来ましたわね」

 

「今日の抽選の結果次第だと学校説明会かラブライブ予備予選何方かを諦める事になるからね」

 

あれから数日、遂に運命の日の抽選を行う木曜日が来た

 

「抽選方法は?」

 

「代表1人が自らのグループの順番を決めるのです」

 

「責任重大だね」

 

「誰が行く?」

 

果南のその言葉に全員が考える

 

「此処はやっぱりリーダーが」

 

「そっそう?「千歌ちゃん…本日の獅子座…超凶」自信無くなって来た…」

 

超凶なんてあったんだ

 

「それじゃあ鞠莉かな?」

 

「NO.此処はやはり最初から参加して居た」

 

「曜さんか真也ですの?」

 

「私?」

 

あれ?何かおかしな事を言われた気がするけど

 

「ダイヤ僕は最初から参加はしてないけど?」

 

「ですが部活の申請用紙には既に真也の名前がありましたわよ?」

 

まさか最初から参加させるつもりだったとは我が姉ながら恐ろしい

 

「それが良いずら、2人共運も良さげずら」

 

「いや〜、本当に良いの真也君でも…「却下、スクールアイドルの祭典なのに男子の僕が行くのはどう考えても変だし」ああ、それもそっか」

 

「それでは抽選会スタート‼︎」

 

まだ代表も決まってない中そんな声が聞こえる

 

「待って、Aqours最大のピンチ、堕天使界のレジェンドアイドルこのヨハネが行きまーす‼︎「いや絶対に却下」何でよ‼︎」

 

「そうずら善子ちゃんはないずら」

 

「ぶっぶーですわ」

 

僕の意見に全員賛成の様で全員が嫌な顔をする

 

「だって今までじゃんけん全部負けてるし」

 

「この前なんて突然何も無いところで躓いて真君を巻き添えにして海に落ちちゃうし」

 

「マル達がいつもハッピーなのは善子ちゃんのお陰ずら」

 

ルビィと花丸が善子の肩に手を置いてそう言う。本当善子って昔から不幸体質だ。一緒に遊んでた時はそれに何度か巻き込まれる事も度々あったし。それとルビィはその不幸に僕を巻き込んだ事を少し怒ってるのかな?

 

「ポンじゃない!善子言うな‼︎普段は運を貯めてるのよ‼︎見てなさいいざと言う時の私の力を‼︎「善子昔もそう言って蜂に追いかけられる事があったよね?」あれは偶々よ!」

 

「わかりました。そこまで言うのなら此処でわたくしとじゃんけんしましょう。これに勝てば宜しいですわよ。因みにわたくしの本日の運勢は超凶ですわ!」

 

ダイヤも梨子と同じの見てたんだ

 

「でわ行きますわよ」

 

ダイヤがそう言うと善子は無言で頷く

 

「「じゃんけん‼︎ぽん‼︎」」

 

ぽんの所で花丸が善子のお尻に触りチョキになりかけたのがパーに変わる

 

「かっ勝った…」

 

「凄い善子ちゃん!」

 

「善子ちゃんがパーで勝ったずら」

 

「やったね善子」

 

「善子じゃなくてヨハネ‼︎それとずら丸か真也今何かしたわよね‼︎」

 

あ、バレてるんだ

 

「知らないずら」

 

「僕も知らないよ」

 

「絶対あんた達のどっちかよ!正直に答えなさい‼︎」

 

「マルじゃないずら」

 

花丸笑って平気で嘘ついてるじゃん

 

「もう一度言うけど僕でもないよ」

 

「じゃあルビィね!」

 

「うゆ、ルビィじゃないよ…」

 

ルビィが半泣きでそう言う

 

「…花丸そろそろ白状しないと怒るよ」

 

「…分かったずら、ごめんずら善子ちゃん本当はマルずら」

 

「やっぱりずら丸だったのね‼︎」

 

「さあ引いてらっしゃい!栄光の1番を‼︎」

 

何があったか知らないダイヤは善子にそう言って番号を引きに行かせる

 

「真君善子ちゃん大丈夫かな?」

 

「えっと梨子の見て占いでの善子の運勢は」

 

善子が痛い発言をしている最中僕は梨子が見ていた占いサイトに善子の誕生日を入れてみる

 

「えっと…うわぁ」

 

「24番‼︎」

 

結果超大凶、まさかあれより下があったなんて、やっぱり善子の不幸体質はいつでもどこでも変わらない様だ




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117話

「どうするの!24番何て中番じゃんど真ん中じゃん‼︎」

 

「まあ、善子だけが悪い訳じゃないけどこうなった以上は」

 

「説明会を取るかラブライブを取るか何方かを選ぶしかありませんわね」

 

説明会とラブライブどっちも大事なイベントには変わりは無いから両方成功させるのが1番なんだけど…その何方かとなると

 

「そうなったら説明会ね」

 

「学校を見捨てる訳には行かないもんね」

 

確かに学校は見捨てられないだったら

 

「だったら僕は尚の事ラブライブに出るべきだと思う。今1番必要なのは入学希望者を集める事だったら効果的なラブライブは欠かせない」

 

「確かに沢山の人に見てもらえるし」

 

「注目もされるもんね」

 

「なら聞くよ学校説明会に出るべきだと言う人は?」

 

果南のその問いかけには全員何も言わない

 

「それじゃあラブライブに出るべきだと言う人は?」

 

果南のその問いかけに僕だけが手を挙げる

 

「それじゃあ学校説明会は諦めてラブライブって事で良いね皆んな」

 

果南のその問いかけにまたしても誰も答えない

 

「はぁ、どっちかだよ」

 

「わかってるけど…」

 

「決められないずら」

 

皆んなの学校説明会もラブライブも諦められないって気持ちは分かるでもこのままじゃ何も決まらない

 

「一先ず明日の放課後まで待つよ。それでも答えが出ない時は学校説明会を諦めてラブライブに出て貰うから」

 

僕はそう言って立ち上がり千歌姉達を残して先に帰った

 

〜千歌side〜

 

「行っちゃったね真也君」

 

「真也君の意見も分からない訳じゃ無いけど」

 

私達は真也君の居なくなったお店の中で話している

 

「ラブライブも学校説明会もどっちも大切だもん、とても…」

 

「それはわたくし達もそして真也も同じ思いですわ、そんな思いの中だからこそラブライブに出て少しでも入学希望者を増やすと言うのが真也の考えですわ」

 

「でも学校説明会を急に中止に何てしたらそれこそ学校の信頼を失うかも知れないわ」

 

学校説明会に出てラブライブを諦めたら入学希望者を増やす事が難しくなる。ラブライブに出て学校説明会を諦めたら学校の信頼を失うかも知れないやっぱりどっちも大切どっちかを諦める何て出来ない

 

「ねえ、だったら2つに分かれるって言うのはどうかしら?」

 

「2つに?」

 

「ええ、私達は9人真也君を合わせれば10人居る。だからラブライブに5人、学校説明会に真也君を含めた5人の二手に分かれれば良いんじゃ無いかしら?そうすればラブライブも学校説明会も両方とも成功させられるかも知れない」

 

梨子ちゃんの考えは私も良いと思うけど

 

「それでAqoursって言えるの?」

 

「ずら」

 

「それに5人で予選を突破出来るかどうかも分からないデーズ」

 

「嫌なのは分かるけど、じゃあ他に方法ある?」

 

梨子ちゃんの言葉に私達は何も言えなかった

 

「これも明日真也君を入れて考えましょう。真也君を抜きにして私達だけで決めるのは違う気がするし」

 

「そうですわね、それでは各自明日までに考えて来る事にして解散にしましょう」

 

ダイヤさんのその言葉で今日は解散して明日また真也君も含めてもう一度話す事になった

 

〜千歌side out〜




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118話

「どうしようかな…」

 

千歌姉達を置いて帰ったのは良いけど僕自身の中にはまだ迷いがあった

 

「よいしょ、あれ真也君」

 

「よしみさん?」

 

そこには乗り物にみかんを運ぶよしみさんが居た

 

「収穫の途中ですか?」

 

「うん、うちの実家みかん農家だから。それに内浦のみかんは美味しくて有名だからね」

 

「手伝いましょうか?」

 

「良いの?それじゃあお願いしようかな」

 

そう言って僕はよしみさんの手伝いをする

 

「お疲れ、やっぱり男の子は力があるね」

 

「大丈夫ですよこのくらい、これで全部ですか?」

 

「まだ残ってるけど今日はもう遅いし明日にするよ」

 

「そうですか、それにしても広いですね」

 

「あの山までうちのみかん畑だからね。だから結構疲れるかな」

 

よしみさんは山を指差してそう言う

 

「あの山まで全部ですか?」

 

「そうだよ」

 

よしみさんの言う事が本当なら

 

「あのよしみさん少しお願いしても良いですか?」

 

「何?」

 

僕はよしみさんにあるお願いをする

 

「それでどうでしょうか?」

 

「任せて可愛い後輩の頼み何だから聞かない訳ないよ。その代わりと言っては何だけど私からもお願いして良いかな?」

 

「交換条件ですね。良いですよ」

 

僕はよしみさんのお願いを聞かずに了承する

 

「内容も言ってないのに了承して良いの?」

 

「よしみさんは千歌姉みたいな無理なお願いはしなさそうですから」

 

「成る程、それじゃあ明日からよろしくね真也君」

 

「はい!」

 

僕はよしみさんにそう言って十千万に向かった

 

「遅いよ真也君!私達より先に帰ったのに‼︎」

 

「ごめん千歌姉ちょっと用事があって。それで結局どうなったの?」

 

僕は千歌姉の部屋まで行くと千歌姉は僕が帰った後に話した事を教えてくれた

 

「2手に分かれるね、確かに1番現実的な案だけど5人でラブライブを突破出来るって確証がない限りあまりやりたくないかな」

 

「やっぱり真也君もそう思うよね。あ〜あ〜、何か他に良い案無いかな〜」

 

千歌姉がベッドの上で転がりながらそう言う

 

「辞めなよ千歌姉、スカートの中見えるよ。その事だけど暫く僕Aqoursの練習に参加出来ないけど大丈夫かな?出来れば明日からラブライブ当時まで」

 

「え?大丈夫だと思うけど、どうしたの?」

 

「うん、ちょっと用事が出来たんだ」

 

よしみさんからお願いされた事それはみかんの収穫の手伝いだ

 

「怪しい、いつもの真也君だったらこんな大事な時に用事なんて入れないのに」

 

千歌姉こんな時ばっかり頭が働くでも

 

「帰りにはみかん買って帰って来るからさ」

 

「みかん!うん!良いよ!」

 

やっぱり千歌姉にはみかんが1番効く。それにダイヤとかだったら深追いされただろうけど相手は千歌姉だ深追いも何もして来ない

 

「それじゃあ皆んなに宜しく」

 

「うん!分かったよ!」

 

そう言って笑う千歌姉に少しだけ申し訳なさを感じながら僕は千歌姉の部屋を出た




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119話

〜ルビィside〜

 

「今前半が終わったって」

 

「いよいよだね」

 

ラブライブ予備予選当時、ラブライブ予備予選にはルビィとお姉ちゃん、千歌ちゃんと曜ちゃんそれから梨子ちゃん、学校説明会には花丸ちゃんと善子ちゃん、果南ちゃんと鞠莉ちゃんそれから真君の5人に分かれて居る

 

「うう…大丈夫かな」

 

「大丈夫だよ。練習どうりにやれば問題ないずらって花丸ちゃんも言ってたし」

 

「そうそう真也君も用事があるのに毎日最初の5分くらいはルビィちゃんの練習見に来てたもん」

 

え?真君がルビィの練習を?

 

「本当千歌ちゃん!」

 

「うん!誰にも気づかれない様に屋上の扉の影からそっと」

 

そうなんだ

 

「それに今回のルビィちゃんの作った衣装とっても可愛い」

 

「えへへ、真君にもちょっとだけ手伝って貰ったんです」

 

「なんだかんだ言って優しいわよね真也君」

 

「はい!」

 

「お待たせしましたわ」

 

ルビィ達が話して居ると着替えが終わったお姉ちゃんが来た

 

「ダイヤさん…!綺麗!」

 

「すっごく似合ってる」

 

衣装に着替えたお姉ちゃんを見て千歌ちゃんと曜ちゃんがそう言う

 

「そっそうですか?」

 

「ルビィずっとずっと思ってたんだ。お姉ちゃん絶対似合うのにって」

 

ルビィがそう言うとお姉ちゃんはルビィの事を抱きしめる

 

「良い妹さんですねダイヤさん」

 

「そんな…」

 

「勿論自慢の妹ですわ。さあ行きますわよ‼︎「stop、マリー達も参加するデース」鞠莉さんそれに皆さんもどうして此処に」

 

ルビィ達が振り返るとそこには学校に居る筈の花丸ちゃん達が居た

 

「学校説明会は?」

 

「真也君が時間を少しだけ稼いでくれるそうずら」

 

「真也君が?」

 

「うん、バイオリンの演奏だからそう長くは持たないって言ってたけど」

 

そっか、真君が皆んなを此処に

 

『エントリーナンバー24番Aqoursの皆さんです‼︎』

 

「それじゃあ行こう皆んな次のステージに向けて」

 

そう言ってステージに向かう千歌ちゃんを追ってルビィ達もステージに向かった

 

〜ルビィside out〜

 

〜千歌side〜

 

「さあ皆んな行くよ‼︎」

 

私はパフォーマンスが終わって直ぐにそう言ってステージを降りて行く

 

「ちょっと千歌ちゃん⁉︎」

 

「行くって何処に!」

 

曜ちゃんと梨子ちゃんがそう聞きながら走って追いかける

 

「千歌ちゃん此処ってみかん畑だよね?勝手に入って大丈夫なの?」

 

「可笑しいな〜、真也君の話だとそろそろ来ても良い筈なんだけど」

 

『真也(君)(真君)?』

 

「うん「お〜い!千歌〜」むっちゃん此処だよ‼︎」

 

私はそう言ってむっちゃん達を呼ぶ

 

「待たせたねお嬢ちゃん達‼︎」

 

「2人共ありがとう」

 

「千歌ちゃんこれって?」

 

「農業用のモノレールだよ」

 

「みかん農家じゃそんなに珍しい事ないよ。さっ乗って」

 

『おー‼︎』

 

私達はそう言ってモノレールに乗り込む

 

「そう言えば千歌ちゃんどうして真也君の名前が出て来たの?」

 

「実はね、真也君が練習に来れなかったのってラブライブの予備予選当時にこの農業用のモノレールを貸して貰う為に此処でお手伝いをしてたからなんだ」

 

「それで真也君練習に来れなかったんだ」

 

「うん!昨日真也君から聞いたんだ」

 

「それで本当に大丈夫なのこれ⁉︎落ちたりしないわよね⁉︎」

 

「大丈夫だよ梨子ちゃん」

 

私がそう言うと果南ちゃんはモノレールを動かす

 

「冗談は善子さんずら」

 

「ヨハネ」

 

「て言われても仕方ないんだけどね」

 

よしみちゃんが困った声でそう言う

 

「もっとスピード出ないの!」ガンッ

 

果南ちゃんが更に強くハンドルを引っ張ると大きな物音が聞こえた

 

「どうかしたのですか果南さん?」

 

「ごめん皆んな、取れちゃった」

 

『え⁉︎』

 

私達が驚くのと同時にモノレールは物凄い勢いで坂道を下って行く

 

「時間がありませんわ」

 

「あと少しなのに」

 

「はぁはぁ、あれ?この道って」

 

「どうかしたずらルビィちゃん?」

 

ルビィちゃんが立ち止まったのは前に真也君とルビィちゃんの2人が使った抜け道だった

 

「この抜け道がどうかしたの?」

 

「この抜け道って確か」

 

「ルビィちゃんと真也君が使った抜け道よね?」

 

曜ちゃんと梨子ちゃんも気付いて近寄る

 

「千歌ちゃん此処を通れば間に合うんじゃない」

 

「きっと間に合うよ!」

 

私はそう言って抜け道の中に入る

 

「どう言う事ですの?」

 

「この抜け道体育館裏に繋がってるんです。このまま正門に向かうよりこの抜け道を使って体育館裏に出た方が早く着けます」

 

「成る程ね、それにしてもこんな抜け道があったんだ」

 

「どっちだけ?」

 

抜け道が2つに分かれて居て私はどっちに行くのか迷う

 

「千歌ちゃんそこは左だよ」

 

「ありがとうルビィちゃん」

 

私はルビィちゃんに言われた通り左に進む

 

「着いた〜!」

 

私がそう言うと後ろに居た皆んなも抜け道から出て来る

 

「何とか間に合いましたね」

 

「そうですわね、それでは学校説明会も成功させますわよ鞠莉さん」

 

「OKダイヤ、皆んなは少し休んでて」

 

そう言ってダイヤさんと鞠莉ちゃんは体育館の中に走って行った

 

〜千歌side out〜




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120話

「ふぁ〜、おはよう美渡姉ちゃん」

 

「おはよう真也、なぁ千歌の奴何があったんだ?随分と早起きだったんだが」

 

僕が下に降りると美渡姉ちゃんにそう聞かれる

 

「さあ?そう言えば昨日誰かとパソコンでネット通話してたみたいだけど」

 

「ふ〜ん、彼氏でも出来たか?」

 

「まさか」

 

「だよな」

 

「「あはは!」」

 

僕と美渡姉ちゃんはそう言って笑う

 

「でもじゃあ何であの千歌姉が真也兄より早く起きたのかな?」

 

「う〜ん、何でだろう?」

 

「まああれだ、今日は雨でも降るかもな」

 

「いや、雪かもしれないよ」

 

「美渡姉も真也兄も言いたい事はわかるけど」

 

楓も言いたい事はわかるんだ

 

「それじゃあ僕もそろそろ行くよ」

 

「「いってらっしゃい真也(兄)」」

 

僕が楓と美渡姉ちゃんにそう言って学校に向かった

 

「おはよう真也君」

 

「おはよう梨子」

 

バス停で偶然梨子と会った

 

「ねえ今日千歌ちゃんが随分早くに起きたみたいなんだけど何かあったの?」

 

「梨子も美渡姉ちゃんと同じ事聞くんだね。僕は知らないよ。知ってる事と言えば昨日の夜誰かとネット通話をしてた事くらいだし」

 

「そう何だ、一体誰と「おはよう梨子ちゃん、真也君」おはよう曜ちゃん」

 

バスに乗ると曜が僕と梨子にそう言う

 

「ヘ〜、千歌ちゃんがそんな早くに」

 

「そうなの、それに真也君が言うには誰かとネット通話してたらしいんだけど」

 

「美渡姉ちゃんとは彼氏でもできたんじゃ無いかって話してたんだけどってどうしたの曜?梨子まで」

 

僕がそう言うと曜と梨子は固まって動かなくなる

 

「ちっ千歌ちゃんに彼氏⁉︎」

 

「それ本当なの真也君‼︎」

 

「待って待って、あくまで可能性の話。実際に千歌姉から何か聞いたって訳じゃ無いし」

 

まあもし彼氏が出来たとかだったら申し訳ないけどラブライブが終わるまではラブライブに集中して貰う事になるだろうけど

 

「何だ可能性の話か」

 

「良かった、本当に千歌ちゃんに彼氏が出来た訳じゃなくて」

 

千歌姉って分かりやすいし恋人とか出来たら直ぐに分かると思う

 

「まあだからと言って可能性がゼロな訳じゃ無いけど」

 

「そうね、今日千歌ちゃんに直接聞いてみましょう」

 

「そうだね、でももし恋人が出来たとかだったらどうしよう。私素直に喜べる自信無いよ〜」

 

曜が頭を抱えてそう言う

 

「「おはよう(ずら)真君(真也君)」」

 

「おはようルビィ、花丸」

 

学校に到着して暫くするとルビィと花丸が登校して来た

 

「善子ちゃんは?」

 

「まだ来てないよ、今来たよ」

 

僕がそう言って窓を見ると校舎に向けて走る善子の姿があった

 

「な…何とか間に合った」

 

「善子ちゃん大丈夫ずら?」

 

机に突っ伏す善子に花丸がそう聞く

 

「もう少し早く起きれば急ぐ必要もないんだけどね」

 

「あはは、善子ちゃんお茶」

 

「ありがとうルビィ」

 

そう言って善子はルビィから受け取ったお茶を飲み暫くすると先生が来た




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121話

「随分機嫌いいですわね」

 

「こんな時に」

 

放課後鼻歌を歌いながら窓を拭く千歌姉を見てダイヤと善子はそう言う

 

「もしかして忘れてるのかも」

 

「その可能性が高い気がする」

 

「流石にないと思いたいけど千歌姉だから」

 

そもそも忘れてなければ彼処まで機嫌がいい理由がわからない

 

「千歌ちゃん今日何の日か覚えてる?」

 

「うん、ラブライブの予備予選の結果が出る日でしょ?」

 

良かったちゃんと覚えてるんだ

 

「緊張しないの?」

 

「全然!だってあんなに上手くいって、あんなに素敵な歌を歌えたんだもん!絶対突破してる。昨日聖良さんにも言われたんだ」

 

「待って千歌姉、それじゃあ昨日の夜パソコンでネット通話してた相手って」

 

「うん、聖良さんだよ。でも何で知ってるの?もしかしてうるさかった?」

 

別にうるさくは無かったかな

 

「偶々聞こえたんだよ」

 

「そうなんだ、聖良さんの話だと恐らくトップ通過してるって」

 

「本当?」

 

流石に鹿角姉はライバルグループの内の1人だから千歌姉みたく直ぐに信用するのは難しいかも知れない

 

「いつの間にそんな仲良しさんに」

 

「トップかどうかは知らないけど通過はしててもおかしく無いと思うよ」

 

「真也君がそう言うなら間違い無いんじゃない?それにもう直ぐ分かる事だし」

 

そう話して居るとパソコンにメールが届く

 

「来た!」

 

ルビィがそう言うと千歌姉と僕以外は全員パソコンの画面に釘付けになる

 

「真君は見ないの?」

 

「そんな大勢の所じゃ見にくいからね、僕は自分のノートパソコンで見るよ」

 

そう言ってノートパソコンを鞄から取り出してラブライブのホームページから予備予選の結果を確認する

 

「そうね、皆んなで同じノートパソコンに固まるのも見にくいだろうし何人か真也君の方に移動しましょう」

 

「そうですわね、ルビィいってらっしゃい」

 

「お姉ちゃん、うん!」

 

梨子がそう言うとルビィと善子それから花丸が僕の所に来る

 

「では行きますわよ」

 

「それじゃあ行くよ」

 

そう言ってダイヤと僕は同時に結果を確認すると一番上にAqoursの名前があった

 

「これってトップ通過って事…」

 

「だと思うよ、先ずはこれで一安心だね」

 

「やったずらルビィちゃん!」

 

花丸がそう言ってルビィに抱きつく

 

「うん!やったよ!真君‼︎」

 

「おめでとうルビィ、他の所の予備予選はどうなってるかな」

 

僕はμ'sとA-RISEの予備予選の結果を確認する

 

「A-RISEはやっぱりトップで通過してる。μ'sもトップでは無いけれど予備予選は通過してる」

 

「A-RISEとμ's、準決勝あたりまで進んだらどちらかと競うのよね」

 

「そうなるね、今の所はA-RISEの可能性の方が高いけど前回ラブライブを辞退したμ'sも失敗をバネにして来る筈だから油断は出来ないよ。でも今僕はラブライブの結果以上に不安な事があるよ」

 

僕がそう言うと3人は首を傾げる

 

「ラブライブの結果以上に不安な事って何よ?」

 

「ラブライブと学校説明会2つも同時にあったから部費が」

 

「部費?大丈夫じゃないの?この前全員で1000円づつあんたに限っては5000円も入れてたのよ?流石に大丈夫じゃない?」

 

だと良いけど一様確認してみよう

 

「千歌姉!部費ってまだある?」

 

「部費?あ〜それなら」

 

そう言ってこの前お金を入れた貯金箱を持って来る

 

「此処に入ってるだけだよ」

 

「いくら入ってるの?」

 

「どうだろう?えい!」

 

千歌姉がそう言って貯金箱を貼るとお金が出て来た

 

「500円…」

 

「いやぁ、流石に2つが重なっちゃったからお金が」

 

こればかりは仕方ないけど心配して聞いて正解だった

 

「全員聞いて、今とても重要かつ深刻な問題がある事が分かったよ」

 

「重要かつ深刻?」

 

「何かあったの?」

 

曜にそう聞かれた僕は机の上に500円玉を1枚置く

 

「真也君これって何?」

 

「今のスクールアイドル部の部費だよ」

 

「部費か…部費⁉︎もうこれだけになったの⁉︎」

 

「今思えばラブライブの予備予選そして学校説明会、この2つが重なってしまったのですからお金が少なくなってしまうのは仕方がない事ですわね」

 

ダイヤは納得の行った声でそう言う

 

「果南ちゃんはどう思うずら?」

 

「そうだね」 

 

花丸にそう聞かれた果南が腕を組んで考える

 

「果南ちゃん…」

 

「どうかしたダイヤ?」

 

「何でもないですわ真也」

 

そうは見えなかったけど

 

「お願い真也君‼︎この前のよしみちゃん家のみかん畑でのバイト代少しだけで良いから部費に回して!」

 

「そう言われても、前に出し合った時も多めに出したのに今回もだと」

 

「お願い‼︎卒業までにはちゃんと返すから!」

 

千歌姉は一生懸命は頼んで来るけどこればっかりは流石に

 

「私達からもお願い真也君!」

 

「私と曜ちゃんも協力するわ、だからお願い」

 

「オラからもお願いするずら真也君」

 

「ルビィもお願い真君」

 

「お願い真也」

 

「わたくしからもお願いしますわ」

 

「私もお願い真也君」

 

「小原家の力を借りる訳にはいかないのだからお願い真也」

 

「皆んなまで…はぁ、これで断ったら僕が悪い奴みたいだよ。分かったよしみさんの所でのバイト代は全部部費に回すよ。その代わり少しずつでも良いからちゃんと返してね。期限は千歌姉が高校を卒業するまで、それだけあれば全部返せるでしょ」

 

そう言って僕はバイト代を部費に回す事を決める

 

「ありがとう真也君!絶対の絶対に返すから!」

 

「流石真也頼りになるわ」

 

「分かったから2人共取り敢えず離れて」

 

そう言って抱きついて来た鞠莉と千歌姉を離れさせる

 

「でも僕が部費を出すのはこれが最後だから、皆んなでバイトか何か工夫する事。それじゃあ練習始めるよ」

 

『は〜い!』

 

僕のその言葉で練習が開始された




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122話

「バイト?」

 

「しょうがないわよ、真也君はどんなバイトが良いと思う?」

 

「そうだね…あれダイヤ?」

 

数日後、千歌姉達とバイトを探して居ると物陰からこっちを見ているダイヤが居た

 

「あら?今度は何ですの?」

 

「お腹痛いんですか?」

 

「違いますわ‼︎」

 

千歌姉がそう聞くとダイヤは大声でそれを否定する

 

「いっいえ、何か見ていらしたようですので」

 

「はい、内浦でバイト探しててコンビニか新聞配達かなって」

 

「なら沼津の方が良いかも知れませんわね」

 

ダイヤは曜の隣に座ってそう言う

 

「沼津でか〜」

 

「だったら色々あるよ。カフェとか」

 

「無理、千歌姉がお皿を割るのが目に見えるよ」

 

「確かに千歌ちゃんならありえるわね」

 

皆んなでバイトするんだから千歌姉にも出来る物じゃないと

 

「それにカフェのバイトだと多分接客だと思うからルビィには難しいと思う」

 

「あ、確かにホールのバイトだから接客だね」

 

「ん〜、それなら…あ!これは!お花屋さんとか!写真スタジオのモデルさんなんかもあるんだ!」

 

「千歌姉ちょっと真剣に「ぶっぶ〜ですわ‼︎」ほらやっぱり」

 

案の定ダイヤが痺れを切らした

 

「安直過ぎですわ‼︎バイトはそう簡単ではありません‼︎大抵土日含む週4日からのシフトですので9人揃って練習って言うのも難しくなります‼︎大体何でも簡単に決め過ぎてはいけません‼︎ちゃんとなさい‼︎」

 

ダイヤの言葉を聞いて千歌姉達は何も言わなくなりダイヤはやってしまったと言う顔をする

 

「ダイヤの言う通りだよ」

 

「そうね、やっぱりバイトってしっかり選ぶべきよね」

 

「流石ダイヤさん!」

 

「でもじゃあどうするの?」

 

「何かありますかダイヤさん?」

 

「そうですわね…」

 

ダイヤはそう言って顎に手を当てる

 

「そうですわ、フリーマーケットはどうでしょうか?」

 

「フリーマーケット?」

 

「ええ、今週の土曜日にこの近くの広場で行われるそうですわ。時間は朝の10時から、フリーマーケットであれば商品も自由ですし値段も此方で決める事が出来ますわ」

 

フリーマーケットか

 

「フリーマーケットか流石ダイヤさん!」

 

「良いかもね、でも…出来れば僕は1人で売りたいかな?よしみさんの所のバイト代は全部部費に回しちゃってあまりお金もないし」

 

それにダイヤと一緒だと売れる物も売れなさそうだし

 

「そうですわね、ですがルビィとは一緒にしてあげてください。あの子最近真也との時間が取れなくて少し元気がありませんでしたから」

 

「分かったルビィに話しておくよ」

 

「それでは各自フリーマーケットに出す商品を家から持って来る事、集合時間は8時30分にフリーマーケットの会場ですわ。千歌さんくれぐれも!遅刻はなさらないで下さいね」

 

「分かってますよダイヤさん」

 

(本当に分かってるのかな千歌姉?)

 

そう言ってダイヤと別れフリーマーケット当日、遅刻しそうになった千歌姉を僕が起こした




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123話

「ルビィ本当に大丈夫?」

 

フリーマーケットの準備をしながらルビィにそう聞く

 

「うん!頑張ろうね真君‼︎」

 

「そうだね頑張ろっか「あ!真也君!」千歌姉…何その格好…」

 

そこにはみかんの格好をする千歌姉が居たた

 

「美渡姉の会社で使わなくなったのを貰ったんだ!どう?」

 

「うん…千歌姉らしいと思うよ」

 

僕は千歌姉から目を逸らしてそう言う

 

「そっか!ルビィちゃんの猫も可愛い」

 

「そうですか?」

 

ルビィは恥ずかしそうにして千歌姉にそう聞く

 

「うん!それ何処で買ったの!千歌も欲しい!」

 

「実は真君が作ってくれたんです。他にも熊さんと犬さんがあるんですよ」

 

「別に裁縫は苦手じゃないしね、それに1番売れて欲しいのはこれだし」

 

そう言って僕は善子から譲り受けた衣装を飾る

 

「ちょっと!それどう言う意味よ‼︎」

 

「僕は着ないからね、安くても3000円で売れれば上出来だって考えてるよ」

 

正直言って着る機会もないのに何で貰ったんだろう子供の頃の僕は

 

「ルビィちゃんってそう言うの絶対似合うって思ってたんだ」

 

「ルビィちゃん可愛いずら」

 

「ありがとう花丸ちゃん」

 

「真也君!それ余ったら千歌にも頂戴‼︎」

 

「余ったらちゃんとあげるから自分の所の準備に戻って」

 

僕はそう言って千歌姉達を自分達の所の準備に戻す

 

「猫さんだ!」

 

「猫のお姉さん‼︎」

 

「ぴぎぃ‼︎しっ真君‼︎」

 

「ルビィもう少しの辛抱だから我慢して。着ぐるみパジャマの猫を1つですね。ありがとうございます」

 

フリーマーケットが始まり数分ルビィの格好もあってかなりの人だかりができて居た

 

「バイバイ猫のお姉さん‼︎」

 

「バイバイ」

 

ルビィはふらふらになりながらそう言う

 

「ルビィ少し裏で休んでて、にしてもこの服だけが中々売れない」

 

2時間くらい経ち商品も残り少なくなったが未だに善子から譲り受けた衣装は残っている。ちらちらと見る人は居るが購入までには行かないらしい

 

「ママ!私あれ欲しい‼︎」

 

「そうね…すみませんあの衣装って売り物ですか?」

 

「はい」

 

僕は女の子を連れた母親にそう答える

 

「買わせていただいても良いですか?」

 

「はい!是非‼︎」

 

僕は嬉しさのあまり身を乗り出してそう言う

 

「すみません、どうぞ」

 

「ありがとう「ママ!私それ着て帰りたい‼︎」わがまま言わないの」

 

「あの…時期に品切れになりますし待って頂けるんでしたらこの店の裏を使っても良いですけど」

 

僕がそう聞くと女の子の母親は少し考えた後待つ事を決めた

 

「お兄さん達の迷惑にならない様にしなさいね」

 

「うん!」

 

そう言って女の子の母親は別のお店を見に行った

 

「終わったねルビィ」

 

「うん、でも良かったの真君?千歌ちゃんの為に1つ残して?」

 

「良いよ、十分お金も集まったしね」

 

そう言って僕はお店のカーテンを閉める

 

「それじゃあ着替えようか、ルビィはその女の子の着替えを手伝ってあげて僕は店の前で待ってるから」

 

「うゆ」

 

僕はそう言って店の前に行く

 

「ママ‼︎」

 

「すみません、ほらお兄ちゃん達にお礼言いなさい」

 

「ありがとうお兄ちゃん猫のお姉さん」

 

「気を付けて帰りなよ」

 

「うん‼︎」

 

そう言って女の子と母親は帰って行った

 

「さて、僕達も色々見て回ろっか」

 

「うん!お姉ちゃん達の所どうなったのかな?」

 

確かに千歌姉達の方はまだ終わって無いだろうし

 

「後で行ってみよう」

 

「うん、あ!真君あのお店行こう‼︎」

 

「待ってよルビィ」

 

僕はお店に向けて走って行くルビィを追いかける

 

「それで…何でこんなに売れてないの?」

 

終わりかけに千歌姉達のお店に行って見ると半分くらいの商品が残って居た

 

「それが…ダイヤさんの気迫にお客さんが少なくなって行って」

 

「ああ…そう言う事、大変だったね」

 

やっぱりダイヤと一緒だと売れるものも売れなかったんだ。ダイヤと一緒にしなくて本当に良かった

 

「真也君達のお店はどうだった?」

 

「僕達のお店は13時には売り切れてたよ?ねルビィ」

 

「うん、お姉ちゃん達の所も大丈夫だと思って色々とお店回ってたんだ」

 

「あ!そうだ真也君‼︎千歌のは⁉︎」

 

「千歌ちゃんのは真也君が別に取っててくれたよ」

 

「ありがとう真也君‼︎」

 

千歌姉はそう言って僕に飛びつく

 

「中身自体はあれの「犬だ!」聞いてないし」

 

千歌姉は早速紙袋の中身を確認する

 

「ありがとう大事に着るよ真君」

 

「どういたしまして」

 

あれだけ喜んでくれてるなら良いか

 

「それで売り上げは?」

 

「アヒルボート決定ずら」

 

「ぴぎぃ!そっそんな」

 

やっぱりそれくらいだよね

 

「それにしても」

 

「何者にも屈しない迫力だったわね」

 

「流石ダイヤさん」

 

「だよね」

 

本当ダイヤってこう言う所も海未さんに似てる

 

「それに引き換え鞠莉はこんなの持って来るし」

 

「それ売る気だったの?」

 

「鞠莉流石にフリーマーケットで銅像を買う人は居ないと思う」

 

それに銅像なんてあっても邪魔になるだけだろうし

 

「それ言ったら善子も売り上げnothingデース」

 

「まあ確かに善子の持って来た物を買おうとするのって大抵の善子と似た趣味を持った人くらいだろうしね」

 

「ヨハネよ…ふふふ、まるで片付いた私の心を癒してくれているかの様…美しい…」

 

「バカな事言ってないで急いで拾いな‼︎」

 

美渡姉ちゃんにそう言われて僕達は善子の持ってた風で飛ばされた黒い羽を拾いに行った




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124話

「真也こっちよ!」

 

「どうしたのさ鞠莉、果南とダイヤまで一緒なんだ」

 

フリーマーケットから数日、水族館のアルバイトに来たAqoursだけどバイトが始まる数分前に僕は何故か鞠莉に呼ばれた

 

「実はね、私前から真也の事が〜「あ、そう言うの良いから要件だけお願い」それがね、ダイヤが皆んなにダイヤちゃんって…呼ばれたいそうなの」

 

「ダイヤちゃん?」

 

「かっ勘違いしないで欲しいですわ、別にわたくしはそう呼ばれたい訳じゃありませんわ」

 

ダイヤは澄ました顔でそう言う

 

「ただ、わたくしだけ違うのはどうかと鞠莉さんと果南さんに相談しただけですわ」

 

「呼ばれ方何て何でも良いんじゃ「良くありませんわ!」よく無いんだ」

 

「当たり前ですわ、こんな形でメンバー間に距離があるのは今後の為にも良くなくなくないと言うか「羨ましいんだ」ち・が・い・ま・す・わ‼︎」

 

「ならどうしたいの?」

 

「そっそれはですね…そんな事よりどうしてこんな所に呼び出したんですか?」

 

あ、誤魔化した

 

「聞いてないのダイヤ?」

 

「何をですの?」

 

「アルバイトの話、鞠莉に言っておいてってお願いした筈だけど」

 

僕がそう言うと鞠莉はダイヤから目を逸らす

 

「鞠莉さん?今の真也の話は本当ですの?」

 

「そう言われた気もしなくもなくないわね」

 

「本当に鞠莉は、曜からイベントがあるから今日1日だけでもバイトを手伝って欲しいって話があったんだ」

 

「何処でですの?」

 

「この水族館で」

 

「水族館ですか、とても曜さんらしいですわね」

 

僕はそう言ってダイヤを水族館の入り口に案内する

 

「皆んなで1日アルバイトだからさ」

 

「距離縮めてダイヤちゃんって呼ばれるチャンスだよ」

 

「どうするかはダイヤに任せるよ、ダイヤ?」

 

「ダイヤ…ちゃん…べっ別にそんなの求めてる訳ではありませんから」

 

そう言うなら少しは表情を隠そうよ。嬉しいのが隠しきれて無いよ

 

「おーい!真也君‼︎こっちこっち‼︎」

 

「曜?」

 

曜の声がして辺りを見渡すがそこには子供とセイウチの着ぐるみがあった

 

「もしかしてだけど曜?」

 

「そうだよ、それで真也君の仕事何だけど先ずはペンギンのお世話だって、最初は散歩から始めて貰える?ああ、それと良く迷子になる子が居るからそれだけは気をつけて欲しいって」

 

「それは良いけど、大体どれくらい散歩してれば良いの?」

 

「う〜んと、確か10分くらいだったかな?」

 

そこはちゃんと覚えておいてよ

 

「分かった、それじゃあ行って来るよ」

 

「うん、気をつけてね」

 

曜はそう言ってイルカショーの会場に向けて歩いて行った

 

「えっと、数は30羽と…ちゃんと覚えて置かないと皆んな行くよ」

 

そう言うとペンギンが後ろを着いて来る

 

「お疲れ、中に入って」

 

そう言って僕はペンギンを数えながら中に入れる

 

「27…28…29…あれ?1羽足りない?さっきまで居たんだけど…此処に居たんだ。ほら帰る時間だよ」

 

そう言ってペンギンを持ち上げて中に入れ職員用の出口から外に出ようとすると後ろからそのペンギンが着いて来ていた

 

「ごめんね、散歩は終わりだからまた次があったら一緒に行こうね」

 

そう言って僕は扉を閉めた

 

「終わったよ曜」

 

「お疲れ全部居た?」

 

「連れて行った30羽一度も逸れなかったよ」

 

「それじゃあ次はルビィちゃんと梨子ちゃんの方お願い多分アシカのご飯あげに行ってると思うから」

 

「分かった」

 

そう言って僕はアシカの居るフロアまで向かう

 

「ルビィ、梨子調子は「真くーん‼︎」どうかしたのルビィ」

 

「あっアシカさんがアシカさんが‼︎」

 

そう言うルビィの後ろからアシカが着いて来て居た

 

「何してるのさ梨子」

 

「だってアシカってよく見たら犬っぽくて」

 

梨子の犬嫌いも考えものだ

 

「落ち着いて、梨子そのバケツ貸して」

 

「えっええ」

 

僕は梨子から魚の入ったバケツを貰う

 

「ごめんね、ご飯の匂いがしたんだから出て来て当たり前だよね、それにご飯が持って行かれちゃったら追いかけても来るよね」

 

そう言ってバケツの中の魚をあげるとアシカは大人しくなった

 

「凄い真君、笛も無しにアシカさんとあんなに仲良く」

 

「2人が怖がりすぎなだけ、確かに体は大きいけど何も怖い事はないよ。ルビィもやってみたら」

 

「うゆ…」

 

ルビィは恐る恐るアシカに魚を持って行く

 

「本当だ…ルビィちっとも怖くなかった!」

 

「そっそうね、心なしか可愛く見えたわ」

 

「だから言ったんだよ怖がりすぎだって、それじゃあプールに戻って」

 

僕がそう言うとアシカはプールに戻って行った

 

「本当に凄いわね、調教用の笛も無しにアシカを制御してたし」

 

「流石真君だよ!」

 

「昔から動物には懐かれやすかったからね、さて早く掃除を終わらせて次の仕事に行こう」

 

そう言って僕達はアシカのショーのステージの掃除を終わらせて次の仕事に向かった




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125話

〜鞠莉side〜

 

「うまくいかない?」

 

「ええ、色々と試してはみたのですが」

 

私は果南とペンギンのお世話をしながらダイヤと話す

 

「まあ私はそうなると思ってたけどね」

 

「どうしてですの」

 

「大体ダイヤは自分から近づこうとしないからね。真也君との事だって真也君の方から近寄って来てたし」

 

「小学校の頃も私達とべったりだったしね」

 

「そっそんな事…ありましたわね」

 

最初は否定しようとして居たダイヤだったけど途中で小学校の頃の事を思い出したのか肯定する

 

「自分から行かなきゃ始まらないよ」

 

「そう言われましてもどうすれば」

 

「簡単でしょまず…相手の名前にちゃんを付けて呼んでみるの」

 

「わかりましたわ、やってみますわ!」

 

ダイヤはそう言って何処かに向かって行く

 

「本当にあれで良かったの鞠莉?」

 

「大丈夫よ、えっと…あら?果南1匹足りなくないかしら?」

 

「そうかな?えっと1、2、3」

 

果南はそう言ってペンギンの数を数える

 

「7、8、9あれ?本当だ1匹足りない!」

 

「最後に確認した時は確かに10匹居たわよね?」

 

「その筈だけど…ちょっと探して来るよ」

 

果南はそう言ってペンギンを探しに行った

 

〜鞠莉side out〜

 

「よっ曜ちゃん…しっ真也君…」

 

「ダイヤさん何か言いましたか?」

 

「僕もそんな気がする何かあった?」

 

「いえ、その…」

 

何だろうダイヤにしては歯切れが悪い気がする

 

「ダイヤさんも配ります?」

 

「ありがとう…曜ちゃん…」

 

ダイヤがそう言うと曜は突然の事に持って居た風船を離す

 

「危なかった…」

 

「真也君と善子ちゃんもおアルバイト一緒に頑張りましょう」

 

ダイヤは笑いながらそう言って何処かに向かって行く

 

「ヨハネよ」

 

「あ、そこは譲らないんだ」

 

「違った⁉︎でも背筋に冷たいものが走るあの違和感」

 

「分かる」

 

分かるんだ。まあ分からなくは無いけど

 

「天界からの使者によってもう1つの世界が現実したかの様な」

 

「それは分からない」

 

やっぱりそれは分からないんだ

 

「でも何だろう、違和感もそうなんだけど何か冷たい何かが後ろから当たってる気がするする」

 

「後ろから?ん〜、あ!この子じゃない?わっとと暴れない暴れない」

 

そう言って曜は僕の後ろに付いてた何かを抱える暴れるって事は生き物かな?

 

「一体何が…君だったんだ」

 

そこに居たのは朝の散歩の終わりに僕から離れなかったペンギンだった

 

「貸して曜」

 

「はい、真也君が抱えた途端に暴れるの辞めたね」

 

「でも何でこんな所に「お〜い‼︎」果南?どうしたの?」

 

僕は走って来た果南にそう聞く

 

「この辺りにペンギン来てない?」

 

「ペンギン?もしかしてこの子の事?」

 

僕は果南にペンギンを見せる

 

「そうそう!その子!その子!」

 

「ほら帰ろ皆んな待ってるよ」

 

果南がそう言ってペンギンに手を伸ばすと途端に暴れて僕の後ろに身を隠す

 

「ごめん曜ちょっと任せても良い?」

 

「うん、そうだった。次はルビィちゃんとイルカショーのステージの掃除だからそのままイルカショーのステージ裏に向かって」

 

「分かった」

 

僕はそう言って果南とペンギンを戻しに行った後、イルカショーのステージ裏に向かった




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126話

「ルビィ、最近ダイヤに何かあった?」

 

イルカショーが終わりステージの掃除をしながら僕はルビィにそう聞く

 

「ふぇ?どうしたの真君?」

 

「実は」

 

僕はさっきあった事をルビィと梨子に話した

 

「お姉ちゃんが真君の事を真也君って?」

 

「うん、ちょっと…いやかなり違和感があったんだ。それには曜の事も曜ちゃんって呼んだり善子の事を善子ちゃんって呼んだりして曜と善子も違和感を覚えてたよ」

 

「確かにダイヤさんが誰かの事ちゃん付けで呼んだりしてる所見た事無いかも」

 

僕もダイヤが誰かをちゃん付けで呼んでる所を見たのは今回が初めてだった

 

「掃除はこんな物かな?」

 

「そうね」

 

「ごめんね真君、力になってあげたいけどルビィの前だといつも通りだし」

 

ルビィは申し訳なさそうにそう言う

 

「ううん、一緒に考えてくれただけで十分だよルビィ。それじゃあ」

 

僕はそう言って千歌姉と花丸がして居る洗い物の手伝いに向かった

 

「2人共順調?」

 

「あ、真也君ずら」

 

「手伝いに来たよ」

 

「ありがとう!2人だけじゃ中々終わらなくて困ってたんだ。真也君が来てくれれば百人力だよ‼︎」

 

僕はそう言う千歌姉と洗い物を始める

 

「花丸これ泡多くない?」

 

「早く綺麗になる様洗剤全部入れたずら」

 

「賢い‼︎」

 

「そんな訳ないでしょ千歌姉、洗剤には適量がある物なの、そもそもこんなに入れて手を滑らせて皿を落としたら…」

 

そう話して居ると花丸が待って居た手を滑らせて待って居た皿が飛んでいく

 

「「‼︎ん?ダイヤさん(ずら)‼︎」」

 

「2人共お気をつけなさい」

 

「「は〜い」」

 

ダイヤはそれだけ言って何処かに向かって行った

 

「今回はダイヤが居てくれたから良かったけどダイヤが居なかったら皿は割れてたから気をつけて花丸」

 

「分かったずら」

 

僕がそう言うと花丸はさっきよりも慎重に皿を洗い始めた

 

「お姉ちゃんが変?」

 

「ずら、何か凄い怒っていた様な」

 

「悩んでいた様な」

 

「やっぱり何かあったんだよ」

 

何かあったとしてもそれの何かが分からないから困って居る

 

「甘いわね、あれは闇に染まりし者の微笑「それはないから」何でよ‼︎」

 

「まあ、本当の所は分からないけどね」

 

「ごめんなさい、真君に聞かれてルビィも色々と考えてみたんですけど分からなくて…」

 

やっぱり分からないよね

 

「皆んな居るわね?」

 

「ちょっと良い?」

 

「果南ちゃん?鞠莉ちゃん?」

 

そこに来たのは果南と鞠莉だった

 

「ダイヤ…ちゃん?」

 

「うん、皆んなともう少し距離を近付けたいって事なんだと思うけど」

 

「それで…」

 

「じゃあ、あの笑顔は怒って居る訳じゃなかったずらね」

 

「でも可愛い所あるんですね」

 

「言ってくれれば良いのに」

 

(ダイヤって本当そう言う所も含めて海未さんにそっくりなんだ)

 

小学校の時初めて出来た友達に園田さんとしか呼んでもらえず僕に泣きついて来た海未さん。ダイヤはそんな事はしなかったけど要するにあの時の海未さんと一緒って事なんだ

 

「だから小学校の時とか私達以外は中々気づかなくて」

 

「真面目でちゃんとしてて、頭が良くてお嬢様で、頼りがいがあるけど何処かに雲の上の存在で」

 

「皆んなそう思うからダイヤもそう振るわなきゃってどんどん距離を取って行って」

 

「本当は凄い寂しがりやなのにね」

 

「2人共本当にダイヤさんの事が大好きなんだね」

 

千歌姉がそう聞くと果南と鞠莉は互いに顔を見合わせる

 

「YES‼︎勿論よちかっち」

 

「当然だよ」

 

2人が笑ってそう言うと向こうから騒がしい声が聞こえて来る

 

「何だろ?」

 

「行ってみましょう」

 

梨子の言葉に頷き僕達は声のする方に向かった




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127話

「何これ⁉︎」

 

「大変‼︎こらダメよ」

 

声のする方に行くと大勢の子供が好き勝手にして居た

 

「ダメだ、全然言う事聞いてくれない」

 

「ルビィ、僕のバイオリン持って来て休憩室にある筈だから」

 

「うん!」

 

ルビィは走って僕のバイオリンを取りに休憩室に向かった

 

「わ、こら‼︎」

 

「う…うわ〜ん」

 

善子が怒鳴ると後ろから善子の服を触った女の子が泣き始めた

 

「善子…」

 

「あ〜あ、善子ちゃんのせいで泣いちゃったずら」

 

「うぇ⁉︎」

 

「ごめんね、このお姉ちゃんちょっと変な人だから気にしちゃダメだよ」

 

「ちょっと真也‼︎「そうずらよこのお姉ちゃんが変なだけでおら達は大丈夫ずらよ」ずら丸あんたまで‼︎」

 

僕と花丸で泣いた女の子を慰める

 

「真く〜ん‼︎」

 

「ありがとうルビィ‼︎」

 

そう言ってルビィにバイオリンを受け取りに行こうとするとさっきの女の子に袖を掴まれる

 

「どうしたの?」

 

「お兄ちゃん一緒に遊ぼう‼︎」

 

女の子は満面の笑みでそう言う

 

「うん、後で遊ぼっか」

 

「嫌‼︎今が良いの‼︎」

 

「今度は真也君が泣かせちゃったずら、大丈夫ずらよこのお兄ちゃんはあのお姉ちゃんと違ってとっても優しい人ずら終わったらきっと遊んでくれるずら」

 

「うん…」

 

良かった花丸が味方をしてくれて

 

「それじゃあちょっと行って来るよ」

 

「いってらっしゃいずら」

 

「後で遊ぼうねお兄ちゃん‼︎」

 

「うん」

 

そう言って今度こそルビィにバイオリンを受け取りに行く

 

「はい真君」

 

「ありがとうルビィ」

 

そう言って僕はステージ裏に向かった

 

「ダイヤ」

 

「真也、考える事は同じと言う事ですわね」

 

「そうだね、急なイベントだけど皆んなもよろしくね」

 

僕はステージ裏の水槽に居るイルカにそう言ってステージの水槽に放す

 

「それじゃあ頼むよダイヤ」

 

「ええ、やりますわよ真也」

 

そう言って僕とダイヤもステージに出て行った

 

〜千歌side〜

 

「危ないわよ」

 

「ほら、みかんもあるよ」

 

私はみかんで気を引こうとするけど誰も寄って来ない

 

「それで来るのは千歌ちゃんくらいじゃないかしら?」

 

「え〜?そうかな?今度は何⁉︎あれってダイヤさん?何であんな所に」

 

笛の音が聞こえたからステージの上を見るとそこにはダイヤさんが居た

 

「さあ皆んなスタジアムに集まれ〜!園児の皆んな走ったり大声を出したりするのは他の人に迷惑になるからぶっぶ〜ですわ」

 

ダイヤさんがそう言うとステージの周りに園児達が集まって行く

 

「皆んなこれからイルカさん達がステージの水槽で遊びます。大声を出さずに静かにちゃんと座って見ましょうね」

 

『はーい‼︎』

 

さっきまで好き勝手にして居た園児達がダイヤさんの言う通りにしてに座る

 

「曜ちゃんこんな時間からイルカショー何てあった?」

 

「いや、無かったと思うけど…それにバイオリンの音も聞こえる様な」

 

「流石真也君そう言う事だったずらね」

 

何か知ってるのか花丸ちゃんがそう言う

 

「どう言う事?」

 

「実はさっき真君にバイオリンを取って来て欲しいって頼まれて」

 

「そっかそれで園児達の気を引こうとした所にダイヤさんと合流したのね」

 

「これは流石としか言えないね」

 

「そうね、子供達も楽しそうだし良いんじゃない?」

 

鞠莉ちゃんの言う通り園児達は楽しそうにイルカショーを見て居る

 

「ダイヤさんとイルカさん息ぴったりずら」

 

「真也のバイオリンの音のおかげね、イルカ達の動きにダイヤが合わせて踊ってるのよ」

 

「そうだね、でもそろそろ終わりにしたほうが良いんじゃない?」

 

「分かった、ダイヤさんに伝えて来るよ」

 

そう言って曜ちゃんはダイヤさんが見える所に終わりの合図をしに行った

 

〜千歌side out〜

 

「お疲れダイヤ」

 

「お疲れですわ真也、結局わたくしはわたくしでしかないのですね」

 

「そりゃダイヤはダイヤなんだからそうなるよ。果南と鞠莉とは確かに違うけど別に変わる必要はないと思うよ?皆んなはどう思う?」

 

僕はそう言って昇降口に居る皆んなを見る

 

「皆さん」

 

「私ダイヤさんはダイヤさんで居て欲しいと思います。真也君の言う通り果南ちゃんや鞠莉ちゃんと違ってふざけたり冗談言ったりできないなって思う事もあるけど、でもダイヤさんはいざとなったなった時頼りになって私達がだらけて居る時は叱ってくれるちゃんとしてるんです。だから皆んな安心出来るしダイヤさんが大好きです。ね?」

 

千歌姉がそう言って果南達の方を見ると皆んな笑って頷く

 

「だからこれからもずっとダイヤさんで居てください。宜しくお願いします!」

 

「わたくしはどっちでも良いのですわよ別に…」

 

ダイヤはそう言って頬のほくろをかくあの時もそうだけどダイヤがこうする時って何かを隠したりしてる時だし本当は嬉しいんだ。果南と鞠莉もその事に気付いて2人だけで笑って居る

 

「せ〜の」

 

『ダイヤちゃん!』

 

僕達がそう言うとダイヤは笑って居た




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128話

「また雨強くなって来たね」

 

水族館のバイトから数日、ラブライブの地区予選の日が近づいて居るのだが雨の為室内での練習をして居る

 

「夜にかけて更に強くなるって言ってたし」

 

「今日は無理して続けない方が良いのかも知れませんわね」

 

「ダイヤの言う通りだね、それに今日は用事もあるし」

 

「用事?何かあるの?」

 

僕の言葉が気になったのか千歌姉がそう聞いて来る

 

「うん、実は昨日バイオリンの弦が切れちゃって、張り替えようにも新しい弦が無かったから今日の練習の終わりに買って帰るつもりだったから」

 

「そんな〜、もう直ぐ地区予選なのに」

 

「入学希望者も50人を超えて来たんでしょ」

 

「まあ気持ちは分かるけど安全第一、今日の所は終わりにしよ。鞠莉何これ?」

 

鞠莉は突然果南にカイロを渡す

 

「待てばカイロの日和ありって言うしね」

 

「ごめん鞠莉、言ってる意味が全然分からない」

 

そう言う僕以外の全員は呆れて居た

 

「果南ちゃんと梨子ちゃんはうちの車ね、曜ちゃんも乗ってかない?」

 

「良いの?」

 

「うん、善子ちゃんは」

 

「嵐が堕天使の魂を揺さ振る、秘めた力がこの羽に宿る‼︎」

 

善子はいつも通りだし置いておくとして

 

「善子の家ってこの近くだし大丈夫なんじゃない?」

 

「それもそっか、じゃあ私と美渡姉は先に帰ってるから」

 

そう言って千歌姉達は美渡姉ちゃんが運転して来た車に乗って出発する

 

「バイバイ真君」

 

「うん、また明日」

 

ルビィ達もそう言って車を出発させて残るは僕と善子だけになった

 

「それじゃあ楽器屋はこっちだから」

 

「待って私も行って良いかしら?」

 

「別に良いけど弦の替えを買うだけだから直ぐだよ?」

 

「お店でして貰えば良いじゃない、楽器って私も少しだけど興味あるし」

 

意外だ、善子楽器に興味あったんだ

 

「分かった一緒に行こう善子」

 

「ふふ、さあ行くわよリトルデーモン死の旋律を奏でる地へ‼︎」

 

「はいはい、そんな物騒な所には行かないからね」

 

(普通に楽器屋って言えないのかなこの子は?)

 

そう思いながら僕は善子と楽器屋に向かった

 

「善子1つ約束して欲しいんだけど、くれぐれも店の中で変な言動はしない事、もし少しでも変な言動をしたその時は分かってるよね?」

 

「よっヨハネの名にかけて‼︎」

 

「宜しい、それじゃあ入るよ」

 

そう言って僕と善子は楽器屋に入る

 

「メンテナンスお願いします」

 

「かしこまりました、店内でお待ち下さい」

 

お金を払った後、店員にバイオリンを渡し後ろを振り返るが善子が居ない

 

「ふふふ、このデザインまさしく堕天使ヨハネの為に作られた最高の…高いわね…」

 

善子の見ていたギターは堕天使のヨハネの状態から素に戻る程に高かったらしい

 

「新品だとそれくらいするよ。あっちの中古品のコーナーならもう少し安いのもあるだろうけど」

 

「中古品ね…ちょっと待って今いくら持ってるか確認するから」

 

そう言うと善子は徐に財布を取り出して手持ちを確認する

 

「うっ、全然足りないどうして…は!まさか天界からの刺客に‼︎」

 

「うん、そうなると僕が天界からの刺客になるね」

 

バイトの翌日、僕が部費として出したお金を千歌姉だけって話していたのを全員で返す事にした為バイト代の殆どを使ってしまった事になる

 

「そうだった…またお金が溜まってからにするしかないわね」

 

「そうなるね「お待たせしました」ありがとうございます」

 

そう言って僕はバイオリンを受け取る

 

「行くよ善子」

 

「ええ」

 

善子は名残惜しいそうに楽器屋を出る

 

「うわ、雨凄い事になってる」

 

「本当傘飛ばされない様にしないと、うっ」

 

言ったそばから善子の傘が飛ばされる

 

「待て‼︎待ちなさい‼︎待つのです‼︎」

 

「せめて堕天使ヨハネか素のどちらかは貫こうよ」

 

傘を追いかける善子に僕はそう言う

 

「何その動き、もしかして何かが私を導いて「風邪引くからアホな事やってないで傘取りに行きなよ」分かってるわよ」

 

善子はそう言って飛ばされて間に挟まった傘を取ると何かを見て居る

 

「どうしたの善子?」

 

「ねえ真也これって」

 

善子の目線の先には犬が居た

 

「迷い犬かな?」

 

「多分そうよね」

 

そう言って善子はその犬を抱える

 

「連れて帰るの?」

 

「このままって訳にはいかないでしょ」

 

「そうだけど、内浦だったらツリーハウスに連れて行けば何とかなるだろうけど此処からだと少し遠いし」

 

「私のマンションはペット禁止よ」

 

「だよね」

 

だからって此処にまた放置するのも嫌だなぁ

 

「一先ず善子の家の近くの神社の屋根の下に犬のゲージに入れて置いとこ」

 

「それしかないわね」

 

そう言って僕と善子は善子の住むマンションに向かった

 

「本当に良いの善子?」

 

神社に着くと善子はゲージが濡れない様に自分の傘をゲージに被せる

 

「大丈夫ようちは直ぐそこだから、今日の所は此処に居て頂戴」

 

「明日はちゃんとした場所に連れて行ってあげるから」

 

そう言って僕と善子はマンションの中に入る

 

「お帰り善子随分遅かったわね、真也くんも一緒なのね」

 

「久しぶりです美星さん」

 

「ごめんなさい傘が飛ばされちゃって」

 

「それを追いかけてけどそのまま飛ばされて行っちゃったのね。真也君も悪いわね。それにしても内浦でしょ?電車は止まっちゃってるけどあてはあるの?」

 

美星さんはそう言ってテレビを見る

 

「止まってるんですか電車?」

 

「ええ、ついさっき」

 

どうしよう…電車が止まってるんだったらバスもない徒歩で帰るのは流石に危ない

 

「いえ、無いです」

 

「そう、ならうちに泊まりなさいこのまま返すのも危ないしね」

 

「えっと…じゃあ宜しくお願いします」

 

「大丈夫よ、善子ちょっと来なさい」

 

そう言って美星さんは善子を連れて自室に向かって行った




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129話

『そっか、それじゃあ真也君今日は善子ちゃんのお家にお泊まりするんだ』

 

「うん、ごめん千歌姉連絡するの遅くなって」

 

『気にしないで美渡姉達には私から言っておくよ』

 

「ありがとう千歌姉」

 

そう言って僕は電話を切る

 

「さっさと終わらせるわよ」

 

「そうだね、早めに終わらせようか」

 

「善子あんた変な事に真也君を巻き込むのは辞めなさいよ」

 

善子と一緒に自室に向かう僕を見て美星さんはそう言う

 

「少しは娘を信用しなさいよ。ほら行くわよ真也」

 

「心配ね、私も影で見させて貰おうかしら」

 

「別に良いわよね真也」

 

「うん、別に良いよ」

 

特に変な事をする訳じゃないし

 

「あら随分あっさりしてるわね、いつもなら全力で拒否するのに」

 

「あれは…別に良いでしょそう言う気分なの」

 

そりゃ拒否するよね、いつもは津島善子としてじゃなく堕天使ヨハネとして動画投稿してるんだもんね

 

「準備するからちょっと待ってなさい」

 

善子がそう言って自室に入ると中から物凄い音が聞こえる。多分僕だけだと思ってたのに美星さんまで一緒に来る羽目になったから急いで片付けてるんだろう

 

「入りなさい」

 

20分くらいすると善子が扉を開けてそう言う

 

「お邪魔します」

 

「意外と片付いてるのね。あんたらしい物も幾つか散らばってるけど」

 

善子の部屋は前に入った時とは変わって堕天使グッズの数が大幅に減って居た。多分あのクローゼットの中に詰め込んだんだろうそして美星さんが出て行った後元の位置に戻すのを僕にも手伝わせるつもりなんだろう

 

「それじゃあ始めるわよ」

 

「了解」

 

そう言って僕がバイオリンの準備を終わらせると善子はカメラを起動させる

 

「ねえ善子何が始まるの?あんたの可笑しな趣味に真也君を付き合わせるんじゃないの?」

 

「しっもう始まるんだから静かにして」

 

善子もうカメラ起動させてるからその会話もは多分入ってるよ?

 

「始めて真也」

 

善子のその言葉を聞いて僕はバイオリンの演奏を開始する

 

〜善子side〜

 

「…ねえ善子真也君て何者なの?そこら辺の人より断然上手じゃない」

 

「…良いから黙って聞いてて」

 

私は小声で話しかけて来るお母さんにそう言う。お母さんは東京に行った事がないから知らないだろうけど本当ならこんな間近で聞けることなんて無いんだから

 

(本当昔から変わらないわね演奏をしてる真也が1番様になってる。昔の私もバイオリンの演奏をしてる真也に惹かれたのかもしれないわね)

 

「終わったよ善子」

 

「ええ、分かってるわ」

 

私はそう言ってカメラを止めに行く

 

〜善子side out〜

 

「終わったよ善子」

 

「ええ、分かってるわ」

 

そう言って善子は画面外からカメラを止めに行く

 

「編集するから適当に寛いでなさい」

 

「うん」

 

そう言ってカメラをパソコンに接続する善子の後ろでバイオリンを専用ケースに入れて座る

 

「凄いわね真也君」

 

「ありがとうございます」

 

「本当こんな子が善子と同年代だなんて思えないわ。善子もあれじゃなくて真也君みたいな趣味だったら私も安心して見てられるんだけどね」

 

まあ善子の趣味って結構特殊だろうしね

 

「真也君お風呂まだよね?この様子じゃ善子はまだ入らないだろうし真也君が先に入っちゃいなさい」

 

「分かりました」

 

そう言って僕はお風呂に向かった




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130話

「それじゃあ昨日は善子ちゃんの家に泊まったの?」

 

「うん、強い風の影響で電車も止まっちゃってるって善子の家に着いてから知って。そしたら美星さんが泊まりなさいって言ってくれたから泊めてもらったんだ」

 

「それで今朝は善子ちゃんと一緒だったずらね」

 

翌日の放課後、僕達は次のラブライブに向けての作戦会議の為に十千万に集まって居た

 

「真也君ちょっと来て」

 

「どうかしたの曜?」

 

僕は曜に呼ばれて部屋の外に出る

 

「行ける大丈夫」

 

「梨子無理そうなら辞めときなよ」

 

曜に呼ばれた理由それはさっきしいたけと目が合った梨子が今ならしいたけに触れそうと思ったからしいたけを連れて来て欲しいと言う事だった

 

「えっええ」

 

そう言って梨子は恐る恐るしいたけに近づく

 

「う…うう…「わん‼︎」ひぃぃい‼︎やっやっぱり無理〜‼︎」

 

梨子はしいたけが吠えた途端に走って階段まで避難してそう言う

 

「騒がしいですわよ」

 

「ごめんダイヤうるさかったよね」

 

「実は梨子ちゃんがしいたけと目が合って触れるかもって」

 

「本当⁉︎どうぞどうぞ」

 

千歌姉はそう言って梨子の手を引いてしいたけの元に連れて行く

 

「う…「わん‼︎」ひぃぃい‼︎駄目やっぱり無理〜‼︎」

 

「う〜ん、しいたけの梨子ちゃんの事大好きだと思うんだけどなぁ」

 

「そんなわけないでしょ‼︎」

 

と言うか梨子が犬を怖がりすぎなんじゃ

 

「そんな事ある犬は見ただけで敵と味方を見分ける不思議な力があるって聞いたことあるし」

 

「いい加減始めるよ」

 

「は〜い」

 

そう言って僕達はしいたけを部屋の外に連れて行く

 

「今日こそ決めないと時間もないんだよ」

 

「分かってるずら」

 

「でもテーマって言われても」

 

「難しいよねA-RISEのマネージャーをしてた時もそれだけは中々決まらなかったよ」

 

これだけは全てのスクールアイドルがぶつかるものなのかも

 

「かと言って暗黒と言うのはあり得ませんけどね「どうしてよ‼︎」当たり前ですわ‼︎」

 

「堕天使と言えば暗黒、Aqoursと共に歩んだ暗黒の堕天使ヨハネの奇跡を「やっぱり輝きだよ‼︎」聞きなさいよ‼︎」

 

まあ善子の暗黒よりはかなりましだけど

 

「まあ輝きは千歌が始めた時からずっと追いかけて来てるものだしね」

 

「でもそれだけじゃ駄目もっとAqoursの色々な可能性を広げなきゃラブライブの上位には喰い込めないよ」

 

「真也の言う通りですわ、1つの物に留まらない多くの魅力を持って居なければ全国大会には進めませんわ」

 

「そうだねそれに次は前回突破出来なかった地区大会」

 

曜の言う通り次は前回突破出来なかった地区大会しかも今回突破出来なかったら恐らくこのメンバーでラブライブに出られる事は無いだろう

 

「何か新しい要素が欲しいよね。ん?」

 

果南がそう言うといびきが聞こえて来る

 

「もうまたこんな眼鏡で誤魔化して」

 

いびきをかいていたのは長い話が苦手で寝てしまった鞠莉だった

 

「真也…行くわよ」

 

「うん、ごめん皆んなちょっと用事があるから抜けさせて貰うね」

 

「用事?もしかしてバイオリンの動画投稿の事?」

 

「あっそうそう昨日善子の家でやったんだけど機材のトラブルが何かで録画が途中で終わっててちゃんと取れてなかったんだ」

 

「そっか、それなら仕方ないね善子ちゃんもでしょ行って来なよ」

 

「ありがとう千歌、行くわよ真也」

 

僕はそう言う善子と一緒に十千万を出た




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131話

「真也君お帰り」

 

「ただいま千歌姉」

 

「それで善子ちゃんと編集した動画ってどれどれ‼︎」

 

「もう投稿されてるだろうし、あったこれだよ」

 

僕はそう言って昨日の内に善子が編集した動画を再生する

 

「凄く落ち着く曲それに…ふぁ〜、何だか眠く…なって来た」

 

「それ駄目なんじゃ無い?「真也〜お前に客が来るぞ」分かった!それじゃあ行って来るけど寝たら駄目だよ千歌姉」

 

「うん…分かってるよ…真也君」

 

千歌姉はうとうとしながらそう言う。本当に大丈夫かな?

 

「僕へのお客って梨子だったんだ」

 

「ごめんなさい真也君、実は善子ちゃんのお母さんが私のお母さんと話してたみたいなんだけど善子ちゃんのお母さんが携帯を忘れて帰っちゃったらしくてそれを届ける様に頼まれたの」

 

「それで善子の家を知ってる僕に善子の家を教えて貰おうって事だったんだ。分かったよ一緒に行こっか」

 

「ありがとう真也君、実は私善子ちゃんの家って一度しか行った事ないからよく覚えてなかったの。でも携帯ってやっぱりもしもの事があった時に困るでしょ」

 

「そうだね、美渡姉ちゃんちょっと沼津の方まで行って来るよ」

 

「おう、あんま遅くなるなよ」

 

僕はそう言って梨子と沼津にある善子の住むマンションに向かった

 

「善子の住んでるマンションだけどもう直ぐ着くはずだよ梨子」

 

「ありがとう真也君、何かしらあれ」

 

梨子の目線の先には昨日犬を入れたケージがあった

 

「梨子あんまり近づかない方が」

 

「え?「わん‼︎」ひぃ!ん‼︎ん〜!」

 

「後ろから口を押さえるとか誘拐でもするつもり善子」

 

僕はそう言って梨子の口を後ろから押さえる善子の手を離させる

 

「ヨハネよ、どうして2人がこんな所に居るの?」

 

「美星さんが携帯を忘れて帰ったらしいよ」

 

「そうなの?」

 

「ええ、それでお母さんに頼まれたんだけど私が善子ちゃんの家に行ったのってスクールアイドルに誘いに行った時以来だから真也君に案内して貰っていたの」

 

そう言って梨子は善子に美星さんの携帯を渡す

 

「確かにお母さんの携帯だわ」

 

「良かったわ、それであのケージの中に居るのってやっぱり」

 

「そうだった」

 

善子は犬用の缶詰を開けた所を見て梨子はケージの中の生き物が何か確信したのかケージから距離を取った

 

「あら、可愛い」

 

「ふふふ、慌てて食べなくても良いのよ」

 

善子はそう言いつつも距離のある梨子に不信感を覚えたらしい

 

「何?」

 

「見て分からない?犬よ」

 

「よね…」

 

梨子がそう言うと善子は犬を抱き上げ梨子の方を向く

 

「あら可愛い…えへへ…可愛いね…うん…可愛いよ」

 

なら何故どんどん距離が開いていくんだろう

 

「行け‼︎」

 

「わん!」

 

「うわぁ‼︎」

 

善子が犬を梨子の方に向かわせると梨子は走って逃げて行き犬の方は遊んで貰って居ると思って居るのか梨子の事を追いかける

 

「戻っておいで」

 

「わんわん‼︎」

 

僕がそう言うと犬は梨子を追いかけるのを辞めて真っ直ぐ僕の所にやって来る

 

「よしよし、善子あんまりやり過ぎない方が良いよ。普段怒らないああ言う人が怒るのが1番怖いんだから」

 

「そうね」

 

「梨子ももう大丈夫だから戻って来なよ」

 

「えっええ」

 

僕がそう言うと梨子は恐る恐るさっきの位置まで戻って来た




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132話

「拾った?」

 

「違う出会ったの邂逅、Destinyが2人を引き合わせたの」

 

「昨日結構強めに雨降ったでしょ善子の所に向かう途中で拾ったんだ。多分迷い犬じゃないかって善子とは話したんだけど」

 

善子の言ってる意味がわからなそうにする梨子に僕はわかりやすく説明する

 

「そうだったの、それで善子ちゃんが飼う事にしたのね…違うの?」

 

「私の家、動物は禁止で」

 

「よくよく考えたらマンションて殆どの所がペット禁止だったのを思い出したんだ」

 

「そっそう」

 

「ねえ梨子、お願いがあるんだけど「聞かない‼︎」まだ何も言ってない!」

 

梨子は話の流れでお願いの内容を理解したのか即座に拒否する

 

「ほんの少しだけで良いの、この子の生きて行く場所は私が見つけるから「良い加減にしなよ善子」痛ぁ、何するのよ‼︎」

 

「そんな無理矢理するのは良くないから止めただけだよ」

 

僕は犬を抱えて梨子に詰め寄って行く善子を止める

 

「そうだ、花丸ちゃんかルビィちゃんに頼んだら2人なら」

 

「ダメずら丸の家もルビィの家も許可取るの面倒みたいだし」

 

「鞠莉の家はホテル、果南の家はお店があるし僕と千歌姉の家にはしいたけが居るから飼うのは少し難しいんだ」

 

「じゃあ曜ちゃんとか…」

 

「そんなに嫌なの?」

 

「嫌って言うか…「行け‼︎」うわぁぁ‼︎」

 

善子がそう言うとまた子犬は梨子を追いかけて行く

 

「梨子前見て!前‼︎」

 

「いやぁあ‼︎」ドン‼︎

 

「ちょっと2人共大丈夫⁉︎」

 

子犬から逃げる事に必死で前を見て居なかった梨子は僕にぶつかって2人共階段から落ちる

 

「痛た、ごっごめんなさい真也君」

 

「気にしないで梨子、元はと言えば子犬に梨子を追いかけさせた善子が悪いんだから」

 

「ねえ、あんた達今どう言う状況か分かってるの?」

 

善子がそう言うと途端に梨子の顔が赤くなる。善子の言う状況とは多分だけど梨子が僕を押し倒して居る事だろう

 

「ほっ本当にごめんなさい真也君」

 

「ううん、梨子が怪我してなくて良かったよ」

 

「とにかくお願い梨子、この子は堕天使ヨハネにとって神々の黄昏に匹敵する重大可決事項なの」

 

「はぁはぁ、わっわかったわ」

 

梨子が息を切らせながら渋々了承する

 

「ありがとう梨子、それじゃあ今日は遅いし私は帰るわ」

 

「明日からちゃんとこの子犬の住む場所探しなよ」

 

「分かってるわ‼︎」

 

善子はそう言って走って帰って行った

 

「はぁ、思わず引き受けちゃったどうしよう」

 

梨子はため息を吐きながらそう言う

 

「困った事があったらいつでも呼んで、家も隣なんだし直ぐに迎えるだろうから」

 

「ありがとう真也君、それで早速お願い良いかしら?」

 

「どうかしたの?」

 

僕は梨子と子犬のケージを梨子の家まで運ぶ

 

「わんわん‼︎」

 

「静かにして、まだお母さんにも言ってないんだから」

 

梨子の家について梨子のお母さんに子犬の事を話そうとしたが夕飯を作って居る最中だった為後で話す事になった

 

「もしかしてお腹空いてるのかな?善子ちゃんはこれが1番好きだって言ってたけど…ケージを開けないと食べられないし、ちょっと待って真也君私は外に出てるからその子がケージに入ったら呼んで頂戴」

 

そう言って梨子はそう言って部屋を出た所で僕も犬のケージの扉を開ける

 

「梨子は少し怖がり過ぎじゃないかな?しいたけみたいな大型犬が怖いのはまあ分からなくもないけどこの子は小型犬だし可愛いと思うけど」

 

「そっそう言う問題じゃないの…私小学生の頃に犬に追いかけられた事があってそれが物凄く怖くてそれ以来犬が苦手なの」

 

つまりその時のトラウマが原因で犬が苦手なんだ

 

「もう大丈夫だよ梨子、子犬はケージの中に入れたから」

 

「そっそう」

 

梨子はそう言って恐る恐る部屋の中に入って来る

 

「ふぅ、こんな調子で大丈夫かしら」

 

「梨子もう直ぐご飯よ、来てたのね真也君いらっしゃい」

 

「お邪魔してます」

 

そこに梨子のお母さんが入って来る

 

「あら?梨子いつの間に犬を克服したの?」

 

「違うの、この子は友達の犬で少しの間預かって欲しいって頼まれちゃったの」

 

「そうだったの、そうだ真也君夕飯食べて行かない」

 

「いえ、あまり長居しても迷惑でしょうし」

 

「良いのよ、今日はお父さんも遅いみたいだし。それに偶には私も若い男の子と話したいのよ」

 

そう言うと梨子は苦笑いを浮かべる

 

「まっまあ、お母さんの事は置いておいて私も真也君と次の作曲の話とかもしたいし」

 

「それじゃあお言葉に甘えて」

 

「千歌ちゃんには私から話しておくわ」

 

そう言って梨子は千歌姉に電話をかけ始めた




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133話

「1、2、3、4全員近づいて、千歌姉最後のポーズを間違ってる。ルビィはもう少し内側に行って」

 

「このくらい?」

 

ルビィの言葉に僕は頷く

 

「そろそろちゃんと覚えてよ千歌姉」

 

「う〜ん、何でだろう私はいつも通りやってるつもりなんだけど」

 

千歌姉が腕を組んでそう言う

 

「でも前よりかなり良くなったんじゃない?」

 

「確かに良くはなってるけど、それにつれて千歌姉と善子の初歩的にあるミスが目立って来てる」

 

「何でそこに私まで居るのよ‼︎」

 

「善子がミスするからに決まってるよ、分からない何て言わせないから」

 

僕がそう言うと善子は罰の悪い顔をする

 

「ではもう一度と言いたい所ですが」

 

空を見るともう日が沈み始めて居た

 

「日が短くなってるからね」

 

「怪我したら元も子もないし後は沼津で練習する時にして今日は此処までにしようか」

 

「じゃあ終わり!」

 

「うっうんそうだけど、もしかして梨子ちゃん何か用事あったの?」

 

嬉しそうにそう言う梨子に疑問を持ったのか千歌姉がそう聞く

 

「えっ…そっそうなのだから今日は先に帰るね」

 

「うん、バイバイ梨子ちゃん」

 

千歌姉がそう言うと梨子は一瞬振り返って手を振り帰って行った

 

「最近梨子ちゃん直ぐに帰っちゃうね」

 

「何かあったずら?」

 

「ボーイフレンドでも出来たのかしら」

 

鞠莉の言葉でその場に居た早く帰る理由が大体予想のつく僕と善子以外の全員が固まる

 

「it's joke本当にそうって決まった訳じゃないわ」

 

「あはは、でも何でだろ?梨子ちゃんの事だからそれこそ特別な理由があるんだと思うけど」

 

まあ分からないかもね、早く帰る理由が

 

「行くわよ真也、あの子を梨子の所から連れ戻すのよ」

 

「連れ戻すって梨子に預けたの善子じゃん」

 

「良いから行くわよ」

 

善子はそう言って僕を連れて行く

 

「真也君!今日は善子ちゃんの所でご飯食べるの?」

 

「ちゃんと家で食べるから待ってて!」

 

「分かった!」

 

僕は千歌姉にそう答えて善子と梨子の家に向かった

 

〜ルビィside〜

 

「それで千歌ちゃんさっき真也君にあんな事聞いてたんだ」

 

「うん、今日は真也君がご飯作る当番だったから楽しみだよ」

 

千歌ちゃんが笑顔でそう言う

 

「あ、さっきの善子ちゃんと真也君見てて思ったんだけどさ、善子ちゃんと真也君なんか前より距離が近くなってない?」

 

「言われてみれば確かに…いつ頃からだっけ?」

 

「確かわたくし達が真也へのサプライズで東京に向かった頃でしょうか?」

 

(それって…)

 

真君にサプライズで東京に行った日それは善子ちゃんが真君の事が好きだって分かった日

 

『私は諦めるつもりはないわよ。あんたがそんな風にうじうじしてるんだったら私が彼奴を振り向かせてみせる』

 

あの時善子ちゃんに言われた言葉もしかして善子ちゃん

 

「ルビィちゃん?」

 

「ピギィ!はっ花丸ちゃん?」

 

「どうかしたずらルビィちゃん何だか元気が無い気がするずら。何か困ってるならマルに話して欲しいずら」

 

「花丸ちゃん…お姉ちゃん!」

 

「どうかしましたかルビィ?」

 

私が呼ぶとお姉ちゃんは振り返ってそう言う

 

「あのね…」

 

「実は今日マルがルビィちゃんにお家にお泊まりしても良いか頼んだずら」

 

「そうでしたか、構いませんわ。ルビィもそうならそうと早く言って下さいね」

 

「うゆ」

 

違う本当はルビィが花丸ちゃんのお家にお泊まりしたいって言いたかった

 

「ありがとう花丸ちゃん」

 

「大丈夫ずらよルビィちゃん」

 

「あのね花丸ちゃん、今日の夜お話ししたいからルビィのお部屋で一緒に寝よう」

 

「分かったずら」

 

「ルビィ、花丸さん降りますわよ」

 

「「待って(ずら)お姉ちゃん(ダイヤさん)」」

 

私と花丸ちゃんはそう言って降りて行くお姉ちゃんを追いかけた

 

〜ルビィside out〜




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134話

「こんばんは」

 

「真也君と善子ちゃん」

 

梨子の家に着いてインターホンを鳴らすと梨子のお母さんが出て来る

 

「すみません、梨子帰ってますか?」

 

「ええ、ついさっき帰って来たわ上がって」

 

「おじゃまします、ほら行くよ善子」

 

そう言って僕と善子は梨子のお母さんに着いて行く

 

「梨子、お友達よ」

 

「真也君、それに善子ちゃんも」

 

「ヨハネよ」

 

「あら、まだそのわんちゃん居たの?」

 

「あ…うん、もうちょっとだけって言われちゃって」

 

梨子は苦笑いでそう言う

 

「でも梨子ちゃん犬苦手だから私が預かろうかなって」

 

「あら?善子ちゃんの家はマンションだからダメって聞いたけど」

 

「2人共犬が中に居るんだからそんなに動かしちゃ落ち着かない」

 

そう言って僕は2人から犬のケージを取り上げて地面に置く

 

「少しなら良いかなって思ったのよ」

 

「あら、ダメって言うから私が預かったのよ?さあご飯にしましょうねノクターン」

 

「ノクターン…」

 

「すみません騒がしくしちゃって」

 

「良いのよ真也君、ごゆっくり」

 

梨子のお母さんはそう言って扉を閉める

 

「ちょっとノクターンって何よ‼︎」

 

「この子の名前、何時迄もわんちゃんじゃ可哀想でしょ」

 

「この子は私が出会ったの!それに名前もライラプスって言う立派なのが‼︎それに梨子犬苦手何でしょ‼︎」

 

あ、犬で思い出した

 

「ねえ3人共ちょっと良いかしら?今日沼津の方でこの紙を貰って来たんだけどその子じゃない?」

 

「「あ〜!」」

 

そのビラに映って居たのは間違いなく此処に居る犬だった

 

「やっぱりあの紙の犬この子だったんだ」

 

「えっ、真也君気づいてたの⁉︎」

 

「前に沼津に行った時に駅に貼ってあったのをさっき思い出したんだ。迷子になった日を考えても多分この子だろうね。取り敢えず此処に書いてある電話番号に掛けてみよう。誰が預かるかはその後」

 

僕はそう言って紙に書いてある番号に電話を掛けた

 

「あんこ、良かったね。あ!どうしたのあんこ」

 

あんこがこっちに来たから善子と梨子は腕を前に出して抱えようとするがあんこは2人をスルーして僕の所に来た

 

「君名前あんこって言うんだ」

 

「わん!」

 

「少しの間だけだったけど楽しかったよ」

 

僕がそう言うとあんこは女の子と所に戻って行った

 

「あんこ他の2人にもちゃんとお礼を言いなさい」

 

「わん‼︎」

 

母親にそう言われた女の子はあんこを梨子と善子の所に連れて行く

 

「ありがとうお姉ちゃん達」

 

「ど…どう致しまして」

 

梨子がそう言ってあんこの頭を撫でようとするとあんこは梨子の手を舐める

 

「それじゃあ失礼します」

 

「バイバイ!」

 

あんこは女の子と母親と一緒に車に乗り込む

 

「う…うわ〜ん、ライラプス〜」

 

「あんこだって善子」

 

「うっさいわね、分かってるわよ後ヨハネよ!」

 

此処まで言い返せるなら大丈夫何だろうけど、本当に分かってるのかな?善子は沼津に住んでる訳だし偶然あった時なんてライラプスって呼ぶんじゃないかな?

 

「梨子?大丈夫?」

 

「えっええ大丈夫よ」

 

そう言う善子はあんこの乗った車を何時迄も眺めて居た

 

「それより善子バスの時間大丈夫なの?」

 

「あ‼︎最終バス行っちゃってる…」

 

僕に聞かれて慌ててバスの時間を確認した善子がそう言う

 

「何となくそんな気はしてたけど仕方ない、今日はもう遅いし旅館に泊まって行きなよ。梨子もどう?」

 

「そっそれじゃあお言葉に甘えて」

 

「分かった、一先ず善子は美星さんに電話、梨子はお母さんに十千万に泊まる事を伝えて来て」

 

「「分かったわ」」

 

そう言って善子は美星さんに電話を掛けて梨子は家に戻って行った




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135話

「真也君、真也君、善子ちゃんと梨子さん何かあったずら?」

 

「まあ、大体の予想は付いてる」

 

翌日の放課後、練習を始めようとしているんだが善子と梨子の情緒が不安定だ。多分昨日のあんこが忘れられないんだろう木の枝で地面に描いてるのも犬だし

 

「ノクターン…」

 

「ライラプス…」

 

「はいはい、2人共その名前は辞めようね」

 

このままだと2人が練習に集中出来ない、仕方ない

 

「行くよ2人共」

 

「しっ真也君⁉︎」

 

「ちょっと行くって何処によ‼︎」

 

僕は善子と梨子の手を引いて目的地に向かう

 

「ごめんダイヤ、明日までにこの2人には元に戻って貰うから今日は早めに帰らせて」

 

「仕方がありませんわね、今の状況ですとお2人共練習に集中できないでしょうし今日の所は多めに見ますわ」

 

「ありがとうダイヤ、ほらしっかり歩いて」

 

「えっええ」

 

「全く何なのよ‼︎」

 

そこから僕は昨日貰った地図通りに歩く

 

「この家だ」

 

「目的地って此処?」

 

「誰かのお家かしら?」

 

梨子と善子が疑問に思っていると昨日の女の子とあんこが家から出て来る如何やら散歩に行くらしい

 

「あれはライラプス!」

 

「はいはい、だがら辞めようね」

 

僕はあんこに向かって行こうとする善子の制服を掴み止める

 

「今から散歩に行くのかしら?」

 

「如何だろ?あれ?あの子家に戻って行った」

 

女の子は忘れ物をしたのか家の中に戻って行く

 

「今よライラプスこっちにいらっしゃい」

 

「わんわん‼︎」

 

すると善子の声に反応したのかあんこがリードを強く引っると門の持ち手から離れこっちに向かって来る

 

「ああライラプスやはり私と貴方は惹かれ合う運命にあるのね」

 

「よしよし」

 

あんこは善子を避けて僕の所に来た

 

「つまりさっきのは善子ちゃんの声に反応した訳じゃなくて」

 

「多分僕の匂いかな?」

 

「あんこ〜‼︎」

 

すると女の子が戻って来てあんこを探している

 

「ほら呼んでるよあんこ」

 

「クゥン」

 

あんこは寂しそうな声で鳴く

 

「あ!あんこそこに居たんだ、お姉ちゃん達も」

 

「こんにちは、もえちゃんであってたよね?この近くを通ったから寄ってみたんだ」

 

「そんなんだ!」

 

もえちゃんはそう言って笑う

 

「それで今から散歩に行くの?」

 

「ううん、もう直ぐ雨が降るからまた後でって」

 

そう言えば朝天気予報でそんな事言ってた気がする

 

「そっか、それとあんこの事だけど今見た感じだとあんこが引っ張ったら直ぐに外れてまた迷子になると思うから気をつけた方が良いよ」

 

「うん!ありがとうお兄ちゃん、ほら帰ろうあんこ」

 

「わん‼︎」

 

あんこはもえちゃんと一緒に家に戻って行く

 

「分かったでしょ善子、あの方があの子にとっても幸せなの」

 

「ええ、私と居た時もライラプスはあんなに喜ばなかったわ」

 

善子がそう言うと雨が降り始めた




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136話

「ねえ、堕天使って居ると思う?」

 

善子は僕の貸した傘に入りながらそう言う

 

「え?」

 

「私ね小さい頃からすごく運が悪かったの、外に出ればいつも雨に降られるし、転ぶし、何しても自分だけ上手くいかないし」

 

そう言えば初めて善子と会った時も雨の日だったし善子はドロドロで半泣きだったからその日も数え切れない程に転んだんだろう

 

「それで思ったの、きっと私が特別だから見えない力が働いているんだって」

 

「それで堕天使」

 

「ええ、勿論堕天使何て居ないってそれはもう何となく感じてる、クラスでも言わないようにしてるし、でも小学生の頃はそれも悪くないって思ってた。その不幸のお陰で私はあの子に会えたから」

 

善子の言うあの子はきっと僕の事だろう

 

「あの子?」

 

「ええ、前に話したでしょツリーハウスを一緒に作った男の子高校生になってその子と再会したの。その子は私の初恋の相手だったわでももう他の子と付き合ってたの。昔と違って意地悪になってるけど昔と変わってない所の方が多いわ、ねえ真也」

 

善子はそう言って僕を見る

 

「そこで僕に振るかな?」

 

「え?え⁉︎もしかして今の全部真也君の事⁉︎」

 

梨子も僕が善子とツリーハウスを作った男の子だって気づいたらしい

 

「そうだよ梨子、僕が善子とツリーハウスを作った男の子だよ」

 

「そうだったの…あれ?ちょっと待って⁉︎それじゃあ善子ちゃんの初恋の相手って」

 

「ええ、真也よ」

 

「いつ知ったの?少なくともAqoursに入りたての頃はその相手が真也君だって知らなかったんじゃない?」

 

梨子の言う通り善子はAqoursに入りたての頃は僕がその男の子だと気付いていなかった。そして僕も善子だと気付いていなかった

 

「気付いたのは前のラブライブの予備予選の後に行った春風、そこでその男の子に渡したキーホルダーを真也が持ってたのよ」

 

「真也君の性格からして誰かから奪ったりしたって事はないだろうから善子ちゃんの相手は真也君で間違いないでしょうね」

 

そこまで言って梨子はある事に気付く

 

「ちょっと待って、その時ってもう真也君とルビィちゃん付き合ってなかったかしら?」

 

「うん、付き合ってたよ」

 

「それにしては振った女の子が泣いてるからって優しく抱きしめて慰めるのはどうなの?」

 

「仕方ないよ、僕はその時それが1番良いと思ったんだから」

 

それに善子も泣きながら僕にしがみついて来てたよね?

 

「それに私はその事でルビィに気を使ったりするつもりは無いわ、ルビィにも言ってるもの何時迄もうじうじしてる様なら私が真也を振り向かせるって」

 

「僕がいない所でそんな事話してたんだ」

 

「強いわね善子ちゃんは、私だったら直ぐに諦めちゃうと思う」

 

普通だったら梨子の言う通り諦めてるね

 

「だから真也があの時の子だって知った時また少し思っちゃったの本当にそう言うの無いのかなって、運命とか見えない力とか、あの子に出会ったのもそんな時、何か見えない力で引き寄せられる様だった。これは偶然じゃなくて何かに導かれてるんだって、あの時真也に出会えた時みたいに不思議な力が働いたんだって」

 

「善子ちゃん」

 

「結局は偶然だったけどね、このヨハネに気付きもしないで真也の所に真っ直ぐ向かうなんて、気付いてない様なものよ!」

 

それは仕方ないよ相手は所詮犬なんだから

 

「でも僕は気付いてた、何となくだけど最初に見た時から善子と会うのは始めてだと思えなかったから」

 

「そうね、私も同じだったとは言えあんたがあの子だなんて思いたく無かったもの」

 

「あはは、でも良いわねそう言うの本当の友達って感じがして」

 

「そうね、悪い気はしないわ」

 

善子は僕と梨子から顔を逸らしてそう言う

 

「雨」

 

「止んだわね」

 

気が付くと雨は止んでいた

 

「これ以上遅くなるのも辞めといた方が良いし帰ろう」

 

「そうね…うげ、お母さんから凄い電話来てる」

 

「あ、私も」

 

「僕もだ、それに千歌姉だけじゃなくてルビィとダイヤからも」

 

携帯を見た後僕達は顔を見合わせて笑う

 

「それじゃあ私はこっち」

 

「僕達はバスだから」

 

「善子ちゃん、見えない力はあると思う善子ちゃんだけじゃなくてどんな人にも、だから信じている限りその力は働き続けていると思うよ。真也君と善子ちゃんがもう一度再会出来たみたいに」

 

梨子はそう言って善子に微笑む

 

「流石私のリトルデーモン達、ヨハネの名において貴方達を上級リトルデーモンに認定してあげる」

 

「「ありがとうヨハネ(ちゃん)」」

 

「善子‼︎あれ?」

 

疑問符を浮かべる善子を他所に僕と梨子はバスに乗り込んだ

 

「真也君、少し側にいてね」

 

「うん、居るから無理はしないでね」

 

梨子は家に帰る前にもう一度しいたけに挑戦するらしい

 

「それにしても何で急に?」

 

「私ね善子ちゃんの話を聞いてもしかしたらこの世界に偶然は無いんじゃ無いかって思ったの、だからしいたけちゃんとの出会いも大切にしなきゃって」

 

そう言って梨子がしいたけに手を伸ばすとしいたけはその場を動かずまるで梨子を待ってる様だ

 

「頑張って梨子もう少しだよ」

 

梨子は頷きしいたけの頭を撫でようとする

 

「はあ」

 

「良かったねしいたけ、梨子が慣れてくれて」

 

「え?」

 

「しいたけ梨子に怖がられる度に寂しそうにしてたからきっと喜んでると思うよ」

 

「そうだったの…ごめんなさいしいたけちゃん」

 

梨子はそう言ってしいたけを撫でるもう完全に慣れたみたいだ

 

「わん‼︎」

 

「え?きゃ!」

 

しいたけは梨子に撫でて貰えたのがよっぽど嬉しかったのか梨子の顔を舐め回す

 

「お帰り真也君、梨子ちゃん⁉︎わあ〜!だめだよしいたけ‼︎」

 

「しいたけ!」

 

僕と千歌姉がしいたけを何とかして梨子から引き離す

 

「だっ大丈夫梨子?」

 

「えっええ、でもしいたけちゃんに慣れるのはもう少しかかりそうかも」

 

それから数日後、ようやく梨子は何の抵抗もなくしいたけを触れる様になった




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137話

「花丸、善子テンポ遅れ気味だよ。千歌姉はその逆で少し早い他の皆んなはそのままキープし続けて」

 

「「「はっはい」」」

 

僕の声に3人はそう返す

 

「今日も疲れた」

 

「ずら」

 

練習を終えた千歌姉と花丸はそう言って地面に寝転ぶ

 

「全くお2人はもう少し羞恥心と言う物を持ってはどうですか」

 

「そうだよ千歌ちゃん、此処には私達以外にも真也君が居るんだからさ」

 

「え〜、良いよ真也君なら」

 

「丸もずら」

 

2人共それは女子としてどうなの

 

「ほら千歌姉それと花丸も早くしないと置いて帰るよ、皆んなも2人の事は気にせず放って帰ってくれて良いから」

 

「そうですわね、放っておきましょうかルビィ帰りますわよ」

 

「う…うん」

 

「それと皆んな、明日から1週間練習は休みにするよ」

 

僕の言葉を聞いて皆んなが疑問符を浮かべる

 

「このタイミングで?」

 

「このタイミングだからこそだよ、この後の地区予選を突破したら殆ど休んでる暇なんて無いくらいに練習をしないとだから休める時には休んでおいた方が良いんだよ」

 

「成る程、流石スクールアイドルのトップA-RISEの元マネージャーだよ」

 

「そうね、スケジュールの管理は真也君に任せましょう」

 

「それがマネージャーの役目だからね、そろそろ立って花丸それじゃあ帰ろっか」

 

僕がそう言うと花丸は立ち上がり今度は誰も千歌姉を待たずに屋上を出る

 

「酷いよ皆んなして千歌を置いて帰ろうとするなんて」

 

「当たり前よ、真也君が言っても私達が言っても起き上がらなかったんだもの」

 

「まあ千歌ちゃんらしいけどね」

 

本当にこの姉はもう少しだけでもしっかりしてくれれば良いんだけど

 

「あ、それと千歌姉明日から僕居ないから」

 

「え!何処行くの⁉︎千歌も連れてって‼︎」

 

「ダイヤの家だけど千歌姉も来たいなら」

 

「や…やっぱり辞めとこうかな」

 

千歌姉はそう言ってちらりとダイヤを見る

 

「何ですの千歌さん?わたくしの顔に何かついていますか?」

 

「い…いえ、何でも」

 

「実は千歌姉も来たいって言ってて」

 

「あらそうでしたか、でしたらいらっしゃっても大丈夫ですわよ?」

 

「えっと…その…」

 

多分だけど千歌姉は上手い言い訳を考えているんだろう。千歌姉の事だから放っておいたらまた寝坊する癖がつく、そうならない為にダイヤの家に連れて行けば良いんだ

 

「良かったね千歌姉、さっき連れてって言ってたよね」

 

「うう…真也君の意地悪…」

 

こうして千歌姉は練習が休みの間は僕とダイヤの家に行く事が決まった

 

「ではわたくし達は先に失礼しますわ、ルビィ」

 

「うん!またね真君‼︎」

 

ルビィはそう言ってダイヤはバスを降りて行った

 

「酷いよ真也君‼︎遅くまで寝てたら絶対ダイヤさんに怒られるよ!」

 

「起きるのが遅かったらどっちにしろ僕が怒るよ、最近はマシになって来てたのにまた寝坊癖がついたら千歌姉の場合絶対に毎日の様に朝練に遅刻するんだから」

 

『あ〜』

 

僕の言葉を聞いて皆んなが納得した声を上げる

 

「取り敢えず明日の土曜日のお昼から出発だからそれまでに準備終わらせてね」

 

「は〜い」

 

千歌姉はあからさまに落ち込んでそう答えた




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138話

「それじゃあ行って来るね、千歌姉も早く降りて来なよ!置いて行くよ‼︎」

 

「わ〜、待って真也君‼︎」

 

翌日、僕が玄関でそう言うと上から千歌姉の声と物音が聞こえる

 

「本当に大丈夫なのか千歌も連れてって」

 

「大丈夫だよ美渡姉ちゃん、僕も一緒だから」

 

「まあお前が居るからあんま心配はしてないがあの子の家って名家なんだろ、千歌が何か壊さないように注意しててくれよ」

 

やっぱり美渡姉ちゃんも考える所はそこなんだね

 

「うん、その辺りは1番気を付けるつもりだから、もしもの時は千歌姉を置いて帰って来るよ」

 

「そうか、おいバカ千歌さっさとしろ‼︎」

 

「今行くよ‼︎よし、行こっか真也君」

 

そう言って千歌姉はリュックを背負って降りて来た

 

「昨日も言ったがあんま迷惑かけんなよ」

 

「分かってるよ美渡姉」

 

「お前が1番迷惑掛けそうなんだよ、真也此奴の事本当に頼むぞ」

 

「うん、行って来るよ」

 

「いってきま〜す‼︎」

 

そう言って僕と千歌姉はルビィとダイヤの家に向かった

 

〜ダイヤside〜

 

わたくしが起きるとまだ外も薄暗い時間だと言うのにルビィの部屋の灯りが付いていた

 

「ルビィ入りますわよ、何をしているんですの」

 

わたくしがそう言ってルビィの部屋に入るとルビィの部屋は一面服で埋まっていた

 

「お姉ちゃん、うう…どうしよう服が決まらないよ〜‼︎」

 

ルビィは泣きながらそう言ってわたくしに抱きついて来た

 

「だから昨日の内に準備をする様にとあれ程…」

 

そこまで言ってわたくしはルビィの目の下にクマがある事に気づく

 

「ルビィ、もしかして貴方寝てないのですか?」

 

「うゆ、昨日の夜からずっと選んでるんだけど全然決まらなくて」

 

昨日の夜に聞こえた服の擦れる音と啜り泣く声の正体は服を決められない貴方でしたのね

 

「また随分と出しましたね、わたくしの古着まで」

 

「お姉ちゃんの昔の服今のルビィなら丁度良いから」

 

「全く一度出した服をきちんと畳んで片付ければこうはならなかったでしょうに」

 

「何度か片付けたんだ、でもどれも可愛い服ばっかりで決められなくて」

 

ルビィの姿を見て以前小さくなった真也と遊ぶ前日の夜に服選びに長い時間を掛けた自分の姿を重ねる

 

(わたくしの妹ながら悩む点は同じと言う事ですわね)

 

「ルビィわたくしも手伝いますわ、幸いにも真也と千歌さんが来るまでまだ時間もありますわ」

 

「ありがとうお姉ちゃん」

 

そう言ってわたくしはルビィと服を選び余計な服を片付ける

 

「ありがとうお姉ちゃん、ルビィが1人でしなきゃって思ってたんだけど…やっぱりお姉ちゃんが居なきゃルビィ何も出来ないよ」

 

「そんな事ないですわ、今は少しでも良いので寝なさいルビィ」

 

「うゆ」

 

ルビィは頷きその服を枕元に置いて布団に入って眠りに着く

 

「全く、この子はもう少し自分に自信を持って欲しいですわね」

 

わたくしは眠っているルビィを見ながらそう呟いた後部屋を出た

 

〜ダイヤside out〜




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139話

「ほらもう着くよ起きて千歌姉

 

「真也君…後5分」

 

僕と千歌姉はバスでダイヤとルビィの家の近くのバス停まで向かって居るが千歌姉が寝てしまって起きない

 

「もう5分もしない内に着くから起きて」

 

「う〜ん…ふぁ〜、おはよう真也君」

 

「やっと起きた、ほらもう降りるよ」

 

「は〜い」

 

僕は眠そうな千歌姉の手を引きながらバスを降りた

 

「相変わらずおっきいね真也君」

 

「そうだね千歌姉」

 

そう言って僕は家のチャイムを鳴らす

 

「よくいらっしゃいましたわ、真也、千歌さんもお待ちしていましたわ。自分の家だと思って寛いで下さいませ」

 

「宜しくお願いしますダイヤさん」

 

「立ち話もなんですので中で話しましょう」

 

ダイヤはそう言って僕と千歌姉をリビングに連れて行ってくれた

 

「宜しくダイヤ、そう言えばルビィは」

 

「ああ、あの子ならまだ寝ていますわ」

 

珍しい、何時ものルビィならもう起きてても良い時間なのに

 

「何かあったんですかダイヤさん?」

 

「お2人が来るのでルビィも緊張していたのでしょう。朝方まで洋服を選んでいましたわ」

 

そんなに悩んでたんだ、ちょっと悪い事しちゃったかな?

 

「ふぁ〜、おはようお姉ちゃん…今何時…」

 

「おはようございますルビィ、着替えていらっしゃい真也と千歌さんがいらっしていますわよ」

 

ダイヤにそう言われたルビィは僕と千歌姉に目を向ける

 

「し…真君⁉︎なっ何でお昼からって‼︎」

 

「取り敢えずダイヤの言う通り着替えて来たら?」

 

「うん!直ぐ着替えて来る‼︎」

 

ルビィはそう言って大急ぎで食堂を出て行く

 

「…ぴぎゃぁあ‼︎しっ真君‼︎…」

 

「「「……」」」

 

ルビィの部屋と食堂はそう離れていないからなのかは知らないけど物凄い物音とルビィの悲鳴が聞こえる

 

「僕ちょっと見て来ます」

 

「ええ、真也ルビィの事お願いしますわ」

 

僕はダイヤの言葉に頷いてルビィの部屋に向かった

 

「どうかしたのルビィ?入るよ?」

 

「真君!やっぱり今入っちゃダメ‼︎」

 

「何が駄目なのさ」

 

そう言って部屋の中に入ると何故か下着姿のルビィが居た

 

「何でそんな格好してるのさ風邪ひくよ」

 

「あっあれ…」

 

ルビィの指さす方には虫が居た、それもこの家にはあまり居なさそうな黒い虫が

 

「この家にも居るんだ」

 

そう言って僕はその虫を近くにあったノートの紙を破りその虫を捕まえて潰して丸めてゴミ箱に捨てる

 

「もう大丈夫だよルビィ」

 

「うゆ…ありがとう真君」

 

「うん、取り敢えずまた外に出て待ってるから服をちゃんと着てね」

 

僕がそう言うとルビィは顔を真っ赤にして頷いた




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140話

「戻りましたか真也、あら?ルビィどうかしましたか?随分と顔が赤い様ですが」

 

「なっ何でも無いよお姉ちゃん」

 

「そうですの?」

 

ルビィは必死に隠そうとしているが表情に出ていて隠しきれて居ない

 

「真也ルビィと何があったんですの?」

 

「実は…「わ〜真君言っちゃダメ‼︎」何でさ」

 

何があったか説明しようとするとルビィが慌てて僕を止める

 

「そうでしたの、それで真也どうして女性の部屋にノックも無しに入ったのですか」

 

僕が事情を説明するとダイヤに正座をさせられた

 

「何時も千歌姉達には特にノックとかはしないからかな?」

 

「確かに真也君一度もした事ないね、私もだけど」

 

志満姉ちゃんと美渡姉ちゃんの場合はノックしたりするけど千歌姉と楓それに母さんと父さんにもした事はない。そう言えば穂乃果さんとことりさんにもした事ないしされた事もないかも

 

「全く、お2人は兄弟ですので良いんでしょうがルビィは違います。それにルビィは少しずつ慣れてきたとは言えまだ人見知り特に殿方は苦手なのです。それだけは覚えておいて下さい」

 

「分かりました」

 

「分かればよろしいですわ」

 

あっさっきので思い出した

 

「ルビィ、ダイヤから聞いたんだけど朝方まで着る服を選んでたんだよね?何で?」

 

「え…」

 

僕がそう聞くとルビィの顔はみるみる悲しい表情になっていく

 

「え…えっと〜ルビィ?」

 

「…真也君、何か忘れてるんじゃないの?」

 

「…忘れてないよ、確かに遊びに行こうとは言ったけどそれは明日だし」

 

「…もしやルビィが勘違いをしているのでしょうか?それとなく探りを入れてみては如何でしょうか?」

 

そうした方がいいかもしれない

 

「…うん、そうするよ。ルビィ向こうで話そっか」

 

そう言って僕はルビィの手を取って縁側で座って話す

 

「ん〜、風が気持ちい」

 

「そうだね…」

 

縁側で話しているけど未だにルビィの表情は暗いままだ

 

「ねえルビィ、僕の勘違いなら悪いんだけど、もしかしてだけど明日遊びに行くって話したの今日だって勘違いしてる?」

 

「ふぇ?明日?」

 

「うん、明日」

 

僕がそう言うとルビィは必死に考えていき自分が勘違いをして居たと理解すると途端にさっき以上に顔が赤くなる

 

「うう〜、恥ずかしいよ〜」

 

「気にしなくても良いよルビィ、間違いは誰にでもある事なんだしさ」

 

「うん…あ…でもどうしよう‼︎今日これ着ちゃったから明日の分また探さなきゃ‼︎」

 

ルビィもう明日の事考えてくれてるんだ、千歌姉なら絶対後回しにして明日の朝くらいになってから慌て出してそれに僕も巻き込まれるんだよね

 

「ルビィ、その事は後回しにして出かけよう折角可愛い服着てるんだしさ」

 

「真君…うん!」

 

僕は笑ってそう言うルビィとバス停に向かった




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141話

「本当に昔から全然変わってないね」

 

数分後、バスに乗った後少し歩いて僕達が向かったのは昔2人でよく遊んだ花畑

 

「うん、ルビィ真君と会えなくなってからも此処ならまた真君に会えるんじゃないかなって思って何度も来たんだ。お母さんも良く来てて凄く気に入ってたんだよ」

 

「もしかして此処が変わらないのってそれが関係してるの?」

 

「うん、5年くらい前だったかな?此処って浦の星女学院から近いでしょ?だから此処に浦の星女学院の寮を建てようって事になった事があったんだ」

 

知らなかった僕が居ない間にそんな事があったなんて

 

「でもね、お父さんとお母さんが一生懸命に頼んで残して貰ったんだ」

 

「そっか、それじゃあ此処があるのってルビィのお父さんとお母さんのお陰なんだね」

 

「うん、でもその代わり此処のお花のお世話を任されちゃってお母さんが毎日お水をあげに来てるんだ」

 

そうなんだ、ルビィの家から此処までバスでも10分くらい掛かるのにそれを毎日なんて

 

「そう言えばルビィ確か此処の何処かにタイムカプセル埋めなかった?」

 

「そう言えば…ルビィ何入れたんだっけ?」

 

もう10年以上も前の話だから覚えてないよね、僕も此処の何処かに埋めたって事しか覚えてないし

 

「探してみる?」

 

「うん!あ、でもこのお洋服」

 

「確かに、凄く可愛いし汚したくないよね」

 

「うん、でも…やっぱりやるよ真君」

 

そう言ってルビィは辺りを探し始める

 

「多分これだ、あったよルビィ!」

 

「本当‼︎」

 

別々に分かれて探して居ると何か石の様な物を蹴ったがそれは石じゃなくてお菓子の缶だった

 

「見て真君、此処に殆ど消えてるけどルビィの名前書いてるよ」

 

「本当だ」

 

僕の名前の方は完全に消えてたがルビィの名前だけは薄らと分かるくらいに残ってた

 

「2人で開けるよルビィ」

 

「うん!」

 

そう言って僕とルビィは2人でお菓子の缶を開ける

 

「これルビィが無くしたと思ってたうさぎのキーホルダー!小学生の時にお姉ちゃんから始めて貰った誕生日プレゼント無くしたって凄く泣いたんだけどタイムカプセルに入れてたんだ」

 

「これってお土産屋とかに売ってる剣のキーホルダー、善子じゃないんだからさ、でもこれ以上に異様なのが入ってる」

 

缶の中にはその当時僕とルビィが大事にしてた物が入ってたけど予想外の物まで入ってた

 

「みかんだ。ルビィが入れたのかな?」

 

「多分僕だよ、千歌姉に渡されたのを入れたんだと思う。タイムカプセルを埋めた頃ってまだ食べ物が腐るとか分からないし」

 

でも流石にみかんはやり過ぎかもしれない。缶の中がみかんの匂いで一杯になってる。それにその肝心のみかんは色も変わり果ててるし

 

「手紙もあるね」

 

「うん、でも真君の方はみかんの汁で読めないね」

 

そう僕の手紙も入っていた事は入っていたしかしみかんの汁で字が滲んで読めなくなっていた

 

「ルビィの方は読めるんだよね?何て書いてるの?」

 

「えっと…しっ真君は見ちゃダメ‼︎」

 

ルビィは描いてる内容に少し目を通してから直ぐに僕に見えない様にするよっぽど恥ずかしい事が書いてあったんだろう

 

「でも服はかなり汚れちゃったね」

 

「あ…どっどうしよう真君‼︎こんなに汚して帰ったらお姉ちゃんに怒られちゃうよ‼︎」

 

「僕も一緒に謝るからちゃんと謝ろうルビィ」

 

「うん」

 

その後泥だらけになったルビィの服を見て僕とルビィは仲良く?ダイヤに怒られた




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142話

「随分と懐かしい物まで出て来ましたわね」

 

「本当、これも昔私が真也君に買ってあげたキーホルダーだよ」

 

「そうなんだ」

 

家に戻った僕とルビィは早速お風呂に入りタイムカプセルの中身を千歌姉達と見ていた

 

「これも昔わたくしがルビィに誕生日プレゼントで買った物ですわね、当時ルビィはとても大事にしていましたのでなくしてしまったと大泣きしていました」

 

「うん、ルビィもこのキーホルダー見た時に思い出した。タイムカプセルに入れてたなら何処を探しても見つからないわけだよ」

 

「私これ小さい頃すきだったなぁ、みかん怪獣みかゴン」

 

「そんな名前だったんだ」

 

僕とルビィが唯一何か分からなかったキーホルダーはみかゴンと言う名前らしい

 

「うん、確か昔みかん農家でやってたヒーローショーの敵キャラだよ。懐かしい、お小遣い貰った次の日によく見に行ってたよ」

 

千歌姉貰ったお小遣いをそんな事に使ってたんだ

 

「それ今でもやってるの?」

 

「う〜ん、確か2・3年前に終わったと思うんだけどもしかしたらまだやってるかも」

 

千歌姉が腕を組んでそう言う

 

「僕とルビィがタイムカプセルを埋めたのは11年前、その中に入ってたんだから11年前にはもう既にやってたって事だからもう終わっててもおかしくはないね」

 

「そうですわね、もしかするとヒーローショーで使う着ぐるみが紛失したり痛んだりして使い物にならなくなってしまったのかも知れませんわね」

 

「そうだ!今度行ってみようよ‼︎まだやってるならまた見たいし!」

 

「それ千歌姉がまた見たいだけじゃないの?」

 

「えへへ、そうなんだ」

 

千歌姉は照れ臭そうに笑いながらそう言う

 

「でも良いんじゃないかな?僕も少し気になるし」

 

「ルビィも」

 

「しっ仕方がありませんわね、わたくしも一緒に行きますわ」

 

そう言うダイヤも多少なりとも気になってるんだろう。一緒にの部分が少しばかり強調されていた気がする

 

「よ〜し!それじゃあ明日の朝から行ってみよう‼︎」

 

「千歌さん明日はダメですわ」

 

「え?どうしてですかダイヤさん?」

 

千歌姉朝言った事もう忘れてるよ

 

「でっですから明日は真也とルビィが…」

 

「あ、そっか明日は真也君とルビィちゃんデートに行くんだったね!」

 

「ピギィ!でっデート…」

 

ルビィはそう言って顔を真っ赤に染める

 

「あれ?どうしたのルビィちゃん?顔真っ赤だよ?」

 

千歌姉はそう言って心配しながらルビィに近づく

 

「なっ何でもないよ千歌ちゃん!ルビィもう寝るからおやすみ」

 

「うん、おやすみルビィちゃん」

 

そう言ってルビィは走って部屋を出て行った

 

「天然て恐ろしい」

 

「そうですわね」

 

「どうしたの真也君、ダイヤさん?」

 

僕とダイヤはそう聞いてくる千歌姉を何とか誤魔化して互いに自分の部屋に向かった




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143話

「1、2、3、4、1、2、3、4、こんな感じで良いの鞠莉?」

 

「oh good、此処の腕の角度は合わせたいね。花丸はもうちょい上げて、そうそうその角度を忘れないでそれじゃあインターバル後各個人で練習ね、真也花丸の角度とちかっちを特に重点的にね」

 

「分かったよ、花丸休憩の後もうちょっと頑張ってみよっか」

 

「ずら、それにしても疲れたずら〜」

 

あれから数日、練習の休みを終えラブライブの地区予選に向けての本格的な練習が始まった

 

「大丈夫花丸ちゃん」

 

「ずら〜、でも不思議ずら1週間練習がなかっただけなのに前よりずっと疲れた様に感じるずら」

 

「ちょっと押すよ花丸、やっぱり」

 

「ぐぬぬ、練習をしてた時よりもちょっと前に行かなくなってるずら」

 

「花丸は家で腕立て伏せを重点的にしててストレッチは少し疎かになってからだと思うよ次は気を付けようね、善子と千歌姉以外はその辺は大丈夫だろうけど」

 

ダイヤ達の家に行ってる時は毎晩寝る前にストレッチをしてた千歌姉だけどダイヤ達の家から帰って来てからはやらなくなってたから多分ダイヤ達の家にいた頃よりも前に行かなくなってるだろう

 

「そうね、念の為に私達も試しておきましょう善子ちゃん」

 

「ええ、望むところよリリー」

 

「そうだね千歌ちゃんは私と一緒にやろう」

 

「うん!」

 

そう言って千歌姉達も互いに背中を押して体が硬くなってないか確かめる

 

「今は休憩中だよ真也君」

 

「一応確認はしておきたいしね、ルビィも大丈夫だよね?ダイヤの家に行った時もやってたし」

 

「うん、大丈夫だと思う」

 

そう言ってルビィは体を前に倒す

 

「うん、それだけ出来れば十分だよ」

 

「流石ルビィちゃんずら」

 

「花丸も少し硬くなってるけどそこまで出来るなら大丈夫だよ問題は」

 

「ぐぬぬ!」

 

「ふぐぐぐ!」

 

「「千歌(善子)ちゃん…」」

 

彼処にいる全然倒れてない2人だろうし

 

「曜、梨子もうちょっと強く押しても大丈夫だよ」

 

「そ…そうかしら?」

 

「そうだよ、変わって曜」

 

そう言って僕は曜と変わって千歌姉を押す

 

「痛い痛いよ真也君、もっと優しく!」

 

「ストレッチを怠った千歌姉が悪いんだから我慢して、ほらもっと強く行くよ」

 

そう言って僕は更に強く千歌姉を押す

 

「痛たたた!」

 

「善子ちゃん、多分次は善子ちゃんだろうから今の内に少しは出来る様になっておいた方が良いんじゃないかしら」

 

「そっそうね、ぐぬぬ!」

 

隣にいる善子は自分に来た時の為に更に梨子に更に強く押して貰っている

 

「うん、そのくらいまでいければ大丈夫だよ善子」

 

「はぁはぁ、キツかった」

 

「これに懲りたらストレッチを毎日継続して続ける事それさえしてれば大丈夫だから、千歌姉は家に帰ってからも続けるから覚悟してる事」

 

「は〜い」

 

僕がそう言うと千歌姉はあからさまに落ち込んでいた




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144話

「真也君何見てるの?」

 

「これ?ラブライブの全国大会出場が有力視されてるグループの一覧だよ」

 

曜の質問に僕はそう答える

 

「そんなのもあるの‼︎」

 

「ラブライブは人気のイベントだからね、確かA-RISEが2回目のラブライブに出た時の全国大会前にもラブライブの運営側がSNSでアンケートを取って上位10チーム位を紹介してたよ」

 

あの時のA-RISEはその中で7位と下の方に居たけどそれでもツバサさんもあんじゅさんも英玲奈さんも喜んでた

 

「ねえねえどんなグループがいるの‼︎」

 

「そんなに見たいならこのページのURL送るから自分で見て、後ろに居る人達も気になってるみたいだしそうなると1つの携帯で見るのは限界があるよ」

 

「確かに真也君の言う通りね、千歌ちゃん曜ちゃん私達は真也君が千歌ちゃんの携帯に送ってくれたURLから飛びましょう」

 

「そうだね、4人ならギリギリ見れるだろうし」

 

良かった、千歌姉達は3人で見てくれる事にしてくれた

 

「まあ4人でもかなりきついんだけどね」

 

「どうでも良いから早く見せなさいよ」

 

善子の言い方にイラッとして僕は善子の携帯にも千歌姉と同じ様にURLを送る

 

「そんなに見たいなら自分ので見なよ」

 

「あ…えっと…ごっごめん」

 

「全く、やっぱりトップはA-RISEだね」

 

「そうだね」

 

そのページを開いて1番上に出て来るのはA-RISEこれはもうラブライブが開催された時の恒例になって来てる

 

「その下はSaint snow、まあおかしくは無いかなPVもいくつか見たけどあの2人も東京でのイベントの時よりもかなり上達してたし」

 

Saint snowから2つ下は知らないグループだったけどその次に知ってるグループの名前があった

 

「μ'sだよ真君!穂乃果さん達も頑張ってるんだ」

 

「それでその下がマル達Aqoursズラ」

 

「こうしてみると私達って結構人気あるのね」

 

「だね、全国大会出場の有力グループの10グループの中に入ってるグループはそれなりに人気のあるグループばかりだしね。そのグループの名前をタップしたらアンケートの時に何て書かれてたのかとか見れるし」

 

僕はそう言ってAqoursの名前をタップする

 

「本当だ!」

 

「ルビィちゃん可愛い」

 

「花丸ちゃん可愛い」

 

「一言コメントだけって言うのもあれば本当に分析みたいな事して書いてくれてる人もいるのね」

 

「こう言うのはマネージャーでも気づけない所だからラブライブの全国大会前は重宝してるよ」

 

「確かに、マネージャーとかじゃなくてほぼ赤の他人って言っても良い様な人の意見だけどこうしてみると私達に何が足りないかとか少し見えて来るかも」

 

「皆さん、休憩の時間はとっくに終わっていますわよ」

 

僕達が恐る恐る振り返るとそこには怒ったダイヤが居た

 

「今直ぐに練習を再開なさい‼︎」

 

『はっはい‼︎』

 

千歌姉達はそう言って練習を再開した




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145話

「Aqoursらしさ?」

 

「うん、私達だけの道を歩くってどう言う事だろう。私達の輝きって何だろ?それを見つける事が大切なんだってラブライブに出て分かったのにそれが何なのかまだ言葉に出来ない。まだ形になってないだから形にしたい、形に」

 

翌日の放課後屋上で練習してると千歌姉がそんな事を言い出す

 

「このタイミングでこんな話が千歌さんから出るなんて運命ですわ、あれ話しますわね」

 

「え、でもあれは」

 

「何?それ何の話?」

 

「2年前、わたくし達3人がラブライブ決勝に進むために作ったフォーメーションがありますの」

 

「フォーメーション?」

 

「フォーリンエンジェルズ?」

 

「ずら?」

 

「ら…ら…ら?」

 

「しりとりじゃないから」

 

そこで善子は初めてしりとりをしようとして居た事に気付く

 

「そんなのがあったんだ、凄い教えて!「ちょっと待って千歌姉」どうしたの真也君?」

 

「確か2年前のラブライブを辞退した理由鞠莉が足を痛めたからだよね?そのフォーメーションって鞠莉が足を痛めたのと何か関係してるんじゃ…」

 

「そう、そのフォーメーションをやろうとして鞠莉は足を痛めた。それに皆んなの負担も大きいの、今そこまでしてやる意味があるの?」

 

果南は千歌姉にそう問いかける

 

「何で?果南ちゃん今そこまでしなくて何時するの?最初に約束したよね精一杯足掻こうよ、ラブライブは直ぐそこなんだよ今こそ足掻いてやれる事は全部やりたいんだよ」

 

「でもこれはセンターを務める人の負担が大きいのあの時は私だったけど千歌にそれが出来るの」

 

「大丈夫、やるよ私」

 

千歌姉は真剣な表情で果南にそう言う

 

「はぁ、こう言い出した千歌姉は人の話は聞かないし果南そのフォーメーションのノート見せて」

 

「真也君「良いではありませんかあのノートを渡しましょう果南さん」ダイヤ」

 

「今のAqoursをbreakthroughする為には必ず越えなくちゃならないwallがあります」

 

「今がその時かも知れませんわね」

 

鞠莉とダイヤがそう言うと果南は渋々ノートを取り出す

 

「言っとくけど危ないと思ったらラブライブを危険してでも千歌を止めるからね」

 

「そうならない様にする為にマネージャーが居るんだよ果南、取り敢えずはフォーメーションを確認しない事には始まらないから見せて」

 

そう言って僕は果南からフォーメーションの書かれたノートを受け取る

 

「確かに、センターの人にはかなりの負担は掛かるね」

 

「でしょ「でも全くやれない訳じゃ無い」そっか」

 

果南はA-RISEのマネージャーをしていた僕ならフォーメーションを見てセンターに掛かる負担は分かって貰えると思ったんだろう。確かにセンターには負担は掛かる、でも全く出来ないって訳じゃ無い

 

「千歌姉、明日から千歌姉には皆んなよりも練習の時間を作って貰う事になるよそれでもやる?」

 

「うん!勿論だよ!」

 

「分かった、千歌姉がそこまでやる気なら僕も出来る限り強力するよ」

 

「よーし!頑張るぞー‼︎」

 

「それじゃあ休憩は此処まで練習を再開して」

 

『はい!』

 

僕がそう言うと千歌姉達は練習を再開した




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146話

「痛たたた…思ったより難しいなぁ」

 

「なら辞める?」

 

「ううん、続けるよ真也君。もう1回お願い」

 

その日の練習の後、僕と千歌姉は果南から見せて貰ったノートに書かれてるフォーメーションの練習を部屋の中でしていた

 

「いっくよ〜!でりゃ〜‼︎」

 

「千歌姉そんなに勢い着けたら、あ」

 

僕がそう言った時には遅く千歌姉は勢いを殺し切れずに襖を壊して隣の部屋に居た美渡姉ちゃんに突っ込んで行った

 

「千歌〜‼︎」

 

「ごめん美渡姉!ごめんごめんて‼︎」

 

「どおすんのよ襖‼︎」

 

「ごめん美渡姉ちゃん襖は後で僕が直すから!待ちなよ千歌姉!」

 

「お客様の迷惑よ美渡、真也」

 

「「は〜い」」

 

僕はそう言って走って行った千歌姉を追いかける

 

「よっと…ととと!はぁ…はぁ…やっぱり難しいなぁ」

 

僕と千歌姉は場所を浜辺に変えて練習を再開する

 

「でも形にはなって来てる、どうする?今日の所は此処までにする?」

 

「ふぅ〜、ううんもう1回お願い真也君」

 

千歌姉はそう言って僕の手を取って立ち上がる

 

「もう夜も遅いし出来ても出来なくてもこの1回で今日の練習は終わりだからね」

 

「うん!でりゃ〜!うわぁ⁉︎」

 

千歌姉は砂に足を取られて勢い良く砂浜に倒れる

 

「大丈夫千歌姉?」

 

「うん、はぁ〜今日はダメだったか〜」

 

千歌姉は砂浜に寝転びながらそう言う

 

「1日で出来るなら鞠莉が足を痛める事も無かったと思うよ、ほら帰ろう千歌姉頑張ったしお菓子でも買って帰ろう」

 

「やった〜!ありがとう真也君‼︎」

 

そう言って僕と千歌姉は旅館に戻る

 

「う〜ん、何がいけなかったんだろ」

 

「多分千歌姉がいけないじゃないよ、単純に難しいんだと思う」

 

僕もフォーメーションの書かれたノートを見せて貰ったけど正直に言って僕がA-RISEのマネージャーをしてた頃には彼処まで難しいフォーメーションをしようだなんて思った事無かった

 

「ねえ真也君、真也君がA-RISEのマネージャーをしてた時もあんな風に練習したの?」

 

「うん、何度かした事もあったけど今千歌姉がやろうとしてるのと同じくらい難しいのは試した事が無かったよ」

 

「そっか〜、ん?それじゃあこれが出来る様になればもしかしたらA-RISEに勝てるかもって事⁉︎」

 

僕の言葉を聞いて千歌姉がそう聞いて来る

 

「絶対とまでは言わないよ、でも少しくらいならその差は縮まると思う」

 

「そうなんだ!よ〜し!明日も頑張るぞ〜‼︎」

 

「程々にしようね、此処で無理して千歌姉が倒れちゃったら練習の意味もなくてそれまでだから、帰ったらすぐお風呂に入って休もうね」

 

「は〜い」

 

僕の言葉に千歌姉はそう返した




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147話

「ほら起きなよ千歌姉、もう朝練始まるよ」

 

「ん…みかんが一杯」

 

フォーメーションの練習を初めて5日、朝練の時間になっても千歌姉が全く起きない

 

「練習の後に家でもフォーメーションの練習をしてて疲れてるのは分かるけど朝練にはちゃんと行こうよ」

 

「千歌姉、真也兄、梨子さんが来てるよ。まだ寝てるんだ千歌姉」

 

「そう全然起きないよ」

 

そこに僕と千歌姉を呼びに楓が来た

 

「本当に千歌姉は、真也兄は先に行ってて千歌姉は私が起こすから」

 

「うん、頼むよ楓」

 

そう言って僕は千歌姉を起こすのを楓に任せて梨子の所に向かう

 

「真也君、千歌ちゃんは…その様子だとまだ起きてないのね」

 

「うん、今は楓が起こしてくれてる」

 

玄関先に居る梨子とそんな話をしてから僕は梨子と朝練の行われる場所に向かう

 

〜ルビィside〜

 

「皆んな揃ってる?」

 

「千歌ちゃんと梨子ちゃんそれと真也君以外は皆んな揃ってるよ」

 

果南さんの質問に曜さんがそう返す

 

「珍しいですね、千歌さんは兎も角、梨子さん真也がまだ来てないなんて」

 

「そうずらね」

 

(どうしたんだろ…)

 

「あれじゃない?」

 

そう言った善子ちゃんの目線の先には少し離れた所から走って来る真君と梨子さんが居た

 

〜ルビィside out〜

 

「ごめんなさい」

 

「ごめん皆んな、千歌姉起こしてたら時間取られた」

 

「構いませんわ、まだ朝練の時間ではないですし」

 

(良かった朝練には間に合った)

 

僕は遅刻してもおかしくないと思ってたから少し安心する

 

「真也君、ずっと気になってたんだけどその袋の中身って何なの?」

 

「これ?朝起きて限定メロンパン買いに行ったら特別にって」

 

そう言って僕は人数分のメロンパンを取り出す

 

「お〜、限定メロンパンずら」

 

「良かったね花丸ちゃん」

 

「パン屋の人が特別に多めに焼いてくれたんだよ」

 

「それでは皆さん時間にもなりましたし朝練を開始しましょうか、遅刻して来た千歌さんは放課後追加メニューをして頂きますわ」

 

ダイヤのその言葉に頷き朝練を開始する

 

「はぁ…はぁ…おはよう皆んな」

 

「おはようではありませんわ!」

 

「ダイヤそれは後にしてそろそろバスが来るから」

 

千歌姉が到着したのは朝練が終わる頃ダイヤが千歌姉に説教を始めようとしていたので僕と果南で一度ダイヤを宥めてバス停に向かう

 

「全く、真也が起こしてくれているにも関わらず貴方は何時も何時も」

 

「うう…ごめんなさい」

 

バスに乗った途端に千歌姉はダイヤから逃げる様に席に向かおうとしてたけどダイヤに止められ隣に座らされて説教をされて居る

 

「美味しくて幸せずら」

 

「そっそうね…今度私も行ってみようかしら」

 

他のメンバーは僕が貰って来たメロンパンを食べて居る

 

「私初めて食べるよ限定メロンパン」

 

「前に千歌ちゃんが美味しそうに食べてるのを見て食べてみたいとは思ってたの」

 

「そう言って貰えると貰って来た甲斐があるよ」

 

そう言って僕はメロンパンを食べた




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148話

「何時でも良いよ千歌姉」

 

「千歌〜頑張って!」

 

「行きま〜す‼︎」

 

そう言って千歌姉が用意したマットに向かって走って来る

 

「うわぁ⁉︎」

 

「大丈夫?」

 

「だっ大丈夫、大丈夫」

 

いつきさんの声に千歌姉はそう返す

 

「もう一回」

 

「少し休もう、5日もこんな調子じゃ体壊しちゃうよ。放課後の練習の後も真也君に見てもらってるんでしょ?」

 

「ううん、まだ大丈夫もうちょっとで掴めそうなんだ」

 

梨子の言葉に千歌姉はそう返す

 

「地区大会まで後2週間なんだよ?」

 

「この前も言ったけど千歌姉が怪我したら練習の意味は無いんだよ?」

 

「うん、分かってるでもやってみたいんだ」

 

そう言って千歌姉は話し出す

 

「私ね1番最初に此処で歌った時に思ったの、皆んなが居なければ何も出来なかったって、ラブライブ地区大会の時もこの前の予備予選の時も皆んなが一緒だったから頑張れた。学校の皆んなにも町の人達にも助けて貰ってだから1つくらい恩返ししたい。怪我しない様に注意するからもう少しやらせて」

 

「分かった、後3回練習したら少し休憩を挟もう」

 

「うん!」

 

そう言って千歌姉は元の位置に戻る

 

「良いの真也君?」

 

「ああ言い出した千歌姉は聞かないからそれなら眼の届く場所でやって貰った方が怪我もしないだろうし「行くよ真也君‼︎」何時でも良いよ千歌姉!」

 

そう言うと千歌姉はまたマットに向かって走る

 

〜梨子side〜

 

「んあ、痛たた…「大丈夫!」平気だよ〜!真也君もう一回お願い」

 

「うん」

 

練習が終わった後、私達は浜辺で練習する千歌ちゃんと真也君を見ている

 

「気持ちも分かるし真也君も着いてるんだけど、やっぱり心配」

 

「だよね」

 

「じゃあ2人で止めれば?1番言って聞きそうな真也君が千歌の練習を見てるんだから2人くらいだよ」

 

「「う〜ん」」

 

果南さんにそう言われて私と曜ちゃんは言葉に詰まる

 

「嫌なの?」

 

「言ったじゃない気持ちは分かるって、それにやっぱり1番心配なのは真也君だろうし」

 

「そうだね。遅くまで頑張って練習してる千歌ちゃんの事誰よりもずっと側で見てるもんね」

 

真也君は練習が終わった後の千歌ちゃんの練習を私達の誰よりも見てるそしてそんな真也君だからこそ誰よりも千歌ちゃんの事を心配してる

 

「千歌ちゃん普通怪獣だったんです」

 

「怪獣?」

 

私の言葉に果南さんはそう聞き返す

 

「普通怪獣チカチー、何でも普通で何時も輝いてる光を遠くから眺めてて、本当は凄い力があるのに」

 

「自分は普通だって何時も一歩引いて」

 

「だから自分の力で何とかしたいって思ってる。ただ見てるだけじゃなくて自分の手で」

 

私達の言葉を聞いて果南さんは立ち上がって千歌ちゃんの所に向かった

 

〜梨子side out〜




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149話

「よっ!うわぁあ⁉︎」

 

数時間後、僕が千歌姉に引っ張られて連れて来られたのは夜の海だった

 

「力み過ぎだよ、もう少し肩の力を抜いて」

 

「うん!もう1回お願い」

 

「何度でも付き合うよ、それに少しずつだけどだんだん形にはなって来てる。後は千歌姉の頑張り次第だから」

 

「うん!やるぞ〜!」

 

そう言って千歌姉は同じ場所から走る

 

「大変だね真也君」

 

「曜もだよね、ごめんね千歌姉が」

 

「ううん、良いよ真也君」

 

そう言って階段に座って曜と千歌姉の練習を見ると後ろから足音が聞こえた

 

「千歌ちゃん」

 

「梨子ちゃんに頼むと止められちゃいそうだからって」

 

「でもこんな夜中まで」

 

「仕方ないと言えば仕方ないのかも、果南にあんな事言われた上に僕も少し言っちゃったし」

 

千歌姉が夜遅くまで練習する理由は夕方果南と僕に言われた事が関係してる

 

「千歌、約束して明日の朝までに出来なかったら諦めるって、良くやったよ千歌、もう限界でしょ?」

 

「果南ちゃん「僕も果南の意見に賛成だよ」え…」

 

千歌姉はそう言った僕を見る

 

「ラブライブの地区大会まで後2週間、そろそろこの練習に時間を割くのも厳しくなって来たから遅かれ早かれ今週中に出来なかったら辞めて貰うつもりで居た。それが少し早くなっただけ、それにこのままじゃ本気で怪我をしかねない。千歌姉が頑張りたいって気持ちも分かるよでもその前にも言ったよね頑張り過ぎて千歌姉が怪我しちゃったら意味がないって」

 

「真也君…」

 

僕がそう言うと果南は千歌姉の答えを聞く前に帰って行った

 

「果南は分かってるんだろうねあのフォーメーションがどれだけ難しいか」

 

「うん、2年前に自分が挑戦してたから尚更分かっちゃうのかな」

 

「真也君から見ても難しそうかしら?」

 

梨子の言葉に僕は頷く

 

「うん、はっきり言って簡単に出来る様になるフォーメーションじゃないのは事実だよ。ノートを見た時は正直千歌姉には少し難し過ぎるんじゃないかなって思った」

 

「それじゃあ「でも止められなかった」え?」

 

「ううん少し違う、止めたく無かった千歌姉がやるって言ってるんだからやらせてあげたかった。1人のマネージャーとしてじゃなくて千歌姉の弟として、勿論怪我しない範囲で」

 

そう言いながら僕は千歌姉の練習を見る

 

「やっぱり真也君って千歌ちゃんの弟かも」

 

「確かに」

 

そう言って曜と梨子は笑う

 

「どうしたのさ2人共突然笑い出して「真也君!今度は上手く行きそうだから近くで見てて‼︎」うん、今行く」

 

僕はそう言って千歌姉の所に向かった

 

「はぁ…はぁ…今度こそ出来るって思ったのに…何処がダメなんだろ私」

 

「「千歌ちゃん」」

 

そこに座って居た梨子と曜が歩いて来る

 

「焦らないで力を抜いて練習通りに」

 

「梨子ちゃん」

 

「出来るよ、千歌ちゃんなら絶対出来る」

 

そう言って梨子と曜は立ち上がる千歌姉を支える

 

「頑張って」

 

「見てるから」

 

「曜と梨子もこう言ってくれてるんだしさもう少し頑張ってみよう千歌姉」

 

「うん!「「「千歌(ちゃん)‼︎ファイト‼︎」」」皆んな」

 

声のする方向にはルビィ達が居た

 

「行くよ真也君」

 

「何時でも良いよ」

 

僕がそう言うと千歌姉は走りだしてジャンプする

 

「惜しかったね千歌姉、今まで見て来た1番上手く出来てたよ」

 

「ありがとう真也君、何でだろ…何で出来ないんだろ、梨子ちゃんも曜ちゃんも真也君も皆んなこんなに応援してくれてるのに、嫌…嫌だよ‼︎私何もしてないのに!何も出来てないのに!」

 

「ピー!ドッカーン‼︎ズビビビビ‼︎普通怪獣ヨーソローだぞー‼︎」

 

「おっと好きにはさせぬりこっぴーも居るぞ!」

 

曜と梨子のやり取りを見ながら千歌姉が立ち上がる

 

(こんな事してたんだ千歌姉…)

 

「まだ自分は普通だって思ってる?」

 

僕が内心引いてると曜が千歌姉にそう書く

 

「え」

 

「普通怪獣ちかちーで、リーダーなのに皆んなに助けられて、此処まで来たのに自分は何も出来てないって違う?」

 

「だってそうでしょ」

 

千歌姉がそう言うと2人は小さく笑う

 

「千歌ちゃん今こうして居られるのは誰のお陰?」

 

「それは学校の皆んなでしょ、街の人達に曜ちゃん梨子ちゃんそれに「1番大切な人を忘れてるよ千歌姉」何?」

 

「真也君の言う通りよ千歌ちゃん、今のAqoursが出来たのは誰のお陰?最初にやろうって言ったのは誰?」

 

「それは…」

 

梨子にそう聞かれて千歌姉は言葉に詰まる

 

「千歌ちゃんが居たから私はスクールアイドルを始めた」

 

「私もそう皆んなだってそう」

 

「他の誰でも今のAqoursは作れなかった、千歌ちゃんが居たから今があるんだよその事は忘れないで」

 

「曜ちゃん梨子ちゃん「2人に此処まで言わせたんだから失敗しましたじゃ済まされないよ」真也君…うん!これまで以上に厳しくお願い‼︎」

 

「僕もそうするつもりだから覚悟してね千歌姉」

 

そう言って千歌姉は練習を再開した




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150話

「千歌さん少し良いですか?」

 

地区大会から数日、放課後の練習終わりにダイヤが千歌姉を呼び止める

 

「どうかしたんですかダイヤさん?」

 

「貴方には今週の土曜日と日曜日はわたくしの家で過ごして頂きますわ」

 

「え?ダイヤさんのお家で?どうしてですか?」

 

「ええ、千歌さん貴方は地区大会当日までに何度朝練に遅刻をしたか覚えていますか?」

 

ダイヤの問いかけに千歌姉は腕を組んで考える

 

「えっと…5回くらい?」

 

「ぶっぶ〜ですわ‼︎答えは9回ですわ‼︎貴方は地区大会の当日迄の2週間の内の半分以上で遅刻をして居ますわ‼︎」

 

「そんなに⁉︎でっでも朝練に遅れた時の追加メニューも無かったですよね?」

 

「それは真也から練習に集中させてあげて欲しいと言われて条件付きでで了承したのですわ」

 

そう千歌姉が遅刻しても追加メニューが無かったのは僕がダイヤに頼んだから、でも流石に何も無しじゃダイヤは許してくれない

 

「真也君、その条件って?」

 

「千歌姉が遅刻した分は地区大会の後に先延ばしにするって条件で追加メニューを無しにして貰ったんだ」

 

梨子の質問に僕はそう返す

 

「遅刻が2日や3日であればわたくしも目を瞑るつもりでいましたわ。ですが‼︎半分以上も遅刻をしてしまった以上それ相応のメニューをこなして頂かなくてはなりません‼︎」

 

ダイヤの言葉を聞いて千歌姉は誰かに助けて貰おうとするが誰も千歌姉と視線を合わせない

 

「しっ真也君‼︎」

 

「千歌姉、頑張って」

 

「ご心配なさらずともご家族の方には真也とわたくしで話は通して居ますわ」

 

「いっ何時の間に」

 

その話をしたのは地区大会のライブが終わった後何だけど千歌姉は曜達と話してたからね

 

「でっでも着替えとか…」

 

「着替えの方は今朝楓さんから頂いて居ますわ」

 

「う…そっそう次の歌詞も考えなくちゃだから」

 

「そうおっしゃると思って歌詞ノートも受け取って居ますわ」

 

そう言ってダイヤは鞄から千歌姉の歌詞ノートを取り出す流石に此処までされたら千歌姉も逃げられない

 

「えっと…その…」

 

「何か他に必要な物が有れば全てわ・た・く・し・が用意しますわ」

 

ダイヤが圧を込めてそう言うと千歌姉は何も言わずに無言で頷いた

 

「それにしてもよく許して貰えたねルビィ」

 

僕がバスから降りるとルビィも一緒に降りて来たから話を聞くとルビィは十千万に泊まるらしい

 

「うゆ、お父さんとお母さんにお願いしたら行って来て良いよって。真君は嫌だったかな?」

 

「そんな事ないよ、そうだ土曜日と日曜日は練習も無いし2人で何処かに行こっか」

 

「うん!」

 

僕とルビィは何処に向かうか話しながら十千万に向かった




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151話

「ルビィ準備できた?」

 

「うん、終わったよ真君」

 

翌日、僕とルビィは東京に行く準備をしている

 

「良いな、真也兄ルビィさんと東京に行く何て」

 

「テスト前なんだから勉強してなよ」

 

「は〜い、そうだ今日綾人君と友達で泊まりで勉強会するから真也兄の部屋借りるね」

 

「良いよ楓、その代わり後片付けはちゃんとしてね」

 

僕はそう言って部屋を出る

 

「真也、叔母さん達に宜しくね」

 

「うん、行ってきます」

 

そう言って僕とルビィは十千万を出て駅に向かった

 

「ありがとう真君、ルビィのお願い聞いてくれて」

 

「僕がルビィに何処に行きたいか聞いたんだから気にしないで」

 

「うん!」

 

ルビィはそう言って満面の笑みを浮かべる

 

「ルビィ、ルビィ起きてもう直ぐ着くよ」

 

「ん〜…お姉ちゃん後5分…」

 

新幹線に乗り換えて降りる駅が近づいて来たからルビィを起こそうとするけど中々起きない

 

「ほらルビィ」

 

「うゆ…真君…」

 

「もう少しで降りるよ」

 

「うん…」

 

ルビィはそう言って覚束ない足取りで立ち上がって僕の手を取った

 

「ごっごめんね真君!」

 

完全に目が覚めたルビィは電車の中で僕に頭を下げて謝る

 

「気にしなくても良いのに、それにしても珍しいねルビィが寝不足なんて」

 

「実は真君と2人で東京に行くのが楽しみで中々眠れなかったんだ」

 

そうなんだ、確かによく見ると目の下にクマが出来てる

 

「言ってくれれば良かったのに」

 

「でも…きっと迷惑になると思ったから…」

 

「迷惑なんかじゃないよ、だから今度からちゃんと言ってね」

 

そう言って頭を撫でると最初は戸惑ってたルビィだけど次第に大人しくなって眠ってしまい降りる駅に着いても起きなかったからルビィを背負って春風に向かった

 

「ココアただいま」

 

「あの大人しいココアが走って行ったからどうしたのかと思ったらお前か真也」

 

「うん、後で遊ぼうココア」

 

僕はそう言って中に入って自室に向かいルビィを寝かせ毛布をかける

 

「それにしてもちゃんと残してくれてるんだ」

 

「わん!」

 

僕が床に座るとココアがボールを咥えて来た

 

「うん、約束だからね」

 

そう言って僕はルビィが起きるまでココアと遊ぶ事にした

 

〜ルビィside〜

 

「ん…おはよう真君…あれ?真君?」

 

ルビィが起きて周りを見るとそこに真君は居なかった

 

(此処って春風の真君のお部屋だよね?でもルビィどうやって…)

 

そう考えていると部屋の襖が開く

 

「ルビィ起きたんだ」

 

 

「真君、もしかして真君がルビィを運んでくれたの?」

 

「そうだよ」

 

(ルビィまた真君に迷惑かけちゃったんだ…)

 

「ごめんね真君、また迷惑かけちゃって…」

 

「さっきも言ったけどルビィ迷惑なんかじゃないよ。ルビィ見たい所あったんでしょ行こうルビィ」

 

「うん…」

 

(真君は優しいから笑ってそう言ってくれるけど…)

 

「ルビィ?」

 

「ピギィ!ちっ近いよ真君…」

 

ルビィが考え事をしていると真君の顔が目の前まで来ていた

 

〜ルビィside out〜

 

「大丈夫ルビィ?なんだか元気がないみたいだけど?」

 

「ううん、大丈夫だよ真君」

 

そう言ってルビィは僕の手を取るけどあまり元気がなかった

 

「そう?それじゃあ行こうルビィ」

 

「うん」

 

ルビィはそう言って真君と一緒に部屋を出た




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152話

「ルビィどうしたの元気がないみたいだけど?」

 

「真君…ううん、大丈夫だよ」

 

そう言って笑うルビィだけど無理して笑ってる気がする

 

「おーい!真くーん‼︎ルビィちゃーん‼︎」

 

「久しぶりです穂乃果さん」

 

「全く穂乃果は、久しぶりですね真也ルビィ」

 

僕とルビィが歩いていると後から穂乃果さんと海未さんが来た

 

「ことりさんは一緒じゃないんですか?」

 

「ことりちゃん今日はバイトだって、そうだ!真君が東京に来てるって教えてあげたらことりちゃんもきっと喜ぶよ!」

 

「辞めてあげない穂乃果」

 

「どうして?ことりちゃんも喜ぶよ?」

 

まあ穂乃果さんからすれば善意だとしてもそれをことりさんがどう受け取るかだから

 

「今日お2人で東京に?」

 

「はい、これからスクールアイドルショップに行くんです」

 

「はいはい!私も行く!良いよね海未ちゃん!」

 

僕が行き先を言うと穂乃果さんが真っ先に手を挙げてそう言う

 

「私はかまいませんが、2人は良いんですか?」

 

「僕は良いけどルビィはどう?ルビィ?」

 

「ふぇ⁉︎なっ何真君?」

 

僕がそう聞くとルビィは驚いた声を上げる

 

「どうかしましたかルビィ?ボーとしてましたよ?」

 

「だっ大丈夫です。ルビィも良いよ真君」

 

「じゃあ一緒に行きましょう」

 

そう言って僕とルビィは穂乃果さんと海未さんと一緒にスクールアイドルショップに向かった

 

「凄い!こんな所あったんだ‼︎」

 

「穂乃果!」

 

スクールアイドルショップに着くと中に走って行った穂乃果さんを海未さんが追いかけて行った

 

「……」

 

(此処ならルビィも元気になると思ったんだけど)

 

ルビィはスクールアイドルのグッズを手に取って見ようともせずにずっと僕の隣を歩いてる。何時ものルビィなら気になるグッズがあったら直ぐに手に取るのに

 

(何かあったのルビィ?)

 

「ルビィ少し近くの公園で話そう」

 

「うん」

 

そう言って穂乃果さんと一緒に居るであろう海未さんにメールをして僕とルビィはスクールアイドルショップを出て近くの公園のベンチに座る

 

「ルビィどうしたの?春風を出てから元気がないみたいだけど、もしかして東京に行きたくなかった?」

 

「そんな事ないよ!ルビィ凄く楽しみだったもん‼︎」

 

「でもルビィ春風を出てからずっと元気がないよ?」

 

僕がそう聞くとルビィが暗くなる

 

「ルビィね時々真君の隣に居ても良いのかなってまた迷っちゃうんだ。真君はお姉ちゃんや花丸ちゃんや善子ちゃん皆んなに頼りにされてルビィはそんな真君に助けて貰ってばかりだから…東京に着いてからの事はルビィが考えて少しでも真君にも楽しんで欲しかったんだけどやっぱりルビィは真君に迷惑をかけちゃって…」

 

「ルビィ」

 

「真君前に言ってくれたよねルビィの事頼りにしてるって、ルビィと居ると安心出来るって。でも…それでもやっぱり不安で…何にも出来ないルビィが真君と一緒に居て良いのか分からなくなっちゃって…」

 

ルビィは今まで溜め込んできた気持ちが抑えきれずに泣き出してしまった

 

「ルビィ、さっきも言ったけど別に迷惑なんかじゃないよ。僕がルビィにしてあげたい事をしてるだけ、僕もごめんねルビィ辛い思いをしてたのに気付いてあげられなくて」

 

「ううん!真君は悪くないよ‼︎」

 

「だったらルビィも何にも悪くない、僕の為に頑張ってくれてたんだもんそんなルビィが悪いわけないよ」

 

僕は真っ直ぐルビィの目を見てそう言う

 

「真君」

 

「ほら戻ろうルビィ、まだ穂乃果さんと海未さんもスクールアイドルショップに居ると思うよ」

 

「うん!」

 

そう言って僕とルビィはスクールアイドルショップに向かった




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153話

「2人共もう帰っちゃうの、もうちょっと遊ぼうよ」

 

「仕方ないですよ穂乃果」

 

翌日、駅のホームで内浦に帰る僕とルビィを引き止めようとする穂乃果さんを海未さんが止める

 

「それじゃあまた」

 

僕はそう言って穂乃果さんと海未さんに頭を下げて新幹線に乗る

 

「良かったねルビィ、ダイヤと花丸のお土産買えて」

 

「うん!真君お姉ちゃん喜んでくれるかな?」

 

「きっと大丈夫だよ」

 

ルビィからのお土産ならダイヤはどんな物でも喜ぶだろうし、花丸もお菓子や食べ物なら何でも喜ぶと思う

 

「真君は千歌ちゃん達のお土産だよね」

 

「うん、千歌姉もダイヤの所で頑張ってるだろうし」

 

ルビィがダイヤと花丸のお土産を選んで居るのを見て僕も千歌姉や曜達にお土産を選んで買った

 

「着いた「真也く〜ん!ルビィちゃ〜ん!」千歌姉…」

 

内浦に着くと千歌姉が僕とルビィに向かって走って来た

 

「全く千歌さんは「お姉ちゃん!」お帰りなさいルビィ」

 

「真也君もほらほら‼︎」

 

走って行ったルビィを受け止めるダイヤを見て千歌姉も同じ体制を取る

 

「何をしているのですか千歌さん行きますわよ」

 

「あれ?」

 

僕は千歌姉をスルーしてダイヤとルビィと一緒に十千万に向かい始める

 

「もう酷いよ真也君」

 

「当たり前だよ、そう言えばダイヤ千歌姉どうだった?」

 

僕はダイヤに千歌姉がダイヤの家でちゃんと練習をしていたのか聞く

 

「そうですわね、やはり千歌さんには寝坊が目立ちますわ」

 

「やっぱり何処に行っても千歌姉は千歌姉なんだ」

 

「えへへ」

 

千歌姉は何故か褒められたと思って照れている

 

「言っておきますが褒められてはいませんわよ」

 

「あはは」

 

ダイヤの言葉にルビィは苦笑いを浮かべる

 

「そうだお姉ちゃんお土産」

 

「ありがとうございますルビィ」

 

「はい千歌姉」

 

「ありがとう真也君!何かな何かな」

 

十千万に着き僕とルビィがお土産を渡すと千歌姉は直ぐに包みを開ける

 

「美味しそう!いただきま〜す‼︎」

 

「全く千歌さん貴方はもう少し恥じらいを持つべきですわ、いくら姉弟とは言え相手は異性なのですから「ダイヤさんも食べますか?美味しいですよ」し…仕方がないですわね今回だけですわよ」

 

そう言ってダイヤも千歌姉のお土産のプリンに手を伸ばす

 

「真也君とルビィちゃんも一緒に食べよ」

 

「良いの千歌ちゃん?」

 

「勿論だよ、だって皆んなで食べた方が美味しいし」

 

ルビィの問いかけに千歌姉はそう返す

 

「千歌さんもこう言ってくれている事ですし頂きましょう」

 

「うん!ありがとう千歌ちゃん」

 

「僕は楓達にもお土産を渡してから貰うよ」

 

そう言って僕は千歌姉の部屋を出て楓と綾人の居る僕の部屋に向かった




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154話

ルビィと東京に行って数日後、僕は皆んなとラブライブ決勝進出グループの確認に向かって居る

 

「大丈夫だよね真君」

 

僕の隣を歩くルビィが不安そうに問いかけてくる

 

「それは僕にも分からないよルビィ」

 

「きっと大丈夫ずらルビィちゃん」

 

「花丸ちゃん…そうだね」

 

花丸に励まされてルビィは少し元気が出たみたいだ

 

「真也、おおよその物で構わないわ。一度ラブライブで優勝したグループのマネージャーだった真也から見て私達のパフォーマンスが決勝に進むに至ったのか、聞かせて頂戴」

 

鞠莉が立ち止まって真剣な表情で僕にそう聞くと皆んなも立ち止まって僕を見る

 

「まだ分からないから絶対とは言えないけど…他グループのを見た限り決勝に進んでてもおかしくは無いと思うよ」

 

僕がそう言うと全員が安心する

 

「良かった、真也君が言うならきっと大丈夫だね」

 

「もう真也君も言ってたけどまだ決勝に出れるって決まった訳じゃ無いのよ」

 

「千歌ちゃんらしいけどね」

 

「真也君もこう言ってくれてるから大丈夫ずら」

 

「ずら丸の言う通りよ」

 

「花丸ちゃん…善子ちゃん…うん!」

 

ダイヤ達3年生組以外が思い思いの反応をしながら歩いて行く

 

「あくまで予想だからあんまり鵜呑みに…って聞いてない」

 

「でも真也君のお陰で皆んな肩の力は抜けたと思うよ」

 

「そうですわね」

 

「Yes、私達も行きましょう真也」

 

鞠莉にそう言われて僕も千歌姉達を追いかけた

 

「千歌姉、此処に居て良いの?」

 

「確かに良いのかしら?」

 

梨子も疑問に思っていたのか少し考える

 

「誰にも怒られなかったし大丈夫だよ」

 

観客席に向かおうとした僕を此処に連れて来た千歌姉はそう言うけど今此処に居るのはグループのメンバーだけでマネージャーみたいな人が全然居ない

 

「それでは皆さん!ラブライブFINALISTの発表でーす‼︎」

 

僕が辺りを見渡して居ると司会がそう言いディスプレイに表示されたグループの名前が星の形になってグラフを上がって行く

 

「決勝に進めるのは3グループ」

 

「お願い!」

 

鞠莉と曜がディスプレイを見ながらそう言って居ると花丸達1年生組が僕の所に来た

 

「真君…」

 

「大丈夫だよルビィ」

 

「うん」

 

僕とルビィが話して居ると星が止まり3組のグループの名前が表示される

 

「上位3組はこのグループです!」

 

司会がそう言うとそのグループにスポットライトが当たる

 

「やった…やったよ真君!」

 

「うん、おめでとうルビィ」

 

僕はそう言ってルビィの頭を撫でる

 

「夢じゃないよね…真也君!千歌の事思いっきり引っ張って‼︎」

 

千歌姉はそう言って僕の所まで来る

 

「良いけど…痛いよ」

 

僕は千歌姉に言われるままに頬を引っ張る

 

「痛い…痛いって事は夢じゃないんだよね」

 

「夢じゃないわ」

 

千歌姉の問いかけに梨子がそう答える

 

「本当、だって決勝だよ!ドームだよ!本当だったら奇跡じゃん!」

 

「奇跡よ、奇跡を残したの私達」

 

「うん」

 

「さあ皆んな行くよ〜!ほらほら真也君も一緒に!」

 

曜はそう言って前に出る

 

「全速前進!」

 

『ヨーソロー‼︎』

 

「ヨーソロー?」

 

僕は見よう見まねで皆んなと同じポーズを取る

 

「からの敬礼」

 

最後に曜が1人で敬礼をした




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155話

「緊張して何も喉が通らなかったずら」

 

花丸がそう言ってパンを食べる

 

「あんたはずっと食べてたでしょ!」

 

「花丸それ以上食べる様なら練習の時に1人だけ皆んなより多めに走って貰う事になるよ」

 

僕がそう言うと花丸の食べる手が止まる

 

「まっ丸だけずら」

 

「そう、食べ過ぎてライブ当日に衣装のサイズが入らないなんて事になっても修正なんて直ぐには出来ない。だから練習の時に走る距離を増やしたり他の人よりもメニューが少しハードにしたりしないといけないんだ。それでも良いなら僕は止めないよ」

 

そう言うと花丸は僕とパンを交互に見る

 

「今日は我慢しておくずら」

 

花丸はそう言ってパンの袋を閉じる

 

「うん、それが良いよ「真君!あれ見て!」どうしたのルビィ?」

 

僕はルビィの視線の先にあるモニターを見るとそこにはAqoursのライブの映像と視聴回数が表示されていた

 

「凄い視聴回数‼︎」

 

「本当…こんなに沢山の人が…」

 

「生徒数もそう考えれば当然ですわ。これだけの人が見てわたくし達を応援してくれた」

 

確かにこれだけの人が見てくれて応援してくれてるなら入学希望者も増えているかも知れない、けど…

 

「じゃあ入学希望者も!」

 

千歌姉の質問に鞠莉は何も返さない

 

「鞠莉?」

 

「ケータイがフリーズしてるだけだよね?昨日だって何人か増えてたし全く変わって無いなんて…」

 

鞠莉はそう言って携帯を握りる力を強める

 

「真君が鞠莉ちゃんのお父さんと約束したのって今夜だよね」

 

「大丈夫、まだ時間はありますわ。学校に行けば正確な数は分かりますわよね」

 

「うん」

 

ダイヤの問いかけに鞠莉はそう返す

 

「よし!帰ろう!」

 

千歌姉の言葉に全員が頷き学校に向かう

 

「ちょっと待ってて」

 

「どう?」

 

学校に着きパソコンで入学希望者の数を確認する鞠莉に果南がそう聞く

 

「変わってない」 

 

「そんな…」

 

「まさか…天界の邪魔が「こんな時にまでふざけない」いった〜い!」

 

僕に叩かれた善子を見て花丸とルビィが苦笑いを浮かべる

 

「後4時間しか無いよ」

 

「Aqoursの再生数は?」

 

「ずっと増え続けてる」

 

「やっぱり入学はまた別の話になるのかな」

 

「そうかもね、パパに電話してくる真也とダイヤ2人も一緒に来て頂戴」

 

僕とダイヤは鞠莉の言葉に頷き一緒に理事長室を出る

 

「どうですか鞠莉さん?」

 

「繋がらない」

 

そう言って鞠莉はもう一度電話を掛ける

 

「向こうは早朝だから仕方ないよ」

 

「パパ!」

 

今度は鞠莉のお父さんに繋がって鞠莉はAqoursがラブライブの決勝に進んだ事やライブの再生数が凄い事になってる事を話した

 

「分かったわ、真也パパが貴方に代わって欲しいって」

 

何で僕が一緒にいる事を知っているか疑問に思いながら僕は頷いて鞠莉の携帯に手を伸ばす

 

「代わりました」

 

『真也君か、君は言って無かったかい?今年の終わりまでに生徒を集めきれなかった時は鞠莉を含めて全員に諦めさせると』

 

「はい、でももう少しだけ時間を伸ばして欲しいんです。もしかしたらAqoursのライブを見て入学してくれる人が裏の星に興味を持ってくれる人が居るかも知れません。なので本当にあと少しで良いので時間を伸ばして貰えないでしょうか」

 

僕がそう言うと鞠莉のお父さんは少し時間を置いてため息を吐く

 

『鞠莉に代わって貰えるかい?』

 

「分かりました」

 

僕はそう言って鞠莉に携帯を返す

 

「パパ…え?ありがとうパパ」

 

鞠莉は一瞬驚いた顔をしてからお礼を言って電話を切る

 

「如何でしたか鞠莉さん?」

 

「…何とか明日の朝まで伸ばしてくれるって」

 

そう言って鞠莉は僕に近づく

 

「ありがとう真也、前から少し思ってたけどパパも貴方には弱いみたいね」

 

「僕は何もしてないよ。それよりも時間が伸びたんだし千歌姉達に伝えて入学希望者を少しでも増やそう」

 

「そうですわね、皆さんも心配している事でしょうし行きましょう」

 

僕と鞠莉はそう言って理事長室に向かうダイヤの後ろを着いて行った




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156話

「waitingだったね」

 

「お父さんと話せた?」

 

「うん、話した決勝に進んで再生数も凄い事になってるって。そしたらパパが真也に代わって欲しいって」

 

鞠莉がそう言うと皆んなが僕を見る

 

「前に言ったよね、僕が鞠莉のお父さんと話した時に今年の終わりまでに生徒を集めきれなかった時は鞠莉を含めて全員に諦めさせるって条件で生徒の募集を辞めるのを先延ばしにしてもらった事」

 

「その事を話すって事はやっぱり」

 

「わたくし達もそう思っていましたわ、ですが何とか明日の朝まで伸ばして頂けましたわ。ただ日本時間で朝の5時そこまでに100人に達しなければ募集ページは停止すると」

 

「最後通告って事ね」

 

(でも約束して先延ばしにして今年の終わりにして貰ったにも関わらず更に朝の5時までにして貰えた。流石の鞠莉のお父さんでもこれ以上は待ってあげられないって事なんだろう)

 

僕がそう思って居ると

 

「あー!今1人増えた!」

 

「やっぱり私達を見た人が興味持ってくれたのよ」

 

「このまま増えてくれれば…」

 

僕は曜が何か言いかけた時に扉に向かって走り出し外に出ようとした千歌姉の手を掴む

 

「何処に行くの千歌姉?」

 

「駅前、裏の星をお願いしますって皆んなにお願いしてそれから…それから…」

 

「今からじゃ無理よ」

 

梨子の言う通り今は真夜中で電車も動いてないから駅前に人が居るとは思えない

 

「じゃあ今からライブやろ!それをネットで…」

 

「準備してる間に朝になっちゃう」

 

「果南の言う通りだよ。ライブをする場所とか衣装もそうだし曲だって決まってない。千歌姉、先ず落ち着こう焦り過ぎたら出来る事も出来ないよ」

 

僕は焦る千歌姉を何とかして落ち着かせようとする

 

「でも何もしないなんて…」

 

「今僕達に出来るのは信じる事だけだよ」

 

僕がそう言うと千歌姉は大人しくなる

 

「信じる…」

 

「真也君の言う通り、信じるしかないよ今日の私達を」

 

「そうだよね、あれだけの人に見て貰えたんだもん大丈夫だよね」

 

そう言うと千歌姉は僕を抱きしめる

 

「ありがとう真也君」

 

「千歌姉の気持ちも分からない訳じゃないから気にしないで」

 

そう思って僕が千歌姉を撫でて居ると後ろから声が聞こえる

 

「んん!此処に居るのはお2人だけではないのですよ」

 

「は!すっすみませんダイヤさん!」

 

ダイヤがそう指摘すると千歌姉は顔を赤くし慌てて僕から離れる

 

「真君…」

 

呼ばれて振り返るとルビィは後ろで僕の制服を掴んでいた

 

「如何したのルビィ?」

 

「ううん…何でもないよ真君」

 

「?」

 

(何かしちゃったかな?)

 

ルビィに制服を掴まれたまま何かルビィが気にする事をしたかを考える

 

「さあそうとなったら皆さん帰宅して下さい」

 

「帰るずらか?」

 

「何か1人で居るとイライラしそう」

 

「落ち着かないよね気になって、それに別の事が気になってる子も居るみたいだし」

 

そう言って曜はずっと僕の制服を掴んでいるルビィを見る

 

「だって」

 

「仕方ないですわね、皆さんの家の許可と理事長の許可があれば特別に此処に居る事を許して差し上げますわ」

 

「勿論、皆んなで見守ろう」

 

鞠莉がそう言ってくれたので僕達は家に連絡をし許可を貰い学校に残る事にした




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157話

「あれっきり全然増えない」

 

「うっやっぱりパソコンがおかしいんじゃないの?」

 

「そんなに乱暴に扱って壊しても知らないよ」

 

僕がそう言うと善子はパソコンをルビィに返して目を逸らす

 

「やっぱりそう簡単にはいかないね」

 

「そうですわね、これだけの人が裏の星の名前を知っても」

 

「例え町が綺麗で人が優しくてもわざわざ此処まで通おうとは思わない」

 

今までのAqoursを見て裏の星に興味を持った人は少なくはないかも知れない。でも興味を持つ事とそこに通おうと思うのはまた別の事、そうで無ければ恐らくもっと早い時点で生徒数も指定された人数まで集まっていた

 

「そう言えばお昼食べた後何も食べてないわね」

 

「そうだね、それじゃあコンビニで何か買って来るよ」

 

「ルビィも行くよ真君、善子ちゃんと花丸ちゃんも一緒に行こう」

 

ルビィの言葉に花丸と善子も頷きAqoursの1年生組でコンビニに向かう

 

「全く世話が焼けるったらありゃしない私はリトルデーモンの事で手一杯なのに」

 

「別に無理に来る必要無かったんだよ善子」

 

僕がそう言うと善子は罰の悪そうな顔をする

 

「仕方ないずら、今のAqoursを作ったのは千歌ちゃん達2年生の3人」

 

「その前のAqoursを作ったのはお姉ちゃん達3年生3人だもん」

 

「責任感じてるんじゃないかな」

 

「そんなもん感じなくても良いのに、少なくとも私は感謝しか…あっ…リッリトルデーモンを増やしにAqoursに入っただけなんだし」

 

「やっぱり素直じゃないよね善子って」

 

「五月蝿いわよ‼︎」

 

善子はそう言ってそっぽ向くがルビィも花丸も善子なりの照れ隠しなのは分かって居るので笑って見ている

 

「だからマル達が面倒見るずらそれが仲間ずら」

 

「うん」

 

「えへ、何か良いなそういうの支え合ってる気がする」

 

「そうずらね」

 

「…ふん、良い事言ったご褒美に特別に餅巾着あげる」

 

そう言って善子は僕達の前にレジ袋を出す

 

「えー、できたら黒はんぺんが良いずら」

 

「うう…それは駄目」

 

「ルビィは卵」

 

「うっそれも駄目」

 

ご褒美なんだからルビィと花丸が欲しいのをあげれば良いのに

 

「2人共僕のを分けてあげるから善子からは餅巾着で我慢してあげなよ」

 

「ありがとう真君」

 

ルビィはそう言っておでんの卵を食べる

 

「真也君は優しいずら善子ちゃんとは大違いずら」

 

「うっ…ほっほら食べなさいよずら丸」

 

善子はそう言って黒はんぺんを花丸に渡す

 

「善子ちゃん」

 

「私の気が変わる前にとっとと食べちゃいなさい」

 

「それじゃあ頂くずら」

 

そう言って並んで歩く善子と花丸を先頭に僕とルビィは後ろを歩いて裏の星に戻った




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158話

コンビニから戻ってから数時間が経った

 

「94人」

 

「真也君、約束の時間はまでは?」

 

梨子にそう聞かれて僕は時計を確認する

 

「1時間も無い後6人ならもしかするかも、でも」

 

「6人、後もうちょっとなのに…えい!お願い!お願いお願いお願い!増えて」

 

「千歌ちゃん」

 

梨子が少し心配した顔でそう言う

 

「はあ…一度外にでも出て来たら、ずっと此処に居ても直ぐには変わらないし。少しは気分転換になると思うよ」

 

「真也君…うん」

 

僕がそう言うと千歌姉は持ってたパソコンを置く

 

「曜ちゃんあ…流石の曜ちゃんも睡魔には勝てないか」

 

「寝てないよ、けど待ってるのちょっと疲れて来た。一緒に行こう千歌ちゃん」

 

「私もちょっと外の空気吸ってこようかな」

 

「私も」

 

「それじゃあ一緒に行こう」

 

そう言って千歌姉と曜の2人と一緒に果南と梨子も理事長室を出て行く

 

「後3人」

 

「でも時間はもう…」

 

「お願い」

 

あの後20分経っても戻って来ない4人をルビィに呼び戻して貰いパソコンを見る千歌姉に視線が集まる

 

「真君…大丈夫だよね…」

 

「落ち着いてルビィ」

 

僕は不安そうに見つめるルビィの手を握ってそう言う

 

「98!」

 

「時間は?」

 

「大丈夫…大丈夫…絶対に届く…大丈夫…届く」

 

千歌姉は自分に言い聞かせる様に何度も繰り返しパソコンを見つめるそして

 

「募集終了…」

 

募集終了、そう言った

 

「時間切れですわ」

 

「真…君…」

 

「うん、充分頑張ったよルビィ」

 

「ええ、本当に良く頑張りましたわ」

 

今にも泣き出しそうなルビィを僕とダイヤの2人で抱きしめて何とか慰める

 

「後1日あれば…ううん半日で良い、1時間でも良いそれで絶対大丈夫って…」

 

「何度も掛け合いましたわ、真也もそして鞠莉さんも一晩中何度も何度もですが…もう既に2度も期限を引き延ばして貰っているのです」

 

「ええ、いくらパパでも全てを自分1人の権限で決める事は出来ないもう限界だって」

 

「それに皆んなにも千歌姉にも言ったよね、本当は1度目に延ばして貰った時に100人集まらなかったら諦めるって約束だったって」

 

「それは…」

 

僕の言葉に千歌姉だけじゃなく誰も何も言い返せない

 

「本当に鞠莉のお父さんもギリギリまで期限を延ばしてくれたんだと思う。鞠莉、限界って言ってたんだよね?それじゃあ多分今頃はもう向こうで統合の手続きに入ってるんだよね?」

 

「ええ、真也の言う通りよ」

 

鞠莉は残念そうな声で肯定する

 

「ダメだよ…だってまだ私たち足掻いてない、精一杯足掻こうって約束したじゃんやれる事を全部やろうって言ったじゃん」

 

「全部やったよ、そして決勝に進んだ私達はやれる事はやった」

 

「じゃあ何で学校が無くなっちゃうの?学校を守れないの?」

 

(千歌姉…)

 

「すみません真也少しルビィをお願いしますわ」

 

「うん」

 

そう言ってダイヤは何処かに向かおうとする鞠莉を止める

 

「何処へ行くのです」

 

「もう一度だけパパに連絡してみる」

 

「これ以上言ったら鞠莉が理事長を辞める様に言われる」

 

「鞠莉は僕達の中で一番頑張ってくれてたそれこそ僕達が知らない所でも、でもそのせいで鞠莉が理事長を辞めなくちゃいけないかも知れない何て事になるのは僕もそうだしダイヤも果南も皆んなも望んで無い。受け入れるしか無いよ。学校がなくなるのを」

 

こうして裏の星女学院の統廃合が決まった




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159話

「学校が統合になったのは残念ですがラブライブは待ってくれませんわ」

 

「昨日までの事は忘れ今日から気持ちを新たに決勝目指して頑張ろう」

 

果南とダイヤがそう言う中梨子と曜は僕の隣に座る千歌姉の事を気にしてる

 

「勿論よ5万5千のリトルデーモンが待っている魔窟だもの」

 

「皆んな善子ちゃんの滑り芸を待ってるずら」

 

「ヨハネ!」

 

滑り芸の方じゃ無くて名前を訂正するんだ

 

「善子の滑り芸を待ってるかどうかは置いておいて」

 

「置いとくの⁉︎」

 

僕は善子が声を荒げるのを無視して続ける

 

「優勝したいとは思ってるよ。千歌姉達2年生と僕達1年生は来年もラブライブに参加しようと思えば出れるけどダイヤ達3年生は卒業しちゃうから来年もまた一緒に参加って訳には行かないだろうし」

 

「ルビィも…ルビィも真君と同じ!」

 

そう言いながらルビィも手を挙げる

 

「ルビィ、真也」

 

「イエス、じゃあ優勝だね」

 

「そんな簡単な事じゃ無いけどね」

 

「そうだね、決勝では穂乃果さん達とも当たる訳だから」

 

穂乃果さんからμ'sがA-RISEに勝って決勝に進んだ事は聞いている。だから決勝に進むのなら僕達もいずれμ'sと当たる

 

「でも、そのつもりでいかないと」

 

「うん、優勝しよう」

 

梨子の言葉に千歌姉がそう返す

 

「じゃあ皆んなアップして」

 

「ライブ後だから念入りにね。じゃあストレッチ行くよ」

 

果南の言葉を聞いて千歌姉以外が立ち上がる

 

「ほら千歌姉も立って」

 

「うん」

 

僕がそう言うと千歌姉も立ち上がりストレッチを始める

 

〜千歌side〜

 

「ほら千歌姉も立って」

 

「うん」

 

(そうだよね、今はラブライブに集中してよっと)

 

私はそう思いながらも真也君に言われ立ち上がりストレッチを始める

 

(真也君今日はどうしたんだろ何時もならルビィちゃん達と並んでしてるのに)

 

何時もはルビィちゃん達と並んでしてるストレッチだけど今日は私の隣でしてる

 

「どうしたの千歌姉?」

 

「ううん、何でも無い」

 

私がそう言うと真也君はストレッチを再開する

 

(後少しだったんだけどな…)

 

ストレッチの途中でも昨日のパソコンの募集終了の画面が頭に浮かぶ

 

「千歌ちゃん?」

 

「千歌」

 

気が付くと皆んなが私を心配そうに見ていた

 

「どうしたの?皆んな?「今日はやめにしよう」真也君?」

 

私が皆んなにそう聞いていると隣りに居た真也君がそう言った

 

〜千歌side out〜

 

「え?何で真也君?平気だよ」

 

「平気だったらそんな顔してないよ」

 

そう言って千歌姉にハンカチを渡す

 

「ごめんね、無理にでも前を向いた方が良いと思ったけどやっぱり気持ちが追い付かないよね」

 

「そんな事ないよ、ほら真也君も言ってたじゃん鞠莉ちゃん達最後のライブなんだよそれに…それに…「千歌だけじゃない」え?」

 

「皆んなそうなの」

 

「ここに居る全員…そう簡単に割り切れると思っているんですの?」

 

果南の言葉にダイヤが続く

 

「私は真也君が言うようにちゃんと考えた方が良いと思う」

 

「あくまで僕は提案をしただけこのままラブライブの決勝に出るのかそれとも…此処でラブライブを辞退するか」

 

「そんなの…そんなの出るに決まってるよ。決勝だよダイヤさん達の「本当にそう思ってる?自分の心に聞いてみて、ちかっちだけじゃない此処にいる皆んな」…」

 

鞠莉にそう言われて千歌姉は黙り込む

 

「だから今日はやめにした方が良いと思う。簡単に割り切れないからこそ一晩だけでも自分なりに考えて明日の朝一先ず決勝に出るのかどうか決める。これで良い皆んな?」

 

僕の問いかけに千歌姉以外が頷く

 

「千歌姉もそれで良い?」

 

「うん」

 

千歌姉も頷いてくれたので今日は練習をやめ帰る事にした




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160話

「あっ、おはよう真也君」

 

「…千歌姉?」

 

普段この時間に聞こえる筈のない声を聞いて振り返るとそこには千歌姉が居た

 

「あれ?どうしたの真也君?」

 

「熱はない…痛いから夢でもない」

 

僕は千歌姉と自分の体温を比べてから頬をつねる

 

「酷いよ、千歌が真也君と同じ時間に起きたからって」

 

「ごめんね千歌姉、どうにも信じられなくて」

 

僕が今朝の事を話すと千歌姉は剝れながら2人でバスを待っている

 

「それにしても千歌姉がこんな時間に起きたのって一緒に限定メロンパンを買いに行った時以来じゃないかな?」

 

「そんな事ないよ千歌だって真也君と同じくらいの時間に起きた事あるもん」

 

「二度寝してたら意味ないよ」

 

「うっ、でも今日はしてないもん」

 

(会わなかったら絶対に今日も二度寝してた)

 

そう思いバスを待っていると見知った人達が向かって来る

 

「全員が此処に向かってたって事は皆んな同じ気持ちって事で良いんだよね」

 

「ええ、出た方が良いって言うのは分かる」

 

「でも学校は救えなかった」

 

「なのに決勝に出て歌って」

 

「例えそれで優勝したって…」

 

皆んなと合流して学校の屋上で昨日の続きを話している

 

「確かにそうですわね」

 

「でも千歌達は学校を救う為にスクールアイドルを始めた訳じゃない」

 

「輝きを探す為」

 

確かに最初のライブの時に千歌姉達は輝きと諦めない気持ちと信じる気持ちに憧れてスクールアイドルを始めたってそう言ってた

 

「皆んなそれぞれ自分達だけの輝きを見つける為でも「見つからない」ちかっち」

 

「だってこれで優勝しても学校は無くなっちゃうんだよ。奇跡を起こして学校を救って、だから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。学校が救えなかったのに輝きが見つかる何て思えない!」

 

鞠莉の言葉に被せる様に千歌姉が力強くそう言う

 

「私ね、今はラブライブ!何てどうでも良くなってる。私達の輝き何てどうでも良い!学校を救いたい!皆んなと一緒に頑張って来た此処を…」

 

「千歌姉、輝き何てどうでも良いって言ったけど千歌姉は今までして来た事全部がどうでも良いって本当にそう思ってるの」

 

「それは…」

 

僕がそう聞くと千歌姉は黙り込む

 

「じゃあ救ってよ!」

 

千歌姉が声のした方に向かう

 

「だったら救って!ラブライブ!に出て」

 

「「「優勝して!」」」

 

そこには裏の星女学院の生徒達が居た

 

「皆んな」

 

「出来るならそうしたい!皆んなともっともっと足掻いてそして…そして学校を存続させられたら…」

 

千歌姉は悔しそうに俯いてそう返す

 

「それだけが学校を救うって事?私達の皆んなに聞いたよ!千歌達にどうして欲しいかどうなったら嬉しいか」

 

「皆んな一緒だったラブライブ!で優勝して欲しい。千歌達の為じゃない私達の為に学校の為に」

 

「この学校の名前を残して来て欲しい」

 

「学校の…」

 

よしみさんの言葉にダイヤが反応する

 

「千歌達しかいないの!千歌達にしか出来ないの」

 

「裏の星女学院スクールアイドルAqoursその名前をラブライブ!の歴史にあの舞台に永遠に残して欲しい」

 

「Aqoursと共に裏の星女学院の名前を」

 

「「「だから、だから!だから‼︎」」」

 

『輝いて‼︎』

 

よしみさん達に続いて裏の星女学院の生徒全員がそう言う

 

「優勝して学校の名前を」

 

「ラブライブに」

 

「うっうっ…「「千歌ちゃんや・め・る?」」辞めるわけないじゃん、決まってんじゃん決まってんじゃん決まってんじゃん!優勝する!ぶっちぎりで優勝する。相手なんか関係ないアキバドームも決勝も関係ない優勝する。優勝してこの学校の名前を一生消えない思い出を作ろう」

 

千歌姉はさっきまでの顔が嘘だったかの様に笑ってそう言う

 

「オー!アローでもショットガンでも持って来いって感じね」

 

「でも見てるだけで何か熱くなって来る」

 

「ですわね」

 

「全リトルデーモンよ決戦の時が来ました。ヨハネと一緒に堕天するわよ」

 

「あー、じっとしてられない皆んな走りに行こう」

 

曜がそう言って屋上の出入り口に走って行くと果南が花丸を引っ張って行く

 

「ピギィ!しっ真君‼︎」

 

「果南あんまり無理やり引っ張らない、曜もストップ!じっとしてられない曜の気持ちも分からなくないけど此処で怪我でもされたら優勝所じゃなくなるから」

 

「あ!あはは、それもそっか」

 

そう言って曜も花丸を引っ張って行く果南も止まる

 

「では行きましょうか」

 

「うん、梨子!千歌姉!2人共行くよ!」

 

「ええ、行きましょう」

 

「うん!」

 

梨子の言葉に千歌姉は笑って僕達の所に来た




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161話

「一先ず目標はラブライブ優勝、そこまで決まった。でも一番の問題は今のAqoursでそれが出来るのかどうか」

 

「そうですわね、特に高坂さん達μ'sは一番警戒するべきです」

 

あの後ある程度走って落ち着き今は十千万で作戦会議をしている

 

「真也貴方はどう思う?」

 

僕は鞠莉に聞かれて少し考える

 

「μ'sには穂乃果さんが居るから警戒してもあまり意味がない気もするけど、千歌姉と一緒でその時になるまでどうなるか分からない事が多いから」

 

穂乃果さんもそれに千歌姉も一度こうするって決めた事は曲げないしやるって決めた時のエネルギーはとんでもないからμ'sは警戒のしようがない

 

「確かに高坂さんって千歌ちゃんに似てる所も多いし実質千歌ちゃんを相手にするって事よね。そう考えるとあまり警戒し過ぎてもとは思うわね」

 

「千歌ちゃんこうするって決めたら凄いしね」

 

「えへへ」

 

曜の言葉に照れてる千歌姉だけど僕には照れる理由がわからない

 

「でも今決勝に進むのが決まってるグループの中で一番負けそうなのは穂乃果さん達なんだよね」

 

「あ〜ん、ちょっと心配しちゃうずら」

 

「あんた本当に心配してるの」

 

善子は走り終わってからパンを食べ続け2袋目を開ける花丸にそう聞く

 

「花丸前にも言ったけどあまり食べ過ぎると1人だけ皆んなより多く練習メニューをしないといけなくなるよ」

 

「今日だけずら」

 

前回は僕に注意されて手が止まり食べるのを辞めた花丸、でも今回は食べるのを辞めない

 

「はぁ…本当に今日だけだからね、次からは食べたらその分走ってもらうから」

 

「ずら」

 

そう言って花丸はパンを食べ始める

 

「それじゃあ私も今日だけ」

 

「千歌ちゃん…」

 

「あはは」

 

花丸と同じ事を言いながらみかんに手を伸ばす千歌姉を見て梨子と曜が苦笑いを浮かべる

 

「はぁ…もう好きにして頂いて構いませんわ、ですがお2人共話はきちんと聞いていて下さいね」

 

ダイヤがため息を吐きながらそう言う

 

「ダイヤそろそろ一度休憩にしない」

 

「そうですわね、では一度休憩にしましょうか。再開は2時間後、わたくしと鞠莉さんと果南さんで昼食を買って来ます」

 

ダイヤはそう言って鞠莉と果南を連れて昼食を買いに行った

 

「ん〜!やっとお昼ご飯だよ」

 

千歌姉はそう言って床に寝転がる

 

「千歌ちゃん此処には私達だけじゃなくて真也君も居るんだから」

 

「別に良いよ真也君なら」

 

梨子に注意されるも千歌姉は寝転がったままそう返す

 

「ふぁ〜、なんか眠くなって来た」

 

「千歌ちゃん寝るのは流石に駄目よ」

 

「大丈夫大丈夫…ダイヤさん達が帰って来る頃には…起きる…から」

 

そう言って千歌姉は寝始めた

 

「絶対にこうなるとは思ってたけど」

 

「まあ千歌ちゃん何時もより起きるの早かったって言ってたし」

 

「それでも弟とは言え男の子の前で寝るなんて駄目よ」

 

梨子はそう言って何度も千歌姉を起こそうとするが全く起きずダイヤに怒られた




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162話

「此処何処?」

 

「何も見えませんわね…うっ」

 

雪が降る中ダイヤは梨子にそう返す

 

「天はルビィ達を…」

 

「見放したずらぁ?」

 

「これがスノーホワイトビューティフォー」

 

「しっかりして鞠莉」

 

果南がそう言って倒れそうになる鞠莉を支える

 

「雪め甘いわ!」

 

「うっ、善子ちゃん?」

 

「ヨハネ!避けるべし、避けるべにゃわ!」

 

雪を避けようとする善子は急な突風に吹かれて転ぶ

 

「なんだか眠くなって…」

 

「私も…」

 

「駄目だよ!寝たら死んじゃうよ寝ちゃ駄目!」

 

千歌姉がそう言って寝そうになる曜と梨子を起こそうとする

 

「これは夢だよ…夢…」

 

「そうだよだって内浦にこんなに雪が降るはずないもん」

 

「じゃこのまま目を閉じて寝ちゃえば自分の家で目が覚め…「皆んなもう良いよね?」あ、真也君」

 

僕はそう言って皆んなを見ると

 

「うん!もう良いよ‼︎」

 

千歌姉が笑ってそう返した

 

「いや〜はるばる来たね函館」

 

「まさか地区大会のゲストに」

 

「招待されるなんてね」

 

冬休みに入って数日、Aqoursは北海道の地区大会のゲストとして函館に来ていた

 

「あ〜寒い」

 

「沼津と函館じゃ気温にかなり差があるからもう少し厚着の方が良いよ曜」

 

「さあ行くわよ!リトルデーモンリリー‼︎レッツ…ニューワール…ぐえ!何すんのよ‼︎」

 

僕は何処かに走り出そうとする善子の首元を掴み引き止める

 

「これ以上問題を増やさない…ただでさえ1人大変なのに」

 

「それに雪道でそんな靴履いてちゃ駄目だよ」

 

ルビィの言う通り善子の靴はとても雪道を歩ける靴じゃ無い

 

「その通りでーす」

 

「そんな時こそコレ!」

 

「これでバッチリでーす!」

 

「流石お姉ちゃん!」

 

善子に比べれば鞠莉やダイヤ他の皆んなもまともだと思う

 

「そう言えばずら丸は?」

 

「そろそろ来ても良い筈だけどちょっと周りを見て来る」

 

「分かったわ」

 

僕はそう言って花丸を探しに行く

 

「花丸…それどうしたの?」

 

花丸は意外と近くに居た。居たのは良かったでも

 

「温かくなるまで何枚も何枚も着て来たずら」

 

「花丸が良いならそれで良いけど」

 

僕はそう言って厚着をし過ぎて丸くなった花丸と一緒に皆んなの所に向かう

 

「皆んな!花丸見たかったよ!」

 

「あ!真く…花丸ちゃん⁉︎」

 

丸くなった花丸を見てルビィが驚いた声を上げる

 

「マルは丸々っと丸くなったずら」

 

「ちょっと…」

 

「マルは急には止まれないずら〜!」

 

花丸は皆んなの所に向かう途中に躓きルビィと善子と曜の3人を下敷きにした

 

「2人は何してるの?」

 

「雪に埋もれてしまって」

 

僕が花丸を探しに行って居た数分に何があったんだろう

 

「果南手伝って、千歌姉と梨子は3人を助けてあげて」

 

「良いよ真也君」

 

「私達もやりましょう千歌ちゃん」

 

「うん」

 

僕は果南と協力してダイヤと鞠莉を千歌姉と梨子は3人の上から花丸を退けた後、梨子とルビィが花丸の厚着の量を減らしに行き漸く地区大会の会場に向かった




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163話

「凄い人だね」

 

「地区大会の決勝だからね」

 

会場の入り口付近には大勢の人が集まって居る

 

「あっSaint Snowさんだ」

 

「さすが優勝候補だね」

 

電光掲示板にはスクールアイドルグループの名前がありその中には理亜 達Saint Snowの名前もあった

 

「ふっ、ならばこの目でこの地の覇者とやらを確かめてやろうじゃない」

 

「迷惑にはならないようにしなよ」

 

「あの…Aqoursの皆さんですよね?」

 

僕達が話して居ると後から声を掛けられる

 

「え?はいそうですけど…」

 

「ええっと…あの…あの!一緒に写真を撮って貰っても良いですか?」

 

「分かりました、どうしたの皆んな」

 

僕はその人からカメラを預かり皆んなの方を見ると全員が固まって居た

 

「ちょっと皆んなおおお落ち着こう」

 

「梨子ちゃんも落ち着いて」

 

「ピキィー!」

 

ルビィは少しずつ僕に近づいて来る

 

「落ち着いてルビィ」

 

「うっうん」

 

僕がそう言うとルビィは僕の服の袖を掴みながら深呼吸をする

 

「落ち着いた?」

 

「うん、ありがとう真君」

 

「気にしないで撮りますよ」

 

僕はルビィが花丸の隣に戻ったのを確認してからそう言ってカメラのシャッターを押す

 

「ありがとうございます。応援してます頑張って下さい」

 

「ありがと〜、頑張るよ」

 

千歌姉はお礼を言って入って行く人達にそう返す

 

「びっくりした、まさか一緒に写真を撮って欲しいってお願いされるなんて」

 

「確かに前のラブライブの時は無かったよね」

 

「それだけ人気が出て来たって事だよ」

 

曜の言葉に僕はそう返す

 

「そう言えば真也君凄く慣れてた気がするけどどうして?」

 

「A-RISEが初めて決勝に進んだ時も似たような事があったからって言うのと…鞠莉の所でも似た様な事はあったから」

 

「そうね小原家のパーティーの時も真也は注目の的だったものね」

 

特にA-RISEが初めて決勝に進んだ時は凄かった。数十人の人のA-RISEとの写真を全部マネージャーをしてた僕が撮ったんだから

 

「決勝に進むって凄い事なんだね」

 

「本当凄い事だよ」

 

「だね「あの…」はい?」

 

Saint Snowの楽屋に向かおうとした時にまた声を掛けられる

 

「その…一緒に写真を撮って貰っても良いですか?」

 

「はい、それじゃあカメラを」

 

僕かカメラを預かろうとするとその人は何故か隣に居た千歌姉にカメラを渡す

 

「えっと、それじゃあ撮るよ〜」

 

千歌姉はそう言ってカメラのシャッターを押す

 

「ありがとうございました」

 

その人は僕と千歌姉に頭を下げて走って行った

 

「まさか真也との写真が目的だったなんて」

 

「本当、てっきりAqoursとの写真が目的だと思ってたからちょっとびっくりした」

 

まさかラブライブの会場でスクールアイドル以外が写真を一緒に撮って欲しいって頼まれる何て

 

「貴方もそれだけ人気があると言う事ですわ、胸を張りなさい」

 

「ありがとうダイヤ、それじゃあ今度こそ行こう」

 

そう言って今度こそSaint Snowの楽屋に向かった




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164話

「失礼しまーすSaint Snowのお2人は…」

 

「はい」

 

千歌姉がそう言いながら中に入ると鹿角姉が返事をする

 

「ああ、お久しぶりです」

 

「ごめんなさい本番前に」

 

「いいえ、今日は楽しんでって下さいね。皆さんと決勝で戦うのはまだ先ですから」

 

以前と変わらずに話す鹿角姉に対して理亜はイヤホンをしながら目を閉じて居る

 

「何もう決勝に進んだ気で居るの?」

 

「もの凄い自信ずらともの凄い差し入れずら」

 

「お2人とも去年も地区大会は圧倒的な差で勝ち上がって来られたし…」

 

そう言えば去年のラブライブの地区大会前に注目されてるグループの中にSaint Snowの名前があった

 

「もしかしてまた見せつけようとしてるんじゃないの?「それは無いと思うよ果南」真也君?」

 

「ええ、彼の言う通り他意はありません」

 

鹿角姉僕の言葉を肯定して続ける

 

「それにもう皆さんは何をしても動揺したりしない。Aqoursは格段にレベルアップしました。今は紛れもない優勝候補ですから」

 

「優勝候補…?」

 

「あの時は失礼な事を言いましたお詫びします」

 

鹿角姉はそう言って頭を下げる

 

「聖良さん…」

 

「次に会う決勝はAqoursと一緒に…ラブライブ!の歴史に残る大会にしましょう」

 

鹿角姉はそう言いながら千歌姉の前に腕を出す

 

「千歌ちゃん…」

 

「このは受けて立つ所でーす」

 

「うん」

 

千歌姉は頷き鹿角姉の手を握る

 

「理亜も挨拶なさい」

 

鹿角姉の言葉に理亜は何も返さない

 

「理亜!」

 

「ああ、良いんです本番前ですから」

 

「ごめんなさい」

 

鹿角姉が申し訳なさそうにそう言った所で僕達は楽屋を出ようとする

 

「そうだ忘れる所だった、良かったらこれどうぞ」

 

「ありがとうございます、彼を少し借りても良いですか?」

 

「え?はい、良いですけど…」

 

千歌姉は戸惑いながらそう言って楽屋を出る

 

「理亜」

 

鹿角姉は今度は理亜を呼びながら肩を叩く

 

「どうかしましたか姉様?貴方は」

 

僕の存在に気付くと理亜はイヤホンを外す

 

「久しぶり理亜」

 

「久しぶりです。姉様どうして高海真也さんが?」

 

鹿角姉は僕が此処に居る理由を理亜に話す

 

「そうですか「はい理亜」ありがとうございます」

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

鹿角姉が理亜に話して居る間に紅茶を淹れて2人に渡す

 

「美味しい…」

 

「良かった」

 

「……」

 

僕と理亜のやり取りを見て鹿角姉が微笑む

 

「その、地区大会が終わったら以前約束していた演奏を聴かせて頂いても良いですか」

 

「うん、約束だからね」

 

そう言って楽屋を出ると鹿角姉も一緒に来た

 

「理亜の事ありがとうございます」

 

「いえ…ライブ楽しみにしてます」

 

「ええ、Aqoursの皆さんにもお礼を伝えておいて下さい」

 

鹿角姉の言葉に頷き千歌姉達の所に向かった




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165話

「真也君こっちこっち!」

 

「ごめん皆んな」

 

僕はそう言って善子の隣に座る

 

「聖良さんと何の話したの?」

 

「ううん特別何か話した訳じゃ無いよ、僕が持って来た紅茶を淹れて理亜と少し話したくらいだし」

 

「理亜ちゃんと話せたの?」

 

「うん、本番も近かったから本当に少しだけだけど」

 

鹿角姉は僕が理亜と話してた時に安心した様に微笑んでたしもしかしたら理亜の緊張を少しでも和らげるのが目的だったのかもしれない

 

「うわぁ!凄い声援だ!お客さんもいっぱい」

 

「観客席から見る事でステージ場の自分達がどう見えているか」

 

「どうすれば楽しんで貰えるかの凄い勉強になる筈だよ」

 

「だよね」

 

千歌姉はそう言って再びステージを見る

 

「Saint Snowさんは?」

 

「確か次の筈だけど」

 

梨子がそう言うとステージ場の照明が消え少しするとSaint Snowの曲が流れ始めた

 

「びっくりしたね」

 

「まさかあんな事になるなんて」

 

地区大会決勝が終わり皆んなでスクールアイドルの控室に向かっている

 

「これがラブライブなんだね」

 

「1度ミスをすると立ち直るのは難しい」

 

「それはAqoursだって同じ、一歩間違えたら今回のSaint Snowと同じ結果になる」

 

「そうですね」

 

僕の言葉にダイヤが同意する

 

「でもこれでもう決勝には進めないんだよねSaint Snowの2人…」

 

「そう、ルビィどうかした?」

 

僕はルビィが急に立ち止まった事を不思議に思って振り返ると浮かない表情をしていた

 

「真君…大丈夫だよ真君」

 

「そっか…無理だけはしちゃだめだよ」

 

「うん」

 

ルビィはそう言って歩き出すけど表情は浮かないままだった

 

「真也、ルビィと何かあったのですか?」

 

「ううん、何もなかった筈だよ」

 

「そうですか」

 

そう言うとダイヤは少し心配そうにルビィを見る

 

「それとなく気にかけてみるよ」

 

「ええ」

 

僕の言葉にダイヤはそう言って頷く

 

「まだ気になる?」

 

「うん」

 

控室に行ったが既にSaint Snowは帰った後だと教えて貰い今は宿泊するホテルに向かっている

 

「2人でずっとやって来たんだもんね」

 

「それが最後の大会でミスして喧嘩まで」

 

「やっぱり会いに行かない方が良いのかな…」

 

浮かない表情をしながら千歌姉達がそう言う

 

「そもそもこれはSaint Snow2人の問題だし僕達が気に病んでも仕方ない事だと思うよ」

 

「真也君の言う通りかもね」

 

「あの2人なら大丈夫だよ」

 

「仲の良い姉妹だしね」

 

「うん」

 

そう言って千歌達は少し元気を出す

 

「じゃあこと後はホテルにチェックインして」

 

「明日は晴れるらいしから函館観光だね」

 

果南の話を聞きながらルビィに目線を向けると未だに浮かない顔でダイヤを見ていた




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