閃乱カグラ~混沌の世界~ (麻婆豆腐メンタル)
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忍界こそこそ話
登場人物紹介(未完成)+随時更新


ちょい書き直しと書き足し

夜天は七つの凶彗星とこちらではプロフィールが多少違います


白堊(はくあ)

 

所属:市立龍導学院高等部:2年生

誕生日:4月10日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/お前

性格:ポジティブ

年齢:17歳

髪色・髪型:黒髪のツンツンっぽい型

身長:176cm

血液型:Oh型

好きな食べ物:蜊の味噌汁

好きな肉:砂肝

好きな海鮮類:貝(特に蜊)

好きな野菜・果物:カボチャ、バナナ

好きな甘味類:無し

嫌いな食べ物:無し

好きな物:バイク、強者

嫌いな物:煽り厨、自身は手を汚さずな奴

苦手な物、事:遁術

趣味:ツーリング、強者観察

戦ってみたい相手:夜天、祖父

好きな異性タイプ:可愛い……特に無い

女性経験:無し

家族構成:祖父以外知らない

秘伝動物:不明(8匹いるらしい)

戦闘スタイル:白零護身(びゃくれいごしん)

武器:鎖、ベアナックル

得意属性:雷(現状)

クナイタイプ:シコロ

忍階級:下忍

 

斬:7500万

拳:1億

気:0➡️15万

歩:9500万

 

2年生にもなって秘伝忍法を一つも習得していない事を馬鹿にされたり、学院の恥など蔑まされてもめげない等中々の強メンタルの持ち主。しかし、上記のように秘伝忍法を習得せずに選抜メンバーに選ばれた一人であり、かなりの強者である。1章は彼が秘伝忍法を習得する話がメインになる予定

 

戦闘スタイルの白零護身は護身術に見えるが極めて堅牢な守りを誇る柔の拳

 

使用属性:雷

性質変化:

特殊属性:

固有属性:神雷

 

イメージCV.諏訪部順一

 

輪廻(りんね)

 

所属:市立龍導学院高等部:3年生

誕生日:1月10日

性別:女性

一人称、二人称:私/お前、アンタ、君

性格:天衣無縫、努力家

年齢:17歳

髪色・髪型:黒髪の長めのポニーテール

身長:175cm

3サイズ:B91・W57・H86

バスト:Fカップ

血液型:A型

好きな食べ物:青椒肉絲

好きな肉:鳥腿肉

好きな海鮮類:鮎

好きな野菜・果物:筍、パイナップル

好きな甘味類:パフェ

嫌いな食べ物:酢豚のパイナップル

好きな物:可愛い娘やイケメン、しかし一番は仲間や家族

嫌いな物:上記に危害を加える物、腑抜け

苦手な物、事:人の名前を覚える事

趣味:編み物、人形作り

好きな異性:イケメンとか可愛い女の子

戦ってみたい相手:神楽、町で見た美女

男性経験:無し(彼氏居たこと無い)

家族構成:祖父、祖母、母親、父親、姉、弟

秘伝動物:八握脛(やつかはぎ)+???

戦闘スタイル:糸により・捕縛や締め上げ・切断・等

武器:糸+体術+大剣(銘:魔剣グラム)

得意属性:元素+雷(紫電)

クナイタイプ:峨嵋刺(がびし)

忍階級:秘忍

 

斬:4億5000万

拳:2億5500万

気:3億2500万

歩:2億8800万

 

現龍導学院でも類を見ないとされる程の実力者(本人も自覚している)特に戦闘スタイルである糸を使った戦い方は本人の経験や分析力によって防御や支援、果ては縫合も可能という万能振り。その為学院では次期カグラ候補とも噂されている。それに加えルックスも良く性格も相俟って校内にファンは多い(本人はバイセクシャルな為外見では鬱陶しくしてるが内心はかなり喜んでいる)

 

元々は並み程度の忍だったが、これら全てを努力のみで取得した努力の天才

 

使用属性:火、水、土、風、雷

性質変化:氷、木、熔、磁、重力、砂、炎

特殊属性: 陰陽

固有属性:元素、???

 

《秘伝忍法》

 

秘伝忍法ではあるが本人的に改良の余地アリとの事 

 

 スレッド・スピア

 

糸を束ねて作った糸で相手を貫く

 

 ブレイド・スレッド・レイン

 

  手を振り落とし、上空から糸で出来た針を相手に突き刺す

 

糸閃一刀両断(しせんいっとうりょうだん)

 

糸の硬度を限界まで高め一閃し、真っ二つに切断する(糸故に硬度はあるがしなやか且つ視認も出来ない)

 

糸凶・武装界洛(しんき・ぶそうかいらく)

 

糸で作り出した槍・剣・斧・鎌・等様々な武器を作り敵を殲滅する技、作り出した武器は糸状ではなくなり歴とした武器になる(本人曰く回収が面倒) 

 

イメージCV.坂本真綾

 

 

白銅(はくどう)

 

所属:市立龍導学院高等部:3年生

誕生日:12月20日

性別:女性

一人称、二人称:私/アンタ

性格:冷静且つクールだが若干天然

年齢:17歳

髪色・髪型:金髪のミディアムアップ

身長:168cm

3サイズ:B85・W55・H82

バスト:Eカップ

血液型:O型

好きな食べ物:干し柿

好きな肉:鹿肉

好きな海鮮類:鮎

好きな野菜・果物:自然薯・山葡萄

好きな甘味類:パンケーキ

嫌いな食べ物:無し

苦手な物、事:拗ねた輪廻

好きな物:親友(輪廻)、仲間

嫌いな物:上記に危害を加える物、無駄話

趣味:弾丸作成、狩猟

好きな異性:狩人気質

戦ってみたい相手:翔

男性経験:あり(肉体関係は無し)

家族構成:元々捨て子だったが、翔が保護(母親兼姉)

秘伝動物:八咫烏(やたがらす)

戦闘スタイル:ライフルによる狙撃や銃剣による近接戦

武器:改造モシン・ナガン

得意属性:固有除いて全属性

クナイタイプ:山刀

忍階級:影忍

 

斬:3億8000万

拳:1万8800

気:9億5000万

歩:220万

 

龍導学院の輪廻の同期で自身はあくまでも、隠密や潜入以外しか取り柄がないと自虐しているが、戦闘でも歩兵銃を使った狙撃や銃剣による近接戦も得意だったり、拷問による情報入手や薬の調合等割りと芸達者。しかし、一番の能力はチャクラコントロールや造形技術の高さである。最近、悪い夢を見て中々寝付けない(自身が死ぬ夢)

 

使用属性:火、水、風、木、土、雷

性質変化:氷、熔、磁、爆、鉄、砂、光、闇

特殊属性:陰、蠱業(まじわざ)

 

《秘伝忍法》

 

デッド・スナイプ

 

自身の射程距離内にいる相手の急所を確実に撃ち抜くほぼ初見殺しに近い技。対抗手段は弾丸を掴むか弾く以外はない(一応、使用時に半径300mの空気が重くなり弾丸を放ち当たる部分に線の様な物が一瞬見えるらしい)

 

飛天・呀突(ひてん・がとつ)

 

歩兵銃を構え上空へと、飛び銃剣で相手を突き刺す技

 

バレット・チェンジ

 

相手が苦手とするタイプ・属性の弾丸に変える技、分析力や情報が必要になるがその分成功すれば戦闘を有利に進める事が可能(本人曰く輪廻程ではないが、それなりに分析力はあるとの事)

 

フォール・サジタリウス・レイ

 

歩兵銃を弓矢に変形させ、矢でもなく弾丸でもなく巨大なレーザーで相手を撃ち滅ぼす

 

イメージCV.佐藤聡美

 

 

 

蘇芳(すおう)

 

所属:市立龍導学院高等部:2年生

誕生日:8月24日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/手前

性格:正々堂々且つ面倒見も良く熱血漢

年齢:16歳

髪色・髪型:赤色だったり焦げ茶色だったりのウルフヘア

身長:188cm

血液型:B型

好きな食べ物:チーズハンバーグ

好きな肉:熊肉

好きな海鮮類:鮭

好きな野菜・果物:大根、メロン

好きな甘味類:ぜんざい

嫌いな食べ物:無し(そもそも、そんな余裕ない)

好きな物:小動物(猫や犬)

嫌いな物:羆、物珍しい具足と手甲を付けた二人の忍

苦手な物、事:じっとしている事

趣味:筋トレや修行

好きな異性:語らず

戦ってみたい相手:嚇映、棺、白堊(秘伝忍法習得したら)

女性経験:無し

家族構成:父親、母親、弟、妹(全員故人)

秘伝動物:不明

戦闘スタイル:プロレスやキックボクシング主体の肉弾戦

武器:炎の形を纏った手甲や具足

得意属性:災害関連全て

クナイタイプ:ノーマル

忍び階級:上忍

 

斬:7万

拳:1億3000万(タフネス寄り)

気:1000万

歩:60万

 

2年生の中でも屈強な肉体に精神力を持ち合わせた少年。強敵を見ると戦いたくなる、と言うどこかで聞いたような性格。精神年齢は比較的幼い為、色恋沙汰や色仕掛け等は効果はない(一応人並みに性欲はある)

 

上記の具足と手甲を付けた忍を見ると優先的にSATUGAIしようとする

 

使用属性:火、水、土、風、雷

性質変化:氷、熔、重力

特殊属性:爆

固有属性:火山噴火、地震、流砂、津波、大嵐、雪崩

 

《秘伝忍法》

 

爆炎拳(ばくえんけん)

 

炎で燃え盛った拳を相手に叩き付ける。振り降ろしが強ければ強い程、威力は向上する 

 

紅蓮螺旋脚(ぐれんらせんきゃく)

 

炎を纏い、回転しながら蹴りを浴びせる

 

轟炎撲殺連弾(ごうえんぼくさつれんだん)

 

マグマを纏わせた拳の連撃

 

禁技・災害(きんぎ・さいがい)

 

自身を軸に災害事故を周りに発生させる技。姿も変わる

 

 

イメージCV.細谷佳正

 

 

滅赤(けしあか)

 

所属:市立龍導学院高等部:1年生

誕生日:6月6日

性別:女性

一人称、二人称:ワタシ/アナタ

性格:天真爛漫、純粋故の恐怖

年齢:15歳

髪色・髪型:クリーム色のショートヘアー

身長:150cm

3サイズ:B87・W53・H79

バスト:Gカップ

血液型:?型

好きな食べ物:甘い物、甘酒

好きな肉:牡丹

好きな海鮮類:手長エビ

好きな野菜・果物:トマト、苺

好きな甘味類:全て

嫌いな食べ物:椎茸

苦手な物、事:神楽、陰陽師

好きな物:親、仲間

嫌いな物:長話

趣味:遊び

好きな異性:優しい人

戦ってみたい相手:いない

男性経験:無し

家族構成:両親(故人)

秘伝動物:天逆毎(あまのざこ)

戦闘スタイル:狼牙棒と怪力による蹂躙

武器:狼牙棒

得意属性:嵐

クナイタイプ:三矛クナイ

忍階級:下忍

 

斬:25万

拳:測定不能

気:7500

歩:1万2000

 

 

選抜メンバー唯一の一年生だが、小柄で華奢な体からは信じられない程の怪力を有する驚愕の身体能力を誇る。月閃の叢や妖魔を身体に宿した人物を見つけると「仲間ですか!?」と聞いて来る。これは、本人の出生に関係があると思われる。

 

使用属性:火、水、風、土

性質変化:氷、嵐

特殊属性:陰

固有属性:鬼門

 

 

 

《秘伝忍法》

 

 

 

餓王滅壊断(がおうめっかいだん)

 

狼呀棒による力任せな一撃

 

天災風牙嵐(てんさいふうがらん)

 

狼呀棒を回しながら暴風を纏い、相手に落下して挽き肉にする技

 

魔拳・豪鬼(まけん・ごうき)

 

ただ渾身の力を籠めて殴り飛ばす一撃だが、拳圧だけで正面の建物や風景が消えてしまう一撃

 

鬼神・招来(きじん・しょうらい)

 

秘伝忍法の「魔拳・剛鬼」が連打になる等その他に耐久力・自己再生(腕が千切れてもくっつくまたは生えて来る)・怪力無双(蘇芳以上)等がある

 

イメージCV.遠野ひかる

 

灰怒(はいど)

 

所属:市立龍導学院高等部:2年生

誕生日:5月9日

性別:男性

一人称、二人称:僕、私/君、アンタ

性格:礼儀正しい、感情的になりやすい

年齢:16歳

髪色・髪型:灰色のツンツンっぽい型

身長:172cm

血液型:A型

好きな食べ物:アップルパイ

好きな肉:無し(肉は嫌い)

好きな海鮮類:鮭

好きな野菜・果物:大根、林檎

好きな甘味類:シュークリーム

嫌いな食べ物:肉

好きな物:刀等の刃物、英雄譚

嫌いな物:正義、紫苑

苦手な物、事:正義の味方

趣味:刀収集、強者観察

戦ってみたい相手:夜天、天涯、紫苑

好きな異性タイプ:神咲とちょくちょく連絡している

女性経験:あり

家族構成:母親のみ!

秘伝動物:ルリム・シャイコース

戦闘スタイル:ガリアンナイフと日本刀の二刀流

武器:ガリアンナイフ(銘:バジリスク)日本刀➡️江雪左文字

得意属性:闇、氷

クナイタイプ:ナイフ

忍階級:無し 特殊ランク:無し(正式な忍でない為)

 

斬:5億5000万(剣術のみ他は精々1万)

拳:4500

気:2000

歩:1億5000万

 

蛇女との合同演習に数合わせとして、新たに加わった少年、比較的温厚且つ礼儀正しいが戦闘になると、かなり言葉使いや行動が荒々しくなる。刀が最強装備だが本人曰く刀以外でも戦える事を幼馴染みであるとある少女に証明する為に敢えてナイフにしてある(多分ナイフは殆ど使わずに刀になる) 

灰怒はある意味、第二の主人公。

 

使用属性:火、水、土、風、雷

性質変化:氷、炎、砂、磁

特殊属性:陰

固有属性:黒炎、蒼炎、豪雷、闇、氷晶、極光

 

《秘伝忍法》

 

 牙砕刃(がさいじん)

 

上下にナイフを展開し、挟み込んで攻撃する

 

 飛燕列火(ひえんれっか)

 

相手を蹴り上げた後に炎を纏った踵落としをする

 

 ◎黒麗・槍雨(こくれい・そうう) ◎影腕槍・魔月(えいわんそう・まがつ)

 

闇で造り出した槍を雨のように相手に落とす。

 

地面に突き刺さった槍を黒い腕に変え相手を捕縛する

 

神装・建速須佐之男(しんそう・たけはやすさのお)

 

現時点では威力、効果は不明

 

イメージCV.梶裕貴

 

転生(てんせい)

 

所属:市立龍導学院中等部:3年生

誕生日:10月30日

性別:男性

一人称、二人称:僕、オレ/君、おねーさん、お前

性格:猫かぶり、サイコパス、ヤンデレ

年齢:14歳

髪色・髪型:黒い髪を伸ばし結んだ髪型

身長:158cm

血液型:B型

好きな食べ物:酢豚、蜂蜜酒/水

好きな肉:豚肉

好きな海鮮類:牡蠣

好きな野菜・果物:白菜、梨

好きな甘味類:チーズタルト

嫌いな食べ物:納豆

好きな物:姉、色んな女の子、お楽しみ(意味深)

嫌いな物:お楽しみを邪魔する奴

苦手な物、事:特に無し

趣味:女の子とのデート

戦ってみたい相手:ラーストチカ

好きな異性タイプ:姉、エロいお姉さん、可愛いお姉さん

女性経験:結構ある(肉体関係もある)

家族構成:姉、姉、両親

秘伝動物:黄衣の王(ハスター)

戦闘スタイル:剣術+暗殺術

武器:日本刀(銘:鬼喰・黒鬼(おにぐい・くろき))

得意属性:木遁

クナイタイプ:クナイより手裏剣

忍階級:特殊ランク:(灰怒同様なし)

 

斬:15万

拳:9000

気:10億

歩:9万

 

龍導学院中等部へと編入しそれと共に翔の推薦と姉と一緒に居られるといった理由で蛇女選抜に新しく編入した「紅蓮」との数合わせとして編入した。

 

戦闘スタイルの剣術は中々であり、徒手空拳の方も悪くない。しかし一番得意な忍法は木遁でありその中でも最上位の《神樹(しんじゅ)》であり、秘伝忍法を封じる事が出来る。その他は相手の能力を奪う術もある。

 

使用属性:水、風、土、雷

性質変化:氷

特殊属性:陰陽

固有属性:神樹

 

《技》(秘伝忍法は追々開発する予定)

 

 木遁(もくとん)心脳食腕(しんのうしょくわん)

 

蛸の触手に蔦がついたような木の根で相手の《心臓》《脳》を抉り取り心臓からは命を脳からは技や能力を奪う

 

 木遁(もくとん)忍法縛り(にんぽうしばり)

 

相手の秘伝忍法に合わせて技を繰り出し秘伝動物を縛り秘伝忍法を使用不能にさせる

 

 風遁(ふうとん)螺旋牙突(らせんがとつ)

 

刀に螺旋状の竜巻を纏わせ相手を貫く技

 

 狂鬼(きょうき)恐王(きょうおう)

 

自身の内にある木遁で封じていた鬼の力を解放する

 

 

イメージCV.白井裕介

 

夜天(やてん)

 

誕生日:4月9日

性別:男性

一人称、二人称:オレ、私、僕/お前、アンタ、君

性格:気まぐれ、ダウナー、キレやすい

年齢:24歳

髪色・髪型:白髪のツンツンっぽいちょい右目隠し

身長:183cm

血液型:A型

好きな食べ物:おでん(練り物)

好きな肉:ハラミ

好きな海鮮類:カンパチ

好きな野菜・果物:胡瓜、林檎

好きな甘味類:無し(甘い物は嫌い)

嫌いな食べ物:ごじる

好きな物:平和、家族

嫌いな物:多すぎだが、強いてあげるなら自分

苦手な物:自分に好意を寄せる相手

趣味:寝ること、家族の成長

戦ってみたい相手:兄

好きな異性タイプ:語らず➡️既婚者

女性経験:かなり有る

家族構成:祖父(故人)、父、母(故人)、兄(故人)、姉、弟、妹

秘伝動物:応龍、鳳凰、五頭龍、????

戦闘スタイル:千差万別

武器:色々だが、基本は刀(銘:初代炎月花『蒼炎』)

得意属性:雷、炎

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:特上忍 特殊ランク:卍忍

 

斬:12桁(弱体化)

拳:10桁(弱体化)

気:13桁(弱体化)

歩:12桁(弱体化)

 

使用属性:火、水、土、風、雷

属性変化:炎、氷、磁、陰陽、封印

固有属性:百雷、絶雷、赤雷、滅雷、炎滅、死炎、月

    :滅炎、滅氷、滅却、禍滅、五行

    :四大元素、地獄

 

秘伝忍法一部

 

布都御魂(ふつのみたま):手に雷を集束させ相手を斬りつける(貫きや手刀、雷なら種類は別でも可能)

 

幽炎斬波(ゆうえんざんは):巨大な炎の斬撃波を飛ばす。切れ味は巨大な剃刀のよう(ただの斬撃波ではなく炎の為、再生は不可能)

 

卍掌(ばんしょう):四大元素を掌に集束させ球体を造り相手に叩き込む。属性が次々と変化に加え、弱点を付与させる為相手は耐性関係なくダメージを食らう。

 

人物:龍導学院の卒業生で現在はフリーの忍教育係を行っている。普段はbarを経営(結構人気)している。階級は生徒である輪廻達より低いが、実力は恐ろしい程高く『歴戦のカグラ』ですら足元にも及ばない程。

 

元々は『善忍』だったが、一家と校内の上層部を惨殺し『悪忍』になった。一家惨殺の際には妹だけは殺さなかった(奇しくも父親は生き延びた)

 

敵には容赦ない反面、家族や血族にはとことん甘い(例外はあるが)

 

イメージCV.中村悠一

 




悪忍達のプロフィールです。

また増えるかも知れないです

斬・拳・気・歩の元ネタはブリーチの斬気走拳です。

段階は悩み中ちなり、設定か用語にて決めます。

言えるのは8桁以上は歴戦カグラ(伝説級)クラスです。


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善忍/登場人物紹介(未完成)+随時更新

back似て登場した『善忍』達のプロフィールとステータスです。


於国(おくに)

 

所属:私立出浦高等学校:2年生

誕生日:8月18日

性別:女性

一人称、二人称:私、アタシ、某/あなた、お前、貴殿

性格:活発、自覚はないが熱血、たまに卑屈

年齢:16歳

髪色・髪型:黒のショートボブ

身長:168.5cm

3サイズ:B95・W60・H85

バスト:Gカップ

血液型:O型

好きな食べ物:うどん

好きな肉:鴨肉

好きな海鮮類:秋刀魚

好きな野菜・果物:梨

好きな甘味類:信玄餅

嫌いな食べ物:蒟蒻

好きな物:犬、夕焼け

嫌いな物:一方的な決めつけ

苦手な物、事:正義について考える、暑苦しい人

趣味:修行、武器磨き

好きな異性:いない

戦ってみたい相手:飛鳥、雪泉、佐介、紫苑

男性経験:無し

家族構成:祖父、父親、母親、弟(二人)

秘伝動物:唐獅子・妲己

戦闘スタイル:槍術、体術、剣術

武器:二槍(銘:蒼火紅)、妖刀(銘:村正)

得意属性:爆炎

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:中忍

 

掲げる正義:悩み中

 

異名:才蔵の孫

特徴:特にない

 

斬:1万5000

拳:1万5000

気:4万5000

歩:1万

 

使用属性:火、雷、風

 

性質変化:なし

 

特殊属性:陰陽、封印術、爆炎

 

出浦高校の2年生であり、伝説の三忍にも勝る程の活躍をした祖父である『才蔵』の孫である少女であり、善忍側の主人公。今では活発で熱血(自覚なし)な性格だが昔は卑屈で暗い性格であり、よくイジメにあっていた。それは彼女の出生に関係があった。それは彼女の父親は悪忍であり母親は善忍という所由《灰色》の存在故に《善悪》にも馴れない半端者と称されていたため、現在の性格になったのは《霊峰》を初め《紅丸》《春潮》《エヴァ》《黒波》《夜霧》達が白い目を向けずに接して居たため、但し《銀雪》や《上層部》《学内の生徒》の中には未だに嫌悪感を抱いている者は少なくない

 

戦闘スタイルは武器によって変わる《槍》ならば、高速の連撃、《体術》は拳を用いる《剣術》は一撃で仕留めるを主軸に置いた剛の型

 

体内に妲己(だっき)と呼ばれる九尾の狐を飼っている。

 

 

 

秘伝忍法一覧

 

炎迅槍突(えんじんそうとつ)➡️爆炎海(ばくえんかい)

二槍を合わせ一槍にし相手に突撃すし穿つ。続け様に技を繰り出すと広範囲を焼き尽くす炎の海を造り出す。

 

封印術・平棺(ふういんじゅつ ひらかん)➡️永魂火葬(えいこんかそう)

相手を棺の中に閉じ込め動きを封じ込める。そのまま札を貼れば完全に封印できるが自身の技量やチャクラ依存な為相手次第では全く通じない場合がある。続け様に技を繰り出すと封印ではなく閉じ込め動きを封じた瞬間に魂を焼き相手を葬る

 

人界の悪意(妲己)

体内に居座る妲己を解放する。解放すると意識が完璧に妲己に呑まれ一人称が『妾』になり残酷かつ冷酷な性格になる、反面《斬拳気歩》が桁違いに上昇する

 

《妲己状態》

斬:200万

拳:250万

気:450万

歩:600万

 

都牟羽大刀(つむはのたち)

村正に全チャクラを注ぎ込みあらゆる悪鬼、妖気を裁ち更には世界の意思すらも絶つなど尋常じゃない程の威力を持つがオリジナルではないためか刀が破損するため悪鬼を裁つまでの威力に押さえている

 

イメージCV.松浦チエ

 

妲己(だっき)

 

訪国の中に潜む白面金毛の九尾の狐で大変美しい外見をしている。性格は《冷酷・狡猾・残忍》と言うかなり醜悪な性格をしている。上記の美しい狐の姿も紛い物で本来は人と狐の骨が混ざり合いどす黒く錆色の姿を持つ巨大な狐という妖であり人肉を喰らい変化により美女に化け人々を誑かし堕落(または破滅)に導く等と最強最悪の妖孤、外見を裏切らずに強大な力を持ち《大獄丸・酒呑童子・覇王光竜》と言った神話級の妖怪、幻獣と同等の力を持つ……とここまで来ればただの害獣だが、長くにわたり人の世に染まった為か、スイーツや恋バナやオシャレなどが大好きな残念妖怪になって来ている(根本的な所は変わらない)

 

イメージCV.真堂佳

 

 

夜霧(よぎり)

 

所属:私立出浦高等学校:2年生

誕生日:4月9日

性別:女性

一人称/二人称:私/名前呼び(仲間のみ)、お前

性格:寡黙、無表情、無気力、天然⬅️戦闘以外

年齢:17歳

髪型と髪色:艶やかな黒髪のロングヘア

身長:164cm

3サイズ:B-88.W-56.H-83

バスト:Eカップ

血液型:AB型

好きな食べ物:焼き肉

好きな肉:肉なら全て

好きな海鮮類:鮪

好きな野菜・果物:桃

好きな甘味類:みたらし団子

嫌いな食べ物:兄が好きな食べ物

好きな物:刀、ボトルシップ

嫌いな物:兄

苦手な物、事:自身の昔の話

趣味:修行、刀収集

好きな異性:いない

戦ってみたい相手:焔、雅緋、光牙、相馬と蒼馬

男性経験:無し

家族構成:無し(兄は家族ではない)

秘伝動物:サラマンダー、ガリートロット

戦闘スタイル:高速剣術

武器:3代目大業物水月花叢雨(むらさめ)

得意属性:四大元素、火、雷

クナイタイプ:スティレット

忍階級:上忍

 

掲げる正義:(復讐に)燃える正義

 

異名:悪狩りの凶刃

 

特徴:左右の眼の色と紋様がある『左が青緑の逆三つ鱗』『右が紫の三つ鱗』

 

斬:155万

拳:800

気:400

歩:19万5000

 

使用属性:火、雷、風、水

 

性質変化:氷

 

特殊属性:四大元素、獄炎、炎滅

 

寡黙、無表情であったためコミュニケーションが取りにくそうだと思われたが葛城にセクハラされ葛城が「セクハラは挨拶」だと言うとそれを鵜呑みにしたり、佐介が沢山の量の食事をしたらそれが正しいと思ったりなどで天然な部分があり周りがツッコミを入れる等で不思議と成り立っている。

アレースの命令とあるが、それより優先しているのは家族を惨殺した兄を殺す事を優先している

 

剣術と速度に関しては随一(2年現在は)

      

秘伝忍法一覧

 

幽炎斬波(ゆうえんざんは):炎の斬撃を飛ばす

 

煙霧剣戟(えんむけんげき):刀を煙に変化させての斬撃、煙の為か相手は触れる事が出来ない自分は触れるため自由に操れる

 

炎滅一閃(えんめついっせん):自身の固有属性の『炎滅』を刀に纏わせ相手を一閃する。斬られた相手は『焼滅』する。凄まじい火力威力を持つが1回が限度

 

イメージCV.雨宮天

 

エヴァ

 

所属:私立出浦高等学校:1年生

誕生日:8月1日

性別:女性

一人称、二人称:私/あなた

性格:天真爛漫

年齢:15歳?

髪色・髪型:真っ白な髪色のロングヘアーで左目を隠してる

身長:164cm

3サイズ:B93・W57・H90

バスト:Hカップ

血液型:??型

好きな食べ物:おでん

好きな肉:鯨

好きな海鮮類:寒ブリ

好きな野菜・果物:スイカ、苺

好きな甘味類:シャーベット

嫌いな食べ物:辛い食べ物

好きな物:猫、海、川、プール

嫌いな物:暑苦しい人、犬

苦手な物、事:徒競走

趣味:釣り、水泳

好きな異性:父親

戦ってみたい相手:夜霧、ユウヤ、意司剣

男性経験:無し(言い寄られる事はかなりある)

家族構成:父親

秘伝動物:鯱シャチ、ペンギン

戦闘スタイル:下記の武器による切り刻み

武器:弓に大量の電鋸の刃がついた武器(銘:ディアセンブル)

得意属性:炎と雷(本人はそう言うが実際は氷、水)

クナイタイプ:シックスナイフ

忍階級:上忍

掲げる正義:(一片の)氷心の正義

 

異名:氷海の精霊

 

特徴:ロングヘアーで隠した右目に蒼色の菱形の三つの紋様がある、左目は赤色

 

 

斬:1万

拳:805(肉体的耐久は800だが、体力が無さすぎる)

気:950万

歩:500(水中だと8000)

 

使用属性:火、雷、風、水、医療忍術

 

性質変化:氷、炎、白雷

 

特殊属性:氷海、聖杯

 

出浦高校に通う1年生選抜メンバーの一人、透き通るような白い髪に陶磁器のような白い肌を持つ美少女、天真爛漫かつ正直な性格な為、忍に向いていないように見えるが《忍》と《日常》は分けれる等それなりの心構えは持っている。肝心の戦闘能力は弓に大量の電鋸の刃がついた特殊な武器『ディアセンブル』で相手を切り刻みミンチにすると、かなりエグい戦い型をする。使用する属性は本人は『雷と炎』と豪語するが実際は『氷と水』であり何故『雷と炎』と虚偽するのは《父親》が関係するらしい、その父親の特徴は右目を何時も閉じているか、眼帯を嵌めていてフリーの忍の仕事をしているらしい。特殊属性は『氷海と聖杯』氷海はまんま場を造り相手を水中に引き摺り込みズタズタにする陸上では、かなり鈍いが水中だととんでもなく素早い上に水中でも呼吸が出来るので水中で呼吸もできずに動きが鈍い敵にとっては悪夢でしかない。もう一つの属性『聖杯』はどんな願いをも叶える願望器であり彼女または彼女が氏名した相手が願いを言うと叶うというかなり稀有かつ禁術クラスの属性を持つ。

 

正体は『聖杯』の動力源の為だけに造られたホムンクルスである、上記の年齢も誕生日も偽りでカイルにより造られたが寿命も2日と短く動力源となる生命力もなく廃棄処分されそうな所僅かな力でその場を脱出し行き倒れている所で《夜天》に拾われ延命の為に『大聖杯の欠片』と『右目』を与えられて、今に至る。取り敢えず現在は『淡雪』の家にお世話になっているらしい。その為に高等な医療忍術を習得している

 

黒波と非常に仲が良い

 

秘伝忍法一覧:強力で広範囲な技が多い

 

ヴィリロス・イボヴォリ

巨大かつ強力な怒りの大波で相手を押し潰し溺死させる範囲が広く大量の敵に効果がある反面味方も巻き込んでしまう

 

タラサ・バシレウス

氷海チャクラで巨大な鯱を造り出し鯱の咆哮で対象を破壊する技、水遁形最強術の一環のため同じ水遁や柔な火遁では打ち消すのは不可能

 

南極大氷山投げ(なんきょくだいひょうざんなげ)

秘伝忍法の鯱(鯱太郎)が投げた氷をペンギン(ペン助)がビル並の氷山を相手に投げつける

 

希望を拒み絶望し滅べ(レーヴァティン)

どす黒く禍々しく赤色の両刃の剣を造る、一振りで眼全の敵を消し滅ぼす斬撃刃を飛ばす。

 

輝きの聖杯

造り出した、聖杯を満たす事によりあらゆる願いを叶える満たす物は普通は血肉もしくは魂だがエヴァの場合は《海の水》なため安易に満たす事が可能。だが一回しか使えない、再使用には1年掛かる

 

イメージCV.ゆかな

 

黒波(くろなみ)

 

所属:私立出浦高等学校:1年生

誕生日:7月3日

性別:男性

一人称、二人称:オレ、オレっち/お前

性格:活発、熱い、コミュ力高い

年齢:15歳

髪色・髪型:黒色の単髪

身長:166cm

血液型:A型

好きな食べ物:海鮮丼

好きな肉:鯨

好きな海鮮類:海鮮は全て好き

好きな野菜・果物:大根、林檎

好きな甘味類:餡まん

嫌いな食べ物:特になし

好きな物:海、家族、漢気

嫌いな物:一方的な決めつけ

苦手な物(人)、事:銀雪、勉強

趣味:サーフィン、す潜り

好きな異性:考えた事無い

戦ってみたい相手:霊峰、紅丸、半蔵、佐介

女性経験:姉は?駄目?じゃあ無しで

家族構成:祖父、母親、父親、姉

秘伝動物:モササウルス、バハムート

戦闘スタイル:示現流

武器:大剣(銘:殺魔)

得意属性:水、火、雷

クナイタイプ:ナイフ

忍階級:上忍

 

 

掲げる正義:(大海の如く)心広き正義

 

異名:鬼神

 

特徴:意外と筋肉質

 

斬:1万2000

拳:1万

気:7500

歩:6500

 

使用属性:火、水、雷

 

性質変化:熱湯、

 

特殊属性:陰陽、大海、炎海、雷海

 

出浦高校の1年生選抜メンバー、出浦選抜に置けるトラブルメーカー的存在な為よく問題を起こすが、起こした相手と直ぐに友達となれる位にコミュ力が高い人物

戦闘スタイルは自身の身を超す大剣を用いた示現流その威力は相手を防御の上から叩き斬る威力だが欠点は振り下ろしは早いがソレ以外の攻撃と溜め速度が鈍いため素早い相手は少々苦手なためそれが課題になっている。

 

 

エヴァと非常に仲が良い

 

秘伝忍法一覧:

 

:大炎雷海(だいえんらいかい) 

大海、炎海、雷海の順で範囲を攻撃する三つの内どれかでキャンセルすると、属性が変わる《水・火・雷》

 

:真空刃雷断(しんくうはらいだん)

雷を纏った斬撃を飛ばす、一発放つのに長時間の溜めが必要だが威力射程共に十分強力

 

:一刀両断(いっとうりょうだん)海裂き(うみさき)

雷断以上の溜めが必要な大技威力は名の通り海を裂く威力、この技を使えば如何なる相手も真っ二つに切断出来る。

:一刀必殺(いっとうひっさつ)

刀を振り下ろす、その動作に全てをかけ相手を斬る技、当たらなければ隙だらけになる。当たれば一撃必殺、当たれば

 

イメージCV.山下誠一郎

 

 

黒鉄(くろがね)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:9月6日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/お前

性格:ドライ

年齢:17歳

髪色・髪型:黒髪ショート

身長:177cm

血液型:A型

好きな食べ物:腹が満たせれば何でもよし(味もどうでもいい)

好きな肉:同上

好きな海鮮類:同上

好きな野菜:同上

好きな甘味類:アイスキャンディー

嫌いな食べ物:凝った料理、腹が満たせない物

好きな物:力、強者、強敵

嫌いな物:弱さ、弱者、とあるカグラ聖天

苦手な物、事:弱さ、弱者、甘い奴

趣味:戦い

好きな異性:興味ない

戦ってみたい相手:カグラ、カグラ聖天

女性経験:無し

家族構成:全員(故人)

秘伝動物:(おおかみ)

戦闘スタイル:体術

武器:トンファー(銘:なし、余り武装に拘らない)

得意属性:灰

クナイタイプ:なし

忍階級:殲忍

 

掲げる正義:(力で)捩じ伏せる正義

 

異名:灰塵の黒狼

 

斬:14万5000

拳:150万

気:10万

歩:140万

 

使用属性:火、雷、水、土

 

性質変化:木

 

特殊属性:灰、陰陽

 

出浦高校選抜メンバーの3年生でドライな性格であり、損得勘定で動くほど。彼にとっては《力》こそ全てである為その妨げになる『友情』『愛情』は只の不純物でしかなく基本的に単独行動を好む、《力》のためなら『悪忍』や『忍の敵』すら利用するまでに固執している。このような性格になった経緯はとある《カグラ聖天》と戦い自分を除いた親友が殺された際に相手から『情』と言う不純物があるからお前は弱いと言われた為、その為に、それらを捨て《力》のみに固執するようになった。

 

その反面に基本的に弱者は助けたりする他、家に虎吉という名前の猫(三毛猫)を飼っているなど完璧に『情』を捨てきれていない。

 

《戦姫衆》と協定関係にあり『蒼鬼』の《捕縛》を《零姫》に依頼されている。その他『飛鳥』『雪泉』の殺害任務も請け負っている。戦姫衆の《零姫》とは持ちつ持たれつの関係

 

灰衣(はいころも)と呼ばれる一族の最後の生き残り、この一族の特徴は通常の攻撃は如何なる技だろうと通用せず《特殊なチャクラ》でなければダメージを与える事が出来ない。

 

秘伝忍法一覧:

灰の手(グレイハンド)

触れた相手を灰に変える技、触れた瞬間から始まるためその前に脱出すれば助かる

 

魔天狼(まてんろう)➡️堕天狼(だてんろう)

 

トンファーで相手を打ち上げる技、その状態で飛び上がり相手を地面に叩きつける

 

灰&狼(はいアンドろう)

灰化した狼になる技この状態ではトンファーは使わず、爪や噛みつき、殴り等の《体術特化》になる、灰故に物理が効かず水遁も火遁で無効化する、唯一の弱点は《特殊なチャクラ》以外は手の内用がないという強力な技

 

イメージCV.石川英郎

 

 

 

 

春潮(しゅんちょう)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:10月9日

性別:可変式

一人称/二人称:私、アタシ/あなた、お前

性格:適当

年齢:17歳

髪型と髪色:艶やかな茶髪のロングヘア

身長:182㎝

血液型:AB型

好きな食べ物:ビビンバ、クエ鍋、餃子、塩ラーメン

好きな肉:牛肉

好きな海鮮類:クエ、蛸

好きな野菜・果物:キウイ

好きな甘味類:ガトーショコラ

嫌いな食べ物:蟹、烏賊

好きな物:他人の笑顔

嫌いな物:悲しい事、野蛮な男

苦手な物、事:男扱い

趣味:映画鑑賞

好きな異性:いない

戦ってみたい相手:霊峰

男性経験:無し

家族構成:全員死去

秘伝動物:カメレオン

戦闘スタイル:方天画戟と兜割をチャクラに応じて戦う

武器:方天画戟、兜割

得意属性:気

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:カグラ

 

掲げる正義:無し

 

異名:千変万化

 

特徴:男扱いすると、ぶちキレる

 

 

斬:2500万

拳:1980万

気:85億

歩:195万

 

 

 

使用属性:火、水、土、雷、木、風

 

性質変化:氷、岩、砂、磁

 

特殊属性:気、投影、陰陽

 

出浦高校選抜メンバーの3年生であり、カグラの称号をもつ『生徒』カグラの名に相応しい強さを持っており、膨大なチャクラと様々なチャクラを使えるという得意体質の持ち主。通常時は『普通のチャクラ』だが、忍転身時は『妖魔・鬼・邪気』のチャクラ、更に特殊形態『賢人モード』では『神楽・羅刹・龍』のチャクラを扱える、因みにこれらはあくまでも良く使用するチャクラの一部でありまだあるらしいが、霊峰いわく身体がついて行っていないとの事。

 

戦闘スタイルは通常時は兜割による打撃、忍転身時は方天画戟による槍術に加え固有属性と上記の体質により相手の属性を『投影』コピーする事が可能

 

通常はダメージを与える事が出来ない、『灰衣一族』にダメージを与える事が可能な人物であり『元龍災』により黒鉄の監視役に『霊峰』からは『銀雪』の抑止力になる事を頼まれている、為かストレス気味

 

プロフィールで性別は『可変式』となっているが、実は正真正銘の《女性》である。身体が男性となっているのは様々なチャクラを扱える為の副作用による物

 

本当の身長とスリーサイズ

 

身長:173㎝

3サイズ:B90・W57・H88

バスト:Fカップ

      

 

秘伝忍法一覧

 

轟気・槍牙(ごうき・そうが)➡️妖槍・人獣滅牙(ようそう・じんじゅうめつが):莫大なチャクラを方天画戟に溜め相手を刺し貫き内側から破壊する技、このチャクラは《轟気》チャクラと言い轟きどんどん膨張し大きくなっていくため細胞レベルで相手を破壊するので『チャクラ吸収』を得意とする相手に対して相性が良い(吸収細胞を破壊するため)

 

忍転身時は方天画戟に『妖魔気』を方天画戟に身体に『鬼気』を流し部分を『妖魔・鬼』に変え突進する技

 

投影・術技(トレース・テクニック):相手に触れる事により相手の《属性》《技術》をコピーし弱点を見つけて対応する技

 

滅却式・炎破(めっきゃくしき・えんは)➡️(カルマ):突き出した片手の手首を握りしめ、手首を圧迫し掌に《龍気》を圧縮し巨大なチャクラの光線を放つ技。

 

技の終わりと共に忍転身から更に《神・忍転身》する事により《(カルマ)》モードになる

 

(カルマ)モード時ステータス

 

斬:5000万

拳:2500万

気:8500億

歩:7500万

 

 

神殺し(かみごろし・)天之尾羽張(あめのおはばり):対神級の敵を想定し《磁遁》て造った剣に《神気》《魔気》《罪気》を集束させた剣を造り『羅刹女王神楽』となり対象を両断する技だが、春潮のチャクラ量をしても使えるのは一回ポッキリ且つ使えば『忍人生』の終わりを告げる《諸刃の剣》(上記の業モードとの併用を化にしても同上)

 

 

イメージCV.小野坂昌也 イメージCV.石上静香




中々にでたらめな連中ですが、基本的に『善忍』は実力者との事なのでステータスが高めになります、弱点や欠点も無論あります。

残りの忍はまた次に


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出浦四天王/登場人物紹介(未完成)+随時更新

善忍sideの最強達です。四天王ですが、元もいます

後に候補も追加するかも

インフレ大爆発


霊峰(たまみね)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:4月10日

性別:男性

一人称、二人称:僕、オレ/あんさん、テメェ

性格:めんどくさがり屋、飄々

年齢:18歳

髪色・髪型:紫の鶏のような髪型

身長:175cm

血液型:A型

好きな食べ物:お好み焼き、焼きそば、甘い物

好きな肉:豚肉

好きな海鮮類:秋刀魚

好きな野菜・果物:人参、桃

好きな甘味類:八ツ橋、飴ちゃん、和菓子全般

嫌いな食べ物:鯖(味噌煮は普通に好き)

好きな物:休み時間

嫌いな物:任務、修行、授業、正義、銀雪(普通に嫌い)、妖魔

 

苦手な物、事:修行、授業

趣味:昼寝

好きな異性:昔初めて会った女の子以外興味ない

戦ってみたい相手:いない(面倒だから)、??

女性経験:無し

家族構成:姉、兄、弟(末っ子)

秘伝動物:鷲木菟

戦闘スタイル:剣術+体術

武器:刀(銘:無し普通の刀)、?????

得意属性:ほぼ全て(強いて上げるなら《雷遁》《風遁》《水遁》《氷遁》《光遁》《陰陽遁》)

 

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:カグラ

 

 

掲げる正義:なもんあるかい!

 

異名:現代最強の善忍

 

斬:測定不能

 

拳:測定不能

 

気:測定不能

 

歩:測定不能

 

使用属性:全て

 

性質変化:全て

 

特殊属性:全て

 

固有属性:否定、???

 

イメージCV.遊佐浩二

 

●:現在の忍世界で学生ながら《最強》の異名を持つ少年。普段のめんどくさがりやでふざけた態度な為に軽視且つただのデマだと認識されているが、戦った相手や実力を見抜く審美眼を持つ物は直ぐに『マジだった……』と口を揃える。

 

元々は善忍界・最強の忍だったが、限界の無い成長から善忍はおろか悪忍や善悪両方の抜忍を含めて全力の霊峰と渡り合える者が居なくなった為、事実上は全忍界において最強の存在となった。

 

……妖魔大戦時代の忍と比べると平均的とされたり、するがその世代最強クラスの妖魔を一太刀できる為に現代では正に正真正銘の『最強』

 

  『天上天下唯我最強』『現代最強の善忍』

 

 

紅丸(べにまる)

 

誕生日:8月9日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/テメェ、アンタ、お前、君

性格:冷静、好青年

年齢:17歳

髪色・髪型:朱の逆毛ロングヘア

身長:220cm

血液型:A型

好きな食べ物:焼き肉、BBQ

好きな肉:肉全般

好きな海鮮類:鮪、鮭

好きな野菜・果物:人参、キャベツ、玉葱、南瓜・パイナップル、マンゴー

好きな甘味類:あんみつ

嫌いな食べ物:無し

好きな物:バスケ

嫌いな物:弱者虐め

苦手な物:変態、セクハラ

趣味:筋トレ、

戦ってみたい相手:霊峰(100回挑んで100回負けている)

好きな異性タイプ:真面目な子

女性経験:白銅

家族構成:祖父、父、母、妹

秘伝動物:T-REX

戦闘スタイル:メイスによる打撃と素手喧嘩殺法

武器:メイス(銘:ネメア)

得意属性:炎、土、岩、火山

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:カグラ

 

斬:2億8000万(素)

 

拳:98億9000万(素)

 

気:5億(素)

 

歩:1億2000万(素)

 

使用属性:火、土、水、風、雷

 

属性変化:炎、嵐、岩

 

固有属性:火山、陽

 

イメージCV.安元洋貴

 

掲げる正義:悪逆無道屠る正義

 

異名:魔獣殺し

 

 

秘伝忍法一部

 

大気空割り(たいきそらわり):メイスによる文字通り、大気を割き空を割る斬撃

 

・ヴォルケーノキャノン:蘇芳のクレイターイラプション以上の威力範囲を誇る。違いは連射や一点集中しての狙撃などの精密な攻撃や広範囲の殲滅が可能

 

剛陽掌底(ごうようしょうてい):陽属性を手に集中して相手に打ち込む

 

溶光炎天砲(ようこうえんてんほう):両手を合わせ特大の灼熱の光線を放つ技。威力は凄まじく地球から空に放てばブレンワールドの先、宇宙の外まで到達する。何故地球は無事なのかとかツッコミは無しである

 

出浦四天王の一人。霊峰の幼少からの友人昔から彼に追い付く為に努力をし1年生でカグラに成った少年であり霊峰が四天王内で最も信頼を置く相手。

 

それ以外にも異常宗教団体《ザ・ビー教》の信者と教団員に秘密裏に甦らせられた『特級異形(とっきゅういけい)怨霊(おんりょう)集合体(しゅうごうたい)怨楼血(おろち)』を単身で討伐した事もカグラ昇格のポイントである。

 

この教団の強化怨楼血の手段だが敢えて《忍》ではなく拐った女子供を生け贄に復活させた物、この行為に紅丸は産まれて始めて激昂し教団の本拠地を土地ごとに更地にした(この件は結構説教を受けた)

 

脳筋に見える見た目も筋骨隆々な巨漢だが、何処か爽やかな印象と雰囲気を持つ為に非常にモテたり子供達から人気が高い

 

麗弩(れいど)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:12月10日

性別:女性

一人称、二人称:私、アタシ、/あんた、お前、貴方

性格:アンニュイ、ダウナー

年齢:17歳

髪色・髪型:白色のウェービーロングヘア

身長:162.5cm

3サイズ:B82・W57・H84

バスト:Cカップ

血液型:不明

好きな食べ物:レバニラ炒め

好きな肉:肝

好きな海鮮類:鮟鱇、鰒(特に肝)

好きな野菜・果物:トマト、グレープフルーツ

好きな甘味類:ブドウ糖、飴

嫌いな食べ物:ニンニク

好きな物:銃、骨董品、蝶、幽霊

嫌いな物:銀、恋愛映画

苦手な物、事:泳ぐ事

趣味:アンティーク集め、ホラー映画鑑賞

好きな異性:いない

戦ってみたい相手:いない

男性経験:無し

家族構成:祖父、父親、母親、姉

秘伝動物:スコルフスキーモルフォ

戦闘スタイル:体術、射撃

武器:青と朱の刃付きの二丁拳銃

 

銘:青『アグア』朱『フエゴ』

 

アサルトショットガン(銘:マル)

 

ドラグノフSVD(銘:リウビア)

 

得意属性:血液

クナイタイプ:ナイフ型のクナイ

忍階級:カグラ

 

掲げる正義:(悪の)屍を築く

 

異名:血濡れの魔弾

特徴:腕に大量のリストカットの後、相手の死体を食べ回復する

 

イメージCV.花澤香菜

 

斬:5億5000万

拳:7500万

気:95億5000万

歩:8億5000万

 

使用属性:火、風、水、土、雷

属性変化:炎、嵐、氷、滋、砂

固有属性:血液、陰、闇

 

秘伝忍法

 

・サングレ・ハウラ:血液で造り出した檻に相手を閉じ込め押し潰す技

 

・サングレ・バラ:血液の弾を造る技、これに属性を乗せる事により特殊な属性の技が造る。例:『炎』+『血液』=『炎血』

 

・サングレ・アブソルシオン:相手にナイフまたは爪を刺し込み相手の血液を吸収し回復する

 

・サングレ・デスクレシオン:リストカットした血液を相手に浴びせ細胞レベルで破壊する技

 

出浦四天王の一人のくノ一で階級はカグラ。元々は私立舞扇大学附属高校の生徒だったがこの学校で学べる事はないと判断し最強の忍が居るという出浦の門を叩き2年掛けてカグラに成った。

 

得意属性の《血液》は魂や命に関連する相手等に滅法強いがそれ以外に自身の身体強化や回復、術の威力向上も可能

 

体内に『クエレブレ』と言う怪物を飼っている。勿論和解済み………と言うよりは『クエレブレ』が彼女に惚れて心酔している。

彼女の《気》が異様に多いのは彼が居るからによる。もし居なかった場合でも《4億は素である模様》

 

景光(かげみつ)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:1月5日

性別:男性

一人称、二人称:オレ、私/アンタ、オマエ

性格:寡黙➡️割りと喋る(本体)

年齢:17歳

髪色・髪型:短めの茶髪➡️短めの銀髪に金色の目

身長:176.9cm~85km(最大400Km)➡️198cm(本体)

血液型:不明➡️O型(本体)

好きな食べ物:食事をとる必要がない➡️闇鍋(本体)

好きな肉:なし➡️好き嫌いは無い(本体)

好きな海鮮類:なし➡️肉同様(本体)

好きな野菜・果物:なし➡️肉同様(本体)

好きな甘味類:なし➡️ホールケーキ(本体)

嫌いな食べ物:なし➡️なし(本体)

好きな物:暗闇、影、夜、奈落、月➡️将棋(本体)

嫌いな物:光、日光、朝、極楽、太陽➡️上層部(本体)

苦手な物(人)、事:明るい場所➡️寝ている霊峰(本体)

趣味:将棋の駒造り(両方)

好きな異性:なし➡️女生徒が騒ぐ位には美形

戦ってみたい相手:元龍災の敵なら誰でも

女性経験:そもそも恋愛沙汰に興味が無い

家族構成:思い出したくもないが、父と母

秘伝動物:アズラエル

戦闘スタイル:黒い靄と影とによる切り裂き➡️剣術(本体)

武器:影、闇➡️ボロボロの片手剣(銘:ミスト)

得意属性:闇、影

クナイタイプ:影型のノーマル

忍階級:カグラ

 

掲げる正義:(闇夜)誘う正義

 

異名:宵闇に潜む影

 

斬:?

拳:?

気:?

歩:?

 

現時点では不明だが、No.3なので10桁は軽く行く

 

使用属性:火、水、土、風、雷

 

性質変化:氷、木、陰、陽

固有属性:闇、影、黒、煉獄

 

イメージCV.津田健次郎

 

 

・過去に元龍災と霊峰に無実の罪から救われた為に二人を信頼している。普段は本体は本部、本体から生じる闇は外部で行動している、その為に大概の人物は闇が本体だと思っている模様

 

闘い方本体と闇で異なるが共通の部分は、固有属性の『黒』と『煉獄』黒は五大性質を変化させる物

 

火+黒➡️黒炎 水+黒➡️黒水 など…黒を含ませる事により

より精密かつ威力、範囲共に強力に出来る。

 

煉獄の能力は物理ダメージはほぼなく悪行を浄化し痛み、苦しみなく焼失させるという珍しい属性。

 

秘伝動物もアズラエルと言う天使でかなり希少な為にそれらを羨んだ両親含む一族に濡れ衣(大量虐殺)を着せられ投獄された。

 

交流関係は出浦のカグラ(銀雪除いて)や選抜とは仲が良く、麗弩とは良く行動している。別に好意ではなく他が動かない為で他意はない

 

ロシアと日本のハーフ

 

 

銀雪(ぎんせつ)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:10月5日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/お前

性格:頑固、狂信的、歪かつ極端な正義

年齢:17歳

髪色・髪型:銀色のボサボサな長髪

身長:190cm

血液型:A型

好きな食べ物:ステーキ

好きな肉:牛

好きな海鮮類:鰹

好きな野菜・果物:ゴボウ、ドラゴンフルーツ

好きな甘味類:金太郎飴

嫌いな食べ物:お好み焼き

好きな物:正義、絶対的正義

嫌いな物:悪、悪と馴れ合う善、元悪

苦手な物(人)、事:霊峰(因みに霊峰も銀雪の事が嫌い)

趣味:悪の根狩り

好きな異性:なし、??

戦ってみたい相手:『悪』なら全て滅ぼす

女性経験:無し、??

家族構成:義父(現・出浦理事長)、妹

秘伝動物:ファブニール

戦闘スタイル:剣術

武器:大剣(銘:バルムンク)

得意属性:光

クナイタイプ:なし

 

忍階級:カグラ

 

掲げる正義:(悪を)殲滅する正義

異名:竜悪殺し

 

イメージCV.井上剛

 

 

斬:?

拳:?

気:?

歩:?

 

現時点では不明だが、拳は9桁以上は確実

 

使用属性:火、光、闇

性質変化:極光、暗黒

特殊属性:陰陽、龍

 

 

 

由緒正しき善忍の家計出身の少年であり、父は出浦の理事長にして、仙王の弟子にして『カグラ』母は初代剣王の元弟子にして父同様『カグラ』と言う凄まじい経歴を持つ二人から産まれた。そのためか幼少期の頃は何をやっても『血筋』『あの二人の子だから』等と軽ずまれていたが、それらを己の『努力』と持ち前の『精神力』で周囲の見方を変え

 

同年代や実力の低かった者達の目標になるぐらいの人物へと成長した。

 

 

 

しかし、15歳の頃に『両親』が『悪忍』に殺された頃から彼の性格が代わり始める。残された妹を親戚へと預け自身は『親理事長』の養子となり『両親の敵』を取るために今以上に修行に励み16歳で『カグラ』へとなったが、両親を殺害した『悪忍』とは未だに会合できないでいる為か炙り出すために、『悪忍』は出会い次第《殺害》を心情としているが明らかにやり過ぎなために苦手意識を持つ者も多い

 

 

 

『春潮』と『景光』の報告を聞くに『悪』は兎も角『灰色』『悪と親しい』存在まで殺害対象にする等と言うかなり狂信的な迄の『歪な正義』をするが、そんな彼に賛同する生徒も多いと異常事態になっている。一応そんな彼に賛同しないのは『霊峰』を筆頭に『於国、エヴァ、黒波、春潮、黒鉄』出浦四天王の『景光、麗弩、紅丸』一部『生徒』達だけとなっている。これに対して霊峰は『理事長』が怪しいと睨んでいる

 

 

 

肝心の戦闘力は圧倒的な『防御力』を持つごり押しな脳筋戦法を有するが、如何なる攻撃を喰らおうが、掠り傷程度しか負わないと言う常識外れな『堅牢差』を誇るため敵は戦慄し戦意を喪失してしまう

 

 

 

因みに彼の思想に賛同しない生徒代表の『霊峰』灰色の存在の『於国』、《聖杯》の材料の『エヴァ』の殺害、捕縛を『理事長・上層部』より承けている。

 

 

妹は『こんなのお兄ちゃん、じゃない!』と言っている

 

 

元・四天王

 

(つなぎ)

 

所属:私立出浦高等学校:3年生

誕生日:4月10日

性別:男性

一人称、二人称:オレ/お前、名前呼び

性格:真面目、穏やか

年齢:18歳

髪色・髪型:赤茶色の野性味あるポニーテール

身長:179cm

血液型:A型

好きな食べ物:冷しゃぶ、鮟鱇鍋

好きな肉:鶏肉、豚肉

好きな海鮮類:鯵、鰯

好きな野菜・果物:玉葱、ビワ

好きな甘味類:信玄餅、干し柿

嫌いな食べ物:鯖の味噌煮(それ以外は普通に好き)

好きな物:冬の夕暮れ

嫌いな物:春の暖かい気候

苦手な物、事:特になし(昔)、激しい運動(現在)

趣味:日向ぼっこ

好きな異性:雪魅(故人)

戦ってみたい相手:安寧を妨げるなら相手は問わない

女性経験:雪魅

家族構成:祖父母、母親(故人)、父親、姉、弟(霊峰)、弟、弟(末っ子)

 

秘伝動物:ヘラジカ

戦闘スタイル:剣術

武器:刀(銘:光雪)

得意属性:炎(そもそもそれしか使えない)

クナイタイプ:ノーマル

 

忍階級:カグラ

 

掲げる正義:宵闇を照らす明

 

異名:剣聖

 

斬:50億

拳:5万(病故に)

気:1億

歩:50億

 

出浦高校の3年生で本来なら《銀雪》か《於国》の代わりに選抜筆頭となる筈だったが突如として病にかかり追い討ちを掛けるかの如く悪化した為、選抜メンバーを辞退し出浦四天王からも降りた。

 

病持ちにも関わらず実力はかなり高く単体で対人型の妖魔や古の大妖怪を討伐する事が可能な程

 

戦闘スタイルの剣術は初代剣王により手解きを受けた為元《剣王》とも渡り合える。一応共に剣術を学んだ人物に『十二神将』の一人《白夜》がいる

 

 

好きな異性の《雪魅》は幼年期から一緒に過ごした仲であり成長するにつれ互いに意識し合い、雪魅の産まれた日の『冬の夕暮れ』に告白をし付き合う事となったが、僅か数ヶ月の『春の暖かい気候』時に妖魔により彼女は命を落としてしまいそれにより春が嫌いになった。

 

性格故に非常にモテるが、雪魅の事以外愛さないと決めている為、告白されても断っている。

 

弟である霊峰とは仲が良く霊峰よりも実力が劣っていても気にせず寧ろ誇らしげにするなど器も大きい、霊峰も繋の事は最高の兄だと認識している。

 

イメージCV.三木慎一郎

 

秘伝忍法は主に『炎』やそれの『神』を関した物が多い

 




正に、化物達です。

於国の件により化物並みにさせました。

序盤物語には主に霊峰に関連する人物が活躍します。霊峰事態は別の章で主役にします。



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登場人物紹介《七つの凶彗星》

虚無の魔術師様の資料+自身のオリキャラのプロフィールです


《正規メンバー》

 

神威

 

性別:女性

性格:明るく活発的

年齢:25歳

髪色と髪型:白銀色のロングヘアー

身長:182cm

スリーサイズ:B:100 W:52 H:93

バスト:Kカップ

特技:肉弾戦、将棋

誕生日:不明

一人称/二人称:(わらわ)/お主、○○

好きな物(人):平和、戦い

苦手な物(人):特になし

特徴:世界を平和にする為に七つの凶彗星を創設した人物。口調はともかく、寛容でどんなことも認める器の大きさを持つが、あまりの強さにメンバーからも人外扱いされることが多い。最近、婚期を気にしてるらしい。

 

 

 

時崎 零次

 

性別:男性

性格:冷静、クール

年齢:24歳

髪色と髪型:白髪、短髪

身長:187cm

特技:時計を見ずに時間を当てる(秒数までも)

誕生日:10月3日

一人称/二人称:私、オレ/君、貴様

好きな物(人):不明

苦手な物(人):不明

特徴:組織のメンバーでも顔を知ってるのは、神威のみ。それほど、組織に顔を出す事が無いという。普段はクール、そして重度の鈍感。戦闘などでの勘は鋭いが、日常での勘は悪い。恋愛関連なら相当のものになる。

 

 

 

武蔵

 

性別:男性

性格:気さく、飄々としている。

年齢:31歳

髪色と髪型:濃い黒髪

身長:190cm

特技:瞑想、剣の素振り

誕生日:3月6日

一人称/二人称:拙者/君、○○殿

好きな物(人):剣士としての勝負、酒(度数の強いもの)

苦手な物(人):不意打ち、卑怯な手、二日酔い

特徴:組織の中でもまだ良識のある人物。

 

過去に手違いとはいえ妻と娘を忍たちに殺され、報復として彼らを何十人も殺害し、忍連合に追われていた所を、神威に助けられ組織に加入する。

 

 

香織

 

性別:女性

性格:短気、サッパリとした

年齢:18歳

髪色と髪型:薄い茶色のショートヘアー

身長:168cm

スリーサイズ:胸はない

特技:嘘を見破る(その人の状態で)

誕生日:不明

一人称/二人称:私/アンタ

好きな物(人):牛乳、肉類全般

苦手な物(人):エンデュミレア

特徴:比較的に組織の中で一番活発的な少女。男気があると言われてるが、短気なので挑発にすぐ乗る。胸に非常なコンプレックスを抱き、巨乳などの人に対しては敵意を向けてしまうことも。

意外とバカなので、詳しいことは良く考えようとしない。

 

 

エンデュミレア

 

性別:女性

性格:性悪(他人の嫌な事を率先して行うタイプ)

年齢:不明

髪色と髪型:青紫色のボサボサ

身長:179cm

スリーサイズ:B: W: H:

特技:嫌がらせ、挑発、洗脳

誕生日:不明

一人称/二人称:私/キミ、○○クン

好きな物(人):他人の嫌がる事

苦手な物(人):秘密♪(byエンデュミレア)

特徴:良い人に見せかけて、性悪、人間のクズ、外道(自覚してる)。ユウヤ曰く、『この世で最も人類の邪悪さを体現した野郎』と吐き捨てている。

 

 

志藤

 

性別:男性

性格:自虐的、開き直りタイプ

年齢:17歳

髪色と髪型:茶髪

身長:169cm

特技:指揮、研究、解析

誕生日:月日

一人称/二人称:僕/君

好きな物(人):想定内のこと、策謀

苦手な物(人):弱い自分、世界

特徴:正規メンバーの中での非戦闘員。聖杯を解析した人物。戦えない自分を自虐、皮肉ったりすることが多い。部隊など率いて活動する。

 

 

敵がどんな理由で悪事を為したか聞いても興味を示さず、容赦なく悪人を追い詰めていく。理由は、『理由があれば人を踏みつけ、悲しめていいという道理はない。残酷だけど、誰かが非道と言われても裁かなきゃいけない』と口にしている。

 

候補生

七つの凶彗星の正規メンバーとは違う者たちの呼称。七人の代わりとして使われることが多い。

 

 

 

筆頭

 

ラーストチカ

 

 

候補生メンバーの中でも筆頭の青年。私立舞扇大学附属高校所属の燕とは双子の弟。大人びた態度とその実力から、他の候補生からも一目置かれている。ロシアでは身長が低くて馬鹿にされていたが、本人は『身軽に動けるし、悪くないもの』と言っている。

 

 

戦闘では身軽さを利用し、ブレードを扱う。だが勿論、筆頭にならたのはそれだけではない。もっと他の力を宿しているらしい。

 

 

 

メンバーたちからは『ラスト』や『チカ』と呼ばれている。何故姉とは違い名前がロシア語なのかというと、双子だったからという理由。彼自身もロシア語は好きだと言ってるが、その割には日本語が上手。

 

 

七つの凶彗星に入った理由は不明。しかし、それは親にも秘密にしている重要な理由らしい。

 

 

 

他のメンバー

 

スカイフィーア=ANSW

 

尊大且つ傲慢な物言いをする女性。背中に変形する大剣を背負っている。しかし、先程の傲慢な物言いは戦闘時のみで、それ以外は感情の起伏が少ない、まるで人形のようになる。

 

 

ユウヤが七つの凶彗星に選ばれた日に、彼に連れられて、組織に入った。彼女の出生についてはユウヤと神威しか知らない。

 

 

奏多(かなた)

 

メンバーの一人、両目を隠す剣士。自身を佐々木小次郎の末裔の一族と言っている無口の少女剣士。

 

 

武蔵に弟子入りし、彼に追い付こうと努力している。

 

 

 

勇武(いさむ)

 

メンバーの一人、根性バカ。熱血というかとにかく熱い男。人情に長けた人物で、信頼できると判断した相手なら初対面でも背中を預けたりもする。勉強が苦手で、自他認めるバカ。

 

肉弾戦が得意、身体も頑丈で銃では傷も付かない。

 

 

貧民街出身で、悪忍になってまで貧民街を援助していた詠を心から尊敬しており、彼女を大先輩と呼んでいる。組織に入ったのも、貧民街の子供たちを助けられるようにしたかったから。

 

 

 

エニムス・ロックフォール

 

メンバーの一人、拘束具を取り付けられた少女。拘束されてる状態(通常)は大人しいが、拘束から解放されると残虐な性格へと変貌する。他人を死なないようにいたぶるなど嗜虐的な横暴さと、感情の起伏が激しい。

 

 

彼女が暴走した場合は、ラーストチカが自分の手で殺すと言ってる為、彼女はラーストチカに対して信頼を置き、後の事もあり他のメンバーも認めている。

 

《一時的参加者》

 

夜天やてん

 

 

 

誕生日:4月9日

性別:男性

一人称、二人称:オレ、私、僕/お前、アンタ、君

性格:気まぐれ、ダウナー、キレやすい

年齢:24歳

髪色・髪型:白髪のツンツンっぽいちょい右目隠し

身長:183cm

血液型:A型

好きな食べ物:おでん(練り物)

好きな肉:ハラミ

好きな海鮮類:カンパチ

好きな野菜・果物:胡瓜、林檎

好きな甘味類:無し(甘い物は嫌い)

嫌いな食べ物:ごじる

好きな物:平和、家族

嫌いな物:自分、酒、神、兄弟以外の家族

苦手な物:自分に好意を寄せる相手

趣味:寝ること、家族の成長

戦ってみたい相手:兄

好きな異性タイプ:語らず

女性経験:かなり有る(自身に関わった女性は不幸になる)

家族構成:祖父(故人)、父(故人)、母(故人)、兄(故人)、姉、弟、妹

秘伝動物:応龍、鳳凰、五頭龍、????

戦闘スタイル:千差万別

武器:色々だが、基本は刀(銘:初代炎月花『蒼炎』)

得意属性:雷、炎

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:特上忍 特殊ランク:轟忍

 

異名:最恐の忍

 

斬:?????

 

拳:?????

 

気:?????

 

歩:?????

 

使用属性:火、水、土、風、雷、光、闇

 

属性変化:炎、氷、磁、晶、音、四大元素、五行、陰陽、封印

 

固有属性:百雷、絶雷、赤雷、滅雷、炎滅、死炎、炎魔

 

秘伝忍法一部

 

布都御魂(ふつのみたま):手に雷を集束させ相手を斬りつける(貫きや手刀、雷なら種類は別でも可能)

 

幽炎斬波(ゆうえんざんは):巨大な炎の斬撃波を飛ばす。切れ味は巨大な剃刀のよう(ただの斬撃波ではなく炎の為、再生は不可能)

 

卍掌(ばんしょう):四大元素を掌に集束させ球体を造り相手に叩き込む。属性が次々と変化に加え、弱点を付与させる為相手は耐性関係なくダメージを食らう。

 

龍導学院OBの暁霧の本名、七つの凶彗星の神威と時崎零時とは親友であり彼の武器や七つの凶彗星の本部防御壁等の開発にも携わった人物

 そんな彼が七つの凶彗星に居ない理由は7年前に4人(神威、零時、もう一人)で大聖杯の解析に行った際に85%まで解いたやさきに大聖杯の奥底に入ってしまい本質を見たことに加え事象に巻き込まれずにすんだものの解析に来ていた一人の消失に加え神威と零時はそのもう一人か記憶から消えていた事に重大なショックを抱えてしまった(特に零時が忘れていた事に)

 それに自身の家族が戦えなくなった妹を次の第を継ぐ胎盤程度にしか考えていないため妹以外を皆殺し(この事で妹の怨みを買う)学校全体の腐敗仕切った考えを排除のため生徒(一族纏め)・教師・上層部をも皆殺し歴史に残る大事件を引き起こし神威と零時に対して

 

 『後7年…いや4年…早ければ、オレは道を間違えなかったかなぁ…』

 

それだけを言い残し姿を消した

 

 

実力は世界最強剣豪相手に3日間粘る腕に、神殺し5回不老不死殺害12回を行うリアルチート(彼より強いのはまだまだいる)

 

酒が嫌いな理由は《幻想卿》にて酔いつぶれかけた所で華扇と慧音に襲われかけたため

 

伊勢 双呀 (いせそうが)

 

「斬り伏せる」「生きることを諦めるな!」

 

性別:男性

性格:豪快且つ破天荒

年齢:27歳

髪色と髪型:髪にツーブロック

身長:185㎝

特技:釣り、剣の銘柄当て、女性のスリーサイズ当て

誕生日:10月1日(酒の日)

一人称/二人称:俺、儂/貴公、貴殿、アンタ

好きな物(人):己と渡り合える強者、酒、美女

嫌いな物(人):卑劣漢、オリジン、生きようとしない者

使用武器:太刀(銘:七十)

 

 世界でも13人しか持っていない王の称号の内《剣王》の称号を持つ世界最強の剣豪彼に勝った人間・神は存在しないなど正に生ける伝説ではあるが本人曰く

 

 『剣神未だに至らず』

 

と言い修行中の身

 

…の割には家に《彼女募集中!》とか貼ってある

 

実は『元剣王』であり、今は別の人間が『剣王』

 

 本名:伊勢(いせ)昌樹(まさき)

 

イメージCV.杉田智和

 

夜天「お前はがっつぎすぎだ、黙ってればモテる」

 

凶将・金申 (きょしょう・きんえい)

 

「楽しもうぜ!闘いをよぉ!」「俺が王者だ!」

 

性別:雄

性格:戦闘狂

年齢:4500歳

髪色と髪型:銀色と黒のオールバック

身長:350cm

特技:無し

誕生日:「あぁ?ねーよ、んなもん」

一人称/二人称:オレ、俺様/テメェ、お前

好きな物(人):強者!

嫌いな物(人):弱者!

使用武器:「己の拳❗」

 

 絵に書いたような戦闘狂且つ暴君な危険な男。

年齢から分かるように人ではない何か。単身で七つの凶彗星全員を全滅させれる実力を持つ等正に怪物。彼が七つの凶彗星に加わった理由は《五帝》の一人「ファブちゃん(命名:夜天)」が真の力を取り戻して居ない事に加え夜天から「お前を楽しませる男が一人居る」と言われたため(嘘だったらボコる)夜天は彼を利用して白堊と灰怒をぶつけ修行させようとしていたが、偶然出会った佐介の潜在能力に目をつけた金申は佐介を付け狙う事になった。

佐介がピンチの際は助けたりする。

 

「手前が死んだら誰が俺を楽しませるんだよ」

「悪さするなら、目を閉じてやるさ…ただし《限度》がある」

 

等只の戦闘狂ではなく自身を王と称するように確かにその素質はある佐助自体も彼との闘いは嫌いではない

 

イメージCV.小野大輔

 

朝宮 沙霧 (あさみや さぎり)

 

「人には得意不得意があるよ僕みたいにね」「嘗めるなよ」

 

性別:男性

性格:優しい、割とお茶目

年齢:35歳

身長:172㎝

特技:習字、版画、ボトルシップ

誕生日:12月24日

一人称/二人称:僕、私/君

好きな物(人):羊羹、妻、娘

嫌いな物(人):オリジン、弱い自分、G

使用武器:刃渡り30cmの剣鉈(銘:刈切)

 

 自身の事を弱いとどや顔で言ったりする等結構茶目っ気のある人物であり実際に戦っても雲雀に負ける程弱いが彼の真骨頂は戦闘能力ではなく。

 《幻術》と《現術》であり《幻術》に至っては最強クラスであり夜天ですらも後一歩解除が遅かったら確実に殺られていたと語るほどの実力そんな彼が何故、夜天と入るかと言うと彼から「お前の力が必要だ」と嘘偽りなく純粋に真っ直ぐな瞳で言われたため

(最初は幻術をかけて双呀諸共殺すつもりだったが、本能で戦う金申によりぼこぼこにされ、幻術を解除した。二人に更にぼこぼこにされたも理由に入る)

 

 身体強化を使えば、最大で焔位にはなれる

 

イメージCV.木島隆一



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登場人物紹介 狩人

 デイヴィット・アレース

 

「私達の時代は終わった、これからは彼等の時代だ」

 

性別:男性

性格:大胆不敵

年齢:54歳

身長:188cm

髪色と髪型:灰色の短髪

特技:ダーツ

誕生日:2月13日

一人称/二人称:私、オレ/ 貴殿、君達

好きな物(人):スコッチ、新世代の若者達

嫌いな物(人):忍上層部、オリジン、???

使用武器:ソンブル(黒の大型ナイフ)アンフィニ(ガバメント)

 

 狩人の創設者の一人であり若い世代達の時代を楽しみにしている人物その為か、若い世代を潰して行く忍上層部の考えを嫌っている。因みに昔は相当の強さを誇っていた傭兵であり、現在でも第一線を引いた思えない程の強さを持つため、忍上層部や十二神将の首領に特級の危険人物として警戒されている

 

イメージCV.大塚明夫

 

 

 クワイエット・ブライアン

 

 「剣王!手前の時代は終わった!」「俺が最強無敵だぁ!」

 

性別:男

性格:野蛮、勝利には手段を選ばない

年齢:30歳

身長:215cm

髪色と髪型:黒髪のポニーテール

特技:どんな技も直ぐに見切れる

誕生日:10月31日

一人称/二人称:俺/手前、雑魚共

好きな物(人):自分、気持ちの良い勝利、昌樹

嫌いな物(人):奏牙、夜天、颯人、ユウヤ、昌樹

使用武器:センチピード(ガリアンソード)、袖絡、パルチザン

 

 狩人の中でも好戦的でトップのアレースにも噛みつくなどかなり野蛮な性格。それに見合う程の高い実力を持つ。現に扱いの難しいガリアンソードを二刀流で扱う。昔は双呀と双璧を成し互いに認め会うライバルでどちらが先に大剣豪になれるかを競い合っていたが彼との実力がだんだんと開いて行き、とうとう勝利には手段を選ばない性格になってしまい彼に決闘を申し込むも断られ

 自暴自棄になり暴れている中でアレースに会い「暴れたいならオレの所に来ないか?」と言われその上から目線が気に入らなかったため「お前を殺して良いなら」と言った際に「おう!何時でもかかって来い!」と言われ加入した。

 現在100戦挑んで100敗している。

 

嫌いな物に、夜天、ユウヤ、颯人が入っている理由は夜天は「性格がウザイ」ユウヤは「電撃がウザイ」颯人は「武器がウザイ」からと割としょうもない理由

 

イメージCV.神奈延年

 

 淡雪

 

 「ハァ…私の天使…何処にいるの?」「潰すわよ♥️」

 

性別:女性

性格:家族や患者以外には無頓着

年齢:56歳(!)

身長:174cm

スリーサイズ:B-98.W-56.H-80

バスト:Iカップ

髪色と髪型:透き通るような白寄りの水色の髪

特技:見ただけで身体の異常部位を見つける

一人称/二人称:私/貴方達

好きな物(人):息子、旦那、愛弟子、チョコレートパフェ

嫌いな物(人):息子に危害を加える者、愚患者、上層部、黒影、月閃の生徒

誕生日:5月10日

秘伝動物:麒麟

使用武器:天体(武器というより属性)

 

 元々は善忍であり死塾月閃女学館の生徒であり氷柱(雪泉の母親)の親友であり黒影の弟子であったが、日頃から彼の持つ極端な《善のみの世界を作る》と言った考えには否定的でその度に彼と衝突し合いそれを氷柱や他の友人が止めると言った流れになっていたが

 

 『彼の考えは嫌いだけど、月閃は嫌いではなかったかな』

 

 と語る等そこまで当初は黒影と学館の事は嫌いではなかったが、黒影が秘密裏に行っていた悪忍狩りで狩られた悪忍からの報復で氷柱が殺された事により暴走した黒影を止めようとした夫も黒影により殺されたため完全に懐を別つ事になった。

 その為に忍を辞め最初から目指していた医者になり愛弟子の烏兎と息子の三人で忍の世界から離れて暮らしていた。

 因みに烏兎がいた理由は、忍の修行と現実に辟易していた所に淡雪から「家で働かない?」と言われたため一緒に生活し働く事にしたため(一応長期休暇とした扱い)淡雪の息子からは歳の離れた兄(女だが)のように慕われていた。

 しかし、そんな平和も長くは続かなかった。ある日住んでいた場所が悪忍に露呈してしまう。襲撃に遭い重傷を負いつつ何とか撃退するも息子が行方不明になり意気消沈するもきっと生きている事を信じながら今を生きている。

 狩人に入った理由は自身が生きている事が判明したら息子に迷惑をかけると思ったためばれにくいように隠れ蓑として入った。

 

属性から分かるようにその気になれば宇宙諸とも消し飛ばせれる力を持つため禁術指定を受けている。

 

イメージCV.本田貴子

 

烏兎  (うと)

 

「私の速さに付いてこれるかな?」「男じゃない女だ!」

 

性別:女性

性格:控えめだが性別の事になると変わる

年齢:37歳

身長:169cm

スリーサイズ:B-91.W-58.B-87

バスト:Fカップ

髪型と髪色:灰色のウルフヘア

特技:徒競走

一人称/二人称:私/貴方、貴女、貴方達

好きな物(人):師匠(淡雪)、師匠の息子、夫、ボーロ、息子

嫌いな物(人):忍上層部、オリジン

誕生日:9月9日

使用武器:5代目炎月花(銘:唐紅(からくれない))

 

 上記のように淡雪により拾われ淡雪の息子と一緒に幸せに暮らしていたが、悪忍達の襲撃に遭い瀕死の重症を負うも同じく重傷を負っていた淡雪に二度も救われた為、その恩を返す為、そして何故居場所が露呈したのかを探る為に忍の世界へと戻った。

 その際、家が露呈し悪忍が攻めて来た理由が善忍の上層部が悪忍に情報を流した事が分かりその人物を朝焼と共に見つけ殺害し朝焼は昇進、自身は淡雪の息子探したその際、死塾月閃にて淡雪の息子に良く酷似した生徒を見つける。

 

 後、既婚者

 

イメージCV.桑谷夏子

 

朝焼 (あさやけ)

 

「今を変えるには、上に立つしかない!」

 

性別:男性

性格:温厚、気さく

年齢:39歳

身長:185cm

髪色と髪型:黒髪短髪

特技:射的

一人称/二人称:オレ、私/君、貴様、お前さん

誕生日:8月3日

好きな物(人):故郷、妻、弓、ヨーグルト、息子

嫌いな物(人):上層部の老害共

使用武器:双剣、トンファーにも変形する弓(銘:アルコラーマ)

 

 忍上層部の中でも初となる二十代の議員であり発言力はまだまだ低いが着実に地位を高めて行っている。

 実はアレースと10年前から知り合い(戦友)であり現在の上層部の考えを変える為に協力しあっている。

 

 故郷は遠野 烏兎の旦那

 

イメージCV.鶴岡聰

 

 

猫田さん (ねこたさん)

 

「我輩は猫である名前は猫田さん」「訳あって猫である」

 

性別:雌

性格:気まぐれ

年齢:??歳(人間で言うと1000歳は越えてる)

身長:65㎝

毛色と何毛:白色の短毛

特技:にゃんにゃんネットワーク(只の情報収集)

一人称/二人称:我輩/お主、お主ら

誕生日:1月1日

好きな物(人):炬燵、緑茶、焼き魚

嫌いな物(人):オリジン、ノミとかダニ

使用武器:「我輩に戦えと?この姿では無理ですねぇ!」

 

 記述通りに猫……ではなく、猫のような何かこの姿は仮であり本来は人の形らしいが本人曰く「この姿なら周りがちやほやしてくれて楽」との理由で猫の姿をしている。

 こんなふざけた容姿に理由だが、狩人の創設者の一人であるためか、周りからは「猫田さん」と"さん"と呼ばれて慕われている七つの凶彗星の神威を「小娘」と呼んだり、夜天からは「……何の冗談だ?」と言われたりするなど正体は相当な大物であると思われる。

 

影だけがたまに女性の影になる

 

イメージCV.能登麻美子

 

 

《新世代組》「通称10代組」

 

城風 颯人 (たちかぜ はやと)

 

「オレより上の《異能》か…」「……兄さん…」

 

性別:男性

性格:朴念仁

年齢:16歳

身長:180cm

髪型と髪色:黒色の眉に掛かる位

特技:漫画の風景書き、ミリタリー話、戦隊物の歌をフルで歌える、駅や電車の特徴や名前を言える、機械いじり、家事全般

一人称/二人称:オレ/お前、君

誕生日:12月25日

好きな物(人):学友、激辛料理

嫌いな物(人):物や人を大事にしないやつ

使用武器:全てに対応可能な武装《戦術武装:雷電(らいでん)》+電気の異能、???

 

 県立志野塚工業の2年生でありbackストーリーにおける主人公

 狩人に入った経緯は元々母が狩人の防衛システムの設立者であり彼自身も小さい時から良く兄(従兄弟)と一緒に訪れていた事と異能があったため入隊できた、兄は秘伝動物があったために忍となり疎遠にはなったがたまに連絡を取り合っているため仲は悪くない。

 現在は親元を離れ一人暮らしをしながら志野塚工業に通学している、特技がやたら多いのは楓を筆頭に志野塚の忍生徒達との交流により彼女達の趣味に触れて行ったため。

      彼の彼女達に対する友好度

楓:75%(中高)霞:75%(中高)飛彗:75%(中高)蔵人:89%(高)元親:95%(極高)   

 どれも中々に高く彼女達との仲は非常に良く特に蔵人と元親が高い、蔵人は互いに武器マニアなため話が合うため高く元親とは中学から一緒であり無愛想な自分に対して持ち前の社交性の高さで自分と他人の仲を取りつくってくれたので感謝しており、彼にとって彼女は特別な存在となりつつあるが彼女は気付いていない。

 

戦闘スタイルは遠近全てに対応をな戦術武装《雷電》を変形させて戦う、道源力は彼の《電気》の異能を使用する一応《電気》の異能だけども戦えない事は無いが、ユウヤと比べると圧倒的に弱いために《雷電》を使用する。

      以下《雷電》の変化武器一部

●:稲妻・岩斗烈屠 (いなずま・がんとれっと)(拳)       

●:電剣・雷切(でんけん・らいきり)(刀よりパタに近い)

●:多音牙死魔(たねがしま)(レールガン)

 

イメージCV.KEEN

   

夜霧《よぎり》

 

善忍/登場人物へ

 

 

柳 玲瓏 (やなぎ れいろう)

 

「物事にはリズムがある…闘いも一緒よ」 「雑音だけど……悪くないわね」

 

性別:女性

性格:ドライ(実際は優しい)

年齢:17歳

身長:165cm

スリーサイズ:B-92.W-61.H-90

バスト:Fカップ

髪型と髪色:茶髪のミディアムボブ

特技:楽器演奏(弦楽器限定)

一人称/二人称:私/あんた

誕生日:7月14日

好きな物(人):美しい音楽、漬物

嫌いな物(人):雑音、甘い物(胸焼けがする)

使用武器:琵琶に仕込んだ刀

秘伝動物:セイレーン

 

 死塾月閃女学館に通う3年生であり忍階級は

《朧忍》という選抜メンバー以上の力を持っている為か紫苑達からは特別に選抜側に編入しないか?と誘われるも興味がないと言った理由で断っている。

 しかし友好度は全員《50%》と普通で保っている

 

 戦闘スタイルは仕込み刀と琵琶の旋律による戦闘

        

秘伝忍法一覧

 

演舞・乱(えんぶ・らん):相手の攻撃のリズムを狂わせ対応出来ないよう剣戟を浴びせる

 

清音・傀儡(せいおん・くぐつ):琵琶から発せられる澄んだ音を音波を聴いた、または感知した者を人形のように操る。音ではあるが耳が聴こえない相手にも有効(音は空気の振動の為)

 

鬼哭・凶音(きこく・きょういん):死者の悲痛な鳴き声を相手に浴びせ相手に深い関わりのある者にまで影響を及ぼす技。食らえば精神崩壊、または自身のトラウマに囚われる(相手の力量次第では効果が無い) 

  

実は柳は偽名であり、本名は「伊勢 玲瓏」(人ではなく双牙の細胞より作られたクローン

 

イメージCV.後藤沙織里

 

 

晦暝 光輝 (かいめい こうき)

 

「如何なる理由が有ろうが、人を殺めた時点で悪だろ」「別に死ぬ時は安らかに死のうなんて望んじゃいない」

 

性別:男性

性格:自由奔放

年齢:18歳

身長:185cm

髪型と髪色:黒髪のショートカット

特技:相手の嘘を見抜く、何でも食べる(・・・)

一人称/二人称:オレ、僕、私/君、お前、貴方

誕生日:4月20日

好きな物(人):黒母衣(一番好き)、母親、母親の手料理、シルバー

嫌いな物(人):母親や父親を馬鹿にした者、麗王

秘伝動物:自分

使用武器:様々な武器に変化する生きた剣《鳴動》

 

 基立星十字学院に通う3年生であり、学院内には知らない奴がいないという程の有名人しかし悪い意味で有名(外見もかなり目立つ線の細い美丈夫)であるが本人は全く気にしていない。

 嫌いな人物に麗王がいる理由は自分といきなり合うなり「私の元で使えろ」と良くも知らない相手に言う物言いではなかった事に加え自分に何のメリットも無い理由で下に付けだったために嫌っている。

 シルバーを気に入った理由は自身と互角に渡り会える相手のため。

 狩人内の新世代組の中では最強の一人で気にくわない命令ならアレースの指示だろうがはっきりと「NO」と言うような性格だがアレースもそれを重々承知している。

 麗王の事は嫌っている為か友好度は星導会の一人覗く以外とは仲が悪い逆に仲が良いのは以外にも「黒母衣」理由は彼女が戦鬼衆のスパイだと言う事を知っており黒母衣にそれを言った際に黒母衣が自身の出生を知っていたため互いに麗王にバレない容に結託している中で行動している内に割りとアレ(敢えて濁します)な関係を持つなど互いに「やってしまった…」感が強い。

 その為か黒母衣も所属している星導会に渋々入っている(しかし命令は聴かないし、助けない黒母衣が関わっていない限り) 

黒母衣「わ…私の中にはズコズコ入って行ったのにね~♪///」光輝「……恥ずかしいなら無理する必要なくね?」

 

 戦闘スタイルは《鳴動》を変化させたり自身の秘密である《妖魔》と《神族》の力を行使し戦う。

 

 父が《妖魔》であり母が《女神アリアンロッド》と言うあり得ない構成となっている。母であるアリアンロッドはとある組織に捕まり実験されている中で一人の男性に救われ脱出に成功する。その男性こそが父である名前すら無い下級の《妖魔》であった。限りなく人間に近い彼に救われ長く過ごしていく内に互いに愛し合い、自身の純血の誓いを破り彼との間に子を為す。それこそが《光輝》であった。

 

 父は間もなくして、組織に雇われた善忍のカグラに殺された為アリアンロッドは息子だけでも守るように逃亡している中「猫田さん」と出会い狩人の創設者を一員となる事により助かった過去を持つ。その為「猫田さん」には親子共々頭が上がらない。

 

    秘伝忍法一覧

 

剣鬼解放・狂戦士(グラディウス・ベルセルク):剣に自身の血を与え剣と一体化する事により《狂化》し暴獣のような姿になり戦うこの形態になると特技にある「何でも食べる」を実行するためかなりグロテスクかつ野生的になる(外見の変わりようも凄い)

 

|弓矢解放・蛇龍《アルクスサギッタリーー・セルペンスドラクル》:背中から9つの蛇龍の首のような触手を生やし蛇龍からビームや雷撃、毒霧、酸を発射する

 

神死にの光(デウスモルスルークス):彼の秘伝忍法で唯一人の形のままで繰り出される技《鳴動》に自身の《神気》と《妖気》を集め斬撃波もといビームを発射する大技

 

 これらの技は基本使わない(目立つため)

 

記載していないが彼自信は知っているかは不明だが世界を終わらせる能力を持っている為か十二神将や善忍から目を付けられている。

 

イメージCV.古川慎

 

 

アーサー・エイニオン

 

「本当に殺める事が正しいのか?」「僕は自分が正しいと思った道を進む!例えそれが愚かだとしても!」

 

性別:男性

性格:正義漢かつ勇猛、天然

年齢:17歳

身長:182cm

髪型と髪色:金髪のベリーショートカット

特技:動物と話せる

一人称/二人称:僕、私/君、貴公・貴殿

誕生日:6月1日

好きな物(人):強い相手、仲間達、パン、絆

嫌いな物(人):迷いある己、無力な己、貴婦人の扱いを蔑ろにする輩

秘伝動物:キングドラゴン

使用武器:聖剣《エクスカリバー》

 

 私立舞扇大学付属の3年生であり学校の生徒達からは《王子様》や《王》等と呼ばれており、男女老若男女問わず人気が高い、舞扇選抜メンバーの筆頭を理事長から頼まれてはいるが新参者の自分よりも今のままの方が良いと言った理由で断っている。

 当初は燕からは身長が高いから気に入らないと敵愾心を露にされていたが割りと直ぐに良好な関係を築き上げ相棒関係にまでなった為他の選抜メンバーも驚いている。

 信頼度は全員100%と言う脅威のカリスマ性を持つ、友好度も全員100%である……そうゆう事である。

 狩人の中では意外にも光輝と仲が良く一緒にいる事が多く彼に対して人には人が必要と言った後に

 

「お前は人外だと自分から壁を作っているだけだ…もう少し彼女達に寄り添ってみろ」

 

 等と麗王達と向き合うようにアドバイスをしたりするなど関係は対等である為、親友だと思われる。実際に彼の送ったアドバイスを光輝が行うかは不明

 戦闘スタイルは西洋の剣技に独自のアレンジを加えた我流の剣術

 

    秘伝忍法一覧

 

選定の剣(カリバーン):剣に光を集束させ通常攻撃を強化させる技

 

山を断つ虹霓の剣(ガラティーン):剣を輝かせ振るうと同時に虹色の斬撃を放つ、威力は文字通り山を断つ

 

罪を名乗る湖の剣(アロンダイト):彼の中では珍しく闇属性を持つ技剣を黒く染め一定時間だが剣技・武器の強度を跳ね上げる強化技

 

栄光へ導く勝利の剣(エクスカリバー):文字通り勝利確定のチート技だが自ら封印をかけている為か確定勝利ではなくなっている、それでも威力は最強クラス

 

イメージCV.櫻井孝宏

 

《通常戦闘員》

 

狼戦士(ウルフパック)

 

一人一人の戦闘力がだいたい最上忍と同等という比較的高い戦闘能力を持つ、武器や性格果ては年齢もバラバラ(最大50代、若くて20代)だが志しは今の世界を変えるのは若い世代と考えているため全員が《新世代》達の力になると誓っている、その為彼等からも信頼度は100%である。

 

   

 

《過去の在任者》

 

 ハウンド

 

「狩りの時間だ」

 

性別:男性

性格:冷静に見えて、ダウナー

年齢:19歳

身長:183㎝

髪型と髪色:黒髪のショートカット

特技:放った矢は外さない

一人称/二人称:オレ、/君、お前

誕生日:4月9日

好きな物(人):愛する者

嫌いな物(人):愛する者に危害を与える者、自分、オリジン

使用武器:弓矢・長ドス(銘:蒼炎)

 

 2年前まで所属していた狩人の一員で隻眼の男。とある任務で負傷したと同時に姿を消した。かなりの実力者だった為かアレースは残念がっていた人物…

 

 

イメージCV.中村悠一

 

 

 



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十二神将

 ジェイド・アンバー

 

「犠牲無しでは先に進めない」「進む事を恐れるな」

 

 「……すまない」「大切な物それは…◼️◼️だ」

 

性別:男性

性格:冷酷

年齢:45歳

髪色と髪型:銀髪のロングヘアー

身長:195.9cm

特技:不明

誕生日:4月29日

一人称/二人称:私/君

好きな物(人):妻(故人)と子、部下達、友、◼️◼️

嫌いな物(人):自分、オリジン、神

使用武器:刀+魔術(神・秘伝忍法並み)

 

 十二神将のボスであり、聖杯を既に5つ所持しているが「大聖杯」を求めている何故「大聖杯」を求め何に使うのかは今は不明

 余り表に出ないため容姿を知る者は極僅かだが、彼の事を慕う部下は多い、理由は慕っている者全員が過去に彼により救われた者だからである

 冷酷な性格とあるが、実際は部下思いであり自身の目的と身勝手から散って行った者を誰一人として忘れていない程の部下思いの性格だが、敵や目的のための障害に対しては冷酷になる

 

イメージCV.速水奨

 

●大幹部

 

 悠真先 降魔 (ゆまさき ごうま)

 

「さぁ!全力で掛かって来い!」 「常に前を向け!後ろに敵は居ない!お前の背後にいるのは信頼する好敵手(とも)で有ろう!敵はお前の眼前にいる私だ!」

 

性別:男性

性格:熱血漢、気さく

髪型:白の短髪

年齢:44歳

身長:285㎝

特技:力仕事、料理、裁縫、正面突破

誕生日:11月29日

一人称/二人称:私、オレ/君、お前

好きな物(人):妻(故人)、娘、友、強敵、肉

嫌いな物(人):禍の王、オリジン、神、酒(下戸)

使用武器:己の肉体+異常を越した生命エネルギー

 

 十二神将の古株の一人であり、ジェイドの親友の大男、厳つい風貌に巨体で近より難い雰囲気ではあるが、外見に似合わず結構気さくであり例え敵で有ろうとおおらかな性格であるため割りと接しやすい人物であるが戦闘となると相手が女子供弱者強者関係無く全力で叩き潰す等、ジェイドと同じく非情に徹する事が出来る。

 使用武器は己の肉体を使った素手喧嘩に記述した通りの生命エネルギーを波動や纏いに変えた戦闘スタイルを駆使する、単純な強さなら作中の純粋人間クラスなら最強候補の一人

 

最近、娘が反抗期

 

イメージCV.中田譲治

 

 法剣 (ほうけん)

 

 「剣王?剣神?…どれも興味無いな」「私の剣術なんか、適当よ」「あの方の役にたてるなら、本望!」

 

性別:女性

性格:真面目

髪型:黒の背に届く程のポニーテール

年齢:22歳

身長:172.5㎝

3サイズ:B-91.W-59.H-88

バスト:Fカップ

特技: ………何だろう?(本人に自覚は無いが剣術)

誕生日:9月5日

一人称/二人称:私/君、貴様

好きな物(人):酒、焼きサバ、仲間、…好きな人は言えない

嫌いな物(人):洋酒、肉、オリジン、禍の王

使用武器:日本刀(銘:無虚死(ななし))

 

 十二神将の大幹部の一人であり、剣術の達人であり空間切断は朝飯前、果ては時間までをも斬る事が出来る等と凄まじい技量を持つが、剣士なら誰もが憧れる『剣王』や『剣神』と言った称号には全く興味が無く、彼女の剣術は全てジェイドの計画の為にのみ捧げる等忠誠心は非常に高い理由としては幼い時に助けて貰った為

 

彼氏が居ない=年齢

 

イメージCV.たかはし智秋

 

  エドゥアルト・ヴォルク

 

 「両手、両足、次は脳天だな」「『犠牲無く勝つ』これが理想だが…上手くはいかないよなぁ…」「余り、傷つけないでくれ……大切な仲間なんだよ」

 

性別:男性

性格:冷酷、仲間思い

髪型:赤茶色のウェーブパーマ

年齢:100は越えている(外見は30代後半)

身長:179㎝

特技:早打ち、寝袋あれば何処でも寝れる

誕生日:10月2日

一人称/二人称:俺/お前

好きな物(人):洋酒、肉、仲間思いな人物

嫌いな物(人):日本酒、人間(仲間除く)、禍の王、オリジン

使用武器:二丁のウィンチェスター銃(銘:鉤爪(コーゴチ)&ブランカ)

 

 十二神将の大幹部の一人であり非常に仲間思いの偉丈夫そのため彼を慕う部下や幹部は多く、彼の親衛隊等がいる程(本人は鬱陶しいと言った態度だが、なんやかんやで気にかける等大切にしている)仲間思い故に味方誰か一人でも欠けると表面上は平然としているが内心では激しく同様したりする位の仲間思いだが、それは味方にのみでそれ以外の人間は基本嫌いで関わろうとしない。(ある意味危険から遠ざけているので優しいのかもしれない)

 彼の使用するウィンチェスター銃だが実弾以外に「神の咆哮(ロア)」を撃つことが出来る。

 

・技一覧

 

 ・神の咆哮・雪崩(ロア・ラヴィーナ)

神の咆哮で相手を呑み込む様は正に雪崩

 ・神の咆哮・竜巻(ロア・スメールチ)

前方めがけ、強力な螺旋状の神の咆哮を放つ

 ・神の咆哮・牙(ロア・クルィーク)

鋭く高速かつ貫通力のある神の咆哮を放つ、良く使用する

 ・神の咆哮・治療(ロア・リェチェーニエ)

攻撃性の高い神の咆哮では珍しい、回復技おそらく仲間のために彼が造り出したと思われる。

 

イメージCV.小山力也

 

 氷刃 (ひょうじん)

 

「黒影め………厄介な言葉(呪い)をかけよったな!」「五行極めし者、五大元素を越えるッ!!!」

 

性別:男性

性格:寡黙、戦闘では饒舌

髪型:顔をも隠す鉄笠を被っているため不明

年齢:58歳

身長:186㎝

特技:書道、将棋、般若心経

誕生日:1月1日

一人称/ 二人称:我儕(わなみ)、俺/貴殿、お前

好きな物(人):お茶、茶菓子、ペンダントに写っている人物

嫌いな物(人):妖魔、苛烈なる正義、非力な己

使用武器:錫杖に仕込んだ刀(銘:祢々切丸(ねねきりまる))

秘伝動物:霊亀、??、??、??????

 

 大幹部の一人であり常に鉄笠を被っているため素顔がわからない男。元々は忍であり最終階級は餓忍と極上忍や天上忍よりかは高いがカグラには遠く及ばないと自身を卑下しているが実際の所は古の妖魔「心」の身体の一部から産まれた妖魔相手に単独でも疲弊を見せずに勝利するなど階級的に怪しい部分がある。

 

 ・忍法一部

 

 ・蒼炎結界(そうえんけっかい)

結界内に閉じ込め逃げ場を無くし青い炎で焼き尽くす技

 

 ・槍水漫雨(そうすいそぞろあめ)

水で造り出した槍を降らせた攻撃をする威力は微弱だが半永久的に降り注ぐ

 

 ・颶風雷霆(ぐふうらいてい)

風で切り裂いた後に激しい雷撃を浴びせる

 

 ・クリア・フォート

紫苑のクリア・ウォールを見て造り出した防御技、範囲・高度両方クリア・ウォールの完全上位互換

 

イメージCV.山寺宏一

 

▲幹部

 

 十六夜 白夜 (いざよい びゃくや)

 

「私は十六夜白夜…あー覚える必要は無いですね、どうせ死ぬんだから…さ」「超低温内で自由に動けるのは僕だけだ」

 

性別:男性

性格:傲慢、クール、サディスト

髪型:金髪のウルフヘア

年齢:17歳

身長:179㎝

特技:紅茶や珈琲を淹れる

誕生日:3月5日

一人称/ 二人称:僕、私/君、おまえ

好きな物(人):マフィン、苛め、姉

嫌いな物(人):姉、情けをかけられる事

使用武器:長刀(銘: ウロボロス)

使用異能力:《氷》

 

 幹部中でも数少ない十代の少年それ故か他人を見下した言動が多く、かなり傲慢な性格ではあるが仲間や自身の従者に対しては優しさを見せるがそれ以外の相手には容赦がない。使用異能力は《氷》であり彼の前では炎ですら消えてしまう所謂《絶対零度》を使用可能な為かなり強く一撃必殺も可能だがじっくりといたぶって殺す等かなりのドS。今回の《大聖杯》の獲得には余り興味は無く任務の障害になりそうな、焔紅蓮龍隊の討伐に赴いた際に光牙と戦う予定であったが留守番中の紅蓮と遭遇し同じ異能力使いに加え殺せなかったと自身のプライドが傷ついた為に必要以上に狙い始める。

 

紅蓮竜隊に幼馴染みがいるが、相手は自分を忘れていた。

 

 技一部

 

氷の包容(イエロハグ)

名前は可愛らしいが裏腹に凶悪な技包容を食らった場所は凍るため真っ二つ運良く抜け出せたとしても凍傷や新陳代謝の低下を起こす

 

氷掌絶槍(イエロアブソリュートランス)

掌低を打ち込むと同時に氷で造り出した槍で貫く

 

氷塊・洛陽(アイスバーグ・フォール)

巨大な氷山を相手に突き落とす

 

氷心壊(アイスハートブレイク)

相手の胸に手刀を突き刺し心臓を凍らせ破壊する

 

イメージCV.斉藤壮馬

 

 鬼島 蓮三 (きじま れんざ)

 

「悪いなオレお前に負ける程弱くないんだ」「こんな所で負けてられるか!!」

 

性別:男性

性格:負けず嫌い、キザ、お調子者

髪型:黒のショートカット

年齢:15歳

身長:165㎝

特技:ハッキング

誕生日:11月11日

一人称/二人称:オレ/君、おまえ、テメェ

好きな物(人):コーラ、ピザ、愉姫

嫌いな物(人):狼虎

使用武器:赤と銀の双剣(銘:ブレイザー&ソニック)

使用異能:ハック

 

 白夜と同じ十代幹部の一人で幹部になれた理由は特技のハッキングレベルが核爆弾のネットワークを完全に掌握し更に追跡や相手のハッキングすらも防御可能の腕前且つ機械にとても強い《異能》を持っている為、この異能は機械相手や何かしらの制御があるものに対しては有効だがそれ以外では余り効果はない

 現在は戦姫衆に所属しており彼女等の護衛や情報処理や妖魔の力を持ったとある少年の訓練相手をしたり等扱いが酷いため文句を言いつつ従っているのは幼馴染みの愉姫がいるかららしい。因みに肝心の戦闘能力は強化少年と比べて攻撃力は遥かに劣るが、守り(回避)や反応速度は早い為なんとか渡り合う実力…しかし彼自身この異能の真の使い方( ・・・)に気づいていない。

 

肉体労働断固反対

 

 技一部

パーフェクトセンス

あらゆる位置からの攻撃を回避する

 

アイズハック

相手の視界をハッキングしどの位置を狙っているかを視る

 

アンリミテッド

身体能力を限界まで上げ攻撃力と防御力を底上げし5分間のみカグラ数百人分の力を得る

 

イメージCV.松岡禎丞

 

 海藤 列羽 (かいどう れっぱ)

 

「闘いだぁ!殺せ!殺せ!殺りまくれぇ!」「覚悟ねぇ奴が戦場に来んじゃねぇよ!!」

 

性別:男性

性格:戦闘狂、熱血漢

髪型:赤茶色の髷

年齢:26歳

身長:217㎝➡️《鬼神化》450㎝

特技:仏像彫り、一筆書き

誕生日:5月2日

一人称/二人称:オレ/テメェ、雑魚、カス共

好きな物(人):覚悟あるやつ、根性あるやつ、茶菓子

嫌いな物(人):覚悟無いやつ、根性無いやつ、珈琲、納豆

使用武器:ハルバード(銘:轟雷(ごうらい))

 

 十二神将幹部の一人で超が付く程の戦闘狂ではあるが十二神将の仲間に対しては気を使う等やはり大切にするが、豺虎と常夜や狼虎の三名に対しては全く信用しておらず「ふざけた真似したら掟だろうが関係ねぇぶち殺す」と脅しをかけているが、何故そのような事を言うかは不明。

使用武器のハルバードはかなりの重量な為ただ振るうだけでもかなりの威力を発揮するがそれを達人級で扱えるためかなりの戦闘能力を有する。実際かなり所か異常に強い

 

実は人ではなく、《鬼》

 

 技一部

剛牙・列風(ごうが・れっぷう)

ハルバードを片手で回転をつけながら突進する技その様は正に列風

悲鳴・神の咆哮(スクリーム・ロア)

指先から貫通力と射程の長い神の咆哮を放つ

鬼神化(きじんか)

技名通りに鬼と化す技このため滅赤に懐かれる

 

イメージCV.谷山紀章

 

狼虎 (ろうこ)

 

「斬りたい、切りたい、切り刻みたい」

 

性別:女性

性格:変態、狂気

髪型:栗色のロングヘア

年齢:ヒ・ミ・ツ (白夜「ウザッ!」)(蓮三「3じゅry」)

身長:169㎝

3サイズ:B-87.W-54.H-82

バスト:Fカップ

特技:紅茶淹れ(白夜「死ね」)

誕生日:内緒(蓮三「3月2日だろ」)

一人称/二人称:私、狼ちゃん(白夜「キモッ」)/貴方、君

好きな物(人):カプチーノ、弱い奴、弱った奴

嫌いな物(人):強い奴、諦めない奴、紅茶(白夜「死ね!」)

使用武器:ジャンビーヤ(銘:ハートブレイク)

 

 十二神将の幹部の一人で性格に記載したように変態であり具体例は《男女関係なく年齢が低くければホイホイ食ってしまう》《蹴られたり、罵られたりすると喜ぶ》《刻んだ相手が苦痛に顔を歪めると、濡れてきたり》等かなりのド変態だが、戦闘能力はかなり高く、巨大妖魔を単独で討伐できるカグラの四肢を切り落とし犯したり、大道寺と戦った際には一方的に攻撃を与え続けダウンを取り凌辱を与えようとする等かなりの力を持つ。

 本人曰く《自分が楽しめれば何でもいい》を心情としているため列羽や白夜、蓮三や大幹部、隊長格の美江からは嫌われている。元々はとある盗賊団のリーダーでありかなりの悪名を轟かせていた人物でどの経緯で十二神将に加入したかは不明である。彼女の盗賊団で楽しかった思いでは敵対していたリーダーが交渉を持ち掛けて来たため乗る振りをし騙して痛めつけ配下の男達に好きにさせ惨殺した時に泣き叫び何かに謝りながら死んでいく様を見たのが楽しかった等やはり異常者である。

 

イメージCV.新井里美

 

◼️隊長

 

 悠真先 美江 (ゆまさき よしえ)

 

「毒にカビに細菌…どれから、食らってみる?」「《黒き傭兵》に《半蔵学園の獅子》ねぇ…結構イケてるわね!毒と細菌どれが効くかしら!」「ウチって、結構イケテんじゃね!?」

 

性別:女性

性格:明るい、活発、好奇心旺盛

髪型:ピンクパープルのサイドテール

年齢:16歳

身長:167㎝

3サイズ:B-90.W-55.H-88

バスト:Gカップ

特技:医薬品開発、科学知識(自称)

誕生日:10月31日

一人称/二人称:あーし、私、ウチ/お前、あんた

好きな物(人):パスタ(特にイカスミ)、友人、母(故人)、白夜

嫌いな物(人):狼虎、黒雨、豺虎、肉

使用武器:フランベルジュ(銘:毒の恐怖(ヴェレーノパウーラ))

使用異能:毒、細菌、カビ

 

 十二神将隊長の一人でギャルっぽい外見とは反して毒知識や細菌に対しての知識が豊富な人物であり、使用する《異能》毒は戦闘以外にも治療も出来る万能振りだが扱いが非常に難しい《異能》のためか余り使用しない。(使用の際には周りに影響が出ない用にする)

 

好きな物に友人とあるが、十二神将では狼虎、黒雨、豺虎以外の十二神将とは仲が良い、特に法剣と鉄心とは同じ女性同士なため本当の姉妹のように仲が良い。それ以外では死塾の四季、ゾディア星導会の朱璃と仲が良い、今回の

《大聖杯》の取得には余り乗り気ではない模様

 

ただいま反抗期、グラビアアイドル

 

 技一部

モールド・フォグ

 自身を中心に霧を発生させその霧に触れた瞬間に食人カビを発生させる恐ろしい技

ポイズンマーシュ

 地面に手を当て触れた箇所に毒沼を発生させる技、トラップや拘束に長けたりする技であり任意の解除や発動も可能

フランベルジュ・トキシン

 使用武器のフランベルジュにあらゆるトキシン(毒素)を付与させ斬りつける技、主にパリトキシンを付与させる

 

イメージCV.北原沙弥香

 

 黒雨 (くろう)

 

「お前は!何で!諦めない!」「目障りだァ!惨めに死ねェ!!!」

 

性別:男性

性格:外道、嫉妬深い

髪型:金髪の髪を適当に遊ばせている

年齢:18歳

身長:176.8㎝

特技:大体の事はそつなく熟せる

誕生日:4月29日 

一人称/二人称:僕/ お前

好きな物(人):共子、絶望した顔、他人の苦痛

嫌いな物(人):大体人間は皆嫌い(特に諦めない奴)、プリン

使用武器:五体や身体全体を武器に変える能力

 

 十二神将隊長に新たに赴任した一人だが何時から居たのか、どの経緯で介入したか誰も知らないという得体の知れなさを持つ少年それに加え中々の実力のためジェイドは監視を含め隊長の座を与えている。

好きな物の《共子》とは彼の従属官でありお気に入りの少女だが、放浪癖があるため困っている。

 

   技一部 

 

「鋸: 鬼殺し(きじんぎり)

  鋸による斬りつけ

「牙:餓災掌(がさいしょう)

  巨大な龍を権現させた手のひらでの握り潰し

「弩:龍滅針(りゅうめつしん)

  弓矢による遠距離を使用する。

 

イメージCV.神谷浩史

 

豺虎 (さいこ)

 

「全てに、死を、滅、亡をを」「強いのはぁ~どいつだァ~?お前か?それともテメェか?いや俺様かぁ!ハハハハハハハハ!!」「カァァァグゥゥゥゥラァァァァァ!!!!」

 

性別:男性

性格:クレイジーサイコパス

髪型:ボサボサの妙にどす黒い長髪

年齢:-

身長:188㎝

特技:無し

誕生日:-

一人称/二人称:俺様、我/お前、テメェ、貴様

好きな物(人):自分、血と殺戮、?(恐らく母親?)

嫌いな物(人):自分以外、生と幸福、カグラ

使用武器:-

 

 十二神将内で最も危険な男であり、プロフィールに記載したように「血と殺戮」が好きで逆に「生と幸福」が嫌いと言うように兎に角目に写る全ては破壊対象と同時に最も嫌悪し世界に不必要だから、消して世界を綺麗にすると言った考えを持つしかも自分は何も悪い事はしていないと思っている正にサイコパスな人物。

 十二神将に入った当初は幹部であったが、自身以外の幹部や隊長及びその従属官を皆殺しにしたため隊長に降格され更に《鉄の掟》を造り出した原因でもある、現在は地下に幽閉されているが、解放すると言う事は本気で《大聖杯》を手に入れるつもりと言う事である。

 尚、聖杯奪取後は始末する予定らしい。

 

 因みに肝心の戦闘能力は出鱈目に強い。

 

イメージCV.宮坂俊蔵

 

鉄心 (てっしん)

 

「鉄心!悪の心を改心させる!」「いやぁ~その考えは……絶対違う!!」

 

性別:女性

性格:頑固

髪型:赤毛のショートヘア

年齢:17歳

身長:172㎝

3サイズ:B-90.W-57.H-86

バスト:Fカップ

特技:サッカー、金的蹴り

誕生日:11月11日

一人称/二人称:アタシ/ アンタ

好きな物(人): ガム(ミント)、スポーツ(観るのも、するのも)

嫌いな物(人):やり過ぎな正義、違反行為

使用武器:ブーツ

秘伝動物:ディアトリマ

 

 十二神将隊長の一人で元を除けば唯一の忍学生、通っている学校は死塾月閃女学館の3年生であり掲げている正義は記述したように《改心》または《更正》させる事を目的をしているため紫苑や雪泉との考えは反りが合わずよく言い合いや喧嘩になるが、彼女の《改心》や《更正》の成功率は高いため選抜メンバー達の中に彼女の考えも有りかも?と口には出さないが思っているメンバーは多い。

 

 実は善忍総本部からのスパイ

 

   秘伝忍法

●アサルト・シュート:雷弾を相手目掛け蹴り飛ばす

●ツイン・キャノン:雷を纏ったドロップキック

●ボルトアックス・デッドエンド:片足に最大出力の電力を纏わせ叩きつける技威力、範囲共に優秀だが一日に一回しか放てない。

 

イメージCV.永井真理子

 

幹部の従属官達:従属官一人でも忍選抜メンバーなら易々と倒せる力はある。

 

 

白夜の従属官

 

●フェオン:女性の従属官であり、白夜曰く自分の跡継ぎに相応しいと評価している。《風》の異能使い。使用武器は鉄扇

 

イメージCV

 

●インビエルノ:こちらも女性の従属官で能力は《雪》の異能であるがまだまだ発展途上な為余り強くはない。使用武器はハンマー

 

イメージCV

 

●タンザナイト:男性の従属官で初老の剣士、特に異能や特別な力は持たないが経験や数々の死線をくぐり抜けた歴然の戦士な為、彼から剣技を習っている。使用武器は大剣

 

イメージCV

 

●サギニ:褐色肌に際どい衣装に身を包み無口無表情の少女。基本的に白夜の命令には忠実だがそれ以外からの命令は聞く耳すら持たない。その為に単独行動が目立つ。使用武器はウルミ

 

イメージCV

 

●ズィナミ:ガタイが良く常に笑顔の巨漢。自身の役割は盾であると考えている為、戦闘では常に前線に立つ。使用武器は大盾

 

イメージCV

 

●ウリ:端正な顔立ちの青年、白夜の従属官の中では最強の一人で他の従属官達も認めている。使用武器はシンプルな日本刀

 

イメージCV

 

蓮三の従属官

・基本的に彼より年上かつ、近距離武器ではなく遠距離持ちが多い。元は蓮三も従属官の一人であったが(その時の名前はスリー)豺虎の件により前任者と従属官が死亡したため繰り上げで幹部となり残った従属官を従えている。

 

●シックス:女性の従属官であり、クールな性格だが同じ女性のセブンに対しては若干百合ぽっくなる。蓮三に対しては姉であり母のように接する。使用武器はM4A1カービン

 

イメージCV

 

●セブン:同じく女性の従属官の一人で蓮三に対しては対等に接する。見栄っ張りな為に挑発に乗りやすい。使用武器はシモノフPTRS194

 

イメージCV

 

列羽の従属官

・幹部条件の従属官は4名以上だが、敢えて3人のみにしている珍しい更正

 

彩鬼(さいき):列羽の従属官で隊長の一人である豺虎の実弟だが、同じ兄弟とは思えないほど性格が違う。彩鬼は義理堅く・臆病な性格と争いを好まない性格だが、やはり兄弟事戦闘になり、ハイになるとドス黒いオーラ全開で襲い掛かって来る。この時は兄より強い。

 

イメージCV.増田俊樹

 

無鬼(むき):列羽の従属官の紅一点、全く喋らないが意志疎通が可能。名の通り《鬼》

 

イメージCV.三上枝織

 

剣鬼(けんき):列羽の従属官の一人。非常に仲間思い。彼も例外なく《鬼》

 

イメージCV.

 

狼虎にはいない(駄犬がいるため)

 

実力はありながら救護班や戦闘員、技術開発

 

咲波 壱紗愛 (さきざき いさな)

 

「幹部=強いではないよ」「枯れた命に白き救いを」

 

性別:女性

性格:慈悲深い、戦闘狂

髪型:栗色のふくらはぎまで届く髪

年齢:23歳

身長:173㎝

3サイズ:B-89.W-56.H-84

バスト:Fカップ

特技:料理(和食のみ)

誕生日:4月9日

一人称/二人称:私、ワタクシ、我/貴方、貴殿、汝

好きな物(人):平和、勝敗のつく戦い争い

嫌いな物(人):平和なき現実、オオマガツ

使用武器:創世の槍(あめのぬぼこ)

 

 幹部どころか大幹部になれる実力を持ちながら敢えて戦闘員と救護班にいるのは、一番に死と直面出来るため、性格の《慈悲深い》に当てはまっていないように見えるが、慈悲深いのは治療や普段のみであり、戦いでは苛烈かつ容赦なく留めを刺す殺人鬼へと変貌する。彼女曰くこれが本当の私らしい。

 

 朝宮 達馬 (あさみや たつま)

 

「切り込み隊長、朝宮達馬!嘗めんなよ!!」「傷は男の勲章だぜ!」

 

性別:男性

性格:真面目、ポジティブ、アホの子、??

髪型:さっぱりした黒髪でミディアムショート

年齢:??

身長:178㎝

特技:5分以内にパンを買ってくる

誕生日:8月19日

一人称/二人称:オレ、僕/アンタ、ぱいせん

好きな物(人):人の役に立つ、ご褒美

嫌いな物(人):特にない

使用武器:軍刀(銘:勇斗魂(はやとたましい))

使用異能:《悦楽》

 

 戦闘員内で一番目立つ人物の一人で切り込み役を巻かせられている少年であり、人の役に立つのを無償の喜びとしているがアホの子なためパシられたりしても気付かなかったり、バカにされても遠回しの応援と思うなどアホを通り越してポジティブ。使用《異能》はそう言った彼にはある意味うってつけなのかも知れない……だが実は彼にはある秘密が…

 

 桜田(さくらだ)可憐(かれん)

 

「天才だからね!」「頭脳は力に勝る」

 

性別:男性

性格:自信家、楽天家

髪型:白色のロング

年齢:29(外見上は10代後半の女の子)

身長:154㎝

3サイズ:B-71.W-59.H-73

バスト:AAAカップ

特技:発明、解析

誕生日:11月10日

一人称/二人称:僕、可憐さん/君、名前

好きな物(人):自分の頭脳、自分の発明、ペットの虫

嫌いな物(人):豺虎とか、自身が10年かけた研究を2日で終わらせた奴、ロマンの分からん奴

使用武器:発明品又は寄生虫

 

 十二神将の技術開発担当長を巻かせられている青年(ここ重要)であり、自身を天才と表し周りにアピールする癖があるがその他努力家でもあるため、十二神将のメンバー達も彼を認めている(豺虎や常夜、狼虎は除く)発明品は武器や建築、乗り物、果ては《妖魔》等の生物まで可能であり、ここまで来ると最早鬼才であるが過去に一度だけ敗北した事がある。それは同じ研究所に所属していた周りから認められず、家族からも不要扱いされていた、人物に自身が10年かけた研究をわずか2日でしかも自分以上の性能で完成させた人物に初めて負けたが、相手が14歳の少年だったため素直に「君は凄いな、天才だね」と誉めたが肝心の少年は「別に凄い事ではない、要点掴めば誰でも可能、この研究に10年かけてた方が凄い」と言われプライドをズタズタにされたのを現在でも根に持っている。

 

妹兼助手に桜田(さくらだ)開花(かいか)がいる妹より背が低い

 

・《蛇》

十二神将の人間の戦闘員達の総称それぞれが元々理不尽な理由により軍や忍から除隊や処刑されそうになった所をジェイドに助けられたため恩返しの為に彼のために死力を尽くす。

 

・《駄犬》

狼虎がリーダーをしていた盗賊団達であり信念を持たない連中の集まりな為十二神将の幹部や隊長、《蛇》に低く見られているが団結力は高い為中々厄介な実力を持つ。

 

・《妖魔・生物兵器》

可憐により、造られた生物兵器妖魔達種類も「大・中・小」と居り可憐の手により忍を喰らうほど強く成長するように改造されている。戦姫衆に資料と何匹かを与えている。

 

・《からくり兵器》

可憐がとある施設にて、見つけた資料を元に自分なりにアレンジを加え改良した傀儡やからくり達、こちらは悪忍や戦姫衆達にもいくつか売り払っている。



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第1章:始まりの詩
龍導学院の恥


 ここは、町からかなり離れた山奥

 

 今は夜、朝や昼ならば登山客やピクニックで賑わう場所なのだが……

 

 まさに死屍累々……その言葉が当てはまる状況になっていた……

 

 そんな地獄絵図の様な場所に居た少年は大きく溜息を吐いた。

 

「ハァ……」

 

 少年が溜め息を吐いた理由は至極単純で、自身に向かって来た相手が余りにも弱すぎた事だ。

 

 そんなカオスの中に「…ぅ、ぁ…」今にも事切れそうな、虫の息、そんな言葉が合う人物がいた。

 

 「お!」と反応し件の人物の前へと進み、質問をした。

 

「なぁ、アンタらに俺を殺すように命令したのって誰?」

 

「……ぁ……ぇ……」

 

「いやさ、ちゃんと喋れるだろ?手足へし折っただけじゃん?あ、左腕は引き千切れてるか…まぁいいか。で、誰なの?」

 

 さらりととんでもない事を、「まぁいいか」と発言した少年に対し、虫の息の人物は「ぅぁ…」と赤子の様に呻くしかなかった。

 

 心の中で「下手な事をしたら、間違いなく自分は死ぬ…」その事で頭がいっぱいになっていたのだ…

 

 そんな人物に痺れを切らしたのか、少年は発言した。

 

「多分だけどさ、学院の奴だろ?」

 

 虫の息の人物は、コクンと頷く事しか出来なかった。それを確認すると少年は「よしっ!」と発言し、自分にこう告げた。

 

「うん、うん。その反応で誰が命令したかは分かった!ここさ、よくピクニックする奴ら居るから運が良かったら助けて貰えるかもな!んじゃ!」

 

 とまるで、友人に語りかける様に告げて去っていった。

 

 倒れている人物は薄れ行く意識の中で思った。今のシーズンにピクニックに来る馬鹿は居ないと…

 

 「よっと!」軽快に森の木々に飛び写りながら少年は進んで行く。この少年の名は「白堊」悪忍を育成する学院…「市立龍導学院」に通う高校生であり。

 

「多分、アイツはまだ学園内に居る筈だ…さぁてどう料理しますかねッ!とッ!」

 

 龍導学院の選抜メンバーの一人にして、二つ名を「龍導学院の恥」と蔑まれる人物である。

 

 何故に彼が「龍導学院の恥」と呼ばれるか……それは、忍達なら基本的に出来る《秘伝忍法》を一切使えないからであった。

 

 しかし、この少年。その基本の技を使わずに選抜メンバーまで登り詰めただけあり、かなりの実力者である。

 

 それ故に周囲からの嫉妬をよく買い、先程の様に刺客を送り込まれる事も多々ある。

 

 が……少年はそれを基本的に快く受け入れ、《秘伝忍法》習得の糧になるかも知れないと期待していたが。

 

 毎回毎回、三下ばかりを向けられて腹が立ったので、依頼人本人に喧嘩を売りに学院へと向かって行った……



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喧嘩は建前

初めての戦闘描写を綴ります……


 この学院を一言で表すと……城。それ以外に言葉がない程に威圧的且つ荘厳な建造物。それが「市立龍導学院」である。

 

 そんな学院から、ドグシャアアア!バキッ!ゴキャ!ゲシッ!ガッ!と言った、とてつもない破壊音が響き渡った。

 

「オイ!オイ!そんなだったら!依頼された奴等の方がまだ骨があったぜ!?藍玉さんよぉ!」と語るのは、龍導学院2年の学院の恥と蔑まれている「白堊」であった。

 

 依頼された奴等と言うのは、前回彼が「始末」した集団の事であった。

 

 自身は手を汚さずに高みの見物……そう言った輩が嫌いな彼はノリノリで刺客を送って来た藍玉に最大限の暴力を振るっていた。

 

 ボディーブロー、回し蹴り、肘打ち、胴回し回転蹴り、張り手、とさまざまな格闘技を繰り出していった。

 

 そして、遂にダメージが限界に来たのか、藍玉がぐらつき始めた。

 

 (これで、留めだッ!)と心の中で思いながら、正拳突きを放った。

 

しかし、パシッ!「………はっ?」

 

 何と、渾身の一撃をいとも容易く受け止めたのである。

 

(コイツ…!受け止めた?…いやそもそも倒れかけの奴の何処にこんな力が……)

 

「……秘伝忍法、伝われ《垂氷》」パキッ…パキパキと言った音と共に白堊の腕が凍り始めた!

 

「~~~~!!」腕を引こうにも、相手が放してくれないためか、右上腕まで凍りついてしまった。

 

 ドッ!パッ…後蹴りを放った、お陰か上腕で助かったが…

 

(……やべぇ……利き腕が全く動かねぇ……)

 

 凍りついた右腕が、全く動かないのだ。

 

 すると、藍玉が…「どーする?続けるか?その…腕で…?」

 とニヤつきながら聞いて来た。

 

問い質された白堊の答えは「覇ッ!!」と気合いを入れ直し構えた。

 

それを見た藍玉は、「仕方ない、次でその右腕を壊し…この喧嘩を終わらせよう…」

 

 二人は互いに距離を取り、構える。

 

 この状況、圧倒的不利は言わずもがな白堊であった。

 

 藍玉は氷の忍法を得意とした忍である。故に距離を取るといった行為は只の自殺行為であった…「ニヤリ」

 

 藍玉は思わず出てしまった笑みを止められなかった。

(馬鹿が!秘伝忍法の《氷面》で足を凍らせて、砕いてやるぜ…)

 

    バッ!両雄共に駆け出した!!

 

「はっ!突っ込んで来たよ!この馬鹿!秘伝忍法…辿り着け!《氷面》」パキパキ!地面が凄まじい勢いで氷始めた!

 

 しかし、白堊は避けもせずに、凍りついた右腕を振り落とした!

 

 すると……パキッイィィィィン!…凍り始めた地面が砕けた。

 

「………は?」今度は藍玉が呆気に取られた。

 

 凍り付いていた右腕が元に戻っていたのである。

 

「な…何で!?右腕が治って、いやがる!?」

 

 それに、対し白堊は「答える義理はないッ!…クアッ!」と叫び得意の掌底を放った!

 

「ヒッ!」ここにきて、はじめて藍玉は気付いた。

 

(喧嘩ってのは、只の理由…建前で…最初から俺を殺すつもりだったのかッ!)

 

「完敗じゃねぇか……」

 

 掌底を途中で鉤爪状にし、放った一撃…藍玉の身体を貫き勝敗は決まった。

 

「ハァ…ハァ…、勝った《殺した》」

 

 長袖を捲りチャリ、チャリと音を立て右腕に巻き付いていた、チェーンを外す。白堊「運が良かったのかな…」

 

 右腕が動いた理由は長袖のしたのチェーンにより完全には凍っていなかったのだ。(因みに気付いたのは、右腕を振り落とした時)

 

「………しかし、どーするか…コレ…」

 

 

 と言い藍玉の死体を見る。別に殺した事は何とも思っては居ないが、考えているのは後片付けである。

 

 うーん…と悩んでいると。「パチパチ…」と拍手が聞こえて来た。

 

「誰だ!?」白堊が警戒して構えると、暗闇から

 

「嫌だなぁ~、そんなに警戒しないで下さいよ~」

 

 と言いながら、拍手の主が現れた。

 

「…何だ、暁霧さんですか…」「はい、皆大好き!暁霧お兄さんですよ~」

 

とふざけながら、来た男は「龍導学院」OBにして「卍忍」の暁霧(ぎょうむ)であった。

 

 この巫山戯た態度とは裏腹に実力は折り紙付きという侮れない男である。

 

「後片付け、は私がして起きますので……今日はもうお休みなさい」と白堊に語りかる、暁霧

 

それに対して白堊は「え…でも殺したのは…おれですから」と答えるが「明日、貴方重大な事が有るでしょ?」と言われた為、

 

「……分かりました。すいません」と言い、バッ!この場を去って行った。

 

「……さて、テメーも馬鹿だなぁ、あの男に喧嘩売るなんざよぉ…まぁテメーの場合は違反ばかりで成り上がったダニだから、同情はしねぇが…」と語りかながら、死体袋に詰め込み、焼却炉へと向かって行った。

 

(しかし、白堊も藍玉も気付いてなかったみてぇだな、右腕の事。明らかに、秘伝忍法の動物が出ていたな、白堊の奴。一瞬だったが、ありゃあ相当な物だな……「神獣」クラスだ…)

 

「……ヒヒヒヒ、楽しみが増えたな」

 

 と言いながら、藍玉の死亡を修行中のトラブルと偽装し始末書を出し去って行った。

 

~サイド???~

 

 ???「弟の声だ………」

 

 

 




…はい、と言った訳で初めての戦闘描写を綴った、訳ですが…うん!駄文だなッ!と思いますガッ!「わたしは一向かまわんッッ」…嘘です、ごめんなさい!誤字等があったら、コメントの方お願いします。

そして、最後に出たなにやら意味深な台詞を吐いた物の正体とはッ!?続きにご期待ください

あっ、一応ダニ野郎事「藍玉」プロフィールです

名前:藍玉(ランギョク):龍導学院3年:身長177cm:好物は赤身魚(鮪):趣味:弱者いじめ:秘伝忍法はセイウチ:戦闘スタイルは凍らせて、相手をいたぶりながら殺害するという胸糞戦法

暁霧の語ったように、裏で汚い事(依頼者の殺害や情報漏洩による味方全滅し自分のみ行き残る等)をし成り上がった。雑魚しかし、結果的には主人公の秘伝忍法の目覚めに、なったので単なる噛ませでは、ない……はず

 《秘伝忍法》  

垂氷
相手の掴んだ部分を凍らせる秘伝忍法、単純だが強力

氷面
地面を凍らせその氷に触れた相手の足を凍らせる秘伝忍法(これを使い足を砕き、女性相手に強姦をやっていたらしい)

見た目《鋼の錬金術師のグラトニー+戦国BARARAの後島又兵衛》

イメージCV.安井邦彦

因みにこ藍玉の実力は中盤の雪泉になら圧勝できる強さです


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集う選抜メンバー

やっと、次から原作キャラクターとダーク・リベリオンさんから拝借したキャラクターを出せます。


 音が部屋中に響き渡る。

 

「………うーん、まだ眠いぃーよぉ…」と寝言を言う白堊。

 

 更に追い討ちの如く、[♪~♪~♪]携帯に着信が入る。

 

 着信者は「輪廻」選抜メンバー三年のリーダーであった。

 

「ん、何すか?」と携帯を取る、「何すか?…ではないだろ?今何時だと思っている!」「……ぇ?」と呆けた声を上げ時間を確認する。

 

「えぇッと……10時…30分?…10時?」思わず二度見してしまった。「分かったk」「あ"ぁぁぁぁぁぁぁ!?」キーーーンっと、輪廻の携帯から絶叫した声が響く。

 

「叫んでいる暇があるならさっさと支度して学院へ来い!」

 

 そう言われ、白堊は急いで身支度をし、急いで学院へと向かった。

 

「……全く…アイツは…」と溜め息を吐きながら、選抜筆頭者専用机の椅子へと腰をかけた。

 

「やはり、遅刻だったか?」と選抜メンバーを教育をする教師である「翔」が聞いてきた。

 

 翔は元カグラであったが、とある任務についた際に負傷してしまった為に現役から退いて後人の育成に当たる事にした(しかし、それでも技量は全盛期と殆ど変わらない)

 

「まぁ、白堊君の遅刻や校内暴力事件は今に始まった事ではありませんし……」

 

 と、語るのは輪廻と同じく選抜メンバー三年の一人である「白銅」自身の技量や実力は輪廻より低いと自虐的だが殆ど変わらない。

 

「……それも、そうだな。それで?蘇芳や滅赤は何をしているんだ?」と輪廻は聞いてきた。

 

 その問いに白銅は答える。「蘇芳は訓練所にて、日課の筋肉トレーニングを滅赤は…この季節に『お餅付きしてくる~』との事です」

 

「……そうか(餅つき?餅米でも持って来ているのか?)」と疑問に思う翔と「……(これ以上私の胃を削らないでくれ……)」と願う輪廻

 

      ~訓練所~

 

「フンッ!フンッ!フンッ!」と力強い声が訓練所から聞こえて来る。「わぁ、相変わらず筋トレしてるぜアイツ」「アレ以上どこにつけんだよ…」と回りは相変わらず鍛えている蘇芳に呆れ半分感心半分と言った会話をしていた。

 

そこへ、「よぉ…筋肉ダルマぁ!相変わらず無駄な筋トレしてんのかぁ?」「うっわ、すげぇ臭ぇ!」「マジキモいわぁ~」と生徒達が近付いて来た。

 

「げっ!アイツら」と訓練所にいた、生徒達は次々と目をそらし始める。

 

 彼等は選抜メンバーに慣れなかったと言った理由で何かとちょっかいを出して来る生徒達だ、しかし自分達より階級が下で選抜メンバーになった相手しか狙わないと言った断定的な小物である。

 

「ん?お前らは……確か…白堊に半殺しにされていた奴らではないか!」

 

「グッ…んだと!?」「舐めてんのか!」「ヤッちまおうぜ!」と言い武器を構え始める。

 

 そう言って、殺気だった彼等に対して蘇芳は鋭い眼光で語りかける。

 

「…武器を抜いたからには、殺される覚悟はあるのか?」

 

「うっ…」一瞬だけ怯むが、「舐めんなぁ!」と雄叫びを上げ向かって来た。

 

「シッ!」と鋭いジャブを一瞬で3人に繰り出す、「ガッ!?」「ギッ!」「グヒャ!?」と様々な悲鳴を上げる 

 

 吹き飛ばされた彼等は、驚愕の表情を顔に浮かび上がらせる。

 

「馬鹿な!?上忍クラスの俺達が、一瞬でぶっ飛ばされるはずがねぇ!」と悲鳴にも近い声を出す。

 

すると、ジャリン!「グエ!?」と三下忍の首にチェーンが絡まる。

 

「上忍だろうが最上忍だろうが、倒せる訳ねぇだろ……つーかお前ら…まだこんな事やってんのか?」

 

 と白堊がリーダー格に語りかけた、そしてゴキッ!

 

「まぁ!自業自得だ(*´・ω-)b」

 

首の骨をへし折った。「相変わらず、えげつねぇな!白堊!」と血ダルマになった残り二人を持ちながら、語りかける。

 

「お前が言うな!」と「えー!そうか?」と語り会いながら、教室へと向かって行った。

 

      ~教室~

ゴンッ!「ッ痛ェ!」「効いた!」と二人は悲鳴を上げる「全く!お前らは…毎回毎回、何故問題を起こす」と翔は語りかける。

 

「下克上をして来たのは、アイツらですよ!」と白堊は講義する。隣でウンウンと蘇芳は同意の頷いた。

 

「はぁ……もう良い、さっさと入れ」

 

次にダダダ!と走る音が廊下に響き渡った。

 

「あー!餅つき楽しかった!」と返り血まみれの少女が入室して来た。

 

「………その血は何かな?滅赤?」と翔は引き気味に聞いてきた。

 

「お餅付きの後です!」と笑顔で答えた。

 

翔は「…そうか、その返り血を落として来なさい」と指示して来た。

 

後ろで、白堊と蘇芳が「依怙贔屓だぁ!」とか「不公平だ!」と言っているが、無視する事にした。

 

「よし、全員集まったな…今回お前らに学園の上層部から直々に指示が入った詳しくはこの資料に書いてある」

 

 と各々に資料を渡す。

 

輪廻は「…蛇女子学園との合同演習ですか…」と呟いた「合同演習ってな~に~?」と滅赤が呟やいたその隣で白銅が「一緒に訓練するという事だ」と説明していた。

 

「あれ?蛇女なのに男がいるのか?」と白堊が聞いてきたので、翔が「ん?あぁ何でも特別編入らしくてな、光遁の使い手らしい」

 

「光遁ですか…珍しいですね。しかし合同演習するには此方は数が足りませんが?」と蘇芳が言うと。 

 

「だから、此方に一人追加だ……入って来い」

 

 翔が廊下へと、声をかけると

 

「失礼します」と穏やかな声音の男が入室して来た。

 

「こいつは?」「学校の方ではないですね」「わぁ!イケメン!」「身長はあまり高くないな…」と白堊以外の生徒達は様々な事を言っていた。

 

「赤霧さんに指示されて転校して来た、灰怒と言います」

 

(……強ぇな、コイツ……)と白堊(……彼が白堊…赤霧さんの言った通り、凄まじい力を秘めている)と灰怒

 

「赤霧さんから!?」と輪廻が灰怒に掴み掛かって来た。

 

「おぉ!?」と灰怒はあまりの気迫にたじろいた。

 

 輪廻が何故こんなに凄まじい勢いで聞いてきたかと言うと輪廻にとって彼は恩人のような人物であるからだ。

 

「よせ輪廻、ビックリしているだろ?」翔が注意した

 

「あっ……ああ、すまない」輪廻が謝る

 

「輪廻ちゃん、どうしたんだろ?」「何か、あったんだろ?」と一年達がヒソヒソと語り合っていた。

 

(輪廻…今、彼に会ってどうするんだ)白銅は心の中で静かに思った。

 

「兎も角、これで人数は揃ったな、明日になったら蛇女へと向かう以上!解散だ!」

 

「「「「はい!」」」」と語りそれぞれの持ち場へと離れて行った。

 



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蛇女と母校の違い前編

ダーク・リベリオンさん、から拝借したキャラがだせます。


「春花ァ!負けたら、承知せんぞ!」「春花様ァ!頑張ってー!」「春花さん、頑張ってやー」

 

 と滅赤と対面している、年ま…ゲフンゲフン!大人の女性と言った表現が相応しい蛇女の生徒が応援を受けていた。

 

「ウフフ。貴女、私のお人形にならない?」

 

「嫌!」

 

(やり過ぎるなよ……)

 

 輪廻はヒヤヒヤしていた。相手側の筆頭はヤレヤレと言った態度をしていた。

 

「はぁ、私も悪いけど…白堊が喧嘩を売る可能性を考えていなかったな…まぁ良いか、相手の戦力も図れるしな!」

 

――時は数時間前に遡る――

 

「私達が龍導学院の選抜メンバーです」

 

 蛇女子学院の理事長である道元へと輪廻は挨拶と、軽くそれぞれのメンバーの紹介をした。この際あえて自身やメンバーの階級を「並みの上忍以上」と答えた。

 

 これに対し、道元は「……互いの成長に期待している」と答えた。

 

 先程の敢えて、階級を低く紹介した事に対してやはりというか白堊が聞いて来た。

 

「輪廻さん、何でオレ達の……輪廻さん含め実力を低く紹介したんすか?」

 

 

 ……チラ、他のメンバーも何故?と言った表情であった。ただ一人を除いて。その一人とは数合わせのメンバーとして編入した「灰怒」だった。

 

「道元の目が気に入らなかった。それが理由ですよね?輪廻先輩」

 

 灰怒は伺うような顔で、答えた。

 

 それに対し輪廻は、「ああ」とだけ答えた。

 

「…そんな顔しないでくれ。取り敢えず私は相手側の筆頭と今後のスケジュール等の打ち合わせをして来るから……それまで、くれぐれも問題を起こさない様に待機していてくれ」

 

(まぁ、無理だと思うが……)とそんな事を、考えながら選抜メンバー筆頭がいると、思われる訓練所へと向かった。

 

「…血の臭い的に、こっちだと思うが……ん?」

 

 血の臭いという忍らしい?感を頼りに訓練所を探していると、一際開けた場所にポツンと一人佇む男がいた。

 

(……あの、男か?)輪廻は気配を消して、様子を伺う事にした。

 

 すると、周りから数十人の忍達が男に襲い掛かった!

 

「………フン」男は鼻を鳴らすと、コォォ…光の粒子が男の手に集まっていき、眩い光を放つ弓を成形し襲い掛かって来た、忍達を…

 

 《瞬殺》それ以外に当て嵌める言葉がない程の速度で己に襲い掛かって来た忍達を倒していた。

 

(……光遁の使い手、あの実力やはり彼がここの筆頭で間違いない……が、甘いな)

 

輪廻はそう思った、理由は単純であった。

 

《瞬殺》先程この言葉を使ったが、地べたに伏せている忍達は皆、生きているからである。

 

「……少し、手本を見せてやるか、シャッ!」

 

 蛇女筆頭の光牙は襲い掛かって来た後輩忍達にアドバイスを忍部屋へ戻ろうとした時………フゥ…風の流れと同時にとてつもなく濃厚な血の臭いがした。

 

「…かなり濃いめの血の臭い?そこまではして…なっ」

 

 光牙はその光景を見て、思わず絶句していた。

 

 先程まで生きていた後輩忍達が只の肉塊になっていたからである。その肉塊の中に此方を見つめる女がいた。

 

「……この状況、貴様がやったのか?」

 

 光牙が問うと、女は微笑みながら

 

「もちろん、龍導学園選抜メンバー筆頭の輪廻だよろしく」

 

 ……と何事もなかったかのように、答えた。

 

 

「おい、名前は聞いてない。状況の説明を聞いている!」

 

 この返しに輪廻は溜め息を吐きながら。

 

「ハァ、私達以外居ないから良いだろ?」そう答えた。

 

「……私達以外、だと?」

 

  シュバ!

 

「気付いていたのか……」

 

 現れたのは、蛇女子学園の教師「鈴音」であった。

 声音は光牙より落ち着いているが、その目は敵愾心に満ちている。

 

「そりゃあ、あれだけ殺気出してりゃね…てゆーか、何で殺意マンマンなのかな?もしかして、自分の生徒達が無惨に殺された事に対しての怒りですか?」

 

「……そうだ」

 

 鈴音は短くそう答えた。それに対して輪廻は

 

「やっぱり、甘いよその考え…忍になるのは死を覚悟(そうゆう)事…昔の蛇女は違ってた、今の蛇女の忍達はその(死)覚悟がない、だから貴女の怒りはとても不愉快です」

 

 ……不愉快そう言われた鈴音の表情は怒りに満ちていた。

 

「……なら、競ってみるか?龍導の筆頭……今の蛇女に死ぬ事を覚悟している奴が居ないかどうか」

 

 鈴音は「お前……」驚いた表情をしていた。

 

「鈴音は下がっていろ、終わったら合図を出す」

 

「先生をつけろ、ハァ…わかった、合図が出たらすぐに向かう……死ぬなよ?」バッ

 

鈴音はこの場を去った。

 

 先程まで黙っていた光牙が口を開くなり鈴音はそう答えてこの場を去った。

 

「……良い教師じゃないか?私の母校にはあんなに甘優しい教師は居ないぞ。幸せ者じゃないかお前。それはそうと、先程の言葉は私と殺し合うという意味か?」

 

 怪訝な表情を浮かべながら輪廻は聞き返した。それに対して光牙は、言葉は不要と言わんばかりに、光遁で光の剣を形成し始めた。

 

「わかった、試してやるよ!今の蛇女に覚悟ある者が居るか!」

 

「ハァッーーー!」と光牙「シャッァーーー!」と輪廻

 

 二人の筆頭がぶつかる!

 

 

 




中途半端な所ですが、次は白堊達の様子です戦闘描写は次位に書くつもりです。





見てくれる、人がいるだけで嬉しいこのころ


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蛇女と母校の違い後編

今回は少し、長いです


 互いに筆頭として、他人の上に立つ者同志で覇を競い合っている間

 

~白堊side~

 

「………暇だなぁ…」

 

 蛇女子学園の屋根で寝転がりながら、白堊は呟いた。

 輪廻に問題を起こさない事を条件に自由行動を許可された選抜メンバー達……白堊以外のメンバーは蛇女子学園内の施設に興味をそそる物があったらしく、それぞれに興味を持った施設の見学や体験等をしている中、

 

 白堊のみ、屋根に寝転がっていた。

 

「……(はぁ、白銅さんは武器の整備、蘇芳は戦車をバーベル代わりに筋トレ、滅赤ちゃんは学食、灰怒は話し掛ける前に資料館)へわぁ、マジで暇じゃけぇ……」ゴロゴロ

 

 変な溜め息を吐きながら、屋根をゴロゴロと転がっていると。

 

「貴様、先程から何をしている?」と頭上から聞こえたので見上げると、黒のショー……ではなく、金髪に自信に満ちた表情をした蛇女の生徒がいた。

 

「見て分からね~の?寝転がっている、後パンツ丸見えだぞ」

 

 と、後者は余計ではあるが状況を説明した。

 

 すると、女子生徒はドヤ顔で

 

「フッ……この美しい私、しかも、その下着を見て見蕩れる至極当然の事……寧ろ、裸体を見れなくて残念だったな」

 

「………ウン、ソーダネ(何言ってんだ、コイツ)」

 

 白堊は内心かなり引いた。

 

「……あー、一応自己紹介な。俺は龍導学園2年の白堊だ」

 

 テンションの差に落差があったので空気を返るために自己紹介をする事にした白堊、それに対して相手は

 

「私は蛇女子学園の美しく気高き一年の総司だ」

 

 またしても、美しいという言葉を付け足した。女子生徒もとい総司それに対し白堊は今度は引かずに

 

「……そこは、“気高き”の後ろに“剣”か“花"を足した方が格好良くないか?」

 

 と提案した、すると総司は「確かに」と納得した表情を浮かべた。

 

「では、こうか?……私は美しく、気高き一輪の悪の華……総司、悪の定めに舞い忍ぶ!…か?」

 

これに対して、白堊は「先より、格好良いと思わないか?」ドヤ顔でフフンと鼻を鳴らした。

 

 総司はドヤ顔で決め台詞を語ったこの男に興味を多少ではあるが持ったため、このまま暇潰しも重ねて話しをする事にした。

 

~灰怒side~

 

 蛇女子学園の資料館、灰怒は大量に積まれた資料を漁っていた。

 

「……これでも、ないか……何処に有るんだ?」

 

 灰怒が一心不乱に探している物は……

 

「ここに、あると思ったんだけどな……大妖魔の資料」

 

 妖魔……太古の昔に忍達の争いにより、産まれた怪物。その中でも極めて危険で凶悪な大妖魔と呼ばれる者……その資料を探していた。しかし、本来妖魔は《カグラ》という忍の中でも最上位、最強と吟われる者しか相手出来ない存在、そのような怪物を彼が何故調べているかは、まだ不明である。

 

「……無い物は、仕方ないか……」

 

そう言いながら灰怒は資料館を後にした(片付けろ)

 

~白堊side~

 

「へぇ…中々に面白い武器だな。鞭のような鎖鎌か…」

 

 白堊は総司と互いの武器や戦法について、話し合っていた総司は白堊の戦法を聞いた際に疑問に思っていた事を口にした。

 

「その…秘伝忍法が使えなくて、選抜メンバーとは誠なのか?」

 

「うん?あぁ事実だよ、俺は《秘伝忍法》が使えない」

 

 白堊は笑いながら答えた。

 

「だからさ、この合同演習で習得するつもり」

 

「成程、ならば蛇女の選抜メンバーの中に好戦的な先輩がいるぞ」

 

 総司は秘伝忍法を使えなくとも、選抜メンバーになれたこの男の実力を見てみたいそういった気分になった。

 

「へぇ?どんな奴だ?光牙とか言う奴か?」

 

 ……好戦的、その一言だけで、白堊は興味を持った。

 

「忍部屋に居る筈だ、付いてこい」

 

~忍部屋~

 

 蛇女子学園の選抜メンバーが集う忍部屋。流石というべきか他の教室よりは多少ではあるが優遇されていた(具体的にリビングルームや茶室等)

 

「今回は他の学校の生徒が来るらしいけど、どんな人達なんだろう?」

 

 と眼帯をつけた、蛇女1年の《未来》が聞いていた。

 

 それを聞いた長いブロンドヘアが特徴的な生徒《詠》が返してきた。

 

「確か、男性が3人女性3人の選抜メンバーらしいですわ」

 

「えぇ……男が3人も居るの!?」

 

 自分達選抜メンバーの中にも男は一人だけいるが、向こうは3人いる…未来は少しだけ不安な気持ちになった。

 

「フン!相手に男が何人居ようと、関係ないな。蹴散らして私の成長の糧としてやる!」

 

そう答えたのは選抜メンバー2年の《焔》という名の蛇女生徒だった。

 

 ガタガタ、ガシャン!と忍部屋専用のエレベーターの起動音が部屋に響き渡った。

 

「ん?光牙か」焔が呟いた。

 

 しかし、入室して来たのは《時期選抜候補》の総司だった

 

「総司?悪いが今お前の相手をする程暇ではないからな。手合わせなら、他を当たってくれ」

 

 焔がそう言うと、総司はにやけながら答えた。

 

「いやいや、私は手合わせ、況してや下剋上を渡しに来たわけでありませんよ。合同演習の学園に焔、あんたに興味を持った男が手合わせをしたいらしく、連れて来たんですよ」

 

「何?」焔が怪訝な表情をしながら、エレベーターに顔を向けるが……

 

「おい、総司…別に手合わせしたいとは言ってないぞ?」

 

 と、背後から声がしたので振り向くと一人の男がいた。

 

「貴様、いつの間に?」焔が聞くと「え?あぁ、総司が手合わせって言った辺りかな」

 

「(……気配を全く感じなかった)」

 

「で…総司が言うにはお前が戦いが好きな奴なのか?俺は龍導学園2年の白堊だ、よろしく」

 

 白堊はそう言いながら、手を伸ばして来たが。

 

   パシッ!

 

 差し伸べられた手を、焔は払い除けた!

 

「仲良しごっこがしたいなら、他所に行け。貴様の用な男は虫酸が走る…」

 

 焔は嫌悪に満ちた、表情をしながら手を払い除けた

 

「……いやいや、握手は悪かったかもしれないけどさ、挨拶は最低条件だろ?お前そんなんだと、友達できないぞ?」

 

 白堊の方も焔の態度に少し頭に来ていた。が後者の台詞が焔のターニングポイントに火をつけた、らしく刀を抜いて迫って来た。

 

 ガキン!すんでの所で白堊はチェーンで防御をしたため無事であった。

 

「そんな物、私には必要ない!強くなるためには只のお荷物だ!」

 

 白堊はそれを聞いて過去に何かしら、あったのだろうと思う気持ちと同時に、蛇女の選抜メンバーの“非力差”を嘆いていた。

 

「さいですか、寂しい奴だな…まぁ、それは置いといてお前…その程度で選抜メンバーなのか?…幾らなんでも軽すぎる、お前なら俺の秘伝忍法の習得の糧になると思ったんだが期待外れだわ周りの奴含めて、弱すぎる」

 

総司に「行こうぜ」と言いながら、部屋を出ようとしたすると、後ろから

 

「待て!そこまで言うなら、私達と勝負しろ!」

 

「…お前ら全員に対して、俺一人って事か?」

 

 白堊は内心で“計画通り”と思いながら振り返って応えた。

 

「いいや、違う選抜メンバー筆頭を除いた、戦闘だ!5対5の戦いを行う!」

 

「…ふぅん、別に構わないけど?それって俺達に何かしらのメリットあるの?」

 

 白堊は煽り気味に聞いて見た。これに対して焔は

 

「貴様等が勝てば、私達は何でも言うことを聞こう!しかし、私達が勝った場合は非礼を詫びて、速やかにこの学園から立ち去れ!」

 

「そうか、わかった…戦う場所は俺達が決めてで良いだろ?」

 

 白堊が問うと、焔は「良かろう」と答えた。他の蛇女の生徒もこちらに対して、敵愾心を剥き出していた。

 

「んじゃ、第二訓練所とか言う場所で……逃げんなよ?」ニヤリ

 

 その一言に対し、ギリッ…焔達の闘争心に日をつけた。

 

「お、おい!大丈夫なのか!?あんな条件のんで!」

 総司が焦りながら、聞いて来た。連れて来たのは自分なので、もし白堊達が負けてしまったら責任が自分に降りかかってしまうからである。

 

それに対し白堊は「心配すんな、負けたら無理矢理お前に場所を聞いて、案内させたって事にするから、後、負けるとかあり得んからな……」

 

「……って事になった!力貸してくれ!」

 

「「「「…………………」」」」長い沈黙が部屋に続く

 

 自身の学園の選抜メンバーに事情を説明したのである。しかし、殆どのメンバーが呆れた表情をしていた。

 

「……ハァ」と白銅、「浅はかすぎですね」と灰怒「マジカイ」と蘇芳「???」と滅赤

 

これに対して、白堊は「(けしかけたのは俺だし、コイツらは関係ないからな…俺一人で相手するか…)」

 

「分かった、俺一人で……『待て』白銅先輩?」

 

 白堊が焔達の場所へ向かおうと、立ち上がる前に白銅がそれを静止させた。

 

「その勝負だが私は受けるぞ」「「「!?」」」と滅赤を除いたメンバーは(白堊含めて)驚愕していた。無理もない。3年にして、輪廻に続く位の冷静な判断力を持った白銅が受けると言ったからである。

 

「ほ……本当ですか!?先輩!」「ああ」

 

これに対して、灰怒は「何故ですか!輪廻先輩から、問題を起こすなと言われていますよね!?」

 

 と灰怒は声を荒げながら、言うと白銅は冷静に

 

「……輪廻は相手の筆頭と戦っているから、人の事言えんだろ?」

 

「……ぇ…」灰怒はほぼ絶句と声が合わさった用な声を出した。

 

「ハハ!だったら行くか!」と蘇芳「たくさん、遊ぼう!」と滅赤

 

 

「そんな訳だから、訓練所に向かうか…第二訓練所だったな、行こう」白銅は淡々と言いながら向かって行った。

 

「あぁ、もう!」灰怒はそう言いながら、後に続いた。




次は筆頭同士の戦闘描写を綴るつもりです。



総司は自分に責任が降り掛かるからと、記入してますが実の所は私的な理由があります。



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蛇の筆頭vs龍の筆頭:前編

うーん、長くなりそう


シュン!キン!ガン!ザシュ!バシ!

 訓練所から武器が激しくぶつかり合う音が響いている。

 そのけたたましい音を出しているのは、龍導学園の筆頭である輪廻と蛇女子学園の筆頭である光牙だ。

 

「ほら!威勢が良いのは口だけかい?動きが鈍いよ!」

 

 開始5分から、光牙は殆ど防戦一方となっていた。光牙なりに反撃をしても相手の糸により防御され反撃される……と行った悪循環に陥っていた。

 

「……くっ!粒子変化!」光牙は距離を取り、光の粒子が立行動砲に形成し「秘伝忍法・粒子・零挫」ビュン!と輪廻に目掛けて、レーザーが放たれる。

 

「ほほう、光のセントリーガン。しかも、光弾ではなくレーザーとは中々凝っているな」

 

輪廻は笑いながら、光牙の秘伝忍法を避けている。「さて、迎撃するかな、ほいっと!反面鏡糸!」輪廻は自身の目の前で円を書く動きをすると、巨大な鏡が現れた。

 

 これを見た光牙は……

 

「鏡でレーザーを反射させる気か?ならば!」

 

自立行動砲を一点に集中させ、「貫け!集束粒子零挫」

 

 先程の数倍はある太さのレーザーを発射させた。

 

 ギュオオオーーーン!とてつもない轟音と共に極太のレーザーが輪廻に迫る!

 

 ガギギギギ!輪廻の反面鏡糸に光牙の集束粒子零挫がぶつかる!

 

 ズズズ、少しづつ輪廻が押され後退して行く。

 

「ちょっ!これ、やばくね!?」

 

 防いではいるものの、どんどん壁側に追い込まれている状況に加え、反面鏡糸から…パシッ!ピキピキ…とひび割れする音が聞こえて来る。

 

「(……防御しているようだが、無駄だ…しかし、左手を使わないな…何かしらの理由があるのか?まぁ、いい)」

 

 コォオオ…再び粒子で弓を形成し始める、光牙

 

 輪廻は未だに、レーザーに耐えていたが限界に達したらしく

 

「フギギギ!……ダラァ!」ガキン!(明かに年頃の女の子の出す声ではない…)

 

 ドバァン!鏡を蹴り上げ、上空にレーザーを反らした。

 

 流石にこればかりは、光牙も意外だったようだ。

 

「……やるな、だが…もらった!秘伝忍法・輝迅」

 

 シュン!音速を越えた、正に超光速の光輝く矢が輪廻に迫っている。

 

「ハァハァハァ」

 

 輪廻は先程のレーザーの件で、息を切らしていたが……パシッ

 

「ハァハァ、甘いって…」

 

 片手でいとも容易く、掴み取ってしまった。しかし光牙はこの事は予想内だったらしく驚いてはいない。

 

 輪廻も次の攻撃が読めたらしく

 

「………硬糸・スレッド・アンブレラ」バサッ

 

 糸で自身の身体をすっぽりと納めれる巨大な傘を作った。

 それと同時に、空から大量の矢が降ってきた。

 

「……閃光龍雨を防ぐ硬度か…」

 

 カカカカカン!その大量の矢を輪廻は先程の傘で防いでいる。それらを防ぎ終えると傘を閉じ

 

「…次はこちらから、行くぞ」

 

 閉じた傘を武器にすると言うと、まるで小学生の様な扱いだが光牙は油断は禁物だという思考を持ち。

 

 光遁で光の剣を造り、応戦する、キン!カキン!シュン!ガン!と互いに一歩も譲らない接戦を応じていたが、光牙は約14手である事に気付いた、それは………

 

「(コイツ、剣の扱い…滅茶苦茶“下手”すぎる!)」ザク

 

 そう、輪廻は傘を剣に見立てて攻撃するが元々剣術を用いた戦い方ではなく、どちらかというと体術よりなので剣の扱いが苦手、悪くいうと雑すぎるのである。

 

 しかし、輪廻は光牙の肩を見るなり怪しく微笑んだ、それと同時に傘が変化し、まるで死神が持つ様な大きな鎌へと変化した

 

 しかし、ここで問題点がある。それは、鎌は武器としては到底成り立たないという点、忍や現実世界にも、古武術の一貫として存在するが扱うにはかなりの年月がか掛かるという、玄人向けだからである。

 

 これを見た光牙は激しく落胆した。所詮は只の道化、俗物だとそれを感じ取った輪廻は、後悔するなコイツと、内心で思った。

 

「んじゃ、行くかな!かなり厨ニ臭い武器と名前だけど!《SOUL・EARTHE》!」

 

 

 グオン!大振りかつ低スピードの攻撃だったため、返り討ちにすべく、光牙は剣を振るうが剣が伝わった感触がなく、代わりにザクッ!ドパッ!と自身の身体が斬られた感触が伝わった。

 

「なっ!?グゥオォ!」ドクドク

 

 かなり深めに斬られたため、大量の血が吹き出ている。そんな事お構い無しに輪廻はどんどん鎌で連撃を決めていく。

 

「そらそらそらそら!」ザシュ!ザシュ!ザシュ!

 

 防御するために盾を造ろうと、粒子を集めようとするが、集まる粒子の量が少なく造る事が出来ない、それに加え体力の消耗が激しい(光遁は体力を消費して発動する技)光牙はこの症状を鎌の力だと断定した。

 

 理由は単純に自身が斬られる度に鎌の形やオーラが怪しく光っているからだ。

 

「よし、こいつをくらいな!《糸針的》」シュンシュンシュンシュンシュン

 

 プスプス!光牙の身体中に小さい針が刺さっていく。光牙は最初に毒針かと思ったがその考えを捨てた、何故なら体力が完全に回復していたためである。

 

 この状況に光牙は更に混乱した。止めを刺せる状況で何故このような事をするのかと……

 

「何で回復させた?って顔だな、答えは簡単さ。全力の"貴方"を潰したい…だから、さっき搾取した魂…体力と生命エネルギーを返したんだよ。勿論その《糸針的》は次の攻撃にも使うけどね!」ザッ

 

 ここで初めて両手で構えた、輪廻の身体から放たれている闘気は並大抵の忍びなら怖じ気付いてしまうだろう。

 

 しかし、光牙はその程度で怖じ気付くような男ではない。寧ろ漸く本気で本当の戦いが始まると、昂っていた。

 

「粒子変化……先程の様に行くとは思わん事だ」

 

 先に動いたのは光牙であった。粒子変化で光の弓を形成し構えながら、鋭い眼光で輪廻を牽制した。

 

 これに対し輪廻は、心底嬉しそうに頬を赤らめながら。

 

「……良い…よく見れば、見る程…!」シュルシュル

 

 と良いながら自身も糸を束ね、弓を造り出し構えながら

 

「私も弓での戦闘は得意だよ?狩とか好きだからねッ!」

 

 シュンッ!高速で矢を放つ輪廻、それと同時に輪廻の背後から無数のレーザーが光牙を襲う。

 

「フン!」

 

 光牙は焦る事なく、難なく攻撃を裁いていく。

 

「やっぱり、一筋縄じゃあいかないよね!ならばこいつはどうかな?《激雷糸針》」

 

 ゴロゴロ…ピシッ!ピシッ!急に天候が悪化し始めた。

 

ゴシャアァァ!

 

「なっ!?グゥオォ!?」

 

 巨大な落雷が光牙を襲う!

 

「まだまだ!行くよ!」

 

ゴシャア!ゴシャアァァ!ドカァ!

 

「………!粒子変化」

 

 光牙は激雷糸針のある動きに気付いた為、粒子変化で盾を形成し始めた、しかし…通常の正面型防御の盾ではなく、背後や側面等の身体全体を囲むように展開した。

 

 バシン!シュウウゥ……粒子で造り出した盾で落雷を防いだ。これを見た輪廻は

 

「へぇ……もう気付いた、感じかな?」

 

 輪廻は光牙の機転の良さ、そして観察眼に感心していた。激雷糸針は確かに威力は強力だが、《糸針的》無しでは相手に全く当たらないのである。

 

「やはり、この身体に突き刺さっている針が避雷針の役割を果たしているわけだな?」

 

 ズブ、光牙は突き刺さった針を抜きながら輪廻に語った。

 

「うん、まぁ正確には導雷針だけどね…それより……そろそろ決着にしようか」

 

「…そうだな」  

 

 余裕そうに見える輪廻だが糸の消費量が限界に達していたために次の攻撃で決着を付ける事を提案した。光牙もその案を了承した光牙も残り体力が限界に達していたためである。

 

「………」 

 

「………」

 

 二人の間に長い静寂が続くこれより先は油断や隙一つで勝敗が決まると、先に動いたのは輪廻であった。

 

「秘伝忍法!《スレッド・スピア》」

 

 輪廻の弓に大量の糸が集まり、巨大な槍を(約25m)形成したそれを弓の弦に乗せ引き放つ。

 

「身体にデカイ風穴空けてやるよ!」ガシュッン!

 

 その巨大な見た目と裏腹に弓に乗せた為かまるでジェット機さながらの速度で光牙に迫る。

 

 この攻撃に対して、光牙は

 

「閃光龍雨・残光!」

 

 スレッド・アンブレラで防がれたはずの技を放つ。

 

「(……その技の威力は硬度3のアンブレラで防げる威力……ガードする必要は無いな………)」

 

 そう心に言い聞かせながら、スレッド・スピアの他に逃げ場を亡くすように矢を放っている中、とある言葉が頭を過った。

 

「………残光?…………!まさか!?」バッ!

 

 輪廻は急いで、空を見上げると先程の閃光龍雨とは比較にならない程の光の矢が自分に迫って来た。

 

「(ガードを!…間に合わ)がぁぁぁは!?」ドガガガ!

 

 地面を穿つ。最早、雨ではなく流星群並の威力をもろに食らった輪廻そのために逃げ場を亡くすように放った矢に狂いが生じてしまい、その隙間から光牙はあっさりと抜け出してしまった。

 

「お前が先程上空に蹴り飛ばしていた、鏡に残っていた、零座を使わせて貰った……もう聞こえてはいないか?さて」

 

 立ち込めていた煙が晴れると、衣服はズタボロに肩や足に穴が空いた状態の輪廻が居た。

 

「う痛たた、貴方やっぱりやるねぇ…て、アレ?居ない?…「輝迅」ゾイッ…!しまっグッア」

 

 ガオン!至近距離から放たれた輝迅により輪廻の心臓部位にぽっかりと大きな風穴が空く。

 

「…油断も出来ない状況で軽口を挟むからそうなる……フゥ、しかし普段よりかは、まともな闘いが出来たな」

 

パン!光牙は待機している鈴音に合図を出す。割りと近くに居たらしく、鈴音はすぐに駆けつけて来た。

 

「…無事だったか、光牙…龍導の筆頭は……何処だ?逃げたのか?」

 

「…何を言っている?そこに、死体があ…何!?」

 

 先程まで、輪廻の死体があった筈の場に死体が消えていたのだ。

 

「……生きていたのか?……いやしかし、この短時間で消えるなど出来る筈が……」

 

 光牙が驚愕に満ちた表情をしていると

 

シュルルル、シュバッ!シュバッ!

 

 鈴音と光牙の二人を糸が捕縛してきた!

 

「なっ!?」「くっ!」

 

 光牙は殆ど右手しか動かせない状態にされ、その動かせていた腕が切断されてしまった。

 

「光牙!グッ!」

 

 鈴音は地面を這い蹲る様に拘束されていた為、中々脱出出来ない状況にいた。

 

 そこへ

 

 

「油断も出来ない状況で、敵に背後を向けるからそうなる?だったけ?」

 

 背後を見ると、全裸の輪廻が居た。

 

「……貴様!何故生きている!」

 

「……この姿には、突っ込まないか…で、何故生きているか?だったけ?何故も何も私……"最初から闘っていない"けど?」

 

と、衝撃的な一言を発した。

 

 

 




いつもより、多くなってしまった……次の話で言葉の真意が判明します。

登場人物のイメージcvと見た目が決まったので、記載しておきます。

余談ですが、輪廻の下は綺麗に揃えて有ります。


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蛇の筆頭vs龍の筆頭:後編

激しい、キャラ崩壊があるのでご注意を!

ダーク・リベリオン様!ダーク・リベリオン様のファンの皆様!誠に申し訳ございません!


「……貴様!何故生きている!」

 

 

「……この姿には、突っ込まないか……で、何故生きているか?だったけ?何故も何も私……"最初から闘っていない"けど?」

 

 と、衝撃的な一言を発した。

 

「…何?…いや待て!では俺は今まで何と闘っていた事になっている!?」

 

「……貴方が闘っていたのは、コレさ」シュルシュル

 

 輪廻が語りながら、糸で自身とそっくりな人形を造り出した。

 

「……俺は最初から、お前の人形と…いや、お前に遊ばれていただけだったのか……クソッ!」

 

 光牙は悔しそうに、表情を歪ませる。

 

「……あぁ、やっぱり、良い、苦渋を含んだその顔……もっと色んなひ「ギロッ」んん!何でもない、その腕すまないね、今から治すから」

 

 斬り落とした腕を広い上げ、くっ付けた。

 

「…そのような工程で、接合する訳無いだろ!」

 

 鈴音が地面に這いつくばりながら、怒鳴るが。

 

ピクピク「なっ!?くっ付いたぞ!しかも動かせる!」

 

「は?」

 

 光牙は驚愕し、鈴音は呆けた声を上げた。

 

「はは、凄いだろ?私の糸術」ワキワキ

 

 輪廻は両腕を動かしながら、自慢して来た。

 

「それはともかく、俺と鈴音の拘束を解いてくれないか?」

 

 スン…そう言われた途端に今まで笑顔だった表情を一気に無表情に変えた。

 

「……私の、願いを一つ…いや二つ聞いてくれたら、良いぞ」

 

「……わかった、俺の出来る範囲でならその要望に答えよう」

 

 深い溜め息を吐きながら、光牙は答えた。

 

 すると、輪廻は嬉しそうに……

 

「本当か!?ぃやったぁぁぁ!」

 

 子供のように跳び跳ねた。プルンプルン

 

「……まず、服を着てくれ」

 

~30分後~

 

「よし、こんな所か」

 

 輪廻は得意の糸術を使い簡易ではあるが服を造りそれを着ていた。

 

「じゃあ、一つ目の願いからだ!」

 

「あぁ、早く言え」

 

 鈴音だけは拘束を解かれていた。光牙がその事を問うと輪廻曰く、《想い人が居るから》とよく分からない理由で解放したらしい……

 

「うん、じゃあ《キス》して良いか?」

 

「………………………は?いや、それは…え?」

 

 光牙は珍しく狼狽した状態になった。

 

「駄目なのか?」

「いや、待て!何故、キスを求める!?」

「したいからだ!」

「だから、何故だ!」

「理由がいるのか?」

「いや、いるだろ?普通!」

「アメリカだと、普通だぞ?」

「ここは、日本だ!」

「いや、なら拘束を解かんぞ!」

「グッ!」

「さぁ!さぁ!さぁ!」

 

 ジリジリと口を3にしながら近付いて来る輪廻。

 

「おい!鈴音!何とかしろ!」

 

 光牙は鈴音に助けを求めるが、当の鈴音は……

 

「くっ……フフ、すまん、糸の拘束で身体を痛めてしまって、フ!思うように、動かん!ブフ!」

 

「クソッ!貴様覚えていろ!」

 

ガシッ!「フフフ!さぁ!観念しろ」

 

 光牙の頭を掴み、口を近づけ後1cmまで近づいた所で……

 

「やめんか!ど阿呆ォ!」ドカッ!

 

「ベフ!?」

 

 突如、一人の男が輪廻を蹴飛ばした!

 

 シャン…更に光牙の拘束を解いた。

 

「……大丈夫ですか?……ん?君は……まぁいいか…」

 

 光牙は一目でただ者ではないと判断し、いつでも攻撃体制が取れる様に粒子を集め始めた。

 

「そんなに警戒しないで下さいよ……それよりは何故にあの様な状況になっていたのか……説明しろォ、輪廻ェ!」

 

「ヒェッ!暁霧さん、驚かせないで!」

 

~龍導筆頭説明中~

 

 暁霧と呼ばれた男は龍導学院のOBであり、母校の選抜メンバーである「白堊」と自身が修行を付けた「灰怒」に用があって探している際、訓練所から邪な気配を感知し駆けつけて来た、との事らしい。

 

「……全く相変わらずの面食いだな、君は……と言うか、余計な一言で争い事を起こすな……しかし龍導学院はこれで1勝目と言う訳ですか」

 

 暁霧がそう言うと、光牙と輪廻が反応した。

 

「「どうゆう事だ?『ですか?』」」

 

「ん?いや、龍導学院と蛇女子学院が戦って確か勝った方が何でも言うことを聞くとか言う内容で競っていたのでは?確か、第2訓練所で……」

 

 暁霧は、そうじゃないの?といった表情で聞いている。

 

「いや……私はそれ初耳なんですが……」

 

 輪廻は困惑した表情で答える、コレに対して光牙は

 

「……大方、家のメンバーの焔が吹っ掛けて来たんだろう……全く傍迷惑な奴だ……」

 

 と、面倒な奴だ……と呟きながら語った。

 

「あ、それなら大丈夫ですよー。喧嘩を吹っ掛けたのは白堊みたいですし」

 

 暁霧は笑顔で答えた。

 

 輪廻は思わず、ずっこけてしまいそうになった

 

「あの、バカ者が…!いや、しかし何故他のメンバーは止めなかったのだ?灰怒や白銅なら普通止めると思うんだが……」

 

 輪廻はブツブツと呟きながら愚痴を溢していた。暁霧は輪廻に対して、溜め息を吐きながら

 

「いや、お前のせいだろ?『相手の筆頭と今後の打ち合わせ~』とか言いながら、闘っていたんならな」

 

 輪廻は忘れていた、白銅は小型の偵察衛星を飛ばしている事を……

 

「………」

「………」

 

 鈴音と光牙から、『今までの打ち合わせじゃねーじゃん!』といった視線を受けた輪廻は

 

「……はい、御尤もです…やめさせて来ます…」

 

 トボトボ正にその表現がしっくりとくる、歩き方で第2訓練所へと歩いて行こうとしたがふと疑問に思った事があった為、暁霧に聞いてきた。

 

「そう言えば"何でも言うことを聞く"と言った内容のようですが、それの提案者は誰何ですか?」

 

 "何でも言うことを聞く"その部分に引っ掛かりを感じたので聞いてみた内心で白堊はそんな事は言わないだろ……言わないよな?と思いながら

 

 暁霧はニヤケながら

 

「それなら、蛇女の方」

 

 今度は光牙が

 

「……わかった、オレもやめる様に言って来る」

 

 輪廻にこっちの方が近道になると伝えながら、第2訓練所へと向かって行った。

 

「早く行った方が良いと思われますよー」

 

 暁霧が茶化す様にヤジを飛ばしているが、取り敢えず無視して急ぐ事にした。

 

 そして第1訓練所に残された、鈴音と暁霧はと言うと、鈴音はこれと言って暁霧には要件は無かったので鈴音は訓練所から立ち去っていった。

 

 残された暁霧は、ここから約2.5kmにある山を見ながら

 

「……少し、脅しをかけておくか……」スッ

 

 構えながら、山の茂みを睨み付けた。

 

 

~side???~

 

 暁霧の見ていた山の茂みから話し声が聞こえて来る。

 

「なぁ、あの男こっち見てないか?しかも何か構えているし…攻撃する気じゃあ」

 

 携帯ストラップを大量に付けた少女が望遠鏡を覗きながら呟いた。

 

「そんな訳無いでしょ?見えたにしても、武装は刀だし遠距離があった所で精々数mでしょ?」

 

 胸元に蝶のような紋様を刻んだドレスを着た少女が答えた

 

 声や口調に加え月明かりに照らされた姿で、女性とわかる

 

「まぁ、そうか…だとしたらアイツ相当なバカだな!結構イケメンだが残念な奴だな!ハハハハwww」

 

 携帯ストラップを付けた少女が嗤いながら語る。

 

「…へぇ、そんなに良い顔なの?あら、確かに中々ね…」

 

 ドレス姿の少女も望遠鏡を借りて姿を見ると、同意する。

 

 すると、少女達の背後から……

 

「オイ、下らん与太話はそこまでにして他の選抜メンバーを見に行くぞ……」

 

 と苛立った声音で《益荒男》と言った表現がしっくりとくる男が少女二人に言いはなった。

 

 コレに対して携帯ストラップを付けた少女は

 

「んだよー別にいいじゃねぇか、例の"計画"はまだまだ先何だからよ、多少のおふざけとかは大目に見ろよ脳筋」

 

 そう語った、少女に対し男の怒りのVoltageは限界値にまで迫っていた。

 

「……叩き潰すぞ?貴様…」ゴゴゴ

 

「言い返せないと、すぐ暴力…正に脳ww筋wwいやただのチンピラだなwww」

 

 場にとてつもない緊張感が広がり、正に一触即発となった瞬間……

 

ザシュン!!ズバシャア!!

 

 二人の間に斬撃が走って来た!

 

「何だ!?」「…まさか!」

 

 

 急ぎ、少女は男の居た場所を望遠鏡で確認するがその姿が見当たらない、すると…

 

「キャア!」ドシャ

 

 ドレスの少女が、男によって地面にと抑え付けられてしまった。

 

「……お前の能力は一番厄介そうだからな、抑え付けさせて、もらう………所で"計画"って何だ?私に教えてくれないかな?くれるなら、何もしない………くれないなら………」

 

「力付くか?」

 

 益荒男が敵意に満ちた、声と表情で聞いた。

 

 コレに対し暁霧は一瞬だが「……ホゥ」と感心し

 

「勿論だ」

 

 と、すぐさま無表情になりながら答えた。

 

 益荒男と少女は互いに視線を交わしながら

 

 

 「「お断りだ!!」」ギュオ!!

 

 暁霧に攻撃を仕掛けてきた!

 

「……何分持つかなぁ?…いや、何秒か?」チャキ

 

 バキン!

 

~side筆頭組~

 

 第二訓練所へと、向かっている「輪廻」と「光牙」行きながら光牙は輪廻が自身に接吻を求めて来たのは、実は理由があるのではないかと、問い質していた。

 

「……ふぅん、気付いてたの?それとも勘かなぁ?」

 

 輪廻は舌舐めずりしながら聞いて来たので、光牙は

 

「お前が喋っていた時、一瞬だが口の中に小さな蟲が確認できたからな……」

 

「……へへ、見えてたか」ベロ

 

 輪廻が嗤いながら、舌を出すと……チキチキ、キィキィ…と奇妙な奇声を発する蜘蛛のような蟲が舌に乗っていた。

 

「ふぉのふぉふぁ、わわひの、わらのひほふへ」

 

 舌を出しながら説明する輪廻だったが、喋りにくかったのか

 

「この子は私の技の一つで、《寄生操作・糸蟲》って言ってね、相手の体内に送り込んで言葉のまま、相手に寄生して操作する術さ」モゴモゴ

 

 口の中に居た蟲を食べながら光牙に解説した。

 

「その技、敵に成りうる相手に教えて良い技なのか?それに喰うとか……貴様とことん狂っているな?」

 

 前者は呆れ、後者は小馬鹿にしたように輪廻に言うが、輪廻は

 

「いや、別に喰っても人体に害はないぞ?あれ、たんぱく質の塊だからな?なんなら、喰うか?」シュルシュル

 

 掌に先程の蟲を生成し、差し出す輪廻。コレに対して光牙は一言

 

「いらん」 

 

 誰でもそう答えるであろう返し方をした。

 

「えぇ~?結構美味しいのに……〰️」モキュモキュ

 

 またもや、食べながら愚痴る輪廻に呆れる光牙だったが、ある事に疑問点を抱いた、それは…そのたんぱく質の元は一体何で"出来ている?"という疑問だ

 

「……その、蟲の材料であるたんぱく質だが、何の動物のたんぱく質だ?自身の身では、無いだろ?」

 

 ある事を抱きながら、光牙は輪廻に聞くと。

 

「ムッフフフ~、貴方が抱いている点は残念ながらハズレだよ。生物的には同じだけどね~」

 

 ニヤニヤしながら、もったいぶる輪廻に

 

「……さっさと、答えろ」

 

 苛立つ光牙

 

「ん、これさ【鹿肉】貴方が抱いてたのは、恐らく私が先程の訓練所で殺害した生徒達の肉だと思ったのでは?でしたら、残念ですね~まぁそもそも私は彼女等を"殺して"いないしね~」

 

 この返答に、光牙は「やはりか」と納得していた。

 

「じゃあ、アイツ等は何処に行ったんだ?」

 

「あぁ、それなら」パチン

 

ドサッ!ドサドサ!ドシン!

 

 輪廻が指を鳴らすと、上空から大量の繭が落ちてきた。

 

「大した怪我ではなかったけど、疲労とか癌細胞や精神ダメージがあった子達がいたからね、治療していたんだよ」

 

 繭の中には輪廻が言った通りに光牙に打ち倒された少女達(ゴリアテ少女含む)が居た。

 

「……貴方の中にも、何か得体の知れない物を飼っているようだけど?……治療してあげようか?」

 

 輪廻が両指から糸を出しながら近付こうとする

 

「結構だ。これはオレの問題だ、貴様が関わる事ではない」

 

 断りを入れると、輪廻は肩を竦めて、すんなりと引き下がった。

 

「……ねぇ、思ったんだけど、怪我しても私が治療するからさぁ……戦わせても良いんじゃない?」

 

 輪廻が光牙に提案すると

 

「奇遇だな、オレもそう思っていた所だ」

 

 意外に光牙も乗り気になっていた。

 

(……治療するとは言ったけど、ミンチとかはアウトだから、やり過ぎないように祈っておくかな)

 

(龍導学院……カグラを多く排出している他の学園とは比較にならない忍育成機関それの選抜メンバーと蛇女の選抜メンバーどちらが強いのか中々に興味深い!……が"何でも言う事を聞く"は無いだろ?)

 

「「ハァ」」

 

 二人同時に溜め息を吐きながら、訓練所へと到着した、そしてその光景を見ながら二人は絶句した。

 

\ワァァァァァァァ/

 

 第二訓練所に蛇女の生徒達がまるでスポーツ観戦でもしに来たかのように集まっていた。

 

「「……何『だ』コレ」」

 

 またしても二人同時に同じ感想を抱いた、すると後ろから

 

「ウフフフ♡すごいでしょ?」

 

 年増……大人の色香を漂わせる蛇女の生徒が現れた。

 

「……春花、これはどういう事だ?」

 

 光牙から春花と呼ばれた少女は1枚のチラシを見せるそのチラシに書かれていた内容は……

 

『龍の名を司る学園が蛇に挑む!勝つのは!生物の王、龍か蛇か!君達は生物の王が沈む姿を目撃する!』

 

 普通の学生達からしたら、厨二病を拗らせた文にしか見えないが、この学園は普通ではない。忍を育成する機関、その中でも悪忍のみを。

 世の理に反した者達を育成する学園。それ故に争い事や闘いに餓えている者で溢れかえっている為か……この競い合いを見学に来ている者達で溢れかえっていた。

 

「……ふぅん、こんなにギャラリーが集まっているんだったら引くわけにはいかないな……」

 

 そう呟くと同時に光牙に近付き耳元で

 

「治療関係無しに競い合いが出来るな」

 

 そう言いながら、自身の選抜メンバーの居る場所へと向かって行った。

 

「(でも、やり過ぎないように…)」

 

 そう心に願いながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、次号は蛇女vs龍導になります。

そして、ダーク・リベリオン様、誠に申し訳ございませんでした!




 
登場人物の説明と噛み合ってない部分があったと思いますが、あれは表向きの説明のつもりです。

なので閑話として追加説明を入れます。

輪廻の仕様した技

反面鏡糸

名前の通り鏡を造り出し技を跳ね返す術かなり強力ではあるが、欠点は反射可能だが物理に弱い点に加え質量がでかすぎると割れてしまう所である

硬糸・スレッド・アンブレラ

硬度を高めた、糸で傘を造り頭上からの攻撃を防御する技傘を閉じれば簡易な武器にもなるが技量は本人に依存する劇中で光牙が下手すぎると記述したが、人形だった点と治療も相まっていたため雑な攻撃しか出来なかった。本来ならば斑鳩位の剣技である。

SOUL・EARTHE

特殊な糸で造りだした鎌で相手の体力を吸収し自身の体力と武器の強化に繋がる
攻撃する度に鎌は段々と凶悪な形になっていく

糸針的

糸で造りだした、針を相手に突き刺す技名前の通り的としての役割を持つ



糸で造りだした弓であるが柄名は「アリアドネ」弓矢の矢は糸ではなくレーザーを撃つため糸で造り出す必要が無いためお手軽な技である(糸の矢の方が威力が高い)この技は白銅のアドバイスによって生まれた技である。

激雷糸針

対象の身体に突き刺した糸針的目掛けて雷を落とす技威力も高く確定命中だが的頼りなため案外対処は簡単

因みに輪廻の属性は雷と元素です

最後に輪廻の性癖はバイセクシャルです
 


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龍導vs蛇女

タイトル詐欺


「んで、最初の奴の相手は誰がやるんだ?オレはあの焔とか言う奴と闘うつもりなわけだが……」

 

 第二訓練所の休憩室に集まっている龍導学院のメンバー達白堊は焔と闘う予定らしいが

 

「そう都合良く相手にぶつかるとは思いませんが…」

 

 灰怒はさも当然な事を言う。灰怒と滅赤以外のメンバーもウンウンと同意する。

 

 そこへ龍導学院の筆頭の輪廻が手を振りながら、歩いて来た。

 

「よう!選出する順番決まったのか?」

 

「あ、輪廻先輩まだ決まっ………」

 

 白堊は輪廻の姿を見て絶句した。

 

輪廻の制服が蛇女の制服に変わっていたから……ではなく、スカートを履いていたからである!!

 

「輪廻先輩が……女になっているだと!?」ゴシャア

 

「相手の方は選出順とっくに決まっているぞ?ほら」

 

「……本当か……此方も早く決めなくては」

 

 輪廻からリストを見せられた白銅。

 

 一方白堊は

 

「大丈夫か?」「いや、これは自業自得だよ」

「アハハハ!壁に埋まってる~!」

 

 とそんな状況になっていた。

 

ズボ「リスト用意して渡すとか、舐めてんのか?あいつら……」

 

 埋まっていた状態から復活した白堊はリストを見ながら言った。

 

       因みにリストの内容は

 

        先鋒:春花

        次鋒:詠

        中堅:未来

        副将:日影

        大将:焔

 

 となっていた、この内容を見た輪廻は

 

「フム、先程の話の内容を聴くに大将戦は白堊が担当だな」

 

「よっしゃ!任せて下さい!」

 

 対戦相手の決まった白堊は気合いが入った声を上げ た。その点は問題はなかったのだが、残りの相手の担当を誰がするかと言う問題点がある。

 

「さて、先鋒は誰がやる?」

 

「はーい!はーい!はーい!」ピョンピョン

 

 滅赤が元気良く返事したため。

 

「じゃあ、先鋒は滅赤ちゃんで決まりだね大丈夫かな?」

 

「大丈夫!大丈夫!私の狼ちゃんでぐちゃぐちゃに引き潰すから!」( ^ω^ )

 

「……う、うん……元気の宜しい返事だね」

 

(現実から目を背けたな)と白銅

 

(まぁ気持ちは分かりますが)と灰怒

 

(…滅赤ちゃんを止める方法は無いしな…)と白堊

 

 全体の空気が重くなった時

 

「……滅赤ちゃん、流石に引き潰すのは駄目だよ?そんな事しちゃったらハンバーグ作ってあげないよ?」

 

 蘇芳が滅赤に目線を合わせて語った。

 

(……いや、そんな事で止められないだろ)

 

 誰もがそう思ったが…

 

「ぇ!わかった!ボコボコにするだけにするから!それだけは、無しにしてぇ!」ウルウル

 

「ハハ……わかってくれれば良いんだよ!」ポンポン

 

((((スゲーなアイツ!?何?お母さんなの!?))))

 

 この瞬間全員心の中で

 

((((今度からは滅赤(ちゃん)のブレーキ役は蘇芳に任せよう!))))

 

 そう思った。

 

「あ、次鋒はオレがやります!」

 

 次鋒は蘇生に決まったが

 

「ん?…あぁ、わかったけど大丈夫か?相手は女の子だぞ?」

 

 そう輪廻は告げたが内心ではこう考えていた。

 

(女の子…普通ならば、「勝ってこい」や「頑張って」で終わるが、相手の詠とか言う子…とてつもない位の美少女じゃないか!いや、相手の殆どが美少女なんだが、もし蘇芳が彼女に惚れたりしまったら……誰が滅赤を止めるんだ!?つーか!寧ろ私が参加したい!着せ替えとかしたい!羨ましい!チクショー!)

 

 前半はともかく後半は不純な事を考えていたが、問われた蘇芳はというと

 

「はぁ?別に女子供だろうが、勝負するなら全力っすよ?手を抜くとか相手に対して失礼ですからね」

 

 邪な考えを含んでいた筆頭よりまともな返答をした。

 

 輪廻はその返答に

 

「あ、うん…そうだな!頑張ってな!(邪ですいません)」

 

 少し後ろめたい気分になっていた。

 

「……えーと、中堅は誰がやる?残りは白銅と灰怒だが」

 

 中堅の対戦相手は蛇女1年の未来だが、白銅と灰怒のどちらが相手をするかによって、勝負の流れが変わってしまう為にお互いに躊躇していた。

 

 そうお互いにどう動くか迷っていた所、灰怒はある事に気付いた。それは未来の眼帯の模様である。

 

「彼女の眼帯のこの模様は……夢幻心眼流?……なぁ、白堊君ちょっと良いかな?彼女の武器は何だった?」

 

 白堊は何故そんな事を聞くのかと一瞬だけ疑問に思ったが、灰怒と同じように眼帯の模様を見るとその意図がわかったのか。

 

「確か、傘だったな。恐らく銃の仕込みがしている筈だ。火薬の匂いがしていたからな」

 

 それを聞いた白銅は

 

(成程な)と内心で灰怒の考えを悟り

 

「中堅の担当は私がしよう」

 

 と発言した、対する輪廻は

 

「良いのか?夢幻心眼流は確か近接だったが……あ、成程」

 

 輪廻も考えが分かったらしくニヤリと笑顔を浮かべた。何故ここで気付いた灰怒ではなく白銅にしたのか。理由は割りとシンプルな事である。

 

 「夢幻心眼流」は輪廻の言った通り近接戦闘の為の流派である。しかも"カウンター"専用のそれ故に遠距離が十八番の白銅が打ってつけという訳である。

 

 ……しかし、相手も遠距離じゃね?と思ったそこの貴方!大丈夫!何故って?それは彼女の潜入技術で浸かったた隠密や気配の隠蔽、背景同化は既に極上忍を越えているからである。

 

 加えて、第二訓練所は木々が生い茂っている場所な為、益々有利になるそれを見据えての考えで白銅に決まり彼女も挙手したのである。

 

 しかし、後にこの考えが少し悪い結果に行く事を彼女はまだ知らない。

 

「よし、んじゃあ副将戦は灰怒だな!頑張ってな!」

 

 これに灰怒は

 

「任せて下さい!必ず勝ちます!」キラーン

 

爽やかな笑顔で答えた

 

キュン「そ、そうか!なら…勝つようにキスをしてやろうか?///」

 

「あ、それは結構です」

 

 灰怒、人生初の即答

 

「……よし!気を取り直して!相手に格の違いを分からせてやるとしよう!」

 

「「「「応ッ!」」」」

 

 全体の気合いを入れた後に輪廻は休憩室の壁に向かい糸を放ち、壁の向こう側にいた傀儡を破壊した。

 

(……気付かないと思ったのか?"私達"が…)

 

ここで、何故"私達"と強調した理由は既に

 

 周囲に設置や潜伏していた蛇女の親衛隊や傀儡は既に龍導の選抜メンバーにより破壊または捕縛されているからであった。

 

~side蛇女~

 

「フゥ……駄目ね、何度やっても傀儡からの連絡も無し、下僕達が帰って来る気配も無しだわ」

 

 春花お手製の傀儡でそう語りながら、溜め息を吐いた。

 

「ふん!関係無いな。どのような手札で来ようが叩き潰すだけだ!」

 

 焔は鼻を鳴らしながら答えた。

 

「意気込みは十分だが、あいつら相当だぞ?せいぜい無様な姿を去らさないようにする事だな…」

 

 光牙が呆れたように言うと。

 

「黙れ、あんな軟弱な思考をした奴に私が負ける訳が無い!」

 

 まるで親の敵を討つような、復讐の相手を見つけたような態度の焔に少しだけ違和感を覚えたが

 

「…ならば、早く訓練所に行く事だな…」

 

「言われ無くとも!そのつもりだ!」

 

 焔は勢い良く立ちながら、光牙を睨み付けた。

 

「……いや、対戦するのに訓練所に行ってないのお前だけなんだよ」

 

 

 

「なっ!?アイツら~!」タタタ

 

 焔は顔を真っ赤にしながら、訓練所へと向かって行った。

 

「ハァ……やれやれだな」

 

 光牙は夜空を見上げながら呟いた。

 

~side龍導~

 

 対戦が行われる第二訓練所へと向かっている龍導学院の選抜メンバー達……輪廻を筆頭に前から、滅赤・蘇芳・白銅・灰怒・白堊の順で向かっている途中で輪廻がふと足を止め。

 

 

 

「そーいや、言ってなかったな。今行く第二訓練所だがな、ギャラリーが滅茶苦茶居るぞ」

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 灰怒が腑抜けたような声を出しながら、第二訓練所へと到着すると同時に……

 

 

 

 

  「蛇女を嘗めんなァ!」「負けちまえ!」「死ねェ!」「殺せェ!」「私らの事を甘く見た奴に悪の裁きを!」「ファ⚪クユー!」「あわよくば、蛇女の選抜の誰かが、⚪ねばその座を貰う!DAKARA蛇女選抜も誰か⚪ねい」

 

 

 と、一気に自分達に対しての罵倒や殺気等が襲い掛かる(後半は明らかに私情があるが)

 

 

「……ハハ、良いねェ!やっぱ死合いはこうじゃねぇとなァ…!」

 

 

 白堊はそう言いながら、楽しそうな笑みを浮かべながらゴキゴキと首を鳴らした。

 

 

「むぅ~!私達に意地悪言った人達は挽き肉にする!」

 

 

 頬を膨らましながら言う滅赤に向かって

 

 

「その意気込みで相手を倒しなよ、滅赤ちゃん。但し本当に挽き肉は駄目だけどね?」

 

 

 

 と蘇芳がやはり、目線を滅赤と同じ高さにして頭をワシャワシャと撫でる。

 

 

「(……うるせぇな、三下共が。眉間ぶち抜くぞ…)」

 

 

 クールな反応をするも若干イラついている白銅

 

 

 このような、反応を示す選抜メンバー達その中に人数合わせで入った灰怒の反応は……

 

 

「死ねに、殺せか。ハハ、面白い事言いますね?彼女達……」

 

 

 普段の温和な彼の雰囲気が変わった事に選抜メンバー達が気付き、一斉に灰怒を見ると獰猛……いや、異形。その一言で現せる笑みを灰怒が浮かべていた。

 

 

 

「ヒヒヒ!ヒャッハハハハハハハ!舐めた事抜かしてんのは果たしてどちらか…はっきりさせてやろうぜェ!手前らァ?」

 

「「「おっ?おぉ!」」」

 

 白銅・滅赤・蘇芳は灰怒の人の変わりように戸惑いながらも同意の掛け声を上げる。

 

 その中で白堊は灰怒の"中身"が一瞬別の"何か"と入れ替わったような気がしたと同時に自身の身体に…ズキッ痛みとは違う違和感を感じた。

 

 その様子を見ながら輪廻は蛇女選抜メンバー達の元へと行き

 

 

「気合い十分だな!そーゆー訳で!宜しく頼むよ!蛇女の選抜メンバーさん!そして先鋒の春花さん!」ビシッ

 

 

 と指を指しながら輪廻は蛇女の選抜メンバーにそう告げた心の中で(でも、やり過ぎないでね!滅赤ちゃん!)そう願いながら。

 

 

 

 これに対して、春花は

 

 

 

「ウフフ♥️その子私のお人形さんにしてあげても良いかしら?」

 

 

 

 妖艶な笑みを浮かべながら尋ねて来た為、輪廻は

 

 

 

「本人に確認取ってみてOKなら良いんじゃね?」ニタリ

 

 

 

 あっけらかんとしてそれでいて無機質な、まるで蟲の様な眼をした笑みで春花に返しながら、自身の見学席へと移動して行く輪廻の背を見ながら春花は……

 

 

 

ゾッ「(…何なの?…彼女…本当に私と同じ人なの?)」

 

 

 

 得体の知れなさを持ちながらも、気を取り直して準備に入る。

 

 

 

~見学席~

 

 

 

 ギチギチギチとそんな効果音が相応しい程に頬を引っ張られている輪廻が居た。

 

 

 

「いらい!いらい!めふあかひゃん!ひぎれる!ひぎれるっれ!」涙眼

 

 

 

「良いわけ無いもん!意地悪言わないで!」

 

 

 

 いつもの冷静さは何処に行ったとツッコミが入りそうなLvで情けない姿を見せる筆頭に対して残りのメンバーは呆れていた(え?そんな姿なかった?知らんなby作者)

 

 

 

「痛たた、ごめんごめんって滅赤ちゃんお詫びに後で出来る範囲でプレゼントするから、許して」

 

 

 

 剝れた表情を見せる滅赤だったが

 

 

 

「後で、沢山お菓子買ってくれるなら、許してあげる!」

 

 

 

 そう言いながら対戦場へと走り出して行った。

 

 

 

「ハハハ……分かったよ……」ニコリ

 

 

 

 輪廻は小さな笑みを浮かべながら呟いたと同時に

 

 

 

(……負けてもいいけど死ぬ事は許されない……後、本当にやり過ぎないでね?)

 

 

 

 心の中で思いながら、見送った。

 

 

 

 

~side白堊~

 

 

 

『………一番手は我が貰う………』

 

「……ん?何だ?」

 

 白堊は何処からか、声が聞こえたような気がしたが直ぐに気のせいか?と思い滅赤と春花の対戦に意識を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  




はい、次号はちゃんと戦いますから!本当ですから!許して下さい!後、なんか同じ話を2つ位投擲していた見たいですいません!と言うか、見てくれてる人がいて、嬉しい限りです。

質問や誤字があれば、コメントをどうぞお願いいたします。

明日のマーベルアルティメットアライアンス3の発売が楽しみ


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龍導vs蛇女:先鋒戦

タグに書いている、所までの道のりが遠い…

この話から、少しずつ龍導メンバーの過去や特殊能力の伏線や解説も多少混ぜていきます。


 

 第二訓練所

 

 

 

「春花ァ!負けたら承知せんぞ!」「春花様ァ!頑張ってー!」「春花さん、頑張ってやー」

 

 

 

 

 

 

 

 と滅赤と対面している年増……ゲフンゲフン!大人の女性と言った表現が相応しい蛇女の生徒が応援を受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ウフフ、貴女私のお人形にならない?」

 

 

 

 

 

 

 

「嫌!」

 

 

 

 

 

 

 

(やり過ぎるなよ……)

 

 

 

 

 

 

 

 輪廻はヒヤヒヤしていた。相手側の筆頭もヤレヤレと言った態度をしていた。

 

 

 

 

 

  「では、双方準備は宜しいか?」

 

 

 

 鈴音が双者に確認を取る……(尚、鈴音がいる理由は判定に教師がいた方が良いだろうと言う輪廻と光牙による理由である)

 

 

 

「「コク」」両者が同時に頷いたのを、確認し

 

 

 

     「いざ!紅蓮の如く舞い散れ!」

 

 

 

 戦いの火蓋が落とされた瞬間先に動いたのは

 

 

 

「やぁ!」グオッ!

 

 

 

 滅赤であった。春花目掛け愛用の狼牙棒で勢い良くスイングを繰り出した。

 

 

 

「危ない♪危ない♪」ヒョイ

 

 

 

「わぁ!」ズテーン!

 

 

 

 狼牙棒の重さとスイングが強すぎた為に豪快に転ぶ滅赤。それを好機と見た春花は

 

 

 

「お仕置きよ……そぉれ!」シュッ!

 

 

 

 春花は意図も容易く攻撃を躱しカラフルな色合いの液体が入った試験管を投げ付けた。

 

 

 

「!ふん!」パリン!

 

 

 

 転んだ状態から起き上がった滅赤は投げ付けられた試験管を素手で弾き砕いた。

 

 

 

「!ウソ、でしょ!?」

 

 

 

 春花は滅赤の行動に驚愕した。それもその筈、液体の中身は劇薬(投げ付けたのは主に酸性の薬品)であったからである。

 

 

 

「(素手で砕くなんて!あの子まさか薬物に対して……耐性でもあるの!?)」

 

 

 

 春花は驚きながらも様々な推測を立てるが……

 

 

 

「痛ァ~い!熱~い!」ヒリヒリ

 

 

 

 滅赤は試験管を砕き液体の掛かった部分に息を吹きかけている。

 

 

 

「(……そうじゃないみたいね。だけど……可愛いわね)」

 

 

 

 呆れた様な、愛玩動物を愛でる様に滅赤を見る春花。

 

 

 

「でも、これで終わらせるわ!『忍!転身!』」

 

 

 

  ホワン、ホワン、ホワン

 

 

 

 春花が忍・転身した姿は……かなり際どいレオタード姿に白衣を被った姿になった。

 

 

 

 これを見た滅赤や龍導学院の選抜メンバーは

 

 

 

「うわぁ、寒そう……」「薬品仕様なら恐らく、あの白衣が弱点だろうな…」「……(忍んでない)」「あの姿……敵から注意を引くためか?」「うん!エロい!良し!」「何を言っているんだ?君は?」

 

 

 

 上から滅赤・輪廻・蘇芳・白銅・白堊・灰怒の順に思った事を口に出したり、心に思っていた。

 

 

 

「何か知らないけど!とにかく食らえ!」

 

 

 

 どこぞのスタンド使いのような台詞を吐きながら、春花目掛けて狼牙棒を振り上げる滅赤。

 

 

 

「秘伝忍法!『DEATH×KISS』」フワフワ

 

 

 

 ハート型の風船の様な物が滅赤の前に接近してきた。

 

 

 

「(こんなに遅いなら威力も大した事ないよね!)」

 

 

 

 しかし、直ぐにその考えは間違いだと気付かされる……

 

 

 

   ピタッ滅赤が触れた瞬間………カッ!

 

 

 

「え?」

 

 

 

   ドガァァァン

 

 

 

 閃光と共に滅赤の声が爆発音によって、書き消される。

 

 

 

 そう、春花の放った『秘伝忍法』はハート型の爆発術であったのだ。

 

 

 

 しかし、本来ならここまでの大爆発は普通は起きない。

 

 

 

 ならば何故このように派手に爆発したかと言うと……単純明白、滅赤は避けずに全てをもろに食らったからである。

 

 

 

「……やり過ぎちゃったかしら?」(汗)

 

 

 

 流石に春花もここまでの被害が出るとは思わなかったのか、少々戸惑っていた。

 

 

 

 

 

「ま、まぁこれで決着はついたわね!」

 

 

 

「あ~ビックリした~」ムクリ

 

 

 

「へえぁ!?」

 

 

 

 春花は驚きのあまりに素頓狂な声を上げた。それもその筈、大爆発に捲き込まれた滅赤が何事もなかったかの様に起き上がってきたのである。

 

 

 

「よーし次はこっちの番だね!『呀嵐道』」ギュオ!

 

 

 

 

 

 滅赤が狼牙棒を回転しながら振るうと同時にとてつもない暴風が春花目掛け飛んで来る。

 

 

 

「くっ!」ガシャガシャ

 

 

 

 暴風から春花を守るように様々な傀儡達が立ちはだかる。タイプとしては人型の傀儡が多く、まるで女王を守る僕の様に見える。

 

 

 

「ホゥ……薬に傀儡術か。中々器用な奴だな」

 

 

 

 輪廻は春花の戦い方や技術に対して感心したと同時に

 

 

 

「(だが、滅赤の弱点にはまだ気付いていない様子で)」ニヤ

 

 

 

 ドガ!グシャ!ベシ!ゴスッ!ゴキ!立ちはだかった傀儡達が暴風に捲き込まれ次々に破壊されていく。

 

 

 

「(まずいわね……まさか圧倒していた筈なのに、こうも容易く逆転されるなんて……しかもあの竜巻どんどん大きくなっているし……)」

 

 

 

 春花の心中通りに竜巻(暴風)はだんだんと規模を増して春花目掛けて進んでいる。春花はこのままでは竜巻に捲き込まれ一瞬で敗北してしまう状況に追い込まれてしまった。

 

 

 

 が、シュン……ドサドサ、ズシン

 

 

 

 竜巻がいきなり消え、一緒に巻き上げていた傀儡や木々等が降ってきた。

 

 

 

「?」

 

 

 

これには、蛇女も龍導も疑問に思っていたが滅赤の姿を見てその意図を察した。それは滅赤の姿が先程の制服ではなく。

 

 

 

 ローライズにフード付きのパーカー姿へと変わっていたからである。

 

 

 

 つまり、先程の暴風は『忍転身』までの時間稼ぎであったという事である。

 

 

 

「そっちも忍転身したんだし、文句無いよね!てな訳で……秘伝忍法!『牙王滅壊断』!」怒ッ!

 

 

 

 秘伝忍法にしてはただ振り上げた狼牙棒を地面に叩き付けた技にしか見えない……相手に叩き付けるならば分かるが地面に叩き付けたため、蛇女からはクスクスと笑い声や呆れたような表情など小馬鹿にしたような雰囲気が漂っていた。

 

 

 

この反応に対して、龍導の選抜メンバー達は…

 

 

 

「状況を理解できない蛇女は馬鹿だなぁ……」

 

 

 

「さっきの力を見てこの雰囲気でしたら、馬鹿よりアホですね」

 

 

 

「これ、私の試合に影響するよね?」

 

 

 

「あれが秘伝忍法なら、俺の下突きも秘伝忍法で良くない?」

 

 

 

「何でさ」

 

 

 

 またもや、輪廻・蘇芳・白銅・白堊・灰怒の順に感想を述べた。

 

 

 

「……何も、起きない?ならこっちから行くわ『ゴゴゴ…』よ!何?この震動?」ガッ

 

 

 

 春花は次の攻撃に移ろうと、直ぐに臨戦耐性に入り攻撃を仕掛けようとするが…自分の見た光景に疑問が浮かぶ。

 

 

 

「(……?あら?私何で?…空を見ているのかしら?攻撃をしようと構えた筈なのに?何で?)」

 

 

 

 そんな事を考えながら春花は震動が起きた際に何が起きたかを考えた…

 

 

 

 滅赤が秘伝忍法を放った数秒後に大気をも震わす様な震動が第二訓練所に響き渡った……瞬間“ソレ”は起きた。

 

 

 

 一言で表すなら、シンプルに爆発……というよりそういった表現しか出来ないだろう。例えば核爆弾を爆発させた様な……と言った所で実際に核爆弾の威力を体験した事の無い者達が表現できる筈がないのだ。

 

 

 

 故にシンプルに爆発。その一言で表した。

 

 

 

 春花はそんな事を考えながらと同時に……ドチャ!

 

 

 

「グハッ!?ゲホゴホッ!」ボロ

 

 

 

 地面に叩き付けられる事により、意識を覚醒させた。

 

 

 

「……ふーん、今の食らって生きてる何てさ……お姉ちゃん結構丈夫なんだね?」ニコニコ

 

 

 

「ハァハァ…ゲホ!これが、ハァ…大丈夫に…フゥ、ハァハァ、見えるの?貴女には」

 

 

 

 春花は滅赤の無邪気な反応に少し癪に触ったらしく、珍しく怒りに満ちた(多少だが)表情で答えた。

 

 

 

 滅赤はそんな春花の反応を見ながら。

 

 

 

「うん!私が相手してきた中で秘伝忍法を食らって生きていた人は挽き肉になっていたから……でも、もう終わりにしようか…」ギュオ!

 

 

 

 とてつもないスピードで接近し次々と春花に迫り来る狼牙棒による突き・払い・振り上げ・振り落としの攻撃の数々を辛うじてではあるものの春花はギリギリで回避している。

 

 

 

「くっ!この!」ベシ!ガシ!

 

 

 

 春花も負けじと反撃に格闘攻撃や傀儡を使うが全くと言って良い程通用しない……しかしここで疑問点がある。それは春花が得意の薬品を利用しない点である。

 

 

 

 白衣がなければ使えないというデメリットがあるが何も白衣が必ず必要という訳でも無い。では何故使わないかというと、今ある薬品は睡眠薬×4と麻痺薬×2しかないためである。

 

 

 

「(この子の弱点は多分薬品だと思うけど……でも数もだけどこの薬が効く保証も無い!どうすれば……)」

 

 

 

 しかしそこは蛇女の3年。先刻の情報だけで弱点を看破する観察眼は流石というべきである。

 

 

 

「ほらほらほら!次は何をするの?体術?人形?お薬?早くしないと私が勝っちゃうよ!」ギュン

 

 

 

 更に攻撃のスピードを上昇させて行く滅赤。まるでスタミナの底が無い様な連撃に春花は遂に

 

 

 

「ッ!」ドン

 

 

 

 壁際に追い込まれてしまった。

 

 

 

「(こうなったら一か八か!)」シュバッ!

 

 

 

 麻痺薬の入った注射器を二本丸ごと、滅赤目掛け投擲する。

 

 

 

「ワアッ!?」パリン、プス

 

 

 

 一本は弾かれてしまったが……もう一本は左腕に突き刺す事に成功した。しかし滅赤は気にする素振りを見せずに春花に止めを指そうとするが

 

 

 

「あ……れ?……左腕が……動か……ない?違う……身体全体の動きが……鈍い!?」ピクピク

 

 

 

 麻痺薬の効果により左腕が動かなくなり、身体全体の動きも鈍くなってしまった滅赤。

 

 

 

「左腕は分かるのに……何で……身体全体にも……効果が?」

 

 

 

 滅赤は身体全体にも効果がある事に対して疑問を持ってその疑問に対して答えたのは、春花であった。

 

 

 

「フ、フフフ簡単よ……貴女の身体の新陳代謝が良くなっていたからよ……」

 

 

 

 この答えに対して蛇女や龍導もそうなのか?春花が言うならそうなんだろう、と言った雰囲気が漂っていたが。

 

 

 

「あ~なるほど薬物代謝……解毒代謝か」

 

 

 

 そう答えたのは意外も意外、先程からアホな事ばかりぬかしていた白堊であった。

 

 

 

「どういう意味だ?」

 

 

 

 白銅が白堊に向かって聞くと

 

 

 

「あ~結構複雑な部分あるけど、簡単に説明するとな……」

 

 

 

 白堊曰く、解毒代謝とは生体に対する毒性を軽減する効果のある酵素を出し、毒性のあるものを分解・排出しやすくするらしいが、かえって毒性を高める。

 

 

 

 との事だった。つまり、滅赤は解毒代謝の結果で発生した毒性により身体全体まで麻痺してしまったのである。

 

 

 

「……お前只の馬鹿では無いんだな」

 

 

 

「いくら何でも酷くない!?」

 

 

 

 白銅からそう言われた白堊は反論した。

 

 

 

「お前等騒ぐのは勝手だが、先鋒戦の観戦戻れ。滅赤ちゃん……まだ何かあるみたいだぞ?」

 

 

 

 輪廻からそう言われた二人は第二訓練所を覗き込んだ。

 

 

 

「身体が動かないなら、敗けを「…もん」…え?」

 

 

 

 春花が滅赤に近付きながら、降参・負けを認めるように進めるが一方の滅赤は

 

 

 

「まだ、敗けて、ない!もん!」ググググ

 

 

 

 頑なに敗けを認めない滅赤に対して春花は呆れながら溜め息を吐き、指をパチン!と鳴らしたすると先程まで滅赤の「牙嵐道」により打ち上げられ、地面に錯乱していた傀儡達が起き上がり、ガシャン!ガチャン!カチッ!合体し始め………

 

 

 

    ーーズビュウウウンーー

 

 

 

 巨大な傀儡になった!(しかしデザインはノーマル傀儡)

 

 

 

 これを見た焔達は、また何か変な物造ったんだなぁといった反応だったが……龍導の選抜メンバーは

 

 

 

「「「スッ……スゲェェェーーーー!!!」」」

 

 

 

 白堊・白銅・蘇芳の三人は興奮気味に叫び声を上げた。

 

 

 

「合体したぞ!?ヤベェ!超COOL!じゃね!?」

 

 

 

「あぁ!あのメカニックっプリ超絶イカしているな!」

 

 

 

「デザインはダセェけど合体とか浪漫だぜ!」

 

 

 

 このように、三人はかなり食い付いていた。

 

 

 

 残りの二人は

 

 

 

「いや、私の糸人形も凄いだろ!?なぁ!」シュシュ

 

 

 

 糸で人形を造りアピールする輪廻。

 

 

 

「いや、何張り合っているんですか!?それより滅赤さんの心配しましょうよ!?」

 

 

 

 輪廻と三人にツッコミを入れる灰怒

 

 

 

 三人はハッと正気に戻り、滅赤の方へと意識を向ける。途中、チラチラと白銅が合体傀儡を見ていた。

 

 そんな白銅を見ながら灰怒は

 

 

 

「(白銅さんって、ああいった物が好きなのか…)」

 

 

 

 そう思いながら試合の観戦へと戻った。

 

 

 

 

 

 一方的、正にその一言が合うように、滅赤は春花の巨大傀儡による攻撃を食らっていた。麻痺薬により満足に動けない滅赤は防御も満足に出来無い為、もはや立っているのが精一杯であった。

 

 

 

「…ふぅーふぅー…ふぅーまだ、負け…てないもん…!…全然、効いて、ないっ…もん!」フラフラ

 

 

 

「あれだけ攻撃食らっていながら、まだ認めないのね(^_^;)けどこれで終わりよ!」パチン!

 

 

 

 ゴオッ!!

 

 

 

 巨大傀儡の腕が滅赤へと迫ってくる。もし当たったら良くて戦闘不能、悪ければ即死、そのような凶悪な攻撃が滅赤に迫るが、滅赤は避けようとせずにまるで迎え撃つかのように巨大な拳を睨み付け、満足に動けない身体で武器を構えた。

 

 

 

「お…おいおい!コレマジで大丈夫なのか!?」アセアセ

 

 

 

切羽詰まったかのように滅赤の心配をする白堊、あまりの状況故かかなり焦った声音であった。

 

 

 

「この状況は想定外だ……ヤバいかも……な」

 

 

 

 輪廻もまさか避けずに迎え撃つ構えをするとは思わなかったらしく、顔がひきつっていた。その他のメンバーもたった一人を除いて冷や汗を浮かべていた。

 

 

 

 その一人とは……

 

 

 

「…もし、本当に生命の危機に滅赤ちゃんが立たされたら例えオレが不戦勝になろうと、助太刀するがな」

 

 

 

 龍導学院2年の次鋒戦担当の蘇芳であった。

 

 

 

 この発言に対して、輪廻は訝しみながら蘇芳に

 

 

 

「なぁ、お前さぁ滅赤ちゃんに対して何かあるのか?いくら何でもそりゃ過保護すぎるぞ?」

 

 

 

 そう問い質すと蘇芳は顔を滅赤に向けたまま

 

 

 

「……せめて、手前の手が届く距離の人間位は助けてぇだけだ………もう二度と……いや何でもねぇ…」

 

 

 

 全員が何かしら過去にあったのか?と思ったと同時に……こいつ悪忍だよな?と思った。

 

 

 

 一方で第二訓練所の滅赤は

 

 

 

 自身の身体よりも巨大な拳が滅赤へと迫る、迫る、迫る、迫る、迫る、迫る、迫るーー

 

 

 

 そして、遂にその拳は滅赤の身体をーーバキャ!

 

 

 

   ーー捉える事が出来なかったーー

 

 

 

         「ぇ?」

 

 

 

 誰が言ったか分からない程、その状況を理解する事が出来なかった。

 

 

 

 それもその筈……殆ど死に体であった滅赤が巨大傀儡のパンチを打ち返した――否、弾き飛ばしたからである。この事実に一番驚いていたのは、春花であった……そう考えているであろう春花に対して滅赤は。

 

 

 

「何で?って表じょ「まぁ、当然よねぇ♪」……え?」

 

 

 

 春花は驚く所か笑いながら語り始めた。

 

 

 

「フフフ貴女にさっき投げた注射器に入っていた薬はね、確かに麻痺の効果もあるけど…麻痺による拘束が目的ではないのよ…本当の効果は…」

 

 

 

 春花は薬の本来の効果を説明しようとしたが滅赤本人はそんな事はどうでも良いと言わんばかりに春花に向かって来た。

 

 

 

だが、攻撃は全て当たらない。または簡単にいなされてしまう。

 

 

 

「!?当たらない!当たらない!当たらない!当たらない!何で!?何で!?」イライラ

 

 

 

 余りにも攻撃が当たらない為か、滅赤は段々とストレスが溜まっていた。コレを見ていた灰怒は左目を閉じ、時間にして約10秒経過した後…蘇芳に

 

 

 

「蘇芳さん次鋒戦の準備しても大丈夫ですよ、結果は分かったので……」

 

 

 

「……?しかし、滅赤を放っておく訳には……「大丈夫、滅赤さんは死なない」何?」

 

 

 

 灰怒の放った一言に蘇芳は反応した。

 

 

 

「……何の根拠があって、そんな事を……」

 

 

 

「アレだ《未来視》だろ?」

 

 

 

 白堊が灰怒に言うと灰怒は「えぇ、そうです」と答えた。しかし、蘇芳は納得をしていなかった。

 

 

 

「仮にその未来視とやらが的確だとしたところで、オレがいきなり……『はい、そうですか』と納得するとでも思っているのか?」

 

 

 

 蘇芳は灰怒と手合わせや戦いを見ていないため、灰怒の事を余り信用していない様子で語るこの発言に灰怒は…

 

 

 

「そんなに信用出来ないなら、お前を実験台にしてやってもいいんだが?駄肉君?」

 

 

 

 挑発するかのように蘇芳を煽り出した。

 

 

 

「「………」」ゴゴゴゴ

 

 

 

 正に一触即発になりそうな雰囲気が漂っていたが、突如訓練所から

 

 

 

    ーーバゴォン!ーー

 

 

 

 凄まじい音が響き渡った為、全員が何事かと見に行くと、狼牙棒の先端部位が肩に突き刺さり身動きの取れなくなっている春花とその前で拳を構えている滅赤がいた。

 

 

 

「ッ!……クッ」ズキズキ

 

 

 

 春花は痛みのあまり苦悶に満ちた表情を浮かべている。コレを見た滅赤は嬉しそうな表情をしながら

 

 

 

「やッッッッとッ!余裕のない!苦しそうな!顔になったね!でも!これで終わりだよ!秘伝忍法!『魔拳・豪鬼』!!!」グン!

 

 

 

 最大限にまで力を込めた、滅赤の拳が春花に迫って来る!

 

 

 

「おいおいおいおいおいおいおいおい!滅赤ちゃん!あの春花って姉ちゃん殺しちまうぞ!?止めようぜ!?」

 

 

 

 白堊は流石に相手を殺めてしまう状況は不味いと感じた為、中断を浮かべたが

 

 

 

「……お前……さっきの"結果"とはまさか……」

 

 

 

 蘇芳は灰怒に向き帰り、灰怒の滅赤の死なないと言った理由は春花を相手の先鋒を殺してしまうからではないか?そういった表情を向けるが。

 

 

 

「いや、違うからね?見てれば分かるよ。言える事は滅赤さんは死なないけど"負ける"ほら」

 

 

 

 灰怒が訓練所を指を指すと。

 

 

 

「…………あふぉん」ドサッ……

 

 

 

「滅赤ちゃんが倒れた?一体何が起こったんだ?」

 

 

 

 輪廻が多少ではあるが驚いていた。がある事に気がついた。それは第2訓練所にピンク色の煙が立ち込めていたのである。この光景を見た輪廻は全ての状況を理解した。

 

 

 

「成程な、睡眠効果のある薬物の煙か……」

 

 

 

 これに対して白銅は疑問に思っていた事を口にした。

 

 

 

「しかし何故こう……いとも容易く滅赤ちゃんは眠ってしまったんだ?」

 

 

 

 そうそれは、睡眠効果の薬物を直接打たれた訳でもないのに煙を吸い込んだだけで眠ってしまった事である。

 

 

 

「それ多分、最初に刺さった注射器の麻痺薬と関係あるんじゃないんすかね?」

 

 

 

「……そういや、何か本当の効果とか言ってたな、……あぁ、その効果ってのが睡眠効果を上昇させるって事だったのか……」

 

 

 

 睡眠した事に納得した白銅はこれ以上語る事は無いといった風に自身の武器の手入れをし始めた。

 

 

 

「……むぅ、しかしこれは滅赤ちゃんの負け……なのか?」

 

 

 

 蘇芳は納得のいかないといった態度をとっていた為に輪廻が答えた。

 

 

 

「生殺与奪の資格は相手側にあるだろ?コレを負けと言わず何と言うんだ?」

 

 

 

 このような言葉に対して白堊と灰怒はウンウンと頷いていた。

 

 

 

「……分かりました、それではオレは滅赤ちゃんを運んで来ます……「ああ、そうしておけ」灰怒…お前の能力の事疑って悪かったな…」スタスタ

 

 

 

 そう言うなりスタスタと第2訓練所へと去っていく蘇芳に対して灰怒は

 

 

 

「この試合が終わったら、僕も先程の失言を謝らなくては…」

 

 

 

 そう心に誓った。

 

 

 

ーー第2訓練所ーー

 

 

 

「o(__*)Zzzグゥグゥ……」スヤスヤ

 

 

 

「……ハァ……これは一応……私の勝ちで良いのよね?」ハァハァ

 

 

 

 寝息を立てながら倒れこんでいる滅赤に近付きながら呟く春花。そこへ

 

 

 

 鈴音が降りながら

 

 

 

「この状況止めを刺せるのはお前だからな…お前達もそれで文句は無いだろう?」チラ

 

 

 

 鈴音の目線の先には、寝ている滅赤を抱えている蘇芳がいた。

 

 

 

「……あぁ、無い。次の次鋒戦の開始は5分後で良いか?」

 

 

 

「……実戦では、そのような暇は無いだろう……だがまぁ良い」

 

 

 

 そう鈴音に了承を取ると自分達の控え室へと戻って行く蘇芳。

 

 

 

 戻るなり早々に灰怒から先程の失言を謝られたが、蘇芳は気にしなくていいと嗤いながら受け流した。

 

 

 

 そこへ、自身の武器の手入れが終わった白銅が第二訓練所のある場所を見ながら

 

 

 

「……おい、蘇芳よ。これ以上第二訓練所を破壊しないでくれよ?」

 

 

 

 そのような事を言った理由は、森林に隠れながら狙撃を行うつもりだったのだが先鋒戦により約7割が吹き飛んでいたからであった。

 

 

 

 これに対して蘇芳は青紫のかかった炎を纏いながら忍転身を行い(因みに転身姿は白色の特攻服)

 

 

 

「分かりました!漢!蘇芳!全力で挑みます!」ドン!

 

 

 

 そう言いながら第二訓練所へと向かって行く姿を見ながら白銅+滅赤以外のメンバーは気合い十分だなぁ

 

 

 

 肝心の白銅は

 

 

 

「(……ダメそうだな)」

 

 

 

 諦めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




思いの他長くなってしまった。次からは短くするつもりでございます。

次の次鋒戦は、蘇芳vs詠ちゃんを綴りたいと思います。


あ、蘇芳君の年齢と身長を変更しました。


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龍導vs蛇女:次鋒戦『前編』

詠ちゃんvs蘇芳になります。

滅赤ちゃんのお話以上に長いです。

そして、詠ちゃんフルボッコ回です


「よくやったな!春花!」

 

 焔は春花が戻って来るなり開口一番にそう言うと続け様に他のメンバー達や自身のペット兼親衛隊や蛇女生徒選抜派達からも拍手や激励が飛び交うも、春花は俯き暗い表情をしていた。

 

 この態度に焔は少しムッとしながら春花に対して語り掛ける。

 

「おいおい春花!こんなにもお前の勝利を労っているのにその暗い表情は何だ?」

 

「……あの時……最後の攻撃油断していた訳ではないけど……最後のあの一瞬を思い出すだけで身震いが止まらないの……まるで」ガタガタ

 

 「"鬼神"にでも見えたのかい?」

 

 焔達が声がする方向へ首を向けると、龍導筆頭の輪廻がニヤつきながら入り語りかけてきた。そんな堂々とした輪廻に対して、焔は当然警戒する。

 

「貴様何しに来た!」

 

 威圧を放ちながら輪廻に問いかける焔。その気迫により周りの選抜派の生徒や未来は気圧されて冷や汗を欠いているが、肝心の輪廻はそのような威圧など全く意に介さず、春花の方へと近付く。

 

「もしそう見えたなら、君の観察眼は超を付けての一流だね~♪……しかしかなりの兵器をお持ちで……」モミモミ

 

「Σ ちょちょちょちょっと!?どこを!アン///触っ……ンッ///ているの!?」ビクビク

 

 と春花に近付きながらその豊満な胸を揉み出した。この光景に加え無視された焔は輪廻に斬り掛かろうと刀を抜こうとするが……

 

「待て、焔」ポン

 

 光牙が現れ、刀を抜こうとした焔を止め輪廻に

 

「オイ、輪廻。そろそろ春花を放してやれ。それと何しに来たんだ?敵情視察って訳ではないだろう?」

 

「お前!それ私がさっき言って無反応だったぞ!?」

 

「(言ってないよ)」

 

「(言っとらんな)」

 

「(言ってませんわ)」

 

 未来・日影・詠は口には出さずに胸に留めておくことにした。

 

 光牙に対してツッコミをいれた焔そんな焔のリアクションに対して輪廻は光牙に

 

「ん~?あぁ分かったよ~」パッ

 

 寸なりと胸から手を放し光牙に向き直り手を向け人差し指に糸を集束させ始め針を造り

 

「私がここに来た理由は………」

 

ドスッ!「う"」

 

    春花の肩に針を突き刺した。

 

 とても良い笑顔で針を突き刺した輪廻に光牙は何故か特に驚く様子もなく平然としていたが、その他の蛇女メンバーは愕然としていた……すると。

 

 ビュッ!ズシャア!!沈黙を打ち破るように部屋から猛々しい音が響き渡った。

 

「……何すんだよ?痛いじゃないか?……」ポタポタ

 

「貴様を斬り付けただけだが?文句あるか?というか貴様、漸く私とまともに口を聞いたな」

 

 音の正体は焔が輪廻に斬りかかった音であった。

 

「“まとも”じゃあないだろ?つーかマジいきなり斬り掛かるとか有り得んだろ、私はただ(治療のため)針をぶっ刺しただけだろ?」

 

 こめかみをピクピクと痙攣させながら輪廻は言うが、皆いや誰もが必ずこう思うだろう「ぶっ刺した時点で可笑しいだろ!」と焔もそのように目で訴えかけるが、輪廻は相変わらず苛ついた表情で焔を睨み付けている。

 

「ハァ。輪廻、肝心の部分が主語が抜けている」

 

 この状況に見かねたのか、光牙が輪廻に主語が抜けている事を伝えると

 

「主語……うん?言わなかった?私?傷を治す為に針を突き刺したってよ」キョトン(・_・)

 

「…言ってないな」「嘘付け!」「いや本当だ」「またまたぁ~」「本当だ」「悪い冗談だろ?」「本当」「私がそんなミスをするわけ無いだろ?」「くどいな」イラッ

 

 流石の光牙も苛ついたのかクールな彼にしては珍しく血管が浮かび上がったいた。

 

「真面目に言って無かったわよリン…ハイ、証拠」カチッ

 

「あれ?ハク、あんた何でここに?」

 

 白銅は輪廻を無視しながら手にした機械のスイッチを押すと……『まとも”じゃあないだろ?つーかマジいきなり斬り掛かるとか有り得んだろ、私はただ(治療の為)針をぶっ刺しただけだろ?」』ピッ

 

「……ね?言ってないでしょ?私は戻るから、謝っておきな」

 

「…………………………………Oh……………………………」アセアセ

 

 決定的な証拠を突き詰められた輪廻はついに観念したのか

 

「フッ…私としたことが、すまなかったな」( ・`д・´)キリッ

 

 素直+クールに誤ったが……(「「「「「何と言うか…残念な人(奴)だな」」」」」)一同はそう思った。

 

「んじゃあ、気を取り直して!私がここに来た理由は怪我人の治療のためだ!どうだ?身体の調子は?」モミモミ

 

「……不思議ねぇ……貴女の針で突き刺された場所の傷口がすっかり塞がっているわ……それに身体中の痛みがすっかり無くなっているし……後、何で胸を揉むの?」ハァ

 

 相変わらず胸を揉みしごく輪廻に呆れながらも輪廻の糸術(しじゅつ)の完成度の高さに感心していた、春花以外の蛇女生徒も言動や行動が可笑しくても筆頭の立場にいる人間であるのだなぁと感心していた。

 

「凄いだろ?例え死んだとしても直後(・・)なら蘇生だって可能でね。試しに誰か死んでみる?」ニヤ

 

 ゾッ……妖しく微笑む輪廻に、先の戦いで彼女の人となりを理解してきた光牙以外の蛇女メンバーは少なからず恐怖心を覚えた。

 

「なーんてな!兎に角!次鋒戦の出場者の確か、えぇっと……詠ちゃん?だったけ?」

 

 けろりと表情を変えながら、次鋒担当の相手である詠の方えと振り向いた。

 

「Σ ひゃっ……ひゃい!?」

 

 いきなり名指しで呼ばれた為か詠は素頓狂な声を上げた。

 

「名前呼んだだけじゃんそんな驚く事かい?」クスクス

 

 詠は顔を赤らめながら咳払いをしつつ

 

「///~~ッン!ッン!な、なんでしょうか!」

 

 そんな詠の行動に輪廻は苦笑しつつも何と蘇芳の情報を提供し始めた。

 

「詠ちゃんの対戦相手の家の蘇芳だけどねぇ……距離に注意しながら戦ったら良いよ。そんで決めるなら、一撃それを逃したら最後……mort()だよ?」

 

「何で最後だけイタリア語なんだ……」

 

 冷静な突っ込みを入れる光牙に対して輪廻は産まれた故郷はイタリアだから。との事であったこの二人の会話を冷ややかな視線で見つめる者が一人居た。その一人とは……

詠であった。

 

「……貴女もしかして……お嬢様ですか?」

 

 詠はハイライトの消えた瞳で輪廻に問いかけて来た。

 

「ん?まぁ…笹蟹財閥(ささかにざいばつ)の跡継ぎになるから……そうかな?しかしまた、いきなり何でそんな事を」

 

 それを聞いた詠はより一層に瞳を濁しながら

 

「次鋒戦の殿方の対処法の助言……感謝致します"お嬢様(・・・)"」

 

 お嬢様の部分をやたら強く言いながら対戦場となる第二訓練所へと向かって行った。

 

「あ……あれー?私何か変な事言っちゃったのカナー?」

 

 少しオドオドしながら呟く輪廻に未来が簡単に説明した

 

「詠お姉ちゃんは貧民街(ひんみんがい)出身だからよ」

 

 貧民街それは行き場の無い者達で溢れ帰った場所であり、世の中で強盗や傷害事件などを起こす者達の殆どがこの場で産まれ育ったと言われる場所の事であった。

 それを聞いた輪廻は詠の態度について大凡理解しながら成程と呟いた……その際最も気になった事を輪廻は聞き出した。

 

「なぁーその貧民街って……()?それとも西()?」

 

 それを聞かれた未来は理解できていない表情を浮かべ他の生徒達も何だ?それ?といった態度であった。

 

「……何だ……知らんのか」ドサッ

 

 輪廻はつまらなそうに呟きながら糸で造り出した椅子に座り込みながら内ポケットから煙草を取り出し口に加え器用に動かしながら蛇女の生徒達向けて動かした。

 

「チッ……気の効かない奴らだ……煙草を咥えたら火を付けるのが常識だろうが…おッ!そろそろ始まるな」シュボ、フー

 

  輪廻は愚痴りながら煙草に火を付け一服し始めたその光景に蛇女選抜は……                 

 

『何くつろいでんだ!手前ェ!』

 

ゴロン!「おわ!?」

 

 輪廻は余りにも選抜メンバー達が大きな声を出したために、椅子から転げ落ちた

 

「いや、試合が終わって怪我したら私が治療するからここにいるだけじゃん?何をそんなに驚くんだ?」

 

 またも輪廻は(・_・)キョトンとした表情で返して来たため光牙含めた選抜メンバーは突っ込み所が有りすぎる為か半ば諦めた様子で試合の観戦をする事にした。

 

「アララ?煙草に対して突っ込み無しか~」スパー

 

ーー第二訓練所ーー

 

「……やっと来たか。随分と遅かったな……」

 

 詠が第二訓練所に着くと腕を組み仁王立ちしている厳つい顔つきをした大男が語りかけて来た

 

「えぇ、貴殿方の筆頭様に対処法をお教え貰っていましたので」

 

 詠の返しに方眉をピクリと動かす蘇芳そして僅かにではあるが溜め息を吐き、苦笑を浮かべる

 

「フッ……相変わらずだなあの人は。対処法か。だがそれを聞いた所で結果は変わらないぞ?貴殿の敗北という結果にはな」

 

 蘇芳は堂々と本人の前で自身は勝利し、詠は敗北すると宣言したこの発言に詠は

 

「おめでたい頭をしていますわね。貴方のような持って産まれた者の特権といった所でしょうか。ですが敢えて言いましょう!私のような持たずに産まれた者でも持って産まれ!満たされた環境で育った者に勝てると言うことを!」ビシッ!

 

 蘇芳に指を指しながら負けじと堂々宣言する詠に対して

 

「持って産まれた者?オレがか?ハハ…面白い事言うな?貴殿は。オレの育ちは北の貧民街だったが…まぁ、サバイバル能力は付きやすい環境ではあったな…その点に関しちゃあ満たされた環境ではあったな」

 

「え?貴方、貧民街で産まれ育ったのですか?」

 

 予想外の返答が返って来たためか詠は目を見開いた

 

「聞いてなかったのか?まぁそんな事より……」

 

 

   ゴゴォ

 

 蘇芳が両手両足に青紫の炎を纏い籠手と具足を造り出し構える

 

「早くやろうぜ、オレの育った故郷の話は……貴殿が勝ったら教えてやるよ……あぁ無理か、だって勝つのはオレだからなぁ~」(。-∀-)ドヤァ

 

 安い煽り文句ではあったが、割りと効果があったらしく

 

「ウフフ、でしたら私の育った故郷のお話もいたしましょうか?……あらあら無理でしょうか?だって勝つのは私ですからね~」(^ー^)

 

 詠も蘇芳と同じ煽り文句で返すこれによって二人の間から

   ドドドドと某奇妙な冒険漫画のような雰囲気が流れ出ていた

 

「……ハハ……」「……ウフフ……」

 

 互いに笑い合う二人……完全にアウェーとなっていた鈴音が

 

「いざ……紅蓮の如く」口上をあげると二人共に笑みを消し臨戦体制に入った。

 

      「舞い散れ!」

 

    戦いの火蓋が今切り落とされた!

 

「やって、見ろや!この駄肉女ァ!」ゴァ

 

 先に動いたのは蘇芳!その巨体からは想像出来ない程の速さで詠目掛けてボディーブローを放って来た。

 

「ぇ……ちょっと!速す……」ボグゥア!

 

 凄まじくえげつない音が第二訓練所に木霊する中、殴り飛ばした本人である蘇芳は腕をゴキゴキッと鳴らしながら砂塵漂う壁へと意識を向け自身が詠を吹き飛ばした場所へと周りが驚くような発言をした。

 

「……今のどう防いだ?」

 

 明らかに吹き飛ばされた詠に対して攻撃を防いだと聞いてきた。砂塵の中から帰ってきた答えは……ヒュンヒュンヒュン!大量のボウガンの矢であった。

 

「うおぉぉ!?危ねぇ!臙脂盾(えんじたて)」ボボォ

 

 飛んで来た大量の矢に対して自身の籠手を赤い炎の盾へと変形させ矢を防ぐ……のではなく、溶かし無力化する蘇芳。これには観戦している光牙も驚いたらしく、

 

「あの盾一体何度有るんだ?」

 

 蘇芳の繰り出した技に感心していた。しかしそれと同時にある事に気付いた。

 

「(あの蘇芳とか言う奴何故表情が険しい?矢の鬱陶しさではなさそうだが……)」フムゥ

 

 これを見た輪廻はニヤニヤと笑みを浮かべながら内心で

 

「(おぉ……考えてる考えてる!フフやっぱり良い顔だ!)」

 

 そう思いながら、写メを撮っていた

 

 話を戻して第二訓練所では、蘇芳はなんと炎の盾を解除し迫り来る大量の矢を真正面からどんどん受け始めた!……しかし腕を交差させているため心臓や頭といった所には矢は刺さってはいなかった、と言うより実の所矢は刺さっているように見えるだけ(・・・・・・・・・)であった。

 

「(動きが止まった!今がチャンスですわ!)!てやァ!」

 

 詠は動きが止まった蘇芳に大剣を叩き込み一撃で決着をつけるべく接近し大剣を振り上げた!……しかし、それは失策であった。

 

 詠が接近し大剣を振り上げたと同時に交差した腕を広げた。

 

Ψ炎カ砲(さいえんかほう)」カッ!

 

 腕を広げたと同時に蘇芳の胸元から某鉄男のユ⚪ビームのような熱線を発射した。

 

「なっ!?きゃあああ!!!」

 

 大剣を振り上げていたため回避も防御も出来ない詠は直撃してしまった。

 

「フゥ…奥の手だったんだが成功したな…さて」ザッザッ、ガシッ!

 

 地面に倒れ込んでいる詠に近付き、頭を鷲掴みし上空へと放り投げ

 

「さて、矢の仕返しだ!秘伝忍法!紅蓮螺旋脚(ぐれんらせんきゃく)」ゴオ!

 

 上空の詠目掛け青紫の炎を纏った脚で回転しながら蹴りを連続で浴びせていった。蹴りを浴びせて行く度に脚に纏った炎の勢いが増していった……が炎の色が青紫から赤に変わった瞬間に蹴りを止め、着地すると同時に止めの蹴りを喰らわせた。

 

「続けて食らえ!秘伝忍法!爆炎(ばくえん)グッ!?」ザシュ!

 

 落ちて来る詠目掛け炎で造り出した斧をフルスイングで振ろうとしたが……造り出した斧を見た瞬間何故か詠に当てる前に寸土めしてしまったためか、意識が覚醒した詠の大剣を掠り傷程度ではあるが喰らってしまった。

 

「忍!転身!」

 

 その僅かな隙を見逃す詠では無く直ぐ様体制を建て直し忍転身を行った。

 

 詠の転身した姿は水色のフリルの着いたワンピースで何処かの令嬢のような格好であった。

 

「お!やっぱり転身してなかったか!ふーん、金持ち嫌いでも何処かに憧れでもあったのかねぇ……にしても蘇芳の奴なーに変な意地張ってんだか……」

 

 白堊は詠が忍転身するなりそう語った後、頭から血を流している蘇芳に対しては苦笑していた。

 

「意地って何だ?」

 

 白銅が白堊に問いかけて来た。

 

「あれ?先輩いつの間に……まぁ、いいか。意地ってのはですね。アイツも忍転身しろ!って意味ですよ」

 

「は?何を言っているんだお前は?してるだろ?」

 

 忍転身をして戦っている蘇芳に対して、忍転身をしていないと語る白堊に何か訝しげな視線を向ける

 

「あ~言い方が悪かったっすね。アイツ二段階転身があるんすよ。そんで二段階目になったら……災害(さいがい)っていう特別な転身が可能なんですよ、未完らしいけど」

(最後は聞き取れない位の声で呟いた)

 

 災害……その一言に白銅は息を飲み、滅赤は気絶中、灰怒は驚愕の表情を浮かべながら

 

「災害ってあの特別な力を持っている“真影(しんえい)”・“紅蓮(ぐれん)”・"氷王(ひょうおう)"・"深淵(しんえん)"並みかそれ以上の力を持った能力の人物の事でしょう!?彼がそうなのか!!??」

 

 趣味が読書であり、先程語った特別な力を持ち悪や妖魔(・や・・)を倒すといった王動的なヒーロー者が好きな灰怒はかなり食い付いてきた。そんな灰怒に若干引きながらも肯定の頷きを返す白堊

 

「……しかし、その災害化する事を何故知っているんだ?それに何の根拠立てて災害だと?」

 

 白銅は最も気になっていた事…災害化にその状態になった経緯について白堊に問い掛けて来た。それに対し白堊は

 

「2つあります。まず一つ目、何で災害化する事を知っているか。から説明しますと、簡単に実際に見て闘ったからです!」

 

「!?」

 

「なっ!」

 

 白銅は驚きの余りに声を発する事が出来なくなりし灰怒は絶句した。

 

「そして、二つ目は師匠……暁霧さんが災害だと言っていたからです」

 

「そうか」

 

 白堊は自身の師であり最も信頼出来る相手がそう言ってたから――と言った理由でそう答えた。因みにだがその時の蘇芳に白堊は一撃でKOされたらしい。

 

「仮に可能だとしても、見た所それをする必要は無さそうだが……」

 

 白銅は訓練所での様子を見ながらそう呟いた。事実訓練所では詠の攻撃を軽々と躱しながらカウンター等を駆使して蘇芳は的確にダメージを与えていた。

 

「いやいや、アイツの身体の変化に気付きません?」

 

 白堊は白銅に対して蘇芳の身体の変化を言うと最初は顎に手を当て、ムムム?と唸りながら見ていたがアッ!と言ったと同時に

 

「何かでかくなってね?後、赤いし」

 

 蘇芳の身体の変化とは身体がマグマのように赤色に変色した部分があり、身長が明らかに190近くになっていたのである。元々身長が188ある蘇芳からしたら微々たる変化ではあったがその分腕や足のリーチも伸びているため相手側の詠からしたらたまったものではない。そのため詠は防戦一方……とはならずただただ攻撃を食らうのみとなっていた。

 

「アッ、グッ!クハッ!……ウッ!このっ!」ドカーン!

 

 詠は殴られた状態で右手に装備した重火器(バズーカ)で反撃をし爆風に身を任せる事によって、連撃から逃れる事に成功した。

 

「これなら、多少は効いたでしょう!」ハァハァ

 

 荒れた息遣いで相手の反応を伺う詠。しかしその硝煙から帰って来た答えは……赤熱化した手を構えている蘇芳だった。

 

「そ……そんな……」

 

 詠は絶望に染まった表情を浮かべ、観戦していた蛇女生徒や選抜組も歯軋り等をし悔しがっていたが、いきなり周囲の草木が燃え上がると共に蘇芳が苦しそうに呻き始めた。

 

「グッ…ガッア!…ハァハァ…ググッ」

 

 いきなりの変化に戸惑う詠であったが、膝を付き呻き声しか上げれない蘇芳にこれは好機とばかりに大剣や重火器による攻撃を浴びせていった。頑丈且つ屈強な肉体を持つ蘇芳には大してダメージを与えれてるようには見えないが、着実に傷等が付いていっている様子を見るに効果は覿面であった。

 

「グッ!(クソッ!負けるのか…?あれだけ啖呵切っときながら?…使うか?アレ(災害)を!…だがもし暴走したら?)」

――使えよ――駄目だ――

     ――何故?――使った所で―― ―このままだと―― ――負ける―― ―誰が?― ――オレだよ!――負けても― ―残りが――……―それだけは!―

 

『負けても残りが勝てば良いとか、アンタのその考え』

『残りの人達にも失礼だと思うし何よりその姿勢』

 

 

  『物凄くダサ(・・)すぎる』

 

     ―――許容出来ない!―――

 

「……ッ!」ギリッ

 

 突如として脳裏を過った、とある双子の声と己の掲げる心情により意識を覚醒させた蘇芳

 

「終わりですわ!秘伝忍法!…ウ"ッ!?」

 

 止めを刺そうとした詠の腹部に鈍痛が走り、吹き飛ばされた詠。なんとか体制を立て直しながら前方を見ると先程まで死に体となっていた蘇芳が立っていたため彼に腹部を殴られたのだと理解した詠。

 

「……フゥ……先程まで死に体であったというのに「本気出すわ」え?」

 

 詠の言葉を遮り、衝撃の一言を発する蘇芳。その一言に周りはざわつき詠は呆気に取られる。

 

「白堊ァァァァァァァァ!!!!今からアレを使う!もしもの時は頼んだからなァァァァァ!!」

 

 訓練所全体に響き渡る程の声量で何かしらの重要な事を白堊に頼む蘇芳。

 これを聴いた白堊は控え室を飛び出し観戦していた蛇女の生徒達を弾き飛ばしながら最前線に行くと同じ声量で

 

「任せろ!だから!存分に暴れろ!」

 

 そう笑顔で言った白堊に同じく笑顔で返し親指を立てながら。

 

「ハァァァァァァ!」グググ

 

 力を蓄え始める?蘇芳…この光景を控え室で見ていた光牙は輪廻に

 

「オイ輪廻、奴の言っていた…"アレ"とは何ッ……アイツどこ行った?」キョロキョロ

 

 何時の間にか消えていた輪廻。辺りを見渡すが何処にも見当たらない為、他のメンバーに聞くと。

 

「アレとちゃうん?」

 

 日影が訓練所の白堊がいる観戦場の反対側を指を指すと地面に跪くように片手を起きながら蘇芳を見据える輪廻がいた。

 

「……何をしているんだ?」

 

 光牙は頭に疑問符を浮かべながら光牙は輪廻の方を見た。

 

 場所は戻って、第二訓練所では未だに力を蓄え始めている?蘇芳とそれを警戒して迂闊に手が出せない状況にいる詠が互いに膠着状となっていたが

 

「何かは知りませんが!兎に角食らいませ!」ダッ!

 

 大剣を引き摺りながらも、凄まじい早さで(通常よりは遅い)

 蘇芳に接近し大剣を横に振ろうとする詠だが

 

         ゴォワ!

 

 突然の熱風により弾き飛ばされてしまった。何事かと蘇芳を見ると、彼の周りにあった植物が燃え尽きて炭のようになっていた。

 

「ウオォォォォォォォ!!!」ドジュー!ドロドロ

 

 腕を交差させながら、どんどんと力を蓄え始める蘇芳その周りの植物は炭化し地面は赤くまるで溶岩が噴出したかのように、真っ赤になっていた。

 

「な……何だ?……アレ」ヒヤアセ

 

「火山……?」アセ

 

「少し不気味ね……」アセ

 

「……なんか、暑ない?」アセ

 

 焔・未来・春花の順で蘇芳の周辺の状態を汗を流しながら語った後に日影がポツリと呟いた、その発言に同じく汗を流している光牙が

 

「あの男の属性が原因だろう。恐らく火山だ」タラタラ

 

 その発言にメンバーやその他が固唾を呑んだ。それもその筈、もし光牙の推測が当たっていた場合、訓練所だけではなく自分達の学園にまで被害が及んでしまうからである。

 

「……何、ヤバいだろ?それ」

 

 誰かが呟いた、その一言に全員同意した。

 第二訓練所では蓄えが、終わった蘇芳が詠に対して

 

「どうした?来ないのか?」

 

 とやや挑発的に問いかけるが、先程の件もあり迂闊に動くべきではないと判断し、睨み付けていた。

 

「来ないなら……此方からだ!『禁技・災害Crater・Pillar(きんぎ さいがいクレイターピラー)』」

 

 ピカッ!訓練所全体にとてつもない閃光が迸る。詠は大剣でガードし、白堊は防御の構え輪廻は天空と観戦場に糸を張り巡らした。

 

 

 今日……………今を持って………………第二訓練所は

 

 

 

 

    文字通り消滅(しょうめつ)する

 

   

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、鋼好きです。

長くなりすぎ、ましたしあ相変わらず空欄スペースがあるし無駄話ありの駄文ですがなんとか、書けました。次回はそこまで長くないはずです。

今回の話で蘇芳くんの出身と関連人物が明らかになりました。

・貧民街出身

・とある双子

因みにこの双子の特徴は、蘇芳と居たときにはメッシュをしてなかった事と現在はとあるバンドをしています。


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次鋒戦(後編)+

前回の続きです…結果は以外にも……です。

それと、今回新キャラが登場しますがまだ龍導や蛇女には絡んで来ません。

……新キャラ出すに至って無駄話が、多いですが…許してください。


 ーー第二訓練所ーー

 

 「うっ……うん、ここは…あ、私は確か爆風に巻き込まれて……Σあ!でしたら結果は!?あの方は?」クラクラ

 

 詠は起き上がった際に自身が置かれた状況を把握し次に勝敗の確認と相手の安否を確認しようとした(何気に相手の安否確認しようとしている所意外と自身と境遇の近い者には優しいのかもしれない)が…第二訓練所の光景を見て思わず声を失ってしまった。

 

 「……こ、これは……?」

 

 詠の目に写った光景は《焦土》と化した訓練所であった先刻まで緑の見えていた森は消え、地面に至っては灰色に染まっていた。

 

 更に蘇芳が技を発動した場所の範囲は消滅(・・)しており、その中心部は深さ100mは下らないクレーターになっており煮え滾るマグマが覗いていた。

 

 「隠せたかな?爆発の方が少し早かった?……どちらにせよ、あの道元とか言う奴には隠し立ては出来ないか…ハァ」

 

 輪廻が溜め息を尽きながら憂鬱に浸っていると背後からスタタタと走って来る音と共に蛇女選抜メンバーの焔、未来、日影が観戦場へとやって来て詠と訓練所の様子を見た後に輪廻に対して、焔はニヤニヤとにやけながら

 

 「オイオイ~お前の所の次鋒はデカイ口叩いたわりにはあっさりと負けて自爆しちまったな~?いや~私達の2連勝か~いや~次もこりゃ余裕だなぁ~」

 

 焔の安すぎる煽りに、周りから輪廻に対して哀れみの目や蔑んだ目でクスクスと嘲笑われていたが、当の輪廻は

 

 「本当に困るわアイツ、何時もデカイ事言うだけ言って私を始末書の山に送り込むし……この第二訓練所の弁償いくらすんだよ……」

 

 と蘇芳の不満点や第二訓練所の事を考えていたためか焔は呆気に囚われていたが、気を取り直しまた煽ろうとしたが…

 

 「所で、次も楽勝とか言ってたなお前?そんな訳ねぇだろうが気ィ抜いてたら死ぬぞ?後な蘇芳は自爆してねぇ、まぁ負けるが…灰怒は暁霧さんが鍛えた奴だし勝つだろう……何よりまずお前は自分の身の心配していたらどうだ?その程度だと白堊の方が強いぞ?ほむ……ぇっと……ほむ…ホームステイ…だったけ?」

 

 途中まではシリアスに語っていたが最後の最後で台無しにした輪廻に周りもズッコケてしまった、しかし当の名前を間違えられた焔は

 

 「誰が留学生だ!私の名前は!ほ!む!ら!だっ!!」

 

 こめかみに青筋を浮かべながら、大声で叫ぶと輪廻は耳を塞ぎながら。

 

 「わざとに決まってんだろ、ポムポムプリン」

 

 次に至っては完全にわざとだったため焔の怒りのVoltageは更に上がって行くが、そこえ

 

 「オイ、輪廻あまり焔をからかうな、余計に犬のように騒ぐだけだ」

 

 「誰が犬だ!」ギャンギャン!

 

 光牙が観戦場来ながら輪廻にやめるように言うと輪廻は肩を竦めながらすんなりと言うことを聞いた。

 

 《何で光牙君の言うことは聞くのかしら?》ヒソヒソ

 

 《リーダーやからとちゃうん?》ヒソヒソ

 

 《顔がカッコいいからとか?》ヒソヒソ

 

 春花、日影、未来が小声で話し合っていると背後から輪廻が嗤いながら。

 

 「ハハハ!違う違う!こいつは中々強いからだよ」

 

 未来の背中をバシバシと激しく叩きながら言う、春花はビクッ!とまるで野良猫のような反応をした。

 

 ーー数分後ーー

 

 「それで……詠が戦っていた相手だが……一体何処に行ったんだ?」

 

 光牙が訓練所でキョロキョロと蘇芳を探す詠と同じように辺りを見渡すが姿が見当たらないため輪廻に聞こうとすると、輪廻は地面に手を当て次の瞬間、上空に顔を上げ観戦場にいる蛇女子学生達に

 

 「実力が無い奴等は逃げろ!

  

 これを聞いた蛇女子学生達は自分等の事を嘗めていると思ったのかブーイングを起こし初めた……が

 

  ポト…ポト…と空から氷の粒が落ち始めたため蛇女子次期選抜候補の一人《伊吹》が空を見上げると、鋭利に尖った氷柱が観戦場含め訓練所まで降り注いできた。

 

 ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン

 

 「うわ!?」ザク 「キャッ」サクッ 「ギャア」ザシュッ

 

 氷柱を避けきれなかった、生徒達が次々と氷柱の犠牲に成っていく中。選抜メンバーや候補、実力者達は防ぐか捌く事で防御をしていた、訓練所でも詠は大剣の変形ギミックで刃のサイズを広げてガードしていた。

 

 「輪廻!この氷柱を起こしている奴はまさか」

 

 粒子で造り出した盾で比較的余裕のある光牙が輪廻にこの氷柱を発生させた主は蘇芳なのか?と問うと

 

 「恐らくはそうだと思うが……どうりで地上に反応が無いわけだ」

 

 輪廻は地面に生命反応が無かったため、少々焦ったが上空へと覗いていた糸を使い探って見ると生命反応に加え複数の攻撃反応があったため、蛇女の生徒達に注意を促したのである。

 

 「貴様が恐らくと言うことは奴のあの姿を見るのは初めてと言う訳か?」

 

 「まぁねぇ」

 

 光牙が上空を見ながら言うと肯定する輪廻、空には全身に氷の鎧を纏い翼を生やしたまるで氷の竜の姿をした蘇芳が居た。蘇芳は無言で地上を見下ろした後上空に手を上げると

 

 パキ!パキ…パキパキパキパキピキピキ!

 

 派手な音と共に小さく作った氷の塊がどんどんと大きくなっていく……それはもはや氷塊ではなく氷山となった。

 

 「なぁ……流石にあの氷山を落とすような事はしないよな?観戦場含めて潰すような事は……どうなんだ?輪廻……」

 

 光牙が輪廻に死んだ目と嫌な予感を感じながら聞くと輪廻も同じように死んだ目で

 

 「ハハッ☆ソウナランヨウニイノロウ!」

 

 この一言を聞いた、光牙や選抜メンバー達は全員"あ、これ絶対に落とすな"と思いそして、光牙以外は考えるのを止めた。

 

 龍導サイドはと言うと、観戦場の真ん前にいる白堊に対して灰怒が何やら作戦があるらしく話し合っていた。

 

 「白堊くん、バレーボールのトスの要領で僕をあの氷山目掛けて飛ばす事は出来ますか?」

 

 そんなとち狂った考えをした灰怒に対して白堊は目をパチクリさせながら

 

 「いや、お前まさかと思うが……」

 

 白堊は灰怒があの氷山を手にしているナイフで斬るのかと思ったらしく無理だろうと言おうとしたが、灰怒の目が冗談ではなく本気の目で語り掛けていたため。

 

 「くん、を付けるな気持ち悪ぃからわかった……アイズを出せそれと同時に飛ばしてやる」

 

 そう言うと同時に若干気持ち悪いと言われたことにショックを受けたものの、ありがとうと言うと一人の蛇女子生徒に近づき

 

 「その刀だけど、貸してくれるかな?」ニコリ

 

 話し掛けられた生徒は頬を赤らめかけながら渡した。

 

「あ、は、はい……」

 

 刀を受け取り白堊にアイズを送る。

 

 「(この刀……彼女が作ったのか?名刀や業物とは言え無いけど……良い出来だ)」ヒュンヒュン

 

 何回か刀を振った後に構えを取り飛ばす準備をしている白堊の方向へと向きを変える。

 

 一方、蛇女選抜メンバー側は一人だけ諦めていなかった光牙が光で弓を造りながら氷山に狙いを定めながら矢を放とうとしていた。

 

 すると、突然肩を叩かれたため叩かれた方を振り向くと人差し指が頬に当たりフニッとなった。その行動をしたのは輪廻であったためいい加減に光牙はキレそうになるが……

 

 「ほら、この矢を使えお前の矢じゃあ壊せんだろうしな」

 

 そう言いながら、輪廻は先端が螺旋状になった矢を光牙に渡して来た

 

 「この矢は?」

 

 光牙は矢を訝しながら輪廻に聞くと

 

 「そいつはまだ名称すら決めていない特別な矢でね。対象に突き刺さると螺旋状の先端から炎が吹き出して対象を焼き尽くす矢さ」

 

 輪廻は簡単に矢の解説をし光牙の手に矢を直接持たせる受け取った光牙は微妙な表情をしながら「お前が射てよ…」と言うが、輪廻は「お前の方が上手いだろ?」と言い聴かないことに加え今は言い争っている場合では無いため、矢をつがえ狙いを定め始めた。

 

 一方の白堊達は灰怒が白堊の手を目掛けて走り出し手に乗った瞬間上空へと飛ばした。

 

 「良し、これならいける!心魂!?ッ」

 

 鋭い一閃が氷山には入らずに突如飛んで来た矢に直撃してしまい矢を明後日の方向へと吹き飛ばす。何事かと思い矢が飛んで来た方を見ると驚いた表情をしている選抜メンバーと輪廻が居たため氷山を破壊しようとしていたのは自分達以外にも気付きながら、白堊の居た場所へと着地し歯を食い縛る。

 

 一方の輪廻達もこれは予想外だったらしく急ぎで粒子の矢で時間を稼ぎ螺旋矢を作ろうとするが、氷山は全く勢いを落とさずに落下していく!誰もが諦めかけたその時…

 

 ヒュイン……ズギャャャアン!!

 

 謎の雷撃を纏った斬撃が飛んで来て氷山を細切れにしてしまったこれには場に居た者達の殆どが驚愕していたが龍導側の白堊、灰怒、輪廻。蛇女側の光牙、鈴音は誰が斬ったのかははっきりとわかっていた。

 

 「こんな芸当できる人は一人しか居ない……暁霧さん……技を使おうとした僕は…まだまだ未熟だな…」

 

 ポツリと細切れになった氷山を見上げながら呟く灰怒は自信の未熟さに歯痒い思いをしながら、先程刀を貸してくれた生徒に礼と共に返却し観戦に戻った。

 

 「(今の斬撃…暁霧とか言った奴か……しかし、あの常に目を閉じた様な糸目に飄々とした態度……まさか…)」

 

 静かにその光景を目にしながら鈴音は氷山を細切れにした男の本当の名(・・・・)を予想しながらも審判の役割を全うするため同じく観戦に戻った。

 

 ーー訓練所ーー

 

 「氷山といい、それを細切れにする斬撃…あんな芸当が出来るなんて……相手方も中々侮れませんわね」ガシャン!

 

 詠は防御形態になっていた大剣を元の形態に戻しながら呟いていると。

 

 「成程な。オレの初撃を大剣を防いだのか……」

 

 自分の真横から声が聞こえたため警戒しながら、振り向くと赤髪にソフトマッチョのイケメンが居た。

 

 「……え……あの…えーと…どちら様?」

 

 詠は混乱しながら、名前を尋ねると件の男はキレ気味に

 

 「あ" ぁ!?さっきまで戦ってた相手の顔忘れ…てん…じゃ……何だぁこりゃあ!?」

 

 細切れになった氷山の欠片に写った自分の姿を見た蘇芳は自身の余りの変わりっぷりに驚いていた。

 

 「オイオイ!オレの鍛え上げられた筋肉が……消失しちまった!?…が……仕方ねぇこのまま殺るしかなぁ!」ゴォ!

 

 最初は落ち込んでいた蘇芳であったが、直ぐにスイッチを入れ替え氷の鎧からマグマを纏った籠手と具足を造り出した。

 

 「行くぜ!新技!火口・噴火(クレイター・イラプション)!」カッ!

 

 蘇芳が手の甲を広げながら詠に向けた。するとまさに噴火の如く詠目掛けて拳型のマグマの塊が飛んで来た。

 

 「え?…うぁあ!?」ドジュウ!!今までとは比べ物にならない程の超高温が詠の腹部に伝わる、確認して見ると腹部が大火傷を負っていた。

 

 「まだまだ!行くぜ!大嵐・打撃(テンペスト・ブロウ)」ギュオッ!

 

 今度は打撃を放った拳から膨大な嵐の風が放出した。回りの石やボウガンの矢を含んで詠に迫って行く!食らえばミンチになってしまうだろう。 

 

 「避けろ!詠!」 

 

 ポム……焔が叫ぶが、詠は声が聞こえなかったのか大剣を構え大嵐を向かえ撃つ構えを取った。これには蘇芳もド肝を抜かれたのか。

 

 「マジか」

 

 驚きの余りに唖然としながら、その言葉しか出なかった蘇芳しかし、それが命取りとなってしまう。

 

 「今ですわ!テヤァ!!」グン!

 

 詠が大剣を振ると同時に嵐が蘇芳目掛けて飛んで来た。僅かな一瞬であったがその嵐をまともに受けてしまった蘇芳……しかしここで疑問が浮かぶ。それは屈強な肉体を持ち詠の攻撃も効き目が無かった者に跳ね返しただけの攻撃が通用するのか?……という疑問であった。答えは

 

 「グゥッ……クソッ!ガッ…」ドクドク

 

 yesであった。直撃する際僅かにではあるが右側に避けたため全体には直撃しなかったらしく、左腕の犠牲のみで助かった(完全に使い物にはならないが)

 

 「やはり、その力の正体…"命懸け"ですわね!」

 

 『命懸け』…それは、転身衣装を捨て下衣だけになる事により防御を捨てた完全に攻撃特化の諸刃の剣に近しい能力である。

 

 蘇芳は詠の台詞に「…せっかく演技したのに…バレたか…」と肯定の意を示した、現に蘇芳は転身姿の特効服ではなく上半身裸の下はダメージジーンズといった出で立ちになっていた、演技というのはソフトマッチョにショックを受けた所である。

 

 「あの……それ肯定してはいけないのでは?」

 

 詠のご尤もな指摘に対して蘇芳は苦笑いしつつ頭を掻きながら

 

 「いやな、どうせ隠した所でバレるなーと思ってなそれにオレの命懸けは特殊でな……更にもう一段階(・・・)先が有るんだよな…見せてやるよ!」ゴゴゴゴ

 

 「もう一段階ですって(だと)!?」

 

 蛇女の面々や龍導の一部(白堊除く)は驚いていた。

 

 蘇芳が力を蓄え初めた為、詠は止めるためにボウガンや大砲を撃ちながら阻止しようとするがそのことごとくが蘇芳から発せられる熱気によって無効化される。

 

 そんな中だんだんと蘇芳の身体に変化が起こり始めた。まずはマグマの籠手が腕から肩に掛けて這うように伸びていく。そしてそれが固まると甲冑のような腕となった。ダメージジーンズも同じような形になっていき、全体にマグマが回り固まって行くと同時に背中から円上の《火》《水》《木》《金》《土》の文字が浮かんだ謎の造形物が突出し顔にもマグマが這い完全体になった!と思われた瞬間

 

 ヒュン!ゴチン⭐と派手?な音と共に蘇芳の顔面に何かが直撃した。

 

 「あ"痛!?」シュウゥ 

 

直撃した事により貯めていた力が抜けてしまったらしく元の命懸けに戻ってしまった。

 

 「痛つつ……あ、戻ちまったか…仕方ねぇか…行くぜ!」

 

 元の命懸けに戻ってしまったにも関わらず、詠目掛けて突進攻撃を仕掛けた。

 

 「地獄・突風(インフェルノ・ガスト)」ギュン!

 

 暴風を纏いながら詠目掛けて突進して来た!余りの速度に反応が遅れた詠は打ち上げられてしまった。

 

 「こいつで止めだ!火山特攻砲(ヴォルカンキャノン)」ドガン!

 

   ズガアァァァァァァァン!!

 

 凄まじいマグマの塊が蘇芳の右腕から放出され打ち上げられた詠に直撃した!

 

 「あの馬鹿……」ハァ

 

 輪廻は深い溜め息を吐きながら頭を押さえる。更に反対側で観戦していた白堊も呆れた表情で見ていた。

 

 火山特攻砲……威力、射程距離共に優れた技ではあるが勿論欠点はある。それは自壊前提つまり本来の用途は自爆技だということ。そんな大技を片手で使用した訳であるが、その代償は右腕一本ですんだ…その理由は蘇芳が普段から尋常ではない程の筋トレを積んでいたためであった。

 

 ……しかし

 

 「ハハハ、ヤベェ両腕が使い物にならん…」ダラン

 

 格闘スタイルを戦術としている蘇芳からすれば今の状況はかなり部が悪く確実に負けるフラグが建っていた、現に技を食らった筈の詠が……

 

 「ハァハァ……風遁・嵐壁(ふうとん・らんへき)……間に合いましたわ」

 

 息切れし装束のあちこちがボロボロに成りながらも立っていた。

 

 風遁・嵐壁この技の効果は凄まじい風圧の壁を造り攻撃を防ぐ防御技だが……火山特攻砲を防御できる程の防御力はないならば何故、防げたのかと言うと単純に詠の属性が風であり更に大嵐・打撃の風属性を吸収していたからである。

 

 話を戻して訓練所では大剣を構えた詠と力の入らなくなった腕をぶら下げながらも構える蘇芳が膠着状態となっていた。

 

 「……その腕ではもう闘えないでしょう?…潔く降参をお薦めいたしますが?」

 

 そう言われた蘇芳はこめかみに青筋を立てながら声を荒上げながら

 

 「ざっけんじゃねぇ!!!んな格好悪ぃ事出来るか!」ビリビリ

 

 訓練所全体に響き渡る程の大声で拒否の意をみせながら臨戦体制に入った。

 

 「仕方ありませんわね」

 

 詠はヤレヤレと言わんばかりに溜め息をつきながら大剣を構えた……その慢心が隙となる

 

 「秘伝忍法で止め……オッグゥ!?」

 

 突如腹部に鈍痛が入ったため何事かと自身の腹部を見ると使用不能になっていた筈の腕で腹部を殴っていた。

 

 「慢心する余裕は無いだろ?」シュウゥゥ

 

 身体中から蒸気を出しながら詠に対して語りかけた蘇芳。そんな蘇生を驚きと戦慄の表情で見ていた詠だったがある事に気が付いた、それは追撃が可能であるのにそれを行わなかった事である。理由は単純に蘇芳の身体は等に限界を向かえているからであった。

 

 「……どうしたぁ?敵はまだ立っているぞ?…向かわないなら戦いを放棄したという事でオレの勝ちで良いな?」ニヤ

 

 険しい表情を浮かべながらも、不適に笑って見せる蘇芳

に対して詠は声を張り上げながら

 

 「いいえ!私はまだまだ十分闘えます!次の一撃で私が勝利いたします!」

 

 と啖呵を切って見せるが実の所詠自身も身体に限界が来ており発言したように後一撃しか攻撃を行う事が出来無い身体の状態になっていた。それを踏まえた上で勝利宣言する詠に対して蘇芳は

 

 「ならば受けて立とう!来い!貴殿が倒れるのが先か!俺が耐えた上で倒れるのが先か!勝負と行こうか!」

 

 「望む所ですわ!!いきますわよ!秘伝!忍法!」

 

 グオォォォ!!超高濃度の気と属性エネルギーが詠の使用する大剣に集束し始め、青藍に輝く大剣となったその大剣から繰り出される秘伝忍法は通常とは異なるその名は

 

    「シグムンド・ブリュンヒルデ!」

 

 ザシュウウゥゥゥゥ!!!振り落とされた大剣が蘇芳の左肩に直撃する!災害化した命懸けも合間って大剣の刀身は段々と蘇芳の左肩から下へと沈んで行く。

 

    「ぬぐぅあああああああああ!!」

 

 予想外の威力を持った秘伝忍法のダメージによりたまらず絶叫する蘇芳それに対する詠もどこか辛そうであった。

 

 「うっぅぅ……ハァ、ハァ…倒れ…て下さ…い」クラッ

 

   「……っ……」

 

 今にも気を失いそうな詠を攻撃に耐えながら見ていた蘇芳は数秒考えた後

 

 (……すまんな…白堊…)「ヌンッ!」ドカッ!

 

倒れそうな詠に鋭い蹴りを叩き込んで弾き飛ばした、その蹴りを食らった詠は「う"っ」と短い悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、訓練所の壁際に叩きつけられ完全に気を失ってしまった。

 

 「……決着……勝者…龍導がく「待て」…?」

 

 鈴音が蘇芳の勝利宣言を上げようと口上しようとした途端蘇芳によって、止められてしまったため怪訝な顔をしながら問いかけると。

 

 「俺は耐えた(・・・)上で立っていた方の勝ちだと言ったんだ、さっきの俺を見てみろよ耐えずに蹴り飛ばしただろ?だからよ……この戦いの勝者はあいつだろ?それでも認めないなら…俺の負けだ!降参だ!」

 

 会場からはどよめき声がわきだち良いのか?や頭おかしいだろ?等と言った声が聞こえて来るが当の蘇芳本人はどこ吹く風であった。

 

 これを見た光牙は輪廻に対し「……良いのか?あれで」と聞くと肝心の輪廻は

 

 「え?まぁ本人が納得してるんならいいんじゃない?」ワインを飲みながら適当に答えたため光牙は「……そうか」とだけ言い鈴音に対してサインを送った。

 

 それを見た鈴音は

 

 「勝者……蛇女子学園…2年選抜メンバー詠!」

 

 高らかに宣言したつもりだがどこかモヤモヤした気持ちを抱えた鈴音。これに対しては他の学生達も同様らしく訓練所全体にはどこか煮え切らない空気が流れていた。

 

 その空気を作り出した蘇芳はと言うと

 

 「ん~やっぱり、敗北宣言はダサかったかな?……まぁ、あいつらなら納得しただろ…」

 

 蘇芳は頭にとある双子を浮かべながら訓練所を後にした。

 

 ーとある学生領ー

 

 「クシュン!」

 

 髪の毛に赤いメッシュを入れた少女がくしゃみをすると風呂上がりらしくバスタオルで髪を拭いている同じ顔だが髪の毛のメッシュの色が青色の少女が

 

 「どうしたの?右京?噂?」

 

 と聞かれたので右京と呼ばれた少女はげんなりとした表情で問いかけて来た少女に対して。

 

 「何で、いきなり噂から入るのよ!まず風?でしょう?左京」

 

 左京と呼ばれた少女は「アハハ」と愛想笑いでごまかしながら話の話題を切り替えた。

 

 「……懐かしいねこの写真……」

 

 ふと、視界に自身達の幼い頃の写真が入ったため右京にそう言うと。右京も写真を見ながら

 

 「そうだな、貧民街で育った私達が今ではロックバンドアーティスト活動してるんだもなー」

 

 ゴロンとベッドに寝転がりながら言うと左京は

 

 「……5年か……ねぇ覚えている?彼の事?」

 

 左京は写真を撫でながら聞くと右京の方も懐かしそうに同意しながら

 

 「蘇芳か、確かにな。まぁあいつの事だ元気にしてんだろ?それとも何だ?好きだから会いたいのか?」ニヤニヤ

 

 ニヤニヤと笑いながら悪戯っ子のように左京に聞くと左京は顔を真っ赤にしながら。

 

 「///ちっ違うよ!結構長い時間会って無いから懐かしいなーて思っただけだよ!そーゆーお姉ちゃんはどうなの?前会いに行った時寂しそうにしてたじゃん!お姉ちゃんの方こそ好きなんじゃないの!?///」

 

 今度は右京が顔を真っ赤にしながら

 

 「///は…はぁ!?ベベベベつに好きじじじゃねーし!おじいちゃんに会いに行ったら旅行中だったみたいな感じだかりゃ!///」

 

 二人して赤面しながら、一通り息を落ち着かせながら顔をみあわながら「「プッアハハハハハ!」」と笑いあいながら。

 

 「そんなに気になっているなら、明日は…無理か…明後日にでも貧民街にでも行ってみようか!」

 

 「そうだね、それじゃ明日早いし寝よおやすみ~」

 

 そう言いながら二人は眠りについた。

 

 二人は今人気のバンドグループA.R.C.Angelsのメンバーのメロディ系ベース担当の右京、リズム系ベース担当の左京二人共に蘇芳が5年前にいた貧民街出身の双子である。貧民街にいた頃は三人でよく一緒に遊んだりしておりまるで本当の家族のように過ごしていた仲であり成長するに連れて仲の良い親友から一人の異性として意識し始めた二人であったが、蘇芳は唐突に二人の前から姿を消してしまった。

 

 二人はとても悲しんだが一緒に住んでいた部屋に「必ず戻って来るここじゃない場所でも必ず会いに行く」と書かれた手紙があったため二人は涙を拭いて前に進む決心を付け今に至る。

 

 そして、明後日会いに行くと行った際に本当に会えるのはまだ先のお話……である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

       

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

        

 

 

 

 

 

 

 

  




く!長くなりすぎてしまった!

とりあえず、次鋒戦は終了しました!結果は詠ちゃんの勝利となりました!

詠ちゃんの秘伝忍法の「ワルキューレ・ブリュンヒルデ」と進化?した理由は属性に関係がありますがそれについてはぼちぼちと

そして、蘇芳の幼馴染みとして、NEWWaveより!右京&左京を出させて貰いました!


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中堅戦(笑)+

中堅戦




中堅戦のタイトルが酷いのは、気のせいです。


 ~訓練所(消滅故にクレーター)~

 

 「このまま詠お姉ちゃんに続いて私が勝つわ!アンタ覚悟しておきなさい!」

 

 龍導選抜の中堅メンバーの白銅が訓練所に来るなり、対戦相手である未来と呼ばれた少女がいきなり勝利宣言をして来た。

 

 「……全く蘇芳の奴とんでもない事をしてくれたな」ハァ

 

 白銅は未来の事は無視をしながら(一応聞いてはいるが…)クレーター化した訓練所を見渡しながら溜め息を付いた。

 

 一方の未来は無視されたため身体中から忍気を放出しながら憤怒の表情を顔に浮かべながら、大声で。

 

 「私を無視すんじゃ無いわよ!殺すわよ!!」

 

 "殺す"そう言われた、白銅はまるで菩薩のような柔らかで穏やかな表情と声で

 

 「……あんまり、"殺す"とか言う言葉使わない方が良いよ?」

 

 まるで教師が小学生、または園児に注意する様に優しく指摘して来たこの行為には悪意等は一切無い。親切心でかけた言葉であったが……その指摘をより馬鹿にまたは格下に見られたと思った未来はより一層憤慨しながら

 

 「うるさい!黙れ!アンタは絶対に"殺す"!」

 

 頑なに殺すと言う未来に対して、白銅は最初から蛇女子学生達に抱いていた《口だけ》の印象が一層と強くなり顔には浮かんでは居ないが、手や首にうっすらと青筋が浮かんでいた。

 

 

 「……はぁ、わかったわかった殺れるもんならやってみな」

 

 互いが臨戦状態に入ったのを確認した鈴音は戦闘開始の合図を出した。それと同時に白銅と未来は互いに距離を取った。理由は単純に双方共に遠距離タイプだからであった。

 

 (さて……あの貧乳の武器は十中八九仕込み銃。タイプはドラムマガジンを見る限りアサルトかマシンガン……その他に火薬の匂いからしてガトリングに……グレネード……戦闘機もあるな……)

 

 白銅は鋭い洞察力と嗅覚で未来の武装を的確に当てて行き自身の武器の確認を行う為にクレーターとなり隠れる場所のなくなった訓練所にその場を作る事にした。

 

「これが、ベスト岩弾・岩落部(がんだん・いわおと

)」カチャカチャ

 

 取り出した弾丸を全て銃に詰め込み周囲に撃ち始める。弾丸が当たった場所に次々と山の様な巨大な岩が形成され始め、それに身を隠し隙を伺う事にした。

 

 「ふん!そんな石ころ私の秘伝忍法で粉砕してやるわ!ヴァルキューレ!!!」ドガガガ!

 

 未来の股下から巨大な対戦車ライフルが伸びて来た………マガジンが二つありそして長い銃身どう見ても……アレにしか見えない………

 

 「う~ん、なんか陰茎みたいだねぇ~」ホワホワ

 

 ワインを飲んでほろ酔い状態となっている輪廻が言ってしまったため、周囲の視線が刺さりまくる。

 

 「……お前……何つう事を言うんだ…」

 

 明らかに淑女でなくとも言わない台詞を言い出した輪廻に対して光牙達はドン引きな眼で見た。

 

 ――戻って訓練所――

 

 訓練所ではやたら滅茶苦茶に弾丸を乱射しまくる未来。

 

 「ニャハハハハハ!!どうしたの?全然!攻めて来ないわね!!諦めてとっと降参して殺されなさい!」

 

 隠れてから攻めて来ない白銅に対して怖じけ付いたと思ったらしく、余裕をかましながら白銅の造り出した岩を壊して行ったが実のところ白銅は岩側には居らず。(・・・・・・・)

 

 「馬鹿みたいに銃を乱射しやがって……こいつで終わりだ……」ポイッ

 

 クレーターの上に移動して下にいた未来が自身の造り出した岩を粉砕しているのを眺めていたのであった。

 

 そして十分に岩が砕け散り、まるで辺りに煙幕の様に粉が充満したのを確認すると、予め輪廻から貰っていたライターを訓練所に投げ込んだ。

 

 ……すると……

 

 ードガァァァァァン

 

 凄まじい轟音が鳴り響くと共に大爆発が巻き起こり

 

 「う" にゃあああああ!?」ボヒューン

 

 上空に高く打ち上げられた、未来がボテリと落ち地面に打ち付けられて気絶したのを確認した白銅は鈴音に視線を向けると鈴音は……

 

 「決着!勝者!龍導選抜!白銅!」

 

 ……と中堅戦は白銅の圧勝で終わった。

 

 

 




かなり短めで終わりました。未来ファンの方すいません………

仕方ないんです……白銅は輪廻とほぼ互角ではありませんがカグラにほぼ近いんです……

副将戦は長くなりゅ予定です。


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副将戦(前編)

道半ば


「ふぅ……勝ってきたぞ、満足か?」

 

 白銅は訓練所から輪廻の居る場所に行き、そう言うといきなり

 

 ガバッ!ギューーっと輪廻に抱きしめられた!

 

 「流石よ!流石!やっぱり私の隣に立つに相応しい実力者で親友だわ!」ハァハァ

 

 いきなり抱き付かれた白銅は「グヘ!」と小さく呻き声をあげながら輪廻に対して、

 

 「良いから、離れろ!」ベシッ!

 

 「アヒン!」

 

 叩き払った。輪廻は「結構痛い」と言いながらも笑顔で白銅の勝利を喜んでいた。

 

 「それより、次鋒戦で負傷した蘇芳の傷は治療したのか?結構な重傷だった筈だが」

 

 詠の秘伝忍法?によって左肩からほぼ心臓部位にまで傷が到達していた蘇芳の心配をする白銅だったが

 

 「俺は無事ですぞ、先輩」モグモグ

 

 蘇芳は左肩に包帯右腕にギプスをした姿で、干し肉を食いながら白銅の前に現れた。

 

 「……お前、それ私が食べたかった干し肉……まぁいいけど。それよか、確かえーと、光牙……さん?でしたよね?すいませんね、家の馬鹿と筆頭がご迷惑をおかけしまして」

 

 白銅は光牙の前に出るなり頭を下げ、蘇芳が訓練所を破壊した事とへべけれ状態の輪廻が蛇女や光牙に迷惑をかけた事に対しての謝罪をした。

 

 「……いや、気にしないでくれ……」

 

 この礼儀の良さと生真面目な白銅の態度を見た光牙や蛇女子学生は心の中で 

 

 (この人こそ……) (こいつこそ…) (筆頭が相応しいだろ?)

 

 誰もがそう思ったが、まるでその心を読んでいたかのように白銅は

 

 「我々龍導学園の選抜査定基準は実力主義(・・・・)なので気にしないで下さい。まぁ他とは多少異なりますが……」

 

 実力主義……つまりは人格や言動等に問題があろうがなかろうが実力さえあれば誰であろうと選抜メンバーになれるといった制度らしく(道元は知らない)割と蛇女や他の忍育成機関と変わりはないが決定的に違う部分があった。

 

 「異なるって?」

 

 春花が異なると言った部分が気になったので聞き返すと白銅は答えるべきか多少悩んだ末に

 

 「選抜メンバーの数の多さです。約40人居り、零から七の部隊で編成でしてね」

 

 「なっ!?」

 

 龍導の生徒数が多いのは知っていたが、選抜メンバーが40人居るのは流石に驚きであった為、光牙達は驚愕した。

 

 「まぁ過去ですけどね……」

 

 肩を竦めつつ白銅は顔に笑顔を作りながら言った。そのまま話を続け

 

 「本来はその選抜隊零から七の筆頭が遠征メンバーとして選ばれるはずだったんですが……ちょっとした例外が起きましてね」

 

 "例外"と口にしたとたん歯切れを悪くする白銅に焔は訝しみながら

 

 「例外って何だよ?……零から七以外の奴等が死んだとかか?」

 

 どストレートに不謹慎な事を口には焔に春花は「不謹慎よ、焔ちゃん……」と注意する

 

 「へぇ……よく分かりましたね?まぁ正確には零・一・四・七の筆頭は生きていて残りは死亡したんですが」

 

 焔の発言は不謹慎ではあったが、事実だった為に白銅は特に咎める事もなく肯定と生き残りも居たという事を口にした。

 

 「……成程な。生き残りの選抜メンバーの零が輪廻で一がお前、四が先刻詠と戦った男、七が春花と戦った奴というわけか……今から日影と戦う奴と焔の相手は選抜メンバーではないと言う事か?」

 

 光牙は自身成りの考えを口にする白銅は「ええ」またも肯定した。

 

 「今から日影さんと戦う灰怒は外部から来た編入生で焔ちゃんが戦う相手が例外を引き起こした問題児です……それよか、副将戦を気にした方が良いのでは?」

 

 「(……あの腑抜けた態度の男が……そんな人数の人間を…)」

 

 焔は白堊に甘い男という印象を抱いていた。だが今の話で自身の初撃を防いだのは単なるマグレではない事を理解した。それと同時に普通の人間であれば緊張や恐怖を抱くものだが……

 

 「ふ……ふふふ(良いじゃないか…ぶっ潰し概のある相手だ!私が光牙を超え最強の存在になる為の糧にしてやる!)」

 

 常に修行修行の脳筋もとい良く言えば努力家悪く言えば修行中毒者な焔は胸の高鳴りを押さえきれないまま副将戦の相手の様子を伺う事にした。

 

 ~訓練所クレーター~

 

 「では、宜しくお願いします」

 

 「ん、こちらこそ」

 

 訓練所クレーターで灰怒が日影に対して笑顔で言いながら自身の定位置に戻ると同時に忍転身を行った。

 

 「フードとゴーグル要らないけど、マスクはいるかな……」

 

 (因みに灰怒の転身姿はBHのベクター)

 

 そう言いながら、頭に被せていたフードを取り更にゴーグル部位も取り自身の武器であるナイフを構えると相手の日影も転身姿で臨戦体制に入っている雰囲気であった。

 

 「……え~と、準備万端なんだよね?」

 

 今一感情の読み取れない日影に灰怒は問いかけると日影は無表情で

 

 「どっからどう見ても、そう見えん?」

 

 やはり無表情で答える日影に灰怒は苦笑いをしながら「……君は感情表現が苦手なのかい?」と言うと日影は

 

 「儂には感情が無いからな」

 

 そう言いながら灰怒を見据える日影そんな日影に灰怒は数秒沈黙した後

 

 「……ふぅん。どんな事されても表情を変えないし何とも思わないんだ……クク」

 

 マスク越しからは分かりにくいが、眼を細めながら獰猛に笑っていた。

 

     「紅蓮の如く舞い散れ!」

 

 鈴音が開始の合図をすると同時に灰怒は素早く日影に接近し突き刺そうとするが………

 

 シュッル!サッサッ!……シーン

 

 まるで、蛇のようなしなやかさに猫のような素早さで岩陰に隠れた為に灰怒のナイフは虚しく空を斬り日影の隠れた岩の表面を突き刺した。

 

 「……チッ!やっぱりか……」

 

 灰怒が舌打ちをしながらナイフを抜くと、背後から

 

  ……ヌラァ……ゆっくりと殺気を消しながら日影がナイフを構え舌嘗めずりをし……そのまま一気に振り下ろした!

 

 ザシュッ!…鮮血が飛び散り灰怒が倒れ……決着がついた…と誰もがそう思ったが……

 

 「(何や?斬った感覚があらへん?何でや?ちゃんと血も出とるのに?)」

 

 日影は感覚が無いという不思議な状態により僅かな隙が出来てしまった。

 

  「ククク……本当に感情ないんだな」ズズズ

 

 斬られた筈の灰怒が背後の日影へと向くと同時に身体から影の様な靄が出始めた。

 

   「ッ!!」バッ

 

 日影は灰怒の身体から吹き出た靄に得体の知れない不気味さを感じ取り、バックステップで距離を取った

 

 「普通何かしら得体の知れない物が出たら距離を取るのは普通ですよねッと!」ズバッ!

 

 前方にいた筈の灰怒が日影の背後から突然現れ手にしたナイフで日影の背を切り裂いた。

 

 「クッ!」ヒュンヒュン!

 

 日影は斬られたにも構わずに腕に装備していた小型のナイフを連続で投げて来た。

 

 「守りではなく、攻めとは肝が座っていますね!だが無意味だ!黒妖・闇盾(コクヨウ・アンジュン)」ブォワン

 

 灰怒が手をナイフに翳すと黒い円上の盾を作り出し日影の投げた小型のナイフを次々とナイフをガードというよりはどんどんと吸収し始めた。

 

 「……今、日影さんが戦っている方の属性は恐らく闇属性ですわね」モグモグ

 

 「確かに何処からどう見てもそうだろう」モグモグ

 

 「ほぅ……面白い奴だな」モグモグ

 

 「……………(闇属性ねぇ……多分違うな)」モグモグ

 

 上から詠、蘇芳、光牙、輪廻の順にそれぞれに感想を言ったり心に思ったりした。……干し肉を食べながら。

 

 「……………何で敵の食料を食っているんだ?お前達……」ジュルリ

 

 焔は飽きれ気味に詠や光牙を見ながら言ったが……

 

 「焔ちゃん……涎が」モグモグ

 

 全く持って説得力が無い焔であった。

 

 話を戻して訓練所では一方的に日影に攻撃を加える灰怒だったが…何故か苦しそうにそれに言動が激しくなっていた。

 

 「ハァ…クソがッ!マジで表情を…グッ…かわんねぇんだな!ククク…グッヌゥ…」

 

 時折頭を抑えながら攻撃をしていくが……先程とは打って変わって日影の攻撃が段々と当たり初めていた。今回は的確に影ではなく灰怒に攻撃が当たっている為、辺りには血が飛び散っていた。

 

 「やっぱりな……ただの闇属性じゃないなあの属性」

 

 輪廻は苦しそうに呻く灰怒に眼をやりながら呟くと光牙も灰怒を見た後に変化に気付き

 

  「冥腐蝕(めいふしょく)か」

 

 と光牙が言うと輪廻はこくこくと頷きながら他のメンバー達に簡単に説明し始めた。

 

 「冥腐蝕ってのは簡単に説明すると闇属性の最上位に位置する属性で使用者は身体が闇に侵蝕されて最終的には死より恐ろしい結末を迎える属性さ……ほら、現に灰怒のマスクで見えにくいけど微妙に黒ずんでいるだろ?」

 

 輪廻が顎で指したため灰怒に視線を送ると確かにうっすらとではあるが黒ずんでいた。

 

 「確かに黒ずんでいるけど……その死より恐ろしい結末って何なの?」

 

 春花が純粋に疑問に感じた"死より恐ろしい結末"に付いて問うと冥腐蝕を知っている輪廻と光牙は互いに顔を見合せながら

 

 「言って良いものなのか?」

 

 「言った所で理解できんだろうから大丈夫大丈夫」

 

 「適当だな……なら良いか…外なる神に魅いられるらしい」

 

 外なる神…光牙がそう言うと春花が

 

 「それって、クトゥルフグッ!?」

 

 春花がある名前を言おうとしたとたん輪ねが凄まじき速さで春花の口を塞いだ。

 

 「私の前でそいつらの名前は言うな!」

 

 滅赤戦の前に見た無機質な蟲のような眼で春花を睨み付けながら口を塞ぐ輪廻に春花は頷く事しか出来なかった。

 

 「……落ち着いて輪廻…今は灰怒がそうならないように見守ろう…」

 

 輪廻の肩に手を起きながら語りかける白銅によって何とか元の性格に落ち着いた輪廻は春花に「ごめんね」と謝りながら

 

 「そうだな。筆頭の私とした事が…すまない」

 

 落ち着きを取り戻した輪廻は見守る事にした。

 

ーーー第2訓練所ーーー

 

 「秘伝・忍法!ぶっさし!」

 

 ザクザク、ドシュ!

 

 「うごぉあ!?」ドサッ

 

 日影の秘伝忍法を直撃を食らい、身体中の切り傷に加え腹部へのナイフの突き刺しにより地面に倒れ込む灰怒。しかしそれでも、立ち上がりながら日影向けてクナイを数本投げ飛ばす灰怒。そのクナイを日影はジャンプしながら回避する。

 

 「かかったな!秘伝・忍法!牙砕刃(がさいじん)

 

 日影がジャンプして回避した上下にまるで蛇の牙のようにナイフが展開され灰怒が

 

 「食らいつけ!」パン!

 

 手を上下に挟み込むように動かすと、ナイフがそれに応じるが如く閉じ、日影にナイフが突き刺さる。

 

 「うっ!クッ!うわぁ!?」ザクザク!

 

 流石の日影も大量のナイフに刺された為か声を上げる。ナイフを食らいながらも頭等の急所をガードするが

 

 「隙だらけだ!」

 

 頭をガードするために視界が狭まった為、目の前に迫った灰怒に気付くのに遅れてしまった。

 

 「秘伝・忍法八頭大蛇焼波(やずおろちしょうは)!」

 

 炎によって作られた頭を八持つ大蛇が現れ四方八方囲まれ逃げ場を防いだそれを確認した灰怒は

 

 「焼き尽くせ!」

 

 と声を発すると大蛇は口から逃げ場の無い日影向けて黒炎を吐き出し無慈悲に焼死させようとした。

 

 その光景を見た詠達は止めさせた方が良いと輪廻に近づくが鈴音が現れ、それを静止した為反論しようとすると光牙が

 

 「日影の奴、あんな隠し玉を持っていたとはな……」

 

 言いながら訓練所を眺めていたため訓練所を除き混んで見ると炎の大蛇をかき消して紫色のオーラを纏った日影がいた。

 

「(こいつ、()が出せれる最大火力をかき消しやがった!)」

 

 灰怒は先刻炎を浴びせ倒れるのも時間の問題だと思っていた日影が突如炎を浴びながらも起き上がり

 

 「……ヒナタ!!!!」

 

 と叫ぶと同時に紫色のオーラを纏いながら自身の秘伝忍法を消した事に驚きを隠しきれなかった。

 

 「……クヒヒヒヒヒ」ニチャリ

 

 感情の無い筈の日影はオーラを纏いながら不気味な笑みを浮かべながら灰怒を見据えながら

 

 「あんたを……もっと………切りたい」

     

    ゾクッ

  

   「何なんだ!?こいつ」

 

 両手にナイフを持ちながら迫って来る日影に灰怒は得体の知れない恐怖を感じながらも構えを取った。  




次にて!副将戦決着です!さぁ!どっちが勝つのか!ご期待ください!

ここで出た属性《冥腐蝕》について少し

この能力は実の所は普通の忍(人間)には扱う事は出来ない力です。

作中でも記述した通り本来は《外なる神》のようなヤベー奴らがしようする属性だからです。

一応使える理由はありますがまたそこはおいおいと……

能力の性能は身体能力UP・属性強化・武器性能UPです

 最後にどうでもよいかも知れませんがこの能力を発現または使える事が出来るキャラはもう出ています。


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副将戦(中編)

今回は中編と後編にします


灰怒君の秘伝動物が変化!?


 「…刻みたい…もっと…あんたを刻みたい!」

 

 日影が紫色のオーラを纏ってからというもの、灰怒は防戦一方となっていた。攻撃しようにも躱されカウンター、防御した際には視覚外からの攻撃……その連撃により徐々に劣勢になっていく灰怒。これを見た焔は

 

 「……何だ?勝つとか言っときながら劣勢じゃないか~日影が勝つのも時間の問題だな~?」

 

 相変わらず挑発的な態度で輪廻達龍導メンバーに語りかけて来たそれを見た春花や詠は「また、始まった」と言ったような視線を向けながら呆れていた。

 

 「確かになぁーポムポムプリンと意見が合うのは癪だが」

 

 「……焔だ」

 

 「リン……それ以前に名前を間違えるな。彼女の名はホームランだ」

 

 「…焔だ」

 

 「違いますよ、先輩ホルスですよ」

 

 「焔」

 

 「「「ん?何か意見が合わないな?」」」

 

  「だから!私の名前は焔だっ!」

 

 明らかにわざと間違えている輪廻やその他までも名前を間違えて(蘇芳は輪廻同様)いたため焔は堪忍袋がキレたため刀を抜こうとするがそれよりも速く輪廻は糸で動きを封じた。

 

 「……輪廻。いい加減に名前で読んでやれ。でないとこの犬は噛みついて来るぞ?」ハァ

 

 光牙も光牙で一言余計だった為、焔は「お前が言うな!」と噛みついて来た。

 

 「わかったわかった、すまんね焔ちん今拘束解いて上げるねーほら。蘇芳あんたも謝んな」

 

 「すまん、すまん」

 

 「間違えて、すいませんね焔犬(ほむらいぬ)さん」

 

 拘束を解かれた焔は謝ったのなら別に良いと言いながら次に行われる大将戦に向けての準備をするために控え室へと戻って行った。

 

 「輪廻の考えだと負ける確率が高いのか?(犬って言われてなかったか?)」

 

 「うん、まぁ目がビビっているしな(ハクの奴、犬って言わなかった?)」

 

 「白銅先輩……犬って言いませんでした?」

 

 「?言ったが?あれが彼女の名前だろ?」キョトン

 

 何を言っているんだと言わんばかりの表情をしている白銅。どうやら彼女は本気で間違えている事に気付いていないらしく、一同は訂正しようとしたが面白いから黙っておくことにした。

 

 ――訓練所――

 

 「グアッ!」

 

 とうとう、壁際にまで追い詰められた灰怒は膝を地面に付けてしまい出血の量で意識も朦朧となっていた。

 

 「ハッ……ハハハ!何だ、感情無いとか言ってた割には今の君…凄く笑っているじゃん……グワッ!?」

 

 時間を稼ごうと喋り掛けて見るが、無反応に加えナイフの一閃により眼球を切り裂かれてしまった。

 

 「次は口を裂いたろか?いや、やっぱ腹にするわ」ドス

 

 目を抑えて動けない灰怒の腹をナイフで刺し、そのままグリグリと動かす日影に周りは戦慄を覚えた。刺された灰怒は口から血を溢れさせながらも日影の肩を掴み。

 

 「ゴブッ!つ……捕まえた呀閃脚(がせんきゃく)!」

 

 シュッ!腹を裂かれながらも鋭い蹴りを放ち、日影を突き飛ばすがまともな体制ではなかった為に精々4、5mしか吹き飛ばす事が出来なかった。その為、日影はすぐに起き上がり

 

 「次はその行儀の悪い足を切り落としたる!」

 

  小型のナイフを灰怒目掛け投げるが灰怒の目前に迫った途端に重力に逆らうが如く地面に落ちていった。その為、自らの手で刺し貫こうと迫ろうとするが足が中々進まない。原因を確かめる為に地面を見ると……

 

 「…………!?」

 

 どす黒いコールタールの様なドロドロとした沼が自身の足を沈めていたために進む事が出来なかったらしく、必死に出ようとすればするほどどんどん身体が沈んでいく。この絶好のチャンスに灰怒はただ虚ろな表情で地面に顔を向けているだけであった。これを見た輪廻は糸で弓と矢を造り出し灰怒に向けた。

 

 「輪廻先輩「さん」!?」

 

 「リン……」

 

 「輪廻、まさかだが」

 

 突然の輪廻の行動に驚く蛇女子学生や蘇芳しかし白銅と光牙は輪廻の意図に気付いた為かあまり驚きはしなかった。

 

 「あぁ、魅入られた。完全に憑かれる前に射殺す」チャキ

 

 パシュ!正確かつ素早い一撃の矢が灰怒の頭目掛けて発射された!

 

 ――???――

 

 「………ここは?…どこ…だ?…って眼が潰されてるから分からないか…うぅ!しかし寒い!訓練所はこんなに寒くなかっただろ?…うぅ!本当に一体何が…何やら……っ!」バッ

 

 途端に背後から凄まじい威圧感を感じた灰怒は振り向くと見えない筈の眼であったが、何やら得たいの知れない者を感知した。

 

  「……」ゴクリ

 

 思わず息を飲む灰怒。その得体の知れない者から凄まじい冷気は送られているらしく、何かを言おうと灰怒は考え思考を整理する前に

 

 『やぁ、君は運が良いよ?僕に魅入られてもらえてさ!』

 

 得体の知れない者は灰怒にフレンドリー且つ見下すかの様な挨拶を交わして来たため灰怒は

 

 「お前は……っ一体……何者だっ!?」

 

 灰怒は凄まじい威圧感を跳ね除け問いかける。すると得体の知れない者は

 

 『ん?あぁ~あの雌に目玉潰されてるんだったけ?治してもいいけど?僕は見ない方がいい……まぁいっか!何事も経験だよね!えいやっ☆』

 

 またもやフレンドリー且つふざけましたような掛け声をすると、同時に灰怒の眼球に冷えた感覚が来る。そして灰怒が眼を開けると自身の手足が見えた為、目が治った事に驚愕と喜びを覚え、自身の前にいる得体は知れないが治した者に感謝の言葉を捧げようとした灰怒は、ソレ(・・)を見て絶句した。

 

 『やぁ!あっ!ビックリした?』

 

 何故なら、巨大な蛆の身体に円盤上の顔には舌の無い口に鼻腔の寄り合った二つの眼孔からは目玉の形をした血の色をした球体が滴り落ちている。正に化け物と呼ぶに相応しい姿だった為である。

 

 「おま……きみ……貴方は……一体……?」

 

 灰怒は辛うじてその問いだけを出す事が出来た。問いかけるとその化け物はニタニタと微笑み?ながら

 

 『凄いね?君…大抵僕の姿見ると絶叫するか気絶するのに……あぁ、名前ね。ゴメタンゴメタン!僕の名前は「ルリム・シャイコース」邪神だよん』




はい、続きは後編で登場したのはなんとなんと!不気味な邪神様!「ルリム・シャイコース」彼が灰怒君にどういった影響を与えるのか!次回をおたのしみに!


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副将戦(後編)

決着ゥゥゥーーー!!!



 レタスの店長さんと虚無の魔術師さんのキャラが出ます。


 「ルリム・シャイコース……」

 

 その名を聞いた灰怒は息を飲んだ。何故ならその邪神は一度とある魔術師によって殺されて(・・・・)いるからであった。

 

 「クトゥルフ神話の邪神様が一体僕に何の用だ?……取り敢えず眼を治してくれた事は感謝するけど……」

 

 ジト目でルリム・シャイコースに問いかけるとニヤつきながら

 

 『何の御用だ、か……ある意味君が僕達を呼んだようなものだよ?まぁ僕は他の奴らを出し抜いて君に憑いたんだけどね!』ケラケラ

 

  不気味な声で嗤いながら語るルリム・シャイコースに若干顔を顰めながら『呼んだ』と言う言葉に引っ掛かりを感じた為に灰怒は考え、そして一つの答えに辿り着いた為、ルリム・シャイコースに聞いてみた。

 

 「……もしかして、《冥腐蝕》が関係しているのか?」

 

 灰怒が一番邪神に関わりが有りそうな自身の属性を思い浮かべながら、目の前のケラケラ嗤う邪神にそう言うとルリム・シャイコースは嗤うのを止め灰怒に顔を近づけながら

 

 『そうだよ、やはり君は中々に見込みがある……さっきの質問の何の用だけど……この心象世界もそろそろ時間もなくなって来た上に外も騒がしくなって来たから……単刀直入に言うぞ、灰怒君。お前に力を与える代わりにお前にとある魔術師を殺して欲しい(・・・・・・)

 

 

 ――訓練所――

 

 「…………マジか」

 

 輪廻は冷静な表情と態度を崩さずに今起きた現象についてどう説明したものかと考える、何故なら

頭部目掛け矢を放った=当たった=死ぬ……となる筈が、頭に当たると同時に放たれた矢が跳ね返り自身の頬を掠め背後の壁に突き刺さったからであった。

 

 「これは、完璧に憑かれたか?」

 

 周りの愕然とした空気に光牙が呟くと輪廻は顎に手を当てながら数秒眺めた後……

 

 「分からん……イヤ、マジで」

 

 一同は深い溜め息をつきながらも心中で「やっぱりネ」そう思い訓練所に振り向いた瞬間ポツリ、ポツリと辺りに雪が降り始めた。

 

 「……雪?この季節に?」

 

 春花が空を見上げならそう呟くと他の生徒達も空を見上げるが、輪廻だけは訓練所の方を向いてこの雪の発生源を看破した。この雪は厳密には空からではなく訓練所の灰怒の身体から放出されたものであった(先程の分からんは嘘)

 

 「……フフフ(まさか、契約するなんて)」

 

 輪廻は心の中でそう思いながら、灰怒を見て何故に契約したのか解ったかと言うと、灰怒の外見が変わっている事に加え彼から発せられる気の性質に極めて高い神性を感じたからであった。

 

 ――心象世界――

 

 「………あのさ、そんな事いきなり言われて普通『はい、わかりました』って言うと思う訳?……神は邪神だろうが最高神だろうが、本当に自分勝手な連中だな」

 

 灰怒は先程とはうって変わって呆れと多少の怒りを含めた口調で答えたこの返しにルリム・シャイコースは諦めて退散しようとしたら

 

 「が、眼も治して身体中の傷も治してくれたのに恩を返さないのは僕の流儀に反する……だから、良いよ」

 

 先程とまたもや打って変わって穏やかな口調に柔らかな表情で答えた灰怒に、邪神は数秒間呆気に取られたが直ぐに何時もの調子に戻り

 

 『ほ、本当かい!?アリガトゥ!そんじゃ契約するから右手を出してくれ』ニチャアリィ

 

 「……わかったからその気色悪い笑みは止めて」

 

 気味の悪い笑顔を見せたルリム・シャイコースに若干引きつつ右手を差し出した灰怒。

 

 『癖なんだ、気にしないで……(結構表情豊かな子だな)……それでは気を取り直して……汝、我等が混沌の眷族にして我等が手足となる事を誓いし者よ。我が望み果たされるまで汝の剣と盾となろう』ズズ

 

 ルリム・シャイコースが契約の義を交わすと徐々に彼と右手の差し出した灰怒の身体が透け始めた。つまりこれは契約が成功した為、心象世界の必要性が消えたと言う意味合いであった、そして現実の世界でも変化が訪れた。

 

 「グッゥ!オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」ゴゴゴゴ

 

 現実世界の灰怒が宙を見ると同時にまるで獣の様な咆哮を上げたと同時に髪が黒髪から銀髪へと変わり両目紫色だった内の右目が氷のような全てを見透かすような藍色となった。

 

 「憑かれた?……いや契約したのか!?」

 

 冥腐蝕の性質を知っている光牙は灰怒の身に起こった事に気付き驚愕の声と表情を浮かべた。

 

 「流石に気付くよねぇ~」ボソッ

 

 光牙の反応に小さく呟く輪廻を呆れた目で見る白銅に光牙は輪廻の先程語っていた「分からん」が嘘だと判明した為、少しキレていた。

 

 ――訓練所――

 

 「……フゥ、何か変わったのか?変化はなさそうだけど……ルリム・シャイコース…僕は本当に契約成功したのかい?」

 

 いくら聞いても反応が無い為に契約は失敗したと思ったらしく、灰怒は残念そうにしながら沼にはまり動き難そうにしている日影に止めを刺そうとした。その瞬間、

 

 『ストーーーーーーーーップ』

 

 ルリム・シャイコースの大声が突然頭の中に響き渡り、灰怒は少し硬直し動きを止める。

 

 「いきなりビックリするだろ!?てゆーか居たなら返事ぐらいしろよ!?」

 

 非難の声をルリム・シャイコースに上げるが、当の本人は反省した様子が見受けられない。そればかりか

 

 『声荒げるのは良いけど、大きい一人言言っている痛い奴にしか見えないよ?灰怒きゅん』

  

 自身の声は契約者以外には聞こえない事を良い事に、相変わらず小馬鹿にした様子で語りかけるルリム・シャイコースに灰怒は顔を赤らめながら

 

 「~ッ!じゃあ、何で返事をしなかった!?理由を言ってくれ!////」ヒソヒソ

 

 日影から距離を取り、口を隠しながら小声で問い質す灰怒。この光景を観戦席から見ていた者達は(選抜含み)

 

 「彼……どうしたの?」《春花》

 

 「情緒不安定なのでしょうか?」《詠》

 

 「何一人言いってんだ?」《蘇芳》

 

 「……次は俺か……イメトレするか」《白堊》

 

 等聞こえない者達は割と好き勝手言っていた。

 

 『理由ね!君の属性と封印を少し解除するのに戸惑ってね一応こう言ったラインナップだよ!眼を閉じながら確認してネ!』

 

 そう言われた為眼を閉じると、以下のような内容が現れた。

 

  属性・・・黒炎➡️蒼炎

       雷 ➡️壕雷

      冥腐蝕➡️宵闇

       氷結➡️氷晶

        光➡️極光

 

 解除封印・・・未来視➡️無制限

         心眼➡️天眼

         治癒能力

         縮地

         神性解放

 

 といった属性や能力の解放がされていた。ルリム・シャイコースはドヤ顔で『凄いでしょ?』と鼻を鳴らしながら自身の力をアピールするが、当の灰怒はワナワナと震えながら。

 

 「何やってくれてんの?イヤ、ありがたいけどさ!この能力は僕の成長と共に解放していく流れだったのに!まだ成長段階にすら行ってない僕じゃ扱えないよ!」

 

 『わかったから!落ち着いて!敵さん沼から抜け出しているから!落ち着いて!』

 

 「アイツまた何か一人言を」《千歳》

 

 「そういえば、総司ちゃんは、何処ですか?」《芭蕉》

 

 「何か白堊とか言う龍導の選抜メンバーの後について行ってたよ?」《伊吹》

 

 「なんじゃと?」《芦屋》

 

 「「「「これは、もしかして……」」」」《四人》

 

 次期選抜候補達は試合そっちのけでナルシ総司が龍導の選抜メンバーに付いていった事に食いついていた。

 

 ――訓練所――

 

 キン!シュン!キン!カキン!狂乱モードの日影による連撃が絶え間なく灰怒を襲うが、今までとは異なり連撃を易々と躱していた。

これにはいくら狂乱モードである日影も驚いたらしく、一端距離を取り隙を探る為に物陰に潜む事にした。

 

 「また、隠れましたか……仕方ない」

 

 『お!何かすんの?』

 

 「あぁ、早速だが"氷晶属性"を使わせて貰うよ」ヒソヒソ

 

 『あれ?火属性とかじゃないんだ?』

 

 「僕は元々だけど氷・雷・変わったけど闇属性が得意だからね」

 

 『ほへー!氷得意とか気が合うじゃん!』

 

 「不本意だけど確かにね…いくぞ《ルリム!》氷山・砦!(アイスバーグ・フォート)」ズザン!

 

 灰怒が地面に手で触れると同時に日影が隠れたと思われる岩場に小規模だが氷山が発生する……筈だった

 

   ドガギャアアアンパキパキ

 

 「!スレッド・ルート!」ヒュイヒュイ

 

 観戦席まで飲み込もうと迫る氷に輪廻は糸で道を作りギリギリで反らした、そのため観戦席にいた生徒達は無事に誰も氷漬けにはされなかったが……糸を使い道を作った輪廻は左手が完全に氷漬けにされ壊死していた。

 

 「……チッ。灰怒の奴、終わったらお仕置きだな。ハク、ナイフ貸してくれ」

 

 「ん」ヒョイ

 

 輪廻にそう言わた白銅は腰のナイフを投げ渡した。これを見た蛇女学生達は「あぁ、氷を砕くんだ」と考えていたが選抜メンバーは彼女が何をしようとしているか理解した為か顔を顰めていた。

 ――少しすると、輪廻は左腕目掛けてナイフを思い切り振り下ろし、自身の凍った左手首を切り落とした!

 

 「壊死してるからか?痛くはねーな。あ、ナイフありがとなハク」ヒョイ

 

 「ん」パシッ

 

 何事も無かったかのようにナイフを投げ渡す輪廻とそれを受け取る白銅に不気味さを感じ此方側に輪廻が顔を向けると蛇女達や選抜メンバー達は顔を反らした。

 ただ光牙だけは眼を反らす事なく輪廻の斬った左手を見ながら

 

 「イカれてるが、正しい判断力だな……」

 

 そう言われた輪廻は両手(・・)を上げ肩を竦めながら軽く

 

 「こんな事当たり前だろ?顔を反らす方が頭おかしいだろ?」

 

 蛇女選抜の春花はいやそれはない!と言おうとしたが輪廻の両手を見て驚愕した。

 

 生えていたのだ。斬った筈の左手(・・)が……その視線に気付いた輪廻は左手をヒラヒラさせながら

 

 「ハハハ!ビックリした?まぁ今は蜥蜴ちゃんの心配した方が良いだろ?」

 

 笑いながら訓練所に眼を向ける輪廻に春花は

 

 「……彼女の名前は日影よ」

 

 それしか言うことが出来なくなってしまった。

 

 ――訓練所――

 

 「…………」『…………』

 

 灰怒とルリム・シャイコースは互いに収支無言で辺りの惨劇を眺めていた。

しかし、互いに黙っていても埒が明かないと思ったのか灰怒はルリム・シャイコースに対して

 

 「氷晶属性って、こんなに大規模で凍らせる力なの?」

 

 灰怒が疑問を呈した通り氷晶属性に観戦席までを巻き込むような大規模な力は本来は無く精々2、3m遠距離でも数10mが最大だが明らかにこれはその範疇を越えていた。

灰怒の疑問にルリム・シャイコースは

 

 『……使用した時に僕の名前呼んだでしょ?多分そのせいだと思う……』

 

 そう言われた灰怒は頭を掻きながら《氷山・砦》を仕様する前に確かにルリム・シャイコースの名前を叫びながら発動した事を思いだした。

しかし、《ルリム・シャイコース》の《ルリム》の部分しか言っていないフルネームでもないにも関わらず発動した事を疑問に感じたためルリム・シャイコースにその事を聞くと

 

 『いや~僕と以前契約したり出会った人達は《化け物》とか《邪神》としか言わなくてね……君がルリムって呼んでくれたでしょ?何か、渾名とか愛称ぽくてつい嬉しくて……』

 

 「……過剰に力を与えてしまったって事かよ?」ハァ

 

 溜め息を吐きながらルリム・シャイコースに愚痴る灰怒にルリム・シャイコースは

 

 『いや~アハハハ』

 

 笑って誤魔化した為、より一層深く溜め息を吐きつつも

 

 「次からは気を付けてくれよ……」スゥゥ

 

 それだけを言うと直ぐにクナイを構えながら天眼を仕様した。

 

 「………そこか!」ビュッ

 

  そう言いながらクナイを氷の柱に放つ灰怒。するとその奥から低い声と共に人が倒れる音がした為、灰怒は予め右手にナイフ、左手にクナイを持ちながら柱の裏に回ると

 

 「クッ……なん…やねん…身体が…動かへん…」ピクピク

 

 日影が地面に這い蹲りながら、落としてしまったナイフを取るために懸命に動こうとしていた。

 

 「貴女に先ほど刺さったナイフはスタン…麻痺効果のあるナイフです…動けないでしょう?……ですから、諦めて降参してください」

 

 日影に対して穏やかな声のトーンと表情で語りかけるが当の日影は冷や汗を掻きながら

 

 「だ……誰が!」

 

 諦めずに抵抗の声を上げる日影に灰怒は止めを刺そうとナイフを振ろうとした瞬間――

 

 ズキッ!「…ッ!」

 

 強烈な頭痛が灰怒を襲った。それと同時に突然3年前の記憶が浮かび上がって来た。

 

 ―3年前―

 

 「グハァ!?」ドシャア

 

 吹き飛ばされ地面に叩きつけられる灰怒その吹き飛ばした少年は武器を片手に欠伸をしながら

 

 「いい加減に諦めろって…テメェじゃ俺に勝てねーよ…ファ~寝み…」

 

 少年は地面に叩きつけられ傷だらけの灰怒とは異なりかすり傷はおろか土埃すらついていなかった。

これが何を意味するか、それは単純に灰怒の前方にいる少年は灰怒を越える圧倒的力があるという事であった。

 

 「…誰が!…諦めるものかッ!お前を倒せば!巨悪にッ……」フラフラ

 

 生まれたての小鹿のような足取りで立つ灰怒に目の前に立つ少年…「天崎翔」は頑なに諦めないかつ「巨悪」という存在になろうとしている灰怒にとある質問をした。

 

 「お前さぁ、巨悪になった先どうするの?(きょあく   ・・・・・・)

 

 質問された灰怒は答える事が出来なかった

 

 「……そ、それは……」

 

 「先を考えてね~のに成ろうとしてんじゃあネェーヨ!っと」ズバッ!

 

 ――灰怒の意識はそこでフェードアウトした

 

 「………(何故…3年前の…あの記憶が…)」

 

 頭痛から解放された灰怒は何故3年前の記憶が唐突に頭に浮かび上がったのか考えていた。

 しかし、その僅かな瞬間は地面に平伏している日影のスタン状態を解除するには十分すぎた為

 

 「…隙だらけや!秘伝忍法!ぶっさし!」

 

 スタン状態から復帰し日影の秘伝忍法のナイフが灰怒の身体を貫いた!

 

 「たーく!なんつう分厚い氷だよ!怪我がなければあっという間だってのに!お!やっと穴が空いた」ボボ

 

 観戦席ギリギリまで覆われた氷を右手で溶かしながら愚痴る蘇芳は空いた穴から訓練所の様子を伺った。

 

 「穴が空いたか……どんな状況だ?」

 

 穴が空いた事に気付いた白銅が蘇芳に語りかけて来たため簡単に状況を説明する蘇芳。

 

 「えーとですね、灰怒がナイフで刺されてますね」

 

 見たまんまを伝えると白銅はただ「そうか」と言った後に白堊を呼んで来ると言い観戦場を後にした。

 

 「「えぇ……」」

 

 春花と詠は味方の心配をしない龍導メンバー達に困惑した声を上げた。

 

 訓練所では勝利を確信した日影が灰怒からナイフを抜こうとした際に違和感を感じた為ナイフを抜くと同時に灰怒を見る。ドサッと倒れる音と共に灰怒は地面に大の字で仰向けになる誰がどう見ても日影の勝ちだが……日影は違和感を感じた。それは……

 

 「(倒れたし、血も出とる…なのに…刺した感覚があらへん(・・・・・ ・・・・)?)」

 

 最初の刺した感覚は有るが、勝利を確信した後から刺したという感覚が全く無かったのだ。しかも鈴音も決着の口上を上げないという事は倒れている灰怒は身代わりか何かで本人はまだ訓練所に潜んでいる事になるが……訓練所には物陰や気配は感じられない為、取り敢えず倒れている身代わりを刺すとボン!と音がなった後に灰怒が着ていた装束と使用していたナイフが現れた。

これにより倒れていたのは身代わりという事が判った、後は武器のない本物を仕留めるだけとなったが…気配が無いため、日影が立ち付していると…

 

 「気配を消すのは忍の本文……並ば探すのも同じだ……」ブス

 

 突然日影の左肩に激痛が走ったため振り向くと長ドス(・・・)を突き刺した左肩から抜いた灰怒がいた(上の装束が無いため上半身は裸で)

 

 「生きていたんですね」《詠》

 

 「だから、心配して居なかったのね」《春花》

 

 「白い肌してる」《未来》

 

 観戦場では詠達(先程復活した未来含め)や

 

 「細い身体だな~」《蘇芳》

 

 「蘇芳兄ちゃんが言うと説得力あるね」《滅赤》

 

 「いや、それより」「あいつに身体の」

 

 龍導側も蘇芳達(こちらも先程復活した滅赤)は灰怒の身体の評価をしていたが、光牙と輪廻は

 

 「「刺青(タトゥー)厳つッ!」」

 

 左肩から右斜め下に向けて更には左腕にまで灰怒に似つかわしくない程禍々しい刺青が彫ってあった。

 

 「……さて、そろそろ終わりに……決着をつけようか」

 

 灰怒が長ドスに黒い(オーラ)を纏わせながら日影に問うとその応えに応じるかの如く紫色のオーラを身体から放出しながら灰怒を苦しめた狂乱モードへと移行した。

 

 「キヒヒヒ!」シュン!

 

 先に攻撃を仕掛けたのは日影であった。元より素早い連撃で相手に息を付く暇も与えずに仕留める日影。更に狂乱モードだとより一層スピードが上がるが今回は決着という事もあってか一撃必殺を決める為に灰怒の心臓を狙いながら突進して来た。

 この攻撃に灰怒は冷静に自身の対処技を繰り出した。

 

 「突っ込んで来るのは、予め予想は出来ていたし対処技もある!何より未来を視させて貰った!」バチバチ

 

 そう言いながら手に黒い雷を発しながら天に手を掲げ一気に振り落とした

 

 「頭上注意だ!黒麗・槍雨(こくれい・そうう)

 

 黒い雷は天に上ると同時に漆黒の槍へと変化しながら日影目掛け降り注いで来た。

 

 「闇属性か…俺の光遁とどちらが上か……」

 

 光牙が灰怒を見ながら呟くと輪廻が横から

 

 「気になるなら、この遊戯が終わり次第存分にためしたらいい」

 

 そう言いながら笑顔を向けたため光牙も多少だが口を緩ませながら「そうだな」と言った。

……この光景に蛇女生徒達の輪廻に対する殺気ゲージが上昇したのは言うまでもない。

 

 「フンッ!」シュン!!!!

 

 「避けやがった!?」《蘇芳》

 

 「流石ね日影ちゃん」《春花》

 

 「……(避けた…か節穴すぎだな)」《輪廻》

 

 降り注いで来た槍をそれを上回る速度で回避する日影。これに対しても動揺の色を全く見せない所か長ドスを構え迎え打つかのような形を見せる灰怒。

 

 「その心臓!抉り取ったる!!!!」

 

 日影のナイフが灰怒の心臓を抉るまであと数cmに迫った瞬間灰怒は日影の腹部に掌低を打ち込み吹き飛ばした。

吹き飛ばされた日影は地面に突き刺さっていた槍にぶつかりながら転がった不幸か幸か槍との距離がそう遠くなかったためか直ぐに起き上がれる程度のダメージですんだ。

 

 「……距離、角度良し…」

 

 灰怒は地面に長ドスを突き刺し、立ち上がった日影を手カメラで見ながら距離やら角度などとブツブツ言いながら手カメラを止め

 

 「…さて次は此方からいかせて貰うよ、捕らえろ!影腕槍・魔月(えいわんそう・まがつ)

 

 灰怒が技を叫ぶと同時に先程の槍が腕となり日影を捕らえ動きを封じた。

 

 「クッ!…ハァッ!!!!」カッ!

 

 日影はなんとか抜け出そうと必死に藻掻くがガッチリと腕に掴まれており動かない、ならばと次はリミットブレイク+紫念のオーラで弾き飛ばそうと発動するがこれも全く効果がない。

 この行動により日影は息をするのが精一杯と言った状況になっていた。何故ならばたださえダメージを負った状態に狂乱モードの使用2回に身体全体の気を集め放出する代わりに体力を大きく消耗するリミットブレイクを使った為である。

 

 「止めだ」シュイン

 

 灰怒は居合いの構えで長ドスを抜き日影を斬った…いや

 

 ――斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る――

 

 絶え間無い連続斬りを身動きも出来なく体力も激しく消耗している日影に無慈悲に容赦なく浴びせ続ける灰怒。これを見た蛇女・龍導共に忍の本分としては正しいがあくまでもこれは比べ合い……流石に死人を出す訳にはいかない為。

 

 「チッ!真面目にお仕置きだな!」

 

 「つべこべ言ってないで、止めるぞ!」

 

 輪廻は糸を出し、光牙は粒子で弓矢を作り訓練所に乗り込んで灰怒を止めて事態を収めようとする。

 

 ___ズンッ!!!!___

 

 何処からともなく凄まじい覇気を蛇女全体…いやもしくは世界を包んだかも知れない……兎に角凄まじい圧力が周囲に漂い始めた。

 

 「!!?なんだァ!?」

 

 「!!!………これは……」

 

 あまりの大迫力の圧に思わず動きを止めてしまう筆頭二人……光牙は驚きの声を上げ輪廻はこの覇気を発した人物の正体が解ったのか、汗を流していた。その他の生徒達は気絶や恐怖のあまりに蹲り身震いが止まらない者達も居た。

 訓練所では圧を食らい日影は完全に気絶していた。そんな日影を必要以上に切り刻んでいた灰怒は全身から大量の脂汗を出し、身震いを起こしながら完全に戦意を喪失していた。

 

 「……決着。勝者・龍導選抜――灰怒」

 

 鈴音は状況を見ながら口上を上げた。

 

 副将戦――勝者・龍導選抜 灰怒

 

 

 

 

___とある世界機関__

 

 とある建物に佇む一人の男は空を見上げながら目を瞑りながら一人の昔の親友の名を呟いた

 

 「……夜天…」

 

 男の名は「時﨑零時(ときさきれいじ)」時間を操る異能使い(・・・・)である。

 

 

 

 

____薄暗い廃工場___

 

 

 「5つの聖杯……まだだ!まだ足りない!……大聖杯……それさえあれば!私の願いがッ!」

 

 厳重に管理されている5つの黄金の杯を見ながら声を荒げる長身の男は《大聖杯》と叫びながら壁を殴り付けた。

 

 「……アンバー……」

 

 そこへ身体がまるで鋼で出来ている様な大男と顔の火傷の跡に胸元の刀傷が特徴的な女が現れた。

 

 「……降魔(ごうま)法剣(ほうけん)か何かあったのか……?」

 

 二人に目をやるなり落ち着きを取り戻した男は何かあったかのかと聞くと法剣と呼ばれた女が

 

 「大聖杯を身体に宿した人物を見つけました」

 

 殆ど表情を変えずに伝えると質問者である男は食い気味に聞いてきた!……と言うのが普通かもしれないが男は冷静に

 

 「……何か障害があるんだろう?」

 

 大聖杯の獲得を妨げる存在があると感じ取ったためにそう言うと法剣は「肯定です」と言った後にその障害達の説明に移った。

 

 「まず最初に《大聖杯》を保護し大聖杯のみの破壊を考えている七つの凶彗星(グランシャリオ)それと《大聖杯》の完全殺害を目論む狩人(イェーガー)が障害かと」

 

 「……狩人どもは兎も角…七つの凶彗星が厄介だな……十二神将の幹部と隊長を全て集めてくれ…直ぐに行動に移す」

 

 「……豺虎(さいこ)もですか?」

 

 法剣が恐る恐る訪ねると男は「無論だ」と言った後に

 

 「降魔、頼めるか?」

 

 そう言われた降魔はニヤリと嗤いながら

 

 「任せておけ!我等が頭《アンバー》!」

 

 

 

 大聖杯を目論む三つの勢力のぶつかり合いが起ころうとしていた。




副将戦が終了しました!今回の最後ですが……何か上記の話とは関係なくね?と思われるますが…ちょっとしたコラボ企画の為に出しました。

このコラボですが本編と繋がりもある話になります。



…と最後に白堊・白銅・灰怒の挿し絵です。


{IMG58726}


………次はもっと上手く書けるように面白い話を作らなくては…それではまた次回に!


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大将戦(前編)

副将戦を長くしたので短いです



前回の話ですが…主人公の一人である灰怒君をいきなりチート化させてしまいました……成長型とか言っときながら……まぁ、とある人物からの《お仕置き》で大半を没収or封印されますが(決して後付けではありません)


 「……なぁ、何で付いてくんだ?」

 

 大将戦に向けてのイメージ戦を行う為に控え室へと向かっていた白堊は、自身に付いてくる総司が気になった為に問いかけると、総司は

 

 「フッ……相手は私がライバルと認める焔だ。お前が幾ら強かろうと苦戦するだろうと思い、少し手伝ってやろうと言う訳だ、有り難く思うがいい!」ドヤッ

 

 ドヤ顔で胸を張りながら答えた総司に白堊は

 

 「え?お前全く歯牙にもかけられてなかったけど?時期候補No.1だからって観戦なんかせずにもっと鍛えた方が良いんじゃないか?そしたらモブ敵の一人位には見られるんじゃね?WWWW」と言おうとしたが何とか踏ん張って口に出さなかった。

 

 「(良くやった!頑張ったぞ!オレ!空気呼んだぞ!)」

 

 身体を震わせ下を俯きながら黙っている白堊を見た総司は余りの嬉しさに感動していると思い込んだらしくかなり上機嫌になっていた。

 

 ___少女説明中___

 

 「……成程。やはりオレに斬りかかって来た時の六爪流でのスピードを重視した攻撃特化型か……」ムムム

 

 顎に手を添え胡座をしながら焔対策を考える白堊。それもその筈、背中には刀を七本背負っていた事が妙に引っ掛かっているのだ。

そしてとある結論に辿り着いた。それは七本目の刀は恐らく秘伝忍法の際に使用するという事であった。

 

 「っし!そーと決まれば!シャドーだな!」ダン

 

 言うなり立ち上がり壁側に向けて何かしらの格闘技の構えを取る白堊。この光景を見た総司は態々そんな事しなくても自分がいるだろう?といった視線を白堊に送る。それを感じ取った白堊は

 

 「確かに、お前相手にしても良い。普通の試合ならな。けどこれは普通じゃない……だからッ!イメージで相手を作り出し!それを相手に組み手だ!」バッ!

 

 「一応分かったが、イメージ相手に組み手って出来るのか?」

 

 訝しんだ目を向ける総司に対して白堊は「……そうだな……身長167cmに……武器は大小の鎌の付いた鎖鞭と……」ブツブツ

 

 何やらブツブツと壁を向きながら呟く白堊の言葉を聞いて見ると明らかに自分の事だと理解出来た総司はつかさず突っ込みを入れようとしたが、白堊がブツブツと独り言を呟いた場に自分がもう一人(・・・・・・・)立っていたのである。

 

 「なっ!?私がもう一人!?」

 

 流石に目を丸くしながら驚く総司に白堊は「まだまだ」と言うとイメージで造り出した総司が鎖鞭を振るってきたそれをバク天で避ける白堊すると白堊が避けた場所に鎖鞭が当たると…何と、実際に鞭を打ち付けたように地面が砕かれていた。

 

 「!(イメージでは無いのか!?)」

 

 「ふんッ!」

 

 白堊がイメージ体の総司に正拳を繰り出す、イメージ体はドカッと派手な音と共に壁へと吹き飛び霧散した例の如く壁にはぶつかりヒビが入っていた。

 

 「凄いだろ?洗練されたイメージは軈て実体を持つんだぜ?……まだ信じられんって顔だな……そうだ!お前の秘伝忍法見せてくれよ!避けて見せるからさ!」

 

 驚いた表情をしていた総司は白堊の物言いに少しカチンと来たそれは秘伝忍法をましてや自分の実力を低く見られたと思ったからであった。(実際に本当にそう思われているのを後日知ることになる)

 

 「……良いだろう、しかとその目に焼き付けよ……私の美技を!」ゴゴゴ

 

 「(あ、あれ何か怒ってる?オレ何かヤバい事言っちゃった?)」(^o^;)

 

 白い薔薇を携えた決めポーズを取った後に鎖鞭を構えながら

 

 「秘伝忍法!紅蛇血粧牙!」

 

 鎖鞭を振るいながら広範囲を攻撃する技を見せる総司に白堊は

 

 「(実力はあの焔とか言う奴よりかはまだまだだが鎖鞭をあそこまで操れるとはな……そこそこやるな)」

 

 「ハァ……ハァ……どうだ!見たか!私の美技を!」ギロッ

 

 息を切らしながら凄まじい形相で白堊を睨み付ける総司に若干引きつつ白堊は「あ?ああ、凄いネ」と言った。

 すると上機嫌になった総司は鼻を鳴らしながら「そうだろう、そうだろう」とドヤ顔を見せて来た。

 

 「んじゃあ、イメージ体にさっきの技をやらせて避けて見せよう!」

 

 そう言った白堊にまた少しカチンと来た総司だったが黙って見ることにした。

そうしてまたイメージ体を作り秘伝忍法を繰り出させた白堊は鎖鞭による攻撃を易々と躱していった。

総司は悔しそうに「じ……実戦とイメージは違うからな!」と若干涙目になりつつ怒鳴り付けた、それと同時に自分の秘伝忍法を見切った事に驚いていた。

 

 「ハハハ、分かってるって……まぁ取り敢えず焔の対策だな……」スゥー

 

 深呼吸しながらイメージ体を造り出した白堊は先程と同じ要領でイメージ体と戦い初めた総司は一体この男にどれだけ驚けば良いのだろうか?イメージ、つまりは創造体であるはずの焔だったが戦闘スタイルといい技も秘伝忍法も全て完璧(・・)であった更に自身が受けるダメージまでも再現していたのである。現に控え室内は辺り一面に白堊の血が飛び散っていた。

 

 「……フゥ、こんなもんかな…」

 

 クルリと向きを変えながら控え室を出ようとする白堊に総司は

 

 「お、おいそんな怪我しているのに大丈夫なのか?」

 

 流石に誰がどうみても怪我人状態の白堊を大将戦に出させるのは只の公開処刑のようなものだと思ったのか止めようとした総司に振り向きながら白堊は

 

 「ハハ、結構優しいんだな総司は」ニッ

 

 笑顔を見せながら余裕をアピールした総司は一瞬顔を赤面させた後否定の文句を言ってやろうと近づいた瞬間………

 

 ____グン!_____

 

 凄まじい圧力が天井上の訓練所から降り注いで来たため上を見上げる総司しかし勢いよく見上げ過ぎたせいか倒れそうになる総司

 

 「危ねっ!」

 

 倒れそうになる総司を自分側に引き寄せ起き上がらせようとするが……予想以上に総司の見上げる速度が速かった事に加え、起こそうと勢いを付け駆けつけた為に総司は白堊の肩を掴んだ。その為、白堊はバランスを崩し両者は派手な音を立てながら倒れ込んだ。

 

 ……要らぬトラブルを加え。

 

 ーー控え室への通路ーー

 

 「……今の覇気は……まぁ今は白堊を探すのが先か……」

 

 莫大な覇気を感じ取った白銅は驚きつつも白堊を探す事にした。

程なくして《龍導控え室》と表記のある部屋を見つけたためその部屋へ扉を開け中へ行くと……その光景を見た白銅は

 

 「邪魔したな」パタン

 

 そう、言いながら扉を閉めた何故なら……白堊が総司を"押し倒して"いたのだ!

しかし倒れた二人からその事は特に問題ではなかったでは何故動かないのかと言うと……

 

 《白堊》「……わ…悪い…わざとではないんだ…」《総司》「………」

 

 互いの口と口が重なり合っている状態…つまりは接吻もといキス(・・)をしている体制になっていたのであった。白堊は直ぐにどきながら謝罪をするが、見られてしまったこの状況に総司は羞恥と困惑の混ざった顔になりながら。

 

 「にゃにをしゅる!馬鹿者!///」ドカッ!

 

 白堊の顔面をグーで思い切り殴り飛ばしたその後勢いよく控え室から出て行った。

 白堊も白堊で気が抜けていたのか、あっさりと控え室の外へと飛ばされてしまった。

 

 「だから、わざとじゃないって……」ションボリ

 

  白堊はそう言うものの当の総司本人は勢いよく出て行ったため、その言葉が聞こえることはなかった。

 

 「……ドンマイヽ(´・∀・`)ノ」

 

 白銅は全く心のこもっていない(寧ろ面白がっている)励ましの言葉を白堊に投げた。




戦闘シーンは中編からになります。

何とかヒロイン探しのために総司を使った感があるようになってしまいましたが……

次回からは本格的に戦闘シーンに入ります…多分


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大将戦(中編)

本編を途中放棄しないと言ったな……あれは本当だ


 「何時までも落ち込んでいる場合ではないぞ?」

 

 白銅は暗い顔で俯きながらトボトボと歩く白堊に対して後ろからそう告げながら、一緒に訓練所へと向かっていた。

 俯きながら歩いていた白堊は頭では理解していても心の中は未だにモヤモヤ感が取れずにいた。別段今から戦う相手は例の件とは無関係の相手なのにである。

 

 「いやぁ……流石にオレの初めて(のキス)を(事故とはいえ)捧げちまったんで…簡単に済ませる事ではないですよ…」

 

 嘆息を含みながら語る白堊に白銅は珍しく顔を赤らめながら口をパクパクと金魚のように動かしながら

 

 「……そ、そうか…まぁ、頑張れ(初めて?初めてって…マジか!?捧げるだと!?オイオイそんな関係になっていたのか!!流石は暁霧さんの弟子だ!手が早い!)」

 

 完全に的外れな考えをしながら白堊を応援したそんな的外れな考えで適当な応援を受けながら白堊は先程の試合結果を聞くことにした。

 

 「ん?あぁ……一応勝ったのは、灰怒らしいぞ?」

 

 通常の表情へと戻った白銅は答えると白堊は顎に手を当てながら心の中で「やはりな」と思ったと同時に自身の頬をパシッ!と叩き気合いを入れ直し訓練所に到着した。

 

 「ふん!何だ?戦う前からボロボロじゃないか?」

 

 訓練所に到着するなり相手の大将を努める焔から嘲笑を含んだような声をかけられた白堊は特に気にしたような素振りを見せずに

 

 「え~と……立ち位置とか決まりあるんすかね?」

 

 審判の鈴音に対して開始の際の立ち位置を聞いていた、鈴音は「特に決まりは無い」と答えると「じゃあ、ここでいいか」言うなり焔との距離5mの位置似て構えを取った

 

 「あ?すまん、何か言ったか?」

 

 無視された焔はこめかみをひくつかせながら巻物を抜き、

 

 「鈴音先生……早く……開始を」

 

 鈴音に早く開始するように促す。白堊も構えを取り、準備が整っている様だったので鈴音は

 

 「いざ!紅蓮の如く、舞い散れ!」

 

 開始の合図を切った、それと同時に互いに忍・転身を行った。

 

 焔は蛇女の制服に籠手が付いただけで変化は少ないが無駄の無いシンプルなデザインの装束であった。

 一方の白堊の忍装束は海外の人気コミックに登場する某復讐ライダーのようなデザインのライダージャケットへと変化した

 

 「焔!悪の定めに舞い殉じる!」

 

 「白堊!悪の正義を祭り上げる!」

 

 互いに学園の口上を上げながらぶつかり合った。

 

 先ず最初に先手を取ったのは焔であった、某戦国筆頭のように刀を左右の手に六つ持ち六爪流になり白堊を切り裂こうと突進して来た。

   

 「もらった!!!」 斬ッ!!

 

 焔の繰り出した素早く的確な斬撃に誰もが早くも決着が付いたと思った瞬間……

 

     ドカン!!

 

 何かがぶつかった音が観客席の入り口付近から聞こえてきたため振り向くと

 

 「痛つつ……弾き返しただと!?生意気な!」

 

 音の正体は訓練所から観客席まで飛ばされた焔であった。

起き上がり体制を整えた焔は直ぐ様攻撃体制に入り訓練所へと戻って行った、訓練所には手を払ったような体制の白堊が向かって来た焔を見るなり構えを取り始めた。

 

 「ホォ!あのポメラニアン対した玉だ凄いな!」

 

 相変わらず焔を変な名前で呼ぶ輪廻に未来が

 

 「?凄いのは弾き飛ばした彼の方じゃないの?」

 

 疑問符を浮かべながら聞いて来るが笑っているだけで答える素振りを見せずに観戦に戻った為に分からずしまいだったが、「お仕置き」を受けてぶら下がっている状態の灰怒が。

 

 「一見見るとそうかも知れませんが、その見方は誤りです。寧ろ手を払う程度でここまで飛んで来た焔さんの速度に驚くべきです」

 

 灰怒曰く簡単に説明すると《出る力、進む力》が強い程横からの力に弱い……と言う事らしい。

 

戻って訓練所では焔の連続攻撃を白堊が迎え撃っていた。それ自体はどうと言う事は無いが注目すべきは刀の攻撃を生身の拳で受け反撃していると言う点であった。

 

 「……おいおい、マジか!?白堊の奴イカれてるぜ!?」

 

 「彼に痛覚という概念は無いの!?」

 

 蘇芳と春花は互いに驚きの声を上げるそれを聞いた輪廻は冷静に迎え撃っている白堊を見ながら。

 

 「……いや、あのバカかなり動揺しているぞ?」

 

      「「え?」」

 

 輪廻が指を指しながら白堊を見るように促した為、訓練所の白堊を見ると顔をひくつかせながらも顔から脂汗を流している所を見ると輪廻の言った通り動揺している事がわかる。

 

 実際に訓練所では白堊は鍔競り合いをしながら

 

 「(ぬぅおぉぉぉぉ!!!ヤベェ!ヤベェ!ヤベェ!目が合っちまった!あの褐色ポニテが吹き飛んだ先にまさか!総司の奴がいる何て!!!しかも、目が合った瞬間目を反らされちまった!!!滅茶苦茶!気まずいィィィィィィィィヱァァ!!!)」

 

 先程焔が吹き飛んだ先に居た総司と目が合った瞬間…頬を染めながら目を反らした事によりハプニングで起きた事を思い出し本来は避けて腹パンする予定が攻撃を迎え撃つ事になってしまった。

 

それを知らない焔は自身の攻撃は避ける必要すら無いと思われたのかより一層連撃を早め始めた。

 

 「貴様ァ!私を舐めているのか!!!」

 

 観戦席では総司が頬を紅潮させながら唇を触れながら白堊と焔の試合を観戦した……その様子を次期選抜候補が見ているのを総司は気付いていなかった。

 

 「ねぇ……やっぱり何かあった……って顔じゃない?」《千歳》

 「確かにあの顔は雌の顔じゃな……」《芦屋》

 

 「ムフフフ、面白い事になっているワン!」《伊吹》

 

 「あの皆さん あまり弄らぬ妨が 良いのでは?」《芭蕉》

 

 そんな事を言いつつ観戦に戻った。

 

 「(気まずいとか言っている場合じゃねぇか!!!)このッ!褐色がっ!しッつけん!だらァ!!!(……後でもう一度……謝ろう)」

 

 気まずさの余り集中力が欠けていた白堊だが、自分が敗北したら、仲間達の苦労が水泡に帰すと思った為か直ぐに集中力を取り戻し焔の連撃を右手で全て受け止め空いた左腕で攻撃を叩き込んだ。

 

 「禁武・滅昇拳(きんぶ・めっしょうけん)!」

 

 腹に凄まじい威力の拳を叩き込まれた、焔は勢いよく吐血しながら数m吹き飛び壁に叩きつけられた。

 

 「うわぁ……今のは痛かっただろうなぁ……」

 

 「いや、痛いじゃすまないでしょ?吐血しているし……」

 

 滅赤が顔をしかめながら言うと未来が突っ込みを入れると周りの蛇女メンバーも頷いたが、龍導メンバー達は蘇芳から順に

 

 「(手加減?……ではないか?……まさか!)」

 

 「(あーまた悪い癖(・・・)が出るな、コレ)」

 

 「(あのバカ……きちんと踏み込みしてなかったのはそれが理由か!!)」

 

 「(……今の?本気ではないような……それと早く降ろして欲しい…)」

 

 白銅、輪廻、灰怒がそれぞれ心の中で思い溜め息を吐いたり、汗を掻いていた。

 

 「グッ!テメェ!グゲ!ハッ!ハッ!やりやがったな!!!次はこっちからだッ!」びちゃっ!

 

 ふらつく足に力を入れ奮い立ち、口に広がる鉄の味する唾液混じりの血を吐き出し身体中に気を纏わせながら白堊を睨み付ける……その影響か果ては元よりその()を使用する際にいつも起こって入るのか……焔の持つ属性故かは定かではないが周りの風景が歪み蜃気楼を発生させる程の熱が焔を軸に発現していた。

 

 「……おう、来い!」バッ!

 

 焔の発言をそう答える也勢いよく駆け出す白堊その魂胆は

 

 「(さぁ!出しな!テメェの秘伝・忍法を!背中の太刀(・・・・・)を使うんだろ!それより、先に叩き込んだらァ!)」グッ

 

 焔が次に秘伝忍法を使う事を把握した白堊は拳に力を込めながら焔へと接近して行った。

 

 対する焔は気の統一が終わったため刀を構えながら

 

 「秘伝忍法!……」グッ

 

 「……魁ェ!!!」ザッ!

 

 六爪のまま勢いよく駆け出した!これを見た白堊は

 

 「(……六爪のまま?いや、タイミングがある筈だ…それを見極め無くては!)」

 

 六爪のまま駆け出した焔に疑問を抱きながらも自身の分析、読みに掛けながら技を抱き込むため両足を地面にめり込む程に力を入れながら一歩手前で構えを取る、それを見た蛇女子選抜は驚愕の目を浮かべ、龍導はやれやれと言った表情を浮かべ、先程まで頬を朱に染めていた総司は一気に顔色を青に染めながら…

 

 「バカ野郎!的になるな!避けろ!!!」

 

 そう観戦席から普段の彼女からは創造出来ないような叫び声を上げながら白堊に警告するが、肝心の白堊は完全に精神統一をさせ見極めに集中を込めていたためか警告が耳に入らなかったようであり……

 

 「(……六爪から太刀へ見極め…見極め…見極め……見極め………太刀が本命ではあるが……未だ実力が太刀を使う迄に及んでいないとしたら……?その考えなら、六爪のまま此方に駆け出す理由に合点がいく……ま・さ・かッ!!!??)」

 

 焔との距離僅か数10cmでその考えに至った白堊だが、時既に遅し……

 

 プシャアアアァァァ!!!

 

 今宵一番と言っても過言ではないほどの鮮血が訓練所内へと飛散した。




次にて決着です。


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大将戦(後編)

やっと、始めれる


 白堊の身体から飛び出した鮮血が忍装束を赤色に染めていた。

 

 「(見立てが甘かった!奴が六爪を仕舞うか地面に置くかをしなかった時点で気付くべきだったか!……流石に連続的な攻撃じゃあないだろ……取り敢えず距離を……)」

 

 ダメージをこれ以上負わないようにと連続攻撃ではないとの判断で距離を取ろうとしたが、またもや見立ての甘さが出てしまった。

 

 一撃を当てた焔は白堊を通り過ぎた後即座に向き直り素早く連続で斬撃を浴びせ始めた。完全に油断していた白堊は反撃しようにも咄嗟の事の為対応出来ずに攻撃が止むのを待つだけとなっている。相手は脳筋の為に動けないと判断した焔は休む事なく連続攻撃を続けた。

 

 「オラオラ!どうした!亀みたいに籠ってても何もはじまんねーぞ!」

 

 勢いのついた焔は獰猛な笑みを見せながら白堊に対して挑発じみた発言をし始めるくらいの余裕が出てき始めた。

 ガードしている白堊は何も答えずにただ急所に当たらない様に防御しているだけで佇んでいるだけだったが……とうとう膝をついたため焔は

 

 「!止めだ」ブオン!

 

 渾身の力を込めた斬撃を浴びせた。辺りに砂埃が立ち込める程の威力……これは誰もが焔の勝ちだと思い蛇女からは歓声が飛び焔は勝利の確信の笑みを浮かべるが、それは直ぐに驚愕の声へと変わった。

 

 「なっ!?」

 

 驚愕の声を上げた焔の眼前には左腕のみで斬撃を受け止めている白堊がいた。それ自体は然程驚くことでは無いが驚くべき場所は刀と腕の間に火花が走っている所であった。

 これが、何を意味するか火花が走る程つまり白堊の腕が鉄並みの硬度になっているという意味であった。

 

 「へへッ!土壇場だったが何とか成功したか!爺の教え『白零流護身・鉄筋(びゃくれいりゅうごしん・てっしん)』…それはそうと、隙だらけだぜ!特にその可愛らしい顔面がなぁ!!!」ドガ!

 

 容赦なく焔の顔面へと正拳を叩き込む白堊これを食らった焔は数十mまで血を撒き散らしながら吹き飛んだ。

 

この白堊の行動を見た蛇女の生徒達はひそひそと『男として最低』『女の子を躊躇なく殴るとかあり得ない』『例え勝った所で性根が腐っている』等と好き勝手言われていた。

 

 そんな蛇女生徒達を見ながら輪廻は内心で『悪忍辞めちまえ』と言った表情で生徒達を見ていた。それに勘付いた光牙も頭に手を当てながら溜め息をついた。

 

 「グッハッ!……ハッ、ハッ、…なか…中々、やる…ゲハッ!…やるじゃねぇかッ!」

 

 訓練所では顔中血塗れになりながらも焔は立ち上がり白堊に対して『私はまだやれるぞ』と言った表情を見せ、戦えるアピールをして来た。

 

 これを見た白堊も笑みを浮かべながら構えを取り『受けて立つ』と行動で示した。この状況にまたも"覚悟"の無い蛇女生徒達はひそひそと白堊を貶すような発言をし始めた。

 

 このレベルと覚悟の低い行為にいい加減にうんざりし始めていた輪廻はこの際「合同演習」が破棄されようがお構い無しと言った表情で蛇女生徒達を『粛清』しようと殺気を滲み出そうとした瞬間に訓練所から

 

  「覚悟無ェ奴らは黙ってろ!」

 

 ビリビリと空気が震える程の怒声が訓練所内に響きわたった、その怒声を放ったのは焔であった。

 焔の放った怒声混じりの大声により静まり返った訓練所に対して焔は笑いながら

 

 「へへッ…悪いな…こうでもしないと三下共は黙らないと思ってな…」

 

 この行為に白堊は『こいつは…』と焔に対して過小評価していた自分を殴り飛ばしたい気分に陥り、輪廻は薄ら笑いを浮かべた後に

 

 「ハハ……ハハハハハハ!!!何だ!?何だ!?アイツ!良い!実に美しい!!!じゃあないか!気に入った!!!気に入った!!!アイツなら!焔なら!真なる死の美を見せてくれそうだ!!!」

 

 と大声でとち狂った様に叫んだ後に訓練所の白堊へとジェスチャーで『全力でブチ壊せ』と送ると訓練所の白堊は一層に気を高めながら焔に対して

 

 「オレはお前の事を『低い』と過小評価していた……その事について詫びよう…しかし言葉では通じ無いと思った…故に行動で示そブヘッ!?

 

 キメ顔で焔に対してキメ台詞を放とうとした瞬間に焔から顔面目掛けて勢い良くドロップキックが飛んで来た。

 

 「何か知らんが隙だらけだったぜ!特にその微妙なイケメン面がなぁ!!!」ドガン!!!

 

 自身を殴り飛ばした際に白堊が語りかけた台詞を一部分を変えながら白堊を蹴り飛ばした。

 

 「おま!空気読めよ!?せっかく格好良くキメ台詞放とうとしたのに!!しかも微妙って何だ!?結構応えたからな?それ!まだナチュラルに地味とか普通の方が良いぞ!?」

 

 せっかくキメようとして放った台詞とキメ顔を台無しにされた白堊は焔に対して避難の言葉を浴びせまくるが当の焔はどこ吹く風と言った表情でニヤニヤしながら白堊に対して

 

 「はぁ~?空気を読めだぁ~?お前バカだろ?命のやり取りに綺麗も糞もないだろ?そんな中で隙をさらしているお前が…わるアダッ!?

 

 焔が語り出した正論が終わるよりも早く今度は白堊は焔の頭目掛けて勢い良く拳骨を叩き込んだ。

 これに対して焔は刀を持ち六爪になりながら白堊を斬りつけた。

 

 「あ痛て!?てめえ!オレは拳骨だったのに刀で斬り掛かって来んなよ!?痛てェだろうが!!!」

 

 「はぁ!?拳で戦うのがお前の戦闘スタイルだろうが!なのに何で私のスタイルの刀を使ってはいけないルールになってんだ!?やっぱりお前バカだろ!!!」

 

 「はぁ!?別にルール違反とは言ってねぇだろ!?話聞け!この猪突猛進バカ!」

 

 「んだと!?バカにバカ言われたくねぇわ!!!このバカ!!!」

 

 「バカって言う方がバカ何だよ!!!このバカ!!!」

 

 「てめえ自分で言ってんじゃねェか!!!バカ!」

 

 途中から言葉の喧嘩のようになり始めた、白堊と焔に対して蛇女選抜と龍導選抜から呆れと苦笑が浮かび初め輪廻と光牙は顔を見合せながら『お互いに大変だな』と言った後に輪廻は糸弾を光牙は光の球を白堊、焔へと当てて

 

  「お前ら、とっと終わらせろ」

 

  「早々に決着つけないと色々始まらないだろ」

 

 と言うと互いの筆頭の意見と大事な賭けだった事を思い出し真剣な表情へと変わり戦闘へと入ったが……「手っ取り早く終わらせる」を互いに選んだ結果ノーガードのつまりはインファイト状態へと移行した。

 

 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」と焔

 

 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!……ってオレ負けフラグじゃね!?」

 

 などと、どっかの奇妙な冒険のラッシュ台詞を言いながらぶつかり合っていたが、拳と刀では刀である焔に分があるのかだんだんと白堊は押され始めていた…… 

 

(コラそこ、ラッシュの際に余計なツッコミ入れたからとか言わない)

 

 「チッ!クソ!分が悪いか!……けどよオレも負けてらんねーんだよ!!!」

 

 とうとうラッシュに打ち負け、刀の連続斬りを受けていた白堊だったが、連続斬りをしている刀を片手で止めると同時に掌から莫大なエネルギーの砲を放射し、焔を訓練所の壁へと吹き飛ばしめり込む程の威力の砲を出した。しかし限界だったのか、その砲が原因かは不明だが白堊は意識を失った。

 壁にめり込んだ焔も同様に地面に落ちた後ピクリとも動かずに倒れ込んだままだった故に鈴音の判断は……

 

 「両者共に意識不明!大将戦…"引き分け"!!」

 

 その結果に互いにやれやれと言った態度と表情を浮かべながらも賭けの結果は決まったな……と輪廻、仕方ないと言った表情の光牙は自身の選抜メンバー達を連れ気絶している互いの選抜メンバーの元へと降りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____蛇女天守閣____

 

 「…………弟の声が聞こえた辺りを見に来たけど……なーんかおもろいこと殺っとんなぁ……」

 

 訓練所から数キロ離れた天守閣にて十代後半の美少女が訓練所を眺めながら呟いた後ボソリと白堊の繰り出したエネルギー砲を頭に浮かべながら

 

 「あの、小僧…神の咆哮(ロア)使うたぁ…………まさか、な…」フッ

 

 小さい笑みと意味深な台詞を呟やきながら姿を消した。




急ぎ足で書いた……結果、最早言うまい


物語に出てきた、用語の『神の咆哮』これは白堊の秘伝動物に深く関わってい来ます。

そして、物語の最後にその咆哮について語った少女ですが割りと初期の方に台詞のみ登場しています。


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反省会は明日にして今夜の宿泊場は?

ちょっとした小話です。


 訓練所の中心部に互いの選抜メンバーと次期候補生が集まり団体戦の結果の確認をしていた。

 

   ・先鋒戦:春花vs滅赤・・勝者:春花

   ・次鋒戦:詠 vs蘇芳・・勝者:詠

   ・中堅戦:未来vs白銅・・勝者:白銅

   ・副将戦:日影vs灰怒・・勝者:灰怒

   ・大将戦:焔 vs白堊・・引き分け

 

 となっていた。この結果を見た互いの選抜メンバー達はうーんと唸りながら賭けの結果はどうなるかを考えていたが、輪廻がニヤニヤしながら対戦結果の内容を見ていた為、未だに拘束されている灰怒は

 

 「あの……輪廻さん……さっきから何ニヤついているんですか?後、何時になったら拘束を解いてくれるんですか?」

 

 そう言いながら輪廻に問いかけるが肝心の輪廻自身はニヤ付いたまま何も答えずに目を閉じていた

 

 「……ん、来ましたね」

 

 いきなり閉じていた目を開きながら言うと背後かザッザッと歩く音と共に

 

 「アララ、もう団体戦は終わりですか……」

 

 残念と言いながら此方側に来たのは暁霧であった。

 蛇女の面々はいきなり現れた男に警戒体制を取っていたが先程会っていた光牙までもが警戒しており龍導のメンバーに至っては目を見開いていた。

 

 「暁霧さん!その格好どうしたんですか!?」

 

 灰怒が驚きながら聞いて来た。何故なら……

何時ものように黒いスーツ姿だったが上着部分が破れており黒の上からわかるように血の後があり、さらには顔部分から顎にかけて血が滴り落ちていたからである。

 

 「ん?あぁこれね……ちょい色々ね…所で皆様は一体何を悩んでいるのですか?」

 

 「えっと…ですね…」

 

 ~少年説明中~

 

 「……成程、なるほど…その賭け事の結果ですが……勝ちは龍導じゃんか?どう考えてもさ」

 

 灰怒から説明を請け負えた暁霧はいけしゃあしゃあと答えたためそれを聞いた焔は痛む身体を無理矢理お越しながら

 

 「何だと!引き分けなのに何故!龍導の勝ちになるんだ!て言うか、貴様誰だ!?」

 

 暁霧のネクタイを掴みながら怒鳴り散らして来たため

 

 「およしなさい」ペチ

 

 軽く頭を小突いて尻餅を尽かさせた焔はその際悔しそうに睨み付けながらも今はそんな場合では無いと考え黙って聞くことにした。

 

 ……その際、暁霧は少し悲しげな目をしていたのを鈴音は見逃さなかった。

 

 「ゴホン!……何故、引き分けにもかかわらず何故!龍導の勝ちかというと…ズバリ!それは!両方の筆頭が戦った際、勝者は輪廻だったからです!」

 

 『は?』

 

 この発言に互いの選抜メンバー達は唖然に捕らわれたが暁霧はそのまま話を進めようとしたが

 

 『いやいやいや待て待て待て』

 

 やはりと言うか当然と言うか選抜メンバー全員から話を遮られ「説明をしてくれ」と言った目を向けられたため

 

 「はぁ……一々説明する必要ありますかね?」

 

 「いや、有るに決まったいるだろ!「ますよ!」」

 

 輪廻と光牙の筆頭二人に言われた暁霧は心底嫌そうな顔に加え浅いながらも溜め息を吐きながら

 

 「はぁ…じゃあさぁ言わせてもらうけどね…『止めれる立場であるお前らが止めずに折れた』その結果訓練所の喪失に危うく死人を出す所だったんだぞ?」

 

 「「ッ…」」

 

 そう言われた二人は反論出来ずにいた、確かに言われたように筆頭である二人が静止すれば止める事が出来た上に訓練所がこのような有り様にならずにすんだかもしれないからである。しかし、二人は気付くべき点があるそれは||その場に居なかった(・・・・・・・・・)暁霧が知っていたという事である。

 

 「……まぁ今回の事に加え残りの課題の反省は明日にして、今日はもう遅い全員宿泊場所とか決まっているんでしょ?」

 

 「「「「「はい」」」」」「……えっ」

 

 白堊を除いた龍導の選抜メンバー達は決まっていると言った肯定の返事を返した。

 

 「一応、私達女子組は全員私の家に宿泊予定です」

 

 輪廻、白銅、滅赤の三忍は輪廻の家に宿泊を決めているらしい

 

 「オレもこの付近に修行に使っていた山小屋があるので」

 

 蘇芳は各地にある修行場のうち丁度近い場所があったためそちらに宿泊

 

 「僕は従兄弟の家に宿泊する予定です。後、何時になったら拘束を解かれるんですか?」

 

 灰怒は従兄弟の家が近いらしく、其方に宿泊出来るか連絡すると、何時でも歓迎だったため其方に宿泊を決めた。

 

 「……そうかい、お前には言いたい事があるが…それも明日にする……えらく頑丈な拘束だな……では、決まってないのは白堊…お前だけだな?どうするんだ?」

 

 「……うっ…」

 

 白堊は口ごもってしまった、確かに龍導学園とは距離があるので宿泊場所はあらかじめ決めて置くのは至極当然な事であるその当然が出来ていないため口ごもってしまった。

 

 「本当に計画性無いな…お前は…あ!そうだ!何でもいう事ならば空き領を借りるのはどうだ?」

 

 輪廻は白堊の計画性の無さに呆れた後に賭け事に勝ったなら、相手側の『負けたら何でもいう事を聞く』を利用して空いている領部屋を宿泊宿として借りる事を提案したが肝心の白堊は

 

 「いや、賭け事の結果をそれに使うのは……それに…」

 

 賭け事の結果は別の事に使うつもりだった事に加え、蛇女の選抜女子メンバー達が嫌悪感丸出しでこちらを見ていたため躊躇っていた更に鈴音曰く空き部屋は無く、使うなら女子と一緒になると言いそうなると色々ヤバいことになるためその事が更に拍車をかけていたが……

 

 「仕方な…「私は、別に一緒でも構わんぞ!?」ちょ」

 

 何と次期候補の総司が暁霧の声を遮りとんでもない事を言い出したため互いの選抜メンバー全員が驚いていた。

  

 「総司!お前何か弱味を握られたのか!?」

 

 「早まっちゃ駄目だよ!あんな獣と屋根の下とか!」

 

 「よくよく、考えなければなりませんわ!」

 

 「……止めといた方がええとちゃうん?」

 

 「男女が二人屋根の下…何も起きぬはずが無く…」

 

 約1名を除いた蛇女選抜メンバーは止めていたが対する龍導は

 

 「よし!決まったんだ!解散!」

 

 「そうだね!解散!」

 

 「良かったな!解散!」

 

 「短い人生でしたね、解散」

 

 「………………」ヽ(´・∀・`)ノ

 

 と、半ば投げやりに決定しようとしていた。

 

 「いや待て!流石にヤバいって!投げやり過ぎじゃないですかね!?つーか白銅先輩の無言はともかく、短い人生って!灰怒お前何だよ!?」

 

 「え?だって君、彼女を襲うだろ?そうゆうキャラだろ?」

 

 灰怒はさも当然のように首をかしげながら白堊を見ながら言った。

 

 「お前は…いつかぶちのめす」(-_-#)

 

 灰怒に聞こえない声で呟いたあと、気まずそうに総司に振り向きながら

 

 「なぁ、考え直さないか?流石に知り合ったばかりの男を自分の部屋には入れたくないだろ?」

 

 「私は構わない」

 

 「互いをよく知らないんだよ?」

 

 「私は構わん」

 

 「……卑怯(アンフェア)だと言うつもりかな」

 

 「わたしは一向にかまわん!

 

 「何処の海王だよ!?後、話聞いて!?」

 

 白堊は思わずツッコミをいれたが、白堊も白堊でド⚪ルの真似をしたのでどっこいどっこいである。

 

 そんな風なやり取りをしていると、白堊は総司と相部屋にほぼ確実に決まりそうな雰囲気になって来たため白堊は頭をフル回転させこの状況を打破する方法を考える。

 

 「(マズイ!このままでは、確実に総司と一緒の部屋になってしまう!あ、いや別に嫌じゃないけど……寧ろそうなるとかなり良い……ではなくて!何とか考えねぇと!流石にあんな美少女といたらオレの理性が……って違う!!落ち着いて考えろ!オレ!……そうだ!暁霧さん総司が遮る前に何かを言おうとしてたような…)」

 

 白堊が考える中で蛇女は反対意見、龍導はとっと終わらせて帰りたいと思っていた為、鈴音が溜め息を吐きながら

 

 「ハァ……総司……お前が良くても体制的に良くない……だから諦めろ……後、暁霧。お前総司の前に何か言おうとしていただろう?十中八九白堊の宿泊場所の事だと思うんだが、違うか?」

 

 鈴音の発言に総司は若干否めないと言った表情で身を引き宿泊場所の事を問われた暁霧は

 

 「ん、そうそう知り合いの旅館の女将さんにL⚪NE送ったら『白堊君を家に泊めれるか?いいよ!いいよ!部屋開いてるからおKおK』って来たから、お前が良いならそうするか?」

 

 救いとはこのことを言うのではないか?と言う気持ちに包まれた白堊は

 

 「是非ともそうさせて貰います!!!」

 

 元気の良い返事で返答した。

かくして龍導の選抜メンバー全員の宿泊場所が決まったのでこの件は一件落着となった。




はい、小話って何だっけ?何か前書きとあって無いですが許してください。

白堊が某死刑囚の台詞を会話が噛み合っていないにも関わらず使ったのは、総司が自分の話を聞いているかを確認するためでもあります。(聞いていたなら、ツッコミを入れるため)

最後に旅館と出ましたがこの旅館はとあるNEWWaveのキャラの実家です。


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賭け事の報酬とそれぞれの宿泊場へ

アンケ取ったら、別にが早かったのでこちらを。


………何故アンケートを作ったんだ?私は…


 「さて!龍導学園(私達)の宿泊場所も無事決まった事だし……お楽しみの賭け事の勝利報酬を頂くとするか!」ペロッ

 

 輪廻は舌舐めずりをしながら蛇女の選抜メンバーに対して獲物を見つけた獣のような目を向ける。

 

ビクッ!目を向けられた焔達は先程まで巫山戯ていた輪廻からは想像できない程の忍気(おしき)が発せられていたため肩をあげながら驚き、固唾を飲んだ。

 

 ……が途端に輪廻は

 

 「けど、あれだな。賭け事の報酬は私は要らないわ」

 

そう言いながら自身の選抜メンバー達の方へと振り向きメンバー達に「お前等はいるか?」と聞くと。

 

 「私はいらない」と白銅

 

 「私も~」と滅赤

 

 「オレも、特にはないかな」と蘇芳

 

 「僕はささっと、帰りたい」と灰怒

 

それらの発言に蛇女選抜メンバーは(光牙以外)ホッと息をついたが、それに待ったを掛ける男がいた。

 

 「いや、俺はあるぞ!」

 

 それは勿論と言うか当然と言うか、断った5人に居なかった白堊であった。

 

 「おいおい~、せっかく穏便に終わらせて解散しようとしていたのにその空気をぶち壊す気か~?」

 

輪廻は呆れと笑いを浮かべた声と顔をしながらも「私が!お前ならそうする」といった考えを感じ取った、白堊は同じように笑いながら。

 

 「はい、ぶち壊すようですがあります!ただし、全員ではなく!えっと……ポm「焔」焔!お前ただ一人だけだがな!」ビシッ

 

焔目掛けビシッと指を指しながら、宣言する白堊(尚、名前の訂正は暁霧がした模様)

 

この白堊の発言に対して光牙以外の選抜メンバーは抗議の声を上げた。

 

 「わ、分かったわ!アンタ!焔に嫌らしい事するつもりでしょ!?最低!」

 

 「まぁ!総司さん以外にも飽きたらず!焔ちゃんにまで!?最低ですわね!」

 

 「きっと!ソリッドブック(薄い本)見たいに辱しめるつもりよ!男して最低だわ!」

 

 「儂には感情ないけど、一応言うとくわ、最低やな」

 

未来、詠、春花、日影から言いたい放題言われた白堊はこめかみに青筋を立て香をひきつらせながら。

 

 「お前等の中で俺はどんなイメージなんだよ!つーかまだ何も言ってねぇのに!変なイメージつけんなよ!!傷付くだろ!?」

 

白堊の突っ込みを入れても、「最低」コールを上げる選抜メンバーに呼応するかのように次期候補生まで乗って来たため、埒が明かないと鈴音が静止しようと声を上げようとした瞬間

 

 「まぁ待て、いきなりそう決めつけるのは美しくないぞ?それに私は別にあの事(・・・)は気にしていないし?そこまで……ゴホン!///つまり早く終わらせろ!」

 

総司が止めに入ったが「あの事」と、とんでもない爆弾発言をしたため余計にヒートアップしてしまった(しかし幸いか最後の声は聞き取れなかったらしいが)……

 

 「あの事!?あの事って何だ!?何かしたのか!?」

 

 「Hな事しちゃったのかな?」

 

 「H な事?何をしたんだ?」

 

 「(あ~ささっと帰りたいなぁ~、とりあえず)最低だな」

 

 「………ハハ」

 

遂には龍導学園迄も勘違いを起こしてしまい、いよいよ状況が混沌としてきたため傍観していた暁霧は溜め息を吐きながら

 

 「ハァ…君達ィ…少し、黙れズシッ

 

  「……………ッ!!!?」

 

暁霧から発せられた輪廻を上回る《忍気》に騒ぎ立てていた選抜メンバーのみならず抗議に参加したいなかった、光牙や抗議を止めようとしていた鈴音さえもが怯む程であった。それに呼応するかの如く辺りに静寂が広がった……。

 

 「……ん、やっと静かになりましたね……全く貴方達は……この問題はあくまでも、白堊と焔の問題なんですから……外野は黙っていなさい」

 

騒ぎ立てていた両選抜メンバー達は下がるかと思いきや、蛇女の選抜メンバーの未来が多少怖じ気つきながら暁霧に対して。

 

 「も……もしも、そいつが焔の嫌がる……女の子の身体や心を傷つけるような提案を出したら、どどど、どうするのよ!?」カタカタ

 

震えながらも誰もが沈黙した中で自身に問いかけて来る未来に暁霧は苦笑しつつも

 

 「安心なさい、そんな事させませんよ」

 

そう答えると、未来は多少訝しつつも、行く末を見守る事にした。

 

 「さっ!はよ何をするんか、決めな!」

 

暁霧は向かい合う二人にそう言うと近くの石に腰をかけた。

 

 「……俺の賭け事の報酬は………」

 

      「………」ドクンドクン

 

ゴクリ誰かの生唾を飲む音が聴こえるこの緊張感が響き渡る状況で白堊の出す報酬、要求は……!?

 

   バッ!

 

勢い良く手を振り上げる白堊に蛇女と龍導は驚愕しえ焔は身構えた!

 

 「龍導学園2年選抜メンバー、白堊だ!宜しくな!」

 

そう言いながら、焔の目の前に右手を差し出す白堊に焔は「?は?え?」と呆気に取られた表情を浮かべたため白堊は頭をかきながら。

 

 「いやさ、お前最初に合った時さ握手を拒否ったじゃん?そりゃあ初対面で馴れ馴れしくした俺も悪かったけどよぉ……流石に手を払うはなかったろ?だから、さ仲直り含めた握手だ!」

 

焔はそれも確かにと思い握手に応じた、これにて団体戦は終わりを迎えた為、それぞれの選抜達は身体を休めるために宿泊場や寮へと移動した。

 

輪廻達は迎えが来たらしく、車で三人で帰り、蘇芳は宿泊場までダッシュで、灰怒はクロスバイクで従兄弟の家へと向かった旅館への宿泊の決まった白堊はバイクで向かう事になった。

 

 「……なぁ……何時まで付いて来るんだ?」

 

白堊がバイクを押しながら進んでいると、その背後からチョコチョコと総司が付いて来たため一旦立ち止まり、振り向きながら総司に問いかけると付いて来ていた総司も立ち止まりながら。

 

 「貴様…私が気にしていないと言ったからこのまま済むと思っていたのか?」キッ

 

鋭い眼光で睨み付けて来る総司に白堊は内心溜め息をつきながらも確かに自分にも非があると思ったため

 

 「……分かったよ、予定が空いた時に埋め合わせするから、それで勘弁してくれないか?」

 

その答えに総司はやや上から目線で「良いだろう」と納得の返事を返したため一応連絡先を交換する事にした。

 

 「あ~忠告しとくわ、多分携帯を見られない限りは大丈夫だと思うが多分お前…この後大変だぞ?まぁ気を付けな。そんじゃ!」ブロロロ!

 

 「?」

 

バイクに又借りながら、総司にそう言い残し去って行った白堊に総司はキョトンとしながら蛇女に戻ると目の前に春花や次期候補生達が腕を組ながら立っていた

 

 「総司ちゃ~ん、" あの事" って何の事かしら~ん?」

 

 「私達も何があったか、知りたいな~?いつもこき使っているからその権利くらいあるよねぇ~?」

 

 「!?」ダッ!

 

総司は白堊の言っていた「大変」とはこの事と理解したため、直ぐに逃げ出した。

 

 「逃がすなぁ!!!必ず捕まえて吐き出させろぉ!!!」

 

 「「「「(何かキャラ変わっている!?)オーーー!!!」」」」

 

この後総司は寮に帰り付くまでに落ち着く暇もなかったそうな……

 

~一方の白堊~

 

 「知り合いの旅館って……暁霧さんのじゃなくて、"俺"の知り合いって事か、まぁそうか確か、まだ営業しているよな?すんませーん」ガラガラ

 

到着した旅館は自身が昔から愛用していた場所だったため何時もの乗りで、ドアを開けるとハイテンションな声と共にいきなり着物姿の女性が抱き付いてきた。

 

 「お帰り!!We!son!!

 

 「グヘェ!?おばさん!!勢い有りすぎ!肋が折れる!!!」

 

 「あら?ごめんなさいね?嬉しさのあまりつい…」

 

抱き付いて来た女性は上品に微笑みながら謝罪して来た。

 

 「まぁ、そこまで気にはしてませんが……それより、本当に泊まっても良かったんですか?……今日だけではなく、長期になりますが……」

 

いくら知り合いといえ、相手は営業している身の為に迷惑を掛ける訳にはいかない。その事を聞くと、旅館の女将さんは気にしたような素振りを全く見せずに

 

 「大丈夫よ、取り敢えずお荷物は先に部屋の方に運んでおくから先にお風呂に入って来なさい。着替えも置いてあるから」

 

そう言われた白堊はえらく用意周到だなと思いつつも言われるがまま大浴場へと向かって行った。

 

 「ククク……上手くいったわね……」

 

女将さんは浴場へと向かう白堊の後ろ姿を見ながら、怪しい笑みを浮かべた。




はい、次の回は風呂場ならお約束?の会です。

また、新しい用語が出ました。《忍気》(おしき)簡単にいえば、ド⚪ゴンボ⚪ルで言う《気》ナ⚪トで言う《チャクラ》のような物です。

忍気が高い程、忍びとして優れている事になります。

例は一般的な忍びは1000あれば上忍クラスです、詳しくは用語とかに記載する予定です。(輪廻は53万です。)

白堊の乗っているバイクですが機種はYAMAHAの赤のドラッグスター400です。


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変わった幼馴染み

NEW Waveのキャラクターの登場です


キャラが本家よりだいぶ、変わっています……


 「さて、大浴場ってよりは露天風呂が妥当だと思うがね、俺は。んで人は……居ないな、こりゃラッキーだな」

 

 脱衣所前に来るなり、そうぼやく白堊だが別に大浴場でも間違ではないが……それよりも白堊が人の有無を確認したのは中学生の時の苦い経験によるものがある。

 

 それは、自身の幼少期から続けた激しい修行によってついた傷を他の入浴者達から

 

     汚い身体

 

 と言われた事がある為である。しかし彼なら「傷は漢の勲章だ!」と言いそうなものだが、そう言わなかったのは

 

「せっかくの良い旅館なのにあんなのがいるなんて、台無し」

 

 と続け様に言われた為であった。

 

 「……チッ、嫌な事思い出しちまった……こーゆー物は汚れごと流してスッキリしますかねっと!」

 

 しかしそこは学園で恥とバカにされ続けていても心が折れない位の強メンタルを持っている白堊である。直ぐに気持ちを入れ替え身体を洗い、湯船に浸かった。

 

 「ふぅ~やはり、静けさの中に湯船に浸かるのは良い」

 

 そんな事を思いながら湯に浸かっていると同時に、昔この旅館の女将さんの娘と一緒に遊んでいた事を思い出した。

 

 「……あいつ、今頃何してるんだろう?」

 

 目を瞑りノスタルジアを抱きながら呟いていると、隣から……

 

 ブクブク、ブクブク

 

 「……?何だ?」

 

 泡が立ち始めた為、少し距離を取る白堊。すると

 

 ザッパアアァァァァァァン!!!

 

 「なっ……何だァ!?」

 

 勢い良く何かが飛び出して来た為、驚きの余り身構える白堊だったが、その姿を見て身体を硬直させた。何故ならば……

 

 艶やかな黒色の長髪にグラビアアイドルに居てもおかしくはない程の豊満な胸に美しい肢体を持ち顔立ちも整っている美少女だった為である。

 

 「……何してんの?」

 

 白堊はそれしか言えなかったが、直後その美少女から

 

「それはこっちの台詞よ!!このド変態!!!」

 

     「ゴア!?」

 

 顔面目掛けて勢いの良いストレートパンチが放たれ吹き飛ぶ白堊。殴り飛ばした美少女は

 

 「女の子が入浴中なのに!堂々と入って来る何て!本当っ!信じらんない!!!」

 

 羞恥と憤怒で顔を赤らめながら喚いた為、白堊は顔を反らしながら

 

 「いや!誤解だって!俺が脱衣所を確認した時は誰も居なかったし!そもそも何でアンタは潜っていたんだよ!?」

 

 そう反論すると、相手は

 

 「いや!?脱衣所に誰も居ないからって、入って来るとか普通誰かに入っているか確認してから入るでしょ!?潜っていたのは見知らぬ男が入って来たからに決まっているじゃない!」

 

 そう返された白堊は一瞬だけ、「確かに」と思ったが直ぐさま苦し紛れとは理解していたが

 

 「おばさんに言われたら、誰も入ってないって思うだろ!?」

 

そう返された、美少女は訝しげな表情で

 

 「おばさんって誰よ!」

 

 と聞いて来た為、白堊は「ここの女将さんだよ!」と返した。するとその美少女は

 

 「はぁ?だからって……て」

 

 それは理由にならないと返そうとしたが、自分の母親(・・)の事をおばさんと呼ぶのは友人と昔良く遊んでいた少年だけであり、反論して来た男の横顔は良く見ればその少年にそっくりな事に加え、右耳に着けているピアスが陰陽状の物だった為に万一の可能性に賭けて名前を呼んでみた。

 

 「……白堊?」

 

「白堊」確かにそう呼ばれたため、白堊は反射的に振り返りそうになったが流石にヤバいため横を向いたまま

 

 「……何で俺の名前を知っているんだ?」

 

 自身の名前を知っている事に白堊は多少驚きながらもその理由聞くと、相手は

 

 「こっち、向きなさいよ……椿、私の名前よ」

 

 美少女は一向に此方に顔を向けない白堊に多少苛立ちながらも名前を名乗ったが、やはり白堊は顔を向けないまま

 

 「マジか……で、そっちを向かない理由な……自分の姿見てみろ……」

 

 そこまで驚かない白堊に若干不満げな表情をしながら椿は自分の状態を見ると……見事に全裸であった……

 

 「へ……変態///!!」バチン!

 

 「理不尽ッ!?」

 

 白堊はビンタを食らった……

 

~数分経過~

 

 取り敢えず、背中合わせで湯に浸かることにした。

 

 「その……何だ……すまんかったな……確認せずに入って来て」

 

 取り敢えず白堊は自身に非があると思った為に椿に謝罪すると、椿は

 

 「いや、私の方も悪かったわ……いきなり、殴ったりして」

 

  「「…………」」

 

 互いに謝罪した後は重い沈黙が二人を包み込むが、沈黙に耐えられなくなったのか、椿が

 

 「……私は先に上がるわね……お母さんに言いたい事あるし……」

 

 そう言いながら椿は一足先に風呂場から立ち去って行った。

 

 「……変わったなぁ……」

 

 そうぼやきながら、少し長めに湯に浸かった後に白堊は風呂場から上がった。

 

 「あらあら、白堊ちゃん~お風呂では大変だった見たいね~」

 

 上がるなり、女将さんにそう言われた白堊は何か言うべきか迷っていた。何故ならば女将さんの頭に見事にたんこぶができていた為である。

 

 「……俺の宿泊部屋はどこですか?」

 

 取り敢えず、自業自得として自身の宿泊部屋を聞くと女将さんは目を光らせながら

 

 「うふふ、こっちよ~」

 

 案内し始めたが、白堊は早速イヤな予感がしていたが後を付いていくと……

 

 「ここよ~」

 

 「いや、女将さんの自宅じゃん!?普通は!旅館の部屋じゃないの!?」

 

 予感が当たったのか、旅館内の敷地内にある自宅へと付いたためツッコミを入れると女将さんは真面目(ガチ)トーンで

 

 「何を当たり前の事を?旅館はあくまでも商売用よ?そんな場所に長期間泊める訳にはいかないでしょ?そうなったら必然的に自宅になるのは当たり前の事でしょう?」

 

 「……ウグッ」

 

 正論を返され反論出来なくなった白堊に、女将さんはニヤリと口角を上げ泊まる部屋へと案内したが……白堊は「あ、これ結果的に蛇女と変わらんな」と思いながら部屋の紹介をされた。

 

 「泊まる部屋はここよ」

 

 「……やっぱりね」

 

 「え?私の部屋に泊まるの?何で!?」

 

 泊まる部屋はなんと実の娘のである椿の部屋であった、椿は当然ながら驚きの声を上げたが肝心の母親は

 

 「椿、仕方ないのよ。隣の部屋はまだ荷物の整理していないからとてもじゃないけど、人が就寝できる状態じゃないの……今日だけで良いから、白堊くんと一緒に寝てちょうだい?」

 

 「あの……最後の誤解を招くような「分かったわ」え?」

 

 女将さんの説明にアレな部分があった為にツッコミを入れるが、その途中に椿が了承してしまった為

 

 「はい!決まり!決定!この話は終わり!後は若人達でごゆっくり!」スタコラ~

 

 言うなり、女将さんは素早く旅館方面へと走って行き、部屋には白堊と椿だけとなった。

 

 「まぁ、決まった物はしょうがないでしょ?あ、でもアンタは床だから?ベッドは私ね」

 

 「……それは別にいいけどさ、お前はその、俺が一緒に居ても良いのか?(これ、絶対あのパターンだ)」

 

 椿に自室に本気で泊まっても良いかと聞くと、椿はさも当然と言った顔の表情を浮かべながら

 

 「今日の1日だけでしょ?なら全然いいじゃない……別にずっとでも良いけど///…」

 

 白堊は頭に手を当てながら、やはり蛇女の総司と一緒のパターンだと思いつつも本人もこう言っているために諦める事にした。(尚最後の小声の声は聞こえなかった模様)

 

 「そーいえば、何の長期間の滞在なの?何かの試合とか?」

 

 「!?」

 

 借りた布団をズルズルと引きながら、就寝の準備をしている最長に椿が何気なく聞いて来た為に白堊は驚きと共に正直に答えるか、悩んだ……何故ならば自身が忍でしかも悪忍で同じ悪忍の学校との合同演習の為に此方側に長期間滞在になったと言った所で信じてもらえる訳がなかったからであった……しかも、仮に彼女が善忍だった場合……殺し合い……になる可能性もあったが、泊めてくれる相手に嘘はつきたく無いのもあり、危険を承知で真実を話すと……

 

 「……ふーん、アンタも忍なんだ。しかも悪忍まで同じなんてね……あ、私も『セイントヴィーナス』で《A.R.C.Angels》っていうバンド兼忍をやってんのよ」

 

 あっさりと認めた上に自身も忍で悪忍である事を明かした。

 

 「驚かないんだな(《A.R.C.Angels》?確か蘇芳の知り合いがいるとかなんとか)」

 

 白堊がそう言うと椿は「まぁね」と答え布団を被り始め寝る用意をし始めたため自分も横になると疑問に感じていた事を聞いてみた。

 

 「なぁ……昔から血生臭い世界が嫌いなお前が何で、忍なんかしてんだ?」

 

そう聞くと椿は

 

 「忍やっている理由は一人で生きて行く為には役に立つかもしれないからよ」

 

 そう素っ気なく、答えたため白堊は「そうか」とそれだけ答え眠りに付いた。

 

 「…………(一人で生きて行くのは口実……本当はアンタと一緒に居たいからもあるのよ……)」

 

 椿は心の中でそう呟きながら、既に寝ている白堊の寝顔を見て自分が小さい時によく遊んだりしている内に異性として意識し始めていった事を思い出す。そうして眠りに付か……ずベッドから降りゆっくりと白堊の顔に近づきながら、まるで犬のように鼻をスンスンさせた後ハイライトが消えた目になり……

 

 「別の女の匂いがする……」

 

 そう呟いた後、自身のベッドに戻り今度こそ眠りに付いた。

 


 

 

 「(……今の………何……?)」

 

 実は起きていた白堊は先程の椿の一言と行動に戦慄を覚えながら目を閉じた。




………はい、大分所かかなり滅茶苦茶にキャラが変わった椿ちゃんです。

ファンの方申し訳ございません……


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成長した従弟(おとうと)

灰怒くんのターン+明けまして、おめでとうございます。(遅い❗)


 ロードバイクを漕ぎながら今から向かう宿泊場への道を進む灰怒

 

 「……道順は間違ってない…よな?ここいらに家があるようには思え無いけど……」

 

 少し進んでは止まりを繰り返しながらもメールに付与された地図のルートに従って進んではいるが明らかに周り木々に囲まれており、家所か車が通ったり人がヒッチハイクしてそうな雰囲気すら無い程暗い道だった。

 

 「まぁ、ルートを信じるしかないか!」

 

 そう一人で言いながら再びロードバイクを漕ぎ出す灰怒ロードバイクを漕ぎ出した灰怒の頭の中に浮かぶのは地図のルートではなく、昔から自分の後ろを付いてきてた弟のような従弟であった。

 

 「元気にしてるかな~?電話での連絡のやり取りだけだったしな~、声は変わっていたけど…」

 

 そんな事をぼやきながらロードバイクを漕いでいるといつの間にか住宅街が立ち並ぶ開けた場所へと辿り着いた。

 

 「へぇ、不安だったけどちゃんとした地図ルートだったんだ……で家はあれかな?高校生で一軒家って……」

 

 住宅街が立ち並ぶ中に一際目立つ家があった為近くで確認すると、表札に《城風》とあったのでチャイムを押してみたが

 

 ピンポーン「…………」ピンポーン「……出ない?」

 

 チャイムを押しても一向に返事や出迎えが無い為、悪いとは思いつつも家の扉を開けようとドアノブにてをかけようとしたが、それより早く扉が開いた。

 

 「どちら様で………従兄(にい)さん?」

 

 開いた扉から出て来たのは、身長180㎝はある長身の青年だった。

 

"従兄さん"…確かにそう呼ばれた、そう呼ぶ青年の顔を良く見ると昔自分と良く一緒にいた少年の面影があった為。

 

 「もしかして、颯人か?」

 

 「従兄さん(にいさん)!!

 

そう名前を訪ねると目の前の青年がいきなり飛び付いて来たため、体制を崩して倒れこんでしまった。

 

    「グヘッ!?いきなり飛び付いて来んなよ!!!!颯人!!!」ゴンッ!

 

    「痛い!!」

 

 どこかで見たようなやり取りをしていると部屋から誰かが歩いて来る音と共に眼鏡を掛けた少女が現れ

 

 「ちょっと!颯人!漫画の手伝い、いきなりサボらないでよ!この作品が終わった後のネタも探さなと行けない……の……よ?……ネタ見つけたわ!」

 

 颯人に対し愚痴と最後に何やら嫌な予感がする言葉を紡ぎながら駆け足で奥に戻って行った為

 

 「……取り敢えず、上がんなよ従兄さん」

 

 「……そうさせて、もらうよ」

 

 そう言いながらリビングに移動すると、先程の少女含め4名の少女達が颯人の後ろに居る灰怒に興味が出たのか質問を繰り出して来た。

 

 「おい!颯人!そのイケメン誰だ!?」

 

 鼻筋に絆創膏を貼っている活発そうな女の子が颯人に聞いてきた為、颯人が答えようと口を開く前に、灰怒の側へと駆け寄り四方八方見た後

 

 「はぁ~近くで見るとより一層迫力あるなぁ!」

 

活発そうな少女が言うなり残りの少女達も近くにより灰怒を見るなり、同じように「格好良い」や「キレイな顔立ち」や「颯人君がワイルド系なら彼はクール系ですね」や「こんなにBL映えしそうなモデルは居ないわ!」等と様々な意見を一通り言い終わった後全員で一声に

 

 「「「「「所で貴方誰?」」」」」

 

 問いかけられた灰怒は溜め息を吐きながら颯人の肩を叩くと颯人は

 

 「飛彗、名前を聞いているのに回答より先に行動するな。霞先輩は前に写真を見せた時も一緒でしたね。蔵人はせめて口のマスク位外したらどうだ?後、元親はオレもイケメンと言ってくれてありがとう。楓先輩は……平常運転ですね!彼はオレの従兄弟の灰怒兄さんだよ」

 

 発言した少女達に流れる様なツッコミと自身の紹介をする颯人の光景を見た灰怒は

 

 「彼女達の発言のツッコミに加え僕の紹介とか器用な事するな、お前は。まぁ説明の通り従兄弟の灰怒です」

 

 苦笑しつつも肯定の返答をする灰怒に先程の少女達は「へぇ~」と感嘆の声を上げ各々の作業に戻った。

 

 「(変わり身早いな)」

 

 内心でそう思いながら彼女達の行動を見ていると颯人からヒソヒソ声で

 

 「彼女達は全員《忍》でね。善忍だから従兄さんが悪忍だって事はばれないように頼むよ。オレもある程度の協力はするから

 

 颯人から頼まれた灰怒はコクコクと頷きながら風呂場を借りようとしたとき、眼鏡の少女『楓』の眼光が鋭く光った事に『(今の話を聞かれたのか!?)』と思い最重要の危険人物として警戒する事にした……が、肝心の『楓』本人は

 

 「ハァハァ(イケメンの入浴シーン……ゴクリ……貴重なサンプルになるわ……)」

 

 別の意味で危険人物に成りそうな雰囲気を醸し出していたが

 

 「駄目だぞ?」ミシッ

 

 「あ、ハイ痛い痛いニヤリ

 

 颯人に注意の肩ポンを食らった為、諦めたように見せ掛け灰怒の後ろ姿の後に続く影を見ながら不敵な笑みを浮かべた。

 場所は変わり、風呂場では灰怒が身体を洗った後に湯に浸かりながら

 

 「……変わったな、颯人の奴」

 

 自身の従兄弟の変わりように驚いていた。外見は勿論だが何より驚いたのは人間関係が苦手で余り口数の多くなかった颯人が饒舌に喋っていた事に驚いていた。

 

 「何があったかは、アイツに聞くか」ザバッ

 

 湯から上がりタオルで身体を拭き脱衣所で着替えていると何やら悪寒がした為、風呂場の入り口を開けると(流石に下はジャージであるが着ている)

 

 「………誰だ?後……手の機材(スマホ)でナニを撮っていた?」

 

 「…………………………………………ネタ?……を楓に頼まれたから…………撮っていた」サッ!

 

 黒髪ロングヘアのオッドアイの少女はそう告げると素早い動きで風呂場前から逃走した為、急いで着替えて捕まえようとするが、無駄に広く造られた家の為に部屋が多く、彼女自身の素早さも相まって中々捕まえる事が出来ない。所々で彼女が恐らく主犯の楓にメールかL⚪NEで写真や動画を送るのは何とか阻止していたが

 とうとう送信ボタンに手が迫って行き最早ここまで!と思われた瞬間押すより早く彼女の手に入れていたスマホを素早く取る手があった。

 

 「何ッ!?」

 

 その手の招待は謎の青色の鬼の姿をした電脳体?であった。

 その電脳体はスマホを持ったままリビングへと向かって行ったため少女もリビングへと向かって行った。灰怒はその後ろを息を多少上げながら付いて行くと……こめかみに青筋を浮かべている颯人の前に……正座させられていた、楓と霞に飛彗がおり、ただならぬ気配を感じ取った少女は立ち去ろうとしたが颯人から

 

 「待て、夜霧」

 

 低い声音で語りかけられた夜霧と呼ばれた少女はビクッ!と肩を震わせながらゆっくりと颯人の方向へ振り替えると

 

 「…………待ってくれ、私は楓に頼まれたからであって……」

 

 「ちょっと!私を売らないでよ!」

 

 怒りにより据わった眼で此方を見る颯人に恐れをなしたのか苦し紛れに楓に頼まれたと言い訳をするも颯人は

 

 「言い訳無用だし加担したのは、事実だな?」

 

 「……はい」

 

 「別に泊まるのも良い、飯を集りに家に来るのも良い、金を借りに家に来るのも別に良いが……」

 

 「「「「「「(前半はともかく、後半は良くないだろ(でしょ)…)」」」」」」

 

 颯人が夜霧に対して語りかけた事に二人以外の全員は口に出さずに内心でツッコミを入れた。

 

 「人に迷惑をかけるな、という訳でお前ら4人纏めて説教コース3時間の刑だ」

 

 「「「「うひぃ!」」」」」

 

 「(本当に変わったな)」

 

 従弟の変わりように、驚きつつも邪魔になると思った為か別の部屋にて時間を潰す事にした。

 

~3時間後~

 

 まるで魂を抜かれたかのような表情をしながら寝室へと向かう4人を見ながら、灰怒は颯人が変わったな……と思いながら寝室へと移動した。




次は投稿です。


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波乱の朝 

主人公の宿泊先の朝の話だヨーグルト!!


ーチュンチュンー

 

 「……ん?あぁ……朝か……」

 

 

 白堊は小鳥の鳴き声と共に目を覚ました。大きく欠伸をした後ベッドに目を写すと隣で寝ていた椿が居なかった為、何処に行ったんだ?と少し疑問に思ったが昨日の夜の椿の見せた不気味さに身を震わせ携帯の画面に目を通すと《AM.5:30》といつもより早い時間帯に起きたようだったので夜に見せた不気味な光景を払う為に二度寝をしようとすると、外から

 

 「♪~♪♪~」

 

 「ん、良い声だな…誰だ?」ガサガサ

 

 美しい歌声が聴こえてきた為、その歌が聴こえて来る場所へとまるで引かれるようにその場へと向かって行くと川の音せせらぐ開けた場所へと辿り着いた。

 

 「こんな所があったなんてな……確かこの辺りから聴こえてたよな……お?」

 

 朝日が昇っていて美しい光景に辺りを見渡していると河岸に立ちながら歌っている一人の少女がいた。

 

 「へー良い歌だな」パチパチ

 

 「!?」ビクッ

 

 取り敢えず歌を誉めながら語りかけると語りかけられた少女は肩を上げながら、驚きを浮かべた表情で白堊の方へと顔を向けながら語りかけてきた。

 

 「あ、貴方は?何時から居たの!?」

 

 「えっ?何時からって、言われたら困るが……歌が聴こえてきたから来ただけなんだが…何か不味かったか?」

 

 何故そんなにも驚くのか?と疑問的な表情をしながらも答えた白堊に目の前の少女はその表情に気付いたのか「コホン」と咳払いをした後に

 

 「いえ、失礼しました。私は如水と申します行き着けの宿につある絶景スポットの美しさについ浮かれたしまい歌ってしまいました。耳障りのようでしたら申し訳ございません」

 

 「簡潔な説明をどうも。決して耳障りではなかったよ。寧ろ聞き惚れる位に素晴らしい歌声だったよ」

 

 先程の会話と撃って代わり、敬語による問いと返答に二人は互いに「クスリ」「フッ」と笑顔を浮かべ

 

 「何だか、ベタなナンパの台詞みたいですね」

 

 「そうかい?しかし素晴らしい歌声というのは本当だよ?」

 

 ありがとうございます。そう答えた『如水』と名乗った少女は暫く景色を眺めた後

 

 「では、私は旅館に戻りますね」

 

 「ん?あぁ分かった……あー途中までなら一緒に行ってもいいか?ちょっと君に興味が湧いて来てね。」

 

 「………え"?まさか本当にナンパなの?」

 

 白堊の発言に顔を顰めながら引き気味に後ずさる如水に

 

 「ちっがうわ!!朝方とは言え女の子一人だと危険だと思ったからだよ!」

 

 そう否定する白堊に、如水はまたクスリと笑いながら

 

 「冗談ですよ。では、お願いしますね」

 

 「はぁ……まぁいいか…」

 

~椿の部屋~

 

 「(落ち着いて入るのよ、私!……この姿を見せて、今一度アイツのハートをGETするのよ!)」バッ!

 

 アイドル衣装に着替え、勢い良く部屋の扉を開ける椿だったが……

 

 「早く!起きない!白……あ……って……アレ?」

 

その場に白堊は居らず、ただ勢い良く扉を開けた浴衣姿の自分しか居なかった…そこへ母親が現れ

 

 「なに、叫んでのよアンタ…」

 

 呆れた声と表情で自身の娘に言うと椿は振り向きながら

 

 「……お母さん……白堊は何処?……もしかして……もう……でか……出かけ…学校に行っちゃった…の…」プルプル

 

 半分泣き顔になりながら語り掛けられた母親は頭を掻きながら

 

 「何かアイドルグループの一人がいる場所に行ったみたいだから、学校には行ってないよ……『腹減ったら戻って来るから心配すんなって』と言っていたから……だから朝ご飯の準備しとくよ」

 

 厨房へと向かって行った。

 

 「あ、うん…何だぁ………って!べべべ別に心配なんかしてないわよ!勘違いしないでよ!!」

 

 「はいはい」

 

 急いで否定の弁を返す椿だったが、母の放ったある一言が気になった。

 

 「(アイドルグループがいる場所?……アイドル……まさか!?)」ダッ!!

 

 「ちょっと!?椿どこ行くのよ!?」

 

 呼び止める母の声を聞きもせずにアイドルグループが宿泊している宿へと椿は駆けて行った。

 

~白堊side~

 

 「そういや聞きたい事があるんだが……え~と如水……さん?」

 

 白堊は如水と共に宿へと戻る中に気になる所があった為、宿に向かいながら問うと

 

 「『如水』で良いですよ、何ですか?」ニコッ

 

 そう微笑みながら白堊に返して来た。その笑顔に白堊は思わず心を奪われかけた。

 

 「あ……あぁ、分かった…えっと、じょ…如水はアイドルか何かなのか?」

 

 「そうですよ、ミルキーポップと言うグループに所属しています。」

 

 白堊の問に質問を返すと白堊は「ふーん」と答えた後

 

 「……有名なのか?」

 

 すっとぼけた事を聞いて来たため如水は苦笑いをしながら

 

 「自分で言うのも、何ですが…全国ライブを行っていたり、TVに出ているのでそれなりには有名だとは思います」

 

 そのように説明された白堊は道のりの木々を見ながら、正確には木々の奥……影の濃い部分を見ながら

 

 「じゃあ俺と一緒にいる所とか見られたら、マズイな」 

 

 「そうですかね?あ、宿が見えて来たので私はこれで失礼します」

 

 「おう分かった」

 

 互いに別れの挨拶を交わし、如水の後ろ姿を見送った後、背後の森へと視線を向けながら白堊は

 

 「よっと!」シュッ!

 

 ポケットからシコロ*1型のクナイを取り出しながら森へと投げ付ける。

 

 ……すると、暗闇から「グアッ!?」ドサッ

 

 短い悲鳴と共に胸にクナイの突き刺さりカメラを持った少女が落ちて来た為、近付きながらカメラを拾い中身のデータを確認する白堊

 

 「……やっぱりか……テメェ盗撮してやがったな?昨日の夜から気配はあったが……」

 

 取り上げたカメラの内部データには、昨日の風呂場でのアクシデントや如水と親しげに会話している画像等が写し出されていた。

 

 「グッガァ……ハハハ……この画像を週刊誌の記者に売れば奴らの信用はがた落ちし、私達のアイドルグループが売れる……その筈だった!それを貴様はじゃ…グガッャア!?」

 

 白堊は全てを聞く前に少女の胸部に突き刺さったシコロを踏み付け、一層と深く押し込む。

 

 「んな、狡い手なんか使わずに実力で勝ち取りやがれ……まっ!それは来世でな?つー訳で……バイバイ」グッ

 

 「アッ!まっ……ギィッ!?アッ」グジャリィ

 

 押し込まれたシコロは彼女の胸部を通過し、地べたへと迄到達してそのまま息の音ごと止めた。白堊は死亡したのを確認し死体の処理をしようとした際にある事に気付いた。

 

 「……あ!ヤベェ!死体埋めるにしてもここ椿の旅館だ!!どうすれば?……」

 

 ミンチにする=周囲に血渋き等でバレる

 何処かに隠す=腐敗臭及び蝿や野生動物によりバレる

 川に流す=漂流中にバレる可能性アリ

 劇薬にて溶かす=手元に無い

 胃酸で溶かす=時間が掛かる

 

 「(どれもろくなのがねぇ!!!何かしらで溶かすのが効率や隠蔽性は高いが……回答出した結果的に劇薬は手元に無いし、胃酸は出すのも溶かすのも時間がかかる……クソ!拘束するだけにしとけば、良かった!自身の浅はかさに腹が立つ!)」ズズ…

 

 白堊は考えより先に手が出てしまう自身に対して苛立ちつつもとある方法が頭を過った。それと同時に白堊の眼は虚ろになり、

 

 「食うか」

 

 信じられない事を発し、それを行う為にしゃがみながら死体目掛け手を伸ばし始め死体の腕を掴んだ瞬間

 

 「ッ!!!ハッアッ!……ハァ、ハァハァ」スッ

 

 息を切らしながら掴んだ死体の腕を投げ捨て、自身がしようとしていた行動に対して冷や汗を掻くと同時に得体の知れなさを感じ恐怖していると

 

 「……そんな所で踞って、何してんの?」

 

 背後から聞き慣れた声がした為、恐る恐る振り替えると怪訝そうな顔を浮かべた椿がいた(尚、浴衣ではない)

 

 「い、いや何でもないぞ?ハハハ(…マズイ!誤魔化せる訳がねぇ!)」タラタラ

 

 愛想笑いと驚きを浮かべながら答えるも引き攣った笑みにしかならないその態度と顔に余計に訝しむ椿は

 

 「……アンタ背後に何か、隠して無い?」

 

 ジト目で白堊の背後に回ろうとする椿に白堊は回らせ無いようにするために中腰に成りながらまるでカバディの体制を作るが、それよりも早く

 

 「よ!とっ!はっ!」シュタ

 

 軽々と気を使ってスカートが翻るのも構わず三角飛びをし、白堊の背後に着地した。

 

 「……(黒のフリル付きの赤か……良いな)」

 

 そんな椿を見た白堊はというよりはスカートの中身を見た白堊は内心かなり底辺な事を思ったが我に返り

 

 「/(^o^)\オワタ!」

 

半ばやけくそに叫ぶが肝心の椿はというと

 

 「何よ?カメラが落ちてるだけじゃない?……って、何これ?盗撮!?」

 

 カメラを拾い上げ怒りの形相で内部データを見ながらカメラの画像を次々と見ている。

 

 「……あ、あぁ不自然にカメラが落ちていて中身が盗撮紛いだったから不快になると思って見せない様にしていたんだ(死体が無い……何故だ?)」

 

 白堊が死体が消えた事について考えていると、椿は何故かハイライトの消えた目で白堊を見た後手にしたカメラを片手で握り潰し、不機嫌そうに旅館の方へと戻って行った。

 

 「……………ふん」スタスタ

 

 何故椿は不機嫌そうにしているのかと白堊は「?」マークを浮かべながら椿が握り潰したカメラを見た後に内部にとある画像があった事を思い出し椿を追いかけながら

 

 「待って!ただ話を世間話をしていただけだって!やましい事はないぞ!?」ワタワタ

 

 「うるさい!うるさーい!」スタスタ

 

 ある画像とは、如水と白堊が楽しそうに談笑していた写真であった。早い所、椿はそれを見て嫉妬したのである

 

 

 

 

ーー洞窟ーー

 

 死体から約1km程離れた場所に少女はいた。胸に突き刺さったシコロを慎重に抜きながら先程の事について怨めしく呟いていた。

 

 「クソ!あの屑男が!私の身体に傷をつけやがって!!!多少忍術の心得があったから逃げ出せた物を!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!許さない!許さない!絶対にただじゃ済まさないッ!!!」ギリッィ

 

 口からは血が滴り、顔はアイドルとは思えない程酷く歪んでいた。すると洞窟からクスクスと笑い声が聞こえて来たため

 

 「誰だ!?」カチャ

 

 警戒体制を取りながら辺りを見渡すが薄暗い洞窟内には誰も居ないし、気配すら無い。その為、彼女は気のせいかと思い

 

 「「気のせいか!?」」バッ

 

 言うと自身の声に合わせて一緒の事を語ってくる声が背後からしたため振り向くと霞みがかった姿をした女が立っていた為、驚きつつも

 

 「お前は、一体……」

 

 そう呟くと女は薄ら笑いを浮かべながら彼女に対して

 

 「おんやぁ?私を見て驚かないとはねぇ~?それよか、君さぁ~復讐したい奴がぁ~いるんだよねぇ~?良かったら"力"貸そうかぁ~?」

 

 突如として巫山戯た態度で語りかけてくる女に対して疑問より苛立ちが勝ったのか

 

 「ハァ?いきなり現れた奴が力を貸すゥ?そんな詐欺紛いの発言に乗る奴がいるとッォ!?」

 

 そう言って断ろうとした矢先、霞女により首を締め付けられたまま持ち上げられた。そのまま霞女は

 

 「今質問してんのはこっちだろうが!!!クソガキがぁ!オラ!どっちだ!?力が欲しいのか?欲しくないのか?欲しいなら首を縦にいらないならそのまま死ね!

 

 余りの剣幕と力に少女は数秒間思考が停止していたが、この力ならもしかしたら……と思ったため僅かに動く首を縦に振る。すると女はすんなりと手を離し

 

 「いやぁ~ごめんねぇ~?どうも年のせいか怒り安くなってねぇ~でも承諾してくれて、ありがとうねぇ~早速で悪いけど"力''を貸すから少し目を瞑って貰えるかい?えっと……名前は…」

 

 「……乱花と言います」

 

 名前を名乗った方が良いと判断した彼女、「乱花」は目を瞑りながら名乗ると女は

 

 「分かった、乱花ちゃんねぇ~良い名前だねぇ~じゃあ、いくよ~」スゥゥゥ

 

 その言葉と共に女は煙と成り乱花の口と鼻から体内へと侵入して来た。

 

 「!?んぁ!ウハァ!ンン!//////ッッッンハァ!///ァァ!///イク!イッチャウゥゥ!//////」

 

 洞窟内から濡れた声が数分響き渡り収まると同時に……

 

   ドグシャア!!!

 

 何かが噴き出すような音と共に真珠の様な美しい肌と光を放つ金色の髪に全てを見透かす様な透き通った金色の眼に薄い陰陽の模様を持つ美女が現れた。

 

 「フゥ……こんな所かしら?……復讐心に取り憑かれた者程醜い者はないわねぇ……でも死ぬ前に気持ち良くなれて良かったんじゃ無いかしら?……名前はえっと……なんだったかしら?……まぁ良いわ……にしても、まさか復讐したい相手があの()の息子なんて……かなり都合が良いわ……フフフフフフ」シュン

 

 謎の美女は怪しく微笑むと共に姿を消した……洞窟内には腹が裂けた先程の「乱花」と名乗った全裸の少女の死体のみが残されていた……

*1
携帯用鋸の事




はい……という訳で!次回は…学校2日目になります!

最後に出て来た女ですがぁ!実のところ!第1章には………………殆んど関わってきま……………せん!なら何故登場させた!と思うかもしれませんが一応1章が終わった後の話を造り易くするためにですね…はい……すいません

一応殆んどなので、ちょいちょいは関わって来る予定です。

質問や感想お願いします。


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深緋の炎

虚無の魔術師様のオリ主+東方キャラが出ます。



キャラ崩壊注意


 「はぁ~、えらい目に遭ったな……」

 

 左頬を赤く腫らした白堊は蛇女学園に着くなりそんな事をぼやきながら選別部屋に行くと

 

 「ん?おぉ、珍しいな。お前が遅刻しねーとはな」カチカチカチ

 

 左手にハンドグリップ(500kg)を持ち、背中に詠と滅赤を乗せながら片手指立て伏せをしている蘇芳が白堊が遅刻しない事を珍しげに言った(因みに、詠は滅赤に「もやし」の素晴らしさを語っていたが……当の滅赤は頭に「?」を浮かべながら聴いていた)

 

 「つぅーか、何だ?その左頬。蚊でも叩いたのか?」カチカチ

 

 蘇芳は赤く腫らした左頬にハンドグリップを持ちながら指を指しながら聞いてきた。

 

 「……別に何もねぇよ。それよかお前こそどうした?そんな古典的な筋トレなんぞしやがって……」

 

 頬の事は適当に流し、普段なら部屋ではなくグラウンド等の広々とした場所で筋トレを行っている蘇芳が狭っ苦しい部屋で行っている事に話を変えたが

 

 「あぁ、それはな……」

 

 「輪廻が部屋で待機との連絡をした為、グラウンドが使えない蘇芳は部屋で筋トレを行っている訳だ。蘇芳……白堊の頬が腫れている原因は十中八九で女絡みだ」

 

 「ちょっ……!」

 

 蘇芳が答えるより早く白銅が春花の傀儡を弄りながら答えた。それに蘇芳は「そうゆう事だ」と言うとまた再び筋トレに戻った。白堊は白銅に対して「何故決めつける」と言ったような目を向けるがそれを無視しながら傀儡弄りに戻った。未だに納得出来なかった白堊だったが、背後からとてつもない負のオーラを感じたため振り向くと……

 

 「……女絡み?……ホホウ」ゴゴゴチャキ

 

 ハイライトオフの目をしながら手に愛用の鎖鎌鞭を持つ総司がいた。口角は上がっているが目が明らかに笑っておらず、ヤバめだった為に白堊はゆっくりと後退りをし始めると、総司はヒュンヒュンと鎌を回しながら

 

 「どうした?何故?後退るんだ?私はすこぉ~~~~~しその女絡みとやらについてお前(の身体)に(直接)聴きたいだけ何だがぁ~~?」ジリジリ

 

 「ま、待て!取り敢えずその顔をやめて鎌を置いてくれないか?話はそれからだ」サササッ

 

 そう言って後退りつつも宥めようとするが、一向に止めずにだんだんと距離を詰めて来る総司。このままだとヤられる(物理)と判断した白堊は助け船を出して貰おうと周囲を見る。

 

 取り敢えず蛇女達に助け船は無理だと判断して自身の学園の選抜を見るが、白銅は傀儡を弄りながらほくそ笑み、蘇芳は筋トレに集中し始めた為に無理、滅赤は詠とのもやしトークを延々としており万事休すかと思ったが、窓際の灰怒と目が合った……が、あったと同時に本で顔を隠された。

 

 「(あっの野郎っ!!!)」

 

 「ふっ!諦めたようだな!いくぞ!」シュバッ!

 

 勢いよく舞い上がると共に白堊へ目掛け飛び掛かる総司に白堊は絶体絶命となったが

 

 「何してんだ?お前は」シュルル

 

 冷めた声と共に糸が総司へと飛んでいき、そのまま蔓巻きにした。

 

 「あ、輪廻先輩……助かりました」

 

 絶体絶命の白堊を助けたのは龍導筆頭の輪廻だった。心なしか少しソワソワしているように見える。

 

 「随分早く用件が終わったな?てか後ろの奴誰だ?後、光牙さんは……?」

 

 白銅が輪廻に語りがけながら輪廻の背後にいた人物に目を写すとその言葉に全員が目を向ける。

 輪廻の背後に居たのは、何かしらのキャラクターのフードを被った一人の少年だった。

 

 「光牙はまだ何か道……ドーナツ?が用件あるらしいから少し遅くなるって、だから彼の変わりに蛇女の選抜新メンバーを何故か私が紹介してくれとカイ……カイルア・コナ?から頼まれた訳さ」

 

 その言葉に蛇女選抜と候補達は訝しみながら少年を見ながら「こいつが?」や「強いのか?」といった表情を向けて来た。当の少年は少々眉間に皺を寄せて来た為、蛇女メンバーを「ちょい下がれお前ら」下げさせ名前を紹介する事にした。

 

 「こいつの名前は、ぐ……ぐれ………」

 

 名前を紹介しようとした輪廻だったが、途端に顎に手を宛ながら首を傾げ少年の顔を見ながら

 

 「お前の名前何だったけ?」

 

 「お前その質問12回目だぞ?紅蓮(ぐれん)だ!いい加減覚えろ!ババアか!」

 

 「うるせぇ、クソガキ!!本当は名前の説明するのは私じゃあないんだよ!」

 

 「今はお前の役目だろうが!デカ女!!!」

 

 「んだと!?チビ猿!」

 

 ギャー、ギャーと互いを罵り合う二人組に白銅と春花は溜め息を吐きながら割って入り

 それぞれの学校側に引き寄せ二人の衝突を防ぐ事にした。

 

 「ハイハイ、そこまでよ」「輪廻……何時ものお前らしくないぞ?」

 

 互いに双方の生徒に宥められ落ち着きを取り戻したらしく白銅は輪廻がソワソワしていた理由を聞くと、輪廻は嬉しそうな顔をしながら。

 

 「蛇女の選抜はあの猿「誰が猿だ!」含めて7人、私達は6人という事は?」

 

 輪廻の言うように紅蓮が蛇女に加入した場合、蛇女側は7名になり6名しかいない龍導との合同演習に不都合が起きてしまう。

 

 ならば、学校から新たに補充すれば良いかと思うかもしれないが選抜になりうる生徒の大半は白亜により潰されているため、担任の翔に相談した所『外部(・・)からではあるが、生徒を補充する』との連絡が入った。

 

 「そうか……しかし外部から新たに補充した者だけでお前がソワソワしている理由にはならんだろ?」

 

 「クールな顔でソワソワとか」「白銅お姉ちゃん、可愛いね」

 

 白銅の言うようにそれだけの理由で輪廻が嬉しそうにする訳がない(上記二人(灰怒と滅赤)の会話は聞こえなかったらしい)、その事を問い詰めると、輪廻は

 

 「フヒヒ、その補充生徒なんだがね……私の弟なのさ」

 

 「弟!?」「輪廻先輩の弟確か14歳ですよね?」「私より下?」「流石にコイツには荷が重いだろ?」ピラ

 

 次々にメンバー達が驚く中で白銅が一枚の写真を出しながら指を指す。全員がその写真に注目すると家族集合写真なのか沢山の人が載っている中、輪廻の横に中性的な顔立ちをした人物が輪廻と手を繋ぎながら写っていた。白銅はこの人物を指差していたのでその人物が件の弟なのだろう。するとその人物を見た灰怒が

 

 「あれ?彼……もしかして、転生(てんせい)君?」

 

 そう呟くと輪廻は驚きながら灰怒に対して「知り合いだったのか?」と聞いて来た為

 

 「えぇ……一時的でしたが、一緒に修行した事があるので……彼の実力なら確かに問題は無いと思います……しかし彼には……これは僕が言えた事では……ありませんね

 

 少し言葉を濁しながら灰怒は語った。輪廻は弟に会えるともあってか浮かれていた為、灰怒が最後に呟いた言葉は聞こえなかった模様……彼が言ったこの一言は後に彼自身にとっても最大の試練となる。

 

 「……で、転生の奴は何時に此方に来るんだ?」

 

 「……聞いてなかったわ……へへ、ごめんネ」

 

 白銅の質問に対して、輪廻は舌を出しながら謝罪をした。これを見た白銅は深い溜め息を吐いた。

 

~とある、商店街路地裏~

 

 ギュウゥゥワン

 

 「っと……ふぅ、久しぶりの"外の世界"だな~」

 

 空間が開き、その割れ目から現れた少年は着地と共に普通の人間が聞いたら『コイツ頭おかしいな』と思うような事を呟きながら手にした刀で肩をトントンと叩いた。

 

 「ウフフ、実に2年ぶりの"外の世界"はどうですか?」

 

 すると謎の空間の割れ目から女性の声が響き渡った為、振り向かずに

 

 「ん~あまり、実感は沸きませんね~……それより、早く戻った方が良いのでは?(ゆかり)さん?」

 

 空間から聞こえた女性の名は(ゆかり)と言うらしく、転生に戻った方が良いと言われたため。

 

 「……私の気配に勘付くなんて……人間も進歩したのかしら?……まっ!貴方の言う通り帰らせて貰うわ。じゃ~ね~」

 

 そう言うと同時に空間の割れ目が消えた。それを確認した後、路地裏の奥に視線を写しながら

 

 「さて……ゴミ掃除の時間だね」カチャ

 

 刀に青い風を纏わせながら呟いた。



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殲滅の風

虚無様のキャラ!東方キャラ出します!

特に前者は関わり無いです!まだ


 「……ふぅ、足音からしてゴミだと思っていたけど……まさかここまでなんて……拍子抜けも良いとこだよ」ゲシゲシ

 

 中性的な顔立ちの少年……転生は手にしていた手裏剣をしまい地面に倒れ伏せている人物達を見ながらぼやく、幸いか不幸か倒れ伏せている人物達は立ち上がる事は出来なくても彼が蹴っている人物以外は生きていた。

 

 転生は辛うじて生きている人物達を見ながらではなく……自身の背後から刀を持ち鯉口をチャキチャキ鳴らす音が聞こえて来た為に振り向くと、イエスキリトのように壁に張り付けられながらも刀を手放さずに鯉口を鳴らしながら威嚇する目隠し(・・・)をするとはいっても目隠しを外されていたが……少女……名を奏多(かなた)が此方を睨み付けていた。

 

 「アハハハ、確かにゴミは言いすぎたかな?お姉さんだけはこんな狭い圧倒的不利な場所なのに壁に引っかける事なく振るってたし……まっ、太刀筋は滅茶苦茶なマジ物のゴミだったけどよ

 

 最後以外は猫なで声で奏多に語り掛ける転生にイライラを募らせた奏多は

 

 「私は倒れ伏せている奴等とは、無関係ダ!寧ろ敵対関係ダ!だから、この拘束ヲ解け!」ガルルル

 

 拘束を解き次第直ぐにでも斬り掛かって来そうな雰囲気を醸し出している奏多に転生は

 

 「え~刀の鯉口をチャキチャキしながら、威嚇させているような殺意MAXの人は流石に解放出来ないな~…………って、え?て言うかお姉さんとこの生ゴミ達と敵対関係だったの?……じゃあ拘束は解くね」

 

 それを聞いた奏多は呆気に取られた。拘束は解かないと語っていたのにそれが誤解だと分かった瞬間あっさりと拘束を解くと宣言したからだ。

 

 スパ、スパ、スパ

 

 「ほい、拘束解いたよ?」

 

 拘束を解かれた奏多は地面に両手を着けながらにこやかな笑みを浮かべる転生を見ながら、自身の刀に手を添え

 

 「随分とあっさり、拘束を解くんだナ?自分が報復ヲ受ける事は考えてなかったのカ?」チャキ

 

 刀を構え転生を睨み付けながら語る奏多に転生は刀を構えずに、頭の後ろに手を組みながら

 

 「ん~、別にそうゆう考えは無かったって言ったら嘘だけど……それ以前に拘束を解かなかったら、五月蝿そうな奴が居たから解いただけだよ?ほら後ろ」クイッ

 

 転生が奏多の背後を顎で促したので奏多は背後を向くが誰も居なかった。その為、転生に文句を言おうと振り返るが、転生は既に居らず代わりに一枚の封筒が自身の手元に降ってきた。

 

 「……何ダ?」がさがさ

 

 降ってきた封筒の中身の紙を広げて見ると……

 

  『アホが見る~m9(^Д^)』

 

 ご丁寧に顔文字まで書いてあった。これを見た奏多は紙と封筒を

 

 「あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ビリビリビリビリ

 

 けたたましい叫びと共にそれを破り捨てた。すると背後から

 

 「救援要請の信号があったから、駆け付けた訳だが……」

 

 「無駄足だったな」

 

 良く聞き慣れた声が聞こえた為、肩を落としながら地面に落ちていた目隠し用の布を拾い上げ、両目を隠しながら振り返る。

 

 「そう言わないでくれよう、スカイフィーア」

 

 弱気な声で反論する奏多にスカイフィーアと呼ばれた背に機械的な大剣を背負う少女は無表情且つ冷淡に語った。

 

 「まぁ無事で何よりだ……それより何があったんだ?」

 

 「ラーストチカ……実ハ……」

 

 そう聞いて来たのは二本のブレードを持ったラーストチカと呼ばれる二人と比べると小柄な少年がこの場所で起きた出来事を聞いて来た為、奏多は説明に移った。

 

  ~奏多説明中~

 

 「フム、なるほど………で、その倒れていた奴等は何処に行ったんだ?」

 

 「何を?そこら中に居るじゃ………えっ?……居ない?…何で?確かに居たのに!どうしテ!?」

 

 先程まで確実に大量に転がっていた死体を含め倒れていた者達が一人残らず消えていた。困惑する奏多をスカイフィーアは冷めたような訝しむような目で奏多を見ながら

 

 「お前……まさか構って欲しくてわざと虚偽の救援要請をしたのか?」

 

 スカイフィーアの発言に奏多は少し頭に来たのか目隠し上からでも分かるくらいに目を吊り上げながら

 

 「何だト?お前ハ私ガわざと虚偽報告しタ……そう言うつもりカ?」チリ

 

 僅かにだが殺気を放ちながらスカイフィーアに返すとスカイフィーアは背の大剣の柄を握りながら

 

 「……何だ?その殺気は?まさか……私と殺り合うつもりか?勝てる訳が無いのに挑むか……」チャキ

 

 「修行、鍛練を怠り、ユウヤさんに色目を使っている奴に負けるつもりは無い」

 

 「あ"?」

 

 この発言に奏多を小馬鹿にしていたスカイフィーアは首と額に血管を浮かび上がらせながら奏多を睨み付ける。奏多も刀に手を添え正に一触即発な空気が流れていたが……傍観していたラーストチカが

 

 「おい、つまんねぇ事すんなよ?」

 

 そう一言だけ言うと一触即発になりそうな雰囲気だった二人は直ぐに矛を納めた……互いに睨み付けてはいたが……そんな二人を見ながらラーストチカは溜め息を吐きながら

 

 「ハァ……取り敢えず、奏多の言った事は本当みたいだ」

 

 「何?どういう事だ?」

 

 怪訝な表情を浮かべるスカイフィーアにラーストチカは手裏剣の破片を投げ渡した後

 

 「その破片から流れる映像を見たが、確かに事実だ」

 

 「…………チッ、確かにそうみたいだな」

 

 苦虫を噛み潰したような表情をしたスカイフィーアは手裏剣の破片を投げ捨てた後

 

 「先に本部に戻る」シュッ

 

 そう小さく吐き捨てると目視できぬ速度でこの場を去った。

 

 「じゃ奏多、俺達も戻るか!」

 

 「ん」コクリ

 

 互いにスカイフィーア同様に目視できない速度で本部へと戻って行った、一瞬だけではあったがラーストチカはとある建物の屋上を睨み付けた。

 

~建物の屋上~

 

 「いや~危なかった、あの大剣のお姉さんはともかくとして……あのブレードの男……あいつはヤバいな、気配消していたオレに気付くとか……さ~て、あんたらだけど、どうしようかな?」

 

 転生はラーストチカの感知能力に僅かにだが驚きと警戒をした後、自身が運んだ先程まで路地裏にて倒れ付していた人物達へと視線を写した。

 

 「ん?あぁ、そうだったわ……あんたら、何であの紫ばーs…ゲフンゲフン…"幻想郷"の大賢者を狙っていたの?それに感知までしていたみたいだし?そこらへんの事だけど、教えてくれないかな?」

 

 「「「「…………………」」」」

 

 倒れ付している人物達は無言を貫き通していた。これを見た転生はとてつもない程の悪魔の様な、というよりは"鬼"の形相で笑みを作り上げ

 

 「まぁ、答えないよねぇ~普通、キヒヒヒそれじゃ……う"!?……はぁはぁ……!お前はっ!出てくるな!!っぐっ……ふぅ……さて、どうせ喋らない事ぐらい分かっていたし!1.2.3~30人……か…じゃあ、一人残して『木遁・心脳食腕(もくとん・しんのうしょくわん)』」

 

 転生が遁術を唱えると同時に背後から蛸と蔦植物が合わさったような君の悪い触手が現れ

 

にゅる、じゅる、じゅるり、と倒れていた者達に絡み付くと、同時に口の中に侵入すると『心臓』と『脳』だけを器用に抜き取り蔦植物を使い傷つかぬように『心臓』と『脳』に器用に纏わせると霧散させた。

 

 「フフフ、これだけ命の『ストック』が……あれば……って!?オイ!食うなよ!あぁ!もう!いいよ!でも20年分は残しておいてよ?」

 

 先程から、一人芝居をしていた転生に引き気味だった少女(・・)(と言っても18~19辺りの年齢)は少しずつ引き下がりながら逃げる準備をしようとしたが

 

 「ど~こ~に行くの~?おねーさん?」ズズイ

 

 「!?」ビクッ

 

 いきなり目の前に転生の顔が現れた為肩を上げながら驚く少女だったが逆に好機と捉えた少女は手にしたナイフで目の前の"悪魔"の喉、頸動脈を斬る!

 その勢いで素早く振るうが…………

 

      パシッ!

 

 「はぁい、残念でした~」

 

 軽く受け止めた転生は持っていたナイフを投げ捨てた後、尻餅をついている少女に対して、自身の左目を撫でながら

 

 「ちょっと、どんな力かおねーさんで確かめても良い?」

 

 「……は?」

 

 少女は転生が何を言っているかが理解出来なかったが、明らかに隙だらけだった為に今度は地面に落ちていた忍者刀で連続で斬り掛かる。

 

 「おっと」ヒョイ

 

軽く躱された後、またも受け止められそのまま投げ技を決めつけられてしまった。これに転生は少女の動きの酷評ではなく自身の左目を隠しながら

 

 「……チッ!隠しているならどんな力があるかと思ったら只の未来予測かよ!」

 

 今度は独り言を言い始めた為、少女はこの隙に逃げ出そうとしたが

 

 シュルルル!ガシッ!

 

 「逃がさないよ?おねーさんには聞きたい事があるから生かしといたんだからさ?」ニコォ

 

 「ヒッ……イヤァァァァァ!!

 

 そう言うと同時に転生の背後から無数の触手が現れ少女の身体に纏わり付いてきた。少女はこの後自分の身に起こる悲劇に顔を青ざめながら

悲鳴を上げた。

 


何処かのホテルの一室

 

 「『幻想郷の大賢者を捕縛し程度能力を奪い人質にし幻想郷の住民達を自分達の手駒にする』これが目的だった……んじゃこの情報を紫さんに伝えといてよ」

 

 「はぁ?分かりましたけど……よりによって何で私に?口に出すのも癪ですが……射命丸に頼めば良いのでは」

 

 そう答えたのは白いショートヘアーの少女であった。少女の返しに転生は

 

 「いや、あの鳥は自分の新聞に載せるでしょ?だからまじめな貴女にしたわけです、頼みますよ(もみじ)ちゃん」

 

 「///まぁ、あり得ますね……分かりました、伝えておきます。それより……彼女は何で全裸に?しかもなんか臭いますし……」

 

 椛の視線の先には産まれたままの姿に目は虚ろになってベッドに横たわっている少女がいた。

 

 「ん?あぁ……色々あってですね」

 

 「……あっ(察し)…………深くは聴きません、では」

 

 目を逸らしながら答える転生に椛は察したのか深くは聞かずにこの場を去った(尚河童により時空間転送装置なる物を貰っていたらしい)

 

 「……さて、次は何して過ごしますかね……」

 

 『オイ、転生よ。学校とやらには行かなくても良いのか?』

 

 転生がけのびしながら言うと転生の内部より声が響いたこの声に転生は

 

 「ん?……あ、ヤバい!そうだった!急がなきゃ!ありがとね!黄衣の王(ハスター)!」

 

 『ハァ、相変わらず何処か抜けているなぁ……お前は』

 

 黄衣の王……ハスターと呼ばれた内部の声は飽きれつつも出来の悪い弟を見る兄のような雰囲気を漂わせながら

 

 『行く場所のチェックはしてるか?してるならとっとこ行こうぜ』

 

 「分かっているよ!『輪廻ねぇさん』から連絡入っているからね!」シュウン

 

 姿を透明にし、ホテルの窓から別のビルに飛び移り目的の学校『秘立蛇女子学園』へと向かって行った。

 

 

ーー七つの彗凶星本部ーー

 

 「ほぉ……忍の中にも候補生とは言え中でもNo.3に勝てる者がいるとはのぉ……」ピコピコ

 

 「まぁ、軽傷で済んで良かったでごさるな」

 

 七つの彗凶星本部へと帰還したラーストチカ達は一連の事をゲーム中の神威と奏多の師匠の武蔵へと報告した。

 

 「取り敢えず、今は治療している……話聞いてますか?神威さん?まぁいいか。ではこれで」

 

 報告を終えたラーストチカは場を去っていった。

 

 「……軽傷……ではないですよ?武蔵さん」

 

 去ったラーストチカと入れ替わりで入室して来たのは七つの彗凶星『最弱』の志藤であった。

 

 「?軽傷では無いとは?」

 

 奏多は大した傷を受けていなかったため軽傷だと判断した武蔵だったが志藤は

 

 「すいません、言葉の綾です。単刀直入に言わせて貰いますと診察の結果ですが奏多の《魔眼》の内の一つ『運命の瞳(ノルン)』が失われています」

 

 「何と!」「マジか?ゲームオーバーじゃ」

 

 「「……………」」

 

 武蔵と神威は驚きの声を上げたもっとも神威は別の事であったが……

 

 「ま、まぁ取り敢えず、奏多はそれに頼らずの修行をしておるから大丈夫であろう!」

 

 「そうですね……一応ラーストチカが何か知ってそうなので聞いてみます」

 

 そう言いながら、部屋を出た志藤その背後に

 

 「フヒヒ、奏多に教えたらどんな顔するかしらねぇ……」

 

 怪しい雰囲気を漂わせる女がいた。




文の扱いが酷かったです……ファンの皆々様申し訳ないです。

次の話は夜天vs光牙+新メンバー揃えての各々の課題です。

次号「極光砕くは激動の雷鳴」

それでは


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極光砕くは激動の雷鳴

前回の後書きと内容違ないよね?


レタスの店長様のキャラが出ます。


「くそっ!」ガンッ!

 

 道元の用件が終わり、選抜部屋へと行く光牙は途中廊下の壁を怒りに任せ殴り付けた。かなりの力で殴った為か壁は思い切り凹みパラパラとゴミが落ち壁に大きく亀裂が入った。

 

光牙は先程まで行っていた事を思い出し頭を抑えながら

 

 「姉さん……もう少しだけ待っていてくれ…必ず助け出してみせるっ!」ギュッ

 

 決心した表情で握り拳を作り苛立ちを抑えながら選抜部屋へと向かう為に歩き出すと、背後から

 

 「その程度の実力で?ハハ!無理でしょ?」

 

 ……と小馬鹿にした声が聴こえた為、光の粒子を集め様々な武器を作る粒子変化で弓矢を造り振り返るが

 

 「臨戦体制に入るまでが遅すぎる。本番だと倒れ骸と化しているぞ?それでも筆頭か?」

 

 二度目は行動の遅さを忠言するが、やはり何処か小馬鹿にした含みを感じた為、光牙は折角抑えていた苛立ちがまたふつふつと沸き上がって来たのを感じつつギリギリ抑えこみ、その人物に用件を問い質す事にした。

 

 「何の用だ……"夜天"」ギロッ

 

 睨みながら用件を聞いて来る光牙に夜天は腕を組みニッコリと口角を吊り上げながら

 

 「悩める若者を導くのも年上の務め……と思ってネ!つまりは君の悩みの種である「お姉さん」について……「ヒュン!」……おっと!」

 

 「貴様……姉さんに何をする気だ……」ゴゴゴ

 

 「姉」そのワードに反応した光牙は何時もとは比べ物にならない速度で光の弓矢を造り出し夜天目掛け放った、その矢を避けた夜天は溜め息を吐きながら

 

 「はぁ~、姉って聞いただけで目の色変えちゃって……話は最後まで聞けってのクソガキが…………君のお姉さんには何もしないよ?寧ろ助け……とまではいかないけど今よりは安全な環境に置こうとしてるだけだよ?」

 

 そう言う夜天に光牙は弓を手に警戒しながら

 

 「あのような物言いをしていた奴の言う事が信じられると思っているのか?後、俺はガキではない」フン

 

 「……それは……悪かったと思っている。けど今の現状だと君はあのくそ雑魚ナメクジの道元とクレイジーブレインのカイル達に姉を人質のように扱われあいつらの好きなように利用されるだけだぞ?それでもいいのか?」

 

 「ッ!それは…」

 

 夜天の発言に口ごもる光牙に夜天は背を向けながら

 

 「まぁ、どうするかは君次第だよ~」スタスタ

 

 「ま、待て!!」

 

 「…………ん?」ニィ

 

 去っていこうとする夜天に光牙は静止の声を掛けた。振り向く際、夜天は小さい笑みを浮かべた。

 

 「その環境とは?どんな場所何だ?……後……本当に安全なのか?」

 

 「ああ、今よりはね……環境を聞くって事は……」

 

 「姉さんを預けたい」

 

 光牙は嘘偽りなく、真っ直ぐな瞳で夜天にそう語った。それを見た夜天は不気味な笑みではなく、穏やかな笑みを浮かべながら。

 

 「うん、良いよ。一応、その場所には連絡して置くよ……君のお姉さん良くなると良いね……しかーし、条件がある!」

 

 「……やはりか」チャキ

 

 夜天が条件があると言うと光牙は特に驚きもせずに弓を構えた。この行動に夜天は

 

 「やっぱ理解していた!?」

 

 刀を抜き臨戦体制に入ると共に、地面に手を起くと同時に

 

 「異界結界(いかいけっかい)清暉(せいき)」ズズ

 

 みるみる内に辺りが暗闇に呑み込まれる。それと同時に月光輝く空間へと変化した。

 

 「……これは?」

 

 光牙が辺りを見ながら夜天に聞くと

 

 「邪魔が入らないように場所の変更をさせてもらっただけさ……そんな事より、行くぞ!」

 

 「ッ!輝じ……」

 

 「遅い!」ズシャ!

 

 光牙の問いに簡単に答えると同時に素早く接近し斬り付ける夜天。しかしそれだけでは終わらず、続けて

 

 「雷遁(らいとん)光芒(こうぼう)」カッ

 

 遁術を唱えると共に一筋の目映い光が夜天の指から放たれた。その光はそのまま光牙の肩を貫いた。

 

 「グガッ……アァ!?」

 

 たまらず光牙は貫かれた肩を抑え膝をついた。しかしこの行動は悪手であった。

 

 「膝をつく暇は無いだろ?」

 

 夜天の声が背後から聴こえた為に振り向く光牙。しかしここで不思議な現象が起こった。それは「背後を振り向く」後ろへと視線を写すそれ自体はできたのだが……不思議な現象とは、天地(・・)が逆さまになっていたのであった。

 

 ―何をされた?― ―振り向いたら奴が逆さま?―

 

―…奴の前に在るものは…何だ? 

 

     ―いや、何者だ?―

 

 ―――何者―― ―!!まさか!!― 

 

――間違いない!アレは!奴の前に居る者は……――

 

    ――オレ(・・)だ!――

 

 天地が逆さまになっていたのは、夜天が光牙の首を斬り飛ばした為であった。

 ……意識があった理由としては自分が首を跳ねられたと認識出来ないと錯覚する程に夜天の剣術が繊細且つ優れていた為である。

 

 『ごめん、姉さん……先に逝ってしまうオレを許してくれ……母さん、今そっちに行くよ……』

 

 薄れ行く意識の中で光牙は自身の姉に謝罪をそしてあの世に居る母へもうすぐ其処へ行く事を伝え事切れようとしていたが……それを許さぬ有る人物(・・・・)がいた。

 

 『死ヌ事ハ我ガ許サヌゾォ、オ前様ァ』

 

 この光景を見た夜天は頬をポリポリと掻きながら、謎の空間から2Lペットボトル程の中に赤色の液体が満たされた容器を取り出した。

 

 「少しやり過ぎたかな?まぁこの空間とコレさえ使えば生き返る(・・・・)し大丈夫か……んじゃあ、使いますかね……ってアラ?」

 

 夜天はその容器の蓋を開けようとしたが、手には容器が無くなっていた。と言うよりは刀で光牙の首を斬り飛ばす直前の体制へとなっていた。

 

 「これは……ん?」

 

 一瞬、時間にして1秒……常人からしたら早すぎる時間だが忍世界では油断も出来ない時間である1という数字、夜天は頭の中が空白になったが、2秒で事の展開を理解し次の手を打とうと行動しようとするが。

 

 「オ"ァ!!」ガスッ!!

 

 光牙のパンチをもろに受け数メートル吹き飛ぶ。首の跳ねられた光牙が何故このような動きが出来たのかと言うと答えは単純に首は斬られていなかった(・・・・・)からである。光牙は顔を俯かせたまま輝くオーラを纏いながら夜天へと向き唸り声を上げていた。

 

 「……"時間戻し"……『覇王光竜(ハオウコウリュウ)』の力か…その感じだと覚醒じゃあ無いみたいだ――」

 

  ――ドクシャア!!!――

 

 夜天が語り終えるより早く飛び掛かり粒子変化で造り上げた爪を夜天の腹に突き刺したまま壁に押し付け続け様に光弾を数十発打ち込む。

 

 「ウ"アアアアアアアアアア!!!」ビリビリ

 

 大気をも震わせる規模の大咆哮を上げる光牙?その姿は普段のクールな彼とは違いそれはまるで本能のままに荒れ狂う獣であった。煙が立ち込めた壁を一通り眺め「フン」と鼻を鳴らした後、この異空間から立ち去ろうと辺りをキョロキョロと見渡す光牙?すると背後から

 

 「あーこの異空間ねー術者が解くか、死ぬかじゃないと出られない仕組み何ですよねー……それはともかく、"コレ"さっきの分です!」

 

 「オッ!?」ゴッ

 

 今度は此方の番だと言わんばかりの鋭く早くそして重い拳が光牙?が語り終えるよりも早く顔面に突き刺さり、そのまま数百メートル吹き飛ぶ。夜天は拳をグーパーグーパーしながら

 

 「拳で殴ったの何年振りだっけ?」

 

 そんな事をぼやきながら倒れている光牙?を見る夜天だったが吹き飛ばされ倒れたまま動かない夜天を見た後冷や汗をかきながら、数メートルの距離まで駆け寄り

 

 「死んでないよな?」

 

 確認すると、光牙?の目が勢い良く見開くと同時に宙えと浮かびながら先程とは比べ物にならない程の極光を放った。

 

 「おわ!眩しッ!」

 

 余りの輝きに手を翳しながら光を防ぐ夜天。暫くして光が収まると同時にグルルルと獣のような声が響いたため手をどかし前を見ると眼前に約姿十メートルは有る西洋のドラゴンをモチーフにした竜人がこちらを見据えていた。

 

 「むっ…『覇王光竜』になったか……対策、対策っと…

 

    ドン!ドン!ドン!

 

 「危な!」

 

 まじまじと見ながら呟く夜天に『光竜』は(これ以降、光牙?表記ではなく光竜)光弾を撃ちながら怒りの声で

 

 『黙レ!貴様ヨクモ!下等生物ノ分際デ、生物ノ王タル我ヲ殴リオッタナ!ソノ不敬!万死ニ値スル!』ブン

 

 「万死って……何様だよ……あっ王様(笑)か」

 

 呆れながら『光竜』の攻撃を躱し手にした刀を使い連続で斬り付ける夜天

 

 ガキン!カキン!バキン!

 

 予想以上に『光竜』の身体は硬く連続で斬り付けた所で全くと言って良い程ダメージが入らないため夜天は

 

 「硬いな……さて?どうしたものか」

 

 『光竜』の装甲をどう破ろうか考えていた夜天だったがそれが隙となり

 

     ドス!

 

 『光竜』の尻尾で腹を貫かれた……続け様に『光竜』は玩具の様に何度も夜天を地面に叩き付けた。

 

 『クハハハハ!脆イ!ヤハリ人間ハ脆イナ!ハハハハ!』

 

 大笑いする『光竜』を他所に夜天は未だにどう刀であの、装甲を斬る事を考えていた。

 

 「(……どう破るか……んん~昌樹(まさき)お前ならどうする?)」

 

 ホワン、ホワン

 

 夜天は友人の一人を頭に浮かべ彼ならどう答えるか想像した。

 

 『え?硬い装甲?ナもん何回かやれば斬れるだろ?』

 

 「(うん、コイツは駄目だ……では、武蔵…アンタならどう答える?)」

 

  ホワン、ホワン

 

 『う~む、片手ではなく両手持ちにしたらどうだ?刀は本来そう扱う物であるからなぁ……それが無理なら……何回か斬れば、斬れるでござろう!』

 

 「(……コイツもか……マジ…他に頼れる奴………)」

 

 夜天は『光竜』の攻撃を受け続けながら考える。尻尾の次は腕による殴打、腕の次は足による踏み付け、その次は翼による切り裂き、しかしどの光に対しても夜天はダメージを受けている様子がない。実際には防御しつつも吹き飛ばされたり、地面に叩き付けられてはいるのだが……

 

 『(コイツ……効イテイルノカ?悲鳴一トツ上ゲントハツマラン!)』

 

 流石に『光竜』は飽きて来たのか、攻撃も雑になっていた。

 

 『………モウ、良イ…死ネ』ビュッ!

 

 人差し指で夜天の頭を突き刺した。血が吹きだし、地面に夜天が倒れ……ずに『光竜』の人差し指が斬れ落ちた。

 

 『……ナッ!何ダト!?貴様一体何ヲシタ!?』

 

 驚愕の表情を浮かべる『光竜』に夜天は不敵な笑みを浮かべながら心中でとある人口の名を上げた。

 

 「(そう言えば、お前がいたな……『幽斗(ユウト)』)」

 

 ホワン、ホワン

 

 『ん?硬い装甲か……人によると思うが?何?それは当たり前だと?フム、確かにな…お前にはアレがあるだろ?『能力を纏わせる』…それを使えば良くはないか?まぁ能力が使えないなら………何回かやれば、斬れるだろう』

 

 最後は無視して、『能力を纏わせる』それがあったと思い出し能力である特効効果の『竜殺し』と幻獣や神獣特効の『仙道』を刀に纏わせ『光竜』の人差し指を斬り落とした。

 

 『己!並ば!『タイム・ストリーム・リバース!』』

 

 『光竜』の翼がスライドすると共に世界の動きが止まる。そして世界の流れが巻き戻って行く……筈だったが、夜天だけはその場から戻らなかった。

 

 「おっと!オレにソレは聞かないよ?」ガシッ!

 

 夜天は『光竜』の尻尾を掴み、お返しとばかりに何度も地面に叩き付けた。

 

 ガン!ドガ!ガン!ドガ!

 

 『グッ!離セエエエエエ!!!

 

 『例え!時戻しが効かぬとも貴様程度、始末する事容易いわ!オオオ

 

 そう語りながら口に先程の倍ほどのエネルギーを充填し始める『光竜』を見た夜天は刀を地面に突き刺し掌を合わせた、これを見た『光竜』はニヤケながら

 

 『フン!諦メタカ!ナラバ潔ク!無様ニ死ヌガヨイ!』カッ

 

    ゴオオオオオオ!!

 

 充填されたエネルギーは光弾ではなく極太の波動砲となり夜天を完全に消し去る威力の攻撃が迫るが、依然として掌を合わせたままの夜天

 

   ドガアアアアアアアアア

 

 ついに波動砲が直撃し辺りに轟音と共に土埃や煙が枚散る土埃と煙が消えた場所には夜天の姿は無くなっていたそのためか、異空間にヒビが入り初めガラス片のように崩壊して行く……この光景を見た『光竜』は高らかに勝利の雄叫びを上げ自由となった今、自身がこの世の王となる為に異空間から飛び出した瞬間

 

 シュイン!と何かが飛んで来る音と共に自身の両手両足にドス!ドス!っと鎖の付いた杭が突き刺さり勢い良く地面に叩きつけられた。

 

 『グッ!何ダ?コレハ!動ケン!』バチバチ

 

 何とか起き上がろうと身体を動かすが、動く度に杭がどんどん奥へと突き刺さり身体が地面に埋もれて行く。この状況に光弾を杭に撃ち込み破壊しようとチャクラを充填するが

 

 「む、まだ動けるか?見通しが甘かった」

 

 聞き覚えのある声と共に見覚えのある男が歩いて来た。

 

 『キッ……貴様!何故生キテイル!?』

 

 その男は波動砲を受け消滅した筈の夜天であった。驚愕の声を上げる『光竜』の口を鎖で塞ぎ更に追い打ちに首に杭を打ち込みながら呆れと小馬鹿にした口調で

 

 「なぁーに馬鹿な事を言ってんだ、アンタは……敵にタネを証すマヌケが普通いますか?」

 

 この発言に『光竜』は忌々しいと言った表情を浮かべる、その顔を見た夜天は

 

 「まぁ、どーでも良いのですが……それではそろそろ貴女を封印させていただきますねー」

 

 封印。その一言を聞いた『光竜』は今日一番の怒声で

 

 『封印ダト!?貴様ッ!フザケルナァ!!』

 

 大声を上げながら暴れ始める『光竜』を無視しながら印を結び始める夜天に『光竜』は首に打ち込まれた杭と口を塞いでいた鎖を破壊し溜め込んでいたチャクラを解放し残りの杭を砕き天へと上がり再度チャクラを充填し始める。先程の倍の規模の量で……

 

 「あぁ~折角、座標に入ったのに……仕方ないか」

 

 夜天はそう呟くなり右手の袖を肘部分まで捲る。すると右腕に赤色のオーラが現れ始めた。

 

 『フン!今更何ヲシヨウト無駄ダ!!!』

 

   ウウウウウウウウウ 

 

 自身の身体の倍はある巨大な極光の玉を造りだしたが更にチャクラを充填し遂には数十倍のデカさとなった。これを見たら誰もが絶望し『光竜』の発言を呑むことしか出来ないであろう、しかし夜天は

 

 「黙れ!クソガキ(小娘)が!喰い殺すぞ!」

 

 と有ろう事か『光竜』をガキ(小娘)と呼び捨てたそして互いに技を繰り出した。

 

 『死ねェ!!!』

 

 「赤雷(せきらい)龍弩(ロンド)

 

 『光竜』は光輝く太陽の様な光球を夜天は赤色のオーラを纏い龍の顔の様になった右腕から赤色の雷の矢を放った。

 

   ドパッ!!

 

 互いの技がぶつかり合い拮抗するかと思いきや『光竜』の放った巨大な太陽は夜天の赤い雷撃のたった五勺(約1.5m)の矢により消滅された。

 

 『何!?グアッ!!』 

 

 余りの驚きに避けるのが遅れた『光竜』は矢が肩と翼に直撃し体制が崩れた。夜天はそれを見逃さずに

 

 「仙道(せんどう)忍法(にんぽう)武雷貫(ぶらいかん)

 

   ゴアッ!! 

 

 巨大な雷の拳が『光竜』を地面に巨大なクレーターを造る勢いで叩き付けた。

 

 『オ……ノレ……コノ怨ミ…イツカ』パリン!

 

 叩き付けられた『光竜』は怨み言を言い終えるよりも速く身体が砕け散り光の粒子となり光牙の身体へと溶け込んで行った。夜天はそれを見届けた後、異空間を解除し光牙の首をチョンパした後使おうとしていた、赤色の液体の入った容器を取り出し倒れている光牙の口に

 

 「よっこらしょーいち丸の助ザエモン!」

 

        ズボ!

 

 思い切り突っ込んだ。

 

 

 

ー数分後ー

 

 「グハッ!ゲホ!ゲホ!何だ?口の中がまだイガイガする……取り敢えず、姉さんはお前の言う安全な環境の場所に入れてくれるのか?」

 

 「……ああ」

 

 選抜部屋に行く途中光牙で聞いて来たため夜天はそう答えた。光牙は安心したような落ち着いた用に安堵の息を鳴らした。それを見ていた夜天は

 

 「(……飲ませ過ぎたな…アレ(赤色の液体)……過剰摂取すると記憶が改竄される事忘れてたな……まぁあの世界での1時間は現実世界の1秒と暴走した記憶無いからいいか)」

 

 飲ませた液体の副作用の事を考え戦った記憶が無くなって、都合良く安全な場所に移すと言った記憶に改善されていた為一先ず良かったと思っていた夜天だったが。

 

 「結果的にあの異空間での戦いはオレが負けたのか?どんな戦いだったんだ?」

 

 「う"ぇ?」

 

 光牙が異界結界の事を話出し為、夜天は素っ頓狂な声を上げた。

 

 「?どうした?」

 

 「い、いや何でもない……あぁ残念ですが、私の勝ちで、貴方の負けです。」

 

 夜天は何とか誤魔化して戦闘の内容を話した(主に『光竜』化と首跳ねを除いて)、光牙は少し悔しそうに「そうか」と呟いた。これを見た夜天は

 

 「(……確かに、勝敗はついたが……コイツには真実を話した方が良いのか?……しかし……アレは……)」

 

 「?」

 

 悩みながらエレベーターに乗った夜天を光牙は何を唸っているんだ?と言った表情で見ていた。

 

 「そう言えば、お前もエレベーターに乗ったと言うことは生徒達に用件があるのか?」

 

 「えぇ……まぁ、彼等には課題があるので」

 

 ガチャン!とした音と共にエレベーターが止まったため部屋に入室すると

 

 「え~と、新しく数会わせで編入しました。『転生』と言います。選抜と言う役目は私にはまだまだ重い物ですが先輩方々の足を引っ張らない様に誠心誠意に努めさせて頂きます」ペコリ

 

 「同じく、紅蓮だ。宜しく」

 

 新しく編入した『紅蓮』と『転生』が自己紹介をしていた為、余計な仕事が省かれたと安堵した夜天が語り掛けようとしたら

 

「流石がっ!私の自慢の弟!!礼儀正しいわ!!!」ギュウ

 

 輪廻が転生を自身に引き寄せ思い切り抱きしめた。抱きしめられた転生は

 

 「は、恥ずかしいよ////姉さん!」

 

 頬を朱に染めるが、あまり嫌がる素振りを見せなかった。

 

 「どうやら、挨拶は終わったようだな」

 

 「あ、暁霧さん」バッ

 

 転生をハグから解放した輪廻は暁霧もとい夜天へと向き返った。

 

 「あ、名前なんだが、暁霧ではなく今日から『夜天』と呼んでくれ。後、お前達に話があってな」

 

 自身の名前の変更を告げた後、自分達に話があると言ったため輪廻は

 

 「分かりました、夜天さん。それで話とは?」

 

 聞くと、夜天は悪い笑顔をみせた為、輪廻はある程度予測がついた。

 

 「課題だ」

 

 「やっぱりぃ……」

 

 輪廻が恨めしそうな声を発しながら言うと、夜天は課題の内容を語り出した。

 

 「まぁ、そこまでキツくはないぞ?輪廻と白銅は《口寄せ》白堊、蘇芳、滅赤は《遁術》転生と灰怒は《剣》だからな」

 

 「え"」

 

 夜天が内容を言うと、白堊だけがかなり嫌そうな声を発した。白堊は《斬・拳・気・歩(ざん けん き ほ)》と呼ばれる忍の4大能力の内の《気》である《チャクラ(忍気)》の扱いが苦手で《遁術》が全く使用出来ないからである。

 

 「無論、蛇女の生徒達にも協力して貰うからな!まぁ、詳しくは飯食ったら話すから……焔、食堂は何処だ?」

 

 「え?一階だけど……まさか!?」

 

 聞かれた焔は夜天の意図が読めたのか驚きの声をあげたため夜天は笑顔を見せ

 

 「特別にオレが、飯を作ってやろう!」

 

 「「「「ええええ!?」」」」

 

  「…」グッ「…ジュルリ」グッ

 

 驚きの声を上げる蛇女と無言の喜びを見せる龍導+1は飯だ飯だと言いながら食堂へと向かって行ったが……

 

 「灰怒、お前……いや、お前達(・・・)は待て」

 

 夜天は真剣な表情を見せ、灰怒を呼び止めた。これに対し灰怒は

 

 「…………分かってますよ……」

 

 少しだけ間を空け従った。




どうですか?違くないですよね?

取り敢えず、今回の話で夜天の強さが分かればと思いまして……はい

後、《斬・拳・気・歩》の元ネタはブリーチの《走・拳・斬・鬼》が元ネタです。

次回「チャレンジから逃げるな」をお送りします。

忍気の表記をチャクラに変えようかな?


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チャレンジから逃げるな

 「で、俺が何で呼び止めたか分かるな?」

 

 「……はい」

 

 呼び止められた灰怒は暗い表情をしながら答える。

 

 「勝手に属性と能力を解放した事ですよね?」

 

 「いや、違う」

 

 返って来た言葉に灰怒は「え?」と、驚いた表情と疑問符を上げた。そんな表情を浮かべる灰怒に夜天は溜め息混じりに

 

 「属性と能力は後でどうとでも出来るから問題は無い。俺が呼び止めたのは『ルリム・シャイコース』と契約した事だ」

 

 「!何で……それを……」

 

 驚愕に満ちた表情を浮かべる灰怒。すると辺りの温度がみるみる内に下がりら自身を軸に霜が現れ夜天の足を凍らせ始めた為、灰怒は凍結させている犯人に急いで止める様に促す。

 

 「止めろ!『ルリム』!!この人は敵じゃない!」

 

 『え~でも、折角解除した能力を封印する気満々みたいだよ~?』

 

 しかし肝心の『ルリム・シャイコース』はそんな言葉どこ吹く風と言わんばかりに止めようとせず寧ろ勢いを増していく。

 

 ピキピキ、パキパキ

 

 「やれやれ、仕方ありませんね」ビリッ

 

 氷が上半身にまで迫っている最中だと言うのに余裕の態度を崩さない夜天は、閉じていた右目を開眼させながら溜め息を吐いた。 

 

──食堂側side──

 

 「なんか……?寒くないか?」ブルッ

 身震いをしながら焔が言うと他の蛇女子メンバーも確かにと呟く。龍導メンバー達も気温の低さに気付いたらしくそれぞれが呟くが

 

 「北国よりはマシだろ?」

 

 「イヤ、お前の基準で比べられても……」

 

 蘇芳は自身の居た環境よりは普通だと語った。それにツッコミを入れる白堊。その話を聞いた詠は蘇芳に

 

 「そう言えば、貴方も貧民街に住まいになっていましたわね?どのような環境……生活だったかお聞きになっても宜しいでしょうか?」

 

 同じ貧民街出身との事で話がしたいと申し出るが、蘇芳は首に手を当てながら

 

 「…………食事中にするような話じゃないんだが……食事が終わった後とかでもいいか?」

 

 「私ったら、不躾申し出をしてしまいましたわ……申し訳ございません」

 

 詠は蘇芳の長い(とはいっても数秒だが)沈黙に何かしらの嫌な出来事があったのだろうと感じ取り、謝罪した。それに対して蘇芳は

 

 「気にすんな」ポンポン

 

 「~~~////」

 

 滅赤にした様に頭を優しく叩く。それに対して顔を赤らめる詠。そんな様子を見た光牙を除いた蛇女メンバーは

 

     ジトーーーーッ

 

 物凄いジト目で此方を見ていた。その視線に気付いた詠は急いで距離を置き話題を変えた。

 

 「そ、そう言えば朝食を作ると仰っていた方、確か夜天さん?は選抜部屋に灰怒さんと仰る方と残ったままですが……どう作るのでしょうか?」

 

 「あ、確かに……」

 

 先程まで詠をジト目で見ていた焔が思い出したように言うと

 

 「あぁ、それなら問題無いぞ」ニョキ

 

 「ホワァ!?」「何変な声だし、ファっ!?」

 

 壁からまるで生えて来たかの如く、夜天が現れた為思わず変な声を上げた焔とソレにツッコミを入れた白堊も変な声を出した。

 それ以外のメンバーも目を丸くしていた。

 

 「予め、影分身をして置いたから朝食の心配は無いぞ?じゃあ作っている途中だから戻るから」

 

 そう言いながら夜天はまたも壁をすり抜けながら戻って行った。それを見たメンバー達は

 

 「……すり抜け術?習得したら無敵なのでは?」

 

 誰かは分からないが、その呟きにコクコク一人除いて頷き

 

 「後ででもいいからやり方とか習得方法を教えて貰おうかな……」

 

 「あ!ズリィぞ!だったら、オレも」

 

 「お前はまずは遁術からだろ」

 

 「う"」

 

 そんな他愛ない会話をしながら食堂へと向かう一行だったが。

 

 「…………」「………おい」

 

 輪廻と光牙だけは立ち止まり天井を見上げていた。二人同時に先程まで自分達の居た部屋に得体の知れない何かがいる事を察知したらしく、冷や汗を流していた。

 

 「?どうかしたの?」

 

 そんな二人の様子に気付いた春花は声を掛けるがポンと白銅に肩を叩かれながら

 

 「聞いた所で意味はない。準備の手伝いがあるかもしれない早く行こう」

 

「え?別にいいけど……(準備する必要あるかしら)」

 

 促された春花は多少ではあるが、もやもやを抱えつつも食堂へと向かって行った。

 

「(すまない、ハク)じゃあ、私達も行くか」「そうだな」

 

 輪廻は心中で白銅に謝罪しながら光牙と共に向かって行った。

 

 「………」ギリァ

 

 その際に悪鬼の如く、光牙を睨み付ける転生が居る事には誰も気付かなかったらしい。

 

 戻って選抜部屋では

 

 「はぁ、はぁ」

 

 「フゥー」

 

 顔を青くし、瞳を恐怖に染めながら床に座り込む灰怒と開いた眼を右手で抑えながらゆっくりと息を吐く夜天。

 そのまま夜天はスーツの内側のポケットから眼帯を取り出し、右目側に掛け灰怒に向き直ると、灰怒に手を差し出す。

 

 「ほら手掴め、腰抜けてんだろ?」スッ

 

 「え?あ、あ!だだ……大丈夫でです!ですよ!」

 

 ワタワタと慌てふためきながらも立ち上がる灰怒に苦笑する夜天は

 

 「本当に相性良いな、お前らは……」

 

 飽きれとも、感心とも取れる物言いで語る夜天に灰怒は申し訳無さそうに謝ろうとするが、突然辺りが暗闇に覆われると共に大きな声で

 

 すいませんでした!

 

 「え??え?」

 

 と灰怒の中にいる筈の『ルリム・シャイコース』が具現化し、夜天に土下座と謝罪をし始めた為に困惑する灰怒。それを見た夜天は灰怒に

 

 「灰怒、そう困惑する事でもない。コイツが謝罪している相手はオレじゃなくてお前が腰抜かす程びびったコイツ(・・・)にだ」トントン

 

 「あまり持ち出さないでくださいその事は(腰を抜かした事)…」

 

 眼帯を着けた右目を指しながら語る夜天に、灰怒は腰を抜かした事を顔を赤らめ恥ずかしそうに語る。そんな中『ルリム・シャイコース』は

 

 『え~と、お話し中悪いんですが……私が謝った相手は……◼️◼️◼️……ではなく、貴方(夜天)なんですが……』

 

 「「………」」

 

 そう語った。暫く沈黙が続いたが、夜天は腕を組ながらその理由を聞く事にした。

 

 「それは何故か聞いても良いか?……あ、出来れば異界結界(いかいけっかい)張らせて貰うよ」

 

 夜天の問い掛けに対して『ルリム・シャイコース』はコクコクと頷くと同時に辺り一面が輝く空間になると共に謝罪した事について話し始めた。

 

 『私が貴方に対して謝ったのはですね、貴方の右眼に潜む◼️◼️◼️の事も勿論ですが……一番はそれを封印する際に貴方が◼️◼️◼️を一度殺している。(・・・)それがその、恐ろしくて……止めないと殺されると、思ったので……謝らせてもらいました。……はい』

 

 「別にそんな事しないけど?」

 

 『あ、そうなんですか?良かっ……』

 

 「コイツ(灰怒)と契約した内容によるがな」

 

 そう言われた『ルリム・シャイコース』は「う"」っとした気まずそうな声を出し視線を反らした。

 

 「何だ言えない事情でもあるのか?」

 

 『そ、それはッ……』

 

 中々に口を開かない『ルリム・シャイコース』を訝しむ表情で見ていた夜天だったが、段々と表情が険しくなっていく。その表情を見て先程まで蚊帳の外であった灰怒が名乗り出た。

 

 「あ、説明は僕がします実は───」

 

───少年説明中──

 

 「成程、力を貸す代わりにとある魔術師を倒して欲しいって訳か……」

 

 コクコク

 

 夜天が灰怒から説明された内容を語ると『ルリム・シャイコース』は頷く。それを見た夜天は額に指を当てながら理解したと言った表情を作った為、これを見た『ルリム・シャイコース』と灰怒は安堵の息を洩らした。

 

 「だが、能力封印の件は別だからな?」

 

 「……はい」『あ、はい』

 

 しかしながら、了承なく能力を解放した事は別らしく、その件は再度封印し直す事となった

 

 「しっかし、大分な量を解放したな……んじゃ取り敢えず、属性は『闇』と『冥腐蝕』以外を封印して能力は、『天眼』『治癒能力』残して同じく封印……と、良し!これでOKダネ」

 

 「え?(もう完了?て言うか……)」

 

 割りとあっさり能力を封印した夜天に本当に封印出来たのか疑問の声を上げようとした灰怒だったが、それ以前に属性の『闇属性』と『冥腐蝕』を残してそれ以外を封印した事を疑問に思った為、夜天に問い質すと理由に加え『能力』の解説も加えて説明し始めた。

 

 「属性の内『闇属性』と『冥腐蝕』以外を封じた理由は簡単だ。お前はその二つ以外はほぼ完全に使いこなせているが、前者二つはてんで駄目だ。それに使用した際『闇』に平たく言えば『負の感情』に呑まれただろ?それら二つを克服しない限り成長の見込みが無いからな、お前は……後、能力についてだが──

 

 「……(言いすぎだろ……)」

 

 『(でも彼の言う事も一理あると思うよ?)』

 

 「(お前はどっちの味方何だ……)」

 

 『(実際「負の感情」に呑まれてたじゃん?)』

 

 「(……ムグッ……)」

 

──て訳だが……オイ、話し聞いてたか?」

 

 「あ、えっと……すいません」

 

 『ルリム・シャイコース』との心中会話を行っており『能力』の説明を全く聞いていなかった為、顔を俯けながら正直に謝った。そんな灰怒を見た夜天は腕を組みながら簡単に説明する事にした。

 

 「姉さんソックリだな……ハァ……まず最初に《天眼(てんげん)》についてだが……色々説明がいる内容なんだが……複雑だし、お前の持つ『三世(さんぜ)』について教える。《三世》の能力は『過去・現在・未来』を見る事が出来る能力だがその内お前が使用しているのは『未来』を見る能力だけだ。しかも『結果』だけをな。その悪い癖を直せば戦略の幅はかなり広がるぞ?そして、『治癒能力』はまんま《傷》の回復4割《チャクラ》回復4割《精神》回復2割ずつ回復するように設定した。しかし我ながら長い説明になったな……」

 

 「成程、大体分かりました。しかし何故、僕が《天眼》を開眼した事が分かったのですか?」

 

 説明が終わった後に灰怒は気掛かりになっていた自分が《天眼》を開眼している事を何故夜天が知っているかを聞くと、夜天は少し間を空け左目を一旦閉じた後、開いたすると

 

 「あ……成程、そうゆう事ですか……」

 

 開いた夜天の目を見て、灰怒は納得した。何故ならば夜天の瞳に赤紫の小さい三角形の模様が三つピラミッド状になっていた為であった。

 

 「そうゆう事だ、まぁ『過去』しか見れない劣化だがな……取り敢えず。契約した事と能力の封印はしたんだ。コレ持って、とっと飯食いに行きな」ヒョイ

 

 「わっと!……分かりました(何だろ?コレ?……ぇ)」

 

 夜天から投げ渡された木箱をキャッチした灰怒は木箱を見ながら、食堂へと向かって行った。

 

──灰怒side──

 

 『いや~大して怒られなくて良かったね~?』

 

 「………」ジッーー

 

 部屋から出るなり『ルリム・シャイコース』はそう言いながら灰怒に語り掛けて来たが、渡された木箱を見つめたまま返事を返さない灰怒。

 

 『おぅ~い、聞いてる?ねぇ?』

 

 「…………………」ジッーー

 

 『……………(=`ェ´=)』ムカ

 

 問いかけても、聞く耳すら持たずに木箱を見つめる灰怒に多少とはいえ頭にきた『ルリム』は心中ではあるが大きく息を吸い込み

 

 

 『私の話し聞いてますか!?

 

 大声で語りかけた。心中とはいえ常人……否、例えそうでなかろうと怯み驚くであろう声にも関わらず灰怒は

 

 「……ん?……あ、うん、良かったネ」ジッーー

 

 適当な返事をしたまま、またも木箱を見つめたため『ルリム』は諦めて溜め息を吐きながら話題を木箱に変える事にした。

 

 『彼から渡された木箱だよね、ソレ?中身何なの?』

 

 聞かれた灰怒は嬉しそうな笑みを作りながら、箱を空け中身を取り出す。中身に入っていたのは一振りの太刀だった。

 

 『……日本刀?ってヤツかい?』

 

 「あぁ、そうだよ。でも只の日本刀じゃない」

 

 『?』

 

 灰怒の言葉に疑問を抱く『ルリム』に灰怒は笑顔を作りながらイキイキと語り始めた。

 

 「フフフ、この刀の名は『江雪左文字(こうせつさもんじ)』国宝だよ!」

 

 『……国宝って……国の宝だよね?偽物じゃないの?』

 

 「いや、それはないよ」

 

 『……何故そう言い切れるんだ?』

 

『ルリム』は国の宝ともされる物を一個人である夜天が持てるわけがないため、彼が造った模造品または贋作ではないのか?と問いかけたが灰怒はそれをバッサリと切り捨て「本物」と言い切った。理由を問われた灰怒は

 

 「"見える"んだよね」

 

 『……何?』

 

 「だから、《見える》んだよこの刀を造った人や使って来た人達が」

 

 『ふ~ん、さいですか』

 

 「何その!?適当な返事」

 

 灰怒の返答に適当な相槌を返す『ルリム』だったが適当な返事とは裏腹にある一つの仮説を考えていた。

 

 『まぁそんな事より、早く食事に向かいましょう?』

 

 「……釈然としないが、待たせてるしそうするけど」

 

 『(彼自身が気付いているかは不明ですが、恐らく『天眼』の能力である『過去』を見る能力でしょうね。しかし私の考えはあくまで仮説……しかしそれが事実なら……彼の言ったように戦略に有効ですね)』

 

 不機嫌な顔で場へ向かう灰怒とその心中で色々と思考を巡らせ自身の仮説が事実だった場合どう灰怒の戦いに有効に成るか考える『ルリム』そんな彼を見る人影が……

 

 

─────「何やら、あやつは一人でぶつぶつと呟いていたが……まさか!友達が居らんのか!?ふふふ、ならば我が神の眷属として我の僕として勧誘してやろう!」───

 

 と物陰から灰怒を見る蛇女子学園次期選抜候補の一人『芦屋』が見ていた……

 

 

 「……(何か、後ろからぶつぶつ聞こえてんなぁ……)」

 

 灰怒は天を仰ぎながら心中で呟いた。




タ・イ・ト・ル詐欺だよね☆


次回こそ!修行します!!


タイトルは「己の魂の色」です。



【挿絵表示】
 これ、灰怒です。    



もしかしたら、番外もやるかも


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己の魂の色(前編)

始まってしまった修行回


有無、またまたタイトル詐欺じゃあ……


 灰怒が食堂へ着くと中から

 

 ガツガツ、ムシャムシャ!!バクバク!

 

 「うわぉ」

 

 と出された料理を貪り食らう龍導の選抜と蛇女の選抜達が居た。それを見た灰怒は若干引いた。

 

 「ん?おぉ灰怒か、早く食事を済ませたらどうだ?」

 

 そんな灰怒に気が付いた輪廻は一旦食べるのを止め食事を取るように促す。言われた灰怒は急いでトレイを手に取り手早く済ませる為、おにぎりと吸い物を手に取り席へと移し食事をし始めた。

 

 「そーいや、ぎょう……夜天さんと何を話していたんだ?」

 

 食べ始めた灰怒に対して、食べ終わり一息付いた白堊が聞いて来た為、口に頬張っていたおにぎりを吸い物で流し込み頬の米呟を取り、机の上に渡された刀を置いた。

 

 「………………この刀をもらっただけだよ」

 

 灰怒は《嘘を付き》刀を貰ったとだけ告げ、夜天から渡された『江雪左文字』を見せた。とある3人以外は刀を見て羨ましそうに又は興味深そうに刀を見つめていた(特に焔)

 

 「「「……………」」」

 

 そのとある3人とは、龍導の輪廻と白銅に蛇女子の光牙のトップクラスの実力者達である。彼等はひそひそと灰怒の言葉について語り合っていた。

 

 「オイ、あの灰怒とか言う奴

 

 「あぁ……明らかに嘘をついている

 

 「明らかにチャクラの性質が変わっているしな

 

 「どうするんだ?奴が嘘をついている事を明かすべきではないか?

 

 「確かに合同演習とはいえ、互いの信頼を得なくてはならないし……光牙さんの意見には一理ありますね……どうする?リン

 

 3人は灰怒が嘘をついている事を瞬時に見抜き、小声で嘘をついている事を話していた。光牙は灰怒が嘘をついている事を明かすべきではないかとした問いに白銅も賛同する、しかし灰怒はあくまでも龍導側なため最終的判断は筆頭である輪廻が決断する事なため白銅は輪廻にどうするか聞くと輪廻は

 

 「……別に明かさんでも良くね?お、茶柱だ」

 

 机に肘を立て湯呑みに入っていたお茶の茶柱を見ながらどうでもよさそうに答える。

 

 ────だろうなと白銅と光牙は考えていた。現に輪廻は机の湯呑みのお茶の茶柱を見つめていた。暫く眺めた後

 

 「……別に明かさんでも良いだろ?」

 

 「「……ハァ(やっぱり)」」

 

 予想通りの回答に溜め息を吐く光牙と白銅しかし、続けさまに輪廻が語った一言に目を丸くした。

 

 「そもそも、私達が明かしてどうするんだ?もし明かした所で何か変わる訳でもないんだ。ならば明かす必要なんてないだろう?それに、な灰怒(アイツ)の事は灰怒(アイツ)自身が解決する方が成長するし、ベストだろ?まぁ信頼関係を築く為には互いに隠し事は無しの方が良いんだがな~チラッニヤ」

 

 「グッ」ギリッ

 

 後半はニヤけながら光牙をチラ見した輪廻に歯軋りを浮かべる光牙。これを見た白銅はこめかみに手を宛ながら

 

 「互いに色々抱えているみたいですね……取り逢えず私達は彼を見守るとしましょう。それよりリン、私達は『口ち寄せ』習得の為に『契約動物』と『印』を覚えなくては……」

 

 取り敢えず灰怒の嘘は『個人の問題』として置き、輪廻と白銅は夜天より言われた『口寄せ』の課題を早いうちに終わらせ任務や修行に支障が来ないようにするため覚えようとしていたが、輪廻は欠伸しながら

 

 「ふぁ~、『契約動物』つっても『秘伝動物』が正にソレなんだけどねぇ、『印』も覚えたし……」

 

 「それは私もだが……復習も大事だぞ?」

 

 「……(コイツら)」

 

 互いにとんでもないことを口にする輪廻と白銅に光牙は一度で良いから本気で戦って見たいと思った感情に襲われたが何とか平成を保った(輪廻戦では肝心の輪廻が本気ではなかったのでノーカン)暫く様子を眺めていると、輪廻が何かを思い出したかのように「あ」と何かを思い出したかのように言った後光牙に振り向くが直ぐに「……やっぱいいか」と直ぐに外を見ながら呆ける。

 

 「……何だよ」

 

 いきなりこちら側を向いたと思いきや、輪廻に光牙は訝しみながら

 

 「言いたい事があるなら言え」イラっ

 

 「……分かった」

 

 少しキレ身になりながら言うと輪廻はそっぽを向きつつ頬を掻きながらも返し一旦深呼吸を付き光牙の方へ顔を向けながら真剣な表情と同時に威圧的なチャクラを放出し始めた。

 

  ズン!!

 

 「ッ!」

 

 「「「「!!!!???」」」」

 

 「……」

 

 その凄まじいプレッシャーに一瞬たじろぐ光牙それにつられてか灰怒の刀を見ていた龍導、蛇女選抜メンバー通常生徒達も驚きの表情を浮かべた。中には腰を抜かしている者もいた、ただ一人白銅のみは平成を保ちつつお茶を飲んでいた。

 

 「『言いたい事』と言ったな……分かった言おう…」

 

    ゴクリ

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 辺りに緊迫した空気が流れ始め、蛇女も龍導も誰も言葉を発声い状況に陥り輪廻が何を語るか聞かずにはいられない状況になった。

 

 「『言いたい事』それは……」

 

 ドクン、ドクン、ドクン

 

「貴様!何故!人参を食べていない!」

 

    \バァーーーーン/!!!!  

 

 「………………………は?」

 

 緊迫した状況に一切噛み合わない言葉に思わず呆けた声がでる光牙、周りの生徒達もポカーンと唖然に満ちた表情を浮かべていた。輪廻は発言した事に気がすんだのか徐々にチャクラを納めて行く、それに応じて光牙は机から身を乗り出し輪廻の胸ぐらを掴みながら

 

 「待て待て待て待て、貴様そんな下らない質問の為あの威圧的なチャクラを放ったのか!?」

 

 「下らないとは何だ!貴様の弱て……食い物の嗜好が分かり親睦を深める良い機会じゃないか!」

 

 「今、弱点と言おうとしただろ!?」

 

 「気ノセイダゾー」

 

 「何で棒読み何だよッ!!」ピキピキ

 

    \ギャー、ギャー/

 

 二人で喚く輪廻と光牙に周りはおろおろする生徒に珍しい物を見たと驚く生徒と何事だと駆けつける生徒などワラワラと人が集まって来たため。白銅はお茶を飲み干した湯呑みを机に置き二人に対して

 

 「疲れないか?」

 

 ただ一言そう言うと二人は落ち着きを取り戻し鎮まり互いの座っていた席へと戻った。

 

 「いや~すまん、どうかしてたわ」

 

 「いや、オレもどうかしてた」

 

 落ち着きを取り戻した二人を見た白銅は、「仕切り直し」と言い互いに落ち着いて話すように促した。

 

 「んで、何で人参食わないんだ?」

 

 「いや、特に理由はないんだが…昔から嫌いだからだ」

 

 光牙曰く小さい時初めて食べた時から嫌いらしく以降なんどか克服しようとしたが吐き出してしまう為、食べないようになったとの事であった。それを聞いた輪廻は

 

 「アッハッハハハ!!!何だその理由ガキかよ!?」

 

 「う、うるさい!」

 

 ゴロンと椅子ごと地面に倒れながら大爆笑した。それを聞いた選抜メンバーや他の生徒達も「可愛い」や「意外」等と言った声を上げていた。龍導の人数合わせで編入した転生に至っては両手に人参を持ち光牙に向けていた。

 

 「ひっ~ひっひ、コラ転生止めろ……いや~悪い悪い結構ガキっぽい所あるんだな?まぁ誰にでも嫌いな食い物はあるわな~私は「酢豚のパイナップル」が苦手つーか嫌いだし……」

 

 「だろ?誰にでも嫌いな食い物はある。この話は終わりだ、修行に戻るぞオレは」

 

 ガシッィ!

 

 「いや、それとコレは話は別だろ?私は嫌いでも、出されたら食うぞ?」フワフワ

 

 「オレはない」

 

 「私も」

 

 「オレも無いな、余裕なかったし」

 

 「うるせぇ!『目潰しパンチ』」

 

 ドカ!ヒョイ。ボカ!

 

 輪廻は嫌いでも出されたら食べると言いながら、凄まじい膂力で光牙の肩を掴み、宙に人参を浮かべながら真顔で光牙に迫って行った。途中チャチャを入れた白堊、白銅、蘇芳の三人には『目潰しパンチ』(という名の顔面パンチ)を叩き込んだ……一人には避けられたが。

 

 「お、おい!まさかその人参を食わせる気か!?」

 

 「Esatto(その通り)

 

 「YA・ME・RO!!」

 

 頑なに拒否をしてもイタリア語で答えながら人参を近づけて来る輪廻に光牙は「ここまでか」と内心で毒づいた。

 

 「さぁ!観念して食べるがいい!!」

 

 「くそぉーー!」

 

  ゴスッ

 

 しかし、人参は光牙の口に届く事は無かった。理由は何やら鈍い音と共に輪廻の「アヒィン!」と言う変な悲鳴と共に現れた

 

 「何やってんだ、お前は」

 

 夜天が拳骨で輪廻を沈めた為であった。そのまま夜天は倒れている輪廻を他所に状況の説明を問いかけて来たため。白銅が説明する事にした。

 

~少女説明中~

 

 「……人参を食わせる為だけにか?」

 

 「はい」

 

 「……あの威圧チャクラもか?」

 

 「はい」

 

 「……嘘だろ?」

 

 「この状況で貴方に嘘を付くメリットも度胸も私にはありません」

 

 「そうか、相変わらず変な事ばかりするな……お前は」

 

 未だに倒れている輪廻を見ながら語る夜天。相変わらず奇行的な事ばかりする少女に頭の中にとある先輩を浮かべるが直ぐに切り替え

 

 「よし、飯は終えたな?では修行開始だ!訓練所に集合だ!40秒で支度しな!」シュン

 

 何処かで聞いた事のある台詞と共に一瞬で姿を消した夜天。それを見た龍導メンバー達は急いで食堂から飛び出した。それを見た光牙は

 

 「《最恐》の忍の修行に『口寄せ』興味深い……」

 

 そう呟きながら龍導メンバー達の後に続いて出て彼等の修行を見物する事とあわよくば手合わせの為にと考えながら食堂を後にした。

 

 

 「私達も行くか?」

 

 「そうしましょう」

 

 取り残された蛇女選抜と時期候補達もついて行くことにした。

 

 「この方どういたしましょう?」

 

 「ん?あ、放って置いてええんちゃう?」

 

 地面に倒れている輪廻をどうするか聞いてきた詠に日影はそのままにして置けば?と語るが瞬間

 

  ぼん!

 

 煙と共に輪廻の姿が消え大量のアシダカクモがワラワラと沸いて来た。

 

 「「「「うわぁ……」」」」

 

 その光景に輪廻が消えた驚きよりも生理的な嫌悪感が出た蛇女メンバー達は訓練所へと向かって行った。

 

─訓練所─

 

 「お、予想通りお前らが最初か……」

 

 訓練所で本を見ながら待っていた夜天の前に現れたのは、輪廻と白銅であった。

 後から他のメンバーも続いて来た為、夜天は先に『口寄せ』と『チャクラ訓練』どれにするか悩んでいると輪廻が前に出て小声で

 

 「彼等には……いや、アイツには『秘伝忍法』を習得して欲しいので自分で言うのもなんですが現龍導で最も優れている私達の課題を終わらせようかと思いまして…」

 

 それに納得した夜天はまずは『口寄せ』から教える事にした。すると上記二人以外から喚起の声が上がった為

 

 「お前らの修行は『10倍』な嘘だがな

 

 

 顔中に青筋を立てながら発言する夜天に喚起の声は絶望へと変わった。それを背後に無視しながら輪廻と白銅に向き直る

 

 「そっ、じゃあ始めるかまず最初に……」

 

 「「『印』と『契約動物』はもうできてます」」

 

 「何?」

 

 夜天が重要な『印』と『契約動物』の事を話そうとしたが、二人は話しを遮り両方は出来ていると言ったため夜天は怪訝そうな表情と興味を感じたため

 

 「では、見せてみろ」

 

 「はい!」バ、ババッ

 

 「分かりました」ババッ

 

 「どんな生き物来るのかなぁ~?」

 

 「恐らく互いの弱点を補える物では?」

 

 「……白銅さんは遠距離専門だからわかるが…輪廻先輩の弱点って何だ?」

 

 「姉さんならとんでもないくらい強い奴を出すはず!」

 

 二人に『口寄せ』をやって見せるように言うと二人は頷きながら『印』を結び始めた。その際夜天は二人の『印』を結ぶ《速度》を見ていた。他のメンバーはどのような動物が来るか興味深深になっていた。

 

 (やはり、輪廻も中々だが…一番は白銅か…)

 

 白銅は自分の取り柄はあまり無いと自虐的に語るが、学園内でチャクラコントロールや操作技術はトップクラスであり教師陣をも越える実力を持っている。それぐらい高い技術を持っている正に輪廻並みの天才であった。

 

 「「『口寄せの術』!!」」

 

 ぼん!ぼん!

 

グルルルゥゥ……』『ガア"ーー

 

 白銅は自身の秘伝動物の巨大な烏を召還したが輪廻は巨大な頭部に鎖に繋がれた手だけを顕現させた牛人間のような怪物を召還した。大きさは手だけで数10mはある

 

 

 「「「「デケェェェェ!!」」」」

 

 「ほう」

 

 「なんか、思ってたのと違う!?」

 

 「いや、逆に凄くないか?」

 

 「白銅お姉さんは空から攻撃するためか…」

 

 「何でそんな冷静何だよ……お前の姉やべーだろ」

 

 「?姉さんなら当たり前でしょ?」

 

 「えぇ…」

 

 輪廻は召還した自身の『契約動物』に驚きの声を上げていた白銅はそれはそれで凄いと興味を持っていた。他のメンバーも驚きの声を上げていた特に輪廻の動物?に転生は特に驚かず自分の姉なら当たり前と語っていたが……

 

 「いや、実際に契約はランダムではなく『秘伝動物』に関わりがある物が基礎だが……コレが来るとはな……」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 「え?もしかしてコノ動物の名前を知っているんすか?」

 

 

 夜天も輪廻が召還した口寄せ動物に驚いていたがその口振りからしてこの動物の招待を知っている雰囲気だった為、白堊は名前を聞いて見た。

 

 「ん?あぁコイツの名はミノタウロス……正に規格外の動物……いや、神獣だな」

 

 「そういう事か!」

 

 「……あぁ、成程ね」

 

 「何がだ?ちょっと説明してくれ」

 

 

 輪廻が口寄せした巨大な生物の名前を聞いたとたん白堊は「そういう事か」と叫び続いて白銅も白堊が何を理解したか分かったため同じように納得の声を上げた。夜天は二人が何に納得したのか理解できない為に説明をするように訪ねた。

 

 「輪廻の*1糸術(いとじゅつ)神糸(かみし)ですが、鑑定した結果《アリアドネの糸》だと判明しました。」

 

 「《アリアドネの糸》……あぁだから、コイツが来たのか…確かにテセウスが来るわけないしなぁ…代わりに糸を伝って来たわけね…」

 

 「でもいくら何でも巨大(おおき)すぎでは?」

 

 「それを如何に行かすか……そう考えれば《課題》だろ?」

 

 白銅の解説を聞き納得し、しみじみと語る夜天に対し灰怒は余りのデカさに忍んでいないし課題にもならないと考えていたが、白堊が横からそう言ってきた為に灰怒は少し何かしら言いたげではあったが、納得した。

 

 「では、《烏丸》飛べ!」

 

 契約した動物が従うか、試しのため命令をすることにした白銅は巨大な烏の名前は《烏丸》の背中に乗り命令をしたすると…

 

 『畏まりました、白銅サマ』バサッ

 

 「喋った!?」

 

 「かなり、*2渋カッコいい声だ!」

 

 「おぉ、凄ぇ……飛んでるぜ……」

 

 口寄せ動物が喋った事に驚きながらも、空を優雅に飛ぶ姿に見とれていると

 

 「ハァ、ハァハァ……」ガクッ

 

 呼吸を荒げながら膝を付く輪廻に周りは何事かと慌てふためく。これを上空から見た白銅も烏丸に降りるように指示をしたが烏丸は

 

 『今の状況で、彼女の近くにいる後ろの怪物に近づくのは危険ですよ?』

 

 ミノタウロスを見ながら白銅に促すが白銅の目は『構わない』『親友の為』だと語っていた為、烏丸は「気を付けてください」と告げ姿を消した。

 

 「リン……大丈夫か?」ポンポン

 

 「ハァハァ……すまないハク」ヨロッ

 

 輪廻の肩を優しく叩きながら安否の確認をする白銅に多少ふらつきながらも立ち上がる輪廻に他のメンバーも一安心と息つく。その様子を見た輪廻は自分の目の前にいる『ミノタウロス』に目を移した。

 

 『……………』

 

 「…………………すまない」サッ

 

 互いに見つめ合った後、輪廻は謝罪しながら印を作り消そうとする流石にこの行為には黙ったままであったミノタウロスも何かしら行動を起こすと思ったメンバーは止めようとするが、感心のミノタウロスは蛇女子学園の天守閣を見ていた。

 

 『………グルルル』ジャリ…ジャリ

 

 ギリ……ギリ…グギ………グギ…

 

 鎖に繋がれた手を地面に根強く押さえつけ天守閣の方角へと顔を向けると口を大きく開き始めた。

 

 「なんかヤバそうな雰囲気が」

 

 「くっ!(解除の印…間に合うか!?)」ババッ

 

 

 「……………(不完全とはいえ、流石《ギリシャ神話級》オレの出番かな?)」バチチ

 

 転生が呟き輪廻は急ぎ印を結び始める。この様子だと間に合わないと踏んだ夜天は両手に雷のチャクラを充填し始める。その間にもミノタウロスは口を開けチャクラを夜天同様に充填し始める

 

 ゴゴゴバチッ!バチッ!

 

 大気が揺れ辺りに雷鳴が轟き始めた為メンバーは焦り始めるが輪廻は冷静に印を結び、遂に

 

 「よしっ!完了した!」シュン!

 

 『ゴア!?』ズズズズ

 

 口寄せ解除の印が出来た為ミノタウロスは巨大な暗闇の穴へと沈み始めた。

 

 「やったか!?」

 

 「白堊、それは《フラグ》だ」

 

 白堊のフラグがビンビンな台詞に突っ込みを入れる蘇芳。それに呼応するかの如く沈み始めていたミノタウロスは穴から顔だけではあるが飛び出て天守閣目掛け

 

  ガオン

 

 空間を歪める程の光弾を放った。放たれた光弾は凄まじい勢いで天守閣目掛け一直線に飛んでいった。

 

 「何だ!?」

 

 訓練所へ来た光牙。いきなり天空が光輝いた為自分の頭上を何事かと空を見上げた、すると自身の学園の天守閣へ目掛け一直線に巨大な光弾が向かい

 

 バクン!

 

 そのまま天守閣へと直撃し命中した部分は跡形もなく消滅したミノタウロスはそれを確認した際「……チッ」短く舌打ちをし穴へと沈んでいった。

 

 「……請求書だ」

 

 何処からともなく現れた鈴音に突き出された天守閣の修理代の請求書を輪廻は

 

 「あ、ハイ」( ´-ω-)

 

 短く返事をし受け取った。

 

──天守閣──

 

 天守閣に胡座をかきながら訓練所を見つめる一人の少年の姿が……外見の特徴は端正な顔立ちに金髪の髪を適当に遊ばせている風貌であり少年は訓練所を正確には訓練所のメンバーを見ながら 

 

 ??「ん~、共子が言う《弟》の力を持つ奴がいるって話だから来たけど………今は居ないのかな?…て何だ!?」バッ!

 

 何やら呟いていたが、いきなり自身の居座っていた場所目掛け光弾が迫っていたためかろうじてではあるが避けた。

 

「ッ!危ない危ない、あんなの喰らったらひとたまりもないなぁ……退散退散!」シュン!

 

 自身が避けた場所が綺麗に消滅していた事に驚きながら少年は蛇女を後にした。

 

──訓練所──

 

 「はい、んじゃ気を取り直して残りの奴らの修行だ」パンパン

 

 「了解(ーдー)」

 

 夜天が手を叩きながら言うと、白堊は心底嫌そうな顔をしながらも返事をした。

 

 「ハク、良ければチャクラコントロール教えてくれないか?」

 

 「あぁ、いいよ」

 

 請求書を渡され落ち込んでいた輪廻も気を取り直しながら白銅にチャクラの制御を教わる事にしたらしく、それを見た夜天は流石に自分の修行する箇所はわかっているようだなと言った表情で見ていた。

 

 「それじゃあ、灰怒と転生はこの場所に設置した傀儡を剣術で倒して技を磨く修行を……」

 

 「え?男の人と修行とか嫌なんですが?」

 

 夜天は地図を出しながら語っていると、転生はキョトンとした表情で《男と修行は嫌だと》言ってきたため、灰怒は何だコイツと言った表情をしており、夜天は溜め息を吐きながら理由を問うことにした……若干首筋を立てながら

 

 「理由ですか?特に無いですよ?強いて言うなら可愛い女の子の方が倒した後《好きに》出来るからですかねぇ?特に大剣持ったお姉さんと7本刀背負ったお姉さんが良いですねー」チラッ

 

 転生は訓練所にやってきた。焔達をチラ見しながらも説明した。

 

 Σビクッ!「な、何かアイツ私達を見てないか?」

 

 「えっ、ええ。そうですわね?」

 

 焔と詠は此方を見ながら語る転生に何か嫌な物を感じ取った。夜天はやる気の無い+良からぬ事を考えている転生にどうやる気を出させるか考えていると、輪廻が大きな声で

 

「あ~あ、私の自慢の弟が修行サボるなんてお姉ちゃんショックだわ~折角頑張ってくれたら、た~~~~~くさん撫で撫でしたり抱きしめてあげたりするのになぁ~~やる気無いなら仕方ないわね~♪」ニマニマ

 

 と、わざとらしく猫なで声を上げる夜天はそんなんで転生が修行するわけ無いだろうと思っていたが…

 

 「さぁ!早く始めましょう!!!ぼさっとしない!!!さぁ!さぁ!さぁ!」ズイズイ

 

 「引っ張んな、引っ張んな」

 

 いきなりやる気を出し始めた転生は夜天の手から地図を取り灰怒の首根っこを掴みながら指定された場所へと向かって行った。

 

 「……輪廻……」

 

 「はい?」

 

 「今度からアイツの制御任せるわ……」

 

 「了解ィ~♪」

 

 悟った目をしながら夜天は輪廻にそう告げ、残りのメンバー達を集め

 

 「さて、残ったお前達には《遁術》『斬・拳・気・歩』の内の『気』のチャクラ操作と属性強化を教える」

 

 「御意っす!」

 

 「はい!」

 

 「ハァ……うっす……」

 

 夜天の修行に蘇芳・滅赤は元気良く返事をするが、取り分け『気』の扱いが下手な白堊は覇気の無い返事をした。

*1
糸を使い戦う忍術

*2
cv.稲⚪徹




前書き通りになってしまった……主人公差し置いての別キャラの修行とか……


次回はちゃんと主人公(笑)の修行回です(活躍するとは言ってない)

 次回『己の魂の色(後編)』デス

次回からとあるアンケートを実施する予定です。


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己の魂の色 (中編)

 ザッ、ザッ、ザッ 朝だと言うのに薄暗く陰気な森の中を歩く二人組がいた。

 

 「フンフン、フフ~ン♪」

 

 一人は小柄かつ髪型と顔立ちも相まって、少女と間違いそうな雰囲気をか持ち出す少年、名を「転生」彼は陰気な場所にも関わらず鼻歌とスキップをしながらまるで、ピクニックをしに来ているかの如く進んでいた。そんな転生とは対象的に

 

 「………」カチャ

 

 辺りを警戒しながら進む中性的な顔立ちをしてはいるが何処と無く男と判断できる雰囲気を醸し出している少年、名を「灰怒」は地図を見ながら目的地は近いと言うのに緊張感を持たずにスキップしている転生に多少イラついていた。

 

 「……オイ、そろそろ目的地だぞ?緊張感持てよ」

 

 一応これからは仲間として行動する為、注意をすると転生は鼻歌を止めクルリと一回転しながら振り向き頭に手を組みながら笑顔で

 

 「緊張感~?持ってますよ~?緊張感を持つのは………寧ろ先輩じゃないっすかねっ!とっ!!」シュン!シュン!

 

 そう言いながら灰怒に目掛け手裏剣を投擲してきた!しかし、灰怒は全く動揺せずに躱した。すると背後から

 

 ドサッ!ドサッ!

 

 と倒れる音がしたため振り返ると2体の人型傀儡の頭部に転生が投擲した手裏剣が突き刺さり、バチバチと火花を出しながら倒れていた。

 

 「………」

 

 「へっへ~ん!早速2体撃破しましたよ~僕は~!油断しているのは先輩の方じゃないですかねぇ?」ドヤァ

 

 どや顔と見下し笑顔をしながら灰怒を煽る転生だったが灰怒は表情を変える事なく

 

 「残り1180体だな」

 

「ナニを言っているんです?」

 

 「出された「課題」の内容は『強化傀儡1200体撃破』だ。お前が倒した物と合わせた残りの数だ」

 

 「ナニを言っているんですか?1200体なら残りは1198体でしょ?」

 

 「お前こそ何を………なるほど」

 

 会話が噛み合わない理由を理解した灰怒は自身の言葉の足りなさと、正しさを証明する為に印を結びながら術を唱えた

 

 「すまんな、言葉が足りなかったのと証明が必要だったな『陰遁・集影地(いんとん・しゅうえいち)』」

 

      ゾワワワワ!

 

 灰怒が術を唱えた途端灰怒の足元の影が広がっていき辺り一面を覆い尽くした。

 

 「な、何だ!?何だ?」ワタワタ

 

 自身を含め辺り一面を覆い尽くす影に戸惑う転生。すると木々から次々と人影が飛び出し転生の目の前に降り注いできた。

 

      ガシャ、ガシャ!ドサッ!

 

 「私が倒した傀儡だ……数にして18体……お前の数と会わせれば20体になる、そうすれば残りの数は1180体だろう?」フッ

 

 「グッ!」ギリィ

 

 薄く笑みを浮かべる灰怒に転生は激しい敗北感を抱き歯軋りをした。転生が敗北感を抱いた理由、それは倒れている傀儡にあった。自分が倒した傀儡はノーマルタイプに対し灰怒が倒した傀儡はリストブレイドや首斬り包丁を持ったタイプに加え大型タイプやチタン合金タイプもおり、しかも全員急所を特に頭部と心臓部を破壊されている状態だった為であった。

 

 「………(それに対してオレは…クソっ!)」チラッ

 

 転生は自身の倒した傀儡を見た。自身が倒したのはノーマルタイプの傀儡であり急所を攻撃はしてはいるがハッキリと言えば下忍でも出来る芸当である…しかし灰怒は下忍では先ず不可能、果ては上忍にすら難しいかもしれない夜天特製の傀儡の急所を的確に破壊していた為に灰怒に対し激しい嫉妬と劣等感を持ちながら毒ついていると精神内から

 

   『当たり前の結果だぞ?転生』

 

   「(どういう意味だよ、ハスタ!)」

 

 自身の秘伝動物である『黄衣の王(ハスター)』から当然と言われた為に理由を聞く転生に黄衣の王は冷静に

 

   『お前は、張り切るのは良いが成功した"結果"だけを考えて浮かれ過ぎた……そうなれば必然的に注意力が散漫し粕みたいな攻撃しか出来ないのは当たり前だろう?』

 

 『せや!せや!』

 

 「ムッ………ぇ?」

 

 図星を突かれた転生は口を紡ぐ。更にそれを畳み掛けるようにハスターは

 

 『それに、その小僧はお前が手を出さなくてもお前が倒したゴミ傀儡を倒していたぞ?』

 

 「グヌッ!」

 

 「まぁ、ガシャガシャ聞こえてたし」

 

 『え?ソレ、マ?』

 

 「……ぇ?」

 

 『………あ?』

 

 転生はハスターの続いての発言にも反論が出来ずに唸る事しかできなかったが、ソレ以前に気になる事があった。ハスターもソレは同様らしく二人で

 

 「……灰怒先輩……もしかして」

 

 『転生……この小僧、まさかと思うが』

 

 「(ハスタ…言いたい事は分かるよ)あの先輩?」

 

 「ん?」

 

 「オレの中にいる『彼』の声が聞こえていますか?」

 

 問われた灰怒は

 

 「まぁ、そうだな」

 

 「何でだ!?」『マジかよ!?』

 

 そう答えたこの返答に転生とハスターは二人揃って驚きの声を上げた。灰怒は距離もあったらしく転生の声に耳を塞ぎながら

 

 「そんなに驚く事かな?」

 

 逆に「何を言っているんだ?」と言わんばかりの表情で聞き返してきた灰怒に転生は

 

 「いや、普通に考えて二人しかいない状況で第三者の声が聞こえたら驚きマスよね!?普通は有り得ない事ですし!」

 

 二人だけの状況と言うなかで第三者の声が聞こえるのは有り得ないと誰しもが納得する事を言うと、灰怒は頭を掻きながら「まぁ確かに」と苦笑し理由を説明しようとしたが

 

 ザッ!ザッ!ババ!!ドシャ!

 

 辺りから数百体の傀儡が現れ、各々の武装を構え灰怒と転生ににじり寄ってきた。

 

 「……どうやら、説明は後の方が良い見たいだな…どっちにしろ戦いの中でも分かる事だしな」ゾワッ!

 

 「…ソウスカ…(もしかして、オレが倒した傀儡って……気休め程度の存在?クソゥ)」ブワッ!バキキ

 

 『みたいだな、ソレよか行くぜ!転生!』

 

 取り敢えず、戦いの中でも説明出来るとの事らしいので灰怒は広げていた影を集束させ槍のように尖らせ始め、転生は自身の倒した傀儡の価値に落胆しつつも木遁チャクラを増幅させ向かえ打つ準備をし始め

 

 「いくぞ!」「ここで巻き返しだ!行くぜハスタ」『応!』

 

 それぞれの能力を持って傀儡を倒し始めた。

 

──訓練所───

 

 かえって、訓練所では……

 

 「御意!って張り切ったのは良いんすけど……白堊は兎も角オレと滅赤ちゃんはチャクラ操作はある程度出来ますし、属性強化も十分ですよ?白堊とは違って」

 

 「確かにぃ~」

 

 「お前ら……さりげなく、オレをディスんな」

 

 ゲンナリとした表情をしながら二人に文句を言う白堊に対し夜天は肩を叩きながら良い笑顔で

 

 「事実だ」ニコッ

 

 「ふぬあッ!!!」

 

 大ダメージを与えた。ガクン!と膝から崩れ落ちる白堊だったが夜天は

 

 「そう、落ち込むなちゃんと成功する用に指導してやるから(流石に言い過ぎたかな?少しマイルドに教えるか…)」

 

 そう言い+思いながら軽く白堊の額を小突いた。

 

 「りょ…了解です(指導って思いっきりハードな奴ぅ~!?)」

 

 それに反して白堊は心の中で嘆いていた。

 

 ──一方、訓練所から離れた森の中───

 

 「ハァ…ハァハァ!キッツゥ~!」ドサッ

 

 「ッハァ……やはり、傀儡と言えど特注の強化傀儡……中々に手強いな…」

 

 夜天特製の強化傀儡を倒していた灰怒と転生は二人して呟く彼等の周囲には、真っ二つや原型を留めていない位に破壊されている強化傀儡のスクラップが散乱していた。流石に疲れたのか二人して息を切らしていた、中でも転生は飛びきり疲れたのか地面に座り込んでいたすると

 

 『おいおい転生お前座り込んでいる暇はねぇだろ?まだ599体しか倒していねーぞ?』

 

 「疲れたんだ……なもん、仕方ねぇだろ…」

 

 『ハァ…』

 

 休憩している暇はないとハスターが語りかけて来た為、唇を尖らせながら反論する転生にハスターは溜め息を吐く、それを聞いた灰怒とルリム・シャイコースは

 

 「まぁ、彼の動きには無駄が多すぎなので疲れるのは仕方ないのでは?」

 

 『ん~そこら辺は私には分からないけど……ハスターァ…アンタ勢い良く返事した割には全然サポート出来てないじゃないのよ~?』

 

 『……うるせぇな、クソ蛆が』

 

 「……だって、早く巻き返したかったし」

 

 灰怒とルリム・シャイコースは互いに転生とハスターの戦闘時の行動を口にするが二人してただ貶している発言だった為、ハスターは悪態を付き転生は拗ねてしまった。これを見た灰怒はルリム・シャイコースに

 

 「ルリム!君少し失礼じゃないか?彼等を傷付ける発言は控えなよ!取り敢えず、謝罪すべきだと思うけど?後そんな、口調だったけ?」

 

 謝罪する様に促すがルリム・シャイコースはそれに対してこう反論して来た。

 

 『はぁ~!?アンタだってその子に対して酷い言葉投げかけているじゃない!私はハスターの奴にしか言ってないわよ!だから謝らない!後、今では黙ってたけど人で言うと私は雌よ!』

 

 \ギャー!/  \ギャー!/ \ギャー!/

 

 と互いに喚きながら口論する二人にハスターと転生は怒る気力も無くなったのか

 

 「もう、良いから最後の一体探さない?」

 

 「ア、ウンソウダネ」『ア、ウン』

 

 怒ってはいなかったが、目が笑っていなかったため灰怒とルリムは大人しく従う事にした。

 

 ──捜索中・・・

 

 「しかし、全然見つからないなァ…」

 

 『襲ってこないってのも、不自然だがな』

 

 『本当にいるのかしら?』

 

 「…………居るのは確かなんだけど…」

 

 転生、ハスター、ルリムの三人は辺りを見渡したりするが傀儡の姿は見当たらずであった為、灰怒はチャクラを練り上げ周囲を探索して見た結果居るのは間違いないとの事だった。

 

 「このままだと埒が明かないな、彼女達にも手伝ってもらおうか」

 

 灰怒が顎に手を当てながら呟くとそれを聞いた三人は

 

 「何を?」

 

 『言って』

 

 『いるの?』

 

 「何でスラスラ言わねーの?…出て来なよ居るのは分かっているんだ」

 

 順に言ってきた為、灰怒は茂みに目を写しながら声を上げたすると

 

 「……何時から気付いていたのかしら?」ガサッ

 

 茂みの中から5つの影が現れた5人ともに蛇女子の制服であった為、この学園の生徒だと分かった。

 

 「僕とこいつが三人称で語った辺りからだな」

 

 「そんなに早く気付いていたんだ…」

 

 「取り敢えず自己紹介をするわね…私は春花。蛇女子学生の3年よ」

 

 「私は未来」

 

 「……千歳です」

 

 「妾は全知全能の偉大なる邪神の第666の使徒にしてその邪神の伴侶……我が名を心して聴けい!我が名は!」

 

 「彼女は『芦屋』ちゃんと言います、私は芭蕉です。」

 

 5人の自己紹介を聞いた後、灰怒は自分たちもする事にした。

 

 「僕の名はハ……」

 

 「転生って言います!」

 

 灰怒が紹介するより早く転生が大声で前のめりに紹介した為灰怒の声はかき消されてしまった、転生のいきなりの態度に怪訝な表情を見せるがハスターが

 

 『コイツはこう言う奴何だ…』

 

 そう語ってきた。最初は理解出来なかったものの修行する前に「男と一緒は嫌」と言っていたので灰怒は成程、と心の中で理解し自分の自己紹介をしようとしたが今度は転生ではなく蛇女の芭蕉が

 

 「貴方の名前は知っています。灰怒さんですよね?」キッ

 

 「え?あ、あぁそうだけど?」

 

 何故か敵愾心を見せるような目付きで此方を睨んで来たため灰怒は多少困惑すると、春花が近付いてきて耳元で

 

 「彼女は貴方が倒した『日影ちゃん』を慕っているのよ」フッ

 

 と語りかけて来た最後に耳に息を吹き掛けながら、灰怒はそれに全く動じずに

 

「………それは…仕方ない事だと思うんですが?それより、貴女方は何をしに此方へ来たのですか?偵察であるのなら誉められた物ではありませんが?」

 

 仕方ない事だと交わし、春花達が自分等の修行場に来た事を問い詰めると

 

 「貴方達の修行している所かもしれないけど、この森は蛇女の私有地よ?………だったらこの学園の学生である私達が居ても可笑しくないじゃない?それより使わせてもらっているんだから感謝する方が筋じゃない?」

 

 「……ウグッ」

 

 『あらら~?』

 

 「見事に」

 

 『論破されたな』

 

 春花に論破された灰怒は「その通り」だと思い言い返す事が出来ずにいた。するとルリム、転生、ハスターの順で語りかけて来たこれに灰怒は

 

 「何でスラスラ言わねーの?」

 

 「は?何を言っているの貴方?頭、大丈夫?て言うか修行中に貴方含め、後ろの子も誰と喋っていたの?」

 

 突っ込みをしてしまった。これに対して春花はさも当然な言葉を投げ掛ける灰怒は「しまった!」と言った表情で転生は「バレた!」と言ってしまった為、口を塞ぐが時既に遅し、春花除く他の蛇女子学生達も不思議と言うよりまるで危ない奴を見る目でこちらを見ていたため灰怒は彼女達に説明すべきか悩んでいると

 

 『別にいいんじゃない?』

 

 『いずれ、バレる事だ』

 

 「そーゆー事です!灰怒さん!」

 

 ルリム達が口々に言って来たため灰怒は額に手を当て少し間を置くと、小さく笑みを作り

 

 「………フッ、そうだな隠した所で、何れバレる事だし見せるとするか!陰遁・黒凾(いんとん・くろはこ)!よく見ておけよ?ただし腰を抜かしたり気を失うな、または失禁するなよ?」ニヤ

 

 「なっ!?…/////」カアァ

 

 灰怒が術を発動すると灰怒の影が広がり、籠を形成し始め周囲はまるで深夜のような暗闇に包まれた一応の明かりは天上に存在する月の明かりだけだった。

 普通は驚くべきだが蛇女子たちは、とんでもない事を口にした灰怒の方がインパクトがあったらしく赤面していた。

 

 「俺的には失神したら、ラッキーだけどねー!」

 

 「「「「!?」」」」ゾクッ

 

 「………クッ!(こいつ……アイツと同類だ!)」

 

 転生は気を失った方が良いと言いながら、蛇女子達をまるで幼子が玩具を見つけたような眼でみながら語りだしたため千歳を除く4人は転生から得体のしれない狂気を感じ取った。

 優一狂気を感じずに嫌悪の表情を作った千歳は転生の不気味な笑みを見ながら昔の事を思い出した。

 

 『駄目だぞ?転生』

 

 「え?」キョロキョロ

 

 「分かってるよぉ~冗談だよ~」

 

 『分かってネェから、言ってんだろが!!』

 

 「な、何ですか!?この声!?」

 

 「いったいどこから?」

 

 蛇女子一同が突然響き渡る声に驚きながら辺りを見渡すが周囲は暗闇で何も見えない為、益々混乱する面々するといきなり

 

 ビュオォォォォ!!!パキパキ

 

 「今度は何よ!?」

 

 と強力な突風と冷気が襲いかかって来た、余りにもの強風と冷気に思わず顔を伏せる春花達に

 

 『あぁ、ゴメンゴメン、風止めるから顔上げて見なよ、へーい!』

 

 『何が!へーいだ!てめえも冷気止めろや!』

 

 ルリムがハスターに止めるように言う、ハスターは反論しながらも突風を止めた為、ルリムも冷気を抑え始めた。

 

 「本当に何だった……の……よ?……ッ!!??」

 

 顔を上げながら文句を言う春花だったが正面を見て絶句した。

 何故ならば正面にはゾウアザラシ並の巨体を誇る巨大な人面の『蛆』と直立した60mを越える身体から大量の触手を生やしたゴジラのような蜥蜴の怪物がいた。

 

 『やぁ☆』ニコ

 

 顔を青ざめながら驚愕の表情を浮かべる春花達にルリム・シャイコースは笑顔を浮かべた。

 彼女からしたら、友好かつ敵意が無いことをアピールするために作った笑顔だったが……

 

 びちゃっべちゃっぼとぼと

 

 瞳の無い眼孔から滴り落ちる血液に、歯もなく舌もない虚空の口の口角を釣り上げ笑顔を見せるルリム・シャイコースに蛇女メンバー達は

 

 「キュウ」ドサッ

 

 気絶してしまった。

 

 『あらあら?お子ちゃまには刺激が強すぎたかしら?』

 

 「……いや、アレが普通だ」

 

 『まぁ…お前等がおかしいわな……特に…』

 

 「気絶した!?気絶したの!?じゃあ!!!好きにして良いよね!?この綺麗なおねーさん達!!グフフフ!!!」

 

 ゴスッ!

 

 『転生(お前)がな!』

 

 「痛い!」

 

 『取り敢えず、彼が彼女達に手を出さないように見張っておきましょう』

 

 「そうだな…」

 

 コントのようなやり取りをする二人を他所にルリムと灰怒は転生が手出し出来ない様に見張りをし春花達が起きるのを待つ事にした。

 

 「グッ!」ズキッ

 

 『!灰怒、早く“開眼“を!』

 

 しかし、いきなり膝を突く灰怒にルリムは開眼するように促す。

 

    カッ!

 

 「クッ………フゥ」

 

 『これ以上の属性術は控えたらどうだ?』

 

 「……そう…だな…所で…お前って姿を変えれるか?」

 

 『出来んこたない』

 

 「なら、変えとけ…出来れば人型に」

 

 『ホイホイ』

 

 この一連の動作をハスターの触手によりぐるぐる巻きにさせられていた転生は灰怒の通常の紫色の瞳から赤色の三角形の模様がピラミッド状に展開し、その眼の能力か不安定だったチャクラが安定したのを感じ取った。その際に一つの衝動に刈られた。

 

 「(何だろう?あの力…あの眼……欲しい(・・・))」

 

 『駄目だからな?』

 

 ハスターは転生が何を思ったかを感じ取り静止する事にしたが転生の表情からして聞く耳持たずであった。

 

 ───数十分後──

 

 「う、うーん…私は一体……?」

 

 『あらん?ようやくお目覚めかしらぁん?』

 

 気絶していた春花は起き上がると辺りを見渡したすると真っ白い顔に目元に赤色のペイントを施した道化師のような姿をした女性がニヤケながら語りかけて来た。

 

 「………え~と……誰?」

 

 春花は死んだ目で質問して来たが、相手は答えずニヤケるだけだったが、顔の色と目元のペイントの色で大体何者かは予想できたようで

 

 「あの時の……彼の秘伝動物?…で良いのかしら」

 

 「正解( ´∀` )b」

 

 灰怒の秘伝動物と答えると目の前の道化師は親指を上げ正解と返した。

 

 「あ、起きましたか?」

 

 声の聞こえた方を見ると、顔色の悪い灰怒がこちら側にやって来たため春花は少し悪い笑顔で

 

 「大丈夫?おっぱい揉む?」ニマニマ

 

 と語りかけたが灰怒は真顔で手を前に差し出し……静止の手を作り

 

 「は?何を言っているんですか?貴女は?頭、大丈夫ですか?それより他の方を起こして下さい、状況の説明をするので」

 

 「……………そうね、他の子も起こさなきゃね」

 

 あっさりスルーした灰怒の塩対応に、他の気絶している生徒を起こし始めたためルリムは灰怒に「(ドライすぎん)」と内心で思った。

 

 ──少女達起床+少年説明中

 

 「……成程ね…傀儡を倒す修行の途中だった訳ね……そして、今は人の型をしているのが貴方の秘伝動物で彼女……で良いのかしら?あぁ、それで良いのね…彼女と会話していたっての事ね…で、別の彼は……何で縛られて要るのかしら?」

 

 灰怒の説明を聞き終えた春花はハスターにより縛られた転生をチラ見しながら聞いたが灰怒は

 

 「アイツは気絶した貴女方を⚪⚪⚪しようとしたから縛られているんですよ、それより乗りかかった船ですし傀儡倒すのを手伝って下さい、御願いします。」

 

 土下座する灰怒に春花は考えていたが他のメンバーは

 

「「「「(綺麗な顔しているのに凄い事言うなぁ)」」」」

 

 と思いながら、春花の答えを待つことにした。数秒の沈黙の後に春花は眼を明け「分かった」と了承の返事をした。一つの条件を付けながら

 

 「では、黒凾を解除しますね、万が一このバカ(転生)が貴女方に手を出すようなら…」

 

 『オレが縛ってやるから安心しろ』

 

 「分かったわ…」

 

 「「「「(何で平然なの春花様は…)」」」」

 

 「んー!!!んん!ん!ぐへ!ひでぇな!」

 

 黒凾を解除する灰怒と転生が蛇女達に手を出さない条件を付けその条件を飲んだ灰怒とハスターに確認を取り転生を解放させ傀儡を探し始めた。

 

 ──訓練所──

 

 「じゃあ、チャクラを発動させる方法を教える」

 

 「は、はい!」

 

 「……やり方はな……」

 

 「……ゴクリ」

 

 どのような厳しい修行が来るのか固唾を飲み覚悟を決めた白堊に周りは

 

 「(そんなに緊張する程の物か?)」

 

 そう思いながら各々の修行に取り組んで行った。




後編に続きます。さんざん更新しなくて今更分けて申し訳ないです。

次回はbackも、進めます。


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己の魂の色 (後編)

「じゃあ、チャクラを発動させる方法を教える」

 

 「は、はい!」

 

 「……やり方はな……」

 

 「……ゴクリ」

 

 夜天がチャクラ発動が出来ない白堊に教えるためにまず最初に自身が発動させた後にやり方を教える事にしたらしく良く見ておくように、と言いった後

 

 「ヨット!」 ブワッ!!! 

 

 気合いを入れるような掛け声を出すと同時に恐らく忍ではない常人ですら肉眼で視認できる程の赤黒いオーラを放出したこの膨大で禍々しいチャクラに周りの人間は息を飲んだ。

 

 「!!!(何だこのチャクラ量は!?カグラ並み……いや、それ以上じゃないか!?)」

 

 「……(相変わらず、凄まじいチャクラだなぁ…)」

 

 「さ…流石、夜兄…凄い…」 

 

 蛇女と龍導の戦慄と驚嘆に加え、彼を知る焔からの若干引きつつも尊敬の声を浴びながら夜天はチャクラを放出したまま白堊に向き

 

 「と、まぁこんな感じだ…分かったか?」

 

 『『いや、それだけで分かる分けないだろ!?』』

 

 「う~ん……」

 

 全員が心の中で呟く中、肝心の問われた白堊は目を瞑りなから顎に手を当て唸りながら答えた。これを見た蛇女の総司は

 

 「(無理だろチャクラを扱えなかった奴が、いきなりあんな高等技術を見ただけで習得など。まぁ……奴が諦めたら私が教えてやらんこともないがな!天才は才能なき者を導く気遣いを持っているのだ!)」

 

 とそんな事を考えながらほくそ笑んでいると、目を瞑りながら考えていた白堊は目を瞑ったままに深呼吸をし

 

 「スゥゥゥ…………ハァ!!カッ

 

 「へぇ……」

 「嘘だろ!?」

 「使えなかったはずじゃあ!?」

 「才能はあった訳ね」

 

 「!?見ただけで?」

 「なんか?凄いんか?」

 「なにか?凄いのか?」

 「……ムゥ」

 「天才って奴かな?(……総司ちゃん?)」

 

 薄くはある物のチャクラを発動させた。コレには龍導メンバーは驚き半分感心半分と言った意見に別れ対する蛇女も大体似たような反応だった(かなり違う)

 

 「フフッ、やはり分かったか?」

 

 「はい!リミットブレイク*1の応用だったので直ぐに理解出来ました!」

 

 「まぁ、ただ今までは気付いていなかっただけだがな」

 

 「(放出したままを保っている)……あーー」

 

 夜天の呟きに白銅は何気に維持もしていると思いながら頷いた。夜天曰く白堊はリミットブレイクを使用する際に身体の中心に集める物をチャクラではなく、気合いか何かだ!、と言う思い込みによりチャクラが使えなくなっていただけで実は使えていたとの事であった。

 

 「よし!チャクラ完璧に扱えた!!」

 

 「いや、かなり全然だぞ」

 

 「え?ど、どのへんが?駄目何ですか!?」コォォ

 

 白堊はチャクラが使えるという事が分かったか為かご満悦だったが夜天がそれを否定した。その為か、白堊は信じられないと言った表情を向けて来た為、夜天は頭が痛くなる思いをしながらも白堊の目の前に手を差し出した。

 

 「?えっと………何ですか?」

 

 ボォ

 

 「おわ!?」

 

 夜天が差し出した掌から炎が現れた為、仰け反る白堊にチャクラコントロールに長ける生徒の白銅が

 

 「ハァ……チャクラ維持まで無意識に出来てるなら忍びにとって重要な遁術…つまり属性があるだろ!」

 

 「あ!そうだった!」

 

 「やれやれ…………ん?

 

 「!」「……」「(見た事のない光属性だ…)」

 

 呆れながら腕を組む夜天だったが、蛇女天守閣部分から何かを感じたの理事長室を見た。同じく《光牙》《輪廻》《白銅》と言った実力者達も夜天同様に理事長室へと目を向けた。

 

 「?どうかしました?」

 

 その様子を見た白堊が訪ねて来たが夜天は、少しの沈黙の後

 

 「……いや、何でもない。それより《属性》の説明をする」

 

 そう言いながら夜天は、何処からかホワイトボードを取り出しながらそれぞれの《属性》の特徴を書き始めた。

 

 火/炎属性・・主に使用者の攻撃力を高める

 

 水/属性・・攻撃は勿論、浄化の通り回復等も可能

 

 土/属性・・防御を高める

 

 風/属性・・空気の対流を利用した攻撃が可能

 

 雷/属性・・攻・防・速の等の形態の多さが売り

 

 「まぁ、こんな所だ」

 

 「へぇ、何れも中々、良さげですねぇ…何か夜天さんの使う《雷属性》えらく贔屓してませんか?」

 

 夜天がホワイトボードに書き記したそれぞれの《属性》の特徴を見た白堊は《雷属性》が上記の他の《属性》が霞む位に有能だと記しているのに気付き、そう記しているのは夜天が得意としている能力だからではないか?と言うと夜天は

 

 「事実だからな。取り敢えず《五大性質》からだがどれにするんだ?」

 

 「急かしますね、さて…」

 

 「……(どれに?)」

 

 雷の有能性は事実だと短く語った後《五大性質》の内どれを習得したいか?と訪ねてきたため、白堊の隣に居た総司は夜天の最後の『どれに』に対して疑問を抱いた。

 

 「(先程のどれかと言う事は……コイツは《五大性質》を全て使えると言う事か?……それが事実なら……父上に伝えてみるか……)」

 

 チラリと悩み続けている白堊を見ながら総司は戦慄と脅威の目を向けつつ、何かを考えていた。

 

 「全く、浮かばないんですが!」ガバッ!

 

 勢いを付けながら顔を上げた白堊は習得する属性を浮かべる事が出来ない、と叫ぶ。

 

 「あ、言い忘れたが属性は自身の心の具現化みたいな物だから、自分の魂の色を頭に浮かべれば発動しやすいぞ」

 

 叫ぶ白堊にそう返した夜天は自身の魂の色をイメージすれば出やすいとアドバイスを促した。夜天のアドバイス通りに目を瞑り座禅を組む白堊。すると……

 

      チッ!バチッ!!パチパチ!!

 

 「ん?」 

 

 「……これは」

 

 微かではあるが、白堊とその周辺から蒼白い火花が迸り始めた。更に座禅を組んだ状態で手を合わせチャクラを更に溜めていく白堊。

 

 「はぁぁぁ…」ビリビリビリ 

 

 遂に微弱では有るが電光を放ち始めた為、白堊の属性は『雷』と判明し滅赤や蘇芳は感嘆の声を上げる。しかし白堊は何故か合わせていた手を放し座禅を解きその場から立ち始めた。それと同時に白堊の身体の周りから発せられていた雷が消失した。

 

 「お……おい、どうしたんだ?」

 

 火花が出た為少し離れていた総司は不思議に思い近付こうとするが、急に輪廻により肩を捕まれ白堊から引き離された。

 

 「ハイハイ~危ないから離れましょうね~」

 

 「ちょっ……!」ズルズル

 

 反抗しようにも、見掛けによらない力で押さえ込まれる。引き離された総司を尻目に正面の夜天に対し構えを取る。

 

 「なっ!」「え!?」「何故構えを…」「無謀」

 

 「……………」クイクイ

 

 その光景に、驚きの声を上げるギャラリーとは反対に周りを気にする事なく掌を動かし挑発する夜天。その動きが終わると同時に白堊は動いた。

 

 バッヂィ!!ボガァァン!!

 

 蒼白い閃光を地面に残し、雷の塊が夜天に迫ったかと思いきや轟音が鳴り響き、左手を突き出した夜天が立っていた。

夜天の目線には

 

 「へへ……受け止めましたよ……」バチチチ

 

 身体から先程と同じ蒼白い雷を放つ白堊が苦笑いを浮かべながら夜天の拳を受け止めたと言うアピールをしていた。その様子にギャラリー達は『おぉ…』と感嘆の声を上げ、夜天も少し笑みを浮かべながら

 

「どうやら、習得出来たようだな良くやったな」ポンポン

 

 肩を叩き労いの言葉を掛け

 

 「雷属性は説明した通りだが、今のお前の現状だとチャクラ量が少ないからそっちの修行をしとけ」

 

 「え?あの何処に行こうと?」

 

 そう言いながら通り過ぎようとしていた為、白堊は夜天に問いかける。夜天は

 

 「ん?あー……少しここ(蛇女)の理事長に話が有るのを思い出してな…後は頼んだぞ、白銅」

 

 「では、9で手を打ちましょう」

 

 ジト目で量手で9つの数字を見せつけながら、それで手を打つと言われた夜天は頭を掻きながら

 

 「……………分かった、用意しておく」

 

 そうなると言うと夜天は訓練所を後にし天守閣方面へと向かって行った。他は他でそれぞれの修行へと以降して行った。

 

 「9って、なに頼んだんだ。ハク?」

 

 白銅と夜天の会話の中にあった《9》という数字が気になった。輪廻は白銅に聞くと白銅は珍しく顔をニヤケさせながら

 

 「フヒヒ、《特性傀儡の作成資料》だ」

 

 「あぁ、ね」

 

 《特性傀儡の作成資料》と聞いた輪廻は納得の声を上げ、そう言えば先鋒戦の時も合体した傀儡に食いついていたなと思い、納得した。

 

 「ハクは白堊にチャクラ量増加の修行で他もそれぞれかー私はどうするかなぁ~?」

 

 そう言いながら空を見上げた後にそれぞれの様子を見ると、何やら光牙と焔が言い争いからの対戦に移りそうだったのでちょっと余計な事をしようと含み笑いを浮かべながら向かおうとしたが、白銅から

 

 「リン、そう言えばアンタ宛に手紙が来ていたぞ?」

 

 「へえ?」

 

 自分宛に手紙が来ていたと、封筒を渡された。差出人を確認した輪廻は少し目を見開いた後封筒を糸で頑丈に結び内側のポケットに入れ、光牙と焔へちょっかい出しに向かって行った。

 

 「(嬉しそうだなリン、そんなに《志藤理閻》とか言う奴からの手紙が嬉しかったのか?」

 

 そんな輪廻の背後を見ながら、手紙の差出人の名前を浮かべながら見つめる白銅。そんな彼女に対して白堊が

 

 「あの?白銅先輩そろそろ…」

 

 修行の準備が出来た為、手解きを願い出てきた。

 

 「あぁ、分かった」

 

 白銅はそう言って、白堊のチャクラ量を増やす修行へと移った。

*1
体内のチャクラを身体の中心に溜め放出し広範囲の敵を攻撃する技



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警告

 ───蛇女天守閣下───

 

 夜天は天守閣を見上げながら、呟く。

 

「さて……ここから、飛べば速いか──ホゥ…」ピタッ

 

  オ"ァァァァ

 

 蛇女学校の壁に手を振れた夜天は、壁に触れた瞬間に壁の奥底、その中心から怨嗟の念が聴こえた為

 

 「少し内部を調べる必要があるか…」スタスタ

 

 呟きながら、校内へと入って行く夜天。その背後から現れた少女が

 

  「……………」チャキ バッ!

 

 クナイを構え夜天の背中へと勢いを付け───

 

 ドスッ!「う"!?」ドサッ

 

 ─────突き刺した。

 

 少女は倒れている夜天の背中に突き刺さったクナイを強引に抜き取り一瞥した後

 

 「あの()が尊敬の目を向ける男にしては、割りと容易に仕留められたな、ククこの様子だとヤツを仕留めるのは容易いな」

 

 「あの()って焔の事か?」

 

 そう聞かれた少女はクナイを吹きながら、煩わしそうにしながらも

 

 「あぁ、その通りだ」

 

 「何で?」

 

 「お前には関係ない」

 

 「何で?」

 

 「…だから、お前には関係ない」

 

 「えー何でー?」

 

 「お前!いい加減ウザ────」

 

 続け様に問われた為に少女は関係ないと語るが相手はしつこく問いかけてきた為、鬱陶しく感じたのか少女は威嚇を含めクナイを向け怒鳴ろうとしたが、相手を見た瞬間息を飲んだ。

 

 「い……ぞ……な、何で?お前…生きて居るんだ、ムグゥ!?」ジタバタ

 

 「コラコラ~質問しているのは、私ですよ~質問には答えましょうね~?」

 

 何故なら、先程クナイを突き刺し殺害した筈の男、夜天が生きていたからであった。

 その事について言及しようとした少女だったがソレよりも早く夜天が少女の口を手で掴み、質問しているのは自分だと掴んだまま持ち上げ質問に答えるように促すが、関心の少女は持ち上げられるは別として、口を掴まれており満足に喋る事が出来ない状態であり何とか逃れようと必死にもがいていた。

 

 「ん?あぁ、口塞いでたら返答しようがないね」パッ

 

 それに気付いた夜天は手を放した。宙から地面へと落ちた少女は先程とは打って変わって尻餅をついた状態で目の前にいる夜天に恐怖に染まった目を向けていた。

 夜天は面倒くさそうに、溜め息と頭を掻きながら目線を目の前の少女に合わせる用にしゃがみ込んだ。この行動にも少女は肩をビクリと反応させた、コレには流石に夜天も多少だが笑ってしまった。

 取り敢えず自身が先に答えた方が良いだろうと考えた夜天は少女の質問に答える事にした。

 

 「まずオレが生きている理由だが、『空蝉(うつせみ)の術』を使用したからだ、忍の基本だぞ?変わり身は……さぁ君の質問には答えたぞ?次は君が答える番だ……とその前に私は夜天と言う、君の名前は?」

 

 多少とはいえ、落ち着きを取り戻した少女は取り敢えず名前から名乗る事にした。

 

 「………私の名は旋風(つむじ)だ…選抜メンバーの焔を殺したい理由だが────」

 

 ──旋風(復讐者)説明中──

 

 「───と言う訳だ……理解っただろう?私があの女……焔を殺したい理由が分かっただろう?」

 

 ポツポツと殺したい理由を語りだした旋風、旋風によれば自身の兄に重症を負わせ忍として活動出来なくした焔と蒼鬼と名乗る少女を殺し兄の敵を取りたいとの事だった。

 その話を聞いた夜天は、心底下らなさそうな表情をしながら

 

 「いや、悪いのお前の兄じゃないか?」

 

 「な、何だと!?」

 

 呆れの声を発した夜天に旋風は怒りの声で掴みかかるが夜天は意に返す所か

 

 「磁遁(じとん)・コルド」ヒュルルル

 

 「な、何だ!?…グワッ!?」ビシッ

 

      ヒョイ

 

 磁遁で鎖を作り出し旋風を強引に拘束し、担ぎ上げさらに校内へと進んで行く。そんな夜天に拘束された旋風は暴れながら降ろすように言うが

 

 「おい!降ろせ!何をする気だ!痛っ!」ジタバタ

 

 「おいおい、暴れんな棘が刺さるぞ?何をする気…だが、刺した罰としてオレを理事長室まで案内しろ」

 

 「はぁ!?何…痛て!でだよ痛っ!と言うより何で棘がついているんだ!」

 

 「さぁ!案内しろ!」

 

 「話しを聞けぇ!!」

 

 夜天は理事長室にさっさと案内しろと旋風の意見を悉くを無視している為、旋風は諦め理事長室への道のりを教え始め、それに従い夜天は周り気にさず悠々と進んで行く。すると背後から

 

 「あの?何故、彼女(旋風)さんを鎖で縛っているのでしょうか?」

 

 「ん?」クル

 

 何故旋風を鎖で縛っているのか?聴かれたため声がした方へと目を向けると高校生にしてはかなり小柄な美少女が声をかけて来た為、夜天は数秒間の間の後に

 

 「……蛇女には中等部でもあるのか?」

 

 「…………はい?あっ…」

 

 そう言うと少女は首をかしげた後に少し苦笑いをしながら夜天に語る。

 

 「一応私は16歳です……高校2年生です。アハハ」

 

 「嘘だぁ…」

 

 その少女に対して夜天は真顔で驚愕と疑惑の混ざったような声をだした後すぐに縛っている説明をした。

 

 「縛っている理由はですね、この子いきなり背中をクナイで刺して来たから罰として理事長室に案内させているんですよ。逃げないように拘束させて貰ってね☆」

 

 「そ、そうですか、取り敢えず旋風さんを解放してください彼女の処罰は《監督生》である私の役割でも有るので」

 

 「ホウ」

 

 監督生*1その事を知った、夜天はその(よわい)にして監督生に就いている実力に感心の声を上げ

 

 「解放はしないけど、はい」チャリ

 

 「え?あ、はぁ…」

 

 旋風の拘束を首輪に変え鎖のリードを渡す。これに少女は流石に困惑しながらも渡されたリードを受け取る。

 

 「酷いと思うかもしれないけど、こうでもしないと旋風(コレ)逃げちゃうからね?」

 

 「コレ!?」Σ(゚◇゚;)

 

 「……わかりました、が首輪ではなく先程の拘束へと戻してください」

 

 コレ扱いされた旋風は驚きの声を上げ、夜天は少女に拘束を元に戻すように頼まれた為、元の拘束へと戻していく中。

 

 「分かったよ、それよか君の名前は?あ、因みに私の名は《夜天(やてん)》と言う」

 

 夜天は気になったいた少女の名を聞く事にした。一応名を聞くからには自分から名を名乗るのが筋だと思い、先に名乗った。

 

 「え?あ私は蒼鬼(そうき)と言います("夜天"?その名前どこかで…?)」

 

 「そうか、良い名前だ。所で彼女を君に引き渡す変わりに理事長室の場所を教えてくれないか?("蒼鬼"?そう言えば旋風(コイツ)が殺したいとか言っていたか?無理だろ~)」

 

 互いに互いの名に聞き覚えがあるなぁ、と心中で思いながら夜天は蒼鬼に旋風を蒼鬼は夜天に理事長室の場所の道筋を説明しそれぞれ用件のある場所へと向かって行った。

 

 ───理事長室──

 

 「失礼するぜい!」ドカ!

 

 夜天は理事長室の扉の前に立つなり扉を足で乱暴に開け、大凡社会人とは思えない行動を取りながら入室した。

 

 「普通に入室も出来んのか?貴様は…」

 

 「やっぱり、お前か──」バチッ

 

 入室すると理事長室の椅子に座り込んでいる男が夜天の非常識な行動に対して苦言を呈してきた。

 その男を見た夜天は身体に雷を纏いながら、座り込んでいる男の名を口にした。

 

 「 "カイル" ……道元のくそ雑魚ナメクジはどうした?一緒じゃあねぇのか?」ヂヂヂヂ

 

 「…………………」ジッ

 

 椅子に座り込んでいる男──カイルは質問されるも視線を向けるだけで黙り込んだまま答えない。そんなカイルに対して夜天は

 

 「答えないか……まぁわかってたが、どうせお前の…いや"お前ら(・・・)"の計画の邪魔になるからとかで、追放したんだろ?」バヂィバヂィ

 

 この部屋に居るのは質問している自分を除けば在室しているのはカイルだけの筈だが何故か『お前ら』という二人称複数形で質問した。これに先程まで黙秘していたカイルは溜め息を吐きながら椅子に凭れかかり

 

 「あぁ、何故『お前ら』と言ったかは、不明だが確かに計画の邪魔になるから追放した。奴は経営手腕は優秀だが他と言えば、『強化人間の製造』『人工妖魔の培養』と言った下らん内容に加え我々(・・)の計画の邪魔になるからな」

 

 「へー(おもっきし、"我々"って言ってんじゃん)」

 

 返って来た質問に対して適当に相槌をする夜天は心中で、カイルが計画の事を"我々"と複数形で語っていた事に対してツッコミを入れていた。

 

 「……さて、私の質問への回答は終わった。今度は私が貴様に質問する番だな?」

 

 「はぁ?」

 

 いきなりの返しに夜天は困惑するが、それを無視しながらカイルは目付きを鋭くしながら周囲に目を向け

 

「何故、私を取り囲むようにクナイを展開しているんだ?」

 

 カイルが質問したように彼の周囲には電撃を纏ったクナイがフワフワと浮きながら、刃先を向けていた。

 それを見たカイルは続けざまに目を細めながら

 

 「まさか、私と殺り合うつもりか?」

 

     ゴゴゴゴゴ

 

 「ファア…」

 

 大気を揺らす程の強烈な殺気を放つカイルその殺気を向けられた夜天は欠伸をすると共に

 

 「お前如きがオレに敵うわけ無いだろうが!!」

 

  ギチギチガシッ!!

 

 その発言をした瞬間、赤黒いオーラを纏った巨大な人骨の手と腕が出現し、カイルを掴み持ち上げた。

 

 「な……グヌワ!?」メキメキ

 

 余りにも突然の事であった為か、あっさりと捕らわれてしまった。

 

 「ハハハ、威勢の割には惰弱すぎないか?」

 

 更に骨腕の掴む力をどんどんと強めていく夜天を見たカイルは苦しそうに冷や汗を浮かべつつも、口角を吊り上げ強引ながらも獰猛な笑みを作りながら

 

 「ぐっ……クククク!私の事を"如く"という矮小な存在と値しながらこのような強力も技を使うとはな、貴様も対した事が無いのでは?それにこれ程のエネルギーだ感知されこの部屋に第三者が来るのも時間の問題だぞ?」ギギギ

 

 自らも随分と安い挑発だと頭で理解しつつも夜天に語りかけるが肝心の夜天は冷静且つ冷酷に

 

 「お前は"ゴキブリ"を潰す際に素手で潰すのか?……それにエネルギー、チャクラについてだが別に問題ないぞ、この回りに展開しているクナイだが攻撃ではなく、チャクラをごまかすためのダミーだ……」

 

  ガガガグギギギ

 

 益々握りしめる力を強めた為か、カイルの全身は骨が軋み始め、遂に呼吸も苦しくなっていた。

 

 「ウ"ッ!グガァ……」

 

 「…………」ニヤァ

 

 呻き声を上げもがき苦しむカイルを、嬉しそうに見ていた夜天だったが

 

 パッドサッ!

 

 いきなり骨腕を解除しカイルを解放した。そのまま床に落ちたカイルは追撃に備え構えるが解放した夜天は背を向けたためカイルは訝しむ。その雰囲気を感じたのか夜天は背を向けたまま

 

 「お前を潰すのは簡単だが今やると後が面倒になる、今は見逃してやるよ…ただし力の5割は封印させて貰ったがな」

 

 「!何…だと!?」

 

 封印の台詞を聞いたカイルは力を発現させようとしたが、中々発動せず。

 やっとの思いで発動させた物の微々たる力しか発動出来なかった(十分に強力だが)歯軋りをしながら睨み付けるカイルを横目に理事長室を後にした夜天。

 

 「じゃあな、薄汚い《光》くん」

 

 ──廊下──

 

 「ん?」

 

 訓練所の様子を見に行こうと移動していると、監督生である蒼鬼が居た。処罰の対象となっていた旋風の事も気になっていた為、声を掛けて見た。

 

 「彼女は《座敷牢》に居ますが、場所は教えませんよ?」

 

 「……何も言って無いんだけど?」

 

 近くに来るなりそう語った蒼鬼に何も言ってないと、返す夜天に蒼鬼は

 

 「そうでしたね、私の早とちりでした申し訳ございません」

 

 そう言いながら頭を下げ、謝罪する蒼鬼だったが最初に言った言葉は間違いではなかった事になる。何故なら

 

 「いや、別に謝らなくてもいいけど?それはそうと、その《座敷牢》ってどこにあるんだい?」

 

 「…………えぇ?」

 

 教えないと言ったにも関わらず、場所を聞いて来たからであった。

 あまりの展開に口を開け呆けていたが、気を取り直し最初に言った台詞ではなく何の為に場所を聞いて来たのかを問い質す事にしてみた。

 

 「いや、何か《焔》と《蒼鬼(キミ)》を殺したいとか言ってたからその根性叩き(物理)治そうかと思ってね?あ、《焔》は昔可愛がっていてね……キミの場合は龍導の二人(バカ)の面倒を頼みたいからね、大変だと思うけど、その時は《輪廻》や《白銅》を使えば良いよあ、後《滅赤》って子が居るんだけど彼女は勉強嫌いだから彼女の事も頼みたいかな?多分、君には懐くと思うし、言う事を聞かない場合は《蘇芳》を頼れば良いよ……後は《転生》には気をつけて」

 

 その返しに蒼鬼は1つ聞いたら10返って来たと思いながら、これだけ自分を信頼してくれて居る人に自分が答えないのも失礼だと思い場所を教えると、夜天は礼を言いながら場所へと向かって行った。

 

 「滅赤は《鬼》の君には懐くよ確実にね」

 

 「!?」バッ

 

 去り際に夜天の言った台詞に驚愕の表情を見せながら振り替える蒼鬼だったが、夜天は既にその場には居らず、蒼鬼は佇みながら

 

 「どうして?」

 

 そう呟いた。

 

 ──一方座敷牢では

 

 「やぁ」

 

 「ゲ」

 

 閉じ込められて居る旋風に対してニコやかにフレンドリーな挨拶を交わすと、閉じ込められていた。

 旋風は心底嫌そうな、会いたくなかったと言った表情を見せて来た為

 

 「酷いな~傷つくよ~」

 

  バキッ!

 

 胸に手を当てわざとらしく弱ったような声でダメージを受けたような態度を取った後《座敷牢》のドアを破壊し中に入りながら

 

 「《焔》を殺せる位に強くなりたいんだろ?修行付けてやろうか?」

 

 蒼鬼に語った事とは真逆の言葉を旋風に浴びせる。その言葉に旋風は一瞬戸惑いを見せた物の先の実力に強くなれるならと思い

 

 「本当に強くなれるのか?」

 

 「あぁ」

 

 「アイツ等を殺せる位に?」

 

 「あぁ、お前次第だがな」

 

 「ならばッ」ザッ

 

 力強く土下座をしながら思い切った声で頼み込んだ。

 

 「お願いしますッ!」

 

 「おう(………敬語使えるんだ)」

 

 その旋風に了承の返答をし《座敷牢》か出る事にした、その際に旋風に対してこれを付けておけと首輪を付けさせた。

 最初は嫌がッていたが《修行》と言う台詞を聞くと素直に従った。

 

 「んじゃぁ、とりあえず明日《死塾月閃》に行くか」

 

 「え?えっえぇぇぇ!?」

 

 「どした?」

 

 「《悪忍》の私が《善忍》の学校に行くのは非常にまずいのでは?」

 

 旋風の言う通り《死塾月閃女学館》は室町から存在する善忍のエリート学校であり、更にはそこの《選抜メンバー》には『悪は絶対滅ぼすウーマン』が居ると言うから、尚更マズイと思い反論するが

 

 「あぁ、それなら向こうに『弟子を連れて行く』と連絡しているから問題無いぞ」

 

 「……そうですか」

 

 事前に連絡をして置いたから大丈夫と夜天が語ったため胸を撫で下ろす旋風それと同時に『自分が弟子になる前提で連絡をしていた』その先見にこの男の修行なら確実に強くなれると期待を高まらせた(只の偶然であるが)

 

 「……(さて、月閃に行くならまずは名前の変更からだな…適当に『夜空』で良いか。と、時間は……クク頃合いだな、今頃はあのバカ(灰怒)は苦戦している事だろうな)」

 

 そんな、旋風とは裏腹に夜天は月閃での名前や変装の案と修行中の灰怒が苦戦している頃合いだと思い薄ら笑いを浮かべながら

 

 「(気を付けろよ、灰怒……)」

 

 ──灰怒達──

 

 ガキン!   

 

 「くっ!」

 

 刀とナイフを構えながら冷や汗と共に目の前に立ちはだかる巨大傀儡(12m)と戦闘を行っていた。

 自身の隣には右に転生、左に春花が居り同じ様に戦闘体制を取ってはいたがかなり体力を消耗していた。

 

 「何なの?この傀儡…私達の攻撃がまるで通用しない」

 

 「いや、多分通用してはいますが、自己修復機能がついていますしかもかなりの高水準の……」

 

 『どうする?転生?一気に吹き飛ばすか?』

 

 「そうしたいのは、山々だけどそんな事したらアイツの後ろにいるお姉ぇさん達まで巻き込んじゃうとお楽しみが無くなっちゃうから却下ダネ」

 

 『お前はとことん欲望に忠実だな』

 

 「いや、そうなったら止めるわよ?」

 

 ハスターが案を出すが、転生の言う通り巨大傀儡の背後には『未来』『芭蕉』『芦屋』『千歳』の四人が倒れておりハスターの吹き飛ばすと言うアイデアは却下された。

 却下の理由は酷かったが…春花も春花でハスターと転生の両者の意見を実行するなら静止すると念を押した。

 

 「(……これは、本当にマズイな…)転生、春花さん…本気でこれはマズイですよ?まさか夜天さんがこんな化け物を用意しているとは想定外でした。コレ……」

 

 

      『死ぬぞ?』   

*1
監督生とは忍学生の中でも筆頭以上の地位を持つ役職であり教師の次に発言力の有る役割




はい、次回は久しぶりの灰怒の話です。それと白堊の最初の属性は『雷』となりました。
アンケート感謝いたします。

旋風は一応原作のキャラで立ち絵無しのモブでしたが、個人的に気に入っているので救いを!と思い登場させました。影の薄いキャラですが活躍させる予定です。

次回は「精進する陰陽」灰怒と白堊の回になります!

質問、コメント お願いします。


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精進する陰陽《前編》

灰怒sideの話しです。


    『死ぬぞ?』

 

 灰怒の真剣な声で、そう言われた春花と転生は冷や汗と共に目の前の巨大傀儡(外見は阿修羅)を見据えどのような攻撃が効果的か思考を巡らせていた。

 一方の巨大傀儡は六本の腕を複雑に動かしつつ、同じように此方を見据えていた。

 

 ギチ ギチ ギチ……ガチン

 

 「何をしようとしているのかしら?」プルン

 

 『何、胸を凝視してんだ!コラ!』ペチッ

 

 「痛てっ!」

 

 胸元から一つの試験管を取り出した春花──の胸元を凝視していた転生の頭を心理世界で小突くハスター、それらを他所に灰怒は

 

 『天眼!《未来視》』

 

 天眼を使い傀儡の次の行動を見ることにした。すると巨大傀儡は三本の腕を一つに纏め一つの大砲へと変え春花へ…と肝心な所で

 

 「グッ!」ズキッ

 

 天眼の効果が切れてしまった。

 しかし少ない情報で次に相手はいかなる攻撃、行動をしてくるかを考えた灰怒は胸元から試験管を取り出した春花に目を向け叫んだ。

 

 「避けろ!春花さん!」

 

 「え?」

 

 いきなり名前を叫ばれた春花は、灰怒の叫んだ理由に気付いたのか巨大傀儡の大砲が自分に向いていた為に弾の軌道から逃れようと、素早くその場を離脱する。

 

 巨大傀儡は場から移動した春花の方へと狙いを再度整えるため巨体ごと動かす。それを見た灰怒は今度は転生とハスターに対して心理世界で

 

 『転生、ハスターさん今の内にヤツの背後で倒れている彼女達の保護を!』

 

 巨大傀儡の背後にて気を失っている蛇女選抜と候補の保護を支持した。

 

 『おう!任せろ!』

 

 『りょ~かい!』シルシル

 

 「(以外に大丈夫かな?……さて)」

 

 転生の得意とする木遁で作成した、蔦状の植物で次々と彼女達を巨大傀儡の視界外へと移動させて行った。

 少しばかり彼女達を転生に任せるのは・・(色々)な意味で心配だったが、どうやら杞憂のようだった。

灰怒は灰怒で刀に影を纏わせ始めた。

 

 「(……変ね?何で撃って来ないのかしら?)」サッ

 

 先程から巨大傀儡の大砲の標準に成らないように回避を繰り返していた春花だったが、とある違和感に気付いた。

 それは明らかに射程標準に入っているのに巨大傀儡は一向に砲撃をして来ない…寧ろ何かを待っているかのようにも見えた。

 

 「そこだ!黒刀(こくとう)禍仏斬り(まがふつき)!」

 

 影を刀に纏わせていた灰怒は技の準備が出来た為、巨大傀儡の首目掛け勢いよく飛び出しその首を撥ね飛ばそうとした瞬間

 

 「うわ!?危な!」

 

 「………っ!?」

 

 なんといきなり転生が間に入った為に、灰怒の一撃は不発に終わった。

 流石にこの転生の意味不明な行動に灰怒は声に怒りを含めながら

 

 「君は一体何をやっているんだ!間に入らなければ確実に首を撥ね飛ばし課題は達成出来たんだぞ!?」

 

 灰怒の至極真っ当な言葉に対して、転生は全く自分は悪くないと言った表情と声音で

 

 「え~だってぇ~傀儡倒した数がさぁ僕の方が少なくなるじゃん?それだとぉ~輪廻姉さんから『ヨシヨシ』と『ハグ』して貰え無いんだも~ん♪」ケラケラ

 

 『お、おいおい転生!お前マジメにやれよ!?』

 

 転生の反省の色所か寧ろ相手をバカにしているような態度と返しに、流石にマズイと思ったハスターは転生に小言を掛けるが転生は全く聞く耳を持たずにヘラヘラとニヤケ面を浮かべていた。

 

 「……………」

 

 この転生の態度に灰怒は顔を俯かせたながら、刀を手 にした腕を思い切り握りしめた。

 

 『お、落ち着いて?灰怒?』

 

 ルリムは激怒しているだろう灰怒を宥めようと声を掛けるが、寧ろ逆効果にしか成っていないように見える。

 

「何すか?灰怒さん?何か文句あるんすかぁ~?」

 

 『『あ、バカ!やめ…』』

 

    ゴッ!

 

 変化に気付いた転生は俯いたままの灰怒の頭をペチペチと叩きながら語りかけてきた。

 この行為にハスターとルリムは止める用に促すがそれよりも速く灰怒は転生の頬へと強力な裏拳を放った。

 

 「痛っ!あれれぇ~、言い返せないと手を出すんですかぁ~?子供だ───」

 

   ゴア!!

 

 「───なぁにこれぇ……?」ポカーン

 

 吹き飛ばされた転生が煽り口調を言い終わるよりも速く謎の爆音と煙が立ち込み煙が晴れると辺り一面は灰塵と化していた。その光景に転生は呆然と佇んでしまった。

 

 「(なんて、威力なの!?)」

 

 春花もその光景に驚愕すると共にこの状況を作り出した巨大傀儡に目を向けた。

 

 「(この傀儡が狙って居たのは、あの"灰怒"って子だったのね…)」

 

 春花は巨大傀儡が灰怒が斬りかかった際に今まで自分に標準と視線を向けて居たのを飛んできた、灰怒と転生へと目を向け明らかに標的を自分から双方のどちらかに変えた為に傀儡はコレを狙っていたのか、と多少の屈辱と納得の意を示す。

 

  ギチ ギチ ギチ  ……ジャキン!

 

「…って思っている場合じゃないわね!秘伝忍法!」

 

 大砲から今度は巨大かつ鋭利な刃を作り出した傀儡は此方に迫っていた。春花は対抗する為に秘伝忍法を食らわせる準備をしていた。

 

 『おい!転生!テメェも闘いやがれ!』

 

 「え?あぁ!わかってらぁ!風遁」チャキ

 

 呆然としていた転生にハスターは発破をかけると、転生ははっ!としながら文句を言いつつも刀は構え技の準備にかかる

 

  「『DEATH×KISS』!」

 

 ふわふわと傀儡の前に風船のようなハート型の物体が3つ現れ、傀儡目掛け飛んできた。

 

    ジャキン!ザシュ!

 

 傀儡は邪魔だと言わぬばかりにその3つのハートを刃で切断した。

 すると…

 

      ドガーーン!! 

 

 先程の砲撃にも勝るとも劣らぬ凄まじい爆音が鳴り響き、巨大傀儡の腕の刃と装甲を破壊し、ギギバチバチと耳障りな電子音をならしながら配線や内部構造が露呈した腕が現れた。

 

 「秘伝忍法でも表面だけですって!?しかも…」

 

 しかしながら、傀儡に備わった自己修復機能により再び破壊された装甲が元通りに治り始めた為、春花は歯痒い思いをしていた。

 すると……

 

 「『風遁(ふうとん)螺旋牙突(らせんがとつ)(えん)』!」

 

 ギャリィン!と独特な音と共に螺旋状の斬撃が修復途中の腕を切り飛ばした。

 声の主の方を見ると

 

 「よっしゃ!腕一本GETだぜ!」ガッツポ

 

 刀を突き出した転生が、片手で握り拳を作りながらガッツポーズをしていた。

 

 「!結構やるわね、後でご褒美あげちゃうわ!」ウインク

 

 「っシャア!もう片方も叩き落としてやらぁ!!」

 

 「(フフフ、単純ねぇ~)」ニマニマ

 

 『おい!嘘ついてんぞ!アイツ!』

 

 春花の声援とウインクを受けた転生は俄然やる気を出したが、ハスターは春花の心を聞いたため転生に嘘をついている事を伝えたが、転生には全く聞こえていないようだった。

 それもその筈……転生は頭の中で

 

 「(⚪⚪⚪!⚪⚪⚪!⚪⚪⚪!満足するまで!⚪⚪⚪!オレが満足するまで!⚪⚪⚪ッ!)」ハァハァ

 

 『うん、お前は本当に欲望に忠実だな』

 

 と、とんでもない事を考えていた。

 その心にハスターは、コイツはそうゆう奴だったと一人でに納得した。

 

 「春花様!コイツにそんな事言っちゃ駄目ですよ!」

 

 「絶対に下劣で邪な、考えをしていますよ!」

 

 「寧ろ先刻の態度で其を警戒すべき」

 

 「邪神様は兎も角、その小童には不必要じゃろう」

 

 マシンガンを仕込んだ傘を乱射しながら復活した未来が春花に警告をしてきた。

 これに続いて他の復活した面々も同じように語って来た。

 

 「えー、酷くない~?」

 

 『いや、当然だろ』

 

 「それも、そっか♥️」テヘペロ

 

 ハスターに突っ込まれた、転生はあっさりと認めながら蛇女の復活したメンバーの芦屋と芭蕉に

 

 「それよか、見事にぶっ飛んだ『灰怒』先輩の救出を車輪刃の痛いおねーさんと筆刀のおねーさんの二人はして下さいな、この場に居た所で役に立たないし」ケラケラ

 

 「なんじゃと!?」

 

 「どういう意味ですか!?」

 

 転生の嗤いながらの発言に憤慨する二人だったが、転生は笑顔を止め真面目なトーンで

 

 「どういう意味も何もお前らさっき二人揃って真っ先にやられたじゃん?そんな奴等が居た所でただの邪魔にしかならないでしょ、その点何故か(・・・)遠距離重視のおねーさん二人の方がマシだって事デスヨ☆」

 

 「「……っ…」」ギリィ

 

 転生の発言に対して二人は何も言い返せず悔しげに歯を食い縛る。何故なら転生の発言の『真っ先にやられた』は事実だからであった。

 

 『おい、流石に言いすぎじゃねぇか?』

 

 転生の厳しい物言いに、酷いと思ったのかハスターは苦言を呈するがそれに待ったと手を上げながら、芭蕉が

 

 「いえ、ハスターさん大丈夫です。彼の物言いは確かです…この焼け焦げた後に続けば彼がいるんですね?では救出に向かいますね」

 

 「のじゃ」

 

 そう言うと、芭蕉と芦屋は灰怒が吹き飛ばされた場所へと向かって行った。

 目の端にうっすらと涙を浮かべながら……

 

 「………(少しお仕置きが必要かしら?)」

 

 走り去っていく芭蕉と芦屋を見届けた春花は薄ら笑いを浮かべている転生を不快感のある目で見ながら厳しい躾をする事を考えていた。

 ドSだが、割りと仲間(後輩)思いの人物のようだ。

 

 ────side灰怒──

 

 「がっはっ!!……喰らうと分かっていても!描写と現実は違うか……はぁ、痛っ!」ネチョ

 

 傀儡の放った砲撃をまともに喰らっていた。灰怒は近場の木に背をかけながら自身の怪我の様子を見ながら考え事をしていた。

 

 『喰らう直前に黒壁(こくへき)とルリムの氷塊盾(ひょうかいじゅん)を貼ったのにこのダメージ…悠長な考えは捨てて…単騎決戦しないと不味いか…んぐぅおっ…ルリム、頼みがある』ベチョ、パラン

 

 『………何を考えているかわ分かっているわよ…でもその傷で《アレ》を使ったら私でも抑えれるか…どうか、怪しいけど?しかも無理に突き刺さった破片引き抜いて傷口広げてるし……』

 

 灰怒の考えが何なのか察知していた。ルリム・シャイコースは一応の了承と警告をした……灰怒の傷口を広げる行為に呆れながらだが。

 

 「フゥ、よし」ズズ

 

 灰怒が一息つくと灰怒の左側から黒い紋様がどんどん広がって行き

 

   ズアッ……

 

 禍々しいチャクラを纏い巨大傀儡とそれと戦っているチャクラ達の元えと駆けていった。

 

 「「…………」」ポカーン

 

 一方で救出に向かっていた二人は灰怒の変化を見ていたようで呆気に取られていた。

 

 ───vs巨大傀儡組み──

 

 芭蕉達二人組みとは別の 巨大傀儡と相対しているメンバー達は後もう少しで傀儡を撃破出来る状態まで追い込んでいた。

 

 「よし!後残りの腕は3本!行ける!んじゃ、オレが留め刺すんでおねーさん達は援護お願いね☆」

 

 「……」

 

 「はいはい」

 

 転生は言うなり愛剣にチャクラを溜め始めた。その様子を見た千歳は無言で援護射撃で巨大傀儡の注意を転生から自分に写し変え、春花は薬品の混ざった煙幕で千歳と同様に転生の援護と千歳に攻撃が移らない用に傀儡の視界を奪っていたが……

 

 「ハァ!?何でアンタの言うことなんか聴かなきゃなんないのよ!!後一歩ならアタシが留めをさすわよ!!!『秘伝忍法!ヴォルフスシャンツェ』」

 

 年下の指図は受けないとばかりに未来は煙幕と弾幕が立ち込める中に腰回りに取り付けた8門のガトリングを連射しながら突撃して行った。

 

 「バカが!」

 

 「に"ゃ!?」

 

 未来の暴挙に転生は毒付きながら未来を蹴り飛ばす。飛ばされた未来は珍妙な悲鳴と共に射線状とは反対側へと吹き飛んだ。

 

 「フフッ」

 

 ドシュ!

 

 傀儡はその隙を見逃さずに転生目掛け矢を飛ばしてきた。

 

 転生は傀儡とは反対側に飛んで行った、未来を見た後小さく嗤いながら左胸を抑えながら膝を着いた。

 

 「……治療しなくていいの?」

 

 傀儡に弾幕を浴びせて続けている千歳は膝を突いた転生を横目で見ながら声を掛けるが、肝心の転生は左胸に突き刺さった矢を強引に引き抜き矢を放り投げ千歳を睨み付けながら

 

 「お前が本気(・・)出せばこんな苦労はしねぇんだがな?なんで本気を出さないんだ?」

 

 「…………」

 

 転生の発言に少し片目を伏せながら沈黙する千歳に転生は「まぁいいや」と言った後

 

 「とりあえず現状維持しててよ、オレはちょっと本気(・・)出すから」ヂヂ

 

 そう言い転生は印を組み始めたため千歳は春花にその事を伝えると了承した…と言うよりは転生の《本気》が気になったらしく煙幕を更に濃くし始めた。

 

「よし、印は完了した……今から成る姿と言う言葉はあんま好きじゃないけど……いあ! いあ! はすたあ! はすたあ くふあやくぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ

あい! あい! はすたあ!」

 

 「「!?」」

 

 「そんな顔でこっちみないで!////それとこっちにも煙幕をお願い!」

 

 突然発狂したかの様に変な言葉を発する転生にギョッとする二人に対して転生は此方を見ない様にと声を上げ煙幕を自分側へと要請して来た為、春花は転生目掛け煙幕を投げる。たちまち煙が立ち込み初め比較的小柄な転生の姿を多い隠した。

 

   シュンッ!!シュンッ!!  

 

 そんな二人に傀儡は隙の出来た二人目掛け口から約20cm程の針を千歳と春花に目掛け飛ばして来た。

 

 「う"っ!?」ドス

 

 「痛っ!」チクッ

 

 我に戻り回避する二人だったが咄嗟の出来事だった為か、動きに無駄がありつつも軽装な春花は左腕の掠り傷程度だったが、巨大な銃を持つ千歳は直で突き刺さってしまった。

 普段なら直ぐに抜けば良いものの突き刺さった針には強力な麻痺薬が使われているらしく、千歳は倒れ込んだまま動けなくなっていた。

 

 「千歳ちゃん!くっ!」

 

 千歳に駆け寄ろうとした春花だったが、かすり傷にも関わらず千歳と同様にだんだんと身体の自由が聴かなくなり倒れ込んでしまった。

 

 ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ!!

 

 その隙は見逃さないと、ばかりに口を開き芝刈機のような刃を見せながら四足歩行に成り倒れ込んだ春花───ではなく千歳目掛け駆け出した。

 

 「(………はぁ、ここで死ぬのか……まぁ『忍』なんて、そんなものよねー)」

 

 千歳は自分目掛け迫り来る傀儡に目を向けながら、死ぬのは『忍』だから当たり前と考えソレを受け入れようとしていたが

 

 「こっちを見ろ、木偶人形」

 

 「?」

 

 ギ…ギギ

 

 声が聞こえた方へと振り向く傀儡と目を向ける千歳その視線の先には

 

 ウジュ、ウジュ、ピキピキ、ビチビチ

 

 「標的を替えたのがお前の敗因だ!」ゴゴゴ

 

 右腕から巨大な異形な生物を生やした転生がおりそのその生物の口にとてつもなく膨大なチャクラの球体を造り出していた。その姿を見た傀儡は標的を転生に替え、始末しようと向かって来た。

 

 「もう遅ぇよ─旧・支配者の(オールド・ルーラー)─」

 

     「──咆哮(ロア)

 

     カッ───────── 

 

 刹那、蛇女私有地の森に一筋の光が発生し傀儡は消滅し巨大なチャクラ光球は

 

 

バキバキゴアッ!

 

 周りの木を薙ぎ倒しながら

 

 「「「あ」」」 

 

 訓練所へと一直線に向かって行った。

 




灰怒より転生よりの話に……次回は活躍する予定です。


 次回『精進する陰陽《後編》』


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精進する陰陽《後編》

タイトル詐欺2回目



不味いな


 オレ(・・)──一方の訓練所にて……  

 

バチ、バチ、ヂヂヂ  

 

「この位が今の所オレの最大値と維持出来る属性《雷遁チャクラ》の量ですよ」

 

 白銅の指導の元チャクラ量を増やす修行を行っていた白堊はチャクラコントロールとチャクラ量の上限値の調整をほぼ完璧に習得しつつあった。  

 

「初めてにしては、中々の量じゃないか?」  

 

「………おい、コレ解け……」   

 

「方向的に見えねぇよ!私は!つうか、降りろ!」   

 

「オレもうかうかしてられんな」

 輪廻はミノムシのようになっている光牙と亀甲縛り状態の焔の上に乗りながら白堊のチャクラ量に蘇芳と共々関心していた。   

 

「ククク、無様だな焔!……ホワァ!?

 

 そんな焔の様子に嘲笑う総司だったが、いきなり蘇芳に投げ飛ばされた。  

 

「ククク、無様だな総司!……グヘェ!?

 

 投げ飛ばされた総司を見ながら同じ台詞で煽り返す焔だったが、彼女も同じように輪廻により蹴り飛ばされた。

 

 「貴様…」「お前」  

 

「「何のつもりだ!!」」

 

 吹き飛ばされた二人は輪廻と蘇芳に対して抗議するが当の二人は訓練所に隣接している森林へと目を向けていた。

 

 

 (何か来る) 「ん?」

 

 上記の二人以外にも光牙や白銅と言った実力者達も輪廻や蘇芳が向いている場所に目を移した為、焔や総司も視線の方へ目を向けると

 

   ゴアッ!

 

 巨大な赤黒い光球がこちらに迫って来ていた。その光球を前に蘇芳は忍転身を行い拳を構え両腕にマグマを纏わせ

 

   ガシッ!!

 

 「ヌゥッ!!!!」

 

 これ以上訓練所に向かわないように消えるまで押さえ込もうと受け止めていた。

 

 「えっえぇぇ!!??」

 

 「ちょ!ヤバいだろ!?」

 

 「だ、大丈夫ですの!?」

 

 「お、おいアイツ死んじまうぞ!?」

 

 「良いのか?」

 

 「ヤバくなったら私が何とかするし、私の目が届く範囲なら誰も死なせない」

 

 この蘇芳の無謀な行動にざわめく蛇女の女子生徒に対して光牙と輪廻は落ち着いていた。そんな光景を見た白銅は何かを思いついた。と言わんばかりに白堊を呼び

 

 「丁度良い所に、白堊、あの蘇芳が押さえ込んでいる球体に…雷遁をぶち込んでみろ」

 

 「え?何でオレが?」

 

 「アノくらいの技を打ち消す位の威力の遁術じゃないと『完全習得』とは言えないしな。安心しろ、万が一失敗しても、蛇女子学園が消し飛ぶだけだ」

 

 「……へぇ」

 

 習得したばかりにも関わらずかなりの難題を白堊に吹っ掛けて来た上に失敗した際の被害の大きさを言いプレッシャーを掛けて来た。

 普通の忍学生なら『成功させなくては』と『失敗したら』の+と-のプレッシャーにより技が乱れるのが普通であるが彼は白堊は違った。

 

 「先輩は、本当にオレのヤル気出させるのが本ッッッッ当にッッ!!!美味いすっねェェ!!!」バチバチ、ダッ

 

 獰猛な笑みを浮かべながら全身に纏っていた雷遁チャクラを手刀に一点集中させ一直線に光球目掛け駆け出した。

 一方の押さえ込んでいる蘇芳は団体戦の怪我と先程の無理な鍛練が影響し傷が広がり初めていた。

 

 「グッ!……クゥ!!」 ブッシュ!タラー

 

 幾ら自身の肉体が強固だろうと、流石に傷を負った状態では無理が有るのか徐々に押され始めていた。

 

 「それまでだ、蘇芳」

 

 蘇芳の傷具合から引くべき。そう判断した輪廻は彼に糸を飛ばし付けこちら側に引き寄せ、開いた傷口を気休め程度だが縫合し応急措置を行い、球体に目を向け片手で糸を広げ、迫る球体以上の巨大な腕を作り出した。

 

 「な!?デカっ!」

 

 「…成程、その技であの球体の対処をするのか」

 

 「流石……輪廻先輩……です。痛たた」

 

 様々な感想を口にする面々の声を聞きながら輪廻は球体へ技を繰り出した。

 

「 巨人糸の手(エルヒガンテ・イロ・マノ)!」

 

 凄まじい勢いで巨大な手が向かってくる球体へと打ち出そうとした輪廻だったが、それよりも速く先に駆け出した蒼色が球体に攻撃を技を繰り出した。

 

「ぶち抜け!雷遁(らいとん)雷槍(らいそう)!!」ドスッッバチッ!

 

 その正体は言わずもがな、白堊であった。

 

 「……拮抗している?」

 

 球体にぶつかった白堊の蒼色の雷遁手刀は見事に拮抗していたが、習得したばかりの雷遁チャクラでは巨大な球体チャクラには敵わないのか、拮抗していた状態から徐々に押され始めた。

 

「う~ん、まだ早かったか?仕方ない……ん?」ガチャン

 

 この状態に持ちかけた白銅は焚き付けた事をすまない。と思いながら自身の愛用のライフルのボルト・ハンドルを90度起こし後方へ引き弾薬を薬室へと移動しボルト・ハンドルで薬室に栓をし球体を何時でも撃てる状態になった状態で白堊の変化に気付いた。

 

 「ぐぅお!…このっ!!」ヂリッ、バチバチッ!

 

 押されていた白堊だったが、突如片眼が朱くなり、黒髪が茶色に変化したと同時に蒼色の雷遁チャクラが雪白色に輝き光球を

 

 「オラァッ!!!」バキン!!

 

 打ち砕いた。

 

 「打ち砕いただと!?」

 

 「!!」

 

 「「「………」」」

 

 

 この光景に回りのある者は度肝を抜かれ、有る者は絶句していたが、《輪廻》《白銅》《光牙》の三忍は白堊の変化と雷遁チャクラについて語った。

 

 「あの雷遁チャクラは《神雷(かみいかづち)》?」

 

 「!、チャクラを習得したばかりの奴がそんな高次元な属性を使用したと言うのか!?」

 

 輪廻は白堊の雷遁チャクラを自信の知る中でも最高位のチャクラである《神雷(かみいかづち)》と言う、忍の歴史でも数千年に一人以降は全く確認されていない高次元の属性だと認識した。

 これには光牙も驚きの声を上げた、自分の扱う《光遁》も希少且つ珍しい属性だがそれ以上に希少な属性を初チャクラ習得者が使用したからであったが。

 そんな二人に対して白銅は冷静にチャクラ分析をし結論を出した。

 

 「いや、アレはそんなに大それた物じゃないぞ?ありゃ単純に《陽》チャクラを限界迄練り込んだ雷遁だ。まぁ十分スゴイんだがな………」

 

 「……そうか、そう…そうだよな?それよか様子を見なきゃな、そんな大技を使ったんだ。無事でした!って事はないだろうしな」

 

 そう言いながら、白堊の元に向かう輪廻を尻目に光牙は白銅に対して

 

 「………嘘は忍の本分だが、良いのか?明らかソレ(神雷)にだろう?」

 

 白銅は嘘をついている。つまりは白堊の属性は《神雷》だと確信した上で敢えて筆頭である輪廻の面子の為に誤魔化していると…光牙は白銅に遠回しに問うが、白銅は

 

 「何の事だ?」フッ

 

 薄く嗤いながら返した、白銅の返しに光牙は『…フン』と鼻を鳴らしその場を離れ自身の修行に入って行った。

 

 (リンだって、私が嘘をついている事ぐらい解っているわよ…)

 

 そう心の中で愚痴を溢しながら、白堊の元へと向かった輪廻を見ながら

 

 一方の白堊はと言うと……

 

 「ウグゥうォォ……!」プルプル

 

 雷槍を放った右腕を腹に抱えながら踞っていた。そたの体制のまま数秒経過と同時に踞っている状態から胡座にし姿勢を楽にし痛む右腕に視線を写す

 

 「………参ったなぁ…」プラン

 

 そう言いながら腕を見ると、腕自体はそう大した傷では無かったが問題は手首から下だった。その状態は爪は全て剥げ指はひしゃげ中には断裂し骨が見えている部位もあった為である。いくら蘇芳と同様に痛みに強いとはいえ蘇芳は籠手が有るが自分は完全に生身の拳故にこの状態は非常に不味い、どうした物かと考えていると

 

 「スゲェな!白堊!あんなヤバそうな球ぶっ壊すなんてよ!」

 

 「カッコいい!」

 

 「お前、強いんだな!?手合わせしないか?」

 

 「ワシにはよぉわからんな?」

 

 「秘伝忍法を使わず何て凄いですわ!」

 

 「春花様の次に認めます!!」

 

 「……いや、貴様等ソレより」 

 

 ワイワイ・ガヤガヤと上記の実力者の3名を除くメンバー達が白堊に群がり称賛の言葉を投げかけるが、肝心の白堊は

 

 「称賛はありがとう……けど先に治療をしたいんだけど?」

 

悲惨な有り様に成っている右手を見せながら語った。

 

 「「「「「あ」」」」」

 

 「言われないと、気づかなかったのか?」

 

 白堊の手を見た先程まで称賛していたメンバーは全員口を揃えて間の抜けた声を出した。コレにただ一人最初から気付いていた総司はヤレヤレと呆れていた。

 取り敢えず駆けつけた輪廻により治療を終えた白堊は白銅に対して

 

 「一応コレで属性チャクラの件は解決ですよね?」

 

 「取り敢えずな」

 

 「ヨシッ!痛っ!!」

 

 「バカ」

 

 不適な笑みと共に聞いて来た為に白銅は一応の合格を与えたコレには白堊も嬉しかったのか小さくガッツポーズを取った。

 両手を握り拳を造りながら行った為か治療したばかりの手に激痛が走ったらしく、悶絶した。

 総司はそんな白堊にツッコミを入れた。

 

 (どうやら、白堊自身は自分の変化に気付いていないようだな…それに関しては後々に明らかにするため、良しとしよう…問題は『転生と灰怒』達だ…あの用な攻撃を繰り出すとは相当な問題が……面倒だが、様子を見に行くか)ザッザッ

 

 白銅は自分なりの考察を立て第二訓練所へと向かう事を輪廻に告げ二人の様子を見に行く事にした。その際に白堊達も付いて行くと語りかけてきたが、適当にまだまだ課題が有る云々と難癖を付けて誤魔化した。

 

 ──第二訓練所森の中───

 

 「……………」ジッー

 

 「………………」ジッー

 

 「……………………」ツーン

 

 大地を深く抉り正面の木々は薙ぎ倒された第二訓練所付近の森の中では重い空気が漂って居た。その原因は痺れで動けなくなっている春花と千歳が視線を向けている中そっぽを向いている転生にあった。

 

 「……この先は貴方のお姉さんが居る場所よ?無事な事とか確認しなくて良いの?」

 

 「その間に解毒して離れるつもりでしょ?そういったプレイも中々注るけど……ご褒美あげるって言った以上は……ねぇ?」

 

 (バレている!?何て子なの!?)

 

 ザッザッ、ザッザッ

 

 春花は倒れ込んでいる状態ながらも転生に質問するが転生は目を向けながら春花の考えを看破して見せた。この回答には流石の春花も動揺の色を隠せなかった。

 春花はゆっくりと近付いて来る転生に対して恐怖と彼が自身に対してヤろうとしている考えに戦慄を覚えると同時に後輩である千歳に危害が来ない事に安堵していた、蛇女ではドSと通ってはいるが根は心優しい先輩なのだ。

 

 「さてさて──」ガシッ

 

 転生は春花の服に手を掛け衣服を破──かず、そのまま転生の背後で倒れている千歳の方面へ投げ飛ばした。

 

 「キャッ!一体何を!………っ!?」

 

 投げ飛ばされた春花は抗議しようと転生へと目を向けるが思わず絶句した、何故なら転生の足や腕に謎の杭?の用な物が突き刺さっていたからであった。

 

 「痛ってぇな…オイ、隠れてんの解ってんだ、出てこいよ」

 

 突き刺さっていた物を引き抜きながら頭上の木々に対しながら「出てこいよ」言うと

 

   ズドン!!

 

      「ギ…ギギ…」 

 

 鈍く重量感ある音と共に所々に皹や焦げ跡が有りつつも原型を留めている先程のチャクラ咆により消滅した筈の巨大傀儡が降りてきた。

 

 「嘘?あの攻撃を避けたの?」

 

 「避けたってより"再生した"が正しいネ」

 

 愕然とする春花に訂正する転生だったが、麻痺効果が切れて立ち上がった二人に

 

 「ま、取り敢えずサクッと片付けますか!あ、お姉さん達も手伝ってネ」シャキン

 

 「……………」

 

 「……………」ガチャン

 

 刀を抜きながら手伝う用に頼む転生に対し無言の対応をしてきた為に転生は多少だが汗を出し

 

 「あのぅー…聞いてますー?」

 

 「「………………」」

 

 問いかけるが尚も無言の対応する二人は、そのまま傀儡へと挑んで行った。

 

 「…コレが無事に終わったら…今までの無礼を謝ろう」

 

 フラグを建てながら傀儡との最終戦に趣く転生は終わり次第に彼女達に対する自分の態度を謝罪する事に決め向かって行った。

 

 「…………」ギギギ、パカッ

 

 傀儡は傀儡で応戦しようと口を開きチャクラ砲を放とうと銃口にエネルギーを溜め始める。

 

 「!」ジャキ

 

 「させないわ!」サッ

 

 その事に気付いた千歳と春花の二人は武器を取りながら攻撃し中断させようとするが、傀儡はそのような攻撃など意にも介さないと言わんばかりに反応せずエネルギーを溜め続ける。

 

 (このままじゃ、…どうすれば!?)

 

 物である筈の傀儡の執念に軽く戦慄しながら、春花は次の手を考える中、置いてけぼりにされた転生が紙切れを地面に起き技名を叫ぶ。すると、

 

 「『山符・打上竹(さんふ・うちあげたけ)』!!」

 

 ドカッ!!バキバキ

 

 転生の発した技名と共に地面から数百の竹が出現し、傀儡を空へと打上た。

 天高く打上られた傀儡は成す術が無いため隙だらけとなった。転生はこの絶好のチャンスに更に刀を構え技を繰り出した。

 

 「『天符・疾風迅雷(てんふ・しっぷうじんらい)』!」

 

 名の通り雷の如く天へと飛んだ転生は傀儡の手足を次々と斬り落としていく凄まじい連撃を繰り出す転生に傀儡は

 

 「…チョ…ウシ…ノル…!!」ギン!

 

 「嘘!?」「喋った?」

 

 「………」

 

 何と自身の眼前へと迫った転生へと喋りかけてチャクラ砲を放って来た。流石にコレには春花や千歳は驚きの声を上げたが肝心の転生は意に介さず砲撃を避け、更に天へと昇り

 

 「調子に乗ったつもりは無いよ?天には昇ったけどね♪じゃあ~バイバイ♥️」(^∇^)

 

 「奥義『天符・六合同風(てんふ・りくごうどうふう)』!!」

 

 急降下と共に繰り出された転生の大技により遂に傀儡は真っ二つに切断された。

 

 「倒した?」

 

 「千歳ちゃん、それフラグよ…それにしても」チラ

 

 千歳の不穏漂う呟きにツッコミを入れた春花は刀の峰で肩をトントンと叩いている転生に視線を移しながら

 

 (いくら破損していた傀儡とはいえ一撃で真っ二つに切断する実力にそれに技を出す際に彼は『術』ではなく『符』と言う言葉を使用していたわね、彼は正式な『忍』ではない…となると、要注意しておくべきね…)

 

 傀儡以上に不穏な影を漂わせる転生への警戒を高める春花。それに同意するように千歳も転生に警戒の視線を送る。そんな中、件の転生は

 

 (あー…不味いなぁ、『忍』を甘く見てたかもしれない……いきなり初戦に『スペルカード』を3枚も使うなんて…予備は向こう(幻想郷)だし…補充したいけど、難しいだろうし…どうしたもんかね…)

 

 腕を組ながら唸る……どうやら『奏多』等との闘いは初戦にも入らなかったらしい

 

 「危ない!後ろ!」

 

 「ん?グッヘァ!??」

 

 いきなりの警告に背後を見ると下半身だけの傀儡が蹴りを放って来た。あまりに急な事だった為に受け身が取れずに吹き飛ばされる転生

 

 「う、嘘だろ?」

 

 余りの衝撃に腹を押さえながら驚愕する転生。それに同意するように春花達も動揺していた。

 

 ボコッ!グチグチ!ミチ、ミチ

 

 両者の動揺を余所に下半身状態の傀儡から気味の悪い音と共に赤黒い球体が現れ、人間の上半身の様な形を形成し膨らみ出し破裂と同時に

 

「タ…リナイ…ニク、ガ…ヨコセ…寄越せェ!…」

 

 筋繊維と所々から骨が露出した醜悪な巨漢の身体が表れ、自身の足りない血肉を補おうと目の前に居る春花達に狙いを定め腕を伸ばし始めた。

 

 「え?」

 

 「っ!!(動けない!?)」

 

 とっさの出来事と傀儡?の術に春花達は身体が硬直しその場から動けなくなってしてしまった。

 

  (マズイ!完全に虚をつかれている!!クソっ!!動け!!動け!!)ガクガク

 

 転生は動けない春花達を助けようとするが、思った以上に蹴りのダメージが大きく春花達同様に動けなかった。

 

 「ククク……どうやら動けないようだなァ…では、遠慮なく!!!」

 

 巨漢傀儡?は自分から術を掛けてのを理解しながら、わざとらしく醜悪な顔からほくそ笑みながら手を伸ばし捕らえようとした瞬間

 

 「させると思うか?」

 

 「あ?」

 

 グチャア、ボトッ!

 

 冷たい声音と共に自身の腕が落ちたため傀儡?と春花達は声のした方へ目を向けると…

 

 「お前の相手はオレ(・・)だろ?」

 

 傀儡により吹き飛ばされ離脱していた灰怒が傀儡?の腕を斬り飛ばしていた。




……はい、次回遂に決着に成ります。

時間かけときながら、よもや、よもや


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奴を倒す準備

皆さん明けましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いいたします。



決着!とかいいながらねぇ……?


 冷たい声音と共に自身の腕が落ちた為、傀儡?と春花達は声のした方へ目を向けると…

 

 「お前の相手はオレ・・だろ?」

 

 

 傀儡により吹き飛ばされ離脱していた灰怒が傀儡?の腕を斬り飛ばしていた。

 

 「は、灰怒さん!?───ボォァ?」

 

 転生は吹き飛ばされた後とは思えない彼の行動に驚きの反応を見せると同時に珍妙な声と共に春花達が居る場所へと強制的に退避させられた。

 

 (速すぎる!全く見えなかった!)

 

 

 灰怒の迅速な速さに驚く春花を他所に灰怒を展開して振り向く事なく

 

 「時間稼ぎをする、そのうちに回復と追撃の準備を」

 

君達が最初から本気を出してれば、こうは成らなかったんだけどね…ボソッ

 

 「「!」」

 

 時間を稼ぐと語りながら周囲に氷の壁を展開し傀儡?と自分の一対一の状態を造り出した。

 その際に小さな声でとある二人(転生と千歳)にしか聴こえない程の小さな愚痴を溢した、当人達は多少ばつを悪そうに目を反らした。

 

 ──森の中──

 

 「……こっちか」ダッ

 

 ライフル片手に白銅は得意のチャクラコントロールの応用を利用した探索で転生のチャクラ反応がある場所へと急行していた。

 その理由は転生のチャクラの場に人とは思えないチャクラを持つ何かが接近しつつある事を感知したためであった。

 

 (何だ?このチャクラは…妖魔?いや…これは)

 

 まるで妖魔*1に近い性質のチャクラを持ち合わせている何かを転生達の場に向かわせるのは危険だと判断し走る速度を上げ目標の影を確認し銃剣で刺殺しようとしたが

 

 「蛇女の制服!?」

 

 「!」ガキン!

 

 「ッチイ!」カチャ

 

 対象の纏っていた服が蛇女子学園だった為に狙いがずれ対象であった少女の黒刀により銃剣を弾き飛ばされてしまった為、距離を取りながら銃を構え牽制した。

 

 「何者ですか?」スッ

 

 黒刀を構えながら同じように牽制する少女、その構えを見るに相当な実力だと判断した白銅は刺激しない用に銃口を降ろしながら

 

 「私は龍導学院の白銅だ」

 

 自身の名と所属する学校を言うと黒刀を構えていた少女は構えを止め少し警戒を薄めながら自身の名と役職を名乗り始めた。

 

 「私は蛇女子学園2年の監督生、蒼鬼です……早速ですが何故いきなり私を攻撃してきたのか訪ねても宜しいでしょうか?」

 

 名と役職を語った後にご尤もな質問をしてきた為に白銅は素直に答える事にした。

 

 「分かった、私の学院の生徒が迷惑をかけていたから、注意しようと向かった際におおよそ人とは思えないチャクラを……如何した?」

 

 「……いいえ、構わずにどうぞ…」

 

 「………」

 

 白銅は会話の途中に蒼鬼の表情に影がかかったため、自分は何かしら彼女の地雷を踏んでしまったと思って少し沈黙したが

 

 「……強力なチャクラな為に警戒を含めて攻撃を仕掛けてしまった訳だ、申し訳ない」

 

 取り敢えず地雷源だと思われる場所を言い替え攻撃した理由を話し終えた。

 対する蒼鬼は「そうですか」と言い何とも言えない空気が漂う中、二人はそれぞれに

 

 「悪いけど、アンタはこの森の(龍導)の学校と蛇女組の居る場所に行ってくれ……」ガチャン

 

 「分かりました、では……此方は頼みますね」サッ

 

 何やら意味深に語り白銅はこの場に残り、此方を頼むと言った蒼鬼は引き続き自身の学校の方面へと向かって行った。

 

 「行ったね、さてと……出てきなよ」カチャ

 

 蒼鬼が立ち去った後に声を出すと、地面から蟹から人が生えた用な化物や棍棒を手にした鬼の様な怪物が数十体現れ白銅を取り囲んだ。

 

 「妖魔が10体ね……さっさと片付けますか」

 

   \キシャアアア!!/

 

      \パン!/

 

 白銅の挑発と銃声により闘いの火蓋が切り落とされた。

 

 ──龍導&蛇女組──

 

 灰怒の造り出したドーム状の氷を前にそれぞれ傷やチャクラの回復を行っていた。

 そんな中で未来は先程聞いた灰怒の豹変ぶりに

 

 「もう、アイツ一人で良いんじゃないの?」

 

 「「……」」コクコク

 

 灰怒一人で片付くのでは無いかとそれに同意するかのように芭蕉と芦屋も頷くが

 

 「どうかしら?彼の状──」

 

 「な訳無いだろ」

 

 「胸だけじゃなくて、頭も足りナインですか?」

 

 春花が疑問を上げるよりも早く転生が未来に対して触れては行けない所と一緒に否定して来た。

 

 「何ですって?」ギヌロォッ

 

 「「………」」プルプル

 

 (転生君、未来にとってその事()は禁句よ……けど)

 

 春花が心の中でも語る様に未来はとてつもない憤怒の表情とチャクラを発しながら転生を睨み付けていた。同い年とは思えない気迫に芭蕉と芦屋は幾ら容姿が幼くとも選抜に選ばれただけは有ると震えながら未来を見ていた。

 が、転生はそんな未来を鼻で嗤いながら否定した理由を語った。

 

 「はん!…考えてみろよさっき吹き飛ばされた奴がいきなり強くなった所で身体には相当な不可がかかっているに決まってるだろ?」

 

 「ムグッ…」

 

 「………」

 

 転生の理由に口を紡ぐ未来に転生は言い返してみろ!と言わんばかりのどや顔を披露するがそれを見ていた春花から

 

「でも、灰怒くんが勝つと思っているでしょ?」

 

 「うん」コクリ

     

「お前も考え一緒じゃねぇか!」

 

 転生も未来達と同様な考えをしていると春花に看破されており、指摘された転生はアッサリと認めた。

 それに未来は女の子を忘れたかのような言葉でツッコミを入れた。

 

 ──灰怒vs傀儡?──

 

 一方の灰怒vs傀儡?の戦況は未来と転生の予想通り、灰怒が圧倒的に優勢だった。

 傀儡も傀儡で刀を持った灰怒に抵抗するために血肉を元に作成した大剣を振るうが地力の差がまるで違う為に全く太刀打ち出来ていなかった。

 

 「どうした?その程度か?」

 

 「ギギギ……」

 

 そんな傀儡に対して挑発する灰怒だったが、その眼には油断は一切無く僅かな動きすら見逃さないと言う確固たる意思を感じさせていた。

 微塵の隙すらない灰怒の姿に傀儡はただ歯軋りをする事しか出来なかったが、よくよく灰怒の様子を見ていると脂汗を流し呼吸も荒くなっていた。

 この姿を見た傀儡は醜悪な笑みを浮かべながら灰怒に

 

 「ククヒヒヒ、どうやら限界が来たみたいだなぁ……だが、安心しろ今すぐ楽にしてやるからよぉ!!!」

 

 その掛け声と共に手にした大剣を振る─わずに正面に向けた。すると剣先が枝分かれし、まるで蛸の触手の様に不規則に灰怒を取り囲む用に伸びて来た。

 

「(物量で畳み掛けるつもりか?)嘗めるな!!」

 

 灰怒を押し潰す様に怒濤に迫り来る肉の触手を灰怒は精密かつ的確に弾き返して行く。数百目にて何故か攻撃が止んだ為に一旦距離を起き様子を伺うと傀儡の居た場所に巨大な肉塊が有り不気味に胎動していた。

 

 「何だ?アレは……嫌な予感がするんだが?」

 

 『奇遇ね私もよ』

 

 肉塊は胎動したまま微動だにしないにも関わらず、嫌な予感がすると感じた灰怒にルリムも同意する。

 すると……

 

 ボシュッ!!

 

 「フッ!」ガキン!

 

 突如謎の物体が肉塊から自分を目掛け飛んで来た為、刀を振り物体を弾き正体を確認するとそれは先ほどまで戦っていた傀儡であった。何故こんな物が肉塊から?と考え肉塊に近づき中身に目を一通り写すと傀儡が飛び出してきた部位はぽっかりと穴が開き中は空で会った。

 

 「……空?……死んだのか?なら、戻るか…」チン

 

 中身は空だった為に苦し紛れの自滅の技だと判断し刀を鞘にしまい肉塊から踵を返し振り替えると

 

 「判断が甘すぎだな?」

 

 「ガッ!?」

 

 ガリュッ!!プシュッ!!プシュッ!!

 

 突如目の前に上半身裸の山伏の姿をした男が現れ、背中から生やした八つの蛸の様な触手から針を生成し灰怒を突き刺してきた。

 咄嗟ではあったが、ギリギリの回避でなんとか4つに抑えた。

 

 「へぇ~、とっくに強化解除されてんのに…逃げるのは上手いんだな?……だ・け・どぉ~」

 

 「!、?(身体がっ!動かない!?目眩も…)」

 

 山伏男は攻撃を回避した灰怒を上から目線で誉めたが、食らった灰怒本人は身体が動かず、更には目眩まで起きた為に地面に伏せてしまった。

 

 「さて、このままお前を本部に連れて行くかね──痛ッ!」ツー

 

 「……チッ、外したか《暗矢(あんし)》」

 

 「……ガキが!舐めやがって!お仕置きだッ!」

 

 不意を突かれた灰怒の攻撃を掠ったとはいえ、弱った者から攻撃を受けるのは屈辱だったのか青筋を立てながら触手を一つにまとめ巨大な槍を造り突き刺そうとしていた。

 

 「……(お仕置きってLvじゃねぇ…)」

 

 『(え?ちょっとヤバない?ねぇ?)』

 

 口も動かなくなった灰怒は心の中でツッコミを入れ、ルリムは灰怒を心配したが

 

 「死ねぇぇぇぇ!!!」

 

「(おいおい)」『(おいおい)』

 

 「『((死ねって…!!))』」

 

 殺意を隠さない山伏男の言動と行動に灰怒とルリムは互いに焦りを見せるが行動出来ない為に目を瞑るが

 

 「風雷の鉄球(ふうらいのてっきゅう)!」

 

   ドクジャア!! 

 

 「ねぇぇ!───ヌゥゥゥ!?」バキ!

 

 「!?」『!?』

 

 突如飛んで来た鉄球に山伏男は吹き飛ばされた。

 

 「大丈夫ですか?」

 

 「え?…あっと、はい何とか…(目眩もしないし身体の麻痺も消えた?)…所で貴女は?」

 

 「私は蒼鬼と言い──」

 

   ボガァン

 

「やってくれたな!!貴様ァ…!」シュウゥゥ

 

 「っと、取り敢えず相手を倒しましょう!」

 

 山伏男は鉄球により砕かれていた顎を再生させ憤怒の形相で此方に向かって来ていた事と蒼鬼の支持に応戦体制を取り山伏男の力を簡単に蒼鬼の脳内に流し作戦のやり取りを行う事にした。

 

 「ちょこまかと!!避けやがって!!」

 

 蒼鬼は山伏男の背から繰り出される触手による攻撃を武器を手にしながら避けていた。

 何故反撃しないのか?と言うと先程灰怒から脳内に流された山伏男の力と作戦の際に彼から陽動し意識を自分から蒼鬼に集中させる用に頼まれたからであった。何でも相手に有効な隠し技を持っている、しかし準備が必要……要は囮に成ってくれと言っているものである

 

「(まずい…そろそろ相手も訝しみます…)」チラ

 

 蒼鬼は攻撃を回避しながら、僅かに焦りが生まれ余所見をしてしまい

 

 

「余所見してんじゃねぇぞ!!クソ餓鬼が!」

 

 「うぐ!?」

 

 触手の先端から蛇の顔を発現させ、その口から蛇行剣をはやし8つ全てを蒼鬼の小柄な身体に突き刺した。

*1
妖魔とは忍の戦いにより発生した怪物




全く持って、成長しない私です。

為に!次回は決着にしたいと思います!あわよくば!その次の日の話の伏線までは行きたいですね

では、また次回に……あ、次回は確かにオリジナル設定出ます。


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塒を巻く紅蓮の蛇龍と明日は自由時間

ようやく決着です


 複数の蛇行剣により串刺しにより糸の切れた人形の様に力を無くす蒼鬼に 

 

「はははは!!」

 

 山伏男は勝ち誇ったかのような高笑いをし、蒼鬼を後ろに投げ捨て、当初の獲物であった灰怒を仕留めようと周囲を見渡し移動しようとした瞬間

 

 バチッイ!!

 

 「ギッ!!ヌゥ!!貴様ッ!?」

 

 背中に突如として電流が走ったため振り向くと、串刺しにされ事切れた筈の蒼鬼が雷遁を放ち妨害をして来た。一瞬驚きと戸惑いがあったが、相手は死に体も同然な姿だった為に留めを刺そうと触手の蛇行剣で突きさそうとするがある違和感に気付く

 

 ピキッ ピシッ ピキッ

 

 (?なんだ…感覚が鈍い?……触手の動きが鈍い?)

 

 グッ!─シーン──グッ!グッ!───シーン

 

 (違う!動かん!?何故だ!?)

 

 触手が、いや身体が全く動かないのだ。

そうこうしている間に蒼鬼はふらつきつつも立ち上がり距離を取り始めた。

 

 スタタタ………

 

 (何で留めを刺さねぇ?お前なら余裕だろうが)

 

 蒼鬼の行動に疑問を持ちつつもなんとかこの動けなかった状況から徐々に動ける様に成って来た為、蒼鬼を狙うか先程から姿が見えない灰怒を狙うか悩んでいると

 

 「闇遁(あんとん):六尺杭(ろくしゃくくい)!」

 

    ビシッ!! ザク! ザク! ザク!

 

 (黒い杭?コレは!奴か!)

 

 急に地面から複数の黒い杭が表れ触手含む身体中に突き刺さり、再び身動きが取れなくなった事で振り出しに戻った。

 

 「動けない中悪いが…このまま留めだ」

 

 その発言と共に現れた灰怒に山伏男は刃向かおうとするが動けない為に憤怒の形相しか出来ない。どうやら突き刺さった杭は体内で枝分かれする仕組みに細工が施されているようであった(ご丁寧に口も固定済み)

 灰怒は数mの距離に立ったまま上空に手を上げ詩を紡ぐように詠唱し始めた。

 

 『天空に鎮座せし幻獣の頂きに君臨する王よその身を今一度(とぐろ)巻きし時代に戻り厄災の化身と変わりその(アギト)と紅蓮の身を持ち貴殿に捧げられし贄を喰らえ!! 』

 

 『攻魔の七十:蛇龍炎螺塒(じゃりゅうえんらとぐろ)

 

 灰怒の詠唱終了と同時に炎を纏った大蛇がドーム内の氷を溶かしながら出現しチロチロと舌を出した後口を開き山伏男めがけ一直線に喰らいか駆って行った。

 

 「くっそがぁぁぁぁ!!!」バキン

 

 山伏男は口を固定していた杭を破壊するほど口を開き絶叫した。そのまま炎の大蛇は山伏男を呑み込んだ。灰怒の攻魔なる技により出現した炎により溶けた氷から発生した濃霧で様子は分からないが絶叫や焼ける音は聴こえなくなっていた。

 

 「ふぅ、一件落着かな?あ、そう言えば蒼鬼さん?だったけ?何処に行ったんだ?」スタタ

 

 

 座り込んでいた灰怒は一緒に戦っていた蒼鬼の姿が見えない為に立ち上がり探し始めた。

 

───白銅side──

 

 「スッゴい、霧……どうやら終わったみたいだな、それじゃあ行くとしようかね…傀儡でも生体の死骸でもいいからサンプルが欲しいし」

 

 『ギ……ギギ…ギ』ピクピク

 

 大量の妖魔と戦闘を行っていた白銅はライフルで肩を叩きながら片手に串刺しに拘束した妖魔を手にしながら、灰怒達の居る場所へ向かっていった。

 

 ──転生、春かっかside──

 

 内部で使用した攻魔により凄まじい濃霧が発生する中

 

 \ドシューーー!!/ \シューー!シューーー!/

 

 「わぷ!熱!」「何も見えない」

 

 「雨明けの 朝の景色と 被ります」

 

 氷壁ドームの外側で倒しそこねても良いように臨戦態勢で待機していた彼女達だったが濃霧の濃さと熱に戸惑っているなか、唯一の男である転生は

 

 「くんくん、スンスン………こっちか!!」

 

 犬か熊の様に周囲の匂いを嗅いだ後、目を光らせ濃霧の中へと駆け込んで行った。

 

 ──蒼鬼side──

 

 山伏から離れていた蒼鬼は氷壁ドームの中にあった茂みにて自身の制服の状態を上を脱いで確認をしていた。

 

 「これは、中々酷いですね……」

 

 制服の状態は山伏男の剣によりかなりボロボロになっており服としての機能を果たしていない状態になっていた。

 

 (悩んでも仕方ありません、誰かが来る前に修復しましょう)ズズ

 

 「あ、ここに居た───え?」

 

 「え?」

 

 互いにTHE・WORLD(フリーズ)。上を脱いだ蒼鬼は身長に似合わぬ程立派な物をお持ちになっていた。

 其を間近で見た灰怒は急いで顔を覆い後ろを向きながら

 

 「すすすす、すいません!!見てません!見てません!!   仏説摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法無眼界──」

 

 「えっと、大丈夫ですよ?」

 

 凄まじい勢いで般若心経を唱え始めた灰怒に苦笑しながらフォローの言葉をかける。取り敢えず服を自身の能力で修復し灰怒が落ち着くまで待つ事にした。

 

 「あの、本当にごめんなさい、すいません、軽率過ぎました………」

 

 「気にしないで下さい、其れより早く合流して帰還しましょう」

 

 「………はい」

 

 トボトボ歩き俯きながら謝罪する灰怒に『気にする事はない』と蒼鬼の聖人の様な雰囲気に余計に気にしてしまう灰怒だったが、コレ以上引き摺る訳にも行くまいと提案に従う事にしようとした直後、邪な気配を感じた為にその方向に視線を移す灰怒と同様に身構える蒼鬼そんな二人の前に現れたのは────

 

 「おぉ!?キレイなお姉さんだ!!」

 

 案の定と言うか当然と言うか、性欲の権化(転生)だった。

 

 「うわ、君かよ」

 

 「?(資料には無い方ですね)」

 

 「では!早速!いただき─パン!─ピィッ!?」ドチャ!

 

 灰怒のドン引きの声と資料には無い為に訝しむ蒼鬼を無視しながら、ルパンダイブをしようと飛び掛かる転生だったが銃声と共に地べたに落下しそのまま気絶した。

 

 「全く見境ないなコイツは…よっと、戻るぞっと…その前にあんなに濃い霧を出したんだ、どんな傀儡だったんだ?」

 

      \ギ…ギギィ…/

 

 地面に倒れ気絶している転生を抱えながら不気味な生物(妖魔)を抱えた白銅は呟き対峙した相手が気になったのか聞いて来た。

 

 「ゑ?あぁ…先輩の後ろに死骸が有りますよ、其れより何なんです?その生き物?」

 

 「ん?コレのこと?\ギィ/気にするな、さてドレドレ」

 

  (いやいや、無理ですよ)

 

 「アレは妖魔と言う生物です、簡単に説明しますね」

 

 白銅は妖魔を持ったまま灰怒の言う場所へと移動しそれを見届けながら、蒼鬼から妖魔の簡単な説明を灰怒は受けた。

 その間にも残りの選抜メンバーや候補達も集まって来た為に戻る事に、その際に灰怒は芭蕉と芦屋を転生が泣かした為に慰めて欲しいと春花から言われた灰怒は最初は何で?と思ったが泣かした奴、転生が慰めると成ると録な事に成らないと判断し了承した。

 

 「なぁ、死骸って時点で気付くべきだったが……蛇でも相手にしてたのか?」

 

 「「!?」」

 

 何やかんや話していると白銅が白骨化した巨大な蛇の頭骨を持って来ながら話しかけてきた為に、驚きと同時に山伏男を焼いた場所へと行くと

 

 「い、居ない?……逃げられたのか?」

 

 ソコには焼け焦げた地面と大穴が残るのみであった。

 

 「……追わなくては!」フラ

 

 「おっと」

 

 放って置くと被害が他者に及ぶかもしれないと進もうとするが足に力が入らずよろめいてしまう何とか白銅が支えになった為に倒れずにすんだ…

 

 「まぁ、落ち着け……取り敢えず戻ろう」

 

 ───全員集合───

 

 全員集まり明日の予定は修行するもよし休息するもよしの自由時間となった。

 各自予定を立てたり去ったりしている中

 

 「ハハハハ!見事にやられたな!灰怒くぅ~ん!そんなに苦労した?ヤバかった?ハハハハ!グホ!ゲホ!」

 

 「えぇ…危うく死ぬ所でしたよ…(殴りたい)」

 

 戻る早々夜天に咳き込み位に笑い飛ばされた灰怒は腸が煮え滾る位に頭に来ていたが何とか押さえつつ、いや、やはりちょっと怒り気味に山伏男の事について問い質して見ると

 

 「は?オレは傀儡しか仕掛けてないけど?」

 

 呆れ顔に、そう返された為にコレ以上は無駄だと判断し去ろうとしたが呼び止められ山伏男の特徴を聴いて来た為、説明できる範囲で語ると神妙な顔付きをしながら

 

 「8つの蛇の頭に肉体を形成する能力……まさか、アイツら……」

 

 「あの?夜天さん?先生?何か知っているんですか?」

 

なにやら、正体を知っている雰囲気を醸し出しながら呟いていた為にその事を問い詰めようとしたが適当にはぐらかせられ『今日はとっと帰れー』と言われた為に場を後にした。

夜天は件の穴の前に来ながら、土遁と封印術で作業をしている中に

 

 「取り敢えず、穴を塞いで嗅ぎ付けられないようprrrr電話?」

 

 電話が鳴って来た為に手に取り耳に当てると

 

 『もしもし、妾──』

 

  ブッチィ!!

 

 電話主の声を聴くなり通話を拒否したが、メールにて

 

 『明日は妾の可愛い可愛い弟分に修行を付けてもらいたいのだけど、可能か?無理でもさせるつもりだけどね?WWW!』PS.拉麺は味噌が良くね?

 

 「勝手に待ち合わせ場所まで指定しやがる…」

 

 電話とメールの主は『七つの凶彗星』の頭領である神威からであった。

 内容は自身の弟分に修行を付けろとの事で、待ち合わせ場所も指定されていた為に拒否したらしたで迷惑電話やメールをしてくると判断したのと、若干の興味で取り敢えずOKを出す事にした。

 

 「明日の月閃行きは無しになるが……(神威の弟分と旋風の)修行場所は、彼処にするか…」

 

 そう独り言を言いながら戻って行った。

 

 因みに、それぞれの明日の自由時間は

 

白堊➡️蒼鬼に修行を付けて貰う

 

輪廻➡️旧友である富豪とのお茶会

 

白銅➡️回収と入手した傀儡のパーツと設計図による実験

 

蘇芳➡️傷の早期治療の為に幻想郷に

 

滅赤➡️白堊とは異なり蒼鬼には座学を見て貰う事に

 

灰怒➡️芭蕉と芦屋の二人慰める為にケーキ屋に

 

転生➡️蘇芳の案内と自分のスペカ回収の為に幻想郷へ

 

となっていた。約2名は明日だけでは足りない気がするが……

 

 ──地下道────

 

 「グギギギ……あのクソガキ共がぁ…次は必ず…」ブクブク

 

 生きていた山伏男は自ら切り離した部位を再生させ、唸り声を上げながら灰怒と蒼鬼の事を頭に浮かべながら移動していると

 

 「次?むざむざと良いようにやられて来た奴に次が有ると思っているのか?」

 

 「オ、オレは負けてねぇ!!ふざけた事を抜かしてんじゃねぇぞ!!」

 

 フードを被り素顔が見えない人物からバカにされた様に言われた山伏男はその人物に怒鳴り散らすが、当の人物はどこ吹く風と言った表情をしながら

 

 「……尻尾巻いて逃げているだろうが」ボォ

 

 フードを捲り何処か不健康且つ精気の無い目を山伏男に向けながら掌に紫色の炎を発現ながら山伏男にゆっくりと近づいて行った所で

 

 「まぁまぁ、落日(らくじつ)。ヒドラの処分を下すのは僕達のボスだよ?だからそこまでにしておいてよ、勝手にそんな事したらメッ!だよ?」

 

 「……チッ、(うた)と言いボスと言い敗者は消すべきだろうが」

 

 歪な空間から、小柄な『謌』と言う少女が現れ静止させられた。落日と呼ばれた男は掌の炎を消しフードを被り少女の造り出した空間へと大人しく入って行った。

 

 「ささ!ヒドラちゃんも!戻ろ!大丈夫だよ!僕が何とかして見せるから!」ニコニコ

 

 人懐こい笑みを浮かべた少女、謌に従い山伏男ことヒドラも謌と一緒に空間に入って行った。




新しい技『攻魔』ですが元ネタはBLEACHの鬼道がモデルです……しかし元ネタのようなオサレさは私には無理ですが……

次回はback(善忍)か続きのどちらかをやる予定です。(優柔不断)


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それぞれの活動side白堊

今回中々グロ?です。


 聳え立つ木々に囲まれた天守閣である文化遺産その姿は隠れ蓑であり、本性は影に潜み生死を掛ける『忍』の中の悪行を積み生きる『悪忍』を育成する学校『秘立蛇女子学園』そんな『悪』と言う名に相応しい物が庭園に山積みに成っていた。

 

「はぁ…(つまらねぇ…)」

 

 山積みの頂きに座る少年は空を仰ぎながら溜め息を吐き『つまらない』とぼやく、山積みの正体は

 

 大量の傀儡と忍と成っていた。

 

 そのような物を造り上げた為か呟いた少年の姿は手からは血が滴り落ち服には返り血と思われる跡がこべりついていた。

 

 ──それ即ち、傀儡は破壊され山積みの忍達は死亡していると言うことを現している。現に周囲に破片や臓物、首等が飛散している。

 

 そんな凶悪犯の様な出で立ちをした少年の名は『白堊』龍導学院の2年生にして選抜メンバーの一人である、何故彼がこの様な地獄絵図を造り出したかは時を数時間前に遡る。

 

 ───数時間前───

 

 昨夜それぞれの龍導メンバーの活動内容が決まり、自身は蛇女選抜メンバーの"監督生"蒼鬼と言う人物と修行を行うと言う内容だった為に部屋へと訪れた白堊。

 

 「失礼し──

 

「嫌ッ!!」「待って下さい!」

 

 入室するなり拒否の声を上げながら逃げる滅赤ちゃんと静止の声を上げながら追う蒼鬼が白堊の横を走り抜けて行った。

 

   ──ます。何だよあの状況」

 

 二人が何故追いかけっこをしているのか状況の読み込めない白堊が呟くと

 

 「あの逃げた龍導の1年は座席が苦手らしいから、克服の為に蒼鬼が課題を用意したら駄々をこね暴れまくり其を抑えようとしたら逃げ出した為に蒼鬼も追っている訳だ」

 

 「成程なー」ヒョイ

 

 「あ、オイ」

 

 昨夜色々あった為に覚えている蛇女の1年生である総司が簡潔に説明してくれた。

 

 簡潔な説明に適当な返事と共に用意されていた資料を手に取りページを捲る白堊。

 

 「いやいや、1年に2年の課題は酷だろ?何考えてんだよ?そりゃ逃げるってもんだ」

 

 滅赤ちゃんが逃げた理由に独りでに納得している白堊だったが

 

 「返せ!」

 

 総司から強引に奪い取られた。白堊から資料を奪った総司は席に戻り課題を行い始めた。

 

 「いや、お前のかよ」

 

 「誰もあのチビの物とは言っていない」

 

 「そりゃ、そうだけどさ」

 

 「「………………」」

 

 白堊の突っ込みに適切な返答をし課題に集中する総司。互いに沈黙を貫く中で白堊はふとした事に気づいた。

 

 (あれ?こいつ確か1年だったよな?……何で2年の課題をやってんだ?)

 

 総司は1年だった事を思い出した。

 

 そんな総司が何故2年の課題に取り込んでいるかも疑問に思っていた。

 聴けば早いだけだが、集中して取り込んでいる人物を邪魔をするのは良くないのと自分はどうするかと考えていると

 

 「……何で美しき私が2年の課題をやっているか不思議なのだろう?」

 

 「(Σ心を読まれた!?)…あぁ、まぁな」

 

 振り替えずに白堊の考えている事を当てた総司に驚きながら頷く。

 

 「次期選抜候補の中でも強く、気高く、美しい!私は!常に上に居なくては成らん!故に!わざわざ蒼鬼の元へと赴き教材を受け取ったのだ!」グッ

 

 (何で、普通に教わりに来たって言えねぇんだ?)

 

 力強く拳を握りながら熱弁する総司に内心呆れる白堊だったが、昨日の今日で大体彼女の性格を把握していた為に平常運転だったと納得した。

 

 それはそうとして、白堊は総司の取り組んでいた課題を見て

 

 「結構間違っているぞ、こことか」

 

 「何!?どこだ!教えろ!」

 

 間違っている場所に指を指すと総司は身を乗り出しながら指摘した場所に視線を移す。

 

 (グオっ!当たってる!何か良い匂いもする!!)

 

 総司が身を乗り出した為に胸が当たり、年頃の少女らしい甘い香り(恐らく香水とかトリートメント)により一瞬心を乱されるが、相手は真剣に質問している中で答える側の自分が邪な考えを持ってはいけないと、理性を保ち教え始めた。

 

 ────数分後──

 

 「フム、成程な。ここの公式は無駄に捻らずとも答えは出ていたのか……」

 

 「難しく考えるから、解けないって事は割りと良くあるからな」

 

 「次はだな」

 

 「教わっている中なんだが、お前は課題とか修行の類いは無いのか?」

 

 一通り課題の訂正が終わった総司が白堊の状況を聞くと白堊は『はっ!』と表情を浮かべた後、素に戻り

 

 「いや、無いわけじゃあないんだ。只な担当の人が、人っていうか……兎に角だな滅赤ちゃんを追いかけているからしようにもやることが無ぇんだよ」

 

 (明らかに『そうだった』って表情したな)

 

 白堊の言い分に内心呆れながら、総司は溜め息を吐きながら一枚の用紙を差し出す。

 

 「ほら、この用紙の通りにすれば良いだろう」

 

 「ん?何だそれ?」

 

 総司に渡された用紙に白堊は目を通すと

 

 『白堊さんへ』

 

《突然の事で申し訳ございません、滅赤さんの課題が終わるまでに白堊さんの修行へと移行出来そうに有りません。代わりに野外訓練所に有る春花さんの製作した『傀儡』で修行を行っていて下さい。本当に申し訳ございません。──下克上にはご注意下さい》

 

 「マジかよ」

 

 滅赤ちゃんの課題が終わるまでは修行の相手を務める事が出来ない為に代理で傀儡と模擬戦をやるように。とかかれていた為に白堊は溜め息を吐くが、仕方ないと思いながら最後に太字で書かれた『下克上』に注目する。

 

 「下克上って何だ?」

 

 「はぁ?お前そんな事も分からんのか?『下の者が上の者に打ち勝って権力を手中にすること』の事だ 」

 

 白堊の呟きに総司は呆れながらも簡潔に答える。

 

 「そんくらい分かるわ!!」

 

 白堊は総司の下克上の説明に知っていると返し続け様に

 

 「誰がオレに手を出すかが疑問なだけだ!!」

 

 下克上を下す相手は誰かを疑問に思っていたと返す。

 

 「いや、普通に蛇女の生徒に決まっているだろう?バカか?」

 

 「うぐ」

 

 至極全うな総司の返しに何も言い返せない白堊。

 

 「「………………」」

 

 再び二人の間に沈黙が流れる。その状況に耐えられなく成った白堊は

 

 (はぁ、しょうがねぇ大人しく書き置き通りに修行しますかね)ガリガリ

 

 用紙の書き置き通りの内容を行う為に部屋を出ると

 

「下克上受けたからと言って私に泣きつくなよ?」

 

 エレベーター外の部屋から総司に揶揄われた為

 

   「誰がするか!!」 

 

 すかさずツッコミを入れた。

 

 ─────カリカリカリ

 

 「んっ~……ふぅ」

 

 白堊が退室した後に次々と課題を終えていた総司は背伸びした後に息を継ぎ

 

 (……男を落とす媚薬らしが、アイツには全く効果が無かったぞ?)

 

 総司は昨夜のアクシデントで自分から逃走と言う恥辱を味合わせられた為に報復として今度は白堊にその経験を味会わせようと、男を誘惑する『媚薬』を利用し襲わせ

 

白堊が襲う➡️その現場を第三者が目撃➡️白堊の恥辱

 

 と言う邪な事を考えていた。

 

 ……どう考えても総司も恥辱を味わうのは明白でしょう。

 

 ───野外訓練所──

 一方の白堊は書き置き通りに野外訓練所へと赴くと其処にはぱっと見100体以上の傀儡か綺麗に整列していた。

 

 「……いや、多くね?」

 

 そんな圧巻な光景を前に呟くと

 

 ──ギ、ギギギ───ガチャガチャ──

 

 傀儡達が一斉に戦闘体制に入り始めた。それと同時に

 

 「龍導の白堊だな?」

 

 「そうだが?」

 

 「お命頂戴!!」チャキ

 

 クナイを構えた背に大型手裏剣を背負った赤毛のボブカットの蛇女の生徒が現れ、彼女の下克上と共にゾロゾロと傀儡に負けぬ量の生徒が現れた。

 

 (う~ん、コレが下克上ねぇ…にしても)

 

 噂に聞く下克上を受けた状況の中で白堊は現れた生徒をまじまじと見ながら

 

 (この赤いのは自分からだから良いとして、残りの奴等に至ってはハイエナだな……はぁ『つまらねぇ』奴等)

 

 赤毛の少女は自分から挑んで来たが、後から来た生徒達は恐らく便乗しておこぼれに預かろうとしているのだろう。

 

 そんな彼女等をつまらないハイエナ集団と称し

 

 「はぁ」ヒュッ

 

 溜め息を吐くと同時に一瞬の間に集団の後方の生徒から刀を奪い

 

 「ま、良いけど」

 

    ザバッ!──ストン─

 

その生徒の首を斬り落とした。

 

 「「「「「!!???」」」」」

 

 迷いと容赦の無い白堊の行動に戸惑いを見せる蛇女の学生達に悪鬼羅刹で獰猛な笑みを浮かべた白堊は刀を折りながら一言

 

 「来いよ」

 

ワアァァァァ!! 

 

─ズビュウン!─ガシャガシャ!! 

 

 その一言を火蓋に蛇女子学生と傀儡が一斉に白堊へと襲いかかる。

 

 「死ねぇ!!」

 

 「ハァッ!!」

 

 刀を振り上げながら攻めてくる蛇女子学生二人に白堊は背後から襲いかかって来る傀儡の攻撃を躱しその腕を掴み、引っ張り勢い良く二人にぶつける。

 

 「「キャッ!」」

 

 傀儡をぶつけられた二人は倒れ込む。白堊はその隙を見逃さずに二人が起き上がる前に傀儡を踏み潰し、蛇女子学生の頭を殴り潰し殺害する。

 

 次に来る傀儡も殴り壊し、蛇女子学生も蹴りで胴体を真っ二つにしたり、顔の皮を剥ぎショック死させたり、手刀で心臓を抉り抜いたり、下顎から上を蹴りで破砕したり…etc

 

 兎に角凄惨且つ極まりない半ば一方的な殺戮を繰り広げる。その為か数100体居た傀儡は全て破壊され蛇女子学生に至っては両手両足で数えれる人数しか残っていない

 

 「な、なん何だコイツ!?」

 

 「昨日の焔さんとの戦いとは別人じゃないか!?」

 

 白堊の余りにも残虐な戦いぶりに怯む蛇女子学生

 

 「こうなったら…最終兵器を使うしか」

 

 「そ、それは!駄目だ!」「いや、でも」

 

 そんな中一人の蛇女子学生がそう呟くと周りの生徒達は顔面蒼白しながら止めようとするが

 

 「もう遅いんだよ!!来い!」

 

 「うわッ!?」「キャ!」

 

 その号令と共に怯む女子学生達を突き飛ばしながら巨人の様な屈強な体格をした蛇女子学生がズンズンと前に出る。

 

 「うわ、すげぇの来たな」

 

 その人間離れした体格と容姿に白堊も引き攣った笑みを浮かべる

 

 「グロロロロォ!!」

 

 屈強な巨人蛇女子学生は野獣の様な雄叫びを上げながら白堊目掛け拳を振り上げる。そんな危機的な状況下で有りながら立ち尽くす白堊に

 

 「ハハハ!ビビって動け無いんだな!!」

 

 彼女を呼んだ蛇女子学生は笑い声を上げるがその笑みは直ぐに崩れさる。

 

 「まぁ、だから何だって話だが」

 

 全く意に返さない白堊により巨人蛇女子学生は手刀により真っ二つにされてしまった。

 

 「……嘘だろ?」 「上忍でも苦戦するのに……」

 

 「おい、呆けている暇は無いだろ?」

 

 呆然としている蛇女子学生達に白堊はそう告げ

 

 「え?ウワッアアアアア!!?

 

    \ゴシャア/

 

 白堊の警告に蛇女子学生の悲鳴と嫌な音が庭園に響いた。

 

 ───と、まぁ余計な話もあったがコレが冒頭で造り上げられていた地獄絵図の理由である。

 

 「……どーすっかなぁ~」

 

 亡骸の山の頂上に腰を掛けながら何をするかを考える。最初は昼寝を考えて居たが寝心地の問題で断念した。

 

 何も思い付かず空を仰いでいると

 

 「くっ…!…はぁ、はぁ」

 

 身体中傷だらけの少女が武器を構えふらつきながら此方を見上げ近づいて来た。

 

 「ん?お前は確か……下克上宣言した奴か」

 

 そう語ると白堊は死体と残骸の山から降り、自分に武器を向ける少女の前に立つ。

 

 「それで?どうすんだ?」

 

 「…………」スチャ

 

 白堊の問いに無言で武器を構える少女。

 

 「はは…」スッ

 

 そんな少女に対して白堊は苦笑しながら構える。

  

 「ヤアアアアアッ!!!」

 

 白堊の構えが終わると同時に少女は武器を振り上げ雄叫びを上げながら駆け出す。

 

 「下忍(オレ)が言うのも何だが、良かったよ」 

 

 そんな少女に白堊は他の蛇女生徒達と違い本気の覚悟を持っていた少女に彼なりの最大の賛辞と全力の一撃を振るうが

 

 「……来たか」

 

 「な、なに……を?」

 

 白堊は短く呟くとピタリと拳を止める。その発言の意図が理解出来ない少女は力なく地面に倒れる。

 

 「ちゃんと、医療班呼べよ?」

 

 「分かっています」

 

「………既に手配した、清掃員もな」

 

 そんな白堊の真面目なトーンに青髪短髪で右目を隠した少女は了承し、もう一人の黒髪に白のメッシュの入った少年は死体と残骸の山に目をやりながら、清掃員を手配したと言うと

 

 「ん~~、で!どっちが?オレの相手?」 

 

 白堊は背伸びすると通常の口調で二人を見据えた。 




次回はついに二作品の主要キャラとの絡みに成ります。

因みに下克上宣言した蛇女の生徒ですが準レギュラー化するかも?です。


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それぞれの活動side白堊②

白堊のsideはこれで終わりです。


 

 「ん~~、で!どっちが?オレの相手?」

 

 背伸びし二人を見据えながら問う白堊は二人の人物である『蒼鬼』と『光牙』の品定めをし始めた。

 

 (……驚いたな)

 

 品定めの結果は心中ではあるが、浮かび上がったのはその一言だった。

 

 (蒼い髪の人が監督生だから、この人の方が強いと思ったけど…この黒髪白メッシュの野郎も同等の力があるな)

 

 その理由は監督生である蒼鬼とその隣の男子生徒である光牙の実力が遜色が無いからであった。

 

 (こりゃ、どっちを相手しても大差無いんじゃあねぇか?)

 

 監督生と男子学生が同等だとすると、どちら戦っても余り意味が無いのでは?と悩む白堊に蒼鬼が一歩前に出ながら

 

 「あの…この状況は白堊さんが?」

 

 清掃員達が掃除している死体や血飛沫、傀儡の残骸の山を見ながら問う。

 

 「ああ、そうだが?」

 

 「!」

 

 それにあっさりと答えた白堊は続け様に

 

 「オレは受けた下克上に真摯に応えただけだぜ?向こうが殺る気なら此方もそれに応えなきゃ失礼ってもんだからな~」

 

『殺る気なら此方も殺る』と答えた白堊に

 

 担架に乗され運ばれる杏と呼ばれる赤髪の蛇女の生徒を蒼鬼が見ているのに気付いた白堊は

 

 「ああ、アイツだけ生きてんのは……気に入ったからかな?」

 

 「そうですか」

 

 「適当なのに結構あっさり受け入れんだな」

 

 白堊の適当な返しに言及する事なく受け流す蒼鬼を意外に思ったらしく白堊は微かに驚いた表情を浮かべた。

 

「杏さんは選抜や候補では無いにしろ『覚悟』が有るので気に入るのは当然と思いますので」

 

 (へぇ…アイツ杏て言うのか…『赤毛の杏』か」)

 

 「その呼び名は杏さんは嫌がるので止めた方が宜しいかと思いますよ?…実際に流血沙汰に成った事があるので」

 

 「何でここの連中はナチュラルに心読むの?」

 

 蒼鬼は白堊が意外だと思った理由を簡潔に述べ後に白堊が心に思っていた事に注意を促す。そんな中で白堊は総司に続いて蒼鬼までもが自分の心を読んでいた事に突っ込みを入れる。

 

 「……まぁ、いいや。で?どっち?『から』でも良いし何なら『同時』でも構わねぇけどオレは」

 

 気を取り直した白堊は戦う(修行)相手はどちらかと問うが

 

 「あ……『どっち』でも『同時』でも無いか、お前(蒼鬼)が修行を手伝うんだったけ?」

 

 事前に蒼鬼が修行の手伝いをする事を思い出した為に可能に視線を移しながら言うと

 

 「そうです─「俺が相手だ」─光牙さん!?」 

 

 「よっしゃ!さっさと始めようぜ!」 

 

 「白堊さん!?」

 

 蒼鬼も肯定しようとした瞬間に光牙が自分が相手をすると割り込んで来た。意外な人物の参加に驚いていると、白堊が早く始める様に急かし始め、互いに臨戦態勢を作っていた為に

 

 「制限時間は50分です」

 

 「では『紅蓮の如く枚散れ!』」

 

 蒼鬼は直ぐにスイッチを切り分け、手にタイマーを持ちながら開戦の口上を上げた。

 

 「行くぜ!」

 

 「粒子変化(フォトランス)

 

 開戦と共に白堊は迷い無く光牙の元へ拳を硬めながら駆け出しって行った。そんな白堊を前に光牙は冷静に『粒子変化』と唱える。

 

 (アレが《光遁》か、確かに珍しく見える。確か…)

 

 駆け出した白堊は光の粒子が光牙の手に収束する光景を見て周囲が言うように《光遁》は確かに珍しいと思いながら、事前に渡されていた資料を思い返す。

 

 (コイツの武器は弓だったな。《光遁》で造った弓での遠距離と言う訳か。ならば距離を取るより積めるが吉!!)

 

 資料の情報により光牙の武器は弓であり遠距離攻撃だと判明していた為に弓のアキレス腱たる近距離攻撃を仕掛ける。

 

 「白零護身──ん?」

 

 自身の拳の射程距離内に入った光牙へ拳を叩き込もうとする白堊だったが違和感を感じた。

 

 (あれ?コレ打って良いのか(・・・・・・・)?)

 

 何故か頭に打ってはいけないと言う警告が流れて来ていたからだ。その内容に困惑するが、当に拳は引かれており打つ状態を完了していた。

 

 (ちっ!しゃあねぇ!)ボッ!

 

 「グッ!!」

 

 内心で毒付きながら拳を放つ白堊の鋭い一撃は吸い込まれる様に光牙の頬に突き刺さり光牙を数m飛ばした。

 

 「あ?」

 

 余りにも拍子抜けた光景に白堊は動揺するが、吹き飛ばされた光牙が口角を吊り上げたのを見ると

 

 (ッ!!…ヤベェ!!)

 

 白堊は急いで再度距離を詰めるが

 

 「かかったな」シャキン

 

 光牙の一言と共に弓を精製していた筈の光の粒子が鋭利なダガーに変化し有効範囲内に入った白堊へ振りかざした。

 

 「嘗めんな!」

 

 その攻撃を白堊は流し光牙の手首を掴み引き、膝蹴りを叩き込むが

 

 「痛てぇ!?」

 

 白堊は突然叫び一二歩後退する。白堊の膝上にはダガーが突き刺さっさており更に背中にも突き刺されていた。どうやら光牙は膝蹴りと同時にダガーでカウンターを決めていたらしい。

 

 「……後少しでお前の武器を崩し致命傷をあたえれたんだがな」

 

 「はは、気にするな。お前が弱いだけだ」

 

 薄ら笑いしながら呟く光牙に白堊は小物感満載な煽りをするが、光牙は意に返さず。

 

 「時間が惜しい、続きだ」

 

 一瞬で弓を造り出し連続で矢を放って来た。その攻撃に白堊は右腕から鎖を取り出し、勢い良く回し放たれた矢の悉くを防ぐ。

 

 「中々やるな」

 

 「そいつはどうも」 

 

 放った矢を全て防がれた光牙は素直に何処か不敵に称賛する。光牙の不敵さを持った称賛に白堊は警戒しながら返事を返し辺りに散乱した矢を見る。

 

 (消えてない?光の矢だからてっきり弾いた瞬間に霧散すると思っていたが…って今思えば突き刺さって居る短剣も消えてない時点で当然か?……取り敢えず短剣は抜くか)

 

 弾いた矢が消えてない事に疑問を持ちながらも突き刺さっていた短剣は抜く事にした。

 

 「こんなんが刺さっていたのか」

 

 突き刺さっていた短剣を抜き其を見つめる白堊は、大凡光という明るいイメージとは掛け離れていた禍々しい外見の短剣が刺さっていた事に改めて寒気を覚えた。

 

 「手に持ったな?」

 

 「?」

 

 短剣を手に持ちながらマジマジと見つめる白堊に光牙は語り掛ける。語り掛けられた白堊は光牙に意識を向ける。それを確認した光牙は

 

 「貫き弾けろ粒子の(フォトン)(ニードル)

 

 そう言うと同時に白堊の手にした短剣がピンポン玉サイズ球体に成り弾け、鋭い針が白堊の左手を貫く。

 

 「ぐがぁ!?んだコレ!?」ドクドク

 

 突然の事に怯み驚く白堊に追い討ちと言わないばかりに

 

 「秘伝忍法……《輝迅》!!」バシュッ!

 

 秘伝忍法で超光速の矢を放って来た。怯んでいた為に対応出来なかった白堊は避けれずに矢は右腕に直撃する。

 

 「漸くお前の武器を破壊出来た。残り時間は…15分。どうする、続けるのか?」シュウゥ

 

 「………」

 

 光牙の問い掛けに両手を見ながら沈黙する白堊。それは続けない事を示唆しているのを現していた。光牙は蒼鬼の方へ視線を向けると意図をくんだ蒼鬼は頷いた。それを見た光牙は粒子で造り出していた弓を収める。

 

 (これは、此処までで良さそうですね…)

 

 これ以上は続けるのは不可能と判断する蒼鬼は

 

 (しかし、彼の苦手分野が少し分からないのは少々残念ですが…)

 

 心の中で教える立場の白堊の苦手分野が少ししか分からないのは残念だと思いながらも

 

 『決ちゃ───え?』

 

 「隙あり!!」

 

 決着の宣言をしようとしたが、それよりも速く白堊は光牙の元へ駆け出し攻撃を仕掛けるが

 

 「……ハァ、粒子(フォトン)(シールド)

 

 光牙は半ば呆れた様に溜め息を吐き攻撃を防ぎ蒼鬼に視線を写し

 

 「蒼鬼、残り10分どうやら続けるらしい」

 

 白堊はまだ続ける気だと伝える。

 

 「えぇ…」

 

 残り時間は少ないが続ける発言に蒼鬼も少々悩むがやる気が有る者に対して強制的に終わらせるのは酷だろうと判断し了承した。

 

 「よそ見してんじゃねぇ!雷槍(らいそう)!!」

 

        \パリン/

 

 そんな光牙に白堊は集中しろと言わんばかりに習得したばかりの《神雷》を纏った貫き手で粒子盾を貫き破壊する、だが光牙は慌てることなく、寧ろ溜め息を吐きながら

 

 「はぁ…《フォトン・シフト》」

 

 地面に突き刺さった矢と自分を瞬時に入れ替え

 

 (時間は短い…取り敢えず回避に専念するか)

 

 残り時間の短さを考え光牙は回避を選択しようと考えていると

 

 「オイ」

 

 「なっ!?」

 

 先程迄は数十mまでの距離にいた筈の白堊が真正面まで迫っており正拳突きを放とうとしていた。

 

 (フォトン…いや、間に合わない!成らば)コォォ

 

 フォトン・シフトに間に合わないと判断した光牙はダメージを軽減させる為にチャクラを纏う。

 

 「白零護身──壱打(いちだ)

 

 「ぐっ……ガハッ!?」

 

 白堊の正拳突きが光牙の溝内に凄まじい破壊音と共に突き刺さり数m吹き飛ばされる。余りの衝撃に光牙は顔を顰めるが直ぐに平静を保つ。

 

 「普通なら内臓破裂すんだけど─弐式(にしき):頚断(けいだん)

 

 (今度は背後か)

 

 平静に戻った光牙は、冷静に光牙は白堊の首を狙った手刀を避けながら彼の様子を伺う。

 

 「フォトン・シフト」

 

 「また、逃げんのか?」チラ

 

 (!コイツまさか)

 

 光牙はフォトン・シフトで移動する際に白堊が視線をずらしたのを見逃さなかった。

 

 (試す価値は有るな)

 

フォトン・シフトの光に包まれるなか、光牙は有る作戦を浮かべる

 

 「そら!」

 

 光牙の考えを知らない白堊は光牙が転移する場所へ光が集まる場所へと駆け拳を放つが、その拳は虚しく空を切る。

 

 「はぁ!?」

 

 自分の攻撃が空を切った事と読み?が外れた事に白堊は信じられないと言った。声を挙げる

 

 「……そこか!」

 

 驚きの後に背後から飛んできた槍を回避しつつ光牙の方へ向き直す。

 

 「成程な。お前の『未来視』だが短い時間しか視れず、再使用には約5秒間のインターバルが有るようだな」

 

 白堊の未来視に対して光牙は自分成りの推測を語ると白堊は唖然とした表情で

 

 「……知らねぇんだ?」

 

 一言呟くと一瞬で光牙の懐へ入り込んだ白堊だが、光牙は特に慌てる様子もなくフォトン・シフトで先程投げた槍へ転移しようとする。

 

 「あ!」

 

 途中で蒼鬼の驚きの声が聴こえるが恐らく残り時間が後数秒なのだろうと高を括っていると

 

 「ぐがっ!?」

 

 視界から白堊が消え変わりに首に激痛が走り呼吸がしづらくなる。何が起こったのか確認する迄もなく白堊が光牙の首を鷲掴みにしているからであった。

 

 「これで逃げれなくなったな?」

 

 肉薄する白堊へ苦し紛れに槍を白堊の顔面に突き立てる光牙だが、それは硝子細工の様に粉々に砕け散った。

 

「ぐっ(何製だよコイツ!)……がっがぁ!?」

 

 心の中で毒づく光牙に対して白堊は締め付けをより一層強力にしていく。それにより光牙は呻き声を挙げる。

 

 (コレは流石に黙認は出来ませんね…)スッ

 

 この光景を見ていた蒼鬼は鉄球を手に握り投擲出来るようにチャクラを溜め始める。

 

「時間が惜しい続きだ。三撃で沈める」

 

 \白零護身:壱式:天翔(てんしょう)龍脈(りゅうみゃく)/!!

 

 白堊は光牙の真似ながら三発で仕留めると言い手を離し、天高く蹴り挙げる。

 

(……締めた!天ならば体制を立て治せる!)

 

 蹴り挙げられた光牙であったがこの状況を好機と捉え体制を立て直そうとするが

 

 \グニャア/ \ズキズキ/

 

 (な…何…だ?く…頭が回らん)

 

 視界が不意に歪むと同時に頭に不愉快な痛みが生じ考えが纏まらなくなる。混濁した頭だったが

 徐々に鮮明に成った頭で混濁した視界と不愉快な痛みの原因を理解する

 

 (そうか、アイツ…蹴り挙げる瞬間…爪先で顎を掠め側頭部を蹴ったのか!)

 

 理解は出来たが、未だに身体が追い付いていない事を察した白堊は

  

 「弐式:虎突猛進脚(ことつもうしんきゃく)

 

 地面を陥没させる程に強力な蹴りを光牙に狙い放つ。

 

 (腹部狙いか!チャクラを…いや!駄目だ!もっと強力な!鎧の様な防御力がなければ!クソォ!!)

 

 光牙は落下する中で白堊の攻撃が何処を狙っているのかをまるで()()()()()()かの様に思いながら覚悟を決める。

 

 \ゴッ!/ \ボガァン/!!

 

 鈍い音を放ちながら光牙は吹き飛ばされ、巨大な岩盤に砂煙を立てながら直撃する。

 

 「ぐっ……ん?ダメージが無い?何故だ?」

 

 が砂煙を払いながら何事も無かったかの様に光牙は姿を表しながら蹴られた腹を摩り混乱する。そんな光牙を見た白堊は

 

 「お前、マジか?土壇場で目覚めるのか?」

 

 「?」

 

 驚きと期待の表情を浮かべる白堊に光牙は首を傾げる。それを見た白堊は

 

 「マジで知らんのか、しらを切ってんのか───

 

 ──試してやる!!参式!」

 

 光牙の力が本物か試す為に最後の三擊を打ち込む為に掌にオレンジのオーラを纏い突撃する

 

 (チャクラ?いや、違うもっと別の何かだ!)

 

 (まさか『内壊勁(ないかいけい)』を!?止めなくては!)

 

 白堊の攻撃に光牙は警戒を強め、蒼鬼は予想をし其を防ごうとする。

 

 「いくぞ!!」スッ

 

 (くっ!すまない姉さん)

 

 (そんな!間に合わない!)サァー

 

 そんな二人の考えより速く攻撃範囲内に届いた白堊は技を放とうとする。光牙は覚悟を決めると同時にこの場に居ない家族である姉に謝罪し、蒼鬼は顔を青ざめるが─

 

    (ちょっと待ったァァ!!!)

 

 「深壊(しんかい)大発勁(だいはっけい)!──あ?」

 

 「え?」

 

 「む?」

 

 突如三人の脳内にこの場には居ない()()()()()の少年が映り込む。そして次の瞬間

 

 「ちょっと待ったァァ!!!」

 

 脳内に映り込んだ少年が白堊の前に立ち塞がる様に現れる。

 

 (誰だ!?コイツ!…つうか)ビキッ

 

 「お前…まさか」

 

 「「ショウか!?」君!?」

 

 「オウ!」ニカ

 

 光牙と蒼鬼の二人に『ショウ』と呼ばれた少年は二人に笑顔で答え、白堊に対して

 

 「お前なぁ~、こんな手負いの奴に止めとか」

 

   \ピト/

 

  「「あ」」

 

 「あん?」

 

 説教?をしようとするが蒼鬼と光牙二人の間の抜けた声を不思議に思っていると白堊の右手がショウの鳩尾にしっかりと入っていた。

 

 「オイ、何の真似───」

 

 白堊の臨戦行動にショウはコレはどういう意味か問い詰めようとしたが

 

 「黙れ、チャチャ入れやがって───

 

 ────白零護身:奥義『絶勁(ぜっけい)

 

 「あぁ?お前なんつドフォウ!?

 

 白堊の静かだが怒りの声音に、一見は軽そうな少年のショウもカチンと来たのか少し威圧的に語るが次の瞬間まるでギャグ漫画の様な声と共に吹き飛び蛇女の体育館へと衝突する。

 その衝撃により体育館は粉微塵に成り更地とかした。誰も未使用だったのが幸いだったが

 

 \ピピピ/

 

 「チッ、クソが」

 

 時間切れのアラームを聞いてた白堊は苛立ちながら悪態を付き

 

 「保健室って、何処だ?腕がイカれちまった」

 

 「っ!……本校舎の一階の玄関の近くに成ります」

 

 保健室の在りかを蒼鬼に聞く白堊その腕を見た蒼鬼は息を飲む。平然としているのが嘘の様にぐちゃぐちゃに変形していたからであった。

 

 「どうもー、ハァ」

 

 そう言いながら何処か煮え切らない表情で訓練所を後にする。

 

 「おい、ショウ……生きてるか?」

 

 「……………」ピクピク

 

 光牙は吹き飛ばされ気絶しているショウの元へ駆け付け息が有るかを確認する。

 

 「救護班を要請してくれ、オレも保健室に行かせて貰うアイツには聴きたい事も有るからな」

 

 「分かりました。ショウ君は救護班に任せます」 

 

 ショウの安否が取れた光牙も保健室へと向かって行き、それを見届けた蒼鬼は気絶しているショウに救護班を要請しながら

 

 (取り敢えず白堊さんは気『チャクラ』の量を増やす修業が一番ですね)

 

 白堊の欠点を見つけそれを矯正する内容を考え始めた。

 

 しっくり来ないが白堊の修業は一旦終了と成った。




成長型とか言っときながら、強いやん?って感じに成りました……

ダーク・リベリオン様、レタスの店長様の主人公には誠に申し訳ない扱いをさせてしまいました。本当に申し訳ございません

因みに今回は某海賊漫画でお馴染みの能力が出ました。


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覇気


前回:光牙との模擬戦(のようなもの)が終わった為、負傷した白堊は保健室に向かい、聞きたい事と念のための治療に光牙も同じく向かう


 保健室に到着した白堊は養護教諭である(えん)による治療を受けていた(美人+巨乳)

 

 「手の治療終わったわよ」

 

 「どうもー」グッパ、グッパ

 

 白堊は空返事をしながらぐちゃぐちゃに成った手の感覚を確かめ

 

 (……問題ねぇな)

 

 無事を確認すると退室しようとするが、艶から

 

 「何、手動かしてんのよ……待ちなさい、足の怪我も有るでしょ?」

 

 「あ、いや別に大丈夫です」

 

 足の怪我の治療も行うと呼び止められたが

 

 「ほら全然…痛ッ大丈夫ですよ?」

 

 足を曲げた跳んだりして大丈夫なのをアピールするが、艶はジト目に成りながら

 

 「小さい声だけど『痛』って言ったわよね?」

 

 「……分かりましたよ……ったく」

 

 白堊の発した全く大丈夫じゃないと言う言葉を追及した此には流石に白堊も否定出来ずに渋々と怪我の治療をしてもらう為にズボンの裾を挙げ怪我した部位を見せるが

 

 「……塞がりかけている?(えっ、手も?)」

 

 「だから大丈夫って言ったんすよ」

 

 なんと穴が空いていた足の傷には薄くでは有るが膜が出来き塞がりかけており、ぐちゃぐちゃの手も保々治りかけていた。

 これには流石の艶も驚く。

 

 「でも一応、包帯はするわね」

 

 「へいへい」

 

 しかし念のために傷口が開かないように包帯を巻き軽い処置を行った。

 

 「取り敢えず此で処置は終わったから、退室しても良いよ──って、戻らないの?」

 

 「いえ、今から入ってくる奴と話が有るんで」

 

 (話を?……と言うか)

 

 処置が終わった為、退室しても良いと言う艶に白堊は今から入室して来ると言う人物と話が有る為に留まると発言した。

 その発言に艶の頭に疑問符と有る事が浮かぶ中

 

 「艶、治りょ───  

 

\ガラガラガラ/!! \バン!!/

 

 「艶先生!急患です!!」

 

 光牙の声を遮り勢いよくストレッチャーに乗せられた少年こと翔が運ばれてきた為に艶は

 

 「分かったわ、今すぐ治療するわね!」

 

 直ぐに凛々しい表情に変わり《緊急治療室》へと入って行った。

 

 「「…………」」

 

 静まり返った保健室に残された光牙と白堊は沈黙するが白堊は先に

 

 「聞きたい事が有るんだろ?何を聞きたいかは分かっている"は───」

 

 

\ガチャ/

 

 「それ保健室(ココ)じゃなくても良いでしょ?」ペイ

 

 「イテ」

 

\バタン!/

 

 光牙の聴きたい事は分かっていると言いその内容を白堊は話そうとするが、艶に緊急治療室からその話は別に保健室でする事も無いだろうと言われ湿布を投げ付けられた(どうやら光牙の発言は聞こえていた模様)

 

 「あの、艶先生もああ言っているのでお話しの続きは、教室で行いましょう」

 

 「───そうだな」

 

 蒼鬼に話は教室で行った方が良いと言う提案を受けたので、確かにと肯定し教室に向かった。

 

 ──────蛇女教室──

 

 「───」シュ~

 

 「お前が何を聞きたいかは、分かっている」

 

 頭から湯気を出しながら机に伏す滅赤ちゃんを横に白堊は話の続きをし始める。

 

 「『覇気(はき)』の事だろ?」

 

 光牙が自分に聞きたい事は《覇気》の事と言うと光牙は

 

 「いや、俺が聴きたいのは『未来予知』と『オレンジ色のオーラ?』なんだが、と言うかお前手が…まぁ良い、取り敢えず俺は未来予知とオーラが知りたいんだが?」

 

 「いや、だから覇気だろ?」

 

『未来予知』と『オレンジ色のオーラ』の事だと返してきたが、白堊は先程と同じ《覇気》と返してきた。

 

 「「…………」」

 

 二人の間に沈黙が流れる、沈黙は軈て気まずい雰囲気に変わっていく。

 

 「あの~、大変さしでがましいのは承知ですが《覇気》の説明をした方が宜しいのでは?」

 

 そんな重たい空気に蒼鬼は助け船として《覇気》の説明をした方が良いのでは?と提案する。

 

 「そうだな」ゴホン

 

 白堊はそれに同意し、わざとらしく咳払いしながら息を吸い

 

 「《覇気》は気合い!以上!!」

 

 「イジョー!」

 

 覇気とは何かという問い掛けに《気合い》とだけ叫び話を終わらせようとした。

 何時の間にか復活していた滅赤ちゃんも参加していた。

 

 「………ハァ」

 

 (コイツあの、脳筋()と同類か?) 

 

 この巫山戯た返しに光牙はとある蛇女の生徒を頭に浮かべながら溜め息を吐いていると

 

 「宜しければ私が説明致しましょうか?」

 

 「何?」

 

 「え?」

 

 蒼鬼の突然の申し出に光牙は怪訝な表情を浮かべ、白堊は不思議そうな顔をしながら

 

 「説明って……まさか」

 

 「はい、私も《覇気》が使えます」

 

 「マジかよぉ~……相手ミスったか?

 

 彼女の発言に驚きながら、小さく呟きつつ蒼鬼の説明を聞く事にした。

 

 「…では、《覇気》の説明を《覇気》とは誰しもが持つ潜在能力であり、意志の力に成ります」

 

 「成程な、つまり『気合い』ではなく『気概』と言う意味か……」

 

 「…(-_- )」

 

 「丶(・ω・`) ヨシヨシ」ナデナデ

 

 蒼鬼の簡単な説明を受けただけで理解した光牙に続けて蒼鬼は更に覇気の説明として覇気の種類をホワイトボードに書き記す。

 

 「覇気は複数の種類があり」

 

:鎧武(がいぶ)覇気(はき)➡️鎧の如き防御力を肉体と武器に発揮する

 

:先見(せんけん)覇気(はき)➡️相手の攻撃の結果を脳内で見、相手の心情を見て先読みする

 

:波動(はどう)覇気(はき)➡️感知出来ない衝撃波を放ち通常ではダメージを与えれない物/者にダメージを与える

 

:王勇(おうゆう)覇気(はき)➡️名を冠するとおり『王者』と『勇者』の素質が有る者のみが発動できる覇気

 

 「と、このように4つの覇気が有ります」

 

 「( ・ε・)完璧な説明ですこと」

 

 書き記された覇気の内容を見ながら白堊は不貞腐れながらも称賛する。

 

 「その内容からすると俺はあの時『先見の覇気』と『鎧武の覇気』が覚醒したと言う事か…」フム

 

 光牙は顎に手を当てながら呟いていると、それを聞いていた滅赤ちゃんが

 

 「()()()してないよ?」

 

 「何?」

 

 光牙の呟きを否定した為に光牙が訝しむと、それに気付いた蒼鬼は説明不足でしたと追加で書き足した。

 

覇気の覚醒

 

:鎧武(がいぶ)覇気(はき)

 

●:上記+筋力増強に加え武器の強度と威力の増加

:先見(せんけん)覇気(はき)

 

●:上記+相手の動き、弱点の看破

 

:波動(はどう)覇気(はき)

 

●:上記+属性と鎧武の覇気を乗せた攻撃が可能

●:内部破壊も可能(別名:内壊勁(ないかいけい))

 

:王勇(おうゆう)覇気(はき)

 

●:3つの覇気に上乗せして更に力を上昇を可能にする

 

 「これが《覚醒》に成ります」

 

 「中々と有用な物だな」

 

 新たに書き記された内容に習得し極めればかなり戦況を優位に立たせれると感じた光牙は、先程の戦闘の中で有る技が頭に浮んだ為にその技を放った本人白堊に問い掛ける。

 

 「白堊、お前確かショウに『絶勁(ぜっけい)』とか言う技を放っていなかったか?アレは波動の覇気の覚醒だろう?」

 

 「確かにオレが使ったのは波動の覇気の覚醒技だな。まぁ、未完だがな。後ショウって誰だよ」

 

 光牙の質問に対して白堊は『未完成』と聞き慣れない名前を呟きながら肯定する。

 

 「未完成?アレだけの威力が有りながらか?ショウはお前が吹き飛ばした男の名前だ」

 

 「あぁ、あのガツン、とみかん頭か……威力は合っても自分の手がお釈迦に成る技が完成とは言わねぇだろ」

 

 「確かにそうか」

 

 白堊は未完成の理由を説明する。いくら破壊力が有ろうと自壊する技は完成とは言えないと語る。流石に光牙も納得するが、それによと白堊は続けて

 

 「あの技は本来《王勇の覇気》在りきで完成だしな……つーか、未完とは言え何でアイツ木っ端微塵に成らねぇーんだ?」

 

 「「………」」

 

 絶勁は本来成らば《王勇の覇気》も加えて初めて完成と白堊は語った為に光牙と蒼鬼はその発言に黙る。

 

 (そんな技を使っていたのか)

 

 (そんな技を使っていたんですね)

 

 が、覇気ではなく白堊の最後の木っ端微塵の方を聞いて黙っていた。

 

 「─とまぁ、覇気の説明はコレで終わりだな」

 

 「殆んど蒼鬼の説明だったじゃねぇか」

 

 「うるせぇ、何で居るんだお前」

 

 白堊がコレで覇気の説明は終わりだと告げると、横から説明は蒼鬼がしていて、お前は何もしていないだろうと言われた為に白堊は相手を睨みながら返す。

 

 「ショウ、怪我の方はもう大丈夫なのか?」

 

 「おう!当ったりめぇよ!あんな大した事ねぇ攻撃でくたばる俺じゃねぇよ!」

 

 「ア"、なんつった?オマエ」

 

 白堊の技を食らい怪我をした筈のショウはピンピンしながら光牙に白堊の絶勁を大した攻撃でないと笑いながら言う。その発言にカチンと来た白堊は濁った声で聞き返す。

 

 「ん?聞こえなかったか?()()()()じゃ─────ガッ!?」

 

 「その顎砕いて二度と喋れねぇようにしてやろうか?」

 

 聞き返されたショウは言った言葉をそのまま返すと、白堊はショウの顎を掴み口を塞ぐ。

 

 「てっめぇ!調子乗んな!」

 

    \ゴッ!!/

 

 「っ!…やったなコラァ!!」

 

 顎を捕まれたショウは強引に引き離し白堊を殴り飛ばす。殴られた白堊は数歩下がるが直ぐに立ち直りショウに殴り掛かる。

 

 「お二人共!落ち着いて下さい!」

 

 「オイ!ショウ!白堊!暴れんな!!」

 

 乱闘を始める二人を宥め止めようとする蒼鬼と光牙だが二人は聞く耳を一切持たずに殴り合いをしていると

 

 「いい加減にィ~しろっ!!」

 

 ギュルルル!!

 

 「「ッ!?」」

 

 白堊とショウは鋼線により拘束され身動き一つすら出来なくなった。

 

 「帰って来た途端、何やってんだお前(白堊)

 

 「り、輪廻さん…何故ここにッ!?」グググ

 

 二人を拘束した鋼線を駆使した者のは龍導選抜筆頭の輪廻であった。

 意外な人物の登場に驚く白堊だが、そんな彼に対して輪廻は冷徹に拘束を締め上げながら

 

 「質問を質問で返すな!疑問文を疑問文で返すと0点何だよこのマヌケが~!!──で何で殴り合いをしていた?」

 

 何処かで聞いたような台詞を言いながら原因を聞くと

 

 「取り敢えず拘束を解いたらどうでしょうか?その後にこの状況の説明を致しますので」

 

 「それもそーだな」

 

 「…え?」

 

 「!」

 

 蒼鬼が先ずは二人の拘束を解き、その後に事の問題の原因を説明すると言われた為に輪廻はあっさりと了承しつつ二人を解放した。

 

 (輪廻さんがあっさりと了承した!?)

 

 (リンネちゃん、何かあったのかな?)

 

 白堊と滅赤は普段の輪廻からは考えられない態度に驚きを隠しきれていなかったが、輪廻は気にせずに蒼鬼の話を聞いていた。

 

───蒼鬼──

 

──────説明中────

 

 「……成程な」フゥ

 

 蒼鬼から事の問題の説明を聞いた輪廻はこめかみに手当てて溜め息を吐き一言

 

 「残念だが、白堊。先に手を出したお前が悪い」

 

 「ぐっ」

 

 「フッ」

 

 白堊に問題があるとバッサリと切り捨てた。

 元はと言えば先に手を出した自分が悪いと理解した白堊は輪廻の正論にぐうの音も出せず只黙っていることしか出来なかった。

 そんな白堊を横目に嘲笑するショウだったが、思いもよらない反撃を受ける。

 

 「何を笑ってんだお前?余計な一言を入れたお前も悪りぃんだからな?分かってんのか?」

 

 「は?いやいやお前も先に手を出したコイツ(白堊)が悪いって言ってたじゃねぇか、ついさっき言ってた事も忘れたのかよ?記憶力皆無かよ?」

 

 「ハアァ~」

 

 余計な一言を付けた事も悪いと言われたショウだったが、其は可笑しいと反論するも輪廻は一際大きな溜め息を吐きながら

 

 「お前さぁ、言葉は刃って知ってるか?身体の傷は何れ癒せるが罵声により受けた心の傷ってのはそう簡単には消えねぇし癒せる物じゃ無いんだよ?……白堊は自分自身じゃなく、技を作ったその家族を侮辱されたと思ったからキレたんだからね?お前だって、大切な者を侮辱されたり貶されるのは嫌でしょ?其処の所を理解したら?ガキじゃねぇーんだから」

 

 「…ッ」

 

 輪廻の返しにショウは煮えきれない態度を取りつつも返せずにいた。

 

 「と、取り敢えず喧嘩両成敗として互いに謝罪をしましょう?」

 

 場の重い空気を帰るために蒼鬼は互いに謝罪をすべきだと二人に提案をする。

 

 「……先に手を出して悪かった、すいません」

 

 「分かりゃ別に良いんだよ」

 

 「ちょ、ちょっと!?ショウ君!?」

 

 白堊は一番に非があると謝罪したが、ショウは頭を掻きながら謝罪せずに退室しようとした為に蒼鬼が呼び戻すがそそくさと部屋を出ようとするショウ

 

 「オイ」

 

 「チッ!」

 

 ……だったが、凄まじい重圧と剣圧に思わず足を止めその圧を放つ人物に視線を移す。

 その人物は輪廻であり、言葉を交わさずとも言わんとしている事を理解したショウは舌打ちしながら

 

 「オレも悪かったよ!一言言い過ぎた!!」

 

 謝罪し退室した。

 

      \シーン…/

 

 すっかりと静まり冷えきった蛇女の部屋に再び重い空気が張り積めるが

 

 「いや~偉そうに説教何かしちゃったね~?私何かが言う資格無いのにさ~、空気悪くしてごめんね~?少し頭冷やして来るよ」

 

 先程とは売って変わってお茶らけた態度に戻った輪廻も部屋を後にする(流石に鉢合わせは悪いのか外から出る)

 

 「なぁ、白堊……輪廻のさっきの圧だが」

 

 「言おうとしてる事は分かっている……」

 

 「アレがオレらの筆頭の」

 

 「『王勇の覇気』だ」




はい、元ネタは重いっきし某海賊漫画のまんまパクリです。

次回は本編に関わる話と善人sideの話を投稿致します。


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善忍ストーリー
序章


虚無の魔術師さんとのコラボストーリーになります。

本編にも絡んでいく話しです……だからと言って本編を途中放棄はしません!


 ー忍上層部ー

 

 円卓状になった会議室に身形や雰囲気からして只者ではないとわかる老齢の人物達が何やら話し合いをしていた。

 

 「最近やたらと悪忍達の勢力が増して来ていますな」

 

 「実力は我々"善忍"と比べたら個々の力はどうと言う事はありませんが……」

 

 「数の多さが厄介ですな」

 

 話の内容的に彼等は善忍上層部の議員らしく、最近になって増幅や勢力を上げている悪忍達をどう対処するかについて話し合っているようであった。

 

 「……ここは思い切って、"奴等"と同盟を組むべきか?」

 

 とある一人の議員が言うと残りの議員達は勢いよく発言者へと顔を向けながら一斉に批判の声を浴びせ始めた。

 

 「貴様!"奴等"の力を借りる等我々の面子に関わる大問題だぞ!!巫山戯るのも大概にしろ!!」

 

 「全くだ!あのような報酬により"悪"にも手を貸すような恥知らずと同盟を結ぶなど!」

 

 どうやら批判の声を受けている議員の言った『奴等』とは報酬により動く傭兵のような連中らしく表向きは善(・・・・・)を語っている彼等からしたら同盟を結ぶなどあり得ない考えの為、声を荒げながら批判したのだ。

 

 「……議長……私の見解を述べさせて貰っても宜しいでしょうか?」

 

 議員の中では比較的に若い、青年と言っても通じそうな男が言い争っている議員達を横目に議長へと語りかけてきた。

 議長は眼を細めながら若い議員を見た後言い争っている議員達を黙らせ彼の意見を聞くように語り掛けた。

 

 「……フゥ……私の考えですが、"彼等"…狩人(イェーガー)と同盟を組むべきだと思います」

 

 この発言にまたも議員達が批判しようとするが、彼が手を挙げながら静止させ、穏やかながらも鋭い眼光で批判しようとした議員を黙らせ理由を話した。

 

 「私のような若輩者が意見するなど百も承知です……が彼等と同盟を結ぶのは悪くない事があります」

 

 議員達がざわめく中、議長が興味深そうに顎に手を当てながら

 

 「……フム、その悪くない事とは何かね?」

 

 議長が食い付いた事に見えないように薄く嗤いながらとある人物の名を出した。

 

 「彼等の中に私の部下を潜入捜査させた中……『淡雪(あわゆき)』彼女が居る事が判明しました……」

 

  この発言に更に議員達はどよめき議員の一人が「それは誠か!?」と興奮気味に聞いて来た為に若い議員は端末を出しスクリーンにとある一人の女性を写し出した。

 そのスクリーンに写し出された女性は正に美女と言える程に美しい女性であり議員の多数果ては議長までもが見惚れる程であった。

 

 「……皆様……いかがなさいますか?」

 

 若い議員は笑顔を浮かぶながら議員達に問うと議員達は議長に向かいながら「結びましょう!」と言うと議長は

 

 「ウム!同盟を結ぶとしよう!承諾の文を彼等に送っておこう!」

 

 そう言いながら今回の会議はお開きとなった。議長含め議員達が去った中で先程の女性を紹介した若い議員は会議室に一人佇みながら、

 

 「……いやぁ……ごめんね?……先生(・・)の名前出しちゃって……」

 

 苦笑いを浮かべながら暗闇に向けて言うと暗闇の中から銀髪の髪の中性的な顔立ちをしたスーツの上から白衣を纏った女性が現れながら

 

 「まぁ、そうでもしないとあの屑共は動かんだろう?」

 

 呆れたような表情で語った後に直ぐ様ポケットから携帯を取り出しながら

 

 「ほら、ボスからだ」ポイ

 

 若い議員に投げ渡すと若い議員は受け取り電話に出た電話からは上機嫌な声で

 

 『ハッハッハ!早々に会話を終わらせたいからと彼女の名を出すとは!君は中々だな!朝焼(あさやけ)!』

 

 若い議員……もとい朝焼と呼ばれた議員は笑顔を浮かべながら

 

 「めんどくさかったので……後…例の件(・・・)は話して無いので……《大聖杯》の器『櫛名田比売』の殺害の事は……」

 

 『……ハハハ彼等上層部含めその息のかかった連中は未来ある若者達にとって毒だからねぇ……それを言ったら必ず学生達を捨て駒扱いするからねぇ……取り敢えず烏兎(うと)と一緒に頑張ってね!』ブチッ

 

 「え?頑張ってね?ってあの!?」

 

 ツー、ツー、ツー最後の頑張っての意味が理解出来なかったため問いただそうとしたが一方的に通話を切られてしまったため困惑する朝焼に烏兎という名の中性的な女性は会議室の扉に指を指すと扉の向こう側から多人数の気配がした為、頭を抱えながら

 

 「はぁ~まさか君……全部聞いてた?」

 

 そう扉側に言うと、扉を開けながら高身長の青年が現れ眼を反らしながら

 

 「えぇバッチリ聞いてました!その特務オレ等『狩人・零一(イェーガーズワン)』も参加させて貰いますね!」




いきなり、『は?』と思うかも知れませんがどうしてもヤりたかったんです!コラボを勿論ちゃんと本編もやっていくので、お慈悲を下さい!



後、変な所あったら報告下さい……変な所しかないかもですが


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半蔵に加わる影と不穏な闇達

新キャラに加わえ、長いです。


 ─ワイワイ、ガヤガヤ─

 

 沢山の声が呼応するこの場の名前は「国立半蔵学院」全校生徒1000人も抱える進学校である。そんな学校の校門前に

 

 「ひゃぁ~スッゲェ人数だな!もしかしたらオレっち達の学校より人数いんじゃねぇーか?なぁ!春潮(しゅんちょう)先輩」

 

 「そうねぇ~、黒波(くろなみ)アタシ達の学院の大体2倍って所かしら?」

 

 そんな会話を交わす半蔵学院とは違う制服を着る人物が二人居た。一人は短髪の活発そうな男の名は黒波、もう一人は身長180㎝以上はある見た目は美形のモデルのオネェ口調が特徴の人物の名は春潮

 

 「誰だ?あの二人?」

 

 「内の生徒じゃないよな?」

 

 「あの背の高い人モデルかな?カッコいい~」

 

 「でも?なんか口調がオネェぽっくなかった?」

 

 そんな珍しい二人組だった為か、周囲がどよめき始めたため春潮は「印」を作り

 

 「少し目立ち過ぎたわね、気遁:気配凪(けはいなぎ)」シュン……

 

 「え~、先輩それ、使っちゃいます?」

 

 「何してんだ、あのオカ───」フッ

 

 バラ、バラ、バラ、バラ

 

 春潮が忍術を発動すると、どよめき集まり固まっていた人だかりがバラけ始め、二人の存在が無かったかのような態度に変わり通常通り登校し始めた。

 

 「さて、行きましょうか」

 

 「そうっすね……(先輩の"気遁"やっぱ、すげぇな)」

 

 「フフ…」

 

 春潮の術の凄さに感心しながらも、指示に従う黒波に笑みを浮かべながら校内に入って行く二人組だったが

 

 「……って、他校のオレ等が入っても大丈夫何ですかね!?」

 

 黒波がさも当然な疑問を口にすると春潮は笑顔を浮かべながら

 

 「それなら、大丈夫よ」

 

 「すいません、お時間を取らせてしまいました。私の名は斑鳩と申します」

 

 そう語ると二人の目の前に長い黒髪の美少女『斑鳩』が現れながら謝罪をし始めた。

 

 「わっ!(綺麗な人だ…)」

 

 「いえいえ、アタシも無許可に術を一般人に、しかも"同盟を"結ぶ学園の人々に使用してしまい申し上げございません」ペコリ

 

 互いに頭を下げる二人を見ながら海原は驚きの声を上げた。

 

 「同盟……同盟!?それって、どうゆう事ですか!?」クワッ

 

  ビリビリッ!!!

 

 「うるさっ!」

 

 「きゃっ」

 

 黒波の大気を震わせる声量に耳を塞ぐ春潮と斑鳩に海原はハッとしながら口を手で押さえ口を塞ぐ。それと同時に春潮の術も効果が切れたのか

 

 「なんだ?今の揺れ?」「窓ガラスが揺れたけど?」

 

 「何?地震?あったけ?」「いや、多分声で?」

 

 「は?嘘だろ?」「確かに廊下から聞こえた」

 

 各教室から黒波の声に釣られ廊下に出ようとした為、春潮はアイコンタクトで斑鳩に確認を取ると、斑鳩はコクンと頷いた為、春潮は術を発動した。

 

 「……誰も居ないぞ?」「気のせいか?」

 

 「確かに聴こえた気がしたんだがなぁ…」

 

 廊下に誰もいない事を確認した生徒は教室へと戻っていく。それを確認した春潮は黒波を一睨みした後軽く頭を叩いた。

 

 「痛ッ!何するんすか!」

 

 「何するんすか!じゃ無いでしょ!あんな大声出して!忍の自覚無いの?」

 

 「うッ……いや、でもいきなり同盟とか聞いたら…」

 

出浦(私達)と半蔵学園が同盟を結ぶと昨日説明があったでしょうが!」

 

 「え?そうでしたっけ?」

 

 「……その反応だと本当に聴いてないみたいね……まぁいいわ。斑鳩さん、そろそろ忍部屋への通路でしょう?」

 

 先頭を歩いている斑鳩に問いかけると肯定の頷きをした為、改めて海原へと顔を向け

 

 「恐らく、残りのメンバーも揃っている頃だろうし、到着したらまた説明するわ」

 

 「了解っす!」

 

 ──忍部屋──

 

  シュタ……

 

 半蔵学院の忍部屋に一人の()が入り込んでいた、入り込んでいた()は立ち上がりながら辺りを見渡した後

 

 「こうも、易々と侵入できるなんて……警戒心はないのか?…………全員集合まで時間がまだあるな………」

 

 ピッ!   ドサッ!

 

 影はそうぼやきながら図々しく寿司屋のカウンターがある椅子に座りながらTVのスイッチを付け

 

 「半蔵学院の奴等は修行、出浦(私達)のメンバーは…「春潮(しゅんねぇ)」と「黒波(バカ)」はこちらに向かっている…「訪国(おくに)」は武器選び…「黒鉄(陰キャ)」は不明……で、「エヴァ」は…またナンパでもされてんでしょ…特務(とくむ)組は…「銀雪(ぎんせつ)」さんは会議中で遅れる、「紅丸(べにまる)」先輩は任務……『アイツ(・・・)』はいいか…まぁ全員揃うまで待っておくか」

 

 自分達のメンバーが何をしているかを予想しながら待つ事にした。

 

──

 

───

 

 「この掛け軸の裏側が私達の忍部屋への入り口となっています」

 

 斑鳩は春潮と海原を購買部内部にある掛け軸へと案内し、この裏側から自分達の忍部屋へ入れると説明した。

 

 「成程ねぇ~購買部の中なんて……身近にあるが気付かれない、正に灯台下暗しね」

 

 「……て、事はあの販売生も忍何ですか?」

 

 「はい、そうなります」

 

 説明を受けた春潮は敢えて身近にある場所の裏側と言う点に感心を示し、黒波は販売する生徒は忍だと聴いた。何やらその販売生は此方側を睨み付けていたが……

 

 「すいません斑鳩さん?あの生徒、何か滅茶ゃ睨んでいるんですが……」ヒソヒソ

 

 「?……菖蒲さんが?」クル

 

 黒波を睨み付けている生徒が居る、と言われた斑鳩はその生徒の名を語りながら振り向く。

 

 「どうしました?斑鳩先輩?」ニコッ

 

 「勘違いでは?」

 

 菖蒲と呼ばれた女子生徒は笑顔で首を傾げながら聴いて来た為、海原に見間違いか何かと言った。黒波は納得しない形だったが危害を加えて来る様子は無かったためそう思うようにした……が、

 

 「………………………」ギロリッッ

 

 斑鳩が前を向くと同時に再び凄まじき形相で睨み付けて来た(斑鳩には気付かれていない)

 

 「(えェェェェェェェ!!??)」

 

 黒波は一人、心の中で絶叫した。この様子を見ていた春潮は菖蒲の発する『意』を読み取ってみると(黒波だけに睨み付けておらず、春潮も含まれていた)

 

 『葛ねぇ様には手出しさせないィ~』グルルル

 

 殺意ではなく、警戒心の方が強かった。彼女の言う『葛ねぇ様』と呼ばれる人物に海原と自分が手を出す事に対しての威嚇だった。

 まだ威嚇程度ならば問題ないと判断したが、それが元で同盟を結ぶのに支障を来すのと、彼女が威嚇する程に敬愛する人物に興味が湧いた為、斑鳩に『葛ねぇ様』なる人物を尋ねようとした瞬間

 

 「あの──」

 

 「よぉ!斑鳩ッ!」モミモミ

 

 「/////ヒャア!?」

 

 いきなり背後から現れた人物に胸を揉みしだかれた斑鳩はたまらず変な声を出してしまう。

 

 「うおぅ!!??」ググッ

 

 「ウワァ~…」ゲンナリ

 

 この光景を見た黒波は思春期の男子らしく多少前屈みになりつつもガン見する。対する春潮は海原と斑鳩の胸を揉みしだいている人物にドン引きすると同時に

 

 「およしなさい」 ドガシッ!

 

 「タコス!?」

 

 蹴り飛ばした。飛ばされた人物はどこぞの軍人のような台詞を叫びながら吹き飛んだ。腰が抜け座り込む斑鳩に手を差し伸べる。

 

 「大丈夫?立てる?」スッ

 

 「す……すいません」

 

 その手を取りながら立ち上がる斑鳩に春潮は気にしないでと言い吹き飛んだ人物へと目を向ける。吹き飛ばされた人物は頬を擦りながら(因みにこの人物が葛城である)

 

 「痛てえなぁ~何すんだよ!」

 

 怒り声を上げて来た為、春潮は冷めた目と声で

 

 「私は只単に彼女が嫌がって居たので"多少"強引に突き飛ばしただけですが?」

 

 「えぇ?先輩それは無理が…

 

 「何か言ったかしら?」ゴゴゴ

 

 「何も言ってません!」キリッ

 

 明らかに多少ではないレベルで突き飛ばした春潮にツッコミを入れた黒波だったが、春潮の放った圧に負けて何も言っていないと良い顔で返した。

 

 「全然"多少"じゃないだろ!!お前!()の癖に……にっ!?」

 

 「あ"?」

 

 「!(ヤベェ!!)ちょっ……春潮せんぱ!」

 

 少女は抗議するが、彼女のとある発言に春潮は先程の黒波に対して発した"圧"以上の、いやただの『殺気』を発した為、葛城は抗議を止め息を呑む。黒波は春潮を宥めようと声をかけるが

 

 「テメェ、今よぉ…何つった?」チャキィ

 

 いつから取り出したかは不明だが手に兜割りを持ち、それを葛城に向けながらホラー映画さながらに躙り寄る。

 

 「もう一度言ってみな~?大丈夫ゥ~お姉さん(・・・・)怒ったりしないからさぁ~」

 

 「ヒェ!」

 

 ハイライトの消えた眼でユラユラと近づきながら、先程の台詞を言うように促す春潮に葛城は短く悲鳴を上げる。何とかこの状況を脱しようと辺りを見るも

 

 「成程、この掛け軸の裏側が通路となっているんですね」

 

 「はい、では行きましょうか」

 

 「ッス!了解ッス!じゃあ!春潮先輩先に失礼します!」

 

 そう言いながら自分に兜割りを向ける男の後輩は、斑鳩と共に忍部屋へと移動して行ってしまった。

 

 「!!(だったら!)」チラッ

 

 助ける意思の見られない斑鳩達に対して、今度は自分に盲目的に熱中している後輩の菖蒲に目を向けるが肝心の本人は

 

 「ぐへへへ!倒れた葛ねぇを介抱する……その内に身体を隅々までお触り放題!……」ワキワキ

 

 と涎を垂らし両手を動かしながら倒されるのを待っていた。

 

 「うぉぉぉぉい!?菖蒲!!お前ぇぇぇぇ!?」

 

     ギュン!!

 

 春潮が迫っているのを忘れていたらしく、ツッコミを入れる葛城だったが、直ぐ様「ハッ」とした表情をしたが春潮の兜割りは目と鼻の先まで迫っていた!

 

 「くっそぉ!!!」グッ

 

 目を瞑る葛城だったが、何時まで経っても兜割りが迫って来ない為、恐る恐る目を開くと

 

 「痛いよ、…紅丸」

 

 「こうでもせんと止めんだろ?お前は」

 

 「!?」ビクッ

 

 自分に迫っていた兜割りを向けている手を横から掴む手があった為、その手が伸びる方向へと目を写すと彼…彼女よりも更に背の高い大男が居た。その大男は葛城に目を写し

 

 「恐がらさせて、すまないコレは色々あって《男》扱いされるのが嫌いなんだ。……それと、制服を着崩しているぞ?はしたない」

 

 紅丸と名乗る男は一応の謝罪と葛城の制服の注意をした。

 

 「"コレ"って何よ!」「制服をどう着ようが関係ないだろ!!」

 

 すると二人揃って抗議してきたため、紅丸は頭で「一言多かったのか?」と思いながら二人の抗議を受けていると背後から

 

 「……そろそろ、集まる時間ですよ?」

 

 そう語られた為振り向くと、黒のショートカットの少女と少女の肩に手を起き背後に隠れている少女が現れた。

 

 「ん?…於国にエヴァか、もうそんな時間か…すまんが於国この二人をどうにかしてくれないか?」クイ

 

 「ん?」

 

 於国と呼ばれたショートカットの少女は紅丸が指を指した方に顔を向けると、紅丸に対してと言うより互いに口喧嘩をしている春潮と半蔵生徒がいた。

 大凡の事を理解した於国は紅丸に

 

 「春潮先輩は兎も角、他校の生徒は無理です」

 

 「だよな」

 

 キッパリとそう言いながら断った。紅丸も大方予想していたらしく然したる様子は見せなかった。

 

  「よ~し、そこまで言うならどっちが悪いか、この先の《忍部屋》で決めようじゃないか!」

 

 「い~わよ!望む所よ!」

 

 スタタタ……

 

 口論しながら忍部屋に向かった二人を見た紅丸は頭を掻きながら

 

 「何をせずとも、結果オーライだったな?」

 

 忍部屋への入り口が分かった為、そう言うと於国も苦笑いで

 

 「はは、そうですね」

 

 返し二人が駆け込んで行った掛け軸へと向かって行った。先程まで於国の背後に隠れていたエヴァと呼ばれる陶磁器のような白い肌と雪のように白く長い髪で右目を隠した少女は

 

 「流れ的に春ねぇ達の口論に巻き込まれる気がするけど?」ボソ

 

 ボソリと小さく呟くと二人の後に続いた。

 

 ───とある路地裏───

 

 人気のなく薄暗い路地裏にの長身痩躯で端正な顔立ちではあるが、瞳に一切の光が無い為、屍人の様な雰囲気の少年が辺りを見渡しながら呟く

 

「………あのチビ女は何処だ?この辺りに消えた筈だが」キョロキョロ

 

 一通り路地裏に目を通した少年は、どうやら『チビ女』なる者を探していたが何処にも見当たらない上に気配も感じなかった為、少年は懐からメモ張を取り出し開くメモ張の中には様々な人物の写真と共に、家族構成や年齢等プライバシーに関する物が記されていた。少年はメモ張を巡りながらとあるページでめくるのを止め、とある少女の写真が貼っているページを眺めながら自身が追っていた少女と当て嵌めてみた。

 

 「(青髪の短髪に右目を隠し、左目は青の瞳……やはり、奴は『蒼鬼』)」

 

 どうやらページの写真と追っていた少女は同一人物だったらしく、顎に手を当て数秒間の沈黙の末に

 

 「……アイツ(・・・)に逃した事を報告するか…」カチャ

 

 そう言いながら、携帯を取り出し「アイツ」…恐らく彼より上の立場の人間に連絡をし始めた。

 

 『ん~?黒鉄(くろがね)?どうしたの?貴方から連絡なんて珍しいわね?何か用かしら?』

 

 明らかに女性と分かる声と共に名前を呼ばれた少年『黒鉄』は淡々とした声で

 

 「お前らが欲しがっていた蒼鬼だが、取り逃がした」

 

       『…………』

 

 淡々とした声での黒鉄の報告に沈黙する女だったが、溜め息と共に

 

 『ハァ…アンタさぁ?そんなつまらない事を伝える為にわざわざ電話したの?私の事、いえ私達の事バカにしているの?』

 

 明らかに呆れと多少の怒りを孕んでいると分かる声が電話から聞こえてくる。それに対して黒鉄はまたも淡々と表情を変える事なく

 

 「出会った際に『捕縛』出来た、出来なかった。を定期報告するように指示したのはお前だろう?オレはあくまでも指示に従っただけだが?」 

 

 いけしゃあしゃあと語る黒鉄に相手は何を言っても無駄だと判断したらしく、舌打ちと共に

 

 『チッ!分かったわ、今度からは『捕縛』出来た際に電話しなさい、次にこんな下らない事で電話したら『殺す』から』

 

 「出来もしない事を言うな、みっともない」

 

 電話越しでも分かる殺意に確実に小馬鹿にしてる返しに相手は限界が来たのか大声で

 

  『アン!──』ブチッ

 

    ツー、ツー、ツー、

 

 電話を切った黒鉄は直ぐに電話の履歴に移り上層部にかけようとするが、履歴の大半が先程連絡したであろう女性の名前であると思われる『零姫(レキ)』と言う名義が並んでいた為素直に連絡先から『《上層部》』と登録していた場所へと連絡をし報告と支持を貰い路地裏を出る事にした。

 さっき取り出したメモ張とは別の《殺害対象リスト》と記された物騒なメモ張を取り出しながら『蒼鬼』の名を記す事にした。

 

 『立夏』『大堂』『エンデュミレア』『飛鳥』『堕蛛羅』『雪泉』『香織』と記されていた後に『蒼鬼』と付け足した。

 

 「……増えたか」

 

 そう呟きメモ張をまたしまい、路地裏を出て振り向き今度は《殺害済み》と記されたメモ張を取り出しながらページを捲って行くと、路地裏と全く同じ写真と共に《殺害対象者》『政菜』そう記されたページが出たため、黒鉄は頭を掻きながら

 

 「一度来た場所なのに、道を把握して無いとか……間抜けか?オレは…まぁどうでもいいか、それより早く戻らなければ!」シュッ!

 

 自身の頭の出来を自虐しながらこの場を後にした。それを見届ける影が路地裏にあった。

 

 「フゥ……何とか切り抜けられましたか…しかし…私を捕縛ですか…」

 

 その影は路地裏から表の建物の屋根へと身を移しながら、安堵の溜め息を吐きながら、黒鉄が電話しながら話していた。自分を『捕縛』すると言っていた事が気がかりだったため黒鉄を警戒する事に加え

 

 「(彼には個人的に警戒しておきますか……しかし、結局の所『超・秘伝忍法書』の有りかは分からず終いでしたが……想わぬ収穫も有った事なので私も戻りますか、確か合同演習として『龍導学院』の方々が来る話でしたね……恐らく『監督生』の私の事は話していないでしょうし、少し急ぎますか…)」シュッ

 

 『監督生』という立場を持つ彼女、蒼鬼は調査事態は失敗に終わった物のそれ以前に相手の戦力が大きくなっていた事も分かった為、それを含め『龍導学院』の挨拶に向かうため急ぎその場を後にした。

 

 ──向かい側の建物

 

 「……見つけた」

 

 「どうします?」

 

 「背を向けた今なら、殺せますよ?」

 

 「じゃあ、殺そうぜ?」

 

 向かい側の建物の上にて双眼鏡から『蒼鬼』を見ながら呟く影が複数居た。影達は口々に意見を主張し合うが、恐らくリーダー格であろう女が

 

 「いや、ここは報告だけで良いだろう…奴をどうするかを決めるのは『天魔様』なのだからな、それに『天魔様』は御自分の手で奴を殺したいはずだし……取り敢えず『天魔様』と『ゾディアック星導会』の『麗王』に伝えておこう」

 

 『天魔様』その名を聞いた影達はそれもそうかと納得の意を示した為、リーダー格の女は

 

 「では、"散"」

 

   シュバ!

 

 そう言うと影達はその場から消えたように錯覚する程の速さでこの場を後にした。

 

 ──出浦上層部──

 

 

 「では銀雪よ、此度の任務成し遂げられるか?」

 

 重々しい雰囲気漂う部屋に中心を囲む用に並ぶ椅子に座る上層部の面々。その中でも一際豪奢な椅子に鎮座する威圧的な風貌をする男『天雷(てんらい)』は目の前て頭を垂らし跪く青年、銀雪に問うと青年は頭を上げ

 

 「ハッ!この銀雪必ずや御期待に応えて見せます」

 

 真っ直ぐな瞳で語る銀雪に椅子に鎮座する天雷は幾らか表情を和らげながら

 

 「期待しているぞ」

 

 「勿体無きお言葉!」

 

 労りを与える言葉を浴びせる天雷に再び頭を垂らす銀雪だったが、ふと疑問に思った事があった為に質問をする事にした。

 

 「誠に僭越でありますが、質問をする許可を私に」

 

 「貴様!は只与えられた任務を成し遂げればい…」

 

 「良い赦す」

 

 銀雪に抗議を行うとしていた上層部の一人を静止ながら銀雪に許可を与える天雷に渋々引き下がる上層部、許可を得た銀雪は与えられた任務の内容を語り出した。

 

 「『霊峰と訪国の殺害』……此方は理解できます。霊峰は我が校の最大の汚点であり、訪国は社会に害を与える癌になり得るが故に、しかしこの同盟を結ぶ校の生徒の祖父である『半蔵の殺害』……此方はどのような理由があっての結論でありましょうか?」

 

 その質問に再び顔を険しくする天雷に冷や汗を垂らしながら生唾を飲む銀雪に天雷はある一人の忍の名を口にした。

 

 「黒影と言う名の忍は知っているだろう?」

 

 「は、はい!《善忍》でありながら《抜忍》へと堕落した愚者と記憶しております!」

 

 銀雪は緊張のあまり少し反応が遅れてしまった。天雷はその反応に少し苦笑しつつ、話を続ける

 

 「その通りだ……その奴の孫がいるのだが、其奴の教鞭を取っているのが伝説と名高い《半蔵》である………これが何を意味するか分かるな?」

 

 「成程……善忍界の愚者に教えを与える、それすなわち『悪』と言う意味!この銀雪必ずやこの命を達成して見せます!!」グッ

 

 天雷の説明に納得した銀雪は先程の倍の声量と覚悟を決めた返事をする。その返事に穏やかな表情を造る天雷は何かを思い出すかのような表情をし銀雪に前に来るように伝えた。銀雪は不思議に思いつつも前に出ると、自身の目の前に黄金に輝く杯が現れ自身の身体に光の粒子となり入っていく。その光景に上層部を含み銀雪も驚きの声を上げる。そんな銀雪を見ながら天雷は穏やかな声と表情で

 

 「期待しているぞ、我が《息子》よ……」

 

 「ッ!はい!父上!!」

 

 息子と呼ばれた銀雪は歓喜の表情と返事をし部屋を後にした。それを見届けた後、上層部の面々は天雷に

 

 「良いのですか?あのような年端も行かぬ者に《聖杯》を与えるなど……幾らご子息とは言え甘くはありませぬか?」

 

 そう言ってきたが肝心の天雷は目を閉じながら天を仰ぎながら

 

 「構わん。奴が聖杯を消耗しようが変わりならまだある……いや、まだ居る(・・)が正しいか」ニヤリ

 

 不気味な笑みを浮かべ天雷は両手を出すと右手に5つの聖杯に左手には聖杯の紋様を浮かべる数十人の少女や少年達が写し出された。

 

 「おぉ……」

 

 その光景に驚嘆の声をあげる上層部達に天雷は更に笑みを深くした。

 

 ……その中には、出浦選抜の『エヴァ』も写し出されていた。

 

 ──とあるマンション──

 

 「……………フワァ……」

 

 朝だと言うのに未だに布団に入り込んでいる一人の青年は天上を見上げながら、開けているのか閉じているのか分からない糸目で

 

 「僕を《殺す》………か……無理やろ…眠っ」(。-ω-)zzz

 

 そう言うと眠りについた。




かなり、長くなってしまった。本編より長く……






感想・指摘等、お願いします。



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両学の秘伝動物と対戦表

全キャラ出てないのに変なアンケート出してもうたな


 「「あっはははは!!」」

 

 「馴染んでるなぁ…」

 

 半蔵の忍部屋に着くなり紅丸の感想はそれだった。つい先程まで口論していた葛城と春潮だったが、好物が味は違えど同じラーメンだった事と付け合わせが餃子だった事が生じて意気投合し先程の喧嘩等どこ吹くかぜすっかり仲良く成っていた。

 

 (問題に成らなくて良かったとするか、して)

 

 葛城と春潮の様子を見た紅丸はそう思いながら、自身の下を見た。

 

 「夜霧ちゃんはなぜ勝手に他行の物を私物化しているんだ」

 

 「?…………暇だったから」ポリポリ

 

 自分たちよりも先に着き忍部屋に不法侵入しながら勝手にTVを付け勝手にお茶とお茶うけを取っていた夜霧はさも当然、寧ろ『何を言ってんの?』とした表情をしながら答えた。

 

 「だからと言って勝手は駄目だよ!夜霧ちゃん」

 

 「あまり、褒められた行為では無いな」

 

 「…………………………………………………………チッ ズゾゾゾ!!」

 

 (………………)

 

 エヴァと於国に注意された夜霧は長い沈黙と共に小さく舌打ちをし行為を止めずにわざとらしく汚い音を出しながらお茶を啜り始めた。

 

 

 「お前ら、いい加減にして置けここは他校だ。普段通りの生活態度が通用すると思うな」チリッ

 

 三年生である紅丸の警告にざわめいていた出浦一同は静まりかえった。

 

 「騒がしい奴等で、すいません」

 

 「い、いえ個性的な方々だと思いますよ(^_^;)」

 

 紅丸の謝罪に斑鳩は気を使い大丈夫だと言い

 

 「私達の選抜のメンバーも中々に個性的ですから」

 

 遠い目をしながら語る斑鳩に紅丸はそう言えばと

 

 「貴女方3人しか居ませんね?他のメンバーは任務か何かですか?…とは言っても私達のメンバーも全員ではないのですが」

 

 そうなのですか?と斑鳩は言った後に葛城と自分を合わせれば二人の筈それなのに紅丸が三人と言った事を訪ねると

 

 「あの眼帯を付けた彼を含めれば三人でしょう?」

 

 紅丸の視線を追うと眼帯を付けた少年がマヨネーズをかけた団子を頬張っていた。

 

 「ン?どうかしたか?お二人さん?オレのfaceに何かついているか?」

 

 二人の視線に気付いた眼帯の少年は訪ねて来たため、斑鳩は少年の名前を紹介しようと

 

 「そういう訳では……あ、彼の名は─」

 

 「おっと、stopソイツはまだ早い」

 

 …したが、遮られてしまった。不服そうな顔をした斑鳩に眼帯をした少年は

 

 「オレ達のmemberが揃ってからにしようぜ?そろそろ揃う頃だろうしな」クイクイ

 

そう言いながら二人の背後に指を指すと半蔵の選抜メンバーと思われる生徒達が入室して来た。

 

 「皆さん、同盟校の選抜メンバーは揃って此方に出向いて居ると言うのに肝心の私達が揃わないのは失礼だと思わないのですか?」ヤレヤレ

 

 斑鳩の苦言に対して入室してきた生徒達は特に悪びれた様子を見せずに苦笑いしながらどんな人達か、と言う心配と緊張で中々寝付けなかったと言った。それを聞いた斑鳩は溜め息を吐くが紅丸は年相応の反応だと感じたらしく少し頬を崩し笑みを作った。

 

   チュド! ボフッ!

 

 「どうやら、全員揃ったみたいだな」

 

 「霧夜先生」

 

 煙玉と共に壮年の雰囲気を醸し出した男が現れた。名は『霧夜』佇まいと半蔵学園の生徒の反応からするに担任のようである

 

 (……それなり(・・・・)に腕が立つ忍みたいだな)

 

 壁に背を預けていた黒鉄は霧夜を見るなり心中で呟いた。

 

 

 「私達(出浦)のメンバーは後ふた……一人いますが」

 

 「「「「「「…………」」」」」」

 

 《今、二人って言おうとした?》

 

 於国の不可思議な内容に多少の疑問を持った半蔵生徒達だったが、他のメンバーの微妙な間があった為にスルーする事にした。

 

 「まっ!取り敢えず軽い自己紹介でもしない?」

 

 「そうっすね」

 

 微妙な間の空気を変える為に春潮は互いに自己紹介をしないかと提案してきた。

 

 「けど、学年と名前だけってのも味気無いし…ここは一つより親睦を深める為に互いの《秘伝動物》とか《武器》所謂《戦法》の紹介も入れてみない?」

 

 「「え"?」」 「は?」

 

 春潮のとんでもない発言に両校は驚き霧夜は呆気に囚われていた。

 何故なら、春潮の『互いの《戦法》を明かす』と言った発言は相手に自信の切り札または手の内を見せると言う今は同盟(協定)だから良いものの普段からしたらとんでもない愚行で有るからだ。

 

 「お前アイツ(・・・)に毒されたか?」

 

 「?私何か悪い事でも言ったかしら?」

 

 「オレっちは別に良いっすけど?」

 

 「おい、何を──」

 

 黒波は頭の後ろで腕を組ながら言うと他のメンバー達も

 

 「アタシもアレ以外並ば……」

 

 「私は構わん」

 

 「私も別にいいですけど?」

 

 「バレても勝てばいいだけだ」

 

 春潮の提案に賛同し更に

 

 「アタイ達も別に良いぜ?」

 

 半蔵側も問題無いと言った為に霧夜に視線を向けると霧夜も構わない派に同意であり、生徒達はお前だけだぞ?と言いたげな視線を向けていた為

 

 「分かった、分かった…けどここじゃあ狭いから《体育館》で見せるで形でよろしいでしょうか?霧夜先生」

 

 「ああ」

 

 ───体育館───

 

 「───これで、私達の《秘伝動物》《武器》《戦法》をお教え致しました。」

 

 体育館にて、先ずは半蔵の生徒達自らが提案された3つを見せ説明してきた(以下内容)

 

①が《秘伝動物》②が《武器》③が《戦法》

 

1年:雲雀

①『兎』②『素手』③『我流格闘』

 

1年:柳生

①『烏賊』②『仕込み番傘』

③『遠・中・近距離可能な攻撃』

 

2年:飛鳥

①『ガマ蛙』②『大小の太刀』

③『半蔵流剣技+体術』

 

2年:佐介

①『ライガー』②『素手』③『格闘術』

 

3年:政宗

①『青龍』②『刀』③『六爪流、爪を用いた体術』

 

3年:葛城

①『龍』②『具足』③『具足による蹴り技』

 

3年:斑鳩

①『火の鳥』②『飛燕(刀)』

③『飛燕による神速の剣技』

 

 「そんじゃ、次はオレ等っすね!じゃあそっち同様にこっちも1年から紹介して行きます!」

 

 半蔵の説明が終わると黒波から順に

《学年》《名前》《秘伝動物》《武器》《戦法》を紹介して言った。

 

1年:黒波

①『モササウルス/バハムート』②『大剣』

③『剛剣術』

 

1年:エヴァ

①『ペンギン/鯱』②『電鋸武器、スケートブーツ』

③『電鋸による解体、蹴り技』

 

2年:於国

①『唐獅子』②『二槍、太刀、拳』

③『槍術、剣技、体術』

 

2年:夜霧

①『サラマンダー/ガリートロット』②『刀+瞳術』

③『瞳術+多種多様な剣技』

 

3年:黒鉄

①『狼』②『仕込みトンファー』

③『トンファーによる打撃』

 

3年:春潮

①『カメレオン』②『方天戟、剣』

③『槍術、剣術、格闘術』

 

3年:紅丸

①『T-REX』②『メイス、肉体』

③『メイスによる打撃、格闘術』

 

 これらが出浦メンバーのそれぞれの《秘伝動物》《武器》《戦法》であった。

 両校の自己紹介も終わった為に教室に戻ろうと体育館を出ようとすると

 

 「於国と黒波と夜霧の《秘伝動物》は凄いが……他の奴等は何か微妙じゃないか?」

 

 「ちょっ!?葛ねぇ!!」

 

 「葛城さん!!申し訳ございません!!」

 

 葛城が失礼極まり事を呟いた為に斑鳩が頭を下げるが春潮や紅丸、エヴァは苦笑いしながら大丈夫と答えるが

 

 「(ヒャッハァ)!」ササッ

 

 何かを閃いた春潮はペンと紙を出しながら何やら行動を始めた。

 

 「いやいや、先輩達は超強いっすよ!?」

 

 「弱いとは言って無いでしょ?」

 

 「でもな~」

 

 「ホイ、これ引いて」

 

 葛城の発言に苦言を言う黒波と訂正するエヴァ未だに引っかかりを感じる葛城。3人の前にクジ箱の様な箱を持った春潮が引く様に促して来た為に箱の中の紙を一枚引く。

 

 「ハイ、皆も」

 

 「え…えっと?」

 

 「引いて、引いて」

 

 「何故従わなければ─「いいから」

 

 「話しを」

 

「引け」

 

 他の生徒達にも箱を差し向ける。最初は躊躇った生徒達だったがしつこく更に圧を掛ける春潮に根負けし次々に引いて行く。

 

 (春ねぇの推しに引くと思うけどね)

 

 エヴァは口に出そうな発言を心の中で押し止めた。

 

 「それじゃあ、皆が引いた紙を開いてみて?①から⑦の数字が書いてあるでしょ?其々の番号を順番に教えてくれない?」

 

 「?」

 

 「お前…まさか」

 

 疑問符を挙げる他の生徒とは別に春潮の主旨に気付いた様子の紅丸を他所に春潮はホワイトボードに番号と名前を書いて行く。

 

① 雲雀vsエヴァ 

 

② 柳生vs黒波

 

③ 於国vs飛鳥

 

④ 夜霧vs政宗

 

⑤ 佐助vs紅丸

 

⑥ 斑鳩vs黒鉄

 

⑦ 葛城vs春潮

 

 

 「これって……《対戦表》!?」

 

 「やはりな」

 

 ホワイトボードを見た飛鳥の呟きに理解していた紅丸は特に驚きもせずにボードを見ていた。

 

 「そ、自己紹介の戦法だけだと実力は解りかねないから、《模擬戦》で各々の強さを見たいと思ってね♪……多少理不尽な対戦内容に成っているのもあるけど」

 

 春潮は説明しながら佐介へと視線を移した。

 

 「それ以前に先生は許可するんですか?」

 

 斑鳩の尤もな質問に霧夜は

 

 「遅かれ早かれやろうと思っていたからな…傀儡でやるつもりだったんだが、《実戦形式》とはな」

 

 何れは行う予定はあったらしい。内容は対人ではなく傀儡を使用して行うつもりだったらしく言葉を濁す霧夜に黒波は

 

 「大丈夫、大丈夫ですよ、万が一には治療忍術をしますよ…………エヴァが」

 

 「ふん!」ゲシッ

 

 「痛い!」

 

 治療をエヴァに押し付けた。黒波は案の定、エヴァに蹴られた。

 

 「しかし、いや分かった。それではグランドにて、各自準備次第に番号順で行う!解散」

 

 霧夜の指示と同時にぞろぞろと体育館から退出する中、黒鉄はホワイトボードを睨みながら

 

 「……………クソが…」

 

 毒付きながら退出した。




次回は対戦に成りますが、お借りしている主人公勢で行いたいと言う個人的かつ自己中心的なかんがえで行います。雲雀、柳生、斑鳩、葛城ファンの皆さん申し訳ございません!

誰から見たいかアンケートを行います。


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夜霧vs政宗

アンケート通りの順に


 春潮の提案に行われた同じ番号を持った者同士による《実戦形式》の組み手。両校7名の実力を測る内容であり現在は4名まで終了していた。

 

戦績は……

 

春潮vs葛城➡️WINNER:春潮

 

黒鉄vs斑鳩➡️WINNER:黒鉄

 

黒波vs柳生➡️WINNER:柳生

 

エヴァvs雲雀➡️DRAW

 

半蔵が1勝2敗1引き分けに対して、出浦が2勝1敗1引き分けと一歩リードしていた。

 

それぞれの決着の決まり手をザックリと話すと

 

春潮vs葛城➡️兜割りの一閃で一撃KO

 

黒鉄vs斑鳩➡️黒鉄の一方的な攻撃にてKO

 

黒波vs柳生➡️柳生の遠距離と秘伝忍法にてKO

 

エヴァvs雲雀➡️互いの秘伝動物が激突し両者気絶

 

……このような流れだった。

 

続いての五回戦は。《夜霧vs政宗》同じ学年に加え互いに武器が『刀』そして『構え』(BASARAの政宗)まで一緒結えか、心なしか両者共に気合いが入っているように見える。

 

 「「……………」」

 

 ───スッ───

 

 両者は向き合うと同時に言葉は無粋と言わんばかりに刀を抜き

 

  \ガキィィィン!!/

 

 「…………!」

 

 「Surprise!」ニィ

 

 ぶつかり合う。体格では夜霧に勝っている政宗だが、華奢な見た目に反して中々な重量のある剣力に驚きを顕にしつつも笑みを浮かべた。

 

 驚きが有るのは夜霧も同様であった。

 

 (私の初手を浮けながら、笑みを浮かべるなんてしかも───)

 

 が、驚きとは別の感情があった。それは…

 

(何て、何て、何て、美しい太刀筋なの!)

 

 「………ムカつく」

 

 「Why?」

 

政宗の剣技の美しさに、純粋に『嫉妬』していた。

その為に思った事を口にした夜霧に政宗は不思議に思いつつも涼しげに攻撃を防御していた。

 

 「……っ!顔もムカつく!!秘伝忍法!!『幽炎斬波(ゆうえんざんは)!』」

 

 政宗の顔にも腹が立つと理不尽な理由を付けながら夜霧は秘伝忍法による炎の斬撃波を飛ばした。

 

 「……『S・A』」

 

 \ボゥアッッッッッッ!!!/

 

 飛んでくる斬撃波を前に刀をしまいながらに何か呟く政宗に夜霧の秘伝忍法が直撃した。

 

 「政宗くん!?」「助けなきゃ!」「…終わったな」

 

 直撃と共に爆炎が発生した為に佐介と飛鳥は救援に行こうとする中で柳生は静かに政宗の敗北だと悟っていた。

 

 「フゥ……案外大した奴じゃなかったな…エヴァは……気絶中か…春ねぇ、治療を」

 

 それは対峙していた夜霧も同様で爆炎を眺めながら、勝利を確信した彼女は気絶中のエヴァの変わりに春潮に治療を依頼するが

 

 \斬ッ!/

 

 『Thunder・Assault・X!!(サンダー・アサルト・イクス)』ビュオ!

 

 「え?」

 

 爆炎が切り裂かれると同時に聞き覚えの有る声が聞こえた為に振り向くと、一刀流ではなく刀を両手指の間に嵌めさながら竜の爪の用な六爪流と成った政宗が夜霧めがけ特効してきた。

 

 「くっ!……ぁ!?」ザシュ

 

政宗の攻撃を回避した夜霧だが、咄嗟の事だった為か回避仕切れずに微かに喰らってしまう

 

 「お前!何で無傷なんだ!?」

 

 直ぐに気を取り戻した夜霧は刀を構えながら政宗に問い詰める。

 

 「へぇ?其がアンタの本気の構えか?」

 

 政宗は夜霧の質問には答えずに夜霧の構えに興味を示していた。

 

 「?…あ。………質問に答えろ!!」

 

 自身の無意識に行っていた抜刀スタイル(シン・陰流)に政宗が興味を示していた為に元の上段構えスタイルに戻し再度問い詰める。

 

 「戻すのか?ソレ(抜刀)がアンタが一番力を発揮出来る型じゃないのか?」

 

 が、政宗は応えずに構えの事しか話さなかった。

 

 「話さないなら──」

 

 何を言っても聞かないと判断した夜霧は一旦目を閉じ

 

 「───私なりに(斬りながら)答え(葬る)を見つける」

 

 「ルビ、物騒じゃねーか?って……」

 

再度開くと、黒色の眼の色が左右変わり更に紋様も浮かび上がって来ていた。『左が青緑の逆三つ鱗』『右が紫の三つ鱗』という色事態は希有では無いが、模様はかなり独特であった。

 

 「あれは…瞳術!?」「幻覚形か!?政宗ぇ!目を見るな!」

 

 いつの間にか気絶から起きていた斑鳩と葛城が政宗に警告する。

 

 「その"瞳術"…天眼(てんがん)法眼(ほうがん)か?」

 

 政宗は六爪の構えのまま夜霧に聴こえる位の声量で瞳術の名前を挙げる。

 

 「な、何故!分かった!?何で知っている!?」

 

 夜霧は珍しく声を荒げながら同様すると

 

 「オレは予想しただけだが?その反応だと正解らしいな」

 

 「あ"!」

 

 「ブフッwwwヽ( ;゚;ж;゚;)ノブッ」

 

 夜霧はうっかり政宗のカマかけでも何でも無い言葉に馬鹿正直に返事をしてしまった。コレに黒波は吹き出していた。

 

 「ぐぅ~/////!」フッ

 

 

 顔を真っ赤にし卯なり声を上げた夜霧は一瞬で政宗の視界から消え 

 

 \ザクシュ!!/

 

  「ヌゥ!?Shit!!」

 

 

 \ザシュン!!/ \ザシュ/ \ザシュ/ \ザシュ/

 

 (チッ!何つぅSpeedだ!だが…コレは)

 

 政宗の横腹を切り裂いた。夜霧は手を休める事なくどんどん加速しながら政宗を切り裂いて行く、政宗も政宗で遁術や六爪を駆使しながら抵抗を試みる物の夜霧に掠りもしない、しかし政宗は夜霧の異常なスピードの秘密を理解しつつあった。

 

 「ムフフフ」ドヤァ…

 

 そんな事も知らずに、自分が優位に立っていると理解した夜霧は赤面からどや顔に表情を変えながら政宗を追い詰めて行く(ると思っている)夜霧

 

 「くっ…」

 

 政宗は猛攻に屈した用に地面に膝を突いてしまった。夜霧はこの隙を見逃さず

 

 (さ~て、コレで詰み!)ビュッ!!

 

 「おいおい、アイツ殺す気じゃないか!?」

 

 「不味い!」

 

 誰もが驚き、霧夜め止めに入ろうとした瞬間

 

「夜霧ィ!!!」 ビリビリ

 

 「!」ビクッ

 

 「ひゃん!Σ( ゚Д゚)」

 

 「お!起きた」

 

 大気を揺るがす程の怒声を発した紅丸。その声に夜霧は動きを止め、気絶していたエヴァは目が覚めてしまった。

 

 「…チッん?」

 

 紅丸の怒声により止めを刺せなかった為に舌打ちをする夜霧。

 

 「お前の瞳術の弱点も分かった。今度はこっちから行かせてもらうぜ?」

 

 不適な笑みを浮かべる政宗に夜霧は冷めた眼で

 

 (瞳術の弱点が分かった?どうせハッタリだ!)

 

 政宗の発言は自分を動揺させようとしているブラフだと決めつけ、斬りかかるが

 

 『Squama・Armor(スクゥエイマ・アーマー)』 

 

 「なっあ!?」

 

 360°展開した鱗により容易く防がれてしまった。この事に驚愕し目を見開く夜霧。

 

 「お前の瞳術を使う際の弱点……右の《天眼》を閉じて無いと左の《法眼》が使えねぇ事だ」

 

 「ウッ」

 

 そして、と政宗は続け様に攻撃をしながら

 

 「んで《法眼》の能力は視界内に入った位置へと《集中》する能力…其を利用して高速移動を行っていた……コレがオレのThe answerだ」

 

 「ムググ」

 

 口を紡ぐ夜霧に周りは『あ、コレ図星だわ』と思い、戦いを見守る。

 

 「……もう、隠し事は意味ないな。あぁ正解だ」

 

 口を紡ぎ唸っていた夜霧だが政宗にはそれ以上の隠し事は通用しないと悟ったのか、素直に認めた。

 

 「私は答えたんだ、お前も私の質問に一つだけで良いから答えてくれ」

 

 「あぁ、良いぜ?」(急にCOOLになったな)

 

 夜霧は政宗の回答を認めたのだから自分の質問にも答えてくれと頼み込んできた為に話し的には筋が通っていたので了承する。

 

 「では、何故一族ではないお前がこの『瞳術』を知っている?それに……効果と固有能力も」キッ

 

 瞳を黒に戻した後に再度『法眼』と『天眼』に変え政宗に問い質すと

 

 「そりゃあ、簡単な話しだ。使って居る奴を見たことが有るからだ」 

 

 「!」

 

 政宗の戦った事があるという発言に夜霧は食い付き 

 

 「…ソイツは男か?」チリチリ パチパチ

 

  (今度はHotに成ったな)

 

 身体から炎と雷のチャクラ闘気を発し、異様な雰囲気を漂わせながら問う夜霧に政宗は雰囲気コロコロ変わると思いながら

 

 「いや、女だったが?効果と固有能力は……まぁ、色々と……な?」

 

 「…そうか」

 

 問われた性別を否定し答えた後の能力の説明は政宗らしかぬ歯切れの悪さだった。

 

 それに、夜霧は何処かの糸目野郎や話を聞かずに自分語りをする眼帯キザ野郎とは違い色々と察したのか刀を構え

 

 「…種がバレた以上隠し事も意味が無い、私の本来(・・)の『瞳術』で相手をしよう。その方が速く決着が付くしな」

 

 「まるで自分が勝つ様な口振りだな?」バヂヂ

 

 夜霧の挑発混じりの口調に政宗は六爪流に雷を纏わせながら返すと

 

 「?当たり前だろ」

 

 何言ってんの?と言った口振りで返して来た。

 

 「It's fine(上等だ)!!」

 

 「おっと!火遁(かとん)元炎槍(げんえんそう)

 

 \シュボッ!/ \シュボッ!/ \シュボッ!/

 

 「っ!S・A」 

 

 政宗は敢えて挑発に乗り攻撃を繰り出すが、回避され逆に遁術を数発放たれるがS・Aこと『Squama・Armor(スクゥエイマ・アーマー)』で防ぎダメージを負わずに済んだ。

 

 「その防御技……やっぱり厄介だな。フッ!」

 

 \シュボッ!/ \ボフッ!/

 

 夜霧は再度同じ技を繰り出すがやはりSquama・Armor(スクゥエイマ・アーマー)により防がれてしまう。

 

 その防御力の高さに煩わさを感じる夜霧はそれとは別に

 

 (突っ込んで来ない、あの六爪流はどう見ても超攻撃的スタイルなのに…それにあの防御技が有ればガンガン攻めるのも可能なのに…何が狙いだ)

 

 政宗の妙に冷静で警戒している部分に疑問を抱いていた。

 

 (疑問に思っていんだろうな、オレが攻めて来ねぇの……アイツの事だ。このスタイル(六爪流)がSuper・attack型なのには気付いているだろうしな…にしても夜霧の奴…何で今に来て『遁術』を?)

 

 それに関しては政宗も同様らしく互いに膠着状態と成り、どちらが先に手を出すのか?と言った状況になり周囲の面々も息を飲む。

 

 「二人共微動だにしませんね。」

 

 「微動だにしないんじゃねぇ、出来ねぇんだ」

 

 「?」

 

 黒波の何気ない発言に紅丸は否定の声を上げる。紅丸の発言に黒波は首をかしげた。

 

 紅丸は回答を求める黒波に自分で考えろと言い

 

 (互いに腹の探り合いをしてんだろうが……)

 

 自分の考えを出していると

 

 「ハァッ!」

 

 「やはりな」

 

 先に夜霧が政宗に特効した紅丸はと言うか周囲も同様だったらしく余り驚かなかった。

 

夜霧は気にせずに剣速を速める、その為か徐々に『S・A』の展開した鱗に亀裂が入り始める。

 

 「ッチィ!」

 

 空かさず下がろうとする政宗よりも素早く後退した夜霧は刀を構え

 

 「秘伝忍法!『煙霧剣戟(えんむけんげき)』」モワモワ~ン

 「煙?」

 

 「政宗気にせずに攻めろ!」

 

 2つ目の秘伝忍法を放った。すると刀身が煙霧かし範囲が拡がる様に見えた。

 

 しかし先程の『幽炎斬波』と比べるとやや見劣りする為に対した技出はないと判断した半蔵メンバーが気失せず攻めろと声援を掛ける。

 

 「夜霧ちゃん…本気ねぇ」 

 

 「アレ、攻略法あるんすか?」

 

 「有るには有るが…リスクが大きいな」

 

 出浦のメンバーはひそひそと話をしていた。

 

 政宗も何か嫌な予感がした為に警戒の為に距離を取ろうとした瞬間

 

 \ズシャズシャア!!/ \ドロォ…/「……」

 

 「フフ…」

 

 煙霧に触れた政宗の右手がズタズタに裂かれ出血した。

 

 初めて悪い笑みを浮かべるが、政宗は気にせずに六爪流を鞘に収めた為

 

 「降参するのか?懸め「粉塵爆発」…え?」

 

 降参の意図だと思い懸命な判断だと言おうとしたが政宗の発言に度肝を抜かれた。

 

 「お前の狙いはソレだろ?」ぶん!

 

 「ちょっ!オマッ──」

 

 政宗が周囲の煙霧により身体をズタズタにされるのを気にせずに自身の『S・A』にクナイを強くぶつける、ソレを見た夜霧は急遽刀身を戻すが

 

 ボガァァァァン!!! 

 

 「あ!うわぁぁぁぁ!?」

 

 煙に伝わった大爆発に巻き込まれ刀を手放すと同時に吹き飛ばされてしまった。

 

 「うぐ……はぁはぁ」クラ

 

 しかし、流石と言うべきか選抜メンバーに数えられるだけはありふらつきながらも何とか立ち上がるが

 

 「Is the end(終わりだ)」チャキ

 

 服が破れ傷だらけの上半身を露にした政宗から喉元に剣を向けられる。

 

 「ま、まだ…はぁ、まだ私は……」タラ

 

 「オイオイ、立つのがやっとのお前に何が出来るんだ?ボロボロじゃあねぇか…敗けを認めろよ……でないと」

 

 鼻血を滴しながら立ち上がる夜霧に政宗は溜め息を吐きながら敗北を受け入れろと言って来た。

 

 「…………誰がっ────ッ!?」

 

 その発言に抵抗しようとした瞬間、彼女の脳裏にノイズが走り忌々しい記憶が浮かび上がった。

 

 『グア!?…はぁはぁ』ドシャア

 

 『いい加減に敗けを認めろよ?敗北を受け入れるのは『恥じ』じゃない。ソコから何も学ばない事が『恥じ』だ。まぁ、この世界だと負け=『死』って言うシビアな世界だ……けどね、模擬戦っていうのは自分の弱点を気付ける絶好の機会なんだ、素直に敗けを認めて自分の『弱点』を克服しろよ。でないと』

 

 「「お前、死ぬぞ?」」

 

 「───ギリィッ!!」

 

 記憶の中の人物と同じ事を語った、政宗に怒りのゲージがはち切れた。夜霧は血走った眼で怒りの感情を曝け出しながら

 

 「お前だって!!十分にボロボロじゃないか!!なのに私が敗けだと!?ふざけるな!!私はまだ戦える!!敗けたら終わりなんだ!!私は終わるわけにはいかない!!敗ける訳にはいかない!!敗けから学ばない事が『恥じ』?違う!!敗けたらそれで終わりだ!!敗けて学ぶ事何て!!一切無い!!さぁ、私はまだまだやれる!!掛かってこい!!」

 

 (珍しいな、夜霧が感情を剥き出しにするなんてな…過去に何か合ったか……それともあの(正宗)に何か有るのか、まぁ前者だろうが…)

 

 「……………スゥ」

 

 大声で喚き散らす夜霧を見た紅丸は心中で普段の夜霧からは考えられない言動、行動に興味を示していた。

 

 そんな夜霧を余所に政宗は冷ややかな視線を向けながら、静かに呼吸をする。すると身体中の傷がたちまち消え始めた。

 

 「で?誰がボロボロだって?」

 

 「…な、クソ!」

 

 その光景に驚きを隠せない夜霧だったが、手にしたスティレットを振るいながら政宗に襲いかかるも簡単に遇われ蹴り飛ばされてしまう。

 

 「ガハッ!クソ!クソ!」ガンガン

 

 跪きながら地面を殴る夜霧、近くに自分の愛刀が目に止まり今の自分を写し出す。

 

 (何て、無様だ。何と滑稽だ。理解はしているのに下らないプライドでまるで成長しない、愚かな己……そんなお前があの男を……己の『実兄』を殺せる訳が無───)

 

 愛刀が自分にそう語りかけて来た用に見えた思えた夜霧は黙らせる用に刀を手に取り構え、今一度冷静さを取り戻し

 

 「来いよ、この一撃でお前に勝つ」ボォ

 

 刀身に炎を纏わせながら語る。恐らく最後の一撃を放つつもりの夜霧に政宗は応じる様に剣を構え

 

 「行くぜ?」

 

 「来い!!」

 

 互いに激突する。

 

 「秘伝忍法!!『炎滅一閃(えんめついっせん)』」

 

 「秘伝忍法!!『青龍嵐鋭槍(せいりゅうらんえいそう)』」

 

 夜霧の渾身の一撃は意図も容易く弾かれ政宗の槍の一撃が自身の胸に貫かれると思い目を閉じかけるが、映ったのは刀身ではなく、鞘に収められた刀であり。

 

 その光景を最後に夜霧の意識は途絶えた。

 

 『五回戦:勝者『半蔵学院』《政宗》!!』

 

 「ヨッシャア!!」

 

 「漸く引き分けです!」

 

 「…フン」

 

 「よし!このまま次も勝ちを取ります!」

 

 「頑張って!佐介君!」

 

 半蔵学院は勝者である政宗に称賛の声を浴びせる。次の代表である佐介は気合い十分な様子で対戦ステージへ進む。

 

 「……コレ、起きたら面倒くさく成らないかしら?」

 

 「確実に拗ねますよね?」

 

 「……エヴァ、頼む」

 

 「あはは、デスヨネー」(;¬_¬)

 

 対する、出浦は気絶した夜霧の後の対処が面倒だと言い慰めをエヴァに頼んだ紅丸はゴキゴキと首を鳴らしながらステージへ進む。

 

 「次はそう上手く行くか分からねぇぜ……」

 

 観客席に戻った政宗は肉薄しながらステージに目を向ける。

 

 「宜しくお願いします!!」

 

 「あぁ、全力で掛かってこい」

 

 政宗は気付いていた。それは、一目見た時から分かっていた事、それは佐介が相手にしている巨漢はこの場に居る誰よりも強い事を

 

 「今日一番のExcitementだぜ」

 

  『始め!』




オリキャラどうしは中々難しいですが……上手くいきましたかね?プロフィールの夜霧と今回の夜霧はかなりブレブレな感じですが……

次回は『紅丸vs佐介』です!結果はどうなるのか!?

お楽しみに!!


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紅丸vs佐介

はい、最強の一角対ダークリベリオン様の主人公対決になります。


 『始め!』

 

 \バッ!/ \バッ!/

 

 試合開始の合図と共に両者共に駆けるが、僅差で佐介が速度で上回り紅丸のメイスを掻い潜り懐へ潜り込み

 

 「天轟拳(てんごうけん)!」

 

 気を纏った拳を紅丸の腹めがけ強烈なアッパーを繰り出す。ドン!と凄まじく重い一撃が入った音がグラウンドに響き渡る。

 

 「ヨッシャア!!決まったぜ!!」グッ

 

 「相手が武器持ちなのが功を成しましたね」

 

 「格闘じゃあ佐介君が一番だからね!」

 

 葛城は拳を握りしめ腕を上げながらガッツポーズをする。

 

 「……そう、簡単には行きませんよね」

 

 しかし、葛城や他の面々の思惑通りとは行かず佐介の拳は紅丸の左手で受け止められていた。

 

 「中々の威力だ。だが、踏み込みが甘い!!」

 

 攻撃を受け止められた事に苦笑いする佐介に紅丸は中々と評しながらも、技の欠点を挙げながら投げ飛ばす。

 

 「うっと…とと」

 

 宙返りしながら着地した佐介は再び構えを取る。

 

 「腰の刀は使わんのか?」

 

 紅丸は佐介が腰に指している小刀を見ながら問うと佐介は構えた拳をより強く握りしめながら

 

 「小刀は補助!主力は鍛えた『五体』です!」フンス

 

 「フム……」

 

 力強く答えた。紅丸は自分のメイスに目を写しながら地面に突き刺し。

 

 「奇遇だな、実はオレも」フッ

 

 「消え──」

 

 地面にメイスを突き刺した紅丸が視界から消えた事に驚く佐介。その一瞬が隙となり

 

 「五体(肉弾戦)主力(本分)だ」

 

  \ゴッ!/ゴッシャアアア!!!

 

 真横から手痛い一撃を喰らい、数m吹き飛ばされた。しかし、こんな事でやられる佐介ではない。直ぐに体制を立て直し迎撃の姿勢を取る。

 

 「!」

 

 「あら、まぁ……」

 

 「すっげぇな!!アイツ!!」

 

 「あの一撃から構えを取るなんて、かなり根性有るわね」

 

 「ほ、ほら、夜霧ちゃん。紅丸先輩の試合見て色々学ばなきゃ」ナデナデ

 

 「………………」

 

 半蔵学院以上に相手側(出浦)からの声援が多かった。政宗に敗北した夜霧はエヴァの太ももに顔を俯せ頭を撫でられてながら不貞寝していた。

 

 「どっちが歳上だよ……」

 

 その様子を見た政宗は呆れて溜め息を吐いた。

 

(エヴァは1年で夜霧は2年である)

 

 そんな中、黒鉄は何やら意味深な視線で佐介と飛鳥を一瞥すると目を閉じ瞑想し始めた。

 

 (この子(黒鉄)とチームを組む時は成るべく『飛鳥ちゃん』とは組ませない方が良いわね)

 

 黒鉄の意図に気付いた春潮は対策を練り始める。

 

 話は戻り対戦では

 

 「その巨躯で俊敏な動き…感服しました」

 

 基本的に礼儀正しい佐介は顔を殴られたにも関わらず対戦相手である紅丸の身体能力を称賛した。

 

 「称賛するか?珍しいな。まぁ良い次はさっきより速く強く顔面にぶち込むぞ!!」

 

 (あんたも大概よ…)

 

 佐介の人柄の良い所を珍しいと評しつつ、先程の倍で攻めると馬鹿正直に語る紅丸に春潮は心中でツッコミをした。

 

 「スゥゥ──はいッ!?

 

 佐介は次の攻撃を迎えようと目を閉じ深呼吸し目を開いた瞬間に目を見開いた。

 理由は紅丸の拳が後mm動かすだけで顔面に直撃する迄に迫っていた為であった。

 

 「クッ!! 獅子宙(ししちゅう)辺脚(へんきゃく)」グルン!

 

    \ゴッ!!/

 

 「っ……!」グラッ

 

 佐介は拳が直撃する0.01秒で自分に出来る行為攻撃を行った。佐介の放ったサマーソルトキックは見事に紅丸の顎に入り紅丸は体制を崩す。

 

 「よっしゃあ!!今度こそ!決まった!!」

 

 「漸くマトモな一撃が入ったか」

 

 体制を崩した紅丸を見た葛城と柳生は勝負有りと判断したが

 

 「がっ!!ハァ!!」

 

 佐介は突然横に吹き飛ばされ、地面を勢い良く転がり脇腹を抑えながら咳き込む。

 

 「な、何が?」

 

 「いや、普通に脇腹殴られただけだろ?」

 

 突然の出来事に自分事の用に驚く半蔵達に対して出浦は冷静に返すが

 

 「……あの佐介って忍、凄いな」

 

 エヴァの太ももから胸に顔を移動している夜霧は、顔を胸に埋めながら呟いた。

 

 「どう言う事だよ?」

 

 夜霧の呟きに黒波は疑問するが、夜霧はエヴァの胸に顔を埋め黙った為に変わりに春潮が簡単に説明をし始めた。 

 

 「紅丸の次の攻撃を予想ではなく、脇腹を殴らせる様に誘導していたのよ。現に脇腹に高密度の気を…『防御チャクラ』を集結させていたしね」

 

 「成程、つまり先輩は『鎌掛け』に嵌まった訳か…」

 

 「そうだ」ムニッ

 

 (そろそろ、良くない?)ヨシヨシ

 

 説明の終えた春潮に同意した夜霧は再びエヴァの胸に顔を埋める、そんな夜霧の頭を撫でながらエヴァは口には出さないが疲れが出ていた。

 

 「今のを耐えるか」

 

 「簡単に負けるつもりはないので!……痛ツツ」

 

 (近距離戦だと彼方に分がある、なら…)

 

 佐介は額に脂汗を滲み出しながらも、再度構えを取るが、体格と純粋な力では紅丸に敵う筈もないと判断した佐介は距離を取り

 

 「ハァァァ!!」コォォ

 

 身体中から発した黄色の気を腕に集め

 

 「獣波拳(じゅうはけん)!!」

 

 獅子の頭を象った巨大な気功波を放った。

 

 「属性じゃなくて、純粋なチャクラの塊か!?」

 

 「いいえ、『闘気(とうき)』と『炎気(えんき)』を含んでいるわ」

 

 「だと言う事は、軽く3500℃は有りますね」

 

 「ほう」

 

 佐介の放つ気功波を分析する出浦とその話を聴いていた紅丸は佐介の潜在能力に感心しながら手を出し

 

 「クレイター・イラプション」\カッ/

 

 \シュワ/

 

 相手が技を出すなら此方も出さねば無作法と言わんばかりに放った一撃は獣波拳を掻き消す。

 

 「そんな!うわッ!?」

 

 驚きの余り声を上げる佐介。更に掌を貫き肩に熱を帯びた石槍が突き刺ささり短く悲鳴を上げた。

 

 しかし、それでも佐介は傷口の上から包帯を巻き強引に握り拳を作り再度構える。

 

 「まだ!やれます!」

 

 構えながら闘志を燃やす佐介に応え連続で佐介に攻撃を与える紅丸。

 

 ──5分後──

 

 「ま、まだ…僕は、戦え

 

 「降参しろ…それ以上は命に関わる…」

 

 産まれたての小鹿の様な足取りにか細い声を発し何とか立っている佐介に紅丸は痛々しい表情を浮かべながら降参を進めるが再度に渡り拳を握る佐介に

 

 「諦めろ」

 

   「コレ以上、続けるのはヤバいだろ」

 

 「身体は限界の筈だ」

 

   「お相手の方に従った方が」

 

 「見てられないわ…」

 

「紅丸先輩の言う通りにした方が」

 

 出浦の他に半蔵からも降参の声に従った方が良いと声が上がり始め

 

 (うぅ…)モヤッ

 

 佐介の精神も曇り始め何か無いかと考え両手を見ているとある事を思い出す。

 

 ──2年前───

 

 それは佐介の修行時代の出来事。

 

 パチパチと火を起こす焚き火を前に

 

 「今まで、ぎょうさんの『秘伝忍法』見てきたけど……君のはちいとばかし特殊やな?ちょいと、隣失礼」

 

 そう言いながら、焚き火に更に木をくべる糸目(・・)の少年は佐介の隣に座り込む。

 

 「そうなんですか?と言うか、そもそも僕は『秘伝忍法』を見せてないし、使ってもいないんですが……」

 

 「せやったな、すまんすまん。気にせんといてや」

 

 少年の発言に糸目の少年は謝りながらも

 

 「それやと、色々大変やろうし……手出してみ」

 

 「?」

 

 手を出す様に言われた為に疑問に思いつつも手を差し出すと手を握られると同時に白い焔が現れ

 

  ボボウ

 

 「わわっ!?」

 

 佐介の手の甲に燃え移り始めた為に急いで鎮火した。

 

 「な、なにするんですか!?」

 

 少年の蛮行に佐介は激昂しながら怒鳴るが少年はケラケラ笑いながら

 

 「はは!スマンスマン、けどこうでもせな自分受け取らん思うてな?安心せい佐介よ、ソレ結構使えるで?そうそう使う際にはな───」

 

──

 

 (あの時は一方的だったけど……物は試しだ!)グッ

 

 「まだ……僕は戦えます!!!」

 

 (!まだ、やる気か!?しかし、先程とは違うようだな……ならば)

 

 「来い!!」ズンッ!

 

 佐介の覚悟を見た紅丸は受けて立つと拳を構えながら声を掛けた。

 

 「何やってんのよ!あの馬鹿!!」

 

「佐介ェ!?止めとけよ!!」

 

    「Crazy……って訳じゃないな」

 

 「『秘伝忍法』…じゃない?」

 

 佐介と紅丸に突っ込みを入れる双方だが互いに降りる気はないと判断した霧夜により再開すると

 

 「『授伝忍法(じゅでんにんぽう)御神拳(ごしんけん)真神(まかみ)』」

 

 聞きなれない忍法と共に佐介の長ランが、白を基調にしたファーコートへと変換し白い焔を両手に纏い構えを取る。

 

 「『授伝忍法』……だと?それにそのチャクラは───」

 

 紅丸は佐介の使用した『忍法』とその『チャクラ』に心当たりが有るのか何かを呟こうとする前に

 

 「『深速(しんそく)ッ!』『白炎雀羅(はくえんじゃくら)!』」

 

 「ぬっ!!」

 

 佐介の攻撃が飛んで来た為に避けようとするが、深い踏み込みにより放たれた網状の技はかなり速く避けきれずに腕に直撃した。

 

 \ジジジ…ジュウ/

 

 「この熱量やはり…」

 

 腕に巻き付いた白炎状の網を見ながら再度何かを呟く前に佐介が怒涛の連続攻撃を仕掛けて来た。

 

 その動きに立場は逆転し紅丸は防御と避けに徹する

 

 「うっそ……だろぉ??」

 

「さっきまでの立場が完全に逆転している?」

 

 「(-.-)Zzz・・・・」⬅️夜霧

 

 (……あの『炎』に『チャクラ』…まさか)

 

 出浦のメンバーは佐介の動きに驚愕し、半蔵のメンバー達も

 

 「これ、行けるんじゃないか!?」

 

「しかし、あの佐介さんの姿が一時的な物だとしたら…」

 

 「その前に討てば良いだけだ、行けるだろう」

 

 驚きと心配が混ざりつつも佐介が勝つと踏んでいた。

 

 「『白炎双衣(はくえんそうい)』『武麗狗(ぶれいく)』…集屠(しゅうと)!!」\バキャン!!/

 

 「グッ!!…その『白炎』に『チャクラ』に技…やはり《霊峰》の物だな!?」

 

 「「「!?」」」

 

 「…やっぱりねぇ」

 

 紅丸の指摘に霧夜、斑鳩、政宗は驚き春潮は予想が当たったと苦笑していた。

 

 そんな紅丸の指摘に佐介は攻撃を続けながら

 

 「はい!2年前の修行時代に会っていました!」

 

 「あの馬鹿、いくら単位は無事とは言え二年間もそんな事を!!…と言うかどう言った経緯で会ったんだ?」

 

《霊峰》との出会いの経緯を話し始めた。

 

 「森で遭難している所に会いました!」

 

 「何してんだ、あの馬鹿」

 

 「空腹だったようなので、ご飯を挙げました!」

 

 「何してんだ!あの馬鹿!」

 

 「後、敵衆(妖魔)も連れて来ていました!」

 

 「マジ何してんだ!?あの馬鹿!!!」

 

 予想以上に迷惑極まり無い出会いをしていたらしくツッコミを入れる紅丸。

 

 「まぁ、そんな出来事は些細な事ですよ…困った時はお互い様ですし」

 

 「いや、全然些細じゃないよ…」

 

 (うんうん)

 

 佐介のズレた発言に否定する紅丸に周囲(特に出浦)も同意していた。

 

 「そんな事よりもです!次で決着にします!!」

 

 「……あぁ、分かった!」

 

 微妙な空気から一気にシリアス空気に成った佐介に紅丸も応える形で構え

 

 「行きます!!」

 

「『白炎・終式(はくえん・しゅうしき)』『気焔万掌(きえんばんしょう)』!!」

 

 白炎を腕に纏い紅丸に目掛け一直線に駆け出した。

 

 「来い!Tyrant・Onslaught(暴君の猛撃)

 

 向かって来る佐介に紅丸も腕を赤黒く染め上げ応戦の構えを取った。

 

 そして、ぶつかる二人。

 

 \ドン!/ \ドカッ/

 

 \バキッ!/ \ドゴッ!/

 

 凄まじい爆音が響き渡る結界内、そのぶつかり合う爆音は結界外にも伝わっていた。

 

 ─半蔵学院教室─

 

 「花火?」 「何で?こんな時間帯に?」

 

 「祭りに向けてじゃね?」「試射てきな?」

 

 「ほら、静かに!授業に集中しろ!来週テストだからな!」

 

 二人の爆音により、ザワザワとざわめく教室内だったが教師のテストがあると言う発言に生徒達は授業に戻り始めた。

 

 (紅丸の奴…何してんだ)

 

 一人の生徒は心の中でぼやきながら教科書に視線を戻し授業を再開し始めた。

 

 ───結界内─

 

 佐介と紅丸は互いにぶつかり合っても、埒が明かないと判断したのか互いに防御を捨てたインファイトに移行する。

 

   \ドガガガガガ!!/

 

 互いの拳がぶつかり合い両者一歩も引かないラッシュの応戦に成る。しかし体格差故か徐々に佐介が推され始めていく。

 

 「っ!……」ドガガガガ

 

腕を交差させての防御に追い込まれる佐介

 

 「がっ!」ガガガガ

 

 遂に防御も出来ずに攻撃を受け続け、考える事しか出来なくなる。

 

 (マズイ、このままだと…負ける!)

 

 「ちょっ!コレ止めた方が良いッスヨ!!??」

 

 「先生早く!!」

 

 「ああ」

 

 両校の生徒が止めた方が良いと霧夜に語り仲裁に入ろうとする霧夜。

 

 佐介は佐介で、頭に『敗北』の二文字が刻まれ意識が消えそうに成りかけた瞬間

 

 ───負けないで!佐介君!!───

 

 「!!!」グッ

 

 「!……ぬっ!!」

 

 大切な存在の声援により意識を取り戻した佐介は攻撃を受けた状態にも関わらず紅丸の顔面に拳を浴びせ怯ませた。

 

 「」

 

 ポカーン

 

 その光景に面々は驚きの余り声も出ずに固まった。

 

 佐介はそんな周囲の空気を気にせずに怯んだ紅丸に追撃を行う。

 

 「はぁぁぁぁ!!!」

 

 突き、蹴り、の流れるような連撃に怯んでしまった紅丸は頭が追いつかずに防御する間もなく食らい続ける。

 

 「これで!終わりです!!」

 

 佐介は追撃を止め、炎を拳に集結し白から蒼へと変え

 

 「蒼晴拳(そうせいけん)』!!

 

 紅丸の正中目掛け拳を叩き込んだ。

 

  「ぬ"ッぁ!?」

 

 野太い声と共に紅丸は対戦で初めて数m吹き飛んだ後膝を吐き、軽く吐血した。

 

 「ウッソだろぉう?」

 

 黒波の間抜けな声が流れる中で、佐介の忍装束が白のファーコートから元の長ランに変わっていった。

 

 「はぁ、はぁはぁ……」シュウゥゥ……

 

 佐介は手を膝に吐け、肩で息をしながら紅丸の方向へ目を向ける。

 

 「…………」

 

 対する紅丸は顔の様子は伺えず、沈黙を貫いていたが立ち上がり近付いて来た。

 

 「そ、そんな!」

 

 (全力の一撃だったのに!?不味いもうこれ以上は…イヤ、諦めたらダメだ!!)グッ

 

 全身全霊の一撃すら効かなかった事に動揺しつつも、覚悟を決め再度拳を構えると

 

 \ポン/

 

 「この勝負、お前の勝ちだ」

 

 「え?いや、何で?僕はもう限界でしたし、貴方には馬だ余裕がありますよね??」

 

 優しく頭に手を置かれ、そう紅丸に言われた佐介はそれはおかしい、違うと抗議するが紅丸は

 

 「最後の技使った時…オレは膝を突いていたが、お前は限界と言いながら立っていただろう?」

 

 「えっと?まぁ、そうですけど……」

 

 自分は膝を突き、佐介は立って居たと言われた佐介は頷くが納得出来ない釈然としない表情を浮かべていた為に紅丸は

 

 「国技の相撲では『相手の体のうち足の裏以外の部分を土俵の土に触れさせる』そしたら勝ちだろ?さっきの状況は正にそれだ」

 

 「う、うん?成程?」

 

 自身の矜持ではなく国技を持ち出し半ば強引に勝利を認めさせる紅丸。

 

 「んじゃ、最終戦の準備に移ろうぜ?楽しみだしな」

 

 「う~ん」

 

 ヒラヒラと手を仰ぎながら自軍の場へ向かう紅丸にまだ、釈然としないと言った佐介だったが

 

 「やったな!!佐介!!」

 

 「佐介さん、の勝ち越しに成りました。」

 

 「やるな」

 

 「佐介くん、スゴイね!雲雀も頑張らなきゃ!」

 

 半蔵のメンバーが喜んでいる、何より

 

 「佐介くん……私も勝って来るね!!」

 

 「うん!頑張って!飛鳥ちゃん!」

 

 特別な人にも活力を与えれた事もあり結果オーライとする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────とある、汚職善忍屋敷前

 

 「ええ、ええぞ、もっともっと強ぉなれ…して、僕を満たしてくれェ…佐介ェ」

 

 一人の糸目の少年…最強の善忍こと霊峰は空を仰ぎながら呟いた。

 

 

 

 (……また、何か言ってる………………キモッ)

 

 そんな霊峰に春日は若干引いていた。




これにて、

半蔵➡️3勝2敗1引き分け

出浦➡️2勝3敗1引き分け

と半蔵がリードとなりました。………あってるよね?

次回は『於国vs飛鳥』のキャットファイト!!

…と行きたいのですが、本編に繋がる話がさきに成るかも知れないです。


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於国vs飛鳥

タイトル詐欺


 出浦vs半蔵と言う互いの実力を見る試合が始まり現在の戦績は以下の通り

 

 半蔵➡️3勝2敗1引き分け

 出浦➡️2勝3敗1引き分け

 

 半蔵が一歩リードしている状態と成っていた。続いての対戦相手は

 

 半蔵学院《2年:飛鳥》出浦学院《2年:於国》

 

 互いに同学年の対決と成っており、更に互いは形は違えど偉大な祖父の血を引く者同士でもあった。

 

 『始め!』

 

 \バッ!/ \シュバッ!/

 

 試合開始の合図と共に互いある程度距離を取りながら

 

 「「忍……転身!!」」

 

 二人は同時に忍の要でもある忍転身を行った。

 

 飛鳥は自分成りに可愛いと思った制服に赤いスカーフを首に付けた姿

 

 於国は上半身赤い革ジャン、に右肩に鎧、下半身は動き安い用にか、もんぺを纏った姿。(用はBASARAな槍使いの肩のみ甲冑+腰に刀)

 

 「はぁ!」

 

 「!(速い!)」

 

 飛鳥は手にした双刀・柳緑花紅を交差させ於国目掛け突進する。

 於国は飛鳥の予想以上の早さに驚き包も慌てずに直立したまま両手にした愛槍である二槍の蒼火紅(そうかくれない)を片手で一つ構え

 

 「炎槍(えんそう)火花(ひばな)!」シュバババ

 

 凄まじい速度で突きを繰り出す。

 

 「くぅッ!」

 

 突進を仕掛けた飛鳥は槍が当たる何とか踏みとどまりながら迫る槍を捌くが体格的に勝る於国の方に部が有り、徐々に押され始める。

 

 「フフ!!行くぞ!!」ググ…

 

 それを好機と捕らえた於国は体制を屈めながら突きを放っていない片方の槍の握る力を強め

 

 「キャア!?」

 

 突きを放っていた槍で飛鳥の体制を崩すと同時に高く飛び上がり

 

 「炎槍(えんそう)!!火打石(ひうちいし)!!」

 

  \ドグアッ!!/パチパチ

 

 槍を飛鳥目掛け強力な一撃を叩き込んだ。強力な爆音と濃い煙が発生し視界が悪く状況が掴めないが

 

 「─……飛鳥ちゃんのチャクラが…消えた…?」  

 

 「まさか!?」 「嘘だろ?」 

 

 「死んだか?」 「そんな」

 

  (Stupid(バカ共が))

 

 於国の技以降から飛鳥のチャクラが消えた事に半蔵側がどよめく。しかし政宗はそんなメンバーに対し内心で毒づいていた。

 

 相対する出浦側も少しざわつくが平常心を保っていた。理由は於国の表情による。

 

 (???……叩き付けた感触が無い??どういこと?)

 

 彼女の心を写した用に《はてな?》顔が浮かんで居たからであった。

 

 「……考えても仕方ない、まだ生きているなら反撃を狙う筈!さて、何処からだッ!?『探索忍法(たんさくにんほう)虎視眈々(こしたんたん)!』」

 

 取り敢えず深くは考えず感触が無い=まだ健在と考えた於国は槍を構え迎え討つ体制を整える。それに加え念押しに*1探索忍法を発動する。

 この術は左右上の範囲の索敵を可能とする忍法であり範囲・方向共に優れた忍術である。……但しある欠点を除けば。

 

 \ボコッ/

 

 一見完璧に探索できそうな忍術の欠点…それは

 

    \ボグゥアッ!!/

 

  「テヤァッ!!」

 

 「なっ!?しまっ──グアッ!!」

 

 地下の探索は不可能と言う所謂『下』は対応外という点であった。

 

 その為に於国は地下から懐に現れた飛鳥の攻撃に反応出来ずにクリティカルダメージを喰らう。

 

 「セヤァ!ハァッ!テイッ!」

 

 「くっ!チイッ!このッ!!」

 

 続け様の飛鳥の流れる連撃に押される於国。彼女の槍と飛鳥の大小の小太刀では懐に入った飛鳥側が有利である為に反撃は出来無いために於国は押される形に成るが

 

 「こうなったら……」

 

    \ポイ/

 

 「え?」

 

 攻めあぐねていた於国は何と突然槍を捨てた。

 

 この行動に完全に虚を疲れた飛鳥は一瞬だが硬直してしまう。通常の人間並ばたった一瞬の隙…1秒も満たない時間を相手が造った所で反応は出来ないだろう、しかし相手である於国は忍。故にその隙を見逃さずに

 

 「掛かったな!!阿保がッ!!」

 

 「くっ!」

 

 腰に座した妖刀で斬り上げるが飛鳥はギリギリで其をバク宙の用途で回避をし刀を鞘に納め前屈みの体制になりチャクラを溜め初め

 

 「『秘伝忍法!二刀繚ざ──キャッ!?』」

 

        ガキン!

 

 必殺技である秘伝忍法を放とうとするが、顔面に目掛け妖刀が飛んで来たために辛うじて弾くも溜めていたチャクラの消失に加え体制が大きく崩れてしまった。

 

 「またまた、掛かったな!!阿保がッ!」

 

 この絶好の機会に於国は自身の秘伝忍法を放つ

 

 「『秘伝忍法!炎迅槍突(えんじんそうとつ)!!』」

 

 二槍を一つに合わせ一つの槍に変化させると同時に槍全体に炎を纏わせながら体制を崩した飛鳥目掛けて突進する。

 

 「私の勝ちだァァァァァ!!!」

 

 特大級の勝利宣言を上げながら秘伝忍法を飛鳥に決めようと後数cmの所で異変が起きた。

 

  \ドクン/

 

 「う"ッ!……何で!」カラン

 

 「む」

 

 於国が突然に胸を抑えながら膝を突いた。様子を見るに何やら苦しそうにしている。其を見た紅丸は眉を吊り上げる。

 

 「だ、大丈夫?」

 

 飛鳥は対戦相手にも関わらず、苦しそうにしている於国に声を掛けながら近付くと

 

  「う"あぁァァァァァ!!」

 

   ゴゴゴゴ!!

 

 「キャアッ!?──ウグ!」

 

 まるで獣の様な咆哮を上げると同時に莫大なチャクラを放出し駆け寄った飛鳥を吹き飛ばし、吹き飛ばされた飛鳥は膨大なチャクラの衝撃波により気絶してしまった。

 

 「飛鳥ちゃん!……グッ!?」

 

 慌てて駆け寄る佐介だが、禍々しいチャクラに意識を持っていかれそうに成るが持ち前の忍耐力と根性により持ち堪え何とか堪え飛鳥を救出する

 

 「気分がッ………!?ぐぅっ」 

 

 「はぁ、はぁ……ギリィ」 「うっ──」

 

 「……気分悪りぃ……」 「ふぅ、ふぅ…」

 

 於国の放つチャクラが廻りにも影響を及ぼしたのか双方の選抜メンバーも体調不良を訴えていた。

 

 それは何も試合場だけでは無かった。

 

───半蔵学院────

 

 「な、なんか寒くない??」 「あ~…確かに?」

 

 「私、気分悪い…」 「オレも頭痛い……」

 

 試合場に近い学院の生徒達も悪寒や体調不良を訴え初めていた。

────────

─────────

 

 「止めた方が良くないですか?夜霧ちゃんにはキツイと思いますし……ついでに黒波も」

 

 「ついで!?…ウグェ…」

 

 「ッ…」

 

 エヴァは周りの状況を見ながら冷静に提案を挙げると

 

 「そうだな」

 

 紅丸は賛成の意を示し首をコキコキと成らし

 

  「よっ」

 

 一瞬で於国の側まで移動し、拳を降り挙げ

 

   \ドグァン!!!/

 

 「「「「な、殴ったぁ!?!?」」」」

 

 

 (その反応が普通よね……でも現状はこの方法が一番的確(・・)なのよね~)

 

 凄まじい轟音と共に於国の頭に拳骨を叩き込んだ。紅丸の行動に驚きの声を挙げる半蔵の反応に其が妥当だと春潮は内心思いつつも紅丸の行動は間違っていないと非難はせずにいた。

 

 「すまんな、於国……霊峰ならいざ知らずオレには、コレしか無いんだ────ん?」

 

 紅丸は謝罪しながらも違和感を感じた。何故なら

 

 「…………………」

 

 彼の拳骨を受けたにも関わらず於国が微動だにせず、寧ろ倒れ込まなかったからに成る。

 

 (普通は気絶して倒れる筈だが?)

 

 紅丸は不思議に思いつつも警戒を兼ねて少し、数cm距離を取っていると

 

 容姿が黒髪から白金髪に変化し容姿も多少大人びた雰囲気に変わりながら

 

 「そんな距離で良いのぉ~?」

 

   \邪気ン!/

 

 小馬鹿にした様な禍々しい笑みを浮かべ変化した於国が紅丸に言葉を掛け所有していた太刀とは比べ物にも成らない程の大太刀を何処からか取り出し紅丸に突き刺そうとするが

 

 「あぁ、十分だ。後」シッ

 

 「あ、妾の太刀が!───クペッ!?」ドサッ

 

 あっさりと止められた上に大太刀奪われ喉を親指で一突きされ気絶させられてしまった。

 

 「えぇ?」 「あ、治った」

 

 「……この状況は」

 

 「『引き分け』?」

 

 「だよね?て言うか─」

 

 「何で、側から離れないんだ?」

 

 於国が気絶した事により、体調不良が治った選抜メンバー(学院の騒動も収まった)は今の飛鳥と於国の両者の状況を見て引き分けと判断したが於国の側から紅丸が離れない為に訝しんでいると

 

  \ガギィィィン!!/

 

 「うわ!?」「何だァ!?」

 

 「ゲホッ!?爆発?」

 

 「土煙が…ぺっ!ぺっ!」

 

 莫大な金属と爆発と共に周囲に立ち込もる砂煙が晴れると

 

 「何のつもりだ?紅丸」

 

 「テメェこそ何のつもりだ『銀雪(ぎんせつ)』」ギロッ

 

 倒れている於国を大剣で斬ろうとしている少年を、紅丸が変化した於国から奪った大太刀で防いでいた。奪い取った大太刀は弾いた衝撃によるのか手元から消えていた。

 

 「………」 「…………」

 

 「「………」」ゴクリ

 

 大剣を持った少年『銀雪』の行動を問う紅丸だったが、互いに睨み合い沈黙が辺りを包み込む

 

 「"なんのつもり"……か、可笑しな事を言うんだな?紅丸。…コレ(於国)は腹に爆弾を抱えている奴だぞ?それに薄汚い黒い血(悪忍の血)を持つ…」

 

 「!?」

 

 そんな中始めに言葉を発したのは銀雪だった。その中の少年の放った『悪忍の血』に半蔵の面々は驚く

 

 「もう一辺地べたに叩き付けられたいのか?」

 

 対する紅丸は銀雪の言動に静かに怒りを示すと

 

 「昔の様に行くと思っているのか?」

 

 銀雪は寧ろやってみろと言わんばかりの態度で応える。

 

 「「………………」」ピキッ

 

 二人の間にまたもや沈黙が走るが、先程とは異なり緊迫した空気になる。

 

 「両者共に気絶!結果!引き分け」

 

 が、霧夜の発言により緊迫した空気は緩み

 

 「取り敢えず、医務室に」「引き分けか~」

 

 「大事に至らなくて良かった」「そうね~」

 

 「あぁ、大事なおっぱいが傷付かなくて良かっぜ」モミモミ

 

 「ちょっと!葛城さん!」「………それは、何?」

 

 「おっぱいを揉むのは挨拶だぜ?斑鳩~」

 

 「そうなの?」 「違います」

 

 「またまた──ひゃあ!?」「?何で驚く?挨拶何でしょ?」

 

 「男の場合は───下を揉むの?」「「「!?」」」

 

 「あ、僕は少し遅れるかも」

 

 各々雑談しながら二人を医務室へと運んで行く。

 

 「「…………」」

 

 その光景を見ながら、銀雪は武器をしまいながら

 

「……命拾いしたか…『黒い血』に『加担者の孫』」

 

 何やら不穏な事を呟きながら姿を消した。

 

 (………アイツ……危険か?)

 

 そんな、消えていく銀雪の後ろ姿を見ながら紅丸は何かを感じ取り警戒すべきかと判断していると

 

 「すいません」

 

 「ん?」

 

 語りかけられた為に振り向くと佐介が立っており、申し訳なさそうに

 

 「その、失礼かも知れないんですが、僕との試合ですが……紅丸さんは全く本気じゃなかったですよね?」

 

 そう語った。

*1
主に索敵に使用する忍術




はい、前の投稿の方が良かった気がしなくもない回に成りました。

申し訳ございません、飛鳥ちゃん!そして飛鳥ファンの方々

次回は戦い後の日常?パートに成る予定です。

最後の佐介くんと紅丸の話も少し有る予定ですが、戦闘描写は何時も通り少ないです……はい

では次の日まで


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二度の手合わせ

 「…………」 

 

 《本気ではなかった》

 

 そう佐介に言われた紅丸は沈黙する。しかし、その沈黙は肯定を意味していた。

 

 「やっぱりしていたんですね?」

 

 肯定だと言う意を汲み取った佐介は少々キツメの声音で確認する。

 

 「ああ、したな。不快だったか?」

 

 「そ、それは…─はい─」

  

 

 佐介の確認にあっさりと答える紅丸に佐介はあっさりと答えた紅丸の瞳が言葉とは裏腹に真剣だった為に言い淀むも佐介もしっかりと答えた。

 

 「で、どうする?本気でやってみるか?」 

 

 紅丸はゆっくりと佐介に近付き見下ろしながら、問い掛ける。

  

 「っ、出来れば是非とも!」

 

 220cmもある巨漢の見下ろしに気圧されながらも佐介は威勢の言い返事をする。

 

 「良い返事だ」ニッ

 

 佐介の威勢の良い声に頬を綻ばせながら、紅丸は飛鳥達に勘付かれない程の忍結界を多重展開する。

 

 「これは?」

 

 「流石にこのままやる訳にはいかんし、只の結界では他の奴等にばれかねん……それに邪魔はされたく無いだろう?」

 

 「ムッ……そうですね…」

 

 多重結界の軽い説明をした紅丸の最後の邪魔と言う言葉に少々引っ掛かりを感じながらも納得して構える。

 

 「()()だ。それに全てをかけろ」グッ

 

 同じく構えた紅丸は握り拳を作りながら言うと、佐介は

 

 「行きます」

 

  \ダッ!!/ 

 

 (ほう、なかなか速いな)

   

 身体中に力を込め一気に紅丸の懐に一瞬で潜り込むその速さに紅丸は感心するが

 

 (只単純に殴るだけなら効果は無いぞ?)フッ

 

 ただ闇雲に懐に入るだけでの攻撃は効かないと言わんばかりの笑みを浮かべる、そんな紅丸の笑みを理解していた佐介は握り拳一点にチャクラを集中させ

 

 (獣波拳+天翔拳+さらに強い踏み込みを!)

 

 「(三力合わせて!)『三式(さんしき)獣天(じゅうてん)(けん)!!』」

 

 三つの要素を掛け合わせた一撃を紅丸の腹部へと放つ。

 

 (入った!)

 

 綺麗に鳩尾に拳が決まった為に佐介は勝ちを確信する。

 

 「中々に良いパンチだな!」

 

 が、紅丸はまるで効いて無い様子で佐介の正拳を褒め称える。

 

 「そんな…渾身の一撃が効いてない!?」

 

 ピンピンしている紅丸とは対照的に驚愕する佐介に紅丸は笑みを浮かべながら鳩尾に入った佐介の拳を掴みながら紅丸は

 

 「いやいや、中々だぞ?」グ

 

 と称賛しながら握り拳を造る。

 

 「うっ!」ギョ

 

 それに佐介は拳を掴まれ下がれない状況に成っていた事に気付き冷や汗を流す。

 

 「が、まだまだ威力不足だな」ポン

 

 「わわ!?」

 

 その一言と共に佐介を宙に投げると共に狙いを定め拳を握り放つ。

 

  \ゴォ!/ 

 

 「くう!」

 

 迫り来る拳に対して普通ならば反射的に目を瞑るか防御する物だが、なんと佐介は驚くことに空中で身を回し紅丸の拳を避け迎え撃とうと拳を構えた。

 

 「お前マジか?」

 

 佐介の予想外の対応に紅丸は苦笑しながら心のなかでは

 

 (何を考えている?不安定な体制では威力は大きく減衰するだけだぞ?)

 

 「そう来るか」

 

 彼の蛮勇に不可解だと思考を巡らせるが、僅か一瞬にして佐介の考えを理解し一言呟く。

 

 「大地(だいち)砕獣(さいじゅう)(けん)!!」

 

 佐介は足から獣波拳を発し加速し獣破拳のオーラを纏った拳を紅丸の頭に叩き付ける。

 

   \ゴイン!!/ 

 

 まるで金属をハンマーで叩いた音が忍結界内に響き渡る中で

 

 「うっぐぅ……」ズキズキ

 

 紅丸に攻撃を与えた佐介は殴り付けた腕を見ながら踞り

 

 (なんて()()なんだ。まるで鉄の塊みたいだ!)

 

 「どうする。続けるか?」

 

 紅丸の異常な硬さに驚いていた。そんな佐介を見下ろしながら問い質す紅丸に佐介は

 

 「……いえ、僕の敗けです。参りました」

 

 自身の敗北と認める。

 

 「だな、二撃だったし」

 

 「うぐ…」

 

 敗北を認めた佐介に追い討ちのような言葉を投げかける紅丸に佐介は言葉が詰まる。そんな佐介の頭に手を置きながら

 

「まぁ、お前は中々見込みがある、オレで良ければ修行の手伝いぐらいは出来ると思うが?」

 

 「!宜しくお願いします!!」

 

 紅丸の提案に佐介は礼をしながら深々と頭を下げるその姿勢に紅丸は良い返事だと頭を撫でる。

 

 「それじゃ、そろそろ戻るか」

 

 「はい!」

 

 そう言いながら二人は待っている仲間の元へ戻って行った。




時間こそは、ちゃんと戦い無しです!!


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本編にも関わる話
凶彗星より渡された大聖杯の器


backも進めなくては…


 黄金のような目映い光を放つビルの山。ここは昔でいう遊郭、今で言う風俗店……そこではなく薄暗い路地裏に女達はいた。

 

 「あ"~マジだるいわー、このクソみてーな仕事が終わったら風俗店で可愛こちゃん達とエロい事沢山出来るはずだったのによぉ~……手前らクソ雑魚が湧き出たせいでおじゃんじゃねぇか?アァ?オイ!聞いてんのかッとォ!」ベチャ!

 

 まるで宝塚の男役と見違えそうな程キレイに整った顔立ちをした女は既に物言わぬ死体に語りかけながら、その頭を踏み砕く。砕かれた頭蓋からは脳襄と血液が共に飛び散る。

 

 「うへェ……汚なッ!ねぇ彩花(あやか)~ちゃ~ん後で寿司でも喰いにいかな~い?勿論回らないやつにさ~」

 

 タブレット端末で何かしらのデータを収集していた彩花と呼ばれた女。その手を一旦止め、冷めた目と声で語りかけて来た女にこう返した。

 

 「そんな金ないし、私はもう、ご飯食べて来た。今はデータの収集と、管理で、手一杯!行きたいなら、一人で、行け、玄月(げんげつ)

 

 これに対して玄月と呼ばれた女は口をヘの字にしながらつまらな~い、と言いながら空を見上げた。次の瞬間……

                              ゾッ

 

 とてつもない莫大な気を感じた為、路地裏の建物の壁を三角飛びで駆け上がりながらビルの天辺にまで行き、その気が放たれた場所を黙視した。その場所からは通常の忍では感知できない忍気が大気を震わしていた。

 

 「玄月……この忍気は……暁霧さんの気か?」

 

 彩花は玄月に確かめるように聞くと、玄月は真剣な表情をしながら

 

 「アイツがここまでの忍気を発するとはな……それ程の強敵なのか?いやしかし、そんな相手居たか?……」ブツブツ

 

 そうブツブツと呟いていると、彩花の背後からザッザッと複数の足音が聞こえて来た為、彩花が後ろを振り向くと、柄の悪い男達が複数人居た。流石にその状況はただ事じゃないと踏んだ玄月は直ぐさま降りてきて男達に対して。

 

「なぁ~に、お兄さん達ぃ~?オレ達に何か用かい?」

 

 下から覗き込む様な形で問いかけると男達は下卑た視線を玄月達二人に(主に彩花に)向けながらニヤニヤと下賊な声を上げながら。リーダー格と思わしき男が

 

 「げへへ……中々上玉な姉ちゃん達がこういった街の路地裏に入って行ったて聞いてなぁ……見てみると家の若い衆達とかなり腕の立つ忍達の死体があるじゃねぇか?これだと計画に支障を来す。こりゃあ、手前等にはきっっっちりと落とし前つけてもらわねぇとなァ?無論どうやるかは解っているだろ?」ニヤニヤ

 

 この発言特に計画の部分に対して玄月と彩花は顔を合わせながら、彩花は失笑し玄月は笑みを浮かべながら互いに溜め息を吐きながら。

 

 「あ~つまり、アンタの所の下っぱと用心棒を殺したからオレ達に身体使って謝罪しろ!って事だろ?」

 

「随分と、甘く見られたも……「良いぞオレは」オイ」

 

 言うなり、玄月は上着を脱ぎ捨て更にブラを外し上半身裸になりながら蠱惑的な表情とポーズで男達に向かって微笑みかける(着痩せするタイプなのかかなり大きかった)対して彩花は下らないとばかりに対物ライフル(バレットM82)を構えながらリーダー格の隣と後ろに居た男の頭を撃ち抜く。

 

 「あらら、彩花ちゃんったら短気なんだから~こ~ゆーのは楽しまないとね♪」バララララ!

 

 そう言いながら、アサルトライフル(FN-SCAR)で次々と屍の山を築き上げる玄月。この二人の行動に呆気に取られていたリーダー格の男はハッとなった後に「お前ら!ヤッちまえェ!」の掛け声と共に二人に向かって行く。

 

 ーー数分後ーー

 

 「わ……分かった!もう二度とアンタ等をヤろうなんて、思わねェ!だから、勘弁してくれェ!それにっ!アンタ等が欲しがってた例の計画(・・・・)あの胡散臭い連中の事も大聖杯の器の女の居場所も話したじゃねぇか!」ハァハァ

 

 「オイオイ!何言ってんだ、さっきまで俺の身体見ながら下半身バキバキにしていた癖によぉ!それにっ!口ではそう言いながらッ!身体は正直だなッ!」ギシギシ

 

 数分でリーダー格以外の男達を殺した玄月達は男の言っていた計画とやらに関わっている人物達や内容を聞いていた(ナニをしながら問い質しているかはご想像にお任せします)

 

 「ハァハァ!ん?アレ?もう朽ちたのか?はぁ~俺は全然物足りないんだが……」ドロォ…

 

 「例の計画……大聖杯の在処……神威さんに伝えなくては!」

 

 


 

~蛇女学園にて~

 

 「……全く、派手にぶち壊しやがって…」

 

 暁霧はブツブツと文句を呟きながら訓練所を見渡し頭を掻く、その場には焔と光牙、鈴音が居り鈴音が

 

 「この訓練所の修理費だが……請求は龍導で良いか?」

 

 そう訪ねて来た為、暁霧は

 

 「……元に戻せば、良いんでしょ?」

 

 訪ねると、鈴音は「……出来るならな」と言った目を向けて来た為、暁霧は溜め息と共に地面に手を当て

 

 「ハァ……禁術・現起乖離(きんじゅつ・げんきかいり)」ゴゴゴ

 

 「何!?」

 

 鈴音は暁霧の放った言葉に驚愕の声を上げた。

そう言うと同時に辺り一面に地響きが鳴ると同時に地面が隆起し4忍を持ち上げ、たちまちクレーターが埋まり元の平らな地に戻った。

 

 「…私が出来るのはここまでが、限界ですね…ハァ…やはり、兄さんには勝てないか

 

 最後に何やらボソリと呟きながら振り返ると、唖然としている焔、驚愕の表情の光牙、鋭い目を向ける鈴音と様々なリアクションをしていた為、吹き出しそうに成りつつも

 

 「これで、良いですか?」

 

 そう訪ねると鈴音がいきなり

 

 「……貴様、やはり《最強の善忍》『天涯(てんがい)』の弟《最恐の善忍》こと『夜天(やてん)』だろう?」

 

 そう言って来た鈴音の発言に光牙は「!」鋭い眼光を向け焔は「……っ!?…」ほぼ言葉を失っていた。

 

 そんな鈴音の発言に対して、暁霧はニヤついていた顔から神妙な顔付きに変わり

 

 「………何処で気付いた?」

 

 糸目にしていた左目のみを開け、光牙以上に鋭い眼光で鈴音に目を向ける。しかしそこは歴戦の忍である鈴音。眼光如きで怯む事はないので質問に答えた。

 

 「まず、次鋒戦での氷塊をバラバラに斬り刻んだ時に多少確信を持った」

 

 「それだけでは、まだ断言出来んだろう?」

 

 「ああ……確かにな。だが……禁術を使ったな?しかも封印指定の物を、そんな術を使えるのは……天涯かその弟だけだろう」

 

 「……まぁ……そうか。てか『気付いた?』の時点で認めたもんだわな、確かに俺は夜天だ」

 

 この発言に一番反応したのは、光牙ではなく焔であった。

 その名を聞くなり焔は勢い良くダッシュし夜天目掛け……… 抱きついた(・・・・・)この行動に鈴音と光牙は 「「……は?」」困惑と驚きの混じった声を上げた。

 

 「うっ……グス……生きてた……また……会えた……良かったよぉ……夜兄(よるにい)…」

 

 「……ごめんな、会いに来なくて……」

 

 抱きついた焔の頭を撫でながら、謝罪の言葉をかける《最恐》……この状況に鈴音と光牙は困惑するばかりだった。

 その二人に気付いたのか、夜天は取り敢えず焔と自分の関係を話す事にした。

 

~夜天説明中~

 

 「……成程。自身が幼少期の頃によく遊んでいた相手であり……10歳の時に死亡通知が来ていたので生きて会えたのが嬉しい……と言うわけか?」

 

 鈴音は夜天から聞いた話を簡潔に纏め確認を取ると焔はコクコクと肯定の頷きを返した。

 その返しに鈴音は眼鏡をかけ直しながら心中で《男》に対して苦手よりか敵愾心(・・・)を持つ焔がかなり懐く……というよりは好意全開ですり寄るという事は、そこまで悪い奴ではないのだろうと思う事にした。

 

 「まぁ、今日の所は解散しようか?」

 

 「え~もっと夜兄と色んな話ししたいのに」

 

 「ハハハ、それはまた明日な?」

 

 「むぅ……分かったよ、じゃあ明日ね」

 

そう言いながら去っていく焔を見送った後、光牙の方を見ながら

 

 「で、君はさっきから殺気を飛ばしていたけど……殺んのか?今日以外なら良いぞ?」

 

 欠伸をしながら、あからさまに隙を見せる夜天の態度に完全に舐められていると思ったがそこは筆頭兼年長者な為冷静に

 

 「そうか、ならば明日にでも急襲させてもらうか……忍達に恐れられた《最恐の善忍》の実力とくと見させてもらう」シュッ

 

 「……今は悪忍だから、善忍ではないのだがな……」

 

 呟きながら横を見ると、鈴音も立ち去ろうとしていたが気になって聞きたい事があったため呼び止めた。

 

 「……何だ?」

 

 睨みながらも問いに答えようとしている鈴音に夜天は

 

 「そんなに睨むと眉間に皺寄ってお肌に悪……ザシュン!……何モ言ッテイマセン、ハイ」

 

 場を和ませる為にとジョークを飛ばしたが、鈴音のターニングポイントだったらしく大手裏剣を首筋に突きつけられた為、巫山戯ずに肝心の聞きたい事について語る事にした。

 


 

 話を終え、夜空を見上げながら鈴音から聞いたとある人物の名を呟きながら帰宅している夜天

 

 「ん~《カイル》ねぇ~……どっかで聞いたような……気のせいか?見た感じは忍ではなかったが……」

 

 鈴音から聞いた話とは、道元と一緒に居た《カイル》と言う名の謎の男の事であった。

 

 気になっていた理由は単純に前述の通り《忍》ではない為であった。それだけならば普通に誰しも気にしないが蛇女は《悪忍》を育てる機関、つまり《忍》を育成する機関でありながら忍ではない者が存在に加え学園長と同列の立ち位置にいる事を疑問に思った為に鈴音に聞いたが、肝心の鈴音も詳しくは知らないと語った為余計に素性や正体を知りたくなっていた。

 

 「よし!気になったなら即実行!本人に聞くか!余計な事するならコロコロすれ…『PPPP…』ん?電話?」

 

 何やら物騒な事を言っていると、着信が入った為電話に出ると

 

 「……非通知?……もしもし?『もしもし妾、カムイさ……』」ブチ!

 

 懐かしい声と共に古い都市伝説の真似をしてきた相手にイラッと来たので強制的に電話を切るがまたもや『PPPP』とかかって来た為、青筋を浮かべながら電話を取ると。

 

 「くくく!電話はフェイクじゃ」

 

 「最初から、普通に話しかけろ《神威》」

 

 実は背後にその人物は居たらしく、得意げな顔で夜天に告げる。夜天が振り替えると身長180㎝はありグラマスな体型の美女がいた。

 

 「ムフフフ!普通に話し掛けるのはつまらんからの~まぁ、それはどうでもよいとして…頼みがあるんじゃが…良いk「駄目」即答!って待て待て待て待て!!」ガシッ

 

 くるりと向きを変えて歩いて行こうとしている夜天。しがみつきながら止めようとする神威だが掴んでいる部位が首の為か

 

 「ウガガガ!わっ…分かっ…た!から!放せ!死ぬ!つかっ!死ぬ!!」

 

 「おっと!すまん」パッ

 

 ドシャと地面に倒れた為、立ち上がりながら神威を睨みつけつつも立ち上がり話を聞こうとしたが

 

 「ねぇねぇ、あの人格好よくない?」「向かいの女の人もちょー綺麗」「おい、声かけてみようぜ」「モデルか何かか?」「付き合っているのかな?」

 

 などといった周囲の声が聞こえたため、場所をbarに替えて話を聞く事にした。

 

 「で、頼み事って何だ?」

 

 取り敢えず、適当に酒を(ナレフカ)頼みながら内容を聞く夜天

 

 「グッ……プハァ!」

 

 「……スピリタス直飲みすんなよ……」

 

 「単刀直入に言うが《大聖杯》が見つかった」

 

 「……そうか」

 

 「なんじゃ?興味無いのか?まぁいいか、より正確に言えばそれを身に宿した《器》が見つかった…訳なんじゃが……一応その人物が入った資料を渡して置くから、返事が決まり次第連絡をくれそれじゃあの!」

 

 「……頼み事じゃあねぇのかよ……資料か……どれ」パラ

 

 頼み事と言いつつ、資料(と勘定)を残しながら去っていった神威に愚痴を溢しながら自宅に戻り渡された資料を見た夜天は激しく動揺した。

 

 「なっ!?まさか!嘘だろ!?何で?コイツ(・・・)が!?生きているんだ!?」パサリ

 

 夜天が落とした資料には、20代前半の女性が写っていた。




取り敢えず、back物語の核となる《大聖杯》とその《器》なる物を出しました。資料に写っていた女性は次の話しで名前等を出そうと思います。


新キャラの説明、入りますかね?

あ、用語とか言っときながら…


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茶番劇 バレンタインに会った出来事Vol.1

過ぎた行事ネタ

今回は、下っ手な「挿し絵」蟻!

そして、最初に謝っておきます。







「原作ファンの皆様申し訳ございません!」


 バレンタイン。それは特別な相手にチョコを送る日

 それは日夜戦いや修行明け暮れる彼女、彼等も例外ではない。

 

 龍導学園の3年生のとある人物の内容を紹介しようと思う。

 


 

 街はバレンタインフェアであり、回りにはカップルや告白に胸をときめかせている少女達に溢れている。そんな甘酸っぱい雰囲気を醸し出している街を見ながら、喫茶店に居るとある一人の少女が溜め息を吐いた。

 

 「……はぁ」

 

少女の名は《輪廻》龍導学園の筆頭にして学園一の実力者かつ歴代生徒でカグラに最も近しいと吟われる少女である。そんな彼女が何故に溜め息をついているのかと言うと……

 

 「"会って、お話がしたい"……ねぇ……時間と場所を指定しながら来ないとか……しかも貸し切りとか……」

 

 それは、下校の際に自身の下駄箱の中に名無し且つ見覚えのない文字で書かれた手紙が入っており件の内容であった為であった。

 尤もその後に綴られていた文章が気になった為、律儀に待っているのだが

 

 「カプチーノお待たせいたしました」

 

 「……どーも」

 

 時間になっても来ない相手にややイラついて来た輪廻だったが

 

 「あの、待たせてしまい……その、すいません……」

 

 茶髪の平凡な顔をした少年が申し訳無さそうな表情と声音で語り掛けて来た。

 

 「ん?」ジッ

 

 輪廻は多少だが苛立って居た事もあり、語り掛けてきた少年を睨み付けたが直ぐに表情を切り替え

 

 「女性を待たせるとは、随分と気の利いたシニョーレ(紳士)*1ですね?」クスリ

 

 揶揄いと皮肉を混ぜた言葉を少年に浴びせると少年は少し顔を赤らめながら「か、揶揄わないで、下さい///」と言った後に向かい側の席に座り自己紹介を初めた。

 

 「改めてまして、僕は《七つの凶彗星(グランシャリオ)》の序列7位の「志藤」と申します」

 

 「……それ、名前なの?それとも名字?」

 

 輪廻は志藤と名乗る少年の名前に真っ先に疑問に思った事を口にした

 

 「え?あっ…えっと…コレは…(コレは…ヤバい…とりあえず、何か最もな事を答えて誤魔化す!)」

 

 志藤は頭をフル回転させ何とかそれらしく誤魔化す理由を考え始めるが、輪廻はそれを見透かすかのように

 

 「苦し紛れに適当な事を言った所で私は誤魔化せないよ?」

 

 「!?」ギクゥ

 

 思わず顔に出てしまう志藤に輪廻はニヤニヤしながら鞄の中からラッピングされた小包の中からチョコを取り出し。

 

 「正直に答えたら……私が作った、コイツ(チョコ)をやる、いるか?」ヒョイ

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ソレを聞いた志藤は物凄い勢いで

 

 「いる!欲しい!答えます!」

 

 身を乗り出す勢いで食い付いて来た。

 

  「……っ(;^∀^)」

 

 そんな志藤に言い出しっぺの輪廻は若干引きつつも、平静を装い

 

 「……で、本名は……の前に、貴方って戦える?」グルグル

 

 輪廻は左手で頬杖をつきながらテーブルに置かれた、カプチーノの中に指を突っ込みかき回しながら聞いて来た。この輪廻の行動を見た志藤は「(ソレを飲むの?)」と言った表情で見たが、輪廻は気にする素振りを見せず寧ろ「早く答えろ~」とした目で返して来たため、溜め息を吐きながら。

 

 「はぁ……ぼ、僕の本名は、志藤理閻(しどうりえん)です、そして僕は一般人より強い程度です……ソレなりに武装があれば一国の軍隊を滅ぼす力はありますが……今は無理ですね……何故そのような事を聞くんですか?」

 

 さらりととんでもない発言をするしど……志藤に目を向けず相変わらずカプチーノに指を突っ込み回しながら

 

「ん~?じゃあ……スターム・ルガーMkⅠサイレンサーモデルの弾丸は躱せないね~」ガッ

 

 「え?フガ!?」ゴスッ

 

 いきなり志藤は頭を机に叩き付けられた。余りにも突拍子な事を行う輪廻の行動に理閻は一旦頭の整理が追いつかなかったが背後から『チュン!』と鳥の囀ずりにも近い音がした後に『ドシャ』と何かが倒れる音がしたため

 

 「今の音は、サプレッサーを付けた銃の発砲音?誰が?しかし、痛たた……いきなり、何をするん……!?」

 

 鼻を擦りながら顔を上げると服の左胸に穴が空き倒れている輪廻がいた。それを見た志藤は急いで輪廻に近付きながら

 

 「大丈夫ですか!?」ユサユサ

 

    「………」

 

 身体を揺すってもピクリともしない輪廻に志藤は顔を青ざめながら、恐らく輪廻の左胸に風穴を開けたと思われる人物の方を振り向くが

 

 「お前!よくもっ……!?」ギョ

 

 その状態に目を丸くした。何故なら拳銃を手にし倒れている人物は骨まで溶け完全に跡形もなく消えた為だったからである。

 

 「一体何が?」

 

 「アルカリ性の劇薬をぶち込んだからな。しかしここまで効果があるとはな……」

 

 「本当に何が!?

 

 志藤は何事もなかったかの様に状況を説明する輪廻に驚きの声を上げた。

 

 「何だよ?ビックリするじゃないか」

 

 わざとらしく耳を塞ぐ輪廻に志藤は

 

 「いやいやいや、左胸に穴が空いていたのに何で?生きてるんですか!?普通におかしいと思いますよ!あ、いや、生きてて良かったんですけどね?」

 

 テンパりながら疑問をぶつける志藤に輪廻は溜め息を吐きながら志藤の手を取り……自身の左胸の穴の部分へと引っ張った。

 

     ムニュン

 

  「どうだ?」

 

  「あ、柔らかいです///…………じゃなくて!!!何してんですけど!?いきなり会った初対面の男に胸を触らせれルとか最高ですじゃなくて!!!兎に角!何してんですか!?」

 

 輪廻の驚きの行動でますますテンパる志藤に対し肝心の輪廻はあっけらかんとした表情をにやけさせた後

 

 「穴なんて空いてたか?」

 

 「え?あ……空いていなかったです……?」

 

 輪廻の発言に冷静さを多少取り戻した志藤は胸に触れれると言うことは『穴は開いてなかった』と言うことを理解した……しかし、「胸に触れた」という事実は消えた訳ではないため直ぐに顔を赤くした。それを払拭する為に志藤は輪廻に質問する事にした。

 

 「あの、何故銃撃を喰らったにも関わらず、弾丸を受けた場所に穴が空いていなかったのですか?」

 

 「(ふ~ん、切り替えが速い……ポイント高いぞ)」

 

 気持ちの切り替えの速さに感心しながら、輪廻は糸で二つの輪を作り出し、一つを自分側の机にもう一つを志藤側の机に置いた。

 

 「?」

 

 志藤が不思議そうにその輪に顔を近づけながら輪を見る志藤に輪廻は

 

 「危ないぞ?」

 

 そう言うなり自分側の輪に指を突き刺した。すると志藤側の輪の中から指が飛び出し、志藤の目に指が綺麗に刺さった。

 

 「イイッ↑タイ↓メガァァァ↑

 

 片目を抑えながら悶絶する志藤に輪廻は吹き出しながら

 

「クク……だから、言ったろ?ブフ!危ないって」

 

 語る輪廻に志藤は抑えている片目から涙を流しながら反論の意の後に輪廻の能力を分析した。

 

 「痛たた……その能力の正体ですが、《糸術(しじゅつ)》による『空間転移(くうかんてんい)』ですね?」

 

 あの状態にも関わらず冷静に分析した志藤に対して好感を抱く輪廻

 

 「正解よ、あらかじめ空間転糸(くうかんてんし)二つ作って置いたのよ。一つは私のおっぱいにもう一つは相手の脳天にね、と言うか志藤アンタ《忍》では無いのに何で《糸術》の事を知っているんだ?」

 

 好意的な視線から警戒の目を向ける輪廻……ある意味では当然の事でもある。輪廻の使用する《糸術》は忍界ではかなりマイナーな技術であり、忍界でも知っているまたは使用する人物は極僅かな為である。

 

 「あーそれですか………《夜天》さんから忍の色んな事を聞いたから、知っているんですよ…」

 

  「!?」

 

 志藤の衝撃発言に声の出ない程の驚きを露にする輪廻だったが相手があの(・・)夜天なら何かしらの人脈があっても不思議ではないと思い納得し

 

 「成程ね……まぁ、それは良いとして……そろそろ《本題》に入ろうか」ピラ

 

 自身宛に届いていた手紙を志藤に差し出す。それを見た志藤は目を細めながら

 

 「えぇ、そうしましょう……単刀直入に僕達『七つの凶彗星(グランシャリオ)』と同盟を共闘戦線を結びませんか?」

 

 紳士全とした態度で自身の組織と同盟を組もうと申し上げるが、輪廻は眉間に皺を寄せながら。

 

 「……アンタ等『不吉な占星術(グランドクロス)』とねぇ……「七つの凶彗星(グランシャリオ)です」……『七つの凶彗星(グランシャリオ)』とねぇ…」

 

 唸りながら考える輪廻を前に志藤は自身達のリーダーの神威の上げた提案の効率の悪さと良さについて考えていた。

 

 「(神威さん……『同盟』ではなく『依頼』としてなら恐らく受けてくれると思いますがね……『同盟』は中枢を把握してからが基本ですよ……まぁ『外堀』から……って発想は悪く無いんですけど……)」

 

 どうやら、七つの凶彗星は凶彗星で色々と考えていようであった。

 

 「ん、良し!分かった!『同盟』を結ぼう!」

 

 輪廻は数分考えた後、何か吹っ切れたように答えたその答えに志藤は嬉しさと意外さに返事を返そうとし。たが輪廻は「但し!」と続け様に

 

 「私が『同盟』を結ぶ相手は志藤理閻!お前(・・)個人でありお前が所属する組織(・・)ではない!まっ!選抜メンバー達は組織側にするがな」

 

 「う"ぇ?あの?ちょっ……」

 

 思わず変な声が出てしまった志藤。しかしそんな事お構い無しと言わんばかりに輪廻は紙に自身のアドレスと褒美のチョコレートを机に置き去ろうとしたが。

 

 「あっ!私の本名言ってなかったな」

 

 「ちょっと!?忍なら絶対言ってはいけないタブーじゃないですか!駄目ですよ!」

 

 忍としてアウトな事を言おうとしている輪廻に志藤は止めようとするが、輪廻は

 

 「んなぁ、細かくて面倒な事はどうでもいいんだよ~、それにアンタが答えたのに私が答えないのは何か嫌だしぃ~?」

 

 アウトを『面倒』で済ませた輪廻は自身の本名を口にした。

 

 「私の本名はな『アメリア・H(ヘルシング)・スカーレット』だ」

 

 自身の本名を告げた、輪廻……もといアメリアは「用件あったら連絡くれ」と言い去って行った。店内に残された志藤はチョコレートとアドレスを見ながら

 

 「今日……僕は死ぬかも(幸福かも)知れない…」

 

 菩薩のような顔をしながら、天を見上げた。

 


『おまけ』

 

七つの凶彗星(グランシャリオ)本部

 

 「フム、成程。『同盟』は結べた……と言うわけか?」

 

 「はい」

 

 志藤は本部に戻り『同盟』が結べた事を神威へと報告した。無論『個人契約』については話さなかったが。

 

 「ンム、ご苦労さん……と言う訳で、毎年チョコレートを母親からしか貰えない哀れな男に妾からチョコレートのプレゼントだ!」

 

 何が、「と言うわけか」は理解できないがチョコレートを渡された志藤はバッグから小包を出しながら、不敵な笑みを浮かべた。

 

 「ふっ、貰えない?何の事ですかね?」

 

 「なん……だと?」

 

 小包に入ったチョコレートをみた神威は思わず絶句した……が何時もの調子に戻り

 

 「まぁーどうせ義理だろ?」

 

 バッサリと切り伏せた、切り伏せられた志藤は目にわかるぐらい落ち込みつつも

 

 「初恋の人から貰った物です!例え義理だろうと嬉しいですよ!」

 

 口を尖らせながら語る志藤の背後を見ながら神威は苦笑いを浮かべ志藤に警告を促した。

 

「……志藤……お前、ヤバい奴に話聞かれたぞ?」

 

 「?」

 

 志藤が首を傾げながら神威の指差す方を見ると……とてつもなく邪悪な笑みを浮かべた最悪の存在「エンデュミレア」がいた。

 

 「クヒヒヒヒ」スッ

 

 不気味な笑い声と共に姿を消した。それを見た志藤は急いで後を追うが、その場には「エンデュミレア」は消えており志藤は『この世の終わり』の様な表情を浮かべていた。

 

 「(輪廻を撃ったウェイター……恐らく「エンデュミレア」が洗脳した部下だろうな……全く迷惑な奴だ……)」

 

 神威は志藤から聞いた話の襲撃してきた人物とエンデュミレアの不気味な笑みでその人物の正体を察し、深い溜め息を吐いた。

*1
イタリア語で紳士




と言う訳で(どう言う訳だ)過ぎた行事ネタの1が終わりました。本当はアーサーと光輝のも描きたかったのですが……長くなりそうなの+本編とbackに登場してないので断念しました。

今日の『同盟+共闘戦線』と『輪廻の本名』は本編にも割りと深く関わって来ます。私が最初に謝った理由ですが……分かりましたかね?

ともあれ次は本編を進める予定です……確証はない。

龍導の女子三人組です


【挿絵表示】
左から「白銅」「滅赤」「輪廻」です


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出浦の実力者

終末様のキャラをお借りしています。

後、短めに成ります。


 ───全日──

 

 広大な土地に佇む巨大な和式作りの館に加え、一目見て実力者と分かる善忍達が警護する場。ここは善忍と言う時点で察しが付くと思われるが、この場の名は

 

    《善忍上層総本部》

 

 数ある全ての善忍学校の頭であり、要と成る場所である。

 

 「…………」

 

 その中にある理事長室のポツンと小ぢんまりとある机に一人の翁が動かざること山の如しと言わんばかりに鎮座していた。

 彼の名は『元龍災(げんりゅうさい)』善忍上層総本部を管理、指揮している事実上善忍のTOP で、ある二人(・・)を除けば最強の善忍でもある。

 

 ……因みに正式名称は《日ノ本元龍災正影(ひのもとげんりゅうさいまさかげ)》である。

 

 \コンコン/ガチャ

 

 「入れ」

 

 「《元龍災》様、こんな夜分に恐れ入ります。お引き受けした、《不穏分子》と《例の団体》の報告書を持って参りました」

 

 「(あかね)か、ご苦労である。では預か──」

 

 「ほな、預かるわ」

 

 茜と呼ばれたサイドテールの腰に刀を携えた少女が元龍災に書類を渡し元龍災が受けとろうとすると、横から現れた手により報告書が奪われてしまった。

 

 「なっ……っ!何者だ」チャッ

 

 元龍災と自分を含め二人しかいない筈の部屋に第三者が、咄嗟の事で驚いたが直ぐに腰に差した刀に手を沿え警戒体制を取るが第三者は気にした素振りを全く見せずに書類に開いてるか分からない糸目を通しながら、元龍災に対して

 

 「なぁ~なぁ、"元爺(げんじい)"この《碌牢高校(ろくろうこうこう)》の上層部の件やけど僕が行こか?」

 

  (ガン無視!?ってか、『元爺』って!)

 

 糸目の青年は茜の返答を無視し剩さえ善忍上層部の頂点である《元龍災》を《元爺》とまるで親戚か家族の様に図々しい態度で語りかけていた。

 

 「呼び捨てでも構わぬ、責めて『元龍災』と呼べ……後、茜よ、剣は収めよ」

 

 「え~?面倒し、別にええやん……へぇ、茜ちゃんって言うんか?その子」

 

 「善忍上層総本部剣術師範代理『茜』と申します!因みに階級は《朧忍》さぁ!私は名乗りました!元龍災様に無礼な態度を取った貴方も名前を名乗りなさい!!」凛ッ!

 

 「「………」」

 

 クワッ!と目を見開きながら自身の役職と名を改めて名乗った茜に呆気に取られた青年と額に手を当てる元龍災。対する茜は青年にさっさと答えろ!と言った目を向けて来たいた為

 

 「(面倒なー)…国立出浦高校3年。階級はカグラの『霊峰(たまみね)』っちゅうもんや、よろしゅうな~」

 

 "面倒"と感じつつ、取り敢えず茜と同じような自己紹介をする

 

 「そうですか、では霊峰さん先ずはその手にした書類を元龍災様に返却して先程の無礼を誤って下さ………霊峰?…………霊峰………霊峰………えぇ!?

 

 「今度は何やねん」

 

 自己紹介を受けた茜は元龍災に謝る用に促した彼女だったが霊峰の名を呟くと急に驚きの声を挙げた。

 

 「(た、たた、たまたま、たま、霊峰って!!現代の忍界で最強って言われている!?)あの霊峰ェ!?ゑぇ!!マジやぶぇ!!ッパネェッ!!」

 

 「………やっぱ、面倒やし返すわ。そーいや、僕宛に手紙が合って聞い取ったけど?その手紙はどないしたん?」

 

 「これじゃ」

 

 目の前にいた青年が忍界で最強と吟われている人物だと知りテンションのおかしく成った茜を尻目に奪い取った資料を元龍災に返却し変わりに自分宛に届いた手紙を貰った。

 

 「どれどれ…………こりゃ厄介なお客さんやなぁ。ほな、僕はコレで失礼するわ。元龍災のお爺ちゃんは呉々も自分の部下……特に僕の仲間に無理はさせないよーにしてよ~?じゃあ」フッ

 

 その場で手紙の内容に一通り目を通した霊峰は小さく呟くと今日はお暇すると忠告を告げ本部を後にした。

 

 「茜よ、下がって良いぞ?」

 

 「あ!は、はい///コホン!失礼しましへぶっ!?」

 

 「ん?すまん、大丈夫か?」

 

 霊峰が立ち去ったため、少し落ち着いた茜に元龍災が退室を促した為に扉前まで行くとそれより早く扉が開き、その扉にぶつかり転んでしまった。

 声をかけられた茜は差し伸べれた手を掴み起き前を向くと、長身痩躯(約190cm)の男と目の下に隈があるアンニュイな雰囲気を漂わせた少女の二人が来ていた。

 

 「あ、ありがとうございます。では、私は失礼しましす」パタン

 

 部屋から退室した茜はそのまま廊下を数m進んだ後にハイテンションになり廊下を走り

 

 (やっべぇ!!今のって《景光(かげみつ)》と《麗弩(れいど)》じゃん!!しかも、『本体(ナマ)』景光に触っちった!喋っちった!!後で皆に自慢しよーっと!ウヒョヒョ!ムフフフ!!) 

 

 内心ではしゃぎながらスキップを織り交ぜ総本部を後にした。

 

 場所は戻り、理事長室では

 

 「─それで?仕事の内容をお話し頂けますか?」

 

 「話が早くて助かる。お主ら二人には──」

 

 元龍災の指示を受けた二人は只一言

 

 「「御意」」

 

 と、告げ各々に指示された任務を遂行しに本部を後にした。

 

 ──麗弩は兎も角、景光はとんでもない人物と当たる事に成るが……




次週(未定ですが)は戦闘回と任務内容に成ります。

二人はきちんと喋りますし善忍ストーリーにも関わります。


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血の弾丸と黒の霧

前回繋がりで行きます。

※胸糞注意とかなり下品です。

そして、長い

シノマスに華眼の新キャラが出るのか……雲雀関連のストーリーかな?

飛鳥の影がますます薄く


 豪奢で煌びやかな部屋から

 

 ゲシッ! ゴッ! ヂシャァ!!

 

 「グア!?」

 

 その部屋には似つかわしくない不快な音と悲鳴が響き渡る。そんな場所に居る軽薄な姿では有るが美形と言っても過言では無い男名は『金慈(きんじ)』が地面に目をやりながら

 

 「はぁ~……あ、折角高い金払って買ったんだからさーもっと良い声出して鳴けよな……オラ!

 

 

 

 地べたに縄で縛られ身体中に暴行で受けた傷が所々にある自腹で購入(・・)した商品(少女)の腹に蹴りを入れる。

 

 「ォグ!?」ビチャア…

 

 「うわ、汚ねぇなぁ…」 

 

 息も絶え絶えだった状態から急に鋭い蹴りを入れられた少女は口から未消化の餌が混じった血を吐き出す。

 それを見た金慈は商品ないし少女の髪を引っ張り頭を持ち上げ、吐瀉物と血の混ざった床に顔を

 

 「ちゃんと掃除するか、お前がなっ!!

 

      ゴシャア!!!

 

 遠慮無しに思い切り叩きつけた。

 

  ゴシャ! ゴシャ! ゴシャ! ゴシャ! 

 

  ゴチャ! ゴチャ! ゴチャ! ゴチャ!

 

  ドチャ! ドチャ! ドチャ! ドチャ!

 

 何度も何度も音が変わる程叩きつけた。最初の内には抵抗していた少女も何度も叩きつけられている内に心が折れたのか抵抗を辞め、されるがままとなっていた。

 

 「どれどれ~?うっわぁ…酷ぇ面だな。まっ奴隷らしいっちゃあ、らしいが」

 

 変形した少女の顔を見ながら金慈は下卑た嗤いを上げていると隣の部屋の扉が開き

 

 「おいおい~人が折角楽しんでいたのに五月蝿くて気が散っちまったじゃねぇか」

 

 パン一でスキンヘッド筋骨隆々の厳つい顔の大男名は顔怒(ごうど)がニヤケ面をしながら、足腰がままならず虚ろな目をした半裸の少女を連れながら現れた。

 

「はっ!んな事ねぇクセに良く言うぜ、どうせその便女のにテメェのポークピッズ突っ込んでたんだろ?」

 

「あァ!?誰がポークピッズだァ!どうみてもマグナムだろが!!!」

 

 美形な男の発言に、青筋を浮かべながらパンツを下げるスキンヘッド男。

 

 すると今度は別の部屋から豚……と言うには豚に失礼と言える程に醜悪な外見をした肥満体の男名は秀惑(しゅうわく)がハァハァと荒い息づかいと涎、汗を流しながら興奮気味に少女を連れ入室して来た。

 

 「ブヒヒ、見てよ!コレ」 

 

 「あァ、何がって…うっほぉマジか?」

 

 「お前エロゲのオークか何かか?」

 

 連れて来た少女を見る様に言われた男達は少を女見るなり感想を述べた。

 何故なら醜悪男の連れて来た少女の腹部は膨らんでいたからである。つまり少女はこの男の遺伝子を孕んだという意味で有るからであった。

 

 「ブヒヒヒ、さぁ…て《中身》の確認しようかな~、男の子かな~?女の子かな~?」

 

 「俺は《雌》に10万だ」

 

 「俺様は《雄》に15万だ」

 

 少女の腹に包丁を突き立てながら不穏な事を語る男達だったが

 

 「あんたらの残念な頭に《血》で出来た《鉛玉》をプレゼント」

 

   \バシュッ!!/

 

 「「「あ?」」」

 

 突如聞こえた女の声に背後を振り向くと、目に隈が目立つ物の其なりの美少女が居たために金慈と顔怒は顔をニヤつかせながら近付こうとした途端

 

 「ブッギャアアアア!!」

 

 「「!?」」

 

 いきなり秀惑が悲鳴を上げた為に振り向くと先程まで包丁を手にしていた腕が消し飛び必死に止血しようと手首を抑えていた。

 

 「ぼ、ぼぼ、僕ちんの手ぎゃあアア!!」

 

 「うるせぇ」ガンッ!

 

 「カピョッ!?」

 

 不快な面を更に涙と鼻水でグショグショにしながら泣きわめく秀惑に犯人である少女は一言言い捨てると手にした銃でクズ野郎の下顎から上を消し飛ばした。

 

「クソ女ァァ!ぶち犯す(殺す)!!」

 

 「うわぁー性欲もて余しすぎー」

 

 彼女の行為に激昂した顔怒は欲望混じりの叫びを挙げながら少女に突撃して来るがそれに対し少女はジト目に成りながらもなんなく避け

 

 「ザックリ、ペイっ」

 

 ベチョアゥ!!

 

 「ベッ!?」

 

 銃先に付いているナイフで自分の手首を裂き掌に血溜まりを造り其を顔怒に目掛け浴びせかけた。

 

 「んだぁ!こりゃあ……ぺっ!ぺっ!血かぁ!?くっそが!!股下の血なら大歓迎何だがなぁ……つぅか、金慈ィ!!お前も手ェ貸せやぁ!!何呑気に見学してんだぁ!あぁ、コラァ!!」

 

 「うるせぇな」

 

 浴びせられた血が口に入ったのか吐き出す顔怒は手を貸さずに顎に手を当てながら考え事をしている金慈に手伝うように促すも聞く耳を持たなかった。

 

「アタシの血を浴びたな?ポークビッツ野郎」

 

「誰が!ポークビッツだァ!!」 

 

 憤怒の形相で全身の筋肉を隆起させながら向かって来る顔怒を相手に依然として涼しい表情をした少女はヒラリと交わし延髄に強烈な蹴りを打ち込みダウンを奪う

 

 「フゥ……で、お前はどうする?挑んで死ぬ?無抵抗で死ぬ?命乞いをして死ぬ?」

 

 「一択じゃん、Dead or Dieじゃん……その銃にリストカットの跡を見るに……お前『出浦カグラ』の麗弩(れいど)だろ?」チャキ

 

 「………………………」

 

 少女の正体を『麗弩』と考察し金慈は手にした鋏(恐らく武器を)を向け警戒しながら問うと、少女…麗弩は手にした銃を見ながら

 

 「あ、選択肢まだ合ったわ。『質問して死ぬ?』が──「お前がな」ん?」ガシッ!

 

   ザシュッ!!ビシュッ!

 

 麗弩が答えると同時にダウンした筈の顔怒に足を捕まれ隙が出来た彼女は金慈の鋏に寄り首を斬りつけられてしまい、止血しようとするがそれより早く起き上がった顔怒に拘束されてしまった。

 

 「グエヘヘヘ!!慢心しすぎだ!雌が!!」

 

 「お前が言うのか?──まぁいいや…悪いね?麗弩くん、オレ等も『カグラ』なんだわ~。取り敢えず新しい奴隷GETの記念にヤッちまうか?」

 

 (あ、T◯UTAYAに『弱神アリ』返すのわすれた)

 

 「おぉ!そうだな!」 

 

 麗弩を拘束し奴隷にしようと盛り上がる二人を余所に危機的状況にも関わらず、レンタルしていたビデオの返却期限が過ぎて居るのを考えていた。

 

 「仕方ない、終わらせる」

 

 「あ?何言ってんだ?」

 

 拘束されたまま呟く麗弩に顔怒はにやけながら聞くが

 

 『秘伝忍法《サングレ・デスクレシオン》』

 

 「君って本当に同じカグラかい?哀れ過ぎて呆れちゃうよ?」

 

「ギャハハハ!何も起きねじ──ガバァ!?

 

 「え?」

 

 「あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 秘伝忍法を唱えた事を小馬鹿にした二人だったが、内一人の顔怒の肉体が徐々に崩れて破壊されて断末魔を残しこの世から存在が消滅した。

 

 「え?な、何が?え?」

 

 何が起こったのか、理解出来ない金慈は呆然としていた。その『隙』を突かれ

 

 ドスッ!

 

「はい、隙あり」

 

『秘伝忍法《サングレ・アブソルシオン》』

 

 「ぐっ離せ!離れろ!!」  

 

 「はい、はい、暴れない暴れない」

 

 「くそ!くそ!くそ!───

うぐゅえああああ!!」

 

 麗弩は手刀で金慈の胸を突き刺しながら秘伝忍法を唱えるすると金慈の体内からどんどんと血液を吸収していった。呆然としていた状態から目覚めた金慈だったが時すでに遅し、抵抗しようにも血が足りずに何も出来ず絶望の余り珍妙な叫び声を挙げる事しか出来なかった。

 

 「呆気ない終わり方だったわね。っと今はあの子達が先ね」

 

 つい今しがた戦っていたクズ共は然程印象に残っていなかったらしく暴行を受けていた少女達の方へと駆けていく

 

 (まだ、息がある治療すれば助かるな……他はメンタルケアが必要ね…これも手配する用に要請するか)prrrrr

 

 少女達の容態を確認し本部に連絡をする麗弩の背後で倒れている少女、秀惑に寄り望まない命を宿した少女(敢えて伏せるが)の身体から秀惑に似たガリガリのゴブリンの様な生き物が這い出てき麗弩を目掛け飛びかかった。

 

 『ブヒャハハハ!!隙あ──ビチュ!?』

 

 「背後捕ったなら声出すなよ」

 

 \サングレ・スパーダ・インパラータ/

 

  ドビシャァ!!

 

 

 折角の奇襲を声を出した事により無駄にしたゴブリン秀惑は麗弩の銃に寄り放たれた弾丸を胸に喰らうと体内から無数の血に造られた剣が飛び出し今度こそ絶命した。

 

 「…………」テチテチ

 

 ボコッ!ボコ……ボコボコボコボコボコボコ

 

 「…ガッ…タズ……ゲッ…殺して…コイツら事」

 

 「分かった」スチャ

 

 ゴブリン秀惑の出現元となった少女の子宮は秀惑を出産したことにより萎んだ筈だったが新たに膨れ初め子宮を突き破り身体中に広がり生命維持に必要な臓器を押し潰した。少女は息も絶え絶えに成りながらも近付いた麗弩に自分を助ける(殺す)様に要求して来た為ただ一言了承し銃を構え引き金を引いた。

 

 (───この娘等を陵辱した奴等は善忍、そんな奴等を殺した私も善忍……悪を討つでは無く不正を犯した善を討つ、『善忍』しかも、これを『正義』と呼ぶ……とんだお笑い草ね。『如何なる理由があれ人を殺めた時点でそれは『悪』』だと思うけどね)

 

『人を討てば『悪』』と部屋の惨状を見ながら麗弩は黄昏れた後

 

 「大元の始末は頼むよ、景光」

 

 そう呟きT◯UTAYAに返却を忘れていたビデオを返しにこの場から立ち去って行った。

 

 ──奴隷商人の拠点──

 

 麗弩が粛清したクズ共が奴隷を購入した施設で騒々しい騒音を鳴らす半グレ達がいた。

 

 Gun! Gun! Gun!

 

 「…………」ザッザッ

 

 「な、何だ!コイツ!?銃が効かねぇ!?」

 

 「!成ら!刃物で殺れば良いんだ!!」

 

 どうやら彼等は施設内に侵入してきた者と交戦中のようだ。侵入者の外見はフード付きの黒ファーコートに鳥のような仮面を着けた長身の男で麗弩が呟いていた人物である景光(かげみつ)という人物である。

 半グレは先程から銃弾を浴びせるも弾丸は景光をすり抜けて背後の壁に当たるだけで効果は無く景光は悠々と近付いて来る、弾丸がダメならば刀剣で仕留めれば良いと判断した仲間が大振りのナイフを構え 

     

 「………」ザッザッ

 

  死ねやぁぁぁ!!ダッ!

 

 景光の腹目掛け突き刺し、手応え有り!と思われたがナイフを持った骨がすり抜けて来ただけであった。

 

 「ひっ!!化物!!」ダッ

 

 「に、逃げろ!!」ダッ

 

 「ま、待ってくれ!?」

 

 「(やべぇ!どうする?どうすりゃいい!?)」

 

 「(い、命乞いするか!?)」

 

 「す、すまねぇ!ゆ、ゆるしてくれさい!」

 

 この光景を見た半グレ達は戦意喪失して逃げ出す者や何か策を考える者、命乞いをする者と居たが男は黙っていた口を開き

 

 「お前らは、彼女等、彼等の静止の声に関して耳を傾けたか?手を差し伸べたか?何もしていないよな?……それなのに『許して下さい』は……駄目だろ?」

 

  「「ヒィッ!」」

 

 景光の底冷えするような声に『死』が見えた半グレ達は蜘蛛の子を散らすよう逃げ出すが、逃すつもり等霧尽も無い景光は

 

 「逃げるなよ…《黒霧(くろきり)変化》《刺》廻れ」

 

      刺嵐雲(せきらんうん)ゴアっ!

 

 「ギィヤァ!」「おごぅえ!!」「ぶぎょ!?」

 

 ドビチャア! ゴシャ!! バギィ!!

 

 身体に纏っていた霧で出来た刺を纏ったミキサーの用な技により半グレ達はひしゃぎ裂けミンチになり息絶えた。

 

 「さて進むか」

 

  ガチャ

 

 「隙あり!火遁:豪炎火(ごうえんか)の術!」

 

  ゴゴォ 

 

 「今度は忍グレ──ん?」ヒョイ

 

 一頻りゴミ掃除が終わり施設内に入ろう扉を開けた瞬間、目の前に忍グレが現れ火遁を放って来た。

 

 (避けた!しかし、想定内!!!続けて喰らえ!)

 

 景光は其をアッサリ回避し忍グレの背後に視線を運ぶ、忍グレは景光の視線の方には気付かずに続けて術の印を結び発動しようとしたが

 

 「喰い千切れ『陰狼(かげろう)』」

 

  ガブリュ、ブッチィ!!

 

 背後に現れた巨大な真っ黒な狼に頭を喰いちぎられて死亡した為に不発に終わった。

 

 「照影(しょうえい)、状況は?」

 

 景光がそう呼ぶと狼の背後から精悍だが何処か親しみ安さを漂わせる少年が現れた。

 

 「今の所はまだ大丈夫ですね。陰蝠(かげもり)蜥陰(とかげ)で館内の様子を見る限りこの状況も知られていません。それとここのボスの部屋のルートも判明しました。こっちです」

 

 この少年の名は『照影』と言い悪忍(・・)から善忍に成ったと言う極めて希な存在である

 

 「そうか、流石優秀だなお前の「色神(しきがみ)術」と元・小悪忍と言う組み合わせは」

 

 「最後は余計ですねぇ」

 

 現在の施設内状況と大元の場所までのルートを把握して誘導した照影を景光は称賛したが、元・悪忍は彼からしたら黒歴史な為に最後は余計と呟いた。

 

 近道ルートの扉を開くと其処は奴隷部屋と書かれていた。即ち捕らえた奴隷達を牢に入れ監禁している部屋だった。

 

 「解放しますか?」

 

 走りながらも問いかける照影に景光は奴隷達を見ながら

 

 「時間の無駄だ」

 

 助ける必要は無いとバッサリ切り捨て歩を進めた。酷だと思われる言動と行動だが景光は奴隷達の目を見てこの判断を下した。

 

 景光が言う奴隷達の目を見て助けないと判断した理由は、簡潔に『奴隷達の目には生きる希望』が無かったからであった。少しでも生きたいと思う気持ち、希望が合ったならば解放、助けるつもりではあった。

 

  「待って!!」ガシッ

 

      「?」

 

 先に進む歩を出した数歩めで、いきなり服を捕まれた為に振り向くと一人の奴隷が檻から手を伸ばし服を掴みながら続け様に

 

 「こ、ここから出して!こんな所で死にたくない!まだ生きたい!だから!出して!!」

 

 「………………」ジッ

 

 性別は良く分からないが、奴隷の目を見る景光

 

 「ハァ、そういう事ね」

 

 沈黙しながら奴隷を見る景光に考えを汲み取った照影は色神で周囲の敵を詮索し

 

 「大丈夫ですよ、周りには何も居ないです」

 

 そう言った照影の言葉を聞きながら、牢の奴隷に対して景光は

 

 「生きたいか?自らの意思を持ち……生きるか?」

 

 凄まじい威圧を発しながら語りかける景光に対して奴隷は決して怯まずに真っ直ぐに眼をみながら

 

 「そう!言っているでしょ!!」

 

 返す奴隷に景光は肉薄しながら牢の鉄格子を握り其を引きちぎり奴隷を外に出し

 

 「照影、このまま進めば、ここの頭の部屋に行けるんだな?」

 

 「おっと!……ん?えぇ、まぁそうですね」

 

 よろけた奴隷を支えながら返す照影に景光は「そうか」と「ソイツを連れて先に帰還しろ」と言い先に進み始めた。

 

 「お、おい、俺も出してくれよ?」

 

 その際に一部を見ていた奴隷達も解放してくれと促すが景光をそれらを無視しながら先に進み始めた。

 

 「!景光さん、この先は気を付けて」

 

 ナニかを見た照影は景光の無事を祈りながら帰還する事にした。

 

───side照影───

 

 「な、何で他の人は助けなかったんだ……ですか?」

 

 照影に連れられながら移動する中に助け出した奴隷が質問して来た為に照影は手を引き走りながら

 

 「ん?あぁ、それは、お前が「生きる眼」をしていたのに対して奴らはしてなかったからだ」

 

 照影の返しに多少納得した奴隷は成程、と言った後に

 

 「て言うか、言って無い私も悪いけども、『お前』じゃなくて、ちゃんと名前有るんですけど?」

 

 ムスッとしながら語る奴隷に照影は立ち止まりボロボロの布切れを払う。

 

 「ヒャア/////!?」

 

 「『私』って…………お前……女だったのか?」

 

 布切れを払われた奴隷の下は一子まとわぬ裸体であり、程よい肉付きに白のセミロングにオレンジのメッシュにした少女であった。

 

 「あ、悪い『色神:犀縫(さいほう)』すまんコレ来てくれ、名前はなんて言うんだ?」

 

「そ、それだけ!?服はありがとうございます」

 

 照影の余りにも非常識な行動に驚きつつも色神の犀から服を受け取った少女は着替えを始める。

 

 「…………リーナです」

 

 「ん?そうか、リーナだったけ?お前闘えるか?」

 

着替えながら名前を名乗った少女、リーナにいきなり闘えるか聞いた照影にリーナは謝罪無いのか?と思いながらも

 

 「一応、サバイバルしながら暮らしていたのである程度は出来ます」

 

 「なのに、捕まったのか」

 

 「あ、あの時は空腹だったんです!不意打ちだったんです!仕方ないんです!」

 

 「さいで、ほい」

 

 黒い槍を受け取ったリーナに照影は探知した結果敵が居る事が分かった為

 

 「敵が居る、ある程度は守るが闘えるなら、多少は自力で何とかしてくれ行くぞ!」

 

 「は、はい!」

 

 照影の号令と共にリーナは脱出を目指した。

 

───side景光──

 

 「ここか、悪趣味だな」

 

 重厚且つ豪華絢爛な扉を前に呟く景光は扉に手をやり開くと目の前には

 

 「!?」

 

 今にも死にそうな奴隷商の頭にトンファーブレードを刺し向けるオレンジ(・・・・)色の髪をした少年がいた。




う~ん、気色悪ぃな…

とりあえず、今回はここまでに成ります。

次回は景光vs謎の少年に成ります!この謎の少年はいったい何者なのか!?次回をお楽しみに!

あ、前回と今回のキャラの簡易プロフィールです。(クズは載ってませんが)

茜 (あかね) 

善忍上層部総本部:3年生

誕生日:5月1日

性別:女

一人称、二人称:私/貴様、◯◯様

性格:真面目、ミーハー

年齢18歳

髪色・髪型:緋色の前髪パッツンのサイドテール

身長:163cm

3サイズ:B85・W52・H86

血液型:A型

好きな食べ物:薄い味付けの料理

嫌いな食べ物:濃い味付けの料理

好きな物:師匠、有名な忍

嫌いな物:師匠の敵、失礼な奴

苦手な物、事:師匠の料理(味付けが濃い)

趣味:買い物

好きな異性:誠実で真面目な人

戦ってみたい相手:師匠

男性経験:無し

家族構成: 師匠

秘伝忍法:隼

戦闘スタイル:愛刀による師匠譲りの剣術

武器: 刀(銘:六浄業滝)

特異属性:炎

忍階級:善忍上層総本部剣術師範代理 :朧忍

照影 (しょうえい)

元・悪忍➡️月閃女学館:3年生

誕生日:12月25日

性別:男

一人称、二人称:オレ、私/お前、君、◯◯さん

性格:デリカシーが無い、根は良い奴

年齢18歳

髪色・髪型:黒のショート

身長:179cm

血液型:O型

好きな食べ物:モ◯バーガー

嫌いな食べ物:マ◯ドナルドのバーガー(ポテトは良い)

好きな物:家族

嫌いな物:家族に手を出す以外は特に無い

苦手な物、事:正義とか語る奴ら

趣味:マジック、折り紙、絵描き

好きな異性:街で会った何か復讐鬼的な奴

戦ってみたい相手:偽善者

女性経験:無し

家族構成: 母親、妹、弟、妹、妹、弟

秘伝忍法:ナイチンゲール

戦闘スタイル:色神による召還忍術と肉弾戦

武器: 色神

特異属性:五台性質全て

クナイタイプ:ノーマル

忍階級:中忍(選抜メンバーの1年位)

リーナ

誕生日:3月中旬?

性別:女

一人称、二人称:私/お前、アンタ

性格:活発

年齢15~17歳

髪色・髪型:白のセミロングにオレンジのメッシュ

身長:158cm

3サイズ:B90・W55・H84

血液型:A型

好きな食べ物:蜂の子、ウサギの肉

嫌いな食べ物:信用してない相手の手料理

好きな物:山、川

嫌いな物:町

苦手な物、事:空腹(動けなくなる)、買い物

趣味:狩り

好きな異性:無い

戦ってみたい相手:無い

男性経験:無し

家族構成: 知らない

戦闘スタイル:ナイフや槍、爆弾、等を使う猟術

武器: 槍(現在)


◯弱神アリ─麗弩の借りていたホラービデオ(主演:舞)

 曰く『途中寝たから、覚えていない』


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元凶は今宵消える

 今にも死にそうな奴隷商の頭にトンファーブレードを刺し向けるオレンジ(・・・・)色の髪をした少年がいた。

 

 (………まずい!)

 

 事前に照影から聴いてたとは言え、余りにもイレギュラーな存在と出来事に思考が停止していた景光だったが、件の少年が奴隷商人に留めを刺そうと動き出した為に急いで霧を奴隷商人に飛ばし纏わせ此方側に引き寄せた。

 

 「お、お前は、わ、私が雇った忍だな!?よ、よ~し!おい貴様!あの生意気なガ、ガキを殺せ!!たんまりと報酬を払うぞ!」

 

 「………………………」

 

 自分の雇った忍に助けられたと勘違いした奴隷商人は先程まで、死にそうな雰囲気からうって変わってキィキィと耳に付く甲高い声で景光に目の前の少年を始末する用に指示をした。

 

 …死にかけだったのは、演技だったのだろうか?

 

 「オイ!貴様!聴いているのか!?さっさッと始末しろと言っとるんだ!!早くせんか!!!」 

 

 「……………………………」

 

 目の前の少年に目をやったまま微動だにしない景光に奴隷商人は堪忍袋の尾がキレたのか、手を上げ

 

 (このクソガキが!!)

 

 「嘗めやがって!!いい加──ハブッ!?

 

 ゴシャア! 

 

 「うるせぇ」

 

 「……ハガキョモロァ……」ドチャ

 

 殴ろうとしたが其よりも早く景光の拳が顔面にクリーンヒットした。奴隷商人は勢い良く壁に衝突し気絶した。

 

 \ズブズブ/ \ズブズブ/ \ゴボボ/

 

 気絶した奴隷商人に景光はどす黒い沼のような闇を展開し沈めていると

 

 「おい、待てよ」

 

 オレンジ髪の少年から制止の声が入ったが無視して奴隷商をさっさッと沈め捕縛しようとしたが

 

 「待てっていてるだろ?」

 

 再度制止の声をかけてきた為に振り向こうとしたが、少年は自分の目の前にいた。

 

 「お前ッ──」

 

  \スパ/

 

 驚きの余り拳を繰り出してしまった、目の前にいた少年は繰り出される拳をひらりと回避し右腕を斬り落とした──が違和感を感じた。

 

 (斬った、感覚(・・)がねぇ?)

 

 まるで煙を手で払った用な手応えの無い感触に僅かに戸惑っていると

 

 ボクッ!

 

 左頬を殴られた。不意な出来事な為に食らってしまったが相手側も牽制程度だった為か2、3歩だけ後ろに下がる位の威力だった。

 

 「すまんな、とっさの出来事故に手が出てしまった。しかし、君もオレの腕を斬り落としただろ?それでアイコにしないか?」

 

 「は?」

 

 殴り飛ばして起きながら図々しい態度をとる景光の言葉に思わず呆けた声を出してしまった。

 

 \ズブズブ/ \ズブズブ/ \ゴボボ/

 

 「では、オレはこのクズ野郎を捕縛しなくては成らないのでな」

 

 \ガァン!/

 

 再び奴隷商人を沈め始めた為に少年は再度トンファーブレードで斬り裂き、ではなくハンドガンで制止の警告をした。

 

 「………オレもそのクズに用があるんだよ……」

 

 「M1911(ガバメント)か……君も用があるのか……譲って貰えると、非常に助かるんだが?──駄目か?」

 

 「駄目だな」

 

 「駄目かー……じゃあ仕方ない」

 

 どうやらオレンジ髪の少年も奴隷商人に用が有るらしく、しかも譲れないと来た。

 

 景光は纏わせていた霧とどす黒い沼を解除し鳥の用な仮面を表し、左手に黒紫色の剣を右手に黒い霧を携えながら

 

 「分かるだろ?」

 

 「ああ」

 

 仮面越しにでも伝わる好戦的な気配を漂わせ、相対する少年に向けながら問うと少年も理解したらしく互いに同じ言葉を投げ合った。

 

 「「力付くで奪わせて貰う!」」

 

 戦いの火蓋が切り落とされた

 

 ──照影&リーナside──

 

 ………一方の撤退&脱出の二人はと言うと

 

 「色神:《黒》『千羽鴉(せんばからす)!』」

 

 \ア"ーー!!/ \ア"ーー!!/ \ア"ーー!!/

 

 「空腹じゃなかったら!アンタ達なんかッ!敵にも!成らないのッ………よっ!!

 

 \ドグシャア!!/

 

 大量の雑兵である忍グレと半グレ、チンピラ達と戦っていた。

 

 照影は得意の『色神』で鴉を造り突進させ広範囲の敵に攻撃を、リーナは打ち洩らしや回避した者へ追撃を行い上手い事立ち回り連携していた。

 

 (スゲェな……『色神』で造った槍を難なく扱うし、相手の刀とか弾丸を当たる(・・・)直前(・・)まで引き寄せて避けるとか……マジ何で捕まっていたんだ?)

 

 照影はリーナの人間離れしていた力に驚きと、強い感心を寄せていた。

 

 (この『槍』スゴイわね……普通の鉄の槍だと、私が軽く振るだけで壊れる(・・・)融解(・・)するのに…変形しないなんて……マジこの人は何者かしら?)

 

 リーナの方も照影の『色神』と正体に強い感心と驚きは一緒だが強い警戒心を抱いていた。

 

 (う"……ク、クソな、何だこのガキ共?滅茶苦茶…強ェーじゃねぇか!?…しかし幸いこのガキ共は全員死んだと判断している)

 

 死屍累々の雑兵の中にギリギリ助かった忍グレがおり彼は愚痴りながら手にしているUSBを見ながら悟られぬ様にニヤケた。

 

 (このUSB(機密)の情報さえ渡れば、十分だ。位置は送った。後はコイツ等が立ち去るか雇い主(道元)の部下が来るまでの辛抱だ!)

 

 どうやらこの忍グレは只の忍び崩れ(三下)ではなく、正式な『忍』であり奴隷商人の一味にスパイとして潜入し『機密情報』を得る任務を道元から受けていたらしく、取り敢えず。二人が去るか、道元の部下が来るまで死んだフリを行う事にした。

 

 \ザクッ/ \ブスッ/ \サクッ/ \ズチャ/

 

 (何の音だ?)

 

 死んだフリをしていると、何やら不快な音が辺りから聞こえた為に何の音か集中し探ると───

 

 「え~と、何をしているのかな?」

 

    \グサッ!/

 

 「……何って、止めだけど?」\グリグリ/

 

 引き気味に聞いて来た照影にリーナは淡々と返し続け様に

 

 「獲物を確実に仕留めたか確認するのは、サバイバルの基礎中の基礎よ?」

 

 「いや、コレはサバイバルじゃないんだけど?………でも『確認』ってのは一理有るな、気は乗らないけど」\ザクッ/

 

 (おいおいおいおい!!嘘だろぉ!?)

 

 気乗りしないと言いながらリーナと一緒に倒れている雑兵達をクナイや槍で突き刺し生存の有無を確認する二人に忍は焦り始めた。

 

 (どうする?どうする?どうする!?考えろ~、考えろッ!!)ハァハァ

 

 この状況を打破する為に頭をフル回転させる忍、普段なら冷静な判断が下せる彼だったが焦りの余りに

 

 「………コイツ、生きてるよな?」

 

 「うん、息荒いし、背中動いているし」

 

 照影の言葉に同意するリーナ、ボロが出てしまい二人に生存がバレてしまった。

 

\バッ!!/

 

 「チッ!仕方ねぇ!大人しく死んでくれ!」シュッ

 

 生存がバレてしまった忍は勢い良く飛び起きると同時にクナイを投げて来た。

 

 「ん」パシッ

 

 涼しい顔をしながら軽くそれをキャッチする照影、手にしたクナイを見ながら照影は忍がもう片方の手を握っているのを眼にし

 

 (この"クナイ"は牽制か?……て事は本命の武器は握っている手の中の物かな?)

 

 「ゑ?」

 

 そう予測を建て色神忍術の構えを取ると、予測と違い

 

 (獲られた!想定内!次は!)ガチャガチャ

 

 握った手はそのままで、クナイを投げた方を使い新たな武器を選択しようとしていたがその行為は隙だらけであり

 

 「えい」

 

 リーナの気の抜けた声により忍の身体は彼女の槍により貫かれた。

 

 「ブゥガァ!?……な、何故ぇ、だぁ…」

 

 「いや、何故って…お前の行動どう見ても無駄が多かったし?」

 

 「隙だらけだったし?」

 

 「フッ……貴様等如きに遅れを取るとはな……見掛けによらんと言うことか……グハッ」ドサッ

 

 「「…………」」

 

 「ツ、ツヨカッタネ?」

 

 「え?弱くない?」

 

 最期はいかにも強敵が吐きそうな台詞を言いながら息絶えた忍にどう反応すれば良いか困る二人組、取り敢えずフォローを入れる照影だったがリーナはストレートに返した。

 

 「……そう言えば、手には何を……USB?」

 

 頑なに開かなかった手が気になった為に開くとUSBを持っていた。

 

 (何かしらの手がかりが掴めるかもしれないな、預かっておくか)

 

 手にしたUSBを懐に仕舞いながら、照影はリーナに聴きたい事が有るから総本部について来て欲しいと言い色神の巨大な鳥を召還しリーナを乗せ連れて行く事にした。

 

 「あ……あの人は呼ばなくて良いの?」

 

 「あの人はあの人の仕事が有るから」

 

 ふと、思い出した用にリーナは景光は呼ばなくて良いのか?と聞いて来た為に照影は自分に仕事が有る用に景光にも仕事が有ると言い誤魔化した。

 

 「……………そう…」

 

 リーナはどこか物思いにふける様子で呟いた。

 

 ───その一方で景光は

 

 「はぁ、はぁはぁ……中々やるな……」

 

 「へっ、お前もな…はぁはぁ」

 

 眼前のオレンジ色の頭髪の少年と、奴隷商人の取り合いの戦いを行っていた。……取り合いと言っても決して┌(┌ ^o^)┐な事では無く奴隷商人にとっては生きるか、死ぬかの内容である。

 

 (このミカン頭……さっきから剣と黒霧で攻撃していると言うのに全く効いている様子が無い……)

 

 (この鳥頭……さっきから斬ったり、撃ったりしてるってのに全く効いている様子が無ぇ……)

 

 息を切らしながら互いに心の中で似た内容をぼやきながら二人は

 

  (本当に) 

 

  (マジで)

 

 

     ((面倒くさい!!))

 

 同じ感想を吐くと同時に何か手がないかと考えていると

 

 「ウググ……このクソガキ共が……」プス 

 

 「起きたか。」 「何だその注射器」

 

 気絶していた奴隷商人が起き上がりながら腕に注射器を打った。すると、徐々に肉体が肥大化していき先程の貧弱身体とは打って代わりT-何とかから産まれた暴君の用な姿へと変貌した。

 

 『フハハハ、どうだ!この全能感、素晴らしいと思わんか?思うだろう?クハハハ!!』

 

 「いや、知らん」

 

 「巨大化は負けフラグ」

 

 『クククク、余りの恐怖に言葉も出ぬか』

 

 同意を求める奴隷商人に対して景光は塩対応をオレンジ色の頭髪の少年は煽り気味な返答を行ったが、奴隷商人には聞こえていない、と言うよりは注射器の中身に意識を飲まれている様にも見える。

 

 「おい、ミカン頭コイツはもう壊れている……ここは共闘してコイツを始末しないか?」

 

 「奇遇だな、鳥頭…オレもそう考えていた。」

 

 まともに意志疎通が出来ないと判断した景光は少年に対して共闘を持ちかけると少年も同じ考えらしく利害が一致した為に互いに変貌した奴隷商人を始末する事にした。

 

 「鳥頭じゃない…景光だ。宜しくなミカン頭」

 

 「ミカン頭じゃねぇ、翔だ宜しくな鳥頭」

 

 互いに名前を交わしながら、奴隷商人に向かって行った。

 

『テケリリ!力の差も分からん蟲ケラ共が!精々後悔するが良い!!』

 

 ─────数十分後

 

 『ガ、ガガ……エギュ…』ガクリ

 

 「共闘、意味なかったな」

 

 「拍子抜け、いや当然の結果だったな」

 

 四肢が周囲に飛び散り巨大な胴体と頭だけに成り地べたでうめき声を上げながら息絶えた。変貌した奴隷商人に無傷の二人は共闘する意味がなかったと互いに思いながら

 

 「で、どうする?鳥頭さんよ?続きするか?」

 

 「鳥頭じゃない、景光だ。いや、最早こうなった今はお前と戦う意味はない……お前は続きがしたいのか?ネーブル頭」

 

 「さりげなくグレードUPすんなよ……」

 

 奪い合っていたように戦いの続きをするか?と持ちかけて来たオレンジの頭髪少年、もとい『翔』に言われた景光だったが意味が無いと言い断った。

 

 「そうかぁ?俺が『悪忍』でもかぁ?」

 

 「『悪忍討伐』は受けていないから」

 

 翔は挑発するかのようにニヤケながら景光に語りかけるが景光はその依頼は受けていないと流した。

 

 「そうかよ、じゃあ用は済んだし、お暇させて貰うわ」

 

 そう言うと翔は目にも止まらぬ速さで、この場から立ち去って行った。

 

 「速いな………さて」

 

  \ズブリ!/ \ブジュブジュ/

 

 翔を見届けた後、景光は死体と成っている奴隷商人の身体に腕を沈め

 

 「ふんっ!」ブヂッン!

 

 嫌な音を立てながら勢い良く引き抜くと

 

 「アガガ……何故だ、何故分がった」

 

 何と変貌する前の奴隷商人が出てきた。奴隷商人は何故肉塊の中身に居るのが分かったと問い詰めて来たが。、景光は無視をしながら闇の中に沈めて行き、捕縛した後に携帯を取り出し

 

 「はい、目的は完了致しました。ええ帰還します。え?奴隷達ですか?あぁ…その件ですが……私情で一人以外は見捨てる決断をしています。申し訳ございません。……奴隷達は任せて帰還ですか…畏まりました。それでは失礼致しました。」プツ

 

 「『不問にする』か……元龍災様には救われてばかりだな……オレは」

 

 通話を切った。携帯画面を見ながら景光は溜め息を吐きながら

 

 「任務……達成」ズブン

 

 闇に沈み帰還する事にした。

 

─────建設ビルの上───

 

 「あーあ、苦労して作った。『薬』と『餌』を無駄にしちゃって、本当に役に立たないなぁ~あの商人…はぁ次はどのオモチャ(人間)で遊ぼうかな~?」

 

 双眼鏡を片手に建設中のビルの上から様子を見ていた謎の人物はそう言うとタブレットを片手に画面を見ながら

 

 「うん、彼と彼女にしよう!」ポイッ

 

    \パリン!/

 

 タブレットを投げ捨てた。投げ捨てられたタブレットは地面に落ち砕け散った。落ちる瞬間その画面には『白堊』と『総司』が写っていた。




前回の続きでした。


元々がつまらない作品なのに、戦闘が無いとはどういう事だ!!と思っているのは重々に承知しております……次回はちゃんと致しますので!何卒ご容赦を!!


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最強の忍

ダーク・リベリオン様のあのキャラ登場!!


 真夜中の為に道路に車は無く、何時もは人で溢れかえる歩道にも人がいない静かな夜道を歩く少年が居た。

 糸目に紫色の髪を鶏冠の用に逆立て後ろ髪は長いと言う中々奇抜な外見をしていた。そんな彼の名は『霊峰(たまみね)』現・忍界にて"最強"の名を有している少年だ。

 

 「こん、時間帯に食事の誘いって可笑しいやろ…」

 

 愚痴りながら霊峰は総本部にて元龍災から貰った手紙の内容が気になった為に、主に会いに行っている所であった。総本部から数十キロ離れた歩道を歩いた所で道路を走っていた車が自分の真横で泊まった為に立ち止まると、フロントドアのガラスが降りピンク色の髪をした美しい少女が顔を出し

 

 「レディを待たせるのは良く無いわよ?」

 

 女性を待たせるのは良く無いと語りかけて来たために

 

 「なら、乗せてや?」

 

 「開けて、大丈夫よ」

 

 「あら、素直」

 

 そう思うなら乗せて目的地まで連れて行けと言うニュアンスを感じた少女はドライバーに対してドアを開ける用に指示を促した。その際何やら一つ悶着が合ったようだが、彼女の一言によりすんなりと乗車出来た。

 

 「んで、内容にあった特ダネって何なん?あんさんの3サイズでも教えてくれんの?」

 

 「………」ギロッ

 

 「おぉ怖ッ、そんな睨まんといてや」

 

 乗るなり少女に対して失礼極まりない質問をする霊峰に対して運転手はバックミラー越しに怒りの目線を向ける。ヘラヘラと反省の態度を見せない霊峰にドライバーはより一層の苛立ちを見せるが

 

 「私の3サイズは上から、94、52、89…だけど?」

 

 「えー冗談やったんやけど?」

 

 何の躊躇も無く答えた少女に質問した張本人の霊峰は本来は少女がする筈の反応の嫌な顔をした。

 

 「まぁ、それはいいとして私は『戦姫衆(せんきしゅう)』の《神姫(みき)》本題は、はこのホテルの最上階でしましょう?」

 

 「………………」

 

 神姫はそう言いながらホテルを指差す。霊峰の方は名前を聞いた後に何かを考えている仕草を見せていたが、神姫は先に待っているわと言わんばかりに車から降りようとした。すると黙りこんでいた霊峰が手を叩きながら

 

 「神姫ってどっかで、聞いた名前や思うたら。夕ちゃんの父親を自殺に見せかけ殺した外道やん!」

 

  グワッ!!

 

 霊峰の神姫に対する態度に堪忍袋の尾がキレたドライバーは拳を上げ霊峰に掴み掛かろうとするが

 

 「『眠れ』おっと」

 

 \ドサッ/

 

 霊峰が一言呟くとその場に倒れ掛けた為慌てて支えるとそのまま寝息を立て始めた。

 

 「飼い犬にはちゃんと、首輪付けとかなあかんって………アレ?」

 

 ドライバーが地面に強く打ち付けられない用にゆっくり降ろしながら神姫に対して注意を言うが神姫は居らず、代わりに

 

    『最上階で待っているわ』

《エレベーターは使えないので階段から宜しく♥️》

 

 と書いてある紙切れが残されていた。

 

 「マジか……面倒いわ~」

 

 首を項垂れながらホテル内に入り階段を上がりフロアを進むを繰り返して行く。

 

 (周りの視線が痛い)

 

 フロアや階段を進む途中に位かにも社会的上位者達から好奇や嘲笑な視線を受ける。それもその筈そもそもこのホテルは霊峰の用な学生が易々と入店できる用な場所では無いからである。周りから視線を受けるのは至極当然と言えよう……最も気配を最初から消せば良い事でもあるのだが。それに霊峰自信の財力なら普通に入店できたりする。

 

 「………出てきたら?」

 

 30階に登る階段に到達した所で霊峰は背後に声を掛けると

 

 「反応が遅いな?最強の忍」

 

 勝ち気な表情をした高身長の少女が現れた。恐らく彼女も霊峰と同様に忍だろう(恐らく悪忍)そんな少女は最強の忍を前にしながらも不敵な笑みを浮かべている

 

 「人数揃えりゃ、僕の首をとれると思うとるんか?」

 

 「なんだ、気付いて居たのか?」

 

 \ゾロゾロ/  \ワラワラ/ \ササッサ/ 

 

 霊峰がお前以外も居るだろう、と言った質問をすると少女は肯定的な返しをすると霊峰の言うとおり多種多様な忍達が姿を現した。その数ざっと100人

 

 「げっへへ、最強って言うからどんな奴かと思いきゃあ……こぉんなモヤシ野郎たぁなぁ…」

 

 「私の計算では我々の勝率は100%です。」

 

 「報酬は山分けで……俺達はあの《女の身体》とかどうでもいいからな…」

 

 「……と、まぁこれだけの人数な分けだ大人しく殺されてくれるだろ?アンタは丸腰な訳だしな」クスクス

 

 ほくそ笑む少女に対して霊峰は呆れた表情をしながら、指先を器用に動かすと

 

 「誰が丸腰て?」ボウ

 

 「何!?」「計算外です!」「何処から!?」

 

 「成る程な《流石》と言うべきか?」

 

 炎の剣を顕現させた。周りの忍達はざわめき慌てふためる中少女だけは未だに冷静だった。

 

 「流石って物やないやろ?(体術25、クナイ15、忍術10、銃20、手甲20、弓19、で刀があの子だけね…)フッ

 

 霊峰は大した事無いと言いながら敵戦力の分散をした後、顕現させていた剣を吹き消し少女を、正確には少女の持つ刀を見ながら

 

 「ええ、《刀》やな…《最上刀剣(さいじょうとうけん)大業物(おおわざもの)12刀(12とう)》やないにしろ、良ぉ大切に使われとる」

 

 「中々いい審美眼の奴だな?まぁ良い取り敢えず────お命頂戴!!」

 

 「勝ったら、ソレ()貰うわ」

 

 ────ブツン────

 

 「ハッ、カァ……な、何が起き、タァッ!?」

 

 "舜"正に一瞬の出来事だった。戦闘開始と共に己はいきなり地面に倒れており、首から下の感覚が無い、頭が追い付かず辺りを見回すと誰もいない逃げたのだろうか?

 

 「安心せぇ、君は始末せぇへんから」ボトボト

 

 「なっにをッ──う"ッ!?」

 

 突然聞こえた方へ顔を向けると、先程まで意気揚々としていた忍達の生首を持つ霊峰が少女の顔近くに落として来た。思わず顔を背ける少女だったが、霊峰はお構い無しと言った表情で少女の刀を手に持ち2、3回振ると

 

 「うん、良い刀や」

 

 そう言いながら次の階へと上がって行った。が、直ぐに戻り

 

 「あ、別に心配せんでもこっから先誰も来へんよ~?後、君……名前何て言うん?その身体の麻痺はどんどん眠く成るし、寝たら解除せん限りは5日は起きれへんから」

 

 へらへらとした表情で麻痺の恐ろしい効果と名前を聞いて来た。少女は忌々しそうな表情を浮かべつつも

 

 「………春日(かすが)だ…」

 

 「春日…ね、出世しそうな良え名前やん!刀、借りるわ!じゃあねぇ~~!」

 

 「クソが」

 

 春日と呼ばれた少女は短く毒つとそのまま瞼を閉じ眠りについた。

 

 「休ませる気ないんかーい!」

 

 次の階に進むなり開口一番に霊峰はツッコミを入れた。次の階には戦闘用傀儡が大量に居たからである。砂糖菓子に群がる蟻の如く霊峰に迫る傀儡に霊峰は佐木の忍達に行った用に

 

────ブツン────

 

 不可視の攻撃を浴びせ突破した。この調子で着々と階を突破して行き49階の扉を開ける。忍、傀儡と続きその部屋に居たのは……

 

『ゴチソウ、来タ、少ナイ…モット、食ベタイ』

 

『キャハハハ、遊ボウ』

 

『アタシ、キレイ?』

 

『生キテイル!穢ラワシイ!』

 

『グルルルゥゥ……』

 

 巨大な赤子、自身の頭を毬代わりにしている着物の少女、ムカデと花魁が合わさった女、膿と疣だらけの尼、人の顔に蟷螂の腕、足は飛蝗の姿をしたetc…と言った化物達が居た。

 

 (おいおいおいおいおいおい、待て待て待て待て待て待て聞いとらん聞いとらん聞いとらん聞いとらん)

 

 この異形達の姿を見た霊峰は引き攣った笑みを浮かべながら心の中でツッコミを入れ、刀の峰で肩をトントンと叩きながら

 

 「『妖魔』が居るとかマジかよ……気配はしとったけど……」

 

 妖魔達の状態を確認し値踏みをしてみると

 

 (コイツら何体か『災害級』が居らんか?こんな奴等を従えているんか?)「ハァ」

 

 都市一つを単体で滅ぼす事が可能だと推測できる妖魔が複数体確認された。天井を見上げ溜め息を付いた霊峰は刀を構えチャクラを纏わせ漆光沢に刀身を黒く染め

 

 「考えてもしゃあない、行くで」ヒュン

 

 「頂きマァァァス!!」

 

「キャハハハ!蹴鞠シマショウ!」

 

「アタシノ美貌ニ酔イシレナサイ!」

 

 「穢ラワシイ!殺シテ救ワナクテハ! 」

 

 「ギュギャガァァァ!!」

 

 妖魔達の群れに特効して行くと妖魔達も一成に襲い掛かって来た。

 

 ─────スパン───ガキン──

 

 「ん?今一匹防いだか?」

 

 一つの違和感を除き、襲い掛かって来た妖魔は一太刀で消滅した。

 

 「どんな奴が防いだんか~?おぉう…」

 

 違和感を感じた場所へ駆けつけると、獣と竜を掛け合わせた妖魔にしては中々の外見をしている妖魔達が居た(GEのガウェイン似)

 

 「ガルルル…」シャキン

 

 霊峰が近付くと妖魔は刃の用な翼を展開し威嚇するが、霊峰が妖魔に目掛けチャクラを流すと

 

 「クゥン」フリフリ、スリスリ

 

 威嚇していたのが、嘘だったかの様に彼に懐いて来た。霊峰も少し撫でた後に妖魔に何かを指示し何処かへ行った妖魔を見送り最上階の扉へと到着した。

 

 ───最上階───

 

 「霊峰だったっけ?本当に来るのか?相当な無精者らしいじゃん……」

 

 豪勢な料理が並べらソレを口にしながら霊峰が本当に来るのかを確認する金髪に二つ結びの少女に神姫は

 

 「大丈夫よ愉姫。だって彼、私の車に乗って来たんだし」

 

 マジかよ!と愉姫と呼ばれた少女は驚きの声を上げる。

 

 「やっぱり、あの手紙の内容は効果覿面だったみたいね。零姫」

 

 「そうね。彼が昔から『神楽』に熱心だったのは、本当だったみたい。案外役に立つことも有るのね(黒鉄)…」

 

 神姫に手紙を聞かれた零姫と呼ばれた少女は多少では有るが黒鉄の事を見直した。

 

 「フフ、でも残念よね?騙されたと思って来ちゃうなんてね。案外大した事無いのかしら?」クスクス 

 

 語っている中でも一番幼いと伺える少女が霊峰が騙されている事を嘲笑した後、料理を口に運ぼうとすると

 

 「値段の割には味いまいちやなぁ~……で、誰が大した事無いって?ん、このケーキは美味い」モシャ

 

 「っ!」

 

 音もなく現れた、霊峰が口に運ぼうとした料理をフォークごと奪い頬張り酷評し更にケーキを奪い此方も頬張る。

 

 「何時のまに居やがった!」

 

 愉姫は警戒心と何時でも戦闘出来る様に携帯電話を持ちながら聞くと霊峰はケーキを頬張りすぎ栗鼠の様な状態に成っていた口を戻し

 

 「『騙された』って所からやね。……で、結局は何の用やったん?用無いなら帰るで?」

 

 (怒らないのね…)

 

 冒頭では愚痴っていたにも関わらず、余り怒った様子の無い霊峰に神姫は以外に思っていた。

 質問を受けた豹姫が答える為に口を開こうとするが、霊峰は豹姫ではなく向かい側の零姫を見ながら質問していた。

 

 「フフフ、貴方は今の忍界で最強と唄われているのでしょう?」

 

 「そうみたいやな」

 

 零姫の質問に彼女に近付きながら答える霊峰。

 

 「そんな、忍界最強の人物が私達みたいな忍界に仇なす存在に倒されたらどうなるかしら?」

 

 「大変やろな」

 

 零姫の更なる質問に霊峰は適当に返答をする。

 

 \ガシッ/!!

 

 口角を吊り上げながら近く迄来た霊峰の肩を零姫は掴むと眼を妖しく耀かせ瞳術を掛けた。瞳術に掛かったのを確認した豹姫は

 

 「アキ!!」

 

 と叫ぶと……

 

  ドグゥアシャアン!!

 

 「!」バッ

 

 壁から褐色肌に傷だらけの大剣を担いだ少年が現れ、大剣を霊峰へ突き出した。

 

 シュンッ!! ドカァァァン!!パリン!パリン!

 

 「ケホ!ケホ!勢い有りすぎよ?アキ」

 

 「い"っ!おい!亜騎羅!耳が痛てぇだろ!?」

 

 凄まじい突きにより生じたソニックブームにより爆音が発生し窓ガラスが割れ、部屋には煙が立ち込め。近くに居た零姫が咳き込み爆音により耳鳴りがした愉姫は亜騎羅に文句を言う其を豹姫が宥めなていると

 

 「皆は下がってて」

 

 「アキ?」

 

 真剣な表情で戦闘体制を取る亜騎羅に不思議そうにする豹姫すると

 

 「いや~いきなり二つのサプライズを咬ます何て、中々やらしい事すんなぁ~?」

 

 「……嘘…」

 

 煙の中から無傷の霊峰が現れた。これに豹姫は驚いたのか信じられないと言った声を上げ、他の面々も亜騎羅除き同様だった。

 

 そんな彼女等を他所目に霊峰は亜騎羅を見ながら、口を開き犬歯を見せ何時もとは異なる凶悪な笑顔を造りながら

 

 「雑魚やったら、水に流すんやけど……君は雑魚やない寧ろ『普通』の部類や……やから少し遊んだる(・・・・)




戦闘回とか言いながらアッサリ過ぎますね…

一応、次回は完全に戦います。激戦です!

次回 『最強VS最強』


に成ります。


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最強vs最強

最強は色々可笑しい


 「……………」

 

 豹姫は一人震えていた。但しそれは恐れではなく自分等を守るようにして立つ少年《亜騎羅》を最も信頼する、『最強』の少年を目の前の男に『普通』と揶揄されあまつさえ『遊んであげる』と侮辱された。怒りによる震えだった。

 

 「大丈夫だよ、姫。」

 

 「アキ?」

 

 怒りに身を震わせていた豹姫に亜騎羅は振り向き豹姫に

 

 「やるからには、『勝つよ』オレ」

 

 「アキ……/////」

 

 『勝つ』と宣言した。その精悍かつ端正な横顔に頬を染め上げる豹姫

 

 「あのー、そろそろ……攻撃してええか?」

 

 すっかり二人だけの世界に入ってしまったので、霊峰は声をかけるも全く反応がなかった。

 

 (帰ろうかな?でもなー…)

 

 その為熱が冷めた霊峰は帰ろうと心の中で思うも

 

 (熱う成ったら、冷ますのは大変よな)

 

 一度熱した物は冷ますのは容易ではないとも思っていた。

 

 「はぁ~…面倒いけど、やる気出すか」スゥゥ

 

 ぶつくさと何かを呟きながら、霊峰は右目をゆっくりと開きながら刀を構える

 

 (!あの眼は……まさか!?)

 

 「……豹姫、亜騎羅、そろそろ始まるわよ?」

 

 開眼した霊峰の右目に驚いている零姫を確認した神姫が豹姫と亜騎羅に語りかけると

 

 「アキ、勝って!」

 

 「うん!」

 

 豹姫は亜騎羅に勝つように発破をかけると、亜騎羅はそれに呼応するように返事をした。

 

 (サンキューなピンクの姉ちゃん)

 

 「ほな、行くで…フッ!」舜!

 

   \グオッ!!/ 

 

 「何て風圧!?」「うわっぺ!砂が」

 

 「ふん!」ガキン!

 

 意識すべき対象を自分に変えた事に霊峰は神姫に礼を言いながら亜騎羅へ目掛け素早い突きを放つ。その突きは大気を揺らし凄まじい速度で亜騎羅目掛け迫るが、亜騎羅は難なく防ぐ。

 

 「流石!アキ!」

 

 「どうした?この程─グッ!ガッ!ガハッ!?

 

 軽々防いだ亜騎羅に流石と声をかける豹姫、対する亜騎羅も拍子抜けだと溜め息を吐くが、いきなり鈍痛が頬を始め腕、腹に響き渡った。

 

 急な出来事だった為に膝を突きかけるが何とか持ち堪え、攻撃主の霊峰を睨みながら

 

 「今のは……一体…」

 

 「ほぉえ~、今の喰ろうて膝突かんなんて…中々やるなぁ?評価『普通』やなくて『良い』に変えるべきかぁ?」

 

 先程の攻撃の事を聞くも対する霊峰は亜騎羅の発言を無視しながら評価を高めるべきか否か考えていた。

 

 「………成程」ギュン!

 

 攻撃を受けた亜騎羅は攻撃の正体を理解したらしく剣を構え、霊峰目掛け突進して行った。

 

 「まーた、それかい?シンプルなんは、ええけど。飽き飽きするで?まぁー、脳筋坊やなら、しゃーないか~」

 

 「…………………」

 

 (無視かい!何時でも避けれるけど、調子乗らせる為に喰らっとくか……どうせ効かへんし)

 

 霊峰の安ぽっい挑発に乗らずにそのまま迫る亜騎羅に内心でほくそ笑みながら剣を構え、流そうとする。そんな霊峰の笑みは一瞬で消える事に成る。

 

  ガキッ!

 

 (ん?この技は──)

 

 ボグッ! ドガ! バキッ!

 

 亜騎羅の剣による突進を受け止めた霊峰に、三つの重い打撃が打ち込まれ、霊峰は二、三歩後方によろける。

 

 「先程のお前の技、模倣させてもらった」フッ

 

 「流石!アキ!」「見えねぇ、技だったろ!?」

 

 「才能の塊ね」「…………ッ」

 

 「…………ぺっ!」

 

 得意げな笑みを浮かべる亜騎羅と其を称賛する戦姫衆を前に、霊峰は床に唾を吐き捨て終始、不愉快と言わんばかりの表情を浮かべた後に直ぐに糸目とニヤケ顔に戻り

 

 「ん~所詮は猿真似よな~?大した威力もあらへんしな~」

 

 「…………」

 

 「「「「…………」」」」

 

 『猿真似』『大した威力は無い』と嘲笑する霊峰、その台詞は負け惜しみにも聞こえる。

 

 亜騎羅と豹姫達は冷めた視線を霊峰に向けるが、霊峰は気にせず続け

 

 「けど、まぁ……その得意げな面はめっさ、腹が立ったわ~…や・か・ら、ぶちのめす(殺す)⭐」

 

 三下の悪役が吐くような台詞を言いつつ、亜騎羅の目の前から姿を消した霊峰は

 

 「特に何もしとらん、アンさん(豹姫)とかなぁ!!虫酸が走るわ!!!」

 

 瞬きのすら許さぬ速度で豹姫の眼前へと移動し頚を刎ねようとする。

 

 「姫に手を出すなァァァ!!」 

 

 その光景に亜騎羅は激昂しながら、霊峰の背後を刺し貫こうと突進する。

 

 ニィ…

 

 「!、アキ来ては──

 

 豹姫を助けようとする戦姫衆の面々だったが、神姫は霊峰の口角が僅かに吊り上がったのを見て霊峰の本命を悟り

 

 ──駄目!」

 

 静止するが……

 

  「なんつって♥️」ガッ!

 

 舌を出しながら亜騎羅側に振り向き、突進して来た亜騎羅の顔面を掴み

 

 「お眠んね……しときや!!!

 

 床に思い切り叩き付け最上階から一気に最下層へと、叩き落とした。

 

 「やっとええ奴入ったな……あ、心配せえへんでも。ここ中心に半径500mに《忍結界》と《人払い》しとるから大丈夫よ」

 

 聴いていない事を語り出した霊峰だったが、大きく穴の空いた床下を見ながら

 

 「嘘ォ?」

 

 短く呟いた。その理由は最下層に叩き落とした亜騎羅が立ちながら自分を睨み付けていたからであった。

 

 「…………」スタッ

 

 「良かった」

 

 そのまま軽々しくジャンプして来た亜騎羅に安心の一声を掛ける豹姫

 

 「…………」チャキ

 

 亜騎羅はそのまま目の前の霊峰に武器を向け応戦する構えを取る。

 

 「やっぱり、《普通》やなくて《良い》に変えたるわ…んで持ってチョイと、力出したる。楽しませてくれや」ス…

 

 霊峰もそれに応える様にここで初めて、様に成っている構えを取る

 

 「「…………………………………」」

 

 互いに構えたまま微動だにせず相手の出方を伺う。静寂が漂う中

 

 ガキィン!!

 

 「…………ッ!」 「ほほぉ~う!」

 

 ソレを二人して同時に破った。体格差故か僅かとは言え少々押され後退する亜騎羅

 

 「えぇな?ホンマにええな!!速さ上げてくで!!」

 

 糸目を少し開きながら凶悪な笑みを浮かべた霊峰は『速さを上げる』と言うと、亜騎羅の有無を言わさずに斬りかかって来た。

 

 「ぐっ!」  

 

 宣言通り先程とは比べ物に成らない速度で斬りかかってくる霊峰に徐々に押される亜騎羅

 

 「んん?何や?見栄貼った割にはその程度か?やったら期待通りやわ~」

 

 「!!」

 

 (良い性格(イジワル)してるわね…)

 

 『期待通り(・・・・)』その言葉に亜騎羅は鋭く反応し、神姫は意地悪と表した。

 

 何故なら、『期待』と言う言葉は自分に自信(・・)が有る時に使う言葉で有るからであった。

 

 つまり、今までの亜騎羅を誉めている、強者と認めている行為は全て偽りだったからである。

 

 「嘗めるな!!」

 

 「おっ─どっふぉっう!?

 

 霊峰の言葉の真意を理解し憤慨した亜騎羅は大剣の柄を握り下部分を分離し鈍器を持ち、霊峰を殴り飛ばす。

 

 完全に不意だった為に霊峰は諸に脇腹に喰らい珍妙な叫びと共に吹き飛ぶが直ぐ様体制を立て直し

 

 「いやぁ~もしかして、僕の真意に気付いちゃった?……にしても中々に珍妙な武器やなぁ?あ、珍妙言うたら僕もか?」ケケケ

 

 何事も無かったかの様に振る舞う霊峰

 

 「ではでは~続いての商品は此方に成りま~す」

 

 巫山戯た口調で両手を広げる霊峰。その広げた両手の間には赤黒く光ながら回転する大きめの刃が4つ浮かんでいた。

 

 「……何だ?アレ…」

 

 「空間の刃?」

 

 「零姫、貴方は知ってるんじゃない?」

 

 愉姫が不思議そうに呟き、豹姫が憶測を立て、神姫は零姫に対して正体を問い質す。

 

 「ええ、知っているわ…あんな能力使えるのは……何で…何で貴方がその『眼』を……《神楽》の『眼』を持っているの!?」

 

 「「「「!!!??」」」」

 

 神楽の『眼』と聞いた四人は霊峰の眼を見る糸目だった霊峰はわざと右目を開くと其処には真紅の光に巫神楽の紋様が浮かんでいた。

 

 「アンさんに、教える、義理は、無いんだYO♪──でもこの眼を知っとる、警戒しとる事でハッキリしたわ。やっぱりアンさ……お前《妖魔》だな?」

 

 「あっ!」バッ

 

 『しまった!』と言わないばかりに口を塞ぐ零姫だったが、時すでに遅し既に霊峰は殺意を隠さずに攻撃体制に入っていた。

 

 「妖魔は忍の敵、んでアンさんらも忍の敵、《妖魔》が二匹、逃がしたら、アカンよな~?つーことで残りのお二人さんはお気の毒ぅ~♪」ヒュッ

 

 「!?」

 

 変な歌を鶫ながら霊峰は空間を裂く刃を亜騎羅を覗いた4人へ目掛け投げ飛ばした。

 

 その刃から豹姫達を守る為に、正しく身を呈して庇う亜騎羅。

 

 「ヒュウ!やるぅ♪」

 

 そんな亜騎羅の行為に口笛を吹きながら評価する霊峰。

 

 だがいくら彼の強靭な肉体を持ってしても空間そのものを裂く刃には叶わず手足が胴と下半身も斬り飛ぶ。

 

 「あ、あ……アキ…そんな……」

 

 絶望に打ちひしがれ、両手両足を床に付け涙する豹姫に霊峰はバラバラに成った亜騎羅の死体を通り過ぎながら、ゆっくりと近づき刀を首に近付け

 

 「お前からも、妖魔の血を感じる……てなわけで~バイバ~イ♪──────アララ?」

 

 勢いよく振りかざすが、一向に手応えが無い。思わず刀を確認すると剣の先が砕け散っていた。

 

 「……………………何で?……………」

 

 霊峰は冷や汗を掻きながら苦笑いする。

 

 恐らく冷や汗は借り物だからだと思われる…

 

 仕方なくもう一度豹姫を斬ろうと一歩踏み出すが豹姫は居らず、所か他のメンバーも居なかったが逃げた訳ではなく少し距離を取っていた。

 

 其処で霊峰は信じられない物に遭遇する。それはバラバラの死体に成った筈の亜騎羅が傷を繋げながら生きていた事、つまり豹姫含めたメンバーを霊峰から遠ざけていたので有る。

 

 「おぉ!!蘇生再生まで出来るんか!?いやはや流石に期待を超えおったで!!人間離れしすぎやろ!?」

 

 亜騎羅の凄まじさを通り越した異常な生命力に喚起し一種の感動を味わう霊峰だったが

 

 「蘇生再生?人間離れ?何を言っている、オレはそんな物じゃあ無い」

 

 「あ"?」

 

 亜騎羅の否定の言葉と姿を見た霊峰は声を濁らせながら真顔に成る、亜騎羅の姿は明らかに人では無い異形の姿であったからである。 

 

 「流石にアキの凄さが分かったかしら?」

 

 「へへ、ヤロービビってやがる。」

 

 「「………っ!!………」」

 

 先程まで絶望に打ちひしがれていた筈の豹姫が勝ち誇ったかのような態度を取るが、零姫と神姫は霊峰の表情を見て震撼する。

 

 霊峰はニヤケ面でも無く、怒りでも無い、完全に興味を無くした無表情をしていた。

 

 愉姫はビビっていると認識したらしい。霊峰はその表情のまま手で何かしらの印を結びながら

 

 「何や?お前も結局、妖魔かい?嘘やろ?久しぶりに、もう居ない《アイツ》と同じ力を持つ奴に会えた思うたのに……もうええわ、《創星改変(そうせいかいへん) 幽玄(ゆうげん)…》prrr、ん?」

 

 空間に皹が入り割れ暗黒空間が戦姫衆を呑み込み始めようとした瞬間、霊峰の携帯から着信音が鳴った為に霊峰が携帯を取る。

 

 「『え?話があるから戻れ?』えー…今忙しいねんけど?早急?へいへい分かりましたよぉー…プツ」

 

 どうやら、上からの命令で戻る用に言われたらしく霊峰は無表情からいつもの表情にかわりクルリと背を向けながら

 

 「命令有るからお暇させて貰うわ、ほなね」ピョン

 

 「うゑ!?」

 

 帰ると言いながら窓から飛び降りた。驚きの声を上げる豹姫だったが、霊峰は飛竜の様な姿をした少女を咥える背に乗り飛んで行った。

 

 「大丈夫?アキ?」

 

 「何とか…」

 

 ビシュッ!

 

 亜騎羅に傷は大丈夫かと聴いてきた豹姫に亜騎羅は大丈夫と答えた瞬間、塞がっていた筈の傷から血が吹き出した。

 

 「……アイツ」

 

 飛竜妖魔の背を見ると此方側を見ながら霊峰が舌を出していた。

 

 「本当に良い性格(意地悪な)してるわね……あの子(失敗作)を早急に回収する必要が有るわね」

 

 そんな霊峰を見ながら神姫は静かに呟いた。

 

 ───善忍上層総本部:理事長室───

 

 「───以上に成ります。」

 

 「うむ、分かった」

 

 理事長室に『麗弩』『景光』『霊峰』が集められ、各々の任務の報告を行っていた。(茜は各々に粗茶を出していた)

 

 霊峰だけは石抱の上で正座させられていた。明らかに説教事である。

 

 『麗弩』と『景光』二人を下がらせると元龍災は霊峰に

 

 「───霊峰よ何故、そのような状況か理解出来取るな?」ギロ

 

 静かにだが確かに怒り鋭い眼光を飛ばす元龍災に対して霊峰も負けじと鋭い眼光をしながら

 

 「分からん!!─待って!嘘やて、冗談ジョーク上段切りストップ!」

 

 霊峰の巫山戯た返しに、炎の用な気を元龍災が発しった為に慌てて謝る(勿論剣なんて抜いていない)

 

 「人払いと広範囲の忍結界に善忍本編に悪忍?と妖魔の持ち込みのことやろ?」

 

 「そうだ、よって処罰としてこれ等の内容を熟して貰う」

 

 「内容は此方に成ります」

 

 元龍災の処罰の内容が記載されたA4用紙を茜から渡された為、内容を確認すると

 

●:捕らえた悪忍の公正

●:妖魔の調教 

●:賠償金:8000万(最上階の修理費)  

●:人工禍恨の力研究所の破壊

●:不穏分子の処理

 

 計5つの項目が並べられていた。

 

 「こんな物でええの?楽勝やんww」ボン!

 

 霊峰は草を話しながら、理事長室から煙を発しながら退室した。

 

 「普通に退室出来んのか……」

 

 元龍災は霊峰の退室に呆れ愚痴を溢した。

 

 ──善忍上層総本部───

 

 「やかんのお尻は、ツルン、ツルン♪」

 

 「………何だその歌」

 

 「んあ?」

 

 廊下を変な歌を歌いながらスキップ移動している霊峰の前に景光が現れた為に

 

 「何か用?」

 

 と聴くと景光は

 

 「元龍災様からの言伝てがある。何でも『5つの項目が完了する迄は《同盟校》の半蔵学院との接触を禁ずる』……だそうだ」

 

 「へぇ」

 

 この内容に霊峰は無関心な返しをした為に景光は

 

 「……いいのか?学院には選抜メンバーに《黒鉄》と《銀雪》……其にあの《妲己》…「《妲己》じゃない『於国』だ」……取り敢えず、彼女も居るんだぞ?大丈夫なのか?」

 

 出浦の危険人物の名を出す途中、霊峰に名前の訂正を入れられたが。

 

 霊峰は景光の問いに

 

 「大丈夫やろ、紅と春ちゃんの二人が居るし、万が一の緊急事態が無い限りは僕は動かへんよ?面倒いし」

 

 霊峰は紅丸と春潮が居る事と余程の事が無い限りは接触しないと告げた。

 

 「あ、でもサス坊がヤバいなら、動くかもしれへんは……アイツには死んで貰ったら困るからなぁ~」ニチャリ

 

 「……取り敢えずは、処罰を済ませる事だな」

 

 が、サス坊なる人物が危険な場合は助けると霊峰が語るが非常に不気味な笑みを浮かべた。

 

 景光は霊峰の笑みに思いは有るものの言伝てを伝え次第目の前から姿を消した。

 

──────────────────────────

 

オマケ?

 

 霊峰は取り敢えず、最上階の修理費を済ませた後に妖魔を完全に調教して《口寄せ》の動物として契約した。

 

 捕らえた春日の件に関しては元々彼女は善忍だったものの見に覚えの無い罪を着せられ悪忍に成ったとの事なので霊峰の仕事を手伝い公正させる形と成った。

 

 それは言いが、春日に対する前受け金《5000万》を払い既に《1億3000万》もの出費をだしたが、更に刀を壊した修理費《5000万》謝罪料として《500万》衣食住の場《500万》支払い合計金額はなんと《1億9000万》と学生に払える訳の無い金額と成った。

 

 が霊峰は

 

 「別に大した金額じゃないでしょ?」

 

 と言い残りの2つの依頼はどちらが良いか考えていた。




霊峰の小物感な台詞!そして、激戦ではなかった!!

サス坊とは、分かると思いますが!!佐介くんの事です!
因みに、戦姫衆は全員は揃ってはいません。

次回は多分 半蔵回だと思います

あ、春日の簡易プロフィールです。

春日 かすが

学校:只今、公正中の為に(仮)で出浦2年

誕生日:3月9日

性別:女

一人称、二人称:私/お前、アンタ、お前、名前予備

性格:クール、かなり根にもつ

年齢17歳

髪色・髪型:銀のストレートヘア

身長:165cm

3サイズ:B90・W55 ・H84

血液型:A型

好きな食べ物:値段に釣り合った料理

嫌いな食べ物:値段の割には味が今一な料理

好きな物:刀

嫌いな物:出費

苦手な物、事:自分より弱い者に使える事

趣味:素振り、瞑想

好きな異性:無い

戦ってみたい相手:霊峰

男性経験:無し

家族構成: 父親、母親(絶縁)

戦闘スタイル:元は剣術

武器: クナイ


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雷神vs神殺しの雷

ユウヤ君に関しては、アレ?オリジナルとずれてないと思いますが。タイトルと合わない為にそうなりました。申し訳ございません。


 \ワイワイ/ \ガヤガヤ/

 

 「遅いな、アイツ」

 

 多くの人が行き交う駅前にて、夜天は呟いた。

 

 「………誰を待っているんですか?」

 

 「あ?あ~、昔の悪友的な?」

 

 明らかに苛立っている夜天に旋風は誰を待って居るのかを問うと悪友と答えた夜天は携帯を取り出しその悪友とやらの番号へコールしだした。

 

 (……確か、月閃に行くんじゃなかったのか?……行かないならそれはそれで私的には比較的に安心では有るんだが……待ち合わせの相手次第では修行処では無い事に成りかねん……)

 

 一先ず『悪忍絶対処す集団』達の本拠地に行かない事に安堵する旋風だったが。

 

 それと同時に自分の修行が無くなるのでは?と言った不安もあった。

 

 「ふ~ん?君が先輩の言ってた旋風ちゃんか~」

 

 「え?」クル

 

 いきなり自身の名を呼ばれた旋風は背後を振り返るが、誰も居ない為に気のせいかと視線を戻すと

 

 「やぁ⭐」

 

 「ヒャア!?」

 

 短めの茶髪を遊ばせた男が僅か数cmしか無い位に顔を近づけながら気さくに挨拶をしてきた。

 

 「玄月(げんげつ)いきなり脅かすのは感心しないな」

 

 思わず倒れそうに成る旋風を今度はいつの間にか背後にいた女性により支えられた。

 

 「まぁまぁ、そういわないでよぉ。彩花(あやか)ちゃあ~ん♪」

 

 「抱きつくな、鬱陶しい」

 

 「あ~ん☆いけずぅ~♪」

 

 玄月と呼ばれた男が彩花と呼ばれる女性に猫なで声で抱きつくが、突き放された。

 

 (う、うわぁ…)

 

 二人のやり取り(主に玄月の態度)に周囲や旋風は引いていると

 

 「よぉ、姉ちゃんそんな男よりオレ達と遊ばねェか?そっちの嬢ちゃんもどうよ?」

 

 「はい?」

 

 声のした方を向くと軽薄そうな外見の男達がニヤつきながら近付いて来た。十中八九ナンパの類いだろう。

 

 「は"ぁ~お誘いは嬉しいのですが私達は人を待って──「失せろ粗チン共」いうぇ!?」

 

 濁点のある溜め息を吐きながらも、出来る限り只の一般人だと思われたい旋風は穏便に済ませようと定番の断り文句を言い終わる寸前に玄月が軽薄な男に対して暴言を吐いた。

 

 「あ?何?何?なぁ~に、調子こいた発言してんのぉ~お兄さん?」

 

 暴言を吐かれた男はチンピラのような歩き方で玄月に詰め寄り。

 

 「もっペン言ってみろや、兄ちゃん」

 

数cmの距離まで顔を近づけ、もう一度言えと脅す。

 

 「…………はぁ」クシャクシャ,ジリ

 

 「へへ」

 

玄月は目をそらし溜め息を吐き髪をかきむしりながら二、三歩下がる。

 

男達は怖じ気づいたと感じたらしく下卑た笑みを浮かべるが

 

「オレは女だッ!」ドグヂャア!

   

 「ぴょうぇ!?」

 

  「「「「ギャーース!!??」」」」 

 

 玄月の発言と蹴りあげにより吹き飛ばされ、二撃目のシュートにより取り巻きの男達共々ノックアウトした。

 

 「ったく、つくづく苛つく奴等だ」

 

 「何してんだ」

 

 そんな騒がしい玄月に呆れた様に何人かの男女を連れた夜天は問い質す。

 

 「吹き飛ばされた連中が玄月を男と勘違いし、キレた玄月に蹴り飛ばされました」

 

 「成程」

 

 まだイライラしている玄月に変わり彩花が答えると夜天は納得した。

 

 「所で後ろの子達はどういった関係で?」

 

 彩花は夜天の連れた集団が気になった為に問うと

 

 「ん?あぁ……旧友に頼まれてな。お前ら軽く自己紹介しとけ」

 

 彩花は夜天の連れた集団が気になった為に問うと、自分が言うより早いと判断したらしい夜天は集団に自ら挨拶する様に促す。

 

 「あ、はい。『天星 (てんせい)ユウヤ』です。」

 

 「私は『矢十神(やとがみ) 香織 (かおり)』」

 

 「オイラは『公門(くもん) 勇武(いさむ)』」

 

 (あれ?……忍じゃないのか?)

 

 名を告げた少年と少女達の名が明らかに忍らしからぬ為に怪訝な表情を浮かべる旋風

 

 「奏多(かなた)ダ」

 

 「僕はラストーチカ」

 

 「……スカイフィーア=A……スカイフィーアだ」

 

 (あれ?……今度は忍っぽい?)

 

 しかし次の人物達の名前が僅かとは言え忍らしかった為に益々疑問に思っていると

 

 「聞いての通り、この子らは『忍』ではございません!!さて、とっと目的地に行きますわよ!ささ、早くバスに乗りなさいな!」パン!

 

 (言っちゃったよ。『忍』じゃないって…てか、目的地?)

 

 手を叩きながら夜天が『忍』では無いと言い更に目的地へと行くと語り出した。

 

 色んな意味でツッコミ処が満載だが言われた通りに用意されていたバスに乗り出発し目的地なる場所へ出発した。

 

 ────2時間後────

 

 「さぁて、到着!ここが目的地!」

 

 到着した場所は木々が生い茂り……

 

 \ウホウホ/ \グルル…/ \シャアァァ/ \クロロ/

 

 ゴリラ、ワニ、アナコンダ、豹と言った野生動物が顔を見せていた。

 

 「「ここ、日本だよね!?」」

 

 日本には生息していない動物が生息している事にツッコミを入れる旋風と香織だったが

 

 「当たり前でしょうが」

 

「……何で生態系が乱れているんですか?」

 

 ラストーチカの真っ当な質問に夜天は

 

「何か昔『帝』ってのと『創造神』とやらが殺り合ってなんやかんやで生態系が崩れてこんな成ったらしいよ」

 

 「へぇ、成程」

 

 「「納得するな!!」」

 

 夜天の適当な説明に納得するユウヤにまたもツッコミを入れる二人

 

 「はい、話は終わり!雷の君と小さい君はオレについて来てくれるかな?」

 

 「雷はオレだな、『小さい君』?……あ」ジリジリ

 

 「呼ばれてるわよ、ラスト」

 

 香織に声をかけラストーチカは前に出る中で、ユウヤは何かに気付いたのか少し距離を取り始めた。

 

 「ノンノンノン、お前じゃない、君だよ君ィ~」

 

 前に出るラストーチカを制止ながら、夜天はラストーチカに声をかけた香織に指を指した。

 

 「はぁ??私?何でよ!どう見てもラストの方がチビでしょ!!」

 

 指を指された香織は反論する。確かに香織は168と言う少女にしては割りと高身長な部類に入る為に彼女の反論はご尤もだが

 

 「いや、ほら?部分的に色々小さいじゃん?まぁそんな些細な事は放っておいて、君達の修行は頂上でだから。僕は先に行くから速くしなよ~」ビュン

 

 夜天は香織の有る部分に指を指したあと風の様に頂上へと駆け出した。

 

 「……す……す……す…ろ……す」

 

 そんな中、香織は胸を抑えながら小さく呟いていた、その理由は夜天の『部分的に小さい』とその際の目線が彼女の胸に集中していたからであった。

 

 「『ブッ殺す!!!』あの野郎!!人が気にしてる事、言いやがってクソが!パーフェクトにぶっ殺す!!」ギュン

 

 『キエェェイ!』と奇声を上げながら香織は夜天の居る頂上へと駆けていく。

 

 其れを見届けたユウヤは

 

 「……じゃあ、行って来るわ」

 

 そう短く言い頂上へと登り始めた。

 

 「そんじゃ、オレ達も修行しよか」

 

 ユウヤを見送った後、玄月は残されたメンバー達に語りかけるが

 

 「え?俺達は付いて行っちゃ駄目なのか?」

 

 「正規メンバーじゃないから、とか?」

 

 「納得出来ないゾ」

 

 不平不満を言う残されたメンバー達に彩花は

 

 「私達との修行じゃあ嫌かな?」

 

 成るべく笑顔を作りながら言うと

 

 「別に言いんですけど…強いっすよ?俺」

 

 「私達は並みの忍より強い」 

 

 「つまり私達はお前達より強いから不満ダ」

 

 (Σ(・∀・|||))

 

 不満の理由がわかった彩花はニコニコしながら『そうか、成程~』と言いながら玄月の方を見る、その表情に玄月はあ、ヤバイと言った雰囲気を醸し出した。

 

 ((あぁ、なんかヤバイんだろうなぁ))

 

 その玄月の表情を見た不平不満を述べなかったラスト―チカと旋風も悟った。

 

 「じゃあ、私達と」

 

         \カチャカチャ/

 

        \ガチャン!/

 

 彩花は何処からか対物ライフルを取り出し、肩を叩きながら

 

 「手合わせしてみるか?クソガキ共」

 

 悪鬼羅刹のような禍々しいチャクラを発しながら試してみるか?と武器を構えた。

 

 「へへ!加減しませんからね!」

 

 「私達に挑んだ事を後悔しろ」

 

 「だガ、その蛮勇は認めてやル」

 

 「はぁー…」

 

 それに相対する様に四人は同じく武器を構えた。(ラストーチカはやる気が無いようだが)

 

 「じゃ、オレ達は向こうに行こうか」

 

 「そうですね」

 

 残された旋風は玄月に連れられ、この場を離れる事にした。

 

 ────山の頂上付近──

 

 「フゥ、結構高いな…あと少しか?」

 

 香織と夜天に取り残されたユウヤは山を登り、頂上に着くと

 

 「遅かったね?何していたの?あのバカと言いその弟分と言い人を待たせるのが好きなのかな?かな?」

 

 「え、いやぁ~……」

 

 「……《●》≡《●》……」

 

 「……………(-_-;)」

 

 倒れている香織の上に座って見るからにイライラしながら睨み付けている夜天にユウヤは

 

 「…す、すいません」

 

 「よし、許す。じゃあ始めようか」

 

 謝罪すると夜天は寸なりと受け入れ足首をのばした後

 

 「何してるの?早く君も準備しなよ?」ヒョイ

     

 ユウヤにも準備するように促し倒れていた香織をお姫様抱っこしながら安全そうな場所に退かす。

 

 「行きます。』電磁装甲(でんじそうこう)コイル・フレーム』」ジジジ

 

 夜天が香織を退かした事を合図にユウヤは"異能"である雷の力で電磁力を発動し腕に砂鉄を集め名の通りに装甲をガントレットを生成し構えた。

 

 「よし!来い!」

 

 夜天もかかってこい!と拳を構える───が

 

 \シュウゥゥゥ/サラサラ……

 いきなり異能とそれにより生成したガントレットを解除した。

 

 「あれれぇ~?可笑しいぞぉ~?」

 

 ユウヤの突然の行為に夜天は米花町の死神みたいな反応をする

 

 「神威が任せる様な人なんだ、生半可な力じゃあ通用しないだろ。だから」

 

  \バリバリバリジジジ!!/

 

言うなり強力な放電を纏い始め

 

 「異能『雷神』…………神化覚醒、初期段階(ファーストアウト)

 

    カッ! 

 

 強力な閃光が弾けると共にそこには……

 

 

 金属で出来た機械のような右腕と左腕に後方に金属の羽の用な刃に髪の色まで黒から白に変化していたユウヤがいた。

 

 「今出せる全力で行かせて貰う!!」

 

 そう言い今度こそ構えるユウヤに夜天は構えを解き笑みを浮かべながら

 

 「その判断──」

 

 ユウヤの眼前からいきなり姿を消し

 

 (消えた!?)

 

 突然の出来事に驚きを隠せないユウヤだったが

 

 ───失策(・・)だよ?───(後ろ!)

 

 背後から気配と言葉が聞こえ感じた為に振り向いた瞬間

 

 「グッ!……」ゴポ

 

 腹に鈍痛が入ると共に口一杯に鉄の味が広がると共に

 

  「ぐっはぁぁぁ!?」

 

 勢い良く吐血しながら吹き飛んだ。

 

 「な、何が!?」

 

 膝を突きながら何が起きたのか頭を整理しようとしていると

 

 「ほらほら~もう戦いは始まっているよ~」

 

 間の抜けた声と共に自身の周囲に数十個の紅い雷撃を纏った球が接近し空中に停止していた。

 

 (………何だ?)

 

 危機感を感じ構えるユウヤだったが

 

 「遅い、赤雷(せきらい)肉抜い(にくぬい)

 

夜天の冷たい声と共に周囲の紅い球から雷撃の槍が飛びで

 

 「がっ!?」

 

ユウヤの肉体を貫いた。

 

 「本気を出すのは良い事、だけどね?切り札を出すのは感心しないな~その形態だと……尚更ね~。じゃあ、まだまだ行くよ~」

 

 夜天はユウヤに本気を出すのは感心だが、初手切り札は悪手と後者を意味深に語りながら攻め始めた。

 

────────山の反対側の下にて────

 

 「良い餌の匂いだ……行くぞ」

 

 \テケリリリ/

 

 ローブを纏いながら呟く謎の人物?が山全体を見ながら呟くと共に背後の不気味な奇声を発するフード姿の集団に声を掛け、歩を進めた。

 

 




次回は続きか本編か飛鳥ちゃんvs於国かもしれない。と言ったどっちつかずですが。

不定期と言う名の「月曜日更新または金曜日」を目指します。

リフレッシュの映画をみながら閃いた口実

新しく出たキャラのプロフィール

玄月《げんげつ》

イメージCV:小松未可子

誕生日:10月10日
 
性別:女 

一人称、二人称:私、オレ/お前、あんた、●●くん/ちゃん

性格:勝ち気、からかい好き
 
年齢:22歳 

髪色・髪型:茶色のショートカット

身長:175cm

3サイズ:B94・W58・H92

血液型:A型

好きな食べ物:フグ刺し、馬刺し、酒

好きな肉:馬

好きな海鮮類:全般

好きな野菜・果物:大豆、モヤシ

好きな甘味類:特に無し

嫌いな食べ物:特に無し

好きな物:強くて可愛い女の子、弟

嫌いな物:弱くてダサい男、身体目当ての男、男扱いする男

苦手な物、事:男扱い

趣味:男女年齢問わずナンパ、ダイビング

好きな異性:彩花

戦ってみたい相手:無し 

男性(女性)経験:彩花

家族構成:祖父 、母、父、弟

秘伝忍法:蜃

戦闘スタイル:銃による遠距離と蜃気楼による撹乱、大銛による槍術+大剣による斬術

武器: 長銃(XM8)、変形銛(銘:紫舌矢)

特異属性:蜃気楼、砂

クナイタイプ:ノーマルタイプ

忍階級:カグラ(歴戦より強い)

特徴:男に見間違えられる位に美形、高身長、着痩せするタイプ、黒波の姉

彩花《あやか》

イメージCV:高野麻里佳
 
誕生日:2月10日
 
性別:女 

一人称、二人称:私/お前、●●(呼び捨て)、●●さん

性格:沈着冷静、短気

年齢:22歳 

髪色・髪型:白と赤色のボブカット

身長:170.5cm
 
3サイズ:B84・W55・H85
 
血液型:B型
 
好きな食べ物:ジビエ料理

好きな肉:鹿、熊、ウサギ、キジ、鴨、イノシシ

好きな海鮮類:鮭、鮎等の川魚

好きな野菜・果物:キノコ、ミカン

好きな甘味類:氷砂糖

嫌いな食べ物:特に無し

好きな物:狩り外のある獲物(強い敵)

嫌いな物:害獣(弱い癖に渋い敵)

苦手な物、事:懐いてくる兎や鹿

趣味:弾丸制作、罠制作、編み物

好きな異性:無し

戦ってみたい相手:無し

男性(女性)経験:無し
 
家族構成:祖父 、祖母

秘伝忍法:狕

戦闘スタイル:銃による遠距離と鉈による近接戦

武器: 長銃(バレットM82)、二つの鉈(銘:炎牙/嵐牙)

特異属性:風、磁

クナイタイプ:ノーマルタイプ

忍階級:カグラ(歴戦カグラより強い)

特徴:忍務の無い際は物静かな美人

二人のモデルはGGOのクラレンス(玄月)とシャーリー(彩花)


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『赤雷』

やぁ!皆久しぶりだね! え?誰って?やだなぁ~。Great・Teacher・Nice・Guy…略してGTNGの『夜天』だよん♪

役立たずの作者に変わって前回のあらすじだよ

古い友人の頼み事を受けた僕は弟子に成った旋風を連れその頼み事の内容である、神威の弟分である『天星ユウヤ』やその他諸々と僕の後輩達を連れて、ヤバい山に行って旋風とその他諸々は後輩に預けて『天星ユウヤ』『小さい子』と模擬戦をする事にしたんだ。

その模擬戦にて僕の凄さが少し爆裂した所から始まるよ!



 日本とは思えない様な異常な生態形が広がる山の頂上にて

 

  \ドカ!!/  \バキッ!/ \ゴシャア!/ 

 

 けたたましい音を発しながら戦闘を行っている二つの影があった。

 

「グゥ!くそ!電気障壁(ボルト・シールド)!!」

 

 二人の影の内の一つである目立つ位に傷を負った少年《天星 ユウヤ》は電気で造り出した壁を展開していた。

 どうやら、対峙している相手且つ修行の指導者である《夜天》の攻撃を防ぐ為に発動した様である。

 

 「確かに防御するだけなら壁は悪くないけど、壁である以上は横、上、特に背後なんてガラ空きだよ?」

 

 「っ!」バッ

 

 取り敢えずの防御で一息吐くとは言えないが、落ち着こうとするも夜天の声が背後から聞こえた為に臨戦態勢に成りながら振り向くが

 

 「残ぁ念ぅ(ずぅ ねぇん)

 

   \バキッ!/

 

 「真正面面!!でしたァ!!!」

 

 外れと言わんばかりに電気障壁(ボルト・シールド)を突き破った夜天はユウヤの頭を鷲掴みにし地面に叩き付ける。

 

 「……ゴホォ、グア!?」

 

 「まだまだァ…」

 

 叩き付けられた反動で浮かび上がったユウヤの頭を再び鷲掴みにした夜天は

 

 「行くよっと!!」

 

 天高く投げ飛ばし追撃の為に自身も天高く跳躍した。

 

 「っ!!……させるかァ!」

 

 しかし、そこは歴戦の傭兵であるユウヤはすかさず体制を瞬時に建て直しながら

 

 (空中戦ならばオレに少なからず分が有る!)

 

 空中成らば翼で飛行する自身が有利だと考え迎撃の構えを取り向かって来る夜天の周囲に複数の雷の玉を囲む様に出現させ

 

 「『電撃側面主砲(ボルティック・カノン)!』」

 

 号令と共に一斉に夜天目掛け雷のエネルギーが放出される。

 

 「ピ●コロか!!」

 

 そんなユウヤの技が魔●包囲弾に似ていた為にツッコミを入れる夜天。

 

 夜天が雷のエネルギーに呑み込まれたのを確認したユウヤは追撃ないし、駄目押しとばかりに砂鉄を搔き集め

 

 「五星万雷の矛(ブリューナク)!!」

 

 五つの穂が付いた槍を造り出し投擲する。槍は凄まじい速度で進んで行く。

 

 (…やはり駄目か……)

 

 しかしユウヤは投擲した槍が雷エネルギーの中に完全に到達したと同時に失敗したと落胆する。何故なら

 

 「はは!中々に良い流れだね!楽しくなって来た!」

 

 雷エネルギーが晴れた中から夜天が嗤いながら飛び出て来たからであった。

 夜天はそのままユウヤへ目掛けて飛び込んで行く。

 

 「クソ!やっぱりそう来るよな!電磁装甲(コイル・フレーム)!!」

 

 嗤いながら自分目掛け突撃する夜天に悪態を付きながらユウヤは砂鉄を腕に集め、鋭い槍のガントレットを造り夜天目掛け突き放った。

 

 「決まった!───

 

 ユウヤの突き出した槍が夜天の額に命中した事により漸く一撃が入ったと確信したユウヤだったが、その考えは間違いだと痛感する事になる

 

  \スゥゥ…/\パッ!/

 

─────は?」

 

 ユウヤの突き出した槍は疎か夜天はユウヤの身体ごと通過した。

 この現象に数秒頭が真っ白になるその数秒は致命的ともなる隙を産んでしまい、通り抜けた夜天はユウヤの背後へ周り

 

 「滅炎遁(めつえんとん)紅塒(べにとぐろ)!」

 

 炎を纏った大蛇を模した脚を使いコークスクリューを交えた強烈な蹴りをユウヤの背中に叩き込んだ。

 

 「ウグァ!?」ジジュウ

 

 蹴りの威力と共に鋼の翼を溶かす程の凄まじい熱量がユウヤを襲い落下して行く。そんなユウヤに対して夜天は容赦なく

 

  「!───本物の槍を見せてあげよう」

 

          熔解毒槍(ようかいどくそう)殺戮者(アラドヴァル)

 

 禍々しいオーラを放つ槍を権限させユウヤ目掛け振り落とした。

 

 (嘘だろ!?あんなん来たら、喰らったら、ただじゃすまねぇだろ!?死ぬだろ?マジで、ヤバい!!クソッ!!)

 

 迫り来る槍の禍々しさと叩き付けられたダメージにより身動きの取れないユウヤは毒づく、しかし夜天は

 

 「さぁ、はお前ら(・・・)どう回避する?」

 

 (……お前ら??)

 

 『お前ら』と複数人に対する不可解な言葉にユウヤが疑問を持っていると

 

 \バリッ!/ \ビュン/ \ヒュン/

 

 ユウヤの背中スレスレで槍が紙を破るかのように割れユウヤを中心に拡散しながら飛んで行く、すると

 

 「テケ!?」 「キギャア!?」

 

 「グラァボチャア!」 「ギィギャア……」

 

 耳に付く声と共に大凡この世の生物とは思えない異形達の死骸が写された。

 

 「な、何だ…?コイツら?妖魔とか言う奴か??」

 

 驚くユウヤは彼なりに考察を立てると

 

 「ノンノン、それよりも厄介な害虫だよっと!」

 

 「うがッ!?が、害虫?確かに虫みたいな外見ですけど……」

 

 香織を担いだ夜天が倒れているユウヤへ香織を投げ飛ばし否定する夜天の返しにユウヤは納得しつつも未だに疑念を持っていると

 

 「『雷遁(らいとん):蚊屋ノ帳(かやのとばり)』少しの間だけこの中に居て」

 

 ユウヤと香織を夜天は雷の幕で包みながら語りつつ異形達の死骸の先へ視線を向けながら

 

 「出てきていいよ~」

 

 軽く声をかけるとローブを纏った大柄な男が現れ

 

 「人間如きが、我を気安く呼ぶとは……死にたいらしいな……」

 

 傲慢な物言いで夜天を睨み付けるが、夜天はヘラヘラとした態度を崩さずに

 

 「ハハハ、君何様のつもり?開口一番に『死にたい』とか……園児ですら言わないよ?失礼と思わないの?バカなの?」

 

 と幼稚且つ低レベルな煽り発言をした。

 

 「クク、その程度の稚拙な煽りで我が激情すると思っ──「ハイハイ、隙だらけ」──グヌゥオ!?

 

 そんな夜天の煽り等意に返さんとローブの男は笑みを浮かべるがその行動を隙だと言い夜天は顔面目掛け遠慮無く拳を叩き込んだ。

 

 予想外の出来事の為か防御できずに直に喰らったローブの男は凄まじい勢いで吹き飛ばされた。

 

 「やっぱりバカだね( ´Д`)」

 

 (重心が前向き?)

 

 呆れ顔をしながら溜め息を吐く夜天だったが、ユウヤは夜天が重心をやや前身に傾かせているのを確認する

 

 (それだけの奴って事なのか?)

 

 その態勢である事は相手は強敵だという事を示唆していた。

 

 「……不意討ち与えた程度で頭に乗るなよ?」コキコキ

 

 吹き飛ばされたローブの男は首を鳴らしながら起き上がると同時に右手に剣にも槍にも銃にも見える武器を顕現しながら

 

 「貴様を早急に始末した後にそこに這いつくばった小僧と小娘とその他のガキ共を頂く」

 

 (……どういう事だ?)

 

 「あぁ、成る程ね成功率は高いし効率は申し分無いか」  

 

 ユウヤへと視線を向け不穏な台詞を呟く。その不穏な言葉に対してユウヤは理解出来ずにいたが夜天は理解したらしく相槌を打ち

 

 「させると思う?」

 

 素早く男の懐に潜り何処から出したか長ドスで斬り付けるが

 

 「ククク。甘い、甘いぞ??」

 

 フードの男は笑みを浮かべながらドスを受け止め残念だと言わんばかりに甘いと呟くが夜天は表情を変えずに

 

 「やっぱり、バカだな?」\スゥゥ…/

 

 そう言うと受け止めた筈の長ドスはフード男の武器をすり抜け男の胸をバッサリと斬りつけた。

 

 「なぁっ!?ぐっ!!クソ!」ブン!ブン!

 

\スカッ!/

 

 男は驚きの余り多少は取り乱すが反撃として武器を振るうが、全ては虚しく夜天をすり抜け空を斬るのみであった。

 

 「ザァ~コ、ザァ~コww」  

 

 「グヌゥ!………良かろう」   

 

 メスガキの煽りをする夜天にフード男は憤慨しかけるがなんとか抑えつけ身に付けていたフードを脱ぎ捨て

 

 「貴様には少しばかり本気を出してやろう……」

 

 「ッ!?」

 

 素顔を曝け出した。その姿と素顔にユウヤは驚愕した。

 

 その容姿は裂けた口から舌が三枚伸び右目は謎の腫瘍に覆われており化膿しているのか膿が垂れ落ちており、筋骨粒々の身体は右目を補佐する為なのか眼球が複数という正に異形その物であったからだ。

 

 「ヌヌゥ……グォッ!!」ブチブチ

 

 更に男は自身の背中の内側から肉を突き破りM202の様な生体ユニットを約8つ程権限させた。

 

 「我が名は佐須羅(サスラ)

 

 素顔を曝し、武器を権限(召還)させた男は佐須羅と自分の名を明かした。

 

 「お前の名前とか、興味無いんだけど?」

 

 「「……………」」

 

 そんな佐須羅に対して夜天はバッサリと切り捨てる。その態度に佐須羅とユウヤは沈黙するも

 

 「ククク、この姿に成ったからには容易く打ち破れるとは思わない事だ。行くぞ!!」

 

 「ハイハイ凄い凄い怖い怖い」

 

 佐須羅は然程気にした様子を見せずに向かって来た為に夜天はそれを迎え撃つ。

 

 (………強ぇ……)

 

 その様子を帳内で見ていたユウヤは内心で呟く、強いと言うのは佐須羅ではなく迎え撃っている夜天に対する言葉であった。

 

 (オレは何も出来ねぇのか?…くそ)

 

 それと同時に見てるだけしか出来ない自分に歯痒さを感じると同時に

 

 (───!コレは)

 

 何かに気付いた。

 

 そんなユウヤを他所に夜天は佐須羅の攻撃を回避と防御を涼しい顔で行い更に相手の隙を付きカウンターも加えていた……しかも致命傷に成らないギリギリに、夜天のその『何時でも殺せるぞ?』と言わんばかりの行為に

 

 「グゾガァァァァ!!!」

 

 怒号を上げ、今まで以上にキレた佐須羅は更に攻撃を激化させるが冷静差を掻いた攻撃では今以上に無駄と隙が生まれるその様子を見て夜天は

 

 「そろそろ終わらせようか」スウゥ

 

 目を細めながら刀を構え背後(・・)から飛んできた複数の雷弾を佐須羅と生体ユニットに打ち込んだ

 

 「グオ!?目がぁ!!」

 

 複数の雷弾を身体に受けた佐須羅は激痛と視界を奪われのたうち回る。

 

 「見てるだけってのは、嫌だった?」

 

 のたうち回る佐須羅を見ながら雷弾を飛ばした人物ユウヤに語りかけると

 

 「えぇ、まぁ…オレにもNo.4の意地が有りますし何より此方側からの攻撃は可能だったみたいなので」

 

 ユウヤは七つの凶彗星(グランシャリオ)の序列4番としてのプライドが有る事と先刻気付いた内側から外側へ攻撃出来た事を告げた。

 

 「そういう術だからねぇ…で、どうすんの?戦う気?今の君だとアイツには勝てないよ?」

 

 「うぐ」

 

 ユウヤが戦おうとしているのに気付いた夜天は正論だが辛辣な言葉をユウヤに掛けると、本人も理解していたのか口ごもる

 

 (まぁ理解しているだけでも立派だし、何より才能は申し分無い……よし成らば大丈夫な筈だ)

 

 そんなユウヤを見ながら夜天は次の段階に進んでも良いと判断し

 

 「今から君の『異能』をアイツと戦わせれる『属性』に変えるね」ドス

 

 「え?それはどう言う意味ウグァ!?」

 

 ユウヤの雷の異能の属性に変えると発言すると同時にユウヤの心臓を手刀で貫いた。

 

 「何を─お?」

 

 反論しようとするユウヤだが夜天が手を離すと同時に自身の中の雷が赤色へと変化していく事に気付く。

 

 「す、すげえ!コレなら行ける!!」

 

 「その感覚を覚えておくよーに、後はコレ飲んどけ」

 

 夜天は感覚を覚えておく様に伝えた後にユウヤに赤色の液体の入った小瓶を飲む用に差し出した。

 

 その液体を飲むと傷と疲労がたちまち消え去り万全の状態と成った。

 

 尚この液体を飲んだユウヤの反応は『不味い』だった。

 

 「己ェ……ぬ?」

 

 先程までのたうち回っていたいた佐須羅は傷口を再生させながら起き上がる。

 

 「はぁ~い、今から選手交代しま~す。次からは僕に変わってコノ七つの凶彗星の『天星 ユウヤ君』に成りま~す!!」

 

 「……ククク、自ら餌を提供するとは愚かだな、だが良い心がけだ。が様子を見る限り大人しく喰らわれるつもりは無いようだが?まさか、我に勝つつもりか?その判断!愚かなり笑止千万!!」

 

 起き上がる成り対戦相手が厄介な相手から自身の狙っていた餌に変わった佐須羅は夜天の行動を愚かと称して嘲笑うが

 

 「ハハッ大丈夫でしょ?だってぇ、君ぃ」

    

      「弱いもぉん」ニヒヒ

 

 夜天はニヤケながら佐須羅を一言『弱い』つまり雑魚と言い切った。断言された佐須羅は今まで以上に激昂しながら

 

   「舐め腐りおって!!クソガキがぁ!!先ずは貴様を惨たらしく生誕した事を後悔させ赦しを乞うことすら叶わぬ絶望を味会わせそのニヤケ面ごと死の淵に叩き落としてくれるわぁ!!!」

 

 声を今まで以上に荒げながら宣言するが夜天は涼しい表情で

 

 「そうしたいなら、先ずは目の前の相手を何とかしたらぁ~?」

 

 「世迷い言をヘブゥオ!?

 

 宣言するが佐須羅は意に返さずに接近するが突然顔面を殴り飛ばされた。

 

 「似たような下りさっきもやったよね?学習しろよ」

 

 佐須羅の考え無しの行動に呆れる夜天を他所に佐須羅は混乱していたがその正体に気付き更に困惑した。

 

 「な、何が……なっ!?貴様は」

 

 「そう簡単に喰われる気はねぇし、餌に成るつもりもねぇよ!!」

 

 「て、天星 ユウヤ!?バ、バカな!?」

 

 殴り飛ばした相手が地面に伏していたユウヤだったからであった。

 

 「僕は下の連中の様子を探るから後は好きに殺りなよ、一応だけど危なくなったら助けはするからね~」

 

 夜天はそう宣言するなり香織の側に座りながら探知をし始めるその様子を確認したユウヤは

 

 「行くぜ!」

 

 追撃に駆け出した。




昨日の投稿押すのを忘れてもうした。


次回はマジで終わらせて、本編に移りまふ!!


今回は完璧に某廻戦のパクりシーンが有りました。


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火雷大神

ギリギリタイトル詐欺じゃないはず


 \ドカ!!/  \バキッ!/  \ドスッ!/

 

 序盤で聴いたような音が生態系の壊れた場所に木霊する。

 この音を奏でているのは異形の姿をした男である佐須羅であった。

 

 奏でているとは有るが攻撃している音ではなく寧ろ食らってダメージを受けている音である

 

 \ドカン!/

 

 地面に叩き付けられた佐須羅は直ぐに起き上がるもその目は驚愕に満ち、内心はかなり動揺していた。

 

 (バカな!何故!体格が勝る筈の我が押されているのだ!?有り得ぬ!!有ってはならぬ事だ!!)

 

 それもその筈地面に叩き付けたのは自身の身長と比べ頭3つ程低い身長の少年であるユウヤにやられたからであった。

 

 「『雷公鞭(らいこうべん)』」シュルル

 

 「ヌ?」

 

 (何だ?ダメージが無い?しかし、外した方が良さそうだな…)

 

 佐須羅が起き上がったのを確認したユウヤは雷の鞭を佐須羅の足に巻き付ける。ダメージの無い鞭に佐須羅は不思議に思いつつも警戒も兼ねて外そうとするが

 

 「おらぁ!!」ブオン!!

 

 「ヌゥオオオォォ!!??」

 

 やはりと言うべきか外される前にユウヤは佐須羅に巻き付かせた鞭を使い佐須羅を勢いよくジャイアントスイングの要領で振り回し

 

 「ぜあァ!!」

 

 \バコォォン!!!/

 

 「そう簡単にはくたばんねぇか…」

 

 壁に思い切り投げつける。が流石にその程度でくたばる佐須羅ではない物の

 

 「グッ……ゴプ………」

 

 明確にダメージは有る様で叩きつけられた衝撃で吐血していた。

 

  ピキ、ピキ 

 

「調子ついてんじゃねぇぞぉ!

小ぞ───」

 

       バギャギィ

 

 

 この現状を認めたくない佐須羅は逆上し調子に乗るなと叫ぼうとしたが、不甲斐な音と共に

 

 「逆上して口動かす暇有るなら…行動で示せよ」

 

 ユウヤの呆れた声と共に拳が顔面に突き刺さる。

 

 「まだまだぁ!!」

 

 そのままユウヤは佐須羅に対して連続で息の吐く暇もない程の拳のラッシュを繰り出す。

 

 「う~ん、コレ僕の介入は要らないかな?」

 

 (あ、でも…見た所『赤雷』の特性に気付いていないね)

 

 その様子を見ていた夜天は佐須羅に一方的に攻撃を加えているユウヤには自分の助けは要らないのでは?と考えるが内心では別の点を見ていた。

 

 「ハァ、ハァハァ…ズキッ…ッ…オラァ!!」

 

 ユウヤは突如腕に激痛が走った為にラッシュを一旦止めるが歯を食い縛り渾身の一撃で佐須羅を殴り飛ばす。

 

 (何だってんだよ!急に……!)

 

 突如走った激痛にユウヤは苛立ち自身の電磁装甲(コイル・フレーム)により造られ緋く染まった手甲を見る。

 

 (コイツのせいか?)

 

 ユウヤの電磁装甲(コイル・フレーム)は周囲の砂鉄を異能で集め状況に応じてユウヤの意思により自由に変化させる技であり、砂鉄という観点から色は黒または銀色に成る。

 

 だが今のユウヤの装甲の色は緋色で黒と銀色のどちらでもなかった。相手の血液が付着した色と言えば其までだが……

 しかし歴戦の傭兵たる彼にとってはそれは微々たる事であり、問題は

 

 (オレの意思は無視かよ!)

 

 佐須羅に留めを刺そうと特効しようとするユウヤの意思に反して電磁装甲(コイル・フレーム)は形を手甲から弩へと変換しユウヤの周りに赤色の矢が展開し遠距離に特化した形態へと成ったからであった。

 

 「うぬぅ……ムッ!」

 

 それと同時に吹き飛ばされた佐須羅は起き上がりユウヤの装着した弩を見て距離が離れた為に遠距離に切り替えたと判断し

 

 「させぬぞ!!」

 

 そうさせないように近寄ろうと急接近するがユウヤは冷静に弩を佐須羅に向けながら赤雷を集束させる。

 

 (クク急な猛進故に対処出来ておらぬな?ただ単に弩を向けているのが何よりの証拠!!)

 

 佐須羅はユウヤの行為に冷静に見えつつも内心ではかなり焦り、弩を向けると言う単調な動きしか出来ないと断言するが……

 

 (─対処出来ておらぬな?──とか考えて突っ込んでいるんだろうなぁ~)

 

 (絶対ェオレが対処出来ていないと思って突っ込んでいるな……)

 

 ((バカだろ?))

 

 逆にユウヤと夜天の二人は浅はかで単調な佐須羅の行動に呆れていた。

  

       \ヒュン/

 

 「死───グハァ!?」 

 

 意気揚々と勝ちを確信しながら突進して来た佐須羅だったがユウヤの周りを旋回していた矢が佐須羅に突き刺さった。

 

 「ブフッww」

 

 その佐須羅の間抜けさに夜天は口を抑えつつも吹き出していた。

 

 \ヒュン/ \ヒュン/ \ヒュン、ヒュン/

 

 そんな夜天の様子に気付けない位に息吐く隙もなく2本3本と次々と矢が佐須羅へ目掛け飛来し突き刺さる

 

 「先ずは試し……チャージ20%龍弩(ロンド)

 

         \ギュン/

 

 悶え苦しむ佐須羅をよそに本命である弩から最大では無い矢を試しに放つユウヤ、放たれた矢は中々の速度で飛んでいき佐須羅に突き刺さると同時に

 

 「ヌ?」

 

         \カッ!/  

 

     チュドォォォン!!

 

      「〰️〰️〰️!!」      

 

 佐須羅の悲鳴すら聴こえない大爆発を起こした。

 

  「………………え?」 

 

 この状況に一番驚いていたのは矢を放ったユウヤ本人であった。

 

 (相性が言いとは言ったけど…これは流石に予想外だね……下の連中も気にしてるだろうな、様子を探るか)

 

 「……にしても」チラ

 

 「グヘヘヘ……Jカップ…(´ω` )zzZ」

 

 「何で寝れるんだ?コイツ」どんな夢見てんだ?

 

 夜天も予想外だった為に騒がしく成りそうな下の様子を見る事にしようとする中、そんな大爆発が起きたにも関わらず爆睡している香織の図太さに引いていた。

 

 「……ア、ガ……ヘア…」

 

 爆発の煙が晴れると同時に右腕欠損、前身溶解した。ギリギリ原型を残してはいるが息も絶え絶えな状態でアへ顔を晒す佐須羅の姿が合った。

 

 「終わらせてやる!」ジジ、バリバリ

 

 好機と判断したユウヤに『赤雷』は呼応する全ての赤雷エネルギーを右腕に集束させ一つの剣を造り出した。

 

 「……グガァ!!」

 

 ユウヤが止めを刺すのを察知した佐須羅はその場から逃亡……ではなく、夜天の『殺戮者(アラドヴァル)』により死亡した異形生物へ駆け寄りその死骸を持ち上げると

 

 \ガブリュ!!/

 

 齧りついた。

 

 「なっ……!?」

 

 驚くユウヤを他所に佐須羅は死骸全てを食い尽くす。

 

 「グガァ、アギ、グゴァ!!」ミヂミヂ

 

 それと同時に佐須羅の肉体に変化が現れる溶解した皮膚が治り赤黒く変化し左腕は巨大に成り右腕は縮み全身が肥大化し顔立ちも顔の皮を剥がれた人間のようで異形には代わり無いが今まで以上に人間らしい姿へと変化した。

 

 「……ウ"ゥルルル…」ドシュー

 

 「ゴクリ………ん?」

 

 身体から蒸気を発しながら此方に意識を向ける佐須羅に固唾を呑み込むユウヤだったが、ある違和感に気付いた。

 

 それは変化してからは獣の様な声をあげながら妙に苦しそうに呻いていたからであった。強化した筈なのに逆に弱体化した雰囲気を放つ佐須羅に首を傾げるユウヤ。

 

 「ゴミを拾い食いするからそうなったんよ」

 

 首をかしげるユウヤに夜天は声をかけた。続け様にその言葉の意味を夜天は語る。

 

 「僕の『殺戮者(アラドヴァル)』だけどアレ、超が付くほどの劇毒なんだよね。それを食らったあの生物は毒の塊みたいな物だから、そんな物食べたら必然的に強化には成らずに寧ろ寿命を縮める愚行なんだよねぇ」

 

 「な、成程」

 (それって下手したらオレが食らっていたのか?)

 

 夜天の説明に納得したユウヤだったが下手をすれば自分がそんな凶悪極まりない技を食らっていたかも知れないと思い身震いした(恐らく夜天にそんな気は無かったかもしれないが…)

 

 「ブルアァァァ!!」

 

 痺れを切らしたのか佐須羅は雄叫びを上げながら此方に迫り来た為に回避するユウヤと夜天

 

 「クッ!」 「オットー♪」

 

 佐須羅は避けられたのを気にせずに地面に肥大化した左腕を振るい広範囲に衝撃波を発する叩き付け攻撃を行う。衝撃波により岩が散弾のように飛び散り回避した二人に襲い掛かる。

 

 「コイツ!いきなり頭使った攻撃を!」

 

 「いやいや、偶然でしょ?其れより敵はもう瀕死なんだからさ頭に流れてきた秘奥技(・・・)の実験台に丁度良くないかい?」

 

 今までの佐須羅からは考えられない二段構えの攻撃に驚くユウヤだが夜天は只の偶然と否定し、佐須羅は瀕死の為に赤雷により造った剣から流れてきた技の実験台にする様にアドバイスする

 

 「確かに流れて来ましたけど……難易度が」

 

 「さっさと、やれ!」

 

 アドバイスされたユウヤだったが難易度が高い為に中々踏み出せずにいると短気な夜天は速くしろとユウヤの背を蹴り飛ばした。

 

 「ちょっ!?」

 

 「ブルアァァァ!!」

 

 「ああ!もうどうにでもなれ!!」 

 

 反論しようとするユウヤだったが佐須羅が向かって来ていた為に半ばやけくそだが秘奥技を放つ。

 

 「八種雷神(やくさのいかづちのかみ)」ジジ

 

 

 ユウヤの技名と共に西洋型の剣が八色の鍔が特徴の一振りの日本刀となる

 

 「八種雷神(やくさのいかづちのかみ)一柱(ひとはしら)大雷神(おほいかづちのかみ)」ヒュン

  

 \ザシュ!/

 

 「グガァ!?─グキャアォ!!」

 

 ユウヤの技名と共に佐須羅の顔面へと刀を軽く一振りする。その攻撃を食らった佐須羅は尋常じゃない程苦しみ始めた。

 

 「効いてる!二柱(ふたはしら)火雷神(ほのいかづちのかみ)」《部位:胸》

 

 「ゴギャアァ!!」

 

 確かに効果を感じたユウヤは更に連続で技を浴びせに言った。

 

 「三柱(さんはしら)黒雷神(くろいかづちのかみ)」《部位:腹》

 

 「四柱(よんはしら)析雷神(さくいかづちのかみ)」《部位:陰嚢(女陰)》

 

 「五柱(ごはしら)若雷神(わかいかづちのかみ)」《部位:左腕(左手)》

 

 「六柱(ろくはしら)土雷神(つちいかづちのかみ)…!クッ」《部位右腕(右手)》

 

 「七柱(ななはしら)鳴雷神(なるいかづちのかみ)」《部位:左足》

 

 「八柱(やつはしら)伏雷神(ふすいかづちのかみ)」《部位:右足》

 

「八つ刻みし神なる柱、残り一太刀、汝の魂、黄泉の女神の供物と成れ!此度の供物は二柱───」

 

    火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)!!」

  

      ズシャア!!  

 

 縦斬り、横斬り、突きと順に頭の中に流れてきた順で攻撃していき最後の一撃は二撃目の太刀『火雷神』の強化板である『火雷大神』で決めた。

 

 「ハァ、ハァハァ、どうだ?効いたのか?」

 

 手応えを感じた為に攻撃を続けた筈のユウヤであるが、その表情は何処か不安げだった。

 何故なら、六撃目の攻撃が肥大化した左腕に反して右腕は縮んでいた為に左腕と同じ要領で攻撃をしてしまった、つまり浅かった為である。

 

 「クガァ…クギャ……ゴア」ドサッ

 

 そんなユウヤの不安は杞憂だったようで佐須羅は力無く倒れる。

 

 「ハァ、良かった」

 

 ユウヤは倒れた佐須羅に背を向け離れようとすると

 

 「グギ……ぐ、グ、グゾガァァァァ!!

 

 「なっ!?」

 

 倒れた筈の佐須羅が立ち上がりユウヤを捻り潰そうと手を上げる。咄嗟の事のために反応出来ずにいるユウヤだったが 

 

 「うるせぇ」ドカッ!

 

 「ウボォ!?」ヒュン

 

 「危なく成ったら助けるって言ったでしょ?まぁ、油断は良くないよねぇ」

 

 「す、すいません」

 

 夜天に助けられた為に難を逃れた。

 

 念を推して振り替えると、何と佐須羅はまだ立っていた。

 

 「オ、ァ…ガ、グ」ブルブル

 

 「嘘だろ?アイツまだ!!」バチ

 

 驚愕するユウヤは電磁装甲(コイルフレーム)を発動し止めを刺そうとするが

 

 「待て待て、落ち着きたまえ少年」

 

 「グエッ!」

 

 「良く視たまえよ」

 

 夜天に首根っこを掴まれ静止させられ佐須羅を良く視る様に言われた為に様子を伺うと

 

「……萎んでる?…何が起きて」

 

 筋骨粒々であった佐須羅の肉体がどんどん萎んで幽鬼のように痩せ細り赤黒く変色していた肌も白く成っている。何故この様な変化が起きているのか驚いていると

 

 「それはッ!!」

 

 「うわっ!?」

 

  \ボォッ!!/  \ピシッ!/パキン…

 

 「彼に聞いたらどうかな?」

 

 急にユウヤは夜天に投げ飛ばされ、その瞬間夜天を青い炎が包み込むが一瞬で炎が氷結され中から無傷の夜天が現れ指を指す。

 

 指を指された方向に目を向けるとフード付きのトレンチコートを着た体格的に男と判断できる人物が右手に蠢く球を持ち左手から青い炎を発していた。

 

 「お前!何者だ!」バチッ!

 

 「…………………………」

 

 ユウヤの電気を纏う威嚇を無視して男は発していた青い炎を紫色に変色させ

 

 「秘伝忍法『紫炎獣波拳(しえんじゅうはけん)』」

 

 紫色の炎を象り口を開くライオンの大気砲を放って来た。

 

 「オラッ!」

 

 ユウヤは放たれた秘伝忍法を拳を振るうだけで消し払いお返しに雷を放つ。

 

 「って、アレ?」

 

 が其処にはフード男は居らず、萎んだ佐須羅の死骸が有るだけだった。

 

 「落陽(らくよう)なら技と同時にどっかに行ったよ?」

 

 キョロキョロと周囲を見渡すユウヤに夜天が消えたフード男の事を伝えた。その際に気になった事である、恐らくフード男の名前である『落陽』と知っている事を問い質すと

 

 「ん?あぁ、知っている理由ねー弟親友だからね」

 

 「そうですか………ふぅ~」

 

 『弟の』の部分を強調させ、その弟の親友なのだから知っているのは当たり前でしょう?これ以上語ることは無いと言った態度にユウヤも言及せずに力を抜いた。

 

 「ハハ疲れた?まぁ初めてにしては上出来だったし後は兎に角実戦あるのみだから」

 

 「実戦ってオレ『赤雷』使えない─ぐ~─」

 

 「「………」」

 

 夜天の実戦を摘むだけの言葉にユウヤは赤雷を使えないから摘みようが無いと語ろうとしたが、体力を使い果たし緊張の糸が解けたのか腹が成る。

 

 「その辺は心配無いから、取り敢えず下の連中も連れて飯でも食べに行こうか?奢るよ。焼肉で良いよね?」

 

 「す、すいません」

 

 「この辺りに高い焼肉屋が有るから、そこにしなさいよね!!」

 

 「おま、いつ起きて!てか、失礼すぎんだろ!」

 

 いつの間にか起きていた香織は図々しく奢るなら高い焼肉屋にしろと要求して来た為にユウヤは厚かましすぎると注意するが

 

 「ん~この辺りで高いのは地獄亭(じごくてい)煉獄亭(れんごくてい)だね」

 

 夜天は気にせずにこの辺りで高い焼肉屋の名を上げると

 

 「なら『煉獄亭』ね!」

 

 有無を言わさない香織の決定により煉獄亭と言う焼肉屋に決まり下に行きボロボロの時期候補生と旋風に飯を奢る事を伝え途中で離れていた(旋風曰く諸事情らしい)玄月と合流し件の店に行く事にした。

 

 ───???────

 

 「【佐須羅】を回収して来ました」

 

 「やはり、あの老いぼれでは制御は難しかったか……」

 

 「だから言ったじゃん!やっぱ適合率の高いあの、ガキ名前は…何だっけ?まぁ、いいや…ソレ使えば良かったじゃん?」

 

 洛陽の回収した蠢く珠を片手に持ちながら玉座にふんぞりかえりながら呟く声に、どこか耳につく声はコチラの意見が正しかったと声を上げる。

 

 「そうだな」

 

 「それでは私は失礼します」

 

 「待ちなよぉ~」

 

 玉座の声の主はきちんと肯定した。耳につく声の主は場から去ろうとしているフード男『落陽』に近付き声をかける。

 

 耳につく声の主の姿は白い長髪に整った外見をした美青年である。

 

 「回収して来たのは偉いけどさぁ~、なぁ~んでぇ~その場にいた異分子である【天星 ユウヤ】を殺らなかったのかなぁ~?ねぇ、落日(らくじつ)君?」ニヤニヤ

 

 「その場に夜天が居なければ話は別だった」

 

 「あぁ?夜天が居なかったらだぁ?馬鹿か手前ェわぁ?んな奴ぁ無視してユウヤっつう小僧殺れば解決するだろうが馬鹿が!!」

 

 耳につく声に対し淡々と返すと、耳につく声は声を荒げながら落よ…落日に詰め寄るが落日はまたも淡々と

 

 「馬鹿はお前だ、あの男は弱体化していようが強さは【霊峰】に次ぐ……それにむざむざと『薬』と『餌』の製造場を潰された奴に馬鹿呼ばわりされたくないんだが?」

 

 「てめえ……!!あぁ…そうか、そうか、自分の非を認めたくないから話を変えたのか!いや~気付かなくてごめんねぇ~」

 

 返された言葉に青年は怒りをみせるが、直ぐに先程の態度に戻る。

 

 「では改めて私は失礼します」

 

 青年の声を無視しながら落日は場を後にする。

 

 「チッ!スかしやがって【聖天崩れ】が」

 

 「そう荒ぶるな…巧螺素(こうらす)アレでも有能な駒なのだから」

 

 落日の態度に舌を打つ青年である巧螺素に玉座の声は落ち着くように促すと青年は頷き

 

 「……わったよ、取り敢えず。その珠は件のガキに投与しとく用に下に指示しますわ」

 

 さっきとは売ってかりチンピラ臭くは有るが部下に指示をすると言い去って行った。

 

 「フム、次の佐須羅はアメリカに送るか」

 

 玉座の声はそう呟いた。



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月閃のマッドサイエンティスト

うん、あまり一度に2話とか出来もしないこと、言うもんじゃないですね


 死塾月閃女学館。

 

 この学校は忍を育成する中でも最も歴史が古くなんと440年も続いており、更に高等部から中等部に加え全員が忍という正に忍の為の学校である。

 

 本来は男子禁制であるが近頃の悪忍の勢力拡大に対抗する為に例外として男子生徒も少なからず在籍している。

 

 その中でも選りすぐりのメンバーが集められた部屋で

 

「皆さん集まりましたか、本日も世の中を《善のみの世界》を造るため《この世の悪を根絶する》方法を考えましょう」

 

 十人中十人は振り替えるような絶世の美少女《紫苑(しおん)》はやや物騒な発言しながら、集まったメンバーに語り掛ける。

 

 「まだ、『玲瓏(れいろう)さん』『八美(やみ)さん』『大和(やまと)さん』『グレイさん』『久秀(ひさひで)さん』………『柘榴(ざくろ)さん』が来ていませんね」

 

 紫苑の問い掛けに対して、これまた美しい容姿をした月閃の三年生雪泉(ゆみ)がこの場にいない生徒達の名を挙げる。

 

 「出席していない皆は何か急用が?」

 

 「残りのメンバーの事は僕が話すよ」

 

 紫苑は名を挙げられたメンバー達は何か用事が有るのかを問うと、眉目秀麗と言う言葉がピッタリなこの場唯一の男子生徒夜神(やがみ)が口を開き在籍していないメンバー達が集まれない理由を語り出す。

 

 「『玲瓏さん』と『八美さん』は合同任務、『大和さん』は資料館の整理と剣の整備/制作、『グレイ』は何やら上層部の総本部からの特命、『久秀君』は忍界王族の秘宝移動の護衛…と皆それぞれ理由が有って集まれないようだったよ」

 

 「成程、そうでしたか……」

 

夜神の説明を聞き納得した紫苑だったが、気掛かりがな事が有った為に聞く事にした。

 

 「…『柘榴君』の名前が無かったけど…理由は?」

 

 「あぁ、やっぱり気になるよね?」

 

 夜神も聞かれるとは思っていたのか苦笑いをしながら

 

 「……彼は謹慎中だよ」

 

 「そうでしたね、では議題に戻りましょう」

 

 気にしてはいたが、夜神の返しに紫苑はすんなりと納得し議題の内容へと入り始めた。

 

 「………」チラ

 

 (まぁ、LI⚪Eに既読はつくんだけどね)

 

 夜神は素早く柘榴に送ったLI⚪Eを確認すると

『来ないのかい?』のLI⚪Eに既読マークが付いており、スルーされてはいるもののきちんと確認している印はあった。

 

────────

 

────────────

 

 季節外れな雪が積もり銀世界が広がる場所に立つホラゲーに有りそうな洋館の隣に同じよな外見の廃病院内で

 

 「…『来ないのかい?』…って…毎回『正義』『正義』に加えて、君が居るのに行くわけ無いだろ…謹慎中だし…ネ」

 

 外見に比べ中は新築並みに綺麗な内装をしていた廊下にて

 目が隠れる位の無造作黒髪に隈だらけの眼に眼鏡と陰キャ感丸出しな白衣を来た少年はスマホを手にしながら呟く、この少年が紫苑と夜神との会話に上がっていた人物『柘榴』である。

 

 (さてさて実験体の様子はどうかな~)

 

 柘榴はスマホをポケットに仕舞うなり、何やら心の中で不穏な事を呟きながらガラス張りの窓から下を見下ろす。

 

 見下ろした先には、銀髪に褐色肌の見目麗しい少女が立っており

 

 「フッ…フッフー、フゥッ!ハァハァ」

 

 ボロボロの立ち姿に息も乱れ、全身傷と大粒の汗に足元には大量の血の池が造り上げられていた。

 

 その様子を見た柘榴はマイクに口を近づけながら

 

 《身体痛みます?》

 

そう一言問うと──ズドン!!《ワオΣ(・ω・ノ)ノ》

 

 脇目を振らずに柘榴の居る窓目掛け手にした銃を放ってきた為に

 わざとらしいリアクションをする柘榴は

 

 《そんなに動けるなら大丈夫ですねー》ポチ

 

 そう言いながら、手元のボタンを押す。

 

 「ウ"ッ!?グッガァ…!、ア"ァァァ!!!」

 

 ガリガリ ガジガジ ザリザリ

 

 すると少女は絶叫を上げながら身体中を掻き始める。

 

 《そんなに掻き毟ると傷に成りますよ~?》カタカタ

 

 他人事の様に語りながら柘榴は次にキーボードを素早く打ち込み、モニターに写し出された番号を見ながら決定ボタンを押し画面に写し出された数字を見る。

 

 「……適合率──8%ォ?…失敗か…」

 

 驚愕と落胆の混じった声を挙げながら空を仰ぎながら呟き

 

 (失敗作(粗大ゴミ)はもう要らないな)ガチン

 

 心の中で呟きつつ、据わった目でレバーを引くと

 

ウ"ア"ァァァァァァ!!ゴチャ、グシャア…グチャ…バギッ、クチャクチャ…

 

 バシャッ!

 

 けたたましい叫びと、嫌な音が響き渡り窓ガラスに血飛沫が浴びせられる。

 

 (コレで失敗作だと……他は───あー、やっぱり)

 

 そんな音は聞こえないと言わないばかりに、先程とは別画面のモニターに目を移すと

 

 『不良っぽい忍少年:2%』『小柄な忍少女:1%』

 

 『長身の忍少女:5.8%』『筋肉質な忍少年:0.5%』

 

 『無表情な忍少女:0%』

 

 と予想通りに適合率8%の少女よりも低い数値ばかりであった。

 特に無表情且つ真っ白の髪で左目を隠した少女の数値は非常に低いとは呼べない数値だった為に柘榴は白けた様に

 

()()()()()()()癖になんて悲惨な数値」

 

 そう呟きながら先程の少女に行った様にレバーを引くと

 

 \フシュルルル…/ポタポタ \…グルルル/ 

 

 \キシャア!/  \ヘッ…フゥッハァ、ハァ/ 

 

 \グルゥオォォ!!!/

 

 それぞれの少年、少女達の部屋の扉が開き中から人面のライオン、巨大なワニ、甲殻類の鋏を持つ蜘蛛、不気味な鼻息と涎を垂らす醜悪な人間の様な化物、凄まじい雄叫びを上げるミノタウロスの様な筋骨隆々の巨大な化物が出てき

 

 「「「「うっ…」」」」 \ギロッ/

 

「「「「ウワアァァァ!!」」」」

 

 少年と少女達を一睨みすると勢いよく襲いかかり始めた。

 

 不良っぽい少年は踏みつけられたと同時に脊椎を砕かれるも不運にも辛うじて息をしていた為に生きたまま喰われ始めた。

 

 小柄な少女はその体躯故か一瞬で喰われ死亡

 

 長身の少女は腹を裂かれ卵を産み付けられ不良少年の用に生きたまま幼態に喰われ始められた。

 

 筋肉質な少年は何とか抵抗するが腕を喰い千切られ、悲鳴を上げながら頭を喰われ死亡

 

 「次はこの式で実験しようかな?」

 

 その凄惨な光景を気にもせずに柘榴はタブレットを取り出し、次の実験の為に新しい公式の演算をしていると……

 

  \ドガアァァン/!!

 

 「叫び声、咆哮は聞き飽き…ん?破壊音?」

 

 突如凄まじい轟音が鳴り響いた為に柘榴は溜め息を吐きながらモニターに目を移すと信じられない光景が映し出されていた。

 

 \グ……オッ……/グシャア  

 

 「……………」

 

 適合率0%の少女が引きちぎられミノスの頭部を片手に持っていたという信じがたき光景であったからだ。

 

 \ガシャン!/

 

 (わー)カタカタカタ

 

 その衝撃的な光景を見た柘榴は持っていたタブレットを落とし急いでモニターを確認すると

 

『個体名:蜜鬼(みつき)』『適合率:63%』『拒否反応0%』

        

      『適合成功しました』

 

 100%には行かないものの適合が成功したと表示された為に柘榴は歪な笑顔を造りながらマイクを起動させ

 

 『あ──…蜜鬼さん?その粗大ゴミ(ミノス)が入って来た扉にエレベーターが有るのでそちらに入って下さい』

 

 ミノスが入って来た扉内に有るエレベーターに入るように促された少女、蜜鬼は変わらず無表情でスタスタと入り上がって来た。

 

 「とりあえず、身体に異常が無いか検査するので、その血塗れの汚い格好をキレイにして下さい」 

 

 「………デリカシーとか無いのか?」

 

 柘榴の失礼極まりない発言に蜜鬼は無表情のまま呟くが、柘榴は無視しながら

 

 「着替えは用意しているので御安心を、では診察室にてお待ちしています」

 

 「あるわけ無いか」

 

 そう言うなり、モニタールームを後にした。

 

────診察後───

 

 「──はい、此で検査は終了です」

 

 診察結果を柘榴はタブレットに新しい式(恐らくは蜜鬼とは別口の実験)を構築しながら蜜鬼に告げる

 

 「至って良好、身体、臓器には()()問題は有りませんね…ですが一応『鎮痛剤』は渡しておきます」

 

 「……そうか…ウッ…注射…

 

 「?」

 

 結果は良好と伝えつつ念には念を入れ鎮痛剤を渡す。

 

 渡された際に蜜鬼は若干顔を渋める。その様子に柘榴は不思議そうにしながら

 

 「あ、後この『薬』()()()は貴女の上司に渡して置いて下さい……ネ」

 

 「……………」

 

 鎮痛剤とは別の薬を渡された蜜鬼は薬を受けとると早速と場を去って行った。

 

───────

 

 「ふー……この結果は君の予測通りだったのかい?」

 

 ショリショリ ……ズプ ポタ

 

 様々な本や資料誰も居なくなった場所でメスで器用にリンゴの皮を剥きながら語り掛ける柘榴。

 

 「……あくまでも、僕の好奇心の為と驚かせる為に?フフ、君でもジョークを言うんだ……ネ。……うん、瑞々しいな」シャク

 

 またも柘榴はその場に誰かが居るように呟きながら切り取ったリンゴを口に運び食べる。

 

 「そのくらい、分かっているよ、でもスダチをままで食す奴なんて居ないだろう?え、居るの?…ふーん」シャクシャク

 

 三度独り言を呟く柘榴だったが

 

 バタン!バキャア!!

 

 「ハァ、ハァ……」

 

 「ん?」

 

 勢いよく扉を壊し明けながら、高そうなスーツをボロボロにしながら息を切らした右目に傷の有る男が入り込んで来るなり

 

 「渡していた、強化人間の制作ファイル…ハァ…できているだろう?早く寄越せ!!」

 

 柘榴に渡していたと言う『強化人間』の制作図を渡すようにと言ってきた。

 

 「……良いけど、アポなしで来るとか…常識無いの?」

 

 「黙れ!!高い金を払って依頼したんだ!!貴様にアポイントメントを取れる権利が有ると思っ」

 

 投げ渡されたファイルを受け取りながら男は喚くが、背後から殺気を感じた為に口を閉ざす。

 

 「オイ、お前…柘榴様に向かいその態度はなんだ?」

 

 「扉を破壊しおって偉そうに…」

 

 「…………」

 

 「柘榴様、この人間を殺害する許可を!」

 

 男の背後には

 

 ドラゴニュート、ホフゴブリン、エルフ、オーガ

 

 が(人間に近い容姿)殺意を剥き出しに立っいた為である。中でもオーガに至っては殺害の許可を貰おうとしていた。

 

 「うん、ダメ」ニコ

 

 「「!?」」

 

 「………/////!?」ドパッ

 

 「な、何故ですか!?貴方様に無礼を働いたのですよ!?」

 

 問われた柘榴は笑顔で即答した。

 

 その答えにドラゴニュートとホフゴブリンは驚き、エルフは鼻血を出しながらも同様に驚く。オーガは声を荒げながら問うと、柘榴は溜め息を吐きながら

 

 「そう声を荒げるな王鬼(オウキ)、彼は古い友人でね。途中で事故をしてしまったから少々焦っているだけなんだ」

 

 「え?いや、しかし……そ、そうでしたか……急に殺気を見せてすまなかった」

 

 「あ、あぁ」

 

 中々に無理の有る返答をする柘榴に王鬼と呼ばれたオーガは納得は行かないもののこれ以上は無礼に反すると判断して男に謝罪をする。

 態度の変わった様子に男は驚きながらも頷く。

 

 「まぁ、個人的な話もあるから帰っていいよ」

 

 「畏まりました」  

 

 柘榴がそう言うなり彼等/彼女等はそう告げ場を後にした。

 

 「命広いしたネ、取り敢えず制作図の金額は、甘く見積もって5000万で良いよ」

 

 「分かった、振り込んで置こう」

 

 「おや?素直」

 

 オーガ達が去るのを確認した後に柘榴は男に報酬金を告げると大金にも関わらず男は早々に返事をしながら、この場を去ろとしていた。

 

 (ククク、『オーガ』『ドラゴニュート』に『ホフゴブリン』『エルフ』……しかも『ハイエルフ』それら以外にもコイツの敷地には多種多様な亜人種が居るようだろうな…この強化人間の作成に成功した暁には…今考えるだけで笑いがこみあげそうだ!!)

 

 男は下劣な考えを頭に浮かべるが

 

 「余り馬鹿な考えはよしたまえよ?"道元"君」

 

 ズッ

 

 「!!??」

 

 柘榴から放たれる纏わりつくような強烈な殺気、もとい『王勇の覇気』に戦慄しながら、いそいそとその場を道元は去る

 

 「はぁ~、彼…アイツ等に危害咥えるかな?……君が言うならそうなんだろう、でも大丈夫じゃないかな?それぞれの場所には『最強種』がいるし…ネ」

 

 「フゥワァッ……僕はそろそろ寝るよ…お休み…( ̄q ̄)zzz」

 

 柘榴は再び一人語とを言いながら眠りに付く。

 

 『ハイ…』『お休みなさい』『愛しい人(マイマスター)




はい、一向に進まない本編を起きながら月閃にてオリキャラの名前とオリキャラの暗躍に成ります。


以下オリキャラ達(名前の判明しなかった含め)

紫苑

夜神

玲瓏

八美

大和

グレイ

久秀 

柘榴

蜜鬼

リザ(ドラゴニュート)

ロッカー(ホフゴブリン)

シンシア(ハイエルフ)

王鬼(オウキ)

…粗大ごみ(ミノス)

に成ります。   

その内の

『紫苑きゅん』『夜神君』はそれぞれ

ダーク・リベリオン様と終末の根暗様からお借り、作製した、して頂いたキャラに成ります。

蜜鬼は割りと序章からSV迄のキーキャラの為にプロフィールが有ります。

それではまた


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