ファイアーエムブレムif インビジブルキングダム 鏡界からの救世主達 (異次元)
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第1部OP

テーマ曲『ミライリスト』GIRLFRIEND

 

 

 

 

カムイとアクアが夕日の照らす中、歩いている。

 

途中でリョウマ、ヒノカ、タクミ、サクラの絵が出る。

 

その後、マークス、カミラ、レオン、エリーゼの絵が出る。

 

さらに、イクス、ミリーナ、コーキスの絵が出る。

 

アラン、フラン、ユーリ、アスベルなど歴代のテイルズの英雄が出てくる。

 

カムイとアクアが夕日を背に、風に髪を靡かせながら何かを決意した顔になる。

 

オッドアイのアスベルが剣を構える。

 

ルークとジェイドがそれぞれの武器を構える。

 

ユーリがサイゾウに斬り掛かるがサイゾウは手裏剣で受け止め、ユーリとサイゾウの鍔迫り合いがおきる。

 

クレスがラズワルドに剣を上空から振り下ろし、ラズワルドが剣で受け止める。

 

アーロンの風魔法とツクヨミの呪いが衝突して、爆発し、煙が舞う。

 

マークスが神剣「ジークフリート」を抜いて、カミラ、レオンの二人と共に、刃を向ける。

 

ミラの炎魔法とレオンの「ブリュンヒルデ」の魔法がぶつかり合い、爆発して煙が舞う。

 

サビがなった瞬間、シンク、マーク、コーキスの三人が煙の中から飛び出し、レオンのブリュンヒルデの魔法を掻い潜って突破する。

 

シンクが飛び上がり、蹴りを放つ。カミラは斧でシンクの蹴りを受け止めるが、その隙にマークとコーキスはカミラを突破する。

 

マークが銃大剣でマークスに斬り掛かるが、マークスは冷静にジークフリートで対処し、さらにコーキスの双刃とぶつかり合う

 

リョウマが神刀「雷神刀」を抜いて、ヒノカ、タクミの二人と共に、刃を向ける。

 

タクミが神弓「風神弓」で矢を放ち、ルクスが魔鏡技、ユニコーンアローで相殺し、爆発。煙が舞う。

 

もう一回サビがなった瞬間、ラス、アラン、イクスの三人が煙の中から飛び出し、タクミは尚も裏切り者を潰そうと風神弓で攻撃するが、三人は掻い潜ってタクミを突破する。

 

ラスが飛び上がり、蹴りを放つ。ヒノカは薙刀でラスの拳を受け止めるが、その隙にアラン、イクスがヒノカを突破する。

 

アランがリョウマに斬り掛かるが、リョウマはアランの剣を雷神刀で受け流し、宙返りしてアランを突破する。

 

イクスとリョウマが互いに駆け、イクスの剣とリョウマの雷神刀がぶつかり、鍔迫り合いとなり、両者は後ろへ飛んで下がる。

 

後ろから駆け出していたカムイが飛び上がり、神刀「夜刀神」で斬り掛かる。

 

カムイ、アクア、イクス、ミリーナ、コーキス、アラン、ユーリ、シンク、ラス、マーク、ギュンター、フェリシアが立っている。



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第1部
プロローグ


新作です。


ここはイクス達の世界の仮想鏡界…

 

ミリーナ「イクス、コーキス、気分はどう?大丈夫?」

 

イクス「ああ、俺は大丈夫だよ。コーキスは?」

 

コーキス「俺も大丈夫です。マスター、ミリーナ様」

 

ミリーナ「良かった。でも、辛い時はちゃんと言ってね。私達も出来る限りの事はするから」

 

イクス「ああ、分かってるよ」

 

コーキス「はい、ありがとうございます。ミリーナ様」

 

コンコン(ドアをノックする音)

 

イクス「? はい」

 

ガチャ(アランが入ってくる)

 

アラン「イクス、コーキス、調子はどうだ?」

 

イクス「俺は大丈夫だよ」

 

コーキス「俺も大丈夫です。アラン様」

 

ミリーナ「アラン、どうしたの?」

 

アラン「フランやここにいる面子がコーキスがまた大きくなったからそのお祝いをやろうって話になって、俺にイクスとコーキスの様子を見てきて欲しいって頼まれてここに来たんだ」

 

イクス「お祝いって、何か大袈裟だな…」

 

アラン「大袈裟じゃないよ。こっちはコーキスが倒れて、痛みの余り目を取ってくれー!ってミリーナの胸元で暴れられて、一時はどうなるかとフランも皆心配してたんだぞ」

 

コーキス「悪かったよ、アラン様。でも、それだけ皆に心配かけてしまったのは事実だから何とも言えないぜ・・・」

 

イクス「お祝いって何をするのか聞いてるかい?」

 

アラン「バーベキューをやるって」

 

ミリーナ「いいわね!それ!」

 

アラン「前にグラン達がアジト島を探険してた時に、バーベキューに調度いい水辺の所を見つけたらしい。俺も下調べで見たが中々いい所だったぞ。それで、イクス達はどうする?」

 

イクス「もちろん、行くよ。皆がコーキスがまた大きくなった事を喜んで、バーベキューをやろうとしているなら、それを無下にする訳にはいかないな」

 

ミリーナ「私もオーケーよ」

 

コーキス「俺もだ!」

 

アラン「よし、決まりだな! 皆に伝えとくよ」

 

 

 

数日後…。

 

 

 

全員「コーキス!!復活おめでとー!!」

 

コーキス「ありがとう、皆!これで俺もマスターとミリーナ様を守れる戦士の仲間入りだ!」

 

イクス「コーキス…」

 

ミリーナ「ありがとう。これからも頼りにしてるからね」

 

コーキス「はいっ!」

 

キラーン

 

ルクス「ん?」

 

アラン「どうした?ルクス」

 

ルクス「今、池の水が光った様な…」

 

ユーリ「水が光った?」

 

ロイド「お前の勘違いじゃねーのか?」

 

ルクス「…だといいけど」

 

キラーン

 

ジュード「光った!」

 

ルカ「な、なんだ!?」

 

キラーン

 

全員「うわあああああああ!!!」

 

 

 

 

その頃・・・

 

マークス「…くっ。なぜだ、カムイ。なぜ暗夜に刃を向けた。例え血は繋がらなくても、私たちは本当の家族ではなかったのか?」

 

カムイ「マークス兄さん…!僕はただ、話を聞いてもらいたくて!」

 

リョウマ「カムイ…。なぜ白夜を裏切った。お前の正義とは、一体、何だったのだ…」

 

カムイ「違う!リョウマ兄さん!僕は白夜を裏切った訳じゃない!」

 

マークス「私は…ずっとお前のことを、本当の兄弟だと思って…。……っ。…全軍に通達。カムイは暗夜を裏切った。以降はカムイを敵と見なす。速やかに捕縛せよ!」

 

カムイ「そ、そんな…!」

 

リョウマ「カムイ…。お前が連れ去られた時の身の裂ける思いは今も忘れていない。共に過ごせなかった時間を取り戻す事はできない…。だとしても…俺はお前ともう一度、家族として…。…いや。…それはもう夢物語なのだな。…皆に伝えろ。カムイは白夜を裏切った。敵に回るのならば…戦うしかない!」

 

カムイ「リョウマ兄さん!僕は…僕は…!」

 

アクア「待って、カムイ。今は無理よ。二人に貴方の言葉は届かないわ。一先ずここを離れましょう。捕まる訳にはいかないもの」

 

カムイ「マークス兄さん…リョウマ兄さん…」

 

 

 

 

 

逃走後…。

 

アクア「…ふう。何とか逃げ切れたけど、すぐに追手が来るはず…。カムイ、このままじゃ両国から敵と見なされたままよ」

 

カムイ「…………」

 

アクア「いい?白夜と暗夜…どちらかを選ぶしか道はないわ。そうしなければ、あなたは何もかもうしなってしまう」

 

カムイ「…いや、道はもう一つあるよ。このまま、どちらも選ばないという道だ」

 

アクア「…カムイ」

 

カムイ「白夜王国のみんなは僕の家族だ。暗夜王国のみんなだってそうだ。たとえ全てを失っても…たとえ兄さんたちに軽蔑されても…僕には選べない。だから、選ばない道を行く。全てを失ってもいい。そう決めたんだ」

 

アクア「そう…何かを成し遂げるためには全てを失う覚悟が必要ということね。…そうね。そうなのかも。…私のお母様も、暗夜を守るために命を落としたわ。でも、お母様は後悔していなかったと思う。自分の愛した者を守り抜いたのだから。…カムイ。私も覚悟を決めたわ。あなたが選んだ道を私も一緒に進んでいく」

 

カムイ「アクア……ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

ファイアーエムブレムif インビジブルキングダム 鏡界からの救世主達

 

 

 

 

 

 



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1章 第3の道を選んだ両国の王子王女との出会い

連続投稿です。


前回までのあらすじ

 

カムイ、アクア、フェリシアの3人は一度身を隠すために、透魔王国へ行く。その行き方は何と無限渓谷の橋から飛び降りるというものだった。透魔王国に着いたカムイ達は早速、透魔兵に襲われる。しかし、途中でギュンターと合流する。ギュンターは無限渓谷の橋からガンズによって落とされていたが、生き延びていた。ギュンターを加えたカムイ達は敵将を倒すが、謎の魔道士が現れる。アクアは今の自分達では勝てないと判断し、カムイ達はアクアの助言に従い、無限渓谷の橋の前まで撤退する。透魔王国はアクアによると外の世界にばらしてしまうと呪いによって消滅してしまうことが判明。しかも、白夜が暗夜に、暗夜が白夜に入れ替わると、透魔王国へ行く扉が閉じるというが、後数ヶ月しかなかった。それでもカムイはそれを伝えずに、両国に力を貸してほしいと伝えることを決める。ギュンターを仲間に入れたカムイ一行は最初の目的地をテンジン砦にするが、行く前に異界で休もうとする。すると…

 

 

 

アクア「それじゃあ、異界で…」

 

休みましょうと言ってアクアが異界の扉を開けようとした時、突然謎の光が現れ、中から三人の男女が現れた!

 

カムイ「え!?だ、大丈夫かい!?しっかりしてくれ!」

 

カムイは三人に話し掛けるが、三人は気を失っているのか返事をしない。

 

アクア「これは、一体…?」

 

アクアも珍しく困惑している。

 

フェリシア「いかが致しましょう。カムイ様?」

 

カムイ「そうだね…。敵兵じゃないし、悪い人でもなさそうだから、とりあえず異界で休ませよう」

 

ギュンター「承知しました」

 

 

 

 

 

数時間後…

 

 

 

カムイ「なかなか起きないね…」

 

アクア「カムイ、本当にいいの?敵かもしれないのに…」

 

カムイ「だからといって目の前で倒れている人達を放っておけないよ」

 

???1・2・3「うう…」

 

カムイ「…!大丈夫かい!?」

 

???1「え?あ、ああ…」

 

???3「マスター!ミリーナ様!無事だったんですね!」

 

???2「ええ。でも、ここは…?」

 

アクア「ここは龍脈で作られた異境よ。貴方達は無限渓谷で倒れている所をカムイが見つけたのよ」

 

???1「異境…。そうだ!他の仲間達は!?」

 

カムイ「…すまない。あそこにいたのは、君達だけだった」

 

???3「マジかよ…」

 

???1「…そっか。助けてくれてありがとう。俺はイクス・ネーヴェ。鏡士だ」

 

???2「私はミリーナ・ヴァイス。イクスの幼なじみで、イクスよりも1つ年上よ。ちなみに私もイクスと同じ鏡士よ。よろしくね♪」

 

???3「俺はコーキス!マスターの鏡精だ!よろしく!」

 

カムイ「か、鏡士?鏡精?」

 

イクス「簡単に言えば、鏡士は魔鏡術、謂わば秘奥義を行使する事ができる人で、鏡精は鏡士の分身となる精霊のことだ。コーキスは俺の鏡精なんだ」

 

カムイ「えぇっ!!!コーキスが精霊!!?人間だと思ったよ!!」

 

コーキス「まっ初めて見る人からすればそうだろうな。でも、俺は正真正銘、マスターに仕える精霊なんだぜ!」

 

フェリシア「マスターって、イクスさんの事ですか?」

 

コーキス「ああ!とても頼りになるマスターだぜ!」

 

アクア「それよりも、貴方達はどこから来たの?見たこともない服装をしているけど」

 

イクス「俺たちは仮想鏡界の中にある水辺でバーベキューをしていて…。そしたら光に包まれて…」

 

ミリーナ「気が付いたら、ここに…」

 

アクア「仮想鏡界?光?もっと詳しく話してくれる?」

 

カムイ「アクア、どういうことなんだい?」

 

アクア「彼らはおそらく異界から来たのよ。私達の知らない世界から…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カムイ「僕たちの知らない世界…?」




カムイ「突然、僕たちの前に現れた謎の少年少女3人は異世界からやってきた者達だった。アクアがもう少し詳しく話を聞こうとすると、ギュンターが知らない人達を連れてきた。ええっ!!君達の仲間なの!?

次回『2章 仲間達との合流』

必ず、リョウマ兄さんとマークス兄さんを説得させてみせる!!」


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2章 仲間達との合流

前回までのあらすじ

テンジン砦へ行く前に、異界で休もうとしたカムイ一行の前に突然、光が放たれ、中からイクス、ミリーナ、コーキスの三人が出てきた。カムイ一行は彼らを異界のベッドに休ませる。目を覚ました3人は、カムイから話を聞き、自分達の紹介をする。アクアは3人にどうやってここに来たのか聞き出すと、水辺でバーベキューしてたら突然池が光りだし、ここに来たという。アクアは心当たりがあるのかさらに詳しく聞き出そうとする。カムイはアクアに聞くと、3人は異世界から来たということが判明する。すると、ギュンターがやってきて…。

 

 

 

フェリシア「アクア様。それは本当なのですか?」

 

アクア「ええ。ただ、もう少し話を聞いてみないと…」

 

カムイ「ねえ、イクス。他の仲間達って…」

 

イクス「バーベキューに参加したのは、俺達を含めて全員だから、多分皆光に飲み込まれたと思う…」

 

カムイ「それじゃ、イクスやミリーナ、コーキスの仲間達もこの世界にいるのかい?」

 

アクア「多分そうよ」

 

フェリシア「でも、どんな人達か分からないですよ」

 

カムイ「それでも仲間達がいないのは辛い事だし、放っておけないよ」

 

コンコン(ドアをノックする音)

 

ギュンター「失礼します、カムイ様。先程、変な小僧達と犬を見つけました」

 

イクス「…犬?」

 

コーキス「まさか…」

 

ミリーナ「それって…」

 

???1「痛い痛い痛い!」

 

???2「ちょっと!もう少し優しく運んでよ!」

 

???3「おい!てめぇ痛いじゃねえか!ラピードを乱暴に扱うな!」

 

???4「痛たたた…おい、アランにフランにユーリ!大丈夫か!?」

 

???5「ワン!ワンワン!」

 

イクス「ユーリさん!それにラピードさんも!」

 

ミリーナ「アスベルさん!無事だったんですね!」

 

コーキス「アラン様にフラン様!」

 

アラン「えっ、イクス!?」

 

フラン「ミリーナ!無事だったのね」

 

ユーリ「コーキスも無事だったみてぇだな!」

 

ラピード「ワンワン!」

 

アスベル「とりあえずは安心だな!」

 

カムイ「ギュンター、その人達のロープを解いてあげて」

 

ギュンター「しょ、承知しました」

 

ユーリ「大丈夫か、ラピード」

 

ラピード「ワン!」

 

イクス「アランにフラン、無事で良かった」

 

ミリーナ「ユーリさんにラピードさんも無事で良かったわ」

 

コーキス「アスベル様も無事だったんですね」

 

アラン「ああ、俺は大丈夫だ」

 

フラン「私も大丈夫よ」

 

ユーリ「おう、俺もラピードも無事だぜ!」

 

アスベル「俺も大丈夫だ!」

 

ラピード「ワン!」

 

アスベル「イクス、ミリーナ。カーリャはどうした?」

 

コーキス「!そうですよマスター!俺がこうして一緒にいるってことは、カーリャ先輩も!」

 

ミリーナ「やってみるわ!」

 

イクス「どうだ!?」

 

カーリャ「ミリーナ様〜!イクス様にコーキスも!突然いなくなって心配したんですよ!」

 

ミリーナ「ごめんね、カーリャ。でも、カーリャも無事で良かったわ!」

 

カムイ「ええと、アランにフラン、ユーリにアスベルって言ったけど、皆イクス達の仲間なのかい?」

 

イクス「ああ。赤髪に赤眼の少年がアラン・ソードでオッドアイの人がアスベル・ラント」

 

ミリーナ「銀色の髪と青色の瞳の少女がフラン・レイピアちゃんで黒髪の長髪の人が甘い物が大好きなユーリ・ローウェルさん」

 

コーキス「で、この小さな精霊が俺より先に生まれたミリーナ様の鏡精のカーリャ先輩に、この犬は、ユーリ様の相棒のラピードだ!」

 

カーリャ「はじめまして!カーリャです!」

 

アラン「よろしく」

 

フラン「よろしくね」

 

アスベル「よろしく」

 

ユーリ「おう、よろしく」

 

ラピード「ワフ」

 

アクア「可愛い犬ね…」

 

ラピード「ガルルル…」

 

ラピードは警戒して後ろに下がる。

 

イクス「ユーリ、他の仲間達はどうしたんだ?」

 

ユーリ「さあな。俺達はあの谷の所でラピードに起こされたからな。その前の事は余り覚えてない」

 

アクア「仕方ないわね。しばらくは一緒に行動しましょう」

 

カムイ「そうだね!それがいいよ!」

 

イクス「それじゃ、お言葉に甘えて…」

 

ミリーナ「これから、よろしくね♪」

 

コーキス「マスターとミリーナ様が行くなら、俺も!」

 

カーリャ「それなら、カーリャも!」

 

アラン「そういう事なら…」

 

フラン「そうね」

 

アスベル「ああ、よろしく」

 

ユーリ「俺も一緒に行かせてもらう」

 

ラピード「ワンワン!」

 

カムイ「みんな、よろしくね!」




イクス「異世界へやってきた俺達。カムイやアクアの事情を聞いた俺達は仲間達を探し出す為にカムイ一行と行動を共にすることになるけど、…ええっ!!カムイとアクアって王族だったのか!?そして俺たちは大変な事態に巻き込まれてしまう!

次回『3章 裏切りの汚名 前編』

ミリーナを守る為に、俺は強くなる!!」


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3章 裏切りの汚名 前編

前回までのあらすじ

異世界へ飛ばされたイクス、ミリーナ、コーキスの3人はギュンターに捕まったアラン、フラン、アスベル、ユーリと彼の相棒である犬、ラピードと合流する。彼らを加えたカムイは、彼らにここがどの世界なのかを教える。そして、カムイ一行は目的地であるテンジン砦前に着くが…。

 

 

 

イクス「ええっ!!」

 

ミリーナ「カムイさんとアクアさんって!!」

 

コーキス「王族だったのか!?」

 

カムイ「うん、黙っててごめん」

 

アクア「本来は明かすつもりはなかったけど、今カムイはちょっと事情があって…」

 

アラン「話したく無いのならそこまでは聞かないよ」

 

アスベル「俺たちもそこの所は弁えているからな」

 

カムイ「後、僕の事はいつも通りに呼び捨てでも構わないよ」

 

イクス「分かった。そうさせてもらうよ」

 

フラン「それよりも、これからどこいくの?」

 

アクア「テンジン砦に行こうと思っているの」

 

ユーリ「テンジン砦?」

 

アクア「ええ、私達の世界には白夜王国と暗夜王国という2大国家があるのだけれど、テンジン砦は白夜王国の前線基地にして、難攻不落と言われている砦よ」

 

イクス「つまり、簡単に攻めにくいって所なのか」

 

ミリーナ「大丈夫!イクスならどんな砦も落とせるわ!」

 

コーキス「あー…。出た。ミリーナ様のマスター全肯定」

 

カーリャ「どこの世界へ行っても、ミリーナ様はブレませんね…」

 

アラン「そこへ行っても今カムイ様は両国から裏切り扱いされてるんだろ?大丈夫か?」

 

カムイ「でも、時間が無いんだ。ここで立ち止まるよりも動かないと」

 

フラン「何があったのかは聞かないけど、その時がきたら、私達にも話してね、カムイ様」

 

アスベル「ああ。俺たちがついているから」

 

ラピード「ワン!」

 

カムイ「皆…ありがとう!」

 

フェリシア「!何か見えました!」

 

アクア「あれこそ、テンジン砦よ」

 

イクス「あれが…」

 

コーキス「でけぇ…」

 

カーリャ「正に難攻不落ですね…」

 

アクア「行きましょう」

 

 

テンジン砦目前

 

ギュンター「よいですか?もうすぐテンジン砦です。おそらく、白夜王国の者も多くいるはず」

 

カムイ「わかった。さっそく接触してみよう」

 

ギュンター「しかし、カムイ様は裏切り者になっているのでは?白夜王国の者は問答無用で斬りかかってくるやもしれません」

 

アクア「いい? 呪いのことも忘れないで。あの国のことは、話しては駄目よ」

 

イクス「呪い?」

 

アクア「ごめんなさい。今は私達の口からは言えないわ。ただそれでもカムイを信じてあげて」

 

イクス「もちろんだよ。困っている人がいるなら尚更見過ごせないよ」

 

ミリーナ「私達もカムイさんを信じるわ」

 

コーキス「俺もだ!マスターが信じるなら俺も信じる!俺はマスターの鏡精だからな!」

 

カーリャ「カーリャも!」

 

アラン「ああ!」

 

フラン「私も!」

 

アスベル「俺もだ!」

 

ユーリ「まっ面白そうだから、付いていくぜ!」

 

ラピード「ワン!」

 

アクア「皆…ありがとう。…カムイ」

 

カムイ「うん。それでも協力を取りつけてみせる。この戦争を終わらせるためなんだ。きっとみんな耳を傾けてくれるよ。…さあ、行こう。思いの丈をぶつければ白夜のみんなにはきっと伝わるはずさ」

 

 

 

テンジン砦前

 

カムイ「えっと…。ここがテンジン砦…。やけに静かだけど…。誰も、いないのか…?」

 

すると、カムイ、アクア、イクス、ミリーナ達の前にユキムラが現れる。

 

カムイ「! ユキムラさん…」

 

アラン「あの眼鏡の人誰?」

 

カムイ「白夜王国の軍師ユキムラさんだよ…。母上の臣下だった…」

 

ユキムラ「よくも抜け抜けと顔を見せられたものですね…裏切り者のカムイ様」

 

カムイ「…っ!!」

 

ユーリ「裏切り者ねぇ…」

 

ユキムラ「…アクア様、貴方も同じです。白夜の王女として育てられても、有事になればあっさり背を向けてしまわれるとは…。貴方にとってのこの国は、ただの異邦でしかなかったのですね…?」

 

アクア「…………」

 

カムイ「ち、違うんだ、ユキムラさん!僕たちはこの国を裏切ってなんかいない!本当の敵は、別にいるんだ!それは僕でも、ましてや暗夜王国でもない!だからどうか…」

 

ユキムラ「無駄ですよ、言い訳など!」

 

カムイ「ユキムラさん…」

 

イクス「少しは話を聞いてやれないのか!」

 

ミリーナ「ユキムラさん!カムイさんの言ってることは本当です!私達にも真実は話してくれませんでしたけど、とても優しいカムイさんが嘘を付くとは思えません!」

 

ユキムラ「裏切り者に味方するものは誰であろうと…」

 

コーキス「マスターとその仲間達を裏切り者呼ばわりするんじゃねえ!!」

 

アラン「白夜王国や暗夜王国の話はカムイ王子から聞いたけど、お前らだって人の話を聞かずに勝手に裏切り者と決めつけたり、捕まえようとしてる時点でやってる事が暗夜王国と変わらねえじゃねーか!!」

 

ユキムラ「! 私達が暗夜王国と変わらないですって…!?」

 

フラン「アラン!言い過ぎよ!!」

 

アラン「フラン!止めるな!こういう相手にはこれぐらい言わないと分からねえ!!」

 

ユキムラ「私達白夜王国を暗夜王国と一緒にするとは、無礼に当たります!」

 

ギュンター「…やはり、そう簡単にはいきませんな。残念ですが、いつでも戦闘できる準備をしておいた方が良いかと」

 

カムイ「ユキムラさん…お願いだ。僕の話を聞いてくれ…」

 

ユキムラ「いいえ…裏切り者の話を聞く耳など持ち合わせておりません。貴方が仲間を見捨て、裏切ったせいでリョウマ様は行方知れずとなり…タクミ様は暗夜に捕らえられてしまったのですよ!」

 

カムイ「まさか…リョウマ兄さんとタクミが…」

 

ユキムラ「リョウマ『兄さん』…?まだリョウマ様たちと家族のおつもりですか。リョウマ様にタクミ様…ミコト様もそうです。貴方のせいで・・・私たちの大切な人はみんな…」

 

カムイ「…すまない」

 

ユキムラ「謝罪の言葉など不要です。私たちはただ貴方を厳罰に処するのみ。兵たちよ、裏切り者を捕らえなさい!」

 

アスベル「どうあっても、戦わなければならないのか!?」

 

カムイ「そんな…話を聞いてもらうには戦うしかないのか…本当の敵は、他にいるのに…」

 

イクス「…」

 

イクス「カムイ、戦おう」

 

カムイ「けど…」

 

イクス「話を聞いてもらうにも戦わなければならないんだ!このままじゃ真実を伝える前に最悪の事態になってしまう!」

 

ミリーナ「イクスの言うとおりよ!」

 

ユーリ「後にはもうひけねぇ、カムイの事情はただ事じゃないのは本当らしいな!」

 

アスベル「俺たちも手伝おう!」

 

イクス「俺もだ!」

 

ミリーナ「私も!イクスが行くなら私も行くわ」

 

コーキス「俺もだ!」

 

ラピード「ワンワン!」

 

カムイ「みんな…分かった!」

 

カムイは神刀「夜刀神」を、アクアは青銅の薙刀を、フェリシアは鉄の暗器と回復の杖「リライブ」を、ギュンターは鉄の槍を、イクスは片手剣を、ミリーナは5枚の小さな鏡を周囲に浮かせる形で、コーキスは双刃を、アランは片手剣を、フランは細剣を、ユーリは刀を、アスベルはサーベルを、ラピードは短剣を口に咥えて、構える。

 

フェリシア「皆さん!来ますよ!」




ミリーナ「遂に始まったカムイさんと白夜王国との戦い。私達は説得しようとしたのだけれど、全然話を聞いてくれないの!お願い!ユキムラさん!サイゾウさん!オロチさん!カムイさんの話を聞いてあげて!!

次回『3章 裏切りの汚名 中編』

イクスを守る為に、私は強くなる!!」


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3章 裏切りの汚名 中編

結局3つに分かれてしまった・・・。


前回までのあらすじ

アラン、フラン、アスベル、ユーリ、ラピードを加えたカムイ一行は、白夜王国を説得するために、まず白夜王国の難攻不落の砦と言われるテンジン砦に移動する。テンジン砦前に白夜王国の軍師ユキムラが現れ、ユキムラはカムイとアクアだけでなく、彼らに味方するものも捕らえようとする。カムイは説得しようとするが、コーキスとアランが挑発したために、状況は悪化してしまう。果たして、カムイとアクア、イクスとミリーナ、コーキス達はこの危機を乗り越えられるか…。

 

 

 

カムイ「皆、くれぐれも兵は出来るなら殺さないようにしてくれ!頼む!」

 

イクス「分かった!」

 

ミリーナ「任せて!」

 

コーキス「了解だ!」

 

アラン「オーケー!」

 

フラン「分かったわ!」

 

アスベル「分かった!」

 

ユーリ「努力はするぜ!」

 

ラピード「ワン!」

 

ギュンター「承知しました!」

 

フェリシア「任せて下さい!」

 

アクア「ええ!」

 

カムイ「はあ!」

 

白夜兵「ぐはあ!」

 

アクア「やあ!」

 

白夜兵「があ!」

 

ギュンター「せいっ!」

 

白夜兵「ごふう!」

 

イクス「はあ!」

 

白夜兵「ぐはあ!」

 

カムイ軍は白夜兵を殺さないように倒していく。

 

アラン「誰かいるぞ!」

 

フラン「あなたは?」

 

オロチ「わらわはオロチ…亡き白夜女王、ミコト様の臣下じゃ。そなたたちのことは決して許さぬ…。ミコト様の仇、討たせてもらうぞ。わらわのまじないの前に倒れ伏すが良い!」

 

ミリーナ「みんな!この人は私に任せて!呪術師相手に負けられないわ!」

 

フラン「ミリーナ!私も行くわ!」

 

フェリシア「私も行きます!暗器は相性で有利ですから!」

 

イクス「ミリーナ!頼む!」

 

アラン「フラン!気をつけろよ!」

 

カムイ「フェリシア!任せたよ!」

 

ミリーナside

 

BGM『白き憐れみの手に』

 

オロチ「わらわから行くぞ!はあ!」

 

オロチは鼠神・子を放つが、ミリーナ、フラン、フェリシアは躱す。

 

フラン「くっ!やはり強い!」

 

ミリーナ「フラン!焦らないで!」

 

フェリシア「一気に決めましょう!」

 

ミリーナ「分かったわ!鏡に光よ!『ルミナスレイズ』!!」

 

ミリーナ、フラン、フェリシアの体力が回復する。

 

フェリシア「やあっ!」

 

オロチ「くっ!」

 

フェリシアの暗器をオロチは回避するが、

 

フラン「凍てつきなさい!『白氷天狼斬』!!」

 

オロチ「ぐはあ!」

 

オロチは吹っ飛ばされる。

 

オロチ「くっ…! こんな者たちに負けるとは、まだまだ修行が足りんかったかのう…。すまんが、撤退させてもらうぞ…」

 

フラン「待ちなさい!」

 

ミリーナ「フラン!追う必要は無いわ!それよりも急いでイクス達を追い掛けましょう!フェリシアも一緒に来て!」

 

フェリシア「分かりました〜!」

 

イクスside

 

イクス「ミリーナは大丈夫かな…」

 

アラン「大丈夫だと思うぜ!それよりも急ぐぞ!」

 

ユーリ「ああ!白夜の連中や白夜の王子王女に感づかれたら、逃げ切れねえぞ!」

 

カムイ「分かった!」

 

ラピード「ウー、ワンワン!」

 

ユーリ「ちっ!まだ仲間がいたか!」

 

サイゾウ「お前たちのせいで、リョウマ様は行方不明になったのだ…!許さん…絶対に許さんぞ!!このサイゾウの秘術、受けて無事でいられると思うなよ!?」

 

コーキス「はあ!?リョウマ様が誰か知らねえけど、俺達のせいじゃねえだろ!!」

 

カムイ「まずい!!サイゾウはリョウマ兄さんの臣下だから相当強いよ!!」

 

ユーリ「ちっ!こいつは俺とアスベルとラピードで引き受ける!」

 

アスベル「ああ!ここは任せてくれ!」

 

ラピード「ワンワン!」

 

ギュンター「私もお供しましょう!」

 

イクス「ユーリさん!ラピードさん!頼んだよ!」

 

アラン「アスベルも気を付けてくれ!」

 

カムイ「ギュンターも気を付けて!」

 

ユーリside

 

BGM『白き憐れみの手に』

 

サイゾウ「覚悟はいいな?はあっ!」

 

サイゾウ、手裏剣を投げつける。

 

ユーリ「くっ!」

 

アスベル「やはり、一筋縄ではいかないか!」

 

ギュンター「ならば、隙をつくしかありませぬな」

 

すると

 

ラピード「ワン!」

 

ラピードが一瞬でサイゾウとの間合いを詰め、斬り掛かる。サイゾウは反応が遅れるも受け止める。

 

サイゾウ「ぐっ!犬の分際で…!」

 

ユーリ「ラピードを只の犬と舐めたら、大間違いだぜ!忍者さん」

 

ギュンター「はあっ!」

 

サイゾウ「くっ!貴様…!」

 

ラピード「ワン、ワン!ワゥゥ、ワン!!ウォォン!ワンッ!ワウウゥゥッ!アォォォォーン!!」

 

『神速犬舞』

 

サイゾウ「ぐっ…!」

 

ユーリ「『蒼破牙王撃』!!邪魔だ!」

 

サイゾウ「ぐはあ!」

 

アスベル「調子に乗るな!『四葬天幻』!!」

 

サイゾウ「があ!」

 

サイゾウ、吹っ飛ばされる。

 

サイゾウ「うっ…っ!ここで負けるなど、あってはならない…。リョウマ様のためにも、ここは引くのが得策か…」

 

アスベル「ふう…。何とかなったな」

 

ユーリ「さっさとイクスやカムイ達を追うぞ!」

 

ギュンター「そうですな!」

 

ラピード「ワン!」

 

イクスside

 

イクス「ユーリさん…。ラピードさん…」

 

アラン「イクス、俺達が大将を早く倒せばみんな生き残れる」

 

アクア「ええ。説得するためにも急ぎましょう!」

 

コーキス「そうだぜ!マスター!カムイ様!」

 

カムイ「うん!急ごう!」

 

イクス「ああ!」

 

そして…

 

アラン「!いたぞ!」

 

ユキムラ「ミコト様…どうか見ていて下さい。白夜に仇なす者たちは、私がこの手で…」

 

カムイ「行くよ!みんな!」

 

イクス「分かった!」

 

コーキス「ああ!」

 

アクア「ええ!」

 

アラン「了解だ!」

 

BGM『白き憐れみの手に』

 

アラン「せやあっ!」

 

アラン、先制攻撃を仕掛ける為に、斬り掛かる。

 

ユキムラ「ふっ!」

 

ユキムラ、アランの剣を回避し、乗っている獅子舞の絡繰の口から手裏剣が射出する。カムイ、アクア、イクス、コーキス、アランは紙一重で回避する。

 

アラン「くっ強い!」

 

イクス「だけど負けられない!」

 

コーキス「今だ!はあっ!」

 

アクア「やあっ!」

 

ユキムラ「くっ!」

 

アラン「燃え尽きろ!『炎龍王帝刃』!!」

 

ユキムラ「ぐっ!」

 

コーキス「反撃は許さない!『崩牙瞬零刃』!!」

 

ユキムラ「ぐはあ!」

 

イクス「はああっ!『緋閃鏡影刃』!!」

 

ユキムラ「うわあ!」

 

アクア「今よ!」

 

カムイ「はああ!」

 

奥義『竜穿』

 

ユキムラ「ぐはあ!」

 

ユキムラ、吹っ飛ばされる。

 

ユキムラ「…っ!仕方…ありません…。潔く、負けを認めましょう…」

 

こうして、戦いは、終結した。




コーキス「戦いは俺達が勝ったけど、カムイ様の説得は通じないし、さらにサイゾウっていう忍びは俺達を巻き込んで自爆しようとする。ピンチの俺達の前に現れたのは、新たな仲間達だった!

次回『3章 裏切りの汚名 後編』

マスターも、ミリーナ様も、俺が守り抜いてみせる!!」


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3章 裏切りの汚名 後編

前回までのあらすじ

カムイの説得は通じず、ユキムラ率いる白夜王国軍との戦闘となったカムイ、イクス軍。ミリーナ、フラン、フェリシアの三人は呪術師であるオロチと対決し、フランが白氷天狼斬で撃破した。また、アスベル、ユーリ、ラピード、ギュンターは忍びであるサイゾウと交戦し、さいごはアスベルが四葬天幻でサイゾウを倒す。一方、カムイ、アクア、イクス、コーキス、アランの五人は大将、白夜王国の軍師である絡繰師ユキムラと対決し、アラン、コーキス、イクスが連続攻撃を加え、最後はカムイが奥義『竜穿』でユキムラを倒す。倒した三人をカムイ、アクア、イクス達は再び説得を試みるが…。

 

 

 

ユキムラ「…なぜです。…どうして殺さないのですか?」

 

カムイ「僕はこの無益な殺し合いを終わらせる方法を知っている。そのためには、君たちの力が必要なんだ」

 

ユキムラ「くっ…都合の良いことを。…私は信じません。私の大事な人たちを奪った貴方の言葉など…」

 

オロチ「そ、そうじゃ! うう、ぐすっ…。ミコト様を…白夜の民たちを返せ…っ!うっ、うぅ…っ!」

 

サイゾウ「…………。仕方ない…。こうなれば、この身をもって…暗夜の賊どもに一矢報いてやる…。くっ…ぐぐぐっ…!」

 

コーキス「何をするつもりだ!?」

 

ギュンター「いかん!こやつ、自爆する気だ!」

 

アラン「こいつ!この期に及んで…!」

 

カムイ「やめるんだ、サイゾウ!」

 

サイゾウ「我が信は白夜にあり…。死んでも貴様らの好きにはさせん!くっ…ぐぐぐぐっ…!」

 

ユーリ「どうする!?このままじゃ全員お陀仏だぞ!!」

 

???1「スプラッシュ!」

 

サイゾウ「ぐはっ!」

 

カムイ「えっ!?」

 

コーキス「今の声…」

 

アラン「まさか…」

 

???1「ふう、良かった。間に合ったみたいだね!」

 

アラン「アーロン!無事だったのか!」

 

アーロン「うん!だけど、僕だけじゃないよ」

 

スズカゼ「兄さん、いけません!」

 

サクラ「だめです…サイゾウさん!カムイ兄様を傷つけないでください!」

 

???2「イクス!みんな!」

 

???3「無事だったんですね!」

 

???4「一先ず安心だな!」

 

???5「いやー良かった良かった」

 

???6「やっと見つかった〜!」

 

???7「イクス!みんな!大丈夫!?」

 

カムイ「スズカゼ、サクラ…!」

 

イクス「クレスさん!ミントさん!」

 

ミリーナ「クラースさんにアーチェさんも無事だったんですね!」

 

アラン「チェスターにすずも無事みたいだな!」

 

フラン「カムイ様。あの二人は?」

 

カムイ「巫女の方は僕の妹のサクラで、忍者の方はサイゾウの弟のスズカゼだよ」

 

ミリーナ「妹!?それじゃサクラちゃんは…」

 

カムイ「うん、白夜王国の王女だよ」

 

ユーリ「サイゾウとスズカゼ、兄弟にしては性格が全然違うな」

 

サイゾウ「なんのつもりだ…?あいつは白夜を裏切った憎き相手なのだぞ!?」

 

コーキス「だから違うって言ってんだろ!!」

 

スズカゼ「いいえ、兄さん。カムイ様は信じるに足る人です。この方は、暗夜王国に囚われていた私を助けてくれました。自らの危険を顧みず、敵である私の命を…!」

 

サクラ「だって、カムイ兄様は…とても優しい方なんです。この闘いでも、砦にいた兵士たちを誰一人殺してはいませんでした…!本当に白夜を裏切ったのなら、そんなことする必要があるでしょうか!?何か事情があるに違いありません。どうか話を聞いてあげてください!」

 

サイゾウ「むむむ…。…………」

 

サイゾウ、武器を降ろす。

 

スズカゼ「兄さん…ありがとうございます」

 

サイゾウ「…ふん。信じたわけでない。だが、話は聞かせてもらおうか」

 

カムイ「…真の敵は、暗夜でも白夜でもない、もっと別のところにいる。母上を…ミコト女王を殺し、白夜王国を壊滅させたのはガロン王ではないんだ。もっと強大で、もっと恐ろしい野望が…僕たちの知らないところで、動いている」

 

サイゾウ「ほう…恐ろしい野望だと?なかなか面白いことを言うな。ではお前の言う真の敵とやらは一体何者だ。そいつは一体、どこにいる?」

 

カムイ「すまない…それは、言えない。でも…もうすぐ、暗夜と白夜の空の色が入れ替わる日が来る。もし僕たちを信じる気があるなら…その日に、無限渓谷に来てほしい。僕からの話は…それだけだ」

 

サイゾウ「…貴様、ふざけているのか?」

 

カムイ「いや、ふざけてなんかいない。でも僕が言えることはここまでなんだ」

 

ユキムラ「…聞くだけ無駄だったようですね。話は終わりです。お引き取りください」

 

アラン「行こう、みんな。こんな奴ら頭が固そうだから信用できねえ」

 

カムイ「…………」

 

カムイ達は立ち去ろうとする

 

サクラ「ま、待ってください。カムイ兄様!」

 

カムイ「サクラ…?」

 

サクラ「あの…私も連れて行ってください!私のような者でも、何か兄様のお役に立てるはずです!」

 

ユキムラ「サクラ様、何を…!?」

 

サクラ「ごめんなさい…ユキムラさん。でも、私はカムイ兄様を信じています。過ごした時間は少なかったですが…それでも、わかるんです。さっきの兄様は…嘘を言っている人の目ではありませんでした」

 

ユキムラ「サクラ様…。まったく…ここでどれほど引き留めても、貴方は聞き入れてはくださらないのでしょうね。ご誕生されたときからずっと、サクラ様の成長をお側で見て参りました。だから、サクラ様のことは他の誰よりも理解しているつもりです。…ですから止めはいたしません。どうか、くれぐれもお気をつけて」

 

サクラ「ありがとうございます。ユキムラさん」

 

スズカゼ「お許しください…兄さん。私も、カムイ様と共に参ります」

 

サイゾウ「…好きにしろ。それだけの覚悟があるのならな」

 

スズカゼ「…はい」

 

カムイ「ありがとう…サクラ、スズカゼ。僕のことを信じてくれて。では、行こう。次の目的地へ…」

 

道中・・・

 

カムイ「ここは……」

 

サクラ「どうなさいました、兄様?」

 

カムイ「うん。この湖…アクアと初めて出会った場所なんだ。あれから、短い間に色々なことがあったな…」

 

サクラ「兄様…」

 

カムイ「すまない。サクラにもまだ話せないことばかりで…」

 

サクラ「いえ、大丈夫です…兄様。私は兄様を信じていますから。兄様はきっと、とても大きなものを背負っていらっしゃるのです…。私…少しでもそのお手伝いをしたくて…兄様の喜びや悲しみを、私も一緒に分かち合えたらって…で、ですから、その…私……。…ご一緒できて嬉しいです、兄様!よ、よろしくお願いします!」

 

カムイ「…ん?向こうから何か来るよ?あれは…天馬?こ、こっちにまっすぐ向かってくる!」

 

サクラ「え…!?」

 

ツバキ「ふう…良かった、やっと追いつきましたよサクラ様!」

 

サクラ「わわっ…ツ、ツバキさん!?」

 

カザハナ「もう、サクラ様ったら…あたしたちを置いていくなんて、ひどいですよーっ!」

 

サクラ「カザハナさんまで…。二人とも、どうして…!?」

 

カザハナ「はい。さっきユキムラさんが伝令を寄越したんですよ。サクラ様が…白夜王国を出るって」

 

サクラ「! ユキムラさんが…」

 

カザハナ「えへへ…まあたとえユキムラさんに教えてもらわなくたって、サクラ様がいなくなったことがわかれば絶対に追いかけちゃいますけどね」

 

ツバキ「うん。俺たちにはサクラ様を完璧にお守りする使命がありますのでー。サクラ様の行くところになら、どこにでも付いて行くのは当然ですよ。俺たちはいつでも…あなたの力になります」

 

サクラ「ありがとうございます…!」

 

カムイ「あの…サクラ、この人たちは…?」

 

サクラ「えっと…私の臣下の、ツバキさんとカザハナさんです。いつも私のことを守ってくれる、強くて優しい方たちなんですよ。これから一緒に闘ってくれるので…きっと心強い戦力になって下さいます」

 

カムイ「へぇ…それは有難いな。よろしくね、二人とも」

 

ツバキ「はい。任務は完璧に遂行しますよー」

 

カザハナ「まあ、サクラ様をお守りするついでに、加勢してあげるわ」

 

イクス「カムイ!こっちも準備出来たよ!」

 

カムイ「イクス!みんな!」

 

サクラ「カムイ兄様、この方たちは…?」

 

カムイ「そうだね。じゃあみんな!簡単な自己紹介を!」

 

イクス「はじめまして、サクラ王女。俺はイクス・ネーヴェです。鏡士をやっています。こっちは俺に仕える精霊、コーキス」

 

コーキス「はじめまして!サクラ様!コーキスです!これからよろしくお願いします!」

 

サクラ「精霊!?コーキスさんが!?す、すごいです!!」

 

ミリーナ「私はミリーナ・ヴァイスです。イクスの幼馴染で、イクスと同じ鏡士をしています。よろしくね♪そして…」

 

カーリャ「はじめまして!ミリーナ様に仕える精霊のカーリャって言います。よろしくお願いします。」

 

サクラ「よろしくお願いします。カーリャさん」

 

アラン「俺はアラン・ソード」

 

フラン「私はフラン・レイピア」

 

ユーリ「ユーリ・ローウェルだ。そしてこいつは相棒のラピード」

 

ラピード「ワフ」

 

サクラ「可愛い犬ですね。よろしくお願いしますね」

 

アスベル「俺はアスベル・ラントだ」

 

サクラ「よろしくお願いします」

 

カムイ「さあ、行こう!!次の場所へ!!」

 

全員「ああ!!」




アラン「白夜王国のサクラ王女や忍びであるスズカゼさんを加え、さらにクレス一行を加えた俺達は追手との無用な戦闘を避けるために、また、中立国であるイズモ公国に立ち寄る為に近道である黄泉の階段を抜けることにしたんだけど、そこにはとんでもない罠が仕掛けられていた!

次回『4章 流浪 前編』

どんなに厳しくても、抗ってみせる!!」


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4章 流浪 前編

前回までのあらすじ

ユキムラ率いる白夜王国軍を打ち破ったカムイ、イクス一行。再び説得を試みるが聞き入れてもらえず、サイゾウの自爆に巻き込まれかけるも、アラン、フランの仲間であるアーロンとクレス、ミント、チェスター、アーチェ、クラース、すずや白夜王国の王女サクラと忍びであるスズカゼの必死の制止でようやく話を聞いてくれるようになる。カムイは話をするが結局聞き入れてもらえず、カムイ、イクス一行はその場を去ろうとするがサクラとその家臣二人とスズカゼが一行の仲間になる。そして、カムイ、イクス一行は次の目的地をイズモ公国に定め、追手との無用な戦闘を避けるかつ、近道の為に黄泉の階段に向かうが…。

 

 

 

暗夜城・謁見の間

 

ガロン「…ほう。そうか。カムイは生き延びたか…。奴は知っておるのだな…。知ってはならぬ真実を。…だが。案ずるな。すでに手は打ってある。カムイなど恐れるに足らん。簡単に捻りつぶしてくれよう。わかっておるはずだ。わしをとめることは誰にもできぬと。この世界はもうすぐわしのもの…。グハハハハハハハッ!」

 

扉の向こうから盗み聞きするエリーゼ(F)

 

エリーゼ(F)「お父様…誰と話をしてるの?それにカムイおにいちゃんを捻りつぶすだなんて…。…なんだか嫌な予感がする。マークスおにいちゃんに相談してみよう」

 

カミラ「駄目よ、エリーゼ。やめたほうがいいわ」

 

エリーゼ(F)「!カミラおねえちゃん?」

 

カミラ「お父様から何か禍々しい気配を感じるの。この世のものではないような…」

 

エリーゼ(F)「そんな…。だったら、なおさらカムイおにいちゃんの身が…」

 

カミラ「いいえ…今、下手に動くのは危険だわ。少し様子を見ましょう」

 

エリーゼ(F)「…うん」

 

黄泉の階段

 

コーキス「マスター、ミリーナ様、パイセン、大丈夫ですか?」

 

イクス「はあ、はあ…」

 

ミリーナ「流石に、きついわね…」

 

カーリャ「カーリャも、限界ですぅ〜…」

 

アラン「え、カーリャってただ飛んでるだけだろ?」

 

カーリャ「羽根の付け根が痛いんですよぅ!!」

 

アラン「すいません…」

 

フラン「それにしても…」

 

カムイ「はあ、はあ…。この階段、いつまで続くんだ…?」

 

アクア「わからないわ…。でも、目的地まではこの黄泉の階段を抜けていくのが一番早いの」

 

サクラ「えっと、目的地は確か…中立国のイズモ公国、でしたよね。アクア姉様」

 

アクア「ええ。白夜の追手と戦うのを避けるには、そこを目指すのが得策よ。あの国では…全ての戦闘行為が禁止されているはずだもの」

 

ラピード「ウーワンワン!」

 

ユーリ「どうした、ラピード?」

 

サクラ「な、なんだか霧が濃くなってきましたよ…?」

 

ノスフェラトゥが突然現れる。

 

クレス「!? なんだこの怪物は!?」

 

サクラ「!! きゃあああっ!皆さん、ノスフェラトゥです!」

 

チェスター「ノスフェラトゥ?」

 

カムイ「暗夜王国の呪術師が送りつけた心を持たない怪物だよ!!」

 

イクス「ミリーナ!サクラ王女を頼む!」

 

ミリーナ「分かったわ!」

 

サクラ「皆さん!気を付けて!」

 

スズカゼ「お任せください、サクラ様!」

 

カムイ「でやあっ!はあっ!!」

 

ギュンター「覚悟は良いな!?むんっ!」

 

イクス「はあっ!!」

 

コーキス「うおおっ!!」

 

アラン「でやあっ!!」

 

フラン「やああっ!!」

 

ユーリ「ふっ!!」

 

アスベル「はあっ!!」

 

クレス「はあっ!!」

 

チェスター「ふっ!!」

 

すず「やあっ!!」

 

しかし、なぜかノスフェラトゥではなく人が倒れている。

 

カムイ「!? みんな、待て! 待つんだ!倒れている敵の姿が…ノスフェラトゥじゃない! 人間だ!」

 

アクア「まさか、これは…風の部族の者たちだわ!」

 

イクス「何だって!?」

 

崖の上にいるマクベス

 

マクベス「ククククク…」

 

アラン「!! 誰だ!?」

 

マクベスはアランに見つからないようにワープで去る。

 

カムイ「そんな…これは、何者かの罠だったのか…?」

 

アクア「カムイ…。これから、どうしましょうか」

 

カムイ「…風の部族の村へ行こう。ちゃんと説明して、謝罪をしないと」

 

アクア「…そうね。私も、それがいいと思うわ」

 

風の部族の村

 

カムイ「ええと…ここが風の部族の村か」

 

部族兵1「あいつらだ!仲間に攻撃を仕掛けた奴らは!」

 

カムイ達「!!」

 

部族兵2「仲間に酷い傷を負わせやがって…絶対に許すものか!」

 

カムイ「違う!話を聞いてくれ…!確かに僕たちは君たちの仲間を傷つけた。それは事実だ。申し訳ない。でも、あれは誰かの罠だったんだ!僕たちに風の部族への敵意はない!」

 

部族兵1「なんだと!?今更、そんな言葉が信用できるか!処刑だ!処刑だ!」

 

ユーリ「無理みてぇだな、こりゃ」

 

サクラ「こ、こんなに怒っている皆さんを見た事がありません…。あ、あのっ、カムイ兄様っ。残念ですけど…この状態では話すら聞いてもらえそうにないと思います。誤解を解くために、族長のいる烈風城に行ってみるのは…どうでしょうか…?」

 

カムイ「烈風城?」

 

アラン「シンクみてぇな名前だな」

 

カムイ「シンク?」

 

アラン「ああ、こっちの話。続けて」

 

サクラ「は、はいっ。そこに、風の部族の族長さんがいらっしゃるって聞いたことがあるんです…。族長さんにわかってもらえれば、皆さんも敵対するのをやめて下さるかも…」

 

アクア「そうね…。幸い、風は止んでいるわ。今なら暴風に守られているあの城に辿り着けるかも。けれど、話したところでわかってもらえるとは限らないわよ。それでも、行く覚悟はある?」

 

カムイ「…うん。僕たちには、より多くの味方が必要だ。そのためには…地道に信頼を積み重ねるしかない。行こう、烈風城へ」

 

烈風城前

 

フウガ「…お前たちか。この私に会いたいと申し出たのは」

 

カムイ「…はい。僕はカムイ。あなたが、風の部族の長ですね」

 

フウガ「いかにも。私が族長のフウガである。民たちより、話は聞いた…。お前たちは暗夜にも白夜にも属さず両国の破滅を狙っているそうだな?そしてその手始めに…我が同胞を襲ったと」

 

アラン「何だと!?」

 

コーキス「誤解だ!!俺達はそんなこと考えていない!!」

 

カムイ「まさか…!一体誰がそんなことを…!僕たちは両国の破滅など、考えていません。本当にそれを企んでいるのはむしろ、あの国の王…!」

 

アクア「! だめよ、カムイ!」

 

カムイ「!!」

 

フウガ「…なんだ?」

 

カムイ「いや、何でもありません。でも、真の敵は、別にいるんです…。これだけは、信じてください…」

 

アラン「カムイ、そんな不十分な説得じゃ誰にも分かってくれねえぞ」

 

カムイ「だけど…!」

 

フウガ「真の敵だと…?…死を恐れて血迷ったか?油断させて襲おうなどという考えは捨ておけ。卑劣極まるその愚行は万死に値する。ただちにこの者たちを処刑せよ!」

 

カムイ「…くっ!やっぱり…駄目なのか?ここには誰も、僕たちを信じてくれる人なんていないのか…!?」

 

リンカ「…待て! 風の族長よ!」

 

???1「おい!俺達の承諾もなしにイクス達を殺したら、許さねーぞ!」

 

???2「私達の仲間をころさないで!」

 

???3「アラン!みんな!」

 

カムイ「リンカ!?」

 

イクス「ラタトスク!?」

 

ミリーナ「マルタちゃんも!?」

 

フラン「サイリ!」

 

サクラ「知り合いですか?」

 

コーキス「マスター達の仲間なんだ!」

 

カムイ「どうしてここへ!?」

 

リンカ「あんたを探してたんだよ、これまでずっと。あの日、あんたが行方をくらましてから両国は大混乱だ。今じゃカムイは、両国を滅ぼそうと企んでるんじゃないかって噂まで立ってる。けどあんたは、そんなことをするような奴じゃない。あたしはそう…信じている!」

 

ラタトスク「俺もだ!何よりこの甘ちゃん王子がもし本当にそんなこと考えているなら、俺達の仲間であるイクス達が一緒にいる理由にどう説明するべきだ?風の族長さんよ?」

 

マルタ「私も!ラタトスクがカムイ王子を信じているのなら、私もカムイ王子を信じてみたい!何が起きているのか聞きたい!」

 

サイリ「私もだ!アランは理由もなしにカムイ王子にはつかない!何か訳があると信じている!」

 

カムイ「リンカ…ラタトスク…マルタ…サイリ…。…ありがとう」

 

フウガ「ふん…炎の族長の娘とその客人達か。なぜお前達がこの男をかばう」

 

リンカ「いいか? あたしにはこの前、こいつに助けられた恩があってね。証拠もないのに勝手に殺されちゃあ困るんだよ。それに…このカムイという男は理由もなく暴挙を行う人間ではない。少なくとも炎の部族の長…あたしの親父なら、処刑なんかしないで話を聞くだろうね」

 

ラタトスク「俺達も同感だ!」

 

マルタ・サイリ「うん!」

 

フウガ「ほう…私にそいつを信じろと言いたいのか?その進言、軽くはないぞ。覚悟あってのことだろうな」

 

リンカ「ああ。炎の部族の名において誓おう」

 

フウガ「面白い…お前にそこまで言わせるほどの者ということか。ならば!このフウガにも示してもらおう!正々堂々とこの私と闘ってその力を証明してみせろ!卑怯なやり方など必要なかったと、お前たち自身の力をもって示してみせるがいい!」

 

ラタトスク「上等だ!やってやるよ!」

 

リンカ「行くぞ、カムイ!あたしも手を貸す…。だからお前は、思いのままに闘え!」

 

ラタトスク「マルタ!イシス!俺達もカムイに手ぇ貸してやる!行くぞ!」

 

マルタ「ええ!」

 

サイリ「無論だ!」

 

カムイ「…わかった!頼むよ、リンカ!ラタトスク!マルタ!サイリ!勝つことで納得してもらえるなら…闘いを拒む理由はない!みんな…戦闘準備を!」

 

全員「ああ!」




フラン「遂に始まった私達とフウガさん率いる風の部族達との戦い。フウガさんとその兵士達は相当な強さだった。でも諦めない!ラタトスクやマルタ、そして私の親友のサイリと共に必ずフウガさんに証明してみせる!卑怯なことをする必要などなかったということを!

次回『4章 流浪 中編』

私は私の信念を、貫いてみせる!!」


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4章 流浪 中編

前回までのあらすじ

サクラやスズカゼ、クレスにミント、チェスターにアーチェ、クラース、すずにアーロンを加えたカムイ、イクス一行は追手との無用な戦闘を避けようと黄泉の階段に行くが、暗夜王国の軍師マクベスの幻術による罠にはめられ、誤って風の部族の兵士に攻撃してしまう。誤解を解くために風の部族の村に行くが、族長のフウガはカムイ、イクス一行を処刑しようとする。しかしそこに炎の部族の族長の娘であるリンカと彼女に保護されていたラタトスク、マルタ、イシスの三人が現れ、カムイ、イクス一行を庇う。それを聞いたフウガはカムイ、イクス一行に卑怯なことをする必要がなかったことを実力で示してもらおうとカムイ、イクス一行に戦いを仕掛ける。カムイ、イクス一行は仲間になったリンカ、ラタトスク、マルタ、イシスと共に、無罪を勝ち取るためにフウガに挑む!

 

 

 

カムイ「はあっ!」

 

部族兵「ぐはあ!」

 

アクア「やあっ!」

 

部族兵「がっ!?」

 

フェリシア「えーい!」

 

部族兵「わあっ!」

 

ギュンター「むん!」

 

部族兵「があっ!」

 

スズカゼ「ふっ!」

 

部族兵「ぎゃあ!」

 

リンカ「おりゃあ!」

 

部族兵「ぐはあ!」

 

カザハナ「やあっ!」

 

部族兵「うわあ!」

 

ツバキ「はっ!」

 

部族兵「ごはあ!」

 

アスベル「見切れるか!沈め!『冥葬虎幻』!!」

 

部族兵「ぎゃあ!」

 

クレス「奥義!『時空蒼破斬』!!」

 

部族兵「うわあ!」

 

ミント「頑張って!『セイントエンブレイス』!!」

 

カムイ、イクス一行の体力が回復する。

 

チェスター「覚悟しろ!屠龍!!」

 

『神技・屠龍』

 

部族兵「ぐはあ!」

 

アーチェ「万象数多の光よ、集え!『ビッグ・バン』!!」

 

部族兵「うわあ!」

 

クラース「クラースの名において命ずる…『グラインデッド・ウンディーネ』!!」

 

部族兵「ぎゃあ!」

 

すず「仕留めます!『忍法・五月雨』!!」

 

部族兵「ぐはあ!」

 

サクラ「皆さん、すごいです!」

 

ラタトスク「俺達も負けてらんねぇな!」

 

ラピード「ワンッ!ウゥゥーッ、ワンッ!グルルッ!ウォォォーーーン!!」

 

『絶覇猛犬迅』

 

部族兵「ぎゃあ!」

 

ユーリ「飛ばしていきますか!お終いにしようぜ!『爪牙竜狼破』!!」

 

部族兵「うわあ!」

 

カーリャ「! 誰か来ます!」

 

ツクヨミ「ふむ…。思ったより弱そうな奴らだな。本当にお前たちが、風の部族に刃向った者なのか?まあ良い。このツクヨミのまじないを受けて立っていられるか…試してやろう」

 

チェスター「臨むところだ!」

 

クラース「皆は先に行け!こいつは俺達が引き受ける!」

 

アーロン「僕も戦う!同じ魔術師として負けるわけにはいかない!」

 

イクス「分かった!」

 

マルタ「気を付けて!」

 

クレスside

 

BGM『白き憐れみの手に』

 

ツクヨミ「はあっ!」

 

ツクヨミ、呪いを放つが、

 

アーロン「アーロンの名において命じるよ…『グラインデッド・レオ』!!」

 

ツクヨミの呪いを相殺する。

 

クラース「召喚士クラース・F・レスターの名において、命ずる!『グラインデッド・イフリート』!!」

 

ツクヨミ「くっ!」

 

ツクヨミ、クラースの魔鏡技を呪いで辛うじて相殺する。

 

すず「もう逃げられません!油断大敵!『伊賀栗流・蟻地獄』!!」

 

ツクヨミ「くっ!これでは逃げられぬ!!」

 

チェスター「俺から逃れられると思うなよ!『哭龍洸羽』!!」

 

アーチェ「レッツシューティング!とことん行くよ~!『グルーヴィ・スター』!!」

 

ツクヨミ「ぐうっ!」

 

ミント「ピコハン!激しくお仕置きです!『ピコピコンティネント』!!」

 

ツクヨミ「うわあっ!」

 

クラース「決めろ!クレス!」

 

クレス「一気に勝負をつける!ふっ!喰らえっ!『蒼臥虚空閃』!!」

 

ツクヨミ「ぐはあっ!」

 

ツクヨミ、吹き飛ばされる。

 

ツクヨミ「見かけによらず、なかなかやるようだな…」

 

クレス「終わったか…」

 

クラース「急いでイクスやカムイ王子達を追うぞ!」

 

アーロン「分かった!」

 

イクスside

 

アラン「もう少しでフウガ様の所だ!」

 

部族兵「そうはさせん!」

 

サイリ「はああっ!『白夜一閃』!!」

 

部族兵「ぐはあっ!」

 

マルタ「張り切っていこう!『チャージド・エンハンス』!!」

 

カムイ、イクス一行の攻撃が上昇する。

 

ラタトスク「本気になるまでもねぇ!ふっ!『魔王幻朧剣』!! 」

 

部族兵「ぎゃあ!」

 

アラン「! いた!」

 

フウガ「真の正しさがどこにあるのか、この私が見極めてやろう…。さあ、存分に力を示してみよ!」

 

カムイ「行くよ!!」

 

全員「ああ!!」

 

BGM『白き憐れみの手に』

 

フウガ「ふんっ!!」

 

アラン「くっ!」

 

イクス「強い…!」

 

ミリーナ「焦っちゃ駄目!どんなに強い相手でも必ず弱点はあるはずよ!」

 

フラン「やあっ!」

 

フウガ「っ!!」

 

サイリ「この一撃、防げるものなら防いでみろ!『龍虎一閃』!!」

 

フウガ「ぬっ!!」

 

マルタ「どれが本物かな?全部でしたー!これで終わり!『マルチプル・スピナー』!!」

 

フウガ「がっ!?」

 

ラタトスク「吹き飛べ!!踊り狂うんだな!フハハハハ!『襲翼虚乱旋』!! 」

 

フウガ「があっ!」

 

ミリーナ「今よ!!」

 

イクス「決めろ!!」

 

カムイ「任せて!はああっ!!」

 

奥義『竜穿』

 

フウガ「ぐはあっ!!」

 

フウガ、吹き飛ばされる。

 

フウガ「むっ…見事だ……」




アクア「暗夜王国の罠にはめられた私達と風の部族と戦いは私達が打ち勝ったわ。フウガさんは私達に倒すべき相手を倒す為の重大な手掛かりを教えた時、それに私達は微かな希望が見えてくる。

次回『4章 流浪 後編』

最高の、フィナーレにしましょう!!」


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4章 流浪 後編

前回までのあらすじ

カムイ、イクス一行とフウガ、ツクヨミ率いる風の部族との戦いが始まった。一行は風の部族の猛攻に苦しめられるも、仲間になったラタトスク達の活躍でツクヨミを倒し、大将、兵法者のフウガも打ち破る。その後、フウガはカムイ、イクス一行にある重大な手掛かりを与え…。

 

 

 

カムイ「あの…これで認めてもらえたでしょうか。風の部族に攻撃をしたこと、本当に申し訳なく思っています。ですが、僕たちは…」

 

フウガ「ああ、わかっている。今の闘いで確かに感じた。お前に宿っている澄んだ心と戦士の魂を。…部族の者たちの誤解は、私が解いておくと約束しよう」

 

カムイ「ありがとうございます…フウガ様」

 

コーキス「ふぅ…。なんとかなったな」

 

フウガ「…スメラギよ、喜ぶがいい。お前の息子は立派に成長しているぞ」

 

アラン「スメラギ?」

 

ラタトスク「誰だよ、そいつ」

 

カムイ「えっ?父上をご存じなのですか?」

 

イクス「父上!?」

 

ミリーナ「カムイ王子のお父さんってこと!?」

 

フウガ「そうだな…私はかつての白夜王、スメラギの親友であったのだ。若き日のあいつとは、共に闘い、背中を預け合ったものだ。…それにしても、先程は見事な闘いであった。さすがは、神刀『夜刀神』を持つ者だ。その刀の話は、スメラギより聞いたことがある」

 

カムイ「父上から…」

 

フウガ「良いか…。お前の持つ神刀『夜刀神』は、『炎の紋章』を繋ぐ鍵となるもの。炎の紋章は、絶対的な力を持ち…創造主である神さえも、滅ぼせると言われている」

 

クレス「神を滅ぼす!?」

 

カムイ「! 神さえも滅ぼせる力…?それならもしかして…あいつも…」

 

アクア「ええ…僅かな希望が見えてきたわね」

 

フウガ「イズモ公国のイザナが伝承に詳しいはずだ。炎の紋章について聞いてみるといい。我が部族もお前たちの旅に力を貸そう。誰か腕の立つ者を…」

 

ツクヨミ「仕方ないな…私が行こう」

 

カムイ「君は、さっきの…でも、大丈夫なのかい?君はまだ子供のようだし…」

 

ツクヨミ「子供ではない!私はもう立派な大人だ!先程だって、お前たちに負けはしたが立派に戦ってみせた。文句はないだろう?フウガ様」

 

フウガ「ああ、もちろんだ。お前は類まれな秘術の才能を持っている。きっとカムイたちの助けになるだろう。…だが、くれぐれも気をつけるのだぞ」

 

ツクヨミ「うむ。…カムイ、そういうわけだ。特別に力を貸してやるから、感謝しろ」

 

カムイ「ありがとう。ツクヨミ。これからよろしく頼むよ」

 

ツクヨミ「ふっ…まあ、存分に頼るが良い」

 

ユーリ「随分、尊大だな」

 

ミリーナ「でもそういう所が子供っぽくて可愛い♪」

 

ツクヨミ「なに〜っ!?だから私は子供ではないと言っているだろう!!」

 

カムイ「よし…それじゃあみんな。早速、イズモ公国を目指そう。『炎の紋章』のことも…なにかわかるかもしれない」

 

イクス「そうだね。行こう!」

 

エミル「うん!」

 

カムイ「え?性格が変わってる…?」

 

イクス「そっか。カムイは知らないんだった…」

 

マルタ「エミルにはエミルの人格があるけど、ラタトスクの人格もあるの」

 

アクア「所謂、二重人格ね」

 

カムイ「でも、頼りにしてるよ。エミル」

 

エミル「任せて下さい!カムイ様!」

 

カムイ「さあ!行こう!」




ユーリ「風の部族達への誤解も解けた俺達はその炎の紋章の手掛かりを探す為に、イズモ公国へ行く。そこで出迎えてくれたのは公王様なんだが…

次回『5章 神の声 前編』

誰が相手だろうと、叩き斬ってやるぜ!!」


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5章 神の声 前編

前回までのあらすじ

フウガ率いる風の部族との戦いに勝ったカムイ、イクス一行はカムイの神刀『夜刀神』が神を滅ぼす刀となる事を知る。フウガからの援軍でツクヨミを加えたカムイ、イクス一行はフウガからの薦めで、イズモ公国の公王に会うためにイズモ公国へ行くことになるが…。

 

 

 

イズモ公国

 

カムイ「へえ、ここがイズモ公国の王宮…。なんだか神々しい雰囲気だね」

 

アクア「ええ。イズモ公国は古くから神々の国として知られているわ。他の国々が対立をしている時も、常に中立を守り続けているの。…とにかく、無事に到着して良かったわ。さっそく公王様を訪ねましょう」

 

 

 

イズモ公国の城内

 

イザナ「ボクは公王イザナ!以後、お見知りおきを~!

相当長旅だったんでしょ~?ささ、ゆっくりしていっちゃいなよ!何ならず~っといてくれてもいいんだけど…なんてね!」

 

カムイ「あ、ありがとうございます…」

 

イザナ「いや~!それにしても、よぉ~く来てくれちゃったねぇ!お客さんなんて久しぶりだから、ボク嬉しくなっちゃうな~!」

 

ツクヨミ「はぁ…。なんだ、この軽いノリは…。外の世界の王は皆、このような感じなのか?」

 

サクラ「いえ…違います。ちょっとこの人は特別…だと思います」

 

カーリャ「神聖な外見の割には頭軽そうですね…」

 

ミリーナ「カーリャ?」

 

カーリャ「あ、はい。お口チャックします」

 

ラピード「ガルルル…」

 

ユーリ「…」

 

カムイ「あの、実はイザナ公にお聞きしたいことがあるんです」

 

イザナ「なになに~? 何でも聞いてよ。ちなみにボクの好きな言葉は愛ね、愛!」

 

コーキス「いや、そう言う事じゃなくて…」

 

イクス「まあまあ」

 

カムイ「えっと…イザナ公は『炎の紋章』について何かご存知ですか?」

 

イザナ「え、『炎の紋章』?何それ?全然知らないな~!」

 

カムイ「…そうですか。せっかく手掛かりが掴めたと思ったのに…」

 

イザナ「まぁまぁ。そんなに肩を落とさないで。あっちに酒宴の用意してるしさ~!とりあえず食べて飲んで盛り上がっちゃえばいいさ~!」

 

アクア「待って…本当に、何も知らないの?とても重要なことなの」

 

イザナ「うーん、知らないものは知らないってば~!」

 

ギュンター「ああ…確かにお前は知らぬだろうな。偽者のイザナ公よ」

 

ユーリ「やっぱりな。てめえ、イザナ公じゃねえな」

 

ラピード「ワンワン!」

 

カムイ「えっ?偽者?」

 

ギュンター「甘く見てもらっては困る。この汚らわしい幻術…見覚えがあるぞ。さあ、正体を見せろ!」

 

ユーリ「ラピードの嗅覚を舐めるなよ。幻術程度でもばれるぜ!てめえ、何者だ!」

 

イザナ「くっ…私の術を見破るとは!ギュンターめ!それに犬に嗅覚で見破られるとは!」

 

イザナの変装が解ける

 

ゾーラ「ひょーっほほほほ!お久しぶりでございますね!」

 

ギュンター「やはり…貴様、ゾーラか!」

 

アクア「何者なの!?」

 

ギュンター「こやつは…幻影を見せるのが得意な、暗夜王国の魔道士です!」

 

イクス「まさか、その幻術で本物のイザナ公に成り済ましたのか!」

 

ミリーナ「私達を騙したのね…!」

 

カムイ「くっ…!本物のイザナ公はどうした!?」

 

ゾーラ「イザナ公王は牢屋にはいっちゃってまーすっ!さあ~。みなさん!こいつらを始末しちゃいなさい!ガロン王様から賜った氷の魔法具で、驚かせてさしあげますよ、ひょーっほほほ!」

 

一面が氷に覆われる。

 

カムイ「!! くるぞ、みんな!」




アスベル「本物のイザナ公王はゾーラによって牢屋に入れられていた。俺達は卑劣な手を使うゾーラと戦うことになる。

次回『5章 神の声 中編』

必ず、勝ってみせる!!」


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5章 神の声 中編

遅くなってすいません。だって暑かったんですもの…。
やっとの思いで完成しました。
それではどうぞ!


前回までのあらすじ

イズモ公国に辿り着いたカムイ、イクス一行はイズモ公国の公王、イザナに会う。神聖な外見の割には軽い調子のイザナ公王に戸惑いながらもカムイ、イクス一行は『炎の紋章』について聞くが、イザナ公王は知らないようだ。肩を落とすカムイ。だがアクアは不審に思い、聞き出そうとするが、ギュンターとユーリ、ラピードが偽物と見抜く。偽物のイザナ公王の正体は暗夜王国のダークマージ、ゾーラだった。ゾーラは暗夜王ガロンから賜った氷の魔法具で辺り一面を雪の状態にする。カムイ、イクス一行は本物のイザナ公王を助ける為に、ゾーラ率いる暗夜王国の軍と戦うことになる…。

 

 

 

アクア「そんな、町が一面の氷に…。これが魔法具の効果みたいね。邪魔な氷は砕いて進むしかなさそうだわ。敵が隠れているかもしれないから、気をつけて」

 

カムイ「分かった!みんな行くよ!」

 

全員「ああ!」

 

カムイ「はあっ!」

 

暗夜兵「ぎゃあ!」

 

エミル「本気で行かせてもらう!ふっ!『魔王幻朧剣』!!」

 

暗夜兵「ぐはあ!」

 

アーロン「召喚士アーロン・マジックの名に置いて命じる…『グラインデッド・サジット』!!」

 

暗夜兵「わあ!」

 

暗夜兵「逃げろー!」

 

アラン「燃えろ剣よ!我が魂にこめて焼き払う!『炎龍煌破斬』!!」

 

暗夜兵「ぎゃあ!」

 

コーキス「反撃は許さない!『崩牙瞬零刃』!!」

 

暗夜兵「ごはあ!」

 

しかし…

 

アラン「雪が邪魔だ!」

 

切り崩すと…

 

イクス「敵兵だ!はあっ!」

 

暗夜兵「ぐはあ!」

 

フラン「凍れ剣よ!凍てつく力で滅びなさい!『氷龍白麗閃』!!」

 

暗夜兵「がはっ!」

 

ユーリ「おらっ!」

 

暗夜兵「ぐはっ!」

 

アスベル「はあっ!」

 

暗夜兵「おぼっ!」

 

ラピード「ワォーン!」

 

暗夜兵「がっ!」

 

ミリーナ「シェルブレイズ!」

 

暗夜兵「ぎゃあ!」

 

その後も暗夜兵を倒していくカムイ、イクス一行

 

マルタ「! いたわよ!」

 

ゾーラ「ひょ~~~ほほほほほっ!私に敵うとでも思ってるんですか~っ!?」

 

アラン「舐めやがって…!こんな奴に負けてたまるかー!」

 

BGM『常闇に蠢く叛徒』

 

ゾーラ「ひょ~~~ほほほほほっ!いきますよ〜!そりゃあ!」

 

ゾーラ、闇魔法リザイアを放つ。

 

アクア「みんな!気を付けて!」

 

アラン「くっ!」

 

フラン「これじゃ近寄れない!」

 

アーロン「みんなどいて!はあっ!!」

 

アーロン、風魔法を放つ。

 

ゾーラ「くっ…!」

 

カムイ「みんな、今だ!」

 

エミル「吹き飛べ!やってみせるよ!僕の全力を込めて…絶対に負けない!!」

 

『襲翼虚乱旋』

 

ゾーラ「ぐはあっ!」

 

アラン「決めろ!イクス!ミリーナ!」

 

ミリーナ「開け!鏡の輪廻!悪しきを浄化する罰を与えん!『幻夢断鏡闇』!!」

 

ゾーラ「うぎゃあ!」

 

イクス「光よ!鏡に集いて悪しきを断て!『煌叢鏡裂閃』!!」

 

ゾーラ「ぎゃあああぁーっ!!」

 

ゾーラ、吹っ飛ばされる。

 

ゾーラ「ぐっ…!す、少しはデキるようですねぇ…!?」

 

アラン「よし!勝った!」

 

こうして、戦いは終結した。




エミル「戦いは僕たちがなんとか勝ったけどゾーラはさらに卑劣な手段に出ようとした。するとそこに現れたのは…!

次回『5章 神の声 後編』

みんなを守る為に、僕は戦う!!」


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5章 神の声 後編

終わった…5000字超えた…


前回までのあらすじ

偽物のイザナ公王の正体であるゾーラと交戦するカムイ、イクス一行。ゾーラは数の暴力で一行を捕らえようとするが、カムイや仲間達、イクス達テイルズ勢の反撃で追い詰められ、最後はエミル、ミリーナ、イクスの連続魔鏡技により敗れた。しかし…

 

 

 

カムイ「…勝負あったね。もう逃げられないよ、ゾーラ。さあ、イザナ公の居場所を教えてもらおうか」

 

ゾーラ「けっ…。これで勝ったと思っているんですか?所詮はお坊ちゃま育ちの甘ちゃんですね。隙ありぃぃぃ~~!」

 

カムイ「なにっ!?」

 

イクス「しまった!」

 

ミリーナ「サクラ様!」

 

ゾーラ「ほい!こんな人質が手に入っちゃいました~!」

 

サクラ「カムイ兄様…!」

 

コーキス「サクラ様を放せ!!」

 

カムイ「サクラ!! …くっ!ゾーラ、汚いぞ!」

 

ゾーラ「何とでも言えばいいですよ~!どうせ最後に勝ったものこそが正義~!さあ! ただちに武装解除をしなさ~い!でないと、このお嬢さんが…」

 

ヒュー ドスッ(サクラを捕らえていたゾーラの腕に光の矢が刺さる)

 

ゾーラ「!? ぎゃああ!痛いいいい!」

 

ミリーナ「サクラ様!こっち!」

 

サクラ「は、はい…!」

 

サクラ、ミリーナの元へ走り、コーキスがサクラを保護したミリーナの前に立つ。

 

アラン「今の矢、まさか…!」

 

???「はあっ…はあっ…間に合った…!」

 

フラン「ルクス!無事だったのね!」

 

カムイ「君たちの仲間なのかい?」

 

アラン「ああ!ルクス・アーチャーという奴で、凄腕の弓の名手だ!」

 

アーロン「どうしてここに!?」

 

ルクス「ずっと追い掛けてたからな!そしたら卑劣男が人質をとってたから気にくわず撃ち込んでやったぜ!」

 

カムイ「ルクス…ありがとう!」

 

ルクス「さあ、観念しろ!てめえはここまでだ!」

 

ルクス、光弓の矢を番えて、ゾーラに向ける。

 

ゾーラ「くっこうなったら我が最大魔法を…!」

 

ゾーラ、突然魔法攻撃を受ける。

 

ゾーラ「ぎゃあああああああああっ!?」

 

カムイ「まさか…この魔法は…」

 

レオン「卑劣な愚か者め…。お前など、塵になって当然だ。我が暗夜王国軍の…恥さらしめ」

 

カムイ「やっぱり…レオン!僕たちを助けてくれたんだね?ありがとう…!」

 

レオン「…………」

 

コーキス「アクア様、あの男は…」

 

アクア「暗夜王国の王子、レオンよ。『グラビティ・マスター』という二つ名を持っている…」

 

クレス「王子!?」

 

ミリーナ「ええ。カムイ様の義理の弟よ」

 

カムイ「レオン…。君も…僕たちと来てくれないかな。暗夜王国を敵に回すようなことはさせない。僕たちは、この世界の真実を知っているんだ」

 

レオン「はあ? 真実だって…?」

 

カムイ「うん。ガロン王は…何者かに操られている」

 

クレス達「!?」

 

レオン「!? 父上が…?」

 

カムイ「いいかい? 彼が白夜に戦争を仕掛けたのは、彼の本意じゃない。裏で手を回している…真の敵の仕業なんだ。僕たちが闘うべきなのは、そいつなんだよ!」

 

レオン「なるほどね。じゃあ、そいつは何者なんだ?本当に真実を知ってるのなら、話してみなよ」

 

カムイ「…すまない。それは…」

 

レオン「ほら、言えないだろう。少しでも聞いてみようと思った僕が馬鹿だった。時間の無駄だったね」

 

カムイ「レオン、待ってくれ!今は言えないけど、でも…!」

 

レオン「裏切り者…言い訳なんか、聞きたくないよ」

 

カムイ「…っ!?」

 

レオン「ねえ。何か勘違いしているようだけど…僕はもう、お前を兄とは思っていないよ。僕はゾーラを始末しに来ただけ。お前との決着はまたの機会だ。正々堂々と闘い…必ずこの手で報いを受けさせてやる!」

 

レオン、カムイに向けてブリュンヒルデを放つが外す。

 

カムイ「くっ…!」

 

イクス「カムイっ!!」

 

カムイ「いや、僕に向けて撃ったんじゃないよ。レオンが攻撃したのは…広間の扉?」

 

レオン「…さっさと行きなよ。この先に本物のイザナ公がいる。それから…白夜の間抜けなオウジサマもね」

 

カムイ「え…?それって…」

 

レオン、その場を去る。

 

カムイ「!! ま、待つんだレオン!!…レオン…」

 

サクラ「カムイ兄様!ひ、広間の中に、縛られた人がいっぱいいます…!」

 

カムイ「なんだって…!?」

 

広間

 

イザナ「きたきた~!やっと助けがきてくれちゃった!ありがとう~!ほんっっっと、命拾いしたよ!もうお腹ぺっこぺこでさ~!ぐ~ぐ~鳴りっぱなしなんだよね~!」

 

カムイ「あ、あなたが本物のイザナ公王…?」

 

イザナ「はーい、そうだよー!どこからどう見ても、神々しい公王様でしょ?何たってボク、神々の末裔だからね~っ!」

 

サクラ「に、偽者より軽い…」

 

イザナ「あ。サクラ王女だ~。キミの兄上、ボクと一緒に捕まっちゃってたよー。たぶんその辺にいると思うけどー」

 

サクラ「え…!?」

 

タクミ「…………」

 

サクラ「タ、タクミ兄様っ!!ご無事で、良かったです…!!」

 

イクス「あの人がカムイの実の弟の…」

 

ミリーナ「タクミ王子さんね…」

 

タクミ「サクラ…?それに、カムイとアクアまで、…これはいったい、どういうことだ…?」

 

サクラ「あの、私…カムイ兄様たちと一緒に闘うって決めたんです」

 

タクミ「なに? サクラ、お前まで白夜王国を裏切るつもりなのか…!?」

 

サクラ「いいえ…違います!私もカムイ兄様も…ここにいる皆さんもみんな、白夜王国と闘うつもりなんかありません!カムイ兄様には何か事情があるみたいなんです。タクミ兄様、お願いです。どうか信じてあげてください…!」

 

タクミ「…………」

 

カムイ「タクミ…」

 

タクミ「ふん…あんたみたいな裏切り者を信じろだなんてごめんだね。僕はサクラと違って、あんたに味方するつもりはない」

 

コーキス「何だと!?マスター達を裏切り者呼ばわりしやがって…!!」

 

アラン「こいつ…!!」

 

エミルの人格がラタトスクになる。

 

ラタトスク「こいつ…!俺達の苦労も知らないで!!王族がそんなに偉いのか!!?」

 

イザナ「まあまあ、喧嘩しないの〜!」

 

アラン「しかし…!」

 

イザナ「んーーー…ダメダメダメ。タクミ王子、それは駄目だよ」

 

タクミ「え…?」

 

イザナ「えっと、キミはカムイと共に闘わなきゃダメってこと。いま神様が、そう預言してきたの!」

 

コーキス「預言!?」

 

タクミ「ええっ!?よ、預言だって?預言ってこんな軽い感じでくるものなのか…?」

 

イザナ「んー。だって、きちゃったんだからしょうがないじゃん。キミは神様の御告げを無視するの?」

 

タクミ「そ、そんなこと言われても…どの国にも味方しない者と一緒に闘うことなんてできません。もちろん、助けてくれたことには感謝するさ。でもやっぱり僕は…カムイを、信用できないんです」

 

イクス「じゃあ、どうすればカムイを信用できますか?」

 

タクミ「そ、それは…」

 

???3「ほお、この世界にも預言とは興味深いですね」

 

ミリーナ「その声は…!」

 

???1「イクス!みんな!無事みたいだな!」

 

イクス「ルーク!ティア!」

 

ミリーナ「ガイさんにナタリア!」

 

コーキス「ジェイド様にアニス様!」

 

アラン「アッシュ!それにミュウも!皆無事だったんだな!」

 

カーリャ「どうしてここにいたんですか?」

 

ルーク「その頭の軽い公王様と一緒に捕まったんだ!」

 

フラン「そうだったの…」

 

イザナ「…んもーーー。仕方ない王子様だな~。そんじゃあ、疑い深いタクミ王子のために、もういっちょ預言、始めるよ~!」

 

水晶玉に手をかざすイザナ

 

イザナ「…………。『見えているものが全てとは限らない… 真実は深く透明な場所にある…』『水面に映る、

すべてを知る者こそが真の敵…』…………。…ふうっ。預言は以上だよ。神様はタクミ王子に伝えたがってる…敵はカムイ王子じゃない。真の敵は他にいるんだ、って」

 

タクミ「真の敵?それがサクラの言う事情なのか…?カムイたちは、何かを知っているのか…?」

 

カムイ「…うん。今は全てを言えないけど、イザナ公の言っていることは本当だ。真の敵は別にいるんだよ。僕たちはそいつを倒す手がかりを探しに、このイズモ公国まで来たんだ」

 

イザナ「あ、その手がかりの話もしなきゃね。せっかく来てくれて申し訳ないんだけど…『炎の紋章』については、ボクも何も知らないんだよ」

 

カムイ「『炎の紋章』…!僕たちがここへ来た目的も、ご存知だったのですか?」

 

イザナ「いやー、予知でなんとなくね~。でね、ボクの一族には古くから伝わる言い伝えがあるんだ。『明るき道、昏き道、どちらも歩めぬ迷い人が訪れたとき…』『我が一族がもう1つの道を示す』…ってね!」

 

アクア「どういうこと…?その迷い人ってもしかして…カムイのことなの?」

 

イザナ「んー、たぶんそうだと思う。だから、ボクが道を示さないと。それじゃ、儀式を行って、古の神に聞いてくるよ」

 

カムイ「え!?い、今からですか?」

 

イザナ「うん!善は急げっていうからね~。ちゃちゃっと儀式をしてくるよ!古の神…美女だといいけどな~!ごっついの出てきたらどうしよ…」

 

コーキス「よく公王なんて務まるよな…」

 

アクア「行ってしまったわね、イザナ公。何か手掛かりが見つかればいいのだけど…」

 

カムイ「うん…きっと大丈夫さ。イザナ公を信じて待とう」

 

タクミ「…………」

 

数分後…

 

イザナ「お、おまた~…」

 

イクス達「!?」

 

カムイ「イザナ公、どうしたんですか!そんなに憔悴してしまって!」

 

イザナ「古の神から…神託をもらったよ…。ボクにもよくわからないんだけどね…。とりあえず…『竜に会え』ってさ…」

 

カムイ「竜?」

 

イザナ「ま、意味はそのうちわかるっしょ~…。なんせ命をかけた神託なんだからさ…」

 

イザナ倒れる

 

カムイ「!? 命をかけたって…まさか!?」

 

イザナ「そ。儀式を行うには…ボクの命が必要だったの。神託への…対価としてね。戦争を止めるために、この身を捧げる…。ボクって…伝説になるかもね…。あっ…タクミ王子さ~、さっきもお願いしたけど…カムイに、力を貸してあげてね…」

 

タクミ「そんな…僕は…」

 

イザナ「んー…?まだ渋ってるの~…?協力しないと化けてでるよ~…。うらめしや~、ってね…」

 

タクミ「イザナ公…」

 

イクス「そうはいかない!!ミリーナ、頼む!」

 

ルーク「ああ!命をかけた公王様を死なせるわけにはいかねえ!ティア、急げ!」

 

ミリーナ、ティア、イザナに回復魔法をかける。

 

ミリーナ「駄目!全然効かない!」

 

ティア「こっちも!このままじゃ…!」

 

イザナ「ん〜…。最期に美女二人に回復魔法かけられるなんて…。でも異世界人の魔法でも…これは…無理だよ…。だから…カムイに…力を…貸してあげてね…」

 

アラン「公王様…」

 

イザナ「じゃ、そういうことで…ばい…ばーい…。…………。…………」

 

イザナ絶命

 

カムイ「どうしてだ…!イザナ公…!どうして、命を失うことを、何も言わずに…。…………」

 

イクス「そんな…イザナ公王様が…」

 

ルーク「くそっ…!くそったれが!!」

 

コーキス「冗談だろ!?イザナ様!!」

 

ミリーナ「イザナ様…ごめんなさい…。私達の為に命を張ってまで…」

 

アラン「信じたくないが…くそっ!」

 

ミュウ「イザナさん…」

 

サクラ「う…ぐすっ…、イザナさん…イザナさん……っ!!」

 

ギュンター「民の笑顔を望み逝くとは…イザナ公は真の王でしたな」

 

ユーリ「ああ…」

 

カムイ「すまない…。僕の…せいだ…。僕がこの道を選ばなければ、イザナ公は死なずにすんだ…。誰もが幸せになれる道を僕は求めたはずなのに…こんなことになるなんて…!」

 

タクミ「それなら…その夢を見続けるんだ。イザナ公の死を、無駄にしないためにも」

 

カムイ「タクミ…」

 

タクミ「いいか?僕も一緒に、その夢を見てやる。僕もこれから一緒に闘うよ。それがイザナ公の…遺言だからね。…これからよろしく。カムイ…兄さん」

 

カムイ「!! タクミ…!…ありがとう…!」

 

ヒナタ「タクミ様が行くってんなら、俺たちも一緒に行かないとな?」

 

オボロ「そうね。私はあの方と離れるぐらいなら、死んだ方がましだもの」

 

カムイ「君たちは…?」

 

ヒナタ「俺の名はヒナタ!タクミ様付きの家臣だ。刀の扱いなら任せとけ。連れて行って損はさせねえよ」

 

オボロ「私はオボロ。ヒナタと同じく、タクミ様付きの家臣です。暗夜王国の人間はとても苦手なんですが…仲間になるなら、協力できるよう努力します。…タクミ様のためにね」

 

ルーク「俺達も連れて行ってくれ!カムイ!」

 

ミュウ「ボクも!」

 

ガイ「ああ!ルークがいくなら俺も行く!」

 

ティア「私からもお願いします」

 

ジェイド「ま、付いていくのも悪くありません。よろしくお願いします」

 

ナタリア「私からもお願いしますわ。弓使いとしてご迷惑はおかけしません」

 

アニス「私も連れてって〜カムイ様〜!」

 

アッシュ「ふん…手を貸してやる。公王の頼みだからな」

 

カムイ「…うん。これからよろしく頼むよ。これで心強い仲間が、十一人も増えた…。…ありがとうございます、イザナ公。これも全て、あなたのおかげです。あなたの事は忘れません…。きっと、いつまでも…」




ルーク「カムイとイクスの仲間になった俺達。するとフウマ公国から煙が…。俺達は忍を助ける為にフウマ公国に足を運んだ。そこにいたのは…。

次回『6章 共闘 前編』

みんな、行くぜ!!」


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6章 共闘 前編

前回までのあらすじ

偽物のイザナの正体であるダークマージ、ゾーラ率いる暗夜王国軍と交戦し、勝利したカムイ、イクス一行。しかし、ゾーラはサクラを人質に降伏を呼びかけるなど、卑劣な手にでるが、カムイ、イクス一行を追っていたルクスの攻撃によってサクラを解放してしまう。サクラを取り返され、後がなくなったゾーラは悪足掻きに出ようとするが、暗夜王国の王子、レオンによって粛正される形で殺害された。レオンはカムイ、イクスに必ず討つと言ってその場を去る。そこにいたのはイザナだけでなく、白夜王国の王子、タクミやルーク一行が捕まっていた。カムイ、イクス一行を裏切り者と言うタクミをイザナは諌め、またイザナはカムイに道を示す為に自分の命を対価にした儀式を強行する。力尽きたイザナはタクミにカムイ、イクス一行に力を貸してあげてほしいと遺言を残し、命を落とす。ショックを受ける一行だが、イザナの思いを受け止めたタクミ達やルーク一行が仲間になる。カムイ、イクス一行は新たなる仲間達と共に次へと向かうが…。

 

 

 

カムイ「ん!?みんな、待ってくれ! 向こうに何か見える…。あれは…狼煙?」

 

スズカゼ「ふむ…。あれは、兄さんの上げた狼煙です」

 

ルーク「兄さん?」

 

ユーリ「赤髪忍者、サイゾウのことだ。こいつの兄ってこと」

 

ティア「そう…」

 

カムイ「サイゾウの?なら意味はなんだ?」

 

スズカゼ「はい、『大規模な敵兵力と交戦中』…。そう示したものでしょう」

 

カムイ「なんだって…!?だったら助けに行かないと!」

 

スズカゼ「いえ…忍があの狼煙を上げる意味は助けを求めてのことではありません。この敵に襲われぬよう、自分を見捨てて逃げろ、という意味なのです。だから…行くべきではないのです」

 

カムイ「そんな…。…………。よし、みんな…準備を整えてくれ!すぐに助けに行くよ!」

 

スズカゼ「ど、どうして…!?危険なのですよ!?」

 

カムイ「うん…それでも行くよ。僕はただ追っ手から逃げているんじゃない。仲間を集めるために、旅をしているんだ。一人では立ち向かえない強大な敵に立ち向かうためにね。…サイゾウだって、僕の仲間だ。その仲間を見捨てることはできない!」

 

スズカゼ「カムイ様…。ありがとうございます…」

 

フウマ公国・森

 

アラン「随分、暗い森だな…」

 

カムイ「狼煙はこの辺で上がっていたけど…サイゾウたちはここにいるのか?」

 

アクア「わからないわ…。でも、ここはもうフウマ公国の領内よ。ずいぶんと暗い森だから、迷わないようにしないといけないわ。複数の足跡が奥に続いているから、これを辿っていけば…」

 

一行が森の中へ進んで行く

 

サクラ「な、なんだか暗くてジメジメしてます…。ちょっと、怖いかも…」

 

ミリーナ「サクラ様、大丈夫?」

 

タクミ「…仕方ないな。怖かったら僕の裾でも掴んでなよ」

 

サクラ「あ、ありがとうございます…」

 

タクミ「それにしても、この森は入り組んでるな…。まるで迷宮だ」

 

スズカゼ「はっ!?タクミ様、危ない!」

 

タクミへ向かって飛んできた手裏剣をスズカゼが弾く

 

タクミ「手裏剣!?」

 

コーキス「! マスター、危ねえ!」

 

ガイ「ルーク、危ない!」

 

コーキスとガイ、イクスとルークに飛んできた手裏剣を弾く。

 

イクス「助かった…。ごめん、コーキス」

 

ミリーナ「コーキス、イクスを助けてくれてありがとう」

 

コーキス「気にしないでください。マスター、ミリーナ様」

 

ガイ「ルーク、大丈夫か!?」

 

ルーク「すまねえ、ガイ…」

 

アスベル「この手裏剣は…?」

 

スズカゼ「これは…フウマ公国の忍の物です!」

 

タクミ「なに!?僕たちのことを、始末するつもりということか…?」

 

スズカゼ「はい…そのようですね。…既に複数の忍の気配が近づいています。囲まれるのは、時間の問題かと」

 

カムイ「くっ…!みんな、迎え討つ準備を!」




ティア「私達はフウマ公国の忍に襲われて戦うことになったけど、そこには計り知れない因縁があったわ。また私達やサイゾウ達の他にいたのは…。

次回『6章 共闘 中編』

この命、みんなを守る為に!!」


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6章 共闘 中編

前回までのあらすじ

イズモ公国の公王、イザナの死亡に一行はショックを隠せなかったが白夜王国の王子、タクミや彼の家臣二人にルーク一行が仲間になり、更に仲間を増やすことに成功した。そして、カムイの実兄である白夜王国の王子、リョウマを追うことにした一行だが、フウマ公国で狼煙が上がっていることを知る。意味を知っているスズカゼは逃げようと進言するが、カムイは助けに行くことを決める。カムイ、イクス一行とフウマ公国の戦いが始まろうとする中、既に戦っている者達が…。

 

 

 

フウマ公国・玉座

 

コタロウ「森の入り口に何者かが侵入したようだ…。お前を助けに来た仲間かも知れんぞ。まんまと罠にかかりおって、馬鹿な奴らめ。なあ? 白夜王国リョウマの臣下…くノ一、カゲロウ?」

 

カゲロウ「なんということを…貴様は忍の風上にも置けん!このフウマ公国は…白夜の同盟国ではなかったのか!」

 

コタロウ「ふん、白夜の同盟国だと…?残念だが私はガロン王と手を組んでいてな、こうして戦端が開かれるのを今か今かと待ち望んでいたのだ。この戦で白夜を滅ぼせば、フウマは白夜に代わる王国として認められる。そうすれば…この私はフウマ王国の王となるのだ!」

 

カゲロウ「この…外道が!!」

 

コタロウ「ははっ!どうとでも言え、負け犬が。どうせ人質の価値が無くなれば、お前は死ぬ。お前たち、この者を地下牢にぶち込んでおけ!」

 

フウマ兵「はっ!」

 

カゲロウ「仕方ない…。任務で死ぬことは、覚悟していた…。だが、リョウマ様のご命令を…あの伝言を皆に伝えられないことだけが…私の心残りだ…。」

 

???1「うう…」

 

カゲロウ「!! 誰だ!?」

 

???1「あっ…驚かせてすまない…。ここは…?」

 

カゲロウ「フウマ公国の牢屋だ…。そなたもか…?」

 

???1「突然変な世界で目覚めたら、忍が来てここに閉じ込められたんだ…」

 

カゲロウ「そうか…」

 

???2「リフィル先生、俺達、これからどうすれば…」

 

???3「ロイド…」

 

???4「…今は助けが来るのを待ちましょう。ここに閉じ込められた以上、今の私達ではどうすることも出来ないわ」

 

???5「そうだね。下手に出るよりは大人しくしたほうがマシじゃないか」

 

???6「うん」

 

???2「だけど…」

 

???7「ロイド、我慢して。ここで騒いだら、奴らは僕たちに何をするか分からないよ」

 

???2「…分かった」

 

???8「多分…イクス達が助けてくれる」

 

???10「ああ!俺も信じてるぜ!」

 

???9「あーもう!この檻、どうにかできないの!」

 

???8「い、イリア落ち着いて!」

 

???11「……」

 

???12「今は誰かが助けに来るまで待ってみよう」

 

???1「マークは大丈夫かな…。捕まってなければいいけど…」

 

 

 

 

サイゾウ「おい、カゲロウが捕まっているというのは、この辺りか!?」

 

オロチ「そうじゃな…。斥候からの情報だとそのはずじゃ。しかし…こう入り組んでおっては、どこにおるかわからんのう。こればかりは、わらわのまじないでも皆目見当がつかぬ」

 

サイゾウ「とにかく、じっとしていても始まらん。辺りを探ってみるぞ」

 

ユウギリ「たまらないですわね…。この殺気に満ちた場所。邪魔者の殲滅はこのユウギリにお任せくださいな。ここでなら、敵の断末魔はさぞかし美しく響くのでしょうね…」

 

サイゾウ「くれぐれも無理はするなよ。こんなところで命を落とすわけにはいかん。カゲロウ…待っていろ。今、助けに行く」

 

一方、サイゾウ達がいる森の別の場所

 

???14「くそっ。目覚めたらいきなり襲ってきて…何なんだ、こいつら!?」

 

???13「お兄ちゃん、シング、大丈夫!?」

 

???12「大丈夫だコハク!俺はまだやれる!」

 

もう一方の別の場所

 

???15「フィル、待っていろ。今助け出す!」

 

戦闘近く

 

カムイ「あれは…サイゾウたち!?」

 

イクス「シングにコハク!」

 

ミリーナ「ヒスイさんも!」

 

コーキス「マークもいる!」

 

アクア「ええ。彼らが闘うべき敵は、私たちと同じのようね。敵の敵は味方…。サイゾウ達と話をすれば、もしかしたら一緒に闘ってくれるかもしれないわ」

 

遂に戦闘が始まる。

 

カムイ「はあっ!」

 

フウマ兵「ぐはあっ!」

 

アクア「はあっ!」

 

フウマ兵「ごはあ!」

 

タクミ「せやあっ!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

ルクス「貫いてやる!『ユニコーンアロー』!!」

 

フウマ兵「がっ!?」

 

ルーク「もらった!『翔破裂光閃』!!」

 

フウマ兵「うわあ!」

 

ティア「譜の力よ!破邪の天光!『グランドクロス』!!」

 

フウマ兵「がはあ!」

 

ジェイド「甘い!はっ!はっ!てやっ!『雷迅光閃招』!!」

 

フウマ兵「うわあ!」

 

ガイ「タダで済むかよ!『烈震千衝破』!!」

 

フウマ兵「がはあ!」

 

アニス「ひっさ~つ!『斬影連旋撃』!!はうあ!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!逃げろー!」

 

ナタリア「光の閃光!『ブライトネス・シャワー』!!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

アッシュ「風穴を開けな!『冥葬焼欠』!!」

 

フウマ兵「ぐはっ!」

 

そして…。

 

カムイ「大丈夫かい!?サイゾウ!」

 

サイゾウ「貴様…カムイ!?どうしてここに…」

 

カムイ「え…助けに来たんだよ、サイゾウを。さっき、狼煙を上げただろう?」

 

サイゾウ「なに? 狼煙を…?だが、あれは助けを求めるものではないのだぞ!?」

 

カムイ「うん…知ってるよ。スズカゼが、そう教えてくれた。あの狼煙は…敵勢力に襲われないよう逃げろと示すためのものだって。でも、それなら尚更、放っておけないよ。信じてもらえなくても、敵だって思われていても、僕にとって君たちは…大切な人だから」

 

サイゾウ「…たったそれだけのことで、わざわざこんな死地まで来たというのか。俺たちを助けるために…。…………。…ふっ。お前には敵わんな。裏切り者のやることとは到底思えん…。サクラ様の言う通り、よほどの事情があるのだろう。…わかった。俺も共に闘ってやる」

 

カムイ「サイゾウ…!」

 

サイゾウ「今、この場所にはカゲロウが…仲間の忍びが捕らえられている。恐らくあいつは、リョウマ様の居場所を知っているはずだ。それを俺たちに伝える途中で、捕まったに違いない。どうかあいつを、救い出してくれ」

 

カムイ「そんな、人質がいるのかい…!?…わかった。全力を尽くすよ」

 

サイゾウ「ああ。では仲間にも伝えておこう。共に闘う以上、足は引っ張ってくれるな」

 

カムイ「ありがとう…サイゾウ」

 

一方…

 

コーキス「シング様、コハク様、ヒスイ様!」

 

シング「コーキス!?みんな!」

 

コハク「どうしてここに!?」

 

カーリャ「カムイ様と一緒に行動していたんです〜!シングにコハク、ヒスイさんも無事で良かったです…」

 

ヒスイ「目覚めたらいきなり襲ってきやがった。頼む!手を貸してくれ!」

 

アラン「勿論だ!みんな!」

 

ユーリ「おうよ!」

 

更に…

 

イクス「マーク!」

 

マーク「イクスにミリーナ!?何でここに!?」

 

ミリーナ「フウマ兵と戦ってる時にマークが近くにいたの」

 

イクス「マークこそ、どうしてここに?」

 

マーク「突然変な光が現れて新生救世軍を飲み込んじまったんだ。気がついたらフィルと一緒に森で目覚めたんだが、直後に忍に襲われてフィルが捕まっちまった」

 

イクス、ミリーナ「フィルが!?」

 

マーク「ああ。フィルは俺に魔鏡を持たせて逃してくれたが、頼む!フィルを助け出すのに手を貸してくれ!」

 

イクス「ああ!」

 

ミリーナ「勿論よ!」

 

さらにフウマ兵を倒していく一行

 

オボロ「はあっ!」

 

フウマ兵「ぐはっ」

 

ヒナタ「おりゃあ!」

 

フウマ兵「があっ!」

 

ヒスイ「燃えてきたぜ!『裂想蹴・荒鷹』!!」

 

フウマ兵「ぐはっ!」

 

コハク「煌めけ!夜天の極光!『スターライト・フレア』!!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

シング「休まず攻め立てる!『閃麒耀翔斬』!!」

 

フウマ兵「うわあ!」

 

アッシュ「傷口を!抉ってやるぜ!『殲滅孤光閃』!!失せろ、のろまが!」

 

フウマ兵「ごはあ!」

 

ナタリア「立てよ戦士!我が名の下に!『ストーム・フォートレス』!!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

アニス「ぶっとば~す!それーっ!『双夜月旋牙』!!…月夜ばかりと思うなよ」

 

フウマ兵「わあっ!」

 

ガイ「ガイ様の本領発揮だぜ!影も追えまい!『朧雪斬月』!!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

ジェイド「耐えられますか?消えなさい!『クラックブラスト』!!」

 

フウマ兵「ぐはっ!」

 

ティア「全ての音素(フォニム)よここに集え!『アルカナシンフォニー』!!」

 

フウマ兵「ぎゃあ!」

 

ヒスイ「マジで根性決めるぜ!オラオラオラ!『セイクリッドナース』!!」

 

フウマ兵「ぐはっ!」

 

コハク「乱れ咲け、儚き紅蓮の八重桜!『散華八葉脚』!!」

 

フウマ兵「がふっ!」

 

オロチ「ぬぅん!」

 

ユウギリ「せいっ!」

 

フウマ兵「うわあ!」

 

そして…。

 

コーキス「! いた!」

 

コタロウ「お前たちをすべて倒し、私はフウマ王国の王となる…!まずは手始めに貴様を屠り、王の力を見せつけてやろう…!」

 

マーク「上等だ…!フィルを返してもらう!!」

 

シング「はあっ!」

 

コタロウ「ふっ!」

 

ルーク「くっ…!」

 

サイゾウ、受け止める。

 

サイゾウ「おい。フウマ公国公王…コタロウ。よくもカゲロウを人質にしてくれたな。…お前に、聞きたいことがある」

 

コタロウ「なに?誰だ、貴様」

 

サイゾウ「俺は…5代目サイゾウ。白夜王族に代々仕える者だ…」

 

コタロウ「サイゾウ? なるほど…。あの老いた上忍の息子か」

 

サイゾウ「ほう…やはり、知っているのだな。父を。昔、この国に来てそのまま帰ることのなかった…俺の父のことを!」

 

コタロウ「ああ。あの小癪な上忍はこの私の野望に感づいていたようでな。同じ忍びとしてそのような真似はするなと説得しにきた。だから…、…その場で始末してやった」

 

サイゾウ「く…っ!やはり、お前が…!」

 

コタロウ「知らぬ存ぜぬで通す心算だったが、息子には感づかれていたか。親子そろって、勘だけはいいようだな。ただ、腕が伴っていなければ、全くの無意味だが」

 

サイゾウ「貴様…弱かったというのか。俺の父が」

 

コタロウ「ああ。弱かったぞ、ヤツは。弱すぎて弱すぎて、この私に指一本触れることすらできずに、地獄に墜ちていきおったわああああ!」

 

サイゾウ「くそ…っ!!許さんぞ…貴様だけは!父の仇、討ってみせる!!」

 

ルクス「せいっ!」

 

コタロウ「くっ小癪な…!」

 

フラン「今よ!」

 

シング「どんな敵だって、俺のスピリアは止められない!『裂軌星旺斬』!!」

 

コタロウ「がっ…!」

 

ルーク「任せろ!はあああっ!終わらせてやる!『滅覇皇迅撃』!!」

 

コタロウ「ぐはっ…!」

 

ルクス「喰らえ!はあああっ!仕留めてやる!『風神大烈閃』!!」

 

コタロウ「がはっ!」

 

マーク「これで生きてりゃ褒めてやるぜ!」

 

『我流皇帝拳』

 

コタロウ「ごふっ!」

 

アラン「行け!」

 

サイゾウ「爆ぜ散れ!はああああっ!!」

 

コタロウ「が……は……!」

 

コタロウ、大量の血を流し、倒れる。

 

サイゾウ「指一本…触れたぞ?」

 

コタロウ「ぐ、はっ…、ば、馬鹿な…、こんな、若造に……、私の、野望、が…、私の、フウマ王国、が……」

 

サイゾウ「…仇は討った。父上…」




クレス「コタロウとの戦いを制した僕たちはカゲロウが捕まっている牢屋を発見する。しかし、その牢屋にいたのはカゲロウやフィリップだけではなかった。

次回『6章 共闘 後編』

皆の為に、必ず勝つ!!」


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