東方星神録 (あんこケース)
しおりを挟む

第一章 ~幻想入り~
伝説の目覚め


注意!!

 

 

これはバトスピ×東方projectの二次創作です!!

 

作者の考えた二次設定・原作改変・独自展開などを多く

 

含みます! あと作者は投稿初心者です。拙い文や誤字

 

などはご了承ください。

 

 

 

それでは、どうぞ!!!!

 


 

 

 

 

 

ありがとうございました。いいバトルでした

 

 

西暦2651年8月30日、それは2つの意味で大きな出来事が

起きた日だった

ひとつは12宮Xレアの力で地球リセットと呼ばれた地球の

自浄作用を食い止め、長い間戦争状態だった人類と魔族に

平和をもたらした記念すべき日である。

 

 

しかし、もうひとつの出来事は人類と魔族に深い悲しみを

もたらした。

 

激突王・ブレイヴ使いの異名をもち、世界のために戦い

続けた男がこの世から消えたのである。

 

あれから10年 その男は帰ってくる。

しかし、これからの物語はもしかしたら、あったかも

しれないストーリーである。

 

 

 

 

 

 

 

???「ん…ここは…いったい?」

 

 

 

木葉のようなものが擦れる音が聞こえたことにより

目を覚ましたこの男

 

名を馬神弾

 

弾「オレは…たしか引き金になって…」

そう 彼は12宮Xレアの力によって、光になったはず…

なのに、なぜこのような森の中にいるのか…

 

弾「それにしても…ここは…どこだ?」

 

見渡してみると、ついさっきまでいた極点のような

氷に覆われた場所ではなく、緑豊かな竹林だった。

 

弾「…考えてもしょうがないな」

 

そう言って、弾は立ち上がった。そして、ふと懐の

デッキケースを見てみると…

 

弾「カードが…変わってる?…」

 

ケースのカードはすべてではなかったが、一部効果が

変わっており、中には聞いたこともない効果もあった。

 

弾「バローネの12宮もある…またバトルしたいな…」

 

あのバトルは今までで最高のバトルだった。出会った

時は敵で自分と同じように強さの深みにはまり、バトル

以外に目を向けれなかったが、地球の危機にともに立ち

向かった最高の友だ。そして、もう一人…

 

弾「…まゐ…ごめん…約束…守れなかった…」

 

カレーが食べたい。決戦の直前、そう彼女と約束した。

思えば、彼女とは長い付き合いだった。グラン・ロロで

出会い、光主として共に異界王と戦い、こんな自分を

好きだといってくれた大切なひと。

 

弾「そうだ…まだ帰れないと決まったわけじゃない」

 

そう気持ちを奮い立たせ、まず人を見つけようとした

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

???「久しぶりだな 馬神 弾」

 

 

 

 

 

その声に驚き、振り返ると…

 

 

 

弾「お前は…冥府魔導のラーゼ!!」

 

 

そこに立っていたのは、かつて2度戦い、最後は

獄龍隊のルール 敗者必滅によって死んだはずの男

冥府魔導のラーゼだった。

 


 

ついに投稿してしまった…

短いですがありがとうございました!!

早く東方キャラ出せとかバトルは?という声が聞こえて来そうですが、気長にお待ち下さい。文章とか改善して行けるのか…

それでは、また次回!

 

次回 新たな力!異魔神ブレイヴ!!

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新たな力!異魔神ブレイヴ!!

連続投稿!!なんだかベタなタイトルです(笑)
一応、幻想郷では12神皇編で出るカードまでになります。しかし、12宮Xレアととある一部のカードは出回っていないという設定です。

あらすじ

引き金となったあと目を覚ました弾。変化したカードに驚いたり、大切な人たちのことを思い出していると、そこには死んだはずの男 冥府魔導のラーゼが立っていた。




 

 

 

 

 

弾「どうしてお前がここに…」

 

弾は驚愕し、ラーゼに尋ねた。ラーゼは以前と変わらない

様子で

 

 

ラーゼ「フッ さあな 俺も気づいたら、ここにいた。あの時 死んだと思ったが…まさか馬神 弾 貴様も…」

 

 

弾「いや オレは負けてない。あのあとデュックを倒し

地球リセットを回避した。そのせいでオレは…」

 

 

そう弾は続けようとしたが

 

 

ラーゼ「そんなことはどうでもいい。俺は今とても気分がいい。何故なら馬神 弾!貴様ともう一度戦えるからだ!!」

 

ラーゼは半分仮面に隠れた顔を歪ませながら、まるで

夢がかなったような声で叫んだ。それに対して弾は

 

 

弾「ああ いいぜ。オレもお前ともう一度戦いたかった。それに…新しいカードも試したいからな。」

 

 

ラーゼ「新しいカード? …フッそれは面白い。やはりこの前のあの女より楽しめそうだ…。馬神 弾、ここではあの言葉だけでバトルフィールドに行けるようだ。その言葉は…わかっているな。」

 

 

弾「もちろん。バトスピをしたことある奴なら皆知っている あの言葉…」

 

 

弾・ラーゼ「「ゲートオープン! 界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばし、時は遡り…

 

 

 

 

???「はあ…」

 

ここは幻想郷の竹林。その奥深くにひっそりと建っている

純和風の建物 永遠亭

ここには千年以上前に月から逃亡したかぐや姫がひっそりと

暮らしており、同時に幻想郷随一の名医がいる病院でもある。

 

その名医 元月の賢者八意 永琳はため息をついていた。

 

それは、最近起こっているとある異変と関係している。

 

永琳「バトルスピリッツを挑んで来る悪霊ねぇ…」

 

バトルスピリッツ それは、少し前に幻想郷に入ってきたカードゲーム。知力 判断力 そして運。そのすべてが勝利につながりなおかつ、重症を負わない(ライフでうける時は少し痛いが)ように河童が設計したバトルフィールドのお陰で弾幕ごっこよりいいと評判になり、皆こぞって遊んでいる。

 

しかし、少し前から幻想郷におかしな悪霊が現れるようになった。その悪霊たちは皆妖怪のようだが、共通しているのはバトルスピリッツを挑んで来ること。そのバトルでライフを削られるとものすごい激痛が走り、バトルしていられなくなることである。

 

彼らはバトルの腕もよく、幻想郷トップクラスの博霊の巫女でも手こずる相手ばかりなので、今、永遠亭はバトルで怪我したという人間や妖怪でいっぱいだった。さすがの永琳でも骨の折れる数だったので今になってようやく全員の治療が一段落したところである。

 

 

永琳「そういえば…今日は彼女が来るはずだけど、遅いわね。何かあったのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻り バトルフィールドでは…

 

 

 

弾「ここでもちゃんとバトルフォームが出てくるのか…先行は貰うぞ!スタートステップ! イグア・バギーをレベル1で召喚!さらにネクサス 星の祭壇を配置!これでターンエンド。」

 

 

弾が最初に出したのは、赤と白に成れる低コストスピリットのイグア・バギーとネクサス 星の祭壇だった。

 

 

ラーゼ「では俺のターン。デモ・ボーンを召喚。そしてネクサス!闇の聖剣を配置!ターンエンド!」

 

 

弾《やはり来たか。闇の聖剣》

 

 

ラーゼは低コストの呪擊スピリットのデモ・ボーンとブレイヴ対策のネクサス闇の聖剣を配置した。

 

 

弾《長引くと厄介だな。》「メインステップ!カメレオプスを召喚!さらにマジック スターリードローを使用。デッキから三枚オープン。その中の系統 光導 星魂 星竜を持つスピリット ブレイヴカードを手札に加える。」

 

 

弾は赤の大型を出す際便利なカメレオプスを召喚し、マジック スターリードローを使用した。オープンしたカードは…

 

太陽神龍ライジングアポロドラコン 光輝く大銀河 千刀鳥カクレイン

 

 

弾「ライジングとカクレインを手札に加える!さらに星の祭壇の効果!カメレオプスのBP以下のデモ・ボーンを破壊する!」

 

 

ラーゼ「ほう。たしかに効果が変わっているな…」

 

 

以前の星の祭壇はBP3000以下のスピリットしか破壊できなかったが、こちらは召還したスピリットによって、上限をあげられるようになっている。

 

 

弾「イグア・バギーをレベルアップしアタックステップ!カメレオプスでアタック!」

 

 

ラーゼ「ライフで受けよう。」

 

 

 

カメレオプスがラーゼに向かって突進し、角を突き立てる。それは、バリアに防がれたが、その衝撃でラーゼのライフが一つ砕ける。

 

弾「ターンエンド」《さあ、どう出る?》

 

 

ラーゼ「いいぞ!やはり、バトルはこれがいい!!メインステップ!ピジョンへディレスそして、出でよ!大宇宙 で暗闇を司る孤独の獣!冥府の守護者 冥王神獣インフェルド・ハデス!召喚!!」

 

 

弾「来たか。ブレイヴキラー…」

 

 

ラーゼは鳩のようなスピリット ピジョンへディレスと三王星の一体 冥王神獣インフェルド・ハデスを召還した。

 

 

ラーゼ「闇の聖剣をレベルを上げ、アタックステップ!インフェルド・ハデスでアタック!!」

 

 

弾「ライフでうける!!」

 

 

 

インフェルド・ハデスが前足で弾のライフをひとつ砕く。その痛みは普通ならとても耐えられるものではないが…

 

 

弾「フッ やっぱいいね この痛み…」

 

弾にとっては、対したことのない慣れ親しんだ痛みであった

 

 

ラーゼ「さすがだな。ターンエンドだ。」

 

 

弾《よし!》「メインステップ!駆け上がれ!神の名を持つ赤き龍!太陽神龍ライジングアポロドラゴン!召喚!!」

 

弾がカードを掲げると大爆発が起こり、その中から大きな赤いドラゴンが現れる。

 

 

ラーゼ「待っていたぞ!ライジング!!」

 

弾「アタックステップ!ライジングでアタック!アタック時効果によりピジョンへディレスに指定アタック!!」

 

 

ラーゼ《なるほど。ハデスと闇の聖剣のコンボは他にスピリットがいないと使えない。だから、ピジョンへディレスを先に破壊してきたか…》

 

 

ライジングの炎によってピジョンへディレスは爆散する

 

 

弾「続けてカメレオプスでアタック!」

 

 

ラーゼ「ライフだ!!」

 

 

もう一度、カメレオプスが角を突き立て、ラーゼのライフをさらにひとつ砕く。

 

 

弾「ターンエンド」

 

 

ラーゼ「フッフッフッハハハハハハ!!さすが馬神 弾!俺の想像をはるかに越えてくる!だが、忘れたか!?俺の切り札を!!」

 

弾「ああ、ちゃんと覚えてるさ。こい!アスモディオス!!

 

 

ラーゼ「言われずとも!!出でよ!デモ・ボーン!

そして、ハデスを転召!最強の魔界7将 アスモディオス!!!」

 

 

ハデスが光の粒子となり、空に消えていく。そして、天から四つの手と足を持ったスピリットが駆け降りて来る。

 

 

ラーゼ「召喚時効果!!お前のスピリットのコアを二個ずつ外す!!」

 

 

 

弾「くっ!」

 

 

弾のスピリットは全員コアが一つしか乗っておらず、それにより弾のフィールドは空になってしまった。

 

 

ラーゼ「アタックステップ!!アスモディオスでアタック!!!」

 

 

弾「ライフでうける!!」

 

 

アスモディオスの剣が弾のライフを一度に2つ砕く。さすがの弾もきつそうな表情になる。ダブルシンボルの一撃はそれほどすごいのだ。

 

 

ラーゼ「ターンエンド!!!馬神 弾!!貴様は次で終わりだ!!!」

 

 

ラーゼが歓喜の声を上げる。しかし、弾の目は死んでいなかった。

 

 

弾《このバトルに勝つか負けるか…それは、このドローにかかっている…》「ドローステップ!!

 

 

 

 

……カードよ今度はオレが答える番だ!!

 

メインステップ!!ブレイドラを召喚!そして、天に輝く7つ星よきたれ!!北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン!!レベル3で召喚!!!召還時効果により、手札より千刀鳥カクレインをノーコスト召還!!そのまま、左合体する!!」

 

 

赤いシンボルから小さな翼龍ブレイドラが現れ、さらに天に光がのぼり、北斗七星を描く。そこから一体の赤いドラゴンが降りて来る。そのドラゴンが吠えるとフィールドに星空から緑の鳥が舞い降りて、その力をジークに注ぐ。その力を受け、ジークの体は緑色に輝きはじめる。

 

 

ラーゼ「左合体だと!?何だそのブレイヴは!?」

 

 

弾「これが新しい力!2体と合体できるブレイヴ! 異魔神ブレイヴだ!!アタックステップ!合体アタック!!カクレインの左合体効果!デモ・ボーンを疲労させ、コアブースト!!」

 

カクレインがの力を受けたジークが剣を一振りすると、その風によってデモ・ボーンが疲労状態になる。

 

 

ラーゼ《くっ!アスモディオス召還のために闇の聖剣のレベルを下げたのが仇となったか!!》「ライフでうける!!」

 

弾「ダブルシンボルだ!!2つ貰う!!!」

 

 

ジークがその四本の剣を叩きつけ、ライフを2つ砕く。

 

 

弾「止めだ!!いけ!ブレイドラ!!」

ラーゼ「……フッ やはり、お前は強い…ライフだ!!」

 

 

 

ブレイドラの炎がラーゼの最後のライフを砕いた。

 

 

 

 

ラーゼ《もう一度、バトルできてよかったぞ…馬神 弾…

もうこれで、悔いはない……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元の竹林に戻った後、弾はラーゼを探したが、どこにも

見つけることができなかった。

 

 

 

弾「ラーゼ………」

 

 

 

 

 

???「おい!!そこのお前!!」

 

 

 

 

 

 

また突然 声をかけられた。 弾はまた獄龍隊ではないことを祈り、振り返ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

???「お前、さっきの悪霊の仲間か?」

 

 

 

 

 

 

白い髪にもんぺをはいた少女がこちらを睨み付けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もこたんINしたお!!
ありがとうございました。
なんとラーゼが最初のバトル相手になりました。少しあっさり終わってしまいましたが、すみません。文章力が…欲しい…あとすみませんが、たぶんライジングの出番はここまでです。ごめんよ でももう枠が……

さて、ここでえーりんともこたんが登場しましたが、なぜ弾さんをわざわざ迷いの竹林に寝かせた?のか…


それにはちゃんとわけがあります。それは…話が進めばわかります。(永夜抄が好き?そそそんなことあああるわけななないし…)


次回! VS蓬莱人! ソードブレイヴ対異魔神ブレイヴ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vs蓬莱人! ソードブレイヴ対異魔神ブレイヴ!!

一応、弾さんは最終回のデッキのカードの他にもカードを
控えとして持っていたという設定です。

そうでないと、面白くないし…


もこたんの言葉使いってこんな感じでいいのかなあ…


あらすじ

ラーゼとの戦いに勝利した弾。バトルフィールドから戻った弾はラーゼを探したが行方はわからなかった。そこに突然、鋭い声が響いた。



 

 

 

 

 

その長い銀髪に赤いもんぺみたいなズボンをはいた少女は瞳に怒りの色をだしながら、弾を睨んでいた。弾は彼女に道を尋ねようとしたが……

 

弾「君は…ちょうどよかった。悪いけど、ここはどk」

 

 

???「おい!さっきここら辺でバトルフィールドを展開していただろう!やっぱりお前もあいつらの仲間か!!」

 

 

弾《えっ…!!(゜ロ゜ノ)ノ》

 

 

…言いがかりにも程があると思い、弾は弁明しようとした。しかし次に彼女がいい放った一言がその思考を忘却の彼方へと吹き飛ばした。

 

 

 

???「こうなりゃあたしとバトルだ!あたしが勝ったら大人しく退治されろ!…あたしならいくら傷ついたって…」

 

 

 

弾「!!」

 

 

バトル。その言葉が弾の興味をひいた。未知の世界でのバトスピはどのようなものなのか?未来世界のように新しいカードがあるのか?それを知りたいという気持ちが弾の心から溢れ出した。

 

 

弾「ああ、いいぜ。売られたケンカは買うまでだ。その代わりオレが勝ったら、この世界のことを説明してもらおうか。あと君、名前は?」

 

 

弾はノリノリで答えた。…バトルバカのスイッチが入ってしまった瞬間である。そう言われた少女は高らかに名乗った。

 

 

???「あたしは藤原妹紅!蓬莱人だ!!」

 

弾《蓬莱人?魔族みたいな種族か?》

 

そう弾は一瞬考えたが、今はバトルだとその考えを頭から追い出した。

 

 

 

弾・妹紅「「ゲートオープン! 界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって、永遠亭では……

 

 

???「あ~つ~ま~ん~な~い~」

 

???「まあまあ姫様 鈴仙ごときじゃ相手にならないウサ(その鈴仙に勝てない自分は何なんだろう…)」

 

そう言って、和室の畳の上をゴロゴロと転がっているのは蓬莱山 輝夜。あのおとぎ話のかぐや姫その人である。その隣にはばったりと倒れているウサ耳を着け、制服のような格好をした人?鈴仙 優曇華院 イナバと自分のことを棚に上げ、輝夜を宥めている小さなウサギのような幼女因幡 てゐだ。この二人?はウサギの妖怪だ。でも、てゐはただの妖怪ウサギだが、鈴仙は月出身のウサギである。

 

 

なぜこのような状況になっているかと言うと、簡単にいえばトレーニングである。蓬莱人である輝夜や妹紅は怪我など秒で治ってしまうので、悪霊たちとの戦いには幾分有利なのだ。なので、現状 悪霊退治をしているのは 博麗の巫女以外には普通の魔法使いや妖怪寺の僧 幻想郷の賢者たちと妹紅や輝夜たちが対応している。

 

 

 

よって、輝夜が強くなることは非常にプラスになる。そのため永琳に「姫様の相手をしなさい。」と特訓相手を押し付…頼まれた鈴仙だったが、輝夜は蓬莱人。とんでもないスタミナを持っていることを計算に入れておらず、怒涛の10連戦によってまるで死にかけのセミのようにプルプル震えるという始末になった。哀れ鈴仙…

 

永琳「うどんげ。今日の薬の販売の件だけど……姫様…少々遠慮と言うものを覚えてください…」

 

 

輝夜「え~だって、鈴仙弱いんだも~ん!妹紅も来ないし、全くどこで油売ってるのよ……」

 

 

部屋に入ってきてこの惨状を目の当たりにした永琳は頭を抱えたが、当の輝夜はけろっとして、未だに姿を見せないケンカ友達に悪態をついていた。

 

 

輝夜「それにこのカードが強すぎるからね~」

 

 

そう言って、取り出した一枚のカード。それには不思議なことに霊力が満ちていた。

 

 

永琳「あのスキマ妖怪いわく、奥の手って言っていたから、強いのも当然でしょう…」

 

 

 

部屋で転がっている輝夜の返事にため息混じりで受け答えた永琳がそうぼやいたその時であった。

 

 

ずぅぅぅぅぅぅぅん!!

 

 

永琳「……!!!?」

 

 

突然、何か強大な気の鳴動を永琳は感じ取り、その視線を迷いの竹林に向けた。今の気の流れは普通ではない…永琳はその理由を鋭い目付きでありとあらゆる可能性を探っていた。

 

 

輝夜「? どうしたの永琳?そんな顔して」

 

 

その鳴動に気づかなかった輝夜が怪訝そうな目で永琳を見つめる。

 

 

永琳「……いえ…何でもないわ、輝夜……」

 

 

永琳は目を鋭くさせたまま、そう答えた。

 

 

その後、鈴仙をベッドに寝かせて、自分の研究室に戻った永琳を待っていたのはてゐであった。

 

 

てゐ「師匠。さっきはどうしたんですかい?なにやら竹林を見てたみたいでしたけど…あ!わかった!妹紅がウチの罠に引っかかったとか」

 

永琳「そんなんじゃないわよ。」

 

 

てゐの冗談を無造作に一蹴した永琳。その様子を見て、てゐは何時にもなく真剣な顔つきになり、こう尋ねた。

 

 

てゐ「…何時ものあなた様なら、二人以外の時には必ず姫様って呼ぶのに、あの時はそう呼ばなかった。本当は何か感じ取ったのではないですか?師匠?…いえ………

 

 

 

 

 

 

 

八意XX様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン。弾はネクサス 光輝く大銀河を配置してターンエンド。

第2ターン。妹紅もネクサス 黄昏の暗黒銀河を配置してターンエンド。

 

 

第3ターン。弾はノーザン・ベアードをレベル2で召喚。アタックはせず、ターンエンド。バトルは第4ターンに差し掛かろうとしていた。

 

 

妹紅「メインステップ!ダーク・ディノニクソーをレベル2で、さらにランスモザウルスを召喚。」

 

 

フィールドに小さな丸ノコがついている恐竜とトリケラトプスのような恐竜が現れる。

 

 

妹紅「そして、バーストセット!」

 

 

弾《?バースト? …ふふっこれが異世界のバトル!初めてブレイヴを使ったことを思い出す!さぁどんな効果なんだ…早く見せてくれ……!》

 

 

 

………やっぱり、バトルバカである……

 

 

 

 

妹紅「アタックステップ!ダーク・ディノニクソー!いってこい!黄昏の暗黒銀河の効果で地龍スピリットは全てBPプラス3000だ!」

 

暗い光に照らされ、力を上げたディノニクソーが弾に向かって駆け出す。妹紅はBP5000のノーザン・ベアードを破壊し、ライフを一つ砕ける計算であった。しかし…

 

 

弾「ノーザン・ベアードでブロック。ブロック時効果により、ボイドからコアを一つ追加して、ターンに一回回復!」

 

 

妹紅「なに!!?」

 

 

ディノニクソーの前にノーザン・ベアードが立ちふさがり、その巨大な腕をふるって叩きのめした。その後、ノーザン・ベアードは白い光に包まれ、再度起き上がった。

 

 

妹紅「バカな!ノーザン ベアードに回復効果なんてあったか!?それに、BPもこっちが上なはずじゃあ……」

 

 

弾「残念だが、こっちのBPは8000 そっちより高い。それに、どうやらオレのカードは少し特殊らしい。もう一体残っているがどうする?」

 

 

妹紅「くっ!ターンエンド…!」

 

《マジかよ…ノーザン ベアードのリバイバルなんて聞いたこともねえぞ…! こりゃかなり まずい……》

 

 

計算がくるった妹紅は内心で悪態をついた。しかしどうしようもないので、ターンエンドを宣言した。

 

 

弾「メインステップ。ダンデラビットを召喚。召還時効果でコアブースト。さらに、マジック ブレイヴドローを使用 デッキから二枚ドローし、三枚オープン その中のブレイヴカードを一枚手札に加える。」

 

 

フィールドに緑の可愛らしいウサギが出て来る。召還時にリザーブと他のスピリットにコアを増やせる効果は弾も認めるほどだ。さらにマジックの効果で手札を増やす。オープンしたカードは

 

ヤシウム 人狼ベオ・ウルフ トライアングルトラップ

 

弾「ベオ・ウルフを手札に加え、残りはトライアングルトラップを上にして戻す。」

 

 

 

妹紅《異魔神ブレイヴ!?だが…》

 

「召喚時効果発揮により、バースト発動!双翼乱舞!デッキからメインの効果も使って四枚ドロー!!」

 

ダンデラビットの召喚によって妹紅のバーストも発動。効果で一気に手札を四枚も増やした。弾は一瞬、驚いた表情を見せたが、その表情はすぐに不適な笑みに変わる。

 

 

弾《なるほど。あのカードは何らかのタイミングで発動する罠のようなものか……バースト……早く使ってみたい…!》

「ターンエンド」

 

 

妹紅「メインステップ。ピナコチャザウルスともう一体ランスモザウルスを召喚!さらに、黄昏の暗黒銀河をレベル2に!んでもって、バーストセット!」

 

 

小さな恐竜ともう一体のランスモザウルスがフィールドに現れ、妹紅の背後の暗黒銀河の光が強くなる。

 

妹紅「アタックステップ!いけ!ランスモザウルス!BPは8000だ!」

 

弾「ライフでうける!」

 

ランスモザウルスの突進が弾のライフを一つ砕く。

 

弾「フッ」

 

 

妹紅《!? 笑った!?こんな意識が飛びかけるほどの激痛でか!?》 「お、お前…痛くないのか…?」

 

 

弾「全然。むしろ、足りないぐらいだね。」

《獄龍隊に比べれば、どうてことない》

 

そう弾は正直に思う。以前、未来世界で戦った獄龍隊…その衝撃に慣れていた弾にとってこんな痛みはむしろ心地よさを覚える程度であった。しかし別の感覚が弾を襲った……

 

弾《うっっ 何だ、何か変な感じが……》

 

ライフで受けた時、何時もの痛みとは別に何か体の奥底から何かが湧き上がって来た。そんな感じだった。

 

妹紅「……もう一体のランスモザウルスでアタック!」

 

弾「…ハッ…これもライフだ!」

 

もう一体のランスモザウルスがまた弾のライフをもう一つ砕いた。

 

 

弾《ぐっっ またか…何なんだこれは?》

 

 

体の不快感に表情を曇らせる弾。だが、それはすぐに打ち消されることとなる。それは 妹紅の背後の暗黒銀河の光によって。

 

 

妹紅「…エンドステップ。黄昏の暗黒銀河の効果 系統 地龍をもつスピリット三体までを回復。…ターンエンド」

 

弾「………ふふっ」

妹紅「?」

 

弾「ハハハハハハ!赤属性が得意なアタックだけでなく、防御まで考えているとは……いいデッキレシピだ……!」

 

 

妹紅「え?あんた何いってんの?」

 

突然笑い出した弾に妹紅は訳がわからなかった。

 

 

弾「ただ、誉めただけさ。オレに戦いを挑んで来るぐらいだから、強いとは思っていたけど……獄龍隊にも劣らない。いや、それ以上だ!」

 

 

妹紅《何だこの男…さっきから何か変だ……!まさか…》

 

「なあ、お前まさか、あいつらの仲間って訳じゃ…」

 

 

 

弾「ああ、知っているやつだったが、オレは獄龍隊じゃない」

 

その言葉を聞いた瞬間、妹紅は固まった。

 

 

 

妹紅「………すすすすすすまん!!あたしのただの勘違いで……」

 

 

弾「別にいいさ。それより、オレは君とバトルを続けたいんだ。付き合ってくれるか?」

 

 

妹紅「あ、ああ。わかった…」

 

弾「メインステップ。……いくぞ!!」

 

 

 

妹紅「何か来る!」

 

弾「光輝く大銀河の効果でコストを5として扱う!星の力注ぐ対の魚!!全てを喰らう呪われし船!!召喚!!

双魚賊神ピスケガレオン!!!

 

 

天から光が降り注ぎ、弾のフィールドに魚座を描く。そこ

から、2つのアンコウのような船首をもつ巨大な船が水飛沫をあげながら浮上し、妹紅を威嚇するように吠えた。

 

 

妹紅《何だ!?このスピリットは!?しかも紫のXレアって、あいつどんだけ色混ぜてんだよ!!?》

 

 

弾「召喚時効果!相手のスピリットからコアを一つずつリザーブへ置く!!」

 

 

妹紅「げ!(゜〇゜;)!」

 

 

ピスケガレオンの口から青い光線が発射され、妹紅のフィールドのスピリットたちのコア()外して(喰らって)いく

 

 

光が収まると妹紅のフィールドからスピリットは消えていた。

 

弾「さらに召喚!刃狼ベオ ウルフ!ピスケガレオンと左ブレイヴだ!!」

 

 

フィールドに二本の剣を持った狼が現れ、ピスケガレオンに自分の剣を投げ渡した。ピスケガレオンはそれを口でキャッチするとピスケガレオンの体から緑のオーラが立ち上ぼり、それが鎧のようにまとわりついた。その姿はさながら船首に剣をつけた軍艦の如く勇ましい姿だった。

 

 

弾「アタックステップ!ブレイヴアタック!!」

 

妹紅「ライフだ!!」

 

 

ピスケガレオンが二刀の剣を妹紅に突き立て、ライフを2つ砕く。

 

 

妹紅「ぐあ!つ~痛みは慣れてるはずなんだけどな…でもバースト発動!!絶甲氷盾!ライフを一つ回復!そしてフラッシュ効果!!アタックステップを強制終了させる!!」

 

 

弾「……ターンエンド。妹紅、君はどうしてあいつら…獄龍隊って言うんだけどそいつらを倒そうとしてるんだ?何か特別な事情があるのか?」

 

 

 

弾は真っ直ぐな顔で妹紅を見た。その深紅の瞳はどこか人里にいる妹紅の友人と同じように真剣に向き合ってくれていた。妹紅はゆっくりと自分のことを話し始めた。自分は不老不死で死ねないこと。それは昔、父親に恥をかかせたかぐや姫に復讐するため、彼女が月に変える前に残した蓬莱の薬を飲んだせいであること。そして、この世界で異変を起こしている奴らと戦うなら、死なない自分が適任だと思ったからだということ……。

 

 

 

 

妹紅「…まあ、結局 ただの自己満足なんだけどね……」

そう目を伏せ自嘲気味に言う妹紅に弾は静かに口を開いた。

 

 

 

弾「確かに、オレもちょっと前に似たような立場にいたことがある。あの時はオレも必死で誰かを助けようとしてた。それは自己満足かも知れない。でも、それで助かった命があるんなら……それでいいんじゃないか?」

 

 

その言葉に妹紅はふっと顔を上げ、はぁーとため息をついた。

 

 

妹紅「……あ~あ。まさか、初対面の人間にそんな事言われるなんてな…命喰いそうなスピリット出したやつに……」

 

 

弾「ハハハ!そんな冗談言えるなら、心配要らないか。さあ、君のターンだ!本気でこい!!」

 

 

妹紅「言われなくとも!メインステップ!こいダーク・ディノニクソー!六分儀剣のルリ・オーサ!召喚時効果でこっちもコアブースト!」

 

 

妹紅はもう一体のダーク ディノニクソーと手に六分儀がついている剣を持った昆虫のようなスピリットを召還した。さらに…

 

 

妹紅「さあ、いくぜ!!黒き炎!!地獄のキバ!!ぶっ壊せ!! 闇龍ダーク・ティラノザウラー!!!」

 

 

妹紅がおもいっきり足を振り下げると地面が割れ、そこから深紅のオーラを纏ったティラノサウルスが現れ、咆哮する。

 

 

弾「それが君のキースピリットか…!」

 

 

妹紅「ああ!さらにいくぜ!!穢れより生まれし剣!暗黒の魔剣ダーク・ブレード!!召還!!」

 

 

空から紅の雷が落ち、それが剣となって地面に突き刺さる。

 

 

妹紅「召喚時効果!ネクサスを一つ破壊して、ワンドロー!さらに、ダーク・ティラノザウラーにブレイヴして、ルリ・オーサのコアも使ってレベル2に!!」

 

 

ダーク・ブレードから放たれたエネルギーが光輝く大銀河に直撃して焼き尽くす。そして、ダーク・ティラノザウラーは尾でダーク・ブレードを握り咆哮する。

 

 

 

妹紅「さぁ!お待ちかねのアタックステップ!!黄昏の暗黒銀河とダーク・ティラノザウラーの効果でBPプラス6000!!ソードブレイヴスピリット!!穢れの力を解放せよ!!!アタック時効果でこのスピリットのBP以下のノーザン・ベアードを破壊!!さらにダーク・ブレードの効果でピスケガレオンを指定アタック!!」

 

 

 

ソードブレイヴスピリットが雄叫びをあげながらピスケガレオンに突進する。ダーク・ティラノザウラーは背中のファンネルを分離させ投げつける。対するピスケガレオンは小さな魚状の小型挺を放ち応戦する。それらがフィールドを飛び交う中、お互い接近し、剣での戦いになる。ピスケガレオンは流れるように剣を振るうが、ダーク・ティラノザウラーのBPは18000、ピスケガレオンのBPは15000。徐々にピスケガレオンが押されていき、ついに剣が弾き飛ばされる。

 

 

 

妹紅「こっちの方がBPが上d「フラッシュタイミング!!」んな!!」

 

弾「マジック!!ネクサスコラプス!!!不足コストはダンデラビットから確保!!ピスケガレオンにBPプラス5000!!BP20000だ!!!」

 

赤いエネルギーがピスケガレオンに吸収され、ピスケガレオンの目が輝く。ダーク・ティラノザウラーも負けじと剣撃を放つがピスケガレオンは空中を泳ぐようにかわしていく。口からの火炎放射も自分の周りに海を作り、水飛沫を上げて打ち消す。そして一瞬の隙をついてダーク・ティラノザウラーを体から出した鎖で縛りあげた!

とどめに弾き飛ばされた剣を鎖でキャッチして紫色のオーラを口から放出しながら噛みつき、だめ押しに剣で突き刺して大爆散させた!!!

 

 

 

妹紅「………ダーク・ブレードはフィールドに残す…ターンエンド…」

 

 

弾「メインステップ。ピスケガレオンをレベル2に。アタックステップ。いけ!ブレイヴアタック!フラッシュタイミング!リブートコード!ピスケガレオンを回復!!」

 

 

 

妹紅「……ん?ちょっと待て!それあるんなら何で前のターンで使わなかったんだ?」

 

 

そう。ブレイヴドローの効果で今、弾がドローしたのはヤシウムだとわかっている。なら、それ以前にリブートコードを握っていたことになる。なぜさっき使わなかったのか…妹紅は不思議に思い尋ねると……

 

 

 

弾「だって、君のキースピリットをまだ見てなかったからな。それを見ないと楽しくない」

 

…………は?

妹紅はまた固まった。それだけのために?そんな事のために使わなかったのか……?そう思うとこんなに必死になっている自分がバカに見えてきた。

 

 

 

妹紅「ライフで受ける…」

 

 

ピスケガレオンが口や背中の砲台からエネルギー弾を妹紅に放つ。

 

 

弾「ブレイヴスピリット!もう一度アタック!」

 

妹紅「ダーク・ディノニクソーでブロック!」

 

 

な~んか楽になった。それが今の妹紅の率直な気持ちだった。様々な色を扱うプロのようなカードさばきをしたと思ったら、キースピリットをみたいと初心者のような反応を見せる。そんな弾とのバトルで変な重圧がすっぽり抜けたのだ。

 

 

 

弾「ベオ・ウルフの左ブレイヴ時効果!!BPを比べ、相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフのコアを2つリザーブに置く!!」

 

 

妹紅「ハハハ!なるほど!それじゃ他にスピリットを出す必要はないな。もってけ!!あたしのライフ!!」

 

 

ピスケガレオンがダークディノニクソーを弾き飛ばし、

その2つの大きな口を開き、妹紅のライフを噛み砕いた!!

 

 

 

 

 

妹紅「ありがとう。あんたのお蔭で気が楽になったよ。」

 

 

 

弾「いや。こっちもいいバトルができた。」

 

 

バトルが終わったあと、二人は歩きながら話していた。

そして、弾は一番聞きたかったことを聞こうとした。

 

 

その時!!!

 

 

 

ずぼっっ!!!!

 

 

 

 

そんな音がしたと思った弾だったが、その直後鈍い衝撃によって、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。
……今まで見てきた二次創作の中で、こんなにピスケガレオンが主役貼って活躍したのはないってぐらいカッコ良く書きました。
まあ、硯君曰く、《ものすごい力を秘めたカード》だし、アニメにでた12宮は技が多彩だったので、ピスケガレオンも小型挺や鎖を出せることにしました。イメージするとめっちゃカッコいいです

あと、弾さんのカードは特筆しない限り、全てリバイバルにしております。


次回 かぐや姫は実在した! 打ち破れ!光の覇王ともう一つの12宮!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

かぐや姫は実在した! 打ち破れ!光の覇王ともう一つの十二宮!!

ようやく東方の主人公が登場します!

彼女達も物語では重要なポジションにいるので、上手く描いていきたいです。



あらすじ

弾を獄龍隊と勘違いして戦いを挑んできた妹紅。何とか誤解を解くことができたが、何らかの拍子に弾は意識を失ってしまった…。


暫し時は戻り…

 

弾が妹紅とバトルしている頃……

 

 

 

 

 

 

 

???「あーつっかれったわ~」

 

ここは幻想郷の東の端博麗神社。ここには幻想郷を外界と遮断している結界の維持&妖怪退治を生業としている博麗の巫女が住んでいる。

 

 

???「あの悪霊ども…何よ!一言目にはバトルバトルって!こちとら痛みこらえてやってるのに!!」

 

 

縁側でグダグダしながら愚痴をこぼしている巫女装束の少女。そう彼女こそ、幻想郷のバランスを保っている者の一人。博麗の巫女こと博麗 霊夢 である。

 

 

 

???「おーーーい!れ~い「うっさい!!!」ぎゃぁぁぁぁ!!」

 

 

そう叫んで、空から飛んできた黒い人影を蹴り飛ばす霊夢。吹っ飛ばされたザ・魔法使いの格好をした少女はすぐに霊夢に詰め寄り

 

 

???「おい!霊夢!いきなり蹴ることはないだろ!この霧雨魔理沙様が来てやったのに!」

 

 

霊夢「誰も呼んでないわよ。……お賽銭いれてくれたら別だけど……」

 

魔理沙「おいおい良いのか?あの悪霊どもの情報を掴んできてやったのに?」

 

 

霊夢「……情報ですって?」

 

 

 

霊夢はそれを聞き、首をひねって尋ねた。さすがの霊夢も異変解決に繋がりそうな魔理沙の言葉に耳を傾けようとする。

 

 

 

魔理沙「ああ!あいつらとのバトル中に聞き出したんだ。いや~大変d「そのこと、私たちにも教えてくれるかしら?」!!」

 

 

突然、どこからか声が響く。しかし、二人はお互いため息をついた。あいつらしい登場だと言わんばかりに。

 

 

 

霊夢「はぁ……何よ……妖怪の賢者 八雲 紫様?」

 

 

そう皮肉たっぷりに何もない空中に向かって声をかける霊夢。そうすると、突如空間が割け、中から中国の道士服のような格好をした女性が現れた。

 

 

 

紫「あら、霊夢ったら随分他人行儀ね。でも今回は私だけじゃないのよ?」

 

 

そういった紫にどういう意味か二人が尋ねようとすると、避けた空間の隣に扉が現れた。

 

 

魔理沙「おいおい。まさか、あんたまでか?秘神摩多羅 隠岐奈様?」

 

 

 

隠岐奈「何だ、私を敬う気になったか?これは感心感心。」

 

 

そういって扉からでてきた能の衣装を着こんだ女性。彼女も幻想郷で賢者と呼ばれている秘神摩多羅 隠岐奈である。この二人をはじめとする幻想郷の賢者達はこの人間と妖怪の世界を創設、管理しているいわば管理人である。

 

紫は<境界を操る程度の能力>を隠岐奈は<あらゆるものの背中に扉を作る程度の能力>を持っており、幻想郷どころか外界にも自在に移動できるのだ。だが、二人とも胡散臭いオーラを放ち、大体異変の時は裏でこそこそやっているので、知り合いからはあまりいい印象を持たれていない。

 

 

 

霊夢「んで、かの幻想郷の賢者様達も聞きたがっている情報ってなんなのよ?魔理沙?」

 

 

 

紫「ちょっと霊夢。私たちはこれでスルー?それはちょっと薄情じゃない?」

 

 

隠岐奈「全くだ。私たちは普段、部下以外とはそんな話せないんだからちょっとぐらい世間話でもしようじゃないか」

 

 

そうグダグダ言う賢者達にとうとう霊夢は

 

霊夢「うっさい!このババアども!!!

 

 

 

 

………………言ってしまった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻り………気絶した弾は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「うっ。うーん……ここは……?」

 

弾は目を開けるとそこは病院の病室のようなところだった。弾はなぜここにいるのか確かめるため、気絶する前の記憶を思い出してみた。

 

 

 

弾「そうだ。確か妹紅と話してる途中、突然、地面が抜けて……落とし穴に落っこちたのか……オレ……」

 

???「あ!目が覚めましたか?ししょー!妹紅さ~ん!姫様~!彼の目が覚めました~!!」

 

 

そう叫んだのは、ウサギの耳を着けた少女だった。そう叫んだあと、ドタドタと誰かが走って来る音が聞こえる。その音はだんだん近くなり……ドアが開いた。

 

 

 

妹紅「よかった!目が覚めたみたいだな!」

 

 

???「待ちなさい!妹紅!!私は彼に用があるのよ!!」

 

 

???「コラ、廊下は走らない。あと、うどんげ、大声は禁止って言わなかったかしら?よほど新薬の実験台になりたいみたいね♥️」

 

 

 

入って来たのは、妹紅と十二単のようなドレスを着た黒髪の少女。そして、赤と青の服を着た銀髪の女性だった。その女性の言葉を聞いたうどんげと呼ばれたウサ耳少女はガタガタと震え始め、妹紅は黒髪の少女と何やら言い争いを始めていた。

 

 

 

弾「…………何、この状況…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「………なるほど。ここは西暦2019年の幻想郷という存在が否定された妖怪や神の駆け込み寺のような世界で、この建物は月から逃げたかぐや姫とあんた達が住むところで、オレが落ちた落とし穴はあんたの部下の妖怪が掘ったやつだったのか………」

 

 

 

あのあと、お互い自己紹介をし、永琳から幻想郷の説明をされた弾はこの世界について理解した。

 

 

 

永琳「ごめんなさいね。うちのバカが……それより、異世界に来たのに驚かないのね。」

 

弾「……前にも似たようなことを経験してね……さすがにリアルかぐや姫には驚いたけど………」

 

 

 

そういって、どこか遠い目をする弾に永琳達はどこか哀愁を感じとった。少し空気が重くなったので、話題を変えようと鈴仙は口を開いた。

 

 

 

鈴仙「そういえば、姫様は弾さんに何か用事があったのではないですか?」

 

 

 

輝夜「そうよ!あなた、妹紅を簡単に捻り潰したそうじゃない!ならこの私とバトルしなさい!!」

 

 

その言葉に弾は口を吊り上げ返事をしようとしたが、永琳のドクターストップの言葉がその返答を遮った。

 

 

永琳「姫様。まだ彼は怪我をしています。最低でも一晩は安静にしておかないと……」

 

 

輝夜「え~永琳のケチ~!!」

 

 

永琳「じたばた駄々をこねても無駄です!さあ、部屋に戻ってください。……うどんげ、ついて行きなさい。」

 

 

鈴仙「えええええええ~!!!私まだこの前の疲れが………」

 

 

永琳「そういえば、ここにまだ試してない薬が……」

 

 

鈴仙「いってきま~す!!!」

 

 

……哀れ、鈴仙……弾と妹紅は彼女に同情の目を向けた。そして、弾は輝夜達が部屋から出た後永琳と妹紅に尋ねる。彼としてはずうっと聞きたかったこと……新しいカードについてである。

 

 

弾「なあ、この世界のカードを使ってみたいんだ。余ってるカードとかあるか?」

 

 

永琳「あなたって……まあいいわそれで安静にしていられるなら…今、てゐにもって来させるわ。妹紅、カードの解説みたいなのを頼めるかしら?」

 

 

 

妹紅「ああ…でも、あたしはあまり知らないぜ…?」

 

 

 

永琳「いいのよ。最低限がわかれば、彼は勝手に知っていきそうだし。」

 

 

弾「ありがとう。……かぐや姫とのバトルに向けて、デッキ調整できるな……」

 

 

弾はそう言って、永琳や妹紅の心配をそっちのけに明日のバトルに心を踊らせていた。

 

 

 

永琳「……………さすがに私でもこれは治せないわ……」

 

 

 

 

 

 

 

次の朝………永遠亭 裏庭

 

 

弾と輝夜は約束どおり、バトルしようとしていた。近くには、永琳や妹紅 鈴仙もいる。

 

 

輝夜「さあ!!仕切り直して、バトルよ!!」

 

 

弾「ああ、新しいデッキ……早く試したい……!!」

 

 

 

弾 輝夜「「ゲート オープン!解放!!」」

 

 

 

 

第1ターン 弾はエリダヌス・ドラゴンを召喚してターンエンド。

第2ターン 輝夜は光の天使ダリエルを召喚。アタックはせず、ターンエンド。

 

第3ターン 弾はダンデラビットを召喚。召還時効果でコアを増やし、バーストをセットしてターンエンド

 

第4ターン 輝夜はバーストをセットし、ダリエルをもう一体レベル2で召喚。これでターンエンド。

 

第5ターン 弾は甲寅獣リボル・コレオンのアクセルを使用。

デッキから三枚オープンし、その中の神皇 十冠を持つカードと異魔神ブレイヴを一枚ずつ手札に加えられる。オープンされたのは、

 

 

黒翼竜バーン・クロウ ピクシス・リザード 六分儀の祠

 

 

よって、黒翼竜バーンクロウを手札に加え、ダンデラビットをレベル2にしてターンエンド。バトルは第6ターン。輝夜の番である。

 

 

鈴仙「弾さんは今みた限りでは赤と緑の混色デッキみたいですね。」

 

 

妹紅「ここまで見ると、弾の方が上手く立ち回っているように見えるが…永琳、どう思う?」

 

 

 

永琳「……姫様があのカードを引くのがいつかが問題ね……」

 

 

輝夜「ドローステップ……!フフっ、さあこれが私の出す新しい難題よ!!」

 

 

 

弾《!来るか、キースピリット!》

 

 

 

輝夜「舞踊れ!!黄色のエンターテイナー!!子の十二神皇マウチュー!!召喚!!!

 

 

フィールドが暗くなり、スポットライトが輝夜のフィールドを照らす。するとそこには、ピエロのような格好をして杖を持ったネズミのスピリットが現れ、綺麗にお辞儀した。

 

 

 

弾《十二神皇!?………ピスケガレオン達と似たような気を感じる……妹紅が昨日言っていたこの世界の12宮Xレアみたいなスピリットか……》

 

 

 

妹紅「今引いたのかよ……」

 

 

永琳「さて、あのスピリットが出たら……勝負は長引かないわね。」

 

 

輝夜「召喚時効果!封印!!ソウルコアを私のライフに!さらにダリエルをレベル2にアップ!!」

 

弾《!!封印!?ソウルコアをライフに置いた…確か、オレの変化したカードにも似たような効果をもっているのがあったな……やはり何か関係があるのだろうか?》

 

 

輝夜のソウルコアが輝きながらライフに吸収される。そして輝夜は手札のマジックに目をやった。

輝夜「さあ!!ショータイムよ!!アタックステップ!マウチューでアタック!!フラッシュタイミング!マジシャンズポーション!ダリエル達のチャージもいれてエリダヌスドラゴンのBPマイナス4000!!そして、ダリエル達の効果でライフを2つ増やす!さらに封印時効果!マウチューは回復!!」

 

 

 

輝夜のカードとダリエル達から黄色の光が輝き、エリダヌスの力を奪う。さらにダリエル達が杖を一振りすると輝夜のライフが2つ増加する。その後、ライフのソウルコアが光り、マウチューを包み込んだ。

 

 

 

弾《一回でBPダウン ライフ回復 スピリットの回復を同時に行うとは…》「ライフでうける!!」

 

 

……ずぅぅぅぅぅぅぅん……

 

 

マウチューが杖から光線を放ち、弾のライフを砕く。そして妹紅とのバトルで起こった体内の鳴動が起こった。

 

 

 

弾《ぐっはっ このバトルでもか……》

 

 

永琳《!!!今の気は……まさか………!!》

 

 

 

その力を感じ取っていた永琳は驚いた。弾がライフでうけた時に生まれた気の鳴動。それはあの力に似ている……いやそれそのものだった。

 

 

輝夜「さあ、もう一発!!マウチューで「ライフ減少により……バースト発動!」……え!?」

 

 

弾「秘剣二天一龍!BP5000以下のスピリットを二体破壊!そして、メイン効果もいれて3ドロー!」

 

 

赤い二つの斬撃がダリエル達を切り裂き、破壊する。弾はドローと破壊を両立できるバーストであるこのカードを採用していたのだ。

 

 

輝夜「……予定が狂ったけどちょうどいいわ!!スピリットの破壊によりバースト発動!!トラッシュに黄色のカードが三枚あるので、リザーブにコアを追加!さあ来なさい!私の化身!光の覇王!ルナアーク・カグヤ!!」

 

 

月から黄色のシンボルがゆっくりと降りてくる。そして砕けた後には手が羽で十二単を纏ったスピリットがいた。

 

 

輝夜「うふふ自分モチーフのスピリットがいるってすごく幸せ!!ターンエンドよ!!」

 

 

 

弾《相手のライフは残り8…今のうちに削る!》

「メインステップ!!バーストセット。ピクシスリザードをレベル2で召喚。エリダヌスをレベル2に。こんな綺麗なスピリットは久しぶりに見た。オレの親友が見れば、喜びそうだ…お礼に……こちらも見せよう!!!」

 

 

 

輝夜《……何か自分よりも綺麗って言われたみたいで腹立ってきた……いやいや!それはおいといて…向こうも何か出してくる?<こちらも>っていってたから、赤か緑の綺麗な鳥か龍でも出すのかしら?》

 

 

残念ながら、その予想は外れることになる。

 

弾「ピクシスの効果、並びにエリダヌスを疲労させこのスピリットのコストを2に!戦場に咲く美しき大天使!!!その微笑みで戦いに勝利をもたらせ!!!レベル2で咲き誇れ!!戦神乙女ヴィエルジェ!!!

 

弾の前に乙女座が描かれ、その星座からだんだんと姿が現れてくる。最初は手 次は足 体 髪 そして顔が現れその目を開いたその時、彼女の周りに花びらが舞始めた。これを見て、妹紅達は

 

鈴仙「………綺麗………」

 

 

妹紅「今度は乙女座か……にしてもやっぱり私の時と同じように混色デッキだったか…」

 

永琳「まさか……いつも輝夜を見ている私達も綺麗と思わせるなんて……これはもう綺麗で言い表せるのかしら……?」

 

 

 

いつも輝夜の美しさに慣れ親しんだ永遠亭のメンバーですらヴィエルジェの美しさに感動するばかりだった。しかし、一人例外がいる……

 

 

 

輝夜「…………………」

《ありのまま起こったことを話すわ……!私は鳥か龍が出てくると思っていた。でも実際でてきたのは美女だった。何言っているかわからないかもしれないけど、私が一番わからないわよ!!はぁ!!!?何あれ!!?黄色の天使!!?ううう嘘でしょ!!何あの容姿!!月の連中にもあんな綺麗なの私以外いなかったわよ!!?て言うか……彼女…私より胸…あるわね……もうちょい成長してから蓬莱の薬飲むべきだったわね………何か他の連中が私と初めてあった時あんな反応したのがわかった気がするわ……自分に自信がなくなっていく……アハハはハハハ…………わ~輝夜ちゃんは井の中の蛙とふれんずでした~あはハハハhhh……》

 

 

 

 

……姫様ご乱心である。一応、断っておくが、ヴィエルジェは金髪の西洋美女なのに対して輝夜は黒髪の大和撫子である。そもそも美しさのベクトルが違うと思うが、自分より美しい人物をみたことがなく、ましてや人とあまり関わらない輝夜は金髪自体新鮮だった。それにより、一瞬でSAN値チェックの時間に突入してしまったのだ。

 

 

弾「……なぁ 大丈夫か?」

 

 

さすがの弾も目の前で対戦相手が死んだ目でぶつぶつと呟き始めたので、心配し始める。しかし、輝夜は「かぜが~教え~てくれた~みらいのゆくえは~」と上の空状態である。弾もどうしようかと悩んでいると……

 

 

永琳「…………あまり使いたくないけど…はぁぁ……」

 

 

そう言うと永琳から何か光が上り、なんとバトルフィールドにいる輝夜の前に永琳が立体映像のように現れた。

 

 

 

弾 鈴仙 妹紅 「「「な!!!!?」」」

 

輝夜「わぁ~えーりんだぁ~。ねーnー、えーりん、うち yっぱr…」

 

 

そう言葉(言葉になっているかどうかは別にして)を続けようとした輝夜であったが永琳は顔に青筋を浮かべながら輝夜に手のひらを向けた。

 

 

 

 

永琳「真面目にやりなさい!!!

 

 

 

輝夜「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

その言葉と同時に永琳の手から波動が放たれる。それを浴びた輝夜は悲鳴を上げたが、少し時間が経って顔をバトルフィールドに戻すと…

 

 

 

輝夜「……あれ?私…確かあのスピリットを見て…あれ?そこから覚えてない……って永琳何でいるの!?」

 

 

 

弾《あれは……魔族の女王が使っていた力……?いや、彼女でもバトルフィールドにいる人物に何かする事はできなかったはず…》

 

 

永琳「あら、ごめんなさい。邪魔しちゃったかしら?失礼♥️」

 

 

そう言うと、バトルフィールドの映像の永琳は光の粒子になって消えていった。

 

 

 

弾「……続けていいか?」

 

 

輝夜「え、ええ……」

 

 

 

鈴仙「……し、師匠…さっきのはいったい…?」

 

 

永琳「うふふ。内緒♥️」

バトルフィールドの二人は気を取り直してバトルに戻る。バトルフィールド外では鈴仙がおそるおそる永琳に問いかけたが、軽く流されてしまった。

 

 

 

弾「ヴィエルジェの召喚時効果!ライフを一つ回復し、ルナアーク・カグヤを手札に戻す!」

 

 

 

ヴィエルジェが腕をかざすと、花びらがルナアーク・カグヤにまとわりつき手札に返す。

 

 

弾「エリダヌスのコアをダンデラビットにおいてレベル2に!アタックステップ!!ヴィエルジェでアタック!!」

 

輝夜「ライフ!」

 

 

ヴィエルジェが懐から杖を出して光線を放ち、ライフを砕く。

 

弾「さらにピクシスとダンデラビットでアタック!!」

 

 

輝夜「これもライフよ!!」

 

ピクシス・リザードとダンデラビットが突進し、輝夜のライフをさらに2つ砕いた。

 

 

 

弾「ターンエンド」

 

 

 

輝夜「やるわね。まさか、もうライフ差を戻すなんて。でもこのターンで決めるわ!メインステップ!来なさい!ルナアーク・カグヤ!!さらにマウチューをレベル2に!」

《手札にはまだマジシャンズポーションやイエローリカバーがある!!向こうのスピリットは疲労状態だからBPが低くても問題ない!!》

 

 

再びルナークカグヤがフィールドに現れる。輝夜は勝利を確信し、アタックステップに移る。

 

輝夜「アタックステップ!!マウチューでアタッって何コレ!!!?」

 

 

 

マウチューが走りだそうとした時、ヴィエルジェが微笑んだ。そうすると、マウチューの動きが止まってしまう。それはルナアーク・カグヤも同様であった。

 

 

 

弾「ヴィエルジェの効果だ。コスト2,3,5,7,11,13のスピリットはアタックできない。」

 

輝夜「……ターンエンド…」

《何?私の魅力よりあっちの方があるっての?》

 

 

……そうではない……そんな片翼の月の賢者の声が聞こえた気がするのは気のせいだろうか………?

 

 

 

弾「メインステップ!!手元からリボルコレオンを召喚!召喚時効果で手札の黒翼竜バーンクロウをノーコスト召喚!リボルコレオンと左ブレイヴ!ヴィエルジェと右ブレイヴだ!!」

 

 

弾のフィールドに二丁の拳銃を背中に着けた虎が現れ、砲弾を放つ。この弾丸が天に昇ると、空から紫のワイバーンのようなスピリットが降り立ち、リボルコレオンとヴィエルジェに力を与える。

 

すると、ヴィエルジェの体に変化が起こる。ピンクと白のドレスは黒と黄色になり、髪もほどけ漆黒に染まる。手足には紫のエネルギーが迸り、背中の翼も黒くなる。手に持っている杖は黒い鎌に変わり、目付きも鋭くなる。

 

輝夜《へぇ~さしずめ不老不死の私を狩りに来た死神ってところかしら?》

 

 

弾「アタックステップ!!ヴィエルジェでアタック!!バーンクロウの効果でルナアーク・カグヤのコアをリザーブに!!そして、メインアタック!!」

 

 

 

輝夜「あ!(;゜0゜)」

 

 

ヴィエルジェが鎌を振るい、ルナアーク・カグヤのコアを除去する。ルナアーク・カグヤはコアが一つしかのっていなかったので、消滅する。

 

 

輝夜「マウチューでブロック!!」

 

 

マウチューが杖から光の弾幕を放つ。ヴィエルジェも周りの花びらを放ち相殺する。そして、手に持った鎌で切りつけていくがマウチューはすばしっこく走り回りかわしていく。ヴィエルジェは追うのをやめ、目を閉じて意識を集中する。

 

すると、彼女の髪がまるで意思を持っているかのごとく動きはじめ、マウチューを拘束した!マウチューはそのまま光線を放とうとするがヴィエルジェはさせじとマウチューを地面に叩きつけ一閃!!マウチューを切り裂いた!!!

 

 

弾「さらに、ピクシスリザード、エリダヌスドラゴン 、ダンデラビットそして、リボルコレオンでフルアタック!!これで終わりだ!!」

 

 

輝夜「……フフフッ あなたお強いのね。まさか私の難題をクリアするなんて……ライフよ!!」

 

 

 

弾のスピリットが一斉に攻撃し、輝夜のライフを全て砕ききった。

 

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「あ~楽しかった!どうする?私の難題をクリアしたから、結婚でもする?」

 

 

 

弾「勘弁してくれ…………あいつに悪い…………」

 

 

バトルが終わったあと、縁側に腰掛け話す二人。そこに、永琳がお茶をもって現れた。弾と輝夜はお礼を言って受けとる。すると、永琳は口を開いた。

 

永琳「弾さん。一応、怪我の様子を診たいので、少し診察室に来てくれますか?」

 

 

弾「ああ、オレも少し気になることが……」

 

 

 

輝夜「ちょっと!!永琳!!何?まさか弾のことを私に手をだそうとする不埒者だと思ってんの?」

 

 

 

その輝夜の言葉を永琳は無視した。そして、後ろでギャーギャー言っている輝夜を尻目に弾を診察室へ案内する。その目付きは紛れもなく、月の賢者時代の彼女の本気の目であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

タイトルのもう一つの12宮は十二神皇のことでした。英語で干支のことをチャイニーズゾディアックと呼ぶことを知り、このようなタイトルになりました。

姫様ご乱心でありまする!…いやぁヴィエルジェを輝夜とのバトルで出すことは決めていましたが妄想が進んでこんなキャラ崩壊になりました。あと、えーりん……万能!!もう予想できてる方もいるかもしれませんが、えーりんの力は次回明らかになります。



一応、しばらく弾さんのバトルでは一バトルにつき、一体の12宮が主役を張ることとなります。もちろん、東方キャラのバトルも書く予定です。………書くの頑張ろう………

あと、幻想郷の賢者の隠岐奈さんも登場。自分としては好きなキャラですが、二次創作で出てくる作品がほとんどないので、私は出す!!もちろんバトルもさせます。


次回 八意の診断。世界の理と永琳の正体。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

八意の診断。世界の理と永琳の正体。

注意!!今回は完全に作者の考えた二次設定、解釈が登場します。

タイトル通り、とうとうえーりんの正体が明かされます。早いかもしれませんがここで明かさないと、とあるカードが使えないので……

あと、今回バトルはないです……あと短いです。なので、各々の事情を書く回になります。


あらすじ 気絶した弾は永遠亭に運ばれ、治療を受けていた。そこでこの世界が幻想郷というところだと知った弾は永遠亭の主かぐや姫その人とバトルし、勝利する。その後、弾は永琳に検査と称して連れていかれ……


一方その頃……幻想郷 上空では………

 

 

魔理沙「あ~~し、死ぬかと思った……」

 

霊夢「ふん!何よ図星だからって切れちゃって……そして、聞くだけ聞いたらどっかいっちゃうし……全く何で賢者ッてのはこうなのよ………!!」

 

 

隠岐奈「あはははは!!あいつのあ~んな顔久しぶりに見たぞ!あはははは!!あ~腹痛い!」

 

 

あの後ぶちギレた二人(ほとんど紫で、隠岐奈は悪乗りしただけだったが)にお仕置きを食らい、さっさと情報をはいた魔理沙だったが、それを聞くや否や紫は真剣な顔つきでスキマを開きどこかに消えてしまった。

 

霊夢「んで、あたし達にどこにいけっての?」

 

 

そう尋ねられた隠岐奈はけらけらしながら答える。

 

 

隠岐奈「な~に、そんな難しいことじゃない。この異変の元凶を炙り出すだけさ。」

 

 

 

魔理沙「それって、私が仕入れてきた情報のやつか?」

 

 

隠岐奈「ま、そういうことだな。あと、その前にあってほしい奴らがいる。」

 

 

霊夢「……いったいどこのどいつよ……」

 

 

めんどくさそうな霊夢に隠岐奈は真剣な顔つきになり言う。その顔はまさに賢者(胡散臭い訳ではない)の顔つきだった。

隠岐奈「……ついこの間、月を侵略した2人だ。無名の存在と地獄の女神…そいつらを……味方につける……」

 

 

霊夢 魔理沙「!!!!」

 

 

その言葉に二人は反応する。少し前、月の都が攻め込まれる事件が勃発し、幻想郷にも飛び火がとんだ異変の首謀者とあって話せと言われたら、さすがの二人も疑問が沸いてくる。

 

霊夢「……何でそいつらの協力が必要なのよ……」

 

 

隠岐奈「…簡単にいえば……保険の意味合いが強い。奴を…異変の首謀者を倒すには凄腕のカードバトラーが必要だ。」

 

 

隠岐奈の言葉に矛盾点がないので、二人は黙って聞いていた。

 

 

隠岐奈「今、幻想郷最強は紫、次点で私と閻魔、四季のフラワーマスターそして冥界の亡霊姫の四天王。だがやつは強い。それだけははっきりしている。だから、お前達を初めとした異変解決者達に奥の手を貸しているのと同様に、バトスピの腕では私達四天王と互角のあの二人にも協力させるってわけさ。」

 

 

魔理沙「お前達賢者がそんなにビビるほど強いのかよ……この異変の元凶の……………

 

 

 

 

 

馬神 弾ってやつは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭 診察室

 

 

永琳「さぁ、そこに座って。」

 

 

そう言われた弾は言われた通り椅子に座る。だが何か違和感を感じていた。それは、永琳が最初にあったときの目付きと明らかに違う目をしていたからである。弾は思いきって尋ねた。

 

 

弾「…………何か話があるんだろう?だから、オレをここに連れてきた……そうだろう?」

 

 

永琳「…………ええ……聞きたいことが山ほど……」

 

 

そう言って永琳は弾の前に座る。目付きは鷹のように鋭い。

 

 

永琳「まず最初に…あなた、どうやってこの世界に来たの?最初は普通の幻想入りだと思ったけど…それなら結界の境目の博麗神社か無縁塚にいるはずだし…あのカードを持っているのも気になるのよね……」

 

 

そう聞かれた弾は未来で起きたことを話始めた。魔族のこと。地球リセットのことなどを話したが…

 

 

弾「その危機を回避するため、12宮Xレアの力で極点にある神々の砲台を使ってオレが引き金n「神々の砲台!!?引き金!!?まさか……あれを使ったの!!!?」……え!?知っているのか!?」

 

 

永琳《……そう……なら大体の説明はつく………》

 

「……ええ知っているわ……なんせ……

 

 

 

あれは私が作ったのだから

 

 

弾「!!!!!?」

 

 

 

永琳の言葉に驚愕する弾。それを見て永琳は話を続ける。

 

永琳「私が月で地位があったことは昨日話したわよね?それは、月の民がまだ地球にいた頃、私が月の都を作ったから……でもその当時の地球はまだ人が十分住める環境ではなかった。それを打開するため私はとある装置を作った。それが神々の砲台よ。

 

……まあ、使ったのは一回で、使ったのも、高天ヶ原の神々の力だから、少し違うんだけどね……でもそれには大きなデメリットがあった。それは……あなたが経験したことよ……

 

…神々の砲台は地球の核の中にある設計図のようなものを強引に書き換える装置……引き金に選ばれた者はそれ相応の反動と犠牲を負う。それは…何が起こるかわからないということよ……なんせ地球の設計図を書き換えるんだから、その最中に何らかのバグが起きてもおかしくないからね……私も体がおかしくなったわ……」

 

永琳の言葉を驚いた表情で見ていた弾だったが永琳の私もと言う言葉に飛び付いた。

 

 

弾「!ちょっと待ってくれ!その口調だとあんたも引き金に!?」

 

 

その言葉に一瞬、悲しみの表情を見せた永琳だがすぐ気を取り直して答えた

 

 

永琳「…………ええ…なんせ設計者なのだから私がやるのはある意味理にかなってない?」

 

 

その言葉に少し悲しみを感じた弾だったが、それ以上に聞きたいことがあった。

 

 

弾「……オレからも知りたいことがある。オレの体……一体どうなっているんだ?昨日から何か体がおかしいんだ……もしかしたら、何かわからないか?」

 

 

永琳「……たぶん……時間移動や幻想入り、カードの変化はバグで起きたことよ……そして、あなたの体の異変は私と同じ……何らかの衝撃をうけると、体の奥底から何か沸き上がって来る……そんな感覚でしょ……?」

 

 

弾が感じたことを的確に当ててくる永琳。弾は一息おいて尋ねた。

 

 

弾「………オレはどうなったんだ?……もしあんたと同じ存在になったのなら、あんたは一体何なんだ……?」

 

 

その言葉に目を瞑ったあと、永琳は言った。

 

 

永琳「私は、いえ、私とあなたは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

創界神(グランウォーカー)よ………」




はい、ありがとうございました。


……まさかの創界神えーりん………驚いた人も多いと思います。(多いと信じたい)一応、東方を知らない人に説明致しますと、えーりんのモデルになったのは天照大神が天岩戸に隠れた有名な話で、「こうしたら出て来るんじゃね?」と提案した八意思兼(ヤゴコロオモイカネ)という知恵の神なので、強ち創界神でもおかしくないんですよね……もうすぐ、新弾でアマハラの創界神が来ると知ったのもこの設定を考えるきっかけのひとつになりました。



さらに神々の砲台を作ったのもえーりん…でも何故か疑問がでて来ない。なんせあれは古代人の遺物という原作設定なので、何億年も前に地球にいた月の民が作ったとしても何ら問題はない…そう思いこの設定を付け足しました。


そして、東方主人公サイド……弾さんこっちでもこんなことになるのか…(書いたお前が何いってんだ)あと、四天王の人選は自分の好みです(笑)

あと、裏設定として輝夜のマウチューは最初は鈴仙に与えられたが、デッキ相性&立場&蓬莱人としてのメリットのせいで輝夜に渡ったことになっています。……哀れ鈴仙……



次回予告 主人公出陣!!博麗の巫女の実力!!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

主人公出陣!!博麗の巫女の実力!!

筆が進みすぎる……そのせいで他に支障が出ないか心配な今日この頃…


ようやく、東方主人公のバトルが書ける!!一応、前回隠岐奈様が言っていた通り、東方の原作での異変解決者の面子の何人かに十二神皇を配っております。ちなみに鈴仙を除いて6人です。さぁ誰でしょ~う?(もう二人バレバレだけど)


あらすじ 永琳からとんでもない真実を聞いた弾。彼女に自分達は創界神だと言われる。一方その頃、弾を異変の元凶だと勘違いしている霊夢たちは……


ここは……仙界の外れ

 

 

 

 

 

魔理沙「とうちゃ~く!あれ?隠岐奈は?」

 

 

 

 

 

霊夢「何か、やつを炙り出すための仕掛けを仕込みにいくそうよ。…やっぱり賢者は賢者だったわね……」

 

 

 

 

二人はそう言って、仙界(幻想郷にある別の異空間。住んでいるのは、ほとんど仙人)のとある家の前に降り立つ。そうすると、家のドアが開いて、中から昔の偉い中国人が着ていそうな服を着た女性と、今時のチャラい格好をして地球 月 異界を表す球を鎖で繋いでいる少女が出てくる。

 

 

 

 

 

???「なんだ、お前達か……ふふふ、もし嫦娥だったら、どれほどよかったか……!!」

 

 

 

 

???「じゅ~んこ~。戻ってきなさ~い。それで私達に何の用?私達はあれ以来異変はおこしてないわよん?」

 

 

 

この二人こそ、隠岐奈が言っていた無名の存在純狐と変なTシャツヤ「なんですって?」……3つの世界に体を持つ女神ヘカーティア ラピスラズリである。彼女らがそう言うと

 

 

 

 

 

霊夢「違うわよ。今回の異変の元凶がモノすんごい強いカードバトラーらしいからあんた達も手貸しなさい。」

 

 

 

魔理沙「もしかしたら、バトルできるかも知れないぜ?何せ、紫や隠岐奈がビビるぐらいのやつらしいからな。」

 

 

つっけんどんに言う霊夢と合理的に説得する魔理沙。二人の性格の正反対さが強く浮き出ている。

 

 

 

純狐「へぇ、それは興味あるわね。うどんちゃんはそんなに強くないし、ヘカとのバトルも飽きてきたから渡りに船ね……私はいいけど…どうする?」

 

 

 

 

ヘカ「私もいいわよん?あと純狐その呼び名はやめて。」

 

 

 

 

霊夢「ふーん。素直なのね。面倒くさくならなくてよか「ちょっと待った!!」……ちっ」

 

 

 

 

 

霊夢達の提案に賛同する二人。その間に割って入ってきた声。その正体は……

 

???「二人を連れていきたければ、あたいを倒していけ!!」

 

 

 

ピエロのような格好をした地獄の妖精にしてヘカーティアの部下クラウンピースだった。

 

 

 

 

 

霊夢「あ~あ。あとちょっとで楽に終わったのに…」

 

 

 

魔理沙「まぁいつもこんな感じだろ?よ~しお前なんぞこの魔理沙様が……」

 

 

 

 

はぁとため息をつく霊夢とバトルする気満々の魔理沙。しかし……

 

 

 

 

ヘカーティア「…クラウンピース。霊夢とバトルしなさい。」

 

霊夢 魔理沙「「はぁ!!?何でよ!!」だぜ!!?」

 

 

 

ヘカーティアの突然の言葉にきれいにハモる二人。

 

 

 

 

 

純狐「私も賛成ね。魔理沙とはよくケンカを売ってくるから、バトルしたことはあるけど、霊夢のは見たことないわね……実に興味あるわ……」

 

 

 

 

 

 

霊夢「私はイヤよ!そんな興味だけのためにめんどくさいことしたくないわ!」

 

 

 

 

ヘカーティア「あら、なら私達とやる?まだクラウンピースのほうが勝ち目はあると思うけど?」

 

 

 

 

 

霊夢「うぐっ………わかったわよ!やればいいんでしょ!やれば!!その代わり勝ったら、協力しなさいよね!魔理沙!退きなさい!!私は今、無性に腹が立っているのよ!!」

 

 

 

 

魔理沙「お、おう。わかったぜ………」

 

 

 

 

霊夢の気合いの前にさすがにでしゃばることはできなかったのか、魔理沙はしぶしぶ引き下がる。

 

 

 

 

ピース「よ~し!博麗の巫女!あの時の借りをここで返してやる!」

 

 

 

 

 

 

霊夢 ピース「「ゲートオープン! 界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘカーティア「……さぁ見せてみなさい。博麗神社に祭られている十二の皇の力を……まぁ、うちの十二の宮のほうがすごいけどね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 霊夢はコレオンと十二神皇の社をレベル2で配置。

 

 

第2ターン クラウンピースはニジノコを二体召喚。そして、バーストをセットしターンエンド。

 

 

 

第3ターン 霊夢は甲獣キャノンピューマをレベル2で召喚。そして、バーストセット。キャノンピューマでアタックし効果でワンドロー。さらにクラウンピースのライフをひとつ砕いた。ここでターンエンド。

 

 

 

第4ターン クラウンピースはマジック マジックブックを使い、手札のイエローサン ウィングブーツ を手元に置き、二枚ドロー。さらに、ニジノコ一体でアタックし、霊夢はライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第5ターンに突入した。

 

 

霊夢「メインステップ。十二神皇の社をもう一つ配置。さらに、庚獣竜ドラリオンを召喚!召喚時効果でニジノコを破壊!さらに炎魔神をノーコストでドラリオンと左合体するように直接合体よ!!」

 

 

 

 

フィールドに茶色い角がついたドラゴンが現れ口から炎を吹いてニジノコ達を破壊した。その炎が円の形を描き、炎魔神が現れドラリオンに手をかざし赤いエネルギーを繋げる。

 

 

 

ピース「げげ!マズイ!!

 

 

 

 

……な~んて言うと思った?召喚時効果発揮によりバースト発動!!グラウンドブレイク!!相手のBP5000以下のスピリット二体とネクサスひとつを破壊!!さらにフラッシュ効果で炎魔神を破壊!!」

 

 

 

 

地面から炎が吹き上がり、キャノンピューマとコレオン、さらに十二神皇の社のひとつが巻き込まれる。さらに炎が炎魔神に直撃し破壊した。

 

 

 

 

 

霊夢「え!ウソ!!」

 

 

 

 

ピース「直接合体したのが仇になったな!で、ど~するの?まだ何かある?」

 

 

 

 

霊夢「………ターンエンド……」

 

 

 

 

さすがにブロッカーを残すため霊夢はターンエンドするしかなかった。

 

 

 

 

ここまでのバトルを見ていた三人は……

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「おいおい。ヤバイぜ!流れは完全に霊夢だったのに……」

 

 

純狐「それが一瞬でひっくり返るのがバトスピでしょう。でも、過大評価だったかしら?こんな手に引っ掛かるなんて……」

 

 

 

ヘカーティア「待ちなさい、純狐。今まで、黄色使いだと思っていたクラウンピースのセットしてあるバーストがあれだって読みきれるのは覚妖怪かもんのすごい腕のあるカードバトラー以外にいないわよ。」

 

 

 

 

各々反応を見せるが、やはり霊夢が厳しいという意見に反論はないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

ピース「あたいのターン!!さぁ~てこっから本気出していこうか!!メインステップ!!クダギツネ召喚!そして、 召喚!!魔術操る黄色の蛇!!魔導女王アンブロシウス!!」

 

 

地面から光がのぼり、蛇が沸きだしてくる。その中央に紫のローブを着た魔女のようなスピリットが現れる。

 

 

 

 

 

 

霊夢「うげげ!」

 

 

 

 

 

魔理沙「やっべえ!キースピリットだ!!てかあいつこんなに強かったか!!?」

 

 

 

 

純狐「いつも私達と特訓しているからね。そんじょそこらのやつには負けないわ。」

 

 

 

 

 

ヘカーティア「それは、どうかしらねぇ……?」

 

 

 

 

 

純狐の言葉をヘカーティアはすぐに否定した。すると、純狐は驚いた顔をして聞いた。

 

 

 

純狐「………どういうことだ?」

 

 

 

 

ヘカーティア「あの子…ちょっと調子乗っているからから。たぶん……やらかすわね……」

 

 

 

その目付きは確かに女神の顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「アタックステップ!アンブロシウスでアタック!!」

 

 

 

黄色の太陽から放たれる光がドラリオンの照らし、破壊する。そして、その光はアンブロシウスにも降り注ぎ、また起き上がらせる。

 

 

 

霊夢「ライフよ!」

 

 

アンブロシウスが蛇を霊夢に向け叩きつける。

 

 

ピース「なはははは!!手も足もでないかい!?次のターンで終わりだよ!!」

 

 

 

そう言ってクラウンピースは霊夢を見たが……

 

 

 

 

霊夢「………はぁ、妖精が知恵つけても、所詮妖精は妖精か……ライフで受けてバースト発動!ダイナバースト!!その蛇姫を破壊しなさい!!そしてメインの効果で二枚ドロー!!」

 

 

 

 

アンブロシウスが攻撃してライフを砕いた後、炎がアンブロシウスに直撃して焼き付くした!

 

 

 

 

ピース「あ……ターンエンド…」

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ドローステップ……!…はぁやっとそろったわ。さて、このターンで決めますか。メインステップ!!コレオンを召喚!そして来なさい!赤き砲台!妖怪どもをぶち抜きなさい!寅の十二神皇 リボルティーガ!!そして、もう一体!赤き炎槍!!私の道を切り開け!!午の十二神皇エグゼシード!!コレオンと十二神皇の社の効果でコストマイナス2で召喚!!」

 

 

 

 

 

霊夢の後ろで爆発が起こり、そこから一体の寅と午が走ってくる。そして、フィールドに降り立つと、二体は同時に雄叫びをあげた。

 

 

 

 

 

 

ピース「……本気でヤベイ…」

 

 

 

魔理沙「来た!!霊夢の双璧の十二神皇!!」

 

 

純狐「へぇ~これが十二神皇……カードなのに霊力を纏った存在……純化させたらどうなるのかしら?」

 

 

 

 

ヘカーティア「やめなさい。その実験は……」

《うちの牛と馬はもっと凄い霊力…イヤ神力持ってんだけどね…》

 

 

 

 

霊夢「アタックステップ!リボルティーガでアタック!!アタック時効果封印発揮!!ソウルコアをライフに!!」

 

 

 

 

リボルティーガから霊夢のライフにソウルコアが移動する。

 

 

 

 

霊夢「リボルティーガの効果!砲撃!二枚デッキからオープン!!その中の系統 神皇 十冠 のスピリット一枚につき、ライフをぶっ飛ばす!カードはドラリオンとダイナバースト!よってライフをひとつもらうわ!さらにエグゼシードの効果!走破!クダギツネに指定アタック!!」

 

リボルティーガの砲台に弾が装填され、クラウンピースのライフめがけ放たれる。さらに、クダギツネに向かって炎の道が生まれ、逃げ場を封じる。リボルティーガはあっさりとクダギツネを吹っ飛ばした。

 

 

霊夢「走破の効果でライフをひとつ砕く!さらにエグゼシードでアタック!!これで終わりよ!!!」

 

 

リボルティーガが前足でライフを叩き割ったあとエグゼシードが突撃していく。

 

 

 

 

 

ピース「ちっきしょ~!!あと少しだったのに~!!」

 

エグゼシードがその角を突き立てた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース「おっぼえってろ~!!!!」

 

 

霊夢「ええいいわよ………お賽銭入れてくれたらね…」

 

 

 

そう言って、逃げていくクラウンピースを見て霊夢はそう吐き捨てる。

 

 

 

 

魔理沙「まぁ、これで結果オーライだな!これでお二人さんは協力してくれるんだよな?」

 

 

 

 

純狐「ええ。あの賢者たちも恐れる存在……ふふふうまく嫦蛾の懐に潜り込ませられないか……」

 

 

 

 

ヘカーティア「じゅんこ~幻想郷にいる時はその事は頭から出しておきなさ~い。まぁ私も暇潰しぐらいにはなりそうだしね~」

 

 

 

 

そう言って、二人とも快く?引き受けてくれた。

 

 

 

 

 

霊夢「そう、なら、一週間後の夕方にうちで会議があるわ。…まぁ会議に乗じて、他のやつとバトルするやつもいるけど、基本、今回の異変解決への計画を紫が説明する予定らしいから。その時詳しいことは話すわ。」

 

 

 

 

純狐「わかったわ。じゃその時までデッキ調整でもしているわ。」

 

 

 

 

ヘカーティア「楽しみねぇ。四天王とやらはどれほどなのかしら?」

 

 

 

 

 

………絶対バトルする(やらかす)気だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「さて!これからどーする?」

 

 

 

霊夢「もういいわよ。頼まれたことはやったし、あ~もう何もやりたくない…」

 

 

 

 

そう言ってふわふわと浮き上がった霊夢とまだまだ十分元気な魔理沙。この二人を影から見ているモノたちがいた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキマ内部 八雲邸 客間

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「…どうやら霊夢はうまくやったみたいね…」

 

 

 

 

???「あら、こんなモノのために私達は召集されたの?もしそうだったらその頭吹っ飛ばして、肥料に混ぜるわよ?」

 

 

 

 

 

 

???「そんなわけではないでしょう。あなたは少し我慢と言うものを覚えるべきです。そう、あなたは少し欲望が強すぎる。」

 

 

 

 

???「あーあーあーまたお説教がは~じま~る~。」

 

 

 

 

 

 

 

???「紫様、命蓮寺の聖 白蓮から連絡です。少し前から、迷いの竹林の方でなにやら気の乱れを感じるだそうです。」

 

 

 

 

 

紫「そのまま何もなければ、放っておきなさい。あと、人里の座敷わらし達からは何かあったかしら?」

 

 

 

 

 

???「いえ、今のところ人妖のバランスを崩そうとするものはおりません。」

 

 

 

 

 

 

紫「そう、ならこれまでと同じように外の世界で彼のデータを集めて。」

 

 

 

 

 

???「はっ」

 

 

 

 

 

 

紫「…さて…皆さん集まってくれてどうもありがとうございます。まだ隠岐奈が来ていませんが……始めましょう。まずはこの会議の本題………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬神弾殲滅計画について……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、ありがとうございました。

弾さん出番0!すいません、でもそろそろ東方感を出さないといけないなぁと思った次第でして……皆弾さんの殺られ役ってのもね……


そして、今回はなにやら紫達が密会しておりましたが、雲行きが怪しくなってきそうです……ヘカーティアのまるで十二宮を知っているような口ぶりも気になるところです……まぁそれはいずれ………


あと、クラウンピースのキースピリットはとても悩みました。彼女にピッタシなのはジェミナイズなのですが、設定上無理なので、クレオパトラスにしようとしましたが、また覇王系はなぁと思いまたもや没、最終的にアンブロシウスに落ち着きました。アンブロシウスはパッチェさんのほうが似合うと思いますが、話の流れ上バトルしなさそうなので………



次回予告 創界神の目覚め。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

創界神の目覚め

梅雨に入りました。じめじめしていますが、もうすぐあいつのデッキの発売&ブレイヴ再放送によって私の心は燃え上がっておりま~す!!


さぁ今回!弾さん覚醒!!そして、シリアス! 何か弾さんがえーりん化していくような……




あらすじ 見事、クラウンピースを倒し二人を異変解決に協力させることに成功した霊夢と魔理沙。一方、紫はなにやら人を集め、物騒なことを話し始め………




永遠亭

 

 

 

 

弾「創界神?」

 

 

永琳「ええ、分かりやすく言うなら、世界を創れる神様よ。」

 

 

弾「……オレが……神?」

 

 

永琳の言葉に動揺を隠せない弾。さらに永琳は続ける。

 

 

永琳「創界神は神々の中でも特に力を持っている者にしか名乗れない。幻想郷にしかいられない、秋の神や厄神、守矢神社の神々とは格が違いすぎる。言うなれば、2コストスピリットと8コストスピリットの違いぐらいよ。

 

私が他に会ったことのある創界神はアマテラスにスサノヲ、ツクヨミぐらいね。だけど、あなたはまだ創界神とは言えない。まだその力を使えてないから衝撃を受けると神力が漏れる。でも、あなたの体の違和感は神力が増していっているから、いつかは今言った三人と同じ力をだせるようになるでしょうね。

 

そうなれば…幻想郷で相手になるのは……私を入れて二人ね。あとの連中は軽く捻り潰せるようになるでしょう……リアルファイトでも……」

 

 

 

弾「……もしオレの力が暴走したら……?」

 

 

 

 

永琳「100%幻想郷は滅ぶでしょうね。私ともう一人、ヘカーティア・ラピスラズリっていう創界神クラスの女神があなた自体だけなら押さえ込める。でも、幻想郷を守れるほどの余裕はないと思うわ……」

 

 

重々しくしかし、はっきりと言い切った永琳の言葉に弾は何も答えられなかった。すると永琳は……

 

 

永琳「その力をコントロールする方法ならあるわよ。」

 

 

弾「!!本当なのか!?」

 

 

 

永琳「強大な力を持つ創界神は必ず自分の力を分散させる術を持っている。ひとつは、自分の力を好きなものに力をこめること……私は弓にこめてるわ。

 

もう一つは……化神を生み出すこと。いわば、分身のようなものよ。私は創ってないけど…あなたなら、カードに気をこめてみたらどうかしら?私達の気の使い方はイメージよ。それで事象を操るの。」

 

 

 

そういわれた弾はカードを二枚取り出した。それに自分の力を流し込むようなイメージをうかべる。すると………

 

 

 

弾「できた………オレの分身……」

 

 

 

普通のカードが自分と同じ力を感じるものに変わっていた。それを見て永琳は顔を緩ませて感心する。

 

 

 

永琳「パワーも精度もまだまだだけど、初めてにしては上出来ね。筋が良い方よ」

 

 

 

弾「……なぁ、オレからも少し話したいことがある。バトルしてくれるか?」

 

 

 

永琳「…話すためにバトル?」

 

 

 

弾の言葉に首を傾げる永琳

 

 

弾「バトルには人がでる。隠しても隠しきれないものが。それにあそこは何かバトル以外のことを忘れさせてくれる気がするんだ。だから、変なしがらみも何も気にせず話せる場所だとオレは思っている。」

 

 

 

永琳「……そう…最近やってなかったしたまにはいいかしら……言っておくけど……私強いわよ?」

 

 

弾「フッ、ならなおさらやる気になったよ。」

 

 

 

弾 永琳「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 永琳は超時空重力炉をレベル2で配置してバーストセット。

 

第2ターン 弾は己械獣士ブロッケイド・タイガーを召喚。そのままアタックし、永琳はライフで受けてバースト発動。氷の覇王ミブロック・バラガンを召喚した。

 

第3ターン 永琳は要塞虫ラルバを召喚。コアを増やしバラガンをレベル2にしてバーストセット。アタックはせずターンエンド。バトルは第4ターンに差し掛かろうとしていた時、弾は静かに尋ねた。

 

 

弾「……さっきあんたは作ったやつが実証するのが理にかなっているっていったよな?……本当にそう思っているのか?」

 

 

 

永琳「…………ええ………」

 

 

 

弾「いや、その思考は理にかなっているとは言えない。なぜなら、あんな世界の理を書き換えれる装置を作れるあんたを何がおこるかわからない引き金には普通させない。安全なところでなんらかのトラブルに備えているのが合理的だ。」

 

 

 

永琳は静かに聞いている。その顔は恐ろしいほど無表情だったが、弾は気にせずに話し続ける。

 

 

 

弾「つまりあんたは……もしかしたら……あまり月の連中からいい印象を持たれていなかったんじゃないか?だから、引き金に、生け贄にさせられた。そして、その副作用で創界神になったあと、その連中が手のひらを返すがごとく近づいてきて……」

 

 

永琳「待って!!どうしてそこまで……」

 

 

 

まるで永琳の過去を直視しているかのように話す弾に永琳は驚き、少し恐怖を抱きながら聞いた。その問いに弾はサッと目を伏せるとターンを進ませる。

 

 

 

弾「……オレにもそんな経験があるからだ。ドローステップ。…!!試してみるか……メインステップ!オレ馬神 弾を配置する!!」

 

 

 

そのカードを掲げた弾の体から神力があふれでる。そのオーラを肌で感じとりながら永琳は舌を巻く。

 

 

 

永琳《!!ネクサス!?……なるほど、力を貸して、自分は滅多に戦わない。創界神にはぴったりね。》

 

 

 

 

弾「オレの効果!デッキから三枚トラッシュへ!その中の系統神星 光導 星魂 界渡かつコスト3以上のスピリット、またはブレイヴの数だけ神託(コアチャージ)! 」

 

 

 

弾のデッキから三枚カードが落ちる。そのカードは

 

エリダヌス・ドラゴン 絶甲氷盾 幻魔神

 

 

 

弾「よってオレに2つコアを置く。オレの上のコアは創界神対象の効果以外では取り除けない。さらに砲凰竜フェニック・キャノンを召喚!!そして、神託(コアチャージ)!召喚時効果でラルバと超時空重力炉を破壊!!ブロッケイド・タイガーと合体!!」

 

 

 

弾のフィールドにフェニックスのようなスピリットが現れ、ネクサスとラルバに向けて火球を放ち破壊する。そして、赤い光がブロッケイド・タイガーにつながる。

 

 

 

 

 

永琳「…相手によってスピリットが破壊されたので、バースト発動!魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー!ラルバは白のスピリットとしても扱うので、このまま召還!レベル2!さらにバラガンの効果でバーストセット!」

 

 

永琳のフィールドにもう一体の機械の体をした剣士が現れる。

 

 

 

弾「やるな……!!バーストをセットしてターンエンド。」

 

 

永琳「ブレイヴァーの効果発揮。相手が一度もアタックしなかったので、ライフをひとつ削るわ。」

 

 

 

弾が一度もアタックをしなかったことにより、ブレイヴァーの胸から光線が伸びて弾のライフを破壊した。その時、弾はさっきまでとの違いを感じとる。

 

 

弾《!!違和感が少ない!!そうか……カードに力を分けたからか…》

 

 

永琳《うまく神力を分散できた見たいね…にしてもさっきの自分も経験があるって……この子も……?》

「…さて……次ぐらいか……メインステップ!白き盾!穢れに染まるその鎧!!召喚!月光神龍ルナテック・ストライクヴルム!!」

 

 

永琳のカードから光が月へに届き、そこから機械の竜が咆哮しながらバトルフィールドに降り立つ。その姿は弾に未来での友を思い出させた

 

 

弾《!!バローネのルナテック!!……フフッ!また会えるなんて…!》

 

 

永琳「…ターンエンド。」

 

 

弾「どうした?来ないのか?」

 

 

永琳「安心しなさい。もうすぐ準備できるから……」

 

 

そう妖しく微笑む永琳に弾は笑ってこう答える。

 

 

 

弾「悪いが、オレは待つのが得意じゃなくてね…こっちからいくタイプなんだ。メインステップ!ダンデラビットを召喚!コアブースト!それによりオレにコアをおきレベル2に!」

 

 

 

永琳「召喚時効果発揮によりバースト発動!双翼乱舞!二枚ドローよ」

 

 

 

弾の展開にあわせてうまくバーストを発動した永琳。だが、弾は怯まず続ける。

 

 

弾「ブロッケイド・タイガーをレベル3にしてアタックステップ!!合体アタック!!」

 

 

永琳「ライフで受ける!」

 

 

ブロッケイドタイガーが永琳に向かって駆け出し、永琳のライフを2つ砕いた。

 

 

弾「オレのレベル2効果!神域(グランフィールド)!合体スピリットのバトル終了時、ライフをひとつ砕く!」

 

 

 

さらに弾が腕をかざし、波動のようなものを放つと、永琳のライフがさらに弾けとんだ。

 

 

 

永琳「ツッッ……!!フフッ初めて使っているのにここまでとはね……」

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

永琳「さて!コアも貯まったことだし、いきますか!メインステップ!ルナテックをレベル3にバラガンをレベル2に。召喚!全魔神!ルナテックに左合体!ブレイヴァーに右合体!」

 

 

フィールドに六色のエネルギーをまとった異魔神が現れ、ルナテックとブレイヴァーに力を注ぐ。するとルナテックの鎧が六色に光輝きだした。

 

 

 

弾《重装甲 可変か!しかも六色だからこちらの効果は一切効かない…成る程ね……》

 

 

 

永琳「アタックステップ。ルナテックでアタック!左合体効果でダンデラビットをデッキの上に戻してワンドロー!」

 

 

全魔神が背中の羽から衝撃波を放ち、ダンデラビットをデッキに返させる。

 

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

 

ルナテックが六色のビームで弾のライフを砕く。

 

 

永琳「さらにブレイヴァーでアタック!右合体効果でデッキから一枚破棄してスピリットならブロックされない!」

 

 

破棄されたのは先ほど戻されたダンデラビット。よってブレイヴァーはアンブロッカブルになる。

 

弾「フラッシュでマジック!サザンクロスフレイム!!ミブロックバラガンを破壊!この攻撃はライフで受ける!」

 

弾の前に炎の十字架が現れ、バラガンを切り裂いた。その後、ブレイヴァーがビームソードで弾のライフを砕く。

 

 

 

永琳「ターンエンド。」

 

 

永琳はターンエンドを宣言した後、弾がスタートステップに入る前に弾を見つめ問うた。

 

 

 

永琳「……あなたのことも……教えてくれるかしら……?あなたの過去に……一体何があったの……?」

 

 

 

 

弾「…………………敗北だよ………」

 

 

 

そう言って、弾は話し始めた。グラン ロロでのこと、世界を滅ぼそうとした異界王を倒したこと。そして、ヒーローのようになった後、世界をより良くしようと奮闘したこと。それを世界を裏から操るフィクサーの連中が自分たちの存在を邪魔に思い、情報を操作され、周りから鼻つまみものにされたこと。ヒーロー扱いしてきた連中どころか友達家族さえも自分たちを冷たく扱ったこと。そして……その中で、真実を語ろうとした親友がフィクサーの手にかかったこと………永琳はその話を信じられないといった表情で聞いていた。

 

 

 

弾「だから、あんたのこともだいたいわかった。人は何か偉大なことをした連中には利益を求めてやってくる。でも、そいつの価値がないとわかったらすぐに離れていく。あんたもそうだったんだろ?」

 

 

 

永琳「……ええ……あなたの予想通りよ。私も最初は変な機械をいじっているとか、若いくせにとかよく言われたわ…でも神々の砲台を使ってツクヨミと同じ創界神になった私に周りは利益を求めて近寄ってきた……今でも私は幻想郷の人妖や月にいる弟子……それどころかうどんげや輝夜でさえももしかしたら、利益になるから私に近づいてきたんじゃないかって思ってしまう……あなたもそう……?」

 

 

 

 

 

永琳は苦しみ、悲しみ、怒り、憎しみ、失望、様々な感情が入り交じった瞳で弾を見つめる。その目から弾は彼女も自分と同じように世界のために奮闘したが、周りに押し潰されてしまった過去があると感じ取ったが……

 

 

 

弾「いや、もうそんな事は思っていない。そう思っているなら、オレはすぐこの世界から出ていって、元の世界でひっそりと暮らしているさ。オレはこの世界で人や妖怪 神関係なく助けたいと思っている。だから、オレはここにいるんだ。」

 

 

 

その言葉に永琳は目を見開いて叫んだ。それは先ほどとは真反対の表情…一気にそうなるほど弾の台詞が信じられなかったからであろう。

 

 

 

永琳「どうして!!?どうしてそこまで他人のために必死になれるの!!?彼らはあなたを苦しめるかもしれないのに!!あなたに感謝もしないかもしれないのに!!あなたが戦わなければならない理由なんてないのに!!なのに何で他人を信じてるどころか、救おうとすることができるよ!!!?」

 

 

 

弾「それがオレのやりたいことだからだ!!たとえ存在を否定されようとも!!嫌われようとも!!それでもオレは戦う!!!そう誓ったんだ!!!」

 

 

はっとする永琳に弾は今度は優しく続ける。

 

 

 

 

弾「それにさ…傷つくのが怖いんなら……ずっとあんたは独りだ。何もリスクを負わないで得られるものはない…勇気をだして、一歩前に進んでみろ………オレはそれで答えを見つけられた……」

 

 

永琳「……………………」

 

 

弾「メインステップ!………初陣だ……!太陽よ!神の力纏いて竜となれ!!太陽竜ジーク・アポロドラゴンX(テン)!!レベル3で召喚!!!フェニック・キャノンと右合体!!」

 

 

 

 

弾の後ろから赤いドラゴンが現れバトルフィールドに降りる。そして、フェニック・キャノンがジークにも力を注ぎこむ。するとジークの翼が鳥のように変わり、炎の双剣をその手に掴んだ。その時であった。弾のアーマーの先から光の翼が広がった!!それはまるであの時(激突王)の再来のようであった。

 

 

 

 

 

弾「アタックステップ!!ジーク・アポロドラゴン!合体アタック!!アタック時効果!赤の創界神の存在によりライフをひとつ砕く!さらにルナテック・ストライクヴルムに指定アタック!そして、破壊する!」

 

 

 

永琳「ッッ……!ルナテック・ストライクヴルムの重装甲:

可変によってその効果は受けないわ!ルナテックでブロック!フラッシュタイミング!リゲイン発動!BPプラス3000!よってルナテックはBP17000よ!」

 

 

 

ジークが双剣を構えて突進する。ルナテックはそれを六色の翼から光線を放ち牽制する。ジークは炎を纏い、まるで流星の如く激突し、ルナテックはそれを真っ正面から受け止め押し合いが始まる。しかし、徐々に炎の勢いがなくなりルナテックがそのままジークを地面に叩き落とそうとした。

 

 

弾「フラッシュタイミング!双光気団!全魔神を破壊!!」

 

 

 

永琳「…!しまった……!」

 

 

 

弾のカードから炎があがり、全魔神を貫いた。そう、ルナテックの重装甲は確かにアルティメット以外の全ての相手の効果をうけなくなる鎧だ。

 

しかし、それはルナテック対象の効果に対応しており、裏返せばルナテック以外を対象にした効果はうけてしまう。今回はルナテックと合体した全魔神ではなく、ブレイヴァーと合体した全魔神を対象にした。よって、重装甲の効果をうけずに破壊できたという訳である。

 

それにより、ルナテックの六色の鎧が消えてしまい、ルナテックは反対にジークに押され始めてついには体を貫かれ、爆散した!!

 

 

弾「オレの効果でライフをもらう!これで終わりだ!!」

 

 

 

弾がまた腕を構えて、波動を放とうとした。一方永琳は今までとは違う安らかな笑みを浮かべて微笑み、なんとか感情を言葉で表現する。

 

 

 

永琳「……何故かしら……負けるのに、凄く心が楽なの……」

 

 

弾「……話してくれてありがとう。あんたの心の内を知ることができた……ありがとう…………我が友よ……

 

 

 

永琳「……!!!……ええ……こちらこそ……」

 

 

永琳の目に雫が溜まった瞬間、弾の波動が最後のライフを砕いた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「……ん!!これうまい!!」

 

 

鈴仙「ありがとうございます!いや~いつもご飯作っているのに、美味しいって言われたの久しぶりだな~ってすいません!師匠!師匠が悪い訳ではなくてですね……」

 

 

 

永琳「はいはいわかったわよ。それによりも、弾?これからどうするの?いくらあいつらと戦うって言ったって幻想郷中に出没しているのよ?どこか場所を絞る必要があるわよ。」

 

 

 

輝夜「それよりも、てゐ遅いわね……新聞とってくるだけなのに………」

 

 

次の日……弾は鈴仙 永琳 輝夜達といっしょに朝御飯を食べていた。昨日妹紅が筍をお裾分けしたくれたため、永遠亭の食卓には筍料理が並んでいる。永琳の質問に答えようとした弾だったが、廊下からたぶんてゐだと思われる足音が聞こえてきたので、輝夜が声をかけようとすると…

 

 

てゐ「大変ウサ!!今日の朝刊!!とんでもないことが書かれてるウサ!!」

 

 

 

そう言われて皆一斉に新聞を見る。その新聞は文々。新聞と書かいてある。確か天狗が書いていたなと弾は思い出したが、朝刊の見出しを見や否やそんな事は頭から吹っ飛んだ。そこにはこう書かれていた。………

 

 

 

 

 

 

異変の元凶!?外の世界からの侵略者!馬神 弾!!

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷各地では……

 

 

 

???「……お呼びですか?お嬢様?」

 

 

???「ええ。この新聞に載っているこの男を探してここに連れてきなさい。賢者どもより早く。」

 

 

???「かしこまりました。」

 

 

 

???「ふふふ。楽しくなる運命ね…」

 

 

 

 

 

 

???「大変だよー!!ってあれどこに行った?」

 

 

 

???「なんだい?朝っぱらから大声で騒いで。仮にもあんたは神なんだからもう少し静かにね………」

 

 

???「それよりもこれ!!この名前ってまさか………」

 

 

???「新聞?………な!この名前はあの!?………すぐ見つけ出さないとまずい!!あの男がこんなことするわけが……」

 

 

 

 

 

 

???「ナズ~宝塔見つかりましたか~?」

 

 

 

???「ご主人!そんな事よりこれを!!」

 

 

 

???「?新聞……?フムフム……え!えええ~!?ナズ!これは本当なのですかΣ(Д゚;/)/これは聖に伝えておかないと……」

 

 

 

 

 

 

???「ふん!ふん!この桜観剣に斬れぬものなど……」

 

 

???「おお~精が出るね~」

 

???「みょ~ん!!!?おお驚かせないでください!!で、何ですか?またサボりですか?」

 

 

 

???「失礼な!今日は仕事だよ、し・ご・と!まあとりあえず……これ読んで。」

 

 

 

???「………え!これは……」

 

 

 

???「うちの四季様とあんたんとこの主から伝言、あたし達も動けだって……はぁ~めんどくさいね~って…」

 

 

???「任せてください!!!この私がこの馬神 弾とか言う男を成敗します!!!」

 

 

 

 

 

純狐「へぇ~この子が元凶なのね~………さてどうやって嫦蛾征討に協力させるか………」

 

 

 

へカーティア「だ~か~ら!!今、嫦蛾のことは忘れろっての………この男………まさか!!?……ちょっと出掛けて来るわ!」

 

 

純狐「え!ちょっとへカーティア!!……どうしたのかしら?あんなに慌てて?」

 

 

 

 

 

 

 

紫「ふふふ……隠岐奈は上手くやった見たいね……」

 

 

 

???「紫様、これが外の世界で集めてきた馬神 弾のデータです。あとやはり、3日前に結界を破ったのは彼だと思われます。」

 

 

紫「よくやったわ………それにしても……彼本人は一体どこに隠れているのかしら?まあそれを炙り出すためのこの新聞なんだけどね……」

 

 

 

 

 

 

 

そして………ここは幻想郷のどこか………

 

 

 

 

 

 

 

 

???「愚かな………まさか、居もしない人間を元凶とするとは……フフフ……この隙に計画を進めようとしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


弾さん論破回です。えーりんはいろいろ月の政変に巻き込まれ、人間不信になってもおかしくないと思います。なんせ原作でも月が助かりゃ幻想郷どうなってもいいと考える奴らですからね……根は優しいえーりんには住みづらい世界だったことでしょう。今回のタイトルの<目覚め>は弾さんの創界神への覚醒と言う意味が主ですが、同時にえーりんの人間不信からの目覚めと言う意味も含まれています。


あと自分的には弾さんは仮面ライダービルドの主人公桐生戦兎君に似ている気がします。二人とも自分が遠因となった出来事を解決するため、たとえバッシングをうけようとも、挫折しても立ち上がり、世界を良くするため、ラブ&ピースのため戦うのは二人とも同じです。


これで第一章は終わりです。最後にズドドドとキャラが出ました。次から物語は加速していきます。次は誰とのバトルになるのか?楽しみに待っていてください!



次回予告 目指すは紅魔館! 魔理沙の意地!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章~動乱への序章 紅魔館編~
目指すは紅魔館!魔理沙の意地!!


書くのが楽しい……

第二章突入!!今回から東方勢のバトルも多めに書いていきます。少し雑になるかもしれませんが、その分たくさんのキャラのバトルを書く予定です。ではどうぞ~

そして、この回の話を最後まで読んだ瞬間読んだ人は皆「何だって~!!」と叫ぶだろう!!



あらすじ 永琳を友と呼び、心の闇をほぐした弾であったが翌朝の朝刊にとんでもないことが書かれていた。それは紫達の計画のようで……


 

 

魔法の森 上空

 

 

 

魔理沙「お~お~書いてる書いてる!いや~記事の情報代だけで儲かった儲かった!今日はパチュリーのところで本を(死ぬまで)借りていくか!」

 

 

そんな泥棒紛いなことをやらかそうとしている魔理沙……いつも通りである。だが、彼女がしゃべった情報が永遠亭プラスαを驚かせているのを魔理沙はまだ知らない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 人里

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「へぇ、ここが人里か……タイムスリップしたみたいだ……ってそういえば、オレしたな……」

 

 

 

鈴仙「あはは……でも弾さん大丈夫ですか?こんな人が多い場所に顔出しちゃって?」

 

 

 

 

そう言われた弾だったが……

 

 

 

 

 

弾「永琳が神力の使い方を友として教えてくれたんだ。この力があれば周りにバレないようになっているらしい。一応、永琳も保険としてかけてくれたから大丈夫だろう。」

 

 

 

 

………神の(創界神の)力ってすげー!!

 

 

 

鈴仙「流石師匠ですね。一応、目的地はこの人里を突っ切った先にある霧の湖の湖畔にあります。」

 

 

 

 

 

弾「確か………………紅魔館だったか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館 大図書室

 

 

 

???「成る程ね……この男が……」

 

 

???「凄いわね。外界の人間なのに、悪霊を喚べるなんて…」

 

 

図書室の奥で二人の人間…いや、魔女が話している。するとそこへ……

 

 

魔理沙「お~い!!パチュリー!!また魔導書借りに来たぜ~!!」

 

 

その声を聞いて頭を抱える紫いろのパジャマっぽい服を着た彼女パチュリー ノーレッジは隣に座っている二つの人形を連れた少女アリス マーガトロイドに愚痴る。

 

 

 

パチュリー「全く……あの泥棒……中国は何してるのかしら……!?」

 

 

アリス「まあ落ち着きなさい。私が取り返して来るから。」

 

 

パチュリー「…本当?でも大丈夫?魔理沙は霊夢程じゃないけど強いわよ?」

 

 

アリス「大丈夫よ新しく手に入れたこれがあるから……」

 

 

魔理沙「お!アリスまでいんのか~どうした?あ!わかった!私のわ・た・し・の手に入れた情報を」

 

 

 

アリス「魔理沙!もし魔導書が欲しければ、私とバトルよ!!」

 

 

魔理沙「って話聞けよ!(お前が言うな)でもいいぜ!かかってこい!!」

 

 

 

 

 

魔理沙 アリス「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

パチュリー「さて…どうなることやら…今のうちにこぁにでも紅茶を入れさせましょ。」

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 魔理沙はチキンナイトと丁騎士シュヴァリエを召喚。コアブーストしてターンエンド

 

第2ターン アリスは美食の妖精ロゼットをレベル2で召喚、これでターンエンド

 

第3ターン 魔理沙は乙の白騎士アルバインビットを召喚。そして、アタックしアリスはロゼットでブロックし破壊したが、ロゼットの効果で一枚ドローし、疲労状態で残った。さらにシュヴァリエで攻撃し、アリスはライフで受けた。

 

第4ターン アリスは巨人王子ラクシュマナのアクセルを使用し、二枚ドローし、二枚破棄した。さらに加速戦士イエローマーリンのアクセルを使用。デッキから三枚オープンしその中のアクセルを持つカードを全て回収する。オープンしたカードは

 

庚の猿王ヴァーリン シンフォニックバースト 猿導師オンコット

 

よって二枚カードを回収した。これでターンエンド。

 

 

第5ターン 魔理沙はシュヴァリエをもう一体召喚し効果でロゼットを疲労&コアブーストした。さらにアルバインビットでアタックし効果でトラッシュからコアを回収し、アリスのライフをもうひとつ砕いた。これでターンエンド。バトルは第6ターン アリスの番である。

 

 

 

 

アリス「メインステップ。さぁ~てここで新兵器投入よ!きたれ!!戦いの賢将!!申の十二神皇ハヌマーリン!!

 

 

 

空から大岩が降ってくる。そこに雷が落ち、そこから胡座をかいて、背中にたくさんの腕を持った申が鎮座する。

 

 

 

魔理沙「な!?十二神皇!?アリスも持ってたのか!!?」

 

 

アリス「ええ、当然じゃない!封印はしないわ!そして、アタックステップ!!ハヌマーリンでアタック!!フラッシュでアクセル!猿導師オンコット!ハヌマーリンの効果でノーコスト使用!さらに召喚!!このターンの間自分の黄色のスピリットにシンボルをひとつ追加!さらにロゼットの効果でドロー!」

 

 

 

ハヌマーリンが杖をあげるとフィールドに小さな老猿が現れる。

 

 

アリス「もう一発!!オンコットを使用!!さらにシンボル追加!!さらにヴァーリンを使用!オンコットを手札に戻してシュヴァリエを手札に!そして、ヴァーリンは召喚!もう一度!アクセル!オンコット!!シンボル追加!!そして、召喚!!」

 

 

 

流れるようなカード裁きによりアリスのフィールドには4シンボルのスピリットが五体並ぶこととなった。

 

 

魔理沙「なんだ……これ……」

 

 

アリス「うふふ!!これでわかったでしょ?弾幕もバトスピもブレインよ?さぁハヌマーリン!アタックよ!」

 

 

魔理沙「へへ!!このタイミングを待ってたぜ!フラッシュタイミング!!白晶防壁!!ロゼットを手札に戻して、このターン私のライフは一しか減らないぜ!!」

 

 

 

魔理沙の前に半透明な障壁が生まれ、ハヌマーリンの攻撃を軽減させる。

 

アリス「まぁいいわターンエンド。」

 

 

 

魔理沙《危なかった……今の手札じゃもう一発耐えるのは無理だな……じゃこのターンで決めるしかないけど……来い!来い!来い!あのカード!!》

 

「ドローステップ…!メインステップ!!チキンナイトの効果でこいつのコストをマイナス一する!さぁ来い!緑のファンタジスタ!!卯の十二神皇ミストラルビット!!レベル2で神速封印で召喚!!さらにこいつもだ!幻想郷に吹き荒れろ!!不死鳥の風!!酉の十二神皇ゲイルフェニックス!!不足コストはチキンナイトから!」

 

 

緑の風が魔理沙の周りに吹き荒れる。その風が止んだ時、魔理沙の右にはブースターの中に入ったような兎が左には大きな翼を羽ばたかせた鳥がいた。

 

 

アリス「ちょっと!!ずるいわよ!私十二神皇一枚しかないのに!!」

 

 

 

魔理沙「そんなの関係ないぜ!!アタックステップ!!ミストラルビットでアタック!!アタック時効果!跳躍!ハヌマーリンを手札に戻してライフをもらう!さらに神皇と十冠にコアブースト!」

 

 

 

 

ミストラルビットが両手のブースターを離してハヌマーリンに光線を浴びせ手札に返させる。さらにそのブースターがアリスのライフを撃ち抜いた。

 

 

アリス「うっ! オンコットでブロック!!」

 

 

オンコットは杖に乗って防ごうとしたが、ミストラルビットのレーザーソードに切り裂かれた。

 

 

 

魔理沙「さらにゲイルフェニックスでアタック!!アタック時効果!飛翔!相手は疲労状態でもブロックできるかわりにこっちは一コストで回復する!」

 

 

アリス「オンコットでブロック!!」

 

 

 

オンコットが風に飛ばされる。

 

 

魔理沙「一コスト支払って、ゲイルフェニックスは回復する!おかわりだ!」

 

 

アリス「ヴァーリンでブロック!!」

 

 

 

ヴァーリンは風では飛ばされなかったが、ゲイルフェニックスの突進には勝てず、爆散する。

 

 

 

魔理沙「一コストで回復!!アタック!」

 

 

 

アリス「ライフよ!!」

 

 

 

アリスのライフを羽からのエネルギー弾幕で壊すゲイルフェニックス。

 

 

魔理沙「一コスト使って回復!!これで終わりだー!!」

 

 

アリス「嘘でしょ~!!」

 

 

ゲイルフェニックスの回転突撃がアリスの最後のライフを撃ち抜いた。

 

魔理沙「弾幕もバトスピもパワーだぜ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「ほんじゃ借りてくぜ~」

 

 

 

アリス「ごめんなさい。パチュリー」

 

 

パチュリー「いいのよ。後でレミィか咲夜に取り返してもらえば……」

 

 

そう言って意気揚々と帰って行く魔理沙。だがもしここで帰らなければ、話はこじれなかったかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃……妖怪の山では………

 

 

 

 

 

 

???「にゃはは~!地獄の女神ってのもたいしたことなかったねぇ~。これなら、地底でケンカしていた方がましだよ!」

 

 

 

へカーティア「…………」

 

 

今、この二人へカーティアと小さな鬼、鬼の四天王の一人の伊吹 萃香。なぜこの二人がバトルになっているかというと、

 

 

へカーティア乱入&あの記事書いたやつを出せ!

天狗混乱、萃香登場

私が勝てば、この記事書いた天狗を出せ!

バトルスタート

 

 

という事である。現在第12ターンへカーティアのターンだが、へカーティアのフィールドには赤い体に白い翼を持った合体スピリットが一体のみで、デッキの枚数は残り十枚前後、ライフも残り一。対する萃香は蒼海の大剣メイルシュトロムと合体した戦輝神ゼルドナーグレベル3と英雄巨人タイタスがレベル2で、ネクサスも光灯る三叉灯台と力奪う凱旋門が配置されており、ライフも残り五個残っている。

 

萃香「あ~あ さっさと終わらせて、霊夢んところに肴をたかりに行くk「それでいいの?」ん( -_・)?」

 

へカーティア「言いたいことはそれでいいのって聞いてんのよ!今、あたしはね……虫の居どころが悪いのよ!!アタックステップ!!行きなさい!!合体スピリット!アタック時効果でタイタスを破壊してゼルドナーグに指定アタック!!」

 

 

萃香「フラッシュタイミング!ストロングドロー!BPプラス3000!こっちの方が上だ!!」

 

へカーティア「……無駄よ!フラッシュタイミング!!マジック!バーニングサン!!手札からトレスベルーガを直接合体して回復!!」

 

 

 

赤いドラゴンに後ろから青い光につつまれた三つ首の獣が衝突する。すると、光が収まったそこには六枚の羽が放電と共に裂け、金色の鎧を着ているドラゴンがいた。

 

 

 

へカーティア「こっちのBPは24000!!!!ゼルドナーグを破壊しなさい!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光龍騎神サジットアポロドラゴン!!!

 

 

 




はい。ありがとうございました。


ごめんなさい!先にサジット出しちゃって!!でもなぜへカーティアが十二宮を持っているのか……その答えはもう少々お待ちを……


そして、アリスにハヌマーリンを、魔理沙にゲイルフェニックスとミストラルビットを持たせました。魔理沙が緑は珍しいかもしれませんが、他の人との色の関係上余ったのを請け負ったのが魔理沙なので、勘弁してください。ほら、ダブルドライブと同じだし………



次回予告 メイドの接待と 四天王の興味!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

メイドの接待と四天王の興味!

もうすぐサーガブレイヴの配信日です!楽しみで筆が進む進む……後、次の弾の10十二宮の効果も気になる今日この頃。



あらすじ 紅魔館に向かっている弾と鈴仙。一方その頃、紅魔館では魔理沙がアリスに勝利し、魔導書をゲットした。





幻想郷 霧の湖

 

 

 

 

 

弾「……まだ着かないのか?もう結構歩いたぞ……」

 

 

 

 

鈴仙「飛べば速いんですけどね~……あ!見えてきましたよ!!」

 

 

 

 

それを聞いて弾は湖の反対側に視線を向ける。すると、一面真紅の色の中世の城のような館が見えた。

 

 

 

 

 

 

弾「あれか……しかし……あそこの主はオレを信じてくれるのだろうか……?」

 

 

 

 

 

 

 

時は数時間前に遡る………

 

 

 

 

 

 

あの新聞を見た永遠亭メンバーはまず輝夜の怒りをなんとかなだめ、作戦を練った。永琳は

 

 

 

 

永琳「必要なのは味方よ。後数日でこの異変のための会議が開かれる。誤解を解くなら、そこしかチャンスがない。それまでに私達の他に協力してくれる勢力が欲しい。一番協力してくれそうなのは……人里の教師と妖怪寺の僧侶に紅魔館の吸血鬼でしょうね……前者の二人は優しさ故、後者はただの興味で味方してくれるかもしれない……」

 

 

 

 

弾「…成る程……」

 

 

 

 

 

その言葉に納得する弾、すると……

 

 

 

 

 

 

妹紅「弾!!大丈夫か!?新聞を見たぞ!!あのバカ烏め!!真実しか書かないとかいってたくせに!!」

 

 

 

 

そう言って飛び込んできた妹紅、彼女に永琳は頼む。

 

 

永琳「妹紅、お願いがあるわ。慧音にこれはウソだって伝えてくれないかしら?」

 

 

 

 

妹紅「もちろんだ!ついでに白蓮にも伝えてくるぜ!!」

 

 

 

 

 

鈴仙「となると…あとはレミリアさんだけですね……でも大丈夫でしょうか?」

 

 

 

 

 

そう不安がる鈴仙に弾は

 

 

 

 

「大丈夫だ。もし何かあればバトルでどうにかするさ。それに吸血鬼の強さも気になるし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻り……太陽の花畑では……

 

 

 

 

 

 

???「……成る程…ありがとう向日葵達……フフフ……成る程……紅魔館に向かったのね……フフフ…やっと戦えるわ……!馬神 弾!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「………なぁ、鈴仙……あの人……門番だよな……?」

 

 

 

鈴仙「あははははは……いつもこんなんなんです。」

 

 

 

 

 

そう言って紅魔館に着いた二人だったが、出迎えたのはチャイナドレスのような服を着て立ちながらグースカ寝ている女性だった。すると…

 

 

 

 

???「こら!起きなさい!中国!」

 

 

 

 

中国?「ギャー!!!!!」

 

 

 

 

突然、彼女の後ろにメイド服を着た少女が現れ、おもいっきりナイフを寝ている彼女の後頭部に投げつけた。だが、ナイフが刺さったはずなのに彼女は……

 

 

 

中国?「ちょっと咲夜さん!もう少し優しい起こし方はないんですか!?」

 

 

 

 

咲夜「優しいとあなた起きないでしょ……!!!?こ、これはうちの門番が失礼しました。わ、私、紅魔館のメイド長の十六夜 咲夜と申します。こちらは門番の紅 美鈴です。あなた様に主が会いたいとおっしゃておりましたので、探しに行こうと思っておりましたが…これはちょうどよかった……。ど、どうぞこちらに……」

 

 

 

 

鈴仙《あれ?咲夜さん……何か変……?もしかして……緊張している?まさか、そんな事……》

 

 

 

 

 

 

不思議に思った鈴仙だったが、中へ招く咲夜にそのことは一度置いておこうと思ってついて行こうとしたが、

 

 

 

 

咲夜「…も、申し訳ありませんが……弾様あなたは異変の元凶だと言う新聞が出回っておりますが……真実ですか?」

 

 

 

 

弾「いや。確かに、あいつらはオレを知ってはいるが、だからといって味方とは限らないだろ?」

 

 

 

 

咲夜「そうですか……す、すみませんが…お手合わせ願えませんか?」

 

 

 

 

そう言う咲夜に鈴仙は驚いた。仕事については一切の妥協を許さない彼女が自分の私用を優先したのだから。

 

 

 

 

鈴仙《やっぱり変よ!でも波長はいつもの咲夜さんだし……いったいどうなっているの!?》

 

 

 

弾「ああいいぜ。だが手加減しないからな。」

 

 

 

 

咲夜「あ、ありがとうございます……」

 

 

 

 

弾 咲夜「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は光輝く大銀河を配置してバーストセット。

 

第2ターン 咲夜はクリスタニードルとネクサス旅団の摩天楼を二枚配置。配置時効果で合計二枚ドローした。ここでターンエンド。

 

 

第3ターン 弾はピグシスリザードとダンデラビットを召喚。さらに創界神の自分を配置した。トラッシュに行ったカードの内二枚が対象カードだったので、コアを二つ置いて配置した。

 

 

第4ターン 咲夜はダークネスワイバーンを召喚し、効果でドロー、アタックはせず、ターンエンド。

 

 

第5ターン 弾はダイナバーストを使用し、デッキから二枚ドロー、さらにダンデラビットをもう一体召喚した。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

咲夜「創界神……見たこともないカードね……メインステップ。…さて……こちらメインディシュになります……どうぞ御召し上がりください……黒き闇よりお目覚めでございます……辰の十二神皇ウロヴォリアス!召喚時効果で封印。」

 

 

 

 

咲夜がお辞儀をして、指を鳴らす。すると地面が裂け、そこから紫のドラゴンが現れ、咆哮する。

 

 

 

弾《キースピリット!しかも十二神皇か!!》

 

 

 

 

美鈴「来た!!咲夜さんのキースピリット!!」

 

 

 

 

鈴仙「弾さん……」

 

 

 

咲夜「……ターンエンドです。」

 

 

 

 

弾「!?アタックしないのか?」

 

 

 

 

咲夜「…これからデザートの仕込みがありますので……」

 

 

そう言って微笑む咲夜。弾はスタートステップを宣言したその時!

 

 

咲夜「ウロヴォリアスの効果!呪縛!ステップ開始時にコアを一つずつトラッシュヘ!!」

 

 

 

ウロヴォリアスから紫のオーラが弾のスピリットに絡み付き、弾がステップを進めるに連れ締め上げて行く。メインステップに入ったとき、弾のフィールドからスピリットは消えていた。

 

 

弾「…フフフ!ステップごとにコアを外すとは!面白い!!」

 

 

 

咲夜「お楽しみいただき光栄にございます。ですが、まだあなた様のターンですよ?」

 

 

 

 

弾「ああ!!こちらもいくぞ!!メインステップ!!太陽よ!神の力纏いて竜となれ!太陽竜ジークアポロドラゴンX!レベル3で召喚!!そして、アタックだ!!アタック時効果でダークネスワイバーンを破壊!!さらにライフも貰う!そして、ウロヴォリアスを指定アタック!!」

 

 

 

弾の後ろからジークアポロドラゴンが現れ、ウロヴォリアスに向かって飛び立つ。口から炎を出し、ダークネスワイバーンを破壊した後ウロヴォリアスに飛びかかる。そして、地面に何度も叩きつけ破壊した!

 

 

 

弾「ターンエンド!」

 

 

 

鈴仙「やった!キースピリットを破壊したわ!」

 

 

 

美鈴「ちっちっちっ。まだこれからですよ……」

 

 

 

 

そう言って咲夜を見つめる美鈴。

 

 

咲夜「……お客様、デザートの御用意ができました。どうぞ御堪能くださいませ……蛇料理ですが……!召喚!巳の十二神皇ティアマドー!!

 

 

 

咲夜がどこからか出した、トレーの上にあったカードを手にとり投げる。すると、空から翼を持った蛇のようなスピリットが降りてきた。

 

 

 

 

弾《二体目!!?まだ持っていたのか……》

 

 

 

咲夜「大変長らくお待たせしました。では、アタックです。ティアマドーでアタック。……お客様、まだメインディシュが残っております……アタック時効果、神軍。トラッシュよりウロヴォリアスをノーコスト召喚!さらに神撃です。申し訳ありませんが、ブロックするならライフを一つ砕かせて貰います。」

 

 

ティアマドーの紫の光線が地面に落ち、そこからウロヴォリアスが這い出してくる。さらにティアマドーの目が光り、ジークアポロドラゴンが石になってしまった。

 

 

 

弾「く!!ライフだ!」

 

 

 

ティアマドーが光線で弾のライフを二つ砕く。

 

 

 

咲夜「ウロヴォリアス、続きなさい。」

 

 

 

 

弾「!ライフだ!そして、バースト発動!!ダイナバースト!!ウロヴォリアスをもう一度破壊!!そして、二枚ドロー!!」

 

 

 

咲夜「ちっ……失礼しました。ターンエンドです。まさか、これを耐えるとは…これを耐えたのはあなたで4人目です。……まさか…本当に本物……?

 

 

 

 

弾「…ちなみに誰なんだ?」

 

 

 

 

興味が湧き、尋ねる弾。そのせいで咲夜の呟きは耳に入らなかった。。

 

 

 

咲夜「一人はお嬢様、二人目は博麗の巫女、そして、最後は妖怪の賢者、八雲 紫です。八雲紫に勝ったことがある人妖神は誰一人いないとされています……」

 

 

 

 

その言葉に目を輝かせる弾だったが、今は目の前のバトルだと集中する。

 

 

 

 

弾「…なら、そいつと戦うためならなおさら負けられないな!ドローステップ!……!さて!竜のメインディシュと蛇料理のデザート。凄く美味かった。これはそのお礼だ。つまらないものだが……受けとって貰おう!!メインステップ!!ジークアポロをレベル1に!光輝く大銀河をレベル2に!そして……!!」

 

 

 

咲夜《!?何かくる?まさか、キースピリットはもう……》

 

 

 

 

 

 

 

弾「天駆ける羊!!命与える神聖な伊吹!!我がもとに降りよ!!!白羊樹神セフィロアリエス!!!レベル3で召喚!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

そう言ってカードを掲げる弾の後ろに草原が広がる。そこから、一匹の御簾のようなものを着けた羊が飛び回りながら走ってくる。そして、フィールドに降り立つと後ろに牡羊座が浮かび上がった。

 

 

 

咲夜「!!!?このスピリットは!!!?」

 

 

 

 

弾「どうした?まさか、ラム肉は嫌いだったか?」

 

 

咲夜「いえ……そういうわけでは……」

 

《……言えない……ちょっとかわいいと思ったなんて絶対に……!!》

 

 

 

美鈴「あちゃー咲夜さん大丈夫かなぁ?」

 

 

鈴仙「綺麗な羊……それをラム肉って……」

 

 

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

 

 

咲夜「!?あら、焦らされますね。メインステップ。ティアマドーをレベル3に、アタックステップ。ティアマドーでアタック!!神撃により、ライフを砕かないとブロック不能!さらに神軍によりウロヴォリアスを召喚!!……え!!!?」

 

 

 

咲夜は驚いた。全てティアマドーの効果は作用した。しかし、ウロヴォリアスが何故か疲労しているのだ。よくフィールドを見ると、セフィロアリエスから何か蔦のようなものが伸びていた。

 

 

 

 

弾「セフィロアリエスの効果だ。お互い系統 遊精 爪鳥 異魔神をもたないカードは召喚時、皆疲労するんだ。っ!!セフィロアリエスでブロック!!フラッシュタイミング!光輝く大銀河の効果!手札のピスケガレオンを破棄してBPプラス6000!」

 

 

 

ライフを砕き、セフィロアリエスがティアマドーに向かって行く。ティアマドーは紫のビームを放つがアリエスは飛び回ってかわす。そして、二体が向かい合ってお互い光線を放った!!

 

 

 

 

咲夜「BPは同じ26000!相討ちです!」

 

 

 

弾「これで終わりだと思うな!!フラッシュタイミング!!マジック!光翼之太刀!BPプラス3000だ!!!」

 

 

 

 

 

 

セフィロアリエスに白いエネルギーが吸収され力を与える。そして、アリエスがパワーを底上げしてティアマドーを吹き飛ばす。そして、アリエスが嘶くと地面から巨大な根がティアマドーに向かって行き、ティアマドーの体を貫いた!!

 

 

 

 

咲夜「……ターンエンドです……」

 

《やはり…間違いない……デッキや雰囲気は違うけど……同じ名前……この腕……やっぱり彼は……》

 

 

 

 

弾「スタートステップ。セフィロアリアスの効果でお互いのコアは取り除けない。よって、呪縛は効かない!メインステップ!!赤魔神を召喚!!ジークアポロドラゴンとセフィロアリエスに合体!!」

 

 

 

 

ウロヴォリアスが紫のオーラで拘束しようとするが、アリエスのオーラに打ち消される。さらに巨大な赤い異魔神が現れ、二体に力を繋げる。それにより、アリエスは白い部分が赤く染まり、体には様々な武器が装着された戦車のようになった!!さらに、弾のアーマーから翼が展開される!

 

 

 

 

弾「アタックステップ!!行け!!セフィロアリエス!!赤魔神の効果でワンドロー!さらにオレの効果! 神技(グランスキル)!ボイドにコアを二つ置いてクリスタニードルを破壊!!さらにオレの効果でバトル終了時、ライフを貰うぞ!!」

 

 

 

 

 

咲夜「……ああ……やはりあなた様は……ライフです……」

 

 

 

 

セフィロアリエスの体から剣、槍、斧などが一斉に放たれた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「で、咲夜さん。どうして彼とバトルを?」

 

 

 

 

あの後、弾と鈴仙を主のもとへと案内する二人(美鈴は休憩のため)はバトルのことについて話していた。

 

 

 

 

 

咲夜「…………別に………あなただってもし目の前に憧れの拳法家がいたら、戦いたくなるでしょう………?」

 

 

 

 

 

そう言った彼女の目はまるで、大スターに会った時の年頃の女の子の目であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



……そうです……咲夜さん弾さんの大ファンです…


一応、彼女は十代後半と言う設定だったと思うので、弾さんがまだ、現代にいた頃は9才ぐらいである、そして、紅魔館が幻想郷に来たのも弾さんが未来に行く前って言う設定を前提に憧れのカードバトラーでもおかしくないと思い、思いきってこんな設定にしました。私も弾さんとあったら、すぐバトルを申し込みます!
(負ける気しかしない……)


そして次回、とうとうUSCとうー★が登場!!え?わからない?東方知ってりゃみんな知ってるよ!!気になった人は調べてみてください。


次回予告 登場!カリスマ吸血鬼!レミリア スカーレット!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

登場!カリスマ吸血鬼!レミリアスカーレット!!

一応、誰とのバトルでどの十二宮を使うかは決めております。それより、どのブレイヴを選ぶかの方が大変です……
さらに、今考えているプロットだと、案外早く終わってしまうので、どこかでもう一捻り必要になるかもしれません……



あらすじ 紅魔館に到着した弾と鈴仙。そこでは十六夜咲夜から主が探していると言われる。咲夜とのバトル終了後、弾達はその主のもとへと向かう。



咲夜「……着きました。ここでございます。」

 

 

弾「また物凄い扉だな……」

 

 

 

弾達はいかにもな扉の前にたどり着いた。

 

 

 

 

咲夜「一応、ご忠告致しますと、我が主レミリアスカーレット様は約500年間西洋で恐れられた吸血鬼です。お気をつけて。」

 

 

 

 

そう言って、咲夜は扉をノックする。

 

 

 

 

咲夜「お嬢様、馬神 弾様をお連れしました。」

 

 

 

???「入りなさい。」

 

 

 

 

 

その後、扉が開かれ、弾達は中に入った。そこには

 

 

 

 

弾《…………子供………?》

 

 

 

 

そう、中の大きな玉座に座っていたのはグラン ロロでの友、ズングリーと大差ない幼女だった。吸血鬼と言って想像していたのとあまりにもギャップがあり、弾は驚いた。しかし、自分よりも年下だと思っていた妹紅が1000才以上だったので、弾は身を引き締めた。すると、いつの間にか咲夜が彼女の隣に移動していた。

 

 

 

???「ご苦労、咲夜。さて………お前が馬神 弾で間違」

 

 

 

間違いないか。そう続けようとしたその時、窓のステンドグラスから光が差し込んできた。すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「アアアアアアッッッッッッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光を浴びた幼女はとんでもない叫び声をあげて地面に転がった。すると、咲夜があわてて駆け寄ってくる。

 

 

 

 

弾《……日光が弱点って本当なんだな……》

 

 

 

 

 

そう勝手に納得した弾であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、弾達は客間に通された。さっきまでカリスマオーラを放っていた幼女……レミリア スカーレットは鈴仙と咲夜に治療をして貰っていた。その様子を弾は紫の服を着た魔法使い、パチュリー ノーレッジと話していた。

 

 

 

 

パチュリー「……そう。それは悪いことをしたわね……全く魔理沙ったら……情報の裏をちゃんととりなさいよ。……まぁ、それはあの烏天狗に言うべきか………」

 

 

 

レミリア「ちょっと!誰よ!?あんなところに窓作ったやつ!!」

 

 

 

咲夜「お嬢様が<あそこから月夜を見れたら素敵じゃない?>って仰いましたが?」

 

 

 

パチュリー「レミィの自業自得じゃない。」

 

 

 

 

 

レミリア「ううぅ~しゃくや~!!」

 

 

 

 

そう言って咲夜へ泣きつくレミリア。絶賛カリスマブレイク中である。レミリアの火傷が落ち着いたところで、弾は本題を話した。すると……

 

 

 

 

レミリア「いいわよ。内の咲夜があなたのファンみたいだし「お嬢様!?」それに……あの時、世界を守ったのは私も見ていたからね。」

 

 

 

それを聞いて弾は心が少し温かくなった。しかし、レミリアは真剣な顔つきになり……

 

 

 

 

 

レミリア「……これは私的なことなのだけど……あなたに頼みたいことがあるの……」

 

 

 

 

弾「?何だ?オレにできることなら、手伝うけど?」

 

 

 

 

 

そう言った弾に対し、紅魔館のメンバーは皆顔つきが強ばっていた。鈴仙も何を頼もうとしているのか心あたりがあるようだ。その中でレミリアは口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「……私の妹を助けてほしいのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後 紅魔館 地下室前

 

 

 

 

咲夜「弾様、お気をつけて。」

 

 

 

パチュリー「何かあったらすぐ逃げるのよ。」

 

 

 

美鈴「帰って来たら、私が料理をご馳走しますよ。勿論、妹様も一緒に」

 

 

 

レミリア「とにかく……気をつけて。妹は少し気が触れてるから……」

 

 

 

鈴仙「あまり、怪我しないでくださいね。もし、大怪我なんてことなったら……私には責任が重すぎます!五体満足でお願いします!」

 

 

 

弾「わかった。頑張ってくる。」

 

 

 

そう言って、弾は中に入っていった。全員心配な顔つきだった。

 

 

 

 

咲夜「……大丈夫でしょうか?」

 

 

 

レミリア「一応、彼女も弾のことは知っている。地下室でもバトスピぐらいならできたしね。それよりも……」

 

 

 

 

そう続けようとしたその時!!!

 

 

 

 

 

ドッッッカーン!!!!

 

 

 

 

 

鈴仙「何ですか!?この音!?」

 

 

 

 

美鈴「…何者かが門を破壊したようですね……」

 

 

 

レミリア「へぇ、私にケンカうってくるとは…愚かな!!咲夜!!美鈴!!出るわよ!!」

 

 

 

 

 

 

そう言って、玄関へ移動する三人。パチュリーと鈴仙は弾が心配なので、地下室前に残った。レミリア達が玄関に到着したと同時に玄関のドアが吹っ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

美鈴「何者ですか!!?ここが紅魔館だと知って………ッッ!!!!」

 

 

その侵入者の顔を見て、驚愕する美鈴。それはレミリアや咲夜も同様だった。なぜなら、その人物は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「当たり前じゃない。なんせ紅魔館にあの馬神 弾がいるって聞いて来たんだから。」

 

 

 

 

緑の髪に日傘を持った女性。彼女には様々な呼び名がある。花妖怪、四季のフラワーマスター、太陽の花畑の管理人。しかし、その中でもこの二つがよく知られている。

 

 

 

一つは幻想郷最恐の妖怪。

 

 

もう一つは幻想郷バトスピ四天王の一角。

 

 

 

 

 

 

 

 

その名を………風見 幽香

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ……

 

 

 

 

 

 

???「………誰……?」

 

 

弾「……やぁ、オレは馬神 弾。カードバトラーだ。」

 

 

 

 

そう言って、ベッドに腰掛けている金髪の幼女に話しかける弾。

 

 

 

???「え!?あの英雄の!?ウソ!?どうして幻想郷に!?うわぁ~本物だぁ~!」

 

 

 

 

ベッドから飛び降りて近づいてくる、彼女こそ、レミリアの実の妹、フランドール スカーレットである。

 

 

 

フラン「ねぇねぇ!私とバトスピしよ!?あなたとバトルするの夢だったんだ~!!」

 

 

 

 

弾「ああ、勿論!!準備はいいかい?」

 

 

フラン「ちょっと待って!デッキ調整する!」

 

 

 

 

そう言って、カードを広げ出したフランをネタバレになるので、見ないようにする弾。その間、今朝永琳にこっそり言われたことを思い出していた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばし、時は進み……弾がフランとのバトルを進めている頃……

 

 

 

幽香「あら、もうおしまい?つまらないわね。」

 

 

 

レミリア「っく!まだまだよ!!」

 

 

 

 

 

 

幽香とレミリア 二人のバトルは第14ターンに突入した。レミリアのフィールドには、疲労状態のレベル1の冥府三巨頭ザンデミリオンとレベル4のアルティメット ベルゼビート、さらにネクサス、旅団の摩天楼が一つ配置されている。一方幽香のフィールドには、レベル1の森林のソッコーキジ、賢竜ケイローン、そして、レベル2の幻羅星龍ガイ アスラがいた。ライフは幽香が4、レミリアが二つだった。そして、幽香のターンに移る。

 

 

 

 

レミリア《勝つ必要はない。弾がフランを助けている間、時間を稼げれば、それでいい。後はこいつの望み通り、弾と戦わせて帰らせる。》

 

幽香「あなた達のような三下は要らないの。さっさと終わらせて、馬神 弾とバトルするわ。メインステップ。炎を纏う絶対究極最強生命体!召還!アルティメット ガイアスラ!」

 

 

 

 

 

幽香のフィールドが割れ、そこから超巨大な胴体はドラゴンで、頭部には六本の剣を持った人がついているアルティメットが現れる。その大きさはバトルフィールドを覆い尽くす一歩手前である。

 

 

 

 

 

幽香「アタックステップ。アルティメットガイアスラでアタック。アルティメットトリガー。ロックオン。」

 

 

 

 

レミリア「……コスト0、ピジョンへディレス。」

 

 

 

 

幽香「クリティカルヒット。セッコーキジとケイローンのコアを奪ってあなたのライフを貰うわ。さらにクリティカルヒットの効果、トラッシュよりスレイヴガイアスラを手札に。」

 

 

 

Uガイアスラがセッコーキジとケイローンの力を吸収し、レミリアのライフを吹き飛ばした!

 

 

 

レミリア「…ブロックよ、ベルゼビート。」

 

 

 

ベルゼビートがUガイアスラに向かって剣を突き立てたが、Uガイアスラは難なく弾き飛ばし、六本の剣で切り裂いた。

 

 

 

 

幽香「とどめよ、幻羅星龍ガイアスラでアタック。」

 

 

 

 

レミリア「……ライフよ……」

 

 

 

ガイアスラが槍をレミリアのライフに突き立てた。

 

 

 

 

 

 

美鈴「お嬢様!!」

 

 

 

レミリア「私のことはいいわ!それより、あいつを足止めしなさい!!」

 

 

咲夜「……次は私です。」

 

 

 

幽香「ふうん。十二神皇使いか……少しは骨がありそうね。」

 

 

 

咲夜 幽香「「ゲートオープン! 界放!」」

 

 

 

 

 

 

 

 




少し短いですが、ありがとうございました。


レミリアはこんな感じです。原作ではもっとカリスマ溢れるお方ですが、自分ではこれが限界でした……


幽香は赤緑のガイアスラデッキにしました。緑は彼女のトレードカラーなのですぐに決まりましたが、ただの緑だと彼女の激しさがないので、Uガイアスラをぶっこみました。あと東方知らない人は幽香はバローネ様みたいな妖怪だと思ってください。なんか……顔芸もしそうだし……



次回予告 フランの闇。ぶっ壊せ!神の一撃で!!





目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

フランの闇。ぶっ壊せ!神の一撃で!!

さぁ、vsフランです!彼女とのバトルは幻想入りでは欠かせないものです。そのため、いつもより、多めです。



そして、最後に大きな伏線が……?



あらすじ レミリア スカーレットと会った弾。訳を話すと快く理解してくれたが、同時にある頼みをされる。さらに、風見幽香が紅魔館を襲撃し………


 

永琳「いい?弾、レミリアにはフランドール スカーレットという妹がいるわ。その子は精神的な病を抱えているの。」

 

 

弾「病?」

 

 

輝夜達と計画を練ったあと、永琳の部屋に呼ばれた弾。そこで、レミリアを説得させる奥の手の用意を考えていた。永琳はレミリアの妹の病が鍵であると考えていた。

 

永琳「ええ、何でもたまに彼女の狂気、破壊衝動が押さえられず、周りを破壊し尽くすらしいわ。」

 

弾「……それを俺が治せるのか?」

 

永琳「あなただけならムリよ。でもあなたには十二宮の神々の力がある……神々の中で、一撃で仕留めることが得意な神はいる?」

 

弾「………いる。一体。一撃でバトルを終わらせられるヤツが……」

 

永琳「その神の力とあなたの力を合わせれば、彼女の闇を壊せるかもしれない……でも条件があるわ。その神のアタック……その一発でライフを全て撃ち抜きなさい。

 

少なくとも、最後にあなたの効果でライフを砕くのはいいけど、他のスピリットでライフを一回でも砕くのはダメよ。一撃で、1バトルで、終わらせるのよ。いいわね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾《一撃か……》

 

 

フラン「できたー!!さ、やろやろ!」

 

弾「あ、ああ。よし、いくぞ!」

 

弾 フラン「「ゲートオープン! 界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾はピクシス・リザードを召喚。さらに、自分を配置し、トラッシュに落ちた対象カードは一枚だったので、一個コアを置いた。

 

第2ターン フランはカメレオプスを召喚。これでターンエンド。

 

第3ターン 弾はエリダヌス・ドラゴンを召喚。これでターンエンド

 

第4ターン フランは六分儀剣のルリ・オーサを召喚。召還時効果でコアブーストした。

 

第5ターン 弾は戦神乙女ヴィエルジェをエリダヌス、ピクシスの効果でコスト2で召喚。召喚時効果で、カメレオプスを手札に戻し、ライフを増やした。そして、ターンエンド。

 

 

第6ターン フランはブレイドラとカメレオプスを召喚、そして……

 

 

 

フラン「さぁ、カメレオプスの効果で赤のシンボル二つ追加!召喚!破壊の龍!滅龍帝ジエンド・ドラゴニス!!不足コストはブレイドラから確保!」

 

「キィ」と鳴いてブレイドラが消滅するとフランの手札から深紅のオーラが天に登り、そこから黒いドラゴンが降り立つ。その眼光は猛獣が可愛く見えるほど恐ろしいものだった。

 

弾《もう大型のスピリットを……》

 

フラン「さぁ、アタックステップ……あ、でもそっちの天使さんの方が強いか……なら、ターンエンド!」

 

 

???《コワセ》

 

フラン《……うるさい……》

 

 

弾《!?今、彼女に闇が見えたような……?》

 

フランの無邪気さの裏側に弾は僅かに彼女の闇を感じ、フランに優しく話しかける。

 

弾「…なぁ、フランは何で、こんな所にずっといるんだ?て言うか、そもそもここに何年いるんだ?」

 

フラン「……大体500年。なぜなら、フランは危険だから……」

 

弾「…外にでてみたいと思ったことはないのか?」

フラン「…ある。何回も……でも出たら……みんな壊しちゃう……お姉さまにも迷惑かけちゃう……」

 

 

弾は驚いて言葉を失った。こんな狭い部屋に500年……普通なら気が狂っても可笑しくない…そして弾はフランが抱えた闇を理解する。それはこの空間で生活していたからではなく、家族に迷惑をかけさせないためだったということに……

 

 

弾「………メインステップ。ダンデラビットを召喚。さらにアクセル、リボルコレオン。三枚オープン。その中のセフィロアリエスと全魔神を手札に。ターンエンド。」

 

 

フラン「……メインステップ…」

 

???《コワセ!コワシテシマエ!》

フラン《黙って……私は壊したくない…》

 

「…ジエンドドラゴニスをレベル3に…アタック……」

 

 

弾「……ライフで受ける……」

 

 

ジエンド・ドラゴニスが弾のライフを二つ砕いた。そしてフランはターンエンドを宣言しようとしたその時!

 

フラン「……ターンえん」

 

???《コワセ!コワシテシマエ!ナニモカモ!》

 

突然、フランが頭を抱えてうめき出した。弾は例の発作だと分かったが、今の弾にとってできることは限られている…

 

 

フラン「ぐっっ!ああっ!!やめて!!わたしは………!!アアアアアア!!!!」

 

弾「!!フラン!!気をしっかり!!」

 

 

そう声をかけた弾だったが………

 

 

フラン「アハハハハハハハハ!!サア、弾!モット遊ビマショウ!!ルリ・オーサデアタック!!」

 

 

弾《これが……フランの狂気……》

「ライフで受ける…」

 

狂気にとりつかれたフランの叫び声を背景音楽にルリ・オーサが弾のライフをさらに砕いた

 

フラン「アハハ!!コワレタ!コワレタ!ターンエンド!!」

弾「……メインステップ。ピクシスとエリダヌスをレベル2に、エリダヌスを疲労…天駆ける羊!命与える神聖な伊吹!我がもとへ降りよ!白羊樹神セフィロ・アリエス!レベル2!さらに、八分儀の祠を配置!配置時効果!星座封印!ピクシスのソウルコアをオレのライフに!!」

 

セフィロ・アリエスが降りてきたあと、弾の後ろに神社が現れた。さらに、その祠が輝き、ピクシスのソウルコアが弾のライフに吸い込まれた。

 

 

弾「……ターンエンド……」

 

フラン「チェ!ツマンナイ!メインステップ!モウ一体!破滅ノ王様!!!断罪ノ滅竜!ジャッチメントドラゴニス!!レベル3デ来マセイ!!!ルリオーサハイラナイ。」

 

フランのフィールドに青く魔方陣が周りついている球が現れ、そこから巨大なドラゴンが現れる。しかしセフィロアリエスの効果で草が足に絡み付き、疲労状態になった。

 

弾「……デカイ……!!」

 

フラン「ターンエンド!ア~モ~ツマンナイ!ツマンナイ!ツマンナイ!モットイッパイ遊ンデ!!」

 

 

弾「……メインステップ。再度ピクシスとエリダヌスの効果を使う。星の力注ぐ対の魚!全てを喰らう呪われし船!レベル2で召喚!双魚賊神ピスケガレオン!召喚時効果で、相手のスピリットからコアを一つずつリザーブへ!さらに、ヴィエルジェをレベル3に!これでターンエンド。」

 

 

魚座からピスケガレオンが現れ、青い光でフランのスピリットからコアを取り除き、ジャッジメント・ドラゴニス以外を消滅させた。

 

 

フラン「ナンデ!!?ナンデ!!?ナンデ遊ンデクレナイノ!!?マダマダ満足シテナイノニ!!!!モウイイ!!!メインステップ!!!双翼乱舞デ二枚ドロー!ジャッジ・メントドラゴニスをレベル3ニ!ソシテ、カメレオプスヲモウ一体召還!!アタックステップ!!!手札ヲ捨テテBPプラス5000、激突!!」

 

 

ジャッジメント・ドラゴニスが吠えると、フランの手札が燃えて、黒い煙になり、スピリット達に力を与える。

 

 

弾「……セフィロ・アリエスでブロック!!封印時、ターンに一回回復!!」

 

 

回復したアリエスだったが、ジャッジメント・ドラゴニスに吹き飛ばされ、破壊される。しかし……ピスケガレオンとヴィエルジェの体が輝くと二体を包み込んだ。

 

弾「ピスケガレオンの効果!神皇を持つセフィロ・アリエスの破壊により、相手の手札を一枚破棄!さらに、ヴィエルジェの効果で、アリエスは手札に戻る!!」

 

 

フラン「ウソ!!!…………ターンエンド…………デモ!!ジャッジメント・ドラゴニスノ効果デ!モウ一回、私ノターンにナル!!メインステップ!!!ジエンド・ドラゴニスヲ召還!!レベル3ニ!!!アタックステップ!ジャッジメント・ドラゴニスノ効果デBPプラス5000!ジエンド・ドラゴニスデアタック!!!」

 

 

弾「…ピスケガレオンでブロック!効果で手札を破棄。ピスケガレオンも神皇を持っているので、手札に戻る!フラッシュタイミング!マジック!トライアングルトラップ!ジャッジメント・ドラゴニスを疲労させる!!さらに、オレの効果でカメレオプスを破壊!」

 

 

フィールドに再びジエンド・ドラゴニスが現れ、黒いオーラを纏いながら弾めがけて飛びかかる。そこに、ピスケガレオンが割って入ったが、黒い炎に焼きつくされてしまった。しかし、緑の円錐がジャッジメント・ドラゴニスを疲労させ、弾の波動がカメレオプスを吹き飛ばす。

 

 

フラン「ターンエンド!!!アトチョットダッタノニ!!!ナンデ!!?ナンデ勝テナイノ!!?」

 

そう絶叫するフランに弾は静かに声をかける。

 

 

弾「何故って、簡単だ。今、セフィロ・アリエスをヴィエルジェとピスケガレオンが守ったのと同じ。オレは独りで戦っている訳じゃない。仲間が、友達がいる。一人一人の力は凄くないけど、支えあえば、世界だって変えられる……独りぼっちの君とは違う!!」

 

 

フラン「アハハ!!!クダラナイ!!私ニハオ人形とオモチャガアレバ、ソレデイイ!!!」

 

弾「…それに……君が望んでないからだ。」

 

 

フラン「ソンナコトナイ!!私マダマダ遊ビ足リナイモン!!!モットモットコワシテ「なら、どうして泣いているんだ?」エッッ!!」

 

 

弾の問いかけにフランは狂ったように笑っていたが、気づくと目には涙がたまっていた。そして弾はとある少女を思い浮かべるとフランに話し出す。

 

 

弾「…昔、君と似たような女の子にあったことがあるよ……その子は不思議な力を使えて、兄といっしょに社会からのけ者になった。その力はたまに暴走して、世界を滅ぼしかけた……でも彼女はみんなのために……オレや兄のために戦った。花に舞う蝶のように優雅だった。そして……彼女はオレたちに未来を託して散っていった…

 

君も彼女と同じように……誰かのために自分を押さえられる。家族のためにつらく苦しい運命と戦える!!さぁオレたちの手を掴め!!いっしょに……外に出るんだ!!そんな破壊衝動もぶっ壊して!!!」

 

 

フラン「!!………暴れルナ!!!私ハあなたの言いナりには……ならナい!!あなタを倒シて……私ハ友達と外へ出テいく!!!」

 

 

弾の心からの言葉は確かにフランに届いた。その証拠に、フランの元の人格が狂気の人格を押さえ込み始めたのだ。

フラン「弾!!!今のウちに!!!」

 

 

弾「ああ!!!ドローステップ!………カードが答えてくれた……!!フラン!!今、助ける!!メインステップ!手元からリボルコレオンを召喚!永琳……力を借りる!効果で手札の全魔神をノーコスト召喚!さらに、エリダヌスとピクシスの効果でこのカードのコストを1に!!」

 

 

リボルコレオンが現れ、その砲弾から全魔神が現れる。永琳が「私の力も…」と言って、お守りがわりに渡したのだった。そして、弾は待ちに待ったカードを取り出す。

 

弾「牡牛座より来たる、金色の神!!全てを焼く神の稲妻!!その力で、闇を貫け!!金牛龍神ドラゴニック・タウラス!!!レベル3で召喚!!!

空に光が昇り、牡牛座を描く。その光が地面に降り注ぎ、そこから羽を生やした巨大な角を持つドラゴンが現れ、咆哮した。

 

弾「全魔神!ドラゴニック・タウラスと左合体!ヴィエルジェと右合体!」

 

 

全魔神が二体に力を分け与える。すると、ヴィエルジェの翼が虹色に変わった。さらに、タウラスは身体中に虹色の鎧を纏い、背中からもう一つ白い翼が現れる。それはまるで昔のキースピリット(ジークヴルム・ノヴァ)のようだった。

弾「アタックステップ!!ドラゴニック・タウラス!!アタックだ!!」

 

 

フラン「ウウ!フラッシュタイミング!スクランブルブースター!ジャッジメント・ドラゴニスを疲労ブロッカーに!ジャッジメント・ドラゴニスでブロック!!」

 

 

ドラゴニック・タウラスがジャッジメント・ドラゴニスにぶつかったその時!!

 

弾「ドラゴニック・タウラス!アタック時効果発動!ブロックされたとき、このスピリットのシンボルと相手のスピリットのシンボルの数を比べ、多かった分だけ相手のライフをリザーブに置く!

 

そして、封印時効果!系統:光導/星魂を持つスピリットの数だけタウラスにシンボルを追加する!!オレのフィールドには対象スピリットが四体!!よって、タウラスのシンボルは5つだ!!」

 

 

二体の背後から赤いシンボルがぶつかり合う、そして、多かった4つ分がフランのライフを破壊した!

 

 

 

フラン「ウウウァァァ!!!!…だン……その調子……!!」

 

弾「行け!!ドラゴニックタウラス!!真!激突!!!」

 

 

タウラスがジャッジメントドラゴニスに翼から虹色の弾幕を発射する。それをジャッジメントドラゴニスは炎で焼き払う。そして、タウラスを叩き落とそうと前足を上げた。

 

 

しかし、タウラスはそれをかわしてジャッジメントドラゴニスの腹の下に潜り込み、おもいっきり腹を突き上げた!!ジャッジメントは大きく空に吹き飛び、タウラスは角を刺したまま角の間に雷を溜め込ませて、ジャッジメントドラゴニスを痺れさせる。

 

タウラスはその隙に角を振るって地面に叩きつけ、虹色のエネルギーを纏い、まるで隕石の如くジャッジメントドラゴニス目掛けて突っ込んで大!大!大爆散させた!!!

 

 

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!!これで終わりだ!フラン!!」

 

 

 

そうすると、弾は無意識に左腕を前に出した。すると、なんとそこには虹色のオーラでできた弓が現れた!弾はそのまま掴み、フラン目掛けて虹色の矢を打ち込んだ!!!

 

 

 

 

フラン「アアアアアアッッッッッッ!!!!

 

 

 

 

フランの視界が光に染まる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン……フラン……

 

 

 

フランは誰かが呼んでいる声を聞き、ゆっくり目を覚ます。すると、そこには優しい目をした弾がいた。

 

 

 

フラン「あ!弾……!……ごめんなさい……」

 

 

弾「別にいいさ。それより……外、行くか?」

 

 

 

フラン「!!……うん!!!」

 

 

 

そう言って、二人で手を繋いで部屋から出ようとした。しかし……

 

 

 

パチュリー「待って!二人とも!…………うん、もういいわ!」

 

 

 

切羽詰まったパチュリーの声に不安になる二人。扉の先にいたのは、魔方陣を張っていたパチュリーだった。

 

 

 

パチュリー「ああ……疲れた……!フラン!あなた……そう…よかった……!弾!実はレミィ達が……」

 

 

 

パチュリーは起こったことを話した。幻想郷最恐の妖怪、風見幽香が来たこと。レミリア達が食い止めようとしたこと。しかし、咲夜の十二神皇とのバトルで気がすんだのか、「メインディッシュは次の日でもいいか…ここにはもういないみたいだし…」と言って立ち去ったことだった。パチュリーは魔方陣で弾の気配を消していたようだった。鈴仙はこの事を報告するため、一度永遠亭に戻ったそうだ。

 

 

 

 

弾「悪い……迷惑を……」

 

 

 

パチュリー「いいのいいの。それより、フランを助けてくれた。それでなのに何であなたを追い出さなきゃいけないのよ。」

 

 

 

フラン「……弾?大丈夫……?」

 

 

 

弾「…ああ、大丈夫だ…それより、遊びいくか!」

 

 

 

フラン「!!うん!いこいこ!!あのね、霧の湖にね……」

 

 

 

 

その姿はまるで、親子のようだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後戸の世界 隠岐奈の空間

 

 

 

隠岐奈「……はあ~。コア除去を妨害する牡羊座に一撃必殺の牡牛座か……厄介なスピリットを持っているねえ……これは、あいつらに報告だな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山では……

 

 

 

 

 

???「ヒイィィィ~!!!スミマセン!スミマセン!スミマセン!スミマセン~!!!」

 

 

へカーティア「あのね!アタシは謝罪が聞きたいんじゃナイのよ!!あんたはどうしてこんな記事を書いたのかを聞いてンのよ!!!!」

 

 

あのあとへカーティアは文々。新聞をかいている射命丸 文を見つけ、拷問……ゲフンゲフン取り調べを行っていた。周りには河童の河城 にとりや白浪天狗の犬走 椛がビクビクしながら見ていた。すると、そこへ……

 

 

 

???「おいおい、ここは地獄じゃないよ!拷問は地獄でやりな!」

 

 

 

 

そう言って、空から降りてきたのは、守矢神社の神八坂 加奈子だった。すると、へカーティアは

 

 

 

へカーティア「!!まさか、あなたも馬神 弾を!?」

 

 

 

加奈子「違う違う!その反対だ。私達も彼の誤解を解きたいんだ。でも、どこを探しても見つからなくてね。あんたなら何か知っていると思って来てみたのだけど。」

 

 

 

へカーティア「…解れば、こんな拷問しないわよん……」

 

 

 

その言葉にへカーティアは呆れた顔つきで答え、心の中ではこう考えていた。

 

 

 

 

 

へカーティア《……馬神 弾………あなたになら……託せるかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この星の未来を……………

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


フランはアニメの果実と重ね合わせました。二人とも妹、不幸な力などが似ていましたので、弾は華実のことを話しました。
そして今回、今までの十二宮フル出演!そして、ドラゴニックタウラス登場!ジークヴルム ノヴァのようにしたのはやはり、激突繋がりです。

あと、弾さんの弓……かなり創界神の力が強くなっているみたいです……


ここで、第二章は終わりです。幽香とのバトルを期待していた皆様、申し訳ありません。もちろん、彼女ともバトルします。へカーティアの最後の言葉の謎もいずれ解き明かされます。でもそれは、かなり後になりそうです……それでは次回!第三章 激闘!四天王編でまた会いましょう。さようなら~



次回! 守ると言うこと! vs冥界の剣士!!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章~激突!四天王編~
守ると言うこと!vs冥界の剣士!!


はい!始まりました。第三章!四天王編です。弾さんが弾さんする章です。まずは前座(ごめんなさい)VSみょんです。あと今回、少しライダーオマージュが入ります。ご注意ください。



あらすじ フランとのバトルに打ち勝った弾。しかし、レミリア達の状況を聞いて、罪の意識に追われる。一方、へカーティアは何やら企んでおり……?


 

 

あのあと、フランや湖の近くの妖精達と暗くなるまで、遊んだ弾はレミリアの善意で泊めてもらうことになった。翌朝、咲夜の能力で一瞬で永遠亭に戻ってきた弾に永遠亭メンバー全員が無事なことを喜んだ。その日は近くに出た獄龍隊を倒して、終わりになった。その夜………

 

 

弾「…………」

 

 

永琳「どうしたの?そんな顔して……何かよくないことでも起きた?」

 

 

弾は永琳から神力のトレーニングを受けている最中、ふと昨日のことを思い出していた。

 

 

 

弾「…実はオレ……気づいたら、凄く皆に迷惑かけてるんだな………オレ……このままここにいてもいいのかな……」

 

 

 

初めて聞いた弾の弱音。それに永琳は……

 

 

永琳「…何を躊躇っているのよ。あなたには守りたいと思うものがあるじゃなかったの!?たとえ嫌われようとも、戦うんじゃなかったの!?それとも全部嘘だったと言うの!?今、幻想郷で異変解決に向けて一番努力しているのは!博麗の巫女でも、賢者たちでもない。あなたでしょうが!!」

 

 

 

そう永琳に叱責された弾。すると……

 

 

弾「……悪い、永琳……オレおかしくなってた。」

 

 

永琳「はぁ……全く…これは私も力を貸さないといけなさそうね………フン!」

 

 

決意の目を取り戻した弾に永琳は神力を込めたカードを渡す。

 

 

 

 

弾「……これは……?」

 

 

永琳「私の化神よ。好きに使うといいわ。」

 

 

そういった永琳に弾は感謝の言葉をかけた。

 

 

 

 

 

次の日 博麗神社

 

 

 

 

霊夢「はぁ!!?誤報!?まじで!?」

 

 

咲夜「ええ、大マジメよ。あの烏天狗のことだもの、裏ちゃんととってなかったんじゃないの?」

 

 

魔理沙「ゲゲ!それじゃ私の情報はムダかよ~!」

 

 

そう言って、絶叫する霊夢と魔理沙に弾を送った帰り道に神社によった咲夜が冷静に言う。そこに………

 

 

 

 

ま・り・さ・さ~ん!!!

 

 

大声が神社に響き渡る。三人は振り返ると……そこには緑の髪をした守矢神社の風祝の少女、東風谷 早苗が怒りの目を向けながら立っていた。

 

 

霊夢「あら、早苗じゃない。そんな大声だしてどうしたのよ?」

 

早苗「魔理沙さん!あなた、なんてことしてくれたんですか!!はたてさんたちから聞きましたよ!あなたがこんな記事の情報を教えたなんて!涜神行為にも限度があります!!!あの方を陥れようとするなんて!!!あの弾様を!!

 

 

魔理沙「うえぇ~やっぱり、それかよ~!!!」

 

咲夜「ちょっと待って!早苗、あなた「弾様」と……」

 

 

早苗の言葉に顔をしかめる魔理沙と驚いて尋ねる咲夜。

 

 

 

早苗「はい!このお方はバトスピ界の神様です!!!」

 

 

霊夢 魔理沙「「………ええ~!!!!!!?」」

 

 

咲夜《……仲間が増えた……!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里 寺子屋

 

 

 

???「すまないな。色々誤解をして。」

 

 

弾「別にいいさ。慣れている。」

 

 

そう弾に謝罪するのは寺子屋の教師上白沢 慧音だった。永琳に頼まれ、薬の配達に来た弾だったが、ついでに慧音にこう尋ねた。

 

 

弾「…風見幽香という妖怪はどこに住んでるか知ってるか?」

 

 

慧音「!それを聞いてどうするつもりだ?」

 

 

弾「……友達の敵をうちにいく。大丈夫、オレは強いから。」

 

 

その言葉と真っ直ぐな目に慧音は逆らえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

弾は人里を出て、太陽の花畑を目指していた。

 

 

 

弾「確か……このまま真っ直ぐだったな……」

 

 

 

???「見つけましたよ!!!馬神 弾!!!」

 

 

 

その声に振り返ってみると、緑の服に銀髪で隣に白い人魂のようなものを浮かべた少女が立っていた。

 

 

 

???「私は魂魄 妖夢!剣士です。覚悟!」

 

 

弾「おい待て!オレは異変の元凶じゃない!」

 

 

弾の言葉に妖夢は腰に手をあて右腕を上に掲げてこう言った。

 

 

 

妖夢「おじい様が言っていた……真実は斬ればわかると………」

 

 

弾「イヤ、たぶん意味違うと思うが!?」

 

 

そう突っ込む弾だったが、はぁとため息をつき

 

 

弾「じゃあオレとバトルだ。オレが勝ったら信じてもらおう。」

 

妖夢「望むところです!私が幽々子様を守る!」

 

 

 

弾 妖夢「「ゲートオープン! 界放!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 妖夢はネクサス獣の氷窟を配置して、ターンエンド。

 

第2ターン 弾はエリダヌスドラゴンと自分を配置して、対象が二体いたので二個コアをおいた。

 

第3ターン 妖夢はダークカリブーを二体、レベル2で召喚してターンエンド。

 

第4ターン 弾は太陽竜ジークアポロドラゴンXを召喚、そしてアタックし、妖夢のライフを砕いた。これでターンエンド。バトルは第5ターンを迎えた。

 

 

妖夢「メインステップ。行きます!駆ける戦車!闇を砕け!召喚!未の十二神皇グロリアスシープ!!!

 

 

妖夢が剣を地面に突き刺すと地面が砕け、そこから機械の羊が現れた。

 

 

弾《この子も十二神皇を……フフ……楽しくなってきた…!》

 

 

妖夢「アタックステップ!グロリアスシープでアタック!アタック時効果で封印!」

 

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

シープの砲台から白い光線が出て、弾のライフを砕いた。

 

 

妖夢「ターンエンドです。」

 

 

弾「ドローステップ………!永琳……いや、我が友よ!行くぞ!!神世界の月よ!永久に地上を照らしだせ!月光竜ストライクジークヴルムX!召喚!」

 

 

弾の後ろから白い機械のドラゴンが現れ、飛び立つ。そして、ジークアポロと並び立ち、同時に咆哮した。

 

 

妖夢「!?ストライク……X!?」

 

 

弾「アタックステップ!行け月光竜よ!」

 

 

妖夢「ライフです!」

 

飛び出した月光竜の爪が妖夢のライフを破壊する。

 

弾「続け!太陽竜よ!指定アタックは使わない。」

妖夢「!ライフです!」

 

 

太陽竜の炎がライフを焼ききる。しかし…!

 

 

 

妖夢「ライフ減少によりバースト発動です!そびえよ!白き要塞!我らを守る盾となれ!丑の十二神皇アバランシュバイソン!!召喚!!!召喚時効果で太陽竜をデッキの下に!」

 

 

妖夢のフィールドが凍り、そこから巨大な要塞のような牛がずっしずっしと現れた。そして、肩の砲台を太陽竜に向けて発射する。太陽竜は何回かはかわしたが、最後は直撃し、デッキボトムに返された。

 

弾《バースト召喚!?……十二神皇がバーストで出てくるとは……フフ!後の十二神皇はどんな力を持っているんだろう…!?》

「ターンエンド。」

 

 

妖夢「メインステップ。アバランシュバイソンをレベル3に!グロリアスシープをレベル2に!さらにNo.18グッドラックウェルを配置。アタックステップ!グロリアスシープでアタック!アタック時効果でシープはブロックできません!」

 

弾「ストライクジークヴルムは回復。だが、ライフだ。」

 

 

シープが突進して、弾のライフを砕く

 

妖夢「アバランシュバイソンでもアタック!」

 

 

弾「ライフだ!」

 

 

アバランシュバイソンから白い砲台が放たれ、弾のライフをさらに二つ砕いた。

妖夢「エンドステップ。グッドラックウェルの効果で、白のスピリットは全て回復。ターンエンドです……あとひとつ……!」

 

 

弾「悪いが、オレはライフ一からが長いんだ。ドローステップ………!白い要塞か……あいつも……イグドラシル達も……固かったな……君……君は何でオレにバトルを挑んで来た?別に君がやるべき仕事ではないはずじゃないのか?」

 

 

妖夢「…私は幽々子様に命じられたまでです。主の望みを叶えるのが従者の……守る者の務めです。」

 

 

妖夢の言葉は真っ直ぐだった。でも、弾の真っ直ぐとは違う。ただ真っ直ぐなだけ……弾のように闇を見てきた者ではない若さがあった。

 

 

 

弾「……くだらない……」

 

 

妖夢「……!?何ですって……!?大切な人を守ろうとする従者の!そのどこがくだらない!!!?」

 

 

 

 

弾「君は従者じゃない……奴隷、又は道具だ。」

 

 

激昂する妖夢に弾は冷静に静かに訳を言った。

 

 

 

 

妖夢「!?」

 

弾「君は主のことなんて何も考えていない。もし主が間違っていた時、君はのうのうと間違った道に行くのか?それは、主に恥をかかすことだ。何も考えず、ただ主の言いなりになるのは、奴隷か道具だろう。」

 

 

 

弾の言葉に何も言い返せない妖夢。

 

 

 

妖夢「オレは一人、孤独な姫を守る騎士を知っている。あいつは敵は容赦なく叩き潰したけど、妹のやりたいこと、そして、あいつ自身がしてやりたいこと、両方与えようとしていた。でも……その姫は敵に討たれ、あいつ自身も………あいつは、大切な守る人の言いなりじゃなかった!あいつ自身の心で動いていた!あいつ自身が何が!大切な人を!世界を!笑顔にさせるか考えていた!!オレもそうだったと信じている!君のようにただ言いなりになるのは忠義でも信頼でも何でもない!!ただの自己満足だ!!」

 

 

妖夢「…………!!!!!!!」

 

弾「本当の守ることの強さを見せてやる!メインステップ!ピクシスリザードをレベル2で召喚!エリダヌスの効果を使ってこのスピリットのコストを一に!!

 

 

そして、召喚!そびえよ!美しき水瓶!!その水で全てを洗い流せ!!宝瓶神機アクアエリシオン!!レベル3に!!」

 

弾の後ろに水瓶座が描かれる。そこから水柱が上がり、フィールドに落ちた。その水柱を切り裂いて中から騎士のようなスピリットが現れる。

 

 

妖夢「!!これが、十二宮Xレア!」

 

弾「さらに、セイバーシャークを召喚!!アクアエリシオンと右合体!月光竜と左合体せよ!」

 

 

セイバーシャークが力を二体に注ぐ、そして、ストライクは背中にセイバーシャークのようなアーマーを装着し、レーザーソードを構えた。アクアエリシオンは両手の水瓶から腕が生え

水瓶についていた剣を手で持つ。 さらに、背中に白い白鳥のような翼が出現し、水瓶型のブースターはその翼に移動した。

 

 

弾「他のスピリットのコアを使い、ストライクをレベル3に!アタックステップ!行け!月光竜よ!アタック時効果でBPプラス5000!さらに、アバランシュバイソンをデッキに!」

 

妖夢「アバランシュバイソンの効果!要塞!回復状態のスピリットは全て相手の効果を受けません!」

 

 

弾「だが、アタックは有効だ!」

 

 

 

妖夢「ライフで!しかし、グロリアスシープの効果でデッキを六枚破棄してライフは減りません!」

 

ストライクから伸びた白い光線はアバランシュバイソンの防御壁に阻まれる。そして、ライフを砕こうとしたストライクの前にカードが防御壁を張り、またもや妨害された。

 

 

弾「…!まだまだだ!オレの効果でライフを貰う!」

 

 

 

妖夢「くっっ!!」

 

 

弾が矢を放ったが、またもやカードの壁に阻まれる。

 

 

 

弾「続け!アクアエリシオン!オレの効果でライフを削る!」

 

 

妖夢「グロリアスシープの効果を両方使います!」

 

 

アクアエリシオンの剣も弾の矢もまたもやカードの壁に阻まれた。

 

 

弾「ターンエンド」

 

 

妖夢《はぁ……はぁ……耐えきった……!》

 

「メインステップ!シープをレベル3に!アタックすて「セイバーシャークの効果!アバランシュバイソンを強制アタック!」え!?」

 

 

セイバーシャークの目が輝き、アバランシュバイソンを強制的に攻撃させる。

 

弾「ストライクは回復!フラッシュタイミングで光翼之太刀!アクアエリシオンを疲労ブロッカーに!アクアエリシオンでブロックする!!」

 

 

アバランシュバイソンの砲撃をアクアエリシオンは剣や水瓶のシールドで防ぐ。そして、両手の水瓶を合体させて、巨大な水流をアバランシュバイソンに浴びせる。その強烈な水流にさすがのアバランシュバイソンも吹き飛ばされる。

 

空中に投げ出されたアバランシュバイソンにアクアエリシオンは合体させた水瓶にさらに剣を付けて投げつけた!それはアバランシュバイソンに突き刺さると水瓶から円錐形に水が広がり、まるでドリルのようになる。そこにアクアエリシオンは渾身の飛び蹴りを叩き込んだ! そして、アバランシュバイソンを貫いて爆散させた!

 

 

弾「セイバーシャークの効果でライフを二つ貰う!」

 

 

妖夢《!シープの効果は相手のアタックステップじゃないと……》

 

「ぐぅぅ…!でも、グロリアスシープは効果でアンブロッカブルになる!これで終わりで「フラッシュタイミング、絶甲氷盾!アタックステップを終了させる!」………!ターンエンド………」

 

 

アクアエリシオンのバトル後、氷が弾のフィールドを覆い、アタックステップを終わらせた。

 

 

弾「メインステップ!ストライクをレベル3に!アタックだ!」

 

 

妖夢「グロリアスシープの……

《駄目だ!もうデッキがない!……ここは潔く……》

……グロリアスシープでブロックします!」

 

 

ストライクとグロリアスシープが白い光線をぶつけ合う。しかし、徐々にストライクが押していき爆発する。煙の中、ストライクは接近して、レーザーソードでグロリアスシープを切り裂いた!!

 

 

弾「オレの効果でライフを貰うぞ!」

 

 

妖夢「……ありがとうございました……」

 

 

弾「!…ああ、こっちも楽しかったよ!」

 

 

弾の矢が放たれた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「…ご指導、ありがとうございました。そして、先ほどの非礼をお許しください……」

 

 

バトルのあと、謝ってくる妖夢に弾は気にするな、と言ったあとこう続けた。

 

 

弾「……ひとつの道を信じ続けるのはいいことだけど……信じ過ぎると、大変なことになる……気をつけてくれよ……」

 

そう言って、弾は太陽の花畑に足を踏み入れた……

 

 

 

 

 

 

人里の近く 命蓮寺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「聖殿!いるか!?」

 

 

白蓮「…?どうされましたか?そんな切羽つまった顔で……「人間が太陽の花畑に向かったんだ!私は止められなかった!頼む!彼を助けてくれ!」!!それは大変!!すぐ向かいます!!」

 

 

 

 

 

幽香「……!……そう……まさか彼の方から来てくれるなんて……!フフフ……アハハハハ!!!」

 

 

 

 

 




はい、ありがとうございました。

ライダーネタの多さ!万丈にエボルト、天道語録ポーズにクリムゾンスマッシュ……入れすぎた……(すみません。仮面ライダー知ってないとわからないネタだして……だが私は謝らない!)


そして、ストライクX登場です!最初は出さないつもりでした。しかし、弾と永琳を相棒のように考え始めたころ(二章の終わりぐらい)に永琳の化神を弾に託せばカッコいいと思い、永琳の化神として出しました。たぶん二人の絆は「奇跡と偶然」を引き起こす「太陽と月」になるでしょう……

さらに、早苗さん登場!私達の言いたいこと全部言ってくれました。(笑)彼女のバトルも書きたいです……


そして、次回!とうとう弾さんが四天王と激突します!どうぞ、お楽しみに!(バトル構成ほとんど考えてねえ……)



次回予告 vs四天王!!花妖怪の強さとウソ!!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vs四天王!花妖怪の強さとウソ!!

さぁ幽香とのバトルです。ここからキツイバトルが次々と弾さんを待っています!頑張れ!弾さん!




あらすじ 人里で風見幽香の居場所を聞いた弾。その途中、冥界の剣士に襲いかかられたが難なく退け、太陽の花畑に足を踏み入れた。


冥界 白玉楼

 

 

 

 

妖夢「みょ~ん………」

 

 

弾に破れた妖夢はとぼとぼと彼女の主、西行寺幽々子のもとに報告に戻った。するとそこには大きな鎌を持った赤髪の女性がいた。

 

彼女は所謂死神で魂を三途の川の向こうの地獄の裁判所に運ぶ仕事を(よくサボるが)している小野塚小町だ。しかし、肝心の幽々子の姿が見えない。

 

 

妖夢「あれ、小町さん、幽々子様は?」

 

 

小町「うちの四季様と今、バトル中。何か馬神 弾のことで反りが合わないみたいだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「では、馬神 弾は無実であると……?」

 

幽々子「たぶんね~だっておかしなことが多すぎるし、な~んか紫の様子もおかしいのよね~」

 

 

第13ターン バトルフィールドで向かい合っているこの二人、片方のピンクの髪をした亡霊、幽々子の言葉を聞いているこのお方。彼女こそこの世界の閻魔様、四季映姫 ヤマザナドゥである。ちなみにヤマザナドゥは役職名らしい。

 

 

映姫「…しかし、結界に穴を開けたのは事実。あの八雲紫が私に助けを求めたぐらいですからね……それに、情報が約十年前で途切れています。さらには浄玻璃の鏡にも映らない。こんなことは初めてです。これは、少なくとも彼を問いただす必要があると思います。」

 

 

幽々子「でも、彼は悪霊達を退治しているのでしょう?そんなことをすれば、彼は私達に不信感を得るかもしれないわ。」

 

映姫「屁理屈です。」

 

映姫の後ろで赤と紫のドラゴンが咆哮する。

 

幽々子「あなたもでしょう?」

 

幽々子の後ろでは緑の樹の前で巨大な極楽鳥と蝶の羽を持った騎士が翼を広げて威嚇した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、こちらでも、似たような状況になっていた。

 

 

太陽の花畑 幽香の家

 

 

幽香「あら、あなたの方から来てくれるなんて!」

 

 

家から出てきた幽香を弾は鋭い目で睨み付けながら問うた。

 

 

 

弾「……なぜ紅魔館を襲撃した?」

 

幽香「もちろん、あなたと戦いたかったからよ!さぁこんな無粋な話はやめにして………楽しみましょう?」

 

 

弾「………ああ………!」

 

 

 

 

弾 幽香「「ゲートオープン!界放!! 」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾はカメレオプスを召喚してバーストセット。

 

第2ターン 幽香は彷徨う天空寺院を配置してターンエンド。

 

第3ターン 弾はダンデラビットと自分を配置してコアを二つおいた。これでターンエンド。

 

第4ターン 幽香はブレイドラと六分儀剣のルリオーサをレベル2で召喚し、さらにスレイヴガイアスラを召喚してアタック。弾のライフを砕いた。これでターンエンド。

 

第5ターン 弾はピクシスリザードと宝瓶神機アクアエリシオンをレベル2で召喚し、アタック。幽香はライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第6ターンに差し掛かろうとしていた。

 

 

弾《………スレイヴガイアスラ……ガイアスラということはきっと…関係があるのか……?いや、それより…彼女はまるで、出会った時のバローネのように見える……だが、何か違和感が……》

 

 

幽香「フフフ、凄いわね。十二宮Xレア……叩き潰しがいがあるわ!メインステップ!幻羅星龍ガイアスラ!来なさい!」

 

 

幽香のフィールドに紫の武器をたくさん持ったドラゴンが現れる。それは、弾にとってはトラウマのひとつ……あの男のキースピリットだった。

 

 

弾「っっっ!!!!!?」

 

 

幽香「あら?どうしたの?まだまだこれからなのに!アタックステップ!行きなさい!ガイアスラ!」

 

 

弾「ライフで受ける。それよりバースト発動!秘剣二天一龍により、相手のスピリットを二体破壊して、メインの効果も入れて三枚ドロー!」

 

 

ガイアスラが拳で弾のライフを砕く。だがそのあと炎の斬擊がスレイヴガイアスラとブレイドラを切り裂いた。

 

幽香「あら残念。ターンエンド」

 

 

弾「ドローステップ…!メインステップ!バーストセット!神世界の月よ!永久に地上を照らしだせ!月光竜ストライクジークヴルムX!レベル2で召喚!そして、アタック!アタック時効果でガイアスラをデッキボトムに!」

 

 

弾のフィールドにストライクXが降り立ち、幽香めがけて飛び出した。するとストライクから白い光線が発射され、ガイアスラをデッキの下に戻した。

 

幽香「ライフよ!」

 

 

ストライクが幽香のライフを叩き割る。

 

弾「アクアエリシオンでアタック!」

 

幽香「これもよ!」

アクアエリシオンが幽香のライフを切り裂く。これで幽香のライフは残り2つになった。

弾「ターンエンド……っ…!?」

 

 

幽香「……フフフ………アハハハハ!!強いわ!!あなた!!もっともっと私を楽しませなさい!!メインステップ!ダークマタードラゴン!召喚時効果でブレイドラを回収!そして、金色の炎を纏う絶対究極最強生命体!!アルティメットガイアスラ!!召喚!!」

 

 

 

幽香のフィールドが割れて、そこから金色の超巨大なドラゴンが現れる。

 

 

弾《…ジャッジメントよりデカイ!これがアルティメット!初めて見た……でもよりによってガイアスラか……!!》

 

 

幽香「さらに、マジック!ネオダブルドロー!三枚ドロー!そして、ダークマタードラゴンの効果でUガイアスラは最高レベルに!そのBPは50000!!!!アタックよ!!Uトリガーロックオン!」

 

 

 

弾「……50000!?……コスト3、エリダヌスドラゴン」

 

 

幽香「クリティカルヒット!!ルリ・オーサのコアを使い、ライフを砕く!!さらにスレイヴガイアスラを手札に!!」

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

弾があまりにも高すぎるBPに驚いていると、Uガイアスラの剣が弾に突き刺さる。

 

 

幽香「ターンエンド!さあもっとよ!!もっと私に抗ってみなさい!!アハハハハ!!!!」

 

 

弾《フランの時よりヤバい……このターンで決めないと……》

「メインステップ。牡牛座よりきたる金色の神!神をも焼くその稲妻!その力で闇を貫け!金牛龍神ドラゴニックタウラス!レベル3で召喚!アタックステップ!ストライクでアタック!!効果でダークマタードラゴンをデッキに!」

 

 

牡牛座からドラゴニックタウラスが現れ、ストライクが飛び立つ。これでフルアタックが決まれば弾の勝ちだ。

 

 

幽香「フラッシュタイミング、白晶防壁!アクアエリシオンを手札に戻して、ライフは一しか減らないわ。」

 

弾「何!?」

 

再びストライクがライフを砕くがそれ以上削られないように白い壁が現れる。これでは最後のライフを破壊することができない。

 

 

 

 

弾「………ターンエンド………」

 

 

幽香「楽しかったわ。あなたとのバトル。でもこれで終わりね。ブレイドラを召喚。さらに、ネオダブルドロー!三枚ドローよ。お礼に見せてあげるわ。ネクサス、超新星の輝きを配置!効果で手札の三龍神をコスト一に!召喚!聖竜王アルティメットセイバー!アルティメットサジットアポロドラゴン!アルティメットジークヴルムノヴァ!!」

 

 

 

勝利を確信した幽香の後ろに銀河が広がる。そこから黄金に輝く三体の巨大なドラゴンが現れた。その気迫はUガイアスラよりかは小さいが、弾を圧倒するには十分な強さである。

 

 

弾《!!!!!!!?》

 

 

幽香「Uノヴァの召喚時効果!Uトリガーロックオン!」

 

 

弾「……コスト4、光輝く大銀河……」

 

 

 

幽香「ヒット!!ライフを四つ増やすわ!これで終わりよ!!Uガイアスラ!アタック!Uトリガーロックオン!!」

 

 

弾「……!コスト6……太陽龍ジークアポロドラゴンX。」

 

 

幽香「ヒット!!私の勝ちよ!!!!!!アハハハハハハハハ!!!!!」

 

 

 

Uノヴァが吠えて幽香のライフを全回復させ、Uガイアスラの光線が弾のライフを貫く!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「トリガーカウンター!!マジック!サジッタフレイム!赤のカードだったのでガード!!」

 

 

かに見えたが天から矢が降りUガイアスラの光線を打ち消した!

 

 

 

弾「さらにマジック!!デルタバリア!!コスト4以上のスピリット、アルティメットではライフは0にならない!!カメレオプスでブロック!!破壊によりバースト発動!!!Uガイアスラのコアを全てボイドに!そして、このまま召喚する!闇にそまれ!!死をも覆すその力!!召喚!蛇皇神帝アスクレピオーズ!!

 

 

弾の前に三角のバリアが出現して、Uガイアスラの攻撃を無力化する。さらに、蛇のオーラがUガイアスラにまとわりつき、命を吸いとった!そして、その蛇がフィールドに蛇使い座を描く。すると、輝きの中から下半身が蛇の魔神が現れた!

 

 

幽香「……………ターンエンド………」

 

 

その声はとてもか細い声であった。

 

 

弾「なぁ……なんであんた……そんなに無理してるんだ?」

 

幽香「……え……どうして……」

 

 

弾「オレは最初、あんたのことを強さの深みにはまっていると思った。でも違うってわかった。本当は………強がっているだけだって。……あんたは自分で狂暴だと自称している。人里で話を聞いた。ほとんどが狂暴だとか、よくない噂ばかりだった。……花屋の時のことを除いて……あんたは花が好きなんだ……だから自ら狂暴だと自称している……そうだろう?」

 

 

 

幽香「……ええ………花達は無力……簡単に命を踏みにじられる……だから私は花達を守ってきた…だから、狂暴な妖怪を自称したわ……でも途中から……私のまわりには人が一切寄り付かなくなった……それに……私自身も本当はどっちが自分かわからないの……誰も私を見てくれないの……私はただ花達が好きなだけなのに…………」

 

 

 

その声はとても弱々しい声だった。こちらが彼女の素なのだろう。

 

 

 

弾「誰もじゃない………オレが知っている……あんたは狂暴な妖怪なんかじゃない……ただ花が好きな女性だ……この花畑がその証拠だ。それに、他の命のために、自分を投げ出せる……あんたはこの花畑を守るために努力したんだろ?手入れが行き届いてるそうじゃないか……あんたは……優しいんだ…それが……風見幽香だ……」

 

 

幽香「…!…」

 

幽香はそのまま言葉に驚き顔をあげた。

 

 

そこには、弾が穏やかな顔で微笑んでいた……

 

 

弾「さて!そろそろ決着をつけるか!!メインステップ!!ドラゴニックタウラスをレベル1にダウン。アスクレピオーズをレベル2に!山羊座からきたる魔術師!!死を司る冥界の王!!顕現せよ!魔羯邪神シュタインボルグ!!

 

 

弾の前に山羊座が描かれ、その黒い闇から山羊の顔に杖を持った魔法使いがフィールドに降り立った。

 

 

弾「そして、超 風魔神を召喚!不足コストはダンデラビットから確保!アスクレピオーズ!シュタインボルグと合体!ダブルドライブ!解放!!」

 

 

フィールドに風が吹き荒れ、超 風魔神が現れ、二体に力を注ぐ。すると、超 風魔神が光輝き始め、弾自身も輝く。さらに、シュタインボルグはローブを羽織り、杖も緑に光り始めた!そして、手には魔導書が現れる。その姿はまさに魔法使いと言える姿だった。

 

 

 

弾「アタックステップ!!シュタインボルグでアタック!!神皇を持ったスピリットがアタックしたのでシュタインボルグの効果でUサジットのコアを除去する!さらにダブルドライブの効果で手札のカードを封じる!!」

 

幽香「Uノヴァでブロック!相討ちよ!」

 

 

シュタインボルグが魔方陣を張り、攻撃する。しかし、Uノヴァも炎の剣で焼き斬る。一進一退の攻防が続き、お互い距離をとる。

 

シュタインボルグは魔導書をめくって杖に魔力をためる。対するUノヴァも大剣にエネルギーをためている。そして、両者同時に、力を解放した!シュタインボルグの紫の槍とUノヴァの炎の剣が交差して、互いに突き刺さり、両者大爆散した!しかし、アスクレピオーズが嘶いた。すると……

 

 

 

弾「アスクレピオーズの効果!神皇を持ったスピリットがBP勝負で破壊された時、そのスピリットを回復状態で戻す!!アスクレピオーズよ!!死の縁からシュタインボルグを呼び戻せ!!」

 

アスクレピオーズの紫のオーラからシュタインボルグが五体満足で現れる。弾は未来世界で何度も苦しめたこの二体の強さは良くわかっていた。

 

 

弾「もう一度シュタインボルグでアタック!!効果でUセイバーのコアを除去する!さらに、オレの効果でブレイドラを破壊!」

 

 

 

幽香「ライフ!」

 

 

シュタインボルグが杖を突き立てる!

 

 

弾「これで終わりだ!アスクレピオーズ!!」

 

 

 

 

幽香「……ねえ、弾……あなたは…私を……見てくれる?」

 

 

 

弾「もちろんだ。あんたは風見幽香!!花を愛する普通の妖怪だ!」

 

 

アスクレピオーズが杖、身体中の蛇から紫の波動を放った!!

 

 

 

 

 

幽香「ありがとう。お陰で気がすごく楽になったわ。お詫びにお茶でも……ってどうしたの?」

 

 

弾「……いけるかな………?」

 

 

バトル後、幽香は弾に謝り、家の中に招こうとした。しかし、弾は鋭い目付きで何もない虚空を見つめていた。その時!!

 

 

弾「……は!!!!」

 

弾が手を虚空に向けて突きだすと、なんと風景が割れてそこから誰かが転がり落ちた。彼女は………

 

隠岐奈「イッテテテ………まさか、異空間にまで干渉できるとは……」

 

 

幽香「摩多羅隠岐奈!!幻想郷の賢者の一人で、私と同じ四天王よ!!」

 

 

弾「へぇ………でその賢者さまが……一体オレに何の御用で?」

 

 

 

隠岐奈「な~に簡単だ。お前さんを倒して異変を解決する……それだけさ……」

 

 

幽香「彼は元凶じゃないわよ!」

 

 

そう言う幽香に隠岐奈は首を振ってこう言った。

 

隠岐奈「あ~違う違う!そっちは知ってるよ!私が言ってるのは………

 

 

紫の異変さ。」

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


ちょっと幽香を弱々しくしすぎたかな?でも、自分の幽香像はこんな感じです。ただ好きなものを守るために背伸びをしたが、まわりにはそれがそいつだと思われ本当の自分を見失ってしまった……それがうちの幽香です。でも三龍神全部出すのはヤベイ……


そして、映姫様と幽々子様登場!!なんかスゴいスピリットを従えてます……しかも両方とも弾さんに縁あるスピリット……


あと蛇使い座の活躍を期待していた人はごめんなさい!私がどう十二宮を活躍させるか一番悩んだのが山羊座と双子座でした。なぜなら、こいつらはサポートよりの効果=主役を張りにくいからです。何故か同じサポートの魚座や乙女座は決まったのに……なので、アスクレピオーズとシュタインボルグはなんかセットでいいかな~と思いいっしょにしました。すると…双子座も…?


次回予告 守矢の風祝とメイド長!二人は弾さん教!!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

守矢の風祝とメイド長!二人は弾さん教!!

……なんかすいません……タイトルから漂うなんだこれ感……

でも二人がホントに弾さんに憧れていることは事実です。それを幻想郷民に布教するのが今回の主……あ……早苗さんの初バトル回だ……(おい)



あらすじ 幽香の本当の顔を知った弾。しかし、異空間で隠岐奈が覗いていたのを感知して引きずり出した弾であったが……
一方その頃、博麗神社では……


博麗神社

 

 

 

早苗「え!!?咲夜さん、弾さまとバトルしたんですか!!?!!( ; ロ)゚ ゚」

 

咲夜「ええ、そうよ!あのカード裁きはすごかったわ……!」

 

早苗「いいなあ!!私もお手合わせして欲しいな~…は!ダメダメ!そんな贅沢言っては、弾さまにご迷惑が……」

咲夜「駄目元で頼んでみたら…?弾さまはそんなに心の狭いお方ではないはず……って霊夢?魔理沙?どうしたの?」

 

 

霊夢「あんた達どれだけ話すのよ……もう数時間話しているわよ………」

 

魔理沙「もう腹一杯だぜ………」

 

 

あの後、二人は霊夢と魔理沙に弾の武勇伝を語っていたが、さすがにボリュームが大きかったみたいです………

 

霊夢「で?どうする?愛しの弾さまが指名手配まがいなことになっているけど……」

 

早苗「それは大丈夫です!もうすぐ頼れる援軍が到着する「早苗~!来たわよ~!」!来たみたいです!」

 

 

そう声が響き、縁側に一人の烏天狗が降りてくる。

 

 

早苗「はたてさん!お忙しいところありがとうございます!」

 

 

はたて「いいわよ。んで?私になにをさせようっての?」

 

 

彼女は姫海棠はたて、文々。新聞のライバル新聞、花果子念報を出版している新聞記者である。

 

 

早苗「実は弾さまの記事が誤報であることを花果子念報で報道してほしいんです!」

 

はたて「ええ………あれ天魔様がOKだしたやつだからなあ……」

 

 

早苗「そこをどうにか……!!」

 

咲夜「私からもどうか……!!」

渋るはたてに二人がかりで頼み込む。それでも渋るはたてにとうとう早苗は……

 

 

早苗「そこまで渋るなら私とバトルです!私が勝ったら、弾さまが無実である記事を出してもらいます!!」

 

 

はたて「!!……へぇ~言うようになったわね早苗……!!いいわよ!私にケンカ売ったことを後悔させてあげる!!」

 

 

早苗 はたて「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 早苗はNo.41サポートセレブレーションを配置。

 

第2ターン はたてはケンゴーキジを二体召喚してターンエンド。

 

 

第3ターン 早苗はビヤーキーとカニコングを召喚して、ビヤーキーの効果でケンゴーキジを破壊してコアブーストした。これでターンエンド。

 

 

第4ターン はたてはシノビチュウヒを召喚。召喚時効果でコアブーストしてターンエンド。バトルは第5ターン目である。

 

早苗「メインステップ!異海獣アビスシャークをレベル2で召喚!効果でコアブースト!そして、轟魔神を召喚します!アビスシャークと合体します!」

早苗のフィールドに鮫のようなスピリットが現れ、轟魔神と合体する。

 

 

早苗「アタックステップ!アビスシャークでアタックします!轟魔神の効果で最高レベルに!アタック時効果で三枚ドローして二枚破棄します!」

 

はたて「ライフよ!」

 

 

アビスシャークがライフを噛み砕く。

 

 

早苗「ターンエンドです。」

 

 

はたて「よ~くもやってくれたわね!メインステップ!空の彼方から来なさい!光牙鳳凰レックウマル!召喚時効果で分身!」

 

 

空の彼方から緑の鳥が飛んでくる。そして、レックウマルが嘶くとレックウマルと同じような姿の鳥がさらに二体現れる。

 

霊夢「へぇ~そんな効果があるのね~」

魔理沙「一体で三体を揃えるなんて……」

 

咲夜「うちの妖精メイド達にも見習わせたいわね。」

 

 

早苗「さぁ、どっからでもかかってきてください!」

 

 

はたて「泣いても知らないわよ!アタックステップ!まずは分身スピリットでアタック!!」

 

 

早苗「ライフです!」

 

 

分身スピリットが早苗のライフを砕く。

 

 

はたて「もう一体の分身スピリットでアタック!」

 

 

早苗「これもライフです!」

 

さらに分身スピリットがライフを砕いていく。

 

 

はたて「行きなさい!シノビチュウヒ!」

 

早苗「カニコングでブロックします!」

 

はたて「フラッシュタイミング!口寄之術!疲労している分身スピリットのカードを表に!不足コストはシノビチュウヒから!………!!鎧風魔ヨロイズモだったので召喚!効果で分身!そして、ヨロイズモでアタック!!」

 

早苗「ええ!?またですか!?……これ以上は良くないですね……フラッシュタイミング!ブリザードウォール!このターンは私のライフは一しか減りません!ライフです!」

 

 

吹雪が吹き荒れる中ヨロイズモは早苗のライフを砕く。

 

 

はたて「ん~あとちょっとだった!ターンエンド。」

 

 

早苗《弾さまは言ってた……最後は来たカードにどう自分が答えるかだって……》

 

「ドローステップ!………行きます!地獄よりきたる三首の悪魔!戌の十二神皇グリードック!そして……正面突破で激突せよ!亥の十二神皇カラミティボア!同時召喚の奇跡!!さらに轟魔神と合体です!」

 

 

早苗のフィールドの奥から二つの青い影がこちらに向けて走ってくる。一体は三首の犬、もう一体は大きな牙を持った猪だった。そして、轟魔神はその二体に力を注ぐ。

 

 

はたて「んげ!来ちゃったよ……」

 

 

早苗「アタックステップ!グリードックでアタック!!アタック時効果で封印します。さらに強奪発揮!相手の手札全てを見てマジックを破棄してそれをノーコストで使用できます。手札オープン!……ふむ、ならそのバインディングソーンをもらいます。レックウマルを疲労させて、自身の効果でグリードックは回復します!」

 

 

はたての手札が露になり、その中のバインディングソーンを噛み砕くグリードック。すると、緑の茨がレックウマルに襲いかかり疲労させる。そして、グリードック自身も回復させた。

 

 

はたて「ライフよ!」

グリードックがはたてのライフを噛み砕く。

 

 

早苗「さらにカラミティボアでアタックです!アタック時効果で突進!最もコストの低いスピリットに指定アタックします!そして、破壊したらデッキを八枚破棄して次に低いスピリットとバトルです!これが私の激突です!」

 

 

 

はたて「止まらない!?しかもデッキ破壊まで!?」

 

 

カラミティボアが突進して、分身スピリットを吹き飛ばす。そして、次の獲物をケンゴーキジに定め再び突進する。さらに破壊したあと、ヨロイズモ、レックウマルも破壊した!そして、破壊するごとにはたてのデッキが削られ、デッキが0になる。

 

 

早苗「トドメです!グリードックでアタック!!」

 

 

はたて「ちょっと!!容赦無さすぎじゃない!?」

 

 

グリードックが三首からビームを発射した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「それじゃ~お願いしま~す!」

 

 

 

はたて「うう……」

 

 

そう呻いて飛び去っていくはたてを見送った四人だったが、咲夜が思い出したように早苗に言った。

 

 

咲夜「……そういえば……弾さまは次の定例会議に出る「本当ですか!!?」ええ!!!そうよ!バトルしてもらったら!?」

 

早苗「うわあ~!!!どうしよう~!!?今から緊張してきた~!!!」

 

そう興奮している二人に霊夢と魔理沙は匙を投げた。

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷……いや、幻想郷とある世界の境目…………

 

 

ヘカーティア「……ええ、そうです……ようやく見つけました………この地球を任せられそうな者を……はい……ええもちろん……彼はこの世界を真に憂いております………!そうですか………!はい……了解しました………儀式のあと彼を連れて、そちらに向かいます……………

 

 

 

 

 

 

ロロ様

 

 

 

 

 

 

 




はい。短いですがありがとうございました。



はたてさん出ました。でも、早苗さんの十二神皇の引き立て役として………たぶん、「あれ?文さんは?もうお説教終わったはず……」と思う方もいるでしょう………フフフ………


そして、最後のヘカーティアの言葉……自分なりにヘカーティアを出すのなら彼と接点あってもおかしくないですよね……?
でも、アニメ軸の世界でしかも、任せるとは一体……?



次回予告 vs四天王!隠岐奈のメタを攻略せよ!!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vs四天王!隠岐奈のメタを攻略せよ!!

さあ、vs隠岐奈戦です。弾さまを影から見ていて、対策もしてきたであろう隠岐奈に弾さまはどう立ち向かうのか!?……は!早苗さんの弾さん教が移った……



あらすじ 早苗ははたてに弾の無実の記事を書かせることに成功した。一方、その弾は………




太陽の花畑では、バトルフィールドが展開されていた。バトルしているのはもちろん弾と隠岐奈である。

 

 

 

 

第1ターン 隠岐奈は甲竜の狩場を配置して、バーストセット。

 

 

第2ターン 弾は砲凰竜フェニック・キャノンを召喚してネクサスを破壊した。

 

 

第3ターン 隠岐奈はゲッコゴレムを召喚してマジック、ストロングドローを使用。三枚ドローして、手札の闇の聖剣と双光気弾を破棄した。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 弾は自分を配置してコアを一個置いた。そして、ダンデラビットを召喚してターンエンド。

 

 

第5ターン 隠岐奈は五聖童子を召喚。さらにマジックストロングドローを使い、三枚ドローして、手札の爆烈十紋刃とブレイヴサクリファイスを破棄した。これでターンエンド。バトルは第6ターン。弾のターンである。

 

 

幽香「あいつ……召喚時効果対策にブレイヴメタ……弾とのバトルを考えてきているわね……」

 

 

弾「メインステップ。リボルコレオンのアクセル発揮。デッキから三枚オープンして、その中の幻魔神とピスケガレオンを手札に。太陽よ!神の力纏いて竜となれ!太陽竜ジークアポロドラゴンX!召喚!

 

《明らかに、合体メタをしている……》

 

 

……合体はしない!そのままアタックだ!アタック時効果で五聖童子を指定アタック!」

 

 

すると、案の定バーストは合体スピリットのブレイヴを破壊できるダークマターだった。効果で、ブレイヴサクリファイスをデッキの下に戻してドロー。そして、ジークアポロは五聖童子を焼き付くした。

 

 

弾「ターンエンド」

 

 

隠岐奈「おっしいな~、メインステップ。バーストセット、んでもってガーネット・ドラゴンをレベル3で召喚。そして、そのままアタック。」

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

ガーネットドラゴンが突進してライフを砕く。

 

 

隠岐奈「…ターンエンド。」

 

 

 

弾《厳しいな……アクアエリシオンや永琳の化神が欲しいが……》

「メインステップ。エリダヌスドラゴンを召喚。そして、疲労させて召喚!星の力注ぐ対の魚!命喰らう呪われし船!双魚賊神ピスケガレオン!召喚時効果でスピリットのコアを除去する!そして、太陽竜をレベル2に!アタック!!アタック時効果でライフを貰う!」

 

 

魚座からピスケガレオンが現れ、重装甲を持っているガーネットドラゴン以外のスピリットを消滅させる。そして、ジークアポロが炎をはきながら飛び立ち、隠岐奈のライフを砕いた。

 

 

隠岐奈「へぇ、バーストを恐れないとは……だがそれは悪手だ!バースト発動!鉄拳明王!トラッシュからネクサスを配置する!そして、そのアタックはライフだ!」

 

 

ジークが隠岐奈のライフを砕いたが、フィールドに青い拳闘士が登場し、隠岐奈の後ろに闇の聖剣と甲竜の狩場が現れる。

 

弾「……ターンエンド。」

 

 

隠岐奈「さあて!行くか!メインステップ!闇の聖剣をレベル2に!ゲッコゴレム!そして、ガーネットドラゴンのコアを使って…来な!甲竜を束ねる母船!甲竜戦艦エンタープライズ!さらに、白夜の宝剣ミッドナイトサン!エンタープライズに合体!これにより、連鎖を無条件で発揮できるようにする!」

 

 

 

隠岐奈のフィールドがひび割れ、巨大な蛇型空母が這い出てくると、空から降ってきた白い剣を口に咥えて大きく吠えた。

 

 

幽香「!不味いわ!弾!気をつけて!!」

 

 

隠岐奈「アタックステップ!エンタープライズでアタック!!」

 

弾「ダンデラビットでブロック!」

 

 

ダンデラビットがエンタープライズとびかかるがあえなく弾き飛ばされた。すると、エンタープライズが弾のライフを二つ砕いて、起き上がった!

 

 

隠岐奈「エンタープライズの効果!ブロック時相手のスピリットをBP勝負で破壊した時、ライフを二つ砕いて回復できる!さらに自身の連鎖でその効果をアタックステップにも発揮!!再度アタック!!これで決まりだ!!!」

 

 

 

エンタープライズの剣が弾のライフに迫る………!!!

 

しかし……

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!!マジック!デルタバリア!!ライフで受ける!!!」

 

 

弾の前に三角のバリアが展開され、エンタープライズの剣を弾いた!

 

 

隠岐奈「ゲゲゲ!!!……ターンエンド…」

 

 

幽香「やった!防いだ!!」

 

 

弾「……なぁ、一つ聞きたいことがあるんだが……」

 

隠岐奈「……?なんだ?」

 

 

弾はターンを始める前に隠岐奈に尋ねる。

 

弾「……この幻想郷の成り立ちだ……どうやってこの楽園を創ったのか……それまでにどんな苦難があったのか……それが知りたいんだ……」

 

 

隠岐奈「…………いいよ………」

 

 

そう言った隠岐奈の顔が暗くなったのを弾は見落とさなかった。そして、語られる話。他の妖怪との軋轢。月との戦争。結界の準備。しかし、ほとんど出てくる名前は八雲紫だった。それで弾は思いきってこう尋ねた。

 

 

 

弾「……幻想郷はたくさんの困難の先にできたものだったんだな……でも……あんたは……もしかしたら八雲紫に……劣等感を抱いてないか……?」

 

 

隠岐奈「……!!!……まあね………実際、ほと~んど活躍したのはあいつだった。私はただ裏から幻想郷の気を制御しているだけ…今回の異変もあんたを探す下仕事……そういう役割に追いやられた…………弾………頼みがある………聞いてくれるか…………?」

 

 

弾「……オレにできることなら………」

 

 

隠岐奈「……紫を止めて欲しい………」

 

 

隠岐奈の言葉に驚く弾。

 

 

隠岐奈「たぶん、今までのとは桁外れの力を持っている君に……紫は恐れを抱いているんだ……だから、天狗の新聞記事にあんなことを書かせた……でも……あいつは一番この幻想郷を愛している……それは間違いない……でもその愛ゆえに……あいつは……道を踏み外すことになるかもしれない………本来は私がやるべきなのだが………引き受けてくれるか………?」

 

 

弾「………もちろんだ!!!それがオレがこの世界でやりたいことだから!それに、あんたのことも知れた……ありがとう……話してくれて………」

 

 

弾はそう言って、ターンを始める。

 

 

 

弾「ドローステップ!……!よし!メインステップ!リボル・コレオンを召喚!効果で幻魔神を召喚する!合体メタを打ち破る!エリダヌス・ドラゴンを疲労!鋭く輝く青き槍!神をも貫き殺すその猛毒!天羯神騎スコル・スピア!!!レベル2で召喚!!幻魔神と左合体する!!!」

 

 

 

天からの光が地面に蠍座を描く。するとそこから青い蠍が這い上がってくる。さらに幻魔神が力を与えるとスコル・スピアの体が機械のように変わる。両腕のハサミや足は太く、大きくなり、尾にも銃口のようなものが装置される。

 

 

弾「超装甲により、闇の聖剣の効果は受けない!さらに、フェニック・キャノンにコアを追加する!」

 

 

 

隠岐奈「?」

 

 

 

幽香「…異魔神にコアを……?」

 

 

弾「アタックステップ!スコルスピアの効果!コア一つ以上のっているスピリット状態の異魔神をコスト10、系統神皇、BP20000のスピリットにする!アタックステップ!フェニックキャノンでアタック!!アタック時効果で鉄拳明王を破壊!!」

 

 

 

隠岐奈「まじか!ライフで受ける!」

 

 

フェニックキャノンが砲撃して鉄拳明王とライフを破壊する。

 

 

 

弾「続け!スコルスピア!!!効果でガーネットドラゴンを破壊!!」

 

 

 

隠岐奈「フラッシュタイミング!!光翼之太刀!エンタープライズを疲労ブロッカーにしてブロック!効果でライフを貰うぞ!」

 

 

エンタープライズがスコルスピアの前に立ちふさがり、体重をかけて剣を突き立てる。その重さに受け止めたまま後退するスコルスピア。

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!オレの効果で甲竜の狩場を破壊する!」

 

 

弾が矢を放ち、ネクサスを破壊する。

 

隠岐奈「でもこっちのBPは23000!スコルスピアは21000!こちらがまだ「フラッシュタイミング!アクセル!キグナスワンMk-II!スコルスピアをBPプラス3000!!」……持ってたか………」

 

 

スコルスピアの目が白く輝くと、ぐっと足を踏ん張り、エンタープライズを受け止めた。そして、エネルギーを集中させた尾をおもいっきり突き立てた!エンタープライズはそのまま倒れこみ、爆発した!

 

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!これで終わりだ!行け!ジーク・アポロドラゴンX!」

 

 

 

隠岐奈「あはは!完敗だよ!ライフだ!」

 

太陽竜が炎を放った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隠岐奈「悪い。色々と……」

 

 

 

弾「幽香にも言ったけど、慣れてるから別に大丈夫だ。」

 

 

 

幽香「…大体慣れてるからで片付けるのね……」

 

 

バトル後、談笑していた三人。そこに……

 

 

 

白蓮「弾さん!ご無事で……すね……」

 

 

 

隠岐奈「お!白蓮!どうし……ああ、さしずめ誰かに弾を守れと言われたんだな?」

 

 

幽香「全く……(´~`)」

 

 

 

弾「あんたは……?」

 

 

白蓮「すみません!御談笑中!私は人里近くの命蓮寺という寺で住職をしています、聖 白蓮と申します。あの、弾さんですね?慧音さんが心配していましたよ。」

 

 

 

弾「あ~そう言えばそうだったな……」

 

 

そう言って頭をかく弾。

 

 

白蓮「もしよろしければ、私の寺で御談笑の続きをしたらどうでしょう?慧音さんもいますし、うちなら人間妖怪関係ありません。」

 

 

 

幽香「あら、そうだったわね。ならそうしましょう。」

 

 

 

隠岐奈「私の扉を使いな。一瞬で着く。」

 

 

 

こうして四人は命蓮寺へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷のどこかでは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……まさか……本当にいたとは………ふん、まあいい。邪魔をするなら捻り潰してくれる……もうすぐだ……もうすぐこの世界の浄化が完了する……」

 

 

 




はい。ありがとうございました。


なんか、隠岐奈さんも弱々しくなった………でも彼女の登場の低さを(大人の都合は考えない)自分なりに解釈しました結果です。


さて……あと出てない十二宮は双子座、蟹座、天秤座、獅子座、射手座……前三つは、蟹座はともかく活躍させにくいし、後二つは人気高すぎて変に書いたらダメだし……がんばります………


次回予告 理想郷の真実。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

理想郷の真実。

バトル無し回、再来! でも次の章のクライマックスを盛り上げるためには必要な回なんです。今回、弾さんが幻想郷の矛盾を知ります。そして、何を思うか……

そして、とうとう!サーガブレイヴ!配信です!いや~凄い!え!?何がって!?それは自分の目でお確かめください!爆エモイ!!!弾さ~ん!!!


あらすじ 隠岐奈から紫を止めて欲しいと頼まれた弾。それを快諾した後、弾を心配して駆けつけた白蓮によって命蓮寺に招かれる。


命蓮寺

 

 

 

 

命蓮寺に着いた弾達を待っていたのは永遠亭メンバーと慧音だった。弾は永琳と慧音にみっちりお説教を受け、輝夜のご機嫌をとった後、一人部屋にこもってデッキ調整をしていた。そこに白蓮が入って来た。

 

 

 

白蓮「すみません。弾さん。少しよろしいでしょうか………?」

 

 

弾「……………ああ、悪い。集中してた。いいけど……」

 

 

そうして白蓮といっしょに外に出る。そして、縁側に座ると白蓮が口を開いた。

 

 

 

白蓮「……実は、私、少し悩みがあるんです。」

 

 

弾「悩み?それは何なんだ?」

 

 

 

白蓮「…人間と妖怪の楽園への道のりがまだ遠いことです……よく思います。私は何もできていないと……」

 

 

 

弾「?ここ、幻想郷は人間と妖怪の楽園じゃ……」

 

 

 

隠岐奈「そうじゃないんだよ……」

 

 

 

そう言って、話しかけてきたのは隠岐奈だった。隣には幽香と永琳もいる。

 

 

永琳「弾。確かに幻想郷は人間と妖怪が共存している。でも………ただ共存しているだけ……楽園とはほど遠いわ……」

 

 

 

幽香「その理由は、妖怪の生活を守るためなのよ…妖怪は人間に恐れられないと存在を保てない。私はもういらないほどだけど………」

 

 

 

弾「……永琳……それは、どうにもならないものなのか……?」

 

 

 

弾は真剣な目付きで尋ねる。永琳は目を少し閉じた後、答えた。

 

 

永琳「……結論から言えば……私ならできるわ。結界を少し弄れば……でも、紫は反対するだろうけど……」

 

 

弾「どうしてだ?彼女はこの幻想郷を愛しているんじゃないのか?」

 

 

 

幽香「あいつは永遠亭の連中を一番警戒しているから、結界に手を入れることは気に入らないのよ。」

 

 

 

白蓮「そして彼女は一番、妖怪であること、恐れられることこそ妖怪であるという考え方をしているんです。だから、恐れられないことは自らを失くすのと同然なんです。」

 

 

 

隠岐奈「それに……管理が大変になるって訳もあるけどね………」

 

 

永琳「……隠岐奈?それは一体どういうこと…?」

 

 

 

四人は疑問の目を隠岐奈に向けた。

 

 

 

 

隠岐奈「…実はね…人里の家にいる座敷わらし達……あれみんな、紫の盗聴のためにいるんだよ……人間達を管理するために………」

 

 

 

 

四人「「「「!!!?」」」」

 

 

 

四人は驚く。当然のことである。まさか、紫がそんなことまでしているとは思いもよらなかったからだ。そのなかで、弾が口を開く。

 

 

弾「……なぜその必要があるんだ?」

 

 

隠岐奈「十中八九、餌を確保するためだね……」

 

 

永琳「なるほどね……人里は恐れをたくさん供給できる。人里のルールにも妖怪化を禁止する法があるのもそれが原因ね……人間がいなくなってしまったら、供給できないもの。」

 

 

 

 

幽香「まるで、養豚場ね……そう言えば……私のところでも、何かを監視しているような式が飛んでくるのをよく見るけど……まさか、それも?」

 

 

 

隠岐奈「ああ、妖怪の数が多くなっても不味いからね……餌が無くなるし……普段は紫が適当に神隠ししてくるんだけど……あれは、私はちょっと非人道的だと言ったけど、あいつは聞かなかった。そんなに人間は美味いのかねえ……?」

 

 

 

 

弾「………オレ、ここのことを初めて聞いたとき…感動した……以前、オレのいた時代でも…違う種族が手を取り合って協力の道を歩み始めていた。それを考えているやつがここにもいたんだそう思った……でも……今の話を聞いて……ここは……箱庭だと思った……たった一人の妖怪が自己満足のために創った…」

 

 

 

隠岐奈「…申し訳ない……私達がもっとあいつにガツンと言うべきだった……」

 

 

 

弾「いいよ……オレもやりたいことが固まった!」

 

 

 

幽香 白蓮 隠岐奈 永琳「「「「?」」」」

 

 

 

 

弾がその他ことを言おうとした時!!

 

 

 

 

弾「!!誰だ!!!」

 

 

 

 

そう言って弾からなんとピスケガレオンの鎖が伸びて、異空間にいた何者かを絡めとった!その人物は……

 

 

 

 

隠岐奈「!!八雲藍!紫の式神だ!」

 

 

 

 

永琳「まあ、いわゆる部下ね。で?何しに来たのかしら?まあ、監視だろうけど……」

 

 

 

幽香「どうする?私はこのまま押さえておくべきだと思うけど………」

 

 

白蓮「いえ、それは少し……話を聞いてみたらどうでしょう?」

 

 

 

藍「く!!不覚!!とうとう本性を現したか!!くらえ!!」

 

 

そう言って、爪を突き立てる藍。しかし弾はアクアエリシオンの水瓶シールドで防ぎ、シュタインボルグの魔方陣で地面に縛り付けた!

 

 

 

陣に囚われて動けない藍に弾はこう言った。

 

 

 

 

弾「帰ってお前の主にこう伝えてくれ。……もし、オレが邪魔なら直接自分が出てこいってな。」

 

 

 

そう言って、魔方陣を解く。藍は睨み付けた後、スキマを開いて去っていた。

 

 

 

永琳「……帰しちゃっていいの?」

 

 

弾「……アイツと直接会って話したいんだ……」

 

 

幽香「まぁ、それが弾らしいわね……」

 

 

 

白蓮「…そうなると……定例会の時になりますかね……直接会うのは………」

 

 

 

隠岐奈「それが一番いいかもしれないな……博麗の巫女とも顔を会わせられるし……」

 

 

 

弾「…なぁ、隠岐奈、その博麗の巫女って……」

 

 

 

 

誰だと続けようとした時、ドタドタと誰かが走って来る音が聞こえた。そして、縁側に現れたのは戦いの神、毘沙門天の代理人寅丸 星だった。

 

 

 

 

星「聖!大変です!!!ああ皆さんちょうどよいところに!!」

 

 

 

白蓮「星!そんなに慌ててどうしましたか?」

 

 

 

白蓮は冷静に尋ねた。すると星はとんでもないことを話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

星「白玉楼の亡霊と閻魔が「馬神 弾をだせ!」といって訪ねてきました!!!」

 

 

 

 

 

 

五人「「「「「!!!?」」」」」

 

 

また、波乱が起こる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、霊夢はうるさい早苗と咲夜を帰らせて、魔理沙と悪霊退治に出かけ、それが一段落したので、神社でゆっくりしていた。そこに……

 

 

 

紫「霊夢?大丈夫?馬神 弾は見つかったかしら?」

 

 

 

 

霊夢「!!ちょ~うどよかったわ!紫!!あんたにた~くさん聞きたいことがあるわ!!!馬神 弾は無実だって聞いたわ!!!そのせいで危うく、早苗と咲夜に殺されかけたわよ!!」

 

 

 

 

魔理沙「そうだせ!!何で言ってくれなかったんだよ!!お前のことなら裏ぐらいとれるはずだろ!?」

 

 

 

紫「…………もし、そうだとしても……彼が幻想郷にとって良くないことをもたらすことには変わりないわ……」

 

 

 

 

そう言う紫にさらに文句を言おうとした時、スキマから藍が現れる。

 

 

 

藍「紫さま……」

 

 

紫「藍?あなたどうして………?」

 

藍「紫さま……馬神 弾から伝言です……邪魔なら直接自分で来いとのことです……そして、摩多羅隠岐奈と風見幽香、八意永淋並びに、聖白蓮は馬神 弾につくようです……」

 

 

 

霊夢「!え?藍、あんた馬神 弾と接触とれるの!!?て言うか何であいつらと!?」

 

 

紫「…………行くわよ……藍………」

 

 

 

魔理沙「おい!ちょっと待て!!」

 

 

 

そう言ったが、二人はスキマに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「………馬神 弾………あなたは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙界 純狐の家

 

 

 

 

 

ヘカーティア「ただいま~」

 

 

 

純狐「あ!ちょっとヘカーティア!あなた昨日からどうしたのよ!どこで何やっていたの?」

 

 

 

ヘカーティア「え?まぁ、……あれよあれ。世界平和を………」

 

 

純狐「ウソつかないで!!」

 

 

 

 

ヘカーティア《まぁ、強ち間違いでもないんだけどね………》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「……は?今、なんと?」

 

 

 

???「馬神 弾を始末しろと言っている。後、目障りな博麗の巫女、賢者、その他邪魔をする者達全て始末せよ。」

 

 

 

 

???「……私には荷が重すぎます……」

 

 

 

 

???「違う。同士討ちをさせる。八雲 紫に仕込め。」

 

 

 

 

???「………畏まりました………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

命蓮寺 客間

 

 

 

小町「四季さまいいんですかい?こんな強引に……」

 

 

 

映姫「正しいことをしているのに何を戸惑うことがありますか。」

 

 

 

妖夢「あの~幽々子さま。私、非常に気まずいんですが……」

 

 

 

幽々子「大丈夫よ♪いざとなれば、私がバトルするから。」

 

 

 

 

そう雑談している四人。そこに弾達が入って来る。件の馬神 弾がどのような男か見ようと映姫達は彼を見た。

 

 

 

 

 

小町《!!!?なんだい!?この男の目は!!たかが十数年生きた男の顔じゃない!!!》

 

 

 

 

映姫《………!!まさか、私が怯むとは……一体どれ程の力を持っているのか……》

 

 

 

妖夢《!!?あの時より……気力が増している?》

 

 

 

幽々子《ふう~ん………これなら紫が怖がるのも頷けるわね……》

 

 

それが、四人の反応だった。弾は反対側に座り、尋ねた。

 

 

 

弾「……で、用件はなんだ?……まぁ予想はついているが………!君はさっきの……」

 

 

 

妖夢「……先ほどは失礼しました。」

 

 

 

映姫「馬神 弾。私は四季映姫 ヤマザナドゥです。この幻想郷で閻魔を勤めています。さて、本題ですが……あなたはこのままだと地獄に落ちます。」

 

 

 

全員「!!!?」

 

 

 

 

妹紅「おいおい!何でそうなるんだ!」

 

 

 

幽香「全く……やっぱりお説教よ……」

 

 

 

永琳「……理由を聞いても?」

 

 

 

映姫「はい、あなたは情報がない。生者なら必ずそれは残る。しかし、あなたは約十年前から途切れている。そんな人間を転生させる訳にはいきません。」

 

 

 

小町「まぁ、その前に……三途の川を渡りきれるかねえ?」

 

 

 

映姫「小町!まだ話の途中です。したがって、馬神 弾。あなたが今すぐ外界へ戻り、善行を重ねたらまだチャンスがあります。なので、案内します「断る。」のって!!!?」

 

 

 

映姫の言葉を遮って弾は言い放つ。

 

 

 

 

弾「この世界でやるべきことができた。それを達成するまで、オレは帰らない!もし邪魔するなら、バトルで排除する!!」

 

 

映姫「……仕方ありませんね……なら私と勝負しなさい。私に勝てたなら、それを認めましょう。しかし、負けたときは……」

 

 

弾「いいさ。それなら、そのまま地獄でもいいぜ?」

 

 

 

慧音「おい!お前……!!」

 

 

 

映姫「……その言葉!後悔しないことです!」

 

 

 

 

幽々子「へぇ、楽しくなってきたわ……!」

 

 

 

 

 

弾 映姫 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 




はい。ありがとうございました。


東方を知っている人はわかりますが、幻想郷はかなりアンバランスな仕組みで成り立っています。座敷わらしのスパイ、恐れを妖怪は必要とする、人里の人間は妖怪になれない。これらは原作にもありますが、妖怪を監視する式、永淋か結界を弄れば解決、紫は恐怖させる妖怪に誇りを持っている。これらは私の想像です。でもあり得そうなことです………


そして、弾さんとうとうリアルファイトもできるように……一応、藍は九尾の狐の大妖怪です。霊夢でも、本気になれば勝てるかわかりません。それを簡単に捻り潰すとは……創界神の力ってすげ~!!




次回予告 vs四天王!大逆転裁判開廷!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vs四天王! 大逆転裁判開廷!!

異議あり!!………すみません。言ってみたかっただけです。それにしても、弾さんこの話の中ではまだ数日ぐらいしか経っていないんですね……日常編とか書けばよかったなあ……まぁ、引き金になった時点でもう創界神化していたから……(震え)



あらすじ 隠岐奈達から幻想郷の真実を利かされた弾。そこに現れたのは、閻魔の四季映姫だった。今すぐ外界へ戻れという映姫に対して、弾はバトスピで戦いを挑む。


第1ターン 映姫はアスケラ・ドラゴンを召喚してターンエンド。

 

 

第2ターン 弾はネクサス、光輝く大銀河と自分を配置してコアを一つ置いた。

 

 

第3ターン 映姫は魔界竜鬼ダークヴルムを召喚して、効果でライフを一つトラッシュに置いて二枚ドローした。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 弾はピクシス・リザードとダンデラビットを召喚。さらに、アクセルでリボル・コレオンを使用してその中の魔羯邪神シュタイン・ボルグとベオ・ウルフを手札に加えた。そして、バトルは第5ターン。映姫が動く!

 

 

映姫「……メインステップ。アスケラ・ドラゴンをレベル2に。天から下る神罰の雷!来なさい!雷皇龍ジークヴルム!自身の効果でコスト四で召喚します。」

 

 

映姫の後ろから、赤いドラゴンがのぼってくる。そして飛び立ち、映姫のフィールドに降り立った。

 

弾「!!?ジークヴルム!?」

 

 

輝夜「ちょっと待って!?ジークヴルムにコスト軽減効果ってあった!?」

 

 

小町「四季さまは地獄を通じて、外界との繋がりがある。そこから仕入れたと思うよ。外界は少し効果とかが増えてるそうだからね………」

 

鈴仙「弾さん……大丈夫でしょうか……?」

 

 

映姫「アタックステップ。ジークヴルムでアタック。アタック時効果で煌激突、必ずブロックしてもらいます。」

 

 

弾「ダンデラビットでブロック!」

 

ジークヴルムの炎を纏った突進にダンデラビットは弾き飛ばされる。

 

 

映姫「ターンエンドです。」

 

 

弾「メインステップ!山羊座から来たる魔術師!死を司る冥界の王!顕現せよ!魔羯邪神シュタイン・ボルグ!光輝く大銀河の効果でコスト五で召喚!

 

召喚時効果で、オレの効果でトラッシュに行った騎士王蛇ペン・ドラゴンを手札に戻す!そして、アタックだ!アタック時効果でジークヴルムのコアを外す!」

 

 

山羊座からシュタイン・ボルグが現れ、映姫に向かって行く。さらに、杖をふるってジークヴルムのコアを外して消滅させる。

 

 

映姫「ライフで受けましょう。」

 

 

映姫のライフにシュタイン・ボルグの杖が突き刺さる。

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

映姫「フム………メインステップ。ネクサス、堕ちる煌星を配置して、スピリットのレベルを上げてターンエンド。」

 

白蓮「……動きませんね……」

 

 

隠岐奈「これをチャンスとみるか、罠とみるか………」

 

妖夢「………………」

 

 

弾「メインステップ!リボル・コレオンを召喚して、手札からペン・ドラゴンをノーコスト召喚!召喚時効果でスピリットからコアを外す!そして、シュタイン・ボルグ!リボル・コレオンと合体させる!」

 

 

フィールドにペン・ドラゴンが現れると二体に力を分け与える。そしてシュタイン・ボルグは紫の剣を反対側の手に持った。

 

 

弾「アタックステップ!シュタインボルグでアタック!効果でアスケラドラゴンのコアを外す!さらに、ペンドラゴンの効果でダークヴルムを消滅させてドロー!」

 

 

シュタインボルグとペンドラゴンが次々とコアを外していく。だが映姫は冷静に手札のカードを取り出した。

 

 

映姫「フラッシュタイミングです。マジック、絶甲氷盾です。このバトルでアタックステップは終わります。ライフです。」

 

 

シュタインボルグが剣をふるってライフを砕いた後、映姫の前に氷の壁が現れてこれ以上のアタックを封じた。

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

慧音「惜しい!」

 

妹紅「でも、次のターンに弾は映姫をまた攻められる。手札も多いし……」

幽々子「それはどうかしら?」

 

 

幽香「………何?まさか、ここから逆転できるカードが来るの?」

 

 

幽々子「ええ、一体、もしくは二体でね………」

 

 

映姫「ドローステップ……!……さて、メインステップ。一月幼神ディアヌスキッズを召喚。召喚時効果は使いません。そして、黒皇龍ダークヴルムをライフをトラッシュに置いてコストマイナス3で召喚………ディアヌスの効果!手札の煌臨を持つ赤のスピリットをメインステップで煌臨させます。さぁ!裁判の始まりです!

 

 

ダークヴルムに煌臨!地獄の炎!輪廻転生の光!命与える弁護人!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果で、トラッシュのコア全てを回収し、ライフを全回復!!」

 

 

弾《何だって!!!?ノヴァ!!?》

 

ダークヴルムが炎に包まれ消えていく。すると、そこに天から炎が集まり、赤のシンボルが現れる。それが砕け、中から白と赤の翼を持ったドラゴンが現れた。

 

 

映姫「さらに、ブレイヴがあるのでコスト4で召喚!地獄の闇!奈落の虚無!命奪う検察官!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!!効果でブレイヴを破壊します!さらにこれからあなたはいかなるブレイヴも召喚できません!」

 

 

ダークヴルム・ノヴァから放たれた波動がペンドラゴンを破壊する。

 

 

弾《………マジか………またよりによって…………アイツのスピリットか………》

 

 

映姫「二体を最高レベルに。バーストセット。アタックステップ!ジークヴルム・ノヴァ!行きなさい!アタック時効果でお互いの手札、手元を全てを破棄させます。」

 

 

弾「何!?しまった!!!」

 

 

お互いの手札、手元がジークヴルムノヴァの咆哮によってトラッシュへ送られる。そこには、ジーク・アポロドラゴン……ドラゴニック・タウラス……アクア・エリシオンなどもあった……

 

 

映姫「さぁ、そしてそれがメインアタックです!」

 

 

弾「リボルコレオンでブロック!」

 

 

ジークヴルムノヴァが炎でリボルコレオンを破壊する。

 

 

映姫「さらに、ダークヴルムノヴァでアタック!アタック時効果!疲労状態のシュタインボルグを破壊!」

 

 

ダークヴルム・ノヴァがシュタイン・ボルグを爪で切り裂いた。

 

 

 

弾「シュタイン・ボルグの効果でトラッシュからペン・ドラゴンを回収……ライフだ!」

 

 

ダークヴルム・ノヴァの黒い炎がライフを砕く。

 

 

 

映姫「ターンエンドです。」

 

 

妹紅「……ウソだろ………」

 

 

輝夜「今回ばかりは妹紅に賛成ね………」

 

 

慧音「弾のフィールドが………」

 

 

隠岐奈「残ったのはピクシス・リザードど手札のペン・ドラゴンだけ……」

 

 

幽香「でも、ダークヴルム・ノヴァの効果でペンドラゴンは使えない……」

 

 

白蓮「どう、ここから逆転するのでしょうか……?いえ、できるのでしょうか?」

 

 

 

永琳《弾………………》

 

 

弾はターンを始める前に尋ねる。

 

 

弾「……閻魔さま……少し話したい……あんたはオレをどこまで知っているんだ?」

映姫「……いえ、ただ凄腕のカードバトラーで、外界では敵なしだったとか………」

 

 

弾「……もう一つ………オレは何の罪で地獄に行くんだ?」

 

 

 

映姫「簡単に言えば、幻想郷に入って来たとき、結界を部分的ですが壊した罪、そして幻想郷を混乱に陥れた罪です。それにあなたは自分の罪を反省どころか自覚すらしていない。そう!あなたは少し身勝「オレは話したいっていったんだよ。説教くらいたいなんて言ってない。」てって失礼です!!人の話は最後まで聞きなさい!」

 

 

弾「…あんたのことは永琳達から聞いた。他人に説教して回っているそうだな………どうしてだ?」

 

 

映姫「それはもちろん、彼らは業が深すぎます。なので、私が導かないといけないのです!」

 

 

姫の言葉に弾は嘲笑するかの如くこう言った。

 

 

弾「はぁ……あんたはその説教が迷惑になって業を増やしてることに気づかないのか?」

 

 

映姫「何ですって!!!?そんな事あるわけ「あるんだよ!」ってまた人の話を!!」

 

 

弾「あんたは自分の立場からああだこうだと言うばかり。人の事情を考えず、ただ一つの観点だけでしか人を見ない。もし本当に人のためになっているなら、永琳達はそんな事言わない。口で言うなら何だってできる。本気で人を導くと思うんなら、まず自分が彼らの目線に立たないといけない!!あんたの説教はただの自己満足いや、大迷惑だ!!」

 

 

映姫「……!!!?」

 

 

その言葉に映姫は詰まる。

 

 

弾「後……オレのこと……知りたいなら教えるよ!はぁ~!!」

 

 

弾はそう言うと、映姫に自分の過去を見せた。グラン ロロから今までのこと全てである。終わった後、映姫は……

 

 

映姫「…な、な、何ですか!!この善行の数は!!?地球を二度救い、たとえ周りからバッシングを受けても世界をよくするため努力する………!!?……小町!!彼の三途の川の川幅は!!?」

 

小町「え!!?ええ~と~………はあ!!!?四季さま!!彼の三途の川はもはや川じゃない幅ですよ!もう用水路クラスです!!!」

 

映姫「な!!!?」

 

小町の言葉に映姫は驚愕する。普通の人間の三途の川の川幅と桁違いに短い…つまり弾の行った善行が桁外れであることを証明していた。ボーゼンとしている映姫に弾は話しかける。

 

 

弾「これがオレとあんたの違いだ!そして、この世界を救う!!スタートステップ!!

 

 

《このバトルに勝つなら、あの……あのカードしかない………それに運も少し絡む……来てくれ………!!》

 

 

……ドローステップ!!……………!きた!!!メインステップ!!ここから逆転裁判の始まりだ!!人を量る天秤!!弱者を助ける正義の化身!!さぁ、お前の罪を数えろ!!レベル3で召喚!!天秤造神リブラ・ゴレム!!!

 

 

空に天秤座が現れて、そこから青い光と共に一体のゴーレムが降りてくる。その両腕には錫杖と盾を持っていた。

 

 

映姫「何が来ようとも!そのスピリット一体で何ができるのです!!?」

 

 

弾「もちろん勝つことだ!!アタックステップ!!リブラ・ゴレムでアタック!!アタック時効果で三枚デッキを破棄!!その中にスピリットカードが一枚以上おかれた時、回復する!!!」

 

 

リブラ・ゴレムが錫杖を振るうと、映姫のデッキから三枚カードが落ちる。その中にアスケラ・ドラゴンがあった。よってリブラゴレムは回復する。

 

 

映姫《マズイ!!私のデッキはかなりスピリットが多い!!ここはライフで受けて、絶甲氷盾を発動させる!!》

「ライフです!ってライフが減らない!!?」

 

 

リブラ・ゴレムは映姫のライフを確かに砕こうとしたが、ライフは砕けなかった。

 

 

弾「悪いな。リブラ・ゴレムは回復状態の時、ライフを削らないんだ!もう一度アタック!!三枚破棄!スピリットがあったので回復!!」

 

 

映姫「!!それならアスケラ・ドラゴンの効果でジークヴルムノヴァは疲労ブロッカーに「オレの効果でアスケラドラゴンを破壊!!」………何ですって!!?」

 

 

 

弾の矢がアスケラ・ドラゴンを貫く。アスケラ・ドラゴンは効果で破壊されない効果をもっているが、それはレベル2からであり、レベル一では発揮されなかった。そして、リブラ・ゴレムが何度も何度もアタックして映姫のデッキを0にした!!!

 

 

 

弾「ターンエンド……どうした?」

 

 

弾は映姫がうずくまって、項垂れているのを見て心配して話しかける。

 

 

 

映姫「……………私がやってきたことは…………間違いだったのでしょうか………?」

 

 

その言葉に弾は答える。

 

 

 

弾「確かにあんたは間違った。でも、そこでどうするか?それをまたしないようどうするのかを考えて行動すれば……いいんじゃないか……?しっかりしてくれよ、裁判長!」

 

 

 

映姫「………!!フフ、二つの意味で完敗です……スタートステップ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルの後、弾はみんなに抱きつかれ、その収拾が収まった後、映姫は弾に誤った。

 

 

映姫「申し訳ありません。あなたのことを知らずして、あのようなことを………」

 

 

弾「いいさ……で?あんたともバトルか?」

 

幽々子「ええ、いいかしら?私はあなたをどうこうしたいって訳じゃないんだけど………強いバトラーがいれば……ね…?」

 

 

弾「ああ、わかるさ……行くぜ?」

 

 

 

弾 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


弾さん大逆転!!いや~ジークヴルムノヴァの手札破棄からの逆転はリブラゴレムしかひっくり返せないと思い、こいつの見せ場にしました。でも合体できなかったのが悔しいです。一応、幻魔神と合体してアレクサンダーのような感じになるとかは考えたのですか、ダークヴルムノヴァの効果を忘れていました……



次回予告 vs四天王! 懐かしの再会!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

vs四天王! 懐かしの再会!!

弾さん四天王全員と連戦………パネエ………


しかし、懐かしの再会とは………?



あらすじ 映姫を退けた弾に幽々子は一カードバトラーとして勝負を挑む。


第1ターン 幽々子は賢者の木の実を配置。

 

第2ターン 弾はエリダヌスドラゴンを召喚。さらに、バーストセットしてターンエンド。

 

第3ターン 幽々子はカッチュウムシとシノビコガネを召喚して、コアブースト。さらに賢者の木の実をもう一つ配置してターンエンド。

 

 

第4ターン 弾は自分とダンデラビット、天羯神騎スコルスピアを召喚。対象カードが2枚あったので、コアを置いた。そして、アタック。スコルスピアは幽々子のライフを貫いた。それにより、幽々子は賢者の木の実の効果でコアを増やした。これでターンエンド。バトルは第5ターンである。

 

 

 

幽々子「メインステップ。フフ、いい感じにコアがたまったわ!舞いなさい!天帝ホウオウガ!召喚時効果でスピリット達を重疲労!そしてマジック、ネオハンドリバース!手札を捨てて、三枚ドロー!」

 

 

 

 

天からホウオウガが降りて、その風で弾のスピリットが重疲労状態になる。賢者の木の実とのコンボに弾はとある二人の面影を重ねた。

 

 

 

 

幽々子「アタックステップ!天帝ホウオウガでアタック!」

 

 

 

弾「ライフで受けて、バースト発動!秘剣二天一龍で二体を破壊して三枚ドロー!不足コストはダンデラビットから確保。」

 

 

 

ホウオウガが羽ばたいて弾のライフを砕くと炎の斬撃がカッチュウムシとシノビコガネを破壊した。

 

 

 

幽々子「あらあら……ターンエンド。」

 

 

 

 

弾「メインステップ!戦場に咲く美しき大天使!その微笑みで戦いに勝利をもたらせ!レベル2で召喚!!戦神乙女ヴィエルジェ!!召喚時効果でライフを増やして、ホウオウガを手札に!さらに、スコルスピアをレベル2にあげる!アタックステップ!ヴィエルジェでアタック!」

 

 

 

 

 

幽々子「ライフよ♪」

 

 

 

ヴィエルジェが幽々子のライフを破壊し、賢者の木の実の効果でまたコアブーストした。

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

 

 

妖夢「幽々子さまが押されている……」

 

 

 

映姫「しかし、いつそれがひっくり返るかわからない……ついさっき、それを身をもって知りましたよ……」

 

 

 

幽香「……それにしても、いい樹ね……」

 

 

 

そんな事を言っている外野を置いて、幽々子は弾に話しかける

 

 

 

幽々子「………実はね、私があなたに会いに来たのはもう一つ訳があるの………あなたに会いたい魂がいるのよ。その魂をあなたに会わせるために私は来たの。」

 

 

 

弾「……?オレに会いたい魂?誰なんだ?」

 

 

 

幽々子「それは……いえ……挨拶がわりにこのスピリット達を出せば、わかるかしら…?」

 

 

 

幽々子の言葉に首を傾げる弾。すると幽々子の周りに二つの魂がやって来て、それぞれ一枚ずつカードを手に取る。すると魂が人の形に変わっていく。その人物は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇貴「……久しぶりだな。馬神 弾!緑の力!白の力!溶け合い雄々しく奮い立て!終焉の騎神ラグナロック!!召喚!!召喚時効果でコアブースト!」

 

 

 

華実「ふふふ……少しカッコよくなったわね……今!羽ばたきの時!天帝ホウオウガ!召喚!!召喚時効果で三体を重疲労!」

 

 

フィールドにホウオウガと白と緑のシンボルが合わさりそこから一体の蝶の翼を持った騎士が現れる。

 

 

 

弾「!!!?勇貴!!果実!!どうして……!?」

 

 

 

 

 

 

 

そう。それは、すでに死んだはずの百瀬勇貴と果実だった。弾の問いに勇貴は答える。

 

 

 

勇貴「さぁ、オレにもわからん…でもまた果実と………お前に会えた………それなら何だっていい!」

 

 

 

弾「………悪い………あの時オレは何も………」

 

 

 

華実「謝らないで……あなたは頑張ったわ………ありがとう………」

 

 

勇貴「……さあ!バトルに戻ろう!幽々子さん!」

 

 

 

幽々子「はぁ~い!!賢者の木の実をレベル2にしてアタックステップ!!」

 

 

勇貴「ラグナロックでアタック!!アタック時効果でターンに一回回復!!」

 

 

 

 

弾「ライフで受ける!!!」

 

 

 

 

 

ラグナロックが弾のライフを手の巨大な剣で破壊する。

 

 

華実「……私も…!ホウオウガ!行きなさい!」

 

 

 

弾「これもライフ!!」

 

 

 

ホウオウガが弾のライフをつついて破壊する。

 

 

 

勇貴「ラグナロックで再度アタック!!」

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!コスト四以上のスピリットではオレのライフは0にならない!!」

 

 

 

弾の前にデルタバリアが現れ、ラグナロックの剣を弾く。

 

 

 

幽々子「エンドステップ。賢者の木の実の効果で二体を回復。ターンエンド。」

 

 

 

賢者の木の実が光り輝き、ラグナロックとホウオウガを起き上がらせた。

 

 

勇貴「それにしても……驚いた。君が青や黄色を使うとは………」

 

 

 

弾「今のオレは何色でもないんでね………メインステップ!兄妹の力には双子の力で対抗だ!集え!光よ!闇よ!一つとなりて現れよ!魔導双神ジェミナイズ!!レベル3で召喚!!」

 

 

 

 

地面に双子座が描かれると、地面が砕けてそこから二つの顔を持ったピエロのようなスピリットが現れる。

 

 

 

 

弾「召喚時効果!!一枚ドローして手札の系統 神皇 十冠 異魔神を持つスピリット、又はブレイヴをノーコスト召喚!!来い!超 炎魔神!!ヴィエルジェとジェミナイズに合体!!ダブルドライブ!解放!!」

 

 

 

炎の中から超 炎魔神が現れ、二体に力を与える。すると、ヴィエルジェの髪が赤く染まり、ジェミナイズも白い部分が赤くなり、背中にも炎の輪が現れる。さらに、二体の手に炎の剣が握られた!

 

 

 

華実「…ふふふ……やっぱり、あなたには赤がお似合いよ………」

 

 

 

 

弾「アタックステップ!ジェミナイズでアタック!!超 炎魔神の効果でBPプラス5000!!」

 

 

 

 

 

華実「ホウオウガ!ブロック!!」

 

 

 

 

空中でホウオウガとジェミナイズがぶつかり合う。ジェミナイズは炎の剣を回転しながら振るい、ホウオウガを切り刻んだ!そして、超 炎魔神が力を注ぎ、もう一度攻撃体制に入らせる。

 

 

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!さらに超 炎魔神の効果!!二体の神皇と合体しているので、もう一度ジェミナイズはアタックできる!!再びアタックせよ!!」

 

 

 

 

 

勇貴「ふ………流石だ……ラグナロック!!」

 

 

 

 

 

ジェミナイズとラグナロックが剣をぶつけ合う。ラグナロックは大剣を振るが、ジェミナイズは踊るように避けていく。 そして、二体の剣が唾競り合いになった時!突如、ジェミナイズが二体に分身した!そして、左右に回り込むと両側からラグナロックを切り裂いた!

 

 

 

 

弾「さらにライフを貰う!これで終わりだ!ヴィエルジェでアタック!!」

 

 

 

 

 

勇貴「………頑張れよ……馬神 弾……」

 

 

 

華実「……私達はいつもあなたを見守っているわ……それを忘れないで………」

 

 

 

 

弾「!!………ああ!!ありがとう!勇貴!華実!」

 

 

 

 

 

幽々子「………さっきから私、空気ね……でも私も楽しかったわ!!!ライフよ!!!」

 

 

 

 

ヴィエルジェの剣が幽々子のライフを斬った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「ありがとう。二人に会わせてくれて……」

 

 

 

幽々子「いいわよ~♪私もバトルできたし♪」

 

 

 

永琳「……それにしても……弾……あなた今日で全四天王を倒したんじゃない?」

 

 

 

弾「……そうだな……だからかな……すんげえ今、眠いんだ………」

 

 

 

そう言うと弾は座布団に頭をのせて横になった。そして、数分も経たないうちにいびきが聞こえてきた。

 

 

 

 

隠岐奈「全く……バトルの時とは別人だな……」

 

 

幽々子「あら~かわいいわね~」

 

 

幽香「……忘れそうだけど……彼はまだ十代なのよね………」

 

 

映姫「そうとは思えないほど達観していますが……」

 

 

 

 

白蓮「皆さん。彼はここでゆっくりさせて、明後日の定例会のために休ませるのはどうでしょう?」

 

 

 

輝夜「そうね。今日は疲れただろうし…」

 

 

永琳「私達は帰ろうかしら?白蓮、弾をお願いね。」

 

 

 

そう言うと全員、それぞれ家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へカーティア「……さて……クラウンピースを博麗神社の地下に住まわせてよかったわ………馬神 弾は明後日の定例会にやってくる。それは間違いない………そこで話せるかしら……?」

 

 

 

 

 

波乱の会議がもうすぐ始まる…………

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

勇貴と華実登場。これは書いていた途中にふっと思って書き足したシーンです。最初、幽々子とのバトルにジェミナイズをもってきたのは舞いという共通点があったからでしたが、それだと弱いと思い、この二人を登場させました。弾さんも会いたかったことでしょう……あと二体はリバイバルにしました。イグドラシルは幽々子さまには似合わないと思ったので……



さて!これで四天王編は終わりです。そして、次はいよいよ定例会編です。弾の処分は!?紫の決断は!?霊夢と魔理沙、早苗の反応は!?へカーティアの思惑とは!?そして、元凶は誰なのか!?次章!明らかになります!!!ぜひお楽しみください!!!



次回予告 感動の出会い!定例会開幕!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四章~覚醒と継承!!定例会編~
感動の出会い!定例会開幕!!


アイツのデッキが欲しい………追加生産はよ……


あらすじ 勇貴と華実と会った弾。二人の言葉に幻想郷を救う決意を再度固める。そして……定例会の日がやってきた……


四天王達との激戦から2日……定例会当日……

 

 

 

 

永遠亭

 

 

永琳「弾、そろそろ出発するわよ!」

 

 

弾「悪い悪い!今いく!」

 

 

輝夜「全く………絶対、デッキ調整していたんだわ……」

 

 

鈴仙「あはは……あり得る……」

 

 

妹紅「おいおい!気を引き締めろ。仮にも弾の無実を証明しに行くんだぞ!」

 

 

輝夜「ハイハイ、わかってるわよ。もこたん。」

 

 

妹紅「誰がもこたんだ!!」

 

 

永遠亭ではいつものメンバーが騒いでいる。するとそこへようやく弾が現れる。そこで永琳は尋ねる。

 

 

永琳「………紫に勝てる?」

 

 

弾「……それがオレの仕事みたいなものだからな…」

 

 

そう言って歩き出す弾に全員歩き始める。目指すは定例会の会場、博麗神社である。

 

 

 

 

 

てゐ「弾!罠に気をつけて!!」

 

 

弾「………え?うわっ!!」

 

 

永琳「弾!!!」

 

 

 

………少し遅れそうである………

 

 

 

 

博麗神社

 

 

弾「あ~危なかった……良かった、飛べて……」

 

あのあと、てゐを折檻して、出発した一同。定例会の開始までかなりの余裕をもって出発したので人は全然いない。そこで、弾は永琳に博麗の巫女について尋ねる。すると永琳は呆れた顔になり言った。

 

永琳「……そこの賽銭箱に賽銭を入れればわかるわ……」

 

 

弾「?」

 

 

弾は不思議がりながらも、賽銭を入れる。そして、ついでにと無事終わることを祈ろうとしたその時!

 

 

霊夢「お賽銭!!お賽銭の音がしたわ!!!ってあんたは!!!」

 

 

魔理沙「嘘だ!こんな神社に賽銭入れるやつなんて………お前!!」

 

 

早苗「どうしましたか~霊夢さん、魔理沙さん……………ふぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」

 

 

お賽銭の音ですっ飛んできた彼女が博麗の巫女であろうか?それにしても、巫女ってこんなに現金なやつなのか?その疑問を解決する前にあとからやって来た魔法使いのような少女と同じく巫女っぽい格好をした少女が弾を見つけ驚きの声をあげた。すると………

 

 

咲夜「弾さま………」

 

フラン「弾にいさま……」

 

レミリア「ちょっと!咲夜!あなたは私の従者じゃなかった!!?」

 

 

後ろを見ると、なぜかひざまづいて弾を崇めている咲夜とフラン。そして、文句を言っているレミリアが現れた。

 

 

弾「……何してるんだ?二人とも………」

 

 

咲夜「弾さまを崇めているのです。」

 

 

フラン「こうすれば弾は強くなるんだよね!」

 

 

永琳《ちょっと!あなた彼女達に創界神のこと話したの!?》

 

弾《……いや……これはそうじゃないと思うが……》

 

 

二人がそんな脳内会話をしているうちに早苗が回復した。

 

 

早苗「弾さま!わたくし守矢神社の東風谷早苗と申します!!!ずっとあなたの大ファンでした!!あ、あ、あの握手してください!!!私!!あなたさまの影響でバトスピ始めたんです!!」

 

 

弾「!!そうなのか……それは嬉しいな……」

 

 

握手しながら、そう言われて少し照れ臭くなる弾。その最中に霊夢と魔理沙に自己紹介をしていると咲夜が………

 

 

咲夜「実は弾さま……先日、あなたが異変の元凶だと言うのが嘘であると言った新聞が配られたのはご存知ですか?」

 

弾「ああ、たしか花果子念報とか言うやつだったな……」

 

 

咲夜「それをその新聞を書いている者に弾さまは無実だということを伝えて欲しいと頼んだのが彼女、早苗なのです。」

 

 

弾「!そうなのか?ありがとう、お陰で助かったよ。」

 

 

早苗「ふぇぇぇぇぇぇぇ!い、い、い、いえ……私は……別に何も………」

 

 

憧れの人に感謝されてしどろもどろになる早苗。しかし、咲夜はさらに追い討ちをかける。

 

 

咲夜「ですので弾さま、もしよろしければ、彼女と一戦交えてくれませんか?彼女はあなたとバトルする事が夢なのです。」

 

弾「ああ、いいぞ。」

 

早苗「え、あ、その…………」

 

 

霊夢「早苗!?しっかり!!気を強く!!」

 

 

魔理沙「おい!なんか目がおかしいぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その後、復活した早苗と向かい合う弾。

 

 

早苗「ああ~緊張してきた~……東風谷早苗!参ります!」

 

 

弾「ああ!全力で来い!」

 

 

 

弾 早苗「「ゲートオープン!界放!」」

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 早苗は海底に眠る古代都市を配置

 

 

第2ターン 弾はカメレオプスを召喚、バーストセットしてターンエンド。

 

 

第3ターン 早苗はビヤーキーとカニコングを召喚。効果でコアブーストした。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 弾は自分を配置して、コアを3つ置いた。そして、神技を発揮してネクサスを破壊した。さらにアクセル、ヤシウムを使い、トラッシュに落ちた太陽竜ジークアポロドラゴンXを手札に加えた。これでターンエンド

 

 

 

第5ターン 早苗は蜂王フォンニードを召喚、召喚時効果でさらにコアを増やした。そして、フォンニードでアタック。弾はライフで受けた。そして、フォンニードは自身の効果で回復して再度アタック、弾はこれもライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

レミリア「ここまでは守矢の巫女が優勢かしら?」

 

 

魔理沙「でも、アイツの手札にはキースピリットが加わったし……」

 

フラン「違うよ!弾にいさまはあれはキースピリットじゃないって言ってた!」

 

 

霊夢「なら、まだ早苗にチャンスはあるわね…」

 

 

弾「メインステップ!!神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!レベル2で召喚!!月光竜ストライクジークヴルムX!!アタックだ!効果でフォンニードをデッキの下に!」

 

 

 

ストライクXが現れて攻撃する。フォンニードは白い光に包まれて消えていった。

 

 

早苗「ライフで受けます!」

 

 

ストライクXの光線が早苗のライフを砕いた。

 

 

弾「ターンエンド」

 

 

早苗「ドローステップ……!カードが答えてくれました!メインステップ!地獄よりきたる三首の悪魔!戌の十二神皇グリードック!そして、正面突破で激突せよ!亥の十二神皇カラミティボア!同時召喚の奇跡!!」

 

 

早苗のフィールドに二体の青い影が走ってくる。そして、二体は弾に向かって威嚇の咆哮をあげた。

 

 

 

弾「へぇ~一気に二体か……面白くなってきた!」

 

 

早苗「グリードックをレベル2にしてアタックステップです!グリードックでアタック!!効果で封印します!そして、強奪発揮!相手のカードを全て見てその中のマジックを使用します!さぁ弾さん!手札を……マジックがない!!?」

 

 

弾の手札がオープンされたが、そこにはスピリットとブレイヴしかなかった。

 

 

弾「強奪、面白い効果だ。ライフで受ける。守るのは手札だけじゃないぜ!バースト発動!!絶甲氷盾!!ライフを増やして、アタックステップを終わらせる!!」

 

グリードックが弾のライフを砕いたあと、氷の壁が張られた。

 

 

早苗「ああ!惜しい!!……ターンエンドです。」

 

 

弾「メインステップ!ピクシスリザード!そして、太陽よ!神の力纏いて竜となれ!太陽竜ジークアポロドラゴンX!召喚!!……面白い効果だった。さすがは十二神皇だ!お礼にこのカードを見せよう!太陽と月!それは奇跡を呼ぶ!アポロソード&ストライクブレード!太陽竜と月光竜に合体!!」

 

 

 

弾のフィールドに二本の剣が現れる。それをジークアポロXは赤い剣を ストライクXは白い剣を持ち構えた。すると弾の体から虹色のオーラが現れた!

 

 

 

咲夜 早苗「「おおおお!!神々しい!!!」」

 

 

 

レミリア「さくや~!!戻って来て~!!!!」

 

 

弾「アタックステップ!!ストライクXでアタック!!効果でカラミティボアを指定アタック!!そして、回復!!さらにアタックステップを強制終了させなくさせる!」

 

 

早苗「ええ!!Σ(Д゚;/)/」

 

ストライクXがカラミティボアに剣を突き立てる。カラミティボアはそれをかわして突っ込む。ストライクXは持ち前の防御力で受け止め、一刀両断!!カラミティボアを破壊した!!

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!さらにジークアポロXでグリードックを指定アタック!!そして、回復!!」

 

 

早苗「強奪の効果は………やっぱり不発ですか……」

 

 

グリードックが三首からビームを放つ。ジークアポロXは炎で相殺する。爆煙の中ジークアポロXは剣に炎を纏わせ、突き刺した!!

 

 

弾「さらにライフを削る!!これで終わりだ!行け!ジークアポロX!!!」

 

 

早苗「………はは!やっぱり凄いです!!!ライフです!!!」

 

 

 

ジークアポロXが早苗のライフを切り裂いた!

 

 

 

 

 

早苗「ありがとうございました!一生の思い出にします!」

 

 

 

弾「そこまでしてくれなくてもいいんだけどな………」

 

 

 

バトル後、握手をした二人。すると辺りも人が増えてきた。

 

 

 

弾「そろそろ始まるのか?」

 

 

 

霊夢「………ええ……」

 

 

 

えらくぶっきらぼうな霊夢に弾は理由を聞く。すると、

 

 

霊夢「私はまだあなたを信じきった訳じゃないから………」

 

 

そう言って、去っていく。その背中にどこか弾は近視感を覚えた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夕刻に………定例会が始まる………

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


すみません!次は蟹座とか思っていた人!!ここらでジークアポロXとストライクXの出番がきつくなるので、おもいっきり活躍させました。あと早苗さん!夢かなって良かったね!



次回予告 弾の処遇!努力の価値とは!!?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弾の処遇!努力の価値とは!!?

タイトル通り、彼女とのバトルです。そして、一応、今回は幻想郷の有力者達が集まるので、簡単な説明を付け足しました。これをきっかけに東方を知ってくれると嬉しいです。知ってるって人は大体の面子がいると思って中盤まで飛ばしてください。



あらすじ 定例会の会場の博麗神社に着いた弾。そこで弾のファンだという早苗とバトルし、見事勝利する。そして、いよいよ定例会の幕があがる……


定例会………それは何時からか、幻想郷の勢力の交流&異変時の情報の円滑化を目的に行われるようになった。定例会には幻想郷の有力者の人間、妖怪、神全てが博麗神社の一番広い部屋に集まった。ここでそのメンバーを紹介しよう…………

 

 

 

まずは[永遠に幼き紅い月]レミリア スカーレット 通称 れみゃ、うー☆

 

そして、[悪魔の妹]フランドール スカーレット 通称

フランちゃん

 

二人とも西洋で恐れられている誇り高き吸血鬼である。だが、意外と親しみやすい性格で好きな食べ物は血ではなく納豆らしい。

 

 

その隣 [冥界の亡霊姫]西行寺 幽々子 通称 ゆゆさま

 

四天王で、冥界で転生する魂を管理している。死を操る能力をもっており、そのせいで亡霊になってしまった。あと、カー○ィクラスの大食家である。

 

 

その隣 [小さな百鬼夜行]伊吹 萃香 通称 スイカ

鬼の四天王と言われる最強の鬼の一人。見た目は幼女だが、その拳は大岩を軽く粉砕するほど。いつも瓢箪で酒を飲んでおり、その瓢箪からは永遠に酒がでるという噂である。

 

その隣 [知識と歴史の半獣]上白沢 慧音 通称 けーね

人里の守護者で寺子屋の教師をしている。半人半妖のワーハクタクと言われる種族で歴史の編纂などをしている。ちなみに授業は眠くなるほどで、寝ていると強烈な頭突きが飛んでくる。

 

 

その隣 [元月の賢者]八意 永琳 通称 えーりん

 

かぐや姫が月に帰る時、同僚の月の使者を抹殺して逃げ、迷いの竹林に住み着いた月の人。その後、人里で医療活動をしている。創界神なのは、弾との秘密である。

 

 

その隣 [四季のフラワーマスター]風見 幽香 通称 ゆうかりん

 

幻想郷最強の妖怪の一角で、バトスピでも四天王と呼ばれている。しかし、根は普通の女の子である。一番好きな花はひまわりで、理由は「踏まれても、何度も太陽を向くから」

 

 

その隣 [楽園の裁判長]四季 映姫 ヤマザナドゥ 通称 えいきっき

 

幻想郷の閻魔であり、四天王。説教好きで、説教に途中休憩をはさむほど。ちなみに、以前はお地蔵さまだったらしい。

 

その隣 [山の神様]八坂 神奈子 通称 ババ「何だって?」……神奈子さま

 

守矢神社の祭り神で早苗の保護者。技術革新こそ信仰を得られると考える急進的な考えをもつ姉御肌な神様。ちなみに守矢神社にはもう一柱、神がいるが割愛する。

 

 

その隣 [伝統の幻想ブン屋]射命丸 文 通称 あやや

 

烏天狗で文々。新聞を出している新聞記者。幻想郷最速の異名をもつ。今は天狗の長、天魔の代理で出席している。清く正しいをモットーにしているが、実際はお察しください。実は千歳の古株である。

 

 

その隣 [怨霊をも恐れ怯む少女]古明地 さとり 通称 小五ロリ

 

覚り妖怪と言われる妖怪で、人の心を読むことができる。普段は地底で怨霊を管理しながら、ペット達と戯れている。

 

 

その隣 [封印された大魔法使い]聖 白蓮 通称 南無三

 

昔から人間と妖怪の共存を考えていてそのせいで妖力をもつようになり、不老になったせいで、魔界へ封印された僧侶である。最近気になっているのはバイクだそう。

 

 

 

その隣 [聖徳道士]豊聡 耳神子 通称 みこさま

 

聖徳太子その人で、実は道教を信じていたという教科書を真っ向から否定する聖人。ちなみに10人と話せるのは本当。でも馬小屋で産まれたのは嘘である。

 

 

その隣 [小人の末裔]少名 針妙丸 通称 すくなちゃん

 

あの一寸法師の末裔。打出の小槌を使うことができるが、それには代償を払わないといけないので、滅多に使わない。ちなみに小さいといってもレミリアの膝下ほどはあるので、座布団をたくさん積み上げた上に座っている。

 

その隣 [無名の存在]純狐 通称 純化ヤロー

 

その昔に嫦娥という者の夫に息子を殺されたことにより嫦娥がすんでいる月の都を何度も侵略している凄い人。ちなみに、鈴仙を気に入っているらしく、時たま永遠亭に出没するそう。嫦娥のことになると、我を見失ってしまう。

 

 

その隣 [三界にまたがる女神]へカーティア ラピスラズリ 通称 変なTシャツヤロー

 

地獄、地球、月の三世界を統べる女神。服のセンスが壊滅的なのでこの二つ名がついた。ちなみに幻想郷全勢力<月の都全勢力<彼女独りであるほど強い。文句なしの東方最強キャラ

 

その隣 [最凶最悪の姉妹]依神 紫苑&女苑姉妹

 

貧乏神と疫病神の姉妹で少し前に異変を起こしたが、霊夢に叩きのめされた。最近は命蓮寺で修行を時々やっているそう。

 

 

その隣 [究極の絶対秘神]摩多羅 隠岐奈 通称 おっきーな

 

幻想郷の気を裏から操る賢者で四天王。後戸の世界という自分の世界にいつもいて、自らを「秘神」と名乗っている。秘神なのに何で名乗ってるの?と聞かれるとうまくはぐらかされる。

 

 

その隣 [楽園の素敵な巫女]博麗 霊夢 通称 脇巫女 賽銭魔

 

 

当代の博麗の巫女で、妖怪退治屋。一応、博麗神社の巫女なのだが本人のやる気のなさでいつも閑古鳥が鳴いている。賽銭の音には敏感で落ちた音で何円硬貨かわかるほど。

 

 

 

 

 

以上これが幻想郷の有力者達である。そして、同じ部屋には十二神皇使いの魔理沙、早苗、咲夜、アリス、妖夢に輝夜と弾もいる。他の面子は普段なら来ないが、弾サイドのメンバーは隣の部屋で聞き耳をたてている。しかし、三人、姿を見せない者がいる。

 

一人は[幻想郷の記憶]稗田阿求 通称 あっきゅん 稗田阿礼の九回目の生まれ変わりで、妖怪図鑑「幻想郷縁起」を書いている人里のもう一人の実力者だが、体調不良で欠席だそう。

 

二人目は[非想非非想天の娘]比那名居 天子 通称 てんこ 仙界の名門、比那名居家の娘であり、要石を操る彼女は以前、神社を倒壊させたことがあり、彼女が定例会に興味がないこともありいつも欠席している。ちなみに非想非非想天とは「まあ、欲とかは少ないけど、まだまだ悟りには遠いね」っていうところである。つまり有頂天のこと。

 

そして、もう一人は……

 

 

神奈子「おいおい、あのスキマ妖怪はまだ来ないのかい?」

 

 

さとり「…もう待ちくたびれました。さっさと始めましょう。」

 

 

神子「その方がいいですね……」

 

 

隠岐奈「なら、今回は私が司会進行役を務めよう。」

 

 

文「あやや……それでは……まずは彼から……と言うか、今回の議題はそれに尽きるでしょう。」

 

 

その言葉に全員が弾を見た。

 

 

 

萃香《………強い………!!》

 

 

さとり《……!?心が……読めない……?》

 

 

神子《……!?なんと!彼は自分への欲が最低限しかない!……うちの宗派に勧誘でもしてみるか………》

 

 

神奈子《……!外の世界の時より……目がまっすぐになった……これは何か覚悟を決めたようだな……》

 

文《あやややや、すぐに取材したいと思いましたが……萃香さまやへカーティアさまの前では………うん、やめとこ……》

 

 

針妙丸《!まるで英雄のようなオーラ………カッコいいです……!》

 

 

女苑《……ふう~ん。……!?あれ?取り付けない……こいつ、まさか人じゃない……?》

 

 

紫苑《…?女苑?大丈夫?……彼、凄い気……取り付けない………》

 

 

純狐 《…へぇ、中々渋い男だわ。でも気になったのは彼の気。たくさんの力が混じっている……この力はいったい?》

 

 

へカーティア《………私の目に間違いはなかったわ……終わったら、話しかけましょう……》

 

これが初対面での弾への印象だった。

 

 

映姫「…彼いわく、ここにきたのは事故のようなもので、しかも人助けのためであったと裏がとれています。それに悪霊退治にも協力しているそうなので、私はおとがめなしとすることに賛成です。」

 

 

レミリア「…そうね……うちの妹も彼に助けられた借りがある………私達紅魔館も賛成よ。」

 

 

白蓮「私も同様の意見です。映姫さんが言うなら間違いないでしょう。」

 

 

幽香「私も同意見よ」

 

 

隠岐奈「……では、皆に聞こう。馬神 弾を今回の異変の元凶と見なすものは挙手してその理由を述べてもらおう。」

 

 

 

…………シーン……………

 

 

 

これで、何事もなく終わる。そう思った弾サイドだったが……………

 

 

霊夢「異議あり!!」

 

 

そう霊夢が叫んだ。

 

 

霊夢「私の勘が言っているわ!あなたが怪しいって!!」

 

 

弾「勘かよ………」

 

 

さとり「でも、霊夢さんの勘はよく当たりますからね……」

 

 

女苑「確かに~、一応、しょっぴぬく?」

 

 

魔理沙「じゃあ、私と霊夢を倒したら、お前を異変の元凶じゃないって信じるぜ!」

 

 

アリス「魔理沙……あなた、むちゃくちゃよ……でも彼の実力も気になるし……いいんじゃない?あなたも得意なんでしょ?」

 

 

弾「……ああ、相手になるぜ……誰だって……」

 

 

 

永琳 幽香 映姫 レミリア 隠岐奈 慧音 幽々子

 

《やっぱり、こうなった……》

 

 

魔理沙「まずは私からだぜ!」

 

 

 

弾 魔理沙「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾はリボルコレオンのアクセルを使い、デッキから三枚オープンして、その中のジェミナイズと炎魔神を手札に加えた。

 

第2ターン 魔理沙はチキンナイトと乙の白騎士アルパインビットを召喚してバーストセット。さらにアルパインビットでアタック。弾はライフで受けた。

 

 

第3ターン 弾はリボルコレオンを召喚して炎魔神をノーコスト召喚。バーストをセットしてアタック。アタック時効果でバーストを破壊。魔理沙はライフで受けて、残りライフ三になった。これでターンエンド

 

 

第4ターン 魔理沙は丁騎士ウェッジテイルを召喚してデッキから五枚オープン。その中のミストラルビットと風魔神を手札に加えた。これでターンエンド

 

 

 

第5ターン 弾は自分を配置してコアを二個置いた。さらに、エリダヌスドラゴンを召喚し、天羯神騎スコルスピアを召喚してターンエンド。バトルは第6ターン。魔理沙の番である。

 

 

 

 

紫苑「……今のところ、魔理沙が有利……」

 

 

萃香「でもそう思って、守矢の巫女はやられたんだよね?」

 

 

神奈子「そうなんだって早苗、あなたって子は……」

 

 

慧音「弾、頑張れ………!」

 

 

へカーティア《!!?何で彼が十二宮Xレアを!?全部ここにあるのに!!!でも効果が違う……後で聞いてみようかしら……?》

 

 

魔理沙「メインステップ!風魔神を召喚!そして、緑のファンタジスタ!卯の十二神皇ミストラルビット!神速封印で召喚!!レベル2だぜ!そして、風魔神と左合体!ウェッジテイルと右合体だぜ!」

 

 

 

緑の乗り物に乗った兎が飛んで、風魔神と合体する。

 

 

魔理沙「アタックステップ!!ミストラルビットでアタック!!風魔神の効果!エリダヌスドラゴンを破壊だぜ!疲労状態で残っちまうのも計算のうち!ミストラルビットの効果!跳躍!疲労状態のスピリットを戻して、ライフを削る!そして、コアブーストだぜ!!」

 

 

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

 

魔理沙「まとめて、三点だぜ!くらいな!!」

 

 

 

ミストラルビットのビームが弾のライフを撃ち抜いた。

 

 

 

 

弾「ライフ減少によりバースト発動!秘剣二天一龍により、アルパインビットとチキンナイトを破壊する!そして、三枚ドロー!」

 

 

 

炎の斬撃が二体を切り裂く。

 

 

 

魔理沙「ターンエンドだぜ!」

 

 

 

 

弾「メインステップ!ピクシスリザード!エリダヌスを再召喚!!光よ!闇よ!一つとなって現れよ!!魔導双神ジェミナイズ!召喚!召喚時効果でワンドロー!そして、手札の神皇をノーコストで召喚!!輝夜!力を借りる!子の十二神皇マウチューを召喚!召喚時効果で封印する!」

 

 

双子座からジェミナイズが現れ、効果でマウチューをノーコストで召喚する。

 

 

 

輝夜「マウチュー!やっちゃいなさい!」

 

 

 

弾「さらに!牡牛座よりきたる金色の神!神をも焼くその雷!その雷で闇を貫け!金牛龍神ドラゴニックタウラスをレベル3で召喚!!不足コストはマウチューをはじめとしたスピリット達から!炎魔神!ドラゴニックタウラスと右合体!ジェミナイズに左合体だ!」

 

 

 

牡牛座からドラゴニックタウラスが現れるがピクシス、エリダヌス、リボルコレオンそして、マウチューが消滅してしまう。

 

 

輝夜「ちょっと!弾!何で消滅させるのよ!」

 

 

 

永琳「姫様、もう少し静かに………」

 

 

 

針名丸「でも、凄いコア裁きです……」

 

 

 

妖夢「ギリギリをついてきますね……!」

 

 

 

弾「アタックステップ!ドラゴニックタウラス!真激突!」

 

 

魔理沙「ウェッジテイルでブロックだぜ!!」

 

 

 

フラン「決まった!!」

 

 

 

弾「炎魔神の効果でミストラルビットを破壊する!さらに、ドラゴニックタウラスの効果でシンボルを三つ追加!合計五点のアタック!そして、ウェッジテイルよりシンボルの多い分、ライフを砕く!よって三つだ!」

 

 

 

炎魔神のロケットパンチがミストラルビットを破壊して、ウェッジテイルとドラゴニックタウラスのシンボルがぶつかり合い、三つが魔理沙のライフを砕こうとした。その時!

 

 

 

 

 

魔理沙「手札のリアクティブバリアを使う!手札から破棄することで、効果ではライフは一しか減らない!そして、その攻撃はソウルコアで受けるぜ!さらにフラッシュ効果でアタックステップを終了だ!!」

 

 

 

魔理沙の手から光が沸きだし、三つのシンボルのうち二つを防いだ。そして、弾のスピリットの前に白い壁が現れ追撃を封じ込んだ。

 

 

 

 

弾「……やるな……オレの効果でさらにライフを一つ貰う。ターンエンドだ。」

 

 

 

 

魔理沙「へへ~ん!まだまだこれからだぜ!!」

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

すみません!思ったより長くなったので、ここで切ります。魔理沙との決着、そして、霊夢とのバトルが次の回になります。


そして、東方キャラてんこ盛り!あと、通称は東方界隈で呼ばれている名前をほとんど使っています。しかし、他にも色々呼び名があるので、好きな呼び名で呼んであげてください。この作品が東方に興味を示すきっかけになれば幸いです。


次回予告 主人公対決!寅と獅子のぶつかり合い!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

主人公対決!寅と獅子のぶつかり合い!!

さぁ!魔理沙とのバトルに決着!そして、霊夢とのバトルです!ようやくここまでこれた………



あらすじ 定例会に出席した弾。しかし、霊夢と魔理沙ががどうしても弾を信用できないという事で、二人とバトルすることに………


魔理沙《とは言ったものの………マズイ…………手札的にこのターンで決めないと、さっきの一撃をもう一発くらうことになる……それじゃ私の敗けだ……クソ!やっぱり私は………》

 

 

「ドローステップ……!いや!まだまだだぜ!メインステップ!チキンナイトを二体召喚!そして!幻想郷に吹き荒れろ!緑の不死鳥!酉の十二神皇ゲイルフェニックス!!レベル2だぜ!!風魔神と右合体だぜ!!」

 

魔理沙のフィールドに緑の不死鳥が現れる。その気に弾は口端をつり上げた。

 

 

魔理沙「アタックステップ!!ゲイルフェニックスでアタック!!効果で再度封印!そして、飛翔!!相手は疲労状態でもブロックできる代わりに一コストで回復するぜ!!さらに!風魔神の効果でゲイルフェニックスは二体でないと止められないぜ!!」

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

ゲイルフェニックスが弾のライフを突進で破壊する。

 

 

 

 

幽香「ゲイルフェニックスより強いスピリットはドラゴニックタウラス一体のみ………」

 

 

純狐「これだと、止まらないわね……」

 

 

 

隠岐奈「……いや……アイツのことだ……大丈夫と信じよう。」

 

 

 

霊夢「な~んだ。大したことなかったわね……」

 

 

 

 

 

 

魔理沙「よっしゃ!!これで決まりだぜ!もう一度、アタック!!これで「フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!ライフで受ける!」…………え?」

 

 

 

 

 

ゲイルフェニックスが弾の ライフを砕こうとするが、三角のバリアがそれを阻んだ!

 

 

 

 

幽々子「やった~」

 

 

永琳「………ほっ」

 

 

 

アリス「まさか、あれを耐えるなんて………」

 

 

魔理沙「………ターンエンドだぜ……」

 

 

 

弾「……話があるんだろう?このバトルでわかった。君は案外考える人間だ。むやみにケンカを売るようなやつじゃない。でもオレにケンカを売った……つまり何か話したいんじゃないか?」

 

 

そう言って、弾は話しかけた。すると魔理沙は…

 

 

 

魔理沙「……実はさ……あんたは努力は報われると思うか……?もし……才能がなくても………」

 

 

 

弾「………相当厳しいだろうな………でも、それも才能だろ?努力できる才能だ……オレだって最初から勝ちまくってた訳じゃない。いや……何度も負けたから、オレは強いんだ。そうやって……何度でも立ち上がれること………それも、一種の才能じゃないか………?」

 

 

 

 

魔理沙「…………」

 

 

 

弾「……二体ブロック……ならこちらも!メインステップ!全てを切り裂くその腕!天下無双の武士!レベル2で召喚!!巨蟹武神キャンサード!!炎魔神と右合体!!

 

さらに、ジェミナイズの効果で神皇をもう一体ノーコストで召喚できる!天空駆ける羊!命与える神聖な伊吹!召喚!白羊樹神セフィロアリエス!!」

 

 

 

天に蟹座が描かれ、そこから緑の球がおりてくる。そして、その球を破って、一体の蟹が現れた。そこに炎魔神が力を分け与える。すると、キャンサードのハサミが肩に移動して、人間の手首が生えてくる。体も少し上に伸び、人間の体型になる。そして鎧は赤くなり、腰には刀が現れた。さらに、ジェミナイズが輝いて、セフィロアリエスを呼び出した!

 

 

 

永琳「……十二宮Xレアが五体……!!」

 

 

さとり「……!物凄いオーラです………」

 

 

妖夢「………おお……凄い………」

 

 

早苗「弾さま!!やっちゃってください!!」

 

 

弾「アタックステップ!!キャンサードでアタック!炎魔神の効果でチキンナイトを一体破壊!そして、このアタックは二体でないとブロックできない!!」

 

 

 

魔理沙「…やり返された……ゲイルフェニックスとチキンナイトでブロックだぜ!!」

 

 

 

弾「ゲイルフェニックスとバトルする!」

 

 

 

キャンサードの刀とゲイルフェニックスの嘴がぶつかり合う。ゲイルフェニックスは一度離れて遠距離攻撃を仕掛けるが、キャンサードは刀から斬撃を飛ばして対応する。

 

そして、すれ違いさまに一閃!しかし、ゲイルフェニックスには何も起こらない……不思議に思ったゲイルフェニックスだったが、背中を向けているキャンサードにこれはチャンスと接近する。しかし、キャンサードは刀を鞘に納めると、ゲイルフェニックスが真っ二つに斬れて爆発した!!

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!行け!ドラゴニック・タウラス!決めてこい!!」

 

 

 

魔理沙「……ありがとうございました…」

 

 

 

ドラゴニック・タウラスが雷を放った!!

 

 

 

 

 

アリス「さて、次は霊夢の番ね。」

 

 

霊夢「さっさと始めるわよ!」

 

 

 

弾「ああ、来い!」

 

 

弾 霊夢「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

第1ターン 霊夢はダイナバーストを使用して二枚ドロー。

 

第2ターン 弾は光輝く大銀河を配置。そして、バーストセットしてターンエンド。

 

 

第3ターン 霊夢はコレオンと甲獣キャノンピューマをレベル2で召喚して、キャノンピューマでアタック、アタック時効果でワンドロー。弾はライフで受けた。

 

第4ターン 弾は自分を配置してコアを一個置いた。そして、宝瓶神機アクアエリシオンを召喚してターンエンド。バトルは第5ターン 霊夢の番である。

 

 

 

霊夢「リフレッシュステップってなにこれ!?」

 

 

フィールドに水が満ちており、キャノンピューマが回復できなくなっていた。

 

 

 

 

弾「アクアエリシオンの効果だ。合体していないスピリットは回復できない。」

 

霊夢「ぬぬぬ、厄介な効果……!メインステップ!己械獣士ブロッケイドタイガーを召喚!レベル2に!……ターンエンド。」

 

 

 

女苑「あら?博麗の巫女は攻めないわね。」

 

 

映姫「あのBPではアクアエリシオンには勝てないでしょう。」

 

 

輝夜「珍しく、いいスタートね。」

 

 

 

 

弾「メインステップ。エリダヌスドラゴンを召喚。そして、効果でコストを軽減。山羊座からきたる魔術師!死を司る冥界の王!顕現せよ!魔羯邪神シュタインボルグ!……ターンエンド。」

 

 

 

山羊座からシュタインボルグが現れる。

 

 

霊夢《………動かない……何考えてんの?こいつ……》

 

 

「メインステップ!赤き砲台!妖怪達をぶち抜きなさい!寅の十二神皇リボルティーガ!召喚!コアはコレオンから使うわ!アタックステ……

 

 

《待って、今攻めてもアクアエリシオンの効果で回復できなくなる……》

 

 

……ターンエンド。」

 

 

霊夢がアタックせず、ターンエンドしたことに驚く面々。

 

 

 

 

白蓮「!?霊夢さんらしくないですね……」

 

 

幽香「……私的には今リボルティーガを出すのは悪手だったと思うわ。」

 

 

レミリア「私もそう思う。そして……アタックしなかったことはさらに悪手だ………」

 

 

 

 

弾「メインステップ!アクアエリシオンをレベル2に!全てを切り裂くその腕!天下無双の武士!召喚!巨蟹武神キャンサード!さらに人狼ベオウルフを召喚!キャンサードに左合体!アクアエリシオンに右合体!不足コストはエリダヌスから確保!」

 

 

 

 

蟹座からキャンサードが現れ、アクアエリシオンと共に一本ずつベオウルフの剣を持つ。

 

 

魔理沙「……これ…霊夢、詰んでね?」

 

 

幽々子「霊夢のスピリットは三体、リボルティーガ以外はコアが一つしかない。」

 

 

 

慧音「蟹座の効果で二体でないとブロックが不可能の今、ブロックできるのは一回。」

 

 

咲夜「さらに、山羊座の効果でアタック時にコアを外す効果もついてきます。」

 

 

神子「それに、合体スピリットのバトル終了時にライフを減らす効果があることをふまえると……」

 

 

純狐「あら、フルアタックすればいい計算ね……」

 

 

神奈子「決まりだな。」

 

 

文「あやや……霊夢さんがこんなに簡単に……」

 

 

女苑「博麗の巫女もこんなんなのね~」

 

 

 

そう話している外野の声を拾う余裕はなかった。なぜなら、弾は見たのだ。霊夢がものすごい顔をしているのを。まるでこの世の終わりがきたような顔だった。それで弾は気づいた。

 

 

 

弾《……そうか………彼女は……失敗が怖いんだ………少し人里で小耳に挟んだ程度だが……彼女は今までの巫女の中でも一番の秀才だと聞いている………だからその期待を裏切ることに恐怖している………よし!それなら………》

 

 

霊夢「…………どうしたのよ………続けなさいよ……」

 

 

 

弱々しい声の霊夢に弾はここにいるメンバーが誰も予想してなかった言葉を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「……ターンエンド……」

 

 

 

全員「え!!?」

 

 

 

突然のターンエンド。アタックすれば勝利が決まるのに………全員の疑問に答えるため、弾はバトルボードに肘をついて口を開く。

 

 

 

 

弾「……………気分じゃないな……………」

 

 

 

 

幽香「……あいつ………」

 

 

萃香「あはははははは!!!これは面白い!!」

 

 

さとり「……随分余裕ですね………」

 

 

レミリア「ああゆうやつなのよ………」

 

 

 

隠岐奈「……すまない、永琳……胃薬あるか……?」

 

 

 

映姫「……私も欲しいです…………」

 

 

永琳「……はい………全く………」

 

 

へカーティア《どうして………彼がただ、そう思っただけじゃないはず……ああんも!!わからないことが多い!!》

 

 

 

霊夢「………ブチン!!ふざんけんじゃないわよ!!!あ~も~あったまきた!!!!それで負けても文句言わないでよ!!!」

 

 

 

その言葉に弾は偉そうな雰囲気で言い返した。

 

 

 

弾「…やれるもんならな………」

 

 

 

 

 

霊夢「絶対、ぶっ飛ばす!!!メインステップ!来なさい!コレオン!赤き炎槍!私の道を切り開け!午の十二神皇エグゼシード!!」

 

 

 

炎を纏った馬が霊夢のフィールドに降り立つ。

 

 

 

 

霊夢「アタックステップ!!リボルティーガでアタック!アタック時効果!砲撃!デッキから二枚オープン!その中の神皇 十冠を持つスピリットの数分、ライフを吹っ飛ばす!カードは……どらちも十冠!!ライフを二つ破壊するわ!!」

 

 

リボルティーガの砲台からビームが発射され、弾のライフを撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

 

霊夢「さらに、エグゼシードの効果で走破発揮!!シュタインボルグに指定アタック!!」

 

 

 

炎がシュタインボルグに向かって伸びる。しかし、アクアエリシオンが両腕の水瓶から放水してその炎を消化した!

 

 

 

弾「アクアエリシオンのレベル2、合体時効果だ。神皇に超装甲 赤 紫 緑 青を与える。エグゼシードの効果は効かない!キャンサードでブロック!!」

 

 

 

リボルディーガに横から飛びかかるキャンサード。リボルディーガは反応できず、砲台をハサミで砕かれ、叩きのめされ爆発した。

 

 

 

 

霊夢「………ターンエンド

 

 

 

弾「………君……君は何か勘違いしてないか?」

 

 

 

霊夢「……何?あなたが異変の元凶だってこと?」

 

 

 

弾「そうじゃない。オレが言いたいのは、君が秀才でも何でもないってことだ。」

 

 

 

 

霊夢「……!!!!そ、そんなわけ」

 

 

 

弾「あるじゃないか。さっきからミスを連発して、さらに少し揺さぶればすぐ怒る。ホントに天才ならそんなまねはしない。いい加減認めたらどうだ?君は平凡で、何もできなくて、すぐキレて、少し力をもったら調子にのり、それで幻想郷を守れると思っている………」

 

 

 

弾の言葉を泣きそうな顔で聞いている霊夢。その顔はさっきとは全く別人だった。

 

 

 

 

へカーティア「…!なるほどね……彼、うまくやったわねぇ………」

 

 

魔理沙「おい!何が上手いだよ!完全に苛めているだけじゃないか!!」

 

 

永琳「いえ、違うわ。弾はこんなことを喜んでやる人間じゃない………たぶん……霊夢の本音を聞きたいんだわ…」

 

 

 

神子「……!彼女の欲が固まっていきました。これは……責任と拒絶と……恐怖?」

 

 

さとり「私が彼女の心を読みましょう………

 

 

「なぜ、私なのか?なぜ私が博麗の巫女でないといけないのか?なぜ私にみんな期待するのか?私はただの女の子なのに……辛い、苦しい、ほっといて、みんな嫌い…………助けて………」

 

 

………うっ!!」

 

 

針名丸「!!さとりさん!しっかり!!」

 

 

幽香「…!そう……霊夢も私と同じ……」

 

 

白蓮「期待されることの辛さですか………」

 

 

 

早苗「霊夢さん………」

 

隠岐奈「……紫はこんなになるまで彼女をほっといたのか……!!」

 

 

 

神奈子「落ち着け、それは後でいくらでも追及できる。」

 

 

 

 

アリス「私達……何で気づけなかったのかしら……?」

 

 

咲夜「そうよね……十代の女の子が幻想郷のすごく不安定なバランスをとるための責任者の一人にされたら……そうなるわよね………」

 

 

 

萃香「………おい、射命丸、これ記事にしたらぶっ飛ばすだけじゃ済まさないからな………!」

 

 

 

文「……そんな事しませんよ……」

 

 

 

女苑「……なんか……私、言い過ぎたわ………」

 

 

 

輝夜「……弾……」

 

 

 

 

霊夢に弾はぶっきらぼうなまま、こう続ける。

 

 

 

 

 

弾「……でも、それでも幻想郷のためにがんばる。それが自分の仕事だからといって無駄にがんばる。独りでむなしく……昔のオレのように………博麗霊夢、もうがんばるな。君はただの愛想がなくて、凡人で、ちょっとの力しかなくて、賽銭にうるさくて、キレやすい…………普通の女の子だ…………」

 

 

 

霊夢「!!!!…うるさい、うるさい!もう……何で……」

 

 

 

 

そう言う霊夢の声は涙声だった………

 

 

 

 

 

 

さとり「…………ふふふ、

 

 

「……ありがとう……」

 

 

ですって………」

 

 

慧音「そんなの……わざわざ心を読まないでもわかるさ………」

 

 

映姫「……これが本当の説教なのですね………」

 

 

 

 

 

 

弾「メインステップ!!寅には獅子だ!!月の光纏う獅子!誰も砕けぬその誇り!獅機龍神ストライクヴルムレオ!!レベル2で召喚!さらに千刀鳥カクレインを召喚して右合体!」

 

 

 

空に輝く獅子座から銀色のライオンが降りてくる。そこにカクレインが力を注ぐと、レオの背中にカクレインの羽が生え、羽には砲台が装着される。

 

 

 

 

弾「アタックステップ!!レオ!駆けろ!シュタインボルグの効果でキャノンピューマのコアを外す!さらにキャンサードの効果で二体でないとブロックできない!」

 

 

 

霊夢「…ブロッケイドタイガーとエグゼシードでブロックするわ。」

 

 

 

誰「エグゼシードとバトルする!」

 

 

 

 

エグゼシードとレオが空中で何度もぶつかり合う。エグゼシードは後ろ足に付いているパーツを分離させて攻撃するが、レオは光線で焼ききる。そして、エグゼシードが炎に、レオが白と緑のオーラにつつまれ激突した!!そして、レオが降り立ち、勝利の雄叫びを上げた!!

 

 

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!アクアエリシオンでアタック!レオの効果!自分以外の神皇 十冠が疲労した時、回復する!」

 

 

 

霊夢「ライフよ」

 

 

 

アクアエリシオンが剣で霊夢のライフを切り裂いた後、レオが再度攻撃体制に入る。

 

 

 

弾「とどめだ!レオ!」

 

 

 

霊夢「……ふん、いいわ、認めてあげる……」

 

 

 

レオの爪が振り下ろされた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ちょっと弾さん黒くしすぎたかな……?さらにラスボス感が……

……しかも長い!!!そして、霊夢の内面を想像しすぎた………でも、幻想郷のバランスを紫達の援助があるとはいえ、十代の少女に任せるのは少し精神的にきついと私は思います。なので、このような話をしました。

さらに、レオとキャンサードの登場です!キャンサードは合体して武士になるのは考えていたので書けて満足です。レオはもうちょい出番を作っているので、出番は控えめです。(リブラ?ん?聞こえないな~)


さて!!!蟹も獅子も出た………皆様!大変お待たせいたしました!次回!ようやく私が書きたい話です!こうご期待ください!!!


次回予告 弾vs紫!全色デッキ対決!!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弾vs紫!全色デッキ対決!!

さぁ!!!全国でアイツのデッキを買った人も買えなかった人もお待たせいたしました!本命!!登場!!……とまではいかないんです……すいません………後一話、お待ちください……



あらすじ 魔理沙、霊夢とバトルして二人の悩みを解決した弾。そして、定例会は終わりに向かっていったが……


あの後、話はトントン拍子に進み、別の話題に移るほどであった。そして、いい時間になったので、司会進行の隠岐奈が口を開いた。

 

 

隠岐奈「…さて!!馬神 弾は無罪放免!それでよろしいな!?……それでは、これで解散とする!」

 

 

そう言うと、皆ゆっくりと席を立つ。弾も帰ろうとしたその時!!!

 

 

 

神子「!!弾さん!危ない!!!」

 

 

弾「!!?」

 

 

人の欲を聴ける神子がよくない欲を感じとり弾に危険を促した。そして、席を立ち始めた全員が驚いた。なんと、弾目掛けてスキマが大量に開いていたのだ!

 

 

咲夜「!!弾さま!!!」

 

 

輝夜「弾!!」

 

 

白蓮「二人とも!弾さんをこの中に!」

 

慧音「弾!大丈夫か!?」

 

早苗「弾さま!!」

 

咲夜と輝夜が時間を止めて弾をスキマから離す。白蓮と慧音、早苗が結界を張り、安全地帯を確保する。

 

 

 

映姫「黒!!」

 

 

へカーティア「よっと!!」

 

 

針妙丸「え~い!!」

 

 

 

針妙丸が打出の小槌を振り、映姫とへカーティアがそう叫ぶとスキマが固定され、閉められなくなる。

 

 

さとり「……右から刀と槍が来ます!!」

 

 

フラン「きゅ~として……どか~ん!!」

 

純狐「ふん!!!」

 

 

妖夢「斬!!」

 

さとりがどこから飛んでくるかを心を読んで教え、フランがスキマから飛んできた刀や槍を破壊し、純狐が純化させて消滅させる。妖夢も刀で斬り落とす。

 

 

永琳「はっ!!!」

 

 

神奈子「オンバシラ!!」

 

 

レミリア「スピア ザ グングニル!!」

 

魔理沙「マスタースパーク!!」

 

三人が矢、巨大な柱、槍、ビームを放ちスキマにいた誰か(100%アイツだが)に攻撃を浴びせる。

 

 

文「そらっ!!」

 

 

女苑「姉さん!」

 

 

紫苑「………了解……」

 

 

隠岐奈「あらよっと!!」

 

 

文が風を引き起こし、相手の動きを止めている隙に依神姉妹が相手の幸運を奪い、不幸だけにした後、隠岐奈が扉を開いて、スキマから何者かを引きずり出す。

 

 

 

アリス「ブツブツ………」

 

 

幽香「咲け!!!」

 

 

霊夢「封魔針!!」

 

 

アリスの魔法で作られた糸と幽香が生やした蔓植物が縛り上げる。そこに霊夢の対魔の針が力を奪う。その妖怪の正体は(まるわかりだが…)

 

 

 

隠岐奈「……やっぱり、紫、あんたか………」

 

 

弾「!!こいつが!?」

 

 

 

紫「……………!!!」

 

 

 

定例会に姿を見せなかった、八雲 紫だった。隣では藍もいっしょに転がっている。

 

 

 

 

幽々子「………紫………やり過ぎよ………」

 

 

萃香「…今回ばかしはちょっ~と頂けないね……」

 

 

 

先ほど、参戦しなかった紫の古い友人の二人もさすがにこれはよくないぞ、と紫に言う。紫が黙っていると………

 

 

弾「あんたが八雲 紫か……はじめまして、オレが馬神 弾だ。伝言通り、直接会いに来てくれたのか……嬉しいよ。ちょうどあんたと話したかった………」

 

 

紫「……はじめまして、馬神 弾。私が八雲 紫と申します。この幻想郷の管理者でもあります………」

 

 

 

霊夢「縛られながら言っても威厳も何もないわよ。」

 

 

その言葉を尻目に弾は尋ねた。

 

 

弾「なぁ、どうしたら、あんたはオレを受け入れてくれるんだ?」

 

 

紫「…………死んでくれたら……ですかね……」

 

 

永琳「その前にあなたが死になさい。」

 

 

幽香「賛成。」

 

レミリア「今までの恨み、ここではらはせてもらおう。」

 

 

そう物騒なことを言う奴らをほっといて、弾は提案する。

 

 

弾「……ならバトルで決めよう。オレが勝ったら、オレの頼みを聞いてくれ。もし負けたら………好きにしな。」

 

 

 

輝夜「弾!ダメよ!!」

 

 

咲夜「八雲 紫は幻想郷で無敵なのですよ!!」

 

 

早苗「危険過ぎます!!!」

 

 

そう言う外野をやはり、弾は無視した。それより、強者とのバトルにわくわくしていた。

 

 

紫「……その言葉………忘れないでくださいね……」

 

 

 

弾 紫 「「ゲートオープン! 界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は光輝く大銀河を配置した。

 

 

第2ターン 紫はさまよう甲冑を召喚してワンドロー。

 

 

第3ターン 弾は自分を配置。コアを一個置いた。さらにエリダヌス・ドラゴンを召喚した。

 

 

第4ターン 紫はイチバンスピアーをレベル2で召喚。さらにバーストセットしてターンエンド。

 

 

第5ターン 弾はダンデラビットを召喚。そして、戦神乙女ヴィエルジェを召喚して、イチバンスピアーを手札に戻した。そしてヴィエルジェのアタックで紫のライフを砕いた。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

紫「……メインステップ。イチバンスピアーを再召喚。そして………殺戮の覇者!天魔王ゴッド・ゼクス!召喚。」

 

 

天から人形のスピリットが現れ、背中に輪をつけた。

 

 

弾「…もうきたか………」

 

 

隠岐奈「弾!気を付けろ!!」

 

 

映姫「もうゴッド・ゼクスが現れましたか……」

 

萃香「これは少年にとっちゃキツいぞ~。」

 

 

 

紫「……ターンエンドですわ。」

 

 

弾「……メイン!?」

 

 

弾は驚いた。エリダヌス・ドラゴンとヴィエルジェがゴットゼクスから伸びた鎖に縛られ、疲労状態のままになっていたからだ。

 

 

紫「ゴッド・ゼクスの効果ですわ。私のフィールドにシンボルが三色以上あるときはあなたは一切回復できません。さらにゴッド・ゼクスはスピリットとマジックの効果は受けません。」

 

 

霊夢「…この耐性が厄介なのよ……」

 

 

妖夢「私達も何もできずにやられました……」

 

 

アリス「嫌な思い出………」

 

 

弾「………メインステップ!光よ!闇よ!一つとなって現れよ!魔導双神ジェミナイズ!召喚!召喚時効果でワンドロー!そして、人を量る天秤!弱者を守る正義の化身!さぁ!お前の罪を数えろ!召喚!天秤造神リブラ・ゴレム!」

 

 

双子座が現れた後、ジェミナイズが天秤座を呼び出した。しかし………

 

 

 

紫「ゼロカウンター発揮、スプラッシュザッパー。相手がスピリットをノーコスト召喚した時、スピリットを一体破壊しますわ。リブラ・ゴレムを破壊。」

 

 

弾「ゼロカウンター!?」

 

 

青い波がリブラ・ゴレムを包むとそのまま、リブラゴレムを水中に引きずり込んでしまった。

 

 

紫「フフフ、あなたのデッキは全て知っているわ。霊夢達とのバトルでね………」

 

 

 

弾「…ヴィエルジェをレベル2にしてターンエンド。」

 

 

 

神奈子「不味いぞ、紫は弾のデッキを対策してきている。」

 

 

白蓮「……だから、定例会に来なかった……」

 

 

 

神子「その間にデッキ調整していたのでしょう。喰えない人です。」

 

紫「メインステップ。……少し面白みを……ヤン・オーガ召喚。レベル2でね。ターンエンド。」

 

 

 

紫はトンボの半人を召喚してターンエンドした。33333999900見て霊夢達の顔がイヤァ~な表情になる…この戦法を前にやられたようだ……

 

 

 

弾「……メインステップ!ジェミナイズをレベル2に!そして、子の十二神皇マウチューを召喚!召喚時効果で封印する!ジェミナイズの効果で手札の神皇を召喚!牡牛座よりきたる金色の神!神をも焼くその雷!その雷で闇を貫け!金牛龍神ドラゴニック・タウラス!レベル3で召喚!!不足コストはマウチューとダンデラビットより使う!」

 

 

 

輝夜「また!?」

 

 

映姫「…弾は一気に決着をつけたいみたいですね。」

 

 

純狐「…でもそう上手くいくかしら?」

 

 

 

弾「アタックステップ!!ドラゴニック・タウラス!真・激突!!」

 

 

 

ドラゴニック・タウラスが紫のスピリットに向かって突進する。だが紫は不適な笑みのまま手札を取り出す。

 

 

 

紫「フラッシュタイミング。スティールハート。ドラゴニックタウラスのシンボルを0にいたしますわ。不足コストはイチバンスピアーから。さまよう甲冑でブロック。」

 

 

黄色の光がドラゴニックタウラスの力をシンボルを全て消し去ってしまった。その代わり、さまよう甲冑はタウラスに押し潰されて破壊された。

 

魔理沙「またかよ!」

 

弾「黄色のマジック……!?…ターンエンド。」

 

 

 

文「……これは笑うしかないです……」

 

 

 

紫「…フフフ、メインステップ。ヤン・オーガをレベル3に上げてマジック、ライフチャージ、ヤン・オーガの効果も入れて合計コア六個をリザーブに。さらにバーストセット。ニジノコを召喚。そして、骨孩児を召喚。召喚時効果で三枚ドローですわ。フフフ、ターンエンドです。」

 

 

 

幽香「……始まった……」

 

幽々子「これが決まると長いのよね……」

 

 

女苑「……あ~嫌なこと思い出した~」

 

 

 

弾「……メインステップ!ドラゴニックタウラスをレベル1に、月の力纏う獅子!誰にも砕けぬその誇り!召喚!獅機龍神ストライクヴルム・レオ!アタックだ!」

 

 

獅子座からレオが降り立ち、紫に向かって走り出す。

 

 

早苗「やった!!レオは超装甲を持っています!六天連鎖は効きません!!」

 

咲夜「こういう時は、アイツが出てくるのよ……」

 

 

 

針妙丸「!……ああ……」

 

 

紫「……ゴッド・ゼクスでブロックしますわ。」

 

 

 

弾「!!!?」

《ゴッド・ゼクスでブロックした!?》

 

 

 

レオの爪とゴットゼクスの背中の輪がぶつかり、レオの爪がゴットゼクスの腹を切り裂き、さらに噛みついて破壊した!

 

だが六天連鎖による疲労ロックを切るとはさすがの弾も驚く。そして何か裏があると警戒を強めた。

 

 

弾「ターンエンド!!」

 

 

紫「あらら、破壊されてしまったわ……困ったわね~」

 

 

妖夢「……紫さまが……笑ってる……」

 

 

さとり「……何を狙っているんでしょう……?彼女は心を読まさないのでわかりませんが……」

 

永琳「……………………」

 

 

 

 

紫「フフフフフフフフフ、」

 

 

 

弾「……!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

東方キャラの連携!!考えていて楽しかったです。
それにしても……

紫さま……えげつねえ!!


ジェミナイズの効果召喚→ゼロカウンター

ドラゴニックタウラスの一撃→シンボルを0に

ヤンオーガとライフチャージ

骨孩児のドロー



弾さん勝てる!!!!?


それは次回!決着です!!!


次回予告 紫の闇 孤独貫く矢。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紫の闇 孤独貫く矢

はい!!今回!!あの!!スピリットが満を持して登場です!!

そして今回、紫の設定を大大大大改変しております。皆様を驚かせるためにわざと、そう言う空気を一切出しませんでした。それは紫がなぜそこまで弾を排除しようとするのか?とも繋がります。絶対皆さん驚きます。(原作無視と言われたらそれで終わりですが……たぶんサーガブレイヴとは繋がらないです……)


あらすじ 定例会が終わり、帰ろうとした弾を紫が襲った。弾は紫にバトルを申し込む。しかし状況は劣勢で……


 

 

 

アイツと出会ったのは……偶然だった………外の世界で人間を食べた時、そいつの力も得た私は異世界への招待を受けた。

 

 

その世界で………アイツにあった………それが始まりだった…………

 

 

数日前、弾が紅魔館に向かっている最中……

 

 

八雲 紫の家 紫の自室

 

 

 

藍「…紫さま、馬神 弾の居場所が割れました。今、永遠亭のウサギと紅魔館に向かっている最中です……紫さま?」

 

 

藍の言葉にまるで我ここに有らずの顔をしている紫に藍は確認する。

 

 

紫「……ああ……ありがとう、藍。そのまま監視を続けて。音声も録音するのよ。」

 

 

 

藍「…?承知しました。」

 

 

そう言って首を傾げながらも藍は紫の部屋を出ていった。

 

 

紫「…………弾…………」

 

 

 

 

 

それから、録音したテープから流れてくる懐かしい声。それは紫の心を元気づけた。藍が途中でばれてからは自分が直接見に行った。しかし、それは……アイツだけどアイツじゃないものだった。

 

「さぁ!オレたちの手をつかめ!いっしょに、外へ出るんだ!破壊衝動なんかぶっ壊して!!」

 

……うるさい……

 

 

「ただ、主の言いなりになるのは忠義でも信頼でも何でもない!ただの自己満足だ!」

 

 

…………うるさい…………

 

 

「あんたは……優しいんだ……それが風見幽香だ………」

 

 

……………口を開くな……………

 

「幻想郷は……たくさんの困難の先にできたものなんだな………」

 

 

…………余計なお世話よ…………

 

「もし本気で人を導くと思うなら、まず自分が彼らの目線に立たないといけない!」

 

 

…………あなたがそれを語るな………

 

 

「何度でも立ち上がること……それも一種の才能なんじゃないか?」

 

 

………あなたに何がわかる…………

 

 

「普通の女の子だ………」

 

 

黙れ!!!

 

……………もうやめて…………これ以上…………

 

 

彼を…………アイツを汚さないで…………

 

 

紫は決意する。アイツを守るためにアイツを消す。それが自分の過去を断ち切れる唯一の方法だった。

 

 

 

時は戻り…………博麗神社

 

 

紫「フフフフフフ、」

 

弾「!!!」

 

 

紫「メインステップ。マジック双翼乱舞、二枚ドロー。ニジノコをレベル2に、よって紫のスピリットが二体に。召喚、打ち破れ、紫の闇。アルティメット・ザンデ・ミリオン。

 

そして……マジック、天魔王降臨。トラッシュからさまよう甲冑を手札に戻して…手札の天魔王ゴッド・ゼクス破ノ型をノーコスト召喚。」

 

紫のフィールドに金色のアルティメットとまるで天守閣のようなスピリットが現れた。その衝撃に弾も少し後ずさる。

 

 

幽々子「……来たわ……紫の本気の二体………」

 

映姫「…あれで私のノヴァ達も葬られました…」

 

隠岐奈「あの二体があるから紫は最強なんだ……」

 

幽香「私のアルティメットも簡単に突破されたわ……」

 

四天王達も怯えた声質で話す。それほどこの二体は紫の強さの象徴なのだ。

 

 

紫「アタックステップ。破ノ型でアタック。六天連鎖 破ノ型!発揮。バーストを破壊して、私のフィールドのシンボルと同じ色のスピリットを一体ずつ破壊しますわ。」

 

 

破ノ型が赤と黄色、白のビームを放ち、タウラス、ヴィエルジェ、レオを直撃した!だがレオは踏ん張って残り、後の二体も黄色い粒子になって弾の手札に戻っていった。

 

 

弾「レオは装甲により効かない!さらにヴィエルジェの効果で二体は手札に戻る!ライフで受ける!」

 

 

破ノ型がビームで弾のライフを吹き飛ばす。弾はなんとかその場に踏ん張った。

 

 

紫「Uザンデ・ミリオン、続けて。効果で合体しているスピリットを破壊しなければ、ブロックできません………」

 

 

弾「ライフだ!!」

 

 

紫色のオーラを纏ったUザンデ・ミリオンがライフを拳で打ち砕く。

 

紫「……ターンエンドですわ。」

 

輝夜「……ヤバい……」

 

慧音「弾………」

 

さとり「これで、蠍座と水瓶座を対策してきましたね……」

 

早苗「…まだまだですよ……」

 

 

そう言う早苗だったが、その声にも勢いがない。

 

 

弾「メインステップ!ジェミナイズをレベル2に!マジック、ブレイヴドローを使用、二枚ドローして三枚オープンしてその中の超・炎魔神を手札に。

 

レオをレベル3にしてシンボルを増やす!超・炎魔神を召喚!さらにドラゴニック・タウラスを再召喚!効果でさらにヴィエルジェを召喚する!!ヴィエルジェの効果でライフを増やして、破ノ型を手札に!

 

 

超 炎魔神をレオとドラゴニック・タウラスに合体だ!ダブルドライブ!解放!!」

 

 

弾のフィールドに超・炎魔神、タウラス、ヴィエルジェが現れると、超・炎魔神はレオとタウラスに力を与え、背中の羽を展開した。

 

弾「アタックステップ!!レオでアタック!!超 炎魔神の効果でBPプラス5000!」

 

 

赤く染まった身体を震わせ、突進するレオ。しかし……

 

 

紫「フラッシュタイミング。マジック、絶甲氷盾。このバトルが終わり次第、アタックステップは終わる。骨孩児でブロック。」

 

レオが光線で骨孩児を破壊した後、氷が弾のスピリットの行く手を阻む。

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う…ターンエンド…」

 

白蓮「ああ!なんと惜しい!!」

 

神子「……これは不味いです……」

 

さとり「…終わりましたね……」

 

そんなことを言う一同を尻目に弾は紫を見た。疑問が確信に変わった…そんな目だった。

 

弾「……なあ………あんた………アイツだろ?」

 

紫「…!………?何のことかしら?」

 

弾「………やっぱり……怒っているか……」

 

紫「……………」

 

レミリア「え?あの二人、知り合い?」

 

 

女苑「そりゃないでしょ。さっきはじめましてっていってたじゃん。」

 

 

紫苑「………でも、あれは知り合いって顔……」

 

 

萃香「聞いたこともないよ。あたしは……」

 

弾「……どうして……あんな管理的なやり方をやったんだ?お前は……そんな奴じゃなかったはずだ……どうしてだ?オレがいない間に何が……「……うるさい……」……!」

 

 

そう言って、紫は叫んだ。いつもの彼女とは似てもにつかない激情……しかし、それは魂の叫びだった。

 

 

紫「あなたに!偽者のあなたに何がわかるのよ!!私はいつも、この幻想郷を良くしようと努めてきた!!

 

 

だからスペルカードルールも作った!!なのに、ここにいる連中は自分勝手!!!幻想郷を我が手に?餓鬼の癖に!!桜を咲かせたい?事情も知らないで!!宴会したい?こっちはごめんだわ!!信仰のために技術革新?それで妖怪は追いやられたのに!!仏教?道教?相手を貶めるのが宗教なの!!?そんな教えなんていらない!!

 

 

アイツが全部支配している?ふざけんじゃないわよ!!!あんた達みんな私に押し付けて!!!自分達の欲望を優先し!!この幻想郷を滅ぼしかけた月の異変も私達がどれ程苦労したか!!それなのに、まだ私に文句があるの!!!?

 

 

今までの定例会もお互い腹の探り合いで何も決まらなかったじゃない!!それをどうにか運営してきたのに!!全員揃いも揃って!!!今回の異変は幻想郷の危機とか言われているけど……あなた達の方よ!!!幻想郷を滅ぼそうとしているのは!!!!」

 

 

 

 

 

紫の言葉に誰も反論できない。当然である。今言ったことは全て真実。自分達の欲望を押し通し、紫に始末を押し付けたことは紛れもない事実だった。

 

 

 

紫「はぁ……はぁ……メインステップ!マジック双翼乱舞で二枚ドロー。土の熾天使ラムディエルをマジックとして使用。ジェミナイズを破壊!そして、召喚。さらに放浪者ロロを召喚!

 

さまよう甲冑を召喚。破ノ型を再度召喚してアタックステップ!!破ノ型でアタック!!効果でタウラスとヴィエルジェを破壊!

 

 

フラッシュ!!…………このスピリットを出すのは初めてね………破ノ型と同じ状態で入れ換える!さぁ……悪霊には丁度いいわ……天魔王ゴッド・ゼクス………終ノ型。」

 

 

 

全員「!!!!!?」

 

 

破ノ型と入れ替わるように死装束のようなものを着たスピリットが現れ、背中の六枚の羽を広げた。

 

 

紫「六天連鎖 終ノ型!!発揮!フィールドに全色のシンボルがある時、スピリット全てのシンボルを六個にする!!さらに終ノ型の効果でスピリットは相手の効果を受けない!」

 

 

弾のフィールドにはエリダヌス・ドラゴンと疲労しているレオしかいなかった。これでは六天連鎖を崩すことができない…

 

 

弾「エリダヌスでブロック。」

 

 

エリダヌス・ドラゴンが敢えなく終ノ型の剣に切り裂かれる。

 

 

紫「ラムディエルでアタック!!」

 

 

 

弾「フラッシュタイミングでオレのコアを四個ボイドにおき、ニジノコとさまよう甲冑を破壊!さらにマジック!デルタバリア!」

 

 

弾の矢が二体を貫いて、前に銀色のバリアが展開される………しかし……

 

 

紫「その前に!アクセル!加速癸鳥エアイレイザーの効果でデルタバリアを無効に!!」

 

 

 

デルタバリアが音をたててくだけ散った………

 

 

 

霊夢「あ!デルタバリアが!!」

 

 

魔理沙「おいおい、これは……もう……」

 

 

咲夜「私……もう見ていられません………!」

 

 

 

紫「さぁ!これで!過去と決別できる!アイツを救える!!」

 

 

 

ラムディエルの光線が弾のライフを直撃した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし………弾のライフは砕けなかった……

 

 

 

 

紫「何で!!!?確かにデルタバリアは無効化されたはずなのに!!」

 

 

弾「確かにな。でもそれは……一枚目のデルタバリアだろ?」

 

 

そう、弾は最初のデルタバリアが破壊された後、もう一度デルタバリアをうったのである。これではさすがの紫もターンエンドするしかなかった。

 

 

 

紫「………ターンエンド………」

 

 

 

純狐「やった!!凌いだ!」

 

 

 

アリス「……永琳……目を開けてもいいわよ……」

 

 

 

永琳「………え?……弾……たってる……」

 

 

へカーティア「…安心して少し片言になってるわね……」

 

 

 

映姫「しかし、ここからどうやって逆転を狙うのか……」

 

 

 

神奈子「………そう言えば……アイツのキースピリットって何なんだ?」

 

 

幽香「……知らないわ……少なくともジークアポロではないって言ってたけど………」

 

 

 

さとり「…そのカードに命運を託すことになりますね……」

 

 

 

弾「……ドローステップ………!メインステップでアクセル!リボル・コレオン!デッキから三枚オープン!」

 

 

《……来てくれ………そうじゃないと………アイツを………救えない………》

 

 

カードがデッキからオープンされていく。そのカードは…………超・風魔神 ピクシス・リザード そして……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光龍騎神サジット・アポロドラゴン

 

 

 

 

 

 

 

弾「……!!よし!!この二枚を手札に加える!さらにネクサス!黎明をレベル2で配置!さらにリボル・コレオンを召喚!召喚時効果で超・風魔神を召喚する!

 

 

さらにジェミナイズを再び召喚!召喚時効果でこのカードを召喚する!!………確かに………オレはあの時のオレじゃない………人間を逸脱した力も使えるようになった………でも!オレはお前を覚えている!」

 

 

 

紫「やめて!!アイツの姿で!!アイツの声で!!私は過去を断ち切らないといけないのに!!!」

 

 

 

弾の言葉に耳を塞いで踞る紫。しかし弾は話し続ける。

 

 

弾「過去は…断ち切るものじゃない…受け入れるものだ……辛いこと、悲しいこと……それも自分を作ってきた一つなんだ………オレは………お前が辛い時、側に居てやれなかった………なぁ、だからさ………オレにも守らせてくれよ………!!お前の………大切なもの………この世界を……………より良くするために……………」

 

 

 

紫「!!!!!!」

 

 

 

弾「いくぞ!!皆!!これがオレのキースピリットだ!!

 

 

 

銀河を駆け抜ける矢!!二つの力纏う龍神!!光龍騎神サジット・アポロドラゴン!!!!レベル3で召喚!!!

 

 

弾の背後に炎のフィールドが現れ、そこから何か走って来る。下半身は馬。上半身は龍で弓を持ったスピリット。そして、弾のフィールドに降り立ち、大きな声で咆哮した!

 

 

 

慧音「……!!これが……弾のキースピリット!!」

 

 

フラン「すごいすごい!!!カッコいい!!」

 

 

 

早苗「………………」

 

 

 

神子「早苗さん……声になってませんよ……」

 

 

永琳「……まさに………馬の神………彼にピッタリのキースピリットね……………」

 

 

 

 

弾「超 炎魔神!サジット・アポロドラゴンに合体せよ!そして、超 風魔神!ジェミナイズとサジット・アポロドラゴンに合体だ!!」

 

 

 

魔理沙「え!!?もうサジットは合体してるぜ!!?」

 

 

 

弾「サジット・アポロドラゴンは二体の異魔神と合体できる!ダブル!ダブルドライブ!!解放!!!」

 

 

 

 

 

超 炎魔神と超 風魔神がサジットに力を与え、背中の羽を展開する。その時!サジットは背中の翼が緑がかったファンネルになり、身体中に炎と風の鎧を纏っていく…………それが全て終わった時、そこには虹色のオーラ、武装された尾、強く地面を踏みしめる足、緑のオーラを放つファンネル、金色に赤と緑のラインが入った鎧、背中に生えた白い天使のような翼、手には弓が変形した剣、そして……その顔は全てを倒すと言うような顔だった。

 

 

 

さらに!弾のバトルアーマーにも変化が現れる。アーマーは黒く染まり、弾の目付きも鋭くなる。そして身体中から神力を放出して背中からは虹色の翼を広げる。そのまわりには黄道十二星座が現れていた。

 

 

 

へカーティア《!!?まさか………彼は………もう………!!?》

 

 

 

永琳《…………とうとう、完全態になった………》

 

 

 

弾「アタックステップ!!銀河を駆けろ!!光龍騎神!!超 炎魔神の効果でBPプラス5000!!さらに超 風魔神の効果で手札のカードを封じる!!サジット・アポロドラゴンのアタック時効果!!ラムディエルを破壊してライフを削る!!さらに!黎明の効果でゴッド・ゼクス終ノ型に指定アタック!!」

 

 

 

 

サジットが剣でラムディエルを斬り、終ノ型に向かって斬りかかる!終ノ型も翼から剣を出して斬り合いになる。サジットが炎を放ち、終ノ型が白いビームで相殺する。しかし、次第にサジットが押していく。サジットは終ノ型の剣を弾き飛ばし、背中のファンネルから虹色の光線を放って終ノ型の翼を焼ききる!そこに一閃!!大爆発!!!!

 

 

 

 

弾「黎明の効果でライフを三つ貰う!!これで最後だ!!」

 

 

 

紫「…… 弾…やっぱりあなたなのね……」

 

 

紫はもう号泣している。その言葉に………

 

 

 

 

弾「ああ………ただいま…………」

 

 

 

 

紫「……全く………お帰りなさい………」

 

 

 

 

 

 

サジットが虹色の矢を放った!!!!

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「…んで!!?あんた達一体どういう関係なのよ!!」

 

 

 

 

バトル後、いまだに泣いている紫を抱き締めて背中を擦っている弾に輝夜が代表して聞いた。

 

 

 

 

 

 

弾「………たぶん………早苗は知ってると思うんだけど………」

 

 

 

早苗「え!!!?」

 

 

 

 

 

弾の言葉に驚く早苗。それを尻目に弾は紫に話しかける。

 

 

 

弾「ほら、何やってんだよ。お前らしくないぞ……自分のことだ。ちゃんと顔をあげてくれよ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まゐ

 

 

 




はい。ありがとうございました。


紫さま=まゐさま…………

これは前から決めておりました。でも、それを直接思わせるような描写は一切書きませんでした。しかし、良く考えてください。隠岐奈が弾の居場所を特定できたのに紫が出来ない訳はない……なのに襲って来なかった……それは、弾の声を聞きたいというまゐの心が邪魔をしたのでしょう。そして、弾を獄龍隊と同じ悪霊だと信じていたので、弾を排除しようとした………それが真相です。


さぁ!そしてサジット登場!!書いているとき、頭では宇宙を駆ける光龍騎神が流れていました!カッコ良くかけたかな………




次回予告 継承!祝え!!新たな創界神の誕生を!!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

継承!祝え!新たな創界神の誕生を!!

一応、東方を知らない人に一つ。紫さまは自分の姿を変えれます。自分の老いと若さの境界を弄れば簡単にまゐクラスの若い女性になれる処か、幼女にもなれます。境界を操るのは非常に便利ですので、困ったら「彼女がやった」ですんでしまうのが東方二次創作の便利なところです。まぁ、うちは創界神の力があるので、そんな使いませんが………


あらすじ 紫の闇を聞いて、弾は幻想郷を共に守りたい旨を伝える。その言葉で本当に弾が帰って来たことを悟った紫は……まゐは涙した………


皆に永琳や映姫に話した内容を聞かせる弾。そして、その中の仲間の一人が紫……まゐであることを話した。

 

 

 

霊夢「…あんた……案外……そう言う面もあるのね………」

 

 

幽々子「……紫……ごめんなさい……迷惑かけて………」

 

 

紫「……別にいいわ……それに……私もいい過ぎたわ………弾……ごめんなさい……貴方と信じられなくて……」

 

 

弾「謝らなきゃいけないのはこっちだ……」

 

 

その後、空気を読んだのか皆そっと紫に謝罪の言葉をかけた後帰っていった。弾も帰ろうとしたが、紫が離れたくないと駄々をこねるので、なんとか永琳と輝夜に頼み込み、紫を永遠亭に泊まらせる許可を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜 永遠亭 縁側

 

 

 

弾「……月が……綺麗だな………」

 

 

紫「幸せ……あなたがいるからかしら………?」

 

 

弾「……そうだ、あの後どうなった?バローネは?皆は無事なのか?」

 

 

その言葉を聞いて話し出す紫。それを何度も相づちを打って聞いている弾。先ほどまで殺し合いをしていたとは思えない。そこへ………

 

 

 

 

 

永琳「…失礼!」

 

 

 

縁側に現れたのは永琳だった。その手には酒瓶が握られている。そして、何故か不機嫌だった。

 

 

 

紫「……何のようかしら……?」

 

 

永琳「あら、弾の前ではしゃべり方が変わるのね……」

 

 

紫「…口が過ぎるわよ……!年増……!」

 

 

 

永琳「……ブチィ……表に出なさい。クソガキ……」

 

 

 

弾《………何これ………なんか彼女と相棒がケンカを始めようとしている…………どうしよう…………》

 

 

 

 

今にも、ケンカが勃発しようとした、その時、空から声が響いた………

 

 

 

 

 

 

へカーティア「あー、痴話喧嘩のところ失礼するけど……少しいいかしら?」

 

 

 

そう言って話しかけてきたのはへカーティアだった。紫と永琳はキッと睨み付けたが、三人そろって驚いた。なぜなら……

 

 

 

 

 

空にはへカーティアを中心として十二宮Xレアがスピリットの姿で佇んでいたからだ。

 

 

 

 

弾「!!十二宮Xレア!?どうしてもう一枚あるんだ!?」

 

 

 

へカーティア「あなたのは未来の世界の十二宮。貴方の話が正しいなら、この時代にあっておかしくはないでしょう?よっこいしょと………」

 

 

 

 

 

そう言って縁側に座るへカーティアに弾はさらに質問した。

 

 

 

 

弾「…で、オレに何をしてほしいんだ?」

 

 

 

へカーティア「…………あなたに………なってほしいのよ………………地球の創界神に……………」

 

 

 

 

 

弾 永琳 紫「「!!!?」」

 

 

 

さらにへカーティアは続ける。

 

 

 

 

へカーティア「…地球がグランロロの七番目の大陸だったってことは知ってるわね?グランロロでは太古の昔、実際にスピリット達が繁栄していた……私は星の管理者だったわ。だから十二宮Xレアを持っている……

 

 

でも………力に限界がきたの………私は外界では地獄の女神として知られてはいる。でも、星との関係は忘れ去られた………この力を振るえるのは幻想郷でのみ……まあ、創界神としての力は地獄の女神としてなら残っているから消滅とかの心配はないんだけどね………」

 

 

 

 

 

その言葉を三人とも黙って聞いている。そこへ永琳が口を開く。

 

 

永琳「…だから弾にその任を任せると?」

 

 

 

へカーティア「ええ、彼は真にこの世界を憂いている。それはグランロロの創造主、ロロも認めているわ……」

 

 

 

 

紫「…弾……どうする……?」

 

 

 

紫は弾に尋ねる。弾は少し目を閉じて考えた後、質問した。

 

 

 

弾「なぁ、もし地球の創界神になったら、オレに自由は無くなるのか?」

 

 

 

へカーティア「いえ、そんな事はないわ。やることは非常事態に事態の収拾を図ることぐらいよ。」

 

 

 

その言葉に弾はさらに質問する。

 

 

弾「なら………この幻想郷の創界神を兼任しても構わないか?」

 

 

紫「………え!」

 

 

へカーティア「いいわよ。ここは元々の神の恵みもないし、あなたなら、安心して任せられるわ。私もここが好きなの。」

 

 

 

その言葉に喜ぶ紫。当たり前だ。自分と一緒に幻想郷を守れるのだから。

 

 

 

 

弾「……最後に一つ。あんたからオレと似たようなものを感じるのは………あんたも創界神だからか?」

 

 

 

その言葉にへカーティアは頷く。

 

 

 

へカーティア「……ええ……その名前は最近、名乗ってないけど………さて……継承、していいかしら?ってもう創界神だから引き返せないか………アーユーレディ?」

 

 

 

弾「…出来てるよ。」

 

 

 

さすがに「だめです!!」ではなかった。へカーティアから星の力が籠った宝石を受け取った弾。すると、弾から光が伸びて上空にいた十二宮達がカードに変わる。そのカードは効果が変わるだけでなく、複数枚になり、弾の手に収まった。

 

 

 

へカーティア「……よろしくね……」

 

 

弾「ああ………」

 

 

 

その後は、祝い酒と称して、永琳の酒を飲んだ弾だったが初めての酒にすぐ気持ち悪くなってしまった。それを見た紫が「変なもの入れたの!?」と騒ぎだして第2ラウンドが勃発した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日 永遠亭

 

 

 

 

 

へカーティア「悪いわね~泊めて貰う処か、朝ごはんまで貰っちゃって。」

 

 

 

 

輝夜「いいのよ。だってめでたい日だもの!」

 

 

 

あの後、皆疲れて雑魚寝していたところを鈴仙が見つけて四人に朝食ができたことを伝えた。そして、弾が幻想郷の創界神になったことを伝えると(当然だが)驚かれた。永遠亭メンバーと紫、へカーティアが朝食を食べていると………

 

 

 

 

 

 

 

てゐ「大変ウサ~!!」

 

 

 

 

てゐが走って来た。何かあわてていると様子だ。

 

 

 

 

輝夜「……あれデジャヴ………」

 

 

永琳「…てゐ、どうしたの?」

 

 

永琳が事情を尋ねる。すると………

 

 

 

 

 

 

???「失礼します。馬神 弾さま。お命、頂戴しに参りました。覚悟!!」

 

 

 

 

突然、弾の目に雷が迸った…………かに見えたか、弾が右腕を振っただけで、雷が霧散して、弾が右腕を握りしめると、何者かが壁に叩きつけられて拘束された。

 

 

 

 

紫「………このめでたい日に何のようかしら?竜宮の使い 永江衣玖

 

 

 

弾「……リュウグウノツカイ?あの魚の?」

 

 

 

永琳「…魚じゃないわよ。災害が起きそうになると、人々に危険を知らせる存在よ。」

 

 

 

衣玖「………殺すなら殺してください……」

 

 

 

その言葉は弱く、何かあることを感じさせる様子だった。すると弾はこう言った。

 

 

 

弾「それなら、オレとバトルしようぜ。何かあるみたいだからあっちで聞こう。それに、新しいデッキも試してみたいし。あんたが勝ったら好きにしろ。」

 

 

 

すると、へカーティアが弾に二枚のカードを投げ渡した。

 

 

 

 

へカーティア「それ、私の星の化身と星の神の力を込めたカードよ。私の力を受け継いだから渡しとくわ。」

 

 

 

 

弾「……ありがとう!!」

 

 

 

 

永琳「……もう、何も言わないわ………」

 

 

鈴仙「師匠、胃薬です。」

 

 

 

衣玖「………わかりました………」

 

 

 

 

弾 衣玖 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 




はい。少し短めですがありがとうございました。



祝え!!全星々の力を受け継ぎ!地球と幻想郷に君臨する最強の神が誕生した!!その名も創界神 馬神 弾!!新たな神話を創る星の王の煌臨である!!!!……すみません、調子乗りました………後、弾が星の力を受け継いだ時は氷被ってもないですし、負けても消滅ってことは無いです(後者はありそう……またライダーネタ……)



そして、衣玖さん登場!キャーイクサーン!でもこれで元凶分かっちゃったかな………?


さぁ!これで定例会編も終わり!とうとう、くろまく~(レティさんではないです)が出て来て、クライマックスへ!それでは次章、黎明 決戦編でまた会いましょう!!


あらすじ 赤く染まる月!創界神ダン出陣!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終章~黎明 決戦編~
赤く染まる月!創界神ダン出陣!!


ようやく、ダンが出陣します。光導スピリットは色々あるのでバトル展開に幅を持たせられるので楽になりました(笑)



あらすじ へカーティアから星の力を受け継ぎ、地球と幻想郷の創界神となった弾に突然、竜宮の使いの永江衣玖が襲いかかってきた。事情を聞くため弾はバトルを申し込む………


弾「…俺からいくぞ!スタートステップ。天星十二宮光星姫ヴァージニアを召喚。効果で三枚オープン。その中のオレと光導を持つカードを手札に加える。残りはデッキ下へ。」

 

 

 

オープンされたのは 創界神ダン サジタリウスドロー 天星十二宮樹星獣セフィシープなのでシープとダンを手札に加えた。

 

 

 

 

衣玖「……メインステップ。秩序戦艦バチマン ド ゲールを召喚。ターンエンド。」

 

 

衣玖のフィールドに戦艦のようなスピリットが現れる。

 

 

 

弾「メインステップ!天星十二宮樹星獣セフィロシープを召喚。召喚時効果でコアブースト……さて……いくか!創界神ダンを配置!効果で三枚トラッシュに!その中のコスト三以上かつ、神星、光導を持つカードの分コアを置く!よって二コアをオレに!

 

さらにその中の光導を持つカードを全て手札に加える!そして、バーストセット。ターンエンド。」

 

 

 

 

ダンが自分を配置すると、身体が光り輝く。さらにデッキから

 

天星十二宮魔星人シュタインゴイル 天星十二宮雷星獣ドラグタウラス クローズドジェミニが破棄されたがダンの効果で前二枚は手札に加わった。

 

 

 

 

 

衣玖「……メインステップ……No.24 トリプルヘビーを配置。そして、バーストセット……アタックステップ……バチマン ド ゲールでアタック。効果でデッキを一枚めくり、そのカードが系統 武装を持つなら召喚します。

 

………!鉄騎皇イグドラシルだったのでこのまま召喚です。!レベルは2で。召喚時効果で次のスタートステップまで武装スピリットは効果を受けません。」

 

 

 

バチマン ド ゲールが砲弾を放つとそこから白い騎士が現れる。さらにイグドラシルがスピリット達に透明な鎧のようなオーラを纏わせた。

 

 

 

 

弾「…ライフで受ける!」

 

 

 

バチマン ド ゲールが弾のライフを撃ち抜く。

 

 

 

 

衣玖「……ターンエンドです………」

 

 

 

 

 

永琳「……どう見る?」

 

 

紫「…見た目は弾が押されているけど……実際は弾が押しているわね。」

 

 

永琳「やっぱりね………」

 

 

鈴仙「へ?どう言うことですか?」

 

 

紫「確かにあの竜宮の使いは大型スピリットのノーコスト召喚に成功したけど……弾にとってはコアを与えてくれたも同然。次のターン、何か仕掛けて来るわよ。」

 

 

 

弾「メインステップ………力……使わせて貰う………創界神リリア!!効果で三枚対象カードがあったので三コア追加する!さらに雷星獣ドラグタウラスをレベル2で召喚!」

 

 

 

弾の後ろに太陽と月がついた杖を持った四本腕の女神が現れる。

 

 

 

リリア「ふふふ!こっちの姿は久しぶり!さぁ~て!いくわよ~!!」

 

 

 

弾「アタックステップ!ドラグタウラスでアタック!アタック時効果!星読!デッキから一枚オープンして、光導を持つなら手札に加える。サジットノヴァアローだったので手札に!さらにドラグタウラスの効果でBPプラス5000する!」

 

 

 

衣「バチマン ド ゲールでブロックします。破壊されたのでバースト発動。ランパードウォールです。バチマン ド ゲールを手札に戻して、召喚!白き翼の大いなる騎士!翼神機グランウォーデン!!」

 

 

バチマン ド ゲールが破壊されるとそこに白い光が集まり白い翼を持った騎士が降り立った。

 

 

 

弾「グランウォーデンか……ターンエンド。」

 

 

 

衣玖「メインステップ。冥機グングニルとバチマン ド ゲールを召喚。そして、アタックステップ。グランウォーデンでアタックします。」

 

 

弾「ヴァージニアでブロック!」

 

 

ヴァージニアがグランウォーデンの剣に切り裂かれる。

 

 

 

衣玖「さらにバチマン ド ゲールでアタック!効果でオープン。秩序軍神グレイスオーダーなのでノーコスト召喚!さらにグランウォーデンは回復します!」

 

 

弾「ライフで受ける!そして、バースト発動!天星十二宮鋼星騎スコルリッター!グランウォーデンを破壊する!!」

 

 

衣玖「な!!?」

 

 

グランウォーデンが青い槍に貫かれ爆発する。その後、弾のフィールドに青い騎士のようなスピリットが現れた。

 

 

 

 

弾「さらに創界神リリアの効果!ライフが減った時、一コスト支払って手札の光導スピリットを召喚できる!!赤く染まる月!!射手座の力纏うドラゴン!!月紅龍ストライクジークヴルムサジッタ!!召喚!!

 

 

リリア「あらよっと!!」

 

 

 

リリアか月の杖を一振りすると弾の後ろから赤いストライクジークヴルムが現れ、咆哮した。

 

 

 

鈴仙「ストライクジークヴルムサジッタ!?」

 

 

 

輝夜「……どうやら永琳の化神が弾の力を浴びてパワーアップしたみたいね。」

 

 

 

永琳「……憎い演出ね………」

 

 

 

紫《………なんか腹立つ…………》

 

 

 

 

衣玖「……ターンエンドです………」

 

 

 

弾「……なぁ、お前、どうしてそんなに焦っているんだ?本当にオレを殺したいのなら不意打ちとかの方がいいのに真っ向から来たってことは切羽詰まっているんじゃないか?」

 

 

 

 

衣玖「…………総領娘さまのためです………」

 

 

 

弾「……総領娘………?その人物がオレを早急に殺せと?」

 

 

その言葉に一瞬、いいよどむ衣玖。しかし、すぐ気を取り直して言った。

 

 

 

衣玖「……いえ、実は総領娘さまは異変の元凶に取りつかれているのです。総領娘さまを簡単にねじ伏せることができるやつでした。私は………あなたを殺しに行くとやつにウソをつきました………実をいうと……あなたなら総領娘さまを助けられるのでは………それで、僅かな可能性を信じてここに来ました………」

 

 

 

 

その言葉に驚く面々。異変の元凶が天子にとりついている。今まで手がかりも何もなかった所に飛び込んで来た朗報だった。

 

 

 

弾「……わかった………その総領娘ってやつを倒して、元凶も倒す!」

 

 

リリア「彼女はいいの?仮にも殺そうとしたやつよん?」

 

 

 

弾「…結局、生きてるから別にいい。それに、創界神がこんなことで神罰下しちゃダメだろう?」

 

 

 

 

弾の言葉に微笑むリリアだった。

 

 

弾「メインステップ!ストライクサジッタをレベル3に!星々統べる女神!光導女神グランリリア!!召喚!!

 

 

リリア「はぁ~……………!!」

 

 

 

リリアが力を集中して光弾を放つと、そこから背中に黄道十二宮の記号を浮かべた女神が現れた。

 

 

弾「アタックステップ!!」

 

 

リリア「私の化神の効果で私のコアを自身において、コスト6以上の光導スピリットはブロックされなくなる!!」

弾「ストライクジークヴルムサジッタでアタック!解放の効果で創界神リリアのコアをサジッタにおいてグングニルを破壊!さらにサジッタの効果でライフを砕いてワンドロー!!」

 

 

サジッタが炎でグングニルとライフを焼き付くす

 

 

 

衣玖「フラッシュタイミング!ランパードウォールを使用します!アタックステップを強制終了させます!」

 

 

 

弾「無駄だ!オレのコアを四個ボイドにおいて、神技発揮!BP10000以下のスピリットを破壊して効果でアタックステップを終わらせなくさせる!!イグドラシルを破壊!!」

 

 

イグドラシルがダンの矢によって破壊される。ランパードウォールの白い光がダンから放たれた波動に打ち消される。

 

 

 

 

衣玖「……!!イグドラシルの破壊時効果で相手のスピリットを手札に戻して………

 

「ドラグタウラスの効果で光導スピリットは手札に戻らない!」

 

………サジッタのアタックはライフで受けます。」

 

 

ストライクサジッタがライフを叩き割る。

 

 

 

弾「ドラグタウラスでアタック!!効果で星読!天星十二宮聖星使ジェミニックだったのでBPプラス5000してグレイスオーダーを破壊!!さらにスコルリッターでアタック!!」

 

 

 

衣玖「どちらもライフです!」

 

 

 

ドラグタウラスとスコルリッターが衣玖のライフを砕く。

 

 

 

弾「とどめだ!行け!!グランリリア!!」

 

 

 

衣玖「……総領娘さまを………お願いします………」

 

 

 

 

グランリリアが背中の星図から光線を放った!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…さて……やつの所に案内してくれるか?」

 

 

 

衣玖「…わかりました。こちらに………」

 

 

へカーティア「……待ちなさい。鈴仙ちゃん、今すぐ十二神皇使いを集めて。弾、紫、永琳、あなた達に話さないといけないことがあるわ。もし………アイツが元凶なら………あれをまた使わないといけないことになるわね………」

 

 

 

弾「……?あれってなんだ………?」

 

 

 

 

弾の言葉に少し目を閉じて考えた後、言った。その言葉に全員が驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へカーティア「即席の神々の砲台よ。

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


なんかさらっと出しましたが、へカーティアさま=リリアさまです。なんか腕いっぱいあるところとか星持っている所とかが似てたので同一人物にしました。なお、ロロとの関係は………また後で…………

そして、ストライクサジッタとグランリリア登場!!でもあのスピリットは出しませんでした。……出ると思った?残念でした!!アイツはまだ先です…………


次回予告 集結!発動!オペレーション皇宮!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

集結!発動!オペレーション皇宮!!

とうとう、黒幕の登場です。デッキもそうらしい構築にしました。主人公が使いそうなデッキですが、似合うと思ったので採用しました。



あらすじ 衣玖とバトルして、黒幕の居場所を突き止めた弾。しかし、へカーティアが行くのを止め、なにやら物騒なことを言い出した。


霊夢「で?私達をわざわざ集めた理由って?」

 

 

永遠亭に集まったのは霊夢、魔理沙、咲夜、妖夢、早苗、アリスそして、弾、永琳、紫、衣玖にへカーティアだった。代表して霊夢が尋ねる。

 

 

 

永琳「竜宮の使いが異変の元凶を知っていて、ソイツはへカーティアの知り合いかもしれないのよ。」

 

 

 

 

全員「「え!!?」」

 

 

 

 

魔理沙「マジか!教えてくれ!誰なんだ!?」

 

 

 

魔理沙の言葉に少しためてから返事を返す。

 

 

 

 

へカーティア「……たぶん………龍神だと思うわ……」

 

 

 

その言葉に全員があり得ないと言うような顔をする。

 

 

 

 

 

弾「……龍神?………ああ、幻想郷で昔、祭られていた神だったか……いろんな所に銅像があったな………で?何でソイツなんだ?」

 

 

 

 

へカーティア「ちょっと前にアイツに会った時、「幻想郷は汚れてしまった。」とか言ってたのよ。それに、今、弾が言った銅像によろしくない気が集まっているのが気になっていたのよ。」

 

 

 

衣玖「…そういえば……やつは各地の銅像の六個に何か式のようなものを放っていました………」

 

 

 

紫「…面目ないわ……私も龍神の祠で弾が悪霊だと聞かされた………今思えば上手く誘導されたのかも………」

 

 

 

咲夜「まぁ、つまり、龍神があのわがまま娘にとりついたとしたら、辻褄が合うってことね。」

 

 

 

 

アリス「…それで、霊夢の質問を繰り返すけど、私たちはなぜ呼ばれたの?」

 

 

 

その言葉に待ってましたとへカーティアは話し始める。

 

 

 

 

へカーティア「龍神はここの土着の神。さすがの私も面倒なことになるわ。だから、武器を使いたい。弾が未来で使ったように、私達も神々の砲台を使うわ。」

 

 

 

 

 

 

紫 永琳「「ダメよ!!!!」」

 

 

 

弾「うわ!」

 

 

へカーティアの言葉に弾の両腕に抱きつきながら大反対する二人。霊夢達も同じような意見だった。当たり前である。しかし、へカーティアはその質問を待っていたかのように言った。

 

 

へカーティア「大丈夫よ。そのために十二神皇の力を使うわ。私がエネルギー、永琳がコントロール、紫が微調整して神々の砲台のような術式を張る。

 

やつは幻想郷の6隅の銅像に式を使ってエネルギーをためて、一気に滅ぼすつもり。それを逆に利用する。あなた達は弾の十二宮と持っている十二神皇で式を倒して十二宮と十二神皇のエネルギーを銅像に注ぐのよ。それを引き金になる人間の代わりの力にする。」

 

 

 

 

その説明に納得する一同。(紫と永琳は腕を離さないままだったが)

 

 

 

 

 

弾「……オレはどうすればいい?」

 

 

 

へカーティア「あなたは普通に龍神とバトルすればいいわ。やつもエネルギーが欲しいから、逆にケンカ売って来るかもね。」

 

 

 

 

 

早苗「こちらは任せてください!弾さまのためならたとえ火の中水の中!!」

 

 

 

妖夢「ここで退いては幽々子さまに顔向けできません。」

 

 

 

へカーティア「さて、そうとなったら全員持ち場に!オペレーション皇宮!発動よ!!」

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

弾「…それなんだ?」

 

 

 

 

 

 

へカーティア「作戦名よ!!!!いいセンスでしょう!!?」

 

 

 

 

 

変なTシャツヤロー……………

 

 

 

 

 

 

 

 

天界 比那名居邸

 

 

 

 

???「……!きたか………」

 

 

弾「……あんたか、元凶の龍神ってやつは………」

 

 

 

弾と向かい合っているのは普通の少女、ように見えるが、声は大人の男の声だった。

 

 

 

龍神「……フム……あの竜宮の使いが吐いたか……まぁいい。ちょうど私もお前に用があった。私と戦い、勝ったらこの娘は解放させてやろう。」

 

 

 

弾「随分、太っ腹だな。いいぜ。乗ってやるよ。」

 

 

 

 

 

弾 龍神「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 幻想郷 各地

 

 

 

 

霊夢「ふーん、こいつね。なんか河童が作ったカラクリ人形みたいね。」

 

 

 

 

魔理沙「よーし!お前を倒させて貰うぜ!!」

 

 

 

 

早苗「…弾さまのカード………使わせてもらいます!」

 

 

 

 

咲夜「…さて、フルコースの始まりよ。」

 

 

 

妖夢「…守ってみせる!今度こそ!!」

 

 

 

アリス「ようやく、二枚ゲットしたと思ったら……まぁ愚痴っても仕方ないわ。」

 

 

 

 

六人はそれぞれ違う場所で、銅像に力を注いでいる式を見つけた。弾か紫が見れば、異界王との戦いである心を持った人形を重ねただろう。そして、六人全員声をあげる。

 

 

 

 

「「「「「「ゲートオープン!界放!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は自分と創界神リリアを配置してどちらもコアを二つおいて、手札にセフィロシープとレオザードを加えた。

 

 

 

第2ターン 龍神は龍皇の盾 水のクリオ・ヴァッサーを二体召喚してバーストセット。

 

 

第3ターン 弾は魔星人シュタインゴイルとセフィロシープを召喚。星読でオープンしたカードは闇星魚ピスケガリオットだったので手札に加え、クリオ・ヴァッサー一体を消滅させる。

 

すると龍神のバーストが発動。聖皇ジークフリーデンが召喚され、効果で三枚オープンしてその中の龍皇の矛 天のアーぺント・ロートと忍煌龍ジークフリード児雷也を回収した。弾はバーストセットしてターンエンド。

 

 

 

第4ターン 龍神はジークフリーデンをレベル2にしてアタック。アタック時効果で二体を破壊した。しかし、弾のバーストが発動。風星士キャンザムライの効果で二体が重疲労した。メインアタックはライフで受けてリリアの効果で地星兵リブライヴァが召喚され、クリオヴォッサーが破壊された。これでターンエンド。バトルは第5ターン。

 

 

 

 

 

 

弾「メインステップ!赤く染まる月!射手座の力纏うドラゴン!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!レベル2で召喚!!」

 

 

永琳《弾!聞こえる!?》

 

 

 

弾《!!永琳!どうした?》

 

 

 

 

ストライク・サジッタがフィールドに現れると、弾の頭の中に永琳の声が響いた。

 

 

永琳《いえ、こちらは順調よ。そっちの状況が知りたいの。》

 

 

 

弾《少し押されてるかな。でもお前の化神が出たから反撃するところだ。》

 

 

 

紫《へぇ~何?私がいるのに……他の女に……》

 

 

 

永琳《!そう!………頑張ってね……!!》

 

 

 

 

そう言うと、なぜか元気になった永琳の声は消えていった。

 

 

 

弾「アタックステップ!ストライクサジッタでアタック!効果でジークフリーデンを破壊!そして、ワンドローしてライフを貰う!」

 

 

 

龍神「ライフで受けよう。」

 

 

ストライクサジッタが龍神のライフを砕き、弾のライフと同じ数にする。

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

 

龍神「くくく、無駄なことを………メインステップ、ブレイドラとアーぺントロートをレベル2で召喚。アタックステップ、アーぺント・ロートでアタック。煌臨発揮!ジークフリード児雷也をアーベント・ロートに煌臨させる。」

 

 

 

アーぺント・ロートが緑の光に包まれ、中から忍のドラゴンが現れる。

 

 

 

龍神「さらに、児雷也の効果でブレイドラを下に加えて回復!そしてメインアタック!」

 

 

 

弾「ライフだ!!」

 

 

 

 

児雷也が刀で弾のライフを切り裂いた。

 

 

 

龍神「ターンエンド!どうした?もう終わりか?」

 

 

 

弾「ふふふ、オレはここからが長いんだ。」

 

 

 

 

 

弾《みんな………そっちも頑張れ!!!!》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


このシチュエーションは少年撃破ダンの頃のホライゾンラダーでの戦いをイメージしました。パンテーラの最後は今でも覚えています。


後、これからは霊夢達のバトルを書いていく予定です。なので弾さん好きは少々お待ち下さい。


最後にタイトルのセンスのなさは私ではなくへカーティアのせいです。オレは悪くねえ!!(言い訳)


次回予告 人形使いvs人形!さぁ!ショータイムだ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人形使いvs人形!さぁ!ショータイムだ!!

アリス「約束する。私が最後の希望よ!」


………はい……アリス回です。だって魔法使い、人形、ショーとか考えたら、指輪の魔法使いが出てくるだろ~!!?



あらすじ 神々の砲台を十二神皇の力で引き金の代わりにして龍神を倒す計画を発動した弾達。霊夢達もエネルギーを注ぐため式との戦いに挑む。


第1ターン アリスは美食の妖精ロゼットを召喚。

 

 

第2ターン 式は不思議王国トランプの兵隊を召喚してネクサスマッドティーパーティーを配置してターンエンド。

 

 

第3ターン アリスはアクセルで庚申師オンコットマーリンを使い、黄魔神と戦神乙女ヴィエルジェを手札に加えた。

 

 

 

第4ターン 式は不思議王国三月ラビットを召喚してコアブーストしてターンエンド。

 

 

第5ターン アリスは黄の起源龍デルフィニュートを召喚して、手札の美食の妖精エクレアシフォン 丙の黄猿ナラ 子の十二神皇マウチューをオープンして三枚ドロー。

 

 

 

さらにアクセルが発動して二体を破壊して二枚ドローした。そして、デルフィニュートでアタックしてライフを砕いた。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

アリス《……気味が悪い……何も考えない……人形以下ね……》

 

 

式[メインステップ。六煌士不思議天使メリエルをレベル2で召喚。召喚時効果で手札の不思議王国ダムとディーをオープンしてワンドロー。アタックステップ。メリエルの効果でコスト6として扱い、ソウルコアが置かれているこのスピリットに黄のカードを煌臨させる。

 

 

煌臨。不思議王ジークフリードマッドハッター。煌臨時効果は不使用。]

 

 

 

メリエルが黄色の光に包まれ、中から黄色のドラゴンが現れた。

 

 

アリス「ジークフリードマッドハッター!?ライフで受けるわ!」

 

 

マッドハッターがトランプでアリスのライフを砕く。

 

 

 

式[さらにマッドハッターでアタック。効果で手札のアクセルをノーコストで使用、そして、回復。アクセル不思議王国トランプの兵隊。デッキの上三枚を見てそのまま戻す。マッドティーパーティーの効果でドロー。]

 

 

 

 

アリス「え!てことは手札にアクセルが来る限りアタックできるってわけ!!?ライフ!」

 

 

マッドハッターがまたライフを砕く。

 

 

 

式[さらにマッドハッターでアタック。アクセル不思議王国ダムとディーを使用、そして回復。ロゼットを破壊。ワンドロー。]

 

 

 

アリス「ライフよ!」

 

 

 

マッドハッターは止まらない。

 

 

 

式[マッドハッターでアタック。アクセル不思議王国三月ラビット。デルフィニュートを手札に、そして、回復。ワンドロー。]

 

 

 

アリス「……ライフ………」

 

 

 

マッドハッターが笑いながらライフを砕いていく。そのせいもあり、アリスの心は折れる寸前だった。

 

アリス《……もう無理………そうよ………霊夢達が頑張れば………大丈夫よね…………》

 

 

 

 

式[マッドハッター、アタック。アクセル、不思議王国白の女王。回復、ワンドロー。]

 

 

 

式がマッドハッターに攻撃を命じ、アリスが諦めたその時だった。

 

 

 

 

???《ちょっと!!何勝手に諦めてんのよ!!ご主人の努力を無駄にする気!?》

 

 

 

アリス《え………!?誰………?》

 

 

 

 

突然、アリスの頭の中に声が聞こえた。ふと手札を見ると…………ヴィエルジェのカードが光っていた。すると突然、アリスの視界が光に染まった。

 

 

 

 

 

 

アリスが目を開けると、そこは黄色の空間だった。

そこでは、ヴィエルジェがアリスを見下ろしながらティーカップを啜っていた。アリスは半信半疑で問いかける。

 

 

 

 

アリス「……まさか………ヴィエルジェ……あなたなの………?」

 

 

 

ヴィエルジェ《そうよ!全く、まだチャンスはあるじゃない!!》

 

 

 

アリス「え………どこに……?」

 

 

 

 

アリスは分からなかった。ヴィエルジェは呆れた声でアリスの手札を指差しながら言った。

 

 

 

 

ヴィエルジェ《あなたの手札の一番右のカードを使えばいいんじゃない?》

 

 

 

アリス「でも、これを使っても勝つ確率は低いわよ………」

 

 

 

 

ヴィエルジェ《はぁ~あんたみたいな人間を未来でも見たわ。ソイツにご主人は、弾さまはこう言ったわ。「来たカードに自分がどう答えるか。それで勝敗は決まる。」ってね。でもあんたは最初から諦めちゃってる。それじゃ、勝てる勝負も勝てないわよ》

 

 

 

アリス「………………」

 

 

 

 

落ち込んでいるアリスにヴィエルジェはティーカップをテーブルに置いて立ち上がり、アリスと同じサイズになると手をアリスの両肩に置いて、話しかける。

 

 

 

 

ヴィエルジェ《使いなさい。もしダメだったら私もジェミナイズといっしょに謝るわよ。あと一つ………可能性は自分で作るものよ……可能性がないんだったら、自分で作りなさい!!!》

 

 

 

 

 

その言葉がアリスの目に光を取り戻させた。気づくとアリスはバトルフィールドに戻っていた。

 

 

 

 

 

アリス「……ありがとう………!!フラッシュ!アクセル美麗鬼アラ!!デッキからワンドロー!!

 

 

《来て!……答えて!!もし負けたら、みんなにどの面見せて会えばいいのよ!……お願い!!》

 

 

………!ありがとう!フラッシュ!アクセル!レーシングペンタン!!マッドハッターのシンボルを0に!!」

 

 

 

マッドハッターに黄色の光線があたり、力を奪った。

 

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

ヴィエルジェ《答えてくれたわね……》

 

 

 

アリス「……ええ!ここから反撃よ!メインステップ!バーストセット!さぁショータイムの始まりよ!双子座の奇術使!魔導双神ジェミナイズ!召喚時効果!きたれ!戦いの賢将!申の十二神皇ハヌマーリンをノーコスト召喚!!そして、封印!

 

 

 

 

まだまだよ!封印したのでバースト発動するわ。古の神皇ガルダーラ!召喚時効果でコアブースト!そのコアで召喚。子の十二皇マウチューを召喚するわ!

 

 

ジェミナイズの効果発揮!戦いに勝利もたらす女神!戦神乙女ヴィエルジェ!召喚!!ライフを増やしてマッドハッターを手札に返す!!」

 

 

 

アリスのフィールドに二体の十二宮と三体の十二神皇が並んだ。

 

 

 

アリス「…残念♪もうフィナーレよ………フルアタック!!!」

 

 

ヴィエルジェ《くらいなさい!!!》

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

 

五体が式のライフを全てうち砕いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「ありがとう。ヴィエルジェ。さすがは神様ね。」

 

 

ヴィエルジェ《お礼はご主人に言って。彼の受け売りだから………さて、アリス!十二神皇の力を注いで!やるわよ!ジェミナイズ!!》

 

 

 

 

ジェミナイズ《了解!》《わかった!》《助ける》《守る》「《この世界を!!》」

 

 

 

ヴィエルジェ《いちいち言い変えないでよ!!》

 

 

 

 

 

アリス《……神様って……案外、フレンドリーな所もあるのね………みんな!やったよ!そっちも頑張って!!》

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ヴィエルジェ姉さんカッコいい!!さすがオレの星座!(関係ねえよ)彼女はアリスにどこかユースのことを重ねたのかもしれません………


次回予告 奇跡を起こせ!折れない青き槍!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

奇跡を起こせ!折れない青き槍!!

早苗さん回です。崇め奉る弾さまの期待に答えられるのか?

後、龍神の声は俳優の金尾哲夫さんがいい感じだと思います。

???「いい声してるだろ?声の仕事は得意なんだよ。」


あらすじ 式とのバトルに心折れそうになったアリスだったがヴィエルジェの励ましによって見事勝利をおさめる。一方、早苗は………


第1ターン 早苗はビヤーキーを召喚してターンエンド。

 

 

第2ターン 式はアクセル 巨人王子ラクシュマナを使用して二枚ドローして、最後の優勝旗と阿弥陀如来像を捨てた。

 

 

第3ターン 早苗はカニコングとアビスシャークを召喚。ビヤーキーの効果でコアブーストした。これでターンエンド。

 

 

 

第4ターン 式はネクサス 海底王国の秘宝を配置してバーストセット。これでターンエンド。

 

 

 

第5ターン 早苗は亥の十二神皇カラミティボアを召喚。そして、アタック。式のライフをまた砕き、バーストが発動。絶甲氷盾によりアタックステップが強制終了した。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

早苗《どうしてスピリットを出さないのでしょうか………気味が悪いです………》

 

 

 

 

式[メインステップ。進め!海賊船ジークフリード号を配置。配置時効果で龍皇海賊団 船長ホワイトジャックを召喚。召喚時効果でトラッシュからネクサスを二つ配置。そしてドロー。アタックステップ。ホワイトジャックでアタック。]

 

 

早苗「たった一体で!?」

 

 

 

式[フラッシュタイミング。煌臨。ジークフリードアビス。煌臨時効果でネクサス四つをこのスピリットの下に。そのネクサス一つにつき、相手のスピリットを一体破壊。]

 

 

 

早苗「え!!ウソ!!」

 

 

 

ホワイトジャックが波に覆われ、そこから青いドラゴンが現れる。そのアビスから放たれた大波が早苗のスピリットを全て飲み込んでしまった。

 

 

 

式[アビスの効果。このスピリットの下のカード一枚につきシンボルを追加。よってシンボルを五つ追加。]

 

 

 

 

早苗「ええええ!!仕方ない!!弾さま!お借りします!フラッシュタイミング!デルタバリア!!アビスのアタックでは私のライフは0になりません!」

 

 

 

アビスが拳に水流を纏わせて殴り付ける。しかし、銀色の三角が早苗を守った。

 

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

 

 

早苗《マズイ!マズイ!次のターンに回したらヤバい!………よし!ここは私の奇跡を起こす能力で……いいカードを…………》

 

 

 

 

 

???《たぶん、起こらないと思うぜ………!!》

 

 

 

 

 

早苗「へ?(゜_゜)」

 

 

 

 

早苗の視界が青く染まる…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗が目を開けると、そこは青い空間だった。

 

 

 

早苗「………ありのまま起こった《ジョジョを知ってるなんて、これはオレと気が合いそうだ……》ことをって………(;゜゜)ぇぇ!!」

 

 

 

 

 

突然、上から声が降ってきた。見上げてみると、そこには青い大蠍がいた。

 

 

 

早苗「………天羯神騎……スコルスピア………?」

 

 

 

スコルスピア《よーう!かわいい子ちゃん。どう?この後、デートでも》

 

 

 

早苗「イヤです。」

 

 

 

 

早苗は即答した。するとスコルスピアは両ハサミを持ち上げて叫んだ。

 

 

スコルスピア《ぇぇぇぇ!!ショック!!!俺が狙えばイチコロなのに~!……できた巫女だな………リブラクラスに固いぞ……》

 

 

 

早苗「そんな事より!何の用ですか?さっき奇跡は起こらないって言いましたけど?」

 

 

 

スコルスピアは早苗の言葉に真剣な顔つきになって答える。

 

 

スコルスピア《……俺はよ……昔、医者だった………この尻尾の針でいろんなやつの病気を治していった……

 

でも、そいつらのほとんどが奇跡を起こすことなく死んでいった………そんな簡単に奇跡って言うんじゃねえよ。そいつらは一生懸命生きようとした。それなのに、なんも努力しないヤツが美味しい所持っていくってことでもあるんだぜ?それを考えて、奇跡って言ってんのか?》

 

 

 

 

早苗「………私は……………」

 

 

 

 

沈んだ顔つきになる早苗にスコルスピアは顔を近づけてこう言った。

 

 

スコルスピア《だからよ!お前は人一倍努力しなけりゃいけねえんだ!努力したやつが救われるならそれは一番いいことだ。俺のご主人……弾もそうだ。人一倍頑張った。お前が努力すりゃ、その分奇跡は起こる。それをどう使うか……それはお前の自由だ……自分のために使ってもいい。他人のために使ってもいい……

 

 

そして!覚えておけ!奇跡ってのは諦めないやつの元に!降りてくるんだ!!諦めんなよ!!!》

 

 

 

 

早苗「……わかりました……!!」

 

 

 

早苗が答えた後、スコルスピアの空間は消え、バトルフィールドに戻る。

 

 

 

 

早苗「……案外、カッコいいじゃないですか……メインステップ!召喚!!海魔神!!召喚時効果で手札の異合スピリットをノーコスト召喚!決して折れぬその槍よ!!私に力を!!天羯神騎スコルスピア!!レベル2で召喚です!!」

 

 

 

スコルスピア《よっしゃ!俺に任せな!!》

 

 

 

 

海魔神がスコルスピアを呼び出し、力を与える。そして、スコルスピアがさらに青く光る。

 

 

 

 

早苗「アタックステップ!スコルスピアでアタックです!!アタック時効果で11コスト以下のアビスを破壊です!!」

 

 

 

スコルスピア《ふっとびやがれ!!!》

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

スコルスピアが尻尾からビームを発射してアビスを破壊する。そしてハサミでライフを二つ砕いた。

 

 

 

 

早苗「ターンエンドです。」

 

 

 

 

式[メインステップ。ラクシュマナ、海賊連合総長フォージロウを召喚。アタックステップ。フォージロウでアタック。]

 

 

 

式のフィールドに鮫の顔をしたスピリットが現れて、早苗のライフを打ち砕こうとした。

 

 

 

スコルスピア《ほ~う、まだ死んでねえな?》

 

 

早苗「もちろんです!!フラッシュタイミング!光翼之太刀!!スコルスピアをBPプラス3000して、疲労ブロッカーにします!!スコルスピアでブロックです!!」

 

 

 

フォージロウの前にスコルスピアが割り込み、剣を尻尾の槍で弾き、身体を貫いた。

 

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

早苗「ドローステップ!!よし!地獄よりきたる悪魔!戌の十二神皇グリードッグ!!海魔神と合体です!!アタックステップ!グリードッグでアタック!!

 

 

アタック時効果で封印します!そして、強奪!手札を全てオープンします!………その絶甲氷盾を破棄します!!さらにスコルスピアの効果でラクシュマナを破壊!!」

 

 

 

グリードッグがカードを噛み砕いた。

 

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

早苗「とどめです!!スコルスピア!!」

 

 

 

スコルスピア《 抹殺の!!ラストブリット!!!》

 

 

 

スコルスピアの槍が式を貫いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「…ありがとうございました。お陰で目が覚めました。」

 

 

 

スコルスピア《いいってことよ。女の子に優しくするのが男ってもんだ。それより………メアド教えてくれない》

 

 

リブラゴレム《バカもの。早く任務を終わらせるぞ》

 

 

スコルスピア《いってぇ~!錫杖で殴るな!!》

 

 

リブラゴレム《すまない、早苗殿。このバカが……》

 

 

 

早苗「……加奈子さまや諏訪子さまよりアットホーム………」

 

 

《弾さま!やりました!あとはお願いします!!》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

スコルスピアはチャラいけど、いいこと言う兄貴分ってイメージです。そして、自分も医者になるため努力したという裏設定があります。魔理沙に聞かせたいですね。



次回予告 仕えるということ! 紫色の忠義!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仕えるということ!紫色の忠義!!

咲夜さん回です。咲夜さんはいい出番があまりなかったのでここで活躍させます。

あとバトル中のへカーティアですが、神々の砲台に力を使っているので、創界神リリアは喋りません。




あらすじ スコルスピアに真の奇跡を話された早苗。それを聞き、諦めずに努力する事を学んだ。その頃、咲夜は………


 

 

 

 

 

 

第1ターン 式はシキツルを召喚してワンドローそしてバーストセットした。

 

 

第2ターン 咲夜はウロドラと旅団の摩天楼、No.32 アイランドルートを配置した。

 

 

第3ターン 式は鎧闘鬼ラショウを召喚。効果で四枚トラッシュに置いて二枚ドローした。

 

 

第4ターン 咲夜は水晶龍アメジストドラゴンを召喚。ウロドラの効果でラショウのコアを外した。さらに、召喚時効果で超 龍魔神をノーコスト召喚して、合体。アタックステップでアメジストドラゴンでアタック。式はライフで受けて、バースト発動。エクスティンクションウォールによりライフを二つ回復した。これでターンエンド。

 

 

第5ターン 式は魂鬼を二体召喚してバーストセット。さらに魔界兵カースソーズマンを召喚してアタック。効果でアメジストドラゴンを消滅させてワンドローした。咲夜はライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

咲夜「ドローステップ………!弾さま、使わせて貰います!オードブルに魚料理です………双魚賊神ピスケガレオン!レベル2で召喚!召喚時効果でコアを一つずつ除去!」

 

 

 

咲夜のフィールドにピスケガレオンが現れ、ビームを放ち式のスピリットをカースソーズマンを残して消滅させた。しかし…………

 

 

 

 

式[スピリット消滅によりバースト発動。天冥銃アーミラリースフィア。ウロドラを消滅させてワンドロー。]

 

 

咲夜「なら、ピスケガレオンのレベルを下げて混沌の魔術師アマルディを召喚。効果で三枚トラッシュに置いて紫のカードを回収。クリスタニードルを回収。アタックステップ!ピスケガレオンでアタック!!」

 

 

 

 

式[アーミラリースフィアでブロック。フラッシュタイミング。煌臨発揮。魔界幻龍ジークフリードネクロ。アーミラリースフィアに煌臨してそのまま合体。]

 

 

 

 

アーミラリースフィアから紫のオーラが現れ、紫のドラゴンの形になると、アーミラリースフィアを掴んで咆哮した。

 

 

 

咲夜「煌臨ですって………!しまった!!」

 

 

 

 

式[煌臨時効果。煌霊術により、トラッシュから魂鬼、シキツル、魔界皇龍ダークヴルムレガリアをノーコスト召喚。レガリアの召喚時効果でコア一個のスピリットを破壊してドロー。]

 

 

 

ネクロが杖を一振りすると、スピリット達が沸き上がってくる。その中のレガリアが紫の衝撃波を放つと、ピスケガレオンとアマルディが破壊された。

 

 

咲夜「………ターンエンド………」

 

 

 

式[メインステップ。ガスミミズクを二体召喚。ネクロをレベル2に。アタックステップ。ネクロの効果でスピリットを一体破壊しないとブロック不可能。ネクロでアタック。]

 

 

 

式のフィールドにはこれでスピリットが合計七体。対する咲夜は0。

 

 

 

咲夜《………これを使うしか………やむを得ません》

 

 

 

「フラッシュタイミング。ポイズンブレス!コアが一個のスピリットは私のライフを削れません!!ネクロはライフで受ける!!」

 

 

咲夜の手から紫の霧が溢れる。これで残りの式のスピリットはライフを削れなくなった。

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

咲夜《どうしよう……これで終わってしまったら、弾さま処かお嬢様の顔にも泥を塗ることになる………私が幻想郷を守らないといけないのに………フッ、思えば普段でもこんな裏方ばかりね………》

 

 

 

???《その裏方こそ、一番いい仕事だと思いませんか?》

 

 

 

咲夜「え!?」

 

 

 

その瞬間、咲夜の意識がほんの少しとんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

気づくと咲夜はどこかの書斎でソファーに座っていた。

 

 

 

 

咲夜「……!?これは……!?一体………」

 

 

 

???《ここは私の空間です。あなたの家の図書館にも負けない量の本があるのですよ》

 

 

 

その声がどこからか響き、咲夜の前のソファーに魔方陣が展開され、山羊の頭を持った魔法使いが現れた。

 

 

 

 

咲夜「……!魔羯邪神………シュタインボルグ………」

 

 

 

 

シュタインボルグ《正解です。どうです?紅茶でも?》

 

 

 

咲夜「え、あ、はい、ありがとうございます……」

 

 

 

シュタインボルグから紅茶を受け取り一口飲む。その味は咲夜の腕を越えると思わせるほどだった。

 

 

 

シュタインボルグ《さて、さっさと本題に入りましょう………あなたはさっき、いつも裏方ばかりとおっしゃいましたね。》

 

 

 

 

シュタインボルグが咲夜に話しかける。

 

 

咲夜「……はい………いつもはそんな事思わず、お嬢様のためと頑張れたのですが………」

 

 

 

その言葉にシュタインボルグは立ち上がると、咲夜のすぐ隣にやって来て顔を近付けてこう言った。

 

 

 

 

 

シュタインボルグ《あなたの頭にはおがくずがつまっておられるのですか?それは大変、大バカ者のタコ介様の考え方ですね》

 

 

 

 

 

咲夜「え………!?」

 

 

 

 

敬語で罵倒されたことのない咲夜は面をくらって呆然とするしかなかった。すると、シュタインボルグは話し始めた。

 

 

 

 

シュタインボルグ《……グンタイアリを知ってますか?》

 

 

 

 

咲夜「……?はい、知ってます。たくさんの群れで大きな昆虫でも食らっていく、熱帯地方に生息している最強のアリです。」

 

 

 

シュタインボルグ《正解です。その中のアリにも役割が別れています。群れの端にいる用心棒、獲物を運ぶ運び屋、敵に飛びかかる兵隊などがいますが………私はその中で雑用係が一番好きですね》

 

 

 

 

咲夜「……どうしてですか?」

 

 

 

 

シュタインボルグは紅茶をひと飲みすると答えた。

 

 

 

 

シュタインボルグ《なぜなら、彼らは移動の際に、自ら繋がって自分を橋にするのです。たとえどれ程たくさんの数になっても、強い用心棒がいても、優秀な運び屋がいても、最強の兵隊がいても、彼らは皆、雑用がないと移動できないのです。そして、獲物が採れずに死んでいく………

 

 

つまり、雑用がいるからこそ、上は生きていけるのです。これは私達にも当てはまります。そう考えると雑用とか裏方というのは大変誇らしい仕事だと思いませんか?》

 

 

 

 

咲夜「!!!」

 

 

 

シュタインボルグの言葉にはっとする咲夜。

 

 

 

 

シュタインボルグ《…私も主人に……弾さまに仕える身、あなたと同じ従者です。同じ従者のよしみで教えましょう。

 

私もサジットやレオのように主役をはれる効果は持っていません。まぁ、だからこそ、風見嬢とのバトルで主役クラスの活躍ができたことは嬉しかったですが……でもその時、そばにはアスクレピオーズがいました。彼は自分の活躍を捨てて、私を引き立ててくれたのです。 だから、私は裏方が好きなのです。

 

 

仕えるということは主を幸せにする事です。ですが、一番下もちゃんと意味があって仕えているのです。仕事に貴賤無しと言いますがまさにその事です。全員、主に尽くしたいという思いは同じなのです。

 

 

さぁ!戻りなさい!!雑用、裏方上等!!クソ根性見せてきなさい!!》

 

 

 

その言葉が終わると、咲夜の意識がまた一瞬、とんでバトルフィールドに戻ってきた。

 

 

 

 

 

咲夜「………ふふ、後で妖精メイドたちにもお礼言おうかしら………メインステップ!!さて、まずはワインから………巳の十二神皇ティアマドー!超 龍魔神と合体!そして、アタック!!

 

 

アタック時効果で封印!さらに神軍発揮!手札とトラッシュから神皇を一体ずつ召喚!………もう一度!双魚賊神ピスケガレオン!召喚時効果で相手のスピリットのコアを除去!

 

 

そして、メインディッシュ!!山羊座からきたる賢者!!魔羯邪神シュタインボルグ!!召喚!!!召喚時効果で紫のカード三枚回収!!」

 

 

 

シュタインボルグ《………出番ですね………私にはメインディッシュは似合わないと思いますが………》

 

 

 

ティアマドーがフィールドに紫の光線を放ってピスケガレオンとシュタインボルグを呼び出した。

 

 

咲夜「さらに超 龍魔神の効果でネクロを破壊してドロー!そして、このアタックはライフを砕かないとブロックできない!」

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

ピスケガレオンの効果で式のフィールドはネクロだけだったが、それも破壊され、ライフしか手段はなかった。

 

 

咲夜「ピスケガレオン!」

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

ピスケガレオンがビームでライフを砕く。

 

 

咲夜「とどめよ!!シュタインボルグ!!」

 

 

 

 

シュタインボルグ《サポート、ありがとうございます。ピスケガレオン、後でデザートをご馳走します!!》

 

 

 

シュタインボルグの杖からでた光線が式を吹き飛ばした!

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「……大変ありがとうございました。危うく、従者の本領を忘れる所でしたし、バトルにも負ける所でした。」

 

 

 

 

 

シュタインボルグ《お礼はピスケガレオンに。彼のサポートあっての私のフィニッシュです………さて、ピスケガレオン!!》

 

 

ピスケガレオン《ウン、ワカッタ!!いち、にーの》

 

 

 

シュタインボルグ《ちょっと!まだこちらの準備が!!》

 

 

 

 

咲夜「………弾さま……………」

 

 

《………勝利をお祈りします………》

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

シュタインボルグは某毒舌執事をイメージして書きました。なんか、敬語でアホとかバカとか言いそうだったので。そして、彼の考え方ですがシュタインボルグっていつも、ダークヴルムノヴァとか、レオとかの引き立て役だったのでこんな設定にしました。



次回予告 白の守り!二兎追って二兎とも採れ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

白の守り!二兎追って二兎とも採れ!!

妖夢回です。なんか、東方キャラ書くのは好きなんですが、こう何話も弾さんがでないとどこかムズムズします。しかし!東方キャラを書かないと東方とのクロスの意味がない!!弾さんの活躍は霊夢達の後になります。もう少しお待ちを………



あらすじ シュタインボルグに裏方の重要さを教わった咲夜。その思いを胸に式を打ち砕いた。時を同じくして、妖夢もバトルを進めていた。


 

第1ターン 妖夢はNo.24トリプルヘビーを配置。

 

 

第2ターン 式は秩序軍オブリガードを召喚してターンエンド。

 

第3ターン 妖夢はイグアバギーを召喚して、アクセル、丁未機グロリアスラクーンを発動。三枚オープンしてグロリアスシープと白魔神を手札に加えた。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 式は白の探索者WG-7を召喚して、効果で五枚オープンし、その中の煌龍銃剣ガンズバルムンクを手札に加えた。これでターンエンド。

 

第5ターン 妖夢はグロリアスシープを召喚。さらにバーストセット。そして、アタック。効果で封印し、式のライフを一つ砕いた。これでターンエンド。バトルは第6ターンである。

 

 

 

式[メインステップ。WG-7をレベル2に。そして、ガンズバルムンクを召喚。合体。アタックステップ。WG-7でアタック。]

 

 

 

 

妖夢《仕掛けてきた!!》

 

 

 

 

 

式[フラッシュタイミング。煌臨、発揮。コストはオブリガードから。手札の秩序龍機vジークフリードを煌臨。煌臨時効果で煌転装。

 

神銃のブレイヴをデッキから出るまで破棄。ガンズバルムンク-ガンモードを直接合体。ガンズバルムンクの効果でジークに合体する際はブレイヴ数に数えない。さらに召喚時効果。バーストを破壊。]

 

 

 

妖夢「……しまった!!バイソンが!!……は!シープの効果でデッキを破棄してライフを守ります!」

 

 

 

 

妖夢の破棄されたバーストは丑の十二神皇アバランシュバイソン。これは痛かった。vジークのアタックはカードが壁になった。

 

 

 

 

 

式[vジークの効果で回復。もう一度アタック。ガンズバルムンクの効果でブロック不能。フラッシュタイミング、マジックブースト。合体スピリットを回復。]

 

 

 

 

妖夢「…く…!!」

 

 

 

また、カードが壁になる。

 

 

 

式[合体スピリット、アタック。]

 

 

 

妖夢「……グロリアスシープ!」

 

 

 

三度、カードが合体スピリットの攻撃を防ぐ。

 

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

妖夢「よし!メインステップ!水瓶座の騎士!宝瓶神機アクアエリシオン!そして、アタック!」

 

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

アクアエリシオンがライフを斬る。

 

 

 

妖夢《フルアタックでも削りきれない………》

 

「………ターンエンドです。」

 

 

 

式[メインステップ。合体スピリットをレベル3に。アタックステップ。合体スピリットでアタック。フラッシュタイミング。ガンモードの効果でデッキを破棄。そして、イグアバギーをデッキの下に。]

 

 

ガンモードから放たれた銃弾がイグアバギーをデッキボトムに返す。

 

 

 

妖夢「………これ以上は………!ライフです!」

 

 

 

合体スピリットが妖夢のライフを壊す。

 

 

 

式[合体スピリット、回復。アタック。]

 

 

妖夢「フラッシュタイミング!マジック!白晶防壁!このターン、私のライフは一しか減りません!!」

 

 

 

妖夢の前に水晶の壁が現れ、合体スピリットの攻撃を軽減した。

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

妖夢《…………はぁ……はぁ…………もう……限界が近い……幽々子さま………幽々子さまと皆を守らないと………それなら……私はどうとでも…………》

 

 

 

 

???《その考え方はやめとけ》

 

 

 

 

 

妖夢「な!!!?」

 

 

 

 

妖夢の目の前が真っ白になった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、妖夢はいつの間にか月にいた。

 

 

 

 

妖夢「え、えええ!!!?Σ(Д゚;/)/」

 

 

 

 

???《おいおい、そこまで驚くことか?》

 

 

 

 

突然の声に妖夢は振り返って刀を構えた。するとそこには………大きな機械のライオンが寝そべっていた。

 

 

 

妖夢「………獅機龍神………ストライクヴルムレオ………さま………」

 

 

 

レオ《おう………面倒だから率直に言うぜ。お前今、死のうとしただろう。お前の主やこの世界のために………そりゃ間違いだ。》

 

 

 

 

妖夢「え……………!?」

 

 

 

驚く妖夢にレオはあくびをしながら話す。

 

 

 

レオ《あ~も~メンドーだな………お前が死んだらよ………まわりは喜ぶのか…………?悲しむに決まってんだろ………?それはお前の考えに反しないか………?》

 

 

 

 

妖夢「でも………私の命より大切なものなんです………!!私なんて………」

 

 

 

 

そう言う妖夢にレオは立ち上がって言った。

 

 

 

レオ《ちげえよ………何でどちらかなんだ………そんなのどっちともとっちまえよ………!!

 

そうしないと………誰も幸せにならないぜ……………うちのご主人も…………弾も………いろんな人を泣かせた………悲しませちまった………お前には二の足を踏んで欲しくない………お前の剣は………そのために振るいな………アクアもそう思ってるぜ……

 

 

 

…………頑張れ、若者……どっちもその手に掴め……後悔しないようにな……手が届くのに……伸ばさないなら……絶対後悔するぞ………!!気をつけろよ………!!》

 

 

 

 

 

妖夢「………ありがとう………ございました………」

 

 

 

 

妖夢はお礼を言うと、目の前がバトルフィールドに戻る。

 

 

 

妖夢「……参ります!メインステップ!月より舞い降りよ!!獅機龍神ストライクヴルムレオ!!レベル3で召喚!!効果でスピリットに白シンボルを追加!アタックステップ!アクアエリシオンでアタック!!」

 

 

 

 

 

 

レオがバトルフィールドに降り立ち、アクアエリシオンが駆け出した。

 

 

式[ライフで受ける。]

アクアエリシオンの水流がライフを砕く。

 

 

 

妖夢「これで終わりです!!レオ!アタック!!!」

 

 

 

レオ《…………オウラァ!!!》

 

 

 

 

レオの爪が式を切り裂いた!!

 

 

 

 

 

 

妖夢「……弾さん、わかりました……真の守るということが…………」

 

 

 

 

アクア《おぅい!!レオ!何を寝ているのだ!?弾さまのために!!今!!我らが手となり足となり!!》

 

 

 

レオ《あ~わかった、わかりました。お前はもう少し、静かにだな………》




はい。ありがとうございました。


レオはめんどくさがりのやつで、アクアは真面目過ぎて空回りするやつです。何か同じ色の十二宮は性格を反対にしております。最後のオチがつけやすいので(笑)


あらすじ 天才と秀才


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天才と秀才

魔理沙回です。筆が進む進む………早く弾さんを書きたいのか………





あらすじ レオから主だけでなく、己も守ることを追い求めることを諭された妖夢。その言葉は弾の言葉の本当の意味を理解させた。そして、魔理沙は………


第1ターン 魔理沙はチキンナイトと白雲に茂る天翼樹を配置。

 

 

第2ターン 式はオハヤシバードを召喚してターンエンド。

 

 

第3ターン 魔理沙は乙騎士エウロスファルコンを召喚して、アタック。式はライフで受けた。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 式は拳闘鳥ブルースケーを召喚。そして、アタック。魔理沙のライフを一つ砕いた。これでターンエンド。

 

第5ターン 魔理沙は白羊樹神セフィロアリエスをレベル2で召喚してバーストセット。さらにマジック、ハンドリバースを使用して手札を捨てて、デッキから四枚ドローした。これでターンエンド。バトルは第6ターンに差し掛かろうとしていた。

 

 

 

式[メインステップ。煌翼鳥グリューゲルを召喚。そしてバーストセット。アタックステップ。グリューゲルでアタック。]

 

 

 

魔理沙「ライフだぜ!」

 

 

グリューゲルが嘴でライフを削った。

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

魔理沙「メインステップ!セフィロアリエスをレベル1に。緑のファンタジスタ!兎の十二時皇ミストラルビット!神速封印召喚!!そして、アタックステップだぜ!ミストラルビットでアタック!!跳躍発揮!グリューゲルを手札に戻してライフを壊すぜ!さらにコアブースト!」

 

 

 

式[オハヤシバードでブロック。フラッシュタイミング。ブルースケーに煌臨。シムルグ煌帝、煌臨時効果で三体疲労。

 

 

破壊によりバースト発動。酋鳥タイランバード。召喚時効果でデッキから三枚オープン。そして、コスト6まで召喚。拳闘鳥ブルースケーを召喚。]

 

 

 

 

ブルースケーが緑の光に包まれた後、巨大な鳥が現れ、羽ばたいてスピリット達を疲労させる。さらにオハヤシバードの破壊によって、赤い鶏冠を持った鳥が召喚され、もう一体ブルースケーを呼び出した。

 

 

魔理沙「…ターンエンド……」

 

 

 

式[メインステップ。オハヤシバードを召喚。タイランバードにコアを追加。アタックステップ。シムルグ煌帝でアタック。]

 

 

魔理沙「ライフだ!!」

 

 

 

シムルグ煌帝が緑の羽をぶつける。

 

 

 

式[タイランバードでアタック。フラッシュタイミング。煌臨、発揮。翼龍皇ジークフリードヴェールを煌臨。煌臨時効果でシムルグ煌帝とヴェールを回復。さらにアタック時効果。チキンナイトを指定アタック。]

 

 

タイランバードが大きな鳥の翼を持ったドラゴンに変わり、咆哮するとシムルグ煌帝とヴェールが回復した。ヴェールはチキンナイトを翼で弾き飛ばした。

 

 

 

式[ヴェールの効果でエウロスファルコンに指定アタック。]

 

 

エウロスファルコンにヴェールが飛びかかり、切り裂いて爆散させた。

 

 

式[ヴェールの効果で回復。そして、ミストラルビットに指定アタック。]

 

ミストラルビットがビームを放つが、ヴェールはかわして、爪を突き立てた。ミストラルビットは防御したが、そのまま地面に叩きつけられて爆発した。

 

 

 

式[ヴェール、回復。アタック。]

 

 

 

魔理沙「ライフだ!!」

 

 

ヴェールの風が魔理沙のライフを壊す。

 

式[シムルグ煌帝でアタック。]

 

 

 

 

魔理沙《……終わった………セフィロアリエスは疲労してる………ブロックできるスピリットはない…………残りライフは3、アタッカーは三体…………やっぱり………私は………天才じゃなかったんだ…………》

 

 

 

 

???《お主は十分天才だと思うが?》

 

 

 

 

 

 

魔理沙「ぬぉ!?」

 

 

 

 

魔理沙の視界が暗転する…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づくと魔理沙は大きな和室で座布団に座っていた。

 

 

 

 

魔理沙「な、何なんだ!!?これ!?」

 

 

 

 

???《ここは拙者の空間。お主に話があってここに呼んだのだ。》

 

 

 

そう言って入って来たのは、巨大な蟹だった。

 

 

 

 

魔理沙「………巨蟹武神………キャンサード………!?」

 

 

 

 

 

キャンサード《うむ、まぁ、ゆっくりせい。》

 

 

 

 

そう言うと、キャンサードは魔理沙の前にお茶とお茶菓子を置いて胡座をかいた。魔理沙は少しお茶を飲んだ後、尋ねた。

 

 

 

 

魔理沙「……さっき、あんた、私に天才だって言ったよな…………どこがだ……?こんな何の取り柄もない………」

 

 

 

そう続けようとしたが、キャンサードはその言葉を切って話した。

 

 

 

キャンサード《お主はそもそも、天才の意味を履き違えている。お主が言う「天才」は拙者の言葉で言えば「秀才」だ。周りより優れた技能を生まれつき持っている。そして、その技能を有効に使えている者のことだ。拙者にとっての「天才」は生まれつきの差を努力で埋めようとすることができる者のことだ。つまり、お主にピッタリであろう。》

 

 

 

そう言うと、キャンサードは魔理沙の前に将棋盤を出した。(サイズとしては魔理沙自身がコマになりそうだが)すると、キャンサードは魔理沙の側の飛車と角をとって言った。

 

 

 

キャンサード《これが普通の者のスタートだ。秀才達はこの飛車や角を持っている。しかし………これはどうしても覆せん。生まれた前に戻ることなどできはせんからな。だが、それに文句を言う者はそこまでの者だ。そのコマをどう使うかが大事なのだ。お主は十分このコマ達を使いこなせているから天才だと拙者は思うが?》

 

 

 

魔理沙「でも………あいつには………霊夢には勝てないぜ…………」

 

 

そううつむいて言う魔理沙にキャンサードは少し間をとった後、話し始めた。

 

 

 

キャンサード《……拙者も………そうだった………サジットのような秀才に憧れていた……陰口を叩いたこともある…羨んだこともある……だが………拙者は知らなかった………お主も見たであろう?秀才が周りにどれ程の期待をかけられるか……》

 

 

 

その言葉は、魔理沙に弾と霊夢のバトルの時のことを思い出させた。

 

 

 

キャンサード《確かに秀才は優れている。だが、それが全てプラスになるわけではない。サジットもあいつなりに悩みがあった。お主の友もしかり………あの時は拙者も青かった………

 

 

お主は「天才」の短所と「秀才」の長所ばかり見て、その反対を見ていない。「天才」であることを誇りに思え!お主の十二神皇は不死鳥なのだろう?なら、何度だって立ち上がれ!「秀才」の飛車と角を打ち破って来い!!》

 

 

 

 

魔理沙「………おう!!やってやら!!!」

 

 

 

その言葉に目を煌めかせた魔理沙はいつの間にかバトルフィールドに戻っていた。

 

 

 

 

 

魔理沙「……!!?カードが………!へぇ、私を認めたとかか?へへ!いいぜ!フラッシュタイミング!雷神速で召喚!吹き荒れる台風!落ちる雷!!超 十二神皇ゲイルフェニックスZ(ゼファー)!!ブロックだぜ!!」

 

 

魔理沙の上に雷雲が立ち込め、そこから三対の翼を持った鳥が現れた。ゼファーはそのままシムルグ煌帝に襲いかかり、雷でしびれさせて破壊した。

 

 

 

式[ターンエンド]

 

 

 

 

魔理沙「いくぜ!召喚!二者択一のハサミ!!巨蟹武神キャンサード!!アタックステップ!ゼファーでアタック!!」

 

 

 

 

キャンサード《………参る………》

 

 

 

 

 

 

魔理沙「キャンサードの効果で二体でないとブロックできなくさせるぜ!!さらに雷飛翔!発揮!!一コスト支払って回復!んでもってこのスピリットのコア以下のスピリットからはブロックされないぜ!!」

 

 

 

キャンサードのオーラを纏ったゼファーが雷を式のスピリット達に放ってしびれさせた。

 

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

ゼファーがライフを雷で砕く。

 

 

魔理沙「まだだ!!ゼファーでアタック!!雷飛翔、発揮!!回復だ!!」

 

 

 

式[ライフで受ける。]

 

 

 

 

ゼファーが回転突撃でライフを貫く。

 

 

 

 

魔理沙「おっと!お前達も!セフィロアリエスでアタック!!」

 

 

 

式[ブルースケーとオハヤシバードでブロック。]

 

 

 

魔理沙「ブルースケーとバトルだぜ!!」

 

 

 

セフィロアリエスが草を生やしてブルースケーを拘束し、地面に叩きつけて破壊した。

 

 

 

魔理沙「さぁ~て………ゼファー!!締めはお前だ!!」

 

 

 

 

キャンサード《フッ、いい顔になった………!!!》

 

 

 

 

 

ゼファーの雷が式に雨の如く降り注いだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「ありがとうだぜ。少し意味は違うけど、私を天才って言ってくれたのはお前が初めてだ。」

 

 

 

 

キャンサード《礼は全てが終わってからだ。さぁ!力を銅像に!》

 

 

 

アリエス《フォフォフォ………しかし、珍しいな。お前が昔話をするとは………》

 

 

キャンサード《やかましい、じいさん………誰にでも若い頃はある………》

 

 

 

 

魔理沙《………弾、霊夢………後で謝るから………絶対に死ぬなよ!》

 

 




はい。ありがとうございました。


キャンサードは武人でセフィロアリエスは頼れる爺さんにしました。じいさんも言っていましたが、キャンサードはあまり自分が未熟だった頃の話をしません。しかし、たぶん、キャンサードは自分を魔理沙に、サジットを霊夢に重ねたのかもしれません。そのサジットは………次回に登場します。



次回予告 自分とは


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自分とは

霊夢回です。今回………先に言っときます。ごめんなさい!!完全にサジットがあいつになりました。だって……あの作品………本当に好きなんだもん……………





あらすじ キャンサードに天才と秀才の違いを教わった魔理沙。その思いが奇跡を呼び、進化したゲイルフェニックスゼファーで勝利をもぎ取った。その秀才、霊夢はと言うと………


第1ターン 霊夢はコレオンと十二神皇の社を配置。

 

 

第2ターン 式はマジック、ダブルドローを使用。デッキから二枚ドローして、効果で龍皇ジークフリードを召喚した。

 

 

第3ターン 霊夢は甲獣キャノン・ピューマを召喚。そしてアクセル、リボル・コレオンを使って、炎魔神と寅の十二神皇リボルティーガを手札に加えた。これでターンエンド。

 

 

第4ターン 式はジークフリードにソウルコアを置いて、ジークフリードを最高レベルにしてバーストセット。そしてモダニックドラゴンを召喚した。これでターンエンド。バトルは第5ターンである。

 

しかし、霊夢には昨日から気になっていることがあった。

 

 

 

霊夢《……私……一体………なんなんだろ………以前は私が博麗の巫女だから納得できた……でも……普通の女の子の私って……いったい何?……博麗じゃない私……!!ダメ!今はバトルに集中!》

 

 

「メインステップ!十二神皇の社をもう一つ配置!そして甲獣キャノンピューマをレベル2に!赤き砲台!妖怪どもをぶち抜きなさい!寅の十二神皇リボル・ティーガ!!レベル2で召喚!不足コストはコレオンから確保!」

 

 

 

 

フィールドに落ちた弾丸からリボルティーガが現れ、大きく咆哮した。

 

 

霊夢「アタックステップ!リボル・ティーガでアタック!!アタック時効果で封印!そして砲撃!キャノンピューマの効果で三枚オープン!!………!その中のシェパードールとエグゼシードの力でライフを撃ちなさい!」

 

 

 

リボルティーガの砲台から弾丸が放たれ、式のライフを砕く。だがそれは落とし穴にはまってしまうことでもあった…

 

 

 

 

式[ライフ減少により、バースト発動。龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード。キャノン・ピューマを破壊。そしてアタックはジークフリードでブロック。]

 

 

 

炎がキャノンピューマを燃やし尽くす。そしてフィールドに剣を持ったドラゴンが現れた。そして、リボル・ティーガの前にジークフリードが立ち塞がったが爪で切り裂かれ、破壊された。

 

式[ジークフリードの破壊時効果。ライフを二つ増やしてフィールドに残る。]

 

 

フィールドに炎があがり、ジークフリードが戻った。

 

 

 

霊夢「しまったわね…………ターンエンド。」

 

 

 

 

式[メインステップ。ジークフリードからソウルコアを外し、焔竜魔皇マグーを召喚。そして、ジークフリードにコアを追加。コアはモダニックドラゴンから。アタックステップ。マグーの効果でトラッシュのコアを全てマグーに置く。さらに効果でBPプラス3000してシンボルを追加。ジークフリードでアタック。

 

 

フラッシュタイミング。煌臨、発揮。ジークフリードに煌龍皇シンジークフリードを煌臨させる。フラッシュタイミング、煌覚醒。トラッシュのソウルコアを戻してリボルティーガを破壊、そして回復。]

 

 

 

ジークフリードが炎に包まれ、そこから新たなジークフリードが現れた。そのシンジークが炎をリボルティーガめがけて発射して破壊した。

 

 

霊夢「……ライフで受ける!!」

 

 

 

シンジークのダブルシンボルの炎が霊夢のライフを破壊する。

 

 

式[ジーク・ヤマト・フリードでアタック。]

 

 

 

霊夢「これもライフ!!」

 

 

 

シン・ジークに続いてヤマトが剣でライフを斬った。

 

 

 

式[マグーでアタック。]

 

 

霊夢「このカード、忘れてない?フラッシュタイミング!アクセル!己械人シェパードール!コスト四以上のスピリットのアタックでは私のライフは減らないわ!!」

 

 

 

更なる追撃を放ったマグーの鎌をシールドが防いだ。

 

 

 

式[ターンエンド。]

 

 

 

霊夢《なんとか凌げた…!……ちょっと待って………!あいつはただ役割を果たすだめだけの人形………それなら、幻想郷のバランスを守る仕事しかない私と…………何の違いが………?………私に………普通を求めていい資格なんて………》

 

 

 

 

???《どうした?何か浮かない顔しちゃって》

 

 

 

 

霊夢「ん!!!?」

 

 

 

突然の声と共に霊夢のまわりから炎があがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

炎が消えると、霊夢は実験室のようなところにいた。

 

 

 

霊夢「はぁ!?誰よ!!私をこんな所に送ったやつ!!」

 

 

 

???《ぬぉあ~!!!?》

 

 

霊夢が叫んだ後、突然、奥の個室から爆発音と誰かの声が響いた。扉が開くとそこからカードと何か試験管を持ったケンタウロスのようなドラゴンが出てきた。

 

 

???《う~ん、昨日、まゐちゃんのスキマにあった剣と弾の力が合体してできたブレイヴを再現しようと思ったけど……失敗か…………》

 

 

 

霊夢「……あんた……光龍騎神………サジット・アポロドラゴン………?」

 

 

 

サジット《イエス!俺がてぇ~んさい科学者で射手座の十二宮のサジットさ!んで、どした?なんか悩んでたから呼んだけど………話してくれよ!手を貸してやるぜ。》

 

 

 

サジットの言葉に霊夢は少し考えた後、話し始めた。

 

 

 

霊夢「私は………捨て子だったわ………体重は普通の子と同じくらいで元気いっぱいだったの《誰が生い立ちから話せって言ったよ!?》ってちょっと!!」

 

 

サジット《はぁ…最悪だ………たぶんあれだろ、自分とは何か、だろ?俺も昔、悩んだことだ。実はな、オレもこの力のほとんどは他人によって創られたんだぜ。レオと戦争して、死んで、アリエスのじーさんとリリアの力で十二宮になって生き返った。だからこの力は他人の力なのよ。》

 

 

 

 

サジットの言葉に驚く霊夢は質問する。

 

 

 

 

霊夢「あんた………それなら、どうやって………自分を見つけたのよ………」

 

 

サジット《……俺はよ……天才……キャンサードは秀才って言うけど………俺一体だと何もできない。合体しないと効果を発揮できない。俺ってなんだろうって何度も思った。でも………俺が俺でいられたのは………仲間が居たからなんだ。》

 

 

 

 

 

霊夢「………仲間……………?」

 

 

 

 

 

サジット《そうだ。リリアや十二宮の連中達が俺を創ってくれた。お前はこう言うやつだ、そう言うやつだって言ってくれた。ブレイヴの力じゃない、本当の俺を………スコルが…レオが…シュタインボルグが…ヴィエルジェが…タウラスが…俺を創ってくれたんだ……

 

だから俺はこの皆が創ってくれた力をこの世界の愛と平和のために使う!そう決めた……お前にはいないのか?大切な人や戦友が………》

 

 

 

 

霊夢「……………!!」

 

 

 

霊夢はサジットの言葉にあたる人達を思い出した。

 

 

 

 

 

魔理沙「霊夢!」

 

 

咲夜「霊夢」

 

 

妖夢「霊夢!」

 

 

早苗「霊夢さん!」

 

 

アリス「霊夢」

 

紫「霊夢」

 

 

霊夢「……そうよ……皆、私を知っている……あいつらが私を創ってくれた……ふふふ!思い出したわ!!私は………自意識過剰で賽銭好きの…………正義のヒーローよ!!博麗の巫女とか関係なく!私はこの幻想郷を守りたい!!!」

 

 

その言葉に霊夢のカードが赤く染まった。

 

 

 

サジット《フッ、そうか……最っ高だ!………なら行って来い!!幻想郷の光になれ!!お前なら………きっと出来る!!》

 

 

 

 

霊夢のまわりにまた炎があがる。そうすると霊夢はバトルフィールドに戻って来た。するとエグゼシードのカードが変化していた。

 

 

 

霊夢「……あの馬……全く……気を取り直して、ここから逆転するわよ!メインステップ!コレオンとリボルコレオンを召喚!効果で炎魔神を召喚!進化する青い炎の槍!レベル2で召喚!超 十二神皇エグゼシードF(フォーミュラー)!!

 

 

 

 

霊夢のフィールドに青い炎を纏った馬が降り立ち、大きく嘶いた。

 

 

 

霊夢「そして!天の川を駆け抜け!ここに現れよ!光龍騎神サジットアポロドラゴン!!炎魔神と右合体!フォーミュラーと左合体よ!!」

 

 

 

 

サジット《さぁ、実験のスタートだ!!》

 

 

 

炎魔神が二体に力を分け与える。するとサジットの背中にファンネルが現れた。

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!!アタック時効果!炎走破!ヤマトとマグーを破壊してシンジークに指定アタック!!」

 

 

フォーミュラーからビームが放たれ、ヤマトとマグーを貫く。そしてフォーミュラーは前足のパーツを分離させてシンジークを固定すると一直線に突進して貫いた。

 

 

 

霊夢「破壊したスピリットの数と同じ数のライフを削るわ!!よって3つ!!」

 

 

 

フォーミュラーがパーツをビームソードにして式のライフを切り裂く。

 

 

 

霊夢「さあ決めてきなさい!!サジット・アポロドラゴン!!」

 

 

 

 

サジット《これが、俺たちの勝利の法則だ!!》

 

 

 

 

サジットが炎の矢を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「はぁ!?カードの変化はしていない!!?」

 

 

 

 

サジット《ああ………実に興味深い………一体、どういう法則で変わったのか………》

 

 

 

タウラス《おい!!サジット!!そんな事いいから早く終わらせるぞ!!》

 

 

 

サジット《うるさいな、筋肉バカ!》

 

 

 

タウラス《ああ!?誰がバカだ!!?》

 

 

 

霊夢「……やかましい!!さっさとやらないと、刻むわよ!!」

 

 

《…………まぁ………頑張んなさいよ………》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

サジットが戦兎君になった………でも霊夢の悩みの「自分とは」をうまく解決できそうなキャラが戦兎君だったのでやっちゃいました。ビルドを見てない人は時間があれば見ることをオススメします。


そして!!ようやくここまで来た!!次回!決着です!!


次回予告 もう一つの黎明


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もう一つの黎明

決着!!!そういえば永琳、紫、ヘカーティアの三人が協力してもこんなに苦戦するのは今までみてきた東方二次創作ではみたことありませんね………龍神、強くしすぎたかな…………?




あらすじ サジットに自分を教えてもらった霊夢はその思いでカードをエグゼシードフォーミュラーに進化させ、勝利した。そして………弾は龍神を倒せるのか………!!?


幻想郷 空中

 

 

 

藍「紫さま!霊夢達が式を倒してエネルギーを注ぐことに成功しました!!」

 

 

 

神々の砲台の術式の展開をしていた三人に朗報が飛び込んできた。

 

 

ヘカーティア「よし!!これで後は!」

 

 

 

永琳「弾が勝つだけね……」

 

 

 

紫「……弾………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「メインステップ。ストライク・サジッタをレベル3に!!アタックステップ!リヴライヴァでアタック!!効果で児雷也を破壊!」

 

 

 

龍神「児雷也の効果!煌空蝉!ブレイドラを召喚して身代わりにする!そのまま児雷也でブロック!」

 

 

 

 

リヴライヴァが衝撃波を放つがブレイドラが壁になり破壊された。児雷也は爆煙の中から飛び出してリヴライヴァを切り捨てた。

 

 

弾「ストライクサジッタとキャンザムライでアタック!」

 

 

龍神「ライフで受ける!」

 

 

ストライク・サジッタが炎を放ち、キャンザムライがライフを切り裂く。するとそこへ………

 

 

 

ヘカーティア「弾!生きてる!!?」

 

 

永琳「こちらは終わったわ!」

 

 

紫「後はあなたが勝つだけよ!」

 

 

 

弾「…ああ!ターンエンド!次のターンでおわらせる!!」

 

 

三人が弾の近くに現れて、声援を送った。それを見て龍神は………

 

 

龍神「……なぜそいつらを守る………今の幻想郷は自己の欲を優先し、混乱を起こして民を混沌に導いている……私はそれを憂いている………だから私がこの世界を変える!!あの身勝手なやつらなど必要ない!!そして私の幻想郷を取り戻すのだ!!

 

 

 

メインステップ!この世界を創りなおす私の力を見よ!!児雷也に煌臨!創龍神グランジークフリード!!!」

 

 

 

 

児雷也が六色の光を放つと、虹色の翼を持ち、鎧を着た巨大なドラゴンが降臨した。

 

 

 

 

弾「……なんて気圧だ………!」

 

 

 

龍神「グランジークをレベル2に!さらにガーネットドラゴンを召喚!そして砲凰龍フェニック・キャノンを召喚!キャンザムライを破壊!グランジークに合体!

 

 

アタックステップ!!グランジークよ!!滅ぼせ!!フラッシュタイミング!煌龍覇で児雷也を召喚してライフを消し飛ばす!!これでこの世界が浄化される!!私の世界が戻って来る!!」

 

グランジークがエネルギーを口にためた後、弾のライフを砕く。すると弾は静かに言いはなった。

 

 

 

弾「……お前………お前が一番自分の欲を優先してるんじゃないか………?」

 

 

 

龍神「なんだと!!?私は幻想郷を救おうと!!」

 

 

 

弾「お前はただ他人を救うことで自分の欲を満たしているだけに過ぎない!だから必要ないやつを自分独りで判断する!

 

 

そして「私の幻想郷」と言ったが、この世界は誰のものでもない!!それどころか、完全にお前は純粋に救いたいんじゃない!!自分の思い通りになる世界が欲しいだけだ!!見返りを求める救世主がどこにいる!!?」

 

 

 

ヘカーティア「私達はこの世界を愛している!!」

 

 

 

永琳「全てを受け入れてくれるこの世界を!!」

 

 

 

紫「あなたの自己満足のために!!」

 

 

 

 

弾 ヘカーティア 永琳 紫

「「「「滅ぼす真似はさせない!!!!」」」」

 

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!

 

天駆ける闇祓う光!!超神光龍サジットヴルムノヴァ!!!

 

 

 

ストライク・サジッタに!煌臨!そして、煌臨時効果で児雷也を破壊!!」

 

 

 

 

弾達の後ろから光のドラゴンが現れ、ストライクサジッタと合体する。そしてフィールドにはサジット・アポロドラゴンとジークヴルム・ノヴァが合体したような巨大なドラゴンが降り立った!!そして矢を放って児雷也を破壊した!

 

 

 

 

ヘカーティア「フラッシュタイミング!星の女神の導き!!!アクセル!光導女神グランリリア!!

 

効果でサジットヴルム・ノヴァを回復!!ブロックよ!!!行ってきなさい!!」

 

 

ヘカーティアの光がサジットヴルム・ノヴァに降り注ぎ、立ち上がらせる。するとサジットヴルム・ノヴァは星のオーラを纏ってグランジークに突撃した。

 

 

 

龍神「だがこちらはBP23000!お前達は20000!こちらが上だ!!!」

 

 

 

サジットヴルム・ノヴァが矢を放つ。グランジークは火炎攻撃で打ち落とす。そしてお互い接近すると剣と鎧がぶつかり合った。サジットヴルム・ノヴァは一度離れて、虹色の光線を放つがグランジークはそれをものともせず突進し、サジットヴルム・ノヴァを掴むと剣を壊して地面に叩きつける。

 

このままやられると思ったその矢先、永琳がカードを手に叫んだ。

 

 

 

永琳「フラッシュタイミング!月の光よ!星の神に力を授けよ!!マジック!クヴェルドヴールヴ!!

 

手札からブレイヴを召喚!!まだ終わらないわ!!!」

 

 

永琳のカードから白い光が伸び、空に銀河が広がった。そこには太陽も月も…星も全てが光輝いていた。そして紫が………まゐがカードを掲げた。

 

 

 

まゐ「大いなる星の導き!悠久刻む魂の瞬き!私の愛の化身!銀河星剣グランシャリオ!!

 

弾の化神に直接合体!!!これが!私達の愛の力よ!!!」

 

 

 

 

星空から六色のシンボルと神シンボルが埋め込まれた剣が降ってくる。サジットヴルム・ノヴァはそれを見ると、手を伸ばしてグランシャリオを掴んだ。

 

そして、弾の化神、永琳の煌臨元、ヘカーティアのアクセル、まゐのブレイヴが一つになったサジットヴルム・ノヴァはとどめをさそうと拳を突き出したグランジークを凪ぎ払い、もう一度接近戦に持ち込む。今度はサジットヴルム・ノヴァがグランジークの鎧を粉砕して吹き飛ばした!!

 

 

 

龍神「クソ!!……だがこちらにはまだガーネットドラゴンがいる!次でお前達は終わりだ………!!?」

 

 

 

龍神は驚いた。弾が不適な笑みを浮かべていたからだ。

 

 

弾「……言っただろ?次のターン、つまりこのターンで倒すと!!フラッシュタイミング!!マジック!!サンブレイカーを使用!!!サジットヴルム・ノヴァがスピリットを破壊した時、相手のライフを砕く!!!」

 

 

 

龍神「なんだと!!!!!?」

 

 

 

………それは昔、弾が得意としていた決め方…メテオストームに酷似していた……弾の手から赤い光が伸びて、サジットヴルム・ノヴァを光らせる。

 

サジットヴルム・ノヴァは飛び上がり、グランジークにむかって十二宮の分身を放った。グランジークは全員の攻撃を浴びた後、顔を上げた。するとそこにはサジットヴルム・ノヴァがグランシャリオを構えていた。そして一閃!!!グランジークは木っ端微塵に爆発した!!!

 

 

弾「サンブレイカーの効果でライフを貰う!!!俺たちの勝ちだ!!!!」

 

 

 

龍神「そんなバカな!!!」

 

 

 

サジットヴルム・ノヴァがグランシャリオで龍神のライフを全て砕き、天子を救出した!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍神「クソ!!覚えていろ!!!」

 

 

バトルフィールドから戻った四人は天子を衣玖に任せて、龍神の後を追った。龍神は元の東洋龍の姿で逃げていた。すると弾はサジットヴルムノヴァをスピリット状態にして、そこに霊夢達がためたエネルギーをサジットヴルム・ノヴァの矢に注ぎ込んだ。

 

 

 

 

弾 永琳 まゐ ヘカーティア

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」

 

 

 

 

 

四人が全力で矢を放った!!その矢は龍神の眉間に直撃した!!!

 

 

 

 

龍神「…!!まさか……この私が滅びるだと!!?そんなことがあるか………!!!………

 

 

グァァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

 

龍神はものすごい断末魔をあげて爆散した!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降りてくる弾達に霊夢達が駆け寄ってくる。

 

 

霊夢「…………終わったのよね………?」

 

 

 

霊夢が代表して尋ねた。

 

 

 

弾「……ああ………………ただいま……………」

 




はい。ありがとうございました。


最後のバトルはずっと頭にありました。さすがにストライクサジッタを煌臨元にするのは途中から付け足しましたが……

ソードアイズの最終回のようにフラッシュでサジノヴァ煌臨→回復→ブロック→マジックで合体してBPを底上げ→そのままライフ貫通は考えておりました。四人の愛の力が一つになって龍神の野望を打ち砕いた………そのような描写にしております。


さて………異変は終わりましたが、もう少し続きます。




追記 すいません!!すごいミスしました!!修正したのでご勘弁!!


次回予告 君が待ってる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

君が待ってる

どうも………前回、とんでもないミスをやらかした私です……

まぁそれはともかく、これで東方星神録は完結です。こんな早く終わるとは思っておりませんでした(笑)

さて、またどこかで会いましょう………チャオ~!




あらすじ 龍神の最後の一撃を仲間との愛の力で打ち破り、見事、龍神を撃ち取った弾。その後、博麗神社で宴会になり……


博麗神社

 

 

 

 

あの後、弾はみんなに連れられ、博麗神社の宴会場に連れてこられた。紫曰く、異変の後は宴会をするのが幻想郷のルールらしい。日が落ちると、神社は人間、妖怪でごったがえしていた。

 

 

 

 

弾「……昨日、酒飲んどいてよかった…慣れないとこれはキツイ………」

 

 

紫《……わざと酒に酔っぱらって、頭を弾の膝に……》

 

 

永琳《……わざと酔っぱらって倒れて、介抱を……》

 

 

 

魔理沙「おう!英雄さん!!楽しんでるかい!?」

 

 

 

 

弾は真ん中の席で両隣を賢者達に占有されながら少しずつ酒を飲んでいた。するとそこに魔理沙が話しかけてきた。顔が赤いのでもうかなり飲んだみたいである。

 

 

 

弾「初めてだけど、まぁ楽しいかな。」

 

 

 

 

萃香「おいおい!テンション低いぞ~!もっと楽しめよ~

 

 

 

 

 

 

博麗神社の神様よ~う!!!

 

 

そうである。あの後、弾が創界神になったことを通達した時、反対は無かったが「神様なのだから、神社が必要です!!」と早苗が言ったので、ちょうど結界の維持のためにあり、神様がいなかった博麗神社が適任だとされ、祭り神になったのだ。

 

 

 

 

霊夢「はいはい!退いた退いた!うちの神様に失礼よ!」

 

 

 

魔理沙「ちぇ~!」

 

 

藍「おいこら!尻尾を弄るな!!」

 

 

 

橙「藍しゃま~ダメですか~?」

 

 

藍「ちぇぇぇぇぇぇぇん!!いいよ!!!」

 

 

 

外では、藍が自分の式神、橙と妖精達をはじめとしたバカルテットに尻尾を遊ばれていた。

 

 

 

そのあとは幻想郷のいろいろな人間、妖怪が弾に話しかけてきた。よかったのは皆感謝の言葉を言ってきたことだろう。

 

 

 

 

レミリア「ふふふ、美味しいわね……月夜にワインは………これも弾のお陰ね………」

 

 

パチュリー「レミィ、それ焼酎よ。」

 

 

レミリア「ギャァァァ!辛いぃぃぃ!さくやぁぁぁぁ!!

 

 

美鈴「お嬢様!!!」

 

 

 

咲夜「さぁ、弾さま。お料理が……お嬢様ぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

妖夢「幽々子さま~もうちょっとご飯の量を…………」

 

 

幽々子「だって!こんなおめでたい日なんだもの!食べなくてどうするのよ!!」

 

 

 

妖夢「だってもう10杯目ですよ~!!!」

 

 

 

 

輝夜「もこぉぉぉぉぉぉぉぉう!!!!」

 

 

 

妹紅「かぐやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

鈴仙「またやってる………師匠も向こう行っちゃってるし………きゃ!!!」

 

 

 

てゐ「やーい!!引っ掛かった~!!!」

 

 

 

幽香「うるさいわね…………」

 

 

 

映姫「もう少し静かに飲めませんかね……弾のお祝いなのに………」

 

 

幽香「そう言えば、あんたの部下の死神、向こうで地底の鬼達とおおはしゃぎしてたわよ。」

 

 

 

映姫「こうぉまぁぁぁぁぁちぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

 

 

文「あやややや!弾さま!!新しく神になったご感想を!!」

 

 

 

はたて「ちょっと!!私が先に取材するのよ!!」

 

 

 

早苗「ぁぁぁぁ、弾さま…………」

 

 

加奈子「おい!早苗!うちの神社の神様(自分と諏訪子)はどうした!?おい!戻ってこぉぉぉぉい!!!」

 

 

 

諏訪子「ニャハハハハハ!!私達の分はちゃんと残してくれるって!!だから信仰は大丈夫!!」

 

 

 

天子「……………」

 

 

衣玖「あら、総領娘さま。今日は一段と静かですね………これは、明日は台風ですね。危険を知らせてきます。」

 

 

天子「ちょっと!!私でも自重する事あるわよ!!!」

 

 

 

さとり「………フフフ、皆本当に弾さんに感謝しているのね…………」

 

 

 

こいし「お姉ちゃん!!何か、背中についてるよ!」

 

 

 

さとり「え?………(大きなG)………きゃぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

こいし「わーい、引っ掛かった!!」

 

 

白蓮「……どうしよう……一応、宗教ライバルになるから………いえ、恩人ですからいくべき………?」

 

 

 

神子「…行けばいいじゃないですか。そう言うことは宴会には不必要です…………向こうで酔っぱらってるあなたの寺の連中に説教してからですが…………」

 

 

 

 

白蓮「………南無三!!!」

 

 

 

星「うわわ!聖!落ち着いて!!」

 

 

 

針名丸「うわぁ、ボッコボコです…………」

 

 

 

純狐「……さすがに嫦娥の復讐に巻き込むのはやめましょう………親友の後継者だし………」

 

 

ピース「友人さま~ご主人さま、見ませんでした?」

 

 

隠岐奈「何か上に行ったのを見たけど?」

 

 

女苑「………やっぱり………とりつくのは不味いわね。」

 

 

紫苑「………加護が強すぎる…………」

 

 

 

 

 

 

一方、その頃、博麗神社 上空

 

 

 

 

 

スコルスピア《お!可愛い子ちゃん発見!!これから着陸体勢に!!》

 

 

キャンサード《やめておけ……蠍は趣味じゃないと言われるだけだぞ。》

 

 

 

ピスケガレオン《わーい!!この料理、美味し~い!》

 

 

 

アクア《おおおい、ピスケ。お前あの亡霊といい勝負だぞ………もうその辺にしておかないと………料理係が………》

 

 

 

 

ジェミナイズ《大丈夫?》「無事?」《胃薬貰う?》「これが終われば、故郷に帰る?」

 

 

 

リブラ《おい、最後のは死亡フラグだぞ………》

 

 

 

 

ヴィエルジェ《さて、私は下に降りるわ。一応、弾の……この神社の神の使いみたいなものだし。》

 

 

 

シュタインボルグ《………うらやましいですね……人型は………》

 

 

 

アリエス《お主もどちらかと言えば人であろう………でも皆、下に行っても大丈夫じゃろうて。ここは妖怪が多いらしいしのう。ついでにわしらも紹介してくれんか?》

 

 

レオ《………めんどくさい……寝よ寝よ……ん( -_・)?》

 

 

 

タウラス《行ってきま~す!!飯だ~!!!酒だ~!!》

 

 

 

サジット《あのバカ!!何飛び降りてんだよ!!!おい!アクア!スコル!シュタインボルグ!手伝え!!》

 

 

 

三体《アハハハハハヾ(@゜▽゜@)ノ!!》

 

 

 

サジット《ぬおぉぉぉぉい!?》

 

 

リブラ《はぁ~………》

 

 

キャンサード《おい、行くぞ………気持ちはわかるが……》

 

 

 

ヘカーティア「ゲゲゲ!止めなさい!!私とヴィエルジェが説明するまで押さえて!!!」

 

 

 

 

ワイワイ………ガヤガヤ………

 

 

 

 

 

空から十二宮が降りてきて、大騒ぎになるまで後、五分………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、皆疲れて寝てしまった後、弾と紫は神社の屋根の上で話していた。

 

 

 

 

弾「………紫………いや、まゐ………」

 

 

まゐ「………なに………?」

 

 

弾「……この世界は素晴らしい所だな…………」

 

 

まゐ「…!!うん………本当に………」

 

 

その言葉に目を輝かせながら答えたまゐ。すると、弾は何かを思い付いたようでこう言った。

 

 

弾「!そうだ!クラッキーやバローネにも伝えにいこう!後、ズングリーやマギサにも!!」

 

 

まゐ「え!!?でも………どうやって?いくら私でも時間移動やどこにあるかわからない異世界には行けないわよ。後、その間この世界は………」

 

 

 

すると、屋根になぜか革ジャンを着たヘカーティアと永琳が登って来た。(永琳がものすごく不機嫌だったのは言うまでもない。)

 

 

 

ヘカーティア「大丈夫よ、私が守っておくから。それに、弾に時間移動とグランロロの場所は教えといたから…だから………フン!」

 

 

すると、ヘカーティアは革ジャンの前を開けた。そこには

 

 

「いってこい」

 

 

と書かれてたTシャツがあった。

 

 

 

まゐ「何よ………口で言いなさいよ………」

 

 

 

 

ヘカーティア「これ宴会の一発芸でやったらウケたのよ!」

 

 

 

永琳「はぁ………ねぇ、弾………私も連れていってもらってもいいかしら………あなたが救った世界を知りたいの………」

 

 

 

弾はちらっとまゐを見た。まゐは少し、考えたがどうやらいいらしい。

 

 

 

弾「さて!!思い立ったが吉日だ!いくぞ!」

 

 

 

まゐ 永琳「「きゃ!」」

 

 

 

弾は二人をだっこして目の前にゲートを作り出した。

 

 

 

ヘカーティア「行ってらっしゃ~い!お土産期待してるわね~!」

 

 

 

まゐ「全く………!」

 

 

 

永琳「あなたって………!」

 

 

 

 

 

さぁ 行こう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君が待ってる

 

 




???「………やった………!とうとう成功した………!





創界神を降ろすことに………!!」







戦いの幕が……またあがる………


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 ~神の帰還 未来世界編~
サーガブレイヴ!再び未来へ!!


はい!!番外編です!!今回はサーガブレイヴ第一話をこの作品の弾達でやります!!

少し…いや、かなり変わっておりますのでご了承ください……


西暦二六六一年 弾が引き金になって、十年後………

 

 

 

 

統一政府 記念式典

 

 

 

クラッキー「それでは……統一政府魔族主幹、バローネにも十年目の言葉を頂こう。」

 

 

 

バローネ「ありがとう。クラッキー。」

 

 

 

毎年行われている記念式典も節目の十年目に入り、活気に溢れていた。しかし……………

 

 

 

 

 

 

 

???「…バローネ!!!!」

 

 

 

 

クラッキー バローネ「「!!!」」

 

 

 

突然声が響き、観客の中からピストルを持った男が前に出て来て、銃口をバローネに向けた。

 

 

 

???「魔族は………消えろ!!!!」

 

 

 

そして、ピストルを撃とうとしたその時!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…それはよくないわね……」

 

 

 

???「この時代も…まだまだ問題があるのね……」

 

???「がはっっっ!!」

 

 

どこからか金髪で紫の服を着た女性と赤と青の服を着た銀髪の女性が男を間一髪で抑え込んだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

統一政府 接客室

 

 

 

あの後、クラッキーとバローネは男を取り押さえた二人の女性を接客室へ案内した。そこには………

 

 

 

 

???「艦長!無事!?良かった~!」

 

 

クラッキー「おいおい、プリム。仮にもお客様の前だぞ。まっ、ちょうどいいか。お茶を淹れてくれ。」

 

そこには、作業着のような服を着たプリムが待っていた。彼女にお茶を淹れることを頼み、クラッキーとバローネは二人に座るよう言って、自分たちは反対側に座った。

 

 

 

クラッキー「いやぁ、ありがとうございました、紫さん、永琳さん。こんな綺麗な女性達に守って貰えるなんて、僕は幸せものだなぁ。」

 

 

そう言ったクラッキーに金髪の女性……八雲 紫はクスクスと笑い出した。

 

 

 

バローネ「……何か?」

 

 

 

紫「…いえ………その言葉をアンジュが聞いたら怒るだろうなぁって思いまして………それに……戦友に対して随分他人行儀なのね……パチン」

 

 

 

紫が指をならすと、紫の姿が紫の髪のクラッキーと同年代の女性に変わる………その姿に二人は覚えがあった。

 

 

 

クラッキー「ええ!!?まゐ!!?」

 

 

 

バローネ「な!!?過去に帰ったはずではなかったか!?」

 

 

 

永琳「ふふふ、それだけではない

 

「うえええええ!!!!?」

 

あら、先にネタバレしちゃったわね。」

 

 

その言葉に銀髪の女性……八意 永琳はさらに笑って話した。すると外からプリムの物凄い声が響いた。すると扉が開いて……あの男が入ってきた。

 

 

 

 

 

弾「やあ、二人とも……変わってないな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラッキー「……全く……君はとうとう光主から神になったのかい?まぁ、それなら二人が時間を飛び越えたのも理解できるけど………未だに信じられないよ………」

 

 

 

 

弾「…オレもだよ。紫が……まゐが人間じゃなかったのも驚いたし………」

 

 

 

 

 

弾が入ってきたあとは、もう大騒ぎだった。クラッキーは弾に抱きつき、プリムは号泣。バローネも驚愕していた。そこにゾルダー教官やカザン、ステラ達も来て大変なことになった。あの時からのことを話したら、ステラとプリムは永琳が神々の砲台を作ったことを聞いたら神々の砲台の詳細を永琳に質問しまくった。(その間、ゾルダーは弾をぶん殴ろうとしたが軽くいなされた。)

 

 

 

 

 

ステラ「…なるほど……そんな仕組みだったのね………」

 

 

 

プリム「…もう……メカの規模を越えてる………」

 

 

 

クラッキー「あー、プリム!ドクター!?そろそろいいかな?永琳さんにも悪いし……」

 

 

 

永琳「いいのよ。この時代の機械のことも知れたから。」

 

 

 

その後、弾はバローネに先程の男のことを尋ねた。

 

 

 

弾「…なあ、バローネ。さっきの男は何なんだ?まだこの時代には問題があるのか?」

 

 

 

バローネ「………そうなのだ。我が友よ……」

 

 

 

そう言って、バローネは事情を話し始めた。統一政府樹立から魔族を排除しようとする組織「カーディナル・サイン」と言う組織がテロを起こしており、さらに彼らは十二宮の力を宿したカードを使って統一政府のバトラーを苦しめていると語った。

 

 

 

弾「…そうか……オレも戦っていいか?十二宮の力を悪用するのは立場上、放っておけないし、十年待たせた詫びもしたいからな。」

 

 

 

カザン「勿論だ。お前がいれば百人力だ。」

 

 

ステラ「……ねぇ……まゐちゃん……妖怪って……」

 

まゐ「………やっぱり戦うんだ……まぁそうなると思ったけど……♪後、解剖は結構です!」

 

 

 

すると、バローネは弾に近づきデッキを見せると、弾はその意味を察した。

 

 

 

弾「……腕……鈍ってないよな………?」

 

 

 

バローネ「勿論だ。今まで俺とお前の戦績は互角……ここで決めよう………!」

 

 

 

 

 

プリム「…二人とも変わってないね………」

 

 

 

 

弾 バローネ 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は魔星人シュタイン・ゴイルを召喚して星読を発動。セフィロ・シープだったので手札に加えた。

 

 

第2ターン バローネはボーン・ダイルと旅団の摩天楼を配置。バーストをセットしてターンエンド。

 

 

第3ターン 弾は樹星獣セフィロ・シープを召喚してコアブースト。さらに創界神ダンを配置。効果で三枚中二枚が光導スピリットのサジタリウス・ドラゴンとアクアエリーズナーだったので手札に加えた。そしてバーストをセットしてターンエンド。

 

 

第4ターン バローネはネガ・テュポーンを召喚してワンドロー。そしてアタック。 弾はライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第5ターンである。

 

 

 

ゾルダー「へぇ~!互角だな!」

 

 

まゐ「どっちに転んでもおかしくないわね……」

 

 

 

 

弾「メインステップ。聖星使ジェミニックと水星機アクエリーズナーを召喚。召喚時効果でスピリットを二体、デッキの下に戻す。」

 

 

 

フィールドにジェミニックとアクエリーズナーが現れて水瓶からの水流がバローネのスピリットをデッキボトムに返した。

 

 

 

弾「アタックステップ!アクエリーズナーでアタック!」

 

 

バローネ「ライフで受ける!」

 

 

 

アクエリーズナーの砲弾がバローネのライフを砕いた。

 

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

バローネ「ふふふ、久しぶりに本気を出せる!メインステップ!生還者カイトコブラと機甲剣聖ミノタウロスをレベル2で召喚。ミノタウロスの召喚時効果!手札から白夜の宝剣ミッドナイト・サンを直接合体!アタックステップ!ミノタウロスでアタック!」

 

 

バローネのフィールドにカイトコブラ、そしてミノタウロスが現れて空から白い剣を掴み、走り出した。

 

 

 

弾「シュタイン・ゴイルでブロック!」

 

 

 

ミノタウロスはミッドナイト・サンでシュタイン・ゴイルを切り裂いた。

 

 

 

バローネ「ターンエンド………楽しいな……」

 

 

 

弾「……ああ……メインステップ!神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライクジークヴルム・サジッタを召喚!!」

 

 

 

弾の後ろから赤いストライクジークヴルムが出現して、フィールドと降り立った。

 

 

 

バローネ「おお!赤きストライクか!面白い!!」

 

 

永琳「頼むわよ……」

 

 

弾「アタックステップ!ストライクサジッタでアタック!」

 

 

 

バローネ「ライフで受けよう。」

 

 

 

ストライクサジッタが炎でライフを砕いた。

 

 

 

弾「ストライクサジッタの効果でワンドロー。ターンエンド。」

 

 

 

バローネ「……流石だ……」

 

 

弾「………これからだろ?」

 

 

 

バトルはまだまだ続く……

 




はい。ありがとうございました。


今作品では10thXレアはもう弾が所持しているのでカーディナル・サインは別のカードを使います。それはお楽しみに………番外編はほとんど気まぐれの更新になるので、不定期になりますがご了承ください。


次回予告 弾vsバローネ! 白紫vs光導!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弾vsバローネ!白紫vs光導!!

バローネ様を白紫にしたのは単純にガチで強いデッキだからです。まぁ、アルティメット編の頃の白紫はザンデ・ミリオンとかも入っていましたがね………Uサジット以外は勝てなかった記憶が…………(Uサジットもあまり勝てなかったけど)


 

 

 

バローネ「メインステップ。ボーン・ダイル!そして我が友よ!その闇の翼を世界に広げよ!黒皇機獣ダークネス・グリフォンを召喚!召喚時効果でジェミニックとストライクサジッタを手札に戻して連鎖で二枚ドロー!そして白夜の宝剣ミッドナイト・サンを合体!」

 

 

空から機械のグリフォンが降りて、ミッドナイト・サンを加えて両肩から剣を出して咆哮した。するとジェミニックは自信で守ったがストライクサジッタは弾の手札に戻っていった。

 

 

 

弾「……ジェミニックの効果でフィールドに残る……」

 

 

バローネ「それは承知。アタックステップ!討て!合体スピリット!合体アタック時効果でターンに一度回復!」

 

弾「…アクエリーズナーでブロック!」

 

 

アクエリーズナーの銃弾をかわしてグリフォンは剣で切り裂いた。

 

 

バローネ「ターンエンド。」

 

クラッキー「バローネは弾のジェミニックとシープが邪魔になってるようだね。」

 

 

永琳「ジェミニックはコスト4以下の光導スピリットに効果でフィールドを離れるとき、疲労状態で残る……シープはコアを一つ以下にさせない……紫のコア外しは完全に効かなくなっているわね。」

 

 

プリム「ん~バローネ、かなりきついね。」

 

 

 

弾「…メインステップ!氷星獣レオザードをレベル2で召喚!アタックステップ!レオザードでアタックだ!星読で闇星魚ピスケ・ガリオットなので手札に加えてレオザードを回復。さらにマジック!サジタリウスドローを使い、BP20000以下の合体スピリットを破壊する!」

 

 

弾の手から炎の矢が放たれてグリフォンを貫いた。ミッドナイト・サンはそのままフィールドに突き刺さった。

 

 

 

バローネ「くっ!ミッドナイト・サンはそのまま残す!ミッドナイト・サンでブロック!!」

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!レオザードに炎星龍サジタリウス・ドラゴンを煌臨!効果でトラッシュからコアを全て回収!!」

 

 

 

レオザードが炎を纏い、サジタリウス・ドラゴンへと変わる。さらに弾はカードを掲げた。

 

 

 

弾「さらに煌臨!!天駆ける闇祓う光!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果でミノタウロスを破壊する!」

 

 

 

さらにサジタリウス・ドラゴンがより大きな光のドラゴンに変化してミッドナイト・サンを砕こうとした。

 

 

 

バローネ「おお!それが今のお前のキースピリットか!!だがこちらもやられてばかりではない!フラッシュタイミング!マジック!ドリームネビュラ!!サジットヴルム・ノヴァを手札に戻して連鎖でワンドロー!コストはミッドナイト・サンから使用。」

 

 

今度はバローネの手札から白い光が伸びてサジットヴルム・ノヴァを手札にバウンスさせた。

 

 

 

弾「…本当に……やるな……!ターンエンド!」

 

 

 

バローネ「メインステップ!北斗七星の光よ!我が求めに答えよ!北斗七星龍ジーク・アポロドラゴンを召喚!召喚時効果で紫魔神をノーコストで召喚!さらに庚の水晶龍アメジスト・ドラゴン・ソニック!召喚時効果で二枚ドローして超 炎魔神を召喚!効果でバーストを破壊する!」

 

 

 

バローネのフィールドに二体の紫のドラゴンがそれぞれ二体の異魔神を呼び出す。超 炎魔神は炎で弾のバースト、鋼星騎スコルリッターを破壊した。

 

 

 

 

プリム「メカっこい~!!」

 

 

 

まゐ「…普通ならこれで終わりだけど………」

 

 

 

ゾルダー「あいつらに普通を求めたら不味いだろ……」

 

 

 

 

バローネ「紫魔神よ!我が友達に合体せよ!アタックステップ!ソニックでアタック!」

 

 

 

弾「ジェミニックでブロック。」

 

 

 

 

紫魔神の力を得たソニックの炎がジェミニックを破壊した。

 

 

 

バローネ「さらにジーク・アポロドラゴンでアタック!」

 

 

 

弾「シープでブロック。フラッシュタイミング!マジック!キャンサーシェル!カイトコブラを手札に戻す!さらにオレのコアを四個ボイドに置いてアタックステップを終わらせる!!」

 

 

 

ジーク・アポロドラゴンが鎌でシープを斬ると白い防御壁が追撃を封じた。

 

 

 

バローネ「……ターンエンドだ……」

 

 

 

弾「お前のことだ。手札にリブートコードでも握っているんだろ?」

 

 

 

バローネ「……ふふふ、ならどうする?」

 

 

 

弾「簡単さ。オレのバトルをやる!それだけだ!メインステップ!レオザードをレベル3で再度召喚!大いなる星の輝き!悠久刻む魂の瞬き!銀河聖剣グランシャリオ!レオザードに合体せよ!

 

 

 

アタックステップ!合体アタック!!グランシャリオの界放によりバーストを破壊!さらに星読でクローズドジェミを手札に!フラッシュタイミング!サジタリウス・ドラゴンを煌臨させる!」

 

 

 

 

弾のフィールドにグランシャリオを咥えたレオザードが再び現れて、またサジタリウス・ドラゴンへと変わる。

 

 

 

バローネ「………なんだ………また同じ事を………?」

 

 

 

弾「いや、ここからが違うんだ!さらに煌臨!!十二宮達よ!今ここに集え!光導神ゾディアック・ピオーズ!!

 

 

 

 

サジタリウス・ドラゴンが虹色のオーラに包まれると、胴体は蛇使い座と射手座。そして体のあちこちが十二宮Xレアで出来ているスピリットが現れた!

 

 

 

バローネ「……なるほど!また別のスピリットを……ボーン・ダイルでブロック!フラッシュタイミング!当たりだ。マジック!リブートコード!コストはボーン・ダイルから。二体を回復!!」

 

 

 

ゾディアック・ピオーズがグランシャリオを突き刺そうとしたが、その前にリブートコードが発動して消滅する。その白い光は二体の合体スピリットを立ち上がらせた。

 

 

 

バローネ「さあ!ここからどうする!?馬神 弾!?」

 

 

弾「ゾディアック・ピオーズでアタック!効果で下のカードを一枚破棄してブロックされなくなる!!さらにまだ下にカードがあるためゾディアック・ピオーズは一切の効果を受けない!!防げるか!?バローネ!!」

 

 

 

ゾディアック・ピオーズが七色の輝きを纏ってグランシャリオを振り上げた。

 

 

 

バローネ「……ふふふ…はははは!!さすがだ!我が友よ!!!ライフで受ける!!」

 

 

 

ゾディアック・ピオーズの一振りがバローネのライフを全て木っ端微塵にした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バローネ「ふふふ、ありがとうございました。」

 

 

 

弾「ああ、またバトルしような。」

 

 

 

二人がガッチリと握手したその直後に通信が入った。

 

 

 

 

 

カザン「…!わかった。カーディナル・サインがバトルを仕掛けてきた!今、ユースが相手をしている!」

 

 

 

弾「ユースが!?」

 

 

まゐ「気になるわね。彼、どれだけ強くなったのか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラトス「ふはははは!この程度か!?統一政府よ!」

 

 

ユース「………」

 

 

 

 

今、バトルは第10ターン グラトスのフィールドにはアメンボーグXが二体とシノビコガネがいた。ライフは3。対するユースのフィールドには疲労状態の太陽神龍ライジング・アポロドラゴンとライト・ブレイドラが二体いた。ライフは残り2で、ターンはグラトスの番である。

 

 

 

グラトス「メインステップ!殻人将レギオスを召喚!いざ招かん!裏十二宮ブレイヴ!巨蟹星鎧ブレイヴキャンサー!ノーコスト召喚!!効果でライト・ブレイドラを二体疲労させる!レギオスにブレイヴキャンサーを合体!!レベル3に!」

 

 

 

フィールドに現れたレギオスに空からブレイヴキャンサーが出現し、その体は分解されてレギオスの鎧に変わっていく。最後に二本の刀を背中に装備して強烈な緑のオーラを放った。

 

 

 

グラトス「アタックステップ!合体アタック!!これで最後だ!!」

 

 

 

合体スピリットの刀がライフを切り裂こうとした。

 

 

 

ユース「フラッシュタイミング!ブレイジングバースト!ライト・ブレイドラを破壊してライフは一しか減らない!!」

 

 

 

レギオスの刀は炎に阻まれて一発しか当たらなかった。

 

 

 

レギオス「ふん、ターンエンド。命びろいしたな。だが次のターンで終わりだ………」

 

 

 

ユース「次?次なんてない!メインステップ!真・裁きの神剣トゥルース・エデンをライジングに直接合体させて召喚!召喚時効果で手札から夢幻の天剣トワイライト・ファンタジアと深淵の巨剣アビス・アポカリプスを召喚!さらに!聖剣の神!龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ!!二本の剣と合体だ!!」

 

 

 

天から白い剣がライジングの手に収まり、光を放つと黄色伸びて剣と青い剣がフィールドに突き刺さる。そして炎の竜巻から一体の大きな光のドラゴンが現れて二本の聖剣を握った。

 

 

 

グラトス「ば、ばかな………一瞬で……ここまで……」

 

 

 

ユース「アタックステップ!オーバーレイでアタック!ライジングの効果でレギオスを指定アタック!トワイライト・ファンタジアの効果で回復してオーバーレイのアタック時の効果を使ってアメンボーグX二体とシノビコガネを破壊!!」

 

 

 

レギオスの刀とオーバーレイの剣がぶつかり合う。オーバーレイは炎でレギオスを空に吹き飛ばすと一閃!!破壊した!!

 

 

 

ユース「もう一度、オーバーレイでアタック!ブレイヴキャンサーを破壊!オーバーレイはトリプルシンボル!これで決まりだ!!」

 

 

 

グラトス「ラ、ライフで受ける……」

 

 

 

オーバーレイがライフを両断した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルフィールドから戻ってきたユースを迎えたのはもちろん…………

 

 

 

 

 

 

弾「ユース、強くなったな。」

 

 

 

 

ユース「……は、はい!!ありがとうございます!そして…………お帰りなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ゾディアック・ピオーズ登場!バローネ様とのバトルなのでサジットヴルム・ノヴァをバウンスさせて、ゾディアック・ピオーズで殴る。

そしてわざとスピリットのぶつかり合いは無しにしました。二人の二戦目のメガバイソンのアンブロッカブルを思い出したので、この二人はキースピリットのバトルもいいですが、こうやって、勝利に固執するのもいいと思った次第です。

ユース君の切り札はオーバーレイにしました。弾のダブル合体を受け継いでいるという感じがしたのですぐ決まりました。


次回予告 裏十二宮ブレイヴ! カーディナル・スケールとの激戦!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新第一章~新たな始まり 修行編~
綿月依姫!見参!!


はい、こちらに統合しました。


内容は変わっておりませんのでどうぞお楽しみにください。


 

 

 

馬神 弾が地球と幻想郷の創界神となって……約三ヶ月後………

 

 

 

 

 

 

ここは………月の都………輝夜、永琳、鈴仙が昔、住んでいた世界である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「御姉様!!とうとうやりました!!」

 

 

 

 

???「あら、珍しいわね。どうしたの、そんなにはしゃいじゃって。八意さまから手紙でも来た?」

 

 

 

 

ザ!VIPな部屋に入って来た娘。彼女の名前は綿月依姫。月の都を守るリーダーである。彼女が「御姉様」と呼んだのは姉の綿月豊姫である。彼女も月のリーダーとして地上から紛れ込んで来る者を地球に送り返す仕事等をしている。

 

ちなみに、二人とも永琳の弟子であり、永琳が月を捨てた後も尊敬している。

 

 

 

依姫「聞いてください!私、とうとう完全に創界神を降ろすことに成功したのです!!」

 

 

 

豊姫「え!(゜.゜)……今日ってエイプリルフールだったかしら……それとも八意さまが恋しくてこっそり………」

 

 

 

信じようとしない豊姫に依姫は怒ってこう言った。

 

 

 

依姫「ちょっと!御姉様!違いますよ!それは私だけではなく、創界神さまにも失礼です!」

 

 

 

 

???《まぁ、そんなかっかすんな。俺が出れば真実だって判るだろ?》

 

 

 

 

 

豊姫「え!!Σ(Д゚;/)/」

 

 

 

どこからか聞こえてきた男の声。すると、依姫の隣に赤髪の男が現れた。

 

 

 

 

アポローン《よ!俺が依姫の創界神降ろしにつきあったオリンの創界神、アポローンだ。あんたは依姫の姉の豊姫だな?話は聞いてるぜ。》

 

 

 

 

豊姫「………ご無礼を御許しください………!!」

 

 

 

豊姫は一瞬、呆然となったがすぐ立て直して、直角の礼を決めた。するとアポローンは手を振って言った。

 

 

 

アポローン《おいおい、やめな。ここじゃ、俺は何の信仰もないんだし………隣には妹の別荘があるけど………》

 

 

 

 

豊姫「ありがとうございます……はぁ~依姫、あなたすごいわ!!今まで創界神を降ろすことに成功したのは誰一人としていないのに!あなたも以前はアマテラスさまやスサノヲさまも不完全でしか降ろせなかったのに!!成長したのね!流石私の妹だわ!!」

 

 

 

 

興奮した豊姫に依姫は少しためた後、話し始めた。

 

 

 

 

依姫「……実は、御姉様。折り入って頼みが……」

 

 

 

豊姫「…?どうしたの?」

 

 

 

依姫「実は………少し、武者修行に出たいと思いまして………」

 

 

 

豊姫「( ; ゜Д゜)」

 

 

豊姫はまるで時が止まったかのようにフリーズした。実は依姫は八百万の神々を自在にその身に降ろすことができる能力を持っており、月では負け無しの戦士なのである。(ちなみに紫すら下したこともあるそう)

 

 

その彼女が武者修行。数十秒後、再起動した豊姫は言った。

 

 

豊姫「……まだ……強くなるの…………?」

 

 

 

依姫「あ!違います!こっちの武者修行です!」

 

 

そう言って取り出した物に豊姫は納得する。それは………デッキケースだった。

 

 

 

 

この月の世界でもバトスピは人気で、近頃は月でもチャンピオンシップが開催されるほどである。この月の都の創界神、ツクヨミがバトスピ好きなこともあり、都ではとても流行っていた。

 

 

 

 

 

豊姫「まぁ、確かに私達もちょっとは強くないとね~。八意さまの顔に泥を塗ることになるし………依姫はこっちは強くないのよね~!」

 

 

 

 

アポローン《ん!?そうなのか?》

 

 

 

依姫「……お恥ずかしい限りですが………ですので御姉様!少しばかり地上で強くなって来ます!!」

 

 

 

依姫はそう決意の目をして言った。さすがに可愛い妹の頼みを豊姫は無下にはできなかった。

 

 

 

豊姫「……全く……………わかったわよ………」

 

 

 

 

依姫「ありがとうございます!!御姉様!!」

 

 

 

 

豊姫「ちなみに地上のどの辺に行くの?」

 

 

 

依姫「( ̄▽ ̄;)!」

 

 

そう依姫に聞いた豊姫だったが、今度は依姫がフリーズしていた。呆れる豊姫にアポローンは言った。

 

 

 

 

 

アポローン《なら、幻想郷って所はどうだ?最近、その世界に創界神が就任してな。ソイツが相当強いカードバトラーだって噂だ………ちなみにここだけの話だが………父やラーも負けたそうだ…しかも、自分を使ってだ………》

 

 

 

 

 

豊姫「え!!あのゼウスさまやラーさまが負けたのですか!!!?」

 

 

 

依姫「神世界で一二を争う最強カードバトラーの二柱が負けた………よし!決めました!その方に弟子入りして来ます!!御姉様!ついでに八意さまからお土産貰ってきます!!」

 

 

 

 

そう言うと、部屋を飛び出していった依姫。

 

 

 

豊姫「……大丈夫かしら……依姫……」

 

 

アポローン《……俺も心配だからついてくよ。俺もバトルしてみたいし………バトラーとしても……創界神としても……》

 

 

 

 

豊姫「…………すみません……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、昨今の神世界事情について話そう。

 

 

 

まずは神世界は五つの世界から成りそれぞれ「オリン」「エジット」「アマハラ」「インディーダ」「ウル」から成り立っている。ちなみに地球をはじめとしたグランロロはウル、月の都はアマハラに所属している。

 

 

 

その勢力に何神かいる権力者が創界神(グランウォーカー)で、彼らは自分の世界を創り、その下に他の神々を従えている。

 

 

 

何十億年も昔の太古の時代、まだ永琳すら生まれてない頃、神世界の覇権をかけた争いがあったことも話しておこう。そこでは全勢力が全力でぶつかり合い、神世界は荒れ果てた。そこで、全勢力の創界神達は話し合いって平和条約を締結した。そのお陰で昨今の神世界は平和なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 迷いの竹林

 

 

 

 

 

依姫「……さて………永遠亭はもうすぐ………と信じたいです………」

 

 

アポローン《おいおい、こりゃ完全に迷ったな。》

 

 

 

早速、幻想郷で件の創界神を探そうと思った依姫だったが、まず八意さまに聞こうと思い永遠亭を目指していた。だが………お察しの通り、絶賛迷子中である。

 

 

 

 

 

 

依姫「……どうしましょう………」

 

 

アポローン《こんな時にヘルメスとかがいたらなぁ……》

 

 

 

 

 

 

そう言って途方にくれる一人と一柱。すると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ギギギギギ!!!」

 

 

 

 

 

 

依姫「な!!?」

 

 

 

アポローン《何だコイツ!………意志が無いな……人形か何かか?》

 

 

 

 

現れたのは、黒いフードを被った何かだった。顔は機械のように無表情で、その手にはデッキが握られている。

 

 

 

 

依姫「……バトルしろと言うことでしょうか……?アポローンさま!お力をお借りします!」

 

 

 

 

アポローン《そうかもな……OK!》

 

 

 

依姫はアポローンを自らに降ろした。

 

 

 

依姫「ありがとうございます!!さて……行きます!

 

 

ゲートオープン!界放!!

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、続編第1話はここまでです。


よっちゃんが主人公です。東方キャラで一番好きなので主人公にしました。でもこのよっちゃんはまだ強くはありません。なので彼女の成長を見守っていこうと考えております。



後、今作では依姫が創界神を降ろしてその眷属のスピリットを使うという形になります。彼らは他の人物には使えないので、彼らを使えることが依姫のアイデンティティーになります。


そして、これから様々な創界神が登場します!次はどの創界神が降ろせるようになるのか?はたまた、別の誰かが創界神を仲間にするのか?ご期待ください。


次回予告 星竜の宴!アポローンの炎!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星竜達の宴!アポローンの炎!!

よっちゃんが初々しいこの回。これからどんな成長を見せてくれるのでしょう。




あらすじ 地上に武者修行に行くと言った依姫にアポローンは幻想郷を提案する。永遠亭に向かっていた二人と前に謎のフードの人物が現れ………


依姫「ハハハ!さ~て、行くわよ!!」

 

 

 

アポローン《ん?何か依姫……性格変わったような……》

 

 

第1ターン 依姫はゴッドシーカーアルファレジオンを召喚して、三枚オープン。その中のアポローンと太陽皇ヘリオスフィアドラゴンを手札に加えた。

 

 

 

第2ターン フードはバーゴイルを召喚してコアブーストした。そして、バトルは第3ターンである。

 

 

 

依姫「メインステップ!この世界照らす太陽の神!創界神アポローンを配置!効果で三枚トラッシュへ!対象のカードは二枚だったので、コアを二個アポローンに追加するわ!んでもって!サマートライアングルドラゴンを召喚!アポローンに神託するわ!」

 

 

 

 

アポローン《……ああ、俺を降ろしているからか……まぁ、オレの力は強すぎるか………後で気づいた時が心配だ………》

 

 

 

依姫の背後にアポローンが現れた。

 

 

 

 

依姫「ターンエンドよ!!」

 

 

 

 

フード[メインステップ。バーゴイルをレベル4で召喚。コアブースト。アタックステップ。バーゴイルでアタック。]

 

 

依姫「来たわね!ライフで受けるわ!」

 

 

 

バーゴイルが依姫のライフを爪で砕いた。

 

 

 

 

フード[ターンエンド。]

 

 

 

 

依姫「もう終わり!?つまらないわ!!メインステップ!ヘリオスフィアドラゴンを召喚!!アタックステップ!ヘリオスの効果でトラッシュからコアを回収!そしてアタック!ヘリオスの効果でバーゴイルをってあれ?」

 

 

 

ヘリオスはバーゴイルに向かって攻撃しなかった。

 

 

 

 

アポローン《おいおい、ヘリオスの効果はスピリットだけだぞ。バーゴイルはアルティメットだ。》

 

 

 

 

依姫「………まだまだよ!!ヘリオス!行きなさい!」

 

 

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

 

ヘリオスの炎がフードのライフを砕いた。

 

 

 

依姫「ターンエンド!」

 

 

 

 

アポローン《……大丈夫かな…………》

 

 

 

 

フード[メインステップ。龍魔王イビルフリードを召喚。アルティメットトリガー、ロックオン。]

 

 

フィールドに黒いドラゴンが現れ、咆哮すると、依姫のデッキから一枚、カードがトラッシュに送られる。

 

 

 

依姫「…?……アポローンの龍星神殿ですが……」

 

フード[ヒット。トラッシュのコアを全てイビルフリードに。]

 

 

 

依姫「ええ!?」

 

 

 

アポローン《……Uトリガー…知ってると思ってたが……こりゃ大変だぞ………》

 

 

 

アポローンは頭を抱えた。思ったより、彼女はまだ初心者らしい。

 

 

 

フード[アタックステップ。イビルフリードでアタック。効果でヘリオスを破壊してドロー。]

 

 

 

イビルフリードの黒い炎がヘリオスをやきつくした。

 

 

 

 

依姫「………ライフ!」

 

 

 

イビルフリードがライフを壊す。

 

 

 

フード[さらにバーゴイルでアタック。フラッシュタイミング、インファナルウィンド。相手のスピリットを二体疲労させコアブースト。]

 

 

 

 

緑の風が依姫のスピリットを疲労させた。

 

 

 

 

依姫「え!?ライフで受ける!!」

 

 

依姫のライフがまた砕ける。

 

 

 

フード[さらにバーゴイルでアタック。]

 

 

 

依姫「ああもう!!ライフよ!!」

 

 

 

もう一体のバーゴイルがライフを切り裂いた。

 

 

 

フード[ターンエンド。]

 

 

 

アポローン《大丈夫か?依姫……!それだ!そのカードでいこう!!》

 

 

依姫「……そのカードって……これ?」

 

 

 

アポローン《それだ!!》

 

 

アポローンは今、ドローしたカードを指差した。依姫はそのカードを手に取り掲げた。

 

 

 

 

依姫「メインステップ!燃え上がれ!太陽の炎!太陽神星龍アポロヴルム!!レベル2で召喚!!

 

 

アポローン《見せてやるぜ!俺の化神!!ハッ!》

 

 

アポローンが腕を掲げ、赤い球を放つそこから炎が上がり、赤いドラゴンが現れた。

 

 

 

 

依姫「……熱い!!アポロヴルムの炎が!私の心の炎を燃え上がらせる!!アタックステップ!アポロヴルムでアタック!!」

 

 

 

 

アポロヴルムが雄叫びをあげながら飛び上がった。

 

 

 

 

依姫「アタック時効果!!一番、BPが高いイビルフリードを破壊!!それにより、アポローンの神域発動!!ライフをリザーブに!!まだまだ!界放の効果でトラッシュのコアを戻してアポロヴルムは回復!!!太陽はまた登る!!」

 

 

 

アポローン《オウラ!!》

 

 

 

 

アポロヴルムがイビルフリードを破壊すると、アポローンが矢を放ってフードのライフを破壊した。さらにアポロヴルムはまた起き上がる。

 

 

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

アポロヴルムの炎がライフを砕く。

 

 

 

依姫「もう一発!!アポロヴルムでアタック!!効果でバーゴイルを破壊!!ライフも貰うわ!!あははははは!!これで終わりよ!!」

 

 

 

アポローン《ぶっ飛びやがれ!!!》

 

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

 

アポロヴルムの攻撃が最後のライフを砕いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アポローン《お~い~依姫~大丈~夫か~?》

 

 

 

依姫「○| ̄|_」

 

 

 

あの後、元に戻った依姫は完全にキャラ崩壊していたことに激しく羞恥心を感じていた。

 

 

 

 

アポローン《それより………さっきのは何だったんだ?あの後、消えちまったし………》

 

 

 

 

依姫「わかりません………これは八意さまに聞いてみた方がいいですね………」

 

 

 

???「あれ?依姫さまと………どちら様ですか?」

 

 

 

 

復活した依姫とアポローンに話しかけてきたのは………

 

 

 

 

 

鈴仙「どうしましたか?こんなところで………」

 

 

 

依姫の昔の部下、鈴仙だった。

 

依姫は鈴仙にアポローンを紹介した後、永遠亭への案内を頼んだ。鈴仙は驚いて土下座までしたが、アポローンが頼んだこともあり、永遠亭へとなんとか案内できた。

 

 

 

 

 

 

永遠亭 永琳の部屋

 

 

 

 

 

永琳「成る程ね………それは初耳ね。」

 

 

 

 

依姫は永琳に会い、先ほどのことを報告した。

 

 

 

 

 

アポローン《流石のあんたもわからないか……》

 

 

 

 

永琳「あなたの所の知恵の女神よりかは学がないので………」

 

 

 

 

依姫「あの、師匠。それで私がここに来た理由ですが………」

 

 

 

永琳「……………ああ、彼なら今いないわよ。」

 

 

 

 

依姫「え!!!(-_-;)」

 

 

 

永琳の言葉にがっかりする依姫。なにやら彼は外の世界でも人を助けるために尽力を尽くしているそうで、たまに幻想郷を留守にするそう。それなら邪魔をするわけにはいかないと思い、依姫は永琳に頼んだ。

 

 

 

 

依姫「師匠。あの変なフードがまた現れるかもしれません。私も戦わせて貰えませんか?」

 

 

 

永琳は少し考えた後、こう言った。

 

 

 

 

永琳「……なら、今から三人、幻想郷のカードバトラーと戦って倒して来なさい。それが出来たらいいわよ。」

 

 

 

依姫「ありがとうございます!!それでは行って来ます!!」

 

 

アポローン《おいおい!またかよ!!永琳!こっちのお守りは任せとけ!!》

 

 

 

部屋を飛び出していく依姫にデジャヴを感じながらついていったアポローン。それを見ていた永琳は奥の扉に声をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

永琳「…………もういいわよ………弾…………」

 

 

 

 

 

 

弾「いいのか?嘘ついて。」

 

 

 

現れたのは弾だった。

 

 

 

 

 

永琳「まだ依姫は初心者過ぎる。その彼女をあなたに弟子入りさせるのは早すぎるわ。ならもう少し経験を積んだ方が良くない?」

 

 

 

弾「……まぁ、そうか………後、今日はここに泊まっていいか?霊夢が友達連れてお泊まり会だって言うから気まずくて……」

 

 

 

 

 

 

その言葉に一気にテンションが上がった永琳であった。

 

 

 




はい、ありがとうございました。


アニメのゼロと同じく、よっちゃんは創界神を降ろすと性格が変わることにしました。でも、創界神の性格になるわけではありません。それもお楽しみください。


アポローン

オリン所属の星竜の創界神。熱い性格だが、ちゃんと物事を冷静に見ることもできるオリンの優等生。だがシスコン。よく女性に手をだしては振られる(シスコンが原因)妹のアルテミスを守っているが…………その域は完全にシスコン。ちなみに、音楽や医療の神でもある。だがシスコン。


次回予告 様々な出会い!花と天使と妹と!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

様々な出会い!花と天使と妹と!!

タイトルでわかると思いますが、今回はあの三人(人と数えていいかは別として)が登場します。創界神のキャラを考えるのが一番大変です………十二宮はすぐ決まったのに………




あらすじ アポローンと共にフードの人物を撃退した依姫。永琳に協力を頼み込むと三人のバトラーへの勝利を条件に許可される。早速、飛び出していった依姫だったが………


 

 

幻想郷 竹林の外れ

 

 

 

依姫「今回はちゃんと考えがあります。人里の方に誰が強くて、誰が弱いかを聞いてくればいいんです。私がかなわない相手に突っ込んでいくわけにもいきませんし。」

 

アポローン《何だ、かなり理にかなった考えじゃないか》

 

永遠亭から人里への道を歩いている二人。その途中、依姫は幻想郷のことをアポローンに話していた。すると………

 

 

???《あ……やっと道らしい道に出れたわ!!久しぶりの狩りで腕か鈍ったわね………》

 

 

突然、森の方から声が響いた。二人でそちらを見ると、銀髪で弓矢を担いだ女性が草まみれになりながら出てきたところだった。するとアポローンが叫んだ。

 

 

アポローン《おお!我が妹アルテミスよ!何だ、お前も来てたのか!そうならそうと言ってくれればよかったのに!》

 

アルテミス《ウゲゲ!兄貴!何でこんな所に……やっと森から出れたと思ったら………神は死んだのかしら………》

 

 

神はあんただ。依姫はアポローンが妹と呼んだ女性を少し見ていたが、思い出したかのようにはっとして尋ねた。

 

依姫「あの………もしかして……オリンの月の女神のアルテミスさまですか………?」

 

 

すると、アルテミスは振り返り、ものの珍しそうな依姫を見た。

 

 

アルテミス《あら!いつもバカ兄貴を降ろすのを頑張ってた子じゃない!ごめんね~こんな兄貴で~。いつもベタベタしてくるのよ!いい年にもなって………》

 

アポローン《失礼な、俺はただ我が愛する妹が心配で…》

 

 

アルテミス《黙れシスコン!!》

 

創界神の兄妹、ケンカ勃発まで後、数秒…………

 

 

 

 

 

 

 

アルテミス《ふ~ん。なら私も協力するわよ。》

 

 

依姫「本当ですか!?」

 

 

あの後、アポローンをボコボコにしたアルテミスに依姫は事情を話した。すると快く協力してくれることになった。

 

 

アルテミス《あなたが本当に努力家なのは私の別荘から見えていたからね。それにこの世界、すごく過ごしやすいのよ。創界神として気になるわね。》

 

 

アポローン《まだ創界神になって三ヶ月しか経ってないとは思えない………統治も凄腕なのか……》

 

 

二柱がべた褒めする幻想郷の創界神。依姫は期待に胸を膨らませながら人里への道を歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 太陽の花畑 幽香の家

 

 

 

幽香「ふぅ、さて………新しくデッキでも組んでみようかしら……大会もあるし……赤緑はやめて………何色に………」

 

 

 

家でくつろいでいる花妖怪、風見幽香。最恐の妖怪とか言われているが根はただの花好きの女性である。

 

彼女はバトスピの四天王としても有名で、今は赤緑アルティメットを使っていたが、季節が変わり、気も変わったのか新しくデッキを組もうとしていた。何色にするか考えていた所に向日葵達が話しかけてきた。

 

 

幽香「………誰か来た?………変ね、ここには私を訪ねるやつ以外は滅多に来ないのに………」

 

 

幽香は首を傾げながら、日傘を広げてその人物の所へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花畑の中では………

 

 

???《まぁ、なんてきれいな花畑。私の神殿にも飾りたいわ………あら、誰か来たわね………管理人かしら?》

 

 

幽香《…………強い!!何コイツ!!弾と同じような気配………まさか………》

 

とんでもない神力を纏い、花達を眺めていた黒髪の女性に幽香はマックスの警戒をしていたが

 

 

???《……そんなに警戒しないでも何もしないわよ。それよりきれいな花畑ね。あなたがこの子達を育てているの?私も花は好きだから少しお話しない?》

 

 

幽香は驚いた。幻想郷で自分と話せる人妖は少なく、さらに趣味が合うやつはいなかった。そこに同じ種類の趣味を持った人物からお話したいと言われた。

 

幽香の警戒メーターは一気にマイナスに振りきれた。彼女の心情「花を好きなやつには悪いやつはいない」が発動したからだ。

 

 

 

幽香「ええ!いいわよ。ところで………あなた、創界神かしら?」

 

 

???《ええ、そうよ。この世界に新しい創界神が来たから顔を見に来たのよ。ああ、そうそう。自己紹介が遅れたわね。私はイシス。エジットの天使達の創界神よ。よろしく。》

 

 

 

幽香「……ごめんなさい……ちょっと神々のことには疎くて………」

 

 

そう続けようとした幽香だったが、何か不穏な気配を感じとり視線を横に向けた。すると………

 

 

フード[ギギギギギギ!]

 

 

 

そこにはフードを被った何者かが現れた。

 

 

 

 

幽香「コイツは……一体……?」

 

 

イシス《…不気味ね………不味いわ……コイツは私達を狙っているわね………移動したら花畑が心配よ。ここで蹴りをつけた方がいいわ》

 

 

幽香「よく分かるわね。」

 

 

イシス《一応、軍神だから相手の観察は得意なのよ………あなた、バトルの腕は?》

 

 

幽香「幽香、風見幽香よ。一応、四天王って呼ばれているわ。」

 

 

幽香はそう答えるとイシスは不適に笑った。

 

 

イシス《へぇ、なら幽香、私と一緒にコイツを消さない?私も花を傷つけようとするやつは大嫌いなのよ。私の眷属も貸すわ。》

 

 

そう言うと、イシスは幽香の中に入った。すると幽香から神力が立ち上ぼり、目も黄色に染まる。

 

 

 

幽香「へぇ、良いわ!黄色は初めてだけど、いいハンデよ!

 

 

 

ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 幽香はエジットの天使ティティエルを召喚してドロー。

 

 

第2ターン フードは極風の探索者カゲロウシーカーを召喚して効果で三枚オープン。その中の甲殻伯メタリフェルを手札に加えてバーストをセットした。

 

 

第3ターン 幽香はゴッドシーカーエジットの天使メヘトエルを召喚。召喚時効果で四枚オープンして、その中の創界神イシスとエジットの天使長ネフェリエルを手札に加えた。

 

するとフードのバーストが発動して甲殻伯メタリフェルがメヘトエルを破壊した。しかし幽香は怯まず…………

 

 

幽香「ふん、先に発動させてよかったわ。咲き誇りなさい!創界神イシス!効果で三枚トラッシュに。その中に対象カードが三枚、よってコアを三つ追加。さらにイシスの花園神殿を配置。ターンエンドよ。」

 

 

イシス《さて、殺しに行くわよって終わりなの………》

 

 

幽香の後ろにイシスが現れたが、ターンエンドしたのでがっかりしていた。

 

フード[メインステップ。極風の小隊アントマンを召喚。コアブースト。メタリフェルをレベル4に。アタックステップ。メタリフェルでアタック、Uトリガー、ロックオン。]

 

 

幽香「コスト4、イシスの力。」

 

 

フード[ヒット。ティティエルを疲労させ、次のリフレッシュステップで回復不能に。]

 

 

幽香「ライフよ!」

 

 

メタリフェルがライフを切り裂いた。

 

 

フード[ターンエンド。]

 

 

幽香「………何か……体の奥底から……力がみなぎってくる。これが創界神の力………

 

 

イシスの花園神殿の効果で三枚オープンしてその中の天霊を手札に!ティティエルを加えるわ!メインステップ!ティティエルとエジットの天使長ネフェリエルをレベル4で召喚!!召喚時効果でデッキ下から計三枚ドロー!

 

さらにバーストセットして、アタックステップ!ネフェリエルでアタック!!」

 

 

イシス《行きなさい、ネフェリエル。あなたはこっちでも頼れるわね。》

 

 

ネフェリエルが大きな杖を構えて飛び出す。

 

 

幽香「アタック時効果!ライフを増やして回復!」

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

ネフェリエルがビームでライフを砕いた。

 

 

幽香「ターンエンド。」

 

 

フード[メインステップ。メタリフェル達をレベルアップ。ターンエンド。]

 

イシス《あら、臆したかしら………?》

 

 

幽香「なら好都合。花園神殿の効果でオープン………その中の天霊を回収………さて、天霊達の大輪の花!星天使女神イシスター!!レベル4で召喚!!不足コストはティティエル達から。」

 

 

イシス《さて…案内しなさい………やつを地獄にね…》

 

イシスの杖から光が溢れ、フィールドに降り注ぐと巨大な青い翼を持った天使が現れた。

 

 

幽香「綺麗………アタックステップ!イシスター!アタックよ!!効果で自分のライフを砕いて、スピリットを二体まで手札に戻してライフをトラッシュに!さらにイシスの効果でもう一発!!イシスターのレベル4効果でライフが減ったので回復!!」

 

 

イシス《はぁ!!》

 

 

イシスターが幽香が砕いたライフをエネルギーにアントマンを手札に戻して、フードのライフを砕いた。するとイシスが追撃してもう一つライフを砕く。

 

 

フード[メタリフェルでブロック。]

 

 

幽香「フラッシュタイミング!マジック!エレメンタルバーンを使用してBPマイナス10000!膝まずきなさい!!」

 

 

イシスターの杖とメタリフェルの剣がぶつかり合ったがイシスターは翼を広げてメタリフェルの体勢を崩して杖を突き刺して破壊した!

 

 

幽香「イシスター!効果でライフを砕いてライフを貰うわ!」

 

 

フード[カゲロウシーカーでブロック。]

 

 

 

カゲロウシーカーがイシスターの光線に貫かれる。

 

 

幽香「土に返せ!!イシスター!!」

 

 

イシス《養分になりなさい!!》

イシスターがライフを叩き割った!

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「……いつもの虚勢じゃない……本当に……自信たっぷりにあんなこと………」

 

 

イシス《いいじゃない。カッコよかったわよ。》

 

 

バトルの後、少し凹んでいた幽香にイシスは褒め言葉をかける。

 

 

 

幽香「……それにしても……やつは一体……?」

 

 

イシス《この世界の創界神に伝えた方がいいわ。どこにいるか知ってる?》

 

 

 

幽香「…ちょっと待って……あら、今日は永遠亭にいるのね……」

 

 

イシス《あなた……まさか、花と喋れるの?》

 

 

幽香「ええ、でも創界神には珍しくないでしょう?」

 

向日葵と話したことを尋ねたイシスにそう返した幽香だったがイシスは首を振った。

 

 

 

 

イシス《……私は天霊達のことと基本的な神の力以外は全部戦闘関係の力しかないの。一応、生命は操れるけど話すことはできない。あなたの戦闘には使えないかも知れないけど、生活を豊かにしてくれる能力は羨ましいわ。平和な世界に戦闘能力は要らないもの……》

 

 

幽香「……ごめんなさい、気にしていることを………」

 

 

イシス《いいのよ。さて幽香、私も乗りかかった舟よ。あいつの親玉探し、手伝うわ。この世界の統治方法にも興味あるしね。》

 

 

幽香「あら、ありがとう。でもその前に弾に報告ね。」

 

 

こうして二人は永遠亭を目指す……………

 

 

 

 

 

 




はい、ありがとうございました。

アルテミスとイシス登場!!設定は下に書いておきます。原作と違いがあるかもしれませんが、了承ください。


アルテミス


オリン所属の機獣の創界神。狩りと射撃が趣味で、自分の世界でもよく狩りをする。案外、可愛い物好き。兄のシスコンぶりには呆れている。一応、処女神で、恋愛はしないが、惚れた男を永遠に寝かせて時たま会いに行っているのは彼女の秘密である。(実は皆知ってる)



イシス


エジットの天霊の創界神。園芸が好きで幽香と意気投合する。軍神なこともあり、怒ると怖い。夫オシリスや主神ラーでも止められない。だが親バカなので、息子のホルスの声には止まる。ちなみに、ヴィエルジェの元主(彼女曰く、彼女が一番立派になった)



次回予告 アルテミス参戦!ってけーねが言ってた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

アルテミス参戦!ってけーねが言ってた。

弾さんを書きたい………でもよっちゃんも書きたい……あああ!早く話が進まないかなぁ!





あらすじ フードを一緒に撃退した幽香とイシス。弾に報告に行くため二人は永遠亭を目指す。一方、アルテミスの協力を手に入れた依姫は………


人里 寺子屋前

 

 

アポローン《ここか?》

 

依姫「はい、ここにはまだ私と同じ初心者がいっぱいいるはずです。」

 

 

アルテミス《でも子供相手じゃあねぇ……》

 

 

人里に着いた三人は少し散策した後、寺子屋を訪れていた。理由は今、依姫が言った通りである。ノックした後少し待つと人が出てきた。

 

 

 

???「おや、君は………永琳先生の……」

 

 

そう扉を開けて出てきたのはこの寺子屋を経営している『上白沢慧音』だった。どうやら永琳が以前依姫のことを話していたようである。依姫は事情を説明すると、人里の警備の強化を指示した後、こう言った。

 

 

慧音「さて……君の相手だが………ちょうど、いいバトラーがいるぞ。」

 

 

依姫「そうですか!一体、誰なんですか?」

 

 

 

依姫が聞いたが、慧音はニコニコ笑っているだけだった。

 

 

アルテミス《……あ、わかった………まさか……あなた?》

 

慧音「そうだ。ちょうどさっき、デッキ調整が終わってな。な~に私は永琳先生や四天王よりかは強くない。安心しな。」

 

 

 

依姫「………分かりました。八意さまにも子供相手は認められないと思いますし、その勝負受けます!アルテミスさま!」

 

 

 

アルテミス《あいよ!!》

 

 

 

依姫はアルテミスを降ろしてデッキを構えた。その目は白く染まっていた。

 

 

依姫 慧音 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「ウフフフフ、どうぞよろしく………」

 

 

慧音「…あ、ああ。」

 

《少し雰囲気が変わったな……》

 

 

第1ターン 依姫はゴッドシーカーネガズボックを召喚。効果で六枚オープンしてその中の創界神アルテミスとスプレッド・トータス、そして効果でアルテミスの大樹神殿を手札に加えた。

 

 

第2ターン 慧音はバーストをセットして犬将クーシーを召喚。そしてアタックして依姫のライフを砕き、聖命の効果でライフを増やした。

 

 

依姫「フフフ、メインステップ。月の光よ照らせ!創界神アルテミスを配置。効果で三枚をトラッシュに。対象のカードが二枚。よってコアを二個追加。」

 

 

アルテミス《さあ~て、狩りのスタートよ!》

 

 

依姫の後ろに弓を構えてヤル気満々のアルテミスが現れた。

 

 

依姫「さらにスプレッド・トータスを召喚。コアを増やして……ターンエンド。」

 

 

アルテミス《ガクッ、攻めないのね……》

 

 

アポローン《アルテミスが降りると清楚になるんだな……妹とは間反対だが……》

 

 

慧音「メインステップ。シンリューを召喚。さらにクーシーをレベル2に。もう一度アタックだ!」

 

 

依姫「フフフ、ネガズボック、お願いします。」

 

 

ネガズボックがクーシーに弾き飛ばされた。

 

 

慧音「ターンエンド。」

 

 

依姫「メインステップ。あらあら……バーストセット。そしてポラーナイトガルムを召喚してコアを追加。アタックステップ、お願いします、ポラーナイトガルム。アタック時効果、コアを増やして回復します。」

 

 

アルテミス《いってこ~い!!ポラーちゃん!!》

 

慧音「ライフで受けよう。」

 

 

ポラーナイトガルムが爪でライフを砕いた。

 

 

依姫「…フフフ、ターンエンドです……」

 

 

アルテミス《……依姫……もうちょい攻めてみない?》

 

 

依姫「フフフ、急がば回れとも言いますよ?」

 

 

慧音「ドローステップ……さて、行くぞ。シンリューのスピリットソウルを発揮!究極の麒麟!アルティメットリーン!!レベル4で召喚する!」

 

 

慧音のフィールドに黄色と金の麒麟が現れた。

 

 

依姫「あら、なんてきれいな麒麟。少し失礼。お茶を…………」

 

 

アルテミス《飲んどる場合か~!!!!来るわよ!!》

 

 

慧音「アタックステップ。Uリーンでアタック!WUトリガー、ロックオン。」

 

 

依姫「今度は二枚ですね……リーディングオリックスとアルテミックシールド、コスト3と4です。」

 

 

慧音「Wヒットだ。ポーラーナイトガルムとスプレッド・トータスを指定してブロックを不可能に。」

 

 

Uリーンから放たれた雷が二体を痺れさせてブロック不能にする。

 

 

依姫「成る程、ライフです。しかし………バースト発動です。巨砲母艦マザー・パイア。まず召喚、そして、三枚オープン。その中の機獣を一コストで召喚します…

 

ディストスプレッドトータスと………あら、アルテミス?これあなたの化神じゃありませんか?」

 

 

アルテミス《ん?……あ、そうそう!この子よ!》

 

 

依姫「ならこの子も召喚しましょう。月下に嘶け!白き獣よ!月天神獣ファナテック・エルク!!召喚!!召喚時効果で三体をデッキボトムに!」

 

 

アルテミス《ぼーん!!!!》

 

Uリーンが角でライフを貫いたが、巨大な猪が現れて吠えた。するとアルテミスの矢が月へと伸びて、そこから一匹の鹿が降りてきた。そしてファナテック・エルクが光ると慧音のスピリットがデッキに戻っていった。

慧音「まさか……私のターンでここまでやるとは……ターンエンド。」

 

 

依姫「メインステップはそのまま。アタックステップ、アルテミスの神域によりファナティクエルクを指定。このターンの間、ファナテック・エルクはWシンボルになります。マザー・パイアでアタック!」

 

 

慧音「ライフだ!」

 

 

マザー・パイアの牙がライフを砕く。

 

 

依姫「ポラーナイトガルムとスプレッド・トータスでアタック。」

 

 

慧音「ライフ!」

 

 

二体が爪と大砲でライフを打ち砕く。

 

 

依姫「これでおしまい、ファナテック・エルク!」

 

 

アルテミス《エルクちゃん!ぶっとばしなさい!》

 

 

 

慧音「フフフ、ライフで受けよう!!」

 

 

 

アルテミスの力を纏ったファナテック・エルクがライフを破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アポローン《なかなかよかったぞ、依姫。後二人だ》

 

 

依姫「はい!慧音さん、ありがとうございました!」

 

慧音「いいさ。成長こそが教師の本望だ。さて、私は授業があるから戻る。幸運を祈っているよ。」

 

バトルの後、慧音にお礼を言った依姫だったが、何故かアルテミスがうかない顔をしていた。

 

 

依姫「……アルテミスさま、どうされました?」

 

アルテミス《………何か来るわよ……ってあいつか……》

 

 

???《いやぁ~!やっと見つけた!お二人さん!!》

 

 

慧音が中に戻った後、そう言って空から降りてきたのは、帽子を被った青年だった。しかし、もの凄い神力に依姫は一瞬で創界神だとわかる。

 

 

依姫「あの、アルテミスさま、アポローンさま、こちらの創界神さまは?」

 

 

アルテミス《ああ、ヘルメスよ、剣獣の創界神でオリンの伝令係。》

 

 

アポローン《どうした?お前も観光か?》

 

 

ヘルメス《いや、半分は仕事だ。お二人さんに伝言さ。

 

 

 

 

 

 

 

ゼウスからね。》

 

 

 

 

 

 

 




はい、ありがとうございました。


ヘルメスが来ました。彼の設定です。


ヘルメス


オリンの剣獣の創界神。神世界一のスピードを誇る伝令の神。産まれてまもなく、アポローンから牛を盗んだ天才。口も上手く、頭の固いやつもヘルメスの言葉は一応、聞く。実は仕事上、かなりストレスを抱えており、同じく苦労人のトトとよく飲んでいるそう。


次回予告 大空の支配者!二人の緑の神!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

大空の支配者!二人の緑の神!!

な~んか、ホルスがあいつになった………サジットといい、今回といい………好きだからいいじゃん!(開き直り)


あらすじ アルテミスを使役し、見事慧音に勝利した依姫。すると空から伝令神ヘルメスが降りてきて………



幻想郷 上空

 

 

 

???「あ~やっぱり、イライラした時は全力で飛ぶのが一番だわ………」

 

 

そう言って、ものすごいスピードで飛んでいるのは『射命丸 文』だった。どうやら、上司の天狗に何か無理難題を押し付けられたようである。そのスピードには幻想郷の誰にも追い付けないと言われているが…………

 

 

???《おお!中々のスピードだな!》

 

 

文「……ええ!!!?」

 

 

横から聞こえてくる声………横?そうなら、文と同じスピードで飛んでいることになる。文は驚いて横を見た。そこには腕を組んで簡単に文のスピードについてきている青年がいた。背中には鳥のような翼があるが、烏天狗ではなさそうだった。

 

 

 

???《いやぁ~はぇ~、でも俺の方がもっと速いけど!!》

 

 

文「あ!ちょっと!!」

 

 

こうして二人は全力で大空を飛び回った。

 

 

 

 

 

 

文「…ぜぇ……ぜぇ……あなた…ぜぇ…一体………何者…ぜぇ……?」

 

 

 

もう飛べなくなって、地面で息切れしながら尋ねた文。

 

 

???《……ふふ……俺はホルス。エジットの鳥の創界神だ。お嬢さん、使うかい?》

 

 

 

ホルスはそう言って指をならすと、タオルが現れ、それを投げ渡してくる。文は一応、受け取って汗を拭いた。

 

 

文「…創界神………ええ!あの!?………これは大変失礼しました………この射命丸 文、そんなお方と飛び回ったとは………しかもタオルまで………」

 

 

ホルス《ああんも!やめろやめろ!俺はそんなことはされたくないんだ。それに………ハードボイルドな男は女に親切にするものさ。それより………この世界の創界神の居場所を知らないか?会いたいんだか……》

 

 

 

その言葉に文はおずおずと答えた。

 

 

 

文「………弾さんですか?それなら………確か、今日は永遠亭に泊まると言っていました………案内しましょうか?」

 

 

 

ホルス《マジ!?サンキュー!》

 

 

そう言って喜ぶホルスに文は「ハードボイルドってこんなんだっけ?」と思ったが心にしまっておいた。するとそこに……

 

 

フード[ギギギギギギ!]

 

 

 

案の定、黒いフードが現れた。

 

 

 

ホルス《ん!!?何だこいつ!変だぞ!意思を感じない!》

 

 

文「あややや、これは一体……新しい異変でしょうか………」

 

 

ホルス《よっしゃ!おい、文!こいつ倒して、記事にするってのはどうだ!?お前、新聞記者なんだろ?》

 

 

そう言うホルスに少し考えた後、文は答えた。

 

 

文「……そうですね………これはいい記事が書けそうです。お力、お借りしてもよろしいですか?」

 

 

ホルス《ああ……ハードボイルドにいくぜ………》

 

 

 

そう言うと、ホルスは文の中に入る。すると、文の目が緑に染まった。

 

 

 

文「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里 団子屋

 

 

 

 

一方、四人は小腹が空いたので、団子を食べていた。

 

 

 

アポローン《……は!?そんなにこの世界に創界神達が集まっているのか!?》

 

 

ヘルメス《ああ、ゼウスはもし万が一、変にヤバいことを企むヤツが現れるかもしれないと思ったそうだが………

 

…今のエジットもアマハラもインディーダも戦争する気はないし、まぁ保険でいってこいってクラスだからそんな真面目に受け取らなくてもいいよ。》

 

 

 

アルテミス《そんなにいるのね………まさか、オリン十二神の内、私達を入れて七神が来てるなんて………》

 

 

依姫「あの……ヘルメスさま、ヘルメスさまはこの後どうするおつもりで?」

 

 

依姫はおずおずと尋ねた。するとヘルメスは陽気に答えた。

 

 

ヘルメス《そ~だね~もう仕事は終わったし、君についていこうかな。君はこの世界の創界神を探してるんだろ?俺もそうなんだ。ならその間に君を見ている方が面白い。》

 

 

依姫「ありがとうございます!」

 

 

ヘルメスにお礼を言った依姫。するとそこに………

 

 

???「……やっぱり、依姫さまですか!?」

 

 

依姫はその声に振り返るとそこには団子屋の主人をやっているウサギがいた。

 

 

依姫「鈴瑚じゃない!この店、あなたのだったの!?凄い偶然ね!」

 

 

 

鈴瑚と呼ばれたウサギに驚く依姫。彼女に神々の事を説明するとやはり気絶しかけた。そして、バトル相手を探してると聞くと鈴瑚は得意そうに言った。

 

 

 

鈴瑚「なら私が相手になりましょう!ですが手加減はいたしませんよ?」

 

 

依姫「いいわ!これも修行みたいなものだもの!ヘルメスさま!」

 

 

 

ヘルメス《へぇ!面白そ!》

 

 

 

ヘルメスが依姫の体に入り、目が緑になる。

 

 

 

 

依姫 鈴瑚「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 文は天空勇士セメンバードを召喚。

 

 

 

第2ターン フードは獄土騎士団を召喚してターンエンド。

 

 

第3ターン 文はゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラを召喚して四枚オープン。その中の創界神ホルスと天空勇士ジェト・イーグルを手札に加えた。

 

 

 

文「行きます!大空の支配者!創界神ホルス!効果で三枚破棄して対象のカードが三枚あったので三コア置きます!アタックステップ!セメンバードでアタック!」

 

 

ホルス《さぁ~て、いくか!》

 

 

 

文の後ろにホルスが現れ、セメンバードが飛び出した。

 

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

 

セメンバードがライフを破壊した。

 

 

 

文「ターンエンドです。」

 

 

フード[メインステップ。獄土の騎士レフティスを召喚。ワンドロー。バーストをセット。ターンエンド。]

 

文「あややや、メインステップ。天空勇士ジェト・イーグルを召喚してコアブースト!そのままアタック!!効果でアンブロッカブルです!」

 

 

ホルス《ジェト・イーグル!天空勇士の力を見せてこい!》

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

現れたジェト・イーグルが翼でライフを砕いた。

 

 

文「ターンエンドです!」

 

フード[メインステップ。獄土の大騎士オルダグラナトスを召喚。ターンエンド。]

 

 

ホルス《バーストカードをそのまま召喚した……てことは、文!》

 

 

文「はい!このターンで決めます!!天に羽ばたけ!金色の鳳凰!召喚!天空鳳凰ホル=アクティ!!

 

 

ホルス《いい風だ!このままいくぜ!!》

 

 

ホルスが翼で竜巻を起こすと、その中に金色の鳳凰が現れた。

 

 

 

文「おおお………アタックステップ!ホルアクティでアタックです!効果で三枚オープン!その中の天空の双璧イネブヴァルチャーを召喚!効果でグラナトスと獄土騎士団を重疲労!さらにホルアクティの効果でライフを削ります!」

 

 

ホルス《んでもって、俺のコアをホルアクティにおいて回復!ジェト・イーグルの効果でアンブロッカブルのおまけつきだ!》

 

 

ホルアクティの竜巻からまた金色の鳥が現れ、フードのスピリット達が風に怯んで動けなくなる。

 

 

フード[ライフで受ける。]

 

 

ホルアクティが尾羽でライフを砕く。

 

 

文「さあ!止め!ホルアクティ!!」

 

 

ホルス《マキシマムパワーだ!!》

 

 

ホルアクティが風を纏い突撃した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「どうしますか?」

 

 

 

ホルス《当たり前だ!ヤツの親玉を見つけ出す!この平和でのどかな世界を泣かすヤツは許さねえ!文!お前は記事を書きに戻れ!後は俺に任せろ!》

 

 

バトルの後、そう啖呵を切ったホルスに文は返事した。

 

 

文「………ここは私達の世界です。私も守りたいんです。新聞なんて後でいくらでも書けます!」

 

ホルス《!………わかった!……ゴソゴソ……ピポパポ…》

 

 

すると、ホルスはどこかに電話をかけた。

 

 

???《もしもし?ホルス?どうした?》

 

ホルス《よう、相棒。ちょいと調べ物だ。キーワードは「獄土」「幻想郷」「黒いフード」だ。頼めるか?トト?》

 

 

トト《全く……また厄介事に首を突っ込んだんだね?………わかったよ、調べとくよ……ハーフボイルドさん。》

 

 

ホルス《ハーフじゃねえ!ハードだ!ともかくサンキュー!!………ガチャ……よし、まずこの世界の創界神の所に案内してくれ!》

 

 

文「わかりました!ハーフボイルドさま!」

 

 

ホルス《だから違ぇって!ハードボイルドだ!!!》

 

 

 

こうして二人は永遠亭を目指して飛びたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


………鈴瑚が登場しました……いや、それより……「風」「守りたい世界」「相棒」………ホルスが左君にしか見えなくなりました。


ホルス

エジット所属の爪鳥の創界神。飛ぶのが好きで、エジットの世界を「自分の庭」と呼ぶ。庭と呼ぶだけあって、よくお忍びで世界に降りてくる。トトは相棒のような絆で結ばれている。ハードボイルドを心情としているが、頭より体が動くので、よくハーフボイルドと言われる。


次回予告 破壊と破壊! 全てを振り切る剣獣!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

破壊と破壊!全てを振り切る剣獣!!

……もう……創界神達のキャラが………


あと、創界神達は普段はラフな格好をして、バトルの時にカードの服装になります。



あらすじ ホルスと一緒にフードを倒した文。二人はこの事を報告するために弾の元へ向かう。依姫はヘルメスの伝言を聞いたあと、団子屋で鈴瑚と再会し………


 

 

 

依姫「………いざ………」

 

 

鈴瑚「…あれ?依姫さま、性格が変わった?」

 

 

アルテミス《なんか………渋くなった……》

 

第1ターン 鈴瑚は機巧武者サイウンを召喚。

 

 

第2ターン 依姫はヘルメスの竜巻神殿を配置して七大英雄獣ヘクトルのアクセルを発揮してコアブーストした。

 

 

第3ターン 鈴瑚はディフェンザードを召喚してサイウンをレベル2に上げてターンエンド。そして第4ターン。

 

 

依姫「……きませい……創界神ヘルメス……トラッシュに対象が二枚………二つ追加……トロイオンの勇士ピロクテテス……トロイオンの勇士メネラオス……召喚………」

 

 

ヘルメス《呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!》

 

 

依姫の後ろにヘルメスが現れ、さらにフィールドに二体の剣獣が召喚された。

 

 

依姫「……ターンエンド………」

 

鈴瑚「サイウンの効果でコアを増やします!メインステップ。そびえよ!鉄壁の要塞!大機巧武者コンゴウ!アタックステップ!コンゴウでアタック!効果でソウルコアのないメネラオスを手札に!」

 

 

鈴瑚のフィールドに巨大な城のようなスピリットが現れて、衝撃波を放ったが、メネラオスには効かなかった。

 

 

依姫「……メネラオスは自身の効果で手札に戻らず……ライフで受ける………」

 

 

コンゴウが依姫のライフを砕いた。

 

 

鈴瑚「ん~惜しいな~ターンエンド。」

 

 

ヘルメス《……どうする?》

 

依姫「……私のバトルをするまで………メインステップ………!………駆け抜ける風……全てを振り切る獣………七大英雄獣オデュッセイバー………きませい………!」

 

ヘルメス《質問は受け付けないぜ?》

 

 

ヘルメスが笛を拭くと、一匹の豹のようなスピリットがフィールドを縦横無尽に駆け巡った後、依姫の前に降り立った。

 

依姫「……さらに、刃狼鎧ベリオ・ウルフをオデュッセイバーに直接合体………そして………アタック………!………効果でディフェンザードを手元に………」

 

 

緑の狼がオデュッセイバーに合体してさらに猛々しくなる。そして、鈴瑚めがけて飛び出して吠えると、ディフェンザードが手元に戻った。

 

 

鈴瑚「まずい……サイウンでブロック!」

 

 

サイウンが剣で斬りかかるが難なくオデュッセイバーは前足の爪で引き裂いた。すると、鈴瑚のライフが二つ消し飛び、オデュッセイバーがまた立ち上がった。

 

 

依姫「……ベリオ・ウルフの効果……スピリットを破壊した際……ライフを二つ削る……さらにヘルメスの神域……剣獣をBPプラス10000してターンに一度回復………エピクロスでアタック……」

 

鈴瑚「うげげ!ライフ!」

 

 

エピクロスが矢でライフを撃ち抜いた。

 

依姫「……オデュッセイバー………覚悟………!」

 

 

鈴瑚「あーあ、まけちゃった。ライフで!」

 

オデュッセイバーの爪が切り裂いた!

 

 

 

 

 

鈴瑚「依姫さま、いつの間にそんな強くなられたんですか?」

 

 

アポローン《成長目覚ましいな。》

 

 

アルテミス《これは期待がもてるわ~》

 

 

ヘルメス《これで後、一人か………もうすぐ日も暮れるし、今日はこの辺にするか?別に一日って制限はないんだろ?》

 

 

依姫「そうですね。今日はこれで終わりにして、永遠亭に帰りますか。鈴瑚、お団子ありがとう。」

 

 

そう礼を言って鈴瑚と別れた四人は永遠亭への道を歩いていた。

 

 

アポローン《それにしても……あのフードの親玉の目的は何なんだ?》

 

 

アルテミス《あー、それは私も気になってた。カードもよく見たことのない奴らだったし。》

 

 

ヘルメス《ん~僕達に何かさせたいのかな………わからん!》

 

 

 

創界神が三人集まっても答えは出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前 ホルスが文と会った頃……紅魔館近くの森

 

 

 

 

 

 

???「ぎゅっとして…………パチン!」

 

 

 

ドッカーン!!!!!

 

 

急に大岩が爆発した。

 

 

 

???「……また、ダメか……力の制御って難しいなぁ………」

 

 

そう言って、ぼやいているのは紅魔館の主の妹、フランドール・スカーレットである。彼女は能力のトレーニングをやっているが、はかどってはないようである。

 

 

フラン「…どうしていつも爆発規模になっちゃうんだろ?もっとパワーを《そりゃ、力みすぎなんだよ》……え!?」

 

 

突然の声に振り返ると、そこには紫の髪をした青年が立っていた。

 

 

???《…全く……お前は破壊の目を強く握り過ぎなんだよ。こうやって………よっと!》

 

 

 

ぱちーン

 

 

隣の大岩が少し欠けた。

 

 

 

フラン「わぁ!凄い!!あなたも破壊する能力を持ってるの?」

 

???《まあな、俺は破壊の創界神のシヴァって言うんだ。物を壊すしかできない通りすがりもんだよ。お前は?》

 

 

フラン「あたし、フラン!フランドール・スカーレット!あなたも創界神なの?」

 

 

そう臆さず話しかけてくるフランにシヴァは不思議に思った。

 

 

 

シヴァ《何だ、創界神だと知ったのにビビらないのか?》

 

 

 

フラン「だって弾にいさまと同じでしょ!ならいい神様だよ!」

 

 

その笑顔にシヴァは微笑ましくなった。

 

 

 

シヴァ《そうだ、フラン。お前、この世界の創界神のこと何か知って………危ねぇ!!!》

 

 

フラン「きゃあ!!!」

 

 

 

突然、フランに何かが飛びかかった。シヴァはすぐに反応し、衝撃波を放ってそいつを吹き飛ばした。そいつはすぐに体勢を立て直して着地した。

 

 

 

 

 

フード[ギギギギギギ!]

 

 

ここにも現れた黒フード。

 

 

シヴァ《………全く………子供を襲うたあ………破壊される覚悟はできてんのか?》

 

 

フラン「…私やる!!もう、誰かに助けられるだけはイヤなの!」

 

 

フランの純粋な覚悟をした目付きにシヴァは頷いた。

 

 

シヴァ《……よし、なら俺も手伝わせてくれよ!お前と一緒に、この世界の平和を乱すヤツを破壊しようじゃねえか!俺の死竜の眷属も使え!》

 

 

 

すると、シヴァはフランの体の中に入る。そしてフランの瞳が紫に染まる。

 

 

 

フラン「…死竜か……咲夜みたいにできるかわからないけど………!!

 

 

 

ゲートオープン!解放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ時刻 グラン・ロロ 創界神の神殿 英雄の間

 

 

ここは創界神が住む神殿………ここに来れるのは並大抵の力を超越した者でないと来ることができない。グラン・ロロで来れるのはマザーコアの力を使える異界魔女か創界神に認められた者だけだろう………その一つ、英雄の間の創界神の所に先代の星の創界神が訪ねて来た。

 

 

リリア《…マナカー!ケイー!いる~?》

 

 

???《ん~?どうした~?》

 

 

???《おい、マナカ。私よりリリアの方がいいのか?》

 

そう言って出てきたのは、隻腕の美形の男と赤髪の綺麗な女性だった。どちらもリリアに負けない神力を纏っている。

 

 

リリア《久しぶりねえ、あ、お熱い最中、ごめんなさ~い》

 

 

ケイ《わかっているなら帰れ。マナカとの時間を邪魔するな。》

 

 

マナカ《全く………ケイ、それは失礼だよ。そんな人は好きじゃないよ?》

 

 

ケイ《…え……待って……私……あなたに……捨てられ……》

 

 

その言葉を聞いたケイは顔面蒼白になりしどろもどろになる。それを見てマナカは《うそだよ!ごめんね!君を捨てるなんて!そんな事あるわけないよ!》と取り繕っていた。それを見てリリアは四本ある腕を組んで呆れていた。

 

 

リリア《あー、そろそろ本題に入っていい?》

 

 

マナカ《ごめんごめん、で、どうしたの?》

 

 

リリア《うちの後輩、そろそろゆっくりできそうだからウルの創界神で飲み会でもどうかしら?それに、あなた達は特段、彼に会いたがってたじゃない?今、私も暇だから案内するわよ?》

 

 

その言葉を聞いた二人は喜んだ。

 

 

マナカ《本当!?悪いね、僕達はその世界……幻想郷って世界だっけ?詳しくないから心配だったんだ。》

 

 

ケイ《フム………中々腕のある男と聞いている。たとえ、周りから迫害されようとも、世界の平和のために戦う………アレックスや私達に通じるものがあるな。》

 

 

マナカ《そうだ!彼に会った後は幻想郷でデートしない?最近、一緒に外に行ってなかったし。》

 

 

ケイ《!!……ま、まぁ………お前が……行きたい……のなら………私は……どこでも…………》

 

 

リリア《………ま~た始まった……弾にまゐちゃんが告白した時にそれをフィールドで聞いてたサジットもこんな気持ちだったのかしら………》

 

 

後輩が彼女(と愛人)とイチャコラしてるのをリリアが普通に見れたのはこの二人に何十億年前の戦争の時からこの光景を見させられているからである。そしてリリアはいつもの光景と腹をくくった。

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


サジット《ああ。めっちゃ気まずかったし、決めにくかったよ。それに後でヴィエルジェやタウラスに死ぬほど弄られた。》

シヴァはフランと組ませました。お互い破壊の能力を持っているのでちょうどいいなと思いました。

そして、マナカとケイが登場しました。この二人は個人的に好きですのでウルの創界神として出ます。設定もちょっと多め。


シヴァ

インディーダ所属の死竜の創界神。破壊の神なので、少しやさぐれている。でもいいやつで子供を傷つけるやつや命を身勝手に奪うやつは破壊対象。自ら「破壊者」と名乗ってるが、基本破壊しているのは、「涙」「悲しみ」「戦争」などである。ちなみに趣味は踊ること。


マナカ

ウル所属の創界神。昔「神殺しの英雄」と呼ばれ、不完全だったが虚神を一人で倒したやべぇ人。今は妻のケイと共にグラン・ロロを見守っている。恩師のロードとはよく飲む。基本は呑気で穏やかだが、生まれが貧乏だったので時たま、凄い発言をする。ちなみにウルの創界神ではロロの次に年上。隻腕だが生やそうと思えば生やせるそうな。


ケイ

ウル所属の創界神。六楯皇帝だった女性で名剣士でもある。性格はぶっきらぼうだが、高貴な生まれ故に政略に揉まれたからである。しかし、マナカとの出会いによって徐々に心を開き始めた。マナカが死んだという誤報がとんだ時は発狂して、世界を平定しようとした(覇王編の背景ストーリー)それからはマナカにゾッコンでアレックスやアンタークに女子力を学んでいる。


次回予告 裏切りと絶望


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

裏切りと絶望

不穏なタイトルですが……フランのバトル回です。

ジオウの最強フォーム見ました………ありゃチートだ……時戻すわ、ライダー呼ぶわ、ジーニアス&スイカ&ゴウラムペガサス&ガタキリバ………


あらすじ 鈴瑚とのバトルに勝った依姫。その少し前、フランは特訓中にシヴァと出会い、フードとバトルすることになる。


第1ターン フランはシヴァの破壊神殿を配置。

 

第2ターン フードは獄海勇士スキッドメンを召喚してバーストセット。これでターンエンド。

 

第3ターンフランはシヴァの破壊神殿の効果でカードを裏向きでフィールドに置いてドローを増やした。

 

フラン「いっくよ~!配置!破壊の創界神シヴァ!効果で三枚トラッシュに置いて二つコアを置くよ!さらにムトゥードラゴンを召喚!さらに二枚ドロー!これでターンエンド。」

 

シヴァ《まずは小手調べ………》

 

フランの後ろにシヴァが現れ、フィールドには悪魔の翼をもつドラゴンが出てきた。

 

 

フード[メインステップ。チョウチンリザードを召喚。ドローして破棄。アシカモシカを召喚。コアブースト。アタックステップ。スキッドメンでアタック。]

 

フラン「ライフで受けるよ!」

 

スキッドメンが銛でライフを砕いた。

 

フード[ターンエンド。]

 

フラン「イテテ、破壊神殿の効果でドロー!メインステップ。ムリダンガムドラゴンを召喚!効果でデッキから二枚裏向きでフィールドに置いてチョウチンリザードのコアをはずすよ!」

 

フランのフィールドに紫に金色の装飾を着けたドラゴンが現れてチョウチンリザードのコアを除去した。

 

フラン「アタックステップ!ムリダンガムドラゴンでアタック!効果で手札を二枚、フィールドに置いて三枚ドロー!」

 

シヴァ《踊ってこい!ムリダンガムドラゴン!!》

 

フード[ライフで受ける。]

 

ムリガンダムドラゴンが大きな爪でライフを切り裂いた。

 

フラン「ターンエンドだよ!」

 

フード[メインステップ。マジック、ストロングドローを使用。三枚ドローして二枚破棄。獄海提督スキッドメン・アドミラルを召喚。Uトリガー、ロックオン。]

 

フィールドに青と金のイカの頭をしたアルティメットが現れた。

 

フラン「……ナヴァラサドラゴン。コストは4!」

 

フード[ヒット。ムトゥードラゴンを破壊。アタックステップ。スキッドメン・アドミラルでアタック。Uトリガー、ロックオン。]

 

フラン「ムトゥードラゴンの効果は使わないよ!………コスト6!韋駄天龍スカンダーグ!ガード!アタックはライフで受ける!」

 

アドミラルの剣がフランのライフを砕いた。

 

フード[ターンエンド。]

 

フラン「ドローステップ!………ようし、反撃だよ!メインステップはそのままで、アタックステップ!ムリダンガムドラゴンでアタック!手札を置いてドロー!そしてコストを6として扱う!

 

フラッシュタイミング!シヴァのコアをスピリットに置いて神煌臨!全てを壊す世界の破壊龍!破壊神龍ヴァルドラム!

 

シヴァ《あの気に入らねえヤツを潰しやがれ!》

 

ムリダンガムドラゴンがシヴァから出た紫のオーラに包まれて、一体の大きなドラゴンに変わる。

 

フラン「煌臨時効果でスピリット、アルティメット、ネクサス全部破壊!でも裏向きのカードが四枚以上なら私のは破壊されない!ぎゅっとして………どっか~ん!!」

 

ヴァルドラムが咆哮するとフードのフィールドがまっさらになった。

 

フラン「さらにヴァルドラムの効果!手元のカード四枚を破棄してライフも壊す!これで最後!シヴァの転神発揮!これでシヴァはスピリットとしても扱えるようになる!」

 

シヴァ《お!俺をフィニッシャーにしてくれるのか?それは良かった………あいつ、一発ぶん殴りたかったんだよ!!》

 

ヴァルドラムがビームでライフを砕いた後、シヴァがノリノリでフィールドに降りて構えた。

 

フード[ライフで受ける。]

 

ヴァルドラムがライフを一気に二つ爪で叩き割った。

 

フラン「シヴァ!!」

 

シヴァ《この………野郎がぁぁ!!!!》

 

シヴァの右ストレートが最後のライフを撃ち抜いた!

 

 

 

シヴァ《さて………どうする?》

 

フラン「弾にいさまに伝えに行く!」

 

シヴァ《伝えに行くって今、あいつの居場所知ってんのってあれは!》

 

ふと上を見たシヴァが見たのは、太古の昔、共に戦った戦友だった。

 

シヴァ《おーい!!!!ホルス!!!俺だ!!シヴァだ!!!!》

 

ホルス《ん!?おい、シヴァじゃねえか!!お前も来てたのか!?》

 

文「あややや、ホルスさま、お知り合いですか?」

 

ホルスがシヴァを文に紹介してフランにもホルスのことを説明した。フランが黒フードとバトルしたことを話すと……

 

 

ホルス《何だ、お前たちもか!俺達もなんだよ。黒フード!》

 

文「そうなると……創界神さま達を狙っているのでしょうか?」

 

シヴァ《……いやぁ、俺達はそんな簡単にはやられないし………》

 

フラン「それより、早く弾にいさまに伝えにいこ!!」

 

ホルス《ああ、そうだな。ついてこい!》

 

シヴァ《少しはスピード抑えてくれよ。ハーフボイルド》

 

ホルス《だからもう………!!》

 

その言葉と共に四人は飛び上がった。

 

 

 

 

 

 

時は戻り………依姫は永遠亭の近くまで戻って来た。すると見慣れた後ろ姿をした女性が立っていた。

 

 

依姫「え!?御姉様!?どうしてここに?」

 

アルテミス《…ああ、そう言えば兄貴に聞いたことあるわね……》

 

ヘルメス《おおお、なんと綺麗な……メアド聞いちゃまずいかな?》

 

アポローン《………待て、何か様子がおかしい。数日前の豊姫とは別人のようだ………》

 

そう言うアポローンに依姫は豊姫に尋ねた。

 

依姫「御姉様、どうされましたか?来るなら言って欲しかったです。御姉様?」

 

何も話してこない豊姫に訝しげにそう話しかけた依姫に豊姫は驚きの言葉を放った。

 

 

 

 

 

豊姫「依姫………あなたはここで死んでもらうわ。」

 

 

そう言って、紫の弾丸をぶつけようとしてきたのだ!

 

依姫「え」

 

ヘルメス《ちぃ!》

 

間一髪、ヘルメスが動いて弾丸を風で打ち消した。

 

アポローン《おい、豊姫!どういうつもりだ!?》

 

豊姫「創界神さま達はお下がりください。これは月の都の決定です。」

 

依姫「!!!!!?」

 

依姫は驚愕した。自分が愛して、守って来た月の都に裏切られた………それをよりによって実の姉から伝えられて殺されかけている…………そのショックは依姫の心を折るには十分だった。

 

アルテミス《依姫!!気をしっかり!!》

 

ヘルメス《ここは退くぞ!!捕まれ!!》

 

アポローン《ああ!ふん!》

 

アポローンが炎の矢で牽制した後、ヘルメスが四人を連れ去った。アルテミスは追ってこられないように結界を張ったようだ。

 

豊姫「………逃がしたか………まぁ、いいでしょう…………」

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


月の都の裏切りと失意のよっちゃん。ここから物語は動いていきます。次の新第二章 失意と復活 覚醒編でまた会いましょう。



次回予告 集まる創界神!弾降臨!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新第二章~失意と復活 覚醒編~
創界神集結!弾降臨!!


弾さん回です!この章は弾さんのバトルが多めになります。でもよっちゃんもちゃんと見せ場があるのでお楽しみに!


後、弾は紫のことを二人っきりで私用の時はまゐと呼びます。


あらすじ 姉の豊姫から裏切り者だと言われた依姫は心が折れる。一方、黒フードとバトルしたメンバーは永遠亭に集まり………


………何でだろう………

 

 

………私は好きだった………あの世界が………

 

 

…………でも…………裏切られた…………

 

 

…………もう………何のために頑張ればいいか………わからない………

 

 

 

 

 

その夜 永遠亭

 

 

そこにはそうそう足る面子が揃っていた。オリンの創界神アポローン、アルテミス(ヘルメスは報告に戻った)。エジットの創界神のホルス、イシス。インディーダの創界神のシヴァ。そして、ウルの創界神のヘカーティア(今はこっち)、マナカ、ケイだ。同じ部屋には幽香、文、フランと永琳もいる。だが、その顔は全員うかない。

 

 

永琳「……豊姫が……月の都がねぇ……」

アルテミス《どうにか、アマハラの月の都に連絡とれない?》

 

ヘカーティア《それができたら苦労しないわよん。一番できそうなあなたが無理なら無理よ。》

 

 

シヴァ《……にしても、月の都の裏切りと黒フード……関係ありそうじゃねえか?》

 

幽香「確かに………少なくとも、その永琳の弟子は月の都に背く真似をした覚えはないんでしょ?」

 

アポローン《ああ、よく俺を降ろす練習をしていたからな。もしやっていたらきづいているさ。》

 

マナカ《……誰かの策略かな………月の都でその依姫って子を恨んでいるやつとか?》

 

ホルス《それは今、トトに調べてもらってる。早く結果が来てほしいが………》

 

 

そう話していると、廊下を歩く音が響いてきた。

 

 

フラン「………!弾にいさまが来た!」

イシス《……来るのね………弱冠十数歳で創界神になった男、そしてラーさまを打ち負かしたカードバトラー………》

ケイ《………ふふふふ、楽しみだ……一体どのような男なのか………ああ……戦士の血が滾る………》

 

 

創界神達はとうとう幻想郷をこんなに平和に統治している創界神、馬神 弾に会えると気を引き締めた。そして……扉が開くと……………

 

 

 

 

 

 

 

紫「…………フン………!!」

 

弾「悪かったよ、まゐ。お前の所じゃなくてここに泊まるなんて言って。だからシカトするのはもう勘弁してくれ………それに………かなりのメンバーが集まってるんだし………」

 

 

そう言って謝る弾とそれを無視する紫。なぜ紫は怒っているのか?それは、勿論弾が永遠亭に泊まると言ったことだ。そのことをどこからか聞きつけた紫は弾を問い詰めた。

 

すると弾はただ「相棒の家に泊まる」の意味で言ったのだが、紫にとっては「お前より永琳の方がいいから愛人宅に泊まる」に聞こえてしまったのだ。その後はもう……

 

……語らない方が良いだろう………その姿に幽香達は呆れ、創界神達は呆然となった。

 

 

 

永琳「あら!負け犬が唸ってるわ!」

 

 

紫「……誰に対して言っているのかしら……?」

 

 

永琳「あなたに決まってるじゃない!大変ね~愛しの彼は正妻の所で休みたいんですって!」

 

紫「……死ね!!!」

 

永琳「やれるもんならね!!!」

 

 

…………戦争勃発……永琳が勝ち誇った表情と口調で紫を挑発しまくったため、平和な幻想郷で起こる唯一の戦争が勃発した。二人は物凄いオーラを纏って窓から空に飛び上がり、弾幕を連射し始めた。

 

 

弾「…はぁ………」

その表情に創界神達は同情した。

 

 

 

 

弾「なるほど……黒フードに……永琳の弟子の異変………すまない、オレもわからない。」

 

 

あの後、ヘカーティアが紫と永琳をぶん殴って止めて、創界神達とお互い自己紹介をした後、弾は報告を聞いた。

 

 

紫「……で、彼女の容態は?」

 

 

永琳「気絶してるけど、肉体的には問題ないわ………精神は不味いかもしれないけど………」

 

 

弾「……そうか………」

 

 

全員顔がより一層、暗くなる。

 

 

ホルス《だぁー!もー!!これ以上考えても仕方ねぇ!》

 

 

アルテミス《確かに、続けても何か変わるとは考えにくいし。》

 

 

永琳「……そうね、今日は全員泊まっていったらどう?ベッドは余ってるから。」

 

マナカ《わぁ、ありがとう!》

 

 

イシス《ならありがたくもらおうかしら》

 

 

シヴァ《………なぁ、文……フランを家まで送ってくんねぇか?》

 

 

フラン「えー!私も泊まりたい~!!」

 

 

文「ハイハイ、それはレミリアさんから許可がでてからですよ。」

 

 

アポローン《ん?ケイ、どうした?》

 

 

 

アポローンはケイがなにやらニヤニヤしているのに気がついた。するとケイは弾に話し掛けた。

 

 

 

ケイ《…なぁ弾。もし良ければだが……》

 

 

 

弾「いや、もうわかる………バトルしたいんだろ?」

 

 

 

ケイ《…ああ……受けてくれるか……?》

 

 

 

弾はその言葉に頷いた。他の創界神達も弾の実力(紫と永琳は弾のカッコいい所)が見たいのか、誰も止めなかった。

 

 

 

 

弾《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は光星姫ヴァージニアを召喚してオープンされた創界神ダンと聖星使ジェミニックを手札に加えた。

 

 

 

第2ターンには………

 

 

 

ケイ《さて、私をフィールドに。効果で三枚トラッシュへ。対象は二枚なので二つ置いて配置。そしてバーストセットだ。これでターンエンド。》

 

 

するとケイの体から神力が沸きだした。

 

 

弾「メインステップ。こっちもオレを配置。三枚トラッシュに置いて、二つ置いた後、光導カードを回収する。さらに魔星人シュタイン・ゴイルを召喚。星読によりデッキを一枚オープンして氷星獣レオザードなので手札へ。」

 

トラッシュからセフィロ・シープとスコーピオンパイルが手札に戻る。そして、シュタイン・ゴイルが召喚された。

 

 

 

ケイ《バースト貰うぞ、鉄の覇王サイゴード・ゴレムの効果で相手のデッキを五枚破棄して、コスト4のドラグ・タウラスが破棄されたのでそのまま召喚。》

 

 

弾「やるな、ターンエンド。」

 

 

ケイ《メインステップ。英雄王の神剣を配置してバーストセット。効果でワンドロー。アタックステップ。

 

サイゴード・ゴレムでアタックだ。大粉砕の効果で五枚破棄してバーストカードがあったのでシュタイン・ゴイルを破壊。》

 

サイゴード・ゴレムのロケットパンチがシュタイン・ゴイルを吹き飛ばした。

ケイ《フラッシュで私の神技を使う。コアをボイドに置いて、私のバーストを直ちに発動する!来い!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードのバースト効果!

 

ヴァージニアを破壊して効果を発動させない!この効果の後、レベル2で召喚!そしてバーストセット。》

 

 

炎がヴァージニアをやきつくした後、剣を持ったドラゴンが現れて吠えた。

 

 

弾「……ははは!凄いな!サイゴードのアタックはライフで受ける!」

 

 

サイゴード・ゴレムのパンチがライフを砕いた。

 

 

 

ケイ《……ふ、お前は昔からの仲だな。ヤマトでアタック!》

 

 

 

弾「これもライフだ!」

 

 

ヤマトは剣で弾のライフを削った。

 

 

ケイ《ターンエンドだ。》

 

 

 

アルテミス《ちょっと、大丈夫なの?》

 

 

シヴァ《見たところは、ケイが押してる気がするが……》

 

 

幽香「違うわよ。あいつは打たせてコアを貯める。そして強烈なカウンターを叩き込むのよ。」

 

 

紫「………そのカウンターが来るわよ。」

 

 

 

弾「ドローステップ………メインステップ!聖星使ジェミニックと樹星獣セフィロ・シープ、氷星獣レオザードをレベル2で召喚!アタックステップ!レオザードでアタック!!星読でオープン!水瓶龍アクエリジャードラゴンなので手札へ!そしてレオザードは回復!!」

 

ケイ《アタックによってバースト発動!刀の覇王ムサシード・アシュライガーを召喚して効果でBPプラス10000し、ブロックだ!》

 

 

現れたムサシード・アシュライガーがレオザードの行く手を遮る。

 

弾「フラッシュタイミング!手札から炎星龍サジタリアス・ドラゴンを煌臨!煌臨時効果でトラッシュのコアを全てサジタリアス・ドラゴンに!レベル3にアップ!!」

 

レオザードが炎に包まれて、赤い弓を持ったドラゴンになる。しかし、ムサシード・アシュライガーはそれをものともせず、斬ろうとする。

 

 

ケイ《BPはこちらがまだ上だ!!》

 

 

 

弾「これで終わりだと思うな!!フラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!炎星龍サジタリアス・ドラゴンに煌臨!!」

 

 

 

弾の後ろから光に包まれたドラゴンがサジタリアス・ドラゴンに重なる。するとそこには、大きな弓を持った巨大な四本の足とさらに二つの腕を持ったドラゴンが現れた!

 

 

ヘカーティア「来たわね……弾の化神………」

 

 

イシス《まあ、猛々しくも綺麗な龍ね。》

 

 

マナカ《うーん……………これは決まっちゃったかな?》

 

 

 

弾「煌臨時効果!!BP20000以下のジーク・ヤマト・フリードを破壊!!BPもこちらが上まわった!」

 

 

ケイ《な!!!?》

 

サジットヴルム・ノヴァがヤマトを射ぬくと、ムサシード・アシュライガーも剣にした弓で真っ二つにした!

 

 

弾「もう一度、サジットヴルム・ノヴァでアタック!効果でサイゴード・ゴレムを破壊!さらに界放の効果!オレのコアを三つ置いて、ライフを三つ砕く!!」

 

 

サジットヴルム・ノヴァが弾からエネルギーを貰い、ケイのライフを砕いた。

 

 

ケイ《……まさか、一撃で決められるとは…ふふ……ライフだ!》

 

 

サジットヴルム・ノヴァが炎の矢を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイ《流石だ。あの二人を倒したのは真実のようだな。》

 

弾「……まぁ………あれは……運が良かったこともあるし………」

 

バトルの後、ケイをはじめとした創界神達に称賛されて、色々質問された弾だったが夜も遅かったので、皆寝ることにした。

 

 

依姫が目覚めるまで後、一晩…………

 

 




はい。ありがとうございました。


弾さんとんでもない嫁と愛人(どっちがどっちとは言えない)持って大変そう………たぶん、オリンの創界神達は浮気がばれた父親を重ねているでしょう(笑)



次回予告 星の導き


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星の導き



早く12宮10thXの詳細を知りたい。サジットとレオが特に気になるけど……四章での登場だろうな………



あらすじ 弾に状況を報告した創界神達。その後、弾はケイとバトルして勝利する。


 

 

 

翌朝 永遠亭 病室

 

 

依姫「……ボー…………」

 

鈴仙「…依姫さま………」

アルテミス《……燃え尽きてる………》

 

ようやく起きた依姫だったが、ショックが大きかったのか、失意呆然となっていた。鈴仙とアルテミスが付き添っているとそこに…………

 

弾「ちょっといいか?」

 

 

鈴仙「弾さん、どうされましたか?」

 

 

弾「……ちょっと、彼女と話したくてね。」

 

 

そう言うと、弾は依姫のベッドの近くの椅子に座った。

 

 

弾「…はじめまして、オレが幻想郷の創界神の馬神 弾だ。永琳から話は聞いているよ。」

 

 

依姫「……ほっといてください………」

 

 

依姫は虚ろな目で返事した。しかし、弾は話しかけ続けた。

 

 

 

弾「……オレに弟子入りしたかったんじゃないのか?」

 

 

 

依姫「…私には……もう何もないんです………」

 

 

弾「……そうか……ならバトルしないか?息抜きに。」

 

 

アルテミス《……!……それはいいわね!なら私が入るわ!》

 

 

弾の言葉にアルテミスは賛成して依姫の体に入った。依姫は目は虚ろのままだったが、弾の申し出を断るのは失礼と感じたのか、おずおずと構えた。

 

 

 

 

弾「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は自分を配置して三枚トラッシュへ。コアを二個置いて、トラッシュの中のキャンサーシェルと雷星獣ドラグ・タウラスを回収した。

 

 

 

第2ターン 依姫は創界神アルテミスを配置してコアを二つ置いた。さらにアルテミスの大樹神殿を配置した。そしてバーストをセットしてターンエンド。

 

 

 

第3ターン 弾は水瓶龍アクエリジャードラゴンを召喚してアタック。星読でライジングキャンサーを手札に加え、さらにワンドローした。依姫はこれをライフで受けた。

 

 

第4ターン 依姫はスプレッド・トータスと白亜元帥レイ・ザウラーを召喚。レイ・ザウラーが攻撃して弾のライフを砕いた。そしてバトルは第5ターンである。すると、弾が話しかけた。

 

 

弾「……話してくれないか?…君は……どうして………そんなに迷っている?」

 

 

依姫「……わかりません……私はあの月の都が……故郷が……大好きでした……守りたいと思いました……だから今まで戦ってこれました………でもそれがない今は………何のために戦うのか………わからないんです………」

 

 

アルテミス《………》

 

その言葉に弾は優しく返事をした。

 

 

 

弾「……そのまま、月の都のために戦えばいいんじゃないか?」

 

 

 

依姫「え」

 

 

弾の言葉に驚く依姫。後ろのアルテミスも面食らった顔をしている。

 

 

弾「それほど好きなら、たとえ嫌われてもいい面もあるんだろ?なら守ればいい。オレも昔はまわりに嫌われたけど……守りたいものもたくさんあった。だからオレは戦うんだ。」

 

 

 

依姫「……でも私はそんなに強くは……」

 

 

 

弾「なら、このバトルでオレから学べ!そして強くなれ!メインステップ!セフィロ・シープを召喚!星の力注ぐ対の魚!全てを喰らう呪われし船!双魚賊神ピスケガレオンX!!召喚!!」

 

 

弾のフィールドの魚座からピスケガレオンが現れる。

 

 

 

ピスケガレオン《ご主人!出番だね!よーし、頑張るぞ!》

 

 

 

弾「頼りにしてるぜ。召喚時効果!相手のスピリットからコアを外して消滅したスピリット一体につき、創界神のコアを三個ボイドに!!」

 

 

ピスケガレオン《えーい!!!》

 

 

ピスケガレオンの光線がレイ・ザウラーは自分の効果で防いだがスピリット・トータスは消滅してその粒子がアルテミスの力を奪った。

 

 

アルテミス《…ッッ、まさか私を狙ってくるなんて……》

 

 

弾「アタックステップ!ピスケガレオンでアタック!」

 

 

依姫「ライフで受けます。そしてバーストを発動させます。巨砲母艦マザー・パイア!効果で三枚オープンして一コスト召喚!月下に嘶け!白き獣よ!月天神獣ファナテック・エルク!!召喚時効果でスピリットを三体、デッキボトムへ!!」

 

 

ピスケガレオン《ええー!!!もう終わり!?》

 

 

アルテミス《さぁて!反撃開始よ!!!》

 

 

ピスケガレオンがライフを噛み砕くと巨大な猪が登場し、アルテミスも矢を月に放ってファナテック・エルクを呼び出した。そしてファナテック・エルクの光が弾のスピリットが全てデッキに戻してしまった。

 

 

 

弾「ふふふ、楽しくなってきた!ターンエンド。」

 

 

依姫《……アルテミスの神域を発動させれば……》

 

「強いですわ………でも負けません!メインステップ。スプレッド・トータスと神聖機獣ライトニング・ケリュネイアーをレベル2で召喚します。そしてレイ・ザウラーをレベル2に!

 

アタックステップ!アルテミスの神域を発動!レイ・ザウラーを指定します!これでダブルシンボル&アンブロッカブルです!レイ・ザウラーでアタック!!」

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

レイ・ザウラーが砲撃してライフを二つ吹き飛ばす。

 

 

依姫「レイ・ザウラーの効果でスプレッド・トータスを手札に戻して回復!!これでとどめです!!もう一度アタックです!」

 

アルテミス《決まったわ!!依姫が勝った!!!》

 

 

 

レイ・ザウラーが弾のライフを噛み砕こうとした。しかし…………

 

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!ライジングキャンサー!!ケリュネイアーとファナテック・エルクを重疲労させる!!さらにオレの神技によって、コアを四つ、ボイドに置いてレイ・ザウラーを破壊!!!」

 

 

依姫「え!!!!?」

 

 

緑の雷が依姫の二体の機獣に膝をつかせる。さらに弾の波動がレイ・ザウラーを破壊した。

 

 

アルテミス《……嘘でしょ……………うん!こんなこともあるある!次決めりゃいいわよ!》

 

 

依姫「…ええ…幸い向こうのフィールドは空ですし………ターンエンドですわ………」

 

そう言った依姫に弾は静かに口を開いた

 

 

弾「……二つ……教えよう……レッスンだ。メモは取るか?」

 

 

 

依姫「え!?よろしいのですか!?………はい、大丈夫です。」

 

 

 

依姫はそう言うと、弾は話し始めた。

 

 

 

 

弾「まず一つ。さっきのは仕方ないミスじゃない。アクエリジャードラゴンの効果でライジングキャンサーは見えていたはずだ。君はアルテミスの効果を発動させることに気をとられていて、それを忘れていた………フィールドをもっと広く見ろ!!少しの情報も勝機に繋げるんだ!

 

 

そして、もう一つ。バトルで一番重要なのはドローだ。でもどのカードを引けるかじゃない。来たカードに自分がどう答えるかだ。どう答えるかによって勝負は大きく変わる!!」

 

 

弾の言葉を二人は黙って聞いていた。

 

 

依姫「……ふふ、まだ私は遠いですね………」

 

 

 

アルテミス《……ちょっと……それ、私も言いたかった……》

 

 

弾「ドローステップ………カードよ!今度はオレの番だ!メインステップ!雷星獣ドラグ・タウラス!さらに全てを切り裂くその腕!天下無双の武士!レベル2で召喚!巨蟹武神キャンサードX!!そして十二星槍ゾディアックランサーをキャンサードに直接合体!!」

 

 

フィールドにドラグ・タウラスと空の蟹座から降りてきた緑の球を破ってキャンサードがフィールドに現れた。そして星空から槍が降りてきてキャンサードはそれを掴むと、体が金色に輝き始めた。

 

 

アルテミス《すんごいの来た………》

 

 

キャンサード《……主よ………拙者はいつでも………》

 

 

弾「ああ!行くぞ!アタックステップ!キャンサードでアタック!!効果で光導スピリットのアタックは二体でないとブロックできない!!」

 

 

依姫「…マザー・パイアだけでは無理ですわね………ライフで受けます。ここでアルテミスの神技を使います。コアを三個ボイドに置いて、このアタックではライフを削れません!」

 

アルテミス《えんがちょ!!!》

 

 

キャンサードの槍はアルテミスのバリアに防がれたが………

弾「ここでキャンサードXの星界放を使う!!オレのコアを二つキャンサードに置くことで回復する!もう一度アタックだ!!」

 

 

キャンサード《……いざ……再び………》

 

 

弾の光を浴びたキャンサードは立ち上がり、また駆け出した。

 

 

依姫「……ライフです!」

 

キャンサードがゾディアックランサーでライフを貫いた!

 

 

弾「キャンサードの効果でライフをトラッシュへ!!」

 

 

依姫「スプレッド・トータスの効果で効果によってライフが減るので、破棄してライフは減りません!」

 

 

キャンサードの追撃はスプレッド・トータスが弾いた。

 

 

弾「オレは嫌いじゃないぜ!最後の悪あがき!!ドラグ・タウラスでアタック!!」

 

 

 

アルテミス《…まぁ、勝てるとは思わなかったけど…》

 

 

依姫「……でも、悔しいですね………ライフです!」

 

 

ドラグ・タウラスの雷がライフを砕いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルの後、鈴仙は永琳を呼んで、依姫の体調が万全なことを確認した。

 

 

依姫「ありがとうございました。私………もう一度、故郷のために戦ってみます。」

 

 

弾「そうか、オレも協力する。一緒にこの異変を解決しよう。」

 

 

永琳「…さて……ダキッ………依姫、もう動いてもいいわよ。三人のバトルもいいわ。もう初心者っ気は抜けたみたいだし、弾が鍛えるんなら問題ないわよね。」

 

 

依姫「……あの、師匠………何で弾さまの腕に抱きついているのですか?」

 

 

 

診断が終わると、すぐ弾の腕に抱きついたことに依姫は突っ込んだ。永琳はそれに対して当たり前のように答えた。

 

 

永琳「何故って、当たり前じゃない。弾は私の旦那

 

「誰が!!あんたの!!旦那ですって!!?」

 

………チッ」

 

 

永琳が答え終わる前にスキマが開いて怒号と共に紫が飛び出してきた。それに鈴仙とアルテミスは無視してお互い話し始めた。依姫は唖然としている。

 

 

 

紫「ちょっと!!何捏造してるのよ!!弾の正妻は私よ!!!」

 

 

永琳「あらやだ。負け犬が吠えてるわ。」

 

 

紫「ふーん!私は前にキスしたことあるし!!!ならあんたはあんの!?」

 

 

永琳「………弾……私、怒らないから……本当にしたの……?」

 

弾「………コクン………」

 

紫「おッッほほほほ!!!!これで私の勝ちよ!!!」

 

 

永琳「……………ガシッ……」

 

 

依姫「ちょ、師匠!何で弾さまを押し倒そうと!?」

 

 

永琳「……既成事実を作るわ!!!」

 

 

紫「………すわぁせぇるぅかぁ!!!!」

 

 

………誰か止めてくれ………弾がそう思ったその時………

 

 

 

 

 

???《全く、八意永琳。あなたも堕ちましたね。恋愛にうつつを抜かすなど》

 

 

 

鉄のような硬い声が響いた……………

 




はい。ありがとうございました。


よっちゃん復活!!さすが弾さん!!これでよっちゃんが目覚めます。彼女は覚えがいい(原作設定)ので、弾さんの教えを瞬く間に吸収していくでしょう。



そして、最後の声の主は誰なのか!?(予告でばれてる)次回をお待ち下さい。



次回予告 星神vs軍神!硬い心が求めるモノ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星神vs軍神!硬い心が求めるモノ!!



今回、何時もよりかなり長くなっております。そしてあの創界神が登場です!



あらすじ 依姫に道を示して立ち直らせた弾。依姫は改めて、月の都のために異変を解決することを誓う。するとそこに………



突然の声。全員が病室の入口を見た。そこには緑の髪をした女性がいた。しかし、創界神だとしてもその纏っている神力はアルテミスや弾を越えていた。

 

???《はぁ……恋は病だと言いますが、あなたがかかったのなら医者の不養生ですね。》

 

 

彼女は頭を抱えて言った。すると、紫と永琳のドタバタを聞いたのか他の創界神達も顔を見せる。そして皆顔を歪ませた。

 

アポローン《おいおい、どうした…………げ!》

 

 

イシス《………誰よ……こいつ呼んだの……》

 

マナカ《うげげ~正直、僕苦手なんだよな~》

 

ホルス《…いや、皆嫌いだろ………》

 

シヴァ《何で来たんだよ………協力って言葉が一番似合わないやつだぞ……》

 

???《……はぁ、有象無象が……ヘルメスに聞いたのです。ちょうど報告を聞いたので。》

 

ケイ《ヘルメス………》

 

ヘカーティア《後でしめるわよ……!》

 

彼女の後ろで、ヘルメスは縮こまって《すまん》と頭を下げた。

 

 

依姫「あの………皆々様。こちらは………?」

 

 

依姫が聞くと、代表して永琳が答えた。

 

 

永琳「……オリン所属の鋼鉄と知恵、戦いの女神……アテナさまよ………そして……私の師匠でもあるわ………」

 

 

紫 鈴仙 依姫「「「ええ!!!?」」」

 

 

弾は聞いていたのか、驚きはしなかったが残りの全員は驚く。月の叡知の永琳に知恵をつけた女神……こんな神力を纏っているのも納得できる。アテナは永琳に話しかける。

 

 

アテナ《永琳、昔、あなたに教えました。恋愛は物事の認識を鈍らせると。月の都を捨てた時は驚きましたが、それどころかどこぞの田舎の若輩創界神とこんなことをやっているとは……私の顔に泥を塗る気ですか?》

 

 

ブチン……そんな音が響いたような気がした。

 

 

ヘカーティア《……ちょっと……どこの誰が田舎の創界神ですって…?私の後継者なのだけど……?》

 

 

アテナ《勿論、そこの赤髪の彼のことです。まぁ、あなたの後釜なら仕方ないですが。》

 

 

紫「こいつ…………!!!」

 

ホルス《…だから友達いないんだよ……》

 

アルテミス《でも、間違ったことも言わないのよね……若いのも……ここがいい意味で田舎なのも………》

 

 

ヘルメス《…だから何かいいアイディアがでるかと……》

 

シヴァ《もうちょい、他人を思いやってくれりゃいいんだがなぁ………》

 

 

口ゲンカになる直前、永琳が口を開いた。

 

 

永琳「……確かに、私は堕ちました。でも心は満足しています!この世界は月にはない温かい心があります!それを勝手に田舎だと言わないでください!!この世界は弾と紫が命をかけて創りあげた平和の結晶なのです!!」

 

その言葉に対して、弾は永琳にいい放った。

 

 

弾「やめろ、永琳。彼女のような目の曇った能のない創界神に何を言われたって気にしないさ。」

 

あからさまな挑発に創界神達は感心する。

 

アポローン《ふゅ~♪言うね~♪》

ケイ《ふふ、もっと言ってやれ。》

 

アテナ《………この………田舎の若造が………構えなさい。格の違いを教えましょう!》

 

 

 

弾「ああ!永琳を悪く言ったことを後悔させる!」

 

 

弾 アテナ《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾はサジタリアスドローを使い、二枚ドローして四枚オープン。自分を手札に加え、バーストをセット。

 

第2ターン アテナは鋼鉄機士クセノフォンを召喚してバーストをセット。

 

 

第3ターン 弾は自分を配置して二コアを置いた。そして、ストライクジークヴルム・サジッタと甲冑双魚ピスケ・オステウスを回収して、聖星使ジェミニックを召喚した。

 

 

第4ターン アテナが動く!

 

 

 

 

 

アテナ《メインステップ。私を配置して、三枚トラッシュへ。その中の対象は二枚なので二つコアを置きます。

 

そして、鋼鉄乙女000オルティアのアクセルを使ってコアブースト。クセノフォンをレベル2にして、アタックステップ。攻撃しなさい。フラッシュでアクセル鋼鉄機空士ライサンダーを使用。二枚オープンして鋼鉄聖機士ステファノスを一コストで召喚。》

 

 

アテナの体が輝き、さらに空からの雷が一体の機械の騎士を召喚した。

 

 

弾「ライフで受ける。」

 

 

クセノフォンが剣でライフを斬った。

 

 

 

アテナ《ターンエンド。》

 

 

ケイ《…アテナの方が上手く立ち回っているが……》

 

 

イシス《やめましょう。彼は最後に返す男よ。》

 

 

永琳「…弾……頑張って……」

 

 

弾「メインステップ。神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライクジークヴルム・サジッタを召喚!アタックステップ!ストライクサジッタでアタック!!」

 

弾の後ろから赤いジークヴルムが現れ、攻撃する。

 

アテナ《…!…永琳の………ライフです。バースト発動。鋼鉄機士ヴァシリオスの効果でライフを増やして召喚。》

 

 

ストライクサジッタの炎がライフを壊したが、一体の機械の戦士がライフを回復しながら召喚された。

 

 

弾「サジッタの効果でワンドロー。ターンエンド。」

 

 

アテナ《ドローステップ………さて………メインステップ。オルティアのアクセルをもう一つ使用。そしてゴッドシーカー鋼鉄乙女005シビュラを召喚。召喚時効果により四枚オープン。

鋼鉄聖鎧ブレイヴオウルと鋼鉄騎神アテナイアーを手札に加えます。

 

ステファノスをレベル3にしてアタックステップ。ステファノスでアタックします。効果でターンに一度回復します。》

 

 

アテナのフィールドにまた機械のスピリットが現れた後、ステファノスが剣を抜いて走りだした。

 

 

弾「ライフで受ける!サジッタの効果でワンドロー。」

 

 

ステファノスの剣がライフを貫いた。

 

 

アテナ《もう一度アタックです。私の神技を使い、手元の機人の数コストを軽減。ステファノスを回復させ、ストライクジークヴルム・サジッタを手札に。》

 

アテナの手から光線が放たれ、ストライクサジッタを手札に戻す。そして、ステファノスがまた弾に迫る。

 

弾「フラッシュタイミング!クローズドジェミニ!直ちにバトルを終わらせ、このターンの間、ライフは一つしか減らなくなる!」

 

弾の手から黄色の光が溢れて、バトルを中断させた。

 

 

アテナ《……ふん、命拾いしましたね。ターンエンド。》

 

 

弾「メインステップ。セフィロ・シープを二体召喚。人を量る天秤!弱者を助ける正義の化身!さぁ!お前の罪を数えろ!天秤造神リブラ・ゴレムX!!召喚!!」

 

 

ホルス《………なんか……聞き覚えがあるセリフが……》

 

 

弾のフィールドに天秤座からリブラ・ゴレムが降りてくる。

 

 

リブラ・ゴレム《…さて、ようやく一発かませるわけだ……》

 

弾「お前もか……だがこらえろ。ターンエンド。」

 

 

アテナ《……メインステップ……鋼鉄聖鎧ブレイヴオウルを召喚。私の化神を特別に見せましょう……鋼鉄の頂点!何者も落とせぬその体!レベル3で召喚!鋼鉄機神アテナイアー!!ブレイヴオウルと合体!!》

 

 

アテナが腕の槍をフィールドに突き刺すとそこから大きな槍と盾を持った機械の騎士が現れた。そしてブレイヴオウルの鎧を吸収してさらに白く輝いた。

 

アテナ《アタックステップ!アテナイアーでアタック!効果でリブラ・ゴレムとセフィロ・シープをデッキの下に!さらに神技で回復させ、もう一体のセフィロ・シープを手札に!》

 

 

弾「ジェミニックの効果でセフィロ・シープ達は疲労状態で残る!………リブラ・ゴレム、すまない……」

 

リブラ・ゴレム《気にするな。必ずやつを倒せよ……》

 

 

アテナとアテナイアーから放たれた衝撃波がジェミニックのシールドがセフィロ・シープたちを守ったがリブラ・ゴレムはデッキボトムに戻ってしまった。

 

弾「ジェミニックでブロック!!」

 

 

アテナ《ステファノスの効果!鋼鉄スピリットがブロックされたので、ライフを砕く!次で終わりです!》

 

 

ステファノスの斬撃がライフを斬り、アテナイアーがジェミニックを潰そうとしたが……………

 

 

 

 

弾「ライフ減少によってバースト発動!!選ばれし探索者アレックスの効果でコアを増やしてアタックステップを強制終了させる!!」

 

 

アテナ《な!!!?破壊後のバーストではない!?まさか………さっきライフを削っても発動させなかったのは………ハッタリ!!?》

 

弾「………案外、呆気なくこんな罠に引っ掛かるんだな。軍神さんは。」

 

 

アテナイアーがジェミニックを潰したが、六色の壁がアタックを邪魔した。

 

アテナ《く!!!!これならアテナイアーの界放を使うべきだった………ターンエンド………》

 

 

 

ターンエンドを宣言するアテナに弾は話しかけた。

 

 

弾「………なぁ、やっぱり……あんたは永琳の師匠だ……あんたも……人が怖いんだろ?」

 

 

アテナ《………一体何を………》

 

 

弾「あんたのことは永琳から聞いている。父親の頭から成人した状態で産まれたんだって?だから知恵の女神になった………でも………家族はいない……

 

…愛情を注いでくれる人はいなかった……オレや永琳に突っかかって来たのも嫉妬してたから……弟子に自分にない仲間がいたから…自分にはない愛情を注いでくれる人がいたから……だろ?」

 

 

 

弾の言葉にアテナはそわそわし始めた。

 

 

弾「……愛情がわからないから数値とかの客観的な事実や論理的なモノしか信じない……人を理解しようとしない……結局、人の心が…

 

…他人がわからないから……怖いから……裏切られるのが恐ろしいから……オレも怖いからわかる……」

 

 

ヘルメス《……そう考えたことはなかった……》

 

 

ヘカーティア《結局、私達も片面からしかアテナを見てなかったのね……》

 

 

シヴァ《……何か……あいつすげえな……》

 

マナカ《……バトルすると……人を理解してその悩みを解決する……これは天性の才だね……》

 

 

依姫「これが……弾さまの……「バトルは会話」……」

 

 

アテナ《………なら……なぜ………信じられるのかしら…………?》

 

 

その声は切に答えを求めている声だった。

 

 

弾「……だって、わからないんだ。わからないままでいいじゃないか。確かに裏切られたりするのは怖い……でも……何もリスクを負わないで得られるモノはたかが知れている…なら、博打ぐらいうつさ……なぁ………幻想郷の理念を知ってるか?」

 

弾の質問にアテナは首を振る。すると弾は笑いながら優しく答えた。

 

弾「[全てを受け入れる]んだ。この世界にいるなら、あんたも家族みたいなモノさ。オレがたっぷり愛情ってのを教えるよ。今、この世界は厄介事を抱えてるんだ。オレを信じて……力と知恵を貸してくれないか?」

 

アテナ《……!!!!…………?》

 

 

 

アテナは心に二つの変化を感じた。一つは今まで悩み続けてきたものが無くなった晴れやかな気持ち。そして……もう一つ………言葉の後、何か心にモヤモヤしたものが出てきた……アテナはこの感情を説明できなかった。

 

 

弾「メインステップ!甲冑双魚ピスケ・オステウスを召喚!召喚時効果でステファノスを破壊して効果を発動させない!現れよ!光導く神よ!光星神ゾディアック・レムリア!!レベル2で召喚!!」

 

 

弾のフィールドに赤い二体の魚のスピリットと光輝くドラゴンが現れた。ピスケ・オステウスは炎でステファノスを破壊した。

 

 

弾「アタックステップ!ゾディアック・レムリアでアタック!!効果で一コスト支払い、手札の雷星獣ドラグ・タウラスを召喚!!不足コストはセフィロ・シープから確保。そしてライフを砕く!さらにレムリアの効果によりヴァシリオスを破壊して回復!!」

 

 

レムリアが吠えると、ドラグ・タウラスが現れ、アテナのライフが砕ける。さらにレムリアはヴァシリオスを光線で破壊した。

 

 

アテナ《……!!アテナイアーでブロック!!》

 

 

 

アテナイアーが槍でレムリアを突き刺そうとするがレムリアはかわして大量の光の弾丸を浴びせる。しかし、アテナイアーは盾で防ぎながら接近して槍を構えた。

 

 

弾「フラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!レムリアに煌臨してシビュラを破壊!!煌臨コストはアレックスから!煌臨時効果でクセノフォンを破壊!!」

 

 

アテナ《しまった……………!!》

 

 

レムリアがサジットヴルム・ノヴァに変わり、アテナイアーの槍を剣で受け止めると、渾身のパンチを放ってアテナイアーの盾を砕き、剣で突き刺して爆散させた!!

 

弾「もう一度サジットヴルム・ノヴァでアタック!!効果でブレイヴオウルを破壊して界放の効果によりコアを三つ置いてライフをボイドに!!これでとどめだ!!」

 

 

アテナ《……ライフです………あなたを認めましょう……先ほどは失礼しました………》

 

 

弾「……別にいいさ……これからよろしく…!」

 

 

 

サジットヴルム・ノヴァが大量のエネルギーの矢を放ってアテナのライフを全て砕いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトル後、弾はアテナに手を差し出す。

 

 

 

弾「ありがとうございました。いいバトルでした。」

 

 

アテナはその言葉を聞いた瞬間、雷に打たれたようなショックを受けた。先程の気持ちがわかった気がしたのだ。アテナは握手した後、少し恥じらいながら…………

 

 

アテナ《……ギュ…………ちょっと来なさい…………》

 

 

全員《「!!!!!?」》

 

 

何とアテナは弾の手を引っ張って別の部屋に連れていったのだ。その顔はほんのり赤かった…………

 

 

 

 

紫「……ねぇ……永琳……」

 

永琳「………なに………?」

 

紫は永琳を見ずに話しかけた。

 

紫「……あいつを弾から追い払うまで休戦。」

 

永琳「賛成。」

 

 

感動の和解?だった。

 

 

 




はい。ありがとうございました。


アテナさま、陥落です!………何か……気の強いアテナさまを上手く動かすならこれが一番いいかな~って思ったのと、ただ単純に面白いからです(笑)



アテナ

オリン所属の機人の創界神。非常に厳格で他人を信用しない女神……だったが弾に惚れてからは少し心境に変化があった模様。実は機械などが大好きであの後、弾にたくさん語ったそうな。ちなみに特技は編み物で、手編みの弾の服を作ろうか検討中。


次回予告 月からの刺客!依姫の覚悟!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

月からの刺客!依姫の覚悟!!

もう、どうにもなあれ~………よっちゃんのキャラ崩壊が凄いこの作品………



あらすじ アテナとバトルして彼女の心の闇を習った弾。しかし、それは紫と永琳を窮地に追い込むこととなる………一方、依姫は………


 

弾「……で、このブレイヴはこのスピリットと相性がいいから……」

 

依姫「……なるほど……」

 

アテナの話を聞いた後、弾は依姫にカード解説や戦術などを教えていた。隣ではアテナも聞いている………紫と永琳に睨み付けられながら………

 

アテナ《……………》

 

 

紫「…………」

 

 

永琳「…………」

 

 

………明らかに火花が散っている………

 

 

その日はこんな空気で終わり、次の日にこちらの対応を決めることになった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日 永遠亭 会議室

 

 

 

依姫「え、残りの創界神をですか?」

 

 

昨日のメンバー+アテナとヘルメスと依姫が参加した会議では、幻想郷に来ている残りの創界神を集めることであった。

 

 

弾「ああ、オレと紫と永琳は元凶を追うから、後の皆は戦力を集めてくれ。アテナは全員の情報の共有を。」

 

 

幽香「了解。」

 

 

文「わかりました。」

 

 

フラン「オッケー!」

 

 

アテナ《任せなさい。》

 

 

イシス《……セトも来てたから……私は彼を探すわ》

 

 

シヴァ《ブラフマーは………どこ行ったんだか……》

 

 

ホルス《……相棒はまだか………親父は……》

 

 

マナカ《……そー言えば、アンタークとアレックスは来てたよね?》

 

 

ケイ《……あの二人は………ん………》

 

ヘルメス《んで、俺達は残りのオリンの創界神を探せばいいってこと》

 

 

依姫「どこにいるか見当はつきますか?」

 

 

アポローン《……一人……まぁ、あそこだろう……》

 

アルテミス《……あそこね……》

 

オリンの創界神達は皆、見当がついているようなので、依姫は三人と一緒に目的地へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧の湖

 

 

 

依姫「……ここですか?」

 

依姫達は霧の湖に到着した。辺りはその名の通り霧が立ち込めている。

 

 

ヘルメス《…まぁ……幻想郷に彼の領域がないからね……》

 

 

アポローン《さて……呼ぶか………おーい!!!ポセイドン!!!いるか~!!!?》

 

 

???《……ん!?アポローンか!?どうした!?》

 

 

すると、湖の真ん中が少し沈降してそこから青い髪の中年ほどの男性が水の上を歩いてきた。

 

 

アルテミス《ポセイドン、湖はどうだった?》

 

ポセイドン《ウム、最初、海がないと聞いたときはショックだったが、この湖は最高だ!水温、透明度、生態系……噂に聞いていた通りだった!して、何用か?》

 

 

依姫「…こちらの方は?」

 

アポローン《海の創界神で俺達の叔父のポセイドンだ。水のたまっている所にいると思っていたが……ビンゴだった。》

 

 

依姫達はポセイドンに今までの状況を報告して協力を求めた。

 

 

ポセイドン《……よし……依姫と言ったか。わしも手を貸そう。無実の少女を黙って知らぬふりをするのはわしのポリシーに反する。》

 

 

ヘルメス《……少し女好きなのはゼウスと変わらないんだよね……》

 

 

依姫「ありがとうございます!」

 

 

依姫が喜んだその時…………

 

 

 

 

 

 

 

 

???《見つけたわよ……依姫》

 

 

普通の声ではない。頭に直接響いてくる声。依姫は振り返らずに、その声なき声の主の名前を呼んだ。

 

 

依姫「………まさか………あなたが来ましたか………稀神 サグメさま。」

 

 

そこには、銀髪で背中には片方しかない翼を生やした女性が立っていた。彼女は月の賢者の一人の稀神 サグメと言う者で、所有している能力のせいで迂闊に喋れないので、テレパシー会話をしている。

 

 

サグメ《………私がここにいる理由は分かっているわよね………?》

 

 

依姫「…勿論です。しかし、やるべきことを果たすまで捕まる訳にはいきませんね。」

 

 

サグメ《……そう言うと思ったわ………構えなさい。》

 

 

依姫「……ポセイドンさま……お願いします……」

 

 

ポセイドン《よし!出港といこうぞ!》

 

 

ポセイドンが依姫の体に入り、目が青く染まる。

 

 

 

 

 

依姫 サグメ《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「さぁ~て!いきますか!」

 

ヘルメス《……なんだろ……どこぞのラスボス兼不味いコーヒー淹れるマスターっぽくなった………》

 

 

第1ターン サグメは 魂鬼とシキツルを召喚してターンエンド。

 

 

第2ターン 依姫は神海賊新米船長ドルフィリポスを召喚してターンエンド。

 

第3ターン サグメはNo.32アイランド・ルートを配置してシキツルを召喚。そして、シキツル二体でアタック。依姫はどちらもライフで受けた。

 

 

 

第4ターン 依姫は一枚のカードを手に取った。

 

 

依姫「彼を呼んじゃおうかなぁ?メインステップ。大海より現れよ!創界神ポセイドン!三枚トラッシュへ送ってコアが二個増えちゃう~。そして神海牛王アステリオンとドルフィリポスをもう一体、召喚~レベル2でね♪」

 

 

 

ポセイドン《ガハハハハ!野郎共!行くぞ!》

 

 

ポセイドンが依姫の後ろに現れ、手の銛を豪快に振るった。

 

依姫「行っきまーす!アタックステップ。ドルフィリポスの効果で最高レベル!やってこ~い!アタック時効果でデッキから一枚破棄、二体いるので二枚!ア~ンド魂鬼を破壊!」

 

 

ドルフィリポスが水しぶきをあげて、魂鬼とサグメのデッキを破壊した。

 

 

サグメ《……破壊時効果でドロー………あなた………礼儀を忘れたのかしら………ライフで受ける…………?……》

 

 

 

ドルフィリポスがサグメのライフを砕こうとしたが、ライフは壊れなかった。

 

 

依姫「あ~惜しいですね~!!ドルフィリポスがスピリットを破壊すると、シンボルがなくなるんですよ♪よかったですね~あ!一応、敬語にはしましたので!さらにドルフィリポスでアタックです!さらに二枚破棄!そしてシキツルを……ぼーん!」

 

 

サグメ《…ライフ……でも削れないわね………》

 

 

依姫「ターンエンドです!」

 

 

アルテミス《……ヤバい……イライラしてきた……》

 

サグメ《……メインステップ…シキツルを召喚…ドロー…バーストをセット……ターンエンド……》

 

 

依姫「あれ!?それでいいんですか!?サグメさま!じゃあお言葉に甘えまして…メインステップ…は!何もしませ~ん♪

 

そしてアタックステップ!アステリオン!やっちゃって~!効果で計四枚を破棄してシンボルを……zero~♪」

 

 

サグメ《……チッ……この…………シキツルでブロック………破壊されたのでバースト発動………マーク・オブ・ゾロ……一枚ドローしてフラッシュ効果も入れてあなたのスピリットを全て消滅………》

 

 

アステリオンがシキツルを斧で破壊したが、Zの斬撃が依姫のスピリットを切り裂いた………が、全員フィールドに残っていた。

 

依姫「あれぇ~?サグメさま、アステリオンの効果にコスト三以下のスピリットがフィールドから離れるときは疲労して残るってのがあるってこと知らなかったんですか~?ターンエンドです!」

 

 

ポセイドン《ガハハハハ!残念だったな!小娘!!》

 

 

アルテミス《………》

 

アポローン《おい、アルテミス……なぜ矢を構えているのだ?》

 

アルテミス《…あいつを倒して依姫を取り戻す!》

 

 

ヘルメス《落ち着けって!バトルが終われば戻って来るって!》

 

 

他の創界神達がすったもんだしている最中だが、サグメはバトルを続ける。

 

サグメ《……メインステップ……魂鬼、冥騎獅アロケインと紫煙獅子をデッキから三枚トラッシュに置いて召喚……!さらにマジック………フォビドゥングレイヴ………

 

…トラッシュから次代アルティメットをノーコスト召喚……ようやくでれる……

 

………煉獄の炎…死の刃…戦国六武将ムドウ!コストはアロケインと魂鬼から………》

サグメのフィールドに馬に乗って、薙刀を持った鬼が降り立った。その体からは異様なオーラがたちのぼっている……

 

 

ポセイドン《……ム……依姫、気をつけろ……あのアルティメット………何かが変だ………》

 

 

依姫「……そう言えば……「ようやくでれる」と……!まさかとは思いますが……?」

 

 

ポセイドン《……いや、そのまさかだろう。その言葉は………あのアルティメットの言葉かもしれん………あの小娘は普段からテレパシーで会話しておったからわしにも分からんかった。》

 

 

依姫「…つまり……バトルに勝てば…サグメさまは元に…?」

 

 

ポセイドン《…ウム……!……依姫!来るぞ!》

 

 

サグメ《アタックステップ。ムドウでアタック……ソウルドライブ………発揮!ソウルコアを除外してスピリットとトラッシュのコアをボイドに………よってソウルコア以外のフィールドのコア四個をボイドに……喰らえ……》

 

 

ムドウがソウルコアをエネルギーにして紫の炎を放った。そして海賊達の力を奪っていった。

 

 

依姫「…あちゃー!アステリオンの効果で残るけど……ライフで受ける!」

 

 

ムドウの薙刀がライフを砕いた。

 

 

サグメ《……ターンエンド……》

 

 

依姫「うっわぁー……メインステップ……おっと……来たね~!荒ぶる荒波!唸る地震!レベル2で召喚!神海獣皇グレート・オーシャン!!コストはドルフィリポスとアステリオンから!」

 

 

ポセイドン《さぁ!わしの化神!特と見よ!》

 

 

ポセイドンが銛を突き刺すと、そこから水が噴き出して、一体の海獣が現れた。

 

 

依姫「アタックステップ!!グレート・オーシャンでアタック!ドルフィリポスの効果でデッキを破棄するけど……ポセイドンの神域で+三枚、合計四枚破棄できる!

 

 

さぁらぁにぃ~!グレート・オーシャンの効果で相手のトラッシュのカードぜーんぶ除外して、ポセイドンのコアを三つ置くことでぇ~何と!デッキ破棄効果が除外効果になりまーす!!」

 

 

ドルフィリポスの水しぶきがポセイドンの力で強化される。だが、グレート・オーシャンはまだ何かをしようとしていた。

 

依姫「…あ!忘れてました~グレート・オーシャンはレベル3になったのでアタック時にデッキを十枚破棄できるんでした~これでちょうどサグメさまのデッキ、無くなっちゃいましたね………それでは……チャオ~♪」

 

 

アルテミス《……フン……!!》

 

 

ヘルメス《だぁ~もぉう~!!》

 

 

アルテミスが暴走する寸前だが、グレート・オーシャンは気にせずに衝撃波でサグメのデッキを完全に破壊した。

 

 

サグメ《…ライフ……って減らないのよね……》

 

 

依姫「……サグメさま……私はこの異変を解決します……そして……必ず月の都に戻ります!!そして……そのアルティメットを退治します!!」

 

 

サグメ《………スタートステップ……》

 

 

グァァァァァァァ!!!!

 

 

 

サグメがスタートステップを宣言した時、ムドウから物凄い声があがった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「サグメさま!しっかり!!」

 

 

アポローン《見せな!俺は医療の神でもある!ヘルメス!》

 

 

ヘルメス《…もう押さえたよ!……このアルティメットは何もできないだろう……》

 

ポセイドン《……フム……このアルティメットの真の主が異変の首謀者か……?》

 

 

アルテミス《ええ…たぶん………それより、依姫が普通に戻ってよかった…………》

 

 

バトルの後、倒れたサグメを介抱して、ムドウのカードを取り押さえた五人。このアルティメットが異変に関わっているのは確定だろう……

 

 

ヘルメス《俺はこの子とこのアルティメットを弾達に見せてくる!そっちは頼むぞ!》

 

 

そういうと、ヘルメスはサグメを担いで飛んでいった。その後、依姫は思いだしたかのようにポセイドンに尋ねた。

 

 

依姫「…そうだ…ポセイドンさま、この幻想郷で他のオリンの創界神を見ませんでしたか?」

 

ポセイドン《……!ああ、見たぞ!確か………湖の向こうで妖精達と遊んでおったわい。》

 

 

アルテミス《…あいつね………》

 

 

アポローン《…まぁ……行くか……》

 

 

何故かテンションが低い二人に首を傾げながら、依姫は湖の反対側を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


エボルトォォォォォ!!!!青よっちゃんはマスターになります。すんごくうざく書きました。もう、ライダーネタのタグつけるべきですかね………?


ポセイドン

オリン所属の異合の創界神。豪快な性格で神海賊を率いている。兄のゼウス同様、女好き。力はゼウスの次に強いとされている。だが実は愛妻家で、猛烈なアタックをかけて成功したそうな。なので女性にはナンパしてデートするだけでそこからは何もしない。


次回予告 妖精の舞い! 美しき創界神!!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

妖精の舞い!美しき創界神!!

バトスピの公式サイトで、投票をやってますが、皆さんはどいつに投票しましたか?自分はヴィエルジェやサジットのリバイバル前の好きなスピリットやアーサーやヤマトのリバイバル等欲しいものに入れました。

後、創界神ダン再録!!……公式………どうした!?最近、太っ腹過ぎるぞ!!

あらすじ ポセイドンを味方につけて、月からの刺客、サグメを倒した依姫。しかし、彼女は禍々しいアルティメットに操られていた。



霧の湖 近くの森

 

 

 

???「キャハハ!」

 

???「うふふふふ!」

 

???「アタイ!さいきょー!」

 

ポセイドンが言っていた辺りに到着した一向。そこでは花が咲き誇っていて、たくさんの妖精達が遊んでいた。すると、その真ん中で座っている明らかに普通の人間にはない神力を持った女性がいた。

 

 

???《あら、ポセイドンにアポローン……どうしたの?》

アルテミス《ちょっと!私をシカトすんじゃないわよ!!》

 

 

そう言って怒るアルテミスに薄いピンクの髪をした女性は笑いながら返事した。

 

 

???《ふふふ………冗談よ……んで………あなたもいるってことはナンパじゃないわね……………隣の子と関係あることかしら?》

 

 

依姫「…………こちらが先ほどポセイドンさまがおっしゃった………?」

 

 

ポセイドン《ウム!彼女がオリンの愛と美、恋愛の創界神、アプロディーテだ。神世界で1,2を争う程の美貌を持つ女神だ。》

 

アポローン《………でも気まぐれで何人もの男が捨てられたか…………協力もしてくれるかわからないし………………》

 

 

その言葉に依姫は納得する。アルテミスは純潔を大事にする女神。アプロディーテのような恋愛ごとや愛は穢れたものに感じるだろう。だから仲が悪そうなのか…………依姫はアプロディーテにこれまでの経緯を話した。すると………

 

 

アプロディーテ《いいわよ。私もあなたとこの世界のために力を貸すわ。》

 

 

アルテミス《はいはい、確かにめんどくさいけどって………えええ!!?》

 

アポローン《…………お前……本当にアプロディーテか………?》

 

 

ポセイドン《これは意外…………》

 

 

ありえないといった顔で見つめる創界神達。それにアプロディーテはため息をつきながらしゃべり始めた。

 

 

 

アプロディーテ《全く…………私もね………あの時のアレックス達の奮闘をただボーっと見てたんじゃないのよ………彼女の姿が………自分の美しさを捨てて努力するその姿こそ美しいものだって気づいたのよ………その子も……依姫も同じ……………だから私は真に美しい彼女とこの世界を守りたいのよ。》

 

 

アルテミス《………見直したわ……あと……同僚なのに気づかなくてゴメン………》

 

 

アプロディーテ《いいのよ。何十億年の仲でも気づかないことぐらいあるわ………私も昔、あなたが惚れた男を眠らせてたなんて知らなかったし………………》

 

アルテミス《ちょちょちょ!!!ななななんであんた知ってんのよ」!!!》

 

 

ポセイドン《…………みんな知っとるぞ。》

 

 

アルテミス《うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?忘れろ!!!忘れろ!!!イイイイヤアァァァァァァ!!!》

 

 

アルテミスが羞恥心に悶えていた時…………

 

 

 

ドッカァァァァァァァァァン!!!!!

 

 

 

突然の爆発音。遊んでいた妖精達も驚いて飛び去って行く。全員、爆発音の方向を見た。そこには………

 

 

 

アプロディーテ《………エタニティラルバちゃん?》

 

 

ラルバ《……………………》

 

 

そこには蝶の妖精のエタニティラルバがいた。しかし、その目は明らかに正気を失っている。

 

 

依姫「…まさか、この子も……?」

 

 

ポセイドン《…確かに……あの妖精と懐から先程と同じ禍々しいオーラを感じるぞ……》

 

 

依姫「…よし!アプロディーテさま!」

 

 

アプロディーテ《ええ……華麗にいくわよ……!》

 

 

 

依姫「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「イェーイ!!レッツゴー!」

 

 

アポローン《……今時の若い子だな……》

 

第1ターン 依姫はゴッドシーカー神華の妖精プリムラを召喚して三枚オープン。その中の神華の妖精アザレアと創界神アプロディーテを手札に加えた。

 

 

第2ターン ラルバは鉄砲犬ザッシュを召喚してバーストをセット。そしてアタック。依姫のライフを一つ砕いた。

 

 

そして第3ターンである。

 

 

依姫「いたっ~い!全く!メインステップ!美しく舞え!創界神アプロディーテ!配置したから三枚トラッシュへ送って、対象カードが三つあったからコアを三つ追加しま~す!

 

そして神華の妖精アザレアを召喚~召喚時効果で手札のクローバーフィールドをフィールドに置いて、二枚ドロー!」

 

アプロディーテ《うふふ、あなた面白いわね…》

 

依姫の後ろにアプロディーテが現れ、さらにフィールドに赤髪の妖精が現れた。

 

 

依姫「アタックステップ!プリムラでアタックよ!」

 

 

ラルバ「…ライフで受ける。」

 

 

プリムラの攻撃がラルバのライフを砕いた。

 

 

依姫「ターンエンドよ♪」

 

 

ラルバ「……メインステップ……側近衆ホムラマンドリルを召喚……そしてネクサス……灼熱の谷を配置……ザッシュでアタック……」

 

ラルバのフィールドに一匹のマンドリルと燃えている谷が現れ、ザッシュが走り出した。

 

 

依姫「ウッソ、マジ!?また来んの!?ライフで受けるわ!!」

 

ザッシュの鉄砲が依姫のライフを撃ち抜いた。

 

ラルバ「……ターンエンド……」

 

 

依姫「メインステップ……よっし!幻獣神姫エキドゥナをレベル2で召喚!アタックステップ!エキドゥナでアタックよ♪」

アプロディーテ《エキドゥナ、美しく舞いなさい》

 

 

ラルバ「……ライフで受ける。」

 

 

フィールドに現れたエキドゥナがラルバのライフを砕くと依姫のライフが回復した。

 

 

依姫「エキドゥナの効果で神聖命!ライフを増やすわ!美しく!ターンエンド!」

 

 

アプロディーテ《決まったわね♪》

 

ラルバ《……灼熱の谷の効果でドロー数を+1して一枚破棄……メインステップ…ザッシュのスピリットソウルを発揮…地獄の業火…断罪の槍…戦国六武将レオンランサー!

 

 

フィールドに炎の火柱が上がり、天から一匹の大きな獣が降り立った。

 

依姫「…やっぱり…きも~い……」

アプロディーテ《……同感……》

 

ラルバ《アタックステップ…レオンランサーでアタック…ソウルドライブ……発揮!ソウルコアを除外してBP20000以下のスピリットを全破壊……》

 

レオンランサーから炎が放たれ、依姫のフィールドをやきつくした。

 

依姫「ええ~!!マジアリエナイ~!!ライフで受ける!」

 

 

レオンランサーの槍が依姫のライフを貫いた。

 

ラルバ「…ザッシュでアタック…」

依姫「…フラッシュタイミング!舞華ドロー!ホムラマンドリルを破壊してワンドロー!ザッシュのアタックはライフで受けるわ!」

 

依姫の手から黄色い光が伸びてホムラマンドリルを破壊した。ザッシュはそのまま依姫のライフを壊した。

 

 

ラルバ「…ターンエンド…」

依姫「メインステップ。イェイ!来た! 踊れ!美しき妖精の神!神華聖霊アプロ・ウラニアー!!召喚時効果でザッシュをBP-8000して破壊!!」

 

 

アプロディーテ《私の化神は神の華………舞え!アプロ・ウラニアー!》

 

アプロディーテがふっと息を吹き掛けると花びらが舞いあがり、そこに大きな杖を持った妖精が現れた。

 

 

依姫「アタックステップ!アプロ・ウラニアーでアタック!!アタック時効果でレオンランサーをBP-8000!!さらにフィールドのマジックを疲労させてアプロ・ウラニアーを回復よ!!おまけに界放発揮!コアを二個おくわ!!」

 

アプロ・ウラニアーがレオンランサーの力を奪う。そして、依姫はまたカードを構える。

 

依姫「フラッシュタイミング!マジック!クローバーフィールド!レオンランサーをBP-5000して破壊!!さらに界放の効果でシンボルを一つ追加!!」

 

 

ラルバ「…ライフで受ける。」

 

破壊されたレオンランサーの爆煙の中から黄色のオーラを纏ったアプロ・ウラニアーが出て来てラルバのライフを二つ砕いた。

 

依姫「フィニッシュ!!アプロ・ウラニアー!!」

 

 

アプロディーテ《フィナーレよ!!》

 

 

アプロ・ウラウニアーが杖でライフを撃ち抜いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「この子も永遠亭に連れていきましょう!」

 

 

アポローン《そうだな。日も傾き始めたし。》

 

 

ポセイドン《…会うのが楽しみだ……馬神 弾!》

 

 

アプロディーテ《…イケメンかしら……?》

 

 

アルテミス《……たぶん、会ったら驚くわよ…》

 

 

一同は永遠亭に戻る…………そこでまた波乱が起こることを依姫はまだ知らない……………

 

 

 

 

 

 

 

 

…………そうだ………戦え…………戦え…………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


アプロディーテさま登場です。彼女はちょっと綺麗以外には興味ないという感じでしたが、今作ではまじめに世界を考えている方にしました。



アプロディーテ

オリン所属の楽族の創界神。美しさでは神世界一の女神で(これはヘラやアテナは否定している)数々の男を虜にしてきた。以前は自分の美しさ以外には興味がなかったが、アレックスの戦い(超煌臨編の物語)を見て、真の美しさを悟り、世界の安定に力を尽くすようになった。実はオリン神の中で一番、年上。


次回予告 女王来訪! 鬼の母親!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

女王来訪!鬼の母親!!

早く創界神スサノヲの化神や周りのスピリットの効果が知りたい今日この頃………


あらすじ アプロディーテと共にエタニティラルバをアルティメットから救出した依姫。彼女を永遠亭に連れていこうと戻ったが………


永遠亭 廊下

 

 

 

 

 

依姫「…?なんだか……変ですね……?」

 

 

 

アルテミス《ゲゲゲ………》

 

 

 

アポローン《ああ、依姫。俺達はちょいと散歩してくる…》

 

 

ポセイドン《何、逃げようとしとるんだ。ちょうど探す手間が省けたではないか》

 

 

アプロディーテ《……彼女……ちょっと苦手なのよね……》

 

 

 

 

永遠亭に帰って来た依姫達だったが、永遠亭に漂うオーラに創界神達は心当たりがあるのか様々な反応を見せる。依姫が首を傾げて永琳の部屋の入口の扉を開けると………

 

 

 

 

 

アテナ《……問題あるのでしょうか?》

 

 

 

???《いやぁ、そんな問題はないんやけど……どこに惚れたん?》

 

 

 

アテナ《……あなたに言う必要はないでしょう………》

 

 

 

 

???《……どこぞの悪い男に引っ掛かってしもうたら、大変やろ?教えておくれやす?》

 

 

 

 

永琳の部屋にいたのはアテナと創界神には珍しく着物を来た妙齢の女性がいた。後ろでは鈴仙とヘルメスが死にそうな顔で縮こまっている………哀れ……

 

 

 

???《あら、みんな揃うてますなぁ。この子が例の綿月依姫ちゃんどすか?事情はすべてわかってます。うちはオリン十二神の一人のヘラどす。よろしなぁ》

 

 

 

 

依姫「…はい!綿月依姫と申します!」

 

 

 

 

ポセイドン《…姉さん…何故ここに?確か、ゼウスと一緒にラーと会食の予定があったと記憶しているが?》

 

 

 

 

ポセイドンが尋ねると、ヘラは一気に不機嫌になり愚痴った。

 

 

ヘラ《…ああ、実は少し前にゼウスの浮気がわかったさかい、家出してきたわ!全く……あないな小娘に気ぃとられて……》

 

 

 

やっぱり………依姫と鈴仙以外はそう思った。ゼウスの浮気に腹をたてるヘラ。これはもうオリンの日常と言っても過言ではないと言うほど頻繁に起こっていることである。

 

 

 

アプロディーテ《……ねぇ、ヘラ。さっき、どこに惚れたって言ったけど………まさか、アテナのことじゃないわよね?》

 

 

 

 

ヘラ《そうで~とうとうアテナちゃんにも男ができたんやで♪》

 

 

 

そのことに驚愕するアプロディーテとポセイドンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の驚きが収まった後、依姫はアテナから弾達の帰りは朝になりそうなことを聞き、先程倒したアルティメット達をヘラに見せた。

 

 

 

ヘラ《……このアルティメット………!》

 

 

 

依姫「心当たりがあるんですか!?」

 

 

依姫の言葉にヘラは頭に手を当てながら答えた。

 

 

 

 

ヘラ《どっかで見たことがあるんや。どこやっけなぁ~たぶん、アルティメットやから、エジット関係や思うけど……》

 

 

 

 

アポローン《……そのどこかが知りたいのだが……》

 

 

 

 

依姫はその言葉に、心なしかアポローンがヘラに冷たいような印象を覚えた。すると、ヘルメスとポセイドンが依姫に耳打ちした。

 

 

 

 

ヘルメス《…アポローンとアルテミス、アテナや俺はゼウスと別の女性との間にできた子どもなんだ。その中でアポローンとアルテミスは特に弄られた。だからヘラが嫌いなのさ。》

 

 

 

 

依姫「……でも……ヘラさまからはそんな感じはしませんが……」

 

 

 

ポセイドン《…姉さんはそのことをかなり前から後悔していたからな………最近は全員子どもだと言っているが……信頼を回復するにはまだ道は長そうだ………》

 

 

 

 

 

依姫はその言葉にやるせなさを感じた。すると、ヘラの目付きが鋭くなり、真面目なトーンで言った。

 

 

 

 

 

ヘラ《……何か良ない気が近付いてるさかい、ちょい様子を見てくるわ。》

 

 

 

依姫「ヘラさま!お供します!」

 

 

 

 

 

依姫はヘラを追って、外の庭に出た。するとそこにはヘラと向かい合って立っている人影があった。その人物は…………

 

 

 

 

 

依姫「……ドレミーさん………あなたまで……」

 

 

 

その人物は獏の妖怪で夢の支配者の異名を持ち、月の都とも関わりがある、ドレミー・スイートだった。

 

 

 

ドレミー「…依姫さま……大人しく捕まってくれませんか?こちらも上に報告するのが面倒なんですよ。」

 

 

 

 

依姫「お断りします。私は無実の罪で捕まる訳にはいきません。もしつれて行きたいのなら、力ずくでやってください。ヘラさま!お力をお借りします!」

 

 

 

ヘラ《ええわぁ~さぁ、いくで~》

 

 

 

ヘラが体に入って目が紫に光る依姫はデッキを構えた。

 

 

 

 

ドレミー「…ええ……いいでしょう……」

 

 

 

依姫 ドレミー「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「…ふ、私に勝てるとでも思っているのかしら?」

 

 

 

アルテミス《…俺様キャラ?》

 

 

 

第1ターン ドレミーはムシャリザードを召喚。

 

 

第2ターン 依姫はNo.3ロックハンドを配置してターンエンド。

 

第3ターン ドレミーはメノウドラゴンを召喚してアタック。依姫のライフを一つ砕いた。

 

 

第4ターン 依姫はロックハンドの効果で呪鬼を捨ててドローを増やした。そして、ゴッドシーカー司書ドールレナを召喚して三枚オープン。創界神ヘラと魔界騎士デストロイデンを手札に加えた。

 

 

 

 

 

 

依姫「メインステップ。紫の鬼神!創界神ヘラ!効果で三枚トラッシュへ。対象が二枚あるのでコアを二つ置く。」

 

 

ヘラ《よっしゃ!出番やで!》

 

 

 

 

依姫がカードを掲げると後ろにヘラが現れた。

 

 

 

 

 

依姫「…アタックステップ。レナでアタック。」

 

 

 

ドレミー「ライフで。」

 

 

 

 

レナの紫の光弾がライフを破壊した。

 

 

 

 

依姫「まぁ、こんなもんね。ターンエンド。」

 

 

 

 

ドレミー「…メインステップ。側近衆シバドックを召喚。そして………ソウルコアを召喚コストに使い、召喚条件を無視……鋼の鎧…絶対零度の斬撃…召喚…戦国六武将センリュウカク!コストはムシャリザードとシバドックから確保。」

 

 

 

 

ムシャリザードとシバドックが消滅するが、空から光がさして、一体のドラゴンが降りてくる。そのドラゴンは手に剣を掴むとフィールドに降り立ち、咆哮した。

 

 

 

 

ヘラ《……この子も……いけるかしら?》

 

 

 

依姫「問題ないわ。私は神を降ろす者。これぐらいは楽勝よ。」

 

 

 

ドレミー「アタックステップ。センリュウカクでアタック!」

 

 

 

依姫「ライフで受ける。」

 

 

 

センリュウカクの剣がライフを切り裂いた。

 

 

 

 

ドレミー「ターンエンド。」

 

 

 

依姫「さて……メインステップ。魔界騎士デストロイデンをレベル2で召喚。召喚時効果で二枚ドローして、疲労しているアルティメットを破壊……だがそれは不発ね。そしてロックハンドの効果で召喚コストにソウルコアを使い、トラッシュから爆弾ドールミモザを召喚。効果により、メノウドラゴンのコアを外す。」

 

 

 

依姫のフィールドに二つの頭を持った騎士が現れて、斬撃をセンリュウカクに放ったが、超装甲に防がれたが、その後に金髪で赤い服を着た人形が出て来て爆弾をメノウドラゴンに投げつけて消滅させた。

 

 

 

 

依姫「アタックステップ。デストロイデン、行って来なさい。」

 

 

ヘラ《デストロイデン、頑張ってや~》

 

 

 

ドレミー「ライフで受ける。」

 

 

 

デストロイデンの二つの剣がライフを壊した。

 

 

 

依姫「ターンエンド。」

 

 

 

ドレミー「…このターンで決めます……メインステップ。オートマチックガンナーを二体、ムシャリザードを召喚。センリュウカクをレベル5にして……アタック!ソウルドライブ……発揮!相手のスピリットをデッキの上に戻します!返れ!デストロイデン!レナ!ミモザ!」

 

 

 

センリュウカクが金色のオーラを纏いながら空に浮かび上がり、剣を依姫のフィールドに向けた。すると、スピリット達が次々と消えてデッキに戻ってしまった。

 

 

依姫「……ライフで受ける!」

 

 

 

センリュウカクの剣がまたライフを破壊する。

 

 

 

ドレミー「これであなたのブロッカーはいません!フルアタックでおしまいです!ムシャリザードでアタック!」

 

 

 

ドレミーが勝利を確信したその時……突然、依姫が笑いだした。

 

 

 

依姫「……あはは…!ドレミー、それは早計よ?ヘラの神技発揮!一枚ドローして一枚破棄…………カードが答えてくれたわ…!そして手札から鬼神女王ジェラシックドールを破棄。」

 

 

 

ドレミー「!?それが一体………!?」

 

 

 

ヘラ《…そしてその破棄したカードの召喚時効果をうちの神技として使えるの。無色としてね♪ はぁぁぁ!》

 

 

 

ヘラが依姫のカードをエネルギーにしてデッキを一枚めくった。そのカードは黒嫁ドールザンシアだったので、ヘラは衝撃波を放ってセンリュウカクを消滅させた。

 

 

 

依姫「ジェラシックドールの効果はデッキを一枚めくってそのカードが呪鬼のカード、ブレイヴ、ネクサスのどれかだったらそのコスト分コアを外せるのよ。あなたは私達には到底及ばない………覚悟の重さが違うもの………

 

 

 

そしてジェラシックドールの効果で効果によって破棄されたのでこのまま召喚できる!呪いの人形姫!鬼神女王ジェラシックドール!その力を解放せよ!!」

 

 

 

ヘラ《…ふふふ……いくで……覚悟しいや……》

 

 

 

 

ヘラから紫の糸が伸びてそれが編まれて一体の人形になっていく。そして完成すると紫のオーラを放出した。

 

 

 

依姫「ジェラシックドールが召喚されたから、また一枚めくるわ………コスト3のデットリィバランスなのでオートマチックガンナーとムシャリザードのコアを合計三個外して消滅!ドレミー、どうする?まだおしまいだって言える?」

 

 

 

ジェラシックドールの呪いの糸がドレミーのスピリット達を締め付けて消滅させた。

 

 

 

ドレミー「……ターンエンド…依姫さま……それがあなたの覚悟ですか……」

 

 

 

 

依姫「ええ!私はこの異変を解決して、月の都を騙した者を討伐する!私のためじゃない、故郷のために!

 

メインステップ!ジェラシックドールをレベル3に!黒嫁ドールザンシアと鬼死龍王デス・ラードンを召喚!デス・ラードンをジェラシックドールに合体!アタックステップ!ザンシアでアタック!」

 

 

 

フィールドに黒いドレスを着た人形と紫のドラゴンが現れた。そしてデス・ラードンがジェラシックドールに吸収されてさらに禍々しいオーラを放つ。

 

 

 

ドレミー「…ライフです…」

 

 

 

ザンシアの剣がライフを斬る。

 

 

 

依姫「ジェラシックドール!」

 

 

 

ヘラ《これで決まりやで!》

 

 

 

ジェラシックドールが紫の糸でドレミーのライフを引き裂いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘラ《…んん~まずは、弾君が帰って来るまで待つ?》

 

 

 

依姫「そうですね……向こうが得た情報も気になりますし……」

 

 

 

ドレミーをベッドに寝かせた後、全員で今後の動きを考えていた。

 

 

 

アプロディーテ《結局、彼らが帰って来るまで何もできないから………アテナの惚れた男について聞いちゃいましょう♪》

 

 

アテナ《……!?話しません!》

 

 

 

アプロディーテ《…あれ?随分、必死になるのね?ねぇ、アルテミス、知らない?彼がどうやってアテナを落としたか……》

 

 

 

アルテミス《知ってるわ!実はね……》

 

 

アテナ《やめなさい!!!!》

 

 

 

 

顔を赤らめて必死に止めようとしているアテナを見て、ポセイドンとヘラは微笑ましく見守っていた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


ヘラさま、来訪………口調がムズい………


これで新第2章は終わりです。新第3章は他の創界神と東方メンバー、そして弾さんを書いていきます。どうぞお楽しみに……


ヘラ

オリン所属の呪鬼の創界神。ゼウスの妻で神々の女王だが、ゼウスの浮気にはとんでもないセンサーで感知し、お仕置きする。少しヤンデレ。昔は他の女性との子ども達を鬱陶しく思っていたが最近は近付いてみようとしている。和服にはまっており、普段着は和服にしている。


次回予告 花の微笑み 天使の眼差し


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新第三章~集結!依姫特訓編~
花の微笑み 天使の眼差し


創界神アレスが発表されましたが……殻人で二体同時……キャンサードしか考えられない……



あらすじ ヘラを降ろしてドレミーのアルティメットを倒した依姫は報告のため弾の帰りまで待つことになった。


翌朝

 

 

弾「……アルティメットか……」

 

 

 

依姫「これらの主が異変の元凶だと思われます。」

 

 

 

帰って来た弾に連れてきた創界神達を紹介して、アルティメットを見せた依姫。永琳や紫も少し疲れていたようだが、アテナが弾に熱い視線を送っているのを見ると元気(対抗心)が出てきたようだ。

 

 

 

紫「…弾…どうする?」

 

 

 

弾「…永琳……依姫の稽古を頼めるか……?」

 

 

 

永琳「いいけど………どうして?」

 

 

 

弾「…今度の大会で………やつを誘き出す……」

 

 

 

 

その言葉に全員驚く。大会というのは幻想郷で定期的に行われているバトスピトーナメントで、一週間後に決勝トーナメントが開かれる予定になっている。

 

 

 

ヘルメス《…腹積もりは?》

 

 

弾「…たぶん、元凶は創界神とのバトルと依姫を陥れることを狙っている。そこで彼女を決勝トーナメントに出せば、元凶も動く……そう考えた。」

 

 

 

アルテミス《…でも、決勝ってことは予選はもう終わってるんじゃ………》

 

 

 

へカーティア《…私が進出してたから、その席をあげればいいわよん♪でも……負けたら承知しないからね。》

 

 

 

へカーティアにお礼を言って気を引き締める依姫。すると、アテナが弾に尋ねた。

 

 

 

アテナ《…弾……あなたは出るの?》

 

 

 

 

弾「いや、ほんとは出たかったんだけど、勝負にならないって言われて、大会の優勝者とのバトル一回だけなんだ。」

 

 

 

アテナ《…そう……残念ね………》

 

 

 

アテナはその言葉に少し残念な声で返事をする。すると………

 

 

紫「…………」

 

 

永琳「………」

 

 

アプロディーテ《本当に残念ね~旦那の勇姿があんまり見れなくて…………ちょっと二人とも……睨み付けないでよ………》

 

 

 

 

 

……もうこれ以上はヘルメスやへカーティアの胃が死ぬので、弾は上手く切り上げようとする。

 

 

 

弾「そうだ、オレも元凶の調査兼創界神探しに行こうかな……」

 

 

そう言って立ち上がろうとしたが…………

 

 

紫「私も行くわ!」

 

永琳「ちょっと、あなたは大会の解説兼開催者なんだから依姫が出れるように根回ししておきなさい。弾!私と行かない?」

 

 

 

アテナ《全く……私は他の創界神達ともまぁ、ちょっと…ほんの少しは繋がりがあるので………ど、どうですか?》

 

 

 

 

…………やっちまった………弾は頭を抱えたが………

 

 

 

 

へカーティア《私がついてくわ!マナカとケイがいるから安心してそっちの業務をしててね~!》

 

 

 

 

三人《「「……………」」》

 

 

 

 

………へカーティアに後で甘いものでも買おうと思った弾であった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃 幽香&イシスは………

 

 

 

 

 

 

幽香「……ここ?」

 

 

 

二人が来ていたのは天界の比那名居邸だった。

 

 

 

イシス《ええ、ここからあいつの気配がするわ……ここのやつとは何かあったの?》

 

 

 

幽香が少し嫌な顔をしたので、イシスは尋ねると、ここに住むワガママな娘のことを話した。

 

 

 

イシス《へぇ、弾が創界神としての初めての異変でも関係していたのね………でもセトにとってはそんな子だったらむしろ歓迎するわね。彼は豪快なやつだから…………噂をすれば……出てきたわ………》

 

 

 

 

 

ドタドタと足音がして、いかにも金持ちがすんでそうな家の扉が開くと、そこから筋肉質の青年が出てきた。

 

 

 

 

???《おお~!!姉さん!やっぱりそうか!》

 

 

 

幽香「………彼が?」

 

 

 

イシス《ええ、私の同僚で弟、戦いの神のセトよ。久しぶりね。最近、ブラブラしてたから顔を見せなかったけど……ここで世話になっていたの?》

 

 

 

セト《まあな!んで、ここに来たのはあれだろ?黒いフードのやつだろ?》

 

 

 

セトの言葉に驚く二人。するとセトは天界でも黒フードが出没していると言う。

 

 

 

セト《そこでだ。オレはここの娘のテンコと一緒に討伐しに行くつもりだったんだが………姉さん達も来るかい!?もしかしたら黒フードの親玉も居るかもしれねぇからな。お~い!!テンコ~!!先に行くぞ~!!》

 

 

 

そう言って家の中に向かって叫ぶセトに中から若い娘が返事と共に出てきた。

 

 

 

天子「ちょっと!私はてんしでテンコじゃないわよ!!」

 

 

イシス《さぁ幽香、セトそしてテンコちゃん。行くわよ》

 

 

天子「だ~か~ら~!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天界 外れ

 

 

 

 

幽香「…あいつから…黒フードと同じ気配が……」

 

 

 

イシス《……あの二人……気になるわね……》

 

 

 

天子「…あいつらは……!」

 

 

 

セト《ん!?テンコ、知り合いか?》

 

 

 

 

天界の外れでテンコ「てんし!!」………天子(てんし)達が見つけたのは………

 

 

 

弁々「………」

 

 

八橋「………」

 

 

 

 

付喪神の九十九 弁々 八橋姉妹だった。付喪神とは道具に宿り、動けるようになった聖霊みたいなもので、神の一種でもある。

 

 

 

 

幽香「でも、創界神と比べたら月とすっぽんよ。」

 

 

 

 

天子「よし!あんた、妹の方は任せるわ!行くわよ!セト!」

 

 

 

セト《おう!フルスロットルでいくぜ!》

 

 

 

イシス《…ふふふ、元気な二人ね。幽香、私達も行くわよ。》

 

 

 

 

 

天子 幽香「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 幽香はイシスを配置して三枚をトラッシュへ。対象カードが二枚とイシスの力が落ちたので、計三個を置いてイシスの力を手札に加えた。

 

 

 

第2ターン 八橋は華王の城門を配置してバーストをセット。これでターンエンド。

 

 

第3ターン 幽香はエジットの天使ティティエルを召喚してこちらもバーストをセット。

 

 

第4ターン 八橋は剣聖姫ツルをオープンしてワンドロー。そしてそのツルを召喚。召喚時効果で五枚オープンしてその中のバースト 戦国姫 御琴と姫鶴一文字、天火烈刀斬を手札に加えた。これでターンエンド。バトルは第5ターンである。

 

 

 

幽香「メインステップ。エジットの天使マイベルを召喚。アタックステップ。ティティエルでアタック!フラッシュタイミングで煌臨!エジットの天使長ハトフェルをティティエルに煌臨させるわ!効果でライフをボイドに置いて回復!」

 

 

 

幽香のフィールドの天使が黄色く光り、より大きな天使に変わる。

 

 

 

八橋「…ライフで受ける…バースト発動……絶甲氷盾…コアをライフに……」

 

 

 

ハトフェルの翼から出た光弾がライフを砕いた。

 

 

 

幽香「ターンエンドよ。」

 

 

 

イシス《ハトフェル、いい攻撃だったわ。》

 

 

 

八橋「…華王の城門の効果でシンフォニックバーストをオープンしてワンドロー……メインステップ…姫鶴一文字をツルに直接合体……ツルをレベル3に……バーストをセット……

 

アタックステップ……ツルでアタック……起導……ソウルコアをトラッシュへ……雷命刀ミカヅキ……マイベルの効果を無くしてそのままツルに直接合体……姫鶴一文字は効果でツルの合体数に数えない………」

 

 

 

姫ツル一文字を携えたツルが何か呪文を唱えるとフィールドに雷が落ちて、そこから黄色の剣が現れてツルの反対の手に収まる。

 

 

 

幽香「へぇ…弾のサジットみたいね。ライフで受けるわ。そしてバースト発動。エジットの天使モニファーエル。ライフを増やして召喚。」

 

 

 

ツルが二本の剣でライフを一気に三つ斬ったが、幽香のバーストから現れた天使がライフを一つ回復させた。

 

 

 

八橋「…ターンエンド…」

 

 

 

幽香「さて、向こうはシンフォニックバーストが見えてるからこのターンで使わせたいわね……メインステップ。エジットの天使長ソプディエルを召喚。さらにアルティメットの召喚によって手札から地球神剣ガイアノホコをソプディエルに直接合体!

 

アタックステップ!ソプディエルでアタック!!効果でライフをソプディエルに置いてアンブロカッカブルに!ライフが減ったのでイシスの効果で相手のライフを砕く!!」

 

 

 

イシス《ふふふ、流れるようなコンボね》

 

 

 

幽香のフィールドに新しく緋色の天使が降りて、緑の矛を握りしめて八橋に向けて飛び出した。ソプディエルが輝くと幽香のライフが一つソプディエルに吸収されてソプディエルの体が金色になる。その効果に連動してイシスも相手のライフを光弾で破壊した。

 

 

 

 

八橋「…フラッシュタイミング…手元からシンフォニックバーストを使用……アタックステップを強制終了……ライフで受ける…」

 

 

 

ソプディエルのガイアノホコが一気に二つのライフを砕いた。

 

 

 

 

 

幽香「ターンエンド。よし、目的は達成ね。」

 

 

 

イシス《…ツル……中々いい子じゃない……》

 

 

 

 

八橋「…メインステップ…戦国天使ムシャエルを二体召喚…バーストをセット…アタックステップ…ツルでアタック……起導……マジック…天火烈刀斬…ワンドローしてスピリット全てに赤シンボルを追加……」

 

 

 

 

 

幽香「フラッシュタイミング、マジックでアブソリュートゼロを使うわ。ツルを指定してシンボルをゼロに!」

 

 

赤いオーラで強化された剣をライフに突き刺そうとしたツルだったが、幽香の手から黄色のビームが直撃して力を奪った。

 

 

 

八橋「…ミカヅキの効果でバーストをセットして回復…ターンエンド…」

 

 

 

幽香「…ここで終わりよ。メインステップ。天霊達の大輪の華!聖天女神イシスター!!ガイアノホコと合体!」

 

 

 

イシス《…あら…案外、ガイアノホコも似合うわね。》

 

 

 

イシスの光からイシスターが現れ、ガイアノホコを杖と二刀にして構えた。

 

 

 

幽香「アタックステップ!イシスターでアタック!!界放の効果でムシャエル達を手札へ戻してライフを砕く!イシスの効果でもう一発!!これでフィニッシュ!!」

 

 

イシス《…さぁ!目を覚ましなさい!!》

 

 

 

 

イシスターとイシスのダブル光線が八橋のライフを貫いた!

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


セトと天子登場!新三章は残りの創界神達を集める感じになります。ああ、早くアレックスやトトを書きたい……


セト

エジット所属の獣頭の創界神。良くも悪くも真っ直ぐで曲がったことが嫌い。ケンカ好きで鬼たちを倒した後、天子の所でゆっくりしていた。セト曰く《波長と性格が合った》そうな。姉のイシスや主神のラーには意外と信頼されていて、エジットの矛とも言われている。


次回予告 エジットの神々!獣と天使の進撃!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

エジットの神々!獣と天使の進撃!!



……もう五十話……なので、あらすじは書くの面倒になったので廃止します(おいおい)





 

第1ターン 天子はゴッドシーカー砂海祈祷士ケルドマンドを召喚して四枚オープン。その中の砂海の武王ビャッコウラーと創界神セトを手札に加えた。

 

 

第2ターン 弁々はワンアイドデーモンを二体召喚してバーストをセット。召喚した二体でアタックして、天子のライフを二つ砕いた。

 

 

そして第3ターンに差し掛かる。

 

 

 

天子「メインステップ!百獣の神!創界神セトを配置!トラッシュへ送った中に対象カードが三枚!ラッキー♪コアを三個置くわ!さらに砂海王子ナルテミスと砂海武王ビャッコウラーをを召喚して効果でワンアイドデーモンを一体破壊!」

 

 

 

 

セト《うおっしゃあぁ!》

 

 

天子の後ろにセトが現れて、フィールドに二体の獣の頭を持ったアルティメットが現れた。

 

 

 

天子「アタックステップ!ビャッコウラーでアタック!アタック時効果!ワンドローして一枚破棄。破棄したカードがコスト四以上だったので回復よ!」

 

 

 

弁々「…ライフで受ける…」

 

 

 

ビャッコウラーのパンチがライフを打ち砕く。

 

 

 

天子「ターンエンド!」

 

 

 

弁々「…メインステップ…バットナイトと生還者ヴァサーゴを召喚…効果でドロー…………ターンエンド…」

 

 

 

天子「びびってるわね!?それでも私は容赦しない!メインステップ!バーストをセット!砂海王グリセティ一世を召喚!アタックステップ!ビャッコウラーでもう一度アタック!効果で手札交換!そして回復!」

 

 

 

 

弁々「…ライフで受ける…バースト発動…アルティメットウォール……アタックステップを強制終了……」

 

 

 

ビャッコウラーのパンチがまた弁々のライフを破壊したが、透明な幕がアタックを邪魔した。

 

 

 

天子「ふーん、まあまあやるわね。ターンエンド。」

 

 

 

 

弁々「…メインステップ…紫煙の呪い…紫に染まる世界…召喚……獄炎公爵ブラム・ザンド・ノワール!!」

 

 

 

 

フィールドに紫の煙があがっていき、そのから剣を突きだして一体のドラゴンが現れた。

 

 

 

セト《……お~ん?なんか……イヤ~な気を纏ってるなぁ》

 

 

 

天子「どんなやつでも関係ないわ!かかってきなさい!」

 

 

 

弁々「…ターンエンド…」

 

 

 

セト《ガクッ》

 

 

 

天子「何よ!来ないの!?あんなこと言って恥ずかしかったじゃない!メインステップ!さあて!ぶち壊しなさい!打ち砕きなさい!砂海嵐神タイフォーム!!グリセティの効果でケルドマンドを疲労させて三コストマイナスして召喚!!」

 

 

 

セト《割れろ!喰われろ!そして砕け散りやがれ!!》

 

 

 

 

セトの拳が大地を砕くとそこから鎌を持ったケンタウルスが飛び出してきた。

 

 

 

天子「アタックステップ!タイフォームでアタック!アタック時効果でバットナイトを破壊!さらにデッキをグリセティの効果で合計五枚破棄!その中にコスト三のバットナイトが破棄されたので回復よ!!」

 

 

 

タイフォームが衝撃波でバットナイトとデッキを破壊してまたタイフォームが青く光って回復した。

 

 

 

弁々「…ライフで受ける…」

 

 

 

タイフォームが鎌でライフを砕く。

 

 

 

天子「もう一発!!タイフォームでアタック!五枚破棄してコスト六のフォビドゥングレイブがあったので回復!さらにセトの神技でワンアイドデーモンを破壊!!」

 

 

 

セト《ぶっ壊れろぉぉぉぉぉ!!!!!》

 

 

 

セトのパンチがワンアイドデーモンを打ち砕いた。

 

 

 

弁々「…ブラム・ザンド・ノワールでブロック……」

 

 

 

タイフォームが鎌を振り回しながら突進する。ノワールは紫色の炎を纏った剣で受け止めたが勢いまでは殺せず、後に後退する。するとタイフォームは鎌を上に振り上げてノワールを空中に飛ばすと鎌を回して竜巻を作り出した!ノワールは何とか体勢を治そうとしたが、タイフォームはその隙をついて鎌で剣ごと切り裂き、爆散させた!

 

 

 

天子「ビャッコウラーでアタック!」

 

 

 

弁々「…ヴァサーゴでブロック…」

 

 

 

ビャッコウラーがヴァサーゴを殴り飛ばす。

 

 

 

天子「さぁ、フルアタック!!ぶっ潰れなさい!!」

 

 

 

セト《行ってこいや!お前ら!!》

 

 

 

天子のアルティメット達が弁々のライフを全て粉々にした!

 

 

 

 

 

 

 

 

イシス《一応、この子達と変なこのアルティメットは回収しておくわ。》

 

 

 

天子「こいつら……一体何でこんなところにいたの?」

 

 

幽香「それも話すからちょっと付き合ってくれないかしら?」

 

 

 

 

セト《……ホルスじゃねえが……嫌な空気だぜ………》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻ほど前 後戸の世界 隠岐奈の空間

 

 

 

 

隠岐奈「…了解した永琳……変なアルティメットだな………舞!里乃!……………ん?あの二人………どこ行った?」

 

 

 

一方 幻想郷の賢者の一人、摩多羅隠岐奈は永琳からの連絡を受けてそのアルティメットを探そうと2人の側近を呼んだが………この通りである。隠岐奈が二人の行方を考えていると……

 

 

 

 

???《失礼。道を聞いてもいいかな?》

 

 

 

隠岐奈は驚いてその声に振り返った。この世界に干渉するなんてただ者ではない。その男はメガネをかけて、タブレット端末を持った青年だった。そのオーラに弾と似たようなものを感じとった隠岐奈は尋ねてみた。

 

 

 

隠岐奈「あんたは………もしかして……創界神か?」

 

 

 

???《ああそうだ。僕はエジットの創界神のトト。永遠亭への道が知りたい。幻想郷は僕の力の外側だから調べられなかったから聞いたんだ。勝手に君の空間に入ってきてすまないね。》

 

 

 

隠岐奈は納得した。創界神なら自分の空間にも入ってこれるだろう。一応、怒らせるとまずいので道を教えようとした隠岐奈だったが………

 

 

 

トト《……なぁ……もしかして……君がさっき呼んでいた部下は彼女達かい?なんだか普通じゃないけど………》

 

 

 

 

隠岐奈「…!?舞!里乃!どうした!?」

 

 

 

トトが指を指した方向を隠岐奈が見るとそこには先程呼んでいた部下の二童子の丁礼田 舞爾子田 里乃がいたが、明らかに目がおかしかった。まるで心ここにあらずといった感じだ。

 

 

 

 

隠岐奈「…これが……永琳が言っていたアルティメットの催眠能力か………」

 

 

 

トト《ふむ……強力な催眠……アルティメット……よし……摩多羅 隠岐奈、僕に協力してくれないか?僕なら彼女達からあのアルティメットをひっぺがせる。》

 

 

 

隠岐奈「本当か!?すまない!頼む!」

 

 

 

そう答えた隠岐奈の体にトトが入ろうとしたその時!

 

 

 

文「あややや、普通ならこの後戸の世界を取材したいですが………まずはこっちですね……」

 

 

 

ホルス《よぉ……おせぇぞ………相棒………?》

 

 

ホルスと文が風穴を開けて入ってきた。

 

 

 

トト《…悪いね……ちょうど君達に伝えないといけないことがある……さっさと終わらせようか…………相棒?》

 

 

 

ホルス《ああ、いくぜ?トトっていってぇ!!》

 

 

 

そうカッコつけているホルスの頭を文がどこからか出したスリッパでひっぱたいた。

 

 

 

文「私といくんじゃないんですか?さぁ、早く体に入ってください!」

 

 

隠岐奈「ハハハ!さてトト、こちらの準備は出来てるぞ。」

 

 

トト《わかった!》

 

 

ホルス《さぁて!コンビにはコンビだ!あの二人を助けるぞ!》

 

 

 

そう言ってトトとホルスは二人の体に入る。

 

 

 

隠岐奈 文「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………三途の川では………

 

 

 

 

 

小町「…………zzzz…………」

 

 

 

いつもの通り小野塚 小町が仕事をサボって居眠りをしていた。するとそこへ…………

 

 

 

 

???《……休憩中に失礼。少し聞きたいことがあるのだが………》

 

 

 

小町「……んんん?………あんたは…………」

 

 

 

そう響いた男の声。小町は目を擦りながらそちらを見た。そこには片方の目がなにやら機械のような眼帯で覆われている男がいた。小町は最初は自殺願望者かと思ったが、その神力を感じると震え上がった。

 

 

 

小町「…………ま、まさか………創界神……さまですか?」

 

 

???《ああ、私はエジットの冥界を司るオシリスという者だ。この世界の死後の裁判に興味があって来た。もし良ければ案内してほしいのだが…………》

 

 

 

小町「どうぞ!どうぞ!遠慮なく!!私、小野塚 小町が案内致します!」

 

 

そう言う小町の頭の中は「居眠りがバレたら超ヤバい」の一言に尽きたそうだ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦え………もっと………もっと………戦い続けろ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。短めですがありがとうございました。


もうトトとホルスが左君とフィリップ君に見える見える……たぶん、隠岐奈の体に入ってもトトの肉体は残らないので倒れる心配がないのはフィリップ君とは違う点ですね。




トト

エジット所属の武装の創界神。沈着冷静でエジットの参謀を担っている。機械の発明が好きで月の都の創界神のツクヨミとはよく発明を見せあっており、永琳の噂も聞いていた。ホルスは自分の道を教えてくれた親友兼相棒。濃い面子のエジットをまとめるために四苦八苦しており、苦労人と言われている。

次回予告 鳥と機械! ベストマッチな二人!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鳥と機械!ベストマッチな二人!!



???「タカ!ガトリング!ベストマッチ!!」………はい………すみませんでした…………


最近、何か足りないなぁと思っていたら、スピリット同士のバトルがほとんど無くなってた……バトルしないバトスピになってた………




第1ターン 文はホルスを配置してカードをトラッシュへ。対象は二枚だったので二コアを置いた。

 

 

第2ターン 舞はアルマジドラゴンを召喚してバーストをセット。アルマジドラゴンのアタックで、文のライフを砕いた。

 

 

第3ターン 文は天空勇士セメン・バードと三十三代目風魔当主ヤタガライを召喚してコアブースト。バーストをセットしてターンエンド。

 

 

第4ターン 舞はエゾノ・アウルをレベル3で召喚。エゾノ・アウルがさらに文のライフを砕いた。これでターンエンド。バトルは第5ターンに入る。

 

 

文「メインステップ。その翼は神の領域!天空神鳥ハロエリスをレベル4で召喚!召喚時効果でエゾノ・アウルを重疲労!アタックステップ!ハロエリスでアタック!効果でアルマジドラゴンを重疲労させてバトル後にハロエリスは回復する!」

 

 

ホルス《さらにハロエリスは重疲労状態のスピリットの効果を封じる!ハロエリス!向かい風を追い風に変えてやれ!》

 

 

金と緑の風が一体の巨大な鳥を出現させ、その羽ばたきで舞のスピリット達が重疲労状態になる。

 

 

舞「……ライフで受ける…」

 

ハロエリスが嘴でライフを砕く。

 

文「もう一度、ハロエリスでアタック!」

 

舞「……ライフで受ける…バースト発動……氷の剣…固き翼……爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー!レベル3で召喚……」

 

ハロエリスがもう一度、ライフを砕くと、氷山が出現してその中から白と青のドラゴンが剣を携えて出て来た。

 

 

文「あややや、ターンエンドです。」

 

 

舞「…メインステップ…盾星鎧シールドタンクをグレイザーに直接合体して召喚………アタックステップ…グレイザーでアタック……」

 

 

鎧に強固な盾や砲台が装着されたグレイザーが剣をふるって飛び出した。

 

 

文「セメン・バードでブロック!フラッシュタイミング!ホルスの神技を使います!三枚オープンしてその中の爪鳥を一コスト召喚!」

 

 

ホルス《……さて……どいつが出るやら……》

 

 

ホルスの風がデッキを三枚めくる。そのカードは ホルスの天空神殿 バインディングホルス そして……………

 

 

天空神皇ゲイル・フェニックス・ホルス

 

 

文「え……えええ!?Σ(Д゚;/)/」

 

 

ホルス《よっしゃ!幻想郷に吹く皇の風!天空神皇ゲイル・フェニックス・ホルスを一コストで召喚!!》

 

 

セメン・バードがグレイザーの剣に斬られた後、緑の球にホルスの風がまとわりついて、その姿を鳥に変えていく。そして現れたその姿は魔理沙のゲイル・フェニックスに酷似していた。

 

舞「…ターンエンド……」

 

 

文「ちょちょちょ!ちょっと!!何でゲイル・フェニックスがあなたの眷属にいるんですか!?」

 

 

ホルス《ん?ああ、実はな、スンゲェ昔にうちの主神とケンカした時があってな。その時にゲイル・フェニックスの弟が俺に接触してきたんだ。敵が敵なこともあったから、力を与えて眷属に加えたのさ。》

ホルスの言葉に文は驚きながらもターンを進める。

 

 

文「…へ、へぇ……メインステップ。ゲイル・フェニックス・ホルスをレベル3に、ハロエリスをレベル4に上げます!アタックステップ!ゲイル・フェニックス・ホルスでアタック!アタック時効果で封印します!さらに神飛翔の効果でホルスのコアを置いて回復!」

 

 

ソウルコアが文のライフに吸い込まれると、ゲイル・フェニックスがホルスの力を使って回復した。

 

 

舞「…フラッシュタイミング……マジック…エターナルディフェンス…グレイザーを疲労ブロッカーにしてブロック……」

 

 

文「BPはこちらが上です!」

 

 

グレイザーの剣がゲイル・フェニックスに迫るが、ひらりとかわす。そしてグレイザー向けて全速力で突っ込んだ。それに対してグレイザーは正面からの攻撃に備えて剣を構え、突っ込んできたゲイル・フェニックスを斬った………

 

 

………と思ったが、なんとゲイル・フェニックスは分身してグレイザーをとり囲んだ!そして四方八方から突撃してグレイザーを粉々に切り裂いた!!

 

 

文「ハロエリスでアタック!」

 

 

舞「…ライフで受ける…」

 

 

ハロリエスの翼からの光弾がライフを破壊する。

 

 

 

文「もう一度!ゲイル・フェニックス・ホルス!羽ばたけ!神飛翔、発揮!一コストで回復!」

 

 

舞「…ライフで受ける…」

 

 

復活したゲイル・フェニックスがまたライフを貫く。

 

 

文「最後の一発!!これで決まりです!!」

 

 

ホルス《さぁて!ハードボイルドに決めるぜ……!》

 

ゲイル・フェニックスの竜巻がライフを粉砕した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 隠岐奈はゴッドシーカー聖刻騎兵スポッター・シェネウトを召喚。効果で四枚オープンして聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウと創界神トトを回収した。

 

 

第2ターン 里乃はバーゴイルを召喚してコアブースト。バーストをセットしてターンエンド。

 

第3ターン 隠岐奈は一枚のカードを掲げた。

 

 

隠岐奈「メインステップ。来たれ!世界の分析者!創界神トト!効果で三枚トラッシュへ置き、対象カードが三枚全てだったので三個コアをトトに置く!さらに聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウを召喚!」

 

 

トト《さぁ、分析の時間だ………どんなデータがっとそれより彼女の安全だね。》

 

隠岐奈の後ろにトトが現れてタブレット端末を構えて里乃に掛けられている術式の解除を試み始める。

 

 

隠岐奈「アタックステップ!キャバルリー・アーネジェウでアタック!」

 

 

里乃「…ライフで受ける…バースト発動……炎の刃…英雄の翼……爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼルを召喚……」

 

 

アーネジェウがライフを銃で撃ち抜くと、炎が集まり、そこから白い和服を着た赤いドラゴンが降り立った。

 

 

隠岐奈「もう来たか……エンドステップにアーネジェウの効果で回復……ターンエンド…」

 

 

トト《…計算通りだ。アーネジェウ、良くやった。》

 

 

里乃「…メインステップ…バーゴイルを召喚…コアブースト……バーストをセット…バゼルをレベル3に……アタックステップ…バゼルでアタック…効果で鎧龍刃ゴウテンのバーストを発動させて直接バゼルに合体……そしてバゼルは回復……」

 

 

バゼルが吠えるとバーストが炎の鎧になり、バゼルをさらに武将のようにさせた。

 

 

隠岐奈「…ライフだ!」

 

 

 

バゼルの二刀流が隠岐奈のライフを二つ切り裂いた。

 

里乃「…ターンエンド…」

 

 

トト《………さて僕の効果は使うかい?》

 

隠岐奈「ああもちろん!トトの神域の効果を使う!スタートステップの前に追加でアタックステップを行える!スポッター・シェネウトでアタック!」

 

 

トトの魔方陣がフィールドを包み、スポッター・シェネウトが攻撃体勢に入る。

 

里乃「…ライフで受ける…」

 

 

スポッター・シェネウトがさらにライフを撃ち抜いた。

 

 

隠岐奈「…そしてメインステップ……よし!時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も聖刻神機ジェフティック=トト!!まさに今!生誕の時だ!!」

 

 

 

トト《さて……データは十分。後は彼女を助けるだけだ。》

 

隠岐奈がなんか「祝え!」の人のような言葉と共にカードを掲げると、トトがタブレットをいじり、巨大な魔方陣をフィールドに展開させる。するとそこから大きなスナイパーライフルを構えたロボットがでて来た。

 

 

隠岐奈「さらにトトの効果でコアを二個ボイドに置いて、次のターンまで相手の効果を受けなくなる!まだまだ!界放でコアを二個、ジェフティック=トトに置く!

 

 

アーネジェウをレベル4にしてアタックステップ!ジェフティック=トトでアタック!効果でバゼルをデッキに戻して回復する!」

 

 

ジェフティック=トトがライフルを構え、バゼル向けて弾丸を放つとバゼルが白い光になってデッキボトムに戻した。

 

 

里乃「…ゴウテンを残してそのままブロック…」

 

 

ゴウテンが剣を突き立てたが、ジェフティック=トトは簡単に踏み潰した。

 

 

隠岐奈「さらにジェフティック=トトでアタック!」

 

 

里乃「…ライフで受ける…」

 

 

ジェフティック=トトが今度は銃口を里乃のライフに向けて放つ。

 

 

隠岐奈「アーネジェウ!続け!!」

 

 

里乃「…ライフで受ける…」

 

 

アーネジェウが爆弾で里乃のライフを破壊した。

 

 

隠岐奈「これでターンエンドだ。」

 

 

トト《……よし……アーネジェウの効果で回復……そしてここからだ………》

 

 

里乃「スタートステップ……?」

 

 

ターンを始めようとした里乃だったが、ジェフティック=トトの体が白く光るとこちらのコアステップと同時に隠岐奈もコアステップを行ったのだ!

 

 

隠岐奈「さっきのジェフティック=トトの界放の効果だ!相手のコアステップからリフレッシュステップまでをこちらも行える!」

 

 

里乃がドローステップになると、隠岐奈もドロー。リフレッシュステップになると、隠岐奈もコアがリザーブに戻ってくる。

 

 

 

里乃「…メインステップ……闇の炎……金の悪夢……召喚…闇騎士ダスクドラゴン!…さらに木星神剣ジュピターセイバーを直接合体……召喚時効果でコアブースト……」

 

 

隠岐奈「こいつか!!件のアルティメットは!!」

 

 

トト《間違いないね。あのアルティメットが意識を操作している。》

 

 

 

フィールドに赤と緑の炎が上がり、そこから一体の龍が現れ、空から降ってきた剣を掴んで構えた。

 

 

 

里乃「…ダスクドラゴンをレベル4にして……アタックステップ……バーゴイルでアタック…ジュピターセイバーの効果でBPプラス5000…」

 

隠岐奈「…ライフで受ける!」

 

 

バーゴイルが爪でライフを砕く。

 

 

里乃「…もう一体のバーゴイルでアタック…」

 

 

隠岐奈「アーネジェウでブロック!」

 

 

 

アーネジェウがバーゴイルの爪を砕き、眉間を撃ち抜いて破壊した。

 

 

里乃「ダスクドラゴンでアタック……ソウルドライブ……!ソウルコアを破壊してアルティメットを全て回復……」

 

 

ダスクドラゴンがソウルコアのエネルギーにして自信とバーゴイルを回復させた。

 

 

 

隠岐奈「悪いな。フラッシュタイミング!シシャノショドリーム!!コスト4以上のアタックでは私のライフは削れない!!」

 

 

ダスクドラゴンのジュピターセイバーがトトの本状のシールドに阻まれた。

 

 

里乃「…ターンエンド…」

 

 

隠岐奈「…里乃…今助ける!メインステップ!ジェフティック=トトをレベル5に!さらに聖刻兵シールダー・ジェネス!そして聖刻神銃ジェフト=グリフを召喚!トト!」

 

 

トト《よし!神話ブレイヴ!新兵器の投入だ!》

 

空から一丁の銃が回転しながらトトの手に収まった。

 

 

隠岐奈「アタックステップ!ジェフティック=トトでアタック!ここでジェフト=グリフの神技を使ってジェフティック=トトを回復!!」

 

 

里乃「…バーゴイルでブロック……」

 

 

ジェフティック=トトがバーゴイルを蹴り飛ばした後、トトから放たれた銃弾はジェフティック=トトに新たなエネルギーを補填して回復させた。

 

 

隠岐奈「ジェフティック=トト!!」

 

 

里乃「…ダスクドラゴンでブロック…!」

 

 

ダスクドラゴンのジュピターセイバーとジェフティック=トトのスナイパーライフルがぶつかる。ダスクドラゴンが炎を口から吐いた後、ジュピターセイバーを突き出したが、ジェフティック=トトは腕を前に出すと、ダスクドラゴンの姿がぶれ、なんとダスクドラゴンの周りだけ時間が止まった!!

 

 

ジェフティック=トトはその隙に距離とエネルギーをとってライフルをぶっぱなした!!ダスクドラゴンは避けられず直撃したが、時間が止まっているのでまだ反応できていない。ジェフティック=トトが指をならすと、時が動き出して、ダスクドラゴンが吹き飛んだ!!

 

 

 

 

隠岐奈「アーネジェウ!里乃を助け出せ!!」

 

 

トト《…これで彼女は目覚める!!》

 

 

アーネジェウが最後のライフを撃ち抜いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里乃「…う、うーん……」

舞「…あれ…僕たち……一体……」

 

 

隠岐奈「…お前たち……良かった…!!!」

 

 

二人の目が覚めると隠岐奈は二人を抱き締めた。相当、心配していたのだろう。それを文とホルス、トトはそばで見守っていた。

 

 

ホルス《……さて……いいことしたな……相棒……》

 

トト《…ああ……後……報告がある……元凶が絞り込めたかもしれない……》

 

 

文「本当ですか!?一体誰なんですか!?」

 

 

トトの言葉に食らいつく文。トトはゆっくりと話した………………

 

 

 




はい。長くなりましたがありがとうございました。



トトが黒幕の正体を掴んだようですが、皆さんに明らかにするのはもう少し先になります。お楽しみに………


次回予告 創造と破壊!心火を燃やす神!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

創造と破壊!心火を燃やす神!!

禁止カードが更新されましたね。ケプリとリュキオースは予想していましたが、フェンリグは確かに楽族や死竜のようなフィールドにカードを置くのが増えたから厄介になるとは盲点でした。あと……ムリダンガム……よかった…この作品一体しか使ってなくて…………


さあ、突然ですが問題です!紫デッキに枠が余ると、必ず入るのは?



 

地底の縦穴

 

 

 

フラン「…あー危なかった……お姉さまったらしつこいんだから………」

 

 

シヴァ《…妹思いなんだが………ありゃシスコンの域だな………》

 

 

二人はレミリアのことを愚痴りながら、地底世界への縦穴を降りていた。

 

先日、フランがシヴァと異変解決に乗り出すと聞いたレミリアは「危険よ!フラン!しかもどこぞの男と!!男はみんなケダモノなのよ!!」と騒いだので、シヴァの力で無理矢理レミリアの首を縦にふらせた。何をしたかは………レミリアが「うー☆」になったとだけ言っておこう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地底 地霊殿 古明地 さとり邸

 

 

 

シヴァ《…あいつ……絶対、ここのサウナかなんかに入ってやがるな……》

 

 

フラン「…?暑いの好きな神様なの?」

 

 

シヴァ《まあな。あいつ……心も体も燃えてんだ………そこに誰かいるぞ!フラン!気を付けろ!》

 

 

 

二人は地底を治めている古明地 さとり邸の前に到着した。しかし、突然、シヴァが何者かの気配を感じて屋敷の門の前を警戒する。すると…………

 

 

 

???「…わぁ!すごい!さすが創界神様だね!やっはろー!フランちゃん!久しぶり~!どうしたの?お姉ちゃんになんか用なの?」

 

 

フラン「やっぱり、こいしちゃん!やっはろー!」

 

 

突然、門の前に 黒い帽子をかぶり、黒と黄色の服を着た緑の目の少女が現れた。彼女は古明地 こいし。他人の無意識に干渉できる能力を持っているため、他人の認識を阻害できるのだ。

 

 

 

シヴァ《……なんだ、知り合いか……すまねえがここに赤くて「サラちゃ~ん!」って言ってるバカいないか?》

 

 

 

 

こいし「…うん!いるよ!着いてきて!」

 

 

 

二人はこいしに案内されて中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿 さとりの部屋

 

 

 

さとり「…なるほど…そのカードは盲点でした…」

 

 

???《んだろ?サラちゃんはっとスマンスマン!まぁ~た間違えた………本当に似てるな………》

 

 

さとり「…はぁ………!あなたのお仲間が到着したみたいです………どうぞ!」

 

 

 

そう言ってドアに声をかけるさとり。するとドアから三人が入ってきた。

 

 

 

シヴァ《よう。ブラフマー、やっぱり温泉求めて………ってサラスヴァティー!!?何でここに!?》

 

 

 

ブラフマー《ちょっと待てぃ!彼女は古明地 さとりって子でサラちゃんとは別人!無関係!!ただのそっくりさん!!》

 

 

 

フラン「…あなたが……シヴァの同僚……?」

 

 

フランがシヴァの言葉にワタワタしながら否定した青髪の青年に尋ねる。

 

 

 

 

 

ブラフマー《…ん?ああ、俺がインディーダの創造の神のブラフマーだ。お嬢ちゃん、何か俺に用か?》

 

 

 

さとり「…………なるほど…………」

 

 

フランが答える前にさとりが心を読んで察する。

 

 

 

シヴァ《なんか、黒フードについて知らないか?》

 

 

 

シヴァが尋ねたその直後!!

 

 

 

 

 

 

さとり「……!!?お燐!?お空!?どうしたの!?返事して!?」

 

 

 

ブラフマー《えええ!どうした!!?》

 

 

突然、さとりが外に向かって飛び出したので、四人は慌ててさとりの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿 灼熱地獄跡地

 

 

 

 

さとりは急いで旧灼熱地獄で温度の管理をしている二人のペットの火焔猫 燐霊烏路 空を呼びに行った。

 

なぜなら、いつもは時たま彼らの心の声が聞こえてくるが今日は一回もなく、不思議には思っていたが、ついさっき、お燐の心の声が必死に助けを欲していたのでさとりは二人の所に向かったのである。五人が灼熱地獄跡地に着くと………

 

 

 

 

お燐「…………」

 

 

 

お空「……………」

 

 

 

ブラフマー《……操られてるね……》

 

 

 

こいし「そんな………」

 

 

 

フラン「…シヴァ!行くよ!こいしちゃんの家族を助けないと!」

 

 

 

さとり「……ブラフマーさん……私達も戦いましょう。私達の家族を助けます………!!」

 

 

 

 

ブラフマー《…ああ……心火を燃やして……ぶっ潰す……!!》

 

 

 

 

 

 

ブラフマーとシヴァが中に入った二人が構える。

 

 

 

さとり フラン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン お燐はダーク・ソードールを召喚してワンドロー。

 

 

第2ターン フランは創界神シヴァとシヴァの破壊神殿を配置してトラッシュに対象カードが一枚落ちたので、コアを一つ置いた。そしてバーストをセット。

 

 

第3ターン お燐は剥がれ落ちるウロコ山を配置。バーストをセットしてダーク・ソードールでアタック。フランはこれをライフで受けた。

 

 

 

第4ターン フランはナヴァラサドラゴンとムリダンガムドラゴンを召喚。召喚時効果で二枚カードを手元に置いて、ダーク・ソードールのコアを外して消滅させた。そしてナヴァラサドラゴンでアタック。効果で一枚カードを手元に置いて二枚ドローした。お燐はこれをライフで受けた。これでターンエンド。

 

 

 

そしてバトルは第5ターン………

 

 

 

 

お燐「…メインステップ…ピジョンヘディレスを二体召喚…骨の王…黒き骸王バルトアンデルス……召喚……」

 

 

 

お燐のフィールドに紫の竜巻が起こり、三ツ首に尻尾に蛇がついたキメラが現れた。

 

 

お燐「…アタックステップ…バルトアンデルスでアタック……アタック時効果でナヴァラサドラゴンを破壊……そして連鎖…必ずブロックしてもらう……」

 

 

 

バルトアンデルスが紫のビームでナヴァラサドラゴンを破壊する。そして赤いオーラを纏ってムリダンガムドラゴンに突進した。

 

 

 

フラン「ブロックして!ムリダンガムドラゴン!」

 

 

 

ムリダンガムドラゴンの爪がバルトアンデルスの三ツ首とぶつかり合う。バルトアンデルスはムリガンダムドラゴンを両肩の首で固定して口から炎を吹こうとした。

 

 

 

フラン「…フラッシュタイミング!煌臨!もう一体の破壊龍!破壊龍皇ジークフリード・ルドラ!!煌臨時効果でスピリット達からコアを三個ずつリザーブへ!!」

 

 

 

シヴァ《アレックス!また力借りるぜ!!》

 

 

 

ムリダンガムドラゴンが紫の光に包まれ、金色の鎧を着て三ツ又の矛を持ったドラゴンに変わり、バルトアンデルスの首を矛で貫いた後、フィールドのスピリットに矛の先から雷を放出してお燐のスピリット達からコアを奪って消滅させていった。

 

 

 

 

お燐「…ターンエンド……」

 

 

 

フラン「カードを手元に置いて、メインステップ!全てを壊す世界の破壊龍!破壊神龍ヴァルドラムを召喚!アタックステップ!ヴァルドラムでアタック!フラッシュで手元のカード四枚を除外してライフを壊すよ!」

 

 

 

シヴァ《粉砕!玉砕!!第喝采!!!》

 

 

お燐「…ライフで受ける……」

 

 

シヴァの拳からヴァルドラムが飛び出し、効果も入れてライフを三つぶち壊した!!

 

 

 

 

フラン「とどめ!ルドラでアタック!!」

 

 

 

ルドラの矛が最後のライフを打ち砕いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………彼岸 是非曲直庁 四季 映姫の部屋

 

 

 

オシリス《………そこまでガッチガチにならなくてもよいのだが…………》

 

 

 

映姫「い、いえ!ほ、本日はどうでしたか………?」

 

 

 

ここは彼岸の閻魔の裁判所。その一室で幻想郷の閻魔 四季 映姫は突然の創界神オシリスの来訪にとてつもなく緊張していた。何倍もの格上の存在の彼が来訪したとなってはこの裁判所の全員を震え上がらせるのも頷ける。

 

 

 

オシリス《……うん、実に興味深かった……私の世界にも取り入れてみよう……………む?》

 

 

 

映姫「…?どうされましたか?」

 

 

 

 

外に鋭い視線を向けたオシリスに映姫は不思議に思って尋ねた。

 

 

 

オシリス《……伏せろ!!!!》

 

 

映姫「な!!!?」

 

 

その声と共に映姫の部屋の窓ガラスが砕け散り、何者かが飛び込んできた。その者は…………

 

 

 

 

 

 

勇儀「……ウウウウ…………」

 

 

 

映姫「星熊 勇儀!!あなたがなぜ!!?」

 

 

その言葉に鬼の四天王の一人、勇儀は何も答えず、ただ唸るだけであった。

 

 

 

オシリス《……映姫……彼女は何かに操られている……なぜなら、懐から嫌なオーラを感じるからだ……私も協力しよう。今日、世話になった礼だ。》

 

 

 

映姫「……すみません……ご協力感謝します!」

 

 

《……紫にカードを譲りましたから、危なかった…………》

 

 

 

 

映姫はオシリスを体に宿してデッキを構えた。

 

 

 

 

 

 

映姫「ゲートオープン!界放!!」

 

 




はい。ありがとうございました。


……サジット→戦兎 タウラス→万丈 へカーティア→幻徳

最後は……ブラフマーでした………ちなみにサラスヴァティーと言うのは元ネタのブラフマーの奥様の名前です。たぶん、名前だけで出ません。



答えはマグナマイザーです。自分も妖蛇や死龍、後は武装にも入れてます。いざというときに逆転できるので便利です……制限前は紫即効のエースだったなぁ……対策が大変だったけど……

ブラフマー


インディーダ所属の古竜の創界神。困っているやつを放っておけない性格で正義感溢れる戦士。妻のサラスヴァティーを溺愛しており、見た目が瓜二つのさとりには目が飛び出るほど驚いた。温泉やサウナ好きで幻想郷にはそれを求めて訪れた。


次回予告 「Are you ready?」「黒です!!」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

「Are you ready?」「黒です!」



「ドルオタ、押しと付き合うってよ」が本編より気になってます。







第1ターン さとりはゴッドシーカー祈祷竜アビナヤを召喚。効果で三枚オープンして爆焔龍マ・ゼーガー人態ーを手札に加えて、アバタードラゴン・レッドを手元に置いた。

 

 

第2ターン お空は忠臣ラテルを召喚してバーストをセット。これでターンエンド。

 

そして第3ターンである。

 

 

さとり「…メインステップ。未来の創造主!創造の創界神ブラフマー!効果で三枚をトラッシュに。その中に対象のカードが二枚ありましたので二つコアを置きます。そしてアバタードラゴン・ブルーの効果で手元に。さらに宮殿龍タージドラゴンを召喚します。」

 

 

 

 

ブラフマー《うっし!祭りの始まりだぜ!》

 

 

 

さとりの背後にブラフマーが現れ、フィールドにも宮殿を背負ったドラゴンが現れる。

 

 

 

さとり「バーストをセットしてアタックステップ。タージドラゴンでアタックします。効果でブラフマーのコアをボイドに置いて計二枚ドロー。」

 

 

 

お空「…ライフで受ける…」

 

 

 

タージドラゴンが爪でライフを引き裂く。

 

 

 

さとり「…ターンエンド。」

 

 

 

 

お空「…メインステップ…南蛮武者ハクライをレベル2で召喚…アタックステップ…ハクライの効果でドロー…ラテルでアタック……二コアブースト……」

 

 

フィールドに甲冑を着たドラゴンが現れて、ラテルが攻撃体制に入る。

 

 

さとり「ライフで受けます。」

 

 

 

ラテルがさとりライフを砕いた。

 

 

 

お空「…ターンエンド…」

 

 

 

さとり「…困ったわね……お空の声が聞こえない……メインステップ。アバタードラゴン・ブルーを召喚。アタックステップ。アビナヤでアタックします。フラッシュタイミングで煌臨します。爆焔龍マ・ゼーガー人態ーの煌臨時効果でハクライを破壊してドロー。」

 

 

 

 

 

アビナヤの炎がさらに大きくなり、そこから、ハクライよりもさらに大きく赤い鎧を着たドラゴンが現れて、炎でハクライを破壊した。

 

 

 

お空「…ライフで受ける…」

 

 

 

マ・ゼーガがさらにお空のライフを壊す。

 

 

 

さとり「…マ・ゼーガの煌臨時の効果で下のカードを召喚。アビナヤを召喚して三枚オープン。聖蓮神剣リグ・ヴェーダを回収します。」

 

 

 

 

マ・ゼーガからオーラが立ち上ると、再びアビナヤが現れた。

 

 

 

お空「…召喚時効果の発揮により、バースト発動……戦国覇王ギュウモンジ……BP合計20000までスピリットを破壊……」

 

 

 

お空のバーストによる炎がさとりのスピリットを全滅させてしまった。

 

 

 

さとり「アバタードラゴン・ブルーは手元に戻るわ。お空、やるわね。ターンエンド。」

 

 

 

ブラフマー《……へっ、本当に家族思いだな……》

 

 

 

 

お空「…メインステップ…究極の緑…命操る獣…戦国六武将テンセイ!!レベル4で召喚…!」

 

 

 

 

お空の手から緑の球が現れ、フィールドが草原に変わると、そこから緑と金の狐が飛び出してきた。

 

 

 

 

 

さとり「…お空……あなた……究極の意味を知ってたの!?」

 

 

 

ブラフマー《いや、驚くとこはそこか!?》

 

 

 

 

さとりが驚いている間にもお空はバトルを進める。

 

 

 

 

お空「…アタックステップ…テンセイでアタック!………ソウルドライブ……!ソウルコアを除外してフィールドのコア分、コアブースト…!…よって五個を増やす。」

 

 

 

ソウルコアが緑のオーラに変わると、フィールドに降り注いで、スピリット達に力を与える。

 

 

 

さとり「まさか、計算まで……はっ!バーストを発動!爆心龍マ・オンー龍態ーの効果でラテルを破壊して召喚!さらにフラッシュタイミング!ブラフマーの神技で手元のアバタードラゴン・レッドを召喚!…ライフよ!」

 

 

ブラフマー《……そろそろ、そこから離れないか?》

 

 

 

ブラフマーが呆れながら、フィールドに赤いドラゴンを呼び出す。そして計算までできるようになったお空に、また驚いているさとりのライフをテンセイは尻尾で破壊する。

 

 

 

お空「…さらにギュウモンジでアタック…効果でマ・オンを破壊……」

 

 

 

さとり「フラッシュでもう一度ブラフマーの神技を使用!アバタードラゴン・ブルーを召喚!ギュウモンジはライフで受ける!」

 

 

ギュウモンジの剣がさらにさとりのライフを破壊した。

 

 

 

お空「…ターンエンド…」

 

 

 

 

さとり「…メインステップ…お空、もう少し待ってね。創世の剣!聖蓮神剣リグ・ヴェーダ!そして!未来に希望与える赤き龍!創聖神龍ジェネレータードラゴン・ゼロ!!リグ・ヴェーダと合体してレベル2に!コストはレッドから。」

 

 

 

ブラフマー《…激突!激情!祭りはこれからがクライマックスだぁ!!!》

 

 

 

ブラフマーの炎から金と白の鎧を着て、腕が四本ある赤いドラゴンが現れてリグ・ヴェーダを掴んでサンライズ立ちをした!

 

 

さとり「アタックステップ!ジェネレータードラゴン・ゼロでアタック!効果で手札のアバタードラゴン・ブルーをデッキの上に戻してギュウモンジを破壊!

 

さらに創聖を発動!デッキをオープンして創造スピリットをブラフマーのコアを一つ使って召喚!

 

 

まだ終わらない!リグ・ヴェーダの効果でテンセイを指定アタック!!」

 

 

ブラフマー《おいおい、BPは向こうが勝ってるぞ!》

 

 

 

ゼロのリグ・ヴェーダとテンセイの尻尾がぶつかり合うがテンセイは足元を草で絡めとって止めを刺そうとした。

 

 

さとり「フラッシュタイミング!スターブレイドラのアクセルを使用!ジェネレータードラゴンにBPプラス3000です!」

 

 

 

ゼロは炎で草とテンセイの尻尾を焼ききるとリグ・ヴェーダを振り下ろした!テンセイは真っ二つに斬られて爆発した!

 

 

 

さとり「アバタードラゴン・ブルーでアタック!ブラフマーの神技でさらにもう一体、アバタードラゴン・ブルーを召喚!コストはジェネレータードラゴンから。そしてブラフマーの転神!ブラフマーをスピリット状態に!」

 

 

 

ブラフマー《…準備は………出来てるよ……》

 

 

さらにもう一体のブルーが登場してブラフマー自信も降り立つ。

 

 

お空「…ライフで受ける…」

 

 

 

ブルーの爪がライフを引き裂く。

 

 

 

さとり「終わりよ!ブルーとブラフマーでアタック!」

 

 

 

 

ブラフマー《灼熱!発光!照射!!燃え尽きやがれ!!》

 

 

 

ブラフマーの飛び蹴りがお空のライフを打ち砕いた!

 

 

 

一方映姫は………

 

 

 

 

第1ターン 映姫はオシリスの地底神殿を配置してバーストをセット。

 

 

 

第2ターン 勇儀は潮武者セイジュウロウを召喚してターンエンド。

 

 

 

 

そして第3ターン

 

 

 

映姫「メインステップ。冥界の裁判官!創界神オシリスを配置します!三枚のうち、対象は二枚だったので二つコアを置きます。さらにアンクスネークを召喚してドロー。エンドステップに地底神殿の効果でアルベリヒを回収。これでターンエンドです。」

 

 

オシリス《…さて……いくか………》

 

 

 

映姫の後ろに椅子に座ったオシリスが現れた。

 

 

勇儀「ウウウ……メインステップ…側近衆ジンベアをレベル2で召喚……No.2ブルーフォレストを配置…セイジュウロウをレベル2にしてアタック!効果でアンクスネークを破壊…!自身の効果でドロー……ネクサスの効果でコアブースト…」

 

 

 

 

勇儀の後ろに二つの銅像が建った森が広がり、セイジュウロウが水流を飛ばしてアンクスネークを破壊した。

 

 

映姫「ライフです。」

 

 

 

セイジュウロウが映姫のライフを破壊した。

 

 

 

勇儀「ウウウ、ターンエンド……」

 

 

 

映姫「……メインステップ。風切りヘビと宵闇の蛇王アルベリヒを召喚。召喚時効果でドロー、さらにコアを置きます。アタックステップ。アルベリヒでアタックです。」

 

 

勇儀「ウウウ、ライフで受ける…」

 

 

 

フィールドに現れた白い蛇と紫の蛇。その内のアルベリヒが勇儀のライフを尻尾で砕いた。

 

 

 

映姫「ターンエンド。」

 

 

 

勇儀「ウウウ…オオオ…メインステップ…ソウルコアを使って召喚条件を無視……独眼の龍……蒼海の三日月……戦国六武将タイダル・ブルー!!

 

 

 

勇儀のフィールドが海になって海面を刀を振って現れたのは青く片方の目に眼帯をしている獣だった。

 

 

 

オシリス《!!?……まさか……なぜ、こいつが……!?映姫よ!気を付けろ!このアルティメットがこの鬼を操っている!》

 

 

映姫「わかりました!」

 

 

 

 

勇儀「ウウウ、アタックステップ!タイダル・ブルーでアタック……!アルベリヒを破壊してコアブースト……」

 

 

 

映姫「ライフです!」

 

 

タイダル・ブルーの剣に斬られるアルベリヒ。そしてタイダル・ブルーは映姫のライフも切り裂いた。

 

 

勇儀「ウウウ、ガァ!…ターンエンド…」

 

 

 

映姫「不味い!早く決めないと……メインステップ!冥界の罪人喰らう蛇!判決は黒です!冥界蛇神アウザール!!

 

 

オシリス《……ソウルドライブ前に倒す!》

 

 

オシリスの椅子から一匹の機械の蛇が這い出てくる。そして映姫のフィールドに落ちるとタイダル・ブルーを睨み付けて吠えた。

 

 

 

映姫「アタックステップ!アウザールの効果でオシリスのコアを置いて妖蛇スピリットにシンボルを追加!風切りヘビでアタック!フラッシュで煌臨します!紫!借りますよ!妖蛇の神皇シェンマドー!トラッシュからアルベリヒ二体とアンクスネークを蘇らせます!」

 

 

 

風切りヘビに翼が生え、より大きな蛇になると、地面から破壊された蛇達が這い出してくる。

 

 

 

勇儀「ウウウ、ライフで受ける…」

 

 

 

シェンマドーの光線が勇儀のライフを一気に二つ砕く。

 

 

映姫「アルベリヒ二体でアタック!」

 

 

 

勇儀「……ジンベアとセイジュウロウでブロック……」

 

 

 

アルベリヒ達が勇儀のスピリット達を弾き飛ばす。

 

 

 

映姫「アウザール!!ジャッチメント!!」

 

 

オシリス《…これで…呪縛も解ける!》

 

 

 

アウザールから紫のビームが放たれた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映姫「!オシリスはこのアルティメットを知っておられるのですか!?」

 

 

 

勇儀を医務室へ運んだ後、オシリスの言葉に驚く映姫。

 

 

 

 

オシリス《…ああ、アルティメット……特にこのソウルドライブはエジットの古い遺物だ………この世界の創界神に伝えよう……あいつのアルティメットは危険すぎる……》

 

 

 

 

映姫「わかりました。案内致します。」

 

 

 

 

こうして二人は移動の際にホルスと出会って永遠亭に案内される……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


タイトル通り、オシリスとブラフマーの回でした。さぁて後はウルの創界神だけです。この二人のバトルを書きたいなぁ……ん?まだいる…?…フフフフ……



オシリス


エジット所属の妖蛇の創界神。エジットでは冥界を治めており、かなりの権力者だが、嫁のイシスには頭が上がらない。非常に冷静でホルスの憧れのハードボイルド。ラーの次に古株なので、様々な助言をする頼れる男。


次回予告 星の創界神達の憂鬱


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星の創界神達の憂鬱

操られてるとキャラが固定されるから非常に楽チン。九十九姉妹とか個人的に上手く性格を描写しづらいキャラも上手く書ける…………



 

スキマ 八雲邸

 

 

 

 

あの後、紫と永琳はへカーティアに婿(どっちもそう思ってる)をとられたので渋々、大会の根回し等を行っていた………二人とも同じ部屋で…………

 

 

 

 

紫「………な~んで……あんたと……依姫の稽古はどうなったのよ………」

 

 

 

永琳「……もう弾がほとんど教えちゃって後は実戦でマナカやケイ達とバトルしてるわ………もう教え終わるなんて流石お父さんね♪」

 

 

 

紫「だれが………って……お父さん?………まさか………」

 

 

 

永琳「………サスサス……うふふ……」

 

 

 

そう言って自身の腹を擦る永琳に紫は呆然となってしまった………よく考えれば、すぐにそれがわかるとは思えないのだが……と言うかやってすらいないのだが……今の彼女にそんな冷静さはなかった。

 

 

 

 

紫「……天誅!!」

 

 

永琳「ええ!やってみなさい!間女!」

 

 

 

 

ピンポーン!!

 

 

 

 

………一時休戦とは一体……………何度目かわからないこのケンカを収めたのは鳴ることのない八雲邸のチャイムだった。

 

 

 

 

紫「…?誰かしら?らーん!って異変の調査でいないんだった。はーい!」

 

 

 

永琳「このスキマの中に干渉できるのは……」

 

 

 

よっこいせと立ち上がって玄関の扉をあける紫。そこには紫の髪の女性と銀髪の女性だった。紫髪の女性は紫に気づくとおずおずと尋ねた。

 

 

 

 

???《あ、あの、ここに幻想郷の創界神がいると聞いて来たのですが………》

 

 

 

紫「…ああ、すみません。今、夫は留守にしておりまして………」

 

 

 

………お前もか………スキマに干渉できる存在は言うまでもなく創界神。紫はまずそこから固めようとした。すると銀髪の女性が話し始めた。

 

 

 

???《…リリアから聞いてた通りね……はじめまして、私はアンターク。こっちはアレックスよ。あなたが八雲 紫ね?うちのリリアが世話になってるわ。少し長話になるから中に入ってもいいかしら?後、急がば回れって言葉もあるわよ♪》

 

 

 

紫《………バレてた………》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……すると………あのジークフリード達はあなたの眷属……?」

 

 

 

アレックス《はい。昔、ぼくが輝石の力で煌臨させたのですが、何百年前から行方不明で……まさか悪用されていたなんて………大変申し訳ありません!》

 

 

 

二人を接客室に招き入れ、永琳と二人の話を聞いていた紫は驚いた。龍神が使っていたジークフリード達は以前にアレックスの所から盗まれたものだったとは………

 

 

 

永琳「でも納得いったわ。あの土着神に似合わぬ力だったのはあなたの眷属だったからね……ちゃんと弾に伝えておくわ。」

 

 

これで上手く異変解決への協力を持っていける………だがそう簡単にはいかなかった………なぜならアンタークが……

 

 

 

アンターク《そう言えば、あなた達ってここの創界神にホノ字なのよね。どこに惚れたの?》

 

 

 

…………長くなったとは言っておこう…………

 

 

 

 

 

その頃 命蓮寺

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…ハックション!」

 

 

 

白蓮「風邪でもひきましたか?」

 

 

 

へカーティア《……あの二人ね……》

 

 

 

その頃、件の弾は命蓮寺で白蓮に情報を共有していた。しかし、白蓮も収穫はなかったようである。

 

 

 

弾「…さて……後は神子の所か……でもこの調子じゃ、望みは薄そうだな………!………へカ……」

 

 

 

へカーティア《そうね~ 純狐も知らないって言ってたし………!……ええ……だからその呼び方はやめて……》

 

 

 

白蓮「…?どうされました?お二人とも……!」

 

 

 

 

創界神の二人に遅れて白蓮も反応する。この気………あのアルティメットである………三人はすぐに外へ出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「……やはりか……」

 

 

 

へカーティア《ちょうど良かったわ……後であなた達に会いに行くつもりだったのよ……》

 

 

 

そこにいたのは先ほどの神話していた子の部下の物部 布都蘇我屑自古だった。やはり目は(以下略)

 

 

 

 

へカーティア《ん?そっちのデッキを使うの?》

 

 

 

弾「まあな、久しぶりに使いたくなったんだ……」

 

 

 

へカーティアは弾のデッキがいつものと違うことに質問したが、弾の言葉に納得した。

 

 

 

 

弾 へカーティア《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン へカーティアは光輝く大銀河を配置してバーストをセットした。

 

 

第2ターン 布都はブロンズ・ヴルムを召喚してターンエンド。

 

 

第3ターン へカーティアは創界神リリアを配置して三枚中二枚のカード分、コアを置いた。さらにエリダヌス・ドラゴンを召喚してターンエンド。

 

 

第4ターン 布都はライト・ブレイドラとシルバー・ヴルムを召喚して、シルバー・ヴルムでアタック。へカーティアはライフで受けた。そしてバトルは第5ターンを迎えた。

 

 

へカーティア《メインステップ。ダンデラビットを召喚してコアを増やすわ。エリダヌスを疲労!闇の支配人!魔羯邪神シュタイン・ボルグ!》

 

 

ボルグ《…あなたとのバトルは久しぶりですね…》

 

 

 

シュタイン・ボルグが魔方陣から現れた。

 

 

 

へカーティア《うふふ、いくわよ?アタックステップ!シュタイン・ボルグでアタック!効果でシルバー・ヴルムのコアを外すわ!》

 

 

 

シュタイン・ボルグが杖を振ってコアを外して消滅させる。

 

 

布都「…ライフで受ける…」

 

 

シュタイン・ボルグが杖を突き立てて、ライフを砕いた。

 

 

へカーティア《ターンエンド。》

 

 

布都「…メインステップ…光の一角龍…光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アーク!

 

 

炎の輪から銀の鎧を着た一角のドラゴンが降りてくる。

 

 

 

布都「…アタックステップ…効果で強化を持つスピリットにシンボルを追加…ブロンズ・ヴルムでアタック……」

 

 

 

へカーティア《…ふーん、ライフで受けるわ。バースト発動!妖華吸血爪!二枚ドローよ。ここで私の神域で減ったライフ分、コスト5以上の光導スピリットを一コスト召喚!白き水瓶の化身!宝瓶神機アクア・エリシオン!全てを刺し殺す毒槍!天羯神騎スコル・スピア!》

 

 

 

へカーティアの後ろに水瓶座が、フィールドに蠍座が描かれてそこからスコル・スピアが這い出し、水流からアクア・エリシオンが現れた。

 

 

布都「…ターンエンド…」

 

 

 

スコル《お!姉貴!出番か!?》

 

 

アクア《お任せあれ!!この私がリリア様の楯に!》

 

 

 

へカーティア《ハイハイ、メインステップ!アクア・エリシオンをレベル2に!太陽司る赤きドラゴン!太陽神龍ライジング・アポロドラゴン!召喚!》

 

 

 

地面から炎が現れてそこから赤いドラゴンが登場して咆哮した。

 

 

 

スコル《ライジング!久しぶりだなぁ!》

 

 

 

ボルグ《あなたとは昔、破壊された仲でしたね…》

 

 

 

アクア《…そう言えば、ダークノヴァのついでに破壊されていたな……》

 

 

へカーティア《アタックステップ!ライジングでアタック!》

 

 

 

布都「…バースト発動…高速三段突…BPプラス3000してアークでブロック……」

 

 

 

 

ライジングに白いオーラを纏いながらアークが掴みかかる。二体は互いに拳を打ち合ったが、アークの右ストレートがライジングにクリティカルヒットして地面に落とされる。

 

 

 

 

アクア《不味い!!》

 

 

 

ボルグ《………悲しめばいいのか……喜べばいいのか……》

 

 

 

スコル《何、私怨と任務の狭間で揺れているんだ!ヤバいに決まってんだろ!!》

 

 

 

 

へカーティア《大丈夫よ。フラッシュタイミング!マジック!バーニングサン!手札から極星剣機ポーラー・キャリバーをライジングに直接合体召喚!そして回復!!》

 

 

 

空の彼方から一台のジェット機が飛んできて、ジェットと剣を落としていく。ライジングは背中にジェットを、腕に剣をキャッチすると向かって来たアークを弾き、空に吹き飛ばす。その隙にライジングは上をとって剣を突き立てて、爆散させた!!

 

 

 

 

へカーティア《スコル・スピアでアタック!シュタイン・ボルグの効果でライト・ブレイドラのコアを外すわ!》

 

 

布都「…ライフで受ける…」

スコル《おうりゃあ!!》

 

スコル・スピアが槍でライフを貫いた。

 

 

 

へカーティア《続きなさい!アクア・エリシオン!》

 

 

 

アクア《了解しました!!》

 

 

 

布都「…ライフで受ける…」

 

 

 

アクア・エリシオンが剣でライフを斬る。

 

 

 

 

へカーティア《これで決まりよ!ライジング!》

 

 

 

ライジングのジェット噴射からの突きが炸裂した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地底間欠センター……ここでは灼熱地獄の熱をエネルギーに使おうと考えた守矢神社の神が作ったもので、地上と地底を繋いでいた。

 

 

 

 

ブラフマー《へぇ~この幻想郷の創界神がねぇ》

 

 

 

フラン「そうなの!弾にいさまが助けてほしいって!!」

 

 

さとりは他のペット達にお燐とお空を任せて、こいしと一緒にブラフマーを永遠亭に案内していた。

 

 

 

シヴァ《……んで、これはどこに出るんだ?》

 

 

 

こいし「確か、守矢神社の近くに出るはず………!もうすぐだよ!」

 

 

五人が地上に出ると森に出た。永遠亭に向かおうと飛び上がったが……………

 

 

 

 

 

???《おお!ブラフマー!シヴァ!久しいな!!》

 

 

 

 

 

 

 

今、あまり聞きたくなかった声が響いた……………

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


アレックスとアンタークが登場しました。そして最後の声の正体は………?


後、今回の十二宮はリバイバル前です


アレックス

ウル所属の創界神。紫髪の中性的な女性で、様々な世界の異変を解決に導いた大英雄。化神とは別にジークフリード達を使役する。創界神達の中では弾の次に年下なので、基本敬語で話す。


アンターク

ウル所属のアルティメットの創界神。銀髪の女性で、以前はグラン・ロロの中の別世界で生まれ育つ。終焉の黙示録という書物の著者で今ではアルティメットを統べる傍ら、小説等も書いている。ロロとは創界神になる前からの仲で、まだ若かったロロをよくからかっている。

次回予告 久しぶりのデッキ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

久しぶりのデッキ


暇ができたので神光の導きを一箱、買って来ました。ルドラや摩天楼のパラレルが出て、発狂しかけましたが最後に使わないエナリオスが出てテンションが戻りました………いいオチです……


第1ターン 弾はブレイドラを召喚して、馬神 弾を配置。三枚中二枚が対象だったので二つコアを置いて、ブレイドラの効果でドローした。

 

 

第2ターン 屑自古はプロード・ファルコンと神機ゲイボルグを召喚してバーストをセット。そしてゲイボルグでアタックして、弾はライフで受けた。

 

 

 

第3ターン 弾は六分儀のルリ・オーサを召喚してコアを増やした。さらにマジック、スターリードローを使い、魔導双神ジェミナイズと金牛龍神ドラゴニック・タウラスを回収した。

 

 

 

第4ターン 屑自古はタンク・モービル・ヘッツァーを召喚してもう一度ゲイボルグでアタック。弾はこれもライフで受けた。これでターンエンド。バトルは第5ターンに差し掛かる。

 

 

 

弾「メインステップ。双子座より導かれし十二宮Xレアよ!来たれ!魔導双神ジェミナイズ!召喚!ターンエンド。」

 

 

 

フィールドの双子座からジェミナイズが現れる。

 

 

 

ジェミナイズ「えー!」《終わり!?》「つまんない!」《ケチ!》

 

 

 

弾「まあ、そう愚痴るなって………」

 

 

 

 

屑自古「…メインステップ…光の白き機神……槍光機神クーゲル・ホルン………!不足コストはプロード・ファルコンから………」

 

 

 

屑自古のフィールドに槍を持った白いロボットが降りてくる。

 

 

屑自古「…アタックステップ…クーゲル・ホルンでアタック……」

 

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

 

クーゲル・ホルンの槍が弾のライフを二つ砕いた。

 

 

 

 

 

屑自古「…ターンエンド……」

 

 

 

弾「…ふぅ、メインステップ!牡牛座より来たれ!金色の神よ!金牛龍神ドラゴニック・タウラス!レベル3で召喚!!さらにジェミナイズの効果で一枚オープン。スピリットなのでノーコスト召喚。龍神の弓!天馬の矢!戦いの嵐を鎮めよ!!光龍騎神サジット・アポロドラゴン!召喚!

 

不足コストはブレイドラから確保!

 

 

ジェミナイズ「ワハハ!」《消えた!》「やっぱり!」《不足コストはいつもぼく!》

 

 

 

空の牡牛座から光が落ちて、ドラゴニック・タウラスが現れた。それに呼応し、ジェミナイズが一枚デッキをめくる。そのカードはサジット・アポロドラゴン……流石の引きである……そして《キィ》と声をあげて消えたアイツも流石である………

 

 

 

 

タウラス《うおっしゃぁー!!!\(゜o゜;)/》

 

 

 

サジット《邪魔。被るじゃないよ!》

 

 

 

サジットの前に出たタウラスをサジットがひっぱたく。そしていつものバカ騒ぎになる前に弾は上手く止める。

 

 

 

弾「…お前ら、いくぞ……アタックステップ!ドラゴニック・タウラス!サジットの効果でゲイボルグに激突!!効果でライフを三つ破壊する!!」

 

 

 

サジット《うぇぇぇ!!?俺じゃないの!!何!?俺は発射台かよ!!?》

 

 

 

タウラス《ありがとよ!今の俺は!負ける気がしねえ!!》

 

 

 

項垂れるサジットを横目にタウラスがゲイボルグにぶつかる。そして差し引き三つのシンボルが屑自古のライフを吹き飛ばした!

 

 

 

 

屑自古「…バースト発動……絶甲氷盾……ライフを回復させてアタックステップを強制終了……」

 

 

 

屑自古のライフが回復して、氷の壁が追撃を阻んだ。

 

 

 

サジット《あぅれぇ~!?大したことなかったじゃん?ねえねえ、今、どんな気持ち?》

 

 

タウラス《うるせえよ!バーストを消費して、ライフも削れた。それでいいだろ!!》

 

 

 

弾「………ターンエンド……まゐといい、サジットといい………」

 

 

 

 

………お疲れさまです…………

 

 

 

屑自古「…メインステップ……天空の光剣クラウン・ソーラーをクーゲル・ホルンに合体……影の刃……次代の当主……センリュウカク・影刀羅!レベル4で召喚……!」

 

 

 

クラウン・ソーラーを握ったクーゲル・ホルンの隣に天から黒と銀のドラゴンが降りてくる。

 

 

 

弾「来た……あいつだ………!」

 

 

 

 

屑自古「…アタックステップ…影刀羅でアタック…!効果でルリ・オーサを手札に……ソウルドライブ……影刀羅はブロックされなくなる……」

 

 

 

影刀羅が剣でルリ・オーサを手札へ返らせて、ソウルコアのエネルギーでブロックされなくなった。このままだと弾のライフが0になってしまうが………

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!コストはドラゴニック・タウラスから使用。ライフだ!」

 

 

タウラス《……お気に入りだな………》

 

 

 

……ですよね………影刀羅が弾のライフを剣で斬り割いたが銀色の三角が間に入り、ダメージを打ち消した。

 

 

 

屑自古「…ターンエンド…」

 

 

 

 

弾「メインステップ!その翼!奇跡の光を纏う!輝龍シャイン・ブレイザーを召喚!サジットに合体!!レベル3にアップ!!」

 

 

 

サジット《お!きたきた!こっからだ!》

 

 

白い大きな翼の龍が羽を分離させてサジットの翼の部分に装着される。

 

 

 

 

弾「アタックステップ!射ぬけ!合体スピリット!サジットの効果でタンク・モービル・ヘッツァーを破壊!」

 

 

 

 

屑自古「……クーゲル・ホルンでブロック……」

 

 

 

 

タウラス《チキショー!!最後はやっぱり、お前かよ!!》

 

 

 

サジット《はははは!!勝利の法則は決まった!!》

 

 

 

サジットがクーゲル・ホルンに向かって矢を放つ。クーゲル・ホルンはクラウン・ソーラーではじくと、ビームを放って遠距離での打ち合いになる。

 

 

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!バーニングサン!手札のトレス・ベルーガをサジットに合体!そして回復!!」

 

 

 

弾の手から青い光が伸びて、三つ首の獣がサジットに吸い込まれるとサジットの体が黄金の鎧に包まれ、弾の目つきも鋭くなる。サジットは弓を剣に変えると接近して懐に入り、クラウン・ソーラーごとクーゲル・ホルンを叩き斬った!!

 

 

 

 

弾「シャイン・ブレイザーとオレの効果でライフを二つ砕く!さらにサジットでアタック!クラウン・ソーラーを破壊!!そしてトレス・ベルーガの効果を使い、デッキを6枚破棄して光導スピリットがいれば回復!!白羊樹神セフィロ・アリエスがあったので回復!!!」

 

 

 

 

屑自古「…フラッシュタイミング…マジック…ピュアエリクサー…影刀羅を回復させてブロック……」

 

 

 

 

サジットの剣が影刀羅の剣とつばぜり合いになる。すると、サジットのファンネルから雷が出て影刀羅を麻痺させた。その隙にサジットは後退してエネルギーをためた金色の矢を放って影刀羅を打ち抜いた!!!

 

 

 

弾「オレの効果でライフを貰う!これで最後だ!!」

 

 

 

タウラス《チキショー!!!!》

 

 

 

 

サジット《やっぱり!主役は俺っしょー!!!!》

 

 

その二人の声を無視して弾は光弾を放った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「…お大事に……」

 

 

 

へカーティア《こっちは任せて!》

 

 

 

弾「ああ、ありがとう!」

 

 

 

 

 

弾は白蓮に人里の警護強化を、神子への連絡をへカーティアに任せて二人を永遠亭に運んでいた。永遠亭近くの迷いの竹林前まで来た弾にとある人物が近づいてきた…………

 

 

 

 

 

弾「…!!あんたは…………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 妖怪の山 守矢神社

 

 

 

 

 

 

 

諏訪子「……ファぁ……眠い……早苗も霊夢んとこに行っちゃってるし……暇だなぁ………」

 

 

 

加奈子「まあ、いいじゃないか。早苗に友達ができたのは私たちの望むことだっただろう?」

 

 

 

そう言って神社の中で寝っ転がっているこの二人の神。するとそこに…………

 

 

 

 

 

???《おぅい!!加奈子!!久しぶりだな!!》

 

 

 

 

加奈子「!!………嘘だろ…………」

 

 

 

 

諏訪子「ん?どした?知り合いみたいだけど?」

 

 

 

 

外から聞こえてきた男の声。加奈子にとっては一番会いたくない男の声だった。だが相手は自分よりも格上の神。仕方なく外に出ていった。そこには案の定、その男がいた。その隣にはさとりとこいし、フランや明らかに創界神の二人がいた。

 

 

 

???《おお!加奈子!立派になったなぁ!諏訪子とは上手くやってるか?》

 

 

 

 

さとり「…お久しぶりですね。まさかこの方に会えるとは思いませんでした。」

 

 

 

シヴァ《……あまり苛めんなよ………

 

 

 

 

 

 

 

 

スサノヲ

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


スサノヲおじいさん……幻想郷に見参……まだデッキは作れませんが、使用者は考えているので、ストーリーが終わったら小話で書く予定です。ちなみにスサノヲは日本神話では加奈子の元ネタの祖父になります。なのでこの作品では加奈子はスサノヲの孫になります。




スサノヲ

アマハラ所属の地龍と海首の創界神。普段はグダグダしてゲームばかりやってる神(当人曰く、姉貴も引きこもったんだから俺もいいだろ)しかし、神世界の治安や身内を傷つけるものは許さない。昔、ヤマタノオロチを退治したので有名だが、スサノヲにとっては妻のためにやったのであまり言わないでほしいらしい。兄のツクヨミにはよく会いに行っており、月の都の潔癖を嘆くツクヨミをよく労っている。


次回予告 元凶の名前! 恋する賢者達の戦い!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

元凶の名前!恋する賢者達の戦い!!

この作品のジークヴルム・ノヴァは紫が弾のノヴァのカードを弄ってリバイバルに変えて、映姫にあげたという設定です。なのでこの作品のノヴァは全てあの弾のノヴァです。


スキマの八雲邸ではまだ紫と永琳の話が続いていた……

 

紫「…それで弾が……」

 

 

アンターク《……わかったわ……もうお腹いっぱい………》

 

永琳「あら、まだ半分位しか話してないのに……」

 

 

アレックス《……少し感想を減らしてくれれば良かったんですけどね………》

 

二人の創界神。二人の乙女に敗北。ここにアプロディーテがいたら《これが愛の力よ!》と言っているだろう。しかし、断っておくが、ここにいるのは全員チート級の実力の持ち主なので………

 

 

紫「……!」

 

 

永琳「…これは……」

 

 

アンターク《…後をつけられたかしら?》

 

 

アレックス《……みたいですね……》

 

 

アルティメットに取りつかれた人物の気など簡単に察知できるのである。玄関の扉を開けてその人物を確認すると……

 

 

 

紫苑「…………」

 

 

女苑「…………」

 

 

依神姉妹だった。その目(以下略)

 

 

 

紫「はぁ……この二人は……」

 

 

永琳「…さて……やるわよ…!」

 

 

アンターク《永琳、援護するわ……》

 

 

アレックス《ぼくもお力添えします!》

 

 

アンタークが永琳に、アレックスが紫に入る。

 

 

紫「…あのぽっと出の女神に遅れてなるものですか………」

 

永琳「…ここで活躍して……褒めて貰うわ……」

 

 

………まずそこなんすか…………

 

 

紫 永琳「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 永琳は神調査員シラベルを召喚して三枚オープンして創界神アンタークを手札に加えた。

 

 

第2ターン 紫苑はハクビソードを二体召喚してバーストをセット。これでターンエンド。

 

 

第3ターン 永琳はNo.21ダイバージェンスヒルを配置してバーストをセット。

 

 

第4ターン 紫苑はウスバアゲハを召喚。そしてハクビソードとウスバアゲハでアタック。永琳はどちらもライフで受けた。そして第5ターンに入る。

 

 

永琳「メインステップ。究極の賢者!創界神アンターク!三枚置いて、全て調査員だったので三つコアを置く!さらに調査員ノルドとエウローを召喚。ダイバージェンスヒルの効果で二枚ドロー!」

 

 

アンターク《みんな!頑張ってね!》

 

 

永琳の背後に現れたアンタークがフィールドの三人の調査員に声援を送る。

 

 

永琳「アタックステップ!シラベルでアタック。ノルドの効果でハクビソードを破壊するわ。」

 

 

紫苑「…バースト発動…アルティメット・ウシワカ…スピリット二体を疲労させて召喚……そのままブロック……」

 

 

ノルドが青の光弾でハクビソードを破壊すると緑の風がノルドとエウローを疲労させる。そしてその風の中から緑の和服を着たアルティメットが降り立ち、シラベルを吹き飛ばして、破壊した。

 

 

永琳「あら、ターンエンドよ。」

 

 

紫苑「…メインステップ…終わりの皇帝……終焉甲帝…召喚時効果でコアブースト…アタックステップ…終焉皇帝でアタック………終焉甲帝でアタック…Uトリガー…ロックオン……!」

 

 

永琳「…コスト三、調査員フリック。だけど効果は不発ね。ライフで受けるわ。そしてバースト発動。選ばれし探索者アレックスの効果でコアを増やしてアタックステップを強制終了!」

 

 

終焉甲帝がライフを斬るとアレックスが現れて杖で壁を作ってアタックステップを終わらせた。

 

 

 

紫苑「…ターンエンド……」

 

 

 

永琳「…メインステップ。調査員オッザニアとアーシアを召喚。そして……究極の頂点!アルティメット・リバース・ドラゴン!!

 

 

アンターク《…さて…ここで終焉です……》

 

アンタークが腕で紋章を描くとそこからステンドグラスのような翼を持った紫のドラゴンが現れた。

 

 

 

永琳「召喚時効果!違う色のスピリット分、相手のスピリットとアルティメットをデッキの下に戻す!頭が高いわ!下がりなさい!」

 

 

リバース・ドラゴンが翼から六色の光を放って紫苑のフィールドを更地にした!

 

 

 

永琳「…フルアタック!!!」

 

 

 

アンターク《流石は月の賢者兼創界神ね♪》

 

 

 

調査員達とリバース・ドラゴンが紫苑のライフを全て破壊し尽くした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 女苑はブーブラックと星見の観測所を配置した。

 

 

第2ターン 紫は一月幼神ディアヌス・キッズを召喚して四枚オープン。その中の超神星龍ジークヴルム・ノヴァを手札に加えてバーストをセット。

 

 

 

第3ターン 女苑は側近衆ワンコマ吽を召喚してアタック。紫はライフで受けた。そして第4ターン…………

 

 

紫「メインステップ。煌臨せよ!創界神アレックス!トラッシュのカード三枚中、対象は全てなので三コアを置くわ。ターンエンドよ。」

 

 

アレックス《よっし!行くよー!!》

 

 

紫の後ろのアレックスが腕を振って気合いを入れる。

 

 

女苑「…メインステップ…ワンコマの効果で召喚条件を無視…三本の矢…逆転の奥義…戦国六武将バケルカッツェ!!

 

 

空から三本の矢がフィールドに刺さり、その中心から弓を持った化け猫が現れた。

 

 

アレックス《…あいつだね……ぼくは解術に徹するからそっちはお願い!》

 

 

紫「了解。コアの光主の力を見せてあげるわ。」

 

 

女苑「…アタックステップ…バケルカッツェでアタック…効果で手札のアルティメット・トリックスターをレベル4でノーコスト召喚……コストはブーブラックとワンコマから………」

 

 

バケルカッツェが矢を空に放つと金色のオーラを纏ったトリックスターが現れた。

 

紫「ライフで受ける。」

 

 

バケルカッツェが矢でライフを射ぬいた。

女苑「…トリックスターでアタック…Uトリガー…ロックオン……」

 

紫「…コスト4、魔界竜鬼ダークヴルム。」

 

 

 

女苑「…クリティカルヒット……トラッシュからワンコマを回収してバケルカッツェを回復………」

 

 

トリックスターは光の音符でバケルカッツェを回復させる。

 

 

紫「…これもライフで。」

 

トリックスターの光剣がライフを斬った。

 

女苑「…ターンエンド……」

 

アレックス《…大丈夫?》

 

 

紫「あなたが言ったじゃない。そっちは任せてって。ここから逆転するわ。メインステップ。マジック、ビッグバンエナジーを使用!手札の星龍のコストをライフと同じ数に!

 

光の王!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!!レベル3で召喚!」

 

空から炎が降り注ぎ、そこから白い翼を生やしたドラゴンが現れた。

 

 

紫《……映姫…ありがとう……ジークヴルム・ノヴァのカード……譲ってくれて……》

 

 

「そして砲凰龍フェニック・キャノンを召喚。効果でネクサスを破壊して、ディアヌス・キッズとノヴァに合体!アタックステップ!ジークヴルム・ノヴァでアタック!」

 

 

フェニック・キャノンの力を吸収したノヴァが吠えて飛び出した。

 

 

女苑「…バケルカッツェでブロック……」

 

ノヴァの炎とバケルカッツェの矢がぶつかり爆発する。しかし、ノヴァは虹色の光弾を放ってバケルカッツェの動きを止めると、火炎を纏って激突し、矢を貫いて爆散させた!

 

 

紫「ディアヌス・キッズでアタック!フラッシュでアレックスの神技を使って手札のカードをノヴァの下に置いて回復!」

 

 

アレックス《…はぁぁぁ!!》

 

 

アレックスの紋章が紫のカードを粒子に変えてノヴァを立ち上がらせる。

女苑「…ライフで受ける……」

 

 

 

ディアヌス・キッズの剣がライフを一気に二つ切り裂く。

 

 

紫「これで終わり………ノヴァ!

 

 

アレックス《Go!》

 

 

 

ノヴァが虹色の炎を口から放った!!

 

 

 

 

 

 

 

紫「一応、弾の所にこのアルティメットを持っていきましょう………それにしても……スキマにまで干渉できるなんて……今回の元凶はただ者じゃないわね……」

 

 

 

永琳「ええ、それは賛成ね………早くいきましょう……師匠のことも気になるし………」

 

 

 

そう言って四人は永遠亭にスキマを繋げて移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭 会議室

 

 

 

………今、現在……ここでは………創界神達が集まり、この異変解決に向けて話し合おうとしていた。

 

 

 

 

オリン…アポローン、アルテミス、ヘルメス、アテナ、アプロディーテ、ポセイドン、そして、ヘラ。

 

 

エジット…オシリス、イシス、セト、ホルス、そして、トト。

 

 

 

アマハラ…スサノヲ

 

 

 

インディーダ…ブラフマー、シヴァ。

 

 

 

ウル…マナカ、ケイ、リリア、アンターク、アレックス、そして………弾。

 

 

同じ部屋には天子、幽香、隠岐奈、文、さとり、フラン、加奈子、紫、永琳、そして、依姫が緊張の顔つきで座っていた。重々しい空気を最初に破ったのはアルテミスだった。

 

 

 

アルテミス《……スサノヲ…アマハラは依姫についてどういう処分を下す気?》

 

 

スサノヲ《…実はな、依姫反逆の件には俺やツクヨミ、ましてや姉貴も知らなかった。だから三人の中で暇な俺が事情を聞こうと来たんだ。孫の顔を見るついでにな。》

 

 

ブラフマー《…って言うことは、月の都は最初から裏切ってなかった?》

 

 

ヘラ《…わからんなぁ……元凶がうちらを襲う目的も動機も………》

 

 

オシリス《……トト、調査について報告を共有してくれ……》

 

 

 

マナカ《…僕たちも知っている名前?》

 

 

 

創界神達の質問にトトは静かに答えた。

 

 

 

トト《……オシリスやポセイドン、ヘラのような古参のメンバーなら知っているかもしれない……この異変の元凶の名前は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メジェドだ

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

……ユナイト・ホーンってどう使うの!?死ぬほど考えましたが、創界神はアレックスだけ&レベル3効果があんまりと言う二つを突破できませんでした………なのでノヴァに代役を任せました……まさに救世主………


少し長くなりましたが、これで新第三章は終わりです。また次の新第四章 大一番!大会編でまた会いましょう………





次回予告 開幕!トーナメント!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新第四章~大一番!大会編~
開幕!トーナメント!!


今回もかなりの自己解釈や設定改変等があります。そして、後半は……皆さん、最近のバトスピカードバトラーなら一度は経験したことのある盤面が登場します………


 

 

 

時は過ぎ………トーナメント当日………人里の外れ……そこには河童達が作り上げた即席のスタジアムが盛り上がりをみせていた。まもなく、バトスピトーナメントの決勝大会が始まるからだ。

 

 

 

文「はいはーい!!皆様、大変長らくお待たせいたしました!!まもなく決勝トーナメントが始まります!!実況はこの清く正しい射命丸 文が!!解説には妖怪の賢者!八雲 紫様にお願いしております!!どうぞお見知りおきを!!」

 

 

 

そう言って、実況席に着く文と紫。それを控室で見ながら依姫は緊張していると、降ろした神々が話しかけてきた。

 

 

 

 

 

ポセイドン《どうした依姫、緊張でもしているか?》

 

 

 

依姫「……していないと言えば嘘になります…後………御姉様のことも……」

 

 

 

アプロディーテ《…そうよね……彼女を操ってるメジェドが気になる?》

 

 

 

 

 

アプロディーテの言葉に依姫は以前の会議のことを思い出していた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間前、永遠亭

 

 

 

 

アポローン《…?メジェド?知らない名前だな。古株のヘラやシヴァは知ってるか?》

 

 

シヴァ《おいおい、そりゃかなり不味い名前だぜ………》

 

 

 

ヘラ《…そうや……メジェドや……随分昔に創界神の力をなくしたはずやのに……》

 

 

 

 

ホルス《…親父……なんなんだ?メジェドって……》

 

 

 

アンターク《…私も気になります。そのメジェドはアルティメットの創界神なのですか?》

 

 

 

 

メジェドの名前に反応したのはトトが言った通り、古株のポセイドン、ヘラ、アプロディーテ、ブラフマー、シヴァ、オシリス、スサノヲだった。若い衆を代表してホルスとアンタークが尋ねた。

 

 

 

オシリス《………昔……まだウルの勢力が生まれていない時代………エジットは神世界の一弱勢力だった。ラーはそれに対して、機械化を推進して戦力を増やす……つまり、一般兵を増やす戦略を取った。しかし、それに真っ向から反対する創界神がいた……それがメジェドだ。》

 

 

 

 

ケイ《……わからんな。一般兵の増加に反対する点が私には見当たらないが………》

 

 

 

オシリス《…自分の考えが手っ取り早いと考えたのだろう…メジェドは力あるアルティメットを数体用意してその力で殲滅する方法をすべきだと主張した。ラーはその声を聞いて、メジェドに……まあ、要約するなら…………やれるならやってみろと言った……ラーはできるわけないと思ったのだろう。しかし、メジェドの眷属には邪悪な神がいた……》

 

 

 

ヘルメス《……そのアルティメットがあの戦国六武将とか言うやつ?》

 

 

 

ヘルメスの言葉にオシリスは首を横に振る。そしてかわりにトトが話した。

 

 

 

 

トト《戦国六武将はその邪神の力を元に創られたコピー品さ。その眷属のアルティメット達は多くの生け贄を代償として強大なエネルギーをぶつける大技を持っていた。メジェドのその力でエジットは連戦連勝したそうだ。》

 

 

 

トトの言葉に疑問を浮かべた隠岐奈が質問する。

 

 

 

 

隠岐奈「……それなら、さっき創界神の力をなくしたと言うのは?」

 

 

 

オシリス《…一つは先程も言った通り、その力はたくさんの生け贄を必要とする。それをメジェドは兵士からではなく、一般のスピリットから調達したのだ……そしてもう一つ…その力はあまりにも強すぎて、獲得した世界は荒れ果て…スピリット達を非常に貧しくしてしまった…ラーはそれに激怒してメジェドを光で焼いて封印した……》

 

 

 

スサノヲ《……メジェドのせいで、当時最大勢力だった俺たちアマハラが力を下げて、そのメジェドを封印したエジットも弱体化を余儀なくされた……そこからか?オリンが台頭し始めたのは……》

 

 

 

アプロディーテ《…あれは美しくないやり方よ……統治のこと……スピリット達のことを考えずにただ……破壊していく……それがメジェドのやり方……》

 

 

 

アプロディーテが顔を歪めながらそう言った。

 

 

 

 

さとり「…でも…封印したのに……なぜ、幻想郷に?」

 

 

 

トト《…これは予想だけど……数十億年前のぼくやアレックスたちの戦争でその封印にヒビが入って、それが少しずつ広がったと推測する。一応、確認したけど、封印された所にメジェドはいなかったしね。》

 

 

 

 

 

幽香「…………なぜこの幻想郷を狙ったのかしら……?弾がまだ若いとはいえ、創界神を有する世界を……」

 

 

 

永琳「それにわざわざ豊姫まで使って依姫に嫌がらせをする理由も不明よ………」

 

 

そこからははっきりした結論は出なかった……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻り、控室

 

 

 

ヘラ《……依姫ちゃん、そろそろ時間やで。》

 

 

依姫「……!わかりました。」

 

 

 

思考の海に沈んでいた依姫は体に宿したヘラの声を聞いて席を立った。通路を歩いていると他の七人はすでにスタンバイしていた。そのほとんどは弾から聞いていた十二神皇使いだった。

 

 

 

 

 

霊夢「あら、依姫じゃない。ヘカーティアから権利貰ったのってあんただったの?」

 

 

 

魔理沙「へぇー、ちょうど良かった……こっちじゃ負ける気はしないからな。」

 

 

 

咲夜「…まあ、実力があるなら誰でもいいわ。」

 

 

 

アリス「あなたがね……一応、はじめましてかしら?」

 

 

 

妖夢「あの……今度でいいので…剣のお手合わせを……」

 

 

 

早苗「神を降ろせると聞きました!守矢神社を信仰しませんか!?」

 

 

そう話しかけているメンバーに挨拶や返事をしていた依姫は最後の一人を見てぎょっとなった。

 

 

 

 

純狐「…あら、あの時の異変以来ね……」

 

 

 

依姫「……それはここではやめにしましょう……」

 

 

 

純狐「…フフ、そうね…………」

 

 

 

 

二人は少し火花を散らすとスッと出口の方を向いてスタンバイした。

 

 

 

アリス「……何かあったの?」

 

 

 

早苗「…ほら、少し前に月の都が幻想郷に攻めてきた異変があったじゃないですか。その時に月の都を侵略していたのがあの純狐さんです。」

 

 

 

妖夢「成る程。月の防衛隊長みたいな依姫とは因縁があると………」

 

 

魔理沙「リアルファイトで依姫は純狐に負けたそうだからな。バトスピの方は知らないが………」

 

 

 

そう言っている他のメンバーから霊夢が依姫に話しかけた。

 

 

 

霊夢「依姫。事情は弾から聞いてるわ。何か不味い事態になったら協力する。でも……バトルじゃ手加減はしないわよ?」

 

 

 

依姫「……フフフ、ありがとうございます……全力でお願いします…………」

 

 

 

 

 

文「それでは!選手の入場です!!」

 

 

 

 

そのアナウンスを聞いて、依姫達は足を踏み出し、歓声が上がった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタジアム 中央

 

 

簡単な選手紹介が終わった後、文がルール説明を始める。その一方、会場では観客に混じって創界神達や幻想郷の有力者達が睨みをきかせていた。

 

 

 

 

文「さて!入場が終わったので、これからルール説明を致します!この決勝大会はトーナメント方式で行われます!つまり三人を倒したら優勝!!しかし、ここにいるメンバーは皆、そうそう足る猛者達!!一バトルも楽な試合はない!その激戦を勝ち抜いた者は!伝説のカードバトラー!馬神 弾様とのバトルが待っております!さぁ!!これから運命の対戦カードが決定致します!!」

 

 

 

 

そう言って、スタジアムの電光掲示板にトーナメント表が映し出される。

 

 

第1試合 アリス・マーガトロイドvs純狐

 

 

第2試合 十六夜 咲夜vs魂魄 妖夢

 

 

第3試合 博麗 霊夢vs東風谷 早苗

 

第4試合 霧雨 魔理沙vs綿月 依姫

 

 

 

 

 

アリス「あら、私から……」

 

 

 

早苗「ゲゲゲ!いきなり霊夢さんと………」

 

 

 

魔理沙「へへ!まさかいきなりとはな………」

 

 

依姫「………………………」

 

 

 

 

文「さて、まずは第1試合!お二人はバトルフィールドへ!後、デッキはバトルごとの変更は許可されてますが、慣れていないデッキでは勝ち目は薄いでしょう!!」

 

 

 

 

アリス「…よろしく。一応、アリス・マーガトロイドよ。」

 

 

 

純狐「ええ、よろしく……後は……向こうで話しましょ」

 

 

 

アリス 純狐「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「先行でいいかしら?メインステップ。アクセル、加速戦士イエロー・マーリン。三枚オープンしてアクセルを持つカードを回収。」

 

 

 

オープンされたのは丙の木猿ナラ 美麗鬼アラ 猿道士オンコットだったので、全て手札に加えた。

 

 

 

純狐「…メインステップ。ミノガメンを召喚。効果で一枚オープン。太陽の守護蟲ケプリだったので手札に加えて、そのまま召喚。アタックステップ。ミノガメンでアタック。」

 

 

 

 

アリス「ライフで受けるわ。」

 

 

 

ミノガメンが黄色の光弾でライフを砕いた。

 

 

 

純狐「これでターンエンド。」

 

 

 

文「先行したのは純狐選手!紫さん、どう思われますか?」

 

 

 

紫「彼女のデッキは低コストで数押しするタイプ。どれだけ速攻で決められるかが勝敗を分けるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

ブラフマー《あのねえちゃんはコスト2ビートか?》

 

 

イシス《………まさかね………》

 

 

 

幽香「…どうかした?」

 

 

 

イシス《何でもないわ………たぶん………》

 

 

 

イシスの様子に首をかしげた幽香。その答えは後で明らかになる………

 

 

 

 

 

 

 

アリス「へぇ、メインステップ。美食の妖精ロゼットを召喚。ターンエンド。」

 

 

 

文「おお!?アリス選手はアタックしない!?」

 

 

 

紫「……カウンター狙いでしょう……しかし、この判断がどうでるか…………」

 

 

 

純狐「…………ねぇ、あなた………」

 

 

 

アリス「…どうかした?」

 

 

 

純狐が突然、アリスに話しかけた。アリスは不思議に思って聞き返した。すると、純狐は…………

 

 

 

 

純狐「……このターンで決めるわ……!!」

 

 

 

アリス「…!?へぇ、やれるモンならやってみなさい!」

 

 

 

文「おおおお!?なんとここで純狐選手!勝利宣言だ!」

 

 

 

紫「裏目に出たわね………」

 

 

 

 

純狐「メインステップ。バーストをセットして子フィンクスを召喚。アタックステップ。子フィンクスでアタック!効果で手札の子フィンクスを召喚してフィールドに黄色のシンボルしかないのでドロー!」

 

 

 

純狐のフィールドに小さなスフィンクスが現れて嘶くとまた別の子フィンクスが現れた。

 

 

 

アリス「…ライフで受ける。」

 

 

 

子フィンクスが頭突きでライフを砕く。

 

 

 

純狐「子フィンクスでアタック。効果で子フィンクスを召喚してドロー。」

 

 

 

魔理沙「またかよ!」

 

 

 

マナカ《不味いね…子フィンクスはデッキにマックス二十枚は入れられる。どこまで続くか………》

 

 

 

 

アリス「…ライフ!」

 

 

 

子フィンクスがさらにライフを壊す。

 

 

 

純狐「さらに子フィンクス。効果で子フィンクスを召喚してドロー。」

 

 

 

 

霊夢「いつまで続くのよ………」

 

 

 

アリス「…ライフよ!」

 

 

 

三体目の子フィンクスがアリスの四個目のライフを砕いた。

 

 

 

純狐「ミノガメンでアタック。」

 

 

 

アリス「フラッシュでアクセル!戦鬼ムルシエラ!コアが三個以下のスピリットを全て破壊!!」

 

 

 

 

アリスの手から放たれた紫の斬擊が純狐のスピリット達を破壊したが………なんとそこには回復状態の子フィンクス一体とケプリが残っていた。

 

 

 

文「なんと!!アリス選手の必殺カウンターを耐えた!?」

 

 

 

純狐「ケプリの効果で想獣のコスト2スピリットが破壊されるとき、ライフのコアをそのスピリットにのせると同じ状態でフィールドに残る………宣言通り、終わりよ。子フィンクスでアタック!」

 

 

 

アリス「…まさか……こんなに………フフ、世界は広いわね。ライフで受ける!」

 

 

 

 

子フィンクスが最後のライフを砕いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「電光石火の決着!!勝者は純狐選手だ!!」

 

 

アリス「あなた、強いわね。私もまだまだだったわ。」

 

 

純狐「…あなたも後、数ターンしたら勝ってたわよ。」

 

 

 

 

 

そう談笑する純狐に創界神達は訝しげな視線を送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊姫「…フフフフ。やはり揃ったわね………創界神達は…………」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


純狐さん………リアルでもヤバいデッキでした………まあ、もうこれでデッキのエースはわかりましたよね………


次回予告 従者対従者!巫女対巫女!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

従者対従者!巫女対巫女!

この前、なんとなく回したガチャでアプロディーテのシークレットが出ました…………でもウラニアー持ってないんだよなあ……


 

 

 

文「さぁ!純狐選手の華麗なスピード決着の次は従者対決!十六夜 咲夜VS魂魄 妖夢!どちらが主の前で勝利を捧げることができるのか!?」

 

 

その言葉に二人はフィールドに上がる。

 

 

咲夜「そう言えば、バトルは久しぶりね。」

 

 

妖夢「…そうですね。手は抜きませんよ?」

 

 

咲夜「フフ、お嬢様や妹様の前でそんな醜態はさらせないわよ。」

レミリア「咲夜!紅魔の力を見せなさい!」

 

 

幽々子「よ~む~!頑張って~!!」

 

 

観客席からは二人の主が声援を送る。

 

 

 

 

 

咲夜 妖夢「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 妖夢はNo.24トリプルヘビーを配置してバーストをセット。

 

 

第2ターン 咲夜はクリスタニードルと死神壬龍ジェット・ザ・リッパーを召喚。バーストもセットしたがアタックはせず、ターンエンド。

 

 

第3ターン 妖夢はトリプルヘビーをレベル2にあげ、丁の恐竜機ディノニク・ウォーカーを召喚。召喚時効果でデッキを五枚オープンしてその中のグロリアス・シープと白魔神を回収した。そしてそのままアタックして咲夜はライフで受けた。

 

 

第4ターン 咲夜は混沌の魔術師アマルディを召喚してデッキを三枚破棄。そしてトラッシュの巳の十二神皇ティアマドーを回収して、ジェット・ザ・リッパーでアタック。効果でディノニク・ウォーカーを破壊してワンドロー。妖夢はライフで受けた。これでターンエンド。

 

 

バトルは第5ターン。実況の文は紫に話しかける。

 

 

 

文「このバトルをどう見ますか?」

 

 

紫「咲夜のクリスタニードルは破壊時にネクサスを破壊する効果があるわ。だから妖夢はアタックがしづらくなっている。上手く手札かデッキに戻せるカードがあればいいけど…………」

 

 

妖夢「来た!メインステップ!己械合神マンモ・イージスをレベル2で召喚!召喚時効果で四コアを増やす!さらに白魔神を召喚して合体!

 

アタックステップ!マンモ・イージスでアタック!効果でクリスタニードルをデッキボトムに戻して回復!さらに白魔神の追撃!ジェット・ザ・リッパーを手札に!」

 

 

 

咲夜「………バースト発動。ダークマターの効果で一枚ドロー。そしてフラッシュ効果で白魔神を破壊。マンモ・イージスはライフよ。」

 

 

 

咲夜のバーストから紫の煙が噴き出して白魔神を破壊し、マンモ・イージスの一撃を軽減させた。

 

 

妖夢「く!ターンエンド!」

 

 

紫「咲夜は上手く立ち回ったわね。マンモ・イージスがレベル3でない、超重装甲を持たないうちにブレイヴを除去できたのは大きいわ。」

 

レミリア「流石はこの私の従者!!わ・た・し・の!」

 

 

咲夜「メインステップ。庚の水晶龍アメジスト・ドラゴン・ソニックを召喚して二枚ドロー。そして鳳凰龍フェニック・キャノンをノーコスト召喚してソニックに合体。トリプルヘビーを破壊してさらにバーストをセット。

 

アタックステップ。ソニックでアタック!」

 

 

水晶の鎧を纏ったドラゴンがフェニック・キャノンのエネルギーを纏って飛び出した。

 

 

妖夢「ライフで受ける!バースト発動!!そびえよ!白き要塞!我らを守る盾となれ!丑の十二神皇アバランシュ・バイソン!封印して召喚!効果でソニックをデッキボトムに!!」

 

 

妖夢のフィールドが氷河に包まれ、そこからアバランシュ・バイソンが這い出てくる。そしてアバランシュ・バイソンの砲弾がソニックをデッキボトムに返した。

 

文「これはカウンター!!上手くキースピードを出しただけでなく、上手く咲夜選手のスピリットを除去しました!」

 

 

咲夜「ごめんなさい。それは読めてるの。封印したのでバースト発動。古の神皇ガルダーラ!召喚時効果でコアブースト!これでターンエンドよ。」

 

咲夜のバーストが緑の光に包まれると大きな鳥が降り立った。

 

 

ホルス《おお!爪鳥だ!》

 

 

セト《へぇ!封印後のバーストか!面白いもん見た!》

 

幽々子「あらら~妖夢には厳しいわね~」

 

 

妖夢「…ええい!メインステップ!駆ける戦車!闇を砕け!未の十二神皇グロリアス・シープ!!レベル2で召喚!!

 

 

アタックステップ!グロリアス・シープでアタック!!」

 

 

妖夢のフィールドにグロリアス・シープか降り立つと、嘶きながら走り出した。

 

 

咲夜「確か、ブロック不能だったわね……ライフで受ける!」

 

 

グロリアス・シープの光線がライフを撃ち抜いた。

 

妖夢「……ターンエンドです………」

 

 

紫「…妖夢は上手く攻められていないわね……」

 

 

ヘルメス《さっき異魔神を破壊されたのが痛いね……》

 

咲夜「…悪いけど妖夢。このターンで終わりよ。メインステップ。神皇統率する司令官!巳の十二神皇ティアマドー!!ガルダーラとティアマドーにフェニック・キャノンを合体!

 

アタックステップ!ティアマドーでアタック!アタック時効果で封印!そして神軍!トラッシュと手札からウロヴォリアス・リバースを一体ずつ召喚………わかっていると思うけどライフを砕かないとブロックできないわよ?」

 

天からティアマドーが降りてくるとフェニック・キャノンがガルダーラとティアマドーに力を注いだ。さらにティアマドーが紫のビームを発射すると、妖夢のスピリットが石になり、フィールドから骨になったウロヴォリアスが二体這い出てきた。

 

 

妖夢「……フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!!ライフで受けます!!!」

 

 

咲夜「な!!!?弾様の……!!…ターンエンド……」

 

 

 

妖夢の前に三角のバリアが現れてライフが0になるのを防いだ。

 

 

文「妖夢選手は上手く凌ぎましたが、依然として厳しい状況です!ここからどうするのか!?」

 

 

妖夢「……ドローステップ!………今度は私の番です!メインステップ!幻魔神を召喚してバイソンに左合体!スピリット達をレベル3にしてアタックステップ!グロリアス・シープでアタック!効果でバイソンはアンブロッカブルに!!」

 

 

幻魔神がバイソンに力を注ぎ込み、超装甲 紫を得たことでウロヴォリアス・リバースの効果を恐れることはなくなった。

 

 

咲夜「残念。フラッシュタイミング!マジック!絶甲氷盾!アタックステップはここで終了よ。」

 

 

咲夜の手から氷のシールドが放たれた………が…………

 

 

アルテミス《ん~!異魔神出せたのは良かったんだけどね………》

 

 

妖夢「……その言葉………そのまま返します!手札の翼神機グラン・ウォーデンの効果でマンモ・イージスにソウルコア無しで煌臨!そしてマジックを打ち消す!!」

 

 

マンモ・イージスがグラン・ウォーデンに変わるとグラン・ウォーデンは剣で咲夜の氷のシールドを切り裂いた!

 

 

文「なんと!!妖夢選手!グラン・ウォーデンを仕込んでいた!!これで絶甲氷盾は無効化されます!!」

 

 

咲夜「嘘!?ガルダーラでブロック!」

 

 

ガルダーラがグロリアス・シープに飛びかかったが、シープは背中の砲台からビームを出して吹き飛ばした。

 

 

妖夢「アバランシュ・バイソン!覚悟!!」

 

 

咲夜「……お嬢様………申し訳ありません………」

 

 

 

アバランシュ・バイソンの砲弾の嵐が襲いかかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「これは大逆転!!劣勢をひっくり返して勝ったのは魂魄妖夢選手だ!!!」

 

 

咲夜「まさか、グラン・ウォーデンは読めなかったわ………」

 

 

妖夢「まあ、ピン指しでしたし……」

 

 

そう言って二人はフィールドの隅のベンチに戻った。そしてその隣では二人の巫女が準備を終えていた。

 

 

文「さぁさぁ!熱気も止まぬうちに次の試合です!こちらは巫女対決!!この勝利は神社の信仰に関わるぞ!!」

 

 

 

霊夢「……それは負けられないわ!」

 

早苗「…博麗神社はそれでもあんまり人は来ませんけど………」

 

そう言いながら二人はフィールドにあがって構えた。

 

 

霊夢 早苗「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 早苗は海底に眠りし古代都市を配置。

 

 

第2ターン 霊夢はコレオンとさ迷う天空寺院を配置。

 

第3ターン 早苗はウバタマンと異海獣アビスシャークを召喚。アビスシャークの効果でコレオンを破壊してコアを増やした。

 

第4ターン 霊夢は甲獣キャノン・ピューマをレベル2で二体召喚して一体でアタック。早苗はライフで受けた。そして第5ターン。

 

 

早苗「メインステップ。行きます!海魔神を召喚!召喚時効果で殻人と異合をノーコスト召喚!蜂王フォン・ニード!地獄よりきたる三つ首の悪魔!戌の十二神皇グリードック!!この二体を海魔神と合体させます!」

 

 

 

早苗のフィールドが水浸しになり、そこから海魔神が浮上してくる。海魔神は青と緑に輝くと、フォン・ニードとグリードックを呼びだした。

 

 

ポセイドン《フム……青緑連鎖……我輩のデッキにも採用してみるか……》

 

 

早苗「アタックステップ!グリードックでアタックです!封印した後、強奪!相手の手札をオープンさせて、その中のマジックをこちらの効果として使います!………エンペラーフレイムの効果でキャノン・ピューマを一体破壊です!」

 

 

霊夢「サポートセレブレーションが無くて良かった……フラッシュでアクセル!機巧武者Eーナオマサ!このバトルでアタックステップは終了!!ライフよ!」

 

 

グリードックがエンペラーフレイムのカードを噛み砕いてキャノン・ピューマを炎で破壊した後、青いビームで霊夢のライフを一気に二つ砕いた。

 

 

早苗「ターンエンドです!!」

 

 

文「間一髪、防いだ霊夢選手!!ここから逆転できるか!?」

 

 

紫「青緑連鎖は相手の召喚時封じと横の展開速度の速さが命………さて、霊夢は………」

 

 

霊夢「ドローステップ……メインステップ!壬獣アクセルエッジを召喚!進化する青き炎の槍!!超・十二神皇エグゼシードF!!さ迷う天空寺院の効果でコストマイナス2で召喚!!」

 

 

霊夢のフィールドに青い炎を纏った神馬が降り立った。

 

 

トト《………あれが進化したと言う十二神皇か………》

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!!超封印で封印した後、最高レベルへ!!さらに炎走破!!あんたのスピリットを三体破壊してグリードックを指定アタック!!」

 

 

早苗「強奪は………さっきと同じですね………」

 

 

フォーミュラーがエネルギーの光線でウバタマン、アビスシャーク、フォン・ニードを破壊し、グリードックに突っ込んだ。グリードックはかわして鎖をフォーミュラーに巻き付けたが、逆に振り回されてフォーミュラーのエネルギーソードに貫かれた!

 

 

霊夢「破壊したスピリットの数だけライフをぶっ壊す!とどめよ!アクセルエッジ!!」

 

 

早苗「やっぱり無理でした~!!」

 

フォーミュラーが早苗のライフを一気に四点砕いた後、アクセルエッジが駆け出して、早苗のライフをうち砕いた!

 

 

 

 

 

 

文「なんと1ターンで一気にライフを奪い取った!霊夢選手の勝利!!!」

 

 

早苗「はぁ~弾様とのバトルが………」

 

 

霊夢「悪いわね……それは私よ……」

 

 

 

そう話している二人を尻目に依姫は目を閉じて静かに出番を待っていた……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


次はよっちゃんのバトルです。なんか久しぶりに書きます。


次回予告 青き神海賊団VS緑の十二神皇!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

青き神海賊団VS緑の十二神皇!!

純狐さんのバトルは速く終わるので書くのが楽ですが、盛り上がりに欠けるのが難点です。なので今回はよっちゃんの熱い(エグい)バトルをお楽しみください。


文「さぁ!次のバトルでベスト4が決まります!!選手の二人は前に!!」

 

 

 

魔理沙「待ちくたびれたぜ!よ~やく出番だ!!」

 

 

 

依姫「………大丈夫………勝てる………」

 

 

バトルする気満々な魔理沙と対照的に緊張した顔つきの依姫。それを見てポセイドンが話しかけてきた。

 

 

ポセイドン《…依姫……バトルは航海だぞ……》

 

 

依姫「……航海……ですか?」

 

 

ポセイドンの言葉に首を傾げる依姫。

 

 

ポセイドン《…たとえ、万全の準備をしたとしても嵐は起こるし日照りが続くこともある………もう、今は考えるな!勝利と言う宝島へ向かって、ただ真っ直ぐ進むだけよ!!》

 

 

依姫「……ありがとうございます…!何か……モヤが晴れました。」

 

 

依姫は降ろしているポセイドンに感謝して、バトルフィールドの反対側に立つ魔理沙と向き合った。

 

 

魔理沙「どうした?何かぶつぶつ言ってたが?」

 

 

依姫「…ああ、すみません…霊夢とのバトルをどうするか考えていたもので………」

 

 

魔理沙「かっち~ん!へぇ!バトルの後になって後悔するなよ!!」

 

 

依姫「…航海するのは今からですよ!」

 

 

依姫 魔理沙「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 魔理沙はチキンナイトと白雲に茂る天翼樹を配置した。

 

 

第2ターン 依姫はゴッドシーカー神海賊バンドウスを召喚して四枚オープン。その中の創界神ポセイドンと三叉神海獣トリアイナを手札に加えて、ポセイドンをそのまま配置。対象カードは一枚だったので一個、コアを置いた。

 

 

第3ターン 魔理沙は乙騎士エウロス・ファルコンを召喚してアタック。アタック時効果でコアを増やしてバンドウスを疲労させ、依姫はライフで受けた。そしてバトルは第4ターンに入る。

 

 

文「フム!魔理沙選手はデッキ破壊を警戒しているようですね!!」

 

永琳「…どちらのスピードが速いかが勝負を分けるわね。」

 

 

紫「…………あんた、何でいるの?」

 

 

その言葉を永琳はスルーした。それを尻目に依姫はバトルを進める。

 

 

 

依姫「……よおし!メインステップ!まずはバーストをセット。神海賊団新米船長ドルフィリポス!大海を割る青い槍!三叉神海獣トリアイナ!召喚時効果でチキンナイトとエウロス・ファルコンは退~場!!」

 

 

依姫の後ろから三つ首の獣が水しぶきをあげながら飛び出してきて、ビームで魔理沙のスピリットを破壊した。

 

 

魔理沙「ぬおお!?」

 

 

依姫「アタックステップ!トリアイナ!レッツゴー!ドルフィリポスの効果で一枚破棄。さらにデッキから五枚を破棄!!そしてその中にスピリットが三枚あればコアを増やしちゃうけど…………三枚あったわね!なので一コアもらいま~す!」

 

魔理沙「やられっぱじゃ終わらないぜ!フラッシュタイミング!神速封印!緑のファンタジスタ!卯の十二神皇ミストラル・ビット!!レベル2で召喚!!トリアイナはライフで受ける!」

 

 

トリアイナが魔理沙のライフを突き砕く隣で、緑の嵐が起こってミストラル・ビットが現れた。

 

 

依姫「んん~ターンエンドですね。」

 

魔理沙「ふぇ~あっぶね!メインステップ!エウロス・ファルコンとアサシンミツカドを召喚!ミツカドの召喚時効果で創界神のコアを一つボイドへ!さらにマジックでハンドリバース!三枚ドロー!

 

アタックステップ!エウロス・ファルコンでアタック!効果でコアを増やしてドルフィリポスを疲労!」

 

 

魔理沙は黒い殻人を召喚してポセイドンのコアを減らす。さらにもう一体エウロス・ファルコンを出して攻撃させた。アタックした時の風でドルフィリポスは疲労している。

 

 

依姫「おっと!バンドウス君、ここは君に任せるわ。」

 

 

バンドウスがエウロス・ファルコンの風に吹き飛ばされた。

 

 

 

魔理沙「さらにミストラル・ビットでアタック!跳躍の効果でドルフィリポスを手札に戻してコアブースト&ライフ貫通!!」

 

依姫「いてて、ライフで受ける!」

 

 

ドルフィリポスをバウンスしたミストラル・ビットのレーザーソードがさらにライフを切り裂いた。

 

 

魔理沙「よっしゃ!ターンエンドだぜ!」

 

 

文「おおっと!魔理沙選手!ここで畳み掛けてきた!依姫選手はかなり苦しい!!」

 

 

紫「魔理沙のデッキは残り24枚……次でかなり削れなければ、きついわね……」

 

アルテミス《依姫!頑張んなさい!》

 

 

依姫「ドローステップ……ん?……お勤めありがとうございます!姐さん!メインステップ!創界神ケイ様!降臨!効果で三枚トラッシュへ送って二コアを置きます!」

 

 

ケイ《おい、何暴走族の曹長みたいに………》

 

 

ポセイドンの隣にケイが愚痴りながら現れた。

 

 

アンターク《ええ!!?ケイさん、どうして!?》

イシス《……なにやら特訓の最中に仲良くなって、ケイがダメもとでバトルの参加を頼んだらOKが出たそうよ……》

 

マナカ《ケイ~!!頑張って~!!》

 

 

創界神達が色々と言葉を叫んでいるなか、依姫は反撃体制に入る。

 

依姫「そしてドルフィリポス君をレベル2で再度召喚。アタックステップ!ドルフィリポスの効果で神海スピリットを最高レベルにア~ップ!トリアイナでアタック!まずはドルフィリポス君の効果でデッキを…………」

 

 

 

依姫がそう続けようとしたその時、魔理沙がカードを取り出していた。

 

 

魔理沙「おおっと!それはいけねえな!その効果の発揮前にマジック!アフターイメージ!このターン、私のデッキは破壊されないぜ!!トリアイナはライフだ!」

 

 

 

依姫「な!!?」

 

 

ポセイドン《ぬぅ!!》

 

 

 

ケイ《く!しまった…積んでいたか……》

 

 

魔理沙の黄色の光がフィールドを包み込み、デッキ破壊効果を全て打ち消した。その中でトリアイナはライフを削る。

 

依姫「……ターンエンド………」

 

 

文「これは魔理沙選手が一枚上手だった!アフターイメージで依姫選手のデッキ破壊を封じました!」

 

 

永琳「依姫はまだグレート・オーシャンが引けてないのが痛いわね。」

 

 

紫「あのスピリットの界放があればデッキ破壊メタに関係なくデッキを削れるけど………」

 

 

二人が言っている通り、依姫はグレート・オーシャンを引けていないのが現状だった。手札交換マジックもないので非常に辛い。

 

 

魔理沙「メインステップ!吹き荒れる台風!落ちる雷!超・十二神皇ゲイル・フェニックス・ゼファー!リザーブのコアを全部乗っけて召喚!!!」

 

 

依姫「…これが……!魔理沙のキースピリット……!!」

 

 

魔理沙のフィールドに雷と共に六枚の羽を持った鳥が降り立った。

 

 

魔理沙「アタックステップ!ゼファーでアタック!!雷飛翔の効果!一コストで回復してゼファーのコア以下のスピリットにはブロックされないぜ!!」

 

 

空から依姫のフィールドに雷が落ちてスピリット達をブロック不能にする。

 

 

文「ああッと!!?魔理沙選手が決めにかかった!依姫選手のライフは残り二つ!このアタックを凌げなければ次のミストラル・ビットの効果でライフが0になってしまうぞ!!どうするのか!?」

 

 

シヴァ《かと言ってゼファーの攻撃をブロックはできない……》

 

アレックス《マジックがあればいいけど……コアは足りるかな……》

 

魔理沙《勝った!!これで霊夢とのバトルだぜ!!》

 

 

ゼファーが依姫のライフを砕いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「フラッシュタイミング!ケイ様の神技でバーストを条件無視で発動!セト様!お借りします!召喚!闇輝石六将砂海賊神ファラオム!このターンを強制終了!!」

 

 

ケイ《私は置物ではないぞ!!》

 

 

………かに見えたが、依姫のバーストをケイが無理矢理表にして発動させる。そこからまるでファラオのような獣の頭をしたスピリットが現れて、魔理沙のターンを強制終了させた。

 

セト《おお!ファラオム!使ってくれたか!》

 

 

スサノヲ《……随分ヒヤヒヤさせるな……》

 

 

依姫「まだ終わりません!青一色のバーストが発動したので手札の神海賊船カリュブデス号ー女神顕現ーの効果を使いますが……残念!そのまま召喚だけですね……」

 

 

魔理沙「……ん!?これって……私のターン…終わってる……?」

 

 

依姫の手札からさらに海賊船のような体にたくさんの触手を持ったスピリットも現れる。ここでようやく魔理沙はゼファーのバトル処か自分のターンが終わっていることに気がついた。

 

 

依姫「それじゃ!私のターン♪メインステップ!神海賊皇子トリトーンを召喚!効果でデッキを二枚除外!

 

アタックステップ!ドルフィリポスの効果でレベルマックス!トリアイナでアタック!」

 

 

魔理沙「まだだ!手札からアフターイメージ!これでまたこのターンは……

 

「ポセイドンの神域を発揮!アフターイメージを無効化!!」

 

…何だって!!?」

 

ポセイドン《ぬぅうぇい!!!》

 

 

魔理沙の手から放たれた黄色の光はポセイドンの三又の銛からの青い大波に呑まれて消え去った。

 

 

依姫「トリアイナの効果でこのバトルの間はデッキ破棄効果がプラス5される!トリアイナのアタック時効果で十枚!!ドルフィリポスの効果で六枚!デッキを破壊!!さらにトリトーンの効果で二枚を除外!!」

 

トリアイナ、トリトーン、そしてドルフィリポスの青いオーラが魔理沙のデッキを破壊した。

 

 

魔理沙「……ええい!!ゼファーでブロック!!」

 

ゼファーの翼とトリアイナの牙が何度も空中でぶつかる。しかしBPはゼファーが1000の差で勝っている。ゼファーの雷がトリアイナを動きを鈍らせ、トリアイナのビームもゼファーの風で弾かれる。このままゼファーがトリアイナを破壊すると思われた。しかし、依姫の手は一枚のカードを掴んでいた。

 

 

依姫「フラッシュタイミング!トリアイナに煌臨!出航せよ!青き龍皇よ!神海賊龍皇ジークフリード・エナリオス!!煌臨時効果でミストラル・ビットを破壊!!BPは16000!13000のゼファーを上回ります!!」

 

 

トリアイナが青く輝くと、そこからポセイドンと同じオーラをして、紫の三叉槍を携えた青いジークフリードが姿を見せた!エナリオスはその手にある愛槍を構えると物凄い速度で飛び回るゼファーの動きを見切って、投げつけた。ゼファーは青い龍型の水流を放ちながら飛んでくる槍に貫かれ、大爆散した!!

 

 

 

依姫「さらにトリトーンでアタック!効果で計三枚を破棄!」

 

 

 

魔理沙「まだだ!フラッシュタイミング!アクセル!蒼き蜂皇オオセイボゥ・A!!カリュブテスとドルフィリポスを疲労!!これでギリギリ持ちこたえられる!!ライフで受ける!!まぁ!減らないが…………!!?」

 

 

 

魔理沙の手からの緑の風は確かに二体を疲労させた。しかし、トリトーンがライフを砕けずに後退した後、エナリオスが青く輝いて、三叉槍を構えていた。

 

 

 

依姫「エナリオスの効果!!神海又は海賊スピリットがブロックされなかった時、デッキを五枚除外!!ターンエンド!!私達の勝ちです!!」

 

 

 

エナリオスが槍を振るって魔理沙のデッキを0にした!!

 

 

 

魔理沙「…まじか…やっちまったな……負けたか……まあ、いいや!スタートステップ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

文「またもや大逆転!!十二神皇使いを打ち破って勝利したのは綿月依姫選手!!!これでベスト4が出揃いました!!!」

 

 

 

永琳「……途中から喋ることを忘れさせたわね……」

 

 

 

魔理沙「あ~も~!!バトスピでも負けたらお前に勝てる要素ないじゃないか!!」

 

 

 

依姫「あはは……」

 

 

《……このまま、弾さまへの奥の手を温存できればいいけど……》

 

 

 

魔理沙の言葉にそんなことを考えながら苦笑いをする依姫。その二人を歓声が包み込んだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

豊姫「…フフフ…そうよ………依姫………そのまま戦い続けなさい……………」

 

 




はい。ありがとうございました。

このバトルでエナリオスを出すことは決めていました。しかし、デッキ破棄の調整がうまく行かず、魔理沙のミス勝ちになってしまいました………


後、この作品のデッキレシピはバトスピwiki様のデッキを参考にしておりますが、ケイのバースト強制発動→ファラオムでターン終了→カリュブデス号ー女神顕現ーの手札破棄……このコンボ考えた人は凄いですね……


そして少し前から最後に出てくる豊姫姉さん……なんか、龍騎の神崎みたいになってる……果たして目的は………?


次回予告 準決勝! 煌臨する太陽!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

準決勝!煌臨する太陽!!

なんか……依姫の相手に相応しいのは主人公の魔理沙、霊夢、そして因縁のある純狐さんなんだよなぁ……なんか…この組み合わせは他の誰かもやってそう…………





 

 

文「はい!皆様!!ベスト4が出揃いました!

 

 

黄色の速攻使いの純狐選手!

 

鉄壁の守りで猛攻を跳ね返した妖夢選手!

 

一撃で一気にライフを削った霊夢選手!

 

創界神達を自在に降ろして翻弄した依姫選手!

 

この四人が優勝を競います!!まずは準決勝第1試合!純狐選手VS妖夢選手です!両者バトルフィールドへ!!」

 

 

 

文の声に純狐と妖夢が前に出る。ちなみに、アリスや魔理沙達は観客席でレミリアや創界神達とバトルの観戦&辺りを警戒している。

 

 

 

 

 

妖夢「………よろしくお願いします……」

 

 

 

純狐「あらあら、固いわよ。もう少しリラックスしたら?」

 

 

妖夢「……すみませんが……こういう性分なので……」

 

 

 

純狐「ウフフ……まるであの娘みたいね………それじゃ、始めましょう……」

 

 

 

 

 

純狐 妖夢「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「……あなたの速攻は脅威です………ですが……このネクサスなら止めれます!メインステップ。ネクサス、獣の氷窟を配置!ターンエンドです。」

 

 

 

妖夢の背後に氷に覆われた洞窟が現れた。

 

 

 

文「おお!妖夢選手は獣の氷窟を配置しました!」

 

 

 

永琳「これは大きいわね……BP4000以下のスピリットのアタックではライフが減らなくなる……コスト2ビートには強烈に突き刺さるわ。」

 

 

紫「それにレベル2からは相手のドローに乗じてドローできるから子フィンクスのドローも相手にカードを与えることになるわね………」

 

純狐「…厳しいわね………メインステップ。バーストをセット。黄なる闇の輝石!闇輝石六将キリンクスをレベル3で召喚!!」

 

 

 

純狐の後ろから髭を生やした麒麟が飛び出してきてきた。

 

 

オシリス《……む……キリンクスか…あいつのレベル3BPは5000……獣の氷窟の範囲外だな……だが…確かキリンクスは……》

 

 

 

ホルス《うっそだろ…………》

 

 

映姫「…?どうかされましたか?」

 

 

頭を抱え始めるエジットの創界神達にオリンやウルの面子は状況を察し、幻想郷メンバーは首を傾げるばかりだった。

 

 

 

 

純狐「アタックステップ。キリンクスでアタック!アタック時効果でワンドロー。」

 

 

 

妖夢「…成る程、ライフです!」

 

 

 

キリンクスが突進でライフを砕いた。

 

 

 

純狐「ターンエンド。それでも獣の氷窟はきついわ……」

 

 

妖夢「メインステップ!イグア・バギー!そして駆ける戦車!闇を砕け!未の十二神皇グロリアス・シープ!そしてバーストをセット!これでターンエンド!」

 

 

 

妖夢のフィールドにグロリアス・シープが現れた。これでキリンクスでもライフを削れるのは難しくなった。

 

 

 

文「妖夢選手!グロリアス・シープを召喚して防御は完璧!!純狐選手はこれを突破できるのか!?」

 

 

 

純狐「……メインステップ……仕方ないわね……使うか……子フィンクスを召喚……そのままアタック!効果で太陽の守護蟲ケプリを召喚してワンドロー!」

 

 

 

文「おっと!純狐選手!子フィンクスで攻めた!これはドローが狙いか!?」

 

 

 

妖夢「…何かいいカードを引きたいみたいですね……」

 

 

 

 

その言葉に純狐の表情や雰囲気が変わり始める。それは月に攻めこんだ時の顔だった…………

 

 

純狐「…フフフフ、嫦娥よ!!………じゃなかった……魂魄 妖夢よ!!それは早計だ!!フラッシュタイミング!我が元に顕現せよ!!神をも焼き殺す光!!太陽神獣セクメトゥーム!!子フィンクスに煌臨せよ!!」

 

 

 

 

子フィンクスが純狐の後ろにのぼった太陽から力を浴びて光輝き始める。すると体がどんどん大きくなっていく。巨大な爪、機械で武装された翼、そして百獣の王の目。光がやむとそこには巨大な翼を持った獣が現れていた。

 

 

 

 

トト《……はぁ……やっぱり……》

 

 

 

ブラフマー《……お疲れさん…》

 

 

 

ヘルメス《……家も家だけど他所も他所だね…》

 

 

 

隠岐奈「おいおい、さっきからどうしたんだ?」

 

 

文「こ、これは!?なんと純狐選手!まだこのような奥の手を用意していたとは!?」

 

 

 

 

純狐「セクメトゥームの煌臨時効果。相手のスピリットをBPマイナス10000して破壊……だが………子フィンクスのコストが2なので二回、この効果を発揮できる……失せろ!!イグア・バギー!グロリアス・シープ!!」

 

 

 

 

セクメトゥームが翼から光の銃弾を連射して妖夢のスピリット達を破壊し尽くした。

 

 

 

 

妖夢「く!!そのアタックはライフ!!バースト発動!!そびえよ!白き要塞!我らを守る盾となれ!!丑の十二神皇アバランシュ・バイソン!!封印して召喚!!召喚時効果でセクメトゥームをデッキボトムに!!」

 

 

 

 

純狐「…お前はこいつの効果を忘れたか?ケプリの効果!!ライフをセクメトゥームに置いて同じ状態でフィールドに残す!!ターンエンドだ…」

 

 

 

 

アバランシュ・バイソンがセクメトゥームに砲弾を撃ち込んだがケプリの黄色のシールドに阻まれた。

 

 

 

 

 

妖夢「…不味い…メインステップ!己械合神マンモ・イージスを召喚して相手の手札分、コアブースト!よって四個増やします!そして幻魔神をマンモ・イージスに右合体!バイソンに左合体します!

 

アタックステップ!マンモ・イージスでアタック!!効果でケプリをデッキボトムに!!」

 

 

 

 

純狐「再度ケプリの効果でライフを削ってフィールドに残る。さらにライフ減少によってバースト発動。アルティメット・カグヤのバースト効果により、ライフを増やしてスピリットをアタック不能に……確かマンモ・イージスは戻せないと回復できなかったな……ケプリでブロック!」

 

 

 

 

幻魔神の力を受けたマンモ・イージスがケプリを攻撃したが、またもや黄色のシールドに邪魔される。

 

そして、ライフ減少がトリガーとなって純狐のバーストから金色の和服に身を包んだ腕が翼のアルティメットが現れた。しかし、マンモ・イージスはめげずにケプリを盾で押し潰した。

 

 

 

文「凄い!!上手く効果のデメリットを補いながらアタックを妨害しています!!」

 

 

 

永琳「……それにしても……月への侵略者がカグヤの名前のカードを使うのは……少し滑稽ね……」

 

 

 

妖夢「……ターンエンド………」

 

 

 

解説席の言葉とは裏腹に妖夢はターンエンドせざるを得なかった。

 

 

純狐「メインステップ。キリンクス、セクメトゥームとUカグヤを最高レベルに。アタックステップ!Uカグヤ!舞え!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

 

妖夢「…3!…トリプルヘビー……」

 

 

 

純狐「ヒット!効果でレベル2のマンモ・イージスを手札に戻して一点ライフを貫通!!」

 

 

 

Uカグヤが翼をはためかせてマンモ・イージスを消し去るとその光の粒子が妖夢のライフを消滅させた。

 

 

 

妖夢「…ライフで受ける!!」

 

 

 

Uカグヤが光弾でライフを破壊した。

 

 

 

純狐「セクメトゥームでアタック!ダブルシンボルだ!」

 

 

 

妖夢「……バイソンでブロックです……」

 

 

 

 

セクメトゥームがバイソンに飛びかかり、噛みつくが、バイソンは0距離から「コノキョリナラ!!バリアハハレナイナ!!」と言わんばかりに砲撃を浴びせる。しかし、セクメトゥームはそのままバイソンの砲台を噛み砕くとなんと二体に分離して両方同時に爪を振り下ろした!バイソンは少しよろめいた後、爆発した!!

 

 

 

 

ブラフマー《……なんか……「ザヨコォォォォォォ!!!!!」って聞こえたような………》

 

 

 

純狐「とどめだ……!キリンクス!!」

 

 

 

妖夢「……無念……!」

 

 

 

キリンクスが光に包まれて銃弾の如く突っ込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

文「試合終了!!逆境にも負けずに勝ったのは!純狐選手だ!!!!」

 

 

 

純狐「…ごめんなさい……少し…復讐モードになってたわ……」

 

 

 

妖夢「いえ……まさか、アルティメットや大型まで入れていたとは………」

 

 

 

 

アプロディーテ《……依姫……行くわよ………》

 

 

 

依姫「……はい!!」

 

 

 

 

そのアプロディーテの言葉は少しうわずっていた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方……スタジアムの影からは…………

 

 

 

 

豊姫「…………………」

 

 

 

豊姫が黙って、じぃーと依姫を見つめていた………

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


トヨヒメザン!?ナズェミデルンデス!!? オンドゥルルラギッタンディスカー!!!?

……好きですよ……剣はビルドの次に……キングフォーム欲しいんだけどなぁ………


次回予告 依姫VS霊夢!炎の槍と華の舞い!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

依姫VS霊夢!炎の槍と華の舞い!!!

スサノヲが地龍と海首なら、ツクヨミやアマテラスは何になるんだろう……?ツクヨミが機巧と造兵でアマテラスが戦姫と武龍とか…?


文「さぁ!もう一つの準決勝を始めましょう!!綿月 依姫選手と博麗 霊夢選手は前に!!」

 

 

 

 

依姫「……さて……いきますか……!」

 

 

 

霊夢「……ふん!創界神だろうが、関係ないわ!!」

 

 

 

先ほどの二人とはうって変わって、ほとんど同じ雰囲気でフィールドに上がる二人である。

 

 

 

霊夢「……先に言っとくけど……私……魔理沙より強いわよ?」

 

 

 

依姫「……で……?」

 

 

 

霊夢「…まぁ、そんなもんよね……さっさと始めるわよ!」

 

 

 

霊夢の挑発を難もなく流した依姫はアプロディーテを降ろしてデッキを構えた。

 

 

 

依姫 霊夢「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 依姫は創界神アプロディーテを配置して、トラッシュにカードを三枚送り、コアを二つ置いた。さらにマジック、プリズムローズフィールドを使ってデッキから二枚オープン。その中の舞華ドローを回収した。

 

 

 

第2ターン 霊夢はコレオンと情熱サーキット、十二神皇の社を配置してターンエンド。

 

 

第3ターン 依姫は神華の妖精アザレアを召喚。召喚時効果でクローバーフィールドを置いて二枚ドローした。さらにマジック、舞華ドローを使い、コレオンを破壊してワンドロー。エンドステップにはトラッシュにソウルコアがあったので、舞華ドローは手札に戻った。

 

 

 

第4ターン 霊夢はバーストをセットしてダイナバーストを使用。デッキから二枚ドローした。これでターンエンド。そしてバトルは第5ターンである。

 

 

 

文「おや?霊夢選手はスピリットを出しませんね……」

 

 

 

輝夜「…出してもマジックで除去されるのは目に見えているわ……」

 

 

 

フラン「でも、出さないと勝てないよ?」

 

 

 

スサノヲ《……そうなると、情熱サーキットの引きが問題になってくるな………》

 

 

 

……霊夢の引きの強さはえげつないクラスなので…凄いのが来そう………

 

 

 

 

依姫「メインステップ!神華の妖精ナデシコをレベル3で召喚!アタックステップ!ナデシコでアタックよ!効果でマジックを疲労させて回復するわ!!」

 

 

 

霊夢「それを待ってたわ!!ライフで受ける!ここで情熱サーキットの効果で一枚オープン!…………寅の十二神皇リボル・ティーガだったのでこのまま召喚するわ!!」

 

 

 

依姫のフィールドに現れた和服を着た紫色の妖精が霊夢のライフを砕くと、情熱サーキットを炎が駆け巡り、その炎からリボル・ティーガが現れた……やはりえげつなかった………

 

 

 

 

加奈子「…流石の引きだな………」

 

 

 

 

マナカ《いや、それにしても良すぎ…》

 

 

 

 

依姫「マジ!?…仕方ない、ナデシコの効果でドロー!ターンエンド!」

 

 

 

 

 

霊夢「メインステップ!進化する青き炎の槍!超・十二神皇エグゼシード・フォーミュラー!!召喚!!」

 

 

 

霊夢のフィールドに青い神馬が降り立ち、大きく嘶いた。

 

 

 

文「おおっと!!霊夢選手はここでキースピリットを投入!勝負を決めに来たか!!?」

 

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!超封印で最高レベルに!さらに炎走破の効果でアザレアとナデシコを破壊!」

 

 

 

依姫《…この二枚のマジックは捨てたくないわね……》

「…アザレアの効果は使わないわ!そしてそのアタックはライフで受ける!!」

 

 

 

フォーミュラーの前足についている砲台から青いビームが発射されて、依姫の二体の妖精を破壊した。そして、爆煙を駆け抜けてフォーミュラーが突進し、依姫のライフを二つ貫いた。

 

 

 

霊夢「リボル・ティーガ!あんたも続きなさい!砲撃の効果で二枚オープン!甲獣キャノン・ピューマとリボル・コレオンだったので、二つライフを撃ち抜く!!」

 

 

 

依姫「プリズムローズフィールドの効果!効果でライフが減るので、このマジックを破棄してライフは減らない!…………え?」

 

 

アプロディーテ《……………………》

 

 

 

依姫は驚いた。決してマジックが破棄できなかったわけではない。少し視線を後ろに向けた時に、後ろのアプロディーテがさっきから一言も喋らないだけでなく、少し青い顔をしていたのに気づいたからだ。依姫は視線を前に向けたまま、テレパシーで尋ねた。

 

 

依姫《……どうしたんです?何かありました?》

 

 

 

アプロディーテ《……ちょっと……さっきのバトルで……あいつを思い出しちゃって……》

 

 

 

依姫《……あいつ…?…純狐のバトルで…?》

 

 

 

アプロディーテの「あいつ」という言葉に首を傾げる依姫。

 

 

アプロディーテ《…セクメトゥームはとある創界神の化神……ちょっとあいつには…同じ黄色の創界神として劣ってるからね………年上なのに………》

 

 

 

その言葉に依姫は少し貯めた後、言葉を発した。

 

 

 

依姫《…どうしたって、あんたはあんたじゃない……そんな無理に張り合う必要なんて無くない?そいつはあんたより綺麗なの?あんたより妖精達に精通してるの?違うでしょ?ならそれでいいじゃん。》

 

 

 

アプロディーテ《…あ~昔はこんなこと考えないでただ単に美しさを求めていたのに……でも、こっちの方が満足があるわね………さて依姫、リボル・ティーガはどうする?》

 

 

 

アプロディーテのその言葉には弱々しさは無く、確かに力強さがあった。依姫はその言葉に答える。

 

 

 

依姫「あったりまえ!!ライフで受けるわ!」

 

 

 

リボル・ティーガの前足が依姫のライフをさらに砕いた。

 

 

 

霊夢「これでターンエンド。」

 

 

 

 

依姫「…ドローステップ…!よっしゃ!メインステップ!!まずは煌臨を使うわ!!」

 

 

 

 

依姫の言葉に霊夢や文は驚いた。

 

 

 

霊夢「え!?あんたのフィールドに乗っかるスピリットなんていないわよ!?」

 

 

 

文「なんと!依姫選手!これはどういうことだ!?」

 

 

 

その言葉を無視して依姫はフィールドのクローバーフィールドのカードに一枚のカードを重ねた。

 

 

 

 

依姫「このスピリットはフィールドのマジックにも煌臨できる!!クローバーフィールドにレベル3で煌臨!!咲き誇れ!美しき龍皇よ!!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!

 

アプロディーテ《…うふふ…さっきまでの私達とは思わないことね!神華しなさい!ジークフリード!!》

 

 

 

依姫のフィールドが一面の花畑になり、舞っている花びらが一体の龍を形作っていく。たくさんの妖精のような羽を羽ばたかせながら、黄色のジークフリードが降り立った!

 

 

 

依姫「さらに踊れ!美しき妖精の神!神華聖霊アプロ・ウラニアー!!そしてアタックステップ!ここでアプロディーテの神技を使用!フォーミュラーの効果を無くして、こちらのスピリットとしてアタックさせる!!」

 

 

 

アプロディーテ《…チュ♥️》

 

 

 

ウラニアーが現れた後、アプロディーテの投げキッスがフォーミュラーに当たった。すると、フォーミュラーの目がハートになり、訳も分からず霊夢に攻撃した!

 

 

 

 

霊夢「はぁ!?何その効果!?ってライフ!」

 

 

フォーミュラーの角が霊夢のライフを二つ砕くと、ふらふらになって倒れ、そのままデッキボトムに戻っていった。そしてアプロディーテの余波が客席にも波及した。

 

 

 

 

アポローン《…危ない……俺には妹が……》

 

 

ヘルメス《………あれ?意識が飛んだような……》

 

 

ホルス《…は!あぶねぇ……ハードボイルドだ……》

 

 

若い男の神々はアプロディーテの色気に惑わされたようである。

 

 

 

アルテミス《……このバカ兄貴!!何で私なのよ!!》

 

白蓮「……実に……煩悩が……」

 

 

オシリス《……どこがハードボイルドだ………》

 

 

 

………流石、愛と美の女神………

 

 

 

霊夢「まだよ!情熱サーキットの効果でオープンした壬獣アクセルエッジを召喚するわ!!」

 

 

 

依姫「アプロダイティでアタック!アタック時効果で手札からマジック!ベラドンナフィールドをノーコスト使用!!アクセルエッジを破壊するわ!!」

 

 

 

情熱サーキットの炎から現れたアクセルエッジを青い花びらが包み込み、力を奪って破壊した。

 

 

 

霊夢「ライフよ!情熱サーキットの効果……あ……」

 

アプロダイティがライフを砕いた後にめくったカードは超 炎魔神。対象のスピリットではないのでそのままトラッシュ送りになる。

 

 

 

 

依姫「運が尽きたみたいね!アプロ・ウラニアー!!界放の効果でダブルシンボルに!!防げるもんなら、防いでみなさい!!」

 

 

霊夢「……防ぎたいけど……手札がねぇ……仕方ない……ライフで受ける!!」

 

 

 

 

ウラニアーの杖から出たビームソードが霊夢のライフを叩き斬った!!

 

 

 

 

 

 

 

文「試合終了!!多彩なマジックどころか相手のスピリットすら操り、勝利したのは依姫選手だ!!!」

 

 

 

 

 

霊夢「…ここまで来たなら、絶対優勝しなさいよ!」

 

 

 

依姫「ええ!!勿論!!」

 

《……そうじゃないと、対弾さまの秘策が無駄になりますからね……》

 

 

そう言って依姫は控えのベンチに座っている純狐に目を合わせた。すると、純狐は依姫を見ると、不適に笑った。

 

 

 

純狐「………………」

 

 

 

依姫「………………」

 

 

 

……次のバトルは……決勝戦は………どうなるか………

 




はい。ありがとうございました。

実はアプロディーテ姉さんはこの作品では、裏設定でゼウスやラーより年上なんです。なので周りが年下ばかりだから、少し彼らに嫉妬するということにしました。ちなみに、元ネタのギリシャ神話でもアプロディーテは十二神のなかではぶっちぎりで年上です。それじゃすんごいBBA………何でもないです…………


そして、ちょっと前から依姫が言っている奥の手とか秘策とか……フフフ…お楽しみに……


次回予告 決勝!切り札は自分だけ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決勝!切り札は自分だけ!!

風が教えている~♪強さは自分の中に~♪恐れさえ乗りこなせるなら~♪進化し~てく~♪

…………はい、決勝です………


文「さぁさぁ!!皆さま、大変長らくお待たせしました!!ついに決勝戦です!!優勝の栄冠は果たしてどちらが手にするのか!!?」

 

その言葉を聞いて、バトルフィールドを挟み、純狐と向かい合う依姫の心はドキドキしていた。

 

 

依姫「………よろしくお願いいたします……」

 

 

純狐「…ええ……嫦娥のことは一旦、忘れて………楽しみましょう………」

 

 

 

依姫 純狐「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

依姫「…こちらから…メインステップ。紫の鬼神!創界神ヘラ!トラッシュにカードを三枚送り、全て対象カードなので三個、コアを置く。さらに創界神ケイさま!こちらも三枚トラッシュへ。対象は二枚なので二つです。以上、ターンエンド。」

 

 

文「おおっと!依姫選手!いきなり、創界神を二人呼び出した!プレッシャーをかけているぞ!!」

 

 

そう言っている文を尻目にヘラは純狐に話しかけた。

 

 

ヘラ《……この前はドタキャンしてすまへんかったなぁ……そろそろ、出てきたらどないどすか?》

 

 

依姫「…?ヘラさま、純狐さんとお知り合いなのですか?」

 

 

ケイ《…いや……彼女に降りているやつのことだ…………》

 

 

 

ヘラの言葉に純狐はなにやらぶつぶつと話すと、雰囲気を変えて、一枚のカードを手に取った。

 

 

純狐「…フフフ、流石はオリンの女王……彼の気は隠せなかったか………弾とのバトルで出す予定だったが……いいだろう!メインステップ!輝け!光の神よ!創界神ラー!!

 

 

ラー《…別に、気にするな。あれはゼウスが悪い…》

 

 

純狐が叫ぶと、後ろに黄色の機械のような鎧に身を包んだ神が現れた。

 

文「なんと!!純狐選手!!創界神使いだった!!!」

 

 

オシリス《……やはりか……》

 

 

イシス《…業務はどうしたのよ…》

 

 

セト《……後で、話し合いしよう…》

 

ホルス《……拳のな……》

 

 

トト《…計算外だ………》

 

 

頭を抱えたエジットの面子を見て、幻想郷メンバーはさっきまでの雰囲気を理解した。幻想郷で言えば、弾が勝手に他の世界に遊びに行っているようなものである。

 

 

純狐「…少し前に、迷子の子フィンクスを拾ってな……その縁で知り合ったのだよ……トラッシュにカードを三枚破棄、カードは二枚なので、二つコアを追加。そして、太陽の守護蟲ケプリを召喚。ターンエンド。」

 

 

ケイ《…依姫…気を付けろ……あいつは主神だ…》

 

 

依姫「…了解…メインステップ!ゴッドシーカー司書ドールレナを召喚!!効果で三枚オープンしてその中の黒嫁ドールザンシアを回収!そのまま召喚してワンドロー!

 

バーストをセットして、アタックステップ!ザンシアでアタック!!」

 

 

依姫のフィールドに紫と黒の人形が現れて、ザンシアがナイフを構えて飛び出した。

 

純狐「…ライフで受ける…」

 

ザンシアのナイフがライフを切り裂いた。

 

依姫「さらにレナでアタック!!」

 

 

純狐「これもライフだ…」

 

 

 

レナの紫の光弾がさらにライフを砕いた。

 

 

依姫「…ターンエンド…」

 

 

 

ラー《…純狐、決めるか?》

 

 

純狐「……これで終わるとは思えないけど……メインステップ。子フィンクスと闇輝石六将キリンクスを召喚。アタックステップ。子フィンクスでアタック!効果で子フィンクスを召喚してワンドロー!!」

 

 

文「さぁ!純狐選手の速攻が始まった!依姫選手どうする!?」

 

 

紫「…さっき、フルアタックしたのはミスだと思うけど……」

 

 

永琳「…今の彼女がそんなミスをするとは思えない……」

 

 

依姫「…来た……!ライフで受ける!!」

 

 

子フィンクスが頭突きでライフを砕いた。

 

 

純狐「さらに子フィンクスでアタック。効果で子フィンクスを召喚してワンドロー!」

 

 

 

純狐のフィールドにまた、子フィンクスが現れる。

 

 

 

 

依姫「…耐えろ……ライフ!!」

 

 

 

子フィンクスが引っ掻いて、ライフを破壊する。

 

 

 

純狐「さあさあ!どうする!子フィンクスでアタック!効果で子フィンクスを召喚してワンドロー!さらにラーのコアが八個になったので神域を発揮!!コスト2と8のスピリットはブロックされない!」

 

 

ラー《…我が軍よ!神の恵みだ!!!》

 

 

ラーの光を浴びて、純狐のスピリット達が活発になった。しかし、純狐はさらにカードを手に取った。

 

 

 

純狐「フラッシュタイミング!神煌臨!ラーのコアをキリンクスに置いてこのスピリットを重ねる!!我が元に顕現せよ!神をも焼き殺す光!!太陽神獣セクメトゥーム!!煌臨時効果で二体のBPをマイナス10000して破壊!!」

 

 

さらにキリンクスがセクメトゥームに変わり、翼からの光弾がレナとザンシアを破壊した。

 

 

 

依姫「…ライフ!!」

 

 

 

子フィンクスがライフを突進して壊す。

 

 

純狐「どうした!?ここで終わるわけではないだろう!!セクメトゥーム!!」

 

 

 

セクメトゥームが爪を構えて飛び出した!

 

 

 

アポローン《…!》

 

 

アルテミス《…依姫!》

 

 

ヘルメス《…流石に終わりか……》

 

 

ポセイドン《…まだ……であろう?》

 

 

アプロディーテ《……ええ……まだ目が死んでないもの…》

 

 

 

依姫「…フラッシュタイミング!ヘラさまの神技を使います!!一枚ドローして手札の鬼神女王ジェラシックドールを破棄!!」

 

 

ヘラ《…そしてジェラシックドールの召喚時効果をうちの無色の神技として発揮!!》

 

 

 

依姫《……お願い…………高コストの………》

 

 

 

ヘラの紫のオーラが依姫のデッキを一枚めくる。そのカードは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………闇輝石六将砂海賊神ファラオム………

 

……呪鬼のスピリットではないのでコアを外すことができない……

 

 

 

ヘラ《しもうた!!》

 

 

セト《すまん!!》

 

 

 

依姫「まだです!!ジェラシックドールの効果でこのまま召喚!呪いの人形姫!鬼神女王ジェラシックドール!!召喚時効果でもう一回オープン!!」

 

シヴァ《…さて今回はどうだ……?》

 

 

ヘラから糸が伸びてジェラシックドールになると、またデッキがめくれる。そのカードは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

…少女ドールジェラ・レディ……コスト3なので微妙……

 

依姫「……ケプリと回復状態の子フィンクスを指定します……」

 

 

純狐「ケプリの効果を見ていなかったのか?それは笑い者だ!ライフを砕いて両者共に残す……そしてセクメトゥームはアタック中だ!!」

 

 

依姫「……フラッシュタイミング!デッドリィバランス!お互いスピリットを一体ずつ選んで破壊!!私はジェラシックドールを指定!!」

 

純狐「…ふん…最後の悪あがきか…疲労している子フィンクスを指定!!」

 

ジェラシックドールと子フィンクスが紫の炎に包まれて消えていく。だが依姫のフィールドにはスピリットは0。対する純狐はアタック中の子フィンクス以外にケプリやセクメトゥームと回復状態の子フィンクスが一体、疲労している子フィンクスが三体いる。

 

 

ブラフマー《………無理だろ……後、何ができるんだよ……》

 

 

アンターク《……あら………?》

 

 

アレックス《……どうしましたか?》

 

 

マナカ《何かおかしいことでもあった?》

 

 

 

アンタークの声に訪ねるアレックスとマナカ。それに対して、アンタークは答えた。

 

 

アンターク《……私が知りたいわ……依姫とヘラさま…それに、ケイさんも大爆笑している…………》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、笑い出した三人に純狐とラーは面を食らった。気でもおかしくなったと言うのか…

 

 

依姫「あはははは!!」

 

 

ヘラ《うふフフフ!!》

 

 

ケイ《はははははは!!》

 

 

 

純狐「何がおかしい!?」

 

 

ラー《…!しまった!》

 

 

何とか笑いをこらえて、依姫が喋り出す。その目には確かに光が灯っている…!

 

 

依姫「…さっき、ケプリの効果はちゃんと見てましたよ?それより……自分のことを棚にあげて人のことを指摘するのが面白くて…………」

 

 

純狐「……?」

 

 

純狐が一体、何のことだと首を傾げていると、ラーが叫んだ。

 

 

 

 

 

ラー《純狐!バーストだ!!》

 

 

 

 

 

 

依姫「ええ、正解です!フラッシュタイミング!ケイさまの神技を使います!バースト発動!!

 

魔界七将ベルゼビート!トラッシュからジェラシックドールと魔界騎士デストロイデンをノーコスト召喚!!そして二体召喚したので、アタック中の子フィンクスのコアを二つ外します!!」

 

 

ケイ《…お前もこれは見ていただろう!!》

 

 

 

ケイがバーストを無理やり発動させて空中に紫の球を出現させる。そこから球を破って蝿の頭を持ったスピリットが現れた。そしてベルゼビートが手をかざすとジェラシックドールとデストロイデンが紫の人魂から復活し、子フィンクスが消滅した!

 

 

 

 

 

純狐「な!しまった!!」

 

《ライフがもう無くてケプリの効果が使えない……!》

 

 

依姫「まだ、ジェラシックドールの召喚時効果が残ってますよ!オープン!!!」

 

 

 

オープンされたカードは…………鬼刃皇デス・ザイア……このデッキで最高コストの9だった!!

 

 

ヘラ《大当たり~!!!!全員消滅や!!》

 

 

 

ジェラシックドールが無数に糸を出してケプリ、残りの子フィンクス達、そしてセクメトゥームを縛り上げて、全員消滅させた!!

 

 

 

 

文「……………え?な、何か起きているのか……一瞬で戦局がひっくり返りました!」

 

 

レミリア「…なるほど…上手くやったな…」

 

 

神子「…?どういうことですか?」

 

 

観客席で幻想郷メンバーがこのことを話している。

 

 

幽々子「依姫ちゃんはこれを狙ってたのよ♪」

 

 

加奈子「…つまり、先ほどのフルアタックも?」

 

 

さとり「……ケプリの効果を抑制するため…ですね……」

 

 

映姫「…そして、ジェラシックドールの効果を使いたかった……しかも保険をかけて………」

白蓮「そのためのベルゼビート……」

 

 

天子「うわぁ………えげつない……」

 

慧音「…ふふ!成長したじゃないか!」

 

 

 

 

依姫「デストロイデンの効果で二枚ドロー!さぁ!どうしますか!?まだそちらのターンですよ!」

 

 

 

純狐「……ターンエンド………」

 

流石の純狐もこればかりはどうしようもなかった。

 

 

依姫「メインステップはそのまま!アタックステップ!ジェラシックドールでアタック!!」

 

 

 

純狐「……すまない…ラー……」

 

 

 

ラー《いいさ、あいつへのリベンジは次にとっておくよ………》

 

 

 

純狐「…見事だ!綿月 依姫!!ライフで受ける!!」

 

 

 

 

ジェラシックドールの無数の糸が槍になって純狐のライフを貫いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「………は!け、決着!!とんでもない連続コンボで勝利をもぎ取ったのは!!綿月 依姫選手だ!!!!」

 

オリン創界神《やったー!!!!!》

 

 

 

霊夢「……まさか、本当にやるとは……」

 

 

魔理沙「なんだ?信じてなかったのか?」

 

 

 

霊夢「………そんなわけないでしょ………」

 

 

 

永琳「…フフフ…また一つ…成長したわね……依姫…」

 

 

 

永琳がそう言った隣で、紫がスキマを開いてどこかに行こうとした。

 

 

 

永琳「…どこへいくの?」

 

 

 

 

紫「……弾を呼んで来るわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場 控室

 

 

 

紫「……弾、出番よ…準備できた…?」

 

 

 

弾「勿論……楽しみだ………!!」

 

 

 

 

 




ジレンマに叫ぶ声は~♪不可能を壊して~く~♪……はい…ありがとうございました……

ジェラシックドールの効果は実にアニメとかにピッタリな効果だと思います。いいのが来るのか、こないのか……そのドキドキが雰囲気を非常に盛り上がらせます。リアルのバトルでも「こいこい!!」ってなってアレックス来ると「……おい……」ってなります(笑)


ラー

エジットの主神の想獣の創界神。昔は根っから勢力の拡大を考えていたが、数十億年前の戦争でその考えを改める。それからはエジットの技術を平和に使っている。子フィンクスをペットにしており、いつも膝の上で撫でている。非常に神として責任感溢れる性格で信者あっての我らと言って命を大切にしている。


次回予告 雷霆の主神&鋼鉄の賢神VS光導く神!!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雷霆の主神&鋼鉄の賢神VS光導く神!!

とうとう、あの創界神が登場です………ふふふふ………え?何で笑ってるかって?………ふふふふふふふふ…………


文「さて!!トロフィー授与も終わりました……が!!まだ、最後のビッグバトルが残っております!!幻想郷の創界神にして最強のカードバトラー!!馬神 弾さま!!!どうぞ!!!!」

 

 

 

依姫が優勝カップを受け取り、優勝式典が終わった後、そう文が叫ぶと、入口からゆっくりと弾が歩いてくる……依姫を一瞥すると不適に笑った。そして、依姫とはバトルフィールドを挟んで反対側に立った。

 

 

 

弾「………やっぱり………お前だったな…紫曰く凄いバトルの連発だったらしいじゃないか………」

 

 

 

依姫「……え?見てないんですか?」

 

 

 

弾「ああ、お楽しみにはとっておくタイプなんだ。だから、お前がこの大会でどんなデッキを使ったかは知らない。だから、お前がこの一週間でどこまで成長できたか……それをオレにバトルで見せてくれ!!」

 

 

 

………流石はバトルバカである………しかし、依姫は逆にドキドキワクワクが止まらなかった。

 

 

 

依姫 弾「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「先行は貰います。スタートステップ!」

 

 

ヘラ《依姫ちゃん!頑張って~!!》

 

 

観客席に移動した純狐とラーは依姫に声援を送るヘラを見て尋ねた。

 

 

ラー《……ん?ヘラ、どうしてここに?お前がバトルするんじゃないのか?》

 

 

ヘラ《アポローンがやるんちゃうん?》

 

 

 

アポローン《…え?アルテミスじゃないのか?》

 

 

 

アルテミス《…違うわよ、ポセイドンじゃなかったっけ?》

 

 

ポセイドン《……じゃあ、依姫は……一体、誰を…?》

 

 

そうちぐはぐしている創界神達の答えはすぐに出た。

 

 

 

 

 

 

依姫「メインステップ!……まさかあなたと共闘するとは……星の女神!創界神リリア!!効果で三枚トラッシュに置いて、対象が二枚なので二つコアを置きます!」

 

 

 

リリア《ででーン!!ごめんね~!今回はこっちよん♪》

 

 

 

創界神&幻想郷メンバー《「ぬうええええ!!!?」》

 

 

 

依姫「さらにケイさまも配置して全て対象だったのでコアを三つ置きます!バーストもセットしてターンエンドです!」

 

 

 

ケイ《……やっぱり…驚くよな……》

 

 

 

依姫の後ろにはリリアとケイが並び立っていた。完全にデッキは光導軸である。

 

 

 

弾「…フフフ!奇遇だな、リリア!まさか同じようにデッキを変えてきたとは……悪いがこっちもなんだ!メインステップ!響け!天の王者!創界神ゼウス!!三枚中、対象が一枚なので一つコアを置く!!」

 

 

ゼウス《うおっしゃあー!!!ようやく出番だぁ!!!》

 

 

創界神&幻想郷メンバー《「ぬうえええ!!?」》

 

 

 

弾の後ろに白髪の雷を纏った神が現れる……そう…オリンの主神……ゼウスである……今度はオリンの面子が頭を抱えた。

 

 

 

 

アポローン《……うっそーん……》

 

 

 

アルテミス《…エジットは大変だと思ったけど……》

 

 

ヘルメス《……うちも同じだったね……》

 

 

ポセイドン《……絶対にナンパしに来たんだ……》

 

 

アプロディーテ《ちょっと!そんな事ヘラの前で言ったら……》

 

弾「一週間前に偶然、再会してね。バトルした後この大会のエキシビションで一緒にバトルしてくれって頼んだらOKしてくれたんだ。鋼鉄の賢神! 創界神アテナ!!トラッシュに送った三枚中、二枚が対象なので二つコアを置く!!」

 

 

 

アテナ《全力でサポートします…………あなた…………》

 

 

 

紫「!……………あの泥棒猫………!」

 

 

永琳「……何で私じゃないの…………」

 

 

ゼウスの隣にアテナが現れると紫と永琳(恋する二人)はもの凄い顔になった……彼女達には自分(正妻)を放っておかれるだけでなく、ぽっと出の新入り(新しい愛人)と一緒にバトルする(隣でイチャコラする)ことを間近で見せつけられるということだから無理もない……二人は「ウソダドンドコドーン!!!」と言わんばかりに実況席から身を乗り出した。

 

 

 

 

アテナ《……実況はどうしましたか?バトルの経過を伝えてください。そして、解説の御二人さん………私と弾の有志をきっちり解説してくださいね……ドヤァ…》

 

 

 

紫「……キサマムッコロス!!!」

 

 

永琳「……その命……神に返しなさい!!!」

 

 

 

文「あやややや!!お二方!!スキマと弓をしまってください!!え、えと……これまた意外!!どちらも普段、使わないデッキをってお二方~!!!!」

 

 

 

スサノヲ《お前もその黒いオーラをしまえ!!ヘラ!!確かにゼウスがナンパしに来たのだから、お前の気持ちはわかるが……》

 

 

ヘラ《……………(黒い笑み)……………》

 

 

 

スサノヲ《…何でもないです………》

 

 

ゼウス《……儂……生きて帰れるかな……》

 

向こうでは紫と永琳が。こちらはヘラを押さえ込むのに必死になっているなか、弾はバトルを進める。

 

 

弾「さらにアクセル!鋼鉄雷機士ティグリゴレウスの効果でワンドロー!これでターンエンド。」

 

 

 

依姫「…まさか…光導デッキじゃないなんて……うん!気を取り直して……メインステップ!ピクシスリザードとダンデラビットを召喚してコアブースト!そしてアクセル!甲寅獣リボル・コレオン!デッキから三枚オープンしてその中の魔導双雷ジェミナイズと騎士王蛇ペンドラゴンを回収!ターンエンド!」

 

 

隠岐奈「…十二宮までもか……」

 

弾「メインステップ!ゴッドシーカーサンダー・Z・ウィゼルを召喚!召喚時効果で三枚オープン!その中の皇獣王Zを手札に加える。さらにティグリゴレウスをレベル2で召喚!ターンエンド。」

 

 

幽香「…動かないわね………」

 

 

依姫「メインステップ!バーストをセット!リボル・コレオンを召喚してペンドラゴンをノーコスト召喚!召喚時効果でティグリゴレウスのコアを外します!

 

ダンデラビットとリボル・コレオンに合体させてアタックステップ!リボル・コレオンでアタック!効果でウィゼルを消滅させてワンドロー!」

 

 

文「…はぁ…はぁ……ば、バトルが動きました……」

 

リリア《あ……復活した……》

 

 

……お疲れ様です……ペンドラゴンと合体したリボル・コレオンがウィゼルを撃って消滅させた。

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

リボル・コレオンが弾のライフを撃ち抜いた。

 

 

 

依姫「ターンエンド!」

 

 

ゼウス《大丈夫か?まさかお前と似たようなデッキとは……》

 

 

弾「逆に燃えてきたね……メインステップ!ヤシウムのアクセルを使ってトラッシュから月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタを手札に戻す!さらにもう一度、ティグリゴレウスのアクセルを使って、ワンドロー!そして召喚!原初の皇獣!皇獣王Z!!

 

アタックステップ!Zの効果でトラッシュのコアを全て皇獣王Zに置いて、手札の皇獣スピリットを召喚!!撃ち抜け!全てを貫く矢を持って!龍星の射手リュキオース!!」

 

 

 

弾のフィールドに青い炎を纏った獣……皇獣王Zが現れて吠えると、天空から狼に乗ったドラゴンが降り立った。

 

 

 

アポローン《お!リュキオースか!》

 

 

弾「リュキオースの召喚時効果で超祈願!ゼウスにコアを三つ追加!さらに龍射撃!!ダンデラビットを破壊!!」

 

 

リュキオースの祈りがゼウスに力を与え、さらにダンデラビットめがけて矢を放って破壊した。

 

 

 

ケイ《く!リュキオースは厄介だぞ……》

 

 

弾「皇獣王Zでアタック!アタック時効果でリボル・コレオンとピクシスリザードを破壊!!」

 

《……あの効果はまだとっておこう……》

 

 

 

依姫「不味い!ライフで受けます!!そしてバーストを発動!選ばれし探索者アレックスの効果でワンドローしてアタックステップを終わらせます!」

 

 

青い炎で二体を破壊した皇獣王Zが角で依姫のライフを破壊した後、フードを着たアレックスが杖で六色のシールドを展開した。

 

 

アレックス《……あはは…何か照れるな……》

 

 

 

弾「…フ、やるな。ターンエンド。」

 

 

 

依姫「メインステップ!光と影の双神!魔導双神ジェミナイズ!!召喚時効果でワンドローして手札からレベル3で召喚!誇り高き百獣の王!!獅機龍神ストライクヴルム・レオ!!この二体をペンドラゴンと合体させます!!」

 

 

ジェミナイズ《よーし!》「ご主人!」《それでも容赦しない!》「リリア様足引っ張んないで。」

 

 

レオ《……ふぁぁぁ……まぁ、そういうことで……》

 

 

 

リリア《レオ……それよりジェミナイズ!仮にも私は先代なのよ……!》

 

 

依姫「アタックステップ!レオでアタック!効果でリュキオースのコアを外してワンドロー!」

 

 

 

弾「…ライフで受ける!」

 

 

 

レオ《…あらよっと!》

 

 

 

ペンドラゴンから放たれた紫のビームがリュキオースを消滅させて、レオが爪でライフを引き裂いた。

 

 

 

 

 

依姫「これでターンエンドです!」

 

 

 

 

弾「………まだまだ行くぞ!!」

 

 

 

 

依姫「はい!!!」

 




はい。ありがとうございました。


……一体……いつから弾が光導デッキだと錯覚していた……?皆様、忘れてるかと思いますが弾がヘカーティアと別れた後、接触してきたやつ…あいつがゼウスです。ゼウスは以前のリベンジに来ましたが、やられた後にこの大会を聞いて参加したのです。


ゼウス

オリンの主神の皇獣の創界神。非常に女好き。いっつも女の尻を追っかけてヘラに折檻されている。一応、主神なのでやる時はやる男だが、普段はテキトーにやっている。子供達のことは全員誇りのように思っており、プレゼント等もしているが、チョイスが悪くてあまり感謝されていない。


次回予告 十二宮VS化神達!師弟対決の決着!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

十二宮VS化神達!師弟対決の決着!!

今回の二人のデッキは少しロマンデッキかもしれません……まぁ!弾さんとよっちゃんだから大丈夫しょ!!

後、後半の名前や登場人物達が言っているのはライダーネタです…ご注意ください……


弾「メインステップ!アクセル!鋼鉄乙女009アスパシア!二枚オープンして鋼鉄スピリットを手元に置く。鋼鉄雷王イグリティオス・Zと鋼鉄双士ジェミニコスを手元に!そびえる盾!貫く槍!鋼鉄騎神アテナイアー!!レベル2で召喚!!」

 

 

アテナ《…アテナイアー……彼に尽くしなさい……》

 

 

アテナの槍がフィールドに突き刺さり、そこからアテナイアーがそびえ立った。

 

弾「さらに神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライクジークヴルム・サジッタ!余分にコアを乗せて召喚!」

 

 

さらに弾の後ろからストライクジークヴルム・サジッタが登って来て、フィールドに降り立った。

 

 

依姫「……八意さまの………!」

 

 

永琳「サジッタ!!あいつの化神より活躍しなさい!!」

 

 

紫「………私のは…………?」

 

 

ゼウス《…やれやれ…モテる男は辛いのう…?》

 

 

弾「………アタックステップ!皇獣王Zの効果でコアを回収!アテナイアーでアタック!!アタック時効果でアレックスとジェミナイズをデッキの下に!!さらにアテナの神技で回復!!」

 

 

アテナ《はっ!!》

 

 

ジェミナイズ《うわぁ!》「ごめーん!!」

 

 

アテナイアーの衝撃波がアレックスとジェミナイズをデッキボトムに弾き飛ばした。さらにアテナが槍を高々と掲げるとアテナイアーが回復した。

 

 

依姫「…来た!ライフで受けます!!ここでリリアの効果を使います!!二つライフが減ったので、二体の光導スピリットを召喚!!

 

その微笑みは全てを虜とする!戦神乙女ヴィエルジェ!!力をみなぎらせろ!魂を燃やせ!金牛龍神ドラゴニック・タウラス!!」

 

 

リリア《…リモート!!》

 

ケイ《……アンデットではないと思うが……》

 

 

アテナイアーのダブルシンボルの突きが依姫のライフを二つ砕くと、リリアが両腕の杖を振って二体の十二宮を呼び出した。

 

 

ヴィエルジェ《さぁて!あいつの負け面を見るため、頑張るわよ!》

 

 

タウラス《それより、ゼウスとの再戦だ!負けたくねぇ!》

 

 

依姫「ヴィエルジェの効果でライフを回復して、皇獣王Zを手札に!どうしますか!?」

 

 

弾「フフフ……サジッタの効果でドロー…この調子だとあいつも……ターンエンド。」

 

 

文「依姫選手!上手く、十二宮達を召喚しました!!」

 

 

依姫「メインステップ!バーストをセット!輝夜さま!使わせていただきます!子の十二神皇マウチュー!召喚時効果で封印!

 

アタックステップ!レオでアタック!ダブルシンボルです!ペンドラゴンの追撃でサジッタのコアを一つリザーブに!さらにリリアの神技!!サジッタとアテナイアーをデッキの下に戻します!!」

 

 

リリア《ごめーん!永琳ちゃーん!!》

 

 

依姫のフィールドにマウチューが現れてソウルコアをライフに置いた。そして、レオの効果で十二宮達がダブルシンボルになって走り出す。さらに、今度はリリアが光線でサジッタとアテナイアーをデッキボトムに返した。

 

 

輝夜「全く……私のマウチューはいつもこんな役……」

 

 

純狐「この盤面は……弾はかなりきついわね……」

 

 

シヴァ《…十二宮が四体いるからな……でも……》

 

 

永琳「………………」

 

 

そう言い合う面子を放っておいて、永琳は茫然自失になっていた……医者が病気である………

 

 

弾「フラッシュタイミング!アクセル!己械人シェパードール!ライフで受ける!!」

 

 

レオ《……ちぃ!やっぱり持ってるか……》

 

 

レオの爪は白い壁に阻まれた。

 

 

依姫「なら、マウチューでアタック!」

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

マウチューの杖の一撃が今度は弾のライフを砕いた。

 

 

 

依姫「ターンエンド!!」

 

 

 

タウラス《…オレの出番は……?》

 

 

ヴィエルジェ《まずは勝利よ…相手は弾だもの……》

 

 

 

アテナ《…弾……大丈夫…?》

 

 

 

心配するアテナの声に弾は不適に笑って答えた。

 

弾「ははは!だからバトスピは楽しい!だから心配するな!!メインステップ!皇獣王Zを再度召喚!!さらにティグリゴレウスを召喚!そしてゼウスのコアをZに置いて神煌臨!!轟け!唸れ!!雷神獣皇サンダー・Z・レオン!!皇獣王Zに煌臨!!」

 

 

ゼウス《よし!!反撃開始だ!!》

 

 

ゼウスが稲妻を掴んでフィールドに落とすと、そこから白い毛並みに翼を持った獣が現れて、高々と吠えた。

 

ヘルメス《来た…ゼウスの化神……!》

 

 

ポセイドン《…来るぞ…ゼウスの神技が……!》

 

弾「アタックステップ!サンダー・Z・レオンでアタック!アタック時効果で煌臨元のZのスピリットの数だけライフを削る!!ここでゼウスの神技を使う!!コアを六個ボイドに置いて、自分のターンをもう一度行う!!」

 

 

ゼウス《これで決めるぞ!!》

 

 

サンダー・Z・レオンの雷がライフを砕き、ゼウスの雷がフィールドに落ちて電撃が迸る。これでサンダー・Z・レオンが生き残れば弾のエクストラターンで依姫のライフが一気に奪われる………しかし………!!

 

 

 

依姫「……神技……?…!!バースト発動です!!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!!サンダー・Z・レオンを破壊して召喚!!!!」

 

 

ケイ《…神技の発揮も発動条件だ!!》

 

 

依姫のバーストが開いてそこから炎の柱があがり、サンダー・Z・レオンを焼き付くした!そしてヤマトが召喚される。

 

 

文「…なんと!!神技の使用がバーストを開いてしまった!!」

 

 

 

アテナ《…しまった……!》

 

 

ゼウス《むぅ………》

 

 

弾「………ふ…ターンエンド。エクストラターンだが、メインステップは行えない…このまま何もしないでターンエンド……」

 

 

 

アプロディーテ《よし!耐えたわ!!》

 

 

 

トト《次が正念場だね……》

 

 

 

依姫「ドローステップ……来た!メインステップ!

 

愛の弓!平和の剣!ラブ&ピースの明日を創る神!!レベル3で召喚!!光龍騎神サジット・アポロドラゴン!!!!

 

さらに幻魔神を召喚して左合体!!」

 

 

 

サジット《さぁ……!最後の実験だ…!》

 

依姫の後ろからサジットが駆けてくる。そしてフィールドに降り立つと、現れた幻魔神が力を注いでサジットに白い鎧を纏わせる。

 

 

依姫「さらに幻魔神をヴィエルジェに右合体!ペンドラゴンをサジットに合体!!これが私達の全力です!!!!」

 

 

サジット《これが俺たちの勝利の法則だ!!》

 

 

 

ペンドラゴンのエネルギーがサジットに注入されると、サジットの鎧が上半身の右半分と下半身の左半分が赤っぽい暖色系の色に、反対側は青っぽい寒色系の色に染まる。翼も変形してまるでフォーミュラーのように分離して二本のビームソードになり、ジーニアスと言わんばかりのカラー配色になった!

 

 

依姫「アタックステップ!ジーニアス・サジットでアタック!フラッシュで六枚デッキを破棄してアクア・エリシオンがあったので回復!!」

 

 

弾「ティグリゴレウスでブロック!!」

 

 

 

サジット《ジーニアス!!アタック!!》

 

 

 

ジーニアス・サジットが右ストレートでティグリゴレウスを吹き飛ばした。

 

 

依姫「とどめです!!ジーニアス・サジットでアタック!!!」

 

 

 

サジット《オールサイド!ジーニアス!!フィニッシュ!!!!》

 

 

タウラス《行け!!相棒!!!》

 

 

 

ヴィエルジェ《……あの二枚の内…防御札が無いことを祈るわ……》

 

 

 

レオ《………!!…》

 

 

 

リリア《ヘァハハハハハハ!!これでぅぇ!!終わりだぁぁぁ!!ヘァハハハハハハ!!》

 

 

ケイ《一体、何コーポレーションの社長の笑い方だ!!》

 

 

 

サジットの虹色に輝く剣が弾のライフを斬り裂いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「悪いがフラッシュタイミング!もう一枚!シェパードールを使う!!!さらにゼウスの神技でコアを三つボイドに置いて、マウチューを破壊!ライフで受ける!!!」

 

 

 

 

サジット《……最悪だ………》

 

 

 

 

 

が、弾のシールドに再度阻まれて、不発に終わった。さらにゼウスの雷がマウチューに炸裂して破壊した。

 

 

 

 

ヴィエルジェ《あっちゃー!あったか…》

 

 

 

依姫「フラッシュでまたデッキを破棄してスコル・スピアがあったので回復…無念です……ターンエンド……」

 

 

文「残念無念!!後、少しだった依姫選手!!しかし、弾さまのライフは残り一つ!手札は一枚!!手元も入れても、このカードでどう戦うのか!?」

 

 

 

弾は少し目を閉じると、依姫に話しかける。

 

 

 

弾「………教えたな?依姫……このドローが一番重要だと………」

 

 

 

依姫「……はい………」

 

 

 

弾「……カードよ……!ドローステップ!!!!」

 

 

 

 

創界神達&幻想郷メンバー《…………………………》

 

 

 

弾「…メインステップ!ゴッドシーカー サンダー・Z・ウィゼルを召喚して三枚オープン!!」

 

 

 

アテナ《………お願い……》

 

 

 

 

ゼウス《……今の弾の手札では勝てない……何が来るか……》

 

 

 

デッキからカードがめくられていく……

 

鋼鉄双士ジェミニコス 甲の使徒レーディア そして………

 

 

 

 

 

超神光龍サジットヴルム・ノヴァ

 

 

 

 

弾「よし!!!化神を手札に加える!!そして手元から鋼鉄双士ジェミニコスを召喚してコアブースト!!さらにヤシウムを召喚!トラッシュからブレイヴを回収!大いなる星の輝き!悠久刻む魂の瞬き!銀河聖剣グランシャリオ!ジェミニコスに合体!!」

弾のフィールドにヤシウムと二体の甲冑を着た騎士が降り立ち、天から降ってきたグランシャリオを握って構えた。

 

 

隠岐奈「…知ってた……」

 

 

 

映姫「…さすがですね……」

 

 

ホルス《……まぁ…超人気で十年越しに続編が作られたアニメの主人公だからな……》

 

 

ホルスさま、メタイです。

 

 

弾「アタックステップ!ジェミニコスでアタック!フラッシュタイミングでアテナの神技を使って回復させ、ヤマトを手札に戻す!!」

 

 

 

アテナ《…ふふふ……また……好きになってしまいました……》

 

 

ジェミニコスがグランシャリオを構えて飛び出すとアテナの槍からエネルギーが出て、ジェミニコスに力を与えた後、ヤマトが手札に帰っていった。すると、弾がまた依姫に話しかける。

 

 

 

 

弾「……依姫……オレの仕事は勝つことだ……少し前まで…そう思って戦ってきた……でも……本当はそうじゃない……オレは……人や妖怪が…ただ好きなだけなんだ……だから戦う!!過去も!未来も!地球も!幻想郷も!いや…全ての世界を!オレは守りたい!!そう願う!!!

 

 

フラッシュタイミング!!

 

全ての世界を守る星の王!!涙を笑顔に変える化神!!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!

 

ジェミニコスに煌臨!!!」

 

 

 

 

ジェミニコスにサジットヴルム・ノヴァが重なると、体に次々と変化が現れる。全身は黒く染まり、鎧には銀河が広がっている。それはまるで夜空のよう……光が止むと、そこにはグランシャリオを構えた究極のサジットヴルム・ノヴァが煌臨していた!!

 

 

 

 

ゼウス《おお!これは…究極のサジットヴルム・ノヴァ……アルティメット・ノヴァだな!!!》

 

 

 

 

弾「煌臨時効果でヴィエルジェを破壊!!そしてメインアタック!!」

 

 

 

依姫「ヴィエルジェは手札に!…タウラスでブロック!!!」

 

 

 

タウラスがアルティメット・ノヴァに突進するが、アルティメット・ノヴァは角を掴んで上に投げると腕をかざした。すると突然、爆発が起きてタウラスは、それを至近距離で浴びて爆発した!

 

 

ヴィエルジェ《きゃぁ!!》

 

 

 

タウラス《ぐぁぁぁ!!》

 

 

 

 

 

弾「もう一度!アルティメット・ノヴァでアタック!!効果でレオを破壊!!界放は使わない。」

 

 

 

ゼウス《…がははは!これでブロッカーは一体!!…》

 

 

 

レオ《……う!……どこの究極の闇だよ……いや…闇じゃくてもう赤目になってるか………ぐは!》

 

 

 

アルティメット・ノヴァが又もや、手をかざしてレオを爆殺した。

 

 

依姫「…すみません……後一歩……届きませんでした……ジーニアス・サジットでブロック!!」

 

 

 

サジット《ん……仕方ない……この経験を次に生かせよ!!》

 

 

 

 

アルティメット・ノヴァが自然発火能力で攻撃するが、ジーニアス・サジットは魚の力で水を纏って打ち消しながら、獅子の力で機動力を上げて突っ込んでくる。アルティメット・ノヴァはそれを見てジーニアス・サジットの剣を黒い剣で受け止める。

 

そこからは様々な技の打ち合いになった。ジーニアス・サジットは双子の力で分身するが、アルティメット・ノヴァは弓で撃ち落とす。さらに水瓶の水流や牡羊の巨大な根は自然発火能力で打ち消す。天秤の盾のブーメランは剣で弾き、山羊の魔法はなんと自分自身を燃やしてガードした。最後にジーニアス・サジットは蠍と蟹、牡牛の力を剣に込めて、アルティメット・ノヴァは創界神のエネルギーを込めてお互い、全力で振り下ろした!!その後に立っていたのは…………アルティメット・ノヴァだった!!!

 

 

 

 

 

弾「ヤシウムでアタック!アテナの神域の効果で手元の鋼鉄雷王イグリディオス・Zを召喚!!」

 

 

 

 

アテナ《…だん……はぁ………は!…すみません……はぁ!》

 

 

 

弾の勇姿に惚れていたアテナが復活して手元のイグリディオス・Zをを呼び出した。

 

 

 

依姫「ライフで受けます…」

 

 

 

ヤシウムのビームソードがライフを壊した。

 

 

 

弾「これで終わりだ!イグリディオス・Z!!アタック時効果でペンドラゴンを破壊!」

 

 

 

依姫「…リリア……ケイさま……申し訳ありません……」

 

 

ケイ《…ふふふ…私はこの大会で活躍できた……もう…それで満足だ………》

 

 

リリア《……最後まで…私は呼び捨てなのね……まぁ…いいわ……》

 

 

 

依姫「……ライフで受ける!!!!」

 

 

 

イグリディオス・Zが雷を放った!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

文「………す、凄い試合だった!!!勝ったのは……馬神 弾さま!!!さすがは伝説のカードバトラーだ!!しかし、それを後一歩まで追い詰めた依姫選手にも拍手を!!!!」

 

 

 

紫 永琳「「キャー!!!!だーん!!!」」

 

 

……いつの間にか復活していた永琳と紫は感動で抱き合って喜んでいる。ちなみに二人ともバトル中は祈るように弾を見つめていた……歓声と拍手の中、弾は依姫に手を差し出す。

 

 

 

 

弾「ありがとうございました。いいバトルでした。」

 

 

 

依姫「…!…は、はい!!こちらもありがとうございました!!」

 

 

 

その光景を創界神達や幻想郷メンバーは温かく見守っていた。

 

 

………これで終われば…ハッピーエンドで終わったかもしれない………

 

 

 

 

 

 

 

 

弾と依姫が握手をしている時…突然…爆発音が響いた………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊姫「…ふふふ…あはは!!ついにたまった!!これで……神世界を滅ぼす用意は整った!!!!さぁ!見ていろ!!創界神ども!!!」

 

 

 




はい。ありがとうございました。




サジットは幻魔神の白とペンドラゴンの紫(赤と青を混ぜた色)でジーニアスフォームっぽくしました。まぁ、サジットが戦兎君だしね……サジットヴルム・ノヴァはクウガのアルティメットフォームのカラーにしました。これはどの最強フォームにするか迷いましたが、エンペラー…ムテキ…ブラスター…!アルティメットだな!!ってなりました。Uノヴァと紛らわしくなったのは勘弁!!


さぁ…いい最終回でした………あ、この章の最終回ですよ!次の新最終章 全世界を守れ!メジェド編でまた会いましょう………


次回予告 メジェド登場!弾と依姫!Be The One!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新最終章~全世界を守れ!メジェド編~
メジェド登場!弾と依姫!Be The One!!


クローズビルド!!イェイ!!イェーイ!!!………だって……本当なんだもん………明日の地球を投げ出せないんだもん……合体するんだもん………


会場に響き渡る音と衝撃に創界神達はすぐに動き出す。

 

 

ホルス《来たぞ!!文!!俺たちは観客の避難を!》

 

ヘルメス《俺も手伝おう!》

 

文「了解!!皆様!こちらです!!」

 

 

上手くホルスとヘルメス、文が観客達を避難経路へと誘導する。

 

 

 

トト《ぼくが時を止めている内に!》

 

 

ブラフマー《俺も創造の神だ!逃げ道を創る!》

 

 

天子「あ!私もやるわ!!私は大地を操れるし!」

 

 

輝夜「その時間を引き伸ばすわ!」

 

トト、輝夜の時間操作コンビが時間を遅くして、天子とブラフマーが地面を創って会場の崩壊を防ぐ。

 

ポセイドン《む!火災が心配だ!我輩はそちらに!》

 

神奈子「ポセイドンさま!私が雨雲を!!」

 

ゼウス《儂も手伝おう!天空は儂の庭だ!》

 

ゼウスとポセイドンの兄弟と加奈子が嵐を起こして会場の火災を消火していく。

 

隠岐奈「私達は危険な観客の救出だ!」

 

 

紫「ええ!!」

 

 

咲夜「私もやります。」

 

 

アポローン《アルテミス!俺たちは落石を矢で撃ち落とすぞ!!》

 

 

アルテミス《オッケー!!》

 

映姫「私も障壁を張るのは得意です。」

 

 

アテナ《それなら私と。特段、防御には自信があるので。》

 

 

 

隠岐奈と紫が扉とスキマを開いて、咲夜は時を止めて特段危険な観客を直接、場外へ逃がす。アポローンとアルテミス兄妹は矢で観客に当たりそうな落下物を破壊し、映姫とアテナは防御壁で守る。そして、残りの創界神達は………

 

 

セト《オッラー!!!!》

 

 

イシス《はぁ…まさか嫌ってた軍神の力が役立つなんて……》

 

 

ラー《はぁ!!っと、皆のもの!こっちから避難を!!》

 

シヴァ《簡単な話だ!崩れる前に全部ぶっ壊す!》

 

 

レミリア「それはダメでしょ!!」

 

 

マナカ《頑張ってるトト達の意味がないじゃん!》

 

 

ケイ《お前達!集中しろ!!》

 

 

スサノヲ《よし!これで逃げ道は多くなった!》

 

 

残りのエジット組や幻想郷メンバー、アマハラ、インディーダ、そしてマナカとケイは壁に風穴を空けて、ダイレクトに観客を外に逃がしていた。外ではウルのメンバーとヘラ、アプロディーテ、永琳が治療にあたっている。そして………弾と依姫は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は空から降りてきた豊姫と向かい合っていた。

 

依姫「……御姉様……いえ…メジェド!!」

 

 

豊姫「あら、知ってたのね……なら隠す必要もないか………」

 

 

弾「やはり…現れたな…おとなしくした方が身のためだぞ…!ここに創界神が何人いると思っている?」

 

 

紫「弾!観客の避難が全て終わったわ!!」

 

 

アテナ《後は、メジェドのみです。》

 

 

紫がスキマから現れて、さらにメジェドを取り囲むように創界神達が現れる。全員、化神を実体化させているからに見て、かなり本気になっているようだ。

 

 

ブラフマー《さて…もう逃げられねえぞ!》

 

ヘルメス《よーやく、出てきたね……》

 

 

ラー《……メジェド……諦めろ……この数の差をどうひっくり返す?》

 

 

そう言って構える創界神達だが、メジェドは少しも顔を変えずに豊姫ではなく、メジェドとして話した。

 

メジェド「ふふふ…いや……この瞬間を待っていた!!」

 

 

ビキビキビキビキビキビキビキビキ!!!!!!!!

 

 

そう言って、天に何か光球を放つと空に大きなヒビが入り、さらに猛烈な衝撃が創界神達を襲った。

 

 

幽々子「…きゃあ!!!!」

 

 

神子「ぐぅ…………!!」

 

 

オシリス《…これは……!!時空震!!!》

 

 

アレックス《それって……ラーがゼウスと戦った時にラーが使ってた………》

 

 

慧音「それは確か、世界を繋げる時に発生する衝撃波のことか?」

 

 

ラー《ああ!それを奴は利用した!だからスピリット達のエネルギーが集まるこの大会に姿を見せたんだ!!》

 

 

トト《不味い!!もしこのまま、結界が破れたら……》

 

 

シヴァ《ああ!?一体どうなるんだ!!?》

 

 

アテナ《………幻想郷処か神世界全てがこのエネルギーの放出による爆発で崩壊します…………》

 

 

その言葉に驚愕する一同。それを見てメジェドは笑いながら話し始める。

 

 

メジェド「ハハハハハハ!!これは復讐だ!!お前達が大事にしている世界!信仰!命!全てを巻き添えにして!!全員消えようじゃないか!!!!」

 

 

マナカ《何!?自殺なら一人でやりなよ!!》

 

純狐「……依姫!!弾!!メジェドを頼む!!結界はこちらがどうにかする!!」

 

 

純狐達の言葉に、依姫は弾にアイコンタクトでメッセージを送る。すると弾も理解してくれたようだ。二人は揃ってメジェドと向かい合う。

 

 

弾「……依姫!」

 

 

依姫「…はい!幻想郷の創界神!馬神 弾よ!!我が身に降りよ!!!私達が勝ったら大人しく御姉様を返して貰います!」

 

 

その声と共に弾が光の粒子になって依姫の体に入った。

 

メジェド「……ほう……いいだろう……そのバトルを受けよう……」

 

 

ゼウス《お前達!まだ何かがある!!!気を付けろ!!!》

 

 

あっさりバトルに応じたメジェドを怪しんでゼウスはそう声をあげる。

 

 

 

依姫 弾 メジェド「「「ゲートオープン!界放!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「…私達から……メインステップ。天星十二宮光星姫ヴァージニアを召喚。効果で三枚オープン。その中の銀河星剣グランシャリオと創界神ダンを手札に。ターンエンド。」

 

 

依姫のターンが終わると依姫の姿が弾に変わり、メジェドに問うた。

 

 

 

弾「……なぜ…その子や依姫を狙った……?」

 

 

 

メジェド「…その娘は神を……近頃は創界神すらも降ろせるようになった……それは我が計画に……創界神を集めるのにちょうどいい力だったからだ……」

 

 

弾「…計画…創界神を…?」

 

 

メジェド「…創界神達はこの幻想郷に来るために、自分の世界をほんの少しだけ繋げている。まぁ、転神しているインディーダの連中は別だが……その時空の歪みは幻想郷にそれほど負荷をかけはしない……だが……お前達のバトルのお陰で結界を壊すほどの時空震のエネルギーがたまった……そのために綿月 依姫を戦わせたのだよ……創界神どもの力を結界の破壊のエネルギーに変換するためにはたくさんの創界神を操る人間は好都合だからな………」

 

 

 

その言葉に弾と依姫は気づく。メジェドは創界神の力を逆に利用して神世界を滅ぼすつもりだと………

 

 

 

メジェド「さて…我がターンだ。メインステップ。ビートルゴンをレベル4で召喚。そしてネクサス、邪神域を配置。ターンエンド。」

 

 

弾の姿がまた依姫に戻り、ターンを進める。

 

 

依姫「…メインステップ。天星十二宮樹星獣セフィロ・シープを二体!連続召喚!コアブースト!そして…弾さま!お願いします!!配置したので三枚トラッシュに送り、二つコアを置きます!さらにその中の光導カードを回収!!これでターンエンド!」

 

弾「…よし……後は……倒す!」

 

弾が依姫の隣に現れると、デッキから落ちたカード、天星十二宮レオザード キャンサーシェル 天星十二宮聖星使ジェミニックが手札に加わった。

 

 

メジェド「……メインステップ…邪神域をレベル2に……ちっ……不完全だが……大牙和巳を配置!三枚中、対象は全てなので三つコアを置く!さらに配置時効果で手札から邪神を一コスト召喚!邪神域を疲労させて召喚条件を無視!!」

 

メジェドが創界神ネクサスらしきカードを配置したが、フィールドには何も変化は起こらなかった。

 

 

依姫「…!!?何でしょう…あの創界神ネクサス……フィールドに誰も現れない……?」

 

 

弾「…おそらく…昔はメジェド自身だったのだろう…さっき…不完全と言っていたしな……!来るぞ!!」

 

 

 

 

弾はメジェドの手札の一枚に歪んだオーラを感じ取った。

 

 

 

メジェド「顕現せよ!我が側近!全てを焼き付くす地獄の炎!!世界を焦土と化す神!アルティメット召喚!獄炎の四魔卿ブラム・ザンド!!!コストはビートルゴンから奪う。」

 

 

メジェドのフィールドに紅の炎の竜巻が起こり、そこから剣を突き刺して出てきたのはケンタウルスのような下半身に龍の胴体と二本の剣を持った邪悪なドラゴンだった。

 

 

メジェド「…さらにネクサスの効果でコアを二つ追加………ターンエンドだ……」

 

 

 

依姫は自分のターンを始めようとしたが、弾が何かに感づいた。

 

 

 

弾「…来ないか……!不味い!!」

 

 

依姫「どうされましたか!?」

 

 

メジェド「…ハハハ!ようやく気づいたか!!そうだ!このアルティメットは……模造品だ……!」

 

 

その言葉に一瞬、依姫はそれがどうしたと思ったが、すぐさまその真意を悟る。この計画で創界神達もろとも自殺しようと考えているメジェドが自分の側近を連れてきていない訳がない……なら…本体はどこに……?答えはすぐに出た。

 

 

依姫「……霊夢達が危ない!!!」

 

 

弾「く!だが、依姫!オレたちがこいつから目を離す訳にはいかないだろう!」

 

 

弾の言うことは的を得ていた。メジェドがまた何か仕掛けて来ることは目に見えている今、救援に行ってはメジェドに付け入る隙を与えるだけである。

 

 

 

依姫「……皆様……ご無事で…………!!!」

 

 

 

 

 

 

 




弾「おい!巻き込まれてるぞ!どうなってるんだ!?」

サジット《Are You Ready?》

弾「ダメです!!!」依姫「変身!!」弾「あ!」

………はい……ありがとうございました。


時空震って何ぞや?と思った方は公式サイトの神煌臨編の背景世界のストーリーに載っています。メジェドはそれを利用して結界を破壊して幻想郷にたまったエネルギーを放出させることで、神世界を滅ぼすつもりです。さて…どうなるか……



次回予告 VS邪神達!夢守る赤き雷神皇!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS邪神!夢守る赤き雷神皇!!

ひやっほい!!!ここからライダーネタがてんこ盛りだぁ!!!

何か、ソードアイズのオーバーレイや烈火魂のソウルドラゴンみたいに特定の条件で特殊な姿になるってカッコいいと思います。なのでこれから数話はそんな変化を書いていこうと思います。


弾と依姫がバトルフィールドに移動した頃……

フラン「シヴァ!頑張って!!」

 

シヴァ《わかってるよ!!!》

 

 

創界神達は必死に結界を維持しようとこらえていた。そこに…………

 

ゼウス《!!!あれは!!!》

 

 

ゼウスが叫ぶと、空から何かが降ってくる……それは……とても禍々しいオーラを纏ったアルティメット達だった。するとメジェドの声が響いた。

 

 

メジェド「…ハハハ!!!お前達にはこいつらと遊んでもらおうか!!!」

 

 

白蓮「このアルティメット達は!!!?」

 

 

オシリス《メジェドの側近のアルティメット達だ!!先日、トトが言った戦国六武将のオリジナルでもある!!!》

ラー《ホルス!トト!そいつらを任せる!!エジットの名に懸けて、絶対にそいつらを倒せ!!》

 

ホルス トト《了解!!》

 

 

アンターク《私も援護します!!》

 

アルテミス《トト!いくわよ!!》

 

その言葉に文と隠岐奈もバトルの準備を始めた。さらに、インディーダの二人も結界からアルティメット達の退治に動き出す。

 

 

シヴァ《おい!ブラフマー!俺たちも行くぞ!!》

 

 

ブラフマー《ああ!よし!サラちゃん……じゃなかった……さとり!祭りの始まりだ!!!》

 

 

さとり「…全く……まぁ……私も活躍シーンが少なかったですので……やりますか!!!」

 

 

そう言って、さとりは青いアルティメットと向かい合う。すると、その隣に霊夢と紫も並び立った。

 

 

霊夢「あんた達ばっかり戦わせる訳にはいかないわ!!幻想郷を守るのは私の仕事よ!!」

 

 

紫「ふふふ…霊夢も立派になったわね……」

 

 

ゼウス《よし!博麗の巫女よ!!儂も力を貸そう!!行くぞ!アポローン!!》

 

 

ヘラ《さて……紫ちゃん…うちらも手伝うで……なぁ……オシリス……?》

 

アポローン オシリス《ええ!!?》

 

 

驚く二人だったが、ゼウスとヘラの決意に負けて、結界維持から離れた。そうなると…………

 

セト《おい!速く終わらせろよ!!!》

 

ヘルメス《こっちはキツいんだからね!!》

 

十神が結界から離れたので、残りの神々はかなりの負担になるが、気力を神奈子や神子達から分けて貰って持ちこたえた。

 

 

霊夢「幻想郷は……神世界は……滅ぼさせはしない!!ゲートオープン!!界放!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 霊夢は創界神ゼウスを配置してトラッシュに行った三枚中、二枚が対象だったので二コアを置いた。

 

 

第2ターン メジェドはバーゴイルを召喚してコアブースト。さらにバーストをセットしてターンエンド。

 

 

第3ターン 霊夢はアポローンを配置して一つコアを置いた。そしてサンダー・Z・ピューマを召喚。召喚時効果で三枚オープンして、その中の創星の射手リュキオースを回収した。これでターンエンド。

 

 

第4ターン メジェドは龍魔皇イビルフリードを召喚。Uトリガーはヒットしてトラッシュのコアが全て戻った。そしてバーゴイルをもう一体召喚して、イビルフリードでアタック。効果でサンダー・Z・ピューマを破壊してワンドロー。霊夢はライフで受けた。

 

 

そしてバトルは第5ターンである。

 

 

霊夢「メインステップ!星を駆ける射手!創星の射手リュキオースを召喚!超祈願でゼウスとアポローンに三コアを追加!!さらに龍射撃でイビルフリードを破壊!……ターンエンド…」

 

 

ゼウス《うむ。いい判断だ…今は儂の神技の出番ではないな……》

 

アポローン《もうちょい、スピリットが増えればいいね…》

 

メジェド「メインステップ。無限の龍、アルティメット・ムゲンドラゴンを召喚してアタックステップ。ムゲンドラゴンでアタックだ。WUトリガー、ロックオン!」

 

 

分霊のメジェドのフィールドに金色の鎧を着た赤いドラゴンが現れて飛び出した。

 

 

霊夢「…ティグリゴレウスとレーデイア…どっちもコストは4……!」

 

 

メジェド「Wヒットだ。ムゲンドラゴンに赤のシンボルを二つ加える。」

 

 

霊夢「仕方ない!リュキオースでブロック!!」

 

 

リュキオースが炎の矢を放つが、ムゲンドラゴンは鎧から剣を伸ばして叩き斬るとそのままリュキオースを切り裂いた。

 

 

メジェド「ターンエンド。どうした?作られた英雄?」

 

 

ゼウス《聞くな!儂らのバトルをするぞ!!》

 

 

霊夢「ええ!メインステップ!コレオンを召喚。進化する青き炎槍!超・十二神皇エグゼシード・フォーミュラー!!」

 

 

アポローン《よし!十二神皇だ!》

 

 

霊夢のフィールドにフォーミュラーが現れる。そして霊夢はカウンターの体制に入った。

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!ゼウスの神技でエクストラターンを追加!さらに超封印からの炎走破!!バーゴイルを破壊して最高レベルでムゲンドラゴンに指定アタック!!」

 

 

フォーミュラーのビームがバーゴイルを破壊して、レーザーソードでムゲンドラゴンを拘束した後、フォーミュラーの角が貫いてそのままメジェドのライフを二つ砕いた。

 

 

霊夢「そしてライフを二つ貰うわ!これでターンエンド!そしてさらに私のターン!フォーミュラーで再度アタック!アポローンの神技でバーゴイルを破壊してワンドロー!!」

 

ゼウス《これでかなりのアドを稼げるぞ!!》

 

アポローン《ソイヤ!!》

 

 

ゼウスの雷がもう一度霊夢のターンを始めさせ、フォーミュラーがまた走り出す。そしてアポローンの矢がバーゴイルを破壊した。

 

 

メジェド「ライフで受けよう。バーストを発動!エクスティンクションウォール!ライフを増やしてアタックステップを終わらせる。」

 

 

氷の防御壁がメジェドのフィールドにそびえ立った。

 

 

霊夢「…く!ターンエンド……!」

 

 

メジェド「…ハハハ!博麗の巫女も大したことなかったな!メインステップ!全てを焼き付くす地獄の炎!世界を焦土と化す神!アルティメット召喚!獄炎の四魔卿ブラム・ザンド!!」

 

 

メジェドのフィールドの紅の柱からブラム・ザンドが現れると大きく吠えた。

 

ゼウス《ぬぅ……こいつか……!》

 

 

メジェド「アタックステップ!ブラム・ザンドよ!世界を焼き付くす炎を見せよ!ソウルドライブ!!発揮!!スピリットを全破壊!!さらに我がリフレッシュステップまでスピリットの召喚を封じる!!」

 

 

メジェドの腕がソウルコアを砕き、そこからエネルギーを得たブラム・ザンドの黒い炎がコレオンとフォーミュラーに直撃して焼き付くした。

 

 

 

霊夢「…次のターンまで!?……ライフ!!」

 

 

ブラム・ザンドの剣が霊夢のライフを壊した。

 

メジェド「ターンエンド……さぁ…どうする…?夢なき……志なき人形よ…」

 

 

アポローン《霊夢!できることをやろう!》

 

霊夢「……よし!メインステップ!アクセルでヤシウム!トラッシュからフォーミュラーを手札に!!さらにZ魔神を召喚してターンエンド!どっからでもかかって来なさい!!」

そう言う霊夢にメジェドは笑いながらターンを始める。

 

 

メジェド「ハハハ!ならお望み通りにしてやろう!メインステップ!生還者リューマン・ファルコと剣神無双リューマン・ゴッドソードを召喚!アタックステップ!ゴッドソードでアタック!効果で一枚ドロー!」

 

 

メジェドのフィールドに二体の竜人が現れ、ゴッドソードが炎の剣を構えて飛び出した

 

 

霊夢「ライフで受けてバースト発動!!選ばれし探索者アレックスの効果でワンドローしてアタックステップを終わらせるわ!!」

 

メジェド「フン!だがゴッドソードの効果で手札のリューマン・ザ・フォーミュラーをノーコストで召喚だ!ターンエンド!」

 

アレックスの六色のシールドがアタックステップを終わらせたが、ゴッドソードの炎からさらに大きな竜人のアルティメットが現れた。

アポローン《大型がもう一体か……ここが正念場だな…》

 

 

霊夢「ドローステップ……え…このカード……」

 

 

霊夢はドローしたカードを見て驚く。するとゼウスは補足するように霊夢に言った。

 

 

ゼウス《おお!そいつはお前さんのリボル・ティーガの弟よ!昔の戦争の時に眷属に入ったのだ!使うといい!》

 

 

霊夢「……あんた…さっき私に夢が無いって言ったわね……ええ…無いわよ…!アリスのように完全な自立人形作りにも妖夢みたいな立派な剣士になるってのもない……でも……その夢を守ることはできるわ!!私は博麗 霊夢!!この幻想郷の守り人よ!!

 

 

 

メインステップ!まずは皇獣王Zを召喚してZ魔神と合体!

 

神の雷纏う神皇!夢を守る赤き寅!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z!!

 

こいつもZ魔神と合体よ!!」

 

ゼウス《見よ!儂の懐刀を!!》

 

 

 

霊夢の後ろから走ってきた寅にゼウスの雷が放たれると、赤い鎧に砲台がレールガンのようになったリボル・ティーガがフィールドに降り立った。さらに背後のZ魔神が力を注ぎ込むとリボル・ティーガの体から稲妻が迸り、鎧にも砲台が現れる。そして背中の二つの砲台が変形して一つのブラスターになった!

 

 

霊夢「アタックステップ!皇獣王Zの効果でコアを回収!!ブラスター・ティーガでアタック!!効果でゴッドソードを破壊!!

 

 

さらにアタック時効果!神砲撃!二枚オープンし、その中のZ又は鋼鉄スピリットの数だけ創界神にコアを置いてライフをぶっ飛ばす!!サンダー・Z・レオンとZフレイムだったので二つよ!!喰らいなさい!!そしてZ魔神の効果でブラム・ザンドを指定アタック!!

 

まだまだよ!神煌臨でアポローンのコアを使って、サンダー・Z・レオンを皇獣王Zに煌臨させるわ!!」

 

 

メジェド「なんだと!!?」

 

 

皇獣王Zがゼウスの雷でサンダー・Z・レオンに変わり、ブラスター・ティーガから強烈な砲弾が発射されてメジェドのライフが一気に二つも壊れた。

 

さらにブラスター・ティーガは砲台をビームソードにしてブラム・ザンドに斬りかかった。ブラム・ザンドは両手の大剣で受け止めたが、そこから雷を流し込まれ、麻痺してしまう。その隙を突いてブラスター・ティーガのビームソードがブラム・ザンドに突き刺さり、とてつもない衝撃波を円形に放出して破壊した!!

 

 

 

霊夢「止めよ!サンダー・Z・レオンでアタック!!アタック時効果でライフを貫通!!」

 

 

 

ゼウス《さぁ…死んで貰おうか…!!》

 

 

 

アポローン《さぁ!行け 霊夢!!》

 

 

メジェド「…まだだ……まだ私を倒せたと思うなよ……!!!」

 

 

 

サンダー・Z・レオンからミサイル状の雷が放たれた!!

 

 

 

 

 

バトルが終わってメジェドが消滅すると霊夢はゼウスに話しかけた。

 

 

 

霊夢「ねぇ……私…やっぱり…夢があったわ……」

 

 

 

ゼウス《…む?どんな夢なんだ……?》

 

 

 

 

霊夢「……単純に…この世界で…皆とどんちゃん騒ぎしていたい……そんなモンよ……」

 

 

 

その言葉にゼウスとアポローンは改めて幻想郷の暖かさを感じるのであった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


リボル・ティーガ・Zはファイズのブラスターフォームをイメージしました。バトスピに出ているだけでなく、色合いや砲台などの共通点が多かったので採用しました。リアルだと最近はリグ・ヴェーダを合体させて、フラッシュを挟まないでライフを砕いて来るブラスターフォームのイメージが強いです。


次回予告 VS邪神!吹き荒れる極限の風!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS邪神!吹き荒れる極限の風!!

アレスやスサノヲの化神達が発表されましたが……ギアス・バッシャーを有する殻人や色々パーツが残っている地龍は環境入りできるでしょうか……?


後、本編終了後に小話を書く予定ですが、リクエストなどがありましたら感想欄にお願いします。


メジェド「…しかし…珍しいな……貴様のようなことなかれ主義の者が我と戦うとは……」

 

 

 

文「……初めます……」

 

 

 

第1ターン 文はゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラを召喚して創界神ホルスと天空勇士セメン・バードを回収した。

 

 

第2ターン メジェドはバーストをセットして獄風の探索者カゲロウ・シーカーを召喚。効果で三枚オープンしてその中の獄風の四魔卿ヴァンディールを手札に加えた。

 

 

第3ターン 文は創界神アンタークと創界神ホルスを配置。どちらも二つコアを置いた。

 

 

第4ターン メジェドはドクロスリーパーとバーゴイルを召喚してコアブースト。さらに邪神域を配置。ここまでどちらも動かず、バトルは第5ターンに入る。

 

 

 

文「メインステップ。天空勇士セメン・バードを召喚してコアブースト!さらに小凰ニックスを召喚。召喚時効果で四枚オープン!天空鳳凰ホル=アクティを手札に!アタックステップ!」

 

 

 

アンターク《文ちゃん!ここは攻めるべきではないわ!》

 

 

 

アンタークの言葉に我に返った文はターンエンドを宣言した。

 

 

メジェド「メインステップ。邪神域を疲労させて召喚条件を無視する。さらにドクロスリーパーのスピリットソウルを発揮!吹き荒れる嵐!虚空より現れる死神!アルティメット召喚!獄風の四魔卿ヴァンディール!!

 

 

 

メジェドから竜巻が天に上がり、そこから落ちてきた鎌を握って竜巻を切り裂く一体のカミキリムシのようなアルティメット。獄風の四魔卿がフィールドに現れた。

 

 

 

 

ホルス《…これはやべぇ……なんちゅう禍々しい風だよ!》

 

 

 

メジェド「アタックステップ!ヴァンディールでアタック!ソウルドライブ!!発揮!!デッキからアルティメットが出るまでオープンして三体をノーコスト、召喚条件を無視して召喚!!来い!甲殻伯メタリフェル!アルティメット・セイリュービ!アルティメット・キングタウロス!コストは他のアルティメットから奪う。」

 

 

 

メジェドがソウルコアを砕くと、ヴァンディールが鎌を振り回してデッキをめくっていき、そこから三体のアルティメットを呼び出した!

 

文「…ライフで受ける!!」

 

 

 

ヴァンディールが鎌でライフを切り裂いた。

 

 

 

メジェド「ターンエンド!お前のような独善者がヒーローになどなれるわけがなかろう!!」

 

 

メジェドの言葉に顔が下がる文。しかし、その様子を見てホルスが話しかけた。

 

 

ホルス《……なあ…文…お前は…何を後悔しているんだ…?一つずつ言ってみな……》

 

 

 

文「……規律重視の天狗社会ですが…私はそれにとらわれてもっと大事なものが……幻想郷や仲間のことが見えていませんでした…自分の新聞の売上のために…弾様を陥れました……」

 

 

 

ホルス《……次は?》

 

 

 

文「…自分以外の奴等を……心の内では見下してました……」

 

 

ホルス《……それがお前の罪か?》

 

 

 

文「……はい……自分はベテランだとまさに天狗になっていました…あなたの言葉で言うなら……世界を泣かせました……」

 

 

 

そう暗い顔つきで言う文にホルスはさらに言葉を続ける。

 

 

 

ホルス《……バカ野郎……お前は……その時後悔したから…今ここで戦ってるんだろ?その罪は消えねえが……その涙は拭えるはずだ……!》

 

 

 

その言葉に文は少し黙った後、鷹のような鋭い目でメジェドに向かい合った。

 

 

文「……一つ…天狗なのに私は独善的だった…二つ…一瞬覚悟が鈍りました…そして三つ……そのせいでこの世界を泣かせました……私は自分の罪を数えました…!!さぁ……!あなたの罪を!……数えなさい!!」

 

 

 

アンターク《ふふふ…流石ハーフボイルドね……》

 

 

 

ホルス《だから………もういいや…》

 

 

 

文「メインステップ!

 

世界守る鳳凰!涙拭う二色の翼!天空鳳凰ホル=アクティ!!

 

そして!天空双剣ホル=エッジ!!ホル=アクティに直接合体!」

 

 

 

ホルス《さぁ!この世界の風を!今ここに!!》

 

 

 

ホルスの竜巻から現れたホル=アクティの翼に、ホル=エッジが吸収される。するとホル=アクティの翼が三対になり、赤い部分が紫に染まって、金色のエクストリームの風を解き放った!

 

 

 

 

文「アタックステップ!エクストリーム・アクティでアタック!効果で三枚オープンしてその中の天空神鳥ハロエリスを一コスト召喚!さらにライフ貫通!!ハロエリスの効果でセイリュービを重疲労!」

 

 

 

アンターク《さらに私のコアを置いて回復よ!!風はまだ止まない!!》

 

 

 

エクストリーム・アクティの風からハロエリスが現れて、セイリュービを疲労&ライフを砕いた。

 

 

 

メジェド「ちぃ!メタリフェルでブロック!!」

 

 

 

メタリフェルの剣を難なくかわしてエクストリーム・アクティは空に放り出すと、翼で切り裂き破壊した。

 

 

 

文「もう一度アタック!効果で召喚!空を制する鳥の龍!!天空龍皇ジークフリード=ホルス!!そしてライフを砕きます!さらにジークフリード=ホルスの召喚時効果でエクストリーム・アクティを回復!!」

 

 

 

ホルス《これはアレックスの分だ!!》

 

 

 

またエクストリーム・アクティの風からアルティメットが現れる。その鳥の翼を生やしたドラゴンが咆哮するとエクストリーム・アクティが光って回復した。

 

 

 

メジェド「何故だ!なぜここまで続く!!キングタウロスでブロック!」

 

 

キングタウロスが腕の剣を突き出したが、エクストリーム・アクティはその剣ごと足で砕いて破壊した。

 

 

文「まだ終わらない!エクストリーム・アクティ!!効果で天空鳳凰ファラ=ニクスを召喚してライフを破壊!!それで決まりです!!」

 

 

 

メジェド「くそ!フラッシュタイミング!スクランブルブースター!ヴァンディールを疲労ブロッカーにしてブロック!!」

 

 

 

 

ヴァンディールの鎌とエクストリーム・アクティの足の鉤爪がぶつかり合う。ヴァンディールの鎌からの斬撃もエクストリーム・アクティは翼で弾いて、逆に蹴り飛ばす。吹き飛ばされながらヴァンディールは、鎌から大きな緑のエネルギー弾を放ったが、エクストリーム・アクティは黄金の風を纏った飛び蹴りで迎え撃った。その飛び蹴りは簡単にエネルギー弾を破壊してヴァンディールを鎌ごと破壊した!!

 

 

 

 

文「ハロエリスでアタック!!」

 

 

 

 

ハロエリスが翼から衝撃波を放ってライフを破壊する。

 

 

 

 

文「ジークフリード=ホルス!!!」

 

 

 

 

ジークフリード=ホルスの両手の剣がクロスして、メジェドのライフを粉々に砕いた!!

 

 

 

メジェド「ぐぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

ホルス《……それが死だ……バカ野郎……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンターク《ふう……まずはこれで一安心ね…》

 

 

 

 

ホルス《なぁ……もう一ついいか?》

 

 

文「……何ですか?」

 

 

 

メジェドが消滅した後に、ホルスは文に質問した。

 

 

 

ホルス《……お前の…その変化は……弾のせいか……?》

 

 

 

そう聞かれた文は一月前の出来事を思い出していた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想 博麗神社

 

 

 

この朝、文は神社に新聞を配達兼ネタ収集にやって来ていた。

 

 

 

文「どうもー!!清く正しい射命丸……!し、失礼しました!!」

 

 

 

いつもの文句を言おうとしたが、縁側で寝っ転がっている人物を見るとそんな慇懃無礼な態度はとれなくなった。

 

 

 

 

弾「……ん?ああ…文……お疲れ様……何震えてるんだ?」

 

 

 

文「い、いえ…あ…これ今日の新聞です……それでは……」

 

 

そう言ってすぐに立ち去ろうとした文を弾は呼び止めた。

 

 

 

弾「……なぁ……オレ……お前に何か嫌われるようなことをしたか……?」

 

 

 

文「いえいえ!!そのようなことは!!」

 

 

 

すると文の言葉に何かを察した弾は優しく声をかけた。

 

 

 

弾「…新聞の件は……別に気にしてない……それより……また新聞持ってきてくれるか……?お前の新聞は面白いからな。」

 

 

 

文「…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文「…ええ……あの人の心意気には負けましたよ……あなたより百倍カッコよかったですね♪」

 

 

ホルス《つおおおおい!!俺と比べんのぉ!!!?》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回はホル=アクティをエクストリームにしました。これもホルスが左君ですからね……さて……トトはどうしよう…?


次回予告 VS邪神! ケジメと自分らしさ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS邪神!ケジメと自分らしさ

暇潰しにバトスピwiki見ていたら創界神クリシュナと楽族の新しいXレアが公開されてました……もう少し早かったら、よっちゃんや隠岐奈のデッキに使えたのに………あ、でも公開された創界神のバトルは後日談で書くのでお楽しみに……クリシュナって男なの………?女なの……?


後、武装にアルテミスはないかもしれませんが、他に入れる神がいなかったんです…………





隠岐奈「よし!やるか。」

 

 

 

トト《楽に行こう。じゃないと勝てる戦いも勝てない。》

 

 

第1ターン 隠岐奈は創界神トトとラインの黄金を配置して、トトに二つコアを置き、バーストをセットした。

 

 

第2ターン メジェドは魂鬼、ガスミミヅク、シキツルを召喚したが、召喚時効果は発揮できずにターンエンド。

 

第3ターン 隠岐奈は聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウをレベル4で召喚。そしてアタックして、メジェドのライフを一つ削った。

 

第4ターン メジェドはバーストをセットして、ガスミミヅクでアタック。隠岐奈はライフで受けた。そしてバトルは第5ターンである。

 

 

隠岐奈「トトの神域の効果でアタックステップを追加で行う!キャバルリー・アーネジェウでアタック!」

 

メジェド「ライフで受けよう。」

 

トトの図式がアーネジェウを起動させ、メジェドのライフをさらに砕く。

 

 

隠岐奈「そしてメインステップ。創界神アルテミスを配置して三枚破棄した中に対象は一枚、そしてアルテミックシールドの効果も入れて二個コアを置く。ラインの黄金をレベル2にしてアタックステップ!アーネジェウで再度アタックだ!」

 

 

アルテミス《あまりこのデッキじゃ活躍できないけど……頑張るわ!!》

 

アルテミスがトトの隣に現れて、アーネジェウが再び攻撃体制に入る。

 

 

メジェド「……魂鬼でブロック。破壊時効果でドロー。」

 

魂鬼は体当たりを仕掛けたが、アーネジェウはそのまま弾いて破壊した。

 

隠岐奈「…エンドステップ。アーネジェウの効果で回復する。ターンエンド。」

 

トト《…紫速攻デッキなのにアタックが薄い……何を狙っている……?》

 

 

隠岐奈とトトは不可解なバトルをするメジェドに違和感を覚えていた。

 

メジェド「メインステップ。ガスミミヅクを召喚……ターンエンド。」

 

隠岐奈「……ラインの黄金の効果でドロー……トトの効果でアタックステップを追加する。アーネジェウでアタック!」

 

 

トト《……さて……このまま押しきれればいいが………》

 

メジェド「フフフ、ガスミミヅクでブロック。バースト発動!マーク・オブ・ゾロ!アーネジェウのコアを二個トラッシュへ!!」

 

アーネジェウが手のライフルでガスミミヅクを破壊したが、バーストから放たれたZの斬撃がアーネジェウを切り裂いて消滅させた。

 

隠岐奈「く!メインステップ!ゴッドシーカー聖刻騎兵スポッター・シェネウトを召喚!過去と未来をしろ示す時の王者!聖刻神機ジェフティック=トト!!トトの耐性を付けて召喚!!さらにアルテミスのコアを置いて界放を使う!!

 

トト《うん。耐性を付けるのはいい判断だ。》

 

フィールドにジェフティック=トトが現れて、トトが打ち込んだ計算式がまとわりつき、耐性を与えた。

 

隠岐奈「アタックステップ!ジェフティック=トトでアタック!効果でガスミミヅクをデッキボトムに戻して回復!!」

 

 

メジェド「……フラッシュタイミング。マジック、絶甲氷盾でアタックステップはここで終わりだ。アタックはライフで受けよう。」

 

 

ジェフティック=トトのスナイパーライフルからの弾丸がガスミミヅクとライフを撃ち抜いたが、氷が壁になって追撃を阻んだ。

 

 

隠岐奈「ん~ターンエンドするしかないね。」

 

 

メジェド「…随分足掻くな……八雲 紫のオマケが…」

 

メジェドの言葉に少し顔を歪めた隠岐奈だったが、あまり気にせずに元の顔に戻った。揺さぶりが聞かなかったのでメジェドはそのままバトルを進める。

 

 

隠岐奈「ジェフティック=トトの効果でこちらもステップを進める!」

 

 

メジェド「ふん、メインステップ!魂鬼を召喚。大地を凪ぎ払う紫の衝撃!全てを無に還す騎士!アルティメット召喚!!獄土の四魔卿マグナマイザー!!

 

 

メジェドの後ろに荒れ果てた荒野が広がるとそこから剣と盾を持って甲冑を着た四足の騎士が走ってきてフィールドに降り立った。

 

アルテミス《!奴よ!気をつけて!!》

 

メジェド「アタックステップ!マグナマイザーでアタック!トリプルアルティメットトリガー!!ロックオン!!」

 

 

隠岐奈「三枚か………!ラインの黄金に聖刻騎兵エース・アークイブ、そして聖刻兵シールダー・ジェネス。コストは3が二つに7が一つだ。」

 

メジェド「トリプルヒット!スポッター・シェネウトのコアを外す!さらにライフをトラッシュに置いて手札を二枚破棄する!!どうする!!八雲 紫の補欠よ!!」

 

 

マグナマイザーが剣を一振りすると巨大な紫の斬撃が隠岐奈に向かって飛ぶ。ジェフティック=トトは張り付いた計算式で守られたが、スポッター・シェネウトは防げずに切り裂かれ、隠岐奈のライフは砕け、さらに手札のアルテミックシールドと聖刻兵フォートレス・ネセニが破棄された。しかし、隠岐奈は何てことない顔でメジェドに言い放った。

 

 

隠岐奈「…さっきから紫のオマケだ補欠だって言ってるけど……アイツはアイツだ。どうやってってアイツも私になれないんだ。それに………今の私は私が好きだ!」

 

 

 

回想 約3ヶ月前 博麗神社 定例会

 

 

 

紫「……それでは…別の世界の創界神が訪問した場合は永遠亭で接待をするということに………」

 

 

龍神討伐が終わり、弾が創界神となって初めての定例会。議題は幻想郷の勢力の役割を分担する事である。さすがに紫や数人にやらせるのは骨が折れるので、この議題が自然と持ち上がった。そして大体の役割が決まった所で白蓮が話し始めた。

 

 

白蓮「…そういえば…弾様が一人で幻想郷を見守るのは大変でしょう。誰か補佐役を着けては?」

 

紫「そうね。私がやるわ。はい決定…」

 

 

永琳「待ちなさい。あなただと公私混同が起こるわ。」

 

 

神子「……お二人とも同じ事を……抜け駆けしようとしていますね………」

 

二人の賢者の策も欲望を聞き取れる神子の前では無意味であった。それを見て呆れたように映姫が話し出す。

 

映姫「全く……それに弾様の補佐です。それなりに仕事が出来て、なおかつ時間に余裕がある面子でないと。残念ながら私は閻魔の仕事がありますので…………」

 

 

さとり「そうですね……それだとこのメンバーの内、かなりの人が出来ませんよ。紫や霊夢は結界維持がありますし、永琳さんは医者の仕事が忙しいでしょう。」

 

 

さとりの(100%わざと、二人の計画を折りにいった)言葉にショックで固まる紫と永琳。それを尻目に幽香が上手く締めようとする。

 

 

幽香「なら、弾の要望を聞いたら?あ、私はお花の手入れで忙しいからごめんね♪」

 

 

女苑「それって言い訳になるのね………」

 

 

弾「…そうだな………隠岐奈がいいかな……」

 

 

その言葉に全員驚いた。いや、一番驚いたのは隠岐奈自身である。ヘカーティアが代表して尋ねた。

 

 

ヘカーティア《…ちなみに理由は?》

 

 

弾「まず第一に賢者だから仕事の出来は問題ないし、それに幻想郷を裏から見守るフィクサーだってよく言っている。逆にいえば幻想郷の事をよく知っているってことじゃないか。なら適任だと思う。」

 

 

隠岐奈「…いや…まぁ…確かに時間に余裕はあるし、幻想郷のことも知ってるが………」

 

 

そんな隠岐奈の心の隅には「他の誰かでいいじゃん」という言葉があった。しかし弾は隠岐奈の目を見てこういった。

 

 

弾「…隠岐奈…お前でいいんじゃない。お前いいんだ。」

文「あややや、なら決まりですね。」

 

 

弾の言葉に隠岐奈は心が温かくなって、少し自信が溢れてきたような気がした。これで一安心と思ったが…………

 

 

フラン「えー!!フランが良かったー!!にいさま!私が一緒にいてあげるよ!!」

 

レミリア「フラン!男は皆ケダモノなのよ!そうやって近くに置いといて…隙を狙って………!!」

 

 

その言葉に紫と永琳が「弾!まさか幼女が好きなの!!?」と叫んで大騒ぎになり、なんとか慧音の頭突きで収まった。流石、先生……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隠岐奈「…私は……もうアイツのオマケじゃない!!私は先に行く!!ライフ減少によりバースト発動!!ガスミミヅクをデッキボトムに!魂鬼をデッキトップに戻して召喚!!幻想郷を守る盾!聖刻戦機リベリオン・ネヘジェト!!マグナマイザーをブロックせよ!!」

 

 

隠岐奈のバーストが開いて白い光線がガスミミヅクと魂鬼にヒットしてデッキに返還させる。そしてフィールドにライフルを携えて二対の機械の翼を生やしたロボットが現れてマグナマイザーめがけてライフルを放った。

 

 

マグナマイザーは盾で防ぎながら接近して剣を突き出すがネヘジェトは持ち前のライフルで防いで後退する。しかしBP25000のマグナマイザーとBP20000のネヘジェトでは明らかにネヘジェトのパワーが足りずにどんどん後ろに後退させられる。とうとう壁際に追い詰められ、マグナマイザーが全力で剣を振り下ろした。

 

 

 

隠岐奈「フラッシュタイミング!ネヘジェトに煌臨!!

 

守りたいという思い!見捨てないという誓い!聖刻龍皇ジェフティック=ジークフリード!!

 

 

煌臨時効果で神話又は剣刃ブレイヴが出るまで破棄!!そしてそのブレイヴを一コストで召喚する!!」

 

 

トト《アレックス、君のジークフリードが来てくれたよ。》

 

 

ネヘジェトが白い光を浴びたかと思うと次々と体を変形させていく。背中の翼は大きな一対の翼になり、手足には爪が生えてバズーカを握りしめ、その体つきも生き物のように滑らかな動きを見せる。そして頭がドラゴンに変わると大きく咆哮してデッキをめくっていく………

 

 

隠岐奈「………弾!力を借りる!光導星剣ゾディアックソードをジェフティック=ジークフリードに直接合体!!」

 

 

星空から六色の剣が降ってきてジェフティック=ジークフリードの反対の手に収まる。するとジークフリードの機械の体が南蛮甲冑のようになってさらにマントが背中に装着される。その姿はまさに極みの大!将!軍!である!!!

 

 

隠岐奈「極・ジークフリードのBPは30000!!こちらの方が上だ!!」

 

 

振り下ろされた剣をゾディアックソードで受け止めた極・ジークフリードは体から様々な武器を発射させてマグナマイザーを後退させる。そしてバズーカとゾディアックソードを合体させて大剣にすると七色のオーラを纏わせて一刀両断!マグナマイザーを破壊した!!

 

アルテミス《やった!!》

 

 

メジェド「…くそ!ターンエンド!」

 

 

隠岐奈「メインステップはそのまま。アタックステップ!極・ジークフリードでアタック!!フラッシュでトラッシュの武装カードを五枚デッキボトムに戻して回復!!」

 

 

メジェド「ライフだ!」

 

極・ジークフリードの大剣がメジェドのライフを一気に二つ切り裂く。

 

 

隠岐奈「お前は絶対許さない!!極・ジークフリード!!」

 

 

トト《君なんてただの金メッキだ!》

 

 

極・ジークフリードが再度大剣をバズーカに変形させ、メジェドめがけて特大の砲弾をぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

トト《よし、すぐに戻ろう。皆が心配だ。》

 

隠岐奈「ああ!全く、私がいないと!!」

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


今回は鎧武の極アームズにしました。銀色のドラゴンなのでインフィニティでも良かったんですが、ブレイヴの色を吸収するので様々な色合いが鎧にある極アームズにしました。


次回予告 VS邪神! 赤と紫の奇跡の炎!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS邪神!赤と紫の奇跡の炎!!

キャンペーンのストライクのリメイクってどんな感じなんだろう?


さとり「……さて……参ります…」

 

 

 

 

 

第1ターン メジェドは煌炎の神剣を配置してバーストをセット。

 

 

第2ターン さとりは宮殿龍タージ・ドラゴンを召喚してこちらもバーストをセット。

 

 

 

 

第3ターン メジェドは英雄王の神剣を配置。そしてと巨人王子ラクシュマナを使って二枚ドローした後、二枚破棄した。

 

 

 

第4ターン さとりは創造の創界神ブラフマーと破壊の創界神シヴァを配置してどちらも二つコアを置いた。そしてアバタードラゴン・ブルーを召喚した後レベル2のタージ・ドラゴンでアタックしてワンドロー。メジェドはライフで受けてバーストを発動。ダイナバーストの効果でタージ・ドラゴンが破壊された。

 

 

 

バトルは第5ターンに入ろうとしている。

 

 

 

 

 

ブラフマー《……ドロー系のカードばっかだな…》

 

 

 

 

さとり「…何か引きたいカードがあるようですね……」

 

 

 

 

 

メジェド「メインステップ。バーストをセットして計二枚ドロー。アルティメット・ムラマサ・ドラゴンを召喚してそのままアタックだ!起導の効果でソウルコアをトラッシュへ!バースト発動!獄海将軍スキッドメン・ジェネラルの効果でデッキを六枚破棄!」

 

 

 

 

 

メジェドのフィールドに軍配を持った赤いドラゴンが現れてサッと軍配を振ると、バーストから水流が溢れてさとりのデッキを破壊した。

 

 

 

 

さとり「こちらもバーストです!爆心龍マ・オンー龍態ーの効果で一枚ドローしてBPプラス10000された状態で召喚!そのアタックはライフで受けます!」

 

 

 

さとりのフィールドにマ・オンが現れ、ムラマサ・ドラゴンの炎がさとりのライフを破壊した。

 

 

 

 

 

メジェド「ターンエンド。」

 

 

 

 

 

さとり「メインステップ。再びバーストをセット。マ・オンをレベル2にしてアバタードラゴン・レッドを召喚。アタックステップ!マ・オンでアタック!アタック時効果でスキッドメン・ジェネラルを破壊!」

 

 

メジェド「ライフで受ける。」

 

 

 

 

マ・オンの炎がスキッドメン・ジェネラルを焼き尽くす。その爆煙を潜り抜けてマ・オンがライフを砕いた。

 

 

 

 

さとり「ターンエンドです。」

 

 

 

 

シヴァ《よっしゃ!このまま押しきるぜ!》

 

 

 

 

メジェド「…無駄よ…メインステップ。深海より現れる青い悪魔!全てを飲み込む大津波!アルティメット召喚!獄海の四魔卿イル・イマージョ!!

 

 

 

 

メジェドのフィールドが海に変わり、そこからタコの足を持った皇帝のようなアルティメットが現れた。

 

 

 

 

 

 

ブラフマー《げぇ!気持ち悪!!》

 

 

 

 

メジェド「アタックステップ!イル・イマージョでアタック!ソウルドライブ!ソウルコアを除外して手札のバーストを無条件で好きなだけ発動!!スキッドメン・ジェネラル!甲殻伯メタリフェル!英雄巨人タイタス!」

 

 

 

 

メジェドが砕いたソウルコアをエネルギーにイル・イマージョが杖を振るとメジェドの手札からカードが光り、次々とバーストが発動していく。メタリフェルの炎がマ・オンとブルーを破壊して、スキッドメン・ジェネラルがデッキを五枚破棄した。

 

 

 

 

 

 

さとり「ブルーは手元に…ブラフマーの神技で手元からブルーを再召喚!アタックはライフで受けてバースト発動!選ばれし探索者アレックスの効果でコアを増やします。そしてアタックステップはここで終わりです!」

 

 

 

ブラフマー《よいしょおっと!!》

 

 

 

 

ブラフマーがブルーを再び召喚させるとさとりのバーストからフードを被ったアレックスが六色の壁を展開させた。

 

 

 

 

 

メジェド「…まぁいい…ターンエンド……」

 

 

 

 

 

シヴァ《……どうする?この手札だとキツいぞ……》

 

 

 

 

その言葉にさとりは以前、妹とした会話を思い出していた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想 地霊殿

 

 

 

 

こいし「お姉ちゃ~ん?ちょっといい~?」

 

 

さとり「……どうしたの、こいし?」

 

 

さとりが仕事をしていると、こいしがドアから入ってきた。

 

 

 

こいし「ちょっと前からフランちゃんと一緒に弾兄さんの所でバトスピ教えて貰ってるの!だから今日も行ってくるね♪」

 

 

 

さとり「へぇ……」

 

 

 

さとりは妹の変化に驚いていた。以前はフラぁっとどこかに行ってしまうこいしが友達を作っていた……姉としてそれは嬉しくもあった。

 

 

 

さとり「それで、弾さんから何か教わったことはあったかしら?」

 

こいし「うん。なんか、「カードに手を伸ばすときは、全てを掴む気持ちで掴め。そうでないと後悔するぞ」って言ってた。どういうことだろ?」

 

 

 

 

さとり「……全てを掴む…………」

 

 

 

 

 

さとりもこの時はよく分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「……ドローステップ………!……成る程………勝てるチャンスがあるなら…決して逃すな……そうでないと大切なものを守れないぞ……そういうことですね……!

 

メインステップ!アバタードラゴン・ブルーを召喚!さらに大神剣アラマンディーをアレックスに直接合体!

 

アタックステップ!アレックスでアタック!アラマンディーの効果でタイタスを破壊してワンドロー!」

 

 

 

 

メジェド「フハハハ!とうとうヤケになったか!?」

 

 

 

 

さとり「私は勝利に手を伸ばし続けます!フラッシュタイミングでアレックスに煌臨!

 

 

どこまでも届く赤い腕!奇跡を起こす虹色の炎!創龍皇ジェネレイター・ジークフリード!!

 

 

 

ブラフマー《……絶対に…離すなよ…その腕を…!!》

 

 

 

 

アレックスがアラマンディーを一旦空に投げると、炎に包まれてその姿が変わっていく。腕は四本になって背中には巨大な蓮の花のような装飾を背負ったドラゴンが現れた。

 

 

 

そしてアラマンディーを手に掴むと、そのままジークフリードに吸収されて体に変化が現れる。腕は一対になり、残りの腕は背中の蓮と合体して大きな赤い三対の翼になって鮮やかなオーラを放った!!

 

 

 

 

シヴァ《へぇ、まるでロストブレイズ状態じゃねえか》

 

 

 

 

 

さとり「ロストブレイズ・ジークフリードの煌臨時効果で創造スピリットに赤シンボルを追加!さらにシヴァの効果で手札を手元に置いてメタリフェルを破壊!!」

 

 

 

 

ロストブレイズ・ジークフリードが光の翼を広げてアバタードラゴン達に力を与えた。さらにシヴァが紫の衝撃波でメタリフェルを吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

メジェド「ちっ!ムラマサ・ドラゴン!守れ!!」

 

 

 

 

ムラマサ・ドラゴンの軍配とロストブレイズ・ジークフリードの腕に装着された盾がぶつかり合うが、ジークフリードが翼から鳥の羽のような光弾を連射して鎧を蜂の巣にして破壊した!

 

 

 

 

 

 

さとり「アバタードラゴン・ブルーでアタック!」

 

 

 

メジェド「ライフだ!」

 

 

 

 

ブルーの爪がメジェドのライフを一気に二つ切り裂く。

 

 

 

 

さとり「さらにレッドでアタック!ここでロストブレイズ・ジークフリードの効果で煌臨元のアレックスを破棄して自身と創造スピリットを三体まで回復!!」

 

 

 

 

ロストブレイズ・ジークフリードが翼でアバタードラゴン達を包み込むと、アバタードラゴン達がまた起き上がった。

 

 

 

 

メジェド「…スキッドメン・ジェネラルでブロック!」

 

 

 

 

レッドにスキッドメン・ジェネラルの銛が突き刺さって破壊されるが、これでメジェドにブロッカーはいなくなった。

 

 

 

 

 

さとり「これでおしまいです!!ロストブレイズ・ジークフリード!!アラマンディーの効果でイル・イマージョを破壊!!」

 

 

 

 

ブラフマー《セイヤー!!!》

 

 

 

シヴァ《おらよ!!!!》

 

 

ロストブレイズ・ジークフリードが鳥の形の炎を纏って突撃し、イル・イマージョを焼き付くした後、ブラフマーとシヴァのエネルギーを吸収した赤と紫のエネルギー弾をメジェドめがけて叩き込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

さとり「ふぅ………こんなもんですかね……」

 

 

 

ブラフマー《よし!サラちゃん!あいつらの援護に……………あ………》

 

 

 

 

さとり「……もう…慣れました…どちらでも呼びやすい方で呼んでください……!」

 

 

 

 

ブラフマー《ウェーイ!サラちゃーん!!!》

 

 

 

 

シヴァ《おい!さっさと行くぞ!!》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


今回はタジャドル(最終回版)です。ブラフマーの赤とシヴァの紫が最終回のラストアタックのカラーだったのでこうしました。


次回予告 VS邪神! スキマ繋げる皇帝


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS邪神!スキマ繋げる皇帝


後日談のリクエストを募集しております。自分もそんなにネタがないので、出してぇェェェェ!!(佐野風)


ヘラ《…あら……姿変えたん?》

 

まゐ「……まぁ……こっちの方が…私的に自信が沸くの………」

 

そうヘラが尋ねた相手……まゐはまるで未来世界で弾の前に立ちふさがった時のような姿になっていた。

 

 

 

第1ターン まゐは創界神ヘラを配置して三枚中、対象のカードが二枚だったので二つコアを置いた。

 

 

第2ターン メジェドはピジョンへディレスとボーン・バードを召喚してデッキを三枚破棄してワンドロー。さらに旅団の摩天楼を配置。アタックステップではピジョンへディレスで攻撃してまゐのライフを一つ砕いた。

 

 

第3ターン まゐは創界神オシリスを配置してコアを一つ置いた。さらに魔界竜鬼ダークヴルムを召喚。召喚時効果でライフを削って二枚ドローした。そしてバーストをセットした後、ダークヴルムでアタックし、メジェドのライフを削った。

 

 

そして第4ターン メジェドが動く!

 

 

 

メジェド「メインステップ。ピジョンへディレスをもう一体召喚。骨操る悪魔!骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ!コスト5で召喚!効果で無魔スピリットの維持コストを0に!レベル4にしたギ・ガッシャでアタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

メジェドのフィールドが墓場になり、地面からゾンビの如く紫のアルティメットが這い出してきた。

 

 

まゐ「…コスト7…滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ」

 

 

メジェド「ヒット!トラッシュから冥府三巨頭ザンデ・ミリオンをレベル2で召喚!」

 

 

Uギ・ガッシャが不気味な声で唸ると、地面からザンデ・ミリオンが現れた。これで無魔スピリットをブロックするにはスピリットを一体破壊しないといけなくなる。

 

 

オシリス《大丈夫か?このままフルアタックをくらえば不味いぞ?》

 

 

まゐ「問題ないわ。ライフで受ける。そしてバースト発動!………ふふふ…久しぶりに使うわね……打ち破れ!紫の闇!魔界七将ベルゼビート!効果でトラッシュからダークヴルム・ノヴァと魔界騎士デストロイデンを召喚!そしてザンデ・ミリオンのコアを外す!」

 

 

 

ヘラ《そしてデストロイデンの効果でUギ・ガッシャを破壊!!これで0コアのスピリットは消滅や!》

 

 

Uギ・ガッシャがライフを削るとバーストからベルゼビートが現れ、手をかざすとダークヴルム・ノヴァとデストロイデンが復活する。そしてデストロイデンの斬撃がUギ・ガッシャを破壊したのでコアが0のザンデ・ミリオン以外のスピリット達が消滅した。

 

 

メジェド「くそ!ターンエンド!」

 

 

まゐ「メインステップ。ベルゼビートをレベル3に!アタックステップ!ベルゼビートでアタック!効果で紫のシンボルを追加!」

 

 

メジェド「ライフで受ける!」

 

 

ベルゼビートの剣がメジェドのライフを一気に二つ切り裂いた。

 

 

まゐ「ターンエンド。」

 

 

メジェド「まだまだだ!メインステップ!骸巨人ギ・ガッシャをコスト3で召喚!効果でトラッシュから無魔のピジョンへディレスとボーン・バードを二体ずつ回収!邪神の参謀!我が半身!龍魔侯オーバーヴェルム!!

 

 

メジェドの周りに竜巻が起こると、杖を持ったドラゴンが竜巻を切り裂いて現れた。そして杖から∞のマークの魔方陣を展開する。

 

 

メジェド「オーバーヴェルムの召喚時効果!∞トリガー!!デッキから八枚オープン!!」

 

 

まゐ「へぇ……全てコストは六以下よ。」

 

 

メジェド「全てヒット!!スピリット達のコアを全てリザーブに!!さらにピジョンへディレスを二体召喚!」

 

 

オーバーヴェルムの魔方陣からの衝撃波がベルゼビートやデストロイデン、ダークヴルム・ノヴァを消滅させ、まゐのフィールドはがら空きになった。しかし………

 

 

まゐ「…ふふふふ……」

 

ヘラ《………怖い笑みや………》

 

 

メジェド「アタックステップ!オーバーヴェルムでアタック!」

 

 

オーバーヴェルムが杖を構えて飛び出した。だが、まゐはすでにカードを掴んでいた。

 

 

まゐ「フラッシュタイミング!マジック!式鬼神オブザデッド!!トラッシュからダークヴルム・ノヴァを再召喚!!」

 

 

空からダークヴルム・ノヴァが再び現れると、まゐは目を瞑り、以前の記憶に思いを馳せた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回想 博麗大結界 内部空間

 

 

 

 

 

紫「……ふぅ……これでいいわ……」

 

 

 

弾「流石は永琳の術式だな。こんな簡単に終わるなんて……」

 

 

二人は永琳お手製の改良術式を博麗大結界に組み込んでいた。ちなみに弾が永琳の術式を誉めた時、紫がムッとしたのは言うまでもない。あらかたの改良が終わり、一息ついた時に紫が弾に話しかけた。

 

 

紫「……ねぇ……弾……突然だけど……最初にあなたと会った時…ほんと子供だと思ったわ…」

 

 

弾「はは、本当に突然だな。」

 

 

紫「…でも…あなたはいつも…誰かのために一生懸命で……そんなあなたに…いつの間にか惚れてたわ……未来世界でも人間と魔族を繋いだ…私よりずっと……2種族の共存を望んでいた………ついこの間も……」

 

 

 

弾「……お前は頑張ってるよ…その頑張りを……オレは知っている…人間と妖怪という普通なら相容れない2種族を必死に繋ぎ止めようとしている…そういう所がオレは好きだよ…」

 

 

その言葉に紫は一気に顔が赤くなった。まぁ、弾から言えばそういう所が紫の良いところ…のつもりが、紫には告白にしか聞こえてなかった。

 

 

紫「……もう…( 〃▽〃)…」

 

 

 

弾「…あ、そうだ……映姫から預かりものがあるんだった……ほい…」

 

 

そう言って弾が渡したのは、紫が映姫にあげたはずの超神星龍ジークヴルム・ノヴァのカードだった。

 

 

弾「映姫曰く、「思い出の物なら、あなたが持っていた方が良いでしょう。」だと……使ってくれ……お前になら安心して託せる……」

 

その言葉に紫のテンションが振りきれて、狂喜乱舞していたら永琳に見つかり、この事を話してまたケンカになったのは言うまでもない………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まゐ「…私は…人間と妖怪…この二種族を繋ぐ架け橋になる!!スキマ妖怪として!皆と共に!!フラッシュタイミング!!ダークヴルム・ノヴァに煌臨!!

 

 

定めを砕く光!二つの種族を繋ぐ超神星!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!!

 

煌臨時効果でトラッシュのコアを回収してライフを回復!!ブロックしなさい!」

 

ダークヴルム・ノヴァが炎に包まれて、ジークヴルム・ノヴァに変わると、まゐのライフを全回復させてオーバーヴェルムに飛びかかった。

 

オーバーヴェルムは魔方陣から光弾を放って迎え撃ったが、ノヴァは虹色の光線で打ち消してそのまま吹き飛ばす。そして接近しながら渾身の右ストレートを叩き込んで破壊した!!

 

 

メジェド「バカな……ターンエンド……」

 

 

まゐ「メインステップ……クラッキー…皆…使わせて貰うわ!魚座の影!その鎖を解き放て!双魚星鎧ブレイヴピスケス!!ジークヴルム・ノヴァに直接合体!!召喚時効果でスピリット達からコアを除去!よって全て消滅!!」

 

 

空に逆さまの魚座が描かれ、そこから鎖で繋がれた二匹の魚が泳いでくる。そしてジークヴルム・ノヴァの両腕に噛みつくと体を鎖が包み、赤と金の光と共に弾けとんだ。

 

そこからは金の鎧に赤い装飾を纏った皇帝の風格を持ったノヴァが両刃剣を携えていた。その剣を振るうと、メジェドのスピリット達からコアが外されて全員消滅した。

 

 

まゐ「アタックステップ!ジーク・エンペラー・ノヴァでアタック!!効果でお互いの手札を全て破棄!!これで終わりよ!!」

 

 

ジーク・エンペラー・ノヴァが両刃剣に赤いエネルギーを纏わせてメジェドのライフを一刀両断した!!

 

 

 

 

紫「これでいいわね。速く結界修復に戻らないと……」

 

オシリス《……なぁ…ヘラ……》

 

ヘラ《………なあに…………?》

 

オシリス《…………私達…いなくても問題なかったのではないか…………?》

 

弾に最も近いカードバトラーと言われている紫の強さを再認識する二人であった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


今回はエンペラーになります。キバはレミリアのイメージがかなり強かったのですが、ブレイヴピスケスの鎖を見て、これでもいいかな~なんて思って使いました。


さぁ、いよいよこのお話も終わりです……どうぞ最後までお付き合いください………


次回予告 暁闇


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

暁闇

暁闇とは月が出てなくて、夜明け前の暗い時間帯のことです。つまり、夜明けは必ず巡ってくる……そんな意味合いも考えてタイトルにしました。


後、アンケートを実施中です。数日程で締め切りますので、意見をお願いします。


会場

 

 

 

 

紫「今戻ったわ!状況は!?」

 

 

 

文「こちらも終わりました!!」

 

 

 

シヴァ《後はあの二人がメジェドをぶっとばせば終いだ!!》

 

 

アレックス《…こっちはかなりきつかったけど……》

 

 

紫達が会場に戻ると、創界神達はかなり疲労していたが上手くやってくれたようだ。しかし、永琳は何か考え事をしていた。

 

 

永琳「…おそらく……メジェドの狙いは眷属のアルティメット達に結界を破壊するためのエネルギーを補填させること……もうメジェド自信が本気を出せば……二人とまともにバトルをするかしら………?」

 

 

ラー《私はしないと思う。何か私達に二人を援護する方法は………》

 

その言葉に少し考えた創界神達。そしてアポローンが何かを思い付いたようだ。

 

 

アポローン《…化神のエネルギーを送るってのはどうだ!?》

 

 

イシス《賛成よ!依姫なら私達の力を扱えるから、ここからでも大丈夫ね!》

 

 

アテナ《では、全員化神を!ですがあまりそちらにエネルギーを削ぎすぎないように!!アテナイアー!!》

 

 

 

マナカ《よっしゃ!行くよ!ケイ!!》

 

 

ケイ《ああ!羽ばたけ!ヒヨク!!》

 

 

化神達が次々と光になって昇っていく。そして幻想郷メンバーは…弾と依姫の無事を祈った……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「依姫…赤のアルティメット対策に少し防御を固めよう。」

 

 

 

依姫「…了解です!メインステップ。氷星獣レオザードと聖星使ジェミニックを召喚!

 

バーストをセットしてアタックステップ!レオザードでアタック!!星読でデッキをオープン!光導女神グラン・リリアなので手札に加えて回復!!」

 

 

 

 

メジェド「ライフで受けよう。」

 

 

 

疾走したレオザードがメジェドのライフを切り裂いた。

 

 

依姫「ターンエンドです!!」

 

 

メジェド「…ふふふふ……メインステップ。ドクロスリーパーを召喚。吹き荒れる嵐!虚空より現れる死神!アルティメット召喚!獄風の四魔卿ヴァンディール!!これでターンエンド。」

 

 

 

ブラム・ザンドの隣にヴァンディールが鎌を握って現れる。しかし、メジェドはまだ動かなかった。

 

 

 

弾「………何を狙って………?」

 

 

 

依姫「……メインステップ……またお願いします!その微笑みは全てを救う!!戦神乙女ヴィエルジェX!!レベル2で召喚!さらに銀河星剣グランシャリオを直接合体させます!これでターンエンド!!」

 

 

 

ヴィエルジェ《…案外…グランシャリオって重いのね……》

 

 

 

空の乙女座からヴィエルジェが現れ、銀河から降ってきたグランシャリオを手に取った。

 

 

 

 

メジェド「…ここからが地獄だ……メインステップ。ネオ・ダブルドローで手札を三枚増やす。さらにブラム・ザンドをレベル5に………

 

 

……アタックステップ!ブラム・ザンドよ!!やれ!!ここで大牙和巳の効果!!このネクサスのコアを全てボイドに送り、アタックしている邪神のソウルドライブをソウルコアを除外する事なく発動!!よって貴様のスピリットを全て破壊して次のリフレッシュステップまで召喚を封じる!!」

 

 

 

 

 

弾「ジェミニックの効果でシープ達とヴァージニア、そしてレオザードと自身は疲労状態で残る!さらにヴィエルジェの星界放を発動!!オレのコアを置くことでライフを増やしてヴィエルジェは手札に!!」

 

 

 

ヴィエルジェ《出たと思ったら……でもソウルドライブをソウルコア無しで打つのはヤバいわね………》

 

 

 

ブラム・ザンドから放たれた黒い炎はジェミニックのシールドに阻まれて半減。唯一直撃したヴィエルジェも光に包まれて手札に返っていった。しかし、依姫はブラム・ザンドの隣でヴァンディールが鎌を振り回しているのが目に入った。

 

 

 

依姫「…!まだ何か来ます!!」

 

 

メジェド「さらにブラム・ザンドの効果でヴァンディールのソウルドライブを発動!!デッキからアルティメットが三体出るまでオープン!そしてそのアルティメット達をノーコストで召喚する!!出でよ!獄海の四魔卿イル・イマージョ!獄土の四魔卿マグナマイザー!

 

そして絶望を喰らえ………我が化神!邪神皇デスピアズ!!」

 

 

 

フィールドにイル・イマージョとマグナマイザー、さらに禍々しい煙から巨大なアルティメットが現れる。とうとうメジェドが本気を出そうとしていた………

 

 

 

依姫「…!フラッシュタイミング!マジック!キャンサーシェルを使用!!弾さまのコアを四個ボイドに置いてアタックステップを終わらせます!!ブラム・ザンドはライフです!!」

 

 

 

ブラム・ザンドの大剣が依姫のライフを砕いたがその後に白い防壁がそびえ立った。

 

 

 

メジェド「ふふふふ…ターンエンド……」

 

 

 

弾「ジェミニックがいて助かった…」

 

 

依姫「弾さまの守りを固めると言う案は正しかったですね……メインステップ……でもスピリットは召喚が出来ない……ターンエンドです……」

 

 

 

メジェド「メインステップ。ブラム・ザンドをレベル3にしてヴァンディールをレベル4に、デスピアズをレベル5にあげる。アタックステップ!マグナマイザーでアタック!TUトリガー!ロックオン!!」

 

 

 

マグナマイザーが剣を振るって走り出した。

 

 

弾「…サジタリウスドロー、天星十二宮水星機アクアエリーズナー、そして天秤造神リブラ・ゴレムX……」

 

 

メジェド「ダブルヒット!相手のコアを四個とライフを一つトラッシュへ!!」

 

 

依姫「セフィロ・シープの効果でコアは一つ以下になりません!そしてバーストを発動!天蠍機動スコルビウムの効果で創界神のコアを全て外して召喚!」

 

 

 

弾「さらにフラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!スコルビウムに煌臨!!煌臨時効果でイル・イマージョを破壊!!」

 

 

 

マグナマイザーの斬撃が放たれ、セフィロ・シープは緑のシールドでスピリット達を守ったが、依姫のライフは一つ砕かれた。そしてバーストからスコルビウムが現れると、弾達の後ろからサジットヴルム・ノヴァが駆けあがってスコルビウムに煌臨し、矢を放ってイル・イマージョを破壊した!しかし……………

 

メジェド「…さて……頃合いか……フラッシュタイミング!我がソウルコアを除外!!デスピアズよ!我が力を纏い、更なる姿へと進化せよ!煌臨!!邪神皇デスピアズ・ゾーク!!

 

 

 

依姫「くぅ………!!」

 

 

 

弾「…これは!?」

 

 

 

メジェドがカードをデスピアズに重ねると、バトルフィールドに衝撃波が走り、思わず依姫は後ずさる。そしてデスピアズがさらに大きく、圧倒的なオーラを放つようになっていく……そして六色の宝玉を埋め込んだ翼を広げ、真の邪神皇……デスピアズ・ゾークが煌臨した……………

 

 

 

メジェド「煌臨時効果は不発だが……我の狙いはそこではない………」

 

 

 

依姫「ぐは!!!?」

 

 

弾「依姫!!?」

 

 

 

突然、依姫の体が地面に叩きつけられた。デスピアズ・ゾークの力が強すぎて普通に立っていられなくなってしまったのだ。そして弾はバトルフィールドも壊れかけていることに気づいて声を荒げる。

 

 

 

弾「お前!まさかこれを狙って!!!」

 

 

 

メジェド「そうだ。たとえ、どれだけ強いバトラーでも立っていられないのならどうしようもあるまい。それに……ゾークの気を受ければただでは済んでいないだろう……さぁ、どうする?馬神 弾……その娘を取るか?それともこのまま放っておいてバトルを続けるか?」

 

 

 

メジェドの言葉に歯ぎしりする弾。すると、近くからアテナイアーやサンダー・Z・レオンなどの化神達のエネルギーを感じ取った。

 

 

 

弾「……!永琳達の力を感じる…そうか…皆が化神をエネルギーにして送ってくれたのか…よし!依姫!!今、オレ達の近くに集まっているエネルギーを全部体に降ろせ!!」

 

 

 

依姫は薄れる意識の中、どうにか周りの化神達を降ろし始める。すると少しずつ意識が戻り、立ち上がれるようになってきた。

 

 

依姫「…はぁ…はぁ…皆様…ありがとうございます……さぁ!まだ私は戦えます!!フラッシュタイミング!クローズドジェミニ!!直ちにバトルを終わらせてこのターンの間はライフは一つしか減りません!!」

 

マグナマイザーが黄色の光に邪魔されて何もできずに戻っていく。

 

 

 

メジェド「…この……くそ!ターンエンド!!」

 

 

 

依姫「あなたのような者に幻想郷は!神世界は滅ぼさせません!!メインステップ!師匠!使わせていただきます!赤く染まりし月よ!世界を救う希望となれ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!召喚!!」

 

 

弾「裏の射手座よ!今表に現れよ!射手星鎧ブレイヴサジタリアス!!召喚!」

 

 

依姫の後ろからストライク・サジッタが現れ、さらに空に逆さまの射手座がのぼり、そこからブレイヴサジタリアスが降り立った。

 

 

依姫「ブレイヴサジタリアスの効果でこのブレイヴと合体しているスピリットはもう一体の光導ブレイヴと合体できます!!サジットヴルム・ノヴァにブレイヴサジタリアスとグランシャリオをダブル合体!!」

 

 

 

ブレイヴサジタリアスがサジットヴルム・ノヴァに吸い込まれ、グランシャリオが手に収まると依姫の体の化神達も力を与える。サジットヴルム・ノヴァの体は黄金の鎧に包まれ、各箇所にはそれぞれの化神が描かれる。そして頭部に王冠のようなアーマーが装着されたその姿はまるで最善の魔王のようだった!

 

 

 

依姫「アタックステップ!グランド・サジタリアス・ノヴァでアタック!!効果でマグナマイザーを破壊!!そして界放によりライフを三点減らします!!」

 

 

 

弾「さらにブレイヴサジタリアスのブレイヴ時効果!ヴァンディールを指定アタック!!そしてフラッシュタイミング!アクセルでグランリリアを使用!!グランド・サジタリアス・ノヴァを回復!!」

 

 

グランド・サジタリアス・ノヴァが体からジェフティック=トトのライフルを手に出現させ、ホル=アクティの風を纏わせた弾丸でメジェドのライフを三点、撃ち抜いた。

 

さらにグランド・サジタリアス・ノヴァはアテナイアーの槍とタイフォームの鎌を取り出して、マグナマイザーとヴァンディールに斬りかかった。二体は剣と鎌で受け止めたが、グランド・サジタリアス・ノヴァはジェラシックドールの糸で二体を縛り上げ、翼からセクメトゥームの光弾とアルティメット・リバース・ドラゴンの虹色のビームをゼロ距離でぶっぱなして二体を爆殺した!!

 

 

依姫「もう一度アタックです!!効果でブラム・ザンドを破壊!!そしてデスピアズ・ゾークを指定アタック!!」

 

 

グランド・サジタリアス・ノヴァがイシスターとアプロ・ウラニアーの杖から巨大な光線を放ってブラム・ザンドを破壊する。

 

そして爆煙の中をオデュッセイバーのスピードで駆け抜けて、デスピアズ・ゾークに向かっていく。ゾークは翼の宝玉から光線を放つが、グランド・サジタリアス・ノヴァはサンダー・Z・レオンの雷で打ち消していく。そしてゾークの周りを周りながらアポロヴルムとファナテック・エルクのエネルギーを弓矢に宿して連射する。

 

ゾークが連射でふらふらになった隙を見て、グランド・サジタリアス・ノヴァは大きく咆哮する。するとゾークの周りになんと他の創界神達の化神が出現した!グランド・サジタリアス・ノヴァがもう一度咆哮すると、それぞれ攻撃体制に入る。

 

 

 

アポロヴルムの炎を纏ったホル=アクティがゾークの眉間に突進した後、すぐにアテナイアーとタイフォームが両方の脇腹に槍と鎌を突き立てる。

 

グレートオーシャンがゾークの頭頂部に全体重をかけた頭突きをお見舞いして、ジェフティック=トトのライフル、アプロ・ウラニアーとイシスターの杖からの特大の砲弾が翼の付け根を撃ち抜くと、オデュッセイバーとグラン・デーヴァを咥えたユナイト・ホーンが次々と全身を切り裂いていく。

 

続いてムラクモレックスとヤマタハイドラノカミ、ヴァルドラムが同時に突撃して一体の大きな龍になり、腹に風穴を開けると、ファナテック・エルクにまたがったジェネレイタードラゴンとヒヨクの炎を両方の杖に灯したグランリリアがゾークの両肩ごと腕を破壊する。

 

ジェラシックドールとアウザールが糸と鎖を放ってゾークを拘束して、セクメトゥームとサンダー・Z・レオン、そしてリバース・ドラゴンがステンドグラス、光、雷の槍で胸をえぐりとる。

 

 

 

そしてふらふらのボドボドになったゾークにグランド・サジタリアス・ノヴァはグランシャリオを構えて飛び上がると、目の前にオリン、エジット、アマハラ、インディーダ、そしてウルの紋章が浮かび上がって通り抜けるグランド・サジタリアス・ノヴァの力を極限にまで高め、ゾークの顔のちょうど真ん中にグランシャリオを叩きつけた!!ゾークはそのまま上から下まで真っ二つに斬られ、ようやく大・爆・散・した!!!

 

 

 

 

 

 

依姫 弾「「ストライク・ジークヴルム・サジッタ!!!」」

 

 

メジェド「まさか………こんな……人間と……若輩創界神ごときに…………!!!!」

 

 

 

そう喚くメジェドに弾はいい放つ。

 

 

 

弾「まだわからないのか?人間だから…若輩創界神だからお前を倒せたんだ!!!」

 

 

 

依姫「天誅!!!!」

 

 

 

メジェドの最後のライフをめがけて飛び出したストライク・ジークヴルム・サジッタに依姫は飛び乗って、未だに出現している化神達のエネルギーを吸収して愛刀に全力のパワーを貯める。

 

そしてサジッタがメジェドに向かって炎を纏わせた爪で切り裂いて、操られていた豊姫の体を救出すると依姫はフルパワーで横一文字に両断した!!!!

 

 

 

メジェド「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼウス《!!皆の者!!結界のヒビが!!!》

 

 

 

ゼウスの言葉に空を見上げると、結界のヒビが修復されていっている。そして空からグランド・サジタリアス・ノヴァに乗った弾とストライク・ジークヴルム・サジッタに気を失ってはいるが、無事に救出できた豊姫を抱き抱えて、笑っている依姫が降りてきた。

 

 

それを確認した創界神達と幻想郷メンバーは、ようやく一息をついてその場に座り込むのであった………………

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


完全に最後のゾークへの攻撃は平ジェネFOREVERですね。

実は、グランド・サジタリアス・ノヴァは当初はサジット・キング・ノヴァと言う剣のキングフォームをモチーフにする予定でした。しかし十二宮をアンデットのように鎧にすると、ジーニアス・サジットと被る&グランドジオウの能力を見たときの衝撃で急遽、こちらに変えました。化神の一斉攻撃とか……ゾークが可哀想になってきました………



さて……これで異変は解決です…しかし…まだ出てきてないあいつと宴会の風景を書いて終わりにしようと思います………


次回予告 月影と天道 天津星への願い


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

月影と天道 天津星への願い

最終話………


 

異変が終結し、結界のヒビも完全に治った日の夜、博麗神社では恒例の宴会が開かれていた。普段より騒がしいのは十中八九、創界神がいるからであろう……半分はお説教故だが……

 

ヘラ《……あなた…なんで、うちを置いてナンパしに行ったのかしら……?》

 

ゼウス《ヘラ!すまんかった!!いやぁ~今日は一段と美し………》

 

ヘラ《……遺言はそれでええかしら……?ジェラシックドール……!》

 

イシス《…ラー……あなたも……普段はまともなのに…今回はどうしてなの……?》

ラー《いや…その…内の子フィンクスを拾ってくれた者へ恩を返さないと……》

 

イシス《…この子フィンクスバカ……!イシスター!》

 

 

ゼウス ラー《ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!》

 

ヘルメス《……あ~生き返った………》

 

 

トト《……お疲れ……もう一杯いくかい?》

 

隠岐奈「……大変だな……ん?舞?里乃?どうした?そんな縮こまって……」

 

里乃「いやいやいやいや!」

 

舞「僕達、とんでもなく迷惑だったのに、馴れ馴れしくは出来ません!!」

 

 

ゼウスとラーを折檻しているヘラとイシス(二人の鬼女神)の隣でゆっくりと酒を飲んでいる二人。普段、ゼウスの自由奔放さに頭を抱えているヘルメスと、エジットの頭脳を担っているトトにとって、今がやっと一息つける瞬間であった。

 

そしてその二人と隠岐奈の盃に酒を注いでいる二人はものすごく居心地が悪そうであった…………

 

 

 

 

 

 

シヴァ《おい!アプロディーテ!悪いが花びらをバックに撒いてくれ!》

 

アプロディーテ《あら、踊るの?音楽とかつけたら?》

 

アポローン《よっし!音楽の神である俺の出番だな!向こうの付喪神やポルターガイストの三姉妹と一緒に一曲いくか!!》

 

 

フラン「…あ!シヴァ!私も踊る~!!」

 

 

こいし「私も!!」

 

会場の真ん中で踊ろうとしたシヴァがアプロディーテに演出を頼み、アポローンが曲を奏でようとするとフランとこいしも真ん中に出ていく。

 

 

 

 

 

 

早苗「えええ!神奈子さまのお祖父様!!?」

 

 

スサノヲ《おう!いやぁ~神奈子もこんな可愛い巫女を持ってるなんて、オレは羨ましい…》

 

 

神奈子「あの~!!ヘラさま~!!?」

 

 

諏訪子「それ核弾頭より不味いよ!!?」

 

神奈子が早苗に色目を使ったスサノヲにとんでもない爆弾を投げつける。しかし、幸いにヘラはゼウスの折檻に夢中で気づいてはなかった。

 

 

セト《おうりゃぁ~!!!》

 

 

ブラフマー《激突!激情!!》

 

萃香「にやぁぁぁ!!」

 

 

勇儀「流石は創界神!燃えてきたね~!!」

 

 

天子「ああもう!まだまだよ!!」

 

萃香と勇儀、天子の三人がセトやブラフマーとケンカをしている。まだまだ創界神の二人は余裕がありそうだ。

 

 

 

さとり「全く……」

 

オシリス《すまん…うちのバカが……》

 

レミリア「あら、案外創界神ってのもカリスマが無いわね……フランが踊る!……」

 

 

お燐「声漏れてるよ……」

 

 

お空「さとりさま~!私達も踊ってきまーす!!」

 

 

呆れるさとりと謝るオシリスに嫌味を言ったレミリアだったが、心の声をお燐とお空にバッチリ聞かれていた。

 

 

 

幽香「へぇ……水も考えないと……」

 

 

ポセイドン《そうだ!幻想郷で一番オススメな水源は……》

 

布都「あ、創界神さま…どうぞ……」

 

屠自古「こちらがお酒です……」

 

アレックス《え、イヤ、別にそんな畏まらなくても…》

 

水に詳しいポセイドンが幽香に良質な水源をレクチャーしている隣で、布都と屠自古がアレックスに媚ながら酒を注いでいる。

 

 

 

ホルス《……いい所だな……》

 

文「……はい………」

 

ケイ《マ~ナ~カ~!!》

 

マナカ《うわ!ケイ!どんだけ飲んだの!?》

 

映姫「そう言えば…先ほどスサノヲさまが持ってきたすごく度数の高い酒をがぶ飲みしていましたね…」

 

縁側で風にあたっているホルスと文を尻目に、完全に出来上がったケイがマナカに抱きついている。その隣で映姫は優雅に酒を味わっていた。

 

 

アンターク《……ちなみにこの魔法は……》

 

 

魔理沙「成る程……」

 

アリス「すごいわ……」

 

 

幽々子「…モグモグ…あなた…やるわね…」

アルテミス《…あなたもね……モグモグ…》

 

妖夢 咲夜「「……はぁ………」」

 

 

アンタークが魔法使いの二人に賢者さながらの知識を与えているが、幽々子とアルテミスの大食い対決が妖夢と咲夜、料理組の胃を締め付けていた……哀れ……

 

 

 

純狐「うどんちゃーん!!」

 

鈴仙「ひぇぇぇぇ!!」

 

へカーティア《じゅ~んこ~!ほどほどにしなさ~い!》

 

 

サグメ 豊姫《「ご迷惑をおかけしました……」》

 

 

永琳「別にいいわよ。そうだ!あなた達に報告が有るわ!実は私…この世界の創界神と結婚」

 

 

紫「てぇぇぇぇぇい!!!」

 

アテナ《はあぁぁぁぁぁぁ!!》

 

純狐が鈴仙を追いかけている間、豊姫とサグメは永琳に頭を下げていた。そしてまーた永琳の言葉が火種となり、紫とアテナが飛び蹴りを放ってケンカが勃発した。そこから離れた豊姫はあることに気がついてへカーティアに尋ねた。

 

 

豊姫「……あら?依姫は?」

 

 

へカーティア《何か、ついさっき弾と一緒に屋根に登ってったわ。もしかしたら二人でこっそり………》

 

 

そう言うへカーティアは《しまった》と思ったが、時すでにおすし。紫と永琳、アテナがギギギとへカーティアの方向を向いた……その黒い気は、宴会のメンバーが振り返るほどであった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社 屋根

 

弾「…悪いな…あまり大勢の前ではできないことでね……」

 

依姫「ええと…一体何を?」

 

 

弾に呼び出されて屋根に登った依姫はなにやらぶつぶつと唱えている弾に?マークを浮かべたが、空中に映し出された映像を見て驚いた。その映像に映っていたのは………

 

 

ロロ《やぁ、久しぶりだね…弾。》

 

 

弾「最初にグランロロに行った時以来か?ゼウスやラーが来てるんだ。あんたは来ないのか?」

 

 

ロロ《……イヤ…やめとこう……今、ミクスを置いていくのは……ちょっと………》

 

 

映し出されたのはウルの主神のロロだった。しかし、依姫はもう創界神に慣れたのか、すぐに気を取り直して尋ねた。

 

 

弾「んで…話ってなんだ?彼女も呼んで欲しいって言ったから呼んだが………」

 

依姫「あの~私に何か…?」

 

ロロ《イヤ、そんな気難しいことじゃない。ただ単純に礼が言いたかっただけさ。この世界も元は地球…グランロロだからね……あ…そうそう…後もう一つ…とある二人がそっちに向かったからその連絡もあった……》

 

???《別に良いわ。もう着いたし。》

 

 

???《案外、仕事が早く終わったからな。》

 

あの二人? そう尋ねようとした依姫と弾の後ろの空間が突如歪み、そこから声が響いた。依姫は突然のことに驚いて身構えたが、歪みから出てきた二人にさらに驚愕するばかりであった。

 

弾「…この二人は……?」

 

依姫「…つ、ツクヨミさま……!!?…それに……アマテラスさま……!!?」

 

 

そう、依姫の故郷の月の都を治めるツクヨミとその月の都が所属するアマハラの主神、アマテラスが現れたのだった。

 

 

ロロ《これでいいかな?私はここで……》

 

アマテラス《いえ…あなたも聞いて欲しいことがあるのよ……まず…依姫ちゃん……ありがとう…!あなたのお陰で私達も……全世界が救われたわ……!!》

 

 

依姫「…え、あ、はい!ありがとうございます!!」

 

 

そう言って手を握ってブンブン振るアマテラスに依姫はさすがにガッチガチからは脱却して反応できるようになった。そしてツクヨミがその後に続く。

 

 

ツクヨミ《…依姫よ…私からも礼を言おう……そして…馬神 弾よ……私達は……今回頼みがあってここに来た……》

 

 

弾「…頼み……?」

 

 

そう聞いた弾にツクヨミはかなりの貯めを作った後、語り始めた。

 

 

 

ツクヨミ《……永琳と……私の実の娘……輝夜のことだ……》

 

弾「え…!!?」

 

 

ロロ《……やはり……よく君は二人のことを心配していたからね……》

 

 

驚く弾に依姫が説明を始める。ツクヨミが昔、娘の輝夜が蓬莱の薬を飲んだ時…彼女を追放の刑に処したこと…迎えの際に永琳を向かわせたこと…紫達が月に攻めこんだ時は簡単に凪ぎ払ったこと等を話した。

 

 

ツクヨミ《……ここだけの話だが…輝夜が蓬莱の薬を飲んだ時……私はチャンスだと思った…罪と称しての地上の生活で、輝夜に地上を好きになってほしかった……生まれ死んでいくことに美しさを感じてほしかった…》

 

 

アマテラス《そして…永琳ちゃんもその時は月の都の政変に揉まれて、クタクタになってたからね…ねぇ、ツクヨミ……輝夜ちゃんを迎えに行かせたのも、そのまま一緒に逃げることを期待していたからよね?そうじゃないと月の使者がそんな簡単にやられはしないわ。》

 

 

アマテラスの言葉に無言で首を縦に振るツクヨミ。それを見て依姫は驚いた。彼女のツクヨミのイメージは、穢れを極度に嫌い、清きことこそ価値あるものだと考えている神だと思っていた。

 

しかし、本当の彼は地上を愛し、娘の輝夜だけでなく永琳のような困っている者も助けようとする…支配者としての理想像だと感じた………

 

 

 

弾「それで…頼みとは?」

 

 

ツクヨミ《…二人を頼む…私は彼女達を守れない…輝夜を守って欲しい…私の一人娘だ……そして……永琳には辛く…苦しい運命を背負わせてしまった……神々の砲台を造った時は天才だとしか思えなかった……それで何が起こるかわかってなかった……だから……》

 

 

 

ツクヨミが言い終わらないうちに弾は返事を返した。

 

 

弾「……断る…!!なら直接会って守れよ……!あんたはなんだかんだであの二人に会うのが怖いんじゃないのか?…彼女達は……輝夜はあんたが思ってるより聡明だし…永琳はオレの相棒だ…きっと…大丈夫さ…」

 

 

アマテラス《…うふふふ…これは一本とられたわね……ツクヨミ…?どうする……?》

 

 

ツクヨミ《…そうだな……馬神 弾…そして依姫……今のことは忘れてくれ……今から二人に会いに行ってくる…ついでにバカ弟のやらかしたことを謝ってくる…………》

 

 

ロロ《…リリアが言っていた通りの…優しく…強い男だな……》

 

そう言って、ツクヨミは下に降りていく。ロロは通信を切り、残った三人は少しの沈黙の後に話し始める。

 

 

依姫「…そう言えば…アマテラスさま…師匠達の罪は一体どうなったのですか?」

 

 

アマテラス《ああ、問題ないわ。私が反対派を邪魔するから。だからあなたも自由に会いに行って良いわよ?》

 

 

その言葉に依姫はお礼を言って安堵した。しかし………

 

 

 

 

 

 

アマテラス《それにしても……弾…あなたいい男ねぇ…どう?私の夫になるってのは?主神の夫よ?》

 

 

弾「え、その…それはちょっと………」

 

アマテラス《え~私…スタイルにも自信があるのだけど……?》

 

 

アマテラスがそう言って弾に体を密着させてくる。もう完全に口と口がくっつきそうな距離まで近づいたその時!!

 

 

紫「…弾?話は終わっ………」

 

永琳「…どうしたの?急に固まっ………」

 

アテナ《まさか二人で…………》

依姫「……あ………マズイ………」

 

 

屋根にスキマが開いて紫が声をかけた…さらにそのスキマは宴会場に通じていて、後ろからは永琳やアテナを始めとした創界神達がこっちを見ていた……

 

 

弾「…さ、三人とも……実は…あの……」

 

 

アマテラス《あら、永琳ちゃんにアテナじゃない。そうだ!ねぇ、彼凄くいい男なのよ~貰っていい?》

 

 

 

ゼウス《弾!!逃げろ!!》

 

 

ゼウスの言葉に、全力で空に飛び立つ弾。それを鬼の形相で追いかける三人。アマテラスはそれを見てケラケラ笑っていた。

 

 

 

依姫「……うふふふ…やはり……この世界は……実にいい所です…!!」

 

 

紫 永琳 アテナ《「「待ちなさい!!!」」》

 

 

弾「助けてくれ~!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


ロロだけでなく、ツクヨミとアマテラスも登場させました。この二人の系統や化神も気になります。詳細は小話でのメイン回に書き足します。


ロロ

ウルの主神の創界神。太古の昔にグランロロと地球を創造した救世主。そして今は弾に地球を任せて、グランロロを治めている。普段は主神らしい喋り方だが、アンタークやリリア等の古い友人と会話するときや焦った時は昔の少年時代の喋り方になる。



さて!今回でこの小説はフィナーレです!今までお読みいただき本当にありがとうございました!!また新しい創界神が発表されれば、小話を書いていきますので時たま覗いてくれれば幸いです……では……さようなら…………



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

小話
へカーティアの里帰り


はい、今回は弾のグランロロへの初来訪とタイトル通りへカーティアの里帰りになります。時期としては龍神とのバトルから一週間後位と思ってください。


幻想郷 博麗神社

 

 

 

 

 

弾の幻想郷での立ち位置やそれに関するあれやこれが一通り決まった次の日、弾はへカーティアと一緒にウルの主神、ロロに挨拶に行くことになった。世界の境界である博麗神社には紫や永琳を始めとした面々が見送りに来ていた。

 

 

 

 

紫「……弾……気をつけてね………」

 

 

 

永琳「……何かあったらすぐ行くから…!!」

 

 

霊夢「あ~全く…弾、こっちは心配しないで。今の幻想郷なら、そんな簡単に崩れはしないわ。」

 

 

 

恋する賢者達は心配そうな顔で見送りに来ていた。その二人を尻目に霊夢は気にせずに行ってこいと言葉をかける。

 

 

 

 

弾「ああ、わかった。少し留守にするけどよろしく頼む。」

 

 

 

 

隠岐奈「りょーかい!」

 

 

 

幽々子「…お土産期待してるわ~♪」

 

 

幽香「……私のお土産は向こうの話だけでいいわよ…」

 

 

 

映姫「…任せてください。」

 

 

 

弾の言葉に四天王達はそれぞれの反応を見せる。

 

 

 

早苗「弾さま!こちらはお任せを!!!」

 

 

咲夜「たとえこの身が滅びようとも……!!」

 

 

 

レミリア「咲夜~!!?私より忠義が厚いのはどうして~!!?」

 

 

 

フラン「弾にいさま~!いってらっしゃーい!!」

 

 

 

平常運転の早苗と完全に主を放っておいて弾に尽くすと宣言した咲夜にツッコミを入れるレミリア。フランは健気に手を振っている。それを見て手を振り返して、へカーティアと一緒に出発しようとした弾であったが…………

 

 

 

へカーティア《さぁて、弾?アーユーレディ……》

 

 

 

 

紫 永琳「「だめです!!」」

 

 

 

………この二人は……弾が不安なのだろう…弾に抱きついて離れなくなってしまった……

 

 

弾「おいおい…この前ズングリーに会いに行った時とは違うんだぞ…へカーティアに加えてお前達までいなくなったらマズイだろ?」

 

 

 

藍「そうですよ!紫さま!!」

 

 

 

輝夜「永琳も離れて!!!」

 

 

 

藍と輝夜に無理矢理ひっぺがされて「うー!」と唸った二人だったが、その隙にへカーティアは弾の手を取ってゲートを開いて手早くその中に入った。

 

 

 

へカーティア《じゃあ!行ってきまーす!!》

 

 

 

弾「すぐ帰ってくる!!」

 

 

 

純狐「この二人は私に任せてね~!!」

 

 

 

 

紫 永琳「「だぁぁぁぁぁぁぁん!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グランロロ 創界神の神殿 創造の間 入口

 

 

 

ここはグランロロの創界神達が住んでいる宮殿。その中心にある創造の間の入口に二人は降り立った。

 

 

 

リリア《よっと、とうちゃーく!》

 

 

 

弾「やっぱりここではそっちの姿になるのか……」

 

 

グランロロに到着してリリアになったへカーティアはさっそく、目の前の扉に声をかけた。

 

 

 

 

リリア《ロロさま!ただいま馬神 弾を連れて戻りました!》

 

 

 

???《イヤ……何で私に対する業務報告だけ敬語に……まあいいや……入ってくれ!》

 

 

 

 

 

そう聞こえたのは若い男性の声。弾はリリアに連れられて扉を開けて中に入った。その部屋には真ん中に円卓が置かれており、席には四つの席以外は満席だった。座っている面々を見て弾は、一目で創界神と分かるオーラを感じ取れた。弾はリリアの隣に座り、そして正面の銀髪の青年……多分この人(人じゃないが…)がロロだと察する。

 

 

ロロ《……さて…はじめましてだね…私がウルの主神でグランロロの創造主…ロロだ…馬神 弾君…歓迎するよ…!リリアもお帰り…少しは仕事をしてくれる気になったのかな……!?》

 

 

 

弾「こちらこそよろしくお願いします…馬神 弾です。」

 

 

 

リリア《え、イヤ~それはメンゴ……》

 

 

 

ロロの自己紹介に丁寧に返事を返す弾とロロの嫌みにつまるリリア。するとリリアの隣の、こちらも腕が四つある男性がリリアに話しかける。

 

 

 

 

???《全くそうですよ!先生!!最近はいつも幻想郷に遊びに行って!!僕、スッゴい大変だったんですから!!》

 

 

 

リリア《…お、落ち着いてミクス君!!これにはふかーい事情が…》

 

 

 

???《イヤ…どうせ地域査察だって言って遊んでたに決まってる……》

 

 

 

???《まぁ、ありそうだよね~》

 

 

 

 

そうリリアを先生と呼んだ青年……ミクスがリリアを問い詰めると、紫のゴスロリのような服を来た少女と反対に金髪で明るい印象の少女がそれに追随する。すると弾の反対側の隣に座っていた紫の髪の女性が弾に話しかけた。

 

 

 

アレックス《あ!はじめまして!僕、アレックスって言います。え~と…紫の世界の創界神です。一応、この面子では一番年下だったので何か分からなかったら聞いてください。》

 

 

 

弾「ああ、よろしく。」

 

 

 

???《ああ!もう!リリアさんのことはおいといて……私ラピス!黄色の世界の創界神で天使達を束ねてます!こっちはルチルで、暗い性格だけどいい子だからよろしく!!》

 

 

 

???《…ルチルです…一応…青の世界の創界神です……よろしく……》

 

 

 

 

少し遠い席から話しかけてきた二人だったが、弾は思ったよりフレンドリーな人が多いと思った……その隣の渋めの男性を除いては……

 

 

 

???《…ああ…あまり固くならないでくれないか…生まれつき…こういう顔なんだ……私はグレン…赤の世界の創界神で鍛冶職人だ。何か修理して欲しいものがあるならいつでも言ってくれ。》

 

???《本当にいかついのよね…私はアンターク。アルティメットが住んでいる世界の創界神で、小説家でもあるわ。私も昔、タイムスリップしたことがあるのよ?後であなたの話も聞かせてね♪》

 

 

 

ミクス《あああ!挨拶が遅れました!自分、ミクスと言います!他の創界神との交渉人とリリア先生の助手を勤めています……いつも先生がご迷惑を……》

 

 

……創界神ってこんな感じなのか……弾の率直な感想だった……そしてミクス……大変だな……そう思った後、弾はロロにさっきから気になっていたことを尋ねた。

 

 

 

 

弾「あの……そちらの空席は……?」

 

 

 

 

ロロ《…別にため口でも構わないよ……ああ…実は、以前君がマギサに会いに来た時のドタバタの後始末をしていて、この二人は来れないんだ。》

 

 

 

ミクス《緑の世界の創界神であるマナカさんと白の世界の創界神のケイさんですね…》

 

 

リリア《…一言でいえば…バカップルよ……》

 

 

 

グレン《もう少し詳しくいうと、マナカさんは非常に優しい男であり、昔は世界から戦乱を無くした大英雄だ。》

 

 

 

ルチル《ケイさんも、昔の赤の世界に生まれて世界を良くしようと奮闘していたんだよ~……いろいろやっちゃったこともあったけど……》

 

 

アンターク《後…今度あったら絶対にケイさんに炊事洗濯をさせないで……女子力が死んでいるから……》

 

 

アンタークのマジ顔に心のメモ帳にそのことを書き記した弾であった……………そして、一通りのことを話した後、弾はお土産を差し出した。

 

 

 

 

弾「…一応…つまらないものですが…お土産を……」

 

 

 

アレックス《え!これはどうもどうも………》

 

 

 

そう言って弾が幻想郷から持ってきたものは………

 

 

 

 

ミスティアの屋台の八ツ目鰻

幽香が生けた枯れない花束

幽々子御用達の団子屋の団子

守矢神社の加奈子お手製の漬物

さとりから貰ってきた温泉卵

 

 

しかしそれ以上に受けたのが…………

 

 

 

 

ルチル《…綺麗な所ね……》

 

 

 

アレックス《…リリアさんが入り浸るのも頷けます。》

 

 

 

ロロ《…私のグランロロ名称百選にもひけをとらないな……》

 

 

 

射命丸とはたてが撮った幻想郷の名称百景である。やはり、幻想郷の大自然と人間と妖怪の交流が生む文化は創界神達には非常に気になったようである。するとロロは弾にこう言った。

 

 

 

ロロ《そうだ…もうすぐ私はオリンに出掛けるのだが…どうだ弾…一緒についていくか?オリンの主神はそんなに厳しい男ではないから心配はない。リリアも里帰りにどうかな?》

 

 

 

リリア《…まぁ…久しぶりにはいいかしら…弾…ちなみにオリンの主神は神世界最強のカードバトラーよ……》

 

 

弾「…!…なら……行かない訳にはいかないな……!」

 

 

 

ラピス《うっわ…凄い目付き……》

 

 

……助けてえーりん………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神世界 オリン オリュンポス 神殿前

 

 

 

 

ロロとリリアに連れられて、弾はオリンの主神の世界、オリュンポスにいた。扉の前でリリアは深呼吸をしている。

 

 

 

 

弾「なぁ、リリア…リリアってオリン出身なのか?」

 

 

 

リリア《…まあね~正確にはオリン十二神にはいないけど同じ位の力を持っている冥府の神の右腕をやってたわ…その後に見聞を広めるために、オリンを飛び出してグランロロに流れ着いたのよん……後はサジット達が言ってた通りに星の女神になったわ。》

 

 

 

ロロ《…さて…そろそろ開けるぞ……》

 

 

ロロが扉に声をかけようとしたそのとき……!!

 

 

 

???《あれ!?へカテーちゃん!久しぶり~!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


ウルの創界神は一応、この作品では出きりました。以前、マナカとケイが永遠亭に来た時、弾と初対面だったのはこの話で言っていた通りです。後…剣編の二人とミクス君は創界神になりますよね………

後、リリアさまの出身をオリンにしました。これはへカーティアの元ネタの女神がギリシャ神話の冥府の女神だったのでこうしました。

ちなみに…最後に出てきた人物はオリ創界神です。でも自分の予想だと後々公式でも出てくると思います。

ミクス

ウル所属の創界神 真面目な性格でリリアの自由さにいつも振り回されている。交渉人としても優秀で、神世界の戦争時も手際よく交渉の席を設けた。ヘルメスやトトと同じく苦労人。

ラピス

ウル所属の創界神 性格は今時の女子だが、根はしっかりしている女の子。元は天使だったので天霊スピリットを従えている。同じ天霊を操るイシスは憧れ。あまり喋るのが得意でないルチルやグレンに代わってよくしゃべる。

ルチル

ウル所属の創界神 暗い性格だが優しい子。ケイのような立派な女性に憧れているが、女子力は勝っているそう(向こうはマイナスだが)ウルの創界神の中でも屈指のスタイリストで衣装には死ぬほど気をつかっている。

グレン

ウル所属の古龍と剣刃の創界神 生まれつきのいかつい顔のせいでだいたいの面子には怖がられる。昔はラピスやルチルと一緒に聖剣の修復を行った。オリンのヘファイストスの鍛冶の腕を目標にしている。

次回予告 対決!ゼウスVS弾!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

対決!!ゼウスVS弾!!

予言する!!絶対この創界神は超煌臨編に出る!!

あと、第二章のスピリット達が公開されましたが……スサノヲ…ゴッドシーカー二つあるとか…ボーン・ダイルの赤青版の効果も…なんかあからさまに子フィンクスメタもあるし…でも…少しパーツが残念……それよりも殻人や甲竜が効果が強いのが多いですねぇ……こりゃ環境が荒れますね………


中に入ろうとした三人を呼び止めたのは農作業服を着て、手に野菜が入った籠を持っている妙齢の女性だった。

 

 

リリア《…あ!デメテル!久しぶり~!!ペルセポネさまは元気!?》

 

 

デメテル《元気よ!最近は帰ってくるのが遅くて心配なんやけど……》

 

 

弾「…この人は?」

 

 

ロロ《…オリン十二神の一人で豊穣の女神のデメテルだ。主神のゼウスの姉でもある……ちなみに先ほど言った、リリアが仕えていた冥府の神の妃は彼女の娘なのだ。デメテル、私達はゼウスに会いに来たのだが……入っても?》

 

 

 

デメテル《ええよ!あんな尻軽男に遠慮なんて要らへんわ!》

 

 

そう言いながらデメテルは扉を開ける。そこには十二個の大きな玉座があり、その真ん中では………

 

 

 

???《…あなた……また…浮気したやろ……?》

 

 

???《いやいやいや!そんなことは断じて…》

 

 

???《…そういえば…可愛かったわね…あの金髪の娘…》

 

 

???《ん、黒髪だった……………あ………》

 

 

 

 

……………もう皆様はお分かりであろう……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼウス《……おお…へカテー…久しいな…グフ…》

 

 

ヘラ《……本当にかんにんな~姉さんや客人の前でこないな無様な真似を……》

 

 

リリア《……変わってないわね………》

 

 

デメテル《…ほんで、その赤髪の少年は?新しい創界神?》

 

デメテルの言葉にロロは弾を紹介した。そして、弾が最強のカードバトラーだと聞くと………

 

 

デメテル《ならゼウスとどっちが強いん?気になるし、こいつとバトルしてくれへん?》

 

 

弾「ああ、そのつもりでオレはここに来た。」

 

 

ヘラ《…ほら!ゼウス!起きなさい!そしてちゃっちゃと準備する!!》

 

 

 

そう言って、ヘラは倒れているゼウスを蹴って起こそうとする……最高神ェ…………

 

 

 

ゼウス《痛い痛い!わかった!少年よ!手加減はせんぞ!!》

 

 

 

 

弾 ゼウス 《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾は蟹甲竜キャンサードラゴンを召喚してバーストをセット。

 

 

第2ターン ゼウスはゴッドシーカー サンダー・Z・ウィゼルを召喚。効果で三枚オープンしてその中の創界神ゼウスとサンダー・Z・ウルフを回収した。さらに創界神ゼウスを配置してコアを二つ、置いた。

 

 

第3ターン 弾は水瓶竜アクエリジャードラゴンを召喚してそのままアタック。星読でめくったカードは創界神ダンだったので手札に加わり、さらにドローした。これをゼウスはライフで受けた。

 

 

第4ターン ゼウスはサンダー・Z・ウルフをレベル2で召喚して、バーストをセット。アタックステップではサンダー・Z・ウルフでアタックして、効果でワンドローすることで回復した。さらにキャンサードラゴンを指定アタックして破壊したが、星読の効果でオープンされたカードがセフィロ・シープだったのでそのままフィールドに残った。

 

 

 

そしてバトルは第5ターンに差し掛かる。

 

 

 

デメテル《へぇー!強いやん!あの少年!!》

 

 

 

弾「メインステップ。樹星獣セフィロ・シープを召喚してコアを増やす。さらにオレを配置して三枚トラッシュへ!コアを二つ置いて、光導カードを回収!アタックステップ!アクエリジャードラゴンでアタック!星読でオープン!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタを手札に加えてドロー!!」

 

 

 

弾の効果で落ちたカードの内、地星兵リブライヴァと水瓶機アクエリーズナーを手札に加えた。さらにアクエリジャードラゴンが水瓶を振るって飛び出した。

 

ゼウス《…手札が尽きないな……ライフで受けよう。そしてバーストを発動!ディメンションシールドの効果でアタックステップを終了させる!!》

 

 

アクエリジャードラゴンのアタックがライフを砕いた後、ゼウスのバーストから氷のシールドがそびえ立った。

弾「ターンエンド。」

 

ゼウス《メインステップ。サンダー・Z・ゴリラを召喚!そして太古の獣!皇獣王Z!!アタックステップ!皇獣王Zの効果でトラッシュのコアを回収して手札から召喚!!龍星の射手リュキオースよ!その忠義の祈願を見せよ!!効果でコアを儂に追加してキャンサードラゴンを破壊!!》

 

 

ゼウスのフィールドに腕がエンタシスのゴリラと皇獣王Zが登場して、皇獣王Zの炎からリュキオースが現れた。そしてコアをゼウスに置いてキャンサードラゴンを矢で撃ち抜いた。

 

ロロ《…フム…難しいな…》

 

 

弾「ふふふ…キャンサードラゴンの破壊時の効果で星読を使う!めくったのが十二星槍ゾディアックランサーなので回収し、キャンサードラゴンはフィールドに残る!

 

さらに相手の召喚時効果発揮によってバースト発動!!闇星魚ピスケガリオットの効果で皇獣王Zのコアを全てリザーブに置く!!」

 

 

リュキオースの矢がキャンサードラゴンを撃ち抜いたが、星の力でフィールドに残る。そしてリュキオースの召喚時効果をトリガーとして弾のバーストから二体の鎖で繋がった魚が皇獣王Zを消滅させながら現れた。

 

 

ゼウス《ぬぅ…ターンエンド…》

 

 

リリア《うまいわ…大概のデッキには召喚時効果持ちのスピリットが入っているからね。》

 

 

弾「メインステップ。セフィロ・シープをもう一体召喚。神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタを召喚!!アタックステップ!サジッタでアタック!効果で界放を使う!!BP12000以下のスピリットのリュキオースを破壊!!」

弾の後ろからストライク・ジークヴルム・サジッタが登ってくる。そして飛び上がると炎を吐いてリュキオースを燃やし尽くした。

 

ゼウス《…フラッシュタイミング!マジック!Zフレイム!!BP15000まで破壊する!セフィロ・シープを二体!ピスケガリオット、そしてストライクジークヴルム・サジッタを破壊!!》

 

 

ゼウスの手から炎が迸り、弾のスピリット達を焼き尽くした。

 

弾「さすがに簡単にはいかないな…ターンエンド。」

 

 

ゼウス《メインステップ!サンダー・Z・ウィゼルをレベル2に上げて、そのまま煌臨!!迸る稲妻!鳴り響く雷鳴!サンダー・Z・レオン!!レベル3に上げてアタックステップ!サンダー・Z・レオン!!行け!!儂の神技の効果でエクストラターンを追加する!!》

 

 

弾「来たか……凄い迫力だ……しかもエクストラターンか……」

 

 

サンダー・Z・ウィゼルが雷を纏ってサンダー・Z・レオンへと変わり、ゼウスの雷が鳴り響く中、駆け出した。

 

ゼウス《アタック時効果!ライフが三以下なので煌臨元のZスピリットの数だけライフを砕く!!》

 

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!ライジングキャンサー!!サンダー・Z・レオンとサンダー・Z・ウルフを重疲労させる!!そのアタックはアクエリジャードラゴンでブロック!」

 

 

サンダー・Z・レオンの雷が弾のライフを貫くが、弾の手札からの雷も炸裂して二体を重疲労させた。しかし、サンダー・Z・レオンの前足がアクエリジャードラゴンを叩き潰した。

 

 

ゼウス《バトル終了時に手札のサンダー・Z・クレインを下に加えて回復。ターンエンド……そしてもう一度儂のターン!だがメインステップは行えん。そのままアタックステップ!サンダー・Z・レオンでアタック!!効果で二点、ライフを貫く!!》

 

 

サンダー・Z・レオンが再度駆け出す。しかし弾は不適に笑うと……

 

 

弾「フラッシュタイミング!オレの神技でサンダー・Z・ゴリラを破壊!!さらにマジック!クローズドジェミニ!バトルを強制的に終わらせてこのターンの間、オレのライフは一しか減らない!!」

 

 

弾の衝撃波がサンダー・Z・ゴリラを吹き飛ばし、手札からの黄色の光がサンダー・Z・レオンを引き下がらせた。

 

ゼウス《耐えたか……手札のスピリットを下に加えて回復……ターンエンド!》

 

 

リリア《ん~これは決まったわね…》

 

 

デメテル《それは少し早計ちゃう?》

 

 

リリア《……すぐに分かるわ……》

 

 

弾「メインステップ!十二星槍ゾディアックランサーを召喚!!そして召喚!!牡牛座よりきたる金色の神!神をも焼くその稲妻!金牛龍神ドラゴニック・タウラスX!!コストはキャンサードラゴンから確保!よって消滅。そしてゾディアックランサーと合体!!レベル3に!!」

 

 

キャンサードラゴンのコアを使い、星空の牡牛座から光が落ちるとドラゴニック・タウラスが現れる。そしてそのまま尻尾でゾディアックランサーを握りしめて大きく咆哮した。

 

タウラス《うおっしゃぁぁぉぁぁぁぁぁぁ!!》

 

 

弾「アタックステップ!ドラゴニック・タウラス!サンダー・Z・レオンに激突せよ!!」

 

 

ゼウス《サンダー・Z・レオンでブロック!!》

 

 

ドラゴニック・タウラスがサンダー・Z・レオンにぶつかったそのとき!!

 

 

弾「ドラゴニック・タウラスの効果でブロックされたスピリットよりシンボルが多い分、ライフを減らす!さらに星界放を発動!!オレのコアを二つ置いて、シンボルを一つ増やす!よってライフを二つ砕く!!」

 

 

タウラス《力が漲る!魂が燃える!!》

 

 

タウラスのシンボルがサンダー・Z・レオンのとぶつかり合い、多かった二つがゼウスのライフを撃ち抜いた。そしてサンダー・Z・レオンの雷とタウラスの雷が空中でぶつかる。

 

 

タウラス《オレの雷が迸る!!!もう!誰にもとめられねぇ!!!!》

 

 

タウラスの目が赤く染まると、雷も赤くなってサンダー・Z・レオンをフィールドへ叩きつける。そしてゾディアックランサーをまっすぐに構えると一直線に突進してサンダー・Z・レオンを貫いた!!

 

 

弾「ゾディアックランサーの効果でライフを貰う!これで最後だ!!」

 

 

ゼウス《がははははは!やるな!!ライフで受ける!!!》

 

 

ゾディアックランサーが最後のライフを破壊した!

 

 

 

 

 

 

デメテル《あんた凄いわね!これならラーにも勝てるんちゃう!?》

 

 

ヘラ《ほんまに凄いわ!ゼウスを倒すなんて!》

 

 

バトルの後、二人の創界神は弾の勇姿を褒め称えていた。そしてロロとゼウスの話し合いが終わったようだ。

 

 

ロロ《さて…リリアはハデスの所に寄ってくから、いいとして……私達はそろそろおいとましようか。》

 

 

デメテル《…もうちょっと…ゆっくりしていけばいいのに……まぁ忙しいからしゃあないか…》

 

 

 

弾「また遊びにくるよ。その時は他の創界神に会えるといいな。」

 

 

リリア《……あいつら皆、変人よん……?》

 

 

この時はその神々と異変で知り合うとは誰も思ってはいなかった……………

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

以前、弾が言ってたゼウスとのバトルでした。ドラゴニック・タウラスXも書けてよかったです。ラーとのバトルも書きたいですね………


そしてオリ創界神のデメテルが登場です!元ネタのオリンポス十二神は他の神は出ているので、たぶん出るでしょう。系統は……豊穣の神だから漂精とか?

デメテル

オリン所属の創界神 ゼウス、ポセイドン、ヘラの姉で豊穣の女神。気に入ったからか関西弁で話す。おおらかな性格で、自ら畑仕事をして収穫した野菜を他の創界神にお裾分けしているが、その際に畑仕事に誘われるので、皆少し遠慮がち。娘のペルセポネを溺愛する親バカ。昔、ペルセポネが結婚するとなった時はオリン全土を不毛の地に変えて反対したほど。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

英雄二人

今回はマナカさんとケイさんをピックアップしていこうと思います。


メジェド退治から一週間後……幻想郷 人里

 

 

 

 

マナカ《…いいところだねぇ…》

 

 

 

ケイ《…そうだな………》

 

 

 

この二人は、異変のせいで延期にしていた幻想郷デートを楽しんでいた。あまりグランロロでは見られない和洋折衷の文化は二人を満足させたようだ。

 

 

 

マナカ《あ!あそこに呉服屋があるよ!着物とか試してみない!?レンタルOKって書いてるし!》

 

 

 

ケイ《…そ、そうだな…ま、マナカが選んでくれるなら……》

 

 

 

……だいたいケイはマナカの提案を断れない…それも惚れた故のことである……しかしマナカもそうなのでこの二人はバカップルと言われるのだ……そしてマナカは中華風の服に、ケイは輝夜が着ている服の裾を少し短くしたような洋服(着物風)に着替えた。

 

 

 

 

マナカ《ケイ~似合ってるよ~》

 

 

 

ケイ《…!!!………》

 

 

 

マナカの言葉にケイの顔は彼女の髪と同じ位に赤くなった。そして、お洒落をした二人は里を歩いていたが、すれ違った老若男女が思わず振り返るほどに輝いていた。そんな事も知らずに二人は小腹を満たすために団子屋を訪れた。

 

 

 

 

マナカ《…すいませーん!みたらし団子六本くださーい!!》

 

 

店主「ああ!すまないね!あんちゃん!今日はもう売り切れちまったんだ!」

 

 

 

ケイ《…マナカ…たぶん…彼女が買い漁ったのでは?》

 

 

 

店主の言葉に凹んでいたマナカはケイが指を指した方向を見てみる。そこには道士服を着てピンクの髪をした女性が手に大量の団子の袋を抱えていた。

 

 

 

 

???「危なかった……あの店の団子は人気だから早めに買わないと……」

 

 

 

マナカ《…小さな子供達にでもあげるのかな~?》

 

 

 

店主「あんちゃん、彼女は常連のお客さんでね。うちの団子をえらく気に入ってくれてるんだ。たぶん、あれは全部自分用だと思うぜ。」

 

 

 

店主の言葉にへぇ~と答えてまた別の店を探そうとケイの方向を振り返ったマナカだったが………

 

 

 

マナカ《…ケイ…?どうしたの?なんか……禍々しいオーラが出てるけど……》

 

 

 

ケイ《……あの……あの小娘が……私とマナカのデートを……!!!》

 

 

そう呟いたケイは全速力で買い漁った彼女の後を追って行った。それを見てマナカは慌てて着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社

 

 

 

 

 

 

萃香「……ふんぎゃぁぁぁぁぁ!負けたぁぁぁぁ!」

 

 

 

霊夢「…言ったでしょ…強すぎるって……」

 

 

 

弾「なかなか手強かったけどな。」

 

 

魔理沙「その割にはえげつないバトルだったと思うぜ……」

 

 

 

紫「萃香、弾に勝つならまず私を倒さないと無理よ?」

 

 

 

境内で転がっている萃香にそんな声をかける四人。お分かりであろうが、萃香と弾がバトルして弾が勝った……それだけである………するとそこに……

 

 

 

???「…げ、萃香……まぁ、仕方ないわ……霊夢!いますか!?」

 

 

 

霊夢「…うぇぇ、この声は………」

 

 

 

人里方面の道から聞こえてきた声。その声にいやぁな顔をする霊夢。頭に二つのシニョンの帽子を被り、右腕に包帯を巻いている彼女は弾を見ると、不思議そうに話しかけた。

 

 

 

 

???「…霊夢…彼は?もしかして先日の結界のヒビと何か関係が……!!?」

 

 

 

魔理沙「…お前…知らないのか……?」

 

 

 

萃香「そーいやー三月ほど前から、なんやら修行と称して引きこもってたからねぇ……知らないのも当然か……」

 

 

 

紫「弾、彼女は茨木 華扇。映姫みたいに説教好きの仙人よ。」

 

 

 

華扇「誰が説教好きですか!!そして彼は一体、どこの誰なんですか!?」

 

 

 

そう叫ぶ華扇に弾は「前に映姫をからかった時もこんな反応を見せていたなぁ」と呑気に考えていた。そして叫んでいる彼女に紫は説明する。

 

 

 

紫「…彼は馬神 弾よ。3ヶ月ほど前にこの世界の守り神になった私の夫……」

 

 

萃香「…!危ない!」

 

 

 

そう言い終わらないうちに、何処からか矢が飛んできて紫のすぐ側を通り抜けて神社の石畳に突き刺さった。紫が首を傾けていなければ直撃したコースだ。華扇以外のメンバーは誰が矢を放ったか、簡単に検討がついた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭

 

 

 

ツクヨミ《……永琳…どうした…?突然、矢を放って……》

 

 

 

永琳「…なにやら悪い虫の気配を感じたもので……」

 

 

 

輝夜 依姫 豊姫「「「こっえぇぇぇ……」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び博麗神社

 

 

 

 

 

華扇「この世界の守り神?創界神?……紫…あまり面白い冗談ではありませんよ?まぁ…霊夢に巫女としての自覚を持たせるために擁立したのなら納得できますが………」

 

 

 

霊夢「ちょっと!!あんたもその手にいっぱい団子を抱えてるじゃない!俗っぽいわね!」

 

 

 

萃香「それよりマズイ!紫……!」

 

 

 

萃香が振り返ると案の定、紫からオーラが立ち上っていた。もちろん黒いオーラである。そこで弾は紫の頭に手を乗せる。

 

 

 

紫「…あ…………」

 

 

 

弾「落ち着け、まゐ…最近、短気になったんじゃないか?オレは大丈夫だよ。」

 

 

 

紫「……うん……」

 

 

……さすがは弾さん…紫の頭をナデナデすると、紫はまるで小動物のように大人しくなった。しかし!!!

 

 

 

魔理沙「…げ!!!」

 

 

霊夢「今度は何!!?」

 

 

どっっがぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!

 

 

 

 

 

今度は妖怪の山の方角からエネルギーの槍が飛んできて、神社の石畳を粉砕した………もちろん、犯人は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山 河童の工房

 

 

 

 

今、ここには幻想郷一のエンジニアである河童の技術を見ようと、何人かの創界神が見学をしていた。すると案内役の加奈子がとある女神の様子がおかしいので尋ねた……

 

 

 

加奈子「……一体…どうされましたか?」

 

 

 

トト《…加奈子さん…今彼女に話しかけない方がいいです……》

 

スサノヲ《………女ってこえぇぇ……》

 

 

 

 

その目線の先には……鷹の如く鋭い目付きで、真っ黒いオーラを纏い、博麗神社を睨み付けているアテナがいた………

 

 

 

 

 

アテナ《………私の弾に……手出しはさせません…!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…な、何なんですか!?さっきから変なものが次々と《見つけたぞ!!》きゃあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

弾「ケイさん!?」

 

 

 

他の全員が頭を抱えていると、やっと反応をできるようになった華扇。その脇腹に飛び蹴りをかましたケイ………その後ろからマナカが華扇が蹴られた時に空中に舞った団子の袋をキャッチして、霊夢達に事情を説明した。

 

 

ケイ《貴様!!貴様が団子を買い漁ったおかげで私とマナカのデートの雰囲気が悪くなったではないか!!この淫乱ピンク!!》

 

 

 

華扇「イテテ…はぁ!?誰が淫乱ですか!!?この………この………」

 

 

起き上がった華扇は反論しようとしたが、ケイの見た目に何一つ欠点を見いだせずに黙るしかなかった……ちなみにケイの欠点は女子力のなさである(女死力ならマックス)。

 

 

 

 

ケイ《この……!弾!この娘は私が斬る!》

 

 

 

マナカ《ちょっと、ケイ!弾君も彼女に認めて欲しいみたいだから、一緒にバトルしたら?》

 

 

弾「あ、ああ。あんたのデッキでバトルすれば問題ないだろ?」

 

ケイ《よし!それだ!いくぞ!!》

 

 

 

そう言って弾の中に入ったケイに続いて、マナカも謝りながら入った。そして、弾は華扇に話しかける。

 

 

 

 

弾「もし、オレとバトルしてオレが勝ったら認めてくれないか?そっちが勝ったらそっちの要求を呑もう。」

 

 

 

華扇「……いいでしょう……!」

 

 

 

弾 華扇「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…まずは私から……メインステップ。ドラマルを召喚してネクサス、故郷の山に似た山を配置。ターンエンド。」

 

 

華扇のフィールドに薙刀を持ったブレイドラが現れ、後ろに大きな山がそびえ立った。

 

 

 

萃香「華扇はいつも通りの武竜デッキか……」

 

 

弾「メインステップ。創界神ケイを配置!効果でデッキから三枚トラッシュへ置いて、コアを二つ追加する。そしてさらに創界神マナカ!こちらもカードを三枚トラッシュに置く。対象は一つなので置くコアは一つ!」

 

 

 

 

ケイ《ふん!!》

 

 

 

マナカ《……弾君……ごめんね……》

 

 

 

 

弾の後ろに、やる気満々のケイと申し訳なさそうなマナカが現れた。

 

 

弾「いや……大丈夫です……そしてバーストをセット。この時、マナカの効果でコアを増やす。ターンエンド。」

 

 

 

 

華扇「……メインステップ…こちらもバーストをセット。鬼武者ライザンを召喚。さらにマジック、ソウルドローを使用します。ソウルコアを使って三枚ドロー……」

 

 

 

華扇のマジックが、彼女の手札を一度に三枚増加させた………一度に三枚である…………

 

 

 

 

弾「相手の効果で手札が増えたので、バースト発動!!闇輝石六将フェンリグ!!このスピリットを召喚した後、相手の手札、フィールドのカードを四枚指定する!そのカード以外のカードを全てデッキボトムへ!!!フィールドの四枚を指定!!」

 

 

 

霊夢「…うわぁ…えげつない……」

 

 

 

弾のバーストが開くと、そこから機械の獣に乗ったこれまた機械のスナイパーが飛び出してきた。そしてフェンリグが白い衝撃波を放つと、華扇の手札を全てデッキボトムに返してしまった。

 

 

 

華扇「な!!!?…仕方ないです……ドラマルでアタック!

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

 

フェンリグの体を飛び越えて、ドラマルの薙刀がライフを貫いた。

 

 

華扇「…ターンエンドです……」

 

 

 

弾「メインステップ。バーストをセット。アタックステップ!フェンリグでアタック!フラッシュタイミングでケイの神技を使う!バーストを無条件で発動!!天空の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!召喚時効果でドラマルを重疲労!そしてさらにバーストをセットする!」

 

 

 

ケイ《そいや!!》

 

 

マナカ《…緑のロードははじめましてだね……》

 

 

 

フェンリグが駆け出すと、ケイが腕を交差させて紋章を作り出す。するとバーストが開いて、天空から緑のバゼルが舞い降りた。

 

 

 

華扇「…ライフで受けます!バースト発動!!炎龍刀オニマル!バースト効果でライザンをBPプラス10000して召喚します!」

 

 

 

今度は華仙のバーストが開いて、吹き上がった炎から一本の剣がフィールドに突き刺さった。

 

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

 

華扇「……苦しい……メインステップ!故郷の山に似た山の効果でコストを軽減!連なる刃!無双の龍!戦国龍ソウルドラゴン!!レベル2で召喚!!オニマルと合体です!」

 

 

 

上空に炎の球が現れて、その中から赤い鎧を纏ったドラゴンがフィールドに降り立ち、オニマルをその手に構えた。

 

 

 

ケイ《ほう……ヤマトに負けぬほどのドラゴン……相手にとって不足なし……!》

 

 

華扇「アタックステップ!ライザンでアタック!効果でドローして真・激突です!」

 

 

弾「……バゼルでブロック!」

 

 

 

バゼルが風を起こしてライザンの足下を崩すと、剣で切り裂いた。

 

 

 

華扇「これであなたのブロッカーはゼロです!ソウルドラゴンでアタック!」

 

 

 

弾「ライフで受ける……そしてバーストを発動!!比翼連理のドラゴン!!六楯神龍ヒヨク!!効果でドラマルを破壊して、マナカの神域によりライフを砕く!」

 

 

 

マナカ《…そおーい!》

 

 

 

ケイ《これが私達の愛の化神だ!!》

 

 

 

 

ケイとマナカから六色のオーラが迸り、天空から黒と白のドラゴンが降臨した。さらにヒヨクが炎でドラマルを破壊すると、マナカが手に持っている槍を投げつけて華扇のライフを破壊した。さらにヒヨクの効果は続く…………

 

 

 

 

弾「そして手札のライフ減少後のバーストを発動!!バースト転召!!バゼルのコアをボイドに置いて召喚!悪を滅する正義の龍!超覇王ロード・ドラゴン・セイバー!!そしてライフを五つに増やす!!」

 

 

 

 

ヒヨクが咆哮した後、バゼルが赤と白の気に包まれる。そしてそこから四足で大きな翼を持ったドラゴンがフィールドに降り立つと、大きく咆哮した。

 

 

 

 

魔理沙「……あいつらしい逆転劇だぜ……」

 

 

 

華扇「…オニマルの効果でトラッシュのソウルコアを回収してソウルドラゴンは回復……ターンエンド…」

 

 

 

弾「メインステップ。バーストをセット!セイバーのレベル3に上げる!アタックステップ!セイバーでアタック!効果でライフを自身に置いてBPプラス5000!ライフが減少したのでバースト発動!!騎士の覇王ソーディアス・アーサー!!ソウルドラゴンのコアを三つトラッシュへ!さらにセイバーは回復!!」

 

 

 

 

マナカ《…ロード…アーサー……こんなバトルに呼んで悪いね………》

 

 

 

セイバーがライフをエネルギーにして、スピリット達に力を与える。そしてバーストから紫の騎士が現れて、ソウルドラゴンのコアを外した。

 

 

 

華扇「ソウルドラゴンでブロック!!」

 

ソウルドラゴンがオニマルを構えて迎え撃つ。しかし、セイバーは炎と氷の球を生成して放つ。ソウルドラゴンはそれを難なく斬ったが、氷がまとわりついて動けなくなってしまった。その隙にセイバーは前足にエネルギーを貯めて振り下ろして、オニマルごとソウルドラゴンを破壊した!!

 

 

 

弾「もう一度セイバーでアタック!」

 

 

 

華扇「…ライフで……」

 

 

セイバーが火炎放射でライフを二つ、破壊する。

 

 

 

弾「ソーディアス・アーサーでアタック!」

 

 

 

華扇「…ライフで受けます……」

 

 

 

ソーディアス・アーサーの剣がライフを一刀両断する。

 

 

 

 

弾「とどめだ!ヒヨクでアタック!!」

 

 

 

ケイ《ラブ&ピース!フィニッシュ!!》

 

 

 

マナカ《ちょっと!!サジットとタウラスに怒られるよ!!》

 

 

ヒヨクが螺旋状の炎を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナカ《おいしーい!》

 

 

 

ケイ《…まぁ…この団子に免じて許そう…》

 

 

 

あの後、全員縁側でバトルの戦利品の団子を頬張っていた。何だかんだで華扇も、久しぶりの人との食事だからか、満更でもないといった感じだ。

 

 

華扇「…大変失礼いたしました……まさか本当に神でいらっしゃったとは……」

 

 

弾「…そこまで崇めなくても……」

 

 

霊夢「…あんな簡単に石畳治したら崇めちゃうわよ………」

 

 

 

 

 

その日はそんな感じで過ぎていった…………

 




はい。ありがとうございました。


後日談だと、なるべく1話で終わらせたいので長くなってしまいます。でも華扇を書けたからいいや!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリンの飲み会

今回はオリンの残りの創界神を書いてみます。一応、背景世界では名前だけの登場なので、少し自己解釈が入ります……


オリン とある世界の神殿………

 

 

 

 

 

 

ゼウス《…えー……第………何回だっけ?…まぁ、いいじゃろ!飲み会だぁぁぁぁぁ!!》

 

 

 

 

うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!

 

 

 

 

今日はオリンで定期的に開かれる飲み会の日。そこにはオリン十二神のほとんどが集まる。今回のメンバーは……

 

 

 

ゼウス、ポセイドン、ヘラ、デメテル、アポローン、アルテミス、アテナ、アプロディーテ、ヘルメス、アレス、デュオニソス、ヘファイストス、ペルセポネである。そしてなぜかいるヘカーティアと弾……

 

 

 

ヘルメス《…あ!ハデスは忙しいから欠席だって!》

 

 

 

アレス《…またか…ああ…お前さんが馬神 弾だな?オレはアレス。一応、軍神なんだ………あんまり勝てた覚えないけど……》

 

 

 

ペルセポネ《…昔、スサノヲにぼこぼこにされてたわよね……あ、私はペルセポネです……母がご迷惑を……》

 

 

 

デュオニソス《ヘイヘーイ!少年!オレはデュオニソス!!オリンのパーティーにゃオレがいる!楽しんで行こうぜ!》

 

 

 

ヘファイストス《……あ…ヘファイストスだ……あまり…喋るのは…得意じゃないんだ……よろしく……》

 

 

 

……慣れって怖いな……弾は創界神はだいたいこんな感じだと分かっていたので、もう戸惑うことはなかった。そして、全員がジョッキを一飲みした時、アプロディーテが話し出す。

 

 

 

アプロディーテ《はいはーい!たぶん、知らない人もいるので、改めて発表しまーす!なんと………!!アテナに男が出来ました~!!!!》

 

 

 

…当然、知らない創界神は耳を疑った。

 

 

 

アレス《……あれ?今日ってエイプリルフールだっけ?》

 

 

ヘファイストス《……マジ……?》

 

 

 

デュオニソス《……酔いが覚めた……》

 

 

 

ペルセポネ《……まさか…私と同じように…誰かに強引に……♥️》

 

 

 

デメテル《マジで!!?どこの誰と付き合うてるん!?》

 

 

 

アテナ《違います!》

 

 

 

アプロディーテの言葉に慌てて否定するアテナだったが、顔が赤くなっているので、誤魔化しきれていない。他の面子はウンウンと頷いている。

 

 

 

ヘカーティア《…実はね!まだそいつには告ってはないんだけど、いい感じよん!》

 

 

 

アポローン《…いや…いい感じか……?》

 

 

ヘルメス《正確には、まだ付き合ってはなくて、片思いでアタック中……そんな感じだよ…》

 

 

 

ペルセポネ《はい!アプロディーテさん!馴れ初めを聞きたいです!!》

 

 

 

アテナ《やめなさい!それよりも、アルテミスの眠らせた男の方が面白いでしょう!!》

 

 

 

アルテミス《ブッッッッッッッ!!?》

 

 

……流石知恵の女神……手早く生け贄を用意した……アルテミスは突然の不意打ちに吹き出したが………

 

 

 

 

ゼウス《いや、それは皆知っとるやつだぞ……》

 

 

 

ヘラ《もう、そのネタの賞味期限は切れてるわ。》

 

 

 

弾「……悪い…オレも知ってる……」

 

 

 

アルテミス《ぬえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!やっぱり!!!?ポセイドンの冗談だと思ってたのにいぃぃぃぃぃ!!!》

 

 

アポローン《おお…妹よ…そんなアルテミスもかわい……っっっっっっ!》

 

ヘファイストス《…シスコン…ダメ…絶対…》

 

 

……知恵の女神の策…失敗……発狂しながら頭を抱えるアルテミスと、それに興奮したアポローンの爪先をおもいっきり踏みつけたヘファイストス。予定とはずれたが、このまま話が有耶無耶になってくれれば………だがアテナのそんな願いは叶わなかった……

 

 

 

デュオニソス《…ゴクゴク……ぷっはぁー!んで!?オレさまはアテナが惚れている男ってのに興味があるぜ!もしかしてこの少年とかかい!?》

 

 

ポセイドン《正解だ!デュオニソス!だからこそ、弾を今回の飲み会に誘ったのだ!!》

 

 

 

アテナ《……な…そ…そんなこと……》

 

 

 

デュオニソスがアルコールでテンションを取り戻して言い放った一言……それに対するアテナの反応で全員が理解した。さらにヘカーティアが追い討ちをかける……

 

 

 

 

ヘカーティア《…はーい!ここに証拠写真がありまーす!!》

 

 

 

ペルセポネ《おお!準備が良いわ!!ヘカテー!!》

 

 

 

アテナ《…な!!!?》

 

 

 

 

そう言ってヘカーティアは何枚かの写真を取り出した。ちなみにこの写真を撮った某烏天狗は「あややややや!!」と笑っていることだろう…………

 

 

 

 

アプロディーテ《…あら~これは人里で腕を組んで歩いている写真ねぇ~……普段のアテナとは全く違うわ……》

 

 

デメテル《………お!こっちは食事中の写真やね!…そんなアホな…アテナがあーんしとる……!!( ; ロ)゚ ゚》

 

 

 

アレス《……これ……完全に…アテナが服…選んで貰ってるよな…》

 

 

 

ヘルメス《…ちなみに弾……これ全部…本当だよね…?》

 

 

 

弾「……コクン……」

 

 

 

…今明かされる驚愕の真実……静かにジョッキを飲みながら頷いた弾に、知っていた連中も知らなかった連中もワイワイと騒ぎ始めた………

 

 

 

そしてそこからは、弾に質問が飛び交った。やれどこまで進んだ…やれどうやって口説いた……弾が諦めて事情を話すと……

 

 

 

ペルセポネ《…ロマンチック……アテナさんにとって……弾君は白馬の王子様ね……私も夫との出逢いを思い出すわ……》

 

 

デメテル《…うちはまだ認めておらんからね!!》

 

 

 

ヘラ《そろそろ、認めてあげたらどうや…?》

 

 

 

アプロディーテ《…でもライバルは多いわよ……今のうちにゼウスに挨拶でもしたら?》

 

そう話している女神陣に、男連中はさすがに聞きづらくなったのか、静かになったが…ようやく発狂から復帰したアルテミスが核弾頭を投下した………

 

 

 

 

アルテミス《……実は…私…見たわ……夜にアテナが弾にチューしてるの……》

 

 

 

………全員がシーンとなった………… そして…アテナからブチンという音が聞こえた気がした………

 

 

 

 

アテナ《全員……!表に出なさい!!!!》

 

 

 

ポセイドン《マズイ!!》

 

 

 

ヘファイストス《…アレス…!どうにかして…軍神だろう……!?》

 

 

 

アレス《オレ、アテナに勝ったことねぇよ!!!》

 

 

 

……流石のアテナでもここまで言われたら、ぶちギレるだろう……後少しでアテナイアーを出現させようとしたその時!!

 

 

 

 

弾「ちょっと待て、アテナ…!!」

 

 

 

アテナ《!!!!!?》

 

 

アテナを後ろから押さえた弾。アテナにとってこれはクリティカルヒットだった。

 

 

 

 

弾「……一流の創界神っていうのは……そんなに気が短い訳じゃないだろ?」

 

 

 

アテナ《……はい……申し訳ありません……》

 

 

 

全員驚いた。あのアテナが止まった処か…謝った……もうそこからは、その話題になることはなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲み会も終盤になって、全員酔いが回ってきたころ…

 

 

 

 

アプロディーテ《…あら弾…あなた案外、お酒に強いのね……》

 

 

弾「いや…萃香や勇儀達に鍛えられたからな……」

 

 

 

ヘカーティア《…幻想郷には蟒蛇が多いからねぇ……》

 

 

 

そう言って話している三人。アポローンとアレス、ペルセポネ、そしてポセイドンは酔いつぶれてグースカ寝ている。デメテルとヘラはヘルメスとデュオニソスに、旦那やペルセポネ関係の愚痴を聞かせている……アルテミスは笑い上戸なのか大笑い中…さすがに居づらいのか、ヘファイストスはゼウスと一緒に隅でこっそり飲んでいた。

 

 

 

 

弾「……案外……創界神って……人間じみてるよな……」

 

 

 

アプロディーテ《そうよ……思考は人間と変わらない…できないこともある……それでも私達は皆の期待に答えないといけない……》

 

 

 

弾「…それでも…オレはやる…!そうあいつらに誓ったんだ…!!」

 

 

ヘカーティア《…ふふふ…全く…アテナが惚れるのもわかるわね……あら?》

 

 

 

ヘカーティアが気づくと、アテナが頭をふらふらさせていた。普段なら節度を持って飲む彼女だが、今回は色々問い詰められたこともあってか、とんでもなく飲んだようだ……そして頭が倒れる………弾の膝の上に………

 

 

 

 

弾「…!…全く……立派なのか…甘えん坊なのか……」

 

 

 

ヘカーティア《…ねぇ…アプロディーテ…今のうちに写真撮っとく?》

 

 

 

アプロディーテ《…さんせーい!》

 

 

 

 

そう言って撮った写真をネタに、またアテナが冷やかされるのはまた別のお話……………

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


新しい創界神より、アテナさまの話が中心になってしまいました……でも、この話を中心にした方が、色々と話が進むんです……


後、公式に出ている創界神達の設定は彼らのメイン話で書きます。変に公式と矛盾が出ると面倒なので。


ペルセポネ

オリンの女神の一人 デメテルの娘で冥府の女王。昔、冥府神ハデスに誘拐まがいの行動で結婚を申し込まれたが、人柄や大変な冥府の仕事をこなしている彼を見て惚れ込む。しかし、母親のデメテルが認めてくれなかったために、半分家出をしてハデスと結婚する。そのあと、時たまデメテルの元に帰っているそうな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ホルスのとある一日

自分はギリシャ神話好きなのでどうしてもオリンサイドを書きたくなってしまいます。ですが!だからこそ、エジットにホルスやトトのキャラを持ってきたのだ!

アンケートありがとうございました。一応、バトル時々ほのぼの系で書いていきます。


妖怪の山 天狗の里

 

 

 

文「…あー…ネタがない……」

 

 

ホルス《………こっちも暇だ………》

 

 

ホルスは文の家で、家主と一緒にだら~っとしていた。すると扉をノーノックで開け放つ音がした。

 

 

はたて「文!いるかしらってヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!」

 

 

 

ホルス《だぁー!もー!慣れろ!んで、はたてちゃん…どうした?》

 

 

実はメジェド異変の後、自分の世界が暇な時、ホルスはよく文の家を訪れていた。しかし、そういうときに限ってはたてや椛が入ってきて、こんな感じになってしまうのだ。

 

 

 

文「ハイハイ、はたて、こいつはそんなに気にしないでもいいから…早く要件を言って。」

 

 

 

はたて「…あんた…後で絶対天罰が落ちるよ……はい…これ依頼よ…」

 

 

 

ホルス《うぉっしゃぁ!来た!行くぜ、文!!》

 

 

 

文「…いい新聞のネタになるといいですね!」

 

 

 

この二人は仕事上でもいいコンビである。ホルスが探偵として事件を解決した後、それを文が記事にする…お互いにWin-Winの関係にもなっていた。二人ははたてから依頼書を貰うと、大空へと飛び立った。

 

 

 

 

 

マヨヒガ

 

 

 

 

数時間後、二人はとある家屋の前に立っていた。その家は空き家なのか、そこらに猫が寝っ転がっている。

 

 

ホルス《………ここか……マヨヒガってのは……にしても猫ばっかしだな……》

 

 

 

文「はい。噂では、ここの物は幸福をもたらすとか、もたらさないとか………」

 

 

 

二人は今回の依頼人の所に行った後、情報収集のために幻想郷各地を飛び回り、最終的にマヨヒガへとたどり着いた。今回の依頼は…………

 

 

文「しっかし……迷い猫でここまで飛び回るとは……」

 

 

 

ホルス《ああ……俺はよく自分の世界でやってたのに……その経験を活かせなかった…》

 

 

 

文「こんなことやってたんですか!?」

 

 

 

……そう…実は人里の慧音の依頼で、寺子屋で飼っていた猫が突然、いなくなってしまったと言うのだ。猫は気儘な性格なのですぐ戻ってくると思ったが、寺子屋の子供達がせがむので、探し始めたと言うわけだ。

 

 

 

ホルス《さーて、さっさと探して連れてかえっぞ………ん?誰だ!!》

 

 

ホルスは何者かの視線を感じとると、風を起こして正体を特定しようとする。その人物は………

 

 

 

 

???「にゃぁぁぁぁぁ……ガクッ…………」

 

 

小さな猫耳を生やした少女が竜巻に巻き込まれて頭から地面に落っこった。そして、さらに奥から声と共に誰かが飛んできた。

 

 

 

???「橙?橙!?……!!ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!?」

 

 

気絶した猫耳少女を抱き起こして、悲鳴を上げるこれまた獣耳を生やして、九本の尻尾を持った女性……そう…紫の式神の八雲 藍である…………すると、藍はホルスと文を睨み付けて叫んだ。

 

 

 

藍「…貴様らか……貴様らが橙を!!!」

 

 

 

ホルス《え、あ、その……わざとじゃないんです……》

 

 

文「ちょっと!!私何もしてませんよ!?」

 

 

 

しおしおと縮こまるホルスの隣での文の説得も空しく、藍は完全に攻撃モードである……ホルスはこの時…《親父やセトの前のお袋みたいだな…》と感じたそうな……

 

 

 

ホルス《仕方ねぇ…文…すまん…行くぞ…》

 

 

 

文「全く……仕方ないはこっちのセリフですよ!」

 

 

 

ホルスは申し訳なさそうに文の中に入った。

 

 

 

文 藍「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 文はホルスを配置して、二つコアを置いた。

 

 

第2ターン 藍はフーリンをレベル3で召喚してアタック。文はライフで受けた。

 

 

第3ターン 文はウツボクイナと天空勇士ジェト・イーグルを召喚。効果でコアブーストして、ジェト・イーグルでアタック。藍はライフで受けた。そしてバトルは第4ターン。

 

 

 

藍「メインステップ!来い!イヌガミ!そしてアタックだ!フラッシュタイミングでイエローリカバーを使う!イヌガミを回復させてドロー!!」

 

 

 

藍はイヌガミを呼び出して攻撃させる。イヌガミはソウルコアが乗っていると、マジックを使う度にドローできる。回復したイヌガミは錫杖を振り回して飛び出した。

 

 

 

ホルス《どーする?俺の効果は……まだいいか…》

 

 

 

文「…あなたのコアをどれだけ節約できるかが、このデッキの勝ち負けを決めますからね……ここはライフで!」

 

 

 

イヌガミが錫杖でライフを打ち砕く。

 

 

 

藍「イヌガミ!橙の分だ!やれ!!」

 

 

 

文「…ウツボクイナでブロック!」

 

 

 

再びイヌガミが錫杖を振り上げると、ウツボクイナが飛びかかった。しかし、イヌガミは簡単にウツボクイナを破壊する。

 

 

 

ホルス《ウツボクイナの破壊時効果を使う!デッキから一枚オープン!爪鳥のスピリット/アルティメット/ブレイヴなら一コストで召喚!!………追い風だ!天空神鳥ハロエリスだったので召喚!!》

 

 

 

破壊されたウツボクイナから風が吹き荒れて、そこからハロエリスが降り立った。そして召喚時効果でイヌガミを重疲労させる。

 

 

藍「…く!…橙のフーリンを残してターンエンド…」

 

 

 

 

文「メインステップ。天空翠凰ファラ=ニクスを召喚!召喚時効果でコアを増やして、手札を一枚破棄させます!…フム…えーと……右から二枚目を……」

 

 

 

ホルス《……いや……その左隣のやつだ……》

 

 

ホルスが真剣な声つきだったので、文はホルスが言ったカードを指定する。そして金の翼を持った小さな鳳凰が、藍の手札を一枚吹き飛ばした………そのカードは………シンフォニックバースト……

 

 

 

 

文「……よくわかりましたね……」

 

 

 

ホルス《お前さんの何十万倍と生きてるからな…それに……人間観察は探偵の基本スキルだ。》

 

 

 

文「…見直しました…さらにハロエリスとジェト・イーグルをレベル4に!アタックステップ!ハロエリスでアタック!!効果でフーリンを重疲労!そして回復!!」

 

 

 

ホルス《んでもっていよいよ俺の効果だ!レベル2の神域で一コスト使用!デッキから三枚オープン!……天空勇士ハルシエシスをレベル4で召喚!!》

 

 

 

ホルスの風からハルシエシスが飛び出してくる。ハルシエシスはレベル4からコスト5以上の爪鳥アルティメットがライフを砕くと、追加でもう一点砕くことができる。なので……

 

 

 

藍「…ライフだ!…ぐ!」

 

 

 

ハロエリスの風がライフを破壊した後、ハルシエシスが羽を振るって追撃すると、さらにライフが砕けた。

 

 

 

文「フィニッシュ!ハロエリス!!」

 

 

 

 

ハロエリスがライフを翼ではたき、ハルシエシスがとどめをさした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「すまん……橙がいじめられていると思ってつい………」

 

 

文「全く……!」

 

 

 

ホルス《…どの世界でも親バカは……》

 

 

 

バトルの後、目を覚ました橙に猫の居場所を尋ねると………

 

 

 

 

橙「…え!?その猫ならとある男性が連れていきましたよ。凄い気を纏ってましたが、旅は道連れだとか、地上との交流がどうとか……」

 

 

 

橙の言葉に首を捻る藍と文。しかし、ホルスはなんとなーく察しがついたようだ。

 

 

 

ホルス《…なら大丈夫か……文…依頼解決だ…帰ろう。》

 

 

 

文「ええ!?いいんですか!?その素性不明の男に任せても!?」

 

 

 

文の言葉にホルスは頭に手をやった後、答えた。

 

 

 

 

ホルス《……あいつなら大丈夫だ……真面目だし…

 

 

 

 

 

……アマハラの創界神だしな……》

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 人里 寺子屋

 

 

 

 

慧音「ありがとう。すまんな…手間をかけた。」

 

 

 

???《いえいえ…ここでのお昼の御返しをしただけですよ……幻想郷のことも知れましたし…いい散歩でした。》

 

 

寺子屋では、とある赤髪の青年が猫を返しに来ていた。この青年…マヨヒガまでの道のりはとても危険であるはずなのに、ちょっとそこまでの散歩程度のように喋る。慧音は少し不思議に思ったが、青年はそれを気にさせないほどに明るく、子供達と仲良く遊ぶ好青年だった。

 

 

 

???《あ、そうだ。すいません、慧音さん。人を探しているのですが…お知り合いでしょうか…?》

 

 

 

慧音「む?その者の名は?」

 

 

 

 

 

 

???《……ヤゴコロオモイ…じゃなかった…八意 永琳っていうんです……昔の同僚なんですけど……知ってますか?》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

彼の正体はこの少し先のお話で……ちなみにオリ創界神です……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スサノヲの相棒!我も紅く染まれ!!

とうとうスサノヲのパーツが公開されたので、書きました。実を言うと、以前からスサノヲの相棒は彼女と決めておりました。さぁ、誰でしょう…(タイトル?知らな~い)





迷いの竹林

 

 

迷う…それは生きとし生ける者にとって当たり前のことである…

 

スサノヲ《迷った……》

 

 

…ここにも迷える子羊……創界神が一人……状況を説明しよう……スサノヲは加奈子に「うちの早苗に色目をつかうな!!」と追い出されてしまったので、永遠亭に厄介になろうと歩いていた……で、迷ったのである……

 

 

スサノヲ《…参った…兄貴や姉貴にばれたら面倒だし……ん!?あれは……ポツンと一軒家!!》

 

 

スサノヲが見つけた一軒家。それはあまり豪華な家ではなかったが、彼にとっては高級ホテルのように見えたであろう。早速、扉をノックするが…………

 

 

スサノヲ《………留守かよ~!!!!何で!?俺何か悪いことしたか!!?…………大昔…姉貴にたくさんしたな……いやあれはもう時効だろ!!ジーザス!!オーマイゴット!!》

 

 

……御姉様とケンカしたりしましたよね…そして神はあんただ……スサノヲが踞ってそんなことを叫んでいると……

 

 

 

紅妹「……何うちの前で発狂してるんだ……」

 

 

 

スサノヲ《…おお…神よ……我を救いなさったか…》

 

ちょうど筍狩りから帰って来たもこたんがインしました……そしてスサノヲ…神はあんただ……スサノヲが訳を話すと……

 

 

紅妹「…分かった分かった…この竹林は私の庭のようなもんだ。永遠亭まで案内するよ。」

 

 

スサノヲ《おお!ありがたい!すまぬな、不比等の娘よ。》

 

 

スサノヲの言葉に紅妹は驚愕した。自分を藤原と知っているだけでなく、不比等の娘と特定した……父はもう千年以上も昔に亡くなっているのに………

 

 

 

紅妹「…あんた…どうして私の父を?」

 

 

スサノヲ《ん?ああ、兄貴の娘が地上に流された時、ちょっと様子を見に行った時があったんだ。そんときに少しな……!誰だ!!》

 

 

スサノヲが叫ぶと、草藪から一人の獣耳を生やした女性が出てきた。彼女は今泉 影狼。この竹林に住んでいる狼人間である。しかし………

 

 

影狼《ウウウウウアアア!!》

 

紅妹《影狼!?どうしたんだ!?》

明らかに前の異変のように狂暴になっている。それにスサノヲは何かを感じ取った。

 

 

スサノヲ《紅妹!彼女から何か変な力を感じるぞ!俺も力を貸そう!》

 

紅妹「分かった…スサノヲ…力を借りる……

 

 

 

 

ゲート オープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 紅妹はゴッドシーカー パラサノカンナギを召喚。効果で三枚オープンして創界神スサノヲと障壁の四つ首龍ナミツヒメハイドラの手札に加えた。

 

 

第2ターン 影狼は賢者の木の実を配置してターンエンド。そして…!

 

 

妹紅「メインステップ!二色の龍操る神!創界神スサノヲ!効果で三枚中、二枚が対象で、さらにトラッシュに置かれた護国ノ威光の効果!スサノヲにコアを置いて手札に!!さらに海爪龍ツバサノジョウを召喚だ!」

 

 

 

スサノヲ《太古の創界神の力!見せてやるぜ!》

 

 

 

妹紅の背後にスサノヲが現れて剣を振るう。そしてフィールドには黒い三つ首の龍が現れた。普通ならコアが足りないが、パラサノカンナギの効果で青シンボルが二つ増えているので、このまま召喚できたのである。

 

 

 

妹紅「アタックステップ!ツバサノジョウでアタック!!アタック時効果でコアブースト!」

 

 

ブロッカーのいない影狼はツバサノジョウの青いビームをライフで受けるしかなかった。しかし賢者の木の実の効果でコアが一つ増えた。

 

 

妹紅「ターンエンド。」

 

 

 

影狼「うううう……タマムッシュ…レベル2……コアブースト…剣操る獣…!剣王獣ビャク・ガロウ!」

 

 

フィールドに緑の風が吹くと、緑のシンボルから剣が突き出し、白い剣を咥えた虎が現れた。

 

 

影狼「…ぐぐぐ…アタックステップ…ビャク・ガロウでアタック!旋風で二体を重疲労!!さらに手札が五枚以上……二枚破棄……!!」

 

 

 

妹紅「…いつもの影狼のやり方だな…ライフで受ける!!」

 

ビャク・ガロウの風が妹紅のスピリットを二体、さらに手札を二枚撃ち抜いて重疲労、トラッシュ送りにさせる。さらにビャク・ガロウは飛び上がって剣を妹紅のライフに突き立てた。

 

 

 

影狼「…ターン……エンド……」

 

 

 

妹紅「…ドローステップ……影狼!もうちょい耐えろよ!メインステップ!燃え上がる剣!!大地を砕き凪ぎ払え!!レベル2でここに!!恐龍武神ムラクモレックス!!

 

 

 

スサノヲ《…俺の赤き半身だ!あの嬢ちゃんを助け出せ!!》

 

 

 

スサノヲが右腕の剣を振り下ろすと、地面から炎が噴き出してその中に影が現れる。その影はだんだんティラノサウルスのような姿に変わり、剣と盾を握って火柱を切り裂いてその姿を見せた。

 

 

 

妹紅「アタックステップ!ムラクモレックスでアタック!!天界放発動!!スサノヲのコア二個をムラクモレックスに置くことで、こいつのBP以下のスピリットを破壊!タマムシュ!貰った!!さらに青シンボルがあるのでスサノヲのコア二個をボイドに戻して回復だ!!」

 

 

スサノヲ《ムラクモレックスが相手のスピリットを破壊したな!ならライフも一つ貰うぜ!!》

 

 

ムラクモレックスがスサノヲの力を受けると、剣を振るってタマムシュを斬り捨てる。さらに青のオーラを纏い、次のアタックの力を確保した。さらにムラクモレックスレベル2の効果で、スピリットの破壊によってライフが一つ砕かれた。

 

 

 

影狼「…ライフ……!」

 

 

 

ムラクモレックスが地竜らしい大口でライフを噛み砕く。

 

 

 

妹紅「もう一発!!ムラクモレックス!天界放でビャク・ガロウを破壊してライフを破壊!!効果も入れてこのアタックで終わりだ!!」

 

 

 

スサノヲ《…チェストォォォォォ!!》

 

 

 

炎を剣に纏わせたムラクモレックスが、ビャク・ガロウごと影狼のライフを一刀両断した!!

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「…ん?なんだこれ?」

 

 

スサノヲ《…!メジェドの分身フードの切れ端だな。これのせいか……》

 

 

 

妹紅は倒れた影狼を抱き起こすと、スサノヲが懐から落ちた布切れを見てそう言った。メジェドの分身が、未だに効力を持ち続けていることに妹紅は驚いた。腐っても創界神……力は強いのだ。

 

 

 

スサノヲ《…よし…まずこの娘を永遠亭に運ぼう。》

 

スサノヲは影狼を担ぎ上げると歩き出す……が…

 

 

 

 

 

妹紅「……そっちは逆だぞ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ん?もう一体のは?…大丈夫です……ちゃんと出番があります…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

もう一体の化神

公式の背景世界ではアマテラスはいつも引きこもっているそうです……ツクヨミ…大変そうだなぁ…


 

妖夢「は!」

 

 

 

依姫「何の!」

 

 

 

今日の永遠亭には剣がぶつかる音が響いていた。月最強の剣士である依姫に妖夢が真剣勝負を挑んでいたのだ。縁側では豊姫が応援している。平和な日々である……

 

 

 

 

 

輝夜!!!!

 

 

 

 

…平和崩壊……突如…永遠亭に響き渡った声にトレーニング中の二人や豊姫は驚いた。すると奥から……

 

 

 

 

輝夜「いいじゃない!少し夜更かしするぐらい!!」

 

 

 

永琳「ほとんど徹夜状態じゃない!!」

 

 

 

どうやら、最近ネットゲームにはまっている輝夜を永琳が叱っているようである………え?幻想郷に何でネットが通じてるかって?…幻想郷では常識にとらわれてはいけません!……普通の家庭であるような光景…ちなみに鈴仙とてゐは奥に引っ込んでいる。

 

 

 

 

依姫「し、師匠……その辺にしては…?」

 

 

 

豊姫「姫様も落ち着いて……」

 

 

 

 

二人の声も空しく、言い争いはヒートアップしていく……

 

 

 

 

 

輝夜「分かったわ!ならバトルよ!!私が勝ったら好きなだけゲームするわ!!」

 

 

 

永琳「……仕方ないわね…それなら……本気を出すしかないわ……いいわよ…私が勝ったらゲームは没収!」

 

 

 

 

一触即発のその時!!

 

 

 

 

 

 

妹紅「急患だ!」

 

 

 

スサノヲ《永琳!いるか!?》

 

 

 

永遠亭に入ってきたスサノヲと妹紅。永琳はおぶさっている影狼を見るとすぐに気を取り直して妹紅にこう言った。

 

 

 

永琳「この子の治療は任せて……輝夜のバトルと引き換えに……!」

 

 

 

妹紅「……え…?」

 

 

 

……さすがは賢者…面倒なことを押し付けてすぐに中に引っ込んでしまった。輝夜は因縁のバトルを何度も繰り広げてきた妹紅の前に立ちはだかる。

 

 

 

輝夜「残念ね!私のゲームのためにやられて貰うわ!!」

 

 

 

妹紅「はぁ!?何であたしが!?」

 

 

 

スサノヲ《はははは!!まあいいじゃないか!行くぞ!》

 

 

 

 

 

妹紅 輝夜「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

第1ターン 妹紅はゴッドシーカー カミムスビハイドラを召喚して三枚オープン。この中の創界神スサノヲと恐竜武神ムラクモレックスを回収した。

 

 

 

第2ターン 輝夜は朱に染まる薔薇園を配置してバーストをセット。

 

 

 

第3ターン 妹紅は創界神スサノヲを配置して三枚をトラッシュへ。対象カード二枚と護国ノ威光の効果で計三コアを置いた。さらにネクサス、スサノヲの轟天神殿を配置。最後に護国ノ威光を使って三枚ドローの後、手札のパラサノカンナギを棄てた。

 

 

 

そして第4ターンに突入する。

 

 

 

 

輝夜「やっと私の番よ!メインステップ!舞い踊れ!黄色のエンターテイナー!!子の十二神皇マウチュー!召喚時効果で封印!さらにハーピーガールをレベル2で召喚!」

 

 

 

フィールドにスポットライトがさして、マウチューが現れる。さらに隣には黄色のハーピーが降り立った。

 

 

 

輝夜「アタックステップ!ハーピーガールでアタック!連鎖の効果でカミムスビハイドラを破壊!」

 

 

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

 

 

ハーピーガールの光線がライフを砕くと、そのエネルギーが輝夜のライフを増やした。

 

 

 

輝夜「ハーピーガールの聖命よ。さらにライフが増えたのでネクサスの効果でドロー!ターンエンド。」

 

 

 

妹紅「メインステップ!燃え上がる剣!大地を砕き凪ぎ払え!恐竜武神ムラクモレックス!!レベル2で召喚!!」

 

 

 

スサノヲ《…フム…まずはこいつで……》

 

 

 

地面からムラクモレックスが現れるが、まだ輝夜のライフは七。決めきれないが、妹紅は攻めていく。

 

 

 

妹紅「バーストをセットしてアタックステップ!ムラクモレックスでアタック!!天界放!スサノヲのコアを二つ置いて、ハーピーガールを破壊!さらに青シンボルの存在によりムラクモレックスは回復!!」

 

 

 

ムラクモレックスの火炎放射がハーピーガールを燃やし尽くす。さらに青いオーラに包まれて回復状態になった。

 

 

 

輝夜「ライフ!」

 

 

 

ムラクモレックスが自身の効果も入れて二つライフを噛み砕いた。

 

 

 

 

妹紅「ターンエンド。」

 

 

 

依姫「これは…かなり姫様には不利ですね。」

 

 

 

 

輝夜「ふん!メインステップ!光の天使ダリエルを二体召喚!マウチューをレベル2に!マウチューでアタック!!」

 

 

 

妹紅「………ライフ!!そしてバーストだ!大凶竜ギガノマガツガミ!マウチューを破壊して効果を発揮させない!そしてこのまま召喚!!」

 

 

 

妹紅はバーストがルナーク・カグヤであることを警戒して、マウチューの攻撃をライフで受けた。そしてバーストの炎がマウチューを破壊すると、大きな刀を構えた巨大な恐竜が現れた。

 

 

 

輝夜「ふーん。ターンエンド。」

 

 

 

妹紅「来ないか…バーストの発動はいいけど……タイミングがなぁ……ドローステップ……ん!?」

 

 

 

妹紅はドローしたカードに驚く。それは何と青の化神スピリットだった。

 

 

 

スサノヲ《…あ…そうだ…いい忘れたな。我らアマハラの創界神は化神を二体持っているのだ。ムラクモレックスは我が赤き半身…もう一体の青き半身がそいつだ!一度に凪ぎ払うのならそいつが適任だぞ!!》

 

 

 

妹紅「へぇ!メインステップ!まずは荒波霊刃アラナミを召喚!青き大波!すべてを飲み込む八つ首の竜!轟海覇神ヤマタハイドラノカミ!!

 

 

 

 

スサノヲの左腕から青いオーラ状の竜が空に上がると、フィールドが海に変わって水がオーラの竜にまとわりつく。そして体が形成されていき、尻尾に剣をつけて八つの首を持った大きな青い竜が現れた。

 

 

輝夜「はぁ!?もう一体!?」

 

 

 

妖夢「…二体の…化神…!」

 

 

 

フィールドに並び立つ二体の巨竜……ムラクモレックスとヤマタハイドラノカミは同時に高々と咆哮した!

 

 

 

妹紅「召喚時効果!天界放!スサノヲのコアを二つ置いて、地竜でも海首でもないスピリットを二体破壊!!ダリエル達を破壊する!!さらにアラナミと合体だ!」

 

 

 

スサノヲの力を受けたヤマタハイドラノカミの首が伸びてダリエル達に噛みつくと、そのまま食いちぎった!さらにアラナミを一つの首が飲み込んだ後、四つの首から同じような剣が出現した!

 

 

 

輝夜「な!?……バースト発動!ルナアーク・カグヤの効果でライフを増やして召喚!!」

 

 

 

妹紅「アタックステップ!ヤマタハイドラノカミでアタック!!天界放!ルナアーク・カグヤを破壊!!さらにアラナミの効果でスサノヲを疲労させて回復だ!!」

 

 

スサノヲ《さらにコアが四つになったのでレベル2の効果が発動だ!マジックもアクセルも使用できないぞ!》

 

 

 

輝夜「ああんもう!!ライフ!!」

 

 

ヤマタハイドラノカミの八つ首がルナアーク・カグヤに迫るが、ルナアーク・カグヤはひらりと避けていく。しかしそれは罠。ヤマタハイドラノカミは首でうまく誘導し、 尻尾の剣で一突き!ルナアーク・カグヤを破壊した!!そして八つ首の頭の輪から青いビームを放ってライフを一気に三つ破壊する。

 

 

 

妹紅「これで終わりだ!ヤマタハイドラノカミ!!」

 

 

 

ヤマタハイドラノカミの合計五本の剣が輝夜のライフを粉々に破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「ウワァァァァァァァァ!!」

 

 

 

永琳「喚いても無駄です!」

 

 

 

輝夜が悲痛な声をあげているのを尻目に永琳はゲームを片付けていく。その一方で妹紅はムラクモレックスとヤマタハイドラノカミのカードを手に取りながらスサノヲに尋ねた。

 

 

 

妹紅「……なぁ…どうしてあたしと一緒にバトルしてくれるんだ?あたしなんかに……」

 

 

 

そういう妹紅にスサノヲはあっけらかんとした表情で答えた。

 

 

スサノヲ《何でって…お前は俺を助けてくれた。お前がいなけりゃ、俺は今頃まだ迷子中だっただろうな。だからその恩があるし……お前は昔の俺と似ているからな!》

 

 

 

 

妹紅「……いや…昔…アマテラスとケンカしたあんたに似てるって言われても…正直嬉しくない…」

 

 

 

スサノヲ《ぬぇぇぇ!?そっち!?一応、ヤマタノオロチ倒したよ!!?》

 

 

 

そう言って戸惑うスサノヲに妹紅はクスッと微笑んだ。そこに…………

 

 

 

 

???《やっと見つけた~!!》

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

次回はオリジナル創界神の登場です!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

剣士

今回、初めてオリカを使用してみます。しかし、あまり使いすぎてバトルが面白くなくなるのも嫌なので、一人が使うオリカの数はマックス三枚までとさせていただきます。


 

縁側に現れたのは、腰に刀をさして和服を着た赤髪の青年だった。そして永琳を見て声をあげる。それに永琳はため息をついて返事をした。

 

???《……あ…お取り込み中…?オモヒ…じゃないじゃない……永琳…どうしたの?》

 

 

永琳「…はぁ…あなた…また世界を放浪していたの?ほとんど無一文で……」

 

 

???《それが楽しいんじゃないか!……あ!依姫ちゃん!!久しぶり~!!俺の分霊は使ってくれてる?》

依姫「はい!お陰様で!」

 

 

豊姫「お久しぶりです…ツクヨミ様が《あいつはいつ戻ってくるんだ》と言っておりましたが……」

 

 

スサノヲ《おお!どうした!?旅の途中でふらっと寄ったのか?》

 

 

妹紅「おいおい。あたし達は初対面なんだけど。」

 

妖夢「お知り合いですか?」

 

 

五人の会話に置いてきぼりになった妖夢と妹紅が話しかける。

 

 

???《ごめんごめん!!挨拶が遅くなったね!俺はカグツチ!アマハラの創界神で、永琳とは同期だったんだ。》

 

 

青年……カグツチの言葉に妖夢と妹紅が驚いたのはいうまでもない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カグツチ《…なるほど…この世界の創界神はそんな少年なんだ…あと依姫ちゃん…永琳がいつも御世話になっています……イテ…!》

 

 

永琳「うっさい…何で迷惑かけている前提で話すのよ!しかも創界神!?知らなかったわ!」

なんとか妖夢の気が戻り自己紹介が終わると、和やかな雰囲気が戻って来た。すると、妖夢がおずおずとカグツチに話しかける。

 

妖夢「あの……カグツチ様は…剣士でいらっしゃるのですか…?」

 

 

カグツチ《うん。それがどうしたの?》

 

 

 

妖夢「……自分と……真剣勝負をお願いいたします…」

 

 

 

全員、なんとなくそうなる感じはしていた。しかし、カグツチは首を横に振った。

 

カグツチ《うーん…あんまりケンカして…傷つけ合うのは好きじゃないんだよなぁ……そうだね…そうだ…バトスピしよう!そうすれば、ケガなくわかりあえるよ!》

 

 

 

永琳「…そうね……輝夜…もしこいつを降ろした妖夢に勝てたら……ゲームは返してあげるわ…」

 

 

輝夜「うぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

カグツチ《俺はそれでもいいよ。妖夢ちゃんどうする?まずはお互いを知るために、一緒にバトスピしない?》

 

 

 

妖夢「……わかりました……お願いいたします……」

 

 

 

そして、カグツチが光になって妖夢の中に入っていった。

 

 

 

妖夢 輝夜「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 輝夜は光楯の守護者イーディスを召喚。

 

 

第2ターン 妖夢は機巧将シグレを召喚してバーストをセット。そのままアタックして、輝夜のライフを削った。

 

 

第3ターン 輝夜は光の天使ダリエルをレベル2で召喚。アタックはせずにターンエンド。そしてバトルは第4ターンに入る。

 

妖夢「メインステップ!原初の炎!創界神カグツチを配置!!効果でカードを三枚トラッシュに送ります。対象のカードは系統[武竜/機巧/天渡/化神&コスト3以上]、なので二コアを追加!!」

 

 

 

カグツチ《よし、行こう!》

 

妖夢の後ろに、炎を纏ったカグツチが現れる。

 

 

妖夢「さらにジンライドラゴンを召喚。アタックステップ!ジンライドラゴンでアタック!効果でBPプラス3000して真・激突!」

 

 

 

輝夜「ん~…イーディスでブロック!」

 

 

炎を纏ったジンライドラゴンが頭の刀でイーディスを貫いて破壊する。

 

 

妖夢「さらにシグレでアタック!!」

 

 

輝夜「ライフ!!」

 

爆煙の中からシグレが飛び出して、剣を輝夜のライフに突き立てた。

 

 

 

妖夢「ターンエンド。」

 

 

依姫「…今は妖夢がリードしていますね…」

 

 

豊姫「…どうなるか…」

 

輝夜「…ああんもう!メインステップ!バーストをセット!舞い踊れ!黄色のエンターテイナー!子の十二神皇マウチュー!!召喚時効果で封印!!さらにダリエルをもう一体!!……ターンエンド…!!」

 

 

輝夜のフィールドにマウチューが現れてソウルコアをライフに置いたが、シグレのBPの高さに輝夜は動けなかった。

 

 

妖夢「メインステップ。機巧武者ジャコを召喚。召喚時効果でダリエルを手札に戻してワンドロー。さらに鬼武者ライザンを召喚してアタックステップ。ライザンでアタック!!効果でドローして真・激突!!」

 

 

妖夢のフィールドに曲がった剣を持ったロボットと鎧を着たドラゴンが現れて、輝夜目掛けて飛び出した。しかし輝夜は待ってましたと言わんばかりに手札からカードを取り出した。

 

 

輝夜「フラッシュタイミング!マジック!舞華ドロー!!ライザンのBPマイナス4000してダリエルの効果でライフを一つ回復!さらに舞華ドローの効果!BP0のスピリットを破壊してドローよ!!」

 

 

輝夜が放ったマジックは、ライザンに直撃して破壊させる……しかしカグツチが何やら虹色の炎を放つと……

 

妖夢「カグツチ様のレベル1からの神域!自分の系統 武竜、機巧を持つスピリットが相手の効果でフィールドを離れるとき、コアを二つボイドに置くことで、その効果を受けなかったものとしてフィールドに残す!!」

 

 

カグツチ《俺の炎は焼くだけじゃないんだ♪》

 

 

輝夜「マジ!?仕方ない!ダリエルでブロック!!」

 

 

妹紅「…受けたマジックの効果も打ち消すのか…」

 

 

虹色の炎から五体満足のライザンが飛び出して、ダリエルに斬りかかった。ダリエルは杖で応戦して両者破壊された。

 

妖夢「さらにジンライドラゴンでアタック!マウチューは貰っていきます!!」

 

 

輝夜「まだよ!破壊されたのでバースト発動!!ライフを増やして私の化身!光の覇王ルナアーク・カグヤを召喚!!」

 

 

ジンライドラゴンの真・激突の効果でマウチューは強制的にブロックさせられる。マウチューの光線を易々と避けて、ジンライドラゴンは頭の剣でマウチューを貫いた。しかしそれがバーストの引き金になり、ルナアーク・カグヤがライフを回復させながら現れた。

 

 

妖夢「……ターンエンドです…」

 

 

輝夜「よっしゃ!反撃開始!メインステップ!ダリエルを再召喚!さらにガトーブレパスを二体召喚!アタックステップ!ルナアーク・カグヤでアタック!!」

 

 

 

ルナアーク・カグヤが羽を広げて飛び出した……その時だった!!

 

 

妖夢「相手のスピリット、アルティメットがアタックしたのでバースト発動!!八百万の神の白き剣!!召喚!機巧剣神アマノオハバリ!!

 

 

 

カグツチ《…おうりゃぁ!!》

 

 

カグツチが刀から斬撃をフィールドに放つと、その斬擊を中心に竜巻が起こり、その中からUオーディーンのような体をして、背中にはグラン・ウォーデンの翼、両手に一本ずつ鋭い小太刀を握った機械の武士が現れた!

 

 

輝夜「これが…カグツチ様の化神……」

 

スサノヲ《…あいつの化神はお互いを相乗して火力を上げる俺と違って、お互いに補完し合う関係…アマノオハバリは防御面の化神……》

 

 

妖夢「バースト効果!私のフィールドのスピリットが全て系統、武竜又は機巧を持つとき、ライフを一つ増やして、このバトル終了後にアタックステップを終わらせることができる!ルナアーク・カグヤのアタックを迎え撃て!!」

 

 

アマノオハバリがルナアーク・カグヤに斬りかかるが、カグヤはかわして光弾を浴びせる。するとアマノオハバリが指を鳴らすと、姿が炎に包まれて消滅する。相手を見失ったカグヤが辺りを見渡している隙に、後ろからアマノオハバリは小太刀を突き刺して破壊した!!

 

 

輝夜「…ああんもう!!ターンエンド!!」

 

 

妖夢「メインステップ!まだまだです!!神をも焼き殺す炎!!召喚!!炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビ!!そしてカグツチ様のコアが五つになったのでレベル2に!」

 

 

カグツチ《…俺の炎は……熱いってレベルじゃないよ?》

 

カグツチが今度は炎の斬撃を空に放つ。すると空が真っ二つに割れ、オレンジの鎧を纏い、大剣を携えたソウルドラゴンが降り立った!

 

 

輝夜「マズイマズイマズイマズイ」

 

 

永琳「…これは…決まったわね…」

 

 

妖夢「アタックステップ!まずはアマノオハバリでアタック!!天界放発動!!ブロック時に赤/白の創界神のコアを二つこのスピリットに置いて、相手のスピリット、アルティメットを手札に戻す!フィールドに赤シンボルがあるので私のスピリットを二体まで回復!!」

 

 

豊姫「え!?ブロック時!?」

 

 

豊姫が驚いたが、アマノオハバリはカグツチのオーラを纏い、小太刀を振るってガトーブレパス二体を手札に弾き返した。

 

カグツチ《……あ…忘れてた…俺のレベル2からの神域の効果!武竜/機巧スピリットのアタック時効果とブロック時効果をアタック&ブロック時効果に書き換える!!だからアマノオハバリの天界放が発揮したんだ♪》

 

 

依姫「へぇ…面白い効果ですね……!!」

 

 

 

輝夜「もう!踏んだり蹴ったりじゃない!ライフで受ける!」

 

 

 

妖夢「…もう1つ……!ソウルドラゴン・ホムスビの効果!武竜又は機巧スピリットの効果によって相手のスピリットがフィールドから離れた時、ターンに一回ライフを追加で砕く!そしてアマノオハバリはダブルシンボル!よってライフを二つ砕きます!!」

 

ホムスビが斬撃を放って輝夜のライフを一つ撃ち壊すと、オモイカネの小太刀が輝夜のライフをさらに二つ斬り捨てた。

 

 

妖夢「さらにソウルドラゴン・ホムスビでアタック!!天界放!アタック時にコアを二つ置いて、BP20000以下のスピリットを二体まで破壊!!さらに白シンボルがあるので破壊したスピリットの数分ドロー!!」

 

 

輝夜「ライフ!!」

 

 

 

炎の斬撃を放ってダリエルを破壊したホムスビが火炎放射で、さらにライフを砕く。

 

 

永琳「アマノオハバリでアタック!!覚悟!!」

 

 

 

アマノオハバリの斬撃が輝夜のライフを全て破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「ウワアアアアア!!!!」

 

 

永琳「泣いたってダメです!!」

 

 

永琳が今度こそ輝夜のゲーム機を片付けていく。それを見ている輝夜は、もうこの世の終わりの如く叫んでいた………

 

 

妖夢「…カグツチ様…どうでしたか…?」

 

 

カグツチ《……どうでしたかってのは少し違くない?俺は、君のことをよく知れた…あと……もっと笑顔!笑顔!!君は笑顔がよく似合うよ!》

 

 

 

その言葉に妖夢はハッと気づいた。カグツチは自分の強さしか見えてなかった自分に、剣の真髄……自分でもためではなく、他人のために剣を振るう…そんなことを教えてくれたのだ……妖夢は自分の未熟さを恥じた…

 

 

妖夢《……お祖父様…私は…まだ一人前には遠いみたいです……》

 

 

 

輝夜「アアアアア!!!!」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

カグツチ様登場!!……公式様…カグツチはでませんよね…?アマテラス、ツクヨミ、スサノヲで終わりですよね?


後、創界神カグツチと二体の化神の効果を載せておきます。

創界神カグツチ

ネクサス
3(赤1白1)系統 アマハラ 創界神
Lv1<0>Lv2<5>
《神託》[武竜/機巧/天渡/化神&コスト3以上]
Lv1・Lv2 このネクサスのシンボルは赤/白としても扱う
【神域】Lv1・Lv2 お互いのアタックステップ
系統 武竜/機巧を持つスピリットが相手の効果でフィールドを離れた時、このネクサスのコア二個をボイドに置くことで、そのスピリットを効果を受けなかったものとしてフィールドに残す。
【神域】Lv2 お互いのアタックステップ
系統 武竜/機巧を持つスピリットの『このスピリットのアタック時』、『このスピリットのブロック時』の効果を『このスピリットのアタック/ブロック時』に変更する。

シンボル:神



機巧剣神アマノオハバリ

スピリット
9(白3赤1)系統 機巧 化神
<1>Lv1 12000<4>Lv2 25000
【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】
このカードを召喚する。さらにボイドからコアを一つ、ライフに置き、自分のフィールドのスピリット全てが系統 武竜/機巧を持つ時、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

【天界放:2】Lv1・Lv2『このスピリットをブロック時』
自分の赤/白の創界神ネクサスのコア2個をこのスピリットに置ける。そうしたとき、相手のスピリット/アルティメットを二体、手札に戻す。さらに、自分の赤シンボルがあるとき、自分のスピリットを二体、回復させる。

シンボル:白白



炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビ

スピリット
7(赤3白1)系統 武竜 化神
<1>Lv1 6000<3>Lv2 10000<4>Lv3 14000
【天界放:2】Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』
自分の赤/白の創界神ネクサスのコア2個をこのスピリットに置ける。そうしたとき、BP20000以下のスピリット/アルティメットを二体破壊する。さらに、自分の白シンボルがあるとき、破壊したスピリット一体につき、デッキから一枚ドローする。

Lv2・Lv3『お互いのアタックステップ時』
系統 武竜/機巧を持つスピリットの効果で相手のスピリットがフィールドから離れたとき、ターンに一回、相手のライフをコアを一つリザーブに置く。

シンボル 赤








目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

おーい!あたしゃここにいるよ~!!

……東方知ってる人なら、このタイトルでお分かりでしょう……

そして今日!最新弾双刃之神が発売です!自分はスサノヲのデッキを組みたいですが……予算足りるかな……


メジェド退治から一ヶ月後…博麗神社 境内

 

 

 

博麗神社では毎度恒例の宴会が開かれていた。幻想郷の面子は花見だ、月見だ、紅葉狩りだと理由を付けて宴会を開きたがる傾向にある。その風潮に弾もやっと慣れたようだ。そして、石畳の上に敷物を敷いて、幻想郷の人妖達と盃片手に語り合っている。

 

 

 

 

弾「…え…アリスの母親は魔界って世界の創造神なのか?」

 

 

アリス「…ええ…でも…創界神なのかは知らないわ……」

 

 

霊夢「…でもあいつがそんな偉い神とは思えないのよね~」

 

 

ヘカーティア《…創界神で普通のやつを探す方が大変よん……ん?》

 

 

 

 

ヘカーティアは首を捻る。何やら魔法の森から良くない気を纏った霊がこちらに向かってきたからだ。

 

 

 

 

???「おいおい…久しぶりに戻って来てみたら……なんだか見慣れない面子が増えたねぇ……」

 

 

魔理沙「ええ!?魅魔様!?

 

 

 

レミリア「…ウソ…」

 

 

 

咲夜「あの魔理沙が……!」

 

 

 

早苗「…敬語を……!!?」

 

 

 

……皆さん驚く所はそこですか……魔理沙が敬語で呼んだこの緑髪の彼女…彼女は魅魔と言う悪霊で、魔理沙に幼い頃、魔法を教えた師匠でもある。なので魔理沙は魅魔のことを敬語で呼んでいるのだ。

 

 

 

魔理沙「今まで何処にいたんですか!?」

 

 

 

魅魔「ああ…少し神世界を放浪しててねぇ…それでも私としては、生まれ育ったこの世界が一番だと感じたから戻って来たのさ。」

 

 

 

そう言いながら、魔理沙の隣に座り込む魅魔。アリスと霊夢、そして幽香以外は初対面なので挨拶をする。

 

 

 

 

魅魔「…私しゃ魅魔。昔に魔理沙を魔法使いにしたのは私さ。いつも魔理沙が迷惑かけてるねぇ…」

 

 

 

パチュリー「全くよ……」

 

 

 

面々に挨拶を交わす魅魔。そして弾の所に来ると驚いた。

 

 

 

魅魔「…ん!?お前さん…まさか創界神か…?」

 

 

 

弾「…ああ…ちょっと前に、この世界の創界神になった馬神 弾だ。よろしく…」

 

 

 

魅魔「へぇ~…この世界にも創界神が来たか……」

 

 

 

魅魔が感心してると、酒の肴代わりにバトルをしていた幽々子と純狐が戻って来た。そして魅魔のことを聞くと……

 

 

 

 

幽々子「ねぇ~あなたはどれだけ強いのかしら~?ものスッゴく気になるのだけど~?」

 

 

 

純狐「少なくとも弾よりかは弱いでしょ?」

 

 

 

美鈴「あはは…勝てたらたぶん、幻想郷はひっくり返りますね……」

 

 

 

その言葉に魅魔はニヤリと笑うと、弾の前に立った。

 

 

 

魅魔「それなら…私とやらないかい?神世界じゃ、弱くは無かったんでねぇ……」

 

 

 

弾「…売られたケンカは買うもの……いいぜ…!」

 

 

 

魔理沙「魅魔様頑張ってください!!」

 

 

 

 

弾 魅魔「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン 弾はバーストをセットして魔星人シュタイン・ゴイルを召喚。星読で一枚オープンし、セフィロ・シープを回収した。

 

 

 

第2ターン 魅魔は風魔イカルガを召喚してコアブースト。そしてターンエンド。

 

 

第3ターン 弾は創界神ダンを配置して三枚トラッシュへ。その中の牡羊星鎧アリエスブレイヴ、雷星獣ドラグ・タウラス、サジタリアスドローを手札に加えて、コアを一つ置いた。

 

そしてバトルは第4ターン。魅魔が一気に仕掛ける!

 

 

 

 

魅魔「メインステップ。風を切り裂く忍の頭!甲蛾頭首クワガスレイヤーを召喚!アタックステップ!クワガスレイヤーでアタック!!効果でコアを増やしてソウルコアをリザーブに!!そうすることでデッキから三枚オープンし、その中の忍風スピリットをノーコスト召喚!」

 

 

 

魅魔のカードから風が吹き荒れて、一体の赤いマフラーをした忍がフィールドに降り立つと、魅魔のデッキをめくっていく……オープンされたカードは……風魔イカルガ…忍将軍クロハガネ…忍頭領ソウルドラゴン・焔影……

 

 

 

魅魔「よっしゃ!全部対象スピリットなので召喚!イカルガの効果でクワガスレイヤーを回復!!」

 

 

 

早苗「こんなに展開するなんて……」

 

 

 

弾「へぇ…ライフで受ける!」

 

 

 

クワガスレイヤーの刀が弾のライフを斬り捨てた。

 

 

 

魅魔「さらに焔影でアタック!!無限焔を使う!シュタイン・ゴイルを指定アタックして、バトル終了時にライフを壊して回復するのさ!!」

 

 

 

焔影の炎がシュタイン・ゴイルにまとわりついて、そのまま破壊した。

 

 

 

弾「スピリットが破壊されたのでバースト発動!風星士キャンザムライのバースト効果!旋風!クワガスレイヤーと焔影を重疲労させる!!」

 

 

 

弾のバーストからの風が、クワガスレイヤーと焔影の吹き飛ばして立てなくさせた。そしてフィールドにキャンザムライが現れる。

 

 

 

魅魔「まあ…簡単にはやられないか…ターンエンド。」

 

 

 

弾「メインステップ。樹星獣セフィロ・シープを召喚。神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!!召喚!

 

アタックステップ!サジッタでアタック!!界放の効果でクワガスレイヤーを破壊!!」

 

 

 

弾の後ろからサジッタが登ってくる。そして弾の力を纏った炎でクワガスレイヤーを破壊した。

 

 

 

魅魔「ん~…ライフで!」

 

 

 

サジッタの炎が魅魔のライフを砕く。そして効果でデッキから一枚ドローさせた。

 

 

弾「…ターンエンド。」

 

 

 

 

魅魔「メインステップ。ここで決めますかね…忍魔神を召喚!クロハガネに左合体してレベル2に!アタックステップ!クロハガネでアタック!!忍魔神の効果で、手札から四十四代目異牙忍頭首シシノビを召喚!!」

 

 

 

 

忍魔神が何やら呪文を唱えると、煙が吹き上がり、一体の大きな獅子が現れた。これでさらにスピリットを展開させられれば、弾はひとたまりもない……しかし…四天王や紫、永琳クラスのカードバトラーは何も心配していなかった。

 

 

 

紫「…案外…神世界の実力って…あまり良くないのかしら……」

 

 

弾「…このカードを忘れてないか?セフィロ・シープでブロック!フラッシュタイミング!サジタリアスドロー!シシノビを破壊する!!不足コストはシープから確保!」

 

 

 

 

ブロックしようとしたシープが直前で消滅し、弾が炎の矢を放ってシシノビを破壊した…

 

 

 

 

魅魔「…ドローじゃないよ…その効果は…ターンエンド。」

 

 

 

弾「メインステップ!裏の牡羊座!牡羊星鎧アリエスブレイヴを召喚!サジッタに合体!そしてレベル3にアップ!!」

 

 

 

 

星空の逆さまの牡羊座から、緑の羊がフィールドに降り立ち、サジッタに吸収される。するとサジッタはアリエスブレイヴの鎧を纏い、さらに翼が鳥のようになり、その手には槍が握られた。

 

 

 

弾「アタックステップ!合体アタック!!サジッタの界放でイカルガを破壊!!さらにサジッタの効果でライフをリザーブに!」

 

 

 

魅魔「…仕方ない!ライフで受ける!」

 

 

 

 

背中の鳥の翼から緑の光弾を連射してイカルガを破壊した合体スピリットは、槍を投げつけてライフを計三つ砕いた。

 

 

 

 

弾「キャンザムライでアタック!!」

 

 

 

魅魔「あっちゃ~…こりゃ私の負けだね…ライフ!!」

 

 

 

キャンザムライが最後のライフを切り裂いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魅魔「…あ……弾…あんた…どこの派閥だい?オリンか?それともウル?」

 

 

 

弾「…一応、ウルだけど…それがどうかしたか?」

 

 

 

バトルが終わってまた宴会になった際に、魅魔の質問に答えた弾。すると魅魔は少し酒が入り始めたからか、テンション高めで話し出した。

 

 

 

魅魔「いやぁ~!大変だねぇ~!ウルはオリンやエジットとかと比べるとあんまし大きくないから、オリン十二神の連中からな~んか面倒なことを押し付けられてるじゃないのかい~!?まぁ!ここにあいつらはいない《そんなことないわよ。》……え?」

 

 

 

魅魔がギギギと後ろを振り向くと、そこにいたのは…今まさに悪口を言っていたオリン神のアルテミス……そして……

 

 

 

 

アポローン《悪いな!少し遅くなった!》

 

 

 

イシス《やっぱり、宴会するなら幻想郷よね。》

 

 

 

アテナ《…弾…!》

 

 

 

マナカ《そーだねー……!》

 

 

アマテラス《…うにゅ……久しぶりに外でた……》

 

 

 

魔理沙「魅魔様!?白目向いてどうしたんですか!?しっかり!!」

 

 

ぞろぞろとやって来た創界神一同……その光景に魅魔は唖然となったが、魔理沙が揺さぶってどうにか元に戻した。すると、到着したメンバーの中からブラフマーが弾に近寄って来た。

 

 

 

ブラフマー《よう!弾!実はな…今日はうちの新しい創界神を紹介しに来たんだ!おーい!クリシュナ~!!……ありゃ?》

 

 

ブラフマーは振り返って見てみたが、そこには誰もいない。あれぇ?と首を傾げていると…………

 

 

 

 

♪~♪♪~♪~♪♪♪~♪

 

 

 

 

笛の音が辺りに響いてきた…………

 

 

 




はい。ありがとうございました。

魅魔様!新作で出てほしいです(たぶん、出ない確率が高いけど)


最新弾ではかなりデッキ破壊メタが増加したので、グレート・オーシャンがいないとトリアイナやサイゴード・ゴレムが機能しなくなる確率が高くなりましたね。マジックをフィールドに置かれるとUキャッスルでも無効化できませんし……

そして障壁スピリット達の登場で、回復して連続で殴るジェフティック=トト有する武装やアテナの神技頼りな機人、タイフォーム軸の獣頭、自分のライフを砕いて回復していく天霊、創界神の神域での連続攻撃アタックする機獣や剣獣は対策無しだとかなりキツくなるでしょう。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

癒しの創界神!クリシュナあらわる!!

……クリシュナのキャラって……もうこれ以外に思い付きませんでした…公式ェ……男なのに女っぽい言葉づかいさせやがって……


鈴仙「…はぁ……」

 

宴会の隅……そこで鈴仙は一人で座ってため息をついていた。そのわけは……

 

 

鈴仙「…私…どうして…強くないんだろう……」

 

どうやら今までの異変で、何も活躍できなかったことを気にしているようだ。すると、隅で凹んでいた鈴仙に近づいてきた人がいた。

 

???《どうしたのよ?ウサギちゃん。寂しくて泣いてるのかしら?》

 

鈴仙「…へ……?」

 

 

鈴仙が顔をあげると、そこには金髪で笛を持った男性……ん?…男性…?明らかに言葉使いは女性だった…鈴仙は声の主を探してキョロキョロしていると、男性が鈴仙の顔を覗きこんだ。

 

???《ちょっと!ワテクシが話しかけたのよ!このクリシュナ様がね!……んで…どうしたのよ…宴会の席なのに暗い顔しちゃって。》

鈴仙「…うぇぇぇ!?し、失礼いたしました…!!じ、実はですね……………」

 

そうして鈴仙は話し始めた…自分が月の都から逃げてきたこと…医者として頑張っているが失敗ばかりなこと…先の異変でも何にもできなかったこと……クリシュナは黙って聞いていたが、聞き終わると話しだした。

 

 

 

クリシュナ《…あのねぇ…あなたは結果を求めすぎなのよ。天才の永琳ちゃんだってすんごい時間を薬学に費やしたのよ?なら、あなたはもっと頑張らないといけない。その内は結果を考えちゃダメよ……一つ一つ…階段を登りなさい……》

 

 

鈴仙「…ありがとうございます……少し気が楽になりました………」

 

 

クリシュナにそう言って頭を下げた鈴仙。するとクリシュナは少し考えると、近くで飲んでいた彼女に声をかけた。

 

 

クリシュナ《…そこのお嬢ちゃん?お酒の肴にこのうどんちゃんとバトルしな~い?》

 

 

レミリア「ほう…ウサギ…この私とやるとは……面白い…!」

 

 

鈴仙「…ぇぇぇぇ!!Σ(Д゚;/)/ちょっと!」

 

 

クリシュナ《大丈夫♪ワテクシも力を貸すわ!》

 

 

クリシュナが話しかけた彼女……レミリアはやる気満々なのに対し、鈴仙は驚いてしり込みする。しかしクリシュナは「お前の意見は聞いてない」と、言わんばかりに鈴仙の中に入ってしまった。

 

 

鈴仙「…仕方ないですね……やります!」

 

 

鈴仙 レミリア「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

第1ターン レミリアは冥騎士アロケインを召喚し、旅団の摩天楼を配置した。

 

 

第2ターン 鈴仙はゲッコ・ゴレムとゴッドシーカー コル・ハープルを召喚。召喚時効果で四枚オープンして、その中の創界神クリシュナとクリシュナーガ・リグ・ガンナを回収した。

 

第3ターン 冥侯爵フォカロールを召喚。召喚時効果で手札の白蛇帝アルデウス・ヴァイパーを棄てて、二枚ドローした。さらにレベル2にしたアロケインでアタックし、鈴仙のライフを一つ砕いた。

 

 

そしてバトルは第4ターンである。

 

 

 

鈴仙「メインステップ!白き音色!創界神クリシュナを配置します!三枚トラッシュへ送り、二つコアを追加!さらにクリシュナーガ・サトラェを召喚して、相手の手札が六枚なので二コアを増やします!!アタックステ……」

 

 

クリシュナ《…ちょいお待ち!ワテクシはターンエンドを奨めるわ。》

 

 

鈴仙「…そうですが…わかりました!ターンエンドです!」

 

 

鈴仙の背後に現れたクリシュナがアタックを止める。鈴仙は不思議に思ったが、白デッキだからだろうと思い、ターンエンドする。

 

 

レミリア「ずいぶん舐められたものね。メインステップ。さっさと決めるわ。我が僕!真の恐怖を今ここに!アルティメット・ベルゼビート!!コストはアロケインからだ!」

 

 

レミリアがフィールドを切り裂くと地面から蠅の頭を持ち、剣を携えた悪魔が現れた。

 

 

レミリア「アタックステップ!Uベルゼビートよ!真の恐怖を味わらせてやれ!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

クリシュナ《……この子…中二病なのかしら…?》

 

 

鈴仙「コスト4……水晶竜シリマナイト…」

 

 

レミリア「ヒット!!トラッシュからアルデウス・ヴァイパーをノーコスト召喚!!さらにヴァイパーの効果!スピリットのコア三個を外す!全滅だ!!」

 

 

Uベルゼビートが剣をフィールドに突き刺すと、白い体に金色の翼を持った蛇が這い出してくる。そして紫のビームが鈴仙のスピリットを全滅させた。

 

 

鈴仙「…まずい!ライフで!」

 

 

Uベルゼビートが鈴仙のライフを斬り捨てた。

 

 

レミリア「ヴァイパー!更なる恐怖を!」

 

 

鈴仙「く!ライフです!!」

 

 

ヴァイパーの尻尾が、一気にライフを二つ破壊した。

 

 

レミリア「ふん…ここでターンエンドとしよう…」

 

 

鈴仙「…あー…これならアタックすべきだったわ…」

 

クリシュナ《…そうかしら?》

 

 

ライフを一気に三つ削られ、スピリットも失った鈴仙が愚痴をこぼすと、クリシュナがそう否定して話し出す。

 

 

クリシュナ《…ワテクシはね…逆境であるほど燃えるのよ!もちろんワテクシの眷属達もそう!逆境をも楽しみなさい!》

 

 

鈴仙「…弾さんみたいですね…メインステップ!逆境を跳ね返せ!神撃甲龍ジャガンナート!レベル2でその光を今ここに!!さらに神龍甲笛バガヴァット・ギーターを直接合体!!」

 

クリシュナ《さぁ!始めますわよ!我が破壊と暴力の化神を!!》

 

クリシュナが指をパチンと鳴らす。すると上空から白い体に緑の翼を生やした四つ足のドラゴンがフィールドに落ちてきた。そして、クリシュナが自身の笛をジャガンナート目掛けて投げる。すると笛が大きな砲台になると、ジャガンナートの背中に装着された!

 

 

鈴仙「…でもターンエンド!!」

 

 

クリシュナ《わかってる~!》

 

しかし、鈴仙はターンエンドを宣言。レミリアにターンをまわした。

 

 

レミリア「何!?……後悔するなよ!メインステップ!さらにフォカロールを召喚して、手札のダークヴルム・ノヴァ・レムナントを破棄!そしてUベルゼビートをレベル4に!

 

アタックステップ!Uベルゼビートよ!やれ!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

鈴仙「…コスト9…クリシュナーガ・ヴァーバン!」

 

クリシュナ《…残念だったわね!ガードよ!》

 

どんなUトリガーでも、さすがにヒットしなければ真価を発揮はできない。そして鈴仙はジャガンナートに目を向ける。

 

 

鈴仙「ジャガンナートでブロック!バガヴァット・ギーターの効果でコアを追加!さらにブロック時にコアを二つ追加!よってレベル3にアップ!!」

レベル3に上がったジャガンナードとUベルゼビートがぶつかるが、BPが3000高いUベルゼビートが押していく。しかし鈴仙はカードを掲げて叫んだ。

 

 

鈴仙「フラッシュタイミング!リゲイン!ジャガンナートを疲労ブロッカーにしてBPプラス5000!」

 

 

押されていたジャガンナートが白く輝くと、ずんと踏ん張り砲台をUベルゼビートの眉間に月当てて、ゼロ距離でぶっぱなして破壊した!

 

 

レミリア「しまった…ジャガンナートは疲労ブロッカー……ターンエンド…」

 

 

クリシュナ《さぁて…行くわよ!》

 

 

鈴仙「はい!メインステップはそのままでアタックステップ!ジャガンナードでアタック!!界放発揮!!相手のスピリットを三体手札に返して、手札三枚につきシンボルを最大二つ増やします!よってジャガンナートのシンボルは合計四つです!」

 

 

クリシュナ《さらにアタック時にもコアを増やせるわ!今度はワテクシにコアを置いてアンブロッカブルに!!》

 

 

ジャガンナートの咆哮がヴァイパーとフォカロールを手札に返すと、その力でジャガンナートの勢いが増した。

 

 

レミリア「ライフ!しかしこれでアタッカーはゼロだ!」

 

 

クリシュナ《ん~!失格よ!ワテクシの神技!コア三つを引き換えにジャガンナートを回復!!》

 

 

クリシュナがまた指を鳴らすと、ジャガンナートがむっくりと起き上がった。

 

 

鈴仙「ジャガンナート!大逆転フィニッシュ!!」

 

 

ジャガンナートの砲台から巨大な白いビームが放たれた!!

 

 

レミリア「うぇぇぇぇ!しゃくや~!」

 

 

クリシュナ《あら!やっぱし子供ね!》

 

 

レミリアはすっかりカリスマブレイクして、泣きながら咲夜を探しに行ってしまった。そして鈴仙がクリシュナに話しかける。

 

 

鈴仙「ありがとうございました。なんだが…景色が変わった気がします!」

 

 

クリシュナ《いいのよ。若いもんの成長は嬉しいもの……さて……その成長を見せてくれたお礼に……》

 

 

♪~♪♪~♪♪♪~♪♪~♪~

 

 

するとクリシュナは笛を取り出し、美しい音色を奏で始めた。周りの人間、妖怪、神関係なくうっとりさせるほど心地よい音色だった。

 

 




はい。ありがとうございました。

公式ェェ…クリシュナのキャラ……どうしてオカマっぽくなったんだ(褒め言葉)


クリシュナ

インディーダ所属の甲竜の創界神。男性だが、女性のような口調で喋る。ちなみにどっちでもいける(意味深) ブラフマーやシヴァの同僚のヴィシュヌを主とするが、ブラフマー達には辛辣な言葉も吹っ掛ける。特技の笛は傷を癒すことができ、医療において神世界では永琳と双璧をなしている。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弾一番の厄日

厄とタイトルにありますが、厄神は出ません……そしてバトルもありません…

あと、最新弾の開封結果→死竜X、アレス、ムラクモ、ジャガンナード(シク)でした……なぜ10thXが来ないのだ!!


オリン オリュンポス

 

 

 

 

ゼウス《よし!会議はこれまで!》

 

 

 

今日はオリン神の会談の日…オリン十二神全員が集合して話し合っていたが、今日は案外早く終わったようだ……全員が書類をまとめて退出していくなか、アテナはとある神に声をかけた。

 

 

 

アテナ《……アプロディーテ……少しいいですか?》

 

 

 

アプロディーテ《あら…珍しいわね…どしたの?》

 

 

アプロディーテは以外な声かけに質問し返したが、アテナは黙って自室へと案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

オリュンポス アテナの部屋

 

 

 

 

お互い椅子に座って向かい合った二人。しかしアプロディーテは赤い顔をしているアテナを見て、相談内容をだいたい察した。

 

 

アテナ《…実は……弾とのことなのですが……》

 

 

アプロディーテ《……まぁ…察してはいたけど…具体的に何を聞きたいの?》

 

 

 

アテナ《……デートプランです……》

 

 

 

アプロディーテはアテナの言葉に少し考えたあと、真剣な顔つきでアテナに言う。

 

 

 

アプロディーテ《…弾の好物は?服は?デートなら幻想郷の人里でしょう?そこにはどんな店がどこにどれぐらいあるの?そこまであなたは調べた?》

 

 

 

アテナ《……そこまで…ですか?》

 

 

 

アプロディーテ《あったり前よ!いい?恋愛は戦争と同じ!情報がすべてを制す!それにあなたよりあの二人の方が幻想郷を知っている!ならこちらは相当な準備が必要なの!》

 

 

アプロディーテの言葉に詰まるアテナ。彼女のここまで真剣な顔つきも初めて見たが、ちゃんと的を得ている……

 

 

 

 

アテナ《……わかりました…調べたあと…また聞きに来ます……》

 

 

 

 

 

アプロディーテ《……ほんと…丸く……キレイになったわねぇ……私を忘れてデートプランの情報収集に行ったわよ……》

 

 

 

アテナが礼を言って退出していったあと、 アプロディーテは一人部屋で呟いた……

 

 

 

 

 

 

数日後 博麗神社

 

 

 

 

弾「ふう…久しぶりに体を動かしたな…」

 

 

霊夢「案外、直接戦闘もできるのね…」

 

 

 

この日、二人は妖怪退治の依頼で(といっても簡単なものだが)出掛けていた。弾もリアルファイトができるようになったので、ちょうどいい練習になったようだ。そして、博麗神社に帰って来た二人をとある少女が出迎えた。

 

 

 

???「霊夢さ~ん!弾様~!おかえりなさ~い!」

 

 

 

霊夢「あうん、留守番ありがと。」

 

 

弾「留守中に何かなかったか?」

 

 

彼女は高麗野 あうん。博麗神社の狛犬がいろいろあって意思を持った存在だ。あうんは弾の言葉に少し早口になりながら話し出す。

 

 

 

あうん「ええと……オリンの創界神様がお見えに…」

 

 

 

ヘルメス《よう。お二人さん。》

 

 

 

 

あうんの言葉を遮って奥から出てきたのは、案の定ヘルメスだった。弾はヘルメスほどの伝令が来るとは一体……と考えていたが、ヘルメスが渡したのは一枚の手紙だった。

 

 

 

ヘルメス《…アテナからだ……後…この手紙は紫ちゃんや永琳ちゃんには…ぜっっっっったい……見せるな…!……それじゃ…》

 

 

ヘルメスはそう言うと、飛び去っていった。弾と霊夢は二人に見せるなという言葉で手紙の内容を察した………

 

 

 

 

 

さらに数日後 人里 入口

 

 

 

 

アテナ《…逃げてはだめです…逃げてはだめです…逃げてはだめです………》

 

 

 

約束の日……アテナは時間の30分も前から弾を待っていた。いつものような服ではなく、かなりのおしゃれをしている所を見るに、アプロディーテの手が入っているのであろう……しかし、当の彼女は内心とんでもなく緊張していた……

 

 

 

 

アテナ《………焦ってはだめです……!…そう…まずは素数を数えて……2…3…5…7…11…13……》

 

 

 

弾「…何でそんな顔をしてるんだ?」

 

 

 

アテナ《…3433…3449ってひゃあう!!》

 

 

 

ぶつぶつ言っていたアテナに話しかけた弾。さすがの彼女も後ろからの襲来には対応できなかったようである。

 

 

 

 

弾「…悪い…待たせたか?」

 

 

アテナ《…いえ!…それより……どうですか……?》

 

 

 

アテナはその場でくるりと回ることで、アプロディーテに教わった戦術を実行し始めた。

 

 

 

戦術①まずは服の感想を尋ねて印象を残す。

 

 

 

 

 

弾「…ああ…いつもより……キレイ…だな。」

 

 

 

少し照れ臭そうに言う弾にアテナは心の中でガッツポーズをした。そして続けざまにその②に移る。

 

 

 

アテナ《…さぁ…!早く行きましょう!》

 

 

弾「うおぉ!?」

 

 

 

戦術② 腕を自分の胸に押しつけて、女らしさをアピールする。

 

そう言うと、アテナは弾の腕を自分の胸に押し当てて歩き始めた。少々鈍感な弾でも、さすがにこれは響いただろう……そうして歩き出す二人……これからこちらは楽しいデートの時間である。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 永遠亭

 

 

 

アポローン《よっと!》

 

 

アルテミス《なんの!》

 

永琳「…やるわね…!」

 

 

 

永遠亭の庭ではアポローンとアルテミスが永琳と弓勝負を行っていた。縁側には鈴仙やてゐ、輝夜が応援している。しかし、双子の創界神達はそれよりも………

 

 

 

アポローン《……弾がアテナとデートしていることを隠さないと…!》

 

 

アルテミス《…私達の命はない……!》

 

 

 

実はこの二人、アテナに頼まれて永琳の足止めをしているのだ。任務は二つ。一つはそもそもデートを知られないこと。もう一つは知られても、最低限時間を稼ぐことである。二人はいつバレるか戦々恐々としながら矢を放っていた……

 

 

 

 

永琳「…どうしたの?何か顔色が悪いけど……」

 

 

 

アポローン《…!いやぁ!大丈夫だ!さて!今度は俺の番だな!》

 

 

アルテミス《…アテナ……後で甘いものね……!》

 

 

 

 

 

 

スキマ 八雲邸 キッチン

 

 

 

 

アプロディーテ《…まずはこの材料を…》

 

 

 

紫「成る程……」

 

 

 

一方、紫はアプロディーテ自身が押さえ込んでいた。紫に《弾を落とすための料理に興味ある?》と尋ねると、すぐに乗ってきたので誘うのは簡単だったが、もしバレると、スキマを開いてすぐに人里まで来れるので、さすがのアプロディーテも内心はドキドキしていた……

 

 

 

アプロディーテ《…ここまでお膳立てしたのよ……成果は出してきなさい……!》

 

 

 

 

 

 

 

 

再び 人里

 

 

 

弾「アテナは何かいくところが決まっているのか?」

 

 

 

アテナ《ええ…少し…和服を買おうかと…》

 

 

戦術③買い物は身につけるものにせよ。

 

 

 

以前のアテナなら本屋だとか、寺子屋だとかに行っていたであろう。アプロディーテ曰く、身につけるものだと「どうかしら?」をもう一発打てる。なので服やアクセサリーなどがいい……アテナは納得した。なので二人は呉服屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

呉服屋に入ると、色とりどりな和服が並んでいた。生地もアテナが目を見張るものもあった。二人はいろいろと気に入ったものを選んでいく……

 

 

 

アテナ《…こ、これとかどうかしら……?》

 

 

弾「…あ、ああ…似合うな……!」

 

 

試着室でプチファッションショーのような感じになってきたとき、弾達に気づいたのか、近寄ってくる二人がいた。

 

 

 

 

幽香「あら…弾と……オリンの知恵の女神じゃない…」

 

 

イシス《……デートかしら?》

 

 

 

弾「幽香…イシス…!どうした?お前達も買い物か?」

 

 

ぬうっと二人の間に入ってきたのは、幽香とイシスだった。弾が尋ねると幽香曰く、ガーデニングの肥料等を買いに来たらしい。そしてイシスは興味本位でついて来て、偶然弾とアテナが目に入ったそうな。するとアテナは持ち前の頭をフル回転させると行動にでた。

 

 

 

 

アテナ《…今私は弾に着物を選んで貰っています……何か?》

 

 

アテナは間違ってはないが、少し盛って状況を説明した……あっち行けというオーラを纏って……

 

 

 

幽香「あらそう?ならお邪魔虫は退散しましょ♪」

 

 

 

イシス《そうね……うふふ……》

 

 

二人はその気を感じ取ったのか、そう言うとそそくさと呉服屋を出ていった。その後、弾とアテナはお互い一着ずつ買って、呉服屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「……これを紫や永琳に話したら……うふふ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…そうだ。そろそろ昼時だが…昼はどこで食べようか?俺は別にどこでもいいけど……」

 

 

アテナ《…何か希望がないなら……あそこはいかがでしょうか?定食屋のようですし……大概の料理はあるでしょう……カレーとか……》

 

 

 

弾「…!カレーか……うん…じゃあそこにしようかな。」

 

 

 

アテナは事前の情報で、弾の好物は把握していた。なので偶然見つけた所に入った風に見せかけて、そういう流れになることを計算していたのだ。そして二人は中に入って料理を注文する。

 

待っている間はアプロディーテ直伝のアテナの話題作りで会話を進めていると、料理が運ばれてきた。弾はやはりカレーだったが、アテナのは意外にもグリーンカレーという珍しいものだった。

 

 

 

 

弾「…アテナって…グリーンカレー派なのか?」

 

 

アテナ《こちらも美味しいですよ?……一口どうですか?》

 

 

少し食べた後に弾がした質問に、アテナは待ってましたと心の中で叫んだ。

 

 

 

戦術④ご飯であーんを実行

 

 

 

アテナ《……口…開けてください…》

 

 

 

弾「…え…あ…いや…」

 

 

アテナはスプーンを弾の口元に持っていくが、弾がしどろもどろになっていると………

 

 

 

アテナ《……あーん…!》

 

 

 

弾「……あ、あーん……」

 

 

 

……アテナ様…粘り勝ち…あーんに成功しました……そんなこんなで食事はアテナのペースで進んでいった………

 

 

 

 

 

 

……しかし………

 

 

 

 

 

幽香「…対決中にごきげんよう♪永琳?少しいいかしら?」

 

 

 

永琳「…?何かしら?あなたがわざわざ来るなんて、珍しいわね。」

 

 

 

幽香「…さっき人里で、弾とアテナがデートしてたわよ。」

 

 

アポローン アルテミス《げ!!(゜〇゜;)まずい!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

イシス《…あら…アプロディーテ…紫ちゃんに料理を教えてるの?》

 

 

アプロディーテ《ええ。どうかした?あなたも教わりたいのかしら?》

 

 

イシス《…残念だけど…幽香から紫ちゃんに伝言を頼まれちゃってねぇ……》

 

 

紫「……幽香から…?…一体何か?」

 

 

イシス《…「あなたの愛しい旦那様は人里で、アテナとデート中」だそうよ。》

 

 

アプロディーテ《……幻想郷……大丈夫かしら…》

 

 

 

 

…………どうなることやら………




はい。ありがとうございました。

…今回が一番執筆時間を食った話でした……次はきっと……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

マジギレえーりん!!

今回はえーりんのバトル!とうとう永琳が創界神としてバトルします!なのでオリカ注意です!そしてアテナとのデートの行方は!?


博麗神社

 

 

 

弾「…いいのか?俺んちに帰って来て……」

 

 

 

アテナ《大丈夫です。霊夢にはちゃんと許可を取っておりますので……》

 

 

 

戦術⑤ うまくいけば自宅まで!

 

 

 

二人は博麗神社の縁側でくつろいでいた。アテナはここから一気に距離を詰める……そのつもりだったが………

 

 

 

弾「………なんだか悪寒が……………」

 

 

 

 

 

紫「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!

 

 

 

永琳「あなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

 

………修羅場……勃発。スキマから紫が…空から永琳が飛んできた。どうやらアポローン達を軽く蹴散らして来たようだ……まぁ…この二人のバトスピの腕なら当たり前だろう……

 

 

弾「…ゲゲ…!!」

 

 

 

アテナ《…チ…どうしましたか?そんなに焦って……》

 

 

 

紫「どうしたもこうしたも無いわよ!何!?デート!?弾に手出しはさせないわ!!」

 

 

永琳「…紫…私がやるわ…久しぶりに本気でいくわよ…!!」

 

 

 

 

とんでもないエネルギーを纏ってアテナを睨み付ける永琳。そのいつも以上の目付きと言葉を紫は感じとり、身を引いた(恋愛からは引いてない)

 

 

 

アテナ《…いいでしょう…全力で来なさい!》

 

 

 

永琳 アテナ《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

 

 

第1ターン 永琳は光星姫ヴァージニアを召喚して三枚オープンし、その中の銀河星剣グランシャリオを回収した。

 

 

第2ターン アテナはゴッドシーカー 鋼鉄乙女005シビュラを召喚して四枚オープン。その中の鋼鉄乙女009アスパシアと創界神アテナを回収して、このまま配置。トラッシュへ送ったカードのうち、対象カードが三枚だったので三コアを置いた。

 

 

 

第3ターン 永琳は樹星獣セフィロ・シープを召喚してコアブースト。そして……!

 

 

 

永琳「…行くわ…創界神オモイカネを配置!対象の系統は[神星/光導&コスト3以上][光導&ブレイヴ]なので対象カードは二枚。よって二つコアを置く。バーストをセットしてターンエンド」

 

 

永琳の体から神力が迸った。

 

 

 

アテナ《…来ましたか…メインステップ。アスパシアのアクセルを使用。デッキから二枚オープンしてその中の鋼鉄騎神アテナイアーと鋼鉄聖機士ステファノスを手元に置きます。さらに鋼鉄乙女000オルティアのアクセルでシビュラとトラッシュにコアを追加。これでターンエンド。》

 

 

 

紫「…動かない……お互い出方を見ているのね…」

 

 

 

永琳「メインステップ。雷星獣ドラグ・タウラスを召喚。さらに銀河星剣グランシャリオを直接合体!アタックステップ!ドラグ・タウラスでアタック!!星読の効果でオープン!十二星槍ゾディアックランサーだったので回収!そしてシビュラを破壊!」

 

 

 

 

ドラグ・タウラスがグランシャリオを咥えて走り出す。そして雷を放ってシビュラを破壊した。しかし……

 

 

 

 

アテナ《甘い!フラッシュタイミング!マジック!ツンドラクラッシュを使用。ドラグ・タウラスの効果を無効にして手札へ!》

 

 

 

 

アテナの手から放たれた白い光が地面を砕いてドラグ・タウラスを手札へと返させた。

 

 

 

永琳「ぐ…グランシャリオのアタックは中止…ターンエンド。」

 

 

アテナ《メインステップ!アスパシアを召喚して手元からアテナイアーを一コスト召喚!!鋼鉄の頂点!何者も落とせぬその体!鋼鉄騎神アテナイアー!!》

 

 

 

フィールドに現れた甲冑姿のアンドロイドが旗を振ると、アテナイアーが地面を砕いて現れた。そしてアテナイアーは攻撃体制に入る。

 

 

 

アテナ《アタックステップ!アテナイアーでアタック!!効果でヴァージニアとセフィロ・シープをデッキボトムへ!》

 

 

 

アテナイアーの衝撃波がヴァージニアとセフィロ・シープをデッキの下に返還させる。これで永琳のフィールドはがら空きである。しかし永琳はニヤリと笑う。

 

 

 

永琳「相手のスピリットがアタックしたのでバースト発動!!天羯機動スコルビウム!お返しです!師匠のコアを全てボイド送りに!!そのままスコルビウムでブロック!!」

 

 

現れたスコルビウムの槍とアテナイアーの槍がぶつかるがスコルビウムのBPが上なので、アテナイアーは押されていく。

 

 

 

アテナ《フラッシュタイミング!もう一枚ツンドラクラッシュ!スコルビウムを手札に返します!》

 

 

 

しかし、アテナは二枚目のツンドラクラッシュで強引にスコルビウムを除去してアテナイアーを守った。だが自身のコアが無くなってしまったので神技が使えず、ターンエンドするしかなかった。

 

 

 

永琳「…ドローステップ…!メインステップ!ドラグ・タウラスを再度召喚!グランシャリオと合体!!

 

アタックステップ!ドラグ・タウラスでアタック!!星読でオープンして、炎星竜サジタリアス・ドラゴンなので回収!」

 

 

 

再び現れたドラグ・タウラスグランシャリオを咥えて飛び出した。そして永琳はカードを取り出す。

 

 

 

永琳「フラッシュタイミング!炎星竜サジタリアス・ドラゴンをドラグ・タウラスに煌臨!!効果でトラッシュのコア全てを置く!」

 

 

アテナ《!?バウンス耐性を与えるドラグ・タウラスを捨てた…!?》

 

 

 

ドラグ・タウラスがサジタリアス・ドラゴンに変わるとアテナは驚く。ドラグ・タウラスは光導スピリットにバウンス耐性をばらまく効果を持っているがそれを捨てた……しかし永琳はさらに続ける。

 

 

永琳「あなたにバウンスカードがないということに賭ました!さらにフラッシュタイミング!永久に輝く月よ!我は今!この地で新生する!!サジタリアス・ドラゴンに煌臨!!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!!!

 

 

 

永琳の後ろから赤い月が昇るとサジタリアス・ドラゴンがさらに炎に包まれる。そして月に炎が灯るとそこから一体のドラゴンが降り立つ。姿は大きなストライク・ジークヴルム・サジッタだが、大きな違いは…背中の黄金のファンネルと天使のような小さな翼であろう。

 

 

 

弾「これが……永琳の化神…!!」

 

 

 

永琳「ストライクヴルム・ノヴァの煌臨時効果!手札から十二星槍ゾディアックランサーを直接一コストで合体するように召喚!そして回復させる!!ストライクヴルム・ノヴァはダブル合体が可能!!」

 

 

ストライクヴルム・ノヴァが波動を放つと、永琳の手札からゾディアックランサーが飛び出して、グランシャリオとは反対の左腕に収まった。すると全身からオーラが噴き出して、ストライクヴルム・ノヴァは金と銀の鎧を身に纏った!!

 

 

 

永琳「さらに私のレベル2の神域の効果!アテナイアーを指定アタック!!」

 

 

 

アテナ《く!アテナイアーでブロック!!》

 

 

ストライクヴルム・ノヴァのゾディアックランサーとアテナイアーの槍がぶつかり合う。ストライクヴルム・ノヴァは空から炎を放つが、アテナイアーは盾で防ぎきると槍の先からのビームでやり返す。

 

しかしストライクヴルム・ノヴァは左腕のゾディアックランサーを投げつけビームを相殺し、グランシャリオを両腕でおもいっきり振り下ろした!アテナイアーは受け止められずに切り裂かれて爆散した!!

 

 

 

永琳「ゾディアックランサーの効果でライフを一つ破壊!!もう一度アタック!界放発動!!私のコア三個を置くことで、BP30000以下のスピリットを二体まで破壊!!」

 

 

ゾディアックランサーを拾って飛び出したストライクヴルム・ノヴァは永琳の力を込めてアスパシアを破壊した。

 

 

 

紫「…ダブル合体スピリットのシンボルは四つ…!」

 

 

アテナ《…ふ…強くなりましたね…でも諦めませんよ?》

 

 

永琳「ええ!上等です!!」

 

 

 

ストライクヴルム・ノヴァがファンネルから銀色の雷を放った!!

 

 

 

 

 

 

その日の夜……

 

 

 

霊夢「……何よ…これ……」

 

 

 

 

弾「…おお…霊夢…お帰り……」

 

 

 

アテナに買収…ゲフンゲフン……頼まれて夜に帰って来た霊夢が見た光景……それは寝室で右の紫…左のアテナ…そして上の永琳に覆い被さられていた弾だった……

 

 

 

 

霊夢「はぁ…結局バレたのね…大丈夫?」

 

 

 

弾「…ちょっと手伝ってくれるか?さすがに俺が寝れない……」

 

 

 

そう言ってモゾモゾと永琳を退かして立ち上がろうとした…が…!!!

 

 

 

 

アテナ《……だん…!》

 

 

 

弾「…!!?」

 

 

 

寝ぼけたアテナが弾の腕を掴むと………

 

 

 

 

 

……チュ……

 

 

 

 

……弾の頬にキスした……

 

 

 

 

霊夢「……パタン……」

 

 

 

弾「霊夢!?おいぃぃ!?」

 

 

 

霊夢は静かに寝室の扉を閉めた…翌朝…博麗神社にはものすっごくツヤツヤした三人とげっそりした弾の姿が目撃されたそうな………

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

……弾さん…お疲れ様です……


そして創界神オモイカネと化神を載せます。永琳の化神はノヴァというよりはサジットアポロのような感じです。サジノヴァがノヴァ+メテオストームっぽい効果を持ってるので、こっちはサジット+バーニングサンの効果にしました。


2(0)六色 創界神オモイカネ 系統:創界神 光導

神託[神星/光導&コスト三以上][光導&ブレイヴ]
<0>Lv1<3>Lv2
【神技:3】Lv1・Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ時』(このネクサスのコア3個をボイドにおく)BP8000以下のスピリット/アルティメット一体を破壊する。この効果は【重装甲】/【超装甲】以外では防げない。

【神域】Lv2『自分のアタックステップ』
系統:「光導」を持つ自分のスピリットすべては、相手のスピリット/アルティメット1体を指定してアタックできる。

シンボル:神


9(赤1紫1緑1白1黄1青1)超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ 系統:化神 光導 神星
<1>Lv1 10000<3>Lv2 15000<6>Lv3 24000
フラッシュ《煌臨:光導&コスト6以上》『お互いのアタックステップ』
自分の[ソウルコア]をトラッシュに置くことで、対象の自分のスピリットに手札から重ねる。
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリットはブレイヴ2つまでと合体できる
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの煌臨時』
自分の手札にある系統:「光導」を持つブレイヴカード1枚をこのスピリットに直接合体するように一コスト支払って召喚することで、このスピリットは回復する。
【煌臨中】【界放:3】Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』自分の創界神ネクサスのコア3個をこのスピリットに置くことで、BP30000以下のスピリット/アルティメットを二体破壊する。

シンボル:赤白


後、ストライクヴルム・ノヴァの見た目はジークノヴァっぽくしたストライク・サジッタにW合体サジットのファンネルをくっつけた感じです。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ヘタレな軍神。

少し今までのバトルを振り返りました。そして文字数やバトルの質を考え、これからはキチンと最初からバトルを書いていきます。


冥界 白玉楼

 

 

 

妖夢「は!は!」

 

 

 

カグツチ《…よし…もうちょっと攻撃をイメージしようか。》

 

 

 

幽々子「……凄い先生が来たものねぇ……」

 

 

 

あの後、カグツチは妖夢の稽古には付き合ってくれるようになった。しかし、幽々子としては弄る相手がいなくなったので、暇をもて余していた。するとそこに……

 

 

 

 

アプロディーテ《お邪魔するわ。》

 

 

幽々子「あら、また来たの?」

 

 

やって来たのはアプロディーテだった。実はこの冥界は幻想郷屈指の桜の名称であり、毎年の春には必ず花見が行われる。しかし、それ以外にもたくさんの花達が咲いているため、アプロディーテはここがお気に入りだそうだ。

 

 

 

 

アプロディーテ《…そうだ…ちょっと相談があるのだけど……》

 

 

幽々子「?」

 

 

首を傾げる幽々子をアプロディーテはとある場所へと案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 妖怪の山 空中

 

 

 

アプロディーテ《…!いたいた…降りるわよ。》

 

 

 

幽々子「……凄い気ねぇ……」

 

 

 

白玉楼を飛び出して空を飛んでいた二人は、地上に何やら大きな神力を感じとり、地上に降りてみた。

 

 

 

 

幽々子「……この感じ…弾と似てる…もしかして創界神かしら?」

 

 

 

アプロディーテ《ええ…まぁ…っぽくはないけど…》

 

 

 

しかし、その本人は岩に座って体育座りをしていた……すると幽々子は彼に話しかけてみた。アプロディーテは後ろでこっそり見ている。

 

 

 

 

幽々子「うらめしや~へ(^^へ)」

 

 

 

???《……俺に何か用か…?》

 

 

 

幽々子「あら…驚かないのね。私は西行寺 幽々子よ~あなたは?」

 

 

 

???《…俺はアレス…オリン神の一人だ…》

 

 

 

そう答えたアレスだったがその声は暗い。幽々子はアレスに明るく尋ねてみた。

 

 

 

幽々子「…なんだが元気が無いみたいだけど~?」

 

 

アレス《…ほっといてくれ…強くない軍神なんて…》

 

 

 

幽々子「…つまり強くないから凹んでたのね…?」

 

 

 

幽々子の言葉にゲッΣ(゚Д゚ υ)となるアレスだが、幽々子はこう続ける。

 

 

 

幽々子「気にしないこと♪もしあなたが要らないなら、オリン神から除外されてるはずだし………あら…?」

 

 

 

神奈子「ん!?違った…あのエロ親父じゃなかった…」

 

 

現れたのはスサノヲを追い出したが、なんだかんだで心配になって探しに来た加奈子だった。

 

 

 

アプロディーテ《ちょうど良かったわ。ねぇ加奈子ちゃん?ここに座ってるこの男…あの軍神アレスなのよ?》

 

 

 

神奈子「えええ!?あの軍神アレス様ですか!?うわぁ!!あたしファン何ですが……握手しても…?」

 

 

 

アレス《…え、あ、ああ…どうして俺なんか…》

 

 

 

普段のカリスマをブレイクさせてアレスと握手して、本当に嬉しそうな表情になった加奈子。そしてアプロディーテがアレスに話しかける。

 

 

 

アプロディーテ《これで分かったでしょ?あなたは立派な創界神よ。もう少し自信を持ちなさい…昔私と付き合っていた時みたいにね♪》

 

 

アレス《…全く…何億年前の話だ…!》

 

 

そう言ったアレスの声には確かに自信が宿っていた。幽々子はアプロディーテがここに自分を連れてきた理由を悟って微笑んでいた。

 

 

幽々子「そうだ!ねぇアレス、私軍神のバトルが見たいわ。お手合わせしてくださらない?」

 

 

アレス《…まぁ…加奈子って言ったか…こいつとなら良いぜ。アプロディーテ、お前もその亡霊のねぇちゃんと一緒にバトルするんだろ?》

 

 

アプロディーテ《…うふふ…さて幽々子…失礼するわ。》

 

 

アプロディーテが幽々子の中に入ったのを見て、アレスは加奈子に目をやる。加奈子は深呼吸の後に答えた。

 

 

 

神奈子「……分かりました。不肖八坂 加奈子!全力を尽くします!」

 

 

 

アレス《よし!》

 

 

 

神奈子 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「私から行くわ~♪メインステップ。神華の妖精アザレアを召喚。効果で手札のクローバーフィールドをフィールドに置いて二枚ドロー。これでターンエンド。」

 

 

 

幽々子のフィールドに赤い羽を持った妖精が現れ、ピンクのクローバーの花が咲き誇った。

 

 

 

神奈子「…ではこちらのメインステップ。ゴッドシーカー 天騎士オールリィチを召喚。召喚時効果で四枚オープンする。その中の創界神アレスと蟻炎の騎士団長インビクタを回収する。

 

そして荒ぶる軍神!創界神アレス!!三枚トラッシュへ送り、対象カードが三枚だったので三コアを追加する。これでターンエンド。」

 

 

 

アレス《自分。出撃する。》

 

 

 

神奈子のフィールドに両刃剣を持ったゴキブリのような騎士が現れ、さらに後ろに旗を持ったアレスが出現した。

 

 

 

幽々子「…メインステップ。咲き誇れ!創界神アプロディーテ!トラッシュに三枚送って全て対象カードだったのでコアを三個追加するわ。さらにマジックでガーデニアフィールドよ。一枚ドローしてフィールドに置く。」

 

 

 

アプロディーテ《うふふ…!》

 

アプロディーテが背後に現れると、クローバーの花畑に混じって白い薔薇も広がった。

 

 

 

幽々子「さらに神華の魔女妖精ガーデニアを召喚してデッキから四枚オープン。そして楽族を持つ神華龍皇ジークフリード・アプロダイティを手札に加え、華マジックのベラドンナフィールドと舞華ドローをフィールドに置くわ。ターンエンド♪」

 

 

 

さらに目付きの鋭い銀髪の妖精が現れ、薔薇の花畑に青やピンクの花も咲き誇った。これは幽々子にとってかなりの援護になる。

 

 

 

神奈子「…フィールドが色とりどりだな……メインステップ。バーストをセットしてアレスの甲殻神殿を配置。配置時効果でリザーブと殻人スピリットに追加!」

 

 

 

アレスのさらに後ろに蜂の巣のような神殿が出現すると、フィールドのオールリィチに力を与えた。

 

 

 

神奈子「そして蟻炎の騎士団長インビクタをレベル2で召喚。召喚時効果を使って手札を全て破棄。そしてその分相手の創界神のコアを取り除く!」

 

 

 

アレス《了解。インビクタを実戦配備する。》

 

 

 

赤い鎧を纏った蟻の騎士が現れると、神奈子の手札をエネルギーにしてアプロディーテのコアを三個取り除いた。

 

 

神奈子「さらに巨蟹神刀カニキリをアレスに!これでターンエンドだ!」

 

 

 

アレス《んん…かなりくるな……》

 

 

 

紫のオーラからアレスが緑の刀を引き抜き構えたが、加奈子はアタックせずにターンエンドした。

 

 

 

幽々子「うーん…メインステップ。フィールドのベラドンナフィールドに煌臨!華麗な龍皇!!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!!さらに手札から美神霊杖バタフライ・エフェクトを直接合体!!」

 

 

アプロディーテ《…はぁ!》

 

 

 

幽々子が扇子を広げてくるっと一回転すると、花びらが舞い上がって中からジークフリード・アプロダイティが現れた。そしてアプロディーテが懐から一本の杖を投げ渡すと、アプロダイティは口で咥えて黄色のオーラを放出した!!

 

 

 

 

幽々子「アタックステップ!アプロダイティでアタック!効果で手札からベラドンナフィールドをノーコストで発動するわ!よってスピリット二体を破壊!!さらにフィールドにマジックが三枚以上あったのでライフを一つ貫通!!」

 

 

アプロダイティの翼が羽ばたいてベラドンナの花びらがオールリィチを貫いて破壊した………が…!!

 

 

 

神奈子「インビクタのレベル2からの効果でこのスピリットは効果では破壊されず、私のライフは効果で減らない!ライフで受ける!!」

 

 

 

アプロダイティの花びらをインビクタの剣が叩き落として自身と加奈子への攻撃を無効化した。しかしアプロダイティ自身の攻撃は加奈子のライフを二つ破壊した。

 

幽々子「ターンエンド。」

 

 

 

神奈子「ドローステップ……メインステップ!勝利をもたらす甲殻の神!殻人騎士ナイト・オブ・グラディウス!!実戦投入!!」

 

 

 

アレス《了解!俺の化神よ!龍皇を討ち取ってこい!》

 

 

 

アレスが旗をフィールドに突き立てると地面から腕が突き出し、その旗を掴みながら一体のカブトムシの騎士が這い出してくる。そして全身が露になると旗を大きな斧に変化させて大きく構えた。

 

 

神奈子「さらにカニキリをグラディウスに合体!アタックステップ!ここでアレスの神域の効果!殻人スピリット二体で同時アタックする!!」

 

 

 

アレス《グラディウスの効果、発動する。相手のスピリット二体を重疲労。そして俺のコアを二つ使い、ライフを二つ砕く。さらにカニキリの効果で回復する。》

 

 

 

アレスの光を受けた二体が同時に走り出す。そしてグラディウスが左腕の斧を振るうと、アプロダイティとアザレアが地面へと押し潰され、その衝撃波が幽々子のライフを吹き飛ばした。さらにカニキリの効果でグラディウスは回復する。

 

 

幽々子「ふぅーん、ガーデニアフィールドの効果で効果では私のライフは計一しか減らないわ。フラッシュタイミング!マジックでアイリスフィールド!BP5000以上のスピリットの攻撃じゃあ、私のライフは壊せないわ~♪」

 

 

アプロディーテ《…残念♪》

 

 

幽々子の手札からの紫の花びらが壁になって、二体の攻撃をシャットアウトした。

 

 

 

神奈子「ぐぅ…ターンエンド。」

 

 

アレス《怯むな。反撃に備えるぞ。》

 

 

 

幽々子「メインステップ!優雅に舞う妖精の女神!神華聖霊アプロ・ウラニアー!!」

 

 

 

アプロディーテ《召喚時効果でグラディウスのBPマイナス8000!》

 

 

 

花畑から飛び出したウラニアーの光線がグラディウスの力を削いだ。

 

 

 

 

幽々子「アタックステップ!ウラニアーで攻撃!効果でフィールドのマジックを疲労させて回復!さらにアプロディーテのコアを使ってシンボルを追加!それにアタック時にもBPマイナス8000されるので、グラディウスのBPは0になり破壊よ!」

 

 

ウラニアーが再度光線を放ってグラディウスのBPを0にまで下げて破壊した!………かに見えたが……

 

 

 

神奈子「手札から重殻騎士ガンゾウムの効果でグラディウスが効果によって破壊された時、一コスト支払って召喚する!そうすることでグラディウスは同じ状態で残る!」

 

 

 

アレス《そしてメインアタックはライフ。ライフが減少したのでバーストを貰うぞ。選ばれし探索者アレックスの効果でドローしつつ、アタックステップを終わらせる。》

 

 

グラディウスを神奈子の手札から飛び出したゾウムシのような騎士が守りきり、ウラニアーの攻撃がライフを砕くと、アレックスのバースト効果でアタックステップが強制的に終わってしまった。

 

 

幽々子「あらら、残念。ターンエンド。」

 

 

 

神奈子「メインステップはそのまま。アタックステップ!グラディウスとガンゾウムで同時攻撃!!界放の効果でアプロダイティとアザレアを再度重疲労に!」

 

 

 

アレス《そしてライフ一点貫通!!さらにグラディウスの効果!二体のBPプラス15000!そして二体中一体はブロック不能!》

 

 

幽々子「ガンゾウムはライフ!グラディウスはウラニアーでブロック!」

 

 

 

グラディウスがカニキリと愛斧を振るうが、ウラニアーは華麗にかわしていく。しかしグラディウスが斧を軽くタップすると斧が何倍もの大きさまで巨大化し、ウラニアーの杖を叩き落とす。そしてその隙を突いたグラディウスがカニキリで一刀両断!ウラニアーは爆散した!!

 

 

 

そしてガンゾウムがハンマーを叩きつけてライフを二つ打ち壊した。

 

 

神奈子「インビクタ!」

 

 

アレス《殲滅!!》

 

 

 

インビクタの赤い剣が最後のライフを斬り捨てた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「やっぱり強いじゃない~♪私達も手は抜いてなかったわよ。」

 

 

 

アプロディーテ《ありがとね、幽々子♪お礼に人里でもお団子でもどう?》

 

 

 

そう言いながら飛び去っていく二人を見送ったアレスと加奈子。すると神奈子が話しかけた。

 

 

 

加奈子「…それにしても……アレス様が自信をなくすほどの敵とは?」

 

 

アレス《一人はアテナだよ。あいつの頭の回転には勝てやしねぇ。後……昔スサノヲの野郎にいじめられてな……ってどうした加奈子?》

 

 

 

アレスの言葉を聞いて顔面蒼白になって、全力で謝り続けた神奈子であった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

アレスをこんなにヘタレっぽく描いたのは、元ネタのギリシャ神話でも彼はこんな扱いなんです。アプロディーテとの夜の密会を暴露されたり…ツボに閉じ込められたり…イヤマジでそうなんです。

アレス

オリン所属の殻人の創界神。昔は軍神として自信家だったが、アテナやスサノヲに負けてプライドがへし折れてしまう。しかし最近は加奈子や弾との交流で多少はマシになった。一応、ゼウスとヘラの間の息子なので皇子のポジション。後根っからの軍人気質なので少しデリカシーに欠ける。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鍛治神!心火と紅蓮!!

さぁて…これで最新弾の創界神は全部書いてもうた……つまり…ネタがねぇ……


地底 地霊殿

 

 

 

弾「まずこのスピリットは……」

 

 

フラン「へぇ……」

 

 

こいし「なーる。」

 

 

今日は弾がこいしとフランにバトスピを教える日。今日は地霊殿でのレッスンなので同じ部屋にはさとりやブラフマー、シヴァもいる。この面子は弾の腕を得ようとレッスンを覗いているのだ。

 

 

 

さとり「…分かりやすいし、面白いわね……」

 

 

シヴァ《……あん?さとり、お燐ちゃんが来たぜ。お客さんをお連れのようだ。》

 

 

 

ブラフマー《…げ…この気は……!》

 

 

 

シヴァがお燐の気配を感じ、さとりに話しかける。端ではブラフマーがイヤァな顔をする…この気配に心当たりがあるようだ。

 

 

お燐「さとりさま~!弾様と同じ創界神様がお訪ねしました~!」

 

 

グレン《…失礼……》

 

 

お燐に連れられて入って来たのは弾と同じウルに所属している鍛治神の創界神、グレンだった。弾はそれに気づいて話しかける。

 

 

弾「グレンさん、どうしましたか?」

 

 

グレン《なに、少し地底の鍛治に興味があったのでな……よう、ポテト…どうした、サラスヴァティーに飽きたのか?》

 

 

ブラフマー《うっさいヒゲ!俺はサラちゃん一筋だ!》

 

 

グレンはブラフマーと言い合いを始める。この二人は仲がいいのか悪いのか……弾がグレンをさとり達に紹介したあと、フランがグレンに話しかける。

 

 

 

フラン「ねえねえおじさん!おじさんはシヴァの部下の神様?」

 

グレン《……おい…何で部下になってんだ?》

 

 

 

グレンが青筋をたてながら、なんとか殺気を誤魔化してフランに問いかける。するとフランは無邪気に話す。

 

 

フラン「え?シヴァが《ブラフマーとグレンってやつらは俺の部下みたいなもんだ!ぐははは!》って言ってたよ?」

 

 

 

ブラフマー《ヒゲェェェェェ!!!こいつぶっ飛ばすぞ!!》

 

 

 

グレン《さぁ…!向こうの部屋で朝まで語り明かそうか…!!》

 

 

 

…ブラフマーとグレンが「心火を燃やしてぶっ潰す!」状態と「大義のための犠牲となれ!」状態になってしまった……するとシヴァは普段は回らない頭を回らせて上手い言い訳を考えた。

 

 

 

シヴァ《ゲゲゲ!……よし!フラン!弾のレッスンの成果を見せるぞ!》

 

 

フラン「え!?う、うん!!」

 

 

さとり「うまく誤魔化しましたね……さてお二方、私がバトル致します。」

 

 

 

慌ててフランの中に入って行ったシヴァと呆れながら二人をその身に宿すさとり。

 

 

弾「………まぁ良いか…」

 

 

こいし「フランちゃ~ん!お姉ちゃ~ん!頑張ってねぇ~!」

 

 

 

フラン さとり「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「私からいくね!メインステップ!ゴッドシーカー 舞踏龍ナタラージャを召喚!効果で三枚オープンしてその中の破壊の創界神シヴァと破壊龍皇ジークフリード・ルドラを手札に加えるよ!ターンエンド!」

 

 

 

フランのフィールドにダンサーの衣装を着たドラゴンが現れた。

 

 

さとり「…早速面倒なカードを…メインステップ。まずはバーストをセット。そして水龍王リヴァイアを召喚して四枚オープン。その中の神託条件に[古竜]を含む創界神グレンと神話ブレイヴの聖蓮神剣リグ・ヴェーダを回収。さらにアバタードラゴン・イエローを手元に置いてターンエンド。」

 

 

さとりのフィールドに杖と魔導書を持った青いドラゴンが現れ、手元にアバタードラゴン・イエローを置いた。

 

 

フラン「メインステップ!破壊の神!破壊の創界神シヴァ!効果で三枚トラッシュにカードを置いて、対象のカードが三枚があったから三つコアを置く!」

 

 

 

シヴァ《…来るなら来い!全てを破壊してやる!》

 

 

 

フランの背後に開き直ったシヴァが現れる。

 

 

フラン「さらにムトゥードラゴンを召喚!手札を手元におき、シヴァのコアをボイドに送って計二枚ドロー!バーストもセットして終わり!ターンエンド!」

 

 

黒い悪魔のような羽を持ったドラゴンが現れるが、フランはまだ動かなかった。

 

 

さとり「メインステップ。紅蓮の炎!創界神グレン!そしてもう一神!創造の創界神ブラフマー!どちらも三枚中二枚が対象だったので二つずつコアを追加。そしてアバタードラゴン・ブルーの効果で手元に。」

 

 

ブラフマー《足引っ張んじゃねぇぞ!ヒゲ!》

 

グレン《お前もな!》

 

 

 

言い争いながらブラフマーとグレンが現れる。

 

 

 

さとり「そして宮殿龍タージ・ドラゴンを召喚。アタックステップ!タージ・ドラゴンでアタック!ブラフマーのコアをボイドに戻して二枚ドローします。」

 

 

 

背中にタージ・マハルのような宮殿を背負ったドラゴンがのっそのっそと歩きだす。

 

 

フラン「ライフで受ける!」

 

 

 

タージ・ドラゴンが炎でフランのライフを一つ砕いた。

 

 

 

さとり「ターンエンド。」

 

 

 

フラン「メインステップ!黒壬龍オブシディアン・ドラゴンをレベル2で召喚!効果でデッキから二枚裏向きで手元に置く!そしてタージ・ドラゴンのコアを除去するよ!」

 

 

 

黒いオーラから紫の鎧を纏ったドラゴンが現れ、光線を放ってタージ・ドラゴンをコアをトラッシュへ送り消滅させる。

 

 

 

フラン「アタックステップ!オブシディアン・ドラゴンでアタック!自身の効果で手元を増やしてコスト六&ダブルシンボルだよ!さらにシヴァの神域で手札を手元に置いてリヴァイアを破壊!」

 

 

 

シヴァ《あらよっと!》

 

 

飛び出したオブシディアン・ドラゴンの後ろからシヴァが紫の波動を放ってリヴァイアを吹き飛ばす。これでさとりのブロッカーは0になってしまった。

 

 

 

さとり「…ライフで。ですがバースト貰います!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!まずはムトゥードラゴンを破壊!この時効果は発揮されません!そしてそのまま召喚!」

 

 

 

オブシディアン・ドラゴンが大きな爪でライフを切り裂くと、バーストから火柱が上がってムトゥードラゴンを焼き尽くした。ムトゥードラゴンは手元の裏向きのカードを除外することで死竜スピリットを守る効果があったが、ジーク・ヤマト・フリードの炎はその効果を発揮させなかった。

 

 

 

 

フラン「あ!ムトゥードラゴンやられちゃった…ターンエンド。」

 

 

さとり「メインステップ。再度バーストをセット……こちらも使いますか…神の剣操る赤き龍!レベル2で召喚!創造龍ジェネレータードラゴン!

 

 

 

ブラフマー《ゼロじゃない方な!》

 

 

 

ブラフマーの炎から少し小回りなジェネレータードラゴンが現れる。

 

 

さとり「アタックステップ!ジェネレータードラゴンでアタック!アタック時でナタラージャを破壊して手札から神話ブレイヴ、聖蓮神剣リグ・ヴェーダを一コストでブラフマーに直接合体させて召喚!」

 

 

 

ブラフマー《きたきた愛刀!》

 

 

 

グレン《…俺の出番が無い…》

 

 

 

ジェネレータードラゴンが吠えると空からリグ・ヴェーダが降ってきてブラフマーの手に収まる。そしてジェネレータードラゴンのフラッシュ効果でリグ・ヴェーダを合体しなおせば回復して一気にライフを削れるが……

 

 

 

フラン「フラッシュタイミング!オブシディアン・ドラゴンに煌臨!全てを破壊する紫の龍皇!破壊龍皇ジークフリード・ルドラ!!煌臨時効果でスピリット五体からコアを三個ずつ外すよ!全部どっかーん!!」

 

 

 

シヴァ《……まぁ良いか……》

 

 

 

オブシディアン・ドラゴンがジークフリード・ルドラに変わると矛を振ってさとりのスピリット達のコアを外して全員消滅させる。しかしシヴァは、先ほどのジェネレータードラゴンの効果でオブシディアン・ドラゴンを破壊しなかったことが引っかかっていた。

 

 

 

さとり「フラッシュでブラフマーの神技を使用。手元からアバタードラゴン・イエローを召喚。そのままアタック!」

 

 

 

グレン《……ほう…そういうことか…》

 

 

 

ブラフマーがアバタードラゴン・イエローを呼び出すと攻撃体制に入った。

 

 

 

フラン「ルドラでブロック!」

 

 

 

さとり「イエローは手元に。ここでブラフマーの転神を発揮!ブラフマーをスピリットとしても扱う!ブラフマーでアタック!!」

 

 

 

ブラフマー《…さぁ!祭りの始まりだぁ!》

 

 

 

ルドラの矛にイエローは貫かれたが、代わりにブラフマーがリグ・ヴェーダを構えて降り立った。

 

 

 

フラン「まだ来るの!?ライフで受ける!!」

 

 

 

ブラフマーがリグ・ヴェーダでフランのライフを一刀両断する。さとりはルドラが出てくることを読んでこの立ち回りをしていたのだ。つまり「いつ来るかわからないよりさっさと打たせておこう。」理論である。

 

 

さとり「ターンエンド。」

 

 

フラン「んん…メインステップ!世界の破壊龍!レベル2で召喚!!破壊神龍ヴァルドラム!!そしてアタックだよ!!」

 

 

ヴァルドラムがルドラの隣に現れると、大きく咆哮して飛び出した。

 

 

さとり「バースト発動!爆心龍マ・オンー龍態ーをコア五個をのせて召喚し、一枚ドローしたあとBPプラス10000!ブロック!」

 

 

フラン「…う!…コアが多いからシヴァの効果で破壊できない…ヴァルドラムの効果で手元のカード四枚を除外してライフを破壊……」

 

 

マ・オンが炎を纏って現れると、ヴァルドラムに噛みついた。ヴァルドラムは紫の衝撃波でさとりのライフを砕いたが、マ・オンがマグマでヴァルドラムの腹に穴を空けて破壊した!!

 

 

フラン「…ターンエンド。」

 

 

さとり「メインステップ。剣創りし龍!いざ前へ!聖剣刃龍ゴウ・グレン!!レベル3で召喚!!」

 

 

グレン《…よし!俺の化神よ!力を振るえ!!》

 

 

グレンが地面に拳を打ち込むとマグマが噴き出して、そこから翼が白い剣で赤の鎧を着こんだ龍が現れた。

 

 

 

シヴァ《あじゃぁ~!ルドラ出すタイミング間違えたなこりゃ》

 

 

さとり「アタックステップ!ゴウ・グレンでアタック!!効果でブラフマーのリグ・ヴェーダをゴウ・グレンに付け替えます!そうすることでBP以下のスピリットを破壊!よってルドラを破壊!!」

 

 

 

ブラフマー《…仕方ねぇ!おらよっと!!》

 

 

ブラフマーがリグ・ヴェーダを放り投げるとゴウ・グレンが口で咥えて構える。そしてそのままルドラに接近してすれ違い様に一閃!ルドラは爆散した!

 

 

 

フラン「まずい!フラッシュタイミング!白晶防壁!マ・オンを手札に戻してソウルコアの力でライフは一しか減らなくなる!」

 

さとり「残念ですがグレンの神域でグレン自身を疲労させて白のマジックを無効化します。これでおしまいです!」

 

 

グレン《…オウラァ!》

 

フランの前に水晶の防壁が形成されたが、グレンが投げたハンマーが水晶を粉々に粉砕し、ゴウ・グレンがマグマをリグ・ヴェーダに纏わせ降り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

 

シヴァ《……すみませんでした……》

 

 

 

弾「フラン、さっきのルドラは出すのが少し早かったね。白マジックも過信し過ぎないことだ。」

 

 

 

フラン「はぁい…」

 

 

 

部屋の隅で正座しているシヴァと何事もなかったかのようにフランにレクチャーしている弾。なんだかんだで時間は過ぎていき、時計が夕方6時の時間を告げた。

 

 

 

弾「…少し遅くなりそうだな。さとり、俺はフランを送ってくよ。」

 

 

 

さとり「わざわざありがとう。私にとってもいい時間だったわ。」

 

 

グレン《俺はもう少しこの地底を見てくる。》

 

 

ブラフマー《まったなぁ~!》

 

 

 

そうして弾、フラン、シヴァの三人は地底をあとにした。

 

 

 

 

 

 

一方紅魔館では………

 

 

 

 

レミリア「咲夜!フランがまだ帰って来ないわ!!」

 

 

 

咲夜「…そうですが…弾様はいつも送って貰ってますし、シヴァ様も同行なさっているので問題無いかと……」

 

 

 

これは最近の紅魔館でよくみられる光景である。

 

フランがレッスンのため外出すると、いつもレミリアが「フランが心配だわ!」と騒ぎ出すのだ。パチュリーはすぐさま図書館に避難し、美鈴も休憩時間にもかかわらず門に向かっていったので、咲夜しか対処する人間がいないのである(そもそも紅魔館に人間は咲夜しかいないが)

 

 

レミリア「咲夜!退きなさい!退かないならバトルで無理矢理フランを迎えにいくわ!」

 

 

咲夜「はぁ……仕方ありません。お嬢様…少し大人しくして貰います。」

 

 

 

二人がデッキを構えたその時!

 

 

 

 

???《…あの…少しよろしいですか…?》

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

次はオリ創界神回になります。書きたい系統がありますので…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

毒の騎士団!

皆様…覚えていますか……?究極編の終わりにポッと出てきた能力……[毒刃]を……


レミリア「誰だ!!」

 

 

 

レミリアが座っている椅子の向こう……部屋の入口の扉に寄りかかっている紫髪でTシャツ(勿論変ではない)にジーンズとラフな格好をしている女性がいた。

 

 

 

???《あ、失礼します。私はペルセポネと申します。オリンの冥界に住んでいる創界神です。》

 

 

 

咲夜「…創界神…ここ紅魔館に何か?」

 

 

鋭い目付きで尋ねた咲夜と対照的に、ペルセポネは礼儀正しく話しかけてきた。

 

 

ペルセポネ《あ、いえ、実はあなたに会いに来ました。あなたこの前の宴会で料理していましたよね?そのお礼を言いたかったんです。》

 

 

 

咲夜「…え、あ、ありがとうございます……」

 

どうやらペルセポネはこの前の宴会での料理を作った咲夜に興味を示したようだ。どんな人でも自分の作った料理を美味しいと言ってくれることは嬉しい。咲夜が内心照れていると、ペルセポネはレミリアに目線を向けながら咲夜に話しかける。

 

 

 

ペルセポネ《さっきから少し話を聞いていました……咲夜さん……でしたっけ?私もこの子を抑えるの手伝います。宴会で美味しい料理をご馳走してくれたお礼です♪》

 

 

 

レミリア「へぇ…冥府の女神…上等!」

 

 

 

咲夜「…ありがとうございます…!」

 

 

 

レミリア 咲夜「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「こちらからだ。メインステップ。バットナイトを召喚。効果でドローしてターンエンド。」

 

 

レミリアのフィールドにコウモリの翼を生やした騎士が現れた。

 

 

咲夜「メインステップ。冥府の姫君!創界神ペルセポネ!神託条件は[魔影/天渡/化神&コスト3以上]なのでトラッシュに置いた対象カードは三枚。よって三個コアを追加します。」

 

 

ペルセポネ《さぁて…あのクソガキを黙らせるわよ…!》

 

 

咲夜「……え…(゜.゜)!…」

 

 

 

すんごい口が悪くなって背後に現れたペルセポネに、咲夜は驚いた。実はペルセポネは……二重人格なのである……豊穣神デメテルの娘としては先ほどのような優しく礼儀正しい女性なのだが、冥府の女神としての神格となると……少々Sになるのだ……

 

 

 

咲夜「…さらに堕天騎士タムズを召喚。こちらも効果でドロー。ターンエンド。」

 

 

咲夜のフィールドに紫の翼と剣を構えた騎士が現れる。ここまでは両者動かず、次はレミリアのターン。

 

 

 

 

レミリア「…ほう…毒刃とは…メインステップ。冥騎士アロケインと冥侯爵フォカロールを召喚!召喚時効果で手札の冥府三巨頭ザンデ・ミリオンを棄てて二枚ドロー!アタックステップ!バットナイトでアタック!」

 

 

 

小さな紫の騎士と紫の翼を持ったスピリットが現れ、Uベルゼビートの召喚準備を整えていく。そしてバットナイトが翼を広げて飛び出した。

 

 

咲夜「ライフで。」

 

 

 

バットナイトの剣が咲夜のライフを切り裂く。

 

 

 

レミリア「ターンエンド。」

 

 

 

咲夜「メインステップ。バーストをセット。そして堕天騎士シン、堕天騎士アザゼルを召喚!これによりペルセポネのレベルは2に上がり、神域を発動!」

 

 

ペルセポネ《…さぁ…いい声で呻きなさい……》

 

 

タムズの隣にまた二体の堕天騎士が現れ、背後のペルセポネから放たれた紫の波動がフィールドを覆いつくす。

 

 

 

咲夜「アタックステップ!アザゼルでアタック!毒刃:2の効果で相手のデッキから、二枚を裏向きでスピリット達の下に追加!!さらにペルセポネの神域!毒刃の枚数プラス3!!」

 

ペルセポネ《…さぁ…苦しみなさい……!!》

 

レミリア「…来たか…ライフで受ける!」

 

 

ペルセポネの毒の息が、アザゼルの鎌から放たれる紫のオーラを強化し、フォカロールに強力な猛毒を浴びせる。よってフォカロールに三枚、アロケインとバットナイトに一枚ずつカードが置かれた。そしてアザゼルは飛び上がってレミリアのライフを切り裂いた。

 

 

 

咲夜「さらにタムズでアタック!再び毒刃!ペルセポネの効果も入れて計二枚ずつをアロケインとバットナイトの下に!!」

 

レミリア「これもだ!」

 

 

タムズが斬擊を放ってアロケインとバットナイトに毒をくらわせると、レミリアのライフに剣を突き立てた。これでレミリアのスピリットは全員三枚分の毒を受けていることになった。

 

 

咲夜「これでターンエンド。」

 

 

ペルセポネ《あら!口ほどにもないのね!レミリア……シークレットさん?》

 

 

……ペルセポネさん……少し控えてください……

 

 

レミリア「こんの…!!メインステップ!我が僕!この毒を振り払え!!召喚!!アルティメット・ベルゼビート!!」

 

 

レミリアが怒り心頭でUベルゼビートを呼び出す。そしてそのまま攻撃を命じさせた。Uベルゼビートが咲夜のデッキトップを弾き飛ばす。

 

 

レミリア「Uベルゼビート!!やれ!!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

咲夜「……コスト4…堕天騎神サターンです。」

 

 

レミリア「ヒット!!トラッシュからザンデ・ミリオンをノーコスト召喚!!コストはアロケインから使う!」

 

 

Uベルゼビートが剣を突き刺してザンデ・ミリオンを呼び出す。しかし、咲夜はニヤリと不適な笑みを浮かべる。

 

 

咲夜「お嬢様、失礼。ペルセポネのレベル1からの神技を使わせていただきます!ペルセポネ自身のコア四つをボイドに置くことでこのターン間、裏向きのカードが三枚以上置かれているスピリット/アルティメットはアタックとブロックができません!」

 

 

ペルセポネ《頭が高いわ!!》

 

 

咲夜がペルセポネのコア四つをボイドに送ると、ペルセポネは懐から鞭を取り出して地面を叩く。するとレミリアのバットナイトとフォカロールが突然苦しみだして倒れ伏した!

 

 

咲夜「Uベルゼビートの攻撃はシンでブロック。破壊されたので毒刃が発動します。Uベルゼビートとザンデ・ミリオンに一枚ずつカードを置きます!」

 

 

Uベルゼビートの剣がシンの剣ごと切り裂いたが、破壊されたシンの煙がUベルゼビートとザンデ・ミリオンにまとわりついた。

 

レミリア「…まさか…ターンエンド。」

 

 

 

咲夜「メインステップ!堕天騎士達の姫!一撃必殺の猛毒!毒刃冥姫ジャンヌ・プロセルピナ!!レベル2で召喚!!」

 

 

ペルセポネ《…さぁ!私の化神プロセルピナ!!あのチビコウモリもどきを地に落としなさい!!》

 

ペルセポネの鞭が再度地面を叩くと、今度は地面を突き破って紫色の西洋の甲冑を身に纏い、右手に両刃剣、左手に鞭を携えた美しい女神がフィールドに降り立った!

 

 

レミリア「…!こいつが……!!」

 

咲夜「アタックステップ!プロセルピナでアタック!!まずはレベル1からのアタック時効果!デッキから五枚を相手のフィールド上のカードの下に好きなように置きます!!Uベルゼビートに三枚、ザンデ・ミリオンに二枚を追加!!」

 

 

プロセルピナが鞭を巻きつけてレミリアのスピリット、アルティメット達に猛毒を打ち込む。そして効果はまだ続く。

 

 

咲夜「さらに界放の効果!ペルセポネのコア三つをプロセルピナに置くことで、下にカードが三枚以上あるスピリット/アルティメットを全破壊!!」

 

 

ペルセポネ《アハハハハ!!》

 

 

プロセルピナが剣から何やらレーザーポインターのような光線を放ち、レミリアのスピリット達に浴びせていく。そして最後のスピリットに当て終わった瞬間、突如スピリット達が苦しみだして倒れ込んでいき…

 

フォカロール、バットナイト、ザンデ・ミリオン、そしてUベルゼビートまでもが倒れ、破壊された!!

 

 

レミリア「な!?こんなことが!?」

 

咲夜「そしてこれがメインアタック!!」

 

プロセルピナが剣を振りかざす。ブロッカーのいないレミリアはライフで受けるしかなかった。

 

 

咲夜「さらにアザゼルでアタック!ここでプロセルピナレベル3の効果が発動致します。自分の毒刃が不発だった時、ターンに一度回復します。」

 

 

アザゼルの毒の鎌が空を斬ったあと、プロセルピナがゆっくりと立ち上がった。

 

 

レミリア「ライフ!!」

 

 

アザゼルの鎌が今度はレミリアのライフをとらえ、引き裂く。

 

 

咲夜「お嬢様…覚悟!!プロセルピナ!」

 

プロセルピナの無数に分裂した鞭がレミリアに襲いかかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「うぇぇぇん!しゃくやがいじめたぁぁぁぁ!!」

 

 

ペルセポネ《え?……え!?ああ、ごめんね!私こんな性格で!おお~よしよし……》

 

 

バトル後、カリスマが迷子になったレミリアが泣き出すと、元に戻ったペルセポネがあたふたしながらあやしにはいる。

 

ペルセポネ《咲夜さん、すみません…私……性格変わっちゃうこと伝えてなくて……》

 

 

咲夜「気にしなくて大丈夫ですよ。少し前までそんな子の面倒をよくみてましたから。」

 

 

フラン「おねえさま、ただいまぁ~ってどうしたの!?」

 

 

シヴァ《な~かした~!な~かした!!》

 

 

弾「ペルセポネ……悪い…うちのが……」

 

 

咲夜がそう言うと、部屋の入口の扉が開いてフラン達が入ってくる。この日はこの一件で大層盛り上がったそうな………




はい。ありがとうございました。

ペルセポネ様……ドSになりました……キャラが弱かったのもあるんですが、実際ペルセポネはデメテルの娘の姿と冥府の女王としての姿の両方を持っているので、こうしました。

設定です。


創界神ペルセポネ
2(1)/紫/創界神・オリン
<0>Lv1 <5>Lv2
Lv1・Lv2
このネクサスのシンボルは紫としても扱う。
【神技:4】Lv1・Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』〔このネクサスのコア4個をボイドに置く〕下にあるカードが三枚以上あるスピリット/アルティメットすべてはこのターンの間、アタック/ブロックできない

【神域】Lv2『お互いのアタックステップ時』
系統:「魔影」/「化神」を持つ自分のスピリットすべての「毒刃」の枚数を+3枚する。
この効果は重複しない。

シンボル:神



毒刃冥姫ジャンヌ・プロセルピナ
スピリット
6(紫3神1)/紫/化神・魔影
<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <5>Lv3 13000

【界放:3】Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック/ブロック時』相手のデッキの上からカード五枚を裏向きで相手のスピリット/アルティメットの下に置く。
下のカードはそのスピリット/アルティメットがフィールドを離れるとき破棄する。さらに、自分の紫の創界神ネクサスのコア3個をこのスピリットに置くことで、下にあるカードが三枚以上ある相手のスピリット/アルティメットすべてを破壊する。この効果は【重装甲】/【超装甲】以外では防げない。

Lv2・Lv3『お互いのアタックステップ時』
自分の【毒刃】で相手のスピリット/アルティメットの下にカードを置けなかった時、ターンに一回このスピリットは回復する。

シンボル:紫


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

忠犬もみもみ

……すみません……タイトルが思い付かなかったんです……




妖怪の山

 

にとり「ぬぉぉぉ!負けたぁぁぁ!!」

 

 

椛「まだまだですね」

 

 

悲鳴をあげているにとりと少々ドヤァとなっている椛。ここは妖怪の山のとある滝の裏にある空間で、この二人はよくここでバトスピする仲なのだ。ちなみに最近は椛が勝ち越しているらしい。

 

 

椛「…!そろそろ時間です。見回りに戻らないと。」

 

にとり「おっけぇ~ またねぇ~!」

 

 

椛はそう言ってにとりの元を去った。

 

 

 

 

椛「……しかし…基本この仕事は暇なんですよね……!……クンクン…この匂い…!侵入者!!」

 

 

木の上に立って辺りを見渡していた椛は、持ち前の千里眼と白浪天狗特有の嗅覚で侵入者の居場所を特定した。そして駆け足で侵入者の元に向かう。

 

 

椛「そこの人!ここは天狗の領域です!!」

 

 

椛は千里眼で見えた川辺の岩の上で休んでいた二人の男に声をかける。しかし、すぐに椛の体は震え上がることとなる。なぜならその休んでいた男達と言うのは………

 

 

ヘルメス《…ん?ああ…お邪魔しています。》

 

 

ポセイドン《…ほう…先ほど見ていた何者かはこやつか。》

 

 

……椛の言葉によっ!っと答えたヘルメスと感心したかのように首をふるポセイドンだったからだ………

 

 

 

 

 

守矢神社

 

あの後、ヘルメスは守矢神社への道を聞いてきたので椛はガクガクしながら案内した。そこでは早苗が出迎えてくれたが、椛は未だ緊張が抜けなかった。

 

椛「…すみませんすみませんすみませんすみませんすみません……」

 

 

ヘルメス《いやいや!顔上げて!?》

 

 

早苗「このデッキは異合に殻人を組み込んだデッキで………」

 

ポセイドン《…フム…殻人か……アレスのスピリットを混ぜてみるか……?》

 

 

ポセイドンは以前早苗の青緑連鎖が気になったので、早苗とデッキトークをしている。その脇でヘルメスはようやく椛を正気に戻すことに成功した。

 

 

ヘルメス《全く……ええと…椛…ちゃんだっけ…いいよ別に。君はちゃんと任務をこなしたんだ。それよりも俺達にあんなこと言えるのは随分肝っ玉が強い証拠だし♪》

 

 

椛「…あ、ありがとうございます…」

 

 

椛はヘルメスの心の広さに驚いていた。いろいろ面倒なことを吹っ掛けてくる椛の上司の天狗とは大違いだった。椛は《これが……創界神…》と感動していたが、ヘルメスが椛の耳と尻尾を見て…………

 

 

ヘルメス《……お手!》

 

 

椛「わn………!な、なにするですか!!?」

 

ヘルメス《いやぁ!君を見てるとうちの眷属達を見てる気になっちゃってねぇ……ビーフジャーキーいる?》

 

 

……流石忠犬もみもみ…ヘルメスのお手!に反応すらしてしまうとは…それに気づいたヘルメスはどこからかビーフジャーキーを取り出すと、椛の前で振って見せた。

 

 

椛「…チラ……チラ……チラ…」

 

ヘルメス《……プ…!》

椛「…ハ…!…なに笑ってるんですかぁ!!!」

 

椛がビーフジャーキーを目で追っているのを見て吹き出してしまうヘルメスと赤くなってあたふたする椛……すると早苗達は話し合いが終わったみたいで……

 

 

早苗「……大丈夫ですか?」

 

 

ポセイドン《がははは!まさに忠犬だな!それはそうとヘルメス、デッキの試運転に付き合ってくれんか?》

 

ヘルメス《……いいぜ。俺には忠犬もみもみがついてるからな♪》

 

 

椛「やめてください!!」

 

 

早苗「ポセイドンさま、なら私もお供いたしましょう!」

 

 

椛の言葉をスルーして早苗はポセイドンをその身に降ろす。そして(無駄に)愛くるしそうな目で見てくるヘルメスを突き飛ばすほど椛は簡単な脳の作りをしていなかった。

 

 

椛「わかりました!やればいいんですね!やれば!!」

 

 

 

椛 早苗 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

椛「私から。メインステップ。ヘルメスの竜巻神殿を配置してコアブースト。そしてオリンに吹く風!創界神ヘルメスを配置!デッキから三枚トラッシュに、そして二つコアを置きます。ターンエンド。」

 

ヘルメス《さぁて…さっさと決めてくぜ!》

 

 

椛の後ろにヘルメスと風が吹き荒れている神殿が現れる。

 

 

早苗「メインステップ。ネクサス、海底に眠りし古代都市を配置!そして海の王者!創界神ポセイドンを配置します!三枚中、対象カードは二枚だったので二つコアを追加!これでターンエンド!!」

 

 

ポセイドン《ウム!いざ!勝利という宝島へ!》

 

 

早苗の背後に海に沈んだ都市とポセイドンが出現する。

 

 

ヘルメス《まずいな…椛ちゃん!古代都市のコアブのせいでグレート・オーシャンやトリアイナがとんでもないスピードで飛んでくるぞ!!》

 

 

椛「了解。メインステップ。バーストをセット。そして英雄獣 老将タイガー・ネストールを召喚してトラッシュからカードを除外!さらに二コアブースト!アタックステップ!ネストールでアタック!効果で一コア使って回復!!」

 

 

椛のフィールドに白い髭を生やした虎が現れると、よっこいせと起き上がって走り出した。

 

 

早苗「ライフで受けます!」

 

ネストールの前足が早苗のライフを砕いた。そしてネストールは再度攻撃体制に入る。

 

 

椛「ターンエンド。」

 

 

早苗「メインステップ!ゴッドシーカー 神海賊バンドウスを召喚!効果でデッキから四枚オープン!その中のグレート・オーシャンを回収!そして神海賊 新米船長ドルフィリポスを召喚!異合スピリットが召喚されたので、ネクサスの効果でコアを増やします!!」

 

早苗のフィールドにバンドウスとドルフィリポスが現れると、古代都市が青く輝いてコアを追加していく。そして…!

 

 

早苗「そして召喚!大地を砕き!海を割る海獣!!神海獣皇グレート・オーシャン!!再度海底都市の効果でコアを増やしてドルフィリポスをレベル2に!」

 

 

ポセイドン《がははは!そして我輩もレベル2へ!!快速船の如く!!即効に!!》

 

 

ポセイドンの銛がフィールドに突き刺さり、グレート・オーシャンが現れる。そして早苗はドルフィリポスをレベル2に上げる。これでアタックステップ中は神海スピリットが最高レベルまで上がることになる。

 

 

 

早苗「アタックステップ!!ドルフィリポスの効果でグレート・オーシャンをレベル3にしてアタック!ドルフィリポスやポセイドン様の神域も含めてデッキを計17枚破棄します!!」

 

 

グレート・オーシャンが大波を起こして椛のデッキを一気に削る。そしてグレート・オーシャンの効果でシンボルを0にした。

 

 

椛「来た…!ネストールでブロック!」

 

 

グレート・オーシャンにネストールが飛びかかる。しかしグレート・オーシャンのBPは14000。対するネストールはBPは9000。さすがにネストールも弾き飛ばされ押し潰された…が!

 

椛「私のスピリットが破壊されたのでバースト発動!蒼穹の覇王カーン・ウルフ!!グレート・オーシャンをデッキボトムに戻してドルフィリポスの手元に!!そして召喚します!!」

 

 

ヘルメス《マナカん所の剣獣か!ちょうどいいぜ!》

 

バーストから緑の背中にボーガンを背負った緑の獣が飛び出すと、矢を放ってグレート・オーシャンとドルフィリポスをデッキと手元に強制送還させた。

 

 

早苗「あ!…うーん……椛さんのデッキは残り31枚…今私のスピリットがフルアタックしても残っちゃうんですよね……ターンエンドで」

 

 

椛「メインステップ!幾多の試練乗り越えし大英雄!七大英雄獣 剛勇士ヘラク・レイオス!!召喚!そしてアタックステップへ!ヘラク・レイオスでアタックです!!」

 

 

ヘルメス《うちの英雄獣のパワー担当だ!おおっと!そして俺もレベル2へ!剣獣達のBPをプラス10000してターンに一回回復させるぜ!!》

 

 

カーン・ウルフの隣に筋肉質な白い白虎のようなスピリットが現れ、豪腕を振るって飛び出した。

 

 

椛「アタック時効果でポセイドン様のコアを二つボイドに送ります!さらにこのアタックはスピリット三体でないと防げません!」

 

 

早苗「うぇぇぇ!?弾様のキャンサード以上じゃないですか!!ライフです!!」

 

 

ヘラク・レイオスが白い炎を吹いて早苗のライフを一気に二つ吹っ飛ばした。そしてヘルメスの神域によって再度起き上がる。

 

 

 

椛「これで最後です!ヘラク・レイオス!!」

 

ヘルメス《オラオラオラオラオラオラオラ!!!》

 

 

ヘラク・レイオスの連続パンチが早苗のライフを全てぶっ壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

ポセイドン《世話になったな。ではこれで!》

 

 

椛「案内いたしましょうか?」

 

ヘルメス《イヤ大丈夫。来た道戻ればいいだけだから。それに普通の天狗じゃ俺達にはついてこれないし。》

 

椛と早苗は二人を見送ろうとしていた。するとヘルメスが椛に声をかける……何か悪知恵を思い付いた顔で……

 

 

ヘルメス《……次はビーフジャーキー袋で持って来るねぇ~!!》

 

 

…そしてポセイドンと共に飛び去ったヘルメス……

 

 

椛「……うっさいあのバカぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

この一件で椛はホルス等の創界神に耐性がついたのである。

 

 

 




はい。ありがとうございました。

少しこの小説でヘルメスの出番が少ないなぁと思ったので書きました。何話はこんな話を書こうと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決着!月の都VS純狐!

自分の中ではツクヨミ様は苦労人ポジのイメージがあります。いつも引きこもってるアマテラスや色々と問題児なスサノヲに振り回されてそうです。


アマハラ 月の都 サグメの執務室

 

 

 

サグメ《……はぁ…疲れた……》

 

 

 

執務室の椅子に体を任せてぐったりとしているサグメ。メジェドに操られてたこともあり、いつもの月の賢者としての仕事が貯まっていたのだ。ツクヨミの恩赦もあって処罰はなかったが、貯まった仕事は減ることはない……

 

すると誰かが執務室の扉をノックした。

 

 

 

サグメ《……?はい、どうぞ。》

 

 

 

アルテミス《お邪魔するわねぇ~!》

 

ツクヨミ《サグメ……生きてるか……?》

 

 

 

サグメ《…………ぬぇぇぇぇぇぇぇ!!?…ガラガラ…》

 

 

 

入ってきたのはなんとオリンの月の女神、アルテミスと上司中の上司、ツクヨミだった。さすがのサグメも椅子から転げ落ちるほどの突然の来訪だった。

 

 

 

アルテミス《ちょ!大丈夫!?》

 

 

サグメ《…し、失礼いたしました……お二人様……今日は何用で……?》

 

 

 

慌てて起き上がって姿勢を正すサグメに、ツクヨミは話し出す。

 

 

 

ツクヨミ《…ラーから連絡があった……純狐がそろそろ月の都に襲来するそうだ……》

 

 

 

サグメ《…つい最近攻めてきたばかりですが…あの星の女神と共に…》

 

 

 

ツクヨミ《ラーを味方につけたからだろう……おそらく…今回でけりをつけてくる…そこでサグメ…お前に特別任務を与える…》

 

 

 

純狐の月の都襲擊……それは何十年かに一回ほどで起こる面倒事。彼女は[純化させる程度の能力]を持っており、月人には毒になる地上の穢れを純化させて持ち込まれれば、月の都は大パニックになる。そこでサグメ達月の賢者はあの手この手を使って、誤魔化し、純狐を追い払うしか術がないのだ。

 

 

しかし、ツクヨミの特別任務という言葉に、サグメは首を傾げる。

 

 

 

ツクヨミ《向こうは今回で嫦娥を仕留めたいだろう……なら仕留めさせてやればいい。》

 

 

サグメ《…!?あの無名の存在に屈して嫦娥様を差し出すと言うのですか!?》

 

 

ツクヨミの言葉にサグメは驚いた。創界神でもない一個人の純狐にアマハラ最高戦力の一角、月の都が敗北を認めるなど考えられなかった。

 

 

 

ツクヨミ《違う違う、落ち着け。お前も知っての通り嫦娥は我が娘、輝夜と同じ蓬莱人だが元々は月の重役。そのパイプで罪を受けることを逃れている。それを私は気にくわない。》

 

 

 

サグメ《…嫦娥はツクヨミ様にとってただのお荷物だと?》

 

 

ツクヨミ《そうだ。それに元はと言えば、これは嫦娥自身の問題。個人の問題を月の都に持ち込み、厄介事を増やすばかりかそれを他人に丸投げしている……さすがにもう我慢ならん。それにエジットの最高神、ラーの要求だ。流石に嫦娥でもどうしようもないだろう。》

 

 

 

サグメはツクヨミの語気が強くなっているのに気がついた。サグメにとって彼がイライラしている姿を見るのは初めてだったが、ここ何千年と純狐に悩まされている彼の気持ちもよく分かった。

 

 

 

サグメ《…それで私に何を?》

 

 

 

ツクヨミ《サグメ、お前は私と共に交渉の席についてほしい…メジェドの一件でお前も肩身が狭いだろう?だから手柄をやろうと思ったのだが……》

 

 

 

サグメ《…!…ありがとうございます!》

 

 

 

アルテミス《…そんで私は何で呼ばれたの?》

 

 

 

ツクヨミに綺麗な礼を決めながら感謝したサグメの隣でアルテミスが話しかける。それもそのはず、彼女はオリン神なのでこの一件には関係ないはずだからだ。

 

 

 

ツクヨミ《いざというときに中立派の意見が聞きたいのでね。一応、一番近い所にいたお前さんに頼んだんだ。》

 

 

 

アルテミス《…へぇ~……りょーかい( ゚Д゚)ゞ》

 

 

そしてその後は日程やら交渉カードやらを考えていった。流石にラーを味方につけた純狐にここまで考えることもあるか?と思うぐらいにカードを揃えていった。

 

 

 

 

 

 

 

交渉 当日 幻想郷 人里 稗田家の一室

 

 

 

交渉の席は幻想郷の人里にある名家、稗田家の一室で行われることになった。最初はアルテミスの世界にする予定だったが、純狐が幻想郷を要望したのだ。

 

席にはもうツクヨミ、サグメ、アルテミス、純狐、ラーが座っていた。これから……月の都の未来を賭けた戦いが始まろうとしていた……

 

 

 

ラー《さて、全員揃ったから始めるとしよう。まずはそちらの要望から……》

 

 

ラーの言葉にツクヨミは《嫦娥を差し出すことは認めるが、それに準備がいるので少々待ってほしい》との旨を伝えた。待つという期間も具体的ではなかったので、これは納得しないだろう……そう思ったサグメは頭の中で交渉のカードを出す順番を考えていた。

 

 

 

純狐「それでいいわよ。」

 

 

 

サグメ《ならこういうのは……え!!!?》

 

 

 

…………戦い…終了……純狐はあっさりそれを了承した。

 

 

 

ラー《良いのか?具体的な日を聞かないで。》

 

 

 

純狐「差し出すって言うんだからいつでもいいわ。確実性があるし、こちらもようやくけりをつけられるし。」

 

 

 

アルテミス《……私来た意味なかった……》

 

 

ツクヨミ《…お、おう…それは良かった……さて…会談が数分で終わってしまったが……》

 

 

何時間もかかると思われた交渉が予想以上の速さで終わってしまったのでツクヨミは頭をひねった。まあ彼としては簡単に終わるほどに越したことはないが…………すると、純狐はサグメを見てニヤリと笑った。

 

 

純狐「なら、暇つぶしにバトルしない?友好の意味でも…………」

 

 

アルテミス《さんせーい!!サグメちゃん!行くわよ!!》

 

 

純狐の言葉に、出番が全く無かったアルテミスが《待ってました》と言わんばかりにサグメの中に入っていった。サグメはサッとツクヨミに助けを求めたが……

 

 

 

ツクヨミ《…グッ(サムズアップ)…》

 

 

……ツクヨミ様…それはカグツチ様からの受け売りですか?

 

 

サグメ《… はぁ…分かりました……月の都の威信にかけて…勝利します。》

 

 

 

 

サグメ 純狐《「ゲートオープン!界放!!」》

 

 

 

 

 

純狐「先行貰うわよ?メインステップ。光の神!創界神ラーを配置!デッキから三枚トラッシュに置いて、対象カードが三枚。よって三コア追加。」

 

 

ラー《よし。楽しんでいこう。》

 

 

 

純狐の背後にラーが現れる。しかしどこか気楽そうだ。

 

 

純狐「そして神技を使ってデッキから三枚オープン。その中からコスト8まで想獣スピリットを回収。よって子フィンクスと二頭神獣アケルを手札に加えるわ♪さらに祝福されし大聖堂を配置。これでターンエンドよ。」

 

 

純狐はラーの神技で手札を補充した後、さらに光がさした大きな聖堂が現れる。これはうまくコスト2ビートを支えてくれるネクサスなのだ。

 

 

 

サグメ《メインステップ。月光の導き!創界神アルテミス!トラッシュに送ったカードのうち、全て対象なのでコアを三つ追加。そして凍れる火山も配置する。》

 

 

 

アルテミス《ででーん!》

 

 

 

ツクヨミ《…凍れる火山か……初手で配置出来たのは大きいぞ…!》

 

 

サグメの後ろにアルテミスが、さらに背後に凍りついた火山がそびえ立った。これで相手が交換ドローするたび、手札を破棄できるようになる。

 

 

 

サグメ《ターンエンド。》

 

 

 

純狐「あら…そのネクサスは面倒ねぇ…メインステップ。祝福されし大聖堂をレベル2に。さらに子フィンクスを召喚してアタック!効果で子フィンクスを召喚してドロー!」

 

 

子フィンクスが嘶きまた子フィンクスを呼び出す。

 

 

サグメ《凍れる火山の効果で一枚破棄!そしてその攻撃はライフで受ける!》

 

 

 

凍れる火山が光って純狐の手札を棄てさせる。しかし子フィンクスは頭突きでライフを打ち砕いた。

 

 

 

 

純狐「うーん……ターンエンドで。」

 

 

 

純狐はここでターンエンドした。これ以上のアタックでは決められないと踏んだのだろう。

 

 

 

サグメ《メインステップ。水晶竜シリマナイトを召喚。さらにスプレッド・トータスを召喚してコアを追加。どちらもレベル2に。》

 

 

サグメのフィールドに砲台を背負った亀と水晶で覆われた体をしたトカゲが出現する。

 

サグメ《アタックステップ。シリマナイトでアタック!》

 

 

純狐「子フィンクスでブロック!破壊されたのでバースト発動!二頭神獣アケルの効果でトラッシュの子フィンクス二体を回収した後に召喚!!」

 

 

 

シリマナイトの尻尾が子フィンクスを弾き飛ばすと、純狐のバーストから二つの頭を持った獅子が現れる。さらに祝福されし大聖堂の効果が発動する。黄色のスピリットが破壊されると、一コアリザーブに追加し、レベル2からは一枚ドロー出来るのだ。

 

 

 

サグメ《…凍れる火山は相手のターンでないと発揮しない……ターンエンド。》

 

 

 

純狐「メインステップはそのままでアタックステップへ!子フィンクスで攻撃して子フィンクスをコアを五つのせて召喚!そしてドロー!」

 

 

子フィンクスがまた子フィンクスを召喚させる。凍れる火山の効果も発動しているが、アタック自体は止められない。

 

 

 

 

サグメ《…スプレッド・トータスでブロック!効果でコアブーストし、フラッシュタイミング!神聖機獣ライトニング・ケリュネイアーをスプレッド・トータスに煌臨!!》

 

 

 

スプレッド・トータスがライトニング・ケリュネイアーに切り替わる。そしてアタックしてきた子フィンクスを角で突き上げて破壊する。

 

 

純狐「さらに子フィンクスでアタック!効果で子フィンクスを召喚!ワンドロー!さらに神煌臨!我が元に顕現せよ!神をも焼き殺す光!太陽神獣セクメトゥーム!!」

 

 

 

ラー《フム、いいタイミングだ。》

 

 

 

アタックしている子フィンクスがセクメトゥームに変化する。先ほど子フィンクスの召喚の際にコアを多めに置いたのはこれを狙っていたからであろう。

 

 

 

純狐「セクメトゥームの煌臨時効果でスピリット二体をBPマイナス10000!そしてセクメトゥームのレベル3効果!BP0で破壊されたスピリットの計コア三個をボイド送りに!」

 

 

 

セクメトゥームが光弾でケリュネイアーとシリマナイトを破壊する。ケリュネイアーは効果でフィールドを離れる際、二コスト支払い、手札の機獣を召喚することでフィールドに残ることができるが、そもそもコアが足りなかったのでフィールドに残ることが出来なかった。

 

 

 

サグメ《く…フラッシュタイミング!アルテミックシールド!ライフで受ける!》

 

 

セクメトゥームが前足で一気にライフを二つ砕く。しかしその後に透明な壁がそびえ立ち、追撃を阻んだ。しかしこれでサグメの手札は失くなってしまった。

 

 

 

純狐「仕方ないわね。ターンエンド」

 

 

 

 

 

サグメ《…ドローステップ………メインステップ…バーストをセット…ターンエンド。》

 

 

 

アルテミス《?…何引いたのかしら?》

 

 

 

純狐「ほう…なら遠慮なく行くぞ。子フィンクスを召喚。そしてアタックステップ!セクメトゥーム!とどめの一発だ!」

 

 

 

セクメトゥームが光を纏って突進する。サグメのライフは2、セクメトゥームはダブルシンボル。このアタックが通れば純狐の勝ちだが……

 

 

 

サグメ《アルテミスの神技でそのアタックでは私のライフは減らない!》

 

 

アルテミス《…これで一発は……!》

 

 

 

セクメトゥームの突進はアルテミスのバリアに阻まれた。

 

 

 

純狐「無駄だ!子フィンクスでアタック!効果でさらに別の子フィンクスを召喚しているワンドロー!」

 

 

 

純狐の子フィンクスによるビートは止まらない。しかし、サグメは深呼吸の後、宣言した。

 

 

 

サグメ《………ライフ!そしてバースト発動!!巨砲母艦マザー・パイア!召喚時効果でデッキから三枚オープン!!これであのカードを引ければ………!》

 

 

 

サグメのバーストから機械の巨大な猪が現れ、大きく咆哮する。そしてサグメのデッキがめくられる……

 

 

 

白亜元帥レイ・ザウラー 機獣魔神 そして………

 

 

 

 

 

 

 

……アルテミックシールド!

 

 

 

サグメ《!来た……!白亜元帥レイ・ザウラーを一コストで召喚!さらにアルテミックシールドは効果で手札に入る!》

 

 

 

ラー《……なるほど……ずいぶんな賭けだな……》

 

 

 

マザー・パイアの隣の地面から機械のティラノサウルスがのっそりと這い出てくる。純狐はまずカウンターを警戒し、ターンエンドをした。

 

 

 

純狐「……ここはターンエンド。」

 

 

 

サグメ《メインステップ!さらにネクサス…アルテミスの泉をレベル2で配置…!レイ・ザウラーをレベル3にあげる…!そしてアタックステップ!》

 

 

 

アルテミス《ここで私の泉の効果を使うわ!私の神域の対象スピリットを二体に増やす!》

 

 

アルテミスの足下に泉が湧き出るとレイ・ザウラーとマザー・パイアが白く輝き始めた!

 

 

 

サグメ《アタックステップ…!マザー・パイアでアタック!ダブルシンボル&アンブロッカブル!》

 

 

 

純狐「…ライフで受ける!」

 

 

マザー・パイアから無数のミサイルが発射されて純狐のライフを二つ撃ち抜いた。

 

 

サグメ《さらにレイ・ザウラーでアタック…!》

 

 

 

純狐「…これもライフ……」

 

 

 

レイ・ザウラーも大口を開けてライフを二つ噛み砕く。

 

 

 

サグメ《レイ・ザウラーの効果……バトル終了時、白スピリットを手札に戻すことで回復…!ラストアタック!!》

 

 

 

 

レイ・ザウラーが銀色の砲弾を口から放った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツクヨミ《…サグメ…よくやったぞ…!》

 

 

 

サグメ《………いえ…ありがとうございます……》

 

 

 

帰り道、ツクヨミとサグメは歩きながら話していた。ツクヨミの力なら一瞬で帰ることも可能だったが、ツクヨミが歩くことを望んだのだ。

 

 

ツクヨミ《…少し…気を楽にしたらどうだ…?今は仕事ではないし、お前も高天ヶ原ではそこそこ地位があるほうだろう。》

 

 

サグメ《いえ…!ツクヨミ様の前でそんなことは…》

 

 

 

未だに気を張っているサグメを見て、ツクヨミは短いが的確な一言を言った。

 

 

 

ツクヨミ《……お前は永琳じゃないぞ…》

 

サグメ《……!》

 

 

 

ツクヨミはサグメの心中を見抜いていた。永琳が月を捨てた後もサグメが永琳を慕い、彼女を目標に努力してきたことをツクヨミはちゃんと見ていたのだ。するとツクヨミは固くなった空気を戻そうと話し出す。

 

 

 

ツクヨミ《…そうだな…土産に団子でも買っていくか!聞くところによるとお前もよく食べに来ている団子屋があるそうだが?》

 

 

サグメ《…!?え、なぜそれを!?》

 

 

 

ツクヨミ《さてな!》

 

 

 

そう言うとツクヨミは団子屋に向けて向かっていき、サグメも慌てて後についていった。

 

 

サグメ《……私は……いい上司を持ちましたね…》

 




はい。ありがとうございました。

前書きの続きになりますが、ツクヨミは苦労人故に部下や友にとても寛大な性格にしました。月の民達の地上の穢れに対する食わず嫌いに手を焼いている分、他人の苦しみがわかるのでしょう。いい上司だなぁ……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人形×母×2

ちなみにですが、皆さんはアニメのCGバトルで好きなバトルはありますか?
自分はブレイヴ最終回のサジットVSレオはもちろんのこと、アルティメットゼロのUノヴァVSゴシック・グラーヴやソードアイズのレックウマルVSバルト・アンデルス、それにダーク・ティラノザウラーのバトルはカッコいいですねぇ……


魔法の森 アリスの家

 

 

 

弾「…これで良いのか…?」

 

ヘラ《…あんまし力注いでへんけど…》

 

 

この日、弾とヘラはアリスに頼まれて魔法実験の手伝いをしていた。アリスは何やらいつも連れている人形……名は上海…に何やら試験管の気体を吸い込ませている。

 

 

アリス「ええ!これで………!!」

 

 

 

ぼぉぅぅぅん!!

 

 

 

そしてアリスは弾とヘラから拝借した気力を最後の仕上げとして上海に注入すると………爆発した……

 

 

弾「…けほ……おい…アリス…失敗じゃあ……」

 

 

 

アリス「いえ!私の計算なら……!!」

 

 

 

家の中に充満している煙を手で払いながら弾は尋ねるが、アリスの目は死んでいなかった。アリスは上海を机の上に座らせる。すると……!

 

 

 

上海「……え…あ…あれ…喋れる!」

 

 

 

なんと上海の目に光が灯り、起き上がって話し始めたのだ!

 

 

 

 

ヘラ《なる~そやからうちの力が欲しかったのね。》

 

 

 

アリス「ハイ!創界神の力ならと思いました!それにヘラ様は人形のスペシャリストですので!」

 

 

弾「良かったな、アリス。」

 

 

アリスは魔法使いとしての目標(完全な自立型人形を作る)を叶えたからか、興奮を押さえきれない様子だ。当の上海も嬉しそうにアリスの周りを飛び回っている。それを温かく見守っていた弾とヘラだった。

 

すると……

 

 

 

トントン

 

誰かが家の玄関ドアをノックしている。アリスは首をかしげてドアを開けた。そこには赤い服に銀髪の髪をサイドテールにした女性……

 

 

???「アリスちゃーん!!やっと見つけたわぁぁぁ!!」

 

アリス「ええ!Σ(Д゚;/)/お母さん!!!?」

 

 

弾 ヘラ「《お母さん!!?》」

 

 

扉が開くとアリス目掛けて飛び付いてきた女性……彼女は以前、宴会の席で話していたアリスの母親にして魔界の神神綺様である。

 

 

神綺「突然家出しちゃった時はどうしようかと思っていたわ!」

 

 

アリス「それは悪かったわよ……そうだ!ねぇ!お母さん!!見てみて!私とうとう完全自立型人形を作ることに成功したの!」

 

 

神綺「まぁ!良かったわねぇ…!この子かしら?」

 

 

上海「…は、はじめまして……」

 

 

そう言って神綺は飛び回っていた上海を手にとってまじまじと眺める。上海はじっと見つめられて顔を赤くしていた。上海を見ていた神綺だったが、アリスに向き直ると微笑みながら話し出した。

 

 

神綺「…さて……アリスちゃん…そろそろ帰って来たら?夢子ちゃんたちも心配しているわよ」

 

 

アリス「…え…でも……」

 

 

神綺の言葉に狼狽えるアリス。勝手に家出してきたこともあり、母親の言うことも分かるが自分としてはこの幻想郷を去ることはイヤだった。

 

そうしていると見かねた弾が神綺の前に立ちふさがる。

 

 

 

弾「…ちょっと待て。アリスはもう俺の世界の住人だ。話があるならオレを通して貰おうか。」

 

神綺「…!!?あなた…まさか創界神…!?……アリス…これは良くないわ…早く帰るべきよ…!」

 

 

弾の圧倒的な神力を感じた神綺は、先ほどまでの母親としての顔から魔界神の顔に切り替わった。どうやら創界神にあまりいい印象を持っていない様子だ。

 

 

弾「…仕方ない……じゃあオレとバトルだ。あんたが勝ったら好きにしな。」

 

 

神綺「……ええ…私創界神ってだいっきらいだから…!!」

 

 

弾に向き合った神綺の顔には明らかな嫌悪の感情が見てとれた。アリスは二人が火花を散らしているのを見守っていたが、その隣のヘラがひっそりと耳打ちした。

 

 

 

ヘラ《…アリスちゃん……うちに名案があるんやけど…?》

 

 

アリス「な、なんでしょう……?」

 

 

ヘラ《うちらを使ってあんたがバトルすることや!いくでぇ~!》

 

 

ヘラはそう言うと無理矢理アリスの体の中に入っていった。そしてアリスの体の意識を奪うと弾と神綺の間に割って入る。

 

 

アリス(ヘラ乗っ取り状態)「…お母さん…!そないに言うんやったらそのバトル…うち…ジャナイジャナイ…私が相手よ!」

 

アリス(心の声)《ええ!ちょっと!!》

 

 

神綺「…アリス…あなたも言うようになったわね…ええ…良いわよ!」

神綺は少し違和感を覚えたが、アリスの申し入れを受け入れる。弾は完全にヘラがアリスの体を乗っ取ったことを感じ取ったが、ヘラの考えを察したのかそのまま引き下がった。

 

 

 

アリス(ヘラ) 神綺「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神綺「私からいくわ。メインステップ。魔界勇輝デスドールと魔界預言者マル・ドロムを召喚。マル・ドロムの召喚時効果で三枚オープン。その中の魔界カードを回収するので魔界七将ベリオットを手札に加えるわ。これでターンエンド。」

 

 

 

神綺のフィールドに白い人形の兵士とたくさんの仮面を浮かべた司祭が現れる。

 

 

 

ヘラ《ハイ!後はしくよろや~!》

 

 

アリス「……はぁ…メインステップ…ネクサス、No.3 ロックハンドを配置してバーストをセット。ターンエンドで。」

 

 

 

呑気な言葉と共にヘラはデッキに戻り、アリスは背後にいくつもの手首の形をした岩を配置した。これで呪鬼スピリットを棄ててドローを加速させることが可能となる。

 

 

神綺「…あら…黄色から変えたのね。メインステップ。バーストをセット。這い依る小さき恐怖!魔界七将ベルドゴール!」

 

 

紫のシンボルが鎖で縛られるとそこからローブを着た悪魔が現れる。そして神綺は攻撃を命じた。

 

 

神綺「アタックステップ!ベルドゴールでアタック!!」

 

 

アリス「ライフで受ける!」

 

 

ベルドゴールの左手が爪になり、アリスのライフサイクル引き裂いた。

 

 

神綺「ターンエンド。」

 

 

 

アリス「…ロックハンドの効果で手札を破棄してドローステップのドロー数+2……メインステップ。黒嫁ドールザンシアと道化ドールディキ・ディキを召喚!ザンシアの召喚時効果でワンドローし、さらにディキ・ディキの効果でデスドールとマル・ドロムのコアをリザーブへ!!」

 

 

アリスのフィールドに黒いドレスを着て、剣を構えた人形と笑いながらピエロの格好をしている人形が現れる。そしてディキ・ディキは帽子から紫の霧を放ってデスドールとマル・ドロムを消滅させた。

 

 

アリス「アタックステップ!ザンシアでアタック!!」

 

 

神綺「ライフで。そしてバーストよ♪絶甲氷盾の効果でライフを回復。」

 

 

ザンシアの剣が神綺のライフに突き刺さったが氷がライフを回復させた。

 

 

上海「…弾様はどう思いますか?」

 

 

弾「アリスはまだヘラを配置できていないことが大きいな……創界神ネクサスは早めに配置しないとコアが貯まらないぞ………」

 

 

アリス「ターンエンド。」

 

 

 

神綺「メインステップ。魔界の聖杯を配置して手札の魔界七将ベリオットとパンデミウムを破棄。そして二枚ドローよ。さらにレベル2からの効果で紫シンボルを追加!バーストをセットしてターンエンド。」

 

神綺の後ろに仮面がついた聖杯が現れると、紫の光を放って魔界七将を出すのを補助する。

 

 

アリス「まずい……手札を破棄してドローを追加…やっと来た…メインステップ!神世界の人形師!創界神ヘラ!!トラッシュに置いたカード全てが対象だったので三コア追加!」

 

 

 

ヘラ《待ちくたびれたわ!》

 

 

 

アリスがようやくヘラをドローして配置する。するとヘラを見た神綺は驚いて叫んだ。

 

 

 

神綺「アリス!なぜあなたが創界神を使っているの!?しかもオリンの女王を!!」

 

 

ヘラ《色々縁があったんや……そんなにうちらが憎いんか?勢力争いはもうとっくの昔にやめたんやけどなぁ……》

 

 

 

どうやらヘラは神綺が創界神を避ける理由を知っているようである。アリスもここまで動揺した神綺を見たのは初めてだった。

 

 

 

神綺「…創界神とは……自分達の勢力拡大にしか興味がないはず……アリスを利用して何をするつもり!?」

 

 

 

ヘラ《……アリスちゃん…続けて…》

 

 

 

アリス「…はい…さらに白嫁ドールアルディラをレベル2で召喚。そしてアタック!」

 

 

アリスはさらに純白のドレスを着た美しい人形を召喚して攻撃させる。神綺はすぐさまバトルに気を戻して対処する。

 

 

神綺「ライフで受けてバーストを発動!魔界七将ベルゼビートの効果でトラッシュのベリオットとパンデミウムをノーコスト召喚!さらにザンシアとデッキ・ディキのコアを除去!!」

 

 

アルディラは白いビームでライフを撃ち抜いた。

 

しかし、神綺のバーストからベルゼビートが出現すると、さらに下半身が蛇で鎌を持った悪魔やチャリオットに乗った悪魔が地面から這い出してくる。そしてベルゼビートは剣を取り出してザンシアとデッキ・ディキを消滅させた。

 

 

 

神綺「さらにベリオットの召喚時効果!デッキから六枚オープンしてその中のアスモディオスを回収して魔界七将デストロードを召喚!!コストはベルドゴールから確保!」

 

 

 

ベリオットが笛を吹くと、地面からデストロードが現れる。これで神綺のフィールドにはスピリットが四体に増えた。

 

 

アリス「……ターンエンド。」

 

 

弾「ここが正念場だぞ……!」

 

 

神綺「メインステップ!我が化身!魔界統べる想像神!魔界神デスフェルミオン!!召喚時効果でアルディラのLvコストを+3して消滅!」

 

 

神綺が背中に六枚の羽を展開してカードを掲げると、後ろに超巨大な紫の悪魔が現れ、剣でアルディラを消滅させる。

 

 

神綺「アタックステップ!まずはベルゼビートでアタック!!」

 

 

アリス「ライフで受ける…!」

 

ベルゼビートが剣でアリスのライフを貫く。

 

神綺「さらにデスフェルミオンで攻撃!フラッシュタイミング!ベリオットに魔界七将アスモディオスを煌臨!煌臨時効果で手札二枚を破棄!!」

 

デスフェルミオンがゴゴゴと動き出すと、ベリオットが空から走ってきたケンタウルスのようなスピリットと合体する。そしてアスモディオスの剣から紫のビームが発射されアリスの手札を二枚撃ち抜いた。

 

 

 

神綺「アリス!あなたは騙されているわ!創界神達は信仰の亡者よ!昔から色々な勢力の創界神が魔界を傘下にいれようと接触してきた!全員私達のことなんて考えてなかった!結局はあの赤髪の彼も「うるさい!!」…え?」

 

 

アリスは静かに神綺の言葉を聞いていたが弾に言及した瞬間もう我慢ができなくなった。そして神綺に向かって怒鳴り返す。

 

 

 

アリス「お母さんは弾さんの何を知ってるのよ!!そんな昔のことしか考えないで!!私は!いえ…私達は弾さんを心から尊敬しているわ!霊夢も魔理沙も幽香も紫だってそう!私はこの世界で生きていく!!!」

 

 

 

そういい放つとアリスはおもいっきりバトルボードを叩いた。すると先ほど捨てられたカードの一枚が紫に輝いて空中に浮かんだ。

 

 

 

アリス「ジェラシックドールの効果!効果で破棄されたときそのまま召喚できる!その糸は思いを紡ぐ!鬼神女王ジェラシックドール!!!」

 

 

 

ヘラ《…よっしゃ!効果を逆手に取ったわ!そして召喚時効果でデッキから一枚オープン!マーク・オブ・ゾロだったので相手のスピリットからコア五個を除去!!よって全員消滅!!》

 

 

 

ヘラが糸を紡いでジェラシックドールを作り出すとめくられたマーク・オブ・ゾロの力で神綺のスピリット達を全員縛り上げる。そしてアリスが指を鳴らすと一気に魔界七将達が消滅した!

 

 

 

神綺「……ターンエンド……」

 

 

 

アリス「メインステップ!儀式霊刃ダルクリスをジェラシックドールに直接合体!!そしてレベル2に!!」

 

 

 

アリスの言葉と共に地面がぱっくり割れてそこからアメジストが埋め込まれた剣が現れ、ジェラシックドールが糸を使って手に取る。そしてダルクリスを構えると紫のオーラが翼を形成した!!

 

 

アリス「アタックステップ!ジェラシックドールでアタック!!ダルクリスの効果で白マジックのコスト+2!!」

 

 

 

ヘラ《さらにうちの神技発揮!!一枚ドローしたあと手札の剣帝ドールアンシャンテを破棄!アンシャンテもデッキをめくってドールスピリットならライフを貫通させる!》

 

 

 

今度はヘラが紫の波動でデッキをめくる。そのうちカードは………ゴッドシーカー司書ドールレナだった。

 

 

 

アリス「めくったカードがドールスピリットなのでライフを破壊!!そしてアンシャンテは三コストで召喚できる!なので再度オープン!」

 

そして紫のオーラからレイピアを構えた白い人形が出現してまたもやデッキをオープンさせる。そのカードは………

 

 

 

 

………少女ドール ジェラ・レディ!!

 

 

 

アリス「これもドールスピリットなのでライフを砕く!そしてジェラシックドールはダブルシンボル!!」

 

 

 

神綺「……ライフで受けるわ……」

 

 

 

ジェラシックドールがダルクリスで一刀両断した!

 

 

 

 

 

 

アリス「全く……お母さんは心配し過ぎなのよ。」

 

 

 

神綺「…弾君…だったかしら……先ほどはごめんなさい。そして………」

 

 

 

バトル後、神綺は弾とアリスに謝罪した。そして神綺は弾に何か話そうとした。

 

 

神綺「……娘をヨロシクね♪それじゃ!…パチン!」

 

 

 

そう言うと、神綺は指を鳴らして帰っていった。その言葉を聞いた弾、アリス、ヘラは似たようなことを考えていた。

 

 

 

弾「…紫に聞かれたらとんでもないことになるな……」

 

アリス「……永琳に聞かれたら殺されるわね……」

 

ヘラ《…アテナが聞いたら勘違いしそうやわぁ…》




はい。ありがとうございました。

これでオリン神達でよっちゃん以外の相棒を持っていないのはアポローンだけですね。そして新企画進行中…お楽しみに………


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

花の帰還

はい。今回はエジットメンバーを書いていきます。旧作キャラも出ますよ~!


幽香「…あいつらは元気かしら…?」

 

イシス《あいつらって?》

 

 

オシリス《知り合いか?》

 

 

魅魔が幻想郷に帰って来て数日後、幻想郷の幽香の家を訪れていたイシスとオシリスに幽香はそうぼやいた。隣では映姫も優雅に紅茶を飲んでいる。

 

 

幽香「…ちょっと前まで住んでいた家があるんだけど……そこに部下達を置きっぱにしてたから…元気かな~って。」

 

 

映姫「あなた!まさか部下を放っておくとは!黒です!」

 

そう喚く映姫を放っておいて、イシスとオシリスはティーカップを置いて話し出す。

 

イシス《なら会いに行ったら?私も気になるし。あなたはどうする?》

 

オシリス《フム、それよりもまず幻想郷の新体制を理解しているかどうかが不安だ。一応、伝えにいくべきでは?それに幽香の部下なら弾に紹介すべきだ。》

 

こうして、興味本位の二人と真面目な二人は幽香の部下達がいる……はずの邸宅………夢幻館へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 夢幻世界と現実世界の狭間

 

 

イシス《……ここは……?》

 

幽香「簡単に言えば、夢と現実の狭間……そこの湖の上に建っているはずなんだけど………あった……」

 

四人が不思議な空間を進むと、突然辺りが開けて湖が見えてきた。するとそこから聞き覚えのある声が響いてきた……

 

 

天子「いいじゃない!ちょっと入るぐらい!!」

 

 

セト《そうだそうだ!!》

 

 

???「ダ~メ~で~す~!!」

 

イシス オシリス《あのバカ……はぁ………》

 

映姫「あれは……天人の…暇潰しにでも来たのでしょう………」

 

 

湖畔では金髪でレミリアと同じようなコウモリの羽が生えた門番の少女……くるみに天子とセトが突っかかっていた。

 

天子「もういいわ!ならバトルよ!私達が勝ったら通してもらうわ!!」

 

 

くるみ「望む所です!!」

 

 

幽香《…面白いから黙って見てよ……》

 

 

天子 くるみ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

くるみ「先行貰います!メインステップ!バーサーカー・ガンを二体召喚!ターンエンド。」

 

 

 

くるみのフィールドにマシンガンを構えたロボットが二体現れた。

 

天子「私のターン!行くわよ!セト!効果で三枚トラッシュに置いて対象が二枚なので二つコアを追加!ターンエンド!」

 

 

セト《大義のための……犠牲となれって間違えた!》

 

 

セトがなにやら聞き覚えのあるセリフを言いながら登場した。

 

 

くるみ「メインステップ。ネクサス!侵食されゆく銀世界を配置!アタックステップ!バーサーカー・ガン一体でアタックです!」

 

 

天子「ライフをあげるわ!」

 

 

くるみのフィールドがまるで機械のような模様が浮かび上がった雪原に変わり、飛び上がったバーサーカー・ガンがマシンガンで天子のライフを撃ち抜いた。

 

 

くるみ「ターンエンド!」

 

 

天子「メインステップ!砂海王子ナミルネスを召喚してバーサーカー・ガンを破壊!さらに砂海帝王セトナック三世を召喚!そのままアタック!!」

 

セト《セトナック!行ってこいや!》

 

 

フィールドにナミルネスと豪華な衣装を纏った獣の皇帝が現れると、セトナック三世が攻撃体制に入る。

 

 

くるみ「ライフです!」

 

 

セトナック三世がライフを杖で打ち砕いた。

 

 

天子「ターンエンド!」

 

 

くるみ「メインステップ!アイスメイデン!そして起動せよ!要塞皇オーディーン!!」

 

くるみのフィールドが割れると、下から機械の砲台を装備したロボットが出現した。

 

 

くるみ「アタックステップ!オーディーンでアタック!!オーディーンの効果でソウルコアをトラッシュへ置いて、アンブロッカブルに!!」

 

 

天子「…随分昔のやつね…まぁリバイバルだからいいか……ライフで受けるわ!!」

 

 

オーディーンの砲台からのミサイルが、天子のライフを撃ち抜いた。

 

 

くるみ「ターンエンド!」

 

 

天子「メインステップ!撃ち壊せ!!打ち砕け!!砂海嵐神タイフォーム!!そのままアタック!!効果で相手のデッキを三枚破棄!!その中にコスト3、6のカード……うっそ!無い!?」

 

セト《ついてねぇ……!》

 

セトが砕いた地面から飛び出したタイフォームだったが、効果は不発だったようだ……

 

くるみ「侵食されゆく銀世界の効果でトラッシュのコアをすべて戻します!さらにソウルコアが戻ったのでオーディーンは回復!」

 

 

くるみのフィールドに展開されていた銀世界が白く輝くとオーディーンが再度起き上がった。そしてタイフォームの効果はレベル2からの耐性によって効かなかった。

 

 

 

天子「…!そうだわ!フラッシュタイミング!タイフォームに煌臨!砂海拳王クロコクセス!」

 

 

タイフォームが青く光ると、カーブした角を持った拳闘士に変わる。するとクロコクセスは拳を撃ち鳴らすと……

 

天子「…フラッシュでクロコクセスの効果を使うわ!煌臨元のタイフォームを召喚してバーサーカー・ガンとアイスメイデンを破壊!!そしてクロコクセスのメインアタック!!」

 

くるみ「ぇぇぇぇ!?ライフで!!」

 

クロコクセスから青い粒子が吹き出すと、タイフォームが復活してくるみのスピリット達が二体吹っ飛んだ。天子はタイフォームの効果が不発になった時用に、このカードを仕込んでいたのだ。そしてクロコクセスは拳でライフを撃ち抜く。

 

 

天子「タイフォーム!今度こそ!!……よっしゃ!コスト3の光翼之太刀があったので回復!」

 

くるみ「オーディーンでブロック!!」

 

 

オーディーンが砲台からミサイルを連射するが、タイフォームはひらりとかわしていく。そして接近すると鎌を振り下ろしてオーディーンを真っ二つに切り裂いた!

 

 

天子「とどめよ!フルアタック!!セトの神域の効果でマジックは使えないわ!!!」

 

 

セト《サイレントウォールもブリザードウォールも使えないぜ!!!》

 

 

天子のアルティメット達が一気にくるみのライフを砕ききった!!

 

 

 

 

 

 

 

天子「アハハハハハハ!私の勝ちよ!通してもらうわ!!」

 

セト《うぇぇぇぇぇぇぇい!!》

 

意気揚々とはしゃぐ二人。くるみは悔しそうに見ていたが、後ろの幽香達に気づくと、顔を驚かせる。しかし、それを言葉にだす前に、天子が地雷を踏んだ。

 

 

天子「こんな門番だなんて!主はどんなよわっちいやつなのかしら!?」

 

 

………御愁傷様です………

 

 

幽香「あら……小娘が……言うようになったわねぇ……私をそう言うなんて……!!」

 

 

イシス《…セト……あなたも何をやっているのかしら……?エジットの矛が……弱い者イジメ?》

 

 

天子「………………」

 

 

セト《………………》

 

 

二人は後ろから放たれている殺気に無言で顔を見合わせると……一目散に逃げ出した…!!

 

 

幽香「あらあら……逃げることもないのに!!」

 

 

イシス《……うふふ…幽香…ダブルでいくわよ……》

 

 

幽香は日傘を畳み、イシスは愛杖を構える。そしてエネルギーを日傘と杖の先にためると、同時にぶっぱなした!!

 

 

 

天子 セト「《ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!》」

 

 

オシリス《……はぁぁぁぁ……》

 

 

 

映姫「……お疲れ様です……」

 

 

二人がビームに吹っ飛ばされるのを見て、オシリスの大きなため息を聞いた映姫は同情の眼差しを向けた……

 




はい。ありがとうございました。

……天子ちゃん好きの人はすみません……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最凶最悪の姉妹登場!!

一応、最悪の姉妹とタイトルにありますが、依神姉妹ではありません。


夢幻館 応接室

 

 

 

幽香「久しぶりねぇ…くるみ…」

 

 

くるみ「はい!それにしても……どうされましたか?突然お帰りになって……」

 

 

???「…暇潰しに来たって訳でも無さそうね。」

 

 

 

天子とセトをぶっ飛ばしたあと、四人は夢幻館の客間でゆったりくつろいでいた。くるみの言葉に追随したのは、これまた夢幻館の門番エリー。彼女も門番としては優秀で、鎌を扱わせれば幻想郷でも上位に食い込むほどである(幻想郷に鎌使いはあんまりいないが)

 

 

映姫「実はですね。幻想郷の統治システムに大きな変更がありましたので、一応連絡しに来ました。」

 

 

イシス《まぁどういう変化かと言えば……かくかくしかじか……って訳なのよ。》

 

 

 

くるみ「私は良いですよ。それに夢幻世界に敵なんて来ませんし。」

 

 

エリー「私も暇してたからね~あの二人もそうだと思うわ。」

 

 

 

エリーの「あの二人」という言葉に映姫達が首を傾げていると客間の扉が開いて二人のメイド服を着た少女が入ってきた。一人は青いメイド服を着て、もう一人は白のメイド服に背中には白い翼が生えていた。

 

 

 

幽香「あら、噂をすれば…この青いのが夢月でこの羽が生えてるのが幻月よ。」

 

 

 

幻月「幽香!全く突然出ていって!!構えなさい!一発ぶっ飛ばさないと気がすまないわ!!!」

 

 

 

夢月「まぁまぁ…姉さん…さっきの話だけど……私達も別に問題はないわ。それはそれとして……私は創界神様の実力に一カードバトラーとして興味が……」

 

幽香「へぇ……良いわよ……格の違いってのを分からせてあげるわ♪」

 

 

映姫「はぁ……夢月と言いましたか……どうせ待っているのも暇ですし、お手合わせを受けましょう。」

 

 

 

怒りながら幽香にデッキを構える幻月と、おずおずと映姫に話しかける夢月。それに二人はバトルを受けると返答する。

 

 

 

 

幽香 映姫 幻月 夢月「「「「ゲートオープン!解放!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

幽香「先行は貰うわ。メインステップ。黄色の戦女神!創界神イシス!トラッシュに置いたカードのうち一枚が対象だったのでコアを一つ追加。バーストをセットしてターンエンド。」

 

イシス《さぁ…いきましょう……》

 

 

 

幽香はイシスを初手で配置した。

 

 

 

幻月「メインステップ!スカルデーモンを二体召喚!!そして一体でアタック!」

 

 

 

幻月は赤い頭部にコウモリのような翼の腕を持った悪魔を二体呼び出して、一体を攻撃させる。

 

 

 

幽香「ライフで受けるわ。そしてバースト発動よ♪エジットの天使モニファーエルのバースト効果でライフを回復させてそのまま召喚。」

 

 

 

 

スカルデーモンの紫の衝撃波が幽香のライフを砕いたが、バーストから褐色の天使が降り立つとライフが一つ回復した。

 

 

 

幻月「ターンエンド!」

 

 

 

幽香「メインステップ。エジットの天使長ネフェリエルを召喚してデッキボトムから二枚ドロー。」

 

 

モニファーエルの隣に十字の杖を構えた天使が現れる。そして幽香はバーストをセットしてアタックステップに入る。

 

 

 

 

幽香「アタックステップ!ネフェリエルでアタック!」

 

 

 

幻月「ライフ!」

 

 

飛び出したネフェリエルが杖でライフを叩き割った。

 

 

 

幽香「ターンエンド。あなた、まだまだやれるでしょ?」

 

 

 

幻月「あったりまえよ!メインステップ!ネクサス!千本槍の古戦場を配置してダークウィッチを召喚!」

 

 

 

幻月の背後に何本もの槍が突き刺さった荒野が広がり、また別の白い悪魔が現れた。ダークウィッチにソウルコアが置かれたので呪鬼スピリットが全てBPプラス5000されることになる。

 

 

 

幻月「アタックステップ!ダークウィッチでアタック!」

 

 

幽香「ライフで」

 

 

 

ダークウィッチが紫のビームで幽香のライフを壊す。

 

 

 

幻月「ターンエンドよ!」

 

 

 

イシス《……どうする…そろそろ仕掛ける頃合いかしら?》

 

 

幽香「そうね。メインステップ!エジットの天使長ハトフェルを召喚!そしてモニファーエルをレベル3に!」

 

 

 

幽香はさらにエジットの天使長を呼び出す。ハトフェルは煌臨を持っているが、幽香は直接呼び出した…ということは……

 

 

 

幽香「アタックステップ!ハトフェルでアタック!アタック時効果でライフを一つボイド送りにして回復!!さらにレベル4の効果!ハトフェルはブロックされない!!」

 

 

幻月「千本槍の古戦場の効果でドロー!ライフで受けてバースト発動!アルティメットウォール!このバトル終了後にアタックステップを終わらせる!」

 

 

 

ハトフェルが飛び出すと幽香のライフを砕いて回復し、幻月のライフを光線で撃ち抜いた。しかし、千本槍の古戦場でドローした幻月のバーストから白いオーラが迸ってアタックステップを強制的に終わらせる。

 

 

 

 

幽香「ま、簡単に終わってもつまらないしね。ターンエンド。」

 

 

 

幻月「今度はこっち!メインステップ!鬼の力纏う悪魔!鬼神バサラ!!コア三個を乗っけて召喚!!召喚時効果でこのスピリットのコア分コアを外すわ!」

 

 

 

幻月のフィールドが歪むと紫のシンボルから鎧を着て大剣を背負った鬼が現れて、その大剣からの波動がハトフェルとネフェリエルを消滅させる。

 

 

 

幽香「ふーん、デスペラードじゃないのね。」

 

 

幻月「あいつの効果はアルティメットに効かないからよ!アタックステップ!まずはスカルデーモンでアタック!バサラの効果で紫のスピリットが披露するたび、相手のスピリットからコアを外す!!」

 

 

 

飛び出したスカルデーモンを援護するかのようにバサラがさらにモニファーエルからコアを外す。スカルデーモンはレベル2から呪撃を持つのでブロックしても破壊されないことは不幸中の幸いだった。

 

 

 

幽香「甘いわよ。フラッシュタイミング!モニファーエルに煌臨!四大熾天使の一角!水の熾天使ミレディエル!!そしてブロック!!効果でライフを三個回復させるわ!」

 

 

 

モニファーエルが黄色く光ると青髪に剣を構えた大天使に変化する。そして剣を突き刺してスカルデーモンを破壊した!

 

 

 

幻月「げ…!ターンエンド…!」

 

 

 

幽香「メインステップ!天使達の大輪の花!星天女神イシスター!!アタックステップ!!イシスターで攻撃!!」

 

 

 

イシス《悪魔には天使よ…!》

 

 

 

イシスが杖からイシスターを召喚して攻撃させる。幽香のライフは六だったのでギリギリ召喚条件を満たしていた。

 

 

 

 

幽香「イシスターの界放でライフを砕いてスカルデーモンとダークウィッチをバウンス&ライフ貫通!!さらにイシスの神域でさらにライフを破壊!!」

 

 

 

幻月「…バサラで…ブロック!!」

 

 

 

バサラの大剣がイシスターの杖を受け止めたが、イシスターは翼から青い光線を放ってバサラの鎧を貫くと杖に光の刃を纏わせ一閃!!

 

 

 

幽香「終わりよ。ミレディエルでアタック!」

 

 

 

ミレディエルの剣が幻月の最後のライフを粉々にした!

 

 

 

 

 

 

夢月「先行で行きます。メインステップ。ビートビートルを召喚してネクサス、命の果実を配置。バーストもセットしてターンエンド。」

 

 

 

フィールドにカブトムシ型のスピリットと黄色の実が出現した。

 

 

 

映姫「メインステップ。冥界の裁判官!創界神オシリス!!トラッシュにカードを三枚送り、対象のカードは三枚全てだったので、コアを三個オシリスに置きます。さらに風切りヘビを召喚してビートビートルのコアを外し、一枚ドロー。」

 

 

 

オシリス《よっこいせと…》

 

 

 

映姫の背後に椅子に座ったオシリスが現れる。そして紫の小さなヘビがビートビートルに噛みついて消滅させる。

 

 

 

 

映姫「アタックステップ。風切りヘビでアタック!」

 

 

夢月「ライフで受けます!命の果実の効果でワンドローしてバーストです!手裏剣大地の効果を使って一つコアをリザーブに!その後、このネクサスを配置します!」

 

 

命の果実が光ってデッキからカードを一枚夢月に渡し、背後に手裏剣の形をした大陸が浮上してくる。これで夢月のシンボルとコアはかなり充実してきた。

 

映姫「ほう…ターンエンドです。」

 

 

 

夢月「メインステップ。命の果実をレベル2でもう一つ配置。そして最初の命の果実もレベル2に!バーストをセットしてターンエンド。」

 

 

 

夢月はさらに命の果実を配置するだけにとどまった。映姫はバーストを睨んでいたが、そのままターンを進める。

 

 

 

映姫「メインステップ。黒龍神ゼオ・デュラムを召喚して二枚ドロー。アタックステップ!ゼオ・デュラムでアタックです!」

 

 

映姫のフィールドに金色の鎧を纏った大きなヘビが現れると、体をくねらせて飛び出す。

 

 

 

夢月「ライフで受けます。命の果実の効果で計二枚ドローして2コア追加!さらにバースト発動!妖華吸血爪!さらに二枚ドロー!」

ゼオ・デュラムの突進が夢月のライフを砕いたが、命の果実やバーストの効果で夢月は計四枚のカードをドローした。

 

 

 

映姫「………ターンエンド。」

 

 

 

夢月「ここから逆転です!メインステップ!ビートビートルとフライングミラージュを二体ずつ、さらにヘラクレス・ジオを召喚!さらに虫達の皇帝!キングタウロス大公を召喚です!召喚時効果でスピリットに一コアずつ追加!」

 

 

夢月のフィールドにビートビートルと小さな白い妖精のようなスピリット、そして白い牛のようなスピリットが現れる。さらに地面が裂かれ、そこから四つ足で右手が剣の昆虫スピリットが登場した。

 

 

 

 

夢月「増えたコアでキングタウロスと手裏剣大地をレベル2に!アタックステップ!キングタウロスでアタックです!」

 

 

 

 

オシリス《…なるほど……命の果実や手裏剣大地でコアと軽減用のシンボルを確保してバーストで手札も補充。なかなか考えられているな。》

 

 

映姫「ライフです!」

 

 

キングタウロスが剣を振って飛び出し、映姫のライフを一気に二つ斬り捨てた。

 

 

 

夢月「フルアタックで私の勝ちです!ヘラクレス・ジオでアタック!」

 

 

映姫「すみませんがそうはさせませんよ?フラッシュタイミングで煌臨を使います!ゼオ・デュラムに煌臨!原初蛇皇アモン・ケマテラ!

 

煌臨時効果で手札/トラッシュの妖蛇スピリットをコスト12まで召喚します!宵闇の蛇王アルベリヒをレベル2で召喚!コストは風切りヘビから確保。」

 

 

 

ゼオ・デュラムがより大きな紫のヘビに変わると、おおきく咆哮して地面から機械のヘビを呼び出した。

 

 

 

映姫「そしてヘラクレス・ジオのアタックはアルベリヒが受けます!レベル2のアルベリヒは疲労ブロックが可能!!」

 

 

 

アルベリヒが尻尾を振るってヘラクレス・ジオを弾き飛ばす。これでアタックするアルベリヒよりBPの低いスピリットはアルベリヒに破壊されるだけになってしまう。

 

 

夢月「く…手裏剣大地の効果でキングタウロスを回復…ターンエンドです。」

 

 

 

映姫「メインステップ!罪人食らうヘビ!判決は黒です!冥界蛇神アウザール!!召喚時効果でコア三個以上のキングタウロスを破壊します!」

 

 

オシリス《悪いが……私のヘビ達は虫が大好物だ…!》

 

 

 

オシリスの玉座からアウザールが這い出てくる。そして鎖でキングタウロスを絡めとると大きく口を開いて噛み砕いた!!

 

 

 

映姫「アタックステップ!アウザールの効果でオシリスのコア三個を置いて妖蛇スピリットにシンボルを追加します!アウザールでアタック!」

 

 

夢月「うう…ビートビートルでブロックです…」

 

 

 

ビートビートルは突進したが、アウザールは易々と噛み砕いた。

 

 

 

映姫「さらにアモン・ケマテラでアタック!フラッシュタイミングでオシリスの神技を連続使用します!コアを合計四つボイドに置いてフライングミラージュ二体を消滅させます!」

 

 

オシリス《この効果…あまり使わんなぁ……》

 

 

 

アモン・ケマテラが滑るように走りだし、後ろからオシリスが紫のビームでフライングミラージュ達のコアを除去した。

 

 

 

夢月「ビートビートルでブロックです!これでフルアタックでも私のライフはまだ残ります!」

 

 

映姫「いえ、このターンで終わりです!ブロック前のフラッシュでアモン・ケマテラに手札のアモン・ケマテラを煌臨!効果で手札からゼオ・デュラムを召喚!!そしてドローし、ビートビートルのコアを除去!!」

 

 

走り出したアモン・ケマテラが再度輝いて咆哮すると、地面からゼオ・デュラムが甦り、ビートビートルのコアを外した。

 

 

 

夢月「ええ!?ら、ライフで受ける!」

 

 

アモン・ケマテラがおおきく体をくねらせてライフを叩き壊す。

 

 

 

映姫「ゼオ・デュラムでアタック!ジャッジメント!」

 

 

 

ゼオ・デュラムが紫色のオーラを纏って突撃した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻月「あー!悔し~い!!」

 

 

夢月「さすがは四天王でしたね……」

 

 

 

 

それぞれの反応を見せた夢幻姉妹に、幽香は近づいて改めて尋ねる。

 

 

 

幽香「夢月、幻月。また私に仕えてくれるかしら?」

 

 

 

夢月「私はもちろん良いですよ。それで姉さんはどうするの?」

 

 

幻月「……わ、分かったわよ!私がいないといけないのよね!」

 

 

少し照れながら了承した幻月にイシスとオシリスはほっこりしていた。すると映姫が話し出す。

 

 

 

映姫「早速なのですが、頼みがあります。これは風見 幽香個人を含めた幻想郷に関する一件です。」

 

 

 

くるみ「…それは一体何ですか?」

 

 

くるみが代表して映姫に尋ねると、代わりに幽香が答えを返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「…数日後ちょっと私達四天王や創界神使いが幻想郷を離れるの…その時の幻想郷防衛部隊に参加してほしいのだけど…」




はい。ありがとうございました。


最後の幽香の発言……それは……また今度……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

特別編~世界渡る少女~
友よ…君はいずこに……


……ようやくあいつのデッキをゲット致しました……あっちこっち探し回って一月……長かったなぁ……

そして今回から特別企画に入ります。それに際してかなりの原作改変があるので、ご注意を……


とある夜 博麗神社

 

 

 

魔理沙「うぇぇぇい!!」

 

 

レミリア「がおー!(`□´)」

 

 

アルテミス《アハハハハハ!!!》

 

 

デュオニュソス《ひゃっはぁぁぁ!!!》

 

 

ゼウス《ちょっと待ってくれヘラ!儂は今回ばかりはナンパなど……!!!》

 

 

 

今日も幻想郷では宴会が開かれている。文明が明治初期辺りで止まっている(一部進みすぎている所もあるが)幻想郷の娯楽の一つが宴会なこともあり、創界神達も招いて盛大に盛り上がっていた。

 

 

 

紫「はい、弾!あーん(^○^)」

 

 

永琳「ちょっと!ねぇ弾、私が先よね♪」

 

アテナ《あの…自宅からいい酒を…》

 

毎度恒例、弾に集まるこの三人。しかし、今日の弾は何やら深く考えると席を立ってとある創界神の所に向かった。

 

 

弾「失礼、カグツチさん、アマテラスさんを呼んでくれないか?」

 

 

カグツチ《オッケー!おーい!アマテラ~ス!!》

 

 

 

アマテラス《…うにゅ?どしたの弾君?まさか紫ちゃん達に飽きちゃった?》

 

 

 

紫 永琳 アテナ「「《そんなことないわ!!!》」」

 

 

 

豊姫「八意様落ち着いてください……!」

 

 

宴会場の一角で永遠亭&月の都&守矢神社のメンバーとゆったり酒を飲んでいたアマハラの創界神四人。久しぶりに外に出てきたアマテラスはいつも通り平常運転である。

 

 

弾「あんまり人目が触れる所で話せる話題じゃないんだ。少し場所を変えても良いか?」

 

 

アマテラス《良いわよ~ん。永琳ちゃんやアテナには出来ないことね♪》

 

 

永琳「…ギギギギ…!!」

 

 

依姫「師匠~!」

 

 

ツクヨミ《ああわかった!私も同席しよう!それなら安心だろう。》

 

もう少しで永琳が暴走する一歩前で、どうにかツクヨミが腰を上げて押さえ込みにかかった。さすがにツクヨミの前ではアマテラスも変なことは出来ないと考えたのか、永琳やアテナは渋々納得して座り込んだ。

 

 

 

ツクヨミ《それでは失礼。加奈子、バカ弟を頼む。》

 

 

加奈子「了解(ラジャー)

 

 

輝夜「……できるだけ早めにね……」

 

 

スサノヲ《おいおい!兄貴!俺のどこに危ない要素が》

 

 

妹紅「体から吹き出してるよ!!」

 

 

 

 

 

 

そんなスサノヲを加奈子と妹紅に任せて三人は神社の裏手に移動した。そこでは誰もいなかったので、弾は好都合とそこで話し出した。

 

 

弾「実は……紫のことなんだが……」

 

 

アマテラス《あら~?もしかして……ワクワク》

 

 

ツクヨミ《姉さん、少し黙ってくれ…話が進まない…》

 

 

何やらアマテラスが変に話を持っていこうとするが、ツクヨミが話を遮って弾に続けるよう目配せする。

 

弾「…この前、紫の家に泊まった時に、押し入れからこれを見つけんだ。」

 

 

そう言って弾が取り出したのはレトロな黒い帽子だった。それはまるでこいしがいつも被っているものみたいな帽子で、それを見たツクヨミは首を傾げた。

 

 

ツクヨミ《ム……まるでホルスが被っていそうなヤツだな…だが頭のサイズ的に女ものか……これがどうかしたのか?》

 

 

弾「この帽子を紫に見せたとき、明らかに動揺した表情を見せたんだ。それ以上聞こうとしたけどうまくはぐらかされちゃって。」

 

 

ツクヨミ《…すまない…私にはよく分からん…姉さんはどう思う…?》

 

 

ツクヨミがアマテラスに尋ねるとアマテラスは真剣な顔つきで話し出した。

 

 

アマテラス《……たぶんだけど……紫ちゃんの過去に何かあったのよ。ねぇ弾。妖怪の誕生についてどれぐらい知ってる?》

 

 

弾「…一応、人間と同じように子供を産むことがあることは知ってるが……それ以上は理解できていない。」

 

 

アマテラス《それは一つ目のパターンね。妖怪が生まれるパターンはあと二つあるの。二つ目は人間がこういう妖怪がいると信じる時よ。》

 

 

弾はアマテラスが言っていることに首を傾げたが、少し考えたあとハッと気づいて返答する。

 

 

弾「……妖怪は存在を認知されることで存在できる。でも逆にこういう妖怪が存在すると思われてもそういう妖怪が誕生する……」

 

 

アマテラス《正解。例をあげるなら命蓮寺の山彦ちゃんとか紅魔館の吸血鬼とかね。初代吸血鬼が血を吸うと思われたから彼女達は血を飲むようになったのよ。そして三つ目のパターンは……人間が妖怪化した時よ。》

 

 

 

弾は先ほどよりは悩まなかったが、少し釈然としない様子だ。

 

 

 

弾「それは聞いたことがある。慧音さんや妹紅、白蓮達がそれだって聞いたが……その原理がよくわからない。」

 

 

 

アマテラス《まぁ…それは難しいのよねぇ……一番あるのは何か魔法事故なんかで体が変化してしまったことかしら?あなたが経験したみたいに。》

 

 

 

ツクヨミ《…それと紫の過去とは何か関係あるのか?》

 

 

 

 

ツクヨミが頭をかきながら尋ねる。そうするとアマテラスは呆れながら答えた。

 

 

アマテラス《あんたねぇ…紫ちゃんは一人一妖怪…つまり他にスキマ妖怪はいないから一つ目の可能性はゼロ。二つ目はあるかもしれないけど、それなら文献にスキマ妖怪の名前の一つぐらい載っているはずよ。でも外の世界でスキマ妖怪なんて知られていない…だから二つ目もナシ。となると三つ目のパターンの可能性がかなり高いわ。》

 

 

 

弾「…つまり……紫が人間だった頃に何かあったと?」

 

 

 

アマテラス《たぶんね。まぁだいたいの検討はついたけど。》

 

 

アマテラスの言葉に男二人は驚いた。いつもはザ・ニートで引きこもっている彼女だがやる時はやると改めて主神の威厳を感じた瞬間だった。

 

 

 

ツクヨミ《…それはいったい?》

 

 

 

アマテラス《……弾…人間と妖怪の大きな違いってなに?人間と神々との違いでも良いわ。》

 

 

 

弾「…そりゃ…妖怪や神々は人間より圧倒的な力を持っているし、寿命も何百倍も………!…そうか!!」

 

 

 

弾はアマテラスの質問に答えている途中でアマテラスの考えを理解した。ツクヨミもようやくわかったようだ。

 

 

 

アマテラス《そ。もしかしたら、その帽子は紫ちゃんが人間だった頃に出来た友達の形見なんじゃないかしら?そして紫ちゃんは何らかの原因で妖怪化し、その友達は寿命で死んでしまった…そう考えると妥当よ。》

 

 

 

ツクヨミ《…少し待ってくれ…ピポパポ…トゥルルルル…》

 

 

 

アマテラスの言葉の言葉のあと、何か思い出したのかツクヨミは懐から携帯電話を取り出すとどこかに電話をかけて何かを確認していた。そして少し話すと、電話を切ってその内容を話し出した。

 

 

 

ツクヨミ《少し調べてみた。紫は約二千年前の中国で一番最初に目撃されている。そしてその時期の中国は時空の乱れが非常に酷かった時代でもあったそうだ。》

 

 

 

弾「何でそれを調べられたんだ?」

 

 

 

ツクヨミ《昔、彼女達が月都に攻めこんだ時に有力な妖怪達の身元を全部洗ったんだ。時空の乱れの方は一回巨大なブラックホールができるほどの乱れだったから月の都の記録にも残っていた。》

 

 

 

今度はアマテラスが首を傾げる番だった。それに対してツクヨミは《これは推測だが》と断った上で話し出す。

 

 

 

ツクヨミ《つまり…紫の最初の乱れと巨大な時空の乱れ……この二つの時期と場所が同じなのは偶然の一致だと私には到底思えない。もしかすると紫は別世界から飛ばされてきたのでは?》

 

 

 

アマテラス《なるほど……弾と同じように世界を越えたから妖怪化し、友達と離ればなれになってしまった……そちらの方が可能性が高いわね。》

 

 

 

弾「…もしそうなら……ワンチャンその友達は生きているかもしれない!だってオレも時間を越えたんだ。もしかしたら…!!」

 

 

 

弾の言葉にアマテラスやツクヨミは《可能性としてはあり得る》と反応する。そしてこの世界の周辺の世界で繋がりそうな世界をいくつかに絞ることに成功した。

 

 

 

弾「…さて……絞り込めてもこの世界を全部洗うのはかなり骨が折れるぞ……」

 

 

 

魔理沙「話は聞いたぜ!」

 

 

 

ロロ《私達も手伝おう。》

 

 

突然、後ろから声が聞こえた。三人が振り返るとそこには魔理沙とロロが立っていた。どうやら他の創界神や紫以外の幻想郷メンバーにも聞こえているようだ。

 

 

 

魔理沙「あいつの能力がなければ私達はここにいないんだ。それに色々迷惑かけたからな!その詫びと礼だぜ!」

 

 

 

ロロ《ゼウスやラー達も協力を快諾してくれた。その数の世界をまわるとなるとは一人では無理だ。》

 

 

 

弾「…皆…ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、永遠亭 会議室

 

 

 

 

そこにはほとんどの創界神が集まっていた。その光景に弾は改めて心が温かくなった。

 

 

弾「みんな……集まってくれてありがとう!」

 

 

 

霊夢「今さら~?」

 

 

幽香「全く、水くさいわよ。」

 

 

映姫「そうです。私達は好きでやるのですから。」

 

 

隠岐奈「それに別世界にも興味あるしね♪」

 

 

ホルス《そういう誰かを助けるのが探偵ってもんだ。》

 

 

クリシュナ《オホホ!ワテクシ達に任せなさい!》

 

 

カグツチ《大丈夫!知らない世界を旅するのは慣れてるから!》

 

アレックス《僕も異世界を渡った経験がありますので問題ないです》!

 

 

そこに集まったメンバーは全員ヤル気満々だった。そして弾はゲートを開いて全員に声をかけた。

 

 

弾「……全員行くぞ!!」

 

 

全員「《 おう!!!!! 》」

 

 

そして創界神の力でそれぞれの世界にワープする……紫の友を見つけ出すために……帽子に書いてあったことでわかった紫の友の名前は……

 

 

 

 

 

 

 

………宇佐見 蓮子

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

この話を書くに至った理由がありますが、それは次回明かされます……まぁ…だいたい察することもできますが……


次回予告 別世界への旅路


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

正面トッパ編~第7の輝石~
別世界への旅路


ジオウの映画を見てきました!もう……一言でいうなら「これが平成!!」って感じでした!!オーマフォームもカッコよかったです!!あの念動力攻撃はヤベーイ!!そして終盤の最強フォーム連続変身……泣きそうになりました……いえ泣きました!


別世界1 トアル市 霊夢&アリス&隠岐奈組

 

 

 

霊夢「……ここが……異世界?」

 

アリス「…私達の外の世界と変わらないわね。」

 

隠岐奈「どうやら当たりを引いたのかもな。」

 

 

三人は目立たない格好に着替えてとある公園で作戦会議をしていた。すると突然三人の頭の中から声が聞こえる。

 

 

 

ヘラ《一応、うちのコネでこの世界の権力者さんとはコンタクトとれそうやわ。》

 

 

トト《流石ヘラ。準備がいいね。》

 

その声は創界神達だった。一応、はぐれたりすると面倒なことになる&ボロを出さないようにするためそれぞれの体内に入って貰っている。

 

 

霊夢「んで…その権力者さんはどこで待ってんの?」

 

 

ゼウス《…確か……迎えに来てくれるといっておったから……一応、ここで待っていればいいはずだ……それより大問題がある…!》

 

 

ゼウスの真剣な声色に他の五人全員が気を鋭くさせる。そしてゼウスはその大問題を語った!

 

 

 

ゼウス《…生娘の体…しかも巫女の体内に入っていると……我慢が》

 

 

ヘラ《…(^.^)…(真っ黒な笑み)…あなた…本当に何かあるかいな?》

 

 

ゼウス《………イエ…マリモ》

 

 

……やっぱりエロ親父はエロ親父でした……そんなコントを続けていると………

 

 

???「失礼。あなた方が旦那様と面会を申し込まれた方々ですか?」

 

 

そう声をかけてきたのは黒スーツに身を包んだ男性だった。どうやら迎えが来たようである。しかし、三人とも(創界神達も)一歩もその場を動かなかった。

 

 

黒スーツ「……どうされましたか?」

 

 

霊夢「…あんた……迎えの人間じゃないでしょ。」

 

 

アリス「全くね。権力者の迎えが一人処か徒歩でなんておかしすぎるもの。」

 

 

隠岐奈「それにスーツを見ればそれが安物だと簡単に分かる。ごまかすならもうちょい準備ってもんが必要じゃないかねぇ。」

 

さすがの観察眼。博麗の巫女&魔界神の娘&幻想郷の賢者は伊達ではなかった(霊夢はただの勘だと思われるが)すると黒スーツはフッと不適に笑うと、懐からとあるものを取り出した。

 

 

 

黒スーツ「…なら…これで決めるというのはどうでしょう?」

 

 

霊夢「ふーん、やっぱりこっちでもそれね……上等!」

 

 

黒スーツが取り出したのは勿論デッキだった。霊夢も売られたケンカを買わない理由がなかった。

 

 

 

霊夢 黒スーツ 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「…ま、バトルフィールドに少し違いがあるのも当然か…先行貰うわよ。メインステップ。ゴッドシーカー サンダー・Z・ウィゼルを召喚して三枚オープン。その中の創界神ゼウスと鋼鉄雷王イグリティオス・Zを手札に加えるわ。ターンエンド。」

 

 

霊夢のフィールドにいたちのようなスピリットが現れ、ゼウスをサーチして回収した。

 

 

黒スーツ「私のターン。マッハジーを召喚。そしてネクサス、神葉樹の森を配置します。ターンエンド。」

 

 

フィールドに小さな緑の虫が現れ、後ろに黄色い森が広がった。どうやら彼は神速デッキの使い手らしい。

 

 

霊夢「メインステップ。天駆ける雷神!創界神ゼウス!三枚中二枚が対象なので二つコアを追加!そして甲の使途レーディアを召喚!召喚時効果でトラッシュの炎魔神を回収!」

 

 

ゼウス《…フム……居心地は良いな。》

 

 

霊夢の後ろにゼウスが現れると角が炎の鹿も登場する。そして召喚時の効果で炎魔神が手札に戻った。

 

 

 

霊夢「アタックステップ!レーディアでアタック!」

 

 

黒スーツ「ライフで受けます。」

 

 

レーディアの突進がライフを一つ砕いた。

 

霊夢「ターンエンド!」

 

 

黒スーツ「創界神…ですか……私のターン。メインステップは何もせずにアタックステップへ。マッハジーでアタック!」

 

 

黒スーツはメインステップでは、何もしないでそのままアタックを宣言する。

 

 

黒スーツ「フラッシュタイミング!マー・バチョウを二体神速召喚して計二コアを追加です!」

 

 

黒スーツがフラッシュタイミングで黄色の翼を生やした馬が二体召喚される。マー・バチョウのコストは3(軽減2)だが、神葉樹の森の効果で軽減シンボルが追加されているため、ノーコスト召喚できたのである。

 

 

 

霊夢「ふーん、神速ね…ライフで受ける!」

 

 

ヤクヤナギが角を突き立ててライフを砕いた。

 

 

黒スーツ「さらにマー・バチョウでアタック!」

 

 

霊夢「これもライフ!」

 

 

マー・バチョウの頭突きがさらに霊夢のライフを砕く。

 

 

黒スーツ「もう一体のマー・バチョウでアタック!さらにフラッシュタイミング!Xレア!蛮騎士ハーキュリーを神速召喚!召喚時効果で神速を持つスピリットを全て回復!!」

 

 

二体目のマー・バチョウが飛び出すと、背後から馬に乗った黒い騎士がフィールドに乗り込んできた。そして剣を掲げると黒スーツのスピリットが全て回復した。

 

 

 

霊夢「ライフ!」

 

 

さらにマー・バチョウが緑の風で霊夢のライフを破壊する。

 

 

 

黒スーツ「ハーキュリーでアタック!」

 

 

霊夢「フラッシュタイミング!マジックで絶甲氷盾を使用!ハーキュリーの攻撃はライフで受ける!」

 

 

ハーキュリーの剣からビームが発射されてライフを撃ち抜いたが、霊夢の手札から氷の盾がシールドになって追撃を防いだ。

 

 

 

黒スーツ「く…!ターンエンド。」

 

 

霊夢「メインステップ!炎魔神を召喚!そして進化し続ける青き炎槍!超・十二神皇エグゼシードF(フォーミュラー)!!炎魔神をフォーミュラーに右合体!レーディアに左合体よ!」

 

 

 

霊夢のフィールドに赤い機械の魔神と青い炎を纏った神馬が降り立ち合体する。

 

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!!超封印発揮!ソウルコアをライフに追加して最高レベルに!そして炎走破の効果!炎魔神の効果も入れてマッハジーとマー・バチョウ二体を破壊したあとハーキュリーに指定アタック!」

 

 

 

炎魔神がロケットパンチで、フォーミュラーが前足の砲台から青いビームを放ってスピリット達を破壊し、ハーキュリーに突っ込んでいく。ハーキュリーはフォーミュラーの角を剣で受け止めたが、砲台が変化したビームソードに貫かれ破壊された!

 

 

 

霊夢「破壊したスピリットの数だけライフを破壊!!よって四つライフを破壊するわ!!くらいなさい!!」

 

黒スーツ「バカな……こんなことが…!」

 

 

ゼウス《…儂…出番なかった……》

 

 

 

フォーミュラーの角とビームソードが黒スーツのライフを一気に四つ破壊した!

 

 

 

 

 

 

霊夢「んで…こいつどうする?」

 

 

 

アリス「一応、私の糸で拘束したけど……」

 

 

 

バトル後、不審な黒スーツを拘束した三人。その始末を考えていると……立派なリムジンが三人の前に停まった…

 

 

 

運転手「失礼致します。サワラギ財団の者です……これは…なるほど…そういうことでしたか……」

 

 

 

隠岐奈「あんたが本当の迎えだねぇ…こいつのことを知っているのかい?」

 

 

 

リムジンから降りてきた眼鏡の初老の男性が縛られた黒スーツを見て何か納得したように呟き、それに代表して隠岐奈が質問する。

 

 

 

運転手「そのことも含めましてお話致します。まずはお乗りください…」

 

 

 

そう言われた三人は少し疑いながらリムジンに乗り込んだ。

 




はい。ありがとうございました。

そうです!企画と言うのは他のバトスピアニメ×当小説です!まずはバシン達からになります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

サワラギ財団代表との会談

今さらですが、この世界…バシン達の世界ではちゃんとバーストやアルティメットも存在しています。


サワラギ財団 本社

 

 

 

霊夢「…これなにかしら?」

 

 

アリス「また今度にして…!」

 

 

 

現在、霊夢達は運転手に案内されてサワラギ財団の本社の廊下を歩いていた。霊夢がいろんな物に気をとられるので、その度にアリスが首根っこを掴んで引っ張って行くというサイクルを何回か繰り返したあと、えらく豪華な扉の前にたどり着いた。

 

 

運転手「失礼致します、旦那様。例の御客人をお連れ致しました。」

 

 

 

???「入ってくれ。」

 

 

 

中から声が聞こえると、運転手は扉。開けて霊夢達を中に入れた。そこのソファーには西洋風の顔立ちで高そうなスーツを着た男性が座っていた。

 

 

 

???「はじめまして。私がこのサワラギ財団代表のキアノ・S・サワラギだ。君たちが私に会いたいと言っていたカードバトラーかね?」

 

 

 

アリス「…はい!私はアリス・マーガトロイドと申します。ほら霊夢も!」

 

 

 

霊夢「ぐっ…分かってるわよ……博麗 霊夢です…」

 

 

隠岐奈「私は摩多羅 隠岐奈です。早速ですが…サワラギ氏、私達の目的はですね………」

 

 

 

自己紹介が終わると、隠岐奈が本題を話し出す。少し内容が噛み合わないような所や隠さなければならない所は隠岐奈持ち前の口八丁とヘラの助言でうまく乗りきった。

 

 

 

キアノ「…フム…探し人か……わかった。探してみよう……それはそうと……実は先ほど君たちがバトルした黒いスーツの男なんだが……」

 

 

 

隠岐奈「……何かあったのですか?何やら物騒な印象がありましたが……」

 

 

 

隠岐奈の言葉にキアノは少し目を伏せたあと話し始める。

 

 

 

キアノ「…これはここだけの話しにしてくれ。まずは輝石について話さなくてはならない。」

 

 

 

キアノは語り出す…

 

輝石…それは選ばれしバトスピカードバトラーが持つイセカイ界でスピリットを召喚させカードバトルができる特別な力を秘めている石であること…

 

 

イセカイ界…それは現実の世界とは異なり、輝石のバトスピカードバトラーだけが出入りを許される次元の世界。そこには天空に舞う巨大なコロシアム型のバトルフィールドが存在し、そのなかでスピリットを召喚させカードバトルを行うことができること……

 

 

そして少し前、その力を使って暗躍していた組織、サウザンドスピリッツ団…通称サウスピ団が解散して、輝石の力はサワラギ財団の一部の人間や輝石自体を持っているカードバトラー以外は使えなくなったこと…

 

 

 

霊夢「ん?さっきバトルしたやつはその…輝石…だっけ?その力を使ったんじゃない?」

 

 

 

キアノ「そうだ。実はサウスピ団の残党がまだ活動を続けているて、あいつはその残党の一人らしい。そいつらは何やら私達も知らない新たな輝石を使って、イセカイ界を解放しようと企んでいる。」

 

 

 

アリス「イセカイ界が解放されるとどうなるのですか?」

 

 

キアノ「…もしかすると……イセカイ界との境界が緩くなり…確実に世界が混乱するだろう……具体的な混乱の例が思いつかないほど何が起こるかわからない……」

 

 

 

キアノの言葉を霊夢達の体内から聞いていた創界神達は霊夢達の脳内に語りかける。

 

 

 

ゼウス《霊夢、この一件…手を貸すべきだ。》

 

 

 

霊夢《はぁ!?何でわざわざ!?》

 

 

 

ヘラ《この問題はうちらも蚊帳の外やない。もしかすると、うちらの世界や幻想郷にも影響する可能性が高い。》

 

 

 

トト《それに…時空の歪みを放っておくことは創界神として出来ないからね。》

 

 

 

アリス《…確かに……それにこの一件の解決を手伝えば信頼も得られるし、私達の武者修行にもなるわ……隠岐奈はどう思う?》

 

 

 

隠岐奈《幻想郷に問題が起こるならそれはいけないねぇ……て言うのは建前で……どうやらあたし達は相当うちの創界神に毒されちまったらしい…》

 

 

 

その言葉に六人とも今頃は幻想郷で紫をうまく言いくるめているであろう赤髪の青年を思い出して苦笑する。そして代表して隠岐奈が口を開いた。

 

 

 

隠岐奈「キアノさん…その一件…私達もお手伝いします。自分で言うのも恐縮ですが……バトルには自信がありますので……」

 

 

キアノ「それはありがたい!ちょうど人手不足で困っていたのだよ……そうだな…君たちの強さ…カードバトラーの端くれとして興味がある…どうだ、一つ手合わせでも?」

 

 

アリス「あ、それなら私がお相手します。霊夢もそれでいいわよね?」

 

 

霊夢「……いいわよ…」

 

 

霊夢のけだるげだが、文句はなさそうな声を聴いて二人はデッキの用意をした。

 

 

 

 

アリス キアノ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

アリス「先行を貰います。メインステップ。まずはバーストをセットして、神世界の人形師!創界神ヘラ!対象カードは二枚なので、コアを二つ置く!これでターンエンド。」

 

 

ヘラ《お手柔らかに……》

 

 

アリスはヘラを配置するだけでターンを終える。

 

 

キアノ「ほう…それが創界神か……だがこれには弱いだろう!メインステップ!ネクサス、ダイヤモンドの月を配置してバーストをセット!私のターンはこれでエンドだ。」

 

 

キアノの背後に銀色の月が昇ってくる。これは紫デッキのアリスにとってかなり厄介なネクサスになる。なぜなら、リバイバル版のダイヤモンドの月は赤と紫に対して痛烈なメタ効果を持っており、特にレベル2からの効果は非常に厄介なのだ。

 

 

アリス「うへぇ…早くラショウ引かないと…メインステップ。少女ドールジェラ・レディを召喚してワンドロー!そしてネクサス、№3ロックハンドを配置!」

 

アリスは小さなジェラシックドールのジェラ・レディを召喚してロックハンドを配置した。紫デッキのネクサス破壊要員はたいてい鎧闘鬼ラショウなのだが、制限カードなこともあり引きにくいのが難点だ。アリスは何とかドローを加速できるロックハンドでラショウを引きにかかった。

 

 

霊夢「さて……ラショウがいつ来るか……」

 

アリス「アタックステップ!ジェラ・レディでアタック!」

 

 

キアノ「来たか…ライフで受ける!そしてバースト発動!妖華吸血爪!デッキから二枚ドローする!」

 

 

ジェラ・レディが紫の球を放ってライフを壊した。するとキアノのバーストが開いてデッキから二枚、手札に加わった。

 

 

 

アリス「ターンエンド!」

 

 

 

キアノ「私のターン。再度バーストをセットしてシュライクンと要塞蟲ラルバを召喚!召喚時の効果でコアを二つ追加!そしてダイヤモンドの月をレベル2に!さらにネクサス!鏡の回廊を配置!」

 

 

翼が鋼の鳥と白い機械の芋虫が現れ、さらにダイヤモンドの月の下に銀色の鏡でできた回廊がそびえ立つ。

 

 

キアノ「アタックステップ!ラルバでアタック!」

 

 

アリス「ライフで受けるわ!」

 

 

ラルバが突進してアリスのライフを砕いた。

 

 

 

キアノ「ターンエンド。」

 

 

アリス「…ロックハンドの効果でドロー+2…メインステップ!黒嫁ドールザンシアと踊子ドールラムレットを召喚!ザンシアの召喚時効果で一枚ドローし、ラムレットの効果で手札から剣帝ドールアンシャンテを一コスト召喚する!コストはジェラ・レディから…」

 

 

アリスは黒いドレスの人形と踊子の格好をした人形を呼び出して、さらにアンシャンテを踏み倒して召喚した。

 

 

 

 

アリス「アンシャンテの召喚時効果でデッキから一枚トラッシュへ!そのカードがドールスピリットだったらライフ一点貫通!侍女ドールソノラだったのでライフを破壊よ!」

 

 

 

アンシャンテがレイピアを突きだしてライフを砕く。しかし、キアノは冷静だった。

 

 

 

キアノ「これを忘れてないかな?相手の手札が増えたのでバースト発動!千枚手裏剣の効果でアンシャンテとザンシアを疲労させ、コアを二つリザーブに置く。」

 

 

 

 

キアノのバーストから無数の手裏剣がアンシャンテとザンシアに大量に降り注ぎ、疲労状態にさせる。

 

 

 

アリス「…それは読めなかったわ…ターンエンド。」

 

 

キアノ「私のターン。マネキキャットを召喚して効果で白スピリットをコストを支払わずに召喚!ここでXレア投入!凍獣マン・モールを召喚!!レベル3に!」

 

 

 

招き猫がいななくと、フィールドに氷山が突きだしてくる。そこから一体のマンモスが現れた。

 

 

 

隠岐奈「…なるほど…マン・モールで装甲をばらまき、鏡の回廊でBP破壊も封じる…その維持コアは緑スピリットで確保…なかなか考えられているな……」

 

 

 

 

キアノ「アタックステップ!マン・モールでアタック!」

 

 

アリス「ライフで受ける!!」

 

 

マン・モールがドスンドスンと走りだしてライフを長い鼻で叩き割った。

 

 

 

キアノ「ラルバでアタック!」

 

 

ラルバが再びモソモソと動き出す。フルアタックが通ればアリスの敗けだが……

 

 

 

 

アリス「フラッシュタイミング!ヘラの効果!コア四個をボイドに送って一枚ドロー!そして手札の鬼神女王ジェラシックドールを破棄してその召喚時効果をこのネクサスの無色の効果として発動!デッキを一枚オープン!」

 

 

めくられたカードは…女王ドールブラッディ・メアリー…コストは6…!

 

 

ヘラ《そしてそのカードのコスト分、コアを外す!……マン・モールの装甲は無意味!》

 

 

 

ヘラがアリスの手札をエネルギーにして放った紫の衝撃波がマン・モールのコアを六個外した。

 

 

 

アリス「そしてジェラシックドールの効果でそのまま召喚!その糸は思いを紡ぐ!鬼神女王ジェラシックドール!再度召喚時効果でオープン!コスト4のロックハンドなのでさらにコア四個を除去!!」

 

 

 

ヘラが紡いだ糸からジェラシックドールが現れるとさらにスピリット達からコアが外され、キアノのフィールドはがら空きになった。

 

 

 

 

キアノ「まさか、マン・モールの装甲を貫通させてくるとは…ターンエンド。」

 

 

アリス「メインステップ!もうラショウはいいわ!女王魔神を召喚してジェラシックドールとザンシアに合体!そしてアタックステップ!ザンシアでアタック!」

 

 

 

紫と白の翼を生やした悪魔のような異魔神の力を受けたザンシアが剣を振るって飛び出したが、キアノはすぐさま手札を切った。

 

 

 

キアノ「フラッシュでマジック!サイレントウォール!ここでアタックステップは終了だ!」

 

 

アリス「…そうかしら?こちらもマジック!カースレクイエム!ヘラのコアを一つボイドに置いてアタックステップを強制終了できなくさせる!」

 

 

キアノのサイレントウォールの白い波動はアリスの荘厳に響いた音楽に書き消された。

 

 

 

キアノ「…ライフで受けよう…」

 

 

 

ザンシアが強化された剣でライフを二つ破壊する。

 

 

アリス「フィナーレよ!ジェラシックドール!!」

 

 

 

ジェラシックドールが糸を鞭のように振るって叩きつけた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隠岐奈「…すみません…宿まで手配していただいて……」

 

 

キアノ「私を倒すほどのカードバトラーを野宿させるわけにはいかないよ。では、明日の3時に。」

 

 

 

 

バトルのあと、隠岐奈はキアノとこの一件を話し合う会議の日程やこの世界の滞在場所を話し合った。しかし、霊夢はずっと蚊帳の外だったので、随分退屈な時間であった。

 

 

 

 

霊夢「ふわぁ……話は終わったぁ?」

 

 

 

隠岐奈「…ああ…終わったよ。それでは失礼、キアノ氏。うちのがもう限界そうなので……」

 

 

 

キアノ「ハハハ!まぁそういう年頃でしょう。」

 

 

 

そうして霊夢達の異世界初日は終わりを迎えた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トアル市 マンション

 

 

 

 

???「よっしゃぁ!いよいよ明日!どんなやつでもショーメントッパだ!!」

 

 




はい。ありがとうございました。

前回のハーキュリーや今回のマン・モールはただ書きたかっただけです(笑)一応、自分は正面トッパバシンは見ていたので、新しいカードも使いつつ当時のカードも使っていきたいです。

あ!でも突然20ターン目とかにはならないので安心してください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

主人公対決その2

超煌臨編三章のゼウス=ロロの効果って皇獣よりなのかな?それともロロ寄りでロマン型?


その夜……

 

 

三人は手配してもらった家で明日に話すことを話し合っていた(霊夢はだらけていたが)

 

 

 

霊夢「…ポリポリ…あ~…普通に人探しで終わると思っていたのにぃ…ポリポリ…」

 

 

アリス「高級ソファーに寝っ転がりながらせんべいかじるのやめて!ソファーが汚れちゃうわよ!」

 

 

霊夢が博麗神社の布団より絶対高級であろうソファーでぐったりしている隣で、アリスと隠岐奈は真面目に相談している。

 

隠岐奈「一応、あたし達はこの一件が終われば一旦帰還することにする。その頃には紫の友人がこの世界にいるかどうかぐらいわかっているさ。」

 

 

アリス「…ねぇ…ヘラ…その蓮子って子をサワラギ財団は見つけ出せるかしら?」

 

 

 

ヘラ《それはうちが保証するわぁ……この世界一の財団やしね♪》

 

 

トト《まぁ…この世界にいるならって修飾語がつくけど…》

 

 

そのあとは、ゼウスがこっそり霊夢から抜け出して、アリスのシャワーを覗こうとしたがヘラに半殺しにされていたり、霊夢がソファーでそのまま寝落ちしようとしているのをアリスが人形を使って無理矢理ベットまで引きずっていったりで夜が更けていった。

 

 

 

霊夢「…まったく…明日会う輝石のバトラーがマシな奴らならいいけど……」

 

 

 

 

 

 

 

翌日 サワラギ財団 会議室

 

 

???「なぁ!俺とバトルしようぜ!」

 

 

マシな奴であって欲しい……霊夢のそんな願いはかなわなかった……

 

 

霊夢「…マシな奴らじゃなかった……」

 

 

???「あの…ごめんなさい、バシン君が……」

 

 

???「根っこはいい人なんよ?」

 

 

会議室には霊夢達三人の他には三人のバトラーしかいなかった。キアノが人手不足だと言っていたのは間違いではなかったようだ。霊夢に眼鏡をかけた黄色の輝石のバトラー…通称、メガネコこと 音無フミコとプラチナブロンドの髪をした青の輝石のバトラー…澤ラギ キョーカがなんとか弁明している。

 

 

隠岐奈「…この子達が?」

 

 

キアノ「ああ、本当は後三人いるんだが、兄弟の世話や芸能活動、留学などで手が離せないそうだ。元サウスピ団のメンバーも今の生活があるから無理に呼ぶのもね……」

 

 

アリス「…大丈夫かしら……?」

 

 

なんとか霊夢に詰め寄っている少年…馬神 トッパを座らせてキアノが話し始める。

 

キアノ「今日はいい報告がある。昨日捕らえた残党の一人が口を割った。今日はそこに乗り込んで欲しい。」

 

 

メガネコ「本当ですか!?」

 

アリス「へぇ……仕事が速いわね……」

 

 

キアノは昨晩のうちに例の黒スーツの口を割らせていたようだ。全員地図を確認していると、バシンの懐から一匹の小さなネズミが机に出てきた。

 

???「なぁなぁJのとーちゃん…このねーちゃん達は強いのか?バシン達の足引っ張らないか不安だぜ。」

 

アリス「あら、喋るネズミなんて珍しいわね。キョーカちゃん、これも輝石の力?」

 

キョーカ「あ、はい。彼…アイボウ君についている赤の輝石の力で、うちの知っている限りやと輝石に共通する力やったと思います。」

 

その言葉に赤いルビー色の輝石をつけたアイボウがえっへんと胸を張る。するとちょうど真っ正面にいた霊夢が反論した。

 

 

霊夢「ええ、強いわよ?少なくともあんた達よりかわね♪」

 

 

バシン「へぇ!それならバトルだ!俺が勝ったら残党のボスとのバトルは貰うぜ!」

 

もう強いバトラーとバトルしたくてたまらないバシンは霊夢に向き合うが、霊夢は(いつも通り)やる気がマイナスまで振り切れている。そこで隠岐奈は魔法の言葉を口にした。

 

隠岐奈「そうだね。霊夢、相手してあげな。後であんたの神社に賽銭ぶっこんでおくから…」

 

霊夢「売られたケンカは買うわ!!」

 

…さっすがおっきーな……隠岐奈さんは315です……(白目)一気に目が銭になってバシンの申し出を座らせて受けた霊夢を見て、メガネコやキョーカは顔をひきつらせていた。

 

メガネコ「巫女さんだったんですね……でも…巫女さんって感じじゃない……」

 

キョーカ「…それよりは…金の亡者や……」

 

アリス「ごめんなさい……うちのはいつもこういう感じなのよ…」

 

 

今度はアリスが謝罪する番になったのをそっちのけにして二人はバトルを始める。

 

 

バシン 霊夢「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

バシン「俺から行くぜ!メインステップ!ネクサス決闘大地を配置!ターンエンド!」

 

バシンはまず赤い決闘場を背後に展開させた。

 

霊夢「メインステップ!鋼鉄雷機士ティグリゴレウスのアクセルでワンドロー!バーストをセットしてターンエンド!」

 

隠岐奈「んー…さすがの霊夢でもゼウスを初手配置出来ないこともあるかぁ……」

 

 

隠岐奈の言葉通り、霊夢の手札は少し事故に近かった。サンダー・Z・ウィゼルや低コストスピリットもいない状況になってしまっている。

 

バシン「えぇ…それだけ?ならこっちから行くぜ!俺のターン!ロクケラトプスを召喚!そしてマジック!ダブルドロー!デッキから二枚ドローだ!」

 

 

アイボウ「そしてコストにソウルコアを使ったので、手札の龍皇ジークフリードをノーコスト召喚!!」

 

 

バシンの十八番でもあるマジックの一枚、ダブルドローの効果で手札を増やしつつお馴染みの赤いドラゴン…龍皇ジークフリードが現れた。

 

 

バシン「アタックステップ!ロクケラトプス!ジークフリードでアタック!」

 

霊夢「どっちともライフ!」

 

ゴラドンとジークフリードのダブル火炎放射が霊夢のライフを二つ砕いた。

 

 

バシン「ターンエンド!」

 

 

霊夢「メイン…え…」

 

 

ターンを始めようとした霊夢だが、バシンの決闘大地が輝くと、ジークフリードを起き上がらせていた。これが決闘大地の効果…覚醒を持つジークフリードを相手のスタートステップ時に回復できるのだ…

 

霊夢「面倒ね!メインステップ!天駆ける雷神!創界神ゼウス!トラッシュにカードを三枚置いて、その中に対象カードが二枚あったので二コア追加!さらに手元からティグリゴレウスをレベル2で召喚!」

 

 

ゼウス《ウム…少し厳しめだな……》

 

 

霊夢の後ろにゼウスが、そしてフィールドに銅色の機械の戦士が現れる。そして霊夢はアタックステップに入る。

 

 

霊夢「ジークフリードがレベル1のうちに攻撃する!アタックステップ!ティグリゴレウスでアタック!」

 

 

バシン「ライフで受ける!」

 

 

ティグリゴレウスの二本の剣がライフを切り裂く。

 

 

霊夢「ターンエンドよ。」

 

 

バシン「創界神かぁ…へへ!俺のターン!ジークフリードにソウルコアを追加!これで最高レベルに上がる!そしてネクサス海魔巣食う海域を配置!」

 

 

バシンはさらに荒れ狂う海域を展開する。そしてソウルコアを置いたジークフリードに攻撃を命じる。

 

 

バシン「アタックステップ!ジークフリードでアタックだ!」

 

 

霊夢「ライフで受ける!そしてバースト発動!!絶甲氷盾!ライフを回復させてアタックステップを終わらせるわ!」

 

 

ジークフリードの火炎放射が霊夢のライフを破壊したが、バーストから氷が吹き出してライフを元通りにした。

 

 

バシン「ターンエンド!決闘大地の効果でジークフリードは回復する!」

 

 

 

霊夢「ドローステップ…良いところに来たわね!メインステップ!龍星の射手リュキオースを召喚!超祈願の効果でゼウスに三コア追加し、龍射撃の効果でロクケラトプスを破壊!!」

 

 

空から狼にまたがったドラゴンが降り立つと、炎を矢でロクケラトプスを撃ち抜いた!

 

 

霊夢「アタックステップ!リュキオース!いってきなさい!」

 

 

バシン「やべっ!ライフで受ける!」

 

 

狼を乗りこなしながらリュキオースの矢がライフを撃ち抜いた。

 

 

 

霊夢「ターンエンド!」

 

 

アイボウ「バシン!しっかりしろ!」

 

 

バシン「ああ!ショーメントッパでいくぜ!メインステップ!バーストをセットして機動要塞キャッスル・ゴレムを召喚!召喚時効果でデッキを十枚破棄するぜ!」

 

 

バシンはここで青のXレアの青い城の体に大きな槍を持ったスピリット…機動要塞キャッスル・ゴレムを召喚し、デッキを破壊し始めた。

 

 

 

アリス「ええ!?ここでデッキ破壊!?」

 

 

キョーカ「バシンはんは相手にプレッシャーを与えるため青のカードもデッキに混ぜてるんです。」

 

 

バシン「ここは一旦ターンエンドだ!」

 

 

ここは守りを固めるべきだと感じバシンはターンエンドした。

 

 

霊夢「びっくりした…メインステップ!鋼鉄雷帝イグリディオス・Zをレベル2で召喚!アタックステップ!イグリディオス・Zでアタックよ!効果でキャッスル・ゴレムを破壊してブロックを封じる!」

 

 

青い体に翼を生やしたロボットが双刃刀を振るいなから飛び出して雷でキャッスル・ゴレムを破壊し、これでジークフリードの破壊時効果を回避した。

 

 

バシン「ライフで受ける!」

 

 

イグリディオス・Zの雷がバシンのライフを破壊する。霊夢はゼウスの神技の使用を次のターンと決めてターンエンドした。

 

 

バシン「まずいぜ…ドロー…!…来たぁ~!行くぜ!メインステップ!ソウルコアをリザーブに戻す!」

 

 

バシンはソウルコアをリザーブに戻した…ということは…!

 

 

バシン「龍皇ジークフリードを転召!!二色合体Xレア!!聖皇ジークフリーデン!!レベル2で召喚!!召喚時の効果でリュキオースを破壊だ!!」

 

 

ジークフリードが光の粒子になって消えていくと、ジークフリードの腕に巨大な砲台を装着したドラゴンが光輝きながら現れた。

 

 

メガネコ「来た!バシン君のキースピリット!!」

 

 

バシン「アタックステップ!聖皇ジークフリーデンでアタック!」

 

 

霊夢「…ダブルシンボルね…ティグリゴレウスでブロック!」

 

 

ジークフリーデンの砲撃がティグリゴレウスを粉々に破壊する寸前、バシンはカードを取り出した。

 

バシン「ブロック後のフラッシュでこいつを使うぜ!マジック!ニーベンルグリング!ティグリゴレウスと同じ系統を持つスピリットを全破壊!!」

 

ジークフリーデンがティグリゴレウスを破壊した後、炎が逆巻いてイグリディオス・Zも焼き付くした!

 

 

 

バシン「ターンエンド!」

 

 

 

アイボウ「そしてバシンのバーストは防御札…次のターンを凌げれば勝てる!」

 

 

 

 

ゼウス《ほう…だそうだ…霊夢……どうするか?》

 

 

 

霊夢「しゃらくさいわ!ドローステップ!……ようやく整ったわ…メインステップ!轟け!神の雷よ!雷神獣皇サンダー・Z・レオン!!召喚!!さらにZ魔神を直接合体!」

 

 

 

ゼウス《こちらも正面突破と行くぞ!》

 

 

 

ゼウスの雷からサンダー・Z・レオンが降り立ちZ魔神の力を吸収すると、翼が青い稲妻に包まれた!

 

 

 

霊夢「アタックステップ!サンダー・Z・レオンでアタック!Z魔神の効果でジークフリーデンに指定アタック!ゼウスの神技も発動よ!」

 

 

サンダー・Z・レオンが雄叫びをあげながらジークフリーデンに突進する。ジークフリーデンは口と砲台から火炎とミサイルを放ち応戦する。その攻撃はサンダー・Z・レオンにクリティカルヒットしたが、青い雷を纏って防いだサンダー・Z・レオンは一瞬でジークフリーデンに飛びかかり、噛みつきながら後ろに大回転しつつ、下に叩きつけて破壊した!

 

 

 

霊夢「サンダー・Z・レオンの効果で手札のサンダー・Z・ブレイヴを下に加えて回復!もう一発!!」

 

 

 

バシン「ライフで受ける!そしてバースト発動!!ディメンションシールドでアタックステップはここまでだ!」

 

 

サンダー・Z・レオンの爪がライフを砕いたが、白い防御壁が追撃を阻む……

 

 

 

 

隠岐奈「ありゃりゃ…こりゃバシン君の負けだねぇ…」

 

 

キョーカ「え…霊夢さんの…ではなく?」

 

 

 

バシン「よっし!凌いだぜ!俺のターン……あれ?」

 

 

バシンは意気揚々と自分のターンを宣言したが、バトルフィールドは何も機能しなかった。バシンが首を傾げていると……

 

 

 

霊夢「さっきゼウスのコアを六個ボイドに戻したわよね?そうすると私はターンをもう一回できるのよ♪スタートステップ!」

 

 

 

アイボウ「ぬぇぇぇ!?ターンもう一回!?」

 

 

 

霊夢「アタックステップ!サンダー・Z・レオン!!ぶっ潰して来なさい!」

 

 

サンダー・Z・レオンの青い雷がバシンの最後のライフを破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

バシン「あ~!悔~し~い!!」

 

 

メガネコ「まぁまぁバシン君…」

 

 

キョーカ「それにしてもすごいですね。バシンはんを倒すなんて…」

 

 

悔しがるバシンを宥めるメガネコと素直に霊夢を称賛するキョーカに若干優越感に浸った霊夢は当初の目的を思い出す。

 

 

 

霊夢「さぁて!さっさと終わらせるわよ!」

 

 

そう言って部屋を飛び出そうとした霊夢だったが……

 

 

アリス「……霊夢…あなたこの町知ってる?」

 

 

 

……すごすごと戻ってきた霊夢であった………

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

二つすいません!ストライカーとサイレン、Jは尺&キャラ的に書きにくいので今回は出ません…今回はです……

そしてもう一つ…自分はこのバトルでやりたいことが何個かありました。
①ジークフリード→ジークフリーデン
②ニーベンルグリング
③キャッスル・ゴレムのデッキ破壊
④決闘大地


実は後二つあったのですが、それは今度に回します……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

突入!そしてバトル!!

初期のカードを使うと、何か嬉しい気がするのは自分だけでしょうか?


トアル市 町外れの廃工場

 

 

 

六人は地図に書いてあった廃工場に到着した。ここは旧サウスピ団が緊急用の避難場所として用意されていた場所だそうだ。

 

 

アリス「どうする?」

 

バシン「あったり前!ショーメントッパだぁぁ!!」

 

霊夢「今回は賛成ね!!」

 

この二人…どこか似ているのかもしれない……バシンと霊夢は真っ正面から工場に突入していった。

 

隠岐奈「んま、こうするのがベストかねぇ…あたし達も行くよ!」

 

キョーカ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃工場 とある通路

 

 

 

走っていた霊夢とバシンが出くわしたのはスーツに身を包み、なにやら変なマスクをつけた人間達だった。

 

霊夢「こいつらは!?」

 

バシン「これって…あの時のマスク!?」

 

 

遅れてやって来たキョーカ達が説明する。あのマスクは以前、イセカイ界を解放しようとした人間が作ったもので、人間を意のままに操れる危険な代物であるのだ。

 

 

メガネコ「バシン君!霊夢さん!ここは私達に任せて!」

 

隠岐奈「先に行きな!」

 

バシン「悪い!!」

 

霊夢「オッケー!!」

 

 

四人は霊夢とバシンを先に行かせてマスク人間達にデッキを向ける。

 

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

アリス「先行、貰うわよってわからないか…メインステップ!バーストをセット。そしてヘラを配置して三枚トラッシュへ!対象が三枚なので三コアを追加!これで終わりよ。」

 

ヘラ《哀れ…意識すら奪うとは……》

 

 

マスク人間を見てヘラがそう吐き捨てながら現れる。

 

 

マスク「メインステップ。フロッガーとグレムリーを召喚。アタックステップ。フロッガーでアタック。」

 

フィールドに釣竿を持ったカエルと工具を持ったウサギが現れ、フロッガーが攻撃体制に入る。

 

アリス「ライフで受けるわ!」

 

フロッガーが釣竿を振ってライフを破壊した。

 

マスク「ターンエンド。」

 

アリス「…龍神の時の式みたい…メインステップ。少女ドールジェラ・レディを召喚してドロー。アタックステップ!ジェラ・レディでアタック!」

 

 

アリスのフィールドに現れた小さなジェラシックドールがトコトコと歩き出す。そして、紫色に輝いた。

 

 

アリス「アタック時効果!小界放!ヘラのコアを一つトラッシュに置くことで、神技を使用!デッキからドローした剣帝ドールアンシャンテを破棄!!デッキを一枚オープン!」

 

 

ヘラ《さっさと終わらせよか!!》

 

 

ヘラが紫の波動でデッキをめくる。そのカードはゴッドシーカー司書ドールレナだった。すると、アリスの側の小さな人形が槍を持って飛び出し、ライフを一つ貫いた。

 

 

アリス「そしてそのままアンシャンテは三コストで召喚できる!不足コストはジェラ・レディから使うわ!もう一枚オープンよ!」

 

 

ジェラ・レディが消滅する代わりにレイピアを構えたアンシャンテがフィールドに降り立った。そしてめくれたカードは……これまたドールの道化ドールディキ・ディキだった。

 

 

アリス「よってさらにライフを破壊!!さらにアンシャンテでアタック!さらにオープン!」

 

 

アンシャンテによるレイピアの突きがマスク人間のライフを砕いた。しかし、今回めくれたのはマーク・オブ・ゾロだったので効果は不発だった。

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

だがアンシャンテのアタックがさらにライフを破壊した。これで一気にマスク人間のライフを三つ砕いたことになる。

 

 

アリス「ターンエンド。次のターンの反撃が怖いわね…」

 

 

マスク「メインステップ。天使長ソフィアを召喚。召喚時効果で賢獣アイベリックスをノーコスト召喚。」

 

 

フィールドに白い服を着た天使が現れ、その光が天に届くと一匹のヤギのようなスピリットが降りてきた。

 

 

マスク「アタックステップ。天使長ソフィアでアタック。フラッシュタイミングでマジック、舞華ドローを使用。アンシャンテのBPマイナス3000。」

 

 

舞散る花びらがアンシャンテの力を奪う。ソフィアのレベルは2なので光芒の対象内だ。

 

アリス「なるほどね。ライフで受ける!」

 

ソフィアの翼からの光弾がライフを破壊した。

 

 

マスク「光芒の効果で舞華ドローを手札に。アイベリックスでアタック。再度舞華ドローを使用し、アンシャンテをBPマイナス3000して破壊。」

 

 

マスク人間は再び舞華ドローを使ってアンシャンテをBPゼロにして破壊した。しかし、アリスはそれを読んでいたかのように不適に笑い宣言した。

 

 

アリス「悪いけど、フラッシュタイミング!ヘラの神技を使うわ!ドローして鬼刃デスエスパーダを破棄。そしてトラッシュからコスト6/9のスピリットを一コスト召喚!!鬼の一振り!鬼刃皇デス・ザイア!!

 

ヘラ《召喚時の効果でアイベリックスとフロッガーのコア計三個を全てトラッシュへ!》

 

ヘラの神技による紫の波動がフィールドにどす黒い大穴を開ける。そしてそこから飛び出した一体の鬼が剣を掴んで構えると、アイベリックスとフロッガーが苦しみだして消滅した。

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

アリス「メインステップ!デス・ザイアをレベル2に!アタックステップ!デス・ザイアでアタック!これでフィナーレよ!」

 

 

デス・ザイアが剣に紫色のオーラを纏わせて斬撃を放つと、斬撃が大量の上海人形に変化して雨あられと降り注ぎ、マスク人間のライフを粉々に破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

一方、隠岐奈とトトは……

 

 

 

マスク「先行を宣言。メインステップ。崩壊する戦線を配置。ターンエンド。」

 

こちらのマスク人間のデッキはどうやらデッキ破壊系であるようだ。

 

 

隠岐奈「おおっと…それはさっさと倒さないと…メインステップ。ゴッドシーカー聖刻騎兵スポッター・シェネウトを召喚して四枚オープンするよ。そん中の創界神トトと聖刻騎兵エース・アークイブを回収。そして時の支配者!創界神トトを配置。二つコアを置いてターンエンド。」

 

 

トト《さて…解術にかかるか……》

 

 

隠岐奈は機械の兵士とトトを呼び出す。これはいいスタートと言えるだろう。

 

 

マスク「メインステップ。バーストをセットし、もう一枚崩壊する戦線を配置。そしてロック・ゴレムを召喚。アタックステップ。ロック・ゴレムでアタック。粉砕と崩壊する戦線の効果でデッキから計五枚を破棄。」

 

 

マスク人間はロック・ゴレムを召喚すると、攻撃を命じた。そしてそれに呼応して二体のゴーレムのような影が隠岐奈のデッキに襲いかかってデッキを破壊する。

 

 

隠岐奈「ふゅ~まるでホラーだねぇ…ライフで受ける。」

 

 

ロック・ゴレムのビームが隠岐奈のライフを撃ち抜いた。

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

隠岐奈「メインステップ。過去と未来をしろしめす時の王者!聖刻神機ジェフティック=トト!!そして界放を使う!アタックステップ!ジェフティック=トトで攻撃!アタック時効果でロック・ゴレムをデッキボトムに送って回復だ!」

 

 

トト《少し急いでいるからね。瞬殺させて貰うよ!》

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

 

トトが打ち込んだ計算式からジェフティック=トトが現れて持ち前のスナイパーライフルでロック・ゴレムとマスクのライフを撃ち抜いた。

 

 

隠岐奈「さらにジェフティック=トトとスポッター・シェネウトでアタック!」

 

 

マスク「どちらもライフで受ける。」

 

 

回復したジェフティック=トトとスポッター・シェネウトが白い弾丸でさらにライフを破壊する。

 

隠岐奈「ターンエンド。そして界放の効果で相手のコアステップ~リフレッシュステップ時に自分も行える。」

 

マスク人間のステップが進むと共に隠岐奈のステップも進む。そして隠岐奈のアルティメット達が完全に回復した。

 

 

マスク「メインステップ。ロック・ゴレム、そして巨人大帝アレクサンダーを召喚!ターンエンド。」

 

 

マスク人間はもう一度ロック・ゴレムを召喚し、天から落ちてきた光から現れた槍と盾を持った勇者、アレクサンダーを残してターンエンドした。ジェフティック=トトのBPに勝てないからだろう。

 

 

隠岐奈「さぁて…ここで決めるか…メインステップ!聖刻騎兵エース・アークイブを召喚!アタックステップ!ジェフティック=トトでアタックだ!」

 

 

トト《効果でロック・ゴレムをバウンスして回復させる!》

 

 

マスク「アレクサンダーでブロック。」

 

 

ジェフティック=トトが再びライフルでロック・ゴレムを撃ち抜くと、そこからアレクサンダーが槍を持って飛び出してきた。アレクサンダーは槍を突きだしたが、ジェフティック=トトの背後に突如、扉が現れ姿をくらませる。

 

そして、アレクサンダーが周りをキョロキョロしている隙に背後の扉から現れたジェフティック=トトがライフルをゼロ距離で光線を発射させてアレクサンダーを貫いた!

 

 

隠岐奈「さらにエース・アークイブでアタック!アタック時効果でバーストを破壊!!」

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

 

ジェフティック=トトより一回り小柄でスタイリッシュなロボットがライフルを構えてバーストを撃ち抜き、そのままライフも壊す。

 

 

隠岐奈「さあ終わりだ!ジェフティック=トト!!」

 

 

ジェフティック=トトが背中に北斗七星を描き、ファンネルからエネルギーの光線をぶっぱなした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

次回はメガネコ&キョーカのバトル!……初期カードを活躍……楽しいんだけど…大変なんだよなぁ……頑張ろ……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やっぱり原作キャラは強い

何か銀魂みたいなタイトルになりました…


マスク「先行を宣言。メインステップ。冥闘士バラムを召喚。ターンエンド。」

 

 

マスク人間のフィールドに拳が炎の拳闘士が現れる。

 

 

メガネコ「メインステップ。バーストをセットしてマジック!マジックブックを使用!手札のマジックを好きなだけオープンしてその分、ドロー!これでターンエンドです!」

 

 

メガネコのマジックブックの効果で手札にあるマジック……セイムタイアードとスイートシンフォニー、ライフチャージをオープンして三枚ドローした。

 

 

マスク「メインステップ。ネクサス、冥府の深淵を配置。」

 

 

マスク人間の背後に月夜の古城がそびえ立った。これで無魔スピリットが全て呪撃を持つことになる。

 

 

マスク「アタックステップ。バラムでアタック。」

 

 

メガネコ「ライフで受けます!」

 

 

バラムの右ストレートがライフを一つ破壊した。

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

メガネコ「メインステップ!エイプウィップを召喚!召喚時効果でリザーブに一つ、トラッシュに二つコアを置きます!さらにマジック、ライフチャージを手元からエイプウィップに使ってコアを三つ追加します!」

 

 

メガネコのフィールドに現れた四腕の猿が緑の光に包まれて消滅する。そして、その分、リザーブにコアが補充された。

 

 

メガネコ「そしてネクサス、開かれし魔導書を配置してターンエンド!」

 

 

フィールドにページがめくられた魔導書が現れる。メガネコはここまでスピリットを出していないが、動じた様子はなかった。

 

 

 

マスク「メインステップ。冥闘士バラムをもう一体召喚。アタックステップ。バラムでアタック。」

 

 

もう一体バラムがフィールドに現れると、再度走り出す。

 

 

メガネコ「ライフで受けます!そしてバーストです!魅惑の覇王クレオパトラス!召喚時の効果でトラッシュのマジックブックを回収します!」

 

 

バラムのパンチがメガネコのライフを砕いたが、バーストからクレオパトラのような美しいスピリットが登場した。

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

 

メガネコ「メインステップ!私の大天使!大天使ヴァリエルを召喚!召喚時の効果でトラッシュのライフチャージを回収!そしてクレオパトラスをレベル2にアップします!」

 

 

フィールドに回転しながら剣と盾を持った天使が降り立つ。そして、クレオパトラスが攻撃体制を整えた。

 

 

 

メガネコ「アタックステップ!クレオパトラスでアタックです!フラッシュでマジック、エンジェルストライク!バラムを破壊します!さらに魔光芒の効果でこの効果をもう一回使用!もう一体のバラムも破壊です!」

 

 

 

飛び出したクレオパトラスが、メガネコの手札から放たれた黄色のビームを受けて再度効果を発揮する。そして、クレオパトラスが竪琴を構えて音楽を奏でるとバラム二体が黄色い光に包まれて破壊された。

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

 

そしてクレオパトラスの光線はマスク人間のライフも破壊した。

 

 

メガネコ「魔光芒の効果でエンジェルストライクを回収!そしてヴァリエルもアタックさせます!」

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

ヴァリエルが剣先から光を放ってさらにライフを砕いた。

 

 

 

メガネコ「ターンエンドです!」

 

 

マスク「メインステップ。魔界七将ベルゼビートを召喚。召喚時効果でトラッシュからバラムを二体召喚。アタックステップ。ベルゼビートでアタック!」

 

 

 

黒い球体を突き破って中からハエの頭をした悪魔が現れると、バラム達が地獄から蘇った。そしてバラムが三度攻撃する。

 

 

 

メガネコ「フラッシュタイミング!マジック、セイムタイアードを使用!もう一体のバラムを疲労状態にします!そのアタックはライフです!」

 

メガネコの手元からセイムタイアードの波動がフィールドに注がれる。セイムタイアードはお互い疲労しているスピリットの総数を同じにするマジック。メガネコの疲労状態のスピリットは二体。よってもう一体のバラムが疲労したのである。

 

しかし、バラムのメインアタックはメガネコのライフを砕き、残りライフを二とした。

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

メガネコ「…このターンで決めます!メインステップ!ヴァリエルを転召!駆け抜けろ!幻獣王リーン!!召喚時の効果でネクサス一つにつき相手のスピリットを手札に戻します!ベルゼビート指定!!」

 

 

ヴァリエルが光の粒子になって消えていくと、黄色の炎を纏った四足の獣がフィールドに駆け降りてきた。そして、リーンが嘶くとベルゼビートがその衝撃で手札に帰っていった。

 

 

 

メガネコ「アタックステップ!クレオパトラスでアタック!」

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

 

クレオパトラスの竪琴から放たれた音符がライフを破壊する。

 

 

メガネコ「とどめです!リーンでアタック!!」

 

 

エネルギーに身を包んだリーンが正面から激突してライフを二つ粉砕した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キョーカ「うちから行きます!メインステップ。ネクサス、海底に眠りし古代都市を配置。ターンエンド。」

 

 

キョーカは初手から制限カードの海底に眠りし古代都市を配置した。これは大きいアドバンテージである。

 

 

 

マスク「メインステップ。バーストをセットし、マッハジーを召喚。そしてネクサス、賢者の木の実を配置。ターンエンド。」

 

 

フィールドに小さな緑の虫が、背後に金色の実をつけた大樹が現れた。

 

 

キョーカ「コアブースト狙いかしら…?メインステップ。イノツチブタを召喚。古代都市の効果でコアブースト!そして召喚時効果で二枚ドローした後に二枚を破棄!さらにキメライオンを召喚!二枚ドローして一枚破棄!」

 

 

キョーカのフィールドにイノシシのようなスピリットとコウモリの翼と牛の角を持ったライオンが現れた。海底に眠りし古代都市のコアブースト&青シンボル追加の効果で一気にスピリットを展開したキョーカは攻撃に移る。

 

 

キョーカ「アタックステップ!キメライオンでアタック!!」

 

 

マスク「ライフで受ける。賢者の木の実の効果でコアを追加。そしてバーストを発動。絶甲氷盾の効果でボイドからコアを一つライフに。」

 

 

キメライオンが前足でライフを破壊したが、氷がライフを回復させ、賢者の木の実が一つコアに変わってリザーブに置かれた。

 

 

キョーカ「…まぁ…防御札を消費できたから良しとするわ。ターンエンド。」

 

 

マスク「メインステップ。ガブノハシを召喚。そして剣王獣ビャク・ガロウを召喚。アタックステップ。ビャク・ガロウで攻撃。」

 

 

マスク人間のフィールドに大きな口をしたスピリットと七本の尻尾に剣を構えた白い虎が出現した。

 

 

 

キョーカ「レベル1なら問題あらへん!ライフで受ける!」

 

 

 

ビャク・ガロウが剣を突き立ててライフを砕く。ビャク・ガロウにはレベル2からリザーブのコアをトラッシュに置くことで、スピリットを二体バウンスすることができるが、今のレベルは1だったので問題はなかったのである。

 

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

キョーカ「メインステップ。獣殻人マキシムスと異界双竜ハスタークを召喚!レベル2に!」

 

 

 

キョーカのフィールドに盾と薙刀を持った昆虫型のスピリットと後ろの海底都市から泳いできた二頭の海竜が現れた。

 

 

 

キョーカ「ハスタークの効果で異合スピリットは全てダブルシンボルに!アタックステップ!ハスタークでアタック!」

 

 

マスク「ライフで受ける。」

 

 

ハスタークの二頭からビームが放たれ、ライフを一気に二つ破壊した。ハスタークのレベル1からの効果でマスク人間は手札を一枚破棄しなければブロックが出来ない状態になっている。現在、マスク人間の手札は一枚なのでブロックすると手札がゼロになってしまうのだ。

 

 

キョーカ「さらにマキシムスでアタック!」

 

 

マスク「フラッシュタイミング。マジック、ハイプレッシャー。コスト5以下のスピリットを二体疲労。イノツチブタとキメライオンを疲労状態に。マキシムスはライフで受ける。」

 

 

ハスタークによって強化されたマキシムスの薙刀がライフを二つ破壊したが、緑の風が追撃するスピリットを疲労させてしまった。

 

 

キョーカ「ん~…ターンエンド。」

 

 

マスク「メインステップ。ビャク・ガロウをレベル2に。そして天帝ホウオウガを召喚。アタックステップ。ビャク・ガロウでアタック!」

 

 

天に緑のシンボルが昇っていくと、そこから大きな極楽鳥が羽ばたきながら降りてきた。そして、ビャク・ガロウが剣を構えて飛び出す。

 

 

マスク「ビャク・ガロウの効果でマキシムスとハスタークを手札に。」

 

 

キョーカ「ええよ。ライフで受ける!そしてバースト発動や!千獣の王者ドス・ダイモス!」

 

 

ビャク・ガロウの斬撃がさらにライフを斬って、二体を手札に返したがバーストが開いてキメライオンを大きく筋肉質にした獣が現れた。

 

 

 

マスク「ターンエンド。」

 

 

キョーカ「ここで決める!メインステップ!マキシムスを再召喚して転召!青き獣の王者!超獣王ベヒードス!!レベル2に!召喚時の効果で相手のトラッシュのマジック一色につき、相手のスピリットを破壊する!絶甲氷盾とハイプレッシャーで二色!よって二体破壊や!」

 

 

再び現れたマキシムスが光になる。そして青いオーラを纏い、剣と斧をかまえたミノタウロスのようなスピリットがフィールドに姿が見せた。さらにベヒードスが剣と斧を振るうと、ガブノハシとマッハジーが吹っ飛んだ!

 

 

キョーカ「アタックステップ!ベヒードスでアタック!」

 

 

マスク「ホウオウガでブロック。」

 

 

ベヒードスが剣を突き出すがホウオウガはその剣を足で捕まえると、そのまま空中に飛び上がる。ベヒードスはそのままぶら下がっていたが、隙を見て斧を首もとに叩きつけて振り払う。そして、落っこちるスピードも入れてホウオウガを剣で斬り裂いた!

 

 

キョーカ「ドス・ダイモスでアタック!これでおわりや!!」

 

 

ドス・ダイモスの強烈な突進が最後のライフを粉々に破壊した!

 

 

 

 

 

 

アリス「一応、縛っとく?」

 

 

隠岐奈「そうだねぇ…縛っとくか。」

 

 

二人はそんなテンションで気絶したマスク人間達を糸で縛り上げていく。それをそばで見ていたメガネコが口を開いた。

 

 

メガネコ「あの…バシン君と霊夢さんの後を追わなくていいんですか?」

 

 

隠岐奈「………もう終わっているさ…」

 

 

隠岐奈が鋭い目付きで工場の奥を見て言った言葉にキョーカとメガネコは何も言えなかった。

 

 

 

 

トト《…隠岐奈……目付きが怖いよ…》

 

 

ヘラ《…全く……生粋の京都弁の娘を…》

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

本当にエイプウィップと海底に眠りし古代都市には感謝します。こいつらがないとコアが足りない足りない……でもベヒードスとリーン書けたからよかった♪(ドス・ダイモスなんて久しぶりに名前聞いたな……)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

その頃…弾は…

100回記念!!!!……ただのバトル回です…


一方その頃……幻想郷では……

 

 

 

紫「藍!弾!あなた達一体私に何を隠しているのよ!!」

 

弾「な、何を言ってるんだよ。」

 

藍「そうですよ。紫様…何をそうカッカと……」

 

八雲邸で繰り広げられていたのは紫の詰問を弾と藍がなんとか誤魔化している姿だった。さすがに幻想郷の有力者達がいなくなってしまったことを隠すことは出来ず、紫は何か知ってるはずの弾に詰め寄って問い詰めていた。

 

 

紫「どうしてよ…夫婦の隠し事は離婚の遠い原因なのよ!」

アテナ《…バリィィン!…ズシャァ!…なんですって!?》

 

弾「アテナ!ちょうどいいところに…!」

 

紫の夫婦発言を聞き付けてアテナが次元の壁をぶち壊してスライディングをしながら部屋に乱入してきた。弾にとって今回ばかりはアテナを《女神だ…》と感じていた…

 

紫「…!?まさか…だ…弾…アテナと!!?」

 

アテナ《さぁ弾…早く行きましょ♪》

 

 

アテナはなんとか弾を避難させようと腕を引っ張っていこうとしたが……紫の動きがピタリと止まった……

 

紫「…ナラ……ニシ……」

 

弾「ま、まゐ……?」

 

藍「紫様…どうなされました…か…?」

 

部屋を出ていこうとしたアテナと弾、そして藍は顔を伏せて無表情で何やら呟いている紫を見て首を傾げたが、紫がばっと顔を上げると戦慄した……

 

 

紫「弾ト結婚デキナイナラ一緒ニ死ヌワ!!」

 

三人《「「ぬぇぇぇぇぇ!!!?」」》

 

 

……紫様…ヤンデレ化……目のハイライトが消失した紫がスキマを開いて包丁を取り出すと、弾に飛びかかった!

 

 

弾「…ガタガタ…うわぁぁぁ!?」

 

紫「ダン…ダン……ダン…ダン…ズウットイッショ…」

 

紫は弾に馬乗りになると、奇声をあげながら包丁を振り下ろした!

 

 

ガッキィィィィィィィン!!!!

 

 

アテナ《そんな事させない!!自分の旦那ぐらい自分で守ります!!》

 

 

紫「チィ!邪魔シナイデ!!」

 

 

とっさにアテナが手をかざして障壁を展開して紫の包丁を弾き飛ばし、槍を構えて紫に突進した!しかし紫はすぐさま体制を立て直して地面に着地すると、今度はスキマから剣を取り出して応戦し始めた。

 

紫「…ガキィン…コノ…クソババア!…ガキィン!」

 

アテナ《…ガキィン…ブチィ!黙れ!この小娘!…ガキィン!》

 

 

アテナの槍が紫の剣とぶつかり合って火花が飛び散る。創界神のアテナの攻撃でも、スキマ妖怪&弾の力を一番受けている彼女を押さえつけるのは骨が折れるようで、苦戦していた。

 

弾「まゐ!ここはバトルしよう!それでいいだろ!?」

 

 

紫「…ダンガ言ウナラ…」

 

 

アテナ《弾、気をつけて…少し彼女はマズイ状態よ…》

 

 

弾「…ああ…!」

 

 

 

弾の言葉になんとか止まった紫。そして弾も覚悟を決めて向かい合った。

 

弾 紫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

弾「…俺から。メインステップ。光星姫ヴァージニアを召喚して三枚オープン。その中の金牛龍神ドラゴニック・タウラスXを手札に加えて残りはボトムへ。ターンエンド。」

 

弾のフィールドに金色の髪をたなびかさせた乙女が舞い降りた。

 

紫「ウフフ!メインステップ。魔界竜鬼ダークヴルムを召喚!召喚時効果デライフを破壊シテ二枚ドロー!アタックステップ!ダークヴルムでアタック!」

 

 

紫のフィールドに小型の紫のジークヴルムが出現して、ライフと引き換えに手札を増加させた。

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

ダークヴルムが紫の炎を放ってライフを破壊する。これで紫はターンエンドした。

 

弾「…メインステップ!オレ自身を配置!トラッシュに三枚カードを送って対象が三枚なので、コアを三つ置く!そして光導を持つカードを全て手札に戻す!」

 

弾の体が輝き始めると、トラッシュに落ちたカード……戦神乙女ヴィエルジェX…鋼鉄双士ジェミニコス…巨蟹武神キャンサードX…が弾の手札に戻っていった。

 

弾「そして樹星獣セフィロ・シープを召喚!召喚時効果で計ニコアを追加!バーストをセットしてターンエンドだ。」

 

ヴァージニアの隣に小さな緑色の羊が現れてコアを増加させた。しかし、弾は攻めずにターンエンドした。

 

紫「モウ!焦ラシチャッテ!メインステップ!バーストをセット!雷よ!天を裂け!雷皇龍ジークヴルム!」

 

紫がカードを掲げると後ろから赤いドラゴンが登ってくる。そして地面に降り立つ姿を見た弾はグッと拳を握りしめた。

 

紫「アタックステップ!ジークヴルムでアタック!煌激突!!」

 

弾「…セフィロ・シープでブロック!!」

 

炎を纏ったジークヴルムがセフィロ・シープに向かって突っ込んでいった。セフィロ・シープは突進してきたジークヴルムを止められず、吹き飛ばされてしまった。

 

紫「ウフフ!ターンエンド♪」

 

弾「…くっ!メインステップ!鋼鉄双士ジェミニコスを召喚!召喚時効果でコアを増やす!戦場に咲く美しき大天使!戦神乙女ヴィエルジェX!!レベル2で召喚!!」

 

ヴィエルジェ《あら?バトルねって……ちょっと!弾!どうしたのよ!!まゐちゃん豹変してるじゃない!!》

 

 

ジェミニ《マジギレ!?》「マジおこ!?」

 

 

甲冑を着た二人の騎士と空に昇った乙女座から綺麗な大天使が現れた。しかし、ヴィエルジェとジェミニコスは変わり果てた紫の姿に目が飛び出るほど驚いていた。

 

 

弾「…悪い…ちょっと止めるの手伝ってくれ……アタックステップ!ヴィエルジェでアタック!!」

 

ヴィエルジェ《…もう!仕方ないわね!》

 

紫「…ライフよ!」

 

ヴィエルジェの杖から光の光線が伸びて紫のライフを砕いた。これで紫のライフは三つになる。

 

弾「ターンエンドだ。」

 

紫「…マタ他の女ヲ…メインステップ!ダークヴルムをレベル3に。そして砲凰竜フェニック・キャノンを召喚!召喚時効果でヴィエルジェXを破壊!ソシテジークヴルム、ダークヴルムに合体!」

 

紫のフィールドに翼が砲台になった赤い鳳凰が現れて、砲撃してヴィエルジェを撃ち抜いたが……

 

弾「ヴィエルジェの星界放!コアを一つジェミニコスに置いて、ライフを回復しヴィエルジェは手札に戻る!」

 

ヴィエルジェ《…私…噛ませ化してきてるなぁ……》

 

紫「アタックステップ!ダークヴルムでアタック!アタック時効果でヴァージニアを消滅サセルワ!」

 

弾「バースト発動!天蠍機動スコルビウム!レベル2で召喚してブロック!!ブロック時効果でBPプラス5000!そして回復!」

 

スコル《うぃーす!今回は顔を出してみま…(゜ロ゜)》

ダークヴルムが紫の炎でヴァージニアを焼き付くすと、弾のバーストが開いて機械の体に槍を構えたロボットが現れ、ダークヴルムを貫いて破壊した……紫の変化には驚いていたが……

 

紫「サスガネ!ターンエンド!」

 

弾「メインステップ!ヴィエルジェXを再びレベル2で召喚!さらに天下無双の武士!巨蟹武神キャンサードX!!」

 

ヴィエルジェ《…キャンサード…今回はヤバいわ…》

 

キャンサード《…のようだな…》

 

再び現れたヴィエルジェの横に天空に描かれた蟹座から出てきた緑色の球がフィールドに降りてきて、キャンサードが現れる。

 

弾「アタックステップ!キャンサードでアタック!効果でこのアタックは二体でないとブロックできない!」

 

キャンサード《…まゐ殿…勘弁!》

 

紫「ライフ!ソシテバースト発動!!選ばれし探索者アレックス!コアをリザーブに置いてアタックステップを終わラセル!」

 

キャンサードが両腕のハサミで紫のライフを切り裂いたが、紫のバーストから虹色のシールドが展開され、追撃を妨害した。

弾「…キャンサードの星界放の効果でコア二個を置いてライフを破壊して回復する。ターンエンド。」

紫「…ン~ダンの効果デノヴァの手札破棄が効かないノヨネ…メインステップ!炎の流星よ!来たれ!龍星皇メテオヴルム!レベル3で召喚ヨ!!さらにフェニック・キャノンと合体!」

 

紫の手札から炎が天空へと伸び、空から巨大な隕石がフィールドに激突し、その炎からオレンジ色のジークヴルムが現れ咆哮した。

 

紫「ウフフ!太陽石の神殿もツケレバ完璧ナノニネェ…アタックステップ!メテオヴルムでヴィエルジェに指定アタック!!」

 

弾「…ヴィエルジェをやられるのは痛いな…!!フラッシュタイミング!マジック!クローズドジェミニ!!バトルを強制終了させてこのターンはライフは一しか減らなくなる!!」

 

メテオヴルムが翼を折り畳んで炎を纏いヴィエルジェめがけて突進してきたが、弾の手札の黄色い光がメテオヴルムを弾き返した。

紫「ターンエンド!ダン!貴方トハズゥッットバトルシテタイワ!!ソウシタラ貴方ハ私ノ元カライナクナラナイデショ!?」

 

弾「…なぁ…オレってそんなに頼りないのか?」

 

完全に目が逝っている紫の言葉に対して、弾は冷静に話しかける。それはいつも弾がバトスピする(話し合う)時の声と同じだった。

 

紫「ソンナ事ナイワ!ダンはイツモカッコヨクテ…デモ…ちょっとだけ…モジモジ…意地悪……マルデ蓮子ミタイ…」

 

弾「そうか…メインステップ。バーストをセット!牡牛座よりきたる金色の神!神をも焼くその稲妻!金牛龍神ドラゴニック・タウラスX!レベル3で召喚!!」

 

 

タウラス《お!バトルだな!さぁて相手…は…ええ!?おいスコル!ヴィー!どういう事だよ!?》

 

スコル《どうやら…かくかくしかじか…って事らしいぜ。》

 

ヴィエルジェ《全く…あと筋肉バカ…その略は止め!》

 

さらに天空の牡牛座からの光から赤と金の大きな角を持ったドラゴンが現れたが、やはり相手が紫&ヤンデレ状態なことに理解が追い付いていない。

 

弾「アタックステップ!ドラゴニック・タウラスでアタック!!星界放の効果でコアを二つ追加して光導スピリットの数分シンボルを三つまで追加!!」

 

タウラス《…負ける気はしないが…メッチャ戦いにくい…》

 

紫「来たわね!フラッシュタイミング!ジークヴルムに煌臨!光の王!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果デトラッシュのコアを回収してライフヲ全回復!!」

タウラスが突っ込んでいくと、ジークヴルムが炎に包まれて新たに現れた赤シンボルから天使のような白い翼と赤い大きな翼を生やしたドラゴンが降り立った!

 

紫「さらにフラッシュタイミング!回収したソウルコアを使ってアレックスに煌臨!戦乱治める武龍!戦国将軍ジークフリード・魁!!煌臨時効果デBP15000以下のスピリットを全て破壊!」

 

弾「…!ヴィエルジェの効果でオレのコアをタウラスに置いて、全員手札に!」

 

 

ヴィエルジェ《くぅ…!》

 

スコル《でぃぇぇ!?》

 

キャンサード《あ、危ない所だった……》

 

ジェミニ《うわぁぁぁ!》「ギリギリセーフ…!」

 

さらに紫はカードを取り出してアレックスに重ねると、戦国武将のような鎧を着て巨大な槍を構えたドラゴンに変化する。そして魁が槍を振り回して炎の竜巻を弾のフィールドめがけて放ち、タウラス以外のスピリットを全て破壊した。

 

 

紫「これでタウラスのシンボル増加は減ったワ!タウラスはノヴァでブロック!!」

 

向かってきたタウラスの角をノヴァがぎゅうっと握りしめて空に投げ飛ばすと、口から炎を放って追撃する。タウラスも負けじと雷を放って相殺するが爆煙を振り払ってノヴァが炎を纏い突進!タウラスは避けられずに直撃した!が……!

 

 

タウラス《イテテ…さすがノヴァだな…》

 

 

そこからは破壊されていないタウラスが現れて弾のフィールドに戻っていった。

 

 

弾「ドラゴニック・タウラスの効果!BPバトルでは破壊されない!ターンエンド。」

 

 

紫「アハハ!メインステップ!闇の王!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!召喚!!そしてジークヴルムもレベル2に!」

 

 

さらに紫のフィールドに紫色のノヴァが降り立ち、ジークヴルム・ノヴァと同時に咆哮した!

 

 

紫「アタックステップ!ジークヴルム・ノヴァでアタック!!アタック時効果でお互い手札と手元を全て破棄!!弾の手札は七枚以上!なので保護効果は発揮しない!!」

 

 

弾「…ッッ!だからさっきの魁でわざとヴィエルジェの星界放を…!」

 

 

ジークヴルム・ノヴァの咆哮が弾の手札を弾き飛ばしてトラッシュ送りにする。これで戦局が一気にひっくり返ってしまった。

 

弾「…ライフで受ける!ぐぅぅ…だがバースト発動!!こちらもアレックス!ドローしたあと召喚し、アタックステップを終わらせる!」

 

ノヴァの虹色の光線が弾のライフを三点砕いたが、先ほど紫も張っていた虹色のシールドが弾のバーストからも放たれて防御壁になってそびえ立った。

 

 

紫「モウ!デモ…それが弾だし…ターンエンド。」

 

弾「…まゐ…はっきり言う…オレは…まだ決断できない…お前が良いか…永琳が良いか…アテナが良いか…だけどこれだけは本当だ…お前を独りになんて…絶対させない!」

 

紫「…ズッキュゥゥゥゥゥゥン!!!…ほんと?」

 

 

弾「もちろんだ!お前を二度と独りにさせない!ずっとオレがそばにいる!!!」

 

 

弾の力強い言葉にがっちりハートを撃ち抜かれた紫はしどろもどろになりながら弾に尋ねると、もう愛の告白スレスレの言葉がさらに紫のハートにクリティカルヒットした。

 

 

弾「行くぞ!メインステップ!神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!レベル3で召喚!!」

 

弾の後ろから赤いストライク・ジークヴルムが登ってくる。これで弾の二枚の手札のうち一枚は判明した。

 

弾「アタックステップ!ストライク・ジークヴルム・サジッタでアタック!!界放の効果!メテオヴルムを破壊してライフを一つ破壊する!そして一枚ドロー!!」

 

ストライク・ジークヴルム・サジッタが飛び出して火炎放射でメテオヴルムを焼き付くし、効果でライフを破壊&ドローした。しかし弾はさらに手札を掲げた。

 

弾「フラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果で魁を破壊!さらにオレの神技!ダークヴルム・ノヴァも破壊するぞ!」

 

ストライク・ジークヴルム・サジッタが光のドラゴンと合体してサジットヴルム・ノヴァに変化し、巨大な矢を放って魁を破壊した。さらに弾の腕からの波動がダークヴルム・ノヴァも吹き飛ばして爆発させた!

 

 

紫「モウ!(/▽\)♪ライフ!」

 

 

サジットヴルム・ノヴァが弓を剣に変化させて紫のライフを二つ破壊した。

 

 

弾「アレックスでアタック!!」

 

紫「ライフよ♪」

 

 

もう紫は弾の告白の言葉でメロメロ状態である…一応アレックスが杖でライフを叩き割る。

 

 

弾「…残念だが…終わりにしよう!ドラゴニック・タウラス!!」

 

タウラス《悪い!!サジット!!あの時お前をからかって!!これほんとに決めにくい!!!》

 

タウラスが角に雷エネルギーを貯めて一気に放出した!!

 

 

 

 

 

 

紫「ごめんなさい…少し…我を見失っていたわ…」

 

弾「大丈夫だって。オレとの仲だろ?」

 

藍「それが紫様ですし。」

 

 

居間に戻ってアテナと弾、藍と頭を下げた紫を大したことないと言う弾と藍。その隣でアテナは何やら考え込むと、ものすごい言葉を言いはなった。

 

 

 

アテナ《……一応ですが…うまく三人選ぶ方法がない…という訳でもないですね…》

 

 

 

弾「え!?」

 

 

紫「ちょっと!どういうこと!?」

 

 

 

アテナの言葉に飛び付いた紫だったが、それから先は有耶無耶になってしまうこととなる……その理由は……

 

 

上海「あ、お父様。紫様との痴話喧嘩は終わりましたか?一応、お茶を淹れましたよ。」

 

 

 

…入ってきたのはお茶を乗せたをお盆を持った上海だった…実はあの神綺来訪の後、弾の力で意思を持てるようになったのでアリスのことは「お母様」。そして弾のことは「お父様」と呼ぶようになったのだ…しかし…この状況では勘違いされること間違いなしだった……

 

 

 

紫「……だだだだだ弾!?まさか…!?」

 

 

 

弾「いやいやいやいや!違う…いや…違くはないんだが…お前が考えている事とは絶対違う!!」

 

 

 

それからは上海との関係をみっちり話して、その数時間後にようやく納得してもらった弾であった…




はい。ありがとうございました。

100回記念の回は久しぶりの弾さんと紫様のバトルでした。

そして十二宮達について補足を。彼らはレア以上の自分の星座スピリットに分霊(分身だが本体の一部でもある魂)を宿しているので、別世界にいてもカードを通して会話できます。

それからは感想でもあった上海を出してみました。アリスが紫を押さえ込むのに手助けできると思って置いていったのですが、これは逆効果でしたね……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

究極の輝石

100話記念!連続投稿!!よーやく!バシン君の活躍を書くぞぉう!!

後、今回のカードはリバイバルとリバイバル前が混在しています。一応、効果ですぐわかりますが、ご注意ください。


廃工場 最奥部

 

 

ばっごぉん!!

バシン「ここか!!」

 

 

霊夢「…またマスク…それと…あいつが親玉ね。」

 

 

 

扉を蹴破って突破した二人を待ち構えていたのは、白いマスクをつけた男といかにもな玉座に座っている妙齢の男性だった。その男は玉座から立つと二人に近寄ってきた。

 

 

???「侵入者が出たと聞いたが……まさかこんな子供とはな……」

 

 

バシン「なんだとぉ!?お前誰だ!」

 

 

バシンの言葉に待ってましたと男は両腕を広げて名乗った。

 

 

 

???「私はウチュウチョウテンオウ、グレートを継ぐもの!いわばニューグレートと名乗ろうか!!」

 

 

霊夢「センスがへカーティアクラスね……んで…あんたの目的は?なにやら新しい輝石を持ってるって聞いたけど……」

 

 

ニューグレート「…ほう…そこまで知っていたか……それはこれのことかな?」

 

 

ニューグレートは懐から金色に輝く六芒星の宝石を取り出して二人に見せつけた。その宝石がさらに輝くと、バシンの輝石も共鳴するかのように赤く光った。

 

 

ニューグレート「この究極の輝石の力があれば、この世界の外側…そう!イセカイの扉を完全に開くことも可能!そして私が二つの世界の王となるのだ!!」

 

 

バシン「そんな事させるか!!」

 

 

霊夢「ちょっと!あいつは私がやるわ!そう決めたでしょ!」

 

 

霊夢がニューグレートの前にデッキを構えて合間見える。

 

 

ニューグレート「ほう…この私に戦いを挑むか……いいだろう!お前達も私の英雄伝説の一ページとなれ!!」

 

 

そう言うと、ニューグレートは指を鳴らす。すると隣の白マスクがバシンの前に立ちふさがった。

 

 

アイボウ「な、なんだこいつ!?さっきのマスク達とは違うぞ!?」

 

 

ニューグレート「そいつは私の輝石の力を大量に注ぎ込んで作った白マスクだ!ただのマスク人間だと思うな!」

 

 

その言葉に霊夢は一度後退してバシンの隣に並び立つ。そして、バシンに目配せしながらいい放った。

 

 

 

霊夢「…負けるんじゃないわよ!!」

 

 

バシン「あったり前だぜ!!」

 

 

霊夢 バシン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

白マスク「先行を。メインステップ。No.24 トリプルヘビーを配置。ターンエンド。」

 

二人のフィールドの周りがサーキットのようになる。これで軽減用の白シンボルが劇的に増えることになる。

 

 

 

バシン「いくぜ!メインステップ!バーストをセットしてゴラドン!ロクケラトプスを召喚!さらにネクサス、さ迷う天空寺院を配置するぜ!」

 

 

バシンのフィールドに大きなスパイクをつけたドラゴンとトリケラトプスのようなスピリットが現れ、後ろに浮遊している寺院が出現する。

 

 

バシン「アタックステップ!ロクケラトプスでアタック!!」

 

 

白マスク「ライフで受けます。トリプルヘビーの効果でコスト4以下のスピリットからは一ターンに合計1つしか減りません。」

 

 

ロクケラトプスの角がライフを壊したが、これ以上?攻撃は無意味であった。

 

 

バシン「ターンエンド!」

 

 

白マスク「メインステップ。冥機グングニルと機人ドロイデンを召喚。アタックステップ。ドロイデンでアタック!」

 

 

白マスクのフィールドに槍の形をしたロボットと機械の騎士が現れると、ドロイデンが槍を振るって走り出した。

 

 

バシン「ライフで受ける!そしてバーストだ!妖華吸血爪の効果で二枚ドローするぜ!」

 

 

ドロイデンの槍がバシンのライフを貫いた。するとバーストが開き、デッキから二枚を手札に加えた。

 

 

 

白マスク「ターンエンド。」

 

 

バシン「やったなぁ!メインステップ!暴双竜ディラノスを召喚!!そしてバーストをセット!……いや…ここはターンエンドだ。」

 

 

 

フィールドのマグマから二体の頭を持ったドラゴンが現れたが、バシンは冷静にターンエンドした。

 

 

白マスク「メインステップ。神機レーヴァテインと盾機兵バルドルを召喚。そしてアタックステップ。レーヴァテインでアタック!」

 

 

フィールドに剣と盾を持ったロボットが二種類現れる。そして、レーヴァテインが自身を剣に変形させて突っ込んで行く。

 

 

 

バシン「よし来た!ライフで受ける!そしてバースト発動!ストライカー!スイレン!力を借りるぜ!大甲帝デスタウロス!!バルドルを疲労させて疲労状態のスピリットを全破壊!!そしてコアブーストだ!」

 

 

 

レーヴァテインがバシンのライフに突き刺さったが、バーストから緑の風が吹き荒れるとバルドルが膝をつく。さらに今度は紫の衝撃波がレーヴァテインとバルドルを吹き飛ばした!

 

そしてバシンのフィールドにキングタウロスの体にデストロードの翼を生やしたスピリットが現れた。

 

 

 

白マスク「ターンエンド。」

 

 

バシン「こっから反撃だぜ!!メインステップ!さ迷う天空寺院を疲労させてコストを2軽減!金殻皇ローゼンベルグを召喚!!召喚時効果で三コアブースト!

 

そしてマジック!セブンスクリムゾン!ローゼンベルグのコアをボイドに置いて相手のスピリットのコア七つをリザーブに!!」

 

 

金色の昆虫の騎士が現れたが、すぐに炎に包まれて破壊される。すると、その炎が光線になってグングニルと機人ドロイデンが破壊された。

 

 

 

バシン「アタックステップ!ディラノスでアタック!」

 

 

白マスク「ライフで受けます。」

 

 

ディラノスの火炎放射がライフを破壊する。

 

 

バシン「さらにロクケラトプスでアタック!!」

 

 

白マスク「フラッシュタイミング。アクセルで終焉の騎神ラグナロックを使用。相手のスピリット全てを疲労させる。ロクケラトプスのアタックはライフで受けます。」

 

 

突如、吹き荒れた緑の風がデスタウロスとゴラドンを疲労させてしまった。しかし、ロクケラトプスの攻撃は通り、残りライフは二つになった。

 

 

 

バシン「くっそぉ~!ターンエンドだ!」

 

 

白マスク「メインステップ。終焉の騎神ラグナロックを召喚。召喚時効果でコアを六個追加。そしてそのコアを使い、翼神機グラン・ウォーデンを召喚!」

 

 

白と緑のシンボルから蝶の羽に盾と剣をかまえた騎士が現れ、さらに白シンボルから白銀の翼を広げた機械の騎士も降り立った。

 

 

 

白マスク「アタックステップ。グラン・ウォーデンでアタック!」

 

 

バシン「ライフで受ける!」

 

 

グラン・ウォーデンの剣がバシンのライフを二つ斬り壊した。

 

 

白マスク「さらにラグナロックでアタック。アタック時にターンに一度回復し、グラン・ウォーデンも回復する。」

 

 

ラグナロックが蝶の羽を羽ばたかせて飛び出すと、グラン・ウォーデンも立ち上がる。

 

バシン「ぜってぇ負けねぇ!あいつと約束したんだ!フラッシュタイミング!Jのマジック!ピュアエリクサー!スピリットを全回復!!ゴラドンでブロック!!」

 

 

バシンの手札から放たれた白い光がスピリット達を立ち上がらせ、ゴラドンがラグナロックの行く手を阻んだ。しかし、力の差は歴然。簡単にゴラドンは破壊されてしまった。

 

 

 

白マスク「ターンエンド。」

 

 

なんとか凌いだバシンだったが手札を使いきってしまい、かなり苦しい状態だ。

 

 

バシン「諦めねぇ!ショーメントッパドロー!!」

 

バシンがその掛け声と共にカードをドローした……そのカードは……!!

 

 

 

 

バシン「…メインステップ!いくぜ!フォースドロー!手札を四枚に増やす!そしてダブルドロー!二枚ドローして龍皇ジークフリードをノーコスト召喚!!そしてさ迷う天空寺院の効果でコストを軽減!来い!聖皇ジークフリーデンを召喚!!レベル2に!」

 

 

 

バシンは土壇場でフォースドローを引き当て、手札を増加させた。そして炎から現れたジークフリードが光の粒子になって消滅すると、白い龍のオーラが天に昇りジークフリーデンが現れた!

 

 

 

バシン「ジークフリーデンの召喚時効果!コスト合計8になるまでスピリットを破壊する!グラン・ウォーデンを破壊!!さらにドラゴンズラッシュを使用!コストはロクケラトプスから確保するぜ!」

 

 

ジークフリーデンの炎と光線がグラン・ウォーデンを撃ち抜いた!さらにドラゴンズラッシュの光がジークフリーデンに力を与える。

 

 

バシン「アタックステップ!ジークフリーデンでアタック!!」

 

 

白マスク「フラッシュタイミング。マジック、光翼之太刀をラグナロックに使用。BPプラス3000してブロック!!」

 

 

光翼之太刀で効果でパワーアップ&疲労ブロッカーとなったラグナロックがジークフリーデンの行く手に立ちふさがる。ジークフリーデンは光線を放つがラグナロックは難なく防いで接近する。それもそのはず、ラグナロックのBPは合計15000。対するジークフリーデンはBP7000。圧倒的にラグナロックの方が上回っていた。

 

 

 

 

バシン「フラッシュタイミング!ライトニングバリスタ!!ジークフリーデンのBPプラス5000!!BP12000だ!」

 

 

赤い雷がジークフリーデンの力を底上げする。だがそれでもラグナロックのBPには届かず、剣で壁に叩きつけられる。しかしそれでもバシンは諦めらなかった!

 

 

バシン「まだだ!これがラスト一枚!オフェンシブオーラ!!コストはデスタウロスとディラノスから使う!ジークフリーデンにさらにBPプラス5000!!これでBPは17000だぁぁぁ!!」

 

 

バシンの最後のカードがさらにジークフリーデンを強化させ、ジークフリーデンは目をカッとさせると再び飛び上がる。

 

そしてラグナロックが振り下ろした剣を体で受け止めると、ゼロ距離で光弾を連射して吹き飛ばす。さらにジークフリーデンは口から巨大な火球を精製すると砲台の勢いを上乗せしてぶっぱす!ラグナロックはその炎球にやきつくされ、大爆発した!!

 

 

 

 

バシン「ドラゴンズラッシュの効果でジークフリーデンは回復!!とどめだ!いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

ジークフリーデンがフルパワーで砲撃した!!

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

…今回…すんごい難産な回でした……セブンスクリムゾンも使いたいし…デスタウロスも……そう考えているとコアとカードが追い付かず、一回全部最初から書き直すぐらいでした……

しかし、バシン君って弾さんみたいに一応、赤使いですが、青や他の色も使ってくれていたので、ローゼンベルグや妖華吸血爪も使っていいか♪と感じさせてくれたのは幸いでした。

でも……心残りが一つ………ディラノス活躍させてあげれなかったぁぁぁぁぁ!!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決着と衝撃の事実

ここでバシン編は終わりです。そして、衝撃の事実とは…?


霊夢「私から行くわよ。メインステップ。天駆ける雷神!創界神ゼウス!トラッシュに置いたカードのうち、対象は二枚なので二つコアを置くわ!ターンエンド。」

 

 

ゼウス《時空の秩序を乱すものよ!覚悟せよ!》

 

 

ゼウスが雷を轟かせながら現れる。

 

 

 

ニューグレート「メインステップ。バーストをセットしてアスケラ・ドラゴンを召喚。そしてアタック!」

 

 

フィールドに現れた灰色のドラゴンが走り出す。

 

 

霊夢「ライフで受ける!」

 

 

アスケラ・ドラゴンが炎でライフを破壊した。

 

 

ニューグレート「ターンエンド!」

 

 

霊夢「…メインステップ。ゴッドシーカー サンダー・Z・ウィゼルを召喚して三枚オープン。その中のZ魔神と皇獣王Zを手札に加えるわ。さらに甲の使途レーディアを召喚。そしてトラッシュから龍星の射手リュキオースを回収!」

 

 

霊夢は小さないたちのようなスピリットを呼び出して、手札を補充する。そしてレーディアを呼び出して制限カードのリュキオースを手札に入れた。

 

 

霊夢「アタックステップ!レーディアでアタックよ!」

 

 

 

ニューグレート「ライフで受けよう。」

 

 

レーディアの炎の角がライフを破壊した。

 

 

霊夢「ターンエンド。」

 

 

ニューグレート「ふははは!それで終わりか!メインステップ!ルクバード・ドラゴンと紅炎竜ヒノコを召喚!!アタックステップ!ヒノコでアタックだ!Uトリガー!ロックオン!!」

 

フィールドに小さな翼を持ったトカゲのようなドラゴンと赤い炎を纏ったドラゴンが現れ、大きく咆哮して突撃する。

 

 

 

霊夢「…コスト3…シャーマント・ヒヒ…」

 

 

ニューグレート「ヒット!!デッキより二枚ドロー!!」

 

 

霊夢「ライフ!!」

 

 

ヒノコの炎が霊夢のライフを破壊する。

 

 

 

ニューグレート「ターンエンドだ!」

 

 

 

霊夢「こんの……メインステップ!太古の皇獣!!皇獣王Zを召喚!!そしてZ魔神を皇獣王Zとレーディアに合体させるわ!」

 

 

 

青い炎から白い姿をした獣が現れて、Z魔神がレーディアと一緒に力を注ぎ込む。そして、皇獣王Zが攻撃体制を整えた。

 

 

 

霊夢「アタックステップ!ここで皇獣王Zの効果でトラッシュのコアを全て回収して、手札から龍星の射手リュキオースを召喚!!召喚時効果で超祈祷願龍射撃!!ゼウスにコアを追加してアスケラ・ドラゴンを破壊よ!」

 

 

皇獣王Zの青い炎から狼にまたがったドラゴンが弓を携えて現れ、炎を矢でアスケラ・ドラゴンを破壊した。

 

 

霊夢「さらにレーディアでアタック!!そしてゼウスの神技を使用!」

 

 

ゼウス《そぉうい!!!》

 

 

レーディアが走り出すとゼウスが雷をフィールドに落とす。

 

 

ニューグレート「ライフで受ける。そしてバースト発動!!絶甲氷盾の効果でライフを回復させてアタックステップを強制的に終わらせる!」

 

 

レーディアの角が再度ライフを破壊したが、氷の盾がそびえ立った。

 

 

霊夢「ターンエンド。でもゼウスの効果でもう一度私のターン!アタックステップ!皇獣王Zでアタック!!」

 

 

ゼウスの雷によって霊夢のスピリット達のターンになる。そして、皇獣王Zが飛び出した。

 

 

 

ニューグレート「ライフだ!」

 

 

皇獣王Zの青い雷がライフを二つ破壊して、ニューグレートのライフを残り一つまで追い詰める。

 

 

霊夢「さらにレーディアでアタック!!」

 

 

ニューグレート「…ははは!残念だったな!フラッシュタイミング!もう一度絶甲氷盾!そしてルクバード・ドラゴンでブロック!!」

 

 

レーディアがルクバード・ドラゴンを弾き飛ばしたが、再度氷のシールドが霊夢の追撃を妨害した。

 

 

霊夢「マジ…?…ターンエンド。」

 

 

ニューグレート「メインステップ!小娘よ!我が究極の輝石の力を見せてやる!ネクサス!超新星の輝きを配置!」

 

 

 

ニューグレートがカードを掲げると背後に赤い銀河が広がった。

 

 

 

ニューグレート「超新星の輝きの効果で手札の三龍神のコストをライフと同じ数に!そしてアルティメットをスピリットとしても扱える!出でよ!我が究極の僕達よ!!召喚!!聖龍王アルティメット・セイバー!アルティメット・サジット・アポロドラゴン!アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ!」

 

 

 

ニューグレートが両腕を広げると、首からさげていた輝石が輝き、銀河から三体の巨大なドラゴン達が降り立つと大きく咆哮した。そして、Uノヴァの召喚時効果が発動する。

 

 

ニューグレート「Uノヴァの召喚Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

霊夢「え…コスト4…光輝鎧サンダー・Z・ブレイヴ…」

 

 

ニューグレート「ヒット!!ライフを四つ回復!!これが究極の輝石の力だ!」

 

 

Uノヴァの咆哮と共にニューグレートのライフが全回復する。ニューグレートは高らかに叫んだが………

 

 

 

霊夢「はぁ…?そいつら…ちょっと前幽香が使ってやつじゃない…一体どんなのが来るかと思ってたけど…たいしたことないわね!」

 

 

ゼウス《そんな程度で世界を支配できると?ふん、浅ましい。》

 

 

 

霊夢とゼウスは肩透かしを食らったかのように嘲笑する。霊夢は今までこれ以上の強敵達と死闘を繰り広げ、ゼウスも創界対戦以前から幾多の修羅場(半分以上はヘラとのだが)を潜り抜けてきている歴戦の戦士なのだ。その二人がこんな程度でビビる度胸ではなかった。

 

 

 

ニューグレート「なんだと!?ええい!Uサジットよ!攻撃せよ!WUトリガー!ロックオン!!」

 

 

霊夢「コスト3と4!サンダー・Z・ウィゼルとレーディア!」

 

 

ニューグレート「Wヒット!!リュキオースとサンダー・Z・ウィゼルを破壊してシンボルを追加!!」

 

 

Uサジットの弓型のライフルからビームが発射されて、リュキオースとサンダー・Z・ウィゼルを撃ち抜いて破壊した。

 

 

霊夢「ライフよ!」

 

 

 

Uサジットのビームが霊夢のライフを二つ破壊してライフ残り一つまで追い詰めた。しかし、霊夢は笑顔を崩さない。

 

 

ニューグレート「何故だ!Uノヴァ!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

霊夢「コスト3!サンダー・Z・ピューマよ!クリティカルヒットね!」

 

 

ニューグレート「ぐぅ…だが皇獣王Zは破壊させてもらうぞ!そしてブロッカーもいない!これで私の勝利だ!」

 

 

Uノヴァの炎が皇獣王Zをやきつくしたあと、Uノヴァが大きく大剣を振り上げた……しかし…!!

 

 

霊夢「知ってる?このカード。うちの祭り神も愛用してるの!フラッシュタイミング!マジック、デルタバリア!!ライフで受ける!」

 

 

霊夢は弾から継承(?)した必殺マジック、デルタバリアを展開してUノヴァの攻撃を防ぎきった。

 

 

ニューグレート「ば、バカな……ターンエンド……」

 

 

霊夢「メインステップ!コレオンを召喚!!進化する青き炎槍!超・十二神皇エグゼシード・(フォーミュラー)!!そして神の雷纏う神皇!夢守る赤き寅!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z!両方Z魔神と合体しなさい!!」

 

 

 

霊夢のフィールドに炎と雷が落下して大きく爆発する。そして、そこから青い炎の神馬と赤い雷の神寅がZ魔神の力を解き放った!

 

 

霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!!超封印して炎走破!!相手のアルティメットを三体破壊してUサジットを指定アタック!!あいつ以外がサジットを使うんじゃないわよ!!!」

 

フォーミュラーがいつもとは違う虹色の光弾を連射してヒノコ、Uノヴァ、Uセイバーを破壊した後、Uサジットめがけて突っ込んでいく。Uサジットは光線を放つがフォーミュラーは軽くかわしていくが、一発前足に被弾してしまう。

フォーミュラーがそのせいで怯んだ隙を狙い、Uサジットは弓型ライフルの柄で切り裂こうとしたその時!突如、フォーミュラーが半透明になってUサジットの攻撃を空振りさせた。さらにフォーミュラーからお札のようなエネルギー弾が放たれUサジットを拘束すると、虹色に輝いた角を眉間に突き刺して爆発させた!!

 

 

 

霊夢「アルティメットを四体破壊したので四点ライフを破壊!!そして終わりよ!リボル・ティーガ・Z!!」

 

 

フォーミュラーが夢想封印のような光弾でライフを壊した後、リボル・ティーガ・Zの砲台から特大の雷が放たれた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キアノ「ありがとう!これでもうイセカイ界がこの世界と融合することはないはずだ。」

 

 

 

バシン「へへーん!」

 

 

メガネコ「…あら…あれって……」

 

 

ニューグレート達を連行した後、キアノ氏がバトルを終えた六人を労った。すると、そこに一台のタクシーが近づいてきた。

 

 

???「トッパ!お手柄だった見たいね♪迎えに来てあげたわよ!」

 

 

バシン「ママ!!サンキュー!!」

 

 

それはバシンの母親、馬神 ハヤ美だった。ハヤ美は他の五人を見ると、朗らかにこう言った。

 

 

 

ハヤ美「あっらぁ~?この子達が英雄さん達ね♪このお姉さんが送ってあげるわよん!」

 

 

アリス「あ、ありがとうございます。」

 

 

霊夢「なんか…語尾が…まぁいいや。」

 

 

六人はハヤ美のタクシーに乗り込みながら、色々と話していたが、タクシーが走り出すとキョーカがふと隠岐奈に尋ねた。

 

 

 

キョーカ「そういえば…隠岐奈さん達はどうしてトアル市に?」

 

 

隠岐奈「ん?ああ、単なる人探しだよ。宇佐見 蓮子って言うんだけど……知ってるかい?」

 

 

バシン達はやっぱり知らなかったが………

 

 

 

ハヤ美「…え?宇佐見 蓮子?そんな名前の子…昨日乗せたわよ?」

 

 

 

霊夢 アリス 隠岐奈「「「えぇぇぇぇぇ!!!?」」」

 

 

 

ハヤ美の言葉に三人全員が驚いた。まさかこんなに早く彼女に出会えるとは思っていなかった。驚きを押さえて彼女の行方を尋ねると、驚きの答えが帰って来た。

 

 

 

 

ハヤ美「それがねぇ…タクシーを降りた後、なにやら真っ黒な穴が開いてそこに入っていっちゃったのよ。だからどこに行ったかはわからないの…ごめんなさいね…」

 

 

 

ゼウス《黒い…穴だと…!?》

 

 

霊夢《…ゼウス…どうしたのよ?》

 

 

ハヤ美の「黒い穴」という単語に過剰に反応した創界神達。その反応に不思議に思った霊夢が尋ねる。それにゼウスは重々しく口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

ゼウス《もしや…いや十中八九、間違いないだろう……彼女は……界渡化している……

 

 

 




はい。ありがとうございました。

蓮子ちゃん、界渡になってます。こうすることでそう簡単に見つけることができなくさせました。そうしないと、烈火魂やダブルドライブが書けないもん……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

覇王編~アマテラス・ドラゴンの呪い~
一方…もう一人の主人公は…


ここから、覇王編に入ります。ここが一番キツイかもしれません。なぜなら……敵…いたっけ?


別世界2 門出市 とある民家 魔理沙&幽香&フラン組

 

 

 

この夜…ロロは自室でゼウスから通信を受けていた。その内容は…もちろん宇佐見 蓮子のことである。

 

 

 

ロロ《…というと……彼女は界渡として世界を渡り歩いている…?》

 

 

ゼウス《ああ…それに…世界のならび順から察するに……次の世界に向かったとなるのなら…次はそこだと思ってな。》

 

 

ゼウスの連絡を受けてロロは口に手を当てて考え込む。宇佐美 蓮子がなぜ界渡としての力を手にいれたのか……そして世界を渡り歩く目的は…?

 

 

ゼウス《…おーい…聞いとるかぁ~?》

 

 

ロロ《あ、ごめん。話は理解した。こちらもこの世界についてわかってきたから動くとするよ。》

 

 

ゼウス《気をつけてな~》

 

 

呑気なゼウスの声が終わると、空中に映し出されていた映像が霧になって消える。そして、ロロがこの話を魔理沙達に伝えようとリビングの扉を開けた。

 

 

そこでは、テーブルにカードを広げている魔理沙とフランが真剣な顔つきで考え込んでいた。窓の外では幽香とイシスが庭でガーデニングを楽しんでいる。

 

 

 

 

ロロ《魔理沙…デッキ調整か?》

 

 

魔理沙「ああ、お前と契約したのはいいけどよ…お前眷属作ってないじゃん?だから、妖夢や咲夜、アリス達からカードを借りてきたんだけど……これまた調整が難しくてなぁ……」

 

 

シヴァ《…毎度恒例、死ぬまで借りてきたってか?》

 

 

 

ロロ《……魔理沙…》

 

 

シヴァの言葉に「そ、そんな事ないぜ!う、うふふフフ…」と焦っている魔理沙を見て、頭に手をやったロロの肩にぽんっと手を乗せた誰かがいた………

 

 

 

魅魔「悪いねぇ……うちの魔理沙が迷惑かけて…」

 

 

マナカ《…ロロ…大丈夫?》

 

魔理沙「えぇぇぇぇぇ!?魅魔様!?どして!!!?」

 

 

 

魔理沙は突如ロロの後ろに現れた魅魔とマナカに驚いて大声をあげた。魅魔曰く、「弾に魔理沙とフランの面倒をみるなら幽香だけだと大変だから、頼まれてマナカ&ケイと一緒に救援に来た」らしい。

 

幽香「何よ…うるさいわねって魅魔…あなたも来たのね…」

 

イシス《…さて……それよりロロ…これから動くんでしょ?計画を立てないといけないわよね?》

 

 

 

ガーデニングが一息ついて土を払いながらリビングに上がってきた幽香とイシスの言葉にロロは気を取り直して席につき、ゼウスからの報告内容を話した。

 

 

 

フラン「質問!世界の壁ってそんな簡単に越えられるの?」

 

 

シヴァ《実はな…隣り合う世界には僅かに時空が歪んでいるポイントがあるんだ。そこからなら少し気力を扱える人間は通れる。》

 

 

ロロ《宇佐見 蓮子があけた穴も世界と世界が重なっている所…その重なっている世界こそが、今私達がいる世界だ。スキップして世界を移動することはできないからな。》

 

 

フランの質問にシヴァとロロが解説をすると、クエスチョンマークを浮かべた魔理沙が別の質問をする。

 

 

魔理沙「ん?なら何で私達は直接この世界に来れたんだ?」

 

 

イシス《それが私達創界神の力よ。自分の世界を少し接続することで、自由に世界を移動できるの。幻想郷に簡単に来れているのもそういうことよ。》

 

 

ロロ《…さて…話題が逸れかけているな。ここからが本題だ。これから私達の作戦を発表する。》

 

 

イシスの質問の後、ロロがこの世界での作戦を説明し始める。簡単に言えば、ゼウス達も行っていた[権力者にコンタクトを取って協力してもらう]である。

幽香「まぁ、妥当な作戦ね。」

 

 

ロロ《この世界での権力者はバトスピシステムの産みの親、陽昇 マヒルと没落した家を一代で建て直し、今はバトスピ企業の重役に登り詰めた男、棚志 テガマルの二人だ。よって、私達も二手に分かれる。》

 

 

フラン「落し蓋ぁ~!」

 

 

ロロの言葉になぜかフランはよく煮物とかに被せる木製の鍋蓋…落し蓋を手に持っていた。

 

 

 

魔理沙「…ふたをてに…二手に分かれる…てか?」

 

 

 

マナカ《懐かしいギャグだねぇ…》

 

 

ロロ《…ダチガウ!!蓋もって踊るんじゃないの!!僕達はね…!》

 

 

マナカがのほほんとしているのとは対照的にロロは真面目に話そうとするが…幽香にイシスやシヴァは面白がって…

 

 

幽香「あら…お墓参り?それなら良い花があるわよ?」

 

 

ロロ《それ花立て!!誰も死んでないし!縁起でもねぇこと言うな!》

 

 

イシス《あれでしょ?海にいる二枚貝の…》

 

 

ロロ《それホタテ!!何!?君はボッティチェリの目覚めた女神!?あれアプロディーテだろ!?》

 

 

シヴァ《違う違う!あれだよ。外で茶を淹れるやつ》

 

 

ロロ《それは野立!!おいこら!日本だと大黒天ていう豊穣神だから茶でも淹れようってか!?あぁぁぁんもぉぉぉぉぉう!!!》

 

 

 

…助けてえーりん…ロロ様の胃がもう限界だよぉぉ…さすがに可哀想に思ったのか魅魔が助太刀に入る。

 

 

 

魅魔「とりあえず!その二人と接触を取ればいいんだね!?」

 

 

ロロ《…ああ……だから…幽香は魔理沙とフランと連れてこの町のバトスピショップに向かってほしい。そこに棚志 テガマルの仲間がよく出入りしているそうだ…》

 

 

幽香「了解♪」

 

 

フラン「わーい!遊べる~!!」

 

 

魔理沙「…で…魅魔様は?その…陽昇 マヒルってやつの所に行くのか?」

 

 

魔理沙は名前を呼ばれなかった魅魔について尋ねた。すると、ロロは少し頭を捻って答えた。

 

 

ロロ《…ちょっと違うのだが…魅魔はマナカとケイを連れて陽昇 マヒルの一人息子…陽昇 ハジメの自宅まで向かってほしい。》

 

 

 

魅魔「…私はそいつの自宅なんて知らないよ?」

 

 

マナカ《僕もだよ?》

 

魅魔とマナカが不安そうにロロに言ったが、ロロは何も問題ないといった雰囲気で話を続ける。

 

 

 

ロロ《…その陽昇 ハジメが居候している家は……あそこだ。》

 

 

 

魔理沙「すぐ隣かよ!!」

 

ロロがすぐ隣の家を指差すのを見て、今度は魔理沙がつっこんだ。そして、最後にロロがこう釘を刺す。そのロロの顔つきはマジな顔であった。

 

 

 

ロロ《一応確認しておくが、第一に考えることはこの世界の平穏だ。私達の行動で世界を混乱させることだけは控えるように!》

 

 

六人「《ハァーイ!》」

 

 

六人がキレイに返事を返すと、奥のキッチンからケイがやって来た……なにやらとんでもないオーラを醸し出している鍋をその手に持って………

 

 

ケイ《まぁ落ち着け。ほら!腹が減っては戦はできぬと言うだろう!今日は私が直々に腕を振るったぞ!さぁ食べてくれ!!》

 

 

……その言葉に…全員の顔が青くなった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 門出市 バトスピショップ

 

 

 

魔理沙「ぐぅぅ…やっと腹痛が収まった…」

 

 

ロロ《……忠告するべきだったね…》

 

 

幽香「……メディスンの毒に慣れていてよかったわ…」

 

 

イシス《……オェッ…思い出しただけで…》

 

 

 

翌日、六人は例のテガマルの仲間を探すためにバトスピショップを訪れていた。四人は昨日のケイの(愛情こもった)料理に(物理的に)ノックアウトされた後遺症で、椅子に座ってぐったりしていたが、フランの姿が見えないことに気づいて辺りを見渡すと……

 

 

 

???「はぁ!?何よ!私の邪魔をするっての!?」

 

 

フラン「あったり前!そんな事させないもん!」

 

 

魔理沙「あ、おい!フラン!なにやって…」

 

 

バトルフィールドシステムの前でフランは紫のリボルをした少女と言い争いをしていた。それを見た魔理沙はフランを止めようとしたが………

 

 

 

???「世界征服することの何がいけないのよ!!」

 

 

フラン「弾にいさまが支配しちゃいけないって言ってた!あなたは悪い人!退治する!」

 

 

四人《……あ…この娘…ちょっと…イタイ娘だ……》

 

 

紫リボルの少女の当然の如く言いはなった言葉に四人は突っ込むことをやめた。特に魔理沙は一昔、自分もあんな感じだったことを思い出して羞恥心をこらえていた。

 

 

 

???「それなら良いわ!バトスピで決めましょう!この私!巽 キマリ様を倒せるかしら!?」

 

 

フラン「負けないもん!《おばさん!!》」

 

 

…フランの言葉に一瞬、空気が凍った…たぶん、紫がここにいたら同じような反応を見せたであろう…キマリがプルプルと震えだし、憤怒の形相で叫んだ。

 

 

 

キマリ「な、な、ぬぅわぁんですぅってぇぇぇぇ!!!?このガキィ!ぶっ潰してやるわ!」

 

 

フラン「壊すのはフランも得意だよ!」

 

 

 

フラン キマリ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回は導入場面で終わりました。キマリちゃんとのバトルが思ったより長引いてしまったので…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

世界征服阻む吸血鬼

いつも書くときに大変なのは、どうバトルに持っていくかとバトルでコアや手札がゼロにならないかを計算しないといけない所ですかねぇ……今回、手元の計算がキツかった……


キマリ「いくわよ!メインステップ!シキツルを召喚!召喚時効果で一枚ドロー!そしてバーストセット!ターンエンド!」

 

 

キマリのフィールドに紫の小さな鶴が現れる。

 

 

 

フラン「メインステップ!破壊の神!破壊の創界神シヴァ!トラッシュに三枚カードを置いて、対象カードが二枚あったからコアを二つ置くよ!さらに魔宰相ガネーシュを召喚!!」

 

 

シヴァ《…その野望…俺達が破壊してやるぜ!》

 

 

フランの背後にシヴァが現れ、さらにフランのフィールドにゾウの鼻をした宰相のようなスピリットが現れた。

 

 

 

フラン「アタックはなし!ターンエンド!」

 

 

 

キマリ「メインステップ!ストロゥ・パペットを二体召喚!アタックステップ!シキツルでアタック!!」

 

 

 

キマリのフィールドに藁人形が二体現れ、シキツルが羽ばたいて飛び出した。

 

フラン「ライフで受ける!」

 

 

シキツルが突進でフランのライフを破壊した。

 

 

キマリ「オッホホホ!たいしたことないわね!ターンエンド!」

 

 

フラン「うー!メインステップ!黒壬龍オブシディアン・ドラゴンをレベル2で召喚!召喚時効果でデッキから二枚を裏向きで手元に置いて、回復状態のストロゥ・パペットを消滅!!」

 

 

 

フランのフィールドに紫の鎧を纏った大きなドラゴンが現れて、紫の炎を吹いてストロゥ・パペットを消滅させた。

 

 

 

フラン「アタックステップ!オブシディアン・ドラゴンでアタック!!さらに手元にカードを置いてシンボル追加するよ!」

 

 

キマリ「フラッシュタイミング!マジック、スケープゴート!今消滅したストロゥ・パペットを復活させてブロックよ!」

 

 

ライフを砕こうとしたオブシディアン・ドラゴンの前に紫のオーラから甦ったストロゥ・パペットが飛びかかったが、簡単に食いちぎられて爆発した。

 

 

 

キマリ「スピリットが破壊されたことによりバースト発動!呪の覇王カオティック・セイメイの効果でガネーシュのコアをトラッシュへ!さらに紫のスピリットが破壊されていたので、ワンドロー!そしてセイメイは手札に戻る!」

 

 

キマリのバーストが開くと、そこから吹き出した紫の煙がガネーシュにまとわりついて消滅させた。

 

 

 

フラン「え?手札に戻るの?へぇー…ターンエンド。」

 

 

シヴァ《最近のはそのまま召喚が多いからなぁ……》

 

 

 

キマリ「メインステップ!もういっちょバーストセット!そしてシキツルをもう一体召喚!アタックステップ!もう一回シキツルでアタック!!」

 

 

さらにシキツルを召喚したキマリはもう一度シキツルに攻撃を命じた。フランはシヴァの神域を使おうとしたが、バーストを警戒して使うことをやめた。

 

 

フラン「ライフで受ける!」

 

 

シキツルの翼がさらにライフを砕く。

 

 

キマリ「ターンエンドよ!」

 

 

フラン「…メインステップ!破壊魔龍マヘシュヴァラを召喚してデッキから二枚手元に置き、相手スピリットのコア三個をリザーブに!」

 

 

オブシディアン・ドラゴンの隣にもう一体紫の体に赤い翼、そして双刃刀を構えたドラゴンが地面から這い出してくる。そして、双刃刀を振り回して回復しているシキツルを消滅させた。

 

 

 

フラン「アタックステップ!オブシディアン・ドラゴン!もう一度お願い!手札を手元に!そしてシンボル追加!!」

 

 

 

再度オブシディアン・ドラゴンが翼をはためかせて飛び出す。しかし、キマリはニヤリと笑った。

 

 

キマリ「…フフフ…ライフで受ける!そしてバースト発動!魅惑の覇王クレオパトラス!召喚時効果でトラッシュからスケープゴートを手札に戻す!」

 

 

オブシディアン・ドラゴンの攻撃がライフを一気に二つ壊したが、バーストから竪琴を持ったクレオパトラスが現れた。

 

 

 

フラン「ええ!?黄色のスピリット!?…うーん…ターンエンドかな。」

 

 

キマリ「オッホホホ!小娘が!私に逆らうなんて百年早いのよ!!メインステップ!バーストをセットしてそのままアタックステップ!レベル3にしたクレオパトラスでアタック!!」

 

 

フラン《…私…たぶん四百歳以上年上なんだけどなぁ…》

 

 

そうフランが思っている間にクレオパトラスが飛び出すと、すぐさまキマリは手札からカードを取り出す。それはもちろんマジックカードだった。

 

 

 

キマリ「フラッシュタイミング!マジック、抜魂幻糸!マヘシュヴァラのコアを一つリザーブへ!さらに魔光芒発揮!もう一度この効果を使うことができる!さらにマヘシュヴァラのコアを外して一枚ドロー!!」

 

 

 

キマリの手札から紫の波動が放たれてマヘシュヴァラの力を奪うと、クレオパトラスの竪琴からの音楽がそれをアンコールさせてもう一度放つ。二回の攻撃を食らったマヘシュヴァラは倒れて消滅した。

 

 

フラン「…ライフ!」

 

 

クレオパトラスの音楽がフランのライフを壊して、輝くとトラッシュからマジックがキマリの手札に戻った。

 

 

キマリ「ターンエンド!」

 

 

 

フラン「どーしよ…メインステップ…手元からムトゥードラゴンを召喚して手元を増やしてシヴァのコアをボイドに置いて、計二枚ドロー!そしてアタックステップ!オブシディアン・ドラゴンでアタック!!」

 

 

黒い翼を持った悪魔が現れ、オブシディアン・ドラゴンが三度キマリに向かって突進した。だが、キマリはまたもやニヤリと笑みをこぼす。

 

 

キマリ「シキツルでブロック!そんでもってバースト発動!鬼岩要塞のバースト効果で疲労状態のスピリットを破壊!!そして配置してドロー!」

 

シキツルを踏み潰したオブシディアン・ドラゴンが紫の穴に引きずり込まれて消えていく。そしてキマリの背後に大きな要塞がそびえ立った。

 

 

 

フラン「…ターンエンド。」

 

 

キマリ「オッホホホ!!メインステップ!ストロゥ・パペットとソードールを召喚!そして私の新しい僕!冥府三巨頭クイン・メドゥーク!

 

 

キマリのフィールドに三体目のストロゥ・パペットと腕が剣の兵隊、さらに空にあいた大穴からヘビの胴体に四本の腕を持った魔神が現れる。

 

 

 

幽香「……おかしいわね…」

 

 

魔理沙「ああ…なんかフラン…調子悪いのか?」

 

 

幽香や魔理沙はフランのバトルに違和感を覚えていた。いつものフランのバトルとは何かが違う…まるで何かを探っているような……

 

 

フラン「ねぇ、あなたは本気で世界征服したいと思っているのね?」

 

 

キマリ「…ええ!!当然よ!この世界を私の元に膝まづかせるのよ!」

 

 

 

キマリの自信満々な答えにフランは無表情で聞いていた。

 

 

 

キマリ「フルアタックで私の勝ち!アタックステップ!ストロゥ・パペットでアタック!!」

 

 

キマリがストロゥ・パペットに攻撃命令を出した瞬間、フランの目付きがガラリと変わった。そして、沈黙していたシヴァがテレパシーでフランに話しかける。

 

 

シヴァ《…ようやく本気出す気になったか?》

 

 

フラン「うん、あの女の人のことを知ろうとしてた。あの人……自分のために世界征服を企んでいるって人だった…だから止める!手元から時空の破壊魔龍ラクタ・ヴィージャを召喚!!そしてバトルを強制終了させて、クレオパトラスを破壊!!」

 

 

 

フランが手元のカードの一枚をめくってとあるスピリットを呼び出す。するとフィールドに紫の風が巻き起こり、中から悪魔のようなドラゴンが現れ、ストロゥ・パペットをキマリのフィールドに弾き返すと、クレオパトラスの首を握りしめて破壊した!

 

 

 

キマリ「…え…?……ち、ちょっと!ナレーター!!どういうことよ!?」

 

 

 

ナレーター「え?あ、はい!時空の破壊魔龍ラクタ・ヴィージャ。このカードはフラッシュタイミングで手札/手元から召喚が可能で、この効果で召喚した時、自分の手札1枚を裏向きで手元に置くことでただちにバトルを終了させ、自分の手元にある裏向きのカードが5枚以上なら、相手のスピリット/アルティメット1体を破壊することができるのだ!」

 

キマリ「はぁぁぁぁ!!!?…ターンエンド!」

 

 

キマリが上を向いて叫ぶと、どこからか声が聞こえてきて解説をしてくれた。しかし、効果を知ってもキマリは驚きながらターンエンドを宣言するしかなかった。

 

 

フラン「メインステップ!手元からムリダンガムドラゴンをレベル2で召喚して手元を二枚増加&ソードールのコアを除去!さらに手元から破壊龍槍トリシューラをシヴァに直接合体するよ!」

 

 

 

シヴァ《…スピア・ザ・グングニル!ってか!》

 

 

フランはムリダンガムドラゴンを呼び出して手元を補充する。そしてシヴァの腕に紫の煙が収束していき、アメジストの宝玉が埋め込まれた三ツ又槍に変化する。

 

 

 

フラン「アタックステップ!ムリダンガムドラゴンでアタック!!効果で手札を二枚手元に置いて三枚ドロー!そしてコストを6に!」

 

 

ムリダンガムドラゴンがどしどしと走り出す。そして、フランはキマリ以上に恐ろしい笑みを浮かべてカードを取り出した。

 

 

フラン「フラッシュタイミング…!神煌臨…!シヴァのコアをムリダンガムドラゴンに置いて破壊神龍ヴァルドラムを煌臨!!」

 

 

シヴァ《さぁて……ぶち壊しの時間だ!》

 

 

シヴァが腕をかざすとムリダンガムドラゴンがヴァルドラムに変化して大きく咆哮すると、ストロゥ・パペットとクイーン・メドゥークが吹き飛ばされて爆発した!

 

 

キマリ「…フフフ…!クイーン・メドゥークの破壊時の効果…呪滅撃!………あら……あれ?…何で!?」

 

 

キマリは意気揚々とクイーン・メドゥークのレベル1からの効果…呪滅撃を使おうとしたが、何も起こらなかった。するとまたどこからか声が聞こえてきて来た。

 

 

ナレーター「説明しよう!破壊龍槍トリシューラの創界神合体時効果!死竜スピリットが効果で相手スピリット/アルティメットを破壊/消滅させた時、そのスピリット/アルティメットの効果は発揮されないのだ!」

 

 

キマリ「うぇぇぇぇぇぇ!!!?ふ、フラッシュタイミング!マジック!スケープゴート!トラッシュからストロゥ・パペットを甦らせてブロック!」

 

 

キマリが焦ってスケープゴートを使い、トラッシュからストロゥ・パペットを呼び出して守らせる。しかし!

 

 

フラン「アハハハ!無駄ダヨ?フラッシュタイミングでヴァルドラムの効果を連続使用!合計八枚の手元を除外してライフを二つ…きゅーっとして…どかーん!!」

 

 

フランが右腕でなにかを握りつぶす動作をすると、キマリのライフが一気に二つ消し飛んだ。そしてストロゥ・パペットはヴァルドラムに弾き飛ばされる。

 

 

 

フラン「トドメダヨ!…危ない危ない…ラクタ・ヴィージャでアタック!!」

 

 

 

ラクタ・ヴィージャが紫の炎を発射した!

 

 

 

 

 

キマリ「あぁぁ~!く~や~し~い~!」

 

 

フラン「そんな自分のためにしか戦わない人に負けはしないよ!……あ、そうだ…ねぇねぇ…あなた棚志 テガマルって人知ってる?会いたいんだけど……」

 

 

負けて地団駄を踏んでいるキマリに堂々と勝利を宣言したフランは当初の目的を思い出して尋ねた。すると……

 

 

 

 

 

???「あにぃに会いたいなら俺達を通して貰おうか。」

 

 

 




はい。ありがとうございました。

覇王編で一番好きなキャラはナレーターだったりします。毎回説明の時にキャラを変えてくるのが面白かったですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

テガマル組VSマスタースパークコンビ!

今回は魔理沙のデッキを御披露目です。爪鳥だと文と被るので、少しデッキを変えました…


フランは突然聞こえた声に振り返ると、そこにはがっちりした大きな青年とまるで好青年と見間違うほどボーイッシュな女性が立っていた。

 

 

フラン「…あなた達…棚志 テガマルの知り合い?」

 

???「オッス!自分は仁霧 コブシ!テガマル組のメンバーだ。」

 

 

???「同じく日下 チヒロ。テガマルに会いたいなら俺達を倒してからにして貰おうか。」

 

 

フラン「…つまりあなた達を倒せば棚志 テガマルに会えるのね?ならかかって…」

 

そう言った二人に上等とバトルをしようとしたフランだが、そこに今まで見守っていた魔理沙と幽香が割り込んだ。

 

 

魔理沙「おおっと!フラン!今度は私達に任せな!」

 

幽香「ごめんなさいね。私達も暴れたいのよ。」

 

フラン「…わかった…」

 

フランは少し物足りなく感じたが、魔理沙達もバトルしたいのだと考えて、潔く引き下がった。そして、魔理沙と幽香はコブシとチヒロに向かい合う。

 

 

幽香「…さて…私達両方があなた達を倒したら…案内してくれるわよね?」

 

 

コブシ「オッス!男に二言はない!」

 

 

 

魔理沙 幽香 コブシ チヒロ「「「「ゲートオープン!界放!!」」」」

 

 

 

 

 

 

コブシ「オッス!自分から!メインステップ。カッチュウムシ、そしてネクサス!聖者の木の実を配置!ターンエンド。」

 

 

コブシのフィールドに小さなカブトムシが現れ、背後に赤い葉をした大樹が出現した。

 

 

魔理沙「メインステップ!こっちもネクサス、神皇の時計台を配置してバーストセット!ターンエンドだぜ!」

 

魔理沙の後ろには大きな時計台が現れる。このネクサスが魔理沙のデッキの主軸の一つであるので、初手で出せたことは大きい。

 

コブシ「メインステップ!バーストをセット!俺の拳を見せてやる!グラント・ベンケイ!強爆召喚!!召喚時効果で一枚手札を破棄!」

 

魔理沙「お?ん~……こいつかな?」

 

コブシのフィールドに大きなヘラクレスオオカブトのようなスピリットが現れ、魔理沙の手札を破棄させる。魔理沙が選んだカードは………卯の十二神皇ミストラル・ビット…

 

コブシ「な!?Xレアを自ら!?」

 

魔理沙「へへーん!さぁて…今がチャンスだぜぇ~?」

 

コブシ「……アタックステップ!グランドベンケイでアタック!!」

 

魔理沙の行動を警戒したコブシだが、攻撃しないことには始まらないとグランドベンケイをアタックさせた。

 

 

魔理沙「ライフで受ける!」

 

ベンケイの背中から多数の武器が飛び出て、魔理沙のライフを破壊した。

 

コブシ「さらにカッチュウムシでアタック!」

 

魔理沙「これもだぜ!」

 

カッチュウムシの角が魔理沙のライフを貫いた。

 

 

コブシ「ターンエンド!」

 

魔理沙「へへ!メインステップ!創造主!創界神ロロ!配置時の効果で三枚をトラッシュへ!それが全部対象カードだったので、コアを三個追加!!

 

そして十二神皇の時計台の効果!カード名に「十二神皇」と入っている自分のスピリットを召喚するとき、赤/紫/緑/白/黄/青の中から色1色を指定する!そうするとこのネクサスのシンボルを指定した色のシンボル2つにするぜ!今回は青だ!」

 

ロロ《よし。一気に私の神域発動だ!》

 

 

コブシ「何だって!?」

 

時計台の下にロロが現れると、背後の時計台が青く発行し始める。そして魔理沙が取り出したのは……!

 

 

魔理沙「早苗の十二神皇!正面から打ち破れ!亥の十二神皇カラミティ・ボア!!そしてアタックステップ!カラミティ・ボアでアタックだぜ!」

 

魔理沙のフィールドに青い炎を纏いながら大きな亥が走ってくる。そしてその勢いのままコブシめがけて突っ込んだ。

 

魔理沙「まずは封印!ソウルコアを私のライフに!んでもって封印後のバースト発動!古の十二神皇ガルダーラ!召喚時効果でカラミティ・ボアにコア三個を追加!!」

 

魔理沙のバーストから緑の巨鳥が飛び立つと、カラミティ・ボアに力を与えた。さらに魔理沙のコンボは続く。

 

魔理沙「そしてカラミティ・ボアの封印時効果!突進!!カッチュウムシを指定アタック!そしてその次にグランドベンケイとバトルだ!さらにレベル2の効果でデッキを計16枚破棄だぜ!」

 

カラミティ・ボアが青く輝きながらカッチュウムシを吹っ飛ばす。そして向きを変えて今度はグランドベンケイに突撃した。グランドベンケイは自慢の角で受け止めようとしたが、敢えなく引き殺されてしまった。

 

 

魔理沙「さらにガルダーラでアタック!!」

 

 

コブシ「く!ライフで受ける!」

 

 

爆煙からガルダーラが飛び出してコブシのライフを足で破壊した。しかし、聖者の木の実の効果でコブシのコアは増加する。

 

魔理沙「ターンエンドだぜ!」

 

 

コブシ「…まさか…デッキ破壊まで…!自分、このターンは何もしない!ターンエンド。」

 

 

魔理沙「ふーん、ま、カラミティ・ボアの効果を警戒すれば当たり前か…メインステップ!咲夜の十二神皇!紫の闇から目覚めよ!辰の十二神皇ウロヴォリアス!」

時計台が紫に輝くと、地面が割れて紫のドラゴンが這い出てきた。

 

魔理沙「アタックステップ!ウロヴォリアスでアタック!!」

 

コブシ「今度は紫か!フラッシュタイミング!ムシャメガを神速召喚!そしてブロックだ!」

 

ウロヴォリアスが翼を広げて飛び立ったが、どこからか飛んできた一体のバッタのようなスピリットが突進してきて行く手を阻む。しかし、ウロヴォリアスはすぐさま反応してムシャメガを前足で叩き落とした。

 

コブシ「バースト発動!まずはスピリットを二体疲労!!吹けよ嵐!轟け疾風!出でよ!緑の覇王Xレア!!風の覇王ドルクス・ウシワカ!レベル3で颯爽召喚!!」

 

コブシのバーストからフィールドに緑の風が巻き起こると、魔理沙のカラミティ・ボアとガルダーラが疲労状態になる。そしてその中心にあった緑のシンボルから、翼を持ち和服に身を包んだスピリットが降り立った。

 

魔理沙「ターンエンド!ウロヴォリアスの呪縛!ステップごとにコアをトラッシュ送りにするぜ!」

 

ウロヴォリアスから紫の龍が伸び、ウシワカを拘束する。しかしウシワカのコアは六個だったので、消滅までは至らなかった。

 

コブシ「…アブねぇ…メインステップ!カッチュウムシを召喚してウシワカをレベル3に!アタックステップ!ドルクス・ウシワカでアタック!!」

 

 

魔理沙「ライフで受けるぜ!」

 

 

ウシワカの蹴りが魔理沙のライフを蹴り砕く。するとウシワカは突如、フッと消え去ってしまった。

 

コブシ「風の覇王ドルクス・ウシワカの効果!このスピリットを手札に戻すことでカッチュウムシをBPプラス3000!そしてカッチュウムシでアタック!!」

 

魔理沙「…あー…そんな効果あったな…ライフ!でもウロヴォリアスの呪縛でカッチュウムシは消滅だ!」

 

ドルクス・ウシワカの力を受けたカッチュウムシが魔理沙のライフを破壊した。しかし、エンドステップ時に魔理沙はカッチュウムシのコアを指定した。

 

コブシ「構わないさ!ターンエンド!」

魔理沙「…さて…こいつの登場だ!メインステップ!グラン・ロロの化身!世界龍グラン・ロロ・ドラゴン!召喚時効果で手札の壬雷の三馬神バイアリー・ダーク・Zを一コスト召喚!!」

 

ロロ《私の世界そのものだ!こい!》

 

ロロが腕に魔方陣を展開すると、そこから緑の体をして七色のオーラを纏った巨大なドラゴンが現れ、その隣に雷の体をした神馬も降り立った。

 

 

魔理沙「アタックステップ!ウロヴォリアスとカラミティ・ボアでアタック!」

 

コブシ「どちらもライフで受ける!」

 

ウロヴォリアスの光線とカラミティ・ボアの突進がライフを砕き、聖者の木の実の効果でコアが増加する。

 

 

魔理沙「さらにバイアリーでアタック!!」

 

コブシ「フラッシュタイミング!風の覇王ドルクス・ウシワカを神速召喚!!ブロックだ!そしてウシワカを手札に!」

 

バイアリーが走り出すが、空からウシワカが降りたってバイアリーの頭を掴むとそのまま地面に叩きつけて破壊した。

 

 

魔理沙「グラン・ロロ・ドラゴン!界放の効果!コア二個を置いてウロヴォリアスとカラミティ・ボアを回復だ!」

 

コブシ「なんだと!?再度ウシワカを神速召喚!!そしてブロック!!」

 

グラン・ロロ・ドラゴンが咆哮してウロヴォリアスとカラミティ・ボアを立ち上がらせる。そして再び空からウシワカが飛びかかってくるが、グラン・ロロ・ドラゴンはサッと避けるとウシワカの足に噛みついてそのまま炎を放ち、ウシワカをやきつくした!

 

 

魔理沙「これで終わりだぜ!ウロヴォリアス!カラミティ・ボア!」

ウロヴォリアスとカラミティ・ボアが強烈なエネルギー弾を放った!

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「先行貰うわよ?メインステップ。イシスの花園神殿、そして咲き誇れ!創界神イシスを配置!トラッシュにカードを三枚置いて、対象カードが二枚だったのでコアを二つイシスに置く。ターンエンド。」

 

イシス《…あら…かわいい娘…気分が良くなるわぁ…》

 

 

幽香の背後に花びらが舞う神殿とイシスが現れて光輝き始める。

 

 

チヒロ「メインステップ。ラクーンガード、エゾノ・アウルを召喚してバーストセット。アタックステップ!二体でアタック!」

 

チヒロのフィールドに小さな白い犬と羽がタービンのように回っているフクロウが現れると、幽香めがけて攻撃してきた。

 

 

幽香「せっかちね。ライフで受ける。」

 

 

ラクーンガードの回転突進とエゾノ・アウルの風が幽香のライフを二つ砕いた。

 

 

チヒロ「ターンエンド。」

 

幽香「イシスの花園神殿の効果でドローする代わりに三枚オープンしてその中のエジットの天使長ネフェリエルを回収。メインステップ。エジットの天使ティティエルとエジットの天使長ネフェリエルを召喚。召喚時効果で計三枚をデッキ下からドロー。」

 

 

幽香のフィールドに小さな天使と大きな十字架を形をした杖を構えた大天使が現れた。

 

幽香「ターンエンド。」

 

 

チヒロ「攻めないか…メインステップ。ミブロック・ソルジャーを召喚。こちらもこれでターンエンド。」

 

 

チヒロも新撰組のような格好をした機械兵を召喚するだけでターンを終える。

 

幽香「…たぶんあのバーストは…メインステップ。ネフェリエルをレベル4に。アタックステップ!ネフェリエルでアタック!アタック時効果でライフを増やして回復よ。」

 

ネフェリエルがサッと杖を振るうと、幽香のライフが一つ回復する。そして幽香は手札から出したカードを構えた。

 

幽香「フラッシュタイミング。ネフェリエルに煌臨!四大熾天使の一角!水の熾天使ミレディエル!」

 

ネフェリエルが青い光に包まれるとその姿が大きな剣を携えた大天使に変わる。

 

チヒロ「…ライフで受ける!そしてバースト発動!降臨せよ!凍てつく大地の王者!氷の覇王ミブロック・バラガン!!

 

 

青黒いオーラがフィールドに落ちると、そこからビームソードを構えた大きなロボットが現れる。

 

 

幽香「……ターンエンドかしら」

 

イシス《…いいのって…あなたも弾に似てきたわね…》

 

イシスはミレディエルの効果でバラガンを除去しないか尋ねたが、顔がにやけている幽香を見てため息をついた。

 

 

チヒロ「メインステップ。バーストセット。アタックステップ!ラクーンガードでアタック!」

 

 

幽香「…やっぱりね…ライフで受ける。」

 

 

ラクーンガードがさらに回転攻撃でライフを壊す。

 

 

チヒロ「…読まれている……ターンエンド。」

 

 

チヒロはもうこれ以上攻めても無意味と悟り、ターンを終える。どうやら幽香はチヒロのバーストを見抜いているようだ。

 

 

幽香「花園神殿の効果でオープン…星天使女神イシスターを回収…!メインステップ!天使達の大輪の花!星天使女神イシスター!!そして天霊王杖ウアス・セプターを召喚!そしてイシスターに合体!さらにティティエルのコアを使ってイシスターにコアを追加……」

 

 

イシス《…私の愛杖…これで蹴りをつける…!!》

 

 

イシスの光からイシスターが現れると、花園神殿から一本の杖が飛んできてイシスターの手に収まる。そして幽香は界放も踏まえてコアを多めに置いたイシスターに攻撃を命じる。

 

 

幽香「アタックステップ!イシスター!合体アタック!!ウアス・セプターの合体アタック時効果!ライフを一つボイドへ!さらにイシスターの効果でもう一つライフをイシスターに置いて、スピリット二体バウンス&ライフ貫通!!」

 

 

イシス《そして私の神域の効果!ライフをさらに削る!》

 

 

イシスターがウアス・セプターを構えて羽ばたく。そして、幽香が自分でライフを二つ壊す。そのエネルギーを使ってイシスターが翼から光弾を放ってエゾノ・アウルとミブロック・ソルジャーを手札に返し、イシスターのレベルが4になったので、回復する。

 

チヒロ「…仕方ない…!ミブロック・バラガンでブロック!」

 

ミブロック・バラガンがファンネルを分離させて放つが、イシスターの翼に弾かれる。そしてイシスターはウアス・セプターにエネルギーを貯めて魔方陣を展開し、マスタースパークを放った!バラガンはファンネルで防ごうとしたがそのまま吹き飛ばされて爆発した!!

 

チヒロ「く…!!だがバースト発動!時代を切り開け!白の巨人!魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー!バースト効果でイシスターをデッキ下に戻す!」

チヒロのバーストが開き白い光が止むと、花びらが舞う中でビームソードを構えたロボットが現れる。そしてブレイヴァーの斬撃がイシスターに直撃したが…!!

 

幽香「…あら…さっきウアス・セプターの効果でライフを削ったでしょ?そうすると合体しているアルティメットは相手の効果を一切受けなくなるのよ……まぁその代わりにミレディエルがボトムに行っちゃうけど……」

 

ブレイヴァーの斬撃をイシスターはウアス・セプターを振るって弾き飛ばす。しかし、その流れ弾がミレディエルに当たってミレディエルが消えていった。

 

幽香「イシスターで再度アタック!イシスのコアを置いて、ブレイヴァーとラクーンガードをバウンス!さぁ!覚悟なさい!!」

 

 

イシスターが今度は翼からひまわりの形をした丸のこを打ち出してブレイヴァーとラクーンガードをバウンスさせる。

そして、ウアス・セプターの先から強力なマスタースパークがぶっぱなされた!!

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

魔理沙は神皇デッキになりました。そして、ロロ様と契約しています。その話は…書けるかな……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

イケイケスピリット!

……はい…あの人の回です……


一方…その頃……魅魔&マナカ&ケイは……

 

 

 

???「うん、いいよ。陽昇所長には私から頼んでおこう。」

 

 

魅魔「ありがとうございます。」

 

 

 

マナカ《良かった~優しそうな人で…》

 

とある民家のリビング…そこで魅魔と話していたのは、巽 キマリの父親…巽 デンジロウで、宇佐美 蓮子の捜索を快く引き受けてくれた。すると、魅魔は庭に張ってあったテントが目に入り、デンジロウに尋ねてみた。

 

 

 

魅魔「あの……お庭にあるテントは一体?」

 

 

デンジロウ「あー…あれは陽昇所長の息子さんが住んでいるんです。何でも自分の部屋だとか…」

 

 

魅魔「へぇ…その息子さんは…?見たところ、お出かけ中のようですが……」

 

 

デンジロウ「実は僕が午後からお友達を連れてくるように頼んだんですが…もうすぐ帰ってくるかな……」

 

 

デンジロウの言葉に魅魔は内心《これで直接陽昇家の人間と接触できる!》と意気込んでいた。すると玄関の鍵が開く音が響いて、ドタドタと廊下を走る音が聞こえてきた。

 

 

???「たっだいまぁ~!」

 

???「おじさん!昼メシある!?」

 

???「お邪魔致します。」

 

???「あ、にーちゃん!来客中だよ!」

 

 

そう話しながら入ってきたこの四人。まず、最初に入ってきたのがデンジロウの息子の巽 コウタ。そして眼鏡をかけたスタイリッシュな彼は大泉 マナブとその弟カタル

そして、ハチマキを頭に巻いた少年…彼こそが陽昇 ハジメ…読者の皆様は勿論お分かりの(残りの三人も知っていると思われるが)主人公である。

 

 

 

ハジメ「お!おじさんの……お姉さん?」

 

 

デンジロウ「違う違う。お客さんだよ…そうだ、魅魔さんにも見ていって貰おう!」

 

 

デンジロウは魅魔にハジメ達を紹介した後、なにやら懐をごそごそ探ると小型の携帯端末を取り出した。

 

 

 

コウタ「お父さん、それなに?」

 

 

デンジロウ「これはね!簡単にいえば携帯型バトルフィールドだよ!従来の欠点だった場所の問題を一気に会見することができるんだ!その仕組みは………」

 

 

ハジメ「あーあー!とにかくスッゲェェェ!!」

 

 

マナブ「ほう…それで…自分たちはなぜ?」

 

 

デンジロウの熱を帯びた語りを無視してハジメは興奮していると、マナブがストレートに質問を投げ掛けた。

 

 

 

デンジロウ「簡単さ!ハジメ君とマナブ君はこの新型バトルフィールドの試運転としてバトルしてほしいんだよ!二人はワールドチャンピオンシップまで勝ち進んだカードバトラーだからね!」

 

 

 

マナブ「なんと!それは光栄なことです…喜んでお受け致します。ハジメ君も……ハジメ君?」

 

 

コウタ「…あんちゃん…?」

 

いつも通り丁寧に返事を返したマナブだったが、ハジメが青い顔をピクピクひきつらせているのを見て身を案じ、コウタもハジメの様子を気遣っていた。

 

 

 

ハジメ「……今デッキ調整中だったぁぁぁぁぁ!!」

 

 

カタル「…ああ…それ致命的だね…」

 

 

ハジメが頭を抱えて床を転げ回る。さすがのハジメでも調整中のデッキではバトルできないので、デンジロウも困っていると……

 

 

魅魔「…それなら私が相手をしようかい?一応、これでもバトスピには自信があるんでねぇ……」

 

 

デンジロウ「おお!ありがとうございます!」

 

 

ケイ《…ん?出番か?》

 

 

デンジロウが魅魔の腕をブンブンふりながら感謝している最中、魅魔は心の中で《まぁ…それが普通なのが幻想郷だけど…》と一人呟いていたのは余談である。マナブもそれでいいとバトルの準備を進める。

 

 

マナブ 魅魔「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

マナブ「こちらから始めさせていただきます。メインステップ。ランマー・ゴレムとツンドック・ゴレム。バトルフィールドにごあんな~い。ターンエンド。」

 

マナブの言葉と共にフィールドにランマーの形をしたロボットと砲台を背中につけた犬型スピリットが現れる。

 

 

魅魔「…なんだか軽いやつだねぇ…メインステップ。世界幼竜グラン・ロロ・ドラゴンを召喚。召喚時効果でデッキから三枚オープンして創界神マナカを手札に。神殺す英雄!創界神マナカ!三枚中、対象が二枚なのでコアを二つ置くよ。」

 

 

マナカ《ぼぼん!》

 

 

 

魅魔のフィールドに小さな緑のドラゴンが現れ、その後後ろにマナカが現れる。幼竜はロロから借りてきたのだろうか?

 

 

 

魅魔「アタックはしない。ターンエンドだ。」

 

 

 

マナブ「メインステップ。バーストをセットします。そしてツンドック・ゴレムをレベル2でもう一体!アタックステップ。レベル2のツンドック・ゴレムでアタック!」

 

 

マナカ《…ふーん…粉砕か…》

 

 

マナブのフィールドに現れたもう一体のツンドック・ゴレムが走り出し、背中の砲台からビームを放って魅魔のデッキを破壊した。

 

魅魔「ライフで受けるよ。」

 

 

マナブ「ライフいただきます!」

 

 

ツンドック・ゴレムが前足を振り下ろしてライフを破壊した。

 

 

マナブ「ターンエンド。」

 

 

魅魔「おっと…さっさと決めるか…メインステップ。六つの国治める皇帝!創界神ケイ!トラッシュにカードを送り、対象は二枚なので二つコアを追加。」

 

 

ケイ《…料理の分、ここで取り返す!》

 

 

 

マナカの隣にケイが現れる。しかし、これで計六枚を自ら削ってしまったことになるが、それでも魅魔は淡々とターンを進める。

 

 

魅魔「バーストをセットしてアタックステップへ。グラン・ロロ・ドラゴンでアタック!アタック時効果でケイのコアを一つ置くことで、ケイの神技を発動するよ!」

 

 

ケイ《よいせっと!》

 

 

グラン・ロロ・ドラゴンがケイの力を受けて輝くと、ケイの魔方陣がバーストを強制的にオープンさせる。

 

 

魅魔「バースト発動!天空の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!召喚時効果でツンドック・ゴレムを重疲労!!」

 

 

ハジメ「おぉぉぉ!!緑のロード・ドラゴンだ!!」

 

 

大空に風が集まり、大きな竜巻へと変わる。そして竜巻を剣で切り裂いて一体のドラゴンが降り立った。だが、マナブのメガネがキラリと光った。

 

 

 

マナブ「相手の召喚時効果発揮によりバースト発動!この召喚時効果を発揮したスピリットのコストと同じ数だけデッキを破壊します!ロード・ドラゴン・バゼルのコストは7!よって7枚!お愛想で~す!」

 

 

 

青い衝撃波が魅魔のデッキを7枚破壊する。その内の一枚は龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードだった。

 

 

 

マナブ「破棄した中にバースト効果を持つカードがあったので、当デッキNo.1スピリットの登場です!鉄の覇王サイゴード・ゴレム!お願いしま~す!!そしてグラン・ロロ・ドラゴンの攻撃はライフです。」

 

 

 

マナブのフィールドの中央から巨大な拳を持ったロボットが出現し、立ち上がって大きくポーズをとった。

 

 

 

魅魔「……ターンエンド。」

 

 

マナカ《…え?いいの?》

 

 

マナカは魅魔がバゼルの重疲労をサイゴード・ゴレムに使わずにターンエンドしたことに驚いていた。しかし、魅魔はあっけらかんとして焦った様子はない。

 

 

 

マナブ「メインステップ。サイゴード・ゴレムをレベル2に…さて……いく?いっちゃう?……いってほしい?」

 

 

 

カタル「兄ちゃんいってくださ~い!!」

 

 

 

マナブがどこかに顔を向けてそう尋ねる。すると、カタルがなにやらハジメ達の前に出てきた。さぁ…お待たせいたしました……読者の皆様もご一緒に……

 

 

 

カタル「イケイケスピリット!やってちょ~だい~!!ノリノリスピリット!やってちょ~だい~!!」

 

 

 

マナブ「はぁぁぁぁい!!アタックステップ!サイゴード・ゴレムでアタックです!ここでアタック時効果、大粉砕入りま~す!サイゴード・ゴレムはレベル2なので、合計10枚、お愛想で~す!!」

 

サイゴード・ゴレムの張り手が青い衝撃波となって魅魔のデッキを10破壊する。

 

 

マナブ「さらに破棄したカードの中にバーストカード…双翼乱舞チェック!スピリット一体ご退場で~す!そしてフラッシュタイミング!爆砕轟神掌!コアはサイゴード・ゴレムから使います。サイゴード・ゴレムを回復させ、レベルを一つ上げます!」

 

 

 

さらにサイゴード・ゴレムが腕を分離させ、ロケットパンチでバゼルを吹き飛ばして破壊した。さらにマナブが放ったマジックの力でサイゴード・ゴレムが回復したことにより、もう一度サイゴード・ゴレムの大粉砕を食らえば魅魔のデッキはゼロになってしまうが……

 

 

魅魔「…スピリットの破壊によりバースト発動!…本人を知ってると霞んじまうけど……光の覇王ルナアーク・カグヤ!!トラッシュに土の熾天使ラムディエルがあるので、ケイとライフにコアを置いてレベル2で召喚!!コストはグラン・ロロ・ドラゴンのコアを使う。」

 

 

 

ケイ《…光楯の覇王は生け好かんが……》

 

 

魅魔のフィールドの上空に月が昇るとそこから腕が翼で十二単を羽織った美しい女性が降りてきた。

 

 

カタル「あ!僕と同じスピリットだ!」

 

 

魅魔「…そしてフラッシュタイミング!マジック、メビウスリングを使用するよ!ツンドック・ゴレムを手札に戻してこのカードをフィールドに置く。サイゴード・ゴレムのアタックはライフで受けようか。」

 

 

今度は魅魔の手札から白い光が射してツンドック・ゴレムをバウンスさせるが、サイゴード・ゴレムのパンチがライフを壊す。しかし、魅魔の狙いは別にあった。

 

 

 

 

マナブ「再びサイゴード・ゴレムでアタック!大粉砕で…」

 

 

回復したサイゴード・ゴレムが再び張り手を繰り出すが、突如魅魔の背後から∞のマークがサイゴード・ゴレムの衝撃波を書き消した!

 

 

 

カタル「ええ!?兄ちゃんのデッキ破壊ができなくなった!?」

 

 

ナレーター「説明しよう!マジック、メビウスリング。このマジックの真価は使用したあとにある。このマジックは使用後にフィールドに置かれると、お互いのデッキが破棄されなくなるのだ!」

 

 

魅魔「そういうことさ。ルナアーク・カグヤでブロック!!フラッシュタイミングでルナアーク・カグヤの効果でデッキを三枚除外してBPを1000にするよ!」

 

 

ルナアーク・カグヤの光がサイゴード・ゴレムの力を奪うと、ルナアーク・カグヤは翼から無数の光の刃を放ってサイゴード・ゴレムを切り刻んだ!

 

 

 

マナブ「…ターンエンドです…」

 

 

魅魔「メインステップ。バーストをセットしてアタックステップ!ルナアーク・カグヤでアタック!フラッシュタイミングで再度ケイの神技を使用!バースト発動!!二人で叶えるhalf&half!六楯神龍ヒヨク!!

 

 

 

マナカ《…最高のパートナーは…!》

 

 

ケイ《…奇跡を起こす…!》

 

 

マナカとケイが腕を掲げると、虹色の炎の輪から白と黒のドラゴンがフィールドに現れ、二つの火球を作り出した。

 

 

 

魅魔「バースト効果でBP10000以下のスピリットを二体破壊する!そしてマナカの神域!ライフを粉砕!!」

 

 

 

マナカ《覇王斬り!》

 

 

ヒヨクの火球がランマー・ゴレムとツンドック・ゴレムに放たれて二体を焼き付くす。それに呼応してマナカが槍を横一直線に振るってライフを破壊した。

 

 

 

魅魔「そしてこれがルナアーク・カグヤのメインアタック!」

 

 

マナブ「ライフで受けます!」

 

 

ルナアーク・カグヤの翼がライフを叩き砕いた。

 

 

魅魔「ヒヨクでアタック!レベル3からの効果でこいつはダブルシンボルだ!!」

 

 

 

ヒヨクの両首から黒と白の光線がマナブのライフを一気に二つ破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

マナブ「お見事でした。ちゃんとデッキ破壊の対策をしていたとは……」

 

 

 

魅魔「ははは、デッキ破壊を封じられた時の勝ち筋も考えておくべきだね。」

 

 

デンジロウ「いやぁ!魅魔さんすごいですね!これはテガマル君にもいい報告ができそうだ…」

 

 

 

魅魔「…え…デンジロウさん…今、テガマル…とおっしゃいましたか?まさか…彼とお知り合いで?」

 

 

興奮したデンジロウの言葉に、魅魔は驚いて声をあげた。陽昇所長の協力を仰ぎにきたのに加えて、もう一人の権力者…棚志 テガマルの名前も聞くことができるとはさすがの魅魔も予想していなかった。

デンジロウ「ああ!彼とはこの新型バトルフィールドを共同開発していてね。そうだ、明日彼に会いに行きますが、魅魔さんもいらっしゃいますか?」

 

 

 

魅魔はデンジロウの提案に有無を言わずに即答で乗った。そして、この日は帰宅した魅魔だったが、すぐ後に帰って来た三人が「棚志 テガマルとのコンタクトを取ってきたよ!」と言ったことにもまた、驚愕するのであった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

この掛け声?は覇王を代表するセリフですね!サイゴード・ゴレムを見ると、いつも思い出してしまうのは自分だけでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仁王立ち!

突然ですが、自分が好きな東方キャラは初手えーりん、よっちゃん、ゆかりん。次点でゆうかりん、映姫、ヘカです…でももこたんや隠岐奈も好きなんですよねぇ…一位を決められない!


その日の夜 魅魔達の家

 

 

四人全員がバトルを繰り広げた夜、1日で両方の権力者にコンタクトを取れたことを労って今夜はマナカが料理の腕を振るうことになった(隻腕だが念動力でなんとかしていた)

 

 

マナカ《フランちゃんすごいね~!あ、包丁気をつけてね~》

 

 

フラン「へへ~ん!はーい!」

 

 

マナカがフライパンを器用に扱っている隣で、フランが紫の龍が刺繍されたエプロンを着て野菜を切っている。その姿はまるで本当の親子のようだった。

 

 

 

ケイ《…マナカ……私も手伝えること》

 

 

マナカ《やめて。もうすぐできるから席で待ってて。》

 

 

ケイ《orz》

 

 

 

そーっとキッチンに顔を出したケイの言葉をバッサリ切り捨てたマナカは料理を皿に盛り付けリビングのテーブルへと運び出した(もちろん念動力)

 

 

 

マナカ《できたよ~!》

 

 

フラン「できた~!」

 

 

イシス《…あの二人がいると和むわ…幽香…そろそろ切り上げましょ》

 

 

 

二人の声に庭でガーデニングをしていた幽香やイシスもリビングに戻って来る。そして全員席について食べ始めた時、ロロが真面目な話を始めた。

 

 

 

ロロ《一旦、情報を共有しよう。明日僕達はテガマル組の二人に案内してもらい、魅魔は今日会った四人やデンジロウさんについていくという形でいいかな?》

 

幽香「ええ。まぁ協力してくれるかはそのテガマルってヤツ次第だけど。」

 

 

ケイ《…マナカ…あ、あーん……》

 

 

シヴァ《お前らなにやってんだよ!真面目な話の途中で!!》

 

 

マナカ《……あーん…モグモグ…》

 

 

魅魔「あんたも食べるな!!」

 

 

…バカップル…リア充組がイチャイチャしている所にツッコミを入れる二人。イシスと幽香はそれからまるで花の如く静かに夕食を食べていた。

 

 

 

ロロ《…はぁ…》

 

 

魔理沙「…大丈夫か?それにしても創界神ってのはめんどくさい奴らばっかりだな!」

 

 

 

魔理沙さん、鏡って知ってますか?それともブーメランでもいいですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 とある会社のビル

 

 

 

魔理沙「…これなんだ…?」

 

 

魅魔「後にしな……!」

 

 

ハジメ「…これも気になるぜ…」

 

 

マナブ「やめなさい。」

 

 

魔理沙達と合流した魅魔が魔理沙を引っ張っていく…何だかデシャブを感じるシーン…その隣でハジメとマナブも同じやり取りを行っていた…

 

 

デンジロウ「コブシ君、テガマル君は?」

 

 

コブシ「オッス、たぶん部屋にいると思うっす。にしても…何だか今日は騒がしいな…」

 

 

 

チヒロ「…かなり慌てているようだね……」

 

 

 

デンジロウがコブシとチヒロに話しかけるが、二人は何時もとは違う様子を感じとっていた。心なしか普段より会社の人達があわただしく動いている…一抹の不安を抱えながら二人はテガマルがいる部屋へと案内した。

 

 

 

チヒロ「…コンコン…テガマル…今入っていいか?」

 

 

???「…ああ…構わん。」

 

 

???「あら、ハジメ君。久しぶりね。」

 

 

帰って来た声を聞いて扉を開けたチヒロ達はテガマルの反対側に座っていた一人の女性を見て驚いた。

 

 

 

魔理沙「…なんだ知り合いか?」

 

 

チヒロ「彼女は国際警察官でチャンピオンシップ中国代表のノラ・ニャオさんだ。どうしたんですか?こんなところに?」

 

 

チヒロの質問にテガマルが変わって答えた。その言葉に驚いたのは言うまでもないだろう。彼女がいることが普通ではないからだ。

 

 

テガマル「それは俺から説明しよう。実はな……俺のアマテラスドラゴンが何者かに盗まれた…」

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「はっは~ん…数日前にその龍の歌留多ってカードを狙った賊がこの会社に侵入して、お前のカードを盗んでいったってことだな?」

 

 

テガマル「そうだ。あのカードは色々と危険なのでな…彼女達警察以外には極秘にしていた。」

 

 

自己紹介の後、テガマルは詳細を話し始めた。それは数日前の夜…テガマルのデッキとは別に厳重に保管してあった龍の歌留多…絶対なる幻龍神アマテラス・ドラゴンのカードが何者かによって持ち出されたのだ。

その話を聞いていた魅魔はテガマルの言葉に引っ掛かりを感じて尋ねてみた。

 

 

魅魔「…色々と…とはどういう意味だい?何かそのカードに呪いでもかかっているとか?」

 

 

コウタ「…実は…あのカードは…人の性格を変えてしまうんです。」

 

 

マナブ「…以前、テガマル君自身も経験しましたからね…野望のためなら他のものを平然と切り捨てる…強すぎる力の代償……といったやつですかね……」

 

 

フラン「ねぇねぇお姉さん!フラン達もお手伝いする!フラン達強いもん!!」

 

 

ニャオ「あー…フランちゃんの熱意は嬉しいけど…子供を事件に巻き込むのは……」

 

 

 

ハジメ達が話したアマテラス・ドラゴンの呪いを聞いて、フランは不安になり協力をノラ・ニャオに頼んだが、さすがの彼女も渋っていると……

 

 

 

魔理沙「…実力はあるし…そいつをただの子供と思わない方がいいぜ。バトスピでも勝てる相手はほとんどいないしな。」

 

 

テガマル「…そうか…なら俺とバトルだ。俺を倒したら手伝わせよう。」

 

 

フラン「わかった!」

 

 

幽香「…そう…そいつは?…」

 

フランとテガマルはさっさと話を進めてバトルの準備をする。その最中、幽香は何やら窓の外を覗いてぶつぶつ呟いていた…

 

テガマル フラン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

テガマル「俺から行くぞ。メインステップ!ネクサス、星の砂漠を配置!そして来い!カキューソ!」

 

 

テガマルがネクサスを配置してバトルフィールドが夜の砂漠に覆われ、さらに赤い小さな獣を召喚した。

 

 

カタル「星の砂漠?」

 

 

チヒロ「確か、あのネクサスはBP破壊したスピリットの効果を発揮させない効果がある…テガマルにはぴったりだ。」

 

 

 

テガマル「そして…バーストセット!ターンエンド。」

 

 

 

フラン「メインステップ!こっちもネクサス、シヴァの破壊神殿を配置するよ!そしてバーストをセットしてターンエンド!」

 

 

フランの背後の砂漠が消え去り、紫と金の塔がそびえ立った。これで手元の心配は要らなくなったと言えよう。

 

 

テガマル「…紫か…メインステップ!赤き対の龍!暴双龍ディラノスを召喚!こいつは皇獣達のBPを底上げする!」

 

 

テガマルのフィールドの地面からマグマが噴き出し、二つの首を持ったドラゴンが這い出てきた。

 

 

 

魔理沙「…あいつは霊夢と同じ皇獣デッキか…」

 

 

テガマル「アタックステップ!ディラノス!やれ!」

 

 

フラン「ライフで受ける!そしてバースト発動!韋駄天龍スカンダーク!バースト効果でコア三個以下のスピリットを二体破壊して手元を増やすよ!」

 

 

フランのバーストが開くと、そこからの光でディラノスとカキューソが押し潰されて破壊される。さらに空に紫の光が昇ると、巨大な鳥にまたがったドラゴンがフィールドに降り立った。

 

 

テガマル「やるな。だがこちらもバースト発動!マジック!双光気弾!デッキから二枚ドローし、フラッシュ効果でネクサスを破壊する!」

 

 

しかし、テガマルも負けじとバーストを発動させて手札を増やす。そして二つの炎がシヴァの破壊神殿に直撃してやきつくした。

 

 

ハジメ「おお!さすがはテガマルだぜ!」

 

 

テガマル「ターンエンド。」

 

 

フラン「あー、破壊神殿なくなっちゃった…メインステップ。ゴッドシーカー舞踏龍ナタラージャを召喚して三枚オープン!その中の破壊の創界神シヴァとムリダンガムドラゴンを手札に!」

 

 

 

フランは気を取り直してダンサー姿のドラゴンを呼び出してデッキからシヴァと制限カードを引き当てた。

 

 

 

 

フラン「そして破壊の王様!破壊の創界神シヴァ!デッキを三枚トラッシュに置いて対象カードが一枚とシヴァカタストロフィがあったので、シヴァに二つコアを置いた後シヴァカタストロフィを手札に!」

 

 

シヴァ《へぇ…覇王ね…壊しがいがあるぜ……!》

 

 

フランは先ほど手札に加えたシヴァを配置する。そしてシヴァカタストロフィを手札に加える。そしてフランはスカンダークのレベルを上げてアタックステップに入る。

 

 

 

フラン「アタックステップ!スカンダークでアタック!」

 

 

テガマル「ライフだ!」

 

 

スカンダークの槍がテガマルのライフを一つ貫いた。

 

 

フラン「ターンエンド!」

 

テガマル「やるな…メインステップ。ヒノシシを召喚してトラッシュからカキューソを手札に戻す!そしてこのカキューソをレベル2で召喚!」

 

 

テガマルは炎を纏ったイノシシを召喚してトラッシュのカキューソを回収するとそのまま召喚した。

 

 

テガマル「再度バーストをセットしてアタックステップ!カキューソ!アタック!」

 

 

フラン「ライフで受ける!」

 

 

 

カキューソが炎を吹いてフランのライフを燃やす。

 

 

テガマル「俺のターン!エンド!」

 

 

マナブ「…ここまではテガマル君が優勢ですね…」

 

 

魅魔「そうかねぇ…フランは着実に準備を整えていってるよ。」

 

 

ニャオ「…裏向きのカードね……私も紫デッキを使っているけど、あのカードで何をするつもりかしら?」

 

 

 

フラン「ドローステップ…よーし!メインステップ!ムトゥードラゴンとムリダンガムドラゴンを召喚!!召喚時効果で計三枚を手元に追加してヒノシシを消滅!」

 

紫の悪魔のドラゴンと金色の鎧を着たドラゴンが現れて、手元を補充しつつヒノシシのコアをリザーブに戻した。

 

 

フラン「アタックステップ!ムリダンガムドラゴンでアタック!手札を二枚手元に置いて三枚ドロー!さらにシヴァの神域!手札を一枚手元に置くことで、カキューソを破壊だよ!」

 

 

シヴァ《よっし!これで逆転だな!》

 

 

ドスドスとムリダンガムドラゴンが走り出した後ろで、シヴァの波動が飛んでいってカキューソを吹き飛ばした。

 

 

テガマル「ライフ!!ライフ減少によりバースト発動!絶甲氷盾!ボイドからコアをライフに置く!さらにフラッシュ効果を使用してアタックステップはここまでだ!!」

 

ムリダンガムドラゴンがテガマルのライフを破壊したが、絶甲氷盾の効果でライフを回復させてアタックステップを強制的に終わらせた。

 

フラン「むぅ~!ターンエンド!」

 

 

テガマル「メインステップ!カキューソ!来い!牙を研げ!俺の覇王!皇牙獣キンタローグ・ベアー!!レベル2でスタンバイ!!召喚時効果でBP4000以下のスピリットを二体破壊!」

 

 

テガマルのフィールドに大きな火柱が上がると中から背中に輪をつけ、右手に斧。左手に鉤爪を着けた大きな熊が炎を振り払って現れた。そして炎を放ってムトゥードラゴンとナタラージャを吹き飛ばした。ムトゥードラゴンの耐性は星の砂漠の効果で機能しなかった。

 

 

 

ハジメ「来たぁ~!!キンタローグ・ベアー!!!」

 

 

テガマル「アタックステップ!皇牙獣キンタローグ・ベアー!やれ!!アタック時効果!このスピリット以下の相手のスピリットを一体破壊する!」

 

 

フラン「ムムム…ライフ!」

キンタローグ・ベアーが走りながら斧を投げつけてスカンダークを破壊する。そして炎の鉤爪でフランのライフを切り裂いた。

 

 

テガマル「ターンエンド!」

 

 

魔理沙「…フラン…ここが踏ん張り所だぞ…!」

 

 

フラン「…すぅ~はぁ~……メインステップ!…えーりんさん…使うよ!神世界の月よ!紫の影を纏え!月紫龍ストライク・ジークヴルム!レベル2で召喚!!」

 

フランが両手を広げると、後ろから紫色のストライク・ジークヴルムが登ってくる。そしてその手にシュタイン・ボルグの杖を出現させてフィールドに降り立った!

 

 

 

魅魔「お!永琳のストライクか!」

 

 

ニャオ「…美しい…!」

 

フラン「アタックステップ!まずはムリダンガムドラゴンでアタック!手札を手元に置いてドロー!そしてコストを6に上げる!」

 

 

テガマル「ふっ!バースト貰った!!」

 

 

 

ムリダンガムドラゴンが再度走り出すが、テガマルはニヤリと笑うとバーストを発動させた。

 

 

 

テガマル「きたれ!研ぎ澄まされし刃と共に!刀の覇王ムサシード・アシュライガー!バースト効果で召喚し、このターンの間BPプラス10000!」

 

 

バーストが開くと炎の輪がフィールドに現れ、そこから一体の獣が出てくる。体から刀を持った腕を生やし武装した虎が現れた。そして走ってくるムリダンガムドラゴンを見据えて迎え撃つ態度に入った。

 

 

 

フラン「アハハハ!フラッシュタイミング!シヴァのコアを使って神煌臨!世界の破壊龍!破壊神龍ヴァルドラム!!煌臨時効果でスピリット全破壊!!きゅ~として……どか~ん!!」

 

 

 

ムリダンガムドラゴンが走りながらヴァルドラムに変化するとムサシード・アシュライガーに巻き付いて空中に持ち上げた。そしてヴァルドラムはムサシード・アシュライガーを地面に叩きつけると、腕から炎の剣を取り出して切り裂いた!

さらにヴァルドラムが手を握りしめるとキンタローグ・ベアーとカキューソが粉々に砕け散った!

 

 

コブシ「…あにぃのスピリットが…全破壊!?」

 

 

ニャオ「これは…一体…!?何が起きたというの!?」

 

 

ナレーター「ハハハ…失礼!破壊神龍ヴァルドラムの煌臨時の効果。このスピリット以外のスピリット/アルティメット/ネクサスすべてを破壊する。さらに自分の手元の裏向きのカードが4枚以上のとき、この効果で自分のスピリット/ネクサスは破壊されない。今フランの手元は九枚なので、フランのスピリットは破壊されなかったのだ!」

 

 

コウタ「ええ!?それってアマテラス・ドラゴンよりヤバい効果じゃん!!」

 

 

魔理沙「へへ~ん!!凄いだろ?」

 

 

テガマル「く!フラッシュタイミング!マジック!幻影氷結晶!!ヴァルドラムを指定!このアタックでは俺のライフは減らない!」

 

 

氷の結晶がテガマルの前にそびえ立ち、ヴァルドラムの攻撃を受け止めようとする。

 

 

フラン「無駄ダヨ!フラッシュで私ノ手元を四枚除外シテライフを壊すヨ!これを二回発揮!!」

 

 

フランが手元を除外してヴァルドラムに力を与える。するとヴァルドラムが四体に分身してそのうちの二体が幻影氷結晶の効果をすり抜けてテガマルのライフを炎の剣で破壊した!

 

 

 

テガマル「ぐぅ…!このために手元を…!」

 

 

フラン「デモヴァルドラムの攻撃は不発ダネ…」

 

 

残りの二体のヴァルドラムが炎の剣を突き立てたが、今回は氷の盾に防がれた。

 

 

 

フラン「ストライク・ジークヴルムでアタック!手元のカードを除外シテ回復!!」

 

テガマル「ライフ!」

 

紫のストライク・ジークヴルムが杖の先からビームを放ってライフを破壊する。

 

 

 

フラン「コレデ終わり!ストライク・ジークヴルム!」

 

 

回復したストライク・ジークヴルムが虹色の弾幕を上空に打ち上げて、テガマルのライフめがけて落下させた!

 

 

 

 

 

 

テガマル「まさか負けるとはな…約束だ。手伝ってもいいぞ。」

 

 

フラン「やったぁ~!」

 

 

チヒロ「まさかテガマルまで倒すとは…!」

 

チヒロ達がテガマルを倒したフランに驚いている中、ずっと窓の外に向かってぶつぶつ呟いていた幽香がくるりと向き直った。

 

 

 

幽香「…見つけたわよ…盗賊の居場所。」

 

 

全員「ええ!!!?」

 

 

全員が幽香の言葉に驚愕していた。しかし、魅魔と魔理沙はなんとなーく察していた。彼女の能力…[花を操る程度の能力]は咲いている花と会話することができる…

 

 

魅魔「…花に聞いたのかい?」

 

 

 

幽香「ええ。こっちらしいわ。」

 

 

そう言って日傘を取って部屋を出ていった幽香を慌てて全員追っていった。

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

覇王編で敵っぽいやつと言えばアマテラス・ドラゴンかなぁ…でもテガマルを悪役にはしたくないし……そや!他のやつに使わせたろ!…よってこんな感じになりました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ロード・ドラゴン軍団出陣!

…こいつらがボス役と言うのは役不足かもしれませんが、他にいいやつがいなかったんです…


門出市 人気のない磯部

 

 

 

ここには誰にも知られずに大きな潜水艦が停泊していた。そしてその前でとある二人の男がこそこそと話している。

 

???「やったぞ!これで姫に褒めて貰える…!」

 

 

???「おい!その力は山分けだと言ったであろう!?」

 

 

 

魔理沙 ハジメ「「そこまでだ」ぜ!!」

 

 

コウタ「ええ!?あの人たちって!?」

 

 

 

そこに幽香が花達から教えてもらった情報を元に魔理沙達が駆けつけた。そしてハジメ達この世界組はその二人を見つけると、驚いて叫んだ。

 

 

ハジメ「ああああ!!?Dr.サンセット!!」

 

 

テガマル「そしてお前は…立花財閥の御曹司…立花 タメルだったな…お前達の仕業か?」

 

 

 

サンセット「うぐぅ!おい!貴様!完璧にまいたと言っておったではないか!?」

 

 

タメル「ええ!?いや…絶対人の目にも防犯カメラにも私の姿は映ってないはずだ!」

 

 

幽香「…でも花達は見ていたわ。保管室の扉の前に花瓶が置いてあったでしょ?そしてこの町に咲いている花達の目撃証言を追ってここまで来たの。」

 

 

完全に後をつけられて地団駄を踏んでいるサンセットと戸惑いながら自分の非ではないと言い張るタメルに幽香が妖しい笑みを浮かべながら問い詰める。

 

 

 

ニャオ「さて…ともかくこんな人目の無いところで怪しい行動をとっていることも臭うわ。一応、所持品を検査させてもらうわよ。」

 

 

タメル「ハハハ!断る!もし私達を捕まえたいのならバトルしろ!私達に勝利すればおとなしく捕まってやろう!」

 

 

 

サンセット「おいおい!無茶だって…!」

 

 

ニャオの言葉に何やら興奮した目付きでそういい放つタメル。それは隣にいるサンセットだけでなく、魔理沙達から見ても明らかに様子がおかしかった。

 

 

 

ロロ《…魔理沙…たぶんこれがアマテラス・ドラゴンの呪いであろう。》

 

 

魔理沙《…!なるほどな……よし!》

 

 

 

テレパシーで脳内に語りかけてきたロロの言葉を聞いて魔理沙は妙案を思いつき、サンセットとタメルの前に躍り出た。するとハジメもサンセットの前に立つとデッキを取り出す。

 

 

魔理沙「その勝負乗ったぜ!!私が相手だ!」

 

 

タメル「ふハハハ!愚かな!アマテラス・ドラゴンに逆らうとは!」

 

 

ハジメ「俺もバトルするぜ!Dr.サンセット!!お前を止める!!」

 

 

サンセット「いや…私は……ええい!!ままよ!!」

 

 

 

 

魔理沙は隣に立ったハジメにチラリとアイコンタクトを送る「そっちは任せた」と。ハジメもその意味を理解してグッと親指を上げた。

 

 

 

魔理沙 ハジメ タメル サンセット「「「「ゲートオープン!界放!!」」」」

 

 

 

ハジメ「先行貰うぜ!メインステップ!キジ・トリアを召喚!そしてバーストセット!ターンエンドだ!」

 

 

 

ハジメは白い翼の雉を召喚してターンを終えた。

 

 

サンセット「…自信ない…ブンブン…メインステップ!骨鹿と銀狼角を召喚!そしてバーストをセット!」

 

 

 

サンセットは首を振って気を取り直すと骨になった鹿と銀色の狼を召喚する。

 

 

 

サンセット「アタックステップ!銀狼角よ!やるのだ!」

 

 

ハジメ「よっしゃぁ!ライフで受ける!ライフ減少によりバースト発動!!純白の覇王!猛烈爆進!!爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー!!召喚!!」

 

 

銀狼角が頭についた刃でハジメのライフを砕いたが、ハジメのバーストが開くと突如出現した白シンボルに吹雪がまとわりつく。そしてシンボルが氷山に覆われ、中から青い鎧に両刃剣を握った白いロード・ドラゴンが現れた。

 

 

 

サンセット「うげげ…!ターンエンド…」

 

 

ハジメ「メインステップ!バーストセット!そしてネクサス!神焔の高天ヶ原を配置!」

 

 

テガマル「よし。グレイザーとは相性がいいぞ!」

 

 

ハジメがネクサスを配置するとバトルフィールド全体からマグマが噴き出し始め、ハジメの背後には大きな鳥居と太陽が出現する。

 

 

ハジメ「アタックステップ!ロード・ドラゴン・グレイザー!行け!神焔の高天ヶ原の効果!骨鹿を指定アタックだ!」

 

 

高天ヶ原の太陽が輝き始めて骨鹿を照らし出すと、グレイザーがその光めがけて飛び出す。骨鹿は角を突きだしたが、グレイザーの剣に斬られてしまった。

 

 

 

ハジメ「さらにキジ・トリアでアタック!!」

 

 

サンセット「ライフで受ける!」

 

 

爆煙を突っ切ってキジ・トリアが飛翔し、サンセットのライフをつついて破壊した。

 

 

ハジメ「ターンエンド!」

 

 

サンセット「ぬぅぅぅ!メインステップ!もう一体骨鹿と骨孩児を召喚!骨孩児の召喚時効果!手札を三枚まで増やす!アタックステップ!骨孩児よ!ゆけぇい!」

 

 

サンセットは新たに骨鹿と槍を持った骸骨兵を召喚し、骨孩児に攻撃させる。しかし、これもハジメにとっては待っていたアタックであった。

 

 

ハジメ「ライフで受ける!そしてバースト発動!!真っ赤な覇王!爆熱召喚!現れよ!英雄龍ロード・ドラゴン!」

 

 

骨孩児の槍がハジメのライフを貫くもハジメのバーストが再度発動し、空から降ってきた桃から一体のドラゴンが現れた。

 

 

 

サンセット「またかいな!?ターンエンド…」

 

 

ハジメ「メインステップ!再びバーストセット!さぁらぁにぃ…新入りだ!炎極天リューマン・バーストを召喚!そしてグレイザーをレベル2に!」

 

 

ハジメはここでアルティメット…炎極天リューマン・バーストを呼び出した。ハジメはUハンドを持っているこのアルティメットを採用していたのだ。

 

 

ハジメ「アタックステップ!神焔の高天ヶ原の効果で骨孩児をグレイザーで狙い撃ちだ!」

 

 

ニャオ「そしてグレイザーレベル2の効果でBPを比べ相手のスピリットを破壊したとき、同じ系統のスピリットを全て手札に戻せる!」

 

 

グレイザーが再び高天ヶ原の光を受けて骨孩児を剣で貫いた。しかし今回は破壊した後、グレイザーが氷の伊吹を放って無魔の骨鹿と雄将の銀狼角を手札に返した。

 

 

ハジメ「さらにリューマン・バーストでアタック!」

 

 

サンセット「ライフで受ける!」

 

 

リューマン・バーストが緑のサークルを展開して光弾を放ってライフを砕く。

 

 

ハジメ「お前もだ!ロード・ドラゴン!」

 

 

サンセット「まだ来るのぉ!!?ライフ!」

 

 

ロード・ドラゴンがすううっと刀を抜刀してライフに突き立てた。

 

 

ハジメ「これでターンエンド!」

 

 

サンセット「…ぐぉぉ!メインステップ!骨鹿と銀狼角を再び召喚!そして金狐角を二体!さらに銀狼角を召喚!」

 

フィールドに戻された二体と金色の狐が二体と新しい銀狼角が現れる。どうやらサンセットは大量のスピリットを展開して数押しする算段の用だ。

 

 

サンセット「アタックステップ!金狐角!アタックだ!」

 

 

ハジメ「…ライフで受ける!へへーん!バースト発動!!バースト転召だぁぁ!!!真っ赤な炎に白い牙!覇王を越えろ俺の夢!超覇王ロード・ドラゴン・セイバー!燃え上がれ!ロード・ドラゴンのコアをボイドに!力を貰うぞ!ロード・ドラゴン!!」

 

 

金狐角の突進がハジメのライフを破壊した。しかし、ハジメのバーストが三度開いてロード・ドラゴンが赤と白の炎に包まれた。そして赤いドラゴンのオーラと白いドラゴンのオーラが重なりあって、四つ足の巨大なドラゴンが爆炎と共にフィールドに降り立った!

 

 

ハジメ「さらに!キジ・トリアとグレイザーのコアを使ってライフを5にまで回復だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

サンセット「……た、ターン…え、エンド…」

 

 

 

…ライフを全回復…その言葉にサンセットは白目を剥いてターンエンドするしかなかった……

 

 

ハジメ「このターンで決めるぜ!メインステップ!バーストセット!セイバーをレベル2に!アタックステップ!ロード・ドラゴン・セイバー!いっけぇぇ!」

 

 

 

ハジメは高天ヶ原の指定アタック効果を使わずにセイバーをアタックさせた。しかし、その代わりにハジメはセイバーのアタック時効果を発揮させる。

 

 

ハジメ「セイバーの効果!自分のライフ一つをこのスピリットに置くことで、このターンの間自分のスピリット全てをBPプラス5000!さらにライフが減少したのでバースト発動!!救世神撃波!!BP6000まで相手のスピリットを破壊する!!」

 

 

セイバーがハジメのライフを犠牲にしてスピリット達の力を底上げする。だがハジメにとっては計算のうち。それをトリガーにバーストを発動させ、疲労状態の金狐角一体を除いて全てのスピリットが焼き付くされた。

 

 

 

ハジメ「そしてフラッシュ効果で一枚ドロー!そしてバーストセットだ!まだまだ行くぜ!リューマン・バーストのUハンド!手札のバーストカードを発動させる!爆裂!爆勝ち!爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!」

 

 

 

マナブ「…すごい…流れるようにコンボが決まっていきます……!!」

 

 

リューマン・バーストが光り輝くとハジメの手札が炎に包まれてフィールドに放たれる。そして炎を竜巻からロード・ドラゴンより一回り大きな赤いドラゴンが現れた。

 

 

 

サンセット「…フフフフフフ!スピリットが破壊されたのでバースト発動だ!まずは疲労状態のスピリットを破壊!そして紫のスピリットが破壊されていたので……いでよ!我がキースピリット!!太骨望!!」

 

 

先ほどの救世神撃波でのスピリットの破壊をトリガーとしてサンセットのバーストが発動する。飛んでいたセイバーに紫の煙がまとわりつき、そのまま覆い尽くして破壊した。

さらにサンセットのフィールドに昔の中国の道士服を着た骸骨が出現した…しかし…!!

 

 

 

ハジメ「それは読んでいたぜ!スピリット破壊によりバースト発動!!五輪転生炎!!このバースト発動時に破壊されたので系統、覇王を持つスピリットを蘇らせる!戻ってこい!セイバー!!」

 

 

サンセット「うっしょぉぉぉぉぉぉん!!!?」

 

セイバーが破壊された後、ハジメのバーストがフィールドに炎を灯すと、その炎が火柱になって空に昇ると中から五体満足のセイバーが咆哮しながら現れた!

 

 

 

 

ハジメ「もう一度セイバーでアタック!!」

 

 

サンセット「た、た、太骨望でブロック…」

 

 

太骨望が紫のビームを連射するが、セイバーは軽くかわして赤と白の光弾をぶつけて太骨望を破壊した!

 

 

 

ハジメ「決めてこい!バゼル!グレイザー!」

 

 

 

バゼルが刀に炎を、グレイザーが両刃剣に氷を纏わせてサンセットのライフを切り刻んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメ「終わったぜ!魔理沙のほうは!?」

 

 

 

テガマル「今、中盤に差し掛かった所だ。もうすぐ来るぞ…!!」

 

 

戻ってきたハジメが魔理沙のバトルを見ると、見た感じは魔理沙が有利…しかし、タメルは以前のテガマルのような黒い笑みを浮かべていた……

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ハジメ君は赤使いなのにトリッキーな戦術を使うと個人的に感じています。なので、Uハンドを持たせてみました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絆の力

この話が書きたい話の一つです!さぁ!アマテラス・ドラゴンを魔理沙はどうやって攻略するのか!?

そして新しい創界神のアヌビスが発表されましたね。しかも地竜の創界神となると残念過ぎたスサノオのパーツが充実することになりますねぇ…軽減シンボルを操るって言ってましたが…トラッシュの地竜の軽減シンボルを赤6に変えるとか…?


タメル「私から行かせて貰おう!メインステップ!森林のセッコーキジを二体召喚!ターンエンド!」

 

 

タメルは緑色の剣を背負ったキジを二体召喚してターンを終えた。

 

 

魔理沙「行くぜ!メインステップ!コレオンを召喚して十二神皇の時計台を配置!」

 

 

魔理沙のフィールドに小さなライオンが現れると、背後には時計台が出現する。魔理沙の性格としてはアマテラス・ドラゴンを叩き潰したい気分だが、勝利のためなら出る前に蹴りをつけた方がよかった。なので、この二枚はかなりいい引きだと言える。

 

 

 

魔理沙「バーストをセット!アタックはしない!ターンエンドだ!」

 

 

タメル「メインステップ!六分儀剣のルリ・オーサを召喚してコアブースト!さらに三札之術!デッキから二枚ドローして一枚オープン!カグツチドラグーンなので手札に!」

 

 

ケイ《…コアブーストとドロー…》

 

タメルのフィールドに六分儀型の剣を持った昆虫の騎士が現れ、その増えたコアを使ってタメルはドローマジックを発動する。

 

 

タメル「バーストをセットしてアタックステップ!ルリ・オーサでアタック!」

 

魔理沙「ライフで受けるぜ!」

 

ルリ・オーサの剣が魔理沙のライフを破壊する。

 

タメル「さらにセッコーキジでアタック!!」

 

 

魔理沙「これもライフだ!」

 

ルリ・オーサと交代するかのように今度はセッコーキジが飛び出して、背中の刀で魔理沙のライフを斬る。これはテガマルも行っていたアマテラス・ドラゴンの射程に入れるための攻撃である…

 

タメル「ふはは!ターンエンド!」

 

魔理沙「メインステップ!世界の創造主!創界神ロロ!トラッシュの対象は二枚なので、コアを二つのせる!そして十二神皇の時計台の効果でシンボルを追加!!…霊夢……借りるぜ!赤き砲弾を放て!寅の十二神皇リボル・ティーガ!」

 

ロロ《…絶対なる力…この私の前でもそうかな?》

 

 

魔理沙の背後にロロが現れ、アマテラス・ドラゴンの呪いを解除しようと試みていると、時計台が赤く輝く。そして砲台を背負い、炎を纏った寅がフィールドに飛び込んできた。

 

 

魔理沙「アタックステップ!リボル・ティーガでアタック!!封印発揮!さらに砲撃だ!デッキから二枚オープン!」

 

 

リボル・ティーガが走り出すと、デッキが二枚めくれる。そのカードは…巳の十二神皇ティアマドー…申の十二神皇ハヌマーリン…

 

 

フラン「あ!アリスと咲夜の十二神皇!!頑張れ~!」

 

 

魔理沙「よっしゃ!どっちも神皇なのでライフを二点撃ち抜くぜ!くらいな!!」

 

リボル・ティーガの砲台からビームが発射されてタメルのライフを二点破壊したが、タメルのバーストが発動した。

 

 

タメル「ライフ減少によりバースト発動!エクスティンクションウォール!二つライフを回復させる!リボル・ティーガはセッコーキジでブロックだ!」

 

 

タメルのバーストが開くと減った分のライフが回復し、セッコーキジがリボル・ティーガの前足に押し潰された。

 

 

魔理沙「…ん~…ターンエンド。」

 

 

タメル「メインステップ!カグツチドラグーンを二体召喚!さらにバーストをセット!アタックステップ!カグツチドラグーンでアタックだ!アタック時効果でドロー!」

 

タメルは二体のオレンジ色のドラゴンを召喚して攻撃させた。封印の効果でライフが4に増えたからであろう。

 

 

魔理沙「ライフ!そしてバースト発動!!今度は妖夢のだ!鉄壁不沈の要塞!丑の十二神皇アバランシュ・バイソン!召喚時効果でもう一体のカグツチドラグーンをデッキボトムに戻すぜ!!」

 

ケイ《…今度はあの半霊の子のか…これでアマテラス・ドラゴンの備えは着実に固まってきているな…》

 

 

カグツチドラグーンの火炎攻撃が炸裂したが、魔理沙はそのままアバランシュ・バイソンを呼び出して、バイソンが回復状態のカグツチドラグーンを肩の大砲で撃ち抜いた。

 

タメル「ふん!ターンエンド!」

 

 

魔理沙「メインステップ!さらに咲夜のメインディッシュだぜ!天舞う紫色の大蛇!巳の十二神皇ティアマドー!コレオンのコアを使ってレベル2で召喚!」

 

時計台が今度は紫色に輝き、天空から翼が生えた紫色のヘビがフィールドに舞い降りた。さらにロロのレベル2の神域の効果もあってかなり軽いコストで召喚することができた。

 

 

魔理沙「アタックステップ!ティアマドー!行ってこい!アタック時効果で神軍!手札から神皇をノーコスト召喚するぜ!お次は早苗のを投入!地獄よりきたる魔犬!戌の十二神皇グリードッグ!」

 

 

ティアマドーが紫のビームをフィールドに放って地面を割る。そしてそこから三首の青いケルベロスが雄叫びをあげながら飛び出してきた。

 

 

タメル「フラッシュタイミング!アクセルで終焉の騎神ラグナ・ロックを使う!スピリット全て疲労だ!ティアマドーの攻撃はライフで受ける!」

 

タメルの手札から緑の風が吹き荒れ、ティアマドー以外の十二神皇達を膝まづかせた。しかしティアマドーは紫のエネルギー弾でライフを二つ削ることに成功した。

 

魔理沙「またかよ!ターンエンド!」

 

タメル「メインステップ!終焉の騎神ラグナ・ロックと金殻皇ローゼンベルグを召喚する!さらにマジック!双翼乱舞を二枚使用だ!計四枚をドローする!……ニヤリ…!!」

 

タメルは二体の大きな騎士を召喚するとコアを大量に追加する。さらにその後にドローマジックを連続で使用すると、引いてきたカードを見たタメルは不適な笑みを浮かべた。

 

イシス《……引き当てたわね………》

 

タメル「ククク…!ターンエンド。」

 

 

魔理沙「…メインステップ!バーストを伏せて子の十二神皇マウチューをレベル2で召喚!バイソンとティアマドーをレベル2に!さらにロロの神技!リザーブにコアを一つ置く!

 

ロロ《…私の神技を使うとは…コアがカツカツだからか…》

 

さらにマウチューが回転しながらフィールドに降り立つと、ロロが自身のコアをエネルギーにして、リザーブにコアを置いた。

 

 

魔理沙「アタックステップ!ティアマドーでアタック!!神軍の効果で召喚!アリスの十二神皇!申の十二神皇ハヌマーリン!!さらにトラッシュから古の神皇ガルダーラも召喚してコアブーストだぜ!」

 

 

再びティアマドーがアタックすると、地面を砕いて黄色の雷を纏った猿と緑の巨大な怪鳥が現れる。

 

 

タメル「無駄だ!ライフで受ける!バースト発動!!再びエクスティンクションウォール!さらにライフを回復させてアタックステップを終わらせる!」

 

 

ティアマドーが大きな尻尾でライフを二つ叩き割るが、再びバーストが発動してまたライフが元に戻り、さらに透明な障壁がフィールドを二分した。

 

魔理沙「ターンエンド!…ああ~私も相当弾みたくなっちまってるな……勝ち逃げより相手のキースピリットをぶっ潰したくなるぜ!!来い!アマテラス・ドラゴン!!」

 

 

ロロ《フフ…全く…彼の影響か…本当に信頼されているんだな。》

 

 

タメル「言われずともな!メインステップ!スピリット達のコアを全て外す!降臨せよ…!そしておののけ!孤高の最強龍!

絶対なる幻龍神アマテラス・ドラゴン!!!

 

タメルのカードから天高く光線が昇ると、空が金色に染まってバトルフィールドにたくさんの竜巻が発生する。そして優雅に天から一体の赤い龍が舞い降りた!

 

 

タメル「アマテラス・ドラゴン!!全てを凪ぎ払え!!!」

 

 

タメルの号令と共にアマテラス・ドラゴンが咆哮するとフィールド全体に衝撃波が生じる。その衝撃波にティアマドーは耐えられずに塵と化した……

 

 

だが!他の十二神皇達はなんとか踏ん張っていた!!

 

タメル「な!!?なぜだ!!!幻龍神の力が効かない!!!?」

 

 

魔理沙「アバランシュ・バイソンの効果だ!回復状態の神皇達は相手の効果を受けないんだぜ!さらにバースト発動!丁騎士長イヌワッシャー!ティアマドーを復活させる!」

 

 

アマテラス・ドラゴンの衝撃波はアバランシュ・バイソンが白いシールドを全力で展開して防ぎきり、ティアマドーも魔理沙。バーストから復活した!

 

 

魔理沙「おいおい!どうした!?それで終わりか?」

 

 

タメル「くぅ!!リザーブのコア13個をアマテラス・ドラゴンに置いて、アマテラス・ドラゴンのBPは140000に!ターンエンド!」

 

 

タメルは残りのコアを全てアマテラス・ドラゴンに追加してターンを終わらせた。

 

 

魅魔「よっしゃ!耐えた!」

 

 

シヴァ《…これは……決まったな…!》

 

 

 

魔理沙「メインステップ!コレオンを召喚!へへ!私達の力を見せてやるぜ!迸る赤き炎!!吹き荒れる緑の風!!真・十二神皇エグゼ・ゲイル・シード!!!私と霊夢の絆の結晶だぜ!」

 

 

 

魔理沙の手札が空中に浮かび、フィールドの外から炎を纏った神馬と風を纏った神鳥が飛び込んでくる。そしてその二体が魔理沙の上空で合体すると、エグゼシードの体にゲイル・フェニックスの翼を生やしたスピリットが爆風を放ちながら現れた!!

 

 

ロロ《…フフ…魔理沙…アマテラス・ドラゴンを真っ正面から打ち破ろうとしてるな…》

 

 

魔理沙「さらにマジック!ボアアップ!神皇スピリットを最高レベルに上げる!十二神皇の時計台をレベル2に上げてアタックステップ!時計台の効果!神皇達を全てBPプラス5000!!エグゼ・ゲイル・シードでアタック!!」

 

 

タメル「アマテラス・ドラゴン!!迎え撃て!!」

 

 

青いオーラがフィールドに満ちてスピリット達が最高レベルまで上がり、エグゼ・ゲイル・シードが熱風を放出しながら飛び出すと、アマテラス・ドラゴンめがけて突っ込んでいった。

 

 

イシス《…エグゼ・ゲイル・シードのBPは30000…》

 

 

マナカ《アマテラス・ドラゴンのは140000…この差をどう埋める!?》

 

 

 

エグゼ・ゲイル・シードが翼から光の刃を無数に放つが、アマテラス・ドラゴンは何てことない様子で向かっていき、エグゼ・ゲイル・シードに巻きつくとそのまま地面へ叩きつけようとした。

 

 

タメル「ふはははは!!幻龍神の前では全てが無力!この高みになど誰も到達できまい!」

 

 

魔理沙「……悲しいな…」

 

 

タメル「…なんだと?」

 

タメルの言葉にただ無表情で魔理沙は憐れんだ。そして魔理沙は目の前の十二神皇達を見つめながらぽつぽつと話し出す。

 

 

魔理沙「…結局…お前は孤独だ…独りぼっちで何が楽しいんだ!?さっきバイソンとマウチューが他の奴らを守ったように…私達はみんなで高みへ行くぜ!!!

 

フラッシュタイミング!!マジック!キズナブレード!コストはコレオンから確保!私の十二神皇達を全員疲労させてそのBPを全部エグゼ・ゲイル・シードへ!!」

 

 

 

白い光が魔理沙のフィールドに満ちる。そして、十二神皇達が膝をつくとそのエネルギーがエグゼ・ゲイル・シードに吸収されていった。

 

フラン「…んん~?ボアアップで最高レベル&時計台の効果で全員BPプラス5000状態…」

 

魅魔「…ティアマドーはBP31000…グリードッグはBP26000…」

 

幽香「…リボル・ティーガはBP32000…ハヌマーリンはBP20000…」

 

ケイ《…バイソンはBP27000…マウチューはBP10000…》

 

シヴァ《そしてガルダーラはBP17000…ええっと…いくつだ?》

 

イシス《…つまりエグゼ・ゲイル・シードにBPプラス163000するってことよ。》

 

 

マナカ《…完全にアマテラス・ドラゴンを越えてるじゃん…》

 

 

全員の力を吸収したエグゼ・ゲイル・シードは全身が黄金に輝いてアマテラス・ドラゴンを振り払う。そして角の先から黄金の強烈な光線を放った!アマテラス・ドラゴンも虹色のビームで迎え撃つ!!

 

 

 

魔理沙「弾幕もバトスピも!!パワーだぜ!!!いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

 

 

一瞬の拮抗の後、押しきられたアマテラス・ドラゴンがバトルフィールドの側面に叩きつけられる。そして虹色の炎を纏い、翼を折り畳んでフルパワーで突っ込んだ!!アマテラス・ドラゴンは口から尻尾まで貫かれて爆裂!爆発!爆散した!!

 

 

タメル「…ば、バカな…幻龍神が…」

 

 

魔理沙「幻龍神って名の通り!幻だったみたいだな!そしてエグゼ・ゲイル・シードの真・飛翔の効果で一コスト支払って回復!もう一度アタックだ!」

 

 

タメル「…ら、ライフ!」

 

 

エグゼ・ゲイル・シードが再び走り出し、炎の翼でライフを二つ破壊する。

 

 

魔理沙「さらに一コスト支払って回復!!これで私達の勝ちだ!」

 

 

エグゼ・ゲイル・シードが角と翼から特大のマスタースパークをぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

タメル「……は!(゚д゚)僕は…一体…」

 

 

魅魔「アマテラス・ドラゴンの呪いが解けたみたいだねぇ…テガマル君…これはもう君自身が管理すべきだと思うよ。君はもう呪いを克服したんだろう?」

 

テガマル「そうだな。これからはそうすることとしよう。」

 

 

魅魔の提案に首を縦に振ったテガマルの隣でサンセットとタメルがノラ・ニャオに取り調べを受けている。しかし、今回はアマテラス・ドラゴンの呪いと言うこともあって大目にみてくれるそうだ。

 

 

コウタ「それにしても…なんか忘れてるような気がするんだよなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻…とある路地

 

 

 

 

キマリ「ちょっと!!この私を忘れてるわよ!!」

 

 

魔理沙達が熱いバトルを繰り広げている頃、フランにコテンパンにやられたキマリが(誰かは分からないが)文句を言いながら歩いていた。

 

 

キマリ「全く…!あの金髪幼女…!今度あったらギッタギタに……きゃ!」

 

 

???「…あ!ごめんなさい!少し探し物をしてて…怪我はない?」

 

 

キマリがグチグチぼやいていると交差点で横から歩いてきた女性とぶつかってしまった。キマリにぶつかった白いワイシャツを着て、黒い帽子を被っているブラウン色の髪をしたボーイッシュな女性が話しかけた。

 

 

キマリ「え、大丈夫です…あの…何を探して」

 

 

???「…あ!あったぁ~!……え?あ、大丈夫!たった今見つかったから!」

 

 

 

キマリの言葉が言い終わらないうちにその女性は喜びの声を上げて何やらキマリの後ろに回り込むと、ブロック塀をしきりにつついたりぶつぶつ呟いたりしていた。すると……なんとブロック塀に黒い大穴が開いた!

 

 

キマリ「ええ!?…あなた…一体何者…?」

 

 

突然のことに驚いたキマリが呆然としながら女性に尋ねると、女性はフフッと微笑み、高らかに言い放った。

 

 

 

 

 

???「…私?……私は…宇佐見 蓮子。通りすがりのただのカードバトラーよ。覚えておきなさい♪」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

やっぱりアマテラス・ドラゴンにはキズナブレードですね。十二神皇を揃えるのにティアマドーと時計台にお世話になりました…

そしてお次は剣刃編!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

剣刃編~星聖剣VS創界神'S~
よっちゃん、頑張る


ソードアイズ編!なので、今回のメンバーは全員剣士にしました。


光と闇が永久に戦い続ける定めにある異世界『レジェンディア』。14年前、世界最大の国家『アトランティア』の王『アトライオスII世』の崩御で動乱が勃発、国は闇に覆われ、二人の王子のうち一人は急進派により次代王となり、弟王子は行方不明となってしまった。

 

その後、その弟王子…ツルギ・タテワキとその兄…白夜王ヤイバをはじめとした選ばれし者達、ソードアイズ達によりレジェンディアは創造神と決別し、新しい世界を作り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

新世界 アトランティア 王宮 開けた庭

 

 

 

ひゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 

 

依姫「……………」

 

ここは王宮の一角…草木覆い茂る裏庭のような場所で依姫は愛刀を構えて立っていた……そして反対側にはこちらも剣を構えている青年がいる……どちらも鋭く相手を睨み付けて相手の出方を伺っていた。

 

 

依姫「……………はぁぁぁ!」

 

???「…………おぉぉぉ!」

 

 

 

 

がっきぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!

 

 

次の瞬間、二人は声を張り上げながら突進して剣を打ち合わせた。王宮に剣と剣がぶつかり合う音が響き渡る。そして何度も剣がぶつかり合うが、依姫は頭の片隅で感慨に耽っていた……

 

 

依姫《…拝啓…師匠…御姉様…弾様…お元気でしょうか?》

 

へカーティア《…元気だと思うわよん?》

 

???「どうした!?遠慮なく来い!」

 

依姫の感慨に体内からチャチャを入れるへカーティアと、本気で来いと叫んだ相手……依姫はブンブンと顔を振って意識を目の前の青年へと向け直す。しかし現実逃避したいのか、依姫の集中はまた思考の大海原に出港してしまった…

 

 

依姫《…御姉様…月の都を留守にして申し訳ありません…お土産で買うアトランティア名物の絶品スイーツで勘弁してください……弾様は八雲 紫やアテナ様と楽しんでおられることでしょう…師匠も別世界で宇佐見 蓮子探しに精を出していらっしゃると信じています……しかし…不肖綿月 依姫…今回は…》

 

 

そんなことを考える合間にも青年は剣で斬りつけてくるが、依姫は難なくいなしていく。すると青年は一度距離をとると、また声を上げて突進した。

しかし…依姫がこんなナーバスに陥っている原因…それは彼自身である…彼の正体は………

 

 

 

ヤイバ「おぉぉぉ!!」

 

 

 

依姫《……心が折れそうです…》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤイバ「ふう…なかなかやるな…依姫…」

 

???「お疲れ様です…依姫さん…それにしても…素晴らしい剣術です…他の地でも剣術指南役を務めておられたのですか?」

 

依姫「あ、ありがとうございます…あはは…まぁ…はい…」

 

数十分後、一旦休憩を取っている二人にタオルを差し出してきた黒髪の女性…彼女はヤイバの実の母…グレナダである。ヤイバを心配してきたのか、依姫の剣が気になったのか、はたまたその両方か…しかし、いずれにせよ彼女の言葉に依姫は言葉を濁すしかなかった………

 

ここで、何故王宮に依姫がいて、ヤイバと剣の手合わせをしているのか説明しよう。約1週間前、この世界で宇佐見 蓮子を探すために白夜王の権力を借りようと依姫は王宮を訪れた。

 

 

しかし、何かしらヤイバにとって益を持っていかないと相手にしてくれないだろう…そこで依姫達が思いついたのが[王宮の手練れ剣士全員抜き]である。読みは見事的中し、依姫の剣術の腕に感動したヤイバは依姫の要望に答え、依姫は一時的だがヤイバの剣術指南役になり、ヤイバも宇佐美 蓮子捜索に協力してくれることとなったのである。

 

 

依姫《…輝夜様よりかは立派な人ですが……やはり王族と接するのは緊張しますね……》

 

へカーティア《…ペルセポネ様もお転婆で大変だったわねぇ…》

 

グレナダ「ヤイバ、そろそろ時間では?」

 

ヤイバ「…む?もうそんな時間か…悪いな依姫…続きはまた…」

 

 

ヤイバが次の予定の時間になって、グレナダと共に王宮の中に戻ろうとしたその時、依姫は邪悪な視線を感じ取った!

 

 

依姫「曲者!!」

 

 

ずっばぁぁぁぁん!!!!!

 

 

???「く!…ズシャァァァ……まさか見破られるとは……!?」

 

依姫は庭の木の影に隠れていた全身赤いフードの男めがけて斬撃を飛ばした。その男は不意を突かれて庭に姿を晒してしまう。

 

 

 

ヤイバ「…!?何者だ!」

 

 

依姫「少なくとも邪な心の持ち主ですね。神妙にしなさい。」

 

グレナダを守るように前に出た依姫とヤイバが剣先を赤フードの男に向ける。すると赤フードの男は笑いながら話し出した。

 

???「ほーう…俺達は赤の軍急進派!その七剣聖が一柱!太陽のサン様とは俺のことよ!」

 

 

グレナダ「…!二人とも気をつけて!彼らは近頃、私達を失脚させようと企むテロ組織です!」

 

 

グレナダの言葉を補足すると、14年前の動乱時に王家に逆らったのが通称、赤の軍。その後は大部分が弟王子ツルギに仕えているのだが、白夜王の下に下ることを嫌った急進派はツルギの元から離脱し、最近になって破壊工作などを繰り返しているのだ。

 

 

 

依姫「…成る程…白夜王様…ここは私が……」

 

 

サン「おおう…バトルか?おもしれぇ!俺様が勝ったら白夜王の首を貰うぞ!」

 

 

ヤイバ「…依姫…任せる!」

 

 

依姫 サン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「…私から…メインステップ!ピクシス・リザードを召喚。星の女神!創界神リリア!デッキから三枚トラッシュへ置き、対象のカードが二枚あったのでコアを二つ追加します。」

 

 

リリア《私!参上!》

 

 

依姫のフィールドに赤い羅針盤を背負ったトカゲ、背後にノリノリのリリアが現れた。

 

 

依姫「以上、ターンエンド。」

 

 

ヤイバ「…ほう…依姫は赤使いか……」

 

 

サン「メインステップ!リューマン・クロウと熱血剣聖リューマン・バーンカラーを召喚!召喚時効果でデッキから四枚オープン!その中のブレイヴカードを手札に加えるぜ!」

 

 

フィールドに大きな爪を持ったドラゴンと、赤い剣を携えた炎のドラゴンが現れる。そしてバーンカラーがデッキをめくり、星騎槍ガルックスを回収した。

 

 

サン「アタックはしねぇ!ターンエンド!」

 

 

依姫「…メインステップ。エリダヌス・ドラゴンを召喚してバーストをセット。さらにマジック、スターリードローを使います。」

 

 

ピクシスの隣に翼が生えた水龍が現れると、スターリードローの効果でデッキが三枚オープンされる。そのカードは…天羯神騎スコル・スピア…ダンデラビット…光輝く大銀河…よって依姫は二枚を手札に加えた。

 

 

依姫「アタックステップ。エリダヌス・ドラゴンでアタック!」

 

 

サン「きたか!ライフで受ける!」

 

 

羽ばたいたエリダヌス・ドラゴンが口から水流を放ってサンのライフを破壊した。

 

 

依姫「ターンエンドです。」

 

 

サン「はは!楽しくなってきた!メインステップ!リューマン・クロウのスピリットソウル発揮!剣聖の究極!剣輝龍皇シャイニング・リューマン!!召喚時効果で手札の星騎槍ガクルックスをノーコストで直接合体させて召喚する!」

 

 

サンの手札から炎柱が立ち昇ると、天空から白い鎧にビームソードを持ったドラゴンが降りてくる。さらにシャイニング・リューマンは大きく咆哮し、炎を右腕に作り出してそこから一本の槍を形成した。

 

 

サン「さらに一枚ドロー!んでもってガクルックスの召喚時効果!消えろ!ピクシス・リザード!」

 

依姫「エリダヌス・ドラゴンの効果でコスト3以下のスピリットは効果破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残ります!」

 

 

ガルックスの先からビームが放たれたが、ピクシス・リザードは吹き飛ばされて疲労しただけだった。

 

 

サン「構わねぇ!これでブロッカーはいなくなった!アタックステップ!シャイニング・リューマンでアタック!ガクルックスの効果で一枚ドロー!」

 

依姫「ライフで受けます!」

 

ガルックスを構えたシャイニング・リューマンが依姫のライフを貫いた。

 

 

サン「バーンカラー!お前も続け!」

 

 

依姫「ライフ!」

 

 

シャイニング・リューマンと交代するようにバーンカラーが飛び出して、依姫のライフをさらに破壊した。

 

 

サン「ターンエンド!これでライフの数は逆転だ!」

 

 

依姫「…それで…?メインステップ。二体をレベル2に上げ、エリダヌスを疲労!これによりフル軽減で召喚!星をも貫く青き神槍!天蠍神騎スコル・スピア!!さらにセイバーシャークを右合体させるように召喚します!そしてエリダヌスにも左合体!」

 

 

スコル《…ああ…痴話喧嘩じゃない普通のバトルだぁ…》

 

 

空から光がフィールドに降り注ぐと、地面に蠍座が描かれてそこから大きな青いサソリが這い出てきた[なぜだかホッとした言葉を話していたが] さらに白シンボルから紫色の機械のサメが現れてスコル・スピアに力を注ぎ込む。

 

するとスコル・スピアの足の付け根にガトリング砲やレーザーソードが装着され、背中にもジェット噴射できるブースターがくっついた!

 

 

ヤイバ「青のスピリットに白のブレイヴ…依姫…ここまで色を混ぜてデッキを回すとは…!」

 

 

依姫「…ここでターンエンドです。さぁ、あなたのターンですよ?」

 

 

サン「何!?…ふ、後悔するなよ!メインステップ!再度リューマン・クロウのスピリットソウルを使う!新生した赤い光龍!召喚!アルティメット・アーク!!

 

 

サンの両サイドに炎の輪が形成され、そこから吹き出した炎がフィールドで一つになると、金と赤の鎧に青いアーマーを間接部に装着したドラゴンが現れる。だがサンはさらに手札を取り出した。

 

 

サン「さらに!太陽のソードブレイヴ!太陽神剣ソルキャリバー!アークに合体!」

 

大空に太陽が昇るとフィールドに金色の大きな剣が突き刺さる。そしてアークがソルキャリバーを引き抜いてサンライズ立ちをした!

 

 

ヤイバ「十二本以外のソードブレイヴ!?しかもアルティメットに合体するとは……!」

 

 

サン「さぁ!アタックステップ!アルティメット・アークで…」

 

 

アルティメット・アークがソルキャリバーを構えて飛び出そうとしたその時、セイバーシャークの目が妖しく輝いた。

 

 

依姫「セイバーシャークの効果!シャイニング・リューマンを指定して強制的にアタックさせます!スコル・スピアでブロック!!」

 

 

スコル《サソリ汁ぶしゃぁぁぁぁ!!》

 

 

リリア《スコッシー!!ひゃっはぁぁぁぁ!!》

 

 

セイバーシャークの効果で意識を狂わされたシャイニング・リューマンがスコル・スピアめがけて走り出すと、スコル・スピアは尻尾の先から毒を噴射してシャイニング・リューマンに浴びせて破壊した!

 

 

依姫「さらにセイバーシャークの効果!ブロック時にBPを比べて相手のスピリットを破壊したとき、ライフを二つ破壊します!」

 

 

スコル《痛みは一瞬だ!》

 

 

シャイニング・リューマンを破壊したあと、スコル・スピアは腰のガトリング砲を連射してサンのライフを二つ粉砕した。

 

 

サン「うぐぅ…!まだだ!今度こそアルティメット・アークでアタック!アタック時効果でピクシス・リザードを破壊!さらに合体時効果でトリプルシンボルだ!」

 

アルティメット・アークが気を取り直してソルキャリバーを地面に突き刺して炎を放ちピクシス・リザードを燃やそうとしたが、エリダヌスの効果で疲労状態で残る。さらに依姫は待ってましたと言わんばかりに手札をきった。

 

 

依姫「フラッシュタイミング!光導女神グラン・リリア!スコル・スピアを回復!スコル・スピアでブロック!」

 

 

スコル《今回俺様大活躍~!》

 

 

リリア《いってらっしゃーい!》

 

 

六色の光がスコル・スピアを立ち上がらせると向かってきたアークのソルキャリバーを腰のビームソードで受け止め、背中のブースターを噴射してつばぜり合いになる。

しかし、スコル・スピアはビームソードでソルキャリバー地面に押し付けると尻尾の槍をアークに突き刺して毒を注入する。アークは体を痙攣させながら倒れて爆発した!

 

 

依姫「ここでセイバーシャークの効果が再度発揮!これで終わりです!!」

 

 

サン「ま、まさか…!俺のターンに…!」

 

 

スコル・スピアのビームソードが何倍も伸び、それを一気に振り下ろした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤイバ「…依姫…お前がバトスピでもここまで強いとは思ってなかったぞ。」

 

 

依姫「いえ…それよりもグレナダ様…お怪我は…?」

 

 

グレナダ「大丈夫です。依姫、よくやってくれました。後始末はこちらに任せて、今日はゆっくり休んでください。」

 

 

サンを連行したあとヤイバから称賛の言葉を、グレナダから労いの言葉を貰った依姫は軽く一礼して庭を後にした。廊下を歩いていると、脳内にへカーティアの声が響いてきた。

 

 

へカーティア《…これ…みんなに連絡する?》

 

 

依姫《…ええ…それに他の方々の状況の報告も入っているかもしれませんし…》

 

 

 

そう脳内会話をしながら依姫はカツカツと廊下を歩いていった。

 




はい。ありがとうございました。

ソードアイズ編の敵は星聖剣使いにしました。なかなか多くもなく少なくもない数なので都合がよかったです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

桃VSスイーツ

バトスピのアニメで、ストーリーはブレイヴが一番ですが、CGバトルはソードアイズが一番だと思っています。


アトランティア 依姫達の家 依姫&妖夢&椛&天子組

 

 

 

依姫「ただいま戻りました。」

妖夢「あ!依姫さん、ご飯できてますよ~!」

 

ヘルメス《ちぃーす!俺達も帰ったぜぇ~!》

 

カグツチ《妖夢ちゃん、ありがとう!》

 

依姫が家に帰ってくると、妖夢が答えながらご飯をリビングのテーブルに置いていた。すると、依姫に続いて椛とカグツチ、ヘルメスが帰って来た。三人ともどこかに出掛けていたようだ。

 

椛「…カグツチ様…なかなかこのような生活も良いと感じるようになりました。異世界に来たときは不安でしたが、案外どうにかなるものですね。」

 

カグツチ《でしょ?どこの世界でも自警団と小売り店ってのはアルバイトを募集してるもんだよ♪》

 

ヘルメス《もみもみも自警団のアルバイトお疲れ♪それに俺っちは商売の神だからかあのアルバイトしてた店、物凄くお客が来てたね……》

 

へカーティア《別にアルバイトしなくても私達のへそくりがあるのに……あら…あの猪突猛進バカコンビは?》

 

 

…椛がカグツチに侵食されている…そして三人も席についたが、依姫から出てきたへカーティアが天子とセトの姿が見えないことに気づいて尋ねると、ヘルメスが思い出したかのようにポンっと手を叩いて話し出した。

 

 

ヘルメス《あ~…確か、俺が町をブラブラしてたときテンコちゃんが「ここは私が桃を売る所なのよ!」とか叫んでたのを見たよ。》

 

 

へカーティア《……ヘルメス…あんた泥棒の神でもあったわよね……あんた町でブラブラしながら…何やってたの…?》

 

へカーティアのジトーとした目にヘルメスは冷や汗を流しながら、長~く沈黙して話さなかった。

 

 

ヘルメス《…え(-_-;)!……黙秘権を行使します…》

 

椛「……ヘルメス様…ズボンの右ポケットに入っている物は何ですか?一応、私の千里眼で確認しましたが…皆さんにもご確認を…」

 

ヘルメス《……ゴソゴソ…ほら…何も入って「そのポケットの裏側です」……ゴソゴソ…ゴト…これでいい「あと服の胸ポケットと裏のポケット、そして帽子の中です。」……降参します…》

 

椛が千里眼のパワーをフル発動させてヘルメスの体中に隠したあった財布を次々と言い当ててテーブルの上に置かせていく。その数…軽く10は越えていた……

 

椛「はい♪ヘルメス様…比那名居様を探しに行くついでに…返しに行きますよ!》

 

ヘルメス《ひぇぇぇぇぇぇ!!》

 

 

そう言いながら椛はヘルメスの首根っこをひっ掴んでズルズルと引きずって外に出ていった。残った四人は静かにご飯を食べ始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、天子&セト[体内]は…

 

 

天子「…ちょっと!!私の桃が悪いっての!?」

 

 

???「いえ~…私達のスイーツがスゴすぎて霞んでるだけっていったのよ~♪」

 

 

天子は天界の自宅の裏庭に腐るほど生えていた桃を売ってみようと、町の市場まで持って行った。やはり天界の桃は絶品であったので、桃は飛ぶように売れたのだが……問題は隣でスイーツを売っていた少女の一人が「何であんな桃程度が売れるのよ…」と呟いてしまったことだった。

 

不幸にもプライドが富士山どころかエベレストクラスの天子がその声を聞いてしまい、言い争いに発展してしまった……ということである。

 

 

 

天子「いいわ!ならバトルよ!私が勝ったら素直に負けを認めなさい!」

 

 

???「へぇ~!この元光の黄なるソードアイズ、キザクラ・ククリとバトル?負ける気がしないわ!」

 

 

……この二人……どこか似ている……

 

 

天子 キザクラ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

天子「先行も~らい!メインステップ!ゴッドシーカー砂海祈祷使ケルドマンドを召喚よ!召喚時効果でデッキを四枚オープンしてその中の創界神セトと太陽の砂海王ラムセトス二世を手札に加えるわ!」

 

 

天子のフィールドにマントヒヒのような祈祷使が現れ、デッキをサーチする。

 

 

天子「ターンエンド!」

 

 

キザクラ「うぇ…かわいくない…メインステップ!弓ピットを召喚してネクサス、光指す丘を配置!」

 

 

キザクラが嫌な顔をしながら小さな弓矢を持った天使を召喚し、背後に光が指している神殿を配置した。

 

 

キザクラ「ターンエンド。」

 

天子「天霊ね……ドキドキ………は!いけないいけない…こいつは幽香じゃないんだから…メインステップ!ぶっ壊しなさい!創界神セト!トラッシュに送った対象カードは一枚なので1コア追加!」

 

セト《…あいつ…この作品じゃドSって訳じゃねぇぞ…それならペルセポネちゃんだぜ?》

 

キザクラのスピリットを見て、少し興奮してしまった天子の背後にセトが呆れながら現れた。

 

天子「さらに砂海帝王セトナック3世を召喚してバーストセット!!アタックステップ!セトナックでアタック!」

 

天子のフィールドに砂嵐が巻き起こると、中から金色の杖を持った獣人が出て来て攻撃する。

 

 

キザクラ「ライフで受ける!」

 

 

セトナック三世が杖をキザクラのライフに叩きつけて破壊した。

 

天子「ターンエンド!さぁ!どうするのかしら!?」

 

キザクラ「むぅ~(=`ェ´=)メインステップ!光の天使ダリエルをレベル2でトッピング!さらに光指す丘をレベル2にアップ!」

 

キザクラのフィールドに音符が舞い踊り、そこから白い鎧を着て杖を持った黄色い天使が現れた。

 

キザクラ「アタックステップ!ダリエルちゃん!お願い!そしてフラッシュタイミング!ケーキにお花!舞華ドロー!相手のスピリットをBPマイナス3000!さらに2チャージで合計マイナス5000!!そしてケルドマンドを破壊&ドローよ♪で、このカードはフィールドに!」

 

 

ダリエルが踊りながら飛び出すと花びらがケルドマンドにまとわりつく。すると、ダリエルと弓ピットも黄色に輝いてその威力を高める。花びらだらけになったケルドマンドは青い粒子になって消えていった。

 

 

天子「ライフで受けるわ!」

 

 

ダリエルが杖先からビームを発射して天子のライフを撃ち抜いた。

 

キザクラ「ダリエルの効果でライフを一つ増やして、光指す丘の効果で一枚ドロー!さぁて弓ピットちゃんも「甘い!手札が増えたのでバースト発動!」……ええ!?」

 

天子「砂海将軍ラァイードのバースト効果!相手の手札が四枚なので、相手のスピリットを二体破壊よ!」

 

天子のバーストから青い衝撃波が飛び、弓ピットとダリエルが吹き飛んでしまった。そして天子のフィールドに金色の鎧に巨大な斧を背負ったサイの獣人が現れた。

 

キザクラ「ええ~!!?…でも光指す丘を疲労させることで、ダリエルちゃんをフィールドに残す!そして舞華ドローの効果でトラッシュにソウルコアがあるので手札に戻すわ!ターンエンド。」

 

天子「あはは!メインステップ!神魔剣ゴッドブレイドをラァイードに直接合体して召喚!そしてラァイードをレベル4に!」

 

 

キザクラ「……え!?(゜.゜)ソードブレイヴ!?」

 

天子のフィールドの一部が流砂に変わり、そこから青い剣が吹き出てラァイードの腕に収まった。すると、キザクラはゴッドブレイドを見て声を上げる…まぁ…見た目が剣なのでソードブレイヴと勘違いしただけである。

 

 

天子「…?そんなに驚くことかしら…アタックステップ!ラァイードで合体アタック!ゴッドブレイドの効果は…不発ね…」

 

キザクラ「ええい!どうしてあなたがソードブレイヴを持っている訳は知らないけど……フラッシュタイミング!マジック、スティールハート!ラァイードのシンボルを0にするわ!」

 

キザクラの手札から黄色い粒子がラァイードめがけて放たれ、それを食らったラァイードが剣をキザクラのライフに突き立てたが、ライフを破壊することはできなかった。

 

天子「ちぃ!ならこれは?セトナック三世でアタック!」

 

キザクラ「ライフで受ける!」

 

キザクラのマジックにも怯まずに天子は追撃を命じ、セトナック三世が再度ライフを叩き割った。

 

天子「エンドステップ!ラァイードの効果で砂海達を回復!ターンエンド!」

 

キザクラ「…来た!メインステップ…今回は先にフォーク!美味しいは正義!それがそれがスイーツメイツの合言葉!光翼の神剣エンジェリック・フェザー!!

 

 

キザクラのフィールドの空中で光のリボンが結ばれると、黄色く輝いているレイピアが降りてきた。

 

キザクラ「さらに…剣舞の姫君!剣聖姫ツル!ここに降臨!!召喚時効果で五枚オープンしてその中のバーストを持つカードを全部手札に追加!!そしてバーストをセットして、光翼の神剣エンジェリック・フェザーを剣聖姫ツルに合体!」

 

さらに天空から腰に刀をさしたエンジェルが降りて、めくれたカードのうち砲天使カノン、シンフォニックバースト、戦国姫久遠を回収し、エンジェリック・フェザーを引き抜いて切っ先を天子に向けた。

 

キザクラ「さぁ!覚悟なさい!アタックステップ!ソード合体アタック!ツルの効果で起導するわ!これはスイーツパーティーのクラッカー!砲天使カノン!チャージも入れて相手のアルティメットを全てBPマイナス12000!そして0になったアルティメットを破壊!」

 

ツルがエンジェリック・フェザーをフィールドに突き刺すとバーストが開いて黄色の砲弾が天子のアルティメット達に降り注ぎ、セトナック三世が破壊された。

 

 

天子「無駄よ!セトナック三世の効果で効果によってフィールドを離れたからデッキから一枚ドローし、手札の砂海を棄てることで疲労状態でフィールドに残るわ!ツルのアタックはライフで受ける!」

 

 

しかし砂嵐が吹き荒れて、セトナック三世が蘇る。そしてツルはエンジェリック・フェザーで天子のライフを貫いた。

 

キザクラ「ふふーん!ターンエンド!」

 

天子「やってくれたわね…メインステップ!太陽の砂海王ラムセトスを召喚!アタックステップ!ラムセトスでアタック!!Tトリガー!ロックオン!!」

 

フィールドに弓を携えたヤギの獣人が現れ、そのまま攻撃しようと弓を構えた。

 

キザクラ「ひゃっ!弓ピットにエンジェリックプレッシャー、天使プリマ…コスト2、3、4!」

 

天子「ラッキー♪トリプルヒット!カノンを破壊してライフをトラッシュに置くわ!」

 

ラムセトスが弓に二本、矢をつがえるとカノンとキザクラのライフめがけて放ち、それぞれ破壊した!

 

キザクラ「く!フラッシュタイミング!シンフォニックバースト!このバトルが終わればアタックステップは終わる!ダリエルちゃんでブロック!」

 

ダリエルが光線をラムセトスに放ったが、軽く弾かれて矢に射ぬかれた。しかしセトがまだレベル2になっていないので、シンフォニックバーストの効果が発動し、キザクラのライフが2以下なので、アタックステップが強制的に終了した。

 

天子「ラァイードの効果でラムセトスを回復!しつこいわね!ターンエンド!」

 

キザクラ「…このターンで決めないと…メインステップ!バーストをセット!キリッとゴージャス、正義の光!大天使ララファエル!リバイバル版!カモン!そしてエンジェリック・フェザーを合体!」

 

キザクラのフィールドが花畑へと変化し、その中心から六枚の羽を生やした大天使が現れ、ツルが投げたエンジェリック・フェザーを空中でキャッチして構えた。

 

キザクラ「さらに大天使サン・ダルクを召喚!そしてアタックステップ!まずはサン・ダルクでアタック!フラッシュタイミング!エレメンタルバーンを使用!サン・ダルクの効果も入れて、アルティメット全てをBPマイナス11000!」

 

ララファエルの隣に機械の杖を持った天使が現れ、攻撃しようと飛び立った。そしてキザクラの手札からのマジックがサン・ダルクの力で分散しながら天子のアルティメット達に降り注いだ。

 

天子「セトナック三世の効果を忘れたかしら!ドロー&手札の砂海を棄てて、フィールドに残る!アタックはライフで受ける!そしてバースト!海賊王レヴィアダンの効果!このターンは効果を持つスピリットじゃ、私のライフは削れないわ!」

 

 

再びセトナック三世が砂嵐から復活し、サン・ダルクがライフを撃ち抜くと、天子のバーストから大きな大砲を抱えた海賊が登場することで、キザクラのスピリットは天子のライフを削れなくなった。

 

 

キザクラ「……ターンエンド…」

 

 

天子「ふぅ…メインステップ!砂海剣王ジャスラーンをレベル4で召喚!召喚時効果でツルを破壊してコアを自身とセトに追加!ラァイードのゴッドブレイドをジャスラーンに合体!」

 

 

天子のフィールドに虎の頭をした獣の剣士が現れて持ち前の剣でツルを斬り捨て、ラァイードが投げ渡したゴッドブレイドを手に持ち替えて大きく構えた!

 

 

天子「アタックステップ!ジャスラーンで合体アタック!アタック時効果でターンに一回回復!そしてバースト発動不可!!さらにセトの効果でマジック&アクセルも使えないわよ!」

 

 

キザクラ「仕方ないわ!ソード合体スピリットでブロック!!」

 

 

ジャスラーンのゴッドブレイドをソード合体スピリットが受けとめるが、衝撃を止められずに後ろに後退する。そして土煙に紛れてジャスラーンはソード合体スピリットの背後に回り込むと、ゴッドブレイドを突き刺して破壊した!

 

 

天子「ひれ伏しなさい!ジャスラーン!!」

 

 

ジャスラーンの周囲に注連縄が巻かれた大岩…要石が無数に出現してジャスラーンの雄叫びと共に一斉にキザクラのライフに襲いかかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

キザクラ「ぐぅ…私が負けるなんて……あなた…一体なんなのよ…」

 

 

 

天子「私?…ふっふーん!特別に教えてあげてもいいわ!私は「テンコさん!!」って!ちょっと!!いいところだったのに!」

 

 

悔しげな表情で問いかけるキザクラに、調子にのった天子がうっかり名乗りかけるが間一髪で椛が割って入り、なんとか押さえた。

 

 

椛「…ガシィ!…さぁ!帰りますよ!」

 

 

天子「ちょ!まだあいつに「……ああん?(# ゜Д゜)」…はい…」

 

 

椛は口答えする天子を一睨みで黙らせてキザクラに軽く謝ったあと、天子を引きずって帰っていった。

 

 

 

 

 

キザクラ「…創界神…新しいソードブレイヴ…一応…ツルギや白夜王に伝えておこ…」

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ちなみに、ソードアイズの世界では比較的、幻想郷と同じような世界なので、創界神達は自分自身で動いたりします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

踊る会議。されど、迷子になる。

東方の新作が出ましたが、一番気に入ったのは六面ボスの袿姫ですね。なんか紫や隠岐奈と似たような雰囲気なので…

そしてジオウの最終回!良かった…「続きは映画で!」じゃなくて……


その日の夜 依姫の家

 

 

へカーティア《…つまり…宇佐美 蓮子は今この世界に?》

 

マナカ《うん、見事にすれ違っちゃったんだよ~でもあの世界と通じているのはそこぐらいだからそっちにいると思うよ。》

 

 

椛のお説教が終わり、夕食を楽しんでいた八人の所に突然かかってきた通信。それはマナカからのダイレクト通信で、内容は…今言った通りである…

 

 

 

ヘルメス《わかった。んじゃ俺達も気合い入れて探し出しますか!》

 

 

マナカ《気を付けてね~バイバ~イ!》

 

 

依姫「…あ…私からも話さなければならないことが…」

 

 

マナカからの通信が切れると、依姫が今日王宮で起こった事件のことを報告した。…問題はこの一件に関わるか、否か…

 

 

天子「めんどくさいし…白夜王に任せとけば?」

 

 

妖夢「いやいや…私としては放置することは剣士としてできません…!」

 

 

椛「私も妖夢に賛成です。それにその事件の最中に宇佐美 蓮子を見かけるかもしれませんし。」

 

 

話し合いは[事件解決に協力すべきだ]という意見が多数派で、反対しているのは天子ぐらいである。すると、ヘルメスは持ち前の口八丁で天子を説得しにかかった。

 

 

 

ヘルメス《なぁ天子ちゃん、天子ちゃんは天人なんだろ?あの悟りを開いた人間が神霊化したってやつ。まぁ輪廻転生を離れた徳の高い方々だ…そのお恵みをこの世界の奴らに与えるのはどうかな?》

 

 

天子「そうね!全くこの世界の連中は!」

 

 

……さすがヘルメス…口に関しては女神陣達にひけをとらない……うまく天子を懐柔して、依姫達は協力するという方針でいくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 王宮 王の間

 

 

 

ヤイバ「皆の者…夜遅くに呼び出してすまない。つい先ほど元光の黄なるのソードアイズから連絡が入った。」

 

 

 

今、ここにはヤイバの側近の元闇のソードアイズ達が集まっていた。まず一人目、緑の目と髪をしたチャラい青年…元闇の緑のソードアイズ…ゴーディ・ダーイン

 

 

ゴーディ「ほんとだよ~!こ~んな時間にぃ~!勤務外手当てはもらえんのぉ~?」

 

 

そしてその隣、青い目に筋肉質な体に寡黙な印象の青年…元闇の青きソードアイズ…ブラウ・バルム

 

 

ブラウ「その減らず口を閉じろ、ゴーディ。白夜王閣下の御前だぞ。」

 

 

さらにその隣、桃色の髪に黄色の鋭い目をした女性…元闇の黄なるソードアイズ…アマレロ・ベルジェ

 

 

アマレロ「それはもしや…本日グレナダ様を襲った見慣れぬソードブレイヴ使いのことでしょうか?」

 

 

ヤイバ「そうだ。話によると、そいつの仲間と思われる者と交戦したとのことだ。少なくとも無関係ではないと思われる。故に、お前達はそいつを探しだし、ここに連れてこい。この余が自ら判断を下す。」

 

 

ゴーディ「ええ~!それってわざわざ俺達三人がいくこと~?ブラウちゃんだけで良くな~い?」

 

 

あまりにも厳重すぎるヤイバの命令にゴーディがいつもの調子で質問すると、ヤイバが重々しく口を開いた。

 

 

ヤイバ「…そいつは元光の黄にほぼ何もさせずに圧倒したそうだ…もしかするとお前全員が負ける可能性もある。気をつけろ。」

 

 

三人「「「!!!?」」」

 

 

 

ヤイバの言葉を聞いて、顔を引き締めた三人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日 アトランティア 郊外

 

 

 

この日依姫が王宮へ仕事をしに出掛けたあと、残った三人[全員創界神宿し中]は自警団のバイトのため、アトランティアを見回っていた。

 

 

天子「……暇ね……!」

 

 

妖夢「まぁ…そうですねぇ…でも良いじゃないですか。それだけ平和なんですか…!」

 

 

椛「…空から……!?」

 

 

 

ぶらぶらしていた三人は空中から何かが迫ってくる気配を感じとり、すぐさま抜刀して構えた。すると、空から大きな鳥に乗った何者かが飛んできた。

 

 

 

???「見つけたでござるよ!キザクラが言っていた曲者!この元光の緑のソードアイズ!ハガクレ・シドー様が成敗するでござる!!」

 

 

椛「……忍者…のようですね…曲者とはどういうことですか!?」

 

 

 

地面に降り立った忍者…ハガクレに声を荒げる椛の隣で天子はアッと思い出したかのように手を叩いた。

 

 

天子「キザクラ…それって昨日スイーツ売ってたあのクソ生意気な小娘のこと?その仇討ちって訳ね!上等!相手になるわ!」

 

 

ハガクレ「ニン!拙者は手加減しないでござる!!」

 

 

椛と妖夢は完全に臨戦態勢に入ってしまった天子を見て「終わったら謝ろう…」と楽観的に考えていた…この時までは…

 

 

 

ゴーディ「ああ~!見っけたよ~!ブラウちゃーん!」

 

 

ブラウ「…ほう…仲間と共にいたか…それに光の緑も…」

 

 

ハガクレとは反対側からヤイバの命令で天子を探していたブラウとゴーディが現れた。

 

 

ハガクレ「ぬぅ!?お主らもか!?」

 

ゴーディ「いんやぁ~ヤイバちゃんが連れてこいってね♪アマレロちゃんもこっち側探せば良かったのにぃ~」

 

 

ブラウ「…ということだ…おとなしく同行してもらおう。もしイヤなら…実力行使もやむを得ない。」

 

 

 

こうとなってしまっては椛や妖夢も顔が引き締まり、二人を見る目が鋭くなる。

 

 

椛「…さすがに…笑ってられませんね…妖夢さん…そちら一人お願いします!」

 

 

妖夢「わかったわ!この剣に…斬れぬものなど……ほとんどない!!」

 

 

 

 

六人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天子「さっさと片付けるわ!メインステップ!ぶっ壊せ!創界神セト!トラッシュに置いた対象カードが二枚なのでコアを二つ置くわ!さらにストロングドロー!!三枚ドローして二枚破棄!」

 

 

セト《連戦だぁ!》

 

 

天子の後ろにセトが現れ、天子は手札交換マジックを切って手札を入れ換えた。

 

 

天子「バーストもセットしてターンエンド!」

 

 

ハガクレ「参る!メインステップ!バーストをセットし、ケンゴーキジを二体召喚するでござる!そしてアタックステップ!ケンゴーキジよ!忍んで飛べ!」

 

 

ハガクレのフィールドに刀を背負った緑色の鳥が現れ、一体が抜刀して飛び立った。

 

 

天子「ライフで受ける!」

 

 

 

ケンゴーキジの一太刀が天子のライフを両断した。

 

 

ハガクレ「よし!ターンエンドでござる!」

 

 

天子「メインステップ!砂海賊神官ヒトコブを召喚して自身にコアを追加するわ!さらに砂海戦士イブンをレベル2で召喚よ!」

 

 

天子のフィールドにラクダの獣人神父と曲刀を持った狼の獣人が現れる。この二枚は獣頭デッキのコアブ要員で、さらにイブンはドローもこなせる優れものなのだ。

 

 

天子「アタックステップ!イブンでアタック!!アタック時効果で二枚ドローしたあと一枚破棄!さらにそのカードが獣頭カードだったので、コスト4以下のケンゴーキジを破壊!さらにコアを二つ置いてレベル3に!」

 

 

 

イブンがトラッシュに送ったカードの力をエネルギーに変換し、青い斬撃を放ってケンゴーキジを切り裂いた。さらにイブンのレベル2からの効果で獣頭が相手のスピリットも破壊したとき、コアを二個増やすことができるのだ。

 

 

 

ハガクレ「ライフでござる!」

 

 

イブンの曲刀が回転しながら投げられ、ハガクレのライフに直撃した。

 

 

天子「ターンエンドよ!」

 

 

ハガクレ「むむむ…メインステップ!ネクサス、巻き上がるダンガロ山脈を配置してシノビ・チュウヒを召喚!召喚時効果でコアをリザーブに!」

 

 

ハガクレも負けじと竜巻に巻き上げられた山脈を配置し、忍び姿の鳥を召喚した。ダンガロ山脈の配置は分身を操るハガクレにとって大きなアドバンテージである。

 

 

ハガクレ「…しかし…攻めるに攻めれぬ……ターンエンドでござる。」

 

 

天子「まっ、ここで突っ込んでくる奴はいないわよね。メインステップ。ぶち壊しなさい!打ち砕きなさい!砂海嵐神タイフォーム!!レベル4で召喚よ!!」

 

 

セト《破壊!破壊!破壊!!よろしい。ならば破壊だ!!!》

 

 

セトが拳でフィールドを叩き割り、巻き上がった砂嵐から鎌を構えたケンタウルスが飛び出した。これでセトのレベルは2に上がり、マジック&アクセルが使用不可になる。

 

 

天子「アタックステップ!タイフォーム!あの忍者をぶっとばしてきなさい!アタック時効果でシノビ・チュウヒを破壊!そして相手のデッキを三枚破棄してその中にコスト3/6のカードがあれば回復する!」

 

 

タイフォームが一閃してシノビ・チュウヒを斬ったあと、砂嵐でハガクレのデッキを三枚トラッシュへ吹き飛ばす。その一枚が巻き上がるダンガロ山脈だったので、タイフォームは回復した。

 

 

ハガクレ「ライフで受ける!だがバースト発動!!風魔上忍ケツアールを召喚!でござる!!召喚時効果発揮!分身:4!」

 

 

ハガクレのバーストから忍び装束の緑の鳥が現れて輝くと、エネルギーで形成されたケツアールが四体も現れた。さらにダンガロ山脈の効果で分身スピリットに置くコアはボイドから調達できるので、実質的なコアブーストにもなった。

 

 

天子「ん~…ここでギャンブルするのもね…ターンエンドかしら。」

 

 

ハガクレ「好機到来!メインステップ!音に聞こえし伝説の、緑に輝くその翼! 光牙鳳凰レックウマル!!堂々見参!召喚時効果!分身!」

 

 

どこからか緑の手裏剣のような怪鳥が飛んでくる。そして緑のエネルギーの分身を二体出現させながらフィールドに現れた。

 

 

ハガクレ「目にも止まらぬその速さ! 風を切り裂き現れよ!疾風の双刃カムイ・ハヤテ!!カモンでござる!そして疾風の双刃カムイ・ハヤテを光牙鳳凰レックウマルにヤマビコ流忍者合体!!」

 

 

 

ハガクレのフィールドに緑の竜巻が吹き荒れると、天空からフィールド全体を一回りして地面に両刃の薙刀が突き刺さる。そしてレックウマルが尾羽でカムイ・ハヤテをつかみ、そのまま足へと持ち替えて構えた!

 

 

ハガクレ「拙者のスピリットは合計九体!フルアタックで拙者を勝ち!アタックステップ!ソード合体スピリット!忍んで飛べ!カムイ・ハヤテの効果でスピリット一体を疲労!イブンを疲労させるでござる!」

 

 

 

レックウマルが回転して風を起こし、イブンを疲労させる。しかし、カムイ・ハヤテの効果はスピリット限定なのでヒトコブやタイフォームは疲労しなかった。

 

 

 

天子「タイフォームでブロック!!フラッシュタイミングでマジック、白晶防壁を使うわ!コストはヒトコブやイブン、タイフォームから確保。よって前二体は消滅するけど、ケンゴーキジを手札に戻してソウルコアの力で私のライフは一しか減らないわ!!」

 

 

 

天子の手札から白い衝撃波が放たれケンゴーキジに直撃し、消えていく。そして飛んできたレックウマルのカムイ・ハヤテをタイフォームは鎌で受けとめ、前足で蹴り飛ばす。

レックウマルは態勢を立て直してカムイ・ハヤテを分身させて投げつけるが、タイフォームは逆に分身したカムイ・ハヤテを足場にして駆け上がると鎌でレックウマルを切り裂き、破壊した!!

 

 

 

ハガクレ「うぐぐ…!無念!ターンエンド。」

 

 

天子「メインステップ!まずは新しいヒトコブと砂海王グリセティ一世をどちらもレベル4で召喚!!そしてタイフォームを再度レベル4にアップ!」

 

 

さらに天子はヒトコブと剛拳を構えた青い拳闘士が現れる。この二体はタイフォームの連続攻撃を劇的に安定させるサポートアルティメットでもある。

 

 

天子「アタックステップ!タイフォームでアタック!!アタック時効果でグリセティ一世の効果も入れて合計五枚をトラッシュへ!そして界放の効果でコアを二つ置いてアタックステップを強制終了させない!」

 

 

タイフォームが再び鎌を振り下ろしてデッキを破壊し、この中にケンゴーキジが確認された。ここでヒトコブの効果が発揮して、タイフォームの効果の「コスト3/6」が「コスト2/3/6/9」に書き変わっていたので、これでも回復することができた。

 

 

 

天子「そして今引いてきたこいつ!アクセル!海賊艦隊キャプテン・ウォルラス!!コスト3以下のスピリット全部と5以上のスピリット一体を破壊!全部ぶっ壊れなさい!!」

 

 

 

ハガクレ「ライフで受ける!」

 

 

 

タイフォームの行く手を阻もうとした分身スピリット達に大波が襲いかかり、ケツアールも巻き込まれて全員押し流されてしまった。そして、その大波を飛び越えてタイフォームの鎌がハガクレのライフを切り裂いた。

 

 

 

天子「そしてヒトコブとグリセティ一世でアタック!こいつらも獣頭を持ってるからマジックは使えないわよ!」

 

 

ハガクレ「ライフでござる!」

 

 

ヒトコブの十字架とグリセティの拳がハガクレのライフを打ち砕く。

 

 

天子「食らいなさい!タイフォーム!!」

 

 

タイフォームの鎌が虹色に光ると、地面ごとハガクレのライフを叩き斬った!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回は少し長めになります。ソードアイズとのバトル→星聖剣とのバトルなのであと10バトルぐらいありますね…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

みょん&もみもみVS闇のソードアイズ

カグツチ様のバトルの難点は武竜と機巧を繋ぐスピリットがいないことです。そこは…俺の腕に任せ……れるかなぁ…

あと、一身上の都合上これから毎日更新が厳しくなりそうです。こちらも頑張っていきますので、ご了承ください。


妖夢「先行を貰います。メインステップ!ドラマルを召喚して原初の炎!創界神カグツチを配置!トラッシュに送った三枚中、一枚が対象なのでコアを一つ置きます。ターンエンド。」

 

 

カグツチ《…戦うことは…やっぱり好きじゃないなぁ…》

 

 

妖夢のフィールドに小さな薙刀を持ったブレイドラが現れ、さらに後ろにカグツチが頭をかきながら登場した。

 

 

ゴーディ「俺の番ね♪メインステップ。ネクサス!魔王蟲の根城!はい、建築完了~!ターンエンド。」

 

 

ゴーディも背後に大きな樹木を配置してコアブと連鎖の前準備にかかった。

 

 

妖夢「…なんか調子狂いますね…メインステップ。機巧武者ジャコを召喚!召喚時効果で一枚ドローします。そしてバーストをセット。」

 

 

妖夢のフィールドに猫型のロボットが現れる。このスピリットは機巧スピリットで赤にもなれるハイブリッドスピリットで、カグツチのデッキの二色をうまく繋いでくれるのだ。

 

 

妖夢「アタックステップ!ドラマルでアタック!!」

 

 

ゴーディ「ん~…ライフで受けよ!」

 

 

ドラマルが飛び上がって薙刀をゴーディのライフスタイル突き立てた。

 

 

妖夢「ターンエンド!」

 

 

ゴーディ「へぇ~…メインステップ!ダーク・ディオマンティスを二体召喚!アタックステップ!ダーク・ディオマンティス君!お仕事お願いしま~す!」

 

 

ゴーディは二体の黒いカマキリのようなスピリットを召喚して一体に攻撃させる。さらに魔王蟲の根城が青に輝いた。

 

 

ゴーディ「あ!魔王蟲の根城の青シンボル発見~!ダーク・ディオマンティス君の連鎖で最高レベルにアッ~プ!!」

 

 

妖夢「ライフで受ける!」

 

青く光ってパワーアップしたダーク・ディオマンティスが妖夢のライフを叩き割ると、また魔王蟲の根城が輝いてゴーディのリザーブにコアを置いた。

 

ゴーディ「魔王蟲の根城の効果。連鎖を持つダーク・ディオマンティス君が~相手のライフを破壊したから…コアを一つ置いちゃ~う!さらにもう一体のダーク・ディオマンティス君!君もお仕事だよ!」

 

 

ゴーディがさらにダーク・ディオマンティスに攻撃させる。こちらも青連鎖で最高レベルになっている。

 

 

妖夢「これもライフ!」

 

次のダーク・ディオマンティスが鎌でライフを壊し、再び魔王蟲の根城の効果でコアが増えた。

 

 

ゴーディ「ターンエンド♪」

 

 

妖夢「…よし!メインステップ!無限に繋がる炎の斬撃!剣豪龍サムライ・ドラゴン・天!!召喚!」

 

妖夢のフィールドに炎の龍が落ちると、赤いドラゴンが背中の二本の刀を抜刀して大きく咆哮しながら現れた。

 

妖夢「アタックステップ!天でアタック!無限刃の効果発揮!相手スピリットを指定アタック!そして疲労はしない!ダーク・ディオマンティスを指定!!」

 

天が頭の鎧を展開して走り出す。そして有無を言わさずダーク・ディオマンティスに斬りかかり、一刀両断した。

 

妖夢「もう一度アタック!もう一体のダーク・ディオマンティスにアタック!」

 

ゴーディ「ああんもう!全滅じゃん!」

 

ゴーディの叫びを尻目に天はダーク・ディオマンティスを刀で貫いて破壊した。

 

 

妖夢「ドラマルとジャコで連続アタック!」

 

 

ゴーディ「ライフだ!」

 

ドラマルの薙刀とジャコのビームがゴーディのライフを二つ破壊する。これで残りライフ数では妖夢が多くなる。

 

 

妖夢「これでターンエンド。」

 

ゴーディ「イッタタタ…もう…ヤンチャなんだから~メインステップ!ダーク・マッハジーに続いてぇ~!こっちも本気でいこうかな~!光をも切り裂く鎌は絶望への道標!黒蟲魔王ディアボリカ・マンティス!カモ~ン!」

 

 

小さな緑の昆虫に続き、地面から大きな鎌が突き出ると巨大カマキリが両腕の鎌を振り回しながら現れた。さらにゴーディは続ける。

 

 

ゴーディ「さらに!闇の緑のソードブレイヴ!黒蟲の妖刀ウスバカゲロウをディアボリカ・マンティスに合体!」

 

 

緑のエネルギー体から一本の禍々しいオーラを放っている刀がフィールドに落ちてくると、ディアボリカ・マンティスの右鎌と合体して大きく輝いた。

 

 

ゴーディ「アタックステップ!ソード合体スピリット!ドーンと一発お願いしま~す!!ディアボリカ・マンティスのアタック時効果!天は疲労しま~す!」

 

 

ソード合体スピリットから放たれた緑の風が天に膝をつかせる。これで妖夢がライフで受ければ、ディアボリカ・マンティスレベル2の効果で合計ライフが3つ破壊される。しかし、妖夢はニヤリと笑い、手札のカードを取り出した。

 

 

妖夢「…弾様直伝!フラッシュタイミング!マジック、デルタバリア!その攻撃はライフで受ける!」

 

妖夢の前に毎度お馴染み三角のバリアが張られてディアボリカ・マンティスの効果ごと斬撃を軽減して、ライフは1残った。

 

 

ゴーディ「あらら…でんもねぇ~!そいつはコスト4以上のスピリットしか防げない!ダーク・マッハジー!今度こそ決めてきちゃって~!」

 

 

ゴーディはデルタバリアの盲点である低コストスピリットでの攻撃を狙い、ダーク・マッハジーをアタックさせた。だが妖夢の狙いはこれだった!

 

 

妖夢「バースト貰います!ライフを増やして召喚!八百万の神の剣!機巧剣神アマノオハバリ!そして自分のスピリットが全て武竜又は機巧を持つので、このバトルでアタックステップは終了!アマノオハバリでブロック!!」

 

カグツチ《ウスバカゲロウの効果は厄介だからね。》

 

カグツチの刀から放たれた斬撃がフィールドを真っ二つに裂き、そこから白い翼を生やし、二本の小太刀を持ったロボットが現れ、向かってきたダーク・マッハジーを一刀両断した。

 

ゴーディ「ぬぇぇぇぇ!?…ターンエンド!!」

 

妖夢「このターンで決めます!メインステップ!一時の夢!天下武者デイブレイク・サードを召喚!そしてアマノオハバリをレベル2に!」

 

アマノオハバリの隣にビームソードを抜いた白いロボットが現れる。これでカグツチのコアは五つになったのでレベル2に上がった。

 

 

妖夢「アタックステップ!アマノオハバリでアタック!カグツチの効果でブロック時効果がアタック時にも発揮!天界放でコアを二つ置いてディアボリカ・マンティスを手札に戻し、赤シンボルの力で自身を回復!」

 

 

アマノオハバリが小太刀を構えて斬撃を飛ばし、ディアボリカ・マンティスを切り裂くとそのまま手札に返っていった。

 

 

ゴーディ「ええ~!ライフしかないじゃ~ん!!」

 

 

妖夢「アマノオハバリはダブルシンボル!!これでフィニッシュ!」

 

 

フィールドに突き刺さったウスバカゲロウの隣を通り抜けてアマノオハバリの小太刀がゴーディのライフを一気に二つ破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

 

椛「私から。メインステップ。駆け抜けろ!創界神ヘルメス!デッキからトラッシュに三枚送り、対象が二枚なのでコアを二つ置きます。これで終わりです。」

 

 

ヘルメス《はぁ…何でテンコちゃんは元ソードアイズにケンカ売っちゃったのかなぁ…》

 

 

椛の後ろにヘルメスが現れる…愚痴りながら…

 

 

ブラウ「メインステップ。ダーク・スクアーロを召喚。ターンエンド。」

 

 

ブラウは剣と盾を持った黒いサメを召喚して、ターンを終えた。

 

 

椛「…メインステップ。パキラフォックスを召喚。召喚時効果でコアブーストします。バーストをセットして……緑の同行者!道化神ポルック&カスターを召喚!」

 

 

ヘルメス《……もみもみ…本気じゃん…》

 

 

椛は小さな子猫のスピリットを出すと、さらに緑シンボルが弾け飛び黄金のオーラを放ちながら緑の帽子と服を身につけた兄弟が現れた。

 

 

椛「ポルック&カスターの召喚時効果!手札を全て棄てて、相手の手札と同じ数ドロー!よって四枚!これでターンエンド。」

 

 

ブラウ「…メインステップ。バーストをセット。そしてミゴーを召喚し、ネクサス!珊瑚の樹海を配置。アタックステップ!ダーク・スクアーロ!攻撃!」

 

 

椛「ライフで!」

 

 

ブラウは羽が生えたザリガニのスピリットと紫に輝く珊瑚礁を配置し、ダーク・スクアーロに攻撃を命じる。ダーク・スクアーロは剣で椛のライフを突き刺した。

 

 

ブラウ「ターンエンド。」

 

 

椛「…メインステップ。ポルック&カスターをレベル2にして英雄獣 老将タイガー・ネストールを召喚!召喚時効果でコアを二個置く。さらにポルック&カスターの効果!コアブースト効果をもう一度行える!」

 

 

椛はさらに金色の体に白い髭を生やしたトラを召喚し、ポルック&カスターの効果も入れてコアを四個増やした。

 

 

椛「さらに、海より沸き上がる三つ首!三叉神海獣トリアイナ!!コストはネストールとパキラフォックスから使用。召喚時効果でダーク・スクアーロとミゴーを破壊!さらに剣獣魔神を召喚してトリアイナと合体!」

 

 

椛は増えたコアを使って青い三つ首を持った海獣を召喚して口からの水流でブラウのスピリット達を押し流した。さらにトリアイナの背後に緑の虎の魔神が現れ、力を分け与える。そして二体を消滅させながらもポルック&カスターをレベル2に留めていた。

 

 

椛「アタックステップ!トリアイナでアタック!アタック時効果でデッキを五枚破棄!そしてその中のスピリット三枚につき、コアを一つ置きます!さらにポルック&カスターの効果でおかわりです!」

 

 

ヘルメス《ええっと…これで破棄されたスピリットは…あちゃ~五枚…1コアしか増えないね…》

 

 

ブラウ「デッキ破壊…!?トリアイナのアタックはライフでぶつかる!」

 

 

トリアイナが青い衝撃波を放ち、ブラウのデッキを合計十枚破壊してコアブーストする。そしてトリアイナの突進がブラウのライフを打ち砕いた。

 

 

椛「これで終わります。ターンエンド。」

 

 

ブラウ「……こちらも行くぞ!メインステップ!暗く青き深海に潜む海の支配者よ、俺に力を!異海神ディスト・ルクシオン!!

 

 

バトルフィールドの周りから大波がブラウのフィールドに注がれると、深海から首長竜のようなスピリットが泳いでフィールドに現れた。

 

 

ブラウ「アタックステップ!異海神よ!逆境を跳ね返せ!アタック時効果!コスト5以下のポルック&カスターを破壊!さらに連鎖!疲労しているトリアイナも破壊!!」

 

 

ディスト・ルクシオンがフィールドを泳ぎながら胸の珊瑚から雷を放ってポルック&カスターを破壊したあと、珊瑚の樹海の紫シンボルの存在により連鎖を発動させ、再び放たれた雷がトリアイナを痺れさせて破壊した。

 

 

椛「く!ライフで受ける!」

 

 

ディスト・ルクシオンの角が椛のライフを一気に二点貫いた。

 

 

 

ブラウ「ターンエンド。」

 

 

 

椛「さて…切り替えて……メインステップ。神をも恐れぬその豪腕!七大英雄獣剛勇士ヘラク・レイオス!!こちらも剣獣魔神と合体!」

 

 

椛は貯まったコアで豪腕を持つ大きな白虎を召喚する。これはディスト・ルクシオンの効果破壊の対象を外すという目的もある。

 

 

椛「アタックステップ!ヘラク・レイオスでアタック!ヘルメスの神域の効果でBPプラス10000!」

 

 

ブラウ「…ライフでぶつかる!そしてバースト!ディメンションシールドの効果でアタックステップを強制的に終わらせる!」

 

 

ヘルメスの力を受けたヘラク・レイオスのダブルパンチがブラウのライフを二つ砕いたが、バーストから形成された防御壁を追撃を妨害した。

 

 

椛「やりますね…ヘルメスの神域の効果!ヘラク・レイオスはターンに一度回復します。ターンエンド。」

 

 

ブラウ「…BPアップだけでなく…回復も行うとは……そして先程のコンボを崩されてもすぐ立て直す精神力……見事!」

 

 

椛「ぇ…あ…ありがとうございます…」

 

 

ブラウの称賛に、普段はあまり誉め慣れてない椛は面を食らった様子でしどろもどろに返事をする。

 

 

ブラウ「強き者には敬意を払う…それが俺の流儀だ。メインステップ!リュウグウウシ!そして出でよ!闇の青きソードブレイヴ!深淵の巨剣アビス・アポカリプスよ!紺碧の従順を大地に誓え!」

 

 

 

ブラウはさらにリュウグウウシを召喚すると、フィールドに深海から飛んできた青い剣がフィールドに突き刺さり、召喚時効果でブラウのスピリット達を最高レベルとした。

 

 

ブラウ「そして深淵の巨剣アビス・アポカリプスを異海神ディスト・ルクシオンに合体!アタックステップ!潰せ!ソード合体アタック!!」

 

 

 

椛「…やむを得ませんね…ヘラク・レイオスでブロックします!」

 

 

ソード合体スピリットが口に咥えたアビス・アポカリプスをヘラク・レイオスに叩きつける。ヘラク・レイオスは豪腕で受けとめていたが、最後は切り裂かれて爆発した。しかし、椛は一切同様せずにただ冷静にバトルフィールドを見つめていた。

 

 

ブラウ「……ターンエンド。」

 

 

椛「メインステップ。ヘラク・レイオスはライフ1にまで追い込みました。十分な活躍です!あとはこのスピリットが!新緑の化身!キングタウロス大公!!レベル2で召喚!」

 

 

 

椛のフィールドに巨大な竜巻が巻き上がり、六足に上半身の右腕が剣になったオオカブトが現れた。

 

 

 

椛「アタックステップ!ヘルメスの効果でBPプラス10000されたキングタウロス大公でアタックです!キングタウロスはバトル後にライフを破壊します!そしてソウルコアをリザーブに戻してフラッシュタイミングを封印!!」

 

 

ブラウ「…見事だ…リュウグウウシでブロック!」

 

 

キングタウロスがリュウグウウシを突き刺し、そのままキングタウロスが最後のブラウのライフも貫いた!

 

 

 

 

 

 

 

椛 「…すみませんでした!」

 

 

天子「うー…どうしてよ…」

 

 

ハガクレ「え、あ、お、う、い、いや…こちらも…すまぬ…でこざる…」

 

 

バトルのあと、椛は無理矢理天子の頭を下げさせてハガクレに謝っていた。もうどっちがバトルに勝ったかわからないぐらいである。その律儀な姿にハガクレも動揺するばかりだった。

 

 

妖夢「わかりました。一応、その過激派とは無関係ですが、あなた方にご迷惑をかけたのは事実です。白夜王にも謝罪した方が良さそうですね。」

 

 

ブラウ「感謝する。」

 

 

ゴーディ「あらら…律儀だねぇ…」

 

 

ハガクレに謝罪している隣で妖夢はブラウやゴーディと話を続いていた。そしてブラウとゴーディが三人とハガクレを王宮に案内しようとすると……!

 

 

アマレロ「見つけたわ!」

 

 

天子「また!?もうめんどくさいわね!!」

 

 

ビッシィィィィン!!

 

 

アトランティアの反対側を探していたアマレロが到着すると、愛用している鞭で天子を捕らえようとしたが、天子はすぐさま緋想の剣で弾くとアマレロを睨み付けて火花を散らす。するとブラウがアマレロを止めに入った。

 

 

ブラウ「待て、アマレロ。彼らは一応だが同行を承諾した。それに彼らを見る限り過激派とは関係無いと思われる。」

 

アマレロ「それは白夜王閣下が判断されること!」

 

 

ブラウ「それはそうだ。だがまだ疑いの段階である以上彼らを罪人同様の扱いはできない!彼らに失礼だ!」

 

 

アマレロ「しかし…もしグレナダ様に何かがあれば!!」

 

 

カグツチ《ちょっといいですか?》

 

 

ゴーディとハガクレは二人の言い争いがヒートアップする様をあたふたとして見ていたが、突然妖夢の中のカグツチが妖夢から飛び出してきた。

 

 

 

ソードアイズ達「な!!!?」

 

 

 

妖夢「ちょ!出てきたらまずいですよ!」

 

 

カグツチ《まぁ、待って……え~と…アマレロちゃんだっけ…》

 

 

ソードアイズ達は突如現れたカグツチを見て驚いた。人の体からなんだか粒子が出て、それが人の形をとって喋りだしたのだから無理もないが……カグツチはそんな事を気にせずアマレロに話しかける。

 

 

カグツチ《ごめんなさい!驚かせてちゃって…でも…君のその姿勢…本当にそのグレナダって人が好きなんだね。だから守りたい…その思い…スッゴク伝わってきたよ。だからさ、その思いがあるならほんのちょっとでいいんだ。俺達を信じてくれないかな?》

 

 

アマレロ「…しかし……そんな都合の良いことばかりとは…」

 

 

腰に指した刀を一旦、地面に置いてアマレロを説得しようと試みるカグツチだったが、まだアマレロは猜疑心をぬぐえなかった。

 

 

カグツチ《だからだよ!都合が良いってことは君も俺達もハッピーだからさ!確かに現実的じゃないけど、だからこそ話し合って解決できるってものすごく素晴らしいことじゃない!?》

 

 

アマレロ「…!」

 

 

ブラウ「…おお…」

 

ゴーディ「…へぇ…」

 

ハガクレ「…話し合えた時…」

 

 

カグツチの言葉を聞いて、心の奥底から沸き上がってくるものにジーンとなったソードアイズ達。さらにカグツチは地面に置いた刀を拾って話し続ける。

 

 

カグツチ《それに…これや鞭、拳でしか話せないって…悲しすぎるよ。君は鞭で人を傷つけて喜ぶ人じゃないよね?ならその鞭を俺達はぶつけたら……きっと君が一番痛いと感じるよ…俺は…君が苦しむ姿なんて…見たくないんだ。だから…お願いします!》

 

 

 

アマレロ「…わかりました……ご無礼をお許しください…」

 

 

アマレロはわかってくれたのか、鞭をしまって頭を下げてくれた。妖夢や椛、天子もホッとしてそれぞれの剣をおさめた。するとカグツチは年不相応に喜ぶ。

 

 

カグツチ《やったぁ~!ありがとうございます!ねぇ妖夢ちゃん!これって本当に凄いことだよね!》

 

 

妖夢「…はぁ…確かによかったですが……そこまで喜ぶことですか?」

 

 

カグツチ《そうだよ!だって百人の友達と仲良くしているより、一人の敵と仲良くなれたじゃん!それに他のソードアイズの人とも分かりあえた!もう喜ぶしかないって!!》

 

 

セト《…かなわねぇな……》

 

 

ヘルメス《…妖夢ちゃん…感動して固まっちまっててるよ…》

 

 

 

妖夢「……カグツチ様…キラキラ…!!」

 

 

 

カグツチの言葉に感動して、目をソードアイ以上にキンキラキンに輝やかせていた妖夢であった。

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

カグツチ様…!この方の聖なる泉が枯れ果てることはないでしょう…それにアマハラの愉快な仲間達がいますし♪


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

愛!

以前より原作キャラのバトルを書くので、剣刃編は少し長くなりそうです。


アトランティア 王宮 とある部屋

 

 

 

ここにはヤイバから連絡を受けた元ソードアイズ達が集まっていた。キザクラの他に青のソードアイズ…ソラ・リュウヨウ

白のソードアイズハクア・エストック

紫のソードアイズのスオウ・ラケルスとその兄の闇の紫のソードアイズリローヴ・ラケルス

…そして元赤の双眼のソードアイズにしてヤイバの実弟……ツルギ・タテワキとそのヒロイ…ゲフンゲフン…相棒のドロイドのブリンガー…そうそう足る顔ぶれだった。

 

 

依姫「失礼します…お茶が入りました……」

 

 

キザクラ「…?見慣れない人…ブリちゃん知ってる?」

 

 

 

ブリンガー「ブリンガーは紹介する。こちらがつい先日白夜王ヤイバの剣術指南役となった綿月 依姫だ。今回、ツルギ達を召集することになったグレナダ様暗殺未遂事件を解決した凄腕カードバトラーでもある。」

 

 

その部屋にお茶が入ったカップを持って依姫が入ってきた。そしてキザクラの質問にブリンガーが淡々と解説する。

 

 

スオウ「へぇ…凄腕ね…」

 

 

スオウ「俺達の前で凄腕と言うってのは相当の腕前でないと名乗れねぇぜ?」

 

 

依姫「…ならご確認なさいますか?」

 

 

二人の言葉にニヤリと笑い、あからさまな挑発をする依姫。その様子を体内から見ていたヘカーティアは不思議そうに脳内に言葉を送る。

 

 

ヘカーティア《あれ…あなたそんな好戦的な性格じゃなかったと思ってたけど…?》

 

依姫《…目標が高すぎるので……武者修行も兼ねて…バトルを積めば少しは弾様に近付けるかな~…と…》

 

 

ソラ「なら私が相手しよう…ツルギ…後でもバトルできるからそんな残念な顔をするな……」

 

 

ツルギ「ちぇ~……」

 

リローヴ「…ほう…なかなか楽しめそうですね…あの飛び出して行った光の緑が帰ってくるまでの余興としては……」

 

残念そうに不貞腐れるツルギを諌めながらソラが前に出てきた。依姫も不適な笑みを浮かべる……依姫も弾さん化してる……

 

 

依姫 ソラ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラ「私からいこう。メインステップ。光の闘士ランダルを召喚。これでターンエンド。」

 

 

ソラはまず小さなタイタス、ランダルを召喚して強化スピリットを並べ始めた。

 

 

依姫「デッキ破壊ですね…メインステップ!星の女神!創界神リリア!デッキから三枚トラッシュに送り、対象が二枚だったのでコアで二つ追加!さらに麒麟星獣リーンを召喚!バーストをセットしてターンエンドです。」

 

 

リリア《へーい!》

 

 

依姫はリリアを配置し、星空から駆け降りてきた黄色い麒麟を召喚してターンエンドとした。

 

 

ソラ「メインステップ!もう一体光の闘士ランダルを召喚!さらにネクサス!鉄壁なる巨人要塞を配置!」

 

 

ソラのフィールドにもう一体ランダルが現れ、さらに背後にたくさんの石像が並び立つ大きな闘技場がそびえ立った。

 

 

ソラ「アタックステップ!ランダル!アタックだ!」

 

 

依姫「ライフで受ける…ふふっ!なんだか最近…この痛みが心地よくなってきた…!」

 

 

ランダルのパンチが依姫のライフを壊したが、当の依姫は逆にニヤニヤしていた……重症である…

 

 

ソラ「…ターンエンド!」

 

 

依姫「メインステップ。ピクシス・リザードとレベル2でアクゥイラムを召喚!アタックステップ!アクゥイラムでアタック!アタック時効果で回復状態のランダルを指定アタック!」

 

 

 

依姫のフィールドに羅針盤を着けたトカゲと火の粉を散らした大鷲が現れ、アクゥイラムが炎を纏ってランダルに突っ込み、そしてランダルを突き破り破壊した。

 

 

依姫「さらにピクシス・リザードでアタック!」

 

 

ソラ「く!ライフで受ける!」

 

 

ピクシス・リザードが横回転しながら飛び上がり、ソラのライフを砕いた。

 

依姫「以上、ターンエンド。」

 

 

ツルギ「…すげぇ…ソラを押してる…」

 

ハクア「まだわからないよ。それに混色デッキが回るのかどうか…」

 

 

ソラ「メインステップ!光の戦士ガイウスを召喚!そして…偉大なる青の支配者!戦輝神ゼルドナーグを召喚!」

 

 

 

ソラのフィールドに青い竜巻が発生し、そこから青い巨人が現れた。

 

 

ソラ「アタックステップ!戦輝神よ!攻撃せよ!アタック時効果!相手のデッキから五枚を破棄!それに2チャージ追加!合計七枚!はぁぁぁぁ!!」

 

 

ゼルドナーグが青く光ると依姫のデッキが七枚吹き飛び、その中の秘剣二天一龍が青く輝いた。

 

 

ソラ「破棄した中にマジックカード有り!戦輝神ゼルドナーグに青シンボルを一つ追加!」

 

 

依姫「…リーンでブロック!」

 

 

さらに力を増したゼルドナーグにリーンがぶつかって行くが、軽く踏み潰されてしまった。

 

 

ソラ「ターンエンド!」

 

 

依姫「ふふふ!メインステップ!天空駆ける緑の牡羊!白羊樹神セフィロ・アリエスを召喚!不足コストはピクシスから確保。」

 

 

アリエス《ふぉふぉふぉ…久しぶりのバトルじゃの…!》

 

 

依姫がカードを掲げると背後の草原から大きな羊が走ってくる。そして優雅に着地するとフィールド全体が草原へと変化した。

 

 

依姫「アタックステップ!再びアクゥイラムでランダルを指定アタック!」

 

 

アクゥイラムがまた羽ばたいてランダルを弾き飛ばす。アクゥイラムはアタック時にBPプラス5000でき、さらに指定アタックも可能。依姫はその力で並べられると厄介な小型強化スピリットを除去していく。

 

 

依姫「…ふ…ターンエンド。」

 

 

リリア《…えーりんちゃん…弟子がもう重症よ…》

 

 

 

ソラ「…まだだ!メインステップ。ネクサス!光灯る三叉灯台を配置!配置時効果!ブレイヴカードをノーコスト召喚できる!」

 

 

キザクラ「きた!ケーキにローソク!」

 

 

ツルギ「そして…次はフォークだ!」

 

 

ソラ「大地を切り裂く、光の青一閃!蒼海の大剣メイルシュトロム!召喚!ゼルドナーグと合体せよ!こぉぉ!!」

 

 

 

ソラの背後に大きな三又の灯台が光を放ちながら現れる。そして灯台が地響きをあげると空から青い剣が地面に突き刺さり、ゼルドナーグがそれを引き抜いて大きく構えた……が……!

 

 

ソラ「アタックステ…な!?ゼルドナーグが…!」

 

 

ハクア「疲労している!?まだアタックしてないのに!」

 

 

 

ソラがゼルドナーグに攻撃を命じたが、ゼルドナーグはすでに地面に膝をついて疲労状態になっていた。驚いたソードアイズの面々に依姫は話し始める。

 

 

依姫「セフィロ・アリエスの効果です。遊精、爪鳥、異魔神を持たないスピリット/アルティメット/ブレイヴを召喚する際は疲労状態で召喚しなくてはなりません。メイルシュトロムは召喚時にすでに疲労状態となりました。なので、それと合体したゼルドナーグも疲労したということです。」

 

 

ソラ「むぐぅ…!ターンエンド…」

 

 

リローヴ「…ソードアイズをここまで追い詰めますか…」

 

 

ソラは悔しいがここはターンエンドするしかなかった。そして依姫は淡々とバトルを進める。

 

 

依姫「メインステップ。アクセルでリボル・コレオンを使用して三枚オープン。その中のキグナ・スワンマークIIと超・風魔神を回収。セフィロ・アリエスをレベル2にしてアタックステップ!三度アクゥイラムよ!舞え!ガイウスに指定アタック!」

 

 

 

依姫は手札を補充し、セフィロ・アリエスをレベルアップさせたあとはアクゥイラムを攻撃させ、ガイウスを破壊する…前のターンと変わらない流れだった…いや…だからこそ不気味に思えたのかもしれない……

 

 

スオウ「はぁ!?ここでドローかよ!」

 

 

キザクラ「それに今手札に加えたカードって…あれデッキ破壊メタのカードよね?どうして使わないの?」

 

 

ブリンガー「ブリンガーにも理解不能。」

 

 

依姫「これで私のターンは終わりです。」

 

 

ソラ《…なぜだ…キグナ・スワンマークIIを使えばデッキ破壊を抑制できたはず…いやそれよりもその前にサーチカードを使ったこともわからない…!それともバーストに何かあるのか…?なんだ…何を狙っているんだ…!》

 

 

他のソードアイズ達も疑問と戸惑いを隠せなかったが、一番それを感じていたのは他でもないバトルしているソラ自身であった。ソラが思考の海に浸かっていると、依姫が口先をつり上げながら尋ねる。

 

 

依姫「どうしましたか?そちらのターンですよ?」

 

 

ソラ「…メインステップ!ゼルドナーグをレベル3にアップ!アタックステップ!ソード合体スピリット!進撃せよ!メイルシュトロムを合体時効果!強襲!ネクサスを疲労させてソード合体スピリットは回復!」

 

 

迷ったソラはとにかくデッキを削ろうとソード合体スピリットを攻撃させる。それにメイルシュトロムの効果で光灯る三叉灯台を疲労させ、自身を回復させた。

 

 

ソラ「さらにゼルドナーグのアタック時効果で強化も含めデッキを七枚破棄!!そして破棄した中にマジックカードが……ない!?」

 

続いてゼルドナーグの強化された青い衝撃波がさらに依姫のデッキを吹き飛ばすが、その中にマジックカードは一枚も入っていなかった。

 

 

依姫「すみませんが、このデッキにはマジックが二、三枚しかないんですよ。ソード合体スピリットのアタックはライフで受ける!…うぐ……ふぅ!…ニヤリ…ここでリリアの神域を発動!手札の光導スピリットを一コスト召喚!善悪白黒はっきりつける裁判長!天秤造神リブラ・ゴレム!召喚!」

 

 

リリア《なんか映姫ちゃんみたいね♪》

 

 

リブラ《まぁ…そう言われるのは悪くないな…》

 

 

リリアが軽口を言いながら両腕の杖をサッと振り上げて夜空に天秤座を描き、そこから青い錫杖と盾を持った一体のロボットが降り立った。

 

 

ソラ「ムム…!ターンエンド…」

 

 

依姫「ここらが閉め時ですね。メインステップ!リブラ・ゴレムをレベル3に!そして超・風魔神を召喚し、セフィロ・アリエスとリブラ・ゴレムに合体!ダブルドライブ!発動!!」

 

 

緑の竜巻から超・風魔神が現れセフィロ・アリエスとリブラ・ゴレムに力を注ぎ込む。するとリブラ・ゴレムの錫杖の先が緑の刃へと変化し、身体中に緑のラインが迸る。セフィロ・アリエスも大きな翼が背中から生えて大きくはためかせた。

 

 

さらに依姫自身にも緑の翼が生え、全身からオーラを放ちながらフィールドに舞い上がった!

 

 

依姫「アタックステップ!リブラ・ゴレムでアタック!アタック時効果で神皇の数だけデッキを三枚破壊!二体なので六枚をトラッシュに!!そしてその中にスピリットカードがあれば回復!」

 

 

リブラ《…光の衛士アドリアン確認…回復する。》

 

 

ソラ「何だと!?鉄壁防御!ゼルドナーグ!フラッシュタイミング…「超・風魔神の効果で手札のカードは使えません!」…!?」

 

 

今度はリブラ・ゴレムがソラのデッキを破壊し、その中にスピリットカードがあったので青く輝き回復する。さらに超・風魔神がソラの手札を風で封じた。

 

 

 

依姫「砕きなさい!リブラ・ゴレム!!」

 

 

 

ソード合体スピリットがメイルシュトロムを全力で振り下ろしたが、リブラ・ゴレムは盾で防ぎきり槍を地面に突き刺した。すると地面がひび割れてソード合体スピリットの態勢が崩す。そして隙を狙ってリブラ・ゴレムが投げた槍がソード合体スピリットの体を貫いた!

 

 

 

ソラ「…メイルシュトロムはスピリット状態で残す。」

 

 

依姫「さらにリブラ・ゴレムでアタック!六枚破棄してスピリットがあったので、回復!そして回復状態ではライフを砕けません…つまり…あなたのデッキが切れるまでアタックが可能!」

 

 

再度リブラ・ゴレムが起き上がって攻撃し…デッキを破壊…そしてスピリットがあるので回復…このサイクルが繰り返され、ソラのデッキは完全になくなってしまった。

 

 

依姫「ターンエンド。ありがとうございました。」

 

 

ソラ「まさか…私がデッキアウト負けするとは…スタートステップ…」

 

 

 

 

 

 

 

バトル後、スオウやツルギのバトル申し込みをなんとか断ってキザクラやリローブと話していた依姫はふとツルギに質問した。

 

 

依姫「そう言えば…ツルギ様は以前、神を斬り捨てたと聞きましたが……ご冗談ですよね…?」

 

 

ツルギ「本当だぜ。」

 

 

依姫「……Σ(Д゚;/)/…な、な、な、なんということを!!!なぬがあっtのえすか!!?」

 

 

ツルギが「何か問題でも?」といったような表情で言った一言に依姫は目玉が飛び出るぐらいに驚いた。彼女にとって神とは敬意を示す存在であり、幾度となく戦場を共に駆け抜けてきた戦友でもある。それをあっさりと斬ってしまうなどとんでもないことだった。

 

 

ツルギ「じ、実は…レジェンディアの神がこの世界の人間を全員殺そうと巨大な隕石を落とそうとしたんだけど、それを俺達ソードアイズが阻止して神と訣別したんだ。」

 

 

キザクラ「その時に白夜王が神を斬ったの。でもそんなに驚くこと?」

 

 

依姫「…そんな軽く言えるのですか……これもジェネレーションギャップならぬワールドギャップでしょうか……」

 

 

ハガクレ「大変でござる~!!」

 

 

依姫が別世界の感覚の違いに色々と戸惑っていると、突然部屋の窓が開いてハガクレが慌てた様子で飛び込んできた。その様子にソラが口を開いた。

 

 

ソラ「どうしたハガクレ。何をそんなに慌てている?」

 

 

 

ハガクレ「それが…神が降臨したのでござる!!」

 

 

ソードアイズ達「ええ!!!?」

 

 

 

ヘカーティア《…あいつら……何やってんのよ…!!》

 

 

 

ハガクレの言葉に驚くソードアイズ達と頭を抱える依姫&ヘカーティアなのであった。

 

 




はい。ありがとうございました。

ちょっと前の依姫

「Uトリガー…?」

今の依姫

「…ふっ…心地よい…この痛み!」


…あの頃の純粋なよっちゃんは幻想入りしてしまった……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神を斬った王VS神を降ろす姫

最初に言っておく!今回はか~な~り!話が長い!!


アトランティア 王宮 王の間

 

 

 

 

「ええええ!?創界神!!!?」

 

ツルギ達がヤイバがいつも座っている王の間に到着すると、そこには残りのソードアイズ全員に妖夢、椛、天子…そして実体化している創界神'S……ツルギ達が驚くのも当然だった。

 

 

ヘカーティア《…あ~…そんなに謙遜しなくても…神罰とかやらないから…》

 

 

ハガクレ「申し訳ありません!拙者!キザクラの絶品スイーツを黙って食べてしまいました!」

 

 

キザクラ「ちょっと!あれってハガクレの仕業だったの!?…それよりも…神様って案外イケてるファッションしてるのね~」

 

 

ヘカーティア《でしょでしょ!》

 

 

ハガクレに至っては土下座までして今までの悪行を懺悔し始めていた…内容はチャチイ物だったが……それに突っ込むキザクラのセリフもどこか的が外れている。

 

 

 

その他《…あれが……?》

 

 

 

全員の思いが完全に一つになったいい台詞で、感動的な…だが無意味(^U^)な瞬間だった。そして一旦収拾がついた所でヤイバが話し始める。その声にはかなりの刺があった。

 

 

 

ヤイバ「…それで…他の世界の神々がこの世界に何用か?ただの探し人一人で来たわけでもあるまい。」

 

 

カグツチ《いや、本当に宇佐美 蓮子って子を探しに来たんだよ?》

 

 

妖夢「私達の恩人の生き別れの親友なんです。彼女がもしかしたらこの世界にいるかもしれないと思い、この世界にやって来ました。混乱させてしまい申し訳ありません。」

 

 

ヤイバ「…悪いが…余は神と言う存在がどうも信用ならんのだ。」

 

 

ヤイバの鋭い詰問にもカグツチと妖夢は恐れを尾首にも出さず説明を続ける。しかしヤイバは妖夢が頭を下げてもその疑いを解く気配がない。するとゴーディが口を挟んできた。

 

 

ゴーディ「ちょいちょいちょ~い!ヤイバちゃん、それはさすがに薄情過ぎな~い?」

 

 

アマレロ「私もそう思います。以前にも申し上げましたが、陛下のお言葉は剣先の如く鋭すぎます。」

 

 

依姫「……白夜王閣下……少しお話がございます。お手合わせ願えますか?」

 

 

王の間の隅から話しかけてきた依姫の言葉にゴーディやアマレロの反対を厳しい眼で聞いていたヤイバの顔にも困惑の表情がよぎるが、すぐに厳しい眼光に戻り立ち上がる。

 

 

ヤイバ「…よかろう…もしお前が余を下せば…王位を…いや…この首くれてやる…!!」

 

 

ブラウ「閣下!?」

 

 

依姫「…そんなものに興味はございません。私は話したいだけですので、このバトルで私が勝利しようと何も求めません。それでもご不満がありましたら私を打ち倒し、どうぞ煮るなり焼くなり好きにしてください。」

 

 

 

ヤイバの言葉に全員が驚愕していたが、依姫の返事にさらに驚かせれた。王位どころか王の首にすら一ミリも興味を示さずに勝利の報酬を放棄し、敗北の条件だけを掲示するなど思いがけなかったからだ。それを見ていた妖夢達や創界神'Sは何やら微笑みを浮かべている。

 

 

ヤイバ「……その言葉…覚えておけ…!」

 

 

依姫「…ええ…楽しんでいきましょう…」

 

 

ヤイバ 依姫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤイバ「…お前から来い…!」

 

 

依姫「それでは失礼します。メインステップ。星の女神!創界神リリアを配置してトラッシュに三枚カードを置きます。対象カードが二枚だったのでコアを二つ追加してバーストをセット。以上です。」

 

 

 

リリア《…まったく…》

 

 

 

依姫は初手でリリアを配置してバーストをセット。いつもの滑り出しである。

 

 

 

ヤイバ「メインステップ。ダーク・カリブーを二体召喚。ターンエンド。」

 

 

ヤイバは二体の黒いトナカイを二体召喚して、アタックはせずにターンエンド。

 

 

 

依姫「メインステップ。ノーザンベアードをレベル2で召喚。これでターンエンドです。」

 

 

ハクア「…動かないね…」

 

 

ゴーディ「ん~?手札事故…って訳でも無さそうだし~」

 

 

依姫は大きなシロクマを召喚するだけでターンを終了する。

 

 

ヤイバ「……メインステップ。ダーク・バイソンを召喚。ターンエンド。」

 

 

スオウ「こっちもかよ!」

 

 

ヤイバも黒い機械の水牛を召喚しアタックしなかった。ここまでにらみ合いが続いている。

 

 

依姫「…メインステップ。甲冑双士ジェミニコスを召喚してコアを二つ追加します。そのコアでピクシス・リザードを召喚し、ターンエンドです。」

 

 

ジェミニ「《いっきまーす!!》」

 

 

依姫は双子の騎士と羅針盤のトカゲをフィールドに召喚する。それでも依姫はこのターンでアタックしなかった。そして、ヤイバがここで仕掛ける!

 

 

ヤイバ「メインステップ。依姫よ!闇の白き力に慄くがよい!闇皇ナインテイル・ダーク!顕現!」

 

 

白い戦がヤイバの上空に立ち昇ると、オーロラに変わった線を滑り降りながら白い九尾の狐が現れた。

 

 

依姫「慄きませんよ。こんなかわいい狐ちゃんに。」

 

 

ヤイバ「ほう!ならその身で味わうがいい!アタックステップ!ナインテイル・ダーク!攻撃だ!」

 

 

依姫「…ああ…そう言うことですね…ライフで受ける!…」

 

 

依姫はナインテイル・ダーク能力よりBPが高いノーザンベアードがいるのに攻撃してきたのを見て、ヤイバの手札にあのカードがあると読み、駆け出したナインテイル・ダークのアタックをライフで受けた。

 

 

ヤイバ「……ターンエンド。」

 

 

依姫「メインステップ。まずはその狐ちゃんを安全に退場させますか!アクセルでリボル・コレオンを使用!デッキから三枚オープンして神皇/十冠と異魔神を一枚ずつ手札に加えます!」

 

 

依姫の手札から放たれた弾丸がデッキをめくる。オープンされたカードは…獅機龍神ストライクヴルム・レオ…騎士王者ペンドラゴン…ダンデラビット…

 

 

依姫「ちょうどいいタイミングです!レオとペンドラゴンを回収してリボル・コレオンをそのまま召喚!召喚時効果で手札のペンドラゴンをノーコスト召喚!そしてナインテイル・ダークのコアを外します!」

 

 

ヤイバ「く!」

 

 

依姫は今使用したリボル・コレオンを召喚して紫色のドラゴンを召喚。召喚時の効果でペンドラゴンが口から放った光線がナインテイル・ダークのコアを除去して消滅させた。

 

 

 

依姫「さらにペンドラゴンをジェミニコスとリボル・コレオンに合体!アタックステップ!ジェミニコスでアタック!ペンドラゴンの追撃でダーク・バイソンのコアを除去してワンドロー!」

 

ジェミニ「攻撃!」《倒す!》

 

 

ヤイバ「ライフで受ける!」

 

 

ジェミニコスが飛び出すと、ペンドラゴンが再度紫のビームでダーク・バイソンを消滅させ、ヤイバのライフに剣を突き立てた。

 

依姫「続いてリボル・コレオンでアタック!ダーク・カリブーのコアを外してもう一枚ドローします!」

 

 

ヤイバ「ライフ!」

 

 

リボル・コレオンが拳銃を連射してさらにヤイバのライフを砕いた。

 

 

依姫「ターンエンド。」

 

 

ヤイバ「……メインステップ!やむを得まい…!お前を漆黒よりもなお暗い、甘美なる闇に包んでやろう!レベル3で来たれ!黒天狐ネガ・ナインテイル!コストはダーク・カリブーから。」

 

ヤイバのフィールドに何本もの巨大な氷柱がそびえ、その中央にも大氷山が地面から突きだしてくる。そしてその中からナインテイル・ダークよりさらに大きな黒い狐が現れた。

 

 

ヤイバ「……ターンエンドだ…」

 

 

椛「やっぱり依姫さんは手札にネガ・ナインテイルがいることを読んでいましたね。」

 

ツルギ「…そうか!だからペンドラゴンでナインテイル・ダークを消滅させたんだ!ネガ・ナインテイルは破壊しないと召喚できないから!」

 

 

椛やツルギの言うとおり、依姫はなんとなくだが察していた。機獣の連鎖デッキでわざと高コストスピリットを犠牲にするカードなどほんの数枚に限られてくる。

 

 

依姫「メインステップ。月光纏う星空の獅子!獅機龍神ストライクヴルム・レオ!レベル3で舞い降りよ!リボル・コレオンと代わってペンドラゴンと合体!」

 

 

レオ《…うまそうな狐がいるな……》

 

天空の獅子座から白銀の獅子がフィールドに降りると、ペンドラゴンと合体した。そしてレオの背中に紫の剣の形をした一対の翼が現れた。

 

 

依姫「アタックステップ!レオで合体アタック!ペンドラゴンの効果でコアを除去!」

 

 

ヤイバ「フラッシュタイミング!ウィンドウォール!このバトル終了時にアタックステップを終わらせる!」

 

 

レオの爪での引っ掻き攻撃がヤイバのライフを一つ破壊したが、その後すぐに白い風が吹き荒れて追撃を妨害した。

 

 

依姫「ターンエンドです…ふふふ!楽しくなってきました!」

 

 

ヤイバ「…楽しい…だと…?」

 

 

依姫「ええ、スピリット達の鼓動…乾いた風…そして次はどんな手を打ってくるか…!楽しみで仕方ありませんよ!」

 

 

キザクラ「よっちゃん…本当にバトスピ好きなのね…」

 

 

リローヴ「…あの顔で言うと…逆に不気味ですが…」

 

 

スオウ「兄貴…バトル中に鏡を見たらどうだ…?」

 

 

依姫が本当に嬉々とした表情でヤイバに話し出す。その様子を簡単に説明すると……

 

①まずは弾さんをイメージ

 

②髪の色を薄紫にして黄色のリボンでポニテにして、

 

3!ブレイヴ本編で弾さんがライフで受ける時の不適な表情をさせれば…

 

フォォ!今のよっちゃん。

 

…とまぁこんな表情である。あとリローヴさん…あなたとバローネ様はそんなこと言えません。

 

 

 

ヤイバ「…甘いな…余は戦いにそのような物を持ち込むことはない。ただ戦い、そして勝つ。それが勝利へと繋がるのだ。」

 

 

依姫「…それなら何故に今あなたは追い詰められているのでしょうね…?」

 

 

ヤイバ「…減らず口を…!メインステップ!王の印!瞳に身体に刻み込め!闇の白きソードブレイヴ!白夜の宝剣ミッドナイト・サン!!召喚!!白夜の宝剣ミッドナイト・サンを黒天狐ネガ・ナインテイルに合体!」

 

 

依姫の挑発に痺れを切らしたヤイバがカードを掲げ、刀身に白い氷をまとわりつかせた剣がフィールドに突き刺さった。そしてネガ・ナインテイルが柄に噛みついて地面から引き抜くと、白くオーラを放った。

 

 

ヤイバ「アタックステップ!ソード合体アタック!バトル時効果!ソード合体スピリットのBPまで相手のスピリットを手札に戻す!!」

 

 

ソード合体スピリットの腹部に装着されていた砲台から白いビームが発射され、ノーザンベアード、リボル・コレオン、そしてピクシス・リザードが手札に戻された。これで依姫のブロッカーはジェミニコスだけだが、ミッドナイト・サンが黄色く光りだした。

 

 

ヤイバ「さらにミッドナイト・サンの効果で連鎖!このバトルの間、バーストは発動出来ず、このスピリットをブロックすることも出来ない!さらにフラッシュタイミング!リゲイン!ソード合体スピリットを回復させる!!」

 

 

ハガクレ「まずいでござる!依姫殿のライフは残り4!ソード合体スピリットの攻撃を二回食らえばおしまいでござるよ!」

 

 

妖夢「……問題ないわ…」

 

 

白いオーラで回復したソード合体スピリットが依姫のライフに迫るが、妖夢達幻想郷陣は少しも心配していなかった。今の依姫がここで終わるとは考えられなかったからだ。

 

 

依姫「ライフで受ける!セットしてあるこのカードは効果を受けないので、バースト発動!選ばれし探索者アレックス!一枚ドローしてアタックステップを終わらせます!さらにリリアの効果で召喚!たゆたう星空の清流!宝瓶神機アクア・エリシオン!!」

 

 

アクア《お任せあれ!!》

 

 

ミッドナイト・サンが綺麗に依姫のライフを二つ斬り抜いたが、虹色の防御壁と一緒に空の水瓶座から水流がフィールドに流れ込み、白い騎士が現れた。

 

 

ヤイバ「ターンエンド…耐えるな…」

 

 

依姫「当たり前です。メインステップ!ペンドラゴンをレオとアクア・エリシオンに合体させ、両者レベル3に!アタックステップ!レオでアタックです!!」

 

 

レオ《…ペンドラゴンの効果は…ミッドナイト・サンの重装甲で防がれるか…》

 

 

再び走り出したレオの後ろからペンドラゴンの追撃が飛ぶ。しかし、ミッドナイト・サンの合体時効果[重装甲:紫]によって防がれた。

 

 

ヤイバ「フラッシュタイミング!もう一枚ウィンドウォールを使う!ストライクヴルム・レオはライフで受ける!」

 

 

レオの剣の翼がヤイバのライフを切り裂くが、またもや吹き荒れた白い風が依姫の後続を踏みとどまらせる。

 

 

リリア《…またぁ~?めんどくさいわねぇ…》

 

 

依姫「…さすがに持ちこたえますね。ターンエンド。」

 

 

ブラウ「お互いターンを凌ぎ合っているが…」

 

ソラ「…次のターンを依姫が耐えきるか…白夜王が決めるか…」

 

 

ヤイバ「メインステップ!混迷の時代に広げよ、闇の翼!黒皇機獣ダークネス・グリフォン!! 深き漆黒より余に仕えよ!召喚時効果!アクア・エリシオンとアレックスを手札に戻す!!」

 

 

アクア《あ~れ~!!?》

 

 

バトルフィールドの上部が砕け、宇宙のような空から大きな機械のグリフォンが不気味に叫びながらヤイバのフィールドに降り立つと、口から白い衝撃波を放ってアクア・エリシオンとアレックスを依姫の手札へと弾き返した。

 

 

ヤイバ「さらに白夜の宝剣ミッドナイト・サンをダークネス・グリフォンに合体!」

 

 

ネガ・ナインテイルがミッドナイト・サンを上空に投げると、ダークネス・グリフォンがそれを口でキャッチする。するとダークネス・グリフォンの右肩からミッドナイト・サンが、左肩からは剣を模した光線が生えてきた。

 

 

 

ヤイバ「アタックステップ!ソード合体アタック!!ダークネス・グリフォンの効果で回復し、連鎖!ジェミニコスのコアをトラッシュへ!」

 

 

ジェミニ「…うぉー!?」《モーレツゥ!!》

 

 

ダークネス・グリフォンが放った紫の竜巻がジェミニコスに直撃し、消滅させた。これで依姫のフィールドには疲労状態のレオ一体。だが依姫の顔に不気味な笑み……そして依姫はカードを取り出して宣言する。

 

 

依姫「フラッシュタイミングでアクセル、己械人シェパードールを使用!このターンの間、コスト4以上のスピリット/アルティメットの攻撃では私のライフは減りません!ライフ!!」

 

 

ダークネス・グリフォンのガトリングガンが火を吹いて、弾丸が雨あられと依姫のライフに向かって行ったが、当たる直前、依姫の正面に半透明のシールドが展開されて弾丸を全て弾いてしまった。

 

 

 

ヤイバ「…ターンエンド。」

 

 

アマレロ「防いだ!」

 

 

天子「…あいつ…弾にやられたことをそのままやり返したわね…」

 

 

依姫「…これがあなたと私…バトスピを楽しんでいるかいないかの違いです…私は閻魔ではありませんが…あなたは少し…自分以外を軽視しすぎていますね。」

 

 

ヤイバ「……王が他人の言葉に簡単になびく訳にはいかないからな…」

 

 

依姫はターンを始める前に、ヤイバの方を向いて静かに話し始めた。ヤイバは鋭い目を閉じてそう答える。その表情は重く…何かに堪え忍んでいるように感じられた。それを見た依姫は静かにとある一節を口ずさんだ。

 

 

依姫「…子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし…分かりやすく言うならば…先生は四つのことを絶っていた。一つは独断、一つは無理強い、一つは執着、そして我欲である……あなたは『独断』で妖夢さん達を『無理矢理』ここに連れてこようとし、神への毛嫌いに『執着』して、『自身の望み』を果たそうとしていた…」

 

 

ヤイバ「……………」

 

 

依姫の言葉に眼を閉じたまま、静かに黙って聞いていた。その心境を察することは出来ないが、何か感慨に耽っているようだ。そして依姫は言葉を続ける。

 

 

依姫「これは名君ならば決して犯してはならないことです。名君とは他人の言葉に耳を傾け、信頼せねばいつかは裏切られます。短い間でしたが、あなたは民思いで家族思いの善人だとよくわかりました。その愛情があるなら……その愛で他人の言葉にも耳を傾けてみたらどうでしょう?その愛があるならば、臣下の面々は必ずついてきてくれますよ?」

 

 

ヤイバ「……お前にも…ついていきたいと思える名君がいるのか?」

 

 

依姫「はい!私を育ててくれた師と、自分の信念の火を再び灯してくれた恩師がいます!」

 

 

ヤイバの問いに依姫は嬉しそうに返答した。今、依姫の頭の中には月の頭脳と呼ばれた天才薬師と鈍感な最強カードバトラーの顔がよぎっていることであろう。

 

 

ヤイバ「…ふ…そろそろバトルを続けるぞ。お前のターンだ。」

 

 

依姫「ふふ…メインステップ!アクア・エリシオンを再召喚!さらに超・炎魔神を召喚して、レオとアクア・エリシオンに合体!ダブルドライブ!解放!!」

 

 

 

レオ《…たく…メンドーだな…!!》

 

 

アクア《うぉぉぉぉ!いくぞぉぉぉぉ!》

 

 

再び現れたアクア・エリシオンとレオの背後から今度は赤い機械の魔神が二体に力を与え、背中のファンネルを展開した。

そして二体の背中に大きな炎の翼が現れ、体にも赤のラインが迸る。

 

依姫自身も背中から赤い翼を生やしてバトルフィールドに飛び上がった!

 

 

依姫「アタックステップ!レオでアタック!超・炎魔神の効果でBPプラス5000!」

 

 

ヤイバ「ネガ・ナインテイルでブロック!」

 

 

ネガ・ナインテイルがレオめがけてビームを放ったが、レオは悠々と避けて一閃!爪でネガ・ナインテイルを引き裂いた!そして超・炎魔神の炎がレオの目に再び力を与える。

 

 

 

依姫「超・炎魔神のダブルドライブ効果!獅子よ!再び駆けろ!さらにBPプラス5000!」

 

 

ヤイバ「ダークネス・グリフォン!阻め!!連鎖!」

 

 

ダークネス・グリフォンがもう一度紫の竜巻をアクア・エリシオンに放つ。しかし、レベルをあげていたアクア・エリシオンはそのままフィールドに残ってしまう。そしてダークネス・グリフォンの両肩の剣ととレオの爪がぶつかり合い、巨大な衝撃波がフィールドに巻き起こった。

 

 

依姫「乾坤一擲!!打ち砕け!レオ!!」

 

 

レオ《だぁぁぁぁぁ!!!》

 

 

 

一瞬のつばぜり合いのあと、レオがミッドナイト・サンを叩き割り、口から超高熱の火炎放射をぶっぱなしてグリフォンを焼き付くした!!そして弾き飛ばされたミッドナイト・サンがフィールドに刺さる。

 

 

依姫「アクア・エリシオンでアタック!ここでリリアの神技!ミッドナイト・サンをデッキに!覚悟!!」

 

 

 

ヤイバ「…こい!ライフで受ける!!」

 

 

 

リリアが杖でミッドナイト・サンを弾き、アクア・エリシオンがヤイバの最後のライフを叩き斬った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「ありがとうございました。」

 

 

ヤイバ「…ああ…」

 

 

ぼっごぉぉぉぉぉぉん!!!

 

 

バトルのあと、ヤイバは律儀に頭を下げた依姫に微笑んでいた。どうやらヤイバは理解を示してくれたようである。これで一件落着と思われたが………突如、王の間の壁がとてつもない轟音と共に吹き飛んだ。

 

 

妖夢「…!曲者です!!」

 

 

ブラウ「閣下!」

 

 

 

ソードアイズ達が吹き飛んだ後の壁にできた窓から入ってきた、赤いコートを着た六人の男女を見て身構える。そしてすぐさま彼らがグレナダを襲った赤野軍の急進派であると察した。

 

 

???「…手荒な入場は勘弁してもらいたい…白夜王。率直に申し上げましょうか…その首…頂戴しに参上しました…」

 

 

ヤイバ「…ふん…やれるものならな!」

 

 

ツルギ「俺もやるべし!」

 

 

乗り込んできた赤の軍の一人が丁寧だが、横柄な言葉でここに来た目的を語る。その言葉に当然の如く挑発を返したツルギとヤイバにカグツチが歩み寄った。

 

 

カグツチ《はい、これ!この世界の神の使者さん達から二人にお届けものだよ!》

 

ヤイバ「…天空三賢者から?…これは…!」

 

 

ツルギ「ジャスティス達からか!?スッゲェ~!!サンキュー!!」

 

 

そう言ってカグツチが二人に渡した物は数枚のカードだった。実はこの世界で活動する際に、ジャスティス達と会っていた依姫達は彼らから「この国の王子達に渡してくれ」とこのカードを託されていたのだ。

 

 

 

天子「懺悔するなら今の内よ!」

 

妖夢「…桜観剣のサビにしてあげます!」

 

椛「…敵は六人…私達と王子二人でちょうどいいですね。」

 

依姫「…撃っていいのは撃たれる覚悟がある者だけと言いますが……あなた方…斬られる覚悟は御有りですか?」

 

 

幻想郷メンバー四人も創界神をその身に降ろして構えると、二人の王子達に並び立った。

 

 

ヤイバ「……行くぞ!」

 

 

 

六人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

途中のよっちゃんの言葉は孔子の論語から引用致しました。なんかよっちゃんって、月の都の塔のてっぺんで漢詩読んでそうだと感じているのは自分だけでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

青と緑の獣達

超煌臨編三章のキャンペーンカードの投票結果が出ましたが、ちょっと赤多くない?

そして!!!公式からツクヨミ様!!登場!!妖戒はまだしもまさかの魔影……烈火伝の蘭丸とかに引っ張られたのか?しかもイラストが陰陽師!やっべぇ…かっけぇ……ちなみにもう使用者は決めておりまーす!……うちだとアマテラスやスサノヲ、カグツチの尻拭い&月の都で四苦八苦なのは間違いなしですね……


???「イヒヒ!このマーキュリー様に戦いを挑むとは!」

 

 

天子「あんたの名前なんてどーでもいいわ。始めるわよ!メインステップ!獣童パンザーを召喚!召喚時効果でデッキから四枚オープン!その中のアルティメットの手札に加える!」

 

天子は小さな獣人を召喚してデッキをサーチする。めくられたのは…ストロングドロー…白晶防壁…砂海嵐神タイフォーム…砂海賊王ロバセネブ…よってタイフォームが天子の手札に加わった。

 

天子「残りはデッキの下に戻すので、さらにロバセネブの効果よ!青の効果でデッキ下に戻るとき、代わりに手元に置ける!ターンエンド!」

 

 

マーキュリー「ヒヒ…メインステップ。黒き戦士クレイトスを二体召喚…さらにバーストをセット…ヒヒヒ…ターンエンド。」

 

マーキュリーは薄ら笑いを浮かべながら両腕に剣を持った黒い戦士を二体召喚するが、アタックはせずにターンエンドした。

 

 

天子「メインステップ!ぶっ壊せ!創界神セト!デッキより三枚をトラッシュに置いて、全部対象カードなので三コアをセトに追加!さらに砂海王子ナミルネスを召喚してクレイトスを一体破壊するわ!」

 

セト《青アルティメットで俺達に勝てると思ってんのかぁ?》

 

 

天子がセトを呼び出したあとスラッとした豹の獣人を召喚し、召喚時効果でクレイトスを破壊した。

 

 

天子「バーストをセットしてターンエンドよ!」

 

 

マーキュリー「…メインステップ。ネクサス、ガルガンドの城門を配置…イヒヒ…バーストをセットしてターンエンド。」

 

 

マーキュリーの背後に大きな城門が現れたが、ここでもアタックしなかった。その様子に天子は怪しみながらもターンを始める。

 

 

天子「……メインステップ!手元から砂海賊王ロバセネブを召喚!召喚時効果でセトにコアを一つ追加!そしてセトアニ・アームズを直接合体させるようにして召喚!効果でさらにセトのコアを増やすわ!」

 

ナミルネスの効果で青シンボルが増えている天子は、ロバの頭をした獣人を召喚するとさらに青い光がロバセネブを包み、身体中の筋肉を増強させた。

 

天子「アタックステップ!合体スピリットでアタックよ!セトアニ・アームズの効果でロバセネブは最高レベルになってるので、ターンに一回最もコストの高いスピリットを破壊!」

 

マーキュリー「イヒヒ!ガルガンドの城門の効果!お互いスピリット一体はライフを一つまでしか破壊できない!さらにバースト発動!妖華吸血爪の効果で二枚ドロー!」

 

ムッキムキになった腕を振るってロバセネブが走り出すと、剣からの衝撃波が残っていたクレイトスも吹き飛ばして破壊するが、肝心のロバセネブの剣の一撃はガルガンドの城門の青いオーラで半減されてしまった。

 

 

天子「まぁ、一つはライフを削れたからいいわ。ターンエンド。」

 

 

マーキュリー「…イヒ!イヒヒ!メインステップ!メカニック・コーギーを召喚して、再びバーストセット!イヒヒヒヒヒ!!我が王にひれ伏せ!アルティメット・アレクサンダー!!

 

 

マーキュリーの地面から腕が突き出ると、大きな青と金の巨人が出てくる。そして右手に槍、左手に盾を出現させて大きく構えた。

 

 

マーキュリー「アタックステップ!アレクサンダー!!やれ!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

天子「…コスト3…ストロングドロー!」

 

マーキュリー「イヒヒ!クリティカルヒット!ロバセネブを破壊し、ターンに一度回復!」

 

アレクサンダーが走りながら槍をロバセネブめがけて投げつけ、そのまま体を貫き破壊した。さらにヒットしたカードがマジックだったので、青く光って回復した。

 

 

天子「…どーしようかしら…ライフで受ける!」

 

 

アレクサンダーが槍を拾うと今度は天子を狙って投擲し、ライフを砕いた。

 

 

マーキュリー「ヒヒ!もう一度アレクサンダーでアタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

天子「コスト4の砂海戦士イブンよ!でも効果は不発!ライフで受けるわ!!」

 

 

跳ね返った槍を掴んだアレクサンダーが今度は青い衝撃波を放ち、さらにライフを破壊した。

 

 

マーキュリー「ヒヒ!ターンエンド。」

 

 

天子「…メインステップ…ん~…手札に良いのがないのよね…ネクサス、蒼海の神域を配置してコアをセトに追加。ナミルネスとパンザーをレベルアップしてターンエンド。」

 

 

セトのさらに後ろに青い宝玉を中心に青いオーラが巻き起こった。しかし手札の廻りが悪いのか、天子はこれでターンエンドを宣言した。

 

 

マーキュリー「イヒヒ!メインステップ!水星の叡知!水星神剣マーキュリーブレイド!アレクサンダーと合体!」

 

 

マーキュリーの背後の空に水星が現れると、地面から水流が巻き起こり、そこから飛び出した青い両刃剣をアレクサンダーが両腕でがっちりと握りしめた。

 

 

天子「来たわね…星聖剣…!」

 

 

マーキュリー「さらに戦馬ブケファロスを召喚!召喚時効果で手札交換!イヒヒヒヒヒ!!さぁて…アタックステップ…」

 

 

マーキュリーは金の鎧を着た馬を召喚してアタックステップに入ろうとした……が…天子はブケファロスを見ると不適に顔をニヤつかせた…!

 

 

天子「…ラッキー♪青デッキって召喚時効果持ってるやつ少ないから不安だったけど!召喚時効果発揮によりバースト発動!!闇輝石六将砂海賊神ファラオム!!召喚してブケファロスを破壊!そして相手のターンを強制終了!!」

 

 

ブケファロスの召喚時効果をトリガーとして天子のバーストが発動される。そしてフィールドに大きな棺が現れると、中からツタンカーメンの格好をした獣人が出てきた。

 

さらにファラオムは大きく咆哮し、ブケファロスを塵に帰すとマーキュリーのターンが強制的に終了してしまった。

 

 

マーキュリー「…え?」

 

 

天子「やっと素が出たわね…!ドローステップ…遅いわよ!メインステップ!ぶち壊しなさい!砕きなさい!砂海嵐神タイフォーム!!セトアニ・アームズと合体!!」

 

 

セト《ここで決めるぜ!》

 

 

セトの拳から放たれた衝撃波が砂嵐を巻き起こし、そこからタイフォームが現れる。そしてセトアニ・アームズがタイフォームに吸収され上半身が白く、下半身が青く染まって天子カラーになる!さらに手に持っている鎌が変形して大きな緋色の両刃剣になった!

 

 

天子「さぁらぁにぃ~!弾!使うわよ!銀河よりきたる青い射手座!アルティメット・サジット・アポロドラゴン・エピタフ!レベル4で召喚よ!!コストは他のスピリット達から使うわ!」

 

 

天子の背後の星空から青い矢がフィールドに飛んでくると、青く染まったアルティメット・サジット・アポロドラゴンが現れた!

 

 

天子「アタックステップ!タイフォームでアタック!効果で相手のデッキを三枚トラッシュに置いて、コスト3/6のカード…ちぃ!いいわ!なくてもそのままぶっ壊しなさい!!」

 

 

マーキュリー「ヒ!あ、アレクサンダー!!」

 

 

セトアニ・アームズの効果で最高レベルになったタイフォームの剣がアレクサンダーのマーキュリーブレイドと何度もぶつかり合う。そしてタイフォームが剣を空中に浮かせて回転させると、大量の赤いレーザーがアレクサンダーに降り注いで足止めする。

 

とどめにタイフォームが飛び上がって砂嵐を巻き起こし、大きな注連縄を着けた大岩を作ると一気にアレクサンダーを押し潰した!!

 

 

天子「エピタフでアタック!WUトリガー!!ロックオン!!」

 

 

マーキュリー「…ヒィ!しゅ、首都アレクサンドーラとストロングドロー…どちらもコスト3!」

 

 

天子「Wヒット!!メカニック・コーギーを破壊してWシンボルに!そしてレベル4からのアタック時効果!タイフォームを回復させるわ!」

 

 

マーキュリー「ヒイイ!ライフ!!」

 

 

エピタフの電光銃から放たれた極太のレーザーがメカニック・コーギーを撃ち抜いて、そのままマーキュリーのライフも二つ打ち砕く。

 

天子「とどめよ!タイフォーム!!さらにコスト5のマーキュリーブレイドを破壊!!」」

 

 

セト《剣技[気炎万丈の剣]!!》

 

 

エピタフの光を受けて回復したタイフォームが剣を振り回し、マーキュリーのライフを滅多斬りにした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…我が名…ジュピター…参る…」

 

 

椛「…お願いします…メインステップ。駆け抜けろ!創界神ヘルメス!デッキより三枚をトラッシュへ置き、対象が二枚あったのでコアを二つ置きます。」

 

 

ヘルメス《…緑ミラー…かな…?》

 

 

椛はまずヘルメスを配置する。そして、バーストをセットしてターンエンドした。

 

ジュピター「メインステップ…レディバド…そしてアルティメット・セッコーキジ…召喚…ターンエンド。」

 

 

ジュピターは小さな緑のてんとう虫と緑の剣鳥を召喚した。だがアタックはせずにターンを終える。

 

 

椛「メインステップ。壬戌兵ツインヘッドビーグルを召喚!召喚時効果でコスト5以下のレディバドを破壊!そしてヘルメスの緑シンボルにより連鎖!コアを追加します!」

 

 

椛のフィールドに二つの首を持ち、両肩に刃を着けたブルドッグが現れて咆哮すると、レディバドが吹き飛ばされた。

 

椛「アタックステップ!ツインヘッドビーグルでアタック!効果は不発ですが、連でさらにコアブースト!!」

 

 

ジュピター「…来い…ライフ…!!」

 

 

ツインヘッドビーグルが回転しながら剣をジュピターのライフを破壊した。

 

 

椛「ターンエンド。」

 

 

ジュピター「…メインステップ…小凰ニックス…召喚時効果でデッキを四枚オープン……その中の翠鳳凰ニックスを回収して召喚…」

 

 

ジュピターは小さな鳳凰とその親鳥のような大きな鳳凰を召喚する。翠鳳凰ニックスはコスト7以下のアルティメットの召喚条件を無視できる効果を持っており、スピリットだけを破壊しまくるツインヘッドビーグルには相性が良かった。

 

 

ジュピター「…アタックステップ…小凰ニックス…攻撃…」

 

 

椛「ライフで受けます!」

 

 

小さな方のニックスがパタパタと羽ばたいて椛のライフをつつき壊した。

 

 

ジュピター「…以上…ターンエンド…」

 

 

椛「…ふむ……メインステップ!三つ首海賊団シュナウザーを召喚!さらに轟魔神を召喚して二体と合体します!!」

 

 

椛のフィールドにケンタウルスの獣人が現れ、ツインヘッドビーグルと並び立つ。そして二体の背後に青い機械の魔神が出現して二体に青いビームを突き刺した。

 

 

椛「アタックステップ!ツインヘッドビーグルでアタック!小凰ニックスを破壊してコアブースト!さらに轟魔神の効果で最高レベルに上がり、手札のスピリットを破棄!」

 

 

ツインヘッドビーグルが再度吠えてニックスを破壊すると、轟魔神がビリビリと雷を迸らせてジュピターの手札のハクビソードを破棄させた。

 

 

ジュピター「…ライフ!」

 

 

ツインヘッドビーグルが二つの口から青いビームを発射してライフを一気に二つぶち壊した。

 

 

椛「ターンエンド。」

 

 

ジュピター「………行くぞ…メインステップ…!命芽吹く剣!木星神剣ジュピターセイバー!召喚時効果でアルティメット達にコアを一つずつ追加…そして…命の王者!アルティメット・キングタウロス!!召喚…!」

 

 

フィールドの空に木星が昇ると、そこから緑の光が地面に降り注ぎ一本の剣を形成する。そしてジュピターセイバーが与えたコアを使ってジュピターはフィールドに竜巻を巻き起こす。その中から金色のキングタウロスが現れた。

 

 

椛「…ソードブレイヴですね…」

 

 

ジュピター「…ジュピターセイバー…アルティメット・キングタウロスに…合体…!合体時効果…!合体していないアルティメットをBPプラス5000…そしてコストをプラス2…」

 

 

ジュピターセイバーが回転しながらアルティメット・キングタウロスの右腕の剣と一体化する。そして大きくジュピターセイバーを振り上げた。

 

 

ジュピター「……覚悟…!アタックステップ…!合体アルティメットでアタック…!Uトリガー…ロックオン!!」

 

 

椛「…コスト3…パキラフォックス…」

 

ジュピター「クリティカルヒット!スピリットを疲労させ、ライフを一つ破壊!」

 

 

アルティメット・キングタウロスが剣先から雷を起こしてシュナウザーを疲労状態にさせる。さらにクリティカルヒットの効果でその雷が椛のライフも貫いた。

 

 

ジュピター「…さぁ…このアタック…どう受ける…!?」

 

 

椛「こうです!スピリット/アルティメットのアタックによりバースト発動!七大英雄獣覇王獣テセウス!!召喚したあと、相手のアルティメット二体を疲労させて剣獣達をBPプラス10000!!そしてブロック!!」

 

 

ヘルメス《こいつのレベル2のBPは計22000!!さらに破壊したら回復するぜ!》

 

 

キングタウロスがジュピターセイバーを振り下ろしたが、椛のバーストから飛び出した巨大なドリルを両肩に装着した巨獣が受け止める。そして暫しつばぜり合いが続いたあと、テセウスがキングタウロスを上空に弾き飛ばし、ドリルで体を貫いた!

 

 

椛「そちらのアルティメット達はテセウスの効果で疲労しています!どうしますか!?」

 

 

ジュピター「…ふ…ターンエンド。」

 

椛「メインステップ!英雄獣の頂点!全てを振り切れ!七大英雄獣光速神王オデュッセイバー!!さらに直接合体させるようにして神刃牙ゴッドファングを召喚!!」

 

フィールドを縦横無尽に駆けてオデュッセイバーがフィールドに降り立つと、その後を追うようにフィールドを回転しながら一本の剣が降ってくる。そしてオデュッセイバーが口に咥えると、体が白狼天狗のごとく真っ白に染まった!

 

椛「アタックステップ!合体アタック!!オデュッセイバーの効果で二体を手元に!先ほどの轟魔神の効果であなたの手札は全て確認済み!このアタックは防げない!!」

 

ジュピター「……無念…!!」

 

斬撃でアルティメット・セッコーキジと翠鳳凰ニックスをフィールドから除去したオデュッセイバーが、縦回転しながらゴッドファングをジュピターのライフに叩きつけた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

お次はツルギとヤイバ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Xの剣神

もうネタバレとかにはならないと思うので、話します……ジオウの最終回…ダグバやエボルトォォ!をあんな簡単に吹っ飛ばすオーマジオウ……カッコ良かったです。でもグランドジオウ…もうちょっと他のライダー達を召喚してほしかったなぁ……ハイパーカブトのマキシマムハイパーサイクロン&ブレイドキングフォームのロイヤルストレートフラッシュ&クウガアルティメットのパイロキネシス……燃えるなぁ…[いろんな意味で]


???「うふふ…かわいい坊や…このサターン様が可愛がってあげる…」

 

 

ツルギ「負けねぇぞ!メインステップ!ライト・ブレイドラを召喚!そして……ジャスティスのカード!俺を配置!配置時にデッキから三枚トラッシュに置く!対象が二枚!よってコアを二つ置く!」

 

 

ツルギのフィールドに銀色のブレイドラが現れ、ツルギの体が輝き始める。

 

 

ツルギ「ターンエンド!」

 

 

サターン「ふぅん…メインステップ。大鎌鬼シガンを召喚。バーストをセットして終わりよ。」

 

 

紫のバトルスーツの女性…サターンは鎌を持った鬼を召喚したが、アタックはしないでターンエンドを宣言した。

 

 

ツルギ「メインステップ!ブロンズ・ヴルムとダーク・ディノニクソーを召喚!アタックステップ!ブロンズ・ヴルム!行くべし!!」

 

サターン「ライフよ♪」

 

 

ツルギは銅色の鎧を着たドラゴンと小さなオレンジと深緑色の恐竜を召喚して、ブロンズ・ヴルムを攻撃させる。走り出したブロンズ・ヴルムは前足を振り下ろしてライフを砕いた。

 

 

ツルギ「もう一丁!ダーク・ディノニクソー!」

 

 

サターン「これもよ。」

 

 

走ってきたダーク・ディノニクソーが回転攻撃でさらにサターンのライフを砕いた。

 

 

 

ツルギ「ターンエンド!」

 

 

サターン「それじゃ…メインステップ。ネクサス、No.39アイランドルートを配置してドロー。さらに小悪魔デビットを召喚して四枚オープンするわ。その中のアルティメット・デスペラードを手札に。さらにバーストをセット。」

 

 

サターンの後ろに紫の社が、フィールドには小さな悪魔が現れ、デッキからアルティメットを引き当てた。そしてアタックステップに移る。

 

 

サターン「アタックステップ!シガンでアタックするわ!手札のボーン・バードを破棄して一枚ドロー!」

 

 

ツルギ「来たな!ライフで受ける!」

 

駆け出したシガンが大きく鎌を振りかぶってツルギのライフめがけて投げつけ、ライフを破壊した。

 

 

サターン「ターンエンド♪」

 

 

ツルギ「くそぉ~!……よし!メインステップ!闇を照らせ光の翼! 輝龍シャイニング・ドラゴン!!召喚!!召喚時効果!光の赤きソードブレイヴ!輝きの聖剣シャイニング・ソードをノーコスト召喚!!」

 

 

ツルギの空に赤い炎が昇ると、空から光輝いた赤いドラゴンが降りてくる。そしてシャイニング・ドラゴンが吠えて赤い聖剣をフィールドに呼び出した。

 

 

ツルギ「召喚時効果!3チャージでBP6000以下のスピリットを全て破壊!そしてドロー!さらにいくべし!輝きの聖剣シャイニング・ソードを輝龍シャイニング・ドラゴンに合体!」

 

 

フィールドに刺さったシャイニング・ソードがライト・ブレイドラ、ブロンズ・ヴルムとと共に赤く輝いて、炎をサターンのフィールドに放った。サターンのスピリット達は全て6000以下だったので全員焼きつくされてしまった。

 

 

 

ツルギ「アタックステップ!ソード合体アタック!」

 

 

サターン「やぁ~ん!……でも…フラッシュタイミング!マジック、ネクロブライド!トラッシュからボーン・バードをノーコストで召喚!召喚時効果でデッキから三枚トラッシュに置いた後、一枚ドロー!そしてそのアタックはライフで受ける!」

 

 

 

サターンは制限カードのネクロブライドを放ち、トラッシュから骨の鳩を蘇らせるが、ボーン・バードではブロックせずにソード合体スピリットの一振りをライフで受けた。

 

 

サターン「バースト発動!!闇よりきたる黄金の騎士!アルティメット・アーサー!!召喚してソード合体スピリットとブロンズ・ヴルムのコアをボイドに!!」

 

 

ツルギ「く!シャイニング・ソードはスピリット状態で残す。不足コストはライト・ブレイドラのコアを使う…ターンエンド…」

 

 

サターンのバーストが開き、紫のオーラが吹き出す。そしてフィールドで収束すると金の鎧に翼を生やした騎士が現れ、二本の剣でツルギのスピリット達を除去した。

 

 

サターン「うふふ!メインステップ!バーストをセットして…おかわりよ♪召喚!アルティメット・デスペラード!!」

 

 

サターンのフィールドに魔方陣が展開され、そこから別のアルティメットが現れた。

 

 

ツルギ「また別のアルティメット!?」

 

 

サターン「アタックステップ!アルティメット・アーサーで攻撃!」

 

 

ツルギ「ライフで受ける!!」

 

 

アーサーが両腕の剣でツルギのライフを×の字に切り裂いた。

 

 

サターン「…ターンエンド。」

 

 

ツルギ「…来た!…メインステップ!まずは六分儀剣のルリ・オーサを召喚してバーストをセット!!そして行くべし!!闇に吼えろ真紅の巨獣!闇龍ダーク・ティラノザウラー!!召喚!!シャイニング・ソードと合体!!」

 

分度器のような剣を持った殻人に続いてそうツルギが叫ぶと、ツルギとバトルフォームが変化し、黒いバトルフォームに変わる。そして地面が裂けて中から深紅のティラノサウルスが這い出てくる。さらにダーク・ティラノザウラーは尻尾でシャイニング・ソードを持ち上げて大きく咆哮した。

 

 

ツルギ「ルリ・オーサをレベル2にしてアタックステップ!ダーク・ティラノザウラー!行け!アタック時効果でボーン・バードを破壊!さらに俺の神技!コア二個をボイドに置くことで、BP15000以下のスピリット/アルティメットを一体破壊!!デスペラードを指定する!!」

 

 

ダーク・ティラノザウラーが背中のトゲを発射してボーン・バードを破壊すると、地面から炎が吹き上がってデスペラードが焼きつくされた。

 

 

サターン「ち!でもバーストよ!マジック!幻影氷結晶!ボーン・バードを手札に戻してフラッシュ効果!ソード合体スピリットのアタックでは私のライフは削れない!!」

 

ダーク・ティラノザウラーがシャイニング・ソードを振り下ろしたが、氷の結晶が壁になった。

 

 

ツルギ「…ターンエンド…」

 

 

サターン「フフ……メインステップ!ワンアイドデーモンと暗極点スピネルドラゴンを召喚!土星の呪い!土星神剣サターンスレイヴ!!召喚!」

 

 

サターンのフィールドに一つ目の悪魔と水晶のドラゴンが現れ、上空に土星が浮かび、その輪から放たれた紫のビームが一体の剣になってフィールドに突き刺さる。

 

 

ツルギ「きたな!!」

 

 

サターン「土星神剣サターンスレイヴをアルティメット・アーサーに合体!アタックステップ!ソード合体アタック!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

ツルギ「コスト5…フレイムフィールド!」

 

 

サターン「ヒットよ!疲労状態のダーク・ティラノザウラーを破壊してライフを一つ破壊!さらにサターンスレイヴの効果を使用!スピネルドラゴンのUトリガーを使うことができる!」

 

 

アーサーがサターンスレイヴから紫のビームを発射してダーク・ティラノザウラーを破壊し、そのままツルギのライフも壊した。さらにサターンスレイヴの効果でもう一枚ツルギのデッキがオープンされる。

 

 

ツルギ「マジかよ…でもこっちはバーストだ!マジック!三札之術!デッキから二枚ドローして一枚オープン!赤のスピリットなら手札に加える!」

 

 

ツルギも負けじとバーストで手札を補充する。オープンされたカードはシルバー・ヴルム…赤のスピリットなので手札に加えることができる。

 

 

 

サターン「うふふ!そしてスピネルドラゴンのUトリガー!ロックオン!」

 

ツルギ「コスト4…ファイヤーウォール…」

 

 

サターン「これもヒット!リザーブのコア全てをトラッシュに!」

 

 

ツルギ「ダーク・ディノニクソーでブロック!」

 

 

 

アーサーが回転しながら体当たりしてきたダーク・ディノニクソーを真っ二つに切り裂く。これでツルギの残りライフは2、スピリットもルリ・オーサとシャイニング・ソードだけになってしまった。

 

 

サターン「ターンエンド!フフフ、もう終わりね…」

 

 

ツルギ「まだだ!メインステップ!闇の赤きソードブレイヴ!暗黒の魔剣ダーク・ブレード!!召喚!!召喚時効果!ネクサスを破壊して一枚ドロー!!さらにネクサス!聖剣連山!!」

 

 

空から深紅の雷が落ちると雷が剣に変化する。そして突き刺さったダーク・ブレードから紅いビームが放たれてアイランドルートを破壊した。そしてツルギの背後におびただしい数の聖剣が刺さった山がそびえる。だがツルギはさらにカードを取り出す…!

 

 

 

ツルギ「うぉぉぉぉぉ!光を超えろ!神をも照らすその輝き!龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイX!!召喚!!シャイニング・ソード、ダーク・ブレードと合体!!!!」

 

 

ツルギのバトルフォームが黄金に変化すると、ツルギを中心に炎柱が吹き荒れる。そして仁王立ちをしているツルギの背後に大きなシャイニング・ドラゴンが舞い降りた。そして大きく咆哮し、シャイニング・ソードとダーク・ブレードを空中に跳ねあげると、両腕で二本をがっちり掴んで堂々と構えた!

 

 

サターン「ええ!?ダブルブレイヴ!?」

 

ツルギ「アタックステップ!聖剣連山の効果!オーバーレイをBPプラス3000!光と闇を今一つに!ダブルソード合体アタァァァック!!!!アタック時効果でワンアイドデーモンを破壊!そして回復する!!」

 

 

オーバーレイが持つ二本の剣が聖剣連山から力を吸収し、オーバーレイの体も黄金に染まる。そして両腕の剣を構えると、勢いよく飛び出してワンアイドデーモンを簡単に切り裂いた。

 

 

サターン「ふ、フラッシュタイミング!マジック!ブレイヴクリメイションの効果で合体スピリットを破壊!スピネルドラゴンでブロック!!」

 

 

ツルギ「無駄だ!聖剣連山!レベル2の効果!手札を破棄することで、相手の効果は受けない!!」

 

 

サターンの手札から紫の炎が放たれたが、聖剣連山が煌々と輝きオーバーレイを守る。そしてオーバーレイはスピネルドラゴンに接近し、左手のダーク・ブレードを突き刺して持ち上げると、右手のシャイニング・ソードでバッサリ斬り捨てた!!

 

 

ツルギ「とどめだ!オーバーレイ!!!!」

 

 

オーバーレイがシャイニング・ソードとダーク・ブレードをクロスさせてサターンの残りのライフを全て破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

予想以上に長くなったので、ヤイバのバトルは次回にまわします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

白銀の剣士

そろそろアルティメット編の構想を考え始めないと…


???「…白夜王よ…その首…このムーンが貰うぞ…!」

 

 

ヤイバ「ふん…お前にそれほどの実力があればな…メインステップ。余の化身を配置!デッキから三枚をトラッシュに。その中の対象は二枚。よってコアを二個置く。ターンエンド。」

 

 

ヤイバは自分の創界神ネクサスを配置してターンを終える。

 

 

ムーン「メインステップ。オートマチックガンナーを全線配備。さらにネクサス、結晶の剣刃探知機を配置する。ターンエンド。」

 

 

白いバトルフォームの男…ムーンはまず白アルティメット召喚の補助のためのスピリットとネクサスを張って初ターンを終える。

 

 

ヤイバ「メインステップ。バーストをセットし、凍てつくつららの逆塔を配置する。ターンエンド。」

 

 

ヤイバはさらに巨大な氷柱を配置した。相手が白デッキだと分かったので、動きは遅いと踏んでの行動だろうか。

 

 

ムーン「ネクサスでコアを増やすか…メインステップ。機巧武者サイウンをレベル2で出撃。アタックステップ!オートマチックガンナー!進軍せよ!」

 

ヤイバ「ライフ!」

 

 

ムーンは青い鎧に二本の刀を持ったロボットを召喚する。これでライフを守ればコアがどんどん増えていくことになる。そして攻撃を命じられたオートマチックガンナーがヤイバのライフを撃ち抜いた。

 

 

ムーン「以上、ターンエンド。」

 

 

ヤイバ「メインステップ。シュライクン、そしてダーク・ウラヌスをどちらともレベル2で召喚。この二体は緑のスピリットとしても扱うので、凍てつくつららの逆塔の効果が発揮する。ボイドからコアを計二個スピリットに置く。」

 

 

 

ヤイバは小さな白い鳥と闇のオーラを纏った機械の馬を召喚し、つららの逆塔でコアを増やしていく。そして増えたコアでダーク・ウラヌスのレベルを3に上げた。

 

 

ヤイバ「アタックステップ!ダーク・ウラヌス!攻撃だ!」

 

 

ムーン「…む…サイウンのBPを越えているな…仕方ない。ライフで受ける!」

 

 

走り出したダーク・ウラヌスが突進してムーンのライフを破壊した。サイウンのBPは効果も含めてBP7000、対するダーク・ウラヌスは9000。よってムーンは返り討ちにはできず、ライフで受けた。

 

 

ヤイバ「ターンエンド。」

 

 

ムーン「…メインステップ。白い要塞!レベル4で起動せよ!アルティメット・オーディーン!!召喚時効果でダーク・ウラヌスを手札に戻す!」

 

 

 

ムーンのフィールドがパカッと割れて、そこから金色の巨大なロボットがズズズと上がってくる。そして目に光が灯ると、白い衝撃波を放ってダーク・ウラヌスを手札に弾き飛ばした。

 

 

 

ヤイバ「きたか…アルティメット。」

 

 

ムーン「アタックステップ!アルティメット・オーディーン!制圧!!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

ヤイバ「…コスト4…ドリームホライゾン…」

 

 

ムーン「ヒット!これによりオーディーンはブロックされない!」

 

 

オーディーンの体から猛烈な吹雪が発射され、シュライクンが凍りついてしまった。そしてオーディーンはレーザー銃をヤイバのライフに向ける。

 

 

ヤイバ「ライフだ!よってバースト発動!!妖華吸血爪!デッキから二枚ドローする。」

 

ムーン「ほう…エンドステップ。オーディーンは自身の効果で回復する。ターンエンド。」

 

オーディーンがヤイバのライフを撃ち抜いたが、ヤイバもバーストを発動させて手札を補充する。そしてオーディーンはレベル4からの効果でぐぐっと起き上がった。

 

 

ヤイバ「…メインステップ!ダーク・ウラヌスを再度召喚し、アタックステップ!ダーク・ウラヌスよ!行け!!」

 

 

ヤイバはダーク・ウラヌスを再召喚するとそのまま攻撃させる。BPはアルティメット・オーディーンが上まわっているが……

 

 

ムーン「…アルティメット・オーディーン!迎撃!!」

 

 

走ってきたダーク・ウラヌスを今度はアルティメット・オーディーンが受け止めると、腹に蹴りを叩き込んで吹き飛ばした。

 

 

ヤイバ「ダーク・ウラヌスはコスト6…よってこのスピリットを召喚する!お前を漆黒よりもなお暗い、甘美なる闇に包んでやろう! 来たれ!黒天狐ネガ・ナインテイル!」

 

やはりヤイバはダーク・ウラヌスを破壊させてネガ・ナインテイルを召喚させるつもりであった。さらにBPの高いオーディーンもブロック時に疲労している。ヤイバにとっては追撃のチャンスだ。

 

 

ヤイバ「続けるぞ。ネガ・ナインテイルでアタック!バトル時効果!オートマチックガンナーとサイウンを手札に戻す!」

 

 

ムーン「ライフで受ける!!」

 

 

ネガ・ナインテイルが二体をバウンスさせ高いあと、前足でムーンのライフを叩き壊した。

 

 

ヤイバ「ターンエンド。」

 

 

ムーン「…メインステップ!バーストをセット!そしてオートマチックガンナーを再び召喚!そして氷楯の守護者オーシンも召喚する……静かなる月の煌めき!月光神剣ウィングオブルナ!オーディーンに装備!!そしてレベル5に!」

 

 

新しく白いロボットとオートマチックガンナーがフィールドに戻ってくると、空に満月が現れる。そして満月が白く光り、刃が翼状の剣がオーディーンの手に現れた。

 

 

ムーン「アタックステップ!ソード合体アタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

ヤイバ「…コスト3…ダーク・ガドファント。」

 

ムーン「ヒット!そしてウィングオブルナの効果でシュライクンよ!去れ!!」

 

 

オーディーンがウィングオブルナを大振りに振ってシュライクンをバウンスさせる。これでヤイバのフィールドには疲労状態のネガ・ナインテイルだけになった。

 

 

ヤイバ「フラッシュタイミング!マジック、ウィンドウォール!このバトル終了時、アタックステップを終わらせる。さらに連鎖!!オーシンを疲労させる!オーディーンの攻撃はライフで受ける!!」

 

 

オーディーンが白いオーラを纏ったウィングオブルナでヤイバのライフを二つ破壊したが、ヤイバは十八番の防御札、ウィンドウォールでアタックステップを終わらせて、追撃を封じ込んだ。

 

 

ムーン「…仕留めきれなかったか…オーディーンは効果で回復。ターンエンド。」

 

 

ヤイバ「……メインステップ!シュライクンを召喚!混迷の時代に広げよ!!闇の翼! 黒皇機獣ダークネス・グリフォンX!!深き漆黒より余に仕えよ!召喚時効果でトラッシュのコアを余の化身に置き、バーストを破壊!!さらに神シンボルの連鎖!オーディーンとオーシンを手札に!」

 

 

大宇宙からヤイバのフィールドに舞い降りた機械のグリフォンが不気味に嘶くと、ムーンのバースト……絶甲氷盾を破棄させた。続いて連鎖の効果で二体をバウンスさせようとしたが……

 

 

ムーン「…ソウルコアが置かれたサイウンが対象になったので……影武者…発動!!不足コストをオートマチックガンナーから使い、源氏八騎 月数ランサーを召喚!その効果は全て月数ランサーが受ける!!」

 

 

ダークネス・グリフォンが放った衝撃波に割り込むようにムーンが青い騎士をフィールドに呼び出す。そして二体の代わりに手札に戻っていった。

 

 

ヤイバ「ほう…やるな…王の印!瞳に身体に刻み込め!闇の白きソードブレイヴ!白夜の宝剣ミッドナイト・サン!召喚!ダークネス・グリフォンと合体せよ!!そしてレベル3に!」

 

 

空からミッドナイト・サンがフィールドに突き刺さり、それをダークネス・グリフォンが口で咥える。そして両肩から剣を出現させて大きく嘶いた。

 

 

ヤイバ「アタックステップ!ソード合体アタック!バトル時効果でターンに一度回復!そして連鎖!デッキから一枚ドロー!!」

 

ムーン「…ソード合体アルティメットでブロック!BPはこちらが上だ!!」

 

 

BP21000のダークネス・グリフォンが竜巻になりながらオーディーンめがけて突進するが、BP23000のオーディーンはウィングオブルナで受けとめ、大きく上に弾き飛ばす。しかし……!

 

 

 

ヤイバ「…ツルギ…母上…フラッシュタイミング!マジック!ソードディスティニー!!手札より神の剣をもう一本、黒皇機獣に合体させる!神を断ち斬った聖なる剣!裁きの神剣リ・ジェネシス!!

 

 

ヤイバは手札を一枚破棄して召喚した白いブレイヴ…裁きの神剣が吹き飛ばされたダークネス・グリフォンに吸収されると、ダークネス・グリフォンの背中に大きな白い翼が出現して再度オーディーンに向かっていく。

オーディーンは空いている手に銃を出して連射するがダークネス・グリフォンは華麗に避けていき、特大の白い光線をぶっぱなした!オーディーンは避けることも迎撃することもできずに光線をモロに受けて爆発した!!

 

 

ヤイバ「ネガ・ナインテイルでアタック!効果でオーシンを手札に戻す!」

 

ムーン「…影武者を使っても無駄か…ライフで受ける!」

 

もし影武者でオーシンを守っても、オーシンは疲労しているのでブロックできない。よってムーンはネガ・ナインテイルの攻撃をライフで受けた。

 

 

ヤイバ「ダークネス・グリフォン!逆賊に敗北を!」

 

 

ダークネス・グリフォンが両翼の砲台からビームと大量の銃弾を発射した!!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ソードディスティニーはどこかに突っ込みたかったので、ヤイバ様に使ってもらいました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

凄まじき剣士

…一応、究極の闇に飲み込まれたりはしないので、安心してください…


???「よろしくお願いします。この私、ヴィーナスがお相手致しますわ。」

 

妖夢「…はぁ…調子狂ってばっかだなぁ…メインステップ。ネクサス、機巧城を配置してバーストをセット。これでターンエンド。」

 

妖夢は頭をかきながらも、背後に白銀の城を配置する。白属性にとっては手札を増やしていく機巧城は優秀な一枚だった。

 

ヴィーナス「それではメインステップ。犬将クー・シーを召喚してバーストをセット。アタックステップ。クー・シーでアタックします!」

 

妖夢「…聖命ですか…ライフで受ける!」

 

黄色のバトルフォームを着た女性…ヴィーナスは犬の頭をした武将を召喚すると、そのままアタックさせた。妖夢はブロッカーもいないので、ライフで受けた。

 

ヴィーナス「ここで聖命の効果。ライフを一つ増やします。ターンエンド。」

 

妖夢「むぅ…メインステップ!原初の炎!創界神カグツチを配置!トラッシュに送った対象カードは二枚なので、コア二個を追加!さらに機巧武者シラヌイを召喚!」

 

カグツチ《…よし!いくよ!》

 

妖夢はさらにカグツチを呼び出し、フィールドにもがっちりとした鎧を装着したロボット武将が現れた。

 

 

 

妖夢「アタックステップ!シラヌイでアタック!」

 

 

ヴィーナス「ん~…ライフで受けます。」

 

 

シラヌイが腰の刀を抜刀して走り出すと、ヴィーナスのライフを斬り捨てた。

 

 

妖夢「ターンエンド!」

 

 

ヴィーナス「…メインステップ。ニジノコと子天馬スカイを召喚。召喚時効果で四枚オープンしてその中のアルティメットの手札に加えます。」

 

 

ヴィーナスは七色のヘビと小さなペガサスを召喚してデッキからアルティメットを引き当てようとする。そのなかには咲月帝アルティメット・ウィステリアがあったので、手札に加わった。

 

 

ヴィーナス「…シラヌイは疲労ブロッカーでしたね…ターンエンドです。」

 

 

妖夢「よし!機巧城の効果!ライフが減らなかったので二枚ドローする!そしてメインステップ!南蛮武者ハクライをレベル2で、さらに武龍魔神を召喚!そしてシラヌイに左合体!」

 

妖夢は南蛮甲冑のドラゴンと二本の剣を持った竜型魔神を召喚する。そしてシラヌイのソウルコアをハクライに移動した。

 

妖夢「アタックステップ!ハクライの効果でドロー!シラヌイでアタック!アタック時効果でトラッシュの武竜スピリットをノーコスト召喚!力がみなぎる!魂が燃える!神の炎が迸る!炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビ!召喚!!」

 

シラヌイが再び走り出して、武龍魔神が左手の剣を振り下ろす。すると地面から炎が沸き上がり、オレンジ色の鎧のソウルドラゴンが大剣を振るって這い出してきた。

 

ヴィーナス「ライフで。そしてバースト発動します。まずはライフを一つ回復!そしてこのターンの間、スピリットのアタックを封じます!月の光受け輝きなさい!アルティメット・カグヤ!」

 

シラヌイの攻撃をライフで受けてライフ残り三つとしたヴィーナスだが、バースト効果で一つライフを回復させると、月から舞い降りた姫が黄色の防御壁を張って追撃を阻んだ。

 

妖夢「く!ターンエンド。」

 

ヴィーナス「さて…メインステップ。ニジノコをレベル2にして…夜に咲く華麗なバラ!咲月帝アルティメット・ウィステリア!!レベル4で召喚!そして明の星の刃!金星神剣ヴィーナスサーベルをウィステリアに直接合体!!コストはニジノコから。よって消滅。」

 

紫の闇が収束して現れたバンパイアめがけて空に浮かんだ金星から黄金の剣が降ってくる。ウィステリアはヴィーナスサーベルを握ると、金色に輝いた。

 

ヴィーナス「アタックステップ!ソード合体アタック!Uトリガー!ロックオン!!」

 

妖夢「来ましたね…コスト4、故郷の山に似た山です。」

 

 

ヴィーナス「ここでヴィーナスサーベルの効果を使用します!Uトリガーのヒットをクリティカルヒットにしますわ!よってクリティカルヒット!ソウルドラゴン・ホムスビのレベルコストをプラス2に!そしてクリティカルヒットの効果でネクサスのコストも増やしますわ!よって機巧城は消滅!」

 

 

ウィステリアが放った紫の煙がソウルドラゴン・ホムスビを包むと、そのまま機巧城にもまとわりつかせて両者消滅させた。

 

 

妖夢「…まずい…フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!コストはシラヌイから確保!よって消滅させる!ウィステリアのアタックはライフで受ける!」

 

妖夢の前方に銀色のデルタ型のシールドが現れ、ウィステリアがその上からヴィーナスサーベルを突き立てた。これでヴィーナスのコスト3以下のスピリットはスカイ一体。妖夢もハクライがいるので、ヴィーナスはフルアタックしても妖夢を倒せなかった。

 

ヴィーナス「仕方ありませんね。ターンエンドです。」

 

妖夢《…どうしよう…今の手札だと次の私のターンで決められない…こんな悪党に負けることはできないし……正義は負けちゃいけない……勝たないと…》

 

カグツチ《…妖夢ちゃん…それは違うよ。》

 

妖夢が意識の深層で考えていることを見透かして、カグツチが声をかける。妖夢はハッと驚いてカグツチと向かい合った。

 

 

カグツチ《…ねぇ、ヴィーナスさん。君たちはどうして白夜王を倒したいの?》

 

 

ヴィーナス「え……彼の統治はあまりにも苦しすぎます。民に重労働を強いてきた過去もある。私達はその圧政に苦しむ人々を間近で見てきたのです。彼が王座に就いている以上、それを変えることは不可能だと感じたからです。」

 

ヴィーナスがカグツチに話しかけられて少し戸惑ったあと話した内容を聞いて、カグツチは再度妖夢に視線を戻す。

 

カグツチ《…妖夢ちゃん…今の言葉を聞いたかな?世界ってのは正義か悪かで判断できないんだよ。正義の反対はまた別の正義なんだ。彼女が言った言葉に嘘偽りはない…でも妖夢ちゃんの思いも間違いとか悪とか言うわけでもないんだ。》

 

 

妖夢「…正義の反対は…別の正義……なら…私の剣は…知らず知らずのうちに他の人を傷つけて…」

 

 

カグツチは冷静に話すと、妖夢は目を伏せて迷い始める。彼女がここまで戦ってこれたのは自分が正しいのだと言う認識があってこそだった。それを否定され、どうしていいか分からなくなってしまったのだ。

 

 

カグツチ《…そうだね…俺も昔…永琳と一緒に仕事してたときにすごく感じたんだ。当時は俺…よくツクヨミとかとぶつかってケンカとかもしてた。でも…高天ヶ原や月の都を飛び出して旅を続けていると、なんとなーくわかってきた……俺達は手が届くまでしか助けちゃいけないってね。》

 

 

妖夢「…?どう言うことですか?」

 

 

カグツチ《だって、そこまでがちゃんと自分で判断できる範囲だからだよ。無理に一人でやろうとすると絶対に暴走しちゃうからね。だから妖夢ちゃん、君には俺や幽々子ちゃん、弾君…幻想郷の仲間がいる!君が守れなかったモノは…俺達が守る!君は目の前の守りたいモノを守るんだ!》

 

カグツチの言葉に妖夢は目を瞑り、今頃他の世界で奮闘している仲間達のことを思い浮かべる。霊夢、魔理沙、咲夜、アリス、鈴仙、依姫…そして幽々子……

 

カグツチ《それに、君がわざわざデルタバリアをデッキに投入しているのは弾君へのリスペクトでしょ?彼も紫ちゃんや永琳がいるから真っ直ぐ戦えるんだ。そうやって助け合えば、仲間が君の間違いを止めてくれる!》

 

その言葉に妖夢はトラッシュに置かれたデルタバリアを見つめる。

 

妖夢「……そうだ…!私は…私が守りたいモノを守る!もし間違っても仲間が教えてくれる!!」

 

カグツチ《うん!さぁ、バトルに戻ろう!弾君も言ってたよ!「来たカードにどう答えるのかが大事」ってね。》

 

妖夢「…ドローステップ!………よっしゃ!メインステップ!戦国ジークヴルムを召喚!召喚時効果でデッキから六枚オープン!その中のコスト8の武竜をノーコストで召喚!…弾様…紫様…お力…お借りします!唐紅に染まりし伝説の救世主!戦国超龍磁威駆武流無・乃刃(ジークヴルム・ノヴァ)!!

 

 

妖夢の背後から武将の鎧を纏ったジークヴルムを召喚する。そして大きく咆哮すると、天空から落ちてきた巨大隕石の中から武将姿のジークヴルム・ノヴァが現れた!

 

 

妖夢「乃刃の召喚時効果!戦国ジークヴルムのコアをトラッシュに置くことで、ライフを5まで回復させます!さらに魂皆伝(ソウルマスター)ブゲイシャー・ドラゴンを召喚!武龍魔神よ!乃刃に左合体!ブゲイシャー・ドラゴンに右合体せよ!!」

 

ヴィーナス「…!?ライフを…全回復!?」

 

 

戦国ジークヴルムが炎に包まれ、消えていく。そしてその力を使って妖夢のライフが全回復した。さらに乃刃とその隣に現れた武芸者のドラゴンに武龍魔神が剣の先から力を注ぎ込む。

そして乃刃の赤い部分が緑に変化して、妖夢カラーの二刀竜へと変わった!

 

妖夢「…参る!アタックステップ!ここでブゲイシャー・ドラゴンの力でトラッシュのコアを乃刃と自身に置いて両者レベル3に!乃刃でアタック!!武龍魔神の効果でソウルドラゴン・ホムスビを蘇らせる!コアはブゲイシャー・ドラゴンから使ってレベル2!」

 

ブゲイシャー・ドラゴンがトラッシュのコアは回収して乃刃をレベルアップさせると、武龍魔神が再度ソウルドラゴン・ホムスビを地獄から復活させる。

 

 

妖夢「続いて乃刃の効果!クー・シーとスカイを破壊!そして強制的にブロックしてもらいます!」

 

 

カグツチ《まだまだ!ホムスビの効果でライフを一つ破壊!》

 

 

ヴィーナス「フラッシュタイミング!ピュアエリクサー!ウィステリアを回復させてブロック!」

 

 

ピュアエリクサーの力で起き上がったウィステリアの剣が乃刃の二本の剣とぶつかる。しかし、乃刃は一旦離れたあと、急接近してウィステリアの懐に入る。そしてヴィーナスサーベルごとウィステリアを上に斬り上げた。

 

 

妖夢「…人鬼…[未来永劫斬]!!」

 

 

空中でなんとか体勢を立て直そうとしたウィステリアだったが、乃刃はその隙を見逃さずに目にもとまらぬスピードで接近し、連続で何度も斬っていく。とどめにウィステリアの真上から二刀をおもいっきり振り下ろしてウィステリアを切り裂いた!!

 

 

 

妖夢「ソウルドラゴン・ホムスビでアタック!天界放!発動!!カグツチのコア二個を自身に置くことで、BP20000以下のスピリット/アルティメットを二体破壊!そして白シンボルを確認!二枚ドロー!!」

 

ソウルドラゴン・ホムスビが剣を地面に突き刺すと、噴き上がったマグマがフィールドに残っていたヴィーナスサーベルとアルティメット・カグヤに直撃して焼きつくした。

 

ヴィーナス「ライフで受けます!!」

 

 

ホムスビが剣を引き抜いて真っ直ぐ上に掲げ、炎により天まで届くほどまでに変化した炎剣を咆哮しながら振り下ろしてライフを壊した。

 

 

妖夢「ブゲイシャー・ドラゴン!覚悟!!」

 

 

ヴィーナス「…お見事です…!!」

 

 

ホムスビと入れ替わりで飛び出したブゲイシャー・ドラゴンが一旦、愛刀を鞘にしまう。そして超高速で抜刀し、ヴィーナスのライフを全て斬り裂いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「…カグツチ様…」

 

 

カグツチ《…ん?》

 

 

妖夢「…グ!」

 

 

バトル後妖夢は再度カグツチに向き合い、その目を合わせる。そして朗らかに笑うと右手でカグツチにサムズアップをして見せた。

 

 

カグツチ《…グ!》

 

 

カグツチも妖夢がこのバトルで大きく成長したと感じて、微笑みながらサムズアップを返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


今回のカグツチ様は五代君よりも映司君に近くなりました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

依姫無双

さて…これでソードアイズ編も終わりですね……


???「フフフ…こい…この我…マーズが相手になろう…!」

 

 

依姫「…あなたが親玉のようですね…メインステップ。リボル・コレオンのアクセルを使用。デッキから三枚オープンしてその中の系統:神皇/十冠を持つスピリットと異魔神ブレイヴを手札に加えます。」

 

 

依姫の掲げた手札が赤く輝いてデッキがめくられていく。そのカードは……魔導双神ジェミナイズ…エリダヌス・ドラゴン…超・風魔神…

 

 

依姫「よって二枚を手札に。バーストをセットしてターンエンドです。」

 

 

マーズ「ではこちらのメインステップ。ネクサス、海魔巣食う海域を配置し、バーストをセット。ターンエンドだ。」

 

 

マーズが配置したネクサスによりバトルフィールドが荒れ狂う海域へと変化した。

 

 

依姫「赤青デッキですかね…メインステップ。手元からリボル・コレオンを召喚。召喚時効果を使って手札から異魔神ブレイヴをノーコストで呼び出す!超・風魔神を召喚して合体!」

 

 

依姫は先ほど打ったリボル・コレオンを召喚して超・風魔神を合体させる。しかし、まだ攻め時ではないと判断してターンエンドとした。

 

 

マーズ「…ふふ…メインステップ。戦竜エルギニアスと炎の剣聖リューマン・ソードウィングを召喚。アタックはしない…ターンエンド。」

 

 

マーズは青い闘牛と赤い炎の剣士を召喚するだけでターンを終える。ここまで二人共アタックせずに出方をうかがっていた。

 

 

依姫「…ふむ…メインステップ。星の女神!創界神リリア!三枚をトラッシュに置き、二枚の対象カードを確認したのでコアを二つ追加。そしてダンデラビットを召喚し、コアブースト。」

 

 

リリア《火星?……ふん…こっちは星々全部よん!》

 

 

ヤル気満々のリリアが出てきて、さらに緑のウサギが登場した。しかし、マーズのバーストが青く輝くと……

 

 

マーズ「召喚時効果発揮によりバースト発動!維持神ヴィシューテン!このスピリットを召喚したあと、相手のターンを強制終了!」

 

 

マーズのバーストからたくさんの腕を持った青い巨人が現れ、依姫のターンを無理矢理終わらせてしまった。

 

 

依姫「ヴィシューテンでしたか…フフフ!楽しくなってきた♪」

 

 

マーズ「…余裕だな…メインステップ。聖なる剣龍!神剣龍ファルシオンを召喚!さらにマジック!ネオ・ダブルドロー!デッキから三枚をドローする!コストはエルギニアスから使用。」

 

 

 

マーズのフィールドに現れた赤シンボルが輝くと、銀色の鎧のドラゴンが登場した。そしてエルギニアスのコアを外して消滅させる代わりに手札を三枚増やした。

 

 

マーズ「…ターンエンド。」

 

 

依姫「…動かないか…メインステップ!対の力を解放せよ!魔導双神ジェミナイズ!!召喚時効果で一枚ドローしたあと、手札の神皇を踏み倒す!その微笑みは全てを癒す!戦神乙女ヴィエルジェ!レベル2で召喚!不足コストはダンデラビットとリボル・コレオンから確保!よって二体は消滅!!」

 

 

 

ジェミナイズ「さぁ!」《お前の罪を!》《「数えろ!!》」

 

 

ヴィエルジェ《…ホルスの真似?》

 

 

地面に描かれた双子座からジェミナイズが腰に手を当て、マーズを指差しながらあの!ポーズを決める。そしてその隣に現れた乙女座がヴィエルジェに変化してツッコミを入れる。

 

 

依姫「ヴィエルジェの効果でライフを増やしてヴィシューテンを手札に!さらに超・風魔神を二体に合体させる!ダブルドライブ!発動!!」

 

 

リリア《いいわ!これで手札のカードは使えない!》

 

 

ヴィエルジェとジェミナイズが超・風魔神と合体し、二体とも緑のオーラを放出し始める。さらに依姫自身も緑の翼を展開してバトルフィールドに舞い上がった。

 

 

依姫「アタックステップ!ジェミナイズ!やりなさい!!」

 

 

マーズ「…ライフで受けよう!!」

 

 

ジェミナイズ《ダブルシンボル!》「ライフを二つぶっ壊す!」

 

 

ジェミナイズが回りながら緑のエネルギー球をぶつけてライフを二つ壊した。

 

 

依姫「…深追いは禁物…ターンエンドです。」

 

 

マーズ「…ドローステップ…フフフ…ハハハ!!メインステップ!このターンで終わらせるぞ!まずは戦竜エルギニアスを召喚!未来を切り開く最強の剣聖!大剣聖イーグレン!!ファルシオンの効果でコスト4として召喚!召喚時効果発揮!デッキから七枚オープン!!」

 

 

 

マーズのフィールドが真っ二つに裂け、下から黒い翼と白い剣を持った鷲の鳥人の剣士が回転しながら飛び出してきた。そしてイーグレンは剣を高々と掲げて青く輝き、その光がデッキをめくっていく…

 

バーニングソード…剣神無双リューマン・ゴッドソード…炎星斧エルナト…究極龍神アルティメット・オーバーレイ…海底王国の秘宝…火星神剣マーズブリンガー…炎の剣聖リューマン・ソードウィング……

 

 

マーズ「この中の剣使をコストを支払わずに全て召喚!こい!リューマン・ゴッドソード!リューマン・ソードウィング!……そして…!!究極の剣聖!!究極龍神アルティメット・オーバーレイ!!さらにイーグレンの連鎖!トラッシュから、今破棄された剣刃を二枚手札に戻す!」

 

 

 

イーグレンが輝いている剣を横凪ぎにブンっと振るう。すると地面から炎が沸き上がり、もう一体のリューマン・ソードウィングと白い剣士の竜人が現れる。

 

さらに……ドラゴン状の炎がフィールドで燃え盛り、そのドラゴンが黄金のオーバーレイへと変化してマーズのフィールドに降り立った。

 

 

マーズ「Uオーバーレイの召喚時効果!大抜刀!先ほど手札に戻した炎星斧エルナトと火星神剣マーズブリンガーを直接Uオーバーレイに合体するように召喚!!エルギニアスとファルシオンのコアを全て使い、Uオーバーレイはレベル5へ!」

 

 

マーズの背後の夜空に現れた火星から赤い光がフィールドに降り注ぐ。その光を受けたUオーバーレイの右手に大きな紅色の大剣が装備され、左手にも夜空から降ってきた斧を持ち大きく構えた。

 

 

リリア《…ファァ……終わったぁ……?》

 

 

依姫「長いですよ……待ちくたびれました…」

 

 

マーズ《…なんだ…!?この娘…!?この状況でなぜそんな言葉を吐けるんだ!!?》

 

 

髪を弄りながら「ようやく終わった…」とぶっちゃける依姫にマーズは内心冷や汗をかいていたが、気を取り直してアタックステップに入る。

 

 

マーズ「…アタックステップ!Uオーバーレイ!ソード合体アタック!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

依姫「コスト5!騎士王蛇ペンドラゴン!残念ですが、マーズブリンガーのアタックステップ追加効果はヒットしたカードがコスト4以下でないと発揮できません!」

 

 

マーズ「…くぅ!だがヒットだ!相手のスピリットを二体破壊!さらにエルナトの効果でBPプラス7000!合計45000だ!」

 

 

 

オーバーレイがマーズブリンガーとエルナトを振り下ろして斬撃を放ち、ヴィエルジェとジェミナイズを切り裂いて破壊した。しかしマーズブリンガーの効果は不発だったので、Uオーバーレイは回復できなかった。

 

 

依姫「ヴィエルジェの効果で二体を手札に戻し、Uオーバーレイのアタックはライフで受けます!!ここで創界神リリアの神域の使用!減ったライフ分の光導スピリットを召喚!ジェミナイズとヴィエルジェを一コスト召喚!!」

 

 

リリア《…何度破壊されようと!星の輝きは壊れない!!》

 

 

 

リリアが左右の杖を突き出して、乙女座と双子座を浮かび上がらせる。そこから先ほどヴィエルジェの効果で手札に返っていった二体が再びフィールドに現れた。

 

 

依姫「ヴィエルジェの召喚時効果でライフを回復し、イーグレンを手札に返します!」

 

 

マーズ「バカな……俺のUオーバーレイの攻撃を…逆に利用するなど……」

 

 

ヴィエルジェの黄色の光がイーグレンを強制送還し、ライフを回復させる。すると依姫は「ああ…」と何かを思いだしたかのように呟いた。

 

 

 

依姫「…そうでした…ジェミナイズの召喚時効果を忘れていました……よって一体スピリットを召喚!愛の弓!平和の剣!ラブ&ピースを創る神!召喚!!光龍騎神サジット・アポロドラゴン!!

 

 

サジット《元祖ダブルブレイヴの力を見せてやるぜ!》

 

 

依姫の後ろに生みだされた炎のフィールドからサジット・アポロドラゴンが走って来て、フィールドに降り立つ。

そしてヴィエルジェの素数ロックにより、コスト3のリューマン・ソードウィングとコスト5のリューマン・ゴッドソードがアタック不能になってしまった。

 

 

マーズ「( ゜o゜)……ターンエンド……」

 

 

依姫「メインステップ!ネクサス!黎明をレベル2で配置して超・炎魔神を召喚!そしてサジット・アポロドラゴンをレベル3にアップ!超・炎魔神よ!サジットとジェミナイズに!超・風魔神よ!サジットとヴィエルジェに合体!!ダブル!ダブルドライブ!!!展開!!」

 

 

依姫の背後のリリアのさらに後ろに大銀河が広がり、二体の異魔神がサジット達に力を与える。さらにサジットの翼がファンネルになり、体にも黄金の鎧が現れる。最後に赤と緑のラインが身体中を迸ると、弓を片刃の長刀に変形させ大きく咆哮した!!

 

そして変化は依姫自身にも現れる!!

 

 

依姫「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

サジット《うぉぉ!?この力は…依姫の…?》

 

 

リリア《…ッッ!…なーる……依姫ちゃんの能力のせいで、私やサジット達と一体化しているのね…だから弾以上にダブル合体の力を受けている…前はケイがいたから星の力が分散されてたのかしら……?》

 

 

大きく叫んだ依姫の薄紫の髪がほどけ、色も深紅に染まる。展開していた緑の翼はサジット・アポロドラゴンのファンネルへと変化し、まるでその姿は人間版ダブル合体サジットと言えた。

 

 

依姫「アタックステップ!八百万の力を今一つに!ダブル合体アタァァァァァック!!!!

 

 

サジット《まずはゴッドソードを破壊してアルティメット・オーバーレイを指定アタックだ!!》

 

 

サジットが愛弓でリューマン・ゴッドソードを射抜き、Uオーバーレイへと向かっていく。Uオーバーレイもマーズブリンガーとエルナトを構えてサジットの弓が変化した長刀を受け止めた!

 

その瞬間依姫は愛刀を引き抜き、自身の異能を発動させるべく大きく叫ぶ!

 

 

依姫「エジットの創界神が一柱!砂漠の神セトよ!射手座の神に砂海を制したその豪腕の力を!!」

 

 

サジット《おおお!力が漲る!》

 

 

依姫にセトの豪腕の力を与えられたサジットはUオーバーレイを力任せに上空に弾き飛ばす。しかしUオーバーレイは剣から斬撃を、口から無数の火炎弾を放った。

 

 

依姫「オリンの創界神が一柱!知恵と鋼鉄の神アテナよ!絶対防壁の守りを見せよ!」

 

 

依姫が今度はアテナの防御力を与えたことによりサジットは身体中を銀色に硬化させて火炎弾や斬撃を弾くと、一気にUオーバーレイに接近する。

 

 

依姫「ウルの創界神が一柱!魔法と地獄の神ヘカーティアよ!三界を統べる魔術で敵に地獄を!」

 

 

リリア《…うふふ!そっちで喚んでくれるのは嬉しいわねぇ♪》

 

 

リリアが何やら赤い光の球…御霊を依姫を通じてサジットに与え、サジットの長刀に魔方陣が展開される。そしてサジットがUオーバーレイのエルナトめがけて突きを繰り出すと、エルナトが闇に包まれて吹き飛ばされた。

 

 

依姫「インディーダの創界神が一柱!破壊の神シヴァよ!不可能を破壊せよ!」

 

 

一旦距離をとろうとしたUオーバーレイだったが、サジットが放った斬撃が紫の龍と化して襲いかかった。Uオーバーレイは咄嗟にマーズブリンガーで受け止めたが、あまりの衝撃に耐えきれずマーズブリンガーを手放して、Uオーバーレイ自身も地面に叩きつけられる。

 

 

依姫「アマハラの創界神が一柱!月の神ツクヨミよ!神世界の百鬼夜行を今ここに!」

 

 

サジットがファンネルから数えきれないほどの御札を放ち、それら全てが折鶴となってUオーバーレイにまとわりついて動きを封じ込めた。

 

 

依姫「…師匠…失礼します!ウルの創界神が一柱!知恵の神オモイカネよ!その矢で我らに勝利を!」

 

 

とどめと言わんばかりにサジットが赤と青に光る矢を弓につがえ、フルパワーでぶっぱなした。式神によって動けないUオーバーレイはなすすべも無く射ぬかれて大爆発した!!

 

 

マーズ「…な…こ…こんな…ことが……」

 

 

依姫「黎明の効果!合体しているスピリットの数だけライフを破壊!私の合体スピリットは三体!あなたのライフは残り三つ!ウルの創界神が一柱!幻想の世界守る星の神ダンよ!我が剣に未来を照らす光を与えよ!!」

 

 

爆煙を突っ切って依姫がマーズに接近すると愛刀に星のエネルギーを込め、黄金の黄道十二星座が描かれた剣をマーズのライフめがけて振り下ろした!!!!

 

 

 

 

ジェミナイズ「キング!」《ギリギリスラッシュ!!》

 

ヴィエルジェ《まぁ作者もジオウは好きだってちょい!》

 

サジット《うっそーん!俺が斬るんじゃ~!?》

 

リリア《大丈夫よん♪アルティメット編でもあんた達は見せ場あるらしいから。》

 

 

リリア様!ネタバレしないでください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤイバ「協力感謝する。お前達の探し人も余が探しだしてみせよう。」

 

 

依姫「ありがとうございます m(__)m」

 

 

ハガクレ「拘束完了したでござるよ~!」

 

 

ツルギ「おお~!流石ハガクレだぜ!」

 

 

マーズ「……フフフ……」

 

 

ヤイバが依姫達に謝辞を述べている間、ハガクレやアマレロ達が六人を拘束していた。しかし、マーズの顔からは不気味な笑みが消えなかった。それに気づいたアマレロはマーズを問い詰める。

 

 

アマレロ「…何がそんなに可笑しいのかしら?」

 

 

マーズ「フフフ…良いのか?アマレロ・ベルジェ?…グレナダ様のお側に居なくても…」

 

 

 

マーズの言葉を聞いた全員の脳に電撃が走った。グレナダの近くに居なくても良いのか……つまり……!

 

 

 

ツルギ「母さんが危ない!!」

 

ソラ「く!こいつらは囮だったか!!」

 

アマレロ「グレナダ様ぁぁぁ!!」

 

 

ソードアイズ達は顔を青ざめてグレナダの部屋へと飛んでいく。しかし、依姫達はゆっくりとあとを追って歩いていた。なぜなら……

 

 

 

椛「…毎度毎度……本当に速いですねぇ……」

 

 

天子「確か神世界一だっけ?」

 

 

セト《…ま!ヘルメスに任せて良いだろ。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王宮 グレナダの部屋

 

 

 

ヘルメス《曲者はどこじゃ~!(゜Д゜≡゜Д゜)…あら?》

 

 

ヤイバ「母上!」

 

 

ブラウ「ご無事でしょうか!?」

 

 

グレナダ「ええ、何とか……」

 

 

誰よりも先に飛び出していったヘルメスがグレナダの部屋にダイナミック入室すると、見たところは無傷のグレナダと隣でグルグル巻きになっている赤フードの男が気絶していた。

 

 

ハクア「良かったぁ~…でも誰がこいつを?」

 

 

グレナダ「実はつい先日、私の侍女になったとある女性が突然乗り込んできた彼とバトルをして、見事打ち負かしたのです。」

 

 

キザクラ「スッゴーイ!どなたなんですか?」

 

 

グレナダが話した内容……それにソードアイズ達も遅れてやって来た依姫達も目が飛び出るほど驚いてしまった。

 

 

 

 

グレナダ「確か……宇佐美 蓮子さん…でしたでしょうか……そのあと何かに気づいて外に飛び出して行ってしまいましたが……」

 

 

 

 

 

 

 

とある世界 とある場所

 

 

 

???《……ちぃ…赤の軍急進派を唆しても無駄だったか…元サウスピ団やあの腰抜けの子供を使うのも失敗……次の手を考えるか……》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ここで東方を知らない人に解説を!依姫の能力と言うのは[非公式ですが]『依代になる程度の能力』と言って、神々を自在に反動無しで降ろし、その力を振るうことができるチート能力です。
仮面ライダーを知っている人ならディケイドみたいなモンと言えば良いでしょうか?[ただし本人は呼び出せない]

依姫がリアルファイトで強い理由はほぼ100%このせいです。それをバトスピで再現したくてこの回にぶっこみました。

注!原作だと八百万の神々[日本の神々]しか降ろしていません!
つまり、ギリシャやエジプトの神々は降ろせない……かも?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

究極編~蓮子との出会いと裏十二宮再来~
銀髪三人少女+銀髪ババ……


注!ご覧になっている小説は確かにバトスピ小説です!!途中のネタが分からない人は中盤まで飛ばすことをオススメします!!


…誰にも人には…黒歴史と言うものがある……若さのせいで…その場のテンションに流され…色々と人は他人に知られたくないことをやらかしてしまう……霊夢しかり、魔理沙しかり、弾しかり……勿論彼女にも……だが…これはさすがに見たものの気持ちの整理がつかないでいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

ここは第一界層の宇宙空間…その中を猛スピードで飛んでいる一つの宇宙船。それを運転していたのは……元月の賢者…八意 永琳であった……それを運転室の扉を少し開けて見ている妹紅とサグメ…

 

 

妹紅「……おい……ええと…サグメ…だったか…これ…綿月姉妹には内緒な……」

 

 

サグメ《……( ; ゜Д゜)……賛成…》

 

 

こっそり覗いていた二人は「見なかったことにしよう」とソッと扉を閉じて、リビングに向かう。廊下を歩いている最中、おそるおそる妹紅はサグメに問いかけた。

 

 

妹紅「……永琳にあんな一面があったなんて…知ってたか?」

 

 

サグメ《…ブンブン…後でツクヨミ様に聞いてみる…》

 

 

リビングに戻る間、なんだかんだとお互いのことを話しているこの二人。サグメとしては妹紅とはあまり接点がなかったので、地上での永琳や輝夜の様子などを聞いて、色々と新鮮気持ちになった。そんな話をしていると、すぐにリビングに到着して中に入る。すると…

 

 

スサノヲ《えええ!?何でガルドのアイへが外れるのぉ~!?》

 

ペルセポネ《いぇーい!食らえミミカスの鬼火。》

 

 

スサノヲ《ァァァ!ガルドがオワオワリに……》

 

 

咲夜「援護します。フローゼル、格闘Zです。」

 

 

アルテミス《ええ!?私のポリ2が…メガネ持たせてあまり耐久にふってなかったのが仇になったわね……》

 

 

咲夜《フローゼルは厨ポケですよ?そうよね、もこう先生?》

 

 

…この四人…どうやらもうすぐSwitchで新作が発売されるポケットなモンスターで対戦しているようである…戦況は…ペルセポネ&アルテミスペアが優勢のようだ。するとスサノヲが妹紅に泣きついてくる。

 

 

スサノヲ《もこぉぉ!やばぃぃぃ!変わってくれぇぇぇ!!》

 

 

妹紅「…まったく……おい咲夜、そっちのパーティー見せ。」

 

 

咲夜「了解。この子の役割は……」

 

スサノヲをソファーに座らせてから妹紅はスサノヲの3DSを受け取り、スサノヲと咲夜のメンバーを確認する。はっきり言って……「どーやったら勝てんの?」ってぐらいヤバい状態であった。

 

 

ペルセポネ《流石のもこう先生でも無理でしょ》

 

 

アルテミス《これで負けたら今使ってるパーティーあげるわ!それぐらいあり得ないし~♪》

 

 

もう勝ちを確信しているこの二人だが、スサノヲと咲夜はこのゲーム(ポケ○ン)に数週間で適応した妹紅の実力を信じていた……

 

 

 

数十分後……

 

 

スサノヲ《マジかよ……》

 

 

妹紅「イエーイ」

 

 

咲夜「……流石先生…」

 

 

そこには驚きと感心の目を向けているスサノヲと咲夜。そして反対側のソファーでテーブルに顔を突っ伏している女神二人…まぁ…そういうことである…

 

 

ペルセポネ《…何…奇石ゴルバットってあんなに固いの…?ミミカスが完封された…黒い霧…熱風の火傷…》

 

 

アルテミス《…ありのまま起こったことをはなすわ……私は妹紅の二枚目のメガ萬田が初手竜の舞いをしてきたからゴツメガブを受け出ししたの……そしたら飛んできたのは竜星群だった…何!?両刀だったの!?》

 

 

サグメ《…妹紅の三体目のコケコ……挑発いれたのも上手かった……アルテミス様の滅びメガゲンが何も機能しなくなった…》

 

 

咲夜「もう私の3DSも操作してましたが…よくペルセポネ様のリザードンがXだと見切れましたね…」

 

 

妹紅「それぐらいは読める。大方ミミカスで鬼火やら呪いやらぶちまけて後ろの積みアタッカーを通そうってな…あとスサノヲ、お前の陽気萬田って数値からみるにSは最速ジャロ抜きで、AはH4振りミミカスを高乱数一発まではわかったんだが…耐久って威嚇込み意地っ張りリザX逆鱗を高乱数耐え調整?Bは4でHが100振りだから多分…」

 

 

アルテミス《ちょっと!数値見ただけでわかんの!?》

 

 

ペルセポネ《はぁ…やっぱり慣れなくてもダブル構築すべきだったなぁ…それでも勝てる気しないけど…》

 

 

ピピピピピピピピピ

 

 

 

そんなこんなで六人が話していると、テーブルの真ん中に置いてあったウサギの置物の目が赤く光り始めた。サグメと創界神以外の二人は「なんだ!?」と驚いたが、サグメは冷静に置物の尻尾にあたる所のボタンを「ポチッとな」と押した。するとウサギの目から壁に向かって、赤いレーザーポインターのようなものが放たれた!

 

 

 

依姫「…あー…うー…こちら依姫。師匠は…取り込み中ですか?」

 

 

サグメ《…あ…うん…少し手が話せなくて……》

 

 

妹紅「…その置物…通信機だったのか……」

 

 

映し出された依姫の言葉を聞いて、記憶の彼方に追いやった出来事が復活しかけるサグメ。妹紅が驚いているのを尻目にサグメは依姫からの報告を聞いた。その内容は……もう書かなくてもお分かりであろう……

 

 

依姫「申し訳ありません…お手を煩わせてしまい…」

 

 

サグメ《…気にしないで…あとは請け負うわ…八意様にも伝えておくわね…》

 

 

依姫「ありがとうございます。それでは」

 

 

そして依姫の通信が切れると、サグメは何やらウサギの置物の耳を弄り、もう一度ボタンを押す。するとまたレーザーポインターのようなものが放たれた。

 

 

咲夜「…耳がダイヤルなのね…」

 

 

ツクヨミ《…どうしたサグメ、何かあったのか?》

 

 

サグメ《…失礼します…ツクヨミ様…お願いしたいことがありまして…連絡させて頂きました…》

 

 

ツクヨミ《……またうちのバカ弟が…何かやらかしたのか?……ぐぅぅ…胃が痛い……》

 

 

スサノヲ《おいおい、兄貴!!》

 

 

今回映し出されたのはスサノヲの兄で依姫とサグメの上司にあたる、ツクヨミだった。サグメの連絡をスサノヲのトラブルの報告と勘違いしたツクヨミは胃を押さえている。

 

 

サグメ《…いえ……今回は…その…ツクヨミ様の式神をお借りしたいと思いまして……》

 

 

ツクヨミ《…そうか……宇佐見 蓮子探しに手間取っているから…私の陰陽術を使おうと…わかった、すぐ送ろう。》

 

 

妹紅「…そんなに凄いのか?」

 

 

アルテミス《…ツクヨミの式神は量も質も半端ないし…同時に操れる式神の数は億単位らしいわよ。》

 

 

ペルセポネ《…同じ魔影の創界神でも私とは桁違い「ごごぉぉぉぉぉん!!」ですねぇぇぇぇと!?》

 

 

ツクヨミの快い協力にサグメが頭を下げたその時、宇宙船に強い衝撃が伝わってきた。全員窓の外を見ると、別の宇宙船がぶつかってきたようだった。

 

 

スサノヲ《おいおい…事故…じゃなさそうだな…》

 

 

ツクヨミ《大丈夫か?》

 

 

サグメ《…はい…多分…賊か何かだと…》

 

 

六人が万が一に備えて動き出そうとしたが、運転席の永琳がリビングの面子にテレビ電話を入れ、状況を報告した[テンションは元に戻っているようだ]

 

 

永琳「こちら永琳。宇宙海賊と思われるやつからターゲットされたわ。さっさと終わらせるけど、目的地到着が遅くなるわ。」

 

 

妹紅「わかった。まぁ、あんたなら大丈夫だろ」

 

 

アルテミス《頑張ってね~♪》

 

 

永琳「まったく……めんどくさいわね…ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

バトルフィールドに移動した永琳を待ち構えていたのは、青いバトルアーマーを纏った若い男だった。それに対し永琳は冷静に相手を分析していたが、明らかに様子がおかしいことに気がついた。

 

 

永琳「…あなた…いったい何が目的かしら?」

 

 

???「……星の導き…貰う……」

 

 

永琳《…私が創界神とは気づいていないようね…いえ…それを認識することさえもできない…誰かに操られてる…?》

 

 

???「……メインステップ…バーストセット……アクセル…巨人王子ラクシュマナ…デッキから二枚ドロー…そして二枚破棄…ターンエンド…」

 

 

謎の男は無表情のまま、青定番のアクセルを放って手札交換をする。トラッシュに行ったカードがネクサスであったので、永琳は『センジュワンショット』や『海賊』デッキを警戒し始めた。

 

 

永琳「…それにしても……彼からサジットやヴィエルジェ達と似たような……いえ…同一の波動を感じる……解術してから聞きましょうか…メインステップ!星の叡知!創界神オモイカネ!デッキから三枚トラッシュに送り、対象が三枚。よってコアを三個追加!」

 

 

永琳は相手から放たれている星の力に首を捻ったが、バトルと解術に集中しようと気を取り直す。

 

 

永琳「バーストをセットしてターンエンド」

 

 

???「…メインステップ…ネクサス…海帝国の秘宝をレベル2で配置…ターンエンド…」

 

 

謎の男は海底の玉座で赤く光る宝玉をを配置するだけでターンエンドした。だが海帝国の秘宝はダブルシンボルネクサスなので、この次のターンで仕掛けるのであろう。

 

 

永琳「…備えるか…メインステップ。魔星人シュタイン・ゴイルと氷星獣レオザードを召喚!星読の効果でデッキから一枚オープンし、光導を持つ獅子星鎧レオブレイヴなので手札に!」

 

 

永琳のフィールドに紫の魔人と白の獅子が召喚される。そしてキースピリット(ストライクヴルム・ノヴァ)の打点内に入れるべく、永琳はアタックステップに移った。

 

 

永琳「アタックステップ!レオザードでアタック!アタック時効果!星読!デッキから一枚オープン!甲冑双士ジェミニコスなので回収!そしてレオザードの効果で回復よ!」

 

 

???「…相手の手札が増えたのでバースト発動…!砂漠を制する豪腕の王者…!神造巨兵オリハルコン・ゴレム…!バースト召喚…!!レオザードのアタックはライフで受ける…」

 

 

駆け出したレオザードの前方の地面が砕け、巨大な爪を持った青いロボットが這い出してきた。しかし、レオザードのアタックは普通にライフで受けた。

 

 

永琳「レオザード!もう一発!星読のカードはサジタリアス・ドラゴン!よって手札に加えるわ!」

 

 

???「…ライフ…!」

 

 

一度前足でライフを壊したレオザードは後ろに飛び退くと、口からビームを放ってさらにライフを撃ち抜いた。永琳はチラリと手札を確認してターンを終えた。

 

 

???「…メインステップ…Judgement of justice!天秤星鎧ブレイヴリブラを召喚…!召喚時効果でトラッシュよりネクサスを配置……!阿弥陀如来像を配置してコアを追加…」

 

 

永琳《!!?…裏十二宮ブレイヴ…!?いえ、弾や私が持ってるのと比べるとオーラが薄い…さしずめ、模造品といった所かしら?》

 

 

???「…ブレイヴリブラをオリハルコン・ゴレムに合体…!アタックステップ…!合体アタック…!!アタック時効果…大強襲…!阿弥陀如来像を疲労させてオリハルコン・ゴレムは回復…!!さらにリブラの効果も含め、デッキを合計十二枚破壊…!!」

 

 

ブレイヴリブラの底面がパカッと開くと、鎧武のカチドキアームズのようにオリハルコン・ゴレムに覆い被さった。そしてオリハルコン・ゴレムが駆け出すと、青い衝撃波が永琳のデッキを弾き飛ばす。

 

 

永琳「ライフで受ける!」

 

 

そしてオリハルコン・ゴレムの爪が永琳のライフを切り裂く。

 

 

???「…再度オリハルコン・ゴレムでアタック…!!大強襲で海底王国の秘宝を疲労…そして回復し、デッキを十二枚破棄する…!」

 

 

永琳「…これ以上はまずいわね…フラッシュタイミングでキャンサーシェルを使用!私のコア四個をボイドに戻すことで、アタックステップを強制終了!ライフで受ける!!」

 

 

オリハルコン・ゴレムの両腕がもう一つ永琳のライフを破壊したが、永琳の手札から白い壁が出現して追撃を妨害した。

 

 

???「…ターンエンド…」

 

 

永琳「ふう…メインステップ!赤き月光よ!夜空を照らせ!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!レベル2で召喚!!そして銀河星剣グランシャリオをダイレクト合体!!」

 

 

永琳がカードを掲げると、後ろから赤いストライクが登ってくる。さらに天空から六色のシンボルが埋め込まれた剣がサジッタの手に収まった。

 

 

永琳「アタックステップ!ストライクジークヴルム・サジッタ!月の輝きに舞え!私の神域によりオリハルコン・ゴレムに合体アタック!!」

 

 

サジッタがグランシャリオを振り下ろすがオリハルコン・ゴレムは両腕で受け止める。BP面ではオリハルコン・ゴレムが上回っているためサジッタは逆に弾き返されてしまった。

 

 

永琳「フラッシュタイミング!進化する赤き月の超新星!超神月光龍ストライクヴルム・ノヴァ!!月紅龍よ!進化の礎となれ!」

 

 

吹き飛ばされたストライクジークヴルム・サジッタが月から放たれた炎に包まれる。そこに無数の流星が降り注ぎ、中から背中にファンネルを装着したさらに巨大なストライクが現れた!

 

 

永琳「煌臨時効果!手札の光導ブレイヴを一コスト召喚することで回復する!穢れを弾く清らかな清流!宝瓶星鎧ブレイヴアクエリアスをノーコストで直接ストライクヴルム・ノヴァに合体!そして回復!!」

 

 

アクア《おお!こちらでの出番ですね!お任せを!》

 

 

ファンネルを展開して突っ込むストライクヴルム・ノヴァに、星空から水瓶の形をしたジェット機が突進しながら合体する。するとストライクヴルム・ノヴァの体に水瓶型の鎧が現れ、グランシャリオと反対側の手にも巨大な剣が装着された!

 

 

永琳「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!引き裂きなさい!ダブル合体スピリット!!!」

 

 

ストライクヴルム・ノヴァと強い繋がりを持つ永琳にも影響が現れる。いつもの赤と青の服装が白銀に染まり、背中にも赤い翼が現れた!

 

 

そしてグランシャリオ、ブレイヴアクエリアスと合体したストライクヴルム・ノヴァは右手のグランシャリオでオリハルコン・ゴレムを突き刺して持ち上げると、左手の剣で固いブレイヴリブラの鎧を貫いて破壊した!!

 

 

???「…ブレイヴリブラはフィールドに残す…」

 

 

永琳「もう一度アタック!ストライクヴルム・ノヴァの界放の効果発揮!私のコアを三個置くことで、BP30000以下のブレイヴリブラを破壊!そしてダブル合体スピリットのシンボルは4つ!」

 

 

ストライクヴルム・ノヴァがブレイヴリブラを踏み潰し、グランシャリオと剣で残りのライフを全て破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「…どうしますか?この男…」

 

 

永琳「少し聞きたいことがあるわ。一応縛ったあと、部屋の隅にほっぽっといて」

 

 

バトル後、気絶した先程の男を囲んで話しているメンバーに永琳はそう言った。そして宇宙船を自動操縦に切り替えてリビングのソファーで一息ついた。

 

 

アルテミス《…ン~?…あ!見えたわよ!目的地!》

 

 

妹紅「お!どれどれ……何も見えないが……?」

 

 

スサノヲ《おい、アルテミス…お前の視力は狩猟の女神の補正もあって1000ぐらいあるからわからねぇよ》

 

 

ペルセポネ《…つまりまだまだ時間がかかるってことです》

 

 

そんなこんなで(精神年齢が)若者な4人が話している後ろで、ゆったりとくつろいでいた咲夜とサグメは最初から気になっていたことを永琳に尋ねた。

 

 

咲夜「…そう言えば…あなたどうやってこの宇宙船を手にいれたの?」

 

 

サグメ《…私も気になっていました……ツクヨミ様からの貰い物ですか?》

 

 

永琳「そんな大それたことじゃないわよ…まだ月の都が地上にあった頃、私が使ってた船を私のバカ親父が持ってて、それを修理したってだけよ」

 

 

永琳の言葉に?マークを浮かべた二人……永琳に父親がいるとは…まぁいるはずなのだが、永琳の口から親の話題が出るのは初めてだった。

 

 

咲夜「……嫌いなの?」

 

永琳「……少し…苦手なだけ……私とは真逆の性格だから…」

 

サグメ《…だからそのギャップを埋めるため、宇宙船に乗って暴走していたのですか…?》

 

永琳「ちょちょちょ!何で…!!?」

 

サグメ《…先ほど…あの…歓声をあげながら運転しているのを…》

 

 

 

そのあと、無理矢理記憶を消される薬を口に突っ込まれたサグメと咲夜なのであった。

 




はい。ありがとうございました。

…ポ○モン廃人でもこうと言ったら……ねぇ?

あと永琳の父親の話題が出ましたが……登場はかなり遅くなりそうです。早く特別編を終わらせないと……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星読む少女

今回…とうとう彼女がバトルします!


永琳が謎の男とバトルしている頃、第2階層…とある星

 

 

 

???「…うー……しんどい…」

 

 

バーのマスター「お客様…大丈夫ですか?」

 

 

とあるバー…そこでジンジャーエールを片手にカウンターに頭を突っ伏している黒い帽子を被った女性……彼女こそ、弾達が探している紫の旧友…宇佐見 蓮子である。

 

 

 

蓮子「はぁ~…この世界…めっちゃ広いからなぁ…いちいち星移動するときにバトルして乗っけて貰うしかないし……いろんな世界巡ってやっと半分揃ったのに……ん…ゴクゴク……」

 

 

そう言いながらグビグビと飲む蓮子だったが、「ん!愚痴タイム終わり!!」と叫んで起き上がる。そしてマスターに勘定をちゃんと払うと、バーを出て宇宙船乗り場を目指す。

 

 

蓮子「…さて…また誰かの船に乗っけて貰おうかな……いざとなればバトスピで解決できるからほとんど断られることもないしねぇ…」

 

 

蓮子の言うとおりこの世界の法…銀河バトスピ法により、物事をバトスピで解決するというルールがある以上、強いカードバトラーにとってはウヒャウヒャな世界なのである。

 

蓮子がそんなことを考えていると、ふとこの世界のどこかに存在していると言われているどんな願いも叶えると噂されている宝…[究極のバトスピ・ネオ]のことも芋づる式に浮かんでくる。

 

 

 

蓮子「…どんな願いも…ね……メリーと会いたいって頼んだら叶えてくれるのかしら……ブンブン…落ち着け宇佐美 蓮子25才…かなりサバ読んだけど…!それよりもこの世界のカードを手にいれないと…!」

 

 

 

 

 

 

同じ星

 

 

 

???「お頭!整備終わりました!いつでも出発できますわ!」

 

 

???「こっちも完了したんべ!」

 

ここは宇宙船が停泊している港のようなところ。その一角に泊まっている大きな紫を宇宙船…ヴィーナス号の前で一人の金髪美女に二人の少女…ガルボマレーネが報告している。

 

 

 

???「ご苦労だった」

 

???「おつかれ~」

 

 

この金髪美女…彼女の名前は明の明星のエリス…宇宙に名を轟かす女海賊であるが、狙う相手は悪党ばかりの義賊で、その容姿も合い極まって女性ファンが宇宙中に存在している

 

そしてその隣に浮いている黄色い小さなドラゴン…名はショコラ…ちびドラゴンの一種でバトル時にはカードに変わることで有名でもある。

 

 

ガルボ「お頭、目的地は?」

 

エリス「うむ…実は……」

???「あの~…少しいいですか?」

 

ガルボに尋ねられたエリスが答えようとした時、突然誰かの声が響いた。エリスはその声に振り返ると、そこにいたのはもちろん……蓮子であった。

 

 

 

蓮子「すみませ~ん…隣の星まで乗っけて貰うことってできます?」

 

 

マレーネ「…どうします…お頭?」

 

 

エリス「………この世界のルールは知っているだろう…バトルだ」

 

 

蓮子の言葉にエリスの部下を代表してマレーネがエリスに聞いてみると、エリスの答えは遠回しの拒否だった。『文句があるならバトルで勝て』と言うのは『宇宙最強クラスのエリスを倒す』と言うことだからである。

 

 

蓮子「…はぁ…わかりました。ならバトルで私が勝てば乗せて?」

 

 

エリス「…そうか……ショコラ!」

 

 

ショコラ「ほい~と!」

 

 

飛び回っていたショコラがポンッとした音と共に一枚のカードへと変わる。それに蓮子は目を見張ったが、異世界を巡っている彼女にとってはよくあることだったので、すぐに表情を引き締める。

 

 

 

エリス 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「私から行くよ!メインステップ!ブレイドラXを召喚!さらに創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置!効果でデッキから三枚破棄!その中の対象が二枚なので、2コアをアポローンに!」

 

 

蓮子のフィールドにオレンジ色の小さなドラゴンが現れ、背後に弓を構えた金色の神が降臨した。しかし妹紅達と違って意思は無いようだが……

 

 

ガルボ「…創界神…ネクサス…?」

 

 

マレーネ「見たこともないカードだんべ!」

 

 

蓮子「そんでもってモルゲザウルスXも召喚!ターンエンド!」

 

 

続いて蓮子は尻尾に鉄球を付けたドラゴンを召喚してターンエンドを宣言した。

 

 

エリス「…明の星のターン!ニジノコ!煌炎の神剣を配置!さらにバーストセット!ここでネクサスの効果を使う!デッキから一枚ドロー!!」

 

 

エリスは赤シンボルにもなるニジノコを召喚し、さらにバーストサポートのネクサス…煌炎の神剣を配置した。

 

 

エリス「ターンエンド」

 

 

蓮子「…赤の…アルティメットデッキかな…メインステップ。砲竜バル・ガンナーを召喚!アタックステップ!モルゲザウルスXでアタック!効果でBPプラス5000!」

 

 

エリス「ライフで受ける!」

 

 

蓮子は赤い砲台を背負ったトカゲを召喚すると、モルゲザウルスに攻撃を命じる。走り出したモルゲザウルスが尻尾を叩きつけてエリスのライフを砕く。

 

 

蓮子「これでターンエンド」

 

 

エリス「明の星のターン!カチカチダヌキを二体召喚!さらに煌炎の神剣をレベル2に!アタックステップ!カチカチダヌキでアタック!」

 

 

エリスは背中に小さな火山を背負ったタヌキを二匹フィールドに呼び出す。このスピリットも赤と黄のハイブリッドスピリットなので、エリスはデッキに採用している。

 

 

蓮子「…どーしよ…いいや!フラッシュタイミング!光導創神アポローンのコアを三個ボイドに置いて、神技発揮!アタックしてないカチカチダヌキを破壊することで一枚ドロー!アタック自体はライフ!!」

 

 

蓮子の背後に佇むアポローンの手に青い矢が現れると、アポローンがその矢を弓につがえてアタックしていないカチカチダヌキめがけて矢を放ち、破壊した。

 

だが、アタックしている方のカチカチダヌキのアタックは通り、蓮子のライフが一つ弾けた。

 

 

ガルボ「コアをボイドに置いて効果を使った!?」

 

 

エリス「…なるほど…そう言う仕組みか…ターンエンドだ」

 

 

蓮子「メインステップ!さぁて!まずはバーストをセット!夜明けを告げる太陽よ!星の力纏いて竜となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!!召喚!!不足コストはブレイドラから確保!」

 

 

 

蓮子の後ろに太陽が昇り、バトルフィールドの下からのっそのそと紅のドラゴンが現れる。そしてフィールドに降り立って高々と咆哮した!

 

 

蓮子「砲竜バル・ガンナーを太陽龍ジーク・アポロドラゴンに合体!そしてレベル2に!」

 

 

バル・ガンナーがダンっと飛び上がり体を背中の砲台にしまうと、翼を消したジーク・アポロドラゴンの背中に合体した!

 

 

蓮子「アタックステップ!ぶち抜け!合体スピリット!!アタック時効果でBP9000以下のスピリット…カチカチダヌキを破壊!さらにアポローンの存在によりライフを一つ破壊する!もう一丁!バル・ガンナーの合体時効果!ニジノコを破壊してワンドロー!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンが走りながら背中の砲台でカチカチダヌキとニジノコを、口からの火炎放射でエリスのライフを狙う。そして三点から一気にビームを放ってスピリットとライフを木っ端微塵にした。

 

 

マレーネ「まずいんべ!これでお頭のスピリットは全滅!」

 

 

エリス「……バースト発動!聖龍皇アルティメット・セイバーのバースト効果!自分のライフにリザーブからコアを一つ置く!さらに……!三龍神の輝きよ!聖なる光よ!我に宇宙の輝きを!聖龍皇アルティメット・セイバー!!レベル4でバースト召喚!!」

 

 

エリスがフィールドにカードを叩きつけると、炎のフィールドに和服を着たワイバーン型のドラゴンが舞い降りた。いつもなら召喚条件…『赤のスピリット一体以上』をクリアしなければならないが、煌炎の神剣レベル2の効果で条件を無視できたので、このまま召喚できたのである。

 

 

 

エリス「Uセイバーでブロック!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

蓮子「…コスト3…サンダー・Z・ギボン!」

 

 

エリス「ヒット!手札はバーストをセットしてUセイバーは回復!そして煌炎の神剣の効果でドローする!」

 

 

回復しながらジーク・アポロドラゴンを迎え撃つUセイバー。そのレベル4BPは13000。レベル2のジーク・アポロドラゴンのBP9000に加えてバル・ガンナーの合体時のBP加算値は4000なので、合計BPは13000。よって互角のバトルが続く。

 

 

ガルボ「…お頭…まさかセイバーを犠牲に相手のキースピリットを破壊しようと!?」

 

 

エリス「………」

 

 

ガルボの言うとおり、エリスは内心かなり焦っていた。彼女の赤黄デッキは直接スピリットを破壊するというよりは黄マジックで翻弄したあと、Uセイバーの連続攻撃等で決める……これが彼女の王道の勝ち筋だったが、思った以上に蓮子の攻撃が速かった…

 

 

エリス《…ここでライフで受けてかわしても……次また合体スピリットが暴れだしたら手に負えない…ならセイバーを犠牲にしても早急に処理する!》

 

 

 

Uセイバーの火炎放射とジーク・アポロドラゴンの砲台からのビームがぶつかり、お互い吹き飛ばされる。そしてジーク・アポロドラゴンが突っ込んでUセイバーに飛びかかって強烈なパンチを喰らわせる。だが同じタイミングでUセイバーの翼がジーク・アポロドラゴンを切り裂き、両者爆発した!!

 

 

 

蓮子「…ふう…やる~♪…でも……こいつを忘れてない?相手によるスピリット破壊によりバースト発動!ライジングフレイム!このバースト時に破壊されたジーク・アポロドラゴンを一コストで蘇らせる!不足コストはブレイドラより確保!

 

 

「キィ」と鳴いて消えていったブレイドラの足元から炎が沸き上がり、五体満足のジーク・アポロドラゴンが復活した!

 

 

蓮子「モルゲザウルスでアタック!」

 

 

エリス「な!?ライフで受ける!」

 

 

再び走り出したモルゲザウルスが縦回転しながらエリスのライフを尻尾で叩き割った。

 

 

蓮子「合体スピリットでアタック!効果でライフを破壊!これで残りのライフは2!合体スピリットはダブルシンボル!チェックメイト!!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンが口と砲台から特大の光線を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

エリス「なかなかやるな…」

 

 

蓮子「ナハハ…すみません、なんか乗せてくださって……」

 

 

あのあと銀河バトスピ法により蓮子の頼みを聞いたエリスは蓮子をヴィーナス号に乗せて宇宙を航海していた。するとエリスが何か思案して蓮子に話しかける。

 

 

エリス「…蓮子…敗者の私が頼むのもおかしな話だが……」

 

 

蓮子「いいですよ、何を手伝えば良いんです?」

 

 

 

蓮子は呑気に椅子に座ってエリスの話を聞いている。その様子にエリスは気が抜けながらも話し続ける。

 

 

 

 

 

 

エリス「…私達と共に……異次元からの侵略者と戦ってほしい…!!」

 

 




はい。ありがとうございました。

なぜ蓮子がジーク・アポロドラゴンXを持っているのか…それも物語に関わってきます…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3羽ガラス

仮面ライダー01…すみません、最初「つまんなそう」と思ってました……1話見ました……「おもろい!」

仮面ライダーあるあるですね…


第一階層 永琳サイド

 

 

 

咲夜「…ウウ…オジョウサマ…」

 

サグメ《……スミマセン…ツクヨミサマ……》

 

妹紅「…大丈夫かよ……なぁ…ちょっと聞いていいか?」

 

永琳「…ふう……あら…何かしら?」

 

咲夜とサグメをしばいたあと、妹紅が永琳に聞きたいことを尋ねる(永琳の黒歴史は妹紅も見ていたが咲夜とサグメがソファーにぐったりしながらうなされているのを見て、黙っていた)

 

妹紅「…あたし達……今どこ向かってんだ?」

 

スサノヲ《ズッコケ…分かってなかったのかよ…あれだよ…ギルドっていうこの宇宙のけーさつみたいな奴らの所だよ》

 

ペルセポネ《……あ!見えましたよ!!あの星ですね!!》

 

スサノヲが呆れながら話していると、窓の外を覗いていたペルセポネが声をあげた。その声にようやく永琳の薬から復活した咲夜とサグメがよろよろと立ち上がる。

 

咲夜「…なんだか……鬼の顔みたいな星ですね…」

 

サグメ《……本当にここなんですか……?》

 

アルテミス《仕入れた情報によるとこの『ギルド』って組織……ちょっと前までは所謂『ヤクザ』みたいな組織で、それが最近変わったらしいわ》

アルテミスが解説している間に船は星に入っていき、停泊所に到着して止まった。そして創界神'Sを体内に入れた三人と永琳が地面に降りて中に入ろうとしたが……

永琳「…どうやら……手荒い歓迎みたいね…」

 

???「あっ!!そこの~宇宙船~!!」

 

???「YOU達!侵入禁止!」

 

???「ちょぉぉっと私達に同行して貰うわよ!」

 

永琳達が見切った通り、ギルドの入口付近に立っていた三人の男女が永琳達をブロックしたのだ。一人は三味線を持った男、二人目はゴーグルをかけた青年、三人目は紫色で大柄なオネェ。そして三人は堂々と名乗りをあげた。

 

 

 

???「耳を澄ませば聞こえてくるyo!」

 

???「宝を求めて黒羽三つ!!」

 

???「強きを挫き!弱きを救う!」

 

スサノヲ《…なんか始まった……》

 

……失礼…その[彼らの無駄な]紹介口上に少々お付き合いください……

 

???「ジャジャーン!!魅惑の歌声ぇ~!流しのワタリ!!

 

???「怒れる般若!怒りのハシブト!!

 

???「oh!oh!!優雅な踊り子!目覚めのツルハシ!!

 

三人「「「ギルド最強バトスピトリオ!羽ばたけ!!

 

銀河三羽ガラス!!」」」

 

 

 

…………カァー……カァー………

 

 

 

妹紅「…それ…宴会芸か?」

 

ハシブト「お黙り!とにかく!あんた達の宇宙船から良くないオーラが検出されてんのよ!!」

 

ツルハシ「だからノー!レッツご帰宅!!」

 

三羽カラスの言葉に永琳は心の中で舌打ちした。あの男があれからちっとも目を覚まさなかったので、船内に放置していたことが仇になってしまった。だが永琳はすぐさま作戦を持ち前の天才脳で弾きだす。

 

永琳「ふーん…それならバトルで決めましょ…カラス…だったかしら?こっちには焼き鳥と鷺がついてるのよ?……という訳で……妹紅、サグメ…あとついでに咲夜、いってらっしゃい♪」

 

妹紅「おい!せめて不死鳥って言えよ!」

 

サグメ《…あの……私をただの鷺扱いしないでください……》

 

咲夜「…ついでって……まぁ良いわ。私達が勝ったら通して貰うわよ!」

 

 

 

六人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「…さっさと片付けるか……」

 

 

ワタリ「いよぉ~!俺様からいくぜぇ~!流しのターン!まずはネクサス!英雄王の神剣を配置ぃ~!そしてバーストセット!ドローし…ターンエンド!」

 

ワタリが三味線を引きながらカードをフィールドに投げる。ネクサスから判断するに『バーストコントロール』系だと妹紅は判断した。

 

妹紅「メインステップ。ゴッドシーカーカミムスビハイドラを召喚!召喚時効果でデッキを三枚オープン!その中のスサノヲと赤又は青の天渡/化神を一枚手札に!!」

 

妹紅は青い三首竜を呼び出すと、カミムスビハイドラが嘶いてデッキをめくっていく……スサノヲの轟天神殿…海将軍イサリビノツカサ…創界神スサノヲ…

 

妹紅「スサノヲの轟天神殿は天渡を持っているので、創界神スサノヲと共に回収対象!よってこの二枚を手札に加え、残りは…そうだな……デッキトップに戻す。」

 

ワタリ「バースト貰ったぁ!ヴァイキング・レイヴを召喚!さらにお前のメインステップは終了だ!」

 

カミムスビハイドラの召喚時効果に反応してワタリのバーストが開く。そして現れた機械のバイキングは白い衝撃波で妹紅のメインステップを終わらせてしまった。

 

 

妹紅「へぇ…ターンエンド」

 

ワタリ「流しのターン!またバーストセットしてドロー!さらにザニーガンを二体召喚しまっせ!アタックステップ!ヴァイキング・レイヴでアタックだぁ!!」

 

ワタリが三味線をベベン!と奏でて機械の海老達を呼び出すと、ヴァイキング・レイヴを攻撃させた。

 

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

ヴァイキング・レイヴが右手の斧でライフを打ち砕く。

 

ワタリ「そしてザニーガン二体でアタック!!」

 

妹紅「フルアタックか……ライフだ!」

 

間髪入れずにワタリはザニーガンを二体とも攻撃させる。妹紅はカミムスビハイドラを残してライフで受けた。

 

ワタリ「ナハハ!これでお前のライフは残り2!ターンエンドですから!」

 

妹紅「ふん…メインステップ!二色の龍操る神!創界神スサノヲとスサノヲの轟天神殿を配置!スサノヲの効果でデッキから三枚トラッシュに置き、その中の対象が二枚あったので、コア二個を追加!」

 

スサノヲ《…カラスか…文ちゃんのイメージしか湧いてこねぇ…》

 

妹紅の後ろにスサノヲが、その又背後に大きな砲台を着けた城がそびえる。さらにスサノヲの効果でトラッシュに送られたカードの一枚が青く輝いていた。

 

妹紅「ここでトラッシュの護国之威光の効果!スサノヲの効果でトラッシュに置かれたので、コアをスサノヲに追加して手札に戻る……へへ!お返しだ!青き大波!全てを飲み込む八首の龍!轟海覇神ヤマタハイドラノカミ!!!召喚!!」

 

スサノヲ《そして天界放!俺のコアを二つヤマタハイドラノカミに置いてヴァイキング・レイヴとザニーガン一体を破壊!》

 

スサノヲの腕から青いオーラ状の龍が現れ、フィールドも水浸しになる。そしてその龍にフィールドの水が集まり、八首の巨大なドラゴンへと変化した。さらにヤマタハイドラノカミが生みだした水流がヴァイキング・レイヴとザニーガン一体を押し流して破壊した。

 

ワタリ「なななな!?しかもアルティメットクラスのビッグドラゴン!?」

 

妹紅「バーストをセットしてアタックステップ!ヤマタハイドラノカミ!押し流せ!効果は使わない」

 

ワタリ「ら、ら、ライフで受ける!そしてバースト発動!氷の覇王ミブロック・バラガン!レベル2で召喚!」

 

ヤマタハイドラノカミが八首からビームを放ってワタリのライフを二つ破壊したが、ライフ減少をトリガーとしてミブロック・バラガンがバースト召喚された。

 

妹紅「やっぱりね、フルアタックでそれは読めてたけど……ターンエンド」

 

ワタリ「流しのターン!三度バーストセット!そしてバーストタートルを召喚!アタックステップ!召喚したバーストタートルでアタック!!」

 

ワタリは大きなリクガメを召喚して攻撃態勢に入る。これでワタリのスピリットは三体、バーストも考えれば妹紅のライフを削りきれると判断したようだ。

 

妹紅「…ライフで受ける!よってバースト発動!大凶龍ギガノマガツカミ!バースト効果でミブロック・バラガンを破壊!」

 

バーストタートルの回転攻撃がライフを破壊したが、今度は妹紅のバーストが開きいて巨大な剣を構えた大恐竜が地面から這い出してくる。そしてギガノマガツカミが赤い斬撃を放ってミブロック・バラガンを真っ二つに切り裂いたことで、ワタリのアタッカーは一体だけとなった。

 

ワタリ「……チーン…ターンエンド…」

 

妹紅「メインステップ!神に抗う太古の龍!凶龍爆神ガンディノス!!レベル2で召喚する!アタックステップ!ガンディノスでアタック!!」

 

ヤマタハイドラノカミの前の地面からオレンジと茶色い色合いをした恐竜が這い出てきて、そのままワタリめがけて突っ込んで行った。

 

妹紅「ガンディノスのアタック時効果!BP10000以下のスピリット、バーストタートルを破壊!さらに超強襲!スサノヲの轟天神殿を疲労させてガンディノスは回復!」

 

ワタリ「…ば、バースト発動!ノイジーレイヴン!召喚時効果でそのデカブツドラゴンを手札に戻す!これでギリギリ耐えられ……ありぃえ?」

 

ワタリのバーストから機械のカラスが放った白い弾丸がバーストタートルを噛み砕いたガンディノスの後ろ…ヤマタハイドラノカミに直撃した……がヤマタハイドラノカミは何事もなかったように立っていた!

 

妹紅「スサノヲの轟天神殿の効果さ。地竜/海首スピリットにバウンス耐性をつけるんだ!さぁ、これがガンディノスのメインアタック!」

 

ワタリ「…ライフで歌う……」

 

ガンディノスが大口を開けて火炎弾を放ち、超強襲の効果も含めてワタリのライフを二つ焼き尽くした。

 

妹紅「吹き飛びな!ヤマタハイドラノカミ!天界放!ザニーガンとノイジーレイヴンを破壊!」

 

二つの首でワタリのスピリット達を噛み砕いたヤマタハイドラノカミが尻尾の剣を振り回してライフを破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

ハシブト「さぁ…かかってきなさい!!」

 

サグメ《…メインステップ。白き月の光!創界神アルテミスを配置!トラッシュに置いた対象が三枚なので、コアを三個追加。ターンエンド…》

 

アルテミス《…カラス…昔兄貴が焼いて真っ黒にしてたわね》

 

サグメはアルテミスを配置するだけでハシブトにターンを渡す。

 

ハシブト「怒りのターン!カースガーゴイルを召喚!バーストもセットするわ!そしてカースガーゴイル!お行き!」

 

サグメ《ライフで受ける》

 

ハシブトが召喚した白い悪魔が腕を振るってサグメのライフを砕いた。

 

ハシブト「ターンエンドよ」

 

サグメ《…メインステップ…ポーラナイト・ガルムを召喚…召喚時効果でコアを追加して……そのコアでリーディング・オリックスを召喚…》

 

サグメは銀色の狼と機械の鹿を召喚する。この二体でうまく手札とコアを補充していこうという作戦なのだろう。

 

サグメ《…バーストもセットして…アタックステップ…!ポラーナイト・ガルムでアタック!アタック時効果でコアをリーディング・オリックスに置いてレベル2に…!そしてポーラナイト・ガルムは回復!》

 

ハシブト「ライフで受けるわ」

 

ポラーナイト・ガルムが走り出してコアを増加させ、ハシブトのライフも破壊した。

 

サグメ《エンドステップ…リーディング・オリックスの効果でドローして…ターンエンド》

 

ハシブト「ムムム…怒りのターン!ジャングルクロウデーモンを召喚!ターンエンド!」

 

ハシブトはキースピリットの鎌を持った紫の鳥人…ジャングルクロウデーモンを召喚してターンを終わらせた。

 

サグメ《…呪滅撃か…私はこのターン何もしない。リーディング・オリックスの効果を再度使い、ドロー…ターンエンド》

 

サグメはこのターン何もせず、終了する。ジャングルクロウデーモンはまだレベル1なので、呪滅撃は持っていないはずだが……

 

ハシブト「へぇ~…後悔しないでよ!怒りのターン!来なさい!デモ・ボーン!さらにジャングルクロウデーモンをレベル3にアップ!そして覚悟しなさい!カースガーゴイルでアタック!」

 

ハシブトは追加でデモ・ボーンを召喚し、レベル3に上げて呪滅撃を持たせたカースガーゴイルをアタックさせた。

 

サグメ《…ライフ…!》

 

再度カースガーゴイルの攻撃がサグメのライフを破壊したが、サグメはピクリとも表情を変えなかった。

 

ハシブト「これで良いわ。ターンエンド」

 

サグメ《……ガッツ!…メインステップ!フルアーマー・グリズリーをレベル2で召喚!アタックステップ!ここでアルテミスの神域の効果でコス6以上のフルアーマー・グリズリーを指定…!そしてアタック!!》

 

アルテミス《…ジィー…そいつを使うつもりね♪》

 

サグメが砲台を装着したグリズリーを召喚する。そしてサグメは語気を一段と強め、アルテミスの力を受けたグリズリーにアタックを命じた。

 

ハシブト「ふん!こっちには呪滅撃があるのよ!!」

 

 

サグメ《…そんな正面からぶつかるとでも?フラッシュタイミング!フルアーマー・グリズリーに煌臨!純白に染まりし砲撃の神皇!白虎の神皇リボル・ティーガtype-D!!

 

アルテミス《そして煌臨時効果!砲撃D!デッキから一枚オープン……よっしゃ!機獣のライトニング・ケリュネイアーだったから、ライフを一つぶち抜いて回復よ!》

 

突進していたフルアーマー・グリズリーが白く輝いて白銀のリボル・ティーガへと変わる。そしてデッキから飛ばされたカードが機獣スピリットなのでライフを破壊し、さらに煌臨を持っていたいるため回復した。

 

ハシブト「イテテ…だけどジャングルクロウデーモンの呪滅撃で……ん…?ブロックできないぃぃ!?」

 

サグメ《アルテミスレベル2からの神域……それは本来のコストが6以上の機獣スピリットに白シンボル追加&アンブロッカブル効果を付与すると言うもの……ゆえにあなたはライフで受ける以外の選択肢はありません》

 

ジャングルクロウデーモンを弾き飛ばしてリボル・ティーガが前足をハシブトのライフに叩きつけ、破壊する。

 

サグメ《…これで終わらせます!リボル・ティーガ!》

 

リボル・ティーガが白い光線を発射した!

 

 

 

 

 

 

ツルハシ「yo!yo!俺から行っちゃう!目覚めのターン!カキューソ&リュザード召喚!ターンエンド!」

 

ツルハシはノリノリで炎のいたちと小さな赤竜を召喚する。

 

咲夜「…メインステップ。魂の古都ジュデッカ…そして冥府の姫君!創界神ペルセポネ!デッキを三枚トラッシュに置いて対象が二枚。よってコアを二個追加。」

 

ペルセポネ《ウフフ…焼き鳥にしてやるわ…!》

 

バトルフィールド全体が霊魂漂う中世の都市へと変わり、さらに鞭を振り回しながらペルセポネが現れた。

 

咲夜「バーストをセットしてターンエンド」

 

ツルハシ「oh!目覚めのターン!カモン!カグツチドラグーン!そしてアタック!!アンドドロー!!」

 

ツルハシはオレンジのドラゴンを召喚すると、そのままアタックして手札を増やした。

 

咲夜「ライフで受ける!」

 

カグツチドラグーンの炎が咲夜のライフを焼いた。

 

ツルハシ「これでエンド!」

 

咲夜「…ん…メインステップ。堕天騎士タムズを一体、堕天騎士シンを二体召喚。タムズの召喚時効果でドロー。アタックステップ!シンで攻撃!」

 

ペルセポネ《私もレベル2になったし……苦しみなさい!シンの毒刃!デッキから私の神域も含めてカグツチドラグーンに三枚、カキューソに二枚追加!》

 

ツルハシ「what!?でもカキューソのBP2000!相討ちブロックyo!」

 

 

シンが金の鞭でカグツチドラグーンとカキューソに毒を盛る。しかしカキューソがシンに飛びかかって両者破壊されたが……フィールドの中世都市が紫に輝いていた……

 

 

咲夜「ジュデッカの効果!毒刃スピリットがBP勝負で破壊された際、疲労状態でフィールドに残るわ。そしてタムズでアタック!毒刃でカグツチドラグーンとリュザードに2枚を下にを追加!」

 

ツルハシ「oh!ライフで受ける!」

 

紫のオーラからシンが蘇ると、タムズが攻撃して毒を浴びせ、ライフも破壊した。

 

 

咲夜「これで残り24枚…ターンエンド」

 

 

ツルハシ「目覚めのターン!ブレイドラ…アンド……召喚!ケープロッカーだyo!」

 

 

ツルハシはブレイドラを召喚してさらに炎から赤いカラスを呼び出した。

 

 

ツルハシ「アタックステップ!ケープロッカー!Go!フラッシュで…」

 

 

咲夜「スピリットのアタックによりバースト発動!堕天騎士オルクス!バースト召喚後、自分の毒刃三つを発動させる!オルクスとシン二体の毒刃を発揮!」

 

ペルセポネ《これにも私の神域の補正がかかるわ!これで計14枚がケープロッカーとブレイドラの下に置かれる!そしてケープロッカーはシンでブロック!さらに毒刃!リュザードに五枚!》

 

ケープロッカーが飛び出し、ツルハシは超覚醒を使おうとしたが、咲夜のバーストが開いて別の堕天騎士が現れる。オルクスが鎌を振るとシン達が毒刃を放ってケープロッカーやブレイドラ達に毒を浴びせまくった。

 

咲夜「ジュデッカの効果でシンは破壊されるけど疲労状態でフィールドに」

 

 

ツルハシ「…ターンエンド…yo…」

 

 

咲夜「…さて…デッキはあと僅か……メインステップ!毒の力持つ究極!堕天騎神サターン!!レベル4で召喚!」

 

咲夜の手札から紫の煙がフィールドを覆いつくす。そして煙が収束して紫の悪魔騎士が現れた。

 

ツルハシ「あ、アルティメット使いだったのかyo!?」

 

咲夜「…あ…この世界ではアルティメットは珍しいのね……アタックステップ!サターンでアタック!まずは毒刃!カードを二枚追加!そしてUトリガー!ロックオン!」

 

ツルハシ「…コスト2…ノデッポだyo…!」

 

咲夜「ヒット!スピリット達の下にあるカード三枚につき、手札を一枚破棄!……計算しなくても全部棄てて貰うわよ!」

 

ペルセポネ《さらに私の神技!コア四個をボイドに置いて、下のカードが三枚以上のスピリットはアタック/ブロックできない!》

 

サターンの斬撃がツルハシの手札を吹き飛ばす。これでツルハシのデッキはゼロになってしまうが、咲夜とペルセポネは攻撃の手を緩めない。

 

ツルハシ「…ら、ライフyo!」

 

サターンが紫の小型コウモリを連射してライフを破壊する。

 

咲夜「これであなたのデッキも手札もブロックできるスピリットもゼロ。総攻撃!」

 

ペルセポネ《これがゼロ勝ち!》

 

シンやオルクスが一斉に飛びかかった!

 

 

 

 

 

 

 

三羽ガラス「「「きゅう………」」」

 

永琳「お疲れ~…あ、咲夜。あなたの茶葉借りてるわ~」

 

咲夜「……もーいいわ……」

 

三羽ガラスが負けて地面で伸びている一方、永琳はどこからかティーセットを取り出して優雅にくつろいでいた。するとそこへ……

 

???「失礼、そこのご婦人」

 

永琳「ちょっと…私はまだピチピチの……あなた…目が覚めたようね」

 

突然声をかけられた永琳が振り向くと、そこには船で気絶していた男が立っていた。

 

???「迷惑をかけてすまん。だが俺を倒せるほどの実力を持ったあんた達に頼みたいことがある。偶然か運命か…俺もここにいる奴に用があった。一緒に来てくれ」

 

そう言いながら男はギルドの中に入っていった。それを四人は少し顔を見合わせると、男の後についていった。

 

 




はい、ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

流星VS太陽龍

ジークXの問題点は指定アタックしてしまうとBPに関係なく相手を破壊してしまうところです。ですので何回か指定アタックを使わないシーンがありますので、ご注意ください。


第一階層 ゲート前

 

 

 

マレーネ「お頭!ゲート抜けました!」

 

 

ガルボ「目的地まであと少しです!」

 

 

蓮子を乗せたヴィーナス号は第一階層に入り、目的地への旅路を急いでいた。その間、蓮子はエリスの話を聞いていた。

 

 

蓮子「ふーん…つまり…昔この世界で起こった戦争相手がまた攻めてきたから戦わなきゃいけないってことね」

 

 

エリス「そうだ。だが奴等もかなりの腕前のカードバトラーだからな…やはり戦力が欲しい。蓮子、協力してくれるか?」

 

 

蓮子「もち!」

 

 

ショコラ「いも!」

 

 

エリスの言葉にグッと親指を立てる蓮子。それに反応してグッと指を立て返したショコラを見て、エリスはフッと笑みをこぼした。

 

 

エリス「…む?」

 

 

二人の動きに和んでいると、ヴィーナス号の隣に青い宇宙船が並走してきた。そしてそこから通信が入る。

 

 

ガルボ「お頭!流れ星からの通信です!」

 

 

???「久しぶりだな、明の星」

 

 

突然の映像に少し蓮子は驚いたが、隣のエリスが冷静に話し始めたのを見て「知り合い」であると察する。少し二人が話したあと、褐色の青年は蓮子に目を向けた。

 

 

???「明の星、お前の隣にいる黒い帽子の女は知り合いか?」

 

 

エリス「ああ、実はこの事件には凄腕のカードバトラーが必要だと思ってな…ついさっき私を打ち負かした彼女に協力を依頼したんだ」

 

蓮子「どうも~宇佐見 蓮子でぇ~す!」

 

 

???「…なかなか活発な娘だな…俺は流れ星のキリガ。こっちは相棒のイアンだ」

 

イアン「はじめまして」

 

こんな感じに手を振っている蓮子に礼儀正しく自己紹介したキリガとその相棒のちびドラゴン…イアン。するとキリガの体がどこかそわそわしているのに蓮子は気づいた。

 

 

蓮子「あ~……バトルしたいって顔してますが…?」

 

キリガ「……まぁな…明の星を倒したんだ…強いのだろう?」

 

蓮子「…ふーん…良いよ!それにこうした方が作者も楽だし」

 

蓮子さん、メタイ発言は勘弁してください←間違ってるとは言ってない。

 

 

エリス「…はぁ…まぁ、気持ちは分かるな…」

 

 

キリガ 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「先にやってもいいわよ?」

 

 

キリガ「そうか…流星のターン!ルクバード・ドラゴンとクォーツ・ゴレムを召喚!ターンエンド」

 

 

キリガは蓮子の勧めに乗り、先行で赤いトカゲ竜と青いロボットを召喚してターンを終える。

 

 

蓮子「…赤青ね……メインステップ!ネクサス!光輝く大銀河!そして創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置!デッキから三枚トラッシュへ!そしてその中の対象カードが一枚なので、コア一つをアポローンに!」

 

 

蓮子の背後に赤い大銀河と弓を携えた金色の神が現れる。そして蓮子はバーストをセットしてターンエンドした。

 

 

 

キリガ「フム……流星のターン!ネクサス、海底王国の秘宝を配置!アタックステップ!ルクバード・ドラゴン!前へ!!」

 

 

キリガの後ろに青デッキ御用達のダブルシンボルネクサス、海底王国の秘宝が出現すると、ルクバード・ドラゴンがトコトコと歩きだした。

 

 

蓮子「ライフで受ける!ここでバースト発動!選ばれし探索者アレックス!効果で…どーしよっかなぁ…よし…デッキから一枚ドローしてアタックステップを終了させる!」

 

 

ルクバード・ドラゴンの舌がライフを破壊したが蓮子のバーストが開き、フードに杖を構えた少女が六色の壁を展開しながら現れた。

 

 

キリガ「ターンエンド」

 

 

蓮子「メインステップ!モルゲザウルスを召喚して…マジック!ゾディアックコンダクトを使用!デッキから四枚オープン!その中の光導スピリットをノーコスト召喚するわ!」

 

 

モルゲザウルスが召喚されると、蓮子のデッキがめくられる…光輝く大銀河…魔導双神ジェミナイズ…スターリードロー…シャーマント・ヒヒ…

 

 

蓮子「イエス!召喚!魔導双神ジェミナイズ!!レベル3で召喚!アタックステップ!ジェミナイズでアタック!」

 

 

フィールドに描かれた双子座からジェミナイズが現れ、キラキラと輝きながら飛び出した。

 

 

キリガ「ライフで受ける!」

 

 

ジェミナイズが腕に光球を作り出してライフに叩きつけた。

 

 

蓮子「これで終わり!ターンエンド!」

 

 

エリス「…黄色のスピリットか……単赤ではなかったのか…」

 

 

キリガ「…なかなかやるな。流星のターン!!こちらも行くぞ!我が古き友よ!再びバトルフィールドであいまみえん!威風堂々たる王者の中の王者!アルティメット・アレクサンダー!!召喚!」

 

 

キリガの手札から光が天に昇ると、そこから槍が現れてフィールドに突き刺さる。そしてその槍を巨大な青い巨人が掴んで大きく構えた。

 

 

ガルボ「ここでUアレクサンダー…蓮子にとっては厳しいですね……」

 

 

キリガ「アタックステップ!叩け!Uアレクサンダー!Uトリガー!ロックオン!!」

 

 

蓮子「…コスト5…ゾディアックコンダクト!」

 

 

キリガ「クリティカルヒット!コスト5以上のスピリットを破壊して回復!!」

 

 

蓮子「仕方ない…アレックスを指定…!フラッシュタイミング!光導創神アポローンの神技!BP8000以下のクォーツ・ゴレムを破壊!ワンドロー!そしてアレクサンダーのアタックはライフで受ける!」

 

 

アレクサンダーが槍をぶん投げてアレックスを貫くと、お返しと言わんばかりにアポローンの矢がクォーツ・ゴレムを撃ち抜く。だがUアレクサンダーは怯まずに投げた槍を回収して蓮子のライフにも槍を突き立てた。

 

 

キリガ「ターンエンドだ」

 

 

蓮子「あっちゃぁ~…ドローステップ……!…メインステップ!夜明けを告げる太陽よ!星の力纏いて龍となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!レベル2で召喚!!」

 

 

蓮子の背後からジーク・アポロドラゴンが這い上がってくる。すると、ジェミナイズが黄色く輝きだした。

 

 

蓮子「ここでジェミナイズのレベル1からの効果!神星を持つジーク・アポロドラゴンの召喚によりデッキを一枚オープン!それがスピリット/ブレイヴカードならノーコスト召喚!!」

 

 

ジェミナイズがデッキをめくる…そのカードは……牙皇ケルベロード!

 

 

蓮子「うおお!しかも制限カード!ブレイヴカードだったので召喚するわ!そしてジーク・アポロドラゴンと合体!そしてレベル3にアップ!」

 

 

青いシンボルから甲冑姿の猟犬が現れ、体を縮こまらせる。すると胴体から大きな青い翼が出現し、ジーク・アポロドラゴンの羽の代わりに背中に装着される。そしてジーク・アポロドラゴンの間接にも青いアーマーがつけられて高々と咆哮した!

 

 

マレーネ「おお~!カッコいいんべ~!!」

 

 

蓮子「アタックステップ!ジーク・アポロドラゴンで合体アタック!!アタック時効果でルクバード・ドラゴンを破壊してライフ貫通!さらにケルベロードの効果発揮!デッキを五枚破棄して回復する!」

 

 

キリガ「……Uアレクサンダーで受ける!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンはルクバード・ドラゴンを捕まえて放り投げると、Uアレクサンダーに飛びかかる。Uアレクサンダーは盾で防ぎながら盾を回転させてジーク・アポロドラゴンを吹き飛ばす。

 

 

蓮子「羽ばたけ!合体スピリット!!」

 

 

だがジーク・アポロドラゴンは空中で体勢を立て直すと翼から無数のエネルギー弾を放つ。Uアレクサンダーは盾で防ぐが徐々に防ぎきれなくなると、ジーク・アポロドラゴンは飛び蹴りをかましてUアレクサンダーを盾ごと破壊した!

 

 

蓮子「これで決まり!合体アタック!!効果でライフを破壊!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンが翼を青く光らせて飛び出し、勢いをつけた拳打でライフを貫いた!

 

 

 

 

 

 

 

エリス「…驚いた…まさか流れ星まで降すとは……」

 

 

蓮子「えへへ……」

 

 

バトル後、エリスは蓮子の強さに驚くばかりだった。三龍神アルティメット使いの自分と流れ星を、しかもアルティメット無しで打ち負かした…エリスとキリガは蓮子に仲間であることの心強さと一つの興味を抱いた。

 

 

エリス キリガ《…一番星とバトルしたら…どちらが勝つのか…》

 

 

マレーネ「お頭!見えました!」

 

 

イアン「さて…ここに来るのは久しぶりですね……」

 

 

そう言いながら二人は宇宙船をその星……ギルドへと着陸させた。

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

前々回のVSエリスと今回のVSキリガですが、二人はまだフルスロットル状態ではありませんでした(つまり引き運が弱かった)。ですので、敵とのバトルではマックスギアになってくれます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一番星と裏銀河とえーりんと

情報では超煌臨編3章にサジットXとレオXが収録されるらしいです……同弾収録のシュタイン・ボルグXの肩身が狭そう…


ギルド 元ミロクの部屋 現ギルドリーダー執務室

 

 

 

突然だが、今ここにはとある四勢力が集まっていた。

 

 

一つ目は宇宙最強のカードバトラー…一番星のレイとその相棒…ムゲンの仲間達であるライラ・エイプリルリクト・エイプリル。そしてロボットのソルト…彼らは究極のバトスピ・ネオを探している途中、ここに呼ばれたのであった。

 

 

 

二つ目はギルドの現リーダー…ガイ・アスラを使い、以前のギルドから宇宙平和を掲げてきた男…ハンソ郎

 

 

三つ目はいつもの幻想郷メンバー…妹紅、サグメ、咲夜…そして創界神のオーラを放っている永琳。

 

 

この三勢力が集まった理由…それはこの次元に再来したこの者達を端に発する。永琳達に襲いかかってきた男とその仲間達……彼らを人は……異次元からの侵略者…又は…裏十二宮ブレイヴ使いと呼ぶ。

 

 

 

 

妹紅「ははーん…つまりだ…お前…天秤座のライブラって言ったか…お前達の仲間が以前、この世界に呼び出された」

 

咲夜「その際、十二宮から外されていた蛇使い座…邪界転生のネイクスを仲間に戻そうとしたあなた達…蟹座のルキノス獅子座のデネボラは他の裏十二宮ブレイヴ使い達とぶつかった」

 

 

サグメ《…そして争いで劣勢になったあなた達は再びこの次元に姿を見せ、助けを求めていると…?》

 

 

ライブラ「そうだ。まぁ、俺も奴らに負けていいように操られていたがな……」

 

 

妹紅達の言葉に面目ないと頭を下げるライブラ。その隣で腕を組んでいる妙齢の男性…ネイクスをはじめとした裏十二宮ブレイヴ三人もすまなそうな顔をしている。

 

 

ルキノス「前、この次元に凄い迷惑をかけたことは重々承知してるガニ!」

 

デネボラ「しかし…他に頼れる者がいないのだ!頼む!」

 

 

リクト「…どうする、レイ?」

 

 

リクトやライラがレイの方を振り向く。するとレイはものすっごくワクワクニヤニヤした表情で返答した。

 

 

レイ「いいぜ!マジダチの頼みだ!それにお前らが手を焼くってことはそいつらもつええんだろ?楽しみだぜ!!」

 

 

ムゲン「はぁ~…まったく…レイはこんなときでもレイだな~」

 

 

ソルト「やっぱりそう言うと思ったでーす」

 

 

ハンソ郎「我らギルドもご協力しましょう」

 

 

レイ達一番星サイドとギルドは協力することを決めた。そして永琳達も協力することに異論はなかったが、永琳自身は少し考えたあと、目線をハンソ郎に向けた。

 

 

永琳「私達も協力することに異論ありませんが、私達は本来ここに人探しのためにやって来ました。この一件の後で構いませんので、そちらも請け負っていただけますか?」

 

ハンソ郎「承知。先程の部下の非礼にもかかわらず、ご協力に感謝します」

 

 

ハンソ郎も快く永琳の条件を受け入れ、さぁここからどうするかを話し合おうとしたが、さっきからじっと黙っていたネイクスが重い口を開いた。

 

 

ネイクス「……八意 永琳…お前からずっと星のオーラを感じる。しかも我らより強大な力だ…問おう。お前は何者だ?」

 

 

永琳「…私はこの世界でも…あなた達の次元でもない世界の星の神よ。だから星の力…つまり裏十二宮ブレイヴも扱える。この世界には知り合いを探してやって来たの」

 

 

鋭い目付きで問いかけたネイクスに永琳は淡々と返事を返す。そして自分が星の神であることの証拠に、手のひらを開けて裏十二宮ブレイヴカード十二枚を浮かべて見せた。

 

 

ネイクス「……別世界の十二宮の長か…」

 

永琳「…何か言いたいことがあるのでしょう?ならこれで話しましょう?」

 

永琳は裏十二宮のカードをしまうと代わりにデッキを構えた。ネイクスも厳しい表情のまま、デッキを構えて応じた。

 

 

 

永琳 ネイクス「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「…先行…で良いわよね?メインステップ。光星姫ヴァージニアを召喚。召喚時効果で三枚オープンし、その中の光導を持つカードを手札に」

 

 

永琳はまず金髪の姫を召喚してデッキをサーチする。めくられたのは…樹星獣セフィロ・シープ…スターリードロー…地星兵リブライヴァ…

 

 

永琳「よってセフィロ・シープを手札に加えて、残りはデッキの下に戻す。ターンエンド」

 

 

ライラ「今、めくれたカード…色バラバラだったけど…」

 

リクト「それでも回せる自信があるんだと思うよ」

 

 

ネイクス「邪界転生のターン。ニジノコ、そしてネクサス!No.24トリプルヘビーを配置。そしてバーストセット!」

 

 

ネイクスは赤、紫、白になれるニジノコでトリプルヘビーを軽減して配置する。これで白スピリットの召喚は楽になったであろう。

 

 

ネイクス「ターンエンド」

 

 

永琳「…かなりのコンボデッキみたいね…メインステップ。先に樹星獣セフィロ・シープを召喚してコアを増やすわ。そして星の叡知!創界神オモイカネを配置!トラッシュに送った対象カードは二枚なので、コアを二つオモイカネに置く」

 

 

デネボラ「…あれが星の神か…」

 

 

永琳は小さな緑の羊を召喚すると、いつも通り自身を配置して体から神力を迸らせた。

 

 

 

永琳「これでターンエンドよ」

 

 

ネイクス「…邪界転生のターン。機巧武者サイウンをレベル2で召喚!ターンエンド」

 

 

ネイクスは二刀の機械の剣士を召喚してコアブーストの準備を整える。だが、お互いアタックはしない転回となった。

 

 

サグメ《……サイウンが出て来たから…そろそろ八意様が動く…》

 

 

永琳「…メインステップ!赤く染まる月光!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタよ!穢れの力を今ここに!」

 

 

永琳の後ろからストライク・ジークヴルム・サジッタが飛び出してフィールドに降りてくる。

 

 

永琳「アタックステップ!サジッタでアタック!!界放の効果で私のコア一つをサジッタに置くことで、BP12000以下のスピリットを破壊!サイウンを指定!!」

 

 

ネイクス「…バースト発動!鬼岩要塞!疲労状態のスピリットを破壊し、配置!配置時効果でドロー!」

 

 

永琳「サジッタは自身の効果でネクサスの効果を受けないわ!」

 

 

ネイクス「ほう…ならライフで受けよう!」

 

 

火炎放射ででサイウンを焼き、ネイクスのバーストから放たれた呪いも弾いたサジッタが拳打でライフを破壊した。すると永琳のデッキが赤く光る。

 

 

永琳「サジッタの効果!ライフが減ったので一枚ドロー…ターンエンド」

 

 

妹紅「…なぁ…どう思う…?」

 

 

レイ「ネイクスは順調にシンボルを確保していってる。今は彼女が優勢だが…次のターン…ネイクスは仕掛けるな…」

 

 

妹紅《…へぇ…案外、ちゃんと戦局を見極めてるんだな…》

 

 

妹紅はレイの実力を図るためにこのバトルの様子を尋ねてみたが、思った以上に的確な返事が帰って来て舌を巻いた。そしてその言葉の通り、ネイクスが動いた。

 

 

ネイクス「邪界転生のターン!バーストセット!トリプルヘビーをレベル2に!世界の終わりを告げる騎士!終焉の騎神ラグナ・ロック!召喚時効果でコア六個を追加!」

 

 

トリプルヘビーが白く輝いて白シンボルを二つ増加させ、光の中から蝶の羽を持った大きな騎士が現れる。

 

 

ネイクス「ニジノコをレベル3に上げ、マジック!リカバードコア!ラグナ・ロックとライフにコアを追加!さらに骨孩児を召喚して三枚ドロー」

 

 

咲夜「…紫みたいなコンボね…嫌なことを思いださせるわ…」

 

 

ネイクスはお得意のリカバードコアによるライフ回復と骨孩児の手札補充効果でボードアドバンテージを取っていく。

 

 

ネイクス「アタックステップ!行け!ラグナ・ロックよ!バトル時効果で回復!」

 

 

永琳「やっとね…ライフで受ける!サジッタの効果でドロー!」

 

 

ラグナ・ロックが剣を突き刺して永琳のライフを二つ破壊するが、永琳もカードをドローする。

 

 

ネイクス「ターンエンド」

 

 

永琳「…ドラグ・タウラスが欲しい所だけど…仕方ないわ。メインステップ!ちょっと趣向を変えて……殻刃将レギオスを召喚!召喚時効果で手札から召喚!全てを切り裂く緑の鎌!巨蟹星鎧ブレイヴキャンサーを直接合体!」

 

キャンサー《…レギオス…体を借りるぞ…!》

 

 

永琳のフィールドに巨大な殻人が現れ、上空から緑の大蟹が分解されながら合体していく。そして背中に二本の刀が装着されて緑に輝いた。

 

 

ルキノス「な!?俺のブレイヴキャンサーガニ!?」

 

 

ライブラ「…先程のは本物だったか……」

 

 

永琳「そしてニジノコと骨孩児を疲労。サジッタをレベル2に上げて…アタックステップ!サジッタよ!星の輝きを見せよ!界放の効果でラグナ・ロックを破壊!そしてライフを砕くわ!」

 

 

ネイクス「バースト発動!絶甲氷盾!ライフを一つ増やしてフラッシュ効果!アタックステップをここで終了させる!サジッタのアタックはライフで受けよう!」

 

 

サジッタがラグナ・ロックと二つのライフを破壊したが、氷がネイクスのライフを一つ増やし、追撃を阻む防御壁になった。

 

 

永琳「…ターンエンド」

 

 

サグメ《…惜しい…!》

 

 

ネイクス「…邪界転生のターン!バーストをセット。そしてゴシック・グラーヴを召喚!召喚時効果!二枚ドロー……蛇遣い座は死の星座!お前が死の恐怖に慄く様を見せてもらおう!蛇帝星鎧ブレイヴピオーズ!

 

 

ネイクスが細い手足を持つ紫の巨人を召喚すると、空に蛇が昇っていく。そして空に蛇使い座が描かれ、そこから二つの蛇の頭を生やした大怪鳥が現れた。

 

 

リクト「来た…蛇使い座の裏十二宮ブレイヴ!」

 

 

ネイクス「召喚時効果!我がライフを一つ砕く。そしてストライク・ジークヴルム・サジッタを破壊!ライフ減少によりバースト発動!砲天使カノンの効果で相手スピリットをBPマイナス10000する!表の星々よ!燃え尽きよ!!」

 

 

ブレイヴピオーズの頭から紫の衝撃波が放たれ、サジッタを吹き飛ばすと、ネイクスのバーストから砲台を装着した天使が追撃を放って永琳のスピリット達を全滅させてしまった。

 

 

永琳「…ふうん…面白いわね…ブレイヴキャンサーはフィールドに残すわ」

 

 

ネイクス「そしてブレイヴピオーズをゴシック・グラーヴに合体してレベル3に!アタックだ!!」

 

 

紫の巨大な蛇がゴシック・グラーヴとブレイヴピオーズを飲み込むとネイクスのバトルフィールドの後ろで、超巨大な悪魔が杖を持ってゴゴゴと動き出した。

 

 

リクト「まずい!ストライク・ジークヴルム・サジッタも合体スピリットも破壊された!」

 

ライラ「これ…ヤバくない!?」

 

妹紅「………別に大丈夫だろ?」

 

 

リクトやライラが心配する中、妹紅やサグメ、咲夜はまったく動揺していなかった。それもそのはず、今そこにいるのは弾や紫とも渡り合う凄腕バトラー……そして三人の期待を彼女は裏切らなかった。

 

 

永琳「相手のスピリットがアタックしたので、バースト発動!転蠍機動スコルビウム!!レベル3で召喚してブロック!!バトル時の効果でBPプラス5000して回復!」

 

 

スコル《うっし!えーりん!かっ飛ばすぞ!》

 

 

永琳のバーストから蠍座のロボットが飛び出してゴシック・グラーヴに突っ込んでいく。ゴシック・グラーヴも杖を突き出したが、スコルビウムはヒラリとかわして脳天に槍を突き刺して破壊した!

 

 

ネイクス「…ゴシック・グラーヴ!合体時効果!手札の紫のカード二枚を破棄することで、回復状態で残る!もう一度アタック!」

 

 

ネイクスの手札がトラッシュに落ちると、ゴシック・グラーヴが紫の蛇に包まれながら戻ってくる。

 

 

永琳「再度スコルビウムでブロック!フラッシュタイミング!進化する赤き月紅龍!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果で召喚!裏より舞い降りる乙女座の天使!乙女星鎧ヴァルゴブレイヴ!超神月紅龍に直接合体して回復させる!!」

 

 

ヴァルゴ《とんでもないやつとバトルしてるわね…》

 

 

スコルビウムが赤い月から飛んできたドラゴンと合体してストライクヴルム・ノヴァへと変わる。そして星空を踊るように桃色の天使が分解されて合体していく。

 

手足の間接に桃色のアーマーがくっつき、ファンネルから白いオーラが放出され、その勢いのままゴシック・グラーヴの杖をへし折る。とどめにファンネルからエネルギーの槍を放ってゴシック・グラーヴをハリネズミ状態にして破壊した!!

 

 

ネイクス「……ゴシック・グラーヴの効果を再発揮…ターンエンド」

 

 

永琳「メインステップ!ブレイヴキャンサーをストライクヴルム・ノヴァに合体!さらに星空の大海原を駆ける船!双魚賊神ピスケガレオンX!!召喚時効果!相手スピリットのコアを二個ずつ外す!」

 

 

ピスケ《いただきま~す!》

 

 

フィールドに描かれた魚座から沸き上がってきたピスケガレオンが青いビームを放ち、ネイクスのゴシック・グラーヴ以外のスピリットを消滅させた。

 

さらにブレイヴキャンサーが再度分解されてストライクヴルム・ノヴァに合体する。ブレイヴキャンサーの頭部が鎧に変わり、間接以外の部分にも甲冑のように装着されていく。最後に二本の刀を両手に掴んで黄と緑のオーラを放出した!

 

 

永琳「アタックステップ!ダブル合体アタック!!界放の効果でコア三個を自身に置き、BP30000以下のスピリットを破壊!そしてブレイヴキャンサーの合体時、このスピリットは二体でないと止められない!!」

 

 

服が黄と緑に染まった永琳がストライクヴルム・ノヴァに攻撃を命じ、オモイカネの力を受けたストライクヴルム・ノヴァが二刀でゴシック・グラーヴをズバッと両断して爆散させる!

 

 

 

ネイクス「…ここまでか……お前は奴らとは違う…よくわかった」

 

 

永琳「まぁ…そんなことだろうと思っていたわ。私は蛇使い座に変な偏見なんて持ってないし」

 

 

ストライクヴルム・ノヴァが魔方陣を展開して強烈な光線を発射した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「これで私のことを信用してくれたかしら?」

 

 

ネイクス「…ああ…」

 

 

そんなやりとりをしている二人にライラ達は首を傾げるばかりだったが、サグメやレイ達実力者はなんとなく察していた。そうしていると、デネボラがふと何かに気づいてレイに尋ねる。

 

 

デネボラ「そういえば…流れ星と明の星は来ないのか?」

 

レイ「ん?そこんところどうなんだ?ハンソ郎?」

 

 

ハンソ郎「連絡はしたので、もうすぐ到着するはずですが…」

 

 

キリガ「俺達を呼んだか?」

 

エリス「遅くなった。少し手間取ってな」

 

 

デネボラの質問にハンソ郎が答えた直後、部屋にキリガとエリスが入ってきた。隣にはガルボとマレーネ…そして……

 

 

レイ「お?お前らも戦力になるカードバトラーを連れてきたのか?」

 

 

キリガ「まあな…協力感謝する…俺達も異次元からの侵略者と戦えるカードバトラーだ」

 

 

エリス「…そうだ…まず彼女を紹介しないとな……」

 

 

キリガが律儀に永琳達に頭を下げて、エリスと一緒に隣にいた黒い帽子を被った女性を紹介しようとする。

 

 

 

蓮子「どうも~…一応、戦力になるカードバトラーの宇佐見 蓮子でーす……」

 

 

妹紅 サグメ 咲夜「「《……え…ええ!!!?》」」

 

 

永琳《…!?…まさか……こんな簡単に会えるなんて…!?》

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回はレギオス+ブレイヴキャンサーを使いたかったので、永琳の実力証明のバトルに突っ込みました。そ

そして…とうとう見つけた宇佐見 蓮子に永琳達はどう接するのか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

創界神永琳

アヌビスの化神がまさか闇輝石の最後とは……久しぶりに登場したBP合計破壊やライフボイド送り、疲労状態だと耐性付与と既存の地竜とも噛み合いますね(耐性は簡単に貫通されそうだけど)


その日の夜 ギルド 中庭

 

 

永琳「……………」

 

 

あのあと、ハンソ郎が「今日はゆっくり休んで、明日からの戦いに備えよう」といった提案をしたので、レイ達はギルド内に泊めていた宇宙船で休んでいた。だが…永琳は一人ギルド内部の中庭に立っている。

 

 

永琳「…きたわね…」

 

 

蓮子「…ファァ…こんな時間に…話って」

 

 

そう言って蓮子が眠たそうに目を擦りなから中庭に現れたが、途中までしか言葉が出てこなかった。なぜなら満月をバックに思案に耽っていた永琳の姿があまりにも美しすぎたのだ。

 

特徴的な赤と青の服に三つ編みにした銀髪…そして出るとこ出て、引っ込む所は引っ込んでいる抜群のプロポーション…蓮子は羨ましさ半分、自分にそれがないという絶望半分で永琳の返答を待った。

 

 

蓮子《…ほんと…何で世界って不平等なのかしら…私なんてツルペタなのに……やめやめ…考えるだけ無駄…》

 

 

永琳「…この帽子…あなたのよね?」

 

 

蓮子「え…?」

 

 

振り返った永琳が見せた黒い帽子…それを見せられた蓮子の脳内から羨望も絶望も何もかもが吹っ飛んだ。

 

 

蓮子「そ、それ…何であなたが!?」

 

 

永琳「…その反応…やっぱりそうなのね…構えなさい。もしその理由が欲しければ私と戦うことよ」

 

 

蓮子「……わかったわ…私が勝ったらその理由ってのを教えてもらうわよ!」

 

 

永琳 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「聞かせてもらう…どうしてあなたがメリーにあげた帽子を持っているのか!!」

 

 

永琳「…できるものならね…メインステップ!蟹甲竜キャンサードラゴンを召喚。ターンエンド」

 

 

蓮子が疑いと不安で顔を歪ませている一方、永琳は淡々と白いハサミを持ったドラゴンを呼び出す。

 

 

蓮子「…メインステップ!ブレイドラ!そして創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置!効果でデッキから三枚トラッシュへ……よっしゃ!全て対象カード!よってコアを三つ追加!!ブレイドラの効果も発揮してドロー!」

 

 

蓮子は制限カードになるほど強いスピリット…ブレイドラを召喚し、アポローンを呼び出した。

 

 

永琳《…これも模造品?…でも光導か…負けるわけにはいかないわね…!》

 

 

蓮子「さらにモルゲザウルスXを召喚!アタックステップ!モルゲザウルスX!!いってきなさい!」

 

 

永琳「…?…ライフで受ける」

 

 

現れた小さな恐竜に首を傾げた永琳だが、冷静にライフで受けた。

 

 

蓮子「ターンエンド!」

 

 

永琳「…この娘…メインステップ。星の叡知!創界神オモイカネ!三枚中、対象が二枚だったので、二コアをオモイカネに置く!さらに樹星獣セフィロ・シープを召喚!」

 

 

蓮子「!?…創界神…八意…オモイカネ……まさかあなたが!?」

 

 

永琳は自分の分身のカードを配置してセフィロ・シープを召喚する。蓮子は巡ってきた世界で創界神のことを聞いていたのか、オモイカネの名前から永琳が創界神であると見破った。

 

 

永琳「ええ、そうよ?アタックはしないでターンエンド」

 

 

蓮子「…教えて…あなたとメリーはどんな関係なの…?」

 

 

蓮子は耐えられずに永琳に尋ねる。永琳は少し明後日の方向を向いたあと、様々な感情が入り交じった表情で答えた。

 

 

永琳「…腐れ縁…みたいなものよ…同じ世界でドンパチやってる……でもあなたのことは忘れてないと思うわ。この帽子も大事にしまっていた物だから…」

 

 

蓮子「本当ですか!?メリーは無事なんですね!?」

 

 

永琳は過剰反応をしている蓮子に一筋の疑問が生じていた。その疑問を解消するため、永琳は質問する。

 

 

永琳「…質問に質問で返して悪いけど……あなた…どうしてそんなに必死になっているの?あなたと彼女の間に何があったの?」

 

 

蓮子「………メインステップ。四拳龍ムドラーをレベル2で召喚…アタックステップ!ムドラーでアタック!!アタック時効果でコアをアポローンに!」

 

 

永琳の問いかけには答えず、蓮子は四本の腕を生やしたドラゴンを召喚して攻撃させる。そしてムドラーレベル1からの効果でデッキが一枚めくれる。それが神話ブレイヴならBP10000以下のスピリットを破壊できるが…めくれたのは獣装甲メガバイソン。

 

 

蓮子「…オープンされたカードは手札に!そしてこれがメインアタック!」

 

 

永琳「…キャンサードラゴンでブロック!破壊時の星読!こちらもデッキから一枚オープン!炎星龍サジタリアス・ドラゴンなので手札に」

 

 

ムドラーのパンチがキャンサードラゴンを殴り飛ばしたが、デッキから永琳の手札に入ったカードの光でキャンサードラゴンが復活した。

 

蓮子「…むぅ…ターンエンド!」

 

 

永琳「まったく…今時の若い娘は話を……メインステップ!趣向変更…その2よ…!戦機皇ライドフェンサーを召喚!そして…月光纏う星空の王者!獅子星鎧レオブレイヴ!不足コストはセフィロ・シープから確保」

 

 

レオ《…ファァ……もう深夜なのに…》

 

 

フィールドの奥から銀色のロボットが滑ってくると、セフィロ・シープの消滅と引き換えに夜空からも白銀のライオンが走ってきた。

 

 

永琳「…ちょっとだけお願い…獅子星鎧レオブレイヴを戦機皇ライドフェンサーに合体!そしてレベル2に!バーストもセットしますか」

 

 

ライドフェンサーの手足が背中へと変形し、レオブレイヴも体を分解させる。レオブレイヴの前足の付け根から腕が出現してライドフェンサーの肩に装着されて、足にもレオの部品が合体していく。最後に肩に獅子の顔がくっついた!

 

 

永琳「アタックステップ!合体アタック!!バトル時効果でBPプラス5000!!」

 

 

蓮子「く!ライフで受ける!」

 

 

ライドフェンサーが胸についている二刀を構えて×の字に蓮子のライフを切り裂いた。

 

永琳「ターンエンド」

 

 

蓮子「…う…メインステップ…夜明けを告げる太陽よ!星の力纏いて龍となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!レベル3で召喚!!」

 

 

永琳《……弾の!?…あれも別世界にあるの…?でも…弾のジーク・アポロと同じ神力を纏っている…?》

 

 

蓮子の後ろからジーク・アポロドラゴンが登ってくる。だが永琳は以前弾が使っていたジーク・アポロドラゴンと同じオーラを感じ取っていた。

 

 

蓮子「アタックステップ!ここでアポローンのレベル2からの神域によりジーク・アポロドラゴンがブロックされた時、回復する!飛べ!ジーク・アポロドラゴン!アタック時効果でキャンサードラゴンとライフ一つを破壊!」

 

 

永琳「…あらそう?ならブロックはしない方が良さそうね。ライフ減少によってバースト発動!選ばれし探索者アレックスを召喚!そしてコアを増やし、アタックステップを終わらせるわ。メインアタックもライフで」

 

 

ジーク・アポロドラゴンの攻撃がキャンサードラゴンと永琳のライフを焼き尽くしたが、永琳のバーストから放たれた虹色の障壁が追撃を妨害する。

 

そしていつもなら永琳はキャンサードラゴンの星読を使っているはずだが、アポローンの効果も考えて発揮させなかった。

 

 

蓮子「…うう…ターンエンド」

 

 

永琳「さて…メインステップ…星の力溜め込む白き水瓶!宝瓶神機アクア・エリシオンXをレベル2で召喚!!さらに…射手座の力持つ究極のドラゴン!アルティメット・サジット・アポロドラゴン!!不足コストはアレックスとライドフェンサーから。よってアレックスは消滅するわ」

 

 

アクア《おおおお!!本日二度目!》

 

 

永琳の背後に浮かび上がった水瓶座から水流がフィールドに落ち、そこから水瓶の騎士が現れる。さらに永琳がフィールドに矢を放つと、電光銃を構えた四足のドラゴンも登場した。

 

 

蓮子「ゲゲ…」

 

 

永琳「アタックステップ!Uサジットでアタック!!WUトリガー!ロックオン!!」

 

 

蓮子「う!…スターリードローと砲竜バル・ガンナー…どっちもコストは4…」

 

 

永琳「Wヒット!ムドラーとモルゲザウルスを破壊!そしてシンボルを追加!!」

 

 

Uサジットが電光銃からエネルギーの矢を発射してムドラーとモルゲザウルスを撃ち抜いた。さらに究極シンボルがUサジットの体に吸い込まれ、電光銃にパワーが溜まる。

 

 

蓮子「マジい…フラッシュタイミング!バーニングサン!手札から獣装甲メガバイソンをノーコスト召喚!直接ジーク・アポロドラゴンに合体!そして回復!」

 

 

蓮子の手札の一枚が炎となってフィールドに飛んでいく。ジーク・アポロドラゴンも赤く輝いて翼をしまう。そして手札がメガバイソンの角へと変わり、ジーク・アポロドラゴンの背中に合体した!

 

さらにジーク・アポロドラゴンの体にメガバイソンの装甲が張り巡らされて赤い部分が白く染まった!

 

 

蓮子「合体スピリット!Uサジットを迎え撃て!!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンがUサジットに飛びかかる。突然の攻撃にUサジットは咄嗟にバックしたあと、ジーク・アポロドラゴンに電光銃を向けて矢を放つ。だがジーク・アポロドラゴンはそれを掻い潜り、突進でUサジットをぶっ飛ばした!

 

 

永琳「…合体スピリットでアタック!」

 

 

蓮子「もう一発!フラッシュタイミング!スクランブルブースター!ジーク・アポロドラゴンを疲労ブロッカーに!もっかいブロックよ!」

 

 

再びライドフェンサーが剣を向けて飛び出したが、白く輝いたジーク・アポロドラゴンがムクッと起き上がって防御に入る。ライドフェンサーは肩の獅子の顔からビームを放つがメガバイソンの装甲がそれを弾く。お返しにジーク・アポロドラゴンは背中の角でライドフェンサーの腹を貫き、破壊した!

 

 

レオ《…ぐ…俺はフィールドに残るぜ…》

 

 

蓮子「スクランブルブースターの効果で二枚ドロー!どうする!?」

 

 

永琳「…メガバイソンの装甲の色は白…アクア・エリシオンの回復ロックも意味ないわね…ターンエンドよ」

 

 

アクア・エリシオンの効果もメガバイソンの装甲には効かず、永琳はターンエンドを宣言した。蓮子は得意そうにターンを始め、ドローすると…なにやらため息をついた…

 

 

蓮子「……もうちょい早く来てほしかったんだけど……メインステップ!バーストをセット!でもってメガバイソンを分離して天角獣バイコーンを召喚!ジーク・アポロドラゴンと合体してレベル3に!」

 

 

メガバイソンの角が外れて巨体バイソン型戦車に戻ると、二つの角を生やした黄色の天馬が現れる。そしてバイコーンは背中の翼をジーク・アポロドラゴンの背中に合体した!

 

 

蓮子「フルアタックで終わりよ!アタックステップ!ジーク・アポロドラゴンでアタック!アタック時効果でレオブレイヴとライフを一つ破壊!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンが黄色の翼を広げて飛び立ち、背中の天使の輪から黄色いビームを放つ。それがレオブレイヴと永琳のライフを撃ち抜いた。これで永琳のライフは残り一つだが……

 

 

永琳「残念♥️フラッシュタイミング!進化する赤き月光!アクア・エリシオンに煌臨!!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果!全てを飲み込む対の魚!双魚星鎧ブレイヴピスケス!を直接合体させて回復!」

 

 

アクア《ええ!?もう出番終わり!!?》

 

 

ピスケス《僕!参上!召喚時効果でスピリット達のコアを一つずつリザーブへ!ブレイドラとメガバイソンは消滅だよ!》

 

 

アクア・エリシオンが残念そうな声をあげ、月の光を浴びてストライクヴルム・ノヴァに進化する。そして空から泳いできた二匹の紫の魚がストライクヴルム・ノヴァにぶつかって合体した。

 

するとストライクヴルム・ノヴァの体に紫の鎖がまとわりつき、それが弾けとんで紫の鎧に変わった!

 

だが蓮子の目は未だに死んでおらず、ストライクヴルム・ノヴァの煌臨時効果を聞くと、バーストを発動させた。

 

 

蓮子「まだよ!相手のスピリットの召喚/煌臨時効果発揮によってバースト発動!真の王の守護者!覇王の力纏う古代のドラゴン!幻羅龍の覇王ガイ・ヤマト・アスラ!!レベル3で召喚!!」

 

 

蓮子のバーストから炎が吹き出すと天と地に火柱が上がる。その火柱を切り裂いてドラゴンの下半身に魔神の上半身をした超!超!巨大なスピリットが登場した!その大きさはアルティメット・ガイ・アスラに並ぶサイズだった!

 

 

永琳「…な、何…このスピリット…!…それでも私はもう一回ブロックできるわ!太陽龍を破壊しなさい!」

 

 

ジーク・アポロドラゴンとストライクヴルム・ノヴァが組み合ってフィールドを転がる。しかしストライクヴルム・ノヴァが背中の翼からゼロ距離ビームをジーク・アポロドラゴンにぶちこみ、大きく空に吹き飛ばす。

 

とどめにストライクヴルム・ノヴァは腕の鎧から紫の鎖を作り出してジーク・アポロドラゴンを絡めとって地面に叩きつけ、破壊した!

 

蓮子「…バイコーンは回復状態でフィールドに!ガイ・ヤマト・アスラでアタック!!」

 

 

永琳「…ちょっと、私は飾りものじゃないのよ!フラッシュタイミング!私の神技を使うわ!バイコーンを破壊!!ガイ・ヤマト・アスラはストライクヴルム・ノヴァでブロック!!」

 

 

永琳が一旦カードを空中に浮かして両手を自由にする。そして弓矢を出現させてバイコーンを射ぬき、その爆煙を駆け抜けてストライクヴルム・ノヴァがガイ・ヤマト・アスラに接近する。

 

ガイ・ヤマト・アスラは手に持った七支刀や長槍を突き刺そうとするが、ストライクヴルム・ノヴァはヒラリとかわしていく。するとカウンターでストライクヴルム・ノヴァは紫の鎖でガイ・ヤマト・アスラを縛りあげ、炎を纏って相手の脳天めがけて突進する!

 

ガイ・ヤマト・アスラはその衝撃を逃がせきれずに体を真っ二つに裂かれて爆発した!!

 

 

蓮子「……ターンエンド…」

 

 

永琳「…そろそろ…話してくれない?あなた達がなぜ離ればなれになってしまったのか…そして…なぜあなたは世界を渡り歩いているのか…」

 

 

蓮子は目をサッと伏せたあと、ぽつりぽつりと話し始めた。その話に永琳は驚きや憐れみ…そして後悔の念に駆られていた……

 

 

蓮子「…これが全て…私は…メリーに会いたい…でもそれよりもやらなければならないことがあるの!それに別世界のあなたには関係」

 

 

永琳「悪いけど!引き下がる気は無いわ!なら私達があなたを助けて彼女に会わせる!仮にも創界神である私が別の世界だからって滅亡していいなんて思わない!!」

 

 

永琳は蓮子の言葉を遮って声を上げる。その顔は月の都で自分が創界神になってしまったことを恨み、それを隠そうとしていた昔とは見違えた姿だった。

 

 

蓮子「……ごめんなさい…あまり…神に良い印象なかったから…」

 

 

永琳「まぁ、そんなもんよ……メインステップ…地獄より来たれし闇の使者!魔羯星鎧ブレイヴカプリコーンをストライクヴルム・ノヴァに直接合体するように召喚!!」

 

 

カプリコーン《久しぶりのバトルですね!》

 

地面から飛び出してきた紫の山羊がストライクヴルム・ノヴァにぶつかって合体した。

 

するとストライクヴルム・ノヴァの手にシュタイン・ボルグが持っている杖が現れ、永琳の服が紫に染まって体からオーラを放ち始めた!

 

 

 

永琳「決めなさい!W合体スピリット!!界放でバイコーンを破壊!」

 

 

蓮子「…ありがとうございました…!」

 

 

ストライクヴルム・ノヴァが紫のオーラを纏わせた鎖で蓮子のライフを全て砕いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「……あの…メリーのことですけど…私のなすべきことが終わったら……自分で会いに行きます。正直…何話そうか何も浮かばないんで…ははは…」

 

 

永琳「…そう…ちなみにあと集めなければならない物っていくつなの?というか…さっきの幻羅龍の覇王…ってのもそれ?」

 

 

中庭に戻ってくると永琳は蓮子に尋ねる。その顔は創界神からいつもの薬師としての顔に戻っていた。

 

 

蓮子「この世界のを含めて4つです。あ、そうです。あのカードをいれて今までの世界で合計三枚のカードを手にいれました。」

 

 

永琳「…なら遠慮なく異次元からの敵と戦えるわね。あと…これあげるわ。あなた…創界神とデッキが合っていないみたいだし…」

 

 

蓮子「ええ!?いや…さすがにこれは……」

 

 

永琳はそう言うと蓮子の手に天星十二宮達のカードを握らせるが、タダでカードを貰うと言うわけにもいかないと思った蓮子は躊躇する。

 

 

永琳「いいのよ。神の恵みは素直に受け取んなさい。あなたの欠点は紫…メリーと同じく一人で請け負い過ぎる所よ…私の愛する夫も奪おうとしたし……」

 

 

おいこら……こいつ…紫の旧友を味方に引き入れて紫を押さえ込む作成にでやがった…

 

 

蓮子「ぬぇぇ!?…それほんとですか!!!?」

 

 

永琳「…さっあねぇ~♪」

 

 

蓮子「ちょ、ちょっとぉ~!?」

 

 

物凄い顔で永琳の冗談[彼女としては願望が八割]に驚いた蓮子を置いて永琳はさっさと寝室に帰ろうとしたが……邪な気配を感じとり目を中庭の隅に向ける。

 

 

 

永琳「…誰かいる…いえ…異次元カードバトラーね!」

 

 

???「…………」

 

 

蓮子「…!確かに…ライブラさん達と同じオーラを感じる…でも何か変…!?」

 

 

永琳の叫びが中庭に響き渡り、隅からぬぅっと緑髪の女性が出てきた。しかし、その目は以前のライブラと同じくハイライトがない。

 

 

蓮子「…よし!私が」

 

 

妹紅「ちょいと待った!あたし達抜きで何やってんのさ!あたしがやる!」

 

 

永琳「あら…起こしちゃった?」

 

 

三人の間に割り込んできたのは、蓬莱人故あまりちゃんとした部屋で寝ることが苦手だったので、気分転換に散歩をしていたと言う妹紅だった。

 

 

妹紅「…さぁて!ええと…ターゲット!あたしとバトルしてもらうぞ!!」

 

 

???「…牡羊座のリン…」

 

 

妹紅 「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 




はい。ありがとうございました。

この回で蓮子の目的を永琳は知ることとなりました。皆さんが知るのはアルティメット編後になりそうです……まだ半分ほどしか考えてないので……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

羊狩り

東方二次創作の東方キャノンボールの製作陣に問いたい……オープニングに映姫がいないじゃないか!幽香や小町はいるのに!


妹紅「…こいつも操られてんな…スサノヲに解術を頼むか…」

 

 

リン「…牡羊座のターン…ネクサス、天空貫くバリスタを配置…ターンエンド…」

 

 

牡羊座のバトラー…リンと名乗った彼女は背後に巨大なバリスタを配置してターンエンドした。

 

 

 

永琳「…赤緑連鎖…かしら…」

 

 

妹紅「…おーこわこわ…メインステップ!ゴッドシーカーパラサノカンナギを召喚!召喚時効果でデッキから三枚めくり、その中のスサノヲと赤/青の天渡/化神を手札に!」

 

 

妹紅は赤側のゴッドシーカーであるパラサノカンナギを召喚してデッキをめくる…カミムスビハイドラ…創界神スサノヲ…海将軍イサリビノツサカ…よって後者二枚が妹紅の手札に加わった。

 

 

妹「さらに二色の龍操る神!創界神スサノヲ!トラッシュに対象カードを二枚送ったので、コア二個を追加する!ターンエンド!」

 

 

スサノヲ《羊…狩りの時間だぁ~!》

 

 

妹紅はパラサノカンナギの青シンボル追加効果でスサノヲを配置してターンを終えた。

 

 

リン「…牡羊座のターン…ホムライタチ…六分儀剣のルリ・オーサを召喚…召喚時効果で二個コアを増やし…暴皇ティーズ・ドラゴンをレベル2で召喚…」

 

 

リンは緑シンボルを増やすホムライタチでコアブ要員のルリ・オーサを召喚し、そのコアで緑色のドラゴンを呼び出した。

 

 

リン「…アタックステップ…ティーズ・ドラゴンでアタック…!ワンドローして緑連鎖…!パラサノカンナギを疲労させる」

 

 

妹紅「ライフに来い!」

 

 

緑の風でパラサノカンナギを疲労させたティーズ・ドラゴンのパンチが妹紅のライフを砕いた。

 

 

リン「…ターンエンド」

 

 

妹紅「もうちょい来てもよかったんだけどな…メインステップ!ディモルフォノスケを召喚して相手ネクサスを破壊!さらに青連鎖でコアブースト!燃え上がる剣!大地を凪ぎ払え!恐竜武神ムラクモレックス!」

 

 

スサノヲ《おおっと!》

 

 

スサノヲの振り下ろした剣がフィールドを砕き、剣と盾を持ったティラノサウルスが炎と共に現れた。

 

 

妹紅「バーストもセットして…アタックステップ!ムラクモレックス!燃やしてこい!天界放でスサノヲのコア二個を自身に移動してティーズ・ドラゴンを破壊!」

 

 

スサノヲ《さらに青シンボルの存在によりターン一で回復!そんでレベル2からの効果でライフも貰ってくぜ!》

 

 

リン「ライフで受ける…」

 

 

スサノヲの力を受けたムラクモレックスが剣でティーズ・ドラゴンを斬ると、口からの火炎弾で効果も含めてライフを二つ破壊した。

 

 

妹紅「…ま…これで終わりかな」

 

 

リン「…牡羊座のターン…殻法師シロカブトをレベル2で召喚…夜空を駆ける魅惑の牡羊!牡羊星鎧アリエスブレイヴを召喚…!そしてシロカブトに合体…!」

 

 

蓮子「…来た…十二星鎧…!」

 

 

リンのフィールドに白い羽のような飾りをつけた殻人の法師が現れると、星空を駆け抜けて来た緑の羊が鎧へと変わり、シロカブトに装着される。最後に錫杖を一振りして緑のオーラを放出した。

 

 

リン「…アタックステップ…合体アタック!シロカブトの合体アタック時効果…スピリットを二体疲労させることで回復…ムラクモレックスとディモルフォノスケを指定…」

 

 

シロカブトの錫杖から放たれた緑の衝撃波がムラクモレックスとディモルフォノスケに膝をつかせる。

 

 

妹紅「…仕方ないな…パラサノカンナギでブロック!」

 

 

パラサノカンナギは炎を放ってシロカブトを止めようとしたが、シロカブトは易々と振り払って錫杖でパラサノカンナギを叩き潰した。

 

 

妹紅「バースト発動!護国龍オオナムチハイドラ!最もコストの高い又は低いスピリットを破壊する!シロカブトを指定だ!」

 

 

妹紅のバーストが青く輝き、フィールドが海へと変わる。そして水を被りながら金の翼に銀色の鎧を纏ったドラゴンがシロカブトを吹き飛ばしながら現れた!

 

蓮子「やった!」

 

 

リン「…ターンエンド…」

 

 

妹紅「ここらで終わりにするぜ!メインステップ!スピリット達をレベルアップ!!アタックステップ!ムラクモレックス!もう一発噛ましてこい!天界放!!発揮!」

 

 

スサノヲ《今回もライフ貫通&回復がついてくるぞ!》

 

 

リン「…バースト発動…!風の覇王ドルクス・ウシワカ…!ムラクモレックスとオオナムチハイドラを疲労…!そして召喚…!」

 

リンのバーストから飛び出したドルクス・ウシワカのバースト効果が回復したムラクモレックスとオオナムチハイドラを疲労させてしまった。

 

 

蓮子「…あ…まずい!」

 

 

永琳「大丈夫よ。さっき妹紅が手札に加えたカードを忘れた?」

 

 

妹紅「…このターンで決めるつったよな?フラッシュタイミング!オオナムチハイドラに煌臨!海将軍イサビリノツカサ!煌臨時効果でコスト8以下のスピリット二体を破壊する!ドルクス・ウシワカとルリ・オーサを指定!」

 

 

オオナムチハイドラが青く輝き、銛を持った二つ首のドラゴンに変わる。そして銛のフィールドに突き刺すと、大波が発生してドルクス・ウシワカとルリ・オーサを飲み込んだ。

 

 

妹紅「イサビリノツカサレベル3効果!地竜/海首スピリットに青シンボルを追加する!さぁ!まだムラクモレックスの攻撃は続いてるぜ?」

 

 

リン「…ホムライタチでブロック…」

 

 

イサビリノツカサの青い炎を吸収してWシンボルとなったムラクモレックスを残りライフ2のリンはブロックするしかなかった。

 

 

 

妹紅「ムラクモレックスの効果でもう一発ライフをぶっ壊す!とどめだ!ディモルフォノスケでアタック!!」

 

 

ムラクモレックスの火炎弾とディモルフォノスケの突進がリンのライフを粉々に粉砕した!

 

 

 

 

 

 

スサノヲ《こいつの解術は成功したぜ》

 

 

妹紅「よし!あたしはこいつを医務室に連れてくから後は御ゆっくり~♪」

 

 

気絶しているリンを背負いながらスサノヲを体に戻した妹紅はさっさと中庭を去っていった。

 

 

蓮子「…あれが……素戔男尊かぁ…昔の私が見たら興奮して失神しちゃうかも……」

 

 

永琳「…私…天照大御神や月読命、ギリシャ神話のアテナとかとも交流があるわよ?」

 

 

蓮子「…え…ウソ……マジですか…!?」

 

 

永琳「ふふふ…信じるか信じないかは…あなた次第です♪」

 

 

スサノヲを見て秘封倶楽部時代の血が騒ぎだした蓮子に、追い討ち[良い意味で]を仕掛けた永琳は蓮子の追及を某都市伝説ハンターの名台詞を言いながら、部屋へと帰ろうとすると…真面目な顔つきで蓮子に問いかけた。

 

 

 

永琳「…あと一つ聞かせて…あなたはなぜ戦うの?」

 

 

蓮子「…え…えっと…その…」

 

 

突然藪から棒な質問をされて蓮子はしどろもどろになる。そして少しの深呼吸のあと、蓮子は宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「…王様になるためです!」

 

 

永琳「へぇ…王様に…………へ?王様…?」

 

 

蓮子「はい!私の父は別世界で王様をやっていたそうなんです!いつもは家に帰って来なかったので、母がよく話してくれました。だから私、そういうオカルトめいた話に惹かれていたんだと思います…ですが母は父のことを「最高最善の魔王」と称賛してました!私もそんな王様になりたいんです!!」

 

 

蓮子は続けざまにそんな話をマシンガンの如くぶっぱなしてくる。さすがの永琳も顔をひきつらせることになった。

 

 

蓮子「…あ、すみません…これ言うとみんな変な顔するから…あまり言えなかったんですけど……その父の数少ない私との思い出にこんな言葉があるんです…「目の前の人を救えない王は王に値しない」…だから私は戦います!王が民を見捨てるのは王失格ですから!!」

 

 

熱弁する蓮子を見て永琳は彼女への見方を改めた。さっきまでは「なんか中途半端な感じの娘」だったが、少し変わってはいるが芯の通った信念を聞いて「変わり者の戦士」…つまり幻想郷の面子と同じ格まで評価を底上げした。

 

 

永琳「…そ、そう……その覚悟を…バトルでも見せれるといいわね……」

 

 

 

その言葉が終わらないうちに永琳は自室への歩みを始めていた……

 

 

 

 

 

 

自室へ戻る途中、突然永琳の脳内に語りかけてきた声があった。

 

 

カプリコーン《先程の蓮子さんとのバトル…自分が創界神であることを認めたのですね?》

 

 

永琳「……あの尻軽親父と同じになるのは癪だけど……弾と同じって思えば…悪くないな~…って思っただけよ…て言うか…あなたあいつと知り合い?」

 

 

カプリコーン《……まぁ…昔お世話に…何せ私は『冥主』ですから……》

 

 

永琳「そうだった…あいつの系統の一つだったわ……」

 

 

カプリコーンとそんな会話を繰り広げながらその夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

???「…我がゴッドから聞いていたが……なかなか面白い娘……王を目指すとは……おっと…私の出番はまだ先でした…」




はい。ありがとうございました。

何で牡羊座だけこんな所でバトルになったかと言うと……頭数的にここで一人削らないと永琳陣のバトラーが足りなかったからです…

そして……あの…ジオスロスもありますが、蓮子をこんなキャラにしたのは訳があります……フフフ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

激突!!

グリスの映画見てきました!ドルオタと本編がうまくベストマッチしてましたね!


翌朝 ギルド 執務室

 

 

 

 

次の朝、一同は他の異次元カードバトラーとバトルして勝つことで解決すると決まった。そして彼らとバトルするため出発しようとしていた。

 

 

ライブラ「一応確認しておくと、他の裏十二宮ブレイヴ使いは異次元にいる。なので我らの力で異次元へとお前達を送り、奴等を倒して奴等の力で戻ってくる…この手順だ」

 

 

永琳「何かあっても私が回収しに向かうから心配無いわ」

 

 

レイ「おうよ!」

 

キリガ「承知」

 

エリス「…なるほど…」

 

蓮子「りょーかい!」

 

 

ライブラの作戦を聞いていた八人は全員準備万端と言った感じだか、医者ゆえに永琳は昨日襲ってきたリンの容態が気になっていた。

 

 

永琳「…牡羊座の彼女…大丈夫?」

 

 

ライブラ「…命に別状はない。だがあの様子だと他の十二宮も操られている可能性が高い。まま気をつけろ」

 

 

サグメ《…わかった》

 

 

咲夜「さて…準備万端よ」

 

 

妹紅「…お前ら!負けんなよ?」

 

 

その声と共に八人はそれぞれの相手がいる異次元へと出発した。

 

 

 

 

 

 

 

異次元 双子座の空間

 

 

 

妹紅「よっと…ここか?なんかチャラチャラしてんな…」

 

スサノヲ《……あいつが裏十二使いみたいだぞ…》

 

 

妹紅が降り立ったのはまるでサーカスの会場のような場所だった。その中心にいるピエロの格好をした金髪の男……妹紅はサッと身構えた。

 

 

 

???「…双子座のカストル…いざ…!」

 

 

妹紅「…こいつもか…ちょっと待ってろよ…!!」

 

 

妹紅「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

カストル「…………」

 

 

妹紅「…気持ち悪いな…龍神の時もこんな感じだったんか…メインステップ!スサノヲの轟天神殿を配置してバーストセット!これでターンエンド」

 

 

妹紅は霊夢達から聞いた龍神の式のことを思い出しながらバトルを始める。まずはWシンボルネクサスの轟天神殿を張ってターンエンドした。

 

 

カストル「…双子座のターン…ニジノコ…ガトーブレパスを召喚…バーストをセット。ガトーブレパスでアタック!!」

 

 

カストルは双子座使いらしく黄色のスピリットを並べる。そして一つ目に翼が生えた牛が妹紅めがけて走り出した。

 

 

妹紅「ウゲェ…聖命…ライフで受ける…」

 

 

カストル「…聖命の効果…ライフを一つ増やす…ターンエンド」

 

 

妹紅としてはライフで受けたくなかったが、ブロッカーがいないので、ライフで受けるしかなかった。そしてガトーブレパスの角が妹紅のライフを砕くと、そのエネルギーでカストルのライフが一つ増加した。

 

 

 

妹紅「…メインステップ!ゴッドシーカーパラサノカンナギを召喚!召喚時効果で三枚オープン!」

 

 

妹紅のフィールドに祈祷使の姿をした恐竜が現れ、妹紅のデッキをサーチする……創界神スサノヲ……白晶防壁…轟海覇神ヤマタハイドラノカミ…

 

 

妹紅「…ガッツ!スサノヲとヤマタハイドラノカミを手札に!残りはデッキボトムへ…そして二色の龍操る神!創界神スサノヲ!トラッシュに置いたカードが全て対象内なので、コアを三個置く。さらにゴッドシーカーカミムスビハイドラを召喚だ!」

 

 

スサノヲ《増えたライフ全部ぶっ壊してやるぜ!》

 

 

妹紅はスサノヲを配置したあと、さらにもう一体のゴッドシーカーである小さな三首龍を召喚する。再び妹紅のデッキが三枚めくれると…護国之威光…選ばれし探索者アレックス…恐龍武神ムラクモレックス……

 

 

スサノヲ《…弾クラスの引きじゃねぇか……》

 

 

妹紅「…この引きを弾や紫とのバトルで出したいんだがなぁ…まずはムラクモレックスを回収して護国之威光の効果でスサノヲにコアを置いて手札に入る!」

 

 

スサノヲ《どうする?攻めてみるか?》

 

 

スサノヲの問いに妹紅は少し考えると、首を振ってターンエンドを宣言する。今手札に来た化神達を召喚するまで余計な攻撃はしないようだ。

 

 

カストル「…双子座のターン……裏より星空操る道化師!双児星鎧ブレイヴジェミニを召喚!さらに天星馬ペガシーダを召喚してジェミニと合体…コストはガトーブレパスより…」

 

カストルが回転しながら手札をフィールドに置くと、その回転の光からこれまたピエロのような星鎧が現れた。

 

そしてカストルはすぐあとに召喚したリバイバル前の白い天馬…ペガシーダにブレイヴジェミニを合体させる。背中からはジェミニの四本の腕が装着された。

 

 

妹紅「よっしゃ!かかってきな!」

 

 

カストル「ターンエンド」

 

妹紅「がく……まぁ…こっちの思い通りに動くことなんてないか…メインステップ!燃え上がる剣!大地を凪ぎ払え!恐竜武神ムラクモレックス!レベル2で召喚!」

 

 

スサノヲ《連続で頼むぜ!》

 

 

スサノヲの剣から放たれた炎の斬撃がフィールドを切り裂き、そこからムラクモレックスが咆哮しながら現れる。

 

 

妹紅「アタックステップ!まずはカミムスビハイドラでアタック!」

 

 

カストル「…ライフで受ける…バースト発動…妖華吸血爪…デッキから二枚ドロー…さらにブレイヴジェミニの効果で一枚ドロー…」

 

 

スサノヲの神域も考えて、妹紅はまず最初にカミムスビハイドラをアタックさせたが、カストルのバーストとブレイヴジェミニの効果で合計三ドローを許す結果となってしまった。

 

 

妹紅「…ムラクモレックスでアタック!天界放を使い、スサノヲのコアを二つムラクモレックスに!そうすることで合体スピリットを破壊してライフ貫通!」

 

 

スサノヲ《これでブレイヴジェミニの効果は無くなるが…》

 

 

カストル「ブレイヴジェミニはフィールドに残す…ここでペガシーダの破壊時効果が発動…自分のデッキをコスト6/7のスピリットが出るまで破棄…そして破棄されたそのカードをノーコスト召喚!」

 

 

 

ムラクモレックスがペガシーダをぶったぎったが、破壊されたペガシーダの光が次々とカストルのデッキをめくっていく……そして五枚目に差し掛かろうとした時、コスト6のスピリットカードが破棄された……

 

 

カストル「…コスト6のスピリットを確認…!天王星の力受け継ぐ明けの明星…!天王神龍スレイ・カエルス…!ペガシーダを転召させて召喚…ムラクモレックスはライフで受ける…」

 

 

カストルの背後から黄金の羽を生やした金色の馬がフィールドに走って降りてくる。だがムラクモレックスはめげずに剣でライフを破壊した。

 

 

妹紅「…あ!…やっべ!こいつの効果なんだっけ~!…後で反省しよ…ターンエンドで」

 

 

スサノヲ《…久しぶりに見たからな…天王神龍なんて……》

 

 

カストル「…双子座のターン…黄色の7つ星!北斗七星龍ジーク・アポロドラゴンを召喚…!召喚時効果で手札の幻魔神をカエルスに直接左合体するように召喚…そしてドロー…ブレイヴジェミニを北斗七星龍へと合体…」

 

 

カストルの上空の北斗七星から黄色い四つ足のドラゴンが現れ、幻魔神を呼び出した。さらにブレイヴジェミニもジーク・アポロドラゴンと合体して四本の腕が背中から伸びてきた。

 

 

カストル「バーストをセット…そしてマジック…バスタースピア…ネクサスを破壊して二枚ドロー…ターンエンド」

 

 

最後にカストルの手札から炎の槍が放たれて、スサノヲの轟天神殿を貫き破壊した。

 

 

妹紅「…神殿やられたこともキツいが…左合体の装甲の色は…赤も青もはいってんだよなぁ…メインステップ…まずは護国之威光を使って三枚ドロー…そして手札のディモルフォノスケを破棄…」

 

 

スサノヲ《…!妹紅!それはまずい…!!》

 

 

カストル「…スレイ・カエルス…レベル1からの効果…相手がマジックを使用した時、スピリット一体バウンス…ムラクモレックスを指定…さらにレベル2合体効果…スピリットが手札に戻ったので、ライフを一つ増やす…」

 

 

妹紅はスレイ・カエルスの効果をド忘れしていたのか、ひとまず手札を補充しようと護国之威光を使ってしまい、ムラクモレックスをバウンス&ライフを回復されるという事態になってしまう。

 

 

妹紅「…あ…ヘタこいた……ならこいつで!青き大波!全てを飲み込む八首の龍!轟海覇神ヤマタハイドラノカミを召喚!天界放の効果でニジノコと北斗七星龍を破壊する!そのコアでムラクモレックスも召喚だぁ!!」

 

 

スサノヲ《おいおい…しっかりしてくれよ…!》

 

 

スサノヲが腕から水の龍を出すと、再び剣でフィールドを切り裂く。そして水龍が巨大な八首のドラゴンに…切り裂かれたフィールドからはムラクモレックスが再臨した。

 

さらにヤマタハイドラノカミが二本の首をぐいっと伸ばしてニジノコと北斗七星龍を食いちぎった。

 

 

妹紅「バーストもセットして…アタックステップ!ヤマタハイドラノカミでアタック!」

 

 

カストル「…ブレイヴジェミニはフィールドに…ライフで受ける…よってバースト発動…エクスティンクションウォール…!削られたライフ分を回復してフラッシュ効果を使用……アタックステップを強制終了…!!」

 

 

ヤマタハイドラノカミが尻尾の剣をライフに突き刺したが、カストルのバーストがライフを回復させて氷の壁を形成した。

 

 

妹紅「…うぇぇ…ターンエンド」

 

 

 

 

カストル「…双子座のターン…ドリームリボンをソウルコアを使って使用…まずはムラクモレックスを手札に…さらにソウルコアの力でBP5000以下のパラサノカンナギも返す…スレイ・カエルスの効果…ライフを二つ回復……」

 

 

白いリボンがムラクモレックスとパラサノカンナギを縛り上げて光の粒子として手札に戻っていく。さらにスレイ・カエルスの効果が発動してライフが二つも増加した。

 

 

カストル「…続いて己械合神マンモ・イージスを召喚…召喚時効果で相手の手札分、コアを追加…よって八コアブースト…そしてマジック…リカバードコア…ライフを増やす…」

 

 

カストルはコアを確保するためマンモ・イージスとリカバードコアを使う。さらに幻魔神をマンモ・イージスに右合体させた。

 

 

カストル「…バーストをセット…アタックステップ!マンモ・イージスでアタック…!効果でヤマタハイドラノカミをバウンスし、スレイ・カエルスの効果でライフ回復…」

 

 

妹紅「…ライフ8…ライフ!そしてバースト!アレックスの効果!コアブしつつアタックステップ強制終了…!」

 

 

マンモ・イージスが合体アタック時効果でヤマタハイドラノカミを手札に戻しながら回復し、妹紅のライフを砕くがバーストから死ぬほど見た光景であるアレックスのアタックステップ強制終了が発揮した。

 

 

カストル「…ターンエンド…」

 

 

妹紅「…ああもう!何かこい!カードぉぉ!………あ…来た…メインステップ!新しいスサノヲの轟天神殿を配置…さぁて何度戻されても復活するぜ!戻れ!ムラクモレックス!ヤマタハイドラノカミ!!」

 

 

スサノヲ《…今回ほど化神呼んだバトルは無いぞ…》

 

 

もう一度轟天神殿がそびえると、スサノヲは戻された二体の化神を再び呼び出す。そして妹紅はさらに二枚のカードを手に取った。

 

 

妹紅「こいつらもだ!召喚!凶龍爆神ガンディノス!蒼白なる月よ!青き光で勝利を照らせ!月青龍ストライク・ジークヴルム!召喚時効果でバーストをオープン!」

 

 

地面を砕いてガンディノスが這い出してくる。さらに青い月夜をバックに妹紅の後ろから青いストライクが飛び出してきた。

 

 

スサノヲ《さてバーストは…お!ドクトル・ファウスト!スピリットカードだから破棄できる!》

 

 

ストライクが右手に出現させた槍で突きを放つとバーストカードが空中に舞い上がり、トラッシュへと落ちていった。そして妹紅の後ろにヤマタハイドラノカミ、右にムラクモレックス、左にガンディノス、正面にストライクが並び立つ!

 

 

妹紅「大地と大海の龍達よ!やつのライフを全て打ち砕け!!アタックステップ!ヤマタハイドラノカミでアタック!天界放を使ってマンモ・イージスとブレイヴジェミニを破壊!そしてレベル2へ!」

 

 

妹紅の号令と共に四体の龍が咆哮し、ヤマタハイドラノカミが青いビームでマンモ・イージスとブレイヴジェミニを吹き飛ばす。さらにコアが増えてレベル2になったことによりマジック&アクセル封じが発動した。

 

 

カストル「…スレイ・カエルスでブロック…!」

 

 

スサノヲ《ブロックしたな?よーやく俺の神域が使えるぜ!地竜/海首がブロックされたので、ライフ一点貫通!》

 

 

ヤマタハイドラノカミが飛び回っていたスレイ・カエルスを噛み砕くと、スサノヲの飛ぶ斬撃がカストルのライフを一つ砕く。

 

 

妹紅「続け!ムラクモレックス!天界放!幻魔神を破壊!そして回復してライフも貰う!」

 

 

ムラクモレックスが幻魔神を破壊しながらメインアタックも入れてライフを二つ破壊する。

 

 

妹紅「もう一発!ムラクモレックス!さらにガンディノスでアタックだ!超強襲を使ってネクサス疲労!これによりライフが一つ砕けてバトル後、回復!」

 

 

カストル「…ライフ…」

 

 

ムラクモレックスとガンディノスがドスドスとフィールドを走り、ライフを合計三つ破壊する。そしてガンディノスはさらに起き上がった。

 

 

妹紅「ガンディノス!そしてストライク!決めろ!」

 

 

 

ガンディノスが巨大火炎弾を口から放ち、ストライクが青いエネルギーを纏った槍を投擲した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


…地竜/海首の主力を揃えるにはライフ多めにしないとなぁ~…そう思った自分がバカだった…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

アルティメットVS裏十二宮

…実はこの編で一番書きたいのはえーりんのバトルなのですが…先は長いなぁ……


異次元 乙女座の間

 

 

エリス「……む…着いたか…」

 

 

ショコラ「あー!エリスエリス!あそこ!」

 

 

異次元に到着したエリスはショコラの声の先を見る。花畑の真ん中に建っている綺麗な噴水……その前に佇む金髪ロングの女性……

 

 

???「…乙女座のスピカ…」

 

 

エリス「…こいつも操られているな……ショコラ!」

 

 

ショコラ「ほい~っと!」

 

 

死んだ魚の目で見つめている乙女座の裏十二宮ブレイヴ使いにエリスはショコラをカードに変えてデッキを構える。

 

 

 

エリス「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

スピカ「…乙女座のターン…生還者天使クロエルを召喚…バーストをセット…ターンエンド…」

 

 

スピカは笛を持った天使を召喚する。生還者の名前を持つスピリットは強固な耐性を持っており、除去するのは非常に手間がかかる。

 

 

エリス「明の星のターン!煌炎の神剣を配置。バーストをセットしてターンエンド!」

 

 

エリスの背後が炎を纏う巨剣へと変わる。さらにバーストをセットしたので一枚ドローした。

 

 

スピカ「…乙女座のターン…天使ミスエルを召喚…召喚時効果でデッキを四枚オープン…その中のマジックカードを手札に…」

 

 

スピカのフィールドに今度はウクレレを演奏している天使が現れ、デッキからマジックをサーチする…イリュージョンミラー…天の階…光楯の守護者イーディス…アブソリュートゼロ…

 

 

スピカ「…イリュージョンミラーを回収…ターンエンド」

 

 

エリス「…動かないか…明の星のターン!ニジノコと天使アエスタを召喚!アエスタの召喚時効果!ミスエルをBPマイナス3000!」

 

 

エリスはニジノコとインディアンのような格好をした天使を召喚する。

 

 

エリス「アタックステップ!アエスタ!踊るのだ!」

 

 

スピカ「…ライフで受ける…バースト発動…!イマジナリーゲートのバースト効果……手札の黄色スピリットをノーコスト召喚!大天使長…!召喚…!大天使サン・ダルク!

 

 

アエスタが優雅に飛び上がり、手に持っていた剣でライフを切り裂く。しかしスピカのバーストから黄色い光が放たれ、天空から白い六枚の翼に機械の杖を持つ大天使がフィールドに舞い降りた。

 

 

 

エリス「く…ターンエンド」

 

 

スピカ「…乙女座のターン…裏側の天使統べる星鎧!乙女星鎧ヴァルゴブレイヴ!サン・ダルクと合体せよ……!」

 

 

スピカの上空に現れたヴァルゴブレイヴが分解されてサン・ダルクの体に装着されていく。全身に桃色の鎧を纏ったサン・ダルクは杖の先をビームソードに変化させて大きく構えた。

 

 

スピカ「アタックステップ…!サン・ダルクでアタック…!」

 

 

エリス「…まだマジックを使うコアが足りないようだな……ライフで受ける!」

 

 

背中の翼を大きく広げてサン・ダルクがフィールドを駆け抜け、ビームソードでライフを二つ切り裂いた。

 

 

スピカ「…ターンエンド…」

 

 

エリス「…明の星のターン!ハーピーガールをレベル2で召喚!そしてそのままアタック!アタック時にBP3000以下のスピリットを破壊する!」

 

 

エリスは赤黄デッキに相性が良いハーピーガールを召喚してアタックさせる。煌炎の神剣が赤シンボルを供給しているので、連鎖によりスピカの天使ミスエルが破壊された。

 

 

スピカ「…ライフで受ける…」

 

 

エリス「ここでハーピーガール!聖命発動!ライフを一つ回復!ターンエンド!」

 

ハーピーガールが黄色の光線でライフを砕き、そのエネルギーでエリスのライフを一つ増やした。

 

 

スピカ「…乙女座のターン…!生還者クロエルをレベル2でもう一体召喚…サン・ダルクをレベル3にアップ…!アタックステップ…!サン・ダルク…攻撃!」

 

 

スピカはさらにクロエルを召喚すると、もう一度サン・ダルクを攻撃させる。だが、先程と違いスピカは手札を切っていた

 

 

スピカ「…サン・ダルクの効果でマジックをノーコスト使用…マジック…イリュージョンミラー!分散の力も考慮…スピリット三体をブロック不能に!」

 

 

エリス「…ライフで受ける!」

 

 

スピカのマジックがサン・ダルクの杖に吸収されて何倍にも増幅させる。そして貯まったエネルギーをエリスのスピリットに浴びせてブロックをさせなくした。

 

さらにサン・ダルクは再び光線を発射して二つライフをぶっ壊した。

 

 

スピカ「さらにレベル2のクロエルでアタック…!」

 

エリス「!…バースト発動!ライフ一つ回復!三龍神の輝きよ!聖なる光よ!我に宇宙の輝きを!聖龍皇アルティメット・セイバー!!レベル5でバースト召喚!!ブロックせよ!」

 

 

クロエルの攻撃をトリガーにしてエリスのバーストが赤く光る。そして炎の中からUセイバーが現れ、クロエルの攻撃を迎え撃つ。クロエルは敢えなく燃やされて破壊された。

 

 

スピカ「…ターンエンド…」

 

エリス「…さて…永琳に見せてもらった効果によれば…ヴァルゴブレイヴの効果でセイバーはアタックできなかったな……明の星のターン!きらめきの!スイーツなワナ!アルティメット・ショコドラ!!召喚!」

 

 

ショコラ「いぇーい!いっくよー!」

 

 

ヴァルゴブレイヴの力を永琳に聞いていたエリスはまず相棒のアルティメット……Uショコドラを呼び出した。だがエリスはさらに手札のカードをフィールドに呼ぶ…!!

 

 

エリス「…奥の手だ!緑に芽吹く星の剣!木星神剣ジュピターセイバー!Uセイバーに直接合体!コストはニジノコより使う!召喚時効果でセイバーとショコドラにコアを一つずつ置く!」

 

 

Uセイバーが大きく咆哮すると宇宙の力を纏った緑の剣が現れる。そしてUセイバーが口に加えて持ち翡翠のオーラを放出した!

 

 

エリス「ジュピターセイバーの力で私のアルティメットのコストはプラス2されている!よってヴァルゴブレイヴの効果の対象外!アタックステップ!Uセイバーでアタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

 

スピカ「…コスト3…シンフォニックバースト…」

 

 

エリス「ヒット!バーストをセット!これにより…Uセイバーは回復!さらにドロー!!」

 

スピカ「…クロエルでブロック…!」

 

舞い上がったUセイバーがクロエルをジュピターセイバーで斬ると、赤く光って回復した。

 

 

エリス「再び飛翔せよ!Uトリガー!ロックオン!」

 

スピカ「…コスト3…光楯の守護者イーディス…」

 

エリス「ヒット!再びバーストセット!Uセイバー!回復!!」

 

スピカ「…ライフで受ける…」

 

 

Uセイバーが回復しながらジュピターセイバーをスピカのライフを真っ二つに斬る。

 

 

エリス「Uショコドラでアタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

スピカ「…コスト4…天使ミスエル…!」

 

エリス「ヒット!手札のアルティメット・ヴァリエルをノーコストで召喚!コストはアエスタから」

 

ショコラ「カモーン!」

 

 

エリスが放った弾丸が煌々と輝いて大きな杖を持った大天使が現れる。

 

 

スピカ「…ライフで受ける…!」

 

エリス「とどめだ!Uヴァリエル!」

 

ショコドラが黄色の光線を放ち、さらにUヴァリエルが杖を振りかぶっておもいっきり振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

異次元 蠍座の間

 

 

キリガ「…ここか…イアン!」

 

イアン「ここに…それにしても…宮殿…でしょうか?」

 

 

二人が降り立った裏十二宮の空間は青いサファイアで作られた王宮のような場所だった。するとキリガは何かインスピレーションを感じたのか指を中にかざす。

 

 

キリガ「…ここで一句!『サファイアの 青きに染まる』」

 

イアン「キリガ様!敵出現しました!」

 

 

キリガの言葉をぶったぎってイアンが現れた敵の存在を警告する……優秀なのか天然なのか…

 

 

???「…蠍座のアンタレス…」

 

キリガ「イアン!」

 

イアン「かしこまりました!」

 

 

キリガはすぐに気を取り直してカードに変わったイアンをデッキに入れて構えた。

 

 

キリガ「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

キリガ「…焼き蠍にする…!流星のターン!ルクバード・ドラゴンを召喚!ターンエンド」

 

 

キリガは赤いトカゲのドラゴンを召喚するだけでターンエンドする。

 

 

アンタレス「…蠍座のターン…ウバタマンを召喚…マジック…ストロングドロー…手札を三枚増やし…二枚破棄…ターンエンド」

 

 

青髪の少し歳をとった男…アンタレスは緑の殻人を召喚したあと、手札交換マジックでトラッシュにカードを増やした。

 

 

キリガ「…む…流星のターン!戦竜エルギニアスを召喚!さらにルクバード・ドラゴンをレベル3に!アタックだ!」

 

アンタレス「…ライフで受ける…」

 

 

キリガは赤青ハイブリッドスピリットのエルギニアスを召喚してルクバード・ドラゴンを攻撃させた。

 

 

キリガ「ターンエンド」

 

アンタレス「…蠍座のターン…ビヤーキーを召喚…さらにカニコングと重殻人マキシムスを召喚し…ビヤーキーの効果でコアブースト…アタックステップ…マキシムスでアタック…!」

 

 

アンタレスは青緑連鎖のカギになるビヤーキーを召喚する。そして召喚したカニの甲羅を持つゴリラの隣の巨大な殻人を攻撃させた。

 

 

キリガ「ライフで受ける!」

 

マキシムスの重々しい剣がキリガのライフを破壊する。

 

アンタレス「…ターンエンド」

 

 

キリガ「…よし…流星のターン!ルクバード・ドラゴンのスピリットソウルを発揮!いざ!赤々と燃え滾るその矢を放て!アルティメット・サジット・アポロドラゴン!!召喚!」

 

 

キリガは赤い弓を出現させカードを矢にして放つ。その矢はフィールドに突き刺さったがその爆発の中から大きなケンタウルスのようなドラゴンが現れて、飛んできた電光銃を捕まえた。

 

 

キリガ「アタックステップ!行け!アルティメット・サジット・アポロドラゴン!WUトリガー!ロックオン!!」

 

アンタレス「…海帝国の秘宝とアビス・シャーク…どちらもコスト4…」

 

キリガ「Wヒット!ビヤーキーとカニコングを破壊!そしてシンボルを追加!」

 

 

アンタレス「…ライフで受ける…!」

 

 

Uサジットのエネルギーの矢がビヤーキーとカニコング、そしてアンタレスの二つのライフをまとめて貫いて破壊した。

 

 

キリガ「…ターンエンド」

 

アンタレス「…蠍座のターン…!深海より現れる緑の青龍!森羅龍樹リーフ・シードラ!さらに…猛毒…!貫く…!天蠍星鎧ブレイヴスコーピオン!リーフ・シードラに直接合体するように召喚…召喚時効果…Uサジットを破壊!」

 

 

アンタレスのフィールドが陥没するとそこから海水が噴き出す。その水から大きなシードラゴンを現れる。さらに現れた青い蠍が鎧へと変形してリーフ・シードラに合体する。そしてリーフ・シードラはブレイヴスコーピオンの槍を口に咥え、Uサジットを貫いた。

 

 

アンタレス「…アタックステップ…合体アタック!」

 

キリガ「…まずいな…ルクバード・ドラゴンでブロック!」

 

 

リーフ・シードラが飛びかかったルクバード・ドラゴンを弾く。まだレベル1だったので、ライフ貫通効果は発揮しなかったようだ。

 

 

アンタレス「…ターンエンド」

 

 

キリガ「…流星のターン!我が古き友よ!再びバトルフィールドであいまみえん!威風堂々たる王者の中の王者!アルティメット・アレクサンダー!召喚!」

 

キリガのカードから天に光が昇って槍がフィールドに刺さり、その槍をアレクサンダーが掴みながら現れた。

 

 

キリガ「アタックステップ!Uアレクサンダー!アタック!Uトリガー!ロックオン!」

 

アンタレス「…コスト3…ビヤーキー…」

 

キリガ「……ヒット!コスト5以上のスピリットを破壊する!」

 

 

Uアレクサンダーが槍を投擲してコスト8のマキシムスを貫き破壊した。だがヒットしたのがマジックカードではなかったので、Uアレクサンダーは回復できなかった。

 

 

アンタレス「…ライフで受ける…」

 

キリガ「…ターンエンド」

 

アンタレス「…蠍座のターン…!海王神獣トライ・ポセイドスを召喚…アタックステップ…トライ・ポセイドスの効果でリーフ・シードラを最高レベルに…リーフ・シードラでアタック!」

 

 

アンタレスのフィールドに再び水柱が立ち上がり、濃い青の海獣が現れる。さらにトライ・ポセイドスの力で最高レベルまで上昇する!

 

 

キリガ「…エルギニアスでブロック!」

 

アンタレス「…リーフ・シードラ…レベル2からの連鎖…!緑シンボルがあるので、スピリットを破壊した時…ライフを二つ破壊…!」

 

 

リーフ・シードラ水流でエルギニアスを押し流すと、青いビームを発射してキリガのライフを二つ打ち砕いた。

 

 

キリガ「ぐぅ……」

 

アンタレス「…さらにトライ・ポセイドスでアタック…!」

 

キリガ「まだだ!フラッシュタイミング!サンダーウォール!このバトルが終了後、アタックステップを終わらせる!トライ・ポセイドスはライフで受ける!」

 

 

トライ・ポセイドスが飛び上がって両腕の爪でライフを叩き壊したが、キリガのバトルフィールドに雷が落ちて壁を形成した。

 

 

アンタレス「…ターンエンド…」

 

キリガ「…いくぞ…!流星のターン!共に進化し続ける俺の右腕!その究極の姿がこれだ!アルティメット・ドライアン!召喚!」

 

イアン「キリガ様に勝利を!」

 

 

バトルフィールドが二つに別れると、その下から金の鎧を来た四足の青いドラゴンが飛び上がって現れた。

 

 

キリガ「アタックステップ!アルティメット・ドライアン!アタック!WUトリガー!ロックオン!」

 

アンタレス「…カニコングとウバタマン…コストどちらも2…」

 

キリガ「Wヒット!アルティメット・ドライアンをレベル5に!さらにWヒットしたので回復!!」

 

アンタレス「…ウバタマンでブロック…」

 

 

Uドライアンが青く光って向かってきたウバタマンを前足で踏み潰す。

 

 

キリガ「叩け!Uアレクサンダー!Uトリガー!ロックオン!」

 

アンタレス「…コスト3…ストロングドロー…」

 

キリガ「クリティカルヒット!」

 

アンタレス「…リーフ・シードラを指定…トライ・ポセイドスでブロック…!」

 

 

 

Uアレクサンダーがリーフ・シードラめがけて回転する盾を投げつけてそのままカッターの如く切り裂く。さらに回復したUアレクサンダーはトライ・ポセイドスを槍で貫き、投げ飛ばした。

 

 

キリガ「決めろ!Uドライアン!!」

 

Uドライアンが最後のライフを噛みちぎった!

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

忠臣二人

最近、この小説の最初の方の話を読み返すと…ヤッベェ…ヒッデェ…


異次元 水瓶の間

 

 

サグメ《…ついた……ってここは…水族館か何か…?》

 

アルテミス《…あ…あれポセイドンのとこで見たやつだ…って違う違う!》

 

 

サグメが到着した世界は大きな水槽が四方に見える水族館のような世界だった。アルテミスはキョロキョロと持ち前の千里眼で探していると……

 

 

アルテミス《…あ…いた。裏十二宮使い》

 

???「…水瓶座のガニメーデス…」

 

サグメがアルテミスが言った方向を向いてみると、一段高い水槽の上にガニメーデスと名乗る銀髪の青年が立っていた。サグメは静かにガニメーデスと向かい合う…!!

 

 

サグメ《………………》

 

ガニメーデス「……………」

 

 

アルテミス《…何か喋りなさいよ!!!最近私ツッコミになってきた……》

 

 

 

サグメ《……ゲートオープン!界放!!》

 

 

 

 

 

 

 

サグメ《…いくわ…メインステップ。ゴッドシーカーネガズボックを召喚…召喚時効果で六枚オープン。その中のアルテミスと界渡/化神を手札に加える》

 

サグメは一体の鹿を召喚して白属性には破格の六枚をデッキからめくる…アルテミスの大樹神殿…スプレッド・トータス…創界神アルテミス…月天神獣ファナテック・エルク…凍れる火山…

 

 

サグメ《よってアルテミスとファナテック・エルク、効果で大樹神殿を手札に…ターンエンド》

 

 

ガニメーデス「…水瓶座のターン…ネクサス…侵食されゆく尖塔を配置…バーストをセット…ターンエンド…」

 

 

ガニメーデスの後ろから巨大な氷山が大きく隆起してくる。制限カードであるこのネクサスを初手に配置したことにより、サグメは内心舌打ちをした。

 

なぜならこのネクサスがある限り、サグメのターンになるとガニメーデスのトラッシュからコアが全てリザーブに戻ってしまうからだ。

 

 

サグメ《…仕方ない…メインステップ。月光の導き!創界神アルテミスとアルテミスの大樹神殿を配置!トラッシュに置いた対象カードが二枚なので、ボイドからコアを二つ置く…》

 

 

アルテミス《…ループ…しゃらくさいのは嫌い!》

 

 

サグメはアルテミスと彼女の大樹神殿を配置する。大樹神殿の効果があれば大量の軽減用シンボルを確保できるので、サグメはかなり動き易くなった。

 

 

サグメ《続いてスプレッド・トータスを召喚…コアを増やしてバーストセット…ターンエンド…》

 

 

サグメは機械のリクガメを召喚してターンを終える…

 

 

ガニメーデス「…水瓶座のターン…混沌の魔術師アマルディを召喚…召喚時効果…デッキを三枚破棄してトラッシュの紫カードを回収…鎧闘鬼ラショウ…ターンエンド…」

 

ガニメーデスはドラゴンの魔術師を召喚してトラッシュのカードを肥やしていく。そしてその効果でラショウを回収できたことも大きい。

 

 

サグメ《…オライオンが来る前に…メインステップ。機人のテクニック…!機獣のパワー…!ベストマッチ!己械合神マンモ・イージス!召喚時効果…相手の手札が四枚なので、ボイドからコアを四個マンモ・イージスに…!》

 

 

サグメがいつもの某奇妙な冒険のポーズをしながらカードを掲げ、フィールドにパーツが集まってくる。そして鎧にマンモスの形のアーマーをつけた一体の巨大ロボが完成した。

 

 

サグメ《さらに幻魔神を召喚してスプレッド・トータスに左合体…マンモ・イージスに右合体…!アタックステップ…マンモ・イージス…出撃…!アマルディをバウンスして回復する…!》

 

 

ガニメーデス「…ライフで受ける…バースト発動…!エクスティンクションウォール…!!ライフを二つ回復して攻撃をここまでとする…!」

 

 

サグメはマンモ・イージスにゴーサインを出して攻撃させる。だがガニメーデスのバーストが追撃を遮断した。

 

 

サグメ《…壁カードは消費させた…これで良い…ターンエンド》

 

 

ガニメーデス「…水瓶座のターン…鎧闘鬼ラショウを召喚…トラッシュに四枚カードを送る…そして二枚ドロー…さらにアマルディを再召喚…三枚トラッシュに……」

 

 

ガニメーデスは紫の鬼と戻されたアマルディを召喚してさらにトラッシュを肥やす。

 

 

ガニメーデス「バーストをセット…ターンエンド」

 

サグメ《…メインステップ…清らかな月の使者…!穢れを祓う聖なる角…!月天神獣ファナテック・エルク!!召喚時効果…相手スピリットをデッキボトムへ…!!》

 

 

アルテミス《これで私もレベル2よ!》

 

 

アルテミスが矢を月に向かって放ち、そこから白銀の鹿を呼び出すと、ファナテック・エルクの角からのビームがラショウとアマルディを貫いたバウンスさせた。

 

サグメ《さらに幻魔神と左合体…!アタックステップ!ファナテック・エルクを指定してアタック…!》

 

ガニメーデス「…ライフで受ける…バースト発動…!再びエクスティンクションウォール…!ライフを三個回復…そしてアタックステップを強制終了…」

 

ガニメーデスは二枚目のバーストを開いてライフ回復&アタックステップを終わらせる。サグメは頭をかきながらターンエンドした。

 

ガニメーデス「…水瓶座のターン…!まずはドリームネビュラ…ネガズボックを手札に…そしてマジック…リターンスモークをソウルコアを使って使用…トラッシュよりコスト6以下の妖精将グロリアを召喚…!」

 

ガニメーデスは特殊召喚を封じるネガズボックを除去したあと、リターンスモークを放ってトラッシュからグロリアを召喚する。これで下準備は整った。

 

ガニメーデス「召喚時効果…究極の力跳ね返す白き水瓶…!宝瓶星鎧ブレイヴアクエリアス!さらに光導ブレイヴを召喚したのでトラッシュのエクスティンクションウォール二枚を手札に…」

 

グロリアが指をパチンと鳴らし、星空から水瓶の形をした戦闘機を呼び出す。さらにグロリアの追加効果でトラッシュのマジックが二枚戻った。だがガニメーデスがブレイヴアクエリアスを合体させようとしたその時……!!

 

サグメ《…直接合体させずに召喚したのが仇よ…バースト発動!成すを成さずに…!成さずを成すに…!逆転せよ!闇輝石六将フェンリグ!バースト召喚後、相手のカードを四枚指定…!それ以外のカードを全てデッキボトムへ…!》

 

アルテミス《指定はフィールドの四枚よ!》

 

サグメがまたバァァァンという文字が背景に来そうなポーズと共にバーストを発動させると、巨大な機獣にまたがったロボットがライフルをぶっぱなしながら現れる。

 

そしてフェンリグはガニメーデスの手札を照準に入れてライフルのトリガーを引く。ライフルから放たれた弾丸はガニメーデスの手札を正確に撃ち抜き、デッキへと戻した!

 

 

ガニメーデス「…ターンエンド」

 

サグメ《…これで終わり…メインステップ!フェンリグをレベルアップして幻魔神と左合体!アタックステップ!アルテミスの神域でフェンリグを指定…!アタック!》

 

アルテミス《闇奥義・天獄発揮!グロリアを手札に戻して回復!!そしてフェンリグはブロック出来ないわよ!》

 

ガニメーデス「…ライフで受ける…!」

 

フェンリグがライフルから強烈な銃弾の雨を放つ。さらに闇奥義の力で回復した。

 

サグメ《…決めなさい…フェンリグ…バァァァン!》

 

アルテミス《……好きね…その決めポーズ…》

 

サグメのあのポーズと共にフェンリグがガニメーデスのライフを全てぶち壊した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異次元 山羊の間

 

 

咲夜「……冥界…みたいな所ね…」

 

ペルセポネ《確かに…うちの冥府より…日本のあの世って言った方が近いかも…》

 

二人は白玉桜の超長い石階段を思い出させる下り坂を歩いていた。脇にはぼんやり光を放っている灯籠…今にも何か出てきそうな雰囲気である………

 

ペルセポネ《…お、お化けなんて無いさ…》

 

咲夜「…それ妖夢達の前で言えますか?それに冥府の女王がこんなことで怖がるのですか?」

 

ペルセポネ《だ、だってぇ~…ケルベロスは可愛いし…三人の裁判官も気前が良いし…こんな何が出てくるかわからないことはないんだ「…ガサガサガサ!」も…ぎゃぁぁぁぁぁ!!!

 

ペルセポネが何かの物音に絶叫するのを尻目に咲夜は音のした方向を振り向く。するとそこには紫の妙齢の女性が立っていた。

 

 

???「…山羊座のマイア…」

 

咲夜「…ちょうど良かったわ。探す手間が省けて……大丈夫?」

 

ペルセポネ《だ、だ、だ、大丈夫…!》

 

咲夜は隣でビクビクしていたペルセポネにもう敬語も使わずに話す。なんとかペルセポネも復帰して咲夜の中に戻っていった。

 

 

咲夜「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「さっさと終わらせるわ。メインステップ。冥府の姫君!創界神ペルセポネ!トラッシュに置いた対象カードは二枚なのでコアを二つペルセポネに」

 

ペルセポネ《この…!私を脅かしやがって…!!》

 

咲夜は先ほどの出来事でぶちギレているドSペルセポネを呼び出した。

 

咲夜「そしてもう一つネクサス、旅団の摩天楼を配置してドロー…ターンエンド」

 

マイア「…山羊座のターン…魂鬼…ダークウィッチを召喚…ターンエンド…」

 

マイアは紫の丸い魂と薄い桃色の悪魔を呼び出してターンエンドした。ソウルコアを魂鬼に置いている所を見ると、破壊されること前提であろう。

 

咲夜「メインステップ。堕天騎士タムズを召喚して一枚ドロー。さらに護星鎧エク・レウスを召喚してタムズに合体!」

 

咲夜はいつものタムズに加え、白い白馬を召喚する。そしてタムズはエク・レウスにまたがり、手綱を握った。

 

咲夜「バーストをセットしてアタックステップへ。タムズで合体アタック!毒刃の効果でダークウィッチの下に二枚追加」

 

マイア「…ライフで受ける…」

 

エク・レウスにまたがったタムズが剣でライフを斬りつけた。

 

咲夜「以上、ターンエンド」

 

マイア「…山羊座のターン…ボーン・ダイル…さらに万本槍の古戦場をレベル2で配置…アタックステップ…ダークウィッチでアタック…!」

 

マイアの周りのフィールドが槍が突き刺さった古戦場へと変わり、ダークウィッチが飛び出した。レベル1なので、疲労破壊は発揮しなかった。

 

咲夜「ライフで受ける」

 

ダークウィッチが紫のビームで咲夜のライフを撃ち抜いた。

 

マイア「…ターンエンド…」

 

咲夜「…万本槍の古戦場…何かのコンボかしら…?メインステップ。堕天騎士ラミエルと堕天騎士シンを召喚!そしてエク・レウスをラミエルに合体!アタックステップ!合体アタック!」

 

ペルセポネ《私の効果もいれてデッキからダークウィッチに二枚、ボーン・ダイルに二枚、魂鬼に一枚追加!》

 

咲夜は槍を構えた堕天騎士と鞭を持った堕天騎士を召喚し、エク・レウスにまたがったラミエルが攻撃態勢にはいる。

 

 

マイア「…ライフで受ける…」

 

スピリット達に毒を浴びせたラミエルが槍を投げつけてライフを破壊した。

 

 

咲夜「ターンエンド」

 

 

マイア「…山羊座のターン…紫の七星…北斗七星龍ジーク・アポロドラゴンを召喚…!召喚時効果…冥界より現れる死神…!魔羯星鎧ブレイヴカプリコーン!…ジーク・アポロドラゴンに直接合体…!」

 

マイアは夜空から降りてきた紫の北斗七星龍にブレイヴカプリコーンを合体させる。すると北斗七星龍はまるで死神のように鎌を構えた。

 

マイア「…アタックステップ…!魂鬼でアタック…!」

 

咲夜「…シンでブロック…!!」

 

ふよふよと漂ってきた魂鬼をシンは鞭で絡めとり、破壊しようとした。だが万本槍の古戦場が妖しく光る…

 

マイア「…万本槍の古戦場…相手スピリットが疲労したので一枚ドロー…さらにレベル2の効果でタムズのコアを一つ外す…そしてブレイヴカプリコーンの効果…スピリットが消滅したのでドロー…」

 

万本槍の古戦場がデッキから一枚引いてくると、タムズのコアを除去する…さらにドローしたのでもう一度万本槍の古戦場の効果が発揮する。

 

マイア「ブロックしているシンを消滅させてドロー…さらにラミエルのコアを一つ外す…」

 

咲夜「危ない…ラミエルがレベル2じゃなきゃ全滅してたわ…」

 

マイア「…さらにボーン・ダイルでアタック…!」

 

万本槍の古戦場の効果音シンは魂鬼を破壊する前に消滅する。マイアはそれを尻目にボーン・ダイルに追撃を命じる。

 

咲夜「ライフで…」

 

ボーン・ダイルが飛び上がってライフを噛み砕く。

 

マイア「…ダークウィッチでアタック…!」

 

咲夜「…これもライフで…」

 

ダークウィッチが再びビームでライフを壊す。これで咲夜の残りライフは2…合体スピリットの攻撃が通れば負けてしまうが……

 

咲夜「…無駄です…フラッシュタイミング!マジック…デルタバリア!これぞ…弾様に仕える証!」

 

ペルセポネ《…バースト…ソーディアス・アーサーなのに…》

 

ペルセポネの愚痴を無視して咲夜はどや顔で正面に銀色の三角バリアを展開し!ジーク・アポロドラゴンの一撃を防ぎきった。

 

 

マイア「…ターンエンド」

 

咲夜「…弾様…あなたのお恵みに感謝致します…メインステップ!堕天騎士を統べる闇の騎士団長!闇騎神ネメシス!!そしてもう一体!一撃必殺の猛毒使い!毒刃冥姫ジャンヌ・プロセルピナ!

 

 

ペルセポネ《前言撤回!私の獲物よ!》

 

 

咲夜がカードを投げてお辞儀すると、彼女の周りが紫の煙に包まれる。その煙が天まで届き、そこから紫の馬に乗った騎士が咲夜の隣に舞い降りた。

 

さらにペルセポネの鞭が地面を叩き割って甲冑姿の女神を呼び出す。

 

咲夜「エク・レウスをネメシスに合体して…アタックステップ!プロセルピナ!真の毒を!アタック時効果で魂鬼とボーン・ダイルの下にカードを追加…さらに界放!全員退場しなさい!!」

 

 

ペルセポネ《アハハ!!死ねぇ~!!》

 

ジャンヌ・プロセルピナがレーザーポインターでマイアのスピリット達を狙い、猛毒でスピリット達を全員地面にのたうちながら破壊した!

 

マイア「…ライフで受ける」

 

 

プロセルピナが右手の両刃剣でライフを一刀両断する。

 

 

咲夜「これで終焉……ネメシス!!」

 

 

闇の馬を操りながらネメシスが接近し、腰から剣を引き抜いて残りのライフ二つを一気にぶったぎった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

フェンリグって物凄くサグメ様に似合うと思うのですが…どう思います?

やっぱり弾さん=デルタバリアの印象が拭えないですね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

原作主役と今作準主役

またアンケートを実施しようと思います。今回も数日中に投票をおねがいします。


異次元 牡牛の間

 

 

 

ムゲン「…着いたぞ!さぁ敵はどこじゃぁ~!」

 

レイ「へへ!あいつみたいだぜ!相棒!」

 

 

この猪突猛進コンビが着いたのは、スペインのありそうな闘牛場を模した世界。その真ん中に不良っぽい赤髪の青年が死んだ魚の目で立っていた。

 

 

???「…牡牛座…アルデバラン…」

 

 

レイ「…よっしゃ!ムゲン!!こいつを燃やす色は赤だ!」

 

 

ムゲン「ほいきた~!!」

 

 

レイ「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼロ「おおお!燃えてきた~!!俺は宇宙一熱い男!灼熱のゼロ!!

 

 

アルデバラン「…牡牛座のターン…カメレオプスを召喚…ターンエンド…」

 

アルデバランは赤い小さなカメレオンを呼び出して大型スピリットの召喚準備をする。

 

 

ゼロ「灼熱のターン!来いや!ファイザード!エッジウルフ!アタックステップ!行け!エッジウルフ!!」

 

 

赤い髪を揺らしながらゼロは炎のネズミと赤い狼のスピリットを召喚して、エッジウルフを攻撃させた。

 

 

アルデバラン「…ライフで受ける…!」

 

 

エッジウルフが口に赤シンボルを加えてアルデバランのライフに叩きつけた。

 

 

ゼロ「これで終わりだ!あんたのターンだぜ?」

 

 

アルデバラン「…牡牛座のターン…!森林のセッコーキジ…彷徨う天空寺院を配置…ターンエンド」

 

 

アルデバランはハイブリッドスピリットのセッコーキジとこれまた大型軽減用ネクサス、彷徨う天空寺院を配置した。だがこのタイプのデッキは場面が整うまで動かないのが普通である。

 

 

ゼロ「つまんねえな~!赤デッキなのによ…!灼熱のターン!アイゼンドラゴン!そのまま攻撃だ!バトル時効果でドロー!」

 

 

アルデバラン「…ライフで受ける…」

 

ゼロは両腕に巨大な鉤爪を召喚してアタックさせる。アルデバランはその攻撃をライフで受け、着実にコアを貯めていく。

 

 

ゼロ「よし!ターンエンド!」

 

 

アルデバラン「…牡牛座のターン…!タマムッシュをレベル2で召喚…二コア増やしてプロフェット・ドラゴンを召喚…召喚時効果で手札のコスト8以上のスピリットをオープンしてドロー…!」

 

 

アルデバランは緑の玉虫と司祭の格好をしたドラゴンを召喚する。オープンされたのは…滅龍帝ジエンド・ドラゴニス…機獣要塞ナウマンガルド…金殻皇ローゼンベルグ…かなりの手札事故である。

 

 

アルデバラン「……ターンエンド…!」

 

 

ゼロ「ふゅ~♪すごいの入れてんな!灼熱のターン!まずはバーストセット!先に行くぜ!起きろ!灼熱の竜!アルティメット・ジークフリード!俺と共に熱くなれ!」

 

 

ゼロが強い語気で地面を砕くと、そこから赤と金の四つ足のドラゴンが飛び出してきた。そのサイズはアイゼンドラゴンを大きく上回る。

 

 

ゼロ「ぶっ飛ばせ!Uトリガー!ロックオン!」

 

アルデバラン「…コスト8…ジーク・ヤマト・フリード…ガード!…そのアタックはカメレオプスでブロック…」

 

 

ゼロが指をアルデバランのデッキに向けて一枚を弾くが、大型率が高いデッキが故ヒットしなかった。だが火炎放射を放ってカメレオプスを破壊し、最低限の仕事はこなしたUジークフリードであった。

 

 

ゼロ「あんた、運が良いな!ターンエンド!」

 

 

アルデバラン「…牡牛座のターン…!!目覚めし太古の巨蝶…!蝶の女皇帝グレイス・パピヨン!天空寺院を疲労させてコストをマイナス2する…召喚時効果…手元/手札からコスト8/9のスピリットをノーコスト召喚!」

 

 

アルデバランのフィールドから蔦植物が生えてくると、中心で繭のようになる。そこから綺麗な揚羽蝶の女王が現れた。

 

さらに先程手元に置いた三枚のスピリットが次々とフィールドに登場してくる。ジエンド・ドラゴニス…ナウマンガルド…ローゼンベルグ…フィールドが狭くなったように感じる。

 

 

アルデバラン「さらに赤と白の連鎖…!アイゼンドラゴンを破壊し、ファイザードとエッジウルフを手札に…!さらに…全てを突き壊す赤き闘牛!金牛星鎧ブレイヴタウラス!パピヨンに合体…!」

 

 

パピヨンが羽ばたいて赤と白の風を起こし、ゼロのスピリット達を除去する。そして空から突っ込んできた赤い牛がパピヨンに合体してパピヨンは赤い鎧を纏った。

 

 

ゼロ「おおおおお!熱い!熱いぜ!バースト発動!ネオ・コールオブロスト!デッキから二枚ドロー!かかってこいや!」

 

 

グレイス・パピヨンの召喚時効果をトリガーにしてゼロのバーストが発動するが、アルデバランはそのままステップを進めていく。

 

 

アルデバラン「…アタックステップ…!ジエンド・ドラゴニスでアタック…!」

 

 

ゼロ「ライフで受けるぜ!」

 

 

まず最初にジエンド・ドラゴニスが飛び出すと巨大な前足の爪でゼロのライフを二つ切り裂いた。

 

 

アルデバラン「…合体アタック!」

 

ゼロ「トリプルシンボルか?フラッシュタイミング!光翼之太刀!ジーク!ブロックを頼む!!」

 

ブレイヴタウラスと合体したパピヨンが流星の如く突っ込んだが、前にマジックの効果で疲労ブロッカーになったUジークが立ちふさがり、その動きを止める。

 

アルデバラン「…ブレイヴタウラスの効果…アルティメットにブロックされたので、多いライフ分…二点貫通…!」

 

パピヨンがUジークと組み合った瞬間、お互いのシンボルが空中に出現し、多かったパピヨンのシンボル二つがゼロのライフを破壊した!

 

 

ゼロ「うぐぅ……!もう一丁!シンフォニックバースト!このバトル後、ライフが2以下ならアタックステップを終わらせる!すまねぇ!ジーク…!」

 

 

パピヨンがゼロのライフを二つぶち壊すが、再びゼロが放ったマジックがアルデバランのアタックステップを終わらせてしまった!

 

しかしパピヨンをブロックするためにUジークフリードを犠牲にしてしまったので、ゼロはかなり苦しい状況になっている…

 

アルデバラン「…ターンエンド…!」

 

 

ゼロ「…よし!灼熱のターン!!ファイザードを二体!エッジウルフを召喚!さらにネクサス!超新星の輝きを配置!」

 

 

ゼロは先程戻されたファイザードとエッジウルフ、そして新しいファイザードを召喚してネクサスを配置する。そして配置時の効果であのアルティメットのコストはライフと同じ…つまり1になっている…!!

 

 

ゼロ「行くぜ!うぉぉぉぉ!!!大爆発の大嵐! 灼熱祭りの大将、来たぜ! アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ!!さらに…!真っ赤に滾る熱い奴! 宇宙一の相棒!アルティメット・ムゲンドラゴンのお出ましだぁ!」

 

ムゲン「待ってましたぁ~!!」

 

 

ゼロがビームを空に放つとそこから無数の炎と巨大隕石がフィールドに落ちてくる。それらが一つになって大きな剣を持ったアルティメットが現れた!

 

さらに火山が噴火して火口奥深くから金色の鎧を纏ったドラゴンがハイテンションで現れた!

 

 

ゼロ「…Uノヴァの召喚Uトリガー…!ロックオン!」

 

アルデバラン「…コスト4…絶甲氷盾…!」

 

ゼロ「ヒット!ギラギラ感じるぜ!ライフ……全回復だぁぁぁぁ!!」

 

Uノヴァのトリガーがヒットしてゼロのライフが再び五つの輝きを取り戻した。

 

 

ゼロ「アタックステップ!相棒!灼熱祭りだ!WUトリガー!ロックオン!」

 

アルデバラン「…ルリ・オーサと天空寺院…コスト4と5…!」

 

ゼロ「Wヒット!BP5000以下のスピリット全破壊!さらに赤シンボルを二つ追加!トリプルシンボル返し!」

 

アルデバラン「ローゼンベルグでブロック…!」

 

 

Uムゲンが手の鎧から剣を伸ばしてセッコーキジ、タマムッシュ、プロフェット・ドラゴンを切り裂いて破壊する。さらに向かってきたローゼンベルグも炎で焼き尽くした!

 

 

ゼロ「これで決まりだ!ファイザード!エッジウルフ!Uノヴァ!Uトリガー!ロックオン!」

 

アルデバラン「…コスト3…カメレオプス…」

 

ゼロ「クリティカルヒット!ナウマンガルドを破壊!!これでブロッカーはいねぇ!!」

 

 

ファイザードとエッジウルフの突進、最後にUノヴァの大剣の一振りがアルデバランのライフを粉々に粉砕した!

 

 

 

 

 

 

 

 

異次元 魚の間

 

 

蓮子「…お邪魔しまーす……」

 

 

蓮子が到着した世界は和風建築の大屋敷のような世界だった。蓮子は一応、そう言って中に入っていく。

 

 

蓮子「…!あの子…かしら?」

 

 

蓮子は屋敷の外の庭に紫髪の少女が死んだ魚以下略

 

???「…魚座のアスタルテ…」

 

 

蓮子「…こんな幼い子供まで操るなんて…!!待ってて!今助ける!」

 

 

 

蓮子「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

アスタルテ「…魚座のターン…ボーン・バードを召喚…三枚破棄して一枚ドロー…ターンエンド」

 

 

アスタルテは骨の鳩を召喚してトラッシュを肥やし、一枚ドローする。

 

 

蓮子「メインステップ!光星姫ヴァージニアを召喚!召喚時効果で三枚オープンしてその中の光導カードを手札に!アポローンを回収!残りはデッキの上に戻す!そしてアポローンを配置!破棄したカードが全て対象なので、三コアをアポローンに!」

 

 

蓮子は永琳から貰った天星十二宮を使ってアポローンを手札に加える。そしてデッキトップを操作しつつ、アポローンを配置して神託を成功させた。

 

 

蓮子「ターンエンド!」

 

 

アスタルテ「…魚座のターン…偽りの地下帝国と双蛇の剣刃探知機を配置……ターンエンド…」

 

 

アスタルテは紫色の城と紫の探知機をフィールドに配置する。これでアスタルテは着々と紫シンボルと手札を充実させてきた。

 

 

蓮子「…メインステップ!水瓶龍アクエリジャードラゴンを召喚!アタックステップ!Go!アクエリジャードラゴン!星読!デッキから一枚オープン!」

 

 

蓮子は水瓶を背負ったドラゴンを呼び出してアタックさせる。星読でめくられたのは……雷星獣ドラグ・タウラス…よって蓮子の手札に入り、追加効果でさらに一枚ドローした。

 

 

アスタルテ「…ライフで受ける…」

 

アクエリジャードラゴンが放った水流がライフを一つ破壊する。

 

 

蓮子「…軽減シンボル全色扱いって便利だわぁ~…ターンエンド!」

 

アスタルテ「…魚座のターン…剣刃探知機の効果でドローする代わりにトラッシュのスケープゴートを手札に戻す…地下帝国をレベル2にして効果発動…!このスピリットのコストを6まで下げる…!白い蛇の賢者…!白蛇帝アルデウス・ヴァイパー!!…召喚時効果で相手のコア三個をリザーブに置く…」

 

 

アスタルテの後ろの空に次元の裂け目ができてそこから金の翼を持った白い蛇が現れる。そしてヴァイパーは紫に光ってヴァージニアとアクエリジャードラゴンのコアを外してしまった。

 

 

蓮子「うわぁ…アルデウス・ヴァイパー…」

 

アスタルテ「…二体消滅したので、コアを二つ増やす…アタックステップ…!アルデウス・ヴァイパーでアタック…!」

 

蓮子「…ライフで受ける…!」

 

 

アルデウス・ヴァイパーの尻尾が蓮子のライフを二つ割った。

 

 

アスタルテ「…ターンエンド…」

 

蓮子「…ヴァイパーを除去らないと…メインステップ!夜明け告げる太陽よ!星の力纏いて龍となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!レベル3で召喚!!」

 

 

蓮子はアルデウス・ヴァイパーの除去を考え、ジーク・アポロドラゴンXを召喚した。そしてアタック時のBP9000以下破壊でアルデウス・ヴァイパーを破壊しようとした……

 

 

蓮子「バーストもセットして……さぁ!反撃開始」

 

???《…それで良いのか?》

 

蓮子「…へ?…ブンブン……誰…今の…」

 

 

しかし、アタックステップに入ろうとした蓮子はどこからか声が聞こえてきたのを耳にした。驚いて周りをキョロキョロしてもそこには誰もいない……

 

 

???《…聞こえなかったのか?バトルフィールドをもっと広く見ろ!やつの手札とトラッシュには何がある!?》

 

 

蓮子「…手札…?トラッシュ…?………あ…そうか!あっぶなぁ~!!アタックはしないでターンエンド!」

 

 

謎の声の言うとおりに蓮子は相手の手札とトラッシュを確認してみる。するとトラッシュにXレアの黒き骸王バルトアンデルスが落ちていた。確かに蓮子がこのままアタックしていたらアルデウス・ヴァイパーは破壊できる。

 

だがフラッシュタイミングでスケープゴートを打たれる

バルトアンデルスが素出し

スケープゴートの効果で破壊されるがレベル2の手札破棄して残るかも

もし残ったら返しのターンで疲労しているジーク・アポロが破壊

 

という最悪の展開に陥っていたことだろう。

 

 

蓮子「…てか…さっきの声…なんなんだろ…?どっかで聞いた声なんだよなぁ……」

 

 

アスタルテ「…魚座のターン…アメジスネーク…そして魂喰らう呪いの魚…!双魚星鎧ブレイヴピスケス!召喚時効果で相手のスピリットから一つずつコアをリザーブに…そしてブレイヴピスケスをアルデウス・ヴァイパーに合体…!」

 

 

蓮子の疑問を置いてアスタルテは紫の蛇と鎖で繋がれた二匹の魚である星鎧を呼び出して、アルデウス・ヴァイパーに合体させる。ヴァイパーは両腕にブレイヴピスケスの顔を装着して全身に紫の鎖が巻き付いた。

 

 

アスタルテ「…ヴァイパーをレベル3に…アタックステップ…!合体アタック…!!ジーク・アポロドラゴンのコアを二個除去…」

 

アルデウス・ヴァイパーが紫のビームでジーク・アポロドラゴンのコアを外す。その時蓮子の目がキリッと鋭くなり、ガシッと手札の一枚を握りしめた。

 

 

蓮子「永琳さん……覚悟決めました!使います!…フラッシュタイミング!アクセル!聖皇兵装ジークフリーデン・キャノン!BP7000以下のスピリット二体を破壊!!ヴァイパーのアタックはライフで受ける!」

 

 

蓮子がカードを掲げると、炎と氷の弾丸がアメジスネークとボーン・バードを撃ち抜く。そしてヴァイパーはライフを二個砕くが、蓮子のライフはギリギリ一つ残った。

 

 

アスタルテ「…ターンエンド…」

 

 

蓮子「メインステップ!キャンサードラゴン、そして手元からジークフリーデン・キャノンを召喚!ジーク・アポロドラゴンと合体!レベル3へ!!」

 

 

蓮子はまずジークフリーデン・キャノンの軽減&アポローンの神域を発動するためにキャンサードラゴンを召喚する。その後召喚したジークフリーデン・キャノンが二つに分裂し、ジーク・アポロドラゴンの両腕に装着された。

 

蓮子「アタックステップ!ジーク・アポロドラゴンでアタック!!効果でライフ一点貫通!!」

 

 

アスタルテ「…フラッシュタイミング…!スケープゴート…!トラッシュより召喚…!黒き骸王バルトアンデルス…!!ブロックです…」

 

 

まるでジークフリーデンのようになったジーク・アポロドラゴンの前に地面から紫のキメラが飛び出す。だがジーク・アポロドラゴンは両腕の砲台からビームを放ってバルトアンデルスを弾き飛ばすと、口からの炎でバルトアンデルスを焼ききった!!

 

 

蓮子「バルトアンデルスの破壊時効果は……よっしゃ!マジックだから不発!さらにアポローンレベル2の神域でジーク・アポロドラゴンは回復している!決めてこーい!!」

 

 

 

紫のオーラが蓮子の手札を一枚破棄したが、マジックのキャンサーシェルだったのでバルトアンデルスは復活しなかった。

 

最後に蓮子はジーク・アポロドラゴンを攻撃させてアタック時効果もいれてアスタルテの残りライフ三点全部もぎ取った!!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

蓮子のバトル中に聞こえてきた謎の声…果たして正体は…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

永琳の神話ブレイヴ

はい!タイトル通りオリカ注意報!発令!!


異次元 射手の間

 

 

永琳「…一段と強い気…洗脳をしたやつがいるわね……」

 

 

一人炎が立ち込める荒野に立っていた永琳は気配を探りながら敵を探す。すると目の前の炎が分かれて中から初老の男性が現れた。

 

 

???「…ほう…我が空間に干渉してくるとは…貴様、一体何者だ?」

 

永琳「…ただの薬師よ…それに…あなたは洗脳されてない…いえ、あなたが洗脳したのだから当たり前か…」

 

???「…ふはは!そこまで見破るか…いいだろう…この射手座のブレイズと戦うことを認めよう!!」

 

永琳は男が言いはなった『射手座』を聞いて物凄くいやぁ~な表情をしてブレイズと向き合う。すると永琳はどこからか彼女の愛弓を取り出すと……

 

 

永琳「…はぁ!」

 

 

…その弓を空中へ放り投げた。永琳の愛弓は回転しながら一枚のカードに変わり、永琳のデッキに入っていった。

 

 

永琳 ブレイズ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

ブレイズ「先行は譲ろう」

 

 

永琳「…メインステップ。創界神オモイカネを配置…三枚中対象が二枚なので、コアを二つオモイカネに置く。バーストをセットしてターンエンド」

 

 

永琳はまず自身を配置して相手の出方を見ることにした。

 

 

ブレイズ「…射手座のターン…フフフ…彷徨う天空寺院を配置しよう…こちらもバーストをセットしてターンエンドだ」

 

 

ブレイズは定番の赤Wシンボルネクサス…天空寺院を配置する。それを見て永琳は彼のデッキにかなりの大型が入っていることを確信した。

 

永琳「…メインステップ。聖星使ジェミニックと魔星人シュタイン・ゴイルを召喚。星読で一枚オープンするわ」

 

永琳は小さな魔術師と紫の魔人を呼んでデッキをめくる……樹星獣セフィロ・シープだったので、永琳は手札に加えた。

 

永琳「ターンエンドよ」

 

ブレイズ「む…なるほど、貴様が…射手座のターン。さらにネクサス、星の砂漠をレベル2で配置。彗星竜サングレーザーも召喚しよう」

 

ブレイズのフィールド周辺が夜の砂漠に変わり、フィールドにも一体の星竜が舞い降りる。

 

 

ブレイズ「アタックステップ!サングレーザーよ!行け!アタック時効果でジェミニックを破壊!そして星の砂漠の効果もいれて二枚ドローだ」

 

 

サングレーザーがアタックしながら炎でジェミニックを焼き尽くす。いつもはジェミニックの疲労状態耐性があったが、星の砂漠の力でその効果が発揮できなかった。

 

 

永琳「…ライフで受ける!」

 

 

サングレーザーはそのまま突撃して永琳のライフを一つ破壊した。

 

 

ブレイズ「ターンエンド」

 

 

永琳「…攻めるか…守るか…メインステップ。セフィロ・シープと鋼鉄双士ジェミニコスを召喚!そしてコアブースト!…ターンエンドよ」

 

 

永琳は光導デッキのコアブースト要員の二体を召喚するだけでターンエンドした。この二体を召喚して手札が二枚になってしまったので、攻め時ではないとの判断だった。

 

 

ブレイズ「…射手座のターン…六分儀剣のルリ・オーサをレベル2で召喚だ。コアを二体に追加し、マジック…ソウルドローを使う。デッキから三枚ドローだ…これでターンエンド」

 

 

ブレイズも赤のコアブースト要員のルリ・オーサを出してドローマジックを打つだけにとどまった。

 

 

永琳「…この動き…幽香の…!メインステップ!赤く染まる月!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!穢れの力を今ここに!」

 

 

永琳がカードを手にとって両腕を広げると、後ろからサジッタがフィールドに登ってくる。だが永琳はブレイズと似たような動きをする幻想郷メンバーのデッキからブレイズの狙いを見切っていた。

 

 

永琳「…アタックステップ!打て!サジッタ!!私の効果でルリ・オーサを指定アタック!!界放の効果も使ってサングレーザーを破壊!」

 

 

永琳が右手を掲げてサングレーザーをロックオンする。そしてサジッタの火炎放射が二体を破壊するとサジッタレベル2の効果でブレイズのライフが二つ消し飛んだ。

 

ブレイズ「…バースト発動!双光気弾!二枚ドローする!!」

 

永琳「…サジッタの効果で計二枚をドロー…!ターンエンド」

 

ブレイズ「…射手座のターン!ブレイドラ、イグア・バギー、森林のセッコーキジを召喚!そして…天空統べる星空の帝王!幻羅星龍ガイ・アスラ!!召喚!!」

 

 

永琳「…やはりね…!」

 

 

ブレイズは小型スピリットを並べて彷徨う天空寺院を疲労させる。その力で大空の太陽から下半身は蛇、上半身は人間の不気味な配色をしたドラゴンがフィールドに降り立った。

 

ブレイズ「…さらに!獄炎の矢を放つ我が化身!射手星鎧ブレイヴサジタリアス!ガイ・アスラに合体せよ!!」

 

ブレイズは続けざまに自分の分身であるケンタウルスのブレイヴを召喚してガイ・アスラに合体させる。ガイ・アスラは上半身に射手座の鎧と弓を纏った。

 

ブレイズ「残りのコアをスピリット達に分配!アタックステップ!ガイ・アスラよ!滅ぼせ!!超覚醒発動!ブレイドラのコアを一つ使って超回復!!」

 

ガイ・アスラが飛び出すと、ブレイドラの力を奪って回復する。これがガイ・アスラ系統が持つ能力…超覚醒である。自身のフィールドにスピリットがいる限りアタックし続けることができる恐ろしい効果なのだ。

 

永琳「…まだレベル4じゃない…シュタイン・ゴイルでブロック!」

 

シュタイン・ゴイルがガイ・アスラの前に立ちふさがるが簡単に押し潰されてしまう。

 

ブレイズ「ガイ・アスラでアタック!超覚醒!イグア・バギーのコアを喰らう!」

 

 

永琳「…セフィロ・シープでブロック!」

 

 

再びガイ・アスラがアタックしてセフィロ・シープを矢で撃ち抜いた。

 

ブレイズ「ガイ・アスラ三度目のアタック!!セッコーキジのコアを使ってレベル2へ!!」

 

永琳「…ジェミニコスでブロックよ!」

 

 

ガイ・アスラはコアを喰らってレベルを上げると槍を突き刺そうと向かってきたジェミニコスを手のひらに作り出したエネルギー弾で吹き飛ばした。

 

 

ブレイズ「ガイ・アスラ四度目のアタック!!ブレイドラのコアを使って超回復!!」

 

 

永琳「…ライフ!サジッタの効果でドロー…そしてバースト!!選ばれし探索者アレックス!!一枚ドローしてアタックステップを終わらせる!これならガイ・アスラでも意味ないわよ?」

 

 

ブロッカーがいなくなった永琳はガイ・アスラの攻撃をライフで受けた。しかしバーストがアレックスだったので、そのままアタックステップを無理矢理終了させた。

 

 

ブレイズ「…仕方ない…次のターンで決めてやる…!!ターンエンド!」

 

 

永琳「…ドローステップ…!!…奇跡は起こすもの…!!メインステップ!幻想の弓!星々の矢!召喚!!幻想星弓エターナル・ジュエリー!!私に直接合体!!」

 

 

永琳の後ろが幻想郷では見慣れた竹林へと変化する。そしてその奥から六色の宝石が埋め込まれた銀色の弓が永琳の左手めがけて飛んできた。永琳はそれを握りしめて大きくオーラを放出する!

 

 

永琳「…勝負よ…明日を創る聖なる矢!射手星鎧ブレイヴサジタリアス!

 

 

サジタリアス《…え!?ちょっとえーりん!!神話ブレイヴ持ってたの!?少し俺に見せて…》

 

 

永琳はサジタリアスの言葉を無視して宙に浮かせた手札を指で操り、自分のブレイヴサジタリアスを呼び出す。さすがに自分の裏十二宮ブレイヴを使われてブレイズは驚いた。

 

 

ブレイズ「…!?な、なぜ貴様が我が化身を使っている!!?お前は一体何なんだ!!!?」

 

 

永琳「…良いわ…教えてあげる!私は八意 永琳!またの名を創界神オモイカネ!幻想の世界を統べる星の神!馬神 弾の右腕よ!覚えておきなさい!!ブレイヴサジタリアスをサジッタに合体!!レベル3に!!」

 

 

永琳は左手掲げて名乗りながら二体を合体させる。サジッタの体に分解されたブレイヴサジタリアスがくっついていき、一段と大きなドラゴンへと変わった!

 

 

永琳「アタックステップ!サジッタでアタック!!界放でブレイドラを破壊してライフを貰うわ!さらに私の効果でガイ・アスラを指定アタック!!」

 

 

サジタリアス《その命!貰うぞ!!》

 

 

ブレイズ「…く!フラッシュタイミング!マジック!ギャラクシーエターナルレクイエム!!ガイ・アスラを最高レベルに!守れ!!」

 

 

サジッタが弓から矢を放ってブレイドラとライフを破壊したが、ブレイズの手札が青く輝いてガイ・アスラに力を与える。するとガイ・アスラは超巨大な紫のドラゴンに変化した!

 

 

ブレイズ「こちらのBPは35000!!捻り潰せ!ガイ・アスラ!!」

 

 

永琳「…チッチッチ…フラッシュタイミング!サジッタに煌臨!!進化する月の光!二つの鎧纏うドラゴン!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!!煌臨時効果で手札より召喚!その迸る魂は止まらない!金牛星鎧ブレイヴタウラス!!

 

 

永琳が人差し指を横に振って化神を煌臨させる。そして手札を弓矢で射ぬき、ブレイヴタウラスをフィールドに召喚した…すると………

 

タウラス《え…?おい!これどーなってんだよ!?》

 

 

サジタリアス《…え…あれ?お前…コスト8か星将としか合体できなかったよな…あれぇ!?》

 

ストライクヴルム・ノヴァを操るサジタリアスとタウラスはフィールドでおろおろしている。すると永琳が自慢気に説明をし始めた。

 

永琳「エターナル・ジュエリーの創界神合体時効果!コアが四個以上乗っているので、神域を発動!自分の系統:光導を持つブレイヴ全ての合体条件を『光導』に変更する!さぁ二人とも!」

 

サジタリアス タウラス《えええ!!?》

 

永琳は説明し終わると二体の間にエターナル・ジュエリーで矢を放つ。その矢は二体の真ん中で弾けて二体を囲むようにオーラのパイプが形成された。

 

サジタリアス《ちょ、ちょっと!えーりん!この筋肉バカとだけは勘弁してよ!》

 

タウラス《誰が筋肉バカだ!俺はプロテインの貴公子…それより!俺もヤダ!!》

 

そんな二人の声を尻目に永琳はブレイヴタウラスをストライクヴルム・ノヴァに重ねようとする……さぁ…仮面ライダーファン…特にビルドファンの皆様……御唱和ください…せーの…

 

永琳「Are you ready?(準備はできた?)

 

二体《ダメです!!》

 

永琳「…直接合体♥️そして回復よ♪」

 

二体《ぎゃぁぁぁぁ!!》

 

 

永琳の指示でパイプが二体を一つに合体させる。そして光が止むと右腕と左足は赤、左腕と右足は青。背中の翼は黄金に輝き、頭部と胸部は銀色の鎧に包まれた!!

 

 

サジタリアス《………これって……》

 

タウラス《……もしかして……》

 

永琳「ハイハイ!あなた達!バトルは続いているわ!!ガイ・アスラを倒しなさい!!」

 

 

二体《お、おう!!》

 

 

合体した二体はあたふたしながらガイ・アスラめがけて飛び立つ。ガイ・アスラは暗黒のビームを連射するが、W合体スピリットは紙一重でかわしていく。

 

 

永琳「さらにフラッシュタイミング!マジック!タウラスチャージ!W合体スピリットのBPはこれでW合体スピリットのBPはガイ・アスラを上回るわ!!」

 

タウラス《うぉぉぉ!今の俺達は!負ける気がしねぇぇぇ!!》

 

 

だめ押しに放った永琳のマジックがW合体スピリットの火力を底上げする。そしてW合体スピリットは炎を纏いガイ・アスラの下部に潜り込んでガイ・アスラの巨体を天空まで突き飛ばした!

 

 

サジタリアス《勝利の法則は!決まった!》

 

 

ガイ・アスラを弾き飛ばしたW合体スピリットは翼から二本のエネルギーの鎖を形成し、二重螺旋に絡み付いてガイ・アスラを拘束する!

 

 

二体《ラブ&ピース!!フィニッシュュュ!!》

 

 

 

その掛け声と共に拘束したガイ・アスラめがけてフルパワーで飛び蹴りを叩き込み、ガイ・アスラをフィールドにぶっ飛ばして破壊した!!

 

 

ブレイズ「ば、バカな…こんなことが……」

 

 

永琳「…私の夫の象徴でもある射手座の名を語り!この世界に混乱をもたらそうとした!!その罪を甘んじて受け入れなさい!!W合体スピリット!!神罰執行!!」

 

 

タウラス《…夫じゃねぇだろ…》

 

 

サジタリアス《…ほっとけ…》

 

 

呆れながら回復したW合体スピリットはサジタリアスの弓を出現させて炎の矢でブレイズの残ったライフを全てぶっ壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド 執務室

 

 

 

永琳「ただいま…そっちも終わったみたいね」

 

妹紅「余裕!」

 

サグメ《…八意様…ご無事でしたか…》

 

咲夜「こっちは全員勝利を勝ち取ったわ」

 

 

永琳がぐるぐる巻きにしたブレイズを引きずりながら異次元から戻ってくると、そこには帰って来た7人が揃っていた。

 

 

ライブラ「協力感謝する」

 

永琳「大丈夫よ。私達も半分興味本位で首を突っ込んだようなものだし」

 

 

そんな話をしている隣で蓮子はレイと会話していた。どうやら蓮子はレイの信念について聞いているようだ。

 

 

蓮子「レイさんはすごいですねぇ…堂々と「全てで一番になる」だなんて私なら言えませんよ」

 

レイ「まぁ、それが俺の夢みたいなものだからな!お前はないのか?夢?」

 

 

レイの突っ込んだ質問に蓮子は少し目を伏せる。それをライブラ達と話していた永琳は横目で彼女を見つめていた。昨夜彼女が話した「王様になる」という夢はあまり人に受け入れられないものであろう。

 

 

蓮子「…お、王様に…なること…です…」

 

レイ「…へぇ!スゴいじゃねぇか!」

 

ムゲン「レイとおんなじくらいの夢だな!」

 

蓮子「……え…変だと…思わないんですか?」

 

 

レイの楽しそうな返事に蓮子は驚いた顔でレイを見る。あの大親友のメリーでさえ「変なの~!」と言っていた蓮子の夢…それを笑いも否定もせず、ただ感心する彼が不思議だった。

 

 

レイ「俺もよ!この宇宙で一番になるって言うと、よく変なやつだと思われた。でもそれが俺の夢みたいなもんなんだ。だったらそれで良いじゃねえか!!自分にウソつくより、堂々と俺の夢はこれだ!って言える方が夢への道は近くなるぜ?」

 

ムゲン「それによ、自分の夢持って真っ直ぐ生きてるやつを俺達は笑わねぇ!お前の夢!応援してるぜ!」

 

 

蓮子「……ありがとう…ございます…!」

 

 

蓮子は深々とレイとムゲンにお辞儀した。そして蓮子は自分の心にかかっていた鎖が解けたような…とても晴れやかな笑顔で笑った。

するとその時!ムゲン達ちびドラゴンに不思議なことが起こった!

 

 

ムゲン「おいおい、そんな律儀にならなくても……うぇ!?なんだ!?」

 

イアン「私達の体が…!?」

 

ショコラ「…光ってるぅぅ!?」

 

 

この三体が同時に輝くなど永琳どころかレイやキリガ、エリスでさえも見たことがない現象だった。その光は三体を三角形で結ぶとその中心にエネルギーが収束していく……そして…そのエネルギーが一枚のカードになって蓮子の手に収まった!!

 

 

蓮子「…これ…これです!私がこの世界で探していたカード!」

 

永琳「…ええ!?…不思議だわ…一体どんな仕組みで…?」

 

蓮子「あ、でも前回も力あるカードバトラーから探していたカードを貰いましたし……たぶん、私のアポローンのカードと共鳴したんだと思います」

 

 

永琳は科学者としての知的好奇心を丸出しにして蓮子のカードをじろじろ見ている。それを生み出した当の三体は何やらふよふよと宙を漂っていた…

 

 

レイ「…へぇ…まだ宇宙にゃ…分からねぇことがいっぱいあるんだな!んで、どーするんだ?探し物を見つけたから、あんた達はあんた達の次元に帰るんだろ?」

 

 

永琳「…まぁ…そんなところね……蓮子ちゃんもそれでいい?」

 

 

蓮子「はい、わかりました」

 

 

キリガ「…ならここで別れだな…ここで一」

 

エリス「達者でな」

 

ライブラ「この借り、必ず返す」

 

 

キリガ達の別れの言葉に[キリガの一句は無視された]妹紅達は礼を言って、永琳が作った次元の穴に消えていく。そして最後に蓮子が入ろうとした時、レイが蓮子に声をかけた。

 

 

レイ「なぁ!蓮子!」

 

蓮子「…はい!」

 

レイ「…またな!マジダチ!!」

 

 

そのレイの言葉に振り返ってもう一度お辞儀をした蓮子は少し後ろ髪を引かれながらも、この世界を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

最後は駆け足になってしまいましたが、これで究極編は終わりです……ビルド好きだもん!書きたいもの書いていいじゃん!

次回は蓮子とメリーの過去、そして蓮子の世界に起こっている異変について書こうと思います

エターナル・ジュエリーの設定です

4(赤1白1神1)/赤白/神話・神装・光導
<1>Lv1 4000 <0>合体+4000
合体条件:コスト5以上
【スピリット合体中】『このスピリットのアタック時』
このスピリットを最高Lvとして扱う。
合体条件:光導&創界神ネクサス
【ネクサス合体中】【神域】
〔このネクサスにコア4個以上〕系統:「光導」を持つブレイヴ/ブレイヴカードの合体条件を【光導】にする
シンボル:白


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

えーりん、幻想郷へ帰還

とーとうあの時、蓮子が話した内容が明かされます!

そして……新キャラは設定があんまり固まってないので、自分好みにキャラ付けができるのがいいですね……


幻想郷 永遠亭

 

 

永琳「着いたわよ」

 

妹紅「はぁ~!何か久しぶり!!」

 

蓮子「…ここが…神様の……ヤバい緊張してきた…」

 

ゲートを潜って永琳達五人と創界神3神は蓮子探しの拠点にしていた永遠亭の正面玄関に降り立った。そして永琳はそのまま中に入って蓮子達を奥の部屋へと案内する……そこに彼がいるからだ…

 

 

蓮子「…あの……永琳さん…まさか…私をこの世界で一番偉い神様に会わせようとしてます?」

 

永琳「ええ、そうよ?」

 

蓮子「/(^o^)\」

 

おそるおそる蓮子は一筋の希望にすがり、永琳に問いかけたが…現実は悲惨であった……そんなやり取りをしているうちに一同は一番奥の部屋にたどり着いた。

 

 

永琳「…コンコン……弾?帰ったわ。宇佐見 蓮子も見つけてきたわよ」

 

???「…!…本当か!入ってくれ!」

 

蓮子「…ぅぅ…私…生きて帰れるかな…」

 

 

永琳のノックに驚いた声色で帰って来た男性の言葉に蓮子はビビりまくっていた……とうとう扉が開かれ、蓮子はこの世界の王に謁見する……そこでは……!

 

 

 

 

 

霊夢「こらぁ!魔理沙!!あんた私達の十二神皇盗んだわね!?」

 

魔理沙「違う!死ぬまで借りただけだぜ!」

 

ロロ《…ぅぅ…永琳…胃薬…》

 

天子「…主神も大変ね…」

 

 

部屋の隅で何やら光弾を連射しまくっている巫女さんと魔法使いのような少女…その近くでは銀髪の青年が腹をさすって痛みにこらえている…それは天子が同情するレベルのよう…

 

 

レミリア「うぇぇぇん!しゃくゃぁぁぁ!しゃくやがいないからちゅーごくの料理食べさせられてたぁ!もう中華はイヤ!!」

 

フラン「あ!御姉様、いけないんだぁ!!好き嫌いしたら立派なれでぃになれないんだよ!そーだよね?」

 

ケイ《…あ、ああ…そうだな……私はそれでも立派な女に成れてないが…》

 

咲夜「………[厳粛なメイド長、鼻から出血中]…」

 

 

咲夜不在のため絶賛カリスマブレイク中のレミリアとあどけなくケイの心を抉るフランに咲夜の忠誠心が鼻から放出する事態…

 

 

輝夜「もこぉぉぉぉぉぉ!!」

 

妹紅「…!かぁぐやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

依姫「ちょ、姫様落ち着いてください!!」

 

ヘラ《…あなた…ちょいとお・い・で♥️》

 

ゼウス《何故に!?》

 

ヘルメス《だぁぁぁもぉぉぉぉ!!》

 

ケンカ相手がいなくて寂しかったのか、脇から輝夜が妹紅めがけて飛びかかり、すぐさまじゃれあい(殺しあい)が始まると、隣でなぜだか[大方浮気がバレたことだと思われるが]ヘラがゼウスを折檻しようとするのをヘルメスと依姫が全力で押さえ込んでいる。

 

 

アテナ《…お帰りなさい…チ…》

 

永琳「…なぜ舌打ちなさったんですか師匠?」

 

上海「…お父様…少々お話…」

 

永琳「お父様ですってぇぇぇぇ!!?」

 

アリス「……私…死んでもいいかしら…」

 

 

いつも通り火花を散らすアテナと永琳の間を通って上海が奥に喋りかけたが、「お父様」というフレーズに永琳の怒りがフジヤマヴォルケイノしてしまった…その上海の主…アリスは死んだ目で虚空を見つめている…

 

 

ツクヨミ《…ズズズズ…》

 

トト《…ズズズズ…》

 

マナカ《…ズズズズ…》

 

オシリス《…ズズズズ…お茶がうめぇ…》

 

妖夢「お茶飲んでる場合ですか!?」

 

 

苦労神×4はもう事態の収集をつけることを放棄して現実逃避していた。真面目な妖夢はなんとか現実に帰還させようと奮闘している。

 

 

アレックス《ど、どうしましょう?》

 

へカーティア《…待ちましょ…全ての収集がつくまで…》

 

純狐「…それが良いわね……」

 

椛「……はぁ…」

 

 

女性陣も収まるまでソッとしているという意見が多数派のようだ……何人かを除いては……

 

 

映姫「あなた達!いい加減にしなさい!!」

 

隠岐奈「真面目な話をするんだよ!」

 

幽香「向日葵にするわよ!!」

 

 

痺れを切らした四天王が怒鳴って[向日葵にする=蜂の巣にする]ようやく事態が収まってきた。霊夢と魔理沙は一応ケンカを止め、スカーレット姉妹も静かになる。

 

 

蓮子「…(゜ロ゜)…」

 

サグメ《…こんな感じよ……》

 

 

蓮子はこんなアットホームな雰囲気に常識がおかしくなりそうだった。蓮子が再起動している間に騒いでいた面子も席についていた。そして……真ん中にいた赤髪の青年が重々しく口を開いた。

 

 

弾「…はじめまして…!……フフ…そうか…君は…」

 

蓮子「へ…?」

 

弾「…イヤ、忘れてくれ。はじめまして、オレがこの世界の創界神…馬神 弾だ」

 

蓮子「…はい!宇佐見 蓮子と申します!…ペコリ…」

 

自己紹介した弾に蓮子は緊張しながら自己紹介を返す。そして弾は軽く幻想郷と今ここにいるメンバーを紹介したあと、蓮子に蓮子の世界の危機について質問しようとした。

 

永琳「…ねぇ…だぁ~ん?」

 

弾「…どうした?」

 

永琳「…私の反対側に座ってるそいつ…誰?」

 

弾《…目が…笑ってない…》

 

普段の幻想郷メンバーの座り位置は弾が真ん中、両サイドに紫と永琳、そして四天王と続いていくのだが、今回、そこには紫の代わりによく美術の先生がつけている前掛けと頭巾をつけた青髪の女性が座っている。すると永琳の[少し病んでる]問いかけにその女性自身が答えた。

 

 

???「…おお…これは失礼。私は彼岸の人間霊を守護せし造形神(イドラデウス)にして、我が(ゴッド)馬神 弾に忠誠を誓った忠実な僕埴安神 袿姫と申します。以後お見知りおきを…」

 

妹紅「…また濃いいキャラが……」

 

弾「袿姫は皆が別世界に行ってる頃起こった異変で知り合って、映姫やアテナ達居残り組と一緒に幻想郷を守ってくれたんだ」

 

袿姫「そんな!我がゴッドよ…それは誇張し過ぎです…」

 

映姫「それよりも…宇佐見 蓮子、あなたと八雲 紫…あなたの親友とあなたに何があったのですか?」

 

 

弾の言葉に恭しく頭を下げる袿姫を放っておいて映姫は本題を蓮子に尋ねる。蓮子は先日永琳に話した内容を語り始めた…

 

 

 

 

 

 

回想 西暦2651年8月 極点 空港

 

 

 

蓮子《…うわぁ!すごいねメリー!!》

 

 

メリー《ええ…まだ地球にもこんな綺麗な所があったなんて…!》

 

 

物凄く目を輝かせながら飛行機から降りてきた蓮子とドアノブカバーのような帽子を被った金髪の少女…彼女こそ若き日の紫…本名マエリベリー・ハーン通称、メリー

 

 

蓮子「…私達は当時、秘封倶楽部て言うオカルトサークルをやっていました…」

 

 

幽香「オカルト?所謂、妖怪やら迷信とかを調べる…?」

 

 

蓮子「…まぁ…そんな感じです…そしてあの日…観光地として解放整備された極点に遊びにいきました…極点にも色々と妖しい噂が存在していたので…」

 

 

蓮子はそんな呟きをして、当時のことを振り返り始める。幻想郷メンバーはその顔から哀愁の念を感じていた。

 

 

蓮子《さて…メリー!今日が秘封倶楽部が初めて極点に降り立った日よ!そしてここで見つかった古代文明の遺物!これは妖しい匂いがプンプンしてるわ!!》

 

 

メリー《ハイハイ、それを確認しようとするのが今回の旅行の目的……うぅ!》

 

 

興奮状態の蓮子にメリーが呆れながら返事を返していたその時、メリーの脳内にぐぅぉぉぉんとした衝撃のような感覚が響き、メリーは頭を抱えて踞ってしまった。

 

 

蓮子《!?メリー!…またあれ?》

 

 

メリー《……え、ええ…最近酷くなってきたわ…》

 

 

蓮子「…前からメリーには『境界が見える程度の能力』を持っていたんですが…その力が強くなるに連れてメリー自身の手に負えなくなってきたんです…それも離ればなれになった原因の一つだと思います…」

 

 

霊夢「…境界ね…」

 

 

メリー《…うん!もう大丈夫よ。さぁ…いきましょ?》

 

 

蓮子《…もう!無茶しないでよ!?》

 

 

メリー《うふふ…蓮子に言われるなんて……世界の終わりね…》

 

 

そんな軽口を叩きながら二人は到着口を出て目的地へと向かう。彼女達が向かう先…それは極点の上に建つ大きな展望台…

 

 

蓮子《ほへぇ~……たっかいねぇ……》

 

 

メリー《確かこの塔自体は2400年代後半に建てられた物らしいのだけど…ここを一般公開するにあたって整備されたそうよ》

 

 

蓮子《何でもいいから早く行こ!》

 

 

メリー《ちょ、蓮子!もう、いつも突っ込んでいくんだから…!》

 

 

展望台の下から上を見上げていたメリーの解説を軽く流して蓮子は展望台へと入っていくと、メリーも慌てて後についていった。

 

 

 

蓮子《…わぁぁぁ…キレーイ…!》

 

 

メリー《…幻想的ね…!!》

 

 

展望台に登った二人が見たのは一面の銀世界だった。世界各地で開発が進み、人の手が入っていない大自然などどこにもないと思われたこの時代に、あたかもタイムスリップしたかのような景色を見れて二人は心の奥がジーンとなっていた。

 

 

メリー《……ね、ねぇ…蓮子…》

 

 

蓮子《…?何、どうしたの…また具合悪くなった?》

 

 

展望台で絶景を楽しんでいた蓮子に何やら怯えているようなメリーが話しかけた。いつもは呑気な蓮子でも、親友が青い顔をして震えているのに気づかないことはなかった。

 

 

メリー《…違う…物凄く…イヤな予感がするの……早くここから離れ》

 

ごぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

 

 

その言葉をメリーは最後まで続けることができなかった。なぜならその言葉が言い終わらないうちに、とてつもない轟音と共に展望台が大きく揺れたからだ。その衝撃に二人は尻餅をついて床に座り込んだ。

 

 

蓮子「あの時の轟音は今でも原因が分かっていない……でも言えるのは…その衝撃は空間を歪ませるほど、強大なエネルギーを持っていたということ…さらに不運だったのはその衝撃がぶつかったのが展望台の四方のうち、私達がいたところだったこと……」

 

 

依姫「…!…そんな衝撃が展望台にぶつかったら…!」

 

 

バキバキバキバキバキ!!

 

 

イヤな音が響き、二人がいた面が大きく傾き始めた。二人は咄嗟に中央へ走り出したが、様々な物が床に散乱してなおかつ揺れる地面では非常に走りづらい状態だった。

 

 

蓮子《きゃ!》

 

 

メリー《蓮子!!》

 

 

蓮子「……ほんとあの時…何でコケちゃったのかなぁ…そうじゃなきゃ…メリーが消えることもなかったのに…」

 

 

隠岐奈「…なる…そんとき…紫はあんたを庇ったんだね…」

 

 

隠岐奈の言葉に蓮子は黙りながらコクンと頷く。自責と後悔で思い出すのも辛いのだろう…

 

 

メリー《…うぅぅ!…グィッ…ドン…!》

 

 

蓮子《…わ…!…え…メリー…!!?》

 

 

倒れこんだ蓮子はメリーに引っ張られるとおもいっきり突き飛ばされた。蓮子はそれを認識するとばっと顔を上げる。するとメリーは地面の亀裂の向こう側で頭を抱えていた。

 

 

蓮子《メリー!!危ない!!》

 

 

メリー《うぅぅ!あぁぁぁぁぁぁ!!!!》

 

ばりぃぃぃぃぃぃぃん!!!!

 

 

輝夜「…!!?次元の壁が…壊れた!?」

 

蓮子「はい…衝撃による空間の歪みと再発したメリーのコントロールできない能力が重なって、大きな穴みたいなのが発生したんです。メリーはそこに吸い込まれて………」

 

 

弾「…わかった…もういい…無理に話すな……」

 

 

もう泣きそうになっている蓮子の話を弾は手を振って止めさせた。もちろん、それに文句を言う者は誰もいなかった。代表して映姫が謝罪の言葉ともう一つの質問を投げ掛けた。

 

 

映姫「…そうでしたか…申し訳ありません、苦しいことを聞きました…ですがあともう一つだけ…先日永琳が連絡した『あなたの世界の危機』とは?」

 

 

蓮子「…実は私達の時代は未曾有の大災害が頻発して起きていました。その理由は……地球の自浄化作用によるものだとわかったんです」

 

 

弾「……やはりか…」

 

 

「この話が一番重要だ」と蓮子は気を取り直して説明する。その説明を聞いていた弾は聞けば聞くほどある確信を得ていった。

 

魔理沙「…それと…別世界を巡ることに…何の関係があるんだ?」

 

 

弾「…まさかとは思うが…極点で見つかった古代の遺物と別世界の強力な気力を持ったカードで地球に自浄作用を静めるエネルギーを打ち込むつもりじゃあないよな?

 

 

蓮子が魔理沙の質問に答える前に弾はそう尋ねた。その言葉にへカーティアや永琳はピクッと反応した。その条件に心当たりがありすぎたからだ。

 

 

蓮子「え…どうしてそれが分かったんですか!?…うわぁ…やっぱり神様ってスゴいんだ…」

 

袿姫「なんと!さすがは我がゴッド!!その博識は」

 

永琳「止めなさい!それは禁断の兵器よ!!」

 

弾の意図を分かっていたメンバーはその予想が外れることを祈っていた。だが蓮子の驚きはそれが真実であることを証明してしまったことになる。

 

 

弾「…永琳……蓮子、落ち着いて聞いてくれ。その遺物は…」

 

袿姫の称賛の言葉をぶったぎり、机を叩きながら叫んだ永琳を落ち着かせると、弾は冷静に話し始めた…神々の砲台のこと…自分に起こったこと…それを使うことの大きな代償を…それを聞いた蓮子は驚愕の表情を浮かべるが、弾はさらに確認を続ける。

 

 

蓮子「……そ、そんな……」

 

弾「…それに…さっき…突然衝撃が襲ったって言ってたが…確認させてくれ。その日は…西暦何年何月何日だ?

 

蓮子「……西暦2651年8月30日…ですが…?」

 

弾「…そこで事故のあと、その遺跡から君はジーク・アポロドラゴンとその創界神ネクサスのカードを入手して……世界を渡れるようになった…だろ?」

 

蓮子「…は、はい…!」

 

 

再び弾が確認したのは先程の事件が起きた日付…弾にとっては忘れることのできない日付だったこともあり、弾は二人の過去の真実とこれからの指針を脳内で練り上げた。

 

 

アレックス《…あのぉ…僕たち…全く話についていけてないんですが…》

 

弾「…手短に纏めるとこうだ…①今蓮子が話した事件の原因はオレだと言うこと…②蓮子がやろうとしていたやり方では代償が大きすぎるから、オレ達がバックアップをする…」

 

カグツチ《…ん!?ちょっとストップ!》

 

アルテミス《あなたが原因ってどーゆーこと!?》

 

 

びっくりした創界神'Sの質問に再び弾は解説をしていく。だが今回はあまり時間はかからなかった。

 

 

弾「…実はオレが未来世界で神々の砲台を使ったのも…2651年8月30日なんだ。それに神々の砲台は極点にある…つまり……」

 

ペルセポネ《…まさか…弾君の世界の衝撃波が…蓮子ちゃん達の世界にも影響を!?》

 

シヴァ《おいおい…マジかよ…!!?》

 

ツクヨミ《……永琳…それは計算上、有り得る話か?》

 

永琳「……神々の砲台のエネルギーなら……矛盾点は見つからないわ…それに…その事件後に弾の分身でもあるジークや光導の創界神カードが見つかったことがその事実を裏付けている…」

 

 

永琳はツクヨミの問いかけに少し考えたあと、遠回しに神々の砲台が原因であると結論付ける返答をした。

 

 

弾「…だから蓮子…二人を引き離したのはオレが原因だ…だからオレはお前を助ける。オレ達の力があれば変な影響無しに神々の砲台を起動できる」

 

へカーティア《あー…弾…実はねぇ…十二神皇は良いんだけど…十二宮達のX化がまだ半分なのよん……もうちょい時間が…それか別の気力を持ってるカードが必要になるわ》

 

弾にへカーティアは申し訳なさそうに謝った。以前から進めていた十二宮達を弾の化神にする計画がメジェド異変もあってあまり進んでいなかったのだ。

 

 

スサノヲ《俺達創界神の力じゃダメなのか?》

 

永琳「ただぶっぱなすなら問題ないんだけど……パワーが凄すぎてコントロールが効かなくなるわね…他の所への影響を考えるなら控えるべきよ」

 

スサノヲの提案を永琳は首を振って却下すると、すまなそうに蓮子の方向に目を向けた。だが当の蓮子は元気そうに声をあげた。

 

蓮子「なら、私は次の世界へ向かいます!エネルギーのカードは多い方が良いですし、自分の修行だと思えば!」

 

 

弾「…うん…そうだな……よっと!」

 

蓮子の自身溢れる台詞に弾はどこか昔の自分を思い出していた。そして創界神の力で次の世界へのゲートを開く…すると永琳は何かを思い出したのか、ゲートに入ろうとした蓮子を呼び止めた。

 

 

永琳「…最後に一つ…!あなたはどうやって神々の砲台が地球の自浄作用を食い止められると知ったの?」

 

蓮子「…あ、それは父の遺品の本に書かれていたんです。気力の使い方や別世界のこともその本で知りました」

 

弾「…………やはり……蓮子はあいつの…蓮子…ヒョイ…」

 

蓮子「わ!…これって!弾様の!?」

 

 

永琳の疑問に答えた蓮子に弾は何やら呟くと、蓮子にとあるカードを投げ渡した。それは異世界で蓮子が集めているカードと似たような力であった。

 

 

弾「オレのお下がりよりかはましだろ?…君なら良い王になれる…それはその時のための先行投資だ」

 

蓮子「ありがとうございます!…それでは…行ってきます!」

 

弾の蓮子のことを「王」と認めてくれたことに感謝してカードを受けとると、ゲートを潜って別世界へと旅立って行った。しかし、袿姫は弾に気になっていたことを進言する。

 

 

袿姫「…我がゴッド…前々から…宇佐見 蓮子探しに派遣した者達に限って様々な厄介ごとが飛び込んできています……七番目の輝石しかり…裏十二宮しかり…これは偶然でしょうか?」

 

 

弾「……永琳とへカーティアは十二宮達のX化を進めてくれ。残りの皆はそれぞれの事件に繋がりが無いかどうか探って欲しい…あと、咲夜…少し残ってくれ」

 

咲夜「…承知しました」

 

弾の指示に全員それぞれの世界や管理内の空間に戻って行くが、弾はわざわざ咲夜を呼び止めた。そして永琳、へカーティア、弾と彼女だけになった部屋で弾は咲夜にあることを頼んだ。

 

 

弾「…悪いんだが…紅魔館の地下図書館からとある本を探してきて欲しいんだ。タイトルは……ボソボソ…」

 

咲夜「……かしこまりました…少々お待ちを…」

 

 

弾の頼みなこともあり、咲夜は全速力で[傍目から見れば瞬間移動だが]紅魔館に戻っていった。咲夜も去って静かになった空間をへカーティアが重々しく口を開けて沈黙を破る。

 

 

へカーティア《…教えなくてよかったの?》

 

弾「…やっぱり気づいていたか…」

 

へカーティア《当たり前…あいつの動向は注視してたもの……でも…この事を知ったら…蓮子ちゃんはショックでしょうね…》

 

永琳「…弾、何の話を」

 

咲夜「…ハァ…ハァ…お、お待たせ…ハァ…ハァ…し、しました…ハァ…ハァ…こ、これですね…ハァ…ハァ…」

 

 

二人で会話を進めている様子を気にくわない永琳はその事を問い詰めようとしたが、弾の頼みを全力で果たした咲夜がもう戻ってきた…物凄く疲れているのは彼女の能力で時間を止めすぎたからだろう。

 

 

弾「…ありがとう。そこまで急がなくてもよかったんだが……」

 

咲夜「…ハァ…ハァ…いえ…弾様の…ハァ…ハァ頼みでしたので…」

 

永琳「少し落ち着いて……それで…その本がどうかしたの?」

 

 

咲夜を労ったあと、彼女から受け取った本を感慨深い表情で弾は眺めていた。へカーティアもその本を見ながら真剣な顔つきを崩さなかった。

 

弾「…たぶんこれが蓮子が言ってた父の遺品の本と同じやつだ。忘れ去られた本が行き着く幻想郷ならあると思ったが………当たってたな」

 

弾はそう言って本の表紙を永琳に見せる。長年の劣化で少し汚れた茶色になった本のタイトルは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「…異界見聞録…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

祝え!東方最新作から埴安神 袿姫様が登場したことを!!……弾の側にウォズみたいなキャラが欲しかったんです…

なので、最新作の異変がこの少し前に起こったことにしました。その話は特別編が終わったら書こうと思います。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

烈火魂編~異敵侵略と魔王の正体~
守矢教異世界布教中


前回かなり伏線をばらまきました……ニヤニヤ…


バーチャルシステムの実現により到来した「バトスピ戦国時代」。そんな中突如として、誰もその名を知らないS級カードバトラー・烈火 幸村黒田 環奈と共に天下布武を目指してムサシに現れる…これが戦国時代の終わりの始まりであった。

 

ムサシ統一の直後、IBSAの代表として天魔市により「バトスピ戦国チャンピオンシップ」の開催が宣言され、幸村たちはチャンピオンシップ決勝トーナメントへと歩みを進める。そして決勝戦、幸村は最大の強敵にして自身の目標でもあった大六天魔王こと天魔 信長に勝利。

 

かくしてバトスピ戦国時代は終わりを告げ、カードバトラーたちは幸村を目標として精進に励んでいた……

 

 

 

 

 

その世界 とある港

 

 

???「………いい海だな…」

 

そう言いながら港の埠頭に立っているボーイッシュな青髪の女性……『ハマの鬼姫』の二つ名を持つS級バトラー、群青 早雲である。彼女はよくここで海を見つめるのが日課で、今日も彼女がバトルで例えている海のエネルギーを感じていた。

 

 

部下1「姫~!」

 

早雲「…む…どうした?何か揉め事か?」

 

 

その途中、早雲の親衛隊『群青組』の部下が早雲を呼びながら駆け寄ってきた。様子からするにかなり慌てているので、早雲は事情を聞く。

 

 

部下1「それが…変な新興宗教の勧誘が来たんです。一応断ったんですが、「それならバトルで決めましょう!」と言ってきて…」

 

早雲「…それで全員負けて…私を頼ってきた…と言うことだな?」

 

部下「すみません…でも姫!やつは相当強いカードバトラーです!お気をつけください!!」

 

 

そんな部下の進言はもう早雲の耳には入らなかった。強いカードバトラー…そいつと戦い、青き深淵へと静める……彼女の頭にはまだ見ぬバトラーを倒すことで埋め尽くされていた。

 

 

 

 

 

 

サガミ 群青組 アジト

 

 

部下2「つえぇ…!」

 

部下3「姫が帰るまで持ちこたえるわよ!」

 

 

一方その頃、群青組のアジトでは群青組のカードバトラー達が新興宗教を進めてきた怪しい宗教家をなんとか止めようとバトルをしていたが、一人…また一人と倒されていく…

 

 

部下1「おーい!姫が来たぞ~!!」

 

早雲「貴様、悪いが自分は神には祈らん。さっさと立ち去れ!」

 

 

現れた早雲はそう声を張り上げるが……緑髪の巫女服の少女はめげなかった。それどころか早雲を見てからは手に持った緑の守矢神社のお守りの山を置くと、今度は黄道十二星座が描かれたバトスピのカードのようなお守りの山を取り出した。

 

 

早苗「なら、こちらの弾様教お守りはどうでしょう!!?弾様のお力がこもったこれがあればバトルでも連戦連勝間違い無し!私も愛用しています!」

 

早雲「何度試みようとも答えは変わらん!」

 

 

…私なら何万でも買いますが…By作者…だが早雲は全く耳をかさない…さすがに早苗も言葉の説得は諦め、デッキケースを取り出して構えた。

 

 

早苗「あらら、ならバトルで弾様のお力をお見せしましょう!カモン!!私のバトルマシーン!!」

 

早雲「良いだろう!こい!海神丸!!」

 

 

二人は自分の専用バトルマシンを呼び出して飛び乗る。なぜ早苗がこれを持っているかという質問はまた今度……

 

 

早苗 早雲「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

早苗「先行、貰います。メインステップ!大海の支配者!創界神ポセイドンを配置!トラッシュに置いた対象カードが一枚なので、コアを一つ追加!さらにパニッシュメントポセイドンの効果!ポセイドンに1コア置いて手札に入ります!」

 

ポセイドン《ハマの姫か!楽しませて貰うぞ!》

 

早苗は初手でポセイドンを配置してトラッシュに送られたカードを回収する。だがバーストも手札交換マジックもなかったのか、これでターンエンドした。

 

早雲「…創界神…だと!?」

 

早苗「あ、初めて見ます?説明しましょうか?」

 

早雲「…んん!メインステップ!!ネクサス!千間観音堂を配置!これで貴様のフィールドは水浸しだ」

 

早苗の言葉を無視して、早雲はフィールドに何千体もの仏像を配置する。このネクサスを見て早苗は早雲のデッキが『デッキアウト』だと理解した。

 

 

早苗「わぁ~!あなたもデッキ破壊を使うんですね!」

 

早雲「…ターンエンド」

 

早苗「…無愛想ですねぇ…メインステップ!神海賊皇子トリトーンを召喚!召喚時効果で相手のデッキを上から二枚除外します!」

 

早苗は海賊の船長のようなコートと帽子を着けたシャチ人間を召喚すると、早雲デッキが二枚吹き飛んで虚空に消えた。

 

 

早雲「デッキを…除外…!?」

 

早苗「これでターンエンド」

 

早雲「…く!…メインステップ!潮は満ち、今こそ出でよ!大海の王! 聖なる蒼き御名おんなの元に!天地万物・森羅万象、一切合切飲み尽くせ! 蒼海明王!召喚!」

 

早雲がバトルボードにカードを叩きつけ、フィールドに巨大な水流が巻き起こる。その中から二本の剣を持った巨大な仏像のようなスピリットが現れた。

 

早雲「アタックステップ!蒼海明王でアタック!!アタック時効果で相手のデッキを上から七枚破棄する!」

 

早苗「おおっと…!千間観音堂がレベル1で助かった…アタックはライフで受けます!」

 

 

蒼海明王がうなり声をあげながら二本の剣の間から青い衝撃波を放って早苗のデッキを吹き飛ばす。さらに蒼海明王は剣を早苗のライフに突き立てた。

 

 

早雲「ターンエンド。これで貴様は腰まで水に浸かった」

 

早苗「…ふふふ、それは泳ぐのに最適ですね♪メインステップ!神海賊団新米船長ドルフィリポスをレベル2で、さらに神話ブレイヴ!神海三叉槍トリアイナ・ギガをポセイドンに直接合体させるように召喚します!!」

 

ポセイドン《我輩に合体…まずはコアを貯めると…!》

 

早苗はまず棍棒を持ったイルカの海賊船長を召喚してポセイドンに三叉槍を装備させた。トリアイナ・ギガはスピリット合体時、アタックすると相手のデッキを三枚破壊できるが、早苗はそれよりもコアを増やして次に備えることを優先したようだ。

 

 

早苗「さぁて…アタックステップ!ドルフィリポスの効果で神海スピリットは最高レベルに!ドルフィリポスでアタック!!まずはドルフィリポスの効果!デッキを一枚破棄!」

 

ポセイドン《続けてトリトーン!追加で二枚除外するぞ!…おおっとトリアイナ・ギガを忘れる所だった!我輩のコアが三個以上なので、異合スピリットにコアを追加する!》

 

青く光ったドルフィリポスがフィールドを泳ぐように飛び出し、青い衝撃波で早雲のデッキを一枚破棄する。トリトーンも『神海』スピリットの攻撃により、両手の拳銃をぶっぱなしてさらに二枚を除外した。

 

 

早雲「…ライフで受ける!…なに!?」

 

ドルフィリポスが棍棒を早雲のライフに振り下ろしたが、ライフは破壊されなかった。

 

早苗「トリトーンレベル2の効果です!神海スピリットのシンボルをゼロにするんです!さらにトリトーン!これもデッキを一枚破棄して二枚除外!さらにコアブースト!」

 

早苗はさらにトリトーンに追撃を命じてデッキを破壊する。だが早苗の狙いはもう一つ存在していた。

 

早苗「フラッシュタイミング!パニッシュメントポセイドン!コスト合計7までスピリットを破壊し、ポセイドンのコア一つをボイドに置くことで、破壊したスピリット一体につき二枚デッキを破壊します!」

 

 

早苗の手札から水流が放たれ、蒼海明王を包み込むと水圧で蒼海明王を押し潰した。さらにポセイドンの青い波動が早雲のデッキを二枚破壊する。

 

早雲「蒼海明王!…ライフだ!」

 

トリトーンが早雲のライフを二丁拳銃で撃ち抜くがライフは減らなかった。

 

早苗「ふぃ~…デッキ残り24枚っと…ターンエンド」

 

早雲「…この娘……自分がやろうとしていることを先読みして潰してくる…!あの天魔 信長のように…!メインステップ!ランマー・ゴレムを二体召喚!蒼き海原うなばらの底…深き眠りより…いざ解き放たれん!召喚!蓮華王センジュ!!

 

早雲は早苗のバトルにあの第六天魔王…天魔 信長の影を見て、背筋がゾクッとなる。それを振り払い、早雲はキースピリットである蓮華王センジュを呼び出した。

 

 

早雲「コストはランマー・ゴレム二体から使う!アタックステップ!行け!センジュ!!」

 

センジュの召喚と引き換えにランマー・ゴレムが消滅するとセンジュが青く光りながら走り出す。そして早雲はセンジュのソウルコアをトラッシュに移動させた……!

 

早雲「母なる海よ!大いなる海原よ!今こそその猛き姿を現せ!Sバースト発動!!芙蓉の五重塔の効果!コスト4以下のスピリットを破壊!さらにSバーストで発動したのでコア二個をセンジュに起き、シンボルを二つ追加する!!」

 

早雲のバーストが開いて大きな水柱が巻き起こる。そして千間観音堂の隣に蓮の花の上に立つ五重塔が現れた。さらにバースト効果でドルフィリポスが破壊される。

 

最後にコアが増えてレベル2に上がったセンジュの効果でネクサス一つにつき、青シンボルが加わった。

 

 

早雲「さらにセンジュの効果!コスト合計10までスピリットを破壊する!」

 

早苗「残念ですが!トリトーンは相手スピリットの効果で破壊されません!その攻撃はライフで受けます!!」

 

センジュの指から桃色の光線が放たれたがトリトーンはそれを弾き飛ばす。そのトリトーンを無視してセンジュは両腕の錫杖で早苗のライフを一気に三つ破壊した。

 

早苗「ふう…で…どうしますか?もうアタッカーはいませんが…?」

 

早雲「…ターンエンド…」

 

早苗「…まだまだですね。メインステップ!ゴッドシーカー神海賊バンドウスを召喚して四枚オープン!その中の化神/界渡と界渡ブレイヴを手札に!」

 

早苗はデッキ破壊を恐れずにゴッドシーカーを召喚してデッキをサーチする……ストロングドロー…蒼海の神域…神海賊龍皇ジークフリード・エナリオス…神海賊船カリュブデス号ー女神顕現ー…

 

早苗「おお!まずはエナリオスを回収!さらに蒼海の神域をニコストで配置します!!配置時効果でコアを一つ増やす!超移動変形ロボット発進!召喚!機動要塞キャッスル・ゴレム!!

 

青の効果でオープンされた蒼海の神域が早苗のフィールドに現れると、地面を砕きながら槍を構えた青いロボットが現れる。

 

早苗「召喚時効果!私のネクサス一つにつき、相手のデッキを五枚破棄!二枚あるので合計十枚をトラッシュへ!!」

 

キャッスル・ゴレムが槍を振り回して青い斬撃を発生させ、早雲のデッキを十枚削る。これで早雲のデッキは十枚と少しといった量だが…

 

早苗「アタックステップ!キャッスル・ゴレムでアタック!青のシンボルの数分デッキを破壊!よって合計六枚を破棄!」

 

キャッスル・ゴレムが大きな槍を突き出してデッキを吹き飛ばす。そして今度は早苗がソウルコアをトラッシュへ移動させた…!

 

早苗「フラッシュタイミング!キャッスル・ゴレムに煌臨!荒れ狂う海を制する龍!神海賊龍皇ジークフリード・エナリオス!煌臨時効果で青の創界神ネクサスの数分、相手のコスト8以下のスピリットを破壊!蓮華王センジュよ!沈みなさい!!」

 

キャッスル・ゴレムに大海原になったバトルフィールドから飛び出したドラゴンが重なる。そしてトリアイナ・ギガを持ち直した青い龍皇がもう一本の三叉槍をセンジュに投げつけてセンジュを貫いた!

 

 

早雲「…センジュ!」

 

早苗「さぁ!このアタックはどう受ける!!?」

 

早雲「…ライフで受ける!」

 

早苗「エナリオス!レベル2からの効果!神海の名を持つエナリオスがブロックされなかったので、相手のデッキを上から五枚除外します!さらにポセイドンの神域でもう三枚!これでデッキアウトです!!」

 

センジュを破壊したエナリオスが愛槍を振り下ろしてライフを二点破壊すると、大きく咆哮して早雲のデッキを全て除外した!!

 

早苗「ターンエンドです。さぁ!スタートステップを宣言しなさい!スタートステップを!!」

 

早雲「くぅ…!スタート…ステップ…」

 

 

 

 

 

 

 

早雲「…まさか…自分がデッキアウトで敗北するとは……!」

 

早苗「あなたの敗因は…自分がデッキ破壊で一番だと傲っていたことです……ドヤァ……まぁ以前リブラのワンターンキルを受けた私も私ですが……」

 

ひざまづいている早雲の前で早苗はドヤ顔でそういい放つ。けれどももっとヤベイやつ(弾のリブラ・ゴレム)を知っているからか顔の奥は笑ってなかった。

 

 

早苗「…それではこの弾様教お守りを…」

 

早苗ぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

早苗「へ?」

 

 

ズドドド!と音を立てながら走ってくる人影[彼女は人ではないが]…それはもちろん……

 

神奈子「何度もバトルで無理矢理改宗させるなと言っただろう!!このバカちんが!!」

 

早苗「ひえぇぇぇ…お助けぇぇぇ!」

 

神奈子「すみません!うちの早苗が…ほら!帰るよ!!」

 

早苗の首根っこをひっつかみながら引きずって帰っていく神奈子……さすがに強制改宗は彼女でもご法度だったようだ…

 

 

早雲「……強い…まだこの国にあのようなバトラーがいるとは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

この下りはかなり前からありました(笑)デッキ破壊対決もありますが、異世界でも布教してそうな[て言うか幻想郷でしてる]早苗さんを書きたかったんです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

蓮子、お偉いさんと対談するってよ

オリカ注意報!蓮子の新しいキースピリットです!


ムサシ とある家

 

 

 

蓮子「……ここ…だよね…」

 

 

蓮子は立っていた…とある民家の真ん前で……その理由と言うのはこの世界に降り立った時、蓮子は弾がくれたカードに一枚のメモがくっついていたのを見つけた。そこには…

 

弾「到着したらこの紙の裏側に書いてある場所に向かってくれ。そこに俺の仲間達が待機している。話は通しておいたから快く協力してくれるはずだ……追伸…新興宗教に気をつけろ…」

 

 

蓮子「……新興宗教ってなんだろ?…まぁいいや!ごめんなさ~い…じゃなかった…ごめんくださーい!!」

 

???「入りなさい」

 

蓮子「…すごい高貴そうな声が……お、お邪魔します…」

 

中から返ってきた和やかな声に少々ビビる蓮子だったが、意を決して扉を開いて中に入り、玄関で靴をちゃんと揃えて脱ぎ、リビングへと入室する。

 

幽々子「会いたかったわ…あなたが宇佐美 蓮子…紫の旧友ね。私は西行寺 幽々子、映姫、隠岐奈、幽香と並ぶ四天王にして、紫の旧友よ♪」

 

蓮子「は、はい…宇佐美 蓮子と申します…いつもメリーがご迷惑を…」

 

幽々子「いいわよ。そんな改まらなくても…もう紫はどうしようもないし…」

 

蓮子「そこまでご迷惑を!?」

 

リビングのソファーに座って扇子をあおいでいた幽々子におどおどする蓮子…少し経って落ち着いてくると蓮子はテーブルに置いたあるおにぎりの山に気がついた。軽く十は越えているであろう。

 

 

蓮子「あ、お食事中にすみません…」

 

幽々子「だからそんなに改まらなくていいのに…あとこれ間食よ」

 

アプロディーテ《あら幽々子…宇佐美 蓮子が来たの?》

 

幽々子「ええ…彼女も紹介すべきね♪彼女はアプロディーテ、愛と美の女神で楽族の創界神なの」

 

蓮子「へぇ…よろしくお願い…ってなんて格好してるんですか!?」

 

 

蓮子が部屋に入ってきたアプロディーテを見て顔を赤くしながら叫ぶ。なぜならアプロディーテの格好がシャワー上がりだからかバスタオル一枚という目のやりどころに困る格好だったからだ…

 

アプロディーテ《…別にいいじゃない。ここに男はいないんだし》

 

蓮子「…いえ…なんか…ものすごい敗北感が……」

 

 

蓮子はアプロディーテのスタイルの良さと比べ貧相な自分の体を見つめると、はぁ…とため息をつくしかなかった。そんな話をしていると幽々子がおにぎりを食べながら話の軌道修正をする。

 

 

幽々子「…モグモグ…少し話が…モグモグ…逸れちゃったけど…モグモグ…まずあなたの目的…モグモグ…気力を持ったカード…モグモグ…それを探すのよね?…モグモグ…あてはあるのかしら?」

 

蓮子「…ええと…強いカードバトラーとバトルしたりして、そのカードバトラーの気力が私のアポローンと反応するとたまに特殊な気力を纏ったカードができるんです」

 

幽々子「モグモグ…そう……モグモグ…ならついてきなさい…モグモグ…強いカード…モグモグ…バトラーと…モグモグ…会わなきゃ…モグモグ…元もこもないでしょ?」

 

 

最後の一つを口に放り込んだ幽々子はアプロディーテを体に降ろしたあと、蓮子を連れて場所を移動した。

 

 

 

 

IBSA本部 代表室

 

 

???「ふわぁぁぁ…勝家~…まだ仕事が終わらないのですかぁ?」

 

???「はい、お市様。今日はあと一人、ヴィーナスコーポレーション代表との会談が残っています」

 

 

いかにも偉そうな机に疲れた表情で突っ伏しているのは天魔コンツェルンの息女にしてこのlBSAの最年少幹部、天魔 市。その隣で次の予定を話しているのは市の付き人の白伊紫 勝家

 

 

勝家「さぁ!あと一踏ん張りです。仮にも向こうはこの国の重役。粗相があれば一大事」

 

部下「…市様…ヴィーナスコーポレーションの方がお目見えになりました」

 

市「ハイハイ、さて…頑張りますか!」

 

幽々子「…失礼します」

 

市が気合いを入れた直後、幽々子がおろおろしている蓮子を連れて部屋に入ってきた。市はキッと顔を引き締めて幽々子が座った来客用ソファーの反対側に腰を降ろした。

 

市「…本日はご足労ありがとうございます。今日はどんな御用でしょう?」

 

幽々子「本日はここ最近、増えてきた「外国人」カードバトラーのことについてです」

 

蓮子「…外国人?」

 

クエスチョンマークを浮かべる蓮子に幽々子の脳内からアプロディーテが解説してくれた。どうやら蓮子がこの世界にくる前に色々調べていたようだ。

 

アプロディーテ《この世界の日本は海外に比べてバトスピの腕が低いらしいわ。だから今目の前にいる天魔 市の兄、天魔 信長はなんとか日本のカードバトラーの実力を向上させようとしたそうよ》

 

蓮子《…その魔王みたいな名前の人は何をやったんですか?》

 

アプロディーテ《自分がヒール役になって日本のカードバトラーが自分を倒すように意識を誘導したんですって。そうすれば実力は上がる……でもそれでもまだ外国との差は広い。そしてここ最近、外国人のバトラーが狼藉を働く事件が頻発しているの》

 

蓮子《…なるほど……でもそれと私の目的…どう繋げるんだろ?》

 

 

アプロディーテとの脳内会話をしているうちに幽々子は市との話をあらかた終わらせたようだ。

 

市「…わかりました。そのご提案、お受けしましょう」

 

幽々子「ありがとうございます」

 

市「…ですが……少なくともそちらも優秀なカードバトラーを出していただくことが条件になります」

 

幽々子「もちろん。例えばこの娘なんてあなたの付き人よりも圧倒的に強いのよ?」

 

蓮子は幽々子の会話に突然自分が登場した、しかも相手をかなり挑発するような言葉にぎょっとなったが……時すでにおすし…

 

勝家「…む…さすがに聞き捨てなりませんな。市様…」

 

市「そうですね…ならその実力をここで見せて貰いましょう!」

 

蓮子「うぇぇぇ!?」

 

アプロディーテ《…ガンバ♪》

 

アプロディーテも優しく背中を押して[蓮子としては崖っぷちで押された気分]蓮子にバトルを勧めた。それに市も勝家にバトルさせる気満々だったので、蓮子は腹をくくるしかなかった。

 

 

蓮子「…はぁ…了解しました!」

 

勝家「お市様、勝利をこの手に!」

 

 

蓮子 勝家「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

勝家「こちらからいくぞ。メインステップ!ワイルド・ホーンを召喚!バーストをセット!」

 

勝家はまず白い機械の雄牛を召喚する。このスピリットはブロック時にコアブーストできるので、白属性には有難い効果と言える。

 

勝家「ターンエンド」

 

蓮子「メインステップ!創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置!トラッシュに送った三枚中、三枚とも対象だったので三個コアを置く!そしてこちらもバーストをセット!」

 

アプロディーテ《…あれが…でもオリジナルには程遠いわね…》

 

蓮子は初手でアポローンを配置して場を整える。そしてコアが三個乗ったのですでに神技を打てるのも大きい。

 

蓮子「ん~…ターンエンドかな」

 

勝家「…メインステップ!ソードール、ならびに旅団の摩天楼を二つ配置!配置時効果で合計二枚ドロー…アタックステップ!ソードールで攻撃!」

 

市「…あら、勝家が先手を取るなんて」

 

勝家は白紫の低コストスピリットのソードールと紫定番のネクサス、旅団の摩天楼二つを配置してソードールをアタックさせる。

 

蓮子「…うわぁ…二年近く環境を荒らし回った白紫だ……ライフで受ける!」

 

ソードールが剣の腕で蓮子のライフを破壊する。

 

勝家「ターンエンド」

 

蓮子「ムムム…メインステップ。まずはスピリットを除去しよ!蟹甲竜キャンサードラゴンと雷星獣ドラグ・タウラスを召喚!」

 

イヤァな顔をしながら蓮子はキャンサードラゴンとドラグ・タウラスを召喚する。少し前からバトスピをしていた人間にとって【白紫連鎖】には良い思い出は無いだろう…

 

蓮子「アタックステップ!ドラグ・タウラス!攻撃!星読を使用してデッキから一枚オープン!」

 

ドラグ・タウラスが雄叫びを上げて走りだし、デッキを一枚めくる…めくられたのは地星兵リブライヴァだったので、手札に加わった。

 

蓮子「そしてドラグ・タウラスはBPプラス5000!さらにワイルド・ホーンを破壊する!」

 

勝家「ライフで受ける!」

 

雷でワイルド・ホーンを破壊したドラグ・タウラスが角を勝家のライフに突き立てた。

 

蓮子「ターンエンド」

 

勝家「…さて…メインステップ。鎧闘鬼ラショウを召喚!召喚時効果でデッキから四枚をトラッシュに置き、二枚ドロー!」

 

勝家のフィールドに現れた紫の鬼が勝家のデッキを四枚トラッシュへ送る。その中に紫電の霊剣ライトニング・シオンがあったことを勝家は見逃さなかった。

 

勝家「…さらに黄泉からきたる剣聖!剣聖幽鬼イーグレン!召喚時効果でトラッシュよりブレイヴを呼び戻す!出でよ!紫電の霊剣ライトニング・シオン!!イーグレンに合体させる!」

 

フィールドに紫の煙が立ち込め、中心に白い鬼が現れる。そしてイーグレンが妖しく光って手に紫の剣を出現させた。

 

蓮子「…紫抜刀軸ぅ~?」

 

勝家「ライトニング・シオンの効果発揮!ドラグ・タウラスのコアをリザーブに置いて一枚ドロー!」

 

イーグレンのライトニング・シオンが紫のビームを発射してドラグ・タウラスを消滅させた。だが蓮子はニヤリと笑い、声を張り上げた。

 

蓮子「やっぱし白紫は召喚時効果が多いのよね。バースト発動!闇星魚ピスケ・ガリオット!イーグレンのコアをリザーブに!」

 

勝家「なに!?紫のスピリットだと!?」

 

市「…赤、白、そして紫…混色デッキをここまでうまく回せるなんて…まるでお兄様みたい…」

 

蓮子のバーストから二匹の帆船のような魚がイーグレンを消滅させながら現れる。さすがに紫バーストは予測できなかったらしく、勝家やお市は驚いていた。

 

勝家「く…!ライトニング・シオンはフィールドに残す…ターンエンド」

 

幽々子「お見事♪」

 

蓮子「畳み掛けるわ!メインステップ!ピスケ・ガリオットとキャンサードラゴンをレベル2に!アタックステップ!キャンサードラゴンでアタック!そしてフラッシュタイミングでアポローンの神技!ライトニング・シオンを破壊してワンドロー!」

 

蓮子はピスケ・ガリオットのレベルを上げてキャンサードラゴンを攻撃させる。さらにアポローンの矢がライトニング・シオンをへし折って破壊した。

 

蓮子「さらにキャンサードラゴンに煌臨!地星兵リブライヴァ!煌臨時効果でソードールをぶっ飛ばす!」

 

勝家「ぬぅ……ライフ!だがバースト発動!出でよ!氷の覇王!ミブロック・バラガン!!」

 

キャンサードラゴンに煌臨したリブライヴァがハンマーでソードールを叩き潰す。そしてそのハンマーをぶん投げてライフを破壊したが、勝家も負けじとミブロック・バラガンをバースト召喚した。

 

蓮子「ふーん、ターンエンド」

 

勝家「…まさかここまでとは…メインステップ!ソードールを新たに召喚…そして召喚!白蛇帝アルデウス・ヴァイパー!不足コストをソードールより使用!召喚時効果!ピスケ・ガリオットのコア三個を外す!」

 

勝家はキースピリットのアルデウス・ヴァイパーを召喚してピスケ・ガリオットを消滅させる。さらに追加効果でコアを一つ増やした。

 

勝家「アタックステップ!アルデウス・ヴァイパー!行け!」

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

長い体をくねらせて羽ばたいたアルデウス・ヴァイパーが紫の波動を放って蓮子のライフを二つ打ち砕いた。だが勝家のスピリットがフルアタックしたとしても蓮子のライフは全て削りきれなかった。

 

勝家「……ターンエンド…」

 

幽々子「決まったわね」

 

蓮子「…よっし!ドローステップ……!…きた…!弾様から貰ったカード…!」

 

勝家の悔しそうな顔を見て幽々子はこのバトルの結末を確信する。そして蓮子がたった今引いたカード…弾がくれた気力カードを手に取る…!!

 

蓮子「駆け上がれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!!召喚!!」

 

 

カードを掲げた蓮子の背後に大きな太陽が現れる!その太陽の熱がフィールドを砕くと、地面からも炎が噴き出す。二つの炎が空中で絡み合い、オレンジの翼と鎧を纏った赤いドラゴンが出現した!!

 

アプロディーテ《…まぁ…なんて猛々しくとも優雅なドラゴン…!》

 

幽々子「…それにしても…なぜ弾はこの娘にここまで入れ込むのかしら?…紫の旧友だとしても自らの力を分け与えるのは破格…」

 

アプロディーテがライジングに見とれている最中、幽々子は愛用している扇子を開いて思考の海に沈んだ…いつもの弾のお人好し…そう言い切れないモヤモヤを幽々子は振り払うことができなかった。

 

蓮子「…すごい…創界神のエネルギーを受けてるから…ものすごいパワー…!続けて雷神砲カノン・アームズを召喚!カノン・アームズ!ライジング・アポロドラゴンに合体!レベル2へ!!」

 

ライジングの隣に龍の発射穴をした青い戦車がズシンと現れる。そして蓮子が二枚のカードを重ねると、カノン・アームズが青い雷を発して分解される。そしてライジングの翼にカノン・アームズの装甲が合体し、腕に龍の砲台を装着して青く輝いた!!

 

 

蓮子「アタックステップ!撃ち抜け!合体スピリット!!アタック時効果でアルデウス・ヴァイパーに指定アタック!!んでもってカノン・アームズの合体時効果で相手のデッキを一枚破棄!」

 

ライジングが青のエネルギーを放出しながら飛び立つとカノン・アームズから弾丸を放って勝家のデッキを破壊する。落ちたカードは……ドリームネビュラ…よって勝家は白マジックを使えなくなってしまった。

 

勝家「しまった…!手札のブリザードウォールが使えない……!」

 

蓮子「決めろ!合体スピリット!!」

 

ライジングが青のエネルギーを放出しながら飛び立つと砲台の照準をアルデウス・ヴァイパーに合わせる。そしてカノン・アームズにエネルギーの込めて大きな炎の砲弾を発射してアルデウス・ヴァイパーを吹き飛ばした!!

 

蓮子「ここでライジングの合体時効果が発動するわ!BPを比べて相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のスピリット/アルティメット/ネクサス、どれか一つを破壊!!」

 

爆煙を突っ切って飛び出したライジングのパンチがミブロック・バラガンをぶっ飛ばして爆散させる。だがライジングの効果はまだ終わらなかった…!!

 

蓮子「さらにライジング・アポロドラゴン…!星界放の効果!アポローンのコア二個をこのスピリットに置いてターンに一回、相手のライフを二つぶっ壊す!!!」

 

市「あらあら…これは決まってしまいましたね…」

 

アポローンの力を吸収したライジングが火炎放射で勝家のライフを一気に二点貫通して破壊した。

 

蓮子「これでとどめ!リブライヴァでアタック!!効果でラショウを破壊!!」

 

 

リブライヴァがラショウを叩き潰し、勝家のライフを破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「案外、強いのね」

 

蓮子「…案外って…まぁ…いろいろと修羅場くぐっているんで…」

 

IBSAからの帰り道、二人は歩きながら話していた。交通機関を使うこともできたのだが、幽々子は徒歩を望んだので、蓮子もそれに従った。

 

蓮子「…そう言えば…幽々子さんはこの世界にはアプロディーテ様と二人で?」

 

幽々子「いいえ、あと四人仲間がいるんだけど……たぶん帰る頃には会えるわよ」

 

蓮子「…へぇ…あ、あと」

 

キィィィィィィィン…!!

 

蓮子「!?う、うぐぅぅぅぅ…!!」

 

蓮子が話している最中、突然蓮子の脳が強く痛みだした。あまりにも強すぎる痛みに蓮子は思わずその場にうずくまってしまった。

 

幽々子「…!!蓮子ちゃん!大丈夫!?」

 

アプロディーテ《…一体…!?》

 

そばの二人は頭を抱えて踞っている蓮子に付き添うが、創界神として豊富な知識があるアプロディーテでも原因がわからない痛み…できることは励ましの言葉をかけ続けることだけだった。

 

すると痛みに耐えていた蓮子は弾がくれたライジング・アポロドラゴンXのカードから映像が流れ込んで来るのを感じ取った…!!

 

 

蓮子《…!!?…こ、これ…なに……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子が見たのは……どこか博物館の倉庫のような場所で二人の人間……その二人がなにやら言い争っている様子を…蓮子は第三者の視点から見ていた…

 

蓮子「…この光景は…?…」

 

蓮子が不思議に思っていると、その光景が徐々に鮮明になる……蓮子は言い争っている人物に心当たりがあることに気がついた。

 

蓮子「…え!?弾様!?」

 

 

???《さぁ…私にバトルを挑め…》

 

弾《…俺が勝てば…本当にグラン・ロロから居なくなるんだな?

 

???《…無論だ…ただし私が勝ったときは私の言葉に従ってもらう…》

 

蓮子が見たのは白髪の老人と話している弾だったが、その映像の弾は先日会った時より幾分か若い印象だった。少々ノイズが混じって聞き取りづらかったが、蓮子は二人がバトルフィールドに移動してバトルを見始めるとだんだんとわかってきた。

 

蓮子「…このおじいちゃん…どっかの世界で民を酷使している最低最悪の魔王で、それを若かりし弾様が止めようとしている……だいたいこんな感じかな……」

 

そう考えているうちにバトルが進み、弾のスピリットのアタックが老人のライフを破壊した。すると…白髪の老人の髪が黒く染まり、表情や声も若々しくなった…

 

???《お前の熱さ…若さ…その全てが私の失われたライフを満たす…!》

 

蓮子「…え……………お父さん……?」

 

蓮子が認識した瞬間…光が蓮子の視界を遮り、世界も一面白一色に染まる……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「蓮子ちゃん!しっかり!!」

 

光が止み、蓮子は元の場所に戻ってきた。そしてライジング・アポロドラゴンXの光も収まると、蓮子を襲っていた原因不明の頭痛も収まっていた……だが蓮子はその場から動くことができなかった。

 

 

蓮子《…何で…お父さんが弾様と…?しかもまるで独裁者みたいな扱われ方、されてたんだろ……?》

 

考えれば考えるほど答えは出てこないどころかさらに迷宮の奥深くに沈んでいく…そんな感覚を覚えた蓮子だった。

 

 

 

 

 

蓮子「あと、ヴィーナスコーポレーションって何ですか?」

 

アプロディーテ《この世界で活動できるためにつくった架空の会社よ。創界神の力で知名度ある会社って認識させてるの》

 

蓮子「…創界神の力ってすっげー……」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

…もうわかった人にはわかっちゃいましたよね……蓮子の父親…

そして蓮子の新しい切り札!ライジング・アポロドラゴンX!自分はライジング・アポロの合体が気に入ってるので、書きました…え?勝率が悪い?……それはポーラ・キャリバーのせいだ!


太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX
スピリット
7(4)/赤/神星・化神・光導
<1>Lv1 8000 <3>Lv2 11000 <5>Lv3 14000
このカードの軽減シンボルは赤/紫/緑/白/黄/青としても扱う
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
相手のスピリット/アルティメット1体を指定して、そのスピリット/アルティメットにアタックできる。
【合体時】【星界放:2】Lv2・Lv3『このスピリットの合体アタック時』
BPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のスピリット/アルティメット/ネクサス、どれか1つを破壊する。さらに、自分の6色の創界神ネクサスのコア2個を自分のスピリットに置くことで、ターンに一回、このスピリットのシンボル1つにつき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く
シンボル:赤



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ムサシ四人

……だんだん三章の発売が近づいて来ましたね。自分としてはツクヨミやアヌビスのサポートカードがどんなやつかが気になります。


幻想郷 紅魔館 地下図書館

 

 

 

永琳「邪魔するわよ」

 

パチュリー「…あら…珍しい客ね」

 

 

トントンというノックの音のあと、図書館の入口の扉が開く。図書館の主であるパチュリーが目をやった客…八意 永琳はツカツカ足音をたてながらパチュリーに近づき、話しかけた。

 

 

永琳「悪いのだけど、先日弾が借りていった本…もう一冊あるかしら?」

 

パチュリー「…ちょうどここにあるわ。ついさっき私も読み終わったのよ」

 

パチュリーが話しながら例の本…『異界見聞録』を魔法で永琳に投げ渡すと、永琳は礼を言って指をパチンと鳴らす。するとどこからかパチュリーの近くに椅子が現れ、それに永琳は腰をおろした。

 

パチュリー「……創界神の力…すごいわね…今度弾に研究を手伝ってもらおうかしら……?」

 

そんなことを考えながらパチュリーは魔法実験に取りかかり、永琳も読書の深海に沈む……数十分たった所で永琳は本を閉じた。

 

パチュリー「…どこまで読んだ?」

 

永琳「…グラン・ロロの成り立ちと発展まで……ちゃんと十二宮達のことも書かれてた。ここまでだけど、この本……実に興味深いわ」

 

パチュリー「そうね。確かその本の作者は大航海時代の生まれで、偶然グラン・ロロにたどり着いたそうよ…でもその話を祖国の国王に話したら……鼻で笑われたらしいわ。それでグラン・ロロが実在する事をこの本に書き記したけど…」

 

永琳「…大方その国王が「民を惑わす」とか言って、全部燃やしちゃったとかでしょ?当たり前よねぇ……同じ迫害された魔女としてご感想は?」

 

パチュリー「…別に私は幻想を世に知らしめようとはしてないけど……個人的には優秀なものだと思う。おとぎ話のような話から簡単に魔術を使えるいろはまで揃ってる……」

 

永琳の皮肉にも似た冗談を軽く受け流してパチュリーは自身の感想を話し出す。それは普通の人間が書いたものでは最高レベルだという評価だった。

 

永琳「…でもどうして弾はこの本をわざわざ借りたのかしら…?」

 

パチュリー「……宇佐見 蓮子と繋がりがある…とか?」

 

永琳「…それよりも…彼女が「父の遺品の本」とだけ言ってすぐさまこの本だと分かることもおかしいわ…絶対に弾は蓮子の父親とこの本の作者に繋がりがあることを知っている…!!」

 

 

二人の知識人はそう結論づけたが、この三人の関係性の結論は出なかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムサシ 早苗達の本拠地

 

 

 

早苗「ええ!?蓮子さん、五百年以上未来の時間から来たんですか!?」

 

蓮子「う、うん…別世界だけど…」

 

なんとか体調を立て直した蓮子は幽々子と共に本拠地へ戻ったが、ちょうど早苗を引きずっている神奈子とばったり出くわしたのだ。

 

 

神奈子「…良かった…また早苗に友達が……」

 

幽々子「…本当に子煩悩ならぬ、巫女煩悩ね…」

 

ババア…ゲフンゲフン…お姉さん達が見守る先では早苗と蓮子がキャッキャッワイワイガールズトークに花を咲かせていた。身の上の話、趣味、幻想郷の話などで盛り上がったあと、蓮子は気になっていたことを早苗に尋ねた。

 

蓮子「…あの…早苗さん…弾様の…過去の功績とか知ってたりします?」

 

神奈子「あ、バカ…!!」

 

神奈子の制止の声も一歩遅し。蓮子の問いを聞いた瞬間、目を輝かせながら立ち上がり、ものすごい熱と共に語り始める…!!

 

 

早苗「了解です!弾様の功績を布教いたしましょう!!」

 

 

そこから数時間、弾のグラン・ロロでの戦い、タイムスリップして神々の砲台の起動、そしてたどり着いた幻想郷で個性的な面子を圧倒的なカリスマでまとめあげたこと…とんでもないボリュームの話を熱弁されて、蓮子はちょっと前の自分を殴りたくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後 IBSA本部

 

 

市「皆さん、お忙しい中集まってくださりありがとうございます」

 

 

幽々子と市の会談から何日か経ったこの日、市はとある四人のカードバトラーを自室に呼び出していた。その用件はもちろん先日の会談で決まったことと大きく関係している。

 

まずはここに集った四人を紹介していこう……まずは一人目…「ハマの鬼姫」の異名をもつ青属性のS級バトラー…群青 早雲。

 

早雲「自分達を呼ぶとは……IBSAも人手不足のようだな…」

 

続けて二人目…西ムサシを治めるチームのリーダーにして、緑属性のS級カードバトラーで首に下げた大玉の数珠がトレードマーク……宝緑院 兼続

 

兼続「だが直接我らに依頼してくるとは……それほど重大な用件であろう…」

 

さらに三人目…関東の東ムサシを征している「炎組(ほむらぐみ)」をまとめあげ、関東一の赤属性の使い手と称される、飄々としながらも熱い性格のS級カードバトラー…虎と炎を象ったコートに「トシ」の愛称で知られる青年………炎 利家

 

利家「はっ!別にどうでもいいぜ!つえぇやつとバトルできるならな!」

 

そして最後の一人…銭文を入れたバンダナと陣羽織を纏っている青年…バトスピ戦国チャンピオンシップ初代チャンピオン…烈火 幸村。隣には相棒の黒田 環奈を連れている。

 

幸村「とにかく、事情をきかせてくれ」

 

環奈「ここまでカードバトラーを集めるとはどういう案件でごじゃるか?」

 

市「……実は外国から悪どいカードバトラー集団が不法入国するという情報が入ったのです。ですが数が数ですので私達だけでは手に負えないほどなのです」

 

兼続「…それで俺たちに声がかかったと……」

 

市「ですがそれでも手が足りないので、他にも助っ人を頼みました。どうぞ~!」

 

ポヤポヤした市の声が部屋の外まで響くと、扉が開いて四人のカードバトラーが入室してきた。

 

 

早苗「…ふぉぉ…お高そうな……」

 

神奈子「年一の出雲大社会議の会場よりは貧相だな…」

 

幽々子「皆様~ごきげんよ~う♪」

 

蓮子「…昨日の話…そういうことだったんだ…」

 

 

早雲「…!貴様……!」

 

幻想郷三人と蓮子が入室すると早雲は驚いた。まぁ、つい先日自分に押し掛け、あまつさえバトルでコテンパンに叩きのめされた相手なのだから無理もない。

 

早苗「あぁ~…先日はどうも…」

 

兼続「ほう……早雲を軽々と倒したバトラーと聞いているぞ…」

 

環奈「なんと!」

 

幸村「それなら安心だな!」

 

どうやら早苗が早雲を倒したことは知れ渡っているらしく、ムサシ四人は幻想郷メンバーの参戦を拒否することはなかった。だがその代わりに別の問題が勃発することとなった……

 

 

利家「へぇ!ならどいつか俺とバトルしようぜ!!つえぇやつとのバトルができるなら誰だって構わねぇ!」

 

早苗「…あぁ…まるで萃香さんみたいなケンカっぱやい人が…」

 

神奈子「…なら私が行こうかね。蓮子と早苗はバトルしてるし…姫さんはちょっと前に大暴れしたからいいだろ?」

 

幽々子「…あら…知名度上げてあのどこでもバトルできる機械を確保するために頑張ったのに…」

 

やはりバトルジャンキーな利家はバトルを所望した。すると四人のうち、直近でバトルのない神奈子が前に出た…幽々子様…お疲れさんです…!!

 

 

利家 神奈子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

利家「俺から行かせてもらうぜ!メインステップ!オードラン、そして鉄砲犬ザッシュを召喚!」

 

先行をとった利家は小さなドラゴンと背中に鉄砲を背負った野犬を呼び出す。

 

利家「ターンエンド!」

 

神奈子「よし…行こうか…メインステップ。荒ぶる軍神!創界神アレス!!……神託は…行わない」

 

アレス《了解。神託無しで出撃する》

 

蓮子「あれ…神託無し…?」

 

神奈子はアレスを配置するが、なぜか神託を行わなかった。何かトラッシュに落としたくないカードがあるのか…?

 

幸村「創界神…」

 

環奈「噂には聞いていたが……まさか本当に実在するとは……」

 

 

神奈子「さらに甲蛾忍ゲンマコガネを召喚するよ。召喚時効果で相手の手札を一枚破棄できる。破棄しなかったときはコアを二個追加だ。どっちを選ぶ?」

 

利家「ちぃ!いいぜ…!コアの二個、やったって構わねぇ!」

 

神奈子は続いて黄金虫の忍者を召喚して利家に手札かコアかの判断を迫る。利家は手札がかなり良かったのか、コアブーストを神奈子に許した。

 

神奈子「…フム…大樹茂る天守閣を配置…アタックステップ!ゲンマコガネでアタック!」

 

神奈子は増えたコアでアレスの背後に大樹が生えた天守閣をそびえ立て、ゲンマコガネを攻撃させた。

 

利家「きたな!ライフで受ける!」

 

ゲンマコガネが小太刀を引き抜き、利家のライフを斬り捨てた。

 

神奈子「これで終わりだよ」

 

利家「…兼続と同じタイプのデッキか…!メインステップ!サンゾック・ベアを召喚!召喚時効果でBP5000以下のスピリットを破壊!!ゲンマコガネ!お前だ!!」

 

利家が召喚した赤い大きな熊が腕から炎を放出する。それがゲンマコガネを焼き尽くして破壊した。

 

利家「アタックステップ!やれ!ザッシュ!サンゾック・ベア!!」

 

神奈子「…きたか…ライフで受ける!!」

 

利家は赤属性らしく怒涛の攻撃を指示する。そしてそれに答えたザッシュが放った銃弾とサンゾック・ベアの鉤爪が神奈子のライフを打ち壊した。

 

利家「どうだ!ターンエンド!」

 

兼続「これで彼女のライフは三つ。スピリットも破壊されたが…」

 

環奈「…ウム…拙者としては神奈子殿のネクサスが気になる所でごじゃるが……」

 

神奈子「ふぅ…メインステップ。天守閣をレベルアップさせてゴッドシーカー天騎士オールリィチを召喚!召喚時効果を使い、デッキ四枚オープン!その中の緑の天渡/化神を持つカードを回収する!」

 

環奈が神奈子のフィールドにある二枚のネクサスを警戒する中、神奈子はゴキブリの殻人を召喚してデッキを四枚めくる…天騎士ナミントウ…バグズリバース…月緑龍ストライク・ジークヴルム…闇輝石六将百刀武神ゴクマザン…

 

アレス《この中の月緑龍並びに自身の効果でバグズリバースを回収して自分にコアを一つ置く。残りはゴクマザンを上にしてデッキトップに》

 

神奈子「そんでもって……うちの世界のナンバー2の力!召喚!月緑龍ストライク・ジークヴルム!!召喚時にコアを二つ増加させる!」

 

神奈子が両腕を掲げると、後ろから緑のストライク・ジークヴルムが登ってくる。そしてフィールドに降り立ち、右手に一振りの刀を出現させて構えた。

 

早苗「出た!永琳さんのストライク!」

 

神奈子「アタックステップ!ここでアレスレベル2の神域!殻人を持つスピリット二体で同時攻撃できる!そのうち一体はブロック不可能でね!」

 

アレス《了解。ストライク・ジークヴルム、そしてオールリィチ、攻撃!ストライクは効果でBPプラス15000する》

 

アレスの号令と共にストライクとオールリィチが飛び出した。

 

早雲「二体を同時攻撃させ、一体をブロック不可に!?」

 

利家「二体同時…だと!?へ!どっちもライフだ!」

 

利家のライフがストライクとオールリィチの剣で二つとも破壊される。これで神奈子のフィールドには回復状態のスピリットが居なくなったが………

 

神奈子「エンドステップ!ストライクのレベル2効果!緑一色のスピリットを全て回復!ターンエンド!」

 

フィールドに緑の月光が射し込むと、疲労した神奈子のスピリットが二体とも起き上がった。

 

 

環奈「…二体同時攻撃させただけでなく、ブロッカーも残す…利家にとってはライフを逆転した矢先、一気に劣勢に追い込まれてしまった形でごじゃる…」

 

利家「上等だぜ!メインステップ!来やがれ!俺のセンゴク・タイガー!!レベル2で召喚!」

 

利家のフィールドに炎が燃え上がると牙を鳴らしながら一体の猛虎が現れた。

 

幸村「よし!トシのキースピリットだ!」

 

利家「アタックステップ!まずはザッシュでアタック!」

 

神奈子「…かかったね!大樹茂る天守閣のレベル2の効果発揮!相手のスピリットがアタックした時、デッキを一枚オープンする!それが系統:殻人/怪虫/殻虫スピリットならノーコストで召喚!」

 

幽々子「…なるほど…だからさっきオールリィチでデッキトップ操作をしたのね」

 

ザッシュが駆け出すのと同時に天守閣が緑に発光する。その光を受けて神奈子のデッキが一枚めくれる……それはもちろん、闇輝石六将百刀武神ゴクマザン…!!

 

神奈子「さぁて!殻人だから召喚するよ!!老いを司る輝石!殻人統べる大将軍!闇輝石六将百刀武神ゴクマザン!!レベル2で召喚!!ザッシュを迎え撃て!」

 

アレス《…そういえば…アヌビスは元気だろうか…》

 

走り出したザッシュの前に緑の竜巻が発生する。そしてその竜巻を斬り裂いて中から大きな太刀を持った武将が現れた。ゴクマザンは向かってきたザッシュをその大刀で一刀両断した!

 

市「まぁぁ…うまい一手ですね」

 

利家「ザッシュ!ちぃ…ターンエンド!」

 

神奈子「…メインステップ!アクセルでゲンマコガネを使用!相手はスピリット二体を疲労させなければならない!」

 

利家「…オードランとサンゾック・ベアを疲労…!」

 

神奈子はゲンマコガネを今度はアクセルとして使用した。これで利家のスピリットが二体疲労することとなった。

 

神奈子「……ターンエンド」

 

兼続「なに!?」

 

早雲「アタックしない……!?」

 

早苗「…ありゃりゃ…神奈子様…マジックを警戒したのかな…?」

 

ここでターンを終わらせた神奈子にムサシ四人は驚いていたが、早苗や幽々子は神奈子の考えを見抜いていた。ゴクマザンの真の力を使えば無理に攻めるのを急がなくても平気だからだ。

 

利家「…後悔すんじゃねぇぞ!メイン……!!これは!?」

 

幸村「トシのスピリットが…回復しない!!?」

 

 

利家がリフレッシュステップを終え、メインステップを宣言しようとしたが、疲労していた利家のオードランとサンゾック・ベアが緑の蔦に縛られて回復できずにいた。よく見るとその蔦はゴクマザンから伸びていた……!

 

神奈子「これがゴクマザン、闇奥義:地獄!フィールドとトラッシュが緑のカードかつ五枚以上ある時、相手のスピリット全ては回復できず、コアを0にできない!」

 

 

利家「…クソ!だが俺の魂!センゴク・タイガーは死んでねぇ!刀将鎧アシュ・ライオンを召喚!アシュ・ライオンと合体しろ!センゴク・タイガー!!」

 

利家は唯一回復状態だったセンゴク・タイガーのブレイヴ、アシュ・ライオンを召喚する。そして二体が火の玉に包まれ衝突すると、中からアシュ・ライオンの鎧を纏ったセンゴク・タイガーが現れた。

 

利家「すぐその面吹っ飛ばしてやるぜ!アタックステップ!行け!センゴク・タイガー!!アタック時効果でゴクマザン!吹き飛びやがれぇぇぇ!!!」

 

利家の咆哮と共にセンゴク・タイガーの角から特大サイズの光線が発射されてゴクマザンを貫き、木っ端微塵に破壊した。

 

利家「さらにセンゴク・タイガーの効果!BP7000以上のスピリットを破壊したので、ソウルコアをトラッシュに送って回復!さらにアシュ・ライオンの合体時効果でオールリィチ!てめえも吹き飛べ!」

 

兼続「これで彼女のブロッカーは一体!残りライフを考えればブロックするしかない!」

 

環奈「さすが炎 利家!破壊に関しては右に出るもの無しと言われることはあるでごじゃる!!」

 

センゴク・タイガーがオールリィチを角で貫いたのを見て、戦局が利家に傾いたかに見えた。だが神奈子は冷静に大樹茂る天守閣の効果を発揮する。

 

神奈子「…こいつのことを忘れてもらっちゃ困るよ!相手のスピリットがアタックしたので、一枚オープン!」

 

今回めくれたカードは………角騎士ギアス・バッシャー!!!

 

アレス《…系統:殻人を確認。神奈子、どうする……神奈子?》

 

アレスがフッと顔を神奈子に向けると、どうやら宣言した神奈子自身が一番驚いているようだった。少しアレスがテレパシーで話しかけてようやく復帰した。

 

神奈子「…ハ!…殻人だったのでレベル2で召喚!召喚時効果で相手スピリットを四体まで重疲労!センゴク・タイガーをブロックしな!!」

 

神奈子が召喚した黄土色の騎士がセンゴク・タイガーの突進を受け止める。だがお互いのBPは同じ11000なので、何度かのぶつかり合いのあと、二体は爆散した。

 

利家「…ぐぅ…ターンエンド」

 

神奈子「ふぅ…メインステップ!破城斧槍ランパードブレイカーをストライク・ジークヴルムに召喚して合体!!」

 

ストライクの前に地面から一本の斧が生えてくる。それを引き抜いて刃先を大きく前に向けた。

 

神奈子「決めな!合体アタック!!」

 

 

ストライクがランパードブレイカーを振りかぶって利家のライフに叩きつけた!!

 

 

 

 

 

幽々子「お疲れ~♪」

 

環奈「…強いとは聞いていたが……利家まで降すとは…」

 

 

バトル後、幸村達が神奈子達の強さを認識すると、市が改めて話し出す。

 

 

市「私達が掴んだ情報によりますと、不法入国カードバトラーは四ヶ所から侵入するみたいで……あら?」

 

アレス《…誰か…近づいて来るな……》

 

 

市が説明していると、外から部屋に近づいてくる足音が聞こえてきた。全員の視線が扉に向けられたその時、扉が重々しく開いた。そこにいたのは………

 

 

市「…お兄様!?」

 

幸村「信兄!?」

 

信長「久しぶりだな…お前達…」

 

 

市の実の兄にして幸村に道を示した恩人、天魔 信長だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回、ゴクマザンを使ってみたいがためにラグナ・ロックもビヤーキーもアレックスすら抜いた完全緑……はキツかったので、神託無しでなんとかしました……うっかり落ちたら……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魔王の風格

…さて……今回も伏線が……最終回の構想はたっているのですが……ダブルドライブ編が……


回想 京都大学 カフェ

 

蓮子《うーん…やっぱり私は赤いドラゴンが好きだわ》

 

メリー《…意外…ガッチガチの理系の蓮子なら白か青のロボットが良いとか言うと思った…》

 

時計の針は遡り……ここは蓮子とメリーの世界…今日二人は休み時間にカフェでお茶しながらバトスピについておしゃべりしていた。

 

蓮子《…ん~…やっぱりお父さんが六色のデッキに赤いドラゴンのキースピリットを入れてるからかなぁ…》

 

メリー《あ~あ、そろそろ父親離れしたら?いつまでも『皇太子』のままじゃ、『王様』にはなれないわよ?》

 

蓮子《よ、余計なお世話よ!ならメリーはどんなスピリットが良いのよ?この前組んだデッキのゴッド・ゼクス?》

 

蓮子が口を開けば出てくる父親の話題…未だ親離れできていない蓮子にメリーは半分呆れていた。すると半ばヤケになった蓮子はメリーの話題に切り替えてきた。

 

メリー《……これかな……》

 

蓮子《…なーんだ、メリーもドラゴンじゃない》

 

メリー《赤のドラゴンとはわけが違うのよ》

 

そう言いながらメリーが手に取った一枚のカード…そこからメリーのキースピリットはこのドラゴンになる…蓮子にとって楽しくも……また悲しくもある思い出のカード……

 

 

 

 

…滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ…

 

 

 

 

 

 

蓮子「信…長…?」

 

幽々子「天魔 信長、市ちゃんのお兄さんにして例の…」

 

 

幸村達が驚いている一方、早苗や蓮子に幽々子が信長を紹介する。当初は微笑みを浮かべていた信長だったが、早苗達を見るとキッと目付きを鋭くさせた。

 

信長「…市…なぜこいつらに協力を要請した…?」

 

市「…問題でしたか?」

 

信長「こいつらは最近、外国人カードバトラーが使っている煌臨だけでなくまだ実験段階だった創界神ネクサスまでも使用していると情報が入った!」

 

神奈子「げ…!」

 

信長の言葉に蓮子一行は頭を抱えた。創界神が普及でも未確認でもなく、準備中という一番都合が悪いタイミングでこの世界に来てしまった悪運を呪うしかなかったが、それでも事態は好転するわけもない。

 

蓮子「…なら…私達をどうすると?」

 

信長「…少なくともこの作戦の参加はやめてもらおう…!!」

 

蓮子が静かに問いかけた言葉に明らかな敵意を持って答える信長……誰の目にも二人の間で火花が散っているのが見えた…すると蓮子は立ち上がり……信長以上の目付きで声を発した。

 

 

蓮子「…構えなさい…!

 

信長「…ゾクッ……いいだろう…」

 

アプロディーテ《…!?》

 

アレス《…今の…気は…?》

 

ポセイドン《…我らも震え上がらせる殺気…この娘は…》

 

蓮子がドスの効いた声でデッキを構える。その瞬間部屋内に迸った気圧は神奈子どころか創界神達すらゾクッとさせるほどの気力だった…だが信長も気を取り直してデッキを構えた。

 

 

蓮子 信長「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「…先行を貰います…メインステップ…バーストをセットして魔星人シュタイン・ゴイルを召喚!星読…発揮!」

 

蓮子は重い口調のままシュタイン・ゴイルを召喚してデッキをめくる。めくられたのは……光導創神アポローン…!

 

蓮子「…よって手札に…ターンエンド」

 

早苗「アワワ……どうしましょう?」

 

幽々子「……このままバトルさせて溜飲をおさめるのが良いでしょう…」

 

幽々子の提案に反対する声は起こらなかった。だが巷で五大老と呼ばれる幽々子と神奈子…そして創界神達は先ほど物凄い殺気を放った蓮子を見つめていた……

 

信長「…メインステップ。ソードール、並びにさまよう甲冑を召喚。召喚時効果、デッキからカードを一枚ドロー…」

 

信長はソードールの他に刀を持った甲冑姿の幽霊を召喚する。

 

信長「バーストをセットしてターンエンド」

 

蓮子「…また白紫か…メインステップ!創界神ネクサス!光導創神アポローン!デッキから三枚トラッシュへ送り、対象カードを二枚確認。よって2コアをアポローンに追加」

 

 

また白紫使いと戦うことに顔をしかめながら蓮子はアポローンを配置する。

 

蓮子「さらに氷星獣レオザードを召喚。アタックステップ!レオザード!攻撃!」

 

蓮子は続いてレオザードを呼び出すと、アタックさせてもう一度デッキをめくる。そのカードは…太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!

 

蓮子「…光導を持つので回収!さらにレオザードの効果で回復!」

 

信長「ライフで受ける!」

 

レオザードが白い光線で信長のライフを破壊した。

 

蓮子「ターンエンド」

 

信長「…さすがに簡単にはいかんか……メインステップ!イチバンスピアーを召喚…さらに…!」

 

信長は白い槍兵を召喚して……さらに手札を切る…!!

 

信長「天より降臨せよ! 万能なる魔界の使者!天魔王ゴッド・ゼクス!!

 

幸村「…きた…!ゴッド・ゼクス……!」

 

強烈なエネルギーがフィールドに満ちると空から一体の魔神が降りてくる。そしてフィールドに降り立つと背中に大きな輪を形成した。

 

幽々子「…チ…イヤなことを……」

 

早苗「…あぁ…トラウマが……」

 

信長「アタックステップ!ゴッド・ゼクスよ!攻撃だ!」

 

幽々子や早苗達がとあるトラウマ[100%紫関係]を思い出しているのをほっといて、信長はゴッド・ゼクスをアタックさせた。

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

ゴッド・ゼクスが背中の輪を剣のように振り回し、蓮子のライフを砕いた。

 

信長「ターンエンド」

 

蓮子「…六天連鎖ね…メインステップはそのまま…アタックステップ!もっかいアタックしなさい!レオザード!星読よ!」

 

蓮子はメインステップを飛ばしてレオザードを再度攻撃させる。今回めくられたカードは…セフィロ・シープ。これも手札に入った。

 

蓮子「さらにレオザードは回復する!だめ押しのフラッシュタイミング!マジック!サジットノヴァアロー!BP12000までスピリットをぶっ壊す!さらにドロー!」

 

回復したレオザードの上空から無数の炎の矢が降り注ぐ。これで信長のフィールドにはゴッド・ゼクスしか居なくなった。

 

 

信長「ちぃ!ライフで受ける!バースト発動!BP15000以下のスピリットを破壊!!そしてこのスピリットをコストを支払わずに召喚!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!!」

 

レオザードの前足が再び信長のライフを砕いたが、開いたバーストの炎がレオザードを破壊する。その後、フィールドに剣を構えたドラゴンが現れた。

 

蓮子「…ターンエンド」

 

信長「…メインステップ!ニジノコ、さまよう甲冑を召喚!召喚時効果で一枚ドロー…さらにネクサス!オワリノセカイを配置!」

 

利家「これで信長のフィールドにシンボル全色揃いやがった…」

 

信長はシンボルを確保するため黄色のニジノコと紫のさまよう甲冑を召喚し、フィールドを水晶に囲まれた天守閣に変える。

 

信長「アタックステップ!オワリノセカイの効果!ゴッド・ゼクスを最高レベルに!やれ!ゴッド・ゼクス!!」

 

幽々子「…あら…ソウルコアを置き忘れるなんて…案外うっかりやなのね…」

 

信長はゴッド・ゼクスをアタックさせる。だが幽々子が指摘したことが発生したのは彼自身の焦りだけでなく、最後の手札がキースピリットであることにも起因しているのであろう。

 

信長「フラッシュタイミング!このカードをアタック中のゴッド・ゼクスと入れ換える!召喚……!天魔王ゴッド・ゼクス……終ノ型!!

 

早雲「来たぞ…!!」

 

攻撃していたゴッド・ゼクスが白く細身の体へと変わっていく。そして変化が終わるとそこには死に装束のような格好に六枚の羽を広げたゴッド・ゼクスが立っていた!

 

信長「終ノ型の効果で俺のスピリットは相手のスピリット/マジックを受けない!そして…六天連鎖:終ノ型!!発揮!!自分のスピリットのシンボルを六個にする!!」

 

スピリット達に六色のシンボルが埋め込まれていき、終ノ型自身もその力を吸収する。これで一回でも信長のアタックが通れば蓮子の負けになってしまうが……

 

蓮子「スピリット/マジック…よね?ならネクサスを使うまで!フラッシュタイミング!光導創神アポローンの神技を使用!ジーク・ヤマト・フリードを破壊してワンドロー!さらにマジック!フェーズチェンジ!!」

 

終ノ型の耐性外であるネクサスの効果……アポローンの矢がジーク・ヤマト・フリードの体を貫き破壊した。さらに蓮子の前に白い魔方陣が展開されて終ノ型の攻撃をギリギリ踏ん張った。

 

兼続「凌いだか…!!」

 

信長「…ふん…ターンエンド」

 

蓮子「……ねぇ…そんなに私達は…いや…幸村君達を信用していないの?」

 

信長「…………」

 

蓮子は自分のターンを始める前にそう信長に問いかける。

 

蓮子「もし私達があなた達の計画を邪魔しようとしてたとしても、この国には優秀なカードバトラーがいるわ…て言うか…こんな日本人同士の争いがあなたが一番恐れていたことなんじゃない?」

 

信長「…ふ…お前のターンだ。早く進めろ…」

 

信長は蓮子の問いに自嘲気味に笑い、蓮子にターンを進めるよう促した。これは一本とられたというような感じで、敵意の欠片もない笑いであった。

 

 

蓮子「そ…なら真の魔王を決めますか!メインステップ!樹星獣セフィロ・シープ…!駆け上がれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!!レベル2で召喚!」

 

セフィロ・シープに続いて赤い爆発と共にライジング・アポロドラゴンがフィールドに現れ、大きく咆哮する。

 

 

蓮子「アタックステップ!ライジングでゴッド・ゼクス終ノ型を指定アタック!!」

 

信長「こい!BPはこちらが上だ!」

 

ライジングが終ノ型めがけて飛びかかるが、終ノ型は剣で弾き飛ばす。そして羽から取り出した弓に無数の矢をつがえて放つ。ライジングはその矢を時にはかわし、かわしきれないものは火炎放射で焼ききるが、徐々に逃げ場を無くしていく…

 

そしてついに終ノ型がライジングの背中に突進してフィールドに叩きつけ、剣を振り下ろそうとした…その時!!

 

 

蓮子「分かってるっつの!フラッシュタイミング!マジック!バーニングサン!手札の極星剣機ポーラ・キャリバーをライジングに直接合体!!さらに回復させる!」

 

空から一体のジェット機が突っ込んできて終ノ型を突き飛ばすと、ジェットと剣を落としていく。ライジングは起き上がり背中の両翼にジェット噴射機を装着し、その手に剣を握る。

 

蓮子「斬り裂け!合体スピリット!!」

 

蓮子の号令を聞いてライジングはジェット噴射しながら終ノ型に剣を突き立てる。終ノ型も剣で受け止めるが、ライジングの勢いを殺せずに後ろに後退し続ける。

 

最後は剣を破壊したライジングの剣が終ノ型を真っ二つに斬って大爆散させた!

 

蓮子「さらにライジングの界放!!アポローンのコア二個を置くことで、ニジノコを破壊してライフを二つぶち壊す!!シュタイン・ゴイルでアタック!」

 

信長「…さまよう甲冑でブロック!」

 

終ノ型を破壊したので、ライジングは炎を放ってニジノコを焼却すると、そのまま信長のライフを二つ破壊した。その爆煙を突っ切ってシュタイン・ゴイルとさまよう甲冑がぶつかり、両者破壊された。

 

蓮子「吹き飛びなさい!合体アタック!!」

 

バーニングサンの効果で回復したライジングがジェット噴射の勢いをつけながら剣で信長のライフを貫いた!!

 

 

 

 

 

 

 

信長「…ふん…良かろう…ただし、邪魔をするなら容赦しないぞ…!!」

 

蓮子「ありがとう」

 

信長は口調は変わらないが、確かに蓮子達の協力を許可していた。そんな素直じゃない様子にクスッと笑った蓮子に信長が懐から何かを取り出した。

 

信長「…くれてやる…」

 

蓮子「…!…気力カード…!」

 

信長が蓮子に押し付けたカード…それはライジングと同じ気力を纏ったカードだった。蓮子はそれを大事にしまい、信長にお礼を言おうと振り向いたその時……!!

 

 

 

 

キィィィィィィン!!!!

 

 

蓮子「…う!!…ま、また………」

 

環奈「どうしたでごじゃるか!?」

 

幸村「蓮子!?」

 

再びあの耳鳴りと頭痛が蓮子を襲ったのだ。その痛みに蓮子はまたもや地面に踞るしかなかった。そして見えてきたのは………

 

 

 

 

 

 

 

今度は最初からとある人間がバトルフィールドでバトルしている様子が蓮子の頭の中に浮かんできた。そこで蓮子の目を惹いたのはバトルフィールドの外で見守っている[たぶん]若き弾、フィールドに存在している禍々しいオーラを放っているドラゴン…そしてバトルフィールドに立っている妙齢の男……

 

蓮子「…お父さん……」

 

???《真の絶望を知るもののみがこの力を手にする!!一人過ごす苦しみの日々こそ我が力の源!!!》

 

弾《…何を言ってる…?》

 

蓮子の父が話し始めたのは驚きのカミングアウトだった。父が昔船乗り…しかも千年以上も昔…大航海時代に活躍した冒険家だったということ…

 

蓮子「…え…お父さん…一体何歳…?」

 

だがさらに続いた話…そちらのインパクトがその疑問をどこかに吹っ飛ばしてしまった。航海で異界…グラン・ロロにたどり着き、無限の可能性を感じた…しかしその言葉を信じる者は誰もおらず、真実を伝えようと執筆した『異界見聞録』も全て燃やされる始末となった………

 

 

???《…人々の無理解…愚かしさ…冷酷…全てに背を向けてな……俺は復讐を誓った…!!俺の夢を踏みにじった奴らを支配し尽くす!!》

 

蓮子「…ウソよ…そんなの…ただの侵略じゃない……」

 

 

蓮子の今までの父への印象がガラガラと崩れていった…彼女の記憶にある父……それはたまにしか家に帰って来なかったが、数々の言葉を蓮子に残してくれた立派な父親だったのだ。

 

蓮子の父《いいか、蓮子。表に出てくることが全てではない。すぐに一つの情報に飛び付かないことだ》

 

蓮子の父《俺の後を継ぐ?…フフフ…!ならまず目の前の人間を助けることからだ。そいつを助けられないやつが何を助けることができる?》

 

蓮子の父《…この世界はなぜこれ程矛盾に満ち溢れているのだ……俺はこの世界を変えてみせる!》

 

 

蓮子「…ウソよ…ウソよウソよウソよウソよウソよ………そんなのウソよォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

……烈火伝編の後…少し荒れそうです…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ソウルバースト!

最近の悩みは敵キャラの性格と名前を考えることでした…でももーいーやー!!!どーせここだけのキャラだしぃぃ!


幻想郷 博麗神社 縁側

 

 

弾「…そろそろあのことに気づくころか…!…隠岐奈…!」

 

隠岐奈「ちょいと失礼……って相変わらずだけど凄い関知力だね…」

 

その頃、弾は博麗神社の縁側で寝っ転がりながらそんなことを呟いていた。すると部屋に扉が現れて隠岐奈がよっこいせと出てくる。だいたい仕事関係の報告でくるのは隠岐奈なので、弾は容易に内容を察した。

 

隠岐奈「私達が巡った世界を調査した結果…」

 

弾「…誰かがその裏で手引きをしていた…そんな誰かは見つけられなかった……だろ?」

 

隠岐奈「……何でわかるんだい……」

 

弾は起き上がり、隠岐奈の言葉を先に言い当てる。弾の隣に座りながら話した隠岐奈は驚いていたが、紫で慣れていたのかそこまで動揺しなかった。

 

弾「…いいんだ…何もなくても……それよりお茶でも飲んでくか?」

 

隠岐奈「…フフフ…博麗神社に茶の蓄えがあったのかい?」

 

弾「あるんだよ」

 

霊夢「ちょっと…!もうこの神社は貧乏じゃないのよ!」

 

そんな話をしているうちに霊夢がお茶をおぼんに乗せて縁側に姿を現した。ちゃんと三人分あるのはさっきから話を聞いていたのか…はたまた持ち前の勘か……

 

隠岐奈「おお…ようやく霊夢も私を敬うようになったか…!」

 

霊夢「余計なお世話よ!……そうだ、弾。このお茶…どこで入手してきたの?私、買っても貰ってもいないけど?」

 

弾「…ん…」

 

毎度尊大な隠岐奈のセリフに文句を言いながら隠岐奈とは反対側の弾の隣に座り込む。そして霊夢の問いに弾はお茶をすすりながら目の前の庭を指差した。

 

霊夢「まさか…庭で採ったって言うんじゃ…」

 

隠岐奈「幽香の力でも借りたのかい?」

 

弾「いや、使ったのは………この力さ…!」

 

弾がそう言って湯飲みを持っている手とは反対の手を開く。この中には……黒と白が混じりあっている不思議な色をしたコアが浮遊していた。

 

霊夢「……なにこれ?」

 

隠岐奈「…一つ言えることは……凄まじいエネルギーを放っているな……弾、これは?」

 

弾「…これはな………

 

 

 

 

 

マザーコアっていうやつさ」

 

 

 

 

 

 

 

さらに数日後 九州のとある海岸

 

 

 

兼続「……あの船か…」

 

早雲「信長が差を感じた外国のカードバトラー…」

 

 

人気のない海岸に佇んでいた兼続と早雲。二人はこの日密入国しようとしている外国人カードバトラーを取り押さえるため、はるばる九州の地まで赴いていた。

 

外国人A「…よし誰もいないな…」

 

外国人B「さぁて…この国でカードを…」

 

早雲「…そうはさせるか!」

 

兼続「神妙にせよ!!」

 

小さなボートから降りてきた二人の外国人に声を張り上げて目の前から立ちふさがる早雲と兼続。さすがに外国人二人は慌てた様子を見せるが、すぐさまデッキケースを取り出した。

 

外国人A「ならバトルで決めようぜ!」

 

外国人B「俺たちが勝ったら言うことを聞いてもらう!!」

 

 

兼続「いいだろう…!」

 

早雲「後悔するな!」

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

外国人A「へへ…日本人のカードバトラーなぞ、恐れずに足らず!」

 

早雲「その自信…すぐ海に引きずり込む!メインステップ!ネクサス、千間観音堂を配置!ターンエンド」

 

展開されたバトルフィールド…先行の早雲はお馴染みの千間観音堂を配置してシンボルとデッキ破壊の準備に入る。

 

外国人A「メインステップ!四甲天カメジュウジを召喚!召喚時効果でコアを追加!さらにそびえる甲天城を配置!」

 

対する外国人は小さなカメムシの忍を召喚。そして背後に大樹の要塞を配置した。

 

外国人A「ターンエンド」

 

早雲「緑か…メインステップ!小波童子、青海童子を召喚!千間観音堂をレベル2に!アタックステップ!青海童子!アタックだ!」

 

早雲のフィールドに二体の青い仏像のようなスピリットが現れ、そのうちの一体…青海童子が走り出す。

 

早雲「アタック時効果!相手のデッキを一枚破棄!千間観音堂の効果でBPプラス2000!さらに五枚破棄だ!」

 

外国人A「く…ライフで受ける!」

 

デッキを破壊した青海童子はそのまま手に持った槍をライフに突き立てた。

 

早雲「ターンエンド」

 

外国人A「…スタートステップ!ここでそびえる甲天城の効果!デッキを一枚オープン!」

 

早雲のターンが終わるとそびえる甲天城が緑の風を引き起こす。その風がめくったカードは…四甲天カメジュウジ…!

 

外国人A「四甲天スピリットなのでノーコスト召喚!そしてコアブースト!メインステップ!バーストをセットして四甲天ホタルヒメ、そして四甲天ダイコクを召喚!」

 

新しいカメジュウジを呼び出すと、続いてしなやかな昆虫人とがっちりした殻人を召喚した。そしてダイコクは召喚時効果を発動する…!

 

 

外国人A「ダイコクの効果で手札を破棄して相手と同じ枚数ドロー!よって三枚!アタックステップ!カメジュウジ二体でアタック!!」

 

早雲「ライフで受ける!」

 

手札を補充した外国人Aはカメジュウジ二体を攻撃させた。早雲はコア確保のため、シュバっと駆け出した二体の攻撃をライフで受けた。

 

外国人A「へへ…ターンエンド!」

 

早雲「…よし!メインステップ!バーストをセット!そしてネクサス!阿弥陀如来像を配置!コアを増やして…アタックステップ!青海童子!行け!」

 

早雲は引いたカードを見て微笑むと、背後に大きな大仏を呼び出す。その後再び青海童子を攻撃させ、デッキを六枚破壊した。

 

外国人A「ライフ!ライフ減少によりバースト発動!小波童子を疲労させる!四甲天統率する虫の王!始甲帝を召喚!!」

 

 

青海童子は二つ目のライフを破壊したが、それをトリガーにバーストが発動。小波童子を疲労させながらフィールドに緑のシンボルが現れる。そして中から巨大な双剣を持った赤い殻人がフィールドに降り立った。

 

 

早雲「…ターンエンド…!」

 

外国人A「へへへ!まずはそびえる甲天城!デッキから一枚オープン!オープンされたカメジュウジをノーコスト召喚!さらにスピリット達をレベルアップ!アタックステップ!始甲帝!アタックせよ!」

 

さらにそびえる甲天城の効果でオープンされたカメジュウジ…カメジュウジは何枚でもデッキに入れられるので、ここまで引き当てるのもおかしくはない…が現れる。そして始甲帝が翼を広げて飛び出した。

 

外国人A「アタック時効果!手札の四甲天アオガミを召喚することで、回復する!」

 

早雲「…かかったな…!ライフで受ける!それによりバースト発動!No.26キャピタルキャピタルをソウルコアを乗せて配置!」

 

早雲のライフを始甲帝の双剣が砕くが、数押ししてくることを読んでいた早雲のバーストから空中都市が出現する。ソウルコアが乗っているキャピタルキャピタルは相手のアタック時にリザーブのコア二個をトラッシュ送りの条件を追加するネクサス…つまり…

 

 

外国人A「…ちぃ…リザーブのコアが足りねぇ…ターンエンド…」

 

早雲「…反撃だ…!メインステップ!蒼き海原うなばらの底!深き眠りより!いざ!解き放たれん!!召喚!蓮花王センジュ!!さらにバーストセット!!」

 

蓮の花からセンジュを召喚してバーストをセットした……早雲が決めにかかった組み合わせだった。

 

早雲「アタックステップ!行くのだ!センジュ!!母なる海よ!大いなる海原よ!今こそその猛き姿を現せ!Sバースト発動!!戦国覇王ギュウモンジ!!BP20000までスピリットを全破壊!!」

 

早雲のバーストはなんと赤のスピリット……ギュウモンジのバースト効果による炎が始甲帝以外のスピリットを全て焼き尽くした!

 

早雲「さらにセンジュの効果!ネクサスの数だけシンボルを追加!そして始甲帝を破壊する!!砕け散れぇぇ!!」

 

外国人A「…ば、バカな…日本人ごときに…!!!」

 

センジュが両手の錫杖で始甲帝を撲殺した後、数えきれない張り手のエネルギー弾が外国人Aのライフを全て砕ききった!!

 

 

 

 

 

 

 

外国人B「…さっさと終わらせてやる…」

 

兼続「そこまでナメられているとは…俺からいくぞ!メインステップ!風魔ニンコウチョウを召喚!ソウルコアの力でコアブースト!ターンエンド」

 

兼続は忍姿の小さな雀を召喚してコアを増やす。

 

外国人B「…メインステップ!鉄砲機兵タネガシマ、そしてネクサス…天守ドッグを配置!ターンエンド…」

 

対する外国人Bは小さな足軽の鉄砲兵を呼び出し、フィールドに金色の屏風が張り巡らされた。

 

兼続「む…メインステップはそのまま…!アタックステップ!ニンコウチョウでアタック!!」

 

外国人B「ライフで受ける!」

 

兼続「フラッシュタイミング!ソウル神速!今こそ出でよ!わが愛の化身!烈風忍者キリカゲ!!

 

兼続の手札から放たれた緑の風…その中に緑の大きな忍者が出現して竜巻を破ってフィールドに現れる。そしてニンコウチョウが嘴でライフをつつき壊した。

 

兼続「ターンエンド」

 

外国人B「ち…メインステップ!来やがれ!機巧大将軍タイクーン!!そしてアタックだ!」

 

フィールドの下から大きなロボットがゴゴゴという起動音と共にフィールドに上がってくる。そして完全起動したタイクーンがフィールドを駆け出す。

 

兼続「ライフで受ける!」

 

タイクーンのビームソードが兼続のライフを切り裂いた。

 

外国人B「ターンエンド!」

 

兼続「メインステップ!キリカゲにソウルコアを追加!アタックステップ!アタックだ!キリカゲ!響け!愛の雄叫び!ソウルバースト!発動!!ボイドからコアをキリカゲに!こい!大地の忍ダイビート!

 

キリカゲが発動したソウルバーストが地面を砕き、巨大な筋肉質の忍を召喚した。

 

外国人B「…ソウルバーストか…ライフで受ける!」

 

キリカゲが巨大な手裏剣を投げつけてライフを破壊した。

 

兼続「続けてダイビート!アタック!!」

 

外国人B「…これもライフ!」

 

キリカゲが下がる代わりに飛び出したダイビートが拳をライフに叩きつけた。

 

兼続「ターンエンド!」

 

外国人B「…ぐ…メインステップ!タイクーンをレベル3に!さらに源氏八騎 月数ランサーを二体召喚!」

 

貯まったコアを使用して外国人Bは青い槍兵を連続召喚する。これはタイクーンの効果を最大限に発揮するための素材でもあるのだ。

 

外国人B「アタックステップ!タイクーンでアタック!!」

 

兼続「フラッシュタイミング!ストームアタック!ダイビートを回復させてタネガシマを疲労!!」

 

再び兼続めがけてビームソードを振るったタイクーンに兼続はマジックで相手スピリットを疲労&自身のスピリット回復させる。

 

外国人B「影武者発動!!タイクーンの効果でソウルコア無しのスピリットが対象になったときも使用できる!機巧武者S23!そしてこのスピリットが代わりに疲労する!さらにタイクーンはS23を戻して回復できるぜ!」

 

だが突然現れた茶色い鎧を纏ったロボットが風を代わりに受けて疲労する。アタック中のタイクーンもレベル2からの効果で機巧スピリット…S23をバウンスすることでBPプラス5000&回復した。

 

兼続「むぅ…ライフで受ける!」

 

タイクーンが二刀流で兼続のライフを×の字型に斬る。

 

外国人B「続けてタネガシマでアタック!」

 

兼続「ならこれはどうだ!マジック!双身転化!月数ランサーを二体とも疲労させる!タネガシマはライフだ!」

 

兼続はもう一枚マジックを持っていた。双身転化はコスト4以下のスピリット二体を疲労させるマジック……ストームアタックよりも影武者に邪魔される確率の高いマジック故、兼続は後発で打ったのだ。

 

外国人B「…しまった…!影武者用のコアが足りねぇ……ターンエンド…」

 

兼続「我が愛の力!見せてやる!メインステップ!勝利の風を今ここに!甲蛾頭主クワガスレイヤー!!レベル2!!」

 

兼続が召喚を宣言すると、一人の忍がフィールドを縦横無尽に駆け回り兼続の前に降り立つ。その首には赤いマフラーがたなびいていた……!

 

兼続「アタックステップ!クワガスレイヤー!行け!コアを追加し、ソウルコアをリザーブへ!これによりデッキから三枚オープン!」

 

クワガスレイヤーが手の刀を逆手に持ちかえ、風と共に飛び出すと兼続のデッキがめくられていく……忍風ストーム…忍将軍クロハガネ…異牙上忍ヒョウゾウガ…!!

 

兼続「この中の忍風スピリットを全て召喚!出でよ!クロハガネ!ヒョウゾウガ!ヒョウゾウガの召喚時効果!スピリット三体を疲労!!」

 

外国人「ひぇ…ライフ」

 

フィールドに黒い忍の虫人と鉤爪を着けた豹の忍が風と共に現れ、ヒョウゾウガが残りのスピリット達を威嚇して疲労させてしまった。

 

兼続「とどめだ!キリカゲ!!」

 

クワガスレイヤーの刀とキリカゲの手裏剣が残っているライフを切り裂き、粉々にした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

もう弾さんがラスボスどころか裏ボス越えてる感……そしてその手には……

…そういえば早雲と兼続で思いましたが…闘神と忍風の創界神はいつくるんだろ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

熱い二人

超煌臨編三章の発売が近づいてきましたね…サジットの効果がうまく天星十二宮版になっていましたが…おいレオ…お前さん…リザーブからコア置いて回復って…強すぎん?


…一方…利家と幸村も外国人カードバトラーとのバトルが始まっていた……

 

 

外国人C「…こちらから…メインステップ!俊星流れるコロッセオを配置。ターンエンド」

 

利家とバトルに入っていた外国人カードバトラーは青いコロッセオを配置する。これで利家はフィールドのシンボルの色のマジックしか使えなくなった。

 

利家「はん!知ったこっちゃねぇ!メインステップ!ヤイバードを二体召喚!!アタックステップ!ヤイバード!アタックだ!」

 

赤一色の利家はめげずに尾羽が刀の鳥を二羽召喚する。そしてヤイバード二体を攻撃させた。

 

外国人C「どちらもライフで受ける!」

 

ヤイバードが尾羽の刀をライフに突き立てる。外国人カードバトラーはライフで受け、残りライフ3に。

 

利家「ターンエンド!」

 

外国人C「…さて…メインステップ!颶風高原を配置…さらにカブノハシを召喚!颶風高原の効果でコアを一つ追加する!」

 

フィールドに緑の風が吹き荒れ始めると、緑の大口スピリットが現れる。そして颶風高原の効果…暴風の数だけコアを増やした。

 

外国人C「ターンエンド」

 

利家「ちぃ…攻めてこねぇのかよ…メインステップ!側近衆ホムラマンドリル!そして鉄砲犬ザッシュ!来やがれ!!」

 

利家はため息をつきながら赤いマンドリルとザッシュを呼び出す。

 

利家「遠慮なく行かせてもらうぜ!アタックステップ!ザッシュでアタック!!」

 

外国人C「…ライフ!」

 

ザッシュの銃弾がさらにライフを撃ち抜く。今利家のスピリットは四体、残りライフは2なので、フルアタックを掛ければ利家の勝利だが………

 

利家「…ヤイバード!アタック!!」

 

外国人C「フラッシュタイミング!リカオスパーダを神速召喚!召喚時にヤイバードとホムラマンドリルを疲労!!そしてブロック!」

 

手札から飛び出した緑の猟犬がヤイバードに噛みつく。さらにリカオスパーダの緑の光がもう一体のヤイバードとホムラマンドリルを押さえ込んだ。

 

二体のバトルは同じBPなこともあり両者爆発して終わった。

 

利家「ぐ…ターンエンド…!」

 

外国人C「…!…メインステップ!青の粉砕!緑の台風!鳥獣烈神ガルード!!颶風高原の効果でコア五個を!」

 

青のシンボルに緑の風が巻きついていく…そして弾けたシンボルから白い翼に青い体の鳥人が出現する。ガルードも暴風を持ち、その数は……5…!!

 

利家「…一気に五個もかよ!?」

 

外国人C「アタックステップ!ガルードでアタック!フラッシュタイミング!ストームアタック!!ガルードを回復させる!」

 

利家「ライフで受ける!」

 

外国人C「ガルードの効果!ブロックされなかったので、相手のデッキを十二枚破棄!!」

 

ガルードが強靭な拳で利家のライフをぶち壊す。そしてガルードの羽ばたきが利家のデッキを十二枚も吹き飛ばしてしまった。

 

外国人C「回復したガルードで再アタック!!」

 

利家「…ちぃ!ライフで受けるしかねぇ……!」

 

ストームアタックの効果で回復したガルードが再度利家のライフを破壊してデッキを十二枚トラッシュ送りにさせた。

 

外国人C「はん…ターンエンド!」

 

利家「…この野郎…!!今俺を笑ったな……!!メインステップ!来い!怒れる百獣の王!灼熱の猛き獅子よ!レベル4で召喚!戦国六武将レオンランサー!!

 

ヤイバードとホムラマンドリルが不足コストのために消滅し、利家のフィールドに火柱が上がる。そして天空から頭の剣で火柱を突き破りながら一体の獅子が現れた。

 

外国人C「…戦国…六武将だと!?」

 

利家「アタックステップ!レオンランサー!!…今こそ俺の魂!てめえにくれてやるぜ!……みなぎれ!俺の炎!燃え盛れ!レオンランサー!!うぉぉぉぉぉ!!」

 

利家の雄叫びがフィールドに響き渡り、手のひらのソウルコアが燃えて無くなる。そしてその炎がレオンランサーに力を与える…!!

 

利家「ソウルドライブ!発揮!!BP20000以下のスピリット!全て破壊!!そしてソウルコアを置いたスピリットを破壊したのでライフも貰う!!」

 

外国人C「ぐはぁ…!?」

 

レオンランサーから放たれた炎が外国人カードバトラーのガブノハシとガルードに直撃して跡形もなく燃やし尽くした。さらにガルードにソウルコアが置かれていたことにより、レオンランサーは背中の砲台からミサイルを放ち、ライフを砕く…!

 

利家「さっき俺を笑ったな!?なら笑えよ…!地獄でな!!」

 

爆煙を突き抜けてきたレオンランサーが頭の剣で最後のライフを貫いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外国人D「…面倒だな……」

 

幸村「この国をお前達に荒らさせる訳にはいかない!メインステップ!ドラマル、イクサトカゲを召喚!さらにネクサス!故郷の山に似た山を配置する!」

 

気だるげそうな外国人カードバトラーとは反対に幸村は闘志を燃やしていた。そして幸村は薙刀を構えたブレイドラと小さなトカゲを召喚し、背後に富士山のような山を呼び出した。

 

幸村「ターンエンド!」

 

外国人D「はぁ…メインステップ…魔王蟲の根城を配置…ターンエンド…」

 

外国人カードバトラーが配置したのは緑青連鎖に採用されている魔王蟲の根城だった。

 

幸村「俺のターン!メインステップ!マジック!ソウルドロー!手札を三枚追加!!アタックステップ!行け!ドラマル!」

 

幸村はソウルコアを使ってソウルドローを使用し、手札を三枚追加する。そしてアタックステップで幸村はドラマルに攻撃を命じた。

 

外国人D「…ライフ…!」

 

ドラマルが突進しながら薙刀を相手のライフに突き立てた。だが幸村の手札にはバーストが無いようで、積極的なアタックはしたくないようである。

 

幸村「…ターンエンド」

 

外国人D「…メインステップ…異魔神ブレイヴ…海魔神!召喚時効果で殻人スピリット…甲殻剣士ラミニフェンサー…!異合スピリット…水星神龍メルクリウス・サーペント!海魔神と合体!」

 

フィールドに形成された海からタコのような魔神が沸き上がってきた。さらに海魔神の効果で肩にクワガタのアゴのような鎧を着けた剣士と翼を生やしたリュウグウノツカイを呼び出した。

 

幸村「合体するスピリットを…一度に…!?」

 

外国人D「アタックステップ…メルクリウスでアタック!」

 

幸村「ダブルシンボルか…ライフで受ける!」

 

空中を泳ぐように飛んできたメルクリウスが青いビームで幸村のライフを二つ破壊した。

 

外国人D「…ターンエンド…!」

 

幸村「…メインステップ!燃え上がれ!猛き龍よ!熱き武士の魂で天を切り裂く炎となれ!召喚!剣豪龍サムライ・ドラゴン・天!!レベル2だ!!」

 

炎のエネルギー龍が幸村のフィールドに落ちて炎を巻き上げる。そして武士姿のドラゴンが背中の二刀を引き抜いて大きく構えた。

 

幸村「アタックステップ!アタックだ!サムライ・ドラゴン・天!!無限刃発揮!疲労することなく相手スピリットを指定アタック!!勝負だ!ラミニフェンサー!!」

 

外国人D「…こちらの方がBPは上だぞ…?」

 

天が頭の鎧を天の形に展開させてラミニフェンサーめがけて突っ込んでいく。だが海魔神と合体したラミニフェンサーのBPは11000。BP7000の天は逆にラミニフェンサーの剣に弾き飛ばされる。

 

幸村「天をなめるな!フラッシュタイミング!マジック!ソウルオーラ!天にBPプラス6000!!合計13000だ!!」

 

フィールドに現れたカードから赤いビームが伸びると天に吸収される。そしてパワーアップした天は二刀流でラミニフェンサーを切り裂いた。

 

幸村「続けてメルクリウス!」

 

 

ラミニフェンサーを破壊した爆煙を突っ切って天がメルクリウスに斬りかかる。すれ違い様に一閃!メルクリウスは三枚におろされて爆発した。

 

幸村「ドラマルとイクサトカゲでアタック!!」

 

外国人D「…ライフで受ける!」

 

回復している天の両脇からドラマルとイクサトカゲが飛び出してライフを一つずつ破壊していった。

 

幸村「ターンエンドだ!」

 

外国人D「…これは…本気でいかないとヤバそうだ…メインステップ!ガンナー・ハスキー!さらに異海神ディスト・ルクシオンを召喚!!海魔神と合体しろ!」

 

少し真剣な顔つきになった外国人カードバトラーは体からスナイパーの腕が生えた猟犬と青い首長竜を召喚する。そして海魔神がディスト・ルクシオンに力を注ぎ込んだ。

 

外国人D「アタックステップ!ディスト・ルクシオン!やれ!アタック時効果!ドラマルを破壊!」

 

幸村「…仕方ない…!ブロックだ!天!!」

 

 

ディスト・ルクシオンが雷でドラマルを破壊し、幸村のライフを砕かんと襲いかかる。しかし天が剣をクロスさせて受け止めようとしたが、BPの差でそのまま貫かれてしまった。

 

外国人D「ターンエンド!」

 

幸村「……メインステップ!!見せてやる!俺の魂の炎を!!バーストをセット!!そして爆炎の起導士イザナを召喚!!召喚時効果で起導する!!」

 

幸村のフィールドに陰陽師姿のドラゴンが現れ、腰の剣を抜刀する。すると幸村のバーストが炎の龍に変わって大空に舞い上がった。

 

幸村「うぉぉぉぉぉ!!燃え上がれ!熱き魂の龍よ!あらゆる炎を統べる皇となれ!!召喚!!戦国龍皇バーニング・ソウルドラゴン!!バースト効果でトラッシュのコアを全て追加する!!」

 

炎の龍が徐々に実体を持つドラゴンになると、二本の槍を振り回しながらフィールドに舞い降りる。そして二本の槍を一本の三叉槍に変化させて切っ先を相手に向けた。

 

外国人D「コアを…全回収だと!?」

 

幸村「アタックステップ!行け!バーニング・ソウルドラゴン!アタック時効果!真・連刃!!発揮!!ソウルコアをトラッシュに置いて、相手スピリット二体を指定してバトルできる!勝負だ!ガンナー・ハスキー!ディスト・ルクシオン!」

 

バーニング・ソウルドラゴンが三叉槍から赤い衝撃波を放ち、ガンナー・ハスキーとディスト・ルクシオンにぶつける。その二体は向かってきたバーニング・ソウルドラゴンを迎え撃とうとするが、ガンナー・ハスキーは火炎放射で焼き尽くされた。

 

幸村「うぉぉぉぉぉ!!燃えろ!俺の魂!燃えろ!バーニング・ソウルドラゴォォォン!!!」

 

幸村の声に呼応するかのようにバーニング・ソウルドラゴンが炎を三叉槍に纏わせる。そして向かってきたディスト・ルクシオンを突き刺して空に飛ばすと、回転しながら一閃!!大爆発!!

 

幸村「破壊したスピリットの数だけ相手のライフを破壊!!俺の勝ちだぁぁぁ!!」

 

最後にバーニング・ソウルドラゴンは再度槍を二本に分離させて外国人カードバトラーの残りライフを破壊し尽くした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ちょうどブレイヴの時環境にいたデッキの一つ…颶風ガルード…そりゃトシさんも地獄級にキレるわ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

大老の威厳

バトスピ背景世界が更新されましたが……まさかのヘファイストス三章で登場!!造兵の創界神とは読み通りです。意外だったのはレベル2無しで召喚時効果を封じる神域でしたね…まぁキャッスル・ゴレム対策でしょう…


幽々子「ファァァァ…さっさと始めましょ…」

 

外国人E「…メインステップ!クーリンを召喚!召喚時効果!増食!デッキを二枚オープン!その中のコスト3以下の漂精スピリットを召喚する!」

 

こちらでも始まったバトル……幽々子とバトルを始めた外国人カードバトラーはフーリン似のスピリットを召喚してデッキをめくる…スイートシンフォニー…ハムタン…

 

外国人E「その中のハムタンを召喚!ターンエンド」

 

クーリンの隣にハムスターの格好をしたペンタンが現れる。早速『増食』を展開していっているようだ。

 

幽々子「あら…美味しそうなスピリット…ジュルリ…メインステップ。咲き誇れ!創界神アプロディーテ!トラッシュに送った対象が三枚なので3個、コアを置くわ」

 

アプロディーテ《…幽々子…よだれ出てるわよ…》

 

食べ物のスピリットに食欲が刺激されたのか、よだれを流している幽々子に現れたアプロディーテが突っ込む。

 

幽々子「…そして舞華ドロー!ハムタンのBPマイナス3000!BP0になったので破壊!さらにドロー!…これで終わりよ」

 

アプロディーテの突っ込みを無視して幽々子は舞華ドローでハムタンを破壊して一枚ドローする。そして使用コストにソウルコアを使ったことにより、舞華ドローが手札へと戻った。

 

外国人E「マジックデッキか…メインステップ!果物人オレンジオを召喚して増食!!デッキを二枚オープン!」

 

今度はオレンジの妖精がデッキをオープンする…果物女王マンゴスティナ…No.14ゴッドアップルリバー…!!

 

外国人E「よっしゃ!ゴッドアップルリバーは自身の効果で配置!そしてマンゴスティナを召喚だ!そのまま行ってこい!」

 

増食でオープンされたので、ゴッドアップルリバーがノーコストで配置されると『増食』のキーカード…マンゴスティナがそのまま攻撃していった。

 

幽々子「…いただき…ライフで受ける!」

 

…幽々子様…食べることにどれ程……そんな幽々子のライフを回転したマンゴスティナが破壊する。

 

外国人E「ターンエンド!」

 

幽々子「…まずいわね……お腹空いてきたわ…メインステップ!神華の魔女妖精ガーデニアを召喚!召喚時効果よ。デッキから四枚オープンするわ」

 

アプロディーテ《……もーいやー……》

 

アプロディーテがツッコミを放棄するなか幽々子は銀髪の魔女妖精を召喚する。ガーデニアは四枚オープンした中の創界神or楽族カードを一枚回収し、【華】マジックを好きなだけフィールドに置けるのだ。

 

アプロディーテ《…アイリスフィールド…アレックス…ガーデニアフィールド……あら!ベラドンナフィールド!》

 

幽々子「この中のアイリスフィールドを手札に加えて二枚の【華】マジックをフィールドに!残りはボトムへ。さらに舞華ドロー!マンゴスティナを破壊!」

 

幽々子のフィールドが白と紫の花畑へと変化してさらに花吹雪が舞い始める。その花びらにマンゴスティナは包まれ破壊された。

 

幽々子「バーストセットしてターンエンド♪」

 

外国人E「ちぃ…マンゴスティナが……メインステップ!もう一体オレンジオを召喚!増食!!」

 

外国人カードバトラーはめげずにさらにオレンジオを召喚したが、制限カードを破壊されてしまったのはかなりの痛手だ。

 

だがオレンジオの増食でめくられたのは……砲天使カノン…果物王ドリアルバ27世…!!

 

外国人E「…へへ!召喚!果物人の王!果物王ドリアルバ27世!!アタックステップ!まずはオレンジオでアタック!」

 

フィールドにボトボトと小さな果実が降ってくると、それが一つに合体して巨大なドリアンの果物人になる!そして隣のオレンジオが飛び出していった。

 

幽々子「…その手はおいしくないわ。ライフで受けて…バースト発動!神華の妖精女王マリーゴールドのバースト効果を使うわ!フィールドのマジックの効果を発動よ…ベラドンナフィールド!相手スピリットを全てBPマイナス12000!!そしてBP0のスピリットを破壊するわ!」

 

幽々子は扇子を広げながらバーストを発動させて黄色いドレスを纏った妖精女王を呼び出す。さらに幽々子がその場でクルッと舞うとマジックが放たれ、バトルフィールドの花畑に青い華が加わる。その花びらが外国人カードバトラーのスピリット達の力を奪い、破壊していった。花吹雪が収まると……

 

外国人E「全滅…だと!?…ターンエンド…」

 

幽々子「そろそろデザートも終わりね。メインステップ!美しく舞い……相手を散らしなさい!神華霊姫ダリア・ムーンワルツ!!レベル2!さらに黄魔神を手札から合体させるわ!」

 

幽々子のフィールドに巨大なつぼみを着けた植物が生えてくる。そしてその華が開花して薄紫の花びらと共に中からひときわ大きな妖精が現れた。

 

さらにムーンワルツの後ろから黄色い魔神が力を注ぎ込む。するとムーンワルツの体が薄ピンク色に変化し、右手に優雅な扇子を出現させた!

 

幽々子「アタックステップ!ダリア・ムーンワルツ!舞いなさい!!」

 

外国人E「フラッシュタイミング!スイートシンフォニー!バトル終了後、ライフが2以下ならアタックステップを終わらせる!!」

 

飛び出したムーンワルツの背後に黄色のカーテンが降りて、追撃を妨害するが……フィールドの花畑の花びらがファァァっと散り始めた。

 

幽々子「無駄よ…ダリア・ムーンワルツの効果!コスト4以下のカードを使用した時、私のフィールドのマジック二枚を除外することで、直ちにその効果を打ち消すわ!」

 

舞い散る花びらを幽々子が扇いで相手に浴びせる。それにより二人の間にそびえていた黄色のカーテンが粉々に砕け散った。

 

外国人E「…な…ライフで受ける…」

 

ムーンワルツが扇子からピンクの蝶型のエネルギー弾を連射してライフを一気に四つ粉砕する。

 

幽々子「…ごちそうさまでした…!ガーデニア!」

 

続いてアタックしたガーデニアが最後のライフを光線で破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

外国人F「…たく…とっとと決めさせて貰うぜ、おばさん」

 

神奈子「…ブチィ…貴様は私に暴言を吐いた…叩き潰す…!…メインステップ!天騎士ナミテントウを召喚…!コアを自身に置いて、デッキを四枚オープン……」

 

不用意な外国人カードバトラーの失言にキサマムッコロス!状態になった神奈子はてんとう虫の騎士を召喚してコアと手札を補充する……巨蟹神刀カニキリ…創界神アレス…大樹茂る天守閣…デルタバリア…!

 

神奈子「創界神アレスを回収してそのまま配置…!!神託で三枚をトラッシュに…対象が二枚…コアを二つアレスに追加。ターンエンド」

 

アレス《…り、了解…出撃する…》

 

増えたコアを使って回収したアレスを呼び出す神奈子。現れたアレスはパッと見普通だが、声が少し上ずっていた。

 

外国人F「…メインステップ。探索機人ジラフを召喚。召喚時効果で手札の赤魔神をオープンして手元に置くことで、コアブースト」

 

神奈子に対して外国人カードバトラーはキリンの機人を召喚してコアを増やしていく。

 

外国人F「ターンエンド」

 

神奈子「…あぁ…あのデッキか…メインステップ!アレスの甲殻神殿を配置!配置時効果でコアをリザーブとナミテントウに!怪虫の大皇帝!黒蟲魔王ディアボリカ・マンティス!!ナミテントウを消滅させてレベル2で召喚!」

 

神奈子の背後に蜂の巣の形をした神殿がそびえると、地面がひび割れて巨大な大鎌が這い出してくる。そして地面を砕いて大きなカマキリが飛び出してきた。

 

神奈子「アタックステップ!ディアボリカ・マンティスでアタック!!まずはスピリット一体疲労!!」

 

外国人F「ライフで受ける!」

 

神奈子「ディアボリカ・マンティスレベル2の効果!ライフを減らしたとき、追加でもう一点貫通!!」

 

ガサガサと走り出したディアボリカ・マンティスが放った鎌のクロスカッターがライフを合計二つ破壊した。

 

神奈子「…ふん…!ターンエンド!

 

外国人F「…まず…メインステップ!No.28ソルジャーストアハウスを配置!配置時の効果で四枚オープン!!」

 

さすがに神奈子の殺気を感じて背後に白い光に照らされた要塞を配置する。そして配置時効果でデッキをサーチしていく……緑魔神…己械王ブライオン…ブライバスター…侵されざる聖域…

 

外国人F「ソウルコアを召喚コストに使用したので、緑魔神とブライオンを手札に加える。そしてもう一体探索機人ジラフを召喚!手札の緑魔神を手元に置いてコアを追加!ターンエンド」

 

外国人カードバトラーは新しいジラフを呼び出してターンを終了する。レベル2のジラフは疲労ブロッカーなので、攻撃しても良かったのだが……神奈子の威圧感に怯んだのか……?

 

神奈子「…小僧が……メインステップ!バーストをセットし、バグズリバースを使用する。手札を全て破棄して殻人を捨てたので、相手の手札/手元の数だけドロー!」

 

神奈子が捨てた跳騎士クルバッタが緑に輝く。そして相手の手札/手元…合計五枚をデッキからドローした。

 

神奈子「アタックはしない…ターンエンド」

 

外国人F「メインステップ!唸れ!機械の獅子!己械王ブライオン!!そして白魔神を召喚して合体!!召喚時効果でネクサスをデッキ下に戻す!」

 

バトルフィールドの上空から一体の戦闘機が飛んでくる。そしてライオンのロボット人に変形すると現れた白魔神の力を吸収した。

 

外国人F「アタックステップ!ブライオンでアタック!ブライオンの効果で手元の異魔神の色/シンボル/合体時効果を得る!赤魔神の効果でドロー!緑魔神はコアブースト!白魔神でディアボリカ・マンティスをバウンスする!」

 

ブライオンが異魔神の力を使って次々とアドバンテージをとっていく。そして今のブライオンのシンボルは七つ…このアタックが通れば負けである。

 

神奈子「無駄だ…!フラッシュタイミング!マジック!デルタバリア!!ライフで受ける!ライフ減少によりバースト発動!ジラフ一体を疲労させて破壊!そしてこのまま召喚…世界を呪う虫の魔王…大甲帝デスタウロス!!

 

アレス《…神奈子…落ち着け。もう声がヤバイぞ…》

 

ブライオンの全力のビームは毎度お馴染み銀色の三角バリアでライフを一つ残す。さらにバーストから紫の悪魔の姿になったキングタウロスがジラフを破壊しながら現れた。

 

だがブライオンは持ち前の超装甲でなんとか耐えきった。

 

外国人F「げげ…ターンエンド…

 

神奈子「メインステップ!蝶の翼持つ守護神!終焉の騎神ラグナ・ロック!!召喚時にコア六個を追加……勝利をもたらす甲殻の神…!殻神騎士ナイト・オブ・グラディウス!!

 

アレス《…女って…アプロディーテといいアテナといいお袋といい……こえぇな…》

 

緑と白のシンボルがぶつかり合い、蝶の羽を持った巨大な騎士…そしてアレスが突き刺した旗を掴んで緑の騎士がフィールドに並び立った……そして神奈子の怒りがマックスに到達する…!!

 

神奈子「アタックステップ!アレスの神域!ラグナ・ロックとグラディウスで同時アタック!ラグナ・ロックは回復し、グラディウスの界放を使うぞ…!

 

アレス《…了解…グラディウスに俺のコア二つを置いてジラフを重疲労させ、ライフを一つ破壊》

 

ジラフがグラディウスの斧から放たれた衝撃波にジラフがひっくり返る。さらにグラディウスが投げた斧がライフを一つ破壊した。

 

外国人F「…フラッシュタイミング!リミテッドバリア!コスト4以上のアタックではライフは減らない!!」

 

神奈子「…小賢しい…!手札の歴戦騎士ドルク・エヴィデンスの効果だ…アレスを疲労させてマジックを打ち消す!そしてそのままノーコスト召喚する!

 

並んで飛んでいたラグナ・ロックとグラディウスの前に銀色の防壁が展開されるが、緑の殻人騎士が粉々にぶち壊した!

 

外国人F「んな!?」

 

神奈子「神の怒りを喰らいな!

 

ラグナ・ロックの剣とグラディウスの斧がクロスして残りのライフを奪い去った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

最近、手札の効果を打ち消すカードが増えたような気がします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

不安と殴り込み

…寝坊したぁ~!!


早苗「不法入国はNGです!この私が成敗致します!」

 

外国人G「やれるもんならな!メインステップ!ネクサス!海帝国の秘宝を配置!ターンエンドだ!」

 

早苗が自信満々に宣言するなか、二人のフィールドに青い玉座に置かれた赤い宝玉が現れる。

 

早苗「青…しかも初手秘宝とは……厄介ですね…メインステップ!大海の王者!創界神ポセイドン!いつもの神託!コアを一つ置きます!!さらにビヤーキーを召喚!」

 

ポセイドン《省略しよったぞ…》

 

早苗は張り切りながらポセイドンと青いトンボ人を召喚する。

 

早苗「ターンエンド」

 

外国人G「メインステップ!まずはストロングドロー!三枚ドローしたあと二枚棄てる!続けてマントラドロー!さらに三枚ドローからの二枚破棄!」

 

外国人カードバトラー連続で手札交換マジックを放つ。これでデッキから六枚ドローし四枚を破棄することになったが…破棄したなかの一枚が青く輝いていた…

 

外国人G「ここで破棄した癸の爆獣グリズクラッシュの効果発揮!手札から破棄されたとき、ノーコストで召喚する!そしてそのままアタックだ!」

 

早苗「ええΣ(Д゚;/)/!?ら、ライフで受けます!!」

 

トラッシュに落ちた金色の鎧を着たグリズリーが現れると、走り出して早苗のライフを叩き割った。

 

外国人G「ターンエンドだ!」

 

早苗「…まさかこんな早くから高コストスピリットが……メインステップ!重殻人マキシムスと異海獣アビスシャークをどちらもレベル2で召喚!ビヤーキーの連鎖でコアを増やします!!」

 

驚きながら早苗は異合を持つ殻人…マキシムスと青いサメ…アビスシャークを召喚する。ビヤーキーの効果で破壊できるスピリットはいなかったが、緑連鎖でコアを確保した。

 

早苗「ふっふーん!さらにレチクル・アームズを召喚!召喚時効果でデッキを三枚破壊します!!そしてアビスシャークとマキシムスに合体です!」

 

その勢いのままスコープの腕を持ったロボットを呼び出して二体と合体させた早苗はデッキ破壊へと舵を切った。

 

早苗「アタックステップ!青の手札交換マジックを使うなら底は浅いはず!まずはアビスシャークでアタック!!合体時効果で三枚ドローして二枚破棄します!」

 

ポセイドン《よし!そしてレチクル・アームズの粉砕も発動だ!二枚を貰うぞ!》

 

外国人G「デッキ破壊…!?ライフだ!」

 

レチクル・アームズが左腕のライフルで外国人カードバトラーのデッキを二枚破壊する。アビスシャーク自身も噛みついてライフを砕いた。

 

早苗「へへーん!ひとまずターンエンド!」

 

外国人G「異合でデッキ破壊とは…だがここまでだ!メインステップ!マジック!デッドエンドフィールド!!これでお互い効果でコアを増やせず、デッキは破壊されない!!」

 

二人のフィールドに紫色の魔方陣が展開される。これで早苗はデッキ破壊効果を使えなくなってしまった……

 

早苗「…ま、まぁ…こっちには除外効果が……グレート・オーシャンがないと…」

 

ポセイドン《落ち着け…!まずは冷静に考えることだ…!》

 

外国人G「さらにマジック!湧力招海!今度は二枚ドローして一枚破棄する!そして召喚コストにソウルコアを使ったので連鎖を持つスピリットを一体破壊するぜ!」

 

おろおろする早苗に追い討ちをかけるかのように外国人カードバトラーは手札を交換したあと、連鎖を持つスピリット…アビスシャークを水流で押し流してしまった。

 

外国人G「ターンエンド!」

 

早苗「…スゥゥゥ…ハァァァ…よし、落ち着いた…この状況を打開するには……①ビート戦法に切り替える。②交換破壊でデッドエンドフィールドを除去する。③除外効果で無視する。④どれもできない、現実は非情である。」

 

ポセイドン《…④はまずいだろう…ともかくどの選択肢も良いカードを引かんと》

 

早苗「…こいこいこいこい……グリズクラッシュを破壊できるトリアイナ!エナリオス!それかサーチできるゴッドシーカー!!こいこいこいこいこいこいこいぃぃぃぃ…!!」

 

もうどこかの神が降臨してしまうほど祈った早苗はデッキからドローする…!!そのカードは……!!?

 

早苗「…メインステップ…バーストセット…ターンエンド…」

 

ポセイドン《…ドンマイ…ヽ(´・∀・`)ノ…》

 

……ハズレだとはっきりわかる表情……そのままバーストだけでターンを終えてしまうほどの引きの悪さだったようである……

 

外国人G「貰った!メインステップ!青魔神を召喚!召喚時効果でコスト3以下のビヤーキーを破壊!異魔神を召喚したことにより、トラッシュからこいつらをノーコストで復活させる!!蘇る龍騎士!魔神龍騎ガルデア!三体まとめて召喚!!」

 

早苗「…へ…三体ぃぃ!?」

ビヤーキーを青いビームで破壊した青い巨大異魔神のまわりに紫の霧が立ち込める。その霧が振り払われ、そこからドラゴンに乗った龍騎士が三体現れた。

 

外国人G「そして青魔神を二体のガルデアに合体!!アタックステップ!ガルデアで合体アタック!青魔神の効果で二枚手札交換!!そして新しいグリズクラッシュを召喚だ!」

 

早苗「…このライフは渡しません!弾様直伝!!マジック!デルタバリア!!ライフで受ける!」

 

青魔神の手札交換が別のグリズクラッシュを呼び出し、ガルデアの一体が槍を早苗のライフめがけて投げつける。しかし直前に早苗が張った銀色の三角バリアがダメージを軽減させた。

 

外国人G「…まぁいい。ターンエンド」

 

早苗「…まずい……この手札じゃ……次のドローで何か引かないと……ハッ…そうだ!こんなときにこそ……弾様のお守りぃぃぃぃ!!!」

 

早苗がハイテンションで懐から取り出したお守り…それは例の弾様教のお守りである。それに早苗は頭を着けて深々と祈りを捧げた…

 

早苗「弾様…お力を…!ドローステップ!!」

 

ポセイドン《……どうだ…?》

 

早苗「…ふふふ!メインステップ!マキシムスをレベル3にアップ!!そしてアタックです!!」

 

ドローしたカードを見て今度はニヤケながらマキシムスをアタックさせる。合体しているレチクル・アームズの粉砕は不発だが……

 

外国人G「…!?一体何を…!?」

 

早苗「…弾様…参ります!マキシムスに煌臨!!相棒と紡ぐ奇跡の炎!大空に広がる希望の腕!仮面ライダーオーズ タジャドルコンボ(最終回ver.)!!

 

ポセイドン《おお!そいつだったか!!》

 

のっしのっしと歩いていたマキシムスが赤い炎に包まれる。そしてその姿が細く人間に近くなり、手足には赤いアーマーを纏っていく…そして最後に背中から六枚の羽を大きく広げ、大空へ舞い上がった!

 

早苗「…最終回は泣けましたねぇ……煌臨時効果!デッキの上から煌臨元が七枚になるように追加して、その合計コストまで相手のスピリットを破壊します!!」

 

タジャドルコンボの胸の紋章が浮き上がると、左腕に赤い盾…タジャスピナーが装着される。続けて早苗のデッキからカードが六枚オープンされてタジャスピナーに吸収されていく…

 

…装填されたカードは…重殻人マキシムス(8)ジークフリード・エナリオス(9)神海賊 新米船長ドルフィリポス(3)神海賊船カリュブデス号ー女神顕現ー(10)パニッシュメントポセイドン(5)鉄の覇王サイゴード・ゴレム(8)

 

早苗「よって合計コスト43まで破壊!セイヤァァァ!!」

 

エネルギーを充填したタジャドルコンボの体が鳥型の炎に包まれ、そのままバトルフィールドめがけて突っ込む。その強烈な熱波で外国人カードバトラーの回復状態のガルデアとグリズクラッシュ二体は大爆散した!!

 

外国人G「…まさか…一撃で…ライフだ!」

 

その勢いのままタジャドルコンボがライフを砕く。効果破壊をしたので、デッドエンドフィールドも効力を失った。

 

早苗「さらに煌臨元を破棄して回復!再び舞い上がれ!」

 

外国人G「ら、ライフ!!」

 

タジャドルコンボがタジャスピナーから火炎弾を連射してライフを破壊していく。

 

早苗「煌臨元を棄てて回復!アタック!!」

 

外国人G「…仕方ない…フラッシュタイミング!アクセル!機巧武者Eーナオマサ!アタックステップはここまでだ!!」

 

再び回復したタジャドルコンボが膝と爪先から鳥の爪のような刃を出してそのまま両足キックを叩き込もうとする。だが外国人カードバトラーはアクセルで更なる追撃を妨害しようとした……

 

早苗「ポセイドンのレベル1からの神域!相手が手札のカードを使用した時、コア四個をボイドに置くことで無効化します!!」

 

ポセイドン《オーズに我輩とは……どこか因果を感じるな》

 

Eーナオマサの防御シールドをポセイドンが水の弾丸を放ってぶち壊すとタジャドルコンボの両足キックがライフを壊す。

 

外国人G「ぐわぁ!?」

 

早苗「煌臨元を破棄!よって回復!!これで決めます!!ロストブレイズ!!」

 

バトルフィールド上空から放たれたタジャスピナーの紫のメダル七枚による炎を纏ったエネルギー弾が放たれた!!

 

 

 

 

 

 

外国人H「…たく…俺達はお前らに関わってる暇ないんだが…」

 

蓮子「…悪いけど…私もあなたに時間を使ってる暇はないの。メインステップ!マジック!キャンサーシェル!デッキから二枚オープンするわ!」

 

外国人カードバトラーのセリフに冷淡な言葉を返した蓮子はキャンサーシェルを使用した。それにより蓮子のデッキが二枚オープンされる…そのカードは太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX、バーニングサン

 

蓮子「ライジングを手札に!バーストをセットしてターンエンド!」

 

外国人H「ち…メインステップ!グラディエータードラゴンを召喚!召喚時効果でデッキより五枚オープン!!」

 

今度は外国人カードバトラーが剣と盾を持ったドラゴンを召喚してデッキをめくる…五賢龍帝ピウス…五賢龍帝ハドリアヌス…彷徨う天空寺院…魔帝龍騎ダーク・クリムゾン…絶甲氷盾…

 

外国人H「その中のダーク・クリムゾンを手札に!ターンエンド」

 

蓮子「……メインステップ!アポローンを配置して神託を発揮!コアを二つ追加!さらに聖星使ジェミニックを召喚するわ!」

 

相手のスピリットに少し眉をひそめた蓮子は背後にアポローンを呼び出すと、続けてフィールドにジェミニックを召喚した。

 

蓮子「アタックはしないわ。ターンエンド」

 

外国人H「動かないか…メインステップ!バーストをセット!さらに暴龍王ネロ・ドラグディウスを二体召喚する!」

 

グラディエータードラゴンの隣にまるでローマ帝国の偉い人が来ている服をしたドラゴンが連続で現れる。これで龍帝スピリットの召喚準備が整ったことになった。

 

外国人H「ひとまず次のターンだ…ターンエンド」

 

蓮子「…メインステップ!樹星獣セフィロ・シープと鋼鉄双士ジェミニコスを召喚!召喚時効果でコアを増やす!」

 

動揺が垣間見える外国人カードバトラーと違い、淡々と蓮子はセフィロ・シープとジェミニコスを召喚してコアブーストしていく。

 

蓮子「アタックステップ!セフィロ・シープで攻撃!!フラッシュでアポローンの神技!!ネロを破壊してワンドロー!!」

 

外国人H「スピリット破壊によりバースト発動!!BP10000以下のジェミニコスを破壊して配置!大龍城・本丸だ!」

 

アポローンがコアをエネルギーに変換した矢を放って一体のネロを撃ち抜いた。しかしカウンターでバーストから城のドラゴンがそびえ立ち、ジェミニコスを吹き飛ばした。

 

外国人H「セフィロ・シープのアタックはライフで受ける!」

 

バトルフィールドを駆け抜けたセフィロ・シープが突進してライフを破壊した。

 

蓮子「…ふーん…ターンエンド」

 

外国人H「メインステップ!ネロを疲労させることで、コストをマイナス3する。龍騎士の団長!その槍は悪魔をも突き殺す!魔帝龍騎ダーク・クリムゾンを召喚!!召喚時効果で七枚オープンする!その中の龍帝スピリットをノーコスト、転召なしで呼び出す!!」

 

フィールドの上空に赤シンボルが昇っていくと、黒い雲から槍を携えた漆黒のドラゴンが降りてきた。さらにデッキが次々とオープンされていく…

 

…グラディエータードラゴン…五賢龍帝アウレリウス…五賢龍帝ネルウァ…ソウルドロー…五賢龍帝ハドリアヌス…魔龍帝ジークフリード…カメレオプス…!!

 

外国人H「召喚!!ネルウァ!ハドリアヌス!アウレリウス!そして…魔龍帝ジークフリード!!ハドリアヌスはレベル2だ!」

 

地面からバトルフィールドに現れる皇帝の姿をしたドラゴン達…そして最後に黒いジークフリードが現れ、大きく天に向かって吠えた。

 

蓮子「そっちの召喚時効果はこっちのバーストのトリガーよ!闇星魚ピスケ・ガリオット!ダーク・クリムゾンのコアを全てリザーブに!その後レベル2で召喚!」

 

外国人H「ハドリアヌスレベル2の効果で五賢龍帝達を最高レベルに!アタックステップ!ネルウァでアタック!!」

 

ダーク・クリムゾンをカウンターで消滅させた蓮子はそのままピスケ・ガリオットを呼び出す。だが外国人カードバトラーは怯まずにネルウァをアタックさせた。

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

外国人H「ダブルシンボルだ!」

 

ネルウァが手にもった杖を叩きつけ、蓮子のライフを二つ砕いた。

 

外国人H「アウレリウス!続け!!アタック時効果でピスケ・ガリオットを破壊する!」

 

蓮子「その効果を待ってたわ!ピスケ・ガリオットの破壊時効果!トラッシュより光導スピリットを蘇らせる!戻りなさい!ジェミニコス!!」

 

アウレリウスがピスケ・ガリオットを掴んで地面に叩きつけて破壊する。しかしその破片が煙になって辺りを漂うと、そこからジェミニコスが復活した。

 

蓮子「アウレリウスのアタックはライフよ!」

 

だがアウレリウス自体の攻撃は止められず、赤と紫の光線が蓮子のライフをさらに二つ破壊した。だがジェミニコスの復活により蓮子はギリギリブロッカーが足りることとなった。

 

外国人H「…今フルアタックを仕掛けても勝てない…ターンエンド」

 

蓮子「…片付けますか……メインステップ!駆け上がれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!レベル3で召喚!!」

 

相手のターンエンドに勝ちを確信した蓮子はライジング・アポロドラゴンを召喚すると…手札のブレイヴカードを手に取った。

 

蓮子「続けて武装鳥スピニード・ハヤトを召喚!コストはセフィロ・シープから確保。そしてスピニード・ハヤトを太陽神龍ライジング・アポロドラゴンXに合体!!貫け!合体スピリット!!」

 

フィールドに降り立ったライジングの隣に現れた尾羽が槍の猛禽鳥がライジングの背中に合体する。そしてその尾羽が前に移動し、ライジングの腕にも鋭い刃がついた籠手が装着された。

 

蓮子「アタックステップ!スピニード・ハヤトの効果で赤を指定し、魔龍帝ジークフリードに合体アタック!!」

 

翼から緑のエネルギーを放出しながら飛び出したライジングがジークフリードに突っ込んでいく。ジークフリードはその豪腕を振るうが、ヒラリとライジングはかわして籠手の刃で切り裂いて破壊した!

 

蓮子「スピニード・ハヤトの効果でライジングは回復!!さらに星界放を使用!ハドリアヌスを破壊してライフ二点貫通よ!」

 

アポローンのコアをエネルギー源にしてライジングが緑の光線を発射する。そのビームがハドリアヌスごとライフを吹き飛ばした。

 

外国人H「ぐぉぉぉ…!」

 

蓮子「合体スピリット!もう一度アタックしなさい!今度はアウレリウスに指定アタック!」

 

アウレリウスに次の照準を合わせたライジングは猛スピードで接近すると、回転をかけた踵落としを脳天にお見舞いした。そのとてつもない衝撃にアウレリウスは地面にめり込んで爆散した!

 

蓮子「ハヤトの効果で再度ライジングは回復するわ!そしてネルウァを破壊して三度目のアタックよ!グラディエータードラゴンを指定!」

 

ネルウァと三度目の指定アタックの対象になったグラディエータードラゴンめがけてライジングが背中の槍を連射する。二体はそのまま避けられずに貫かれ、破壊された。

 

蓮子「そしてネロも破壊!フィニッシュ!!」

 

ネロを踏み潰したライジングが緑の炎を纏って相手のライフめがけて全力の回転アタックを叩き込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「蓮子さーん!こっちは終わりましたよ~!そちら…もですね」

 

外国人カードバトラーを拘束した早苗は近くでバトルしていた蓮子に声をかけた。蓮子も外国人カードバトラーをぐるぐる巻きにして隣に突っ立っていたが…その目は鋭いままだった…

 

早苗「…どうかしましたか……?」

 

蓮子「…早苗さん…弾様が以前倒した男…その写真はありますか…?」

 

鋭い顔つきを崩さなかった蓮子が早苗に頼んだこと…たぶんだがこれを頼めるのは霊夢でも魔理沙でも永琳でさえできないことである。

 

早苗「え?…ええと…ゴソゴソ…これですか?まったくひどい人でしたよ~…人類の進化のために大量虐殺を肯定するなんて…」

 

早苗は自分の携帯に入っていた写真を蓮子に見せた。その写真に写っていた男を見た蓮子は少し目を伏せた後、ぶつぶつ呟き始めた…

 

早苗「…れ、蓮子さん…?」

 

蓮子「…………なぜよ…何でこうなったのよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

……ここで蓮子が真実を知りました……このあとどうするのでしょう…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真実の表と裏

…某見た目は子供!頭脳は大人!な名探偵がよく「真実はいつも一つ!!」って言いますが、例え一つでも人によって見える部分は違いますし、同じ面を見ていてもどう感じるかも個人差があります……蓮子から見た彼と弾から見た彼は……

あと今回はかなり東方よりのネタ満載です…つまりバトル無し回だ!


過去 弾が訪れる前のグラン・ロロ 知恵の間 入口

 

 

蓮子《うわぁぁぁ!》

 

蓮子の父《…良い景色だろう?》

 

…時は…蓮子がまだ幼かった頃までさかのぼる。別世界の仕事故にあまり家に帰れなかった蓮子の父はある日蓮子に自分の世界を見せるため、彼女を自身の仕事場へ連れていった。

 

だがそこにあったのは地球儀や仏像…はっきり言って幼い蓮子は退屈という感情しかわいてこなかった(唯一プテラノドンの人形には関心を示したが) なので蓮子の父は部屋の外に出て、外の果てしな~い階段の下に広がるグラン・ロロの世界を見せていた。

 

蓮子《おとーさん、どーして下の世界はバラバラなの?》

 

蓮子の父《ん?…ああ、この世界は六つの世界から成り立っている…蓮子の世界で言えば都道府県のようなものだ。それぞれの世界はそれぞれの個性を持ち》

 

蓮子《へぇ~…あ!何か飛んでる!》

 

蓮子の父《……むぅ……》

 

父の話の途中で蓮子は眼下に広がる世界で飛んでいる…たぶん飛行船だが…ものに気をとられてしまった。それでも蓮子の父は色々なことに際限なく興味を示していく娘の姿を微笑ましく見守っている……

 

蓮子の父《……非常時以外は立ち入るなと…言ったはずだか?…お前ほどの男が忘れることはあるまい…レオン…》

 

???《申し訳ありません。ですがその緊急の用で…》

 

すると突然蓮子の父の目付きが鋭くなり、下の景色を見ている蓮子の隣から大柄の男が階段を上がってきた。その男の登場に蓮子の父はあからさまに不機嫌な表情を見せるが、目で急用の内容を問う。

 

レオン《今しがた、赤の戦士…ジュリアン・ファインズが閣下とのバトルを挑んで来ました…》

 

蓮子の父《ふん…またか…たかがそんなことで俺の娘との時間を奪うつもりか!?ふざけるな!!

 

どごぉぉぉぉぉぉん!!!

 

蓮子《ひっ…!》

 

蓮子の父《……しまった…あ~…悪かった、蓮子。急に怒鳴ったりして…》

 

レオンの報告に返事した蓮子の父の声は知恵の間を揺らすほどの衝撃波と共に放たれる。グラン・ロロを統べる王の怒りにすぐ近くにいた蓮子はすっかり震え上がってしまった。

 

怒鳴ったあとにその事に気づいた蓮子の父はすぐに蓮子の頭を撫で始めるが、蓮子は怯えたまま離れなかった。

 

蓮子の父《…参ったな…レオン、赤の戦士には明日挑戦を受けると伝えろ。俺は少し子守りをしなければならないからな》

 

レオン《はぁ……そうだ、あともう一つ報告が……つい先日…地球で例の》

 

蓮子の父《見つかったか!?》

 

蓮子の抱き抱えながら話していた蓮子の父の声色が嬉々とした色に変わった。先ほどの憤怒の表情とは正反対の顔で問いかけた。蓮子の父が探していたものとは……

 

蓮子の父《…よし、レオン!よくやったぞ!》

 

レオン《いえ、閣下のためです…それでは…》

 

そう言いながら一礼したあと階段を下っていくレオン。それを見送っていた蓮子の父にようやく震えが止まった蓮子が顔を上げた。

 

蓮子《…おとーさん…何であの人のこと睨み付けてたの?》

 

蓮子の父《……おいで…》

 

その言葉にゆっくり蓮子を降ろした蓮子の父は蓮子を再び自分の部屋へ招き入れた。そして蓮子の父がいつも仕事をしている椅子に座ると、静かについてきた蓮子に話し始めた。

 

蓮子の父《…蓮子、少しお前には早すぎるかもしれない…だがいつかこのことを思いだせ……なぜレオンを睨み付けていたか…それはあいつも俺を睨み付けていたからだ》

 

蓮子《……どーゆーこと?》

 

蓮子の父《…いつかはわかる…人間とはそう言う生き物…千年近く経っても全く進歩していない……そしてもう一つ、お前に見せたい物がある》

 

椅子に肘をつきながらぼやいた父の言葉の真意をこの当時の蓮子は理解できなかった。だがこのあとに見せられたものは後の蓮子に記憶に大きく刻まれていた。父の右手の手のひら…そこに浮かんでいたモノ…

 

蓮子《…それなーに?》

 

蓮子の父《これは『マザーコア』と呼ばれるこの世界と蓮子の世界…二つの世界を強く結びつけている秘宝だ。これを持つものこそ、グラン・ロロの王の証。お前は俺の娘、つまりこの力を継承できる権利がある》

 

蓮子《え!?てことは私、王様になれるの!?》

 

父親の堅苦しい話より文中の言葉…『王様』に飛び付いた。その様子に苦笑しながら蓮子の言葉に首を横に振る。

 

蓮子の父《いや、この力を使うには……『夢』が必要だ》

 

蓮子《ゆめぇ~?》

 

蓮子の父《マザーコアは人の思い…何か一つの目標めがけて突き進む人間にこそ、ふさわしいのだ。中途半端で私利私欲に走る者には任せられん》

 

蓮子《…んん~?おとーさんの話っていつもわかんな~い》

 

蓮子の父《……簡単にいえば……『王』には強い夢と…思いやりの心が必要なのだ。強い心で自分より他の人を助けることができる……そんな大人に蓮子はなって欲しい。そうなればお前は真の『王』になることができる》

 

蓮子《わかった!蓮子、絶対王様になる!》

 

やはりほとんどわかってなかった蓮子ののんきな、だが明るい返事に蓮子の父は笑った。しかしその心の中ではこれから進められる計画のことを考え、険しい心情でいっぱいでもあった。

 

蓮子の父《……マザーコアの光主が生まれた今…あの計画を実行するときが来た……これで世界の矛盾は無くなる…戦争も貧困も解決できる……そうだ…蓮子、

 

 

 

お前が君臨する世界は…もっと美しい世界になる…そのために……先立つ父を許してくれ……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 幻想郷 博麗神社 宴会場

 

 

時は現在へと戻り…ここは博麗神社。そこでは絶賛新入り歓迎会が開かれていた…そこでは他の世界に旅立ったメンバーや創界神達も参加している。あとは弾の十二宮のX化が完了すればいいだけなので、もう宴会ムードなのだ。

 

弾「…えー…まだ何人か到着してないんだけど……すぐ来れるそうなので始めるか……先日、幻想郷に動物霊が攻め込んできた異変で傘下に入ったメンバーの歓迎会を開催する。新入りは一言みんなに頼む」

 

萃香「よ!新入り!!」

 

シヴァ《景気よく行けよ~!》

 

袿姫「では私から。知っている方もいますが改めて……我が名埴安神 袿姫。造形を司り、我がゴッド…馬神 弾の忠実なる僕です…以後お見知りおきを…」

 

盃を持った弾が前に立って新入り達に挨拶を促す。同じく盃を持った幻想郷メンバーの前に立った袿姫は恭しく頭を下げた。そして隣にいた埴輪のような(実際埴輪なのだが)女性を前に引っ張り出した。

 

袿姫「さぁ、磨弓。ご挨拶しなさい」

 

???「…あ…あの…杖刀偶 磨弓と申します…袿姫様に作られた埴輪兵長です…

 

ブラフマー《…声ちっせぇ……》

 

オシリス《コミュ障らしい…》

 

上海「あなたも人形ですか?なら仲間ですね!」

 

アリス「へぇ…かわいいじゃない」

 

ヘラ《こっちにきぃなぁ…?》

 

おどおどしながら自己紹介した磨弓を人形三人組は優しく迎え入れた。磨弓も少しビクッとしたが、袿姫に背中を押されておそるおそる三人の近くに座った。

 

???「おいおい!私らと戦ってた時とは大違いのへなちょこだな!おっと失礼、私は勁牙(けいが)組組長の漆黒の天馬(ペガサス) 驪駒 早鬼(くろこま さき)だ!」

 

ホルス《お!黒い翼!お嬢さん、同じ鳥同士…》

 

神子「…!?…くろこま…ですって!?まさか…あの驪駒ですか!?」

 

磨弓が座ったのを見て次に前に出て来たのは黒い翼を生やしたカウボーイの女性だった。雰囲気は一昔前のスケバンのようである。背中の翼を見たホルスは早速ナンパしようとしたが…驚いた神子の声にかき消されてしまう。

 

早鬼「…へ…!!!?…そ、そのお声は…た、た、太子様ぁぁぁ!!!…ズサァァ!!」

 

神子「やはり驪駒でしたか!まさかあなたとここで再開できるとは…いえそれよりも!動物霊を利用して地上に攻め込むとはどういうことですか!!というかそれ以前になぜ畜生界でヤクザの真似事をしているのですか!!」

 

早鬼「ひぇぇ!すいませーん!!」

 

神子の声に振り返った早鬼は感動しながら神子に飛びついた。だが感動の再会はすぐお説教へと変わり、早鬼は神子の前で土下座して謝るはめになった。

 

カグツチ《えっと…二人は知り合いなの?》

 

神子「ええ、この娘は私の愛馬です。昔私を乗せて富士山を越えたことがある神馬なのですよ」

 

ホルス《え!!!?鳥じゃなくて馬!?》

 

ゼウス《なら儂の方が仲間じゃの。早鬼ちゃん、この後》

 

ヘラ《…あ~な~た~?…》

 

神子のカミングアウトにホルスは驚いて後ろに後退り、ならばとナンパに入ったゼウスも暗黒微笑を浮かべたヘラに連行されていった。

 

???「全く……これだから脳筋しかいない勁牙組は……この筋肉バカが失礼しました。私、鬼傑(きけつ)組組長の吉弔 八千慧(きっちょう やちえ)で……ひ…!」

 

純狐「あら~…久しぶりねぇ~…八千慧ちゃん?」

 

アルテミス《なに?また知り合いなの?》

 

神子に引きずられて行った早鬼とは入れ替わりに前に出て来た洋服姿の女性…こちらは清楚という言葉が似合うほど丁寧に自己紹介をしたが純狐の姿が目に入った瞬間、ひどく怯え出した。

 

純狐「たいした知り合いじゃないわ。地上でふらふらしていたときにこの娘が《貴様を食らう!》って襲ってきたからさくっと返り討ちにしただけよ」

 

へカーティア《うわぁ…純狐にケンカ売れるのって創界神ぐらいなのに…》

 

純狐「そしてこの娘、結構策士よ。まぁ、幻想郷に居候させてもらっているからこの娘は私に任せてもらうわ。私なら簡単に押さえ込めるし」

 

早鬼「あはは!!どうした?鬼傑組組長さんよぉ~?」

 

八千慧「うるさいわよ!あんたもこいつにボコボコにされてなさい!」

 

素が出た八千慧と早鬼がぎゃあぎゃあと口喧嘩をしているのを純狐と神子が無理矢理引きずっていく。なんだかんだでこんな感じ(旧友が幻想郷にいたのはまれだが)で新入りは幻想郷に馴染んでいくのだ。

 

幽々子「ただいまぁ~♪」

 

神奈子「ふう…間に合ったか…」

 

妖夢「幽々子様!お帰りなさいませ!!」

 

諏訪子「…神奈子…早苗は…?」

 

ちょうど新入り紹介が終わった時、幽々子と神奈子が帰って来た。もちろん後ろからアプロディーテとアレスも入ってくるが、諏訪子としては神奈子のそばに早苗がいないことが気になった。

 

弾「…隠岐奈…紫の背中に扉の用意を…!!」

 

紫「…え?」

 

隠岐奈「へ…?…!…了解!」

 

クリシュナ《…!!何かくるわよ!》

 

ペルセポネ《ええ!!?敵襲ですか!?》

 

諏訪子の質問に答える前に弾が隠岐奈に指示を飛ばす。最初は隠岐奈も首をかしげたが、すぐ弾の真意を悟り行動する。そして創界神達が何か強大な力を持った者の接近に身構えていたその時…!

 

ドッカァァァァアン!!

 

椛「隠岐奈さん!!」

 

隠岐奈「オープン・ザ・ドア!!」

 

紫「…きゃぁぁぁぁ!?」

 

アテナ《私が時間を稼ぎます!》

 

ツクヨミ《…私も行くぞ!》

 

その轟音と共に宴会場の入口の扉が吹き飛んだ。そしてそこから入ってきた人物を持ち前の千里眼で誰よりも先に見ていた椛が隠岐奈を呼ぶ。

 

準備万端で待機していた隠岐奈は早速紫の背中の扉を開いて自らの領域…後戸の国へと引きずり込む。そして時間稼ぎのためにオリンとアマハラ屈指のカードバトラーのアテナとツクヨミもあとに続いた。

 

二人が扉に飛び込んで、扉が閉まった間一髪で宴会場にずかずかと上がり込んで来たのは……早止めようとしている早苗を引きずっていた蓮子だった。

 

早苗「…ズルズル…蓮子さん!少し落ち着いてください!…ズルズル」

 

蓮子「…弾様、少々お話があります…!!」

 

弾「……あと少しでX化が終わるから、もう少し待ってて」

 

蓮子「お父さんのマザーコアを返せ!!

 

蓮子の叫び…その意味を理解できたのは弾ただ一人だけだった。弾はその問いにマザーコアを手に出すことで答えた。

 

弾「…これか?」

 

蓮子「早苗さんから聞きました…あなたは以前私の父と戦い、人智を越えた力のマザーコアを手中におさめたと…!どうして奪った…!?

 

弾「…事情は早苗が…そうでなくともライジングが教えたと思うが?」

 

体から黒いオーラを放ち、ドスのきいた声になっている蓮子でも弾の冷静さを崩すには至らなかった。それどころか弾は意外そうな声色で蓮子に聞き返した。

 

弾「それよりも父親を殺した俺を…敵討ちするためにくると思っていたが……」

 

蓮子「…父がやったことは許されざることです。氷河期を引き起こして無用な人類を淘汰しようとすることなど…ですので父を止めてくれたあなたは正しい…だが私が言いたいのは!父がなぜそんな非行に走らせたのか考えもせず!真実を歪曲し!口を揃えて父を悪人に祭り上げ!あまつさえ父の力を好き勝手使うことに憤怒しているのよ!!

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

「ぐぅ……なんだこの力は…?」

 

スサノヲ《…創界神クラスのエネルギーだぞ!?》

 

蓮子の怒りがマックスに達すると猛烈な波動が会場を包み込んだ。あまりにも圧力が強いので、創界神達も怯んでしまう。それでも弾はマザーコアをしまって提案をする。

 

弾「なら…俺とバトルだ。俺を倒せばマザーコアを渡そう」

 

蓮子「…ええ……!!」

 

蓮子は少し冷静になってデッキを構えるが、弾は指をパチンと鳴らす。すると弾の周りに七つのデッキが現れる。それらはそれぞれ赤、紫、緑、白、青、黄、そして七色に光り輝いていた。

 

蓮子「…なんのつもり?」

 

弾「…選びな。君へのハンデだ。好きな色を選ぶといい」

 

幽香「はぁ!?ちょっと弾!!」

 

映姫「それは危険過ぎます!!」

咲夜「…さすがにそれは……」

 

依姫「おお…!さすが弾様!自らにストイックですね!」

 

永琳「…依姫もここまで悪化するなんて……」

 

豊姫「…弾くん…それ…どんなデッキなの?」

 

幻想郷メンバーは異口同音に「ちょっとまて」と引き留める中、豊姫は弾のデッキ内容に質問する。

 

弾「…ああ、みんなの以前のデッキを参考にさせてもらった」

 

蓮子「……そんなの…あなたが一番得意なデッキでいいわよ!」

 

弾「…じゃ、今日の気分で…」

 

弾の提案を蓮子は蹴った。するとなぜか弾は昔を懐かしむような顔をして浮いていたデッキの一つを手にとって構えた。

 

 

弾 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回は東方新作の内容ばっかりだったかと思います。早く鬼形獣ネタを書きてぇ……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

マザーコアと蓮子の正体

創界神ゼウス=ロロの効果は思ったより二人の効果を踏襲してませんでしたね…さて…どうこの小説に絡ませるか……


蓮子「…行くわ…メインステップ!創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置して神託を発揮!コアを三つ追加!バーストセットしてターンエンド!」

 

蓮子はいつも通りアポローンを呼び出して光導デッキの下準備をする。

 

弾「メインステップ!ヤン・オーガを召喚してバーストをセット!ターンエンド」

 

幽々子「…あ…」

 

霊夢「…分かっちゃった…」

 

対する弾はトンボの殻人を召喚する。それを見て幻想郷メンバーは弾のデッキ内容を悟った…全員苦い顔と共に……

 

蓮子「…緑…?…メインステップ!氷星獣レオザードをレベル2で召喚!アタックステップ!レオザードでアタック!!」

 

蓮子のフィールドにレオザードが現れるとそのまま弾めがけて走っていく。そして星読の効果でデッキが一枚オープンされる…

 

蓮子「…キャンサーシェルだったので手札に!そしてレオザードは回復する!」

 

弾「ライフで受ける!」

 

キャンサーシェルのカードが蓮子の手札に加わるとレオザードの前足が弾のライフを叩き割る。

 

蓮子「…ターンエンド」

 

 

フラン「…どっち勝つと思う?」

 

トト《検索しなくても100%弾だろうね》

 

イシス《…ま…彼女が使ってる天星十二宮はもともと弾のカード…カジキマグロと水泳対決するのと同じよ》

 

さとり「…何ですかその例え……」

 

 

弾「…さて…紫はイザーズの戦術を真似たのか…?メインステップ!ヤン・オーガをレベル3にアップ!続けてマジック!ライフチャージ!ヤン・オーガを破壊してボイドからコア三個をリザーブに置く!」

 

ヤン・オーガが緑に光りながら弾け飛ぶ。そしてライフチャージの効果で三個、ヤン・オーガ自身の破壊時効果でさらに三個コアがリザーブに補充された。

 

弾「さらにネクサス!闇の聖剣をレベル2で配置してソウルホース、骨孩児を召喚!召喚時効果で手札が三枚になるようにドロー!」

 

一気に増えたコアをふんだんに使用して弾は足に炎を灯した馬と骨の兵隊を呼び出す。さらに骨孩児の効果でゼロになった手札を三枚まで増加させた。

 

蓮子「…ヤンチャージに…闇の聖剣……オマケに骨孩児ですって…!?そのデッキ…まさかメリーの!?」

 

 

永琳「…ふぅん…昔からこのデッキを使っていたのね…」

 

文「…まさかそれを狙って…?でもどこでその情報を…?」

 

 

弾「…さぁね…ターンエンドだ」

 

蓮子「この…!メインステップ!樹星獣セフィロ・シープと甲冑双魚ピスケ・オステウスを召喚して召喚時効果!コアブーストして骨孩児を破壊するわ!」

 

蓮子のフィールドに光導デッキのコアブースト要員、セフィロ・シープと対のドラゴンのような魚達が現れる。そしてオステウスが両方の口から炎を吹き出して骨孩児を焼き尽くした。

 

弾「…光導デッキの弱点は召喚時効果バーストを踏みやすいことだ…バースト発動!双翼乱舞!メインの効果も含めて四枚ドローする!」

 

マナカ《…やっぱりわかってるね…》

 

蓮子「……アタックステップ!レオザード!もう一度アタックしなさい!星読を発揮!」

 

オステウスをトリガーにして弾のバーストが開いて手札が一気に四枚も増加する。だが蓮子は怯まずレオザードを攻撃させた。それにより星読で再びデッキがオープンされる……

 

蓮子「太陽神龍ライジング・アポロドラゴンXなので回収!さらにレオザードは回復よ!」

 

弾「ライフだ!」

 

レオザードが今度は口からビームを発射して弾のライフを砕き、残りライフ3とした。

 

蓮子「よし!ターンエンド!」

 

弾「……一つ聞こう。君は結局何がしたい?俺を倒したいのか?父のマザーコアを取り返して何がしたいんだ?例えオレに勝てたとしても君の世界を救うことはできないぞ!」

 

蓮子「………」

 

弾の言葉に蓮子は言い返せなかった。父のやったことは間違い…それなのに自分の記憶にある父の姿が正しいと思い込んで…しかも自分の世界の危機を救うことそっちのけで、駄々をこねている子供同然なことに何も反論できずにいた。

 

弾「…そして…勘違いを訂正させてもらう…君の父親が持っていたマザーコアと…オレが今持っているマザーコアは……別のものだ

 

蓮子「…え………?」

 

弾「そもそもマザーコアというものは巨大なエネルギーの塊というものというだけでは収まらない。この力は世界を思うがままにコントロールできる…いや…マザーコア自身が世界なんだよ」

 

トト《…弾、僕からも質問させてもらおう。マザーコアとはなんなんだい?》

 

研究者としてマザーコアが気になったトトがここにいる全員の疑問を代表して弾に尋ねた。

 

弾「…マザーコアは……創界神の遺体がエネルギー化したものだ

 

永琳「…!!なるほど…!弾!あなたが持っているマザーコアは……メジェドの!」

 

弾「ああ、以前この世界を滅ぼそうとした邪神の創界神の死体…それが変化したのがこのマザーコアだ。これはオレだけじゃない…幻想郷のみんなが命懸けで勝ち取ったもの…それを渡すわけにはいかない!!」

 

蓮子「…」

 

弾「メインステップ!イチバンスピアー、さまよう甲冑、ニジノコを召喚!さまよう甲冑の効果でドロー!さらにオワリノセカイを配置だ!」

 

大きな啖呵を切った弾は白い槍兵と紫の甲冑、七色のツチノコを呼び出すとフィールド全体が水晶に覆われた大きな天守閣を配置した。

 

蓮子「…ブンブン…!ダメよ…今はバトルに集中しないと…!!これでフィールドのシンボルは六色…!ここでくる!ゴッド・ゼクスが!」

 

弾「闇の聖剣をレベル2に…ターンエンド」

 

蓮子「…なに!?」

 

弾「ふふふ…何か期待していたか?ターンエンドだ」

 

首を振ってバトルに集中しようとした蓮子の出鼻を挫くように弾はターンエンドを宣言した。

 

蓮子「……ゴッド・ゼクスを出さなかった…!?…もしかして…まだ手札に来ていない…?…なら合体するなら今しかない!メインステップ!駆け上がれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!召喚!!」

 

弾のプレイングに一瞬動揺した蓮子だったが、すぐに頭を回転させて戦略を弾き出す。そして闇の聖剣がほぼ常時レベル2なので、蓮子はゴッド・ゼクスがいない今のうちにライジングを合体させたかった。

 

蓮子「…そして……仕方ない!極星剣機ポーラ・キャリバーをライジングに直接合体するように召喚!」

 

弾「闇の聖剣レベル2の効果!合体したスピリットは疲労する!」

 

少し躊躇しながらも蓮子はポーラ・キャリバーをライジングに合体させる。ライジングの背中にジェット機のブースターが、その手には剣が握られたが、闇の聖剣が放った紫のオーラで強制的に疲労させられてしまった。

 

蓮子「…ターンエンド」

 

幽々子「…ここで紫なら…!」

 

へカーティア《…なんかイヤーな予感……》

 

弾「メインステップ!闇の魔王!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!レベル3で召喚!さらに戦国に降臨する魔王!天魔王ゴッド・ゼクス!

 

幽々子やへカーティアの予感通り弾はゴッド・ゼクスを隠し持っていた。さらに天から降りてきたゴッド・ゼクスの隣に紫の煙を吐きながら現れた巨大なドラゴン……滅神星龍ダークヴルム・ノヴァが蓮子のライジングを睨み付けて大きく咆哮した。

 

弾「残念だが…さっきの時点でゴッド・ゼクスは手札にあったんだ。読みが外れたな」

 

蓮子「…くぅ……しかもダークヴルム・ノヴァだなんて……!!」

 

弾「アタックステップ!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!!効果で合体スピリットを指定アタック!!」

 

ダークヴルム・ノヴァが紫のオーラを放出しながらライジングめがけて飛び出す。ライジングもジェット噴射でダークヴルム・ノヴァを迎え撃つ。

 

弾「ダークヴルム・ノヴァレベル2の効果!合体スピリットとのバトル時、BPプラス10000!!」

 

蓮子「…フラッシュタイミング!マジック!キャンサーシェル!!アポローンのコア四個をボイドに戻してアタックステップを強制終了させる!」

 

ライジングの剣とダークヴルム・ノヴァの拳がぶつかり合う中、蓮子のフィールドに白い防御壁がそびえ立つ…だが弾は不適な笑みを崩さなかった……

 

弾「…良いぜ?こっちは一撃で決めるからな…フラッシュタイミング!手札から天魔王ゴッド・ゼクス終ノ型をフィールドのゴッド・ゼクスと入れ換える!そして六天連鎖:終ノ型を発動!!」

 

アンターク《…これで弾のスピリット全てが六つのシンボルを持つこととなる…!》

 

弾「さらにマジック!メテオストームを使用!!ダークヴルム・ノヴァが相手のスピリットを破壊した時、シンボル分のライフを砕く!」

 

ゴッド・ゼクスが終ノ型に切り替わり、背中の翼を展開してスピリット達にシンボルを増加させる。さらに二体が空中で何度もぶつかっていると、大空から数多の流星が流れ落ちてきた。

 

蓮子「…ならダークヴルム・ノヴァを破壊するまで!マジック!タウラスチャージ!合体スピリットをBPプラス10000!!さらに回復!これでライジングはBP24000!!23000のダークヴルム・ノヴァを上回った!!」

 

アレックス《…これでノヴァを破壊できればポーラ・キャリバーのブロック時効果でオワリノセカイをバウンス出来て、六天連鎖を崩せるけど……》

 

徐々にダークヴルム・ノヴァに押されて勢いを失ってきたライジングに蓮子の手札から放たれた雷が膨大なエネルギーをライジングに与えた…が…

 

弾「無駄だ!土の熾天使ラムディエルをマジックとして使用!合体スピリットをBPマイナス10000!!その後そのまま召喚!」

 

弾の手札から黄色い光線が放たれ、タウラスチャージのBPプラスを打ち消してしまう。そしてフィールドに金の盾を浮かべた童顔の天使が現れた。

 

蓮子「まだ!まだ終わらない!マジック!フェーズチェンジ!!これでライフは残る!!」

 

蓮子がさらに手札を切って自分の前に白い魔方陣を出現させ…ようとしたが…

 

弾「…加速癸鳥エアイレイザー…!アクセル発動…!!」

 

ケイ《…えげつないな……》

 

白い魔方陣が現れた瞬間、弾のアクセルが蓮子のフェーズチェンジを粉々に粉砕した……その瞬間、壊れた魔方陣を見て蓮子の目から色が消え失せる……

 

弾「……まだなにか有るか?」

 

蓮子「……………」

 

そんなやり取りをしている最中、天空では二体のぶつかり合いが最終面まで来ていた。ライジングが剣を構えて突っ込んだが、ダークヴルム・ノヴァはヒラリと上にかわす。

 

そしてライジングの上から黒い暗黒光線を放ってライジングを地面に叩き落とすと、落下しながら渾身の右ストレートをライジングにおみまいした!!

 

弾「ダークヴルム・ノヴァの効果でポーラ・キャリバーごと破壊!!そしてメテオストームによりライフを六個リザーブに!!」

 

蓮子「……え…?」

 

ライジングがポーラ・キャリバーごと爆散し、ダークヴルム・ノヴァがその顎から暗黒のビームを発射しようとしたその時、蓮子は胸元になにかエネルギーが集まっていくのを感じ取った。

 

蓮子「…これは……」

 

弾「……まったく…自分の娘の面倒ぐらい自分でみろよ…!打て!ダークヴルム・ノヴァ!!」

 

不思議な力に躊躇している蓮子に弾は問答無用、容赦なしの攻撃を命じる。その命を受けてダークヴルム・ノヴァは六個のシンボルを吸収した特大の光線を蓮子めがけて放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ちょっと!!手加減無しのバトルは良いけど、最後の一撃ぐらい手加減しなさいよ!!」

 

へカーティア《お陰で蓮子ちゃん気絶しちゃったじゃない!!》

 

弾「す、すみません………」

 

さすがに六個のシンボルを一発にぶちこまれた衝撃はすさまじく、蓮子はショックで意識を失ってしまった。永琳と鈴仙が診ている一方、弾は主に霊夢とへカーティアにお説教を食らわされて星座…じゃない正座して反省している。

 

鈴仙「…あれ?…師匠、この人……おかしな波長をしてますよ」

 

永琳「…どういうこと?」

 

鈴仙「彼女に波長を飛ばすと二重で返ってくるんです。まるで創界神様を降ろした依姫様みたいに」

 

倒れていた蓮子を介抱していた鈴仙は蓮子の異質さに首をかしげる。彼女の『波長を操る程度の能力』は敵に幻覚を見せたり、自身を暗示して身体能力をあげることなどができる。その応用で鈴仙は永遠亭のMRIの役割を担っているのだ。

 

鈴仙「…むー…少し体のオーラを活性化させる波動を打ちますね……えい!」

 

蓮子「………カ!……」

 

文「あやや!?なにやら目が…」

 

鈴仙が活性剤のために放った波動を浴びた蓮子の目が怪しげに赤く輝いた…すると気絶していたはずの蓮子がばっと起き上がった。

 

天子「…ん?気がついた?」

 

蓮子《……………ハァ!》

 

ごぅぅぅぅぅん!!

 

サグメ《……!?衝撃波…!?》

 

セト《うぉっと!!?》

 

目を覚ました蓮子は何も喋らず無表情のまま腕から衝撃波を放った。不意を突かれて創界神達も全員後ずさらせると、蓮子は別世界へのゲートを開いてそこに飛び込んだ。

 

弾「…さとり!」

 

さとり「…………了解!」

 

ブラフマー《え、ちょっと…!》

 

グレン《…行くぞ…!》

 

弾はすぐさまさとりの名前を呼ぶ。人の考えていることがわかる彼女は即座に弾の思惑を理解して創界神と共にゲートに入っていった。

 

ホルス《…よし、文!俺たちも行くぞ!》

 

文「…何で私達も……って…まぁ最近出番なかったから良いけど」

 

クリシュナ《…オッホッホ!鈴仙ちゃん!ワテクシ達もよ!》

 

永琳「うどんげ…行ってらっしゃい♪」

 

鈴仙「ひぇぇ…ですが患者を診るのが私の仕事です!」

 

出番欲しさにホルスと文が、医者としての矜持のためにクリシュナと鈴仙がさとりの後に続いた。そしてゲートが閉じると弾はボソッと独り言を呟いていた……

 

 

弾「…さて……仲間が死ぬ気で手にいれたマザーコアだ…大事に扱ってくれよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

筆が進んだので連続投稿!そしてここからダブルドライブ編という最終章に入ります!どうぞお楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ダブルドライブ編~オーマ君臨~
帰還!その名は異界王!


……またバトル無し回です…

あとヘファイストス…それロボットだったんか…


とある世界 都市郊外の家屋

 

 

蓮子「…う…う~ん…ハ!…ここは…」

 

鈴仙「大丈夫ですか?良かった…この世界についた途端また気絶しちゃったからどうしようかと……」

 

蓮子「…そうだ…私…負けたんだ……」

 

別の何者かの意思によって別世界に飛び込んだ蓮子は創界神達が用意した家のベッドで目を覚ました。だがその目は暗く闇の奥底に沈んでいるように感じられる…

 

さとり「目覚めたようですね。突然ですがこの世界でやらなければならないことがあります」

 

文「…一体なんなの?もう気力のカード調達は十分じゃない?」

 

さとり「…実はメジェド異変の後、行方不明となっていた四魔卿達がこの世界にいることがわかりました」

 

鈴仙「え!?」

 

驚く鈴仙をほっといて文とホルスは蓮子にメジェド異変の詳細を説明した。そしてさとりが読み取った弾の考えを伝える。

 

さとり「…ですのであなたにはこの世界で四魔卿達を探して貰います。たぶん弾は彼らのエネルギーも神々の砲台のエネルギー源にしようと思ってますから、あなたにも悪くない話ですよ?」

 

蓮子「………よくわかんない……」

 

ブラフマー《…へ?》

 

蓮子「…もう…お父さんがなんなのかわかんない…みんなは最低最悪の魔王だって言うし…現にそう言える悪逆無道を行ってるし……でも…私に道を示してくれたお父さんは確かに最高最善の魔王だったの……」

 

クリシュナ《……鈴仙ちゃん、ちょっと蓮子ちゃんとそこら辺を散歩してきなさい》

 

ホルス《…さとりん、お前もついていってくれないか…?》

 

世界を滅ぼそうとした魔王という面と尊敬していたという父親の面との板挟みになって、蓮子は苦悩の渦の真っ只中にいた。それをみかねて創界神達は気分転換に散歩してくることを勧めた。

 

 

 

 

 

 

 

さとり「…なるほど……以前弾が倒したのがあなたの父親だったとは思いませんでした……」

 

蓮子「…はい…結局…お父さんは何であんな極悪非道な人になっちゃったんだろう……」

 

鈴仙「……辛いですね……自分に愛情を注いでくれた肉親がそうなってしまうのは…」

 

三人は近くの公園でブランコをこぎながら蓮子の父親について話を聞いていた。するとさとりは少し躊躇いながら、あることについて話し出した。

 

 

さとり「……あなたの父親を止めようとした弾のその後…何があって幻想郷の創界神になったのか…知りたいですか?」

 

蓮子「……コクン…」

 

文「…分かりやすくいえば…敗北したそうです…あなたの父親と同じように…世界の無理解と見識の狭さに……」

 

蓮子「…え…あの人も…?」

 

そこから蓮子の耳に入ってきたのはえげつない…とても残酷な話だった。世界の矛盾を正そうと奮闘したのに、それをよく思わない闇の人間が社会的に弾達を抹殺……そして親友の死…蓮子は途中で耳を塞ぎたくなるほど重い人生を彼が生きてきたことを知った。

 

蓮子「…それなのに……戦えるんですか?」

 

さとり「……私は…できません…いえ、できないと思い込んでいました。悲しいことに私は強力な力を持っている妖怪ではないのです。それどころか心を読むという力を疎ましく思われて地底に追放されました……」

 

蓮子「あなたも!?」

 

さとり「…ですが彼は自分にできることを全力で取り組み始めました。その想いに…私達は心打たれたのです…それから私もできることから始めました。それが今回の四魔卿退治なのですよ」

 

さとりの語りに蓮子はものすごく引き込まれていた。弾や彼女はと父親が同じだったとしたら……蓮子は思いきって聞いてみた。

 

蓮子「…父も…絶望したそうです…でもあなた方と何が違ったんでしょう…」

 

鈴仙「…同じだったのよ……弾様も…あなたのお父さんも……あえて言うなら師匠も……熱い信念を持って世界を良くしようと尽力した…でも同じだから…それを邪魔した奴らを見てねじまがってしまった……強いて違いを言うなら…理解者…だと思うわ」

 

蓮子「…理解者……」

 

鈴仙「同じような仲間がいたなら…あなたのお父さんも踏みとどまれたのかもね……」

 

鈴仙も隣でキーコキーコとブランコをこいで話し出す。彼女も自分の師匠が…永琳の昔の境遇を弾から聞いた時のことを思い出していたのかもしれない……

 

???「よーし!アタックステップ!」

 

???「く…!ライフで受ける!」

 

鈴仙「…あー…もう止め…!子供見てると私達が悩んでることなんてちっちゃいことに感じてきたわ…」

 

蓮子「あはは…確かに……」

 

さとり「…!…二人共…!近くから四魔卿の気配を感じます…!!」

 

ふと声がした方向を見た鈴仙と蓮子は公園のベンチで二人の少年がバトスピで遊んでいるのを見つけた。その賑やかな様子に鈴仙と蓮子は和んでいたが、さとりの言葉に気を引き締める。

 

するとバトスピをしていた二人の少年にどこからか現れた褐色肌の青年が近づいていた。

 

鈴仙「…なんだか…言い争ってるようですね…」

 

さとり「…間違いありません…!あの近づいてきた青年から邪な気を感じます…!」

 

???「探したぞ…十二神皇に選ばれし勇者達よ…」

 

???「お前…!何でこの世界に…!?」

 

???「あの落盤を…生き延びていたのか…」

 

邪悪な気を纏う青年に首からヘッドホンをかけた赤髪の少年と長いマフラーをした金髪の少年が何やら会話している。だが友好的では無さそうだ。

 

???「…ふん…お喋りはここまでだ。邪神王の支配する世界に…お前らは不要だ…!消えろ!」

 

???「うわぁ!?」

 

鈴仙「…!光弾!?…く!」

 

青年は話は終わったというと、その手に禍々しい色のエネルギー弾を精製して少年二人に向かって放った。二人は驚いて避けることができなかったが、間一髪鈴仙の弾幕がエネルギー弾の相殺することに成功した。

 

???「…邪魔をするな!」

 

鈴仙「なに突然子供を襲っておいてそんな口を!」

 

蓮子「君たち、大丈夫!?」

 

???「あ、あぁ…大丈夫だ…」

 

鈴仙が青年の気を引き付けている間、蓮子とさとりが少年達に駆け寄った。二人は驚いてはいたが、すぐに状況を理解を察するほどこのような事態に慣れているようだった。

 

さとり「…!…あなた達…!邪神王を封印した…?」

 

???「え!?何でそれを?」

 

???「隙あり!!」

 

鈴仙「…!!さとりさん!蓮子さん!危ない!!」

 

鈴仙の焦った叫び声がさとりと蓮子の耳をつんざいて二人は振り向く。すると青年が放ったエネルギー弾が至近距離まで迫っていた。さとりは咄嗟に少年達を庇い、蓮子は腕を前に出して少しでもダメージを軽減しようとした……

 

蓮子「…!カハ…」

 

ずどぉぉぉぉん!

 

するとその時、蓮子の体から膨大なエネルギーが滲み出す。その溢れだしたエネルギーが青年のエネルギー弾を防ぎきった。

 

鈴仙「…!?なにが…起きたの…?」

 

さとり「……蓮子さん…今のは…?」

 

蓮子「…知らない…私…今何もやってないし…う…!」

 

蓮子も何が起きたのか分からない…そんな状況でしどろもどろになっていると、また蓮子の中からエネルギーのオーラが吹き出してきた。

 

今度はオーラが蓮子の前に収束していき、人の形をとっていく…そして完全に人の姿を取った瞬間、蓮子は驚愕を表情を隠せなかった…

 

 

蓮子「…お、お、……お父さん…!!!?…ど、どうして…!?」

 

蓮子の父「話は後だ!ずらかるぞ…!…は!」

 

青い司祭のような服に古代風のアクセサリーを着けた男……蓮子の父はそう叫び、腕を突き出して衝撃波を青年に向けて放つ。それに青年が怯んでいる隙に蓮子の父は少年達ごとどこかにワープした。

 

 

???「……逃げられたか…」

 

 

 

 

 

 

 

文「……へぇ…というとアレックス様はスゴかったんですね」

 

ホルス《まあな。あいつの活躍あって今の神世界に平和があるんだ》

 

ブラフマー《…あの時は少し若くてゼウスにも突っかかっていったからな……まぁけしかけたのは俺だったんだが…》

 

クリシュナ《…もう!乙女の柔肌に傷をつけるなんて…!》

 

グレン《…止めてやれ…それを未だにゼウスはヘラやイシスやアプロディーテに怒られているぞ……》

 

文「…そりゃ当たり前ですねぇ…ん?帰ってきましたか…?」

 

三人が散歩に行っている間創界神達は文に昔の戦争のことを話していた。文がだいたいゼウス=ロロVSラーの決着の後、アレックスがインディーダとアマハラを味方に着けた所までメモすると、玄関の扉が開く音が聞こえた。

 

 

文「お帰り…ってどういうこと!?」

 

さとり「…文さん…とにかくこの子達を…」

 

文「…わかりました……」

 

出迎えた文は三人が連れ帰ってきた二人の少年と一人の男性を見て驚いた。しかしさとりの表情と様子を察して少年達を中で招き入れた。

 

鈴仙「…蓮子さんの…お父様ですね…ありがとうございました」

 

蓮子の父「礼には及ばん。それに……最近はこう呼ばれている…

 

 

……異界王とな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

とうとう蓮子の父親が登場…もう彼なら何でもやれそうな感じが…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む



特別編もあと少しで終わりそう…特別編のあとは東方鬼形獣の話、新規創界神の話を書いたあと、最終章に入る予定です。お楽しみに…

そして今回もかなり異界王の心中を想像して書いております。


文「……つまり…あなた達…ええと…茂上 駿太君とヨク・アルバトロサ君は勇者として別世界で戦いを繰り広げ、十二神皇の力を使って邪神王を封印したと…」

 

駿太「はい…それにしても…他の世界の邪神達がこの世界に来るなんて……」

 

さとり達は邪悪な青年に狙われていた二人の少年を保護した後、事情を二人から聞いていた。リビングでソファーに座りながら駿太とヨクは文の質問に応対していると、創界神達も気になったのか首を突っ込んできた。

 

ブラフマー《…ならその邪悪な青年ってのはなんなんだ?お前らが邪神王復活のための一味は蹴散らしたんだろ?》

 

ヨク「あいつはイオ…俺達の世界とも別の世界からきたカードバトラーで、邪神王を復活させようとしたが落盤の下敷きになったはず……どうしてこの世界に…」

 

ホルス《…たぶん、俺達がしばいた邪神達の力を使ったんじゃねぇか?あいつらはメジェドの力をたっぷり受けていたから世界渡りぐらいできるだろ》

 

クリシュナ《…ごめんなさいね…アテクシ達の問題に巻き込んじゃって》

 

駿太「いえ!また邪神王が復活するならそれを止めるために戦います!な?ヨク?」

 

ヨク「…ああ!」

 

二人の強い返事にひとまず創界神達はホッとした…が…もう1つの問題は解決するどころか事態を収拾できずにいた。少しため息をついてさとりと鈴仙はチラッと外の庭に目を向けた。

 

さとり「…あの親子…何を話すのでしょう…?」

 

鈴仙「…少し…二人っきりにさせた方がいい…とはわかるわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「……………」

 

異界王「…大きくなったな…蓮子…」

 

庭で向かい合っていた二人…異界王は感慨深い表情で蓮子を見ていたが、当の蓮子は言いたいことや聞きたいことが多すぎて何から話すか迷っていた。

 

蓮子「…何で私から出てきたのよ…」

 

異界王「…ん?…あぁ…簡単に言うならば…保険だ」

 

蓮子「…保険…?」

 

異界王「例の計画を実行する直前、お前に俺の細胞の一部を埋め込んでおいたのだ。俺の計画を快く思わない奴らにやられた時の保険として…別の世界に住んでいるお前に埋め込めれば安全だからな」

 

なんとか蓮子は言葉を捻り出して問いかけた。それに異界王は冷静に…いつもの不適な笑みを浮かべて答えた。

 

蓮子「…私は…そのための存在だったの…?お母さんのこと…愛してなかったの?」

 

異界王「……蓮子、これから話すことは…かなり苦しいことになるだろう……それでも聞くか?」

 

蓮子「…コクン……」

 

まるで泣きそうな顔を隠さずに、嗚咽混じりで父親に聞く。異界王も苦虫を噛み潰した顔つきで前もって警告するが、蓮子の興味を削ぐことはできなかった。

 

異界王「…蓮子…実はお前は……マザーコアの落とし子なのだ…」

 

蓮子「…落とし…子?」

 

異界王「俺がマザーコアの力を手にいれた際、俺に馴染まない部分を整理した…その時に取り除いた部分が人間に変化したのがお前だ…」

 

蓮子「…それじゃ…お母さんは?」

 

異界王「…全て俺が捏造した記憶…お前は赤子から中学校に入るまで俺の元で暮らし、それからは別の世界で一人暮らしをさせた…お前が母親と過ごした記憶も………全て幻だ…」

 

蓮子は雷に打たれたようなショックを受けた。人生の二十年近くの記憶が嘘八百だったことなど信じられない…信じたくなかった。その心境を見かねたのか異界王は別の話に話題を逸らす。

 

異界王「…それでお前をなぜ育てたのかだが……最初はただの都合の良い存在というだけだった。グラン・ロロと地球を融合させる計画を実現するためにマザーコアの一部だったお前を使う予定だった。だがお前を育てていくうちに…俺にもまだこんな感情が残っていたとは思わなかった……」

 

蓮子「…じゃあ何で罪もない人達を殺そうとしたのよ!!?そんな気持ちがあったならどうして……」

 

異界王「…マザーコアは使う人間の心を鏡の如く写し出す。マザーコアをその身に取り込んだ時、俺の心奥底に沈んでいた『憎しみ』が押さえきれなくなった……本当にバカなことをしたものだ…お前のために世界の矛盾を無くそうとしたはずだったことを忘れて…」

 

蓮子「…私の…ため…?」

 

グラン・ロロで『全知全能』と称された彼だったが、今呟いた言葉にそれほどの威厳は感じ取れない。もはや牙が抜けた老犬のようだった。

 

異界王「…お前は若き日の俺によく似ている…お前なら世界の矛盾と戦える…俺は世界の矛盾の根源と刺し違えて後をお前に任せるつもりだった。まぁ、自らの憎しみに振り回された挙げ句馬神 弾にやられるという無様な結果に終わったがな」

 

蓮子「………カッタ…」

 

異界王「…?」

 

蓮子「グスッ…やっぱり…お父さんは…グスッ…最高最善の魔王だったんだ…グスッ…」

 

異界王「お、おい蓮子…そんな泣くほどでは…」

 

もう蓮子は溢れだしてくる大粒の涙を押さえることが出来ずに手を顔に当てて泣き出してしまう。愛娘の号泣場面はさすがの異界王も手を焼くようだ。それに家の中から突き刺さる視線が精神的に痛かった。

 

蓮子「…お父さん…わ…」

 

異界王「…ガシガシ…まったく…俺にとってお前はまだ手のかかる娘だ……」

 

泣いている蓮子の頭を異界王はガシガシと少し乱雑に撫でた。蓮子が落ち着くと、異界王は懐からとあるものを取り出して蓮子に尋ねた。

 

異界王「そうだ蓮子、お前は何故にお前の世界を救おうとする?何故に王となる?」

 

蓮子「…え…それはお父さんのような…って具体的には…」

 

異界王「それを教えよう…バトルでな」

 

蓮子「…フフン…私強いわよ?」

 

異界王 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

異界王「こい!お前の実力を見せてみよ!」

 

蓮子「そういえばお父さんとバトスピするのは久しぶりね…手加減しないわよ!メインステップ!蟹甲竜キャンサードラゴンを召喚!ターンエンド」

 

父親との久しぶりのバトルに心踊らせながら蓮子はキャンサードラゴンを召喚する。対して異界王も微笑を浮かべてターンを始めた。

 

異界王「メインステップ。オオクチバ、ヤミヤンマを召喚してコアを一つ追加だ。続けてネクサス、賢者の木の実を張る。ターンエンド」

 

異界王は緑の南国鳥と大きなオニヤンマを呼び出してコアブーストした。オオクチバは白にもなれるスピリットなので、ヤミヤンマの効果の対象となったのだ。さらに異界王の背後に金色の大樹が現れる。

 

蓮子「……まずはコアブーストってことね…メインステップ!創界神ネクサス!光導創神アポローンを配置して神託発動!コアを二つ置くわ!さらに雷星獣ドラグ・タウラスを召喚よ!」

 

蓮子はアポローンを配置した後ドラグ・タウラスを呼び出して攻撃態勢に入る。うまく光導カードを引き当てればスピリットを破壊できることだろう。

 

蓮子「アタックステップ!ドラグ・タウラスでアタック!アタック時効果で星読!デッキを一枚めくり、光導カードなら手札へ!」

 

ドラグ・タウラスのアタックにより蓮子のデッキがオープンされる…それは光導を持つ水瓶竜アクエリジャードラゴンだったので蓮子の手札に加わった。

 

蓮子「そしてオオクチバを破壊!」

 

異界王「ほう…ライフで受ける!」

 

角から放った雷でオオクチバを破壊したドラグ・タウラスの突進が異界王のライフを一つ砕くと、賢者の木の実の一つが異界王のリザーブに落ちてコアを増やした。

 

蓮子「よし!ターンエンド!」

 

異界王「手札を増やしてスピリット破壊もこなすか…メインステップ!もう1つ賢者の木の実を配置!さらにストロングドローを使用!デッキから三枚ドローした後二枚を破棄!」

 

異界王は後さらに賢者の木の実が配置して手札交換マジックで手札に良いカードを引き込もうとする。そして手札を破棄するといつものように不適に笑った。

 

異界王「…ターンエンド」

 

蓮子「あら…お父さん!手札事故?メインステップ!樹星獣セフィロ・シープと水瓶竜アクエリジャードラゴンを召喚!アタックステップ!アクエリジャードラゴン!いってきなさーい!!」

 

蓮子は父の手札が悪いとみて今のうちにボードアドバンテージを稼ごうとセフィロ・シープとアクエリジャードラゴンを呼び出す。さらにアクエリジャードラゴンの星読が発動して再びデッキがめくられる……

 

蓮子「…氷星獣レオザードだったのでこれも手札よ!さらにアクエリジャードラゴンの追加効果で一枚ドロー!そしてこれがメインアタック!!」

 

異界王「ライフ!」

 

アクエリジャードラゴンが両手の水瓶を振り回して異界王のライフを叩き割る。

 

蓮子「まだまだいくわよ!ドラグ・タウラスでアタック!星読!オープンされたのは……!光導!よって手札に!さらにヤミヤンマを破壊するわ!」

 

異界王「…それは…あの天魔 信長から入手したカードか…それもライフで受けよう!」

 

ドラグ・タウラスがもう一度走り、ヤミヤンマを突き飛ばす。そして角からのビームが異界王のライフをさらに減らす。これで異界王の残りライフは二つ。蓮子がフルアタックすれば足りる打点だが……

 

蓮子「…キャンサードラゴンでアタック!」

 

異界王「欲張り過ぎたな…!フラッシュタイミング!ハイエリクサーを使用!リザーブのコア二個をライフに!ライフはくれてやる!」

 

異界王の手札から白いカーテンのような幕が降りると異界王のライフが二つ回復する。キャンサードラゴンはめげずに二本のハサミでライフを破壊したが、賢者の木の実で余計なコアを与えるだけになってしまった。

 

蓮子「読まれてた……ターンエンド…」

 

異界王「ふふふ…まだまだ娘に越えられるほど劣ってはいないぞ。メインステップ!武器コレクターのゴドフリーを召喚!召喚時効果でトラッシュのネクサスをノーコストで配置する!よみがえれ!!星創られし場所!海底に眠りし古代都市!」

 

異界王は何本もの武器を背負った戦士を召喚すると、先ほどストロングドローで棄てた二枚…星創られし場所と海底に眠りし古代都市をフィールドにノーコストで配置した。

 

異界王「さらに蛇竜キング・ゴルゴーをレベル2で召喚して…ハンドリバースを使用する。手札を棄てて相手と同じ枚数デッキからドロー…さらに海底に眠りし古代都市の効果でコアブーストもだ」

 

蓮子「…!まずい…!私の手札は…6…!!」

 

異界王「そうだ、よって六枚を手札に加える。最後にボクルガー…召喚時効果で相手の手札が六枚以上の時、三枚になるように破棄する。そしてこいつも異合…よってコアブーストし、キング・ゴルゴーのレベル2効果!青スピリットの召喚によりBP3000以下のスピリットを破壊!」

 

異界王はコブラの頭をしたドラゴンを召喚してハンドリバースを放つ。もともと異界王の手札はゼロだったので結果的に異界王は六枚のアドバンテージを稼いだことになる。

 

さらに賢者の木の実で増えたコアを使い、長い足のワニを呼び出して蓮子の手札を合計三枚棄てさせ、キング・ゴルゴーが吠えてセフィロ・シープを吹き飛ばした。

 

異界王「海底に眠りし古代都市をレベル2へ。さて…そろそろ攻めるか…アタックステップ!キング・ゴルゴーでアタック!」

 

蓮子「アポローンの神技!BP8000以下のゴドフリーを破壊してワンドロー!キング・ゴルゴーはライフで受ける!」

 

異界王「海底都市の効果でダブルシンボルだ!二つ破壊するぞ!」

 

アポローンの矢がゴドフリーを射ぬくがダブルシンボルになったキング・ゴルゴーの火炎放射は蓮子のライフを二点貫通していった。

 

異界王「ターンエンド」

 

蓮子「…甘かった…やっぱりお父さんは強い……メインステップ!バーストセット!そして戦国の魂操る蛇使い座!!召喚!戦国蛇武将アルティメット・アスクレピオーズ!!

 

蓮子が掲げたカードを中心にして紫の竜巻が巻き起こる。そして竜巻が無数に変化してフィールドに蛇使い座を描くと、黄金の光がフィールド全体を包んだ。

 

光がやむと金の鎧を着こんで両手に剣を構えたアスクレピオーズが出現していた。

 

蓮子「アタックステップ!アルティメット・アスクレピオーズでアタック!」

 

異界王「……甘い!フラッシュタイミング!サイレントウォール!!そのアタックはライフで受ける!」

 

Uアスクレピオーズが剣から紫のビームを放ってライフを壊す。だがフィールドに響いた音が残りの蓮子のスピリットを止めてしまった。

 

蓮子「…ターンエンド…」

 

異界王「…ドローステップ………ニヤリ…メインステップ!エリマキリザード…そして…真の王の守護者!星を統べる天空のドラゴン!幻羅星龍ガイ・アスラ!!召喚!!」

 

異界王のフィールドにエリマキトカゲが現れ、異界王の手札から光が天高くあがる。そしてその光が太陽に届くと上半身が人、下半身が蛇のようなドラゴンが不気味な嘶きとともにフィールドに降り立った。

 

蓮子「…きた…!お父さんのキースピリット…!!」

 

異界王「さらに星創られし場所をレベル2へ!他のスピリットにもコアを追加…アタックステップ!星創られし場所の効果!ガイ・アスラに激突を与える!行けぇ!ガイ・アスラ!!」

 

蓮子「…まずい…!…ドラグ・タウラスでブロック!」

 

異界王の背後の大銀河から光がガイ・アスラに降り注ぎ、激突の力を与える。そして飛び出したガイ・アスラは腕にエネルギー弾をチャージしてドラグ・タウラスめがけてぶっぱなす。ドラグ・タウラスは敢えなく吹き飛んだ。

 

異界王「フラッシュタイミング!超覚醒!エリマキリザードのコア一つを置いて回復!続けて星創られし場所レベル2の効果!星龍を持つガイ・アスラがBP勝負で勝った時、トラッシュからスピリットを戻す!」

 

ガイ・アスラがエリマキリザードのコアを吸収して起き上がる。さらに異界王の手札にトラッシュからスピリットカード……ヤミヤンマが戻った。

 

異界王「再び行け!ガイ・アスラ!激突!!そして超覚醒!もう1つエリマキリザードからコアを食らう!」

 

蓮子「止まらない…!キャンサードラゴンでブロック!破壊時にも星読!……くぅ…!」

 

キャンサードラゴンがガイ・アスラに飛びかかったが、軽く受け止められて地面に叩きつけられてしまった。そして星読が発動するがめくられたのが極星剣機ポーラ・キャリバー…光導ではないので回収出来なかった。

 

異界王「再び星創られし場所の効果でオオクチバを手札に…!ガイ・アスラ三度目のアタック!激突だ!超覚醒!さらにエリマキリザードのコアを使う!」

 

蓮子「アクエリジャードラゴン…!ブロック!!」

 

三度ガイ・アスラが飛び、アクエリジャードラゴンも水瓶を構えて迎撃した。だがガイ・アスラの尻尾に簡単に弾かれて爆発してしまった。

 

異界王「…トラッシュよりゴドフリーを回収…!ガイ・アスラ四度目のアタック!超覚醒!キング・ゴルゴーのコアを使い回復する!」

 

蓮子「ライフで受ける!バースト発動!!選ばれし探索者アレックス!コアを増やしてアタックステップを終わらせる!!」

 

ガイ・アスラが蓮子のフィールドを一掃してとうとう蓮子のライフを拳で破壊する。しかし蓮子のバーストはアレックス…これでどうにか蓮子は持ちこたえることができる。

 

異界王「…命拾いしたな…ターンエンド…」

 

蓮子「……一見ごちゃごちゃしたデッキに見えるけど…最初からこれを狙ってたのね……!」

 

異界王「その通り!これは俺の予測の域を出ないが、馬神 弾や八意 永琳ならなんとなく察することができたはずだ。あいつらや俺にあってお前にないモノ…それは確固たる意志!」

 

蓮子「…意志…」

 

異界王「蓮子!再びお前に問う!なぜ王を目指す!?お前は王になって何がしたいのだ!?」

 

力強い叱責を受けて蓮子は目線を下に向けて目を瞑る……その瞼に浮かんできたのは…

 

 

 

メリー《…え…?蓮子…ごめんなさいもう一度言ってもらえるかしら?》

 

蓮子《あ~!メリーったら信じてないって目してる~!》

 

メリー《そりゃ『王様になる!』って言われてもね…》

 

蓮子《だって!世界を良くしてみんな幸せにするなら王様になるしかないじゃない》

 

メリー《……ウフフ…変なの…でも良いわねそれ…》

 

蓮子《…本当!?よーし!じゃメリーは私の王国の宰相…総理…ん~…あ!老中ね!なんかメリーって老けてるし》

 

メリー《はったおすわよ!?》

 

 

 

 

呆れながらも自分の夢に賛同してくれたメリーと楽しそうに秘封倶楽部で話している自分の姿……

 

蓮子「…私は…みんなが平和に笑っていける世界を作りたい!たとえ夢幻でも私はそれを求める!それがみんな願っていることだから!!!

 

異界王「…ならこい!その覚悟を見せてみろ!!」

 

蓮子「メインステップ!!駆けあがれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!レベル3で召喚!!!さらに武装鳥スピニード・ハヤト!太陽神龍に合体せよ!!」

 

蓮子の覚悟がフィールドにライジング・アポロドラゴンを呼び出す…!そして現れたスピニード・ハヤトがライジングの背中に合体して緑の鎧をライジングに纏わせた!!

 

蓮子「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

異界王「…!!…まったく…あいつは…」

 

すると蓮子の胸に黒と白に輝くマザーコアが現れ、蓮子の体を覆う。そして清らかな虹色のオーラを放出しながら蓮子は合体スピリットに攻撃を命じた。

 

蓮子「アタックステップ!スピニード・ハヤトの効果で赤を指定して合体アタック!勝負よ!ガイ・アスラ!!」

 

異界王「良いだろう!迎え撃て!ガイ・アスラ!!」

 

ライジングがガイ・アスラに背中の槍を投擲する。蓮子は超覚醒によるスピリットの消滅を嫌い、直接ガイ・アスラを叩こうと試みたようだ。対するガイ・アスラも手からビームを放って槍を撃ち落とす。

 

そこからはライジングもガイ・アスラも接近して殴り合う。だがガイ・アスラのBPはキング・ゴルゴーの効果も含めて13000、ライジングはBP19000。徐々にライジングのパンチがガイ・アスラの体に入り始める。

 

異界王「フラッシュタイミング!ボクルガーのコアを使ってガイ・アスラをレベル3に!」

 

蓮子「まだそれじゃライジングにはとどかないわよ!」

 

異界王「…なら相手のBPを下げるまで…!フラッシュタイミング!ダンスマカブルを使用!!手札を三枚破棄することで、ライジングのコア三個をトラッシュへ送る!!死の舞踏に酔え!!」

 

ボクルガーのコアを奪い取ってガイ・アスラはレベル3に上がり、BPは16000。反対にライジングは周囲に発生した紫の竜巻に力を奪われレベル1、BPは13000に落ちてしまった。

 

BP差は逆転し、ガイ・アスラが一瞬の隙をついて尾をライジングの胸に突き刺して破壊した!!

 

蓮子「…まさか…さっき回収したスピリットカードを…スピニード・ハヤトはフィールドに…ターンエンド」

 

異界王「ふふふ…さすがにここまでは読めまい。メインステップ!飛鋼獣ゲイル・フオッカー、獄獣ガシャベルスをどちらも最高レベルで召喚!!」

 

異界王のフィールドに三首の骨の獣と機械の狐が現れる。これでガイ・アスラの眷属達が勢揃いした。

 

異界王「アタックステップ!ガイ・アスラ!!激突!!超覚醒で回復する!」

 

蓮子「スピニード・ハヤトでブロック!」

 

回復しながらガイ・アスラはスピニード・ハヤトの首根っこを掴むとそのまま捻り潰した。

 

異界王「再び行け!ガイ・アスラ!!超覚醒!!」

 

蓮子「…Uアスクレピオーズでブロック!」

 

Uアスクレピオーズは胴体の蛇達をガイ・アスラめがけて伸ばすが紙一重でガイ・アスラは回避し、体を炎の矢にして突っ込んだ。Uアスクレピオーズは胴体を真っ二つに裂かれて爆発した。

 

異界王「ガイ・アスラ!!超覚醒!!」

 

蓮子「ライフ!」

 

Uアスクレピオーズを突き破ったガイ・アスラがそのまま蓮子のライフも壊していく。

 

異界王「…ガイ・アスラ!!」

 

蓮子「…あ~あ…なんかいける気がするって思ったんだけどな~…」

 

ガイ・アスラの右腕に炎が灯り、その拳が蓮子の最後のライフを打ち砕いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「お待たせしました~♪」

 

異界王「こちらの話は終わったぞ」

 

ブラフマー《…すげぇな…》

 

ホルス《さすがは王…ってところか…》

 

先ほどとはうって変わって楽~なテンションで部屋に戻ってきた二人。二人のバトルを見ていた創界神達は異界王の強さに目を丸くしている。すると蓮子は思い出したかのように異界王に問いかけた。

 

蓮子「あ、そうだ。お父さん!お父さん、ずいぶん昔のカードばっか使ってるのはどうして?」

 

異界王「…む…まぁ…それしか持っていないからな…システムは蓮子の体内にいたときに学んだがカードは入手できんだろう?」

 

…リビングに衝撃走る…異界王の時代のデッキにはブレイヴもバーストもアルティメットもソウルコアも煌臨も…創界神ネクサスもない時代…それに昨今のスピリットやマジックは昔と比べてパワーが段違いに上がっている。

 

その差をプレイングでカバーして見せた異界王…創界神やさとり達はその強さに弾と同じものを見ていた。すると異界王はゴソゴソとポケットを探って何かを蓮子に見せる。

 

異界王「…蓮子、これを…」

 

蓮子「…!これ…お父さんの気力カード?」

 

異界王「使え。お前なら扱える」

 

蓮子「わぁ~!…そうだ!これを軸にしたデッキを組も!お父さんも手伝って!」

 

カードを渡された蓮子は目をキラキラさせながらテーブルにカードを並べ始める。異界王はため息をつき…だが同時に微笑みを浮かべて蓮子の隣に座りこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

…話中でも言っていましたが今回異界王のデッキはすべてブレイヴより前のカード…具体的には第9弾までのカード縛りにしております……天空寺院もカメレオプスもエイプウィップ(リバイバル)もヤンチャージすら使えない……あぁ~…しんどかった…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

下準備

…サーガブレイヴの二話が気になって夜しか眠れません…


次の日 町の外れ 空き地

 

 

 

鈴仙「…こんなところにいるの?」

 

ホルス《おう…俺の鳥達(眷属)が見つけてくれたぜ》

 

文「…大丈夫かしら…?」

 

蓮子達一行はホルスが見つけたという邪神のアジト…というか某青い猫型ロボットの仲間達が遊んでそうな空き地を目指していた。はっきりいって全員「そんなとこにいねぇだろ…」という心境でグダグダ歩いていたが……

 

駿太「…あ!いたぞ!」

 

ヨク「本当だったのか……」

 

ホルス《なぁ?本当だったろぉぉぉ!?》

 

クリシュナ《…さぁ!神妙にしなさーい!》

 

ホルスのドヤ顔を揃って無視した一行は空き地の中心に立っている褐色肌の青年…イオの前に並び立つ。

 

イオ「…来たか…ちょうどいい…俺の求める邪神王が支配する世界のため…消えて貰おう!こい!我が眷属達よ!」

 

さとり「…これは…メジェドの時のコピー…!!」

 

いつも通りのぶっきらぼうな表情でイオが手のひらをかざすと、隣に白いフードを着た何者かが現れた。これはメジェドが持っていた分身であろう。だがそれにも怯まず蓮子達はデッキを構えた。

 

蓮子「行くわよ!ゲートオープン!!界放!!!」

 

 

 

 

さとり「…はぁ…さっさとたたんで終わらせるわ…」

 

メジェド《メインステップ。ビートルゴンを召喚。ターンエンド》

 

先行を取ったコピーメジェドはカブトムシのようなアルティメットを呼び出してシンボルを確保する。

 

さとり「メインステップ。仙龍シュローカを召喚してデッキを四枚オープン。その中のブラフマー/ジェネレイター/神話ブレイヴを一枚ずつ手札に加えます」

 

さとりは錫杖を持ったドラゴンを召喚する。さらにデッキがめくられて……アバタードラゴン・イエロー…創造の創界神ブラフマー…龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード…大神剣アラマンディー…

 

さとり「…ん…ヤマトを回収できなかったのは仕方ないか…アバタードラゴン・イエローを手元に置いて二枚を回収。そして未来の創造主!創造の創界神ブラフマー!!神託でコアを二つ置きます」

 

ブラフマー《…心火を燃やして…てめえを倒す…!!》

 

さとりの背後に指をコキコキとならしながらブラフマーが現れる。

 

さとり「ターンエンド」

 

メジェド《メインステップ。龍魔皇イビルフリードを召喚。Uトリガー、ロックオン》

 

さとり「…コスト3…アバタードラゴン・レッド」

 

メジェド《ヒット。よってトラッシュのコアすべてをイビルフリードに。アタックステップ。イビルフリードでアタック…効果でシュローカを破壊してドロー》

 

メジェドのフィールドに巻き起こった黒い竜巻から黒いUジークフリードが現れ、Uトリガーでコアを回収する。さらにアタックしたイビルフリードの前足がシュローカを踏み潰してしまった。

 

さとり「ライフで受けます」

 

イビルフリードの黒い炎がさとりのライフを一つ破壊した。

 

メジェド《ターンエンド》

 

さとり「…んん…弾や依姫さんはこれがいいそうですが…メインステップ。創界神グレンを配置して神託発揮。コアを一つ置き、アバタードラゴン・レッドを手元に置いて手元のイエローと共に召喚」

 

グレン《…出陣…!》

 

ブラフマーの隣にグレンが登場すると、さとりは神託でめくられたアバタードラゴン・レッドを手元においたあとイエローと共に召喚した。

 

さとり「…ですがここは攻め時ではありません。ターンエンドです」

 

メジェド《メインステップ。バーゴイルを召喚しコアブースト。バーストをセットしターンエンド》

 

メジェドも赤と緑の鳥人のようなアルティメットを召喚するだけでターンエンドを宣言した。お互いまだ手札とコアが整っていないようである。

 

さとり「…よし…メインステップ!アバタードラゴン・ブルー、そしてレベル2で聖仙龍マ・リーチ-人態-を召喚!」

 

ブラフマー《…さぁて!お前ら!祭りを盛り上げろ!!》

 

フィールドに青いアバタードラゴンが現れ、三種のアバタードラゴンの真ん中に六本の腕と大剣を持ったドラゴンが爆発しながら登場した。

 

さとり「アタックステップ!まずはイエローでアタック!ここでマ・リーチの効果が発動します!イエローはBPプラス10000されブロックされたあと、ライフを一つ砕けます!!さらにイエロー自身の効果でBP14000以下のイビルフリードを破壊!!」

 

ブラフマー《イエロー!きばっていけ!》

 

マ・リーチが剣を振るってイエローを攻撃させる。そしてマ・リーチの力を受けたイエローの火炎放射がイビルフリードを焼き尽くす。

 

メジェド《ライフで受ける。ライフ減少によりバースト発動。絶甲氷盾の効果でライフを回復しフラッシュの効果を発動。アタックステップを強制終了》

 

そのままイエローは爪でライフを引き裂くが、発動したバーストがライフを元に戻してアタックステップも終わらせてしまった。

 

さとり「仕方ありませんね…ターンエンドです」

 

メジェド《メインステップ。ネクサス、邪神域をレベル2で配置して疲労…これにより召喚条件を無視。獄炎の四魔卿ブラム・ザンド!!レベル3で召喚!!》

 

メジェドはビートルゴンの効果で最大軽減で邪神域を配置してシンボル確保&条件を無視する。そしてフィールドに紅色の炎柱が吹き上がり、中から炎柱を切り裂いてブラム・ザンドが現れた。

 

メジェド《アタックステップ。ブラム・ザンドでアタック…ソウルドライブを発動…!ソウルコアを除外して相手のスピリットをすべて破壊》

 

さとり「…マ・リーチの効果!相手の効果でフィールドを離れるとき、創造スピリットを手元に置くことで同状態で残ります!残りのアバタードラゴンも手元に!!そのアタックはライフです!!」

 

ソウルコアを砕いて精製された魔方陣から無数のどす黒い炎弾がさとりのフィールドめがけて降り注ぐ。だがマ・リーチはアバタードラゴン達の力を使ってフィールドに残った。

 

そして両手の剣を引きずりながら接近したブラム・ザンドはさとりのライフを二刀流で斬り捨てた。

 

メジェド《ターンエンド》

 

グレン《…まずい…ブラム・ザンドのソウルドライブの効果でこのターンはスピリットを召喚できない…》

 

さとり「…ですがブレイヴは対象外ですよね?メインステップ!大神剣アラマンディーと聖蓮神剣リグ・ヴェーダを召喚!!リグ・ヴェーダをマ・リーチに合体です!!」

 

グレン《…ん?アラマンディーはそのままか?》

 

フィールドに二本の剣が突き刺さり、そのうちの片刃剣をマ・リーチは掴んで引き抜く。だがさとりはアラマンディーをブラフマーにもグレンにも合体させなかった。

 

 

さとり「…さらにソウルコアをトラッシュへ!マ・リーチに煌臨します!輝ける赤き光!覚醒せよ!仮面ライダーファイズ ブラスターフォーム!!

 

 

天空から赤い光がマ・リーチを照らし出す。するとマ・リーチの体が機械の装甲を纏い、二本になった腕にアタッシュケース型デバイス…『ファイズブラスター』が出現する。

 

さとり「アタックステップ!ブラスターフォームでアタック!!リグ・ヴェーダの効果でブラム・ザンドを指定アタックです!!さらにレベル2効果も含めてシンボルを二つ追加します!」

 

 

ブラスターフォームがジェット噴射しながらブラム・ザンドめがけて迫っていく。そしてブラム・ザンドとぶつかった瞬間、ファイズはリグ・ヴェーダを地面に突き刺すとファイズブラスターを操作してバスターモードに変形させた。

 

 

さとり「ブラスターフォームの効果!ブロックされたとき、自身のシンボル分相手のライフを破壊!!よって四点貫通!!さらにブラフマーよ!転神しなさい!!」

 

 

ブラフマー《激戦!激震!激昂!これが俺達の力だぁぁぁ!!》

 

 

ファイズがファイズブラスターの『enter』ボタンを押すとブラスターの銃口に赤いフォトンブラッドのエネルギーが充填される。そしてメジェドめがけて赤い砲弾をぶっぱなし、ライフを四つ吹き飛ばした。

 

さらに転神の効果でスピリット状態になったブラフマーがフィールドに降り立つと両腕に青い剣、両肩に赤い盾、背中に黄色い翼を出現させて大きく声を張り上げた。

 

さとり「BPはこちらが上!ブラム・ザンドを破壊しなさい!!」

 

ファイズとブラム・ザンドのバトルは壮絶な剣のぶつかり合いだった。ファイズはブラスターを剣にしてリグ・ヴェーダとの二刀流でブラム・ザンドと斬り合っていたが、ファイズの背中に装着されていたユニットを前に移動させる。するとそこから無数の弾丸が放たれてブラム・ザンドに降り注いだ。

 

 

ブラム・ザンドが弾丸に怯んでいるとファイズは飛び上がり、渾身のライダーキック…『超強化クリムゾンスマッシュ』を叩き込んだ!そして巻き起こった赤いフォトンブラッドの竜巻を中心で食らったブラム・ザンドは大爆発四散した!

 

 

さとり「続けてアラマンディーでアタック!フラッシュでグレンの神技を使い、バーゴイルを破壊!」

 

グレン《…斬!!》

 

メジェド《ビートルゴンでブロック》

 

轟音をあげながらアラマンディーが浮遊してメジェドめがけて飛び出す。そしてグレンの飛ぶ斬擊と飛んでいたアラマンディーがビートルゴンとバーゴイルを破壊する。

 

さとり「ひれ伏しなさい!!ブラフマー!!」

 

ブラフマー《これでも!!食らいやがれぇぇぇぇぇ!!》

 

走りながら飛び上がったブラフマーはきりもみ回転キックを浴びせてメジェドの最後のライフを破壊した!!

 

 

 

 

 

さとり「ふぅ……さて…ブラフマー」

 

ブラフマー《…お…了解!》

 

 

コピーメジェドがライフを砕いた衝撃で破壊されたあと、さとりはブラフマーに目を向ける。するとブラフマーははサッと腕を振ってどこかの映像を写し出した。どうやら誰かに連絡するようだ。

 

さとり「こちらさとり。四魔卿達とバトルを開始しました。術式はちゃんと機能してますか?」

 

???「ああ、こっちも準備万端だ。エネルギーも送られてきている」

 

さとり「…そうですか…あと心配なのは……紫さんにバレないようにする事だけですね…弾さん?」

 

 

 

 

蓮子の住んでいた世界 極点 神々の砲台

 

 

弾「…まぁな…今はなんとか誤魔化せてるけど……そろそろバレそうかな…」

 

極点の神々の砲台の前でさとりの連絡を聞いていた弾はそう言いながら腕を組んでいた。わざわざ今のタイミングでさとり達に四魔卿退治に行かせたのは彼らのエネルギーを神々の砲台に利用しようと考えたからである。

 

ツクヨミ《弾君、認識阻害の術は完了したぞ》

 

ヘカーティア《衝撃緩和術式もねぇ♪》

 

永琳「あとは十分なエネルギーが来るだけよ」

 

弾「…だそうだ。こっちは万全だから心配するな」

 

さとり「了解しました。では…」

 

創界神きっての陰陽師、魔法使い、天才の編んだ結界術が完成し、安心したさとりは通信を切った。他の幻想郷メンバーや創界神達は近くでワイワイガヤガヤ騒いでいる。

 

弾「…あいつら…なにやってるんだ?」

 

魔理沙「おーい!弾!手伝ってくれ~!」

 

咲夜「実は…この一件が終わって紫に蓮子を会わせるタイミングで祝いと称した宴会をという声がありまして……」

 

遠くで椅子やらテーブルやらを準備している魔理沙の声が響くと、弾のそばに現れた咲夜がそう耳打ちした。

 

弾「…ちなみに件の紫は?」

 

袿姫「我がゴッドよ、今は何人かの創界神達がうまく言い訳をして誤魔化していますが…」

 

永琳「…確か…今日は万全を喫して幽々子、映姫、そして隠岐奈もついていたはずだけど……」

 

袿姫と永琳が弾の質問に答えたその時、ものすごい音が響いて空間にヒビがはいった。そしてヒビが弾けると同時に何人かが準備中の宴会場に吹き飛んできた。

 

映姫「くぅ…!!」

 

隠岐奈「どぁぁぁぁ!」

 

幽々子「きゃー」

 

紫「とうとうつきとめたわよ!!弾!みんなと何をたくらんでいるの!!?」

 

…まるで夫の浮気現場に踏み込んできた妻のような表情で、次元の裂け目から飛び出してきた紫は映姫達を蹴散らして弾に詰め寄った。倒された三人は隣でキューと伸びている。

 

弾「ええと……まゐ…実は…その…」

 

永琳「あら…あなたも私と弾との結婚式に招待されたの?

 

幻想郷メンバー 創界神'S「《げ!まずい!!》」

 

弾がどうにか言い訳を考えているとその隣にいた永琳がヤベェセリフをぶっちゃけた(もちろん嘘だが)。その言葉にその場にいた全員が冷や汗をかいた…当然それは極点の寒さによるものではない…

 

アテナ《な…永琳!それは》

 

アルテミス《ちょ~っと~!》

 

トト《……はぁ…》

 

スサノヲ《…お疲れ…じゃねぇ!…紫ちゃん……げ…》

 

創界神'Sが十人十色の反応を示すなか、紫は下を向いて無言で立ち尽くしていた……真っ黒なオーラを放って……何故だろう…まわりにゴゴゴという文字が見える気が…

 

紫「…………………」

 

アリス「バカ!何でそんなこと言うのよ!!」

 

妖夢「紫様…落ち着いてください…!!」

 

幽香「…あなた達…!時間を稼ぐわよ…!!」

 

依姫「…了解…!!」

 

妹紅「…しっかたねぇ…!」

 

一人残っていた四天王の幽香の号令を聞いて依姫を始めとしたバトラーは紫と砲台の間に立ち塞がる。ここで止めないとせっかくのサプライズが台無しになってしまうが……全員紫のオーラに気押されて若干手足が震えていた……

 

霊夢「…踏ん張りなさい!!」

 

紫「アハハハハ!!!ネェダン!今世デ一緒ニナレナイカラ生テル意味ナイワヨネ!!?アハハハハ!!

 

……蓮子達の裏で…もう一つの戦争が勃発した瞬間であった…

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

なーんかブラフマーって三バカ(赤、青、黄)を従えてるってところでグリスっぽいですよね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

究極の神皇

ゼウス=ロロの化神…かなり豪快な効果ッスネ。回復に手札一枚残して破棄させる…だからリバイバルノヴァの時にそれはまずいって分かったでしょ……


文「…まぁたこいつらを相手するとはね…」

 

メジェド《先行を選択…メインステップ。シキツルを召喚し効果でドロー…ターンエンド》

 

文と対峙したコピーメジェドは紫の折鶴、シキツルを召喚してワンドロー!する。

 

文「メインステップ。小凰ニックスを召喚してデッキを四枚オープン!その中のアルティメットカードを手札に加える!」

 

文のフィールドに小さな緑の鳳凰が現れ、デッキをサーチする……天空鳥ナイルバード…三十三代目風魔頭首ヤタガライ…創界神ホルス…天空神鳥ハロエリス…ここでハロエリスは欲しいところだが…

 

文「…はぁ…何で被るのよ…!さらに1コスト支払うことでアルティメットカードの代わりに緑1色の創界神を回収!ターンエンド!」

 

メジェド《メインステップ。クリスタニードル、バイ・パイソン、そして旅団の摩天楼を配置。配置時効果でドロー…アタックステップ。バイ・パイソンでアタック…!さらに一枚ドロー》

 

肝心な時にヘマしたホルスに呆れていた文にコピーメジェドは紫の水晶龍と白いヘビを呼び出して、バイ・パイソンを攻撃させる。こちらはリバイバル前のようだ。

 

文「ライフよ!」

 

バイ・パイソンの口からビームが放たれ文のライフを一つ破壊した。

 

メジェド《ターンエンド》

 

文「メインステップ!わざわざハロエリス切って手札に加えたのよ!働きなさい!創界神ホルスを配置!神託の使ってコアを三つ追加!!」

 

ホルス《…すいません…!》

 

文の後ろにホルスが現れたが…綺麗なお辞儀を見せながらの登場だったのは当然?のことであろう…まぁ自分のカードがどこにあるかは当神も分からないので、とばっちりとも言えるが…

 

文「さらにヤタガライと天空翠凰ファラ=ニクスを召喚!!どちらも効果でコアブースト!!ターンエンド」

 

さらに文はニックスのサーチでめくられたときに効果で回収されたヤタガライとアルティメット化したニックス…ファラ=ニクスを召喚する。だがまだ手札とコアが整っていないようなので、そのままターンエンドした。

 

メジェド《メインステップ。新たなシキツルを召喚しバーストセット。ターンエンド》

 

メジェドはもう一体シキツルを呼び出すだけでターンを終えた。『紫速攻』の弱点としてコアが足りなくなることがあるが、さすがに今大型を出すにはコア不足だろう。

 

文「…あのバーストが怖いけど…攻めますか!メインステップ!天空鳥鎧ファルコームを召喚してホルスにコアを追加!そしてファルコーム!ファラ=ニクスに合体しなさい!そしてレベル5にアップよ!」

 

ファラ=ニクスに天空から機械の鳥が現れ、合体する。するとファラ=ニクスの金色の翼がさらに大きく広がった。

 

文「アタックステップ!合体アタックしなさい!ファラ=ニクス!!」

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ファラ=ニクスはレベル4からブロックされたバトルの終了時、回復できる効果を持っている。それを見越してかメジェドはダブルシンボルのアタックをライフで受けた。

 

文「…ターンエンドです」

 

メジェド《メインステップ。アルティメット召喚!獄土の四魔卿マグナマイザー!!不足コストはシキツル一体から使用》

 

メジェドがとうとう制限カードの紫アルティメット…獄土の四魔卿マグナマイザーが地面を砕きながらフィールドに呼び出した。

 

メジェド《アタックステップ。マグナマイザーで攻撃…TUトリガー…ロックオン》

 

文「…ウツボクイナにキジバトゥーラ…そしてジークフリード・ホルス…コスト3と3と9…!」

 

メジェド《ダブルヒット…!ヤタガライのコア三個とニックスのコア一つとライフをトラッシュに》

 

文めがけて突進したマグナマイザーがその手に構えた剣を一振りすると、ヤタガライとニックスが消滅する。これで文を守るスピリット/アルティメットはいなくなってしまったが……

 

文「…さぁ!活躍の出番よ!フラッシュタイミングでホルスの神技を発揮!レベル2の神域でコア一つをボイドに置くことで、デッキを三枚オープン!!」

 

ホルス《…ここで活躍しねぇでいつやるんだ!》

 

気合いがはいったホルスが巻き起こした風がデッキをめくる…小凰ニックス…選ばれし探索者アレックス…………

 

ホルス《……ヤベェヤベェヤベェヤベェヤベェ…落ち着け…ハードボイルドだ…必ずくる…!!こいやぁぁぁ!!》

 

そして最後の一枚が表に変わる…そのカードは……天帝ホウオウガ!!!

 

文「あやや!来ましたね!!天に羽ばたく天空鳥!天帝ホウオウガ!レベル2で舞い上がれ!!召喚時効果で相手スピリット三体を重疲労させます!!」

 

文の上空に緑の光が昇ると空で爆発が巻き起こる。そして空から巨大な極楽鳥が大風と共にメジェドのクリスタニードル、バイ・パイソン、シキツルを重疲労させた。

 

文「そしてホウオウガ!マグナマイザーを迎え撃ちなさい!!」

 

走ってきたマグナマイザーにホウオウガが飛びかかる。マグナマイザーは剣を突き出したが、ホウオウガはかわして前足で剣を掴むとそのまま空中に飛び上がる。

 

最後にホウオウガは縦回転してマグナマイザーを地面に叩き落とし、翼から無数の光の刃を放ってマグナマイザーをズタズタに切り裂いた。

 

メジェド《ターンエンド》

 

文「メインステップ!こいつで決めるわ!さっき貰った気力カード!跳び回れ!究極の力纏う神皇よ!召喚!究極神皇アルティメット・ゲイル・ビット!!そしてファルコームと合体!!」

 

文の声が響いてフィールドに緑と金のエネルギーの柱が現れる。それを切り裂きながら頭にゲイル・フェニックスの尾羽のような装飾を着けた金のミストラル・ビットが出現した。

 

さらにファラ=ニクスから分離したファルコームが今度はUゲイル・ビットの背中に自身の翼を合体させる。

 

文「アタックステップ!Uゲイル・ビット!WUトリガー…!ロックオン!!」

 

メジェド《魂鬼とネクロブライド。コスト0と3》

 

文「Wヒットよ!!ライフを一つ破壊して回復!!」

 

ホルス《これで残りのライフは2!Uゲイル・ビットのシンボルは二点!これで決まりだ!!》

 

両腕のビームソードを構えてブースターから飛び出したUゲイル・ビットが効果も含めて三点ライフを斬り捨てた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「ようやく回ってきた出番!負けないわよ!」

 

メジェド《先行を…メインステップ。邪神域を配置してバーストをセット。ターンエンド》

 

耳をピンっと張りながら自信満々のセリフをいい放つ鈴仙に対し、コピーメジェドはいつもの邪神域を配置する。アルティメットを多用するデッキには欠かせないネクサスなので、初手に張りたいものである。

 

鈴仙「メインステップ!クリシュナーガ・アルターリースを召喚!召喚時効果で四枚デッキをめくる!!」

 

鈴仙のフィールドに白い翼を羽ばたかせて一体の甲龍が現れる。そしてめくられたカードの中には……

 

鈴仙「…その中の白創界神をノーコスト配置!癒しの創界神!創界神クリシュナ!!神託によりコアを一つ追加するわ!ターンエンド」

 

クリシュナ《レッツゴー!》

 

アルターリースの効果で鈴仙の背後にクリシュナがハイテンションで現れた。

 

メジェド《メインステップ。バーゴイルを召喚しコアを追加。そのコアを使いマジック、ネオ・ダブルドロー…アルティメットがいるのでデッキより三枚ドロー》

 

メジェドはバーゴイルとネオ・ダブルドローを使ってコアと手札を補充していく。鈴仙はコアと手札の具合から次のターンで攻めてくると読んだ。

 

メジェド《ターンエンド》

 

鈴仙「…メインステップ!クリシュナーガ・サトラェを召喚してコアを一つ増やす!さらにクリシュナーガ・ビース!!」

 

鈴仙は黒い甲龍と猟犬のようなロボット犬を召喚する。そして鈴仙はクリシュナーガ・ビースをレベル2にするためにアタックステップに入る。

 

鈴仙「アタックステップ!クリシュナーガ・ビースでアタック!まずはバーゴイルを手札に戻してコアを自身に!よってレベル2にアップしなさい!!」

 

メジェド《ライフで受ける。ライフ減少によりバースト発動。イビルフレイムの効果でシンボル一つのスピリット二体を破壊》

 

クリシュナーガ・ビースがバーゴイルを吹き飛ばしてメジェドのライフを爪で切り裂くと、バーストから放たれた黒い炎がクリシュナーガ・サトラェとクリシュナーガ・アルターリースを焼き尽くしてしまった。

 

鈴仙「うっ…ターンエンド…」

 

メジェド《メインステップ。ドクロスリーパーを二体召喚。スピリットソウルの効果でドクロスリーパーに究極シンボルを追加。召喚!獄風の四魔卿ヴァンディール!!邪神域の力で条件を無視》

 

メジェドが呼び出した骨の虫兵の上に究極シンボルが現れ、さらに召喚コストを軽減する。それによりかなりのコアを節約してヴァンディールがフィールドに現れた。

 

メジェド《アタックステップ。ヴァンディールでアタック…ソウルドライブ…発動。ソウルコアを除外してデッキをアルティメットが三体出るまでオープン》

 

メジェドが緑の魔方陣を展開してソウルコアを握りつぶしエネルギーをヴァンディールに供給する。ヴァンディールもその力で大鎌を振り回してデッキをオープンしていく。

 

メジェド《…アルティメット・レオン・ハウル、アルティメット・ギガ・ガルレイヴ、アルティメット・フォン・ニードを召喚。コストはドクロスリーパー二体から確保》

 

ドクロスリーパー達が維持コアのために消滅するとメジェドのフィールドに赤い獅子、いくつもの頭を持った緑の狼、そして二本の槍を構えた昆虫騎士が次々と登場した。

 

メジェド《Uレオン・ハウルの効果でクリシュナーガ・ビースを破壊。Uギガ・ガルレイヴの効果で緑アルティメットに一つずつコアを追加。そのコアでマジック、インファナルウィンドを使用。アルティメット達にコア三個ずつ置く》

 

Uレオン・ハウルの炎がクリシュナーガ・ビースを破壊しUギガ・ガルレイヴのコアブーストを使って、メジェドはソウルコアが除外されているとぶっ壊れマジックになるインファナルウィンドを切った。

 

これで鈴仙のフィールドにスピリットは0、ヴァンディールもレベル4なのでライフ破壊追撃も備わっている。

 

鈴仙「…ライフで受ける!!」

 

メジェド《ヴァンディールの効果でさらにライフをボイドに。続けてUギガ・ガルレイヴでアタック…Uトリガー、ロックオン》

 

鈴仙「…コスト3…クリシュナの月冠神殿」

 

メジェド《ヒット》

 

ヴァンディールが鈴仙のライフを二つ破棄したあと、ギガ・ガルレイヴのUトリガーがヒットする。しかしバーストを張っていないので効果は不発である。

 

鈴仙「…それもライフ!」

 

メジェド《ヴァンディールの効果でライフをボイドへ。さらにUフォン・ニードでアタック》

 

鈴仙「そこまでよ!フラッシュタイミング!デルタバリア!!」

 

……皆さん本当にデルタバリアが好きですねぇ……ギガ・ガルレイヴの攻撃で残りライフ1にまで追い詰められた鈴仙だったが、間一髪放った銀色の三角バリアがライフを守りきった。

 

メジェド《ターンエンド》

 

クリシュナ《んん~!嫌いじゃないわ!!この逆境!燃えてくる~!!》

 

鈴仙「そしてここからひっくり返す!メインステップ!究極の力奪う機械の大蛇!機界蛇竜ヨルムンガンド!レベル2で召喚!さらに神龍甲笛バガヴァット・ギーターをヨルムンガンドに合体!!」

 

鈴仙のフィールドに大穴が開いて中から機械の大蛇が這い出してくる。そして天空からも大きな笛が落ちてくるとヨルムンガンドは大口を開けて飲み込んだ。しばらく経つとヨルムンガンドの尻尾が巨大な砲台へと変わり、不気味な機械音をフィールドに響かせた。

 

鈴仙「アタックステップ!ヨルムンガンド!レベル2の効果でアルティメットのBPを1000にまで下げる!これでレベル1からの効果の対象内になった!!」

 

クリシュナ《BP合計5000までスピリット/アルティメットを手札に!ぜーんぶまとめて返りなさ~い!!》

 

空に昇ったヨルムンガンドが再び機械音のような咆哮をあげると、メジェドのアルティメット達が力を失い粒子になって全員手札に戻っていった。

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ヨルムンガンドが巨大な尾を振るってライフを一気に二つぶち壊す。

 

鈴仙「ヨルムンガンドは自身のレベル1効果で回復している!ヨルムンガンド!特大カウンターよ!!!」

 

ヴァンディール達をバウンスしたことにより回復したヨルムンガンドが尻尾の砲台と身体中から白いビームを発射した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

アルティメット軍団にヨルムンガンドをぶつけて一気にバウンスさせるのって気持ち良さそうですね



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

勇者奮闘

最新弾のカードリストが公開されました。それよりも…おいツクヨミ…なに裏切ってんだよ……


メジェド《…敵を確認…》

 

駿太「何度でも倒してやるさ!俺のターン!メインステップ!ネクサス、情熱サーキットを配置!バーストもセットだ!」

 

バトルアーマーに身を包んだ駿太はカードをフィールドに投げ込み、フィールドが大きなサーキットに変える。

 

駿太「ターンエンド!」

 

メジェド《メインステップ。No.36バーチャスアイランドを配置。さらにバーストをセット。ターンエンド》

 

メジェドもネクサスを配置してフィールドに古い寺院を出現させた。

 

駿太「青デッキか…メインステップ!コレオン、甲獣キャノン・ピューマをレベル2で召喚!アタックステップ!アタックだ!キャノン・ピューマ!」

 

駿太は小さなライオンと背中に砲台を背負ったピューマを召喚してキャノン・ピューマにアタックさせる。キャノン・ピューマのアタック時効果で駿太の手札が一枚増加した。

 

メジェド《ライフで受ける。ライフ減少によりバースト発動。紅炎の戦姫ブリュンヒルデ。バースト効果で相手のスピリットすべてを手札に》

 

キャノン・ピューマが砲台からビームを放ってライフを破壊したが、メジェドのバーストから白い衝撃波が放たれコレオンとキャノン・ピューマが手札に返されてしまった。

 

駿太「ぐ…!ターンエンド」

 

メジェド《メインステップ。バーストをセットしマジック、ストロングドローを使用。手札を三枚ドローして二枚破棄。ここでバーチャスアイランドの効果でコアを追加》

 

メジェドの手札交換マジックに呼応…性格には効果による手札破棄だが…してバーチャスアイランドにコアが貯まる。

 

メジェド《さらに獄海勇士スキッドメンを召喚…アタックステップ。スキッドメンでアタック》

 

メジェドはイカの魚人を呼び出してそのままアタックさせた。駿太のフィールドにスピリットはいないので、ライフで受けるしかない。

 

駿太「ライフで受ける!ここで情熱サーキットの効果!デッキを一枚オープンしてそれが神皇/十冠の赤スピリットの時召喚できる!」

 

スキッドメンの銛が駿太のライフを貫くと情熱サーキットを炎が駆け巡る。その炎が駿太のデッキをオープンした……それは…寅の十二神皇リボル・ティーガ!!

 

駿太「よっしゃぁぁ!赤の神皇なので使用する!吼えよ!鋼の寅よ!熱き炎を力に変えて敵を撃ち砕け!召喚!寅の十二神皇リボル・ティーガ!!

 

情熱サーキットの炎が一体の大きな二台の砲台が着いた寅がフィールドに現れた。序盤で十二神皇を出せたのは大きなアドバンテージを獲得したことになる。

 

メジェド《ターンエンド》

 

駿太「メインステップ!バーストをセットしてコレオン、甲獣キャノン・ピューマを再び召喚!アタックステップ!行け!!リボル・ティーガ!!」

 

リボル・ティーガの隣に先ほど手札に戻された二体が戻ってくると、リボル・ティーガが走り出す…そしてリボル・ティーガのソウルコアが赤く輝いた…!

 

駿太「リボル・ティーガのソウルコアを!俺のライフに!封印!!封印時の効果!砲撃!!デッキからカードを二枚オープン!!キャノン・ピューマの力でさらに一枚!」

 

駿太のデッキからカードがキャノン・ピューマの効果も含めて三枚リボル・ティーガの砲台にカキンっと音立ててぶつかる。そのカードは…庚午獣ハイレオン…白庚帝エクスパルド…十二神皇の社…

 

駿太「よし!ハイレオンとエクスパルドの力を込めて…砲撃用意…撃てぇぇぇ!!」

 

リボル・ティーガが三枚中二枚の力を吸収して砲台にエネルギーを貯める。そして照準をメジェドのライフめがけてぶっぱなした。

 

メジェド《バースト発動。エクスティンクションウォールのバースト効果…ライフを二つ回復。リボル・ティーガのアタックはブリュンヒルデでブロック》

 

リボル・ティーガの弾丸がメジェドのライフを砕いたが、バーストが削られたライフを回復してしまう。メインアタックもブリュンヒルデに阻まれてしまった。

 

駿太「…でもブリュンヒルデは倒した!ターンエンド!」

 

メジェド《メインステップ。アルティメット召喚…!獄海の四魔卿イル・イマージョ!!レベル4…!》

 

フィールドが一面大海に変わって深海からイル・イマージョが沸き上がってきた。そしてメジェドには十分なほどの手札とコアが…

 

メジェド《アタックステップ。イル・イマージョ…攻撃…!ソウルドライブ…発揮!ソウルコアを除外することで手札のバーストを条件を無視して発動…!!》

 

青い魔方陣がソウルコアを粉々に砕いてその力でメジェドの手札の三枚がフィールド上空に舞い上がる…そのカードは…グリードサンダー…ハイドロリックウェーブ…獄海将軍スキッドメン・ジェネラル

 

メジェド《グリードサンダーの効果で相手の手札をすべて破棄させて二枚ドロー。続けてスキッドメン・ジェネラル、デッキを五枚破棄してレベル2で召喚。最後にハイドロリックウェーブ、手札を交換したあとフラッシュ効果…相手のスピリットを三体破壊…!》

 

メジェドの効果が立て続けに巻き起こり、駿太の手札は減らされ、リボル・ティーガ達は巻き起こった津波に押し流される。オマケにデッキも破壊されてしまった。

 

駿太「…まず…!は…!ライフで受ける!情熱サーキットの効果!」

 

イル・イマージョが杖の先からビームを放ってライフを二つ壊した。スキッドメン・ジェネラルレベル2の効果で『獄海』スピリットに青シンボルが増加しているのだ。

 

だが駿太も負けずに情熱サーキットの効果を発動させる。今回オープンされたのは庚午獣ハイレオン…よって召喚できる。

 

駿太「ハイレオンをノーコストで召喚だ!」

 

メジェド《続けてスキッドメン・ジェネラルでアタック》

 

駿太「ライフだ!バースト発動!絶甲氷盾!こっちもライフを一つ回復させてフラッシュ!アタックステップを終わらせる!!」

 

ハイレオンの召喚をものともせずメジェドはスキッドメン・ジェネラルにアタックを命じる。スキッドメン・ジェネラルの槍は駿太のライフをもう一度二つ破壊したが、駿太のバーストによって追撃を封じられてしまう。

 

メジェド《ターンエンド》

 

駿太「こっから逆転だ!メインステップ!新しいコレオンを召喚して……炎よ!全ての敵を焼き尽くせ!午の超・十二神皇エグゼシードF!!召喚!」

 

駿太はコレオンで神皇スピリットのコストを軽減する…そしてフィールドに蒼い炎を纏いながら駆けてくる一体の神馬…その前足付け根にビームソードが装着されて大きく嘶いた。

 

駿太「アタックステップ!まずはハイレオンでアタック!BPプラス4000してライフをソウルコアをエグゼシード・フォーミュラーへ!」

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ハイレオンが駿太のソウルコアをフォーミュラーへ移動させて自身に赤シンボルを一つ増やす。強化された炎の突進がメジェドのライフを破壊していく。

 

駿太「こいつで決めてやる!行け!!エグゼシード・フォーミュラー!!フォーミュラーのソウルコアを俺のライフに!超封印!!そしてエグゼシード・フォーミュラーは最高レベルにアップ!!」

 

フォーミュラーのソウルコアが再び駿太のライフに移動するとフォーミュラーはその力でレベル4までパワーアップする。

 

駿太「さらに炎走破!!相手のスピリット/アルティメットを二体破壊してイル・イマージョに指定アタック!!」

 

フォーミュラーが前足から光線をぶっぱなしてスキッドメンとスキッドメン・ジェネラルを吹き飛ばすと、イル・イマージョめがけて突進する。イル・イマージョはその足をフォーミュラーに絡みつけて抵抗するが、フォーミュラーは前足のビームソードを伸ばして貫き自身の角にも炎を纏って破壊した!

 

駿太「破壊したスピリット/アルティメットの数だけ相手のライフを破壊!これで終わりだぁぁぁ!!!」

 

ビームソードとフォーミュラーの角がメジェドのライフをすべて奪い去った!!

 

 

 

 

 

ヨク「…さぁ!かかってこい!」

 

メジェド《…メインステップ。魔界刃鬼アゴンを召喚し一枚ドロー。ターンエンド》

 

こちらもヨクがバトルアーマーを着て高々に宣言すると、メジェドは紫の鬼を召喚してターンを終えた。

 

ヨク「…俺のターン!メインステップ!チキンナイト、丁騎士シュバリエを召喚!シュバリエの召喚時効果!相手のスピリットを疲労させてコアブースト!」

 

対するヨクは小さな鳥の騎士と色違いのスピニード・ハヤトを召喚する。そしてソウルコアを召喚コストに使用したことによりシュバリエのコアが増加した。

 

ヨク「続けてネクサス、力集める翼風車を配置!ターンエンド!」

 

二人のフィールド全体に緑の風車が乱立し始めた。このネクサスは相手スピリットのアタックに呼応してコアブーストできる緑らしいネクサスである。

 

メジェド《メインステップ。小悪魔デビット、ネクサスNo.32アイランドルートを召喚。デビットの召喚時効果で四枚オープン。その中のアルティメットカードを手札に》

 

アゴンの隣に小さな悪魔が登場してデッキをめくる。オープンされたのは…シキツル…マーク・オブ・ゾロ…アルティメットエル・ブラド…戦鬼ムルシエラ…!

 

メジェド《アルティメット・エル・ブラド確認。手札に加える。ターンエンド》

 

ヨク「…紫デッキにしては動かないな……メインステップ!翼の騎士よ!舞い来たれ!召喚!丁騎士ウェッジテイル!!召喚時効果でデッキを五枚オープン!!」

 

ヨクはフィールドにオオワシのスピリットが現れてヨクのデッキも五枚めくられていく…白雲に茂る天翼樹…ゲイルロードフィニッシュ…チキンナイト…卯の十二神皇ミストラル・ビット…バインディングソーン…

 

ヨク「よし!こい!ミストラル・ビット!!そして…神速封印!冴え輝く月光の使者!萌え出ずる緑の息吹!来たれ!卯の十二神皇ミストラル・ビット!!

 

ウェッジテイルの効果で神皇/十冠スピリットが手札に加わり、緑の竜巻から一体のウサギが現れる。そしてどこからか飛んできたブースターの中に入ってソウルコアをヨクのライフへと移させた。

 

ヨク「アタックステップ!行け!ミストラル・ビット!!ウェッジテイル!」

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ミストラル・ビットがビームソードで、ウェッジテイルが嘴でメジェドのライフを切り裂いた。

 

ヨク「ターンエンド!」

 

メジェド《メインステップ。アルティメット召喚…!アルティメット・エル・ブラド!不足コストはアゴンから確保。召喚時効果、相手のスピリットすべてのコアを一つずつにする》

 

メジェドのフィールドに金色の魔方陣が張り巡らされてそこから金の鎧に黒いマント、そして大きな錫杖を持った魔神が現れる。さらにUエル・ブラドの登場と同時に紫の衝撃波がヨクのスピリット達のコアを一つまで減らした。

 

メジェド《アタックステップ。Uエル・ブラドでアタック。WUトリガー、ロックオン》

 

ヨク「…ミストラルフィニッシュとヤリアラシ…コストはどちらも4…!!」

 

メジェド《ダブルヒット。ミストラル・ビットとウェッジテイルを破壊して一枚ドロー》

 

ヨク「ミストラル・ビット!…だが力集める翼風車の効果でコアを追加!そのアタックはライフで受ける!」

 

Uエル・ブラドが錫杖を振るってミストラル・ビットとウェッジテイルを魔方陣で地面に叩きつけて破壊するとヨクのライフも破壊した。しかしヨクもネクサスの効果でコアブーストしていく。

 

メジェド《さらに小悪魔デビットでアタック》

 

ヨク「再びネクサスの効果!コアブースト!それもライフだ!」

 

Uエル・ブラドと交代してデビットがアタックし、紫のビームがヨクのライフをもう一つ砕いた。

 

メジェド《ターンエンド》

 

ヨク「…ぐぅ…!ミストラル・ビットが……メインステップ!癸の槍獣ヤリアラシをレベル3で召喚!さらにシュバリエをレベル2に!アタックステップ!反撃だ!ヤリアラシ!」

 

翼風車とライフを削って貯めたコアを使い、緑のヤマアラシを最高レベルで呼び出したヨクはそのままヤリアラシに攻撃させる。

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ヨク「エンドステップ!ヤリアラシは自身の効果で回復する!ターンエンド!」

 

ヤリアラシの突進がメジェドのライフを貫いて破壊した。そしてヨクがターンを終えるとヤリアラシはムクッと起き上がる。

 

メジェド《メインステップ。龍の賢神…龍魔侯オーバーヴェルム!!召喚時効果…OUトリガー!相手のデッキから八枚をトラッシュに…!》

 

メジェドは再び紫の魔方陣を展開するとそこからは紫色の巨大な司祭のような格好のドラゴンが現れ、ヨクのデッキを八枚オープンさせる…その中にコスト7以上のカードはなかった……つまり……

 

メジェド《すべてヒット。相手のスピリットからコアを八個リザーブに》

 

ヨク「な…!一撃で…!?」

 

オーバーヴェルムが大きく咆哮してヤリアラシ、シュバリエ、チキンナイトからコアを根こそぎ奪い取ってしまった。

 

メジェド《アタックステップ。オーバーヴェルムでアタック》

 

ブロッカーのいないヨクに容赦なく攻撃を畳み掛けるメジェドだったが…ヨクはニヤリと不適な笑みを見せる…

 

ヨク「かかったな!フラッシュ!!雷神速!疾風よ!嵐を巻き起こせ!酉の超・十二神皇ゲイル・フェニックスZ!!レベル2で召喚!そのままブロックだ!」

 

オーバーヴェルムの行く手を阻むようにヨクの中心として緑の竜巻が吹き荒れる。その中から三対の羽を持った緑のサンダーバードが飛び出してオーバーヴェルムに掴みかかる。

 

ヨク「BPはこちらが上!破壊しろ!ゲイル・フェニックス・ゼファー!!!」

 

ヨクの叫びと同時にゼファーはオーバーヴェルムを空中に投げ飛ばすと回転しながら突っ込み、オーバーヴェルムの体を貫いた!

 

メジェド《ターンエンド》

 

ヨク「このターンで終わらせる!メインステップ!リザーブのコアをゼファーに!アタックステップ!飛翔せよ!ゼファー!!!雷飛翔!発揮!ゼファーよりコアが少ないスピリット達はブロックできない!」

 

大量のコアを吸収したゼファーの飛翔と共に天空から強烈な雷がメジェドのフィールドに降り注ぎ、ゼファーのブロックを妨害する。

 

メジェド《ライフで受ける》

 

ブロックできないメジェドはゼファーの攻撃をライフで受けるしかない。そして雷飛翔のもう一つの効果が発動した…!

 

ヨク「さらにゼファーはコアを支払って回復する!決めてこい!ゼファー!!!」

 

回復したゼファーが翼から巨大な雷撃をぶっぱなした!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

駿太「お?」

 

ヨク「駿太!お前も勝ったんだな!」

 

さとり「お二人共、ご協力ありがとうございました」

 

バトル後二人は先ほどの空き地に戻ってきた。そこでは先にバトルを終えたさとりが二人を待っていた。

 

駿太「いいって!」

 

ヨク「…そう言えば…イオは?」

 

さとり「今私の仲間が戦っています。あとは彼女に任せましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

自分としてはゼファーよりフォーミュラーの方が好きです…でもなぜかゼファーが当たりまくるんですよね…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魔王

…アマテラスの系統…うちのカグツチともろ被ったぁぁぁ!!


極点 神々の砲台

 

鈴仙「師匠~!ただいま戻りました……って…」

 

文「あややや!?これは…いったい…?」

 

さとり「…紫さんですね………」

 

駿太達に礼を言って弾達の元に戻ってきた三人が目撃したのは…一言でいえば戦場だった…そこら中には敗北したであろうバトラー達が転がり、宴会用に準備された飾り付けも無残に散らばっている。

 

弾「…三人共…お帰り…」

 

へカーティア《…さっそくだけど……あれ止めて》

 

鈴仙「いやいやいやいや無理ですよ!なら師匠が戦えばいいでしょう!?」

 

永琳「私たちは神々の砲台のエネルギーのコントロールをしないといけないから無理~♪」

 

鈴仙「ぁぁぁぁぁ!!!

 

神々の砲台近くでエネルギーを充填している係の弾、へカーティア、永琳に近寄った三人に吹っ掛けられたのは…かぐや姫の難題にも匹敵する超・超・超難題だった…

 

文「……|д゚)チラッ…」

 

霊夢「………チーン…」

 

魔理沙「……キゼツ……」

 

咲夜 早苗「「…ダンサマ…モウシワケアリマセン…」」

 

妖夢「…ミョン……」

 

幽香「……うぅ…」

 

妹紅「……まぁあたしは大丈夫……じゃなかった……グフッ」

 

天子「…………」

 

純狐「あぁ!うどんちゃん!助けに来てくれたのね!!」

 

鈴仙「げ……!」

 

創界神達も怯えて彼女達の中からでて来ない状態の中、まだ残っていた純狐の声が極点(戦場)に響き渡った……すると彼女達の真ん中に佇んでいた(もはや黒オーラで空中に浮いてるほど)彼女が鈴仙の方をギョロっと振り返る…

 

紫「アハハハハハ!!!ツギハウサギ!アナタネェ!!アナタモワタシとダンの愛の道をケガス敵!!ソウダ!ダントノ結婚式ノ具材二シテアゲル!!

 

依姫「レイセン!ちょうどいいところに!あなたも時間稼ぎを手伝いなさい!」

 

豊姫「期待してるわ!」

 

鈴仙「/(^o^)\…ち、ち、違うんですよ!紫さん!後ろに神々の砲台が見えるでしょう!?私達はそのために活動してたんですよ!この世界のために!」

 

月の都時代の元上司達にも背中を押され(見捨てられ)、鈴仙は最後の抵抗と説得を試みた。すると意外にも紫はその言葉をすべて冷静に聞いていた……

 

紫「…ツマリダンをマタ引キ金二スルノネ!!?サセナイ!モウ誰モ失イタクナイノ!!!サァ!ダンヲ助ケルタメニアナタニハ消ヱテモラウワ!

 

鈴仙「ひぇぇぇぇぇ!?逆効果だったぁぁぁ!!」

 

さとり「…哀れね…」

 

弾「…蓮子…できれば急いでくれ……」

 

…曲解してだが……業火にガソリンをぶちまけてしまった鈴仙は紫にターゲットされてバトルが始まる。それをすごく申し訳なさそうな顔で見ていた弾は蓮子の早期勝利を願った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「…こい…」

 

イオ「…我が覇道の前にひれ伏せ…!メインステップ!マジック、イビルドロー!デッキより二枚ドロー!ターンエンド」

 

バトルフィールドに魔王の如く立ち尽くしている蓮子にイオは少し怯みながらターンを開始する。まずはイビルドローで手札を増加させた。

 

蓮子「…メインステップ!ネクサス、彷徨う天空寺院を配置!バーストをセット…これでターンエンド」

 

威圧感を出しながら蓮子は赤ダブルシンボルネクサスの天空寺院を配置する。このネクサスを見るに以前の光導デッキとはかなり変化したデッキになっているようだ。

 

イオ「…赤か…メインステップ!小火竜ヒノコ、ドクロスリーパーを召喚!ヒノコの召喚時効果!デッキを四枚オープンしアルティメットカードを手札に加える」

 

イオはスピリットソウル持ちの小さな赤い竜とドクロスリーパーを召喚する。めくられたのは…バーゴイル、イビルフレイム、獄海の四魔卿イル・イマージョ、絶甲氷盾。

 

イオ「獄海の四魔卿イル・イマージョを手札に…ここは様子見と行こう…ターンエンド」

 

蓮子「…そんな判断じゃあ私達には勝てないわよ。メインステップ!最高最善の魔王!異界王を配置!!そして神託によりコアを一つ追加!」

 

異界王《ふん、アタックしなかったのはお前のミス。俺の配置時効果!BP7000以下のスピリット二体を破壊!そしてコア二個を追加で置く》

 

蓮子の後ろに創界神としての力を得た異界王が現れる。そして右手の手のひらから放った衝撃波がイオのヒノコとドクロスリーパーを吹き飛ばした。

 

蓮子「さらに大神剣アラマンディーを異界王に合体させるように召喚!ターンエンド」

 

イオ「ぐ……メインステップ!ビートルゴン、そしてバーゴイルを召喚!召喚時効果でコアを追加!さらに邪神域を配置!」

 

フィールドのシンボルの数でかなりのアドバンテージを握られたイオは、なんとかシンボルを確保しようとビートルゴンとバーゴイルを召喚する。ビートルゴンの効果で赤と緑のシンボルが増えているため邪神域まで張ることができた。

 

イオ「アタックステップ!行け!バーゴイル!!」

 

蓮子「ライフ…持っていきなさい!そしてバースト発動!アレックスの効果でコアブーストしたあと、アタックステップを強制終了!」

 

異界王《そして俺にコアを一つ追加だ…ふふふ…満ちていくぞ…!》

 

バーゴイルの鋭い爪が蓮子のライフを切り裂くが、蓮子は眉一つ動かさずにバーストを発動させる。そしてライフが減少したので異界王にもコアが追加された。

 

イオ「…ターンエンド…」

 

蓮子「…うふふ…メインステップ!道化神ポルック&カスターを召喚!手札をすべて破棄して相手の手札の数…つまり四枚をドローする…」

 

蓮子は双子の道化を呼び出して手札のヒルスビートルとゲンマコガネを交換に手札を補充した。そして……蓮子は天空寺院を疲労させる…つまり…

 

蓮子「…これでこのカードのコストをマイナス2する…!ひれ伏せ!神の下す鉄槌に!断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス!!きませい!!」

 

蓮子の手札が巨大な魔方陣に変わるとフィールドにも大きな魔方陣が張り付いた宝玉が現れる。それを中から壊してフィールドをはみ出そうかと言わんばかりの超ドラゴンがフィールドに出現した。

 

蓮子「…ターンエンド」

 

異界王《…良い選択だ。まだ場が整っていないからな》

 

イオ「…まずい…メインステップ!出でよ!地上を押し流す大津波!その大波で世界を飲み込め!アルティメット召喚!獄海の四魔卿イル・イマージョ!!レベル4!」

 

イオは先ほど手札に入れたイル・イマージョを召喚する。だがイル・イマージョはどちらかといえばサポート寄りのカードなので、まだ状況が整わない今はアタックできなかった。

 

イオ「…ターンエンド」

 

蓮子「…はぁ…つまんないわね…メインステップ!ポルック&カスターをレベル2に上げて…もっかい天空寺院を疲労!緑の命伝える白き騎士!終焉の騎神ラグナ・ロック!!」

 

異界王《召喚時効果!ポルック&カスターのレベル2効果も含め合計12コアをラグナ・ロックに!》

 

白と緑のシンボルがぶつかり合いそこから巨大な蝶の騎士がフィールドに舞い降りる。そしてポルック&カスターがラグナ・ロックの周りをぐるぐる回ってラグナ・ロックのコアブーストを倍に引き上げた。

 

蓮子「そしてそのコアで獄獣ガシャベルスをレベル3で召喚しジャッジメント・ドラゴニスをレベル3に上げてアラマンディーを合体させる!」

 

大量のコアを使って蓮子は三首の骨獣を呼び出し、異界王が持っていたアラマンディーをジャッジメント・ドラゴニスが咥えて大きく光り輝いた。

 

蓮子「アタックステップ!ジャッジメント・ドラゴニスでアタック!!アラマンディーの効果でビートルゴンを破壊してドロー!」

 

イオ「フラッシュ!インファナルウィンド!アルティメット二体にコアを置いて相手のスピリット二体を疲労させる!バーゴイル!守れ!」

 

ジャッジメント・ドラゴニスがビートルゴンを踏み潰したお返しにイオのマジックがラグナ・ロックとポルック&カスターを疲労させる。だがジャッジメント・ドラゴニスはアラマンディーでバーゴイルをスパッと斬り……レベル3効果が発動した…

 

蓮子「残念…ターンエンド……だけどジャッジメント・ドラゴニスレベル3効果!もう一度私のターンが巡ってくる!そしてBP8000以上のスピリットがいるのでドローをプラスする!メインステップ!駿太君のカード…!究極の砲撃放つ神皇!究極神皇アルティメット・エグゼ・ティーガをレベル4で召喚!!」

 

ジャッジメント・ドラゴニスの効果でエクストラターンをゲットした蓮子はガシャベルスの効果でもう一枚ドローしたあと、フィールドに金色の寅を呼び出した。その身体にはエグゼシードの鎧がくっついている。

 

蓮子「アタックステップ!効果でイル・イマージョにアタックよ!Uエグゼ・ティーガ!WUトリガー!ロックオン!!」

 

イオ「ぐぅ…!カゲロウ・シーカーと邪神域…コスト3と4」

 

蓮子「ダブルヒット!デッキから二枚ドローしてライフ二点貫通!食らいなさい!!」

 

アタックしているUエグゼ・ティーガがUトリガーでイオのカードを撃ち抜くとそのままライフも二つ撃ち抜いていった。そしてフィールドに残っているイル・イマージョにUエグゼ・ティーガは飛びかかる。

 

イオ「だがアタックはここまでだ!イル・イマージョのUハンド発動!エクスティンクションウォール!!減らされたライフの数だけライフを回復しフラッシュ効果を使用する!!」

 

Uエグゼ・ティーガがイル・イマージョにゼロ距離砲撃を浴びせて破壊する。しかしUハンドによって発動したエクスティンクションウォールが蓮子の追撃を妨害してしまった。

 

蓮子「あらら、ターンエンド」

 

イオ「…ドローステップ……!…フン…メインステップ!邪神域をレベル2に上げて疲労!これで手札のアルティメットの召喚条件を無視する……出でよ…最悪の化身…!邪神皇デスピアズ!!

 

先ほどまでの苦しそうな表情だったイオは邪悪な笑みと共に一枚のカードを掲げる。するとフィールドに邪悪な煙が立ち込め、そこから超巨大なアルティメットが沸き上がってきた。その姿はまるで形容し難い…混沌としたオーラを放っている……!!

 

蓮子「…これが邪神皇…!」

 

異界王《…フム…案外強めのようだな》

 

イオ「デスピアスの召喚時効果!アレックスを残して他のスピリット/アルティメットをすべて破壊!!」

 

デスピアスの目から紫のビームが蓮子のフィールドを凪ぎ払うように襲う。その衝撃にアレックスを除いた蓮子のスピリット/アルティメット達が全員吹き飛んだ。

 

蓮子「…くぅ…!アラマンディーはスピリット状態で残すわ!」

 

イオ「さらに龍魔皇イビルフリードを召喚!Uトリガー!ロックオン!!」

 

蓮子「コスト4…遺跡草原…」

 

イオ「ヒット!トラッシュからコアをイビルフリードへ!デスピアスをレベル5にしてアタックステップ!イビルフリードでアタック!!アレックスを破壊して一枚ドローする!」

 

デスピアスの前に黒いUジークフリードが飛び出してきた。そして戻ってきたコアを使ってレベルアップしたイビルフリードがアレックスを燃やして破壊する。

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

イビルフリードの頭突きが蓮子のライフを破壊する。だがそのライフのエネルギーがさらに異界王の力になっていく。

 

イオ「ターンエンド!」

 

異界王《蓮子、ここからだぞ》

 

蓮子「……うん!」

 

 

 




…はい…ありがとうございました…

…長くなったので一旦切ります……すみません…ショックがでかすぎて…もーどーしよ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

相棒

…これで特別編終了!!そして蓮子の新しいオリカ!


イオとのバトルを進めている蓮子。現在圧倒的不利にもかかわらずその表情には笑顔が見えた。

 

蓮子「…楽しくなってきたわ!メインステップ!アラマンディーを再度異界王に合体!そして三叉神海獣トリアイナ、水の熾天使ミレディエルを召喚!!どちらもレベル2に!」

 

蓮子は怯まずに三首の海獣と剣を構えた黄色の大天使が現れる。ラグナ・ロックやポルック&カスターの効果でコアは十分足りていたようだ。

 

蓮子「アタックステップ!ミレディエルでアタック!効果でボイドからコアを三つライフに!」

 

イオ「青に…黄色だと…!?ライフだ!」

 

剣を一振りしてライフを回復させたミレディエルは翼から光弾を放ってライフを砕く。

 

蓮子「続きなさい!トリアイナ!アタック時にデッキを十枚破棄!!」

 

異界王《…デッキ破壊か。追加のコアブーストは期待できんが…精神的な揺さぶりには効果的だろう》

 

イオ「…これもライフ!」

 

トリアイナが青い雷でデッキを破壊しながらライフも貫いていった。だがアルティメット主体のデッキなためコアブーストはできなかった。

 

蓮子「ターンエンドよ」

 

異界王《蓮子、これでやつのライフは3。四魔卿が来るぞ…!》

 

蓮子「もーお父さんたら!わかってるって!」

 

イオ「…はぁ…はぁ…メインステップ!イビルドローにより二枚ドロー!そして…出でよ!地獄よりきたる紫の死神!敵を切り刻め!アルティメット召喚!獄土の四魔卿マグナマイザー!!」

 

かなりキツそうなイオはイビルドローで手札を増加させたあと、地面を割ってマグナマイザーを呼び出した。

 

イオ「アタックステップ!マグナマイザー!征服せよ!TUトリガー!ロックオン!!」

 

蓮子「…ゲイル・フォッカーと天空寺院とラグナ・ロック!コスト4と5と9!」

 

イオ「ダブルヒット!トリアイナのコアすべてとライフ一つをトラッシュへ!!」

 

マグナマイザーの斬擊がトリアイナを一刀両断して消滅させると蓮子のライフも一つ切り裂かれた。さらにイオはトラッシュに置かれたソウルコアに視線を移して手札を切る…!!

 

イオ「フラッシュ…!………煌臨せよ…!邪神皇の真の姿よ!今ここに!邪神皇デスピアス・ゾーク!!煌臨時効果でミレディエルのコアをボイドへ送る!!」

 

蓮子「…ソウルコアを砕いて煌臨するのね…」

 

デスピアスの身体が白い繭のような球に包まれる。そしてその繭を切り裂いて現れたのは…六色の宝玉が埋め込まれた翼に細い腕を広げた超巨大人形アルティメットだった。

 

現れたデスピアス・ゾークは煌臨時効果でミレディエルのコアをすべて吹き飛ばして消滅させる。これで蓮子のフィールドはまた更地になってしまうが……

 

蓮子「…ふーん…マグナマイザーはライフで受ける!」

 

蓮子は軽い表情でデスピアス・ゾークを見上げるとマグナマイザーのアタックをライフで受けた。

 

蓮子「…んで…続けてアタックする?私のライフはまだ四つもあるけど?」

 

イオ「…ターンエンド…!」

 

異界王《…!きたな…!!》

 

イオがターンエンドしたあと蓮子がドローしたカード…それは父の力を受けた気力カード……!!蓮子はそのカードを手に取り…深く深呼吸した。

 

蓮子「……まずはスプレッド・トータスを二体召喚…!」

 

異界王《…いくぞ!蓮子!》

 

蓮子「…ええ!」

 

先に機械のリクガメ達を召喚して準備を整えた蓮子は異界王…父の声に呼応する…!そしてとうとう父の力を継承したカードを召喚した…!!

 

蓮子「最高!最善!最大!最強の王!祝え!魔龍の誕生を!!召喚!幻羅王龍ガイ・アスラ・オーマ!!

 

力強い蓮子の声がフィールドに響き渡り、地面にマグマが流れ込んでくる。そのマグマが蓮子の前で大きな池を作る。そしてそこから這い出してきたドラゴン……見た目は幻羅星龍だが、身体の色は銀、背中の翼や上半身の人の部分も黄金色になっている。

 

蓮子「…え?」

 

すると蓮子の身体にも変化が現れる。その姿は以前の異界王が激突王…弾との最終決戦でガイ・アスラレベル4を見せた時に変化した龍のようなバトルフォームに変わっていた…だが黒かったその大部分はガイ・アスラ・オーマと同じ銀色に染まっている。

 

異界王《…マザーコアの力を…お前が完全に支配したからだ》

 

蓮子「…へ…?…これ…弾様の…!!」

 

異界王の言葉でようやく蓮子は自分の胸に浮かんでいるマザーコアに気がついた。そこから溢れだしてくるエネルギーは非常に心地よく、清らかだった。

 

異界王《あいつがお前を認めて託したのだろう。蓮子!その力はお前のものだ!存分に奮え!》

 

蓮子「…うん!さらに滅龍の魔力込めし魔剣!断罪ノ滅刃ジャッジメント・ドラゴン・ソード!ガイ・アスラ・オーマに直接合体!!」

 

ガイ・アスラ・オーマの頭上に現れた巨剣…それは持ち手や刃にジャッジメント・ドラゴニスを思わせる装飾がついていた。ガイ・アスラ・オーマは下半身のドラゴンの大口でジャッジメント・ドラゴン・ソードに噛みつく……!!

 

合体した光が収まるとガイ・アスラ・オーマの下半身の足がドラゴンのような太く、爪が生えた足へと変わり、背中の翼も四本に増えガイ・アスラ・オーマの巨体を空へ舞い上がらせるほどにサイズアップする。

 

異界王《おお…!美しい…!これが真の主を得たマザーコアの力なのか……!!》

 

バトルフィールド上空に飛翔したガイ・アスラ・オーマは最後に上半身の人の部分の腰にいくつもの武器を出現させる。そしてデスピアス・ゾークを視線に入れて三対の腕に握られた武器を向けた。

 

蓮子「さらにフラッシュで異界王の神技を使用!アタックステップ!ガイ・アスラ・オーマ!!進撃しなさい!!」

 

異界王《これによりガイ・アスラ・オーマは相手のスピリット/アルティメット/ネクサスの効果を遮断する!》

 

異界王の手から放たれた波動がガイ・アスラ・オーマに強固な装甲を付与する。

 

イオ「ぐぅぅぅ…!イビルフリード!守れ!!」

 

蓮子「フラッシュタイミング!【超界放】!!自分のフィールド、または赤の創界神ネクサスからコアを好きなだけガイ・アスラ・オーマに!これでコアが置かれたので回復する!!」

 

ガイ・アスラ・オーマがスプレッド・トータスのコアを一つ吸収して回復する。そして一番上の右手に持っていた三叉槍を投げつけてイビルフリードを貫いた。

 

蓮子「再びガイ・アスラ・オーマでアタック!!」

 

イオ「…デスピアス・ゾーク…!」

 

異界王《フラッシュタイミング!超界放発動!!俺のコアとフィールドのコア四個ずつを移動させて回復!!そしてレベル4へ!!》

 

ガイ・アスラ・オーマが身体の小さな足のわしゃわしゃしながらデスピアス・ゾークめがけて突っ込む。そしてデスピアス・ゾークの宝玉ビームとガイ・アスラ・オーマの虹色のビームがぶつかり合う。

 

蓮子「今のガイ・アスラ・オーマのBPは50000!!デスピアス・ゾークごときに負けはしない!!」

 

エネルギーを一気に吸収したガイ・アスラ・オーマはカッと目を光らせるとビームの火力をさらに上げる。そしてデスピアス・ゾークの光線を弾き返し、一番上の左手の剣を両腕で構えて気力を送る。

 

すると剣先に光の刃が出現しガイ・アスラ・オーマはフルパワーで横凪ぎ真一文字にデスピアス・ゾークを切り裂く。一瞬の間のあとデスピアス・ゾークはようやく斬られたことに気づいて悲鳴をあげながら爆散した!!

 

イオ「…な、なんだと…邪神皇が…」

 

異界王《井の中の蛙よ!この広い世界の大海を知るがいい!やれ!ガイ・アスラ・オーマ!超界放!》

 

イオ「ら…ライフ…!」

 

さらにコアを食らって回復したガイ・アスラ・オーマが腰のジークフリード・キャノンのような砲台を取り出してイオのライフを二点奪い取る。

 

蓮子「決めなさい!ガイ・アスラ・オーマ!!」

 

イオ「…がぁぁぁぁぁ!!」

 

崩れ落ちていくデスピアス・ゾークを突っ切り、イオのライフめがけてガイ・アスラ・オーマは身体全体に炎を纏わせて突っ込んだ!!

 

イオ「…が…じゃ…邪神皇の…支配する…世界…が…」

 

ガイ・アスラ・オーマの一撃を浴びたイオはそんな捨て台詞を吐きながら灰になって消滅した……!

 

 

 

 

 

 

 

一方…神々の砲台では……

 

 

鈴仙「…チーン…」

 

文「……(返事がない。ただの屍のようだ)…」

 

さとり「…つ…強い……です…ね」

 

豊姫「……ま…まずいわ…」

 

純狐「…あと少しなのだけど……」

 

…案の定鈴仙は簡単に蹴散らされ、純狐や豊姫まで倒されてしまっていた。そして現在依姫がバトルをしているが……

 

依姫「ぐぇ…!」

 

アテナ《がはっ…!》

 

紫「アハハハハハ!!コレデ邪魔者ハイナクナッタ!!ダン!今行クワ!!

 

へカーティア《…ほら弾。あなたの嫁でしょ…どうにかしなさい》

 

永琳「わ・た・し・が・嫁よ!!」

 

とうとう最後の砦である依姫&アテナまでもが敗れ、もはや宴会場は某世界の破壊者の第一話のようなあちこちに屍(死んでないが)が転がる戦場になってしまった…そして倒れたバトラー達の中を掻き分けて歩いてくる紫……

 

弾「…え…あ……まゐ…少し落ち着け…俺は大丈夫」

 

紫「大丈夫ジャナイ!アノ時モソウイッテ死ニカケタジャナイ!!ドウシテヨ…ドウシテ弾モ蓮子モ私の前カライナクナッチャウノヨ!!

 

なんとか落ち着かせようと弾は説得するが、紫はむしろヒステリックに叫ぶばかり…へカーティアや永琳もどう言葉をかけようか思案していると紫は一気に弾との距離を詰めた。

 

紫「ネェ弾…永琳トノ結婚式ナンテ嘘デショ…?ドウシテ隠スノ…モウ大切ナ人ヲ失ウノハイヤ…イカナイデ……

 

弾「……ダキッ」

 

紫「…グスッ…」

 

紫は弾の肩を掴んで訴える。その姿はいつもより小さく…自分に内緒で弾が戦っていることが…それよりも本当に弾を失うことが怖いのであろう。そんな姿に弾はただ紫の身体を抱き寄せて頭を撫でる……

 

へカーティア《…ぐぐぐ…!永琳…!押さえなさい…!!!》

 

永琳「…ぎぎぎ…!だって……弾!エネルギーが貯まったわ!撃つわよ!!」

 

こんな状況でもパルパル(嫉妬)している永琳をへカーティアが(物理的に)宥めていたが、神々の砲台に十分なエネルギーが充填されたことを認識すると、永琳は我に戻りエネルギーコントロールに意識を向けた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!ドッカァァァン!!

 

霊夢「きゃぁぁぁ!?」

 

魔理沙「のぁぁぁ!?」

 

依姫「…ぐぅぅぅぅ!」

 

弾「…ぐ…永琳!余波は!?」

 

永琳「問題ないわ!許容範囲内……ハイライトオフ」

 

へカーティア《あんた達いい加減にしなさい!》

 

神々の砲台から放たれたビームが極点の地面に命中した。その衝撃で気絶していた霊夢達も目覚めると共に吹き飛ばされる。紫を抱き締めながら弾は永琳に一番心配だった余波について尋ねるが、それは問題ないようだ……永琳の嫉妬の炎が再燃したことを除いては…

 

紫「…ウフフ……あら…収まっちゃった…」

 

弾「…おおっと……みんな無事か!?」

 

妹紅「…な…なんとか…」

 

映姫「…終わったようですね…」

 

椛「…ヘルメス…いい加減出てきなさい(暗黒微笑)」

 

ヘルメス《…はい…すいませんでした…》

 

カグツチ《…うわぁ…あ!妖夢ちゃん!大丈夫!?》

 

…こんな時にも弾とのイチャコラ時間を楽しんでいた紫を無視して弾は転がっている幻想郷メンバーに声をかける。ほとんどはものすごい爆音で目を覚まし創界神達も一同の体内から出てきた。

 

弾「ふぅ…これで一件落着だな」

 

紫「…私に詳細を教えてくれたらね!さぁ!答えなさい!みんな揃って何をしてたのよ!神々の砲台まで持ち出して!!」

 

弾「……永琳が答えるよ…」

 

永琳「え…!?…依姫…!」

 

依姫「ちょ…!お姉さまパス!」

 

豊姫「…ツクヨミ様なら把握してるわ~…」

 

ツクヨミ《へ…?…ええと…ヘラに聞け…》

 

ヘラ《うち!?……博識ならアテナやで~…》

 

アテナ《…そろそろ止めましょう。という事でマナカ、説明を》

 

マナカ《…ええ……》

 

紫「…そーですか!!答える気はないのね!!ふーんだ!どーせ私は独りぼっちのスキマ妖怪ですよ!」

 

弾から始まったコロコロたらい回しは誤魔化すどころか紫の機嫌を損ねてしまうことになった。ここに蓮子がいない今訳を話してしまうとサプライズの意味がなくなるので仕方なかったが、紫がプイッとヘソを曲げてしまうのも居心地が悪かった…全員が言葉に困っていると……!

 

???「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

紫「え?きゃぁぁぁ!?」

 

神々の砲台上空に展開されていたバトルフィールドが消滅するとバトルしていた誰か(100%彼女だが)が降ってくる。運が良いのか悪いのか彼女が落ちたのはちょうど紫の真上だったので、紫に覆い被さるように倒れこんでしまった。

 

紫「…痛たた…ちょっと気をつけ……!!」

 

蓮子「つっう~…あ…ごめんなさ…!!」

 

文句を言おうと顔を上げた紫の瞳とすぐさま謝ろうとした蓮子の瞳がぶつかり合う……お互い一瞬認識するのが遅れる…それぐらい長く…しかし忘れることのない相棒の顔がそこにあった。

 

紫「…れ…蓮子…?」

 

蓮子「…もう…!仮にも秘封倶楽部会長の私を忘れたの?…メリー!

 

弾「…まぁ…そういうことだよ…」

 

気まずい様子で目をそらしながら答える弾の言葉はどれ程紫の耳に届いていただろう…もう呼ばれると思っていなかった名前…

 

紫「…バカ…蓮子のバカァァ!!」

 

蓮子「っっ!耳元で大声出すな……グスッ…」

 

異界王「おいおい、グラン・ロロでの勝ち気なお前とはまるで別人だな」

 

咲夜「な…!?異界王!!」

 

レミリア「全員下がれ!」

 

早苗「ウソ…あの時エベレストで死んだはずじゃ…!」

 

溢れ出す涙を止められない紫に蓮子は口では文句を言うが、内心嬉しくてたまらないのだろう。その証拠に声が上ずり…若干涙目になっている……

 

すると蓮子を追うように空中から異界王も降りてきた。外の世界で異界王を知っている咲夜や早苗は鋭い目付きで身構える。だが異界王はそれを意に介さず歩いて弾と向き合う。

 

異界王「…面倒はみたぞ」

 

弾「…ふ…あんたにも……そんな一面があったんだな」

 

異界王「やかましい…それはそうと…そいつらはお前の仲間か?」

 

弾「あぁ…頼れる、俺と一緒に世界を良くしていける仲間だ」

 

あの時…グラン・ロロやエベレストではできなかった会話、互いに世界を良くしていこうと奮闘する二人の男がついに互いを認めあった瞬間だった。予想と解離している弾の様子に臨戦態勢の咲夜や早苗も少し戸惑うほど。

 

 

蓮子「…良かった~…もし弾様とお父さんがケンカしちゃったらどうしようかと…」

 

紫「…へ…?…お父さん!!!?異界王が!!!?蓮子の!?」

 

蓮子「そう!だから大丈夫だよ!」

 

永琳「それに弾も問題ないと認識してるみたいだし…大丈夫なんじゃない?」

 

蓮子のホッとした様子とは正反対に驚愕の表情で目をぎょっとさせる紫。そして永琳の言葉によって一応咲夜や早苗達は臨戦態勢をといた。これですべて終わった……かに見えた…

 

蓮子「…あ、そうだ!メリー!永琳さんから弾様を寝取ったらしいじゃない!夫婦円満だったのに!」

 

ホルス《全員退避!!》

 

アリス「巻き込まれると死ぬわよ!」

 

…空気が氷る…もちろんそれはここが極点だからではない。幻想郷メンバーと創界神は背筋に流れるのが冷や汗だとわかることにも気づかないぐらいゾッとしていた…

 

紫「………ギロリ…」

 

永琳「そうなのよ~…私はこ~んなに愛してるのに…ダキッ」

 

紫「…この【自己規制】ババア!!」

 

永琳「ブチン…言ったわねこの【自己規制】ガキ!!」

 

蓮子の核弾頭クラスのぶっちゃけがもう見慣れた光景である紫と永琳のケンカを引き起こした…今回はもう威厳も何もかなぐり捨ててキャッツファイトでもみ合っていた。

 

弾「…はぁ…」

 

異界王「…なんだ…お前も大変だな…」

 

蓮子「ちょっとメリー!?永琳さんもストップ~!」

 

霊夢達が逃げ去りさらにヒートアップしていく痴話喧嘩(物理100%)を止めようとあたふたしている蓮子を眺めながら異界王は弾の苦労を労っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ガイ・アスラ・オーマ!やっぱりガイ・アスラさんは315です!

幻羅王龍ガイ・アスラ・オーマ
スピリット
10(6)/赤/神星・星竜・化神
<1>Lv1 10000 <3>Lv2 15000 <6>Lv3 23000 <10>Lv4 40000
Lv1・Lv2・Lv3・Lv4
お互い、このスピリットのコアを取り除けない。
Lv1・Lv2・Lv3・Lv4:フラッシュ【超界放】
自分のフィールドか自分の赤の創界神ネクサスのコアを、好きなだけこのスピリットに置ける。
この効果でコアを置いたとき、このスピリットは回復する。
Lv4『このスピリットのアタック時』
このバトルの間、破壊した相手のスピリット/アルティメットの効果は発揮されず、コアすべてはリザーブではなくボイドに置かれる。
シンボル:赤


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

間話~東方鬼形獣編~
退屈は神をも殺す


…サーガブレイヴ二話!!ズングリー!まだまだ発展途上だけど頑張ってるね…でも防御札12枚は多すぎやない?

そして…次回予告!何!!?あの敵のめっちゃカタストロフ染みたドラゴン!!しかも弾さんもまだかくし球を!!?それはまだいい………弾さん!嫁がピンチだよぉぉぉ!!!


幻想郷 博麗神社 宴会場

 

 

魔理沙「あっはははは!!」

 

鈴仙「もう疲れた!今夜は飲む!!…グビグビ…」

 

隠岐奈「よ!一気一気!!」

 

スサノヲ《ガハハ!そうだ豊姫ちゃん、親父は元気か?最近会ってないからこの後居場所をこっそり》

 

神奈子「何どさくさ紛れでナンパしてるんだ~!!!?」

 

ツクヨミ《…ぅぅ…胃が…》

 

ブラフマー《おいおいどうしたツクヨミ~!つらそうな顔してんなぁ~…あ!昔俺たち裏切った罰だな!》

 

シヴァ《ギャハハ!そうだぞ~!欲出してゼウス=ロロに手貸しやがって~!》

 

ツクヨミ《うるせ~!あのあと姉貴や永琳の親父さんに死ぬほど怒られてアレックス達にも謝罪したじゃねーか!!》

 

マナカ《…まだ根に持ってるんだ…ってかお酒飲みすぎじゃない…?》

 

あの犬も食わないケンカのあと、一同はもはや宴会場の原型すらとどめていなかった極点から移動していつもの博麗神社で宴会を行っていた。ちなみにボロボロになった紫と永琳は…

 

紫「……」←外で正座

 

永琳「……」←隣で同じく正座

 

蓮子「あはは…メリー大丈夫?お酒とおつまみ持ってきたよ」

 

異界王「…ククククク…!」

 

紫「…このジジイ…!」

 

異界王「俺はだいたい570歳だが?」

 

弾「…完全に紫の方が年上だな…」

 

紫「チキショー!!私もやけ酒だァァ!!」

 

かわいそうに思った蓮子が二人に一杯できる日本酒と枝豆を持ってきた…異界王と弾を連れて…正直紫は異界王が苦手だったが、弾や蓮子がいることとこんな状況は自分の自業自得という事で我慢した。

 

蓮子「よっこいせ…あ、弾様お酌します」

 

弾「あぁ悪い、ありがとう」

 

異界王「蓮子もお前も飲める年か…時の流れというものは速いものだ」

 

敷物を敷いた上に座り込む弾と異界王の盃に蓮子が酒瓶を傾けて日本酒を注ぐ。そして全員グビッと日本酒を喉に入れるとそこからはいろいろな思い出話に移っていった。

 

異界王「……まさかお前も俺のように異世界にたどり着き、そこで頂点に登り詰めるとはな」

 

弾「…確かに…でもグラン・ロロとは違って幻想郷には文明はすでにあった。オレはそこにポッと入ってきただけさ」

 

異世界「…そうか?それだけならあいつらがお前を慕う理由にならないが?」

 

永琳「少なくとも私はあなたの信念、想い、勇気、そして優しさに惚れて着いていくって決めたのよ。もっと胸はって良いと思うけど」

 

そんなこんなで盃片手に話が弾んでくると、宴会場ではワイワイと騒ぎが起こっていた。だが幻想郷での宴会にケンカはつきもの&ただの戯れレベルなので弾や紫はひどくならない限り止めることはない。

 

八千慧「早鬼~!!!!」

 

早鬼「八千慧~!!!!」

 

紫「…そう言えば…あの二人や袿姫ってどういう経緯で仲間になったの?」

 

永琳「それ私も気になってたわ。私達の留守中に異変でも起きたの?」

 

弾「まぁな。でも異変になりかけの所で解決したから被害はでなかったよ」

 

異界王「ほう…ではその武勇伝を聞かせてもらおうか」

 

弾「…まぁ…大したことじゃないんだけど……」

 

紫や永琳に加えて異界王すら興味を持っているので、弾は諦めて話し始めた。だいたい今から数週間前の出来事…まだ霊夢達が蓮子を探して別世界に旅立っていた頃の話である……

 

 

 

 

 

 

 

 

回想 博麗神社 縁側

 

 

弾「…暇だ……」

 

あうん「…暇ですね…」

 

その日の朝、いつも通りの時間に起きた弾は縁側でゴロゴロしていた。一人分少ない朝食を食べ皿を洗い、洗濯に境内の掃除まで終わってしまった。弾が霊夢達を見送ってからこんな日が続いてしまっているのはいつもワイワイ騒いでいる面子がいないからに違いない。

 

あうん「…結界の管理でもしますか」

 

弾「…毎月一度の整備をここ最近毎日三回やってる……今日はもう二回やった…」

 

あうん「…紅魔館にでも行きます?」

 

弾「…昨日行った…レミリアのワガママに振り回されて大変だった…咲夜の凄さが身に染みたよ…」

 

あうん「…永遠亭」

 

弾「一昨日てゐに泣きつかれて輝夜のお守りをやったよ……死ぬかと思った……」

 

次々とあうんの提案が潰されていく…さぁて次の案はとあうんが思考を走らせたその時、空から声が降ってきた。

 

純狐「ごきげんよう、弾」

 

ラー《…カビでも生えそうなオーラだな…》

 

弾「純狐、ラー…どうした?霊夢は留守だぞ」

 

純狐「それは知ってるわ。用があるのはアナタよ…どうかしら?一緒に月の都に攻めいるのは?」

 

弾「…ツクヨミや依姫の胃が死ぬからやめとく…ってもう復讐は済んだんじゃないのか?」

 

純狐「…最近妙に月の都の連中が私の退けるために練ってくる策が面白くて…つい…」

 

降りてきた純狐のお誘いを丁重に断る弾。だがアマハラ最高戦力の一角に「面白いから」で軽くケンカ売る純狐も暇なのだ。少し暇潰しになるかなぁ…なんて弾はなびきかけた。

 

弾「…なぁ…月の都に攻め込む以外に何か暇を潰せるものないか?」

 

純狐「ん~…そうだ、この前ツクヨミ達と面会した稗田の当主にまだお礼してないのよ。紹介してくれない?」

 

純狐の言葉に内心弾は驚いた。意外に思われるかもしれないが純狐は自分の復讐関係に他人を巻き込むことを嫌っているのだ。以前へカーティアと手を組んだ時も幻想郷に被害が及ぶと分かると(半ば行き詰まっていたこともあるが)あっさり月の都から撤退したほどである。

 

弾「…わかった。今日はアテナが一緒にいるからすぐ会えると思うぞ」

 

純狐「あらラッキー♪じゃ狛犬ちゃん、祭り神を借りてくわよ~」

 

あうん「…はぁ……何しよ…」

 

遠巻きに「お前はいらん」と言われて置いてかれたあうんは一人縁側でぼんやり暇潰しを考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 人里 稗田家 客間

 

 

アテナ《そして原初の大地母神との戦争は我らオリン十二神が勝利をおさめたのです》

 

???「…なるほど…八百万の神々の争いとは桁外れですね…山投げるんですか……?」

 

アテナ《文献や言い伝えに記述が無いだけでツクヨミやスサノヲもそれぐらいならできますよ…彼らはあまり下界に降りませんからね…》

 

和風の客間でアテナとちゃぶ台越しに向かい合っている和服を着たまだ齢十歳程度に見えるこの少女…彼女こそこの稗田家の当主、稗田 阿求である。今日は神世界随一の頭脳を持つアテナに神世界の歴史を教えてもらっているようだ。

 

アテナ《…それよりも私はあなた自身に興味がありますね。確か古事記の編纂者、稗田 阿礼の九回目の生まれ変わりですか…よく根の国の神々が許したものです》

 

阿求「…私達稗田家は歴史を紡ぐことを使命としています。それに妖怪達の言い伝えだけでは捏造し放題ですので、それを地獄の十王様達も懸念なされてたようです…なので私が転生を繰り返して『人間側』の歴史を記すことを許可してくれました」

 

アテナ《そのせいで三十ほどの年月しか生きられない苦しみの無限螺旋に陥ってもですか?》

 

阿求「…螺旋階段は永遠には続きません。いつかは次の階にたどり着きます」

 

阿求はアテナの鋭い目付きにも怯まず淡々と答えていく。部屋の音がだんだん遠くなり、まるでその場に二人しかいないように緊張感が増していく……

 

弾「失礼、阿求はいるか?」

 

アテナ《…!…弾…!》

 

阿求「え…弾様…どうかしましたか…!?」

 

弾「イヤそんな急用という訳でもないんだが…以前会談で場所を貸してくれた阿求に純狐が礼を言いたいそうなんだ…取り込み中だったか?」

 

阿求「いえ!でもすみません…お茶でも淹れようもあいにく私はこれから用事がありまして…」

 

純狐「…稗田の当主も忙しいのね…創界神と違って…」

 

すると客間の扉がノックのあと開いて弾と純狐が入室してくる。弾の登場に気をとられて鋭い目付きを解除したアテナに乗じて阿求はうまく話を反らした。

 

弾「…また鈴奈庵に出掛けるのか?」

 

阿求「…正直そちらに行きたいのですが……さすがに『閻魔様』の呼び出しをスルーするわけには……あんな長い説教はもうこりごりです…」

 

弾 純狐「「…それだ!!」」

 

阿求「へ…?」

 

阿求は以前(今世かどうかは分からないが)サボってとてつもないお説教をくらった経験があるようだ…その話をしている阿求の目からハイライトが失くなっているのがその証拠である…だが弾と純狐(暇人達)にとって閻魔…四季 映姫の存在を思い出させたことは果たして幸か不幸か……

 

 

 

 

 

 

彼岸 是非曲直庁 映姫の部屋

 

 

映姫「…それで暇潰しにここに来たと?」

 

弾「…今紫とは会いづらいし霊夢も魔理沙も永琳も隠岐奈も幽香もへカーティアも依姫もいないからすんごい暇」

 

純狐「閻魔様~お助け~♪」

 

ラー《…だが留守番役の我らが幻想郷を離れる訳にもいかんからな》

 

アテナ《…まぁ私も暇でしたし……》

 

来客用のめっちゃゴージャスなソファーに座りながら弾、純狐、ラー、アテナが要約すれば「何か暇潰しになるものない?」と問う。一方仕事用のデスクで魂の判決文を書いていた映姫は頭を抱えたが、本来の目的…阿求との話を始めた。

 

映姫「…稗田の…度々すみませんね。この時期は忙しくなるので……」

 

阿求「大丈夫ですよ。いつも転生の際にはお世話になってますし、いつもと同じように判決文の訂正確認ですよね?」

 

映姫「…ありがとうございます…さて…弾!仮にもあなたは幻想郷の主神なのですよ!必ずどこかに仕事があるはずでしょう!?」

 

ラー《…イヤ案外創界神って暇だぞ?》

 

アテナ《そうでないなら私やオシリスのような仕事に厳しい方の創界神達はこんな高い頻度で幻想郷に来れませんよ》

 

阿求の話を手短に片付けて映姫は早速弾に説教を開始…したがしょっぱなから出鼻をくじかれてしまった。ベテラン創界神のラーやアテナの言葉は相当に重い。映姫はなんとか言葉を捻り出す。

 

映姫「…それ以外にも人助けとか」

 

弾「…なら俺も手伝うか?判決文」

 

オシリス《お~い映姫、暇だったから貯まってた判決文仕上げたぞ》

 

説教中にオシリスが残りの判決文を持って入ってきたことは映姫にとってラッキーなのかアンラッキーなのか…閻魔としては仕事が減ってラッキーなのだが、創界神に手間をとらせてしまったということと「暇だったから」の部分が『創界神は暇である』という言い分を猛烈に擁護することになってしまった。

 

映姫「………はぁ…ですが」

 

小町「…バン!四季様!!一大事です…って弾!ちょうどいいところに!」

 

どうにか続けようとした映姫の言葉が勢いよく開いた扉の音と入室してきた小町の声に遮られる。いつもはサボって昼寝or酒場で一杯している小町とはまるで違う真剣な声色…映姫はすぐ事の重大さを察した。

 

弾「そんなに慌ててどうした?」

 

映姫「…まずは落ち着きなさい…どうしました?給料カットは申告したはずでしたが?」

 

小町「…そうなんですよ~自分はってそれはそれで一大事ですがもっと大変なことです!!」

 

少し本音が出かけた小町だが、すぐに意識をトラブルのことへと切り替える。

 

 

小町「地獄界の隣…畜生界から動物霊達が攻め込んで来ました!!」

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ようやく阿求を出せました。普通は戦場に出ないあっきゅんですがうちのはバリバリ突っ込んでいきますよ~!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

畜生世界の現状

新弾発売されましたね!自分の狙いはもちろんサジットX!あとツクヨミのデッキも組みたいですね~♪


 

弾「…映姫…悪いんだがオレ畜生界に対しての知識が…」

 

阿求「『畜生界』というのは地獄の隣の六道のうちの一つで動物的本能に従って争いあっている弱肉強食の世界です。確か今は動物霊を率いる三つのヤクザのような組織が凌ぎを削っていたはず…」

 

オシリス《…む…?》

 

畜生界という言葉にいまいちピンとこなかった弾に阿求が補足説明をする。するとオシリスも窓から畜生界の方向を向いて眉をひそめた。

 

映姫「…どうかしましたか?」

 

オシリス《…その畜生界の方角から…何やらものすごい信仰力が流れて来る…この大きさの信仰なら神が顕現してもおかしくないほどのな》

 

アテナ《…フム…もしかしたら動物霊が畜生界を抜け出してこちらに攻めてきたのにも関係がありそうですね…顕現した神に追いやられたとか…》

 

弾「……阿求…?」

 

阿求「創界神に限らず神と言うのは人間に信仰されると力を持ちます。そしてたくさんの信仰の力はその場に神を呼び寄せることができるんですよ」

 

ベテラン創界神達が感じ取ったのは畜生界から流れてくる膨大な『信仰』のエネルギーだった。一応彼岸も幻想郷の一部なので幻想郷の主神である弾は阿求の答えのあと指示を飛ばした。

 

弾「…さすがにオレが出ないといけなさそうだな。映姫、オレは今から動物霊を蹴散らして畜生界に向かう」

 

映姫「お供します。攻めてくる動物霊にも少し心当たりがありますので」

 

ラー《純狐、我らはどうする?》

 

純狐「面白そうだからついてくわ♪」

 

阿求「………」

 

アテナ《…稗田の…あなたも行きますか?》

 

弾のあとに続こうと映姫や純狐が声をあげるなか、一人阿求はそわそわしているだけだった。それにアテナが声をかけるとビクッと体を震わせておずおずと話し出した。

 

阿求「…お力を…お貸しいただけないでしょうか…?」

 

アテナ《構いませんよ、知恵ある者は嫌いではありません。私を降ろせば非力なあなたでも大丈夫です…私の防御は神世界一ですので》

 

阿求「感謝します。弾様、私も行けます!」

 

弾「…こうなった阿求は止まらないからなぁ…仕方ない、一人で行動しなければいいぞ」

 

小さな体で阿求は胸を張る。彼女は生まれつき体が弱いが好奇心旺盛で、かなり危険な物事にも首を突っ込むのは彼女を知る者なら理解している。弾は彼女の好奇心を押さえられないと分かり、同行を許可した。

 

 

 

 

 

 

彼岸と畜生界の間

 

 

動物霊「ヒャッハー!」

 

動物霊「退きやがれ!」

 

死神「負けるな!踏ん張れ!」

 

獄卒「やつらを畜生界に追い返せ!」

 

ここ彼岸と畜生界の狭間は今戦場と化していた。畜生界から進攻してくる動物霊達とそれを食い止めようとする彼岸の死神、獄卒、その他地獄の妖怪達がぶつかり合い、どちらも押せず退けずのつばぜり合いになっていた。

 

???「くぅ…映姫様はまだですか!?」

 

死神「久佗歌様!さきほど小野塚 小町が連絡しに行きました!もうそろそろ到着するはずです!」

 

死神を統率している翼を持った少女、その髪は半分が薄橙、もう半分が赤髪で髪の中には黄色いヒヨコがピヨピヨと鳴いている。彼女は庭渡 久佗歌、地獄から異界に通じる関所の門番を勤めている土着の神である。ちなみに司るのは野生の鶏で、頭にヒヨコを乗せているのはそのため。

 

久佗歌「…もヤダ…今日非番なのに……」

 

死神「そんなこと言わないでください!私達もそうなのですから!」

 

映姫「ほう、庭渡 久佗歌。あなたはこの門番としての誇りはないと?」

 

弾「悪い、待たせた」

 

久佗歌「コケェェェ!!?…し、四季様…!そんなことは……って弾様までぇぇぇ!?」

 

ため息をついていた久佗歌の背後から聞こえた鋭い声…彼岸どころか幻想郷ですら知らぬ者はいない説教好きの閻魔の不機嫌な時の声である。映姫は久佗歌を尻目に門の外から止まることなく攻め込んで来る動物霊にその目を向けた。

 

映姫「……フム…これは骨が折れそうですね…」

 

弾「そうでもないぞ?こい!レオ!!」

 

弾が懐からカードを取り出して動物霊達がたむろしている真上に投げる。するとカードが白く輝いて一体の機械の獅子…ストライクヴルム・レオへと変化し動物霊達を踏み潰しながら地面に降り立った!

 

動物霊「ぎゃぁぁぁ!?」

 

動物霊「なんだァァぁ!!?」

 

レオ《ファァ…なんだ…こいつら全部ブッ飛ばせば良いのか?》

 

弾「映姫!阿求!ここは任せた!オレは純狐と畜生界の神を叩く!」

 

映姫「了解」

 

阿求「分かりました!お気をつけて!!」

 

純狐「…案外レオの背中って乗り心地良いのね…」

 

レオに飛び乗った弾と純狐は押し寄せてくる動物霊達を二人に任せて畜生界に繋がる門めがけてレオを走らせる。レオが門をくぐるのを見届けた映姫と阿求はまだ残っている動物霊達に向き合った。

 

すると動物霊達の合間を縫って二人の人間…まぁ十中八九妖怪だろうが…が前に出てきた。一人はカウボーイのような格好に黒い翼の女傑、もう一人は清楚な格好だが頭の鹿のような角と背中の亀のような甲羅から生えている竜の尾が一際目を惹いた。

 

映姫「……!あの者達は…!」

 

阿求「…知っているのですか?」

 

映姫「先ほど言った畜生界の組織の長達です。いつの間に仲良しになったのですか?勁牙組組長驪駒 早鬼!鬼傑組組長吉弔 八千慧!

 

早鬼「ふざけんな!誰がこんな胸くそ悪いヤツと…!」

 

八千慧「本当…私もこんな脳ミソ筋肉ダルマと手を組まなければいけないなんて…」

 

早鬼「あぁん!!?てめぇさっきからいい気になりやがって!お前から潰してやろうか!?」

 

八千慧「…上等です…あなたがいなくてももうこの計画に支障はありませんから…まぁ私を倒せるとは思いませんけどね」

 

映姫の問い掛けに真っ向から否定するこの二人。向かい合っている映姫と阿求を放置してお互いの悪口を言い合っているところを見る限り、チームワークは皆無なようだ。

 

映姫「…あなた達の要求は何ですか?なぜ今になって私達と戦争を?」

 

早鬼「ん…ああ…以前あんたに言われた人間霊の奴隷扱い問題解決のために…まぁこっちにとっても労働力の人間霊が絶滅するのはよろしくねぇからちゃんと保護施設の『霊長園』ってのを作ったんだが……」

 

八千慧「人間霊を一ヶ所に集めすぎたため信仰が集まりすぎて造形神を呼び出してしまったのです」

 

阿求「…『以前あんたに言われた』?」

 

映姫「以前から畜生界では人間霊達が最下層の奴隷として苦役を受けていました。なので弾が幻想郷の創界神になったことと同時に人間霊の待遇改善を通告していたのですが…それが裏目に出てしまいましたね…」

 

早鬼や映姫達の話をもう少し詳しく説明すると、人間霊の扱いの酷さを懸念する映姫と労働力が無くなることを心配した早鬼や八千慧の利益が一致したので、畜生界に人間霊の保護施設、『霊長園』を増設した。

 

だがそこに人間霊を集めすぎて彼らの信仰が強くなりすぎ、造形の神を呼び出してしまった。造形神が造り出す偶像の兵士達は肉体を持つが精神を持たないので、霊体の動物霊では歯が立たない。

 

そこで謀略の得意な八千慧が提案したのは「地獄の面子に偶像を破壊させよう」という手段だった。なので動物霊達を地獄に攻め込ませ、大元を叩こうと畜生界に乗り込んだやつと偶像を戦わせようとしたのだ。

 

映姫「…はぁ…なんとも傍迷惑な…」

 

阿求「…閻魔様…それあなたの説教の評判と同じですよ……」

 

早鬼「まぁ作戦は成功した!よってあたしらがここにいる目的も失くなったな」

 

映姫「……いいえ…まだあなた達に用があります…!!」

 

八千慧「…え…?」

 

結果的に弾と純狐を畜生界に向かわせることに成功した二人はさっさと引き上げようとしたが、映姫はそれを許さなかった…そのわけは……

 

映姫「…私の機嫌が悪いからです!さぁ構えなさい!!白黒はっきりつけさせてあげます!!」

 

オシリス《…なんだかんだで映姫もストレスがたまっていたんだな…まさかとは思うが宇佐見 蓮子探しにハブられたことが原因か…?》

 

早鬼「はぁ!?おいおいそりゃないぜ閻魔様にまな板の嬢ちゃん」

 

阿求「…オ・ノーレ…誰の胸がまな板だって?

 

早鬼「…やべ…」

 

早鬼の言いはなった言葉が阿求の一番の地雷にクリティカルヒットして爆発した…阿求は自分の胸の貧しさを指摘されると性格が変わる(二次設定)のである…もはや早鬼と八千慧に逃げる選択肢はなかった。

 

早鬼「仕方ねぇ…ならこっちが勝てばあの馬神 弾の下にはつかねぇぞ!」

 

八千慧「あら…脳筋にしてはいい提案ね」

 

映姫「構いません!」

 

阿求「叩き潰す

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃 弾と純狐は…

 

 

 

弾「…ここが畜生界…」

 

純狐「…敵が来たわよ!」

 

レオ《…しっかりつかまれ!走るぞ!》

 

弾「おおっと…!?」

 

畜生界に飛び込んだ弾の目に広がっていたのは景色だった。一息つくまもなく侵入者を排除しようとたくさんの動物霊が襲いかかってきた。レオはとっさに体を捻って動物霊の突進をかわして走り出す。

 

なんとかレオの背中に乗っている純狐は弾に気になっていたことを尋ねる。

 

純狐「…でもさっき話に出てた神の居場所って!?弾!あなたは分かる!?」

 

弾「…なんとなくだけど…あっちから神力を感じるな…よしシュタイン・ボルグ!動物霊を蹴散らして道を作ってくれ!」

 

ボルグ《かしこまりました!失せなさい!》

 

動物霊「おんぎゃぁぁぁ!!」

 

動物霊「ぐっはぁぁぁぁ!!」

 

また別のカードから飛び出したシュタイン・ボルグが杖からビームを放って周りの動物霊を蹴散らしてレオの道を作る。そして感じ取った神力をたどって弾はレオを走らせた。少々走っているとまるで大阪にある鍵穴のような古墳が見えた…

 

弾「…大仙古墳…?イヤあそこが召喚された神のアジトか!」

 

純狐「…月の都のような建築物が内部に見えるわね……さてここに現れた神はどんなやつなのか……」

 

レオ《突入するぞ!》

 

弾は高層ビルがそびえ立っている古墳内部に神力を感じとるとレオは空中を駆けながら古墳の内部へと飛び込んだ。だが着地しようとした古墳で弾達を待っていたのは……

 

埴輪兵「…ザッザッザッ……」

 

弾「…埴輪?」

 

ボルグ《…見事な造形術…!土からここまでの兵士を造り上げるとは…!》

 

数えきれないほどの埴輪の兵士が弾達を待ち構えていた。槍を持っているものもいれば埴輪の馬にまたがっている兵士もいる。その精巧さに魔術師でもあるシュタイン・ボルグも思わず称賛の声をあげた。

 

そうしてると埴輪兵隊の真上の空中にいかにもなオーラを纏ったまるで美術教師のような格好をした女性が現れる。そばには隊長クラスと思われる埴輪兵も付き添っている。

 

???「…何者だ?我が安寧の支配を脅かす不届き者は?」

 

???「…袿姫様、あの白い獅子にまたがっている者達かと」

 

弾「お前か?この世界に召喚された神は」

 

???「いかにも!我が名埴安神 袿姫!この畜生の世界で虐げられている人間を救わんと顕現した造形神(イドラデウス)なり!」

 

弾「オレは馬神 弾、幻想郷の創界神だ。さっそくなんだが畜生界から手を引いてくれないか?動物霊達が暴れているのもあんたがここに現れたからじゃないのか?」

 

バッと両手を広げて堂々と名乗った袿姫に弾も名乗る。そして袿姫に畜生界を去るよう頼んだ。

 

袿姫「それは聞けぬ頼み。私はここで人間霊を守らなければならない…だがお前達はなぜ私を排除しようとする?私がいなくなればまた人間霊が動物霊に酷使されてしまうのだぞ?」

 

純狐「ぐ……弾、まずいわ。畜生界の秩序を守るならこいつを倒すべきだけど…人間霊を守るならこいつは倒せない…」

 

袿姫の問い掛けに純狐は言い返せなかった。確かに袿姫は畜生界の秩序を乱してはいるが、それは人間霊のためを思ってのこと。問題なのは人間霊を奴隷扱いしていた動物霊達の方である。

 

袿姫「…そうだ…人間は弱く愚かだ。それ故に私が守り、導かなければならない!私が造る偶像を持って人間霊を管理する!ただ目の前の気に入らないヤツを排除しようとするだけの妖怪や動物霊どもとは違う!!」

 

弾「…薄っぺらい…」

 

袿姫「なんだと…?」

 

袿姫の演説じみた長セリフをぶったぎり弾は袿姫の考えを真っ向から切り捨てた。

 

弾「あぁ、確かに人間は愚かだよ。だが弱くて愚かだからぶつかって…痛い目みて…傷つかないとわからない…たとえ苦難に邪魔されようとも…それでも皆精一杯生きている!自分の手の内に置いて守るためだと言って偶像で支配するなら動物霊と同じだ!お前はただ自分の欲望を満たしているに過ぎない!!」

 

袿姫「…な…!?」

 

弾「それに妖怪どころかオレやお前…神々だって愚かだ。裏切られるのが怖いから誰も信用しなくなったり……娘を心配するあまり大事なことを見落としたり……」

 

レオ《…告白してきた女をひとりぼっちにさせたり…とかな…》

 

弾「…ふ…ああ!俺たちだって完璧じゃない!人妖神みんなお互い助け合っているんだ!!お前一人で導けるわけないだろう!!」

 

弾の信念こもる言葉に今度は袿姫が黙る番だった。

 

袿姫「…黙れ!…仕方ない…埴輪兵隊!ヤツを叩き潰せ!!」

 

埴輪兵「…ラジャー…!」

 

弾「…来たな…純狐!埴輪兵の成分を純化させてくれ!!」

 

純狐「…うふふ…あの八意 永琳が惚れる訳だ…よし!畜生界に蔓延る土人形よ!我が力の前にひれ伏せ!!」

 

弾達を抹殺しようと袿姫は埴輪兵隊に突撃を命じたが、冷静に弾は純狐に指示を飛ばした。弾の言葉を聞いた純狐が自身の能力『純化する程度の能力』を向かってきた埴輪兵隊めがけて放った。

 

埴輪兵「…ギ…ガガガ…ギガガ………シーン…」

 

袿姫「…埴輪兵隊が…フリーズしただと…!?磨弓!これはいったいどういうことだ!!?」

 

磨弓「それが袿姫様…埴輪兵隊の成分が土だけになってしまい関節が動かなくなりました……」

 

純狐「残念でした♪弾!今よ!」

 

純狐の能力によってただの土人形と化した埴輪兵隊の前に弾が降り立つ…その手にはグランシャリオが握られていた…!!

 

弾「…くらえ!」

 

その声と共に弾はグランシャリオを十二正座が描かれた長大な光の刃にして横真一文字に振り抜いた。その威力に埴輪兵達はなす術無く斬り裂かれ、次々と爆発四散していった。

 

弾「…どうだ?今度はこっち(バトスピ)で決着をつけるのは」

 

袿姫「…仕方ない…!磨弓!もう一人を任せる!」

 

磨弓「御意」

 

純狐「それを待ってたわ!ラー!行くわよ!」

 

ラー《…ようやく出番か…》

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 




はい。ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

閻魔の判決

…3弾の結果を報告します……2ボックスで…赤闇輝石×1、ヴァルカン・ゴレム×1、トリヴィ・グラマ×2、ヴィシュヌ×1、レオX×1、ゼウス=ロロ×1ツクヨミ×1、キャンペーン…リボル・ティーガとトール……

…サジットぉぉぉぉ!!あとツクヨミの化神欲しかった…


映姫「…さて…弾の面子のためにも負けられませんね」

 

早鬼「はは!四天王の実力!見せてくれよ!」

 

映姫「…言われずとも…!メインステップ!冥界の裁判官!創界神オシリスを配置!神託によりコアを二つオシリスに置きます。ターンエンド」

 

オシリス《…よし…行くか…!》

 

なんだかんだで乗り気な早鬼に映姫は初手オシリスでもてなす。落ちた妖蛇もなかなか良かった。

 

早鬼「メインステップ!ワン・ケンゴーを召喚!さらにバーストセット!これでワン・ケンゴーは最高レベルだ!」

 

対する早鬼は頭に刀が着いた犬を召喚する。登場時はカグツチドラグーンやマ・グー達と環境を暴れまわったことは懐かしい記憶である。

 

早鬼「さっそく行くぞ!アタックステップ!行け!ワン・ケンゴー!」

 

映姫「ライフで受けます!」

 

飛び上がったワン・ケンゴーが頭の剣を映姫のライフに突き立てて破壊した。

 

早鬼「ターンエンド!」

 

映姫「…勁牙組らしい赤の獣ですね……まずはドローステップ時に手札のピラミッドボアを破棄することでドローの枚数を一枚増やします。

メインステップ!アンクスネークと風切りヘビを召喚!召喚時効果で相手スピリットのコア一つをリザーブに置いて計二枚ドローします!」

 

映姫は二体の紫のヘビ達を呼び出して手札を稼ぐ。そして風切りヘビの召喚時効果がワン・ケンゴーのコアを外して消滅させた。

 

早鬼「お!召喚時効果使ったな!?バースト発動!皇牙獣キンタローグ・ベアーのバースト効果!BP4000以下のスピリット二体を破壊して一枚ドロー!!」

 

二体の召喚時効果をトリガーにして早鬼のバーストが発動する。するとバーストから放たれた炎の車輪が風切りヘビとアンクスネークを焼き尽くした。

 

映姫「…やりますね。バーストをセットしてターンエンド」

 

早鬼「よっしゃ!メインステップ!角タヌ、レベル2でヒノシシを召喚!ヒノシシの召喚時効果でトラッシュのキンタローグ・ベアーを回収する!」

 

早鬼は炎を纏ったタヌキと猪を召喚する。そしてヒノシシが先ほどトラッシュに落ちたバースト効果を持っているキンタローグ・ベアーを手札に戻した。

 

早鬼「さらにバーストセットしてアタックステップ!角タヌ!アタックだ!」

 

映姫「…ライフです!」

 

炎を頭の角に灯した角タヌが突進してライフを砕く。

 

早鬼「…んー…ターンエンドだな」

 

映姫「ブロッカーを残しましたか…メインステップ!さまよう骨蛇、ならびに智の伝承者 三賢蛇メルキオルを召喚!デッキを三枚破棄してトラッシュの冥界蛇神アウザールを…いえ風切りヘビを手札に戻します!」

 

映姫のフィールドに骸骨のヘビと紫のローブを着た賢者のヘビが続けて現れる。だが映姫はトラッシュからアウザールを戻さずに風切りヘビが映姫の手札に加わった。

 

映姫「アタックステップ!さまよう骨蛇でアタック!小界放発揮!オシリスのコアを一つトラッシュに置くことでオシリスの神技を発動します!」

 

オシリス《よって角タヌは消滅!》

 

早鬼「ちぃ!ライフだ!持ってけ!」

 

オシリスの力を吸収したさまよう骨蛇が口から紫の煙を吐いて角タヌのコアを奪い、尻尾を早鬼のライフに叩きつけた。

 

映姫「…キンタローグ・ベアーでもライフ減少でもないみたいですね。ターンエンドです」

 

早鬼「イヤ……こいつを暴れさせるにはちょいと下準備がいるんでね。メインステップ!角タヌ、そして虎の子タイガを召喚!」

 

そう言いながら早鬼は新しい角タヌと銀色の鎧を纏った小さい虎が現れる。そしてタイガには赤いソウルコアが……

 

早鬼「さぁて!アタックステップ!虎の子タイガでアタック!!一枚ドローして……ソウルバースト!発動!!焼き尽くせ!戦国覇王ギュウモンジ!!BP合計20000分のスピリットを破壊するぞ!!」

 

タイガのソウルコアが早鬼のトラッシュに移動しバーストが開かれる。そこから燃え上がった炎が映姫のスピリットをすべて焼き払ってしまった。

 

そしてその炎から頑丈な甲冑を着た牛のスピリットが鼻息荒くフィールドには現れた。

 

映姫「…バースト発動!死霊王ナルメル!バースト効果でトラッシュのコスト6/7/8の妖蛇スピリットを一コスト召喚します!罪人食らう蛇!判決は黒です!冥界蛇神アウザール!!虎の子タイガのアタックはライフで!」

 

オシリス《よし、これでブロッカーができた》

 

映姫のバーストから背中にヘビを生やした魔神が現れると手をかざしてアウザールを呼び出す。しかし映姫はタイガの引っ掻き攻撃をライフで受けた。

 

早鬼「…あーあ…ターンエンド」

 

映姫「ドローステップ…メインステップ!…ふぅ…はぁぁぁぁぁ…!!!」

 

早鬼がターンエンドを宣言したあと、映姫はドローしたカードを見ると愛用している杓を取り出して大きく気を引き締めた。それは彼女の能力『白黒はっきりつける程度の能力』が発動すると言うこと……

 

映姫「…白を黒に…黒を白に…!来たれ!邪悪なる神の使いよ!レベル3で召喚!!戦国六武将ムドウ!!

 

オシリス《…!なるほど…映姫の能力なら邪悪な力のアルティメットを正気を保ったまま使えるな…絶対的な閻魔としての判決を下す力か…》

 

映姫のフィールドの空間が引き裂かれ、現れたのはメジェドが使っていた戦国六武将……ムドウだった! 四魔卿アルティメットは未だ行方不明だったが、残りのソウルドライブアルティメットは映姫が管理することとなった。そのわけは今オシリスが述べた通りである。

 

映姫「さらにアウザールをレベル2に!アタックステップ!アウザールの界放を使用します!オシリスのコア三個をアウザールに移動させることで妖蛇スピリットに紫シンボルを追加!!」

 

アウザールが吠えてナルメルと自身に紫シンボルを与える。そして映姫はソウルコアを置いたムドウのカードに手を伸ばす…!!

 

映姫「……行きなさい!ムドウ!!…すべてを焼き尽くす地獄の業火!最極刑を言い渡す!ソウルドライブ!発揮!!

 

映姫が杓を振り下ろしてソウルコアを叩き割る。その力でムドウは身に纏った紫の炎を漏っている薙刀に灯して早鬼に放つ。炎がスピリットを飲み込むと…!

 

映姫「スピリットとトラッシュのコア六個をボイドに!そしてこれがメインアタック!」

 

早鬼「マジかよ!…ちぃ、ライフだ!」

 

早鬼のスピリットが消滅していくなか馬を駆ったムドウの薙刀がライフを砕く。

 

映姫「続け!ナルメル!ダブルシンボルです!」

 

早鬼「…ライフ!」

 

続けてアタックしたナルメルが紫のビームでライフを二つ破壊する。

 

映姫「アウザール!!ジャッジメント!!」

 

とどめに飛び出したアウザールが紫の炎に包まれながら突っ込んだ!

 

 

 

 

 

八千慧「…うふふ…かわいい娘…」

 

阿求「負けませんよ!メインステップ!鋼鉄乙女009アスパシアをアクセルで使用!!デッキから二枚オープンして鋼鉄スピリットを手元に置きます!」

 

妖艶な表情で微笑む八千慧をはね除けるように阿求はターンを始める。まずはアスパシアのアクセルを使ってデッキをめくっていくと…鋼鉄機士フィロガトス…創界神アテナ…!

 

阿求「…鋼鉄機士フィロガトスを手元に置いて残りはデッキの上に戻します!ターンエンド!」

 

八千慧「…ならこちらのターンね。メインステップ。メカニック・コーギーと獣士オセロットを召喚。ターンエンド」

 

八千慧はハンマーを持ったワンコと大きな斧を背負った豹人を呼び出した。この二体はスピリットソウルを内蔵しており、アルティメットの早期召喚に役に立つ。

 

阿求「メインステップ!鋼鉄の叡智!創界神アテナを配置!神託によりコアを三つ追加します!さらに007マデリーンのアクセルでコアをトラッシュに!」

 

アテナ《畜生の浅知恵など私には効きません》

 

阿求の背後にアテナが槍と盾を持って現れる。さらにマデリーンのアクセルで阿求のトラッシュにコアが増えた。

 

阿求「バーストセットしてターンエンド!」

 

八千慧「………メインステップ。ネクサス、軍港都市オステアを配置!……ターンエンドよ」

 

小さく舌打ちした八千慧はオステアを配置して召喚時効果を封じてくる。だがアタックしないところを見るとまだ手札が整っていないようだ。

 

阿求「…今が攻め時!メインステップ!鋼鉄聖機士ステファノスを召喚!!さらに鋼鉄魔神をステファノスに合体!!」

 

今が好機と阿求は機人デッキの中核を成しているステファノスを召喚して鋼鉄魔神を合体させる。

 

阿求「アタックステップ!ステファノスでアタック!!フラッシュでアテナの神技を使用!!ステファノスを回復させて獣士オセロットを手札に戻します!」

 

アテナ《手元の機人の数だけ私の神技の使用コアは少なくなります。今は三枚なので一コアで発動!》

 

アテナの槍から放たれた白いビームがオセロットに直撃すると、光の粒子になって手札に戻っていった。

 

八千慧「…ライフで受ける!そしてバースト発動!まずは相手のスピリットを二体疲労させます…その後レベル3で召喚!風魔頭首シノビオウ!!」

 

ステファノスが抜刀して八千慧のライフを二つ切り裂いたが、バーストから放たれた緑の風がアテナの神技で回復したステファノスを疲労させてしまう。

 

そして空から現れたのは足で槍を、口で刀を構えた巨大な怪鳥だった。

 

阿求「む…ステファノスの効果は使いません。これでターンエンドです」

 

八千慧「…うふふ…バーストって良いわよね…まさに鬼傑組らしい効果だわ…メインステップ!メカニック・コーギーのスピリットソウルを発揮!青のシンボルを一つ追加する…畜生界の底より現れなさい…アルティメット・ダ・ゴン!!

 

鋭く顔だけで微笑む八千慧のフィールドがズズンと音を発てて沈む。すると急激にへこんだ部分が盛り上がり、黄金の鎧を纏った四つ首の怪物が這い上がってきた。

 

アテナ《…!まさか…デッキを…!?》

 

八千慧「さらにバーストをセット…アタックステップ!蹂躙しなさい!ダ・ゴン!Uトリガー、ロックオン!!」

 

阿求「くぅ…コスト3…鋼鉄乙女005シビュラ…!」

 

八千慧「ヒット…だけど効果は不発ね…でもこちらの効果は発揮する!相手のデッキを十枚破壊!!」

 

Uダ・ゴンがぐうっと尻尾を振るって青い衝撃波を放ち、阿求のデッキを十枚吹き飛ばした。この効果の厄介なところはターン制限が無いこととブロック時にも発揮される所である。

 

阿求「…ライフで受けます!」

 

Uダ・ゴンの四つ首が阿求のライフを噛み砕いた。

 

八千慧「うふふ…ターンエンド…」

 

阿求「…まずい…早く決めないと…メインステップ!手元のアスパシアを召喚して同じく手元のフィロガトスを一コストで召喚します!さらにアスパシアも鋼鉄魔神と合体です!」

 

Uダ・ゴンの再アタックを警戒している阿求は手元のアスパシアとフィロガトスを召喚する。そして鋼鉄魔神をアスパシアに合体させたことにより、阿求のスピリットはすべてダブルシンボルになった。

 

阿求「ステファノスをレベル2に上げてアタックステップ!ステファノスでアタックです!」

 

八千慧「…残念♪フラッシュタイミング!マジック、光翼之太刀!コストはシノビオウとメカニック・コーギーから確保!Uダ・ゴンをBPプラス3000して疲労ブロッカーに。ブロックしなさい」

 

阿求「ですがステファノスレベル2の効果!鋼鉄スピリットがブロックされたのでライフを一つ破壊します!」

 

シノビオウとメカニック・コーギーを犠牲にしてUダ・ゴンが白く輝くと向かってきたステファノスをブロックする。ステファノスは剣を抜いて斬りかかるがUダ・ゴンは横から首を回して噛みついて破壊した。

 

さらにUダ・ゴンのバトル時効果で阿求のデッキがもう十枚吹き飛ぶ。だが阿求の目がキラリと輝いた。

 

阿求「…それいただき!バースト発動!!バーストを破壊してUダ・ゴンをデッキの一番下に戻す!その剣は世界の夜明けの先駆けとなる!魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー!!

 

八千慧「な…!?」

 

阿求のバーストから白い光がフィールドを包む。すると光を切り裂いて一体の機械の巨人が現れる。そしてブレイヴァーの斬擊がUダ・ゴンを真っ二つにしてボトムに退場させ、八千慧のバースト……ディメンションシールドがハラハラとトラッシュに落ちていった。

 

阿求「これでブロッカーはゼロ!アスパシアでアタック!!」

 

八千慧「くそ!ライフ!」

 

もういつもの平常心をかなぐり捨てた八千慧のライフをアスパシアが剣で砕く。

 

阿求「決まりです!ブレイヴァー!!」

 

 

とどめの一発にブレイヴァーの剣が八千慧のライフに突き刺さった!

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

作中で書いた通り、ソウルドライブアルティメットは映姫預りになっております。幻想郷の面子的に預けられそうなのは霊夢か映姫でしたので(永遠亭はてゐが危険すぎる)…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神の神

…何とか新創界神のキャラ付けができました…!お楽しみに…!


磨弓「…倒す…この手で…!」

 

純狐「…へぇ…あなたにできるの?」

 

磨弓「…ナメるな!メインステップ!ネクサス、サファイアの彫像を配置!ターンエンド!」

 

磨弓は初手に青いサファイアでできたヘビの彫像を配置する。だが速攻デッキの純狐にネクサスだけというのはいささか怖いものである。

 

純狐「…ん~…メインステップ。ゴッドシーカー 猫女神バステトを召喚!召喚時効果でデッキを三枚オープンしてラーと界渡/化神の黄スピリットを回収…」

 

対する純狐は少し首を傾げたあと、小さな黒猫を召喚してデッキをサーチする…アルティメット・カグヤ…創界神ラー…子フィンクス…

 

純狐「…この中のラーを手札に加えてそのまま配置!神託でコアを三つ乗せて配置するわ。さらに子フィンクスを召喚!」

 

ラー《…子フィンクスが来ているが…》

 

すぐさま回収したラーとお馴染み子フィンクスを呼び出した純狐だったが、手札の周りは良くないらしい。

 

純狐「…あまりやり過ぎるとデッキ破壊が致命的になるのよねぇ…うん、まだいいわ。ターンエンド」

 

磨弓「…メインステップ!クォーツ・ゴレム、ライオット・ゴレムを召喚!そしてバーストをセット!」

 

磨弓は小さなロボット兵と腕に籠手のようなものがついたロボット兵が現れる。

 

磨弓「…アタックステップ!ライオット・ゴレム、レベル2で攻撃!粉砕によりデッキから二枚破棄!!」

 

純狐「あらら、私が先手をとられるなんてね…ライフで受ける!」

 

ライオット・ゴレムが純狐のデッキとライフを破壊していく。子フィンクスでドローをしまくる想獣にはデッキ破壊は痛かった。

 

磨弓「ターンエンドだ」

 

純狐「さて…メインステップ。幻獣神姫エキドゥナを召喚!アタックステップ!まずはエキドゥナ!行け!」

 

純狐のオーラが本気(復讐)モードに切り替わるとフィールドに翼が生えた妖精のような幻獣が現れてそのままアタックする。

 

磨弓「ライフで受ける!」

 

純狐「ここでエキドゥナの神聖命を使う!ライフを一つ増やす!さらに子フィンクスよ!続け!手札から子フィンクスを召喚したドロー!」

 

エキドゥナが腕を振り下ろしてライフを破壊するとそのエネルギーで純狐のライフが一つ増える。さらに子フィンクスが攻撃してお得意の子フィンクス連鎖が始まった。

 

磨弓「ライフだ!」

 

エキドゥナに続いて子フィンクスが頭突きでライフを打ち砕く。

 

純狐「もう一体の子フィンクスでアタック!!新しい子フィンクスを召喚してドローする!」

 

磨弓「クォーツ・ゴレム!守れ!バトル時効果でデッキを一枚破棄!さらにマジック!ブレイクグラインド!コスト3以下のスピリットを三体まで破壊する!消えろ!子フィンクスども!!」

 

磨弓の手札から放たれた青い炎がバトルしている子フィンクス、そしてあと二体の子フィンクスに直撃して破壊される。さらにこの効果で破壊したスピリット一体につきデッキが二枚破棄されてしまった。

 

純狐「やるな。ターンエンド」

 

磨弓「…行くぞ…メインステップ!そびえる青き要塞!我が忠誠の化身!召喚!アルティメット・キャッスルゴレム!

 

磨弓がフィールドに拳を突き立てると割れた地面から青い城がそびえ立つ……そして変形して槍を持ち、頭部の目がギラリと光る。その大きさは天まで届くかと思わせるほど巨大だった。

 

磨弓「アタックステップ!Uキャッスルゴレム!Uトリガー!ロックオン!!」

 

純狐「…ふぅ…コスト2、子フィンクス」

 

磨弓「…ちぃ…!まぁヒットだ。相手のデッキを計六枚破棄する!さらにサファイアの彫像の効果で四枚貰う!」

 

Uキャッスルゴレムが張り手で純狐のデッキをさらに破壊する。ヒットしたのがコスト2だったので、今回は六枚にとどまった。

 

純狐「Uキャッスルゴレムはライフ!」

 

そしてメインアタックを仕掛けたUキャッスルゴレムのビームが純狐のライフを撃ち抜いた。

 

磨弓「ターンエンド」

 

純狐「…そろそろ反撃するか…メインステップ!月の石より生まれし想獣の王!神獣鳥アン・ズール!!さらに神獣魔神を合体!!」

 

純狐のフィールドに月から翼をつけた金色の獅子が降りてくる。そして後ろに現れたスフィンクスの魔神がアン・ズールに力を与えた。

 

純狐「アタックステップ!やれ!アン・ズール!アタック時効果で自分のデッキを一枚破棄!!それが想獣なら回復する!」

 

アン・ズールが黄色いオーラを放ちながら咆哮し純狐のデッキを一枚めくる。それは…子フィンクス…!

 

純狐「…よし!想獣なので回復するぞ!さらにラーの神域によりアン・ズールはブロックされない!!」

 

磨弓「なに!?…ライフで受ける!」

 

ラーの後光を受けたアン・ズールがゴレム達をかわして磨弓のライフを噛み砕く。

 

純狐「もう一度行け!アン・ズール!再度デッキをオープン!!」

 

ラー《…幻想獣神キリンクス!こいつも想獣だ!》

 

磨弓「…ぐぅ…ライフ…」

 

再び回復したアン・ズールの翼から無数の光弾が放たれてライフを破壊する。

 

純狐「終わりだ!アン・ズール!!」

 

三度舞い上がったアン・ズールが口から強烈な光線をぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袿姫「絶対…負けん!私が人間を守る!」

 

弾「…都合のいい…が頭につかないか?」

 

袿姫「…ほざけ!メインステップ!巨人航海士トービーを召喚!ターンエンド!」

 

弾の挑発に苛立ちながら袿姫は双刃刀を持った巨人を呼び出す。このスピリットは低コストの造兵が召喚されるとコアブーストできるのである。

 

弾「メインステップ!雷星獣ドラグ・タウラスを召喚!さらにバーストをセット!ターンエンド」

 

弾は赤い稲妻を纏った牡牛、ドラグ・タウラスを召喚してバーストを伏せる。だがアタックはせずにターンエンド。

 

袿姫「…メインステップ!クォーツ・ゴレムを召喚してトービーの効果を発揮!そしてネクサス!レアメタル採掘場を二つ配置する!」

 

袿姫のフィールドにクォーツ・ゴレム、さらに背後に青いサファイアが見える採掘場が配置された。

 

袿姫「…ターンエンド」

 

弾「…どうした?攻めないのか?」

 

袿姫「…貴様の次の手を読んだ…とでも言おうか」

 

弾「…ふーん…メインステップ!俺を配置して神託発揮!トラッシュにカードを三枚送り、光導カードをすべて手札に加える!」

 

袿姫の言葉を聞き流しながら弾は自らを配置して身体から神力を放出する。そして自身のデッキを三枚トラッシュに置く…樹星獣セフィロ・シープ…炎星竜サジタリアス・ドラゴン…獅機龍神ストライクヴルム・レオX…!

 

弾「すべて対象なのでコア三つをオレに置き三枚を手札に!続けてセフィロ・シープを召喚!さらに銀河星剣グランシャリオをオレに直接合体!!」

 

弾は勢いのままセフィロ・シープを呼び出し星空から降ってきたグランシャリオを右手に掴んだ。

 

弾「アタックステップ!ドラグ・タウラスでアタック!!星読の効果でデッキを一枚めくる!」

 

ドラグ・タウラスがオープンしたカードは…光星姫ヴァージニア…よって手札に加えられる。

 

弾「そしてBPプラス5000してクォーツ・ゴレムを破壊!!」

 

袿姫「…ライフで受ける!」

 

ドラグ・タウラスがクォーツ・ゴレムを角で吹き飛ばし袿姫のライフも破壊した。

 

弾「ターンエンド」

 

袿姫「…だがデッキをめくったのはこちらに有利!メインステップ!ランマー・ゴレムを召喚…!我が造形を見よ!そして戦くのだ!召喚!アルティメット・オリハルコン・ゴレム!!

 

袿姫は小さな一本足のゴレムを召喚し…懐の彫刻刀を地面に投げつける。すると地面が裂けて青い巨大なロボットが這い出してくる。その両手には大きいライフルが握られていた。

 

袿姫「アダマント・ゴレムを召喚してレアメタル採掘場の一つをレベル2にアップ!コストはランマー・ゴレムとトービーから確保。アタックステップ!行け!Uオリハルコン・ゴレム!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

弾「…コスト6…地星兵リブライヴァ…!」

 

袿姫「クリティカルヒット!まずはデッキを六枚破棄!さらにライフを破壊する!そして粉砕の効果!アダマント・ゴレムの効果でUオリハルコン・ゴレムは最高レベル!よって五枚破棄!!」

 

Uオリハルコン・ゴレムが右手のライフルで弾のデッキを吹き飛ばすとそのままライフも一つ削る。さらに左手のライフルもぶっぱなしてデッキを破壊していく。

 

袿姫「まだ終わらないぞ!レアメタル採掘場レベル2効果!ライフが減少したので三枚破棄!アダマント・ゴレムの効果でトラッシュのクォーツ・ゴレムも回収できる!」

 

立て続けに効果を発揮して弾のデッキを削っていく袿姫。だが弾はニヤリといつもの不適な笑みを覗かせる…

 

弾「フラッシュタイミング!ドラグ・タウラスに煌臨!炎星竜サジタリアス・ドラゴン!煌臨コストはセフィロ・シープから使う!煌臨時効果によりトラッシュのコアをすべてサジタリアス・ドラゴンへ!」

 

セフィロ・シープに乗っていたソウルコアを使いドラグ・タウラスをサジタリアス・ドラゴンに変化させた弾。そしてさらに手札のカードを切る…!

 

弾「さらにマジック!シュタイン・ボルグ・ユニヴァースを使用!相手のスピリット/アルティメットからコアを一つずつリザーブに!不足コストはサジタリアス・ドラゴンから!」

 

袿姫「な!?」

 

サジタリアス・ドラゴンで戻ってきたコアを贅沢に使って弾はマジックを放つ。すると弾のグランシャリオが紫に輝いて向かってきたUオリハルコン・ゴレムとアダマント・ゴレムのコアをすべて奪い去った!

 

弾「確かに最高レベルにする効果は厄介だ。でも弱点として乗せているコアが少ない…だから紫のコア除去は致命的だろ?」

 

袿姫「……ターンエンド…なぜだ…なぜ私はやつにかなわない!」

 

弾「…それは…お前が人間しか見てないからだ

 

バトルボートを叩きながら喚く袿姫に対して鋭く弾は答える。その風格はもはや若輩創界神のものではなかった。

 

弾「オレは人間も…妖怪も神も…!動物霊達だって全部救う!オレはお前も救いたい!!オレがこの畜生界を照らす神になる!!」

 

袿姫「…おお…!!」

 

後ろからさした後光(少なくとも袿姫には見えた)に照らし出された弾の姿は袿姫にとって拝みたくなるような神々しさがあった。

 

弾「メインステップ!月の光纏う獅子!誰も砕けぬその誇り!レベル2で召喚!獅機龍神ストライクヴルム・レオX!!

 

レオ《…今日は出番が多いな…!》

 

弾がカードを天に掲げ星空に獅子座を描く。そして獅子座から現れたストライクヴルム・レオが優雅にフィールドに降り立った。

 

弾「アタックステップ!グランシャリオの効果!レオをBPプラス5000して赤シンボルを追加!レオでアタック!!さらに星界放!オレのコア二つをレオに置いて回復!そしてレベル3になったことにより自分の光導スピリットに白シンボルを増やす!」

 

袿姫「…ライフ…」

 

自身とグランシャリオによって強化されたレオの引き裂き攻撃が袿姫のライフを一気に三点もぎ取る。

 

弾「ストライクヴルム・レオ!」

 

レオ《…ったく…おらよ!》

 

 

回復したレオの突進が袿姫の最後のライフをぶっ壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

そのあと…再び映姫の部屋…

 

 

映姫「……それで…畜生界に弾の勢力を置けた所まではわかりました」

 

弾「…ああ…あと純狐は満足したから帰った…」

 

先ほどと同じように黒革のソファーに座りながら弾は閻魔の椅子にいる映姫と話す。だがなぜか二人とも会話がぎこちない…その訳は…

 

袿姫「おお…!我がゴッド……!」

 

磨弓「……((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル……」

 

映姫「…なぜここでその神が膝まづき、部下がコミュ障の如く震えているのですか!?」

 

弾「…何か…なつかれた……その部下は袿姫についてきた…」

 

 

 

 

 

 

弾「…とまぁ…こんな感じだ」

 

紫「…てかそんな異変起きてたの知らないわよ!?」

 

蓮子「へぇ…幻想郷にはそんな世界もあるんですね…」

 

弾の話が一段落して紫のツッコミを華麗にスルーして蓮子がそうぼやいた。今までいくつもの世界を渡ってきた彼女でもここまでファンタジーな世界ははじめてらしい…グラン・ロロも相当だったと思うが…

 

異界王「…どうだ?世界の統治がいかに大変かわかっただろう?」

 

弾「…まぁ…確かに…」

 

八千慧「…早鬼ぃぃぃ!!」

 

早鬼「八千慧ぇぇぇぇ!!」

 

宴会場の隅でそんな話をしている二人の耳に聞こえてくる二つの叫び声。だがそれは以前のような血みどろめいた殺し合いではなく、ただじゃれあっているような…そんな声色であった…

 

すると…その光景を見ていた弾の脳裏に何かが響いた…!

 

 

《おい、アマテラス!少しは主神の仕事をしろ!》

 

《…ったく…ホルス、そんなんじゃお前は永久にハードボイルドにはなれねぇぞ…!》

 

《……すまない……ツクヨミ…頼む……!》

 

 

弾「…!!!!!???」

 

蓮子「…?…弾さま?」

 

弾「…………いや…何でもない………………」

 

突然弾がものすごい顔で押し黙ったのを見て蓮子は首をかしげたが、弾は微笑んでごまかす……それでも弾は先程の声は決して幻聴ではないと確信していた。

 

弾「…………なんだったんだ…………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

鬼形獣編は終わりますが…3弾の創界神や数話を書いたあと最終章へと移ります…果たして最後の声は…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

流浪の剣客

新規創界神一発目!


幻想郷 人里 とある団子屋

 

華扇「…はぁ……モグモグ…」

 

ここは華扇お気に入りの団子屋、いつもここの団子を袋ごと買い尽くして食べるのが彼女の趣味?と言えるものである。だがいつも団子を食べる時とは違い今日はため息混じりの浮かない表情…

 

華扇「…モグモグ…私は…何者なのでしょう…地底を裏切り…でも地上に馴染めず一人修行と称して引きこもるばかり……」

 

???《そうよ…あなたは裏切り者…裏切り者に居場所なんてない…》

 

華扇「…うるさい…」

 

そして彼女の耳に響いてくる声…再度自らの腕を封印したあとからこんな幻聴が聞こえてくるようになった。それは朝起きたとき、修行の最中、食事中にも華仙に話しかけてくる。さすがの華仙もこれには気が滅入ってしまった。

 

華扇「…はぁ……」

 

???《もし、そこのお方。良くないモノが取りついているでござるよ?》

 

華扇「…へ…?」

 

華扇が幻聴に頭を悩ませていると突然前から話しかけられた。フッと顔を上げて見れば、そこには刀を腰にさした赤い和服の侍が立っていた。

 

華扇「…あなたは?」

 

???《おろ…名乗るほどでもない、ただの流浪の侍でござるよ。それよりも…お主…鬼…でござるか?鬼の仙人とは珍しいでござるのぉ…》

 

華扇「…!?…なぜ…それを…!?」

 

その瞬間華扇は自らを恥じた。最初はこの剣客を「怪しい占い師の親戚」程度に見ていたが、霊夢ですら破れなかった自分の正体を看破したことにより「相当位の高い仙人」まで彼の評価を格上げした。

 

???《おろ…これは失敬。気にしていたでござるか?》

 

華扇「…はい…でも今…彼らの元には戻れません。私は…裏切り者ですから…」

 

???《…裏切り者…でござるか……拙者はそうは見えぬぞ?》

 

華仙「…え…?」

 

???《なぜ今まで良くないモノの言葉に耐えられてきたかを良~く考えてみるでござる。お主にはまだ仲間がおるからではないのか?…いや…戻れないと思っているのはお主だけではござらんか?》

 

華扇「……仲間…?」

 

その剣各の言葉に華扇はぼうっと空を眺めて思い出す。昔仲間だった鬼の四天王達は自分を爪弾きにはしなかった…正体がバレたあとも霊夢は気軽に接してきた…すると隣に腰をおろした剣各が話し出す。

 

???《…そうでござる。お主は自らをどっち付かずのように評価しているようでござるが、拙者と違ってそれは両方の勢力に身を置けるという事ではござらんか?》

 

華扇「……拙者と違って…とは…まさかあなたも?」

 

???《……ずいぶん昔のことでござる…旧友を裏切りその部下達を何百何千と斬り殺した…だがその後…旧友の所は勿論、味方した勢力の所にも拙者の居場所はなかった…幸運にもとある神が拙者を救ってくれたが、拙者は裏切りを悔い…自らを戒めた。これがその証拠でござる》

 

そう言いながら剣各は腰の刀を抜刀して見せた。その刀は刃が峰の方についている不思議な刀だった。だがこれでは戦闘の時、敵を斬ることができなくなっている。

 

それよりも華扇は「とある神」の所で剣各の目付きがどこか泣いているように感じてならなかった。あれは…後悔と懺悔の瞳だ…

 

華扇「…あなた…もしかして…!」

 

???《…さて…拙者の話をしてもつまらんでござろう。お主はどうするつもりでござるか?》

 

《騙されるな!お前になんて居場所はないのだ!》

 

華扇「…うぅぅ!!」

 

剣客の問い掛けに答えようとした華扇だったが幻聴の声がさらに強くなり、ついには華扇も頭を抱えてしまうほどになってしまった。仮にも仙人である彼女をここまで追い詰められるモノとは…?

 

???《…む…!これはいかん!少し失敬!!はっ!!》

 

華扇「…んん!!」

 

すると剣客はなにやら赤い魔法陣を腕に展開し華扇の胸元に叩きつける。幻聴に苦しんでいた華扇は目の前が静かに暗転していくことだけはかろうじて理解できた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…ん…ん~…はっ!ここは…!?」

 

《あら…ここに来れるなんて…あの剣客の仕業かしら?》

 

華仙の意識が戻るとそこは一面真っ黒な空間だった。そして背後からあの幻聴の声が響く…華仙はすぐに振り向くと……そこには…

 

華扇「…む、昔の…私…?」

 

華扇《ええそう。ずいぶん腑抜けになったじゃない。鬼の四天王の名が泣いてるわよ?》

 

そこにいたのは…今はもうない右手で頭の角を撫でながら愚痴っている昔の自分だった。

 

華扇《…いい加減気づきなさい。裏切り者のには誰も助けてくれないのよ》

 

???《そうではないと思うがの》

 

華扇「…!あなた!どうやって!?…というかこの世界は!?なぜ昔の私がいるの!?あなたは何者なの!?」

 

???《おろろ…お、落ち着くでござる…》

 

再び華仙を誑かそうとした昔華仙だが、華仙の隣に現れたあの剣客に否定される。すると華仙の中に膨れ上がっていた疑問が弾けて剣客に質問をマシンガンの如く浴びせかける。

 

???《…フム…さて…そこの悪霊よ。誰の差し金かは知らぬが…すぐさまこの娘から出ていくでござる》

 

華扇《…そう言って出ていくとでも?》

 

???《……そうか…なら…冥界の創界神として…お主を見逃すことはできぬな…!》

 

華扇「…創界神!?あなたが!?」

 

突然のカミングアウト、確かにただ者ではないと思ってはいたがまさか創界神という華仙と比べたら桁外れの存在だったとは…!

 

???《…おろ…お主…名は?》

 

華扇「…え…茨木 華扇…です…」

 

???《よし!拙者エジットの創界神が一柱、冥界と地竜の神アヌビスと申す!共にこの悪霊を消し去ろうではないか!》

 

そう名乗った剣各…アヌビスは光の粒子になって華扇の身体に入る。すると華扇は身体の奥底から力が漲るような感覚を覚えた…

 

華扇「…今なら…行ける!」

 

華扇《ちぃ!捻り潰してやる!》

 

華扇「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

華扇「…こちらから行くわ!メインステップ!ゴッドシーカー 冥神官オヴィラを召喚!召喚時効果でデッキを三枚オープンしてその中の創界神アヌビスと赤の天渡/化神を回収!!」

 

先手を取った華扇は神官の格好をした羽毛恐竜を召喚する。そしてめくられたのは…冥界の恐竜人ヴェロキック…冥界の恐竜人プシッタ…創界神アヌビス…!

 

華仙「ヴェロキックとアヌビスを手札に加えて残りは破棄!!ターンエンド!」

 

華扇《…メインステップ!ネクサス、故郷の山に似た山を配置して南蛮武者ハクライを召喚!》

 

対する昔の華扇は背後に大きな山を配置し南蛮甲冑を武竜を召喚した。

 

華扇《ターンエンド!》

 

華扇「…やはり武竜ですか…メインステップ!闇を切り裂く大剣豪!創界神アヌビスを配置!神託によりアヌビスにコアを三個置きます!さらにオヴィラをレベルアップ!」

 

アヌビス《…参る…!》

 

華扇の後ろに先程の赤い和服ではなくエジプト風な甲冑を着たアヌビスが現れる。

 

華扇「アタックステップ!オヴィラでアタック!効果で一枚ドロー!そしてアヌビスの神域を使用!!」

 

アヌビス《こちらの手札が増えるたびコスト4以上の地竜をフル軽減で召喚する!冥界の恐竜人 ヴェロキック!推参!》

 

アヌビスが振るった斬撃が地面を割り、そこから小さな肉食恐竜の竜人が現れる。

 

華扇《ライフで受ける!》

 

そしてオヴィラのアタックを昔の華扇はライフで受けた。

 

華扇「…深追いは禁物です。ターンエンド」

 

華扇《…この…!メインステップ!陀武竜ドローを使用して二枚ドロー!剣武龍ムラマサ・ドラゴンを召喚!そしてバーストセット!!》

 

少し焦りが見える昔の華扇はドローマジックで手札を補充したあと、頭に刀がついたドラゴンを召喚する。そしてソウルコアをムラマサ・ドラゴンに置いた…

 

華扇《アタックステップ!ムラマサ・ドラゴンでアタック!!ソウルバースト!発動!!炎龍刀オニマルの効果でムラマサ・ドラゴンをBPプラス10000!!そしてムラマサ・ドラゴンに直接合体!!》

 

開いたバーストが炎になってムラマサ・ドラゴンの力を底上げする。さらに炎は一振りの刀になりムラマサ・ドラゴンの手に収まった。

 

華扇「…ライフで受けます!」

 

オニマルを振り上げてムラマサ・ドラゴンは華扇のライフを二つ切り捨てた。

 

華扇《ターンエンド!》

 

華扇「…く…さすがに二点同時はキツいですね…メインステップ!バーストセット!!ヴェロキックをレベル2にしてそのままアタック!効果でデッキを三枚オープン!!」

 

華扇はレベルを上げたヴェロキックを攻撃させる。そしてオープンされたのは…アヌビスの冥界神殿…冥界の武者竜人クリョロ…冥界の恐竜人プシッタ

 

華扇「冥界の武者竜人クリョロを回収してアヌビスの神域によりそのまま召喚!!召喚時効果で創界神アヌビスにコア二つを追加します!そしてもう一つのアタック時効果でハクライを破壊!」

 

華扇《…ぐ…ライフで受ける!》

 

ハクライを蹴り飛ばしたヴェロキックが飛び上がり、爪先の鉤爪をライフに叩きつけた。

 

華扇「よし!ターンエンド!」

 

華扇《…ふん…メインステップ!バーストをセットしドラマルを召喚…そして…地獄の炎操る無双竜!戦国龍ソウルドラゴン!!オニマルと合体しレベル3に上がれ!》

 

昔の華扇の上空に出現した炎球からソウルドラゴンを呼び出してムラマサ・ドラゴンが持っていたオニマルをソウルドラゴンに合体させた。

 

華扇「…きた……ソウルドラゴン…!」

 

華扇《アタックステップ!行け!ソウルドラゴン!連刃を使用する!ソウルコアをトラッシュに移動させてソウルドラゴンは可能なら二体でブロックしなければならない!》

 

華扇「クリョロとオヴィラでブロック!フラッシュタイミング!マジック!ロックシュートを使用!!コストはブロックしている二体から確保。トラッシュに地竜が五枚あるのでBP8000以下のスピリット二体を破壊する!」

 

ソウルドラゴンの斬撃による指定を受けたクリョロとオヴィラがブロック態勢に入ったが、斬られる瞬間消滅する。そして華扇が放ったマジックがドラマルとムラマサ・ドラゴンを破壊した。

 

華扇《ぐぅ…オニマルの効果でソウルドラゴンにソウルコアを戻して回復…ターンエンド》

 

アヌビス《…華扇殿!今でござる!》

 

華扇「ええ!ドローステップ……!?…なぜ…このカードが…?」

 

アヌビスの言葉に答えてドローした華扇は驚いた。なぜならそのカードはあの妖怪のキーカードのうちの一枚だったからだ。振り返ってアヌビスに目を向けてもアヌビスはニヤニヤと微笑むだけだった……

 

華扇「…これは後で当人に聞きますか…メインステップ!ブレイヴがあるのでコストを4に!闇より生まれし魔竜!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!!これでオニマルは破壊されます!」

 

華扇が呼び出したスピリット、それは紫の切り札としても名高いダークヴルム・ノヴァであった。フィールドに降り立つノヴァが黒い息を吹くとソウルドラゴンのオニマルが煙になって消えてしまった。

 

華扇《…!?なぜだ!それは八雲 紫のカードなはず!?》

 

華扇「…さぁ?そしてもう一体…闇の輝石を率いる恐怖の化身!今その剣は義の名を得る!闇輝石六将 冥恐斬神ディノヴェンジ!!レベル2で召喚!!」

 

アヌビス《これが拙者の生きざま!拙者の信ずる義のために剣を振るう!》

 

アヌビスが腰の刀を居合いの要領で振り抜く。すると華扇の空間に裂け目が生じ、中から黒い鎧に刀を構えた巨大肉食恐竜が咆哮と共に降り立った!

 

華扇「アタックステップ!ディノヴェンジよ!今その力をここに!!アタック時効果でBPプラス5000してBP合計12000まで相手スピリットを破壊する!」

 

華扇《まだだ!バースト発動!!武将転生!ソウルドラゴンを再びレベル3で召喚してフラッシュ効果!!BPプラス5000!!合計18000のソウルドラゴンでブロック!》

 

ディノヴェンジが刀から斬撃を放ってソウルドラゴンをぶったぎったが、武将転生の効果で復活&パワーアップしたソウルドラゴンが槍でディノヴェンジの剣を受け止めた。

 

華扇《こちらのBPは18000!そちらは15000!所詮過去から逃げることはできない!》

 

華扇「…逃げる…?…いえ…逃げていたのは今までの私です!フラッシュタイミング!オフェンシブオーラ!!これでディノヴェンジのBPは20000に!!さらにフィールドとトラッシュに赤のカードが七枚以上あるので闇界放!!相手ライフを一つボイドへ!!」

 

ソウルドラゴンと刀と槍のつばぜり合いになったディノヴェンジに華扇はマジックで力を与える。

 

華扇「今こそ…過去と向かい合い!越えていく!!斬れ!ディノヴェンジ!!」

 

華扇の叫びに呼応するようにパワーアップしたディノヴェンジが槍を弾くと一閃!!再度ソウルドラゴンを真っ二つにして破壊した!!

 

華扇「…ダークヴルム・ノヴァ!!」

 

ディノヴェンジと交代するように飛び上がったダークヴルム・ノヴァが口から紫の炎を放った!

 

華扇《 ぎぃゃぁぁぁぁぁ!!!!

 

バトルが終わった瞬間、目の前が白く光に染まった華扇の耳に聞こえたのはそんな過去の自分の叫びだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「……は…!…こ、ここは…」

 

アヌビス《おはようでござる》

 

鈴仙「あ!目覚めました?ししょー!華扇さんが目を覚ましました~!」

 

…ツンと鼻につく薬品の香りに華扇としては寝慣れてないベッドの感触…そして鈴仙の存在…これらから華扇は自分が永遠亭のベッドに寝かされていることを把握した。

 

華扇「…あなたが…運んで…?…ふふ…変な夢を見たものね…」

 

アヌビス《夢ではござらんよ。お主と拙者が精神空間でバトルしてる間外の拙者がここに倒れたお主を運んだのでござる。その証拠に…もう幻聴は聞こえんでござろう?》

 

華扇「…え……あ……お手数かけました…」

 

アヌビス《…いやいや……そろそろ入ってきてはどうでござる?…八雲 紫殿?》

 

ベッドから身体を起こして頭を下げた華扇にアヌビスは手を振りながら何もない空間に向かって声をかける。するとそこに裂け目が現れ……

 

紫「…こちらからもお手数おかけしました」

 

アヌビス《…拙者はすこぉぉし彼女の手助けをしただけ…頑張ったのは彼女自身でござるよ…さてここからはおなごの会話…拙者はお邪魔虫でこざろう…ではこれにて御免…》

 

スキマからニュッと現れた紫に会釈してアヌビスは病室を出ていった。すると華扇は懐からカードを紫に投げ渡す。

 

華扇「…そのカード…貴方のでしょう?なぜ私に力を貸した?」

 

紫「………ただ単純に……あなたが心配だったから…では不満?」

 

華扇「…ええ…あなたはそういう妖怪ではない…何か別の理由があるはずです」

 

紫「…以前、私はあなたに言いました…「貴方、こっち側でしょう?」と」

 

その言葉に華扇は少し前、座敷わらし騒動で紫に言われた話を思い出した。己は『天道』を行き、あなた達『妖怪』側ではない…

 

紫「…本当は…「貴方も自分を探しているのでしょう?」と言ったつもりだったけど…」

 

華扇「……貴方も…?」

 

紫「まぁ…私…昔は人間だったから」

 

華扇「…へ…ぇぇぇぇぇ!?Σ(Д゚;/)/」

 

あまりにも唐突に…しかもサラッととんでもないことをぶっちゃけた紫に華扇はベッドの上でひっくり返りそうになった。

 

紫「…そこまで驚く?」

 

華扇「あ、あ、当たり前です!」

 

紫「うふふ…私も昔、あなたみたいに『人間』と『妖怪』の価値観の差に苦悩した身…だから手を貸したくなっちゃうのよ……ねぇ…華扇…答えは見つかった?」

 

どこか明後日の方向を見ながらぼやいた紫は視線を華扇に戻す。その目は何時にもまして真剣な感情がこもっている。華扇もキッと姿勢を正して返答した。

 

華扇「…はい…私は…鬼の仙人、茨木 華扇…!鬼の私も仙人の私も…私です!」

 

紫「……まったく…まぁ私もそれに気づくまでずいぶんかかったけど……」

 

華扇のはっきりとした返答に紫は昔の自分を重ね合わせながら微笑む。まるで「手のかかる子供がようやく巣立った」ような…そんな顔…

 

紫「…そうだ…ようやくこの言葉を何の気がねも無しに言えるわね…鬼の仙人、茨木 華扇…改めて…

 

 

 

幻想郷へようこそ

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

背景世界のアヌビスのその後っぽいことを妄想したらこのキャラに行き着きました。

アヌビス

エジット所属の地竜の創界神。性格は温厚で優しく、少し抜けている。だが敵と認識すれば凄まじい目付きへと変わる。神世界一の剣各で、カグツチとは剣士としてのライバル。昔、仲間を裏切って数々の命を奪ったことから己を恥じて『不殺』を誓い、人のため世界のために尽力している。今現在ではホルスやインディーダの創界神との仲は良好…ホルス曰く《あの時はお互い若かった》



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ツクヨミの受難

受難とタイトルにありますが、うちのツクヨミ様からしたらもう日常レベルですね。


アマハラ 月の都 ツクヨミの執務室

 

ツクヨミ《…はぁ…はぁ…終わらないぃぃぃぃ!》

 

一人社長クラスの豪華なデスクに積み上がっている書類連峰を見事制覇したツクヨミは椅子にもたれて叫んでいた。なんだかんだ幻想郷での出来事が楽しすぎてついうっかり仕事をほっぽっておいたツケがここで回ってきていた。

 

ツクヨミ《ぅぅぅぅ…昔は永琳がいたからなぁ…胃薬の心配はなかったし…いざとなれば手伝ってくれてたのに……ぅぅぅぅぅ…》

 

しばしツクヨミは涙をこぼして約千年前まで補佐してくれた一人の賢者を思い返した。そして椅子から飛び上がって回転しながら降り立つ…!!!

 

ツクヨミ《…過去に囚われても仕方ない…ここは息抜きに…レッツ!式神ガチャの時間だぁぁぁぁ!!!》

 

…説明しよう…ツクヨミの趣味…それは自らの術で適当に妖怪を呼び出すことなのである。いつも仕事浸けの生活の中であまり自分の時間がないツクヨミにとって一陰陽師として術を自由に行使するのはとても快感溢れる時間だった。

 

ツクヨミ《…臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前…はぁぁぁぁぁぁぁ!!ふん!!我が元に来たれぇぇぇい!!》

 

ぼぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

 

ツクヨミは指を折って印を結ぶ。すると床に大きな魔法陣が出現して強烈な轟音と共に妖怪が姿を現した…!!!

 

 

ツクヨミ《…さぁて…どんな妖怪が現れたのか…な………あ…》

 

橙「…へ…あ…ここ…どこ…?」

 

……そこには小さな化け猫の少女がペタンと座り込んで目をぱちくりしていた。ツクヨミもまるで時が止まったかのように静止する……

 

橙「…う…うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!らんしゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

ツクヨミ《ああぁぁ、おお~よしよし…突然呼び出して悪かったなぁ~》

 

突然知らぬ場所に飛ばされたこともあり橙は泣き出してしまう。慌てたツクヨミはすぐさま橙の頭を撫でて落ち着かせようとした。

 

橙「びぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

ツクヨミ《おっお……ま、まずい…ぜんっぜん泣き止まない…ひ、ひとまず抱き抱えて……ん?》

 

泣き止まない橙を抱き抱えて立ち上がったツクヨミはふと入口の扉に目を向ける……すると扉が開いていてそこには……

 

豊姫「……(ヤバい人を見る目)…」

 

依姫「…失礼しました。やはりツクヨミ様にも人には言えない趣味ぐらいありますよね……バタン(扉の閉まる音)」

 

ツクヨミ《ま、待て!違う!豊姫!依姫!誤解だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!》

 

…ツクヨミの叫び声と橙の泣き声が月の都に響き渡った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「なぁんだ♪そうならそうと言ってくださいよ~」

 

ツクヨミ《…バーロー…言っていただろ…》

 

サグメ《……お疲れ様です…》

 

あのあとすっ飛んできたサグメのとりなしもあってどうにか説得に成功したツクヨミは豊姫に頼んで橙の保護者を探してもらっていた。当の橙はと言うととある茶髪の女性にじゃれついていた。

 

ツクヨミ《悪いな…お前もこの頃忙しいのに…》

 

???《…はぁ…まったくよ…このバカ…普段はこれしまってるのに…あ!こら!引っ張るな!》

 

橙「えへへ~♪らんしゃまみたい~♪」

 

橙はその女性にかなり懐いているようだった。それもそのはず…彼女の頭には……キツネの耳が…尻にはキツネの尻尾が生えていたからだ。

 

依姫「…あの…ツクヨミ様…あちらの女性は?」

 

ツクヨミ《…そうか…初対面だったな…彼女はウカノミタマ、地上では「お稲荷さん」と呼ばれ全国にある祠も入れれば軽く三万の分社を持つ最も信仰されている国津神だ。キツネの耳と尻尾がついてるのは彼女の使いがキツネだからだ》

 

ウカノミタマ《あとアマハラの生命力をコントロールしてるわ。ちなみに『忍風』と『霊獣』の創界神よ》

 

依姫「ははぁ…月の都では見かけない訳ですねぇ…ここでは生命力は『穢れ』として嫌悪されてますし…」

 

豊姫「ツクヨミ様、連れて来まし「ちぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」…この式神にあってこの主ありね…」

 

豊姫が連れて来た女性…もはや紹介する必要はなかろう…八雲 紫の式神にして九尾のキツネ…八雲 藍である。

 

橙「あ、らんしゃまだ!」

 

藍「橙!無事だったか!突然消えてしまった時は驚いたぞ…!」

 

ツクヨミ《…すまん…私の手違いで……》

 

ウカノミタマ《…あんた…これ前も似たようなことしなかった?》

 

サグメ《…ぇ…前科あるですか?》

 

ウカノミタマのツッコミにギクッと背筋を震わせたツクヨミは明後日の方向を向いて知らん顔をした…つまりやったことがあるというわけである。

 

ウカノミタマ《…前何呼び出した?》

 

ツクヨミ《…ガシャドクロ…輝夜がやってたRPGにでてきたやつにそっくりなやつ…》

 

ウカノミタマ《…その前は?》

 

ツクヨミ《……変な百鬼夜行…八雲 紫とか西行寺 幽々子とかいた…》

 

依姫「第一次月面戦争ってそんな軽い理由で起きたんですか!!?」

 

…とんでもないカミングアウト…まさかあの大戦争がツクヨミの気まぐれで起きていたとは…てかよく考えれば辻褄が合う出来事が次々と思い出されてきたので依姫はさらに顔をひきつらせた…

 

ウカノミタマ《…はぁ…これどう弁償するわけ?》

 

依姫「…そうだ!ツクヨミ様彼女と契約してみては?八雲 藍は式神を操る能力を持ってますし、ツクヨミ様と相性良いかと」

 

ツクヨミ《…ん…そうだな…同じ趣味を持つ方が私としては良いし…そちらが良いと言うなら…》

 

藍「っえ…あぃ…へぇ…その…ど、どうも…」

 

さすがに日本育ちの藍にアマハラのトップクラスの創界神と契約しようと言われたらしどろもどろになるのも当然である。藍が答えに困っていると……

 

ツクヨミ《…む…!?急急如律令!十二神将よ!結界を張れ!》

 

ばりぃぃぃぃぃぃぃん!!!

 

今度は窓の外…地球の方角から何やら青い弾丸のようなものが飛んできた。すぐさまツクヨミが呼び出した十二神将によって張られたバリアで物理的な被害はなかったが、窓ガラスは砕け散ってしまった。

 

 

天子「ん?着いた?」

 

セト《だな!お!よう!ツクヨミの旦那!ちょいと邪魔するぜぇ》

 

ツクヨミ《…………》

 

突っ込んで来たのは幻想郷のトラブルメーカーの一人、天子と神世界のトラブルメーカーの一人、セトだった。大方何か変なやり方で月に到着したのだろう…すると窓ガラスを割られた=仕事が増えてしまったツクヨミは無言で立ち尽くす…

 

橙「…ひ…!らんしゃまぁぁ……ビクビク…」

 

藍「……綿月の…橙を頼む……ズカズカ…」

 

豊姫「……あ~あ…こりゃまずい…」

 

橙の涙で何かヤベーイスイッチが入った藍もズンズン歩いてツクヨミの隣に並び立つ。そして二人はチラリと目配せして頷いた。

 

天子「…え…なに…」

 

ツクヨミ《いくぞてめぇらぁぁぁぁ!》

 

藍「構えろ!橙を泣かせた恨みぃぃぃぃ!!!」

 

セト《…へ…ええ!?》

 

ツクヨミは禍々しいオーラを放出しながら藍に憑依する。藍もすぐさまデッキを構えて二人に向けた。

 

天子「い、良いわよ!受けて立つわ!」

藍 天子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「…いくぞ…!メインステップ!ゴッドシーカー 陰陽式鬼を召喚!!召喚時効果でデッキを三枚オープンする!その中の創界神ツクヨミと天渡/化神も持つ紫/黄のカードを回収だ!!」

 

藍はフィールドに不気味なオーラを纏った小さな陰陽師を召喚してデッキをサーチする……ツクヨミの陰陽神殿…キャメロット・ポーン…創界神ツクヨミ…

 

藍「…ツクヨミの陰陽神殿と創界神ツクヨミを手札に!ターンエンド!」

 

天子「…こっちもいくわよ!メインステップ!獣童パンザーを召喚して四枚めくるわ!その中のアルティメットカードを手札に!」

 

対する天子は小さな豹人を召喚してデッキをオープンする…白晶防壁…砂海王グリセティ一世…砂海祈祷使ケルドマンド…砂海魔神…

 

天子「グリセティ一世を回収して…ぶっ壊せ!創界神セト!神託を使ってコアを一つ追加!これでターンエンド!」

 

セト《かっ飛ばしてくぜ!》

 

さらに天子はセトを呼び出してターンエンドした。

 

藍「…メインステップ!急急如律令!創界神ツクヨミを配置!神託によりコアを二つ追加!さらにちょうちんゴーストを召喚しツクヨミの陰陽神殿を配置する!」

 

ツクヨミ《…久しぶりのバトルだ…!》

 

藍の背後に術符を構えて臨戦態勢のツクヨミが現れる。そしてフィールドにちょうちんの妖怪、さらにツクヨミの背後には紫色の鳥居が建てられた神社も配置される。

 

藍「バーストをセットしてアタックステップ!陰陽式鬼でアタック!ここでツクヨミの陰陽神殿の効果!魔影スピリットが攻撃したのでパンサーのコアをリザーブへ!さらに陰陽式鬼の効果で再び三枚オープン!!」

 

飛び出した陰陽式鬼に呼応して陰陽神殿の鳥居が妖しく輝いた。するとパンザーが力を失って消滅する。そして今回めくられたのは…カシャネコ…鎧魂…ヌリカベ…

 

藍「…カシャネコを手札に加えて残りは破棄!そして陰陽式鬼のもう一つのアタック時効果!手札の鎧式鬼を棄てて一枚ドロー!」

 

依姫「…ツクヨミ様のバトルは…ラー様のバトルに似てますね…ですがトラッシュを肥やしているのを見るに…ただ殴るだけでなくコア除去や蘇生も組み込まれているのでしょう」

 

天子「…一度にここまでやるの!?ライフで受ける!」

 

陰陽式鬼は術符を取り出して人形にすると天子のライフに叩きつけた。

 

藍「さらにちょうちんゴーストでアタック!」

 

天子「これもライフ!」

 

さらに藍はちょうちんゴーストをアタックさせ天子のライフをもう一つ削る。

 

藍「ターンエンド!」

 

天子「やってくれたわね!メインステップ!砂海王子ナミルネスと砂海王グリセティ一世を召喚!!ナミルネスの召喚時効果で陰陽式鬼を破壊するわ!」

 

天子は青い豹人と筋肉質の獣人を召喚してカウンターの準備を整える。そしてナミルネスの効果が陰陽式鬼を破壊した。

 

藍「バースト発動!!呪の覇王カオティック・セイメイ!グリセティのコアを一つトラッシュに置いてドロー!さらに召喚する!」

 

藍も負けじとバーストを発動させグリセティ一世を消滅させる。そしてフィールドを飛び交う光弾がぶつかり合い、そこから幽霊の陰陽師が現れた。

 

天子「ぐぬぬ…!バーストセットしてターンエンド!」

 

藍「攻める!メインステップ!十式戦鬼・死鬼若丸を召喚!さらにセイメイをレベル2に!アタックステップ!死鬼若丸!攻撃だ!まずはライフを一つ自身に移動させてトラッシュから鎧式鬼を呼び出す!」

 

畳み掛ける藍は牛若丸のような鎧姿の武士を呼び出し攻撃させる。すると式鬼若丸が唱えた呪術により地獄から刀を持った鎧幽霊が這い出してきた。

 

藍「さらにちょうちんゴーストの黄色シンボルにより連鎖!トラッシュのコアをライフに戻す!まだいくぞ!ツクヨミのレベル2からの神域!効果で自分のスピリットが召喚されたのでナミルネスのコアを外す!!」

 

ツクヨミ《我が陰陽術!防げるか!!》

 

さらに黄色シンボルの連鎖で削られた藍のライフが回復する。オマケにツクヨミが放った術符がナミルネスの力を奪って消滅させた。

 

天子「もう!ライフ!バースト発動!!海賊王レヴィアダン!このターンは効果の記述を持つスピリットじゃ私のライフは減らない!そしてレベル2で召喚!!」

 

なんとか持ちこたえようと天子はバーストから大砲を携えた大海賊を召喚して藍の追撃を牽制した。

 

藍「…ターンエンド」

 

天子「…メインステップ!バーストセット!!そして砂海帝王セトナック3世をレベル4で召喚!!アタックステップ!レヴィアダン!行きなさい!」

 

藍「…ライフで受ける!」

 

天子のフィールドに吹き荒れた砂嵐からセトナック3世が現れ、レヴィアダンが大砲で藍のライフを破壊した。

 

天子「ふっふ~ん!ターンエンド!」

 

藍「…何か良いのを引いたな…?メインステップ!騎馬式鬼を召喚!召喚時効果で自分のスピリット…今回はカオティック・セイメイを破壊することでそのコストより低いスピリットを破壊する!」

 

上機嫌な天子を警戒しながら藍は紫の騎馬武者を召喚しカオティック・セイメイを犠牲にして天子のレヴィアダンを除去したが……

 

天子「かかったわね!スピリット破壊によりバースト発動!!七海大名シロナガス!主君/獣頭を持たないスピリットをすべて破壊するわ!!これで相手のスピリットは全滅よ!」

 

藍「だがトラッシュにある十王ヘンジョウの不死の効果!コスト0のちょうちんゴーストの破壊により召喚される!さらにツクヨミの神域でセトナック3世のコアを一つ外す!」

 

天子のバーストから溢れだした荒波が藍のスピリットをすべて押し流してしまった。そして現れたクジラの巨大な獣人に藍は不死により召喚された黄色い陰陽師を呼び出す。

 

藍「アタックステップ!行け!ヘンジョウ!陰陽神殿の効果でセトナック3世のコアをリザーブに!コアが0になったので消滅!さらにツクヨミの神技!コア六個をボイドに戻してトラッシュから合計コスト4まで妖戒/魔影を蘇らせる!!」

 

ツクヨミ《出でよ!我が百鬼夜行!そして式神達よ!》

 

サグメ《…0からここまで展開するなんて…すごい…!》

 

ヘンジョウに続いてツクヨミが超巨大な五芒星をフィールドに作り出す。そこからトラッシュに落ちたちょうちんゴースト、鎧魂、キャメロット・ポーン、そしてヌリカベが蘇生した!

 

天子「はぁ!?もう!フラッシュタイミング!アクセル!海賊艦隊キャプテン・ウォルラス!コスト3以下のスピリットを全破壊!!さらにセトの神技でヘンジョウもよ!」

 

セト《いい加減止まれ!》

 

天子はイライラしながらアクセルを放ちたった今召喚されたスピリット達を再度破壊する。さらにアタックしていたヘンジョウもセトが拳で吹き飛ばしてしまった。

 

豊姫「ああ!」

 

ツクヨミ《問題ない。鎧式鬼の不死発揮!トラッシュから再召喚する!》

 

だがツクヨミは狼狽えずにコスト0のスピリットの破壊をトリガーにして鎧式鬼を召喚した。

 

藍「鎧式鬼でアタック!ツクヨミの陰陽神殿と自身の効果も合わせてシロナガスを消滅!」

 

天子「…青のスピリットが消滅したので手元のキャプテン・ウォルラスをノーコスト召喚!!そのアタックはライフで受ける!」

 

鎧式鬼がシロナガスの命を奪うが新たに海賊艦隊のキャプテンが現れる。そして鎧式鬼の刀が天子のライフを斬った…すると…!!

 

藍「…系統魔影を持つ鎧式鬼が相手のライフを減らしたので…!妖戒統べる地獄の使い!月夜に舞え!妖戒帝エンオウ!!

 

ツクヨミ《貴様の行き先はただ一つ…敗北だ!》

 

砕けた天子のライフがツクヨミの胸についている鏡に吸い込まれる。するとそこから化神スピリットにしては小さめ…だが鎧式鬼よりかは大きな和服の剣士がフィールドに降り立った!

 

藍「召喚時効果!天界放!!ツクヨミのコアを一つエンオウに置くことで相手のスピリットを一体指定しブロックを封じる!!とどめだ!エンオウでアタック!!」

 

天子「…あ……」

 

迎え撃とうとしたキャプテン・ウォルラスをヒラリとかわしたエンオウが腰の刀を抜刀して天子の最後のライフをぶったぎった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天子「…キュー……」

 

セト《……チーン……》

 

ツクヨミ《…この…仕事を増加させやがって…!》

 

バトル後二人を拳骨でノックアウトさせたツクヨミは散らばった窓ガラスを見て嘆く。それを見かねたウカノミタマはため息をついて話しかけた。

 

ウカノミタマ《…はぁ…もう…ツクヨミ、あなたはこの二人を連れて永琳の所でも行ってなさい。あとは全部私がやっとくから》

 

ツクヨミ《え!?…イヤ…しかし…》

 

彼女の言葉はツクヨミにとって願ってもない提案だったが、自分の仕事を押し付ける形になるのでツクヨミは断ろうとした。

 

ウカノミタマ《……輝夜ちゃんのこと…気になってるんでしょ?…行ってきなさいよ…アマハラ1の……名陰陽師さん?》

 

ツクヨミ《…わりぃ…恩に着る…!》

 

藍「…それでは…失礼」

 

橙「お姉さんまたね~」

 

藍がペコリとお辞儀し橙が手を振ってるとツクヨミの陰陽術が発動して三人の姿が消え失せる。残った豊姫と依姫は気を取り直して自らの仕事場に戻っていった。

 

一人執務室に残ったウカノミタマはぼうっと外の宇宙の景色を眺める……

 

ウカノミタマ《………バカ…何で幾千もの式神を操れて……ほぼ一人でアマハラを切り盛りできて…アテナやヴィシュヌクラスの頭脳もあるのに……私の気持ちには気づいてくれなかったのよ…》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって…幻想郷 永遠亭 とある一室

 

 

輝夜「…ピコピコ…はぁ…なんか最近…私出番無いわねぇ…ピコピコ…」

 

いかにも豪華そうな部屋でゴロゴロしながらゲームをしている輝夜。どうやら異変でも宇佐見 蓮子の件でも活躍できなかったことが不満のようだ。

 

輝夜「…ピコピコ…そうよ…私はアマハラ随一の創界神の娘…さらに月の叡知が教育係なのよ…!そうだわ!私は…!」

 

突然輝夜はゲーム機を置いて立ち上がりながらぶつぶつと独り言を呟き始める。その身体からは何やら紫色の粒子が滲み出ていた……

 

輝夜「…そうよ…私は…!神よ!ブッハハハハハ!!ハ~ハッハハハ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回オリ創界神としてウカノミタマを出しました!ツクヨミとは旧知の仲でありますが……キャラ設定はもう少し先で……

ツクヨミ

アマハラ所属の妖戒と魔影の創界神。冷静、真面目で責任感が強い人格者だが、それゆえ姉や弟の行動には手を焼いている。アマハラ最大戦力のひとつ『月の都』の最高神で輝夜の父親&綿月姉妹、サグメの上司。輝夜や永琳のことは今でも気にかけており、二人を捕らえようとする輩は事前に揉み消している。凄腕の陰陽師でもあり、地上の生命力の中で育った陰陽術や魔術に興味を示している。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コンテニュー

……はい…来てしまいました…自分の筆であの!最高神をうまく描けてるか不安です……


幻想郷 永遠亭

 

 

妹紅「かぁぁぐやぁぁぁぁぁ!!

 

輝夜「もこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

 

今日も元気?に殺しあっているこの蓬莱人二人、このケンカは当人達が不老不死なこともあり気まぐれで中断することはあるが、決着がつくのは永遠に来ない。だが二人にはこれが生きてることを味わえるそうな……

 

妹妹「…ブシャ…ぐ…!おい輝夜!鈍ってんじゃねぇの…か!」

 

輝夜「…ゴキッ…ふん!そんなわけ…ない…わよ!」

 

輝夜の手刀が妹紅の腕を斬り飛ばすが、即座に腕を再生させた妹妹は足に炎を纏わせて輝夜の顔面を蹴り飛ばす。だが輝夜もすぐさま潰れた顔を治すと妹紅の軽口に答える。

 

 

 

スサノヲ《…よし!残りあと一機!》

 

アマテラス《ちぃ…やるわね…!》

 

外の竹林でそんな殺し合いが行われている一方、室内ではスサノヲとアマテラスが某大乱闘ゲームで殺し合っていた…アマハラ大丈夫だろうか?

 

 

妹紅「どっりゃぁぁぁ!!」

 

輝夜「…きゃぁぁぁぁ!!?」

 

どごぉぉぉぉぉん!!

 

妹紅「ハッ!今日はあたしの勝ちだな!」

 

妹紅の空中回し蹴りが輝夜にクリティカルヒットして地面へと叩きつけられる。あとを追って地面に降りた妹紅が得意そうに勝利を宣言すると……輝夜の身体が紫色の粒子に包まれた。

 

輝夜「…あなたが…勝つ?…そんなことはあり得ない!なぜなら……!私が神だからよ!」

 

妹紅「な!?がは……!」

 

輝夜「…ガシッ…この…!愚民が…!神である私に…ゲシッ…たてついたわね!」

 

妹紅「…が…!ぐ…!お、お前…グハッ…か、輝夜じゃ…ゲフッ…ないな……!」

 

まるで狂ったかのように虚ろな目で意味不明な言葉を呟く輝夜は腕から光弾を放って妹紅を吹っ飛ばす。さらに地面に転がった妹紅を踏みつけている姿はもはや輝夜ではなかった。

 

スサノヲ《…ん!?おい姉貴!一時休戦だ!》

 

アマテラス《えぇ?今良いところ……そうね!》

 

さすがに輝夜の異変を感じ取った2神はゲーム機を置いて妹紅を助けに飛び出す。スサノヲは愛刀を、アマテラスは三種の神器の一つ『草薙の剣』を構えていた。

 

スサノヲ《そこまでだ!》

 

アマテラス《落ち着きなさい!ニート!!》

 

輝夜「ぎゃぁぁ!!」

 

…アマテラス様…あなたにニートと呼ばれる筋合いはないかと…ゲフンゲフン…アマハラの最高神×2の斬撃が輝夜をぶったぎり、妹紅の上からひッぺがされた輝夜は光の粒子になって消滅した…

 

だが……地面に紫の土管が出現すると……

 

テッレテテッテテ~!

 

輝夜「…アハハハハ!!」

 

アマテラス《いやマリオか!!》

 

その土管から気の抜けた「ヒョイ」の音が響くと五体満足の輝夜が高笑いをしながら飛び出してきた。斜め上の復活方法に思わずアマテラスは突っ込んでしまう。

 

永琳「…なに!?今の音!!」

 

藍「…蓬莱山 輝夜…か…?」

 

ツクヨミ《…姉さん!スサノヲ!これはいったい…》

 

アマテラスとスサノヲがぶったぎった斬撃の轟音で裏で話していた永琳、藍、ツクヨミもすっ飛んできた。彼らが目撃したのは…明らかにいつもの調子ではない輝夜の姿だった…

 

輝夜「…ヘハハ…えーりん…パパ…私…自分の愚かさに気づいたの!私はこんな所で引きこもっている器じゃない!この世界を統べる神の器なのよ!」

 

アマテラス《……これって…》

 

スサノヲ《…間違いねぇ…》

 

ツクヨミ《…すごく久しぶりにパパって呼ばれた♪》

 

永琳「そこですか!?こら!いい加減にしなさい!なに変なこと言っているの!!」

 

…一人的外れなことを言っている神がいるが…ほとんどこの場にいる者達は察した……具体的には「思春期に周りと違うことを証明したくてちょっと痛いことをしてしまうこと」…つまり……

 

輝夜「…変?血筋も育ちもかんっっぺきなこの私が!!神と言われることに何がおかしいの!?」

 

アマテラス《…輝夜ちゃんが…中二病を発症してしまったわ!!》

 

スサノヲ《やっべぇ…!もう輝夜ちゃんもそんなお年頃か……それよりも…中二病の厄介さは永琳の時でイヤと言うほどわかってる…!!》

 

ツクヨミ《…確かに…あの時は永琳も金髪に髪染めて宇宙船をブンブン…モググ!?》

 

永琳「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

スサノヲとツクヨミが遠い昔を懐かしむようにぼやこうとしたのを顔を真っ赤に染めた永琳が無理矢理口を塞ぎにかかる。だがそんな軽い雰囲気はすぐに一変することになる。

 

輝夜「…この…私を侮辱するなぁぁぁ!ブゥン!

 

妹紅「…あの…カードは…!?」

 

そんな奇声を上げながら輝夜は一枚のカードを掲げる。するとそこから流れ落ちるオーラにアマテラス達から余裕の表情が消失した。

 

アマテラス《…前言撤回…これは中二病なんかじゃない…!良くないモノが輝夜ちゃんにとりついてるわ!》

 

スサノヲ《…冗談抜きでやべぇぞ…俺はただ殴ることしかできねぇし…兄貴!》

 

ツクヨミ《…藍…すまないが…》

 

藍「…わかっている。共に戦ってほしいのだろう…いつでもいいぞ!」

 

ツクヨミの心中を察した藍は自ら輝夜の前に躍り出る。その目には確かに強い光がこもっていた…!

 

輝夜「ブゥッハハハ!!さぁ…来い!」

 

藍 輝夜「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

輝夜「…ヘハハ…ひれ伏せ…!モルモットどもぉぉ!」

 

藍「…私はキツネだ!メインステップ!ゴッドシーカー おんみょ~フーリンを召喚!!召喚時効果で三枚オープン!!」

 

初手に藍は陰陽師姿のフーリンを召喚してデッキをサーチする…鎧魂…創界神ツクヨミ…妖戒帝エンオウ…

 

藍「よし!創界神ツクヨミとエンオウを手札に加える!ターンエンド!」

 

輝夜「ブゥッハハハ!メインステップ!!我が化身!仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル1を召喚!!コアを二つ支払ってデッキを三枚めくるぅぅぅ!!」

 

奇声を上げて輝夜は三頭身の紫と白の仮面戦士を召喚する。そしてコストを使ってめくられたのは…仮面ライダーエグゼイド ダブルアクションゲーマー レベルXXR…仮面ライダーエグゼイド マキシマムゲーマー レベル99…檀 黎斗神…!!

 

輝夜「…ダァッハハハ!!そしてぇぇ!手札に加えた最高神を配置ぃぃぃ!!神の恵みによりコアを三個増やす…ターンエンドだぁ…」

 

すると輝夜の背後に影のように男の姿が浮かび上がった。こいつが輝夜の身体を乗っ取っていると藍とツクヨミは見抜く。

 

藍「…奴か…メインステップ!急急如律令!創界神ツクヨミを配置!神託によりコアを二個置く!さらにトラッシュに置かれた五芒星ノ守の効果!ツクヨミにコアを増やして手札に入る!」

 

ツクヨミ《…さて…こりゃ解術に骨が折れそうだ…》

 

藍の背後に現れたツクヨミは指を折って輝夜の身体にとりついているモノをひッぺがしにかかる。

 

藍「そしてバーストをセットし座敷ガールを召喚!ターンエンドだ」

 

続けて藍のフィールドに小さな和服の座敷わらしが出現する。これで藍はターンを終えた。

 

輝夜「神のターン!メインステェップゥ!仮面ライダーブレイブ クエストゲーマー レベル1をコア二つと共に召喚ンン!そしてアタックだぁ…そこのちび妖怪を手札に戻すゥゥ!!」

 

今度は変なポーズをとりながら輝夜は三頭身の白と水色の仮面剣士を呼び出すと、そのままアタックさせた。アタック時の効果でBP3000以下の座敷ガールが藍の手札へと戻っていく。

 

輝夜「さらに手札のファンタジーゲーマー レベル50の『チェンジ』!相手のスピリット一体をデッキの下に戻し…レベル1と回復状態で入れ換える…さらにボイドからコアを二個トラッシュへぇ…!」

 

トコトコと走っていたブレイブが光に包まれて一気に頭身が伸びると赤紫色のオーラの鎧を纏う。そして背中に現れたマントがはためくとおんみょ~フーリンが吹き飛んでデッキボトムに返ってしまった。

 

藍「…ライフで受ける!」

 

ファンタジーゲーマーの剣…『ガシャコンソード』が藍のライフを切り裂いた。

 

輝夜「タァン…ウェンドだぁ…!」

 

藍「…いちいちウザったい喋り方だな…メインステップ!座敷ガールを再びレベル2で召喚しストロゥ・パペットも召喚する!座敷ガールの効果!魔影スピリットの召喚により一枚ドロー!さらに効果の記述がないのでライフを一つ回復!!」

 

藍は先ほど戻された座敷ガールを再召喚すると小さな藁人形を呼び出し、ソウルコアの力で手札を補充していく。

 

藍「さらにツクヨミの陰陽神殿をレベル2で配置!アタックステップ!ストロゥ・パペットでアタック!!神殿の効果でゲンムを消滅させる!」

 

輝夜「…ラァイフにこいぃぃ!」

 

ストロゥ・パペットが手に持った木槌を振り回して走り出すと、ツクヨミの背後の神社が妖しく光ってゲンム レベル1を消滅させる。そしてストロゥ・パペットは輝夜のライフを叩き壊した。

 

輝夜「…へァ…残りライフ…4…!」

 

藍「ターンエンドだ」

 

輝夜「…再びかぁぁみのターン!ブレイブ クエストゲーマーレベル1を二体…さらにエグゼイド ダブルアクションゲーマーレベルXを召喚ンン!そしてぇ…デッキを三枚めくるゥ!」

 

もう疲れるのではないかと思うぐらいワチャワチャしながら輝夜はまた三頭身のブレイブと二色の髪をしたこれまた三頭身の仮面戦士を呼び出した。

 

召喚時効果によってオープンされたのは…白晶防壁…仮面ライダーエグゼイド ダブルアクションゲーマー レベルXXL…そして…!仮面ライダーゲンム ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオン…!

 

輝夜「…ヴァッ~ハハ!私の運が怖いぃぃ…!ゴッドマキシマムゲーマーを手札に加えて残りは要らぬゥゥ!ファンタジーゲーマーレベル50をレベル3に上げてアタックだぁぁッハハッハ!!」

 

輝夜はレベルアップしたファンタジーゲーマーで攻撃する。アタック時の効果で自身にコアが増えるが、ツクヨミの陰陽神殿が藍のスピリットのバウンスを封じ込んだ。

 

輝夜「まずはエグゼイド ダブルアクションゲーマーレベルXの効果!自身の手札に戻してトラッシュからダブルアクションゲーマーレベルXXを召喚ンン!神の元へ集えぇぇ!!」

 

三頭身のダブルアクションゲーマーの装甲がパージされ中から左右対称のカラーリングと姿をした二体の仮面戦士がフィールドに降り立った。さらに輝夜は止まらない…!

 

輝夜「そして……真の姿を見よ!ファンタジーゲーマーに檀 黎斗神煌臨!!最大級の神の才能!グレートビリオン…!…へぇんしん…!!仮面ライダーゲンム ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオン!!

 

ファンタジーゲーマーが紫のゲーマーに変化すると後ろに現れた巨大なアーマーに乗り込む。そして手足と頭が鎧から生えてフィールドにずうぅんと着地した。

 

輝夜「そして2コストでトラッシュよりレベル1のゲンムを召喚!そして私のレベルも2へ上がるゥゥゥゥ!我が神の恵みを…!受けとれぇぇぇ!!」

 

まだ終わらないコンボは破壊されたレベル1のゲンムが現れ、レベル2になった檀 黎斗神の神域によってスピリット達にシンボルが加わった。

 

藍「…ようやく終わった…さて…座敷ガールでブロック!そしてバースト発動!!十王ショコウの効果でトラッシュからコスト4以下の妖戒/魔影スピリットを呼び出す!よってカシャネコを召喚!」

 

ツクヨミ《さらにマジック!五芒星ノ守を使用!相手スピリット一体ののシンボルを無くす!これで打点は足りないだろう!》

 

レベルビリオンのパンチに座敷ガールは吹き飛んでしまうが、藍のバーストから現れた水を操る陰陽師が術で火の輪に乗ったカシャネコを呼び出した。

 

藍「…まだ終わらんぞ!妖戒を持つ座敷ガールが破壊されたので手札からノーコスト召喚!!闇夜に光る三日月の刀!魂を斬れ!月魄鬼神スメラギンガ!!!

 

ツクヨミ《…青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女…急急如律令!!今回は最大出力!!こい!スメラギンガ!!!》

 

ツクヨミがフルパワーで腰にさしていた刀に呪術を込め、エネルギーがマックスまで貯まると華麗に月夜の空へ放り投げた。すると舞っていた刀に無数の術符が張り付いていく……

 

…そして術符が重く質量を持った鎧へと変化しその姿を大きな鎧武者にしてフィールドに降り立った!

 

輝夜「…ぐぅぅう!ターンエンド…!!」

 

藍「…っつ…!凄いな…さすが神世界最高の陰陽師の化神…!メインステップ!カシャネコとスメラギンガをレベル2に!アタックステェップ!スメラギンガ!奴を滅せよ!まずは陰陽神殿の効果でブレイブのコアを外す!」

 

同じ式神使いとしてツクヨミのスメラギンガに恐れ半分、憧れ半分の気持ちを抱いた藍はスメラギンガに攻撃を命じ、ブレイブ一体を陰陽神殿が消滅させた。

 

藍「スメラギンガの天界放!!それはツクヨミのコアを二つ置くことで相手のソウルコアとフィールドのコア三個をトラッシュへ送る!さらに黄シンボルの存在によってブロックされなくなる!」

 

ツクヨミのエネルギーを吸収したスメラギンガが刀を振り抜いてダブルアクションゲーマー二体、ブレイブレベル1のコアを合計三個とゴッドマキシマムゲーマーのソウルコアを一気に奪い去った。

 

これにより輝夜のフィールドにスピリットはゲンムレベル1とレベル3で疲労しているゴッドマキシマムゲーマーだけになった。一方スメラギンガは身体を黄色いエネルギー状に変換してブロックされなくなっている…!

 

輝夜「…仕方ない…!ライフで受ける!」

 

スメラギンガの刀が輝夜のライフを一つ切り捨てる。そしてそのライフがツクヨミの胸の鏡に吸い込まれた……

 

輝夜「…ふぅ…!残り…ライフ…3…!」

 

藍「魔影を持つスメラギンガがライフを削ったことによって召喚!!妖戒統べる地獄の使い!月夜に舞え!妖戒帝エンオウ!」

 

ツクヨミ《効果で召喚されたので俺の神域!相手のコアを外して召喚時効果!相手のスピリット一体はブロックできない!》

 

ツクヨミの鏡に貯まったエネルギーが放出されてフィールドにエンオウが舞い降りる。スメラギンガとエンオウ…ここにツクヨミの二大化神が並び立った!!

 

藍「続け!カシャネコ!レベル2の効果!ソウルコアをトラッシュへ送り、スメラギンガを回復させる!さらに陰陽神殿によりコア除去!!」

 

輝夜「…んな…!?ラァァァイフゥゥ……!!」

 

火の輪に乗ったカシャネコが突っ込んで輝夜のライフを砕く。そして疲労していたスメラギンガがズズズと起き上がる…!

 

藍「悪霊よ!立ち去れ!エンオウ!スメラギンガ!天界放によりゴッドマキシマムゲーマーを除去!!」

 

ツクヨミ《俺の娘から…!でてけぇぇぇぇ!!!》

 

スメラギンガの身体が元の術符に戻ると残った刀に術符を纏わせてゴッドマキシマムゲーマーを貫いた!そしてその巨大な刀をエンオウは両手で振り上げ、全力で輝夜のライフに叩きつけた!!!

 

 

 

 

ツクヨミ《輝夜!無事か!!?》

 

輝夜「…ん…う~ん…あれ…お父様…?」

 

アマテラス《良かった~…さて…それでこいつ…どする?》

 

???《ここから出せぇぇぇ!神の才能を持つこの私をこんなところに閉じ込めるなどぉぉぉ!》

 

永琳「…うるさいわね…この試験管に激薬ぶっこむわよ?」

 

しばらくして目を覚ました輝夜に付き添っていたツクヨミはホッと胸を撫で下ろす。そこに響いてくる若い男の声…それは永琳の実験室から持ってきた一本の試験管から聞こえてきた。

 

輝夜「…あ!神!ねぇ永琳、そいつそんな根っからの極悪人って奴じゃないわよ」

 

妹紅「んん?身体乗っ取られたのにか?」

 

輝夜「でもさっきアマテラス様達が遊んでたゲーム作ったのこいつなのよ。そしたら「もっと凄いゲームを作る」って言ってたわ。だからこいつ…ただの変わったゲーマー…って所ね」

 

そんなこんなで結局この創界神もどき…檀 黎斗が永遠亭の試験管に住みつくこととなった。どうやって輝夜と接触したかについて彼曰く「私の才能を理解した者がゲームを通じて送り込んだのだぁぁ!ブッワァッハハッハッ!」と供述している……

 

 

 

 




はい…ありがとうございました…

……うちの神は世界をさ迷うウィルスみたいなものです。そして彼を永遠亭に送り込んだ人物とは……?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

造形神は見た!

今出雲大社では神々が縁結びの相手を決める会議の真っ最中みたいです……ぜっっったいうちのツクヨミみたいな資料を作るために会議の前にサービス残業している神いる…


畜生界 霊長園 袿姫の部屋

 

袿姫「…ダメだダメだ…!これでは…我がゴッドに喜んでもらえない!」

 

磨弓「…袿姫様…一体何を……?」

 

ここは袿姫の自室兼アトリエ…何時もならキチンと画材道具が整理整頓されているのだが、辺りには彫刻刀やら画板やらが散乱している。そして未完成の土人形の前で袿姫が頭を抱えながら叫んでいた。

 

袿姫「…なぁ…磨弓…我がゴッドが喜んで貰えるような作品とはどんなやつなのだ…?」

 

磨弓「…へ…?…弾様なら何だって喜んで頂けるかと…」

 

袿姫「それではいかん!造形神の名にかけて真に喜ばれない作品を造る訳にはいかないのだ!」

 

早鬼「お~い!ぞーけーし~ん~!いるかぁ~!!?」

 

芸術家のはしくれとしての悩みに袿姫が苦悩していると、そういう悩みとは絶対に無関係であろう人物がドアを蹴り開けて入ってきた。

 

袿姫「…何の用だ…」

 

早鬼「おいお~い…何か悩んでるって聞いたから見舞いに来てやったというのにぃ~」

 

磨弓「…う…で、でも…何か良い名案でも…?

 

早鬼「まあな!…とりあえず…ゴソゴソ…これ見い」

 

あからさまに不機嫌になった袿姫に早鬼は気にせず話し出す。そして磨弓はいつも通り小さな声で逆に聞き返す。すると早鬼は待ってましたと懐からとあるチラシを取り出して袿姫に見せた。

 

袿姫「……こ、これは…!!!」

 

 

 

 

 

数日後 妖怪の山 河童の工房

 

 

 

…ワイワイ…ガヤガヤ…

 

袿姫「…ぉぉ!…なんと美しい…!!」

 

ここは幻想郷の河童達のすみか…今日はここで創界神ヘファイストスの作品の展示会が行われている。なぜここで行われているかというと、河童という妖怪は根っからのエンジニアで色々なメカを作っているのだ。ちなみにいつも使っているバトルフィールドも河童お手製のものである。

 

そして今袿姫はヘファイストスが作った見事なスピリット達を模した彫刻を見て感動していた。

 

袿姫「…気力がなくとも…まるで動き出しそうな荘厳とした佇まい…!これだ!私が造りたい作品は!!」

 

こんな調子で一つの作品を見るたびに袿姫は興奮して感動の歓声を上げていた。すると突然ビシッと袿姫の頭に電流が走ってとてつもない名案が降りてきた。

 

袿姫「…これ程の作品を作ったのだ…作者のヘファイストス様もこの会場に来てるに違いない!…そうとなれば…善は急げ!!」

 

そう言うと袿姫はスタコラさっさと何か偉そうな人の控室らしき場所を探しに裏に回った。

 

 

 

袿姫「…キョロキョロ(・д・ = ・д・)…いた…!」

 

展示会の裏手…そこで椅子に座っている少し…いやあまり美男とは言えない見た目をしているずんぐりとした男…創界神ヘファイストスである…!

 

ヘファイストス《…ふぅ…河童の技術も面白いものだな…よいしょ…っと…ガチャガチャ…》

 

袿姫「…?…何の金属音だ…?」

 

物陰からこっそり覗いている袿姫はヘファイストスから聞こえる不可思議な金属が擦れる音に首をかしげる。彼の装飾品や周りの物にそんな音を出せそうな物はない…すると…!

 

ヘファイストス《…ガチャ…よっこいせと…やっぱりこの中蒸れるのが難点なんだよなぁ…カポッ…》

 

袿姫「………え……?」

 

…袿姫は目が点になってしまった…それもそのはず…他の人物が同じ立場だったとしたらまったく同じ反応を示すだろう…そりゃ…

 

ヘファイストスの上半身前半分がパカッと開いて中から小さな美少年が出てきたら

 

袿姫「…いやいや…ウソだ…まさかいつも見ている筋肉質な身体は乗り物で…中身があんな可愛い子だったなんて……ガタッ…あ…!」

 

ヘファイストス《…ん!?》

 

袿姫「…あ……ど、どうも……」

 

…そして…目と目が合う~……空気が一気に氷点下まで到達したかのように二人はしばし硬直して動かなかった……

 

 

 

 

ヘファイストス《…ぅぅぅ…もうお婿に行けない……》

 

袿姫「お、お、落ち着いてください…!けっっっして誰にも他言しませんから!」

 

どうにか再起動した二人だったが、そこからめっちゃ凹んでいるヘファイストスを袿姫は慰めるという絵面が続いていた。

 

ヘファイストス《…ふぅ…落ち着いた…で…確か君は弾の側近だったね。僕を探していたのかな?》

 

袿姫「…は、はい…!実は……カクカクシカジカ…」

 

ヘファイストス《…う~む…弾君が喜ぶ作品ねぇ……》

 

また少し時間を置き、ようやく完全再起動したヘファイストスは袿姫に尋ねた。袿姫の悩みを聞いたヘファイストスは顎に手を当て考える…そして袿姫にある提案をした。

 

ヘファイストス《…そうだな…ここで今の君自身がベストだと思う物を造れるかい?》

 

袿姫「はい!」

 

ヘファイストスの提案に袿姫はスイッチがオンに切り替わり、せっせと地面を材料にしてお得意の偶像を造り上げていく。だが製作中の袿姫の顔をヘファイストスは鋭い目で注視していた。

 

袿姫「…できました!」

 

ヘファイストス《…ほう…これは弾君の化神だね…どれどれ…》

 

袿姫の作品…それは土で造り上げた弾の化神…超神光龍サジットヴルム・ノヴァだった。サイズは袿姫より一回り大きいといった程度だが細部に至るまで細やかに彫られている。

 

早速ヘファイストスはサジットヴルム・ノヴァ(土version)を細かく出来映えを見ていく。十数分後、ウンウンと頷きながらヘファイストスは袿姫に向き直る。どうやら評価が決まったようだ。

 

袿姫「…ど、どうでしたか……?」

 

ヘファイストス《…完璧だね。あれを僕の作品だって言って展示会に出してもバレないクラスの作品だよ!いやぁ…まだまだこんな芸術家がいたなんて!》

 

袿姫「…あ、ありがとうございます!」

 

ヘファイストス《…いやいや、君の腕は本物だよ……作品の出来映えだけはね

 

神世界一の鍛冶神であるヘファイストスに最高の評価を貰って袿姫は幸せの絶頂にいたが、ヘファイストスが続けた言葉によって一気に現実に引き戻された。

 

袿姫「…「出来映えだけ」…ですか?」

 

ヘファイストス《…まぁ…間違っちゃいないんだけど…今回は弾君が喜ぶ作品を造るんだよね?でもこれって……君が喜ぶ作品になっちゃってない?》

 

袿姫「……へ……」

 

ヘファイストス《…君はどちらかと言えば芸術家だ。芸術家として作品を造るなら自分の好きなものを造って構わないけど……プレゼントを造るなら…まずは相手が喜ぶものは何なのかを念頭に置くべきだと思うよ?》

 

袿姫「………」

 

ヘファイストスの言葉に袿姫は天国から地獄に叩き落とされた気分になった。そうである…袿姫が造ってきたのは弾の化神達や幻想郷の創界神として威厳ある偶像ばかり…それは弾の性格上好まないだろう。

 

袿姫「…………」

 

ヘファイストス《…少し…外に出ようか…》

 

するとヘファイストスは呆然と立ち尽くしている袿姫を連れて展示会の外に出た。巨大なゴーレムに収納されたヘファイストスの見た目は醜い中年男性だが、その腕には力強さがあった。

 

 

 

 

妖怪の山 守矢神社

 

 

ヘファイストス《…むぅ…ここでいいか…》

 

袿姫「…あの…ここで何を…?」

 

ヘファイストス《………………》

 

ヘファイストスは袿姫を守矢神社の境内に案内した。袿姫としてはヘファイストスがなぜここに自分を連れてきたのかわからなかったので尋ねると……ヘファイストスは無言で遠くを見ていた。

 

袿姫「…?……どうしましたか?」

 

ヘファイストス《…綺麗だねぇ…》

 

袿姫「…は…?」

 

ヘファイストス《…弾君が好きなのも…こんな景色だろうね…彼はこの世界を愛してる。なら幻想郷の名所とか…暖かい心とかをベースに造っていけばいいんじゃない?》

 

ヘファイストスはゴーレムの顔を袿姫に向ける。真の顔は隠れていて見えないが中の彼はきっと優しい顔をしているだろう。そして袿姫はその言葉を聞きながら自分の眼下に広がる幻想郷を眺めていた……

 

袿姫「…まだ…形になりません…」

 

ヘファイストス《…よし…それなら…》

 

アレス《ん?お…見た目ブサイク中身ショタホイホイじゃん!》

 

ヘファイストス《……カチン……》

 

幻想郷を眺めていた二人の耳に響いてきた声…その内容にヘファイストスは一瞬フリーズする(たぶん故障ではない)すると神社から意気揚々とアレスが出てきた。後ろには少し焦っている神奈子の姿も見える。

 

アレス《…どうした?まさか…この娘とデートか!?いっちまお~!アプロディーテに言ってやろ~!》

 

ヘファイストス《…うるさい!同じ物作り仲間として助言してただけだ!》

 

神奈子「…あの…アレス様…そこまでに……ん…お前は埴安神か?」

 

袿姫「…建御名方神…お騒がせして申し訳ない…」

 

アレスとヘファイストスの口論がヒートアップしていく…取り残されている袿姫を神奈子はどうしようかとオロオロしている…ちなみにこの二人…同じ八百万の神々なので少々面識があった。

 

ヘファイストス《よ~し!わかった!この虫男!一発頭かち割らないとわからないみたいだね!》

 

アレス《おお!上等だ!行くぜ神奈子!》

 

神奈子「…ぇぇ……まぁ…造形神の力…軍神として興味はある…!」

 

袿姫「…私も…負けて我がゴッドの名を汚す気などない…!」

 

アレスが神奈子の、ヘファイストスが袿姫の中に入り込む。入られた二人もそこまで迷惑そうでもなかった。

 

神奈子 袿姫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

神奈子「…此方からいくぞ。メインステップ!天騎士ナミテントウを召喚!召喚時効果でコアブーストし、デッキを四枚オープンする!」

 

先手を取った神奈子はてんとう虫の騎士を召喚してコアと手札を増やす。オープンされたのは…天騎士オールリィチ…創界神アレス…巨蟹神刀カニキリ…バグズリバース…

 

神奈子「よって創界神アレスを手札に加えてそのまま配置!神託によりコアを二つ置く!ターンエンド!」

 

アレス《…了解。あのショタホイホイを迎撃する》

 

増えたコアとカードで神奈子の背後にアレスが現れる…心なしか何時もよりフランクな喋りである。

 

袿姫「ではこちらのターン。メインステップ!ゴッドシーカー アクアオーラ・ゴレムをレベル2で召喚!こちらも召喚時効果で四枚オープン!」

 

袿姫のフィールドに大理石の身体を持ったゴーレムが現れる。そして…神変形ランス・アームズ…創界神ヘファイストス…アマゾナイト・ゴレム…白晶防壁…がめくられる。

 

袿姫「…この中のヘファイストスとアマゾナイト・ゴレムを手札に加えて、アクアオーラ・ゴレムの効果で神変形ランス・アームズも手札に!すべてを造りすべてを壊せ!創界神ヘファイストス!神託でコアを三個追加する!」

 

ヘファイストス《…だからショタホイホイはやめろっつの!》

 

一気に手札を補充した袿姫は背後にヘファイストス(ゴーレム搭乗)が現れる。そしてこちらも素になっている。

 

袿姫「ターンエンド」

 

神奈子「…メインステップ!武双騎士センチビルドを召喚!召喚時効果でボイドからコア二個を…ん!?」

 

神奈子はムカデの騎士を呼び出してコアブーストしようとしたが、フィールドがまるで火山地帯のようにヒビ割れていることに気づく。

 

するとそこから噴き出したマグマがセンチビルドの召喚時効果を打ち消した!

 

袿姫「創界神ヘファイストスの神域の効果!私のトラッシュに造兵を持つカードが三枚以上ある間、スピリット/アルティメットの召喚時効果は発揮されない!」

 

ヘファイストス《残念だったな!》

 

アレス《…あのチビ…!》

 

神奈子「…まさか青特有の召喚時メタを持っていたとは…ターンエンド」

 

袿姫「メインステップ!バーストをセット!アマゾナイト・ゴレムを召喚して神変形ランス・アームズをヘファイストスに直接合体!ブレイヴが召喚されたのでコアブースト!」

 

袿姫は続けて鉤爪を着けた岩石ゴーレムを召喚すると、空から降ってきた青い槍がヘファイストスのゴーレムに合体して鎧になった。

 

袿姫「さらに神変形アックス・アームズをまたヘファイストスに直接合体召喚!ブレイヴなので召喚時効果は発揮する!デッキから三枚をめくるぞ!」

 

ランス・アームズに続いて空から乳白色の斧が降ってきてこれもヘファイストスの身体の鎧になる。そしてオープンされたのは…ヘファイストスの鍛冶神殿…シンナバー・ゴレム…神鎚メテオフォージ…!

 

袿姫「ヘファイストスの鍛冶神殿とアクアオーラ・ゴレムの効果でメテオフォージを回収!!ターンエンドだ」

 

神奈子「…早苗が見たら興奮しそうだな…メインステップ!勝利をもたらす甲殻の神!殻神騎士ナイト・オブ・グラディウスを召喚!コストはナミテントウから確保」

 

アレス《了解。出撃だ!K・O・G(ナイト・オブ・グラディウス)!!》

 

ナミテントウが消滅し、神奈子のフィールドにアレスが呼び出したナイト・オブ・グラディウスが背中の斧を引き抜いて大きく構えた。

 

神奈子「アタックステップ!ナイト・オブ・グラディウスでアタック!!界放の効果でアレスのコアを二個グラディウスに置くことで相手スピリットを二体重疲労させ、ライフも二つ破壊する!!」

 

袿姫「…ぐ…ライフ減少によってバースト発動!セレスタイト・ゴレムのバースト効果!合体していないスピリットのアタックを封じる!そしてそのまま召喚してブロック!」

 

グラディウスの斧から放たれた衝撃波で袿姫のアクアオーラ・ゴレムとアマゾナイト・ゴレムが重疲労状態になり、ライフも二点吹き飛んだ。

 

だが袿姫のバーストも開いて水晶のような身体をしたゴーレムが現れ、グラディウスのアタックを妨害した。グラディウスも咄嗟に反応し、斧でセレスタイト・ゴレムを叩き壊した。

 

神奈子「…仕方ない。ターンエンド」

 

袿姫「…ドローステップ…!…来たか…!メインステップ!まずは神鎚メテオフォージを召喚してアマゾナイト・ゴレムの効果でコアを追加…!」

 

凌いだ袿姫はまたフィールドに青ブレイヴを召喚する。今回は大きさが袿姫の背丈の何倍もあるハンマーを呼び出した。

 

袿姫「…さらに…マグマを弾く蒼き鋼!その大鎚は星をも砕く!召喚!蒼造炉神ヴァルカン・ゴレム!!さぁ!メテオフォージと合体せよ!!」

 

ヘファイストス《僕の最高傑作だ!》

 

ヘファイストスが金槌で地面を叩き割る。すると袿姫のフィールドが隆起して巨大な火山へと変化する。そこから噴き出したマグマをはじいて蒼いゴーレムが現れた。

 

袿姫「さらにマジック!マグマパワー!コスト6以下のスピリットを二体破壊し、ヘファイストスのコアを二つボイドに戻すことで、相手の神技/転神を封じる!!」

 

アレス《…ぐぅ…ったく…ここでそれかよ…!》

 

だめ押しと言わんばかりに袿姫の放ったマグマがセンチビルドを飲み込み、さらに噴き上がったマグマがアレスを取り囲む。これでアレスは神技を使えなくなってしまった。

 

袿姫「アタックステップ!ヴァルカン・ゴレムよ!敵を押し潰せ!まずは相手のデッキを一枚オープン!ヘファイストスのコアを二個使って神話ブレイヴの数だけオープン数を増やす!!」

 

ヘファイストス《こっちの神話ブレイヴは三つ!よって計四枚をめくるぞ!》

 

ヴァルカン・ゴレムがぶんっとメテオフォージを振りかぶって地面に叩きつける。その衝撃波で神奈子のデッキが四枚吹き飛んだ…その中に…ナミテントウとゲンマコガネ、そしてアレックスが…!

 

袿姫「…よし!スピリットカード三枚を確認!オープンされたカードはナミテントウをデッキトップにして残りはボトムに戻す。そして青シンボル三個をヴァルカン・ゴレムに!」

 

ヘファイストス《まだ効果はあるよ!メテオフォージのスピリット合体効果でヴァルカン・ゴレムは最高レベル!よってコスト合計10まで相手スピリットをぶっ壊す!》

 

ヴァルカン・ゴレムが地面からマグマのボールを精製するとメテオフォージをまるでバットの如くぶん回してマグマボールを飛ばす!それはグラディウスに直撃して破壊した!

 

神奈子「……ぅ…!まじか…完敗だ!ライフで受ける!!!」

 

今度はマグマをメテオフォージに纏わせたヴァルカン・ゴレムが神奈子のライフを五点!一撃で!砕き割った!!

 

 

 

 

 

 

また数日後 袿姫のアトリエ

 

袿姫「…よぉし…次はここを…!」

 

ヘファイストス《……バトルがインスピレーションを刺激したのかな…でもよかった》

 

あれから少し経ったある日、袿姫の調子をこっそり見に来たヘファイストスはものすごい勢いで土人形を彫っている袿姫を見てホッと胸を撫で下ろした。

 

ヘファイストス《…これなら問題無さそう…ガチャガチャ…パカッ…それにしても袿姫の造形術は見事だな…》

 

???《ほんとね~♪》

 

するとヘファイストスはアトリエに飾ってある袿姫の作品に目を向ける。ゴーレムから出て細部を見ようとしたら突然後ろから声をかけられた。

 

ヘファイストス《…うわっ…危ない…てかアプロディーテ!?どうしてここに…!?》

 

アプロディーテ《あら~?私がいるとまずいことでもしてたの~?》

 

ヘファイストス《……もしかして…袿姫ちゃんに嫉妬してる…?》

 

アプロディーテ《……むぅ~…いつも私に構ってくれないヘファちゃんは…こうだ!ダキッ》

 

ヘファイストス《ちょちょちょ…!後ろから抱きつくなぁ~!》

 

声をかけた人物(人ではないが)…それはヘファイストスの妻、アプロディーテだった。どうやら自分をほっといて袿姫とデートもどきをしたことが気にくわないようだ。

 

ヘファイストス《……もう…君を捨てるわけないじゃない…ちょっと彼女を見て昔を思い出したから手を貸しただけだよ》

 

アプロディーテ《……ズキュン!…も、もう…(/▽\)♪……え?…あぁ…確かに…あの娘と弾…まるで昔のツクヨミとみたいね…》

 

ヘファイストス《僕たちもずいぶんギャーギャー言われたね。「鍛冶だけでなくもっと世界に目を向けろ!」とか…》

 

アプロディーテ《うふふ…「真の美しさにはお前の美など泥に等しい!」とか言われたわ…でもほんとね…》

 

後ろから抱きついているアプロディーテとそのままなすがままのヘファイストスは袿姫から昔を連想して感慨深くなっている。だがその顔には大きな『悲哀』の感情がにじみ出ていた。

 

アプロディーテ《…今神世界を作ったのは彼…私達はもちろんアマテラスやスサノヲが最低限、仕事をするようになったし…アヌビスやラー達が創界神としていられるのも…特にツクヨミはいつも後ろにくっついてたわね…》

 

ヘファイストス《…ほんと…スゴかったよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳のお父さんは

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

元ネタのギリシャ神話ではアプロディーテとヘファイストスの仲はよろしくないのですが、うちではめっちゃ良いです…中身があれならねぇ…?

ヘファイストス

オリン所属の造兵の創界神。神世界一の鍛冶職人で神々の武器や芸術品を数多く手掛けている。かなりの控えめ気質で、普段は自らが作ったゴーレムの中に乗り込んで生活している。ゼウスとヘラの間に産まれた子でアレスとは全く同じ両親から産まれた兄弟なので、彼と話すときはお互いフランクになる。 本当の姿はかなりの美少年、なので妻のアプロディーテをはじめとして数々の女神達からからかわれている…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ヒッキー神

…最近創界神のキャラ付けをするときは「何か似合うキャラいないかなぁ」と考えます。そして似合う!と個人的に思って生まれたのが今回の創界神です。


幻想郷 人里

 

 

鈴仙「ありがとうございました~!」

 

元気な声と共に頭を下げる鈴仙。今日は人里で薬の訪問販売の日で、鈴仙はいつも行商人のような格好で人里の家々をめぐり、良心的な値段で薬を売っている。

 

鈴仙「ふぅ…あとは寺子屋だけね…じゃちょっと休憩しよ…」

 

歩きながらそう思った鈴仙はちょうどいい茶屋を見つけて外の椅子に座り込む。薬が入ったつづらをおろしそうとした…その時、背中のつづらが座っていた男性にぶつかってしまった。

 

???《…ガンッ…いて…!》

 

鈴仙「…あ…!すみません!つづらぶつけちゃって…」

 

???《…い、いや…そんなこと…ないでしゅ…》

 

鈴仙「ほんとうにすみま…せ……ん…………」

 

鈴仙は慌てて座っていた男性に謝罪する。何軒も家をまわり、疲れていたこともあって注意が散漫になってしまったことを鈴仙は悔いた…だがそれはすぐ忘却の彼方へ飛んでいってしまう…そのわけは…

 

鈴仙「…目が…!目が…!腐ってるぅぅ!!?

 

???《…………いや…これ俺の個性……》

 

…そう…その男性の目がまるで腐った魚のように黒く淀んでいたからだ。

 

鈴仙「ほへぇ~…こんな目ってあるんですねぇ…ちょっと拝見しても良いですか?」

 

???《…ど、どうじょ……そ、そのつづら…君が一人で運んでいるんで?》

 

鈴仙「…へ…あ、はい。私が出来るのはこういう労働ぐらいなもので…」

 

医者の卵としてその男性の目に興味を示した鈴仙が腐っている目をじろじろと観察していると、男性は鈴仙が背負っていたつづらを見て質問する。

 

???《…おじさん、この娘に茶と菓子もうひとつ》

 

店主「はいよ!」

 

鈴仙「え!?いやいいですよ!ぶつけちゃったのはこちらなのに!」

 

???《…おいおい…ちゃんと休憩する権利はどの世界でも認められている。それにどれだけ仕事中にサボれる時間を探すってのが俺の生き甲斐だ…たまには社会の歯車から解き放たれろ》

 

鈴仙「…えぇ~…」

 

???《…おかしいか?より少ないリスクで最大限のリターンを得ることこそが労働の最大の目的であり、サボりたいからこそ人間は活版印刷機や機関車を発明したと思うんだが?》

 

あまりにも後ろ向きな発言…ここまで仕事に関して意気込みのない人に鈴仙は初めて会った。そんな感じで鈴仙と男性はどうたらこうたら話しながら一服し終わった。

 

鈴仙「…ごちそうさまでした。なんか…すみません」

 

???《…おい…優しくすんなよ…友達だと思っちゃうだろ…グイッ…次はどこに行くんだ?》

 

鈴仙「……まさか…代わりに持ってくれるんですか……?」

 

???《…バカ野郎…一人で重い薬箱背負って頑張ってるんだろ?どうしてひとりぼっちで頑張ってたやつを否定しなきゃいけねぇんだ…独りでやることがそんなにダメなのか?…社会ってのは厳しい…だから俺くらいは優しくしてやるんだ》

 

そう言いながら重たい薬が詰まったつづらを背負って鈴仙に話しかける。鈴仙は《思ったより優しい人なんだな…》と彼の評価を改めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里 寺子屋前

 

 

鈴仙「ここです。どうですか?童心に帰って遊んでいっては?」

 

???《…寺子屋ねぇ…寺子屋には行ってないが…ガキの頃…菌扱いされたり靴隠されたりした思い出があるな…》

 

鈴仙「……もしかして…ぼっち…でした?」

 

???《…違う。真の強者というのは群れないんだ。それにぼっちの生き物…例えば狼はカッコいいし猫はかわいい…つまりぼっちはカッコよくてかわいいんだ。そして群れるということは》

 

鈴仙「…ごめんくださ~い!慧音さんいらっしゃいますか~!!?」

 

???《…無視!…スゲェレベルで黙殺されたよ…これ今度クリシュナに言ってやろ…》

 

寺子屋の前で話していた鈴仙と男性だったが、あまりにもネガティブ&マイナス&後ろ向きなセリフに鈴仙は反応出来なくなり、大声で寺子屋の教師代表……上白沢 慧音を呼んだ。

 

慧音「おお、鈴仙。いつもすまないな」

 

アンターク《……あら?ヒキガエルが二本足で立ってるわ。こんな妖怪がいたなんてねぇ…》

 

???《うるせ、誰がヒキガエルの妖怪だよ。てか何でお前がここにいんだよ…》

 

アンターク《この娘と契約したのよ。あなたとは違って彼女はまともだから》

 

???《…おい、遠回しに俺がまともじゃないって言うなよ》

 

鈴仙「…アンターク様とお友達なのですか?」

 

出てきたのは慧音とアンタークだった。そして二人をほっといてアンタークは男性と話し始める。完全に悪口に聞こえる内容だが案外仲良くしているので、鈴仙はまた尋ねてみた。

 

アンターク《…昔、ゼウスと戦争した時に私は彼の軍に世話になったのよ……残念なことに》

 

???《…はぁ…お前もアレックスとか少しは友達が増えたと思ったら…ジィ…》

 

慧音「…ん?どうかしたか?」

 

するとその男性はその淀んだ目の視線を慧音の方に向ける…失礼、慧音の豊かな胸部に目を向ける。

 

アンターク《…どこに目を向けているのかしら?ずいぶん変態染みたわね》

 

???《…いやこれは万乳引力の法則によってだな…》

 

慧音「…それより…薬なのだが…」

 

鈴仙「…あ、はい。どうぞ…!」

 

もう脱線も脱線していく二人を今度は慧音と鈴仙が放置してやり取りを進める。その間男性とアンタークはお互い、目線を向けはするが喋らない空間が続いた。

 

慧音「…そうだ、鈴仙。これから子供達にバトルの見本を見せたいと思っていたのだが…今大丈夫か?」

 

鈴仙「…すみません…今クリシュナ様が居ないので…」

 

アンターク《ならそいつで代用したら?そいつも同じ『甲竜』の創界神だし》

 

鈴仙「……っえ…?」

 

目が点になって耳もシワシワになった鈴仙がギギギと首を回す…すると男性は頬をかきながら渋々名乗った。

 

???《…インディーダ所属の…維持の創界神…ヴィシュヌだ》

 

鈴仙「…大変ご無礼をおかけしました…でぇすが悪いのはこの私一人であり…永遠亭は悪くございましぇん…

 

アンターク《あ~あ、年下の女の子を泣かした~!》

 

ヴィシュヌ《…ブラフマー…シヴァ…助けて……》

 

……哀れ鈴仙……

 

 

 

 

 

 

数分後 寺子屋 グラウンド

 

子供達「「「センセ~ガンバれぇ~!(*゚▽゚)ノ」」」

 

慧音「…フルフル…」

 

鈴仙「…なんだかやりにくいなぁ……」

 

ヴィシュヌ《…世の中こんなもんだ…》

 

復活した鈴仙は校庭で慧音と向かい合っていた。子供達の声援に手を振る慧音とバトルするのをためらう鈴仙に体内のヴィシュヌがツッコミを入れた。

 

慧音「さて…いくぞ!」

 

鈴仙「…はい!」

 

慧音 鈴仙「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

鈴仙「先行もらいます!メインステップ!ヴィシュヌの維持神殿を配置してバーストをセット!ターンエンドです!」

 

鈴仙はまず背後にメカニックな白い神殿を配置する。バーストもセットしたので防御も問題ないだろう。

 

慧音「ではこちらのターン。No.21ダイバージェンスヒル、さらに神の歴史記す女神!創界神アンタークを配置する!神託によりコアを三個置くぞ」

 

アンターク《さぁ…!いくわよ~!》

 

慧音のフィールドが紫の小川と白い丘に変わると、背後にアンタークが現れた。

 

慧音「ターンエンドだ」

 

鈴仙「メインステップ!世界の安寧司る神!維持の創界神ヴィシュヌを配置!神託を使ってコアを二つ置きます!さらに神樹龍機ヴェーダーンガを召喚!」

 

ヴィシュヌ《……いくか…》

 

鈴仙の背後にもヴィシュヌが現れ、フィールドにも樹木の翼を生やした二本足のドラゴンが登場した。

 

鈴仙「……う~ん…まだいいかな…ターンエンドです!」

 

慧音「…メインステップ。調査員エウロー、調査員ラーテンをどちらもレベル2で召喚!ダイバージェンスヒルの効果!コスト3のスピリットが召喚でドローするぞ!」

 

アンターク《よし…!維持神殿の効果をうまくかわしたわ!》

 

慧音は昆虫の調査員と氷姫の調査員を呼び出してネクサスの効果で手札を補充する。ヴィシュヌの維持神殿の手札破棄効果は『スピリットの効果』限定だったので、発揮しなかった。

 

慧音「さて…アタックステップ!ラーテン、エウローでアタック!!」

 

鈴仙「どちらもライフです!」

 

飛び出したラーテンとエウローが放ったビームが鈴仙のライフを二つ撃ち抜いた。

 

慧音「エンドステップ!エウローの効果で調査員達を回復させる。ターンエンド」

 

ヴィシュヌ《…あの効果…ヴェーダーンガにもあったぞ…?》

 

鈴仙「ええ~…もう…同じ系統なのにクリシュナ様のデッキとは大違いじゃない~…!」

 

ヴィシュヌ《……言い訳するなよ。馬神 弾や八意 永琳はこんな時に言い訳しろって教えてんのか?》

 

鈴仙「……ええ……」

 

鈴仙の呆れるような声に辛辣に答えるヴィシュヌ…だがため息のあとヴィシュヌは話を続ける。

 

ヴィシュヌ《…わりぃ…ついブラフマーやシヴァに言う感覚で言っちまった。だがよ…ここ(バトルフィールド)じゃ誰も助けてくれねぇのはマジだぜ?…俺は甘ったるい励ましは嫌いなんだ…そこん所覚悟しとけよ…》

 

鈴仙「…わかりました!メインステップ!ゴッドシーカー ヴァーマナを召喚してデッキを四枚オープン!」

 

ヴィシュヌの言葉に身を引き締めた鈴仙はピンクのビームソードのような翼を持った甲竜を呼び出す。オープンされたカードは…リカバードコア…ミラージュカーテン…ムーンショウオ…そして三龍宝剣アブソリュートキャリバー…!!

 

 

鈴仙「…まずミラージュカーテンを手札に加えてヴィシュヌにコアを追加!さらにインディーダの三宝剣の一振り!三龍宝剣アブソリュートキャリバーをヴィシュヌに直接合体召喚!」

 

ヴィシュヌ《…来たぜ…愛刀…!》

 

鈴仙は先ほど回収したアブソリュートキャリバーを召喚する。するとヴィシュヌに白い光がまとわりつき、その手に白銀の剣が握られた。

 

鈴仙「ヴェーダーンガをレベル2に上げてアタックステップ!ヴェーダーンガでアタック!フラッシュでヴィシュヌ様!転神を!」

 

ヴィシュヌ《…めんどくせ…まぁ…ほどほどに頑張りますか…!》

 

ヴェーダーンガが背中の樹木の翼をはためかせて飛び出すと、アブソリュートキャリバーを構えたヴィシュヌがフィールドに降り立った。

 

慧音「ライフで受けよう!」

 

ヴェーダーンガの腕の爪が慧音のライフを引き裂いた。

 

鈴仙「さらにヴィシュヌ様!お願いします!!」

 

ヴィシュヌ《…セイ!》

 

慧音「…エウローでブロックする!」

 

ダブルシンボルをライフで受けることを嫌った慧音はエウローでブロックする。エウローのビームをヴィシュヌはアブソリュートキャリバーでエウロー自身ごと斬り捨てた。

 

鈴仙「続け!ヴァーマナ!!」

 

慧音「…これはライフ!!」

 

ガンガン攻める鈴仙はヴァーマナもアタックさせ、ヴァーマナはビームソードの翼でライフを切り裂く。

 

鈴仙「ターンエンド!」

 

アンターク《…ノッてきたわね…》

 

慧音「…リフレッシュステップ…」

 

鈴仙「ヴェーダーンガレベル2からの効果!相手のリフレッシュステップ時、甲竜とインディーダの創界神を回復!さらに単白の創界神が回復したので、ライフをひとつ砕く!!」

 

ヴィシュヌ《…あ~…回復しただけでライフバーンなんて…楽!》

 

慧音がリフレッシュステップを始めると、ヴェーダーンガの翼が大きく広がって自身、ヴァーマナ、そしてヴィシュヌを起き上がらせる。オマケにヴィシュヌの力で慧音のライフを破壊していった。

 

慧音「…このタイミングで…やるな!メインステップ!バーストをセットし調査員オッザニア、アーシア、ノルドを召喚!そしてネクサスの効果でドロー!」

 

慧音は怯まずに竜人、詩姫、闘神の調査員を呼び出す。だが慧音は手札から更なるカードを手に取った……!!

 

慧音「…剣の世界守る究極!究極なる女王アンタークを召喚!レベル5!!」

 

アンターク《…懐かしいわね…ダークネス・ホールでドンパチやったの…》

 

慧音のフィールドに究極シンボルが現れて中から甲冑に身を包んだ女騎士が現れる。その登場に調査員達もどこか嬉しそうだ。

 

慧音「アタックステップ!究極なる女王アンタークで攻撃!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

鈴仙「…コスト3…ヴィシュナーガ・シクシャー…!」

 

慧音「ヒット!まずはBP10000以下のヴェーダーンガを破壊し、コアをひとつ究極なる女王アンタークに置く!」

 

アンタークが剣を抜いてヴェーダーンガを一刀両断する。そしてその力を吸収してアンタークは自身の力とした。

 

鈴仙「…ようやく来た…!バースト発動!!マジック!リカバードコア!!破壊されたヴェーダーンガを手札に戻してそのまま召喚!!ヴァーマナのコアも全部使ってレベル3に!ブロックしなさい!!」

 

ずっと張られていた鈴仙のバーストがとうとう開き、先ほど斬られたヴェーダーンガが復活してアンタークの行く手を阻む。しかしヴァーマナのコアを使ったとしてもBPは10000。BP15000のアンタークには届かないが……

 

アンターク《……あ…!》

 

ヴィシュヌ《…今気づいたのかよ…まだまだ若いなぁ!》

 

鈴仙「フラッシュタイミング!ヴィシュヌのコアをひとつヴェーダーンガに移動させて神煌臨!!決して朽ちぬ白き盾!維持神龍トリヴィ・クラマ!!

 

ヴェーダーンガにヴィシュヌが放った白いビームが直撃する。するとヴェーダーンガの身体がさらに白く、大きく変化していく。最後に背中に四対の翼を装着したロボット龍が現れた。

 

鈴仙「トリヴィ・クラマのレベルは3!BPは16000!!返り討ちよ!!」

 

アンタークの剣を腕の装甲で防ぐと、トリヴィ・クラマは背中の羽から白いビームを放ってアンタークの鎧を貫き、破壊した!

 

慧音「…フ…ターンエンドだ」

 

鈴仙「メインステップはそのまま、アタックステップ!トリヴィ・クラマでアタック!!まずはバーストを手札に戻して回復します!」

 

ヴィシュヌ《…そしてアブソリュートキャリバーの効果…!コア四個を使ってトリヴィ・クラマはブロックされない…!》

 

四枚の翼を展開したトリヴィ・クラマは衝撃波で慧音のバーストをバウンスさせて回復する。さらにヴィシュヌがアブソリュートキャリバーの剣先をトリヴィ・クラマに向けると、白い光を放って光の道を形成した!

 

慧音「ライフだ!」

 

光の道を突っ切ってトリヴィ・クラマの腕が慧音のライフを破壊する。

 

鈴仙「トリヴィ・クラマ!フィニッシュ!!」

 

再度舞い上がったトリヴィ・グラマが翼から白いビームをぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

子供「わー!」

 

子供「きゃ~!」

 

子供「ゾンビだ~!」

 

ヴィシュヌ《……はぁ……》

 

鈴仙「…大変…ですね…」

 

慧音「こらぁ!お前達!失礼だぞ!」

 

バトル後、子供達と遊んでいた鈴仙とヴィシュヌだったが、やはり淀んだ目を向けられて嬉しい子供は一人もいず、むしろ怖がってしまった。

 

ヴィシュヌ《…さて…俺帰るわ……鈴仙…だっけ?》

 

鈴仙「…は、はい…!」

 

ヴィシュヌ《……うちの…インディーダの連中…はっきり言ってうるさくてめんどくさい奴らだけどよ…根は良い奴らだから……よろしくたのむわ…》

 

そうヴィシュヌは言い残すと寺子屋の門に向かって歩いていった。鈴仙はその後ろ姿を見つめていると、隣にアンタークがやって来た。

 

アンターク《…彼…ひねくれてるけど…頭もアテナやツクヨミクラスに回るし…優しい奴なのよ。よろしく頼むわね》

 

鈴仙「……はい!」

 

鈴仙の返事が寺子屋に響く…その声にアンタークは目を細めて微笑んだ。

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

…維持→現状維持→後ろ向き→ネガティブ→高2病…と変換されました。

ヴィシュヌ

インディーダ所属の甲竜の創界神。最高神『トリムルティ』の一角で、冴える頭脳を持つため実質彼がインディーダを動かしていると言っても過言ではない。性格はとにかくひねくれていて、人の優しさの裏を探るのが癖、何かやろうとすれば「めんどくさい」「疲れる」という言葉が出てくる…しかし根は純粋で曲がったことを許さない正義感も持っている。アンタークとは軽口たたく腐れ縁状態



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幻想郷音楽団With創界神

…忘れてた訳じゃないんですよ…何か特別編に関われそうだけどその案が没になったから……


幻想郷 上空

 

アポローン《…あ~あ!なーんか最近俺出番ねぇなぁ~!!》

 

そんな愚痴をこぼしながら飛んでいるアポローン。最近どころか相当バトルしていないからか、そのどよーんとしたオーラは凄まじい。

 

アポローン《…よし!ここは一曲ひいて気分を……》

 

ひゅーーーーーーーーん!!

 

アポローン《…んん!?ごはぁ!!!?》

 

嫌な気分を振り払うようにアポローンは愛用している竪琴を取り出して一曲演奏しようとした瞬間、上から何か大岩サイズの塊が降ってきた。アポローンは一瞬反応が遅れたがどうにか態勢を建て直し、落ちてきた何かを念動力で浮かせて確認する。

 

アポローン《…ドラムぅぅ!?…「親方!空からドラムが!」って聞いたことねぇぞ!?》

 

???「あ~…そこのお兄さ~ん!そのドラムうちのなんだ~!拾ってくれてありがとー!」

 

アポローンが降ってきたドラムに驚いているとさらに上から声が響いてきた。アポローンがフッと振り返ると、そこには白いスーツに赤い髪をした女性がふよふよと浮いていた。

 

だがアポローンの目にとまったのはそのスーツみたいな格好でも、赤い髪でもなかった。一番気になったのは彼女の回りにある雷神がつけてそうな多くの太鼓だった。

 

アポローン《…ええと…付喪神…かな?》

 

???「そだよ~!あたしは堀川 雷鼓!元は太鼓の付喪神だったんだけど、魔力をコントロールするために太鼓を捨てて外の世界のドラムを依代にしたんだよ~!!」

 

アポローンの質問に赤髪の彼女…雷鼓は明るく彼女の回りにある太鼓をドドン!とならして説明した。するとドラムにまたがった雷鼓はアポローンが持っていた竪琴に気づいた。

 

雷鼓「…あれ?お兄さん、もしかして演奏家?」

 

アポローン《…あぁ、そうだよ。気分転換に一曲演奏しようと思ってたんだ》

 

雷鼓「マジ!?ならうちらの演奏聞いてってよ!それに良ければ一緒に演奏しよ!」

 

アポローン《…へぇ…!仲間がいるのかい?》

 

雷鼓「あぁ!案内するよ!」

 

そう言って雷鼓はアポローンを連れてとある場所へと案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

霧の湖のほとり とある廃洋館

 

 

???「…♪~♪♪~」

 

???「…♪♪~♪♪♪~」

 

???「…♪♪♪~♪~♪♪~」

 

弁々「…スゴいねぇ…」

 

八橋「……姐さんに言われて来たけど…自信失うわ…」

 

ここは紅魔館より湖から離れた廃洋館、その庭から聞こえてくるのはバイオリン、トランペット、キーボードが奏でる綺麗な音楽…それを聞いていた九十九姉妹は自分達より上手な彼らに圧倒されていた。

 

三人「「「♪♪♪~~~!!!」」」

 

九十九姉妹「「(*’ω’ノノ゙☆パチパチパチパチ」」

 

演奏が終わり、三人がペコリとお辞儀する。彼らはプリズムリバー三姉妹、ポルターガイストの姉妹で幻想郷では名演奏隊として有名である。

 

???「…ふぅ…まぁこんなところかな」

 

金髪のつり目が特徴のバイオリン担当 長女 ルナサ・プリズムリバー

 

???「どう?上手く合わせそうかしら?」

 

弁々「んん~…私達はいけそうだけど…姐さんはどうなんだろ?」

 

弁々に一緒に演奏できそうか尋ねた水色髪にピンクの服を着たトランペット担当 次女 メルラン・プリズムリバー

 

???「…でも雷鼓さんはよく一緒に演奏してるから大丈夫だと思うよ~」

 

八橋「…当の本人が居ないのが唯一の問題ね…」

 

軽い口調で問題ないと評する茶髪に赤い服のキーボード担当 三女 リリカ・プリズムリバー

 

今日は彼ら三姉妹と雷鼓が組んだ「プリズムリバーウィズH」に琵琶と琴の付喪神、九十九姉妹を加えた「プリズムリバーウィズHT」を作ろうと集まった。あとは雷鼓の到着を待つばかり…だったが…

 

???「アーッハッハッハ!!!

 

弁々「…この声…」

 

八橋「…はぁ…めんどくさい奴が…」

 

空から降ってきた高笑い、その声にプリズムリバー三姉妹も九十九姉妹も心当たりがあった。その予想通り現れたのは黒髪に白と赤のメッシュが入った少女…その頭には小さな角が見えた。

 

ルナサ「…確か…天の邪鬼だっけ?」

 

メルラン「…ええと……名前なんだっけ?」

 

リリカ「…別にいいじゃない。小物なんだし」

 

???「こんの~!この鬼人 正邪様を忘れたのかぁ~!?…まぁいい…どうだ?お前達」

 

弁々「「共にこの幻想郷を支配しないか?」だろ?イヤだね」

 

八橋「それに今の幻想郷は各勢力が協力態勢を築いているし…吸血鬼に閻魔様、鬼に月人に神々まで相手したくないわ……負け確定じゃない」

 

正邪「ぐぬぅぅぅぅ……!!…それなら…!」

 

プリズムリバー三姉妹にさんざんバカにされ、九十九姉妹にも誘いを拒絶された正邪は懐を探ると取り出したのは……魔理沙のミニ八卦炉だった!

 

正邪「…フフフフ!!ならあの白黒魔法使いからくすねてきたこのミニ八卦炉で吹き飛ばしてやる!!」

 

弁々「は!?あの白黒何盗まれてんだい!」

 

八橋「ど、どうする!?」

 

ルナサ「…流石にあれは無理…!」

 

メルラン「…に、逃げよう!」

 

リリカ「でも私達の家が…!!」

 

正邪「くらえぇぇぇ!!」

 

あの攻撃を防げない五人がおろおろしていると、正邪の八卦炉にエネルギーが充填されて…巨大なビームが放たれた………

 

 

 

 

 

雷鼓「うちのバンドメンバーに何してくれてんだぁぁぁ!!!!!

 

バリバリバリバリバリズドォォォォォン!!!

 

正邪「ずどぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

…が間一髪、雷鼓のフルパワーでぶっぱなした雷がビームを打ち消すどころか正邪自身にもクリティカルヒットし、正邪は黒焦げになって落下した。

 

弁々「姐さぁぁん!!」

 

八橋「…助かった…」

 

アポローン《…雷鼓、奴は?》

 

雷鼓「…簡単にいえば…幻想郷をぶち壊そうとしている悪党よ!」

 

アポローン《…理解した……!!》

 

正邪「…ピクピク…ブンブン…だぁ!お前ら!邪魔するなよ!!」

 

後ろから着いてきたアポローンと雷鼓は正邪とプリズムリバー、九十九姉妹の間に立ちふさがる。黒焦げの状態から復活した正邪は雷鼓とアポローンを睨み付け、しばしにらみ合いが続く。

 

正邪「……ならバトルだ!こっちが勝てばトンズラさせてもらう!」

 

アポローン《…よし…雷鼓!俺も力を貸そう!》

 

雷鼓「サンキュー!…よくも私のバンドメンバーを傷つけようとしたね…!覚悟しな!!」

 

正邪 雷鼓「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

雷鼓「…こっちから行くよ!メインステップ!勝利の音楽を奏でな!創界神アポローン!神託によってコアを二個を置くよ!ターンエンド!」

 

アポローン《…さぁて…キバって行くぜ!》

 

先行の雷鼓の背後にグルグルと腕を回しながらアポローンがヤル気満々で現れた。

 

正邪「……メインステップ!ブレイドラ、エリマキリザード、ロクケラトプス、そしてイクサトカゲを召喚!!バーストもセットだ!」

 

雷鼓「な…!?『01ウィニー』!?」

 

対する正邪は一気に赤の低コストスピリットを四体並べてきた。バーストも張られているので、防御も考えられている。

 

正邪「アタックステップ!行け!お前ら!フルアタックだ!」

 

雷鼓「…仕方ない!ライフで受ける!」

 

ブロッカーのいない雷鼓はブレイドラとエリマキリザードの火炎放射、ロクケラトプスとイクサトカゲの突進のライフで受けた。これで雷鼓のライフは一気に残り一つになってしまう。

 

正邪「はん!ターンエンド!次で終わりだな!」

 

雷鼓「………ドンドコ!…へぇ…面白いじゃん!メインステップ!!あたしの雷!見せてやる!雷よ!天を裂け!雷皇龍ジークヴルム!レベル2で召喚!!」

 

この逆境にむしろテンションが上がった雷鼓はドドンと太鼓を一叩きして気合いを入れる。そしてそのカードを掲げると、雷鼓の後ろから赤い大きなドラゴンが這い上がってきた。

 

雷鼓「ジークヴルムはこっちのライフが自身の召喚コストになる!さ~ら~に~ぃ~!雷雲貫くその光!太陽神龍ライジング・アポロドラゴン!召喚!!」

 

弁々「来た!姐さんのドラゴン!」

 

さらに雷鼓のフィールドに赤い太陽が昇ると地面が炎に包まれて爆発する。そしてその中からオレンジ色の翼を生やしたドラゴンが咆哮と共に現れた。

 

雷鼓「アタックステップ!行け!雷皇龍ジークヴルム!煌激突!!ライジングの効果でブレイドラを指定アタックだ!」

 

正邪「なぁ!?」

 

雷鼓の号令を受けてジークヴルムは雷を纏って突進する。そしてライジングの咆哮で飛び起きたブレイドラを照準におさめた。

 

雷鼓「ここで煌激突の効果!ブロックされたので手札のカードをソウルコア無しで煌臨できる!煌星第二使徒スターゲイズを煌臨!さらにジークヴルムレベル2効果でライフ一点…ドーン!」

 

ジークヴルムがブレイドラを吹き飛ばそうとしたその時、ジークヴルムが赤く発光してより大きな星の龍に変化する。それに伴ってジークヴルムレベル2効果が発動。正邪のライフをひとつ砕いた。

 

正邪「ちぃ!だがバースト発動だ!アルティメットウォール!アタックステップはここまでだ!」

 

ライフが減ったので正邪のバーストが開く。そこから氷の壁が雷鼓のフィールドにそびえ立ち、追撃を妨害した。

 

雷鼓「…じゃあスターゲイズのレベル2効果を使うよ!煌臨元のジークヴルムを召喚することで回復する!…ようやくブレイドラを破壊できるねぇ…」

 

アポローン《…そして俺のコアが五個になったので神域を発動!!星龍スピリットが相手のスピリットを破壊するとライフも破壊する!》

 

雷鼓もスターゲイズから雷を放ってジークヴルムを再召喚させる。そして効果の撃ち合いですっかり放置していたブレイドラをスターゲイズが弾き飛ばすと、アポローンが矢を放って正邪のライフをまたひとつ砕いた。

 

雷鼓「ターンエンド」

 

正邪「…こんのぉ…!メインステップ!マジック!三札之術!二枚ドローしてデッキから一枚オープン!赤のスピリットなら手札に加えられる!」

 

正邪は三札之術の効果で二枚ドローするとデッキをオープンする。めくれたのは…ライト・ブレイドラ、よって手札に入る。

 

正邪「さらにオードラン、ライト・ブレイドラを召喚!これでこっちのスピリットの数が上!アタックステップ!フルアタック!!」

 

今フィールドにいる正邪のスピリットは五体、雷鼓のスピリットは三体。単純計算なら決められるが…正邪はあることを見落としていた。

 

雷鼓「…フラッシュタイミング!アポローンの神技を連続使用!オードランとライト・ブレイドラを破壊して二枚ドロー!残りはスピリット達でブロック!!」

 

アポローン《俺のことを計算に入れてなかったみたいだな!》

 

再び襲いかかってくるスピリット達のうち、二体をアポローンの矢が撃ち抜く。残りもスターゲイズ、ジークヴルム、ライジングの炎が焼却処分した。

 

正邪「…ゲゲゲ…ターンエンド…」

 

雷鼓「終わらせるよ!このままアタックステップ!ライジング!そしてジークヴルム!決めてきな!!」

 

雷鼓がドドドドンッと太鼓を響かせ、ライジングとジークヴルムが飛び上がる。ライジングの炎とジークヴルムの雷が正邪のライフをすべて破壊した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

正邪「おっぼえってろ~!!」

 

アポローン《…いいのか?逃がしてしまって…?》

 

雷鼓「いいのよ。八卦炉も取り上げたし…あいつ自体は何もできない小物だから…それよりあんた達!怪我はないかい!?」

 

捨て台詞を吐きながら逃げ去っていく正邪を見ながらアポローンの問いに雷鼓は軽く答えた。すると雷鼓の意識はプリズムリバー、九十九姉妹の安否へと切り替わった。

 

弁々「大丈夫だよ。助けてくれてすまないね」

 

八橋「……姐さん…つ、強いのね…」

 

ルナサ「……ま…礼は言っとくわ…」

 

メルラン「あ~…姉さん素直じゃないから……」

 

リリカ「…ほんとね~…あ、そうだ…ありがと!お蔭で家が吹っ飛ばされずにすんだよ!」

 

雷鼓にそれぞれ感謝の言葉を送る面々……その様子に聞いた雷鼓本人も照れ臭くなる。

 

雷鼓「…そうだ!ねぇ、アポローン。一曲…どう?」

 

アポローン《お?そうだな!…では……》

 

雷鼓の誘いにアポローンも乗って竪琴を構える。そして自然とプリズムリバー、九十九姉妹も自分の楽器を奏で始める。辺りには美しい音色が響き渡っていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ようやく輝針城キャラを出せた……なぜか個人的に星蓮船~輝針城にお気に入りキャラがいないんですよねぇ……なんでだろ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神も歩けば聖人にあたる

…公式ェ…はよダブルノヴァXのカードの詳細教えてくれェ…!この先の話が書けないじゃないか……!

…あ、オリカ注意です。


幻想郷 命蓮寺

 

星「……キョロキョロ…(゜゜;)(。。;)…ない…!」

 

ある日の命蓮寺、その一角の庭で草陰や縁の下を覗きこんでいる彼女…毘沙門天の代理人、寅丸 星は大きなため息をついて縁側に座り込んだ。その訳はもちろん………

 

星「…宝塔…落としちゃった……」

 

…はい…知っている人には説明不要かもしれないが、彼女は筋金入りの『ドジっ虎』なのである。そのうっかりたるや、1日に宝塔(毘沙門天が持っている秘宝)を朝落とし、昼に見つけて夜なくすというクラス……

 

星「…どーしよ…またナズーリンに頼む?……イヤイヤ…ぜっっったい白い目で見られる……!」

 

ナズーリン「ご主人、私がどうかしたかい?」

 

ヴィシュヌ《…(すべてを察した瞳)…そこにはないと思うぞ…》

 

星「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!ェェェェェ!?」

 

宝塔をどうやって見つけるか考えるのに夢中になっていた星は背後からやってくる部下と上司の上司に気づかなかった!その上司に毒薬を……じゃない…ヴィシュヌに話しかけられた星は驚いて悲鳴を上げた。

 

ナズーリン「…そこまで驚くことじゃないだろう…」

 

ヴィシュヌ《…それより…前もって伝えておくべきだと思ってな…お前に話がある》

 

星「…ふへ?は、話…で、ですか?」

 

ヴィシュヌ《…実はな……かくかくしかじか……なんだ》

 

星「…ッヴェ?……ヒィェェェェェェェェェェェェェ!!!!ウソダドンドコドーン!!!?

 

震えながら星はヴィシュヌの伝言を聞いた…その直後、命蓮寺にまた星の叫びが響き渡った……

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 神子の家

 

神子「…ブツブツ……」

 

布都「…おお…!太子様が何やら神聖な呪文を…!」

 

屠自古「…私達にはわからんが……」

 

所変わってここは神子達の拠点、めっちゃ豪華な法隆寺っぽい建物の一室で今日は神子が高度な仙術を使おうとしているようだ。お香を焚きながら座り込み、呪文のようなものを唱えているのをこっそり部屋の外から布都と屠自古は覗きこんでいた。

 

すると布都は突然目を鋭くして部屋から天井へと向けた。屠自古も少し遅れて目を向ける……その理由は…!

 

布都「……なにか来る!」

 

屠自古「…!太子様!危ない!」

 

神子「…うるさいですよ、今私は…へ?」

 

ボゴォォォォォォォン!!

 

 

???《…ふぅ…何とかなったな……》

 

天井から落ちてきたのは外の世界で普通に歩いてそうな服を着た青年だった。だがその身体には落下の時の傷はひとつも見当たらない…対する神子は術に使用していた火鉢の灰をおもいっきりかぶってボーゼンとしていた。

 

神子「………………」

 

???《…あ?…お前誰だ…?》

 

神子「…イヤイヤ!それはこっちのセリフです!どうやったらここに落ちてくるんですか!?」

 

???《仕方ねぇだろ!世界を接続しようとしたら何か噛み合わせが悪かったんだから!》

 

そんな言い争いを繰り広げていた青年はふと天井を見上げると訝しげに眉を潜めた。

 

???《…………》

 

神子「…何か?」

 

???《…いや…それより悪いな。何か変な呪文の邪魔しちまって…オレはクベーラ、一応……創界神だ》

 

神子「…創界神!?……」

 

神子は落ちてきた青年が『創界神』ということに心が動いた。もしここで自らの宗教…道教を勧めることができれば人里での人間の信者も増えるだろう…そんな打算的な思考を神子はすぐさま脳内で纏めた。

 

神子「…それならこうして会ったのも何かの縁です…もし良ければ道教の話を聞いていきませんか?お茶も出しますよ?」

 

クベーラ《……まぁ…寄り道するのも良いか…わりぃな》

 

そんな考えを他所にクベーラは少し何かを気にしながらも神子の提案に頷いた。

 

 

 

 

 

 

布都「…粗茶ですが……」

 

神子「布都、ご苦労様です」

 

クベーラ《…………》

 

客間に移動してお互いちゃぶ台を挟んで座った神子とクベーラに布都が湯飲みで緑茶をだす。だがクベーラは目の前に置かれた湯飲みをじぃ~と見つめて口にしなかった。

 

神子「…ど、どうかしましたか?《…まずい…緑茶が嫌いだったか…?》」

 

クベーラ《…いや……いただきます……アチ!》

 

布都「ぬぉぉ!?す、すまぬ!熱すぎたか!?」

 

神子は内心不安げに尋ねるとクベーラは首を振って湯飲みに口をつけるが、やはり熱すぎたようだ。

 

クベーラ《…気にすんな…俺が猫舌なだけだ…それで?その道教の話を聞かせてくれよ》

 

神子「…そうですね…まず道教の『道』とはから話しましょう…」

 

そこから神子の演説が始まった。道教の創始者の話、『道』の説明、道教の核である『老荘思想』…どれもクベーラはウンウンと相づちをうちながら真剣に聴いていた。

 

神子「…というわけです。どうです?神に宗教を勧めるというのもおかしな話ですが……信仰してみません?」

 

クベーラ《…あ~…結局…理想とか人為的なことから遠のいて、その『道』…ありのままに従って生きれば良いんだろ?つまり『道』に従えば何したっていいのか?》

 

神子「…まぁ…おおむねそうかと…」

 

クベーラ《ほぉ~…なら仏教や神道の連中を弾圧しても良いんだな?だって争うのは野生的…『無為自然』的な感覚だろ?》

 

神子「…!……それは………」

 

クベーラの言葉に神子は押し黙ってしまう。隣で聞いていた布都や屠自古も良い反論が出てこない…だが一番焦っているのは神子自身だ。そんな神子の意中を知ってか知らずかさらにクベーラは話し続ける。

 

クベーラ《…それに『理想』を求めず『無為自然』にすがる…ってのも変な考えだな。なら道教ってのは信念に燃えて何かを達成しようとする奴らを悪しき者として断罪するのか…!へぇ~…》

 

神子「…………………」

 

クベーラ《…いい加減気づけよ…!今のお前の道教はこの世界の創界神の信念を汚してることに!》

 

もう神子には反論を考える気力すらなくなっていた。特に「弾の信念を汚す」というフレーズが神子の胸を大きくえぐった。

 

弾の「世界を良くしていきたい」という信念…それに神子は同意したどころかおおいに感動した…それゆえ神子は弾を『幻想郷の主神』として認めたのだ。それを自分が汚している…その事実に神子のメンタルは崩壊寸前だった。

 

クベーラ《…で?どうするんだ?》

 

神子「……どう…とは?

 

クベーラ《…だぁぁもぉぉう!お前の考え…つまり教典の解釈に矛盾があるんだ!なら教典の解釈を変えれば良いじゃねぇか!》

 

神子「……へ……?」

 

クベーラ《…あのな…仏教だってもともとは「自らが修行して自分達だけが輪廻転生を脱すれば良いや!へーい!」って考えだったんだぞ!それを様々な奴らが「そりゃ違うだろ」って思って「皆を救うために自らが修行する」って考えに変わったんだ!それが日本に伝ってきたんだよ!》

 

神子「…………」

 

クベーラ《そんときどーしても教典に書かれてる文と実態が乖離しちまうときだってある!当然だ!時代は変わり続けちまってるんだからな!それを今に合わせて教典の解釈を変えていくってのが宗教家の仕事だろ!》

 

クベーラのマシンガン演説に神子はただ圧倒されるだけだった。そしてその考えに至らなかった自らを恥じた…

 

神子「…ふふふ…まさか敵の仏教に諭されるとは……布都!屠自古!道教の教典をすべてここに!!今から教典の意味の再検討を始めます!!」

 

布都「…おおお!?しょ、承知!」

 

屠自古「…が、ガッテン!」

 

神子の力強い言葉に二人は慌てて部屋を飛び出していく。神子の決意の目を見てクベーラは軽く笑った…それで終わればよかったが…

 

???「太子さま~♪面白いものをお持ちしました~♪」

 

クベーラ《……壁から入室って…それは……!》

 

そんな呑気で、だがどこか甘ったるい声が部屋に響くと神子の後ろの壁からニュッと上半身を突き出して部屋に入ってきた青髪の仙人らしき女性…クベーラは彼女の胡散臭い表情も気になったが…それよりも彼女の手にある物に目がいった。

 

神子「……彼女は霍 青娥…道を踏み外した邪仙で……青娥…!その手に持っている物は……!」

 

青娥「そうです~♪あの毘沙門天の代理人が持っていた宝塔でーす!これがあれば仏教徒どもも手出しできませんわ!これで太子」

 

神子「今すぐ返してきなさい!」

 

青娥のセリフをぶったぎって神子は強く言い返す。それに青娥は驚きの表情を浮かべていた…自分の予想の中で一番外れた返事だったのだろう。

 

青娥「…太子さま…正気ですか?」

 

神子「当たり前です!それより人の物を盗むのは少しいただけませんね……返さぬと言うのなら…!」

 

青娥「…わかりました…ならバトルで…!」

 

クベーラ《おい、神子。俺も手伝うぜ…それは知り合いのもんだからな》

 

神子「…感謝します!」

 

神子 青娥「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

神子「…先手を…メインステップ!勝利の幸福を我に!創界神クベーラを配置!神託によりコアをひとつ追加……え?」

 

クベーラ《…どうした?》

 

神子の背後に仏像が着てそうな鎧背中の大きな炎の輪、そして長い杖を携えたクベーラが現れると、神子はとあることに気づいて首をかしげる。

 

神子「…あの…あなたの系統…『アマハラ』と『インディーダ』…両方書かれているのですが…もしかして両方に所属を…?」

 

クベーラ《…ん?…あぁ…一応、俺はインディーダ出身なんだが…一時期アマハラにいたときがあったんだ。でも今じゃアマハラでの名前の方が信仰が集まっから、アマテラスやヴィシュヌの許可貰って両方に所属してる…んだがいつもはインディーダで使ってた「クベーラ」って名乗ってるぜ…アマハラ要素は司る系統が二つってだけだ》

 

神子「…へぇ…神に歴史ありですね…続けてネクサス!マッドティーパーティを配置してターンエンド」

 

クベーラの説明を聞いて納得した神子はさらに背後一帯のドンチャン騒ぎのお茶会会場へと変える。

 

青娥「…こちらも参ります。メインステップ。前鬼を二体召喚します…ふふ…ターンエンド…」

 

対する青娥は小さな紫の鬼を二体連続召喚する。しかしアタックはしないでターンを終えた。

 

神子「…来ませんか…メインステップ!不思議王国アリスを召喚してアクセル!不思議王国パンプティダンディを使用する!前鬼一体をBPマイナス2000してワンドロー!」

 

神子のフィールドに金髪に青いドレスを着た少女が現れる。さらに神子のアクセルが前鬼の力を下げた。

 

神子「まだ続くぞ!巨人王子ラクシュマナ!デッキから二枚ドローして二枚を棄てる!ターンエンド!」

 

最後に神子の青いアクセルが手札を入れ換えてターンを終わりにする。

 

青娥「…『闘神』と『四道』…!?メインステップ…ネクサス、No.3ロックハンドを配置。さらに紫煙獅子を召喚してデッキを三枚トラッシュに送りコストを3軽減します」

 

青娥は呪鬼のドローソース、ロックハンドとトラッシュ肥やし&特殊召喚封じの制限カード、紫煙獅子を召喚する。

 

青娥「…ターンエンドで」

 

神子「…おや…メインステップ。巨人姫シーターを召喚!手元のアクセル二枚につきコアを追加!さらにバーストをセット!」

 

神子は青い巨人の王妃を召喚してコアを増やす。そのコアを使い神子はスピリット達のレベルを上げた。

 

神子「…それでは…アタックステップ!アリスで攻撃!!」

 

青娥「ライフで受けますわ」

 

フィールドを優雅に舞いながらアタックしたアリスが光弾で青娥のライフを撃ち抜いた。

 

神子「ターンエンド」

 

青娥「…うふふ…まずはロックハンドの効果で手札を棄ててドローを増やします…メインステップ!死体を操る黄泉の支配人!陰陽皇リクドウ!

 

青娥のフィールドがまるで墓場のように暗くなると、地面から霊のようなものが一つに集まって一人の陰陽師になった。

 

青娥「アタックステップ!まずは前鬼一体でアタックですわ!」

 

神子「…シーターでブロックし、フラッシュタイミング!巨人王子シャトルグナを使ってアタックしていない前鬼を破壊するぞ!」

 

青娥「ええ、構いませんよ?その代わりリクドウの効果でトラッシュから後鬼が召喚されるだけですから…」

 

神子がアクセルで前鬼を破壊するが、リクドウが破壊された前鬼のチリを使ってさらに大きな呪鬼を呼び出した。しかもアタックしている前鬼のコアも使用してレベル2で召喚されている。

 

青娥「さらに後鬼も攻撃よ!アタック時効果でシーターは消滅!」

 

神子「…ライフで受ける!」

 

紫の剣で後鬼がシーターの命を吸いとると、剣を神子のライフに突き立てて二つ破壊した。

 

青娥「…ここはターンエンドとしましょう」

 

神子「…ぐぅ…!少しまずいか…?…!…このカードは…!」

 

クベーラ《…きたな…!俺の化神…!》

 

神子の引いたカードにクベーラは口元を吊り上げて笑う。神子も振り返ってニヤリと微笑み返した。そしてそのカードを手に取り召喚を宣言する。

 

神子「メインステップ!さぁ!戯れは終わりじゃ!敵を焼く猛き雷!我らに勝利という福をもたらせ!戦福女神セブン・フォーチュネス!!

 

クベーラ《…いけ…!俺たちの進む道を切り開け!》

 

クベーラが背中に着けた火焔を燃え上がらせ、フィールドに投げ入れる。そこからクベーラと同じような甲冑にトランプの紋章の装飾品…さらに羽衣と如意棒を構えた美しい武装した女神が炎を振り払って現れた。

 

神子「アタックステップ!行け!セブン・フォーチュネス!界放の効果でデッキから二枚をオープン!!その合計コストまで相手のスピリット/アルティメットを破壊するぞ!!」

 

セブン・フォーチュネスがグルリと如意棒を振り回して神子のデッキをめくる…維持神ヴィシューテン(コスト8)と不思議王国バンダースナッチ(コスト6)…!

 

神子「よってコスト6の紫煙獅子とコスト8のリクドウを破壊!!」

 

青娥「…ちぃ…!ですがリクドウの効果でトラッシュからスピリットを……あ、あら?」

 

自分のスピリットが破壊されたので、青娥はリクドウの効果を使おうとした。だがリクドウの陰陽術はクベーラから放たれた後光に打ち消されている…!

 

クベーラ《…俺のレベル2神域の効果だよ…こっちのアタックステップ限定だが、相手のフィールドにいるスピリット/アルティメット/ネクサスの効果は一切発揮されなくなる…!さらに転神させてもらうぜ…!》

 

クベーラがフィールドに降り立ち、腕を軽くスナップさせる。そして少し腰を落としていつでも攻撃可能な態勢を整えた。

 

神子「セブン・フォーチュネスレベル2からの効果!手元が系統:四道/闘神を持つカードを3枚除外することで、自身と転神した創界神に神シンボルを一つずつ追加する!」

 

青娥「ら、ライフ!」

 

自身の効果で火力を上げたセブン・フォーチュネスは如意棒を長々と伸ばして青娥のライフを二つ叩き割った。

 

神子「…私達は先へ行く!クベーラ!!」

 

クベーラ《……でぃぁぁぁぁ!》

 

クベーラが走り出して飛び上がると、手に持った杖を青娥のライフに打ち付けた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神子「…そう言えば…なぜアマハラに身をおいていたんですか?」

 

クベーラ《…ずいぶん唐突だな……》

 

神子「いいじゃないですか。逃げた青娥の代わりに命蓮寺まで行くのも退屈なんです」

 

その後、二人は宝塔を返す&謝罪のために命蓮寺へと足を運んでいた。トコトコと歩く神子にクベーラはポケットに手を突っ込みながら気だるげに答えた。

 

クベーラ《…まず…俺は『トリムルティ』の連中と反りが合わなくてな…家出先のアマハラで弱い神に扮して生活してたんだが……そこにオモイカネ…永琳の親父が訪ねてきたんだ》

 

神子「…あの八意 永琳の…父親…!?」

 

クベーラ《…そりゃ神だって父親と母親ぐらいいるだろ……まぁアマテラスやツクヨミみたいに身体洗ったら生まれたって神もいるが……話を戻すぞ…まずゼウス=ロロとの戦争は知ってるか?》

 

神子「…ええ…確か結局はゼウスとロロは分離して…平和条約が締結された…んですよね?」

 

クベーラ《…分離したあと……問題が残ってた。戦争の最中『アマハラ』の創界神、ツクヨミとスサノヲがアレックスと『インディーダ』を裏切ってゼウス=ロロに荷担した…そのせいで『アマハラ』と『インディーダ』の仲はとてつもなく悪くなっちまったんだ》

 

神子はいつものむすっとした表情のクベーラの話を黙って聞いていた。しかし人の欲望を聴ける神子はクベーラの言葉にどこか『悲しみ』の欲を感じ取っていた…

 

クベーラ《…そんで『インディーダ』出身で『アマハラ』に住んでいた俺に白羽の矢が立ったんだ。俺は最初「もうインディーダとは関係ねぇ」って断ってたんだが……あん人の熱意に負けたぜ……そこから俺たちは2勢力の融和に向けて奔走して……そして何とか二つの勢力の回復に成功した…っていうつまらねぇ話だ》

 

神子「…まるで弾みたいですね…八意 永琳のお父様は…その方は今どちらに?」

 

クベーラ《………………………》

 

神子の質問にクベーラは答えなかった。顔からもすっかり表情が抜け落ちて、神子ですら彼の思考が読めなかったが、少し時間が経ったときボソッとクベーラは口を開……きかけたその時!

 

白蓮「見つけましたよ!やはりあなた方でしたか!!」

 

???「キャプテン・ムラサ!登場!!約160話でようやく出番だ!」

 

???「活躍するぞぉぉ!」

 

神子「…あ、…その…実はですね…」

 

クベーラ《…よりによって……お…?》

 

命蓮寺も近くなっていたからか二人の前に白蓮と二人の妖怪…舟幽霊村沙 水蜜と入道雲のような煙の妖怪雲山と尼の姿の雲居 一輪…彼らも命蓮寺の関係者だ。

 

四人ともかなり気がたっているようで、今にも攻撃してこようかと思うような気圧を受けていた神子だったが、クベーラはチラッと白蓮達の後ろを見ていた。

 

星「…聖!まさか盗まれていたとは…!さぁ!神妙…に……ひ、ヒィェェェェェェェェェ!!!?な、な、ナズェアナタサマガ!?」

 

クベーラ《…おいおい…ちったぁ慣れろよ…もう千年近く経ってんのによ…まぁ…久しぶりだな、星》

 

神子「……お知り合い…ですか?」

 

白蓮「星!どういうことですか!?まさか泥棒の片棒を担いでいたというならお説教ですよ!」

 

水蜜「やい!そこの不良青年!星とどういう関係だ!?」

 

一輪「…返答によっちゃぁ……少し痛い目見てもらうよ!」

 

ナズーリン「待て!聖!お前達!!」

 

腰を抜かしてガタガタ震えている星に詰め寄る白蓮とクベーラを睨み付けながら威嚇する水蜜と一輪、彼女らを止めたのは先ほどクベーラが見ていた方向からやって来たナズーリンだった。隣にはヴィシュヌの姿もある。

 

ヴィシュヌ《…よう……わざとそいつに接触して楽しかったか?》

 

クベーラ《…チゲぇよ…偶然世界を接続したらバグって…》

 

ヴィシュヌ《…インディーダ1の『転神』のスペシャリストが?どうせそいつが心配だったからだろ?》

 

クベーラ《……………ふん…》

 

ナズーリン「申し訳ありません!うちの寺の者が!!ですが皆良い者なのでお許しください……

 

 

 

 

毘沙門天さま!」

 

白蓮「………へ…?」

 

水蜜 一輪「「…………え…?」」

 

神子「………………び、毘沙門天…?」

 

ヴィシュヌの隣で百点満点の土下座をかまして謝り倒しているナズーリンが言い放った言葉に一同固まる。

 

クベーラ《…『アマハラ』じゃ…そう呼ばれてんだよ…》

 

神子「…( ; ゜Д゜)……」

 

その後、白蓮寺でなぜか門弟全員がお堂に閉じ籠ってしまったらしいが……その真実を知るものは……まぁ数人しかいない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クベーラ

インディーダ・アマハラ所属の闘神と四道の創界神。アマハラでは毘沙門天と呼ばれている…つまり星やナズーリンの上司で、『転神』の腕前はインディーダ1の福と闘いの神。性格はぶっきらぼうで粗野だが、困ってるやつをほっとけないツンデレ。その昔関係最悪だったアマハラとインディーダの関係改善に努めたこともあってか、他宗教には寛容的。弱点として熱いものが苦手な猫舌。



創界神クベーラ
ネクサス
3(2)/黄青/創界神・インディーダ・アマハラ
<0>Lv1 <3>Lv2
《神託》〔闘神/四道/天渡/化神&コスト3以上〕〔闘神/四道&アクセル〕このネクサスに置けるコアは最大7個

Lv1・Lv2
このネクサスのシンボルは青/黄としても扱う。
【転神:3】Lv1・Lv2:フラッシュ
〔このネクサスのコア3個をボイドに置く〕このターンの間、このネクサスは、Lv1/Lv2BPが6000のスピリットとしても扱い、創界神ネクサス以外では破壊されない
【神域】Lv2『自分のアタックステップ』
系統:「闘神」/「四道」を持つ自分のスピリットがアタックしているあいだ、相手のスピリット/アルティメット/ネクサスすべての効果を無効にする

戦福女神セブン・フォーチュネス
スピリット
8(青2黄2神1)/青黄/化神・闘神・四道
<1>Lv1 6000 <3>Lv2 12000 <8>Lv3 25000
【界放:2】Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』
自分のデッキを上から2枚オープンできる。
その中の系統:「闘神」/「四道」を持つスピリットのコスト合計まで、相手のスピリット/アルティメットを好きなだけ破壊する。オープンされたカードは手札に加えられる。

Lv2・Lv3:フラッシュ『このスピリットのアタック時』
ターンに一回、手元の系統:「闘神」/「四道」を持つスピリットカード三枚を除外することで、このスピリットと【転神】している自分の創界神ネクサス1つに神シンボルひとつを追加する

シンボル:青


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

久しぶりのグラン・ロロ

お待たせしました!サーガブレイヴ二話うちversion!


グラン・ロロ 創造の間

 

ロロ《…よし…それじゃ…今日の会議はここまでとしよう》

 

ラピス《やったぁ~!終わったぁ~!》

 

ルチル《…リリアさんへの説教にどれぐらい時間使っただろ…?》

 

ミクス《まったく…!》

 

リリア《…ううう…すいません…!》

 

グラン・ロロの聖域、創造の間に気が抜けた空気が戻ってきた。『ウル』の創界神達は皆ぐいっと腕を伸ばしたり、だらっと足を伸ばす…神でも仕事は辛いようだ…

 

マナカ《…あ…弾君、このあとちょっといいかな?》

 

弾「…何ですか?」

 

ケイ《実は…いまだに異界王の後を継いでグラン・ロロを物理的に支配してやろうとする輩が各世界に居てな…さすがに目に余るので、こらしめるのに手を貸してくれないか?》

 

マナカ《しかもちょっと前に弾君達が未来世界で揉めた『カーディナル・サイン』のカードが流れているらしくてね…この解術が大変のなんの…》

 

 

『ウル』の戦闘担当、マナカとケイが弾にそう打診した。各世界…六色それぞれにそんな勢力が居るのでは創界神の二人でも大変であろう。マナカの声色がそれを色濃く物語っている。

 

弾「…あ…この後…ツクヨミの仕事を手伝う約束があるからなぁ…」

 

アンターク《…とうとう後輩に助力要請したのね…》

 

弾「…いや…前リリアが純狐と月の都にちょっかい出したことの詫びとして手伝おうかなと…」

 

ミクス《……センセイ…モチロンアナタモ手伝イマスヨネ…?

 

リリア《……はい…わかりました…

 

グレン《…それならどうする…?人手が足りないぞ?》

 

ゼウスすら怯ませそうな黒いオーラを放ちながらミクスはドスの効いた声でリリアの首を無理矢理縦に降らせた。そして話の軌道を修正するためにグレンが話題を元に戻す。

 

弾「…ならよし…アレックス…ゴニョゴニョ…なんだかいいか?」

 

アレックス《……フムフム…わかりました!》

 

ロロ《…確かに…それなら適任だろう。それにあの子に会えるならちょうど良いしね…》

 

ロロがそう言ってここでの話はお開きになった。この事を当人に話すと大喜びでその案件を了承した。そしてアレックスを引きずるかのような勢いでグラン・ロロめがけてぶっとばしていった。

 

 

 

 

 

 

グラン・ロロ 紫の世界

 

 

一方その頃、グラン・ロロの紫の世界…そこで展開されているバトルフィールドで戦っていた一人の少年…まだあどけなさが残るが、その表情は鋭い目付きで相手を睨んでいた。

 

 

???「アタックステップ!メテオヴルムでアタック!!」

 

異界人「…ぐぅ…ら、ライフだ…!」

 

???「よっしゃ!」

 

異界人「お、覚えてやがれ~!」

 

そんな捨て台詞をはいて逃げていく悪党達。赤の世界出身のカードバトラー、ズングリーはマギサの力を借りて紫の世界で戦っていた。赤の世界のように他の世界でも異界王の後釜に居座ろうと悪事を働く奴らが多かったので、ヘルプとして呼ばれたのだ。

 

???「ズングリーさま、お疲れ様です」

 

???「……だが少し焦りが見えるな…」

 

そう声をかけたのは元まゐの執事でヴァイオレット号操舵手セルジュ、隣には大柄の異界人、元青の世界の王ブルストムだ。

 

セルジュ「あとは…奴らの受領、鍬形のザバイアだけですね」

 

ズングリー「誰でもいい!俺がバトルして勝つ!」

 

???「ザッババババババババ!!誰を倒すだってぇ!?」

 

ズングリーの言葉を遮るように空から声が聞こえてきた。三人がフッと上を見上げると、そこにはたくさんの部下を引き連れ、飛行挺に乗ったザバイアの姿が確認できた。そして地面に降りたザバイアはニヤニヤと不気味な笑みをズングリーに向ける。

 

ズングリー「…お前のことだ…!俺と勝負しろ!」

 

ザバイア「お前のようなガキに何ができる!叩き潰してやるぜ!」

 

ズングリー ザバイア「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

アマハラ 月の都 ツクヨミの執務室

 

 

ツクヨミ《…ううう…!すまんなぁ…弾…!》

 

弾「…大変なんだな…」

 

ミクス《…先生?もっとスピードをあげれませんか?その腕はなんのためについているのです?》

 

リリア《…ウゲゲ~……》

 

執務室でパソコンを叩いたり、書類に判子を押していくなど仕事を手伝ってくれている三人にツクヨミは感謝感激していた。その隣でミクスのヤベイ視線を受けたリリアも悲鳴と共に仕事をこなしていく…

 

リリア《…大丈夫かしら…任せちゃって?》

 

弾「…問題ないさ…アレックスもついてるし…」

 

ミクス《カーディナル・サインも厄介なことをしてくれましたね…まさか蛇使い座の裏十二宮まで精製していたとは…》

 

仕事をしながらリリアは弾に不安をぶつける(さすがにトーンがマジだったのでミクスは突っ込まなかった)それでも弾は心配していないと首をふる。

 

弾「…それに…マギサ曰く《最近ズンちゃんが先走り過ぎてる気がするよのねぇ~》らしいからな…オレが行くより彼女が行った方が適任だよ」

 

リリア《…あの異界魔女…いまだに独身とかほざいて…私達なんてもう数十億…》

 

ミクス《…セ・ン・セ・イ?》

 

リリア《なんでもありません!》

 

リリアが少し自分の怨恨を漏らすとすぐさまミクスがジロリと睨み付ける。それを横で苦笑しながら、弾は目の前の仕事に取りかかった。

 

 

 

 

 

 

再びグラン・ロロ

 

ズングリー「…ぐぇ…!」

 

ザバイア「ザッバババ!!俺様の勝ちだ!」

 

ズングリーとザバイアのバトルはザバイアに軍配が上がったようだ。悔しそうに項垂れるズングリーにセルジュとブルストムが駆け寄るが、かける言葉が見つからなかった。

 

ザバイア「さぁて…!これでもう厄介な奴はいねぇ!この紫の世界は俺の」

 

???「誰の物でもないわよ」

 

突然響き渡った声…ザバイアやその部下達も辺りを探すが見つからない。するとズングリーとザバイアの間の空間が不気味な音をたてて歪んだ。おどろおどろしい目玉がいくつも浮かんでいるその空間…知り合いからは『スキマ』と呼ばれる空間から姿を見せたのは…

 

…もちろんいつもの胡散臭い表情をしていつもの中華風の服装をした…だが髪は本名と同じように紫、顔はグラン・ロロで一番知られているあの時の顔をした一人の女性だった。

 

まゐ「…なぁ~んか新鮮ね…この格好で『紫乃宮 まゐ』になるのは……久しぶり♪ズンちゃん♪」

 

ズングリー「ま、ま、まゐさまぁ!?」

 

セルジュ「ヴィオレ様!?」

 

ブルストム「いったい…どうやって!?」

 

ザバイア「…ヴィオレ…?まさか…!あのコアの光主…!?」

 

まゐ「…警告するわ。もしこれ以上侵略行為をするなら…私が容赦しない!」

 

驚くズングリー達に軽く手を振ったまゐはザバイア達に向き合うと、デッキを取り出してそう宣言した。その気迫にザバイアも含めた一同は少し怯む。

 

ザバイア「…おもしれぇ…!ならおめぇも倒してやるぜ!」

 

まゐ「あら…それじゃ私が勝ったら拘束させてもらうわ…あなたのブレイヴカードは危険だからね?」

 

まゐの最後の言葉にザバイアは面をくらった顔つきになる。ズングリー達にはその真意はわからなかったが、ザバイアにとっては衝撃的だった。

 

ザバイア「…てめえ…何でその事を…!」

 

まゐ「…私に勝てたらこの世界ごと教えてあげるわ…!」

 

まゐ ザバイア「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

ザバイア「…てめえからこいよ…コアの光主さまよぉ…」

 

まゐ「あら…ならお言葉に甘えて…メインステップ!神世界駆ける神!創界神アレックスを配置!神託によりコアを二個追加!ターンエンド」

 

アレックス《…これ以上の狼藉は許さないよ!》

 

まゐは初手に創界神アレックスを配置する。アレックスも自分の担当である紫の世界を荒らすのは気分の良いことではないだろう。

 

ザバイア「メインステップ!バーストをセットしてダーク・ドーベルXをレベル2で召喚!アタックステップ!ダーク・ドーベル!!やれ!」

 

ザバイアは機械の猟犬を呼び出すとそのまま攻撃を命じる。Xになったダーク・ドーベルは疲労ブロッカーなので、ガンガン攻めていけるのも大きい。

 

まゐ「ライフで受ける!」

 

飛び上がったダーク・ドーベルが鋭い爪でライフを引き裂いた。

 

ザバイア「ターンエンド!」

 

ズングリー「…まゐさま…!」

 

まゐ「…メインステップ!神話宝剣グラン・デーヴァを創界神アレックスに直接合体!さらにオリン円錐山を配置!」

 

アレックス《よいしょっと!》

 

ズングリーが不安そうな顔で見守る中、まゐはアレックスにグラン・デーヴァを合体させ、アレックスのさらに後ろに円錐型の大きな山がそびえ立つ。

 

このネクサスはバウンス耐性にドローステップ時にドロー追加とうまくアレックスの効果を受けずにまゐをサポートできるネクサスである。

 

まゐ「バーストをセットして…ターンエンド」

 

ザバイア「あ?なんだそれだけか…メインステップ!ソードールと天王神獣スレイ・ウラノスを召喚!」

 

ザバイアはそう言い捨てると白紫の二色スピリットのソードール、さらに後ろから駆けてきたスレイ・ウラノスを召喚した。

 

ザバイア「アタックステップ!アタックだ!スレイ・ウラノス!」

 

まゐ「…ライフで受ける!」

 

スレイ・ウラノスが嘶いて走りだし、空を駆けてまゐのライフを頭突きで壊した。

 

ザバイア「…マジックもなしか…ターンエンド…!」

 

セルジュ「これでヴィオレ様のライフは三つ…大丈夫でしょうか…?」

 

まゐ「…ちょっと~セルジュ?私はこんなんで終わる女じゃないわよ。メインステップ!龍に翼を得たるが如し!龍星皇メテオヴルムX!レベル2で召喚!!」

 

続けてまゐの掲げたカードから光が天に伸びると、そこからフィールドに隕石が落ちてオレンジの大きなヴルムドラゴンが現れた。

 

ズングリー「…メテオヴルム…まゐさまが…弾のスピリットを使ってる…」

 

ザバイア「ちぃ!なんだよ!紫の光主じゃねぇのかよ!!」

 

まゐ「…御生憎…今の私は何色でもないの…アタックステップ!龍星皇メテオヴルム!激突!!」

 

ザバイア「ダーク・ドーベル!ブロックだ!」

 

翼を降り立たんで炎を纏い、メテオヴルムがダーク・ドーベルめがけて激突する。ダーク・ドーベルは果敢に立ち向かったがあえなくぶっとばされた。

 

まゐ「…メテオヴルムの効果で…あなたのライフをひとつ破壊!ターンエンド!」

 

ザバイア「…ぐ…だがバースト発動!妖華吸血爪の効果で二枚ドローだ!」

 

アレックス《…僕のレベル2神域の効果!お互い一枚ずつしかドローできないよ!》

 

ライフ減少を引き金にしてザバイアのバーストが発動するが、アレックスから放たれた波動がドロー枚数を一枚に減らしてしまった。

 

ザバイア「…くそぉ!メインステップ!…来やがれ!六冥魔導ディエス・レイス!そしてアタックだ!!」

 

ザバイアのフィールドの紫シンボルからまるで死神のやうなドラゴンが現れると、鎌を振り回してアタックした。

 

まゐ「…相手のスピリットがアタックしたのでバースト発動!一枚ドローして煌星銃ヴルムシューターを召喚するわ!そのアタックはライフ!!」

 

フィールドにジークヴルムの頭部をモチーフにしたピストルが現れ、まゐのブロッカーを増やす。これでザバイアがフルアタックしてもまゐのライフは削りきれなくなった。

 

そしてディエス・レイスが鎌でまゐのライフを奪い去る。

 

ザバイア「…まぁいい…ターンエンド」

 

まゐ「うんーと…メインステップ!コスト4で召喚!光滅ぼす闇の魔王!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!」

 

まゐのフィールドが黒い雲に覆われると雲の中から漆黒のジークヴルム・ノヴァが現れた。そしてフィールドのメテオヴルムと同時に咆哮する。

 

まゐ「…チラッ」

 

ズングリー「…!まゐさま……!」

 

まゐ「…アタックステップ!メテオヴルム!激突!!」

 

ザバイア「…スレイ・ウラノスでブロック!!」

 

再度炎をと共に突っ込んだメテオヴルムがスレイ・ウラノスを突き飛ばす。そしてライフも削っていった。

 

まゐ「ターンエンドよ」

 

ザバイア「…ブレイヴを召喚して…合体しないだと…!?何考えてやがる…!メインステップ!まずはバーストセット!!そして蛇帝星鎧ブレイヴピオーズ!ディエス・レイスに直接合体!禍々しく染まれ!!」

 

ディエス・レイスに空に描かれた蛇使い座からヘビがまとわりつく。そしてディエス・レイスの下半身がアスクレピオーズのようにヘビの頭と尻尾がはえ、上半身にもヘビの鎧が装着される。そして見た目はヘビの魔神と言える風貌へと変化した。

 

ザバイア「召喚時効果!俺のライフを二つ砕いてヴルムシューターとダークヴルム・ノヴァを破壊する!!さらにバーストのエクスティンクションウォールの効果で減ったライフを元に戻す!」

 

合体スピリットが鎌を一振りしてまゐのスピリット二体を破壊する。そして減ったライフもバーストによって回復した。

 

ザバイア「これで終わりだ!アタックステップ!合体スピリット!やれぇ!!!」

 

まゐ「…フラッシュタイミング!リミテッドバリア!これで合体スピリットの攻撃じゃ私のライフは削れない!」

 

まゐの前に銀色のバリアが展開されて、合体スピリットの一撃を弾き返した。ザバイアのスピリットは残りソードール一体、まゐのライフは二つ残っているので、頭数は足りなかった。

 

ザバイア「…持ってやがったか…防御マジック…!ターンエンド…」

 

まゐ「…さて…そろそろいくわよ…!メインステップ!メテオヴルムをレベル3に!!アタックステップ!激突しなさい!メテオヴルム!!」

 

まゐはそのままメテオヴルムのレベルを上げると他にスピリットを出さずに攻撃する。だがその顔にミスしたという感情は感じ取れない。

 

ザバイア「フラッシュタイミング!マジック!リゲイン!合体スピリットを疲労ブロッカーにしてBPプラス5000!!ブロックだ!」

 

ザバイアのマジックが合体スピリットを起き上がらせて向かってきたメテオヴルムを迎え撃つ。合体スピリットが放つ紫のビームをメテオヴルムはかわしていくが、BP差で少しずつ余波がメテオヴルムにあたって失速していく……

 

ザバイア「貰ったぁぁ!!」

 

まゐ「…こっちがね!フラッシュタイミング!星の生まれを告げし龍!光の王!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!メテオヴルムに煌臨!!さらにメテオヴルムは自身の効果で召喚される!!」

 

メテオヴルムに空から炎が降り注いで大きな火の玉になる。そこから現れた赤シンボルを砕き、翼を広げたのは…かつて心を持った人形の魂から生まれ落ちた赤いドラゴン…超神星龍ジークヴルム・ノヴァだった!

 

さらにジークヴルム・ノヴァの炎から再びメテオヴルムがフィールドに現れる。

 

ズングリー「…ジークヴルム・ノヴァ…!!」

 

まゐ「…ズンちゃん…マギサから聞いたわよ?ずいぶん無茶して戦ってるみたいだけど?」

 

ジークヴルム・ノヴァに驚いているズングリーにまゐは精神世界から声をかける。ズングリーは少し顔を下げると話し始めた。

 

ズングリー「…だって…俺も弾みたいに…一人でも戦える男になりたかった…」

 

まゐ「……うん…あのね…弾は一人で戦っていた訳じゃないのよ?私やクラッキー…そして今はいろぉぉんな人達に支えられて…弾は戦いの場に立っているの」

 

ズングリー「…………」

 

まゐはズングリーの呟きを聞いてふと思い出す…グラン・ロロでの冒険…確かにアイツは一人で突っ走ってたわねぇ…そう思いつつズングリーの前に屈んでまゐは話す。

 

まゐ「…大丈夫よ…だから…あなたを私達が支えるわ!!行け!ジークヴルム・ノヴァ!!!」

 

アレックス《さらに僕の神技を使うよ!手札を一枚ジークヴルム・ノヴァの下に追加して回復させる!》

 

まゐ掛け声に呼応するかのようにジークヴルム・ノヴァの炎が一段と強くなる。そしてノヴァが合体スピリットの鎌を拳で殴り割ると鎌の柄を掴んで無理矢理合体スピリットを持ち上げる。

 

その勢いのままノヴァは合体スピリットをフィールドに叩きつけ、ゼロ距離火炎放射で破壊した!!

 

まゐ「メテオヴルムの効果でライフを破壊!もう一度アタックよ!ノヴァ!!アタック時効果で残ったスピリットも全部破壊!!」

 

グラン・デーヴァから放たれた六色のビームを浴びたジークヴルム・ノヴァが起き上がる。そして翼から虹色の光弾を放ってソードールも分離したブレイヴピオーズも焼却処分した。

 

ザバイア「…ば、バカな…この俺が…!!」

 

まゐ「……やれ!ジークヴルム・ノヴァ!!」

 

呆然とした顔のザバイアに接近したジークヴルム・ノヴァが口から虹色のビームをぶっぱなした!!

 

ザバイア「ザッバァァァァイヤァァァァ!!!」

 

まゐ「……パシッ!……ふぅ…回収完了♪」

 

 

 

 

紫の世界 アレックスの神殿

 

まゐ「…ふぅ…やっぱりセルジュの紅茶は美味しいわね…」

 

アレックス《うん!うちの神殿にスカウトしたいぐらい!》

 

セルジュ「…まさかヴィオレ様だけでなく創界神様まで褒められるとは…恐縮です…」

 

ザバイアを連行したあと、まゐ達はアレックスの神殿で一服していた。セルジュの淹れた紅茶はアレックスも絶賛するぐらいの腕だった。だがズングリーはイスに座っているまゐ達から少し離れた祭壇の階段ですねていた。

 

ズングリー「…なぁんか各の違いを見せつけられたみたいだ…」

 

まゐ「…うふふ…弾は私より強いわよ~?」

 

アレックス《……あれは反則級だよね……》

 

弾「…悪かったな…!」

 

まゐ「…え?」

 

神殿内に響いた声…ふっと一同が祭壇の方を振り向くとそこにはまだ移動してきた際の光を放っていた弾が立っていた。どうやら仕事が思ったより早く終わったようだ。

 

弾「…久しぶりだな…ズングリー…少し大人びたか?」

 

ズングリー「…弾……」

 

暫しの間見つめ合う二人、ズングリーとしては何から話せばいいかわからずモヤモヤした感情の渦が心の中でうねっていた。すると弾はズングリーに近づいて一言…

 

弾「…バトスピしようぜ…約束だったろ?」

 

ズングリー「…うん!!」

 

ズングリーは明るい笑顔で頷く。弾も微笑んでデッキを取り出してカードを並べる。その様子をまゐやアレックスもフフッと暖かい目で見守っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回はまゐ様に出陣してもらいました。メテオヴルムXって光導デッキだけじゃなくて星竜デッキにも入ったので、メテオヴルムXを活躍できてよかったです…

さて…そろそろ…伏線も張りまくったし…次から最終章に入ろうと思います。弾、幻想郷メンバー、創界神…最後の戦いをお楽しみに……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終一章~紅霧再来~
開戦前の静けさ


さぁ始まりました。最終章!なので最初カッコつけました…だがバトル無し回!!


混沌がすべてを押し流す。

 

雷も天も海も光も風も炎も龍も魔も創造も破壊も維持も知恵も………

 

たった一人の創界神では戦いにすらならないであろう。

 

リーダーが必要だ。だが私はそのとき力にはなれまい。

 

切り札は『星の導き』だ。星の神に力を集めて混沌を討て。

 

再びこの世界に悲劇が生まれないことを願う。

 

生命の創界神 八意???著『星神歴』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 博麗神社

 

 

弾「…え?蓮子と遊びにいきたいって?」

 

紫「そう!だから少し付き合ってほしいの!」

 

蓮子「どうかお慈悲を…!」

 

博麗神社で繰り広げられている紫の頼み…それは蓮子との遊びに弾も同行してほしいといったものだった。再会から数週間、蓮子は紫の仕事…賢者の仕事を手伝い始め、すでに幻想郷に馴染んでいた。もちろんこの頼みもふざけ半分である。

 

弾「…別に良いけど…俺が一緒に行ったら邪魔」

 

紫「そんなことないわ!《…蓮子だけじゃなくて弾のポイントも稼ぐチャンス!》」

 

蓮子「…《…メリー…まぁ私もメリーが楽しそうだからいいわ》」

 

弾の言葉をぶったぎって紫は弾の目の前まで詰めよって否定する。蓮子はマザーコアの化身故、人の感情には敏感だが、もうその脳内にはピンク色の煩悩が渦巻いていることは神子じゃなくても丸わかりである。

 

弾「…わかった…んでどこに行くんだ?」

 

紫「ありがと!行き先はね……!」

 

弾は諦めて行き先を二人に尋ねる…紫はウキウキしながら答えると弾どころか蓮子も驚いた。

 

結果論かもしれないが…この時もし弾が着いていかなかったら…被害は軽減できていたかもしれない……それほどまで今回の異変は凄まじかった…

 

 

 

 

 

 

 

数日後 外の世界 とある路地裏

 

紫「とうちゃーく!」

 

蓮子「ねぇメリー!この世界はだいたい西暦何年!?」

 

紫「今は2020年!まだ首都が京都になる前の時代よ!」

 

蓮子「え!?マジ!ってことは満員電車の山手線が見れるの!?」

 

弾「……楽しそうだなぁ……」

 

うにょんとスキマが開いたのは人気のない路地裏、そこに外の世界用の服を着た紫と蓮子が現れる。今の時代を聞いて興奮している蓮子とやはり旧友と久しぶりに遊べるのがうれしい紫はキャッキャウフフとはしゃいでいた。

 

弾「…で…まずはどこへ行く?」

 

紫「そりゃショッピングでしょ!」

 

蓮子「わーい!」

 

続いてスキマから出てきた弾が行き先を聞くもヒートアップした二人のテンションについていけない…事前にこういう時の対処法を聞こうにも「外の世界のショッピングの定番」など幻想郷メンバーにゃ聞けない。

 

以前アテナに入れ知恵したアプロディーテに相談しようにもどうやら仕事で自らの世界に帰ってしまっているようで、会うどころか連絡もできなかった。

 

何とか少し前まで外の世界に住んでいた早苗が知ってそうだったので聞いてみると…

 

早苗《……すいません…私…田舎出身で…それに友達いなかったので…》

 

弾《……あ、……悪い……》

 

…ととんでもない地雷を踏んで空気がとてつもないぐらい重苦しくなってしまった。なので弾は「もう彼女達に全部任せよう」と腹をくくっている。

 

紫「それじゃ!レッツゴー!!」

 

蓮子「お~!!」

 

弾「……おー…」

 

魔理沙「お~!!」

 

………ちょっと待て……なぜか一人多い掛け声…三人は少し間をおいてチラリと今通ってきたスキマの方を見る。そこにはいつもの白黒の魔法使いの少女がニヤニヤしながら立っていた。

 

紫「……なんでいるのよ…」

 

魔理沙「おいおい!外の世界に行くなんて面白そうだろ!?見聞を広げるために私もついてくぜ!!」

 

…この娘は空気が読めるのか読めないのか…たぶんまだ紫(や永琳)のそういう複雑な心境と言うより、ただ高みに行きたい一心であることは魔理沙をよく知っている弾達には感じ取れた。

 

弾「…あー…魔理沙、その意気込みは素晴らしいんだが…また今度にできないか?」

 

魔理沙「え~!一人増えるだけだろ~!連れてかないなら永琳にこのこと言っちゃう」

 

ロロ《はいストップ~!》

 

異界王「さすがにここまでだ」

 

蓮子「…グッ!…《ナイスお父さん!ロロ様!》」

 

駄々をこねる魔理沙のさらに後ろに現れたロロと異界王が魔理沙の肩をガッツリ掴む。蓮子は心の中でガッツポーズをし、反対に魔理沙は冷や汗を流してギギギと振り返る。もちろんそこにはウルの主神(魔理沙の保護者)蓮子の父親(異界王)がいた。

 

異界王「…蓮子、こいつは俺たちが面倒をみるから…お前は遊んでこい」

 

ロロ《…さて魔理沙…すこぉし…O・HA・NA・SHIしようか…》

 

魔理沙「ちょ、ちょっと待ってくれ!私は見聞を広める」

 

異界王「…ほう…その心意気はよし。俺の生まれた時代の者達にも繋がるものがある…なら俺たちがみっちり教えてやろう」

 

魔理沙「…ウゲゲェェェ~!」

 

弾「…今のうちに行くか…」

 

弾の呟きに二人とも反論しなかった。そしてヘビに睨まれた蛙状態の魔理沙をロロと異界王に任せてスタコラサッサとその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

都内某所 とあるデパート

 

 

紫「ねぇねぇ!こんなのどーおー?」

 

蓮子「あ!カワイイ~!」

 

弾「……………」

 

電車で移動(その間蓮子ははしゃぎまくってた)した三人はとあるデパートにいた。紫と蓮子は洋服コーナーで似合う洋服やら帽子やらを見せてはキャッキャウフフしている。

 

弾「…《…どうしよ…ヴィエルジェ…》」

 

ヴィエルジェ《……こんなことで呼び出さないでよ…とか言う私もショッピングなんてしたことないし…》

 

二人から少し離れたイスに座っていた弾は我慢できずにヴィエルジェのカードに問いかけた。だが彼女も弾の悩みを解決できる答えは持っていなかった。

 

紫「だーん♪これ似合う~?」

 

弾「…あ、あぁ…」

 

紫がカワイイ(少なくともヘカーティアよりセンスがある)服を弾に似合うか聞いてくる。それに弾はありきたりな返答しか返せなかった…この男…ファッションにはまっっっったく縁がないから仕方あるまい…

 

弾「…《…マナカさんのように軽く誉めたりヘルメスのように笑ったりできればなぁ…》」

 

???「…あれ?弾君じゃないですか!」

 

???「…なんで女物のところにいるのさ…」

 

項垂れていた弾の耳に突然声が響く。馴染みのある声に弾はぶんっと首をひねった。そこには緑の髪に女性かと思うほど可憐な顔立ちの青年…そしてもう一人は日焼けした肌にまるで旅人のような格好をした青髪の青年が呆れた目を弾に向けていた。

 

弾「剣蔵…!…!」

 

剣蔵「…あぁ~…なんとなーくわかりました…」

 

硯「…んで…何か手伝おうか?」

 

 

 

 

硯「…はぁ…引き金になって十年近く行方不明で、この間ポッと帰って来たと思ったら…君はどんな星の下に生まれてきたんだい…?」

 

弾「…それはクラッキーにも言われたよ…」

 

剣蔵「…へぇ~…まゐさん、僕たちより数百歳年う」

 

紫「あら?何か言ったかしら?だんぞー君?」

 

剣蔵「剣蔵です!」

 

ショッピングが一段落してデパートのレストランでワイワイ弾達は話していた。蓮子を二人に紹介した時、マザーコアの化身と説明したときは二人の顔は…もう形容し難いほど驚愕していた……その後の異界王の娘発言の反応は軽くそれを越えていったが……

 

弾「…それでお前達もショッピングに来たのか?」

 

硯「まぁね。久しぶりに予定が合ったから、剣蔵君に合う服でもと…」

 

紫「…なるほど、確かに餓鬼道君には女物が似合うからねぇ…」

 

剣蔵「違いますよ!僕はもう大人なんですから!そして兵堂です!!」

 

顔を真っ赤にして否定する兵堂だったが、成長して大人びたとはいえいまだに女性に間違えられているほど彼は女性じみていた。そこを先程の年の恨みか紫はチクチクと傷口に塩を塗ってくる。

 

硯「…でもちょうどよかった。弾君、ちょっと相談したいことがあるんだ」

 

弾「…どうかしたか?」

 

剣蔵「実は最近頻発している異常気象が…少し異常過ぎる気がしまして…まるで未来での『リセット』のようなんです」

 

剣蔵が切り出したのは外の世界で起きている猛烈な自然災害についてだった。剣蔵が言った『リセット』の形容もあながち間違いとは言えないので、弾は真剣な目付きで考え込んだ……

 

弾「…う…!ぐぅぅぅ!!」

 

蓮子「え!?弾様!!?」

 

……すると…何の前触れもなく弾の身体に耐え難い激痛が走った。まるで身体の中で何かが暴れまわっているような…そんな激痛に弾はテーブルに上半身を倒してしまうほどだった。

 

すると蓮子は鋭い目線をレストランの入口付近に向ける。そこにいたのは見るからに弾をあざけわらうかのような笑みを浮かべた女性だった。

 

???「…クスクス…ダッ!」

 

蓮子「…キッ!あの逃げた人…!絶対何か知ってる!!待ちなさい!!」

 

紫「ちょ!弾!つかまって!!」

 

蓮子はその場から逃げ出した怪しげな女性の後を追う。それに紫もあわてて弾を担ぎ、硯と剣蔵を連れて蓮子に着いていった。

 

 

 

 

 

???「…ウフフ…!」

 

蓮子「待ちなさい!!」

 

街中でおいかけっこを繰り広げる謎の女性と蓮子、蓮子も足は速い方なのだが相手の女性もかなり速く、一向に距離を縮められない。だが女性が人気のない路地裏に駆け込むと蓮子はニヤリと微笑んだ。

 

なぜなら人気のないところでは……彼女のスキマが大活躍できるからだ。

 

紫「残念でした。あいにくおいかけっこで私に勝てる者はいないの」

 

???「…チ!…八雲 紫のスキマは外の世界じゃ使えないはず…!」

 

紫「それは大きな勘違い…それよりも私を知っているってことはただの人間ではないわね…」

 

人目がないのでスキマを通って回り込んだ紫が逃げる女性の前に立ちふさがる。とっさに女性は辺りを見渡すが、逃げ込めそうな脇道は存在せず、元の道を引き返そうにも蓮子達が後を追ってきた。

 

蓮子「もう逃げられないわよ!」

 

???「………どうかな……フンッ!」

 

すると女性は何やら懐からお札のような物を取り出すと、それを辺り一面にばらまいた。無数のお札は段々と形をとっていき、最後には人の形をした式神へと変わった。

 

???「…クク…ではごきげんよう…フッ」

 

蓮子「…!?なに…まさか…はめられたのは私達の方!?」

 

硯「…やられたね…」

 

謎の女性は即興で作り上げた式神にその場を任せ、光の粒子になって消えてしまった。さらに彼女が人気のない場所に逃げ込んだのはこれを作るための誘導だったようだ。

 

異界王「蓮子!大丈夫か!」

 

魔理沙「こっちもロロが急に苦しみだしたんだ!それの仕業か!?」

 

蓮子「お父さん!…完全にヤツの思うがまま…ってことね…」

 

式神《………》

 

紫の方から魔理沙と弾と同じように苦しんでいるロロを背負った異界王が顔を出す。すると式神は手になにかを持って蓮子に向かい合う……持っているのはもちろん…デッキである。

 

蓮子「…ひとまずこいつを倒す!メリー!弾様をお願いね!」

異界王「…よし…霧雨 魔理沙、こいつを任せる」

 

魔理沙「うわっとと!!」

 

蓮子も式神に向き合うと異界王も背負ってたロロを魔理沙に押し付け、蓮子の身体に降りる。

 

蓮子「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


少し無理矢理だったけど、硯と剣蔵を出せました。ここでの硯と剣蔵はちょっと前に帰って来た弾と会っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

セカイ・リセット

ダブルノヴァXの情報!ダノヴァX…とうとう神話ブレイヴに触れてくるか…ヘファイストスや転神ビートに刺さりそうです。ジノヴァXはリバイバルよりオリジナルに近づきましたが、ジークヴルムに煌臨してもライフ回復できないのが、ちょっっっと不満っすかね


蓮子「…先手はもらうわよ…メインステップ!ネクサス、遺跡草原を配置!バーストをセットしてターンエンド!」

 

蓮子のフィールドが緑の草原へと変化する。その草原にはチラホラ遺跡のような建造物も見受けられる。

 

式神《メインステップ。デストロイア(幼体)を二体召喚。さらにネクサス、灼熱の谷を配置。ターンエンド》

 

式神のフィールドにクモの下半身に胴体が生えた気持ち悪い生物が二体現れ、式神のフィールドの遺跡草原が燃え盛る谷へと変わった。

 

蓮子「ウゲ…変なの…メインステップ!最高最善の魔王!異界王を配置!神託でコアをひとつ置く!」

 

異界王《配置時の効果で俺にコアを二個置いてデストロイア(幼体)を両方破壊する!》

 

蓮子の背後に現れた異界王が手のひらから衝撃波を放ってデストロイア(幼体)を一気に吹き飛ばした。

 

蓮子「…ひとまずターンエンドよ」

 

式神《ネクサス灼熱の谷の効果、ドローステップ時にドロー数をプラス1してその後一枚を破棄。メインステップ。デストロイア(幼体)を召喚し、ソウルドローを使用。ソウルコアをコストに使ったので、三枚ドローする》

 

式神は再びデストロイア(幼体)を召喚するとマジックで手札を三枚補充する。灼熱の谷の効果もあってかなりデッキはめぐっているだろう。

 

式神《そしてもう一体デストロイア(幼体)を召喚。ターンエンド》

 

異界王《…小型を並べるデッキにしては動きが遅いな…》

 

蓮子「…ならこっちから攻める!メインステップ!海の覇者操る三叉槍!三叉神海獣トリアイナを召喚!召喚時効果でデストロイア(幼体)を全部破壊するわ!」

 

異界王《…良い選択だ。デッキ投入制限のないあのカードにトリアイナは確実に刺さる!》

 

異界王が冷静に相手のデッキを分析し、蓮子は殴らせてカウンターを狙う戦法から自分で殴りに行く戦法に作戦変更する。

 

蓮子の遺跡草原が急に大海に変化して深海から三首の海獣が飛び出してきた。そしてトリアイナは左右の口からビームを発射してデストロイア(幼体)を撃ち抜く。

 

蓮子「アタックステップ!トリアイナでアタック!アタック時効果でデッキを五枚破棄し、その中のスピリットカード三枚につき1コアブースト!」

 

式神《ライフで受ける》

 

トリアイナの青い衝撃波がデッキを五枚トラッシュへと吹き飛ばす。その仲にデストロイア達が四枚あったので、トリアイナの追加効果でコアブーストした。

 

そしてトリアイナのメインアタックを式神はライフで受けた。

 

蓮子「…ターンエンド!」

 

式神《メインステップ。完全生命体デストロイアを召喚。自身の効果でトラッシュからデストロイアの名を持つカード七枚を手札に戻すことで、コストを軽減…よってコスト1で召喚》

 

式神のフィールドが突然爆発を起こす。そこから大きな翼、刺々しい鱗、目立つ一本角の大怪獣が不気味な咆哮と共に現れた。さらにトラッシュからデストロイア(幼体)がトリアイナで破棄された物もすべて手札に戻っていった。

 

式神《そしてデストロイア(幼体)を七体すべて召喚。さらにデストロイア(幼体)の効果で幼体を四体破壊して手札のデストロイアをノーコスト召喚…撃ち落とせ…!デストロイア(完全体)!

 

完全生命体の力で蘇生したデストロイア(幼体)がぞろぞろとフィールドに現れる。そのうちの四体が赤い光に包まれて一つに合体していく……光が収まるとそこには完全生命体より禍々しいオーラを放っているデストロイアの姿があった…!!

 

蓮子「…!?…なに…このスピリット…!」

 

異界王《…そうか…!蓮子!あのカードが式神の核を担っている!あのカードを回収できればこいつは機能停止するにちがいない!》

 

蓮子「…うん!わかった!」

 

異界王は禍々しいオーラとは別に何かの気配を感じとり、蓮子にそう助言する。

 

式神《アタックステップ。デストロイア(完全体)でアタック!》

 

蓮子「…ライフで受ける!ここで遺跡草原の効果!ライフが減ったので、減った分ドロー!さらに異界王にコアを追加!」

 

デストロイア(完全体)が尻尾を振り回して蓮子のライフをふたつぶち壊した。

 

式神《続けて完全生命体デストロイアでアタック!フラッシュタイミング!デストロイア(完全体)レベル2の効果…疲労状態の相手スピリットを破壊することで、自身も破壊する》

 

蓮子「え!?自分ごと!?」

 

完全生命体が翼を広げて空に舞い上がる。するとデストロイア(完全体)は腹から巨大な熱線をトリアイナめがけて放ち、トリアイナを焼き尽くした。だがエネルギーが切れたのか、自身も倒れて爆発する。

 

メリットとデメリットの比率があまりにも違いすぎる効果に蓮子は戸惑いを隠せない。だが破壊時の効果がデストロイア(完全体)の見せ場である。

 

式神《デストロイア(完全体)の破壊時効果…トラッシュからデストロイア達を好きなだけ召喚できる!デストロイア(幼体)を四体蘇らせる!》

 

爆発四散したデストロイア(完全体)の破片が再度形を作り始め、幼体のデストロイアが四体出来上がる。

 

蓮子「く!そういうことね…フラッシュタイミング!終焉の騎神ラグナ・ロックのアクセルを使用!相手スピリットをすべて疲労させるわ!完全生命体デストロイアのアタックはライフで受ける!」

 

蓮子の手札から緑の風が吹き荒れて、復活したデストロイア(幼体)を一気に疲労させてしまう。さらに完全生命体デストロイアが角でライフを破壊したが、それも蓮子の計算の内だった。

 

蓮子「ライフ減少によりバースト発動!大甲帝デスタウロス!デストロイア(幼体)を完全生命体デストロイアごと破壊!そしてコアブーストよ!」

 

蓮子は遺跡草原と異界王の効果だけでなくバーストも発動させた。ラグナ・ロックの風で疲労したデストロイア達は紫色の斬擊に切り裂かれて全員爆散した!

 

式神《ターンエンド》

 

蓮子「このターンで決める!メインステップ!最高!最善!最大!最強の王!祝え!魔龍の誕生を!召喚!!幻羅王龍ガイ・アスラ・オーマ!!」

 

異界王《…さて…どうだ…?》

 

蓮子のフィールドにマグマが流れ込み、中から銀色のガイ・アスラが這い出してきた。先程のデスタウロスのバーストでコアが大量に増えたので、コスト10のガイ・アスラ・オーマでも難なく召喚できた。

 

蓮子「デスタウロスをレベルアップしてアタックステップ!まずはデスタウロスでアタック!!」

 

式神《ライフで受ける》

 

デスタウロスが腕の剣でライフをバッサリ斬り捨てる。

 

蓮子「さらにガイ・アスラ・オーマでアタック!!超界放!赤の創界神のコアひとつを使って回復する!」

 

式神《ライフで受ける》

 

ガイ・アスラ・オーマが一番上の右手の剣でライフを切り裂く。

 

蓮子「ぶっぱなせ!オーマ!!」

 

回復したガイ・アスラ・オーマが身体中の武器から虹色のビームを放った!!

 

式神《…ギギギ…!…ガッガ………ピー…》

 

蓮子「……パシッ!…よし!確保!」

 

式神はライフを失った衝撃で機能停止し、元のお札へと戻る。そして使っていたデッキもはじけて、そのうちの一枚…デストロイア(完全体)のカードを蓮子はしっかりとキャッチした。

 

 

 

 

 

 

蓮子「終わったわ!弾様とロロ様は!?」

 

紫「…何とか落ち着いたみたい……」

 

バトルが終わって蓮子が戻ってくると、どうにか二人の容態は落ち着いたようだ。弾は何とか立ち上がると不安な表情でロロに尋ねた。

 

弾「…なぁ…確か俺たち創界神は……自分の世界と一体化しているといっても過言じゃないんだよな…?今俺が苦しんでる理由は…」

 

ロロ《……!!…幻想郷やグラン・ロロに……何かあった!?》

 

まだ完全に痛みが抜けきっていない二人の顔が今度は青くなる。それは紫や蓮子、魔理沙も同じだった。異界王も口を閉ざして重々しい表情を崩さない。

 

弾「…悪い…硯、剣蔵…俺たち…もう行かないと…」

 

硯「僕たちはいいから…早く行かなくちゃいけないんだろ?」

 

剣蔵「でももう少し…無茶をしないでくださいよ?あの時のまゐさんの再来なんてイヤです」

 

弾「…サンキュー……!」

 

弾は二人に詫びを入れるとすぐさま幻想郷へのゲートを開いて幻想郷に帰還した……ものすごいほどのイヤな予感…残念ながらそれは適中してしまうことになる……

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 某所

 

???「…失礼します。先程馬神 弾、宇佐見蓮子、八雲 紫らと接触しました…」

 

???《……そうか…うまく幻想郷から離させることに成功したな…よし…これで幻想郷は我が手中…》

 

???「…ですが…馬神 弾の実力は無限…侮ると危険です…」

 

???《…問題ない。コイツらに相手をさせてやる…》

 

とある不気味な空間で先程の女性が膝まづいてイスに座っている男性に報告する。女性の進言にその男性は腕を振って映像を出す……そこには……

 

 

 

???《…さて……今夜の月は紅くなりそうだな…》

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 博麗神社

 

 

弾達は直に博麗神社の境内に降り立ち、すぐさま霊夢の部屋に向かう。するとすぐ部屋から飛び出してきた霊夢と鉢合わせになった。

 

弾「霊夢!無事か!?」

 

紫「何か異変は!?」

 

霊夢「…弾!あんたいったいどこに…じゃないじゃない!それよりも大変なのよ!!こっち来て!!」

 

霊夢は弾達を引っ張って自分の部屋に入れた。弾達としては「なぜ霊夢は彼女の部屋に自分達を入れたのか?」と不思議に思っていたが、霊夢は真剣な目付きで部屋の隅を指差した。

 

霊夢「これよ!」

 

ゼウス《…ぐごー……ぐごー……ん?なんじゃ!?》

 

蓮子「……ゼウス…さま…?」

 

霊夢「違う違う……てか今気づいたわ!何で私の部屋で寝てんのよ!!!!」

 

ゼウス《…い、イヤ…何もやましいことはぶべが!!!?》

 

霊夢が指を指した先には畳の上でグースカいびきを起てていたゼウスだった。しかし霊夢がゼウスを問答無用に蹴っ飛ばした所を見ると、大変だと言っていたこととは違うらしい。

 

霊夢「その後ろの障子のことよ!!見て!おかしすぎる!!」

 

弾「………?…少し破れているけど……それだけじゃ?」

 

霊夢が言ったのは寝っ転がっていたゼウスのさらに奥…いつも弾が見ている障子だったが、そこには所々破けている以外何も変な所は感じ取れなかった。

 

紫「……!!?…待って…!これは…!?」

 

魔理沙「…ちょっと待て!これって……うそだろ!?」

 

蓮子「メリー!魔理沙さん!何か分かったの!?」

 

博麗神社を以前から知っている二人は異変を感じ取れたようだ。後の蓮子や弾達は紫と魔理沙に何がおかしいか尋ねた。

 

紫「ちょっと前に諸事情で神社を修繕したのだけど……この障子の破け具合からして……修繕前に戻ってるわ…」

 

弾「…言われてみれば……オレが住み始めたより全体的に古くさくなっているような……」

 

紫の指摘に弾はぐるりと部屋を見渡す。するとやはり部屋のあちらこちらが汚れていたり、傷んでいる…そして更なる驚きが一同を包み込んだ。

 

異界王「…む!?あれは…!」

 

ロロ《…なんだ…?》

 

霊夢「…これで決定的になったわね……」

 

魔理沙「……ああ…!」

 

紫「…今回は私の裏取引も期待しないでね……たぶん無駄だと思うから……」

 

異界王とロロが外を眺めていると気づいた……空の様子がおかしくなっていること……それにつられて一同全員空を見る。そして東方三人はさっきの疑惑を確信へと昇華させた。

 

 

 

 

 

弾「………紅い……霧…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

たぶん最終章はかなりの長話になるかと思います。こんな拙い文ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

時戻異変

最終章はかなりリアルファイトが多めになります…べ、別に…弾さんもリアルファイトできますからね!スペルカードも持ってますし!

…なのでオリジナルスペルカード出ます…


幻想郷は、予想以上に騒がしい日々をおくっていた。

謎の来訪者に、夏の亡霊も戸惑ってるかの様に見えた。

 

そんな全てが普通な夏。

辺境は紅色の幻想に包まれた。

 

勘の鋭い少女は、直感を頼りに湖の方向へ出発した。

普通の少女は、何かめぼしい物が無いか探しに行くかのように出発した。

むしろ探しに行ったのだった。

 

湖は、一面妖霧に包まれていた。

普通の人間は30分はもつ程度の妖気だったが、普通じゃない人もやはり30分程度はもつようだった。

 

妖霧の中心地は、昼は常にぼんやり明るく、夜は月明かりでぼんやり明るかった。

霧の中から見る満月はぼやけて数倍ににも膨れて見えるのだった。

 

もしこの霧が人間の仕業だとすると、ベラドンナの花でもかじった人間であることは容易に想像できる。

 

中心地には島があり、そこには人気を嫌った、とてもじゃないけど人間の住めないようなところに、窓の少ない洋館が存在した。

 

 

昼も夜も無い館に、「彼女」は、いた。

 

 

pixiv大百科 「東方紅魔郷」あらすじより抜粋

 

 

 

 

幻想郷 魔法の森 上空

 

 

弾「…なに?この紅い霧は以前、レミリアが起こしたものだって!?」

 

霊夢「ええそう!まったく…これじゃまた洗濯物が乾かないじゃない!」

 

魔理沙「…それよりも…!…もしこれもレミリアの仕業っていうなら……目的はなんだ!?」

 

あのあと紫は「他にも何か小さい異変がないか調べてくるわ!」と蓮子、異界王と幻想郷の各地に飛んでいった。そして弾はゼウスとロロを降ろした霊夢と魔理沙を率いてこの紅い霧の元凶(容疑)…レミリア・スカーレットが住む、紅魔館へと向かっていた。

 

道中その詳細を聞かされた弾は魔理沙の「レミリアの動機」について考えていた。だが弾が幻想郷の創界神になったあと、紅魔館はフランの一件や咲夜の存在もあってレミリアは「全面的に協力するわ!」と協力を快諾してくれていた。

 

弾「……まず…レミリアが俺に危害を加えることが考えられない…それなら咲夜やフランが絶対文句を言うに決まってる…」

 

ゼウス《…フム…そしてなぜ霊夢は無事だったのだ…?》

 

霊夢「…もしかしたら…弾の加護かも…かなり最近だけど、弾を祭っている博麗神社(うち)の中にいたから…私もゼウスも無事だった…とか?…さすがに外のあうんは狛犬のままになってたけど…」

 

ロロ《…僕たちは魔理沙を追っかけて外の世界に行ってたからセーフだったのかな…?》

 

魔理沙「…ああんもう!わからんことが多すぎる!!とにかく紅魔館に行けばわかることだ!」

 

まだ完全に疑問が晴れないなか一行は紅魔館への道を突っ走った。数十分経つと霧の湖の湖畔にたどり着いた。そして湖の縁に沿って紅魔館の門の前に到着した。

 

三人が門前の地面に降り立つと……いつもは寝ているはずの中華服門番が珍しく鋭い目付きで仁王立ちしていた。

 

美鈴「来たな…!博麗の巫女!そして博麗神社の守り神!」

 

霊夢「…はぁ?何いってんのこいつ…」

 

魔理沙「……霊夢!弾!やっぱりこれは紅霧異変だ!弾がいるからちったぁ違いがあるが、あの時とほとんど変わってない!!」

 

得意の中国風拳法の構えをとる美鈴に呆れる霊夢とは反対に魔理沙は二人にそう忠告する。いつもは丁寧で気さくな美鈴がここまで無愛想…それどころか敵意まで見せるのは考えられなかった。

 

その言葉にまず最初に弾の脳裏をよぎったのは……地下室で孤独に『殺意衝動』と戦っていた一人の吸血鬼少女のことだった。

 

弾「……魔理沙!この頃のフランは大丈夫なのか!?」

 

魔理沙「…はっきり言って…ヤベェ!すぐに手を打たないと……!」

 

美鈴「…来ないならこちらから行くぞ!」

 

霊夢「…!二人とも!来るわよ!!」

 

霊夢の声に二人は視線を前に戻す。すると美鈴が拳を構えて飛びかかってきていた。その動きには一切の無駄も遠慮もない全力の拳だった。

 

その気迫に魔理沙は一瞬怯んでしまったが、弾はすぐに反応し…懐から取り出したバトスピのカードとは別のお札のようなカードを構えて…その技名を叫んだ。

 

弾「…星符『アクエリアスバリア』!!」

 

ガキィィィィィン!!!

 

美鈴「…くぅ…!さすが幻想郷の主神…!!」

 

弾「…悪いが……オレの行く手を阻むなら……容赦しない!星符『タウラススパーク』!!」

 

美鈴「キャァァァァァ!!!?」

 

弾が放ったスペルカードは白い壁を形成して彼女が拳に纏わせた『気』から霊夢と魔理沙を守り、同時に美鈴の右ストレートを軽く受け止めた。

 

そして弾は美鈴をはじくとすぐさま別のスペルカードを発動させ、着地しようとした美鈴の隙をつき、反対側の手からフルパワーの雷をぶっぱなす。さすがの美鈴もかわせずにあえなく雷の餌食になった。

 

美鈴「…プスプス……キュー……プスプス……」

 

霊夢「…うわぁ…」

 

ゼウス《………気のせいか……?》

 

黒焦げで地面にぶっ倒れている美鈴にあの霊夢ですら同情していた。その一方、ゼウスは弾が放った雷にどこか近似感を覚えていたが、ただのそら似だと首を振った。

 

魔理沙「……んで…まぁ行くか……あいて!」

 

ロロ《魔理沙!…これは…結界か何かか…?》

 

炭と化した美鈴を尻目に魔理沙が大きな門に手をかけようとすると、バチっと火花が飛んで魔理沙の腕を弾き飛ばした。その衝撃に魔理沙は思わずしりもちをついて腕を離す。

 

ロロが上を見上げてみると、紅魔館をすっぽり覆うようにして強固な結界が張られているのが分かった。

 

霊夢「…ッツ!…あの時こんな結界なかったのに…!」

 

弾「…どうやら真の異変の首謀者はオレたちを本当に中に入れたくないらしいな……さてどうするか………」

 

魔理沙「…ってぇ~!…やったなぁ~!行くぜ!霊夢!!こういうときは簡単だ!ぶっ壊せばいいんだぜ!!」

 

霊夢「…そうね!それでいくわ!チマチマ術式解除なんてやってられない!!ついでに玄関ごとぶち破るわ!!」

 

結界を合理的な方法で壊そうとする弾にこの若い二人(弾も幻想郷の奴らから言えば若いが)は即決で「物理で殴る」という方法を選択した。二人の中の創界神達も反対の声がないと言うことは、賛成なのだろう。

 

弾「…イヤ…そんな何でも力ずくで解決」

 

霊夢「……雷符『博麗ケラノウス』!!」

 

魔理沙「…創符『創造神の星屑』!!」

 

弾「この…!ああもう!星符『サジットストライク』!!」

 

弾の言葉を無視して二人は創界神を降ろした際のスペルカードを宣言する。霊夢の身体から雷が迸り、魔理沙からは六色のオーラが放出される……そして二人の右足にエネルギーが貯まると一斉に空中へと飛び上がった。

 

弾も一瞬遅れてスペルカードを宣言して飛び上がる…どうやら諦めたらしい…その足にも射手座のエネルギーがチャージされている。

 

霊夢「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

魔理沙「でりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

弾「…話してる……!!途中だろうがぁぁぁ!!!」

 

そんな叫び声と共に三人のライダーキックが紅魔館を覆う結界に炸裂した!

 

バリィィィィィン!!!

 

創界神×3(しかも主神)のエネルギーがこもったキックが直撃し、結界は跡形もなく粉々にはじけとんだ!……が………

 

パカッ

 

全員「《えぇぇぇぇぇぇぇぇーーっっ!!!?

 

…なぜこのような情けない声をみんな揃ってあげたのか……そりゃ…蹴り破ろうとした門どころか正面玄関ですら三人のキックが当たる寸前で、絶対わざと中から開けられたのだから

 

…そんなわけで…三人はまるでどこかのホテルクラスの広さを持つ紅魔館正面玄関に「ダイナミックお邪魔します」をかました…が全員揃って着地に失敗し、ゴロゴロと床を転がった(100%さっきの驚きが原因)

 

霊夢「…いったぁ……何よ!あのタイミング狙ったような開け方!」

 

???「あら?逆に誉めてほしいわね」

 

???「…でもまさかあの結界を破ってくるとは思わなかったけど…」

 

魔理沙「……どうやら……てかやっぱりコイツらか…!」

 

床に座りながら文句をブーたれる霊夢の声に答えるふたつの声。いつもは聞き慣れているこの声が、今や敵とは弾や魔理沙にはかなり心に堪えた。

 

咲夜「でもわざわざ扉を開けたってことは……ここで私達があなた達を仕留めると言うことよ」

 

パチュリー「…それに今私は調子が良いの…そこの魔法使いもどきには負けないわ」

 

霊夢「…弾、コイツらは私と魔理沙が相手するわ。あなたは先に!」

 

魔理沙「…メインディッシュは譲ってやるよ!」

 

弾「…悪い…!任せた…!」

 

咲夜とパチュリーに向き合いながら霊夢と魔理沙は弾にそう言う。弾は一瞬迷ったが、すぐさま首を振って横の通路へと駆け出した。

 

だが『完全で瀟洒な従者』の異名を持つ彼女がそれを見過ごすことはなかった。

 

咲夜「…行かせないわ!幻世『ザ・ワールド』!!」

 

……その瞬間…世界は静止した…彼女…十六夜 咲夜以外の森羅万象が微動だにせず動きを止める。すぐさま咲夜は愛用している無数のナイフをばらまく……しかし昔から『激突』していくこの男を押さえることはできなかった。

 

弾「……悪いが…!オレの世界は止まらない!!賢神『天網蜘網捕蝶の法』!!」

 

咲夜「な!?ぐぅ……!」

 

創界神としてかはたまた彼の思いの強さ故か…だが弾が止まったはずの世界で動きながら宣言したスペルカード…それは弾の右腕として名高い永遠亭の薬師のスペルだった。すると玄関中に光のレーザーがナイフを破壊しながら駆け巡り、まるで網目のように床や壁に突き刺さる。

 

霊夢「…んん!…咲夜の能力が使われたみたいね…」

 

魔理沙「でも弾は止められなかったらしいな」

 

パチュリー「…ウソ…!」

 

そのレーザーが虹色に光ると霊夢達が咲夜の『能力』から解除された!

 

弾「霊夢!魔理沙!このスペルで紅魔館ごと世界を固定した!もう咲夜の能力は使えない!!」

 

霊夢「あんがと!ほら!さっさと行きなさい!」

 

レーザーの網が床と壁に吸収されていき、弾は紅魔館の「時間」を動かすことに成功した。そして再度先に進もうと玄関を後にした。

 

霊夢「……さて…どうする?私達としては…バトスピ(こっち)で蹴りをつけても良いのだけど?」

 

咲夜「…いいわ…!その判断を後悔させてあげる!」

 

パチュリー「……久しぶりにそっちもいいかも…」

 

魔理沙「へへ…!行くぜ!」

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

紅魔館 地下室前

 

弾「……ここだ……懐かしいな…」

 

地下室の扉の前に到着した弾は少し感慨に更ける。弾が幻想郷に来て数日後に訪れた紅魔館…対応も状況もまるで違ったが、この厳重に鎖で封印された地下室の扉は変わらない。弾としては変わっていて欲しかったが……

 

弾「…輝夜…借りるぞ!……ふんっ!!」

 

すると弾は扉に手を当てて輝夜の能力『永遠と須臾を操る程度の能力』を発動させる。少し前、弾が魔理沙と弾幕ごっこをしていると突然魔理沙が放った弾幕が遅くなったことで分かったのだ。

 

弾《…あれから色々と試していろんな能力…正確には『オレに信仰を寄せている人妖の能力』がちょっと使えるようになってたな……さすがに藍や妹紅、サグメの能力は真似できなかったけど……》

 

そんな思い出に浸りながら弾は目の前にそびえる鎖で閉ざされた扉の『耐久年数』を『一瞬』に書き換える。すると強固な鉄の扉がみるみる錆びついていき、霧散してしまった。

 

弾「…フラン…!」

 

フラン「アハハハハハ!!ア!アナタガ新シイオ人形サン!?アソボアソボ!!!

 

部屋に入ると空中に浮かんでいる小さな少女の姿が目に入る…だが最初に出会った時より『狂気』の侵食が酷く、部屋はフランの能力のせいでメチャクチャになっていた。

 

弾「…オレはお人形さんじゃない……君を助けにきた…!」

 

フラン「…フーン…マァイイヤ!アソビマショ!!

 

フランの目がギラリと光り、口元が三日月のようにつり上がる。刹那、二つのエネルギーがぶつかった。

 

 




はい。ありがとうございました。

…ヤベェ…弾さんがヤベェ……『弾さんの幻想郷主神っぽさが欲しい』&『少し弾さんをリアルファイトさせたいなぁ』がベストマッチしてしまった結果です…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

よみがえる記憶

…つい昨日『東方妖々夢』を始めました…一番てこずっているのがくろまくーなのはどして……?


パチュリー「…そちらからどうぞ?」

 

魔理沙「…やっぱりパチュリーらしいな…!メインステップ!世界の創造主!創界神ロロを配置!神託でコアを二個置くぜ!さらにコレオンを召喚する!」

 

ロロ《ひとまず彼女を倒そう》

 

先手を譲ったパチュリーに魔理沙は少し微笑む。そして背後にロロを配置して神皇デッキの軽減役、コレオンを召喚した。

 

魔理沙「ターンエンド!」

 

パチュリー「…じゃ…メインステップ、ネクサス…熾天使の玉座を配置するわ。配置時効果でデッキを四枚オープンして……その中の天霊スピリットを回収…」

 

パチュリーもネクサスとして四つの玉座を配置する。そしてめくられたカードは…天使レムリエル、智天使ヨフィエル、火の熾天使アラフィエル、ミラージュテンペスト。

 

パチュリー「…アラフィエルを手札に。さらにこのカードが熾天使の名を持っているからコレオンをデッキボトムに戻すわ。ターンエンド」

 

熾天使の玉座の追加効果でコレオンが黄色い光に包まれて消えていく。ここでパチュリーはターンエンドした。

 

魔理沙「…ん~…メインステップ!バーストをセットして……よし!行くか!フィールドを彩る多彩なファンタジア!子の十二神皇マウチューを召喚!そして封印だ!」

 

魔理沙のフィールドが暗くなり、スポットライトが眩しく光る。そしてクルクルと回転しながらマウチューがフィールドに降り立つ。その光によって魔理沙のソウルコアがライフに吸い込まれていった。

 

魔理沙「…これで私のバーストが発動だぜ!古の神皇ガルダーラ!召喚時効果でコアを三個増やす!!おまけに大神剣アラマンディーをガルダーラにダイレクトで召喚!」

 

マウチューが『封印』を発揮したので、魔理沙が張ったバーストから緑の怪鳥が現れる。さらに降ってきた赤い剣を嘴で咥えて大きく構えた。

 

魔理沙「アタックステップ!ガルダーラでアタック!!アラマンディーの合体効果で一枚ドロー!!」

 

パチュリー「…ライフよ……うぅ!」

 

ロロ《…む!?…今のは…?》

魔理沙「…なんか頭を押さえたが……?」

 

ガルダーラが巨大な翼を羽ばたかせてパチュリーに接近し、アラマンディーをライフに突き刺してふたつ破壊していった。するとパチュリーは頭に手をやって痛みをこらえた。

 

魔理沙「…まぁ…ひとまずターンエンドだ」

 

パチュリー「…何よ…これ…!?…メインステップ!最初に天使長ソフィアを召喚!召喚時の効果で手札の風の熾天使エアリフェルをコスト無しで召喚する!!」

 

首を振ってパチュリーは純白の着物を着た天使を呼び出すと、吹き荒れた風からも一本の剣を携えた大天使が現れた。だがさらに効果は続く…!

 

パチュリー「…そして召喚したエアリフェルに煌臨!煌天使スィーリエルの煌臨時効果でマウチューをBPマイナス10000して破壊!よって一枚ドローするわ」

 

ソフィアの効果でソウルコアを使わずにエアリフェルが別の剣士の天使に変化する。そしてスィーリエルの斬撃がマウチューを切り裂いて霧散させた。

 

パチュリー「…アタックステップ!スィーリエルでアタック…!ガルダーラをBPマイナス10000!」

 

魔理沙「…さっきパチュリーが手札に加えてたのは…!」

 

パチュリー「ご明察…スィーリエルに煌臨!すべてを焼き払う天罰の炎!火の熾天使アラフィエルを煌臨!煌臨時効果で煌臨元を二枚破棄することで、相手のスピリットをデッキボトムへ!」

 

再び剣を振るってガルダーラのBPを下げたスィーリエルが炎に包まれる。そして白い姿に大きな杖を持った大天使が炎を纏いながら現れた。

 

煌臨したアラフィエルは杖で炎を操るとガルダーラを燃やしてデッキの一番下へ送還させ、アラマンディーはフィールドに突き刺さった。

 

魔理沙「…やっぱりそうだよな!ライフだ!!」

 

アラフィエルが再度杖を構えて炎を魔理沙のライフに浴びせる。猛烈な火力に魔理沙のライフが二個消し飛んだ。

 

パチュリー「…ターンエンドよ…」

 

魔理沙「…へへ!反撃だぜ!メインステップ!アラマンディーをロロに合体させ軽減シンボルを確保!迸る赤き炎!!吹き荒れる緑の風!!真・十二神皇エグゼ・ゲイル・シードを召喚!!」

 

アラマンディーがロロの手に収まると、フィールドに炎が燃え盛り、風が吹き荒れる。そして炎と風が一つになってゲイル・フェニックスの翼を持ったエグゼシードが現れた。

 

魔理沙「もっかいアラマンディーをエグゼ・ゲイル・シードに!アタックステップ!合体アタックだぜ!!真・走破の効果でアラフィエルを指定アタックする!!」

 

ロロ《さらにアラマンディーの効果でソフィアを破壊してドロー!》

 

アラマンディーを咥えたエグゼ・ゲイル・シードがソフィアを切り裂くとアラフィエルめがけて突進する。アラフィエルは杖から炎を放つがエグゼ・ゲイル・シードは翼で風を起こして相殺させる…

 

パチュリー「ウソよ…!まさか絶好調の私を破るなんて…!」

 

魔理沙「パチュリー!忘れちまったんならもっかい教えてやるぜ!私は霧雨 魔理沙!本を死ぬまで借りてくただの魔法使いだ!!」

 

魔理沙の声に呼応してエグゼ・ゲイル・シードはアラマンディーに熱風を纏わせてすれ違い様にアラフィエルを切り裂いて破壊した!!

 

魔理沙「真・走破の効果でライフを三つぶち壊す!!いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

その勢いのままエグゼ・ゲイル・シードは炎の流星になって突っ込み、パチュリーのライフをすべて砕ききった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「……お嬢様に…手出しはさせない…!」

 

霊夢「…あのかりちゅま吸血鬼を本当に思うなら…私に倒されていなさい!メインステップ!天駆ける雷神!創界神ゼウスを配置!神託でコアをひとつ追加するわ!」

 

ゼウス《…ペルセポネは無事なのか……?》

 

感情を表に出している咲夜とは対照的に気だるげ…しかし心は熱く滾っている霊夢の背後にゼウスが現れる。だが彼の呟きも霊夢は気にしていた……幻想郷に来ている創界神達は幻想郷の人妖神と契約している…何か影響がないわけがなかった…

 

咲夜「メインステップ!冥府の姫君!創界神ペルセポネを配置!神託によってコアを三つ置くわ!」

 

ペルセポネ《…………》

 

残念ながら二人の不安は現実のものになってしまう。咲夜の後ろに現れたのはたった今話していたペルセポネだった。だがその目にハイライトはなく、無表情で言葉も発しない。

 

霊夢「……嫌な予感が当たったわね……」

 

ゼウス《…ぐぅ…ペルセポネ!儂だ!》

 

ペルセポネ《…………》

 

ゼウスの言葉すら今のペルセポネには届かなかった。主神として、父親としてゼウスは唇を噛みしめて自らの無力を呪った。

 

咲夜「…続けるわよ?堕天騎士タムズを召喚してワンドロー、バーストもセットしてターンエンド」

 

咲夜のフィールドに毒刃の召喚ドロー要員、タムズが現れる。バーストもセットされて咲夜はターンを終えた。

 

霊夢「……ゼウス、今こそ私達がしっかりしなくちゃいけないわ…!」

 

ゼウス《……あぁ…バシンッ!…よし!覚悟が決まった!儂は主神ぞ!》

 

霊夢「メインステップ!まずはゴッドシーカー サンダー・Z・ウィゼルを召喚して三枚めくる!」

 

ゼウスに活を入れて霊夢は雷を帯びたいたちを召喚する。そしてオープンされたのは…サンダー・Z・ピューマ、紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z、光輝鎧サンダー・Z・ブレイヴ…!

 

霊夢「…リボル・ティーガ・Zとサンダー・Z・ブレイヴを手札に!バーストをセットしてターンエンドよ!」

 

咲夜「…赤デッキにしては初動が遅いわね…メインステップ!ネクサス、魂の古都ジュデッカを配置してタムズをもう一体召喚!」

 

咲夜のフィールドが亡霊漂う都へと変わる。さらに二体目のタムズが現れ、着々と咲夜のフィールドは戦闘準備が整っていく。

 

咲夜「アタックステップ!タムズでアタック!毒刃の効果でサンダー・Z・ウィゼルの下にカードを一枚追加!創界神ペルセポネがレベル2なのでプラス三枚!」

 

霊夢「そのアタック貰った!バースト発動!刀の覇王ムサシード・アシュライガー!レベル2でタダ出ししてBPプラス10000!!迎え撃ちなさい!!」

 

タムズを毒を食らったウィゼルのコアも使い、霊夢のフィールドに炎の大車輪が現れる。そこから二本の剣を構えた鎧の獣が飛び出してタムズの剣を受け止めた。

 

霊夢「アシュライガーのアタック/ブロック時効果!ネクサスをひとつ破壊よ!」

 

アシュライガーがタムズを弾き返して破壊すると、その斬撃がジュデッカも切り裂いて破壊した。

 

咲夜「…く…!やられた…だけどもう一体いるわ!タムズでアタック!毒刃よ!」

 

霊夢「ライフで受ける!」

 

別のタムズがアシュライガーに毒を浴びせると、霊夢のライフも削っていった。

 

咲夜「ターンエンド」

 

霊夢「よっしゃ!メインステップ!皇獣王Zを召喚!アタックステップ!皇獣王Zの効果でトラッシュのコア全部回収して…!神の雷纏う神皇!夢守る赤き寅!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Zをレベル2で召喚よ!!」

 

『毒刃』をかわす方法…それは色々とあるが、最も単純明快な方法は…毒を食らったスピリットを切ることである。霊夢は蒼い炎を燃やした獣とアシュライガーを不足コストにして紅い寅を呼び出した。

 

霊夢「そしてリボル・ティーガ・Zでアタック!!まずはタムズを破壊して封印するわ!さぁてお待ちかねの神砲撃!!何がめくれるかしら~?」

 

リボル・ティーガ・Zが背中の砲台から火炎弾を放ってタムズを砕く。そして霊夢のライフに移動したソウルコアの力でデッキが二枚オープンされた…

 

ゼウス《…む…デルタバリアとZフレイムか…儂にコアひとつ、相手のライフもひとつもらおうか!》

 

霊夢「…あー…二発当たってたら神技使えたのにぃ~…」

 

ヒットしたのが一枚だけだったのでゼウスのコアもライフ貫通もひとつだけになった。霊夢は残念がったが……

 

咲夜「…デルタバリア……う…!あ、頭が……!?」

 

ペルセポネ《……!………》

 

霊夢「…!!…ゼウス、今の!!」

 

ゼウス《ああ!儂も分かる!もしかするとバトルでライフを砕けば記憶が戻るのかもしれん!》

 

リボル・ティーガ・Zの砲撃で咲夜のライフがひとつ砕けると、咲夜も頭に一筋の痛みが走った。ペルセポネも少し反応が見てとれる。

 

咲夜「…んん!ライフで受ける!!……ッッ!!」

 

ペルセポネ《……あ、ぐぅ…

 

リボル・ティーガ・Zが前足で咲夜のライフを叩き割る。すると再び咲夜は頭痛を覚え、ペルセポネも反応が強くなってきた。

 

霊夢「…急ぐのは良くないわ。ターンエンド」

 

咲夜「…いっつっ……め、メインステップ、堕天騎士ラミエル…そして堕天騎士達の姫!一撃必殺の猛毒!毒刃冥姫ジャンヌ・プロセルピナ!!

 

咲夜は頭痛に耐えながら新しい堕天騎士、さらに地面を砕いてプロセルピナが飛び出す。

 

咲夜「…アタックステップ!プロセルピナでアタック!!アタック時効果で合計八枚を相手スピリットの下に!そして界放により破壊する!!」

 

プロセルピナが右手に剣を、左手に鞭を構えて走り出す。続けて放った毒の剣の斬撃に鞭の一振りが重なってリボル・ティーガ・Zと皇獣王Zが破壊された。

 

霊夢「やるわね…!ライフで受ける!」

 

プロセルピナの振り下ろした剣が霊夢のライフを砕いた。

 

咲夜「…さらにラミエルでアタック!プロセルピナの効果で下にカードを置けなかったので回復!」

 

霊夢「これもよ!そしてバーストを貰う!アレックスの効果でコアを増やしそのまま召喚!!」

 

続いてラミエルが紫のビームでライフを破壊するが、アレックスが登場してアタックステップを終わらせる。霊夢のスピリットがいなかったので、プロセルピナは自身の力で起き上がった。

 

咲夜「…ターンエンド」

 

霊夢「……ふぅ………さて…ドローステップ!………これがカードが答えてくれたってことかしら?メインステップ!アクセル!ヤシウムを使用!トラッシュのリボル・ティーガ・Zを手札に戻す!」

 

霊夢がたった今引き当てたカード、それはトラッシュのスピリットを戻せる制限カードのヤシウムだった…いつも通りの轟運である。

 

霊夢「地の底から甦り!反撃の砲撃を撃ち鳴らしなさい!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z!召喚!!」

 

霊夢のフィールドに火柱が噴き上がり、リボル・ティーガ・Zが復活する。この召喚でゼウスのコアがレベル2神技を使えるまで貯まった。

 

霊夢「アタックステップ!リボル・ティーガ・Zでアタック!!神砲撃よ!!」

 

ゼウス《儂の神技も使うぞ!》

 

ゼウスの雷がフィールドに降り注ぐとリボル・ティーガ・Zの神砲撃が霊夢のデッキをはじく……イグリディオス・Zとサンダー・Z・ピポクリフ!!

 

霊夢「よってライフをふたつ破壊してゼウスにコアを二個置くわ!そしてぇぇ!!レベル2効果でプロセルピナをぶっ壊す!!」

 

咲夜「……がっ…!ぁぁぁ!……ぐぅ…ふ、フラッシュタイミング…!デルタバリア…!!」

 

プロセルピナは鞭でリボル・ティーガ・Zを縛り付けたが、リボル・ティーガ・Zはその鞭に電撃を流して逆にプロセルピナを痺れさせる。

 

その隙にリボル・ティーガ・Zは鞭に噛みつきプロセルピナを空中に投げておもいっきり地面に叩きつけて破壊した!!

 

だがメインの攻撃は咲夜の前に張られた三角形のバリアに妨害された。

 

霊夢「ターンエンド!でもゼウスの神技でもっかい私のターンよ!アタックステップ!リボル・ティーガ・Z!神砲撃!!」

 

ゼウスの雷がフィールドで放電してターンが再び霊夢に巡ってくる。ターンをまたいだためデルタバリアの効力を切れた時を狙ってリボル・ティーガ・Zが走り出す…!

 

ゼウス《…レーディアとサンダー・Z・レオン!決まった!!》

 

霊夢「咲夜!あんた前に私に語ったこと忘れた!?そのデルタバリアは何のためにデッキに入ってんの!?」

 

咲夜「…うぅ!…あ、……だ、弾…さ…ま…!」

 

霊夢「…ぶち抜け!!」

 

霊夢の言葉に咲夜は震えながら記憶の奥底に沈んでしまった…隠された思い出が沸き上がってくる。そしてリボル・ティーガ・Zの雷が咲夜の目の前を白く染めた………!

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「…………ごめんなさい…」

 

霊夢「…それはあのかりちゅま吸血鬼を正気に戻したら言いなさい。んで、立てる?」

 

咲夜「……ええ…何とか……」

 

パチュリー「…………チーン………」

 

魔理沙「…パチュリーは気絶したままだな…」

 

どぉぉぉぉぉぉぉぉうぅぅぅぅん!!!!

 

バトル後、思い出した咲夜はよろよろと立ち上がる。魔理沙がパチュリーを背負い、レミリアの部屋へと向かおうとしたその時、紅魔館全体が轟音と共に大きく揺れた。

 

咲夜「…まさか…妹様!!」

 

魔理沙「…弾……!」

 

霊夢「…やられてないわよね……!」

 

 




はい。ありがとうございました。

…さて…書籍登場キャラはどうしよう…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

消えない思い出

…ポケモン新作やりてぇ……でも金がねぇ…


霊夢達がバトルしている頃 紅魔館 地下室

 

 

フラン「…ぅぅぅ…!!」

 

弾「オレの勝ちだな…次は何で遊ぶ?」

 

もはやどうして原型を保てているのかわからないほど荒れ果てた地下室…そこに悔しそうに倒れ伏しているフランと無傷の弾…

 

あれからフランは弾に手加減無しの弾幕をぶつけてきた。だが創界神の弾は幻想郷のメンバーの力を使って淡々といなしていく…そうしてフランをバトスピでのバトルに持っていければ…

 

彼女の『狂気』をぶち壊せる。それまで弾はフランの弾幕ごっこ(ルールガン無視だが)に付き合うことにした。

 

フラン「…あぁぁぁぁもぉぉぉ!ツマンナイ!!禁弾『スターボウブレイク』!!」

 

フランは翼を羽ばたかせて飛び上がり、スペルカードを宣言する。フランの翼を思わせる鮮やかな色をした弾丸が弾の頭上へと降り注ぐ…!!

 

弾「…鳥風『紅葉扇風』!」

 

フラン「きゃぁぁぁぁぁ!!!……ドカッ!…ぅぅぅ!」

 

だが弾は冷静に文の『風を操る程度の能力』を使用して自分を中心に竜巻を引き起こす。その風にフランの弾幕が霧散するどころかフラン自身も竜巻に巻き込まれて壁に叩きつけられた。

 

弾「…そろそろ別の遊びにしないか?」

 

フラン「…ヤダヤダヤダ!!!禁忌『フォーオブアカインド』!!」

 

弾の言葉も聞かずフランは次のスペルカードを使う。するとフランが四人に増えてそれぞれ猛烈な弾幕を放ってきた。

 

弾「…不死炎『凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ-』!!」

 

フラン「「「「あっっっつぅぅぅ!!!?」」」」

 

弾も妹紅のスペルカードを発動して無数の炎弾を連射しまくる。とてつもない火力にフランの分身はすべて消えて本体もダメージを負った。

 

弾「…バトスピ…しないか?」

 

フラン「……禁忌『レーヴァテイン』!!」

 

まだ弾の提案に応じないフランはまるで悪魔の尻尾を模した杖を取り出すと、杖の先から巨大な剣型の炎を噴射して弾めがけて突進してきた。

 

弾「…南無三!!!!」

 

ボッキィィィィィン!!!!

 

フラン「…ガッハァ……!!」

 

しかし案の定弾は白蓮の能力で身体能力を強化すると、レーヴァテインを構えて突進してきたフランをレーヴァテインごと蹴り飛ばした。その衝撃にレーヴァテインはへし折れ、フランは地面に転がってしまう。

 

弾「…さすがにオレが飽きてきたんだけど?」

 

フラン「…うー…!!…きゅっとして……!!」

 

さすがにフランを傷つけることに罪悪感を感じてきた弾はそろそろバトスピに持っていこうとするが、フランは左手の手のひらを弾に向けた。お得意の『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を発動するため、弾の『目』を掴もうとしたのだ。

 

弾「…形神『鬼形造形術』!!」

 

フラン「…どかぁぁん!!!!」

 

弾がスペルカードを宣言した瞬間、フランは『目』を握りつぶした。地下室にものすごい爆風と何かが弾け飛ぶ音がこだまする……

 

フラン「…アハッ♪ヤッタヤッタ!お人形サン、壊レ「…てないんだよなぁ…」…タ…ウソ…!」

 

ようやく破壊できたと喜ぶフランの顔が急転直下で絶望的な表情に変わる…まぁ今まで決まったら確実に壊せたこの攻撃を爆風が晴れると、無傷で何事もなかったかのように立っているが見えたらそりゃ当然だ。

 

弾「君が壊したのは『偶像』だ。袿姫の力で偶像をオレの身代わりにしたのさ」

 

フラン「………バトスピで勝ったら…壊すよ…?」

 

弾「…あぁ!かかってこい!」

 

弾 フラン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「…行くよ…メインステップ!ネクサス!シヴァの破壊神殿を配置してバーストセット!!ターンエンド」

 

先行を取ったフランはシヴァの破壊神殿を配置して手元を増やす準備に入る。

 

弾「メインステップ!光星姫ヴァージニアをレベル2で召喚!召喚時効果でデッキを三枚オープン!!」

 

対する弾はヴァージニアを召喚してデッキをサーチしにいく…サジタリアスドロー、創界神ダン、金牛龍神ドラゴニック・タウラスX!

 

弾「…空気読めてるな…!!オレとタウラスを手札に加える!ターンエンド」

 

フラン「…破壊神殿の効果で手元に手札を置いてドロー数を増やす…メインステップ!破壊の神!創界神シヴァを配置!神託でコアをひとつ、トラッシュのシヴァカタストロフィの効果でもうひとつコアを追加!」

 

シヴァ《………………》

 

フランはさらにシヴァを呼び出す。だがペルセポネと同じように目に光はなかった。

 

フラン「…そして戊の四騎龍ホワイトライダーを召喚!相手のスピリットからコア二個を外す!ターンエンド!」

 

余ったコアでフランは白いドラゴンに股がった竜騎士を召喚する。呼び出されたホワイトライダーは手の弓矢でヴァージニアのコアを外して消滅させた。

 

弾「やるな…!メインステップ!オレを配置してデッキから三枚をトラッシュへ!その中の光導カードをすべて回収する!」

 

弾は自らを配置するとデッキを三枚トラッシュへと送る。そこには銀河星剣グランシャリオ、龍星皇メテオヴルムX、天蠍機動スコルビウム……

 

弾「よって三枚とも回収してオレにコアを二つ追加!さらに銀河星剣グランシャリオをオレにダイレクト合体!」

 

続けて空から降ってきた弾の愛刀グランシャリオが弾の手に収まる。余計にリザーブにコアを貯めていてもホワイトライダーの前では逆効果になる。だから弾は目一杯コアを使う戦法を取った。

 

フラン「…また破壊神殿の効果で手元を増やす…メインステップ、ムトゥードラゴンを召喚してシヴァのコアも使って二枚ドロー!」

 

シヴァの破壊神殿と今召喚したムトゥードラゴンでフランは着々と手元を稼いでいく。するとその様子を見ていた弾はあることに気がついた。

 

フラン「そして黒壬龍オブシディアン・ドラゴンを召喚!召喚時効果で手元をさらに二枚増やすよ!アタックステップ!そのままオブシディアン・ドラゴンでアタック!!」

 

弾「…ライフで受ける!」

 

フランは紫の宝石を纏ったドラゴンを呼び出して攻撃させる。オブシディアン・ドラゴンの紫の炎が弾のライフに直撃した。

 

フラン「ターンエンド!」

 

弾「…楽しそうだね、やっぱり君は優しい女の子だ」

 

フラン「…そんなことない……私は何でも壊しちゃう悪い子…今は落ち着いているけど…いつまた『狂気』が出てくるか…そうしたらお姉さまにも迷惑かけちゃうし…」

 

バトスピをし始めてから明るくなったフランに弾は問いかける。目を俯かせながら答えたフランの様子は初めて会った時と変わらない…家族のために『狂気』と戦っている優しさも健在だった。

 

弾「……メインステップ、月の光纏う獅子!誰も砕けぬその誇り!召喚!獅機龍神ストライクヴルム・レオX!!」

 

レオ《…今回ばかりは…あくびしてる場合じゃねぇな…!!》

 

弾はフランの呟きにレオを召喚することで答える。スピリット破壊耐性を持つレオなら場持ちが良く、本人も珍しくやる気満々だった。

 

弾「ターンエンド…!」

 

フラン「……メインステップ、オブシディアン・ドラゴンとホワイトライダーをレベル2に…ターンエンド……う…!?」

 

弾「……!…フラン……!!」

 

フランがスピリット達のレベルを上げただけでターンを終えたその時、フランが頭を抱えてうめき出した。以前より弾は冷静に身構える……フランがこんなことで潰れるほど弱い子ではないことを知っているからだ。

 

フラン「…アハッ!モットアソボ!!

 

弾「…フラン…!もう少し我慢してくれよ!!メインステップ!戦場に咲く美しき大天使!その微笑みで戦いに勝利をもたらせ!戦神乙女ヴィエルジェX!!」

 

ヴィエルジェ《…何度だって戦ってやるわ…!未来ある子のためなら!》

 

弾「また頼むぞ!さらに樹星獣セフィロ・シープを召喚してコアブースト!レオとヴィエルジェをレベル2にしてターンエンド!」

 

夜空の乙女座から弾のフィールドに同じくやる気満々のヴィエルジェが降りてくる。そして紫のコア除去対策にセフィロ・シープも呼び出した。

 

フラン「メインステップ…んー…なーんもしなくていいや!アタックステップ!オブシディアン・ドラゴン!殺っちゃ

 

ヴィエルジェ《…昔から変わらないこの効果を忘れたかしら?素数コストスピリットのアタックを封じるわ!》

 

先程の『狂気』状態に戻ったフランは再びオブシディアン・ドラゴンを突撃させ…ようとしたが、ヴィエルジェから放たれる匂いにオブシディアン・ドラゴンもホワイトライダーもアタックできなかった。

 

フラン「エ~!!モウ!ターンエンド!

 

弾「…よし…!メインステップ!牡牛座より来たる、金色の神!全てを焼く神の稲妻!その力で、闇を貫け!金牛龍神ドラゴニック・タウラスX!!」

 

タウラス《……!今俺は…負ける気がしねぇ!!》

 

弾の空に光が昇って牡牛座が描かれる。そこからフィールドに光が落ちてドラゴニック・タウラスが雄叫びを上げて現れた。

 

弾「みんな燃えてるな…!残りのコアをすべてヴィエルジェに置いてターンエンド!」

 

フラン「エエ~!?アタックシナイノ!メインステップ!破壊魔龍マヘシュヴァラを召喚!!召喚時効果で手元を二枚増やしてヴィエルジェのコア三個をリザーブへ!!

 

フランは口元をつり上げて赤い翼に双刃刀を持った破壊魔龍を呼び出してヴィエルジェのコアを外す。だが前もってコアを多めに置いていた&セフィロ・シープの効果もあり、ヴィエルジェはレベル2のままで踏ん張った。

 

フラン「アタックステップ!マヘシュヴァラでアタック!!フラッシュで手元にカードを置いて回復!!

 

弾「……来る…!!」

 

コスト6のマヘシュヴァラはヴィエルジェの効果をすり抜けて攻撃してくる。そして自身の効果で起き上がったマヘシュヴァラを見た弾はキッと顔を引き締めた。

 

フラン「アハハ!フラッシュタイミング!神煌臨!マヘシュヴァラに煌臨!全てを壊す世界の破壊龍!破壊神龍ヴァルドラム!

 

フランのフィールドの空間が歪んでその歪みがマヘシュヴァラをすっぽりと覆う。するとマヘシュヴァラが紫の翼を広げたさらに一段と巨大な破壊魔龍へと変貌する…!

 

フラン「ヴァルドラムの煌臨時効果!相手のスピリットゼーンブ破壊!!

 

弾「レオは相手のスピリットの効果を受けない!さらにヴィエルジェの星界放を使う!オレのコアをひとつレオに置いてライフを回復させ、破壊されたスピリットすべてを手札に戻す!!」

 

ヴィエルジェ《…ギリギリセーフ…!》

 

ヴァルドラムが大きく咆哮してバトルフィールドを揺らすとヴィエルジェとタウラス、セフィロ・シープが吹き飛ばされて霧散する。だがヴィエルジェ自身の力で三体とも手札に戻った。

 

弾「そしてバースト発動!風星士キャンザムライ!ホワイトライダーとオブシディアン・ドラゴンを重疲労させる!まだ続くぞ!マジック!アドベントスターを使用!手札の龍星皇メテオヴルムXをノーコストで召喚!」

 

スピリットの破壊を受けて弾のバーストが発動し、キャンザムライがフランのドラゴン達を重疲労させる。まだ終わらぬと弾は手札のマジックを使い、赤く染まった手札の一枚をフィールドに呼び出す……

 

天空から今度は流星がフィールドに落下してくる。その爆発から一体のオレンジ色をしたヴルムが飛び出してきた。

 

弾「…久しぶりだな…!メテオヴルム…!フランを止めるために力を貸してくれ!!」

 

フラン「…チィ!フラッシュで手元のカードを計八枚除外してライフふたつ…きゅっとして……どかぁぁん!!

 

弾「…んん……!!ヴァルドラムはキャンザムライで受ける!!」

 

ヴァルドラムの効果で弾のライフが二点消し飛ぶもキャンザムライがヴァルドラムの行く手を阻む。キャンザムライはヴァルドラムの炎に燃やされたが、弾の目は光輝いている…!

 

フラン「…ターンエンド…ウソよ…!私がコンナ簡単二…!!

 

弾「…フラン、忘れたかもしれないけど…ちょっと前にも…こんな感じでバトルしたよな…」

 

フラン「……………」

 

弾はゆっくりと懐かしむように問いかける。あのときもタウラスの力でフランの狂気をぶち壊した……だがそれよりも弾の記憶には必死に抗っていたたくましい『紅魔の血筋』が刻み込まれていた。

 

弾「その時…君は全力で『狂気』と戦った!オレの知っているフランドール・スカーレットはこんな簡単に『狂気』に飲み込まれる娘じゃない!!戦え!!フランドール!!」

 

フラン「……!………ぅ…!……!!!!!」

 

レオ《…弾の声が…!届いている…!》

 

弾はあの時と同じようにフランに声をかける。だが今回は同じ幻想郷を生きる『友達』として彼女の思いの強さを知っているからこそ…!弾はフランにエールを送った。

 

弾「行くぞ!メインステップ!!金牛龍神ドラゴニック・タウラスXを再び召喚!!そしてレオとタウラスをレベル3に!!」

 

タウラス《……俺は準備万端だぜ!》

 

レオ《…レベル3の効果…!光導達に白シンボルをひとつずつ追加…!!決めてこい…!》

 

再び現れたドラゴニック・タウラスにレオの光が力を与える。これで弾の準備はすべて整った…!!

 

弾「アタックステップ!!ドラゴニック・タウラスでアタック!!グランシャリオの効果でBPプラス5000!赤のシンボルも追加する!!」

 

フラン「……んん!ヴ、ヴァルドラムでブロック!!」

 

レオの白い光、メテオヴルムの赤い光、グランシャリオの七色の光、そして自身の黄金色の光を纏ったドラゴニック・タウラスがフルパワーでヴァルドラムに突っ込んだ。

 

弾「ドラゴニック・タウラス!レベル3の星界放!オレのコアを二個置くことで光導スピリットの数、シンボルを増やす!さらに多かったシンボル分ライフをぶっ壊す!!」

 

タウラス《レオやグランシャリオの効果で俺のシンボルは合計……ええと…六個だ!》

 

タウラスの赤シンボル五つと白シンボルひとつがヴァルドラムの紫シンボルふたつとぶつかり合い、タウラスの四つがフランのライフを壊した。

 

フラン「…ぐぅぅ…!そ、そうよ……!私は…誇り高き…紅魔の血筋…!!こんな呪いなんかに……!負けない!!」

 

弾「行け!!タウラス!激突!!」

 

タウラス《うぉぉぉぉぉ!!》

 

タウラスとヴァルドラムがお互い力任せの押し合いになる。だがタウラスの瞳がカッと光るとどんどんパワーが上がっていく。

 

タウラス《…ぉぉぉ!力が漲る…!魂が燃える……!俺の雷がほとばしるぅぅ!!》

 

その声と共にタウラスはヴァルドラムを空中へぶっ飛ばす。そしてタウラスが光のエネルギーに包まれてまるでドリルの如くヴァルドラムめがけて向かっていく…!!

 

タウラス《……まだ年幾ばくもいってねぇヤツが頑張って戦ってんだ!…俺が負けるわけ…!!いかねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!》

 

その咆哮が力をさらに底上げし、光のドリルになってタウラスはヴァルドラムの腹部を貫いて破壊した!!!

 

弾「メテオヴルムの効果で最後のライフを破壊する!!」

 

爆煙を突っ切って飛び出したメテオヴルムが火炎放射でひとつ残っていたフランのライフを砕いた!!

 

 

 

 

 

フラン「……ん!思い出した!」

 

シヴァ《…チーン……ぐぇ…!》

 

弾「…よかった…実はな…」

 

すっかり元に戻ったフランは(シヴァを踏みつけながら)キレイに着地した。そして弾に状況を聞かされる。

 

フラン「…お姉さまも悪いやつに操られてるの?」

 

弾「………少なくとも…紅い霧が出ているからなぁ……」

 

フラン「…じゃあ私がとめてくる!行くよシヴァ!!」

 

シヴァ《ぐぇっ…!わ、わかった…!だから首を引っ張るな…!》

 

状況を知らされたフランは倒れていたシヴァの首根っこをひっつかむと地下室を出ようとした。だが急にピタッと止まり、地下室の天井を凝視した……何かイヤな予感がする……

 

フラン「…邪魔!近道しよ!きゅっとして…どかぁぁん!!」

 

弾「どわぁ!?」

 

なんとフランは天井をぶち壊すと割れた隙間から上階へと飛んでいく。首根っこを捕まれたシヴァと顔をひきつらせた弾もそのあとに続いていった。

 

 




はい。ありがとうございました。

今回弾が使ったスペルカードはオリジナルとの差別化のため少し名前を変えてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

滅竜レミリアVS死竜フランドール

少年マンガ的な展開を嫌ってそうじゃない作品を読みあされば、一周回って少年マンガ的展開好きになる説


紅魔館 レミリアの部屋

 

レミリア「…まさかパチェだけでなく咲夜までも倒されたとは……」

 

RPGで魔王が座ってそうなイスに(足は地面についてない)腰かけたレミリア・スカーレットは魔術で咲夜とパチュリーの敗北を見て、素直に驚いた。

 

レミリア「…さて…!この私が相手をしなくてはならないとは…ずいぶん骨のある…………ほぅ…まさか下の階から襲ってくるとは…なかなか考えたな…!」

 

高いイスからピョコンと飛び降りたレミリアはそう呟いて戦闘準備をしようとした。しかし自らの足元から響いてくる鳴動に眉をひそめて床を見た。

 

ばごぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!

 

フラン「どかぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

レミリア「…(゜.゜)……ふ、ふ、フラン……?」

 

床をぶち抜いてきたのは博麗の巫女でも白黒魔法使いでもなく、自分のたった一人の愛妹、フランドールだった……レミリアは驚きすぎてカリスマが迷子になってしまう。

 

フラン「やっと見つけた!!お姉さま!今すぐ紅い霧を消して!弾にいさまが困ってるよ!」

 

レミリア「はぁ?何で敵の困ることを止めなきゃいけないのよ…ンンッ!…フラン、いい加減にしなさい!今私は忙しいのよ!」

 

フラン「…やっぱりお姉さまもだ…!こうなったら禁忌『レーヴァテイン』……あ…!」

 

フランはレミリアの前に立ちふさがると紅い霧を止めることを頼んだ。しかし改変された記憶のレミリアにその考えは聞き入れられない。

 

フランは無理にでも止めようとしてレーヴァテインを取り出すが、先ほど弾の攻撃でへし折られてしまったことに気づく。

 

レミリア「…フラン…!!」

 

フラン「…っつ!」

 

目をレミリアに戻したフランが見たのは自分の眉間にエネルギーで形成された槍を突きつけたレミリアの姿だった。この姉妹幾度もリアルファイトのケンカを繰り広げているものの、レミリアがフランに負けたことは一度もない。

 

レミリア「…さっさと部屋に戻りなさい!これはあなたのためにやっているの!もし幻想郷の主神、馬神 弾の首を取った暁にはあの方にあなたの『狂気』を打ち消して貰えるのよ!!」

 

槍を突きつけながらそう話したレミリアにフランは虚をつかれた。いつも耳にタコができるぐらい姉から聞かされた『紅魔の誇り』、よくレミリアは「自分の生きざまは自分で決める」と言い放っていた。

 

フラン「…お姉さま…紅魔の誇りを忘れたの?」

 

レミリア「…なんですって…!?」

 

フラン「私はもう自分で『狂気』と戦える!それよりもどうして弾にいさまを排除しなくちゃならないの!?結局誰かからエサを与えられて尻尾振ってる飼い犬じゃない!」

 

レミリア「…フラン!!もうそれ以上言ったらお仕置きよ!!」

 

フラン「うるさい!私は弾にいさまを信じる!それが私が「自分自身」で決めた道!!そしてお姉さまを…絶対止めてみせる!!!!

 

ピキィィィィィィン!!!

 

レミリア「ぐはぁぁ!!!?」

 

フラン「…へ…?」

 

フランの叫びに呼応したのかレミリアはフランの身体から放たれた膨大なエネルギーの奔流に吹き飛ばされる。フラン自身も目を白黒させて驚いていた。

 

フラン「……うわぁ♪…スゴーイ!」

 

フランは自身の姿にも変化が現れていることに気づく。背中の羽は一段と大きくなり、コウモリどころかドラゴンクラスの大きさまで巨大化し、深紅の服にはまるでジークフリード・ルドラを思わせる金色のアーマーが装着されている。

 

そして折れたレーヴァテインもすっかり再成していた。その切っ先からは紫色のエネルギーソードが噴射している。

 

弾「……あれは…!?」

 

シヴァ《…ありゃ…『分神』だな……》

 

フランに追いついた弾達もフランの変化に驚いている。弾の疑問にシヴァはすぐさま答えた…どうやら前から知っていたようだ。

 

弾「…分…神…?」

 

シヴァ《俺たち神々は『信仰』されることで力を得る。すると信仰した人間、妖怪、神にも信仰のエネルギーが分け与えられるんだ…まぁ…『神の恵み』ってやつか…それが『分神』。特段俺たち(創界神)のパワーはスゲェからな…その力は姿形すら変化させちまうのさ》

 

シヴァが話しているのを聞いて弾は理解した。フランが使っているのは見た目はシヴァの力だが、根っこの部分は弾の力だと…だが驚き以上に弾はフランがそこまで自分を信じてくれたことが嬉しかった。

 

フラン「よーし!てぇぇい!!」

 

レミリア「…!神槍『スピア・ザ・グングニル』!!ぐぅ!」

 

張り切ったフランのレーヴァテインがレミリアに振り下ろされる。咄嗟にグングニルで受け止めたレミリアだったが、とてつもない衝撃に後ずさってしまう。

 

フラン「星弾『ミルキーウェイ』!!」

 

すぐさまフランが宣言したスペル…それはスターボウブレイクと弾幕の性質は変わらない。だが空中に舞い上がった弾幕の量ははるかにこちらが上回っていた。

 

レミリア「…っぅぅぅぅ!!」

 

フラン「どーお?お姉さま、悔しかったらバトスピで勝ってみなさいよーだ!!」

 

レミリア「…し、仕方ないわね!良いわ!」

 

シヴァ《…よーやく出番か!》

 

猛烈な量のエネルギー弾に袋叩きになるレミリア、それをからかうようにフランは挑発する。プライドの高さはいつも通りのレミリアはそれに簡単に乗ってきた。

 

フラン レミリア「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「…ふぅ…さっきの鎧って疲れるのね。先行貰うわ!メインステップ!ゴッドシーカー 舞踏龍ナタラージャを召喚!そしてデッキを三枚めくるよ!」

 

『分神』を解除して一息ついたフランはゴッドシーカーを呼び出して創界神を引き当てにいく…シヴァの破壊神殿、魔宰相ガネーシュ、ムリダンガムドラゴン…!

 

フラン「…んー…ムリダンガムドラゴンを回収して残りはデッキの上に戻す!バーストをセットしてターンエンド!」

 

レミリア「フッ!カリスマのメインステップ!ギルモンを召喚!召喚時効果で五枚オープン!」

 

もはや中2病のような宣言でレミリアはターンを始める。それに比べてフィールドに現れたのは小さなかわいらしい赤ドラゴンだった。

 

そしてデッキからオープンされていったのは…白晶防壁、グラニ、デュークモン、ソウルドロー、松田 啓人…!

 

レミリア「…フフフ…!デュークモン、グラニ、松田 啓人を我が手札に!そしてその松田 啓人を配置する!さらに神託でコアをひとつ置く!」

 

フラン「…なに…あれ…?」

 

レミリアが配置したのは紛れもなく創界神ネクサスだった。しかし以前のメジェドが配置したのと同じようにフィールドには誰も現れない……

 

レミリア「ターンエンドよ」

 

フラン「…考えても仕方ないか…メインステップ!破壊の神!創界神シヴァを配置!こっちも神託を使ってコアを二個追加!さらに魔宰相ガネーシュを召喚するよ!」

 

シヴァ《メジェドの親戚か何かか?》

 

フランはシヴァを配置するとフィールドに象の鼻をした死竜を呼び出す。それでもレミリアが配置した謎の創界神ネクサスの疑問は拭えなかった。

 

フラン「…ガネーシュの効果で自身を疲労させることでデッキから手元にカードを置くよ!ターンエンド!」

 

レミリア「メインステップ!ギルモンをレベル3にしてバーストをセット!アタックステップ!ギルモンの『進化』を使用する!自身を戻して手札のグラウモンを召喚!」

 

ギルモンがオンギャーと鳴くとその姿がより大きいドラゴンへと『進化』する。デジモンデッキはこれが強いことは皆様もご存知だろう。

 

レミリア「グラウモンでアタック!まずはBP7000以下のスピリットを破壊!そして『超進化』!今度はグラウモンを戻して手札の完全体を召喚する!!こい!メガログラウモン!!」

 

走り出したグラウモンが口から炎を放ち、ガネーシュを焼き尽くす。するとその姿がさらに大きくなり、機械染みた体つきになる。

 

フラン「…また変わった!?」

 

レミリア「さぁ!こいつが本番よ!メガログラウモンでアタック!デッキから二枚ドローしてシンボルひとつのスピリットを破壊するわ!!」

 

フラン「…ライフで受ける!きゃあ!?」

 

シヴァ《な…!?フラン!》

 

メガログラウモンが胸の砲台からビームを放ってナタラージャを撃ち抜くと、そのままフランのライフも破壊していった。だがいつもよりライフで受けた時の衝撃が大きいのか、その痛みにフランは顔を歪めた。

 

レミリア「…完っ璧!ターンエンド!」

 

シヴァ《まずいな…あっちの見たこともないカードが厄介すぎる……フラン!無事か!?》

 

フラン「…イテテ…!まだまだ!まずは私たちのバトルをするわ!メインステップ!新たに魔宰相ガネーシュ、そしてカタックドラゴンを召喚!」

 

フランは気持ちを切り替えて別のガネーシュと下半身が闇に包まれたドラゴンが登場する。

 

フラン「アタックステップ!カタックドラゴンでアタック!自身の効果で手札のカードを二枚まで手元に置いて二枚ドローよ!」

 

レミリア「…ライフで受ける!」

 

カタックドラゴンが禍々しい炎を放ってレミリアのライフを破壊した。

 

フラン「…手元は三枚…うん!もう一発!ガネーシュでアタック!カタックドラゴンの効果でさらに手元を増やしてドロー!!」

 

レミリア「それもライフよ!」

 

手元の増加を狙ってフランはガネーシュもアタックさせる。カタックドラゴンがもう二枚手元と手札を増加させ、ガネーシュ自身もレミリアのライフを叩き割った。

 

フラン「…ガッツ!ターンエンド!」

 

レミリア「…む…!メインステップ!メガログラウモンに煌臨!勝利へ導く赤き炎槍!デュークモン!!煌臨!!」

 

大胆にフランはレミリアのライフを二点削ったが、返しのターンでレミリアはメガログラウモンに先ほど加えたカードを煌臨させる。

 

メガログラウモンの身体が機械からまるで西洋の騎士のような甲冑姿になり、その腕には槍と盾が握られて背中にも赤いマントが出現した。

 

レミリア「アタックステップ!行け!!デュークモン!まずはシンボルふたつ以下のスピリットを破壊!よってカタックドラゴンを破壊だ!」

 

フラン「…バースト発動!破壊魔龍バイラヴァー!相手の創界神ネクサスのコア三個をボイドに戻して召喚!」

 

デュークモンがカタックドラゴンを槍で貫くが、フランはバーストで対抗する。続いて現れた混紡を持った紫のドラゴンが松田 啓人のエネルギーを奪った。

 

レミリア「…ハハ…フハハハ!!無駄よ!フラッシュタイミング!『チェンジ』を使用!!紅に染まる究極の騎士!デュークモン クリムゾンモード!!シンボル合計三個までスピリットを破壊して回復状態でデュークモンと入れ換える!!

 

デュークモンが赤く輝き始め、その身体が深紅に染まる。背中にも白い白銀の翼が現れ、手に持っていた槍は変形して両方に槍が展開される。クリムゾンモードがフィールドに降り立つとその衝撃でフランのスピリット達が見事に吹き飛んだ。

 

するとレミリアの顔つきがまるで『狂気』に飲み込まれたフランの如く目が見開き、口がつり上がる。その身体からも見るからに良くないオーラがにじみ出していた……

 

フラン「…え…お姉さま……どうしちゃったの…?」

 

シヴァ《…どうやら今出したあのスピリットが創界神ネクサスと反応してレミリアに力を与えてるみてぇだな…!》

 

フラン「……グッ…ライフで受ける!」

 

レミリア「クリムゾンモードのレベル2からの効果!相手トラッシュのスピリット/アルティメット三枚につきライフを削る!

 

クリムゾンモードの槍がフランのライフをひとつ貫くと、フランのトラッシュにあるスピリットカードは…神託時や破壊された物を入れて合計六枚…!

 

フラン「…マズッ!…ぐぇっ……!!」

 

シヴァ《フラン!無事か!?》

 

クリムゾンモードの力でフランのライフがさらにふたつ砕け散る。いつも以上の痛みと衝撃に吸血鬼のフランもその威力は耐えられず、地面に倒れこんでしまった。

 

レミリア「アハハハハハ!!クリムゾンモードは回復状態!これで終わりよ!もう一度デュークモン クリムゾンモードでアタック!!

 

フラン「……ぅぅ…!」

 

ヨロヨロとフランは立ち上がってレミリアに向き直る。狂ったレミリアはクリムゾンモードに再び攻撃を命じ、クリムゾンモードの槍が最後のフランのライフを貫こうとした………

 

その瞬間、フランの脳内に走馬灯の如く思い出がよみがえってきた。

 

 

 

 

レミリア《フラン!あなたどこへ行ってたの!》

 

フラン《ええ~、弾にいさまのところだよ~?》

 

紅魔館の玄関で帰ってきたフランと迎えたレミリアがそんな話をしている。だいたいフランが弾のレッスンを受け始めた頃だろうか?

 

レミリア《…まったく…いいフラン?彼と仲良くするのはいいけど、『紅魔の誇り』を忘れちゃダメよ?》

 

フラン《ハイハイ、まぁたお姉さまのお堅い話がはじまった~》

 

レミリア《…うー……フラン!『紅魔の誇り』というのは…!》

 

 

 

 

 

フラン「…まだよ…!ここで終わる訳にはいかない!フラッシュタイミング!手元からマジック!デルタバリア!これでメインアタックも効果のライフ貫通でも私のライフは削れない!!」

 

思い出から帰還したフランはキリッと目を鋭くする。そしてカードを掲げて目の前に三角のバリアを張った…!その効果によりクリムゾンモードの槍がフランのライフに突き刺さったが、フランのライフは砕けなかった…!!

 

レミリア「なんだと!?…ターンエンド…

 

フラン「…あっぶな……お姉さま!あとちょっとよ!メインステップ!カタックドラゴン!そして魔龍の牙!三龍宝剣ネクロキャリバーをカタックドラゴンにダイレクト合体!」

 

凌ぎきったフランはカタックドラゴンを呼び出すと、一枚のカードを龍にしてフィールドに投げ入れる。紫色の炎の龍はフィールドを旋回したあと、刀身が血のような紅色の片刃剣になってカタックドラゴンに合体した。

 

フラン「アタックステップ!!合体アタック!!ネクロキャリバーの効果でクリムゾンモードのコア二個を外してドロー!」

 

身の丈サイズのネクロキャリバーをぶん回してカタックドラゴンはアタックする。さらにネクロキャリバーの斬撃がクリムゾンモードのコアを外してレベルⅠへとダウンさせた。

 

フラン「フラッシュタイミング!カタックドラゴンに神煌臨!悲しみを破壊し!希望の未来を創る魔龍!破壊神龍ヴァルドラム!!!煌臨時効果でクリムゾンモードを破壊!!」

 

レミリア「させん!手札のグラニを一コストでクリムゾンモードに合体!これで破壊はされない!!さらにマジック!リブートコード!クリムゾンモードを回復させてブロック!

 

カタックドラゴンがシヴァの力を受けてヴァルドラムへと進化して、すべてを無に帰す咆哮が放たれたが、空から飛んできた紅色の飛行体がクリムゾンモードと合体して攻撃を弾いてしまった。

 

フラン「構わないわ!行け!!ヴァルドラム!!!」

 

シヴァ《さらに『転神』するぜ!》

 

その声に呼応して再び『分神』状態になったフランは背中の翼を七色に輝かせてヴァルドラムを突っ込ませた。片手剣サイズになったネクロキャリバーとクリムゾンモードの槍がぶつかり、激しく火花が舞い散る。

 

フラン「うち壊せ!!ヴァルドラム!!フラッシュ効果でライフを砕く!!

 

フランの声に答えるかのようにヴァルドラムが咆哮してライフを破壊する。そのときのフランの顔はまるでW合体した時の弾のよう……

 

さらにつばぜり合いをヴァルドラムが押し返してクリムゾンモードを弾き返す。とどめにヴァルドラムがネクロキャリバーに紫の炎を纏わせてクリムゾンモードを一刀両断!!破壊した!!

 

フラン「残りひとつ!決めて!シヴァ!!」

 

シヴァ《正気に…!もどれぇぇぇ!!!》

 

『転神』したシヴァの拳が放たれるとそこから紫の炎が迸り、最後のレミリアのライフをぶち壊した!

 

レミリア「ぎゃぁぁぁぁあ!!!

 

フラン「………パシッ!…よっしゃぁぁぁぁ!!!」

 

悲鳴を上げて吹き飛ばされるレミリアからデュークモン クリムゾンモードと松田 啓人のカードがフランの手に収まる。そしてフランは反対の手に持っていたレーヴァテインを掲げて高々と勝利の声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「……うー…?…わ、私は……?」

 

弾「気づいたか?」

 

シヴァ《…さすが吸血鬼、スゲェ再生能力だ》

 

目が覚めたレミリアはいつもの様子で起き上がる。頭痛を押さえてレミリアが見たのは荒れ果てた部屋と自分を見下ろしている弾とシヴァ…そして……

 

フラン「……スー……スー……」

 

弾「…疲れて眠ったよ…」

 

レミリア「…弾、あなたが私とフランを助けてくれたの…?」

 

…レミリアの太ももに頭をのせて寝息を発てているフラン…いまだにおぼろげな記憶を思い出すため、レミリアは弾に尋ねるが…弾は微笑みながら首を振って答えた。

 

弾「…イヤ…とある…まっすぐな想いを持った吸血鬼さ…」

 

…外では紅い霧が少しずつ晴れていく……何時も間にか日が暮れていたようで、空には星が煌めき始めていた…

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

分神フランは『オーバーレイみたいな虹色の翼』『究極ゼロのバトルフォームっぽい装甲』『紫の炎のレーヴァテイン』です。少し後にもうちょい『分神』の説明をする回を書きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終二章~崩神の桜吹雪~
状況把握


もー12月ですねぇ…今年中に妖々夢イージーでもクリアしてぇなぁ…


幻想郷 某所

 

???「???さま!一大事です!」

 

???《…む…?…いったい何事だ?》

 

暗い部屋で静かに何かの映像を見ていた男に外の世界で弾達と接触した女性が部屋に飛び込んできた。その声は荒く見るからに焦りの感情が見てとれる。

 

???「先ほど馬神 弾一派が紅魔館に攻め入り、レミリア・スカーレット一派が敗れました!!」

 

???《…そこまで慌てることも無かろう。そうして少しずつ創界神達と戦わせて力を削ぐのが》

 

???「そして紅魔館の一派全員が元の記憶を思い出してしまいました!!」

 

???《…は……?》

 

続けざまに言われた言葉にその男は変な声を出して愕然となった。イレギュラーである馬神 弾や八雲 紫、宇佐見蓮子は仕方なかったとしても、まさか元の記憶を取り戻させることができるとは予想だにしてなかったようだ。

 

???《……ともかく…なぜそうなったのかを確認する…!故にこのまま馬神 弾排除の計画は続行だ………フンッ!》

 

???「…かしこまりました…」

 

自らを静めながら男は手を掲げて何かを幻想郷中に放つ……するとだんだん周囲の気温が低下し、思わず女性も身体を震わせた。

 

???「…さて……あなた達に『春』はこないわ……紫……」

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館 とある一室

 

 

レミリア「…すまない…迷惑をかけた…」

 

美鈴「…でももう少し加減してほしかったです……あぁ…まだ焦げ臭い……トホホ」

 

パチュリー「…全く……だけど今回の異変は過去最大規模じゃない?私たちの記憶すら操作するなんて……」

 

半壊の紅魔館で無事だった部屋に弾達一同は状況整理のために集まった。まずは紅魔館組が操られていたとはいえ弾達に謝罪していた……だが一人…ヤベーイ人物が……!

 

咲夜「…だ、弾さまに…や、刃を……(この世の終わりのような目)…お嬢様…」

 

レミリア「…な、なに?」

 

部屋の隅で項垂れていた咲夜はスクッと立ち上がってレミリアに話しかける。その目は何かを悟ったほど澄んだ瞳だったが、逆に尋常ではない様子はレミリアを大いに戸惑わせた。

 

咲夜「…不肖…十六夜 咲夜、お嬢様より先に旅立つことをお許しください…!!」

 

ペルセポネ《…ガシッ!ちょっと咲夜ちゃん!落ち着いて!!》

 

咲夜「いやぁぁぁぁぁ!!

 

信頼どころか崇拝の域にまで達しているほど弾を敬愛していた故か…咲夜は半狂乱になってナイフを自らに突き刺そうとした。なんとかペルセポネが押さえ込んだので一大事にはならなかった……

 

紫「弾!一大事よ!!」

 

蓮子「まるで幻想郷の時間が戻っちゃったみたいなんだって!!」

 

異界王「…そちらは解決できたようだな…」

 

弾「…時間が…!?」

 

そんな騒ぎの中にスキマが開かれて三人が飛び出してくる。そして報告されたのは想像の斜め上をいく物だった。

 

紫「…あと…スキマを移動してたらアレックスとバトルになったわ……」

 

アレックス《…ぅぅ…ご迷惑を………》

 

フラン「…うわぁ…ぼこぼこ……」

 

紫がさらにスキマを開けて出てきたのはシュンっとなっているアレックス……おそらく紫をバトルでコテンパンに叩きのめされたのだろう。これで一応弾陣営が揃ったので、話を進めることにした。

 

ロロ《…さて…まずは状況を確認しよう。僕たちは外の世界で謎の女性と交戦した。そのあと幻想郷に帰ってきたら…まるで時が戻ってしまったように紅魔館のメンバーと戦闘になった…》

 

ゼウス《…ふむ…敵の正体も目的も動機も不明だな…》

 

霊夢「…て言うか…レミリア達は何か知らないの?」

 

レミリア「……わからないわ…あの時の人格…たぶんあのカードを軸に人格を植え付けられていたかもしれないけど……」

 

そう言ってレミリアはチラリと視線をテーブルの上に移す。そこには敵が使っていた「デストロイア」「デュークモン クリムゾンモード」「松田 啓人」のカードが並べられていた。

 

紫「…これらのカードから邪気は感じ取れないわ…弾の力で浄化されたのかしら?」

 

シヴァ《…それより…これからどーするよ?》

 

異界王「…まだ情報が少なすぎる。これでは動こうにも動けん………む?」

 

シヴァが今後を考える方向に話の舵を切ると壊れた屋根から…性格には空から何かが降ってきた。肌に当たるとほんのり冷たい…そしてすぐに消えてなくなる白い結晶……

 

弾「…雪…か…?」

 

魔理沙「はぁ!?確か紅霧異変は夏真っ盛りじゃなかったか!?」

 

蓮子「……みんな!外見て!!」

 

蓮子の驚いた声に全員が窓に近寄って外を見る。すると外では…紅霧異変直後ではあり得ない光景が広がっていた……

 

ゼウス《…なんという…銀世界…!》

 

紫「…まさか…敵は……過去の異変を再現している…?」

 

そこにはさっきまで初夏の暑さを感じるほど茂っていた木々の葉がすべて純白の雪化粧に変わっており、空気中には先ほど紅魔館内に降ってきた雪が舞っていた。

 

 

 

 

 

 

数十分後 紅魔館 正門前

 

 

霊夢「ふぅ…冬服があってよかったわ」

 

魔理沙「………私はいつでも行けるぜ…!」

 

咲夜「それでは弾さま、お嬢様…いって参ります」

 

ゼウス《……冬服霊夢……ジィー……がはっ!?》

 

ロロ《…ペルセポネ…おもいっきり足踏んでない?》

 

ペルセポネ《…ヘラ様がいない今!私がやらずして誰がやる!》

 

以前、この異変を解決した霊夢達が紅魔館前で準備を整えた。今回は紅魔館の戦力が不安なこともあり、弾は蓮子、フランと共にお留守番になった。

 

弾「…みんな、気をつけてな」

 

レミリア「大丈夫よ。『運命』は私達の味方…」

 

フラン「いってらっしゃーい!」

 

霊夢「…あーハイハイ、ほらゼウス!行くわよ!」

 

魔理沙「…待ってろよ…!今いくからな!!」

 

咲夜「…ここでご無礼を帳消しにするほど頑張るわ!」

 

霊夢はゼウスを自分の体内に突っ込みながら、魔理沙は何か覚悟を決めたような顔つきで、咲夜は弾とレミリアに一礼して雪が舞う空へと飛び出して行こうとした。

 

弾「…魔理沙!忘れ物だ!」

 

魔理沙「…おっと…!サンキュー!!」

 

弾は魔理沙に何か丸いボールのようなものを投げ渡した。それは赤い部分が黒い陰陽球…博麗の霊力ではなく、弾の神力が込められたものである。自分が行けないので、代わりに託したのであろう。

 

レミリア「咲夜!忘れ物よ!」

 

咲夜「…まさか………」

 

するとレミリアも咲夜に何かを渡す。それはふたつの星のマークが描かれた紫色の球体だったが、咲夜は顔をひきつらせていた…

 

ペルセポネ《…それは?》

 

咲夜「ちょ!お待ちください!」

 

咲夜の必死の止めも時すでにおすし。ペルセポネの問いにレミリアは自信満々に答えてしまった。

 

レミリア「これは名付けて!マジカル☆さくやちゃんスターよ!!どう!?良いネーミングでしょ!?」

 

…その場の空気が氷点下を軽く下回ったのは雪のせいではないだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「…大丈夫…だよね…」

 

弾「…あぁ…それに…あいつも一緒に飛び出していった。なら大概の敵は問題ないだろう」

 

蓮子「…そうだ…レミリア、この『春雪異変』っていったいどんな異変だったの?」

 

霊夢達を送り出して中に戻る途中、蓮子は以前起きた『春雪異変』について尋ねてみた。同じく新参者の弾やほとんどを地下暮らしだったフランも興味津々でレミリアを見つめている。

 

レミリア「…この異変は幻想郷中の『春』が奪われたことがきっかけよ」

 

蓮子「…へ?…春って形あったっけ?」

 

弾「…確か…幻想郷では『春度』と呼ばれるものが上がれば春になるんだよな?そのエネルギーを横取りした…ということか?」

 

レミリア「さすが弾、理解が速いわね。この異変の元凶は春度を集めてとある桜を咲かせようとしたのよ」

 

レミリアの言葉を理解できた弾が分かりやすく噛み砕く。弾の説明に蓮子も納得した表情を浮かべたが、まだ気になることがあるのか再度レミリアに質問した。

 

蓮子「…ちなみに…その元凶とは…どなたで?」

 

レミリア「……根城は冥界の白玉桜、もちろんその主「西行寺 幽々子」よ」

 

 

 

 

 

 

辺境から暖かさが奪われ、永い冬が訪れた。

 

白銀の悪魔は幻想郷の人間を黙らせた。

 

 

時は経ち、次第に春の香りが訪れる頃になった。

 

いつもなら、幻想郷は白い吹雪から桜色の吹雪に変わるはずだったのだ。

 

 

そして春はまだ、来ない。

 

今回も博麗の巫女、普通の白黒魔法使い、厳粛なメイドが解決に向けて飛び立つ。

 

だが以前とは違う点がふたつ…ひとつは全員その身に世界そのものを司る神を降ろしていること……そしてもうひとつは……

 

 

いつもは目玉が浮かぶ空間に腰かけている()()が余裕のない表情を浮かべて並走している点であろう。

 

今日の彼女はいつもの妖しく艶かしい表情を捨て去り、焦燥感を隠せずにいる。空間の乗り方もまるでスノーボードに乗るかのように乗っていた。

 

覚妖怪でなくとも今の彼女の心は予測できる。愛する弾や幻想郷を苦しめたことへの怒り、そしてそれに何もできなかった自分の不甲斐なさ…

 

だがそれ以上に彼女の心を支配していたのは……昔から自分を支えてくれて、お互い心のうちを吐き出せるほどの親友の安否だった。

 

 

彼女は空を駆ける。友を救うために……

 

 

八雲 紫 出陣

 

前半 pixiv大百科『春雪異変』ストーリーより抜粋

 

 

 




はい。ありがとうございました。

「幻想郷は不安よな。紫、動きます」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

春雪異変の真相

今回は『東方妖々夢』の裏話…つまり幽々子の過去話を書きます。知ってる人は「そうだね~」って文字を追ってください


魔法の森 上空

 

…紫は飛んでいた…スキマを白玉桜に繋げようとするが、なぜか繋がらない。なのでわざわざ紫はスキマをボート状にして空を滑走して冥界との境目まで向かっていた。

 

紫「…幽々子…!ごめんなさい…今回は……!!」

 

アレックス《ちょちょちょ!紫さん!速すぎますよ!》

 

紫「……あ……」

 

身体の中からアレックスが注意する。紫が振り返ってみるとはるか遠くに霊夢達の姿が見えるほど、紫は三人をつきはなしてしまっていた。

 

霊夢「こら~!!ヽ(♯`Д´)ノ紫!速すぎるわよ!」

 

咲夜「…ふぅ…時を止めてないと追いつけないわ」

 

魔理沙「…ゼェ…ゼェ…ほんとお前の能力って便利だな…ゼェ…」

 

時を止められる咲夜は澄まし顔で、霊夢も持ち前の莫大な霊力を噴射して紫のあとを追ってきた。唯一魔理沙は息を切らしている。

 

霊夢「…まぁ…幽々子が心配なのもわかるけど…落ち着いて行くわよ」

 

紫「…ええ…」

 

ゼウス《…あー…ちなみに儂ら…どこに向かっておるんだ?》

 

霊夢「冥界よ。幻想郷から冥界に行くには、まず魔法の森上空にある結界の穴を通らなくちゃ行けないのよ」

 

魔理沙「以前の『春雪異変』はとある桜を咲かせるために幽々子が起こしたからな…今回も一応冥界に向かってみるんだぜ」

 

ロロ《……あれか…その結界の穴と言うのは……?》

 

ロロの言葉の通り、空高く上がった一ヶ所が黒く歪んで穴が開いている。しかもそこに向かってサクラの花びらのようなものがたくさん吸い込まれている。

 

咲夜「…あそこよ!」

 

紫「突入するわ!!」

 

紫がその穴めがけて接近し、三人もそれに続く。雲を突き抜け、風を切り裂いて四人は黒い穴へ飛び込んだ……が……

 

ごぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

 

魔理沙「ぐぇっ……!!」

 

霊夢「…くっ…!またぁ?」

 

紫「……なにこの結界…まったく図式が見えない…!?」

 

紅魔館と同じように、今回も穴を覆うように別のバリアが展開されて四人は弾かれてしまった。すぐさま紫がこの結界の術式を解析しようとするも、あまりにも強固で複雑な術式なのか頭を抱えていた。

 

ゼウス《…よし…儂らが物理で殴る!》

 

ロロ《…アンタークかリリアがいればなぁ……!》

 

アレックス《…ダメですね…連絡が取れません…!》

 

ペルセポネ《…なら私達がやらないと…!》

 

四人から出てきた創界神達が全員エネルギーをチャージし始める。そしてゼウスの雷、ロロの魔法、アレックスのグラン・デーヴァの斬撃、ペルセポネの鞭がバリアに直撃した。

 

 

 

だがそれでもバリアは砕けるどころかヒビすら入っていなかった。

 

 

ゼウス《…なん……だと?》

 

アレックス《……ど、どうします?解術に切り替えますか?》

 

ロロ《……っっ!イヤ…これはキツすぎる。リリアやアンターク、アプロディーテのような魔法に長けた創界神でも…!》

 

ペルセポネ《…ねぇ…気のせいならいいですが……私達…少し弱体化していませんか?なんか今の攻撃の時、ものすごく体が重くなりましたし……》

 

ペルセポネの呟きに創界神達は自らの手を見つめて苦い顔をする。どうやらペルセポネの気のせいではなかったようだ。

 

霊夢「……なによ…!八方塞がりじゃない…がつぅぅぅん!!がっぅぅぅん!!…なにこの音?」

 

創界神達が歯噛みしていると話し声をかき消すほど大きな音が響き始めた。まるで何かが硬い物にぶつかって砕けるような鈍い音…一同は音のする方向を振り返ると………

 

紫「くっ…!ガツゥゥゥゥン!!ガツゥゥゥゥン!!

 

魔理沙「お、おい!紫!殴ったところでどうにもならねぇって!」

 

そこにはバリアに向かって拳を突き出している紫の姿があった。全力で叩いていたからか、その手からは血が滲んでひどい有り様になっている。

 

霊夢「ガシッ! 紫!落ち着きなさい!!」

 

紫「離して!行かなくちゃ!幽々子が今どうなってるか知らないと!!」

 

紫は止めようとした霊夢を振り払って再び拳をバリアに叩きつける。もはやその顔は何かに取りつかれているように血走った眼をしていた。

 

今の紫の脳内には蓮子と離ればなれになった時のこと、未来世界で弾が引き金になった時のことがフラッシュバックしていた。そして幽々子も自分の元から居なくなってしまう場面が頭をよぎった。

 

紫「…ガツゥゥゥゥン!!…イヤなのよ…!蓮子の時も…!弾の時も…!もう大切な人を失いたくないの!!!!

 

…ピキ…ピキピキピキ…バリィィィィィン!!!!!

 

紫の叫びと共に放った右ストレートがバリアにヒットすると、創界神達の渾身の一撃すら弾いたバリアにヒビが入り、ガラスが割れるような音を発てて砕け散った!

 

霊夢「…ええ!?」

 

魔理沙「砕けた!?」

 

咲夜「…とにかくチャンスよ!!」

 

一同驚愕に感情が支配される。何より一番驚いているのは殴った紫自身であった。だが咲夜の一声で全員正気に戻ると、バリアの砕けた部分から冥界へと繋がる穴に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

幻想郷 冥界 白玉桜の石階段下

 

 

ゼウス《…おお…これは風流な……》

 

魔理沙「…会わなかったな…これも敵の思惑なのか…?

 

穴を抜けて四人が降り立ったのは大きな石畳の階段の一番下だった。そこからは果てしなく続くと見える石階段、その両隣には薄ぼんやりと火が灯っている灯籠が雅な雰囲気を醸し出している。

 

紫「…この上に幽々子がいるわ…あと白玉桜の裏庭に植わっている一際大きい桜…それは絶対に咲かせないように」

 

咲夜「…確か…『西行妖』って桜だったかしら?そこまで念押しすることなの?」

 

石段を駆け登りながら咲夜は尋ねる。『西行妖』と言うのは白玉桜の庭に植えられている大きな桜の木のことで、絶対開花しない桜としても有名である。以前も幽々子はそれを咲かせようとしていたのだが……

 

紫「…少し…昔話をしても良いかしら?」

 

アレックス《…ずいぶん重い話みたいですね…大丈夫です》

 

紫「…まず私と幽々子の出会いから話さないといけないわ…今から千年くらい前…まだ幼かった幽々子と」

 

魔理沙「ほーん…あいつ千歳ぐらいだったのか…あいてっ!」

 

ペルセポネ《女性の年齢につっこむな!…あ…続けてちょうだい》

 

階段を登る足を緩めずに紫はポツリポツリと話し出す。余計なことに首をつっこんだ魔理沙は咲夜の体内から出てきたペルセポネの拳骨を食らってうめいた。

 

紫「…幽々子は著名な歌人の家に産まれた人間だったわ…でも生まれつき『人を死に誘う程度の能力』を持っていて…彼女に近づいた人間はことごとく自殺してしまったの……」

 

ロロ《……コントロール…できない能力なんだね?僕は彼女が死を好む性格だとは到底思えない》

 

紫「もちろん。でもそんな能力を持つ幽々子は親戚から疎まれて…唯一その力を受けなかった半人半霊の庭師以外側には誰もいなかった…私が彼女と仲良くなったのはそんなときよ…」

 

紫の話を聞いていた一同は少なからず衝撃を受けた。いつも飄々として真意を見せない彼女にそんな暗く重い過去があったとは考えられなかったようだ。

 

紫「私は彼女の能力を受けない妖怪だったから彼女と話せた…大好きな親と引き離された彼女と気があったのかもね…でも悲劇はここからだった…」

 

咲夜「…その悲劇って…?」

 

紫「…幽々子の父親が庭に咲く満開の桜の木の下で自殺してしまったの…しかも彼女の前で…歌人だったから見事な桜を見ながら死ぬ気だったらしいわ…そして…」

 

ペルセポネ《…まだ…続くの?》

 

紫「…そのあとを追うように幽々子の能力に誘われて次々と歌人達が自殺していった…それを自らのせいだと悔いた幽々子も……」

 

紫はそこで言葉を切った…否…続けることができなかった。両の眼から溢れ出る涙が続けることを妨害していた…だがそのあとの内容は全員察することができた。

 

ペルセポネ《……しかし…無粋なことを言うようで申し訳ないのでけど…冥界の女神として疑問があるわ……そんな近くで『死』を経験したならその桜は……色々と危ないと思うわよ?》

 

紫「……その通りです…死んだ歌人達の大量の『生気』を吸ってその桜は妖怪化してしまった…それが『西行妖』、私は西行妖が人を死へと誘い続けることを恐れて封印したわ……幽々子の死体を使ってね…それから西行妖が開花することはなくなった…」

 

ゼウス《…なるほど…ものすごく失礼な言い方をすれば…『人柱』だな……》

 

紫「…コクン…そして私はなんとか幽々子を生き還らせようと『生と死の境界』をいじろうとしたけど…もちろん閻魔に止められたわ。ちなみにその時止めた閻魔ってのが四季 映姫なのよ」

 

魔理沙「なーる…だから紫は映姫が苦手なのか……」

 

ペルセポネの冥界神としての忠告から話された妖怪桜、西行妖のこと…もう一同は何度息を飲んだかわからなくなった。

 

紫「だけどこの状況は映姫にとっても好ましくない状態…だから私と彼女は交渉の末、とある契約をしたわ。幽々子を冥界で転生するまでの霊の管理をする亡霊として生き還らせると…」

 

アレックス《…あの~…確か以前幽々子さんが「この桜の下に死体が埋まってるのだけど…誰のかしらねぇ…」って言ってましたけど……》

 

ペルセポネ《…大方…自分のせいでたくさんの死者を出したことを後悔させないための閻魔の慈悲でしょうね。それに亡霊になるときに記憶を引き継がせるのは大変だし》

 

冥府神のペルセポネの補足を聞いて霊夢達は紫と幽々子の絆の深さを改めて感じた。紫は悲劇のうちに亡霊となってしまった幽々子とたとえ記憶が無くとも親友になるほど二人の仲は良かったのだ。

 

紫「…そして『春雪異変』の時…幽々子は西行妖を封印している死体について興味を持ち、西行妖を咲かせようとした…」

 

霊夢「ちょっと待って!それじゃ…西行妖が満開になったらどうなるのよ!?」

 

紫「…西行妖の封印が解かれて幽々子が生き還るわ…その代わり西行妖は人を死へと誘うようになって…幽々子も再び死んでしまうでしょうね…」

 

咲夜「…急ぐわよ!」

 

咲夜の掛け声に全員気を引き締めて速度を上げる。霊夢達が思っていた以上にこの異変は重大なものだった。だがようやく白玉桜の入口が見えてきたところで、魔理沙が異常に気づいた。

 

魔理沙「………なぁ…何か…身体が重くないか…?」

 

霊夢「…ん……気のせいじゃないみたいね…」

 

ゼウス《……!!…しまった!!》

 

四人は石段を上がり始めた時よりいくぶん身体が重くなったような感覚を覚えていた。するとゼウスの言葉の直後、四人の身体がピタリと空中で静止してしまった!

 

咲夜「…ぐ…!?…何…空中で……金縛り!?」

 

ペルセポネ《いえ…!これは……》

 

 

 

???「糸符『パラサイト』これであなた達の動きは封じたわ」

 

???「幽々子様の邪魔をする者は…斬る!」

 

白玉桜の門前に立っていたのは西行寺 幽々子の剣術指南役兼庭師の半人半霊の剣士、そしてなぜかいる七色の人形使いの魔法使いだった。

 

魔理沙「妖夢と……アリス!?」

 

妖夢「…なぜ私の名を…?……イヤ!斬れば分かる!!」

 

アリス「…まぁ分かると思わないけど……あなた達を抹殺するのが私達の役目よ。面倒だから大人しく斬られなさい」

 

霊夢「…ぐぅ…まずい……!!」

 

ロロ《…ぐぐぐ…!…そうか…途中から身体が重くなったのは…ヘラの力を受けてパワーアップしたアリスちゃんの糸を手繰り寄せてしまったからか!》

 

ロロが悔しそうにうめくももはや遅かった。あと少しで妖夢の刀が四人に迫る……その瞬間…!!

 

???「あはは!」《残念!》「半人前!」《ボッチ魔法使い!》

 

???《…なるほど…気力を抜く糸ですか…でも縛られてない私達なら切れますね》

 

妖夢「な!?う…!」

 

魔理沙の懐から飛び出した二枚のカードが四人の糸を切断していく。斬ろうとした妖夢も思わず後ろに飛んで後ずさった。

 

紫「ジェミナイズ!シュタイン・ボルグ!」

 

ジェミナイズ「魔理沙!」《アリスちゃんを倒すよ!》「ボルグ!」《君は紫ちゃんを先に!》

 

ボルグ《魔理沙さん!咲夜さん!ここをお任せします!》

 

魔理沙「…言われずとも!」

 

咲夜「また助けられてしまったわね…!了解!幻符『殺人ドール』!!」

 

糸から解放された魔理沙と咲夜はアリスと妖夢の前に降り立つと咲夜のスペルカードが発動した。すると一瞬のうちに二人のまわりに大量のナイフが出現して襲いかかった。

 

妖夢「…キンッ!くっ!数が多い…!キンッ!」

 

アリス「仕方ない…!戦操『ドールズウォー』!!」

 

ズドドドドドドド!!!

 

妖夢はもう一本の刀も抜いて飛んでくるナイフをなんとか弾いていく。一方「できる女アリス」はすぐさまスペルカードで十二体の人形を出現させ、ナイフを迎撃する。だがその隙は結界組(ゆかれいむ)にとっては十分だった。

 

霊夢「よしきた!」

 

紫「…恩に着るわ…!!」

 

ボルグ《さぁ!こちらへ!!》

 

アリスと妖夢の隙を突いて霊夢と紫がその二人の頭上を飛び越え、門をくぐっていく。そして今度は門の前に咲夜と魔理沙が並び立った。

 

妖夢「あ!?」

 

アリス「…やられた……!」

 

咲夜「…さて……少しつきあって貰うわよ?」

 

魔理沙「…アリス…なにやってんだよ!!」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

さぁて…今までの異変を順番にやれば……あ、隠岐奈と袿姫の出番………


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

※これはバトスピ小説です

新コラボ弾で仮面ライダーオーディンがとんでもない能力引っ提げて登場するらしいですね。創界神ネクサスのコア四個指定すれば相手何もできない……


白玉楼 庭 西行妖の根元

 

 

???「…もう少しよ…!もう少しで西行妖が満開になる…!」

 

???「…ええ…楽しみね……」

 

白玉桜の庭で満開寸前の西行妖を見上げているこの二人、片方はもちろん西行寺 幽々子…もう一人はなんと外の世界で紫達を翻弄したあの謎の女性だった。

 

幽々子「…それにしても~…なぜかあなたと初対面って感じがしないのよねぇ~…」

 

???「…気のせいじゃない…?」

 

霊夢「そこまでよ!!」

 

紫「…!あなたは…!外の世界で会った!」

 

幽々子の呟きを軽く聞き流していた女性の元に駆け込んできた霊夢と紫。そこにいた謎の女性に紫は驚きと怒りの眼差しを向けた。だがその女性が霊夢を見た瞬間……

 

???「……霊夢………」

 

霊夢「あ?…あんた…元凶の匂いがするわ!」

 

紫「…私だけじゃない…霊夢のことも知っている…?」

 

謎の女性はどこか悲しいトーンで霊夢の名前を呼んだ。霊夢がいつもの勘で女性を元凶認定する一方、紫は幽々子の姿を見て少し頭が冷えたのか冷静に状況を整理できていた。

 

幽々子「あら?紫じゃない。どうして博麗の巫女と一緒にいるの?」

 

紫「…幽々子…今すぐ西行妖を咲かすのをやめなさい…!」

 

幽々子「…紫までそんなことを言うのね。馬神 弾に毒されて風流を楽しむことを忘れてしまったのかしら?」

 

紫「……カチン!……どういう了見で弾にそんな言葉を吐いているのかこっちが聞きたいわね……」

 

その隣でほんわかな雰囲気を醸し出しながら紫と話している幽々子だが、弾を貶した発言が紫の神経を逆撫でした。さすがの旧友でもそれは紫に静かな怒りを燃やすには十分だった。

 

幽々子「え~?だって幻想郷がごちゃごちゃしたままにしているのは彼の仕業じゃなーい?」

 

紫「…そのごちゃごちゃこそ幻想郷らしさよ…!『幻想郷はすべてを受け入れる』の信条がそれを体現しているわ」

 

幽々子「でも美しくないわ。枯山水の如くこの幻想郷を整地すべきよ…だからこの異変で馬神 弾を誘きだそうと思ったのだけど…」

 

紫「……そう…あなたの考えはよくわかったわ…」

 

紫はそう言うとクルッと踵を返して幽々子に背を向ける。西行妖から散った花びらがサァーと二人の間を吹き抜けていった…それは紫の踏ん切りがつくことの合図でもあった…!

 

紫「…廃線『ぶらり廃駅下車の旅』!!」

 

???「…!しまった……!ぐはっ!!」

 

幽々子「え?きゃぁぁぁぁ!!!?」

 

振り向き様に紫はスペルカードを宣言した。すると紫の背後に開いたスキマから廃電車が飛び出しで二人を跳ねていった。謎の女性はとっさに結界でも張ったのか呻きながら地面に転がるだけだったが、まさか紫から攻撃させるとは微塵も思っていなかった幽々子は防御できずに吹っ飛んでしまう。

 

 

紫「霊夢!あなたはあの女を潰しなさい!」

 

霊夢「…そっちは良いの?旧友なんでしょ?」

 

紫「…本音をぶつけられない旧友なんてどこにいるのかしら?」

 

霊夢「…さっさと片付けてよ!」

 

紫の言葉に霊夢は自分にも腐れ縁の友人(普通の魔法使い)が居たなと思い返し、体勢を立て直した謎の女性と向き合う。そして紫は飛ばされていった幽々子のあとを追った。

 

???「…っっ…!まさか手加減なしの攻撃をしてくるとは…!」

 

霊夢「さぁ!あんたの相手はこの私よ!神妙にしなさい!!」

 

???「…ふふふ…いえ…あなたの相手は彼女よ…ふんっ!」

 

廃電車が直撃して半壊した白玉桜の瓦礫から這い出てきた謎の女性はまたもやお札を取り出す。しかし今回はそのお札を自分の隣にばらまくと、それらは集まってカーテンの形状になる。するとそこからとある人物が現れた……

 

???「…あとは任せたわよ……萃香…」

 

萃香「ニャハハハハ!任された!」

 

霊夢「な…!?萃香!?」

 

現れたのは鬼の四天王 伊吹 萃香だった。反対に謎の女性はお札のカーテンをくぐるとカーテンごと姿を消してしまった。

 

萃香「さぁて…!どうする?博麗の巫女…?こっちはどんな勝負でも受けてたつよ?」

 

ゼウス《…霊夢、彼女の懐から禍々しいオーラを感じる…直接の殴り合いは避けるべきだ…!》

 

霊夢「…そんなこと言われなくても鬼とリアルファイトなんて…こっちから願い下げよ!」

 

霊夢 萃香「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

白玉桜 枯山水の庭

 

 

幽々子「…いたた……」

 

紫「…シュタッ!立ちなさい…私はまだ満足してないの」

 

白玉桜の縁側にある枯山水まで飛ばされた幽々子に紫が追い付く。見事な枯山水の庭も紫の廃電車が転がって見るも無残な光景になっているが、そんなことも気にせず紫は鋭い目で倒れている幽々子をにらみつけていた。

 

幽々子「……そう…あなたは馬神 弾側なのね……セイッ!」

 

紫「…ふっ!!」

 

幽々子の扇子と紫の結界がぶつかり合う。そのまま幽々子は舞うように扇子をぶつけていくが、異常なほど展開が速く硬い紫の障壁を幽々子は破れなかった。

 

幽々子「…桜符『完全なる墨染の桜』!!」

 

紫「無駄よ…パチン!」

 

幽々子「…うぐぅ……!!」

 

接近戦では埒があかないと判断した幽々子はスペルカードで無数の弾幕を紫の頭上へと放つ。空に光輝くその弾幕はまるで満開の桜吹雪のよう……だが紫はスキマで自らの頭上の空間と幽々子の背後の空間を繋げる。

 

スキマに吸い込まれた幽々子の弾幕はもうひとつのスキマから放出され、幽々子自身にクリティカルヒットした。

 

紫「『拘束結界』…『双龍炎魔脚』!!」

 

幽々子「…ぎゃ…!」

 

紫は容赦なくふらついた幽々子をスキマで拘束すると、右足に赤い炎、左足に紫色の炎を燃やして動けない幽々子を連続で蹴り飛ばした。符名を言わないあたり手加減なしの攻撃なことが分かる。

 

『最古の妖怪』の二つ名を持つ紫の渾身の一撃に幽々子はたまらず宙を舞い、枯山水の石にぶつかって地面に倒れ伏した。

 

紫「…幽々子…あなたじゃ私に勝てないわ。あなたの能力は有無を言わさずに即死させることはできるけど、半殺しにはできないから…まぁ…私を殺せるなら話は別だけどね」

 

幽々子「…………あら……ナメられたものね…!!」

 

アレックス《…紫さん!後ろ!!》

 

紫「え……はっ!!?」

 

幽々子が自分を殺せないと踏んでいたからか紫は僅かに注意が散漫になっていた。体内のアレックスの言葉に本能で身をよじった紫のすぐ隣を何かが通過していった。

 

幽々子「…ふふふ……崩符『喜劇の虞美人』……!」

 

むっくりと起き上がった幽々子が不気味な笑みを浮かべて宣言したスペルカード…すると白玉桜に咲いている桜の木の根っこが地面から生えてきて、一斉に紫めがけて襲いかかった。

 

紫「…ちぃ!」

 

幽々子「あはは!!さっきまでの余裕はどうしたのかしら!?」

 

数えきれない木の根を紫は空中を飛び回ってかわしていく。しかし紫はなんとかかわしたり、光弾や結界で弾いていくのが精一杯だった。それほどまでに根の量が膨大だったのだ。

 

幽々子「……崩符『親譲りの無鉄砲』……!」

 

紫「…しまっ!…がはっ……!!」

 

根を避けることに夢中になっていた紫は新しいスペルを使った幽々子に気がつかなかった。今度は舞い散る桜の花びらすべてが鋭い刃へと変わると、根の隙間から紫に放たれた。

 

紫はなんとか防御しようと結界を張ったが、そのあとに続いて来た根の攻撃に結界は耐えられず、紫はそのまま地面に叩きつけられてしまった。

 

幽々子「終わりよ…!崩符『精神向上の無い者』!!」

 

ボルグ《そこまでです!!》

 

アレックス《グラン・デーヴァ…斬り!》

 

地面で転がる紫の真上から幽々子が大量の桜の根っこと花吹雪を降らせたが、紫から出てきたシュタイン・ボルグの魔法とアレックスの斬擊が防ぎきった。

 

幽々子「…こうなると…こちらの分が悪いわね……あら…?」

 

紫「…ハァ…ハァ…なら素直にこっち(バトスピ)で…ハァ…蹴りをつける?」

 

幽々子「ええ。でも後悔しないことよ…?」

 

さすがに創界神と十二宮も同時に相手取ることは厳しいと見た幽々子に紫はすぐさまバトスピでの決着を持ちかけた。幽々子も紫の何かに勘づいたのか、迷うことなく了承した。

 

紫 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 




はい。ありがとうございました。

紫のリアルファイトを描写するのは本当に難しかったです…書籍とかで戦闘描写がないので……自分的にですが紫のバトルスタイルは傘や扇子よりも、持ち前の頭脳で超高度な魔法演算していく方がしっくりくるのですが…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

熱く高ぶる勇気は誰のため

皆さん聞きました!?グラン・サジット・ノヴァ!…ふふふ…サーガブレイヴ二話の予告から既にこいつの出し方は決めてるぜ!


一方 魔理沙&咲夜VS妖夢&アリスは…

 

 

アリス「待ちなさい!」

 

妖夢「逃げるのか!卑怯者!!」

 

魔理沙「ヤベェ…!」

 

咲夜「来たわよ!」

 

魔理沙の箒に相乗りして咲夜は妖夢とアリスから逃げ回っていた。最初は魔理沙達が押していたのだが、アリスのとある魔法で形勢が逆転してしまった。それは……

 

アリス「潰しなさい!ゴリアテ人形(ジャンボフォーメーション)!!

 

ゴリアテ人形《ゴゴゴゴゴゴ!!!》

 

咲夜「右斜め45度!!」

 

魔理沙「ほいっっっとぉぉ!!」

 

アリスと妖夢は推定五~六メートルはあろうかという巨大人形の肩に乗り、二人を追い詰めている。アリスがいつも使っているゴリアテ人形はだいたい二メートル程度だが、ヘラの力故か倍ものサイズに膨れ上がっていた。

 

咲夜「すごいわ!魔理沙!!初めて弾幕ごっこスペシャリストの肩書きが活きたわね!」

 

魔理沙「やかましい!それより次の攻撃を教えてくれ!」

 

妖夢「炎剣『六道輪廻の業火』!!」

 

咲夜「今度は左30度よ!!」

 

現在魔理沙はアリスが張り巡らした動きを重くする魔法の糸をかわすことに集中している。しかしそれでも何重、何層にも張られた糸を紙一重でかわせるのは普段から弾幕ごっこのスペシャリストを自負している故か……

 

今も妖夢が放った炎が魔理沙の肩すれすれを抜けていった。

 

ペルセポネ《けどどうする!?このままだとジリ貧よ…!》

 

ロロ《…ヘラとカグツチの力を操るあの二人をリアルファイトで打ち負かすのは骨が折れる…どうにか流れをこっちに引き戻してバトスピでの決着に持っていかないと……》

 

魔理沙の華麗なテクニックもいつかは限界がくる…さらに妖夢の弾幕にも注意を払うことになると、それは想像上に早く来てしまうだろう。

 

アリス「…まったく……そろそろ終わらせるわよ……『鳥籠』」

 

魔理沙「…ぐ…!しまった…!…道が……!」

 

飽き飽きしていたアリスは腕から魔法の糸を発射して魔理沙を妨害する。地面に突き刺さった糸の檻のせいで、魔理沙と咲夜はその場に立ち往生してしまう。もし無理矢理糸の間を通ろうとしたら見事な人間ところてんができてしまうだろう。

 

妖夢「もう逃げ場はありません。覚悟!」

 

魔理沙「…マジでヤベェ……!!」

 

ゴリアテ人形から降りてきたアリスと妖夢がジリジリと魔理沙と咲夜に近づいてくる。もはや魔理沙と咲夜に打つ手は無いように思えたが……

 

アリス「…それにしても……こんなへなちょこを異変解決に送り出した馬神 弾ってのもたかが知れるわね…」

 

咲夜「…カチン!……なんですって……!!!?」

 

アリスが何気なく言った言葉は咲夜の神経を逆撫でするどころかおもいっきり殴っていった。咲夜は目を鷹のごとく鋭くしてアリスをにらみつけた。

 

アリス「あら?だいたい敵の強さっていうのは下を見ればすぐ分かるわ。だからあなた達の上も大したこと無いって言ったのよ」

 

咲夜「……私の……せいで……?

 

魔理沙「咲夜!聞くな!!」

 

アリスの指摘に咲夜は猛烈に動揺してしまう。普段から完璧な従者としてレミリアや弾につくしてきた彼女にとって、今の言葉は彼女の根幹をえぐった。

 

咲夜《…申し訳ありません…お嬢様…弾様…失態を挽回するどころか…お二人の顔に泥を塗ってしまいました…もう私は…》

 

妖夢「隙あり!断命剣『冥想斬』!!」

 

ペルセポネ《咲夜ちゃん!!》

 

呆然として自らの存在意義すら揺るぎかけている咲夜に妖夢は十八番の剣術をおみまいしようとした。妖夢の刀が咲夜に迫る………

 

するとなぜか咲夜は迫ってくる妖夢の刀がものすごくゆっくりに見えた。まるでテレビの録画をスローモーションで視聴しているかのような……

 

咲夜《…あぁ…これが走馬灯ってやつ…今までよく生きてきたわよね…私…》

 

次々と浮かんでは消えていく咲夜の記憶……だがとある記憶に差し掛かった時、そのシーンだけはものすごく鮮明に…より具体的な場面が思い浮かんできた。

 

…まだ咲夜が小さかった頃…紅魔館に拾われてひとつひとつ家事などのメイドの雑務を学んでいた頃…テレビに写っていたとある青年の姿を見て、咲夜は彼に憧れの眼差しを向けた。

 

咲夜《…私とはまるで正反対だった…ただ雑用をしている私と、世界を守るために戦っている彼…》

 

そのあと流れた彼の悪い噂も咲夜の憧れを消すことはできなかった。しかし数年後『馬神 弾死亡説』が噂され始め、さすがの咲夜も彼の死を信じるしかなかった……

 

……幻想郷に移住して数年が経った()()()()()()

 

 

尋ねてきた赤い髪の青年…咲夜が彼の顔を見た瞬間、さまざまな感情が心の中で激流の如く押し寄せてきた。「なぜ幻想郷にいるのか」「なぜ紅魔館を尋ねてきたのか」「今までどこにいたのか」…そんな疑問もあったが、咲夜の心の大部分を支配していたのは…「あの弾様と会えて…しかもバトルしてくれた!」という大興奮だった。

 

咲夜《……あの日の興奮は今でも思い出せるわ…本当に私と彼とでは違い過ぎ…》

 

 

だが次の記憶はさらに上を行った。それは弾が正式に幻想郷の創界神になって間もない頃、弾が紅魔館を尋ねてきた時の記憶だった。

 

弾《…毎回ありがとう、咲夜。この紅茶はいつも美味しい》

 

咲夜《ありがとうございます》

 

とある一室で椅子に座っている弾は咲夜がだしてくれた紅茶を味わっていた。未来世界でも時々まゐの紅茶の飲んでいたことを思いだし、弾は感慨深い表情を浮かべた。

 

弾《…そういえば…咲夜は毎日家事やって…大変じゃないか?》

 

咲夜《…慣れれば楽ですし…お嬢様にもお世話になっているので……ですが正直…弾様と比べてしまいますね》

 

弾《オレ?…オレはここまで上手い紅茶を淹れられないぞ?前にまゐに淹れたら…茶葉の量間違えたし…》

 

自嘲するような笑みと共に話す弾。そして少し暗い顔をしている咲夜の顔を真正面から見つめて語った。

 

弾《…別にオレは咲夜に最高の仕事を期待している訳じゃない。オレはただ…咲夜がオレたちに尽くしてくれている気持ちがあれば良いさ…それにオレの道と咲夜の道は違うだろ?》

 

咲夜《…私の…道…?》

 

弾《シュタイン・ボルグも言ってたけど、咲夜達の仕事があってこそオレたちがやっていけるんだ。その道は隣り合わせだけど違う道…咲夜は自分の道を進んでいってほしい。そうじゃないと『本当の忠臣』とは言えないぞ?》

 

咲夜《………》

 

 

その時は弾の眼差しの奥にある感情が読み取れなかった。「自分の道」と言われても「忠実な従者」である咲夜は「自分」などあまり考えたことがなかったのだ。

 

そして弾の『本当の忠臣』の意味もわからないままだった。忠実にレミリアにつかえている自分に何が足りないのか……

 

 

咲夜《…わかった……わかりました…!私は『今の私』に拘泥していました…!自分は忠実な従者だと自負して…心のどこかで『進化』することをやめていました……!》

 

妖夢の刀が咲夜の頬に触れようとした一歩手前、咲夜は理解した。自分が『従者』として主のことだけを考えて(別にこれは悪いことではない)自分自身の『進化』を怠っていたことを…

 

咲夜「…まだよ…!まだ終わらない!終わらせない!私の『時間』はまだ止まっていない!!

 

妖夢「…っっ…ズサァ…」

 

アリス「…これって…!?」

 

魔理沙「…咲夜……?」

 

ロロ《…弾の神力…!?…まさか『分神』か!?》

 

咲夜の声が響くと同時に身体から弾の神力が迸った。そのエネルギーで妖夢は思わず後退り、アリスのゴリアテ人形も後退させる。

 

今の咲夜はメイド服が夜空のような漆黒に染まり、裾も膝下まで長くなる。だがその黒いメイド服には幾千もの星が現れては消えていく…それはまるでプラネタリウムのようだった。

 

咲夜「…ふふっ♪何か行ける気がするわ!来なさい!!」

 

妖夢「…っっ!こけおどしだ!熱剣『焔歌舞伎』!」

 

長くなったメイド服の裾を咲夜はバサッとはためかせて両手にナイフを構える。咲夜から溢れでる神力に少し怯みながらも妖夢は炎の刀を突き出す。

 

咲夜「…バッ!遅いわよ!やぁ!」

 

妖夢「…速い!?ぐはっ…!!」

 

アリス「私もいるわよ!操符『レベルティターニア』!!」

 

咲夜は妖夢の刀をヒラリと回転してかわすと、そのまま回し蹴りを叩き込み近くの木の幹に激突する。一方アリスはゴリアテ人形とは別の人形をふたつ出現させ、魔法で約二メートルサイズまで巨大化させる。

 

咲夜「…へぇ…その人形達からエネルギー弾が放たれるのね…」

 

アリス「全弾発射!…え!?」

 

咲夜「残念だけど…見えてるわ!逆転『時の中のスバル』!!」

 

目が金色に輝いた咲夜の呟きにアリスは驚愕した。なぜならアリスが砲撃を指示する前に咲夜が攻撃方法を言い当てたからだ。そして二体の人形達から光弾が発射される……

 

……ことはなかった……攻撃の直前、アリスの人形が二体とも文字通り糸が切れたようにピクリとも動かなくなり、エネルギーの充填も止まったからである。

 

アリス「な…!?ど、どうして動かないの!?」

 

咲夜「紐の『時間』を進ませたのよ。もう一発!星辰『裏鼓星!!』」

 

アリスが狼狽えている隙に咲夜の手のひらから怪しい波動が放たれる。すると一瞬でゴリアテ人形を含めたアリスの人形すべてが布と綿と紐になって地面に転がった。

 

妖夢「おのれぇぇ!!」

 

魔理沙「咲夜ばかりにかっこつけさせるか!!恋符『ノンディレクショナルレーザー』!!」

 

妖夢「…がはっ…!」

 

起き上がった妖夢が再び刀を振るうが、完全に意識の外にいた魔理沙のレーザービームをもろに食らって今度はアリスの足元まで転がっていった。

 

アリス「…仕方ない…!まさかこの魔導書で…って!?」

 

咲夜「あぁ…それも『時間』を戻してただの紙の束にしておいたわよ?」

 

一気に劣勢と化した戦況を戻そうとアリスは手元の魔導書をめくろうとする。だが咲夜の時間遡及によって魔導書はただの紙へと戻ってしまっていた。

 

アリス「…ならバトスピで勝負よ!」

 

魔理沙「それを待ってたぜ!負けんなよ?咲夜!」

 

咲夜「ええ!」

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』咲夜さんは『何時ものメイド服の白い部分が黒い』『裾は膝下』『黒い部分に星空』さらに『時間遡及』と『未来予知』出来るようになりました……主の意向を誰よりも先に察知し、常に前準備をする…まさに『完全で瀟洒な従者』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星色夜空

はーい!ダブルノヴァX難民でーす!……何でどこも売り切れてるねん!


咲夜「……クイクイ…」

 

妖夢「…この…!メインステップ!原初の炎!!創界神カグツチを配置!神託でコアを二個追加!!ターンエンド!」

 

カグツチ《………》

 

咲夜の挑発に妖夢はイラつきながらカグツチを呼び出す。やはりその顔にはいつもの笑顔は浮かんでいない。

 

咲夜「メインステップ!冥府の姫君!創界神ペルセポネを配置!神託でコアふたつを置き、さらにネクサス!魂の古都ジュデッカを配置するわ!」

 

ペルセポネ《…ようし…!負けないわよ…!!》

 

咲夜はペルセポネとジュデッカと言う『毒刃』には最高の滑り出しでスタートした。

 

咲夜「まずはこれでターンエンド」

 

妖夢「…斬る…!メインステップ!バーストをセットして機巧武者サイウンをレベル2で召喚!!…ターンエンド」

 

妖夢は機巧デッキのコアブースト要員、サイウンを召喚する。さらにバーストを張ったのはむやみにサイウンを破壊されないようにする威嚇か…

 

咲夜「…メインステップ!堕天騎士タムズと堕天騎士アリオクを召喚!タムズの効果で一枚ドロー!…どうしようかしら…」

 

咲夜のフィールドに『毒刃』の3コストドローのタムズとカラスのような黒い翼の騎士が現れる。咲夜としてはサイウンの効果を発揮させたくはないのだが、下手に突っ込んでバーストを踏むのもイヤだった。

 

咲夜「…アタックステップ!タムズでアタック!毒刃の効果で相手デッキからサイウンの下にカードを追加!」

 

妖夢「……ライフで受ける!」

 

悩んだ末咲夜はタムズを攻撃させる。するとジュデッカでどのみちフィールドに残るタムズの攻撃を妖夢はライフで受けた。しかしバーストは発動しなかった。

 

咲夜「あら、ハッタリだったのね。ターンエンド」

 

妖夢「…う、うるさい!メインステップ!イチバンスピアー並びに鬼武者ライザンを召喚する!」

 

咲夜の指摘に狼狽えながら妖夢は赤白に成れる槍兵、筋肉質な竜剣士を呼び出す。イチバンスピアーはカグツチの神託に含まれないが、機巧だからか妖夢は採用していたようだ。

 

妖夢「アタックステップ!ライザンでアタック!まずは一枚ドローし、真・激突!!」

 

咲夜「アリオクでブロックするわ。破壊されるけど…バーストもらうわよ!呪の覇王カオティック・セイメイ!!ライザンのコアをトラッシュに置いて一枚ドロー!その後、セイメイは手札に戻る」

 

妖夢のライザンが咲夜のアリオクを真っ二つにするが、バーストの光がそのライザンの命を奪って消滅させた。案外カオティック・セイメイのバースト効果は『毒刃』と合うのである。

 

妖夢「…ターンエンドです…」

 

咲夜「…畳み掛けるわ!メインステップ!暗極天イブリースと堕天騎士シンを召喚してバーストをセット!アタックステップ!もう一度タムズでアタック!」

 

ペルセポネ《私の神域でイチバンスピアーとサイウンに二枚ずつ追加ぁ!》

 

咲夜はレイピアを構えた金の堕天騎士と鞭を振るった騎士を召喚し、再びタムズを攻撃させた。今回はペルセポネがレベル2だったので、浴びせる毒の量も格段に上がっている。

 

妖夢「バースト発動!八百万の神の剣!機巧剣神アマノオハバリ!コストはイチバンスピアーから確保して召喚!!そしてブロック!」

 

咲夜「でもジュデッカの効果で疲労状態でフィールドに残るわ。ターンエンド」

 

対する妖夢もバーストから白い二本の小太刀と翼を持ったロボットを呼び出して、向かってきたタムズを斬り捨てた。だがジュデッカに漂う亡霊が疲労したタムズを蘇らせる。

 

妖夢「よし!サイウンの効果!このターン一度もライフが減らなかったので、ソウルコアの力も入れてコア三個を増やす!メインステップ!バーストをセットし…神をも焼き殺す炎!炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビ!

 

カグツチが放った炎の斬撃が空を切り裂き、大剣を構えたソウルドラゴンを召喚する。アマノオハバリとソウルドラゴン・ホムスビ、妖夢のフィールドにカグツチの化神が並び立った。

 

妖夢「アタックステップ!行け!アマノオハバリ!カグツチの神域でブロック時効果をアタック時にも発動!イブリースとシンを手札に戻し、カグツチのコアも使って回復する!!」

 

ペルセポネ《ちぃ…!咲夜!ホムスビの効果でライフ一点飛ぶわよ!》

 

アマノオハバリが小太刀二刀流でイブリースとシンを吹き飛ばして咲夜の手札に返す。さらにスピリットがバウンスされたので、ホムスビが剣を振って咲夜のライフをひとつ切り裂いた。

 

咲夜「…パシッ…甘いわね。いつからこのバーストがカオティック・セイメイだと錯覚していたの?」

 

妖夢「な!?」

 

咲夜「バースト発動!堕天姫エルシャの効果で戻されたシンを再び召喚!そしてブロック!」

 

驚く妖夢を咲夜はバーストを発動させて、先ほどバウンスされたシンを呼び返す。続いて血の気のない白い肌に銀髪の姫君がバーストから現れた。

 

咲夜「シンの破壊時効果!アマノオハバリに二枚!ホムスビに三枚カードを下に追加!そしてエルシャレベル2効果!下にカードが三枚以上あるスピリットの効果は発揮されない!」

 

シンはアマノオハバリに蹴り飛ばされて破壊されるが、毒がアマノオハバリとホムスビにまとわりつく。そしてジュデッカがシンを蘇らせた。

 

妖夢「…カグツチのコアが足りない……ターンエンド…!」

 

咲夜「……まったく…妖夢、そんなだから半人前って言われるのよ」

 

妖夢「…よ、余計なお世話だ!」

 

咲夜「…思い出しなさいよ…!あなたの剣は何のために振るうのか!」

 

妖夢「…何の…ために……うぅ!?」

 

咲夜は妖夢に問いかける。すると妖夢は頭に手を当ててうめき始める…まだ完全に弾達を忘れていない証拠だ。

 

咲夜「そう…あなたは『自分が信じた正義』のために戦うんでしょ!今からそれを思い出させてあげる!メインステップ!毒を持って毒を制す!冥府へ導く女神!毒刃冥姫ジャンヌ・プロセルピナ!

 

ペルセポネ《おまけに妖刀ムラサメをプロセルピナにダイレクト合体!》

 

咲夜は『分神』状態に切り替わり、手札のカードを切る。そしてペルセポネが鞭で割った地面からプロセルピナが星のオーラと共に現れる。そしてその手に紫色の刀が握られた。

 

咲夜「バーストをセットして…アタックステップ!合体アタック!!合計八枚をスピリットの下に加えてペルセポネのコアを移動!相手スピリットを全破壊!!」

 

ペルセポネ《吹き飛べぇぇぇぇぇ!!》

 

黒いドレスの裾を揺らすと咲夜は腕を伸ばしてプロセルピナをアタックさせた。プロセルピナはムラサメの一振りして妖夢のスピリット達に毒を食らわせ、ペルセポネの力で全員破壊していった!

 

妖夢「…ぅぅ…バースト発動……!武将転生…!ホムスビはレベル3で復活…!ふ、フラッシュ効果でBPプラス5000!ブロック!」

 

妖夢も負けじとバーストを開くと大きな火柱が上がる。その炎を吸収して復活したホムスビが赤く輝いた剣でプロセルピナのムラサメを受け止める。

 

激しく剣を打ち合わせる両者。だがホムスビはBP19000、プロセルピナはムラサメの分を入れてもBP18000、徐々にホムスビがプロセルピナを押し返していく…

 

咲夜「…スピリット破壊によりバースト発動!!アルティメット・ランスロットの効果!今破壊されたプロセルピナを蘇生!」

 

態勢を崩したプロセルピナに大剣を突き刺して破壊したホムスビだったが、咲夜のバーストから吹き出した紫の煙から五体満足のプロセルピナが蘇る。その傍らに黄金の騎士を連れて……

 

咲夜「もう一度プロセルピナでアタック!!再びカードをホムスビの下に置いて破壊よ!!」

 

妖夢「…ぅ…ライフで受ける!」

 

再び飛び出したプロセルピナがホムスビを毒のムラサメで切り裂くと、そのまま妖夢のライフよふたつ破壊した。

 

咲夜「続けてタムズでアタック!毒刃が不発したのでプロセルピナは回復!!」

 

妖夢「…ライフ…!ぐぇ…ぅ…」

 

カグツチ《……ぃ…ン…!》

 

タムズが放った毒がプロセルピナに吸い込まれてプロセルピナは回復する。そしてタムズの剣が妖夢のライフを貫き、妖夢やカグツチにも反応が見えてきた。

 

咲夜「…終焉…!プロセルピナでアタック!!」

 

プロセルピナは鞭に毒で染まったムラサメをくくりつけ、残った妖夢のライフめがけて叩きつけた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「…ったく…都会派人形使いが聞いて呆れるぜ」

 

アリス「なによ、メインステップ。神世界の人形使!創界神ヘラを配置!神託によってコアを三つヘラに置くわ。ターンエンド」

 

ヘラ《…………》

 

都会派で…しかも人形使いって言っておきながら「逆に操られるなよ」と暗になじった魔理沙の真意に気づかず、アリスはヘラを呼び出した。

 

魔理沙「…メインステップ!バーストをセットして世界の創造主!創界神ロロと神皇祀る霊廟を配置!神託でコア二個を増やすぜ!ターンエンドだ!」

 

ロロ《…ん?今回は緑紫軸か…》

 

魔理沙は十二神皇達の銅像がある神殿とロロを配置する。神皇祀る霊廟は手札の『十二神皇』の軽減シンボルを紫に固定するので、今の魔理沙は紫軸のようだ。

 

アリス「へぇ…メインステップ。少女ドール ジェラ・レディを召喚して一枚ドロー…ターンエンドよ」

 

アリスは小さな角が生えたお人形を召喚するだけでターンを終える。だがヘラの神技がコアひとつでできるのは『呪鬼』にとって大きなアドバンテージとなる。

 

魔理沙「…除去してぇけど…メインステップ!神皇祀る霊廟の効果でコストを軽減!神速封印!緑のファンタジスタ!卯の十二神皇ミストラル・ビット!!」

 

魔理沙の後ろの霊廟のうち、卯の銅像が輝くと手札の十二神皇の軽減シンボルを紫に書き換える。そして緑の風からブースターに乗ったウサギが飛んできた。

 

魔理沙「…ターンエンドだぜ」

 

アリス「…あら?それで終わり?…メインステップ…何もしないでアタックステップへ、ジェラ・レディでアタック!小界放…発揮!」

 

召喚しただけでターンエンドした魔理沙にアリスは拍子抜けしたような表情を見せる。だがアリスもそのままジェラ・レディを攻撃させたが……

 

アリス「ヘラのコアをトラッシュに置くことでヘラの神技を直ちに発動よ!一枚ドローして手札の剣帝ドール アンシャンテを破棄!そしてアンシャンテの召喚時効果をヘラの神技として発揮するわ!」

 

魔理沙「…まずはアンシャンテか…」

 

ジェラ・レディがヘラのエネルギーを使い、アリスの手札から落ちたアンシャンテの効果を発動させる。それはアリスのデッキトップを破棄し、『ドール』スピリットならライフ一点貫通と言うもの…

 

アリス「…司書ドール レナだったのでひとつもらうわよ!さらにアンシャンテは3コストで召喚できるわ!もう一度!!」

 

アンシャンテ自身の効果でそのまま呼び出されたグレーのレイピア人形が再びアリスのデッキを吹き飛ばす。

 

アリス「…爆弾ドール ミモザ!ついてるわ!ライフ二点目!さぁさぁ…!ジェラ・レディのアタックは続いてるわよ!」

 

魔理沙「ライフで受ける!」

 

ジェラ・レディとアンシャンテのレイピア攻撃が魔理沙のライフを二個ぶち壊す。

 

アリス「アンシャンテ!さらに一枚オープン!」

 

アリスは攻めの姿勢を崩さない。三度アンシャンテの効果でデッキがめくられるが、今回はロックハンドだったのでライフは吹き飛ばなかった。

 

魔理沙「それもライフだ!ライフ減少によりバースト発動!!そびえる白の要塞!丑の十二神皇アバランシュ・バイソン!召喚時効果でアンシャンテをデッキボトムへ送るぜ!!」

 

アンシャンテの突きが魔理沙のライフをごりごり削っていく。しかし魔理沙はカウンターでバーストから白い要塞牛を呼び出すと、アンシャンテをデッキボトムに撃ち戻した。

 

アリス「…ウッソォ…ターンエンドよ」

 

魔理沙「メインステップ!対の顔持つ双子の道化師!魔導双神ジェミナイズを召喚!召喚時効果で神皇統率する司令官!巳の十二神皇ティアマドーを踏み倒すぜ!そしてミストラル・ビットをレベル2に!」

 

ジェミナイズ「《いくっぞー!!》」

 

アバランシュ・バイソンの隣にジェミナイズが地面を突き破って出てくると、空から翼が生えた巨大なヘビも降りてくる。これで魔理沙のフィールドには五体の『神皇』が並び立った。

 

魔理沙「アタックステップ!まずはミストラル・ビットでアタック!跳躍でジェラ・レディを手札に戻す!さらにライフを削ってコアブーストだ!」

 

アリス「…っぅ…!ライフで受ける!」

 

ブースターを切り離してジェラ・レディをビームで手札に戻したミストラル・ビットはつけ直したブースターからビームソードを噴射してアリスのライフを切り裂いた。

 

魔理沙「続けてティアマドーでアタック!神軍の効果でトラッシュのグリードックをタダ出しだぁ!!」

 

アリス「…ライフよ!」

 

ティアマドーが紫の光線を放って地面からグリードックを出現させる。だがアリスは冷静にティアマドーの攻撃をライフで受け、残りライフは一にまで減らされた。

 

魔理沙「ほらほら!後がないぜ!?グリードックでアタック!強奪で相手手札のマジックを借りてくぜ~♪」

 

ロロ《…君の『借りる』とリリアの『ファッションセンス』は信用できないよ…》

 

最後のライフを砕こうとグリードックが大きく吠える。そしてアリスの手札が公開されたが……そのなかに一番危険なカードが混じっていた。

 

魔理沙「…げ!ジェラシックドール!?」

 

アリス「残念だけど…このデッキにマジックは数枚しかないの。フラッシュタイミング!ヘラの神技を使ってジェラシックドールを破棄!」

 

棄てるマジックがなかったので、アリスの手札はそのままだった。しかもヘラの神技が発動してトラッシュに行ったのは…もちろんジェラシックドール…

 

アリス「…フフン!コスト6の魔界騎士デストロイデン!よってコア六個をトラッシュへ!さらにジェラシック=ドールはこのまま召喚できる!!」

 

ヘラから放たれた波動が魔理沙のグリードックからひとつ、ジェミナイズからふたつ、アバランシュ・バイソンから三つコアを除去して消滅させる。そしてアリスはジェラシック=ドールを呼び出して再びデッキをめくる。

 

アリス「…黒嫁ドール ザンシアね…まぁティアマドーのコア三個とミストラル・ビットのコア一個を外すわ」

 

現れたジェラシックドールの糸がティアマドーとミストラル・ビットを縛りつけてコアを外す。だが跳躍の効果でスピリット全体のコアが増えていたからか、ミストラル・ビットだけはなんとか踏ん張った。

 

魔理沙「毎度お前は残るんだな…だがその消滅貰った!バースト発動!丁騎士長イヌワッシャー!消滅したジェミナイズを再び召喚だぜ!さらにドローして召喚!!申の十二神皇ハヌマーリン!」

 

アリス「…な!?…しまった…!!」

 

ジェミナイズ「《ふっかぁぁつ!!》」

 

アリスは最後の最後で油断してしまった。魔理沙のバーストが開くと緑の竜巻からジェミナイズが笑いながら復活する。さらにジェミナイズの光が天に昇り、ハヌマーリンが隣に降りてきた。

 

魔理沙「…覚えてるだろ?こいつ(ハヌマーリン)はジェミナイズ達と一緒に戦った戦友だ。龍神の企みを…アイツと共に打ち砕いた!」

 

アリス「…!……ぇ…ぁ…」

 

ハヌマーリンの姿と魔理沙の声にアリスも頭を押さえる。さらに魔理沙は言葉を続けた。

 

魔理沙「…それに…昔魔界で知り合った仲じゃないか!ほーんのすこぉしいざこざもあったが、最後はグリモワールを貸してくれたし!」

 

アリス「うぐぅ…!!な、なに…?頭痛に加えて……何か…背筋がぞわっと…!」

 

……はいそうですね…勝手に魔界に乗り込んだあと、アリスを縛って吊し上げて()()()んですよね。しかもよほどトラウマだったのか、アリスは記憶がないのにも関わらず顔を青くして震えている。

 

魔理沙「行け!ジェミナイズ!」

 

ジェミナイズ「《ええーい!》」

 

アリス「…ぅ…!ジェラシック=ドールでブロック!」

 

回りながらジェミナイズは両腕に光の球を出現させると、糸を構えたジェラシック=ドールとぶつかり合う。だがBP差で上回っているジェミナイズがもう一対の両腕のエネルギー球でジェラシック=ドールを吹き飛ばした。

 

魔理沙「決めてこい!ハヌマーリン!!」

 

アリス「…ま、魔…理…沙……!」

 

ハヌマーリンが杖を掲げてアリスの頭上に巨大な雷を叩き落とした!!

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「…ズルズル…」

 

咲夜「魔理沙、そっちは?」

 

魔理沙「…ん?ああ、今終わった……ほら!アリス!ペチペチ…起きろ!ペチペチ…」

 

倒れて気絶している妖夢を引きずりながら咲夜は魔理沙に安否を尋ねる。その魔理沙は同じく倒れているアリスの頬を叩くことに集中している。

 

アリス「…ちょ…起きたって…」

 

魔理沙「お!思い出したか!?」

 

アリス「…ええ…!あの時縛られて吊るされたこともね!」

 

魔理沙の腕を振り払ってアリスは起き上がる。その顔は「嫌なことごと思い出した」と言わんばかりに不機嫌そうだった。

 

アリス「…それより…霊夢と紫が心配ね…」

 

咲夜「早くあとを追いましょ!」

 

魔理沙「おう!…そしてお前はいつまで気絶してんだ!」

 

妖夢「みょーーーん!?」

 

そうして魔理沙が妖夢をしばいたあと、妖夢をぼこぼこの道でもお構い無しに引きずって霊夢達の言葉あとを追った。

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鬼の一撃

わーい!元旦に仕事が入ったぞ~!

……ウソダドンドコドーン!!


萃香「…へへっ…!」

 

霊夢「…先に始めるわ。メインステップ!鋼鉄雷機士ティグリゴレウスのアクセルを使用!デッキから一枚ドロー、ターンエンドよ」

 

萃香とのバトルを始めていた霊夢はひとまずアクセルを使ってドローする。ゼウスから入らないところを見ると、まだ手札に来ていないのか…

 

萃香「よっしゃ!メインステップ!創界神のウルトラマンを配置!!神託でコアを三個追加する!!」

 

霊夢「はぁ!?なによその創界神!?」

 

萃香「ニャハハハハ!これでターンエンド!」

 

萃香の後ろに現れたマントの銀色の巨人は紛れもなく創界神ネクサス。霊夢の驚きの声にも萃香は笑うだけで答えなかった。

 

霊夢「…メインステップ!天駆ける雷神!創界神ゼウスを配置!神託を発揮してコアふたつを置くわ!さらにゼウスの神鳴神殿もよ!」

 

ゼウス《…不安が拭えぬな…》

 

霊夢はゼウスと雷鳴轟く神殿を連続配置する。霊夢としては早くゼウスのレベル2神技を使いたいのだが、手札の巡りが悪いのかあまり展開できていない。

 

霊夢「…バーストセットしてターンエンド!」

 

萃香「おーん……メインステップ!ウルトラマンビクトリーを召喚してデッキを三枚めくる!そん中の『ウルトラマン』を回収だ!」

 

続いて出てきたのは頭に金色のVがついた、これまた銀色の巨人だった。そして萃香のデッキがオープンされ…スペシウム光線、ウルトラマンタロウ、M78星雲…!

 

萃香「タロウを手札に加えて、スペシウム光線の効果で創界神のウルトラマンにコアを置いてこいつも手札に入る!こちらもバーストを張ってターンエンドだ」

 

霊夢「…動かない…なら攻める!メインステップ!手元のティグリゴレウスをレベル2で召喚!さらに手札から光輝鎧サンダー・Z・ブレイヴを直接合体よ!!」

 

しびれを切らした霊夢は手元から斧を構えた金の騎士を呼び出すと、ティグリゴレウスにローマの剣闘士のようなアーマーが合体した。さらにサンダー・Z・ブレイヴの召喚時効果でゼウスにコアが追加される。

 

霊夢「アタックステップ!ティグリゴレウス!ぶっとばしなさい!!サンダー・Z・ブレイヴの効果で一枚ドロー!」

 

萃香「ライフで受けるよ!…ぐ……!!」

 

サンダー・Z・ブレイヴの鎧を着たティグリゴレウスが萃香のライフを斧で砕く。鬼の萃香が後ずさるほどの衝撃は明らかに普通のライフ減少時のダメージを越えていた。

 

萃香「…か~!まるで勇儀に殴られた感覚だ!やっぱりこれぐらいが良いねぇ~…バースト発動!ウルトラマンタロウの効果は不発だが、ノーコストで召喚するよ!!」

 

萃香のバーストから飛び出してきたのは赤い身体に三叉の頭をしたウルトラマンだった。

 

霊夢「…ターンエンド」

 

萃香「メインステップ!ウルトラマンタイタスを召喚!召喚時効果で自身を最高レベルに!そのままアタックだ!!創界神のウルトラマンレベル2神域によってBPプラス5000!!」

 

勢いに乗る萃香は筋肉質なウルトラマンを召喚し、最高レベルにしてアタックさせた。さらにウルトラマンタイタスは自身の効果と背後の巨大ウルトラマンの後光でダブルシンボル&BPプラス5000状態になっている。

 

霊夢「ライフで受ける…んぐうっ!?」

 

ゼウス《霊夢!…やはりダメージが大きいか…!!》

 

タイタスのパンチが霊夢のライフをふたつ打ち砕く。以前の悪霊達(獄龍隊)とのバトル以上の痛みに霊夢は歯を食い縛って何とかこらえた。

 

霊夢「…ぐ…ら、ライフ減少により…バースト発動…!!雷獣皇サンダー・Z・ライガー!BP7000以上のスピリットを一体破壊してさらにバーストセット…!そして召喚するわ!」

 

萃香「残念…創界神のウルトラマンのコアひとつをタロウに置いて、同じ状態でフィールドに残るんだ…まぁターンエンドかな」

 

苦しみながらも霊夢はバーストを発動させる。すると空からの雷がウルトラマンタロウに降り注いで爆発させたが、巨大ウルトラマンの後光がタロウを復活させた。

 

だが霊夢のフィールドには黒い鎧に赤い肩当てを着けたライガーが現れていた。

 

霊夢「はぁ…はぁ…メインステップ、進化する蒼き炎槍!超・十二神皇エグゼシード・F!!召喚!!」

 

萃香「…来たね…超・十二神皇…!」

 

雷鳴神殿のさらに奥から蒼い炎を放ちながらエグゼシード・Fが霊夢のフィールドに駆け込んできた。それを見た萃香は不適に微笑む…まるでこうなることを予測していたように……

 

霊夢「アタックステップ…行きなさい!フォーミュラー!超封印によってソウルコアをライフに置き、最高レベルまで…!さらに炎走破!タロウを破壊してタイタスに指定アタック!!」

 

萃香「再び創界神のウルトラマンの力でコアを移動させてフィールドに残すよ…迎え撃ちな!!」

 

フォーミュラーのビームもタロウは背後の巨大ウルトラマンのエネルギーで元に戻ってしまう。それに構わずフォーミュラーは自慢の筋肉で受け止めようとしたタイタスを角で貫き、破壊した。

 

霊夢「…一応スピリットは二体破壊した…!よって二点ライフを砕く!」

 

萃香「…ライフが減るタイミングでマジック!リアクティブバリア!ダメージを一点に軽減し、アタックステップも終わらせる!!」

 

フォーミュラーのビームソードが萃香のライフに突き刺さるが、白い防御壁がビームソードの一本を弾いてしまう。

 

霊夢「…まさか…読まれた…?」

 

萃香「…そりゃ対策ぐらいするさ…博麗の巫女のデッキの動きは全部わかっている。それにも対応できるのが一流じゃないかい?」

 

霊夢「…ターンエンド…」

 

萃香「メインステップ!俊星流れるコロッセオを配置してウルトラマンゼロをレベル2で召喚!さらにスペシウム光線を使ってコスト8以下のスピリットを破壊するよ!!」

 

霊夢「…ちぃ…サンダー・Z・ブレイヴはそのまま残すわ…」

 

萃香の言葉に歯噛みする霊夢。それを尻目に萃香は青いコロッセオを配置し、銀と青のウルトラマンを呼び出す。

 

続けて萃香の背後のウルトラマンが腕をクロスさせると、その腕から光線を放ってティグリゴレウスを撃ち抜いた。そして破壊されたティグリゴレウスからサンダー・Z・ブレイヴが分離してフィールドに降り立つ。

 

 

萃香「アタックステップ!ゼロでアタックだ!まずは強襲を使う!俊星流れるコロッセオを疲労させることで、ゼロは回復!さらに相手のバーストをオープンさせる!!」

 

ゼロが走り出すと頭の『ゼロスラッガー』をひとつ掴んで霊夢に放つ。回転しながらゼロスラッガーは霊夢のバーストをひっくり返し、そのバースト…サンダー・Z・ビャッコを露にさせた。

 

萃香「よーし!そのコスト以下のスピリットを破壊だ!さらにそいつを破棄させてもらう!」

 

ゼロスラッガーがブーメランのように戻ってきて霊夢のサンダー・Z・ブレイヴを切り裂く。だが萃香の猛攻はこれで終わらなかった。

 

萃香「…最後だ…ゼロに煌臨!邪神を討つ聖なる光!グリッターティガ!!煌臨時効果で最もコストの高いスピリットを破壊…!!」

 

ゼロが黄金の光に包まれ、赤と銀、そして紫色をしたウルトラマンへと変化する。その身体はまばゆい光を放っている……!煌臨したグリッターティガはL字に組んだ腕から必殺の『ゼペリオン光線』をぶっぱなしてサンダー・Z・ライガーを破壊した。

 

霊夢「…ライフよ…!!ぎゃ…!!!」

 

グリッターティガのキックが霊夢のライフを二点蹴り砕く。砕けたライフの痛みが再び駆け巡り…赤と白の巫女服は所々切り裂かれ、唇や頬は切れて血が滲む…霊夢の身体はもうボロボロだった。

 

萃香「…終わりだよ…グリッターティガ!!」

 

ゼウス《…くっ!はぁぁぁ!!》

 

強襲の効果で回復していたグリッターティガは再び腕からゼペリオン光線を放つ…そしてフォーミュラーを貫いて霊夢の残りライフもすべてぶち壊した………

 

霊夢《…負けた……弾幕ごっこやいつものバトルとは比べ物にならない痛み…ごめん…弾…ヤバッ…い、意識…が……》

 

吹き飛ばされた霊夢の目の前が暗くなっていく…悔しさ、悲しみ、自分への怒り…様々な感情が霊夢の脳内で渦巻く

 

しかし一番強烈だったのは『弾達への罪悪感』だった…

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

…やべ…中ボスとかどうしよう…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

六面ボスVSPhantasmボス

注意!今回少し流血描写があります!あと自己設定!


幽々子「…うふふ…あら紫…ずいぶん疲れてるみたいね」

 

紫「…気のせいよ…メインステップ!天駆ける創界神!創界神アレックスを配置…!神託でコアを一個…追加!ターンエンドよ…」

 

アレックス《…え…紫さん、本当に…大丈夫ですか?》

 

幽々子や現れたアレックスの指摘も無理はない。今の紫は先ほどの幽々子の攻撃ですでにボロボロ、所々血もにじんでいる…それでもバトルフィールドに立っていられるのは妖怪としての肉体故か、それとも強い信念か…

 

幽々子「メインステップ。咲き誇れ!創界神アプロディーテを配置!神託によってコア三個をアプロディーテに置くわ。さらに神華の妖精ヒメヒマを召喚」

 

アプロディーテ《……………》

 

幽々子は背後にアプロディーテを呼び出すと、フィールドにも赤い服に金髪の小妖精を召喚した。

 

幽々子「バーストをセットして……アタックステップ。ヒメヒマでアタック!」

 

紫「…ライフで受ける!」

 

ヒメヒマが蝶の羽から光弾を放って紫のライフを破壊する。だがその衝撃は紫の想像以上だった…

 

紫「がはっっっ!!?…ゴフッ!」

 

アレックス《!紫さん!…やっぱりさっきの戦闘で…!》

 

ライフが減った瞬間、紫はあまりの痛みに吐血してしまった。しかしそこは『妖怪の賢者』、態勢を整えカードを握っている右手を左手で押さえながら視線を前に戻す。

 

幽々子「…うふふ…ターンエンド…」

 

紫「…ハァ…ハァ…ドロースっっ!!」

 

アレックス《無茶ですよ!その腕じゃドローもできませんって!》

 

紫はドローステップのためデッキに手を伸ばすも、激痛が身体を駆け巡る。思わず手を引いた紫にアレックスはバトルを止めるよう忠告するが…

 

紫「…なによ…!こんな…痛み…!弾が受けた『無理解』に比べたら…!どうてことない!メインステップ!レイニードル、魔界竜鬼ダークヴルムを召喚!!ライフを削って二枚ドロー!!」

 

痛みをこらえて紫はターンを進め、フィールドに青い東洋竜と紫の小型ヴルムが現れた。さらにレイニードルのまわりに赤シンボルがふたつ浮遊する……レイニードルの効果でシンボルを増やせるのだ。

 

紫「い、雷よ…!天を裂け…!ハァ……雷皇龍ジークヴルム!」

 

ダークヴルムの効果もあり、コスト3かつ最大軽減で紫はジークヴルムをフィールドに呼び出した。これで紫のスピリットは三体、攻めても問題ない頭数だ。

 

紫「…ハァ…ハァ…アタックステップ!レイニードルでアタック!」

 

幽々子「ライフよ」

 

レイニードルが口から青い竜巻を発射して幽々子のライフを撃ち抜いた。幽々子は亡霊だからか、そこまで痛くもないといった様子だ。

 

紫「…ターン…エンド…!」

 

幽々子「…その様子じゃ…倒れる方が先かもね。メインステップ。神華の魔女妖精ガーデニアを召喚!召喚時効果でデッキを四枚めくるわ」

 

冷徹に幽々子はそう吐き捨てるとツン目の白髪妖精を召喚する。ガーデニアはそして四枚めくって『楽族』カードを手札に、『華』マジックをフィールドに置くことができるのだ。

 

幽々子「…ゼフィランサスフィールドとオニユリフィールドをフィールドに置いて、戦国姫 綾芽を手札に。ターンエンド」

 

紫「…ふぅ…メインステップ…マジック!スターリードローを使用!デッキから三枚オープンして星竜をすべて手札に!」

 

ライフダメージが来ないので、紫は一息つく。そのまま紫はスターリードローで手札を増やしにかかる…太陽龍ジーク・アポロドラゴンX、滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ、龍星皇メテオヴルムX。

 

全員『星竜』スピリットなので紫はすべて手札に加えた。

 

紫「…弾…蓮子…!力を貸して…!太陽よ!星の力纏いて竜となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!」

 

そして紫はスターリードローで回収した赤い太陽龍をフィールドに召喚する。ジークヴルムと並び立つその姿は確かに紫に力をくれた。

 

紫「アタックステップ!ジーク・アポロドラゴンでアタックよ!効果でガーデニアを指定アタック!」

 

幽々子「…そのままブロックよ」

 

ジーク・アポロドラゴンが火炎放射をガーデニアめがけて放つ。対する幽々子はなにもせずにガーデニアを破壊させた。

 

紫「…っっ!…ターンエンド…よ…」

 

幽々子「…!…ふふふ…メインステップ!…んんんっ!さて…そろそろ本気でゆくぞ。我が御姿にひれ伏すがいい!崩幻女神ミテラ・テテュス!!

 

幽々子がドローしたカードが少し光ると、幽々子の目が黄色くなって声も低めの古風な口調へと変わる。そして幽々子のフィールドに開いた黒い穴から大きな翼を生やした女神が現れた。

 

紫「…貴様が…!幽々子を操って…!」

 

テテュス《 いかにも。この小娘には妾の依代のため、少々記憶を書き換えさせてもらったぞ

 

アレックス《…あなたは…いったい何者ですか!?》

 

怒りに震える紫の代わりにアレックスが幽々子に取りついているテテュスに質問する。ここで少しでも情報を得ておけば、後々有利になるのは目に見えている。

 

テテュス《 …はぁ…妾の名を知らんとは……まぁ良い…妾はテテュス、原初の神々の一角よ

 

アレックス《原初の……まさか…タカミムスビさんが言ってた!》

 

テテュス《…あの裏切り者の名を出すな!…ふん、さて…『妖怪の賢者』八雲 紫よ。妾達は世界を憂いている…なぜなら幻想郷を含め、神世界全土が酷く歪んでいるからだ

 

アレックスの言葉に苛立ちを隠さないテテュスだったが、紫には冷静に話しかける。紫も頭を冷やして注意深く聞いていた。

 

紫「…それと幻想郷や弾を巻き込むことに何の関係性が?」

 

テテュス《 …今の幻想郷にはお前達三人の『イレギュラー』が揃っている。お前達がいるからこそ、世界の歪さは止まらない……だからお前達を滅するため()()()()()()()()の封印を解いたのにのう……

 

紫「な!?…まさかメジェドの封印を解いたのは…あなた達!?」

 

テテュスの何気ない呟きは紫達にとって聞き捨てならないことだった。しかしテテュスはそこまで重大とは思っていないのか、キョトンとした表情で答えた。

 

テテュス《 そうぞ?あやつはお前達を潰すために妾達が解き放った。思ったより使えなかったが…妾はお前達の強さが想像以上だったと考えている…そこでだ…もし馬神 弾、宇佐見 蓮子、そしてお前の三人の首を差し出すなら…幻想郷を見逃してやっても

 

紫「断るわ。弾や蓮子を死なせる訳にいかないし…仮にも命をそんな簡単に『使えない』と吐き捨てるあなた達を信用できない!」

 

アレックス《さらに他の命を巻き込んでも何の気持ちも起きないなんて…創界神として認められないね!》

 

テテュスの提案を途中でぶったぎり、紫とアレックスは彼女の提案を拒絶した。テテュスの言葉に『命』を大切にする思いが感じ取れないことが決定的だった。

 

テテュス《 …後悔するぞ…!アタックステップ!妾自身でアタックぞ!効果でジークヴルムとダークヴルムのBPマイナス5000!そして破壊する!

 

紫「…ライフで受ける!…ぐぅぅぅ!」

 

テテュスの怒りの光線が放たれてジークヴルムとダークヴルムを貫くと、そのまま紫のライフも砕く。創界神をも操るテテュスの一撃の重さに紫の身体は限界に迫っていた。

 

テテュス《 …ターンエンド

 

紫「…ゴフッ!《ヤバい…意識が…》…め、メイン…ステップ…!龍星皇メテオヴルムX…!召喚…!さらにジーク・アポロドラゴンをレベル3に…!」

 

意識も絶え絶えな紫は何とかメテオヴルムXを呼び出す。いつもはライフを削ってコアをためたあと、ノヴァで回復してカウンターを決めるのが紫の基本戦術だ。しかし今回それをやれば、紫の身体がもたないことは明白…

 

紫「…ハァ…ハァ…あ、アタック…ステップ…!ジーク・アポロ…ドラゴンでアタック…!!まずはヒメヒマを破壊してライフをひとつ砕く…!」

 

テテュス《 無駄よ…フラッシュでアプロディーテのコア四個をボイドに!これで相手スピリットのBPはすべて1000になる!

 

ジーク・アポロドラゴンがヒメヒマを殴り飛ばすと、炎でライフをさらに削る。だがテテュス自身がアプロディーテのエネルギーを吸収して放った猛烈な雷が、紫のスピリット達のパワーを奪ってしまった。

 

テテュス《 さらにバースト発動!!砲天使カノン…効果は知っておろう?

 

紫「…ハァ…ハァ…た、ターン……エンド…」

 

続けて開いたバーストの砲弾が一気に力を失ったジーク・アポロドラゴンやメテオヴルム、レイニードルに命中する。スピリットが全滅してしまった紫は顔を歪ませてターンエンドするしかなかった。

 

テテュス《 このターンで終わりよのう…メインステップ。もう一体のヒメヒマ、戦国姫 綾芽をレベル3で召喚!

 

勝ちを確信したテテュスは新しいヒメヒマと和服の大和撫子の妖精を召喚する。紫の残りライフは2なので、十分削りきれる頭数だ。

 

テテュス《 アタックステップ!綾芽でアタック!フラッシュタイミングでクローバーフィールド!効果は不発だが、綾芽の効果でシンボルが増える!散れ!

 

紫「……ハァ…ふ、フラッシュ…ハァ…ゴフッ!…タイミング…!白晶防壁…!ヒメヒマを手札に…!ソウルコアも使って…ハァ…」

 

パワーアップした綾芽のビームは紫のマジックで軽減される。しかし弱まったとはいえ、虫の息の彼女には致命的なダメージなことに変わりはなかった。

 

紫「」

 

アレックス《紫さぁぁぁん!!》

 

アレックスの絶叫も紫の耳には入らなかった…それどころか言葉を発することもできずに紫の身体はフワッと中に浮いた。

 

紫《…あぁ…無理だ…もう身体に力が入らない……ごめんなさい…幽々子、弾、蓮子…》

 

そんなことを思い浮かべながら紫は意識を手放そうとした。だが最後に思い浮かべた三人が紫にあることを思い出させた。それは紫の一生…マエリベリー・ハーンとして産まれ、妖怪の賢者 八雲 紫として生きてきたその生きざまだった。

 

 

 

親の意向に逆らえず、仕方なく日本の京都大学に進学した私

 

自分の体調不良を正直にぶつけられず、蓮子と生き別れてしまった私

 

幽々子の内面に踏み込めず、みすみす自殺させてしまった私

 

人と妖怪の楽園を作ったのにも関わらず、2種族間の溝をそのまま放置していた私

 

人々の『無理解』に押し潰され、逃げるように外の世界から幻想郷に閉じ籠った私

 

そして…心から愛した想い人を信用できず、抹殺しようとした私

 

紫《…ふふ…いっつも…私は逃げて…誤魔化して…偽って…どうせできないと諦めてた…》

 

???《それでいいのか?ヴィオレ まゐ》

 

紫《…え…?》

 

無意識に紫の脳内に聞こえてきた声…その声に紫は聞き覚えがあった。昔グラン・ロロでバトルしたカードバトラー、そして『命』の理解と共に散った人形…

 

紫《…パンテーラ…?》

 

パンテーラ《…そんな覚悟で俺の魂(ジークヴルム・ノヴァ)を使っているのは心外だな。今でも馬神 弾は全力でぶつかっているぞ…お前にないものだ》

 

紫《…そうね…いつも誰かのためにバトルして…真正面からぶつかって…本当に『激突王』よ》

 

パンテーラ《…別にお前もそうなれとは言わない…だがお前のやり方で…後悔しなかったことはあったのか?》

 

一瞬の時間…されど永遠にも感じられる瞬間に交わされる会話…そこでパンテーラの言葉は紫の心に深く食い込んだ。後々考えて後悔したことばかりだった…あと少し…それが遠かった。

 

パンテーラ《…ならその『少し』を踏み出せ!あと少しでお前の友は救える!馬神 弾のように『激突』してこい!》

 

紫《…ええ!不可能の境界…越えてみせるわ!》

 

パンテーラの声はそう言って聞こえなくなる。そして紫は倒れこむ寸前目をカッと見開くと、傷だらけの身体から星の神力が噴き出した。

 

 

 

アレックス《…紫…さん…?》

 

テテュス《 『分神』…だと!?…ば、バカな…あやつはもう……!

 

倒れこんだかに見えた紫はくるっと一回転して地面に降り立つ。その身体からは傷は消え、いつもの導師服は黒と白に染まっている。一際目立つのは…背中に広がるスキマでできたドラゴンの翼…

 

紫「さぁ!続けましょ♪白晶防壁の効果で私のライフは一しか減らないわ!」

 

テテュス《 …ぐぅ…ターンエンド…》

 

紫「メインステップ!スターリードローをもう一枚使うわ!…へぇ……そしてマジック!ビッグバンエナジーを使用!」

 

紫引いたカードを見てニヤリと妖しく微笑む。その姿はまさに『妖怪の賢者』の顔…さらに発動したのはグラン・ロロの友から弾に、そしてまゐに受け継がれた必殺マジック。

 

紫「…パンテーラ…!使わせてもらうわよ!光を滅し!古き鎖を壊す破壊竜!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァX!

 

アレックス《…それは……!…そうか…紫さんは…もう…》

 

スターリードローでめくられた二枚のカード…それは紫も採用した覚えのないカードだったが、アレックスは『分神』した紫から何かを確信したようだった。

 

空が薄暗い雲に覆われ…その中から翼を閉じて一体の黒いドラゴンが降りてくる。背中に白い小さな翼が現れた瞬間、黒い翼が開かれ大きく咆哮した。

 

紫「新たなる光を灯し!希望を再成する創造竜!超神星龍ジークヴルム・ノヴァX!!

 

ダークヴルム・ノヴァとは反対側…炎の流星が降り注ぎ、赤シンボルを形成するとそこからも巨大なドラゴンが現れる。赤い身体に白い鎧と翼が特徴のジークヴルム・ノヴァはダークヴルム・ノヴァと並び立ち、テテュスを睨んで唸り声を挙げた。

 

紫「…アタックステップ!ジークヴルム・ノヴァでアタック!まずはBP15000分のスピリットを破壊し、超界放!アレックスのコア四個を置いてライフを二点ボイドへ!」

 

テテュス《 《font:149》…フラッシュタイミング!妾の効果でアプロディーテのコア四個をボイドに!これで貴様のBPは》

 

ジークヴルム・ノヴァが翼から虹色の光弾を放ってカノンを焼き尽くす。しかしテテュスは自身の効果を再使用して紫のスピリットを弱体化させようとするが……

 

紫「ダークヴルム・ノヴァXの効果!『ノヴァX』は合体できない代わりに相手の効果も受けない!さらに滅界放を発揮!疲労状態の綾芽を破壊する!」

 

ダークヴルム・ノヴァが放った紫の波動が落ちてきたテテュスの雷を打ち消してジークヴルム・ノヴァを守る。さらに紫の火炎放射が綾芽を焼却処分した。

 

テテュス《 ちぃ…!妾自身でブロック…!だがここまでだ!マジック!シンフォニックバースト!これで次のターン

 

紫「次のターンは来ない。フラッシュタイミング!マジック!メテオストームを使用!」

 

テテュスのアタックステップ終了マジックを、紫はメテオストームで打ち返した。紫の声に呼応してジークヴルム・ノヴァはミテラ・テテュスに突っ込んだ。

 

テテュス《 …なぜだ…!妾は…原初神…ぞ!

 

紫「…だからなによ?美しく…残酷に…!この大地から往ね!!」

 

紫の叫びに呼応するかのように背中のスキマの翼が大きく広がる。

 

テテュスの翼から雷が放たれるが、ジークヴルム・ノヴァは炎を纏って雷を突き破る。そしてテテュスの身体を掴むときりもみ回転しながら地面に叩きつけて破壊した!

 

紫「メテオストームの効果!ノヴァが相手のスピリットを破壊したので、ライフをふたつリザーブに!!」

 

テテュス《 ま、待て!

 

テテュスの声を無視してジークヴルム・ノヴァは口から炎を吐いて残ったライフをすべて撃ち抜いた!!

 

テテュス《 が…!は…!おのれ…!タ…カミ…ムス……ビ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「…ふぅ…『分神』すると傷も治るのね」

 

アレックス《よかったぁ…あのままバトルしてたら…》

 

紫「ごめんなさい、心配かけて……!…それより西行妖を!」

 

ボルグ《お待たせして申し訳ありません!西行妖の封印を強化致しました!》

 

テテュスが崩壊して、紫とアレックスは西行妖を散らしにかかる。するとシュタイン・ボルグが飛んできた方向を見ると、満開寸前だった西行妖の花がサーと散っていくのが見えた。

 

幽々子「…紫…ごめんなさ…むぐ!?」

 

紫「…言わないで…」

 

幽々子「…………」

 

紫「……………」

魔理沙「おーい!紫~!!」

 

正気に戻った幽々子は仰向けのまま紫に謝罪するが、紫はその口を手で塞ぐ。しばし二人の間に言葉はなくなる…その静寂を破ったのは遠くから聞こえてきた魔理沙の叫び声だった。

 

紫「…あら…!魔理沙!アリスと妖夢を戻せ…!!」

 

魔理沙「それより!霊夢が!!」

 

アレックス《霊夢さん!?》

 

咲夜「早く治療を!」

 

近づいてきた魔理沙の箒に、まるで布団の如く垂れ下がっていたのは……傷だらけで気絶している霊夢だった。

 




はい。ありがとうございました。

『分神』紫は紫色の部分が黒い永夜抄の道士服に『背中にスキマでできたドラゴン(ジークヴルムみたいな)の翼』という元の服装がラスボス染みてるので、あんまり変えないことにしました…べ、別に!良いアイデアが思いつかなかった訳じゃないんだからね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終第三章 ~高御産巣日神の影~
第7の原初神


ここから『萃夢想』に入りますが、あまり長くはならないです。あとこの回は公式の背景世界とずれるような設定がありますので、ご注意ください。


長かった冬も、短いながら盛大だった春も、幻想郷から過ぎ去ろうとしていた。

 

あれほど山を薄紫色に染めていた桜はなりを潜め、既に深い緑に包まれていたが・・・

 

人間、妖怪、その他諸々が集まるお花見だけは、未だ繰り返されていた。

 

そのお花見は、幻想郷の少女を集めるだけではとどまらなかった。

 

宴会を行う度に、幻想郷に得体の知れない不穏な妖気が高まっていたのだった。

 

――だが、妖気は高まる一方だったが、まだ何も起きていない。

 

犯人は、動機は、全てが判らない。その目的すら判らなかった。

 

妖気が高まろうと、誰一人、繰り返される宴会を止めようとしない。

 

こうなると、宴会に来る人間、妖怪、全員が怪しく見えるのも仕方がないだろう。

 

次の宴会まであと3日しかない。

 

再び発生した妖気の高まり…だが今回はお花見でなくとも人と神が集まった。

 

『博霊の巫女、異変により重症』

 

そして神社に現れるは小さな百鬼夜行、迎え撃つは……?

 

 

pixiv大百科 『東方萃夢想』より前半抜粋

 

 

 

 

博霊神社 寝室

 

霊夢「………」

 

弾「…スコル、容態は?」

 

スコル《…今んとこは大丈夫だ。ちったぁ寝とけば命に別状はない…たぶんゼウスがうまくダメージを軽減してくれたんだろ。だが問題なのは…変な『気』がまとわりついてることだな…》

 

紫「弾、みんな集まったわよ」

 

弾は寝かされた霊夢の枕元に座って医者のスコル・スピアに容態を尋ねる。脳内に帰って来た答えにひとまず弾は安心していると、スキマを開いて紫が部屋に入ってきた。

 

弾「…わかった。すぐ行く…怪我…大丈夫なのか?」

 

紫「ええ♪これぞ愛の力」

 

霊夢「……ん…お…か…あさ…ん……

 

弾「ん!?」

 

紫の言葉につられて(なのかは不明だが)眠った霊夢は何か言葉を発する。驚いた弾が霊夢に視線を戻すと、どうやら寝言で言っていたようである。

 

紫「…霊夢の母親…先代の博麗巫女博麗 霊奈はね…まだ霊夢が幼い頃、妖怪退治に行って行方不明になったのよ…」

 

弾「…確か…捨て子だった霊夢を拾ったから義理なんだっけ…どんな女性だったんだ?」

 

紫「はっきり言って…『一番巫女らしくない巫女』だったわね。聖 白蓮のように「真の人と妖怪の共存」を信条としていたわ」

 

弾の問い掛けに紫は背を向け、スキマを開いたまま呟くように答えた。

 

弾「…優しい女性だったんだろうな…」

 

紫「…ええ…でも幻想郷…人と妖怪の共存を阻む敵には容赦なく鉄槌を下していったことも印象深いわね…霊夢と違ってほぼ拳で戦っていたからかしら…?」

 

弾「…ず、ずいぶんパワフルだな…」

 

紫「…あれに幽々子や萃香も怖がってたわ……まぁ私もだけど」

 

弾は今の紫の顔色を伺うことはできないが、雰囲気で紫の顔がひきつっているだろうと感じた。そんな昔話を紫から聞いていた弾は少し躊躇しながらもはっきりと、ストレートに紫に気になっていたことを尋ねた。

 

弾「…それで行方不明ってことは…死体も見つかってないのか?」

 

紫「妖怪に食べられると骨も残らないのよ……」

 

紫は振り返るとそこで言葉をやめる。何千年と生きていれば辛い経験も数えきれないほどあるのだろう…幻想郷のそんな妖怪達と接してきた弾はそう察し、それ以上追及せずに部屋を出た。

 

 

 

 

博霊神社 定例会用の一室

 

 

妖夢「不覚…敵に操られるとは……!!不肖、魂魄 妖夢!今ここで」

 

咲夜「ハイハイ、あんたの切腹なんて誰も得しないわよ。本当に申し訳ないならこれからの活躍で挽回しなさい」

 

妖夢「…みょん……」

 

いつもは定例会で使われる部屋に、魔理沙達幻想郷メンバーと創界神達が集結していた。妖夢の切腹問答を咲夜が軽くたしなめていると、紫と弾が部屋に到着した。

 

紫「待たせたわね。それでは始めましょう」

 

弾「…さて…一応確認すると…先日の異変で敵の目的と正体、そして動機も判明した」

 

カグツチ《…原初神ねぇ…ゼウスやヘラは知ってる?》

 

ゼウス《『原初神』は儂らが生まれる前、世界を支配していた七人の神々のことだ。単純な力は普通の創界神とは比べ物にならん》

 

アプロディーテ《…ええ…その当時七人の原初神は世界をほしいままに支配してて、彼ら以外の命にはほとんど力を与えなかった。だから世界はひどく荒れ果て、貧しさ故犯罪に手を染める者が溢れかえっていたわ…》

 

弾が紫から聞いたことを全員に共有すると、古株のゼウスとヘラ、アプロディーテが原初神について知っていることを話してくれた。

 

幽々子「…酷い…」

 

ペルセポネ《神の風上にも置けない連中ですね…!》

 

ヘラ《でも…数十億年前にうちらの連合軍が一神を除いた六神全員を倒したはずなんやけどなぁ…》

 

レミリア「…『一神を除いた』…ということはまだ一柱残っているの?」

 

紫「…そういえば…テテュスも『裏切り者』がどうとか言ってたわね…」

 

ヘラ《…原初神は傲慢やったから…自分達のことしか考えんのよ。でも唯一その考えに異を唱えた原初神がいたわ…それが生命の神タカミムスビさんや》

 

原初神の蛮行に憤る一同の隣でレミリアの質問に、ヘラはどこか懐かしむような表情で語った。すると『タカミムスビ』の名前に若い創界神達も反応した。

 

アレックス《え!?タカミムスビさんも原初神だったんですか!?》

 

ロロ《…なるほど…ならあれほど強いのも納得できる…》

 

アリス「…ごめんなさい…誰?」

 

妖夢「…初めて聞くお名前です…アマハラっぽい名前ですが…」

 

創界神達とは正反対に幻想郷メンバーはクエスチョンマークを浮かべている。もちろん弾も知らない名前だった。

 

アプロディーテ《まずはアレックスとゼウス=ロロの戦争から話さないといけないわ。ちょっと前にツクヨミとスサノヲがゼウス=ロロに乗り換えたことは話した…はずよ》

 

ペルセポネ《一応、ポセイドンおじ様やアマテラス様がアレックスに味方したけど…それでも戦力的にはアレックスは不利でした。万全な神が少なかったですし…》

 

魔理沙「そこまでは知ってるぜ!な!そのあとどうなったんだよ?」

 

魔理沙が身を乗り出して創界神達に尋ねる。だが一同気になっているのか、魔理沙を咎めるより創界神達が次話す内容に注意が向けられていた。

 

カグツチ《実はね…創界大戦時に崩れた『エジット』のオシリス、イシス、セト、ラー…あ、創界神が力を失うことを『崩れる』って言うんだけど…崩れた彼らに力を与えてアレックスサイドについて貰った…んだよね?》

 

アレックス《はい、その時に生命力を分け与えたのがタカミムスビさんなんです。崩れた創界神をまた創界神にするなんて普通の創界神じゃできませんけど…》

 

アプロディーテ《…そしてタカミムスビさん自身も戦場に出陣してツクヨミ、スサノヲを数発の攻撃で叩きのめし、あげくのはてにはゼウスとロロを無理矢理分離させることに成功したわ》

 

ゼウス《…あの弓矢はヤバかった…ツクヨミの式神やスサノヲの龍を軽く蹴散らして儂を追い詰めてきたのう…》

 

ゼウスは当時を思い出して冷や汗をかく。ゼウス=ロロの雷をすべて矢で撃ち落とし、ズンズンと歩いてくる姿はさすがに怖いだろう。

 

ロロ《そして戦後処理になったが、タカミムスビさんはお互い何も求めず、創界大戦前の勢力図に戻ることを提案した。もちろんただ戻すのではなく、平和な関係を続けるよう勢力の間で努力していた》

 

ペルセポネ《クベーラさんにも声をかけてね。そして色々な創界神達に活をいれまくっていたわ…信じられないかもしれないけど当時の創界神ってみんな自分勝手だったからかしら…?》

 

パチュリー「…それと原初神の話に関係性は?」

 

ゼウス=ロロの話と原初神の話に関係を見いだせなかったパチュリーが話を元に戻す。このまま行くとただの思い出話になってしまいそうである。

 

ヘラ《…あ、すまんなぁ…実はタカミムスビさんは原初神達の考えに反発してうちらを率いて離反したんや》

 

ゼウス《戦力はアマハラの三貴子と儂、ヘラ、ポセイドン、デメテル、アプロディーテ、インディーダの『トリムルティ』あと数神が組んで原初神達と戦った。まぁ…原初神の中で一番力があったタカミムスビさんの指揮もあって、儂らは勝利することができたぞ》

 

紫「なるほど…だから裏切り者と呼ばれたのね…そのタカミムスビ様は今どちらに?」

 

魔理沙「…なんだよ。みんな揃って黙っちまって…?」

 

紫の質問に創界神は全員押し黙ってしまう。首をかしげた魔理沙が続きを聞こうとしたその時…!

 

咲夜「…敵襲!壁が吹き飛びます!!」

 

アレックス《…へ?》

 

ばごぉぉぉぉぉぉぉん!!!!

 

『分神』の力で『時間を操る程度の能力』が爆上がった咲夜の目は()()()()()()を見抜くと、全員に警戒を促す。その瞬間部屋の壁が粉々になって床に散らばった。

 

咲夜「…!?…へぇ…あなたも来たのね…」

 

萃香「ニャハハハ!!さぁて…馬神 弾!あんたの首!貰いに来たよ!」

 

壊れた壁の破片を踏み越えて来たのはもちろん伊吹 萃香。だが一同の視線はその隣にいる人物に向けられていた…

 

魔理沙「…魅魔…様…!?」

魅魔「…ったく…魔理沙…さすがに馬神 弾と共謀するなんて…見逃せないねぇ…」

 

魔理沙「…この…よくも魅魔様を……!!」

 

なんと隣に居たのは魅魔だった。弾達全員が驚いていたが、魔理沙の表情はすぐに驚きから怒りへと変化していた…もう魔理沙はミニ八卦炉を握りしめ、いつマスタースパークを放つかわからない。

 

アリス「…魔理沙、こらえて…それで…あなた達は何の用かしら?わざわざ真正面から二人だけで突っ込んできた理由は?」

 

萃香「簡単!ケンカしに来た!」

 

魅魔「…私はその利かん坊(魔理沙)を連れ戻しに来ただけだい。まぁ…どうせ聞かないからバトルで連れて帰るさ」

 

萃香と魅魔の言葉から察すると、今回の襲撃は案外彼らの独断であるようだ。だが当の魔理沙の怒りは収まるどころか、逆にヒートアップしていく…

 

魔理沙「…弾!ここは私がやる…!奴らは…!私の逆鱗に触れた…!!!」

 

アリス「…私も行くわ。なぜか今は負ける気がしないの」

 

弾「……任せる!」

 

ロロ《マナカとケイも取り返してくる!》

 

ヘラ《…鬼…フフ…うちも鬼やで…呪のなぁ…!》

 

弾は気合い十分な魔理沙と珍しく闘志を漲らせたアリスを見て、弾は一言…されど力強く彼らの背中を押した。

 

四人「「「「ゲートオープン!界放!!」」」」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魅魔様とバトル…うふふ…!

一応補足しますと、今回の創界神達は異変時は霊夢達の身体に入っており、普段は実体化身体から出てきています。体内から話す時はうっすら隣に姿を見せてる状態です


魔理沙「…ぜっっっってぇゆるさねぇ…!!」

 

魅魔「…はぁ…面倒な弟子を持っちまったもんだ…メインステップ。神殺す英雄!創界神マナカ、そして六つの国治める皇帝!創界神ケイを連続配置!!どちらも神託でコアを二個置くよ」

 

マナカ《………》

 

ケイ《………》

 

どこぞのフルーツ神の如く、魔理沙のぶっころスイッチはとっくに限界を振りきれていた。一方魅魔は背後にマナカとケイを連続で呼び出した。

 

魅魔「バーストをセットしてマナカにコアを追加。ターンエンド」

 

魔理沙「メインステップ!バーストをセットしてエイプウィップを召喚!召喚時効果でリザーブにひとつ、トラッシュにふたつコアを置く!」

 

魔理沙はコアブースト要員のエイプウィップを召喚する。魔理沙のようなコストがかかるデッキに入っているのはおかしいことではない。

 

魔理沙「これでターンエンドだ!」

 

魅魔「ほぉ…メインステップ。聖刻兵トルーパー・アージュを召喚するよ。こっちもトラッシュにコアを置いてターンエンド」

 

魅魔も黄色の銃兵を召喚してトラッシュにコアを増やす。だがアタックはせずにターンを魔理沙に返した。

 

魔理沙「…あのバーストが怖いな…メインステップ!世界の創造主!創界神ロロを配置!神託を使って三コアを追加!!さらに偽りの神皇ミケガミを召喚だ!」

 

ロロ《召喚時効果で封印!そしてワンドロー!!》

 

魔理沙は魅魔のバーストを警戒しながらロロを配置し、鎧の来た白猫を召喚した。するとミケガミの嘶きによって魔理沙のライフに置かれたソウルコアが赤く輝き始める。

 

魔理沙「封印したのでバースト発動!古の神皇 鯨のエルダレイオ!召喚時効果でトルーパー・アージュのコアを外して三枚ドローするぜ!」

 

魅魔「甘い!召喚時効果発揮によりバースト発動!!砂海賊神ファラオムの効果でエルダレイオを破壊しつつ召喚する!さらにターンを強制的に終わらせるよ」

 

魔理沙のバーストから紫の巨大鯨が飛び出すと、頭部に生えた魔神の邪気がトルーパー・アージュのコアを外す。だが魅魔もバーストを発動させて青い獣のファラオを召喚した。

 

魔理沙「うぇ…またかよ…」

 

魅魔「ん?前にもやられたのか?メインステップ。邪悪を斬る聖なる騎士!インペリアルドラモン パラディンモードのチェンジを使用!!エイプウィップを破壊してトラッシュのカードをすべて除外だ!」

 

魔理沙は以前の大会で依姫にやられたファラオムを見て顔をしかめている。すると魅魔の手札から放たれた斬撃がエイプウィップを一刀両断し、ファラオムが一体の白い龍騎士へと変わる。その手にはエネルギーの刃が握られていた……!

 

しかもトラッシュのカードを除外されたのは魔理沙にとって痛かった。なぜならティアマドーやその他トラッシュ回収効果が全部不発してしまうからである。

 

魅魔「バーストを張って……アタックステップ!パラディンモードでアタック!レベル2からの効果でトラッシュのコアを回収!さらにミケガミを疲労させる!ついでにケイの神技でバーストを強制発動だ!!」

 

パラディンモードが翼を広げて飛び立ち、ケイがバーストを無理矢理発動させる。開かれたバーストは……みんな大好き龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード…!!

 

魅魔「ヤマトの効果でミケガミを破壊!破壊時効果は使えんよ!さらにマナカのレベル2効果でライフ一点貫通!!」

 

魔理沙「…いっっづぅぅ!?た、確か…霊夢…も…」

 

ロロ《魔理沙!…あのスピリット…崩神の力がライフダメージを増大させているのか…?》

 

ヤマトが召喚されるときの火柱がミケガミを焼き尽くす。この時の破壊時効果は封殺されているので、魔理沙は手札の『神皇』を出せないばかりか、マナカの槍によってライフを砕かれてしまった。

 

しかもその強烈な痛みに魔理沙はたまらず顔を歪め、つい先日、霊夢がバトルで傷ついたことを思い出した。

魅魔「…魔理沙、今やってるのはただのバトルじゃないよ。弾幕ごっこをはるかに越えた……殺し合いだ!そしてこれがパラディンモードのメインアタック!」

 

魔理沙「……ライフで受ける!」

 

魅魔の重い言葉と共にパラディンモードの剣が魔理沙のライフをふたつぶったぎる。

 

魔理沙「ぐぇ!!…ズシャア…!」

 

魅魔「…ターンエンド」

 

一気にふたつのライフを砕かれた衝撃で魔理沙は変な声をあげて後ずさる。紫のように吐血することはなかったが、いつもの白黒の服はもうズタボロになっていた。

 

魔理沙「…ハァ…ハァ…いってぇ…メインステップ!もっかいバーストをセットしてコレオン、古の神皇 神鳥ガルダーラを召喚!!コアを三個置いて」

 

魅魔「…ケイの神技は別のバーストを即座に伏せられる…!もう一度ファラオムだ!今度はガルダーラを破壊!」

 

魔理沙「……《来た!》…ターンエンド…」

 

魔理沙は手札から神皇軽減役のコレオンとガルダーラを召喚する。しかしケイの効果で魅魔が伏せていたファラオムが再度現れてガルダーラを破壊してしまった。

 

魅魔「…そろそろ終わり…メインステップ。バーストをセット、そしてパラディンモードをレベル2へ…アタックステップ!パラディンモードでアタック!二回目のケイの神技を使う!」

 

再び魅魔はパラディンモードを突撃させ、ケイの神技を使用する。今度のバーストは…六楯神龍ヒヨク!

 

魅魔「ヒヨクのバースト効果!コレオンを破壊してマナカの力でライフを砕く!」

 

魔理沙「…ぎぃぃ……!や、やっべ……」

 

マナカとケイのオーラから現れたヒヨクがコレオンを炎で破壊する。さらにマナカの投げた槍が魔理沙のライフをえぐっていく…

 

魔理沙《…こ、こりゃバトルよりも…痛みで負けちまうな…どーする…この時(あいつ)ならどーする!?》

 

そんな思考が魔理沙の頭をぐるぐる駆け巡る。すると魔理沙はふと何かを思いだし、視線を目の前の魅魔に向けた。

 

魔理沙「……魅魔様、私は魅魔様と初めて出会った時のことを…今でも覚えてます…」

 

魅魔「…ったく…まだ子供だったお前が家出して、魔法の森をさまよっていたことを思い出したよ…『弟子にしてくれ!』ってせがんでたねぇ…」

 

魔理沙と魅魔は苦笑しながら昔話に花を咲かせる。幼い頃に魅魔に無理矢理弟子入りした魔理沙にとって魅魔は目標であり、育ての親でもあった。

 

魔理沙「…はい、私はあなたを尊敬し…大きな恩を感じています。だが弾にも同じぐらいの恩を感じてるんだ!あいつも私にいろんなことを教えてくれた!!」

 

魅魔「詭弁だ。奴は偶然引き金になっただけの『人間』さ」

 

魔理沙「ああ!()()()私はあいつについたんだ!!」

 

そうして魔理沙は声質をいつも通りに戻す。魔理沙も弾には色々と感謝しているのだ。魅魔の吐き捨てにも魔理沙は堂々と答える。

 

魅魔「…は?」

 

魔理沙「あいつも元はただの人間なんだ!何度も失敗して…挫けてもまた立ち上がって前に進む!私もそうやって…『高み』に行く!! スチャ…!」

 

魅魔「!?…魔理沙…!それは……!!」

 

そう言って魔理沙が懐から取り出したのは弾から貰ったあの陰陽球だった。魅魔の驚きを見て魔理沙は不適に笑うと、陰陽球を胸の前まで持ってきた。

 

魔理沙「…《…へ…弾…!私達の命…死ぬまでお前に貸してやるぜ!》…ふんっ!ぐぅぅぅぅぅ!!」

 

ロロ《…弾、君は本当に…いい仲間を持っているね…》

 

少しの間の後、魔理沙はおもいっきり陰陽球を胸に突き刺した。創界神の膨大なエネルギーが身体に流れ込み、たまらず魔理沙は苦しみだす。

 

魔理沙「…う…ぉぉぉぉ!!!……へへっ…ほーら、星の魔法使いが星の創界神の力を物にできない訳ないだろ?」

 

ほんの少し苦しんだ後、魔理沙は猛烈なエネルギーを吹き出して姿を変えた。白黒の服は水晶のような銀色に変化し、突き刺さった陰陽球は魔理沙の胸で天球儀の如く星を煌めかせていた。

 

魔理沙「さぁて…反撃だぜ!ライフ減少によりバースト発動!!翔烈降臨!手札の緑のスピリットをタダ出しするぜ!来な!玉帝龍ダイテイオウ!!!」

 

ロロ《よし!デッキから十二枚オープンして『神皇』をノーコストで好きなだけ召喚できる!!》

 

魔理沙はニッと笑ってバーストを発動させ、緑の光から両手に双槍を構えた巨大ドラゴンを呼び出す。すると背中の翼に描かれた十二支のマークが光って魔理沙のデッキをめくっていく。

 

魔理沙「…霊夢…!行くぜ!召喚!!超・十二神皇エグゼシードF!超・十二神皇ゲイル・フェニックスZ!!パラディンモードはレベル3のフォーミュラーでブロック!!」

 

ダイテイオウの前に飛び出した二枚のカードが赤と緑に輝くと、そこからフォーミュラーとゼファーが現れる。そしてフォーミュラーは向かってきたパラディンモードの剣を角で受け止めた。フォーミュラーは剣を折り、虹色の炎を纏ってパラディンモードを貫いた!!

 

魔理沙「これで残りはヒヨクとヤマトだけ!私は倒せないぜ!」

 

魅魔「…ターンエンド…」

 

魔理沙「メインステップ!ゼファーのレベル2へ!さらにバーストセット!アタックステップ!フォーミュラーでアタック!!効果でヒヨクとヤマトを破壊だ!」

 

魔理沙はバーストとスピリットのレベルを上げてフォーミュラーに攻撃を命じる。フォーミュラーは嘶いて走りだし、砲台から二本ビームを放ってヒヨクとヤマトを撃ち抜いた。

 

魅魔「…ライフ……!…いっっ!?」

 

そのままフォーミュラーは突進して魅魔のライフを貫く。その衝撃で魅魔の記憶が少し戻ってきた。

 

魔理沙「続けてゼファーでアタック!雷飛翔の効果で一コスト支払ってフォーミュラーを回復!」

 

魅魔「…ぐ…ライフ…!」

 

雷を降らしてゼファーは魅魔めがけて突っ込み、さらに一つライフを打ち砕く。そしてゼファーの風がフォーミュラーを静かに起き上がらせた。

 

魔理沙「貰ったぜ!フォーミュラー!!魅魔様を元にもどせぇぇぇぇ!!」

 

ロロ《…二人とも…元に戻れ!!》

 

魅魔「…あ…!が…!魔…理…沙…!」

 

マナカ《…ぅぅ…!》

 

ケイ《…ぃぃ…!》

 

魔理沙の叫びと共にフォーミュラーの角先と砲台から太いレーザービームが放たれた!!

 




はい。ありがとうございました。

『分神』魔理沙は『いつもの白黒服が銀色』『胸に嵌め込まれた陰陽球』です。魔理沙のキャラ状、気合いでなると言うより自分から試行錯誤して到達するみたいな感じが似合うと思ったので、陰陽球を胸に突っ込ませました…良い子は真似しないように!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

祝え!新たな魔界神の誕生を!

アマテラス来ましたね!!家臣と主君も神託条件に入ってるのは意外でした。

でもな……効果…何かうちのカグツチやソウルドラゴン・ホムスビと微妙に被ってた……!


萃香「…ふーん…ずいぶん気の抜けた奴だねぇ…」

 

アリス「あら?冷静だって言ってほしいわ。メインステップ。魔界預言者マル・ドロムを召喚し、デッキを三枚オープン…その中の単紫の創界神と『魔界』スピリットを手札へ」

 

真顔で見つめてくるアリスに萃香は気味悪い表情を隠さない。それを軽く流してアリスはたくさんの仮面を浮かべた司祭を召喚する。

 

アリス「…めくられた創界神ヘラと魔界七将ベリオットを回収。ターンエンド」

 

萃香「メインステップ!タイガの父 ウルトラマンタロウのアクセルを使用!コスト4以下の青ネクサスを踏み倒して『ウルトラマン』を手札に加える!」

 

対する萃香はアクセルを使ってデッキを四枚オープンする。めくられたのは…ゼベリオン光線、ウルトラマンガイア(V2)、グリッターティガ、そして……!

 

萃香「そん中の創界神のウルトラマンを配置!神託によってコアを三個置いてグリッターティガを回収するよ!ターンエンドだ!」

 

アリス「…それが霊夢を倒した奴ね…メインステップ。神世界の人形使!創界神ヘラを配置するわ!神託でコア二個を置いて…ネクサス!魔界の聖杯を配置!手札を二枚捨ててドロー」

 

ヘラ《霊夢ちゃんと旦那の敵!うったるわ!》

 

萃香の背後のウルトラマンを見てアリスは気を引き締める。そして後ろにヘラと不気味な顔がついた紫の聖杯を配置した。アリスが効果で捨てたのは魔界七将デストロードと魔界騎士デスペルト…少なくとも蘇生を狙っての破棄だろう。

 

アリス「…バーストを伏せてターンエンド」

 

萃香「ありゃ…メインステップ!ネクサス!光の国を配置して疲労!そうすることでウルトラマンブル アクアを最大軽減で召喚だぁ!」

 

萃香のフィールドに巨大なビル群がそびえると、青と白のウルトラマンが光の国の効果で最大軽減で召喚された。

 

萃香「んー…ターンエンドかな」

 

アリス「メインステップ。魔界七将ベリオットを召喚。六枚中、魔界七将を一コストで召喚し、残りの一枚を手札へ…さて…何が出るやら…」

 

アリスはチャリオットを骨の馬に引かせた魔界騎士を召喚してさらにデッキをサーチする。そしてアリスはめくられたカードの二枚に目をやった。

 

アリス「…まずは魔界幻龍ジークフリード・ネクロを回収して…疫病を振り撒く白き悪魔!魔界七将デスペラードを召喚!!コストはマル・ドロムから確保」

 

ヘラ《召喚時の効果で他のスピリット全てからコア一つずつを外してコアを増やすで!》

 

萃香「おおっと!創界神のウルトラマンの効果!ターンⅠで自身のコアをフィールドを離れるウルトラマンに置くことで、同じ状態で残る!」

 

ベリオットが呼び出したのはマル・ドロムと同じく仮面を浮かべ、紫の剣を両手に持った白い悪魔だった。その斬撃にベリオットとウルトラマンブル アクアが切り裂かれるが、萃香の巨大なウルトラマンの光を受けてそのまま蘇った。

 

アリス「でも消滅したから計2コアを増やすわ。さらに魔界騎士デスペルトを召喚してそのコアごと外す!さらにこちらのコアは増加する」

 

萃香「…!…へぇ…デスペラードは囮だったわけか…」

 

アリスはウルトラマンの蘇生にも動じず紫の片刃剣を担いだ魔界の騎士を召喚する。呼び出されたデスペルトは剣から呪いを放ってウルトラマンブルのコアをすべてはずしてしまった。

 

アリス「…頼むわよ…ターンエンド」

 

ヘラ《…ん…?あのデスペラード…もしかして…意思持ち?》

 

萃香「…か~!つまんないねぇ…メインステップ。ウルトラマンガイア(V2)、さらに光の国を疲労させて…手元のタイガの父 ウルトラマンタロウを召喚!手札のウルトラマンタロウを捨ててドロー!」

 

アリスはスピリット達に声をかけ、アタックせずにターンエンドした。攻めてこないことにガックリ来た萃香は胸のラインが黒いウルトラマンと三本の角の兜の頭をしたウルトラマンを連続召喚した。

 

萃香「ニッシシ!アタックステップ!ウルトラマンタロウでアタック!コスト9以下のデスペラードを破壊するよ!さらに光の国レベル2効果でコアブースト!」

 

アリス「…確かその創界神の効果でBPプラス5000かつ最高レベルだったわね…ライフで受ける!…う…!」

 

ウルトラマンタロウの手刀がアリスのライフを叩き割る。そのときのライフが壊れた衝撃の強さにアリスは苦悶の表情を隠せなかった。

 

アリス「いたた…でもバースト貰うわよ!トラッシュから魔界七将デストロードと新しいデスペルトを蘇生!暴食を司る蝿の王!魔界七将ベルゼビート!召喚!」

 

ヘラ《そして相手スピリット達からコアを除去!デストロードとデスペルトの召喚時効果でドロー&スピリット達のコアを外す!》

 

萃香「げ!…創界神のウルトラマンの効果を使うけど…ガイアは消滅されるねぇ…ターンエンドだ」

 

どこからか出現した黒い球を引き裂いてベルゼビートがフィールドに降り立つ。さらにベルゼビートが両手をかざすと禍々しいオーラからデストロードと別のデスペルトが現れた。

 

そのままベルゼビートの効果で萃香のスピリット二体を消滅させたが、萃香はタロウではなくガイアにコアを置くことで、ベルドゴールのコア除去を耐えることに成功した。

 

アリス「…メインステップ。苦痛をもたらす魔界の死神!魔界七将パンデミウムをレベル2で召喚!疲労状態のスピリットを破壊!そしてベルゼビートをレベル2へ!」

 

萃香「…ウルトラマンタロウはそのまま残すよ」

 

アリスはさらに下半身が蛇の死神を召喚する。だがパンデミウムの召喚時効果も巨大なウルトラマンの力であまり意味をなさなかった。

 

アリス「ベルゼビートの効果で『魔界七将』に紫シンボルを追加するわ。アタックステップ!行きなさい!ベルゼビート!!」

 

萃香「フラッシュタイミング!マジック!スペシウム光線を使う!コスト8以下のベルゼビートを破壊するよ!」

 

アリス「…ち…!だけどパンデミウムレベル2効果、手札を一枚破棄するわ」

 

ベルゼビートが剣を出して飛びかかったが、萃香の背後のウルトラマンが放ったビームがベルゼビートを貫いて破壊した。しかしアリスもパンデミウムの効果で萃香の手札を削る辺り、抜け目がない。

 

アリス「さらにデストロードとパンデミウムでアタック!!」

 

萃香「それは両方ライフで受ける!!」

 

ベルゼビートが欠けたことも気にせずにアリスはアタックを続ける。萃香は二体の一撃をライフで受けた。

 

萃香「…んん!?…今のは…?」

 

アリス「…これで射程ね…ターンエンド」

 

ヘラ《うちがレベル2、よって手札一枚棄ててもらうで!》

 

萃香「…この…!ソウルコアをトラッシュに置いてウルトラマンタロウを手札へ!メインステップ!ウルトラマンロッソ フレイムを召喚!さらにタロウをレベル3に!」

 

パンデミウムとヘラの効果で萃香は地道に手札が減っていく。それに顔を歪めながら萃香は炎を燃やしたウルトラマンを召喚した。

 

萃香「本当に…!私はネチネチめんどくさいバトルが一番嫌いなんだよ!アタックステップ!潰せ!タロウ!!まずはデスペルト一体を破壊!」

 

アリス「人のバトルスタイルにケチつけてるようじゃそこまでよ。パンデミウムの効果でさらに手札を破棄……そっちね…さっさと最初に回収した奴を出せば?」

 

萃香「…言われなくても出す!フラッシュタイミング!タロウに煌臨!グリッターティガ!煌臨時効果でさらにデスペルトを破壊!これでブロッカーはいない!」

 

ねちっこいアリスのバトルにイラついた萃香はタロウを攻撃させてデスペルトを蹴り飛ばす。だがそれはパンデミウムの効果で残り少ない手札を削ることになった。

 

それを気にせずに萃香はタロウに光輝くグリッターティガを煌臨させて唯一回復していたもう一体のデスペルトを破壊してしまった。

 

アリス「…無駄よ。フラッシュタイミング!リターンセブンショーグンを使うわ!トラッシュのベルゼビートを再度召喚!さらにそのベルゼビートに煌臨!魔界幻龍ジークフリード・ネクロ!!」

 

ヘラ《…トラッシュにあるコスト0/1/3/6/9のスピリットは……》

 

アリスは淡々とマジックを放ってベルゼビートを蘇生させる。続けてベルゼビートがこれまた仮面を周りに浮かべたドラゴンに変化すると…

 

アリス「トラッシュから召喚!魔界七将ベリオット!最後の闇!魔界七将ベルドゴール!そしてもう一体…!!!」

 

ネクロが持っている魔導書をペラペラとめくり、もう片方の手の杖を一振りする。するとトラッシュに落ちていたベリオットとローブ姿の呪鬼が現れる……

 

アリス《…お母さん…使わせて貰うわよ!!》

 

 

 

 

 

 

回想 第二次春雪異変解決の次の日 魔界 魔界神邸

 

 

弾《…ここか…》

 

上海《…スッゴい豪邸…博麗神社とは桁違いです…》

 

アリス《…それは言っちゃダメ…里帰りも久しぶりね…こんな理由で帰りたくなかったわ……ガチャ…さぁ、入って》

 

この日、アリスは弾を連れて実家に帰っていた。その理由はアリスの母親の魔界神である神綺に援軍を要請するためである。ものすごい大きな豪邸の入口を普通にアリスは開けて弾と一緒に中に入った。

 

アリス《誰か~…私よ~!》

 

???《曲者…って…アリス!?あなた帰ってきたの!?》

 

紅魔館を思い出させる洋風なエントランスで出迎えたのは剣を構えた赤いメイドさんだった。だがアリスの姿を見るや否や殺気が驚きへと切り替わる。

 

弾《…ここの…侍従長か?》

 

アリス《ええ、こちらは私の姉…みたいな人の夢子さん。お母さんに作られた最強の魔界人よ…姉さん、今日は娘としてじゃなくて幻想郷の創界神であるこちら…馬神 弾の付き人として来たの》

 

夢子《…創…界神…!?》

 

アリスが夢子にそう伝えると、夢子の目が再び鋭くなった。どうやら彼女も創界神に良い印象を持っていないらしい。

 

夢子《……今、母さ…神綺様は暇がございません…すみませんがお引き取りくだガハッ!!!?》

 

アリス《そ、じゃあ無理矢理会うわ》

 

早速アリスは神綺の元へ案内を頼むが、夢子は遠巻きに『拒否』した……その瞬間、アリスの上段回し蹴りが夢子の脇腹に直撃した。

 

上海《…ちょっ…!ママ!》

 

アリス《弾、行って…姉さんは私がどうにかする》

 

夢子《ぐ…!アリス…!あなた正気!?》

 

弾《……いや…その必要は無さそうだ…》

 

上海が止めるのを無視してアリスは弾に先に進むよう促す。しかし弾は正面の大階段から降りてくる気配を感じ取り、足を止めた。

 

神綺《夢子ちゃん、通してあげて》

 

夢子《母さん!?で、ですが…》

 

神綺《彼は特別よ。それに……かなりの案件みたいね…》

 

階段の手すりに手を添えながら降りてきたのはこの屋敷、いや世界の支配者の神綺本人だった。以前幻想郷に来たときとは違う、風格は一世界を治める創造主の威厳を感じさせた。

 

神綺《立ち話もなんだし…お茶でもいかが?》

 

 

 

 

 

 

 

同日 応接室

 

 

弾《…と言う訳なんだ》

 

神綺《…ズズズ…なるほどね…》

 

弾の話を聞いた神綺は目の前の四角いテーブルにティーカップを置くと、目を閉じてなにやら思案し始める。その様子を向かいに座った弾、アリス、上海、そして神綺の後ろに控えている夢子はじっと神綺の返答を待った。

 

神綺《…可能でもあるし…不可能でもあるわ》

 

アリス《…は?》

 

弾《…へぇ……つまり手を貸すからこちらにも協力しろって?》

 

神綺《ええ、正直なところ…魔界でも謎の『歪み』が起こっているのよ。その対応に私達は精一杯……だけどあなた達の望みと私達の望み…その両方を叶える手段があるわ》

 

神綺の曖昧な返答に弾は不適な笑みをこぼす。二人とも笑ってはいるが、お互いの出方をうかがっているよう…その様子にアリス達は改めて二人の格を思い知った。

 

上海《その手段とは?》

 

神綺《それはね……

 

 

 

 

アリスちゃんが魔界神になって弾君に仕えればいいのよ

 

アリス《……は…?》

 

上海《…へ…?》

 

弾《……なるほど。要するにオレの『分神』でアリスに力を分け与えることで、魔界にもオレの力を供給する…と?》

 

神綺《…うふふ…あなた本当に十代?まるで八雲 紫とかと話してる気分よ…》

 

アリスや上海を放置して(夢子は絶句状態)弾の悟ったような風格に神綺は妖しい笑みを浮かべる。一瞬の沈黙の後、ようやくアリスが再起動した。

 

アリス《ちょちょちょ!お母さん!どういうことよ!?》

 

神綺《簡単よ。魔界に限らず『神』と言うのは住む世界や受ける信仰によって力を増すわ。でも反対に…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とも言えない?》

 

アリス《…だから魔界神になった私が弾の下、つまり加護を受けることは魔界にも良い影響を及ぼす…》

 

神綺《そういうことよ。でももう一つ理由があるわ…アリス、私の娘達の中で一番あなたが…ヤンチャしてるからよ♪》

 

アリス《…はぁ?》

 

カリスマオーラ溢れる佇まいで喋っていた神綺が一気にアリスの緊張の糸をほぐした。当の神綺はいつものほんわかした表情で続きを話し出す。

 

神綺《だってぇ~…アリスちゃんより強いのはもう夢子ちゃんだけだし~…でも夢子ちゃんは創界神嫌いだから弾君に仕えろ!なんて言えないじゃない?》

 

アリス《…まぁ…それは言えてる…》

 

夢子《……は!母さん本気!?百歩譲ってアリスを魔界の神にすることは良いわ!今魔界は人手不足だし…でも創界神の下につかせると言うのは…》

 

顎に手を当てて神綺はそうぼやくとさらに遅れて復帰した夢子が後ろから神綺に進言する。

 

神綺《大丈夫よ…それに…彼のおかげでアリスは変わったわ。幻想郷の危機にもし前のアリスなら「関係ないし」ってすぐ魔界に帰ってきてたわよ…でも実際は…》

 

弾《…いい娘さんだよ。それにヤンチャな友達もいるし》

 

アリス《…ちなみに…それどっちのこと?》

 

弾《両方》

 

上海《あ!霊夢さんと魔理沙さんですね!》

 

神綺《え!?アリスちゃん、あの二人とお友達になったの!?昔からぼっち…ゲフンゲフン…一人だったのに!?》

 

弾の『友達発言』に加えて上海の追撃、最後には神綺の驚きのぶっちゃけ話にアリスはそのまま額をテーブルに押しつけた。さらにアリスの脳内は「究極の魔法よ!」とかカッコつけてた黒歴史で埋め尽くされていた。

 

アリス《…ぅぅ…別に…ちょっと人と話すのが苦手だっただけなのよぉ~…》

 

神綺《あらあら…今言った通りアリスは幼い頃他人と距離を取り、人形作りだけにしか目を向けませんでした。ですが幻想郷はそれを変えてくれました。だから私はアリスの更なる成長とその恩のために協力しましょう》

 

アリス《…お母さん……》

 

神綺の今度は『母親』としての話にアリスは顔をあげる。神綺の微笑みにアリスは照れ臭くなって思わずサッと目を伏せた。

 

弾《…どうする?最後に決めるのはお前自身だぞ?》

 

アリス《…良いわ!そろそろお母さんにも楽させてあげたいと思っていたところだし!》

 

神綺《…そう…ならこれを…》

 

こうしてアリスは魔界神としての力を神綺から分け与えられた。その時に神綺から貰った一枚をアリスはデッキに仕込んでいたのだ。

 

 

 

 

アリス「…行くわよ!パチン!」

 

ヘラ《…アリスちゃん…!いつの間に『分神』しとったん!?》

 

萃香「…っ!?」

 

アリスは指を鳴らすと身体から弾の神力が溢れ出す。鮮やかな金髪はまるで意思を持っているかのように伸び、腰まで到達する。青のノースリーブは紅色に染まり、背中には神綺と同じ白い六枚の羽が生えてきた。

 

アリス「まだネクロの効果は続いてる!ノーコスト召喚!魔界を統べる神!魔界神デスフェルミオン!召喚時効果でグリッターティガのレベルコストをプラス3するわ!!」

 

ヘラ《…クルッ……デカっ!?》

 

アリスの後ろにいるヘラよりさらに後ろ…何もない虚空からズズズと大きな魔神が現れる。下半身はヘビ、腰には二つの山羊の頭蓋骨、背中には金色の装飾、紫の鎧に四本の腕、そのうち二本の腕には紫煙の剣が握られていた。

 

現れたデスフェルミオンはグリッターティガの前に立ちふさがると、剣を持っていない手で魔法陣を編んでグリッターティガに放った。魔法陣に囚われたグリッターティガはそのままじたばたしながら消滅していった。

 

萃香「…創界神のウルトラマンの効果は…ってか同じ状態で残るなら結局消滅かい…ターンエンド」

 

アリス「決めるわよ!メインステップ!デスフェルミオンとネクロをレベル2へ!アタックステップ!行きなさい!デスフェルミオン!!」

 

ヘラ《アタック時効果でロッソ フレイムのコアを除去!》

 

萃香「…へっ…私の敗けだ…!こい!ライフで受ける!!」

 

ウルトラマンロッソ フレイムのコアを吸収し、デスフェルミオンの剣が残った萃香のライフを×の字に切り裂いた!!

 

萃香「…あ!?…が!……ぐへっ…!!」

 

アリス「…よっと…パシッ!…」

 

アリスは吹き飛ばされた萃香に糸を伸ばすと、創界神のウルトラマンのカードを絡めとり、弾の神力でカードを浄化した。

 

 

 

 

 

 

魔理沙「魅魔様!しっかり!」

 

アリス「……単に気絶してるだけよ。弾、終わったわ。はいこれ」

 

弾「無事で良かったよ……ん?」

 

倒れている魅魔に駆け寄る魔理沙(隣の萃香は無視)とは対照的にアリスは弾に確保したカードを渡した。すると弾は神社の奥から歩いてくる気配を感じて振り返る。

 

霊夢「…はぁ…はぁ…敵襲よね…?…戦わないと…」

 

蓮子「霊夢さん!まだ安静に!」

 

紫「…その身体じゃあバトルできないわよ」

 

入ってきたのは寝間着姿のままお祓い棒を杖がわりにした霊夢だった。まだ病み上がりの彼女に蓮子をはじめとした一同は駆け寄ってなだめた。

 

特に紫は未来世界で負傷した弾を重ねたのか、重々しい表情だった。

 

魔理沙「おいおい霊夢、敵ならそこでぐっすりおねんねしてるぜ」

 

アリス「…つまりもう終わっちゃったわ」

 

霊夢「……なんだ…はぁ~……」

 

魔理沙とアリスが霊夢にそう伝えると、霊夢は一気に脱力してその場にへたり込んだ。やはり無理を押して起きてきたようだ。

 

魔理沙「…ったく…私達がついてるんだ!お前も少しは休め!」

 

アリス「…変に無茶すればかえって悪くなるだけよ」

 

霊夢「……わかった…」

 

二人の言葉に霊夢は不服そうながらも頷いた。萃香が倒れたことで、集まっていた妖気は霧散していく…それは一時的だが異変の終わりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』アリスは「金髪ロング」「赤いノースリーブ」「神綺のような六枚羽」が特徴になります。神綺の娘だから魔界神の素質ぐらいあると思ったので、神綺っぽくしています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

分神について

仮面ライダーコラボ ライダーウォーズ発売!文句は一つだけ………ガードベントは王蛇とガイの絵だろぉぉ!?


幻想郷 某所

 

 

???《…く…!やはり…馬神 弾の力には私の力を相殺する能力があるようだ…!》

 

???「…ど、どう致しましょう?冥界の姫君も鬼達も解放されてしまいましたが……」

 

謎の女性の報告に男性はイラついた様子で座っていた椅子のひじ掛けを叩く。その怒りに女性もビビりながら今後の手立てを尋ねた。

 

???《…奴を出せ…》

 

???「……彼女ですか?幻想郷の者は?」

 

???《…奴に永遠の罪人達をつける…ここで馬神 弾どもを叩き潰す!!》

 

???「…か、かしこまりました……!!」

 

あまりにも強い男性の怒声が部屋を大きく揺らす。その衝撃と恐ろしさに女性は顔を青くして足早に部屋を出ていった。

 

???「…ハァ…???様の考えには賛成だが…あの気の短さとプライドの高さには疲れるな……」

 

ツカツカと廊下を歩きながら女性は先程とは別人のようなしゃべり方でぼやいていた。ため息をついたあと、女性は札を取り出すとどこかに連絡を始めた。

 

???「……私だ…???様から命令だ。三日後の晩…夜を止めろ…そしてお前も直接馬神 弾と戦え」

 

???《…本気?私が出るの早すぎない?》

 

???《…それほど???様は本気なのだ。お前も月の都から出てきてくれ》

 

???《…良いわ…馬神 弾の強さにも興味あるし…》

 

通信先から聞こえてきた気だるげな声…その人物は女性の命令を了承すると勝手に通信を切った。

 

???「…ちょ…!…ハァ…勝手に切るな…!!…これで勝てれば良いが…負ければ馬神 弾に最強の右腕を返すことになるぞ……!」

 

 

 

 

一方その頃 博麗神社 居間

 

 

 

弾「…ノヴァの…Xか…」

 

紫「そう!パンテーラの力かしら?」

 

異界王「あの人形のか…それよりも俺は馬神 弾とお前の力だと思うがな」

 

蓮子「うーん…メリーの血が弾様の神力と何か変な反応を起こしたのかしら?」

 

アレックス《…確かに…弾さんの力を一番強く受けていたのは紫さんでしたしね…》

 

紫「え!?てことはこのカードは私と弾の間に産まれたのね!」

 

神社の一室では弾、紫、異界王、蓮子、アレックスが紫のノヴァXについて話していた。話の結論としては「紫と弾の力で生み出された」に行き着いた…最後の紫の言葉はスルーされたが…

 

蓮子「ハイハイ、そう言えば…『分神』を受けた人ってどうなるの?」

 

アレックス《ええと…①身体能力と魔力の向上。②能力の進化。③弾さんとの精神的な繋がりが生まれる…この三点ですね》

 

異界王「…能力の進化か…十六夜 咲夜が物質の時間を操れるようになったり…未来予知を会得したことか…」

 

蓮子「…なーる…メリーは何か変化あった?」

 

紫「スキマに質量を持たせられるようになったわ。これで直接スキマを伸ばして攻撃できるようになったわね…こんな感じに♪」

 

蓮子「あひ!?」

 

アレックスの説明を聞いてメリーがした問い掛けに、紫は背中から伸びたスキマで蓮子の頬を撫でた…突然のことに蓮子は変な声をあげて飛び上がってしまった。

 

弾「…それでアリス達は外でトレーニングしてるのか…」

 

紫「…変に力入れすぎて結界が壊れなければいいけど……んん!?」

 

蓮子「…え…?メリー、どしたの?」

 

紫「…大丈夫よ、何でもないわ…」

 

紫はそう言ったが、突然胸の中に生まれた圧迫感の原因はわかなかった。

 

 

 

 

博麗神社 境内

 

今ここでは二つのぶつかり合いが起きていた。だが他の面子はそれをなんやかんやと話しながら観戦している…それもそのはず、今回の戦闘は『分神』した魔理沙達のウォーミングアップだからである。

 

咲夜「…ふっ!」

 

アリス「…は!」

 

咲夜の投げたナイフはアリスの腕から放たれた糸に阻まれる。着地した咲夜は『分神』で長くなったスカートの裾を手で払いつつ、六枚の羽を展開しているアリスを見て軽く舌打ちした。

 

咲夜「ち…カッ!……へぇ…自分からも糸を生み出せるようになったのね」

 

アリス「…ちょっと…先に言わないでよ。カッコ良く言おうとしてたのに…」

 

咲夜「ごめんなさいね。あとそこ…2.5秒後に魔理沙の流れ弾が当たるわよ?」

 

アリス「……ボボォン!……あら…ハッタリだと思ったわ」

 

咲夜は自分の金色の瞳を通して少し先の未来をアリスに教える。しかしアリスも後ろから飛んできた流れ弾を、咄嗟に身体から糸を精製して防御した。

 

 

魔理沙「…また外れた…イヤ…()()()()のか…?」

 

フラン「へへーん!」

 

魔理沙「…まぁ良いや!恋符『マスタースパーク』!!」

 

フラン「星符『ミルキーウェイ』!てぇぇぇい!!」

 

境内の上空では箒にまたがった魔理沙と巨大な翼を羽ばたかせたフランが相対していた。魔理沙の疑惑は当たっており、フランは魔理沙の弾幕の数ミリ前を『破壊』することで、軌道をそらしたのだ。

 

それでも魔理沙は胸の陰陽球を回転させてパワーを貯め、特大の銀色マスタースパークを、フランも翼から放った虹色のビームで迎え撃った。

 

 

レミリア「フラァァン!そんな鼠に負けんじゃないわよ~!!」

 

カグツチ《…それにしても…四人ともスゴイパワーアップしてるね》

 

妖夢「咲夜が『物質時間操作』と『未来予知』、アリスが『糸精製』と魔界神の力、フランは『概念破壊』、魔理沙は…『無限魔力』ですかね…あんなに高魔法を連射しても息切れ一つしてませんし…」

 

ケイ《…よっこいせと……おお、やっているな…》

 

マナカ《ふぅ…持ってきたよ~》

 

ヘラ《おおきにぃ~》

 

レミリアがフランの応援に熱中しているなか、それを眺めてあれこれ話していた一同の所にマナカとケイが何かを箱に入れて持ってきた。

 

ペルセポネ《…へ?それは…?》

 

アプロディーテ《あら、あったのね…パンパン!全員集合~!》

 

咲夜「…カッ!…あまり剣は得意じゃないんだけど……」

 

アリス「…便利過ぎない?その能力…」

 

アプロディーテが手を叩くと、唯一未来を見た咲夜以外はなんだなんだと駆け寄ってきた。

 

魔理沙「…なんだそれ?見たところ武器か?」

 

ゼウス《その通り。ここから戦いは激しくなっていくが、儂らの力はずいぶん制限されてしまう…ならお主らが直接戦わないといかんと思ってな。儂らの神話ブレイヴ(人間サイズ)じゃよ》

 

カグツチ《前に蓮子ちゃんを探しに行った時、訪れた世界に剣に変わるブレイヴがあったんだ。それを応用してカードを皆が持てる大きさの武器に変えたんだよ》

 

アリス「なるほど…それじゃあね…ゴソゴソ…この紫色の剣をもらうわ」

 

フラン「フランはこの長いのにする~!」

 

シヴァ《お!俺の愛刀(ネクロキャリバー)!》

 

ゼウスとカグツチの説明は魔理沙達を納得させた。冥界の結界の時から彼女達もリアルファイトのことが気にしていたのだ。そんな四人は次々と武器を出して合いそうな物を探していく。

 

咲夜「…スチャ…強いてなら…この鞭かしら」

 

ペルセポネ《良かった~…私の選んでくれて…》

 

魔理沙「へぇ…!私はこの杖借りるぜ!」

 

ロロ《……大丈夫かな…》

 

咲夜は紫の宝玉がはめられた槍、魔理沙は先に輪がついた杖を選んだ。ロロの不安はほぼ確実に当たってしまうだろう…こんなに目をキラキラさせた魔理沙が律儀に返すとは思えない。

 

妖夢「良いなぁ…私は使えないんですか?」

 

カグツチ《ん~…『分神』できてないと気力がもたないし…弾くん(創界神)の力をうまく発揮できないと思うよ?》

 

妖夢「…みょん…」

 

魅魔「まぁまぁ…次の異変で覚醒できるさ……ん?魔理沙、順番通りだと次の異変はなんだい?」

 

妖夢は神の剣を使いたくて堪らなくなり、カグツチに相談してみたものの遠回しに無理だと言われて妖夢のテンションは逆V字型で落ち込んだ。そんな妖夢を慰めた魅魔はふと次来る(はずの)異変を魔理沙に聞いてみた。

 

魔理沙「…え…あ…………たぶん…次は永遠亭の異変だと思うぜ……」

 

ペルセポネ《……ってことは…》

 

アプロディーテ《…つまり…次は相当キツい異変になりそうね…》

 

当時異変に関わった幻想郷メンバーは全員渋い顔になる。創界神達も『永遠亭』の単語を聞いて次の敵を察することができた。

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回は次の異変への繋ぎ回です。あとこっからは弾幕ごっこを越えた死闘になるので、接近戦に必要な武器がいると思って幻想郷メンバーに神話ブレイヴを持たせてみました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終第四章~星神激突~
永遠の夜


ゼロワンのシャイニングアサルトホッパー、ファンネルまで使いやがったよ……これまだ中間形態だよ?スパークリングや闘魂ブーストクラスだよ?


夜 博麗神社 弾の寝室

 

 

弾「…zzzzzzz……」

 

魔理沙達が神話ブレイヴを借りてから数日後、暫しの休息の数日を過ごした弾はぐっすり布団を被って寝息を起てていた。立て続けに起きた異変の数々や紫達との会議で疲れていたこともあり、弾は死んだように眠りに落ちている。

 

すると寝室の扉から…いや扉に開かれたスキマから(スキマから出てくるのは一人しかいないが)人影がこっそりと寝室に入ってきた。

 

紫「……うふふ、いつもはクールだけど…寝顔は可愛いのよね…ジー……うふふふふふ…」

 

……いやあんた何してるんですか?現れた紫は弾の寝顔を眺めるだけでニヤニヤと顔を喜ばせる。はっきり言ってストーカーに片足突っ込んでいる。

 

弾「zzzz…んん…まゐ…無茶…するな…よ…」

 

紫「…ズキュン!…も、もう…我慢できない…!バッ!」

 

寝言で弾が呟いた言葉…それに紫は胸を撃ち抜かれてプルプル震えると、弾を起こしに来た理由そっちのけで布団の中に潜り込んだ。

 

紫「うへへ…♥️この異変が解決したらあの女が戻って来ちゃうわ…なら今のうちに既成事実を…!」

 

霊夢「ガラッ!ちょっと!あんた!起こしに行くのにどんだけ時間かかって………ゴゴゴゴ…!!」

 

紫「…あ…まずい……」

 

…前言撤回…完全にストーカーである。顔を真っ赤にしながら紫が弾の唇に自らの唇を重ねようとした瞬間、寝室の障子が勢い良く開かれた……開いた張本人の霊夢は弾の布団に潜り込んでいる紫を見ると、霊夢から放たれた怒りのオーラが部屋を覆い尽くした。

 

霊夢「異変が起きてるのになにイチャついてんのよ!妬符『リア充爆発結界』!!!

 

紫「ギャァァァァァァァァ!!?」

 

弾「な、なんだ!?」

 

パルスィもびっくりな妬みオーラ(誰の妬みかは不明)を霊夢は弾幕に変換して紫めがけてぶっぱなした……

 

 

 

 

 

数十分後 博麗神社 境内

 

 

紫「…ボロッ…そ、それでは…さ、作戦を説明するわ…」

 

アレックス《…絶対弾君とイチャイチャして怒られたんだ…》

 

霊夢「ふん!」

 

境内にはレミリア、咲夜、幽々子、妖夢、魔理沙、アリス、蓮子、異界王、そして創界神達が勢揃いしていた。そこにもう満身創痍な紫と不機嫌そうな霊夢、眠い目を擦って歩いてきた弾が現れた。

 

紫「まず魔理沙とアリスは迷いの竹林にある藤原 妹紅の家に向かって。彼女とスサノヲを味方に引き戻すのよ」

 

魔理沙「よっしゃ!」

 

アリス「了解」

 

紫「私と蓮子は人里に向かうわ。そろそろ阿求と契約していたアテナの知恵と防御力が欲しいからね」

 

蓮子「オッケー!」

 

紫「そして弾は幽々子、妖夢、レミリア、フラン、咲夜を率いて永遠亭に殴り込んで。留守番は魅魔と萃香に任せてるから後ろは心配しないで良いわよ」

 

幽々子「…さぁて…妖夢、借りを返す出番よ」

 

妖夢「御意」

 

レミリア「フラン!私から離れないようにね!」

 

フラン「はーい!」

 

咲夜「承知しました」

 

紫がそれぞれの仕事を淡々と説明していく。だが何かの気配を探っていた弾は少し首をかしげて紫に尋ねた。

 

弾「…なぁ…この異変って…あの綺麗すぎる偽物の月のことか?」

 

紫「え!?月が綺麗ですね!?つまり」

 

霊夢「……(お札を構える)」

 

魔理沙「……(ミニ八卦炉を構える)」

 

咲夜「……(ナイフを構える)」

 

フラン「きもーい」

 

蓮子「…メリー…そのネタはそろそろ読者の皆様に「しつこい」って思われてるよ?ただでさえ話数がもうすぐ二百いっちゃって「なげぇよ」とか思われてるはずなのに…」

 

メタいメタい!…すいません…by作者。 蓮子のメタ発言や無言で霊夢達から向けられた武器、とどめにフランの『きもーい』が紫を完全に黙らせた。

 

霊夢「そうよ。確かあの引きこもりが月の使者から隠れるために結界を張ったことで、月が偽物になったのよ」

 

弾「……………」

 

魔理沙「…ん?どした?」

 

紫の代わりに霊夢がこの異変を説明すると、それを聞いた弾は顎に手を当てて考え込んだ。何かを心配しているのか、はたまた他に気になることがあるのか…

 

弾「……いや……何でもない……さて…行くぞ!!」

 

全員「《おう!》」

 

魔理沙の声で我に返った弾は気を引き締めると号令をかけた。その声と共に創界神を体内に宿した人妖達は三手に別れて夜の闇に飛び出していった。

 

 

 

 

 

平和な夜だった。

何事も起きていなかった。少なくとも人間にはそう見えていたのだ。

 

そんな人間のもとに妖怪が訪れる。

いつもなら妖怪退治は人間の役目だ。だがこんな『異変』が起きていると言うのに、人間は一向に動こうとしないので痺れを切らした、と言う。

だが人間は、そのとき初めて『異変』に気が付いたのだ。

 

 

妖怪退治が役目の人間は、

 『この異変』を、夜が明ける前に解決出来るだろうか、と言った。

 

だが妖怪は言う、

 『こんな異変』は、夜を止めてでも今夜中に解決させる、と。

 

 

妖怪は、月の欠片を求めて夜の幻想郷を翔け出した。

後を追うように人間も飛び出す。

 

 

魔を感じ、幻を打ち破る人間。

 魔を遣い、幻を無効化する妖怪。

 

―― 二人は、夜を止める

 

 

…それが()()()()()…今回は明けぬ夜より戦う相手が問題だった。

 

この異変を引き起こした永遠亭を取り仕切る賢人、そして人間も妖怪も神も、察知できなかった未知の神。

 

人間達は不安だった。いや…妖怪や神も不安を拭えずにいた。

 

その不安は的中する。崩神に味方した神が人間達の行く手を阻みに来たのだ。

 

そしてすべてを迷わせる竹の森の奥深く…そこで繰り広げられる激戦

 

攻めるは幻想郷の創界神、若くして世界を背負うことになった星の神。彼は北斗七星の剣を構えて仲魔と共に敵を討つ。

 

守るは元月の賢者、天才の薬師にして後天的な創界神の星の神。彼女は自らの名を冠する弓を構えて迎え撃つ。

 

そして彼女が吐露する深き闇、それは今宵の夜よりも深く冷たく、なおかつ根強い。

 

若き星神は愛するもののため、彼女を助けに出陣する…!!

 

pixiv大百科『東方永夜抄』あらすじより前半抜粋

 




はい。短めですがありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一幕 初月

たった今ゼロワン&ジオウの映画見てきました!父さんがいないと…!この会社はとうさーん!……すいませんでした…


迷いの竹林 永遠亭

 

 

???《…どうやら奴ら…動き出したみたいよ》

 

永琳「…さすが…あなたの眷属は情報収集に長けていらっしゃいますね…」

 

弾達が動き始めたのと同時刻、永遠亭では永琳とまるで科学者のような実験服を着た女性が作戦を練っていた。だがその女性に対する永琳の対応はとても丁寧で、以前から面識があるように思われる。

 

永琳「…すみません、わざわざご足労いただいて…」

 

???《気にしなくて良いのよ。それよりも私の眷属だけじゃなくてあなたの部下達も配置につけなさい》

 

永琳「既に鈴仙とてゐは戦闘準備を終えています。後は敵が来るのを待つだけです」

 

???《…へぇ…それは楽しみね…》

 

 

永琳の言葉に女性は妖しく微笑むと、ツカツカ歩いて部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

同時刻 人里前の門

 

紫「…ついたわ…」

 

蓮子「…あれ…?人里が…ない?」

 

人里に向かっていた二人だったが、紫が「到着した」と言った場所には人里どころか建物ひとつない荒れ地だった。蓮子は頭を混乱させながら紫に続いて地面に降り立つ。

 

紫「ええ、歴史を食って『無かった』ことにされたのよ。そうでしょう?上白沢 慧音」

 

慧音「…まさか私の能力すら見抜くとは…さすがは『妖怪の賢者』と言うべきか……」

 

阿求「ですがここで退くわけにもいかないです。あなた方は私達が討伐します!」

 

蓮子「あ、阿求ちゃんだ…ちょうど良かった!私達もあなた達に用があったのよ」

 

 

紫が何もない荒れ地に向かって話しかけるとぐにょんと空間が歪む。そこから人里の有力者、上白沢 慧音と稗田 阿求が歩いて現れた。さらに彼女達の後ろに銀色の透明な結界が張り巡らされ、アテナの力を使っていることも容易に理解できた。

 

紫「…さて…率直に申し上げますわ。今幻想郷では私達馬神 弾勢力と崩神勢力が争っています。崩神達はこの世界を自分たちの得になるように好き放題していることは大きな問題です」

 

阿求「…それで…私達もそちらにつけと?」

 

慧音「すまないが…馬神 弾を信用できない。お引き取り願おうか」

 

紫《…ち…こちらも改変されていたか…》

 

いつもの張りつけたような笑みを浮かべた紫の提案を慧音は一蹴した。紫は内心舌打ちし、人里の人々の記憶すらも崩神達は操作していたことを悔しがった。

 

蓮子「…そう言ってお引き取りする奴はいないでしょ…ならどうする?ケンカでもする?」

 

慧音「…生憎私達の腕っぷしではお前達には勝てん…だからこちらで勝負だ」

 

阿求「私達が勝ったら諦めてもらいます。負けたらお好きにどうぞ」

 

異界王「…案外、簡単にカードでの決着に持ってこれたな」

 

アレックス《まぁ彼女達はリアルファイトでは強くないですからね》

 

蓮子の挑発に二人は簡単に乗ってきた。体内からあれこれと話している異界王とアレックスの声をスルーして、紫は蓮子が最初からこの流れに持ってこようとしていたことに気づいて目を丸くした。

 

紫「…蓮子、そんな口上手かったっけ?」

 

蓮子「ふふーん♪王様は演説しないといけないからね~…さ!メリー行くよ!」

 

紫「…ふふ…ええ!」

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

人里の戦い 宇佐見 蓮子&八雲 紫VS上白沢 慧音&稗田 阿求

 

 

 

同じ頃 迷いの竹林 上空

 

 

魔理沙「…なぁ…アリスは今回の異変をどう思う?」

 

アリス「…はっきり言って…この前話題に上がったタカミムスビっていう創界神がカギを握ってそうだわ…」

 

魔理沙「やっぱりそう思うよなぁ……なぁロロ、ヘラ、そのタカミムスビはどこにいんだよ?崩神達より強いんだろ?」

 

ロロ《………》

 

ヘラ《…ん、んん~…はて?どこにいたんやったっけかなぁ…?》

 

魔理沙は箒の後ろに腰かけているアリスにふと尋ねる。アリスの考えは魔理沙とほぼ同じだったが、創界神達の返事はえらく曖昧だった。

 

魔理沙「…そんなにしゃべりにくいことな……っっ!?」

 

アリス「…?…魔理沙、どうしたの……うっっ!?」

 

魔理沙とアリスの追及は途中で打ちきりとなった。なぜなら下の竹林から突如炎の弾丸が飛んできたからだ。魔理沙は弾幕ごっこで鍛えられた反射神経をフル活用してすべてを避けきると、すぐさま『分神』状態へと変わった。

 

魔理沙「あっぶねぇ…!」

 

アリス「…パチン!…炎…ってことは…!」

 

妹紅「へぇ…今のを避けきるなんてな……さすがは馬神 弾の側近と言うべきか」

 

銀色のオーラを放出して杖を構えた魔理沙、六枚羽を生やして数体の人形を展開しているアリスの前に現れたのは…もちろん、蓬莱人 藤原 妹紅だった。背中にはいつもの不死鳥型の炎を燃やしている。

 

魔理沙「…へへ!ちょうどいい!前とは違ってお前を探してたぜ!」

 

アリス「…結局、あなたはどっち側なの?にっくきかぐや姫は私達の敵なのだけど?」

 

妹紅「はん!確かにな。だがお前らを始末すれば何でも願いを叶えてやると言われてる…お前らに恨みは無いが……死んでもらう!」

 

魔理沙「やっぱりか…!」

 

そう言うと妹紅は身体から炎に加えて水を放出し始める。これは彼女の中にいるスサノヲの『海首』の力であろう。魔理沙とアリスは改めて気を引き締め、まずは妹紅をカードバトルに持っていくためにお互いの武器(杖と人形達)を構えたが……

 

 

???《……バッ!…》

 

魔理沙「…ぐへっ!?な、なんだ!?」

 

アリス「…狐の……幽霊!?」

 

ヘラ《…まさか……!?》

 

妹紅「…案外優しいな…」

 

妹紅めがけて魔法を放とうとした魔理沙の横腹に何かが突っ込んできた。魔理沙はそのままよろけるが、態勢を立て直して攻撃してきた奴を見ると、それは紫色をした狐の幽霊だった。

 

さらに二人を囲むようにタヌキ、犬、猫、ウサギなどの動物の幽霊がうじゃうじゃ竹林から飛び出してきた。

 

アリス「…動物霊…!?いや…畜生界の奴らとは魂の強さが段違い!」

 

魔理沙「ちぃ!アリス!妹紅は任せた!私はコイツらに一泡吹かせてやる!!」

 

アリスが返事するのも聞かず、キレた魔理沙は周りの動物霊達に杖の照準をつけて撃ち落としにかかる。アリスはため息をつくもその力強い目は炎と水を纏った妹紅に向けられていた。

 

 

アリス「…良いわよ…魔界の力!見せてあげるわ!」

 

妹紅「…来な!不老不死の炎で燃やし尽くしてやる!!」

 

 

迷いの竹林 上空の戦い 霧雨 魔理沙&アリス・マーガトロイドVS藤原 妹紅&動物霊達

 

 

 

同時刻 永遠亭付近の竹林

 

 

霊夢「……いっ…!」

 

咲夜「…霊夢、まだ痛むの?」

 

霊夢「…ふん!これぐらい平気よ!」

 

フラン「…あんまり無茶しないでね」

 

弾達五人は迷いの竹林を徒歩で移動していた。空を飛ばないのは『竹林から狙撃される可能が高いから』である…魔理沙達はおもいっきりハマったが……

 

咲夜「…カッ!はっ!!」

 

レミリア「咲夜!?」

 

妖夢「…!…幽々子様!弾様!敵襲です!!」

 

シヴァ《ん!?どこだ!?》

 

未来予知した咲夜がナイフを取り出し、何の変哲もない草むらに投げる。その直後、妖夢も何者かの気配を感じとり、刀を抜刀して警戒度をマックスに引き上げた。

 

てゐ「…あっぶな…!あと少しナイフがそれてたら死んでたよ…」

 

鈴仙「…シュタッ!ほう…!ここまで迷わずに来るとは…中々やるな!」

 

アプロディーテ《…イタズラウサギと……え、鈴仙ちゃん?》

 

ペルセポネ《何か……中二臭いセリフを…》

 

咲夜「…あれは自分の能力で波長を操ることで、性格を好戦的に変えてるんです」

 

ガサゴソと草むらからてゐが出てくると、木の上からも鈴仙が華麗に着地した。何時とは似てもにつかない鈴仙の様子に創界神達は戸惑うが、すぐさま咲夜が彼女の能力を説明した。

 

弾「……通してくれないか?」

 

鈴仙「断る。なぜならお前達は今から跡形もなく消し去られるのだからな!」

 

てゐ「あ~んど!カモン!師匠のご友人の眷属!!」

 

???《ザザザザザザザザザ!!》

 

レミリア「わぁ~!咲夜!忍者!忍者よ!」

 

咲夜「喜んでいる場合ですか!?」

 

弾の説得も今の鈴仙には聞き入れられなかった。すると鈴仙の隣にいたてゐの声と共に、竹林から次々と忍装束の蟲人がアクロバティックな動きで現れた。

 

咲夜「…軽く五十人はいそうね…」

 

ゼウス《…蟲の…忍…じゃと!?》

 

フラン「よーし!レーヴァテイン!ネクロキャリバー!!」

 

妖夢「幽々子様!弾様!ここは私達にお任せを!」

 

弾「ありがとう!」

 

幽々子「レッツゴ~♪蟲は美味しくないし」

 

『分神』したフランは右手にレーヴァテイン、左手にネクロキャリバーの二刀流で蟲の忍達に斬りかかった。続いて妖夢も桜観剣を抜いて弾と幽々子の道を作り、二人は蟲の忍達が後ずさった道を突き進んでいった。

 

 

霊夢「え、ちょっと!私も親玉を…ガチャ…きゃ!?」

 

レミリア「私も…ガチャ…な!?」

 

てゐ「やーい!引っ掛かった~!泥トラップ!」

 

でしゃばり二人組もすぐに後を追おうとしたが、おもいっきりてゐのトラップを踏んでしまい、頭から泥まみれになってしまった…一瞬の沈黙が二人の動きを止めると次は怒りの感情が二人を支配する。

 

霊夢「やりやがったわね!あのクソウサギぃぃぃ!!!

 

レミリア「鍋にぶちこんでやるわぁぁぁぁ!!!!

 

てゐ「にっげろ~!」

 

 

迷いの竹林 内部の戦い 咲夜&妖夢&霊夢&レミリア&フランVS鈴仙&てゐ&蟲忍者達

 

 

 

 

永遠亭 内部

 

 

弾「…ガラッ…これは……?」

 

幽々子「あら…ここは前と同じね」

 

アプロディーテ《…空間拡張魔法…かしら?》

 

永遠亭に到着した二人が扉を開けると、そこに広がっていたのは弾が馴染みのある玄関ではなく、果てしなく続く渡り廊下だった。

 

幽々子「…さて…どうする?確か真っ直ぐ行くのは罠だったはずよ」

 

弾「…スチャ…斬る…」

 

幽々子「…へ…?」

 

幽々子が尋ねた瞬間弾はどこからかグランシャリオを取りだし、すたすたと幽々子の前に躍り出た。

 

弾「妖夢と映姫の能力を相乗して…断罪剣『十王斬』!!」

 

弾は妖夢の『剣術を扱う程度の能力』でグランシャリオの切れ味を強化して、映姫の『白黒はっきりつける程度の能力』も纏わせる。

 

そして白と緑のオーラを纏ったグランシャリオが果てしない長廊下を真一文字にぶったぎった!

 

幽々子「…パチパチ…お見事」

 

アプロディーテ《……なるほど…閻魔の力で曖昧になっていた『廊下の長さ』を元に戻したのね》

 

弾「まぁな…これで道はできた」

 

弾達がそんな話をしている後ろで、先の見えない渡り廊下がまるでガラスが割れるような音を起てて崩れていき、何の変哲もないいつもの永遠亭の廊下へと戻った。

 

幽々子「…少し…いいかしら?」

 

弾「ん、なんだ?」

 

幽々子「………」

 

すると歩き始めた弾に幽々子が話しかけた。弾はそのまま奥に向かいつつ話を聞くが、当の幽々子は少し目を伏せるだけで続きを話さなかった。

 

弾「……西行妖の封印のことか?」

 

幽々子「…!…ええ…聞くつもりはなかったのだけど……あの桜の下に埋まってるのは……」

 

弾「…察しの通りだ…」

 

歩きながら二人の会話はお互い核を喋らず、だがそのまま続いていく。そして一番奥、輝夜が住んでいる部屋の前に到着すると…幽々子がさらに言葉を発した。

 

幽々子「…また私は…紫を苦しませていたのね…」

 

弾「…………」

 

扉に手をかけたまま弾はどう言葉を返したら良いか分からなかった。ここで『仕方ない』と言うのも無責任過ぎる行為、『お前は悪くない』と言うのも紫に責任転嫁したと幽々子の罪悪感を増幅させるだけだ。

 

どれだけ時間が過ぎたかは分からないが、豪華絢爛な襖の前で二人はぼうっと立ちつくしていた。すると自嘲したような笑みを浮かべて弾は口を開いた。

 

弾「…分からないなぁ…なら考え続けるまでだな」

 

幽々子「…それでも…答えが出るかはわからないわ…」

 

弾「…そりゃそうだ。人の考えがそんなに簡単なら『すれ違い』や『仲違い』なんて起きない…なら自分の考えとは違う物を除いて…考えて考えて…その先にあるのが『答え』なんじゃないのか?」

 

幽々子「…紫は…許してくれると思う?」

 

弾「…さぁな…オレは幽々子と紫が積み上げてきたモノを知らないから…だがいつかは面と向かって話すべきだとは思うな…よっと…ワシャワシャ」

 

幽々子「ひゃ!?」

 

幽々子の目をしっかりと見て弾は話す。そして目を伏せたままだった幽々子の頭をわしゃわしゃと撫で回した。幽々子は突然予想外のことをされたので、変な声を出してしまう。

 

弾「…勇気を出して…ちゃんと話し合ったらきっと分かり合えるさ……」

 

幽々子「………もう…紫が見たら発狂しちゃうわよ…?」

 

アプロディーテ《…この天然たらし…!》

 

…仮にも敵地のど真ん中でこんなことをやっています…弾の手を乗せられた幽々子が目を細めていると…

 

……前の襖を突き破って矢が飛んできた。

 

弾「おおっと!?」

 

輝夜「…ちょちょ!永琳!何ぶっぱなしてんの!?ついさっき「敵が入ってきたら迎撃する」って言ったじゃない!?」

 

永琳「……何か…イライラするわ…!」

 

アプロディーテ《…記憶無くても…そういう感情はあるのね…》

 

矢は弾と幽々子の間を抜けて行ったが、壊れた襖の先では輝夜の戸惑いを他所に永琳がものすごい黒いオーラを放ちながら次の矢を構えていた……

 

永琳「……ゴゴゴ…そこの亡霊…早く彼から離れなさい…!!」

 

幽々子「…あ、そうだ…ヤーダ♪ダキッ」

 

弾「…げ…!」

 

何かを思いついた幽々子は頭に乗せられていた弾の腕に抱きついた。その豊かに実ったモノが押しつけられるのを目にした永琳は「もう何かに変身してしまうのでは?」と思わせるほど目のハイライトを消し、どす黒い殺気(パルパル)を放ち始めた……こわい…

 

永琳「…ゴゴゴ…

 

輝夜「…え、えーりん…?」

 

永琳「もう一度殺してやる!!!!

 

弾「…ゆ、幽々子、輝夜…任せていいか?」

 

幽々子「はーいヽ( ・∀・)ノ」

 

輝夜「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!」

 

 

永遠亭 最奥部 弾&幽々子VS永琳&輝夜

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二幕 子の刻

貧乏バトスピあるある…化神と創界神が合わなくてデッキ組むのに予算が足りない。何でヴァルカン・ゴレム三枚来るねん!ツクヨミ欲しいのに!


迷いの竹林 上空 魔理沙&アリスサイド

 

 

動物霊《ギャォォォォ!!》

 

魔理沙「この…!マスタースパーク!!」

 

魔理沙が杖から放った極太のレーザービームが無数の動物霊達に命中して、次々と消滅していく。だが数が数なので総数の半分も減らすことはできなかった。

 

魔理沙「クソ!数が多すぎる!」

 

ロロ《あせるな…少しずつ潰していこう!》

 

動物霊《グギャァァァァァ!!》

 

 

妹紅「おらよ!」

 

アリス「ふっ!」

 

その近くでアリスと妹紅は蹴りの肉弾戦を繰り広げていた。さらに妹紅が放つ炎と水がアリスの魔法や糸とぶつかり合って、いくつもの小さな爆発が迷いの竹林の空を照らしていく。

 

妹紅「へぇ!魔法使いってのは貧弱な奴ばかりじゃなかったんだな!」

 

アリス「…御生憎…殴り合いは好きじゃないの…!魔糸『王羽緋糸(オーバーヒート)』!!」

 

妹紅「ぎゃ…!!…っう…!」

 

軽口を叩いた妹紅の腹をアリスが精製した糸の槍がとてつもない速度で貫いた。不死身の妹紅と言えどこれには顔を歪ませ、アリスから距離をとる。

 

妹紅「…いてて…ならこれだ!」

 

ヘラ《…!あれは…神話ブレイヴ…?》

 

妹紅は腹に空いた穴を炎で再生させると、身体から放った水の龍を一本の剣へと変化させた…峰にノコギリのようなギザギザの突起がついているのを見ると『荒波霊刃アラナミ』だと思われる…そして妹紅はアラナミを両手で握りしめ、真っ直ぐ上に剣先を向けた。

 

アリス《……大技が来る!》

 

妹紅「食らえ!!荒符『藤原之轟炎』!!!」

 

妹紅の声と共にアラナミが激しい炎に包まれて妹紅の身長サイズの炎剣になる。アリスとしては月を背景に空にそびえる赤い炎は非常に風流で映えたが、その切っ先が自らの頭上に振り下ろされるとなれば話は別だ。

 

アリス「…ボソッ…」

 

妹紅「もらったぁぁぁぁ!!」

 

アリスは迫ってくる炎の刃を眉ひとつ動かさず何か一言呟く。その瞬間炎のアラナミがアリスの脳天に直撃した…!

 

妹紅「…なんだ、意外とあっけなむぐぅぅ!?」

 

アリス「…糸符『身代わりの糸人形』…今斬ったのは魔力の糸で編んだ偽物よ」

 

ヘラ《お見事!(ノ゚∀゚)ノ今やで!》

 

無抵抗のまま斬られたアリスに妹紅はため息をつくが、そのアリスが突然糸に変わると妹紅の身体を縛り上げてしまう。妹紅が脱出しようとじたばたしている背後で『本物』のアリスが得意気に微笑んでいた。

 

さらにアリスの背中の翼は白から黒に変わり、周りには上海人形サイズの6体の人形…アリスや弾とは違う神力を纏っている所からヘラの眷属…が爆弾や剣を構えて浮遊している。

 

 

アリス「行きなさい!人形達!咒符『妬みの女王人形』!!」

 

ヘラ《総攻撃や!》

 

アリスとヘラが指示すると、ヘラの人形達が一斉に襲いかかった。爆弾ドール ミモザはお手製爆弾を投げつけ、剣帝ドール アンシャンテと黒嫁ドール ザンシアの剣が×の字に斬る。

そして白嫁ドール アルディラ、少女ドール ジェラ・レディの魔法陣、そして拳銃ドール バーボネラのピストルから放たれた魔弾が動けない妹紅に次々とヒットしていく……

 

妹紅「がっ!…ズザザザ…ぐぅ…か、火力が高すぎて…リザレクションが間に合わない…!!ん!?」

 

アリス「星符『プルートシャリオ』!!」

 

創界神の眷属達の攻撃に妹紅は吹き飛ばされて地面を転がる。なんとか態勢を起こして上を見た瞬間、紫色アメジストが埋め込まれた神話ブレイヴ『儀式霊刃ダルクリス』の刃が目の前にあった。

 

妹紅「ぎゃぁぁぁ!!」

 

アリス「……ふぅ…弾の力も慣れてきたわね…」

 

ヘラ《…不死身とはいえ…やり過ぎちゃうん?》

 

弾の星力が込められたダルクリスが妹紅の上半身を切断する…妹紅は上半身と下半身が分離してしまったが、すぐさま炎があがって妹紅の下半身が上半身にくっついた。しかしあまりにも酷い痛みに妹紅は再び地面を転がって悶え苦しむ。

妹紅「…はぁ…はぁ…!いてぇ…!」

 

アリス「…《今ならバトスピの勝負に持っていける!》…不死身ってめんどくさいわね。さっさと終わらせたいからカードバトルで決めましょ」

 

妹紅「…あぁ…乗った!」

 

なんとか立ち上がった妹紅にアリスは即座にバトルを提案する。その誘いに妹紅は痛みをこらえながら応じた。

 

アリス 妹紅「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

同じく 迷いの竹林

 

 

 

フラン「…もう!数多い~!!」

 

忍者《…グググ…》

 

霊夢「知ったこっちゃないわ!!あのイタズラウサギをしばければどうとでもなる!」

 

レミリア「…さぁて…追い詰めたわよ!!」

 

てゐ「…うぇぇ…しつこい…」

 

竹林内部では蟲忍者達をフランが、罠を仕掛けながら逃げるてゐを霊夢とレミリアが、そして鈴仙は咲夜と妖夢が相手をしていた。

 

フラン「ドガガガガン!!」

 

蟲忍者《ガギャァァァ!!》

 

シヴァ《よし!あらかた片付いたな!》

 

レミリア「紅符『不夜城レッド』!!」

 

霊夢「雷符『博麗ケラノウス』!!」

 

てゐ「ギャァァァァァ!!」

 

 

蟲忍者達はフランの連続破壊技に耐えられずに倒れていく。てゐもレミリアの十字架型の弾幕で罠を吹き飛ばされ、その爆発で足が止まった所に霊夢の蹴りが炸裂した。

 

鈴仙「…バババババ!…ど、どうして当たらないの!?」

 

咲夜「…カッ!…妖夢、狂気の瞳が来るわ。任せて良い?」

 

妖夢「了解…パチッ……」

 

鈴仙「ええい!『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』!!」

 

さらに鈴仙は咲夜の『未来予知』によって弾道を読まれ続けているため、一発も弾丸を当てられずにいた。それならばと顔に手を当てお得意の『狂気の瞳』を発動したが………

 

妖夢「……斬!!」

 

カグツチ《…うん、なかなか様になったね》

 

鈴仙「え…きゃぁぁ!!!?」

 

気配を感じとることに長けた妖夢が目を閉じると、鞘に刀を戻して居合の構えをとる。そして発動した狂気の瞳をすぐ打ち破り、鈴仙を切り裂いた。

 

妖夢「抵抗しても無駄です!こちらの方が戦力的には勝っています!」

 

鈴仙「…はぁ…はぁ…まずい…!」

 

咲夜「…!…あなたは!?」

 

???《あら、それ『分神』かしら?タカミムスビさんを思い出すわね》

 

突然声が響き、竹林の奥から歩いて来たのは先ほどまで永琳と話していた実験服の女性だった。彼女から放たれる強大なエネルギーに霊夢、レミリア、咲夜、フラン、妖夢は目線を向けて身構える。

 

フラン「…おばさん、だぁれ?」

 

シヴァ《…やっぱりな…思いたくなかったが……!蟲の忍者はお前の眷属だったな!!ウカノミタマ!!

 

ウカノミタマ《…おばさん…って…私はまだピチピチの十億代よ!…あぁ…いけないいけない……プカー…》

 

シヴァの叫びを完全にスルーした彼女…ウカノミタマは怒りで狐の耳と尻尾が出てしまうが、すぐに懐から出したキセルを咥えて気分を落ち着かせた。

 

ウカノミタマ《…ふぅ…さて…あんた達、ずいぶんうちの眷属達を始末してくれたわね。まぁすぐ復活させるから別に良いけど…はぁ!!》

 

蟲忍者《…グググ…ォォォォォ!!》

 

フラン「え!?さっきどっかーんしたのに!?」

 

カグツチ《…彼女は生命の女神…命を与えることも容易くできるんだよ…》

 

キセルを咥えたままウカノミタマは手のひらを倒れた蟲忍者達に向ける。すると緑の光に包まれた忍者達がムクムクと起き上がってきた。

 

ゼウス《…貴様…!裏切りおったな!》

 

ペルセポネ《しかも死者を甦らせるのは『死』を冒涜しています!冥府の女神として見逃せません!》

 

ウカノミタマ《…ふーん…あなた達も()()と同じことを言うのね…》

 

霊夢「…今何て言った…?」

 

ゼウスとペルセポネが怒りを露にする一方、ウカノミタマ自身は至極どうでも良さそうに呟いた名前…それに霊夢は動揺を隠せなかった。なぜならその名前は……

 

霊夢「何であんたがお母さんの名前を知ってんのよ!!」

 

ウカノミタマ《……何のことよ…突然》

 

霊夢「とぼけるな!!お母さんは生きてるの!?どこにいるのよ!!!?答えろ!!

 

ウカノミタマ《…ならこいつらを倒してからにしなさい!》

 

てゐ「…ブスッ!…」

 

鈴仙「…う…ブスッ!」

 

霊夢は平時の口調をかなぐり捨てて叫ぶ。ウカノミタマは『しまった』と言う顔をすると地面から根を伸ばし、てゐと鈴仙に突き刺した。すると根からエネルギーが二羽に注ぎ込まれ、目が黒く濁ったように染まる…

 

鈴仙「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

てゐ「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

フラン「…いたっ!?」

 

レミリア「…ッッ!発狂している…!?」

 

ウカノミタマ《…うふふ…ではごきげんよう…》

 

霊夢「…ぐぅ!待て!!」

 

見るからに注ぎ込まれた膨大なエネルギーを制御できてない二羽は奇声をあげながら辺り一面に弾幕をばらまき始めた。コントロールできてないとは言え、創界神の力で超強化された攻撃にフランやレミリアは完全には防げず、後ずさってしまう。

 

それを見たウカノミタマは不適に笑うと、霊夢の声を無視してユラユラと霧のように消えていった。

 

咲夜「…ちぃ…!妖夢!鈴仙を任せるわ!」

 

妖夢「…くっ…ガキン!わかった!」

 

てゐ「ぃぃぃぃ…」

 

鈴仙「…ぁぁぁぁ…!」

 

弾幕で霊夢やレミリアが怯む中、時間を止めてかわせる咲夜と剣士持ち前の気配察知能力で弾幕を斬る妖夢が二羽の前に躍り出た。

 

咲夜「…悪いけど…負ける未来は見えないわ」

 

妖夢「…参る…!」

 

 

「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ウカノミタマさん、敵です。実際にバトルするのはかなり先…ツクヨミとの絡みができるまで…ゲフンゲフン…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三幕 丑の刻

今年も残り僅か……ってことは約半年更新し続けてる…?


一方人里組は…

 

 

紫「…覚えていらっしゃる?私が幻想郷で(弾を除いて)最強のカードバトラーだと」

 

阿求「…ならその肩書きは今夜までです!メインステップ!鋼鉄乙女003クレッサを召喚します!効果でデッキの上四枚から『創界神アテナ』を回収!」

 

先行を取った阿求は大きな盾を持った鋼鉄乙女を召喚する。その盾に埋め込まれた白い宝玉が光って阿求のデッキをめくっていった。

 

阿求「…創界神アテナがあったので手札へ。ターンエンド」

 

紫「メインステップ。天翔ける創界神アレックスを配置、神託でコア三個を増やすわ。さらにグランドローを使って計三枚ドロー」

 

アレックス《よし…何時でもこい!》

 

アテナを回収した阿求に対し、紫は背後にグラン・デーヴァを持ったアレックスを呼び出した。続けてグランドローの効果によりアレックスのコアを二個ボイドに戻すことで、紫は三枚手札を補充する。

 

紫「これでターンエンド」

 

阿求「…メインステップ!鋼鉄の叡知!創界神アテナを配置!神託でコアを二つ置きます!さらに鋼鉄乙女007マデリーンと鋼鉄魔神のアクセルを使用してコアを増やし、デッキ三枚を確認!」

 

アテナ《………》

 

阿求はアテナを配置して二枚のアクセルを使う。再び三枚がデッキから浮き上がり、阿求はそのうち二枚をデッキボトムに戻した。

 

阿求「バーストをセットしてクレッサをレベルアップ…ターンエンドです」

 

紫「…手元を増やされるのは厄介ね。メインステップ。ネクサス、アイツのカードを配置…こちらもバーストを伏せるわ。ターンエンド」

 

紫もネクサスとバーストを配置するだけでターンを終える。お互いアタックせずににらみ合いが続いていた。

 

阿求「…来ませんか…メインステップ!鋼鉄機士アガピオス、鋼鉄魔神を直接合体します!」

 

紫《…そろそろ攻めてくるわね》

 

阿求は盾と剣を持ったマント機械騎士に鋼鉄魔神をくっつけて召喚する。『機人』デッキの打点追加要員の鋼鉄魔神を見て、紫は阿求の攻撃を警戒し始めた。

 

阿求「アタックステップ!アガピオスでアタックです!」

 

紫「…ライフで受ける!…んん…!」

 

鋼鉄魔神の力を受けてパワーアップしたアガピオスが剣で紫のライフを砕く。その痛みは普段以上だったが、崩神よりかは楽だった…が……

 

紫《…グゥゥゥン…え…何か…体内の奥深くから沸き上がってくる…?》

 

阿求「ターンエンド。レベル2にしたアガピオスはエンドステップ時に回復します!」

 

ライフを砕かれた痛みとは全く違う衝撃が紫を襲ったのだ。突然の違和感に紫は顔を歪ませるが、阿求のターンエンドの宣言によって、アガピオスが回復したので我に返った。

 

紫「…まぁ良いわ…メインステップ。吟遊詩竜オルフェスタードラゴンを召喚。召喚時効果でBP7000以下のスピリットを破壊してトラッシュに落ちた『界渡』『化神』を一枚手札へ」

 

阿求「…クレッサは破壊……ですがバースト貰います!魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー!!これでオルフェスタードラゴンとバーストを」

 

紫「それは読めてるわ。手札の超星使徒スピッツァードラゴンを自身の効果で1コスト支払って召喚。そしてそのバーストを破棄してコアを自身に二つ置く……ブレイヴァーの効果を使う前にね」

 

紫が召喚したオルフェスタードラゴンが竪琴を奏でてクレッサを破壊すると、阿求のバーストが開きかける。しかしそれに割って入った赤と紫色の炎がバーストを吹き飛ばした。

 

その二色の炎は紫のフィールドで収束していき、ゴッド・ゼクスを思わせる翼、まるで古代ギリシャの天文学者のようなドラゴンへと変わった。

 

阿求「…へ?発動したバーストを棄てて…召喚して…コアブーストまでぇ!?」

 

アレックス《…本当にスゴい読みですね…》

 

紫「弾の側に立つなら当然よ。まだ私のメインステップよね?光を滅し古き鎖を壊す破壊龍!滅神星龍ダークヴルム・ノヴァX!レベル2で召喚!!」

 

阿求「な…!?見たこともないスピリット…!!」

 

紫のフィールド上空が黒い雲に包まれる。そして黒い息を吐きながら漆黒のジークヴルム・ノヴァが地面に降り立ち、禍々しいオーラと共に咆哮した。

 

さらに紫のアイツのカードの効果で『ヴルム』が現れたので、紫はさらに手札を補充する。スピッツァードラゴンから阿求は度肝を抜かれてばかりだった。

 

紫「アタックステップ!行きなさい!ダークヴルム・ノヴァ!」

 

阿求「ダブルシンボル…ライフで受けます!!」

 

ダークヴルム・ノヴァの暗黒火炎放射が阿求のライフを二つぶち壊した。

 

紫「ターンエンド」

 

阿求「…ズキッ…ん!?…め、メインステップ…アクセルで鋼鉄乙女009アスパシアを使用!二枚オープンして『鋼鉄』を持ったカードを手元に置きます!」

 

ライフが砕けた衝撃で阿求は少し記憶が戻りかける。だがまだ完全には戻らず、阿求はアスパシアのアクセルを使って再びデッキをサーチしていく。

 

阿求「…鋼鉄魔神と鋼鉄騎神アテナイアーを手元へ!そしてもう一体鋼鉄魔神とアスパシアをそのまま召喚!召喚時効果で今置いたアテナイアーを1コスト召喚します!!」

 

阿求は新しい鋼鉄魔神と甲冑姿の鋼鉄乙女を召喚する。そして現れたアスパシアが旗を一振りすると、地面を突き破ってアテナイアーが這い出してきた。

 

紫「…きた…でも今なら…」

 

阿求「鋼鉄魔神をアテナイアーとアスパシアに合体!アタックステップ!アテナイアーでアタック!アタック時効果でスピッツァードラゴンとオルフェスタードラゴンをデッキの一番下へ!!」

 

二体目の鋼鉄魔神によってアテナイアーはパワーアップし、槍を振るって突進する。さらにスピッツァードラゴンとオルフェスタードラゴンが弾き飛ばされて紫のデッキボトムに戻った。

 

阿求「さらにアテナの神技を使います!これでアテナイアーは回復です!」

 

紫「でもダークヴルム・ノヴァは自身の効果でフィールドに残るわ。そしてバースト発動!煌星銃ヴルムシューターを召喚して一枚ドロー…さらに煌臨!光の王!超神星龍ジークヴルム・ノヴァ!」

 

アレックス《よし!煌臨時効果でトラッシュのコアが戻る!しかもライフは全快!》

 

アテナの槍がアテナイアーを回復させるが、紫のバーストから飛び出したヴルムシューターに空から炎が降り注ぐ。その火の玉からジークヴルム・ノヴァがフィールドに降り立ち、紫のライフを5にまで回復させた。

 

紫「今のジークヴルム・ノヴァはBP25000!アテナイアーを迎え撃ちなさい!」

 

ジークヴルム・ノヴァが向かってくるアテナイアーめがけて炎を吹く。アテナイアーは盾で防いで槍を突き出すが、ジークヴルム・ノヴァは槍の軌道を読んでヒラリと紙一重でかわす。

 

そしてジークヴルム・ノヴァは攻撃を外したアテナイアーの懐に潜り込むと、渾身の右ストレートを腹に打ち込む。その一撃は硬いアテナイアーの装甲を砕いて破壊した!

 

阿求「ぐ…でも十分削りきれます!アスパシアでアタック!」

 

紫「甘いわよ。フラッシュでダークヴルム・ノヴァの滅界放を使うわ!アレックスのコア二個を置いて鋼鉄魔神を二体とも破壊!」

 

アテナの神技を含めて打点は足りる…そう思った阿求だったが、アレックスの力を受けてダークヴルム・ノヴァが体内のエネルギーを解放する。そのバトルフィールドを揺らすほどの黒い衝撃波が鋼鉄魔神達を塵へと還してしまった。

 

紫「…アスパシアのアタックはライフで受ける!…んん…!?」

 

アタックしていたアスパシアは剣を紫のライフに突き立てて破壊する。すると再び紫は違和感に顔を歪ませた。

 

阿求「…アテナの神技でも耐えられる…ターンエンド…」

 

紫「メインステップ。星よ!炎となって降り注げ!龍星皇メテオヴルムXを召喚!さらにダークヴルム・ノヴァの効果でアスパシアを破壊する!アタックステップ!ジークヴルム・ノヴァで攻撃!効果でお互い手札を破棄!!」

 

二体のノヴァの真ん中に隕石が落下すると、そこからメテオヴルムが現れる。それに呼応してダークヴルム・ノヴァは紫の炎でアスパシアを破壊し、ジークヴルム・ノヴァが空へ舞い上がった。

 

阿求「アガピオスでブロックします!アテナの神技で回復させてジークヴルム・ノヴァを手札に戻す!」

 

紫「…ならメテオヴルムに煌臨させるわ。これならメテオヴルムも召喚できるし、ソウルコアも戻るわね。もう一度ジークヴルム・ノヴァでアタック!効果でアガピオスを破壊する!」

 

アレックス《…僕も転神させて貰います…!》

 

阿求は何とか踏ん張ろうとアテナの神技を使うも、ノヴァとメテオヴルムの効果の前では焼け石に水だった。再び炎を纏って飛ぶジークヴルム・ノヴァを追うようにしてアレックスも飛び出した。

 

阿求「…ライフです……ぃぃ!?」

 

紫「終わりよ。アレックス!」

 

アレックス《だぁぁぁぁ!!》

 

ジークヴルム・ノヴァの虹色の炎とアレックスのグラン・デーヴァが阿求のライフをすべて破壊した!

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「さぁて…行きますか!」

 

慧音「…メインステップ!歌う調査員アーシアを召喚!ターンエンド」

 

慧音は初めに詩姫の調査員を召喚する。初手でゴッドシーカー系列のスピリットか創界神を張らなかった所を見ると、あまり手札は良くないようだ。

 

蓮子「メインステップ!ブレイドラXを召喚!さらに最高最善の魔王!異界王を配置してアーシアを破壊!さらに神託も合わせて3コア追加!」

 

異界王《真の歴史と向き合わない歴史家など歴史家ではない!》

 

蓮子のフィールドにオレンジ色の小さなドラゴンが「キィ」と鳴いて現れる。背後にも異界王が腕を組んで登場し、アーシアを破壊した。

 

蓮子「バーストを張って…ターンエンド!」

 

慧音「アーシアの効果でドロー…きたか…メインステップ!創界神アンタークを配置する!神託の効果でコアを三個置く!」

 

アンターク《…………》

 

ドローステップで引いたのか、慧音はアンタークを配置する。だが追加で召喚するにはコアが足りないので、これ以上は動けなかった。

 

慧音「…ターンエンドだ」

 

蓮子「…メインステップ!スプレッド・トータスを召喚してコアブースト!さらにブレイドラをレベル3にアップ!」

 

蓮子は戦車の胴体を持つリクガメを召喚してブレイドラのレベルを上げた。

 

蓮子「アタックステップ!ブレイドラXでアタック!効果でコア一つを創界神ネクサスに追加する!」

 

慧音「ライフで受ける!」

 

パタパタとブレイドラが走りだし、口から放った炎が慧音のライフを一つ破壊した。

 

蓮子「ターンエンド」

 

慧音「…先手をとられたか…メインステップ!調査員オッザニア、調査員ノルドを召喚!」

 

まだ慧音はダイバージェンスヒルやシラベルを出せてない。それでも数押ししようと竜人、闘神の調査員を連続召喚してきた。

 

慧音「アタックステップ!まずはオッザニアでアタック!ノルドの効果でブレイドラを破壊!さらに自身の力でBPプラス3000かつ一枚ドローするぞ!」

 

蓮子「…きた…調査員の連携コンボ…ライフで受ける!」

 

オッザニアが走り出すと、ノルドから青い衝撃波が放たれてブレイドラが吹き飛ばされる。それに苦い顔をした蓮子はオッザニアのアタックをライフで受けた。

 

慧音「続けてノルドでアタックする!ブレイドラを破壊だ!」

 

蓮子「…んー…それもライフで!バースト発動!!大甲帝デスタウロスの効果で疲労しているスピリットを全部破壊する!!」

 

ノルドが拳で蓮子のライフをさらに削る。しかし蓮子のバーストから出てきたデスタウロスの剣の一振りが2体を叩き伏せた。

 

慧音「…ターンエンドだ」

 

異界王《…攻めるか?》

 

蓮子「…バーストないし今の効果でコアも増えたしね。メインステップ!獄獣ガシャベルスレベル3、飛鋼獣ゲイル・フォッカーを召喚!!」

 

今がチャンスと見た蓮子は骨のケルベロスと機械の野狐を召喚していく。慧音のブロッカーはゼロ、ライフは残り4つ…射程距離には入っていた。

 

蓮子「アタックステップ!デスタウロスでアタック!」

 

慧音「…ライフだ!」

 

デスタウロスが右腕の剣を慧音のライフに突き立てる。その衝撃でライフが二つ砕け散った。

 

蓮子「続けてガシャベルス!追撃よ!」

 

慧音「…ッッ!フラッシュタイミング!氷雪サークル!ソウルコアを使ってゲイル・フォッカーとガシャベルスを指定!これでライフは減らない!」

 

ガシャベルズが低く嘶いてフィールド駆けるが、慧音の前方に氷の結晶が展開される。ガシャベルスの突進はその結晶に阻まれて慧音のライフに通らなかった。

 

蓮子「あちゃー…防御札あったかぁ…ターンエンド」

 

慧音「…ズキン…くぅ…!頭痛が…!メインステップ…!調査員ラーテン、そしてアルティメット・リバース・ドラゴンを召喚!!召喚時効果でゲイル・フォッカーをデッキ下へ!!」

 

頭痛を堪えながら慧音は虫の調査員とアンタークが作り出した魔法陣から出てきたアルティメット・リバース・ドラゴンを呼び出す。召喚されたリバース・ドラゴンはそのステンドグラスのような翼をはためかせてゲイル・フォッカーをデッキボトムへと送還させた。

 

慧音「アタックステップ…!まずはラーテンでアタックする!」

 

蓮子「フラッシュタイミング!アクセルで三十三代目風磨頭首ヤタガライ…ほんと名前長い…これでリバース・ドラゴンを疲労させてデスタウロスは回復する!」

 

蓮子はラスト一枚の手札を切って緑の竜巻を引き起こす。その暴風がリバース・ドラゴンに膝をつかせ、デスタウロスを起き上がらせた。

 

蓮子「ラーテンはデスタウロスで受ける!」

 

慧音「…フラッシュでアンタークの神技を使うが…打点は足りないな…ターンエンド」

 

慧音はアンタークの神技で疲労したリバース・ドラゴンを回復させるが、アンタークの残りコアでは蓮子のライフを削りきるにはあと一点足りなかった。

 

蓮子「ガシャベルスの効果でドローステップにさらにもう一枚ドロー!メインステップ!太陽よ!星の力纏いて竜となれ!太陽龍ジーク・アポロドラゴンX!レベル3で召喚!!」

 

ガシャベルスの闇の霧がドローの枚数を増やし、蓮子は赤い太陽龍を召喚する。蓮子の後ろからのっしのっしとジーク・アポロドラゴンがフィールドへと這い上がってきた。

 

蓮子「アタックステップ!行け!ジーク・アポロドラゴン!ライフをひとつ砕いてリバース・ドラゴンに指定アタックよ!」

 

ジーク・アポロドラゴンが雄叫びと共にリバース・ドラゴンへと突っ込んだ。鳥のような四枚の翼を羽ばたかせてリバース・ドラゴンは地面を踏みしめるが、完全には止められず外壁に叩きつけられる。

 

そしてジーク・アポロドラゴンはほぼゼロ距離で口から火炎放射を浴びせて破壊した!

 

 

蓮子「デスタウロス!」

 

慧音「…ぐ…無念…!」

 

再びデスタウロスが剣を振り上げて慧音のライフを一刀両断した!

 

 

 

 

 

 

阿求「…Q~…」

 

慧音「…キュー…」

 

紫「…さて…これで人里は解放されたわね……ッッ!!?」

 

蓮子「…メリー…感じた?」

 

倒れて目を回している二人をスキマに放り込むと、二人は迷いの竹林へと視線を向けた。なぜなら物凄い威力でぶつかり合う二つの神力を感じ取ったからだ。

 

紫「大丈夫…よね…?」

 

アレックス《すぐ向かいましょう!》

 

蓮子「…永琳さん…もし弾を殺そうとしたって気づいたら…」

 

異界王「…まだわからん」

 

 

様々な不安を抱えながら紫と蓮子は迷いの竹林へと走り出した。

 

 




はい。ありがとうございました。

まぁ…あの紫の体調は…あれですよね(わかるか)…?

次回の更新は参賀日明けを予定しています。でも筆が進めば更新できるかも……はい、自分のやる気次第ですね…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

四幕 丑の刻 丑三つ時

あけおめ~♪箱根駅伝見ながら投稿しま~す!


アリス「…あら?蓬莱人なのにずいぶん具合が悪そうね。この竹林の名医に診てもらったら?」

 

妹紅「…この…!誰のせいだと…!メインステップ!ゴッドシーカー パラサノカンナギを召喚!デッキを三枚めくる!」

 

アリスの冗談に妹紅はキレ気味(そりゃ何度も殺されてりゃそうなる)に恐竜の祈祷使を召喚する。オープンされたのは三ツ首恐竜ロマレオノアラガミ、創界神スサノヲ、護国ノ威光だった。

 

妹紅「…スサノヲとロマレオノアラガミを回収して残りはデッキの上へ。ターンエンド」

 

アリス「メインステップ。神世界の人形使!創界神ヘラを配置!神託でコア一つを置いて…最小の闇!魔界七将ベルドゴール!」

 

ヘラ《うっし!やるでぇ~!》

 

アリスはヘラを呼び出し、フィールドにもローブ姿の悪魔を召喚した。ベルドゴールの召喚時効果でコスト4以下のパラサノカンナギのコアが外され、消滅させた。

 

アリス「ターンエンドよ」

 

妹紅「…うげ…メインステップ!スサノヲの轟天神殿、二色の竜操る神!創界神スサノヲを配置!神託によってコアを二つ追加!さらにバーストセット!」

 

スサノヲ《…………》

 

パラサノカンナギがいなくなったことで妹紅としては轟天神殿やスサノヲの配置に軽減ができなかった。なのでこれ以上今のターンでできることはない。

 

妹紅「…ち…ターンエンド」

 

アリス「…そ…メインステップ。ゴッドシーカー 司書ドールレナを召喚。そしてデッキを三枚オープンするわ」

 

軽く舌打ちした妹紅とは対照的にアリスは冷静にターンを進める。召喚された司書官の人形がめくったのは魔界七将デストロード、鬼神女王ジェラシックドール、そしてNo.3ロックハンドだ。

 

アリス「ジェラシックドールを回収。さらに…そうね…ネクサス、魔帝の墓標を配置しようかしら。ターンエンド」

 

ヘラ《…んー…ラーやツクヨミほどは刺さらんけどなぁ…》

 

アリスが次に出したのはフィールドを薄暗い墓地に変えた一つの墓標だった。これでアリスも妹紅もコア一個のスピリットはアタック/ブロックが出来なくなる。

 

妹紅「…墓標ねぇ…あたしにゃ一番縁遠い物だな。メインステップ!三ツ首恐竜ロマレオノアラガミ、シロイワノハイドラを召喚!両方コアを二つ乗せる!」

 

魔帝の墓標を自嘲染みた笑みで眺めた妹紅はアシカの胴体にシャチのような頭が三つのドラゴンと背中の青い突起が目立つ白い二つ首竜を召喚した。

 

妹紅「アタックステップ!レベル2のロマレオノアラガミでアタックだ!創界神のコアを外してコスト4以下のレナを破壊!さらに連鎖で一枚貰う!」

 

アリス「…ライフで受ける!…んん!」

 

ロマレオノアラガミがフィールドを泳ぐように移動してレナを突き飛ばす。さらにアリスのライフを噛み砕いた。その痛みは萃香の時と同じぐらいだったので、アリスは妹紅のデッキに()()がいると確信した。

 

妹紅「ターンエンド」

 

アリス「…まぁ…そのカードは予測できないし…メインステップ。嫉妬を司る呪い人形!鬼神女王ジェラシックドールを召喚!召喚時効果でデッキを一枚オープン!!」

 

ヘラ《…へ…うちの神技はええの?》

 

アリスは謎のカードのことを脳内から追い出し、ジェラシックドールを召喚する。ヘラはジェラシックドールの糸を編みながら首をかしげたが、アリスの決断を優先させた。

 

そしてめくられたカードはコスト3「少女ドール ジェラ・レディ」だったのでジェラシックドールは身体から糸を伸ばして妹紅のスピリットを縛り上げ、ロマレオノアラガミは消滅した。

 

妹紅「バーストもらった!護国龍オオナムチハイドラ!……ベルドゴールを破壊する!!」

 

アリス《…ジェラシックドールじゃない…?破壊時界放を嫌ったのかしら?》

 

スピリット消滅をトリガーにして妹紅は銀の巨竜を召喚するが、バースト効果で破壊したのはベルドゴールだった。それにアリスは口には出さず考えをまとめた。

 

アリス「さらにマジック!デッドリィバランス!お互いスピリットを一体ずつ選んで破壊するわ!ジェラシックドールを指定!」

 

妹紅「…ったく…こっちはオオナムチハイドラだ」

 

アリス「…ジェラシックドールレベル2の界放を発揮!ヘラのコア二個を置いてトラッシュの式鬼神オブザデッドを手札に戻すわ!」

 

続けざまにジェラシックドールとオオナムチハイドラが紫色の煙に包まれ、苦しみながら消えていく。すると消えたジェラシックドールの煙がトラッシュの式鬼神オブザデットをアリスの手札に返した。

 

アリス「バーストを伏せてターンエンド」

 

妹紅「…メインステップ!もう一度バーストを伏せて…荒波霊刃アラナミ、燃え上がる炎の剣!敵を凪ぎ払え!恐龍武神ムラクモレックスをレベル2で召喚!!そしてアラナミを合体だ!」

 

妹紅のフィールドが一部海陥没して水溜まりができる。そこから一本の剣が飛び出してくると、スサノヲの剣の炎から現れたムラクモレックスがアラナミを掴んで大きく上段に構えた。

 

妹紅「アタックステップ!合体アタックだ!天界放を使ってコアを増やし回復する!さらに相手の創界神のコアをボイドへ!」

 

アリス「…良かった…先に界放使っておいて…」

 

ヘラ《は~…せやったら先に界放したのも納得やわ》

 

ムラクモレックスが大きく咆哮して走り出す。その咆哮がヘラのコアを削り、自身を鼓舞して回復させた。ヘラはアリスがこれを警戒して早めにジェラシックドールを召喚したことに気がついた。

 

アリス「ライフで受ける!バースト発動!!魔界七将ベルゼビートの効果でトラッシュからベルドゴール、レナ、ジェラ・レディを蘇生させるわ!」

 

ヘラ《…まずはジェラ・レディの効果で一枚引いて…レナの効果でオープン!その中のソーディアス・アーサーを貰うで!》

 

ムラクモレックスはアラナミでアリスのライフを切り裂いたが、アリスのバーストが発動し、黒球から出てきたベルゼビートが三体のスピリットを復活させていく。

 

アリス「…いたた…まぁこんなもんかしら?」

 

妹紅「うへっ…ターンエンド」

 

アリス「…さて…メインステップ。もう一度バーストをセットして魔界騎士デストロイデンをレベル3で召喚してデッキから二枚ドロー……!…」

 

ライフを三つも削られているが、アリスは普通にターンを進めて二頭の魔界騎士を召喚した。するとその召喚時効果で引いてきたカードを見て、アリスはこのバトルで初めて驚いたような表情を見せた。

 

アリス「出てきたアタックステップ!行きなさい!デストロイデン!アタック時効果でトラッシュのコスト7の呪鬼を一コスト召喚するわ!戻りなさい!ジェラシックドール!!コアはベルドゴール、レナ、ジェラ・レディから確保」

 

ヘラ《もう一発デッキをめくるでぇ~!》

 

飛び出したデストロイデンが両手の剣を振るうとヘラに力が溜まり、ヘラによって新調されたジェラシックドールが再びアリスのデッキをめくる…

 

アリス「…ロックハンドね…ムラクモレックスからコア四個をトラッシュへ」

 

妹紅「…あっぶね…バースト発動!!カムナビノミコトのバースト効果でジェラシックドールをもう一度破壊する!そしてムラクモレックスにコア二つを乗せて召喚!」

 

アリス「ならこっちも界放よ。ムラクモレックスを破壊してトラッシュのデッドリィバランスを手札に戻すわ」

 

妹紅のバーストから五つ首の亀のような身体をしたドラゴンがジェラシックドールを押し潰しながら現れる。しかしアリスも界放を使い、ムラクモレックスを煙で破壊&トラッシュからマジックを回収した。

 

この流れ…ジェラシックドールの糸が妹紅のスピリットのコアを外し…妹紅のバーストが発動…そしてジェラシックドールの破壊時界放で妹紅のスピリットが破壊され、トラッシュのカードが手札に戻る…前のターン見た動きがまた起きていた。

 

アリス「…そして今回収したデッドリィバランスを再度使用!今回はデストロイデンを指定!さらに破壊されたときもデストロイデンはジェラシックドールを蘇らせる!!」

 

妹紅「…あぁもう!またかよ!…カムナビノミコトを指定…」

 

ヘラ《…めくったけど…パンデミウムは呪鬼持ってへんな…》

 

ジェラシックドールの効果を存分に使ってアリスは妹紅のスピリット達を破壊/消滅させていく。だが三回目の召喚時効果は不発してしまったようだ。

 

アリス「問題ないわ。続けてジェラシックドールでアタック!残ったアラナミを破壊よ!」

 

妹紅「ライフで受ける!!」

 

ジェラシックドールが地面に刺さったアラナミを蹴り砕き、足から伸びた五本の糸ノコが妹紅のライフを切り裂いた。

 

アリス「ターンエンドよ」

 

妹紅「…ズキッ…い…頭が…!?メイン…ステップ…!ゴッドシーカー カミムスビハイドラ、新しいシロイワノハイドラを召喚…!」

 

ライフを削られたことにより、妹紅の記憶改変の兆しが見えてきた。妹紅は頭痛に悩みながら三つ首の小さなドラゴンと新たにシロイワノハイドラを呼び出す。

 

そして…カミムスビハイドラの召喚時効果でオープンされたカードは…三つ首恐竜ロマレオノアラガミ、白晶防壁、さらに……轟海覇神ヤマタハイドラノカミ…!!

 

妹紅「っしゃ!コイツを手札に加えてそのまま召喚!!青き大波!すべてを飲み込む八首の龍!!召喚!轟海覇神ヤマタハイドラノカミ!!天界放でジェラシックドールとベルゼビートを破壊する!」

 

アリス「なら一体スピリットを破壊して貰うわよ?」

 

妹紅「わーってるよ!カミムスビハイドラを指定!」

 

スサノヲから沸き立った無数の水の龍がフィールドで一つに収束していく。その中から尻尾に剣を着けた八首の巨大ドラゴンが現れた。

 

そのヤマタハイドラノカミはスサノヲの力を吸収して青く輝く。そして8つの首からビームを放ち、ジェラシックドールとベルゼビートを撃ち抜いたが……また破壊されたジェラシックドールの煙がカミムスビハイドラを道連れにしていった。

 

妹紅「とどめだ!アタックステッ」

 

アリス「バースト発動!!砂海賊神ファラオム!ヤマタハイドラノカミを破壊してターンを強制終了!!」

 

妹紅「……は…?」

 

ヘラ《…セーフ…!》

 

「決まった!」と言わんばかりにアタックステップを始めようとした妹紅の自信はアリスのバーストから現れた獣頭のファラオにヤマタハイドラノカミごと打ち砕かれた。

 

妹紅「…ま、マジかよ……」

 

アリス「…ふぅ…危なかった。メインステップ!…まさかピン指しで来るとは思わなかったわ。魔界軍師イノゲラトゥを召喚!!デッキ上十三枚の中から一コストで召喚する!魔界神デスフェルミオン!!」

 

ため息をついて安心したアリスは微妙な顔つきで一体の呪鬼スピリットを呼び出した。その召喚時効果は…デッキをデスフェルミオンが出るまでオープンしてその中のデスフェルミオンを一コストで踏み倒す…

 

その効果をイノゲラトゥは剣を垂直に空へ掲げることで発揮する。すると紫色の光が天空に伸び、空からデスフェルミオンが禍々しいオーラを纏って降臨した…!

 

アリス「召喚時効果でシロイワノハイドラのレベルコストを上げて消滅!スピリット達をレベル2に上げてアタックステップ!イノゲラトゥでアタック!デスフェルミオンの効果でスサノヲのコアをボイドへ!」

 

妹紅「…まだだ…!BP8000以上のスピリットがアタックしたので召喚…!漆黒の龍戦士!ブラックウォーグレイモン!召喚時効果でイノゲラトゥを破壊だ!」

 

アタックしていたイノゲラトゥが突然切り裂かれて爆発する。爆煙が晴れると、両手に大きな爪を持った黒いドラゴンが立っていた…

 

アリス「…ソイツね…さらにファラオムでアタック!」

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

アリスは続けざまにファラオムをアタックさせる。ファラオムが青い球を投げつけてライフを砕いた。

 

アリス「デスフェルミオンでアタック!!スサノヲのコアをさらにボイドへ!」

 

妹紅「だがそのデカブツのアタックはこっちのライフにゃ通らない!」

 

アリス「…忘れた?フラッシュタイミング!式鬼神オブザデッド!…もう何回目かしら…トラッシュからジェラシックドールをレベル2で召喚!!」

 

妹紅「……げ!?」

 

ヘラ《…うち…糸編むの疲れてきたわ…》

 

デスフェルミオンがゆっくり妹紅のライフを削ろうと動き出す。妹紅はブラックウォーグレイモンでブロックしようとしたが、アリスのマジックによって再度ジェラシックドールがヘラの手で編まれて召喚された。

 

アリス「オープンされたのはジェラ・レディ、ブラックウォーグレイモンのコア三個を外す。これでブラックウォーグレイモンのコアは一つだけだから魔帝の墓標の効果でブロックできない!」

 

ジェラシックドールが何度目か分からない糸攻撃でブラックウォーグレイモンの力をすいとり、デスフェルミオンは大きく二本の剣を振りかぶった。

 

アリス「思い出しなさい!なぜあなたが生きるのか!!」

 

妹紅「…う…!ぐぅ…!!」

 

アリスの叫びに呼応してデスフェルミオンが×の字に妹紅のライフを3つ一気にぶったぎった!!

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「……ぅぅ…気持ち悪い…二日酔いしたような…」

 

アリス「…蓬莱人も酒には酔うのね…」

 

魔理沙「おーい!アリス~!こっちも終わったぜ~!」

 

地面に転がって突っ伏している妹紅と『分神』状態を解いて一息ついたアリスの元に動物霊の群れをすべて駆逐した魔理沙が意気揚々と降りてきた。

 

魔理沙「見たところ勝ったらしいな。どうだ?新しく考えたコンボは?」

 

アリス「なかなか面白かったわ。誰かさんのような脳筋使いにはできない戦法ね」

 

魔理沙「あん(# ゜Д゜)!?誰が脳筋だよ!?」

 

アリス「うるさいわね…モノクロ魔法使い…」

 

魔理沙「モノクロのどこが悪いんだよ!」

 

アリス「悪くないけどカラーにしなさいよ」

 

ロロ《…おーい…》

 

そんなじゃれ合いを続けていた二人はロロの声で現実に戻った。そして改変が解けた妹紅に状態を説明する。

 

妹紅「…ほ~…なら永遠亭に直行だ。確かあのイタズラウサギの罠抜けルートはまだあったはず…」

 

アリス「頼むわよ」

 

魔理沙「…弾は…大丈夫か」

 

妹紅が少し思案して竹林に飛び込んでいく。そのあとを二人の魔法使いが追っていった。

 

 




はい。ありがとうございました。

『呪鬼ループ』考えた人は天才だと思います。でも小説だと描写が単調になるので…もうやりたくない…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

五幕 寅の刻

今更かもしれませんが、自分は永琳が好きです。でも何故か他の六ボス達より人気が薄いのは……気のせい?おぜう、ゆゆさま、山田、お⑨……


永遠亭 上空

 

 

 

幽々子「…はぁ…はぁ…!」

 

輝夜「あらあら…彼とは違ってあなたは大したことないのね」

 

アプロディーテ《…まずいわ…幽々子の『死』の能力は『不死』の蓬莱人には効かない…!》

 

永遠亭の空 そこでは幽々子と輝夜が戦っているが、額に脂汗を浮かべて肩で息をしている幽々子と余裕に微笑む輝夜の様子を見れば、どちらが優勢かは言うまでもない。

 

幽々子「…く…!華霊『死霊の目覚め』!」

 

輝夜「…うふふ…!新難題『000の最強形態』!」

 

いつもの食えない表情をかなぐり捨てて幽々子は扇子を輝夜に向けオニユリ、ベラドンナ、クローバー等無数の花びらを放つ。

 

しかし輝夜の攻撃はそれをはるかに上回る量の炎の羽、紫色の氷、そして三色の光弾が花びらを書き消してしまった。さらに相殺できなかった輝夜の攻撃が幽々子に襲いかかる。

 

幽々子「…う!ズザザザ…!」

 

輝夜「あはは!お次の難題よ!新難題『時王の時系列』!!」

 

幽々子「…バババババ…がはっ…!」

 

無数の攻撃に幽々子は永遠亭の庭まで後退させられる。さらに輝夜は自分の周囲に時計型のエネルギー弾を生成し、雨あられと浴びせかけた。

 

幽々子は何とかかわしたり扇子で受け流したりしていたが、何発かは命中してしまう。その爆発のあと、幽々子はゆっくりと地面に倒れ伏した…

 

輝夜「ふぅ…案外てこずらされたわね。さて永琳は…」

 

幽々子《…体が…もう動かない…!》

 

幽々子が立ち上がれないことを確認した輝夜は庭に降り立ち、永琳のところへ行こうと歩きだす。倒れた幽々子は何とか立とうとするも、できたのは体をゴロンと仰向けに転がすことだけだった。

 

幽々子《…ああ…綺麗な星空だわ……星空…星……弾…》

 

顔を空に向けた幽々子は頭上に広がっていた満天の星空を見て、ぼうっと感慨に耽った。

 

 

 

 

 

 

…正直馬鹿馬鹿しかった…

 

…それが最初に弾の想いを聞いた時の感想だった。生まれつき…少なくとも亡霊として…私は『周りさえ楽しければそれでいい』と考えていたから『救える命は全部救う』と豪語した彼の考えは『理想だけ高い夢物語』にしか聞こえなかった…

 

 

初めて彼とあったのは命蓮寺、そして博麗神社の定例会を経て幻想郷の神へと変わり、仕事でも話すようになってそれなりに日が過ぎたころ…というか昨日、私は思いきって言ってみた。

 

幽々子、冥界に悪影響はなかったか?

 

…ええ、とある夢物語クラスの理想を掲げる創界神のお陰でね

 

オレは夢物語だと思ってないけどな

 

……弾、あなたの考えは美点だけど自らを滅ぼす悪点でもある。紫と仲良くしてくれてるあなたを心配しての忠告よ。そうやって他人を助けても、人は都合の良いようにしか思わないわ…だから

 

……昔のお前みたいにか?もう思いだせてるんだろ?

 

 

…後頭部を鈍器で殴られるのはこんな感じなのかしら…その瞬間、私はいつもの軽い言葉を捻り出せなかった。なぜなら…崩神のせいかは不明だけど…弾の言葉は事実だったからだ。

 

 

…確かにそういう奴もいる。でもオレは誉められたいから、感謝されたいから戦っているんじゃない。本当に…困ってる人を放っておけないだけさ…

 

……怖いわ……人に裏切られるのは…お父様も…肉親でさえ…私を捨ててしまったのに……

 

ならオレと紫がついてる。ずっと一緒にそばで支えるよ…だってお前はオレ達の仲間なんだからな

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「…へ…!?なに!?」

 

アプロディーテ《『分神』…!》

 

立ち去ろうとしていた輝夜は、突然幽々子から噴き出した膨大な神力に驚いて振り返る。薄桃色の光の中…そこから五体満足の幽々子が扇子を口に当てて歩いて出てきた。

 

幽々子「…良いわ…この二回目の命…!その夢物語のために燃やしてあげる…!!」

 

扇子閉じて歩く幽々子の姿はまるで死に装束の如く白い着物が目を引いた。さらに背中の蝶の翼は薄桃色の鱗粉を放ち、辺りを幻想的な雰囲気にさせている…

 

輝夜「めんどくさいわね!新難題『最強の戦士』!!」

 

幽々子「…はっ!」

 

輝夜が再びエネルギー弾の嵐を放つが、幽々子は手をかざしてバリアを張って防ぎきる。そのまま幽々子は幽霊の如く(本当に幽霊だが)すぅ~と輝夜に接近した。

 

幽々子「…心華『反魂華』!!」

 

輝夜「うっ…!もう…蓬莱人の私に傷なん…ガハッ!?」

 

アプロディーテ《…効いた…?…なるほど…彼女の『精神』に直接ダメージを与えたのね!》

 

幽々子がバリアを張ったのとは反対の腕を輝夜の胸めがけて突きだした。輝夜は少し後ずさって傷を再生させようとしたが、何故か痛みが退かずに片膝をついてしまう。

 

その答えはアプロディーテが言った通り、幽々子が『精神干渉』をしたからだ。さらに幽々子はバリアを解除して空いた手を開いて前にかざす。

 

幽々子「…アプロディーテ、あなたの神話ブレイヴ…貸してくれない?」

 

アプロディーテ《もちろん♪でも気をつけて。『精神』を殺しちゃったらダメよ?》

 

幽々子「オッケー♪よっと」

 

アプロディーテはそう言うと幽々子の手に自らの神話ブレイヴ『美神霊杖バタフライ・エフェクト』を握らせた。幽々子はバタフライ・エフェクトを地面に突き刺すと、横に回転させて杖の先に大量の花びらを纏わせていく。

 

幽々子「伏せなさい…!星符『エリダヌストルネード』!」

 

輝夜「…っ!新難題『金閣寺の一枚天井』…ぅぅ!!」

 

幽々子がバタフライ・エフェクトの先を輝夜に向け、まるで天の川のように煌めく花びらが放たれる。輝夜は金閣寺の一枚天井で防御しようとするも、鋭い花びらが大量に一枚天井を削り取っていき、最後は貫かれてしまった。

 

幽々子「クルクル…どう?死にかけるなんて初めてでしょ?」

 

輝夜「…まだよ…!お次はこっち(バトスピ)で勝負よ!」

 

幽々子「…《…きた…!》…ええ。行くわよ?アプロディーテ」

 

アプロディーテ《ようやく私の出番ね》

 

バタフライ・エフェクトを振り回しながら幽々子は挑発していると、輝夜はデッキを幽々子に向けて叫ぶ。もちろん幽々子はその提案に乗り、アプロディーテに声をかけてバタフライ・エフェクトをデッキにしまう。

 

輝夜 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

幽々子「…さぁ…楽しませてもらうわ」

 

輝夜「…うっざ…メインステップ!檀 黎斗神を配置して神託発揮!コア三個を置く!ターンエンドよ」

 

黎斗《…………》

 

輝夜は先手で黎斗神を呼び出してフィールドを整える。

 

幽々子「メインステップ。マジック!プリムローズフィールドを使用!デッキから二枚オープンして楽族とアプロディーテを手札に加えるわ」

 

幽々子のカードが輝くと、バトルフィールドがピンクのプリムローズの花畑へと変わった。さらにオープンされたのは創界神アプロディーテ、黄魔神。

 

幽々子「アプロディーテを回収してそのまま配置!神託でコア二個を追加するわ。ターンエンド」

 

アプロディーテ《うふふ♪》

 

幽々子の後ろの花畑にアプロディーテが優雅に現れる。マジックを使っても神託できるアプロディーテを早めに配置できたのは幽々子にとって大きい。

 

輝夜「メインステップ!バーストをセット!仮面ライダージオウ[2]を召喚して四枚オープンするわ!」

 

輝夜のフィールドに現れたのは黒の身体に銀の鎧を纏った仮面ライダーだった。その額にはマゼンタ色の『ライダー』の文字がついている。

 

そしてオープンされたカードは仮面ライダー鎧武 極アームズ、アルテミックシールド、仮面ライダーグランドマジオウ、タイムブレーク

 

輝夜「極アームズとグランドジオウを手札に!ターンエンドよ!」

 

幽々子「…まぁ怖い。メインステップ。ガーデニアフィールドを使って一枚ドロー、さらにマジック舞華ドロー。ジオウをBPマイナス3000して破壊よ。さらに一枚引くわ」

 

輝夜「手札増加もらった!バースト発動よ!仮面ライダーディケイド 激情態を召喚!…効果は不発だけど…」

 

あからさまにウソ臭い言葉を言って幽々子は花畑に白いクチナシの花を咲かせる。だが幽々子のフィールドにスピリットはゼロ、これでは守るのには心許ない。

 

しかも輝夜のバーストからバーコードのような鎧にマゼンタ色の仮面ライダーが現れ、その厳しさはより強くなったと言えよう。

 

幽々子「…ふーん…バーストを張って……ターンエンド♪」

 

輝夜「…動揺してないのね…メインステップ!もっかいバーストをセット!そして激情態をレベル3にアップしてそのままアタックよ!フラッシュ効果で手札のチェンジをノーコストで使って召喚するわ!来なさい!極アームズ!」

 

輝夜は激情態のレベルを上げて攻撃させる。そして激情態が何かのカードをベルトに入れて発動させると、輝夜のフィールドに銀色のオーロラが現れ、そこからマントがついた南蛮甲冑に身を包んだ仮面ライダーが堂々とした風格で歩いてきた。

 

幽々子「ライフで受けるわ…ん…少し強めね…」

 

次に激情態がスキャンしたカードをベルトは[ギガント]と音声を読みあげ、激情態の右肩に巨大なミサイルを召喚する。

激情態は足を踏み込むとギガントのミサイルを放って幽々子のライフを撃ち抜いた。

 

輝夜「続けて極アームズでアタックよ!レベル2からの効果で2コスト支払って回復!」

 

幽々子「フラッシュタイミング。アイリスフィールドを使うわ。BP5000以上のスピリットでは私のライフは減らない!」

 

極アームズがベルトの左側にある『極ロックシード』を捻ってオレンジの断面がかかれた刀『大橙丸』を手に取る。そして極アームズが幽々子のライフを斬ろうとしたが、花畑に咲いたアイリスの花びらが壁になって削れなかった。

 

輝夜「…ええ~…ターンエンド」

 

幽々子「…さて…いい具合に咲いたわね。メインステップ。蒼白なる月よ!黄色く咲き誇りなさい!月黄龍ストライク・ジークヴルム!さらに黄魔神を直接合体させるわ」

 

アプロディーテ《ガーデニアフィールドの効果でフィールドの『華』マジックを黄色シンボルとしても扱える!》

 

幽々子の後ろから黄色いストライク・ジークヴルムが登ってくる。そしてフィールドに降り立つと、咲いた花びらが大きく舞い散った。

 

続けてストライク・ジークヴルムの背後に黄色い寸胴の魔神が現れて力を分け与えた。

 

輝夜「…そ、そいつ…!永琳の…!?」

 

幽々子「そ…アタックステップ!ストライク・ジークヴルムでアタック!!フィールドに『華』マジックが三枚以上あるので、デッキから二枚ドローするわ」

 

輝夜「…バーストもらうわよ!仮面ライダーゼロワン ライジングホッパーの効果で極アームズに2コア置いて召喚!」

 

輝夜は永琳の化神であるストライク・ジークヴルムを見て驚くが、そんな事も気にせず幽々子はストライク・ジークヴルムをアタックさせた。

 

輝夜も冷静にバーストを使い『ライジングホッパー!』の声と共に黄色のバッタライダーを召喚した。

 

輝夜「そのアタックはライフで受ける!…んん…!?」

 

ストライク・ジークヴルムが空を駆け、取り出した杖で輝夜のライフを一気に三つ砕いた。その衝撃は輝夜の記憶を揺さぶるのに十分な威力だ。

 

幽々子「…ターンエンドよ」

 

輝夜「…いったぁ…!メインステップ!天の道を行く戦士!仮面ライダーカブト ハイパーフォーム[2]を召喚!召喚時効果でBP20000以下のスピリットを破壊!」

 

輝夜のフィールドに赤と銀の鎧と頭にあるカブトムシの角が目立つ仮面ライダーが現れる。さらに空から三つのゼクターが合体している一本の剣『パーフェクトゼクター』が飛んできてカブトの手に収まった。

 

カブトは剣についている四つのボタンを押してエネルギーを増幅させていく。そして『オールゼクターコンバイン!』の音声が響いてカブトはストライク・ジークヴルムを赤く伸びたパーフェクトゼクターでぶったぎった!

 

幽々子「残念♥️このストライクはフィールドのマジックを破棄して同じ状態でフィールドに残るわ。舞華ドローを破棄」

 

輝夜「…なら全部ぶち壊すまで!カブトに煌臨!!祝え!仮面ライダーグランドジオウ!!極アームズを消滅させてレベル2に!」

 

カブト ハイパーフォームの必殺技『マキシマムハイパータイフーン』を受けたストライク・ジークヴルムだったが、フィールドの花畑の花が舞い散って身体を再生させる。

 

それでも輝夜は怯まず、召喚されたカブトの後ろに黄金の時計台と歴代平成仮面ライダーの銅像がそびえ立つ。そして銅像の錆が剥がれると、ライダー達が黄金のフレームに包まれてカブトの身体に合体していく。

 

最後にベルトが『祝え!』と叫び『ライダー』の文字が顔に嵌め込まれ、ジオウの最強?フォームであるグランドジオウが登場した。

 

幽々子「…派手ねぇ…」

 

輝夜「ちゃんと強いわよ!アタックステップ!行け!グランドジオウ!!アタック時効果で手札のエグゼイド ムテキゲーマーを煌臨元に追加してアタック時効果!スピリットをデッキに戻して回復よ!」

 

…まぁグランドジオウの変身シーンを見たら誰だってそう思います…グランドジオウが左胸についているエグゼイドのフレームをタッチすると『エグゼイド!』の音声と共にたくさんのボタンが側面についた剣『ガシャコンキースラッシャー』が手に収まる。

 

そのまま『ハイパークリティカルスパーキング!』の音声が流れてガシャコンキースラッシャーの刃が金色に輝き、グランドジオウはストライク・ジークヴルムを何度も斬りつけて破壊した。

 

幽々子「…これもプリムローズフィールドを破棄して蘇生させる…」

 

輝夜「やっぱりね!さらにグランドジオウのレベル2効果で煌臨元のカブトを召喚してライフ一点貫通!召喚されたから三回目の破壊よ!!」

 

再び花びらが舞い、ストライク・ジークヴルムが復活する。それに負けじとグランドジオウも右腰のレリーフをタッチして『カブト!』の音声と共にカブト ハイパーフォームを再召喚した。

 

今度のカブトはガンモードのパーフェクトゼクターを構えて鎧を展開し、銃口をストライク・ジークヴルムに向ける。そして四つのボタンを押して竜巻状のエネルギーをぶっぱなした!

 

 

幽々子「……ッッ…!ちょっと…!これ余波大きすぎない?」

 

アプロディーテ《…一応、ガーデニアフィールドを捨てて残るわ!さらにバースト発動!神華の妖精女王マリーゴールド!アイリスフィールドを手札に戻して効果を再使用よ!》

 

あまりにもカブトのエネルギー光線『マキシマムハイパーサイクロン』の威力が強すぎて幽々子とアプロディーテにも猛烈な爆風が襲いかかった。しかしストライクは花を散らせて三度蘇る。

 

それでも発動したバーストから出てきた黄色の女王妖精がアイリスの花をエネルギーにして壁を作る。

 

幽々子「ありがと♪そのアタックはライフよ!」

 

グランドジオウがガシャコンキースラッシャーを振り下ろすが、マリーゴールドによって作られた光の壁が攻撃を完全シャットアウトしてしまった。

 

輝夜「Σ(Д゚;/)/…ターンエンド」

 

幽々子「メインステップ!黄魔神をマリーゴールドに合体してレベル3に!アタックステップ!ここでアプロディーテの神技を使うわ!そうね…さっきの爆風のお返しよ!カブトを指定するわ!」

 

アプロディーテ《…ちゅ♥️……あ、あら?》

 

黄魔神がマリーゴールドにも力を与え、アプロディーテも魅惑のフェロモンを滲み出させて投げキッスをカブトにする……しかし何故かカブトはピクリとも動じていない……

 

幽々子「…え?…ちょ、ちょっとどう言うこと!?」

 

アプロディーテ《…まさか…!私の魅力が…!効いて…!!…そうだ!…ンッンン…》

 

幽々子「…?」

 

アプロディーテは一瞬凹むが、なにかを思いついたようで喉に手を当てて咳をする。

 

 

アプロディーテ《ンッンン…アー…おに~いちゃ~ん!その金ぴかの倒してぇ~!

 

カブト《カッ!》

 

輝夜「は!?え!?ぐ、グランドジオウでブロック!」

 

アプロディーテが()()()()()()()()()()()()でカブトにそう叫ぶ。すると即座にカブトがパーフェクトゼクターを剣にしてグランドジオウに攻撃し始めた。

 

グランドジオウのガシャコンキースラッシャーとカブトのパーフェクトゼクターがぶつかり合うが、カブトは左腰の『ハイパーゼクター』のボタンをタッチして再度鎧を展開する。そして『ハイパークロックアップ!』とベルトが叫んでカブトが超高速で動き始めた。

 

アプロディーテ《 おに~いちゃ~ん!頑張ってぇ~!

 

幽々子「…あらあら…速い速い」

 

アプロディーテの声でさらに一段と速くなったカブトはグランドジオウを一方的に攻撃しまくる。そしてハイパーゼクターの角を倒して『マキシマム…!ライダー…パワー…!』とエネルギーを充填し、ベルト正面の『カブトゼクター』のスイッチを三つ押した…

 

カブト《…ハイパー…キック…!》

 

輝夜「…しゃべるの!?」

 

幽々子「…妹パワー…なのかしら?」

 

カブトは背中からジェット噴射して飛び上がり、態勢を崩したグランドジオウめがけて必殺キック『ハイパーライダーキック』を叩き込む。グランドジオウはなす術なく吹き飛ばされて爆散した!

 

だがお互いのBPは互角だったため、カブト自身も光の粒子になって輝夜のトラッシュに消えていった。

 

 

幽々子「……マリーゴールドでアタック!フラッシュタイミングで煌臨!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!効果で手札のベラドンナフィールドをノーコスト使用するわ!」

 

一瞬の沈黙のあと、幽々子はマリーゴールドにアプロダイティを煌臨させてフィールドをベラドンナの花畑へと変える。その花びらが激情態とゼロワンの力を奪って破壊した。

 

 

輝夜「…え…終わり?」

 

幽々子「ええ、しーね♥️」

 

幽々子が扇子を振り、アプロダイティが口からビームを放ってようやく驚きから覚めた輝夜のライフを粉砕した!

 

 

 

輝夜「……うーん…は!」

 

幽々子「おはよう…まだ夜だけど…」

 

輝夜「ありがとう、助かったわ…」

 

幽々子「…それよりも…弾と永琳は?」

 

庭で目を覚ました輝夜はテンプレの声をあげて身を起こす。だが幽々子の問い掛けの答えは返せないのか、首を横に振った。

 

幽々子「…だいたい爆発する方へ向かえばいいかしら?」

 

輝夜「そうどかぁぁぁぁぁぁん!!…あっちね…」

 

二人は揃って爆発音が聞こえた方向へ駆け出していった。




はい。ありがとうございました。

……『分神』幽々子様は『妖精の羽』『純白の死に装束』まぁ、ゴーストムゲン魂っぽい感じです……

…カブトファンの皆様……自分も好きです!だからこそこうしました!後悔はしていない!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

六幕 朝露

アンケート実施中!ディオニュソスとサラスヴァティーはすぐに決まったんですが、アマテラスはなぁ…主神だしなぁ…


てゐ「ぅぅ…!!」

 

咲夜「…少し待ちなさい。メインステップ。冥府の姫君!創界神ペルセポネ!神託の効果でコア二個置くわ。さらに黄昏のキャメロット城を配置」

 

ペルセポネ《へへ…調教の時間よ…!》

 

咲夜は背後にペルセポネ、さらに後ろに雲に包まれた西洋館を配置する。

 

咲夜「ターンエンド」

 

てゐ「ぅぅ…メインステップ…!ネクサス、No.46ディアチャイルドアイランドを配置…!ターンエンド…!」

 

苦しみながらてゐは緑の半島に挟まれた島を配置した。このネクサスは召喚されるコスト5以下の爪鳥/遊精を持たないスピリットを疲労させると言うものだ。

 

咲夜「…厄介なネクサスを…メインステップ。キャメロット城をレベル2に上げて…もう投入しちゃっても良いわよね。冥府の魂操る蛇!猛毒神鞭タルタロス!!ペルセポネにダイレクト合体!」

 

ペルセポネ《きたきた!》

 

咲夜がカードを振り下ろすように召喚する。その直後バトルフィールドの地面に黒い大穴が開き、中から出てきた蛇が描かれた黒い鞭がペルセポネの手に収まった。

 

咲夜「…でもこれで余ったコアは無いのよね…ターンエンドで」

 

てゐ「ぅぅ…メインステップ…!ヤクヤナギを召喚…!アタックステップ…!ヤクヤナギでアタック!」

 

咲夜「ひとまず黄昏のキャメロット城の効果で自分のデッキを三枚トラッシュに置くわよ」

 

コアを使い終わったので、咲夜はてゐにターンを返した。今度のてゐは小さな緑の水牛を呼び出し、そのまま攻撃させた。このスピリットは『遊精』を持っているので、ネクサスの効果で疲労はしない。

 

咲夜も配置したキャメロット城を使ってトラッシュを肥やしていった。

 

てゐ「…フラッシュで神速…!フィールドを駆ける小さき戦士!辛速の勇者ソニックワスプ・A!レベル2で召喚…!」

 

ペルセポネ《…ああ…ヤクヤナギの効果で緑の軽減シンボルが増えてるから1コストで召喚されたのね…ってソイツはまずい!》

 

てゐ「召喚時効果…お互いのトラッシュにある一種類のカードすべてを除外する…!スピリットを指定…!」

 

アクロバティックな動きでバトルフィールドの外周を飛び回りながら一体の蟲人が現れる。するとキャメロット城やペルセポネの神託で咲夜のトラッシュに落ちていたスピリットカードがすべて消滅してしまった。

 

咲夜「…ち…ヤクヤナギの攻撃はライフで受ける!」

 

てゐ「…さらにソニックワスプ・Aでアタック!コアブーストしてバトル後手札に戻る…!」

 

ヤクヤナギの角が咲夜のライフを貫くと、続けてソニックワスプ・Aがキックでさらにライフを蹴り砕いた。さらに蹴った勢い。利用してソニックワスプ・Aはてゐの手札へ戻っていった。

 

てゐ「…ターン…エンド…!」

 

咲夜「…面倒なバトルになりそうね…メインステップ。堕天騎士ベリアルドをレベル2で召喚!ここでタルタロスの創界神合体時効果が発動するわ!」

 

ペルセポネ《私のコアが四個以下なので、召喚されたスピリットの『毒刃』を発揮して下に置かれたカードの数だけベリアルドにコアを増やす!》

 

咲夜はトラッシュ肥やしを諦め、大きな黒い翼を持った堕天騎士を召喚する。それに呼応してペルセポネのタルタロスが妖しく光を発し、ヤクヤナギは毒を食らってよろめき、ベリアルドは逆にパワーアップした。

 

咲夜「さらに堕天騎士タムズを召喚してワンドロー、ネクサスの効果で疲労してしまうけど再度タルタロスの効果が発動よ!さらにカードを置いてコアブースト!」

 

増えたコアを使って咲夜はタムズを召喚するが、ディアチャイルドアイランドの効果で疲労してしまう。それでもタルタロスの効果で毒刃&コアブーストは発動した。

 

咲夜「…バーストをセットして……うん…ターンエンドよ」

 

てゐ「…ぐぐぐ…!メインステップ…!コロコーンを召喚…!アタックステップ…!コロコーンでアタック!フラッシュで再びソニックワスプ・Aを召喚…!」

 

てゐは小さな緑の狐を召喚してアタックさせる。そして先ほど手札に戻ったソニックワスプ・Aを再び神速召喚した。

 

咲夜「ライフで。ライフ減少によりバースト発動!堕天姫エルシャのバースト効果で手札から堕天騎士シンを召喚する!」

 

ペルセポネ《ギリギリ私のコアは四個!タルタロスの効果でコロコーンにカード二枚追加ぁ!さらにシンにもコア二個追加ぁ!》

 

コロコーンが緑の口から緑の風を放って咲夜のライフを砕くが、咲夜のバーストから黒い煙が噴き出す。そして煙から馬に股がった堕天騎士が現れた。

 

まだタルタロスの神域の範囲内だったので、ペルセポネはタルタロスでコロコーンを叩いて毒を浴びせる。さらにシンにも鞭で毒を与えて強化させた。

 

てゐ「…ターンエンド…!」

 

咲夜「…まぁそうよね。メインステップ!タルタロスをベリアルドに合体!そして機動要塞キャッスル・ゴレムを召喚するわ!召喚時効果でデッキを十枚破棄!」

 

ペルセポネ《タルタロスでコア貯まったからね!あと残り枚数は…17枚ってとこかしら…》

 

ペルセポネの手からタルタロスがベリアルドの手に渡る。その横にも地面から青とグレーの城の姿をしたゴーレムが這い出してきた。

 

突然だが咲夜の『毒刃』デッキには勝ち筋が二つある。一つはプロセルピナで相手のスピリットを除去しつつ、小型の毒刃スピリットやネメシスでライフを削る戦法。

 

もう一つがタルタロスでコアを貯めて『毒刃』で減ったデッキにだめ押しのデッキ破壊(キャッスル・ゴレム)をおみまいする戦法だ。『呪鬼キャッスル』と思考は似ている。

 

今回咲夜は後者の戦法を取り、キャッスル・ゴレムでてゐのデッキを枯らしにかかった。

 

咲夜「アタックステップ!ベリアルドでアタック!まずは毒刃!ペルセポネレベル2の神域も含めてコロコーンに六枚を追加!」

 

ペルセポネ《さらにタルタロス合体時効果!下にカードが四枚以上あるスピリットを一体破壊することで、このスピリットの毒刃を発揮させる!おかわりよ!》

 

ベリアルドが右手の剣でコロコーンを切り裂き毒を浴びせると、左手に持っていたタルタロスでまたコロコーンに毒を食らわせた。

 

てゐ「…ソニックワスプ・Aでブロック…!」

 

咲夜「これで終わりよ。フラッシュタイミング!バーストヴェノム!ベリアルドの毒刃を三度発動!」

 

ソニックワスプ・Aがベリアルドに飛びかかるが、咲夜の手札のマジックがベリアルドにエネルギーを与える。そしてベリアルドはタルタロスでソニックワスプ・Aを縛り上げ、そのまま毒を流し込み、破壊した。

 

咲夜「…これでデッキアウト。ターンエンド」

 

てゐ「……スタート……ステップ…!」

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「…ぅぅ…!」

 

妖夢「心配は要りません。痛みは一瞬ですから。メインステップ!バーストをセット!そして原初の炎!創界神カグツチを配置します!神託でコアを一つ置きます!」

 

カグツチ《…一瞬だとは思えないけど…》

 

妖夢「…い、言ってみたかったんです!ターンエンド!」

 

苦しむ鈴仙に妖夢は声をかけながらカグツチを呼び出す。至極ごもっともなカグツチのツッコミに妖夢は頬を赤くしてターンエンドした。

 

鈴仙「…ぅぅ…!メインステップ…!バーストセット…ゴッドシーカー ヴァーマナを召喚…!召喚時効果で四枚オープン…!」

 

対する鈴仙は呻くと、桃色と銀色の翼を持ったドラゴンを召喚してデッキをサーチする。ヴァーマナがめくったのは秩序戦艦バチマン・ド・ゲールー戦艦形態ー、創界神ヴィシュヌ、幻魔神、神龍甲笛バガヴァット・ギーター。

 

鈴仙「…ヴィシュヌとバガヴァット・ギーターを手札に加えて創界神ヴィシュヌを配置…!神託の効果でコア二つをヴィシュヌに…!」

 

ヴィシュヌ《…………》

 

妖夢「よし!手札が増加したのでバースト発動!千枚手裏剣のバースト効果でヴァーマナを疲労させ、コア二つをリザーブに!」

 

鈴仙はそのままヴィシュヌを配置した…正気ではない彼の目はいつもの濁った瞳と合わさってすごく不気味である。だが妖夢のバーストから無数の手裏剣がヴァーマナに浴びせられ、堪らずヴァーマナは膝をついた。

 

鈴仙「…ターン…エンド…!」

 

妖夢「…う…怖い…メインステップ。剣武龍ムラマサ・ドラゴンを召喚してバーストセット!」

 

妖夢はヴィシュヌの眼光にビビりながらも地面を砕いてムラマサ・ドラゴンを呼び出す。そしてバーストもセットしてSバーストの用意は万端だ。

 

妖夢「アタックステップ!行け!ムラマサ・ドラゴン!Sバースト発動します!源氏八騎 楯無フォートレスをノーコストで召喚です!!」

 

カグツチ《さらにバーストをセットできる!》

 

ムラマサ・ドラゴンが吠えて飛び出し、ソウルコアをトラッシュへ送る。それにより妖夢のバーストが無理矢理発動され、城のような鎧を着た巨大なロボットがそびえ立った。

 

鈴仙「…ライフで受ける…!」

 

ムラマサ・ドラゴンは額の刀で鈴仙のライフを突き刺した。

 

妖夢「さらに楯無フォートレスでアタック!」

 

鈴仙「…これもライフ…!」

 

フォートレスが地響きを発てて歩きだし、拳を突き出して鈴仙のライフをさらに砕いた。

 

妖夢「ターンエンド!」

 

鈴仙「…メインステップ…!癒しの創界神…!創界神クリシュナを配置…!神託でコア三つを置く…!さらに神龍甲笛バガヴァット・ギーターをクリシュナに直接合体!」

 

クリシュナ《………》

 

ヴィシュヌの隣にハイライトがオフのクリシュナが現れ、空から降ってきたバガヴァット・ギーターを掴む。ヴィシュヌと並び立つその気迫に妖夢は少し身震いした。

 

鈴仙「…ターンエンド…」

 

妖夢「…む…メインステップ。神をも焼き殺す炎!炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビを召喚!」

 

カグツチ《よし!一気に攻めるよ!》

 

カグツチの炎の斬撃が空を二つに切り裂き、両手剣を構えたソウルドラゴンがフィールドに降り立った。さらに妖夢はソウルコアをムラマサ・ドラゴンに再度置いた。

 

妖夢「アタックステップ!ホムスビでアタック!天界放を発揮してヴァーマナを破壊!さらに一枚ドローしてホムスビレベル2の効果でライフを一つ削る!」

 

鈴仙「…バースト…発動…!リカバードコア…!ヴァーマナを手札に戻して召喚…!逆境を跳ね返せ…!神撃甲龍ジャガンナート!!レベル2でブロック…!!効果で自身にコア二個を追加…!」

 

ホムスビが炎の斬撃でヴァーマナを焼却するが、鈴仙のバーストがヴァーマナを手札に戻す。さらにバーストから光が空に昇り、そこからジャガンナートがフィールドに降ってきた。

 

 

そして向かってきたホムスビの剣をジャガンナートが噛みついて受け止める。だがお互いのBPは10000なので、両者共に一歩も退かずに膠着状態になってしまう。

 

鈴仙「…フラッシュタイミング…!リゲイン…!BPプラス5000!」

 

鈴仙の手札から白いビームが発射されてジャガンナートをパワーアップさせる。その力でジャガンナートはホムスビを弾き返すと、緑の翼にエネルギーを纏わせ、態勢を崩したホムスビを切り裂いた。

 

妖夢「…く…!でもバースト発動です!双光気団!デッキから二枚ドローします!…ターンエンド」

 

鈴仙「…メインステップ…!ヴァーマナを再召喚してデッキを四枚オープン…その中の維持神龍トリヴィ・クラマを回収してそのまま召喚!」

 

妖夢もバーストでドローするが、鈴仙はさらにヴァーマナを召喚してオープンされたトリヴィ・クラマを召喚した。神煌臨しなかったのはちょうどよい煌臨元がいなかったからか…

 

鈴仙「そして手札から三龍宝剣アブソリュートキャリバーをヴィシュヌに合体…!ジャガンナートにもバガヴァット・ギーターを合体…!!」

 

ヴィシュヌが右手を振り上げると白い光が集まって白銀の剣が現れ、さらにクリシュナの手からもバガヴァット・ギーターが離れて回転しながら巨大化してジャガンナートの背中に合体した。

 

妖夢「…っっ…二体の化神スピリット…!!」

 

鈴仙「アタックステップ…!ジャガンナートでアタック!バガヴァット・ギーターの効果でコアを置きレベル2へ!そして相手スピリットを三体バウンス…!!」

 

妖夢「…フォートレスは『源氏』以外のいかなる効果も受けません!」

 

クリシュナのコアを使い、ジャガンナートは背中のバガヴァット・ギーターでムラマサ・ドラゴンをバウンスさせる。だがフォートレスは腕をクロスさせて生き残った。

 

鈴仙「…レベル2効果でヴィシュヌにコアを置くことで、ジャガンナートブロックされない…自身の効果とヴィシュヌの神域でジャガンナートのシンボルは4つ!」

妖夢「…ライフで受ける!!」

 

界放によってパワーアップしたジャガンナートの砲撃が妖夢のライフを一気に残り一つにまで削り取った。

 

鈴仙「さらにトリヴィ・クラマでアタック…!効果でスピリット一体を手札に戻して回復!この効果は『フィールドに残る』効果以外では防げない!」

 

妖夢「フラッシュタイミング!デルタバリア!これでライフはゼロにならない!!」

 

トリヴィ・クラマの翼から放たれたビームがフォートレスの装甲を貫通して妖夢の手札へ戻す。妖夢は何とかデルタバリアを張ってトリヴィ・クラマのビームを防ぎきった。

 

鈴仙「……ぃぃ…!ターンエンド…!」

 

妖夢「……まずい……どうしよう…!向こうにはまだ『転神』できる2柱がいるし……!」

 

カグツチ《…………》

 

狼狽える妖夢をカグツチはじぃっと見つめる。まるで妖夢がこの局面をどう乗りきるかを見極めているように……

 

妖夢「……カチャ…スー…」

 

すると妖夢は腰の白楼剣を静かに抜刀して刃先を眺め始めた。その刃に写った自分の顔を見て、妖夢は先日の一件を思い出していた。

 

 

 

 

回想 博麗神社

 

 

妖夢《だぁぁ!!》

 

弾《はっ!》

 

この日、妖夢と弾は剣の手合わせをしていた。妖夢の楼観剣と白楼剣が弾のグランシャリオとぶつかり合って小さな火花が散っている。

 

アプロディーテ《…うまいわね…弾君って剣道やってたの?》

 

カグツチ《イヤ、聞いてみたんだけど剣を振り始めてまだ数ヵ月なんだってさ》

 

霊夢《…それで妖夢の剣術に張り合ってるのね…》

 

紫《…と言うより…押してるわよ》

 

その様子を一同はいつも小銭が入ってない賽銭箱付近の階段に座って眺めている。そう何とか言っているうちに妖夢の剣撃が徐々に鈍り始めていた。

 

妖夢《…ぅ…!はっ!》

 

弾《…ガキンッ…キリキリ…ふんっ!》

 

妖夢《あ!?》

 

妖夢が二本の刀を×の字にして斬りつけたが、弾は垂直一文字にグランシャリオを構えて押さえつける。そして力任せにグランシャリオを振り上げて刀を妖夢の手から弾き飛ばした。

 

幽々子《そこまで。弾の勝ちよ》

 

弾《ふぅ…危なかった…》

 

妖夢《…うう…!反則です…本当に初心者なんですかぁ?》

 

判定の声と共に妖夢は刀を拾うとヘナヘナと座り込んでしまった。さすがに何年も剣一筋だった妖夢にとって、まだまだ剣に慣れてない弾に負けるのは屈辱的だろう。

 

魔理沙《ほんとだぜ。弾、お前何で剣の使い方知ってたんだよ?》

 

弾《……なんか…身体が…覚えてるんだ…何でだろ?》

 

弾は魔理沙の問い掛けに頭をかいてそう言うしかなかった。弾自身もなぜ剣が使えるのか説明できないから仕方ない。

 

妖夢《…まだまだ修行が足りないのでしょうか…?》

 

弾《…妖夢、これは個人的な意見なんだが……妖夢の剣術って…妖夢に合ってないんじゃないのか?》

 

妖夢《…は…?》

 

妖夢は近づいてきた弾の言葉に変な声を返すしかできなかった。そんなことを言われたのは初めてだし、言っている内容自体も良く分からなかった。

 

弾《だって…妖夢が目指してるのは『お祖父さんの剣術』じゃないか。妖夢自身の剣術じゃない》

 

妖夢《おじいちゃ…お祖父様は私の目標です!だから私もそんな剣士になろうと》

 

弾《…でも妖夢はお祖父さんじゃない別人だ。例えるなら…別のスピリットに同じブレイヴを合体させても強さは同じじゃないだろ?》

 

妖夢《…へ…ま、まぁ…そうですが……》

 

弾は屈んで妖夢の目線に自分の目線を合わせると、優しく話し始めた。

 

弾《例えどんな素晴らしい剣術を持っていても…そこに『自分』がなければ結局『それまで』だ。そうじゃなかったらみんな剣士は同じだ》

 

妖夢《……私の…剣……》

 

 

妖夢は座り込んだまま膝に乗せた白楼剣の刀身をぼうっと眺めていた………

 

 

 

 

 

妖夢「……自分の剣…よし!」

 

カグツチ《……ん!?妖夢ちゃん…どして刀を自分に向けてるの!?》

 

妖夢は何かを決心すると白楼剣の峰を掴むと、刃先を自分の腹に向ける。所謂『切腹』のポーズだったので、冷静に観察していたカグツチは驚いてつっこむ。

 

妖夢「…《…白楼剣は斬った者の迷いを断ち切る…ならば自分の迷いも例外ではないはず!》…ふんっ!!」

 

カグツチ《Σ(Д゚;/)/》

 

妖夢「…いっっっ……!」

 

カグツチは驚きすぎて声も出ない。そんな彼をほっといて妖夢は白楼剣で自らの腹を横一直線にぶったぎった。確かに彼女は半分幽霊だが半分は人間なので、物理的な痛みは感じ取れる…つまり腹を切り裂かれた激痛が妖夢を襲ったのだ。

 

妖夢「……!…見えた……!私の剣…!それは……この剣で命を守ること!平和な世をこの剣で切り開くために私の剣はある!!!

 

カグツチ《…弾君…彼女は自分でも気づいてないけど…君の力になりたいみたいだよ…そうじゃなきゃ『分神』できるわけないからね》

 

妖夢の力強い言葉がフィールドに響き、妖夢の身体から星の神力が溢れだした。カグツチも言うように妖夢は無意識状で弾にかなりの信頼をおいていたようだ。

 

妖夢「鈴仙!教えてあげるわ!真の私の剣を!!」

 

自身の光を斬り払い、現れた妖夢はまるで白銀の南蛮甲冑を纏っている。その甲冑の胸部には様々な星座が描かれ、彼女の半霊は背中でマントのように布状になって風になびいていた。

 

妖夢「メインステップ!機巧剣聖リョウダンオウをレベル2で召喚!!さらにバーストセット!!」

 

マントの半霊をバッとはためかせて妖夢は機巧の剣士を召喚する。さらにソウルコアを乗せ、バーストを伏せたということは……

 

妖夢「アタックステップ!リョウダンオウ!勝利の道を切り開け!!レベル2効果で手札の剣刃ブレイヴ…地神刀オオテンタを直接合体させる!!」

 

カグツチ《…そしてSバーストが発動する…何だろう?》

 

リョウダンオウが深呼吸して手を前にかざす。すると氷がリョウダンオウにまとわりつき、一振りの巨剣がリョウダンオウの手に握られた。

 

そのオオテンタを振り回してリョウダンオウは妖夢のバーストを発動させる……!!

 

妖夢「冥界をも照らす魂の炎!あらゆる世界を救う星となれ!!召喚!戦国龍皇バーニング・ソウルドラゴン!!効果でトラッシュのコアを置いてレベル3に!」

 

妖夢のバーストが炎の龍になって空に舞い昇る。そして空で炎球になると、中から二本の槍を持った赤いドラゴンがフィールドに降り立った!

 

召喚されたバーニング・ソウルドラゴンは二本の槍の尻を合体させ、一本の長槍にする。その刃先は炎で三又に変わり、バーニング・ソウルドラゴンはその切っ先を真っ直ぐ鈴仙に向けた。

 

鈴仙「…ぅぅ…!フラッシュタイミング…!もう一度リゲインを使用…!ジャガンナートを疲労ブロッカーにしてBPプラス5000!ブロック!バガヴァット・ギーターの効果でバーニング・ソウルドラゴンを手札へ……!」

 

カグツチ《おおっと!俺の神域、忘れてない?コア二個をボイドに戻してその効果は受けないよ!》

 

対する鈴仙もジャガンナートを立て、リョウダンオウが振り下ろしたオオテンタを背中のバガヴァット・ギーターで受け止める。だがそこからバーニング・ソウルドラゴンめがけて放たれたビームはカグツチの炎が壁になって防がれた。

 

妖夢「…もう一枚手札にあったか…」

 

妖夢はそう呟くだけでフラッシュタイミングのカードは使わない。BP差でリョウダンオウはジャガンナートに弾かれて破壊されてしまった。

 

妖夢「オオテンタはフィールドに!行け!バーニング・ソウルドラゴン!!真・連刃発揮!!いざ!勝負!!トリヴィ・クラマ!ジャガンナート!!」

 

鈴仙「…ジャガンナートとバガヴァット・ギーター…効果でレベル3にアップ…!」

 

地面に突き刺さったオオテンタの隣でバーニング・ソウルドラゴンが三叉槍を構えて飛び上がり、槍からトリヴィ・クラマとジャガンナートに衝撃波を放つ。

 

カグツチ《バーニング・ソウルドラゴンのBPは22000…トリヴィ・クラマは破壊できるけど…リゲインの効果も合わさったジャガンナートのBPは26000…どうする妖夢ちゃん!?》

 

ジャガンナートのバガヴァット・ギーターとトリヴィ・クラマの翼からビームが放たれるが、バーニング・ソウルドラゴンは両方かわすと三叉槍に竜型の炎を纏わせて投げつけた。ジャガンナートはヒラリとかわしたが、トリヴィ・クラマは貫かれて爆散する。

 

しかしジャガンナートは槍を投げて無防備になったバーニング・ソウルドラゴンに飛びかかって地面に引きずり落とす。バーニング・ソウルドラゴンの両手両足を押さえてジャガンナートは首を噛み砕こうと大口を開けた…!

 

妖夢「まだだ!フラッシュタイミング!烈火槍激破!!オオテンタを回復させてバーニング・ソウルドラゴンと合体!!さらにトラッシュのコアをすべて置く!!」

 

カグツチ《なるほど!それならバーニング・ソウルドラゴンのBPは跳ね上がる!》

 

突き刺さっていたオオテンタが赤く輝いて炎と共に回転しながら飛び出し、ジャガンナートを弾き飛ばす。そのままバーニング・ソウルドラゴンはオオテンタを握りしめ、ジャガンナートに向かっていった。

 

妖夢「…私達を倒せる者など…!何一つない!!!」

 

ジャガンナートは再びバガヴァット・ギーターで砲撃していく。それでもバーニング・ソウルドラゴンはオオテンタを華麗に操ってすべてを斬り落とし、バガヴァット・ギーターごとジャガンナートを真一文字に両断した!!

 

妖夢「破壊したスピリットの数だけ相手のライフを砕く!覚悟!!」

 

鈴仙「…ぃぃ…!!」

 

バーニング・ソウルドラゴンが妖夢とシンクロするようにオオテンタを鈴仙のライフに振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

咲夜「…ふぅ…妖夢…って…ずいぶん仰々しい格好ね」

 

妖夢「え!?ものすっごくカッコ良くないですか!?」

 

咲夜「…やっぱり冥界や地獄ってセンスが違うのかしら…」

 

戻ってきた咲夜は『分神』した妖夢を見てそう評価する。そんな目を信じられないように妖夢はマントを持ってカッコつけようとした。

 

蟲忍者《ぎぃぃぃぃぃぃ!!!》

 

霊夢「ああもう!邪魔くさい!!」

 

レミリア「倒しても倒しても…!!」

 

咲夜「…カッ!…了解」

 

妖夢「…さすがね!すぅ~…はぁ~…!」

 

フラン「わっ!?咲夜!?」

 

霊夢やレミリア達は未だに大量の蟲忍者を相手に悪戦苦闘している。それを見た妖夢の動きを未来予知した咲夜はフラン達を抱えて安全な場所に運んだ。

 

霊夢「ちょ、あいつらは…!」

 

咲夜「落ち着きなさい。あいつらをボコしても何も得られないわ」

 

妖夢「………氷命剣『極寒地獄(ニブルヘイム)』!!」

 

 

妖夢が楼観剣を抜刀した……その瞬間…すべてが止まった……

 

 

蟲忍者《……カチーン……》

 

シヴァ《……こ、凍ってやがる…》

 

ゼウス《…見事…!》

 

ゼウス達の目の前に広がっていたのは辺り一面の氷の塊だった。その中に蟲忍者達は全員閉じ込められ、生命力すら遮断させられていたのだ。

 

咲夜「…カッ!…あ、妖夢…そこ」

 

妖夢「…チャキン…この私に…斬れぬ物など…!あんまゴンッ!みょん!?」

 

咲夜「…竹が倒れてくる……」

 

刀を鞘にしまい、決め台詞を言いかけた妖夢の頭上に衝撃で折れた竹が倒れてきた。咲夜の忠告も間に合わずに妖夢はカッコ悪い声をあげ頭を抱えて悶絶してしまう。

 

カグツチ《…あはは…やっぱり妖夢ちゃんは妖夢ちゃんだね》

 

妖夢「…みょ~ん……」




はい。ありがとうございました。

『分神』妖夢は極アームズをベースに『半霊マント』『胸当ては星空』な感じっす。さらに『氷結』する剣が主力ですね

…公式さん…メインステップで毒刃使えるカード!これがあればめっちゃ良いのに…

猛毒神鞭タルタロス
ブレイヴ
5(紫2神1)/紫/神話・神装・天渡
<1>Lv1 2000 <0>合体+5000
合体条件:コスト6以上
【スピリット合体中】『このスピリットのアタック時』
下にカードが四枚以上ある相手のスピリットを一体破壊することで、このスピリットの【毒刃】を発揮する
合体条件:創界神ペルセポネ
【ネクサス合体中】【神域】
〔このネクサスにコア4個以下〕【毒刃】を持つスピリットが召喚された時、そのスピリットの【毒刃】を発揮し、下に置いたカードの数だけ、ボイドからコアをそのスピリットに置く。この効果は重複しない。
シンボル:紫


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

七幕 夜明け

永遠亭近くの竹林

 

永琳「…っっ!はぁぁ!!」

 

弾「…ぐ…!おぉぉ!!」

 

二人の創界神のぶつかり合いも佳境に差し掛かっていた。弾の拳を永琳は受け流してカウンターの蹴りを叩き込むも、弾は咄嗟に足をあげて受け止める。

 

永琳「…まさかこれ程てこずるとは…!仕方ないわね!パチン!」

 

そんな徒手空拳の戦いが暫し続いていると、永琳は指を鳴らして自分の神話ブレイヴ『幻想星弓エターナル・ジュエリー』を手に取り、遠距離の弾幕攻撃に切り替えた。

 

永琳「秘術『天文密葬法』!!」

 

弾「おいおい…最初は『壺中の天地』じゃないのかよ…」

 

永琳「な…!?」

 

永琳はエターナル・ジュエリーにつがえた矢を中心にエネルギーの玉を放つ。弾の身長サイズの大玉は弾を取り囲んで矢の逃げ道を塞ぐが、その時呟いた弾の言葉に永琳は動揺してしまい……

 

弾「…萃鬼『濛々迷霧』!!」

 

永琳「………消え…ぐぅ!?」

 

…弾が霧になって消えたことに気づくのが一瞬遅れてしまった。その隙をついて弾は霧状態のまま永琳にまとわりついて動きを封じ込める。

 

弾「…萃香の能力は使うのも気持ち悪いな…竜宮使『エレキテルの竜宮』!!」

 

永琳「ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

永琳を羽交い締めにするように弾は『疎と密』を元に戻して姿を見せる。そして今度はキャーイクサーン!の力で自らを中心に放電した……つまり密着していた永琳は防御も回避もできずにゼロ距離で感電してしまった。

 

弾「…よっと……さてそろそろ……ん?」

 

永琳「…そろそろ…何かしら?…まったく…焦げ臭い…!」

 

弾「…君は実の所蓬莱人じゃないんだろ?さすがに創界神とはいえ…即座に傷を治すなんて…」

 

永琳「御生憎、私は少し特殊なの。私の能力のお陰で、気力が続く限り私は再生できるのよ…さてそろそろ…潰す」

 

弾は崩れ落ちた永琳から距離をとり、バトスピでのバトルに持っていこうとした。だが『あらゆる薬を作る程度の能力』を持つ永琳はすぐさま傷を治癒して立ち上がった。

 

そう言うと傷一つない永琳はエターナル・ジュエリーを両刃剣に変形させ、弾に斬りかかった。弾も冷静にグランシャリオを構えて受け止める。

 

永琳「ガキンッ!…私も聞きたいことがあるの…!ガキンッ!…なぜ私の技のランクを知っていたのかしら…!?…ガキンッ!…」

 

弾「…キリキリ…さぁね!ガキィン!」

 

永琳「…ズザザ!…なら倒したあとに吐かせる!バッ…!日食『天岩戸の大宴会』!!」

 

弾「…かなりの量だな…!」

 

永琳と弾は再び接近戦を繰り広げる。弾のグランシャリオと永琳のエターナル・ジュエリーが何度もぶつかって火花が飛び散った。それでも弾を押しきれないと踏んだ永琳は、空中から夜空を埋め尽くすほどのエネルギー弾を精製し始めた。

 

弾《…さて…咲夜の能力でかわすか…魔理沙の能力で迎え撃つか…それとも輝夜の金閣寺の一枚天井で防ぎきるか…》

 

 

ツクヨミ!聞いたぞ!アマテラスをうまく引きずり出したんだってな…っっ…!イテテ…

 

…アマテラス…あまり永琳を責めないでやってくれ。誰だって失敗はある…人選もそうかもしれないが…大国主神のやり方が一枚上手だったのだろう

 

…永琳…お前が一人前になる姿を見たかったなぁ…

 

 

弾「…ぐ…またか…!?」

 

永琳「隙あり!!はっ!!」

 

どう永琳の弾幕を対処するか思案していた弾の脳内に再び謎の声が響いた。それに気をとられてしまった隙に永琳は大量のエネルギー弾を弾の頭上に浴びせるように放った。

 

弾「…やべっ…永須姫『金閣寺の一枚天井』!!」

 

永琳「…今度は輝夜の……!?」

 

弾「…からの…!『気炎万丈の剣』!!」

 

弾はすぐさま意識を目の前の攻撃に戻し、輝夜の一枚天井……のようなバリアを展開して永琳の弾幕を防ぎきる。さらに弾はグランシャリオの緋色に輝かせ、大きく構えた。

 

弾「…これも…オマケだ!『殺意の百合』!!」

 

永琳「!?」

 

弾の身体が赤いエネルギーに包まれてまるで槍の如く空の永琳に突っ込んだ。あまりの速さに永琳は反応できず、緋色のグランシャリオによって袈裟斬りにされてしまう。

 

永琳「…っっ!でも私の能力で即効性の薬を…がはっ!?」

 

弾「無駄だ。純狐の能力でその傷を『純化』させた。これで傷は治らない」

 

永琳「…まさか…!奴の能力まで…!ちぃ!!」

 

弾「…!!」

 

右肩から左腰ほどまで斬られた永琳は治癒することを諦め、星のエネルギーを纏って弾に接近する。弾も星と幻想郷の力を使って光を纏って迎え撃つ。

 

永琳「…ハァハァ…あなたを見てると…!本当に腹が立つわ!まるであの英雄気取りのバカ親父みたいで!!」

 

弾「…まさか…タカミムスビか!」

 

永琳「…その名前を…!口にするな!!」

 

永琳と弾はまるでジークヴルムの如く光を纏って何度も激突する。その最中の対話で弾は永琳がタカミムスビの名前に強く反応したことから、『英雄気取りのバカ親父』がタカミムスビのことではないかと推測し始めた。

 

弾「…《…まずはバトスピに…》どうする?これ以上殴りあってもオレの優位は変わらないぜ?」

 

永琳「…ならバトルしろと?」

 

弾「あぁ、バトルすればあんたの知りたいことがわかる」

 

永琳「…良いわ…その安い挑発に乗ってあげる!」

 

ひとまず弾は永琳の記憶を戻すことに集中してバトルを持ちかける。二人は空中で向かい合うと、お互い神話ブレイヴをカードにしてデッキに入れた。

 

弾 永琳「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

弾「…ニヤリ…」

 

永琳「…メインステップ。星の叡知!創界神オモイカネを配置!神託でコア三個を追加…ターンエンドよ」

 

いつもの不適な笑みを浮かべる弾。それを無視して永琳は自身を配置してターンを終えた。

 

弾「メインステップ。こっちもオレを配置して神託を使う。そしてその中の『光導』カードを回収する!さらに銀河星剣グランシャリオをオレに直接合体!!」

 

弾も自身も配置して神託を発揮する。落ちたのは太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX、光星姫ヴァージニア、そして魔羯邪神シュタイン・ボルグX。

 

弾「…コア三つを置いて三枚を手札に!ターンエンド…どうしてオレを始末しようとする?」

 

永琳「……姫様が静かに暮らせる世界に…あなたは邪魔だからよ」

 

弾「…オレは輝夜を月の都に突き出そうとはしてないぜ?」

 

永琳「…メインステップ!バーストをセットして蟹甲竜キャンサードラゴンを二体召喚!」

 

弾の問い掛けを途中で切り、永琳は蟹のハサミがついたドラゴンを連続召喚する。だが明らかに論理的矛盾がある記憶に永琳も何か違和感を感じていた。

 

永琳「…ターンエンドよ」

 

弾「メインステップ。光星姫ヴァージニアと樹星獣セフィロ・シープを召喚!そしてデッキを三枚オープンしてコアブースト!」

 

弾は淡々とヴァージニアとセフィロ・シープを召喚して手札、コアを補充する。めくられたのは魔星人シュタイン・ゴイル、戦神乙女ヴィエルジェX、サジタリアスドロー。

 

弾「ヴィエルジェXを手札へ。残りはデッキの一番下に戻す。ターンエンド」

 

永琳「…メインステップ!神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月光龍ストライク・ジークヴルムX!召喚!」

 

永琳の背後から白い機械のジークヴルムが登ってくる。そしてフィールドに舞い降りると、弾を見据えて大きく吠えた。

 

弾「…来たか…ストライク…!」

 

永琳「アタックステップ!行け!ストライク・ジークヴルム!アタック時効果でヴァージニアをデッキボトムへ!」

 

弾「ライフで受ける!」

 

ストライク・ジークヴルムが白いビームを口から放ち、ヴァージニアを消し去ると、腕で弾のライフを一つ破壊した。

 

弾「…ふ…!久しぶりに白いストライクを見た…!」

 

永琳「…!…ターンエンド」

 

弾「…感じないか?この痛み…バトルフィールド(ここ)だけは何も考えなくて良い空間だ…まさに『生きてる!』って感じないか?」

 

永琳「……あなたのターンよ…」

 

ライフで受ける痛みをそう表現した弾を永琳はまたスルーした。それでも弾は永琳が僅かに表情を変えたことを見逃さなかった。

 

弾「…メインステップ。戦場に咲く美しき大天使!その微笑みで戦いに勝利をもたらせ!戦神乙女ヴィエルジェX!駆け上がれ!神の名を持つ赤き龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!召喚!!」

 

ヴィエルジェ《…今度は永琳ちゃんね…》

 

弾のフィールドに描かれた乙女座からヴィエルジェが現れ、地面から噴き出した炎からもライジング・アポロドラゴンがフィールドに降り立った。

 

弾「さらにグランシャリオをライジングに合体!さらにシープのコアをライジングへ!アタックステップ!合体アタックだ!!」

 

弾の手からグランシャリオがクルクルと回転してフィールドに投げ入れられる。そして大きくなったグランシャリオをライジングがキャッチして構えた。

 

弾「アタック時効果!キャンサードラゴンを指定アタック!さらにグランシャリオ、界放の効果!あんたのバーストを破棄する!コアが増えたのでライジングはレベル2にアップ!!」

 

永琳「…く…!キャンサードラゴンの破壊時効果でデッキを一枚めくる!それが『光導』なら疲労状態で残るわ!」

 

弾「それでも破壊したことに変わりはない!レベル2合体時効果でストライク・ジークヴルムを破壊し、オレのコアをヴィエルジェに置いてライフを二つ破壊する!」

 

永琳「…ぅ!!」

 

ライジングがグランシャリオを一振りして永琳のバースト、鋼星騎スコルリッターを吹き飛ばす。そして永琳のキャンサードラゴン一体を踏み潰すが、星読でめくられたのがキャンサーシェルだったので、キャンサードラゴンはその場で復活した。

 

しかしライジングは隣のストライク・ジークヴルムに目を向けると、口から炎を放って焼き尽くした。それでもまだライジングの効果は終わらず、永琳のライフが二つ消し飛んだ。

 

弾「ターンエンド」

 

永琳「…同じ型のデッキなのに…!メインステップ!赤く染まる月!月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ!穢れの力を今ここに!!」

 

永琳のフィールドに再びストライク・ジークヴルムが現れる。だが今回は赤いストライク・ジークヴルム・サジッタだ。

 

永琳「アタックステップ!サジッタでアタック!界放の効果でヴィエルジェを破壊してライフを一つ砕くわ!そして一枚ドロー」

 

ヴィエルジェ《あっつ!まだよ!弾のコアを二個ライジングに置いてライフを回復しつつ手札へ!》

 

弾「…んん!来るか…!超神月紅龍…!」

 

サジッタの火炎放射がヴィエルジェを燃やして破壊する。ライジングの効果でレベル2に上がっていたヴィエルジェは手札に戻った。だがそれよりも弾の意識は永琳の手札に向けられている…

 

永琳「フラッシュタイミング!進化する赤き月光!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!サジッタに煌臨!!煌臨時効果で手札の幻想星弓エターナル・ジュエリーを直接合体!!」

 

弾の予想通りサジッタが永琳の上空に昇った赤い月の光を受けて輝く。そしてサジッタの身体が炎に包まれると、サジッタの身体がさらに大きくなり、翼も六枚のファンネルに変化した。

 

その煌臨したストライクヴルム・ノヴァが手を掲げてエネルギーを収束させていく。すると銀色に光る弓が現れ、ストライクヴルム・ノヴァはエネルギーを矢を弓につがえた。

 

弾「…ライフで受ける!」

 

永琳「トリプルシンボルよ!食らいなさい!!」

 

ストライクヴルム・ノヴァが矢と背中のファンネルから放った雷が弾のライフを一気に3つ消し飛ばす。その衝撃にさすがの弾も顔を歪ませて後ずさる。

 

永琳「…合体スピリットは回復しているわ。もう一度アタック!界放を使ってライジング・アポロドラゴンを破壊!」

 

弾「…フラッシュタイミング!マジック!アドベントスターを使用!手札から龍星皇メテオヴルムXをノーコストで召喚!そしてブロック!」

 

永琳「ち…フラッシュで私の神技を使用する!グランシャリオを破壊!」

 

煌臨時効果で回復していたストライクヴルム・ノヴァはエターナル・ジュエリーを両刃剣に変形させて飛び出す。しかし弾のマジックによって呼び出されたメテオヴルムがその行く手に立ちふさがった。

 

それでも永琳は自ら衝撃波を放ち、ストライクヴルム・ノヴァに射ぬかれたライジングから分離して地面に刺さっていたグランシャリオをへし折る。

 

弾「続けてフラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!メテオヴルムXに煌臨!!効果でキャンサードラゴンを一体破壊!」

 

永琳「…!…その化神…星読は…不発ね…」

 

メテオヴルムがストライクヴルム・ノヴァに掴みかかるが、容易く振り払われ剣で貫かれようとした瞬間…弾の背後から透明のドラゴンが駆け上がった。そのドラゴンはストライクヴルム・ノヴァを突き飛ばしてメテオヴルムに重なる……

 

そしてメテオヴルムは四つ足に巨大な弓を持った赤い星の龍に変わった。サジットヴルム・ノヴァは早速矢を放ってキャンサードラゴンを射ぬく。

 

弾「こっちのサジットヴルム・ノヴァはBP30000!ストライクヴルム・ノヴァを破壊しろ!」

 

永琳「…あら…それはいけないわね…フラッシュタイミング!カプリコーンホールを使用!相手スピリットのコア二個をリザーブへ!」

 

二体の星の化神がお互い剣になった弓で斬り合う。だが永琳のマジックから出現した黒い穴ががサジットヴルム・ノヴァのエネルギーを吸いとってしまう。

 

弾「…オレの神技でもう一体のキャンサードラゴンを破壊する」

 

永琳「星読発揮、ゾディアックランサーなので回収&キャンサードラゴンは疲労状態で残る…さぁ!サジットヴルム・ノヴァを破壊しなさい!!」

 

サジットヴルム・ノヴァが徐々にストライクヴルム・ノヴァに押され始め、とうとうサジットヴルム・ノヴァの剣が手から弾かれてしまう。サジットヴルム・ノヴァは後退して口から炎を放つが、ストライクヴルム・ノヴァは軽く切り裂いて接近していく。

 

そしてストライクヴルム・ノヴァのファンネルからエネルギーの槍が放たれ、サジットヴルム・ノヴァはかわしていくも何発か被弾してしまい、動きが鈍ってしまう。

 

その隙にエターナル・ジュエリーを弓に戻したストライクヴルム・ノヴァはフルパワーで矢をぶっぱなし、サジットヴルム・ノヴァを貫いて破壊した!!

 

永琳「仕方ない…ターンエンド……ねぇ、あなた…あなたの産まれた場所にも……富裕層っていたのかしら?」

 

弾「………?」

 

永琳「…富…権力…命までもを思うがままにしている奴らのことよ」

 

弾「…ああ…」

 

ターンエンドを宣言した後、永琳は静かに問いかける。その表情を見て弾はなぜかとある男の面影を感じ取った。

 

永琳「…私が産まれたのもそんな所よ…手を伸ばせば何でも手に入った…父のお陰でね…」

 

弾「…さっきタカミムスビの名前を出した時…ずいぶん憤怒していたが…あんたは…」

 

永琳「…ええそう。第7の原初神にして神々の英雄、生命を司る光導と冥主の創界神タカミムスビ、人名『八意 優作』は私の実父よ」

 

永琳の言葉に弾は驚いてばかりだった。もちろんタカミムスビが永琳の実父だったことも驚いたが、今話している永琳の目が明らかに死んでいたからだ。英雄の父を誇らしげに思うような感情は一切感じ取れない。

 

弾「…ならなぜそんな顔をするんだ?ゼウスやヘラ達から聞いたぞ。世界の命のために他の原初神と戦い、五勢力の間に和平をもたらして神世界を平和にした立派な父親を」

 

永琳「……だから?

 

弾「…!!……」

 

永琳「だから何よ?あいつのせいで私の人生はメチャクチャになったのよ!!」

 

永琳は死んだ目でそう言い放った。これがいつもの顔の裏に隠されていた永琳の心の闇…その黒さに弾は戦慄していた。

 

永琳「わかる!?たとえどんな努力をしても「タカミムスビ様の娘だからこれぐらいできるよね」とか言われ続けるの!それどころかあいつの娘だからってイジメられたりするの!」

 

弾「…まだ人間だった頃か…」

 

永琳「創界神に()()()()()後もそうよ!結局どれだけ私が努力しても手柄は全部月の都のクソ老害どもがかっさらっていく!それでもあの()()()は私の前に姿を見せない!一番助けて欲しい時に助けてくれない!!」

 

弾「…人間としても…創界神としても居場所はなかった……」

 

永琳「…まだ私が幼い時…アイツは良くこう言ったわ。『愛と平和のために』って…それなのに私は!?くだらない!くだらない!くだらない!!だから輝夜と一緒に私は月の都を捨てたのよ!」

 

まだ知らなかった永琳の闇…それを弾は正面をまっすぐ見つめて受け止めていた。弾の生まれは普通の家だったので、権力者の闘争とかは分からなかったが、弾は永琳の真の心の闇を理解できた。

 

永琳「…さっきあなたはここで生きていることを実感できると言ったわね。私はそんなこと一度もないわ。私が望むのは『ただの平穏』誰にも邪魔されずにひっそり暮らしていければそれで良いの」

 

弾「……少し前…あんたみたいなやつと話したことがある。そいつはあんたとは真逆の生まれで、世界に絶望した……でもあんたはそいつの足元にも及ばない!」

 

永琳「うるさい!あなたに…!あなたに何が!」

 

弾「そいつは自分の境遇に文句は言わなかった。歪んでいたとはいえ、今何ができるかを必死に考えて大切なもののために戦った。でもあんたは与えられたものにケチつけることしかやってない!」

 

永琳の語りを弾はバッサリ吐き捨てる。その脳裏には未来世界で人間と魔族に混沌をもたらそうとした暗闇の男が写っていた。さらに弾は力強い口調で話し続ける。

 

弾「口を開けば『父親が悪い』『境遇が悪い』『周りの奴らが悪い』…それこそくだらない!!あんたは人のせいにすることしかできないのか!?たとえ手札がすべてネクサスやマジックだけだったとしてもそれでバトルするしかないんだ!」

 

永琳「黙れ!私がどれだけ努力してきたか」

 

弾「その努力は『人に認められるため』『誉められるため』『名誉や称賛が欲しいため』だろう!だからあんたの周りにはそういう人間が寄って来たんだよ!!」

 

永琳「……っっ………!?」

 

猛烈な弾の突きつけに永琳はとうとう押し黙った。そして目を伏せてワナワナと震え始める彼女に弾は口調を和らげて話す。

 

弾「…あんたは非常に自己中心的だ。助けてくれるのが当たり前、悪いのはすべて他人…いい加減ちっぽけな自分の世界に引きこもってないで外に出て戦え…あんたの父親のようにな…」

 

永琳「……………」

 

弾「メインステップ!山羊座からきたる魔術師!!死を司る冥界の王!!レベル3で顕現!魔羯邪神シュタインボルグX!召喚時効果でトラッシュの『光導』カードを一枚手札に戻す!」

 

ボルグ《行きます!》

 

弾の正面に山羊座が描かれ、展開された魔法陣からシュタイン・ボルグが現れる。そして弾のトラッシュから紫のエネルギーを纏って一枚のカードが手札に返っていった。

 

弾「アタックステップ!シュタイン・ボルグでアタック!星界放を使ってストライクヴルム・ノヴァのコアをリザーブへ!」

 

永琳「…フラッシュタイミング!キャンサーシェルを使用!シュタイン・ボルグを手札に戻すわ!」

 

シュタイン・ボルグが杖を振るってストライクヴルム・ノヴァのエネルギーを削る。永琳も星読で回収したキャンサーシェルでシュタイン・ボルグをバウンスさせたが……

 

弾「フラッシュタイミング!マジック!アドベントスターを使用!手札のシュタイン・ボルグを再び召喚!!」

 

永琳「な!?」

 

ボルグ《…さて…私の出番はここまでですね…後は任せましたよ!》

 

先ほどの星読は弾にも見えていた…つまり弾がこれを計算していないわけがなかった。二枚目のアドベントスターによって召喚されたシュタイン・ボルグに続けて弾はトラッシュから戻したカードに手を伸ばす。

 

弾「天駆ける闇祓う光よ!我が友を救いだせ!超神光龍サジットヴルム・ノヴァ!!シュタイン・ボルグに煌臨!煌臨時効果でストライクヴルム・ノヴァを破壊する!!」

 

シュタイン・ボルグが空に昇ると、再びサジットヴルム・ノヴァが重なってフィールドに降り立つ。そして弱体化したストライクヴルム・ノヴァめがけてサジットヴルム・ノヴァ渾身の一矢が放たれてど真ん中を貫いた!!

 

永琳「…そ、そんな…!」

 

弾「サジットヴルム・ノヴァでアタック!!界放の効果でライフを一つ砕き、エターナル・ジュエリーを破壊!!」

 

永琳に追い討ちをかけるように駆け出したサジットヴルム・ノヴァが地面に落ちたエターナル・ジュエリーを踏み潰す。しかも界放で永琳のライフが一つ砕かれ、残りは二つ…サジットヴルム・ノヴァの射程圏内である。

 

永琳「…ぃ…!?こ、これは…!?」

 

弾「…!…行け!サジットヴルム・ノヴァ!!」

 

弾は永琳が頭を押さえて踞るのを確認してサジットヴルム・ノヴァにとどめを指示する。サジットヴルム・ノヴァは剣を全力で永琳のライフに振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

 

永琳「……………」

 

弾「…ふぅ…っっ…!さすがに…五体満足では終われなかったか…」

 

気絶している永琳の隣に座り込んだ弾は左手の痛みに少し顔を歪ませる。でもあまりそれは気にならなかった…大切な友を救いだせたのだから…

 

紫「弾!無事!?」

 

蓮子「…見たところ…勝ったみたい?」

 

霊夢「あ!やっと見つけたわ!」

 

魔理沙「お!霊夢!弾!終わったか!?」

 

輝夜「…ぞろぞろと来たわね……」

 

そんな二人の所へ散っていたメンバーが集まってくる。みんなの問いに弾は軽く笑って答えた。そうしていると気絶していた永琳がピクッと動いた。

 

永琳「………」

 

スサノヲ《…なぁ…永琳…俺たちはお前に謝んなきゃならねぇ…》

 

カグツチ《…起きてるでしょ?なら勝手に話すね》

 

弾「…タカミムスビのことか?」

 

スサノヲ《……まぁな…》

 

魔理沙といた妹紅からでて来たスサノヲと妖夢から出たカグツチが動かない永琳に話しかける。

 

スサノヲ《…実は……タカミムスビの兄貴は……もう死んでる

 

弾「え…!?」

 

霊夢「…は!?」

 

アリス「…だから全員…」

 

ヘラ《…かんにんなぁ…黙っとって…》

 

永琳「…ビクッ…」

 

スサノヲのカミングアウトは幻想郷メンバーを大いに驚かせた。それより一番驚いたのは気絶している(はずの)永琳だった。

 

カグツチ《…たまに手紙とか送ってたけど…あれは僕たちが書いたんだ。騙すような真似してごめん…》

 

異界王「失礼。原初神ほどの神が死ぬことがあるのか?聞いた話、ゼウスやアマテラスさえ軽く下すのだろう?」

 

ゼウス《…あの時…エジットの創界神達を甦らせたり、神世界を修復するためにタカミムスビさんは膨大な神力を使った。だがそれは自らの命を大きく削るという代償を払わなくてはならなかったのだ》

 

アレックス《…タカミムスビさんはその後数億年は元気に振る舞ってたけど…永琳さんが産まれて数年後に倒れたんだ…そこから数十年間ベッドの上で…最後まで永琳さんを心配していたよ…》

 

シヴァ《…永琳が引きこもったアマテラスを引っ張り出した時は大いに喜んでたし…国譲りが失敗しまくったときは永琳が落ち込んでないか心配してたぜ…》

 

ペルセポネ《…永琳さんがイジメられたと聞いた時はぶちギレていじめた奴らの家に病を押して殴り込んでいましたよ》

 

永琳「…ぅ……ぅぅ…!!」

 

ペルセポネが話したところで永琳は涙を堪えられなくなった。その涙は後悔か懺悔かそれとも……感謝故か…

 

弾「……どうする…?これから…」

 

永琳「…グスンッ……グスンッ…」

 

アプロディーテ《…最後に……タカミムスビさんはツクヨミとウカノミタマにあなたを任せたわ。でも今月の都は敵になったウカノミタマが占領してるらしいわよ》

 

輝夜「当人が言ってたから間違いないわ」

 

紫「…なら…いつか月の都に攻め込まないといけないのね」

 

アプロディーテの言葉に泣いている永琳以外は苦い顔を隠さなかった。月の都の強さはよく(特に紫と幽々子)は知っているからだ。

 

永琳「…ムクッ…どうしてツクヨミが私に優しかったのか…ようやく分かったわ……」

 

弾「…おはよう」

 

永琳「…ごめんなさい…いろいろと……さて…月の都に何時攻め込むか…だったわよね?」

 

永琳は赤く腫れた目を開けて起き上がる。そして弾や一同に深々と頭を下げ、話し合いに加わった。

 

永琳「私としてはツクヨミに借りを返せてないし、ウカノミタマの思惑も知りたいから今すぐにでも行きたいけど…次の異変を待ってからの方が良いと思うわ」

 

蓮子「…この次って?」

 

アリス「あれ?実害なかったわよ?」

 

永琳「そうね。でもあれは『霊』の影響で『生命力』がおかしくなり『花』が咲き誇った異変よ。私達の記憶を操作するのもそういう『繋がり』がないといけないとしたら…」

 

幽々子「…なるほど…私以外の四天王に縁ある言葉ね」

 

弾「…それよりも…」

 

永琳の提案に幻想郷メンバーは納得する。首を傾げている創界神達と蓮子に紫や霊夢が説明しようとしたその時、重大なことを話す顔つきで弾が口を開いた。

 

ゼウス《…おぉ?どうした?》

 

弾「……ものすごく眠い…」

 

魔理沙「ガクッ」

 

霊夢「…フワァー…確かに眠いわねぇ……」

 

フラン「…そうだねぇ……ァー…」

 

全員ほぼ夜通しで戦闘していたので、疲れが明らかに欠伸として出てしまった。もう東の空から朝日が昇ろうとしているが、吸血鬼じゃなくても『寝よう』と全会一致で決まった。

 




はい。ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終五章~花と霊と戦争と~
暴走する妖精と霊


…おいおい…公式さんよ……リュキオースでわかったでしょ?創界神にコア三個追加はヤバイって!サラスヴァティーと化神の情報来ましたが……イヤ~な予感…


某所

 

ウカノミタマ《帰ったわよ》

 

???「…ウカノミタマ…!貴様…!なぜ…!!」

 

ウカノミタマ《ごめんなさい。本当によく似ていたものだから…》

 

神世界のどこか…謎の空間でウカノミタマは謎の女性と話している。だが女性は男性の前とはうって変わって男っぽい口調で食いかかるも、ウカノミタマは飄々として反省しているようには見えない。

 

???「…まったく…!しかも永遠亭の奴らまで解放されてしまった!どうあの方に報告するつもりなんだ!?」

 

ウカノミタマ《…大丈夫よ。()が出ていったから》

 

???「!?…なら安心か…」

 

ウカノミタマの呑気な言葉に女性は顔を強ばらせる。同時に女性は胸を撫で下ろした所を見ると、その人物は相当手練れの神のようだ。

 

ウカノミタマ《…一応それの報告に来たわ。じゃあね、私は月の都でツクヨミと過ごしてるから》

 

???「…ずいぶん趣味の悪い女だな…他人の夫を洗脳して」

 

ウカノミタマ《 あ!?文句あんの!?

 

???「…い、いや…幸せにな…」

 

ウカノミタマのブチギレオーラに女性はそう答えるしかできなかった。

 

 

 

 

――幻想郷が蘇生した。

 

冬の白色は春の日差しに彩られ、幻想郷は完全に生の色を取り戻していた。

冬の間眠っていた色の力が目覚め、幻想郷を覆う。

花と同時に妖精達も騒がしくなる。

その異常な美しさの自然は、幻想郷に住む者全てを驚かせた。

 

彼女たちはいち早くその異変に気が付いた。

 

桜、向日葵、野菊、桔梗・・・

まだ春だというのに、一年中全ての花が同時に咲き出していたのだ。

多くの人間と全ての妖精は、自然からのプレゼントと受け取って暫くその光景に浮かれていた。

だが、幻想郷でもっとも暢気な人間は珍しくあわてていた。

 

「こんなに判りやすい異変じゃあ、早く解決しないといけないわ。じゃないと、私が怠けているってみんなに言っているようなもんじゃない!」

 

いつも通り、当てもなく勘で神社を飛び出したのだった。

 

 

幻想郷自体が蘇生した。

彼女たちも自然の一部。妖精の力は自然の力。自然には抗えないことを、皆知っていた。

 

だが今回は桁が違う。騒がしくなった妖精が彼岸から吹き出してきた霊達と暴走し始めたのだ。

 

伸び盛る植物を操るは幻想郷最強妖怪の一角『風見 幽香』、暴走する霊を率いるは幻想郷の賢者にして究極の絶対秘神『摩多羅 隠岐奈』、地獄の霊を率いるは幻想郷の閻魔『四季 映姫 ヤマザナドゥ』そして溢れる生命力を各地にばら蒔くは最速の天狗『射命丸 文』

 

「うふふ…良い声で鳴きなさい……!」

 

「見よ!そして語れ!秘神の真の力を!」

 

「そう…あなたは少し罪が重すぎる!」

 

「あやや…手加減すらしないわよ?」

 

幻想郷上位の妖怪と神々を静めるは美神を操る最後の四天王『西行寺 幽々子』、自らの剣を見出だした半人半霊の剣士『魂魄 妖夢』、荒神を降ろした蓬莱の人の形『藤原 妹紅』、そして二柱の創界神を宿す地上の月兎『鈴仙・優曇華院・イナバ』

 

「…はぁ…四天王で残ってるのは私だけなんて…」

 

「幻想郷の未来は…この剣で斬り開く!」

 

「はん!上等だ!殺せるもんなら殺してみろ!」

 

「超怖い」

 

…幻想郷を分ける天下分け目の戦いが始まる…

 

 

 

 

 

第二次永夜異変から数日後 永遠亭 会議室

 

 

霊夢「つまり!次の異変は外界から流入してきた霊達が草花に引っ付いて花を咲かせまくった異変ってわけ!」

 

弾「へぇ…」

 

蓮子「…分かった!でどうする?」

 

ペルセポネ《…冥府の女神として言うなら…死神に任せていれば自然と収まると思うけど…》

 

ケイ《…そんだけで収まるわけないだろうなぁ…ポリポリ…》

 

白板に分かりやすく系図を書いて霊夢は何時ものごとく創界神達&蓮子に説明している。その隣では紫と永琳、アテナ、阿求が何やらボソボソ怪しい会話をしていた。

 

紫「…そう…やはり藍は月の都に…」

 

永琳「十中八九そうでしょう…大方洗脳もされてるだろうし…」

 

阿求「…月の都に侵入する手段は見つかりました?湖に映る月の境界を弄るっていうのは読まれてると思いますが…」

 

アテナ《…実は奴らのミスかもしれませんが…正史で月の都が幻想郷に侵略しようとしたときに使われた通路が残っていました。ですが強固な電子ロックが》

 

黎斗《ぶぅっははは!カタカタ…それは問題なぁぁぁい!この神の頭脳を持ってすれば…カタカタ…ぶち破れるぅぅ!》

 

四賢者が苦い顔で紫色の檻の中に視線を移す。そこでは正気?に戻った檀 黎斗が《黎斗神だぁ!》…黎斗神がものすごい勢いでパソコンのボタンを叩いていた。

 

ヴィシュヌ《…終わった…俺はこれからずっとサラスヴァティにこのこと突っ込まれ続けるんだ…》

 

クリシュナ《ヴィ、ヴィシュヌ様!お気を確かに!》

 

シヴァ《…たぶんアイツも洗脳されてると思うぞ?》

 

鈴仙「…ガタガタガタガタ…」

 

マナカ《…おーい…チチチ…怖がらなくても良いから…人参あげるよ?ダメだ…完全にビビってる…》

 

死んだ魚の目をさらに腐らせてヴィシュヌが綺麗な体育座りで椅子に座り、落ち込むのをクリシュナとシヴァが慰めている。反対側でも鈴仙がえらく怯えて身体を縮こまらせていた。

 

ゼウス《さて!まとめると①まだ月の都には戦力が足りず攻め込めない!②次の異変はかなりの実力者が関わってくる!③そいつらを倒して正気に戻したあと攻め込む!》

 

ヘラ《…でも何時異変が起こるん?》

 

慧音「そろそろ此方から動くことも視野に入れなくては…」

 

慧音の言うことも最もだった。これまで弾達は起きた異変に終始後手に回ってしまっている。

 

アンターク《…ほら…死んだサバ君。何か良い案を出しなさい》

 

ヴィシュヌ《…誰が死んだサバだ…て言うか俺にこんな場で発言させんなよ…》

 

アンターク《あらごめんなさい。死んだサバに失礼だったわね》

 

ヴィシュヌ《…おま…ピクッ…………敵が動き出したぞ…!》

 

橙「会議中失礼します!大変です!」

 

てゐ「妖精が太陽の花畑から、霊達が彼岸から押し寄せてくるウサ!!」

 

弾「何だって!?」

 

シヴァ《…相変わらずすげぇな…『維持』の創界神の察知能力…》

 

アンタークとヴィシュヌが何時ものじゃれあいを繰り広げていた途中、ヴィシュヌの目が鋭くなって西の方角を睨み付ける。その直後、会議室に橙とてゐが駆け込んできた。

 

紫「…太陽の花畑…彼岸…!」

 

永琳「予想通りね。紫、地図出せる?」

 

紫「…ウニョン…バラッ…これよ。ここが太陽の花畑と彼岸で、ここが人里。たぶん敵は人里目指して侵攻すると思われるわ」

 

アテナ《そうですね。非戦闘員を捕虜にすれば戦争は軽く終わります》

 

スキマから紫が出した地図を見て一同作戦を察知した。人里と太陽の花畑並びに彼岸とは距離があるものの、彼岸が幻想郷北部に位置しているのに対し、太陽の花畑は幻想郷の西だ。

 

弾「…よし…一応人里にいる奴も入れて三手に別れよう。絶対に人里との間…霧の湖と無名の丘で食い止める!!全員…!死ぬなよ!!」

 

全員「《おう!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阿求「…大丈夫でしょうか?」

 

アテナ《任せなさい。『守る』ことに関しては得意中の得意です》

 

慧音「…みんな…無事でいろよ…!」

 

アンターク《……本当にゾンビになったら承知しないわよ…》

 

輝夜「ああもう!神が仕事中じゃなきゃ私も戦ったのに!」

 

レミリア「うぇぇん!おいてかれたぁぁ!」

 

人里組 阿求&アテナ 慧音&アンターク 輝夜 レミリアその他

 

 

 

 

鈴仙「…ガタガタガタガタ…」

 

弾「…大丈夫かなぁ…?」

 

永琳「…はぁ……やるしかないわ」

 

妖夢「…私こっちで良いんですかね?」

 

フラン「頑張る~!」

 

咲夜「…まだ未来は見えない…」

 

魔理沙「へへ!」

 

無名の丘組 弾、永琳、鈴仙、妖夢、フラン、咲夜、魔理沙

 

 

 

紫「…ブツブツ…どうして弾と一緒じゃないのよ…ブツブツ」

 

蓮子「しっかりしてよメリー!」

 

霊夢「……あの女…会ったらとっちめる!」

 

妹紅「さぁて…閻魔様にケンカ売りに行くか!」

 

幽々子「死ぬ気で頑張るわ~♪」

 

魅魔「おなじくぅ~!」

 

アリス「…死人と悪霊の死ぬ気は信用ならないわよ…」

 

霧の湖組 紫、蓮子、霊夢、妹紅、幽々子、アリス、魅魔

 

 

 

 

 

 

 

???《 …フォフォフォ…さて…準備はできたかの?

 

 

 

…いざ…開戦…!!

 

 

 




はい。ありがとうございました。

もう大結界異変の面影なし!今回の異変はザ!戦争です!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

秘神&花妖怪VS半人半霊&兎

ギリギリセーフ!


無名の丘

 

 

弾「…来たな…!」

 

永琳「ざっと……一万…程度かしら?」

 

鈴仙「…逃げちゃダメよ逃げちゃダメよ逃げちゃダメよ…」

 

妖夢「…スパンッ…チャキ!」

 

咲夜「…弾様…!あちらに…!」

 

フラン「…あれは…?」

 

魔理沙「…!」

 

弾達の眼前に広がっていたのは数えきれないほどの妖精の大軍団だった。その最前列の中央、ちょうど弾と永琳の真ん前に主犯であろう二人が並び立っている。

 

弾「…幽香…!隠岐奈…!」

 

幽香「…うふふ…さすがに知られているわよね…!」

 

隠岐奈「…だがちょうど良い。馬神 弾、お前に用があったのだ」

 

日傘をさして妖艶な笑みを浮かべる幽香…そして以前の異変のように椅子に座って鼓を持った隠岐奈…幻想郷最強の二人の妖力と神力は弾も少し身震いさせた。

 

弾「…悪いが…幻想郷の創界神の力を渡すことはできない」

 

隠岐奈「幻想…そうかい…それは今ここで殺して欲しいってことで良いんだな!?」

 

弾「お前達全員倒すって意味だ!!」

 

幽香「…なら散りなさい…!マスター…スパーク!!」

 

幽香は隣にいた隠岐奈の提案を一蹴した弾に閉じた傘を向ける。すると傘の先から黄色い極太ビームが放たれた。地面をえぐりながらマスタースパークが弾に向かっていく……

 

妖夢「斬!!」

 

幽香「…ち…」

 

隠岐奈「やれ!」

 

妖精達《ワァァァァァァァァ!!》

 

弾にぶつかる直前妖夢が割って入り、マスタースパークを縦に一刀両断して軌道を反らした。それが戦いの火蓋を切って妖精達が弾達に襲いかかった。

 

魔理沙「パチン!たとえ数が数でも中身は妖精!魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

 

ロロ《上からだ!》

 

咲夜「パチン!幻符『殺人ドール』!!」

 

初っぱなから『分神』した魔理沙は箒に乗って妖精達の上を取る。遅れて飛び上がった咲夜と同時に星の弾幕をばら蒔いた。咲夜も大量のナイフを投げつけ、妖精達を次々と一回休みにさせていく。

 

妖夢「パチン!氷命剣『極寒地獄(ニブルヘイム)』!」

 

妖精達《…カチーン…》

 

隠岐奈「…しまった…!生命力が…」

 

続けて『分神』した妖夢の抜刀術により、断末魔を叫ぶこと無く妖精達が凍ってしまう。これでは生命力を受けてパワーアップするどころか復活することもできない。

 

永琳「うどんげ!援護しなさい!」

 

鈴仙「は、はい!散符『真実の月(インビジブルフルムーン)』!!」

 

幽香「…ふんっ!」

 

隠岐奈「…これで良い…舞!里乃!時間を稼げ!」

 

舞「了解!」

 

里乃「殺す気で行くよー!」

 

鈴仙の弾幕が幽香に放たれるが、幽香は日傘をぶんっと振ってすべてをかき消してしまう。さらに隠岐奈は部下の舞と里乃を呼び出して戦力を増強させてきた。

 

妖精達《うぉぉぉぉぉぉ!!》

 

ペルセポネ《まずいわね…単純に数で押されてる…!》

 

隠岐奈「私達としてはお前達を倒せば良いんじゃない。お前達を押さえ込めればそれで良いんだ」

 

弾「よっと…!みんな!オレと永琳が何とか妖精達を押さえ込む!幽香と隠岐奈はまかせた!!幽霊姫『華胥の永眠』!!」

 

永琳「うどんげ!あなたは風見 幽香を!天呪『アポロ13』!」

 

咲夜「お供致します!幻符『殺人ドール』!!」

 

鈴仙「え!?」

 

さすがに幽香達と戦いながら七人で万近い数の妖精達は対処しきれない。すると弾が手のひらからピンクの蝶を放って妖精達を撃ち落とすと、魔理沙達にそう叫んだ。

 

それに続くように永琳の米粒弾と咲夜のナイフが妖精達の進路を邪魔していく。そして三人が妖精達を押さえ込みにかかった。

 

隠岐奈「…だがお前達を蹴散らせば話は同じ!」

 

妖夢「負けない!この剣には幻想郷の未来がかかってる!」

 

カグツチ《トトも正気に戻そう!》

 

隠岐奈は椅子から立ち上がって地面に足をつけて妖夢と向かい合う。妖夢も半霊マントをたなびかせて二刀を構えた。

 

妖夢「だぁぁぁ!」

 

隠岐奈「秘儀『七星の剣』!」

 

妖夢「ふんっ!ズバンッ!ズバンッ!はぁぁ!」

 

隠岐奈「…く…!バッ」

 

隠岐奈は七本のレーザービームで貫こうとするも妖夢は軽く楼観剣を走らせて次々に真っ二つにする。そのまま隠岐奈を斬ろうとしたが、隠岐奈は後ろに飛びずさった。

 

隠岐奈「ならば…!スチャ…」

 

カグツチ《…!トトの神話ブレイヴ!妖夢ちゃん!デカいの来るよ!》

 

妖夢「…こい!」

 

先ほどからの余裕綽々の表情を消して、隠岐奈は虚空から一丁のライフル『聖刻神銃ジェフト=グリフ』を取り出す。カグツチは体内で妖夢に注意を喚起した。

 

隠岐奈「…踊れ!刻符『タイムズスクエア』!!」

 

妖夢「う…キョロキョロ…!」

 

隠岐奈がジェフト=グリフの銃口から放った弾丸は妖夢の周りをぐるぐると周り出す。妖夢は回る弾丸に注意を巡らして、いつ自分に飛んできても良いように構えた。

 

隠岐奈「背後に気をつけな…!刻符『裏切りの聖刻射撃』!」

 

カグツチ《…!後ろだ!》

 

回る弾丸に気をとられていた妖夢の背後に隠岐奈が一瞬にして移動する。そして至近距離でジェフト=グリフの引き金を引いた…

 

妖夢「…ブワッ…遅い!」

 

隠岐奈「消え…ぐ…ズシャァァ…」

 

…が突如妖夢が氷になって隠岐奈の背後に回り込み、技の反動で動けない隠岐奈を背後から斬りつける。神とはいえ『分神』状態の攻撃は重く、隠岐奈はジェフト=グリフの銃身で受けるが威力を殺せずに地面を滑った。

 

隠岐奈「…ハァ…ハァ…だが距離さえ取れればこっちのものだ!」

 

妖夢「…それはどうでしょう?チャキ…」

 

滑ったのを利用して隠岐奈は妖夢から離れる。そのままジェフト=グリフを妖夢に向けたが…妖夢は追うことも弾幕を放つこともしなかった。

 

ただ白楼剣を鞘に戻し、腰を低くして右手の楼観剣を背中越しに顔の辺りまで持ってきて構えていた…

 

隠岐奈「…何を?…刻儀『リバースシーズン』!!」

 

妖夢「……断氷剣…『無限地獄(コキュートス)』」

 

 

ズバァァァァァァァン!!

 

 

妖精達《きゃぁぁぁぁ!!》

 

隠岐奈「ぐぁぁぁ!」

 

舞「御師匠様!」

 

里乃「なに…今の攻撃!?」

 

隠岐奈の手から四季のオーラが妖夢に迫ってくるが、氷を纏った斬撃が剣先から()()()()。そしてオーラや周りの妖精達ごと隠岐奈を斬り裂いた。

 

カグツチ《…飛ぶ斬撃…!修得してたんだ…!》

 

妖夢「当然です《…うわぁぁぁ!土壇場でできちゃったぁぁ!》」

 

隠岐奈「…ゴフッ!…ひ、秘技『裏切りの後方射撃』!」

 

妖夢が内心狂喜乱舞していると、隠岐奈は血を吐きながら無数の陰陽球を精製してくる。斬られて体力を消耗しているのに大量の使い魔を放てる辺り、さすがは賢者だろう。

 

妖夢「《落ち着け…!さっきと同じように…!》無限地獄(コキュートス)!」

 

永琳「…彼女こっちで正解だったわね!」

 

妖夢は再び集中を剣に込め、向かってくる陰陽球めがけて大きく振り抜いた。氷の斬撃が空を駆け抜けて陰陽球をぶったぎっていく。

 

妖夢「もう一発!!」

 

半霊マントを翻して妖夢は再び楼観剣を振り抜く。生み出された陰陽球はすべて斬り裂かれて消滅した。

 

妖夢「あとはあなたです!せいっ!」

 

隠岐奈「…バンバン!…っぅ…ガキンッ…!」

 

妖夢は隠岐奈の銃弾をかわすか剣で弾くと、一気に距離を詰める。隠岐奈はジェフト=グリフの銃身で受け止め、そのまま妖夢の楼観剣と火花を散らした。

 

妖夢「…キリキリ…!思い出してください!あなたは簡単に操られる神ではないはず!」

 

隠岐奈「…ギリギリ…!」

 

妖夢「…ガキンッ…!氷命剣『極寒地獄(ニブルヘイム)』!!」

 

隠岐奈「がぁぁぁ!!」

 

妖夢の渾身の一撃がジェフト=グリフを弾き、隠岐奈に大きな斬り傷を負わせた。生命力をコントロールできる彼女もそれすら『凍結』させる妖夢の剣には圧倒的に不利である。

 

 

舞「おのれ!よくも御師匠様を!」

 

里乃「師匠!助太刀します!」

 

隠岐奈「…すまない…!合わせろ!」

 

明らかに劣勢な隠岐奈の元に舞と里乃が駆け寄ってくる。そして二人が後ろで踊って生命力を高め、隠岐奈のジェフト=グリフにエネルギーが充填されていく…

 

妖夢「…さて…どうしよう…あの火力は斬れるかな…」

 

魔理沙「妖夢!私がやるぜ!恋心『ダブルスパーク』!!」

 

フラン「私も!禁忌『ドラゴニックトラップ』!!」

 

隠岐奈「発射!!」

 

膨大なエネルギーを斬ろうとした妖夢の両隣に魔理沙とフランが降り立つ。魔理沙は杖の先から、フランは鎧から二体の紫色の竜を呼び出して彼らの口から特大ビームをぶっぱなした。

 

魔理沙「ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

フラン「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

隠岐奈「…ぅぅ!」

 

舞「や、やば…!」

 

里乃「…スゴい…パワー…!」

 

後戸組の自然エネルギー波と魔理沙&フランの魔砲がぶつかり合い、余波によって辺りの地面が吹き飛ぶ。だが無限の魔力を持つ魔理沙がさらに火力をあげ、徐々に押し返し始めた。

 

魔理沙「おうりゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

ドゴォォォォォォン!!!!

 

魔理沙の雄叫びと共に押し返ったエネルギー波が三人を飲み込む。そして辺り一帯を巻き込んで大爆発を引き起こした。

 

隠岐奈「…ハァ…ハァ…」

 

舞「ぐぇ…!」

 

里乃「うげっ…!」

 

妖夢「ありがとう!」

 

魔理沙「へへーん…さてお前ら!どうだ?決着はこいつ(バトスピ)でってのは?その方が勝てる確率は高めだぞ?」

 

隠岐奈「…へぇ…こっちもそれは歓迎だ…!」

 

ボロボロの隠岐奈と二童子に魔理沙はデッキを取り出し、顔の前で軽く振って見せる。妖精達を通したい隠岐奈に取っても時間稼ぎとしてのバトルは狙い目だ。

 

妖夢「…二人をお願いできる?」

 

魔理沙「あぁ!おいしい所はやる!」

 

フラン「絶対勝ってね!」

 

 

「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

幽香「…うふふ…かわいいかわいいウサギちゃん…!私と…アソビマショ?」

 

鈴仙「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィィィィィィィィ!!ダダダダダ!」

 

クリシュナ《鈴仙ちゃん!逃げてどうするのよ!》

 

ヴィシュヌ《…マジか……》

 

一方その頃、優し~いお姉さんがニッコリ微笑んだ瞬間、鈴仙はまさにウサギの如く(本当にウサギだが)震え上がってガクガクになって逃げていた。

 

幽香「酷いわ…少しぐらい良いじゃない……マスター…スパーク…!」

 

鈴仙「ぎゃぁぁ!バッ!」

 

妖精達《にゃぁぁぁぁぁぁぁ!?》

 

クリシュナ《…案外こっちの方が良いかも…?》

 

逃げる鈴仙めがけて幽香はマスタースパークを連射する。だが機敏な鈴仙に当たることはなく、周りの妖精達だけが吹き飛んでいくことになっていた。

 

ヴィシュヌ《…そうだ…よっと…グシャ!…》

 

鈴仙「…へ?ヴィシュヌ様…?突然出て来てな…に…を………」

 

幽香「…………ブチィ…………」

 

鈴仙の言葉は最後まで続かなかった。なぜならヴィシュヌが右半分だけ鈴仙から出てくると、足を伸ばして咲いていた一輪の花を踏み潰したのだから………

 

鈴仙「…/(^o^)\」

 

幽香「ぶっ殺す!ダブルスパーク!!

 

鈴仙「ギィィィヤァァァァァ!!!!ヴィシュヌ様のバカァァァ!!!」

 

クリシュナ《…ワテクシもそれはちょっと…》

 

ヴィシュヌ《…ほ、ほら…おかげでさらに周りを気にしなくなったぞ…?》

 

ぶち殺スイッチが振りきれた幽香はなんと二人に分身し、二人で傘からマスタースパークを放ってきた。鈴仙はヴィシュヌに愚痴りながら再び走り出す。

 

 

幽香「待ちなさい!!花の仇!!

 

鈴仙「ギィィィヤァァァァァ!!」

 

戦場にマスタースパークの轟音と鈴仙の絶叫が響き渡った…

 




はい。ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やっぱりスキマはチート

…まさか…背景世界…デュオニュソスがラスボスだったなんて……元ネタで悪いエピソードないのに…タカミムスビとどう絡ませよう…



霧の湖の畔

 

 

紫「…全員構え!来たわよ!」

 

アレックス《…なんでしょう?後ろのは…?》

 

弾達が幽香&隠岐奈達と交戦し始めたのと同時刻、紫達も大量の霊魂が目に入っていた。しかもその後ろには地獄に住む魔物の姿も見える。もちろんそいつらの最前列にいたのは…

 

映姫「これはこれは…八雲 紫、それに博麗の巫女までもいるとは…ちょうど良いです」

 

文「あやや…やはり立ちふさがって来ますか…」

 

紫「…閻魔が霊魂を勝手に連れ出すなんて…あなたも堕ちたものね」

 

映姫「特例です。あなた達が幻想郷を歪ませ、醜い歴史を作ってきた罰ですよ」

 

紫「…またそれ…そんな屁理屈で幻想郷を荒らすのは許さない!」

 

たくさんの霊魂や死神を引き連れた映姫は操られていた幽々子と同じような理屈を言う。対して紫は映姫の言葉を一蹴して交渉の余地なしの意思を表明した。

 

映姫「…そうですか…まぁ期待はしていませんでしたが…残念です」

 

文「…手加減すらしないわよ?」

 

死神達《うぉぉぉぉぉぉ!!》

 

怪物達《ギシャァァァァ!!》

 

蓮子「…すぅ~…はぁ~……マザーコアよ…!私達を守れ!」

 

異界王「…ほぅ…百瀬 華実と同じ力か…」

 

映姫が杓を持ってない手で合図すると、一斉に死神達や霊魂、巨大な怪物達が紫達めがけて突進してくる。始めに迎撃したのは意外にも蓮子だった。

 

彼女の目の前の地面からおびただしい数の蔓が生えてきて、前列の死神達を一気に凪ぎ払った。

 

文「へぇ…でもただの数押しの()()()とは違って、こっちは『質』も良いわ。たった数人で止められると?」

 

紫「…ええ、そうね…()()()()ならね…」

 

文「…!?それはどういう」

 

???《こう言うことさ》

 

余裕そうに空中に腰かける文が動揺した瞬間、死神達と紫達の間に巨大な影が射し込んだ。驚いて文と映姫が空を見上げると、いつの間にか空は夜になっている。そこには……

 

霊夢「サジット!」

 

サジット《よ!弾から頼まれてな!》

 

ボルグ《こっちの戦力と敵との関係を考えたとのことです》

 

タウラス《それに今は俺たちぐれぇしか実体化できねぇし!だからおもいっきり暴れるぜぇ~!!》

 

降り立つったのは弾の化神達の十二宮スピリット達だった。シュタイン・ボルグが説明している最中にもタウラスは雷を纏って突っ込んでいく。

 

アリス「…心強い助っ人ね!」

 

キャンサード《大方の雑魚とあの地獄の怪物は任せろ》

 

スコル《尻尾ビーム!》

 

アクア《水瓶ビーム!》

 

怪物達《ぎゃぁぁぁ!!!》

 

さらにスコル・スピアとアクア・エリシオンのビームと水流が怪物達を貫く。他の十二宮も後列の怪物達に攻撃し始めた。

 

霊夢「私達もよ!雷符『博麗ケラノウス』!!」

 

ゼウス《儂らもできる限りの力を尽くす!》

 

幽々子「パチン!霊の扱いは慣れてるわ。死蝶『華胥の永眠』!!」

 

アプロディーテ《さらに精神攻撃は魂に効果的よ!》

 

十二宮に続いて霊夢の身体から電気が迸り、お祓い棒に収束していく。そして霊夢がお祓い棒を振り下ろすと強力な電撃が放たれ、霊魂や死神達を撃ち抜いた。

 

幽々子も『分神』して手をかざし、大量のピンクの蝶を放つ。精神に干渉できるようになった幽々子の攻撃は実体を持たない霊魂達には効果抜群で、当たった魂はポンッと消えていった。

 

映姫「…まさか…!」

 

妹紅「おおっと!閻魔様!あたしの魂!裁いてくれよ!おらぁ!!」

 

映姫「く!不意打ちとは卑怯な!」

 

スサノヲ《悪いな!どこぞの大蛇もそう言ったよ!》

 

苦虫を噛み潰したような顔をした映姫の後ろから妹紅が蹴りを入れる。咄嗟に飛び去った映姫はいつものお説教をするが、妹紅にとってはどこ吹く風だ。

 

妹紅「おらっ!」

 

映姫「はっ!」

 

妹紅が拳を出すが、映姫は杓で流していく。だが体内のスサノヲの力を存分に引き出している妹紅が若干映姫を押していた。

 

映姫「…ん…!小町!」

 

小町「はいよっ!」

 

妹紅「なに!?ぐぇ…!!」

 

映姫の指示と共に瞬間移動してきた小町が鎌で妹紅の腹を斬り裂いた。斬られた傷を炎で再生させながら妹紅は後ろに下がって距離を取る。

 

妹紅「イテテ…おいおい…お前は船頭係じゃなかったのかよ…」

 

小町「悪いねぇ…これも仕事なんだ」

 

映姫「流石です…平時でもこれぐらい働いてくれたら良いのですが……」

 

小町「ちょちょ…!今はやめてくださいよ…」

 

痛みを堪えて妹紅は皮肉る。それにいつものあっけらかんとした口調で答える小町だったが、隣の映姫の愚痴にあたふたと誤魔化した。

 

妹紅「ちぃ…!不死『火の鳥-鳳翼天翔-』!」

 

小町「あらよっと!」

 

映姫「審判『ラストジャッジメント』!」

 

妹紅「…うぉ!?」

 

負けじと妹紅はフェニックス型の炎を放つが、すぐさま小町が鎌を振るうと一瞬で二人の間の距離が遠ざかる。妹紅の炎が燃え尽きた瞬間距離が縮まり、映姫の杓型弾幕が妹紅を襲った。

 

妹紅「あぁクソ!こっちの攻撃は当たらないで向こうのは至近距離になるとか!」

 

映姫「その通り…それにしてもあなた本当に小町ですか?」

 

小町「いやいや四季様!そりゃないですよ!」

 

紫「そうよ♪罔兩『八雲紫の神隠し』♪」

 

小町「きゃん!?」

 

転がった妹紅に気をとられていたのか、突然スキマが開いて現れた紫の弾幕が二人に命中する。そして倒れた妹紅の隣に優雅に紫が着地した。

 

妹紅「…わりぃ…助かった…!」

 

紫「この二人が一番厄介そうだから加勢するわ。パチン!」

 

小町「…へぇ…それが『分神』ってやつかい」

 

映姫「…ふぅ…ですがあなたの『境界を操る程度の能力』は私の『白黒はっきりつける程度の能力』に致命的に弱い。それはあなたもわかっているはずです」

 

紫は指を鳴らして『分神』する。背中のスキマの翼が広がるのを見て小町と映姫は眉をひそめるも、映姫は冷静に相性の有利不利を指摘した。

 

それでも紫の顔から不適な笑みが消えることはない…

 

紫「…もう一度撃つわよ」

 

妹紅「…何か策があるんだな?」

 

紫「もちろん…境界『羅生門』!」

 

妹紅「…よっしゃ!海竜『八岐大蛇』!!」

 

紫の翼のスキマが鋭い刃になり、妹紅も両手から水の竜を作り出す。そのまま紫の二本の刃と妹紅の二体の水竜が小町と映姫に向かっていった。

 

映姫「無駄です。小町!」

 

小町「了解しまぐへぇ!!?」

 

映姫「きゃぁぁ!?」

 

妹紅「…なんだ?反対に近づいてきたぞ?」

 

小町は再び距離を取ろうとしたが、なぜか紫と妹紅の攻撃に距離を詰めてしまう。そのまま二人は被弾して地面に倒れ込んだ。

 

紫「確かに映姫の『白黒はっきりつける程度の能力』は私に効果的。でもそのプロセスは『歪められた森羅万象を元に戻す』という力。故に今使えばあの死神の能力も打ち消してしまうわ」

 

スサノヲ《…はっはーん…まさかお前、『距離を操る程度の能力』の方向の境界を反対にしやがったな?》

 

アレックス《…なるほど…それなら映姫さんの能力の影響を受けずに対応できますね。それを打ち消そうとしたら小町さんの能力も無効になってしまいますし》

 

紫「そういうこと…さて妹紅、悪いけど映姫を任せても良いかしら?そうは言っても私が戦うのは骨が折れるのよ…」

 

妹紅「良いぜ…その代わりあの死神どうにかしてくれ」

 

紫「…ボッシュート♪」

 

小町「ひゃぁぁ!!?

 

紫が倒れた小町の下にスキマを開いて落とす。そして紫自身もスキマの中に入っていき、ここに残ったのは無傷の妹紅と所々血が滲んでいる映姫だけだった。

 

妹紅「さぁ…続けようぜ!」

 

映姫「………!」

 

 

 

 

その頃、戦場の反対側では

 

 

アリス「魔糸『王羽緋糸(オーバーヒート)』!!」

 

魅魔「そぉぉぉい!」

 

『分神』状態のアリスの糸と魅魔のエネルギー弾が霊魂軍団を次々にかき消していく。だが二人が霊魂をいくら倒しても、際限なく魂達は進んできた。

 

アリス「…切りがない…!」

 

魅魔「…ならコイツらを実質的に統率しているヤツを探そう。あの閻魔よりかは下だが、この雑魚霊魂より格上のヤツだ…」

 

???「コケェェェ!さぁ、魂達よ!進め進め!!」

 

ヘラ《…あの子やない?》

 

マナカ《間違いないね。彼女だけ微弱だけど神力を放ってる》

 

ケイ《よし…!》

 

アリス「…任せて!星符『プルートシャリオ』!」

 

???「コケェェェ!?」

 

創界神達が見つけた金髪の鳥人間?めがけてアリスは魔力を込めたダルクシスを構える。そのままアリスはダルクリスから紫色の波動を放って鳥人間を撃ち落とした。

 

アリス「…あなた…確か…庭渡…久侘歌…だっけ?どうする?殴り合っても良いけど?」

 

久侘歌「…イタタ…げ!?……それでは勝ち目は薄そうですね…ならカードで…!」

 

ヘラ《案外簡単に聞いてくれたなぁ…》

 

魅魔「力の弱いやつはカードバトルの方が勝つ確率が高いからねぇ…それじゃ私は魂達を止めてくるよ」

 

落ちてきた庭渡久侘歌はビビりながらもアリスの提案を承諾した。今のアリスは魔界神の力を纏っており、これにビビらず殴り合えるのは五ボスか六ボススペックの実力者だけだろう。

 

アリス 久侘歌「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

暗黒テスト追試

受験シーズンですね。がんばれ受験生!


舞「こっちから行くよー!メインステップ!バーストセットしてエゾノ・アウルを召喚!ターンエンド!」

 

舞のフィールドに翼がタービンの白フクロウが現れる。

 

フラン「メインステップ!ナヴァラサドラゴンを召喚!アタックステップ!ナヴァラサドラゴンでアタックだよ!手札を一枚手元に置いて二枚ドロー!」

 

舞「もう?まぁ良いけど!ライフで受ける!バースト発動!氷のドラゴン!爆氷の覇王ロード・ドラゴン・グレイザー!

 

フランは足が触手状のドラゴンを呼び出して攻撃させる。ナヴァラサドラゴンは尻尾の蛇で舞のライフを砕くが、舞のバーストから氷の剣士ドラゴンが現れた。

 

フラン「ふーん…ターンエンド」

 

舞「メインステップ!ラクーン・ガードを二体召喚!さらにグレイザーをレベル2にアップ!!」

 

舞は勢いに乗って小さな機械の白獣を二体連続召喚する。グレイザーも剣を振り上げて雄叫びを挙げた。

 

舞「アタックステップ!グレイザーとエゾノ・アウルでアタック!」

 

フラン「どっちもライフで受ける!」

 

グレイザーの剣、エゾノ・アウルの風起こしがフランのライフを二つ砕いた。

 

舞「えへへ…ターンエンド!」

 

フラン「…んー…メインステップ。まずはシヴァを配置してコア二つ置く…そして死神壬龍ジェット・ザ・リッパーをレベル2で召喚!」

 

シヴァ《…あ…そのスピリットは…》

 

フランは手札を見て考えたあと、シヴァに続けて大きな鎌を持ったドラゴンを召喚する。シヴァはなんとなーくフランのやりたいことを察した。

 

フラン「ナヴァラサドラゴンをレベル2にしてアタックステップ!ナヴァラサドラゴン!もっかいアタックだよ!手元を増やして二枚ドロー!」

 

舞「これもライフ!」

 

再びナヴァラサドラゴンが飛び出すと、口から紫煙の炎を放って舞のライフをさらに砕いた。

 

フラン「ターンエンド!」

 

舞「…よし…メインステップ!ジェット・レイを召喚してグレイザーに合体!そのままレベル2!!」

 

舞は今引いたであろうカードをグレイザーにダイレクトで合体させる。現れた機械のエイが空中を泳ぎ、グレイザーは剣を口に咥えると、ドラゴンからエイのような身体に変化した。

 

フラン「…ダサっ!」

 

舞「…言ったな!!アタックステップ!合体アタック!!」

 

フラン「フラッシュタイミング!手札から時空の破壊魔龍ラクタ・ヴィージャ!直ちにバトルを終わらせるよ!!」

 

フランのダサイ発言に怒った舞はグレイザーに攻撃を命じる。対してフランは手札を切ってフィールドに黒い裂け目を生み出すと、一体の破壊魔龍を呼び出した。

 

ラクタ・ヴィージャは手のひらを飛んできたグレイザーに向け、衝撃波で舞のフィールドに押し返した。

 

舞「あ…ライフを削りきるには数が足りない…ターンエンド」

 

フラン「…ドローステップ……アハッ…メインステップ!暗く深き闇より来たれ!紫を纏いし龍皇よ…!辰の十二神皇ウロヴォリアス!召喚時効果で封印!」

 

シヴァ《…やっぱりソイツか…!》

 

フランが一枚のカードをフィールドに出すと、地面に紫色の亀裂が走る。そして硬い大地を突き破って一体の紫魔龍が雄叫びをあげながら現れた。

 

さらにウロヴォリアスの力でフランのソウルコアがライフに吸い込まれた。

 

フラン「…ニヤリ…ターンエンド!」

 

舞「…なーんだ…アタックしてこないのか…スタートステップ」

 

シヴァ《ウロヴォリアス!呪縛だ!》

 

シヴァの声に呼応してウロヴォリアスが身体から紫色の龍を放ち、舞のスピリット達を拘束する。グレイザーは自身の『重装甲』で防いだが、残りの三体は完全に身動きがとれなくなった。

 

舞「な、なにこれ…!?」

 

フラン「…ウロヴォリアスはね…相手の各ステップ開始時にスピリットのコアを一つずつトラッシュへ置けるんだよ?エゾノ・アウルのコアを指定」

 

舞「あ!でもグレイザーはイタッ!!?」

 

舞の言葉はエゾノ・アウルが消滅したところで途切れる。なぜならそのタイミングでジェット・ザ・リッパーが妖しく光り、フランが右手で何かを握り潰す動作をすると、音を発てて舞のライフが砕け散ったからだ。

 

フラン「そしてジェット・ザ・リッパーはね…『死竜』スピリットが相手のスピリットを消滅/破壊した時、ライフを一つどっかーんできるんだよ?まずはひとぉぉつ……」

 

舞「そ、それって…!つまり…!」

 

フラン「…あなたのターンだよ?」

 

舞「…こ、コアステップ…ぎゃ!!」

 

ウロヴォリアスの呪縛がさらにラクーン・ガードを一体消滅させ、フランが今度は左手で拳を握る。すると舞のライフが再び爆発霧散した。

 

フラン「ふたぁぁつ…さぁ…最後だよ?」

 

舞「ひ…!ドロー…ステップ…」

 

フラン「みぃぃぃつ…きゅーとして…どっかーん…!!」

 

最後に残っていたラクーン・ガードが消滅し、フランが両手をバンっと叩く。そのまま舞の最後のライフも粉々に消し飛んだ!

 

 

 

 

 

魔理沙「ほぉ~…暗黒テスト追試ってか?」

 

里乃「テスト?まだ御師匠様は人を探してないよ?メインステップ!ワン・ケンゴーを召喚!そしてバーストセット!」

 

魔理沙の皮肉めいた問い掛けを里乃は真面目に受け止める。その流れで先行を取った里乃は頭に剣がついた犬を召喚した。

 

里乃「ターンエンド」

 

魔理沙「メインステップ!世界の創造主!創界神ロロを配置!神託でコアを一つ置いてターンエンド!」

 

ロロ《暗黒テストってなに!?》

 

対して魔理沙は背後にロロを配置するだけでターンを終えた。暗黒テストの詳細を知らないロロは冷や汗を流していたが…

 

里乃「メインステップ!カグツチドラグーンを召喚!このままアタックだ!アタック時効果で一枚ドロー!」

 

魔理沙「来たな…!ライフで受ける!」

 

里乃が呼び出したのは炎を纏ったオレンジ色のドラゴンだった。カグツチドラグーンは吠えて魔理沙のライフに飛びかかり、火炎放射で一つライフを砕く。

 

里乃「ターンエンド!」

 

魔理沙「…へぇ…メインステップ!エイプウィップを召喚!ソウルコアをコストに使ったので、リザーブとトラッシュにコアを追加!さらにグランドロー!デッキから二枚ドローだ!」

 

魔理沙は淡々とエイプウィップでコアを増やしていく。続けてグランドローを使用して手札も補充した。

 

魔理沙「バーストを張ってターンエンド!」

 

里乃「…ふーん…案外動かないんだ…メインステップ!ネクサス!暗雲射す鬼ヶ島を配置してオーガ・ドラゴンを召喚!召喚時効果で三枚オープンするよ!」

 

里乃の背後に黒い雲が立ち込めている鬼ヶ島が出現し、フィールドには黒い翼の西洋ドラゴンが現れた。そしてオーガ・ドラゴンの効果で里乃のデッキがオープンされていく…

 

里乃「…その中の爆覇炎神剣を回収!アタックステップ!カグツチドラグーンで再度アタック!!ワンドロー!」

 

魔理沙「ライフだ!バースト貰うぜ!丑の十二神皇アバランシュ・バイソン!封印はできないが、召喚してワン・ケンゴーをデッキの下へ!」

 

カグツチドラグーンがもう一度炎を放つ。だが魔理沙もバーストから要塞の水牛が氷を砕いてワン・ケンゴーをバウンスしながら現れた。

 

里乃「十二神皇…!ターンエンド」

 

魔理沙「へへ!メインステップ!吹き荒れる台風!落ちる雷!!超 十二神皇ゲイルフェニックスZをレベル2で召喚!」

 

勢いのまま魔理沙のフィールドに緑の竜巻が吹き荒れる。その竜巻を突き破って六枚羽のサンダーバードが魔理沙の傍らに降りてきた。

 

魔理沙「アタックステップ!ゼファー!ぶっ飛ばせ!封印して雷飛翔を使う!1コストで回復だ!」

 

里乃「ライフ!そしてバースト発動!!炎のドラゴン!爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!召喚!」

 

ゼファーの嘴が里乃のライフをつつき壊すが、里乃のバーストから吹き出した炎が一体のドラゴンを形作ってフィールドに降り立つ。そして腰の刀を抜いて大きく吠えた。

 

魔理沙「うっし!ターンエンドだ!」

 

里乃「さぁて…!メインステップ!バーストセット!そしてバゼルをレベル3に!アタックステップ!バゼルで攻撃ぃ!」

 

里乃は再びバーストをセットし、レベル3にしたバゼルをアタックさせる。バゼルは刀を構えて飛び上がり、里乃のバーストを強制的にオープンさせた。

 

里乃「バゼルの効果!自分の『相手のスピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後』のバーストを発動できる!爆覇炎神剣!一枚ドローしてエイプウィップを破壊!!」

 

魔理沙「…ぜったい何か手札にあるな…ライフで受けるぜ!」

 

里乃のバーストから炎の剣が現れてエイプウィップを切り裂く。そしてレベル3の効果で回復したバゼルが魔理沙のライフを斬り捨てた。

 

里乃「残念、ターンエンド」

 

魔理沙「メインステップ!超・風魔神、そして爆魔神を召喚!超・風魔神をゼファーに、爆魔神をバイソンに合体!」

 

魔理沙は風の異魔神と火山のような熱い異魔神を召喚してゼファーとバイソンに合体させる。

 

魔理沙「こいつで…!とどめだ!光を受けしフェニックス!輝きの神皇ゲイル・フェニックス・オーバーレイ!!超・風魔神、爆魔神と合体だ!」

 

魔理沙の中心に再び竜巻が巻き起こる。だが今回の竜巻は緑の風だけではなく金色の光も逆巻き、現れたのは翼にオーバーレイの銀のアーマーをつけたゲイル・フェニックスだった。

 

そして二体の異魔神がゲイル・フェニックス・オーバーレイに力を注ぎ、翼を銀色に染め上げる!

 

魔理沙「パチン!アタックステップ!羽ばたけ!ダブル合体スピリット!!爆魔神の効果でオーガ・ドラゴンを破壊だ!」

 

里乃「く…!フラッシュタイミング!マジック!絶甲氷盾を…」

 

ロロ《悪いが超・風魔神の効果で手札のカードは使えないぞ!》

 

『分神』魔理沙と同じ銀色のオーラを放出しながらゲイル・フェニックス・オーバーレイが里乃めがけて飛び出す。里乃が使おうとしたマジックも超・風魔神の風が使用を封じ込めた。

 

里乃「ええ!?ば、バゼルでブロック!!」

 

回復していたバゼルが口から炎を放つが、ゲイル・フェニックス・オーバーレイは翼で軽く羽ばたいて打ち消す。そのままゲイル・フェニックス・オーバーレイは翼を銀の刃にしてバゼルをすれ違い様に切り裂いた!

 

魔理沙「バトル終了時2コスト支払って回復!!これで終わりだぁぁぁ!!!」

 

ゲイル・フェニックス・オーバーレイが銀色の鳥になって里乃のライフに突っ込んだ!!

 

 

 

 

 

 

フラン「魔理沙~終わったよ~!」

 

魔理沙「おう!ちょうどこっちも終わったところだ」

 

フラン「よーし!なら早く弾にいさまを助けにいこ!」

 

戻ってきた二人は倒れた舞と里乃を放置して妖精軍団を食い止めている弾達の元へ向かった。

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

母よ。その真意は…

四章のカードリストや背景世界の公開でテンション上がってるぜ!


無名の丘 魔理沙とフランがバトルしている頃

 

 

幽香「待て!この残忍ウサギ!!」

 

鈴仙「ヒィィィィィィ!!まだ追ってくるぅぅぅぅ!!」

 

もう辺りの地面すら凪ぎはらって迫ってくる幽香に鈴仙は全速力で逃亡していた。傘の先からのビームや花びらカッターを紙一重でかわして逃げていく。

 

幽香「死ね!マスタースパーク!!」

 

妖精達《ひぎゃぁぁぁぁ!?》

 

鈴仙「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!バッ!」

 

何度目か分からない幽香のマスタースパークが鈴仙すれすれに飛んでいき、その列の妖精達が吹っ飛ばされる。

 

幽香「この……!!「「ダブルスパーク!!」」

 

妖精達《おんぎゃぁぁぁぁ!!?》

鈴仙「びぎゃぁぁぁぁぁぁ!!ズザザ!」

 

しびれを切らした幽香はなんと二人に分身してマスタースパークを放つ。だがそれも鈴仙は地面に這いつくばってかわし、またもや先にいた数百の妖精達が飲み込まれていった。

 

クリシュナ《鈴仙ちゃん!もう戦ったら!?》

 

ヴィシュヌ《…そろそろ妖精も減ったぞ?》

 

鈴仙「ムリムリムリムリムリムリコワイコワイコワイコワイコワイシヌシヌシヌシヌシヌシヌ」

 

クリシュナ《大丈夫よ!ワテクシ達がついてるわ!》

 

鈴仙「……ぅ…(/ω・\)チラッ」

 

幽香「マチナサァァァァァァイ!!

 

鈴仙「ギャァァァァァァァァァ!!」

 

体内の創界神達に勇気づけられ、鈴仙はチラリと後ろを振り向く。だが一人に戻ったものの、あまりにも怖すぎる幽香の顔に耐えられず再び逃げ出してしまった。

 

ヴィシュヌ《…どしよ……》

 

幽香「鬼ごっこは終わりよ!草よ!木よ!」

 

鈴仙「ピシイッ!きゃ!バタンッ!」

 

幽香が傘を持っていない手を挙げると、辺りから蔓状植物がにょきにょきと生えてくる。その蔦が逃げる鈴仙の左足を絡めとり、転倒させてしまった。

 

幽香「うふふ…つ~かまぁえ~た♥️」

 

鈴仙「うう!…ジタバタ…や、ヤバい……!!」

 

幽香「…あらあら、そこまで嫌うことないじゃ…ない!」

 

鈴仙「ひっ…あぅ!!」

 

何とか足の蔦を外そうともがく鈴仙だったが、固く絡みとられて外れない。必死にじたばたしているうちに幽香は動けない鈴仙の左頬を蹴り抜いた。

 

怒りの大妖怪の一撃はただのウサギの鈴仙にとっては洒落にならない威力だった。衝撃で鈴仙の身体が吹き飛ぶが、蔦がピンっと張って仰向けに地面に落ちる。

 

幽香「ゲシッ!ほら…!あなたに踏みつけた花の痛みがわかるかしら?ゲシッ!」

 

鈴仙「が…!ぎゃ…!」

 

クリシュナ《…ぅ…ま、まずいわ……!》

 

ヴィシュヌ《…ぃ…!俺たちも…!どうにかしないと…!》

 

幽香は倒れた鈴仙を見下げて何度も踏みつける。鈴仙はさらに身体に巻きついた植物によって反撃したくても何もできない状態だった。持っていたルナティックガンも植物が押さえ込んで銃口を幽香に向けられない。

 

幽香「ん~…さぁて…それじゃあ……土に還れ…!

 

鈴仙《…あ…死んだ……私はここで死んで地獄に落ちるんだ……仲間を捨てて敵戦逃亡も加えてどんな判決を…》

 

クリシュナ《ヤバッ…鈴仙ちゃんのメンタルが…!どうすれば良いの……!?》

 

蹴るのに飽きたのか幽香は日傘を鈴仙の眉間に突き立てると、エネルギーを貯め始める。鈴仙ももはやこれまでとメンタルが折れかけ、体内のクリシュナもどうすれば良いか分からずに狼狽えていた……

 

 

 

ヴィシュヌ《おいお前、いい加減にしろよ。弾達が死ぬ気で戦っているのに諦める気か?》

 

鈴仙《…で、でも…もうこれ以上……!》

 

ヴィシュヌ《別に良いぜ?俺は諦めることを否定しない。でもな…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

鈴仙は現実から意識が離し、精神世界でヴィシュヌの言葉を聞いていた。そのヴィシュヌの目はいつも通り腐った魚の目だったが、気だるげな感情は一切ない。

 

ヴィシュヌ《…それがお前の『本物』か?》

 

鈴仙「…へ…」

 

ヴィシュヌ《お前は自分に仮面をつけて…「どうせ私なんか」とか「地獄に落ちる臆病者だし」とか言い訳してる。それは甘く、優しい『偽物』だ》

 

ヴィシュヌは鈴仙の目を鋭く見つめてそう言葉を投げ掛ける。いつもの辛辣な口調とは違って今のヴィシュヌはとても真剣だ。

 

ヴィシュヌ《…聞かせてくれ…お前の『本物』は何だ!?お前の本当に欲しいモノは何なんだ!?》

 

鈴仙《……私が……欲しいモノ……》

 

ヴィシュヌの問いに鈴仙はぼうっと自分の内面に思いを馳せる。…ずっと考えないようにしていた…どうせ手に入らないモノだと思っていたから…それでも……こんな弱くて臆病者な自分でも……望んで良いなら…………

 

鈴仙《…私は…笑って暮らせる平和が欲しい…!その…どう表現すれば良いか分からないですけど…戦争のない…楽しさに溢れた世界……なんていえば…》

 

ヴィシュヌ《…俺の恩師もそんな世界のことを望んでた…ラブ&ピースの世界…って言ってたぜ。永琳の親父さんだ》

 

鈴仙《師匠の…愛と平和ですか……夢物語ですかね…》

 

ヴィシュヌ《…少なくとも弾や先生はそうは思っていなかった。上等だ…!目指そうぜ…!ラブ&ピースの世界を!》

 

 

 

 

ヴィシュヌはぎこちなくニコリと微笑み、鈴仙の意識を現実に戻す。気づくと幽香のマスタースパークのエネルギーが日傘に貯まる寸前だった。

 

鈴仙「…はは…」

 

幽香「…何がおかしいのかしら?」

 

鈴仙「…何故って…何かいけそうな気がするからよ!はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そう言った瞬間、鈴仙の身体から星のエネルギーが滲み出す。その勢いはだんだんと強くなり、幽香は思わず後ろに後退した。そして絡みついていた植物を引きちぎり、立ち上がった鈴仙は臆病の感情を微塵も出さずに幽香と向かい合う。

 

鈴仙「…すごい…!波長を操ってないのに…力が溢れてくる!」

 

クリシュナ《…ヴィシュヌ様…さすがです…!》

 

ヴィシュヌ《…俺じゃねぇよ…こいつが一歩踏み出した結果だ》

 

今の鈴仙は背中に赤いマフラーが翼のように伸び、膝下や肘下、そして胸から肩にも赤いアーマーがつけられている。そして胸アーマーには星空に満月のマークが目を引いた。

 

幽香「ちぃ…!くらえ!ブンッ!」

 

鈴仙「きゃ!バッ!……え?」

 

幽香の日傘を一撃をかわした鈴仙は自分がやったことに驚いた。自分としてはいつもの感じでかわしたつもりだったが、実際は軽く数メートルも距離が離れたからだ。

 

鈴仙「…なるぅ~♪せいっ!ビュン!」

 

幽香「ぐふぅ!?は、速い…!」

 

クリシュナ《ナイス右ストレート!こっから反撃よぉ!》

 

『分神』状態を理解した鈴仙は足に力を込めて一気に幽香の懐に潜り込む。そこから強烈な右パンチを幽香の胸におみまいした。元々の『波長を操る程度の能力』による強化も合わさって大妖怪の幽香ですら笑えないダメージになる。

鈴仙「まだまだよ!は!」

 

幽香「バキッ!が…!この!グハッ!」

 

ヴィシュヌ《…良いぞ…!パワータイプの風見 幽香にスピードが爆上がった鈴仙は相性が良い。相手の攻撃をかわして連続攻撃をぶちこめる!》

 

勢いに乗って鈴仙は連続で拳を突き出す。幽香も日傘や蔦植物で鈴仙を捉えようとするも、残像すら残るスピードの鈴仙を捕まえることができない。

 

鈴仙「…!…波長が…いや…『衝撃』が拳に宿ってる…これが『分神』の力なの…?」

 

幽香「ハァ…ハァ…!舐めるなぁ!「「ダブルスパーク!!」」

 

鈴仙「おおっと!バビュンッ!」

クリシュナ《鈴仙ちゃん!私の神話ブレイヴ使って!》

 

ラッシュに怯む幽香だがすぐさま分身してマスタースパークを放ち、鈴仙はバク転しながら飛びず去る。すると体内からクリシュナが自らの神話ブレイヴ『神龍甲笛バガヴァット・ギーター』を鈴仙の手に渡した。

 

鈴仙「…ぅ…笛…私吹けたっけなぁ…」

 

クリシュナ《違う違う!それはルナティックガンの銃身に取り付けるのよ!》

 

鈴仙「…え?ええと…ガサガサ…あった!ガチャガチャ…」

 

幽香「でぁぁぁぁぁぁ!!」

 

クリシュナの指示に鈴仙は辺りに落ちていたルナティックガンの銃身にバガヴァット・ギーターの差し込み、何やら調整を施す。だが幽香はその隙に鈴仙の背後から日傘を振り下ろした……

 

鈴仙「クルッ!発射!ドォンッ!!!」

 

幽香「ゴフッ!?」

 

鈴仙「ふぅ…大型銃も訓練してて良かった…ってか変な形になったわね…」

 

振り向き様に弾丸を放って幽香を後退させた鈴仙はそうぼやく。彼女の目線の先にはバガヴァット・ギーターが合体したルナティックガン…その上部の反動を抑えるグリップや銃身後から出たバガヴァット・ギーターの笛の穴が鈴仙にはヘンテコに見えた。

 

クリシュナ《その穴はエネルギーをそこから入れるためよ。ワテクシはバガヴァット・ギーターを奏でる時に口から神力を込めるのだけど……》

 

ヴィシュヌ《…スペルカードでも入れてみたらどうだ…?》

 

鈴仙「いやいや…入るわけ…シュンッ…あ…入った…」

 

幽香「もう手加減しない!天霊『天使長の光』!!」

 

試しに鈴仙がバガヴァット・ギーターの歌口にスペルカードをかざすと、光の粒子になってルナティックガンに吸い込まれた。一方イシスの力を無理矢理使って幽香は空に飛び、無数の光弾を浴びせようとする。

 

鈴仙「…やってみよ!散符『真実の月(インビジブルフルムーン)』!!」

 

ルナティックガンの持ち手とグリップを掴み、鈴仙は銃口を空の幽香に向けて拡散弾を放つ。初動が遅れたのにも関わらず鈴仙の散弾は幽香の光弾をすべて打ち消した。

 

鈴仙「今度はこっちからよ!星符『宇宙駆ける兎』!ドゥンッ!!」

 

幽香「…ズキッ…ぅ…あぁ!!」

 

もう一度ルナティックガンからエネルギー弾が放たれる。今回は拡散弾ではなく、白いウサギの形をした砲弾だった。疲労が貯まっていたのか幽香は避けることも迎撃もできずにくらい、そのまま地面に落っこちた。

 

鈴仙「さぁ!四天王さん!ケンカがこれならカードの腕も大したことないんじゃない!?」

 

幽香「…この…!やってやるわ!デッキを出しなさい!」

 

鈴仙の挑発は幽香のプライドを傷つけるのには十分だった。これで二人はリアルファイトからカードでのバトルに移る。

 

鈴仙 幽香「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

霧の湖 幽々子&霊夢サイド

 

 

幽々子「ふぅ…あらかた片付いたわね」

 

霊夢「…あ!あいつ!!」

 

???「……霊夢…こちらにいたのか…」

 

雑魚幽霊達を撃ち落としていた霊夢は第二次春雪異変で出くわした謎の女性を見つけていた。

 

霊夢「さぁて…この前は萃香にぶん投げて逃げたからとっちめられなかったけど…今日その分まで退治してやるわ!」

 

???「…ふふふ…ずいぶん立派に博麗の巫女を務めているじゃないか…」

 

霊夢「…はぁ?なに言ってんのよ!霊符『夢想封印』!!」

 

謎の女性の言葉を無視して霊夢はお札を構えて虹色の光弾をばらまく。謎の女性はしばらく何もせずに虹色の弾幕を眺めていた……が…

 

???「霊符…『夢想封印』…!!」

 

霊夢「はぁ!?」

 

ゼウス《霊夢と…同じ技…!?》

 

幽々子「…ウソ…まさか…!」

 

なんと謎の女性もお札から虹色の光弾を放ってきた。二人の夢想封印は空中でぶつかり、弾けて辺りを七色に照らした。

 

霊夢「な、何でそれを使えるの!?夢想封印は博麗の巫女しか使えない秘術のはず…!」

 

幽々子「…ええ、そう…なら答えは簡単よ?まったく…変装術も上手くなったものね……霊奈?」

 

霊夢「……え……?」

 

???「…ブゥン…はんっ…お前は相変わらず気味悪い雰囲気だな、幽々子?」

 

霊夢の隣の幽々子がそう指摘すると、謎の女性は手のひらを顔にかざして何やら呟く。そして揺らめいて変わった顔は霊夢に似通っていた…まるで本当に血の繋がった親子のように…

幽々子「あらひどい。仮にもあなたの旧友の映姫や萃香をまるで道具のように操ってるのはなぜ?」

霊奈「…旧友?お前達が?笑わせる!都合の良い道具の間違いだろ!?」

 

霊夢「え、お、お義母さん…?」

 

霊奈「霊夢!騙されるな!コイツらが幻想郷にいる限り、平和な世界は巡ってこない!!」

 

霊奈は幽々子の『旧友』発言を拒絶し、霊夢に語りかける。今の霊夢は幼い頃いなくなった母親が敵として現れたことにまだ気持ちを整理できていない。

 

幽々子「…ならあなたの平和な世界ってなぁに?」

 

霊奈「…人間が無事に笑って過ごせる世界だ!その世界にお前達妖怪は必要ない!いやむしろ害悪でしかない!!」

 

幽々子「…あなたが一番『人間と妖怪の共存』を望んでいたのでは?こちらはいつも手を伸ばして歩み寄っているのに?」

 

霊奈「手を伸ばす?笑わせるな!お前達は人里を『恐れ』の家畜小屋扱いして歩み寄ろうともしなかっただろう!人間の平和をため、お前達妖怪を絶滅させることこそが最適解だと分かったからだ!!」

 

幽々子の説得も今の霊奈には聞き入れられない。彼女を支配しているのは以前まで紫達が放置していた『幻想郷の矛盾』に対する怨念だった。

 

すると霊奈はいまだに呆然と立ち尽くしている霊夢の方向を向いて優しく話しかけた。

 

霊奈「霊夢…私は人間の…お前の明るい未来を願っている…嘘八百のコイツらとは違うんだ」

 

霊夢「………」

 

霊奈「どうだ?今からでも私が話をつければあの方も納得してくれるぞ?また親子一緒に暮らせるんだ…」

 

霊夢「……………」

 

霊奈の説得で霊夢の心はさらにごちゃごちゃに乱れることになった。『博麗の巫女』の立場としては彼女の提案など断じて受け入れられるものではない。しかし『博麗 霊夢』としては大好きだった『育ての親との暮らし』と言うのは欲しくて堪らないものだった。

 

霊夢が決断できずに目を伏せていると……

 

蓮子「霊夢!幽々子さん!伏せて!!『パイロキネシス』!!」

 

霊奈「ぐぅ…!」

 

幽々子「…ぅ…ものすごい爆発…!」

 

空から蓮子が霊夢と霊奈の間に飛び降りて地面を爆発させる。霊奈は腕で顔を隠して後退り、霊夢は幽々子がバリアを展開して爆風を防ぎきった。

 

蓮子「あなたにメリーを悪く言う権利はないわ!『パイロキネシス』!!」

 

霊奈「…ちぃ…!射命丸!」

 

文「ハイハイ…!『幻想風靡』!!」

 

蓮子が再び手をかざしてパイロキネシスを放とうとすると、上空から文が急降下してきて弾幕をばらまく。蓮子の強烈な熱線と文の光弾が辺り一面を大爆発に巻き込んだ。

 

霊奈「…うぉ…!ふふ、霊夢!また会おう!バッ」

 

蓮子「…逃げられた…!」

 

文「あちち!焼き鳥になるぅぅ!!え、ちょっと!」

 

爆発の風に乗じて霊奈はお札のカーテンでその場から姿を消す。一方文は火の粉が引火したのか、背中の炎を飛び回りながら消そうとしていた。

 

幽々子「…まずはあなたを倒すべきね。星符『エリダヌストルネード』!!」

 

文「…!スチャ…風神『二百十日』!!」

 

そんな文めがけて幽々子は取り出したバタフライ・エフェクトを向け、大量の花びらを放つ。文もすぐさま懐から葉団扇を出し、突風を使い、スペルカードで作った弾幕を後押しする。

 

幽々子「バサッ!神華『反魂華』!!」

 

文「え!?く…!バッ!」

 

幽々子「だめ押しよ!星符『源氏星無余涅槃』!!」

 

文「…避けられ…ぎゃ!!」

 

文は飛んできた幽々子が拳を振るったことに驚く。普通の彼女らしくない直接攻撃を文は身をよじってかわすが、バタフライ・エフェクトから精製された追撃の金色蝶が文の身体を貫いた。

文「あやや……!!」

 

幽々子「どう?このまま殴り合いをすれば確実にあなたは死ぬわ。カードなら望みがあるかもよ?」

 

 

文「…なら…カードで私が勝てばあなたの命を貰います…!」

 

幽々子「…良いわ。殺せるものなら殺してみなさい!」

 

 

幽々子 文「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』鈴仙は『手足に赤いアーマー』『背中に赤いマフラー』『胸部アーマーに満月マーク』、ビルドのラビラビっぽい感じです。バガヴァット・ギーターをはめたルナティックガンはフルボトルバスターのオマージュです……


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

一つの決着

妖夢「…大丈夫…勝てる!」

 

隠岐奈「秘神の力!見せてやろう!メインステップ!電人トレインを召喚!召喚時効果で四枚オープンする!」

 

隠岐奈は白いロボットを召喚してデッキをサーチする…ラインの黄金、聖刻兵シールダー・ジェネス、聖刻神機ジェフティック=トト、そして聖刻騎兵エース・ヘジェウル。

 

隠岐奈「ジェフティック=トトを手札に!ターンエンド!」

 

妖夢「メインステップ!原初の炎!創界神カグツチを配置!神託を使用してコア二個を置く!そしてバーストセット!!」

 

カグツチ《トトのアルティメットは苦手なんだよなぁ…》

 

妖夢は初手にカグツチを配置してバーストを伏せる。だが残りのコアが足りないので、後は何もせずにターンエンドした。

 

隠岐奈「メインステップ!世界の分析者!創界神トトを配置する!神託によってコアを二つ追加!さらに聖刻妃クイン・セシャトを召喚だ!」

 

トト《…………》

 

隠岐奈は背後にトトを呼び出すと、フィールドにファンネルを浮かべた女性スナイパーロボットを召喚した。

 

隠岐奈「ふむ…ターンエンドとしよう」

 

妖夢「メインステップ!機巧武者ジャコを召喚して一枚ドロー!さらに機巧獣ショウジョウを召喚!ジャコのソウルコアをショウジョウと交換します!」

 

妖夢のフィールドに白い猫型ロボットと甲冑姿の茶色い猿が現れる。一応妖夢はショウジョウにソウルコアを移動させたが、ドローステップを増やす『武装』には効果は薄いだろう。

 

妖夢「アタックステップ!ショウジョウでアタック!」

 

隠岐奈「きたか…ライフで受ける!」

 

ショウジョウが四つ足で駆け出し、隠岐奈のライフを引っ掻いて壊した。

 

妖夢「ターンエンド!」

 

隠岐奈「レベル2のトトはスタートステップ時にも攻撃できる!クイン・セシャトでアタック!」

 

妖夢「…ライフで受ける!」

 

トトが弾き出した数式の陣がフィールドに張り付き、クイン・セシャトがファンネルを飛ばす。そして妖夢めがけて突き刺し、ライフを一つ破壊した。

 

隠岐奈「そしてコア、ドロー、リフレッシュステップまで。メインステップ!聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウを召喚!トレインのスピリットソウルによって白シンボルを増やすぞ!」

 

トレインの周りに二つの白シンボルが浮かび、地面から現れたクイン・セシャトより大きなスナイパーロボットの召喚コストを軽減する。これで妖夢のスピリット除去やアマノオハバリの強制終了をメタってきた。

 

隠岐奈「まだ続くぞ!過去現在未来を滑る時の王者!聖刻神機ジェフティック=トト!界放でコアを二つ置き、レベル4へ!」

 

トトが再び数式をフィールドに展開する。そこからアーネジェウより大きいロボットが登場する。そのままジェフティック=トトはエネルギーを吸収して次の妖夢のターンに備えた。

 

隠岐奈「アタックステップ!行け!ジェフティック=トト!アタック時効果でジャコをデッキボトムに戻し、回復する!」

 

妖夢「…カグツチ様!」

 

カグツチ《よしきた!俺のコア二個と引き換えにジャコはそのままフィールドに残る!これならジェフティック=トトは回復しないよね?》

 

ジェフティック=トトのライフル弾がジャコに直撃したその時、カグツチの炎がジャコを包んで蘇生させる。ジェフティック=トトの効果は『戻したとき』回復するので『受けなかったものとして』残されては回復できない。

 

妖夢「さらにバースト発動!八百万の神の剣!機巧剣神アマノオハバリ!ライフを増やして召喚!コストはショウジョウから!ジェフティック=トトはライフで受ける!」

 

カグツチ《おまけにこいつも!》

 

カグツチの斬撃がフィールドに氷の竜巻を引き起こす。そして妖夢のライフを増やしながら二刀流のロボット剣士が降り立った。しかしBP差故かジェフティック=トトの射撃を妖夢はライフで受けた。

 

隠岐奈「ぐ…だがアーネジェウの効果でエンドステップにジェフティック=トトは回復する!ターンエンド!さらに相手のコア、ドロー、リフレッシュステップをこちらも行うぞ!」

 

妖夢「構いません!メインステップ!アマノオハバリをレベル2に!アタックステップ!アマノオハバリで攻撃!カグツチ様のレベル2効果で天界放を発揮!!」

 

カグツチ《トレインを手札に戻してアマノオハバリは回復する!》

 

 

ジェフティック=トトが妖夢のステップと共に隠岐奈のフィールドに干渉してコントロールする。だがそれでも怯まず妖夢はアマノオハバリをアタックさせ、二刀流の斬撃が耐性のないトレインをバウンスした。

 

隠岐奈「クイン・セシャトでブロッ」

 

妖夢「その前にフラッシュタイミング!アマノオハバリに煌臨!戦国統べる武の龍神!戦国将軍ジークフリード・魁!召喚時効果でBP15000以下のアルティメットを全破壊!」

 

隠岐奈がブロック宣言する前に妖夢はアマノオハバリに一体の龍皇を煌臨させる。鎧に長い槍を構えたジークフリードは自らを炎の槍にし、真っ直ぐ隠岐奈のアルティメット達に突撃した。

 

隠岐奈「無駄だ!アーネジェウの効果で破壊されない!」

 

妖夢「それを狙ってました!魁の効果!破壊されなかったとき、そのスピリット分シンボルを追加してブロックされなくなる!残ったのは三体!よってシンボルは合計五つ!」

 

隠岐奈「……え…」

 

魁の突進は隠岐奈のアルティメット達を一体も破壊できなかったが、その分突進力を増しながら魁は隠岐奈のライフに槍を突き刺す!

 

 

隠岐奈「ぐぅぅぅ!!」

 

妖夢「…成敗!!」

 

妖夢の一言のタイミングで魁はさらに槍に力を込めて隠岐奈のライフをすべて粉砕した!!

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「行ける…!たとえ相手が四天王でも…!」

 

幽香「メインステップ!天使統べる女神!創界神イシスを配置!神託の効果でコアを一つ置いて、トラッシュに落ちたイシスの力を回収!」

 

イシス《…………》

 

幽香はイシスを呼び出して神託によってトラッシュに置かれたイシスの力を手札に加えた。

 

鈴仙「メインステップ!世界の安寧司る神!創界神ヴィシュヌを配置!神託でコアを二つ追加し、落ちたミラージュカーテンを手札に!さらにムーンショウオを召喚!!」

 

ヴィシュヌ《…俺も…鈴仙の頑張りに答えるか…!》

 

鈴仙はヴィシュヌを配置すると、こちらもミラージュカーテンが鈴仙の手札に入る。そのまま青色のオオサンショウオもフィールドに呼び出した。

 

鈴仙「ターンエンド」

 

幽香「…メインステップ!エジットの天使ティティエルをレベル4で召喚してデッキ下からドロー。バーストをセットしてターンエンドよ」

 

幽香は小さな天使を召喚するだけでターンを終える。今の手札では展開できないと踏んだようだ。

 

鈴仙「…なら攻めてみる…?メインステップ!癒しの創界神!創界神クリシュナを配置!神託を発揮してコア一つを追加!そして神樹龍機ヴェーダーンガをレベル2で召喚よ!」

 

クリシュナ《張り切って行きましょ~!》

 

鈴仙はクリシュナを配置し、翼が月桂冠のようなドラゴンを召喚する。そして幽香の初動が遅いことを見て、こちらから攻めていくことを決めた。

 

鈴仙「アタックステップ!ヴェーダーンガでアタック!」

 

幽香「…きたわね…ティティエルでブロック!フラッシュタイミング!エジットの天使長ハトフェルを煌臨させるわ!煌臨時効果でライフのコアを置いて、ハトフェルは回復!」

 

アタックしたヴェーダーンガをブロックしようとしたティティエルが黄色い光に包まれる。光がやむとティティエルより大きな翼の天使がヴェーダーンガをビームで返り討ちにした。

 

幽香「…あら、私のライフが減ったわね。バースト発動よ。エジットの天使モニファーエルの効果でライフを増やしつつ召喚!」

 

鈴仙「…う…ブンブン!忘れろ忘れろ!ターンエンド!」

 

ハトフェルの効果で減ったライフをトリガーに、幽香のバーストから褐色の天使が召喚される。鈴仙は顔を振って気を取り直した。

 

幽香「メインステップ!バーストをセット、イシスの力を使ってエジットの天使長ネフェリエルを1コスト、レベル4で召喚!召喚時効果で下から二枚ドロー…うふふ…遅いわ…」

幽香の手札から黄色い光が放たれ、フィールドにファラオの姿の天使長が現れる。そしてドローされたカードを見て、幽香はニヤリと妖艶に笑った。

 

鈴仙「……くる…!!」

 

幽香「アタックステップ!行きなさい!ネフェリエル!ライフを一つ増やして回復する!フラッシュタイミング!ネフェリエルに煌臨!エジットの天使アセティエル!」

 

ネフェリエルが十字の杖を持ってアタックすると、幽香のライフが回復し、自身の姿も両手に火を灯した赤髪の天使に変わった。だがこれでアセティエルの効果は終わらない。

 

幽香「アセティエルの煌臨時効果!煌臨元のネフェリエル!再び召喚!そしてヴィシュヌのコアを三個ボイドへ!ネフェリエルの効果で二枚ドロー…維持コアはモニファーエルのを使うわ」

 

ヴィシュヌ《…んん…!》

 

鈴仙「げ…!ムーンショウオでブロック!」

 

アセティエルの身体から炎が空に昇る。その炎から煌臨元になったネフェリエルが再び現れた。

 

ダブルシンボル、しかも回復しているアセティエルの攻撃をライフで受ければ満タンの鈴仙のライフもすぐ削りきられてしまう。ムーンショウオはアセティエルに飛びかかったが、手の炎で燃やされてしまった。

 

幽香「今度はハトフェル!潰しなさい!もう一度ライフを置いて回復!そしてイシスの神域で効果でライフを一つ砕く!」

 

鈴仙「…っっ!ライフで受ける!」

 

ハトフェルが幽香のライフを吸収して黄色いビームを放つ。さらにイシスの杖からの光弾も合わせて鈴仙のライフを二つ破壊した。

 

幽香「さぁさぁ!ハトフェル!ライフを置いて三度回復!」

 

鈴仙「…仕方ない…ちょっと賭けになるけど…!フラッシュタイミング!ミラージュカーテン!このバトルでは私のライフは減らない!」

 

ヴィシュヌ《…そして俺のコア一つをボイドに戻してデッキトップの一枚破棄。それが『甲竜』か『神話』を持つなら召喚できる》

 

鈴仙が手札を掲げて前方に透明の幕を降ろす。さらにヴィシュヌが衝撃波を使って鈴仙のデッキトップをオープンさせ、空中に一枚のカードなら舞う……

 

鈴仙《…大丈夫…最後は私がカードに答えないと……!》

 

クリシュナ《…今の手札なら…》

 

ヴィシュヌ《…さて…鬼が出るか蛇が出るか…》

 

 

オープンされたカードは………クリシュナーガ・イクサト。

 

 

鈴仙「…ん…このスピリット…!」

 

ヴィシュヌ《…へへ…最高なの来たな!イクサトの召喚時効果で相手のバーストを破棄して手札のバガヴァット・ギーターをダイレクト合体だ!》

 

フィールドに現れたのは四つ足のロボットドラゴン…クリシュナーガ・イクサト。召喚されるや否やイクサトの咆哮が響き渡り、幽香のバーストが吹き飛ばされる。逆にイクサトの背中には砲台サイズの笛が装着された。

 

鈴仙「ハトフェルはイクサトでブロック!アタック/ブロック時効果でアセティエルをデッキ下に!さらにバガヴァット・ギーターの効果でハトフェルも手札に戻すわ!」

 

イクサトは翼を羽ばたかせてアセティエルをデッキボトムへ吹き飛ばす。さらに背中のバガヴァット・ギーター(砲台モード)からもビームが放たれ、BPが高いハトフェルも幽香の手札に返っていった。

 

幽香「…ターンエンド…」

 

鈴仙「よし!メインステップ!三龍宝剣アブソリュートキャリバーを召喚!そして世界を守る白銀の守護龍!維持神龍トリヴィ・クラマ!!アブソリュートキャリバーと合体!!」

 

ヴィシュヌ《…こんなのガラじゃねぇけど……!世界は…俺たちが守る!!》

 

クリシュナ《さぁ!反撃よ!!》

 

ヴィシュヌのビームがフィールドに落ちてトリヴィ・クラマがフィールドで雄叫びをあげる。そして地面に突き刺さっていたアブソリュートキャリバーを引き抜いて大振りに構えた。

 

鈴仙「アタックステップ!クリシュナーガ・イクサトでアタック!ネフェリエルをデッキボトムへ!!」

 

幽香「…ライフで受ける!」

 

イクサトの背中のバガヴァット・ギーターから大きな砲弾が発射されて幽香のライフを二つ破壊する。

 

鈴仙「これでおしまい!決めろ!トリヴィ・クラマ!!」

 

トリヴィ・クラマの六枚の羽からアブソリュートキャリバーにエネルギーが送られる。そしてフルパワーになったアブソリュートキャリバーが白いエネルギーの刀身が幽香の残りライフをおもいっきり振り下ろした!!

 

 

 

 

幽香「…………」

 

鈴仙「ふぅ…勝てたぁ……」

 

妖夢「鈴仙~!!無事…って…それ『分神』?」

 

気絶した幽香の隣で一息ついて座り込んだ鈴仙に妖夢が走ってくる。妖夢も気を失った隠岐奈を背負って鈴仙を見てそう正直に鈴仙の『分神』に反応した。

 

鈴仙「まぁね。そっちも終わったの?」

 

妖夢「なんとか…それよりもそのマフラー…ダサくない?」

 

鈴仙「ちょ!あなたのマントの方がへんちくりんよ!」

 

妖夢「ええ!?このカッコ良さがわからない!?」

 

ヴィシュヌ《…おーい…まだ戦闘中だぞ~…?》

 

カグツチ《早く弾君と永琳の援護しようよ!》

 

しばらくの間鈴仙と妖夢はお互いの格好を貶し合う。だがこっそり響いてきたヴィシュヌとカグツチの声に二人はハッと弾達の方向を振り返った。

 

弾「…この…霊符『夢想封印』!!」

 

永琳「薬符『胡蝶夢丸ナイトメア』!!」

 

妖精《きゃぁぁぁぁぁ!!》

 

妖精《うぉぉぉぉぉぉぉ!!》

 

咲夜「…ハァ…ハァ…倒しても倒しても…!復活してくる…!」

 

ペルセポネ《さすがに弾君や永琳さんでも…そろそろ手に負えなくなっちゃう!》

 

弾と永琳の丸い無数のエネルギー弾幕が妖精達を吹き飛ばしていくが、未だ戦場に満ち溢れていた生命力によってすぐさま妖精達が復活してきてしまう。

 

その数にそろそろ咲夜のスタミナが危なくなってきており、弾と永琳も顔に脂汗がにじんでいた。

 

妖夢「…鈴仙!行くよ!!チャキッ!」

 

鈴仙「ええ!スチャ!」

 

それを戦場の反対側から見ていた二人は楼観剣とルナティックガン(バガヴァット・ギーター装填)を構える。そして妖夢はスペルカードを掲げ、鈴仙はルナティックガンに挿入しながら同時に叫んだ。

 

妖夢「断氷剣『無限地獄(コキュートス)』!!」

 

鈴仙「シュンッ!維持『武主怒無羅素多阿(ヴィシュヌブラスター)』!!」

 

妖精達《きゃぁ…カチーン……》

 

妖夢の氷の斬撃と鈴仙の氷のビームが妖精軍団に直撃する。妖精達は断末魔をあげた瞬間に凍結し、巨大な氷山脈が立ち並んだ。

 

弾「…ふぅ…」

 

永琳「…まさか…うどんげ…『分神』できるなんて…」

 

弾「…信じてなかったのか?」

 

永琳「…そんなわけないわよ…」

 

妖夢「弾様!ご無事ですか!?」

 

鈴仙「ししょ~!」

 

そんな掛け合いをしていた弾と永琳の元に妖夢と鈴仙が駆け寄ってくる。静かになった戦場には肌寒い冷気が漂っていた……

 

 

 

 

 

???《…こっちは幻想郷サイドが勝ったねぇ…ま、向こうにはゼウス父上やスサノヲがいるからあっちも勝つか……今のうちに俺っちの『冥府』軍は引き上げとこ…》



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スキマ…神?

唐突ですが、ディオニュソスの酒蔵神殿が紅魔館に見えるのは自分だけですかね?


文「…四天王と名乗るのも今日までよ!」

 

幽々子「御生憎。四天王舐めないで…メインステップ。ゴッドシーカー 神華の妖精プリムラを召喚!召喚時効果でデッキを三枚オープン!」

 

幽々子は小さなピンクの妖精を召喚してデッキをオープンしていく。クローバーフィールド、創界神アプロディーテ、そして神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ。

 

幽々子「アプロディーテとアプロダイティを手札に。ターンエンド」

 

文「メインステップ!天空鳥ナイルバードを召喚!召喚時効果でデッキを五枚オープンして創界神ホルスを回収です」

 

デッキをサーチする幽々子に文もデッキをめくる。天空勇士セメン・バード、天空勇姫ネフェルス、創界神ホルス、天空鳥キジバトゥーラ、そして天空双剣ホル=エッジ。

 

文「ホルスを手札に加えてそのまま配置!神託を使い、コア二個を置くわ。ターンエンド」

 

ホルス《…………》

 

フィールドの小さな小鳥の効果で手札にきたホルスが文の後ろに現れる。

 

幽々子「メインステップ。バーストをセット。咲き誇れ!創界神アプロディーテを配置!神託によりコア三個を追加。さらに神華の妖精アザレアを召喚!」

 

アプロディーテ《私達の華はそんな風では散らないわ。アザレアの召喚時効果で手札のベラドンナフィールドを置いて二枚ドロー!》

 

アプロディーテに続いてフィールドに赤髪の妖精がベラドンナの花畑を咲かせながら現れた。

 

幽々子「ひとまずターンエンド」

 

文「…フム…メインステップ。バーストをセットして召喚!天空神皇バッジー・ペセド!召喚時効果で自身とホルスにコアブースト!さらに天空勇姫ネフェルスを召喚!もうコアを二個増やすわ」

 

文は棺桶の爪鳥と鎧姿の野鳥を呼び出して次々とコアを増やしていく。ホルスにも順調にコアが貯まっていった。

 

文「アタックステップ!ネフェルスでアタック!」

 

幽々子「ライフよ」

 

ネフェルスが優雅に空を舞い、風を引き起こして幽々子のライフを砕いた。

 

文「…ここでターンエンドです」

 

幽々子「…ホルスがレベル2になる前に攻めたいわね…メインステップ!ガーデニアフィールドを使って一枚ドロー…さらに美神霊杖バタフライ・エフェクトをアプロディーテにダイレクト合体よ!」

 

アプロディーテ《…パシッ!そしてガーデニアフィールドに煌臨!美しき神華の龍皇!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!》

 

幽々子はホルスのコアを警戒して白い花を咲かせる。さらにガーデニアの華をアプロディーテは手にした杖を光らせ、一体の龍皇に変化させた。

 

幽々子「アタックステップ!アプロダイティでアタック!効果で手札のオニユリフィールドをノーコストで使用!」

 

アプロディーテ《バタフライ・エフェクトの効果でその効果をもう一度使うわ!これでバッジー・ペセドとネフェルスをデッキの下へ!》

 

アプロダイティが甲高く嘶いてオニユリの花が花畑に加わり、バッジー・ペセドの力を吸いとってバウンスさせる。アプロディーテもバタフライ・エフェクトをクルクル回してネフェルスの力を奪って消し去った。

文「…く…!ライフで受ける!」

 

アプロダイティが身体をくねらせて近づくと、翼から光弾を放ってライフを破壊した。

 

幽々子「これで射程には入ったわ。ターンエンド」

 

文「…メインステップ!乙の白騎士アルパイン・ビット、そして神世界に吹く神皇の風!天空神皇ゲイル・フェニックス・ホルス!!レベル2で召喚!!」

 

文のフィールドに怪鳥にまたがったウサギの騎士、さらにホルスを中心に起こった竜巻から天空鳥の鎧姿のゲイル・フェニックスが羽を撒き散らしながら降りてきた。

 

幽々子「…あら…封印でライフが増えてしまうわね…」

 

文「アタックステップ!ゲイル・フェニックス・ホルスでアタック!封印を使って神飛翔!ホルスのコアを一つ置いて回復!とどめに旋風でプリムラとアザレアを重疲労させる!」

 

ゲイル・フェニックス・ホルスが風でプリムラとアザレアを地面に伏せさせる。さらにホルスのエネルギーを吸いとってゲイル・フェニックス・ホルスは力強く羽ばたいた。

 

幽々子「ライフで受ける。ライフ減少によりバースト発動!神華の妖精女王マリーゴールドの効果でオニユリフィールド!手札に戻しつつ発動よ!」

 

アプロディーテ《これもバタフライ・エフェクトの効果が乗るわ。これでゲイル・フェニックス・ホルスはデッキ下に返る!》

 

ゲイル・フェニックス・ホルスが嘴で幽々子のライフを砕くと、黄色い女王の妖精がオニユリの花を散らして現れる。アプロディーテがその散ったオニユリをバタフライ・エフェクトに纏わせ、ゲイル・フェニックス・ホルスめがけてぶちまけた。

 

そして大量のオニユリの花びらに包まれてゲイル・フェニックス・ホルスが文のデッキ下へ戻っていった。

 

文「…ち…アルパイン・ビットでアタック!効果でトラッシュのコアすべてをアルパイン・ビットに戻すわ!さらにホルスの神技をコア一つで使用!!」

 

アルパイン・ビットがコアをすべて戻し、レベル2のホルスが風を使って文のデッキを三枚めくる。その中の一枚のアルティメットを文は呼び出した。

 

文「召喚!!天空の双璧イネブ・ヴァルチャー!効果でアプロダイティとマリーゴールドを重疲労!」

 

幽々子「ならもう一度オニユリフィールドを使うわ。アルティメットに対してはBPマイナス効果は倍よ」

 

文がゲイル・フェニックス・ホルスにも匹敵する大きさの天空鳥を召喚してアプロダイティとマリーゴールドも地面にへばりつかせた。

 

文「…でも今のイネブ・ヴァルチャーはレベル5!BPは26000!例えオニユリフィールドが神話ブレイヴで二発になろうとも耐えられる!!」

 

幽々子「…うふふ…あはははは!!」

 

文「な…!?」

 

オニユリが再びフィールドに咲き始める中、文の言葉を幽々子は笑い飛ばす。幻想的な景色を背景に亡霊の幽々子の笑みは非常に艶やかで…不気味だった。

 

文「…何がおかしい!?」

 

幽々子「だって()()()()あなたはこんなミスしないもの!四天王(わたし)を倒すことに気を取られ過ぎたみたいね」

 

文「…はぁ?」

 

幽々子「…コンコン…これよこれ…序盤に置いたベラドンナフィールド…忘れてない?」

 

文「……あ…」

 

幽々子の指摘に文はハッと我に返る。ベラドンナフィールドがフィールドにある間、BPマイナス効果がさらにマイナス1000されるのだ。

 

幽々子「つまりオニユリフィールドは一回でBPマイナス13000…バタフライ・エフェクトで倍になれば計26000までバウンスできると言うことよ。アルパイン・ビットはライフで受けるわ」

 

アプロディーテ《だからイネブ・ヴァルチャーも射程範囲内よ!》

 

召喚されたばかりのイネブ・ヴァルチャーがオニユリに力を奪われて消えていく。アルパイン・ビットの槍が幽々子のライフを貫いたが、文はこれ以上攻める気が起こらなかった。

 

文「…ターンエンド…」

 

幽々子「メインステップ。神華の花畑に舞う神妖精!神華聖霊アプロ・ウラニアーを召喚!!召喚時効果でナイルバードをBPマイナス8000!」

 

アプロディーテ《ナイルバードは破壊できないけど…疲労はできるわよね?さらにバタフライ・エフェクトを合体!》

 

アプロディーテがふぅ~と息を吹きかけてフィールドの花びらを飛ばす。そして花びらが一体の神妖精を形成してフィールドに舞い降り、アプロディーテから投げ渡されたバタフライ・エフェクトを掴んで構えた。

 

幽々子「アタックステップ!舞え!アプロ・ウラニアー!オニユリフィールドを疲労させて回復!さらにアプロディーテのコアを二個置くことで、黄色シンボルを増やす!」

 

文「再びホルスの神技を使用!そしてめくられた天空鳳凰ホル=アクティで」

 

アプロディーテ《フラッシュタイミング!アイリスフィールド!効果は不発、でもバタフライ・エフェクトの効果は発動するわ。ブロックされなくなるのよ♪》

 

再び吹き荒れたホルスの風からホル=アクティが飛び出してアタックしてきたアプロ・ウラニアーを迎え撃とうとする。しかし咲いたアイリスに呼応したバタフライ・エフェクトがホル=アクティを弾いてブロックをさせなかった。

 

文「…ぐぅ…!ライフで受ける!」

 

アプロ・ウラニアーがバタフライ・エフェクトを文のライフに叩きつける。

 

幽々子「散りなさい。アプロ・ウラニアー!!」

 

回復したアプロ・ウラニアーが花畑からエネルギーを吸収して極太ビームをぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

一方その頃 スキマに落っこちた小町と紫は…

 

小町「…あんたとバトスピ(カードバトル)なんて…勝てる気がしないよ…」

 

紫「あら?物事に100%はないのよ?」

 

小町「…限りなく低いってことだい…メインステップ。バクモンを召喚してデッキを二枚めくるよ」

 

スキマ内で紫に逆らうのはNGだと踏んだ小町はカードバトルの提案を飲んだ。小町が初手に出したのは小さな獏のスピリット、その召喚時効果でデッキが二枚オープンされる。

 

小町「その中の『究極体』を持つベルゼブモンを手札に入れて後はトラッシュへ。ターンエンドだよ」

 

紫「メインステップ。ゴッドシーカー 超星使徒ペルディーダを召喚。こちらもデッキをめくらせて貰いますわ」

 

対する紫が召喚したのは片手に分厚い本を持った司祭ドラゴンだ。ペルディーダの効果で紫のデッキから、魔界竜鬼ダークヴルム、超星使徒コーディリア、そしてとあるカードがオープンされた……

 

紫「…!…よって二枚を手札に。そして…ヴィオレ魔ゐー魔族sideー配置!!神託を使ってコアを三個置くわ」

 

小町「…は!?」

 

紫が回収したカードを場に出すと、紫の身体が輝いて『分神』状態へと変わる。だが自身の創界神カードを出したことに小町は驚きを隠せなかった。

 

紫「あら?私も弾と同じように『神々の砲台』の力で『時空』を越えたのよ?なら創界神の素質があってもおかしくないでしょう?」

 

小町「………」

 

紫「ターンエンド」

 

小町「…メインステップ。バーストを張ってピコデビモンを召喚だ。そして一枚ドロー」

 

小町は気を取り直して小さなコウモリのスピリットを召喚してデッキから一枚ドローする。だが『進化』するにはコアが足りず、小町はターンを紫に返した。

 

紫「メインステップ。星よ!流星となって降り注げ!龍星皇メテオヴルムXを召喚!さらにバーストをセット」

 

小町「…星の龍かい…あんた達のシンボルだねぇ…」

 

紫「ええ。アタックステップ!龍星皇メテオヴルムで攻撃!激突!!」

 

空から落ちてきた隕石がフィールドに激突する。そこから出てきたメテオヴルムが炎に包まれて小町めがけて突っ込んだ。

 

小町「すまないがバースト貰うよ!ケルビモン(悪)を召喚してメテオヴルムXをBPマイナス10000。そのまま破壊だ!」

 

紫「へぇ…便利なバーストね。ターンエンド」

 

小町のバーストから禍々しい紫色の魔神が這い出してくる。そして向かってきたメテオヴルムを豪腕で受け止め、エネルギーを奪い去ってしまった。

 

小町「メインステップ。バクモンをレベル2にして旅団の摩天楼を配置。アタックステップ!『進化』の効果、バクモンを手札に戻すことで、コストを支払わずにデビモンを」

 

紫「うふふ…ゼロカウンター発揮…ノヴァドローの効果でBP合計10000分のスピリットを破壊しますわ」

 

小町「召喚…した瞬間に破壊かい!」

 

小町のバクモンが光りながら腕が槍状の悪魔に変わる…そのタイミングで紫は手札のマジックを放った。そして紫の手札から炎が飛んでピコデビモンと現れたばかりのデビモンを焼き尽くした。

 

小町「…だが手札から1コストで召喚!七大魔王の一柱!ベルゼブモン!召喚時効果でペルディーダのコアを外す!」

 

小町も二体のチリを一つに収束させて革ジャンに二丁のショットガンを構えた魔人を召喚する。現れたベルゼブモンはショットガンでペルディーダを撃ち抜き、消滅させた。

 

小町「まだあたいのアタックステップだ!行け!ベルゼブモン!」

 

紫「ライフで受ける!…ん…!」

 

再びベルゼブモンはショットガンの照準を上げる。今度の弾丸は紫のライフを撃ち抜いていった。

 

小町「ターンエンドだよ」

 

紫「…メインステップ。神星ラニアケア、そして天翔ける創界神アレックスを配置して神託でコア一つを追加、ゴッドシーカー 超星使徒タルボスを召喚してデッキを三枚オープン」

 

アレックス《ええと…その中の超神星龍ジークヴルム・ノヴァXを回収します!》

 

紫は神秘的な惑星とアレックスを配置し、紫色の司祭ドラゴンを召喚して順調にシンボルと手札を増やしていく。

 

紫「さて…これでターンエンドとしましょう」

 

小町「……メインステップ!ケルビモン(悪)をレベルアップしてアタックステップ!ベルゼブモンでアタック!アタック時効果で相手のコアをリザーブに!」

 

紫「タルボスは自身の効果で消滅しません。フラッシュタイミング!マジック!ソウルクランチを使用!さらに私の神技を使い、ケルビモン(悪)のコアを計三個外します」

 

ベルゼブモンはショットガンでタルボスを撃ったが、タルボスはものともせずに残る。しかも紫のスキマの翼が伸びてベルゼブモンを貫いた。

 

小町「…ならチェンジだ!手札のベルゼブモン ブラストモードをベルゼブモンと入れ換える!」

 

紫「…効果は不発のようね。ライフ!」

 

ベルゼブモンの背中に黒い四枚の翼が生え、右手が巨大な陽電子砲へと変化する。しかしチェンジ自体の効果は不発で、結局は紫のライフをまた一つ撃ち抜くだけだった。

 

小町「…はぁ…ターンエンド」

 

紫「メインステップ!神星ラニアケアをレベル2で配置!新たなる光を灯し!希望を再成する創造竜!超神星龍ジークヴルム・ノヴァX!召喚!!」

 

紫の身体から火柱が立ち昇って空に赤シンボルが現れる。そのシンボルが砕けて中からジークヴルム・ノヴァが降り立った。

 

紫「アタックステップ!超神星龍ジークヴルム・ノヴァXでアタック!超界放の効果でアレックスと私のコア計四個をノヴァに置いて、ベルゼブモン ブラストモードを破壊!」

 

アレックス《さらにライフを二つボイドヘ送ります!》

 

小町「…ちぃ…フラッシュタイミング!マジック!デッドリィバランスだ!タルボスは破壊されないからそのデカブツを…!」

 

ジークヴルム・ノヴァが炎を吹いてベルゼブモン ブラストモードを破壊すると、大きく咆哮して小町のライフを二つ消し飛ばす。最後の悪あがきと言わんばかりに小町はジークヴルム・ノヴァを破壊ようとしたが……

 

紫「無駄よ。私のレベル2神域!トラッシュの『超星』カード四枚を除外することで、マジックを直ちに打ち消すわ!さらにラニアケアの効果でノヴァはトリプルシンボル!!」

 

小町「……はぁ…まさか一撃でやられるとは…」

 

ジークヴルム・ノヴァの虹色の光弾が小町のライフに降り注いで残ったライフをすべて砕ききった!

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「…ふぅ…紫、戦局はどうなっているの?」

 

紫「ウニョン…後は妹紅が映姫を倒せば終わりよ」

 

倒れた文を尻目に幽々子は何もない所に声をかける。だが紫も長年の付き合いだからか、ナチュラルにスキマから出てきてそう答えた。

 

幽々子「…そう…気のせいなら良かったのだけど…」

 

紫「…なに?」

 

幽々子「…映姫から…テテュスと似たような神力を感じたのよ

 

紫「…!?」

 

幽々子と紫はその言葉に何も言えずに立ち尽くしていた。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星の血液

…サーガブレイヴ…三話…やべぇ…!やべぇやべぇ…(語彙喪失)さらに新アニメ!?また弾さんが見れるの!?『コアの光主』としか書いてなかったけど……!期待して良いよね!?


鈴仙が幽香と戦っている頃 妹紅VS映姫

 

 

 

妹紅「おらぁ!バキッ!」

 

映姫「ガキンッ!何の!!」

 

妹紅と映姫の戦いは一進一退だった。妹紅の拳や蹴りを映姫が閻魔の杓で防ぎ、霊弾を放つも妹紅はかわしていく…だが不老不死の妹紅の方が若干押しているようで、映姫の表情にも少し焦りが見え隠れしていた。

 

 

映姫「…しつこいですね!審判『ギルティ・オワ・ノットギルティ』!!」

 

妹紅「…ピチューン……リザレクション!!龍符『櫛名田拐い』!」

 

映姫「がはっ!!」

 

映姫の杓のビームが妹紅に直撃して身体を霧散させるが、妹紅はリザレクションの炎のまま真正面から映姫に突進する。身体を再生させた瞬間、強烈なライダーキックを映姫の腹に叩き込んだ。

 

さすがの閻魔でもスサノヲが降りた妹紅の一撃を耐えられず、映姫は後ろに吹き飛ばされて岩に激突した。

 

妹紅「…へへ…おいおい、閻魔様ってのはこんなもんか?」

 

映姫「……崩符『土中地獄』…!」

 

スサノヲ《…妹紅!飛べ!》

 

妹紅「お…?どぁぁぁ!?」

 

岩に背を任せて倒れていた映姫が何かを呟く。すると突然妹紅の足元が陥没して大きな流砂の中心に変わり、妹紅はゴロゴロと流砂に転げ落ちてしまった。

 

妹紅「ぺっ!口に砂入った…!ってかあいつこんな能力持ってたか!?」

 

スサノヲ《…きいつけろ!さっきの映姫ちゃんは何かおかしいぞ!》

 

妹紅「…それよりも足が砂に埋まって…んん!動けねぇ…!」

 

流砂の真ん中で下半身が埋まってしまった妹紅は体内のスサノヲと脳内会議をしている。それでもこの深い流砂からは抜け出すことができない。

 

妹紅「ああもう!リザレクション!最初っからこれすりゃ…」

 

映姫「崩符『サターンスレイヴ』!!」

 

妹紅「バキン!ぐぅぅぅ!お前…!」

 

一度自焼死して流砂から脱出した妹紅だったが、空中にいた映姫が杓を鎌にして妹紅に振り下ろす。妹紅は両腕の拳で鎌の腹を押さえ込んでなんとか止めた。

 

映姫「ぅん……フォフォフォ…小娘、なかなかやるな

 

妹紅「…!…てめぇ…閻魔じゃないな!」

 

スサノヲ《…その笑い方…まさか…クロノスか!?》

 

クロノス《 …ほぅ…スサノヲ…ただの小僧がずいぶん偉くなったものだ

 

エネルギーの刃を杓に纏わせていた映姫の口調がまるで古代の王のようなしわがれた老人の声に変わる。それにスサノヲは心当たりがあったのか、『クロノス』と名を呼んだ。

 

妹紅「なんだ!?知り合いか!?」

 

スサノヲ《原初神の一角だ!名をクロノス!冥界の神でオリンのゼウスやポセイドン、ヘラの父親でもある!》

 

妹紅「はぁ!?父親!?」

 

クロノス《 ふんっ!あのような奴らなど子供とは認めん!ドカッ!

 

妹紅「ぐへっ!…ズザザザ!」

 

スサノヲが話した事実に妹紅が驚くと、映姫…に取りついたクロノスが妹紅の脇腹を蹴り飛ばし、妹紅は地面を転がった。

 

クロノス《 あやつら…!タカミムスビ共々儂を裏切りおって!子供というのは親の手となり足となるもの!儂の思う通りにならん子供など必要ない!

 

妹紅「…ブチンッ!…お前は…!私の一番嫌いな奴にそっくりだ!!子供は親の道具じゃねぇよ!!このゴミクズ野郎が!!」

 

痛みで膝をついた妹紅にクロノスはワナワナと苦虫を噛み潰したような表情をしてそうわめく。その言葉に自分の父親を重ねた妹紅はぶちギレて地面を握り潰しながら叫んだ。

 

クロノス《 黙れ!この儂に暴言を吐くとは…!その罪!死をもって償え!崩符『孤独地獄』!!

 

妹紅「が…あ………」

 

スサノヲ《…!やべぇ…妹紅!気をしっかり持て!》

 

クロノスが大鎌に変化させた杓を妹紅に振り下ろす。妹紅は腕を交差させて防御しようとしたが、鎌から放出された黒い『気』が妹紅の意識を奈落の底へ突き落とした……

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅《…ん…ここは……?》

 

気づくと妹紅は何もない真っ暗な空間に一人立っていった。辺りには人気どころか物体の影すらない。

 

妹紅《…なんだよ、さっきまで原初神と殴りあってたのに…お…慧音?何でこんなところに?》

 

何もない空間で初めて妹紅の目に入ってきたのは一番の理解者、上白沢 慧音の後ろ姿だった。人里に残ったはずの彼女を見て不思議に思った妹紅は近づいて話しかけようとした。

 

慧音《…フッ》

 

妹紅《…え…慧音?慧音!?どこ行った!?》

 

だが妹紅の手が肩にかかろうとしたその瞬間、慧音の姿は霧のように消えてしまった。妹紅がキョロキョロ慧音の姿を探していると……

 

妹紅《…今度は魔理沙か?おーい!さっきまで慧音がここに》

 

魔理沙《…フッ》

 

妹紅《いなかっ…た…また消えた…》

 

また突然現れた魔理沙もすぐに消えてしまう。この後も知り合いの後ろ姿が現れては声をかける寸前に消えていく…そんなやり取りが数回繰り返されたとき、どこからかクロノスの声が響いてきた。

 

クロノス《 そうだ。お主は不老不死、たとえどれだけ慕う者がおろうと…結局そいつらは死んでいく

 

妹紅《…うるさい…!》

 

クロノス《 お主は所詮…独り孤独に生きるしかないのだ!

 

妹紅《…やめろ…!やめろ!》

 

クロノスの言葉に動揺した妹紅はその場にうずくまって耳を塞ぐ。だがクロノスの声は直接妹紅の脳内に聞こえてしまい、妹紅の精神をゴリゴリと削っていった。

 

クロノス《 いい加減諦めろ。お主なんぞが『人のぬくもり』など求めてはいかんということを

 

???《オレはそうとは思わないけどな》

 

妹紅《…へ…》

 

クロノス《 ば、バカな…この声は…!

 

うずくまった妹紅の隣に一人の男性が並び立つ。妹紅が顔をあげてその男性を見上げてみると、何やら黒の服に金色のアーマーを纏っている初老の男だった。その格好を見て妹紅は彼が創界神だと理解できたが、それよりも妹紅の注意が向いたのは…彼の顔つきだった。

 

妹紅《…弾…?いや…アイツよりジジイ臭い…》

 

???《ガクッ…まぁいい。藤原 妹紅よ…思い出せ!あの男はお前に何を望んでいたのかを!》

 

妹紅《…弾が…私に望んでいたこと…》

 

弾に似た男の叱責に妹紅は膝をついたまま記憶を掘り起こす。その記憶の中で…この戦いの間際に弾がみんなに言った言葉が妹紅の脳裏をよぎった。

 

弾《全員…!先に死ぬなよ!!》

 

妹紅《…そう…だ…!アイツより…!先に…死ねない…んだ…!グググ!》

 

???《その通り!お前にはお前を必要としてくれる者がいる!立て!お前のその炎で星神の道を照らす灯となれ!!》

 

妹紅が身体から炎を昇らせて立ち上がる。そして男が腕を掲げると、黒い空間がガラスのように砕け散った!

 

 

 

 

妹紅「…あぁ!私の炎は…!みんなの道しるべだ!!」

 

クロノス《 ぐぅ!?おのれ…!タカミムスビめ!

 

スサノヲ《きた…!『分神』!》

 

意識を取り戻した妹紅はクロノスの大鎌を押し返すほどの星の力を解き放つ。その炎は今までの火力の比ではなかった。

 

妹紅「気をつけな!今の私の炎は…!ただの火じゃないぜ!!」

 

炎を振り払って出てきた妹紅の身体からはオレンジのマグマが沸きだし、冷えた溶岩が妹紅の手足と胸を鎧のように覆っていた。そして溢れだした溶岩のエネルギーが背中で八岐大蛇のような竜の首を作り出している。

 

クロノス《 ちぃ!死ね!

 

妹紅「おらぁ!バキン!どりゃぁぁ!!」

 

クロノス《 ぎゃぁぁ!な、なんだ…!この熱量は…!?

 

再び妹紅めがけて落ちてきた杓の大鎌を妹紅は力任せに右手で弾くと、左手の拳をクロノスの胸にぶちこむ。マグマを纏ったパンチの熱さにクロノスは悶絶して膝をつく。

 

妹紅「炎龍『爆炎壁攻(ボルケーノバースト)』!」

 

クロノス《 ギャァァァァァ!

 

妹紅の背中のエネルギー竜が炎を燃やしてクロノスに突っ込む。そして大きな顎を開いてクロノスを飲み込み、身体の芯まで焼き尽くした。

 

スサノヲ《…すげぇな…!よしもこたん!これ使え!》

 

妹紅「おぅ!パシッ…意外かもしれないが…陰陽師時代に剣は扱ってるんだぜ?でぇぇい!」

 

クロノス《 ハァ…ぐ!ガキンッ…ギリギリ…

 

妹紅の手にスサノヲが実体化させた『荒波霊刃アラナミ』を握らせる。数百年前に陰陽師をしていて剣術も範疇の妹紅はスムーズな剣さばきでクロノスの大鎌と斬り合うことができた。

 

妹紅「ギンッ!…ぉぉぉ!炎水竜『水竜熱斬(ミストソード)』!」

 

クロノス《 ボキィィン!がはっ…!?く、くそぅ…!!

 

妹紅のアラナミとクロノスの大鎌がつばぜり合うと、アラナミから出た水の竜と妹紅の背中のマグマ竜が絡み合う。水とマグマの竜はお互いを相殺せず高め合い、巨大な刃になったアラナミが大鎌ごとクロノスを切り裂いた!!

 

クロノス《 お、おのれ……!!ならこっちだ!

 

妹紅「それを待ってた!行くぜ!スサノヲ!」

 

スサノヲ《とうとう本性出し始めやがったな!》

 

形成不利と見たクロノスはデッキを取り出してカードバトルに切り替える。妹紅とスサノヲは待ってました!とアラナミをデッキに入れた。

 

妹紅 クロノス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

妹紅「ここまでくりゃ勝つだけだ!メインステップ!ゴッドシーカーパラサノカンナギを召喚してデッキを三枚オープン!」

 

勝つ気満々の妹紅は祈祷師の恐竜を召喚してデッキをサーチする。めくられたのは、護国ノ威光、スサノヲの轟天神殿、そしてカミムスビハイドラ

 

妹紅「…轟天神殿を手札に。バーストを伏せてターンエンドだ」

 

クロノス《 メインステップ。智の伝承者 三賢蛇メルキオルを召喚。召喚時効果でデッキを三枚破棄してトラッシュの妖蛇を手札に戻すぞ

 

妹紅「…デカいのが落ちたな…」

 

クロノスは蛇の司書官を召喚してトラッシュに三枚カードを落とす。何枚かは大型スピリットだったので、妹紅は警戒を強めた。

 

クロノス《 死霊王ナルメルを手札に。これでターンエンドじゃ

 

妹紅「…蘇生カードも入ったか…メインステップ!ゴッドシーカー カミムスビハイドラを召喚!そろそろ来てくれよ!」

 

妹紅はもう一体のゴッドシーカーであるカミムスビハイドラを召喚して再びオープンするが…ディモルフォノスケ、三つ首恐竜ロマレオノアラガミ、そして白晶防壁…

 

妹紅「…来ない…ロマレオノアラガミを回収してそのまま召喚!ターンエンド」

 

クロノス《 フォフォフォ!メインステップ!こいオシリス、デッキを三枚トラッシュに置いてコアを二個置く。そして蛇王妃ネフェルーラを召喚。召喚時効果で手札の蛇神アポピスネークを破棄して二枚ドロー

 

オシリス《…………》

 

まだスサノヲを引けていない妹紅はロマレオノアラガミを呼び出してターンを終える。一方クロノスはオシリスとラミアのエジプト王妃を召喚し、トラッシュを肥やしつつ手札も増やしていった。

 

クロノス《 バーストも伏せようかの。ターンエンド

 

妹紅「…ち…余裕噛ましやがって…メインステップ!護国之威光を使ってデッキから三枚ドローして手札のパラサノカンナギを破棄……遅すぎだ!そして創界神スサノヲを配置!!神託でコアを二個追加する!」

 

スサノヲ《ま、まぁ!主役は遅れてなんとやら…ってな》

 

妹紅は何とかデッキを掘り起こしてスサノヲを配置した。当のスサノヲは冷や汗を流して妹紅の後ろに現れる。

 

妹紅「アタックステップ!ロマレオノアラガミでアタック!効果でオシリスのコア一つをボイドに置き、メルキオルを破壊!さらに一枚ドロー!」

 

クロノス《 …ライフで受ける!

 

ロマレオノアラガミがフィールドを泳ぐように走り抜け、メルキオルを噛み砕く。そのままクロノスのライフも壊していった。

 

妹紅「ターンエンド!」

 

クロノス《 …むぅ…メインステップ。蹂躙せよ!冥界蛇神アウザールをレベル2で召喚!アタックステップ!オシリスのコアをアウザールに置いて紫シンボルを追加!

 

オシリスの身体から放出されたエネルギーがフィールドで巨大な蛇に変わって現れる。そしてアウザールがフィールドに雄叫びを響き渡らせ、紫シンボルを妖蛇達に与えた。

 

クロノス《 行け!アウザール!ダブルシンボルぞ!

 

妹紅「ライフで受ける!……いっってぇぇぇ!痛いとは聞いてたけど…」

 

アウザールが身体についている鎖を妹紅のライフに叩きつける。その衝撃に妹紅は顔を歪めた。

 

クロノス《 ターンエンド

 

妹紅「…メインステップ!荒波霊刃アラナミをスサノヲに!燃え上がる炎!大地を凪ぎ払え!恐竜武神ムラクモレックス!召喚!!」

 

スサノヲ《よっと!さぁて!覚悟しやがれ!》

 

スサノヲの左手のひらに水竜が変化した一振りの剣が現れ、スサノヲの右手から放たれた炎はフィールドに落ちてムラクモレックスを形成した。

 

妹紅「アタックステップ!ムラクモレックスでアタック!天界放!!スサノヲのコア二個をムラクモレックスへ!そしてアウザールを破壊して回復する!」

 

スサノヲ《さぁらにレベル2のムラクモレックスがスピリットを破壊したのでライフを貰う!》

 

スサノヲの力を受けたムラクモレックスの火炎弾がアウザールに直撃して吹き飛ばす。さらに右手の剣がクロノスのライフを斬り砕いた。

 

クロノス《 フォフォフォ!バースト発動!死霊王ナルメル!トラッシュのピラミッド・ボア、蛇神アポピスネーク!甦れ!!ピラミッド・ボアの効果でムラクモレックスよ!消え失せよ!!

しかしクロノスのバーストから半蛇の仏像が出現し、その両手がフィールドにかざされる。するとオシリスやメルキオルの効果でトラッシュに落ちていた二体の大蛇が黒い穴から這い出してきた。

 

一体はトラッシュでコスト6になる背中にピラミッドを背負った茶色の大蛇。だが背中のピラミッドよりも目をひくのは無数の紫色の目だろう。

 

もう一体は不気味なほどに白い大蛇。その口からは毒液が滴り落ち、今にも妹紅を食らおうと鎌首をあげた。

 

妹紅「クソッ!ターンエンド!」

 

クロノス《 …終わりにしようかの。メインステップ!風切りヘビ…そして出でよ!我が真の姿を!おののけ!死を統べる由々しき神!崩界神王クロノ・レクス!!レベル2で顕現!!

 

クロノスはオシリスの神託用に小さな蛇を召喚して不足コストのために消滅させる。クロノスが取りついた映姫からおどろおどろしい紫色の煙がフィールドに穴を開け、中から出てきたのは闇のオーラを放っている死神のスピリットだった。

 

妹紅「…うぉ…すげぇ気迫…!!」

 

クロノス《 フォフォフォ!妖蛇魔神を召喚してピラミッド・ボアとアポピスネークに合体!バーストを伏せ、アタックステップ!儂自らが裁きを下してやろう!!

 

クロノ・レクスが大鎌を構えて飛び出そうとした……

 

スサノヲ《…そーゆーところがお前の弱点だ。最後の最後で詰めが甘い。こいつ(アラナミ)の効果を忘れてやがったな!》

 

クロノス《 が…!な、なにぃ……!!

 

…だがスサノヲが地面にアラナミを突き刺すとフィールドが水浸しになる。その水がクロノ・レクスの足を動かなくしてアタックを封じ込めた。

 

アラナミの創界神合体時効果は相手スピリットがアタックする際、リザーブのコアを一つトラッシュに送らなければアタックできないというもの。今のクロノスのリザーブは空っぽなので、攻撃することができなかった。

 

クロノス《 く…くそぅ…!仕方ない…ターンエンド…!

 

妹紅「あっぶね…メインステップ!溢れ出るマグマ!怒りの八首竜!轟海覇神ヤマタハイドラノカミ!レベル2だ!!」

 

スサノヲ《…ズズズ…!…妹紅の『分神』の力か…!》

 

悔しそうにクロノスは蛇の異魔神を召喚し、二体と合体させてターンエンドとする。

 

スサノヲが普段通り水の竜を放つと、その竜が『分神』妹紅のマグマに熱せられてドロドロの溶岩のようになる。そしてフィールドに流れ込んだマグマが冷え、その岩からヤマタハイドラノカミが現れた。

 

だがその身体はいつもの大海の青ではなく今の妹紅と同じ色の溶岩のオレンジ色だった。

 

妹紅「さらにシロイワノハイドラ…弾!借りるぞ!輝竜シャイン・ブレイザーを召喚!!シャイン・ブレイザーをヤマタハイドラノカミに合体!!」

続けて石灰岩のドラゴンと紅白色の機械竜が召喚され、シャイン・ブレイザーの翼がヤマタハイドラノカミに合体する。それに反応するように溶岩の鎧にマグマが迸った。

 

妹紅「アタックステップ!行け!ヤマタハイドラノカミ!!天界放でアポピスネークとピラミッド・ボアを破壊!!」

スサノヲ《シロイワノハイドラ!効果発動!俺をレベル2へ!》

 

クロノス《《font:149》な!?ええい!儂が受けてやろう!!》

 

地響きと共にヤマタハイドラノカミがマグマを吐き出して二体の大蛇を焼き殺す。しかもその二体のBPは8000以上…それによりシャイン・ブレイザーの翼がエネルギーに包まれて鋭いマグマの槍へと変わる。

 

妹紅「シャイン・ブレイザーの効果でライフを二点貫通!さぁ!そのまま奴をぶちのめせ!!」

 

マグマの槍がクロノスのライフを二つ削り、ヤマタハイドラノカミの八首がクロノ・レクスに襲いかかる。そしてその手の大鎌に噛みついた。

 

少しの間二体は押し合いになったが、ヤマタハイドラノカミはクロノ・レクスの全身に噛みついて動きを封じ、尻尾の剣でクロノ・レクスを貫いた!

 

妹紅「とどめだ!スサノヲの神域でもう一発!!」

 

スサノヲ《ふっとべぇぇぇぇぇぇ!!!》

 

アラナミが炎と水の巨大剣に変えたスサノヲがクロノスの最後のライフをぶったぎった!!

 

クロノス《 《font:149》ガァァァァァ!!…い、良い気に…なるな…本当の…絶望は…ま…だ……だ………》

 

 

 

 

 

 

妹紅「よっと…ふぅ…疲れた…」

 

スサノヲ《うし!後はあの有象無象をぶっ潰して帰ろうぜ!》

 

倒れた映姫を安全な場所に運び、妹紅は未だに暴れている地獄の怪物達に向き合う。そして両腕からマグマを垂れ流して腰を深くした。

 

妹紅「私の炎は星の血液…星符『灼熱火砕(ヒートイラプション)』!!」

 

リブラ《…む!?》

 

ピスケガレオン《うわぁぁ!?》

 

蓮子「あちちちちち!…霊夢!危ない!」

妹紅は空に向けてまだ炎が燃えている溶岩を打ち上げる。その火山岩が次々と怪物達に降り注ぎ、十二宮達以外のデカ物は火山岩の下敷きに埋もれた。

 

妹紅「あー…悪い悪い!ずいぶん巻き込んじまって」

 

幽々子「もう…死ぬかと思ったわ」

 

アリス「それ…わざとよね?」

 

魅魔「…ん…霊夢と…あの小娘は?」

 

蓮子「しっかりして!どうしたのよ!」

 

妹紅が謝りながらみんなの元へ駆け寄る。そして魅魔が辺りを見渡すと、何やら蓮子が地面に膝をついて叫んでいるのが絶叫と共に見えた。

 

紫「蓮子!どうしたの!?」

 

蓮子「あ、メリー!霊夢が…!霊夢!しっかりして!」

 

霊夢「……………」

 

駆け寄ってわかったが、蓮子は倒れた霊夢を抱き起こして揺すっている。だが霊夢の目はあらぬ方向を向いていてまるで廃人のようだった。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終六章~全知全能のコンビ~
僕の見つけた真実はレイマリ


四章発売!テンションマックスなので投稿します!自分は2ボックス買って……

アマテラス×1、オオヒルメ×1、サラスヴァティー×1、バッカス×1、グラン・テラス×2(内一枚シークレット)、ゴレム×1、スコル×1…でした!アマテラス全部ゲット!だがな……!剣Xレア両方トワイライトでした……グラン・サジット欲しかったなぁ…


第二次大結界異変から数日後 永遠亭 会議室

 

 

幽香「…面目ないわ…」

 

映姫「…まさか私達の記憶までも操るとは…」

 

文「あやや…スクープ…どころじゃないですね…」

 

隠岐奈「…一つ良いか?」

 

永琳「あら?どうしたの?」

 

会議室でまた一同が集まり、四人が弾達に頭を下げている。その中、隠岐奈がおずおずと話を切り出した。その話というのは……

 

隠岐奈「…もう少し……お手柔らかにできなかった…イテテテ!」

 

幽香「…あ…それは思った…っっ!」

 

文「…ぁぁ…まだ傷口が疼く…」

 

映姫「…ん!…あなた達!止めてくれただけありがたいと…っ!」

永琳「あと数日安静にしなさい」

 

蓮子「…というか…あんな刀で斬られたり砲撃食らったりマグマ弾食らったりしたのに…数日で治るのね」

 

四人は身体のあちらこちらに巻かれた包帯をさすって愚痴る。だがあと数日で完治という永琳の言葉に妖怪や神の再生能力の高さを知って蓮子はドンびいていた。

 

妖夢「すみません……あ…それでは月の都に攻め込めますか?」

 

鈴仙「私は反対。アマハラ最高戦力プラス崩神の仲間がいる月に手負いじゃ勝てないわ」

 

輝夜「…せっかく神がハッキングに成功したのに…でもその通りよ。今攻めるのは火中の栗を拾うも同然」

 

フラン「…ねぇお医者さん…霊夢は?」

 

月の都をよく知る鈴仙と輝夜の言葉に全員は顔を苦くさせる。すると(精神と見た目は)幼いフランが不安そうな顔で永琳に聞く。あのあと担ぎ込まれた霊夢のことだ。

 

永琳「…外傷はないけど……精神的に何か…大きなストレスが心に負荷をかけたのは確かよ。あれは一種の防衛本能で半分意識を失ったの」

 

トト《…あれかい?博麗 霊奈という女性…彼女の義母なのだろう?》

 

アプロディーテ《彼女にあちら側につくよう言われてたわ。少なくとも彼女は良い母だったみたいね…あんなに悩めるんだもの》

 

ホルス《…それで…当の霊夢ちゃんは大丈夫なのか?》

 

ヴィシュヌ《…クリシュナとゼウスがついてったぜ…今は外でぼんやりしてるはず…》

 

魔理沙「………ガタッ…悪い…抜ける」

 

創界神達がああだこうだと話していると、魔理沙が席を立つ。それで部屋の扉を開けて出ていった。

 

アリス「…変に逆撫でしなければいいけど…」

 

紫「……不安ね…」

 

弾「…任せよう。霊夢に一番近い存在は魔理沙だ」

 

ロロ《…一応…ついてくよ》

 

全員魔理沙が霊夢の元へ向かったことは明確だったが、弾以外の面子は内心不安感を拭えない。それでも弾は魔理沙を信じ、ロロを連れて向かわせた。

 

 

 

 

永遠亭 縁側

 

 

霊夢「………ボー……」

 

ゼウス《…クリシュナ…どうする?》

 

クリシュナ《…もうかける言葉が見つからないわ…》

 

その頃霊夢はヴィシュヌ以上の死んだ魚の目で虚空を眺めていた。そばでゼウスとクリシュナが励ましていたものの、それにも反応せずただただ抜け殻のままだった。

 

魔理沙「よう霊夢…ずいぶん元気そうじゃないな」

 

ロロ《…あまりうまくはいってないね…》

 

霊夢「………ボー……」

 

魔理沙「…おい…いつまでそうやってるつもりだよ。これからもっとデカイ戦いがあるんだぜ?」

 

そこにやって来た魔理沙は霊夢に話しかける。それでも霊夢の反応は返ってこない。

 

魔理沙「…ガシッ!いい加減にしろよ!お前らしくないぞ!

 

霊夢「…バッ!うるさいわね!すっこんでなさい!

 

クリシュナ《ちょ…二人とも!》

 

そんな霊夢の胸ぐらを掴んで魔理沙は怒鳴り付ける。さすがにそれには霊夢も反応して魔理沙の手を振り払う。二人は怒りに任せて空へ飛び上がった。

 

魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!」

 

霊夢「霊符『夢想封印』!!」

 

魔理沙のミニ八卦炉から黄色い光線が、霊夢が構えたお札から虹色の光弾が放たれる。両者得意技をぶつけていくが、明らかに魔理沙のマスタースパークが霊夢の夢想封印を押していた。

 

魔理沙「おらぁぁ!」

 

霊夢「く……は!」

 

魔理沙「余所見…!禁物だぜ!だァぁぁ!!」

 

何とか霊夢はマスタースパークを相殺させるが、爆煙に紛れて箒と共に突っ込んできた魔理沙自身は対処できずに吹き飛ばされてしまった。

 

霊夢「ズジャァァ…この…!夢符『封魔針』!!」

 

魔理沙「はんっ!それぐらい読めるわ!星符『銀河群龍(ダイナギャラクシー)』!ビュンッ!」

 

霊夢「!?…消えた!?」

 

地面を転がりながら霊夢は霊力のこもった針を連射する。しかし魔理沙はそれを見切り、銀色に光って姿を消した。霊夢が驚いて辺りを探していると……

 

魔理沙「こっちだバカヤロー!!」

 

霊夢「な!?ガハッ!…ドサッ…ゴロゴロ…ぐぅ……」

 

遥か空高くから流星の如く魔理沙が落ちてくる。しかも『分神』して重力もかかった一撃を霊夢は防げず、再び霊夢は地面を転がるはめになった。

 

魔理沙「スタッ…おい…そんなんでお前の母親は倒せねぇぞ!!やる気あんのか!!?」

 

霊夢「…わか…ない

 

魔理沙「…え…」

 

霊夢「わかんないわよ!!お義母さんは確かに非道の道にいる!でも全部私のせいなのよ!私のために…全部私が悪いのよ!!」

 

霊夢は仰向けに倒れて降りてきた魔理沙にそう叫ぶ。その声は涙を始めとして後悔、懺悔、迷い、自暴自棄の感情が痛烈にこもっていた。

 

魔理沙はあの霊夢がここまで感情を露にして泣き叫ぶ所を見たことがない。だが魔理沙は同時に深く息をはいてニコッと笑いかけた。

 

魔理沙「…良かったな、霊夢。お前…前よりずぅぅぅぅぅっと…人間らしくなった」

 

霊夢「……はぁ…?」

 

魔理沙「だってよ…前までなら誰が敵になったって「博麗の巫女」として処分してただろ?でも今のお前は「博麗 霊夢」としての願いも持ってる!だからこそ…そうやって葛藤してるんじゃないのか?」

 

霊夢「…………」

 

『分神』を解いて魔理沙は霊夢の隣に座り込んでそう言う。霊夢はそれをただ仰向けのままで聞いていたが、その目には確実に光が戻っていた。

 

魔理沙「…良い母親じゃあないか。だからお前の未来が心配で…こんな暴挙に出ちまった…なら「もう私は大丈夫!」って言ってこい。私が保証する!お前は立派な巫女だぜ!」

 

霊夢「…あ~…ムクッ…さいっっあく…あんたに勇気づけられるなんて…礼は言わないわよ?」

 

魔理沙「ヘンッ!ハナから期待してねぇ~よ!」

 

???「やはりここにいましたか。あれほどの爆発めったにお目にかかれませんからね…」

 

霊夢がいつもの調子で立ち上がると、突然その場に声が響いた。二人とそばで眺めていた創界神達は一斉に声がした竹やぶの入口に目をやる。そこにいたのは馴染み深い青い袴に緑髪の巫女…

 

霊夢「…早苗…!?あんた…!この時期…!もういたの!?」

 

早苗「…なるほど、こちらの戦力も調査済みと言うわけですね。ちょうど良いです!博麗の巫女!博麗 霊夢!今からあなたに決闘を申し込みます!!」

 

魔理沙「…《…何だか分からんが…これは藪からぼたもちだ!》おうおう!上等じゃねぇか!やったれ霊夢!!オリンの王を降ろす霊夢が負けるわけねぇ!」

 

ゼウス《…よし…とうっ!》

 

幣を霊夢に突きつけて早苗はそう宣戦布告する。とっさに魔理沙は知恵を巡らして状況を把握すると、早苗にバトルさせるよう挑発を試みた。ゼウスも魔理沙の考えを察して霊夢の体内に入る。

 

早苗「なら私が勝てば幻想郷の信仰をすべて貰います!」

 

霊夢「…無理よ…『星神』の懐の広さはあんた達の遥か上だからね!」

 

霊夢 早苗「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社。幻想郷の東の境界にある寂れた神社である。

里居を忘れた妖怪がここを寝床にしているかの様に、いつも人間以外の生き物で賑やかであった。

妖怪の多い神社に人間の参拝客など居る筈もなく、神社におわす神様は信仰心不足に悩んでいた。

 

 ――そんな神社にも転機が訪れたのである。

星の創界神 馬神 弾が幻想郷、博麗神社の祭り神になって季節が一巡りしたこの時期、以前と同じように東風谷 早苗が殴り込んできた。

 

そして妖怪の山 山頂で繰り広げられる親子の戦い。それに呼応するように博麗 霊夢と霧雨 魔理沙、幻想郷1のベストマッチな二人の思いが一つになる。

 

《 《我らの力!見せてやろう!》 》

 

 

幻想郷の危機に再び全知全能の雷が響き渡る………

 

 

pixiv大百科 『東方風神録』あらすじ前半抜粋




はい。ありがとうございました。

ここから儚月…ではなく!先に風神録に入ります。先に霊夢の母親関係の話をしたいので……テヘッ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

みっこみこ

新弾のアマテラスよりツクヨミの回すのが楽しい…!不死スピリットをぐるぐる蘇生させてどや顔するのにはまっています。友達なくしますね…


早苗「守矢神社の信仰のために!やられて貰います!」

 

霊夢「…あんたも変わらないわね…メインステップ!サンダー・Z・ピューマを召喚!ターンエンドよ」

 

前に押し入ってきた時と変わらず早苗の信仰好きに辟易しながら霊夢は小さな赤いピューマを召喚してターンを終える。召喚時効果を使わなかったのはデッキ破壊を警戒してのことだろう。

 

早苗「メインステップ!大海の王者!創界神ポセイドンを配置!神託を使ってコアを二つ置きます!さらに神海牛王アステリオンを召喚です!」

 

ポセイドン《…………》

 

早苗はポセイドンを呼び出してフィールドにも半分魚の牛人が斧を構えて現れた。

 

早苗「バーストを伏せてターンエンド!」

 

霊夢「メインステップ!空統べる雷神!創界神ゼウスを配置!神託は…やめとくわ。続けてサンダー・Z・ヒポグリフを召喚!」

 

ゼウス《兄貴には負けんぞ!》

 

霊夢は流れるようにゼウスを配置し、フィールドにもサンダー・Z・ヒポグリフを呼び出す。

 

霊夢「アタックステップ!行け!サンダー・Z・ヒポグリフ!アタック時効果でアステリオンを破壊しドロー!しかも破壊時の効果は使えない!」

30枚

早苗「うぅ…ライフで受けます!」

 

サンダー・Z・ヒポグリフがアステリオンを鷲掴みにして地面に叩きつける。そして口から雷を放って早苗のライフを撃ち抜いた。アステリオンにはコスト3以下のスピリットに効果破壊耐性を与えるのだが、ヒポグリフはその効果を打ち消して破壊してしまった。

 

霊夢「ターンエンド」

 

早苗「ムムム…メインステップ!波槍の神海賊カーマイル、新米船長ドルフィリポスを召喚!これでポセイドンはレベルアップ!」

 

早苗はイルカの神海賊を二体召喚してポセイドンにコアをためていく。そしてポセイドンのコアが五つになったので、レベルが2に上がった。

 

早苗「さぁ!行きますよ!アタックステップ!ドルフィリポスでアタック!まずはコスト4のサンダー・Z・ヒポグリフを破壊してシンボルをゼロに!そしてポセイドンの神域も含めてデッキを四枚破棄します!」

 

霊夢「…っ!来たわね…ライフで受ける…まぁ減らないけど…」

 

ドルフィリポスの銛がサンダー・Z・ヒポクリフを突き刺さり、その際に発生した青い衝撃が霊夢のデッキを四枚吹き飛ばす。しかも霊夢のライフダメージはゼロというおまけ付きだ。

 

早苗「まだまだです!カーマイルでアタック!粉砕でデッキを五枚破棄!さらにレベル2効果でポセイドンにコアを増やします!ドルフィリポスの効果でさらに四枚!」

17枚

霊夢「…これもライフだけど…」

 

カーマイルがフィールドを泳いで槍をライフに投げつけるが、これもライフを削ることはできなかった。

 

早苗「へへーん!ターンエンド!」

 

霊夢「…かなり削られたわね…メインステップ!サンダー・Z・クレインを召喚!召喚時効果でドルフィリポスを破壊してトラッシュのコア三個を回収!」

 

一度のターンでデッキを13枚破棄された霊夢は気を引き締めて赤い鶴を召喚する。召喚されたサンダー・Z・クレインの羽ばたきがドルフィリポスを中に浮かせ、地面に落として破壊した。

 

霊夢「さぁらぁに~!サンダー・Z・クレインに神煌臨!!神世界に勝利の雷鳴を!サンダー・Z・レオン!!」

 

ゼウス《削られる前に削るぞ!》

 

サンダー・Z・クレインにゼウスが雷を落とす。そしてサンダー・Z・クレインが翼を持つ一体の大獅子へと変わった。

 

霊夢「アタックステップ!サンダー・Z・レオン!ぶちのめしなさい!」

 

早苗「ライフで受けます!そしてバースト発動!神海賊船カリュブデス号の効果で相手のコストとシンボルをゼロにします!」

 

サンダー・Z・レオンが放電して四方に放った雷が早苗のライフを砕く。だが早苗のバーストから巨大な海賊船が現れて霊夢のスピリット達の力を抑制し始めた。

 

霊夢「ち…!サンダー・Z・レオンは下に手札を置いて回復。ターンエンドよ」

 

早苗「あと少し!メインステップ!カリュブデス号をレベル2へ!さらに神海賊皇子トリトーンをレベル2で召喚してデッキを二枚除外!」

 

霊夢の残り枚数を見て早苗は二丁拳銃を構えた神海賊を召喚してデッキを二枚除外する。このまま行けばこのターンで霊夢のデッキは底を尽きてしまうだろう。

 

早苗「アタックステップ!カリュブデス号でアタック!相手のデッキを七枚破棄!さらにトリトーンの効果でもう五枚除外します!」

 

霊夢「させない!フラッシュタイミング!絶甲氷盾!ここでアタックステップは終了するわ!」

 

早苗「チッチッチ!ポセイドンのコア四個をボイドへ!これで絶甲氷盾を打ち消します!さらにカリュブデス号に煌臨!勝利の宝島へ!神海賊龍皇ジークフリード・エナリオス!煌臨時効果でサンダー・Z・レオン!貰った!!」

 

カリュブデス号が水しぶきをたてながらフィールドを巡航する。そしてトリトーンの銃撃も合わさって霊夢のデッキが12枚吹き飛んだ。

 

霊夢は手札からマジックを使って防ごうとするも、ポセイドンの三叉槍が青く光って効果を打ち消してしまう。さらにカリュブデス号が紫の三叉槍を構えた龍皇に変わり、投げつけられた槍がサンダー・Z・レオンを貫いて破壊した。

 

早苗「さぁ!あなたのデッキは残り5枚!このアタックで私の勝ちです!!」

 

霊夢「フラッシュタイミング!鋼鉄雷王イグリティオス・Zのアクセル発揮!コストはサンダー・Z・ピューマからぶんどって相手スピリットを三体戻す!!」

 

早苗「……へ…?」

 

サンダー・Z・ピューマが消える代わりに霊夢の手札から再びカードが切られる。そこから銀色の雷が放たれてエナリオス、トリトーン、そしてカーマイルを早苗の手札に返してしまった。

 

霊夢「…んで?どうする?」

 

早苗「…ターンエンドです…でも次のターントリトーンを召喚するだけであなたのデッキはなくなる!」

 

霊夢「…ならこのターンで蹴りつけりゃ問題ないわよ!メインステップ!原初の獣!皇獣王Zを召喚!」

 

霊夢のフィールドに蒼い火柱が立ち昇り、中から白い身体にオレンジの角を生やしたオオカミ、皇獣王Zが飛び出してきた。

 

霊夢「アタックステップ!皇獣王Zの効果で自身にトラッシュのコアを移動させて召喚!神の雷纏う神皇!夢を守る赤き寅!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z!封印!」

 

ゼウス《行け!リボル・ティーガ!神砲撃を使う!!》

 

皇獣王Zが炎をあげて吠えると、隣にリボル・ティーガ・Zが弾丸の爆音を鳴らして現れる。そして霊夢のライフにソウルコアが吸い込まれた。

 

そのリボル・ティーガ・Zが走りだし、霊夢の僅かな残りのデッキを二枚オープンさせる。

 

霊夢「…サンダー・Z・ウィゼルとZ魔神!よってゼウスにコア二つを置いてライフ二点貰うわ!!」

 

早苗「…いっっ!ま、まさか…!デッキを自ら削るなんて…!」

 

霊夢「決めなさい!リボル・ティーガ・Z!!」

 

リボル・ティーガ・Zは背中の砲台から二つの砲弾を放って早苗のライフを吹き飛ばし、前足で最後の一つも砕き割った!!

 

 

 

 

 

 

早苗「…チーン…」

 

霊夢「さぁて…!月に行く前にコイツらをまたしめてくるわ!」

 

魔理沙「よっしゃ!お先に~!!」

霊夢「あ!こら!待ちなさ~い!!」

 

クリシュナ《…え…ちょっと!》

 

ロロ《…っ!まったく…!私がついていく!》

 

倒れた早苗を無視して魔理沙と霊夢は競うように妖怪の山の方角へ飛び出していった。慌てたクリシュナにロロは声をかけて魔理沙を追っていく。

 

クリシュナ《…永琳ちゃんやヴィシュヌ様になんて言えば…》

 

弾「ウニョン…良いさ、行かせてやれば」

 

クリシュナ《きゃ!だ、弾君!?》

 

呆然と霊夢達が飛んでいった方向を見ていたクリシュナに突然声がかかる。驚いてクリシュナが振り返ると、弾が紫のスキマに肘をついて状況を不適に笑っていた。

 

弾「…文!二人を無事に守矢神社まで送り届けろ!」

 

文「…了解(クールボイス)」

 

ホルス《りょうきゃ…んんん!了解!》

 

弾が腕を挙げ、弾の後ろから仕事モードの文が霊夢達の後を追って大空に翼を広げる。遅れておもいっきり噛んだホルスも文の身体に降りて続いていった。

 

クリシュナ《…良いの?》

 

弾「幽香達の療養にあと数日かかるし、神奈子の軍神としての力は今是非とも欲しい。それに……」

 

クリシュナ《…それに?》

 

弾「……いや…何でもない」

 

クリシュナ《……似てる……タカミムスビさんに…》

 

弾は途中で言葉を濁し、再び空に視線を戻す。その顔にどこか懐かしい雰囲気をクリシュナは感じていた…

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

風神少女VS風崩神

今日は『仮面ライダークウガ』二十周年だそうですね。

???「祝え…!祝えと言っている…!」


守矢神社 境内

 

神奈子「なにぃ!?早苗…!勝手に一人で突っ込んでいったぁ!?」

 

諏訪子「だってぇ…あの早苗はどうやってってとめられないんだよぉ…」

 

一方その頃、件の守矢神社では神奈子と諏訪子がぎゃあぎゃあ騒いでいる。早苗が「なるほど!敵は永遠亭という所ですね!では成敗してきます!」と飛び出してはや数刻、保護者の二人は早苗の自由奔放さに頭を抱えていた。

 

神奈子「…どうする…?」

 

諏訪子「…どうするって言ったって…」

 

霊奈「…なんだ…あの緑の巫女は居ないのか?」

 

神奈子 諏訪子「「ぎゃぁぁぁ!!?」」

 

二人が悩んでいると突然背後からむっすり顔の霊奈が出てきた。どうやらこっそり様子を見に来ていたようで、知らなかった神奈子と諏訪子は飛び上がって驚く。

 

神奈子「…あんたか…何かあったのか?」

 

霊奈「…当代博麗の巫女と白黒魔法使いがこちらに向かっているとの情報が入った。おそらく東風谷 早苗を下したものと思われる」

 

諏訪子「え!?じ、じゃあ早苗は!?」

 

霊奈「…敵の捕虜になったようだな…」

 

神奈子「お、おのれぇぇぇぇぇ!!早苗ぇぇぇぇ!!今私が助けるからねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

諏訪子「どこのどいつじゃぁぁぁ!!早苗を傷つけたやつはぁぁぁぁぁぁ!!」

 

霊奈「…そこまで…いや…当たり前か…」

 

怒りに燃える二柱の神々はヤル気満々で敵を迎え撃つようだ。その親バカな様子に霊奈も少し引いていたが、自分だって霊夢が敵に捕まったら烈火の如くぶちギレると思って納得した。

 

しかしそこから霊奈の頭を支配したのは霊夢が自分を倒そうとしているという事実だった。そうでなければ白黒魔法使いと共に来ない。その事実に霊奈は二柱から目をそらし、下を向いて唇を噛み締めた。

 

霊奈「…なぜだ霊夢…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃 妖怪の山 上空

 

文「…ふぅ…ようやく追いついた…あんた達ねぇ…私の付き添い抜きで妖怪の山に入るなんて正気!?」

 

魔理沙「わりぃわりぃ…ってお前口調変わってないか?」

 

霊夢「…それで?さっさと案内してよ」

 

二人の前の空中で文は呆れるように腕を組む。さすがは幻想郷最速を誇るだけあって、文は簡単に二人に追いついたようだった。

 

文「…もうすぐ天狗の領域に入るわ。たぶん天狗達も変に記憶を操作させられてるはずだから全速力で抜けるわよ!」

 

魔理沙「よっしゃ!準備はできてるぜ!」

 

霊夢「…めんどくさ…!でもやるしかないわね…!」

 

文の力強い掛け声に二人はさらに気を引き締めて速度を上げる。どんどん周りの風景が後ろへ流れ、三人の耳に風の音しか入らなくなったその時…!

 

ホルス《…!文!あぶねぇ!!》

 

文「!バシッ!」

 

???「…さすが文さん…今の速度でも私の攻撃を見きりますか」

 

一番前を飛んでいた文の横から何者かが攻撃を仕掛けてきた。だが千年以上を生きた大妖怪である文にとって不意打ちを対処するなど動作もない。簡単に懐の葉団扇を取り出すと攻撃を軽く受け流した。

 

攻撃してきた人物はくるっと体勢を戻して三人の前に移動する。その白い狼の天狗に三人が気づかない訳がなかった。

 

文「あら椛、上司に牙を剥くとは…始末書じゃすまないわよ?」

 

椛「残念ですけどこれは天魔様のご命令です。その二人を山に入れるわけにはいきません」

文《…ち…!あのクソジジイ…!》

 

三人の前にほぼトレードマークと化している紅葉の紋様が施されている盾と刀を構えた椛が立ちふさがる。しかも天狗のボスの命令という言葉に文は内心悪態をついていた。

 

文「…チラッ…コクンッ」

 

魔理沙「…!…グッ」

 

霊夢「…!…」

 

椛「さぁ…早く投降」

 

文「するわけないでしょ!疾風『風神少女』!」

 

文は横目で二人にアイコンタクトを送り、椛めがけて竜巻を引き起こす。その隙に霊夢と魔理沙は全力でエネルギーを噴射し、椛の間合いから外に出た。

 

文「さぁ!早く行きなさい!!」

 

魔理沙「サンキュー!無事でいろよ!!」

 

椛「く!…文さん、これが何を意味するかわかっていますよね?」

 

文「…悪いけど…もう私は()()()についていくって決めてんの。目覚まさせてあげるから私にやられていなさい!!」

 

ホルス《空中戦なら得意中の得意だ!》

 

椛「…仕方ありません…スチャッ」

 

文と椛は空中で向かい合い、葉団扇と刀を構えて隙をうかがい合う。そしてヘルメスの力を使う椛とホルスを降ろしている文は風を纏ってぶつかった。

 

文「ギリギリ…!フンッ!」

 

椛「ドカッ!…っっ!バッ」

 

ぶつかった瞬間、文は身体をねじって椛の横に回り込む。その勢いのまま文の回し蹴りが椛の脇腹に炸裂し、飛ばされながら椛は顔を歪ませて体勢を持ち直す。

 

文「…ちゃんと鍛えてる?見回りばっかで鈍ってるわね?」

 

椛「…っ!うるさい!狗符『レイビーズバイト』!!」

 

文「遅い!『無双風神』!!」

 

椛「グハッ!!」

 

椛は文を縦に挟み込むように弾幕の壁を作り、即座に押し潰そうとした。しかし幻想郷最速の文は余裕を持って脱出し、もはや文自身が風になるほどの速度で椛に突っ込んだ。

 

あまりの速さに椛は対応どころか反応すらできず、もろに腹を殴られて地面に叩きつけられた。

 

文「…スタッ…別に私は白狼天狗が弱いとは思わない。でもあなた程度の強さじゃ勝つことは不可能よ」

 

椛「…ま、まだ…う…!が…!あぁ!」

 

文「!?…椛!?」

 

ホルス《なんか…!苦しみ出したぞ!?》

文がそう言うと突然椛は盾を落とし、頭を抱えて苦しみだした。目の瞳孔は開き、地面に倒れてまるで駄々をこねる子供の如くのたうち回っていた。

 

文「椛!しっかりしなさ」

 

ホルス《…ん!?待て!文!》

 

文「え?どうして…ザクッ!…グハッ!?」

 

苦しむ椛に文は駆け寄ろうとしたが、何か嫌な気を感じ取ったホルスはそれを制止する。文がそれに首を傾げたその時…

 

 

…椛が持っていた刀が文の腹に突き刺さった…

 

???《 へへへ…よっこいせと…なぁんだ…こんな簡単に引っかかるなんて…拍子抜けだぜ

 

文「ゴフッ…あ、あなた…!もしかして…!げ、原初…神…!」

 

???《 イエ~ス!俺様こそ原初神が1柱!風と知恵の神プロメテウスだ!ちょいとこの娘の身体を借りてるぜぇ~

 

口から血を吐いて文は刀を腹から引き抜くと、下がりながらそう言い捨てる。その苦悶の表情とは正反対に立ち上がった椛…に取りついた原初神は笑顔で軽く名乗った。まるで愉しくてたまらないと言わんばかりの笑顔だ。

 

文「…ハァ…ハァ…へぇ…ずいぶん…卑怯な手口で戦うのね…原初神様は…!」

 

プロメテウス《 合理的戦術ってやつだ。勝てば正義なんだよ!ドカッ!》

 

文「ぐぅ…!ドサッ…」

 

椛…プロメテウスがチンピラキックで文を蹴り飛ばす。大怪我で動けない文はそのまま地面を転がって突っ伏した。

 

プロメテウス《 さ~て…お嬢ちゃんに恨みはないけど……スチャッ…死んでもらうね~

 

文「…ハァ…ま、まず…ハァ…グググ…ぅぅ…!」

 

仰向けに倒れた文にプロメテウスは血のついた刀を持って近づいていく。文は痛みを堪えて動こうとするも、ただ身体を地面から少し浮かせることしかできずにもがくだけだった。

 

プロメテウス《 だいじょーぶ、すぐに君の仲間も後を追わせてあげるから~

 

文《……ま…だよ…!弾…!まだ…あな…たに…は…恩を返せてないのに…!》

 

プロメテウス《 あはは~!しーね♪

 

笑いながらプロメテウスが文に刀を振り下ろした……

 

 

 

 

???《…ったく…!数日でまた呼ばれるとは…!》

 

プロメテウス《 …グググ…なん…だとぉ!?

 

文「…え…だ、誰……?」

 

ホルス《…何が起きた…!?》

 

…だがその刀が文の柔肌を傷つけることはなかった。文の脳内に誰かの声が響くと、プロメテウスが振り下ろした刀が寸前の所で止まっていたからだ。文もホルスもプロメテウスさえも…誰が何をしたのかわからないまましばし硬直状態が続く。

 

???《…フンッ!》

プロメテウス《 どわぁぁぁぁ!!?ドゴンッ!

 

???《…どうした…幻想郷最速 射命丸 文よ。お前の翼はこんなところで堕ちるのか?》

 

再び響いた声と共にプロメテウスが刀ごと弾かれて近くの大岩に叩きつけられる。その声の主の姿は見えなかったが、文の味方であることは確かなようだ。

 

文「…そ、そんな…わけ…!ないでしょ…!」

 

???《その通り!今一度お前がなぜその身を削って戦うのかを思い出すのだ!》

 

文「…そんな事…!決まってるわ…!()()()は…!すべての世界を救うって言って…!自分を犠牲にしても戦おうとしてる…!私のことも…!!」

 

謎の声に鼓舞されて文はよろよろと立ち上がる。そして思い出したのは今までの弾とのあれこれ…

 

 

彼と出会う前の自分はただスクープを狙い、組織の歯車としか生きていないようなつまらない天狗だったと自覚している。人の個人情報をほじくり返して笑って……あー…恥ずかしい…

 

でも彼との出会いは私のちっぽけな価値観を変えた。ある意味()()()()()()()()()にしか頭になかった自分に『誰かのために』の精神が刻み込まれ、気づいたら自分もそんな耳が痛い理想のために戦っていた。

 

???《…確かにお前は慇懃無礼()()()。だが馬神 弾の思いに共鳴したということは、お前の深層心理にもラブ&ピースの思いがあったからだろう!その翼を広げよ!!愛と平和の青空を作るのだ!!》

 

 

文「…バサッ!誰だか知んないけど…!やるわよ!アイツに追いつくまで負けてたまるもんですか!」

 

ホルス《…今の声……まさか…おやっさん…!?》

 

謎の声はそう言って聞こえなくなるが、その残り香を受けて文の背中の翼が六枚に増え、緑のオーラと共に大きく広がる。同時に文の身体にホル=アクティと同じエメラルドがついたアーマーが現れていた。

 

文「…ビュンッ!」

 

プロメテウス《 イテテ…ん?…ぐへっ!?

 

文「シュンッ!遅すぎよ。今の私は…!誰にも止められない!!」

 

ホルス《…残像できてるし…》

 

文は翼を折り畳むと、ものすごい速度で起き上がったプロメテウスに拳を叩き込む。その速度は残像ができるほど速く、しかもコントロールも効いていた。

 

プロメテウス《 こんのぉ…!おとなしく死になよ!!

 

文「シュンッ…星符『暴風乱打(ハリケーンビート)』!!ヒュォ!…ドゴゴゴゴゴコゴ!!」

 

プロメテウス《 …風が!?…ぐぇぇぇぇ!!!?

 

プロメテウスが逆上して刀を文に向けるが、気づいたときには既に文の姿はそこにない。さらに文が宣言したスペルカードが風でプロメテウスの動きを封じ込め、動けないプロメテウスの頭に文は高速の連続キックをおみまいした。

文「ホルス!」

 

ホルス《……へ…?》

 

文「へじゃない!神話ブレイヴ!」

 

ホルス《…おおう…!あらよっと!》

 

さっきの攻撃でプロメテウスが倒れている間に文はホルスに合図する。少し遅れながらもホルスは虚空から文の両手に自分の神話ブレイヴ『天空双剣ホル=エッジ』を握らせた。

 

文「シュリィン…シュリィン……風符『幻舞連爪(カゲロウ)』!ビュンッ!」

 

プロメテウス《 チクショウ!おらぁ!ビュンッ!

 

文がホル=エッジを研ぎながら、プロメテウスが悪態をつきながら二人の姿が消え失せる。その直後、辺り一帯で無数の衝撃波が発生し始めた。超高速で二人の剣がぶつかり合っている証拠だ。

 

森の中、川のほとり、岩影、そして空中で次々と二人の剣が火花を散らしていく。

 

文「…ガキンッ!…もっと…!もっと速く!ガキンッ!」

 

プロメテウス《 ガキンッ…!やべ…!

 

文「…だぁぁぁぁぁ!!ズバンッ!!!」

 

二人は再び大空に戦場を移すと文の速度がさらに速さを増す。ホル=エッジを巧みに扱い、とうとう刀を掻い潜ってプロメテウスに全力の斬撃をぶち当てた。

 

プロメテウス《 ぐぅ…この…!たかが千年生きただけの小鳥が…!!こっちで叩きのめしてやる!

 

文「ええ良いわ。手加減してあげるからかかってきなさい」

 

すっかり余裕の表情を消したプロメテウスはデッキを構え、文もホル=エッジをデッキに戻して構える。

 

 

文 プロメテウス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』文は六枚羽以外はホルスとお揃いのアーマー姿です。

『分神』妹紅や今回の文の技の名前にピンっと来た人は私と同世代ですね…ニヤニヤ…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二次博麗VS守矢

一方その頃……

 

幽香「…イシスターでアタック。ライフを削り、スピリットを二体戻してライフ貫通」

 

映姫「…バースト貰います。アーサーの効果でコア三個をトラッシュへ」

 

幽香「ち…ねぇ…バトルフィールドで」

 

永琳「ダメ。私を倒せれば良いわよ?」

 

イシス《ケチ臭いわねぇ…》

 

幽々子「仕方ないわよ。あなた達の挽回待ちなんだから」

 

永遠亭では未だに療養中の幽香と映姫がテーブルを挟んでカードを広げてバトルしている。幽香の優しい頼みも隣で見ていた最後の四天王と医者には通用しなかったようだ。

 

紫「ウニョン…あら?そんなにもの足りないなら私とやる?」

 

隠岐奈「ガチャッ…あんたとやるのは普通でもゴメンだよ…」

 

幽香「なら隠岐奈、次あんたとやるわよ」

 

映姫「…どうしました?今のバトルは幽香のアタックステップですけども?」

 

そんなやり取りの最中、スキマと扉から紫と隠岐奈が出てくる。だが四天王達でも紫にケンカを売る気力は万全でもないようだ。幽香も隠岐奈も映姫も幽々子も目を紫から反らして聞かなかったふりをしている……唯一永琳は「上等」と肩を鳴らしていたが…

 

 

紫「いやそうじゃなくて…アレックスさん見てない?」

 

トト《…僕たちは見てないよ?》

 

オシリス《…私もだ。見当たらないのか?》

 

アプロディーテ《…そういえば…マナカとケイも見てないわね…》

 

永琳「…弾には聞いてみた?」

 

紫「…んん~…聞いてはみたのだけど…不適に笑って「大丈夫だ。ふふふ…」としか言わないの…まったくぅ!ちゃんと黙ってないで説明してよ!」

 

四天王+永琳《お前が言うか…》

 

ふてくされる紫に四天王と永琳は白い目で呆れかえる。だが最終的に探していたアレックスの居場所を知っている者はいなかった。

 

幽香「…弾は…わかっていると思う?」

 

映姫「私の意見では察しているのでしょう。彼らの居場所はそう多くはないので、大方私も察しがついています」

 

隠岐奈「…霊夢の援護に向かった…ってことかい…もしかしたら霊奈と戦わなければならない事態になったときのために…」

 

幽々子「…どうして霊奈はああなっちゃったのかしら…?」

 

紫「…やっぱり…私がもっと真剣に幻想郷の矛盾と向き合っていれば…」

永琳「…過ぎたことは忘れなさい。大事なのはこれから…」

 

幻想郷の年長者はそれぞれ思いを吐き出す。古株で霊奈とも関わりがあったであろう彼らの心境はどのようなものであろうか……

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山 守矢神社 境内

 

 

霊夢「スタッ…ようやくついた…」

 

魔理沙「…ほぉ~…霊夢、どうやらあちらさんはヤル気満々みたいだぜ」

 

守矢神社に到着した霊夢と魔理沙は辺りに漂っている神力に身を引き締める。しかもいつも感じている創界神の清らかな神力ではなく、緊迫した荒々しい神力が二人の背筋を強ばらせていた。

 

そして境内の石畳に立つ二人を見下ろすように神社の屋根に立っている二人…いや、二柱の神々がいた。

 

 

神奈子「…ゴゴゴ…貴様ら…!早苗をどこにやった…!!?」

 

霊夢「……はぁ?早苗ってだれ?そんなやつ記憶にないわ」

 

諏訪子「…ゴゴゴ…私たちを怒らせない方が身のためだよ…!」

 

魔理沙「はは!こりゃまいった!……その台詞を先に言われちまうとはなぁ!」

 

早苗の一件でぶちギレている二柱にも霊夢と魔理沙は軽く受け流す。そしてお互いをチラリと見るが、言葉は発さずに目配せで意思を伝えあった…

 

……()()()()()()……

 

 

霊夢「返してほしければ私達に勝つことね!」

 

魔理沙「どっちかでも勝てりゃ返してやるよ!」

 

神奈子「…ゴゴゴ…その言葉…!忘れるな!」

 

諏訪子「…ゴゴゴ…行くよ…!」

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

霊夢「……ふっ!来なさい!」

 

神奈子「…早苗…待ってな!メインステップ!ゴッドシーカー 天騎士オールリィチを召喚!召喚時効果でデッキを四枚オープンする!」

 

神奈子の先行で始まったバトル、第1ターンはフィールドにゴキブリの昆虫騎士が現れてデッキをサーチする。めくられたのは天騎士ナミテントウ、創界神アレス、光速騎士ワスピーダー、そしてテッポウナナフシだ。

 

神奈子「アレスとワスピーダーを手札へ!ターンエンド!」

 

霊夢「メインステップ!こっちもゴッドシーカー!サンダー・Z・ウィゼルを召喚!三枚めくって界渡/化神とゼウスを貰うわ!」

 

霊夢も負けじとゴッドシーカーの小さないたちを召喚し、デッキからゼウスを掘り起こそうとする。霊夢の三枚はサンダー・Z・ウルフ、デルタバリア、そして…創界神ゼウス!

 

霊夢「!サンダー・Z・ウルフとゼウスを回収してそのままゼウスを配置!!神託でコア二個をゼウスへ!ターンエンドよ!」

 

ゼウス《今度はあのバカ息子が相手か…!》

 

順調にゼウスを配置できた霊夢は機嫌良くターンエンドを宣言した。

 

神奈子「メインステップ!荒ぶる軍神!創界神アレスを配置!神託によってコアを三個おき、落ちたバグズリバースを手札に戻す!そしてこい!光速騎士ワスピーダー!!」

 

アレス《………………》

 

神奈子はアレスを配置すると、先ほどオールリィチで回収したオレンジ色のハチの騎士がフィールドに降り立つ。

 

神奈子「バーストを伏せて…アタックステップ!アレスの神域!オールリィチとワスピーダーで同時アタック!!ワスピーダーの効果でコアブースト!」

 

霊夢「…ふーん…どっちもライフで受ける!!」

 

アレスが旗を振るとオールリィチとワスピーダーが同時に霊夢めがけて飛び出す。オールリィチの剣とワスピーダーの針が霊夢のライフを二つ砕いた。

 

神奈子「しゃ!ターンエンド!」

 

ゼウス《霊夢、次の同時アタックはキツいぞ…!?》

 

霊夢「ハイハイ、メインステップ!サンダー・Z・ゴリラとサンダー・Z・ウルフを召喚!そしてサンダー・Z・ウィゼルをレベル2にアップ!」

 

ゼウスの心配もなんとやら、霊夢は神殿のようなアーマーをつけたゴリラと帯電している赤のオオカミを召喚していく。

 

霊夢「アタックステップ!サンダー・Z・ウルフ!攻撃よ!効果でワスピーダーを指定アタック!」

 

神奈子「…仕方ないか…!そのまま破壊」

 

霊夢「その前にぃ~!フラッシュタイミング!サンダー・Z・ウィゼルに煌臨!打ち響く銀の轟音!銀銃皇ヴァルサー・ティーガ!煌臨時効果で煌砲撃よ!!」

 

ゼウス《おぉ!デッキ二枚をめくって『皇獣』ならライフを減らせるぞ!》

 

サンダー・Z・ウィゼルに雷が落ちて姿が変わっていく。より大きくなったその姿は機械的になったリボル・ティーガと言える二つの砲台を背負った銀の虎だった。

 

そしてヴァルサー・ティーガの効果で霊夢のデッキが二枚オープンされる。

 

霊夢「…リュキオースとサンダー・Z・ウィゼル!ライフ二つぶち抜くわ!!」

 

神奈子「ぐ…!だがバースト発動!斬騎士ラグマンティス!サンダー・Z・ゴリラとヴァルサー・ティーガを疲労させて一体をデッキボトムへ!戻れ!サンダー・Z・ゴリラ!!」

 

霊夢「…防げない効果ね…でもワスピーダーは破壊させて貰う!」

 

ヴァルサー・ティーガが両方の砲台から強烈な砲撃を放って神奈子のライフを削ったが、バーストから吹き荒れた緑の風によって霊夢のスピリットがすべて疲労してしまう。

 

そして出てきたカマキリの蟲騎士が鎌でサンダー・Z・ゴリラをボトムに切り戻す。しかもフィールドに残る効果以外では防げないおまけつきだ。それでもサンダー・Z・ウルフはワスピーダーに噛みついてそのまま破壊した。

 

霊夢「ターンエンドよ」

 

神奈子「…まだだ…!メインステップ!勝利を掴む甲殻の軍神!殻神騎士ナイト・オブ・グラディウス!召喚!」

 

アレスの旗がフィールドに突き刺さり、その地面から緑の甲冑を着た蟲の軍神が斧を構えて現れた。

 

神奈子「これで終わりだ!行け!ナイト・オブ・グラディウス!オールリィチ!界放の効果で相手二体を重疲労させ、コア二個を置いてライフを二つ砕く!!」

 

霊夢「フラッシュタイミング!デルタバリア!コストはヴァルサー・ティーガから確保。さらにゼウスのレベル1神技!オールリィチを破壊する!!」

 

ゼウス《そぉーい!》

 

ナイト・オブ・グラディウスが投げた斧が霊夢のライフを二つ破壊するが、霊夢が展開したデルタバリアがナイト・オブ・グラディウスのメインアタックを防ぎ、オールリィチもゼウスの雷で破壊された。

 

神奈子「…くぅ…!ターンエンド…!!」

 

霊夢「終わらせるわよ!メインステップ!撃ち抜け!すべてを貫く星の矢!龍星の射手リュキオース!超祈願でゼウスにコア三個を置いて龍射撃でナイト・オブ・グラディウスを破壊よ!!」

 

霊夢のフィールドに空からオオカミに股がったドラゴンが弓を携えて降りてくる。巨大オオカミを器用に乗りこなし、リュキオースは炎の矢でナイト・オブ・グラディウスを撃ち抜いた。

 

霊夢「アタックステップ!行け!リュキオース!ゼウスのレベル2の神技発揮!!」

 

ゼウス《エクストラターンぞ!》

 

神奈子「…ライフで受ける…!」

 

ゼウスの雷がフィールドに降り注ぐなか、リュキオースが再び炎の矢を放って神奈子のライフを破壊した。

 

霊夢「ターンエンド…そしてまた私のターン!アタックステップ!サンダー・Z・ウルフでアタック!!」

 

神奈子「…これもライフだ…!」

 

霊夢のエクストラターン、重疲労から回復したサンダー・Z・ウルフが全身の毛を逆立たせながら走りだし、ライフを噛み砕く。

 

霊夢「決めなさい!リュキオース!!」

 

リュキオースが空から無数の矢を放った!

 

 

 

 

 

 

諏訪子「…イライラ…!」

 

魔理沙「…おー…こわこわ…メインステップ!世界の創造主!創界神ロロを配置!神託でコア二個を置いて…よーやく引けたぜ!私の神話ブレイヴ!神環杖リガ・シャクティをロロに直接合体だ!」

 

ロロ《正確には君のじゃないけどね…!》

 

祟り神化する寸前の諏訪子に形だけ魔理沙は怖がる。そして先行でロロを呼び出すと、借りていた神話ブレイヴ『神環杖リガ・シャクティ』を合体させた。

 

魔理沙「ターンエンド!」

 

諏訪子「…メインステップ…!ネクサス!凍てつくつららの逆塔を配置!バーストをセットしてターンエンドだよ」

 

魔理沙「…げ…久しぶりに見た…!」

 

対して諏訪子は背後に凍りついた逆さまの柱を配置するだけでターンを終了する。だが魔理沙の顔は苦々しい表情へと変わっていた。

 

魔理沙「…苦手なんだよなぁ…メインステップ!エグゼシード・ビレフトを召喚!アタックはしないでターンエンド」

 

頭をかいて魔理沙は小さいエグゼシードを召喚し、ターンエンドした。

 

諏訪子「メインステップ。シュライクンをレベル2で召喚!緑のスピリットでもあるシュライクンの召喚により、凍てつくつららの逆塔の効果で自身にコアを追加」

 

諏訪子が小さな白い鳥を呼び出すと、背後の逆塔が緑に光ってコアを増やした。

 

諏訪子「さらにヤミヤンマを召喚してシュライクンにコアブースト!逆塔の効果でコアを追加!これでターンエンド」

 

諏訪子はさらに小さなトンボを召喚して更なるコアブーストを行うが、手札に良いのがなかったからかターンエンドした。

 

魔理沙「うへぇ…メインステップ!ダンデラビットを召喚してリザーブとビレフトにコアを追加!さらにゴクラクチョーを召喚!もう一つコアを増やす!」

 

ロロ《確か…『赤緑連鎖』っぽく改良したんだっけ》

 

魔理沙はロロのレベル2効果で緑シンボルを確保する。これで召喚されたダンデラビットやゴクラクチョーが最大軽減で召喚された。

 

魔理沙「おまけにぃ~…爆魔神を召喚してビレフトとゴクラクチョーに合体するぜ!アタックステップ!いったれ!ビレフト!合計二枚ドローしてもういっちょコアを追加だ!」

 

諏訪子「ヤミヤンマでブロックするよ!」

 

魔理沙のフィールドに巨大なマグマの魔神が現れてビレフトとゴクラクチョーに力を注ぎ込む。その力を受けたビレフトが走り出し、角でヤミヤンマを突き刺した。

 

魔理沙「ターンエンド!」

 

諏訪子「…さぁて…メインステップ!要塞蟲ラルバをレベル2で召喚!召喚時効果で白スピリットにコアを追加。そのままテッポウナナフシを召喚して手札を捨てて相手の手札分、ドロー」

 

諏訪子は機械の芋虫に身体が鉄砲のナナフシを召喚してコアと手札を回していく。だがテッポウナナフシの効果は魔理沙の手札が二枚しかなかったので、あまりドローすることはできなかった。

 

……それでも諏訪子の顔には笑みが浮かんでいたが……

 

諏訪子「…よし…召喚!鉄騎皇イグドラシル!召喚時効果でBP3000以下のスピリットをすべて手札に戻す!そして戻したシュライクン、ラルバ、そしてテッポウナナフシを再召喚!コアブースト&ドロー!」

 

魔理沙「…あー…こうなると暇になるんだよなぁ…」

 

諏訪子のフィールドに白い竜巻が発生し、銀色の騎士が現れる。その召喚時効果が魔理沙のダンデラビット、諏訪子の三体を手札に戻し、諏訪子はその三体を再度呼び出した。

 

諏訪子「アタックステップ!フルアタックだ!」

 

魔理沙「…お…?きたか?全部ライフだ!!」

 

シュライクンの翼、ラルバのビーム、テッポウナナフシの銃弾、そしてイグドラシルの剣が魔理沙のライフを一気に残り一つにまで削りきった。

 

諏訪子「…ま…いいか…ターンエンド」

 

魔理沙「…いってぇ~…やったな!メインステップ!ビレフトとゴクラクチョーを最高レベルへ!さらにビレフトに煌臨!始まりの龍を纏いし神馬!龍神皇ジーク・エグゼシード!」

 

ロロ《…チラッ…しかも手札にそいつがいるんだね…!》

 

ビレフトの周りに炎が発生し、ビレフトの身体にジークフリードを思わせる赤い装飾が出現する。そしてオレンジの翼を羽ばたかせてフィールドに炎を振り払って現れた。

 

魔理沙「アタックステップ!ジーク・エグゼシードでアタック!!爆魔神のダブルドライブ!一枚ドローしてコアを増やす!ジーク・エグゼシードの効果でトラッシュのソウルコアを戻すぜ!」

 

諏訪子「フラッシュタイミング!ストームアタック!ゴクラクチョーを疲労させてイグドラシルを回復させるよ!イグドラシルでブロック!!」

 

魔理沙「おおっと!フラッシュタイミング!ジーク・エグゼシードの効果を使う!手札のダンデラビットを煌臨元にして回復し、ライフを二つ砕くぜ!!」

 

ジーク・エグゼシードが緑の風で起き上がったイグドラシルにぶつかり、角と剣が火花を散らす。だが魔理沙の手札がジーク・エグゼシードに吸収され、角からビームを放って諏訪子のライフを二点貫いた。

 

魔理沙「まだまだ続くぜ!ジーク・エグゼシードに煌臨!星から生まれし救世主の神皇!超神星の神皇エグゼシード・ノヴァ!!エグゼシードに煌臨したので、ライフを全回復!!」

 

諏訪子「…ぜ、全…回復!?」

 

魔理沙「さぁ!イグドラシルをぶちのめしな!!」

 

ジーク・エグゼシードに空から炎の流星が降り注ぐ。炎が晴れるとジークフリードの装飾はすっかり消え去り、ジークヴルム・ノヴァを思わせる白い翼と赤いたてがみが生えていた。

 

エグゼシード・ノヴァはさらに虹色の光を放って魔理沙のライフをすべて回復させ、炎の槍になってイグドラシルの腹を貫いた!

 

魔理沙「これでとどめだ!いっけぇぇぇぇ!エグゼシード・ノヴァァァァァァ!!!」

 

トリプルシンボルのエグゼシード・ノヴァが口から虹色のビームを諏訪子めがけてぶっぱなした!!

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

清く正しい射命丸

欲望に逆らえず、さらに神攻勢力1ボックス買ってしまいました……サラスヴァティーとセフィロ・アリエスX出たから良いけどな!


プロメテウス《 …今から手加減はしないよ…!!

 

文「ふんっ…メインステップ!ウツボクイナを召喚してコアを自身へ。大空の支配者!創界神ホルスを配置!神託でコアを三個おくわ」

 

ホルス《…さぁ…!お前の罪を…!数えろ!!《/font》 》

 

文は初手に小さな植物に入った雛を召喚し、ホルスも配置する。ホルス自身も目を鋭くさせてプロメテウスを睨み付けていた。

 

文「ターンエンド」

 

プロメテウス《 メインステップ!こい!ヘルメス!神託でコア二つを置く!そしてパキラフォックスを召喚して自身にコアを増やし、デッキを五枚オープンする!

 

ヘルメス《……………》

 

プロメテウスはヘルメスを出すと、小さなキツネを召喚してコアブースト&デッキをオープンする。

 

プロメテウス《 その中の『七大英雄獣』…老将タイガー・ネストールと光速神王オデュッセイバーを手札に!ターンエンド!

 

文「…メインステップ!天空勇姫ネフェルスを召喚!またコアを二個増やして来なさい!天空翠凰ファラ=ニクス!!」

 

文のフィールドに鎧姿の野鳥を呼び出して、その増えたコアで金色の小型の鳳凰を召喚した。文はうまくアルティメット達の召喚時効果を使い、コアを貯めていった。

 

文「アタックステップ!羽ばたけ!ファラ=ニクス!」

 

プロメテウス《 ライフで受ける!

 

ファラ=ニクスが緑の羽を振るってプロメテウスのライフを砕いた。

 

文「これで終わりよ。ターンエンド」

プロメテウス《 行くぞ!メインステップ!老将ネストールを召喚!召喚時効果でコアを二個ネストールに!さらに相手のトラッシュのスピリット三枚を除外してウツボクイナを重疲労!

 

プロメテウスが召喚した老いた虎が吠えてウツボクイナをひっくり返す。さらにプロメテウスは手札のカードを手に取った。

 

プロメテウス《 増えたコアを使い、召喚!七大英雄獣 光速神王オデュッセイバー!アタックステップ!行け!オデュッセイバー!界放でファラ=ニクスとネフェルスを手元に置き、ヘルメスのコアを移動させてそのカードを封じる!

 

文「…ライフで受ける!…っつ!!」

 

フィールドを縦横無尽に駆け抜けたオデュッセイバーがファラ=ニクスとネフェルスを突き飛ばして文の手元に吹き飛ばす。そのままオデュッセイバーが文のライフを噛み砕いた。

 

プロメテウス《 ターンエンド!

 

文「…ふんっ!メインステップ!金色の翼で天に舞え!天空鳳凰ホル=アクティをレベル4で召喚!」

 

ホルス《デカいの…!噛ましてやるか!》

 

ホルスを中心に緑の竜巻が巻き起こり、飛び出した赤い鳳凰…ホル=アクティがフィールドで大きくいなないた。

 

文「アタックステップ!ホル=アクティでアタック!!デッキを三枚めくって『爪鳥』を召喚!」

 

ホルス《…よーし!天空の双璧イネブ・ヴァルチャーを召喚!召喚時効果でオデュッセイバーとネストールを重疲労だ!》

 

ホル=アクティが羽ばたいて文のデッキを三枚めくり、その中の一枚…巨大なハゲタカのような怪鳥が二体の剣獣を伏せさせながら現れた。

 

文「イネブ・ヴァルチャーはアルティメットなので、ライフを一つ砕く!」

 

プロメテウス《 バースト発動!七大英雄獣覇王獣テセウス!その二体を疲労させて『剣獣』をBPプラス10000!ホル=アクティはライフで受ける!

 

たった今召喚されたイネブ・ヴァルチャーがプロメテウスのバーストから出てきた大型の獣の咆哮に疲労させられる。それでもホル=アクティは嘴でプロメテウスのライフをつつき割った。

 

文「…まぁ良いわ。ターンエンド」

 

プロメテウス《 …メインステップ…!生命の灯火…!今風によって燃え上がれ!召喚!崩風神ブロウ・メテウス!

 

 

プロメテウスのフィールドに黒い穴が開くと、そこから吹き出した炎が一体の神の姿をとる。頭部は虎だが身体はがっちりした人型の鎧姿の神が地面に降り立ち、風に自らが放った炎をたなびかせた。

 

文「…ビュゥゥゥ!…すごい風…!」

 

ホルス《…だが気味悪い風だ…!優しさも何もない…!虚しい風だぜ…!》

 

プロメテウス《 君の首はタカミムスビ陣営の見せしめにしてやる!アタックステップ!ブロウ・メテウスでアタック!!ヘルメスの神域でBPプラス10000!

 

文「フラッシュタイミング!ホルスの神技!コア一つでデッキ三枚の中から爪鳥を召喚するわ!」

 

ホルス《…あぁもう!仕方ない!セメンバードを召喚!そしてブロックだ!》

 

ブロウ・メテウスがヘルメスの風に乗りながら炎の拳を突き出す。だがホルスのめくりは良くなく、現れた小さな鳥はブロウ・メテウスに簡単にぶっとばされてしまった。

 

プロメテウス《 再びブロウ・メテウスでアタック!!フラッシュでヘルメスのコアを四個ボイドへ戻す!これで相手の疲労しているスピリット/アルティメットを手札に!さらにその分こちらのスピリットは回復だ!

 

文「な…!?」

 

ヘルメスのコアをエネルギーにしてブロウ・メテウスが炎の竜巻をフィールドに発生させる。その炎は文のアルティメット達を蹴散らし、プロメテウスのスピリット達を起き上がらせた。

 

プロメテウス《 あはは!これで君にブロックできるスピリットはいない!さぁ!死んで貰おうか!

 

文「…生憎だけど…!お断りするわ!フラッシュで再びホルスの神技を使用!」

 

ホルス《今度こそ…良いの頼むぜ…!》

 

文は再度ホルスの神技を使ってデッキをめくる。残りのホルスのコア的にこれがラストチャンスになる…文とホルスの心臓の鼓動が大きく響き始めた。

 

…一枚目…天空鳥キジバトゥーラ……二枚目…バインディングホルス………そして最後の一枚は………!

 

文《…大丈夫…来たカードが何であろうと…私が答えるんだ!》

 

……三枚目は…………

 

 

………天空勇士シュネア・イーグル!

 

 

文「…来た!天空勇士シュネア・イーグルを召喚!召喚時効果で手札の天空双剣ホル=エッジをシュネア・イーグルにダイレクト合体させるように召喚!!しかも相手スピリットを三体重疲労できる!!」

 

プロメテウス《 ……は…!?

 

フィールドに現れた赤い鎧を着た白い身体の爪鳥めがけてどこからか二本の剣が飛んでくる。シュネア・イーグルは両足で剣の柄をつかみ、たった今起き上がったオデュッセイバー、ネストール、そしてテセウスを再び地面に伏せさせた。

 

文「イネブ・ヴァルチャーとウツボクイナを消滅させてレベル3にしたシュネア・イーグルでブロック!!」

 

ホルス《ヘルメスの神域はコアがないから使えないだろ!!》

 

向かってきたブロウ・メテウスの拳をシュネア・イーグルはホル=エッジで受け止める。そのまま弾き返してブロウ・メテウスを外壁に叩きつけて破壊した!

 

プロメテウス《 …ターン…エンド…

 

文「メインステップ!ホル=エッジをホル=アクティに合体!アタックステップ!行け!ホル=アクティ!デッキ三枚から天空神鳥ハロエリスを召喚!そしてパキラフォックスを重疲労!!」

 

シュネア・イーグルがホル=エッジをホル=アクティに投げ渡す。ホル=アクティは翼にホル=エッジを合体させて一段と緑に輝いた。

 

しかもホル=アクティの効果で召喚されたハロエリスが唯一回復状態のパキラフォックスをひっくり返した。

 

プロメテウス《 ひ…!い、イヤだ…!また…消えたくない…!

 

文「この腰抜け!最期ぐらい腹くくりなさい!」

 

ホルス《吹き飛ばせ!!ホル=アクティ!!!》

 

プロメテウスめがけて黄金の光に包まれたホル=アクティが突っ込んだ!!

 

 

プロメテウス《 ァァァァァァァァ!!!

 

 

 

 

文「…ずいぶん手こずらされたわね…早く守矢神社に向かわないと…」

 

ホルス《…だが敵の親玉の一人を潰せたのは大きなアドだな》

 

プロメテウスを撃破したあと、倒れた椛を背負いながら文は守矢神社めがけて飛んでいた。その速度は一人を背負っているとは思えないほど速い。お陰であれから十分程度で守矢神社が近づいてきた。

 

文「…スタッ…よいしょっと…さて二人は…どごぉぉぉぉぉぉん!!!…あそこね」

 

椛を安全な所に寝かせて文は爆音が聞こえた方向へ飛ぶ。するとそこには……

 

 

霊夢「……お義母さん…」

 

先ほどの自分と同じように弾の神力を放ちながら佇む霊夢の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

気づけばこんな駄文で8ヶ月…200話も読んでくださり、誠にありがとうございます。完結まであと少し御付き合い頂ければ幸いです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幻想郷1のベストマッチ

まさかこの創界神をこういう風に扱うとは思っていませんでした。


文到着の数分前 守矢神社 境内

 

魔理沙「…ふぃ~…お…霊夢が…いない?」

 

魔理沙が石畳に足を着けて辺りを見渡すと、倒れている神奈子と諏訪子以外の人影が見えない。おそらく魔理沙より先にバトルを終えたと思われるが、今の魔理沙には霊夢の行き先に心当たりがなかった。

 

魔理沙「………ポツーン……」

 

ロロ《……どこに行ったんだ…?》

 

バゴォォォォォォォォン!!!

 

魔理沙「うえぇ!!?何だぁ!?」

 

ロロ《まだ敵がいたみたいだね…行こう!》

 

境内に一人ポツンと魔理沙が佇んでいたその時、辺りをつんざく爆音が守矢神社の裏手にある湖付近から聞こえてきた。その音に魔理沙は驚くが、ロロに急かされて箒にまたがって飛んでいく。

 

魔理沙「…!…霊夢と……同じ巫女服の女…?」

 

霊夢「…!…遅いわよ!魔理沙!」

 

霊奈「……ジロリ……」

 

湖のほとりで魔理沙は何者かと向かい合っている霊夢の姿を確認してそばに降りる。霊夢の正面にいた霊奈は魔理沙を見ると、あからさまに眉をひそめて機嫌を悪くした。

 

魔理沙「んで?コイツがあの?」

 

霊夢「……ええそう。自分勝手な神に自らを売った…私の育ての親よ…」

 

魔理沙「……覚悟は…できたんだな?」

 

霊夢「…………たぶん……」

 

魔理沙は霊奈から目をそらさず霊夢に質問する。当の霊夢はいつもの活発な表情を微塵も見せずにそう答えた。

 

霊奈「…霊夢…!なぜ馬神 弾や八雲 紫に協力する…!?アイツらはお前を『博麗の巫女』として利用しているに過ぎない!お前が幸せに暮らせる世界のために」

 

霊夢「……ごちゃごちゃうっさい!私は()()()の考えに賛成してるから巫女をやっているの!誰から言われたり強制させられたとかじゃない…本当の『私』としての意思よ!!!」

 

霊奈は苦しそうに説得しようと試みるが、霊夢はその言葉の腰を折って説得をはねのけた。その目は確かに光が灯っている。

 

霊奈「…霊夢…やつは聞こえの良いことを言うかもしれないが、妖怪のことしか頭にない八雲 紫や摩多羅 隠岐奈、自分勝手に行動する西行寺 幽々子や風見 幽香、人里の矛盾を放置している閻魔達と手を組んでいるのも事実だ!アイツらは『人間』のことなど『家畜』程度にしか見ていない!!」

 

霊夢「…カチンッ…へぇ…なら()()()は『妖怪』のことを『害虫』程度にしか見ていないんじゃない?」

 

霊奈「…太古より環境に適応できない生き物は死に絶えてきた。妖怪も今の環境に正しく適応できないのなら絶滅すべきだ」

 

霊夢「…なら聞くわ。あんた…アイツらの何を知ってんの?

 

なおも霊奈は自己中な『妖怪』達を指摘する…それは霊夢の逆鱗を気づかずに押すどころかぶん殴るということだ。さらに今度は霊夢が霊奈に質問を投げ掛ける。

 

霊奈「…なに?」

 

霊夢「…幽香はね…最恐の妖怪とか言ってるけど本当はただの花好き妖怪。でも花々のために自らを誇張して…自分でも自分がわかんなくなるぐらい悩んでたのよ?それを()()()が見つけたわ!」

 

幽香《…ちょっと!庭のこの花枯れかかってるじゃない!》

 

 

霊夢「…隠岐奈はね…紫のオマケ扱いされてることに劣等感を感じてたの。だけど今は()()()の右腕として力戦奮闘してるわ!」

 

隠岐奈《霊夢、弾と相談して来た例の議題なのだが…》

 

 

霊夢「…幽々子はね…幼い頃に親に見放されたことがトラウマになってた。でも親友の危機を助ける優しさは捨てなかった!だからこそ()()()は「絶対見捨てない」って誓ったわ!」

 

 

幽々子《霊夢~!お酒まだ余ってな~い?》

 

 

霊夢「…映姫はね…本当に口うるさいけどそれは真に世界を憂いているから。今は()()()の元で自分なりの判決を下してるわ!」

 

 

映姫《まったく!あなたは巫女として怠惰すぎる!》

 

 

霊夢「…紫のこと…私は知らなかった。あんなたくさんのことを心に抱えてたなんて…知ってる?()()()はそんな暗い紫の闇すらも受け止めたのよ!」

 

 

紫《あら霊夢、戸棚のお茶菓子美味しかったわよ♪》

 

 

霊夢は一人一人霊奈が指摘した妖怪達のことを語る。その話にはいずれにも弾のことを言及していた。霊夢は右手のお祓い棒をビシッと霊奈に突きつけて大きく叫んだ。

 

霊夢「アイツらだって悩んだり間違ったりするただの命よ!はっきり言って人間だろうが妖怪だろうが関係無い!私は『命』を守るのよ!!!

 

ゼウス《…!…『分神』の光……!》

 

ロロ《…ゼウス…ちょっと…ボソボソ…》

 

ゼウス《…む…?》

 

魔理沙「…へへ…!おせぇよ!パチンッ!」

 

霊夢の覚悟のこもった声に反応するかのように、身体から星のエネルギーが溢れだした。魔理沙も指を鳴らして『分神』の姿へ変わる一方、体内の二人の創界神は何やら話し合っていた。

 

霊夢「…いくわよ…相棒…!」

 

魔理沙「あぁ!足引っ張なんなよ!」

 

霊奈「…!…やむを得ん…!力ずくで行くぞ!」

 

七色の光が晴れ、霊夢の姿はまるでアマテラスのように豪華な巫女服を纏い、トレードマークの赤いリボンもバチバチと帯電している。そして隣に並び立った魔理沙と雷の刃がついたお祓い棒をビシッと霊奈に突きつけた。

 

ここまでくればさすがに霊奈も苦虫を噛み潰した顔で拳を構える。その身体からは紅いオーラが滲み出していた。

 

霊夢「はぁぁぁ!ビシィィ!」

 

霊奈「ガツンッ…」

 

魔理沙「おらぁ!ドカッ!」

 

霊奈「グフッ!?」

 

霊夢のお祓い棒と霊奈の拳がぶつかるが、その隙に魔理沙の杖が霊奈の腹をたたく。そして二人はお互いエネルギーをお札と杖に込め始めた。

 

霊夢「星符『雷星封印』!!」

 

魔理沙「星符『グランスパーク』!!」

 

霊奈「…な……霊符『夢想封印』!!」

 

霊夢の七色の放電の雷、魔理沙の螺旋状に絡んだ黒と白のビームが霊奈の虹色の弾幕とぶつかった。二人の『分神』状態の一撃は軽く虹色の弾幕をぶち破り、霊奈へと向かっていく。

 

霊奈「…ぐぅ…バッ!」

 

霊夢「逃がさないわ!雷符『雷錨牽引(プラズマアンカー)』!」

 

霊奈「がはっ!?…ぐぅぅぅ…!!」

 

霊奈はとっさに後ろに後ずさって雷と光線をかわしたが、霊夢が追撃でお祓い棒から雷の錨を伸ばして霊奈の腰に絡みつかせた。ただでさえ電気で痺れている霊奈を無理矢理霊夢は引き寄せる。

 

霊夢「…んん…!グイッ!魔理沙!今よ!」

 

魔理沙「よしきた!星符『銀河群龍(ダイナギャラクシー)』!!ズドド!!」

 

霊奈「ぎゃぁぁぁ!!」

 

雷の錨で霊夢が空中に霊奈を放り投げ、その隙に魔理沙が竜型のエネルギーを纏って霊奈に突っ込み、あえなく霊奈は地面に転がる。

 

霊奈「…っっ…!ならこっちだ!バッ!」

 

霊夢「へぇ…私に空中戦をやろっての?バリバリバリ!」

 

魔理沙「うぉ…電気の速度すげっ…まっ…私もいけるけど!」

 

三人は空に戦いの場を移す。魔理沙は箒にまたがるが、霊夢は電撃なると即座に霊奈の前に現れた。

 

霊奈「…ハァ…ハァ…龍符『核熱線』!!」

 

霊夢「…!…チラッ…」

 

魔理沙「…ニッ!もう一発!星符『グランスパーク』!!」

 

霊奈の身体から青い炎が放たれ、魔理沙の銀色マスタースパークとぶつかる。今度はお互い威力が互角だったので、辺りに爆煙が立ち込めた……

 

霊奈「…こ、この…霧雨家の親父さんが見たら呆れるぞ…!」

 

魔理沙「…そんな戯れ言言ってて良いのか?」

 

霊夢「…真上ががら空きよ!雷符『旋雷杭打(サンダードライバー)』!!ギュルルル!!」

 

霊奈「な!?ぐわぁぁぁ!!」

 

魔理沙に気をとられていた霊奈は空から高速で電撃回転して突進してくる霊夢に気づけなかった。雷にしびれながら霊奈はそのまま湖に落ちていった。

 

霊夢「…………」

 

魔理沙「…霊夢、こんな簡単にやられる人じゃないって」

 

 

霊奈「ザバァァン!!うぉぉぉぉぉ!!」

 

魔理沙は微妙な顔つきの霊夢にそう言うが、魔理沙の言うとおり霊奈は雄叫びと共に飛び出してきた。霊夢は再び目を引き締めて霊奈と向かい合う。

 

霊奈「…ハァ…ハァ……な、なぜだ…!こんな…力がどこから…!」

 

霊夢「…そんなの…私と魔理沙が…!最っ高のコンビだからよ!!

 

ゼウス《ニュッ…諦めよ。今のお前に彼女は倒せん》

 

ロロ《ニュッ…君とは守るものの重さが違うからね》

 

ずぶ濡れ&来ている巫女服がボロボロになっても戦おうとする霊奈に、ゼウスとロロは二人の中から出て来てそう忠告する。

 

霊奈「…まだ…だ…!その性悪魔法使いから…!霊夢を守らないと…!うぉぉぉぉぉ!!」

 

霊夢「…っっ…!この神力…!間違いない…お義母さん、もう限界を超えてる…!」

 

魔理沙「…んで、創界神様達は先ほど何をご相談なすって?」

 

霊奈は傷だらけにも関わらず膨大な神力を放出させ始める。その目は赤く血走っていて、以前ウカノミタマに生命力を注がれた鈴仙やてゐのよう…

 

その様子に霊夢は霊奈の身体を心配し、魔理沙はわざわざ出てきたゼウスとロロに尋ねた。

 

ゼウス《はっきり言えば今の彼女は危険な状態だ。自らの限界を超えて力を引き出しているせいだと思われる》

 

ロロ《助けるには彼女の体内にある神の力をさらに大きな力でひっぺがすしかない。だけどそんな力は僕たちの誰も持っていない》

 

魔理沙「…ふーん…だからお前達の力を合わせるってか?」

 

ゼウス《その通り!行くぞ!ロロ!》

 

ロロ《…ちゃんと終わったら分離してよ!》

 

ゼウスとロロが光の球になって頭上に昇っていく。そして猛烈な衝撃波を発しながら二つの球が一つになり、辺りは光に包まれた。

 

光が収まると、そこには紅いマントに黄金の鎧、ロロのような長い銀髪をたなびかせて右手に杖を構えた雄々しい神が霊夢と魔理沙の背後に現れた。

 

ゼウス=ロロ《フンッッッ!このパワーなら彼女を救えるぞ!》

 

霊夢「…ッッ…!スゴいエネルギー…!じゃああんた達!力を貸しなさい!」

 

霊奈「…ぐぅぅぅ!ぁぁぁぁ!こ、こぃ…!!」

 

圧倒的なオーラを撒き散らしてゼウス=ロロは霊夢の体内に入る。『分神』した霊夢の肉体はゼウス=ロロの溢れ出る力にも持ちこたえ、苦しむ霊奈にデッキを突きつけた。

霊夢「…お義母さん…私言ったわよね…私は『命』を守るって!お義母さんも救ってみせる!!」

 

 

霊夢 霊奈「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

霊奈「…ハァ…ハァ…!メインステップ…!ゴジラ(2016)第2形態を召喚して三枚デッキをめくる…!」

 

霊奈は既にヨロヨロのまま、まるで黄土色の深海魚のようなドラゴンが地面を這って出てくる。

 

霊奈「…その中の神の化身 呉爾羅とシン・ゴジラ(第4形態)を手札に…ターンエンド…!」

 

霊夢「…あれね…メインステップ!ブレイドラと世界幼竜グラン・ロロ・ドラゴンを召喚!召喚時効果でこっちも三枚オープンするわ!」

 

初見のスピリットを見て霊夢は()を認識する。霊夢のターンに変わり、霊夢は小さな赤い翼竜と緑のドラゴンを召喚した。するとめくれたカードに明らかにおかしいのが数枚混じっている…

 

霊夢「…何であんたらいんのよ…創界神ケイを回収、さらに1コスト使ってもう一度効果を発揮!……来た…創界神ゼウス=ロロを手札に!ターンエンド!」

 

霊奈「…ち…メインステップ!第2形態の力で最大軽減!神の化身 呉爾羅を配置!神託の効果でコア三個をこのネクサスに!そして結晶地帯を配置する!」

 

霊夢「!…デカい…龍!?」

 

バトルフィールドが突如暗くなる。霊夢が霊奈の後ろの空に目を向けると、そこにはジャッジメント・ドラゴニスすら上回る二本足のゴジラが煙を吐きながら立っていた。さらにバトルフィールドの周りが透明な巨大水晶が建ち並ぶ。

 

霊奈「…バーストを伏せて…ターン…エンド…ハァ…ハァ…!」

 

霊夢「今度は私達!全知全能の力を今ここに!創界神ゼウス=ロロを配置!神託でコアを二個追加!さらにブレイドラの効果!一枚ドロー!」

 

ゼウス=ロロ《配置時効果!そのドラゴンのコアをすべてボイドへ!!》

 

霊夢の背後に大きな雷が落ちてゼウス=ロロが現れると、ゼウス=ロロが放った雷が超巨大ゴジラに直撃し、エネルギーを奪い取った。

 

霊夢「…そして創界神ケイと創界神マナカを配置!何でいんのよ…まぁ神託してコア二個ずつ置くけど…」

 

マナカ《…い、いやぁ~…僕たちも心配だったんだよぉ~》

 

ケイ《…ブレイドラの効果で二枚ドロー…》

 

ゼウス=ロロの両隣にマナカとケイが苦笑いをしながら現れる。だがちゃんとブレイドラの効果は忘れていない。

 

霊夢「…ターンエンド!」

 

霊奈「…メインステップ…!シン・ゴジラ(第2形態)を召喚!そしてマジック!ソウルドロー!ソウルコアを支払ってデッキから三枚カードを追加!」

 

霊奈はもう一体蒲田君を召喚し、マジックで手札を補充する。だがコアを使いきってしまったので、霊奈のやることがなくなった……かに見えた。

 

霊奈「シン・ゴジラ(第2形態)の効果!自身を破壊して手札からシン・ゴジラ(第3形態)をコアを支払わずに召喚!ターンエンド!」

 

霊夢「…うぇぇ…気持ち悪い…でもゼウス=ロロレベル2の神域!お互いのエンドステップ時に相手の手札を四枚になるまで破棄するわ!!」

 

ゼウス=ロロ《今の手札は六枚!よって二枚棄ててもらう!!》

 

召喚されたばかりの蒲田君がモゾモゾと立ち上がり、大きく咆哮する。しかしゼウス=ロロが衝撃波で霊奈の手札を二枚トラッシュ送りにした。

 

霊夢「メインステップ!バーストを伏せて大神剣アラマンディーをゼウス=ロロにダイレクト合体!続けて原初の皇獣!皇獣王Zを召喚よ!」

 

アラマンディーがゼウス=ロロの手に収まり、赤シンボル二つを供給する。その軽減を使って霊夢は皇獣王Zを呼び出した。

 

霊夢「アタックステップ!皇獣王Zの効果でトラッシュのコアをすべて置いて、手札からシャーマント・ヒヒを召喚!召喚時効果でトラッシュからアレックスを回収!皇獣王Zでアタック!」

 

ゼウス=ロロ《アタック時効果!シン・ゴジラ(2016)第2形態を破壊する!》

 

霊奈「…ライフで受ける!バースト発動!宇宙凶悪戦闘獣スペースゴジラ!シンボルが一つのシャーマント・ヒヒとグラン・ロロ・ドラゴンを破壊だ!」

 

皇獣王Zの炎から祈祷使のサルが現れ、その力で神託によってトラッシュに行ったアレックスを手札に戻す。そしてフィールドを疾走して皇獣王Zの前足がライフを砕いたが、霊奈のバーストが発動し、両肩に水晶を着けたゴジラが炎で二体を焼き払った。

霊夢「ふーん、ターンエンド」

 

霊奈「…メイン…ステップ…!再びバーストを伏せ…シン・ゴジラ(第3形態)の効果で自身を破壊…召喚!シン・ゴジラ(第4形態)!!結晶地帯の効果で最高レベルに!」

 

第3形態のゴジラがさらに光を放ち、その身体はよりドラゴンらしい体格に進化していく。変化し終わった身体つきは後ろのゴジラと瓜二つだ。

 

霊奈「ぐぅ…あ、アタックステップ…!神の化身 呉爾羅のコアを4つボイドへ!転神!シン・ゴジラ(第4形態)でアタック!BP合計15000まで相手のスピリットを破壊!」

 

霊夢「はぁ!?そいつ『転神』してくんの!?」

 

霊奈「…は、ははは…!さらに『チェンジ』!手札のシン・ゴジラ(2016)第4形態を回復状態で入れ換える!」

霊奈の超巨大ゴジラがズズズと地響きを発ててフィールドに入ってくる。そしてブレイドラを踏み潰し、皇獣王Zを尻尾で弾いたシン・ゴジラは回復して霊夢に迫った。

 

ゼウス=ロロ《…いや!その効果は行幸!フラッシュタイミング!我の神技!『転神』している創界神ネクサスを破壊する!!砕け散れ!!》

 

ケイ《さらに私の神技!バースト発動!来たれ!私達の化神!六楯神龍ヒヨク!!バースト効果で手札の選ばれし探索者アレックスのバーストを使用する!》

 

しかしゼウス=ロロはアラマンディーの切っ先をフィールドに向ける。その先から虹色のビームが伸び、フィールドに入ってきた超巨大ゴジラの腹を貫通した。超巨大ゴジラはバトルフィールドを揺るがすほどの絶叫と共に倒れて爆散した!

 

 

その隣でケイはバーストを強制的に発動させ、ヒヨクとスピリットのアレックスを連続召喚する。

 

霊夢「…へぇ…さすがは全知全能って所かしら?今のうちに煌臨!黒き獣ゼグロード!そしてメインアタックはライフで受ける!」

 

霊夢はゼウス=ロロの力に舌を巻き、アレックスに黒い雄鹿を煌臨させる。シン・ゴジラの熱線はそのままライフで受け、ライフが二つ砕けた。

 

霊奈「…ターンエンド」

 

霊夢「ドローステップ…!…お義母さん…私はもう非力な子供じゃない。私には相棒(魔理沙)が、仲間達(妖怪)が、そして頼れるリーダー(うちの祭り神)がいるの!」

 

霊奈「…………」

 

霊夢「だから私は大丈夫!そしてお義母さんを救う!メインステップ!その砲撃は反撃の合図!紅き雷神皇リボル・ティーガ・Z!召喚!!さらにサンダー・Z・グリズリーを召喚!」

 

マナカ《召喚時効果でネクサスを破壊するよ!さらにゼグロードにアラマンディーを合体!》

 

霊夢の覚悟の一言の後、赤いリボル・ティーガ・Zが雄叫びをあげて現れる。さらに鎧を着たグリズリーの召喚によりバトルフィールドを覆っていた結晶が砕け散る。これで『ゴジラ』を最高レベルにする効果が消滅した。

 

ゼウス=ロロのアラマンディーもフワッと浮いてゼグロードが口に咥えて大きく構える。

 

霊夢「バーストをセット!アタックステップ!行け!リボル・ティーガ・Z!封印して神砲撃!!」

 

ゼウス=ロロ《オープンされた皇獣王Zの力でライフをもらう!》

 

霊奈「…がはっ…ば、バースト発動!ゴジラ(1984)…リボル・ティーガ・Zを破壊…!!そのまま召喚!」

 

リボル・ティーガ・Zが霊奈のライフを撃ち抜くが、地面から噴火と共に出てきたゴジラが尻尾を振り回し、リボル・ティーガ・Zを叩きつけ、爆散させてしまった………が………

 

霊夢「…ふふっ!ヒヨク、サンダー・Z・グリズリーでアタック!!フラッシュタイミングでマナカの神技を連続使用!バーストを持つスピリットを二体破壊するわ!」

 

マナカ《よいしょっと!!》

 

霊奈「…ハァ…ら、ライフだ…!」

 

ヒヨクが空を駆け抜け、サンダー・Z・グリズリーが地面を重々しく走る。その道をマナカのエネルギー槍がゴジラ達を砕いて空け、二体の攻撃が霊奈のライフを破壊した。

 

霊夢「行け!ゼグロード!!」

 

霊奈「迎え撃て…!ゴジラ!」

 

ゼグロードがアラマンディーを咥えて走り出す。ゴジラは背中や尻尾から熱線を放つが、ゼグロードは器用にかわし、直撃しかけたのは角やアラマンディーで受け流していた。

 

霊奈「BPはこちらが勝っているぞ!」

 

霊夢「フラッシュタイミング!創界神ケイのコアをゼグロードに!神煌臨!全知の雷鳴!全能の龍!全能龍神グラン・ロロ・ドラゴレオン!!!

 

ゼウス=ロロ《煌臨時に『全能界放』!スピリットを三体回復させ、我のコア四個をドラゴレオンに!これで相手の手札を一枚残してすべて破棄する!!》

 

ゼグロードめがけて空とゼウス=ロロから雷が降り注ぐ。そして身体がシン・ゴジラに並ぶ大きさに、背中には四枚の翼が生え、その姿は西洋のドラゴンへと変わった。

 

ドラゴレオンは早速力を解放して辺り一帯に自らのエネルギーを放出する。すると疲労していたヒヨクとサンダー・Z・グリズリーが起き上がり、反対に霊奈の手札が一枚を残してトラッシュへ落ちてしまった。

 

霊夢「ドラゴレオンのBPはシン・ゴジラより上!越えろ!全能の龍よ!!」

 

ドラゴレオンは咥えたアラマンディーでシン・ゴジラに斬りつける。だがシン・ゴジラは尻尾でアラマンディーを弾き、ドラゴレオンの頭部をがっちり押さえ込んだ。

 

しかしドラゴレオンはそのまま放電してシン・ゴジラを痺れさせると、アラマンディーをシン・ゴジラの首元に突き刺す。シン・ゴジラは絶叫をあげて爆発した!

 

霊夢「とどめよ!ドラゴレオン!!ぶっ潰しなさい!!」

 

爆煙の中からドラゴレオンが歩いてくる。そして霊奈の目の前に飛び上がって六色の光をアラマンディーに纏わせた。

 

霊奈「……フラッシュ……いや…必要ないか…こい…!私を超えて行け!!」

 

霊奈がバッと両手を広げると、ドラゴレオンがアラマンディーを振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「お義母さん!」

 

魔理沙「大丈夫…なのか?」

 

湖畔に戻ってきた霊夢は倒れている霊奈に駆け寄る。霊奈は見た目気絶しているだけだが、二人にはこのままで良いかどうかは分からなかった。

 

文「あやや!?」

 

霊夢「文!お義母さんをお願い!とにかく永遠亭に戻るわよ!バリバリバリィ!」

 

魔理沙「よしきた!ズドドドド!」

 

文「は、え、ズシッ…分かったわ!」

 

悩んでいても仕方ないと二人は追ってきた文に霊奈を任せ、ものすごいスピードで永遠亭に戻っていった。

 

 

 

 

 

???《……母親か…俺のおふくろはヘラの策謀で焼き殺されちまったなぁ……やめやめ……よう、ウカノミタマ。博麗 霊奈は娘に負けちまったぜ?おそらく次は月の都に来るぞ》

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

さぁ…次はとうとうVS月の都!そして最後の人物は誰なのか!?(しらじらしい)

あ、『分神』霊夢は『創界神アマテラスの巫女服』脇出versionです。あと半年情報が出ていれば霊夢の相棒はアマテラスでした…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終七章~月面戦争~
出征


今更ですが、ニコニコ動画とかで架空バトスピ作品を作っている方々はスゴいですね…あー…自分も動画知識があればなぁ~!


さらに数日後 永遠亭 裏庭

 

 

隠岐奈「ふっかぁぁぁつ!!」

 

幽香「いつでも行けるわ」

 

映姫「ご迷惑をかけました。ですがもう大丈夫です」

 

永琳「もう全快ね。これでいつでも出陣できるわ」

 

霊奈と戦った数日後、永遠亭の裏庭にはすっかり傷が癒えた四天王達をはじめとした馬神 弾勢力が勢揃いしていた。

 

椛「なるほど…ならば私は付き従いましょう」

 

早苗「…うへぇ…また月に行くんですかぁ?」

 

神奈子「ほぅ…天津神の根城に…それは面白いな」

 

諏訪子「…そんで?先代巫女は?」

 

鈴仙「…まだ眠ったままですが…命に別状はないです。ゆっくり休んでいれば直に目を覚ますでしょう」

 

霊夢「…よかった……」

 

霊夢は鈴仙の言葉に胸を撫で下ろす。守矢の三神達はいろいろと言ってはいるが、月の都に攻めいることに反対はしなかった。むしろ神奈子はヤル気満々だ。

 

アテナ《…さて…それでは今回の作戦を説明しましょう。まず私達の目的…それは『月の都の解放』と『ウカノミタマ討伐』です》

 

スサノヲ《…あのバカ娘…!兄貴や姉貴にも何かしてねぇだろうな……!》

妹紅「…おーん…でもあれだろ?月の都ってのはスゴいからくりで紫達を返り討ちにしたとか…私達で勝てんのか?」

 

紫「それも計算の内。まずは戦場での役割分担を発表するわ。大きく分けて『真正面で暴れる組』と『こっそり忍び込む組』よ」

 

そう言って紫はそれぞれの役割を読み上げていく。確かに頭数的に足りないこちら側が勝つには囚われているツクヨミを救出し、ウカノミタマを倒して月の民を説得するしかない。

 

紫「文、早苗、咲夜、魔理沙は空中又は後方から戦ってるメンバーの援護射撃を頼むわ。撃って撃って撃ちまくりなさい」

 

永琳「私はその隙にツクヨミを救出するわ。月の都のセキュリティは一万年に一度しか更新しないから、まだパスワードとかは変わってないはず…」

 

魔理沙「お?それだと今言った後方射撃と永琳以外みんな暴れる組か?」

 

アテナ《そうなります。下手に難しい作戦はかえって足枷になると判断しました。基本ここにいるメンバーは全員戦場に立つと思ってください》

 

早苗「………ゴクッ…」

 

神奈子「…早苗…覚悟していけよ…!」

 

戦争とは縁もゆかりもない早苗は緊張感に呑まれている。それ以外のメンバーは全員鋭い目で自らの役割を理解し、戦場に立つ覚悟がその表情に現れていた。

 

輝夜「確認だけど…一応、神がこじ開けた『第四槐安通路』を目印に弾が世界を接続することになってるわ」

 

慧音「すまない、一つ質問なのだが…私達全員が幻想郷を離れて平気なのか?もしその隙を突かれたら…」

 

ヴィシュヌ《…そこは俺たちの世界を使えばなんとかなる…》

 

ヘルメス《今の幻想郷は様々な世界…まぁ、俺たちがそうやって幻想郷にいるってことはどこかで俺たちの世界と繋がってる》

 

ポセイドン《ならばたとえ敵が幻想郷に直接入る前にも我輩達の世界に少なからず影響を及ぼす。それを感じとれば()()()()()()()()()()()()…》

 

隠岐奈「…ちょいちょいちょい!それはつまり…自らのエネルギー源を放棄することに…!」

 

ホルス《気にすんなよ。それよりも…それぐらいこの戦いは重要だってことを理解しとけ》

 

慧音の疑問の解決策に隠岐奈は激しく動揺する。自らも小さいが世界を持っている隠岐奈にとって、自らの領域を捨てるのは命の次に大切なものを捨てるのと同じだった。だが創界神達はみなその意見に異を唱えなかった。

 

アテナ《最後に、戦闘中の連絡は基本テレパシーで連絡します。戦うことに気をとられ過ぎて重要な情報を聞き逃すことのないように》

 

映姫「…小町、久佗歌…」

 

小町「いやいやいや!」

 

久佗歌「そんな事ありませんよ!閻魔様!」

 

アテナの釘指しに一番不安だったのは映姫…チラリと二人の心配な部下を見る。小町と久佗歌は「そんな事ない」と首をふるが、戦場ではどうなることか……

 

紫「…弾、すべて伝え終わったわ。あとはあなたが世界を繋げるだけよ」

 

弾「……チラリ……」

 

弾はもう一度集まっているメンバーに顔を向ける。そこには不敵に笑う萃香、何時もより気が高ぶっている美鈴、もじもじしているが弾と目があってキッとなる阿求(基本後方支援係)、こんな状況でもケラケラしていた妖精達…等々…だが全員大なり小なり覚悟は決めている顔だった。

 

弾「…もう聞いたかもしれないけど」

 

霊夢「「死ぬなよ」でしょ?あったり前!」

 

魔理沙「へへ!もう私の命はお前に託してるさ!」

 

蓮子「さて…さっさと世界繋げよ♪」

 

弾「…ふふっ…あぁ!いくぞ!みんな!!」

 

幻想郷メンバー「おー!!!」

 

 

弾の思いは確かにみんなに伝わっていた。その思いに背中を押され、弾は決して明るい表情ではないが、さっきより少しだけ口先をあげて世界を繋げようとしていた。

 

 

スサノヲ《…なぁ…ヘラ…弾だが…本っっっっ当に…タカミムスビさんそっくりだよな》

 

ヘラ《…本当やねぇ…見た目も瓜二つや…》

 

オシリス《…同じ星神で…しかもそっくりとは…これを『偶然』の一言で済ませて良いのか…》

 

アレックス《…何か秘密があるとか?まさかとは思いますが…タカミムスビさんの生まれ変わりとか?》

 

シヴァ《…否定できねぇな…何もかもがおんなじだと…》

 

トト《……そこも気になるが、まずは目の前の戦いに集中しよう。気が紛れては勝てる戦いも勝てない》

 

その一方、創界神達は弾と幻想郷メンバーをタカミムスビと自分達に重ねていた。そんな彼らも気を取り直して世界が接続される時を待った。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 月の都 ツクヨミの宮殿 応接室

 

 

ウカノミタマ《…ふーん…とうとう来るのね…》

 

来客用のソファーに座り、ウカノミタマはぼうっと呟く。ついさっき「第四槐安通路にかけられていたロックが突破された」という知らせが入ったのに、ウカノミタマはむしろ面白そうな顔をしていた。

 

 

ウカノミタマ《…パチン…非戦闘員を宮殿内へ。そして防衛妖怪と傀儡ロボット、ついでに()()にも連絡を入れて。どうせ玉兎達は役にたたないから下げていいわ》

 

???《 あら…わたくし達はその『彼女』達に降りていればよろしくて?

 

ウカノミタマ《…油断しないでください。もう既に三柱倒されています故…》

 

???《 はんっ!アイツら…!使えねぇな…

 

ウカノミタマは月の都中に通信を入れ、自分の対面にいた()()の神々にそう忠告する。だがどちらともその忠告を聞き入れた様子はなく、仲間が死んだ悲しみすら現さなかった。

 

ウカノミタマ《……ではそろそろ私達も配置に…》

 

???《 ええ…害虫駆除といきましょう

 

???《 ったく…!めんどくせーこと残しやがって…!ブツブツ…

 

ウカノミタマ《………はぁ…『自分しか頭にない』だからタカミムスビさんに一度崩されたのに…学習能力がないわねぇ…》

 

???《頭イカれてる奴らになぁに期待したって無駄さ》

 

二柱が部屋を退出した後、ウカノミタマはため息をついて悪態を言葉に出す。元タカミムスビ陣営にいた彼女にとってどうしてもそう言わずにはいられなかった。すると隣に座っていた紫髪の男性が軽く返事を返す。

 

ウカノミタマ《…あなたが「イカれてる」なんてよく言えるわね…ディオニュソス

 

ディオニュソス《ちょいちょーい!ウカちゃん手厳しいねぇ~俺っちがわざわざ幻想郷サイドを監視してあげたんじゃなーい!》

 

ウカノミタマ《今度『ちゃん』付けしたら殺すわよ?》

 

本当に殺す気満々のウカノミタマにヒュ~と口笛を吹いて微笑んだのはオリンの創界神のディオニュソスだった。スサノヲには劣るが、創界神として格上のウカノミタマの殺気にも彼は怯えていない。

 

ディオニュソス《そんじゃ、俺っちは月の民を洗脳してくるわ》

 

ウカノミタマ《…?…アイツらは戦力として期待できないわよ?》

 

ディオニュソス《…幻想郷サイドの目的は『ツクヨミの解放』であって『大量虐殺』じゃない。なら()にはなるだろ?》

 

ウカノミタマ《……あなた…狂ってるわ……》

 

ディオニュソス《…『狂う』…俺には最っっっ高の褒め言葉だな。それじゃ…チャオ♪》

 

何の遠慮もなく非戦闘員を人質にすると言うディオニュソスにさすがのウカノミタマも戦慄する。その表情に満足したディオニュソスは手を振って部屋から出ていってしまった。

 

ウカノミタマ《…侮っていたわ…ゼウスとアマテラス両方を取り込もうとした最狂の創界神を……ふぅ…スタスタ……ガチャ…》

 

気を取り直してウカノミタマも戦闘配置に移動する。しかし彼女が向かったのは一番戦力がいる最前線でも、入ってきた情報を聞いて即座に指示を飛ばす指令部でもない。

 

ウカノミタマが入ったとあるグラウンドクラスの広さの部屋…いや、もうただの部屋とは呼べないほど壁や天井にツクヨミの写真が貼られた異様な部屋の真ん中…結界の檻の中にいたのは………

 

 

ウカノミタマ《…ハァイ♪元気にしてた?あ・な・》

 

ツクヨミ《誰が『あなた』だ…いったい今月の都はどうなってる!?輝夜や永琳は無事なのか!?》

 

ウカノミタマ《…会うたびにそれ?》

 

藍「ツクヨミ様…あまり刺激しない方が…」

 

…怒り心頭なツクヨミと冷静な藍だった。言動と檻の中にある家具を見るに洗脳されてはないようだが…不快感を露にするほどツクヨミはウカノミタマを嫌っている。

 

ウカノミタマ《…ツクヨミ、いい加減数億年も前に『穢れ』で死んだ妻や罪人の娘、たかが恩人の娘のことなんてさっぱり忘れて…私と未来を過ごしましょうよ》

 

ツクヨミ《ダンッ!ふざけるな!!私が永遠の愛を誓ったのはただ一人!しかも輝夜と永琳を捨てろだと!?娘を捨てるなんて父親失格だ!!タカミムスビさんに顔向けできん!!》

 

ウカノミタマ《 …どうして私じゃダメなのよ……なら良いことを教えるわ。その娘達、後少しでここに攻め込んでくるわよ》

 

藍「…!紫様…!」

 

ウカノミタマの誘惑にもツクヨミは屈せず、それどころか烈火の如く椅子から立ち上がり叫ぶ。それにウカノミタマは一瞬悲しくなるが、それを隠してわざと情報を与えた。

 

ウカノミタマ《…うふふ…ここに来ることはできないわ。あなたは私といっしょになるのだから…》

 

ツクヨミ《…どうかな?お前は幻想郷の力を過小評価している。『穢れ』の力…『愛と平和を思う』力にお前は敗北するだろう》

 

藍「……」

 

ウカノミタマのセリフにツクヨミは不敵に笑う。その間も藍はそわそわするだけだったが、ツクヨミの神力が先程よりもさらに増していることに気がついた。

 

 

 

 

 

 

ディオニュソス《……よぅし…お仕事開始…!》

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開戦の火蓋

月面 豊かの海 裏側 海岸

 

 

弾「よっと…」

 

霊夢「…ここは…あの時の…」

 

魔理沙「ロケットで来たところだな。確かここで依姫と戦闘になったんだぜ」

 

永琳「月の都はあそこ…ギリギリ目視できるわね」

 

フラン「わぁ~!海だ~!」

 

咲夜「…妹様…遊びに来たのではないですよ」

 

弾達は降り立った砂浜…豊かの海から遠くに見える中華風の建物を確認する。そして海に興奮していたフランを引っ張って一同は海岸から桃の林に入って月の都を目指し始めた。

 

妖夢「…不気味ですね…私達が侵入しているというのに誰も来ない…」

 

鈴仙「案外迅速にはできないのよ。依姫様が例外なだけで、玉兎達は臆病だから」

 

妹紅「…おーん…にしてもこの木以外に草木がねぇな…この木は腐葉土無しでどうやって生きてるんだ?」

 

そんなこんなで一同は引き締めた気を緩ませ、のんびりと歩いていた。すると必然的に内容は月の都関係になってくる。きっかけは紫の呟きから…

 

紫「ふぅ…よかったわ…月面戦争時はすぐ部隊が飛んできたから臨戦態勢を整えていたけど…」

 

早苗「へ?前にも月の都と戦ったことがあるんですか?」

 

幽々子「…そうなのだけど……あの時は不思議だったわね~」

 

隠岐奈「確かに。第一『月面戦争』と語ってはいるが、実のところを言えば、幻想郷反対妖怪達と一緒に月面に飛ばされただけだからなぁ…」

 

萃香「まぁ…めんどくさい妖怪達を排除できたから結果オーライだけど」

 

幽香「…そう?私達としてはいい迷惑だっただけよ…でも何でいきなり月面に飛ばされたのかしら?」

 

スサノヲ《…兄貴のおふざけってことは黙っとこ……》

 

第一時月面戦争を知る古参妖怪達が当時の様子を話してくれる。幻想郷をよく思わない妖怪達と戦っている最中に、月面へ飛ばされたのが原因らしい……この件を聞いてスサノヲは完全シカトを決め込んだ。

 

弾「…ん…もうすぐ林を抜けるぞ」

 

フラン「フランいちばーん!」

 

レミリア「あ!フラン!待ちなさい!!」

 

永琳「…はっ!!」

 

もうそろそろ林を抜けるかと思われた所でフランが呑気に駆け出す。そしてフランが林を抜けて広大な平野に足を踏み入れた瞬間…!!

 

ズドォォォォォォォォン!!!!

 

フラン「きゃ!?」

 

アテナ《…危なかった…!》

 

アレス《…全員…来たぞ!!》

 

辺り一帯にとてつもない轟音が響いた。それはフランめがけて飛んできたエネルギー弾をアテナと永琳の結界が防いだ際の音である。

 

林と月の都の大きな門の狭間……そこは身を隠せるような障害物はひとつもなく、真っ平らな地平線が広がり、敵だと思われる生命体など感じ取れなかった……

 

…だが軍神であるアレスの声に全員臨戦態勢のスイッチを入れ直した。

 

椛「…臭いも何もしませんが……」

 

鈴仙「…来た…って…あれは!?」

 

小町「…彼岸(うちら)の獄卒じみた怪物に…動く式神ねぇ…」

 

霊夢「いつぞやの蟲忍者や変な霊魂までいるわね」

 

それは一瞬の出来事だった。遠くで何かが光ったかと思うと、突然何もなかった月面に大量の妖怪達と紫色の人形兵士が現れていた。さらにウカノミタマの部下らしい蟲忍者や動物霊も出てきている。

 

妖怪達はまるでオオカミ人間やゾンビなど、普通にイメージされるまさに『妖怪』と言える奴ら。幻想郷では人の姿も知能すら持たない下級妖怪達だが、ツクヨミの力を使っていると考えれば侮れない。

 

人形兵士達は霊魂が取りついた甲冑…つまりはツクヨミの力で産み出された式神であることは明らかだ。その種類も槍兵、騎馬兵、弓兵など様々な形を取っている。

 

 

輝夜「…豊姫の能力ね……あら?埴輪兵も…」

 

映姫「…袿姫もここですか…やれやれ…骨が折れそうです」

 

神奈子「…おおっと…永琳、お弟子さんのご登場だ」

 

大量の妖怪&式神&蟲忍者の間には袿姫お馴染みの埴輪兵隊の姿もある。そしてものの数分で弾達の前に万単位の軍団が立ちふさがった。

 

さらに彼らを召喚した光が怪物達の最前列にも発生し、そこから出てきたのは幻想郷に馴染みある月の三人だった。

 

豊姫「この月に足を踏み入れるとはどういう……八意様!?」

 

依姫「え!?…な、なぜ八意様が穢れた妖怪どもと……!?」

 

サグメ《……!?……輝夜様まで……これはいったい…》

 

永琳「…豊姫、依姫、そしてサグメ…そこを通しなさい。ウカノミタマに用があるの

 

三人は永琳も来るとは聞いていなかったのか、あたふたと驚きを隠せない。だがその焦りは永琳のドスの効いた声によって一瞬で霧散した。

 

豊姫「…さすがの八意様の頼みでも…ここを通す訳にはいきません。お引き取りください」

 

依姫「…今ならどうとでも揉み消せます。私達も八意様と戦いたくありません」

 

サグメ《………ペコリ…》

 

永琳「…スチャ…どけ……!!」

 

三人「「《ゾクッ!!》」」

どうにか穏便に帰らせようと三人は丁寧に通すことを拒否するが、永琳は愛弓に矢をつがえて戦闘意思を隠さずに突きつける。その目付きや気迫は月最強の依姫ですら震え上がらせた。

 

開戦直前にもかかわらず、お互い手を出さない膠着状態がしばし続いた。月の三人としては恩人と殺しあいたくはないし、永琳も弟子を手にかけるほど落ちぶれてはなかったのだ。

 

だがその均衡はとある一発の砲弾によって破られた。

 

 

鈴仙「パチン…維持『武主怒無羅素多阿(ヴィシュヌブラスター)』!!」

 

豊姫「え…くっ!バッ」

 

妖夢「鈴仙!?」

 

後ろに控えていた鈴仙が『分神』状態へと変わり、巨大ルナティックガンから氷のビームが豊姫めがけて放たれる。とっさに身をよじって豊姫はかわすが、その後ろの数十体の妖怪が一撃で凍りついた。

 

依姫「…ウソ…今のを…鈴仙が…!?」

 

鈴仙「師匠!お気持ちはわかりますが、私達は戦いに来たことをお忘れなく!依姫様達も倒さなければ洗脳は解けません!!」

 

永琳「…ええ…そうね…!」

 

弾「…全員!戦闘用意!」

 

依姫は昔の鈴仙とは見違えたほどのビームに目を丸くさせていると、鈴仙は永琳に…ひいては全員に『戦争』を思い出させた。その声に永琳は威嚇のための矢を下げ、弾はグランシャリオを構えて戦闘態勢に入った。

 

文「パチン…さて…!制空権は貰います!風符『風刀切刻(カマイタチ)』!!」

 

魔理沙「パチン…へへ…!銀河群龍(ダイナギャラクシー)!!」

 

咲夜「パチン…幻符『殺人ドール』!!」

 

『分神』文、魔理沙、咲夜が妖怪や式神達の上から風の刃、竜型のエネルギービーム、無数のナイフをぶちかます。敵は強そうに見えて案外脆いみたいだ。

 

豊姫「…ッッッ!…あなたとは…こんな再会はしたくありませんでした…!!」

 

依姫「…スチャ…是非に及ばず…!八意様…!あなたは尊敬する師でした…!!」

 

サグメ《……(自分の周りに陰陽球を浮かべる)……》

 

永琳「…なにここで首をとるつもりでいるの?私は死ぬ気で来た訳じゃない!勝ちに来たのよ!!」

 

蓮子「永琳さん!ここは任せてください!」

 

隠岐奈「あんたは先行きな!」

 

幽香「…早めに終わらせてきてよ…!」

 

さすがにこれ以上攻撃されては三人も反撃するしかない。すると苦虫を噛み潰した表情で構える三人の前に蓮子と四天王が割って入った。

 

永琳「……あなた達…」

 

隠岐奈「実はコイツらとは悪縁あってな!それを晴らすのにちょうどいい!」

 

蓮子「お願いします!依姫さん達は必ず元に戻しますから!」

 

幽香「…わかったらさっさと行きなさい…!」

 

永琳「…!…ありがとう!ダダダ」

 

隠岐奈、蓮子、幽香の言葉を受けて永琳はものすごいスピードで戦場を走り出し、妖怪達や式神達の隙間を突っ切って月の都の門を目指した。

 

 

隠岐奈「…ふぅ…悪いがちょっと付き合ってくれよぉ!」

豊姫「…なるほど…!あなた達が八意様を唆して!!」

 

隠岐奈は自らの神力を吹き出させて豊姫と対峙する。対する豊姫は永琳への尊敬があらぬ方向へ向かってしまい、憎悪の瞳で隠岐奈を睨み付けていた。

 

 

幽香「…ブンブン!!気合い入れて…!勝つのよ…!」

サグメ《……穢れた妖怪風情が…!》

 

幽香も首をふって気合いを入れ、陰陽球を従えるサグメに閉じた日傘を向ける。二人から放たれる妖力と神力が辺りの地面をえぐりとるぐらいぶつかり合った。

 

 

弾「十二宮Xレアよ!みんなを援護してくれ!」

 

ヴィエルジェ《了解!》

 

アリエス《…やれやれ…骨が折れるのぉ…》

 

レオ《…しゃーねーだろ…!》

 

依姫「…おのれ…!よくも…!よくも御師匠様を!!」

 

弾がグランシャリオを持っていない手を空にかざし、十二宮達を召喚して怪物達に対抗する。そして蓮子はワナワナと震えて抜刀した依姫と向かい合った。

 

依姫「八百万の神々よ…!我が恩師を唆した不届き者に死を!!」

 

蓮子「……仕方ないか…!かかってこい!」

 

 

 

 

 

 

 

???《…よし…これぐらいあれば大丈夫だろ。さぁて…情報収集もここまでにして……アイツらの援護に向かいますか!》

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

はっちゃけ十王裁判

ついさっき見た動画で環境トップの『遊精』を『ブラフマーを捨てて、アレスと不倫してる』って形容してました…飲んでたコーラ返せ…ww…!


戦場 端

 

 

阿求「アテナ様!たった今中心部で隠岐奈さんと幽香さん、蓮子さんが三人と交戦し始めました!」

 

アテナ《了解!右翼の神奈子が少し押されていますので、空中部隊はそちらを重点的に援護を!》

 

慧音「…さすが最強の防衛神…!」

 

アンターク《…感心するなら指示飛ばして!左翼の妖夢とフランはそのまま暴れていいわ!》

 

ここは戦場の端っこ、林の入口付近でこの四人は各方面に指示を飛ばしていた。いつもは紫や永琳の仕事だが、今は少しでも戦力が欲しいので、戦闘向きではない阿求と慧音、その相棒のアテナ達が指令部の役割をはたしている。

 

阿求「…!はい…!左翼の映姫様からです!埴安神 袿姫と接触!これから戦闘に入るそうです!!」

 

アテナ《…良い知らせです!ヘファイストスがこちらに戻れば神話ブレイヴの調整が格段によくなりま…ぅぅ!》

 

アンターク《…!アテナ!》

 

慧音「やはりこの結界を張るのは無理があるのでは!?」

 

阿求の連絡に表情を明るくさせたアテナだったが、その顔はすぐに苦痛がにじみ出る表情へと変わる。それもそのはず、阿求と慧音を守るために彼女は自らの神力を大幅に削り、敵が入ってこられないよう結界を張っていたのだ。

 

アテナ《…ま、まだ…まだ!この結界が破れるのは…!我らが破れたときのみ!》

 

阿求「…永琳さん…!急いで…!」

 

 

 

 

 

 

 

戦場 左翼

 

 

映姫「…向こうも厳しい戦いのようですね…」

 

袿姫「…なら早くに投降する方が賢明だぞ?」

 

映姫「黙りなさい。ここは戦場、あなたを正気に戻すには戦うしかありません!」

 

戦場の左翼側…そこでは阿求の連絡通り映姫と埴輪兵隊を率いた袿姫が火花を散らしている。後ろの兵隊を見ても映姫は何時ものごとく杓を構えて袿姫の攻撃を迎え撃とうとしていた。

 

袿姫「…ふんっ!」

 

映姫「はっ!ガキンッ!!」

 

一瞬の静寂の後、袿姫の彫刻刀が映姫の杓とぶつかる。そこから戦場に彫刻刀と杓がぶつかる音が何度も響いた。

 

袿姫「埴輪『偶像人馬造形術』!!」

 

映姫「黒!!」

 

袿姫「…!…『白黒はっきりつけた』…」

 

映姫「その通り。私の能力は結界術と非常に相性が良いのです。ただ守る防御壁なら幻想郷で右に出る者はいません」

 

袿姫は後ろに下がって接近戦から遠距離戦に切り替える。だが即座に精製された騎馬埴輪は映姫の声と共に展開された結界を破れず、次々と砕けて土に還っていった。

 

映姫自身も自負するように彼女の戦闘能力はその『能力』により極めて高い。だが閻魔という役職故、それが人目にさらされることは滅多にないので、袿姫も映姫の力を侮っていた。

 

袿姫「…たかが地蔵の成り上がりが…!やれ!埴輪兵隊!!」

埴輪兵《ザッザッザッ…!》

 

映姫「…審判『ラストジャッジメント』!!」

 

袿姫が後ろに下がり、交代するように大量の埴輪兵達が映姫に押し寄せてくる。映姫はエネルギーの杓を連射して前列の埴輪兵を砕いていくが、いかんせん数が多く壊しても壊しても次の埴輪兵が進んできた。

 

袿姫「これは受けられるか!?鍛冶『ウルカヌスクリーチャー』!!」

 

映姫「ぐぇ…!!ズザザザ…」

 

袿姫が両手を広げると、地面からマグマが噴き出して映姫に襲いかかる。降ってきたマグマは味方の埴輪兵もろとも映姫を飲み込み、防御壁ごと押し流してしまった。

 

そのマグマ自体は映姫に傷を負わせなかったが、衝撃によって映姫の身体は地面を転がった。

 

袿姫「畳み掛けろ!埴輪兵!!」

 

埴輪兵《ガガガガガガ!!》

映姫「く…黒…!!」

 

袿姫はさらに転がる映姫に追撃の埴輪兵を向かわせる。態勢を崩しながらも映姫は障壁を張って攻撃を防ぐが、その表情は苦しそうだ。

 

袿姫「食らえ!角刀投げ!!」

 

映姫「グサッ!ぎゃ…!」

 

オシリス《映姫!》

 

埴輪兵のせいで脆くなった結界は袿姫が投げた彫刻刀によって崩壊する。さらにその彫刻刀が映姫の手足に突き刺さり、映姫の身体は地面に倒れ伏した。映姫が起き上がれずに呻いている辺り、ただの彫刻刀ではないようだ。

 

映姫「…か、身体に……力…が……!」

 

袿姫「元地蔵なのが裏目に出たな。だが所詮地蔵の…『石』の身体は捨てきれまい…」

 

映姫「…まさか…!偶像神(イドラデウス)の力が…!こんな所で…!」

 

袿姫「…ふふふ…さて…今完璧な偶像へと変えてやる…!」

 

映姫はなんとか身体を動かそうとするも、突き刺さった彫刻刀から放たれる袿姫の神力がそれを許さない。反対に袿姫は勝ち誇った様子で手のひらに巨大なエネルギーの球体を作り出した。

 

映姫「…まず…い……!」

 

袿姫「安心しろ…!お前の死体は私の手で美しく作り直されるのだ!死ねぇ!!」

 

袿姫の青いエネルギー弾が動けない映姫めがけて放たれた…!!

 

 

 

 

 

小町「だぁぁぁぁぁぁ!!

 

映姫「…!…小町…!?」

 

その時、ものすごいスピードで映姫の前に飛び出して来たのは近くで戦っていた小町だった。そして小町は袿姫のエネルギー弾を自らの大鎌で受け止めようとした。

 

小町「…ぐぐぐ…!ぁぁぁぁ!!」

 

映姫「小町ぃぃ!!」

 

久佗歌「小町さん!!しっかりしてください!」

 

小町「……ぅ………」

 

だが創界神の力も加わった袿姫の一撃は凄まじく、構えた大鎌はへし折れ、小町の身体は大きく後ろに吹き飛んでしまう。そのまま地面を転がった小町に久佗歌が駆け寄ってくるが、それにも気づかないほど小町の怪我はひどかった。

 

袿姫「ふんっ…邪魔が入ったか…まぁいい。今度こそ…!」

 

映姫《…私は…私は何をやってるのですか!みすみす部下を目の前で……!》

 

舌打ちをして袿姫は再びエネルギーを貯め始める。一方いまだに倒れていた映姫は唇を噛み締めて自分自身を責めていた。するともがく映姫の懐から何かが転がり落ちた……

 

映姫《…!…浄玻璃の…鏡…!》

 

それは映姫が手鏡として持っている写し出した者の過去を写す鏡、『浄玻璃の鏡』だった。今写し出されているのは砂がついた映姫自身の顔……浄玻璃の鏡は映姫の過去を写し始めた。

 

 

写し出されたのは彼女にとって強烈に記憶に残っている最近の出来事……その中でも映姫は彼らの言葉に衝撃を受けていた。

弾《本気で彼らを導くつもりなら彼らの目線に立たないといけない!》

 

紫《あなた達が幻想郷を滅ぼそうとしているのよ!!》

 

この言葉は幻想郷に尽くしている『つもり』だった映姫のあり方を考えさせられた。映姫としては身勝手な幻想郷の人妖を導いているはずだったが、弾の叱責や紫の叫びを受けて何人かに自分の評判を聞いてみた。

 

結果は御察しの通り。次に写し出されたのはその衝撃に映姫は落ち込み、閻魔の通常業務すら手に負えなくなるほどだった時のこと…何気ない弾との会話が鏡に写る。

 

映姫《…私は…閻魔失格です…周りの人々の罪を減らせぬどころか…自らが罪を犯していたなんて……》

 

弾《…ガチャッ…映姫、大丈…夫…じゃないな…》

 

是非曲直庁の執務室で映姫は机に突っ伏してうなだれていた。そこに弾が心配の言葉を言いながら入ってくるが、貧乏神でもないのに映姫から放たれている負のオーラに思わずドン引いた。

 

映姫《…どうしましたか…あぁ、こんなダメ閻魔を笑いに来たのですね……》

 

弾《…そう思えるなら良いんじゃないか?》

 

映姫《…へ……》

 

弾《少なくともそう思ってるってことは自分が間違っているって自覚できてる。なら…変われば良い。一番罪深いのは『知らないこと』『知っていても変わらないこと』だ》

 

映姫の机の前に立った弾はそう話す。その瞳の中には自嘲染みた感情があることを映姫は感じたが、彼の境遇を知る映姫はそれ以上突っ込まなかった。

 

映姫《…申し訳ありません、無駄に心配をおかけして…》

 

弾《…はぁ~…ムニィ~…》

 

映姫《うぇぇ!?にゃにふゅるんれす!?》

 

するとまだ硬い顔をしている映姫の頬の弾はおもいっきりつねった。閻魔の頬をつねるなどたとえ霊夢や魔理沙ですらやらない蛮行だが、弾は軽く笑いながらそれをやる。

 

弾《お前は固すぎるんだよ。もっとはめをはずしても良いと思うけどなぁ》

映姫《…んん!こらっ!勝手に人の頬をつねるとは!説教しますよ!》

 

こんな一幕、なんだかんだで映姫はいつもの調子を取り戻していた。

 

 

 

 

 

映姫「…そう…グググ…ですね…!あなたの言うとおり…!少しはめをはずさせてもらいます!!」

 

オシリス《…よし…立て直すか…》

 

袿姫「ぬぉ!?」

 

浄玻璃の鏡に奮い立たされた映姫はフルパワーで気力を放出させて立ち上がる。刺さっていた彫刻刀は砕け、その衝撃波に袿姫のエネルギー弾は霧散していく。

 

映姫「…あなたも我らが最高神に忠誠を誓った者!今それを思い出させます!!」

 

映姫の姿はまるでツクヨミの側近『転輪十王ゴドウ』のような服装に変わり、唯一違う所は袈裟の下地が映姫のトレードカラーの緑色であるところか。

 

袿姫「ちぃ!もう一度やれ!埴輪兵隊!!」

 

埴輪兵《ズドドドドド!!》

 

オシリス《…行けるか…いや、それは無駄な心配か?》

 

映姫「…バチバチ…ええ。私の力は星の指針…星符『超電磁貫撃(エレクトロランチャー)』!!」

 

ズドォォォォォォォン!!!!

 

 

映姫の右手がなにやらバチバチと音をたてると、向かってきた埴輪兵に手をかざす。そこから放たれたエネルギー弾が埴輪兵達の次々貫いて一列を土に還した。

 

あいにく今は戦場の反対側にいるとある現人神(早苗)が今の攻撃を見たら、こう言うだろう……まるで『超電磁砲(レールガン)』だと…

 

袿姫「…な…!?強度は最大まで上げたはず…!」

 

映姫「それをこちらが上回っただけです。オシリス様、武器をお貸しいただけますか?」

 

オシリス《…好きに使いな、怪我するなよ》

 

まだ『磁力』でバチバチ言っている映姫の右手にオシリスの神話ブレイヴ『妖蛇神杖オグドアド』が現れる。 オグドアドが妖しく光ると、辺りの地面から黒い砂のようなものが浮き上がってきた。

 

袿姫「…これは…!砂鉄!?」

 

映姫「ジャッジメント!!磁符『六道輪廻』!!」

 

埴輪兵《ギギギギ……!》

 

袿姫「…ごはっ!!」

 

映姫がオグドアドを袿姫に向けると、映姫のまわりにまとわりついていた砂鉄が六本の鋭い刃になって埴輪兵達を切り刻む。さらに袿姫の腹にも砂鉄の刃が突き刺さった。

映姫「…デッキを出しなさい。あなたの判決はそれで出します」

 

袿姫「…ぐぅ…私を裁けると思うなよ!」

 

 

映姫 袿姫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』映姫様は『緑の服の転輪十王ゴドウ』っぽい感じです。自分映姫様に『磁場操作』能力ってすごく似合うと思います。『黒』は引き離し、『白』は引っ付く…まさに裁判長


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

幻想郷の神々

公式さん…創界神ヘカテー…ほしいような…ほしくないような…


戦場 右翼

 

 

 

妖怪達《ギャァァァァァァ!!》

 

蟲忍者《ギィィィィィィィ!!》

 

神奈子「全員一旦退避!」

 

美鈴「了解!!」

 

椛「…バビュンッ!」

 

その頃右翼では蟲忍者達が神奈子率いる一団とぶつかっていた。弾から左翼の指揮を任されていた神奈子の声で美鈴や椛が後方へ飛び下がる。

 

神奈子「…よしよし…調子に乗って追いかけてきた…!魔法部隊!遠距離射撃用意!!」

 

パチュリー「…日符『ロイヤルフレア』!!」

 

アリス「咒詛『魔彩光の上海人形』!!」

 

早苗「蛇符『神代大蛇』!!」

 

妖怪達《ゴガァァァァァァ!!》

 

蟲忍者《ギシャァァァァ!!》

 

後退した美鈴達を妖怪や蟲忍者達は後を追って突き進む。だがそれは神奈子の作戦に見事にはまっていた…下がった者と入れ替わるように三人が前に出て火炎弾、魔法人形、大蛇弾幕を彼らにぶつけたのだ。

 

埴輪兵《……ギギギギ…》

 

式神《ガガガガ…!》

 

神奈子「…ち…壊れても埴輪兵や式神は止まらんか…文!奴らの足元を崩せ!!」

 

文「はっ!風符『風手裏剣(ジェットシュリケン)』!」

 

だが機械じみている埴輪兵や式神は身体の一部が壊れていてもなお神奈子達に向かってくる。すると戦場の上空から文が風の手裏剣をばらまいて埴輪兵と式神達の足元に攻撃した。

 

移動用の足を壊されて両者は地面に倒れ込んだのを見て、神奈子は次の指示を飛ばす。

 

神奈子「…すまんが…二童子!私の力を増幅できるか?」

 

舞「…御師匠様のご命令だ!」

 

里乃「勝手にしろぉ!」

 

神奈子の背後にクレイジーバックダンサーズ…二人の童子が現れて不気味な舞いを披露する。その躍りは神奈子の生命エネルギーを格段に高めていった。

 

神奈子《……………》

 

神奈子は腰を落としてエネルギーを蓄えていく。その瞬間、脳内にあったのはとある言葉……弾から言われた一言だった。

 

 

 

 

 

それは何気なく神奈子がぼやいた言葉がきっかけだった。ある日、守矢神社の信仰の集まりが低く、昼間っからやけ酒して悩んでいたときである。

 

早苗《神奈子様~!弾様が来られまし…た……》

 

神奈子《ああんっ!?…ヒックッ…だぁんが来たってぇ~!?えんそーきょー1のひんこーを得やがったおに…まぁだ求むるかぁ~!!》

 

早苗《か、神奈子様ぁぁ!?》

 

弾《…チラッ…出直そうか?》

 

守矢神社の茶の間にあるちゃぶ台に大量の酒瓶を転がして神奈子は完全に出来上がっていた。弾を案内していた早苗は慌てて宥めようとするも、もはや呂律が回っていない。

 

神奈子《あー……ぬぁ弾~!うあやますぃーぞ!…お前さんはぬわぁんで何も宣伝してないのに『信仰』が集まるんだぁ~?》

 

弾《…いや……逆に『信仰』を求めないから…『信仰』が集まるんじゃないのか…?》

 

神奈子《はぁぁん!?どーゆーこったよぉ!?》

 

早苗《神奈子様!落ち着いて…!》

 

部屋の入口に立っている弾の言葉に神奈子はふらふらしながら立ち上がる。

 

弾《…人が信仰…つまり感謝するのは助けて貰ったから、しかも何もこちらが得ようともしないときなんじゃないか?》

 

神奈子《…おおーん…?》

 

弾《もし助けてやるから何かを要求するんだったら、それはただの商売だ。俺にとって信仰はただのオマケ、それを見返りとして求めたら、それは神として失格だぞ

 

神奈子《…………》

 

最後の弾の言葉は泥酔状態の神奈子を一気に現実に引き戻すほどの衝撃を与えたのだった。それは昔…諏訪子と戦った時にはあった『神』の責務を神奈子に思い出させた。

 

 

 

 

神奈子「…ったく…若者に諭されるとはねぇ…良いだろう!我が命運!幻想郷の主神に任せよう!」

 

アレス《…む!神奈子!これを使え!》

 

腰を落としたまま神奈子の神力に別の神力が混じり始める。それは星神の、弾の神力…それは神奈子の姿をまるで旧日本軍の将校のように変え、いつもの赤い上着に注連縄を背負っていた。

 

さらに体内のアレスの力も現れて神奈子の手に神話ブレイヴ『破城斧槍ランパートブレイカー』を握らせた。

 

神奈子「…地震『天地鳴動』!!」

 

バゴォォォォォォォォォォンッッ!!

 

埴輪兵《ボガァァァンッ!!!》

 

式神《ドガァァァァァンッ!!》

 

椛「くぅ…ザザザ…!」

 

文「あやややや!!?」

 

アリス「…っっ!すごい揺れ…!!」

 

神奈子がランパートブレイカーに纏わせたエネルギーを敵中央へ投げつけ、それが超巨大な振動になっ埴輪兵や式神達を粉砕していく。その威力足るや大気がひび割れ、後ろにいたはずの文達の方にも余波が飛ぶほどだった。

 

神奈子「…あとは…お前だけだな。埴輪兵長、杖刀偶 磨弓?」

 

磨弓「…ハァ…ハァ…ま、まだだ……!」

 

壊れた埴輪兵達を掻き分けて神奈子の前に躍り出たのは埴輪兵長の磨弓だ。だがその身体は既にボロボロで、今にも壊れそうだった。

 

神奈子「…全員残りの敵を駆逐したら…他の所へ援護に。私はこいつをしばいてから行く」

 

文「…わかりました」

 

パチュリー「…ふぅ…まだまだいるのね…」

 

神奈子と磨弓の近くを文達が駆け抜けて残っていた妖怪達を倒しにかかる。そして神奈子自身はランパートブレイカーをカードに戻して取り出したデッキにしまった。

 

神奈子「…こい…!」

 

磨弓「…!」

 

 

神奈子 磨弓 「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

戦場 中央部 隠岐奈VS豊姫

 

 

 

隠岐奈「ぐへぇ…!ズザザ…」

 

豊姫「遅い。ドカッ!」

 

隠岐奈「ぶはっ…!ゴロゴロ…」

 

隠岐奈と豊姫の戦いは終始豊姫有利で進んでいた。豊姫は『海と山を繋ぐ程度の能力』によって隠岐奈の死角へ移動しながら光弾にぶつけていく。

 

隠岐奈が攻撃するのを豊姫がかわして後ろに回り込み、豊姫の攻撃が隠岐奈に大なり小なり当たって隠岐奈が後退する…この繰り返しで戦いが繰り広げられた。

 

隠岐奈「…くそぅ…この私が後ろを取られるとは…!」

 

豊姫「所詮、八百万の神にも含まれない三流神。たいしたことないわね」

 

隠岐奈「…この…秘儀『マターラドゥッカ』!」

 

片膝をついて隠岐奈は豊姫の周りに弾幕を生成して放つ。次々と豊姫に光弾が襲いかかるが……彼女は全く動じず右手の扇子をパッと広げた。

 

豊姫「…約束『海陸相通わしめし中道』!」

 

そして豊姫が扇子を振るとどこからか水が発生し、隠岐奈の弾幕をすべて飲み込んでしまった。

 

隠岐奈「…まじか…」

 

豊姫「散りなさい、バサッ!」

 

ビュォォォォォォ!!!!

 

隠岐奈「どわぁぁぁぁ!!?…ふんっ!まだまだぁ!」

 

さらに豊姫が扇子を振り、吹き荒れた大風が隠岐奈を月の地面もろとも吹き飛ばす。隠岐奈の身体はまるで水石のように地面を跳ねていくが、何度豊姫の攻撃を食らっても隠岐奈は立ち上がり、倒れることはなかった。

 

豊姫「ちっ…しつこい…そういう所は千年前と変わらないわね」

 

隠岐奈「おぉ、それは覚えていてくれましたか?」

 

豊姫「ええ、無様に私に負けたあの姿をね」

 

二人は『第一次月面戦争』の件について皮肉混じりに話している。どうやらその時も隠岐奈は豊姫と戦い、そして敗れたようだ。

 

豊姫「…あなたに問う。なぜ八意様を利用してまで…この地に、屈辱的な敗北を喫した月面に戻って来た?」

 

隠岐奈「…へへっ…なぜかって?…星が導いたからさ」

 

豊姫「…答えになってないわ…!」

 

苛立ちを募らせる豊姫とは対照的に隠岐奈の顔から笑みがこぼれ落ちる。そして隠岐奈は果てしない宇宙に広がる星空を指差して言葉を続けた。

 

隠岐奈「私も星神の端くれだ。星空は太陽も月も包む愛と平和の象徴!私はその願いの元ここに来たのだ!月の都を悪神から解放する!!」

 

トト《…フフ…ずいぶんもったいぶったね…やろうと思えば『分神』できたけど…》

 

弾の…星神の力を一番強く受けていた隠岐奈は自らの意思で力を増幅させる。オレンジ色の狩衣は夜空の如く黒く染まり、『分神』咲夜とは違って太陽系の惑星が浮かんでいた。

 

豊姫「く…!どこから…こんな神力を…!?」

 

隠岐奈「うちの主神からさ!秘儀『絶対秘神の威厳』!!」

 

豊姫「ドサッ!がはっ……!?」

 

そう言って隠岐奈が手を豊姫の方にかざす。すると豊姫の身体が何かに押し潰されたように地面に倒れ、動けなくなった。

 

隠岐奈「お前さんの能力はうちの軍医(永琳)から聞いている。お前さんは気で空気のトンネルを作り、その中を超高速で移動してるんだろう?」

 

豊姫「…ズズズ…ぐぅ…!…ズズズ…」

 

隠岐奈「月から地上まで大軍すら移動させるのは大したもんだ。だが…その『気』のトンネルを形成させなきゃどうしようもない…だから私の得意技『重力干渉』で叩きのめしたのさ」

 

隠岐奈の言葉を豊姫は何も返事を返さなかった。だがそれは隠岐奈の指摘が間違っていないことを証明しており、現に豊姫自身は瞬間移動どころか指を動かすこともできていない。

 

隠岐奈「さぁ…!堕ちな!星符『重力支配(ゼロジースロー)』!」

 

豊姫「…フワッ…な!?ドガンッ!ごふっ…!ドガンッ!」

 

今度は豊姫の身体がまるで鳥の羽の如く浮き上がり、再び地面に打ち付けられる。さらに隠岐奈が腕を振るとそれに反応して豊姫の身体も華麗に空を舞い、三度地面を転がった。

 

隠岐奈「どうだ?はじめて味わう土の味は?」

 

豊姫「…お、おのれ…!ならこれで…!」

 

隠岐奈の挑発を豊姫は能力で鮫型のバズーカを取り出す。そのまま銃口から青いエネルギー球が隠岐奈にぶっぱなされたが、そんなのもどこ吹く風…隠岐奈はただニヤリと笑うだけだ。

 

隠岐奈「…スゥ…『重力支配(ゼロジースロー)…水晶占い!』」

 

その時不思議なことが起こった。隠岐奈が両手のひらを豊姫のエネルギー球にかざすと、絶妙な力加減でエネルギー球が水晶球のように空中に浮かんだのだ。

 

隠岐奈「…ん~…悪いが…クーリングオフ!返品だ!ブンッ!」

 

豊姫「!?跳ねかえっ」

 

その言葉の先を豊姫は言えなかった。隠岐奈がマジックばかりに浮かせたエネルギー球を豊姫めがけて投げ返してきたのだ。豊姫はこの戦いで何度目かわからない、数秒間の空中散歩を味わうことになった。

 

隠岐奈「…ようし…デッキを構えな!」

 

豊姫「…ハァ…まだまだよ…!」

 

 

隠岐奈 豊姫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

本日は豪華二本立て!『分神』神奈子様は『紅色の旧日本軍将校服』です。軍神なので軍服が似合うと思ったからッス。

『分神』隠岐奈様は『太陽系の惑星が描かれた黒い狩衣』です。ウォズの銀河ファイナリーみたいに重力を操ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

永琳殲滅計画

…悲報。自分の周りにいる人、ほとんどデュエマ勢


戦場 中央部

 

 

霊夢「雷符『旋雷杭打(サンダードライバー)』!!」

 

紫「紫奥義『弾幕結界』!!」

 

鈴仙「散符『真実の月(インビジブルフルムーン)』!!」

 

輝夜「神宝『ブリリアントドラゴンバレッタ』!!」

 

妹紅「星符『灼熱火砕(ヒートイラプション)』!!」

 

ドガガガガガガガガ!!!!

 

妖怪達《ギシャァァァァ!》

 

式神《…ギギギギ…!》

戦いが一番激しい中央部、霊夢達五人の攻撃が妖怪や式神達を吹き飛ばす。だが数が多すぎて倒した感覚が全くしない。しかも妖精や霊魂のような数ばかりの敵ではなく、一体一体の強さもあるので倒した数も少なめだった。

 

霊夢「…この…!」

 

紫「全員持ちこたえなさい!」

 

妹紅「…お…?」

 

早鬼「ヒャッッッッハァァァァァ~!退きやがれ~!」

 

八千慧「…さて…そろそろ弱りだす頃ですね」

 

五人の前に躍り出てきたのは畜生界の組長達、トレードマークのウェスタンハットをなおしながら翼を広げる早鬼と弱りかけたところで仕留めようと出てきた八千慧…今の霊夢達でも決して油断できない相手だ。

 

早鬼「…あ~あ、ここでもお前と共闘しなくちゃならないなんてなぁ~!」

 

八千慧「…あなたが言えることかしら?脳内筋肉のバカ狼の首領さん?」

 

早鬼「黙れ腰抜け鹿ビッチ女!」

 

八千慧「ああん!?もっかい言ってみなさい!」

 

スサノヲ《…やっぱりケンカしてやがんな…》

妹紅「…ほぉ~…お前らもここにいたのか…しゃ!さっさと蹴散らすぜ!」

 

輝夜「私もやろぉっと♪」

 

妹紅「…ジロッ…ニヤリ…」

 

だが二人のチームワークは壊滅的なことは変わっていない。そんな組長達の前に周りの妖怪達をぶちのめしながら蓬莱人が並び立つ…その間にはガンを飛ばすことはあれど、不適な笑みを浮かべてもう一度前を向いた。

 

妹紅「先手必勝!炎符『豪炎大剣(フレアソード)』!!」

 

早鬼「どぉぉぉ!?」

 

八千慧「きゃぁぁ!?」

 

妹紅はアラナミを構えて灼熱の炎を刃先に纏わせる。そして大振りにアラナミを振るって剣の形をした火炎弾を二人めがけて放った。

 

言い争って周りを気にしていなかった二人はそのまま炎に飲み込まれる。それでもさすがは組長、瀕死にはなっていない。

 

八千慧「…よくも…!亀符『亀甲地獄』!!」

 

輝夜「…神!」

 

黎斗神《よぉぅぅし!神の才能を見よぉぉ!》

八千慧が怒りを露にして交差する緑のビームを放つが、輝夜が声をかけるとなにもない虚空から何かが輝夜の手に落ちてくる。それはティラノサウルスの頭部を模した紫色の刃の手斧だった。

 

輝夜達は知らないだろうが、それは仮面ライダーオーズの最強武器の『メダガブリュー』。無を司り、欲望を砕く魔の斧である。

 

輝夜「パシッ!セイヤーッ!!」

 

妹紅「うぉ!?」

 

早鬼「ぐぇぇ!!」

 

八千慧「な!?ッッッ…!!」

 

既に巨大なエネルギーの刃を纏っていたメダガブリューを輝夜はお馴染みの掛け声と共に早鬼と八千慧を緑のビームごと吹き飛ばす。オーズの最終回で見せた『グランド・オブ・レイジ』は辺りの生物すべてを粉砕する威力を誇った…間一髪伏せてかわせた妹紅を除いて。

 

輝夜「ふぅ…ポイッ…決まった…!ドヤァ」

 

妹紅「おい!輝夜!殺すぞ!」

 

輝夜「あ?できるもんならねぇ~!」

 

妹紅「おぅ!上等だコラ!」

 

メダガブリューをポイ捨てしてどやる輝夜に妹紅は詰め寄る。この二人も幻想郷1の凸凹コンビであることは間違いない。

 

早鬼「勁疾技『トライアングルチェイス』!!」

 

八千慧「舐め腐りやがって…!鬼符『搦手の鬼畜生』!!」

 

妹紅「…!あぶねぇ!!バゴンッ!!」

 

輝夜「きゃ……妹紅…!?」

 

今度はこちらが言い争っていたところを突かれることになった。早鬼のオーラを纏った突進と八千慧の強化された尻尾が二人に襲いかかるが、妹紅が輝夜の前に出て腕をクロスさせて受け止める。

 

妹紅「ぐ……!輝夜!早くしろ!」

 

妹紅「…ええ!スチャ!」

 

黎斗神《今度はこれだぁぁ…!!》

 

次に輝夜が取り出したのはスペードのマークがあしらわれた刃先が黄金の両手剣…仮面ライダーブレイドの最強武器『キングラウザー』…それを大きく輝夜は振りかぶった。

 

輝夜「でぃぁぁぁぁぁ!!」

 

早鬼「ぎゃ!!」

 

八千慧「んん!!」

 

妹紅「…へへ…決めるぜ!輝夜!」

 

輝夜「ブンッ!わーってる!」

 

光輝くキングラウザーが早鬼と八千慧を再度後ろへ切り飛ばす。そして妹紅の拳からどろどろとマグマが流れ落ち、輝夜は仮面ライダーカブトの最強武器『パーフェクトゼクター』をガンモードで構えた。そのパーフェクトゼクターには既に三つのゼクターが合体している。

 

妹紅「食らいな!炎符『地獄死炎(デスファイア)』!」

 

輝夜「消えなさい。マキシマムハイパーサイクロン!!」

 

ドォォォォォォォォォォォォン!!!!

妹紅が頭上にマグマの火球を生成し、輝夜はパーフェクトゼクターのエネルギーを高めて地面を踏みしめる。その二つの災害クラスの攻撃が辺りの妖怪や式神達を巻き込みながら早鬼と八千慧に炸裂した!

 

妹紅「て言うか…何で『分神』状態の私と普通のお前の火力がどっこいどっこいなんだよ?」

 

輝夜「あら?私は創界神の娘よ?これぐらいの力はあるわ」

 

妹紅「へー(棒)…ならアイツらたたき起こして……」

 

輝夜のどや顔を完全にスルーしつつ妹紅は早鬼と八千慧が吹き飛んだであろう所に目をやった。特大の一撃によって辺り一面は焼け焦げ、新しい月のクレーターが出現している…そこに二人はいた……

 

早鬼「…プスプスプス…」

 

八千慧「…ブシュー……」

 

妹紅「………次いくか…」

 

輝夜「… そうね……」

 

黒焦げになって倒れている二人を軽く見て、居心地悪い空気から逃げるように妹紅と輝夜はまだたくさん残っている妖怪達に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

月面 月の都の門前

 

 

永琳「…ダダダ…!着いた…!」

 

その頃、戦場を駆け抜けていた永琳は月の都を囲む城壁の門にたどり着いていた。いつもは門番の人間がいるのだが、ウカノミタマの命令で下げられたのか、羅生門を思わせる荘厳な門には誰もいない。

 

永琳「…さて…!蹴り破れば防衛術式で痺れるから……飛び越えましょ」

 

そんな独り言を言いながら永琳はくるっと華麗に門を飛び越える。見た目は古くさい建築物でも、月の都のは最新式の機能がついていることを当然だが永琳は考慮した……

 

…だがこの判断は裏目に出ることとなる。

 

 

永琳「さて…ツクヨミの神殿にでも…ッッッ!!?」

 

司令官玉兎「来たぞ!全員撃ち方用意!!」

 

したっぱ玉兎「了解!ガチャッ!」

 

永琳「玉兎!?まさか…読まれた!?」

 

門を飛び越えた永琳の眼下に広がっていたのは門前の広場を埋め尽くすほどの月の兎達だった。もちろん全員武装してライフルの銃口を自分に向けている。

 

永琳「…しまっ」

 

???「紅符『スカーレットミスト』!!」

 

玉兎達「きゃぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

空中の永琳が唇を噛み締めて銃弾を避けようとした瞬間、辺り一帯に紅色の霧が発生する。それは煙幕代わりになって永琳だけでなく、玉兎達の視界も遮った。

 

したっぱ玉兎「なにこれ!?ゲホッゲホッ!」

 

したっぱ玉兎「な、何も見えない…!!」

 

司令官玉兎「ええい!落ち着け!!」

 

永琳「この霧…ガシッ…え?」

 

レミリア「ほらっ!ボケッとしないで!早く撒くわよ!」

 

玉兎達はやはり実戦経験が浅いようで、こんな軽い想定外の事態にも態勢を持ち直せずにあたふたしている。一方煙の中で永琳の腕を引っ張ったのは紅の霧でお馴染み、紅魔館の紅いカリスマ『レミリア・スカーレット』だった。永琳は引きずられるように玉兎達が見えない建物の陰へ逃げ込む。

 

レミリア「…チラッ…ここなら一応、見つからないわね」

 

永琳「…あなた…!どうして…」

 

レミリア「…一応、()()()役として来たわ。足手まといにはならないわよ?」

 

永琳「…はぁ…まぁ良いわ…ついて来なさい。目的地はあの大きな建物、つっきっるから遅れたら置いてくわ」

 

レミリア「ふぅん…あの首里城みたいな建物のことね…」

 

そういうと永琳は門の反対側にそびえる城のような建物を指差し、いまだに紅の霧に混乱している玉兎達の目を盗んで走り出した。レミリアも永琳に負けないスピードで無人の月の都を駆ける。

 

レミリア「…日本神話の神の世界だからか、まるで旧京都市街ね…だが中華風の飾りも見えるのはどうして?」

 

永琳「…数千年前に中国神話の神々を迎え入れたからよ。ちなみにそのせいで純狐の敵も受け入れちゃって大揉めになったの」

 

レミリア「……『嫦娥』…とやらか?」

 

永琳「ええ………!…あら?」

 

レミリア「む?」

 

永琳とレミリアが日本と中華が入り交じる町並みを疾走していると、突然進行方向を遮る影が現れる。それは外で霊夢達と戦っている妖怪や式神でも、玉兎でもない……ただの月の都に住む一般市民だった。

 

レミリア「……一般…人か…?」

 

永琳「…そう…だと思うけど…?」

 

月の民「……ザッザッザッ……」

 

二人が困惑している内に月の民達がどんどん集まってくる。だが全員の目は暗く淀んでおり、まるで生気を感じない…それ以前にこんな所に非戦闘員が集団でいることが永琳には怪しくみえてならなかった。

 

月の民「…ぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

月の民「…ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

レミリア「え…え!?」

 

永琳「に、逃げるわよ!」

 

すると突然奇声をあげた月の民達が二人めがけて襲いかかってきた。さすがに一般人を攻撃するほどこの二人は残酷ではないので脇道へ逃げ込むが、それでも月の民達は追ってきた。

 

レミリア「…奴ら……!!戦士でもない命を…!」

 

永琳「…ギリィ…!」

 

月の民「…わぁぁぁぁぁぁ!!」

 

永琳《…あの若作り狐女…!首洗って待ってなさい!》

 

月の都じゅうを駆け巡りながら永琳は心の中でウカノミタマに悪態をついていた。

 

 

 

 

 

 

同時刻 月の都 ツクヨミの宮殿 とある部屋

 

 

 

???《……!…ふぅ…ようやく来たわね……》

 

 




はい。ありがとうございました。

さて…なぜかついてきたレミリア、そして最後の人物とは…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

正義のヒーロー

このままじゃデメテル出る前(早くとも転醒編突入時)にこの小説終わる…さてどうしよう…


戦場 中央部

 

弾「…はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

妖怪達《ギャァァァァァァ!》

 

式神達《ギギギギ…!》

 

依姫「来られませ…火雷神よ!敵を追え!」

 

蓮子「…なんの!『パイロキネシス』!!」

 

弾はエネルギーの刃を伸ばしたグランシャリオで敵を切り裂き、光弾で遠距離攻撃を放っていた。その隣では依姫が降ろした炎の竜と蓮子のマザーコアの力による超能力の炎がぶつかり、辺りが爆煙に包まれる。

 

弾「…キィィィ…よし…!神奈子と隠岐奈、映姫は大丈夫そうだな。苦戦してる幽香に援護しに行く……うぅ!?」

 

蓮子「弾さん!?どうしましたか!?」

 

依姫「隙有り!」

 

蓮子「…ッッ!」

 

戦局を見ていた弾が突如膝をついて苦しみだす。それに気づいた蓮子は駆け寄ろうとするも、依姫の刀の一撃が蓮子の頬をかすり、近づくことができなかった。

 

弾《…ぐ…!やっぱり…みんなに気をつけすぎたか…!?》

 

咲夜「弾様!援護致します!」

 

魔理沙「おらぁ!マスタースパーク!!」

 

すると空から遊撃を請け負っていた咲夜と魔理沙が弾の側に降り立つ。そしてお得意のナイフや光線で周りの妖怪達を一掃していった。

 

弾「…サンキュー…!」

 

蓮子「よかった…うん!私も…!ジャッジメント・ドラゴン・ソード!」

 

依姫「せいっ!ガキィンッ!!」

 

蓮子は片手剣サイズになったジャッジメント・ドラゴン・ソードを振りかぶって依姫の愛刀とぶつかり合う。蓮子の剣の腕は依姫の比べてたかが知れているが、マザーコアの力がそれを補うほどのエネルギーを生み出していたので、勝負自体は蓮子が押していた。

 

 

蓮子「…ぉぉぉ!秘封倶楽部…!会長を…!なめるなぁ!!!蓮子パンチ!!!」

 

依姫「うぐぅ!!?…まだだ!来られませ…」

 

異界王《…!…ふんっ!》

 

蓮子が空いていた方の手でストレートパンチを噛ます。懐に重い一発を食らった依姫が再び神を降ろそうとした時、蓮子の中から異界王が出て来て手のひらを依姫に向けた。

 

依姫「…あ…あがっ…!?か、身体…が…!?」

 

異界王《お前の能力の弱点、それは神を降ろすため()()()に無防備になること。ならそこを攻撃すれば致命的だろう》

 

蓮子「さっすがお父さん!星符『スター・オブ・キングダム』!」

 

依姫「ああぁ!!!」

 

異界王が依姫に取りついて動きを封じると、蓮子はジャッジメント・ドラゴン・ソードに星のエネルギーを纏わせる。そのまま巨大な光の刃を振り下ろして依姫を吹き飛ばした。

 

 

蓮子「…よっし!さぁ!今度はバトスピで勝負よ!」

 

依姫「…仕方ない…!成敗する!」

 

蓮子 依姫「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

戦場 幽香VSサグメ

 

 

 

サグメ《……玉符『烏合の呪』…!》

 

幽香「…くっ!マスタースパーク…!」

 

サグメが生成した陰陽球の群れが幽香めがけて襲いかかる。対して幽香は日傘から光線を放って打ち消すが、いかんせん数が多くすべては打ち消せなかった。

 

そして残った陰陽球を幽香は身体をよじり、バク転しながら紙一重で避けていく。

 

サグメ《…諦めなさい…あなたの力はここ『月面』では何の意味もない…》

 

幽香「……だぁぁぁぁ!!ブンッ!」

 

サグメ《…はっ!ガキィンッ!!》

 

サグメの言葉(テレパシーなので声には出てないが)を無視して幽香は一気に離れた距離を詰める。その勢いのまま閉じた日傘をサグメの頭上に振り下ろすが、サグメが展開した障壁に阻まれてしまった。

 

幽香「…まだよ!…スッ…」

 

サグメ《…!?…な!?》

 

幽香「…この距離なら…!『ウルトラスパーク』!!」

 

サグメ《…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!》

 

だが月の都での事務作業が日常のサグメと違い、幽香は生存競争が激しい地上で幾千の戦いを潜り抜けてきた猛者。とっさの判断力は幽香が上手だった。

 

幽香は受け止められた日傘を頭上からちょうどサグメの腹部付近に移動させ、そのまま超強化版マスタースパークを放ったのだ。頭上付近にエネルギーを集めていて、腹部付近は手薄に張っていたのか、サグメの障壁は至近距離マスタースパークに耐えらなかった。

 

サグメの身体は月面に地上絵が描けるほど後ろに飛ばされていった。

 

幽香「…ふぅ…なぁにが何の意味もないですって?」

 

サグメ?《ムクッ…いたた…全く、粗暴なこと…

 

イシス《…!…幽香!》

 

幽香が皮肉を吐き捨てると、サグメが翼を羽ばたかせて幽香の前に戻る。だがその口調はいつものサグメとは違い、まるで上流貴族のご令嬢のようだ…

 

幽香「…まさか…原初神…!」

 

サグメ?《その通り。わたくし原初神が一柱、法と掟の女神テミスと申しますわ

 

立ち上がったサグメ…に取りついていたテミスは優雅にお辞儀する。しかし幽香は彼女の丁寧な言葉遣いの裏にある邪な感情を感じ取っていた。

 

幽香「…その気持ち悪い目をやめてくれない?見下されているようで腹がたつわ」

 

テミス《あら、あなたのような雑草を見下して何が悪くて?

 

幽香「…ムカつくわ…!マスタースパーク!!」

 

嘲笑うテミスに耐えかねて幽香は再び光線を放つ。極太のビームにテミスの姿が呑まれていくが……

 

テミス《…やはり…雑草ですわね

 

幽香「…効いてない…!?」

 

テミス《…スチャ…この剣で切り捨てただけですわ。そして次はあなたです!

 

幽香「…っ!キィンッ!」

 

テミスは取り出した長剣でマスタースパークを両断してしまう。そしてテミスはそのまま斬りかかり、幽香は日傘で応戦し始めた。

 

幽香「…キィンッ!法の…女神って言ったわね!ガキィンッ!ならあなたは自分が正しいことをしてる…んんっ!キィンッ!自信があるの!?」

 

テミス《 『正しいこと』?そんな事考えたこともありません。なぜなら強さこそ正義!キィンッ!故に強者の私が間違うことはない!

 

幽香「…あうっ!」

 

二人は暫し日傘と剣で殺陣を繰り広げるが、テミスの剣が幽香の手から日傘を弾き飛ばす。さらにテミスは衝撃波を放って幽香を吹き飛ばし、身体は地面を転がった。

 

テミス《…失せなさい、崩符『白虎李微』!

 

幽香「…がっ…!がはっ…!…ドサッ…」

 

そしてテミスの身体から白いエネルギーの虎が飛び出して幽香に飛びかかり、彼女の身を貫いていった。日傘を手放し、幽香は力なく地面に倒れてしまう。

 

幽香《…ぅ…な、なめてた…!ここまで強いなんて…!》

 

テミス《教えてあげます。強くない者に存在価値などありません。弱者は黙って強者にひれ伏していればそれで良いのです

 

幽香「…ふふっ…な、なら…あなたも…存在価値はないわね…!弾に…ひれ伏すことになるのだから…!」

 

テミス《…ブチンッ…黙れ!この…!雑草風情がぁぁ!!!

 

内心幽香はテミスの強さに焦っていたが、それを隠して彼女の言葉を皮肉で返す。しかしその行動はテミスを挑発することになり、剣を手に幽香にズカズカと近づいてきた。

 

テミス《よくも私にそのような口をきけますね…!今すぐ首を跳ねてあげます!

 

イシス《…まずいわ…!幽香!何とか動いて!》

 

幽香《…死ぬ……想像以上の強さ……!》

 

テミス《死になさい!!!

 

動けない幽香の側にテミスが立ち、大きく剣を振りかぶった……

 

 

???「やめろー!」

 

???「幽香さんから離れろー!」

 

???「あっち行けー!!」

 

テミス《きゃ!?

 

幽香「…え……」

 

???「幽香!無事!?」

 

???「よかった…間に合った…!」

 

…その時、テミスに何者かが飛びついた。不意を疲れたテミスは体勢を崩して倒れこみ、さらに幽香の所へ誰かが近寄ってくる。彼女達に幽香は心当たりがあった。

 

幽香「…幻月…夢月…!?どうして…!?」

 

幻月「決まってるじゃない!助けに来たのよ!」

 

夢月「それにくるみとエリーも来てるわ!」

 

そう言って白い羽の幻月と青いメイド服の夢月は幽香を抱き起こす。ふらふらながらも幽香は立ち上がってテミスの方を見てみると、テミスに光弾を放っているくるみとエリー…そして妖精達の姿があった。

 

幽香「…妖精…?」

 

幻月「ええ、博麗神社に住み着いてる光の三妖精達よ」

 

夢月「霊夢から話を聞いて参戦したんだって」

 

サニー「おりゃー!」

 

ルナ「でーい!」

 

スター「てーい!」

 

くるみ「はぁぁ!」

 

エリー「おりゃぁ!」

 

テミスに攻撃していたのは博麗神社に住んでいる妖精達、サニーミルク、スターサファイア、ルナチャイルドだった。どこからか話を聞きつけて着いてきたようだ。力は弱いが、彼女達の能力で姿と音を消しているため、テミスは三妖精達の姿を捉えられないでいる。

 

テミス《ちぃ…!この雑魚が!ふんっ!

 

三妖精「「「きゃぁぁ!」」」

 

くるみ「ぐぇ…!」

 

エリー「うぐっ…!」

 

だがテミスは周囲をまとめて吹き飛ばし、三妖精達やくるみ、エリーに攻撃した。たまらず五人は幽香の所まで転がってくる。

 

テミス《…ふぅ…危ない危ない…こんな雑魚に気を乱されましたわ…

 

幽香「…ザッ…まだよ…!この子達に手を出すなら…私を殺してからにしなさい!」

 

テミス《そいつらをかばって何の得になりますの?弱い者は強者の足手まとい…迷惑以外の何者でもありませんわ

 

幽香「…うふふ…この子達に……私と同じものを見たから…かしらね」

 

幽香はボロボロの身体を引きずって部下や妖精達を守ろうと前に出る。緑の髪は土埃まみれ、赤いスカートは所々破けているが、幽香の瞳は強くテミスをにらみつけていた。

 

 

 

 

 

その昔、私はただの花だった。だけどいつの間にか力を得た私は妖精として花畑を飛び回った…あの時は同じ妖精達とただ遊んでいただけだったけど…

 

…そんな日はすぐ崩れた。妖怪達が跋扈していた時代、自らの縄張りを広げようと数々のならず者妖怪が花畑を荒らし始めた。

 

仲間の妖精達は力の差に全員軽くやられてしまったけど、運良く私は敵の親玉の隙を突き、妖怪の首をとることができた…初めて味わう血と肉の感覚は今でも覚えている。

 

 

…それが更なる悪夢の始まりだった。

 

 

討ち取った妖怪はそれなりに名の知れた奴だったらしく、そいつを殺した妖精の噂を聞きつけてさらに別の妖怪達がやって来た。

 

私は戦った…大好きな花畑を守るために…何十の首をもぎ取り、何百の命を奪った。気づけば私は妖怪になり、残虐非道な花妖怪としてその名を知らしめることになっていた。

 

 

…あらあら…もう終わりなの?もっと良い声で鳴きなさい…うふふ…

 

…来ないで…私は戦いたくない…

 

…失礼ね。ちょっといじめただけよ。

 

…ごめんなさい、花畑を守るためなの…

 

アハハ!もっと私を楽しませなさい!

 

…違う…こんなの…!本当の私じゃない!!

 

…つらかった…ただ守りたいモノを守っているだけなのに…守るたびに『危険度極高の妖怪』と言われ続ける。一度花畑を出ればヒソヒソと後ろ指を指され、誰も近くに寄ってこない。

 

そう言う自分さえ本当の()()()()が分からなくなってきた。強がりすぎて『危険な妖怪』の仮面を被り続けた結果、自らのアイデンティティ自体が歪んできてしまったのだ。

 

…………もう…いいや……どうせ誰も私を見てくれないんだ…

 

 

…そんな時だ…()が幻想郷に現れたのは。

 

彼は私を見てくれた…いや()()()()()()()。本当の私を、ただの花の妖怪である私を。そして私を頼れる仲間として受け入れてくれた…これ以上ない幸福だった。

 

それが彼についていく理由。でももう一つ…こんな私でも…誰かに頼らないと自分を見失う宿り木な私でも…たくさんの命を奪った極悪妖怪の私でも…もし赦されるのなら、少しだけワガママを言っても良いなら……

 

 

 

……彼みたいな…ヒーローになってみたい。

 

 

 

 

 

 

幽香「…それに…ヒーローが逃げる訳にはいかないでしょ!この子達…戦えない命の代わりに…私が戦う!!!」

 

イシス《…!…覚醒した…!》

 

テミス《…な…!?それはタカミムスビの…!まさか…戯れ言ではなかったと!?

 

その言葉と共に幽香の妖力が星の力へと変化する。姿もセフィロ・アリエスのような白地に金と緑のアーマーが現れていた。

 

幻月「…幽香…!」

 

幽香「…ハァァ!ブンッ!」

 

テミス《…ちぃ!調子に乗るな!

 

幽香は神力を放出しながらテミスに殴りかかる。そこから再び戦闘が始まるが、覚醒した幽香の勢いにテミスは押され始めた。

 

幽香「草符『緑振棘鞭(ソーンウィップ)』!」

 

くるみ「…巨大な…蔦の鞭…!」

 

テミス《 ブハッ!…ズザザ…バカな…!ここには生えている植物など…!

 

幽香「ええ…だから()()()から生やしたのよ」

 

幽香の宣言が響くと地面から緑の植物が生えて、まるで鞭のようにしなってテミスを弾き飛ばす。転がったテミスは生命のない月面に植物が生えたことに驚くが、幽香は手から小さな花を生やしてみせる。

 

幽香が言った通り、さっきの蔦は幽香の足から地面をたどって現れていたもの。以前の幽香ならできない芸当だったが『分神』した今でだからできる力業である。

 

イシス《これなら…幽香、これを!》

 

幽香「パシッ…借りるわよ。はっ!!」

 

サニー「…わっ!」

 

スター「力が…溢れてくる!」

 

ルナ「…すごーい!」

 

イシスが幽香の前に神話ブレイヴ『天霊王杖ウアス・セプター』を出現させる。それを幽香が握って天に掲げると、自然の化身とも言える妖精達の生命力が爆発的に増幅された。

 

幽香「行きなさい!『緑精編隊(グリーンインパルス)』!!」

 

三妖精「「「わぁぁぁぁ!!!」」」

 

テミス《…ぅ…!っっ…!

 

幽香からエネルギーを与えられた三妖精が光に包まれて突進していく。そして連続でテミスにぶつかり、思わずテミスは膝をついた。

 

幽香「…さて…次はなぁに?」

 

テミス《…ハァ…ならこちらですわ!

 

幽香「…あなた達、ここは任せて弾達を頼むわ」

 

夢月「わかったわ!」

 

エリー「カッコよかったわよ!」

 

幽香にあとを託して夢月達は別の場所に向かって行く。そして幽香自身はデッキを取り出してテミスに突きつけた。

 

テミス《おのれ…!よくもこの私に…!

 

幽香「…うふふ、本当の『強者』を教えてあげる…!」

 

幽香 テミス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』幽香は『セフィロ・アリエスのようなアーマー』を纏っています。あの白いヒラヒラ(分かるかな?)や角とか胸当ての宝玉とかを模した感じです。あと自分の幽香像は変わらずこんなんです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バトル開始!

お待たせしましたぁ~!


磨弓「…覚悟しろ…!」

 

神奈子「…お前さんがね。メインステップ!天騎士ナミテントウを召喚してコアを追加!さらにデッキを四枚オープンする!」

 

先行を取った神奈子はてんとう虫の騎士を召喚してコアブースト&デッキをサーチする。めくられたのはテッポウナナフシ、創界神アレス、終焉の騎神ラグナ・ロック、そして天騎士オール・リィチ。

 

神奈子「よしきた!創界神アレスを回収してそのまま配置!神託を使ってコア三個を追加!」

 

アレス《了解。出撃する》

 

運良くアレスを引き当てた神奈子は増えたコアでアレスを呼び出す。先行1ターン目でこの動きは最高と言えるだろう。

 

神奈子「ターンエンド」

 

磨弓「メインステップ!テリアモンを召喚する!召喚時効果でデッキを三枚めくる!」

 

対して磨弓が召喚したのは白いウサギのようなスピリット。その効果が磨弓をデッキをめくっていく……

 

磨弓「…その中の李 健良とガルゴモンを手札へ。そして創界神ネクサス!李 健良を配置!神託の力でコアを二個置く!」

 

アレス《む…未確認の創界神ネクサス。神奈子、警戒するぞ》

 

神奈子「…あぁ…」

 

磨弓が配置したネクサス、それはレミリアが使っていたのと似たような闇の力を放っているものだった。アレスは冷静に分析して神奈子に忠告する。

 

磨弓「ターンエンド」

 

神奈子「…メインステップ、武双騎士センチビルドを召喚!コアを二個センチビルドに!さらに破城斧槍ランパートブレイカーをアレスにダイレクト合体!」

 

アレス《…ふんっっ!俺のコアが四個を越えた。よってランパートブレイカーの神域を発動する。お互い界放以外でコアを移動できなくする》

 

神奈子はレーザーソードを足に持ったムカデを召喚しコアを増やす。さらにアレスの腕に緑の光が集まり、一本の大斧が現れた。

 

神奈子「アタックステップ!行け!センチビルド!」

 

磨弓「ライフで受ける!」

 

わしゃわしゃとセンチビルドが這って接近すると、尻のレーザーソードで磨弓のライフを切り裂いた。

 

神奈子「以上、ターンエンド」

 

磨弓「メインステップ!テリアモンをレベル2に!アタックステップ!ここで『進化』を発揮!手札のガルゴモンと入れ換えるぞ!」

 

磨弓のテリアモンが白く輝き、姿がかわいらしい姿から二足歩行で腕にガトリングガンを装着した狩人へと変わった。

 

磨弓「ガルゴモンでアタック!アタック時効果でコアを増やし『超進化』!再び手札のラピッドモン(テイマーズ)をガルゴモンと入れ換える!」

 

神奈子「…またか…ライフだ!」

 

ガルゴモンがまた光ってさらに大きいウサギロボットへと進化する。そして超進化したラピッドモンの背中と両腕からたくさんのミサイルが放たれて神奈子のライフを砕いた。

 

磨弓「ターンエンド!」

 

神奈子「…ふむ…メインステップ。バーストをセット、そして筆頭騎士ダーウィンをレベル2で召喚し、ランパートブレイカーを合体だ!センチビルドもレベルアップ!」

 

神奈子のフィールドに緑のシンボルが現れ、中からノコギリのような鎧と剣を持った蟲騎士が出てくる。そのダーウィンにアレスがランパードブレイカーを投げ渡した。

 

神奈子「アタックステップ!ここでダーウィンの効果を使う!手札の光速騎士ワスピーダーを1コストで召喚!コストはナミテントウから確保」

 

アレス《これによりこちらの手札を破棄して三枚ドローする》

 

ダーウィンがランパートブレイカーを振ると、ナミテントウのコアを使ってクリーム色の蜂騎士が召喚される。

 

神奈子「アレスのレベル2効果でダーウィンとワスピーダーで同時アタック!アタック時効果によってワスピーダーにコアを追加!」

 

磨弓「…三点か…フラッシュタイミング!マジック!ブリザードウォールを使う!このターン、スピリットのアタックでは私のライフは1しか減らない!」

 

アレスの号令で同時に飛び出したダーウィンとワスピーダーだったが、磨弓のフィールドに吹雪が吹き荒れて二体の攻撃が一点まで軽減されてしまう。

 

神奈子「…だがダーウィンとセンチビルドの効果!『殻人』を持つスピリットがライフを減らしたので、計2つライフをトラッシュヘ!!ターンエンド!」

 

それでも吹雪の中ダーウィンがランパードブレイカーを投げつけてライフを砕き、センチビルドもビームで撃ち抜いていった。

 

磨弓「…ぐ…め、メインステップ…!煌龍銃剣ガンズ・バルムンクをラピッドモンにダイレクト合体するように召喚!」

 

神奈子「…煌臨するつもりか…?」

 

磨弓「アタックステップ!行け!ラピッドモン!アタック時効果!センチビルドとワスピーダーを手札へ!」

 

一度に三個、ライフを砕かれた磨弓はラピッドモンに剣型の銃を合体させる。そしてラピッドモンはガンズ・バルムンクからビームを発射してセンチビルドとワスピーダーを神奈子の手札に返した。

 

磨弓「フラッシュタイミング!ラピッドモンに煌臨!セントガルゴモン!煌臨時効果でバーストとダーウィンをデッキボトムに戻す!」

 

ラピッドモンがさらに大きく、煌々と光り輝いて姿を変える。その大きさはラピッドモンをはるかに上回り、リボルバーの腕や巨大なミサイルで武装していた。

 

とうとう起動したセントガルゴモンはまず残っていた蟲騎士を除去しようと、肩の砲台からビームを放ってダーウィンとバーストを吹き飛ばした。

 

神奈子「ランパートブレイカーはフィールドに。フラッシュタイミング!白晶防壁!ソイツを戻してこのターン私のライフは1しか減らない!」

 

磨弓「ち…李 健良の効果!このネクサスのコア三個をセントガルゴモンに置くことで、回復状態で残る!」

 

すかさず神奈子は防御札を切った。セントガルゴモンに白い壁が張りついて押し潰そうとしたが、磨弓のネクサスからエネルギーを吸収したセントガルゴモンはその壁を無理矢理砕き割った。

 

磨弓「…ターンエンド」

 

神奈子「パチン!メインステップ!きたれ!緑の蟹騎士よ!巨蟹武神キャンサードXをレベル2で召喚!ランパートブレイカーを合体だ!」

 

キャンサード《…推参!》

 

神奈子は再び『分神』状態へ変わり、召喚したのは十二宮Xレアの一体キャンサード。さらにキャンサードは地面に落ちていたランパートブレイカーをハサミで掴み、大きく構えた。

 

神奈子「アタックステップ!決めろ!合体アタック!!」

 

磨弓「この…!セントガルゴモンで……!?」

 

アレス《キャンサード、レベル1からの効果発揮。相手フィールドに二体以上のスピリットの存在無し。よってこのアタックはブロック不可能》

 

磨弓はセントガルゴモンで防御しようとするも、キャンサードお馴染みの二体ブロック効果がそれを邪魔する。セントガルゴモンを素通りし、キャンサードは両ハサミでランパートブレイカーを持った。

 

神奈子「…チェックメイト!」

 

キャンサード《これで詰み…!》

 

磨弓「ぐぁぁぁぁ!!」

 

ランパードブレイカーが残った磨弓のライフを全て打ち砕く。すると弾かれる磨弓からデッキのカードが空中に舞い上がった。

 

神奈子「…パシッ…軍神…なめんじゃないよ!」

 

軍服の裾をたなびかせ、神奈子は『李 健良』と『セントガルゴモン』のカードをキャッチする。次の瞬間その二枚から禍々しいオーラは消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

豊姫「…………」

 

隠岐奈「始めるよぅ。メインステップ!ネクサス、秩序戦艦バチマン・ド・ゲールー戦艦形態ーを配置。ターンエンドだよ」

 

蔑みの目を向けられた隠岐奈は気にせずターンを始める。背後に出現したのは巨大な空中戦艦、相手の手札増加に乗じてドローできるネクサスである。

 

豊姫「…メインステップ。レナモンを召喚してデッキから四枚オープンするわ」

 

気楽そうな隠岐奈と対照的に豊姫の表情は硬い。豊姫はまず黄色い狐人を呼び出し、デッキをめくる。

 

豊姫「…牧野 留姫とキュウビモンを手札へ。創界神ネクサス!牧野 留姫を配置よ!神託の効果で三個コアを置くわ」

 

隠岐奈「…ほーお…まぁたそんなカードを…あ、手札が二枚増えたからバチマン・ド・ゲールの効果でこっちも二枚貰うよ」

 

続けて豊姫は邪なエネルギーを纏った創界神ネクサスを配置する。それでも隠岐奈は軽い口調を崩さずにネクサスの効果でドローした。

 

豊姫「…ターンエンドよ」

 

隠岐奈「そんじゃメインステップ。時の支配者!創界神トトを配置するよ!神託の対象が二枚あったからコアを2つ置く。バーストも伏せようか」

 

トト《……謎の創界神ネクサスか…ゾクゾクするね…!》

 

隠岐奈の後ろに目を光らせたトトが現れる。どうやら豊姫の創界神ネクサスが気になっているようだ。

 

隠岐奈「さらに聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウを召喚!アタックステップ!アーネジェウでアタック!」

 

豊姫「ライフで受けるわ」

 

隠岐奈のフィールドに灰色のロボット騎兵が召喚され、手に持ったライフルで豊姫のライフを撃ち抜いた。

 

隠岐奈「エンドステップ。アーネジェウは自身の力で回復。ターンエンドだよ」

 

豊姫「…メインステップ。キュウビモンをレベル2で召喚してレナモンもレベルアップ。アタックステップ!ここでレナモンの『進化』!自身を手札に戻して召喚!ウェンディモン!」

 

豊姫は九尾の狐を召喚すると、レナモンを進化させる。小さくかわらしかったレナモンがまるでゴリラのような大獣人へと変わっていった。

 

豊姫「アタックステップ!行きなさい!ウェンディモン!相手の創界神ネクサスのコア二個を外して一枚ドロー…そして『超進化』!来なさい!タオモン!」

 

トト《…っっ…へぇ…入れ換えていくとは…》

 

ウェンディモンがトトのエネルギーを減らしたあと、その姿がまるでキツネの陰陽師になり、その手には大きな筆が握られていた。だがタオモンの召喚時効果などはアルティメットを対象にしていない。

 

隠岐奈「…だけどそいつらの効果は全部スピリットにしか対象にとれんぞぉ~?」

 

豊姫「…タオモンレベル2効果。妖戒/魔人に聖命を与えるわ!タオモンでアタック!BPは8000!」

 

隠岐奈「おーん…アーネジェウをきるか、聖命でライフを増やされるか…ライフだ!」

 

アーネジェウを切りたくない隠岐奈はタオモンの一撃をライフで受ける。タオモンが筆で梵字を書いてとばしライフを砕くと、その破片が豊姫のライフを回復させた。

 

豊姫「…ターンエンド」

 

隠岐奈「…お…メインステップ!神世界の月よ!永久に地上を照らし出せ!月光龍ストライク・ジークヴルムX!レベル2で召喚だ!」

 

隠岐奈がカードを持った手を広げると、後ろから純白のストライク・ジークヴルムが登ってくる。口からバチバチと雷を吹いてストライクはフィールドに降り立った。

 

豊姫「…八意様の…!おのれ…!その龍を穢れた貴様らが…!」

 

隠岐奈「穢れ穢れうっさいなぁ…アタックステップ!ストライク・ジークヴルムでアタック!キュウビモンをデッキボトムに戻してBPプラス5000!さらにブロックされないぞ!」

 

豊姫「くっ…ライフで受ける!」

 

ストライク・ジークヴルムがキュウビモンを掴んで地面に叩きつける。キュウビモンが消滅したのを確認すると、ストライク・ジークヴルムは口からビームを放ってライフを破壊した。

 

隠岐奈「続け!アーネジェウ!」

 

豊姫「…これも!」

 

ブロッカーのいない豊姫はアーネジェウの攻撃もライフで受けるしかない。

 

隠岐奈「エンドステップ。もっかいアーネジェウの効果で回復っと。ターンエンド」

 

豊姫「…メインステップ!タオモンをレベル3に!そして戻ったウェンディモンを再び召喚するわ!」

 

焦りを隠せない豊姫はもう一度ウェンディモンを召喚していく。だがアルティメットに触れられないこととストライク・ジークヴルムの回復効果が豊姫のアタック意識を妨害していた。

 

豊姫「…アタックステップ!タオモンでアタック!フラッシュ」

 

隠岐奈「バースト発動!天蠍機動スコルビウム!相手の創界神ネクサスのコアを全てボイドへ。そして召喚だ」

 

スコル《そんで?何を使うんだ?》

 

タオモンがすぅぅっと走り出すと、隠岐奈のバーストが発動する。現れたスコルビウムがお返しと言わんばかりに牧野 留姫のコアをボイド送りにした。

 

豊姫「…フラッシュタイミング!タオモンに煌臨!サクヤモン!煌臨時効果でレベル1の相手スピリットはブロックできず、効果を発揮できない!さらに手札を破棄して回復!」

 

隠岐奈「…『スピリット』…だろ?アーネジェウでブロック!」

 

タオモンの姿がシュッとした女性型の体型に変わり、筆も錫杖に変わる。そして煌臨したサクヤモンは腰のベルトから取り出した筒をストライク・ジークヴルムとスコルビウムに投げつけて動きを封じ込めた。

 

しかしアルティメット故に効果を受けなかったアーネジェウがサクヤモンの前に立ち塞がる。サクヤモンはアーネジェウの銃弾をかわすと錫杖を地面に打ち付け、アーネジェウを囲むように結界を張ってそのまま押し潰した。

 

豊姫「ターン…エンド…」

 

隠岐奈「パチン!メインステップ!舞い降りろ!白き翼の機神!アルティメット・グラン・ウォーデンを召喚!!」

 

トト《僕の耐性もつけておこうか》

 

『分神』した隠岐奈のフィールドに白銀のロボットが白い翼をはためかせて降りてくる。そして腕のオオカミ型の武装からトトが弾き出した数式を読み込み、さらに光り輝いた。

 

隠岐奈「アタックステップ!撃て!Uグラン・ウォーデン!!Uトリガー!ロックオン!!」

 

豊姫「…!…コスト4、キュウビモン…!」

 

隠岐奈「クリティカルヒット!相手スピリットを三体手札に戻す!」

 

Uグラン・ウォーデンが両腕の武装からビームを放ってウェンディモンとサクヤモンをバウンスしていった。

 

隠岐奈「そしてこれがメインアタック!!」

 

豊姫「ライフで受ける!」

 

Uグラン・ウォーデンがビームソードでライフを切り裂いていく。

 

隠岐奈「ストライク・ジークヴルムでアタック!」

 

豊姫「ライフ!」

 

Uグラン・ウォーデンと交代してストライク・ジークヴルムもビームでライフを破壊する。

 

隠岐奈「スコルビウム!頼むよ!」

 

スコル《りょーかい!》

 

スコルビウムが槍を構えて豊姫のライフめがけて突っ込んだ!!

 

豊姫「…ァァァァ!!」

 

隠岐奈「…パシッ!…これぞ!秘神の力!」

 

豊姫から飛んできたカードをキャッチし、隠岐奈は己の神力で禍々しいオーラを浄化した。

 

 

 

 

 

 

 

隠岐奈「…スタッ…ふぅ…こんなもんかい。さてひとまず彼女を後戸の国へ…」

 

神奈子「お…そちらも終わったようだな」

 

舞「御師匠様!」

 

里乃「こちらの任務、全て完了致しました!」

 

倒れた豊姫をドアに入れた隠岐奈にバトルが終わった神奈子が近づいてきた。側には舞と里乃、肩には気絶した磨弓を担いでいる。

 

隠岐奈「おお、お前達。ご苦労だったな。神奈子、彼女も後戸の国に?」

 

神奈子「あぁ、だがまだ終わりじゃないぞ」

 

隠岐奈「…うむ。よし!弾達と合流するぞ!」

 

磨弓もドアへ入れると、四人は急いで弾の元へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星読む娘VS神降ろす娘

蓮子「よーし!勝つぞ~!」

 

依姫「……メインステップ!エリダヌス・ドラゴンを召喚!バーストを伏せ、ターンエンド」

 

依姫はぶっきらぼうにエリダヌス・ドラゴンを呼び出す。だが『光導』デッキを主軸足る十二宮Xレアは弾サイドにいるはずだが…

 

蓮子「メインステップ!まずは光導創神アポローンを配置!三枚トラッシュに置いてコアを一つ追加!さらにヤシウムのアクセル!赤のスピリットを手札へ!」

 

蓮子の背後に光導のアポローンが現れる。どうやら『界渡』『化神』で神託するつもりで入れたようだ。そして落ちたカードもヤシウムが回収していった。

 

蓮子「…バーストをセットして…ターンエンド!」

 

依姫「…メインステップ。エリダヌス・ドラゴンを疲労させてサジタリウス・ゾディアーツをフル軽減で召喚!召喚時効果で二枚ドロー!」

 

エリダヌス・ドラゴンの力で依姫のフィールドに宇宙のような闇が広がる。そこから射手座の光が浮かぶと、左腕に弓を装備した魔人が現れた。

 

蓮子「…!?…光導…!?」

 

依姫「アタックステップ!射抜け!サジタリウス・ゾディアーツ!」

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

動揺する蓮子にサジタリウス・ゾディアーツが炎の矢を放つ。そして蓮子のライフを一つ砕いた。

 

依姫「以上。ターンエンド」

 

蓮子「…あー!もう考えても仕方ない!メインステップ!大神剣アラマンディーをアポローンに直接合体!さらにスプレッド・トータスを召喚してコアを増やす!」

 

蓮子は気持ちを切り替えてアポローンにアラマンディーを握らせ、機械のリクガメを召喚する。これで上手くコアや軽減シンボルを確保できた。

 

蓮子「ターンエンド!」

 

依姫「メインステップ。再度エリダヌス・ドラゴンを疲労、召喚!キャンサー・ゾディアーツ!さらにサジタリウス・ゾディアーツレベル2効果で煌臨!超新星!サジタリウス・ノヴァ!」

 

またエリダヌス・ドラゴンが力を使い、固い甲羅とハサミを持ったゾディアーツを呼び出す。さらにバトルフィールドの上空が赤紫色の雲に覆われ、サジタリウス・ゾディアーツがその雲の中に入っていった。

 

そして一瞬の爆発の後、降りてきたのは装甲をパージしてスマートな体型になったサジタリウス・ゾディアーツだった。

 

依姫「サジタリウス・ノヴァの煌臨時効果!相手スピリットのコア十二個をリザーブへ!」

 

蓮子「…十二個って…全てでも良いと思うけど…」

 

依姫「アタックステップ!まずはキャンサー・ゾディアーツでアタック!」

 

蓮子「ライフで受ける!ライフ減少によってバースト発動!選ばれし探索者アレックスの効果で一枚ドロー。その後召喚してアタックステップを終わらせるわ!」

 

キャンサー・ゾディアーツその大きなハサミで蓮子のライフを砕く。蓮子はフード姿のアレックスで依姫の後続アタッカーを封じ込めた。

 

依姫「むっ…ターンエンド」

 

蓮子「メインステップ!緑の力!白の力!溶け合い雄々しく奮い立て!終焉の騎神ラグナ・ロック!さらに炎の流星よ!きたれ!龍星皇メテオヴルムX!召喚!!」

 

蓮子のフィールドに緑と白の蝶が舞い踊り、黄金色に蝶の羽の騎士が…空からは落ちてきた隕石がフィールドで爆発し、中からオレンジのドラゴンが…

 

コアの光主達のキースピリット達が立て続けに蓮子のフィールドに登場する。これはアラマンディーやアレックスのシンボル全色化、ラグナ・ロックの召喚時コアブーストが役立っていた。

 

蓮子「メテオヴルムとラグナ・ロックをレベル2へ!アタックステップ!メテオヴルム!サジタリウス・ノヴァへ激突よ!」

 

依姫「しまった…!」

 

メテオヴルムが炎につつまれ、唯一回復状態だったサジタリウス・ノヴァめがけて突進する。サジタリウス・ノヴァの炎の矢もメテオヴルムはかわし、サジタリウス・ノヴァのど真ん中を貫いていった。

 

蓮子「さらにライフを削る!」

 

依姫「もらった!バースト発動!ヴァルゴ・ゾディアーツ!ラグナ・ロックのコアを2つ外す!そしてラグナ・ロックはゲームから除外される!」

 

蓮子「うへっ…ならアレックスでアタック!フラッシュタイミング!アポローンの神技を使用!ヴァルゴ・ゾディアーツを破壊して一枚ドロー!」

 

依姫「ライフ!」

 

『激突X』の効果で依姫のライフが吹き飛ぶが、それをトリガーに杖と翼を生やした乙女座のゾディアーツが召喚される。それでも蓮子はアレックスを攻撃させ、アポローンがアラマンディーからビームを発射してヴァルゴ・ゾディアーツを破壊した。

 

ブロッカーのいない依姫はアレックスの杖の一撃をライフで受ける。これでお互い残りライフは3となった。

 

蓮子「よし!ターンエンド!」

 

依姫「…ドローステップ……!…メインステップ……!エリダヌス・ドラゴンを疲労…ゴゴゴ…!」

 

蓮子「ビクッ…なに…この嫌な予感…!」

 

依姫がカードをドローした後、辺りの空気がずっしりと重くなる。蓮子は身を引き締めて次の依姫の動きを待った。

 

 

依姫「世界を憂える者、世界を統べる者!我が力となれ!魔星神ゾディアック・デスペリア!!レベル2で召喚!!

 

フィールドに広がった夜空から十二個の球体が一つに集まっていく。そして宇宙の闇から現れたのは黒い翼に六枚ずつついた刃、黒紫の巨大な手足を持ったワイバーン型ドラゴンだった。

 

蓮子「くうっっ……!!す、スゴいのきた…!」

 

依姫「召喚時効果!自分のデッキを十二枚破棄することで、お互いの創界神ネクサス全てを破壊する!!」

 

蓮子「…創界神ネクサスを…!?」

 

デスペリアが羽の付け根にある宝玉から六色ビームを放って光導創神アポローンを破壊する。持ち主を失ったアラマンディーはくるくると回りながらフィールドに突き刺さった。

 

依姫「さらに創界神リリアを配置!神託でコアを三個追加。さらにカプリコーン・ゾディアーツを召喚!」

 

リリア《…………》

 

蓮子「…なーる…だから創界神を張らなかったのね…」

 

依姫「アタックステップ!ゾディアック・デスペリア!やれ!トラッシュの光導を持つカードを四枚除外することで、アレックスを破壊!さらに回復する!」

 

依姫はリリアとギターを持った山羊座のゾディアーツを召喚し、ゾディアック・デスペリアを攻撃させる。デスペリアは目からビームを放ってアレックスを撃ち抜いた。

 

蓮子「このままじゃまずい…!フラッシュタイミング!リミテッドバリア!ライフで受ける!」

 

デスペリアは巨大な手足で蓮子のライフを砕こうとするも、蓮子が張った白いバリアに阻まれた。

 

依姫「…しぶといですね…ターンエンド」

 

蓮子「…ナイスタイミング!メインステップ!最高最善の魔王!異界王を配置!神託と召喚時効果を入れてコアを四個追加!アラマンディーを合体!」

 

異界王《今来て正解だったな…》

 

蓮子はようやく異界王を配置してアラマンディーを握らせる。配置効果はあるも、破壊できるスピリットはいなかった。

 

蓮子「バースト伏せてターンエンド!こい!」

 

依姫「…ほぅ…覚悟を決めたようですね。メインステップ!バーストを伏せ、エリダヌス・ドラゴンを使ってレオ・ゾディアーツ、そしてアクエリアス・ゾディアーツを召喚!」

 

依姫は蓮子が諦めたと思い込み、獅子座と水瓶座のゾディアーツを召喚する。

 

依姫「アタックステップ!ゾディアック・デスペリア!アタック!四枚除外!そしてメテオヴルムを破壊する!」

 

蓮子「ライフで受ける!もっかいバースト発動!頼むよ!アレックス!!今度はコアブーストしてステップを強制終了!!」

 

依姫「もう一枚!?」

 

ゾディアック・デスペリアが翼の刃でメテオヴルムを破壊し、ライフに刃を突き立てたその時、蓮子のバーストが開いた。二枚目のアレックスが現れ、再び依姫のアタックステップを終わらせる。

 

依姫「…ターンエンド…」

 

 

蓮子「…きた…!メインステップ!ヤシウムを召喚してトラッシュからメテオヴルムXを手札へ!さらにマジック!ビッグバンエナジー!これで『星竜』のコストは2!」

 

異界王《ならば召喚しろ!星竜を持つスピリットを!》

 

蓮子は赤い南国鳥を召喚して先ほど破壊されたメテオヴルムを回収していく。そして発動したのは『激突王』『ヴィオレ 魔ゐ』必殺マジック…ビッグバンエナジー。

 

蓮子「星空へ飛び立て!龍星皇メテオヴルムX!最高!最善!最大!最強龍!祝え!魔龍の誕生を!幻羅魔龍ガイ・アスラ・オーマ!

 

異界王《さらに幻魔神をオーマに左合体!メテオヴルムに右合体!》

 

バトルフィールドの地面にマグマが流れ込み、メテオヴルムと銀色のガイ・アスラがズズズとマグマの中から現れる。さらに幻魔神が二体に耐性を付与していく。

 

蓮子「パチン!リザーブのコアを全てメテオヴルムに置いてアタックステップ!行け!ガイ・アスラ・オーマ!超界放を使って異界王からコア五個を置いて回復!!」

 

異界王《さらにメテオヴルムXの効果!激突!!邪悪な十二宮を食い尽くせ!!!》

 

蓮子の姿が異界王のアーマーの如く大きくなり、メテオヴルムが咆哮すると、ガイ・アスラ・オーマに空から光が降り注ぐ。その勢いのままガイ・オーマ・オーマはフィールドを覆い尽くす巨体を進めた。

依姫「…レオ・ゾディアーツでブロック!」

 

レオ・ゾディアーツが両腕の大爪でガイ・アスラ・オーマに飛びかかるが、オーマは右手の剣で切り裂いた。

 

蓮子「ライフ一点貫通!!」

 

依姫「バースト発動!絶甲氷盾!ライフを回復してフラッシュ効果!コストはデスペリアとカプリコーン・ゾディアーツから確保!これでアタックステップを」

 

蓮子「フラッシュタイミング!翼神機グラン・ウォーデンをアレックスに煌臨!絶甲氷盾のフラッシュ効果を打ち消す!」

 

依姫「な!?」

 

依姫がバーストを発動させてアタックステップを終わらせようとしたが、アレックスが白い翼の騎士に変わると氷の盾が音を起てて砕け散った。

 

蓮子「さらにガイ・アスラ・オーマでアタック!!超界放!メテオヴルムのコア一つを使って回復!!激突!!」

 

依姫「…っ…!キャンサー・ゾディアーツでブロック!」

 

次にオーマに向かっていったのはキャンサー・ゾディアーツ。だがオーマに三叉槍を投げつけられて爆散した。

 

蓮子「ガイ・アスラ・オーマ!三度目のアタック!!激突!!超界放!メテオヴルムのコアを食う!」

 

依姫「…アクエリアス・ゾディアーツ…ブロック…!」

 

アクエリアス・ゾディアーツが水の鞭をオーマの首に巻きつける。それでもオーマはビームでアクエリアス・ゾディアーツを撃ち抜いた。

 

蓮子「ライフを破壊!そしてもう一度アタック!!」

 

依姫「…ゾディアック・デスペリアで…ブロック…!」

 

ゾディアック・デスペリアの六色ビームとガイ・アスラ・オーマの銀色ビームがぶつかり、辺り一帯が爆煙に包まれる。煙をはらって二体はフィールドの真ん中で激突した。

 

だが圧倒的にBPの高いオーマは右手の剣に光のエネルギーソードを発生させてデスペリアの眉間めがけて突き出す。デスペリアは刃を浮かばせて食い止めようとするも、全て弾かれて頭を貫かれ、大爆散した!

 

蓮子「決めろ!メテオヴルム!!」

 

依姫「…ば、バカ…な……!」

 

蓮子「…パシッ…あー…怖かったぁ…」

 

メテオヴルムが火炎放射で依姫の最後のライフを破壊した。そして蓮子は飛んできた『魔星神ゾディアック・デスペリア』のカードをキャッチし、星の力で浄化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

『仮面』の音楽神

ゼロワン見たりしてたら遅くなりました。今回は今バトスピ界を騒がせている『彼女』が…!


幽香「…コキコキ…かかってきなさい!」

 

テミス《 …ち…メインステップ。アルテミスの大樹神殿を配置!ターンエンドですわ!

 

肩を鳴らしてヤル気満々の幽香とは反対にテミスは舌打ちしながら大きな木の神殿を配置してターンを終えた。

 

幽香「メインステップ。天使を統べる大女神!創界神イシスを配置!神託の効果でコアを二個イシスへ」

 

イシス《そしてティティエル、おいで。召喚時効果でデッキ下から一枚ドロー》

 

幽香の背後にイシスが出現し、フィールドにも小さな天使のアルティメットが現れた。

 

幽香「バーストをセット。ターンエンドよ」

 

テミス《 メインステップ!来なさい!アルテミス!神託でコア三個を置き、さらにポラーナイト・ガルムを召喚しますわ!

 

アルテミス《…………》

 

テミスはアルテミスを呼び出すと、銀のたてがみをしたオオカミを召喚する。アルテミスの大樹神殿の効果でポラーナイト・ガルムは最大軽減で召喚されていた。

 

テミス《 アタックステップ!ポラーナイト・ガルムでアタック!再びコアを自身に置き、回復しなさい!

 

幽香「ライフで受けるわ…ってかなり痛いわね。バーストもらうわよ、エジットの天使モニファーエル。ライフを一つ増やして新たなバーストを伏せるわ」

 

ポラーナイト・ガルムの前足が幽香のライフを切り裂くと、幽香のバーストから褐色肌の天使が黄色い光でライフを回復させた。

 

テミス《 ふんっ!ポラーナイト・ガルム!もう一度です!

 

幽香「これもライフで」

 

くるっとポラーナイト・ガルムが着地して再度駆け出す。今度は口から放たれたビームが幽香のライフを砕いた。

 

テミス《 ターンエンドです!

 

幽香「…良い感じにコアが増えたわね。メインステップ。天霊王杖ウアス・セプターを創界神イシスにダイレクト合体!さらにエジットの天使長ネフェリエルを召喚してデッキ下から二枚ドローよ!」

 

イシス《これでアルテミスのシンボルは黄色、そしてこちらのシンボルとしても扱うわ》

 

イシスの手に光が集まって一本の杖が形成される。そのウアス・セプターが輝いてアルテミスの力を抑制し始めた。

 

幽香「アタックステップ!レベル4のネフェリエルでアタック!アタック時効果!ライフを増やしてネフェリエルは回復!!」

 

テミス《 ライフで受けます!

 

ネフェリエルが十字の杖を叩きつけてテミスのライフを破壊した。

 

幽香「…これぐらいで良いかしら。ターンエンドよ」

 

テミス《 …ちぃ…メインステップ!リーディング・オリックスとダーク・ドーベルXをどちらもレベル2で召喚ですわ!

 

テミスが呼び出したのは機械の鹿と猟犬、リーディング・オリックスはドローソース…ダーク・ドーベルXは疲労ブロッカーとして優秀な一枚である。

 

テミス《 アタックステップ!ポラーナイト・ガルム!おやりなさい!》

 

幽香「…バースト発動。エジットの天使長マアトエル!召喚した後、ネフェリエルとティティエルからコアを一つずつライフへ!よってティティエルは消滅するわ」

 

イシス《マアトエル!その野良犬を迎え撃ちなさぁい…》

 

ポラーナイト・ガルムが三度目の攻撃を仕掛けるが、幽香もバーストを発動させて銀髪に茶色い鳥の翼、手に半月刀を持った天使を召喚する。召喚されたマアトエルはアルティメット故の高いBPでポラーナイト・ガルムを真っ二つに斬り捨てた。

 

テミス《 《font:149》ぐぬぬ…!リーディング・オリックスの効果で一枚ドロー…!ターンエンド!》

 

幽香「メインステップ。ネフェリエルをレベル4、マアトエルをレベル5へ。アタックステップ!マアトエルでアタック!まずは私のライフを二つマアトエルへ!」

 

イシス《そうすることで相手のスピリット二体をデッキ下へ戻すの…!あぁ…私の神域も発動するわ。ライフ一つもらっていくわよ?》

 

マアトエルが幽香のライフを吸収して半月刀にエネルギーを貯める。その半月刀から放たれた一閃はリーディング・オリックスとダーク・ドーベルX、テミスのライフを砂塵に還した。

 

テミス《 …リーディング・オリックスはフィールドを離れるとき、創界神にコアを二個おきます!ライフで受ける!

 

マアトエルがテミスに接近してライフを一つ砕いていく。だが幽香の攻撃は終わらなかった。

 

幽香「続きなさい!モニファーエル!フラッシュタイミング!モニファーエルに煌臨!エジットの天使長ハトフェル!煌臨したのでライフを一つボイドに置いて回復!」

 

テミス《 いい加減にしなさい!フラッシュタイミング!マジック!氷雪サークル!ソウルコアをコストに使い、ハトフェルとネフェリエルを指定!

 

モニファーエルの翼が蒼く染まり、また新たな天使長が煌臨する。ハトフェルはライフを砕いて回復していくが、テミスのマジックがハトフェルのビームを防御してしまった。

 

幽香「ふぅん…ターンエンド」

 

テミス《 …ドローステップ…!……メインステップ!さぁ!私の力にひれ伏しなさい!世界の秩序は我にあり!崩女神ルーラー・テミス!レベル2で顕現!!

 

イシス《…来たわ…!》

 

テミスのカードから黒い光が空に昇り、虚空に穴を開ける。その中から下半身が鹿、背中に大きな輪、左手に天秤を持った禍々しいスピリットが駆け降りてきた。

 

テミス《 アタックステップ!アルテミスの効果でわたくしを指定!そしてアタックですわ!この一撃はWシンボルかつブロックされません!

 

幽香「…ライフで受ける!ここで手札のエジットの天使ネチェリエルの効果が発動するわ。相手によって私のライフが3以下になったので召喚よ」

 

イシス《あら…そうだったわね。召喚時にリザーブのコア一つをライフへ。さらに効果で召喚されていたから相手のスピリットをBPマイナス17000できるわ!》

 

ルーラー・テミスが背中の輪から強力なエネルギー砲を発射して幽香のライフを二つ粉砕する。しかし幽香の手札から飛び出した童顔の小さな天使がルーラー・テミスの足元から黄色い光を立ち昇らせた。

 

その光に力を奪われてルーラー・テミスは光の粒子になって消えていった。

 

テミス《 あ…!が…!た、ターン…え、エンド…

 

幽香「パチン!所詮、風の前の塵だったわね。メインステップ!エジットの天使長ソプディエルを召喚!そしてウアス・セプターをソプディエルに合体!」

 

イシス《…うふふ…我が側近の天使長達に命ず!あの邪神を滅せよ!》

 

幽香はエメラルドのアーマーと赤白の布を纏い、『分神』状態へと変わる。さらにフィールドに現れたのは金髪の天使長…

 

…そしてソプディエルにウアス・セプターを投げ渡したイシスが号令をかけ、四人の天使長は全員戦闘態勢に入ることで答えた。

 

幽香「アタックステップ!ハトフェルでアタック!ライフを砕いて回復する!イシスの神域であなたのライフももらうわ!」

 

テミス《 …ら、ライフです…!

 

ハトフェルとイシスの光線がテミスに直撃し、テミスのライフは残り一つになる。

 

幽香「次はマアトエルでアタック!」

 

テミス《 …あ、アルテミスの神技…!このバトルの間、アタックではわたくしのライフは減りません!

 

次に攻撃したマアトエルが半月刀を投げつけるが、アルテミスが張ったバリアに弾かれてライフを削れない。

 

幽香「…しつこいわよ。ネフェリエル、ネチェリエルでアタック!」

 

テミス《 もう一度です!アルテミス!

 

続けてネフェリエルとネチェリエルも杖からビームを放つ。その攻撃自体はアルテミスの障壁が阻んだが、これでテミスはコアを使い果たした。

 

幽香「…ようやく終わりね。ソプディエル!!合体アタック!!」

 

最後にソプディエルがウアス・セプターを構えて翼を羽ばたかせる。ウアス・セプターから巨大な光球が精製され、ソプディエルはおもいっきりテミスに投げつけた!!

 

 

テミス《 ぎゃぁ!!…う、ウソ…です…わ……

 

幽香「…土に還れ…!!」

 

 

 

 

 

 

月の都 ツクヨミの宮殿 門前

 

 

永琳「着いたわ!」

 

月の民達「ウワァァァァァァ!!」

 

レミリア「…まだ追ってくるか…!」

 

その頃、永琳とレミリアは操られた月の民達から逃げつつ、ツクヨミの宮殿に入ろうとしていた。永琳が扉を蹴り破ってまるで首里城の広場を思わせる内部を駆け抜ける。

 

永琳「…ダダダ…こっちよ!」

 

月の民達「ぁぁぁぁぁ!!」

 

レミリア「…わかった!だがひとまずコイツらをどうにか振りきらないか!?」

 

永琳「…キョロキョロ……!…あの部屋に入るわよ!!」

 

長い廊下を走りながら二人は曲がり角で見えなくなる一瞬で近くの部屋に飛び込む。追ってきた月の民達はその部屋に入らずにそのまま廊下を走り去っていった。

 

永琳「…ふぅ…撒いた…ってここ…!」

 

レミリア「…ずいぶん物騒な部屋だな…」

 

永琳「…二度とここには来たくなかったわ…さ、もう行きま…」

 

二人が入った部屋は暗い石畳に部屋の両脇に冷たい鉄の檻が置かれている…つまりここは牢獄だった。永琳は輝夜の一件でここに足を運んだことがあるのか、明らかに不快感を顔に滲ませながら部屋を出ようとした。

 

 

???《…あら?私を解放していかないで良いのかしら?》

 

 

レミリア「…!…誰だ!?」

 

永琳「…あなたは……!」

 

二人を呼び止めた声…それはどこかの檻の中から聞こえてきた。永琳は声がした檻の中を覗いてみると、そこにいたのはピンクの髪に水色の上着、そしてピンクのセミロングスカートの幼女…その姿はまさに『古明地 さとり』だった。

 

 

永琳「………誰…?」

 

レミリア「古明地…さとりか…?」

 

???《…ズコッ…あー…この格好じゃわからないか……ほいっと!》

 

永琳とレミリアが首を傾げていると、その幼女の身体が光りだす。すると一瞬でレミリア程の身長だった幼女が永琳と同じ背丈へと成長し、髪の毛は腰まで伸びて色も鮮やかなエメラルドグリーンへと変わった。

 

その姿になってようやく永琳も彼女の正体を理解できた。だが永琳の表情はかえって不快度が増している。

 

 

永琳「……創界神……サラスヴァティー…」

 

サラ《ピンポーン!だいせいか~い!いやぁ~オモイカネちゃん!久しぶりだね~!》

 

レミリア「…創界神…!?知り合いか!?」

 

永琳「…昔彼女やクベーラ様が『七福神』としてアマハラに迎え入れられた時にね……個人的にはウカノミタマより会いたくなかったわ」

 

笑顔で檻越しに話しかけてきた彼女…サラスヴァティーを無視して永琳はレミリアに愚痴る。どうやら本当に会いたくなかったようだ。

 

サラ《えぇ~!オモイカネちゃんひ~ど~い~!》

 

永琳「ならその薄っぺらい『仮面』を脱いで話してください。正直胡散臭くて話したくありません」

 

サラ《……ふーん…やっぱりバレてたか……あーつまんない…》

 

永琳の言葉にサラスヴァティーは先ほどまでの天真爛漫な表情を消し、不気味なほど感情を消した真顔でそっぽを向いた。

 

レミリア「…?…まるで別人だな…」

 

永琳「彼女は『人当たりの良い仮面』を着けて愛想よく振る舞ってるだけ。本性は自分の快楽にしか興味ない()()()()()なのよ」

 

サラ《…オモイカネちゃん…最後の一言は気に入らないわ。あの年増女狐を倒す協力してあげないわよ?》

 

雰囲気が百八十度正反対になったサラスヴァティーをなじる永琳にとうとうサラスヴァティーがキレ気味に言い返した。『ウカノミタマを倒すのに協力』と言うワードは永琳の意識に引っ掛かる。

 

永琳「…と言うと…?」

 

サラ《今この宮殿はウカノミタマの支配下に置かれている。絶対彼女の元へ辿り着かせないようなトラップが仕掛けられてるはずよ》

 

レミリア「…まぁ…その通りだな」

 

サラ《それに洗脳された月の民達もいる…なら私の出番じゃない?私なら敵の位置情報を探れるわ》

 

サラスヴァティーの提案に永琳は口を閉ざす。半分は『ウカノミタマ討伐に必要』と言う計算が、もう半分は『信用できない彼女を解放して良いのか』と言う理性が永琳の脳内で拮抗していた。

 

永琳「…一つ聞くわ。あなたがウカノミタマと戦う理由よ」

 

サラ《それはもちろん、こんな所に閉じ込められたから》

 

永琳「あとブラフマー様の安否が気になるからでしょう?」

 

サラ《……………ほんと…無駄に頭切れるんだから……》

 

永琳「なら良いわ。でも裏切ったら只じゃおかないわよ」

 

『ブラフマー』の名前が出た途端、サラスヴァティーはギロリと永琳を睨み付ける。これで完全にマウントを取った永琳は近くに置かれていた牢屋の鍵で牢屋を開けた。

 

レミリア「…それで…どう敵の位置を探るんだ?」

 

サラ《…パチン…これを使うわ》

 

牢屋から出てきたサラスヴァティーが出したもの、それは彼女の神話ブレイヴ『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』。そしてサラスヴァティーはサヴィトリー・ヴィーナの弦を弾き始めた。

 

レミリア「……何を…?」

 

永琳「サラスヴァティーは音楽と芸能の女神。今彼女は普通では聞き取れない超音波を奏でて辺りの地形を探っているのよ」

 

レミリア「…パチェに聞いたことあるわね…確かイルカやコウモリは聞こえない低周波を発してそれがモノに当たって帰って来た感触でモノを識別する…って」

 

永琳「そういうことよ」

 

サラ《………へぇ…そこね……》

 

永琳が説明している間にサラスヴァティーは建物の見取りや敵の位置を把握したようだ。しゃらんと首飾りを鳴らして永琳に振り向く。

 

サラ《こっちよ。ついてきなさい…スタスタ》

 

永琳「……行くしかないか…スタスタ」

 

レミリア「…まずい…私が活躍できてない…!」

 

レミリアの焦りとは裏腹に二柱の女神は確実にウカノミタマへの道を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

創界神サラスヴァティー登場!まさかの『公式のポワポワした感じは全て嘘』『猫かぶり』枠…モデルはもちろん某魔王です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

主神に続け!

実はこの回に自分が書きたい描写があります。


袿姫「…………」

 

映姫「始めます。メインステップ。ウシルコブラを召喚して二枚オープンします。その中の神話ブレイヴ又は『妖蛇』を手札へ」

 

袿姫と映姫のバトルは映姫の先行で始まった。そして召喚された緑と紫色のヘビが映姫のデッキをめくる。

 

映姫「…蛇翼王メンコブラーを手札に。ターンエンド」

 

袿姫「メインステップ!ゴッドシーカー アクアオーラ・ゴレムをレベル2で召喚!デッキを四枚オープンしてその中の『創界神ヘファイストス』と青の『天渡』『化神』を手札に加える!」

 

対する袿姫は『造兵』のゴッドシーカーのアクアオーラ・ゴレムを召喚してデッキを掘っていく。

 

袿姫「…創界神ヘファイストスとアマゾナイト・ゴレム、さらにアクアオーラ・ゴレムの効果で神変形ハンマー・アームズを回収。そして創界神ヘファイストスを配置!神託の効果でコアを三個追加する!」

 

ヘファイストス《…………》

 

うまくヘファイストスを引けた袿姫はそのまま配置して行く。さらにトラッシュの『造兵』カードが三枚を越えたので、お互い召喚時効果が不発するようになる。

 

袿姫「ひとまずターンエンドだ」

 

映姫「もう来てしまいましたか…メインステップ。冥府の裁判官!創界神オシリスを配置!神託で二個を置きます。そしてオシリスの地底神殿も配置します!」

 

オシリス《…勝機は…ヴァルカン・ゴレムが来る前に殴る…!》

 

映姫はオシリスに加えて不気味な四体の像の神殿を配置する。

 

映姫「アタックステップ!行きなさい!ウシルコブラ!」

 

袿姫「ライフで受ける!」

 

ウシルコブラが尻尾を袿姫のライフに叩きつける。

 

映姫「エンドステップ。オシリスの地底神殿の効果、トラッシュからピラミッドボアを回収。ターンエンドです」

 

袿姫「…ふふふ…召喚時効果を封じられて上手く動けまい。メインステップ!アマゾナイト・ゴレム、そして神変形ハンマー・アームズを召喚!ハンマー・アームズをヘファイストスに合体!」

 

巨大な鉤爪を持った鉱石ゴレムが現れ、ヘファイストスの鎧の一部になる。さらにアマゾナイト・ゴレムの効果が発動し、コアブーストもされた。

 

袿姫「…ま…これでターンエンドとしよう…」

 

映姫「…そろそろ正体を明かしては?あなたが埴安神 袿姫でないことぐらい『気』の流れでわかります」

 

袿姫?《 …ったく…あーそーだよ…!俺は原初神だ。なかなか勘が良いな

 

袿姫がターンを終えた段階で映姫は彼女を鋭く問い詰める。すると袿姫の声色が荒々しい男性のようになり、態度も粗野になった。

 

映姫「…まるで寄生虫ですね。今すぐ彼女の身体から離れなさい」

袿姫?《 やなこった。あと俺にはオケアノスっう名前があるんだよ

 

映姫「ともかく!離れる意思がないのなら…容赦はしません。私のターン!まずはピラミッドボアを捨ててドローステップにもう一枚ドローします!」

 

オケアノス《 はんっ!やってみやがれ!

 

映姫はそう言ってバトルを再開し、ついさっき回収したピラミッドボアを破棄してドローを加速させていく。

 

映姫「メインステップ!黒龍神ゼオ・デュラムを召喚!召喚時効果は発揮しませんが、そのまま煌臨!蛇翼王メンコブラー!!煌臨時に相手の創界神からコア二個をオシリスへ!」

 

オシリス《…よし、今回煌臨時効果が勝負を決めるぞ…!》

映姫はゼオ・デュラムを召喚してすぐ煌臨元にした。『妖蛇』デッキは半分以上を召喚時効果に頼っているので、召喚時効果を封じられたのはかなりの痛手だ。

 

だが映姫は真価を発揮できないゼオ・デュラムを黄金色に輝く蛇人に変わらせ、ヘファイストスのエネルギーを奪い取った。この切り替えの速さは流石四天王と言える。

 

映姫「ウシルコブラを消滅させてメンコブラーをレベル2へ!バーストをセット!アタックステップ!メンコブラーでアタック!」

 

オシリス《アタック時効果!アマゾナイト・ゴレムをコアをトラッシュへ送り、メンコブラーは回復!さらに私のレベル1神技を使ってアクアオーラ・ゴレムを消滅!》

 

オケアノス《 …ち…ライフだ!

 

メンコブラーがアマゾナイト・ゴレムを締めつけ、オシリスが紫色の波動でアクアオーラ・ゴレムをそれぞれ消滅させる。そしてメンコブラーのパンチがオケアノスのライフを砕いた。

 

映姫「エンドステップ。再びオシリスの地底神殿の効果でピラミッドボアを手札に。ターンエンド」

 

オケアノス《 …メインステップ!めんどくせーからさっさと終わらせんぞ!深海よりあらわる悪魔!崩海神マグヌ・オケアノス召喚!

 

オケアノスが一枚のカードを場に出すと、フィールドに黒い虚空が開く。その中から海水と共に上半身は屈強な魔神、下半身はタコの足をしたスピリットが這い出してきた。

 

映姫「……………」

 

オケアノス《 さらに大帝神槍アレクサンダースピアを俺に合体!アタックステップ!俺自身でアタック!ヘファイストスのコアを四個ボイドに置いて、相手のデッキを十枚破棄!

 

オシリス《…デッキ破壊…!?》

 

オケアノス《 これだけじゃないぜ!さらにアレクサンダースピアの効果!ヘファイストスを疲労させて回復だ!

 

マグヌ・オケアノスがアレクサンダースピアを突き出すと、映姫のデッキが十枚消し飛ぶ。さらにマグヌ・オケアノスはアレクサンダースピアの効果で回復していた。

 

オケアノス《 さぁ!ぶっつぶれろぉ!

 

映姫「ライフで受ける!…っっ…!…ズザザ…」

 

アレクサンダースピアが映姫のライフを二つ貫く。いつもより何倍も痛い一撃に思わず映姫も顔を歪めて後ずさった。

 

オケアノス《 …ま…ターンエンドだな

 

オシリス《…映姫!反撃行くぞ!》

 

映姫「…パチン…はい!ピラミッドボアを捨てドロー!メインステップ!十三番目の究極!戦国蛇武将アルティメット・アスクレピオーズ!手札の妖蛇を二枚破棄してコストを軽減!」

 

『分神』する映姫を中心に紫色の蛇の群れが竜巻を巻き起こす。そしてフィールドに蛇使い座を描くと、黄金の鎧を纏ったアスクレピオーズが映姫の前に降りてきた。

 

映姫「さらに妖蛇神杖オグドアドをメンコブラーへ!アタックステップ!行け!Uアスクレピオーズ!」

 

オグドアドをメンコブラーが両手で握りしめ、映姫はUアスクレピオーズをアタックさせる。そして杓を取り出して気合いを入れた。

 

 

映姫「全てを焼き尽くす地獄の業火!最極刑を言い渡す!ソウルドライブ!発揮!!マグヌ・オケアノスからコア三個までをボイドへ!」

オケアノス《 ぐぇぇ!…なんだ…!?そのアルティメットは…!?

 

映姫は緑の裾をたなびかせて杓でソウルコアを叩き割る。ソウルコアのエネルギーでUアスクレピオーズが両手の剣と下半身の蛇の口から紫のビームを発射し、マグヌ・オケアノスを撃ち抜いて消滅させた。

 

映姫「そしてUアスクレピオーズのメインアタック!」

 

オケアノス《 …ライフで受ける

 

Uアスクレピオーズの剣が×の字にライフを切り裂く。

 

映姫「メンコブラーでアタック!ジャッジメント!!」

 

メンコブラーが手にしたオグドアドを紫色に染め上げ、オケアノスのライフへ叩きつけた!

 

オケアノス《 …ぬぉ…!ま、まだだ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袿姫「…ドサッ…」

 

映姫「…さて…他の所へ援護に向かいたいですが…彼女をどうしましょう…」

 

紫「…ニュッ…それは私が請け負いましょう」

 

映姫「お願いします」

 

映姫が倒れたままの袿姫をどうしようか悩んでいると、隣に開いたスキマから紫が出てくる。慣れ親しんだ出方に映姫もナチュラルに任せた。

 

紫「…あと現状を報告致しますと、もう敵の主力は倒して掃討戦に移っている状態です」

 

映姫「そうですか…ならすぐ終わりそうですね」

 

そんな会話をしながら紫と映姫は残った妖怪達を始末しようと移動しようとした。

 

 

オケアノス《 …待ちやがれ!まだ俺は終わってねぇ!!

 

 

ドガァァァァァァァンッッッ!!!

 

 

紫「な!?」

 

映姫「…予想以上の生命力ですね…!」

 

その時、二人の背後から爆音と共にオケアノスの声が響き渡る。振り返るとそこには『崩海神マグヌ・オケアノス』の大きさと姿をしたオケアノスが二人を見下ろしていた。

 

オケアノス《 こうなったら全部ぶち壊してやる!!!

 

紫「…まずい!」

 

怒り狂ったオケアノスは持っていた不気味な杖を二人めがけて振り下ろした。紫がスキマを、映姫が障壁を張ろうと身構えた瞬間…

 

神奈子「ふんぬぅぅぅぅ!!ガキィンッッ!!」

 

オケアノス《 …!この…!

 

妹紅「おらぁ!」

 

輝夜「ダブルキィィック!!」

 

オケアノス《 あがっ!?

 

紫と映姫の前に神奈子が躍り出て、ランパードブレイカーでオケアノスの一撃を受け止めたのだった。さらに妹紅と輝夜がオケアノスの顎を蹴り上げ、身体をひっくり返させた。

 

妹紅「へへっ!ずいぶん大物が残ってたな!」

 

輝夜「まだまだ暴れられそうね!」

 

紫「…あなた達…!」

 

幽々子「紫~このタコ魔神を倒せば良いの~?」

 

幽香「スタッ…何か気持ち悪い格好ね…」

 

隠岐奈「…さて…主神、ご指示を」

 

弾「…あぁ…」

 

彼女達に続いて幽々子、幽香、隠岐奈が集まってくる。そしてその奥からは弾がグランシャリオを持ち、荘厳なオーラを纏って歩いてきた。

 

弾は背後に紫、神奈子、妹紅、輝夜、そして四天王達を率いて起き上がろうとしているオケアノスに向かう。

 

オケアノス《 だぁぁ!…ぅぅ…!てめぇら!ぜってぇ殺す!!

 

弾「全員!攻撃!!」

 

紫「廃線『ぶらり廃駅下車の旅』!」

 

幽々子「桜符『完全なる黒染の桜』!!」

 

幽香「花符『幻想郷の開花』!!」

 

映姫「審判『ラストジャッジメント』!!」

 

妹紅「不滅『フェニックスの尾』!!」

 

輝夜「難題『ブディストダイアモンド』!!」

 

神奈子「神祭『エクスパンデット・オンバシラ』!!」

 

隠岐奈「『背面の暗黒猿楽』!!」

 

オケアノスが再び攻撃しようとすると、弾が手を挙げて迎撃を指示する。

 

紫がスキマから巨大な廃電車を召喚し、それを弾丸として撃ち放つ。『重さ』のスキマが加わった車両が飛んでいく。

 

幽々子がバタフライ・エフェクトを挙げて背後に扇型オーラを展開させる。そして桜の花びらのエネルギー弾をぶちまけた。

 

幽香がいつもの日傘ではなく、ウアス・セプターを構えて辺り一帯を花畑へ変える。その花々が踊るように宇宙を舞う。

 

映姫が投げた杓をオグドアドの光で撃ち抜く。すると杓が増加して群れの如くオケアノスに向かっていく。

 

妹紅が龍のマグマの翼の裏に不死鳥型の炎を燃やす。そこからフェニックスの羽が舞い踊った。

 

輝夜が取り出したのは、太陽の光を反射して銀色に輝く美しい鉢だった。輝夜がその鉢を両手で頭上に掲げると、その光がレーザーになって天を駆ける。

 

神奈子がランパードブレイカーを自分の前でクルクル回す。すると背中の注連縄を中心に何本もの巨大な柱が浮き上がり、轟音を起てて吹き抜ける。

 

隠岐奈がトトの神話ブレイヴ『聖刻神銃ジェフト=グリフ』を構える。銃口から極太のレーザーが放たれ、月面を凪ぎ払うように飛ぶ。

 

 

オケアノス《 ゴガァァァァァ!!

 

隠岐奈「…バッ…おいおい…これはもう暴走だぞ…!」

 

映姫「一ヶ所に留まらないで!動きながら攻撃を!」

 

 

もはや獣のように暴れだしたオケアノスを九人は散らばって攻撃を避けると共に迎撃をスタートした。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

最後の弾の声で総攻撃するシーン…あれはジオウの夏映画のシーンでバールクスめがけて平成ライダー達が総攻撃するシーンのオマージュにしました。

あのシーン…五代さんや泊さんだけでなくあの平成ライダーツンデレのたっくん、天道、もやしがソウゴの後ろで一斉攻撃するのがすんごいエモいんですよ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

本当に裏切ったんですか!?

…ふはは!ストックが溶けて行く!まるでゴミのようだァァ!!


月の都 ツクヨミの宮殿 ツクヨミの執務室

 

 

サラ《ここよ!》

 

レミリア「…なんだ…誰もいない」

 

サラ《違う違う!その奥よ!》

 

サラスヴァティーの案内によって永琳とレミリアが辿り着いたのは、馴染みのあるツクヨミの執務室だった。だがその中には誰も居らず、レミリアは首を傾げたが……

 

永琳「…!…非常用のシェルター!月の賢者達が緊急時に逃げ込むためのスペースがここにあったはずよ!」

 

サラ《…ん……あった…たぶんこのボタンを押せば…よっと!》

 

サラスヴァティーが超音波で探知したボタンを押す。すると地響きを起てて何もない壁の一つが開き、地下へと通じる階段が現れた。

 

永琳「…行くわよ…」

 

永琳がズンズンと階段を降りていき、暗い通路をしばらく通っていると、明るい光が見えてきた。三人はいつでも戦える用意をして中へ突入した。そこにいたのは……!

 

ウカノミタマ《…ふーん…やるじゃない》

 

永琳「…ダンッ!ようやくその面拝めたわ!この性悪女狐!!」

 

レミリア「…ビンゴ!待たせたな!八雲 藍!月読命!!」

 

藍「八意 永琳…!レミリア・スカーレット…!」

 

ツクヨミ《永琳!サラスヴァティー!気をつけろ!敵はソイツだけではない!》

 

サラ《…この娘のこと?そんな大した奴じゃないと思うけどね~》

 

…広い部屋でゆったりとくつろいでいたウカノミタマ、透明な結界に閉じ込められた藍とツクヨミだった。永琳達はツクヨミが警告した()()に目をやった……

 

レミリア「…確かお前は…夢の支配者…だったか?」

 

ドレミー「ごきげんよう。私の通路を勝手に使って楽しかったですか?」

 

永琳《ち…まさかこの獏がいたとは……!》

 

そう丁寧口調だが苛立ちを露にして答えた彼女…ドレミー・スイートの存在に永琳は心の中で舌打ちする。彼女の思惑では永琳とウカノミタマの1VS1で倒し、そのあとツクヨミを救出するはずだった。

 

しかし裏切る可能性を切れないサラスヴァティーを抱え、しかもそこそこ強いドレミー・スイートが敵にいる…つまりたとえこちらにレミリアがいても、ツクヨミ救出を邪魔する自ら以外の不確定要素が多すぎるのだ。

 

永琳《…一番まずいのはサラスヴァティーが裏切ること…でも頭数や戦力はこちらが上だから……その心配は要らないか…》

 

???《へぇ~…まさかサラスヴァティーを解放するとはねぇ…》

 

レミリア「…バッ!誰だ!?」

 

サラ《…な!?…ディオニュソス!?あなた…ソイツらに!?》

 

ディオニュソス《悪いね~!こっちの方が待遇良かったんだよ♪》

 

永琳の思考がつい先ほど通ってきた通路から聞こえてきた声に邪魔される。振り向くといつもの胡散臭い笑みを浮かべたディオニュソスが歩いてきた。

 

レミリア「……まさか創界神とかじゃないよな…」

 

永琳「………いえ…そのまさかよ…オリン十二神の一柱…酒と狂気の創界神、ディオニュソス…」

 

ウカノミタマ《ちょっと!肉壁になるんじゃなかったの!?》

 

ディオニュソス《…いやぁ~…サラスヴァティーを協力させるってことを失念してたよ~!》

 

永琳《…一番まずいことになったわ…!これで戦力は五分五分…いつサラスヴァティーが裏切ってもおかしくない!》

 

ウカノミタマの文句をディオニュソスがへらへらしながら言い訳している間、永琳はかなり焦っていた。やはり彼女を解放するのは失策だったか…そう考えていた時だった。

 

ツクヨミ《バンッ!ディオニュソス!貴様!!タカミムスビさんから受けた恩を忘れたか!!》

 

ディオニュソス《…いやぁ~!だがねツクヨミの旦那?ちょっっっとは罪悪感とか、後悔はあるのよ?でもさ~!死人に口無しって言うじゃ~ん、だからもう死んだタカミムスビさんやら()()()()()のことよりも未来を見た結果なんよ》

 

サラ《…何……です……って…》

 

ツクヨミがかじりつくように結界に詰め寄り、怒声をディオニュソスに浴びせる。それに飄々と返していたディオニュソスの一単語をサラスヴァティーは聞き逃さなかった。

 

サラ《今『死んだブラフマーが』って言ったわね!?どういうことよ!!!?》

 

ディオニュソス《……あ…知りたい?そうそう、他の創界神とは違ってブラフマーの奴は抵抗が強くてねぇ…言うこと聞かなかったから》

 

サラ《 ビュン!殺す!!殺す!!拷問してやる!!!!

 

ディオニュソス《うぉっと!?…サッ…最後まで…サッ…話させてよ!》

 

嘘臭い『仮面』も不気味な無表情すらサラスヴァティーはかなぐり捨て、ディオニュソスに蹴りかかった。だがディオニュソスはまだまだ余裕綽々でかわしている。

 

ウカノミタマ《…いつの間に…まぁ良いわ。永琳ちゃん、あなたに提案があるの》

 

永琳「……そうね…身柄を拘束させて貰えば考えてあげる」

 

ウカノミタマ《最後まで聞きなさい。もし今こちらについたあかつきには、洗脳した馬神 弾と結婚させてあげるっていう提案よ》

 

永琳「……………………」

 

背後のディオニュソスをサラスヴァティーに任せた永琳はウカノミタマに向き直る。だがウカノミタマからの提案に永琳は黙り込んでしまった。

 

ウカノミタマ《彼は結局最愛の相手に八雲 紫を選ぶでしょうね。そしてあなたは捨てられる。何てひどいことでしょう!私はあなたを認めるわ。独りで孤独に戦ってきたあなたは幸せになる権利がある!》

 

ツクヨミ《聞くな!永琳!》

 

ウカノミタマ《さぁ!永琳ちゃん!私達と幸せを掴みましょう!》

 

ウカノミタマは嬉々として永琳に語りかける。その表情は本当に永琳のことを心配しているのだろう…サラスヴァティーやディオニュソスとは違う朗らかさに満ち溢れていた。

 

 

永琳「………面白い提案ね…まさかあなたに幸せになる権利がある何て…言われると思わなかったわ」

 

ウカノミタマ《…なら!》

 

永琳「でも…幸せになる権利があるのは…私だけじゃない。全員…生きているなら等しくあるべきよ。だからあなたの提案は飲めない」

 

ウカノミタマ《…っっっ…!》

 

永琳は自嘲気味に笑うと、ウカノミタマの提案を『面白い』と評価するも、最終的には断った。よほど断られたのがショックだったのか、ウカノミタマは目を見開いて驚愕した……

 

 

……その隙をディオニュソスは見逃さなかった。

 

 

ディオニュソス《今だ!!ツクヨミ!結界から離れてろ!》

 

サラ《はぁ!?待ちなさい!!》

 

ツクヨミ《…ん!?》

 

突然サラスヴァティーの攻撃を受け流していたディオニュソスがツクヨミに指示しながら結界に向かって走り出す。その手には自らの神話ブレイヴ『冥府神剣ディオス=フリューゲル』が、神力マックスで握られていた。

 

ディオニュソス《冥府剣『ネメシス・リープ・スラッシュ』!!》

 

 

バァァァァァァァァァンッッ!!!!

 

 

ディオニュソスがディオス=フリューゲルを真一文字に振り抜く。その瞬間、ツクヨミと藍を囲っていた結界がものすごい轟音と共に砕け散った!

 

ツクヨミ《……は…?》

 

藍「…え……?」

 

永琳「……い、いったい…?」

 

レミリア「…向こうが…あの二人を解放して得なのか…?」

 

ドレミー「…え、えと……」

 

ウカノミタマ《…プルプル…ディオニュソス…!!どういうこと!!?》

 

ディオニュソス《…おいおいウカノミタマ。いつから俺が君の味方だって言った?俺は最初っっからこのために味方のふりをしてたんだよ》

 

永琳もツクヨミもドレミーも状況が飲み込めないでいると、なんとか復活したウカノミタマが青筋を浮かべて怒鳴りつける。それに真面目な顔つきでディオニュソスは話し出した。

 

ウカノミタマ《……!…まさか…!永琳ちゃん達が簡単に月の民達を振り切ったのは……!!》

 

ディオニュソス《ご明察。逆に俺が永琳達がサラスヴァティーを解放し、ここにたどり着けるよう誘導させたからさ。洗脳のコントロールを全て俺に任せっきりにしたのが間違いだったな!》

 

サラ《…ディオニュソス…あんた…どうして……》

 

ディオニュソス《…スッ…サラスヴァティー、そして永琳。先ほどの『死んだタカミムスビさんやブラフマーのことより』を訂正しよう。あれはウカノミタマの気を逸らさせるためについたウソだ。すまない…もちろんブラフマーも生きているぞ》

 

得意げにディオニュソスはウカノミタマを煽った後、サラスヴァティーと永琳に向かって謝罪の言葉を述べ、頭を下げた。特に彼が昔に起こした惨事を知るサラスヴァティーは彼の行動に戸惑いを隠せない。

 

 

ウカノミタマ《何でよ……!どうして…!どいつもこいつも私のことを受け入れてくれないの!?》

 

ディオニュソス《バーカ…俺が永琳達に協力するのは……タカミムスビさんに…デカイ恩義があるからだよ!》

 

永琳「…え…お父さん…に…?」

 

ヒステリックになるウカノミタマにディオニュソスは自らが永琳達を助ける理由を話し出す。

 

ディオニュソス《俺は昔…父親のゼウスとアマハラのアマテラス…二勢力の主神を取り込んで、最凶の創界神になろうと目論んだ。まぁ、タカミムスビさんのせいで失敗したがな…》

 

サラ《そうよ…なのに…何で…!》

 

タカミムスビ《……あの後、罰せられかけた俺を…タカミムスビさんが庇ってくれたからだ…あの人がいなきゃ俺はこうして創界神をやれていない》

 

永琳「…お父さんが……」

 

ディオニュソス《…結局…その恩を返せず…タカミムスビさんは逝っちまった…だから俺は八意の名を継ぐ永琳を助ける!!それが俺にできる恩返しだ!!》

 

ディオニュソスは感慨深い顔つきで昔を語る…そこからは本当にタカミムスビへの感謝の念が感じられた。彼は何十億年も昔の恩義を忘れず、彼が死してなおもその恩を返そうとしていたのだ。

 

ウカノミタマ《この…!裏切り者!それが世界を創る創界神のやり口!?どうせ永琳ちゃん達も裏切るつもりでしょ!?》

 

ディオニュソス《構わねぇ!俺は恩のためなら喜んで泥被ってやる!信用されなくても知ったことか!!》

 

レミリア「…フフフ…その心意気…嫌いじゃない!私も力を貸そう!」

 

ディオニュソス《オッケー!吸血鬼の嬢ちゃん!君とは気が合いそうだ》

 

レミリアの誘いにディオニュソスは乗り、光の粒子になって彼女の身体へ降りていく。完全にディオニュソスがレミリアの体内に降りると、レミリア自身も光に包まれた。

 

レミリア「…フフフ…弾の神力を分けてもらっておいて良かったわ。これでもうかりちゅまなんて言わせない!」

 

光を振り払って現れたレミリアは永琳と背丈が並ぶほど身長が伸び、身につけていた服や背中の翼も大きくなっていた。ディオニュソスが降りたことで、弾の神力が一気に馴染んだようだ。

 

永琳「さて…これで形勢逆転ね…どうする?私達としては殴り合いでも、カードでも良いけど?」

 

ウカノミタマ《…ドレミー・スイート!あのコウモリもどきを仕留めなさい!》

 

ドレミー「ハイハイ…」

 

レミリア「八雲 藍!早くツクヨミを!」

 

ディオニュソス《サラスヴァティー!早くツクヨミを戦場へ!》

 

サラ《…この…覚えてなさいよ…!》

 

ツクヨミ《…すまん、ディオニュソス…サラスヴァティー…!》

 

永琳とレミリアは主導権を取り戻し、ウカノミタマにどう勝負をするかを問う。ディオニュソスはレミリアの中からサラスヴァティーにツクヨミを戦場へ向かわせるよう指示した。

 

ツクヨミも今はディオニュソスのコントロール下にある月の民達より、戦場で命懸けで戦っている弾達の方が優先すべきだと自覚している。

 

 

藍「…八意 永琳…!そちらは任せるぞ!」

 

永琳「もちろん。必ず勝って帰るわ」

 

レミリア「…さぁ…運命が見えたわ…!」

 

ドレミー「…フワァァ…今夜は寝られなそうね…」

 

ウカノミタマ《…全て倒して…!全部私のモノにする!!》

 

サラスヴァティーに連れられ、ツクヨミと藍は部屋を出て戦場に向かう。そして残った四人はデッキを取り出して構えた。

 

 

四人「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ディオニュソスさん、胡散臭いが男前…!まぁ、こんな男です。ラスボスチックな彼もいいですが、この世界では義理堅い男になりました。

ディオニュソス

オリン所属の無魔の創界神。おちゃらけた態度と胡散臭い口調だが、根は誠実な青年。また酒の神でもあり、彼が作る酒は全創界神満場一致で美味と賞する。以前ゼウスとアマテラスを陥れ、神世界に戦乱を引き起こしたが、タカミムスビが庇ったことで、今の地位を維持している。ちなみにオリンの創界神で一番年下。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カリスマァァ!!

久しぶりにニコニコ動画で『東方無限螺旋』を読み返しました。あれは超神話です…自分はあれで永琳が好きになりました。もしまだ読んでないのなら、是非読むことをオススメします


ドレミー「…はぁ~…早く始めましょう」

 

レミリア「ええ。メインステップ!ゴッドシーカー 冥府作家ラス・カーズを召喚!召喚時効果で三枚オープンし、その中の『創界神ディオニュソス』と『紫の天渡/化神』を一枚ずつ手札へ!」

 

レミリアが最初に召喚したのは羽ペンと魔導書を持った骸骨作家だった。そしてレミリアのデッキがフワッと三枚めくれていった。

 

レミリア「…創界神ディオニュソスと冥府三巨頭ザンデ・ミリオンを回収。ターンエンド」

 

ドレミー「メインステップ。メカゴジラ(1974)を召喚です。召喚時効果で相手のスピリットを一体手札に戻します」

 

ドレミーのフィールドに両手がマシンガンのメカドラゴンが現れる。その機械龍が両手のマシンガンを連射してラス・カーズをレミリアの手札へ戻してしまった。

 

ドレミー「ターンエンドで」

 

レミリア「メインステップ!酔い狂う冥府神!創界神ディオニュソスを配置!神託の効果でコアを二個ディオニュソスへ!」

 

ディオニュソス《ははは!さぁて…逝こうか?》

 

レミリアの背後に笑いながらディオニュソスが現れる。その手にワイングラスを持ち、狂ったような笑みを露にしていた。

 

レミリア「さらにディオニュソスの酒蔵神殿を配置して一枚ドロー!追加で手札を棄ててもう一枚……そしてラス・カーズを召喚だ!召喚時効果でオープンされた冥府三巨頭クイン・メドゥークを回収」

 

ディオニュソス《俺のレベル1からの神域が発動!『冥府』スピリットの維持コアはぜーんぶゼロ!》

 

さらにディオニュソスの後ろが紅魔館を思わせる洋館へと変わり、フィールドに戻されたラス・カーズが召喚される。ラス・カーズはディオニュソスの神力でコアゼロにも関わらず、フィールドに存在していた。

 

レミリア「…ふむ…ターンエンドだ」

 

ドレミー「あら?それでは…メインステップ。サイボーグ怪獣メカゴジラをレベル2で召喚!ソウルコアを力で『メカゴジラ』全てをBPプラス5000!」

 

レミリアは手札を確認した後、ターンを終える。ドレミーはもう一体メカゴジラを召喚してBPを上げてきた。

 

ドレミー「…殴っておきますか。アタックステップ!メカゴジラ(1974)でアタックです!」

 

レミリア「ライフで受ける!」

 

一体のメカゴジラが突進して頭突きでレミリアのライフを砕く。

 

ドレミー「ターンエンド」

 

レミリア「…ふんっ!メインステップ!バーストをセット!転生する蛇の魔神!冥府三巨頭クイン・メドゥークを召喚する!!さらに冥府神剣ディオス=フリューゲルをディオニュソスへ!」

 

ディオニュソス《イエス!俺のコアが三個以上なのでフリューゲルの効果発揮!コアがゼロのスピリットを最高レベルに!》

 

レミリアのフィールドにヒビが発生すると、地面を砕いて四本の腕に下半身が蛇の女魔神が現れる。続けてディオニュソスの手にギザギザの刃がついた剣が出現した。

 

レミリア「アタックステップ!クイン・メドゥークでアタック!ディオス=フリューゲルの効果で最高レベルだ!」

 

ドレミー「…サイボーグ怪獣メカゴジラでブロック!相手スピリットの破壊によりバースト発動!対G兵器スーパーメカゴジラ!」

 

ディオス=フリューゲルのオーラを纏うクイン・メドゥークが向かってきたメカゴジラを剣で貫く。しかしドレミーはそれを逆手に取り、バーストを発動させた。

 

ドレミー「デッキから三枚をオープンしてその中の『メカゴジラ』『3式機龍』を好きなだけ召喚です!来なさい!メカゴジラ(1993)!3式機龍(改)!!」

 

バーストから出てきたのは背中にジェット噴射機を背負ったメカゴジラ。さらに続いて二体のメカゴジラがフィールドに現れた。

 

ディオニュソス《ありゃりゃ…こりゃボーン・ジェヴォーダンから殴るべきだったねぇ…》

レミリア「…ラス・カーズでアタック!アタック時効果は使わない」

 

ドレミー「それはライフで」

 

ラス・カーズがクイン・メドゥークと交代して駆け出す。そして羽ペンを投げつけてドレミーのライフを砕いた。

 

レミリア「ターンエンド」

 

ドレミー「メインステップ。ガルーダをフル軽減で召喚してメカゴジラ(1993)に合体!そしてレベル3にアップ!」

 

一体のメカゴジラの背後に二本の砲台がついた飛行物体が装着される。普段のガルーダのコストは5だが、『メカゴジラ』の存在によりコスト3として扱われていた。

 

ドレミー「アタックステップ!メカゴジラ(1993)でアタック!アタック時効果でクイン・メドゥークをバウンス!」

 

レミリア「ダブルシンボルか…ライフで受ける!バースト発動!冥府貴族バロン・ド・レスタック将軍の効果!3式機龍(改)のコア二個と今のソイツのコア一つをリザーブへ!」

 

ディオニュソス《お~つ!そんで一体消滅したんで…トラッシュにコアブースト♪》

 

合体したガルーダの砲台がクイン・メドゥークを吹き飛ばし、レミリアのライフも二つ削る。だがレミリアはバーストを発動させ、出てきた中世貴族骸骨の剣の一振りがメカゴジラ達のコアを取り除いた…

 

…なぜか同じくダブルシンボルである3式機龍しか消滅させなかったのかは…?

 

ドレミー「…まぁ…クイン・メドゥークならまた手札へ戻せばいいか…ターンエンドです」

 

レミリア「…ふふふ…私の配下はクイン・メドゥークのみに非ず!メインステップ!死を司る三魔神!冥府三巨頭ザンデ・ミリオンを召喚!!」

 

たかをくくるドレミーにレミリアは別の冥府三巨頭を召喚する。再び地面を突き破って出てきたのは骸骨姿のドラゴン…ザンデ・ミリオンは翼をバサバサ羽ばたかせて巨大な四足を地面につけた。

 

レミリア「…そして…!冥府に流れる二筋の血!酔いしれろ!冥府神王カヴァリエーレ・バッカス!!召喚!!」

 

ディオニュソス《レッツ!パーリィ!!》

 

ディオニュソスがワイングラスの中のワインをフィールドにばらまく。するとそのワインがどんどん増殖し、巨大な魔神の姿になっていく…

 

……完全に変化したその姿は四本の腕に二本の剣を構えた冥府神だった。

 

ドレミー「…化神…!!」

 

レミリア「アタックステップ!凪ぎ払え!バッカス!アタック時効果!冥界放!で相手フィールドのコア三個をリザーブへ!そして消滅した分ライフをくだく!!」

 

バッカスが右手の剣を大振りに振るってメカゴジラ(1974)と対G兵器スーパーメカゴジラ、メカゴジラ(1993)からコアを一つずつ取り除き、前二体はコアゼロで消滅させる。

 

さらにバッカスは追撃に反対の剣でドレミーのライフを二個切り裂いた。

 

ドレミー「…がはっ…!ま、まだ…マジックで…!」

 

ディオニュソス《…さらに冥界放の効果は続く…俺のコア三個をトラッシュへ!これでお前のリザーブのコア五個はトラッシュ行きだ!》

 

レミリア「…ザンデ・ミリオンの効果でお前はスピリットを一体破壊しなければブロックできないぞ?」

 

ドレミーが手札を切ろうとしたとき、ディオニュソスのエネルギーを吸収したバッカスが衝撃波を放ってリザーブのコアを吹き飛ばす。しかもザンデ・ミリオンが残った一体のメカゴジラのブロックを封じ込めた。

 

ドレミー「………私の…敗けです…」

 

レミリア「やれ!冥府の王よ!!」

 

バッカスの二本の剣がドレミーのライフを全て斬り刻んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月面 弾達VSオケアノス

 

 

オケアノス《 ガァァァァ!!

 

妹紅「バッ…炎符『豪炎大剣(フレアソード)』!!」

 

輝夜「バッ…ソニックアロー!」

 

暴走するオケアノスは杖で妹紅と輝夜を凪ぎ払おうとする。二人は飛び上がってかわし、炎の剣と赤い弓から放たれたエネルギー矢がオケアノスの腕にヒットした。

 

オケアノス《 ガガァァァァ!!

 

隠岐奈「星符『念力呪縛(サイキックバインド)』!」

 

幽香「草符『緑輝庭園(エメラルドガーデン)』!」

 

怯んだオケアノスを隠岐奈の重力波が襲い、その巨体が地面に叩きつけられる。おまけに幽香が生やした植物達がオケアノスの触手に絡みついて動きを封じ込めた。

 

幽々子「舞え!星符『エリダヌストルネード』!」

 

映姫「星符『超電導波紋(アークディスチャージ)』!」

 

神奈子「頭かち割れろ!神符『一騎当千』!!」

 

オケアノス《 ギシャァァァァ!!

 

その隙に空にいた幽々子が鋭く尖った花びらの群れを、地面にいた映姫が電磁波をそれぞれオケアノスめがけて放つ。それに続いて神奈子がランパードブレイカーをおもいっきりオケアノスの脳天に叩きつけた。

 

弾「…ハァ…ハァ…うぐっ…」

 

紫「…《まずい…!弾の体力が…!》…霊夢!援護に来れる!?」

 

妖怪達《ゴガァァァァ!!》

 

式神達《ギギガガギギガ!!》

 

霊夢「…この!…ごめん!たぶん無理!この妖怪ども!!」

 

全体に気を配っていた弾は紫の想像以上に一番神力を消費していた。他の人に弾の援護をしてもらおうにも、全員残った妖怪や式神達が邪魔で助けに行けない。

 

オケアノス《 ギィィィィィ!!

 

神奈子「…!弾!そっち向かったぞ!!」

幽香「紫!早く弾を下げなさい!」

 

弾「…ま、まだ…まだ…!」

 

紫「弾!もう神力の限界よ!後は私達に任せて!」

 

オケアノスは隠岐奈と幽香の拘束の中、身体をねじって弾に狙いを定める。弾は戦う気満々だが身体がそれについていかず、膝をついて動けない…そんな弾を紫は何とかスキマに避難させようとする。

 

弾「…ヤバい…!」

 

紫「バッ!境符『四重結界』!!」

 

間に合わないと踏んだ紫は何重にも結界を展開してオケアノスの攻撃を受け止めようとする。そしてオケアノスが杖を振り上げた…!

 

 

藍「式輝『狐狸妖怪レーザー』!!」

 

オケアノス《 グギャァァァ!!

 

紫「藍!あなた…!」

 

藍「紫様!お待たせして申し訳ありません…!ですがツクヨミ様をお連れ致しました!」

 

ツクヨミ《すまん。遅れた》

 

だが乱入した藍のレーザービームがオケアノスの手を撃ち抜き、杖を手から落とさせた。そして藍はツクヨミを伴って紫の隣に降り立つ。

 

ツクヨミ《…まずは…!百鬼夜行に式神よ!私に従え!!》

 

妖怪達《…ギィ?……》

 

式神達《…ピー!…グググ…》

 

魔理沙「…お…?」

 

咲夜「…止まった…!?」

 

ツクヨミが腰に指した刀を掲げると、霊夢や魔理沙達に襲いかかっていた妖怪や式神達がピタリと静止する。さらにツクヨミは懐から大量の術符をばらまいて呪文を唱えた。

 

ツクヨミ《…臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!!フルパワァァァ!!三貴神『月神結界』!!

 

オケアノス《 ギガァァァァァ!!!

 

ツクヨミ《今だ!とどめを!!》

 

オケアノスの足元に五芒星の光が発生し、オケアノスの動きが再び止まる。自分の世界にいる創界神の拘束は尋常ではなく、隠岐奈や幽香の力の比ではなかった。

 

弾「…ぉぉぉ!星符!『グランスラッシュ』!!」

 

腹の底から力を振り絞り、弾はグランシャリオに星のエネルギーを纏わせて飛び上がる。さらに上空には『冥府神剣ディオス=フリューゲル』を構えたレミリアの姿があった。

 

レミリア「…ヒュュュンッ!私もよ!冥符『アリアドネ・オブ・クラウン』!!」

 

ディオニュソス《嫁の一撃ぃぃぃ!!》

 

身体に降ろしたディオニュソスのエネルギーがディオス=フリューゲルに伝わり、レミリアは幹竹割りのようにオケアノスの眉間に振り下ろす。

 

 

オケアノス《 ビシャァァァァ!!!!

 

弾「ぉぉぉぉぉ!!」

 

レミリア「だぁぁぁぁぁ!!」

 

同時に弾のグランシャリオがオケアノスの身体を真一文字に切り裂き、レミリアのディオス=フリューゲルも縦一直線に身体をぶったぎった!!

 

オケアノス《 ァァ…が…は…

 

ドォォォォォンッッ!!!

 

 

レミリア「…スタッ…眠りなさい」

 

オケアノスは十字に身体を切り裂かれ、木っ端微塵に爆散した!

 

 

弾「…スタッ…へへっ…ドサッ」

 

紫「弾!」

 

クリシュナ《んもう!無茶しすぎよ!》

 

鈴仙「私達が治療します!」

 

着地した後、肩から崩れ落ちた弾に医療班の二人が駆け寄る。残りの蟲忍者達もツクヨミがコントロールした妖怪や式神達に制圧されていった。

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

永琳VSウカノミタマ

…やべぇ…この話で話のストックが切れた……次の更新は…頑張ります……


ウカノミタマ《……………》

 

永琳「始めるわよ。メインステップ。マジック!キャンサーシェルを使用。デッキを二枚オープンし、光導カードを一枚手札へ」

 

初手に永琳はキャンサーシェルを使い、デッキの上を二枚めくる。基本永琳のデッキはほぼ『光導』カードで組まれているので、そうそう当たらないことはないだろう。

 

永琳「月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタを回収。ターンエンド」

 

ウカノミタマ《…メインステップ!我が分身…!創界神ウカノミタマを配置!私の神託の対象は『天渡/化神/忍風/霊獣&コスト3以上』!よってコア三個を追加!》

 

対するウカノミタマは自分の創界神ネクサスを配置して身体を緑と紫色に光らせる。

 

ウカノミタマ《さらにNo.25グロウセレブレーションを配置してバーストをセット…ターンエンドよ》

 

続けてウカノミタマは湖畔にそびえる城を配置した。このネクサスはアタックステップ中にスピリットが召喚される度、コアブーストできるのである。

 

永琳「…早速展開の準備を…メインステップ。星の叡知!創界神オモイカネを配置!神託でコア三個を私に置くわ。そして光星姫ヴァージニアを召喚して三枚オープンよ!」

 

永琳も自らの創界神ネクサスを張り、小さな黄色の天使を呼び出した。オープンされたのは魔星人シュタイン・ゴイル、魔導双神ジェミナイズX、光星姫ヴァージニア。

 

永琳「ジェミナイズXを回収。ターンエンド……ねぇ…なぜあなたは原初神に味方するの?あなたも父の意思に従っていたじゃない?」

 

永琳はターンを終えると、ウカノミタマにそう尋ねる。その様子はまるで『話し合う』時の弾のよう…

 

ウカノミタマ《…知ってしまったからよ…》

 

永琳「『知ってしまった』?いったい何を?」

 

ウカノミタマ《…メインステップ。吹き抜けろ!甲蛾頭首クワガスレイヤーを召喚!》

 

永琳の問い掛けにウカノミタマは答えなかった。そしてフィールドに風が吹き荒れて一体の蟲忍者が赤いマフラーをたなびかして現れた。

 

ウカノミタマ《アタックステップ!行け!クワガスレイヤー!アタック時効果でコアを増やし、ソウルコアをリザーブへ!!》

 

永琳「…きた…!『忍風』得意のデッキからの展開…!」

 

ウカノミタマ《三枚オープン!その中の甲蛾忍ルニヘル、甲蛾忍トビカゲをノーコスト召喚するわ!残りはデッキボトムへ…さらにグロウセレブレーションの効果でコアを増やす!》

 

クワガスレイヤーが何やら呪文を唱えて風を引き起こす。その風から新しい緑の蟲忍者とクナイを持った蟲忍者が飛び出してきた。しかもグロウセレブレーションの効果も発揮してどんどんコアが増えていく。

 

永琳「ライフで受ける!」

 

クワガスレイヤーが構えた刀を永琳のライフに突き立てる。

 

ウカノミタマ《続けてルニヘルでアタック!コアブーストするけど…Sバーストは使わないわ》

 

永琳「…これもライフ!」

 

クワガスレイヤーと交代してルニヘルが飛び出す。そのままルニヘルはクナイで永琳のライフを切り裂いていった。

 

ウカノミタマ《ターンエンドよ》

 

永琳「…Sバーストを使わなかった…?…メインステップ!光よ!闇よ!一つと成りて現れよ!魔導双神ジェミナイズXをレベル2で召喚!!》

 

ジェミナイズ「いぇーい!」《召喚時効果~!!》「手札のストライク・ジークヴルム・サジッタ!」《踏み倒す~!!》

 

永琳のフィールドの地面に光が落ちて、双子座を描く。その双子座から現れたジェミナイズが不適に微笑むと、永琳の後ろから紅いストライクが昇ってきた。

 

永琳「ジェミナイズXの星界放を使用!私のコア二個をサジッタに置くわ。アタックステップ!サジッタでアタック!再びコアを移動させてクワガスレイヤーを破壊!」

 

ジェミナイズとサジッタが永琳のエネルギーを吸収して力を発揮する。サジッタは口から炎を吐いてクワガスレイヤーを焼き尽くした。

 

永琳「レベル3のサジッタがスピリットを破壊したのでライフを砕きワンドロー!」

 

ウカノミタマ《バースト貰うわ!妖刀ムラサメ!サジッタのコア三個を外してそのままサジッタをブロックしなさい!》

 

ウカノミタマのバーストから出てきた紫色の刀がサジッタのエネルギーを奪い去り、フヨフヨと浮いて飛んでいく。ムラサメはサジッタの腹に突き刺さり、両者爆発した。

 

ウカノミタマ《ふふふ…さすがにこれは読めなかったでしょう?》

 

永琳「…ええ、なら戦略を変えるまで!フラッシュタイミング!アドベントスターを使用!鋭く輝く青き槍!天蠍神騎スコル・スピアXをノーコストで召喚!」

 

ジェミナイズ「さらに僕達の星界放!」《もう一発マジックを使う~!》

 

永琳「よって天駆ける牡羊!!白羊樹神セフィロ・アリエスXを召喚!」

 

スコル《うぉぉぉぉ!》

 

アリエス《ふぅ…久しぶりのバトルじゃのぉ…》

 

永琳は即座に戦法を切り替え、マジックを切る。ジェミナイズの効果で増幅したアドベントスターが光になって永琳の手札を二枚フィールドに弾き出す。

 

ジェミナイズの隣に蠍座が描かれて青い大サソリが這い出してくる。それに続いて空の牡羊座から緑の大羊が舞い降りてきた。

 

ウカノミタマ《…っっ…!》

 

永琳「スコル・スピアXでアタック!星界放!セフィロ・アリエスにコアを置いてルニヘルを破壊!」

 

ウカノミタマ《…ライフで受ける!》

 

スコル・スピアが腕をクロスさせてルニヘルを×の字に切り裂く。そして尻尾の槍をウカノミタマのライフに突き立てた。

 

永琳「ターンエンド。さっきの質問を続けるわ。何を知ったの?」

 

ウカノミタマ《…敗北……絶対勝てない…ずぅぅぅぅっと…一緒にいたのに…》

 

永琳「…?…あなた…結局何が欲しかったのよ?」

 

ウカノミタマ《……ゼウス=ロロVSアレックスの時に私はツクヨミのバックアップとしてポセイドンやアテナと戦ったわ…それ以前からも私はツクヨミに尽くしてきた…》

 

永琳の尋問にウカノミタマはどこか明後日の方向を向いてぼやき始めた。その顔つきから永琳は何も察することができないでいると…

 

スコル《あ~…つまりお前、ツクヨミにフラれたんだな?それをいまだに未練たらたらと羨んでると?》

 

永琳「…え…?」

 

ウカノミタマ《…ええそうよ!私は選ばれなかった!だから私はアイツらに寝返った!そうすれば絶対叶わぬ願いが叶うのだから!》

 

永琳「…そんなやり方じゃあ真の人の心は動かない!あなたが手に入れようとしているのはただの幻想よ!」

 

ウカノミタマ《うるさい!メインステップ!出でよ!我が化神!生と死を操る凶兆の狐!神聖冥獣フシミイナリ!召喚!!》

 

永琳の言葉を怒鳴りかえしたウカノミタマは一体のスピリットを召喚する。するとウカノミタマの背後に幾千の鳥居がそびえ立ち、その中を一体の狐が走ってフィールドに入ってきた。

 

その狐は身体の周りに火の玉を浮かばせ、前足の鉤爪を地面に食い込ませて大きく咆哮する。その衝撃に九本の長い尻尾が風に揺れた。

 

永琳「…セフィロ・アリエスの効果!『遊精』/『光導』を持たないスピリットは全て疲労状態で召喚される」

 

ウカノミタマ《問題ないわ。フラッシュでフシミイナリの天界放!私のコア三個を置くことで、以下の効果二つを選んで発動する!さらに私のレベル2の神域!『お互い』と書かれた効果を『相手』又は『自分』へと変更できる!》

 

フシミイナリがウカノミタマを力を使ってフィールドを揺らす。その効果は四個ある内の二つを選んで使うというもの。

 

一つ目は『お互いデッキから二枚ドローする』二つ目は『お互いスピリットを二体まで回復させる』三つ目が『相手のスピリット/アルティメットを二体まで疲労させる』四つ目が『このターンの間お互いレベルコストをプラス2』

 

今回はウカノミタマの神域が加わって上の『お互い』が『自分』又は『相手』になる…つまり自分だけドロー、相手だけスピリットを疲労させる事などができるのだ。

 

ウカノミタマ《まずは二枚ドロー!さらにレベルコストをアップ!これでヴァージニア、スコル・スピアとジェミナイズは消滅!!》

 

スコル《どぉぉぉ!?》

 

ジェミナイズ「おおっと!?」《わっ!?》

 

ウカノミタマは一つ目と四つ目を選び、手札を増やしてレベルコストを上げて永琳のフィールドを一掃した。

 

ウカノミタマ《…ここで攻めるべきではないか…ターンエンド》

 

永琳「…メインステップ!七つの星の赤き光!赤の光導騎士ゾディアック・アポロドラゴンを召喚!召喚時効果で騎龍魔弓サジットボウをセフィロ・アリエスにダイレクト合体!」

 

永琳の上空に出現した北斗七星から白の翼と鎧のドラゴンが舞い降りる。そしてゾディアック・アポロドラゴンが咆哮してセフィロ・アリエスの背中に黒の弓を装着させた。

 

永琳「アタックステップ!ゾディアック・アポロドラゴンで異牙忍トビカゲを指定アタック!BPは18000!」

 

ウカノミタマ《ちぃ…!再びフシミイナリの天界放を使うわ!フシミイナリを回復させ、セフィロ・アリエスを疲労させる!》

 

永琳「無駄よ。フラッシュタイミング!宇宙駆ける光もたらす炎!超神月紅龍ストライクヴルム・ノヴァ!セフィロ・アリエスに煌臨!」

 

ゾディアック・アポロドラゴンがトビカゲめがけて炎を吹いて破壊する。

 

ださらに永琳は追撃に自らの化神をセフィロ・アリエスに煌臨させる。永琳の頭上の月から炎を纏うドラゴンが飛び上がったセフィロ・アリエスに重なり、サジットボウのような黒い翼を広げて降り立った。

 

永琳「煌臨時効果で手札から幻想星弓エターナル・ジュエリーをストライクヴルム・ノヴァに合体!そして回復する!ストライクヴルム・ノヴァでアタック!界放!吹き飛びなさい!!!」

 

ウカノミタマ《…しまった…!!》

 

飛んできた弓をストライクヴルム・ノヴァは掴み、サジットボウで黒く染まった身体を震わせる。そして背中のファンネルが黒く輝き、ストライクヴルム・ノヴァはエターナル・ジュエリーから光の矢を放った。

 

その矢は地面を抉り取りながら進み、フシミイナリの脳天を貫いて破壊した!!

 

永琳「ダブル合体スピリットのシンボルは四つ!ライフを一気に四個壊す!!」

 

爆煙を突っ切ってストライクヴルム・ノヴァが口から火炎放射をウカノミタマめがけて放った!

 

ウカノミタマ《…ぁぁぁ!!》

 

 

 

 

 

 

 

ウカノミタマ《…ぐはっ…ゴロゴロ…》

 

永琳「…あら…レミリア達はもうバトルを終えてたのね…」

 

バトルを終えて部屋の床に転がり落ちるウカノミタマと華麗に着地する永琳。部屋に誰もいない所を見ると、どうやらレミリア達は先にバトルを終わらせていたようだ。

 

永琳「…さて…弾が心配だわ。早く戻らないと…」

 

ウカノミタマ《……おのれ…!おのれぇぇぇぇぇぇ!!》

 

永琳「…!?…ぐぅ!!」

 

一瞬永琳が意識を戦場へと向けた…そのタイミングで倒れてたウカノミタマが永琳に殴りかかる。反応が遅れた永琳はそのままパンチをくらい、壁に叩きつけられた。

 

ウカノミタマ《…何もかも…手に入らないなら…!全部ぶち壊してやる!!!

 

 

ドゴォォォオンッ!!!

 

ヒステリックにウカノミタマは叫んで創界神のエネルギーを撒き散らす。その勢いのまま彼女は天井をぶち破り、空へ飛んでいった。

 

永琳「…いたた…まったく…往生際の悪い女ね!」

 

永琳もすぐさま立ち上がり、ウカノミタマが飛び去った天井の穴に飛び上がって後を追った。

 

 

 

 

 

 




創界神ウカノミタマ
ネクサス
3(2)/紫緑/創界神・アマハラ
《神託》〔忍風/霊獣/天渡/化神&コスト3以上〕
<0>Lv1 <5>Lv2
【神技:3】Lv1・Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』
相手のスピリット1体を相手が破壊する。その後、自分のスピリット1体を破壊する。
レベル2
【神域】Lv2『お互いのアタックステップ』
お互いを対象としたの効果は、効果の対象を相手のみ、または自分のみに変更できる。

神聖冥獣フシミイナリ

7(紫2緑2)/紫緑/化神・忍風・霊獣
<1>Lv1 5000 Lv2<5>13000
【天界放:3】Lv1・Lv2 フラッシュ
自分の紫/緑の創界神ネクサスのコア3個をこのスピリットに置ける。そうしたとき、下の効果から二つを選んで発動する。
・お互い、スピリット二体までを回復させる。
・お互い、デッキから二枚ドローする。
・お互い、スピリットを二体選んで疲労させる。
・お互い、スピリット/アルティメット全てのLvコストを+2する。

シンボル:紫


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

誓いのlove&peace

よ、ようやく月面戦争が終わった……でもストックがないからとにかく書かないと……


月の都 上空

 

 

ウカノミタマ《 …はぁ…はぁ…!もう…!全員死ねば良いのよ!!

 

月の都を見渡せるまで飛んだウカノミタマは九本の狐の尻尾を出してエネルギーを貯める。それぞれの尾にどす黒い色のエネルギー球が生み出され、眼下の月都めがけて放とうとした。

 

 

永琳「させないわ!!ガシィッ!」

 

ウカノミタマ《…ちぃ!邪魔するな!!バッ》

 

だが下から永琳がウカノミタマに掴みかかり、堪らずウカノミタマはチャージを中止して接近戦に移る。空中で永琳の拳や蹴りがウカノミタマの九尾と激しい格闘戦が繰り広げられた。

 

 

永琳「…っっ!」

 

ウカノミタマ《無駄よ。創界神であることを拒み、逃げたあなたとは違う…純粋な創界神の私に…!力で勝てると思って?》

 

永琳「…バッ!はぁぁぁぁ!!」

 

永琳の右ストレートをウカノミタマは軽く左手で受け止めて見せた。彼女の言うとおり、永琳とウカノミタマでは創界神としての『格』が違う…永琳は唇を噛み締めてその手を振り払う。

 

永琳「スチャ…射手座『サジッタアローレイン』!!」

 

ウカノミタマ《…パチンッ…》

 

永琳「!?…消えた……!?」

 

永琳がエターナル・ジュエリーを構えながら後ろへ飛びずさる。そして無数の炎の矢を放ったが、ウカノミタマは指を鳴らすだけで炎をかき消してしまった。

 

ウカノミタマ《…狐火!》

 

永琳「うっ…!く…!」

 

お返しのウカノミタマの火炎攻撃を永琳は避けようとしたが、完璧には避けられず少し炎が被弾してしまう。そのよろけた隙をウカノミタマは見逃さない。

 

ウカノミタマ《ふんっ!ビュンッ!》

永琳「…ぅ…ギリギリ…ぁ…!」

 

ウカノミタマの九尾が永琳の四肢に巻きつき、強く締め上げる。永琳がもがくもその尾を振り払うことができない。

 

ウカノミタマ《潰れろ!》

 

永琳「…ぁぁ!!」

 

ボガァァァァァンッッ!!!

 

永琳を締め上げたまま、ウカノミタマは永琳を殴り飛ばす。永琳の身体は一直線に月面に吹き飛び、都の地面を大きく削ってようやく止まった。

 

永琳「…まだまだ!水瓶座『アクエリアス・D・カッター』!」

 

ウカノミタマ《…しつこいわよ。結界!》

 

土埃から飛び出してきた永琳が今度はエターナル・ジュエリー自体に白い斬撃を纏わせて放つ。それもウカノミタマは即座に張った障壁で防いでしまった。

 

ウカノミタマ《…いい加減認めなさい。あなたが勝っても馬神 弾はあなたを一番に取らない》

 

永琳「…!…うるさい!!牡牛座『タウラスチャージ』!」

 

ウカノミタマは言葉巧みに永琳を懐柔しようとするが、怒声をあげて永琳は拳を突き出して拒否の意思を示す。

 

ウカノミタマ《…バンッ!…ズズズ…あなたも同じ…ツクヨミに選ばれなかった私と同じなのよ。どうせ捨てられる》

 

永琳「…………黙れ!!蠍座『スコーピオンパイル』!!」

 

永琳の拳をウカノミタマは九本の尾で受け止め、揺さぶりを続ける。先ほどと同じように永琳は拒否したが、その間は気持ち長めだった。

 

そして迷いを振り払うように永琳は身体を青い光に光らせ、突進しようとした。

 

ウカノミタマ《…残念ね。魔導『流し灯籠』》

 

永琳「…あ」

 

その先の言葉を永琳は口にできなかった。ウカノミタマの周囲に再びどす黒い色のエネルギー球が生成され、それを至近距離でぶつけられたのだから……

 

…その威力に永琳は意識を失ってエターナル・ジュエリーを離し、重力のまま月面に落ちていく……

 

ウカノミタマ《さようなら。馬神 弾には宜しく伝えるわ…彼女は立派に戦ったってね》

 

今の永琳の耳にはウカノミタマの別れの言葉も聞こえない。ボロボロの姿で一直線に固い月面へと向かっていく。そして月の都の大通りに永琳の身体は大きなクレーターを作った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「…ん…んん…まだ…!終わってないっつの…!」

 

何とか意識を覚醒させて永琳は全身の痛みを堪えて起き上がる。そして自身を落としたウカノミタマがいるであろう方向を見上げた…

 

 

 

……が永琳の目に飛び込んできたのは辺り一面の花畑…色とりどりに咲き誇る花々は生命のない月面にあるまじき光景だった。

 

 

永琳「…え?ここは…?確か私は…あの女の攻撃を受けて…」

 

???《もー!おとーさんお~そ~い~!!》

 

???《おいおい、俺はもう年なんだ…》

 

永琳「…はへぇ!?」

 

永琳が状況を飲み込めないでいると、突然後ろから声が聞こえてきた。それに振り返ってみた永琳はまた変な声で驚いてしまう…それもそのはず。その言葉を話したのは……

 

 

永琳「…子供の頃の…私!?」

 

幼永琳《えぇ~!おとーさんいっつもそう言って遊んでくれないじゃ~ん!》

 

永琳「……私が「お父さん」と呼んだ…ということは…タカミムスビ…」

 

永琳の目の前でまだ三歳くらいの永琳が紅色の髪をした男性に文句を言っている。永琳が『父親』と認識していることから、彼こそ星の原初神にして『創界神の王』創界神タカミムスビで間違いなかった。

 

永琳「…そうよ。まだ幼かった時、いつもは遊んでくれなかったお父さんが珍しく外で遊んでくれた日…」

 

タカミムスビ《はぁ…まったく…永琳、そういうばかりでは一人前の医者にも科学者にもなれんぞ?》

 

幼永琳《え~!?ねぇねぇ!なら何がいるの?どうしたら立派な医者や科学者になれるの?》

 

花畑で胸の前に腕をやり、ピョンピョンジャンプしながら幼い永琳は父親に尋ねた。タカミムスビは微笑みを浮かべて永琳の目線まで腰を落とし、頭を撫でながら話し出す。

 

タカミムスビ《それはな永琳…自分が心に決めた『思い』だ。何になるにしてもその『思い』がなければ、たちまち脆くなる》

 

幼永琳《思い~?》

 

タカミムスビ《…ま…永琳が『何のために』医者や科学者になりたいのかが重要だと言うことさ》

 

幼永琳《ふ~ん…よくわかんないけど…お医者さんや発明家になりたい訳ならあるよ!》

 

永琳「…………………」

 

大人の永琳の前で親子は仲睦まじく話し続ける。そんな中、幼い永琳が得意げに胸を張って父親の難しい話を理解しようとしていた。

 

タカミムスビ《…ん…いったいなんだい?》

 

 

幼永琳《それはね~!愛と平和のため!私が世界を良くするんだ~♪》

 

 

永琳「……え………?」

 

幼い永琳が答えた理由…それに永琳は驚いた。『愛と平和』は父親であるタカミムスビがよく言っていたスローガンのようなものだ。だがそれを言い出したのは永琳がもう少し成長した後だと思っていたのだ。

 

 

ザ…ザザザ……ザ…!!

 

 

永琳が驚いていると、永琳の周りの景色にノイズが走り出す。そして綺麗な花畑は姿を消し、普段の月面の世界へと切り替わった。

 

永琳「…今のは…誰かが見せていた映像…?」

 

???「思い出したか?永琳?」

 

永琳「……クルッ……お父さん…!」

 

景色が変わっても…大人になっても聞き慣れた声…永琳が振り返ってみるとそこには普段着ではなく、黒地の服にまるでダブル合体サジットのような装飾のアーマーを身に纏った『創界神タカミムスビ』の姿があった。

 

 

タカミムスビ「…お前は忘れていたかもしれないが…『愛と平和』を最初に掲げたのは…他でもない。お前自身だ」

 

永琳「……私の…思い…」

 

タカミムスビ《その通り。永琳、もしお前が『愛と平和』のためにウカノミタマを止めると言うのなら……もう逃げることはできんぞ》

 

永琳「…………」

 

タカミムスビ《…お前は『創界神であること』を頑なに拒んできた。それ故力を十分に発揮できていない》

 

満天の星空の下で腕を組んだタカミムスビが永琳に語りかける。渋い顔つきと固い言葉だったが、声色は優しかった。

 

タカミムスビ《…どうする?また逃げるか?それとも……戦う覚悟を決めるか?》

 

永琳「……やるわ。私はもう目を背けない!創界神として…世界を守る!!」

 

タカミムスビ《……ニコッ……》

 

月面で地球をバックに永琳はそう宣言する。地球と共に太陽に照らされ、その決意に満ちた娘の顔と不器用に微笑む父の顔を明るく照らし出した。

 

 

ザ…!ザザ…!ザザザ…!

 

 

タカミムスビ《…さぁ、早く戻れ。戦いはこれからだぞ》

 

永琳「…うん…お父さん…ごめんなさい。そして…ありがとう…」

 

また周りの背景にノイズが走り、永琳の視界から月面や星空、そして父の姿が消えていく……その最後の瞬間に永琳は心からの感謝を伝えた。

 

 

 

 

タカミムスビ《………永琳…まゐや霊夢達を…頼むぞ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び月の都 上空

 

 

ウカノミタマ《…さて…あとは戦場にいる馬神 弾と創界神達を始末すれば良いか…》

 

そう言いながらウカノミタマは空を悠々と飛んでいた。既に永琳を倒したと思っている彼女の脳内は月面にいる弾達のことに気をとられている。

 

 

だからこそ次の攻撃をウカノミタマはかわせなかった。

 

 

永琳「まだ終わってないわよ!」

 

ウカノミタマ《…っう!?》

 

下から永琳が不意打ちのパンチをウカノミタマの腹におみまいしたのだ。呻いてウカノミタマは咄嗟に永琳から距離を取る。

 

ウカノミタマ《…永琳ちゃん…!その姿は…!!》

 

永琳「悪いわね。覚悟を決めたのよ!」

 

今の永琳は赤と青の衣と裳に身を包み、黒い両腕の籠手と胸当てをつけて空中に浮いている。風にたなびく銀色の髪が創界神の神々しさをさらに増幅させていた。

 

永琳「でぁぁぁぁ!!」

 

ウカノミタマ《く…!》

 

永琳が拳を前に伸ばし、ウカノミタマに肉薄する。ウカノミタマは狐の尾でガードするが、すぐさま永琳は反対の手で弾く。そのスピードもパワーもさっきまでとは段違いだった。

 

ウカノミタマ《…この…!また尾で縛りあげて》

 

永琳「賢神『八卦封印』!!」

 

ウカノミタマ《あがっ!?》

 

ウカノミタマは再び九本の尾を永琳に伸ばすが、永琳の周囲に現れた八つの小さな青いクリスタルに阻まれる。そのクリスタル達は尾を防ぐと共にウカノミタマ自身にも打撃攻撃を加えた。

 

永琳「まだまだ行くわ!ふんっ!ブンッ!」

 

ウカノミタマ《っ!…キィンッ!うぐっ!》

 

永琳はクリスタルを展開したまま剣にしたエターナル・ジュエリーで斬りつける。だが永琳自身やクリスタル達はウカノミタマの防御を掻い潜り、次々とダメージを与えていった。

 

尾をかわして剣の刃がウカノミタマの白衣ごと切り裂き、クリスタル達が追撃のビームをおみまいしていく。ウカノミタマの尾や狐火はことごとくかわされるか、クリスタルに阻害されていた。

 

ウカノミタマ《このォ!来なさい!フシミイナリ!!》

 

永琳「…!こちらも!ストライクヴルム・ノヴァ!!」

 

一気に劣勢と化したウカノミタマは自らの化神『神聖冥獣フシミイナリ』を呼び出して背中に飛び乗る。永琳も『超神月光龍ストライクヴルム・ノヴァ』を召喚して後を追った。

 

お互い紫色の狐火と紅い炎や青い雷がぶつかって強烈な爆風が辺りに吹き荒れる。

 

 

ウカノミタマ《…ドガンッ!言ったはずよ!もしあなたが原初神どもを倒しても!…バァンッ!…馬神 弾は八雲 紫を選ぶ!それどころかこの月の都の人々は都を裏切ったあなたを嫌悪しているわ!…ボンッ!》

 

永琳「…ビュンッ!それで!何が言いたいの!!?…ドゴォンッ!」

 

ウカノミタマ《アイツらはあなたに感謝することもなければ!称賛することもない!あなたは何も得られないのよ!》

 

激しい空中戦の最中、ウカノミタマはそう叫ぶ。それでも永琳は攻撃の手を緩めず、ストライクヴルム・ノヴァごとフシミイナリに飛びかり、壮絶な取っ組み合いになった。

 

永琳「…私達は…!そんな事のために戦っている訳じゃない!!」

 

ウカノミタマ《ならどうしてそこまでして戦うの!?傷ついたその先に何があるのよ!?》

 

揉み合う化神から飛び上がり、両手をつかみ合いながらウカノミタマは永琳に問う。彼女はなぜ永琳が戦うのか理解できなかった。

 

そんなウカノミタマに対して永琳はニヤリと微笑み、答えを返す。

 

永琳「…そんな事…!決まってるわ!『愛と平和』のためよ!」

 

ウカノミタマ《…!!》

 

永琳「私達がこの世界の明日を創る!その思いは…!原初神をも越えるのよ!!バゴンッ!!」

 

ストライク《グォォォォォォ!!》

 

ウカノミタマ《ぐぇ!!!》

 

フシミイナリ《ゴォォォォォォンッッ!!》

 

永琳は力強く啖呵を切ると、ウカノミタマの腕を振りほどく。そしてクリスタル達と自らの拳、ストライクヴルム・ノヴァのパンチがウカノミタマとフシミイナリにクリーンヒットして吹き飛ばした。

 

ウカノミタマ《…ァァァァ!!魔導『流し灯…っう!?》

 

永琳「…!バッ」

 

態勢を立て直したウカノミタマはフシミイナリの背で再び黒いエネルギー球を作る。しかし突如下から飛んできた白い弾丸がエネルギー球を霧散させた。

 

永琳が驚いて下を見る。いつの間にか月の都から外れてクレーターだらけの月面を飛んでいた二人の下…戦意の無い妖怪や式神達の中央に大きなライフルを構えた一匹の玉兎がいた。

 

鈴仙「師匠!援護します!『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』砲弾version!!」

 

霊夢「星符『雷星封印』!!」

 

魔理沙「星符『銀河群龍(ダイナギャラクシー)』!!」

 

咲夜「奇術『ミスディレクション』!!」

 

妖夢「断氷剣『無限地獄(コキュートス)』!!」

 

アリス「魔糸『王羽緋糸(オーバーヒート)』!!」

 

蓮子「『パイロキネシス』!!」

 

フシミイナリ《ゴォォォォンッッ……!》

 

月面からの総攻撃がフシミイナリに次々と当たり、フシミイナリは絶叫をあげて爆散した!

 

隠岐奈「さぁて…!永琳!これを!ヒュンッ!」

 

フラン「ありがとー!強かったよ~!ヒュンッ!」

 

幽々子「…ヒュンッ!」

 

妹紅「ははっ!ヒュンッ!」

 

神奈子「…決めろ!オモイカネ!ヒュンッ!」

 

続けて五人が一枚ずつカードを永琳めがけて投げ渡す。それは永琳の化神である月の龍達…そのカード達が永琳の懐から出てきた一枚と一緒に永琳の周りに集まる。

 

永琳「…コクンッ…集え!我が化神達!!」

 

ストライク達《シャァァァァァァ!!!》

 

永琳が神力を放出して化神達を実体化させる。六色のストライク達が永琳を中心に六角形を描き、永琳の背後にストライクヴルム・ノヴァが収まった…

 

……そしてエターナル・ジュエリーを構え、炎の矢をつがえる…!

 

永琳「……星符……『紅蓮月花』!!!」

 

ウカノミタマ《く…!魔導『流し灯籠』!!》

 

ストライク達の攻撃を吸収した永琳の矢が放たれる。六色の光を纏って飛んでいく矢はウカノミタマの黒い球群を貫き、ウカノミタマの腹に命中した!

 

ウカノミタマ《ぎゃ!…う、うそ…つ…つく…よ…み…ガクッ》

 

永琳「…ガシッ……」

 

力を失い落ちていくウカノミタマの手を永琳は握りしめる。やろうとすれば彼女の胸を射ぬくこともできたが、永琳はわざとそれをやらなかった。

 

永琳「…後で…ちゃんと伝えなさい…」

 

鈴仙「師匠~!」

 

輝夜「え~り~ん!!」

 

永琳「…ふふっ…!」

 

月面から今度は明るい声が聞こえてくる。永琳はウカノミタマの手を握ったまま、下へ降りていった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

この永琳は『分神』という訳ではありません。永琳自身の創界神としての姿『創界神オモイカネ』の姿です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終八章~女神帰還~
創界神の王


どこかの時間軸 どこかの戦場

 

 

ゼウス=ロロ《どうした!?インディーダの最高神とはそんな程度か!?》

 

ブラフマー《くそぅ!》

 

シヴァ《やっぱり気に入らねぇ!!》

 

ヴィシュヌ《…クリシュナ!アレックスを頼む!》

 

とある世界のとある荒野……そこでは強大な雷を迸らせてそびえる一柱の創界神…ゼウス=ロロがいた。彼に向かい合っているのは『インディーダ』のトリムルティ達……だが明らかに疲弊の色が見えていた。

 

アマテラス《この愚弟ども!ゼウス=ロロに味方して!》

 

ツクヨミ《…姉上!こちらこそアマハラが栄える道です!》

 

スサノヲ《それに…!こっちの方が楽しめそうだしな!》

 

ウカノミタマ《ツクヨミ、援護するわ》

 

また別の一角では『アマハラ』の創界神達が言い争っている。お互い姉弟からか手を出すまでには至っていない…だが何時火花が着火するかわからないほどヒートアップしていった。

 

ポセイドン《…むぅ…姉さん、良く考えてみてはいかがかな?》

 

ヘラ《…うちの役目はゼウスを支えること。それは変わらんで!》

 

アレス《標的。アテナ並びに裏切り者の創界神達》

 

アテナ《……スチャッ……》

 

ヘルメス《…あー…このショタ!この前はよくもやってくれたねぇ!》

 

ヘファイストス《ゴキゴキ…今日は機械の調子が良いんだ。覚悟した方が良いよ!》

 

デュオニソス《……ニヤニヤ……》

 

アプロディーテ《…?…とにかく…片付けますか…》

 

一番大きく割れて戦闘状態になっているのはオリンの創界神達。アマハラとは違って既に光弾を撃ち合ったり、武器をぶつけたりしている。

 

アポローン《よし、アルテミス。俺たちはアマテラスの援護に向かうぞ!》

 

アルテミス《オッケー!》

 

トト《…さて…ホルス、僕たちはどうする……ホルス?》

 

ホルス《…なんか…!!やべぇ風が吹いてきた…!!なんだこの風…!?》

 

残りのアポローンとアルテミス兄妹は一VS多数のアマテラスの援護に向かっていく。エジット勢の二柱の内、ホルスは何やら近づいてくるものすごい『力』を感じ取っていた。

 

アレックス《まだだ!僕たちのロロを返してもらう!》

 

マナカ《待って!アレックス!》

 

アンターク《あまり挑発しない方が…》

 

ケイ《…!…来るぞ!!》

 

ゼウス=ロロ《愚かな…!逆賊アレックスよ!裁きの雷をくらえい!!》

 

 

『ウル』の創界神の先頭に立ってアレックスはグラン・デーヴァの刃先をゼウス=ロロに向けて叫ぶ。格下の創界神にゼウス=ロロは不快に雷を落とそうとした……

 

 

???《 そこまでだ、お前達

 

 

アルテミス《…ん!?》

 

ヘルメス《…誰だ…?》

 

ヘファイストス《…でもスゴい神力…!》

 

…その時、戦場の端から太く響き渡る声が戦場に響き渡る。全創界神が膨大な力に振り向くと、そこには黒地に黄金のアーマーを纏った初老の男性が歩いてくるところだった。

 

ヘラ《…え…ええ!?Σ(Д゚;/)/》

 

ツクヨミ《…な、なぜあなた様が…!?》

 

スサノヲ《………やっべ……》

 

???《…お前達!何を勝手に戦争を引き起こしているのだ!!恥を知れ!!

 

その男性に心当たりのあるヘラ、ツクヨミ、スサノヲは顔を青くして怯え始める。それに構わず彼は野太い声で怒鳴り付けた。

 

クリシュナ《…ヴィシュヌ様…あちらの方は…?》

 

ヴィシュヌ《……アマハラ所属…星と命を創界神、タカミムスビさんだ…最古の創界神にして最強の創界神でもある》

 

タカミムスビ《…さて…今ここにいる全創界神達に告ぐ!この世界を支配する権利は誰にもない!よって神世界全ての勢力図を『創界大戦』前までに戻すことを要求する!!》

 

タカミムスビを知っているインディーダの『トリムルティ』達が彼を知らないアレックスやクリシュナ達に紹介する。その紹介が終わらぬ内に、タカミムスビは戦場に自らの要求を響き渡らせた。

 

アレス《ふんっ…何処の誰だか知らんが…わざわざ獲得した世界を返せ?ふざけるな!》

 

ヘラ《まちぃ!アレス!》

 

だがその要求に納得できないアレスはランパートブレイカーをタカミムスビに振り下ろそうと迫る。ヘラは焦って止めようとするも、もう間に合わなかった。

 

タカミムスビ《…はっ!》

 

アレス《ガァ!!?》

 

ヘファイストス《……へ…?》

 

アテナ《…軍神のアレスを……一撃で…》

 

サラ《…て言うか…なに…したの…!?》

 

古株創界神の案の定、振り下ろされたランパートブレイカーはタカミムスビに当たる寸前で止まり、返しの衝撃波がアレスを大きく後ろへ吹き飛ばしていった。

 

これにより創界神であるアレスを、手も触れずに瞬殺したのを見た若輩創界神達はタカミムスビの強さを思い知った。

 

タカミムスビ《…まったく…手のかかる犬だな…ツクヨミ、スサノヲ、そしてゼウス。お前達はどうする?》

 

スサノヲ《………俺達は…!もうあんたの後ろについてく子供じゃねぇ!恩人のあんただろうと…!倒す!!》

 

ツクヨミ《…申し訳ありませんが…スサノヲの意見に賛成です》

 

ゼウス=ロロ《…今の我は全知全能!タカミムスビさんだろうと敵ではないわぁ!》

 

三柱はそう言って炎の剣、小太刀と陰陽札、凄まじい電撃を構えてタカミムスビに相対する。並の創界神ではまともに立つことも難しいエネルギーが放たれているが、タカミムスビは意に介さずため息をついていた。

 

 

タカミムスビ《…はぁぁ…なら好きにしろ…!》

 

スサノヲ《行け!ヤマタハイドラノカミ!!》

 

ツクヨミ《切り裂け!スメラギンガ!!》

 

ゼウス=ロロ《潰せ!グラン・ロロ・ドラゴレオン!》

 

三柱の背後にそれぞれの化神が地響きをたてて現れる。ヤマタハイドラノカミが尻尾の剣を、スメラギンガが刀を、ドラゴレオンが牙を光らせてタカミムスビに襲いかかった。

 

タカミムスビ《…パチン…射ぬけ…!!》

 

ヤマタハイドラノカミ《ギャァァァ!バタンッ……》

 

スメラギンガ《…ギギガギ…!ズズンッ……》

 

ドラゴレオン《グォォォォ…!!ドガンッ…》

 

しかしタカミムスビは冷静に弓を取り出すと、三本の矢をつがえて化神達へ放つ。その矢は全て化神の腹に命中し、三体とも悲鳴をあげて倒れ込んだ。

 

アプロディーテ《…ほら…言わんこっちゃない…》

 

ホルス《…すげぇ……》

 

スサノヲ《…っっ…!おらぁぁぁぁ!!》

 

ツクヨミ《…ブツブツブツ…!行け!十式戦鬼達よ!》

 

タカミムスビ《…無駄だ…ふんっ!》

 

化神が倒されたスサノヲは炎の龍や水の龍、ツクヨミは紫色の騎兵式神を呼び出してぶつけていく。だがタカミムスビは手をかざすだけで弾き飛ばしながら歩いて接近してきた。

 

タカミムスビ《…ガシンッ……グラン…スラッシュ!!》

 

スサノヲ《…ぐぇ……!》

 

そしてとうとうタカミムスビはスサノヲを殴れる位置にまで接近し、剣に変形させた弓でスサノヲを袈裟斬りにした。スサノヲは剣ごと斬られて仰向けに倒れる。

 

タカミムスビ《…夢想……封印!!》

 

ツクヨミ《…ぎゃ…!!》

 

次にタカミムスビは手をツクヨミに向けて虹色の弾幕を撒き散らす。その弾幕はツクヨミの十式戦鬼達を軽く蹴散らしてツクヨミを包み込んだ。

 

タカミムスビ《……チラッ…あとは……》

 

ゼウス=ロロ《…ぬぅぅぅ!降り注げ!雷よ!!》

 

最後にタカミムスビはゼウス=ロロへ歩き出す。彼の気迫に気圧されたゼウス=ロロだったが、気を取り直して空から雨あられと雷を降らせた……が…

 

 

タカミムスビ《……イルミネーションには使えそうな電気だな》

 

ゼウス=ロロ《……マジか……》

 

タカミムスビ《…俺の化神よ!この世界に平和をもたらすのだ!》

 

爆煙の中から無傷のタカミムスビとその背後に一体のドラゴンが現れる。そしてタカミムスビの号令と共に背後のドラゴンがゼウス=ロロに咆哮した。

 

 

タカミムスビ《やれぇい!!超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ!!》

 

 

 

 

 

世界のどこか

 

 

???《くそっ!まさか月の都が落とされるとは…!!》

 

豪華なイスに座り込んでそう喚く謎の男…有能な手足だった霊奈やウカノミタマが倒され、いよいよ手駒が無くなってしまった。

 

???《…崩神もあと一柱…アイツだけで倒せるとは……!…いや待て……》

 

謎の男は爪を噛んで次の作戦を練っていると、ふと何かを思い出した。彼の頭で組み上げられた案を彼自身で反芻し…男は再び黒い笑みを浮かべ始めた。

 

???《…フフフ…これならばどれだけ創界神がいようと問題無い。奴らは本気で動けんからな……せいぜい良い動力源になってくれよ……

 

 

 

 

 

……アマテラス?》

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

八咫烏の呼び声

あ、ツイッターやってます(今さら) 基本東方かバトスピにしか呟かないですが……


幻想郷 永遠亭 会議室

 

袿姫「…これは我がゴッド!大変なご迷惑を…!」

 

サグメ《…ペコリ…》

 

依姫「これから挽回すれば良いですよ」

 

アルテミス《やってやるわ~!!次の敵はどこじゃーい!!?》

 

ゼウス《そ、その心意気は嬉しいのじゃが……》

 

月都組と袿姫達が一同に謝罪するなか、アルテミスは猛烈にリベンジに燃えている。だが揃っている面子の顔には不安の感情が見えていた。なぜなら……

 

 

紫「…弾…もう大丈夫なの?」

 

弾「あぁ、もう全快…っう!」

 

永琳「ダメ!あまり動いちゃ!」

 

あのあと倒れた弾は意識を取り戻したが、神力の消費が凄まじく車イスでの移動を余儀なくさせられていた。今も立とうとするも、力が入らずまた車イスへ座り込む。

 

霊夢「…たまには休みなさい。そうしたってバチは当たらないわよ」

 

藍「何か起これば私達が対応しますから…」

 

弾「……わかった……」

 

紫《…あ…あれは絶対休まない顔だ…!》

 

霊夢達の説得で、少し不貞腐れたような顔だったが弾は一応納得した。だが一人紫は本当に弾が休んでくれるかどうか不安を拭えていない。

 

ヘファイストス《…それで…これからどうする?》

 

デュオニュソス《んー…俺が掴めた情報だと…あと残ってる原初神は一柱だけだぜ?》

 

レミリア「…だが…個人的に奴らに時空を書き換える力があるとは思えないけど…?」

 

ツクヨミ《…それなら知る手段がある…まぁ100%ではないが…》

 

ああだこうだと議論していると、腕を組んだツクヨミが解決法を提案する。今いる全員の意識と視線がツクヨミに向いた。

 

スサノヲ《おぉ!マジか!?兄貴!》

 

オシリス《その方法とは?》

 

ツクヨミ《……姉上に聞いてみようと思う…姉上なら心当たりがあるかもしれない…》

 

カグツチ《…んん…?アマテラス様に?僕たち彼女がどこにいるか分からないよ?》

 

依姫「…ええと…あの天照大御神様ですか?」

 

ヘラ《そやで~。彼女はタカミムスビさんの側近やったから、原初神の情報も持ってそうやね》

 

ツクヨミの提案は確かに当たりだったが、唯一の問題はアマテラス自身が今どこにいるか分からないことだ。また会議が振り出しに戻ろうとしたその時だった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

キョェェェェェェェ!!!!!

 

 

 

隠岐奈「…んんん!?」

 

イシス《…地震!?》

 

幽々子「きゃー。死ぬー」

 

妖夢「幽々子様!もう死んでますよ!それに何ですか!?今の音は!?」

 

幽香「…まるで鳥の鳴き声にも聞こえたけど……」

 

スサノヲ《……行くぞ!妹紅!》

 

ツクヨミ《藍!私達もだ!もしかしたら姉上の手掛かりかもしれん!》

 

永遠亭中が激しい揺れに襲われ、続けてかん高い鳥の鳴き声のような音が響いてきた。振動に踏ん張り、あまりの大きさに全員耳を塞ぐが、アマハラのツクヨミとスサノヲは急いで飛び出していく。

 

永琳「豊姫!依姫!弾をお願い!絶対無茶をさせないで!!『分神』メンバーは後を追うわよ!!」

 

豊姫「わ、分かりました!」

 

依姫「…さぁ…行きましょう?」

 

弾「…お、おぅ…」

 

へカーティア《…なら私も残ろうかしら…》

 

永琳の指示で綿月姉妹が即座に弾の両サイドへ収まる。永琳の一番弟子であるこの二人がいるならば、弾もむやみに飛び出しては行けないだろう。

 

弾「椛!人里に戻った慧音や阿求、他のに連絡を!」

椛「…り、了解!」

 

ヘルメス《…うっし…俺もひとっ走りしますか!》

 

弾「…あぁ…そうだ。悪いけど…袿姫!早苗!ちょっと残ってくれ。話がある」

 

袿姫「…ゴッドがお望みであるならば…」

 

早苗「…?…何ですかね…」

 

鈴仙「…師匠…あの鳴き声…いったい何なんですか?」

 

綿月姉妹に連れられていく前に弾は袿姫と早苗を呼び止めた。その一方、鈴仙はあの鳴き声の主を知っているであろう永琳にその正体を尋ねた。

 

 

永琳「…あれはね……八咫烏(ヤタガラス)の鳴き声よ……」

 

 

 

 

 

 

巫女が山に立ち入ってから一年近く経とうとしていた。

博麗神社の危機も免れ、何事もなくいつも通りの暑い夏が訪れている。

 

だが、巫女は日照り続きという異常気象に悩まされていた。

 

何故か梅雨の間も、神社には殆ど雨が降らなかったのだ。

それだけではない、雨が降り続ける森、常に深い霧で見えない洋館、季節外れの雪・・・。

 

異常気象もここまで来るともう立派な異変であった。

 

異常気象の実情を把握している者は誰一人居なかった。

だが、巨視的に観察すれば誰の目にも明らかだったであろう。

常に周りが晴れ続ける者、霧雨が降り続ける者、深い霧に包まれている者・・・。

 

そう、気象現象は個人の周りだけで起こっていたのだ。

 

様々な気象現象がぶつかり合った時、本当の異常気象が始まる事になるであろう。

異常気象の正体を垣間見たその時、異変解決戦争開戦の大きな合図が大地に響いた。

 

――神社を倒壊させる程の大地震。

 

何故かその地震は、神社にいた巫女しか揺れを感じる事は無かったのだが、彼女を異変解決調査に乗り出させるには十分だった。

 

 

さらに響く巨大な鳴き声。太陽の化身たる八咫烏がその怒りを幻想郷にぶつけ始めたのだ。

 

荒れ狂う大地と怒り狂う太陽…この危機に最後の魔法が『奇跡』を呼ぶ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び永遠亭 病室

 

 

袿姫 早苗「「ええ!?私達が元凶を倒せ!?」」

 

弾「…まぁ…少なくとも八咫烏を操る奴ら…だけどな」

 

病室で袿姫と早苗は弾の言葉に驚いていた。車イスに座ったまま弾は自分が感じ取った感覚を頼りに、二人と聞きたがっている綿月姉妹&へカーティアに説明する。

 

弾「まずみんなは『八咫烏』に気をとられていたけど…俺はその前の『大地震』が鍵だ。早苗、地震と聞いて幻想郷では何を思い浮かべる?」

 

早苗「…!…まさか…天子さん!?」

 

弾「その通り。俺は早苗達が幻想郷に来た次の異変『博麗神社倒壊事件』が主で起きていると思う。八咫烏は囮だ」

 

へカーティア《…まさか…誰も気を置いてなかった所に気づくなんて……!》

 

ヘファイストス《…何という洞察力…!ディーテを越えてるよ…!》

 

ポセイドン《…タカミムスビさんを思わせる風格だな…》

 

車イスのひじ掛けに肘をついて弾がそう推理する。早苗や依姫達が驚いてる中、創界神達はあまりにもかけ離れた弾の頭脳に驚くばかりだった。

 

豊姫「…と言うことは…!」

 

弾「二人はすぐに『非想非非想天』へ向かい、地震を遠距離で起こしているであろう天子を元に戻してくれ。もしかしたらさとりもいるかもしれないな」

 

早苗「分かりました!東風谷 早苗!行って参ります!!」

 

袿姫「流石我がゴッド!必ずや良い結果を持ち帰って参りましょう!!」

 

ヘファイストス《…ちょ!待って!》

 

弾信者の二人はそそくさと飛び出して『有頂天』へ走り出していった。創界神が後を追って出ていき、病室に静かな空気が漂い始める。

 

依姫「…それにしても…この異変全体の元凶はいったい何者なのですかね?明らかに原初神以上のことを仕出かしていますが…」

 

弾「……ならそれをよーく知ってる奴に聞くか……」

 

へカーティア《…ん…それって…どゆこと?》

 

弾「…なぁ!いったいこの異変の元凶はどんな奴なんだ……?

 

 

 

 

 

……博麗 霊奈?ウカノミタマ?」

 

霊奈「…そんな大きい声を出さんでも聞こえるよ…」

 

ウカノミタマ《…この鎖を解いてくれたら考えてあげても良いわ…》

 

弾が部屋の端のベッドに問いかける。病室の端のベッドに寝ていた…はずの女性がパチリと目を開けて上半身を起こす。その隣のベッドで鎖で縛られている女性も目を向けた。

 

弾「…教えてくれないのか?」

 

霊奈「……ふん…お前を信用できないのでね」

 

ウカノミタマ《…右に同じ》

 

弾「…そうか…」

 

へカーティア《ダメじゃん》

 

さすがにこの二人を吐かせる能力を弾は持ち合わせていない。ため息をついて弾は背もたれに倒れて首を倒した。

 

弾「…まぁ良いさ。俺達は待とう」

 

豊姫「…………」

 

依姫「…………」

 

弾は呑気にベッドに寝込んで目を閉じる。綿月姉妹はお互い顔を見合わせて首を傾げた。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3つの戦場

魔法の森 上空

 

 

霊夢「…見えたわ!」

魔理沙「なんじゃありゃ!?」

 

咲夜「あれが八咫烏…!」

 

永遠亭の飛び出していった一同が目にしたのは何とも言えない光景だった。いや…情報では理解できているのだが、理性が追いついて来ないからかもしれない。

 

そこにいたのは黒い飛行機にも匹敵する大きさのカラスだった。太陽神アマテラスの使いの八咫烏だったが、意識はなく当たり構わず火炎弾を撒き散らして暴走している。

 

 

八咫烏《 キョェェェェェェェ!!!

 

ツクヨミ《…っ…!おい!八咫烏!私だ!!》

 

スサノヲ《…聞こえてねえか…》

 

カグツチ《もうこれ暴走してるよ!》

 

永琳「とにかく!周りに被害を出さないように!!相手の攻撃を打ち消す者と攻撃する者に分かれなさい!!」

 

『アマハラ』の創界神が語りかけるも八咫烏は奇声をあげて炎の撒くだけだった。永琳の声で全員は空や地面に散りぢりに解散していく。

 

レミリア「…八坂 神奈子!確か八咫烏は地霊殿の覚妖怪の所に居なかったか!?」

 

神奈子「……まさか…!誰か!八咫烏の体内を覗ける者は!?」

 

アリス「………!あなたの予想通り!この怪鳥の中に二つの生命エネルギーがあるわ!たぶん例の地獄烏よ!」

 

アルテミス《…()()…って…もうひとつは…》

 

スサノヲ《十中八九姉貴だろ!》

 

八咫烏《 ギョェェェェェェェ!!!

 

レミリアの声に魔法使いのアリスの目はその答えを返す。そんなやり取りも気にせずに八咫烏が口から炎を吹いてきた。

 

妖夢「斬っ!!」

 

映姫「はいっ!」

 

紫「…パチン!!」

 

妖夢が氷の剣で炎を切り裂き、映姫の結界が炎を弾き、紫がスキマを開いて受け流す。それでも放たれた炎の半分程度しか対象出来ず、残りが辺り一帯を燃やしていった。

 

文「…まずっ!風符『爆風大渦(ソニックブラスト)』!!」

 

永琳「水瓶座『アクエリアス・D・カッター』!!」

 

妹紅「海龍『八岐大蛇』!!」

 

燃え盛る炎を消火するため文の竜巻や永琳の水の斬擊、そして妹紅の水竜の群れが森に降り注ぐ。だがその最中にも八咫烏は炎を吐いて火の海を広げていった。

 

咲夜「…どうしよう…このままじゃあ…」

 

シヴァ《なぁ!ツクヨミ!お得意の術式でどうにかならねぇのか!?》

 

ツクヨミ《…私の陰陽術に意識のコントロールを奪取するものはあるが…!いかんせんデカさがデカさだ…!》

 

藍「…なら私もお手伝い致します!式を編むならば得意中の得意ですから!」

 

八咫烏の周りを飛び回りながら藍と体内のツクヨミは術式の計算に取りかかる。八咫烏に次々とお札が張られ、そこから膨大な数式が浮かび上がってきた。

 

藍「……はぁぁぁぁ!」

 

ツクヨミ《…ブツブツブツブツブツ…!》

 

八咫烏《 ギャェェェェェェェ!!!

 

そして藍は八咫烏の前に躍り出て、力を込め始めた。そうしている間にも火の海は広がり、その炎もまるで生きているかのように燃え盛る。

 

藍「…この幻想郷を…!灰にはさせん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 有頂天

 

 

天子「あはは!!そぉれぇぇ!!」

 

さとり「…あらあら。お空ったら張り切っているわね」

 

ここは有頂天。雲より高い山のてっぺんの草原に二人の少女が立っていた。雲間から見える八咫烏を見て、天子とさとりはニヤニヤしている。

 

早苗「着きました!」

 

袿姫「…居たぞ!奴らだ!!」

 

天子「…ふーん、案外早く来たわね!」

 

さとり「…なるほど…馬神 弾が…」

 

そこに雲を突っ切って来た早苗と袿姫が二人の前に着地する。天子は面白そうに緋想の剣を構え、さとりはサードアイから情報を読み取った。

 

 

袿姫「先手必勝だ!線形『線形造形術』!!」

 

天子「上等!剣儀『気炎万丈の剣』!!」

 

すぐさま袿姫は前方にレーザーを網型に発射して天子を取り囲む。対する天子は緋想の剣を巧みに操り、レーザーを切り落としていった。

 

天子「ほらぁ!ガキィンッ!!」

 

袿姫「くっ!何の!」

 

天子は要石を浮かべながら剣を振るう。袿姫も目にも止まらぬ速さで埴輪を造ると、彫刻刀の平刀と共に天子の攻撃を受け止めた。二人の上で注連縄を巻いた岩々と刀や槍を持った埴輪兵隊がぶつかり合う。

 

早苗「開海『海が割れる日』!!」

 

さとり「…ヒュンッ…想起『エクスパンデット・オンバシラ』!」

 

早苗がさとりの両脇を青い光線で塞ぎ、赤い光線をさとりめがけて放つ。さとりはサードアイに手をかざして早苗の記憶から神奈子のスペルカードを読み取り、赤いエネルギー柱で相殺させた。

 

早苗「…神奈子様の…!」

 

さとり「…うふふ…まだまだありますよ…?」

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭 病室

 

 

へカーティア《…っていうのが私と純狐の出会い。あの時はあの娘すんごく荒んでいたのよ》

 

弾「…へぇ~…」

 

豊姫「…知りませんでしたね…」

 

依姫「…『嫦娥』様から聞かされた話とだいぶ違いますね。ずいぶん改変されていたのですね」

 

その頃、病室の弾達はへカーティアから純狐との出会いのことを聞かされていた。綿月姉妹は月の都で聞いていた話とかなりの解離があったので『嫦娥』がいかに真実を語らなかったかが良く分かる。

 

へカーティア《…さて…!お次は弾!あなたとまゐちゃんの馴れ初めよ!》

 

豊姫「あ!私も聞きたいわ!」

 

依姫「…どんな運命的な出会いを…!?」

 

弾「…えぇ…!?」

 

ビシッとへカーティアの人差し指が弾に向けられる。綿月姉妹も座っていたイスから身を乗り出して弾に迫った。

 

サラ《…ガチャ…失礼するわ》

 

弾「…!あんたか…どうした?」

 

サラ《…ブラフマーのことよ。あなた…何か知っていない?》

 

その時病室に入ってきたのは戦いに行かなかった創界神サラスヴァティーだった。最初からつっけんどんな顔と声色で弾の前にツカツカと歩いてくる。

 

弾「…何で俺に聞く?」

 

サラ《さっきあの緑髪の巫女に指示していたことを聞いたわ。あの洞察力…ヴィシュヌやアテナを越えてるわよ》

 

弾「……さぁね?そこまで気になるなら戦場へ行ったらどうだ?」

 

車イスの弾を見下ろしながらサラスヴァティーは尋問するように尋ねる。だが弾は首の後ろに手をやって、皮肉で返す。実際サラスヴァティーが戦ってくれないことが弾達は不満だったのだ。

 

サラ《別にアイツらが死のうがどうなろうが、私はブラフマーさえ無事なら良いの。さっさと教えなさい……今の状況を考えた方が身の得よ?》

 

弾「脅迫か?ならブラフマーが死のうがどうなろうが俺には関係無いな」

 

サラ《この…!何でどいつもこいつも……!》

 

へカーティア《…珍しい…弾がここまで冷淡な対応をするなんて……》

 

サラスヴァティーの殺気立つ要求も弾の表情を崩すことはできなかった。あからさまに語気を変えて弾は軽くサラスヴァティーを突っぱねる。

 

弾「…たとえ知っていようと…あんたには教えたくないな」

 

サラ《…何ですって…!?》

 

弾「……あんた…人が怖いんだろ?腹の中で何を考えているかわからない。だから『仮面』を被り、自分自身を守ろうとしている」

 

サラ《………………》

 

弾「…もしその答えを知りたいなら……まぁここで待ってみな。すぐに答えは舞い込んでくるよ」

 

 

同じ部屋の綿月姉妹にへカーティア、そして霊奈やウカノミタマすら置いてきぼりにして弾は語る。一応弾の誘いに乗ったのか、サラスヴァティーは鋭い目のまま、空いていたイスに足を組んで座った。

 

 

サラ《…勘違いしないで。私は私の欲のために待つ》

 

弾「……ふふふ…」

 

霊奈《…!…あの目は…()()()と同じ…!?》

 

ウカノミタマ《……耳が痛いわ…私も……怖い…》

 

つり目のサラスヴァティーは弾をにらみつけてそう宣言する。そんな会話を霊奈とウカノミタマは隅のベッドで聞いていた。思うことは違うが、弾の言葉に少なからず影響を受けているようだ。

 

 

弾「…依姫、実は少し頼まれてほしいんだ」

 

依姫「へっ!?は、はい!何ですか?」

 

弾「とある神を降ろしてほしい。気になってることがあるから」

 

サラスヴァティーと話し終わると、弾はもはや部屋のインテリアと化していた依姫に声をかける。依姫がビクッと背筋を震わせて反応したら、弾が『神降ろし』をしてほしい…つまりどこかの神と話したいと頼まれた。

 

依姫「それは出来ますが……どちらの神様ですか?」

 

弾「それはな………とある魔界神さ」

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

孤立無援が誂えた造形神VS非想非非想天の娘

この小説のキャラで原作っぽくしたら、どうなるんだろう……1ボス幽々子、2ボス隠岐奈、3ボス神奈子、4ボス幽香or映姫、5ボス紫、6ボス弾さん、EX中ボス袿姫、EX永琳とか?……ボスラッシュやん…


再び 有頂天 袿姫VS天子

 

 

袿姫「行け!埴輪兵よ!」

 

埴輪兵《ザッザッザッ!!!》

 

天子「ズバンッ!ちぃ!ぞろぞろと!ズバンッ!!」

 

袿姫が土と空気中の水分で埴輪兵隊を造って進撃させる。天子は緋想の剣でどんどん埴輪兵をぶったぎって行くが、袿姫の顔は余裕を保っていた。

 

天子「あぁ~!めんどくさい!!地震『避難険路』!!」

 

ヘファイストス《…岩雪崩!!袿姫!気をつけ》

 

袿姫「…ピーンッ!造形『千間観音堂』!!」

 

『もうチマチマ斬るよりまとめて潰そう!』そう言わんばかりに天子は空に飛び上がり、袿姫と埴輪兵隊めがけて大量の要石を降らせ始めた。

 

ヘファイストスが危険を知らせているが、袿姫は目を輝かせて彫刻刀を両手に握りしめる。そして袿姫が落ちてきた要石とすれ違った瞬間……

 

 

……全ての要石が見事な仏像へと変わった!

 

天子「………はいっ!?」

 

ヘファイストス《…わぁーお…!》

 

袿姫「私は造形神であると同時に芸術家だ。これぐらいは雑作もない…いや待て…もう少し腕を上に……コンコン…」

 

天子「……は!こらっ!まだ戦いは終わってないわよ!!」

 

華麗に頭の頭巾を揺らして袿姫はどや顔で着地し、おまけに気になった所を微調整する余裕まであった。天子が「きぃ~!」と剣をブンブン振っているのを無視して袿姫は彫刻刀で気になる部分を削っている。

 

天子「ナメるな!『全人類の緋想天』!!」

 

袿姫「…コンコン…む!守れ!千間観音よ!!」

 

要石が効かないと天子は理解し、緋想の剣にさまざまな『気』を集約していく。その『気』が巨大な玉になると、天子が剣を振り下ろし、袿姫も今造った仏像達を盾にした。

 

 

ドゴォォォォォォォンッ!!!

 

 

天子「…ん…!さすがにこの爆発じゃあ立っては」

 

袿姫「『エゴイスティッククリーチャー』!!」

 

天子「ないぃぃっ!!?」

 

勝ち誇る天子の後ろから聞こえる声が響き、天子の右手の剣に土がへばりつく。これでは土が緋想の剣の刃にこびりついて気質を操作できない。

 

袿姫「イエス!なかなかいい感じだぞ!タイトルは…『忘れ去られた名刀』」

 

天子「…ブンブン!ああ!もう!ならバトスピよ!」

 

袿姫「それは願ってもないこと!」

 

袿姫が楽しそうに指で四角を作り、土にまみれた緋想の剣に題名をつける。いくら振っても土がとれないので、天子は剣を投げ捨ててデッキを構えた。

 

袿姫 天子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

袿姫「…よし…メインステップ!まずはマジック!ストロングドローを使用!三枚ドローして二枚棄てる!そしてバーストをセット!」

 

バトルが始まり、袿姫は青の定番マジックで良いカードを引きにいく。

 

袿姫「ターンエンド」

 

天子「…いい引き!メインステップ!砂海武王ビャッコウラーを召喚!バーストを伏せてビャッコウラーでアタックよ!一枚ドローして破棄!」

 

天子のフィールドにファインディングポーズをした白虎の獣人が召喚される。そして走り出したビャッコウラーの効果で天子は手札のガルガンドの城門を破棄したので、ビャッコウラーは回復した。

 

袿姫「…手札が増えたな!バースト発動!ディアマント・ゴレムのバースト効果!デッキを四枚めくって創界神と『造兵』カードを一枚ずつ手札に加える!」

 

だが袿姫はバーストをぶっぱなしてさらにデッキをオープンさせる。めくられたのはゴッドシーカー アクアオーラ・ゴレム、創界神ヘファイストス、神変形ハンマー・アームズ、そしてマグマパワー。

 

袿姫「ヘファイストスとハンマー・アームズを回収!その後ディアマント・ゴレムを召喚だ!ビャッコウラーのアタックはライフで受ける!」

 

袿姫はバシッと二枚を手札に入れ、両肩に輪をつけたダイアモンドのゴーレムを召喚する。だがBPが足りなかったので、ビャッコウラーのアタックはライフで受けた。

 

天子「…むむ…ターンエンドよ」

 

袿姫「メインステップ!勝利を造る鍛冶の神!創界神ヘファイストスを配置!配置時の神託で二個コアを増やす!さらにアマゾナイト・ゴレムを召喚する!」

 

ヘファイストス《さらにハンマー・アームズを僕にダイレクト合体!》

 

袿姫は引いたヘファイストスを配置し、続けて青い鉱石のゴーレムが召喚される。さらに召喚されたハンマーが変形してヘファイストスの鎧に合体した。

 

袿姫「…まだか…ターンエンドだ」

 

天子「…来ないの?ならどんどん行くわよ!メインステップ!ぶっ壊せ!創界神セトを配置!神託を使ってコア二個をセトへ!さらに砂海王グリセティ1世を召喚よ!」

 

セト《…………》

 

一撃で決める『造兵』のパーツがまだ揃っていないのか、袿姫がターンを天子に返す。そのまま天子はセトと青いクマの獣人を呼び出し、攻撃態勢に入った。

 

天子「アタックステップ!もう一発噛ましてきなさい!ビャッコウラー!一枚ドローしてコスト4以上の砂海将軍ラァイードを棄てたから、回復するわ!」

 

袿姫「再びライフで受けよう!」

 

もう一度ビャッコウラーが拳を鳴らして袿姫に殴りかかる。硬いビャッコウラーのパンチが袿姫の二つ目のライフを砕いた。

 

天子「へへーん!次のターンで仕留めるわ!ターンエンド!」

 

袿姫「…行けるか…?メインステップ。白き鉱石の魔神!蒼白造兵アゼツライト・ゴレムを召喚!さらに手札から神鎚メテオフォージをアゼツライト・ゴレムへ!」

 

ヘファイストス《これと僕の神技で打点は足りそうだね》

 

袿姫のフィールドが隆起して巨大な岩山がそびえ立つ。その中から大理石に蒼い鎧を着たゴーレムが現れ、ヘファイストスのハンマーを握って力を解放した。

 

袿姫「アタックステップ!行け!合体スピリット!アゼツライト・ゴレムの効果!相手のデッキを二枚オープンさせ、スピリット/アルティメットカードがあったらライフを一つ砕く!」

 

アゼツライト・ゴレムがメテオフォージを地面に叩きつけ、その衝撃波で天子のデッキを二枚露にさせる。その内一枚は砂海帝王セトナック3世…!

 

袿姫「よってライフを一つ破壊する!」

 

天子「おおっと…バースト発動よ!海賊王レヴィアダン!このターンは効果の記述があるスピリットのアタックじゃあ私のライフは減らない!!」

 

アゼツライト・ゴレムが蒼いエネルギー球を生成し、天子のライフに投げつける。天子もバーストを使って召喚されたレヴィアダンが展開したバリアがアゼツライト・ゴレムのメインアタックを弾き返してしまった。

 

袿姫「くっ…!ターンエンド…!」

 

天子「メインステップ!打ち壊しなさい!砕きなさい!砂海嵐神タイフォーム!!グリセティ1世を疲労させてコストを3軽減して召喚よ!!」

 

セトがフィールドを砕き、舞い上がった砂ぼこりの中からタイフォームが鎌を振り回して現れる。天子が『このターンで決める』と宣言した辺り、かなり自信があるようだ。

 

天子「アタックステップ!ぶっ潰しなさい!タイフォーム!まずは相手のデッキをグリセティの効果も含めて五枚トラッシュへ!コスト3/6のカードがあれば回復するわ!」

 

タイフォームが土埃をたてて走りだし、袿姫のデッキを五枚吹き飛ばす。その中にコスト3のストロングドローがあったので、タイフォームは回復した。

 

袿姫「…まずい…私のデッキにコスト3は相当入ってるぞ…」

 

天子「さらにコスト3のアマゾナイト・ゴレムを破壊してセトのコアをタイフォームへ!これでアタックステップは終わらせない!」

 

袿姫「…フラッシュタイミング!ヘファイストスの神技を使う!アゼツライト・ゴレムを回復させ、タイフォームを迎え撃て!!」

 

タイフォームがアマゾナイト・ゴレムを踏み潰し、回復したアゼツライト・ゴレムに突っ込む。だがタイフォームのBPは21000、アゼツライト・ゴレムはBP15000…圧倒的にBPはタイフォームが上だった。

 

天子「はんっ!悪あがきかしら!?」

 

袿姫「いや!ここから勝つ!フラッシュタイミング!ディアマント・ゴレムへ煌臨!破壊龍皇ジークフリード・ルドラ!!煌臨時効果で相手のスピリット/アルティメットからコア三個ずつをリザーブへ送る!!」

 

天子「……紫の…龍皇!?」

 

袿姫の手札から放たれた紫の光がディアマント・ゴレムに当たり、その姿が紫色のジークフリードへと変わる。そしてルドラは手に持った槍を突きだして天子のアルティメット達のコアを吹き飛ばした。

 

袿姫「これでタイフォームのBPは12000!破壊せよ!アゼツライト・ゴレム!!」

 

向かってきたタイフォームをアゼツライト・ゴレムはもう一度手に蒼いエネルギー球を作り、メテオフォージを大きく構える。そして球を真上へ放り投げると、メテオフォージでおもいっきり打ち飛ばした。

 

タイフォームは急ブレーキをかけて鎌でその球を防ごうとするが、火力に負けて破壊されてしまった。しかも天子のフィールドにはスピリットもアルティメットも居なかった。

 

天子「…ターン…エンド…」

 

袿姫「メインステップ!マグマを弾く蒼き鋼!星をも砕くその一撃!蒼造炉神ヴァルカン・ゴレム!!レベル2で召喚!おまけに深淵の巨剣アビス・アポカリプスを合体だ!」

 

ヘファイストス《さぁ!今度はこっちがぶっ壊す番だ!》

 

ヘファイストスがハンマーで地面を砕き、噴き出したマグマからヴァルカン・ゴレムを召喚する。その後フィールドの一角が海へと変わり、飛び出してきた青い巨剣をヴァルカン・ゴレムを右手で捕まえた。

 

袿姫「アタックステップ!止めだ!ヴァルカン・ゴレム!!界放の効果で相手のデッキを四枚オープン!その中のスピリット/アルティメット一枚につき、青シンボルを増やす!」

 

ヘファイストス《アゼツライト・ゴレムの効果も使ってさらに二枚オープンだ!》

 

ヴァルカン・ゴレムとアゼツライト・ゴレムの青い衝撃波が天子のデッキを一気に弾き飛ばす。弾かれた六枚にブレイヴ/マジック/ネクサスカードは……0だった。

 

袿姫「これでライフを一つ貰う!そしてヴァルカン・ゴレムは6シンボルだ!どう受ける!?」

 

ヘファイストス《アビス・アポカリプスの効果で君は青マジックしか使えないよ!》

 

天子「……終わり……?」

 

天子が呑気な声をあげた瞬間、ヴァルカン・ゴレムがアビス・アポカリプスを天子のライフに突き立てた!!

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

姉弟ゲンカ(神話級)

活動報告にも書きましたが、次の更新日は4月1日になります。自分の文才の無さを呪います…!大まかな流れはあるのに…!それをすぐ文にできない…!


魔法の森 VS八咫烏

 

 

八咫烏《 ギャォォォォォォ!!!

 

咲夜「…カッ!また来るわよ!」

 

フラン「おりゃぁぁ!!」

 

神奈子「でぁぁぁ!!」

 

魔理沙「うぉりゃぁぁぁ!!」

 

八咫烏の雄叫びが吹き荒れる炎をまるで龍の群れの如く浴びせてくる。その未来を予知した咲夜が危険を知らせると、火力のあるフランのレーヴァテイン、神奈子のランパートブレイカー、魔理沙のミニ八卦炉からのマスタースパークが炎の龍を迎撃した。

 

八咫烏《 ビャァァァァァァ!!!

 

幽々子「…っ…!何…この炎…!?」

 

映姫「まるで意思を持っているかのように動きますね…!」

 

霊夢「ほらっ!また来たわ!!」

 

八咫烏が操る炎柱がもう一度霊夢達に襲いかかる。大振り過ぎることもありその攻撃は霊夢達に当たることはない…しかし下の森に炎が直撃し、次々と燃え広がっていく。

 

輝夜「…消火が間に合わない…!!」

 

鈴仙「…!師匠…!どうしましょう!?」

 

永琳「……紫!」

 

紫「…マジメな話なら聞いてあげる!」

 

どんどん八咫烏の炎が燃え広がり、鈴仙や妖夢達でもきりがなくなってきた。しかも八咫烏の攻撃をかわしてしまうと地面に炎を灯してしまうので、全員防戦一方になるしかない。

 

そんな中、永琳は近くに後退してきた紫に話しかける。

 

 

永琳「あなた、結界術は得意でしょう?」

 

紫「…!…()()()が合わせるなら良いわよ」

 

永琳「…ふふっ…えぇ!もちろん!」

 

永琳 紫「「秘奥義『天文密葬結界』!!」」

 

 

永琳が矢を空へ向けて放ち、紫が手から妖力を迸らせる。そしてその二つが空で一つになると、八咫烏を中心として辺りの森に透明なカーテンのような膜が降りた。

 

これなら炎がさらに燃え広がることもなく、攻撃に集中できる。

 

紫「今よ!」

 

隠岐奈「…少し身に堪えるが…!秘儀『絶対秘神の威厳』!!」

 

鈴仙『維持『武主怒無羅素多阿(ヴィシュヌブラスター)!!』

 

紫の声に呼応して隠岐奈が八咫烏の周りの重力を増幅させて地面に落とす。そして鈴仙の氷の一撃が八咫烏の足を凍りつかせ、動きを封じ込めた。

 

妹紅「よっしゃ!炎符『豪炎大剣(フレアソード)』!」

 

輝夜「シャイニングクラッシュ!!」

 

飛べない八咫烏めがけて妹紅がアラナミに炎を、仮面ライダーアギトの二刀最強武器『シャイニングカリバー』に光を纏わせて両翼に斬りかかる。炎の一刀と光の二刀が八咫烏をクロスするようにぶったぎった。

 

八咫烏《 ギャァァァァァァ!!!

 

文「あやや…風符『幻舞連爪(カゲロウ)』!!」

 

咲夜「幻世『ザ・ワールド』!!」

 

幽々子「桜符『西行桜吹雪』!!」

 

地面を揺るがほど八咫烏が絶叫をしている間、風になった文がホル=エッジで何度も八咫烏の身体を切り裂いていく。さらに咲夜のナイフと幽々子の桜吹雪弾幕が雨あられと降り注いだ。

 

神奈子「神符『天地鳴動』」

 

幽香「草符『緑振棘鞭(ソーンウィップ)』!!」

 

ダメ押しと神奈子がランパートブレイカーに地震のエネルギーを貯め、八咫烏の脳天に叩きつける。怯んだ八咫烏に地面からはえてきた蔦が頬をビンタして転倒させた。

 

八咫烏《 ギョェェェェェェ!!!

 

霊夢「…落ちた!」

 

魔理沙「よしきた!アリス!合わせろ!」

 

アリス「ハイハイ……はぁぁぁ!!」

 

豪華な巫女服にバチバチと電気を通しながら霊夢はお祓い棒を構える。それに続いて銀色の魔法使いの魔理沙と魔界神モードのアリスが霊夢の両脇に立った。

 

霊夢「星符『雷星封印』!!」

 

魔理沙「星符『グランスパーク』!!」

 

アリス「『グランギニョル座の魔界神』!!」

 

猛烈なラッシュに八咫烏も少し身体をふらつかせる。そこへ霊夢の雷の夢想封印、魔理沙のマスタースパーク、アリスの超強化された人形の群れが八咫烏の胸部をえぐった。

 

ツクヨミ《…!藍!今だ!!》

 

藍「…はい!」

 

陰陽術を組み終えた藍はツクヨミの声に駆られ、霊夢達がえぐった八咫烏の胸元に走り出す。走りながら藍はツクヨミの小太刀を手に陰陽札を詠唱し始めた。

 

藍 ツクヨミ「《『無限回廊結界』!!急急如律令!!》」

 

八咫烏《 キョェェェ!!………》

 

藍がツクヨミとそう叫んで術がかけられた小太刀を八咫烏めがけて突き刺す。その直後八咫烏を青白い光が包み込み、暴走が一時的にだが収まった。

 

ツクヨミ《…!来た…!今のうちに!》

 

藍「了解!ゲートオープン!!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「……霊烏地 空…!」

 

お空「…………………」

 

不思議な空間…藍とツクヨミが生み出した精神空間にお空の精神を引きずり込んだのだ。そんな世界のバトルフィールドで藍とお空は向かい合う。

 

お空「…メインステップ…ゴッドシーカー 機巧巫女サルメを召喚。召喚時効果でデッキを四枚オープン…」

 

虚ろな目でお空は機会の巫女を召喚してデッキをサーチする。めくられたのはアマテラスの太陽神殿、機巧武者サイウン、創界神アマテラス、そして防性・天照機巧フトダマ。

 

お空「…創界神アマテラスとフトダマを手札に…ターンエンド…」

 

藍「…アマテラスか…メインステップ!ちょうちんゴースト、十式戦鬼・断蔵、そしてゴッドシーカー おんみょ~フーリンを召喚!三枚めくるぞ!」

 

藍のフィールドにちょうちんの妖怪、鎖に鉄錘をつけた式神、陰陽師のフーリンが立て続けに召喚される。さらにフーリンの召喚時効果は藍のデッキから、十王シンコウ、創界神ツクヨミ、鎧魂をめくった。

 

藍「創界神ツクヨミとシンコウを回収!そのまま創界神ツクヨミを配置!神託でコアを三個ツクヨミへ!」

 

ツクヨミ《…姉上…!》

 

藍はおんみょ~フーリンとツクヨミで一気にトラッシュを肥やす。『妖戒魔影』お得意の速攻は良い感じにはまっていた。

 

藍「アタックステップ!行け!ちょうちんゴースト!」

 

お空「…ライフで受ける…」

 

ちょうちんゴーストがフヨフヨと漂いながらお空のライフに突進し、ライフを一つ砕いた。

 

藍「続けて断蔵でアタック!」

 

お空「…ライフ…」

 

さらに断蔵が鎖を振り回してお空のライフをもう一つ破壊していった。

 

藍「ターンエンドだ」

 

お空「……メインステップ…バーストを張って創界神アマテラスを配置。神託の効果で二個増やす…さらに攻性・天照機巧タジカラオ、防性・天照機巧フトダマを召喚…!」

 

アマテラス《…………カッ…》

 

 

ズズンッッッッ!!!

 

 

お空は機械的にステップを進め、背後に後光の指したアマテラスを配置する。さらに剣と薙刀の機巧兵達がお空を守る盾として立ちふさがったその時、バトルフィールドを大きな衝撃が襲った。

 

藍「…っっ!!?今の衝撃波は…!?」

 

ツクヨミ《姉上の力だ!姉上は一対一(タイマン)なら無敵とされるほど神力が高い!その余波だ!》

 

藍「…さすがは最古の創界神勢力の主神…!」

 

お空「…フトダマをレベル2へ。アタックステップ…!タジカラオでアタック。ボイドからコア一個をタジカラオへ置き、ソウルコアの力で断蔵を手札に戻す」

 

藍がアマテラスの力を再認識していると、アタックしてきたタジカラオが刀で断蔵を斬り捨てて消滅させていた。おまけにフトダマの効果で『機巧』スピリットは全て『重装甲:紫』持ちである。

 

藍「…おんみょ~フーリンでブロック!妖戒を持つおんみょ~フーリンが破壊されたので、手札より召喚!闇夜に光る三日月の刀!魂を斬れ!月魄鬼神スメラギンガ!!」

 

ツクヨミ《…ブツブツブツ…急急如律令!!》

 

タジカラオの刀の一振りがおんみょ~フーリンを切り裂くが、それをトリガーにツクヨミが投げた刀にお札がまとわりつく。そして巨大な鎧武者が刀をキャッチして現れた。

 

お空「…ターンエンド…」

 

ツクヨミ《…藍、フトダマは紫の装甲をばらまく疲労ブロッカーだ。かなり厳しくなったぞ…!》

 

藍「…メインステップ!バーストをセット!十王シンコウを召喚してデッキを一枚オープンする!それが紫/黄のカードなら手札へ」

 

藍は剣に中華風の服を着た十王を召喚してデッキをめくる。それは十王ショコウだったので手札には入るが、BPマイナス効果は不発となった。

 

藍「アタックステップ!スメラギンガでアタックだ!天界放!創界神ツクヨミのコアを二個置いてブロックされなくなる!」

 

ツクヨミ《…本当に『重装甲:紫』が厄介だ…!》

 

スメラギンガが刀を抜いて動き出す。ツクヨミのエネルギーを吸収して放った斬撃はフトダマが展開したバリアに阻まれてしまった。

 

だがアンブロッカブル効果は発動したので、藍もツクヨミも手札のカードを使えば決められる……そう計算していた。

 

お空「……バースト発動。一切を遮る銀の壁…!召喚、天照神機オオヒルメ!!そして天界放を使用。創界神アマテラスのコア二個をオオヒルメに置き、このバトル終了後にアタックステップを終わらせる」

 

藍「バーストから…化神!?だがスメラギンガはブロックできない!ライフに通れば…」

 

お空「…さらに創界神アマテラスのレベル1神域。コアを三個ボイドへ置くことで、ライフは減らない」

 

アマテラスの身体が白く輝くと、豪華な裳型になった光が空へ昇る。そして白い裳が機械のように動き出し、頭に太陽の王冠、肩に砲台を背負った機巧スピリットがフィールドに降り立った。

 

スメラギンガは現れたオオヒルメをスルーしてお空のライフに刀を突き立てるが、アマテラスが懐から取り出した『八咫鏡』がその一撃を弾き返した。

 

藍「…むぅ…ターンエン」

 

お空「…オオヒルメの効果。フィールドに赤シンボルがあるので、BP20000以下のスピリットを一体破壊。スメラギンガを指定」

 

悔しそうに藍がターンを終えようとするも、今度は赤く光ったオオヒルメが両肩の砲台からビームを放つ。二本の光線はスメラギンガの胸を貫き、破壊していった。

 

藍「な…!?」

 

お空「メインステップ。機巧魔神を召喚してオオヒルメに左合体…フトダマに右合体…!」

 

お空は機巧の異魔神をオオヒルメとフトダマに合体させる。これでオオヒルメは『超装甲:紫、黄』を得ることになった。

 

お空「アタックステップ…オオヒルメでアタック…!ちょうちんゴーストを手札へ…!」

 

藍「ライフで受ける!バーストを貰う!妖華吸血爪!二枚ドロー!」

 

オオヒルメが頭の太陽からビームを発射して藍のライフを二つ撃ち抜く。藍もバーストで少なくなった手札を補充した。

 

お空「…フトダマでアタック…!一枚ドローして…シンコウを破壊…!」

 

藍「…シンボルが二つのフトダマがアタックしたので、トラッシュの十式戦鬼・裏武蔵を2コストで召喚する!」

 

お空はフトダマで追撃するが、藍はトラッシュからゾンビと化した二刀流の武蔵を召喚する。裏武蔵の召喚時効果は全て不発だったが、藍の目的はそこではない。

 

藍「フラッシュタイミング!裏武蔵へ煌臨!十王統べる輪廻転生の王!転輪十王ゴドウ!!煌臨時効果で相手のスピリットをマイナス1000!これを十回発揮する!」

 

ツクヨミ《サルメに三回!フトダマに七回発動!ゴドウ!フトダマを防御せよ!》

 

裏武蔵が黄色い光に包まれ、服装が武士から中華風の導師服を着た人形スピリットへと変わる。そして手を合わせて念じると、サルメとフトダマが苦しみだし、サルメはそのまま倒れて破壊された。

 

その後、ゴドウは向かって来たフトダマの薙刀を念動力で受け止める。そのままゴドウは後ろに跳ね返し、フトダマはフィールドの縁に激突して爆発した。

 

お空「…ターンエンド…」

 

藍「メインステップ!陰陽ノ札を創界神ツクヨミにダイレクト合体!アタックステップ!ゴドウでアタック!」

 

ツクヨミ《ゴドウのフラッシュ効果!こい!我が黄色の化神!妖戒帝エンオウ!天界放!タジカラオのブロックを封じる!》

 

ツクヨミがひときわ強い魔力を発するお札を構えてエンオウを呼び出す。ツクヨミの胸の鏡から飛び出したエンオウは剣を振るってタジカラオに膝をつかせた。

 

お空「…ライフで受ける…」

 

ゴドウが再び念動力でお空のライフを一つ砕いていく。

 

藍「続けてエンオウ!アタックだ!フラッシュタイミング!陰陽ノ札のネクサス合体時効果!破壊されたスメラギンガ!再び戻れ!!」

 

お空「…ライフ…!」

 

エンオウがブロックできないタジカラオと疲労しているオオヒルメをくぐり抜け、剣をライフに刺す。さらにツクヨミが札を構えて呪文を唱えると、再び無数のお札が集まってスメラギンガが復活した。

 

藍「決めろ!スメラギンガ!!」

 

お空「……!!」

 

アマテラス《…ぁ…!ぅぅ…!!》

 

スメラギンガが刀に紫色のエネルギーを纏わせておもいっきり振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

吹き荒れる奇跡

…I'll be back!


有頂天 早苗VSさとり

 

さとり「想起『アポロ反射鏡』!」

 

早苗「…おおっと…!変なTシャツヤローのより簡単です!」

 

まだ袿姫が天子とバトルしている時…早苗はさとりが繰り出す想起スペルを攻略していた。へカーティアのスペルのレーザーが四方八方から襲いかかるが、早苗にとってはかわしやすいスペルだったようだ。

 

さとり「…む…想起『烏合の呪』!」

 

早苗「ゲゲッ!あの人のスペルは苦手なんですよ~!蛙符『手管の蝦蟇』!!」

 

次にさとりが使用したのはサグメのスペル。大量の陰陽球が早苗めがけて突っ込んでくると、早苗の蛙型エネルギー弾がそれを迎撃にかかる。

 

早苗「…ズザザ!」

 

さとり「…まだですか…想起『17条のレーザー』!!」

 

早苗「…あらよっと…!!秘術『グレイソーマタージ』!!」

 

さとりから黄色のレーザーが放たれるが、早苗は星形弾幕で防いだり、身をよじってかわしたりしていく。こんな下りが何回も続いていた。

 

その均衡が崩れたのは早苗が何気なく言いはなった一言からだった。

 

早苗「…ふぅ…なるほど!やはりあなた!ただ者じゃありませんね!いつものさとりさんはこれ程他人のスペルを真似できません!」

 

何度目かの想起スペルを対処した早苗はそう叫ぶ。彼女としては『いつもより強いな!』の意味だけで言ったのだが……

 

さとり?《 …へぇ…仮にも神の端くれなことはある。私の正体を見破るとは

 

早苗「……へ…?」

 

ポセイドン《…!これは…!まさか原初神か…!!》

 

何時もの気だるげな口調ではなく、好青年のような口調でさとりは感心している。暫しフリーズしていた早苗だったが、体内のポセイドンの声でハッと我に返る。

 

早苗「ふ、ふふん~!やはりそうでしたか!名を名乗れ~!」

 

さとり?《 ふむ…私はヒュペリオン。太陽を司る正式な神だ

 

ポセイドン《…ヒュペリオン…!…何が正式な神だ!クロノスと共謀して圧政を強いていたではないか!》

 

そう言ってさとり…ヒュペリオンは腕を組んで何もない空中に座る。ポセイドンの指摘にもどこ吹く風と言わんばかりにため息をつくだけだった。

 

ヒュペリオン《 ……ハァー…ずいぶんな言われようだな。東風谷 早苗、改めて…なぜお前は我らに歯向かう?

 

早苗「そんなの決まってます!あなた達が幻想郷の時間を戻し!この世界を思うがままにしようとしているからです!」

 

ヒュペリオン《 ……まぁ…否定はしない。だがそれだと……

 

 

……馬神 弾は死ぬぞ?

 

早苗「……は…?」

 

ポセイドン《聞くな!我輩達を誑かそうとしているだけだ!》

 

ヒュペリオンが足を組んで不適に笑うと早苗にそう言葉をかける。ポセイドンはヒュペリオンの呟きを無視したが、早苗は『馬神 弾』という単語に引っ掛かってしまった。

 

早苗「…どういうですか…!弾様が…死ぬ…!?」

 

ヒュペリオン《 …そもそもお前は『分神』というもののプロセスを理解していない。『分神』は馬神 弾の神力を削って他人を強化する。つまりお前達が戦えば戦うほど、アイツの命は削られていく

 

早苗「…………!」

 

ヒュペリオン《 ……分かったか?アイツを救うには……我らにつく以外無いのだ!!ふんっ!!

 

ポセイドン《…危ない!》

 

早苗「…っぁ!!!」

 

ヒュペリオンの言葉に激しく動揺してしまった早苗は大きな隙を見せてしまう。そこへヒュペリオンが手から大きな火炎弾を放ち、反応が遅れた早苗はそのまま後ろへ転がった。

 

ヒュペリオンf()o()n()t():()1()4()9()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()/()f()o()n()t()

 

早苗「…ハァ…ハァ…!き、奇跡『神の風』…!!」

 

服のあちらこちらが焦げついた早苗の風と再び手から放たれたヒュペリオンの炎がぶつかるが、傷ついた早苗の風は弾かれてしまう。

 

早苗「…ぁ…!!」

 

ヒュペリオン《 ……じゃあな…!!

 

地面に倒れ込んだ早苗にヒュペリオンがトドメの炎の一撃を放つ。火炎弾が動けない早苗へ命中した……

 

 

 

 

 

 

 

《まずはスタートステップからだ。そしてドローステップ、リフレッシュステップ……》

 

 

あの人と初めて出会ったのは私が小学生の頃。両親が事故で亡くなり、塞ぎこんでいた私を引き取った親戚は楽しませたかったのだろう…私をとあるイベントへ連れ出した。

 

周りには同年代の男の子が多かったけど、私はそのカードに不思議な魅力を感じていた。

 

《…あの…私にも…教えてください……》

 

《…ん?いいよ!まずこのカードは……》

 

それから私の生活は格段に良くなった…別に新しい収入があったとかではない…ただ悲しむ日々から楽しむ日々へと変わったのだ。神奈子様や諏訪子様もすごく喜んでくれた。

 

早苗《行ってきま~す!》

 

神奈子《…んん…早苗…まぁた彼のイベントにかい?》

 

諏訪子《良いじゃん。彼は早苗にとってのヒーローなんだから》

 

神奈子《…むぅ…》

 

諏訪子《…それより信仰の減少を考えよう。このままじゃあ消滅しちゃうよ》

 

中学高校生になっても私は彼の追っかけを辞めなかった。変な噂もあの時の私には関係なかった。でも……

 

 

…『馬神 弾死亡説』は私をまた悲しみの日々へ引き戻した。

 

 

初めて聞いたときは信じなかった。あのお方が死ぬわけない!全てデマだ!…そう思いたかった。でも実際『西暦2010年8月30日』以降、彼の目撃情報は一つもない……

 

 

…あぁ…本当なんだ……本当に…死んでしまったんだ……

 

 

それからまた塞ぎ込んでいた私に神奈子様と諏訪子様は驚きの提案を持ちかけてきた。

 

早苗《…異世界に…!引っ越す!?》

 

神奈子《あぁ、この世界ではもう信仰が足りなくて存在を維持できない。だから私と諏訪子はこの神社ごと『幻想郷』という世界へ移ることにした》

 

諏訪子《…でも早苗。あなたが私達についてくる必要はないよ。あなたにだって今の生活を捨てる訳には…》

 

その提案は私の心の奥底を強く揺さぶった。また私の前からいなくなってしまうのか?どうせあのお方のいない世界に未練などない…諏訪子様の言葉を遮って私は答えた。

 

早苗《行きます!異世界へ!!》

 

 

 

 

そんな訳で私は幻想郷へ引っ越して来た。慣れるまでは大変だったけど、霊夢さんや魔理沙さん達と仲良くなってからは楽しい日々が戻ってきた。

 

 

そして…あの日がやって来た。

 

神奈子《早苗!!早苗どこ行った!!!?》

 

早苗《何ですかぁ~?朝から騒いで…》

 

諏訪子《これ!これ見て!!》

 

その日は疲れていたこともあって遅めの起床だった。でも神奈子様と諏訪子様は慌てた様子で私に『文々。新聞』を押しつけてきた。

 

早苗《…また文さんが変な記事を書いたんですか?索道がうんたらかんたら…》

 

神奈子 諏訪子《 《とにかく見て!!》》

 

早苗《…はぁ…チラッ………………へ…?》

 

二人から押しつけられた新聞…そこに載っていたのは…あのお方の名前だった。

 

それから幻想郷中を飛び回り、誤解を解いて彼を探し回った。その時は会えなかったけど、定例会でとうとうお会いできた。

 

その後知った真実…彼が経験した異世界での戦い、無理解と絶望、そして自己犠牲。順風満帆とは決して言えない人生に私は驚いた。

 

早苗《…弾様…なぜそこまでして戦うことができるのですか…?》

 

弾《ん…なんでだろ…?それが日常だったからなぁ…》

 

早苗《…もし…死の危機にさらされても…?》

 

ある日、思いきって彼に聞いてみた。彼は頭をかきながら不器用に笑う。

 

弾《…でもこれだけは言っておく。俺は死なないぜ?だから俺の安否は二の次で良いよ》

 

早苗《……………》

 

ニヤリと怪しげに微笑む彼はまさに『神』や『王』を思わせる風格でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「…弾様…!あの時仰りましたよね…!『死なない』と!そのお言葉を信じます!!奇跡よ!起これぇぇぇぇ!!

 

 

ドゴォォォォォンッ!!!!

 

ヒュペリオン《 ………他愛もない……む!?

 

火炎弾が早苗に直撃した瞬間、早苗は膨大な神力を放出して炎をは相殺する。早苗の姿は創界神ポセイドンのような鎧に包まれており、ヒュペリオンの炎は鎧に弾かれていた。

 

早苗「…水符『龍河鞭攻(フラッドストラップ)』!!」

 

ヒュペリオン《 ……うぐぅ!?

 

青いポセイドンの籠手から早苗は水を吹き出させてヒュペリオンを縛り上げる。そしてヒュペリオンを持ち上げ何度も地面に叩きつけた。

 

早苗「うほぉ~!スゴイスゴイ!お次は…カモンッ!神話ブレイヴ!」

 

ポセイドン《…へい!お待ち!》

 

やっぱりこういうガチガチしたものが好きなのか、早苗のテンションは上がりに上がっている。そんな早苗にポセイドンもノリを合わせて『神海三叉槍トリアイナ・ギガ』を出現させた。

 

早苗「かぁ~!良いっ!一度持ってみたかったんですよねぇ~!!」

 

ポセイドン《…早苗!前見ろ!前!》

 

ヒュペリオン《 崩符『大噴火』!!

 

早苗「…む!水符『噴龍水槍(アクアジャベリン)』!!」

 

カッコいい三ツ又の槍に興奮する早苗へヒュペリオンの火山弾が襲いかかる。だが早苗がトリアイナ・ギガを地面に突き刺すと、噴き出した水流が槍の如く伸びて火山弾を砕いていく。

 

早苗「いっけぇぇぇぇ!!!」

 

ヒュペリオン《 ごふっ!?

 

早苗がさらにトリアイナ・ギガに力を込め、噴き出す水流の槍の勢いが増す。早苗の水槍はそのまま火山弾を砕き、ヒュペリオンの身体を貫いた。

 

早苗「…さて…これ以上さとりさんの身体を傷つける訳にもいきませんね…」

 

ヒュペリオン《 …ふんっ…!…やってみろ…!

 

早苗 ヒュペリオン「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

『分神』早苗さんは『創界神ポセイドンの鎧』を纏います。でもフル装備というわけではなく、籠手やすね当て、胸当てぐらいの武装です。あまりガッチガチの装甲は東方キャラに似合いませんし


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

帰って来た彼女

ゴッドブレイクやら、オリンのパストやらどんどん情報が発表されてますが……デメテール…!ようやく来たよ…でもこの小説ではバトルできなさそう…


その頃 永遠亭 弾サイドでは…

 

弾「…で…俺は神々の砲台の引き金に」

 

へカーティア《…ふーん…つまり女の一世一代の大博打『告白』をオッケーしたにも関わらず、死にに行ったあげく他の女を侍らせてるのね》

 

弾「そ、そういうことじゃあ」

 

豊姫「……ジトッ……」

 

依姫「……ジィー………」

 

弾「二人も何か言ってくれよ……」

 

へカーティア達にせがまれて弾はまゐとの出会いから神々の砲台のことまで話した。だが三人から返ってきたのはまるでゴミを見るかのような視線だった。

 

本来は病室で労られるはずの弾だったが、ものすごく居心地悪い雰囲気を味わっている。

 

サラ《…なぁーんだ、案外ゲス野郎なのね…》

 

弾「…あはは…否定できないな…」

 

へカーティア《…でもそんな優しいところに…まゐちゃん達は惚れたのよん?》

 

サラ《ブラフマーはそんな無責任なことしないもの》

 

弾のベッドの真正面…誰もいない空きベッドに腰かけていたサラスヴァティーはつっけんどんな口調のまま弾をなじる。そんな会話を続けていると、反対側から声がかかった。

 

霊奈「…おい…お前は世界のために自分を犠牲にしたのか…?」

 

弾「…『世界のために』って…カッコいい感じじゃないけどな」

 

霊奈「………」

 

のっそりとベッドから起き上がり、弾のベッドの方へ歩いてきた女性…博麗 霊奈はじっと弾の紅色の瞳を覗いている。その表情に親しみは無くとも、先程までの嫌悪感は感じられない。

 

弾「…あんただって…幻想郷の人間のため……愛娘のため戦っていたじゃないか?」

 

霊奈「……だが何も守れなかった…外道に堕ちても自分の義娘一人守れない親が何を誇れる…」

 

弾「…なら…あとは()()()で聞くよ……っっ!」

 

自嘲気味に笑う霊奈を弾は相談室(バトルフィールド)に行こうと立ち上がろうとする。しかし思ったより神力の消費が激しく、まだ足取りがおぼつかなかった。

 

依姫「…弾様、まだお身体が万全でないご様子。ここは私がお相手しましょう」

 

弾「…仕方ないか…なら俺のカードも使ってくれ」

 

へカーティア《…弾…あなたある意味病気なんじゃ…?》

 

依姫はへカーティアを降ろしながら弾をベッドへ優しく戻し、霊奈に向き合う。霊奈もデッキを構えてバトルの準備は万端だ。

 

ウカノミタマ《…ちょっと。私もソイツに興味があるのよ》

 

豊姫「…どうします?」

 

弾「良いんじゃないか?もし暴れてもこっちには万全の創界神がいるしな」

 

サラ《…チラッ…》

 

別のベッドからもウカノミタマが鎖をじゃらじゃら鳴らして頼む。弾はサラスヴァティーの同席を理由にバトルさせることに賛成した。

 

霊奈「…今回だけだぞ…」

 

ウカノミタマ《ハイハイ》

 

依姫 霊奈「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依姫「先行、貰います。メインステップ!三つの世界繋げる女神!創界神リリアを配置!神託でコアを二個創界神リリアへ!」

 

リリア《うーし!》

 

依姫先行で始まったバトル。最初からリリアを呼び出して依姫は下地を作る。

 

依姫「さらに天秤ロボRe-BuLaを召喚して…ターンエンドします」

 

リリア《あー!カワイイ~!》

 

続けて依姫が召喚したのは小さな白いウサギのようなロボットだった。Re-BuLaはキキキと首を傾げてリリアに振り向いた。

 

霊奈「…メインステップ。異牙忍タチカゲを召喚してコアを一つタチカゲへ。さらに創界神ウカノミタマを配置して対象が二枚。よってコアを二個増やす」

 

ウカノミタマ《…ん…んんっ…良い運動にもなるわね…》

 

霊奈も小さないたちの忍者を召喚し、増えたコアでウカノミタマを呼ぶ。背後のウカノミタマは久しぶりに動けるからか、ぐぐっと背筋を伸ばしてリラックスしていた。

 

霊奈「…バーストを伏せて…ターンエンドだ」

 

依姫「…そんな怖い顔をしていてもバトルは好転しませんよ?もっとリラックスしてみては?」

 

霊奈「…お前のターンだ…!」

 

ターンを終えた霊奈に依姫は軽く声をかける。だが固い顔を崩さず霊奈は依姫にバトルを進めさせた。

 

依姫「…メインステップ!星の創界神!創界神ダンを配置!神託でデッキから三枚トラッシュへ置き『光導』を持つカードを全て回収!」

 

弾「…………」

 

リリア《…?…どしたの?》

 

リリアの隣に光の粒子になって弾が現れるが、弾の顔にはかなり深いシワが寄っている。リリアの問いかけにも答えないほど、弾は何かを考え込んでいた。

 

そしてトラッシュに落ちたのは龍星皇メテオヴルムX、光星姫ヴァージニア、そして光龍騎神サジット・アポロドラゴンX。

 

依姫「全て対象内なので手札に。そしてこの回収したヴァージニアを召喚!召喚時効果で三枚オープンします!」

 

リリア《…その中の銀河星剣グランシャリオを回収!残りは下へ戻すわ》

 

依姫「ひとまずこれでターンエンドで」

 

ダンの神託に引っ掛かったヴァージニアが召喚され、さらに依姫の手札は増えていく。

 

霊奈「む…メインステップ。焔三忍 大手裏剣のイザヨイを召喚する。召喚時効果で手札の甲蛾忍トビカゲをコストを支払わずに召喚だ」

 

ウカノミタマ《…トビカゲは召喚時に『忍風』スピリットにコアを一つずつ置くわ》

 

霊奈のターン、フィールドには大きな手裏剣を背負った赤い龍忍者とクナイを構えた蟲忍者が召喚されていた。だがこれで霊奈の手札は一枚に減ってしまうが……

 

霊奈「そしてネクサス、千本槍の古戦場を配置する。以上、ターンエンド」

 

依姫「…なるほど…緑スピリットでコアを確保し、紫ネクサスで手札を補充していく…考えられてますね」

 

最後の一枚を場に出すと、バトルフィールドの周辺が槍が突き刺さった荒れ果てた荒野へと変わる。これで霊奈はドローソースと紫のシンボル二つを確保した。

 

依姫「スタートステッ」

 

弾「…あんたも!絶望したのか?この世界に」

 

霊奈「…!…絶望…そうかもしれないな…」

 

依姫がターンを始めようとした時、後ろの弾が霊奈に話しかける。霊奈は弾の『絶望』の単語に肩をすくめ、どこか遠い目で空を見上げた。

 

 

弾「…いったい何があんたを絶望させたんだ?あんたに紫や幽々子は何をしたんだ?」

 

霊奈「…お前でも…『博麗大結界』の仕組みは知っているか?」

 

弾「ああ…『博麗の巫女』が霊力を込め、紫が境界を弄ることで外の世界と幻想郷は隔てられてる…そうだろ?」

 

弾は以前紫と結界修理に行った際、この仕組みを教えて貰っていた。その答えに霊奈の首は軽く縦に振れたが、同時にその顔には青筋が浮かんでいる…

 

霊奈「…博麗大結界には…寿命があることもか?」

 

弾「…なに…!?」

 

リリア《…弾、結界術ってのは永遠に張られるものじゃないのよ。いつかは張った術式そのものが老朽化してしまうわ》

 

依姫「はい。月の都を隠す結界も、定期的にツクヨミ様が張り直しているそうです」

 

霊奈の一言に弾は驚いていると、魔法の女神の一面も持ち合わせているリリアや少なからず結界術を知る依姫が簡単に結界術を説明してくれた。

 

弾「じゃあ…博麗大結界も…?」

 

霊奈「しかり。だいたい五十年に一度張り替えるそうだ…()()()()()()()()()()()()

 

弾「な!?」

 

ウカノミタマ《…ふぅーん…『生け贄』『人柱』ね。昔から良くあることよ。霊力のある人間は結界を維持させる良い『パーツ』だもの》

 

霊奈が話した『博麗大結界の張り替え』。それは博麗の巫女を都合の良い『パーツ』にすることで、結界を張るというあまりにも人道に反したものだった。

 

その事実に驚いた弾だったが、それよりも驚かせたのは紫達がそれを行ってきたということだった。

 

弾「……すまない依姫、続けてくれ…」

 

依姫「……メインステップ!龍神の弓!天馬の矢!戦いの嵐を静めよ!光龍騎神サジット・アポロドラゴンX!召喚!!」

 

サジット《…すんごく出たくない雰囲気だなおい…》

 

今の心境は分からないが、弾は依姫にバトルを続けるよう頼む。そして依姫達の後ろから炎を纏って一体のケンタウルスのようなドラゴンが走ってきて、フィールドに降り立った。

 

依姫「アタックステップ!サジット・アポロドラゴンでアタック!星界放を使用!まずはトビカゲを破壊し、弾様のコアを二個サジットへ!」

 

サジット《これで俺はレベル2にアップ!さらにライフを一つ貰うぜ!》

 

霊奈「…!だが千本槍の古戦場の効果!相手のスピリットが疲労したので、一枚ドロー!さらにバースト!妖華吸血爪!もう二枚引かせて貰う!」

 

弓を握ったサジットが駆け出して矢をトビカゲめがけて放ち、そのまま射抜く。霊奈もネクサスとバーストを使って切れていた手札を増やした。

 

霊奈「その攻撃はイザヨイでブロック!破壊時にも手札の『忍風』を召喚だ!こい!神聖冥獣フシミイナリ!!

 

ウカノミタマ《…今ので引いた?豪運は博麗の巫女の標準スペックなの?》

 

サジットの口から高熱の火炎放射が放たれ、イザヨイがきれいさっぱり燃やされる。その塵から忍装束の九尾の狐が雄叫びと共に現れた…ものすごい強運にウカノミタマは若干ひいていたが…

 

依姫「ふむ…ターンエンド」

 

霊奈「よし。メインステップ!マジック!式鬼神オブザデッド!トラッシュの『霊獣』を召喚!甦れ!神霊王アメホシノミコト!レベル3!」

 

ウカノミタマ《確かソイツはトラッシュにいる時、コストが4になるんだったわね》

 

霊奈のフィールドに紫色の大穴が開かれ、剣と鏡を持った魔神がフシミイナリの隣に現れる。4軽減されているので、アメホシノミコトはノーコスト召喚である。

 

霊奈「アタックステップ!いけ!フシミイナリ!フシミイナリの天界放!二体疲労とレベルコストアップを指定!ウカノミタマの神域により相手のみにする!」

 

ウカノミタマ《さらに千本槍の古戦場が発動。一枚貰うわ》

 

フシミイナリの波動がフィールドに満ちていき、Re-BuLaとヴァージニアがレベル0で消滅する。しかも霊奈側はウカノミタマのバリアで効果を受けていない。

 

依姫「ライフで受ける!」

 

リリア《…私の効果は…やめといた方が良いわね》

 

フシミイナリが妖しい火の玉を自分の周りに浮かべ、依姫に投げつける。リリアの『光導』踏み倒し効果はレベルコストの上昇により、使わなかった。

 

霊奈「続けてアメホシノミコトでアタック!レベル2からの効果でトラッシュの妖華吸血爪を手札に!そしてウカノミタマの神技!」

 

ウカノミタマ《うふふ…!簡単に言えば…デッドリィバランスよ!さぁ!破壊するスピリットを指定しなさい!》

 

依姫「くっ…!サジット・アポロドラゴンXを指定…!」

 

アメホシノミコトがゴゴゴと動き出すと、ウカノミタマが呪文を唱えて両者のスピリットを呪おうとする。フィールドにスピリットが一体しかいない依姫はサジットを破壊するしかなかった。

 

霊奈「こちらはタチカゲを破壊」

 

サジット《…弾!》

 

弾「…!」

 

サジット《これだけは言っとくぜ!『過去』はどうにもならないが!『未来』は変えられる!歴史は嘘では誤魔化せない!》

 

弾「………未来…」

 

破壊される直前、サジットは弾に振り返ってそう激励する。迷っていた弾は少し目を閉じてフッと自らに気合いを入れると、鋭い目付きで霊奈に向き合った。

 

弾「……確かに…紫達があんたを傷つけたのは間違いない。博麗神社の祭神として…すまなかった…」

 

霊奈「…!?い、いや…お前に何も責任は…」

 

弾「それでも俺の仲間が犯した罪は消えない。でも今!アイツらはこの世界の命のために!戦ってるんだ!」

 

霊奈「…………」

 

弾「頼む!もう一度…!この世界のために…!力を貸してくれ!」

 

そう言って弾は頭を下げて霊奈に頼み込む。霊奈としては何の責任もない弾が頭を下げたので焦ったが、再び上げた覚悟の目にしばらく間をおいて答えた。

 

 

霊奈「…一発!どこぞのスキマ妖怪を殴らせろ。それで全てチャラだ」

 

弾「…!ありがとう…!恩に着る!」

 

 

少し気まずそうに霊奈は遠回しに『許す』と答え、弾も感謝の言葉を述べる。二人ともどこか不器用だが、純粋な優しさを相手に感じ取ったようだ。

 

 

依姫「行きます!フラッシュタイミング!マジック!コズミックリターン!トラッシュの光龍騎神サジット・アポロドラゴンXを手札に戻します!」

 

リリア《そしてアメホシノミコトのアタックはライフで受ける!今回は使うわよ!帰ってきなさい!サジット・アポロドラゴン!》

 

サジット《帰還!》

 

アメホシノミコトが剣を依姫めがけて突き立てる瞬間、依姫はマジックで破壊されたサジット・アポロドラゴンを回収する。そのままアメホシノミコトはライフを砕くが、それはリリアの思うつぼ。

 

フィールドに落ちた雷が地面をえぐり、炎を噴き出させる。そこからついさっき破壊されたサジット・アポロドラゴンが飛び出してきた!

 

ウカノミタマ《…良かったわね、霊奈。あなたの居場所ができて》

 

霊奈「何を言う。お前は逆にツクヨミに殴られてチャラだぞ?」

 

ウカノミタマ《え!?私殴られるの!?》

 

リリア《良いじゃない?それで。なんだかんだでアイツも優しいし》

 

ウカノミタマは霊奈をまさに『女神』といった眼差しで微笑むが、それは霊奈の言葉で水疱に帰した。リリアの言うとおり、彼は結局仲間思いの男。たとえ他の創界神達が反対してもウカノミタマを助けようとしそうである。

 

ウカノミタマ《…ま、まぁ…それで許されるなら良いか…》

 

霊奈「…あ、遅れたがターンエンドだ」

 

依姫「…ふふっ!やっぱりバトスピは楽しんだ方が良いですね!メインステップ!手札から銀河星剣グランシャリオを創界神ダンにダイレクト合体!」

 

弾「…さぁ…決めるぞ!」

 

格段に明るい雰囲気になったバトルフィールドに依姫は喜びながら、グランシャリオを弾に召喚して渡す。弾はグランシャリオを両手に構えて切っ先を霊奈に向けた。

 

依姫「アタックステップ!射ぬけ!サジット・アポロドラゴン!アタック時効果でアメホシノミコトを破壊!さらにライフを二つ砕く!!」

 

霊奈「…ぐぅ…!フラッシュタイミング!手札の風魔イカルガを神速召喚!召喚時にフシミイナリにコアを置き、回復させる!」

 

サジットの放った矢はアメホシノミコトの胴体を射ぬき、そのまま霊奈のライフにも突き刺さる。神速で現れた忍者鳥がフシミイナリを起き上がらせ、サジットをブロックしようと立ちふさがった。

 

リリア《フラッシュタイミング!光導女神グラン・リリアのアクセルを使用!サジット・アポロドラゴンを回復よん!》

 

霊奈「来い!フシミイナリで受ける!!」

 

サジット《勝利の法則は…決まった!》

 

サジットの矢をかわしながらフシミイナリはその前足の鉤爪で切り裂こうとする。だが咄嗟にサジットは弓を剣に持ち変えて受け止めた。

 

弾「グランシャリオの効果!サジット・アポロドラゴンをBPプラス6000!赤のシンボルを一つ追加する!」

 

依姫「越えろ!サジット・アポロドラゴォォォンッッ!!!」

 

サジット《だぁぁぁぁ!!!》

 

弾のグランシャリオがより一層光を放ち、サジット・アポロドラゴンに力を与える。そして剣と鉤爪のつばぜり合いはサジットがフシミイナリを弾き飛ばし、すれ違い様に一閃!

 

腹を真っ二つにされたフシミイナリは悲鳴をあげて爆散した!

 

依姫「回復したサジットで再度アタック!効果でイカルガを破壊!そしてダブルシンボルです!!」

 

霊奈「来い!ライフで受ける!!」

 

サジットが剣を振り上げて霊奈のライフを一刀両断した!!

 

 

 

 

 

 

依姫「ありがとうございました。良いバトルでした」

 

霊奈「…ありがとう…!」

 

バトルを終えた二人はガッチリと握手を交わす。お互いの顔つきは柔らかく、本当に楽しんでいたようだった。

 

サラ《…あんた…マジでこいつを信じるつもり?》

 

霊奈「終わったことにグダグダ言っても仕方ないからな。私は先に進むことにした」

 

サラ《………ふーん…》

 

弾「…そろそろ…かな?」

 

霊奈の決断をサラスヴァティーは面白くなさそうに見ていた。それを尻目にしてベッドに腰かけた弾が呟いたその時……

 

???「…コンコン…失礼するわ」

豊姫「…誰かしら?どうぞ!」

 

弾「…案外遅かったんじゃないか?」

 

???「あのねぇ…私も忙しいのよ」

 

ノックのあと病室の扉が開かれ、入ってきたのは赤いローブに袖を通したロングヘアーの銀髪の女性。その髪の毛は『たくましい』クラスのサイドテールになっている。

 

そう、彼女は魔界の創造主にしてアリス・マーガトロイドの母親『神綺』だった。

 

弾「悪い悪い。それで?()()は?」

 

神綺「もちろん。まだ封印術式が解けてなくて眠ってるけど。夢子ちゃん?」

 

夢子「はっ…」

 

神綺の背後に控えていたメイド、夢子が背負っていた人物を空いたベッドに寝かせる。神綺とは正反対の金に紫のグラデーションが入った髪の毛が一段と目をひいた。

 

 

豊姫「…!!まさか……!」

 

依姫「ど、どうして…!?」

 

ヘカーティア《…弾…!どういうこと…!?》

 

???「…ぅ…んん……ここは……!…弾さ…ん…!?」

 

驚く三人の声で目覚めた女性…彼女は目に入った弾の姿に飛び起きる。黄金色の瞳に白黒のゴスロリ風の服装の彼女をここにいるほとんどが知っていた。

 

弾「…さぁて…そろそろ反撃するぞ。目覚めてすぐな所悪いが、働いてくれよ?

 

 

 

 

 

 

白蓮?」

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

君が負けるまで殴るのをやめない

自分バトスピ大会とか出ない人間なので、それぞれのデッキの回し方がわからん……リアルでバトルする時もメタ用カードをどう採用すればいいんだろ…?とにかく『手札増加』をメタるか…?


早苗「よしっ!気合いマックス!原初神がなんだ~!」

 

ヒュペリオン《 …始めるぞ。メインステップ。創界神グレンを配置。神託の効果で二個コアを増やす

 

グレン《…………》

 

時間は少し戻り、闘志を剥き出しで張り切る早苗はヒュペリオンとのバトルを始めようとしていた。先行のヒュペリオンはグレンを呼び出して三枚をトラッシュに置く。

 

ヒュペリオン《 …その中のアバタードラゴン・ヴァイオレットを召喚し、アバタードラゴン・グリーンを手元へ。ターンエンド

 

ブラフマーの神託によってトラッシュに置かれた二枚のアバタードラゴン。そのうち紫色のドラゴンがフィールドに召喚され、もう一枚も手元に置かれた。

 

早苗「来ましたね…メインステップ!ネクサス、海底に眠りし古代都市を配置!バーストもセットします!」

 

早苗のフィールドが青い海に沈んだ古代都市へと変わる。一時期『青緑連鎖』の中核を担っていたこのネクサスを初手で張れたのは大きいが…本当にスゴいのは制限カードを引く早苗の『奇跡』か…

 

早苗「ターンエンドです」

 

ヒュペリオン《 …メインステップ。創造の創界神ブラフマーも配置するが…今回は神託を行わない。その後手札のアバタードラゴン・イエローを召喚し、三龍宝剣エンシェントキャリバーをブラフマーへ!

 

ブラフマー《…………》

 

ヒュペリオンは続けてブラフマーを配置したが、早苗のデッキ破壊を警戒したのか神託は使わなかった。そしてフィールドに黄色のアバタードラゴンが現れ、ブラフマーに炎を模した長刀が合体する。

 

ヒュペリオン《 『創造』を持つスピリットが召喚されたので、ヴァイオレットの効果で一枚ドロー。アタックステップ…!!アバタードラゴン・ヴァイオレットでアタック!

 

早苗「ライフで受けます!…ぐぅ…!」

 

ヴァイオレットが目から紫色のビームを発射して早苗のライフを一つ撃ち抜く。何時もより大きい衝撃が早苗を襲うが、早苗の目に怯えはない。

 

ヒュペリオン《 …バーストは無しか…ターンエンド

 

早苗「何の!メインステップ!大海の支配者!創界神ポセイドンを配置!神託します!デッキトップの三枚をトラッシュに置いてコア一つをポセイドンへ!」

 

ポセイドン《うむ!そしてゴッドシーカー 神海賊バンドウスを召喚するぞ!召喚時効果で四枚オープンだ!》

 

痛みを堪えて早苗はポセイドンを呼び出し、海賊の姿のイルカ人を召喚した。オープンされたのはストロングドロー、神海賊船カリュブデス号ー女神顕現ー、神海賊龍皇ジークフリード・エナリオス、そして鉄兜の神海賊シロイルカイン。

 

早苗「…お?その中の鉄兜の神海賊シロイルカインを手札に!そのまま召喚します!この子は召喚時にデッキを三枚めくり、コスト3/4のスピリットと『槍』の神話ブレイヴを踏み倒すんです!」

 

バンドウスより大きいシロイルカの海賊が両手の籠手を打ち鳴らしながら現れる。そして再び早苗のデッキがめくられ、神海賊 新米船長ドルフィリポス、三叉神海獣トリアイナ、神海三叉槍トリアイナ・ギガがオープンされた。

 

早苗「イエス!召喚!ドルフィリポス!さらにトリアイナ・ギガを創界神ポセイドンにダイレクト合体!」

 

ポセイドン《そして海底に眠りし古代都市の効果!『異合』を持つバンドウス、シロイルカイン、ドルフィリポスの召喚によりコアブーストする!》

 

シロイルカインの効果でドルフィリポスが召喚されると、ポセイドンの手にもトリアイナの頭部をあしらった三叉槍が握られた。

 

早苗「アタックステップ!ドルフィリポスでアタック!トリアイナ・ギガの創界神合体時効果!ドルフィリポスにコアを置きレベル2へ!」

 

ポセイドン《『神海』を持つドルフィリポスが攻撃したので、相手のデッキを一枚破棄してコスト4のアバタードラゴン・イエローを破壊だ!》

 

ヒュペリオン《 …イエローは手元へ。ライフだが…減らないか…

 

ドルフィリポスが青い衝撃波でデッキとイエローを一枚吹き飛ばす。その後ドルフィリポスが混紡をヒュペリオンのライフに叩きつけるが、自身の効果でシンボルが消えているので、ライフは砕けなかった。

 

早苗「さらにバンドウスでアタック!ドルフィリポスの効果も含めてデッキを三枚破棄!そしてコアブースト!」

 

ヒュペリオン《 …へいへい、ライフ。減らないがフラッシュタイミング!ブラフマーの神技を使用!手元からイエローを再度召喚する

 

バンドウスの水流波もヒュペリオンのライフを砕けないが、デッキはどんどん削っていく。さらにブラフマーがエンシェントキャリバーから再びアバタードラゴン・イエローを呼び出した。

 

早苗「ターンエンド!」

 

ヒュペリオン《 …さて…出るか…メインステップ!たぎれ!怒りの炎!全ての敵を焼き尽くせ!召喚!崩龍神ドラグ・ヒュペリオン!!

 

フィールドに開いた黒い虚空…そこから噴き出した炎が大きな太陽のようになる。その中から鋭い剣のような翼が突き出し、黒い鎧の魔神がフィールドに降り立った。

 

早苗「…!!…すごい熱気…!」

 

ヒュペリオン《 アタックステップ!ドラグ・ヒュペリオン!やれ!アタック時効果!創界神グレンのコア四個をボイドに!そうすることでBP15000以下のスピリット全てを破壊する!!

 

ドラグ・ヒュペリオンが背中の翼から炎の弾丸を早苗のフィールドめがけてぶっぱなす。その炎にドルフィリポス、シロイルカイン、バンドウスは跡形もなく燃やされてしまった。

 

ヒュペリオン《 さらにこの時破壊したスピリットのコアは全てトラッシュに置かれる!最後にブラフマー!転神せよ!

 

早苗「くっ…ライフで受けます…ぐはっ!」

 

ドラグ・ヒュペリオンが翼を分離させ、早苗のライフに突き立てる。原初神自らの攻撃に早苗は顔を歪めて後ずさった。

 

ヒュペリオン《 やれ!ブラフマー!

 

早苗「…ライフです…!ぁぁ!!」

 

ポセイドン《まずい…!ライフ減少によりバースト発動!我が娘カリュブデスよ!早苗を守ってくれ!》

 

フィールドを駆け抜けたブラフマーがエンシェントキャリバーで早苗のライフを二つ切り裂いた。原初神の力が上乗せされた創界神の一撃は早苗を大きく後退させ、膝をつかせるほどだった。

 

それでもポセイドンの声に反応したのか、早苗のバーストから海水が溢れ出すと、巨大なクラーケンと合体した海賊船が水しぶきをあげて現れた。

 

早苗「…ハァ…か、カリュブデス号の効果…!次の相手のスタートステップまで相手のスピリットは全てコスト並びにシンボルが0になる…!」

 

ヒュペリオン《 ちっ…ターンエンド…!

 

早苗「…ふぅ…でもこのターンで決めないと…ドローステップ…!」

 

残りライフ1にまで追い詰められ、早苗の体力的にも限界が近い。そんな中ドローしたのは…この状況をひっくり返せる『奇跡』の一枚だった。

 

 

早苗「…『カードが答えた』…!パチンッ!メインステップ!奇跡を現実に!不可能変える星の天秤!レベル3で召喚!天秤造神リブラ・ゴレムX!!

 

リブラ《…ゴキゴキ…出番か…》

 

『分神』した早苗の手札から放たれた光が空に天秤座を描く。その天秤座から青い光と共に降りてきたのは錫杖を持った一体のゴーレム、巨体を揺らしてヒュペリオンを威嚇した。

 

早苗「アタックステップ!リブラ・ゴレムでアタック!アタック時効果で相手のデッキを二枚破棄!ポセイドン様の神域によって三枚追加!」

 

リブラ《その中にスピリットカードを確認。回復する》

 

ヒュペリオン《 …イエロー、守れ

 

リブラ・ゴレムが錫杖でヒュペリオンのデッキを削り、迎撃してきたアバタードラゴン・イエローは踏み潰した。

 

早苗「もう一発!リブラ・ゴレムでアタック!五枚破棄して回復!!」

 

ヒュペリオン《 …ライフで受ける!

 

スピリットカードを破棄したことで回復したリブラ・ゴレムがヒュペリオンのライフを叩き割る。『X』のリブラ・ゴレムは『星界放』しなければライフを削れるのだ。

 

早苗「まだまだ!アタック!五枚破棄!!そして回復!!」

 

ヒュペリオン《 …が…ら、ライフ…だ…!

 

リブラ・ゴレムが今度は錫杖を槍のように投げてヒュペリオンのライフを撃ち抜く。

 

ヒュペリオン《 …わ、わかった…!お前の勝ちで良い…!ゆ、許して…く

 

早苗「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!!リブラ・ゴレムでアタック!!

 

ポセイドン《…五枚破棄するぞ》

 

怯えて命乞いをするヒュペリオンだったが、某『不思議なことを起こす男』の如く許さない宣言をする。そのままリブラ・ゴレムがライフを砕いていった。

 

早苗「ぜってぇに許しません!リブラ・ゴレム!」

 

リブラ《…回復するが…これでデッキアウトだな》

 

五度目の攻撃でヒュペリオンのデッキは全てトラッシュへ落ちていった。だがリブラ・ゴレムのアタックは終わらず、ヒュペリオンのライフがさらに砕かれる。

 

ヒュペリオン《 …ぁ…っ…ぅぅ…!

 

早苗「これで終わりです!リブラ・ゴレムでアタック!!」

 

リブラ《…断罪!!》

 

リブラ・ゴレムが青いエネルギー球を錫杖で弾いて飛ばす。野球ボールのように飛んだエネルギー弾がヒュペリオンの最後のライフに直撃した!!

 

 

 

 

 

 

さとり「…ドサッ…」

 

早苗「完了!さとりさんは…大丈夫そうですね」

 

操られていたさとりの身体がゆっくりと地面に落ち、続いて早苗が得意気に着地する。さとりの身体に外傷がなく、ただ気絶してるだけなのを見て早苗は安心した。

 

袿姫「…ならこの状況をどうにかするのを考えてくれ…」

 

早苗「…袿姫さん?…まだ何か?」

 

すると先にバトルを終えていた袿姫がそうぼやく。袿姫の視線は下の地上に向けられており、不思議に思った早苗は隣に移動して地上を見てみた。

 

早苗「…!ひどい火事…!」

 

ポセイドン《一応ゼウス達が消火にあたっているようだが…》

 

袿姫「…だが完全には収まっていないようだな…援護に向かうぞ!」

 

二人の眼下には未だにゴウゴウと燃え盛る魔法の森が広がっている。急いで袿姫が消火活動をする地上組の援護へ向かおうとした。

 

早苗「いえ…私に任せてください!パチンッ!」

 

袿姫「む…?」

 

そう言って早苗は『分神』して眼下の火の海に意識を戻す。そして手に『神海三叉槍トリアイナ・ギガ』を持って柄を地面に突き刺すと、己の神力を込め始めた。

 

するとトリアイナ・ギガの刃先に水が風のようにまとわりついていく。

 

 

早苗「…ターゲット…ロック…!大奇跡『超水龍嵐(グレートハリケーン)』!!!」

 

袿姫「うぉぉ!?」

 

早苗がトリアイナ・ギガを突き出し、強烈な水流が発射される。有頂天からにも関わらず、全く衰えることのない水流が魔法の森に広がる炎に直撃した。

 

早苗「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

早苗がさらに神力をトリアイナ・ギガに注ぎ込め、水流の勢いを殺さず放ち続ける。その水はまるで火災を沈める竜のよう…あれほど荒ぶっていた火は次々と鎮火されていった。

 

早苗「…ハァ…ハァ…や、やった…ヘナッ」

 

袿姫「…お見事…!」

 

ポセイドン《我輩の水の力と彼女の風の力…それらがうまく合わさったようだな!》

 

ヘファイストス《…あ…でもあっち…大丈夫かな…?》

 

身体に残るエネルギーを全て使い果たしたのか、早苗はトリアイナ・ギガに寄りかかってヘナヘナと座り込む。だが袿姫が褒め称えた通り火事は完全に鎮火され、異変は見事解決されたのだった!

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「ちょっと~!ずぶ濡れじゃない!」

 

幽々子「や~ん…」

 

レミリア「………………」

 

 

…解決されたのだった!

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終九章~終わりの始まり~
天照大御神の照らす道


はい!ようやくアマテラス様を動かせる!そろそろ伏線を回収していかないと……


永遠亭 会議室

 

 

白蓮「…えぇ!?まさか…毘沙門天様も!?」

 

ヴィシュヌ《…あぁ、しかもお前さんとこの門弟もな》

 

セト《面目ねぇ…!ヤロー!ぶっ壊してやらぁ!》

 

天子「右に同じよ!」

 

正気に戻った天子とセトが怒りの雄叫びをあげている中、白蓮が現状を聞いて驚いている。いつも使っている会議室でヴィシュヌが椅子に座っている白蓮に説明していると、その反対側でもひと悶着起きていた。

 

 

サラ《やーん!ブラフマー!》

 

ブラフマー《…やべぇ…!サラちゃんが俺の右腕に抱きついてる…!もう柔らかいとかそういう次元じゃねぇ…!》

さとり「…うわぁ…ヤバい人だ…」

 

シヴァ《おいブラフマー、心の声が漏れてるぞ》

 

満面の笑みでサラスヴァティーがブラフマーの右腕に抱きついていた。真顔のまま鼻血を出してぶつぶつ呟いているブラフマーは、さとりでなくともドン引くだろう。

 

そんな騒がしいインディーダ組を放置して残りの創界神と幻想郷組は霊奈とウカノミタマから情報を貰っていた。

 

ツクヨミ《…ふむ…ではその男が原初神を解放し、幻想郷の時間を巻き戻したと?》

 

ウカノミタマ《ええ。はっきり言って神としての『格』はただの創界神のレベルじゃないわ》

 

ツクヨミの問いかけにウカノミタマは例の男についてそう忠告する。ツクヨミの彼女に対する対応を察するに、どうやら一発殴られて許されたようだ。

 

魔理沙「なぁ、おばさん。そいつの…何だ…目的とか動機って知ってるか?私達はそれがよくわかっていないんだ」

 

霊奈「おば…んんっ!…確か『歴史の修正』…とか言っていたな…」

 

紫「幽々子の時もそんな事言ってたわね…その男は歴史を変えようとしているのかしら?」

 

魔理沙の何気ない『おばさん』発言が霊奈の心をえぐるが、ぐっと堪える。そしてこちらも殴られて許されたのか、紫が以前のことを思い出して目的を推定した。

 

永琳「そういえば…弾は?」

 

咲夜「…あら?お姿が…?」

 

スサノヲ《…今外で姉貴と話してる。二人で話したいんだとよ》

 

カグツチ《…なに話してるんだろ?》

 

紫の隣にいた永琳がキョロキョロしていると、行き先を知るスサノヲが腕を組んで答えを返す。カグツチの呟きは視線の先にある窓から外へ流れていった………

 

 

 

 

永遠亭 裏庭 迷いの竹林

 

 

弾「…もう動いて平気なのか?」

 

???《あなたこそ。オモイカネ…永琳が五月蝿くない?》

 

弾「あはは…さすがは元あんたの懐刀だよ」

 

ここは永遠亭付近の竹林…完全に回復した弾は歩きながら目の前にいる女性と会話する。カサカサと草をかき分けて隣を歩きつつ凛とした声で話す彼女…

 

地面につきそうなほど長い裾の巫女服

 

勾玉が繋がった首飾り

 

『竜宮の使い』を思わせる羽衣、

 

そして太陽を模した王冠

 

彼女こそ『アマハラ』の最高神にして『最強』の創界神の異名を持つ創界神、創界神アマテラス。八咫烏暴走異変から早数日、すっかり元気になったアマテラスが弾を散歩に誘ったのだ。

 

 

弾「…それで?話があるんだろ?」

 

アマテラス《もちろん。けどまず最初に…我が弟たちや部下を助けていただき、そして裏切った部下を許していただき…誠にありがとうございました》

 

そう言ってアマテラスは一度足を止めると、深々と頭を下げて感謝の念を表した。彼女の太陽の飾りが日の光を反射してキラリと輝いた。

 

弾「…俺はたいしたことをしていないさ」

 

アマテラス《うふふ…さて。その話というのは『原初神』と『元凶』についてよ》

 

弾「…あんたは知っているのか?時間をも巻き戻すこの異変の元凶を…」

 

弾も足を止めてアマテラスに疑問を投げかける。アマテラスは静かに首を縦に振った。

 

アマテラス《…タカミムスビ様が書き残した著書に手掛かりがあったわ。キーワードは……『混沌』よ》

 

弾「…『混沌』?」

 

アマテラス《ええ。その『混沌』の神なら原初神も甦らせることも可能。それぐらい強大な力を秘めているそうらしいから…》

 

アマテラスが裾から一冊の本を取り出してとあるページを開く。どうやらタカミムスビが書いた本のようだ。

 

アマテラス《その神だと私は推測するわ。そしてその『混沌』の力に対抗できるのは『星神』…永琳のことかしら?彼女の潜在能力は凄まじいはずだし》

 

弾「…確かに…覚醒した後ウカノミタマを一方的に叩きのめしたらしいからな…」

 

アマテラス《…ていうか…自分の『化神』をあんなに作れるなんて反則よ。私だって二体作るので限界なのに…》

 

弾「…え?そうなのか?」

 

また歩きだしたアマテラスは羨ましそうに永琳の力について愚痴る。その愚痴に一つ弾は引っかかる点があった…それは『化神を作れる限界量』

 

アマテラス《……え?だってみんな化神は一つ、タカミムスビ様の『分神』を受けた『アマハラ』の創界神でも二つが限界よ?》

 

弾「…俺…一応化神、合計13体いるんだけど…」

 

アマテラス《……へ…?》

 

弾の告白にアマテラスはすっとんきょうな声をだして呆然になる。持っていた本が手から滑り落ち、足元の草の上にドサッと落ちた。

 

弾「十二宮とサジットヴルム・ノヴァがいるから…ほら…スチャ」

 

アマテラス《………ほんとだ…まさか……》

 

弾は自らの化神にした『十二宮Xレア』と『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』のカードを差し出す。アマテラスはそのカードを手に取り、あり得ないと言った顔で眺めていた。

 

アマテラス《…うそ…仮に元々力を持って存在していたスピリットだとしても…それを自分の力に変換しないといけないから、多数の化神は作れないのに……》

 

弾「アレックスのジークフリードはどうなんだ?あれも元々力ある龍だったはず…」

 

アマテラス《あれはタカミムスビ様の力を借りただけ。アレックスやブラフマー達の力じゃないわ》

 

弾「…なら…俺がおかしいのか…」

 

アマテラスはそう言って弾に化神達を返してそう評価した。二人の耳に竹林から吹いた風がピュゥゥと響き、またこの雰囲気を一新させた。

 

アマテラス《……うん…よし…!馬神 弾。私はその昔タカミムスビ様の側近兼弟子でした。最高神になっても彼の言葉に従って神世界を統治していました》

 

弾「……一番彼に近い創界神だったのか……」

 

アマテラス《その通り。ここからは私の個人的な欲を吐くけど…私はタカミムスビ様が健在だった頃の神世界が一番楽しかったわ》

 

弾「…『楽しい』…?」

 

アマテラス《例えるなら『幻想郷』みたいにみんなワイワイガヤガヤしてたってことよ…タカミムスビ様がみんなをまとめあげてたからね》

 

何か踏ん切りをつけたアマテラスは改まって弾に向かい合う。そして彼女は昔を懐かしむように竹林から見える空を見上げると、また言葉を続けた。

 

アマテラス《…そしてあなたには幾つものタカミムスビ様の面影を感じる。だから……あなたを次世代の『王』と認めたい》

 

弾「…そんなたいした」

 

アマテラス《『たいした男じゃない?』ほんとそういう遠慮するところもタカミムスビ様にそっくり!でもあなたが何と言おうと私達『アマハラ』はあなたを王に推薦するわ!》

 

弾の謙遜する返事をアマテラスは遮って推し続ける。彼女の口調も興奮しているのか、後半になるにつれて熱くなっていった。

 

弾「…いや、ツクヨミやスサノヲの意見も」

 

アマテラス《だいじょーぶ!もうあの二人どころかカグツチやウカノミタマすら賛成したから!たぶん『インディーダ』の『トリムルティ』や『オリン十二神』も同意見だと思うけど?》

 

弾「えぇ…!?」

 

アマテラス《あら?嫌なの?》

 

弾の逃げ道も既にアマテラスは外堀を埋めていたようだ。しかも『インディーダ』や『オリン』すら推していたという事実に弾は頭を抱えるが、アマテラスの質問には口を閉ざす。

 

弾「……イヤ…じゃないんだが…」

 

アマテラス《なら良いじゃない。あなたは神世界全てを手に入れるのよ?》

 

弾「……だからだよ…神世界全ての責任が俺にのし掛かる…俺の一存で幸せが悲劇になってしまうかも……」

 

弾の心に根深く残っているのは『コアの光主』時代の重い責任のことだった。あの時の苦い…苦すぎる経験に弾の目線が下へ下がりかけた。

 

アマテラス《…バンッ!なぁにしけた面してんのよ!何のために紫ちゃんや永琳がいるの!そういう時には『臣下』に相談しなさい!》

 

弾「ぉ!?」

 

アマテラス《あ~たは人に助言する時ゃ良いことゆーのに、自分のことは盲目なのねぇ~!》

 

もはや気品さや神々しさを完全に捨てきり、まるで居酒屋のおじさんみたいにアマテラスは弾の背中をバンバン叩く。

弾「…フフっ…負けたよ…皆に担がれる『王』ってのもカッコ悪いけどな」

 

アマテラス《サラスヴァティーは例外かもしれないけどね~…でもブラフマーが押し通すと思うし…大丈夫か…》

 

弾「…あぁ…それはもう手をうってるよ。彼女は変わる」

 

諦め半分覚悟半分の表情で弾は『王』の推薦を受け入れる。だが皮肉染みたアマテラスの一言に返答する時には、既にその目はいつもの目に戻り、言葉も力強い響きがあった。

 

 

その弾の言葉が終わった瞬間だった。二人は空気の変動を感じ取った。

 

 

アマテラス《……そう……!…はっ!》

 

弾「…!…来たか…!はっ!」

 

 

ドドォォォォンッッッ!!!!!

 

空の彼方から飛んできた何か…二人はそれを確認する前に透明のバリアを展開して防御する。その飛翔体はバリアに防がれて粉々に砕け散った。

 

 

アマテラス《…突然すぎない…?》

 

弾「…ん…パシッ…これは…手紙か?」

 

アマテラス《ハァー…なに?あれは手荒な矢文だったわけ?》

 

弾は砕けた飛翔体から落ちてきた紙切れをキャッチする。そこには古典で習うような文字がびっしりと書かれており、そこにはこう書かれていた……

 

 

一 我はこの世界を真に憂れう者であり、貴殿等は清廉潔白な世界を汚す害虫である。

 

二 されどそのような愚か者を導くことこそ『神』の役目。よって貴殿等にも譲歩の機会を与えることにした。

 

三 明日の正午、命蓮寺にて待つ

 

 

アマテラス《……つまり思ったより私達がしぶといから要求を呑む代わりに降伏しろって?》

 

弾「…いや…もしかしたら誘い出すだけなのかも…」

 

アマテラス《…ひとまず戻りましょう。こういう時は相談するのが一番よ》

 

手紙の内容はアマテラスにとっても弾にとっても信用ならないものだった。それでも一旦手紙を永遠亭に持ち帰るため、二人は急いで来た道を戻し始めた。

 

 

 




はい。ありがとうございました。

公式の背景世界のアマテラス様もアレックスを次世代の『女王』にしようとしていたので、弾さんをそのポジに入れました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

弾に連れられ命蓮寺

転醒のデッキが発売されましたね!自分も『起源』持ちの汎用カードはゲットできました!




次の日 命蓮寺への道

 

 

弾「…なんだか…いつもより緊張感があるな…」

 

手紙が届けられた日から夜は明け、弾は人里から命蓮寺へと繋がる道を歩いていた。あの後様々な議論がなされたが、最期は『こちらも戦力を引き連れ、不意打ちに備えておく』という結論に達した。

 

そして次が弾が選んだ『戦力』である。一応選抜の基準は『リアルファイトの強さ』と『交渉力の高さ』を参考にしたそうな。

 

1人目 幻想郷の賢者にしてスキマ妖怪 八雲 紫

 

もう幻想郷において胡散臭さと交渉では右に出る者はいないので同行。歩きたくないのか、弾の隣に器用にスキマに腰かけて移動している。

 

紫「ブツブツ…いえ…もし相手があの要求をしてきたら…ブツブツ」

 

2人目 月の賢者 稀神 サグメ

 

以前も純狐と交渉した月の都の苦労人。『口に出すと事態を逆転する程度の能力』はたとえ相手が創界神であろうと通用する強大な力を持つので、今回は同行している。

 

ちなみに「側近が両方とも行くと、いざというとき仕切る者がいなくなる」という理由で弾と一緒に行けなかった永琳が、殺すような目でサグメを睨みつけていたそうな。

 

サグメ《…八意様…お許しください…!》

 

3人目 永遠に幼き紅い月 カリスマ レミリア・スカーレット

 

彼女の性格としては交渉向きではないのだが、相棒のディオニュソスがバリバリ口が回るのと『運命を操る』力をかって選ばれた。弾の後ろを腕組みしながら歩いているが、いかんせん子供っぽい。

 

レミリア「…あの寺に黒幕がいるのか…ふふっ…美味な血だと良いわね」

 

4人目 楽園の最高裁判長 四季 映姫・ヤマザナドゥ

 

浄玻璃の鏡で真実を見通し、白黒はっきり判決を下す彼女も交渉向きな人材。背筋を伸ばし、仏頂面で杓を持ってツカツカと歩いている。

 

映姫「こらっ!私達は遊びに行くのではありませんよ!」

 

五人目 地霊殿の主の覚妖怪 古明地 さとり

 

相手の心を読む能力を持ち、旧地獄の事務作業を一手に担っている彼女こそ弾の切り札。たとえ洗脳を解かずとも相手の腹を割れるのは大きい。

 

ちなみにさとり本人は最期まで「行きたくない」とごねたが、とある理由で仕方なく同行するはめになった。

 

さとり「…はぁ…」

 

そして最期の6人目 封印された大魔法使い 聖 白蓮

 

交渉にはあまり向かないであろう彼女がついて来たのは『自分の門弟達が不安だから』と弾に直談判したからだ。

 

弾としても、とある理由から白蓮を連れていこうと考えていたので渡りに舟だった。その理由とは………

 

サラ《なぁんで私まで行かなくちゃならないのよ…》

 

ブラフマー《…まぁ良いじゃないか!久しぶりのデートだと思えば》

 

サラ《そうね!》

 

集団の一番後ろを歩いていたのは全く乗り気じゃないサラスヴァティーだった。なぜか弾は周囲の反対を押しきって彼女を一団に加えていた。

 

無理にさとりを連れ出したのも彼女の相棒のブラフマーが唯一サラスヴァティーを宥められるからだった。

 

レミリア「…めんどくさい…」

 

映姫「…なぜ彼女を連れてきたのですか?」

 

弾「…後でわかるさ」

 

さとり「…あの…あまり私の側で大声を出さないでください…」

 

サラ《仕方ないじゃない!あんたの中にブラフマーがいるんだから!》

 

映姫がこっそり弾に耳打ちする内容は、もちろん後ろでさとりに大声をあげているサラスヴァティーの件。だが弾は裏切りを警戒する永琳や映姫とは違い、彼女に一定の信頼をおいていた。

 

白蓮「あらあら…弁財天様、あまりその子をいじめないでください。これから大切な話し合いの前に緊張してしまいますよ」

 

サラ《あ?どーせ罠に決まってるわよ。あんた、期待してるの?》

 

白蓮「ええもちろん。可能性が少しでもあるのなら、それを捨てるべきではないと思います」

 

サラ《……あっそ…》

 

さとりが困っているのを見かねて、白蓮が丁寧な口調で助け船を出す。白蓮の誠実すぎる人柄にサラスヴァティーも面を食らったのか、おもしろくなさそうにそっぽを向いた。

 

紫「…見えてきたわ。全員気を引き締めて」

 

レミリア「…おお、白蓮。お出迎えだぞ」

 

一輪「姐さん!」

 

水密「姐さん!無事で良かった!」

 

とうとう弾一向は命蓮寺の門前へと到着した。すると門の前に馴染みのある人影が白蓮を呼んだ。

 

白蓮「…星…村紗…一輪…ナズーリン…小傘ちゃんまで…」

 

ナズーリン「やれやれご主人。だから言っただろう?少なくとも捕虜を殺しはしないとね」

 

星「で、でも!やはり聖は操られているようです!ここで洗脳を解かないと!」

 

小傘「…ううっ…怖い…でもわちき!やるよ!」

 

ディオニュソス《あーらら…こりゃ話し合うってことすら聞かされてなさそーじゃね?》

 

オシリス《…罠だったか…まぁ読めてはいたがな》

 

並んでいる命蓮寺メンバーの一番端…そこにいたのは全体的に水色の服と髪、そして一つ目と舌が出た紫色の傘を持った妖怪。唐傘に取りついた付喪神、多々良 小傘だった。

 

そして中心にいる星の呟きを察するに、どうやら向こうは『白蓮が捕まり、都合の良いように洗脳された』と思っているらしい。そして星達はそれぞれの武器を構え、話し合う様子など微塵も感じられなかった。

 

白蓮「…そんな…」

 

映姫「…辛いでしょうが…行きますよ…!」

 

弾「……スチャ…」

 

気を落とす白蓮を映姫が前に立ち、閻魔の杓を構える。紫や永琳、レミリアもそれぞれの武器を取り出し、弾がグランシャリオを持って星達に意識を向けた。

 

さとり「…!…不意打ちとはずいぶん卑怯ですね。仏教徒に手を貸して良いんですか?神霊廟の方々?

 

サグメ《…やはり…気のせいではありませんでしたか》

 

そんな中、一人さとりは先ほど通ってきた道の森に目を向ける。すると弾達を挟んで星の反対側から人の声が響いてきた。

 

神子「…覚妖怪を連れてきたのはそういうことですか…」

 

布都「むっ!なかなかやるな!」

 

屠自古「…はぁ…まためんどうな…」

 

青娥「芳香ちゃん?ご飯の時間よ~」

 

芳香「ご~は~ん~!や~る~ぞ~!」

 

こころ「…………」

 

 

ぞろぞろと出てきたのはさとりの予測通り『神霊廟』の仙人達。そしてピンクの髪に長いバルーンスカート、周りにたくさんの『お面』を浮かべた付喪神、秦 こころ

 

 

紫「…ぞろぞろと…パチンッ!」

 

レミリア「…これも想定済み!パチンッ!」

 

弾「…白蓮、みんなを助けるぞ…!」

 

白蓮「……はい!」

 

弾達は円陣を組んで囲んでいる命蓮寺と神霊廟の面々を迎撃にかかる。白蓮もどうにか気を取り直して拳を構えた。

 

神子「…総員!かかりなさい!」

 

弾「…かかってこい!」

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

アマハラ3姉弟ぶらり散歩

最近ずっとアマテラス様のこと考えてたから、お気に入り創界神がツクヨミからアマテラス様に移りそう。あの神々しさとか…


その頃 迷いの竹林

 

 

アマテラス《…ん~…良い子がいないわねぇ~》

 

ツクヨミ《…姐上…いったい何を…?》

 

スサノヲ《……姉貴が自分から外に出歩くなんて…何年ぶりだ…?》

 

弾達が命蓮寺への道を歩いている頃、『アマハラ』の三大創界神は何の行く宛も無しに迷いの竹林を歩いていた。

 

正確に言うならば『アマテラスに連れられて弟二人もついて来た』の方が正しいだろう。一見姉弟水入らずの散歩だが、ツクヨミとスサノヲが出歩くということは当然『依り代』もついていかなければならない訳で………

 

藍「……テクテク……(無表情)…」

 

妹紅「……(ものすごく緊張した顔)……」

 

…とまぁ…さすがに自分の出身国の(藍は不明だが)最高神達と散歩するなら、こうなるだろう。二人はアマテラスの両脇に従者の如くきっちりと背筋を伸ばして付き添っていた。

 

アマテラス《…ねぇ藍ちゃん?》

 

藍「…ビクッ!…は、はい!な、なんでございましょう?」

 

アマテラス《…少し変わった妖怪…そんな子に心当たりはある?》

 

藍「…変わった妖怪…でしょうか…?ええと……ぇぇ……」

 

そんな二人にとって拷問にも等しい空気をアマテラスは地獄へと変えた。急なアマテラスの質問に藍は子狐のように身体を震わせ、急いで答えをだそうと頭をフル回転させる。

 

だが『変わった妖怪』というのはかなり抽象的な表現。理系の藍は適当な人物が出てこず、焦りを募らせていく……

 

ツクヨミ《…姐上、なぜその『変わった妖怪』を?》

 

スサノヲ《…そしてな姉貴…あまり藍ちゃんや妹紅を怖がらせないでくれよ。二人とも処刑台に送られる罪人みたいな顔だぜ?》

 

アマテラス《あら?最初に「別に特別扱いしなくて良いから」って言ったのだけど…チラッ》

 

藍「…ピタッ…!」

 

妹紅「…ピタッ!」

 

アマテラス《あ、あれ?二人とも…これだるまさんが転んだじゃないわよ?》

 

もう死にそうな顔の藍を見かねてツクヨミとスサノヲがフォローに入る。それに当のアマテラスは立ち止まり、振り返って藍と妹紅の顔を覗き込むが、またもや二人を萎縮させてしまった。

 

 

アマテラス《……もし緊張させてしまったのならごめんなさい。私が探しているのはあなた達のような『依り代』なのよ》

 

妹紅「…へ、へぇ…そのために『相棒』となる妖怪を。するとアマテラス様も御出陣を?」

 

アマテラス《当然です。仮にも私は『主神』、臣下が戦っているのに動かない訳にはいきません》

 

アマテラスは話題を作って二人と話そうとさっきのツクヨミの疑問に答える。妹紅も前からスサノヲと接してきたからか、アマテラスの会話にどうにか答えるようになってきた。

 

藍「…ですが…なぜ『変わった妖怪』を探しておられるので?既に我らの勢力には十分良い妖怪達がおりますが…?」

 

アマテラス《…ん~藍ちゃんは経験したと思うけど、私の力は大きすぎて普通の妖怪じゃ身体がもたないのよ。七曜の魔女や萃める鬼、綿月の姉も良い子達なんだけどねぇ…》

 

妹紅「…強いのも大変なんだな…」

 

藍《…あの膨大な神力…鬼で最強格の萃香でももたないとは…!》

 

アマテラスはため息をついてまた歩き出す。彼女の言葉に藍は先日のアマテラス降臨時の衝撃波を思いだし、改めて彼女の強さを理解した。

 

 

だからだろうか…()()の反応に一歩遅れたのは。

 

 

???「死ねぇぇぇぇ!!!」

 

藍「…!!アマテラス様」

 

妹紅「な!?や」

 

アマテラス《…ん?》

 

 

ガキンッッッッッ!!!

 

 

突如竹林から飛び出してきた人影がアマテラスに襲いかかった。気を緩めていた藍や妹紅が反応出来ないうちに、その手に握られたハンマーのような物がアマテラスの眉間に振り下ろされた……

 

 

アマテラス《…ペシッ…》

 

???「ぐぇ!…ドゴンッ……シーン…」

 

藍「危な……い……」

 

妹紅「べ…ぇ………え?」

 

スサノヲ《姉貴は常時神力のバリアを張ってんだ。白の創界神だから相当かてぇぞ?》

 

ツクヨミ《だから不意打ちでも姐上を傷つけることはほぼ不可能だ》

 

……が傷どころか衝撃すら無いのか、アマテラスはハンマーを食らっても何事も無かったかのようにピンピンしている。そして彼女は右手で虫を払うように人影を弾いた。

 

人影はそのまま飛び出してきた方へ吹き飛び、竹にぶつかって気絶する。対してアマテラスは何故か嬉しそうに眉間を撫でていた。

 

アマテラス《…わぁ~!暗殺者に襲われるなんて初めて!》

 

ツクヨミ《いやいや姐上!喜ぶことですか!?》

 

スサノヲ《…それは何時も引きこもってるからだろ…》

 

妹紅「……心配して損した…」

 

藍「………」

 

インドアで普段は出歩かないからか、アマテラスは暗殺とはかなり疎遠な神だったようだ。もはや慣れている弟二人は呆れ果て、藍と妹紅は顔をピクピクとひきつらせていた。

 

 

藍「…む?この者…もしや…」

 

スサノヲ《何だ?この妖怪と知り合いなのか?》

 

藍「…いえ…ただコイツはお尋ね者として有名なだけです…確か名前は………」

 

アマテラス《…ジー…トコトコ…もしも~し?起きて~?》

 

妹紅「ちょ!危険…じゃあ…ないか……」

 

藍が襲ってきた人物を思い出そうとしていると、何かを感じ取ったアマテラスが倒れた暗殺者を起こそうとする。

 

???「…ん……げ!」

 

アマテラス《ガチッ!ちょっと待って!あなた…名前は?》

 

???「…ジタバタ!離せ!この!誰が偉そうな奴に名乗るか!!ジタバタ!」

 

目を覚ました暗殺者の肩をアマテラスはがっちりと掴み、顔を覗き込む。その腕力は相当強いようで、妖怪であろう暗殺者ですらまったく動くことが出来ない。

 

もがく彼女の黒髪に混じった赤と白のメッシュ、そして鬼より小さな二つの角が彼女の種族を露にしていた。

 

ツクヨミ《…ふむ…姐上、其奴はたぶん『天の邪鬼』かと》

 

アマテラス《天の邪鬼!へぇ~…サグメちゃんの下位互換みたいな妖怪だったかしら……うん…!決めた!》

 

正邪「ちっ!あぁそうだよ!私は反逆の天の邪鬼!鬼人 正邪様だ!わかったらとっとと離せぇ~!!」

 

ようやく名乗ったら正邪が必死にもがくが、当のアマテラスは軽く押さえ込んで正邪を逃がさない。それよりもアマテラスには気になっていることがあるようで、正邪を見つめて頷いた。

 

スサノヲ《…ん?姉貴…どした?》

 

妹紅「そんな小物に関わってたら時間がもったいないんじゃ…」

 

ツクヨミ《……あ…あれは何か変なことを思いついた顔だ…!》

 

藍「…なんだか…嫌な予感が……」

 

いまだに正邪から離れないアマテラスを不審に思ったこの四人……そしてツクヨミと藍の不安は、次のアマテラスの一言で見事に的中することとなった。

 

 

 

アマテラス《ねぇ、正邪ちゃん……

 

 

 

……私の『依り代』になって、一緒に戦ってくれない?》

 

正邪「………は?」

 

四人「……え?」

 

…迷いの竹林の空気が一部止まった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

アマテラスの相棒はお空だと思った?残念!正邪でした!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

妖怪の賢者VS尸解仙達

なんかすんごく久しぶりなバトスピシーンの感じがする…


命蓮寺 門前 弾達VS神子達

 

 

一方その頃、弾達は星や神子達とリアルファイトを繰り広げていた。光弾が空中を飛び交い、武器と武器のぶつかる音が辺りに響き渡る。

 

 

だが創界神達の力を操り、弾の力を貸し与えられた妖怪達は二対一でも押している。

 

紫「ふっ!」

 

布都「バッ!おおっと!?」

 

屠自古「だぁ!」

 

ある一角では二人の仙人を紫が相手していた。『分神』状態の紫は格闘戦を仕掛けてくる仙人二人を結界で防いだり、扇子を華麗にさばいて翻弄している。

 

紫「…あらあら…どこを狙っているのかしら?」

 

布都「むぅぅ!卑怯だぞ!」

 

屠自古「…ちょこまかと…!」

 

二人の攻撃をスキマに腰かけて紫はのらりくらりとかわしていく。布都や屠自古が弾幕を放つもスキマを開かれ…接近戦に持ち込もうとしてもスキマの中に入られて距離をとられる…

 

布都「ぬぬぬ!なら一帯を攻撃すれば良いことぞ!投皿『物部の八十瓮』」

 

屠自古「はんっ!お前にしては良い考えだ!雷矢『ガゴウジトルネード』!!」

 

避けられるなら一度に攻撃しようと布都は割れた皿の破片を、屠自古は無数の雷の矢弾をばらまいた。

 

紫「境符『四重結界』!!」

 

布都「ギャーっっ!!」

 

屠自古「がっ!…ザザザ…跳ね返しやがった…!」

 

だが紫は手をかざして四方にエネルギーバリアを展開する。二人の放った弾幕は全て弾かれて跳ね返っていき、布都と屠自古の身体を切り裂いた。

 

紫「まずは一人。『双龍炎魔脚』!!」

 

屠自古「まず…!!!グハッ…!」

 

布都「屠自古!!」

 

紫が怯んだ屠自古の背後にスキマを開き、屠自古の左側頭部を蹴り抜いた。断末魔を叫ぶ暇もなく屠自古は吹き飛ばされ、地面をまるで水切りの石のように転がる。

 

『最強』にして『分神』した妖怪の強烈な一発が入り、屠自古はほぼ一撃でKOされてしまった。

 

紫「…さて…もう一人ね」

 

布都「むむむ…!単純な殴り合いでは勝てぬか…!ならばカードで勝負ぞ!!」

 

アレックス《よしっ!紫さん!行きますよ!》

 

紫「ええ、軽く倒すわ」

 

 

紫 布都「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

布都「我の実力!しかと見よ!」

 

紫「ハイハイ、先行貰うわよ。メインステップ。『天翔ける創界神アレックス』を配置するわ。神託を使ってコアを二個追加」

 

アレックス《さらにバーストをセットします》

 

どや顔を崩さない布都を軽くあしらい、紫は背後にアレックスを呼び出す。濃い紫色の長髪を揺らし、マントをたなびかせてアレックスは両腕を構えた。

 

紫「ターンエンド」

 

布都「我のターン!メインステップ!『ライト・ブレイドラ』を召喚!続けてネクサス!『聖剣連山』を配置するぞ!」

 

布都のフィールドに銀色の小さなドラゴンが「キィ」と鳴いて現れる。そしてバトルフィールドが何本もの剣が刺さった岩山へと変わった。

 

布都「バーストも伏せる!ターンエンドだ!」

 

紫「元気ねぇ…メインステップ。『ゴッドシーカー 超星使徒ペルディーダ』を召喚よ。召喚時効果でデッキを三枚オープンし、その中の『超星』と対象の創界神を手札に」

 

対して紫が召喚したのは左手に教典を持った司祭龍だった。ペルディーダは自身の効果を使って紫のデッキを三枚めくる…

 

…魔界竜鬼ダークヴルム、超星使徒コーディリア、ヴィオレ 魔ゐー魔族sideー

 

紫「『コーディリア』と『ヴィオレ 魔ゐー魔族sideー』を回収してそのまま『ヴィオレ 魔ゐ』を配置!神託よ。コアを三個置くわ」

 

アレックス《今『ペルディーダ』にはシンボルが二つ増えています。よって最大軽減で配置です!》

 

ペルディーダが赤と紫色のシンボルを供給し、紫の身体が二色の光を放ち始めた。

 

紫「ターンエンド」

 

布都「ほぅ!メインステップ!『流星の剣聖シューティングスター』を召喚!抜刀せよ!手札の『輝きの聖剣シャイニング・ソード』を直接合体させるように召喚するぞ!」

 

続けて布都は赤い剣士のドラゴンを召喚すると、その手に光輝く聖剣が現れる。『シューティングスター』は『シャイニング・ソード』を振りかぶって臨戦態勢に入った。

 

布都「おおっと…『シャイニング・ソード』の召喚時効果を使う!2チャージしてBP5000以下のスピリットを全て破壊!そしてドロー!」

 

紫「『ペルディーダ』は破壊…バーストは無いわ」

 

布都「…な、なんじゃ…ないのか…!アタックステップ!行けぃ!『シューティングスター』よ!聖剣連山の効果でBPプラス3000!」

 

『シューティングスター』が『シャイニング・ソード』の剣先から光のビームを発射してペルディーダを貫く。そして『シューティングスター』は紫めがけて飛び出していった。

 

紫「ライフで受けるわ」

 

『シューティングスター』が『シャイニング・ソード』で紫のライフを二つ切り裂いた。

 

布都「うむ!ターンエンド!」

 

紫「…そろそろ動きましょう。メインステップ。太陽よ!星の力纏いて竜となれ!『太陽龍ジーク・アポロドラゴンX』!レベル3で召喚!!」

 

ライフを二つ削られても紫は冷静にターンを始める。紫の後ろから赤い深紅のドラゴンが登ってきて、布都を睨み付けると大きく咆哮した。

 

紫「アタックステップ!ジーク・アポロドラゴン!やりなさい!レベル3アタック時効果でシューティングスター並びにライフ一つを破壊するわ!」

 

布都「…ぬを!?シャイニング・ソードはフィールドに残し、バースト発動!双光気団により二枚ドローする!そしてその攻撃はライフに来い!」

 

『ジーク・アポロドラゴン』が口から吐いた炎が『シューティングスター』を焼き尽くし、手から離れた『シャイニング・ソード』も地面に刺さる。だが布都はバーストを発動させて手札を増やすことに成功した。

 

肝心の『ジーク・アポロドラゴン』は拳を布都のライフに叩きつけ、合計二つのライフを削り取った。

 

紫「さて…これでターンエンド」

 

布都「さすがは妖怪の賢者!だがここまでぞ!メインステップ!マジック!『ビッグバンエナジー』!これで我の『星龍』達のコストは3となる!」

 

紫「…ピクッ…」

 

一気に追いつかれた布都だったが、とっておきと手札からマジックを発動する。それは紫も愛用しているマジック、ビッグバンエナジーだった。

 

布都「来たれ!剣聖の王よ!龍輝神シャイニング・ドラゴン・オーバーレイ!!召喚!!輝きの聖剣シャイニング・ソードと合体せよ!!」

 

布都の声と共に炎の竜巻がフィールドに巻き起こり、空から銀の鎧に金の翼を持ったシャイニング・ドラゴンが舞い降りる。そして地面から吹き飛んだ『シャイニング・ソード』を右手でキャッチして大地を踏みしめた。

 

布都「ここでトラッシュのシューティングスターの効果!『シャイニング・ドラゴン』の召喚により手札へと戻る!このまま再召喚し、抜刀!『蒼海の大剣メイルシュトロム』をオーバーレイへ!」

 

紫「…珍しいわね。『メイルシュトロム』なんて」

 

布都「ふふ~ん!アタックステップ!レベル3のオーバーレイでアタック!!『メイルシュトロム』の合体時効果!聖剣連山を疲労させて回復!」

 

『オーバーレイ』の召喚によって布都の手札に戻ったシューティングスターがまた現れた。しかも『オーバーレイ』の左手に鎖がついた青い剣を出現させていくオマケつきである。

 

布都「さらにオーバーレイの効果!太陽龍ジーク・アポロドラゴンを破壊!もらったぁぁぁ!!!」

 

紫「残念♪フラッシュタイミング!白晶防壁!シューティングスターを手札に戻し、ソウルコアを支払ったので私のライフは1しか減らないわ」

 

『オーバーレイ』が炎を纏わせた『シャイニング・ソード』でジーク・アポロドラゴンをぶったぎり、紫自身にも剣を突き立てようとする。しかし紫の手札から放たれた白い壁が衝撃を軽減させた。

 

しかも弾けたバリアが『シューティングスター』に刺さり、布都の手札に返された。

 

布都「ぐむむ…!ターンエンド…!」

 

紫「…決めるわ。メインステップ!!光を滅し!古き鎖を壊す破壊竜!『滅神星龍ダークヴルム・ノヴァX』!レベル2で召喚!!」

 

後一歩まで追い詰めたが、布都は悔しそうにターンを終える。カウンターと言わんばかりに紫の空に黒い暗雲が立ち込める。その中から白と黒の翼を広げてダークヴルム・ノヴァが咆哮した。

 

紫「アタックステップ!『ダークヴルム・ノヴァX』でアタック!!」

 

布都「来たか!『オーバーレイ』!迎え打てい!!BPはこちらが勝っておる!」

 

『ダークヴルム・ノヴァ』が飛び上がって口から黒紫色の波動を『オーバーレイ』めがけて放つ。『オーバーレイ』は『シャイニング・ソード』と『メイルシュトロム』をクロスさせて波動を切り裂くと、ダークヴルム・ノヴァに接近する…

 

そこからは『ダークヴルム・ノヴァ』の拳や蹴りと『オーバーレイ』の剣がぶつかり合うが、圧倒的なBPの『オーバーレイ』が『メイルシュトロム』の鎖を持って『ダークヴルム・ノヴァ』を締め上げた。

 

布都「よし!そのまま破壊してしまえ!」

 

紫「フラッシュタイミング!滅界放!『アレックス』のコア二個をダークヴルム・ノヴァへ!これにより相手のブレイヴを全て破壊するわ!」

 

アレックス《さらにダークヴルム・ノヴァはレベル3にアップ!僕も『転神』します!》

 

鎖で身動きできない『ダークヴルム・ノヴァ』を『オーバーレイ』がシャイニング・ソードで斬ろうとした瞬間、ノヴァの身体から吹き出した闇のオーラがメイルシュトロムとシャイニング・ソードを錆びつかせて破壊する。

 

さらにコアが増えてレベルアップした『ダークヴルム・ノヴァ』は丸腰の『オーバーレイ』にエネルギーを込めた拳を叩きつけ、オーバーレイは外壁に激突して爆散した!!

 

紫「『アレックス』でアタック!フラッシュタイミング!『ダークヴルム・ノヴァ』に煌臨!『煌星第3使徒ガニメデ』!煌臨時効果でネクサスを破壊した後、『ダークヴルム・ノヴァ』をそのまま召喚!!」

 

布都「…な、なぬぅぅ!!!?ら、ライフで受ける…!」

 

アレックス《せいっ!》

 

膝をついた『ダークヴルム・ノヴァ』が一回り小さい緑のドラゴンへ変わると、バトルフィールドを囲っている聖剣連山が音をたてて崩れ落ちる。さらにその『ガニメデ』から光が立ち上ぼり、中からダークヴルム・ノヴァが復活した。

 

驚く布都にアレックスは華麗な回し蹴りを噛ましてライフを削る。

 

紫「…終わりよ。ダークヴルム・ノヴァでアタック!!」

 

再び召喚されたダークヴルム・ノヴァがその眼を布都に向け、先程より強力な闇の光線を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

愛と平和への想い。理想郷への戦い

…そろそろ神煌臨編の再録が来るような予感…アルテミスにイシスさんの再録が欲しい…!!


また視点は変わり…迷いの竹林、アマテラス&正邪は…

 

 

アマテラス《ね~!良いじゃ~ん!》

 

正邪「しつこいな!私はイヤだって言ってるだろ!」

 

竹林ではアマテラスが正邪を勧誘しているが、正邪はお気に召さないのか拒否を続けていた。正邪は変わらずアマテラスに()()()()()()()状態のまま勧誘を受けさせられている。

 

ツクヨミ《…姐上…もうそろそろ諦めた方が…》

 

スサノヲ《…フワァァ…眠い…》

 

藍「…パチッ…」

 

妹紅「げっ…王手じゃん…」

 

その近くでは暇潰しにどこからか将棋の盤を出し、一局手合わせしている藍と妹紅…そしてツクヨミ、スサノヲがいた。四人とも正邪を引き入れることは諦めているようだ。

 

だがアマテラスだけは引き下がらなかった。

 

アマテラス《む~!何で私とじゃダメなの?》

 

正邪「何でって…お前らは『弱者』を見捨てて自分達だけが得をしようとしているからだよ!私はそんな『強者』をぶっ潰すんだ!」

 

藍「アマテラス様、あまり真摯に受け止めない方が良いかと。ソイツは口だけたたいて何の能力も実行力もないただの小物です」

 

妹紅「私もそう思うね。ただ自分の現状に不満があるから悪巧みをして、しかも正当化しようなんて…」

 

正邪「……ちっ!」

 

正邪の訴えを藍や妹紅は嘲笑して一蹴する。正邪の前科を知っているからこそ彼女の考えの『浅さ』を指摘したのだった。

 

正邪自身も痛いところを突かれたらしく、舌打ちしてプイッとそっぽを向いた。

 

アマテラス《…ねぇ正邪ちゃん?あなたの言う『弱者』を見捨てない世界ってどんな世界?》

 

正邪「あ…?そんなの…『弱者』が『強者』を支配する世界だよ。そうすれば『弱者』が虐げられることは」

 

アマテラス《でもそうなったらその『弱者』が『強者』へと変わって、また『弱者』を虐げられるようになるわ。それじゃあいたちごっこよ?》

 

正邪「…っ…たとえそうでも…!私は今の支配者どもが気に入らないんだよ!そのために私はレジスタンスを続ける!!」

 

二人とは違いアマテラスは真剣な顔つきで正邪の話を聞いている。その会話の中で正邪の瞳から強い『覚悟』を感じたのか、アマテラスは目線を座っていた正邪に合わせ、言葉を綴った。

 

アマテラス《…そう…まさか()()()()私と同じ理想を抱いていたとはね》

 

正邪「…お前…も…?」

 

アマテラス《私もよ。あなたの言う『強者』だけでなく『弱者』も…ううん、全員が笑って暮らせる世界…その実現のために私は戦うの》

 

正邪「…………」

 

アマテラス《……だからこそあなたも協力してほしい。『弱者』とか『強者』とか関係ない…愛と平和の世界のために》

 

そう言ってアマテラスは正邪に向けて手を差し出す。彼女の瞳がキラリと光り、正邪は『主神』の凛としたオーラに圧倒されていた。

 

アマテラスが作り出したこの空間は体感時間の数秒を数時間に感じさせていた。それを破ったのはまだあどけなさが残る少女の声…

 

橙「藍様~!!」

 

藍「…む?橙!?どうした!?」

 

橙「敵襲です!!無数の妖怪達が永遠亭付近に!!」

 

妹紅「…マジか…!行くぞ!」

 

ツクヨミ《…大丈夫だろうと思うが…ひとまず戻ろう!》

 

アマテラスと正邪、そして四人に駆け寄ってきたのは藍の式神の橙だった。橙の報告を聞いて藍と妹紅は永遠亭に向かって走っていく。

 

アマテラス《…私は行くわ。部下と民を守らないと…ダダッ…》

 

正邪「……待てよ…」

 

アマテラス《…あら……?》

 

正邪「…んっしょっと…私の力が必要なんだろ?」

 

アマテラス《…ふふっ…》

 

先に向かった二人に続いてアマテラスも永遠亭に戻ろうと正邪に背を向ける。それに正邪は土を払いながら立ち上がり、ぎこちなく笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷いの竹林 永遠亭付近

 

 

 

恐竜《 ギャォォォォォ!!

 

翼竜《 キェェェェェェ!!

 

鈴仙「…っ!バキュンッ!いったいなんなのよ!こいつら!!」

 

早苗「おおっ!まるでリアルモンハンですね!」

 

蓮子「確かにそうだけど!戦いに集中して!!」

 

永遠亭近くの竹林では巨大なティラノサウルスやプテラノドンの群れが押し寄せていた。彼らの目的地は当然永遠亭であろう。

 

暴れる恐竜達を水際で鈴仙や早苗達が押し留めている。

 

霊夢「ドガンッ!…ビュンッ!はっ!」

 

魔理沙「ズドドド!…ビュゥゥ!おらよっ!」

 

恐竜達《 ゴギャァァァ…!!

 

応戦する人間や妖怪達の間を飛び回りながら、霊夢と魔理沙は自らの弾幕をばらまいていく。オマケに『分神』状態の蹴りがひときわ大きな竜脚類(ブラキオサウルス)の首にクリティカルヒットした。

 

たまらずその竜脚恐竜は地面に倒れこみ、二人は華麗に地面に着地して戦闘を続ける。

 

 

霊夢「バリバリッ!ねぇ!ゼウス!!こいつらどこのどいつの配下!?」

 

ゼウス《こやつらは『地竜』!おそらくアヌビスの眷属だろう!》

 

魔理沙「ズドォンッ!誰の配下でもいいが…こういう時は大概大本を叩くべきだろ!?」

 

♪~♪♪♪~♪♪~♪~♪♪~

 

 

妖夢「…ガキィンッ!…空から…音楽が!?」

 

クリシュナ《…この音色…!スピリット達を凶暴化させる音楽よ!》

 

天子「ズバンッ!私がやる!誰だろうとぶったぎってやるわ!」

 

フラン「あ~!私も行く~!!」

 

すると戦場の空から妖しげな音色が霊夢達の耳に飛び込んできた。音楽のスペシャリストであるクリシュナの指摘に、天子とフランは我先に元凶をたたこうと飛び上がる。

 

咲夜「…カッ!…!!妹様!!お待ち下さい!!」

 

フラン「…え?」

 

 

ゴロゴロゴロゴロ!ドッガァァァンッ!!!

 

 

天子「ドゴンッ!…っっ!?きゃぁぁ!!」

 

セト《うぐっ!何だこの雷!?》

 

フラン「バッ!わっ!!?…咲夜がいなかったら、危なかった…」

 

だが今度は飛んだ二人めがけ、強烈な落雷が襲いかかってきた。『未来予知』した咲夜の声を聞いたフランは紙一重で雷をかわすが、天子はそのまま雷にうたれて地面に落っこちた。

 

天子「…いった~い…何よ!反則じゃない!!」

 

雷鼓「あはは!無様だねぇ~!」

 

八橋「姐さんカッコいい~!」

弁々「もっとやっちゃって~!」

 

永琳「…奴らね。この音楽の『音源』は」

 

さすがに頑丈な天人、ダメージらしい傷もなくすぐに身体を起こしてわめく。それを嘲笑う声も妖しげな音色と同時に永遠亭に響き渡り、冷静な永琳は即座に標的を『音源』こと九十九姉妹に切り替えた。

 

永琳「…シュタッ…さて…ここからだったらあの雷も迎撃できるはず……」

 

雷鼓「…へぇ~…撃ち落とす気かい?無駄だ!こっちにはこいつがいるんだよ!八鼓『雷神の怒り』!!」

 

針妙丸「出番ですね!小槌『大きくなあれ』!!」

 

純狐「…純化!!」

 

永琳「…!!?…星符『紅蓮月花』!!」

 

 

ドゴォォォンッッッ!!!!

 

 

文「っっ…!!」

 

幽々子「…凄い衝撃…!」

 

永琳は永遠亭の屋根に登り、雷鼓を撃ち落とそうと矢を構える。それにも動じず雷鼓は再び強烈な落雷を発生させる。だがいつの間にか雷鼓の側にいた小人、少名 針妙丸が秘宝『打出の小槌』の魔力を解放し、『無名の存在』純狐が雷を純化させた。

打出の小槌の魔力と純化で何倍もの大きさになった雷と、永琳の炎の矢が空中で激突し、辺りに猛烈な爆煙を巻き起こす。

 

永琳「…ハァ…ハァ…まずい…!まさかあの小人や神霊までいるなんて…ぅ!」

 

雷鼓「…さすがに耐えるか。でも何時まで持つかな!?もう一発!!」

 

針妙丸「ほいっと!」

 

純狐「ふんっ!!」

 

輝夜「永琳!」

 

『星神』としてフルパワーで戦える永琳でも、打出の小槌+純化の雷を打ち消すのは身体に堪えるらしい。思わず膝をついて荒く呼吸を繰り返す永琳に再び三人が攻撃を放つ……

 

雷鼓「ぶっつぶれろぉぉぉ!!」

 

永琳「…しまった…!!」

 

 

ゴロゴロゴロゴロ!!バッゴォォォォンッ!!

 

 

まるで人為的に発生させた稲妻とは思えないほどの雷が、動けない永琳へと襲いかかる。雷がぶつかって、何かが焼けた焦げ臭さとそれによって発生した煙が辺りに充満した。

 

 

鈴仙「…師匠!!」

 

豊姫「八意様!!」

 

依姫「…そんな…まさか…!!」

 

雷鼓「うおっしゃ!敵の右腕を討ち取った~!」

 

永遠亭の屋根から漂う煙は、竹林で戦闘していた鈴仙達にも確認できた。間違いなく永琳はよけることも迎撃もしていなかったので、敵も味方も永琳が無事では済まないことを確信した………

 

 

???「…ゲホッ!ゲホッ!…残念でした~!!所詮道具は道具か?」

 

永琳「…え…確かに直撃したはず…」

 

雷鼓「ん!?誰だ!?」

 

 

…だがその確信は煙が晴れて現れた()()の永琳によって裏切られた。膝をつく永琳の前に高笑いをしながら何者かが煙を払って姿を見せる。

 

正邪「はっは~!鬼人 正邪様!参上!!」

藍「…まさかお前と並び立つとはな…」

 

妹紅「ははっ!そういうもんだろ?人生は!」

 

アマテラス《岩戸の防壁解除。破損は無し》

 

ツクヨミ《急急如律令。結界、解術》

 

スサノヲ《落ちるのはてめえらだ!》

 

煙から出てきたのは神力を放出している三人の妖怪達。彼らの後ろには透明なエネルギーの姿をした『高天ヶ原三神』がそれぞれの力を解放していた。

 

彼らの前からすぅぅと消えていった『白いエネルギーのバリア』『無数のお札』『何重もの炎の盾』が雷鼓の稲妻を防いでいたのだ。

 

 

藍「…橙!下がってよく見ておきなさい!これが最高クラスの式神使いの戦いだ!」

 

橙「は、はいっ!」

 

ツクヨミ《大切な娘と妹分を傷つけようとしたのなら…お前達の行き先は決まった。急急如律令。十式戦鬼に十王よ。撃ち落とせ》

 

向かって左には夜の王にして月の都の最高神、『創界神ツクヨミ』が札を構えて何やら呪文を唱えている。すると依り代の藍の傍らに黄金色の閻魔達が杓を持ち、紫色の鎧武者達が剣や槍を振るう。

 

ツクヨミ《さて…藍、これを。スメラギンガの刀だ》

 

藍「パシッ…感謝します」

 

最後にツクヨミは自らの刀を藍に渡すと、光の粒子となって身体に戻った。自身も九尾の狐の大妖怪である藍は刀を受け取り、攻撃の準備に入る。

 

 

 

妹紅「へへっ!輝夜!あのバカどもは請け負った!」

 

スサノヲ《うっし!全力には程遠いが…!吠えろ!》

 

反対側の右側には『アマハラ』の武神、『創界神スサノヲ』が自分の剣から燃え盛る炎と荒々しい水流を放出する。それらは打ち消し合うことなく、妹紅の周りに収束していった。

 

妹紅「全ての焼く炎竜に…全てを飲み込む水竜か!今の私達は!負ける気がしないな!!」

 

スサノヲ《どんなもんよ!バックアップは任せな!》

 

スサノヲの炎と水はそれぞれ四本の巨大な竜へと変わり、妹紅を中心にまるで山田の大蛇の如く鎌首を雷鼓達に向ける。スサノヲはエネルギーの制御したまま、妹紅の中へ入っていった。

 

 

針妙丸「…これ、正邪。いい加減に」

 

正邪「いい加減にするのはそっちだ!『力』だけで捩じ伏せる奴の言うことなんざ聞きたくないな!」

 

アマテラス《我が神器の一つ、草薙の剣よ、正邪に力を》

 

ツクヨミとスサノヲの間、以前協力関係にあった針妙丸が正邪をいさめようとするも、正邪は自分の意思を曲げない。その間にアマテラスは豪華な巫女服の裾から一本の両刃剣を正邪に授けた。

 

正邪「…これって…あの三種の神器の!?」

 

アマテラス《いかにも。日輪オーラ展開。さぁ!ひっくり返そうじゃない!》

 

正邪「…ぬぉ!?…ふ、ふんっ…仕方ないな!あんたの『理想郷』!!創ってやろうぜ!」

 

正邪が『草薙の剣』に驚いている隙に、アマテラスは正邪の身体へと降りる。少し照れ腐れながら正邪は剣を手に取り、太陽のオーラを纏って針妙丸達を見上げた。

 

純狐「…月の都の主神…!!嫦娥の…!!」

 

雷鼓「…あちゃー…まずはこっちを潰さないと…!!」

 

針妙丸「…正邪、容赦しないよ?」

 

 

藍「…急急如律令。かかれ!」

 

妹紅「潰せるもんならな!」

 

正邪「ここから始まるんだよ!正邪様の武勇伝は!!」

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カリスマ吸血鬼VS邪仙

…陰陽童…まさかまたお前に苦しめられるのか…!!?


命蓮寺裏手 墓地 レミリアVS芳香&青娥

 

 

レミリア「…ガシッ!でぇい!ブンッ!」

 

芳香「わー!バゴンッ!」

 

青娥「…チッ…馬鹿力に定評がある吸血鬼…侮り過ぎましたか…」

 

 

命蓮寺の境内から少し離れた場所、いつもは小傘などが掃除をしている墓地ではレミリアと芳香、青娥が戦闘を繰り広げていた。

 

キョンシーとしての異常な怪力で芳香はレミリアに組みかかるが、吸血鬼に加えて『分神』したレミリアは素手で芳香を受け止める。そのまま芳香は投げ飛ばされ、近くの墓石を砕きながら地面に転がった。

 

 

青娥「…ならば翻弄するまで。仙術『壁抜けワームホール』ヒュンッ!」

 

レミリア「…!ちょこまかと…!」

 

ディオニュソス《オーオー…墓石をすり抜けるとは。毎度幻想郷の奴らは変な能力持ってるねぇ~》

 

直接の殴り合いでは勝ち目無しと判断した青娥は自らの髪をとめていた簪を抜き取る。それを近くの墓石に突き刺すと、スルリと青娥の身体が硬い墓石をすり抜けた。

 

そのまま青娥は次々に別の墓石をすり抜けてはまた別の墓石に入り、レミリアを翻弄し始める。呑気にディオニュソスが彼女の能力に感心している一方、レミリアは鋭い目で青娥を視界に捉えようと首を四方八方に向けた。

 

 

青娥「…仙術『ウォールランナー』!!」

 

芳香「だぁ~!毒符『ゾンビクロー』!!」

 

レミリア「…ディオス=フリューゲル!」

 

ディオニュソス《ほいっ!》

 

隙を見せたレミリアに青娥は左右にエネルギーの壁を作りだすと、レミリアをプレスしようと壁を動かす。さらに芳香が戻って来て、腐った両腕の爪でレミリアを切り裂こうとした。

 

 

レミリア「…スピア・ザ・グングニル!パシッ!…来い!」

 

 

ガキィィィンッッッッ!!!!

 

 

青娥「………は……?」

 

芳香「うー!こいつ~!バカみたいに力強い~…!」

 

レミリア「ふんぬぬぬぅぅ!」

 

なんとレミリアは左手に生成した愛槍『グングニル』の両端を迫ってくる壁に突き刺して動きを止め、右手の『冥府神剣ディオス=フリューゲル』で芳香の爪を受け止めていたのだ。

 

ディオニュソス《ふゅ~♪やるね~♪》

 

レミリア「ギギギ…当然…よ!!!星符『アリアドネ・オブ・クラウン』!!」

 

芳香「ぎゃー!!!」

 

青娥「っっ!!」

 

ディオス=フリューゲルがおどろおどろしいオーラを放ちはじめると、レミリアは芳香の爪を弾いて止めていた両壁ごと芳香をぶったぎった。壊れた壁の破片やあまりの衝撃に距離を取っていた青娥も顔に手を当てて、踏ん張る。

 

青娥「…ふぅ…ひとまず退散」

 

レミリア「シュタッ!どこにだ?邪仙?」

 

ディオニュソス《フハハッ!残・念☆!》

 

不意打ちさえも聞かないレミリアから、青娥は倒れた芳香を放置して撤退しようとした。だが小さなコウモリの群れに姿を変えられるレミリアは青娥を認識し、即座に彼女の行く手に立ちふさがった。

 

 

青娥「あ、あらぁ~…さすがは最強の吸血鬼様。物理的には勝てませんわ」

 

レミリア「ならカードでなら勝てると?面白い」

 

青娥「…では…お相手いたしましょう」

 

 

レミリア 青娥「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青娥「お先に。メインステップ。『前鬼』を二体召喚しますわ。これでターンエンドです」

 

優雅な口調で青娥はゲームを開始する。フィールドには小さな鬼が二体召喚され、お互いの爪を研いでいた。

 

レミリア「メインステップ。酔い狂う創界神!『創界神ディオニュソス』を配置する!神託の効果で対象カードが二枚、トラッシュへ落ちた。よってコアを二個追加する」

 

ディオニュソス《続けて来な『冥府石像ボーン・ガルグイユ』。俺の『神域』で維持コアはゼロだ》

 

 

後手のレミリアはまず背後にディオニュソスを、そしてフィールドには骸骨の小型ドラゴンを呼び出す。ディオニュソスの加護を受けた『無魔』のボーン・ガルグイユはコアゼロ個でも、生き生きしていた。

 

レミリア「ターンエンド。お前の番だ」

 

青娥「それではメインステップ。ネクサス『千本槍の古戦場』を配置しますわ。バーストも伏せましょう」

 

青娥のフィールドが、荒れ果てて人骨や槍があちこちに散乱する荒野へと変わる。

 

青娥「…ターンエンドです」

 

レミリア「…ふむ…メインステップ。バーストをセットして『冥府貴族ミュジニー夫人』を召喚する。召喚時に二枚ドロー」

 

ディオニュソス《あのねーちゃん、何がしたいと思う?…ミュジニーちゃん?》

 

レミリア「おいおい、突然話をふるな。緊張でビクビクしているぞ」

 

ボーン・ガルグイユの隣にこれまた骸骨の中世貴族風な貴婦人が現れて、レミリアの手札を増加させる。骸骨にもかかわらず、その一挙一動は丁寧だったが、ディオニュソスが質問した時にはあたふたとしていた。

 

その様子はレミリアが助け船を出すほど、困り果てていたようだった。

 

レミリア「…アタックステップ!『ボーン・ガルグイユ』で攻撃!自身の効果でBPプラス5000!!」

 

青娥「『千本槍の古戦場』レベル1効果、相手のスピリットが疲労したことにより、一枚ドロー。そのアタックは『前鬼』で受けましょうか」

 

『ボーン・ガルグイユ』がガラガラと鳴いて翼を広げる。そして骨だけの爪で一体の『前鬼』の身体を切り裂いた。

 

青娥「『前鬼』の破壊時効果。手札から『陰陽皇リクドウ』を棄てて一枚ドローします」

 

レミリア「…続けて『冥府貴族ミュジニー夫人』でアタック!」

 

青娥「これはライフで受けましょうか」

 

レミリアはさらに『ミュジニー夫人』に攻撃を命じる。優雅に舞い上がった『ミュジニー夫人』は手から紫色の球を投げつけて、青娥のライフを破壊した。

 

レミリア「ターンエンドだ」

 

青娥「…そろそろ…メインステップ。『紫煙獅子』を召喚。召喚する際、私のデッキから三枚をトラッシュに置くことで、コストをマイナス3します」

 

青娥は紫煙を纏ったライオンを召喚し、ようやくトラッシュを肥やすことができた。落ちたカードを見て青娥は妖艶に微笑む。

 

青娥「…うふふ…マジック!『反魂呪』を使用!トラッシュから『夜族』をコストを支払わずに召喚しますわ!死体操る陰陽師!『陰陽皇リクドウ』!」

 

レミリア「…へぇ…そういうこと…」

 

青娥が手札から発動したマジックによって、フィールドに黒い穴が開かれる。その中から錫杖と仮面をつけた陰陽師が不気味な呪文と共に現れた。

 

そして『リクドウ』はどす黒いオーラを撒き散らして錫杖をレミリアの方へ突きつけた。

 

青娥「アタックステップ!『リクドウ』でアタック!レベル2のリクドウは、アタック時にトラッシュから紫のスピリットを一体甦らせる!召喚!『魔界七将パンデミウム』!」

 

ディオニュソス《…リバイバル前の『パンデミウム』か…ふーん…そういう戦法か…》

 

『リクドウ』が錫杖を振り回し、反対の指を立てて顔の前に持ってくる。そのまま何かの呪文を唱えると、先ほどの黒いモヤが下半身が蛇の悪魔に変化していった。

 

蛇の悪魔…『パンデミウム』は大きな鎌を出現させ、残った鎌を振り払う。

 

青娥「さらに相手の手札を一枚破棄!ヒュンッ!」

 

レミリア「…チッ…ライフで受ける!」

 

青娥が手から小さなエネルギー弾を放ってレミリアの手札を撃ち抜く。そして『リクドウ』が錫杖をレミリアのライフに叩きつけた。

 

青娥「まぁこんなものでしょう。ターンエンド」

 

レミリア「やったな…!メインステップ!『冥府骸導師オー・ブリオン』を召喚!召喚時効果で手札/トラッシュから『冥府』かつコスト8以上のスピリットを召喚するぞ!」

 

ディオニュソス《『冥府三巨頭』だよ!全員集合~!》

 

反撃にレミリアが召喚したのはボロボロの洋服に杖をもった骸骨の魔法使い。『オー・ブリオン』の杖が怪しく光り、地面を砕いて『冥府三巨頭』の三体が這い出してきた。

 

何本もの腕を持った仏像のような骸骨は『冥府三巨頭バロック・ボルドー』。阿修羅像の如くバロック・ボルドーは手の剣や槍を構える。

 

紫色の翼に巨体な牙を持つ骸骨竜は『冥府三巨頭ザンデ・ミリオン』。質量のない骨の身体を震わせて、ザンデ・ミリオンは地面を揺るがすほどの咆哮をあげる。

 

『パンデミウム』と同じように蛇の下半身を持ち、女性的な体つきを持つ魔神は『冥府三巨頭クイン・メドゥーク』。長い髪を揺らしてクイン・メドゥークは蛇のように舌舐め刷りをした。

 

レミリア「ふふん!三体召喚したので『オー・ブリオン』の効果で三枚ドロー。そして」

 

青娥「あら、バースト貰いますわ。マジック『千枚手裏剣』。相手のスピリットを二体疲労させて二つコアを増やします。そして『千枚槍の古戦場』によりドロー」

 

得意げにドローするレミリアだったが、青娥の開いたバーストから数えられないほどの緑の手裏剣が溢れ出す。その手裏剣の群れは『バロック・ボルドー』と『クイン・メドゥーク』に群がると、二体に突き刺さって疲労させてしまった。

 

レミリア「げっ…ひ、ひとまず…ターンエンドよ」

 

青娥「ではターンを。メインステップ。『パンデミウム』と『リクドウ』をレベル2へ。アタックステップ!まずは『紫煙獅子』でアタック!!」

 

青娥は『パンデミウム』と『リクドウ』をレベルアップしただけでアタックステップへ移る。紫色の煙を撒き散らして『紫煙獅子』が走り出した。

 

レミリア「…『ザンデ・ミリオン』でブロックよ!」

 

ディオニュソス《あー…それは~やっちゃアカンやつよ》

 

少し考えてレミリアは『ザンデ・ミリオン』にブロックを命じる。『ザンデ・ミリオン』は巨体を羽ばたかせて『紫煙獅子』を宙に浮かすと、大きな前足で押し潰した。

 

だがディオニュソスは頭をかきながら「やっちまった」とぼやいていた。

 

青娥「『紫煙獅子』は破壊されました。ですが『千枚槍の古戦場』により一枚ドロー。さらに『パンデミウム』のレベル2効果、こちらのスピリットが破壊されたので、『オー・ブリオン』を疲労させます」

 

レミリア「…!!…そういうコンボだったのね!」

 

ディオニュソス《そ。しかも今『オー・ブリオン』が疲労したから『千本槍の古戦場』がまた発動だぁい》

 

『パンデミウム』が鎌を振り回して『オー・ブリオン』に膝をつかせる。それに反応して『千本槍の古戦場』が青娥にどんどんカードを引かせていった。

 

青娥「さらに『リクドウ』の効果。手札の『後鬼』をレベル2で召喚します。最後にトラッシュの『前鬼』を蘇生」

 

レミリア「…しぶとい…!」

 

青娥「それが『リクドウ』の能力ですわ。続けて『後鬼』でアタック!!」

 

 

『リクドウ』が再び指を切って降霊術を唱える。そして現れた大きな鎧を着た鬼が剣を持ってズンズンと歩き出した。

 

レミリア「…ライフで受ける!」

 

青娥「お次は『リクドウ』でアタック!トラッシュの『紫煙獅子』を再度召喚!そして手札破棄!」

 

『後鬼』の剣がレミリアのライフを二つ砕いて行く。さらに『リクドウ』が先ほど破壊された『紫煙獅子』を復活させ、錫杖を構えてレミリアの手札を棄てつつ飛び出した。

 

レミリア「…フラッシュタイミング!マジック!『冥府秘術ネメシス・リープ』!!疲労状態の『リクドウ』を破壊する!」

 

ディオニュソス《そんでもって俺のコアを三個ボイドへ!これで今伏せてる『冥府貴族バロン・ド・レスタック将軍』のバーストを発動するぜ~!》

 

レミリア「失せろ!『前鬼』ども!」

 

押されていたレミリアは手札のマジックで反撃に入る。するとレミリアに飛びかかった『リクドウ』が透明な鎌に切り裂かれて爆散し、バーストから放たれた紫色の波動が『前鬼』二体を消滅させた。

 

青娥「…チッ…ターンエンド」

 

レミリア「メインステップ!冥府に流れる二筋の血!酔いしれろ!『冥府神王カヴァリエーレ・バッカス』!!召喚!」

 

ディオニュソス《アハハ!行ってこい!》

 

なんとかしのいだレミリアのフィールドに、ディオニュソスがワインをばらまく。そのワインが徐々に肉体を形成し、化神『カヴァリエーレ・バッカス』へと変わった。

 

レミリア「アタックステップ!『カヴァリエーレ・バッカス』でアタック!!『冥界放』!『パンデミウム』のコア三個とライフ一つをリザーブへ!!」

 

ディオニュソス《ついでに俺のコアを三個トラッシュに置いて、リザーブのコア五個をトラッシュ送りに!》

 

青娥「…っっ…!あ、あら?」

 

『カヴァリエーレ・バッカス』が両手の剣で『パンデミウム』を貫くと、その衝撃波が青娥のライフも一つ砕いていく。そして残ったのは疲労状態の『後鬼』一体のみ…

 

レミリア「さぁ!このアタックはどう受ける!?」

 

青娥「ら、ライフです…!」

 

『カヴァリエーレ・バッカス』は青娥に接近して両手の剣を×の字にしてライフを切り裂いた。

 

レミリア「決めてやれ!『ザンデ・ミリオン』!!」

 

ディオニュソス《チェックメイト》

 

レミリアが右手を挙げると、上空に飛び上がった『ザンデ・ミリオン』が口から巨大な火炎弾を発射した!!

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空に燃える藤の花

…この章でバトルを多めにしている理由…だって…活躍が薄めの人達をバトルさせたいんです…


永遠亭 上空 妹紅VS雷鼓

 

 

 

 

妹紅「さぁて…さっきまでゴロゴロ五月蝿かった借りを返させて貰おうか」

 

雷鼓「…ちぃ!三鼓『午前0時のスリーストライク』!!ドドドンッ!」

 

恐竜達が暴れているその上空、『分神』状態で妹紅はマグマが流れ落ちる拳をゴキゴキ鳴らし、ドラムに腰かける雷鼓を挑発する。雷鼓も挨拶変わりに、エネルギーで作った太鼓を砲台として弾幕をばらまいてきた。

 

 

妹紅「…しゃっ!『竜神再誕』!!」

 

 

ドゴォォォォォォンッッッ!!

 

恐竜達《 ゴギィャァァァ!!

 

文「あやや!!?」

 

袿姫「…おお…!ズザザザザ!」

 

雷鼓「あぁぁぁつぅぅぅぅ!!?」

 

妹紅「…シュゥゥゥ…へへっ!不死身の『蓬莱人』舐めんなよ?」

 

それに対して妹紅は自分の身体に貯まっていたスサノヲの神力を全放出させた。まるで太陽が爆発したかのような熱の波動は雷鼓の作った砲台太鼓を弾幕ごと吹き飛ばし、雷鼓自身にもダメージを与えるほどの高火力である。

 

普通ならそれほどの火力を出せば、肉体がもたないのは自明。『蓬莱人』の妹紅だからこそ、使うことができた文字通り『命懸け』の技と言えよう。

 

下でも文や袿姫達が怯むほどの熱に、雷鼓は空中で転げ回り、その隙に妹紅は肉体を再生してニヤリとどや顔を噛ました。

 

弁々「姐さん!大丈夫!?」

 

八橋「加勢するわよ!」

 

雷鼓「あちち…サンキュー!」

 

妹紅「…ったく…めんどくさくなったなぁ」

 

大ダメージを負った雷鼓を庇おうと、さらに上空から九十九姉妹が演奏をやめて妹紅の前に降りてきた。妹紅はまた竜のオーラを纏い、頭をかきながら三人まとめて相手をしようとする。

 

雷鼓「行くよ!八鼓『雷神の怒り』!!」

 

弁々 八橋「「弦楽『嵐のアンサンブル』!!」」

 

スサノヲ《…どーするよ?妹紅?》

 

妹紅「しゃらくさい!迎え撃つ!」

 

スサノヲ《よしきた!》

 

態勢を立て直して雷鼓は再び雷撃を、九十九姉妹も自身の楽器を奏でて弾幕を放とうとする。体内のスサノヲと妹紅は軽く打ち合わせるが、すぐさま『迎撃』で一致した。

 

妹紅は目を閉じて右手に自分の力を集めていく。その右手には炎と水が螺旋状にまとわりつき、赤と青に輝いていた。

 

妹紅「…祇園『二天一龍ー真・フジヤマヴォルケイノ』!!

 

スサノヲの力を込めた妹紅の右ストレートが放たれ、その拳から螺旋状に炎と水の竜が飛び出した。二体の竜は途中で一体の大きな竜へと変わり、雷鼓達の弾幕とぶつかり合う。

 

妹紅「ぉぉぉぉぉ!!」

 

スサノヲ《ぶっっっとばせぇぇぇぇぇ!!》

 

雷鼓「ぎぎぎ…!」

 

弁々「…っう!」

 

八橋「こ、これ…!ヤバい…!」

 

 

ドォォォォンンッ!!!

 

 

『アマハラ』の名高い武神を降ろした妹紅の竜は三人の付喪神達の弾幕を打ち破り、空に大きな爆発を引き起こした。煙が晴れると、もうボロボロな雷鼓が気絶している九十九姉妹を抱えてふらふらと飛んで…それよりは『浮いて』いるだけのよう。

 

弁々「…キュ~…」

 

八橋「…プスプスプス…」

 

雷鼓「…シュー…ブンブンッ!まだまだ!こっちにも創界神はいるんだ。星の竜の力!見せてやる!」

 

妹紅「…ようやくバトルだな!もう一戦だ!」

 

スサノヲ《アポローン!今俺たちが起こしてやる!》

 

 

雷鼓 妹紅「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「…行くぜ?メインステップ!マジック!『護国ノ威光』!デッキから三枚ドローして手札の『カイエンハイドラ』を破棄」

 

バトルフィールドの乾いた風に髪をたなびかせ、妹紅はターンを始める。『護国ノ威光』の効果で妹紅の手札が実質二枚増加した。

 

妹紅「バーストをセット!ターンエンドだ」

 

雷鼓「さっきまでのようには行かないわよ!メインステップ!創界神アポローンを配置!神託!ボイドからコアを三個アポローンへ!!」

 

アポローン《……………》

 

先ほど食らった炎のせいで、雷鼓の服はあちらこちらが焼け焦げているが、本人はやる気満々だ。勢いのまま雷鼓はアポローンを配置する。

 

雷鼓「さらにネクサス!『オールトの竜巣』を配置するよ!これでターンエンド!」

 

次に雷鼓が配置したのは青空に渦巻く巨体な竜巻型の雲だった。これで雷鼓の手札の『星竜』達に赤の軽減シンボルが追加される。

 

妹紅「メインステップ!『ゴッドシーカー パラサノカンナギ』を召喚してデッキを三枚オープン!『創界神スサノヲ』と『天渡/化神』を一枚ずつ手札に加えるぞ!」

 

有り余った手札から妹紅はパラサウロロフスのような頭をした祈祷師を召喚する。『ゴッドシーカー』お得意のサーチでめくられたのは、『シロイワノハイドラ』『轟将龍ゴルゴノオビト』『創界神スサノヲ』

 

妹紅「珍しく早めだな!『創界神スサノヲ』と……うん…この手札なら…『轟将龍ゴルゴノオビト』を回収して残りはデッキの下へ!来いっ!『スサノヲ』!!」

 

スサノヲ《神託を使ってカードを三枚トラッシュへ!対象カードが二枚落ちた!コア二個おかせて貰うぜ》

 

妹紅はチラッと手札を確認して回収するカードを選ぶ。そして回収した『創界神スサノヲ』を呼び出した。

 

妹紅「ターンエンド!」

 

雷鼓「メインステップ!『アスケラ・ドラゴン』をレベル2で召喚!そして『太陽神弓サンバースト』を『アポローン』にダイレクト合体よ!」

 

雷鼓は『オールトの竜巣』の効果で2軽減された、灰色の鱗が光る小型のドラゴンをフィールドに呼び出した。『アポローン』にも十字の装飾がついた神弓を合体させる。

 

 

雷鼓「…ん~…どうしようかな…アタックすべきか…」

 

妹紅「……………ニヤッ」

 

雷鼓「……まぁ、ここは様子見で。ターンエンド」

 

雷鼓は疲労ブロッカーである『アスケラ・ドラゴン』を攻撃するかどうか考えたが、態勢を整えてからで良いと判断し、ターンを終了した。

 

 

妹紅「もらった!メインステップ!『天霞龍ミカグラハイドラ』を召喚!召喚時効果で『地竜』を持つスピリットにコアを二個増やす!」

 

スサノヲ《増えたコアでこいつを呼ぶぜ!俺の半身!『恐龍武神ムラクモレックス』!敵を薙ぎ払え!!》

 

青のシンボルを増やせる『パラサノカンナギ』を残せたのは妹紅にとって大きなアドバンテージ。最大軽減で青いヒレを揺らした三つ首龍に続き、スサノヲの剣から発生した炎が盾と剣を持ったティラノサウルスに変化した。

 

雷鼓「うげっ…!ヤバそうなの来た…」

 

妹紅「ヤバ()()?こいつは本当にヤバいんだよ!アタックステップ!やれ!『ムラクモレックス』!!『天界放』!」

 

スサノヲ《『アスケラ・ドラゴン』は破壊できねぇが…『アポローン』のコアを二個吹っ飛ばして回復させる!》

 

ゴガァァ!と『ムラクモレックス』は刀に口から吐いた炎を灯すと、走り出す。そして『スサノヲ』のエネルギーを吸収して放った咆哮が『アポローン』の力を削いだ。

 

雷鼓「来な!ライフで受ける!」

 

『ムラクモレックス』が炎の刀で雷鼓のライフを一つぶったぎった。

 

妹紅「…ん…ターンエンド」

 

雷鼓「…ドローステップ…来た!メインステップ!無限に連なる星の竜!『煌星龍王メビウスドラゴン』!!レベル2で召喚だぁい!ドドンッ!!」

 

ドローステップで何かを引き当てた雷鼓は太鼓を叩きながら、一体のスピリットを召喚する。するとフィールドに光の∞マークが描かれて、それが翼になったドラゴンが現れた。

 

雷鼓「アタックステップ!まずは『メビウスドラゴン』でアタックだい!相手のBP15000以下のスピリットを破壊してドロー!!ドドンッ!」

 

妹紅「ちっ!『ムラクモレックス』が…!!」

 

スサノヲ《まだだ妹紅!ここから長くなるぞ!》

『メビウスドラゴン』の火炎放射が『ムラクモレックス』に直撃して燃え上がり、跡形もなく消え去る。だがスサノヲはこれで終わらないと見切っていた。

 

雷鼓「フラッシュタイミング!撃ち抜け!太陽の化身!『太陽神星龍アポロヴルム』!!『メビウスドラゴン』に煌臨!さらに『メビウスドラゴン』はそのまま召喚される!」

 

妹紅「…んんっ!?ノーコストで…踏み倒した!?」

 

スサノヲ《『メビウスドラゴン』はな、自分に『星竜』が煌臨する時はソウルコアを使わず煌臨できる。オマケに自分は煌臨元にならないでまた召喚されるのさ》

 

雷鼓の後ろでアポローンが炎の矢で『メビウスドラゴン』を撃ち抜くと、『メビウスドラゴン』がさらに大きな炎の竜へと姿を変える。さらに弓のような翼と炎のたてがみを揺らした『アポロヴルム』から『メビウスドラゴン』が光になって戻ってきた。

 

雷鼓「さぁ!行け!『アポロヴルム』!!」

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

アタック状態の『アポロヴルム』は炎の矢を翼から放ち、妹紅のライフを撃ち抜く。

 

雷鼓「もっかいだ!『メビウスドラゴン』!今度は『ミカグラハイドラ』を破壊してドロー!さらに煌臨!『煌星第5使徒テテュス』!!『メビウスドラゴン』は再び召喚される!」

 

『メビウスドラゴン』が∞の翼を広げると、その光で『ミカグラハイドラ』を焼く。その後『メビウスドラゴン』はまた別の『星竜』へと変わり、光の粒子になってフィールドに戻ってきた。

 

雷鼓「あー…維持コアは『アスケラ・ドラゴン』のを使うね。『テテュス』の煌臨時効果でドロー…」

 

妹紅「その煌臨時効果もらった!バースト発動!『カムナビノミコト』!コスト8以下の『メビウスドラゴン』を破壊!」

 

スサノヲ《そんで『地竜』の『パラサノカンナギ』にコアを二個置いて召喚だ!『テテュス』のアタックを防御しな!》

 

『テテュス』の煌臨時効果をトリガーにして、妹紅のバーストが開く。バーストから放たれた青い雷が『メビウスドラゴン』に命中し、そのまま爆発させた。

 

その後に現れた五首の亀のようなドラゴンが飛んできた『テテュス』にのし掛かり、体格差故に『テテュス』は押し潰されてしまった。

 

雷鼓「ありゃ…ターンエンド…」

 

妹紅「ゴキゴキ…メインステップ!『轟将龍ゴルゴノオビト』をレベル2で召喚!さらに地獄からの刃!『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』!『ゴルゴノオビト』と合体!」

 

妹紅が指を鳴らしてカードをフィールドに叩きつけると、地面を砕いて紺色の鎧で武装したティラノサウルスがのっそりと這い出してくる。フィールドに現れた『ゴルゴノオビト』は『ムラクモレックス』に負けないほどの雄叫びを上げた。

 

その『ゴルゴノオビト』の前に空の赤い雷が落ち、紅色の剣が地面に突き刺さる。『ダーク・ブレード』を『ゴルゴノオビト』は尻尾でつかみ取り、今や雷鼓に飛びかかろうかという殺気を放ち始めた。

 

妹紅「アタックステップ!!…ソードブレイヴゥゥ!…アタックッッ!!『アポロヴルム』を指定アタックだ!!」

 

雷鼓「仕方ない!『アポロヴルム』でブロック!フラッシュタイミング!アクセルで『煌星第1使徒アスガルディア』!『パラサノカンナギ』と『カムナビノミコト』を破壊!!」

 

『ゴルゴノオビト』が待ってましたと『アポロヴルム』めがけて襲いかかる。雷鼓も手札のアクセルを使い、妹紅の二体の竜を燃やして後続を除去した…

 

雷鼓「これでこのターンはどうにか…!」

 

妹紅「悪いな!『ゴルゴノオビト』は『地竜』のバトル終了時にライフを砕きながら回復するのさ!」

 

スサノヲ《行けぇ!ぶちのめせ!》

 

スサノヲの声に答えるように『ゴルゴノオビト』は『ダーク・ブレード』で『アポロヴルム』の炎矢を弾いて接近する。そして二体は剣と爪をぶつけ合わせ、互角の戦いを繰り広げる…!

 

妹紅「太陽まで届け!私の一撃ぃぃぃぃ!!!」

 

妹紅の声に答えるように、『ゴルゴノオビト』は『アポロヴルム』を後ろへはじく。一瞬目を離した『アポロヴルム』の隙を突き、『ゴルゴノオビト』は背後に回り、『ダーク・ブレード』を背中に突き刺して破壊した。

 

しかもその衝撃波で雷鼓のライフも奪い取る。

 

妹紅「『ゴルゴノオビト』は回復している!もう一度アタックだ!!」

 

雷鼓「ら、ライフ…!!」

 

再び『ゴルゴノオビト』は走り出し、くるっと回転して尻尾の『ダーク・ブレード』を雷鼓のライフへ叩きつけた。

 

スサノヲ《決めやがれ!》

妹紅「『ゴルゴノオビト』の効果!!もう一発!!」

スサノヲと妹紅が叫び、『ゴルゴノオビト』の目が三度雷鼓を捉えると、その大きな口から炎の弾丸を発射した!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

メビウスドラゴンのバトルは複雑過ぎて書くのがめんどい…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

楽園の最高裁判長VS舟幽霊

もう新しいシリーズが始まるのに、今さらイシスとかポセイドンデッキを組みたくなっている私でございます


命蓮寺 本堂内部

 

 

バゴォォォンッッ!!!

 

 

水密「ぐへっ…ゴロゴロ」

 

一輪「うへっ…ズザザ!あんがと雲山!」

 

 

命蓮寺の障子をぶち抜いて、水密と一輪…雲山もだが…は黄金色の畳が敷いてある本堂に吹き飛ばされてきた。一輪は背後の雲山が支えてくれたのか、態勢は崩れていない。

 

映姫「…ツカツカ…あぁ申し訳ありません。後で障子は弁償致しましょう」

 

水密「…なら良かっ…じゃなくて!」

 

一輪「ムラサ!後で聖に謝るとして、この狭めの空間をうまく使うよ!!」

 

壊れた障子を跨いで歩いてきたのは、既に『分神』状態の映姫。エメラルドグリーンの閻魔服に杓を持ち、静かに本堂の中へ足を踏み入れてきた。

 

水密「…なーる!転覆『道連れアンカー』!!」

 

一輪「さすがに部屋の中じゃ避けられないでしょ!嵐符『仏罰の野分雲』!」

 

水密が一輪のアドバイスを聞いて得意気に愛用の錨を手に取る。そしてその錨を追うように一輪が拳を突き出すと、無数に分裂した雲山の拳が映姫に飛んでいった。

 

ちなみに今三人がいる命蓮寺の本堂は何十人も人を入れることができるほどの広さはある。だが柱や仏像などの障害物が多いので、意外と避けるスペースは限られている…

 

 

 

…だがヤマザナドゥ(映姫)の前では無力。飛んでくる錨と雲の拳に映姫はただ杓を構えるだけで、能力を発動する。

 

 

映姫「…審判『異端審問会』!」

 

オシリス《…ほぅ…見事な障壁だな》

 

映姫が力を解放すると、彼女を覆うようにバリアが展開されて水密の錨や雲山のパンチを弾き返した。

 

水密「…えぇ…反則じゃん…」

 

一輪「…なら直接殴りに行くよ!でぇぇぇい!!」

 

水密「ええいっ!女は度胸!!」

 

映姫「来なさい。ですがご無理の無いよう…」

 

遠距離攻撃が弾かれるや否や、一輪は両手に金の輪を取り出して映姫に切りかかる。一歩遅れて水密も小型の錨を持って後に続いた。

 

映姫「…サッ…はいっ!キィンッ!」

 

一輪「カスッ…う…バシッ!」

 

水密「キィンッ!…おお!?」

 

映姫「驚きましたか?御生憎、閻魔試験には『実技』もあるのですよ」

 

一輪の金の輪を映姫はほんの少し身体を反らしてかわし、次点の水密の錨を閻魔の杓で受け止める。予想が外れたのか、水密はつばぜり合う錨を持ちながら驚くが、映姫の表情は一切変わらない。

一輪「後ろがお留守よ!ブンッ!!」

 

映姫「…スルッ…は!ゲシッ!ドカッ!」

 

一輪「ガンッ!ぶべっ…!!」

 

水密「ゴンッ!ほげぶっ!」

 

映姫の背後から再び一輪が輪を振り下ろすが、これまた水密の錨を横に流しながら、映姫は一歩ずれるだけでその一撃をかわす。オマケに避けた勢いを利用して一輪に蹴り、水密に杓の打撃をおみまいした。

 

二人が畳に転がる間、映姫は懐から取り出した『浄玻璃の鏡ー手鏡versionー』で一輪の『罪』を調べ上げた。

 

映姫「…ふむ…雲居 一輪。あなたは仏門に身をおきながら…酒を断てていないようですね》

 

一輪「…げっ…!!」

 

映姫「戒律を破りましたね。判決『普声処(ふしょうしょ)地獄ー蛇ー』」

 

オシリス《…来な。我が眷属達よ》

 

映姫の判決が宣言されると、彼女の背後の布地から何十匹もの蛇達が這い出て来た。シューと鳴きながら蛇達は膝をついている一輪めがけて這い寄っていく……

 

一輪「こ、こ、こっちくんな!しっしっ!」

オシリス《やめておけ。私の蛇達は狂暴だぞ?》

 

ガクガクブルブル震えながら一輪は金の輪で追い払おうとするも、蛇達は当たらない微妙な距離で静止する。だがその目は確かに『獲物』を狙う目……

 

 

映姫「ジャッジメント!パチンッ!」

 

一輪「おんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

映姫の指が鳴らされ、準備万端の蛇達が一輪めがけて飛びかかった。身体中を噛まれた痛みのあまり、一輪は命蓮寺を揺らすほどの絶叫をあげて畳に転がり、悶え始める。

 

映姫「…さて…もう一人…」

 

水密「…っ!…雲山!一輪をお願い!私は…カードでこいつを倒す!」

 

映姫「宜しい。その勝負、受けましょう」

 

 

映姫 水密「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

水密「…いざっ!勝利へ!」

 

映姫「ではこちらから。メインステップ。『アンクスネーク』を召喚して召喚時効果。一枚ドローします」

 

先行の映姫は小さな紫の蛇を召喚して手札を増やす。尻尾に丸と十字架をつけた『アンクスネーク』はボトリとフィールドに降り立つと、鎌首をあげて水密を威嚇した。

 

映姫「ターンエンド」

 

水密「私のターン!メインステップ!ネクサス!『戒めの天空の祠』を配置!」

 

映姫「…あら?初めて見るネクサスですね…」

 

水密が配置したのは禍々しい空気を漂わせた巨大浮遊岩石だった。見た目はただの浮いている大きい岩なのだが、内部から気味の悪い風が吹いてくる…

 

水密「これでターンエンド!」

 

映姫「…メインステップ。冥府の裁判官!『創界神オシリス』を配置!『神託』します。対象カードが三枚落ちたので、『オシリス』にコア三個を増やします」

 

オシリス《さらに『オシリスの地底神殿』を配置しようか。レベルは一応2にしておこう》

 

ひとまず映姫は背後にオシリスを呼び出し、さらに自身のフィールドを暗い地底墓のように変える。

 

映姫「…今は攻め時ではありませんね。エンドステップ。『オシリスの地底神殿』はトラッシュから『妖蛇』を持つスピリットカードを一枚手札に戻せます。『ガラフィンスネーク』を戻して、ターンエンド」

 

『オシリスの地底神殿』が紫色に発光すると、映姫のトラッシュからカードが一枚手札に戻っていった。

 

水密「メインステップ!『壬戌兵ツインヘッドビーグル』をレベル2で召喚だ!召喚時効果でコスト5以下のスピリットを破壊!さらに『連鎖』でコアブースト!」

 

続いて水密は頭が二つある猟犬スピリットを召喚する。『ツインヘッドビーグル』はレベル2からの効果で自身のシンボルを『緑』にできるので、『連鎖』が発動した。

 

召喚された『ツインヘッドビーグル』は『アンクスネーク』に噛みつくと、そのまま噛みちぎって破壊した。

 

水密「アタックステップ!『ツインヘッドビーグル』でアタック!『連鎖』!もう一つコアを増やすよ!」

 

映姫「ライフで受けます!」

 

『ツインヘッドビーグル』が二つの口から青いビームを放ち、映姫のライフを砕いた。

 

水密「うぉっしゃ!ターンエンド!」

 

映姫「…普通の『青緑』ではない…メインステップ。『ガラフィンスネーク』を召喚。召喚時効果。トラッシュの『生還者カイトコブラ』を召喚します!」

 

 

見慣れぬ動きをする水密に映姫は警戒しながら、背鰭が特徴の小蛇を召喚し、『オシリス』の『神託』で落ちた『生還者カイトコブラ』を蘇生させる。

 

映姫「アタックステップ!『生還者カイトコブラ』でアタックします!」

 

水密「ライフで受けるよ!」

 

『生還者カイトコブラ』が地面を這った後、尻尾を水密のライフに打ち付けた。

 

映姫「エンドステップ。再びトラッシュから『冥界蛇神アウザール』を回収。ターンエンド」

 

水密「…良いタイミング…!メインステップ!『ティンバートール』を召喚!召喚時効果!相手のコスト3以下のスピリットを全て破壊し、コアを増やすよ!」

 

オシリス《『カイトコブラ』は『生還者』。破壊はされんぞ》

 

良いカードを引いた水密が召喚したのは頭が猟犬のケンタウルス……『ティンバートール』は持っていた弓矢で映姫の『ガラフィンスネーク』を射ぬいていった。

 

水密「さらに『ティンバートール』をレベル2に!これで『戒めの天空の祠』をレベル2として扱う!」

 

映姫「…!…何を…?」

 

水密「レベル2の『戒めの天空の祠』はターンに一度、手札から『異合』スピリットを踏み倒せるのさ!召喚!!深海より恐怖をもたらせ!『異海神ディスト・ルクシオン』!」

 

『ティンバートール』の効果で青く輝き始めた『戒めの天空の祠』から水が吹き出す。その水流に乗って鼻先の角、胸部のサンゴが目を引く首長竜がフィールドに泳いできた。

 

水密「『ディスト・ルクシオン』をレベル2へ!アタックステップ!まずは『ツインヘッドビーグル』でアタック!破壊はできないけどコアは増やせる!」

 

映姫「む…ライフです!」

 

再び駆け出した『ツインヘッドビーグル』が突進して映姫のライフを破壊する。『カイトコブラ』を破壊はできないが、キチンとコアブーストとライフ砕きを果たしていった。

 

水密「続け!『ディスト・ルクシオン』!!」

 

映姫「フラッシュタイミング!『カイトコブラ』へ煌臨!『妖蛇の神皇シェンマドー』!煌臨時効果!手札/トラッシュからコスト6以下の『妖蛇』を召喚します!」

 

オシリス《トラッシュの『アンクスネーク』『ガラフィンスネーク』そして手札より征け!蹂躙せよッ!我が化神『冥界蛇神アウザール』!!》

 

映姫「『アウザール』の効果!コアが三個以上の『ツインヘッドビーグル』と『ティンバートール』を破壊して『オシリス』にコアを二個追加!

 

『ディスト・ルクシオン』は『ガラフィンスネーク』でブロックします!」

 

泳いでくる『ディスト・ルクシオン』に『カイトコブラ』から変化した『シェンマドー』が大きく甲高い声をあげる。それによって召喚された『ガラフィンスネーク』が映姫の代わりに角に貫かれた。

 

 

しかも同時に召喚された『アウザール』が後続のアタッカーを破壊したので、水密はこれ以上アタックできなくなった。

 

 

水密「あじゃ…ターンエンド」

 

映姫「メインステップ!『アウザール』をレベル3に!アタックステップ!『オシリス』のコア三個を『アウザール』へ!これで『妖蛇』はシンボルが増えますよ!」

 

映姫のフィールドの『妖蛇』達が『アウザール』の力を受け、ダブルシンボルへとパワーアップする。水密にはブロッカーが居ないため、絶好の攻め時ではある。

 

映姫「まずは『シェンマドー』でアタック!」

 

水密「まだ終わらないよ!フラッシュタイミング!マジック!『ハイドロ爆流』!!コスト6以下のスピリット三体を破壊!ソイツらまとめてぶっ飛ばせ!」

 

『シェンマドー』が水密のライフに襲いかかるが、水密がソウルコアを使って放ったマジックカード…そこから流れてきた水流が『アウザール』『アンクスネーク』そして『シェンマドー』を飲み込んでしまった。

 

映姫「くっ…!エンドステップ。『シェンマドー』を戻します…ターンエンド」

 

水密「勝った!メインステップ!『深淵の巨剣アビス・アポカリプス』をレベル3にした『ディスト・ルクシオン』に合体!」

 

勝ちを確信した水密は蒼い巨剣をフィールドに召喚する。『アビス・アポカリプス』の登場で水浸しになったフィールドを『ディスト・ルクシオン』が泳いできて、『アビス・アポカリプス』を咥えた。

 

水密「アタックステップ!決めろ!『ディスト・ルクシオン』!」

 

映姫「終わりませんよ?フラッシュタイミング!マジック!『ルーンサモン』!トラッシュの『妖蛇』を召喚!」

 

オシリス《召喚!『医神龍アイスクラーピウスドラゴン』!そしてフラッシュ効果!破壊された『アウザール』!再び召喚!!》

 

『ディスト・ルクシオン』の行く手を映姫によって召喚された蛇の杖を持つドラゴンが塞ぐ。『ディスト・ルクシオン』は口の『アビス・アポカリプス』で叩きのめそうとするが……

 

映姫「『アウザール』の召喚時効果!『ディスト・ルクシオン』を破壊です!!」

 

水密「…ああっ!」

 

その瞬間『アイスクラーピウスドラゴン』の杖から『アウザール』が飛び出してきて、『ディスト・ルクシオン』の首元に噛みついた。そのまま毒を流し込んだのか、『ディスト・ルクシオン』はピクピク痙攣しながら爆散した。

 

水密「…『アビス・アポカリプス』はフィールドに…ターンエンド…」

 

映姫「ふぅ…メインステップ!!再び『アウザール』をレベル3へ!アタックステップ!『オシリス』のコアを『アウザール』に!」

 

『アビス・アポカリプス』が地面に突き刺さり、油断していた水密はターンを終えるしかなかった。そしてもう一度『アウザール』が大きく吠えて『妖蛇』達に力を与える。

 

映姫「行け!『アイスクラーピウスドラゴン』!!ダブルシンボルです!」

 

水密「ら、ライフ…!うぎゃ!」

 

『アイスクラーピウスドラゴン』の杖が水密のライフにぶちこまれ、ライフが二点砕かれる。

 

映姫「『アウザール』!!ジャッジメント!!」

 

空へ舞い上がった『アウザール』が大きな口を開け、紫色の炎を水密めがけて吐き出した!!

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ちなみに普声処(ふしょうしょ)という地獄は実際にある地獄です。戒律を破って飲酒した人が落ちるそうで、一輪にはぴったりだなぁ~…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天に羽ばたく者、地を駆ける者

『転醒編』の前半はアマテラス様を主軸にした『武竜機巧』が環境トップに出ると予測する私です。


迷いの竹林 内部

 

 

小型肉食恐竜《ギィィィッッ!!》

 

椛「はっ!ズバンッ!」

 

 

ドォォォォンッッ!!!

 

 

椛「きゃっ…!」

 

ヘルメス《おおうっ!…スサノヲのじーさん…余波がスゲェな…》

 

『アマハラ』3姉弟が空で激戦を繰り広げている一方、竹林内では椛の剣が『ラプトル』を斬り捨てていた。ちょうど妹紅が大爆発した爆風で、椛は思わず膝をつく。

 

ヘルメス《…椛ちゃん、大丈夫かい?》

椛「…ええ…まだまだ行けます!」

 

ヘルメス《…まぁ…無茶だけはすんなよ》

 

この大異変が始まってから、椛は各方面への連絡係として奮闘していた。それに加え、こうして大きな戦いがあればいつも最前線で剣を振るっている…

 

…その疲労が効いているのか、体内からのヘルメスの声に答える声にもいささか元気が足りていないように思える。

 

???「ふぉふぉふぉ…背後がお留守ぞよ?」

 

椛「…っ!?ブンッ!」

 

???「おお…っと…なかなかやるのう」

 

その時後ろから声が聞こえ、反射的に椛は右手の刀を大凪ぎに振り抜いた。その人影はクルリと宙で一回転すると、特徴的な尻尾を器用に操って着地する。

 

椛「…あなたは…!佐渡の大狸…!」

 

???「『二ツ岩 マミゾウ』という名もちゃんとあるぞ?白浪天狗よ」

 

椛「…カチャッ…」

 

どこか掴めない顔つきで椛の前に降り立ったのは、年寄り染みた言葉使いをする化け狸『二ツ岩 マミゾウ』だった。圧倒的な力を持つ大妖怪のマミゾウを相手に椛は静かに刀を構えるが、斬り込む隙を見いだせない。

 

マミゾウ「…来ないのならこちらから行くぞ?『肉食化弾幕変化』!!」

 

狼の群れ《アォォォンッ!!!》

 

ヘルメス《へぇ…犬には犬ってか?》

 

構えるだけの椛にマミゾウは見た目は普通の弾幕をばらまく。するとその弾幕一発一発が小さな狼になって椛に襲いかかってきた。

 

椛「私は犬ではありません!狗符『レイビーズバイト』!」

 

ヘルメス《…狗じゃん…》

 

…どうなんでしょうね…?

 

すぐさま椛はトレードマークの盾を放り投げ、自由になった左手も刀に添えて自分の正面で一回転させる。そして己の妖力を斬撃として刀から放ち、向かってきた狼の群れを切り裂いていった。

 

マミゾウ「ほぅ…だがいつまでそれが持つかのう?『延羽化弾幕変化』!!」

 

小鳥の群れ《キョェェェッッ!!》

 

椛「…!『レイビーズバイト』!!」

 

ヘルメス《…椛ちゃんのスタミナを枯らす気か…それなら…ボソボソ…》

 

自らの技を打ち破られても、マミゾウは平然と再び弾幕を椛に放つ。今回は弾幕を雀の群れにして襲いかからせたが、再度椛は妖力の斬撃で鳥達を打ち落としていく…

 

…しかしヘルメスが危惧する通り、マミゾウと椛とではスタミナが違う。ただの白浪天狗の椛の体力は大妖怪のマミゾウについてはいけない、ましてや向こうはただ弾幕を放つだけだが、こちらは警戒マックスで反応しながら、打ち落とさないといけない…

 

椛「ハァ…ハァ…うぐっ…」

 

ヘルメス《おいおい椛ちゃん!そろそろスタミナが…》

 

集中しながら何発も妖力の斬撃を放っていた椛だったが、十に届くか届かないかの辺りで痛々しく顔を歪めた。まるでマラソンをした後のように、刀を杖代わりにして肩で息をしている。

 

マミゾウ「…しぶといのぉ…だがこれで終いじゃ!変化『鳥獣戯画』!!」

 

 

動けない椛を取り囲むように、マミゾウは今までよりさらに多い弾幕を出す。その弾幕は狼や小鳥や蛙へと変わると、いたぶるかのように椛の周りを旋回し始めた。

 

マミゾウ「さぁて…!かかれぇい!」

 

椛「…くっ…!」

 

本当に生きているかのような動きで狼に小鳥、蛙の群れはマミゾウの言葉をトリガーにして、一斉に椛へと突進する。もう余力がない椛はどうにか防ごうと、刀を振ろうとした……

 

 

 

 

文「…全く…世話が焼けるわね。『幻想風靡』!!」

 

ホルス《間に合ったか!》

 

マミゾウ「ぬっ!?」

 

その瞬間、並び立つ竹の間を縫うように風が吹いてきた。その風を纏った緑の烏天狗、射命丸 文が椛の周りに群がる動物達を蹴散らして、椛の側へ降り立った。

 

椛「……礼だけは言っておきます…」

 

文「あやや、ならさっさと立ちなさい。()()()()()

 

ヘルメス《うぇーい、ツンデレ~!》

 

ホルス《文も~!》

 

ぶっきらぼうに椛は文に言うと、刀を振って立ち上がる。もう何度もこんな下りをしている文もすぐさまマミゾウに意識を戻した。

 

マミゾウ「…二人だろうが変わらんぞ!『八百八狸噺子』!」

 

文「…椛、まだ行ける?」

 

椛「…もちろん。()()()やるのでしょう?」

 

文「…ふふっ…」

 

マミゾウは周りの恐竜達サイズの巨大な満月型弾を作り出し、二人めがけてぶつけてくる。『ホル=エッジ』を構えた文と息を整えた椛は軽口を交わした後、お互いの得物に力を込めて斬りかかった。

 

 

文「風符『幻舞連爪(カゲロウ)』!!」

 

椛「『英雄獣の爪牙(ヒーローズクローズ)』!!」

 

 

ガギィィィィィィィンッッッ!!!

 

 

マミゾウの月型巨体弾幕と文の風を纏った『ホル=エッジ』、椛のヘルメスの力を込めた刀の一閃がぶつかり合う。身の丈を軽く越える弾幕に文も椛も顔をしかめ、グッと足を踏ん張らせた。

 

文「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

椛「だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ヘルメス《…今だ!二人とも!!》

 

ホルス《この月を上に流せ!!》

 

文 椛「「…!…おらぁ!」」

 

 

バゴォンッッ!!

 

 

その時体内の創界神二人が好機を伝える。その声を聞き逃さなかった文と椛はお互いの得物の先をを下に反らせ、身体を後ろへねじった。

 

それにより文と椛の剣先が下から上に向いたため、巨体弾幕は二人の剣に沿うように斜めに弾道を変えた。

 

マミゾウ「なぬっ!?」

 

文「おらぁっ!!」

 

椛「せいやっっ!!」

 

マミゾウ「…うごぉ……!!」

 

無防備になったマミゾウを文の『ホル=エッジ』と椛の刀がクロスするように切り裂いた。相当な深傷にマミゾウはその場で痛みを堪えるため、うずくまる。

 

椛「…グッ」

 

文「…!…グッ」

 

マミゾウを斬り抜いた二人…すると椛がしたガッツポーズを見て、文も己の腕を合わせて疑似ハイタッチを交わした。

 

文「…さて…あとは任せるわ」

 

椛「了解。ヘルメス様、出番です」

 

ヘルメス《久しぶりのバトルじゃあ~!!》

 

あとはバトルで蹴りをつけられると踏んだ文は、また翼を広げて飛び去っていく。それに振り返らず椛はヘルメスに声をかけ、踞ったままのマミゾウにデッキを向けた。

 

マミゾウ「ぐ…やむを得ん…!」

 

椛「…参る!」

 

 

マミゾウ 椛「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミゾウ「先行は譲るぞ」

 

椛「…メインステップ!『刃獣キツネッキー』を召喚!召喚時にデッキを三枚めくります!」

 

椛先行で始まったこのバトル、最初にフィールドに現れたのは胴体から剣が生えた黄色の狐だった。『キツネッキー』は自身の効果でデッキをサーチする。

 

椛「…よしっ!めくられた『創界神ヘルメス』を手札に加え、残りはデッキ下に。これでターンエンド」

 

マミゾウ「なるほど、創界神だけを探るか。メインステップ。『マガツ・ドラグーン』を召喚じゃ。バーストも伏せよう」

 

一方マミゾウは濃い紫色のワイバーン型ドラゴンを召喚した。このスピリットは自身を『紫』としても扱うハイブリッドスピリットの特徴を持っている。

 

マミゾウ「ふむ…ちょいとつついてみるか。アタックステップ。『マガツ・ドラグーン』でアタックじゃ。効果で一枚ドローする」

 

椛「ライフで受ける!」

 

『マガツ・ドラグーン』が一直線に椛めがけて飛び、硬い部でライフを一つ破壊していった。

 

マミゾウ「ターンエンドじゃ」

 

椛「メインステップ。駆け抜けろ!『創界神ヘルメス』を配置!『神託』によりデッキ上三枚をトラッシュへ。対象が二枚なので、コアを二つ置いて配置です」

 

ヘルメス《さらに『英雄獣ペイリトゥース』!来な!こいつは召喚時に相手の手札を一枚、手元に置かせる!》

 

マミゾウ「ぬぉ!?」

 

椛の後ろに現れたヘルメスに続き、フィールドにも胴体からサボテンが生えたヒョウが召喚される。『ペイリトゥース』の吠える攻撃がマミゾウの手札を一枚露にした。

 

そのカードは……『ソウルホース』、スピリットカード。

 

椛「置かれたのがスピリット。よってボイドからコアを二つ『ペイリトゥース』へ。そのコアを使い『ヘルメスの竜巻神殿』を配置です」

 

増えたコアで椛は竜巻が巻き起こる神殿を配置し、更なるコアブーストを展開した。

 

椛「これでターンエンド」

 

マミゾウ「…アタックはせんか…メインステップ。手元の『ソウルホース』を召喚し、ネクサス『旅団の摩天楼』を配置するぞい。配置時に一枚ドロー」

 

椛がコアを増やしていくのに対し、マミゾウは足に炎を灯した霊馬の後に配置した『旅団の摩天楼』でシンボルと手札を増やしていく。

 

マミゾウ「マジック『トーテンタンツ』を使うぞ。手札の『黒き骸王バルト・アンデルス』を破棄して『キツネッキー』と『ペイリトゥース』のコアを一つずつリザーブへ」

 

椛「…『バルト・アンデルス』…」

 

次にマミゾウは手札のスピリットカードを一枚棄てて、椛のスピリットを除去しにかかる。『キツネッキー』はレベル1だったので、コア0となり消滅した。

 

それより椛はマミゾウが棄てたカードの方が気になっていた。

 

マミゾウ「アタックステップ!行け『マガツ・ドラグーン』!アタック時に一枚ドローするぞ!」

 

椛「もう一度、ライフで受ける!」

 

再び『マガツ・ドラグーン』が雄叫びをあげて空を飛ぶ。その勢いのまま突進して椛のライフを砕いた。

 

マミゾウ「終わりぞよ。ターンエンド」

 

椛「…考えても仕方ない!メインステップ!『アルゴの英雄獣メレアグロス』をレベル2で召喚!」

 

ヘルメス《お…ソイツが出たってことは、ガチャの時間だぁい!》

 

椛のフィールドに『ペイリトゥース』より大きい白銀の身体に、青い鎧と槍を咥えたオオカミが現れる。ヘルメスの言う「ガチャ」は…このスピリットの効果に由来していた。

 

椛「アタックステップ!『メレアグロス』でアタック!アタック時効果!再び相手の手札を一枚手元に!」

 

マミゾウ「…またか…めんどくさいのぉ…」

 

槍を咥えたまま『メレアグロス』は颯爽と走りだし、緑の衝撃波を放ってマミゾウの手札を一枚手元へ落とした。

 

椛「さらにレベル2からの効果!相手の手元のカードと同じ数、こちらのデッキをオープン!その中の『英雄獣』を1コストで召喚する!」

 

ヘルメス《うしっ!駆け抜けろ化神ッ!『七大英雄獣 光速神王オデュッセイバー』!!レベル2で召喚!!》

 

『メレアグロス』の雄叫びに呼応して、空からヘルメスの化神『オデュッセイバー』が駆け降りてくる。この召喚で『ヘルメス』のコアは合計五個となった…

 

椛「『創界神ヘルメス』のレベル2『神域』!コスト4以上の『剣獣』はBPプラス10000され、ターンに一度回復します!」

 

マミゾウ「…むむ…フラッシュタイミング!マジック!『スケープゴート』!トラッシュより来たれいっ!『黒き骸王バルト・アンデルス』!レベルは2じゃ!」

 

ヘルメスの加護を受ける『メレアグロス』の前に黒い竜巻が巻き起こる。中から三つの首が竜巻を食い破って現れ、四つ足で力強く地面を踏みしめた。

 

黒いしわがれた翼に三つの頭部、尻尾にも蛇の顔がついたキメラ『バルト・アンデルス』が椛を威嚇する。しかしレベル2のコスト確保のため、『マガツ・ドラグーン』と『ソウルホース』は消滅してしまった。

 

マミゾウ「そやつのアタックはライフで受けよう!だがバーストをもらうぞ!『封臨禍斬』!このマジックはアタックしてきたスピリットのコアを一つ、ボイドへ送る!」

 

椛「…っ…!」

 

『メレアグロス』の槍がマミゾウのライフに突き刺さるが、バーストから溢れ出た黒い煙が椛のスピリット達の足元に充満した。椛のスピリット達は『オデュッセイバー』以外は全員レベル1…これ以上のアタックはあまり有効と言えないだろう。

 

 

マミゾウ「さらに『スケープゴート』の効果で『バルト・アンデルス』は破壊じゃ…だがお主の手札を受ける一枚道連れじゃよ」

 

たった今現れた『バルト・アンデルス』が光になって消えていく。しかしそれと同時に椛の手札のカード…『パキラフォックス』がすううっとトラッシュへ落ちた。

 

マミゾウ「…スピリットじゃのぉ…なら『バルト・アンデルス』はそのままフィールドに残る」

 

椛「…『メレアグロス』は回復します。ターンエンド」

 

破壊された『バルト・アンデルス』が再び黒い竜巻から復活する。『封臨禍斬』の影響もあり、椛はターンをマミゾウへ返した。

 

マミゾウ「メインステップ!『ボーン・トプス』を召喚!さらに『咎人の骨剣エグゼキューショナーズ』を『バルト・アンデルス』に直接合体じゃ!」

 

空から落ちた紫の光が『バルト・アンデルス』の尻尾にぶつかると、一本の剣に変わる。そして隣にも骨のトリケラトプスが召喚された。

 

マミゾウ「『バルト・アンデルス』のコアを使い『旅団の摩天楼』をレベル2へ!アタックステップ!ソード合体アタックじゃ!ネクサスの効果で『メレアグロス』は消滅!」

 

椛「…『オデュッセイバー』!ブロックです!!」

 

『旅団の摩天楼』レベル2効果で椛のスピリットのコアが一つ取り除かれる。そして『バルト・アンデルス』めがけて『オデュッセイバー』が飛びかかった。

 

レベルが下がったとは言え、『バルト・アンデルス』はBP11000、『オデュッセイバー』はBP10000。『バルト・アンデルス』の首に噛みついた『オデュッセイバー』だったが、尻尾に振り払われて『エグゼキューショナーズ』で刺される………

 

 

椛「フラッシュタイミング!手札から『疾風の双刃カムイ・ハヤテ』を『オデュッセイバー』にダイレクト合体!これでBPはこちらが上!!」

 

椛の手札から飛び出した双刃が『バルト・アンデルス』を弾き飛ばし、『オデュッセイバー』は噛みついて合体する。

 

『カムイ・ハヤテ』の合体によってパワーが逆転した『オデュッセイバー』は目にも止まらぬスピードで『バルト・アンデルス』をすれ違い様に切り裂いた!

 

 

マミゾウ「ぬぉぉ…た、ターンエンドじゃ…」

 

椛「メインステップ!『オデュッセイバー』をレベル3に!アタックステップ!行け!ソード合体スピリット!」

 

ヘルメス《まずは残った『エグゼキューショナーズ』と『ボーン・トプス』を手元へ!さらにレベル2効果で『オデュッセイバー』はトリプルシンボルだ!》

 

『カムイ・ハヤテ』を咥えた『オデュッセイバー』が駆け出して、『エグゼキューショナーズ』と『ボーン・トプス』を切り裂く。

 

これでマミゾウのブロッカーは居なくなった。

 

マミゾウ「…あ…ヤバい…」

 

椛「覚悟!」

 

一筋の風になった『オデュッセイバー』が『カムイ・ハヤテ』でマミゾウのライフを一気に3つぶったぎった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

片翼の白鷺VS毘沙門天の代理人

はいっ皆様!『転醒編第1章』発売されました!私は新しく組んだ『導魔』のキースピリットの火力の無さに驚いておりまーす!


命蓮寺 境内 サグメVS星

 

 

星「せいやっ!」

 

サグメ《…ふっ…!》

 

石の灯篭が綺麗に立ち並ぶ命蓮寺の境内…石畳できた参道ではサグメと星が火花を散らしていた。

 

星「…さすがは天津神…!手強い…!」

 

サグメ《…ドヤァ…!!》

 

アルテミス《サグメちゃんについてこれるあなたもスゴいけどねぇ~》

 

星が槍を突き出すが、サグメは徒手空拳で槍を受け流す。そして的確に星の急所めがけて蹴りを入れようとしたが、そこは毘沙門天の代理人。簡単には打ち込まれなかった。

 

星「…ならば…!スチャッ…この法の光の前にひれ伏せ!」

 

アルテミス《…!あれが確か…『宝塔』ね…》

 

サグメ《…どれほどの財宝であろうと…私はひれ伏すことはない…!》

 

槍による接近戦を諦め、星は右手に宝玉がついた小さな塔を掲げた。それにサグメは一ミリも怯まず、己の神力を高めて迎撃しようと構える。

 

星「宝塔『レディアントトレジャーガン』!!」

 

サグメ《…玉符『烏合の二重呪』…!》

 

星の『宝塔』の光がレーザーになってサグメに向かってくるが、即座にサグメは無数の陰陽玉を精製すると、それらを壁のように自らの前に放つ。

 

星のレーザーはサグメの陰陽玉を貫けずに次々と爆発していった。

 

星「シュ!これならどうですか!?光符『正義の威光』!」

 

サグメの上に飛び上がった星が『宝塔』から放った光はサグメの周りに降り注ぎ、逃げ場をふさぐ。さらにサグメの頭上には鱗型弾幕が雨あられと降ってきた。

 

並大抵の妖怪や神ならこれを迎撃するどころか、しのぐことも難しいだろう……

 

アルテミス《私の力…必要?》

 

サグメ《…お手数おかけします…》

 

アルテミス《あいよっ!》

 

……だが彼女はその『並大抵』の範疇ではない。体内のアルテミスに一声かけると、サグメはいつも顔に沿えている右手を飛んでくる鱗型弾幕に向けた。

 

サグメ《…この技にはイヤな思い出がありますが…仕方ないか…『片翼の白鷺ー天翔弓』!》

 

アルテミス《撃ち抜くのはキジじゃなくて虎だけどね!》

 

神力を昂らせるサグメの周りに何本もの白い光の矢が形成される。これは太古の昔にサグメが『片翼』になった呪いの技だが、サグメは迷わずこの大技を切った。

 

サグメ《…堕ちろ…!》

 

 

ズドドドッ…ズドンッッ!!

 

 

星「…いぃっ!」

 

サグメの決め台詞と共に光の矢が降り注ぐ弾幕へ向かって飛んでいく。アルテミスの底上げもあり、サグメの矢は星の弾幕を蹴散らして、何本かは星自身に命中した。

 

堪らずに星は地面に足をつけ、石畳の下の土が見えるほど後ずさった。

 

サグメ《…スチャッ…(デッキを取り出して見せる)…》

 

星「…ズザッ…「こちらでも勝てる」…と?良いでしょう!」

 

 

サグメ 星「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「私が勝ったら聖を返してもらいます!」

 

サグメ《…できるかしら?メインステップ。『ダーク・ドーベルX』を召喚。バーストをセットし、ターンエンド》

 

サグメ先行でバトルは始まった。最初にサグメは紅と白の機械の猟犬を召喚し、星にターンを明け渡す。

 

星「メインステップ!ネクサス!『千間観音堂』を配置!そしてバーストも伏せます!」

 

サグメ《…!!…デッキ破壊…!》

 

星のフィールドに黄金に輝く仏像が立ち並ぶ。その様は幻想的だったが、サグメはいやぁな顔をして身構えた。

 

まぁ、これはバトスピやっている人間なら仕方ないだろう。

 

星「以上。ターンエンド」

 

サグメ《…メインステップ。まず『アルテミスの泉』、その後に…冴え渡る月光の女神…!『創界神アルテミス』を配置…!》

 

アルテミス《『アルテミスの泉』は私の配置時『神託』を行わないことで、コアを二個置けるわ!デッキ破壊は怖いからね~》

 

フィールドを挟んで星の『千間観音堂』の反対側、サグメのフィールドに竹やぶと、その奥にキラリと光る泉が現れる。それに遅れて現れたアルテミスは泉の光を受けて、パワーアップした。

 

うまく配置時の『神託』を使わず、コアを増やすことに成功したようだ。

 

サグメ《…アタックステップ…行きなさい『ダーク・ドーベル』》

 

星「来た…ライフで受ける!」

 

『ダーク・ドーベル』がワンッと吠えてフィールドを駆け、前足で星のライフを砕いた。

 

サグメ《…ターンエンド》

 

星「…メインステップ!『海楯の守護者ジャイルズ』、『光の戦士ガイウス』を両者レベル2で召喚!さらに『千間観音堂』をレベル2へ!」

 

星は腕に楯と背中に斧を背負った戦士、槍と盾を持った古代ローマ風の戦士を連続召喚する。『千間観音堂』もレベルアップしたので、いよいよデッキ破壊が始まろうとしていた。

 

星「アタックステップ!『ジャイルズ』レベル2でアタック!まずは相手のデッキを二枚破棄!『ガイウス』の『強化』に『千間観音堂』も含めて合計九枚です!」

 

サグメ《…ライフで受けましょう…》

 

『ジャイルズ』が背中の斧を手に取り、サグメのライフめがけて投げつける。同時にサグメのデッキから九枚のカードが吹き飛び、トラッシュへと落ちていった。

 

星「ターンエンドです!」

 

サグメ《…さて……メインステップ。『スプレッド・トータス』を召喚…アルテミス様、お願いします》

 

アルテミス《りょ!月の光よ私に力を!射貫けっ!私の化神!『月天神獣ファナテック・エルク』!召喚時に私のコアを置いて、スピリットを三体までデッキボトムに!》

 

サグメは白い機械のリクガメを召喚すると、後ろのアルテミスに声をかけ、アルテミスは空へ向けて矢を放つ。すると青空が一気に満月の月夜へと変わり、月から大きな牡鹿がサグメのフィールドに駆け降りてきた。

 

降り立った『ファナテック・エルク』は頭の角から白いビームを発射して星のスピリット達をデッキへと戻した。

 

星「…キースピリット…!ですがバーストを発動させます!マジック!『キングスコマンド』!デッキから三枚引いて一枚を捨てます!さらにフラッシュ効果発揮!」

 

アルテミス《げっ!これじゃ『ファナテック・エルク』ちゃんがアタックできないじゃない…!》

 

だが星も黙ってはいない。バーストで手札を補充すると、フラッシュ効果でコスト4以上のスピリット…『ファナテック・エルク』の攻撃を封じ込んだ。

 

サグメ《…アタックステップ…!コスト3の『ダーク・ドーベル』でアタック…!》

 

星「ライフです!」

 

『キングスコマンド』の影響を受けない『ダーク・ドーベル』の攻撃が星のライフをもう一つ破壊する。

 

サグメ《ターンエンド》

 

星「…メインステップ!千の手を持つ救世の使い!『蓮華王センジュ』!召喚!そしてバーストをセット!」

 

星のフィールドに現れたのは『ファナテック・エルク』にも匹敵するサイズの蓮の花。その中から背中に何本もの腕を持ち、一際大きな両腕を合掌させた巨大な仏像型スピリットが現れた。

 

『センジュ』は二本の錫杖を出現させて背中の腕で構えた。

 

星「アタックステップ!『蓮華王センジュ』でアタック!Sバースト発動!『芙蓉の五重塔』!『ダーク・ドーベル』を破壊してコアブーストします!!」

 

サグメ《……ふむ…》

 

星「まだです!『センジュ』の効果で『スプレッド・トータス』も破壊します!」

サグメ《…『ファナテック・エルク』でブロック…!》

 

 

星のバーストから水柱が噴き出して小さな塔がズズズとそびえ立つと、その水が『ダーク・ドーベル』を押し流す。さらに『センジュ』の指先から桃色のビームが放たれ、『スプレッド・トータス』も破壊された。

 

そして『センジュ』の錫杖を『ファナテック・エルク』の角が受け止め、何度もぶつかり合う。

 

星「BPはこちらが上回っていますよ!」

 

サグメ《…『リゲイン』…『ファナテック・エルク』をBPプラス5000…!これで18000…!》

 

 

サグメの手札が光の粒子になって『ファナテック・エルク』へと吸収される。そのまま二本の錫杖を角で弾き、『センジュ』の身体を上空へ吹き飛ばす。

 

サグメ《…さぁ!『逆転』なさい!『ファナテック・エルク』!》

 

アルテミス《いっけー!》

 

サグメとアルテミスの叫びを聞き、『ファナテック・エルク』は空へ飛び上がる。そして角先から白い雷を放ち、『センジュ』を撃ち抜いて破壊した。

 

星「…ぐっ…ターンエンド…!」

 

サグメ《…メインステップ。そびえる白き要塞…『丑の十二神皇アバランシュ・バイソン』を召喚…!アタックステップ!『アバランシュ・バイソン』でアタック!》

 

サグメのフィールドが厚い氷河に覆われ、氷を砕いて要塞と合体した雄牛が登場する。『アバランシュ・バイソン』は星めがけて背中の砲台から弾丸をぶっぱなした。

 

星「…ライフです…!」

 

放たれた弾丸の嵐が星のライフを二つ吹き飛ばす。

 

サグメ《…決めなさい!『ファナテック・エルク』!》

 

アルテミス《これで決まりよ!》

 

『ファナテック・エルク』の角が銀色に煌めき、星のライフに突き刺さった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

月下の陰陽師

ツクヨミ様の戦いは『急急如律令!』てつければカッコいい説


永遠亭 上空 藍VS純狐

 

 

藍「…ブツブツ…急急如律令!」

 

純狐「こざかしい!ふんっ!」

 

妹紅から少し離れた永遠亭の空、そこでは藍の式神達と純狐の呪術が火花を散らせていた。戦局としては藍が次々と作り出す鎧甲冑の兵隊を純狐が『純化』させて、消滅させている。

 

藍「…まずいな…!このままでは…!こちらの体力が無くなる…!」

 

ツクヨミ《…藍、私に任せろ…ブツブツ…》

 

純狐「フハハハッ!不倶戴天の敵っ!『嫦娥』よっ!見ているかっ!?今ここで!お前の主を地獄へ落としてやろう!『殺意の百合』!!」

 

純狐はいつものセリフと共に紅色の『気』を収束させる。純狐の手中で作られた気質の玉は、純狐の手を離れた瞬間、紅い槍となって藍めがけて伸びてきた。

 

目の前に危険が迫る藍だったが、体内のツクヨミが何かの呪文をブツブツと唱え始めた……

 

純狐「咲け!『殺意の百合』よ!!」

 

ツクヨミ《………魔影『式札の驟雨』!急急如律令!》

 

 

ボキィィィンッッ!!!!

 

 

純狐「なに!?『殺意の百合』が…折られただと!?」

 

『殺意の百合』が藍の身体を貫こうとしたその時!突然藍と紅の槍の間にお札が現れて藍を守ったのだ。それどころか撃ってきた『殺意の百合』の方が折れて、散り散りに霧散していくほどの強度である。

 

藍「!?…これは…!」

 

ツクヨミ《大したことではない。ただの『結界術』の親戚だ》

 

純狐「…むっ!ならばこれならどうだ!『純粋なる狂気』!」

 

お札の壁に驚く藍と軽く説明しているツクヨミに、純狐は幾重にも蛇行した細かいレーザーを浴びせてくる。先ほどのパワー技とはうってかわり、数で押す作戦に切り替えたようだ。

 

 

それでも彼の術は破れなかった。

 

ツクヨミ《…急急如律令…》

 

 

ボキンッ!ボキンッ!ボキンッ!ボキンッ!

 

 

次々と飛んでくるレーザーを、お札の壁が防ぐ。しかも凶悪なシステムとして、一度防いだお札が散り散りになり、また別のレーザーを防ぐ壁へと変わることだ。

 

純狐も暇を与えずにレーザーを生み出すのだが、ツクヨミのお札は的確に飛んでくるレーザーを防いで霧散…そして再構成されて別のレーザーを対処…と全く怯む様子を見せない。

 

純狐「ハァ…ハァ…」

 

ツクヨミ《…ざっとこんなものか。今だ!》

 

藍「…毎回驚かされてばかりです…!ブツブツ…!」

 

とんでもない『気』をレーザーとして費やした純狐は、一端レーザーを生み出すことを辞め、大きく肩で息をする。まさに『隙』といえる瞬間を藍は見逃さず、追撃の陰陽術の呪文を唱えた。

 

藍「…月輪『魔影妖戒レーザー』!!急急如律令!」

 

ツクヨミ《貫け!札の槍よ!》

 

二人の呪文が発動し、藍の身体を守っていた無数のお札が一直線に純狐へと飛んでいく。その札は一本の大きな槍となって純狐の身体を貫こうと伸びる。

 

純狐「…むっ…!『純」

 

藍「…無駄だ!『散』!!」

 

ツクヨミ《これならば対象不在で能力は不発だろう》

 

純狐もただ貫かれるのを黙って見てるわけではない。すぐさま己の能力で槍を霧散させようとしたが、それを読んだ藍の一声で、槍が元のお札の群れへと戻った。

 

純狐「…なん…だと!?」

 

藍「『再構成』!!」

 

純狐「うがっ…!!」

 

そして再び槍になったお札が純狐の腹部を貫く。たまらず純狐は顔を歪め、フラフラと高度を落としていった。

 

藍「…スタッ…そんなものか?貴様の怨みとやらは?」

 

純狐「ズザッ…ま、まだだ!『エジット』の最高神の力を思い知らせてやろう!」

 

地面に降りて藍と純狐は、お互いの創界神のオーラを撒き散らしながらデッキを構える。

 

 

藍 純狐「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純狐「…貴様など3ターンあれば十分だ…!」

 

藍「ほう?ちょうど私もそう思っていたところだよ。メインステップ!急急如律令!『創界神ツクヨミ』を配置!」

 

ツクヨミ《『神託』のカードの中に、対象は二枚。二つコアをもらうぞ》

 

純狐は最初から『VS嫦娥モード』で3ターンキルを宣言する。実際この二人のデッキ構成(超速攻デッキ)なら、バトルはそれぐらいで簡単に終わるだろう。

 

藍「ターンエンド」

 

純狐「メインステップ!エジットの太陽!『創界神ラー』を配置!『神託』せよ!対象が二枚、コア二個を『ラー』へ。そして『子フィンクス』を召喚!」

 

ラー《……………》

 

こちらも速攻に向けて、ラーと小さなスフィンクスを召喚する。現れた『子フィンクス』はニャーと鳴いて顔を擦り始めた。

 

純狐「『子フィンクス』をレベル2へ。ターンエンド」

 

藍「…この手札だと…メインステップ。『十式戦鬼・断蔵』をレベル2で召喚!レベル2の効果でライフを砕き、黄シンボルを二つ増やす!」

 

ツクヨミ《続けて来たれ!『ちょうちんゴースト』『ゴッドシーカー 陰陽式鬼』!》

 

藍はフィールドに鎖をぶん回す甲冑型式神(制限カード)を呼び出し、自らのライフを削って展開の準備に取りかかる。

 

そして『断蔵』の隣にはちょうちんの妖怪と小さな陰陽師が並び立った。

 

藍「『陰陽式鬼』の召喚時効果。デッキを三枚めくり、黄/紫の『天渡/化神』を一枚回収する。めくられた『妖戒帝エンオウ』を手札に加えるぞ」

 

純狐「…フフフ…」

 

藍「……アタックステップ!『ちょうちんゴースト』『断蔵』でアタック!」

 

『陰陽式鬼』がデッキから『エンオウ』を掘り起こし、『ちょうちんゴースト』と『断蔵』が駆け出す。

 

純狐「来い!ライフで受ける!」

 

ツクヨミ《『妖戒/魔影』を持つスピリットが相手のライフを減らしたことにより召喚!我の化神のひとつ、十王がひとり『妖戒帝エンオウ』!》

 

藍「召喚時の『天界放』!『創界神ツクヨミ』からコアを移動させて『子フィンクス』のブロックを封じる!」

 

『ちょうちんゴースト』の突進と『断蔵』が投げた鎖が純狐のライフを破壊する。その砕けたライフがツクヨミの胸の鏡に吸収され、クルクル回転しながら『エンオウ』が華麗に着地した。

 

藍「『陰陽式神』でアタック!手札の『十王ヘンジョウ』を破棄して一枚ドロー!」

 

純狐「させん!フラッシュタイミング!『子フィンクス』へ神煌臨!我が元へ顕現せよ!神をも焼き殺す光!『太陽神獣セクメトゥーム』!」

 

『陰陽式鬼』が攻撃しようと、紫色の玉を精製する。しかし『子フィンクス』に『ラー』の光が射し込み、その身体をより大きな翼を持つライオンへと変えた。

 

煌臨した『セクメトゥーム』はグルルと唸り声をあげて熱い光を放ち始めた。

 

純狐「『セクメトゥーム』は煌臨時に相手のスピリットを『子フィンクス』のコスト分BPマイナス10000!『エンオウ』と『ちょうちんゴースト』を指定して破壊だ!」

 

藍「…だがコスト0の『ちょうちんゴースト』の破壊により、『十王ヘンジョウ』の『不死』が発揮。トラッシュから召喚!」

 

純狐「『セクメトゥーム』!『陰陽式鬼』をブロックせよ!」

 

『セクメトゥーム』の熱線が藍のスピリット二体を焼きつくすが、藍もトラッシュから『ヘンジョウ』を呼び出してカバーする。そしてエネルギー弾を撃とうとした『陰陽式鬼』は『セクメトゥーム』の前足に踏み潰された。

 

藍「ターンエンド」

 

純狐「メインステップ!こいつの攻撃は防げまい!『古代想機ヌム』『古代想機ネイト』をどちらもレベル2で召喚!『ヌム』の召喚時効果でデッキから四枚オープンする!」

 

自信ありげに純狐が召喚したのは、金色のジャッカルと銀色の水牛。そして純狐のデッキトップ四枚中、一枚に対象のカードが存在した…!

 

純狐「召喚!『夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア』!『古代想機ヌム』に合体!」

 

藍「『トワイライト・ファンタジア』…!?」

 

ツクヨミ《…確かに…こちらのデッキとは最悪だな…》

 

天から黄色い光が地面に突き刺さり、一本の優雅な剣へと変化する。その剣を『ヌム』は咥えて力強くいなないた。

 

純狐「アタックステップ!ソード合体アタック!!」

 

藍「…ライフで受ける!」

 

純狐「『トワイライト・ファンタジア』合体時効果!ライフを一つ回復させる!そしてダブルシンボルだ!」

 

『トワイライト・ファンタジア』を咥えて『ヌム』はフィールドを駆け抜ける。そのまま藍のライフを二つ一気にぶったぎった。

 

純狐「続け!『ネイト』!レベル2効果!『ヌム』を回復させるぞ!」

 

藍「なに…!?」

 

『ヌム』と交代に『ネイト』が走り出すと、なんと疲労していた『ヌム』が起き上がった。この二体はアタック時にお互いを回復させる効果を持っているのだ。

 

純狐「小型しか出せないお前にこの攻撃はどうしようもあるまい!やれ!」

 

藍「…そうとも限らんが?『ヘンジョウ』でブロック!」

 

ツクヨミ《破壊される…が…手札のこのスピリットは『妖戒/魔影』が破壊された時に召喚される!我の化神のひとつ、『月魄鬼神スメラギンガ』!急急如律令!魂を切り裂け!》

 

突進してきた『ネイト』の角に『ヘンジョウ』は貫かれてしまう。しかしそれをトリガーにツクヨミは刀を夜空へ放り投げ、一本の巨大甲冑式神を召喚した。

 

ギギギッ!と『スメラギンガ』は刀を抜いて純狐のスピリットの攻撃に備える。BPは12000、合体している『ヌム』を返り討ちにできる高さである。

 

純狐「…チッ…攻めきれないか…ターンエンド」

 

藍「…さて…このターンで3ターン目か。メインステップ!『十式戦鬼・裏武蔵』を召喚。召喚時に疲労状態の『ネイト』を破壊する!」

 

『ツクヨミ』の『神技』を警戒した純狐はこれ以上アタックをせず、ターンを終える。次のターン、藍は二刀流の幽霊剣士を召喚し、疲労していた『ネイト』を切り裂いた。

 

藍「アタックステップ!行け!『スメラギンガ』よ!『天界放』!!」

 

ツクヨミ《『天界放』によりコアを二個移動。よって相手のソウルコアをトラッシュに、フィールドのコアも三個リザーブへ送る!》

 

藍「『ヌム』のソウルコア、そして残りの『ヌム』と『セクメトゥーム』のコアを外す!」

 

『スメラギンガ』が刀をブンッ!と大凪に振り抜くと、『ヌムと』『セクメトゥーム』が切り裂かれて消滅する。これで純狐のフィールドはがら空きになった。

 

さらに藍は手札のカードを切る…!

 

藍「フラッシュタイミング!マジック!『苦無ノ驟雨』!『エンオウ』よ!再び来たれ!」

 

純狐「…ッッ!『スメラギンガ』はライフで受ける…!」

 

藍のマジックカードから放たれたお札がフィールドで、『エンオウ』へと変わり、『スメラギンガ』も刀で純狐のライフを切り裂く。

 

藍「続け!『断蔵』!『裏武蔵』!」

 

純狐「…ライフだ…!」

 

『断蔵』の鎖が純狐のライフに当たり、『裏武蔵』の二本の刀もライフを両断する。

 

藍「宣言通り!終わりだ!やれ!『エンオウ』!!」

 

ツクヨミ《チェック…メイト…!》

 

飛び出した『エンオウ』が剣を振るって最後のライフを一刀両断した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

覚妖怪VS小さな賢将

さとりとか依姫みたいに『他人の力を使える』キャラっていろんな組み合わせを想像できて、好きです。


命蓮寺 屋根 さとりVSナズーリン&小傘

 

 

さとり「…シュンッ!」

 

ナズーリン「…ちょこまかと…」

小傘「わわっ!?今度はあっち!?」

 

命蓮寺の屋根ではナズーリンと小傘をさとりが相手取っていた。だがそれは戦いというより、むしろ鬼ごっこに近い…なぜなら…

 

ブラフマー《…なぁさとりちゃん…》

 

さとり「ハァ…ハァ…何ですか…ハァ…?」

 

 

ブラフマー《 そろそろ逃げるの止めね?

 

さとり「絶っっ対!イヤです!」

 

瓦の屋根を駆け抜けながら、さとりとブラフマーは脳内でそんな会話をくり広げていた。実の所、さとりの強さとは『心を読む程度の能力』で相手の記憶から厄介な攻撃の記憶を引っ張り出して再現する事……

 

 

……それだけである。

 

 

さとり「ですから!私はもっぱらインドア派なんです!『弾幕ごっこ』はともかく、戦闘は専門外!」

 

ブラフマー《ん?幻想郷の地下…『旧地獄』?それの親玉みたいなポジションじゃなかったっけ?》

 

さとり「デスクワークに向いてるのが私だけだったんです!『鬼達には向かないでしょう』って!」

 

まるで誰かに怨みをぶつけるようにさとりは叫ぶ。その矛先はおそらく某妖怪の賢者か某閻魔様に向いていると思われるが、幸か不幸かその声は風に流されていった。

 

悲痛な声をあげながら走るさとりを、どうにかフォローしようとブラフマーは思案する。

 

ブラフマー《…厄介な攻撃を再現できるのもスゲェつえいじゃん》

 

さとり「『能力』がすべてじゃないですよ!戦闘は!どこかのフラワーマスターが良い例です!」

 

ナズーリン「まてぇぇぇ!!」

 

両手をブンブン前後に振りながら、さとりは屋根の上を縦横無尽に走りまくる。ただ一つさとりの想定外だったのは、そこまで命蓮寺の屋根が広くなかったことで……

 

 

さとり「ズザッ…あっ…」

 

ナズーリン「どうやら、もう逃げられないね」

 

小傘「…ようやく追い詰めたぁ~…」

 

…すぐにさとりは屋根の端に追い詰められてしまった。そばに飛び移れる屋根もなく、前からはナズーリンと小傘がジリジリと距離を詰めてくる。

 

さとり「…ぅ…」

 

ブラフマー《…誰だって『最初』があるもんだ。サポートしてやるから!お前はドンッと行け!おらよっと!》

 

振り返って近寄ってくる二人に一瞬尻込むさとりだったが、体内のブラフマーは半ば脅迫染みた声援をあげ、自分の愛刀『三龍宝剣 エンシェントキャリバー』をさとりの手に握らせた。

 

さとり「パシッ…ええいっ!こうなったらやけです!かかってきなさい!!」

 

ナズーリン「棒符『ビジーロッド』!!」

 

小傘「大輪『からかさ後光』!!」

 

『エンシェントキャリバー』を構えてさとりは腹をくくる。その直後、さとりを挟むようにナズーリンがレーザーを、小傘が上から米粒弾幕を放ってきた。

 

ブラフマー《焦るな!これはいつものように避ければ良い!》

 

さとり「…スッ…ふっ…バッ!」

 

ブラフマーの指示に合わせてさとりは『弾幕ごっこ』で培った、回避能力でレーザーをくぐり抜け、米粒弾もかわしていく。

 

ブラフマー《良いぞ!次はこのまま斬りかかれ!対象はそのネズミっ娘だ!》

さとり「せいっ!!」

 

ナズーリン「ぐっ…!ガキンッ!!」

 

小傘の弾幕をかわしてさとりはナズーリンに接近すると、両手で『エンシェントキャリバー』を振り下ろす。ナズーリンは両手のダウンジングロッドをクロスさせ、剣を受け止めた。

 

ブラフマー《よしっ!さとりちゃん!お前の『記憶』から『摩多羅神』の剣術スペルを引っ張ってこい!》

 

さとり「ググッ!想起『うろおぼえの七星剣』!!」

 

ナズーリン「ぐへっ…!」

 

ブラフマーに言われ、さとりは己の記憶から隠岐奈のスペル『七星の剣』を再現する。

 

その力でさとりの『エンシェントキャリバー』の刀身が本物の炎へと変わってナズーリンのロッドを切り裂き、本人にもダメージを与えた……

 

…うろおぼえなのは焦っていたからだろうか?

 

さとり「…できた…私…剣術はできないのに…?」

 

ブラフマー《気を抜くな!もう一人いるぞ!》

 

小傘「わっ!火!?だったら…驚雨『ゲリラ台風』!」

 

炎の斬撃に後退するナズーリンを見て、驚いていたのはさとり自身だった。

 

驚くさとりの炎に対抗しようと小傘が自分の本体であるからかさを掲げる。すると空模様が怪しくなり、強風と共に大粒の雨がさとりに降ってきた。

 

ブラフマー《雨風か。なら吹き飛ばしちまえ!奇跡の風でな!》

 

さとり「…想起『おぼろげな神の風』!」

 

 

ビュゥゥゥゥゥッッ!!!!

 

 

小傘「どっっひゃぁぁぁ~!!?」

 

目には目を、歯には歯を、風には風とさとりの『サードアイ』が己の記憶を呼び覚ます。早苗のスペルと小傘のスペルがぶつかり、破れた小傘の身体が大空へ舞い上がった……

…そしてやはり『おぼろげ』なのは…?

 

さとり「………私……まさか強い…?」

 

ブラフマー《…まぁさとりちゃんは弱かった。でもな、それはさとりちゃんの能力を生かせてなかったからだと思うぜ?》

 

さとり「…はいぃ?」

 

ブラフマー《だってよ。自称『インドア派』ってことは、他人と接する機会が少ないだろ?それはつまり()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()ってことでもある。そうだろ?》

 

空の彼方へ飛んでった小傘を眺めながら、さとりは自分の手を見て呟く。そこにブラフマーは答えをくれた…確かにお空が『八咫烏』の力を得るまで、さとりは地霊殿以外の人とはあまり接触がなかったのだ。

 

ブラフマー《でも今は違う。別の世界にまで出て、いろんな『出会い』を経験してる。その『つながり』の強さこそ、さとりちゃんの強さに直結してるんだ》

 

さとり「…弾さんには感謝しないといけませんね」

 

ブラフマー《だな♪》

 

さとりはぼやきながら照れ臭そうに頭をかく。いつもこいしやお空が世話になっている彼だったが、気づかずにさとりも世話になっていたのだ。

 

ナズーリン「…イタタっ…ま、まだだ…!」

 

ブラフマー《…もうここからは…大丈夫か?》

 

さとり「ええ。後ろで突っ立っていれば良いですよ」

 

ブラフマー《辛辣!?》

 

態勢を立て直したナズーリンがよろよろとさとりの前に戻ってくる。

 

 

さとり ナズーリン「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナズーリン「あまり私をなめない方が良いよ?仮にも『賢将』だからねぇ…」

 

さとり「…自分で言いますか…?まぁ良いです。メインステップ。マジック『ブレイヴドロー』。デッキから二枚ドローし、三枚オープンします」

 

自慢気に(無い)胸を張るナズーリンを尻目に、さとりはターンを開始する。最初にリバイバル版の『ブレイヴドロー』を使い、手札を増やしにかかった。

 

さとり「…その中の『三龍宝剣エンシェントキャリバー』を手札に、そして『アバタードラゴン・ヴァイオレット』は手元に置き、残りはデッキの下へ」

 

ナズーリン「…うまい。あのマジックはそういう意味で使うのか…」

 

さとりが使ったマジックにナズーリンは感心していた。今言った通り、さとりの使う『創界神古竜』軸のデッキはオープンされた時に手元へ行くスピリットがいる。

 

しかも神話ブレイヴとも相性が良いため、『ブレイヴドロー』はまさにベストマッチなマジックだろう。

 

さとり「バーストをセット。ターンエンド」

 

ナズーリン「メインステップ。『ボーン・ダイル』と『さまよう甲冑』を召喚だ。召喚時の効果で一枚もらうよ」

 

ナズーリンが召喚したのは紫色をしたワニと、不気味な霧を纏う甲冑だった。初手に『ボーン・ダイル』はかなり強めである。

 

ナズーリン「バーストも伏せて、ターンエンドとしよう」

 

さとり「…はぁ…イヤな思い出が…メインステップ。未来の創造主!『創造の創界神ブラフマー』を配置!同名がないので『神託』します。デッキを三枚トラッシュへ」

 

ブラフマー《シャッ!全部対象だったからコア三個追加!そんでもって『アバタードラゴン・ブルー』は手元行き!》

 

さっきの『ブレイヴドロー』で引き当てたのか、さとりの後ろにブラフマーが突っ立った。『アバター』達も順調に手元へ貯まっていっている…

 

……しかしまぁ…相手のトラウマを思い出させる『覚妖怪』がトラウマを呼び起こさせられるというのは…なかなか面白い…

 

 

さとり「…想起『初期手札すべて防御マジック』」

 

 

…ぎゃぁぁぁ!………チーン………

 

 

ブラフマー《…?さとりちゃん…どしたん?》

 

さとり「何でも。さらに手元から『アバタードラゴン・ヴァイオレット』を召喚。ターンエンド」

 

……さ、さとりは続けて紫色のアバタードラゴンを召喚し、ターンを終えた。

 

ナズーリン「…メインステップ。ネクサス『偽りの地下帝国』を配置だ。『ノーザンベアード』もレベル2で出そう」

 

ナズーリンの背後に薄紫の煙に包まれた城がそびえ、フィールドには大きなシロクマがドスンッ!と召喚された。

 

さとり「…『ノーザンベアード』ですか…」

 

ナズーリン「まだ動かないよ。ターンエンド」

 

さとり「…メインステップ。『三龍宝剣エンシェントキャリバー』を『創造の創界神ブラフマー』にダイレクト合体!」

 

ブラフマー《よっと…厳しいな…俺の『アバター』達は『ノーザンベアード』を突破できねぇぞ…》

 

固い表情でさとりはブラフマーに刀身が炎の剣を合体させる。しかしナズーリンの『ノーザンベアード』が予想以上に問題だった。

 

BP8000、ブロック時にコアブースト&ターン1回復…今『アバター』達を並べて攻撃しても、結局向こうにコアを与えるだけになってしまう。

 

さとり「…ここは我慢です。ターンエンド」

 

ナズーリン「…こりゃ長引きそうだ。メインステップ。『北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン』を召喚して、手札のブレイヴをノーコストで召喚。『紫電の霊剣ライトニング・シオン』!」

 

手堅く行こうとさとりはアタックをせず、ターンを返す。それとは対照的にナズーリンは空の北斗七星から一体のドラゴンを呼び出し、それに続くようにソードブレイヴも召喚した。

 

ナズーリン「『ライトニング・シオン』の召喚時効果。相手スピリットのコアをリザーブへ。そしてドロー」

 

さとり「ですが『アバタードラゴン』はフィールドを離れる時、私の手元に返ります」

 

まるで死神のような容姿をした紫色の『北斗七星龍』は手にした『ライトニング・シオン』で『ヴァイオレット』を切り裂く。

 

ナズーリン「アタックステップ!合体スピリットでアタックだ!」

 

さとり「…『ブラフマー』の神技を使用!手元に戻った『ヴァイオレット』を再度召喚!そのアタックはライフで受けます!」

 

ブラフマーが『エンシェントキャリバー』の刃先から炎を噴き出させ、『ヴァイオレット』を呼び戻す。それと同時に合体した『北斗七星龍』が『ライトニング・シオン』をさとりのライフを貫く。

 

ナズーリン「ここらでターンエンドっと」

 

さとり「…イタタ…メインステップ。『アバタードラゴン・ブルー』、『アバタードラゴン・イエロー』そして『焔竜魔皇マ・グー』を召喚!」

 

ライフを二つ失ったさとりだが、貯まったコアを使って青と黄色の『アバター』とこれまた死神を思わせる黒いドラゴンを召喚した。『北斗七星龍』と向かい立つ『マ・グー』は燃え上がるマグマのような顔の装飾を震わせ、威嚇する。

 

さとり「アタックステップ!『マ・グー』にトラッシュからコアを置いてレベル3へ!『イエロー』でアタック!」

 

ブラフマー《アタック時に『ノーザンベアード』を破壊!おまけに『マ・グー』によってBPプラス3000かつダブルシンボルよぅ!》

 

強化された『イエロー』が飛び上がり、口から炎を吐いて『ノーザンベアード』を焼き尽くす。

 

さとり「フラッシュタイミング!手札の『アバタードラゴン・グリーン』のアクセル!『ボーン・ダイル』も破壊します!」

 

ナズーリン「むっ…ライフで受けよう!」

 

追撃にさとりは手札のアクセルを切る。放たれた緑の光線が『ボーン・ダイル』を貫き、ナズーリンのライフも『イエロー』の手刀が二つ叩き割った。

 

さとり「続けて『ブルー』でアタック!」

 

ナズーリン「ここまでだよ。フラッシュタイミング!マジック!『ポイズンブレス』!」

 

さとりはこのまま押しきれると踏み、『ブルー』もアタックさせる。しかしナズーリンの手札が黒い煙になって『ブルー』を地面に叩き落とした。

 

ナズーリン「『ポイズンブレス』はコアが一つのスピリットのアタックを無効にするもの。『マ・グー』以外のスピリットは私のライフを削れない」

 

さとり「…やりますね。ターンエンド」

 

吹き荒れる煙の中、ナズーリンは不適に『ポイズンブレス』の効果を述べる。さとりも髪をなびかせつつ、嗤いながらターンエンドを宣言した。

 

ナズーリン「メインステップ。『偽りの地下帝国』をレベル2にして、手札のこいつをコスト6に。賢者の蛇!『白蛇帝アルデウス・ヴァイパー』!レベル3で召喚!!」

 

『偽りの地下帝国』の霧がフィールドに流れ込むと、一ヶ所に集まって大きな蛇の形になる。それを振り払って出てきたのは黄金の翼に白い身体をした大蛇だった。

 

ナズーリン「召喚時に『アルデウス』はフィールドのコア三個を外す!『強化』も入れて合計五個!『アバター』達の三個と『マ・グー』のコア2個を指定だ!」

 

さとり「…っ…!手元には残りますが…コアは増やされますね…」

 

ナズーリン「その通り。さらに消滅したスピリット一体につき、コアを増やす!そのコアで『機巧獣ヨロイファント』をレベル2で出そうか」

 

『アルデウス』が自身と『ライトニング・シオン』の力で強化された波動を放ち、さとりの『アバター』達を消滅させる。さらにナズーリンは機械の白いマンモスを並べてきた。

 

ナズーリン「…行くか…『ライトニング・シオン』を『アルデウス』に合体!」

 

『北斗七星龍』が持っていた『ライトニング・シオン』を『アルデウス』は尻尾を巻きつかせる。そして『ライトニング・シオン』を剣先から、あろうことか飲み込み、その後腕から出して見せたのだ。

 

さとり「…うへぇ…」

 

ブラフマー《…普通に持てよ…》

 

ナズーリン「…そこは同感…アタックステップ!ソード合体アタック!!『マ・グー』のコアを3つ除去!」

 

合体した『アルデウス』の一振りが『マ・グー』のコアを吹き飛ばすが、何とか『マ・グー』はコア一つで堪える……

 

そしてここからがさとりの切り返しだった。

 

 

さとり「相手のスピリットがアタックしたので…バースト発動!『爆心龍マ・オンー龍態ー』!一枚ドローしてBPプラス5000!」

ブラフマー《…へへっ…『マ・オン』!『人態』になれ!煌臨!!》

 

 

さとりのバーストから現れたのは溶岩の鎧を纏った四つ足のドラゴン。それにさとりは手札のカードを重ねて煌臨させる。すると『マ・オン』の身体が起き上がり、一段と翼を大きくして二本足で立ち上がった。

 

さとり「…『マ・オンー龍態ー』で…ブロック!!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴッッ!!!

 

 

ナズーリン「うわわっ!?なんだ…この地響きは…!?」

 

さとり「…『龍態』となった『マ・オン』はブロック時、BP30000以下の敵を……全て焼き殺す!」

 

『マ・オン』が猛烈な咆哮をあげると、『マ・オン』の身体からドロドロに溶けたマグマが発生する。明らかに触れては死ぬマグマはナズーリンのフィールドを飲み込んだ。

 

ブラフマー《ヒュー♪シヴァの気持ちがチョイとわかった気がするな。こりゃぁ気分爽快だ》

 

ナズーリン「…『ライトニング・シオン』はフィールドに…ターンエンドっ…!」

 

マグマが消え、ブラフマーの口笛が響いたナズーリンのフィールドにあったのは……突き刺さっている『ライトニング・シオン』だけだった。

 

さとり「終わらせます。メインステップはこのままにしてアタックステップ。『マ・オンー人態ー』でアタック!」

 

ブラフマー《…とどめはもらうぜ。『転~神』っ!》

 

ナズーリン「ライフで受ける…!!」

 

更地同然になったフィールドを『マ・オン』が飛ぶ。ナズーリンは『マ・オン』の火炎放射をライフで受けるしかない。

 

さとり「『創造の創界神ブラフマー』で…アタックっ!!」

 

ブラフマー《ぶったぎれろぉぉぉ!!》

 

フィールドに降り立ったブラフマーが炎の剣をナズーリンめがけて振り下ろした!!

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やっぱり彼女が東方で一番強いんだよね

最初に言います…すいませんでした!理由は下へ…


永遠亭サイド 竹林

 

 

天子「だぁー!もー!あいつらとっちめてやる!」

 

恐竜《ギャァァ…!》

 

竹林に響き渡る大きな声…恐竜の雄叫びに混じって響いてきたのは天子の文句だった。どうやら先ほど雷鼓に落とされたのが、相当プライドを傷つけたようだ。

 

天子「だぁれぇか!こんな雑魚じゃなくて…!私を満たしてくれるのはいないのぉぉ!!?」

 

セト《うぉぉぉ!俺も暴れ足りねぇぇ!!》

 

???「…うっさいなぁ…アンノウン『軌道不明の鬼火』!」

天子「…ニヤッ…どりゃ!」

 

雑魚掃除に飽きたのか、天子が空に向かって叫んでいると、どこからか炎の玉が天子めがけて飛んできた。天子は嬉しさ半分警戒半分でフヨフヨと動く炎を『緋想の剣』で切り裂いていく。

 

???「およよ…やるね~♪」

 

天子「あっ!あんたは…ぬ、ぬ、ぬま?」

 

ぬえ「ぬえよ!封獣 ぬえ!どこが泥まみれなのよ!」

 

そう言いながら天子の斜め上から、変な長い三叉槍を持った少女が降りてきた。特徴的な彼女の翼…右は赤い鎌、左は青い矢印というまさに『正体不明』な妖怪。それが『鵺』である。

 

天子「なんだって良いわ!古代京の都を騒がせたあなたなら、私の相手に相応しい!」

 

ぬえ「…ならどうするの?」

 

天子「こうするっての!!気性『勇気凛々の剣』!」

 

 

ビシッと天子は剣をぬえに向けた後、その『気質』を纏った剣を振り下ろす。剣は宙を斬っただけに見えたが、剣が通りすぎた所から炎の玉が発生し、ぬえに向かっていく。

 

ぬえ「…正体不明『紫鏡』!」

 

天子「はいっ!?増えた!?」

 

…だが最強の妖怪の一角を成す『鵺』はこんな攻撃でやられる存在ではない。ぬえはなんと二人に分身して天子の炎弾をかわしてみせたのだ。

 

ぬえ「「あははっ!バーカ!そんなの当たらないよ~だ!」」

 

天子「きぃぃ!要石『カナメファンネル』!!」

 

ぬえ「「恨弓『源三位頼政の弓』!」」

 

二人になってぬえは天子の周りを飛び回り、あからさまな挑発を繰り返す。プライドはエベレスト級の天子は、当然ムキになって『要石』を飛ばすが、ぬえの弾幕に全て弾かれてしまった。

 

ぬえ「「やーい!天人崩れ~!」」

 

天子「…こんのぉ…!!」

 

 

接近戦の剣術も遠距離戦の要石も効かず、天子は悔しさのあまり歯噛みする。それを嘲笑うかのようにぬえは分身したまま、辺りを飛んでいた……

 

…だからこそ反応が遅れた。

 

 

依姫「せいやっ!ズバンッ!」

 

ぬえ「ぎゃっ!」

 

ぬえの死角の茂みから飛び出してきた依姫が、一体のぬえに斬りかかる。ぬえは成す術なく真っ二つになったが、そちらは分身だったのか、身体は光の粒子になって消えていった。

 

天子「…あんた…」

 

依姫「加勢します。手こずっていたようなので」

 

ぬえ「…ムムム…!邪魔するな!もう一度!恨弓『源三位頼政の弓』!」

 

天子の前に着地した依姫が、視線をもう一人のぬえに向けながら天子に声をかける。ぬえも負けじと空にレーザーを打ち上げ、爆発した破片を依姫と天子に降らせてきた。

 

 

依姫「…インディーダの創界神が一柱!維持の神ヴィシュヌよ!不変の力を我らに!!」

 

依姫が己の異能を発動して愛刀を静かに抜刀する。そして自分の視線の高さにまで構えると、自身と天子を薄く白い膜が展開された。

 

 

依姫「ギギギギ…神世界最強の『不変』の力。穢れた妖怪風情が破れる代物ではない」

 

ぬえ「こんのぉ…!!それならこの槍で貫いてあげる!でぁぁぁぁ!!」

 

依姫に遠距離の攻撃が効かないと踏み、ぬえは持っていた三叉槍を構えて突っ込んでくる。だが月の都『最強の剣士』である依姫としてはその方が得意な分野だった。

 

依姫「エジットの創界神が一柱!天空の王者ホルスよ!何人も追いつけぬ高みを見せよ!」

 

ぬえ「ひゃんっ!?」

 

依姫は即座にホルス(の分霊)を降ろすと、ぬえの視界から消え失せる。あまりの速さで発生した風に、ぬえは思わず顔を覆って怯んでしまった。

 

依姫「こちらです。オリンが一柱!酒と狂気の神ディオニュソスよ!狂い裂け!!」

 

ぬえ「わっ!?キィンッッ!あぁ!」

 

その隙をついた依姫は背後を取り、ワイン色の軌道を描きながら刀を振り上げる。ぬえの無防備な槍は空へ舞い上がり、クルクル回転しつつ竹やぶの彼方へ飛んでいった。

 

ぬえ「……わかったわ…私の負けよ…」

 

依姫「分かればよろし」

 

ぬえ「なんて言うと思った!!?正体不明『虹色UFO襲来』!」

 

天子「あっ!ずるい!」

 

観念したのか両手をあげて降参を示したぬえだったが……依姫が刀を収めた瞬間手を大きく広げてUFOの弾幕をばらまいてきた。丸腰同然の依姫はそのまま蜂の巣になってしまう……

 

 

依姫「…オリンの創界神が一柱!殻人と戦いの神アレスよ!一糸乱れず進軍せよ!」

 

…ことなどなかった。すぐさま依姫はアレスの力を使い、身体から大量のイナゴをUFO軍団に放つ。やはり神の力で作られているからか、イナゴ達は簡単にUFOを食い破り、破壊していった。

 

依姫「まったく…それぐらい読めます。ついでに彼女にも…」

 

ぬえ「ちょちょちょ!そんなキモい奴ら…!」

 

依姫「…あぁ…苦手なんですね?ならイナゴ達、彼女の服の中へ潜りなさい」

 

ぬえ「ぬぇ!?い、イヤ…!こ、こっち来ないでぇぇ!!」

UFOだけでは飽きたらず、依姫はイナゴ達をぬえ本人をも襲わせる。しかもただ攻撃するのではなく、服の中めがけて突入させたのだ……逃げ惑うぬえだったが…次々とイナゴ達は追いついていき………

 

 

ぬえ「ギャァァァァァァァァァァ!!!!

 

へカーティア《………スッ(合掌)…》

 

天子「…うへぇ…あんた趣味悪いわね…」

 

依姫「うふふっ♪これ一回お姉さまにやったんですよ~♪そしたらお姉さまも泣きながら」

 

セト《つぉい!実の姉にやるなよ!イタズラでもひどすぎるぞ!》

 

ぬえ「ヤダヤダヤダァァ!!キモいキモいキモいぃぃ!取って取って取ってぇぇ!!あぁぁ!下着の中にまで入ってきたぁぁ!!やめてぇぇぇぇ!!」

 

ついにぬえは地面に転げ落ち、羽をバタつかせながら乙女が出してはいけないほどの叫び声をあげ始めた。身体中の服がモゾモゾと動いているのを見て、さすがに天子もかわいそうに思えてきた。

 

 

依姫「…そろそろ消しますか。パチンッ」

 

ぬえ「ハァ…ハァ…うぅぅ…もうお嫁に行けない…」

 

依姫「………オリンの創界神が一はし」

 

へカーティア《ストップストップストップ!!これ以上やるの!?》

 

イナゴが消えた後も、ぬえは体育座りで地べたに座り込んでいた。もうその様子は誰がどう声をかけたら良いか、分からないほど沈んでいる……

 

 

天子「…あー…あとは私がやるわ。あんたは別のところへ行ったら?」

 

依姫「そうですか。分かりました。頼みますよ…スタタッ…」

 

天子がようやく依姫を上手く退かせるよう言葉を使う。依姫としてももうぬえが戦闘不能に見えたので、お言葉に甘えて走り去っていった。

 

 

天子「……ほらっ!あんた!起きなさい!」

 

ぬえ「…チラッ…あっ!あいつがいない!あんたなら倒せる気がするわ!」

 

天子「ヨシッ!勝負よ!」

 

 

天子 ぬえ「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬえ「…チラッ…あー…怖かった…腹いせにあんたをとっちめてやる!!」

 

天子「はんっ!メインステップ!『砂海王子ナミルネス』を召喚よ!ターンエンド」

 

何とかいつもの調子に戻ったぬえと天子のバトルは天子の先行でスタートする。白いマントを着けた豹の獣人が天子のフィールドに召喚され、ぬえを威嚇した。

 

ぬえ「メインステップ!ネクサス!『魔王蟲の根城』を配置!バーストも伏せるわ!」

 

ぬえの初手はネクサスから、緑と青のシンボルを供給する『魔王蟲の根城』を配置する。怪しい空気を漂わせた巨木がぬえの後ろでざわざわと揺れた。

 

ぬえ「ターンエンド!」

 

天子「ふーん…メインステップ!ぶっ壊せ!『創界神セト』を配置!『神託』しなさい!落ちた対象カード二枚分、コアを増やすわ!」

 

セト《続けて来な!『砂海戦士イブン』!『ナミルネス』の効果で最大軽減!》

 

天子は『セト』を呼び出した後、灰色の狼人の剣士を召喚する。『ナミルネス』が自身に青シンボルを増やしているので、コスト1で召喚された。

 

天子「アタックステップ!『イブン』でアタックよ!アタック時に二枚ドロー!そして一枚棄てるわ!」

 

ぬえ「ライフで受ける!ライフが減ったからバースト発動!『手裏剣大地』よ!コアブーストしつつ配置!!」

 

走り出した『イブン』の半月刀がぬえのライフを切り裂くと、セットされていたバーストが発動する。『魔王蟲の根城』のさらに後ろ、そこに手裏剣の形の台地がせり上がった。

 

普通なら『手裏剣大地』の配置時効果でスピリットが二体疲労するのだが、天子のフィールドに回復しているスピリットがいないので、不発となった。

 

天子「…まっ、ターンエンドよ」

 

ぬえ「お陰でコアもシンボルも増えた!メインステップ!光を切り裂く黒い鎌!『黒蟲魔王ディアボリカ・マンティス』!レベル2で召喚!」

 

ぬえのフィールドがひび割れ、二本の翡翠色の鎌が生えてくる。そして地面を突き破って巨大なカマキリが嘶いて現れた。

 

ぬえ「『手裏剣大地』をレベル2にしてバーストをセット!アタックステップ!行け!『ディアボリカ・マンティス』!」

 

天子「『ナミルネス』はアルティメットだから疲労しないわよ!」

 

ぬえ「知ってるわっ!でも『連鎖』の効果で二枚ドローしてもう二枚破棄」

 

『魔王蟲の根城』が青く光り、カサコソカサコソと走る『ディアボリカ・マンティス』の『連鎖』を発動させる。その鎌はいかにも対象を切り裂く気満々だった。

 

天子「…良いわよ!ライフで受けてあげる!」

 

ぬえ「レベル2の『ディアボリカ・マンティス』はライフを二つ吹き飛ばすわよ!食らいなさい!」

 

『ディアボリカ・マンティス』が鎌を天子のライフに突き刺し、続けて羽ばたいた風でもう一つ砕いていった。

 

ぬえ「『魔王蟲の根城』によってボイドからコアをリザーブへ。エンドステップ。『手裏剣大地』の効果で『ディアボリカ・マンティス』は回復よ!」

 

天子「…あら?カマキリは良くてイナゴはダメなのね!」

 

ぬえ「…う、うっさい!ターンエンド!」

 

ぬえはふんだんにネクサスの効果を使ってアドバンテージを得る。しかし…カマキリとイナゴの『境界』とは……?

 

天子「…ドローステップ……!フフフ……あっはっは!来たわ!とっておきの一枚!」

 

セト《…きーつけろよ。俺の加護があっても何が起こるか…》

 

天子「メインステップ!敵の首と心を打ち取る刀!砂漠にあらわる独眼竜!召喚!『戦国六武将タイダル・ブルー!』」

 

天子の手札から蒼い光が地面に落ち、フィールドを真っ二つに切り裂く。するとそこから水しぶきをあげて蒼い竜の装飾がついた甲冑と右手の長刀が一目を惹く獣頭……

 

…『戦国六武将タイダル・ブルー』が召喚されたのだ。

 

天子「…っ…!確かにちょっと力を吸われるわね…でも大したことないわ!アタックステップ!行け!『タイダル・ブルー』!『ディアボリカ・マンティス』を破壊しなさい!」

 

『タイダル・ブルー』がまず刀を大凪に振り抜くと、青い斬撃が発生して『ディアボリカ・マンティス』を斬り捨てた。このまま天子の流れに変わると思われたが……

 

ぬえ「…フラッシュタイミング!『ソウル神速』発揮!『烈風忍者キリカゲ』!レベル2で召喚!」

 

天子「………はあっ!?」

 

ぬえ「『タイダル・ブルー』はライフで受ける!」

 

ぬえは破壊された『ディアボリカ・マンティス』に乗せていたソウルコアをトラッシュへ置き、一体の蟲忍者が風と共に飛び出してきた。

 

それでもBPは『タイダル・ブルー』が上、ぬえはそのままライフで受けることを選んだ。

 

天子「…ひとまず…ターンエンドよ」

 

ぬえ「うっしっ!成功!メインステップ!『忍魔神』を召喚して『キリカゲ』に左合体!そしてレベル3へ!」

 

ぬえは胡座をかいた忍者の魔神を召喚して『キリカゲ』と合体させる。しかも既にバーストはセットされ、ソウルコアも『キリカゲ』に……

 

ぬえ「アタックステップ!『キリカゲ』でアタック!!響け!正体不明の叫びよ!Sバースト発動!『忍将軍クロハガネ』!『イブン』と『ナミルネス』を疲労させるわ!」

 

天子「フラッシュタイミング!『創界神セト』の『神技』!今召喚した『クロハガネ』を破壊!そいつはライフ!」

 

ぬえ「へぇ…おおっと『忍魔神』の追撃で一枚ドロー♪」

 

『キリカゲ』が巻き起こした風がぬえのバーストを吹き飛ばし、一体の忍になってフィールドに降りてくるが、セトの拳の衝撃波がすぐさま『クロハガネ』を破壊した。

 

『キリカゲ』自身は大きな手裏剣を投げつけて天子のライフをまた二つ砕いた。

 

ぬえ「…んまっ、ターンエンドにしよ。『手裏剣大地』の効果で『キリカゲ』は回復ね」

 

セト《…次のターンを奴に与えると厄介だな…》

 

天子「…なら()()()を使えば良いでしょ?」

 

歯噛みしているセトの目の前に振り返った天子が突きつけたもの…それはソウルコア。それがこの状況で何を意味しているかは明白だ。

 

 

セト《おい!話聞いてたか!?それは閻魔でないと…》

 

天子「あーもー!うっさいわね!少なくとも私が負けてぶっ倒れるより、勝ってぶっ倒れた方が数倍マシよ!それに他の奴らも命かけて戦っているの!ここで博打打たないバカはいないわ!!」

 

セト《…………………》

 

創界神であるセトに天子は一ミリもビビらず、そう怒鳴る。今の彼女の顔つきにセトは昔の自分を感じとり、少しの間目を閉じた後、続けた。

 

セト《…しゃーねーな…!博打するなら勝てよ!》

 

天子「当然よ!メインステップ!『タイダル・ブルー』にソウルコアを!さらに『砂海魔神』を『タイダル・ブルー』と『イブン』に合体させる!」

 

 

今度は天子がワニの魔神を召喚して『イブン』と『タイダル・ブルー』と合体させた。そしてソウルコアを得た『タイダル・ブルー』を中心にエネルギーの竜巻が起こる…!!

 

 

天子「…すぅぅぅ…はぁぁぁ……アタックステップ!『タイダル・ブルー』!やりなさい!まずは『砂海魔神』の効果で『イブン』にコアを追加!」

 

深呼吸をして天子はとうとう『タイダル・ブルー』にアタックを命じる。『砂海魔神』がコアブーストし、次は『タイダル・ブルー』の十八番……『ソウルドライブ』だ。

 

天子は『タイダル・ブルー』のソウルコアをつかみ、高く放り投げる。

 

 

天子「…スチャッ…砂の海に降り立つ独眼竜よ!その力解きて恵みをもたらせ!『ソウルドライブ』!発揮!!

 

天子が『緋想の剣』を振り抜き、落ちてきたソウルコアを横一閃に両断する。そして斬られたソウルコアの切り口からあふれでたエネルギーを『タイダル・ブルー』は刀に込め、剣先をおもいっきり地面に突き刺した。

 

ぬえ「…………?…何も起きない…?」

 

天子「…んんっっ!ぐぇぇ…!!…ハァ…そ、そう思う…?ハァ…」

 

ぬえ「…ライフで受けるわ」

 

ぬえは『ソウルドライブ』に身構えていたが、結局何も起きないことに首をかしげる。一応『タイダル・ブルー』のアタックはライフで受けることにした。

 

ぬえ《…イタタ…でもおかしい…あの天人があそこまで疲弊しているのに…》

天子「…ふふっ…た、ターン…エンドよ」

 

ぬえ「…変なの…スタートステップ。コアステップ…ドローステップ…リフレッシュ」

 

天子「『タイダル・ブルー』!『ソウルドライブ』発揮!!」

 

気を取り直してぬえがターンを始めたその時、ぬえのフィールドに突然水が流れ込んでくる。あっという間にぬえのフィールドはまるで湖のような景色へと変貌した。

 

ぬえ「何これ!?」

 

天子「『タイダル・ブルー』の『ソウルドライブ』は次の相手の『リフレッシュステップ』と『メインステップ』を封殺する!」

 

ぬえ「……うぇ!?」

 

天子「さぁ!ターンエンドと言いなさい!ターンエンドと!」

 

ぬえのトラッシュのコアは戻らず、新たにスピリットを召喚することも出来ないでいる。続いてアタックステップに入るが、『キリカゲ』一体では天子のライフを削りきれない。

 

ぬえ「…ターンエンド…」

 

天子「…へへっ…メインステップ…!!『タイダル・ブルー』をレベル4に!アタックステップ!行け!『タイダル・ブルー』!!」

 

『ソウルドライブ』の反動で天子はかなり体力を消費したようだ。それでも『タイダル・ブルー』をレベルアップして攻撃を指示する。

 

ぬえ「『キリカゲ』でブロック!」

 

天子「やれ!『タイダル・ブルー』!!」

 

セト《BPはこっちの勝ちだ!》

 

飛び上がった『キリカゲ』が大きな手裏剣を投げつけるが、『タイダル・ブルー』は刀で軽く斬り捨てる。そして口から蒼い炎を吐いて『キリカゲ』を撃ち落とす。

 

とどめに『タイダル・ブルー』は刀を振り下ろし、『キリカゲ』は袈裟斬りに斬られて破壊された。

 

天子「これでとどめよ!『イブン』でアタック!ダブルシンボルよ!」

 

『タイダル・ブルー』を飛び越えて『イブン』が曲がった刀をぬえのライフに突き立てた!!

 

 

 

 

 

 

 




はい。すいませんでした(二度目)

ゼロワンの『メタルクラスタホッパー』を見てたら…そそられて…ムシャクシャしてやった。後悔はしていない!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二次幻想郷宗教戦争

南無三はラビタンハザードフォームみたいに、スイッチ入れば何の無駄な動きもなく相手をボコボコにしそう。


命蓮寺 裏庭 白蓮VS神子

 

 

白蓮「ぐっ…ズザザザッ!!」

 

神子「諦めさなさい。創界神の力を持つ私には勝てません」

 

攻撃によって白蓮が裏庭へ吹き飛んできた。その後を追って神子も白蓮の前に降りてくる。

 

やはり創界神を降ろしている神子の方が優勢なようで、白蓮の服はあちらこちらが破け、身体もボロボロだった。

 

白蓮「…ググッ…超人『聖 白蓮』!ビュンッ!!」

 

神子「む…身体強化魔法ですか…」

 

それでも白蓮は身を奮い立たせて走り出す。そのスピードは残像が残るほどだったが、神子は手に持つ杓を真正面にあげたまま、立ちずさんでいた。

 

神子「『星降る神霊廟』!」

 

 

ズドドドドドドドドドドドッッ!!!

 

 

白蓮「…!っ…ビュッ!…ビュンッ!…ビュンッ!…ビュンッ!!」

 

神子「…さて…いつまでもちますかねぇ…?」

 

神子の上空が夜空になってそこから星の弾丸が降り注ぐ。その攻撃を白蓮は一瞬見上げた後、再び猛スピードで避けにかかった。

 

白蓮「…ビュッ…ビュッ…ズドンッ!うっ!!」

 

神子「終いです。全弾集中!!」

 

神子の言うとおり、さすがの白蓮でも絶え間なく落ちてくる大量の弾をすべてかわすことは至難の技。集中力が乱れた白蓮の身体に一発弾幕が命中してしまう。

 

さらに神子はだめ押しに動きを止めた白蓮めがけて星弾幕を浴びせ続けた。

 

白蓮「…が…はっ…ズシャァァ…!!」

 

神子「…スタスタ…言ったでしょう?創界神の力は絶大です。あなた一人がかなうはずがありませんよ」

 

雨のような数の弾幕を食らって白蓮は仰向けに倒れ込む。今までの戦闘の疲労もあり、白蓮には近づいてくる神子に備える体力は残っていなかった。

 

神子「…ふんっ!ゲシッ!」

 

白蓮「がっ…!くっ…!!」

 

神子「まだあなたは人と妖怪の共存を唱いますか?一度は人の愚かさを身をもって知ったはずなのに?」

 

神子は動けない白蓮の腹を踏みつけ、そう問いかける。しかし蔑みの目をしている神子とは対照的に白蓮の目には光が輝いていた。

 

白蓮「…っ…!た、確かに…!私は千年前にも…!人間や妖怪の『悪意』によって封印されました…!」

 

神子「…ではなぜいまだに『夢物語』を」

 

白蓮「『夢物語』ではないっっ!!…ハァ…ハァ…もうすぐ…!もうすぐなんです…!私の…()()の夢がかなう時がっっ!!」

 

白蓮は神子の足をつかみ、彼女に似合わぬ腹の底から出た大声で反論する。彼女を突き動かしていたもの…それはとある青年が『異種族間の戦争を終息させた』という話を聞いたからだ。

 

 

白蓮「…彼と出会う前の私は…心のどこかでその『夢』を諦めてました…!自分一人…ちっぽけな力しかない私にできることなんてあるのか…」

 

…だけどそんな私より力のない…でも必死に『悪意』と戦った青年は進み続けた。何度も迷い、悩んだ先に出した答えは千年もの時間を過ごした私が覚れなかったことを覚っていた。

 

 

弾《ん…でも俺が変えれたのは目の前の人だけだ。あとは他のみんなに任せちゃったけど……()()()()()()()()()()()()()()()、それは大きな一歩かなぁ…》

 

 

白蓮「…グッ…でも彼は違った!まっすぐな目で自分にできることを貫いた!だから私も…!グググッ…!私にできることを実行するまで!南無三っっっ!!

 

神子「ゴァッ!?」

 

白蓮の魂がこもった掛け声と共に神子が後ろへ吹き飛ぶ。白蓮が残った自らの魔力を放出したのだ。

 

神子「…ザザッ…だがもうあなたは限界のはずだ!眼光『17条のレーザー』!!」

 

白蓮《…まだまだ…!超…人…っ!》

 

神子が杓を上にあげて白蓮に何本ものレーザービームを発射する。もう魔力が底をついてしまった白蓮だったが、何とか避けようと身体を動かそうとした……

 

 

♪~♪♪♪~♪♪~♪♪♪♪~♪♪~♪~

 

 

神子「…!?」

 

白蓮「…琵琶の…調…?」

 

…その時二人の耳に琵琶の音色が飛び込んできた。その音楽が響き渡った瞬間、神子のレーザービームは光の粒子になって霧散してしまった。

 

この音楽を奏でたのは…もちろん彼女である。

 

 

サラ《…スタッ…まったく…手がかかる娘ね》

 

白蓮「弁財天様…!」

 

神子「なにっ!?」

 

『インディーダ』の創界神が一柱、音楽と芸能の女神『創界神サラスヴァティー』が白蓮を庇うように空から舞い降りてきた。その手には自らの神話ブレイヴ『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』を装備している。

 

サラ《…『夢』…私にはそんなカッコいいものはないわ。でも…『創界神』としての『信念』ならある!自分を信じる者を守らない神が…どこにいるってのよ!》

 

白蓮「…ありがとうござ」

 

サラ《べ、別に!ただ『信仰』の代わりにあんたの『夢』っての手伝うだけ!さっ!私はあんたの中でサポートするから戦いなさい!》

 

感謝されることに慣れていないのか、サラスヴァティーは上ずった声を誤魔化すように白蓮の身体へ逃げるように降りた。すると白蓮の放つ魔力が先程までの何倍にも跳ね上がった。

 

白蓮「すごい…ググッ…行きます!超人『ガルーダの翼』!」

 

神子「速っぐへっ!」

 

白蓮「せいやっ!ドカッ!!」

 

蓮の花を思わせる翼を展開して白蓮は神子に突っ込む。サラスヴァティーの力で格段に上がった拳が神子の顔面にのめり込み、回し蹴りの追撃もクリティカルヒットした。

 

白蓮「でぇぇいっ!!ドカッ!バキッ!ボキィッ!」

 

神子「…ゴブッ…!ぐぇ…!あがっ…!」

 

サラ《うわぁ…ボコボコ…》

 

飛ばされた神子を白蓮は強化した身体能力で追いかけていき、宙の神子に拳や蹴りの連打をかける。神子に回避や反撃の機会を与えないほどの攻撃が打ち込まれまくった。

 

何せ拳で地面に叩きつけたかと思えば、地面から跳ね返ってきたところにさらに蹴りが入り、そしてまた拳というえげつない空中コンボが完成していたからである。

 

白蓮「はぁぁぁ…!南無三っっ!!」

 

神子「………ぅ………!!」

 

 

ドゴォォォォォンッッ!!!!

 

 

最後に白蓮の上段蹴りが神子の胸部に命中し、悲鳴をあげる間もなく神子は寺の壁にめり込んだ。

 

白蓮「…ええと…次はカードで…ですよね?」

 

サラ《…ま、まぁ…そうよね》

 

神子「…ズサッ…こ、これっ…きしの…こ、攻撃など…!」

 

白蓮 サラ「《絶対無理して》」るわね…》ますね…」

 

 

呑気にデッキを取り出す白蓮に壁から神子が立ち上がってくる……が…その足取りはヨロヨロのガタガタ。白蓮とサラスヴァティーの思いが今初めて一つになった。

 

白蓮「…こほんっ…いざっ!尋常に!」

 

神子「…是非に及ばず…戯れは終わりじゃ!」

 

 

白蓮 神子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「弁財天様のお力。存分に奮わせていただきます!」

 

神子「メインステップ!『巨人王子ラクシュマナ』を使用!デッキから二枚ドローして二枚を破棄!」

 

お互い『インディーダ』の創界神を操るバトル。先行を取った神子は『アクセル』を発揮して手札を交換する。

 

さらに『ラクシュマナ』は手元に置かれても、青一つの軽減シンボルを満たしてくれるため、青デッキ御用達の一枚だ。

 

神子「以上。ターンエンド」

 

白蓮「ではターンを貰います。メインステップ。『休音獣ピッグレスト』を召喚です。召喚時にボイドからコア一つを自身に追加します」

 

白蓮の初手は小さなピンクの豚から…召喚された『ピッグレスト』がブヒィと鳴いてコアを増やした。

 

白蓮「『ピッグレスト』のメインステップ時の効果を使います!自身を疲労状態にすることで、デッキを三枚めくります!」

 

神子「…コアブーストだけではなく…サーチまでこなしますか」

 

『ピッグレスト』が身体を震わせて白蓮のデッキを三枚露にする。その代わり『ピッグレスト』自身はペタリと地面にお腹をつけて休憩し始めた。

 

白蓮はオープンされた三枚…『ゴッドシーカー 休音獣チンチラスト』『音獣エイトーンラビット』そして最後の一枚に目をやる。

 

 

白蓮「まずはオープンされた『エイトーンラビット』は私の手札が五枚以下なので手札に加わります!そして赤/緑の創界神を一枚回収して残りはデッキの下へ」

 

神子「…早い…!」

 

白蓮「響け!浄めの調よ!『創界神サラスヴァティー』を配置!『神託』します。デッキを三枚トラッシュへ送り、三枚すべてが対象。よってコア三個と共に配置」

 

サラ《ふーん…まっ…ほどほどにねぇ》

 

『ピッグレスト』の効果で白蓮の手札に入ったサラスヴァティーがフィールドに出てくると、ぐいっと大きく伸びをしてジト目を神子に向けた。

 

白蓮「アタックはしません。ターンエンドです」

 

神子「…メインステップ!勝利の幸福を我らに!『創界神クベーラ』を配置!配置時の『神託』によりコアを一つ増やす!」

 

クベーラ《……………》

 

『ラクシュマナ』のシンボルで軽減されたクベーラがフィールドを挟んでサラスヴァティーの反対側に現れる。

 

神子「続けて『不思議王国ホワイ?ラビット』の『アクセル』を使用する!デッキトップ三枚の中から『四道』を手札へ!」

 

今度は神子がデッキをサーチしにかかる。めくられたのは『不思議王国 アリス』『不思議王国 ダム&ディー』…そして次のカードが曲者だった。

 

神子「…『仮面ライダーブレイド キングフォーム』を手札に!最後に『巨人姫シーター』を召喚するぞ!」

 

白蓮「…あれは…!?」

 

サラ《…ふんっ…デカブツが…》

 

神子「『シーター』の召喚時効果!手元の『アクセル』二枚につき、一つコアを増やす!」

 

神子はうまくフィールドに軽減シンボルを置き、青い巨人の姫君を召喚した。これで1ターンでシンボル3つ確保にサーチ、コアブーストまで行ったことになる。

 

神子「ターンエンド!」

 

白蓮「メインステップ。もう一体『ピッグレスト』を召喚し、コアを追加。さらに『五線獣ライノスコア』をレベル2で召喚します!」

 

サラ《『ライノスコア』は召喚時に手札からブレイヴカードを踏み倒す!来なさい!『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』!》

 

『アクセル』を多様する神子とは反対に、白蓮はスピリットを並べてきた。新たな『ピッグレスト』の隣には金色の鎧のサイがドスンと現れる。

 

白蓮「あ…『サヴィトリー・ヴィーナ』は『ライノスコア』に合体させます…すみません…」

 

サラ《はぁっ!?ちょっと!》

 

続いて空から降りてきた琵琶のような弦楽器にサラスヴァティーは手を伸ばす。だが白蓮はサラスヴァティーではなく、『ライノスコア』の背中に『サヴィトリー・ヴィーナ』を合体させた。

 

白蓮「…ま、まぁ…次の出番に…」

 

サラ《…プイッ!》

 

白蓮「…アタックステップ!『ライノスコア』でアタックします!アタック時にコアをリザーブへ、さらに合体しているのでもう一つ貰いますよ!」

 

自分のオモチャをとられてサラスヴァティーは頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。それに苦笑いしつつ白蓮は『ライノスコア』を攻撃させる。

 

神子「…ライフで受けるぞ!!」

 

白蓮「シンボルは二つ!砕けるライフも二つです!」

 

疾走しながら加速した『ライノスコア』の角が神子のライフに激突し、ライフを二つ砕いていった。

 

白蓮「以上です。ターンエンド」

 

神子「…ふふ…これで良い…メインステップ!『六煌士 不思議天使メリエル』を召喚!手札の『不思議王国 トランプの兵隊』を手元に置いて一枚ドローだ」

 

ライフを削られても神子の表情から余裕は抜けない。召喚されたのは水色のロングスカートを履いた天使…

 

神子「アタックステップ!ここで『メリエル』の効果!自身をコスト6として扱い、手札の黄のスピリットを煌臨できる!」

 

その天使が両手を広げて胸の前に黄色い宝石を出現させる。光は『メリエル』を包み込み、一段と強く光り輝いた。

 

神子「運命の切り札をつかみとれ!『仮面ライダーブレイド キングフォーム』!煌臨!手札/トラッシュの『四道』五枚を手元に置ける!」

 

サラ《…来るわよ!》

 

白蓮「はいっ!」

 

光を中心にどこからか現れた十三枚の大きなカードが周り始める。そしてカード達が光の中に吸い込まれ、全身が黄金の鎧に包まれた仮面戦士が中から歩いて出てきた。

 

神子「『キングフォーム』でアタック!フラッシュタイミングで手元のカードを一枚破棄!そうすることで回復し、相手スピリットを一体BPマイナス13000する!」

 

カッと複眼を光らせ『キングフォーム』はその手に大きな両手剣『重醒剣キングラウザー』を出現させると、身体から出したカードをスキャンする。

 

キングラウザーは『サンダー』と鳴って刃先から青い雷が放たれ、『ピッグレスト』を撃ち抜いた。

 

白蓮「ライフで受けます!」

 

そして『キングフォーム』は飛び上がってキングラウザーを白蓮のライフに振り下ろす。

 

神子「もう一度だ!さらに手元を棄てて『ピッグレスト』を破壊する!言っておくが『創界神クベーラ』のレベル2効果でスピリットの効果は全て発揮されんぞ!」

 

白蓮「そこまでです!フラッシュタイミング!マジック!『ウィンドウォール』!このバトルが終わり次第、アタックステップも終わります」

 

サラ《良いの持ってるじゃない!緑の『連鎖』!『シーター』を疲労よ!》

 

回復した『キングフォーム』が『ビート』のカードをスキャンし、もう一体の『ピッグレスト』を拳で殴り飛ばす。そのまま白蓮のライフも砕いたが、マジックによって起きた白い風が追撃を封じたのだった。

 

神子「む…ターンエンド」

 

白蓮「…来た…メインステップ!彼岸に往ける全ての者達よ!悟りに幸あれ!『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』!レベル2で召喚!!」

 

サラ《ようやくね!ピィィィィ!!》

 

白蓮が引き当てたカードはもちろん『化神』。サラスヴァティーが吹いた指笛を聞きつけて、バトルフィールドの外の森から『ライノスコア』より巨大なエメラルドグリーンのキツネが走り込んできた。

 

神子「だからなんだ!こちらの『キングフォーム』の方がBPは上だぞ!」

 

サラ《チッチッチ…『ガーヤトリー・フォックス』は召喚時『インディーダ』達にコアを二つずつ置けるの!そして今度こそ『サヴィトリー・ヴィーナ』を私に合体!》

 

 

『ガーヤトリー・フォックス』が周囲に放った緑色の波紋がサラスヴァティーに力を与え、『ライノスコア』から『サヴィトリー・ヴィーナ』がサラスヴァティーの手に収まる。

 

白蓮「アタックステップ!『創界神サラスヴァティー』の『転神』発揮!『サラスヴァティー』でアタック!」

 

サラ《ぶっとばすわ!こいつ(ブレイヴ)の効果で私のBPは14000よ!》

 

神子「『キングフォーム』でブロック!」

 

フィールドに足をつけたサラスヴァティーが走り出す。その前に立ちふさがった『キングフォーム』がキングラウザーをサラスヴァティーの柔肌めがけて突き刺そうとする。

 

サラ《おっと…でもスピリットの分際で私は倒せないわ!》

 

白蓮「レベル2の『神域』によりコアを三個ボイドへ移動。『創界神サラスヴァティー』もう一度アタック!」

 

だがサラスヴァティーは『キングフォーム』の攻撃をヒラヒラ踊るように回避していく。そして『キングフォーム』が疲労すると、サラスヴァティーがもう一度駆け出した。

 

神子「回復するのか…!?ライフで受ける!」

 

サラ《おらぁ!》

 

サラスヴァティーは『サヴィトリー・ヴィーナ』の弦を弾き、音符型エネルギー弾を神子のライフめがけて放つ。

 

白蓮「コアをボイドへ!『創界神サラスヴァティー』!三度目のアタック!!」

 

サラ《死ねコラァァ!!》

 

サラスヴァティーが『ガーヤトリー・フォックス』を駆け上がり、空中から強烈な飛び蹴りを叩き込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

サラスヴァティー

インディーダ所属の遊精の創界神。外面はポワポワした天然キャラ……だが内面は陰口毒吐きする闇の本性を持つダメ女。良くも悪くも『神』としてプライドが高く、自分より格下には一切相手にしない。唯一旦那のブラフマーにはベタぼれしているからか従順。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶対なる天照龍神

…誰かぁ~!俺にモチベーションをぉぉ!!


永遠亭 正邪VS針妙丸その他

 

 

針妙丸「きゃぁぁ…!!」

 

正邪「はっは~!『打出の小槌』の能力は既に把握済み!やれることはわかってるぜ!」

 

爆発で発生した黒煙の中から、目をグルグルさせた針妙丸が落ちていく。どうやら創界神の力でパワーアップした正邪相手に針妙丸はなす術なく敗れたようだ。

 

落ちる針妙丸を見下ろしながら、正邪は『草薙の剣』を肩に、反対の手は腰に当てて勝ち誇った笑いを隠さない。

 

アマテラス《あなたなかなかセンスが良いわ。私は基礎力の底上げしかやることがなかったもの》

 

正邪「へへーん!まっ!とーぜん!」

 

???「あら…それなら私の前でもそんな口がきけるかしら?」

 

正邪「ん…?その声は…」

 

落ちた針妙丸とはまた別の声。針妙丸より大人びていてハリのある女性のような……その声の持ち主は正邪の下から飛んで近づいてきた。

 

ピンク色の髪にシニヨンキャップ、右手の包帯がトレードマークの彼女は針妙丸と交代するように正邪の前に浮遊している。

 

正邪「…げっ…口うるさい仙人…!」

 

華扇「口うるさいとは何ですか!」

 

アマテラス《あらまぁ…鬼の仙人とは…初めて見たわ》

 

華扇「…コホンッ…ともかく!良いですか!?あなたの身体にお降りになさっているのはかの天照大御神様であって…ブツブツ」

 

苦虫を噛み潰した顔の正邪に彼女…「茨木 華扇」は腕組みしながらお説教を始める。四季 映姫と対をなすほどめんどくさいお説教で有名な彼女の話を素直に聞く正邪ではなかった。

 

正邪「…くらえ!『血に飢えた陰陽玉』!」

 

華扇「ブツブ…ゴォンッ!が!?」

 

アマテラス《すとら~いく!》

 

正邪は耳をかっぽじると、懐から取り出した反則アイテム『血に飢えた陰陽玉』を華扇の顔面に投げつける。まるでプロ野球選手のピッチャーのようなスピードと軌道で放たれた陰陽玉は、見事華扇の顔ど真ん中に炸裂した。

 

正邪「やーい!反応できないでやんの~!」

 

華扇「…こんのっ…!来なさい!『黄帝』!」

 

黄帝《グォォォォォッッ!!》

 

アマテラス《竜の子供ね。かわいいこと…フフフ…》

 

からかう正邪にキレたのか、華扇が傍らに呼び出したのは何と人間の何倍もの大きさの竜だった。『黄帝』と呼ばれた竜は長い緑の身体をくねらせ、正邪に襲いかかろうとする。

 

正邪「『亡霊の送り提灯』~!」

 

黄帝《グォッ!?》

 

華扇「空振り!?いえ…すり抜けた!?」

 

黄帝の鋭い爪に切り裂かれた正邪だったが、何故か身体は霧のようにユラユラ揺れて無傷だった。その理由は正邪の手にあった一つの提灯の魔力によるもの。

 

『亡霊の送り提灯』は少しの間だけ、自らの幽霊にすることができるのだ。その力で正邪は黄帝の攻撃を透かしたのである。

 

正邪「隙ばっかだぞ!『打出の小槌(レプリカ)』!」

 

 

ゴォォォォォンッッ!!!

 

 

黄帝《ギャァァァァッッ……!》

 

華扇「黄帝!」

 

アマテラス《ナイスショット!》

 

攻撃をかわされて隙だらけの『黄帝』の頭に、正邪が反則アイテムの一つ『打出の小槌(レプリカ)』を両手で振りかぶる。今度はゴルフ選手さながらのスイングで振り回せた小槌が『黄帝』の顔におもいっきりぶち当たり、下の竹林まで吹き飛ばした。

 

正邪「来いよ!お前自身がな!」

 

華扇「…龍符『ドラゴンズグロウル』!!」

 

華扇は落ちた黄帝を心配しつつも正邪へ向けて包帯の右手を伸ばす。それは比喩ではなく、本当に腕が包帯になって伸びたということである。

 

アマテラス《…暇だから私が。岩戸の防壁、展開》

 

華扇「…っっ…!?」

 

暇そうにしていたアマテラスが体内から白いバリアを張る。先程も見せた雷鼓の一撃を防ぎきる防御壁を華扇一人で破れるわけもなく、包帯の右手はあっけなく弾かれた。

 

アマテラス《日輪オーラ照射!》

 

華扇「ァァ!」

 

正邪「あちちっ!すげぇ火力だなおい…」

 

さらに白い壁がサーっと横に開いていき、太陽の熱線が辺りを照らし出す。もろに熱線を浴びた華扇はたまらず悶え苦しむ。

 

正邪「いぇーい!」

 

アマテラス《私達に敵はないわね~!》

 

…それにしても…この二人、ノリノリである。

 

 

正邪「…んで?確かお前も創界神を使うんだろ?バトルしようぜ?それで優位性がはっきりする」

 

華扇「…イタタ…ほぅ?口だけではないようで…」

 

アマテラス《…スゥゥ…では参ろうか》

 

 

正邪 華扇「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「先行はどちらでも構いません。あなたが好きな方を選びなさい」

 

正邪「おーおー…これはこれは寛大な。んじゃご厚意に甘えて…先に行かせてもらう!」

 

バトルフィールドに移動した二人。華扇は仙人らしく正邪に先行を譲り、正邪はターンを始めようとした。

 

 

正邪「…そーいやー…お前のデッキ使うの初めてだな。だいたいどんなデッキなんだ?」

 

アマテラス《…私の眷属は『武竜』と『機巧』。ゆえに『白』で守りつつ『赤』で攻める…一番オーソドックスなデッキだ》

 

正邪「……お前そんなしゃべり方だったか?」

 

アマテラス《…ここだと仕事スイッチが入るから…》

 

一度戦略を確認しようと、正邪は体内のアマテラスに聞いてみる。するとまさに『主神』と言える声色でアマテラスが話し出した。

 

どうやら彼女はオンオフの差が激しいようだ…先ほどまでの『戦い』はオフとは言いにくいが…

 

正邪「…まっ!行くか!メインステップ!『ゴッドシーカー 竜巫女ウズメ』を召喚!召喚時にデッキを四枚めくるぜ!」

 

 

正邪が一番最初に召喚したのは紅色のドラゴン、腕や背中にはまるで巫女服のようなヒラヒラが風に揺られている。

 

『ウズメ』の召喚時効果でオープンされたのは『絡繰武将ゲンナイ』『ゴッドシーカー 機巧巫女サルメ』『創界神アマテラス』『防性・天照機巧フトダマ』

 

正邪「んー…『創界神アマテラス』と…『絡繰武将ゲンナイ』を手札に加える。ターンエンド!」

 

華扇「メインステップ。冥界1の剣客!『創界神アヌビス』を配置します!『神託』の2/3が『地竜』だったので、コアを二つ増やすことができるわ!」

 

アヌビス《………………》

 

正邪より一足先に、華扇は創界神を張ることに成功する。『神託』もトラッシュで効果を発揮するスピリットが落ちたのはかなりいいスタートだ。

 

華扇「さらに『骸竜ゾン・サウル』を召喚!アタックステップ!『ゾン・サウル』でアタック!BPプラス3000!」

 

華扇は続けて小型の骸骨ティラノサウルスを召喚して攻撃を開始する。カラカラ音をたてて『ゾン・サウル』が正邪に向かってきた。

 

正邪「ライフにこいや!」

 

『ゾン・サウル』の頭突きが正邪のライフを一つ破壊した。

 

華扇「ターンエンドです。次のターンはこんなものではありませんよ?」

 

正邪「口だけ叩いとけ!メインステップ!全世界を照らし出せ!『創界神アマテラス』!顕現!!配置時『神託』で三枚を破棄して対象カードは三枚。三個コアを置く!」

 

アマテラス《『ウズメ』の効果で白シンボルが一つ増える。私のコストは2軽減》

 

 

ズズゥゥゥンッッ!!!

 

 

正邪「どわっ!?」

 

華扇「なに…この衝撃波…!?」

 

 

ついに創界神アマテラスが正邪の後ろに降臨する。アマテラスが長い裾の手を広げると、バトルフィールドに強烈な衝撃波が発生し、正邪と華扇はよろめいてしまった。

 

アマテラス《おぉ…済まない。久しぶりのバトルで気持ちが昂ってしまった》

 

正邪「…忘れてた…こいつ『主神』だった…続けて『汎性・天照機巧兵』レベル2、そして『絡繰武将ゲンナイ』を召喚する!」

 

アマテラス《『武竜』達よ。敵に斬り込め。『機巧』達よ。守りを怠るな》

 

おちついて正邪は赤いアーマーをつけたロボット、火縄銃に銃剣を装備した甲冑龍を召喚した。『天照機巧兵』の効果で正邪のスピリット達は全て『重装甲:赤』を得たことになる。

 

正邪「アタックステップ!お返しだ!『絡繰武将ゲンナイ』!ぶちかませ!」

 

華扇「ライフで受けます!」

 

攻撃指示を受けた『ゲンナイ』が火縄銃で華扇のライフに発砲する。その弾丸は正確に華扇のライフを砕いた。

 

正邪「ターンエンドだ。ほら、かかってこいよ?」

 

華扇「……スタートステッ」

 

アマテラス《『ゲンナイ』の効果を使わせてもらうぞ!『一騎打』!お主の『ゾン・サウル』とBPを比べて破壊!》

 

華扇がターンを始めたその時、『ゲンナイ』が堂々とした足取りで『ゾン・サウル』に向き合う。そして火縄銃の銃剣で『ゾン・サウル』の首もとを突き刺して破壊した。

 

華扇「しまった…!『武竜』の固有効果を忘れていた…!」

 

正邪「それだけじゃないぜ!『ゲンナイ』が『一騎打』でスピリットを破壊した時、このターンコスト4以下のスピリット/アルティメット/ブレイヴは出せない!」

 

アマテラス《白シンボルによりトラッシュのスピリットも戻せんぞ?》

 

華扇が後悔するも時既に遅し。『ゲンナイ』の効果がフィールドに広がり、華扇のスピリット召喚を妨害していた。

 

大型スピリットを出そうにも、今出しても返しのターンでやられるのは明白。やれることはバーストを伏せることぐらいか。

 

華扇「…メインステップ。バーストをセット…ターンエンドです」

 

正邪「よしきた!『汎性・天照機巧兵』レベル2効果!ライフが減らなかったとき、コアを一つ自身に置ける!」

 

アマテラス《よしよし。うまくコンボが決まったのう》

 

華扇のスピリットを正邪の『武竜』が破壊し、動きを制限する。その後『機巧』が崩れて攻撃できない華扇の攻撃を防ぎきり、アドを取る…

 

…流れは完全に正邪に傾いていた。

 

正邪「メインステップ!バーストをセット!『ギョウフウドラゴン』を召喚だ!そしてアタックステップに入る!」

 

アマテラス《これで私のコアは6つ。レベル2『神域』展開》

 

正邪は二足歩行の緑のドラゴンを召喚して攻撃に入る。しかも『アマテラス』上のコアが六個になったため、『神域』も発動した。

 

正邪「まずは『ギョウフウドラゴン』!アタックだ!一枚ドローしてターンに一度回復する!」

 

華扇「…ここっ!フラッシュタイミングで手札から『冥界の巨竜人ディプロ』を1コスト召喚!レベル2!ブロックよ!」

 

『ギョウフウドラゴン』が飛び出すが、地面を砕いて斧を持った巨大な竜人スピリットが立ちふさがる。『ディプロ』は斧を振り下ろして『ギョウフウドラゴン』を叩きのめした。

 

正邪「ちっ!『ゲンナイ』でアタック!」

 

華扇「これはライフで」

 

正邪は破壊にも怯まず『ゲンナイ』を攻撃させた。次のターンの『一騎打』で『ゲンナイ』が破壊されることは目に見えているからだ。

 

『ゲンナイ』は再び火縄銃で華扇のライフを撃ち抜いていった。

 

正邪「ターンエンド!」

 

華扇「では。『一騎打』はこちらの勝利です」

 

正邪「…しゃーねーな。『ゲンナイ』ありがとよ」

 

今回の『一騎打』は『ディプロ』が『ゲンナイ』を踏み潰す形で決着した。『一騎打』の弱点は効果発動が強制であることだ。

 

華扇「メインステップ!『暴走竜バリオウ』をレベル2、『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』を召喚し、『ダーク・ブレード』を『ディプロ』に合体!」

 

勢いに乗る華扇は日本甲冑と鉤爪が特徴の肉食恐竜と『ダーク・ブレード』を召喚して決めにかかる。『ディプロ』も斧の代わりに『ダーク・ブレード』を引き抜く。

 

華扇「アタックステップ!『ディプロ』でアタック!『ダーク・ブレード』の効果で『重装甲』を無視して『汎性・天照機巧兵』を指定アタックです!」

 

正邪「その破壊は無駄にならない!バースト発動!『51代目戦国竜ソウルドラゴン』!レベル4!召喚時効果で今破壊された『天照機巧兵』を手札に戻す!!」

 

『ディプロ』がその巨体を揺るがして『天照機巧兵』を『ダーク・ブレード』で凪払う。

 

でも正邪のバーストが炎の竜になって空へ舞い上がり、槍を持った少し小ぶりのソウルドラゴンが『天照機巧兵』と入れ替わりに召喚された。

 

華扇「『バリオウ』!続きなさい!一枚ドローして『ウズメ』を破壊!ここで『創界神アヌビス』のレベル2『神域』発揮!最大軽減で召喚!『闇輝石六将 冥恐斬神ディノヴェンジ』!」

 

アマテラス《…来たな。アヌビスの化神》

 

正邪「とにかく!『バリオウ』は『ソウルドラゴン』でブロックだ!」

 

ドタドタ走る『バリオウ』が爪で『ウズメ』を引き裂くと、後ろのアヌビスも刀を抜刀して空間を切り裂く。華扇のドローを引き金に空間の裂け目から大刀を構えた大型肉食地竜が登場した。

『バリオウ』自体は『ソウルドラゴン』が槍で甲冑を貫いて破壊させられた。

 

 

華扇「『ディノヴェンジ』でアタック!『冥界放』を使います!『アヌビス』のコア二個を移動させ、あなたのライフをボイドに送る!」

 

アマテラス《…しまった。あやつのトラッシュには…!》

 

正邪「…あんっ?」

 

華扇「ここで私のトラッシュの『刃鎧竜ヤイバノスケリド』の効果!『ディノヴェンジ』がボイドに送るコアを二つに増やす!」

 

『ディノヴェンジ』が腰を深く落とし、右手の刀をまっすぐ正邪へと向ける。さらに華扇のトラッシュからあふれでたエネルギーが刀に注ぎ込まれ、『ディノヴェンジ』の一撃を大きく強化した。

 

華扇「これであなたのライフは残り一つ!ブロックできるスピリットもいない!悪党に鉄槌を!『ディノヴェンジ』!」

 

その声を聞いて『ディノヴェンジ』が貯めに貯めた右片手一本突きが放たれ、闇の斬撃が正邪のライフに直撃した……が…!

 

アマテラス《すまぬが…それはよろしくないの。私のレベル1からの『神域』。ライフが減る際、コア三個を捨てて…岩戸の防壁、展開!》

 

正邪「うぉっ!?」

 

正邪の後ろからアマテラスがトレードマークとも言える長い巫女服の裾を、正邪を守るように前に垂らす。すると『ディノヴェンジ』の斬撃はアマテラスの裾を貫通できずに弾かれてしまった。

 

正邪「…スゲー!これなら踏ん張れるぜ!ライフで受ける!」

 

『ディノヴェンジ』自身のアタックはまだ有効。そのまま飛び出した『ディノヴェンジ』が正邪のライフを一つ斬った。

 

華扇「防がれた…!ターンエンド…!」

 

正邪「ここらで決めるか!メインステップ!さっきの『天照機巧兵』を再召喚!『重装甲:赤』復活!」

 

正邪は『ソウルドラゴン』の召喚時に回収した『天照機巧兵』を召喚して耐性をつける。そしてここからが『絶対的な蹂躙』の始まりだった。

 

正邪「…行くぜ?世を照らし、人を導く、太陽よ、竜と成りて、我が御前に!『神煌臨』!『天照龍神グラン・テラス』!!」

 

アマテラス《こやつは森羅万象を照らす日輪。たとえ闇の輝石でさえもな!》

 

 

アマテラスが両手をかざして神力を込めると、空を覆うほどの炎の玉が精製される。その中に『ソウルドラゴン』が吸い込まれた瞬間、炎の玉が大爆発を引き起こした。

 

華扇「…ぐっ…あ、あれは…!!」

 

アマテラス《我が化神『グラン・テラス』よ。敵を一掃せよ!》

 

爆煙を切り裂いて降りてきたのは黄金色に輝く巨大な竜。その大きさは『ジャッジメント・ドラゴニス』にも匹敵するほどで、両手の刀だけでも正邪の身長をはるかに越えていた。

 

正邪「アタックステップ!!ぶちかませ!『グラン・テラス』!!アタック時効果!『天照界放』!!」

 

アマテラス《相手のスピリット又はアルティメットをデッキ下へ戻すことで、『グラン・テラス』は回復する!去れ!『ディノヴェンジ』!!》

 

華扇「…ハッ!でぃ、『ディノヴェンジ』はレベル2から疲労状態の時、相手の効果を受けません!よってデッキには……」

 

『グラン・テラス』が自らと同じ色に染まった空を駆け抜け、フィールドを揺らすほどの咆哮をあげる。『ディノヴェンジ』は自らを闇に包んで防ごうとした。

 

アマテラス《…頭が高い!!

 

アマテラスの甲高い一声と共に『グラン・テラス』がより一層パワーをあげる。それに『ディノヴェンジ』は耐えられず、塵になって消えてしまった。

 

正邪「『グラン・テラス』は『天照界放』したバトルの間、お前のスピリット/アルティメットの効果を一切発動させなくするのさ!」

 

華扇「まさか…!ライフで受ける!」

 

 

『グラン・テラス』の二刀流が華扇のライフを×の字にぶったぎる。華扇はライフを砕かれた衝撃で態勢を崩してしまった。

 

正邪「やりやがれ!『グラン・テラス』!!」

 

回復した『グラン・テラス』がドスンッ!と着地し、大きく口をあけて光のビームを発射した!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正邪「うっし!あとはこいつを運ぶか…」

 

アマテラス《…アヌビスが倒れたから、恐竜達も暴れなくなったわね》

 

気絶した華扇を担いで正邪は竹林の地面に足をつける。周りの恐竜達もアヌビスが倒されたことで、次々にバタリと倒れていった。

 

霊夢「ふぅ…終わったぁ…」

 

藍「これで片づいたか…」

 

妹紅「…だが妙だ。今さら単純な襲撃をするってのがな…」

 

隠岐奈「…ふーむ…」

 

ぞろぞろと永遠亭に戦闘を終えた一同が戻ってくる。全員は妹紅が述べた『今攻めてきた理由』を考え始めたが、賢者の永琳や隠岐奈でも答えはでない…

 

…そんな唸り声や頭をかく音が辺りに響く時間が少し過ぎた所…その空気をとある声がぶち破った。

 

豊姫「ツクヨミ様!一大事です!」

 

ツクヨミ《…!豊姫?どうした!?》

 

輝夜「月の都にいたんじゃ…?」

 

そこに駆け込んできたのは月の都の留守番役をしていた、豊姫だった。彼女がここに来たということは月の都で何かが起きたと同じ。そしてそれは見事に的中する。

 

 

豊姫「月の都に侵入者です!敵は一人ですが兵士達は相手になりません!力は創界神クラスかと!」

 

霊奈「…まさか…!奴か!」

 

魔理沙「へぇ…とうとうでて来やがったか!」

 

アテナ《とにかく向かいましょう。ここでこの異変を終わらせるのです!》

 

ホルス《よしきた!おいっ!アヌビス起きろ!》

 

アテナの一声の後、今いる者全員は急いで月の都へと駆け出す。霊奈の反応を見るにとうとうこの異変の首謀者が動いたようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???《…行ったわね…ほな、うちも動きまっか。じゃんくさい(めんどくさい)けど、これがタカミムスビさんから託されたうちの役目やけん。さて命蓮寺の方向はと…》

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

アマテラス

武竜と機巧の創界神にして『アマハラ』の主神。一対一では創界神最強と呼ばれるほど強く、しかも八百万の日本の神々を束ねるほど聡明で頭もきれる。人前では堅苦しい口調だがプライベートではくだけた話し方で、あまり気取らない。心情は『民に愛ある平和をもたらすことこそ神の役目』。ちなみに趣味は小説執筆(意味深)、最近の悩みは『弟達のどちらが攻めと受けだろう?』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終十章『起幻』そして未来へ
最後の一人


…関西弁って…こんなんで良いの…?


命蓮寺 上空 弾VSこころ

 

弾「はっ!」

 

こころ「くっ…強い…!」

 

 

その頃、青い空の上では弾のグランシャリオとこころの薙刀がぶつかり合っていた。戦局としては創界神の弾が有利に立ち回っている。

 

空中を飛び回った後、弾がつばぜり合いを力任せに弾いてこころの態勢を崩した。

 

こころ「…ハァ…ハァ…!」

 

弾「…さて…そろそろバトルに持ってけるかな…」

 

紫「弾!大変よ!」

 

弾「…どうかしたか?」

 

リアルファイトからカードのバトルを持ちかけようと、弾が懐からデッキを取り出す。それと同時にスキマから紫が上半身だけを乗り出して現れた。

 

紫「月の都に侵入者よ!どうやら首謀者が乗り込んできたらしいわ!」

 

弾「……わかった!白蓮達を回収して先に向かっていてくれ!俺もすぐ行く!」

 

紫「気をつけてね!」

 

すぐさま弾は指示を出し、紫も他の人を迎えに行くため再びスキマに潜った。月の都にいる首謀者も気になったが、目の前の敵をおいていくわけにもいかない。

 

弾「…かかってこい!」

 

こころ「…むぅ…仕方ない!」

 

弾とこころがデッキを突きだしてバトル開始の言葉を発しようとしたその時だった。

 

???《はいそこまで~!首トン!》

 

こころ「がはっ!?……ガクッ」

 

弾「え…?」

???《ガシッ!安心しいや。ただ気絶してるだけやて》

 

突然こころの背後から女性が現れると、こころの首筋にチョップを入れたのだ。無警戒だったこころは一撃で意識を失うが、その女性が右手でこころの身体を掴んだので、落下せずに宙ぶらりんになる。

 

 

弾「…あんたは確か…オリンの…」

 

???《そやっ!『オリン十二神』が一柱!農耕と導魔の創界神のデメテールや!久しぶりやねぇ~元気やった?》

 

弾「あんたは無事だったんだ…」

 

デメテール《…まぁ…うちはちょいと特殊やからね。歴史が変わろうともピンピンしとるわ!》

 

薄ピンクの髪を揺らして白いノースリーブを着た大人っぽい女性…そして特徴的な関西弁を話す彼女こそ『創界神デメテール』。ゼウスの姉にしてペルセポネの母親、最後の『オリン十二神』の創界神だった。

 

デメテールは空中でこころを持ちながら、弾に笑顔で話しかける。

 

弾「ありがとう。おかけで助かった」

 

デメテール《あ~気にせんでええよ。うちも君に用があったんや。そいっと!パチンッ!!》

 

弾「ん!?」

 

 

デメテールが指を鳴らした瞬間、青い空に白い雲が広がっていた景色が急に暗くなる。ものの数秒で弾とデメテールは、白い壁に挟まれた谷のような所に足をつけて立っていた。

 

その場所は谷の両方の壁が本棚になっており、空が見えないほど高くそびえ立っている。所々にはランプあって渓谷を照らしてはいるが、人気もなく薄暗くて不気味な場所だ。

 

弾「ここは…?」

 

デメテール《よいしょっと…ここは『百識の書架渓谷』。神世界の裏側…モイライ達のすみかや。ほなこっちやで》

こころを地面に降ろしてデメテールは弾についてくるよう言う。二人は自分の遥かに上まで伸びる書架渓谷の谷間を歩き始めたが、弾はデメテールの言葉に一つピンと来ない語句が混じっていた。

 

弾「なぁデメテールさん、モイライって?」

 

デメテール《聞いたことない?人間の『寿命』はとある三人の女神によって決められてるって。それが『モイライ』。分かりやすく言えば『寿命』の女神達と思ったらええ》

弾「…その彼女達が俺を?」

 

デメテール《ん~正確に言えばちゃうんやけど…その認識でええわ…あ!見えたで!》

 

弾の質問にデメテールは簡単に説明した。そうこう言っているうちに二人は渓谷の最奥部…テーブルを囲み、三人の女性達がなにやらごそごそ作業をしている場所へと到着する。

 

デメテール《彼女達がさっき言った『モイライ』や!連れてきたで~!》

 

モイライ達《…ガタッ…ペコリm(__)m…》

弾「ど、どうも…」

 

デメテール《彼女達無口なんよ。あまりきぃせんといて》

 

デメテールが朗らかに三人に近づくが、黒いローブを着た二十代後半ほどの女性達…『モイライ』は暗い顔でペコリと会釈するだけだった。次は弾に眼を向けてお辞儀するが、相変わらず暗い顔と無口なのは変わらない。

 

モイライ達《…スタスタ…ブツブツブツブツ…》

 

デメテール《…連れて来ましてん。これでよろしいなんか?》

 

弾「…?」

 

挨拶したモイライ達はテーブルを三方向から取り囲み、何かの呪文を唱え始める。デメテールもなにもない虚空、ちょうどテーブルの真上に向かって話しかけた。

 

弾は気づかなかったが、デメテールの口調は弾やモイライ達とは違って敬語へと変わっている。モイライ達が呪文を言い終えたその時…!

 

 

???《ご苦労だった、デメテール。何億年も迷惑をかけたな》

 

デメテール《まったくやねん!このことを隠すのは大変やったんやからね!》

 

デメテールの前に一人の男性が現れてデメテールに返事を返したのだ。紅色の髪に黒いゆったりとした着物を纏った男性は静かにテーブルの上に着地する。

 

そしてテーブルから地面に降りて弾の方へ身体を向けた。

 

???《はじめまして…だな。私が星と生命の神『タカミムスビ』だ。永琳が世話になっている》

 

弾「…!…死んだんじゃなかったのか?」

 

デメテール《その通り。今見ているのは彼の『残留思念』。うちはこれを何億年も守り続けて来た。『継承』するためにね》

 

デメテールの解説を聞いて弾は再度タカミムスビへ視線を戻す。永琳から聞いていたが、やはり少し歳を重ねてはいるがその顔は弾によく似ていた。

 

タカミムスビ《…懐かしい。若い頃を思い出す》

 

弾「『継承』って言ってたけど…その前に聞きたいことがある。あんたの過去だ」

 

タカミムスビ《…ほう?》

 

弾「あんたが妹紅や文を助けた時…あんたは知りえない情報までも知っていた。何故なんだ?それは異変の首謀者と関係しているのか?」

 

弾の鋭い質問にタカミムスビは意外な顔を見せる。デメテールとモイライ達は邪魔にならないよう、そそくさと二人の視界から外れていた。

 

タカミムスビ《…そうだな。私に勝てば教えると言うのは?》

 

弾「…良いぜ。さっきバトルしようとしたら、中断されたからな」

 

タカミムスビ《…デメテール。すまんがデッキを貸してくれ》

 

デメテール《…へーい》

 

 

弾 タカミムスビ「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 月の都 牢獄へ続く廊下

 

 

豊姫「こちらです!」

 

レミリア「おいおい…ここ前にも来たぞ…」

 

永琳「牢獄ね…いったい何が目的…?」

 

純狐「…ズザザザザザザ…」

 

ヘカーティア《ちょい純狐!そろそろ起きてよ!》

 

その頃、命蓮寺組と合流した永琳達は豊姫を先頭に、月の都の廊下を走っていた。レミリアは以前訪れた時の記憶から、敵の目的地は牢獄かと首をかしげる。

 

そんな中、唯一気絶したままの純狐はヘカーティアの鎖に縛られ、ズルズル地面を引きずられていた。

 

スサノヲ《兄貴!ここの牢獄にいるやべぇやつを解放しようとしてるんじゃねえか!?》

 

アルテミス《それありそう!》

 

ペルセポネ《お心当たりありませんか?》

ツクヨミ《………まさか……!!》

 

ホルス《ついた牢獄!覚悟しやがれ!》

 

創界神が体内からああだこうだ話しているうちに、一同は牢獄の扉を蹴り破る。入った瞬間に全員は一番奥から禍々しいオーラが漂ってくるのを感じ取った。

 

神奈子「…うっ…!何と強い闇の気だ…!!」

 

アリス「…間違いなく…()()()()…」

 

純狐「…ピクッ!この気配…!バッ!」

 

イシス《…知ってるの?》

 

奥から漂う闇の気に顔をしかめたり、警戒レベルを引き上げている人が多いのだが、その気に純狐は眼を見開くと急に目覚めて身体を起こす。

 

 

純狐「………プルプルプル…!!」

 

白蓮「…純…狐さん…?」

 

純狐「間違いない!『嫦娥』だ!やつめ!待っていろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…」

 

袿姫「お、おいぃぃ!?」

 

藍「お、追うぞ!」

 

どうやら仇敵の臭いをかぎとったのか、純狐は殺気丸出しで奥に駆け出していった。他の人が止める間もなく純狐の姿はどんどん小さくなっていく。

 

妹紅「なぁ!確か『嫦娥』ってよ!あいつの息子の敵だよな!?」

 

スサノヲ《おぅ!でもよウカ!首謀者は『男』だろ!?》

 

ウカノミタマ《ええそう!確かにこの先には『嫦娥』の檻はあるけど、拘束された彼女が異変を起こせるわけないわ!》

 

サグメ《…それに彼女には時間を書き換える力もないです…!!》

 

純狐の後を追って一同が勢い良く石の床を蹴る。たった今スサノヲが指摘した通り『嫦娥』が異変の首謀者とは考えにくい。

 

純狐「嫦娥ぁぁぁぁ!ぶっ殺…し……て……むっ?」

 

???《一足遅かったな。もう奴はこの世にいない》

 

霊奈「いたぞ!やつだ!」

 

咲夜「…この檻…鍵が開いてるわね…」

 

純狐がひときわ大きな牢屋に到着するが、中には赤い服を着た白髪の青年が一人佇んでいるだけだった。床には手枷のような器具が転がり、嫦娥の姿は何処にも見えない。

 

アマテラス《お前が…『混沌』の創界神だな?》

 

???《…さすがに知られているか。我が名は『創界神カオス』。この世界を正しく導く者なり》

 

ツクヨミ《…『嫦娥』をどうした…?》

 

カオス《やつならたった今私の生け贄となった。ようやく私自身で動けるようになる…良い養分だったよ》

 

アマテラスとツクヨミの追及に青年…カオスは不気味な笑みを浮かべて腹をさする。その動作に全員が嫦娥の末路を大なり小なり察した。

 

霊夢「何だって良い。あんたがみんなの記憶を書き換えたのね!今ここで退治するわ!」

 

魔理沙「そうだ!こっちにゃ創界神が何人もいるんだぞ!観念するんだな!」

 

カオス《…フフフ…あぁ…愚かな人妖の何と嘆かわしいことか。そう思わないか?最高神達よ?》

 

ゼウス《どこかだ?この世界を無理やり支配しようとする行為を、黙ってみている訳なかろう!》

 

ラー《他人の人生を思う通りに操作するなど愚の骨頂!人は自らの意思で生きねばならん!》

 

アマテラス《しかり。あなたの創る世界には見せかけの平和はあれども『愛』はないでしょう》

 

ヴィシュヌ《…それに…お前はお前のことしか考えてねぇだろ?神世界全てを支配するなら他人の声を聞くんだな》

 

ロロ《結局君は野望のためにたくさんの命を傷つけた。創界神以前に神としても失格だよ》

 

霊夢と魔理沙を軽蔑するようにカオスは嘲笑うと、各勢力の創界神達に問いかける。しかし五人は全員揃ってカオスの言葉を辛辣に突き放した。

 

それにカオスはまた悲痛そうな顔で銀色の頭に手をやる。

 

カオス《…ここまで腐ったか…お前達は今まで何を見てきた?この世界の人間も妖怪も神も己の欲を満たすために憎み殺しあってきた。つまりこの世界は『失敗作』なのだよ》

 

アポローン《…続けろ》

 

カオス《だから私はもう一度この世界を創り直す。今ある世界をリセットしたあと、争いの無い新たな世界を創造するのだ。()()()は上手くいくだろう》

 

自分に酔いしれてる口調でカオスは演説を続ける。何の躊躇いもなく『世界』をリセットすると言い張る彼には命の大切さなど微塵も感じていないのだろう。

 

さらにカオスの『次こそ』という語句が創界神達の怒りを逆撫でした。

 

ヘファイストス《…『次こそ』…!?まさかお前…!》

 

カオス《……ああ…『以前までのやり方』では民に支配を一任してきた。だが全て醜い歴史になったからな…全部リセットしてやった。そしてまた一から創られたのがこの世界なのだ》

 

早苗「…そ、それって…!」

 

鈴仙「…何度も世界を創造して…思う通りにならなかったら、その世界を生命ごと滅ぼしてたの!?」

 

ブラフマー《てめぇぇ…!》

 

カオスのやり方にもう創界神達の怒りは限界点を軽く越え、漏れ出した神力が牢屋の檻をガタガタ揺らし始める。それにもカオスは眉一つ動かさず、ただ飄々と話し続けた。

 

カオス《醜い者達を消すにはその方が手っ取り早いからな。そうだろう?博麗 霊夢、八雲 紫はお前の道具としてしか扱わず、母親を良いように利用した》

 

霊夢「……………」

 

カオス《風見 幽香、周りのものどもはお前を理解しようともせずに怪物扱いし、お前の心を折りかけた。》

幽香「……………」

 

カオス《ヘカーティア・ラピスラズリ。なぜ純狐に手を貸した?安っぽい友情のためにどれだけの混乱をもたらした?》

 

ヘカーティア《…………》

 

カオス《宇佐見 蓮子、馬神 弾が『神々の砲台』を使わなければお前は旧友と別れずにすんだ。他人が誰かを救おうとした時、また別の誰かが傷つくのだ》

 

蓮子「…………」

 

カオスが順番に顔を向けて人の醜さを指摘する。名指しで指摘された何人かは話しが終わるまで、黙って聞いていたが、カオスの話が終わった瞬間反論を返し始めた。

 

 

霊夢「それはもう拳一発でチャラにしてるわ!たとえ争っても仲直りできる人を『醜い』とは思わない!」

 

幽香「怪物扱い結構結構。私には支えてくれる『仲間』がいる!その限り私の心は折れることはない!」

 

ヘカーティア《『安っぽい』?全てを知ったような口で純狐を語るな!お前は『私達の友情を侮辱した』。ただそれだけの理由で貴様を地獄に落とす!》

 

蓮子「そうね。誰もは幸せを求めて奮闘し、自分にとって最善の行動をするわ。現にあなたもね。だからこそ私は目の前の人だけでも助ける!それが『王様』の務め!」

 

カオス《…やれやれ…結局お前らの歴史は醜かったな。ならば全員まとめて消えてもらおう!ふんっ!!》

 

 

ドゴォォォンッッ!!!!

 

 

もう話し合いは無意味だと悟ったのか、カオスは頭をかいていた手を霊夢達に向ける。そしてカオスの手から発生した特大の衝撃波が全員に襲いかかった。

 

霊夢「きゃっ!!」

 

フラン「わぁぁ!?」

 

依姫「…ズザザ…!」

 

幽々子「…っっ…!!」

 

妖夢「わわっ!?」

 

カオス《出でよ!式神ども!奴らを抹殺せよ!》

 

霊夢達はおもいっきり後ろへ吹き飛ばされ、牢獄の壁をぶち破ってツクヨミの神殿内部に転がった。さらにカオスの周りに湧き出した闇から、この前霊奈が作り出したのと同じ式神達を呼び出す。

 

まるでロボットのような人間サイズの式神が鎧を纏い、槍や剣を持って前進してくる。

 

紫「全員行くわよ!」

 

永琳「ここで奴を倒す!」

 

 

 

二人の声が開戦の火蓋を切った……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

最初は純狐さん自身に嫦娥とバトルしてもらって、倒すつもりでしたが…尺や嫦娥のキャラ設定がめんどくさくて没にしました……許して…

あと『モイライ』達はオリジナルキャラですが、ギリシャ神話では結構重要なポジションの女神達として有名です。なんか雰囲気がマッチしてたので、出しちゃいました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

光導VS転醒。タカミムスビの『歴史』

伏線回収、スタート。


タカミムスビ《…ふふっ…久しぶりのバトルだ。まるで若返ったかのよう》

 

弾「…手加減はしないぞ」

 

タカミムスビ《それで良い。始めようか》

 

バトルフィールドの空気をタカミムスビは懐かしく吸う。弾は彼にどこか自分を重ねてしまうのを止め、バトルを始めた。

 

 

弾「メインステップ。『光導創神アポローン』を配置する。配置時の『神託』でデッキ上三枚を破棄してコアを二つ置く」

 

タカミムスビ《…光導のアポローンか…》

 

弾「ターンエンド」

 

先行の弾は初手に、黄金の鎧のアポローンを呼び出す。するとタカミムスビは訝しげにアポローンを見つめ、弾から来たターンを始める。

 

タカミムスビ《メインステップ。頼むぞ『創界神デメテール』、そしてネクサス『新しき世界』を配置だ。『神託』発揮。全て対象により三個コアを増やす》

 

デメテール《うんしょっと…行くで!》

 

タカミムスビ《私も終わろう。ターンエンド》

 

タカミムスビの背後に、切り株に腰かけたデメテールが現れる。さらにフィールドが緑の芝生に変わり、デメテールの後ろにもアーチ状の岩石がゴゴゴと競り上がった。

 

弾「…どんな戦法で来るか…メインステップ!『魔星人シュタイン・ゴイル』と『蟹甲竜キャンサードラゴン』を召喚!『星読』発揮!!」

相手の動きを警戒しつつ、弾は小型の紫の魔神と蟹のハサミをつけたドラゴンを召喚する。そして『星読』でめくられたカードは……

 

弾「…『金牛龍神ドラゴニック・タウラスX』!よって手札に。ターンエンド!」

 

タカミムスビ《…タウラスか…メインステップ!『ドルイドの見習い魔女エルネーゼ』を召喚!レベルは2だ。さらに『創界神デメテール』の『神技』を使おう》

 

デメテール《デッキ上から二枚を破棄し、そのあとデッキ下から一枚ドローするで!》

 

続けてフィールドに現れたのはウサミミフードを被った金髪の魔女。さらにデメテールが切り株から生えた枝の果実をもぎ、エネルギーに変えてドローした。

 

言及はされていないが『新しき世界』のレベル1効果で、『エルネーゼ』は2軽減されて召喚された。

 

タカミムスビ《アタックステップ!『エルネーゼ』でアタックだ!まずはレベル2の効果。ボイドからコア一つをライフに》

 

デメテール《さらにトラッシュの『ゴッドシーカー ドルイドの占い師セイラム』を除外!『転醒』や!『大地の魔女エルネーゼ』!!》

 

タカミムスビがフィールドの『エルネーゼ』のカードをひっくり返す。するとテクテク駆け出した『エルネーゼ』から黄色い光が溢れだし、手に一本の杖を作り出した。

 

トレードマークのかわいらしいウサミミフードは後ろに落ち、目つきも鋭く変わった。それは召喚でも煌臨でもないものである。

 

弾「転醒…!?」

 

タカミムスビ《『転醒』は一定条件を満たした時、裏返せる力を持つ能力。さらに『転醒』後『カウント』が1増える》

 

デメテール《まだや!『エルネーゼ』は転醒時にうちにコアを一つ追加!さらに相手スピリット二体をBPマイナス10000!そして破壊や!》

 

明らかにパワーアップした『エルネーゼ』が杖を頭上にあげる。杖から放たれた光が『シュタイン・ゴイル』と『キャンサードラゴン』を貫いた。

 

弾「破壊時の『星読』!『銀河星剣グランシャリオ』なので疲労状態で残る!ライフで受ける!」

 

『エルネーゼ』の光がそのまま弾のライフも砕くが、『キャンサードラゴン』は自身の効果で爆煙から甦る。

 

タカミムスビ《面白い。相手のライフ減少により『新しき世界』も転醒!『風雅龍エレア・ラグーン』!コアを二個増やす》

 

弾のライフが砕けたことを引き金に、『新しき世界』が地響きを立てて一体の大きなドラゴンへと変化した。維持用のソウルコアもトラッシュから置く辺り、抜け目がない。

 

 

タカミムスビ《ターンエンドとしよう》

 

弾「驚いた…メインステップ!『銀河星剣グランシャリオ』!『光導創神アポローン』にダイレクト合体!全てを貫く蒼き毒槍!『天蠍神騎スコル・スピアX』!レベル2で召喚!」

 

スコル《ウィースッ!俺様参上!》

 

タカミムスビ《…?…なんだ…そのブレイヴは…?》

 

『転醒』に驚きながらも弾は冷静に『スコル・スピア』を地面から呼び出し『アポローン』にも先程回収した『グランシャリオ』を握らせた。

 

弾「アタックステップ!『スコル・スピア』でアタック!『星界放』発揮!『アポローン』のコア二個を置くことで『エルネーゼ』を破壊!」

 

タカミムスビ《…お前の『化神』としての効果か…》

 

弾「フラッシュタイミング!『アポローン』の『神技』を使用!『エレア・ラグーン』を破壊!そして一枚ドロー」

 

『スコル・スピア』が尻尾の槍からビームを発射して『エルネーゼ』を貫く。追撃に『アポローン』も『グランシャリオ』のエネルギーを放って『エレア・ラグーン』を除去した。

 

タカミムスビ《ライフで受けよう!》

 

スコル《おらァ!まずは一発!!》

 

『スコル・スピア』が両手の鎌でライフを×の字に切り裂いた。

 

 

弾「…!?…」

 

すると突然弾の脳内にある映像が流れ込んできた。弾の意識はバトルフィールドから、一気に別のところへ飛び去った。

 

 

 

 

 

 

霊夢《ちょっと!寒いじゃないの!早く閉めなさい!》

 

魔理沙《良いじゃないか!お前との仲なんだしよ~》

 

弾?《…まぁ良いか。ほらっ、茶でも飲むか?》

 

 

弾「…ここは…博麗神社の居間か…?」

 

弾が見ていたのはいつもの風景、霊夢と自分が住んでいる神社に魔理沙が訪ねてきたワンシーンだ。どうやら季節は冬らしく、霊夢と弾はこたつにミカンを乗せて暖まっている。

 

縁側から入ってきて、こたつに乱入する魔理沙に対面の霊夢が文句を垂れるが、弾は苦笑しながら新しい湯飲みを置く。

 

魔理沙《それよりも霊夢!お前今何月か知ってるか!?》

 

霊夢《はぁ~…5月でしょぉ~…》

魔理沙《もう暖かくなっても良い時期なのにこんな冬景色!これは明らかに異変だろ!》

 

弾?《俺も魔理沙に賛成だ。行くぞ》

 

霊夢《えぇ~!寒いのや~だ~!》

 

弾?《文句言うんじゃない》

 

こたつにしがみつく霊夢だったが、魔理沙と弾に引きずり出されてしぶしぶお祓い棒を手に取る。もう魔理沙は外で箒にまたがり、準備万端だ。

 

 

 

 

弾「…ん…?『春が来ない異変』…?その時に俺…いなかったよな…」

 

 

 

弾が首を傾げると、また目の前が暗転して弾の意識はバトルフィールドに戻ってきた。困惑を隠せない弾の様子をタカミムスビは余裕の笑みで観察している。

 

タカミムスビ《…ふふふ…》

 

弾「……何をした?」

 

タカミムスビ《これがお前の求めていたものだ。なぁに、私のライフを全て砕ければ納得するだろう》

 

タカミムスビが何かしたのは明白。だが弾が問うた質問の答えは的を得ているのかどうかよくわからない。はっきり言って答えになってなかった。

タカミムスビ《…私のライフが減ったのでトラッシュから召喚しよう。魔性の古妖!『魔導女皇アンブロシウス』!》

 

デメテール《ギリギリコアは足りたわ。さらにトラッシュの『ネイチャーメナス』を回収や!》

 

バトルフィールドの地面から何体もの蛇が生えてきて、中心に一人の魔女が現れる。彼女の足は全て蛇、その手の杖も妖しく光っていた。

 

弾「…ターンエンド」

 

タカミムスビ《さて私のターンだ。メインステップ。『時空龍クロノ・ドラゴン』をレベル2で召喚だ。『アンブロシウス』もレベル3にしよう》

 

『アンブロシウス』の隣の空間が歪み、時限の壁を突き破って出てきたのは緑のドラゴン。レーザーソードを手に取って威嚇する。

 

タカミムスビ《アタックステップ!『アンブロシウス』でアタック!アタック時に手札のマジックを直ちに使用!そして回復する!》

 

デメテール《マジック!『ネイチャーメナス』!このターン『キャンサードラゴン』はブロックできへん!さらにうちのレベル2効果で『アンブロシウス』はダブルシンボルや!》

 

タカミムスビ《最後に『アンブロシウス』レベル3効果だ。『黄』のマジックを使ったことにより、ライフを一つ砕く》

 

『アンブロシウス』が流れるようにコンボを決め、ライフ貫通と回復、さらにマジックの踏み倒しまで行った。そして弾のライフが砕けたということは……

 

弾「くるっ!『転醒』!」

タカミムスビ《その通り!『転醒』!『時空龍皇クロノバース・ドラグーン』!転醒時に相手の創界神ネクサスを破壊して回復するぞ!》

 

 

三度タカミムスビのカードが宙を舞い、『クロノ・ドラゴン』の身体がより大きなドラゴンへと進化する。

 

改めて『クロノバース・ドラグーン』は『アポローン』に目をやると、翼の円形部分から空色のビームをぶっぱなし、『アポローン』はなす術なく爆散してしまった。

 

弾「創界神を破壊…!?『グランシャリオ』はそのまま残す!フラッシュタイミング!マジック!『アドベントスター』!」

 

デメテール《ふーん…なに出そうったって!ブロックされへんし、大丈夫》

 

弾「乙女座より来たれ!『戦神乙女ヴィエルジェX』!コストは『スコル・スピア』から使用。よってレベル1へダウン」

ヴィエルジェ《すんごいのとバトルしてるわね》

デメテール《………あかん…》

 

カウンターで弾は星空の乙女座からヴィエルジェを呼び出す。余裕そうに見えたデメテールの顔は一気に蒼白した。

 

タカミムスビ《…なるほど。素数ロックだな?》

弾「これ以上アタックはさせない!ライフで受ける!」

 

『アンブロシウス』の蛇達が弾に襲いかかり、ライフを二つ砕いていく。しかし『ヴィエルジェ』の力が追撃を完全に封じ込めることに成功した。

 

タカミムスビ《…やれやれ。ここから長くなりそうだ。ターンエンド》

 

弾「…劣勢には変わらないな…メインステップ!俺自身を配置して『神託』!その中の『光導』カードを全て手札加え、『グランシャリオ』を合体!》

 

何とか弾は自分のカードを引き当ててフィールドに配置する。落ちたカードは『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』『クローズドジェミニ』『樹星獣セフィロ・シープ』

 

 

弾「よって二枚を手札に!牡牛座より来たれ!『金牛龍神ドラゴニック・タウラスX』!レベル3で召喚!!コストは『キャンサードラゴン』を消滅させて確保する」

 

タウラス《おっしゃー!》

 

デメテール《うひゃー…ぞろぞろと…》

 

ライフを削られた分コアは有り余っている。弾は三体目の『十二宮Xレア』の『ドラゴニック・タウラス』を召喚して反撃にかかった。

弾「バーストをセットしてアタックステップ!『ドラゴニック・タウラス』!激突だ!!」

スコル《やったれ~!》

 

タウラス《うぉぉぉぉぉ!!!》

 

タカミムスビ《…『魔導女皇アンブロシウス』。ブロックせよ》

 

弾「『星界放』発動!赤のシンボルを3つ増やし、相手より多かった分ライフを破壊する!」

 

『スコル・スピア』や『ヴィエルジェ』の応援を受けた『タウラス』が『アンブロシウス』に突っ込む。両者のシンボルがぶつかり合い、多かったシンボル3つがタカミムスビのライフに向かう。

 

タカミムスビ《残念だが手札の『白晶防壁』を破棄。これで減るライフは二つだ》

 

『タウラス』がその巨体で『アンブロシウス』を押し潰そうとする。一方タカミムスビは手札を棄てて吹き飛ぶライフを軽減するが、それでも二つのシンボルがライフを破壊していった。それに伴って弾の意識もまた変わる。

 

 

 

 

 

弾「…!?…今度は…戦場…?」

 

 

弾の視界が開けたのはどこかの戦場だった。しかし戦いは既に終わったらしく、爆発や怒声は響いてはいない。

 

その代わりに地面にはおびただしいほどの戦死者が転がっていた。それに弾は複雑な思いを抱く。

 

弾「…でも…ここはたぶん幻想郷のはず…こんな総力戦の戦いはなかったような…」

 

今ここが幻想郷なのかどうか調べようと、弾は死体を避けて歩きだす。歩けば歩くほど激戦地に近づいているからか、死体の量も増えてきた時だった。

 

弾「…!…あれは…ウソだろ…!」

 

弾の目に見知った物が写った。死体の山の上で無残に息絶えていた一人の幼い少女…普通でも心痛めるはずだが、弾にはより一層心にくるものだった。

 

なぜなら……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が彼女が誰なのかを物語っていたからだ。

 

弾「レミリア!!どうしたんだ!?しっかりしろ!」

 

レミリア「………」

 

弾はすぐさまレミリアに駆け寄って身体を抱き起こす。だが触れた肌の冷たさから、既に彼女の命は尽きてしまったことを覚った。

 

弾「…そんな……!…ぇ…」

 

項垂れる弾を更なる衝撃が襲う。レミリアを退かしたことで、下にあった死体が露になった…弾と同世代のメイド服を着た銀髪の女性、こちらも間違いなく弾の知り合いだ。

 

 

それだけではない。さっきまではただの死体の山だとしか認識していなかったが、よく見ると……彼女達を認識した弾は驚きを通り越して絶句するしかできなかった。

 

弾「…いったい…!何があったんだ…!?」

 

レミリアの亡骸をそっと置いて弾は立ち上がる。刀に手をかけたまま倒れている半人半霊の剣士、不老不死にもかかわらず絶命しているかぐや姫、撃ち落とされたのか羽がない天狗記者、そして白黒の魔法使いと赤白の巫女……

 

…次々と知り合いの屍が目に入り、弾の気持ちがドン底へ落ちる数秒前のことだった。

 

 

ドゴォォォンッッ!!

 

 

弾?《ズザザ…!くっ…!》

 

???《…チッ…しぶとい…!》

 

爆音をたてて地面を滑ってきたのは映像内の弾、もう一人の男には心当たりがなかったが、それでも明らかに『敵』であることは間違いなさそうだった。

 

弾?《…ここでお前を…!倒す!!》

 

???《無駄だ。私は殺せん!》

 

映像内の弾が膨大なエネルギーを纏った剣を構え、男に突進する。男は手を前にかざしてバリアで防ぎきろうとした。

 

弾?《…ウァァッッ!!》

 

???《なん…だと…!?》

 

全パワーを振り絞って弾(映像)が突き出した剣(?)が男の予想を裏切ったのか、バリアを破って男の胸に深々と刺さる。

 

???《ガァァ!!…っっ…い、いい気になるな…わ、私は…再び…現れる……その時は…か…な…ら……ず……》

 

弾「…『再び』…」

 

男の怨念がこもった捨て台詞を最後に、また弾の視界がほんの数秒黒に染まる……

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…」

 

タカミムスビ《……》

 

デメテール《…?…二人とも…どうしてんか?》

 

『タウラス』と『アンブロシウス』がフィールドで押し合いをしている音が響く。しかし空気を揺らすほどの轟音でも、今の弾の注意は真正面のタカミムスビに向いていた。

 

タカミムスビも憂いを帯びた表情で弾を見つめ返している。二人をバトルに引き戻したのはデメテールの訛り声。

 

弾「…フラッシュタイミング!天駆ける闇祓う光!『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』!!『ドラゴニック・タウラス』に煌臨!!」

 

タウラス《俺の出番終わり!?》

 

タカミムスビ《…『サジットヴルム・ノヴァ』…》

 

弾がバトルに復帰すると同時に後ろから光のドラゴンが空へ飛び上がり、愚痴りながらも後から飛んだ『タウラス』に重なる。『タウラス』の肉体を得た光のドラゴンは弓で光を振り払い、その身体を露にした。

 

弾「『サジットヴルム・ノヴァ』の煌臨時効果!『クロノバース・ドラゴン』を破壊!そのまま『アンブロシウス』を破壊しろ!」

 

タカミムスビ《…破壊されるが…『導魔』スピリットの破壊をトリガーに召喚する!『豊穣の女王神テスモポロス』!!》

 

デメテール《待ってたで!うちの化神は相手スピリットを一体デッキ下に送りつつ現れる!》

 

空から『サジットヴルム・ノヴァ』が矢を放って『クロノバース・ドラグーン』と『アンブロシウス』を撃ち抜くが、デメテールが座っていた切り株から蔦を成長させてフィールドまで伸ばす。

 

デメテール《さぁ~…覚悟しいや!『ヴィエルジェ』をデッキ下に戻して召喚!パチンッ!!》

 

伸びた蔦が『ヴィエルジェ』に巻きついて生命エネルギーをすいとる。それを使って蔦が次々と枝分かれし始め、フィールドの真ん中で大きな大樹へと成長した。

 

すると大樹がメキメキと音をたてて人の形へと変化し、その手には枝の杖が握られていた。

 

タカミムスビ《さて…どうする?私のライフは残り3個だ》

 

弾「…ここでフルアタックしても削りきれない…ターンエンド」

 

 

タカミムスビ《…良い。さぁ…もっと私にぶつかってこい!》

 

弾「…次が正念場だ…!」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

タカミムスビ様が見せた映像の真実とは?バトルの行方は?そして全神世界の運命は?さぁ!ようやくクライマックスが始まりますよ!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

必ず夜明けは巡ってくるから

…もー…今回のバトルプロットはすんごく面倒くさかったです…


バトルは終盤。弾のライフは残り1、タカミムスビは3で優勢だ。弾の『サジットヴルム・ノヴァ』が地面に降り、召喚されたタカミムスビの『テスモポロス』をにらみつけてグルルと唸る。

 

 

スコル《めんどーだな…》

 

弾「………」

 

タカミムスビ《メインステップ。マジック『ガーデニアフィールド』を使用して一枚ドロー…バーストもセットだ。さらに『テスモポロス』をレベル3に》

 

デメテール《もっかいうちの『神技』!二枚破棄して一枚もらうで!》

 

弾と残った『スコル・スピア』が警戒を高める一方、バトルフィールドに白いバラのような花が咲き誇り、『テスモポロス』が枝の杖を高く頭上へ掲げ攻撃態勢に入る。

 

タカミムスビ《ゆけっ!『テスモポロス』よ!アタック時効果!手札とトラッシュから一体ずつ『魔導女皇アンブロシウス』を召喚する!》

 

デメテール《うちもレベル2!この娘達も全員ダブルシンボル&ブロックできひんよ!》

 

『テスモポロス』の杖の光がバトルフィールドに満ちると、荒れ果てた地面が一面の草原へと一変する。その草原から『テスモポロス』の力を受けた二体の『アンブロシウス』が這い出してきた。

 

タカミムスビ《さぁ!この一撃は防げまい!》

 

弾「…バースト発動!『天蠍機動スコルビウム』!『創界神デメテール』のコアを全てボイドへ!その後『サジットヴルム・ノヴァ』のコアを使って召喚!!」

 

このまま決まってしまうかと思われたが、弾が発動させたバーストが『デメテール』のコアを全て消し去った。これで『テスモポロス』はブロックされない効果を失う。

 

弾「『スコルビウム』でブロック!レベル3効果でBPプラス5000!」

 

タカミムスビ《…やるな。ターンエンドだ》

 

バースト召喚された『スコルビウム』が槍を構えて『テスモポロス』を迎撃する。二体の槍と杖が火花を散らしたが、BPで勝る『スコルビウム』が押し返して態勢を崩した『テスモポロス』を槍で貫いた。

 

たまらず『テスモポロス』は爆散し、タカミムスビとしてはターンを終える他なかった。

 

弾「メインステップ!『樹星獣セフィロ・シープ』、『月紅龍ストライク・ジークヴルム・サジッタ』を召喚!!」

 

絶体絶命な状況を耐えきった弾が小さな緑の羊を召喚してコアを増やす。さらに背後の崖を紅色のストライク・ジークヴルムが登ってきて、『サジットヴルム・ノヴァ』の隣で唸り声をたてた。

 

これで弾のアタッカーは五体、十分に足りる頭数だが……

 

弾「アタックステップ!『サジットヴルム・ノヴァ』でアタック!『界放』の効果!俺のコア三個を移動させてライフを砕く!さぁ!教えてもらうぞ!」

 

タカミムスビ《『ガーデニアフィールド』により相手の効果によってライフを1しか減らせん!だがお前ならこれで分かるだろう!》

 

 

『サジットヴルム・ノヴァ』のライフ貫通効果はフィールドに咲き誇る『ガーデニアフィールド』に阻まれ一つしか削れない。しかしライフの減少がまた新たな映像を弾にもたらした。

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…次は…墓地か…?」

 

今回弾が立っていたのは漆黒の御影石の墓石が立ち並ぶ墓らしきところだった。ただの集団墓地のように見えるが、一つ一つが豪華な装飾とまだ萎れたばかりの花が添えられているのを見ると、かなり手入れが行き届いていることがわかる。

 

弾「…!…あれは…また俺か…?」

 

弾?《……あれから何年経ったか…みんな、花変えに来たぞ》

 

弾は墓石群の反対側、墓地の入口から誰かが歩いてくるのを感じ、振り返る。そこには少し年をとった弾らしき男が歩いてきたのが目に入った。

 

記憶の中の弾らしき人物は手に新しい花束を持って、墓石群に声をかける。花を取り換え、柄杓に水を酌んで墓石にかけた後は腰を落として手を合わせて祈っていた。

 

弾?《……実はみんな、俺…弟子ができたんだ。また世界に命が満ちて…これからの世界を創る神を育てることになったんだ》

 

弾「…『また』世界に…?」

 

弾?《でも…正直不安だらけなんだ。果たして俺はちゃんと弟子を育てられるのかってね…なぁ…慧音先生、コツとか無いのか?》

 

記憶の弾はまるで知り合いに報告するかのように墓石に言葉をかける。当然答えは返って来ないが、彼はそれで満足しているように話を続けた。

 

弾?《……やるしかないよな。絶対()()はまた復活して世界を滅ぼしにかかる。それまでに戦力を増やさないと…!》

 

???《御師匠様~!どこですか~!?》

 

弾?《…おっと…ついてきてたのか?》

 

???《あっ!見つけた!ここにいたんですね!》

 

また別の声が墓地に響くと、意識の弾らしき男の元へ巫女風の衣装を着た女の子が走ってきた。見たところさっき言っていた『弟子』とは彼女のことらしい。

 

弾らしき男は視線を彼女に合わせるため、屈んで彼女の目を見て尋ねた。

 

弾?《どうした?また弟たちがやらかしたのか?》

 

???《そうなんです!また()()()()が変な妖怪を…》

 

弾?《…ハァー…わかった。行こう》

 

弾「…『ツクヨミ』…!?」

 

女の子が弾らしき男の服を引っ張って急かす。彼もため息をついて女の子の後を追って歩きだした。

 

その会話で飛び出した『弟たち』『ツクヨミ』…そして女の子の呼んだ名前が弾の予測を確実なものとした……

 

???《早く早く!早くしてタカミムスビさま!

 

弾?《おいおい…待てってアマテラス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「……え…!?…は…!?」

 

驚いて弾はバトルフィールドに戻ってきたことに気づくまで、かなりの時間を要した。タカミムスビは『どうだっ!』と言わんばかりに得意気な顔をして……

 

タカミムスビ《そしてライフ減少がバーストを開く!マジック!『イマジナリーゲート』!》

 

弾「…!…考えるのはまた後だ…!!」

 

タカミムスビ《手札の黄色スピリットを…ノーコスト召喚!!……来い…ゴゴゴ…我が『化神』!!》

 

…バーストを発動させた。弾もブンブンと顔を振って集中する。

 

そしてタカミムスビが一枚の手札を取って召喚しようとすると、バトルフィールドが地響きをたて始めた……

 

タカミムスビ《星の海駆ける騎神!限界を越えし輝きを見せよ!『超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ』!!レベル3!!》

 

 

ゴゴゴゴゴ…ドガァァァンッッ!!!!

 

 

スコル《ぐぇ…!なんだこの…気迫…!?》

 

デメテール《…っ…!出てん…タカミムスビさんの『化神』…!》

 

タカミムスビ《さらにマジック!『ネイチャーメナス』!『スコル・スピア』よ!手札に戻れ!》

 

タカミムスビの後ろが広大な銀河へと一変して、天の川を縫って一体のドラゴンが飛んでくる。黄金の鎧を纏い、翼は銀色に光を放ちながらバトルフィールドに二本の足をつけた。

 

そしてそのドラゴン『超龍騎神グラン・サジット・ノヴァ』の足が地面に触れた瞬間、とんでもない衝撃が辺りを揺るがした。

 

弾のスピリット達が衝撃に耐える中、『ネイチャーメナス』のフラッシュ効果の光が『スコル・スピア』の身体を透明に照らしてバウンスさせる。

 

弾「…これが…!…『サジッタ』の効果で一枚ドローして『アンブロシウス』を破壊する!」

 

タカミムスビ《『サジットヴルム・ノヴァ』はもう一体の『アンブロシウス』でブロックしよう》

 

『サジットヴルム・ノヴァ』が効果も含めて二体の『アンブロシウス』を剣で薙ぎはらう。それでも弾がこのターンで仕留めることはできないだろう。

 

弾「…ターンエンド」

 

タカミムスビ《メインステップ。マジック!『ネイチャーメナス』!『ストライク・ジークヴルム・サジッタ』のブロックを封じる!》

 

残り少ない手札をきってタカミムスビは弾のブロッカーを削りに来た。黄色の光が今度は『サジッタ』を地面にへばりつかせる。

 

タカミムスビ《アタックステップ!『グラン・サジット・ノヴァ』でアタック!ターンに一度回復し、『サジットヴルム・ノヴァ』を破壊!》

 

弾「…『セフィロ・シープ』でブロック!」

 

『グラン・サジット・ノヴァ』が右手の籠手から剣を伸ばして攻撃のために翼を広げて飛び出す。そしてすれ違い様に『サジットヴルム・ノヴァ』を斬り捨て、『セフィロ・シープ』も足で蹴り飛ばした。

 

タカミムスビ《再度『グラン・サジット・ノヴァ』でアタック!『スコルビウム』を破壊だ!》

 

弾「まだだ!フラッシュタイミング!『アドベントスター』!!手札に戻された『天蠍神騎スコル・スピア』を召喚してブロック!!」

 

スコル《どのみち俺は破壊される運命なのねー!!》

 

回復した『グラン・サジット・ノヴァ』が火炎放射で『スコルビウム』を焼ききり、弾のライフを切り裂こうとした。しかし弾は先ほど戻された『スコル・スピア』を二枚目の『アドベントスター』で踏み倒し、ブロックを命じる。

 

『スコル・スピア』が尾の槍を突き出すが、『グラン・サジット・ノヴァ』は再び籠手の剣で防ぐと、反対の拳を『スコル・スピア』の脳天に振り下ろす。蠍座の化神は呆気なく木っ端微塵に破壊された。

 

タカミムスビ《……二枚あったか…ターンエンド》

 

弾「……確認だ。さっき見せた映像…あれはあんたの『記憶』だろ?」

 

タカミムスビ《………》

 

ターンが弾に回ってきたところで、ついさっきの映像について弾は問いただす。

 

弾「…俺たちの世界ができる前…そこにも『幻想郷』があって、あんたはそこの住人だった。でもあの男が世界を滅ぼしてしまい、討ち取ったあんた以外の命は絶えてしまった…」

 

タカミムスビ《……》

 

弾「唯一生き残ったあんたは奴がまた復活することを危険視して、対抗勢力の神々を育成することに決めた。それがのちの『オリン』『エジット』『アマハラ』『インディーダ』の創界神達だった」

 

弾はターンを始めずに淡々と自分の推理を述べていく。タカミムスビは一切反論すること無く、静かに話を聞いていた。

 

弾「…でも一つだけわからないことがある。()()()()()()()()()()()()()()()()()()あんたには永琳という愛娘がいるのに…」

 

タカミムスビ《…お前の推理は80パーセント正しい。だが残り20パーセントが違うゆえ、その疑問が生じたのだ》

 

弾「…その違いとは?」

 

タカミムスビ《 お前が私だからだ

 

デメテール《…はいぃ!?まるで意味が分かりまへんが!?》

 

二人の問答に割り込んできたすっとんきょうな声。後ろのデメテールが話についていけず、思わず口を挟んでしまった。

 

弾「…そうか。あんたは…『滅んだ世界の俺』…というわけか」

 

タカミムスビ《その通り。だが全てが同じ訳ではない。私が幻想郷に来たのは『西暦2010年8月30日』だ》

 

弾「…!…あんたは未来世界へ行ってないのか?」

 

タカミムスビ《代わりに俺はお前より早く幻想郷に来た…いや…『逃げた』という方が正しいか…だから『紅霧異変』や『春雪異変』も経験したのだよ》

 

もう理解できずにポカーン(゚д゚)としているデメテールを放置して二人の話は進んでいく。

 

弾「なるほど。だから俺に『継承』を…確かに娘とは言え、他人より自分自身の方が信頼できるからな」

 

タカミムスビ《…違う。私は『負けた』のだよ。この世界の悪意に。だから逃げるように幻想郷に引きこもり、結局最後は世界()()救えなかった》

 

弾「……………」

 

タカミムスビは自嘲しながら空をあおぐ。やはり彼は弾であっても、今向かい合ってる弾とは違う人間なのだ。まったく同じように生きてきた訳ではない。

 

タカミムスビ《…だがお前は私より強かった。逃げずに未来へ飛び、たくさんの人、魔族、妖怪、神々を救った。そして今『世界の悪意に打ち勝ち、戦い続けた男』は『世界の悪意に絶望した男』を越えようとしている》

 

弾「…………」

 

タカミムスビ《…私は古い時代の残党だ。現に私が守れる『愛と平和』溢れる世界はもうない。だからこそお前に同じ経験を味あわせたくはないのだ》

 

強く語気を入れてタカミムスビが弾に思いを吐き出す。自らの肉体が滅びようとも、彼の『愛と平和』への思いは消えていなかった。そんな彼に弾は手にしたグランシャリオを眺め、またタカミムスビへ強い意思の目を合わせる。

 

弾「…わかった。あんたの遺志は俺が受け継ぐ!だから…安心して眠ってくれ。もう疲れただろう…?」

 

タカミムスビ《…あぁ…そうだな…娘や弟子達はもう大丈夫だろう…感謝してもしきれん…》

 

デメテール《…御師匠…》

 

強い弾の決意の宣言の後…優しく添えられた『疲れた』の問いかけにタカミムスビは目頭が熱くなったのか、目に手を当てる。ようやく理解が追いついたデメテールも、一人の弟子として見守っていた。

 

 

 

タカミムスビ《…ならばこのバトル…なおさら負けられなくなったぞ!》

 

弾「俺もだ!メインステップ!!マジック!『コズミックリターン』!戻れ!『超神光龍サジットヴルム・ノヴァ』!そして龍よ!炎となって降り注げ!『龍星皇メテオヴルムX』!召喚!!」

 

弾の頭上から幾つもの隕石が降り注ぎ、中から現れたオレンジ色のジークヴルムがストライクと並び立つ。さらに弾の最後の手札が破壊されていた『化神』を手に戻した。

 

弾「アタックステップ!!『龍星皇メテオヴルム』!!レベル3で『激突』!!」

 

タカミムスビ《甘い!フラッシュタイミング!『光翼之太刀』!『グラン・サジット・ノヴァ』をBPプラス3000!そして疲労ブロッカーとなる!》

 

炎に包まれた『メテオヴルム』がタカミムスビに向かっていくが、彼も最後の手札を使って『グラン・サジット・ノヴァ』を起き上がらせる。

 

弾「さらにフラッシュタイミング!『メテオヴルム』に煌臨せよ!『サジットヴルム・ノヴァ』!!『メテオヴルム』は自身の効果で召喚される」

 

デメテール《…『サジットヴルム・ノヴァ』はBP30000!『グラン・サジット・ノヴァ』はBP35000!御師匠様の勝ちや!》

 

タカミムスビ《『グラン・サジット・ノヴァ』でブロック!!これで私の……むっ!?》

 

『メテオヴルム』に重なって復活した『サジットヴルム』が剣を振りかざすが、起き上がった『グラン』が籠手の剣で防ぎにかかる。デメテールもタカミムスビも勝利を確信した……

 

…が…その時二人の目に飛び込んできたのは弾がまっすぐ上に掲げた一本の剣の光だった。

 

弾「…『サジットヴルム・ノヴァ』と『メテオヴルム』の煌臨/召喚によって俺のコアは合計四個に増えた。『銀河星剣グランシャリオ』の『神域』発動!『サジットヴルム・ノヴァ』をBPプラス5000!」

 

デメテール《…んな、なんやってぇぇぇ!?》

 

タカミムスビ《…フッ…それがお前だけの力か…》

 

弾「いや違う!!俺とまゐの愛の力だ!!行け!サジットヴルム・ノヴァァァァ!!!!

 

弾の叫びに呼応するかのようにグランシャリオの輝きはより一層増して『サジットヴルム』に力を与える。二体の『サジット』は空中で何度も剣をぶつけ合い、周りの空気を大きく揺らした。

 

『サジットヴルム』は一旦距離をとると、剣を弓に変えて太い矢を発射する。対する『グラン』も後ろの翼を弓にして炎の矢で迎撃し、再び空中に爆煙が吹き荒れた。

 

しかし爆煙の中から突進してきた『サジットヴルム』が剣を『グラン』の腹に突き刺す。深々と剣が刺さった『グラン』だが、最後の力でゼロ距離火炎放射を吹き、『サジットヴルム』を道連れに爆発した。

 

 

弾「決めるぞ!『ストライク・ジークヴルム・サジッタ』でアタック!!『グランシャリオ』の効果でダブルシンボル!」

デメテール《申し訳ありません…私の実力不足で…》

 

タカミムスビ《突然標準語になるのはやめろ。お前は関西弁でワイワイしている方が似合う…それに…チラッ》

 

爆煙を突っ切って『サジッタ』がタカミムスビへ向かって飛ぶ。まさに女神のような丁寧口調で謝罪するデメテールだが、タカミムスビの視線は向かってくる『サジッタ』にあった。

 

タカミムスビ《…娘の化神でとどめとは…粋な計らいと言うべきかな?》

 

弾「こっちは俺と永琳の愛の化神だからな」

 

デメテール《…ハァー…あんた、あんまりそういう表現せえへん方がええよ…》

 

やはりデメテールが蚊帳の外(今回は彼女が正しいが…)になっている。

 

それをよそに晴れやかな顔のタカミムスビのライフを『サジッタ』が優しく包み込むように砕いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弾「…んんっ…!!」

 

タカミムスビ《…ふぅ…まぁこんなもんだろう》

 

弾「…スゴい力だな…!身体が張り裂けるかと思った…!」

 

デメテール《…普通なら本当に張り裂けるもんやけどね…》

 

バトル後、弾はタカミムスビから『王』としての力を受け止めていた。彼の膨大な神力は創界神でさえも制御には一苦労するようで、弾は苦しそうに膝をつくが、息を整えて立ち上がる。

 

モイライ《…タカミムスビ様、お身体が…》

 

タカミムスビ《わかっていたことだ。『継承』が終わればこの意識が存在する意味はないからな》

 

何億年も待ち続けた『後継者』に継承を終え、タカミムスビの身体は足先から光になって崩れ始める。だが彼の顔には一ミリの後悔も見せない。

 

彼の表情はとても晴れやかだった。

 

 

弾「…それじゃあ…行くよ。みんな戦ってる」

 

デメテール《うぅ…御師匠…!》

 

タカミムスビ《まったく…お前は子供じゃないんだ。ほらっ…早く行け…》

 

弾「……!…そうだ…!」

 

後ろ髪を引かれるどころか、引きずられるクラスでタカミムスビとの別れを惜しむデメテールを弾が引っ張って行こうとする。すると弾は『継承』の役目を終えて半分身体が消えているタカミムスビを見て、何かを思いついた。

 

弾「…あと一つ…まだ『継承』してもらってないものがあるんだが?」

 

タカミムスビ《…む…?》

 

そう言うと弾はタカミムスビの胸辺りに手を伸ばす。全て継承したつもりのタカミムスビは首を傾げたが…弾はいたずらっ子のような笑みを浮かべてこう言った。

 

 

弾「()()()()()()()()()

 

 

タカミムスビ《…は?》

 

デメテール《…へ?》

 

その数分後、『百識の書架渓谷』に残ったのはたくさんの本棚とまた『運命』を紡ぎ始めたモイライ三人だけだった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

タカミムスビのモデル?みたいなのは『もし未来へ行かず、世界の悪意から逃げ続けてた弾』です。

自分一人で戦い続けた結果、全てを失ったタカミムスビと、仲間が支えてくれた弾…最後のターンのバトルは、一人では越えられなかった壁を仲間との『愛』の力で越えていく……良くある話ですが、それでもなんか良いっすよね…

…あとロリアマテラス様…ゲフンゲフン…(台無し)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

終焉の刻。Over Chaos

皆さんはつい先日発売された、ガンダムのコラボブースターは買いましたか?え?私?……すいませんガンダム専門外なんですぅ…


月の都 ツクヨミの神殿 中庭

 

 

 

霊夢「ハァ…ハァ…霊符『夢想封印』!!」

 

魔理沙「…っっ!恋符『マスタースパーク』!!」

 

 

ズドドドドドドドド!!

 

式神「ぐわぁぁぁっっ…!」

 

式神「ぐおぉぉぉっっ…!」

 

霊夢の虹色弾幕と魔理沙の極太ビームが何人かの式神を吹き飛ばす。しかし次から次へとわいてくる式神達に二人の体力は限界に近かった。

 

カオス《はぁぁ!》

 

正邪「ぐぇっ!!」

 

藍「うっ!!」

 

妹紅「ごはっ!!」

 

永琳「…何…この強さ…!」

 

紫「……まずいわね…!」

 

カオスを相手にしているのは、創界神達の中でも頭一つ突き出た実力の『アマハラ』3姉弟を降ろす三人と、紫、永琳。しかしカオスが手のひらから放った衝撃波に五人ともなす術無く地面を転がった。

 

カオス《邪魔をするな。愚民ども!》

 

アマテラス《…ハッ!正邪!避けなさい!》

 

ツクヨミ《…チッ!急急如律令…!》

 

スサノヲ《姉貴が『避けろ』…!?》

 

 

ドッガァァァァァンッッ!!!!

 

 

永琳「…っ…ゴロゴロ…」

 

紫「ぅ…!ザザザ…」

 

防御力に定評のあるアマテラスですらカオスの一撃は防ぎきれなかった。五人めがけてカオスの炎がほとばしり、ツクヨミの札を貫通して大爆発を引き起こした。

 

カオス《…さっさと終わりにしよう。原初に生まれし神々よ!蘇れ!》

 

 

ズズズズズズッッ……!!

 

 

文「あやや!?」

 

早苗「…ウソ…まさか…!」

 

カオスが身体からすさまじいほどの神力を放出する。辺り一帯に神力が満ちきると、エネルギーが収束していき、六つの人形へと変化した。

 

霊夢や早苗達の前で形ある姿になったのは、彼女達にとって因縁溢れる奴らだ。

 

ヒュペリオン《…ふんっ…》

 

テミス《おおっほっほっほ~!!》

 

プロメテウス《へへっ…!今度は容赦しねぇぞ~!》

 

クロノス《…ふむ…また蘇ったか…》

 

オケアノス《てめぇら…今度こそぶっ潰す!》

 

テテュス《…ふわぁ…まだ生きておったか…》

 

復活した六体の原初神…身体のサイズこそ霊夢達と変わらないが、前回とは違って全員スピリット状態で、式神達を率いるように立ちはだかった。

 

幽香「…チッ」

 

袿姫「…怯むな!やるしかないぞ!」

 

神子「…にしても…!これは…!」

 

 

カオス《そしてこれが『神罰』。醜い人間、妖怪、そして神々よ!我が鉄槌によって滅ぶのだ!!》

 

カオスの号令と共に六体の原初神が空へ光のビームらしきものを発射する。ビームは遥か宇宙の彼方まで伸びたかと思うと……

 

 

……月どころか地球すらも飲み込むほどの『巨大なブラックホール』が出現したのだ。

 

幽々子「何あれ…!?」

 

映姫「…ともかくあれに飲み込まれては…!」

 

白蓮「ですがどうすれば…!?」

 

アテナ《…くっ…原初神も止めなければならないというのに…!》

 

全てを飲み込んで破壊するブラックホールには、最強の防御力を誇るアテナでも無意味。どうしようもない事態に加え、原初神達も暴れている……

 

オケアノス《消えろ雑魚どもぉぉ!!》

 

テミス《おとなしく死に絶えなさい!!》

 

レミリア「ぐわぁぁ!」

 

神奈子「がぁぁ…」

 

妖夢「…ぐぅぅ…!」

 

天子「いっつぅぅ!」

 

カオスから少し離れた所で、オケアノスの触手とテミスの剣が四人を薙ぎはらう。もしいつものコンディションで一対一だったならば、彼女達はここまで苦戦することはなかっただろう。

 

しかし今はカオスによって強化された式神の相手の後に、これまたカオスの力を浴びた原初神達と戦わなくてはいけなかった。貯まった疲労が彼女達の動きを鈍らせていたのだ。

 

永琳「…ならば…!その力の源を切る!星符『紅蓮月花』!!」

 

 

ズッッドッゴォォォォンッッッッ!!!!

 

 

永琳は冷静に今やる最善の行動を決定して愛弓を引き絞る。エターナル・ジュエリーから放たれた全力の炎の矢は…もう『矢』が出す音じゃない爆音と共にカオスへ向かっていくが…

 

カオス《…!…奴の娘か。感動的だな…だが無意味だ》

 

永琳「…止められた…!?」

 

カオス《…還れ。はぁっ!》

 

…カオスはまた手をかざすと、永琳の炎の矢はカオスの手のひらの、すんでのところでピタリと静止してしまう。しかも炎が永琳に跳ね返り、彼女の身体は爆発の煙によって見えなくなった。

 

 

永琳「…が…は…ドサッ…」

 

豊姫「八意様!」

 

 

カオス《…よし…まずは貴様から消してやろう…》

 

永琳「…ま、まずい…!」

 

力無く倒れた永琳にカオスが歩いてくる。その手には明らかにヤバい色をしたエネルギー弾があり、まともに食らえば確実に永琳の身体は吹っ飛ぶ…吹っ飛ぶどころか塵になってしまうだろう。

 

紫「させない!バッ」

 

鈴仙「散符…」

 

カオス《…パチンッ!》

 

テテュス《…よっ…行かせんぞ?》

 

紫「うっ…!」

 

鈴仙「きゃっ!」

 

カオスを止めようと紫や鈴仙が動こうとするも、テテュスがそれを許さない。二人の行く手や銃口めがけてテテュスの光が直撃し、永琳のバックアップを妨害したのだ。

 

カオス《タカミムスビの娘よ!その命、我に献上せよ!!》

 

永琳《あ…このままじゃ…死ぬ…これ…》

 

ゆっくりとカオスは永琳との距離を詰めてくる。うつぶせで倒れたままの永琳はもちろん、周りにいた紫達は原初神達に邪魔されて身動きがとれない…まさに絶体絶命である…!

 

カオス《ズズズ…!死ね!》

 

カオスの右手から暗黒エネルギー弾が放たれ、永琳は死を覚悟して目を瞑った……

 

 

 

 

 

「久しぶり…でもないか…ふんっ!!」

 

カオス《…ぬぉ…!?》

 

 

ズドォォォォンッッ!!!!

 

 

そんな声が響くと、空からブラックホールをも書き消すほどの光を纏った何者かが降りて…いや『降ってくる』。彼はカオスが放ったエネルギー弾と永琳の間に着地し、永琳を守るように攻撃を受け止めたのだ。

 

 

弾「…へぇ…お前が『混沌』の創界神か」

 

永琳「だ…!?…」

 

弾「悪い。ちょっと野暮用で遅くなった」

 

カオス《…くぅ!現れ……!?》

 

現れた弾の姿を見て、カオスも永琳も…その場にいた創界神達はもれなく全員固まる。なぜなら今の弾の姿は『グラン・サジット・ノヴァ』の黄金のアーマーを着けたフル武装状態で、より一層鋭い顔つきは創界神達は自らの師を、原初神達は忌々しい仇敵を思い出させたからだ。

 

カオス《…バカな…!なぜ貴様がその力を!?》

 

弾「ついさっき貰ったのさ。バッ!創界神達よっ!俺に続けぇぇっ!

 

霊夢「ん!?何これ…?」

 

魔理沙「…なんか…変な『気』が身体に入ってくるぜ…?」

 

狼狽えるカオスに弾は肩をすくめて答えると、手のひらを空にかざす。そこから溢れ出したエネルギーが宮殿全体へ広がり、戦っていた霊夢達の身体に吸い込まれた…

 

ゼウス《…おぉ…!?》

 

ロロ《…力がみなぎる…!》

 

イシス《まぁ…!》

 

シヴァ《しゃっ!これならフルパワーで顕現できるぜ!》

スサノヲ《おうっ!反撃開始だ!》

 

莫大なパワーを吸収した霊夢達…の中の創界神達がどんどん実体化して降り立つ。以前とは違い、全員が本来の力を遺憾無く発揮して式神達や原初神に向かっていった。

 

ヘラ《うふふ…ほな父上!うちらも混ぜてもらいましょか!》

 

ペルセポネ《はんっ!あんたがクロノス?よくもうちの咲夜をいじめてくれたわね!》

 

アリス「これで形勢逆転…ってところかしら?」

 

咲夜「そうじゃない?少なくとも…!負ける未来は見えないわ」

 

クロノス《おのれ…!くたばり損ないどもがぁ!》

 

押されていたアリスと咲夜を庇うように彼女達の体内から、自身の周りに(ゼウス折檻用)戦闘人形達を並べたヘラと、愛鞭を地面に叩きつけたペルセポネが顕現する。

 

対するクロノスも苦虫を噛み潰した香で鎌を挙げて戦闘を続ける意思を示した。

 

 

アレス《神奈子、俺達は挽回した。これから奴の撃滅作戦を開始する》

 

ホルス《…さぁ!お前の罪を数えろ!》

 

神奈子「…了解ぃ!」

 

文「風向きが変わりましたね。さぁて…もう一度…あなたをぶっ潰す!」

 

プロメテウス《この…!やれるもんならやってみろ!》

 

対プロメテウス陣営でも、斧を背負ったアレスやお決まりのポーズで指を向けたホルスが助太刀に入る。ホルス達の風や生命力とプロメテウスの炎がぶつかって、その一帯にサウナのような乾いた風が吹き荒れた。

 

カオス《…貴様…!いったい何をした!?》

 

弾「今まで創界神達が本気の力を出せなかったのは、お前の能力だろ?全てを飲み込む『混沌』が創界神達のエネルギー源…『自分の世界』を互いに圧迫していたから…」

 

カオス《…まさか…!『世界』を強制的に引き離したのか!!?》

 

弾「まぁな。()()やってないけど」

 

カオスが慌てて自らの能力が打ち消されていて、神世界に浮かぶ『世界』群が元に戻っていることに気がついた。計画が完全に破綻して弾を睨むカオスだったが、当の弾は首をすくめて呟くだけだった。

 

 

永琳「…ザッ…弾…」

 

弾「…行くぜ、「相棒」?」

 

永琳「…ええ!」

 

紫「わ・た・し・も!忘れて貰っちゃ困るわ!」

 

立ち上がる永琳と負けじとスキマから出てきた紫。この二人を両脇に従えて、弾は少し微笑むとすぐさま意識のスイッチをカオスとの戦闘に切り替えた。

 

当のカオスは先ほどまでの余裕そうな顔を消し去り、青筋を浮かべて三人を睨み返している。

 

カオス《…クソッ!消えろっ!ドォンッ!!》

 

弾「止まれ…スッ」

 

カオスが手から再び暗黒エネルギー弾を放って来るが、三人に当たる直前で突如爆発して消えてしまう。どうやら弾が特殊なバリアか念道力か何かでカオスの攻撃を弾いたようだ。

 

カオス《…なら式神達!奴を取り押さえろ!》

 

式神《ギギギッ!!》

 

式神《ガガガッ!!》

 

弾「小賢しい。『二重結界』!」

 

カオスは何発も遠距離攻撃を書き消されたので、代わりに数体の式神達による物理攻撃を命じる。しかしまたもや弾は右手を翳すだけで、式神達の剣や槍を結界で静止させてしまった。

 

弾「よっと!ブンッ!」

 

式神《バゴンッ!…ギギ………》

 

式神《ドガンッ!……ジジ……》

 

飛びかかる寸前で止まった式神達を、弾は払いのけるように手を振る。すると何かに弾かれたような勢いで式神達は空中へ吹き飛ばされ、宮殿の壁に激突してしまった。

 

まるで飛び回るハエを振り払う程度の感じで敵兵を排除し、しかもその式神達をもはや半分崩壊させながら宮殿の壁にめり込ませていた。

 

永琳「…強い…!」

 

紫「…弾…その力…どこで?」

 

弾「あぁ、実は」

 

カオス《隙有り!》

 

紫の質問に答えようとして、弾の首がぐるりと横を向いた。その隙をカオスがつくのは当たり前だろう。カオスの右ストレートが弾のこめかみに飛んでいくが……

 

 

 

弾?《…バシッ!…ったく…年寄りは労れ…!》

 

カオス《うっ!?》

 

紫「…え?」

 

突然弾の声が貫禄のある老人の声へと変わり、機敏な動きでカオスの拳を受け止める。『混沌』の力が込められたパンチは黒く染まった右腕の肘下に止められていた。

 

アプロディーテ《…ウソ…!》

 

クベーラ《…マジかよ…!》

 

永琳「…お、お父…さん…!?」

 

タカミムスビ《…ああ。どうやら馬神 弾が私の『能力』に加えて『意識』すらも吸収しやがってな…やれやれ、休むのはまだまだ先のようだ…なっと!》

 

カオス《うごぉっ!ズザザザ…》

 

周りの創界神達の驚きを他所に、タカミムスビ(in弾)が左腕でカオスの眉間を殴り飛ばす。見事なほどまっすぐにカオスは吹っ飛ばされ、宮殿の石畳に二本の筋をいれながら踏みとどまった。

 

弾「…まぁ、そういうこと」

 

永琳「…えぇ…」

 

タカミムスビ《心配はいらん。もしデートとかで()()雰囲気になったら、意識を切るからな》

 

紫「そ、そう?…なら問題ないかしら…?」

 

永琳「…もう…その時は引っ込んでてよ》

 

一瞬にして弾とタカミムスビの意識が切り替わり、雰囲気もどんどん変わる。永琳としては複雑な気持ちだったが、それで尻込んでいては紫の思うつぼ。鋭く釘をさして食い込みに言った。

 

カオス《まだだ!》

 

弾「いや、ここまでだ!星符『グランスラッシュ』!!」

 

 

ズバァァァンッッ!!!!

 

 

紫「『深彈幕結界-夢幻泡影』!」

 

永琳「『天網蜘網捕蝶の法』!」

 

 

ドッガァァァァンッッ!!!

 

 

しぶといカオスはさっきの暗黒エネルギー弾を大量に精製して周りに浮かべる。それらを弾達に放つが、弾のグランシャリオの一振が弾丸を斬り落とし、紫と永琳の『ラストワード』が入れ替わるようにカオスを襲った。

 

カオス《…ハァ…ハァ…あり得ない…!なぜ…!これほどまでの…!》

 

弾「これが俺達の力。『命』を守る力だ!」

 

タカミムスビ《…さぁ…今が貴様の終焉の時…!》

 

カオス《ふざけるな!私は絶対的!私が世界を統べるのだ!》

 

紫「弾、後は問題ないわよね?」

 

永琳「お父さんも弾の足引っ張らないでね!」

 

弾とタカミムスビが地面に両膝をついて喚くカオスに立ちはだかる。紫も永琳も弾が負けることなど気にもせず、肩を叩いて他のところへ援護に走っていった。

 

弾「…これで終わらせる!」

 

カオス《終わることはない!この腐れきった世界を浄化するまではな!》

 

 

弾 カオス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今の弾とタカミムスビの関係はビルドの戦兎君と葛城、ドライブの泊さんとベルトさんみたいな『身体はおんなじ。でも意識や思考がもう一つある』関係と思ってくださいまし。簡単に言えば二重人格。

そしてやっぱり私は『ハッピーエンド』を好むようです(笑)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

赤の世界

あー…一話に一万字越えたのいつぶりだろ…?


ツクヨミの神殿 門前 VSヒュペリオン

 

 

ゼウス《轟け!我が稲妻よ!》

 

スサノヲ《唸れ!俺の轟炎!》

 

ヒュペリオン《…ちぃ!おらぁ!!》

 

 

ドゴゴゴォォォンッッ!!!!

 

 

その頃、神殿の門の上空では雷雲が空を覆い、そこからゼウスが()()()雷とスサノヲが剣から出した火炎放射がヒュペリオンの炎とぶつかり、大爆発を引き起こしていた。

 

『オリン』の最高神と『アマハラ』の荒ぶる軍神が主力となってVSヒュペリオン戦が展開されている。

 

霊夢「…っ!援護したいけど…」

 

華扇「この熱を避けて攻撃を命中させるのは一苦労ですね…」

 

妹紅「…リザレクション覚悟で飛び込むか…?」

 

さとり「…」

 

門を見上げるように霊夢達四人はゼウス達を見上げて、援護の方法を検討していた。今までとは段違いの威力の創界神の戦いに、どう介入したら良いか考えていると……

 

アヌビス《…おろろ…ならば拙者達の出番と行こう》

 

ブラフマー《爆裂!爆発!これが最後の祭りだぁぁ!》

 

雷鼓「私も行くわ!良い作戦があるのよ♪」

 

自信満々の剣士創界神×2と雷鼓はそう言って準備に取りかかる。アヌビスとブラフマーは空での戦闘に近づいていき、二人同時に自分の神力を練り固め『化神』を呼び出した。

 

アヌビス《『恐怖』を司る拙者の化神!『ディノヴェンジ』よ!斬り裂け!!》

 

ブラフマー《『ジェネレータードラゴン・ゼロ』!この世界の未来を創造せよ!》

 

アヌビスから飛び出したのは黒と紅の甲冑に長刀を持った肉食恐竜人。まさに狩人という鋭い目つきの『ディノヴェンジ』が闇のエネルギーを纏った突きをおみまいしようとする。

 

ブラフマーの炎から現れた銀のアーマーを着た赤いドラゴン。闇とは反対の光の力で、四本の手で剣を振りかぶり、灼熱の一撃がヒュペリオンに襲いかかる。

 

 

ヒュペリオン《…ぐっ!…へっ…そんなもんか…?》

 

アヌビス《…おろろ…》

 

ブラフマー《…なぁにぃ…?》

 

しかしヒュペリオンは両手の籠手で『ディノヴェンジ』と『ジェネレータードラゴン・ゼロ』の一閃を受け止めてしまった。仮面の下でヒュペリオンがほくそ笑んでいるのが目に見てとれる。

 

スサノヲ《おいおい!お前ら何考えて》

 

雷鼓「行くよ!二人とも離れなさい!八鼓『雷神の怒り』!!」

 

さとり「…なるほど。では…!想起『あやふやなエレキテル』!」

 

雷鼓の太鼓がドドン!と鳴り響き、ゼウスが作り出した雷雲も共鳴するかのようにゴロゴロ鳴り出した。さらにさとりが『想起』した電気も雷雲に吸い込まれていく。

 

雷鼓「私版!『雷霆(らいてい)』!!ドドンッ!!」

 

 

バリバリバリバリィィ!!ドガァァンッッ!!

 

 

ヒュペリオン《 ギャァァァァッッ!!!!

 

 

たっぷり電気を含んだ雷雲から雷の柱がヒュペリオンに落ちてくる。アヌビスとブラフマーはすんでのところでかわしたが、二体の『化神』を受け止めていたヒュペリオンはそのまま雷に飲み込まれた。

 

雷鼓「今だよ!」

 

ゼウス《おぉ!頼もしいな!ならば儂も続こう!『サンダー・Z・レオン』!》

 

スサノヲ《やるじゃねえか!『ムラクモレックス』!》

 

妹紅「私も行かせてもらうぜ!バッ!!」

 

ゼウスのオーラが一つに収束して行き、傍らに翼を持った巨大なライオンが現れた。『サンダー・Z・レオン』は顎下のゼウスを見た後、グルルと唸ってヒュペリオンを威嚇している。

 

ヒュペリオンを挟んで反対の空にはスサノヲから産み出されたティラノサウルスの竜人が尖った歯を鳴らしている。背中の金属の輪を回転させつつ、『恐龍武神ムラクモレックス』は右手の七支刀に炎を灯す。

 

さらに下からもフェニックスの翼を広げた妹紅が飛んでくる。死んでも死なない彼女はゼウスとスサノヲに挟まれても、尻込みせず自らの全力を放出しにかかった。

 

ゼウス《化神『剛勇吼波(ごうゆうこうは)!』

 

スサノヲ《化神『草薙ノ轟炎』!!》

 

ゼウスの分身たる『サンダー・Z・レオン』の身体が蒼い雷へと変わり、ヒュペリオンに飛びかかる。その澄んだ藍色の身体はまるで雲一つ無い青空のよう…

 

『ムラクモレックス』もスサノヲの号令を受けて口から炎を吐き出す。その炎が顎を数倍に巨大化させると、『ムラクモレックス』は大口をあげて突っ込んだ。無数の牙の炎がヒュペリオンを挟み込みにかかる…

 

 

ヒュペリオン《ウゴォォォッ…!!》

 

妹紅「『フェニックス再誕』!!」

 

 

ドガァァァァンッッ!!

 

 

雷の『サンダー・Z・レオン』と炎の『ムラクモレックス』が両サイドからヒュペリオンの両腕に噛みつき、だめ押しに妹紅の不死鳥型の炎が直撃する。膨大なエネルギーを持つ『化神』の雷と炎が合わさり、ヒュペリオンを覆い尽くした。

 

妹紅「…サァァ…うへっ…すごい回数死んだな…」

 

ヒュペリオン《…うっ…グググッッ!ならっ…!雷も炎も全部ぶっ飛ばしてやる!ハァァァァ…!!》

 

さとり「…!!まずい…!」

 

炎の状態で妹紅は身体を再生しつつ、地面に着々する。すると上空ではヒュペリオンが『サンダー・Z・レオン』の雷と『ムラクモレックス』の炎を振り払おうと、膨大なエネルギーを吸収し始めた。

 

雷鼓「これも想定内!博麗の巫女!後はしくよろ!」

 

霊夢「バリバリ!!ったく!ようやく出番が回ってきたわ!」

 

だが雷鼓はここまで計算していた。稲妻のスピードで妹紅と入れ替わった霊夢がお札を構えてヒュペリオンに飛んでいく。

 

霊夢「ただの巫女だと思わないことね!神技『八方龍殺陣』!!」

 

ヒュペリオン《崩符……っ!?》

 

もう創界神達の力を身に宿し、霊夢は人間の域を越え始めた。ヒュペリオンが放とうとした怒りの業火は霊夢の『結界術』によって防がれ、逆に炎を自らに浴びせる結果になった。

 

ヒュペリオン《グォォォォ…!!》

 

アポローン《…さぁて…最後は俺か…》

 

霊夢の『結界』で自分を苦しめる炎や雷が分散しないヒュペリオンはもがき苦しむ。結界の中ではどんどんエネルギーが上がっていくその時、門のてっぺんには一人の創界神の姿があった。

 

雷鼓「アポローン!ラストお願い!」

 

アポローン《ラジャー!燃え上がれ!俺の『化神』!『太陽神星龍アポロヴルム』!!》

 

アポローンの背後に控えるは深紅の髪に日輪の翼を持った西洋ドラゴン。『アポロヴルム』はアポローンが構えた弓めがけて炎を吹くと、たちまち炎は巨大な矢へと変化した。

 

アポローン《…堕ちろ…!(イケメンvoice)》

 

どこぞの名スナイパーの如くアポローンは炎の矢を打ち上げる。その矢は一直線に空を駆け抜けていき……ヒュペリオンを包む結果を打ち破った瞬間…!!

 

 

ドッガァァァァァンッッッ!!!!

 

 

ヒュペリオン《 グァァァァァァァァ!!!!

 

 

さとり「…やった…!!」

 

ブラフマー《へへっ!どんなもんよ!》

 

突然結界が弾けたことで、ヒュペリオンを閉じ込めていたエネルギーが放出される。ゼウスにスサノヲ、妹紅、そしてヒュペリオン自身が放ったエネルギーが外へ漏れ、結果的に空で大爆発が巻き起こった!

 

ゼウス《スタッ…良くやったぞ!付喪神の少女よ!》

 

スサノヲ《スタッ…そうだな!あんがとよ!》

 

雷鼓「てへへ~」

 

降りてきたゼウスとスサノヲはそれぞれ作戦をたてた雷鼓に称賛の言葉を贈る。格式高い創界神達に誉められ、雷鼓は照れながら太鼓に腰かけた足をバタバタさせていた。

 

ヒュペリオン《ドサッ…うっ…ま、まだだ!》

 

妹紅「…まっ…あれだけで死ぬわけ無いか」

 

華扇「…なら私が行きましょう。私だけ活躍できないのもしゃくですし」

 

石畳に落ちたヒュペリオンは傷だらけでヨロヨロと立ち上がる。それに対するはさっきの作戦に唯一参加できなかった華扇。スタスタとヒュペリオンの前におどりでた。

 

スサノヲ《…よぅアヌビス。俺も混ぜてくんねぇか?》

 

アヌビス《…それは華扇殿が決めることでござる》

 

華扇「…協力してくれるなら喜んで。それに()()も使って見たいところなので…」

 

そう言って華扇はスサノヲの参戦を快く了承した。するといつの間にか彼女の手には見たこともない『一枚のカード』が握られていた。

 

華扇「では…いざ勝負!」

 

ヒュペリオン《…こいっ!》

 

 

華扇 ヒュペリオン「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…んんっ…さすがに創界神二人分は身体にきますね…!」

 

ヒュペリオン《前のような失敗はせん!》

 

二柱の創界神をおろすのに華扇は少し顔を歪ませる。だがそれは『少し』だけであり、彼女にはまだまだ余力がありそうだ。

 

華扇「始めます。メインステップ。高天ヶ原の荒ぶる神!『創界神スサノヲ』を配置します!『神託』によりデッキを三枚破棄。その中の対象カード一枚分、コアを置きます」

 

スサノヲ《オマケに落ちた『護国ノ威光』は俺にコアを増やして手札に入る!》

 

先行の華扇はスサノヲを呼び出して始まった。さらにトラッシュの『護国ノ威光』が青く光り、華扇の手札に収まる。

 

華扇「これでターンエンド」

 

ヒュペリオン《メインステップ!ネクサス!『彷徨う天空寺院』を配置!バーストセット!!》

 

対してヒュペリオンが配置したのは『赤の大型軸』お馴染みの『彷徨う天空寺院』。恐ろしいのは配置した次のターンに、簡単に大型スピリットが出てくることだ。

 

ヒュペリオン《ターンエンド》

 

華扇「…メインステップ!『護国ノ威光』を使います!デッキから三枚ドロー後、手札の『刃鎧竜ヤイバノスケリド』を破棄」

 

スサノヲ《さぁ~てぇ~?どいつが来たのやら》

 

華扇は配置された『彷徨う天空寺院』を警戒しつつ、手札を補充する。そして上手く『ヤイバノスケリド』をトラッシュへ送り込んだ。

 

華扇「…よしっ!冥府の剣客!『創界神アヌビス』!こちらも『神託』を行います!コア二個貰いますよ!」

 

アヌビス《…おおっと…まさかお主と並ぶ時がくるとはな…》

 

スサノヲ《全くだ。あの戦争の頃は考えられねぇなこりゃ》

 

『護国ノ威光』で引き当てたアヌビスがスサノヲの隣に現れる。アヌビスの何気ない呟きにスサノヲも遠くを眺めて目を細めた。

 

華扇「…ふむ、ターンエンド」

 

ヒュペリオン《メインステップ!赤き創界神ネクサス!『灼熱のゼロ』を配置!『神託』によって対象カードが二枚落ちたので、二つコアを追加!》

 

アヌビス《むっ!?》

 

ヒュペリオンが次に配置したのはなんと創界神ネクサス。しかしそのネクサスは配置されるだけで、フィールドには誰も現れなかった。

 

その不可解な創界神ネクサスにスサノヲは心当たりがあった。

 

スサノヲ《確か…『メジェド』の野郎が使ってたのもあんなネクサスだったな…》

 

華扇「警戒はしますが…警戒し過ぎてもいけませんね」

 

ヒュペリオン《続けるぞ。さらに『ガーディアン・ドラゴン』を召喚する!》

 

ヒュペリオンは続けて斧と盾を持った中型のドラゴンを召喚した。大型のスピリットはまだ出てこないようである。

 

ヒュペリオン《ターンエンド》

 

華扇「…ドローステップ……あら…来たわね…」

 

スサノヲ《お?なんだなんだ?》

 

華扇はドローしたカードを一瞥してフッと微笑む。そしてスサノヲやアヌビスの不安をよそに、そのカードはフィールドに送り出された。

 

華扇「…炎渦巻く戦いの世界!全ての赤の起源!『赤の世界』を配置!!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!!

 

 

ヒュペリオン《こ、これは…!?》

 

アヌビス《フィールドが…火山帯に…!?》

 

華扇がネクサスカードを配置すると、バトルフィールド全体がマグマ溢れる火山地帯に変化した。それはただネクサスの効果の範囲を越え、この世界が完全に変わったかに見える。

 

華扇「配置時効果!最もBPの低いスピリットを破壊!『ガーディアン・ドラゴン』を指定するわ!」

 

華扇の遥か背後に盛り上がった火山が噴火し、火山弾が降り注ぐ。大きな高熱の岩が『ガーディアン・ドラゴン』を押し潰して破壊した。

 

華扇「まだ終わりじゃないわよ!『暴走竜バリオウ』と『ライデンハイドラ』を召喚!『ライデンハイドラ』の召喚時効果でコアブースト!」

 

アヌビス《おぉ…拙者の欠点を上手く埋めているのお》

 

高熱の溶岩フィールドに日本風の甲冑を着た『地竜』と二つ首の青い『海首』が連続召喚される。特に『ライデンハイドラ』は『地竜』に乏しいコアを増やしてくれた。

 

華扇「『ライデンハイドラ』をレベル2にして…アタックステップ!『バリオウ』でアタック!」

 

スサノヲ《『ライデンハイドラ』は『地竜』/『海首』スピリットのアタック時にもコアを増やすぜ!『バリオウ』に置いてレベルアップだ!》

 

華扇「レベル2の『バリオウ』の効果。一枚ドローします」

 

 

『バリオウ』が両手の鉤爪を研ぎながら走り出す。同時に『ライデンハイドラ』が青く光って、コアを増加させた。さらにレベル2の『バリオウ』のアタック時効果で、手札も増やす。

 

ヒュペリオン《…アヌビスの『神域』は無しか…ライフで受ける!》

 

コアが足りないからか、華扇はアヌビスの『神域』を使わずにスルーする。だがきっちり『バリオウ』はヒュペリオンのライフを一つ切り裂いていた。

 

華扇「ターンエンドです」

 

ヒュペリオン《フンッ!ただのネクサスに恐れるか!メインステップ!『ソウエン・ドラグーン』と『六分儀のルリ・オーサ』を召喚!レベル2『ルリ・オーサ』の効果で二個コアをもらう!》

 

華扇「…『滅竜』…でしょうか?」

 

『赤の世界』を恐れずヒュペリオンは灰色のカグツチドラグーンと『赤緑連鎖』の中核を担う六分儀剣の昆虫人を呼び出す。これを見て華扇は、ヒュペリオンのデッキをある程度想定できた。

 

ヒュペリオン《『ソウエン・ドラグーン』をレベル2へ……ターンエンドだ》

 

それでもヒュペリオンは剣のような翼を撫でながら、アタックせずにターンを終えた。

 

華扇「動きませんか…メインステップ。こちらから行かせて貰いますよ!荒神の赤き半身!『恐龍武神ムラクモレックス』!レベル2で召喚!!」

 

スサノヲ《攻めなかったことを後悔させてやるぜ!》

 

スサノヲの剣から放たれた炎がフィールドに落ち、地面を突き破ってティラノサウルス型竜人、『ムラクモレックス』が召喚された。『ムラクモレックス』はヒュペリオンをにらみつけ、牙や剣をガチガチ鳴らし始める。

 

華扇「アタックステップ!『ムラクモレックス』でアタック!!『天界放』!!『創界神アヌビス』のコアを二つ置き、『ソウエン・ドラグーン』を破壊!」

 

スサノヲ《さらに青シンボルがあるから、相手の創界神のコア二個を飛ばして回復!レベル2効果も入れてライフをいただきだ!》

 

『ムラクモレックス』の炎の七支刀が『ソウエン・ドラグーン』を貫き、『灼熱のゼロ』のコアやヒュペリオンのライフごと焼き殺す。『ライデンハイドラ』の効果も合わせれば、たった一度の攻撃で、華扇は莫大なアドバンテージを稼ぐことができた。

 

ヒュペリオン《ライフ減少によって…バースト発動!『龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード』!『ムラクモレックス』を焼き殺せ!》

 

アヌビス《しまった…!!》

 

だがアドバンテージが大きい分、相手のバーストを踏む確率も高くなる。結果的にヒュペリオンのバーストからたち昇った火柱が『ムラクモレックス』を燃やしてしまった。

 

ヒュペリオン《その後『ヤマト』は召喚される。さぁ、どうする?》

 

華扇「…ここは控えましょう。ターンエンド」

 

雲の中から剣と共に降りてきた『ヤマト』を警戒し、華扇は残りのスピリットをブロッカーにしてターンを終えた。

 

ヒュペリオン《…良い感じにコアも貯まったな…メインステップ!我が眷属よ!奴を喰らい尽くせ!『滅龍帝ジエンド・ドラゴニス』!ネクサスの効果でコスト2で召喚!!》

 

スサノヲ《ちっ…来やがった…》

 

貯まったコアを使い、ヒュペリオンの空から漆黒の西洋ドラゴンが降りてくる。『ジエンド・ドラゴニス』の着地時、不気味な嘶きがフィールドを揺らした。

 

ヒュペリオン《そしてもう一体!破壊の申し子!『激神皇カタストロフドラゴン』を召喚する!》

 

アヌビス《『虚神』までも…!?》

 

それだけに留まらず、ヒュペリオンは『ジエンド・ドラゴニス』より大きなワイバーン型のドラゴンを召喚する。まるで闇が編まれていくようにそのドラゴン『カタストロフドラゴン』は生成され、大きく咆哮した。

 

ヒュペリオン《召喚時効果!赤のスピリット一体につき、相手のスピリットを破壊してドロー!消えろ!『バリオウ』!『ライデンハイドラ』!》

 

華扇「…ブロッカーが…!」

 

『カタストロフドラゴン』の火炎弾が『バリオウ』と『ライデンハイドラ』に直撃して破壊されてしまう。それにドローまでさせられた。

 

ヒュペリオン《…苦しめ…!バーストセット!アタックステップ!『ジエンド・ドラゴニス』レベル2でアタック!!》

 

華扇「フラッシュタイミング!マジック!『ロックシュート』!!BP3000以下のスピリットを二体破壊します!」

 

アヌビス《この上限はトラッシュの『地竜』の数によって2000ずつ上がるぞ!今回はBP11000以下となる!》

 

『ジエンド・ドラゴニス』ががら空きの華扇のフィールドを飛ぶ。それと交差するように華扇のマジックから放たれた燃える岩々がBP10000の『カタストロフドラゴン』とBP6000の『ヤマト』を押し潰した。

 

華扇のトラッシュには先ほどの『バリオウ』や『ムラクモレックス』の他に、『護国ノ威光』や『神託』で落ちたスピリットがいた。ゆえにトラッシュは肥えきっている。

 

ヒュペリオン《だろうな。再びバースト発動!『双光気弾』!二枚ドローして『赤の世界』を破壊!》

 

華扇「………フッ…」

 

反撃をもヒュペリオンはアドにしようと、バーストを使って手札を肥やす。さらに二筋の炎が『赤の世界』に命中し、燃え上がった………

 

ヒュペリオン《ははっ!どんなものかと思えば…大したこと》

 

華扇「残念。『赤の世界』は相手によってフィールドを離れる時、代わりに裏返せるのです。『転醒』せよ!『赤き神龍皇』へ!!」

 

 

破壊されるかと思われた『赤の世界』はだんだんと華扇のフィールドに収束していく。そして華扇がカードを裏返した瞬間、『赤の世界』は一体の赤いドラゴンへと生まれ変わった!

 

アヌビス《なんとっ!?ネクサスがスピリットに!?》

 

スサノヲ《…あっ!それってタカミムスビさんが使ってた奴じゃん!》

 

華扇「『転醒』時効果!BP10000以下のスピリットを破壊します!『ルリ・オーサ』を指定!」

 

生まれた『赤き神龍皇』はさっそくマグマのフィールドに拳を入れ、溶岩をぶちまける。たまらず『ルリ・オーサ』は溶岩に押し潰された。

 

ヒュペリオン《はぁ!?…だが『ジエンド・ドラゴニス』のアタックは有効だ!》

 

華扇「ライフで受けます!!…ぐぅっ!」

 

『ジエンド・ドラゴニス』の前足の爪が華扇に振り下ろされる。『原初神』とのバトル&二点一気の衝撃に華扇は思わず呻いた。

 

ヒュペリオン《…ちっ…ターンエンドにしてやる…》

 

華扇「メインステップ!『轟将龍ゴルゴノオビト』をレベル2で召喚です!!『赤き神龍皇』の効果でコスト5以上の赤のスピリットにシンボルを増やします!」

 

火山地帯の地面が割れて、鎧で武装したティラノサウルス風のスピリットが這い出してくる。『ゴルゴノオビト』は『赤き神龍皇』のオーラを受けてより一層力強く吠えた。

 

華扇「アタックステップ!『ゴルゴノオビト』でアタック!!」

 

ヒュペリオン《…フラッシュタイミング。マジック『アイスエイジシールド』だ。『ゴルゴノオビト』を指定してこのターン、そいつの効果/アタックではライフを減らせない!》

 

ズシンズシンと『ゴルゴノオビト』がヒュペリオンに歩いていく。するとその前に形成された氷の壁が『ゴルゴノオビト』の尻尾攻撃を防いでしまった。

 

さらに追加効果のライフ貫通も、これでは無意味となる。

 

 

華扇「…くっ!ターンエンド…」

 

ヒュペリオン《今度こそ決める!メインステップ!ネクサス!『永久なる神都』を配置!トラッシュのコスト8以上のスピリットを手札に戻す!》

 

華扇の『赤の世界』と拮抗するように神秘的な古代都市がヒュペリオンのフィールドに広がる。その配置時効果で一気に破壊されたスピリット達を回収した。

 

ヒュペリオン《そして甦れ!破壊の化身!『激神皇カタストロフドラゴン!!』レベル3で召喚!!召喚時に相手スピリットを破壊!!》

 

スサノヲ《うげっ!『赤き神龍皇』が…!》

 

再度現れた破壊の化身『カタストロフドラゴン』が『ゴルゴノオビト』と『赤き神龍皇』を燃やし尽くす。ここまではヒュペリオンの計算通りだった。

 

華扇「『赤き神龍皇』!『根幻回帰』しなさい!相手の効果でフィールドを離れる場合、再度『赤の世界』として配置です!」

 

ヒュペリオン《…はっ…?》

 

アヌビス《良いぞ!配置時のスピリット破壊も使える!『ジエンド・ドラゴニス』!討ち取った!》

 

炎に消え行く『赤き神龍皇』…そのエネルギーが華扇のフィールドに満ち溢れ、再び『赤の世界』が広がった。しかも火山弾が『ジエンド・ドラゴニス』を道連れにしていく。

 

ヒュペリオン《くそっ!なら『赤魔神』を召喚して『カタストロフドラゴン』と合体!そしてバーストセット!!》

 

苛立ちながらヒュペリオンは巨大な赤の魔神を呼び出して『カタストロフドラゴン』を強化する。しわがれた翼がより大きく広がり、紅色を瞳は殺気を隠さない。

 

ヒュペリオン《アタックステップ!これで死ね!『カタストロフドラゴン』でアタック!!》

 

『カタストロフドラゴン』がゆっくりと華扇に近づき、ライフを砕こうとする。しかし華扇は冷静に手札を切った。

 

華扇「お断りします。フラッシュタイミング!『リミテッドバリア』!コスト4以上の『カタストロフドラゴン』では私のライフは減らせません!」

 

スサノヲ《…分かってはいたが…こえぇなおい…》

 

『カタストロフドラゴン』の特大火球が直撃しても、華扇のライフは砕けない。なぜなら白いバリアが華扇を守っていたからだった。

 

ヒュペリオン《…っっ!…良い良い…!次こそ…》

 

華扇「『次こそ』?貴方達はみな『次』と言いますね……笑止!!この世界は常に一期一会かつ諸行無常!都合良く世界は動かない!」

 

スサノヲ《俺達はそんな『理不尽』な世界に生きる。だからこそ必死に生きてる奴らが輝くんだよ!》

 

アヌビス《挙げ句の果てに都合の悪い世界を消すだと?それは創界神の前に…1『命』として許すわけにはいかぬ!》

 

華扇と二柱の創界神達はまだ『次』があると考えているヒュペリオンの楽観視をぶち壊す。

 

『鬼』と『仙人』との間で苦しみ、ようやく答えを掴めた華扇。傍若無人な態度を改め、キチンと創界神の務めを果たしたスサノヲ。『裏切り者』のレッテルをはられながらも、命を救うことを誓ったアヌビス…

 

必死に世界で生きた彼らだからこそ、言える言葉だった。

 

 

華扇「メインステップ!闇の輝石率いる恐怖の化身!今その剣は義を得る!『闇輝石六将 冥恐斬神ディノヴェンジ』!!レベル3で召喚!!」

 

アヌビス《さらに『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』よ!拙者の『ディノヴェンジ』と合体!!》

 

闇の斬撃が空間を切り裂いて、闇のオーラがにじみ出る。その中から帯刀した肉食恐竜が降り立った。『ディノヴェンジ』は『カタストロフドラゴン』を見据えて刀の鯉口を切った。

 

さらに『ディノヴェンジ』の手に紅色の雷が落ちる。その雷が変化した『ダーク・ブレード』を『ディノヴェンジ』は反対の手で振りかぶって構えた。

 

華扇「アタックステップ!『ディノヴェンジ』!世界の未来を切り開け!!『冥界放』!!発揮!!」

 

アヌビス《拙者のコアを二つ『ディノヴェンジ』へ!トラッシュの『ヤイバノスケリド』の力で二点!ライフを砕くぞ!》

 

右手に愛刀、左手に『ダーク・ブレード』を装備して『ディノヴェンジ』は飛び上がった。アヌビスのエネルギーに加え、トラッシュに落ちた『ヤイバノスケリド』の力によって『ディノヴェンジ』を強化する。

 

フィールドを駆け抜けながら『ディノヴェンジ』は渾身の突きを繰り出し、ヒュペリオンのライフを撃ち抜いた。

 

華扇「さらに『ダーク・ブレード』の合体時効果!『カタストロフドラゴン』に指定アタック!!」

 

ヒュペリオン《…バースト発動!『絶甲氷盾』!ライフを回復し、『激神皇カタストロフドラゴン』でブロック!『赤魔神』との合体でBPは合計26000!》

 

『カタストロフドラゴン』に向かって『ディノヴェンジ』が二刀を構えて突っ込む。体格が何倍も大きい『カタストロフドラゴン』にも怯まず、『ディノヴェンジ』は口から炎を吐く。

 

だがレベル3効果も含めて『ディノヴェンジ』のBPは25000。ギリギリ『カタストロフドラゴン』には届かず、徐々に火力が弱まっていく。そしてとうとう『ディノヴェンジ』は『カタストロフドラゴン』によって地面に競り落とされてしまった。

 

華扇「フラッシュタイミング!マジック!『オフェンシブオーラ』!!BPプラス5000!!『ディノヴェンジ』のBPは合成30000よ!!」

 

 

とどめをさそうと降りてくる『カタストロフドラゴン』が見たのは、土埃を振り払って殺気立つ『ディノヴェンジ』。一瞬の隙を突いて『ディノヴェンジ』が『ダーク・ブレード』を『カタストロフドラゴン』の喉元へ投げつけた。

 

 

アヌビス《成敗!!》

 

アヌビスの一声と共に『ダーク・ブレード』が突き刺さり、『カタストロフドラゴン』は悶絶する。これで終いと『ディノヴェンジ』は脳天めがけ、愛刀を振り下ろした。

 

華扇「私は負けない…負けられない!」

 

『カタストロフドラゴン』が縦真っ二つになって、崩れ落ちていく。『ディノヴェンジ』は『ダーク・ブレード』をキャッチして静かに刀をおさめた。

 

華扇「『創界神スサノヲ』レベル2の『神域』。『地竜』/『海首』を持つスピリットのバトル終了時、ライフを一つ破壊します」

 

スサノヲ《喰らいやがれ!》

 

ヒュペリオン《うごっ…だがこれ以上お前にアタックできるスピリットは…》

 

さらにスサノヲがライフを砕くが、ヒュペリオンはまだ勝てると信じている。それを華扇は静かに打ち砕きにいった…!

 

華扇「『赤の世界』の効果。コスト5以上の赤一色スピリットがバトルを終えた時、もう1つライフを破壊できる…この意味がお分かりですか?」

 

ヒュペリオン《…あ…ぁぁ…!》

 

華扇「…そう…あなたに次のターンはない!天誅!!」

 

華扇が包帯の右手を掲げると、『赤の世界』の火山弾が怯えるヒュペリオンに襲いかかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…スタッ…ふぅ…」

 

さとり「お疲れ様です」

 

ブラフマー《うーっす!》

 

バトルを終えて華扇達は門前に戻ってくる。それほどライフを削られてはいなかったからか、華扇の息はあまり乱れてはいなかった。

 

妹紅「…あいつは…死んだのか?」

 

アポローン《…たぶん…?》

 

妹紅は少し離れたところで倒れているヒュペリオンに目をやる。トレードマークの剣の翼も力なく垂れて、地面に転がっていた……が……

 

 

ヒュペリオン《…ガチャッ!》

 

雷鼓「…え?まだ生きてる!?」

 

ヒュペリオン《…ちきしょう…ヨロヨロ…また数億年後…!ヨロヨロ…身体を再生したら…次こそお前らを殺す…!ヒュンッ!!》

 

スサノヲ《てめぇこの…!待ちやがれ!》

 

ヒュペリオンは何とか逃げ切ようと身体を起こし、逃走を図ろうとする。一瞬で姿を消して華扇達を撒こうと画策したが、彼は1つ重要なことを忘れていた…

 

 

ヒュペリオン《へへっ…まさかタカミムスビの時の二の舞になるとは思わ…!?》

 

 

 

 

霊夢「ガシッ!!次なんてないわ。あなたはここで消えるのよ

 

 

…『楽園の素敵な巫女』博麗 霊夢の異常な『勘』である。逃げるヒュペリオンの首根っこをわしづかみ、逃走を封じ込めた。

 

ヒュペリオン《…ま…ま、待て!》

 

霊夢「ダンッ!『夢想…天生』!!」

 

制止の声もスルーして霊夢は飛び上がり、ヒュペリオンを放り投げる。そして霊夢の渾身の霊撃がヒュペリオンの身体を貫いた!

 

 

ヒュペリオン《 ギャァァァ…ァ…ァ……ァ……

 

今度こそヒュペリオンは塵になって消滅する。崩れ行く姿を一瞥して霊夢はいつもの気だるげな顔で吐き捨てた。

 

 

霊夢「ふんっ…博麗の巫女、なめんじゃないわよ」

 

スサノヲ《…おいしいとことられた…》

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回の敵のデッキはバトスピアニメの敵キャラのカードを中心に組んであります。本音を言えば魔龍帝ジークフリードやアルティメット・ヤマトも入れたかったのですが……枠がね…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

姉と妹。母と息子

もう我慢できない。『紫の世界』?知ぃ~らね!


月の都 郊外の空き地 VSクロノス

 

 

シヴァ《おらぁ!》

 

フラン「てぇーいっ!」

 

レミリア「はっ!」

 

 

クロノス《…ぬぅ!》

シヴァの『ネクロ・キャリバー』フランのレーヴァテイン、レミリアのグングニルがクロノスの大鎌と激しく火花を散らす。強力な三人の攻撃にもクロノスは焦ることなく、淡々と攻撃をさばいていた。

 

咲夜「お嬢様、援護致します。幻符『殺人ドール』!」

 

アリス「魔操「リターンイナニメトネス」!」

 

クロノス《…!…止まれ

 

後ろから咲夜のナイフとアリスの人形が襲いかかるが、クロノスは鎌を持っていない手をかざす。するとナイフや人形がピタリと空中で止まってしまった。

 

クロノス《お前らがくらえい!》

 

レミリア「うぐっ!」

 

フラン「きゃーっ!」

 

止まった攻撃をクロノスは自らの攻撃にしてレミリアとフランにぶつけてくる。予想外な攻撃方法に二人はたまらず後退りした。

 

クロノス《おろかな…雑魚がいくら群がろうが、儂らに敵うことはなかろう!せいやっ!ゴゴゴゴ…!!》

 

咲夜「…!大きいのが来ます!」

 

シヴァ《やっべっ!あれを壊すのは…!》

 

フラン「ど、どーすれば良いの!?」

 

クロノスが大鎌を起点に巨大なエネルギー球を作り出す。さすがのシヴァでさえも、その大きさに尻込みするほどのサイズ…フラン達がうろたえるのも無理はなかった。

 

クロノス《死ねぇい!カッ!!》

 

フラン「…シヴァ!お姉さま!どうにかできないの!?」

 

レミリア「……っ…!」

 

シヴァ《仕方ねぇ…!捨て身で俺が突っ込む他ねぇか…?》

 

クロノスが鎌を振り下ろすと同時に、頭上のエネルギー球がレミリア達めがけて降ってくる。とっさに全員がどうにか対処しようと構えるが、どうすべきか良い方法が見当たらない。

 

クロノス《フォッフォッフォッ!これはどうしようも》

 

 

???《あるんだよなぁ~♪》

 

 

ズブブブブブッッ……!!

 

 

エネルギー球がレミリア達を押し潰そうとした時、クロノスの言葉を遮った者がいた。それと同時にエネルギー球は突然現れた、黒いブラックホールのような穴に吸い込まれて消えていく…

 

クロノス《…誰だ!?》

 

???《も~!仮にもあんたの孫だぜ?俺は~?》

 

咲夜「…あなたは…!」

 

苛立つクロノスとレミリア達の間に出てきたのは、紫の髪に中世の貴族を思わせるコートの青年。おちゃらけた口調と人を食ったような笑み、そして手に持つアメジストの剣は神世界では有名だ。

 

ディオニュソス《面倒ごとは嫌いだし、自分で戦うなんてナンセンスだけど…こうなったら仕方ないよねぇ…アハハハハハハッ♪》

 

クロノス《…貴様の仕業か!ディオニュソス!!》

 

ディオニュソス《あったりまぇじゃーん。俺は昔アマテラスとゼウスを吸収しようとしたんだぜ?あんな『気』のかたまりなんて屁でもねぇーよ》

 

ケタケタ笑いながらクロノスをおちょくる青年、『創界神ディオニュソス』はそう説明する。そう言っている間にも黒い穴にエネルギー球が消えていき、さっぱり無くなった。

 

オシリス《…スタスタ…すまん、暫し準備で遅れた》

 

ディオニュソス《おーう!んじゃバトンタッチといこうか!》

 

クロノス《…ほざけ!》

 

『妖蛇神杖オグドアド』を地面に刺し、『創界神オシリス』も機械の四肢を動かして歩いてくる。緑色の皮膚に隻眼の目を鋭くさせてオシリスはディオニュソスと共に臨戦態勢に入った。

 

クロノス《消えろ!ブンッ!!》

 

オシリス《…ガキィンッ!!むっ…!!》

 

ディオニュソス《おうらぁ!》

 

戦いは第2ラウンドに突入し、クロノスとオシリス、ディオニュソスの接近戦が繰り広げられる。めんどくささをまったく見せずに剣を振るディオニュソス。身体中の機械で力を底上げするオシリス…

 

…この二人の連携攻撃にもクロノスは優位にたち振る舞う。オシリスの杖とディオニュソスの剣を大鎌が弾いていった。

 

クロノス《…崩符…『剣山地獄』!!》

 

オシリス《がっ…!!》

 

咲夜「…!!み、右腕が…!!」

 

とうとうクロノスの鎌がオシリスの機械の身体をぶったぎる。『オグドアド』を掴んでいた右腕が肩口から鮮血を出しながら、宙を舞った。

 

クロノス《フォッフォッフォッ!さぁ…今度は首の番ぞ!》

 

オシリス《…ハァ…ハァ…ズサッ…》

 

ディオニュソス《……もうそろそろか?

 

膝をついてオシリスは荒い息を整えようとするが、クロノスの大鎌はその隙を逃さず、オシリスの脳天めがけて振り下ろされた。一番近くにいたディオニュソスは、何故かそれを見ているだけだが……

 

 

クロノス《もらっ………っ!?》

 

ヘラ《あら父上、うちの能力…お忘れになったんとちゃいますか?》

 

アリス「ヘラ様!」

 

振り下ろされた大鎌がクロノスの頭上でピタリと止まってしまった。さらにクロノス自身の身体もクモの巣にかかった虫のように身動きが取れなくなる。

 

そんなクロノスを嘲笑いながら、レミリア達の後ろから歩いて来たのは『創界神ヘラ』。神世界一の人形使いである彼女には、敵の動きを封じるための『糸』を張るなど朝飯前だ。

 

クロノス《…ぐ…たかが糸で儂の動きなど…》

 

映姫「『ただの糸』だけではありませんよ。オシリス様の『化神』の力も合わさった『猛毒』の糸です」

 

ヘラの側に控えていた映姫が冷静に答える。彼女を守るように這い出して来たのはオシリスの化神『冥界蛇神アウザール』。口からなにやら液体を垂らし、血走った目でクロノスをにらみつけている。

 

クロノス《『毒』…だと…!?》

 

オシリス《…ガチッ…んんっ!…ふぅ…毒使いはペルセポネだけではないぞ?しかも私の『アウザール』の猛毒は『即効性』だ》

 

映姫「…オシリス様本人は囮です。その代わりに私は『アウザール』を受け持ち、ヘラ様と隙をうかがっていました」

 

オシリスが解説をしながら転がっている自分の右腕を拾い上げ、無造作に肩口にねじ込む。するとたちまち離れた腕と肩が繋がり、元通りに再生した。これも『エジット』の冥界の創界神たる彼がなせる技か…

 

シヴァ《へへっ!これで思う存分破壊できるぜ!来やがれ!『ヴァルドラム』!!》

 

ヘラ《…うふっ…折檻の時間やで…『ジェラシックドール』…》

 

ディオニュソス《まっ、テキトーにね~♪『カヴァリエーレ・バッカス』!!》

 

オシリス《ご苦労だった『アウザール』。もう少し働いてくれ》

 

動けないクロノスを見て、創界神達は次々と『化神』を実体化させて反撃に入る。シヴァの巨大な紫色の西洋ドラゴン、ヘラの鬼の角を持つ美女型人形、ディオニュソスの四本腕の中世騎士、そしてオシリスの機械の蛇神が並び立った。

 

 

オシリス《化神『スネークギガバイト』!!》

 

まず初めにオシリスが機械の足を広げ、クロノスに噛みつくように挟み蹴りを繰り出す。さらに『アウザール』も顎を大きく開けてクロノスに襲いかかった。

 

 

バキバキバキッッ…!!

 

 

クロノス《…ぐっ!》

 

映姫「…よし…大鎌が壊れた…!!」

 

シヴァ《次は俺だ!化神『昇竜破壊拳(しょうりゅうはかいけん)』!!》

 

オシリスと『アウザール』の一撃がクロノスの大鎌を粉々に粉砕する。さらにシヴァがエネルギー体になった『ヴァルドラム』を拳に纏わせ、右アッパーパンチと共に撃ち出した。

 

撃ち出された『ヴァルドラム』にクロノスは胴体を噛みつかれ、そのまま上空へ打ち上げられてしまう。

 

 

クロノス《あがっ…は、離せ!》

 

ヘラ《安心しぃや…今すぐ離したるで!!!》

 

アリス「…!!…神世界最高の人形使の一撃…いったいどれ程精密な魔法を使うのかしら!?」

 

『ヴァルドラム』に咥えられたクロノスの上をヘラと『ジェラシックドール』が取って追撃を放とうとする。アリスは彼女が繰り出す攻撃を1人形使いとしてワクワクしながら見ていたが……

 

ヘラ《化神『一万本糸パンチ』!!》

 

 

ドゴォォォンッッ!!

 

 

アリス「………………」

 

 

ヘラの号令を受けて『ジェラシックドール』が繰り出したのは……『糸で巨大化させた拳によるパンチ』だった。威力はクロノスを地面に叩き落とし、小さなクレーターすら作るほどだったが……アリスは予想を裏切られて呆然としている。

 

『弾幕はブレイン』を自称する彼女は『糸の精密操作による攻撃』を期待してたのだが…『糸パンチ』は完全にそれの対極にいる攻撃方法だろう…(-_-;)

 

オシリス《…あー…たぶんもっと華麗な一撃もあると思うぞ?》

 

シヴァ《そ、そーだぜ!だから落ち込むなって!》

 

ディオニュソス《あれれー?確かヘラって人形使いの他に『オリン随一の拳闘士』って》

 

シヴァ《余計なこと言うなバカ!》

 

咲夜「皆様…まだ戦闘中ですが?」

 

アリスの何かが音をたてて崩れ落ちそうになるところを、創界神達が取り繕う(一名塩を塗っているが)。この場だけ空気が緩みかけたが、咲夜の冷たい一括に全員気を取り直した。

 

 

クロノス《…ゴフッ…ば、バカな…!》

 

ディオニュソス《…そんじゃぁ俺の番かな?『バッカス』行けっ》

 

地面に転がったクロノスを今度は『バッカス』の二刀流がおみまいされる。巨体に似合わないスピードで『バッカス』はクロノスをすれ違い様に斬りつけた。

 

しかしクロノスの身体には斬られたような傷は一ミリも見当たらず、彼も痛みを何一つ感じなかった。

 

クロノス《…むっ?斬られて…いない…?》

 

ディオニュソス《はい終わり。戻れ『バッカス』…♪~♪♪~》

 

クロノス《…わからんが…今が好機!》

 

レミリア「…おいディオニュソス!危ないぞ!」

 

自分の化神を消してディオニュソスはクルリとクロノスに背を向ける。口笛すら吹く余裕を見せている彼だが、クロノスにとっては反撃する絶好の機会。

 

クロノスは立ち上がり、再びエネルギー球を精製しようとしたが、ディオニュソスは剣を鞘に戻しながら何時もの狂った顔でこう言った………

 

ディオニュソス《…バーカ。もうお前は俺の剣に酔ってるんだよぉ~。化神……『ネメシス・リープ』パチンッ》

 

 

ズバァァンッッ!!!!

 

 

クロノス《あっ…!?ドサッ…》

 

ディオニュソス《チャオ♪》

 

ディオニュソスが剣をおさめた瞬間、クロノスの胸部がXの字に切り裂かれた。それを確信している彼はまた人を食った顔でクロノスをあざけ笑う。

 

フラン「…え…?何が起きたの?」

 

シヴァ《…『斬られた』ことすら気づかせない…毎度毎度すげぇ剣の腕前だな…》

 

ヘラ《…あとは性格さえ良ければ完璧なんやけどなぁ…》

 

ディオニュソス《あれぇ~?いつもゼウスを監禁しようとするメンヘラ大年増の女神様が何か言ってるよぉ~?》

 

ヘラ《…あらあら…もういっぺん言うてくださらへん?そないしたら、あんた自身を人形にしたるで?》

 

なんやかんやとヘラとディオニュソスはバチバチ火花を散らしている。これ以上ヒートアップすれば一触即発になるかと思われたが、ヘラははぁーとため息をついて煽るのをやめた。

 

ヘラ《…やめまひょ。恨みからはなんも生まれまへん。さっきはうちの失言やったわ》

 

ディオニュソス《お、おぅ………》

 

オシリス《ホッ…》

 

ディオニュソスもヘラが正直に謝ってきたことに困惑して、動揺を隠せない。彼のヘラへの認識は『嫌がらせをしてくる面倒な女』一点だったので、彼女から優しくされることに慣れていなかった。

 

クロノス《…お、おのれ…このままでは済まさん…!》

 

レミリア「…来たわね!ようやく私の見せ場よ!」

 

ディオニュソス《……ハッ…よ、よしっ!》

 

フラン「シヴァ!お姉さまを助けて!」

 

シヴァ《おぅ!》

 

待ってましたとレミリアはクロノスの前に躍り出る。さらにフランの願いを受けてシヴァはレミリアの体内に降りていき、ディオニュソスもそれに続こうとした。

 

その途中ヘラの隣をディオニュソスが横切った時だった。

 

ヘラ《…気をつけてや……》

 

ディオニュソス《…!…ああっ!勝って戻る!》

 

フラン「お姉さま~!頑張って~!」

 

レミリア「大丈夫よ。負ける『運命』は見えないから…」

 

片方は母と息子、もう片方は妹と姉。それぞれの思いを胸にディオニュソスはレミリアの中に降り、レミリアも決意の目でデッキを構えてバトンの態勢を整えた。

 

 

レミリア クロノス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノス《ひれ伏せ!儂は神々の王となる者ぞ!》

 

レミリア「悪いわね。神に反逆するのが『吸血鬼』の本分なのよ」

 

骸骨のようなカブトの下でクロノスがうめくが、カリスマモードのレミリアは軽く受け流す。

 

レミリア「始めるぞ。メインステップ。ネクサス『魔界の決戦場』を配置する。バーストも伏せようか」

 

先行をとったレミリアが配置したのはどこかの戦場だった。遠くから剣や槍がぶつかる音や勇猛果敢な叫び声が聞こえてくるネクサスだったが、なにやらただならぬ雰囲気が満ちている…

 

レミリア「ターンエンド」

 

クロノス《メインステップ!『No.32アイランドルート』を配置して一枚ドロー。そして紫の創界神ネクサス!『紫電のゼロ』を配置!!『神託』によりコアを二個置くぞ》

 

クロノスもネクサスを配置してシンボルを確保する。後ろに配置時ワンドローの根が生えた社が築かれたが、もう一つのネクサスは何もフィールドに現れなかった。

 

クロノス《続けて『キャメロット・ポーン』を召喚。バーストセットしようかの…》

 

レミリア「『紫速攻』系か…?いやまだ決めるには早すぎるな…」

 

次にクロノスは紫色の小さな槍兵を召喚した後、バーストをセットした。見えたカードからレミリアはクロノスのデッキを考えるが、いかんせん汎用性が高いカード故、結論は出さない。

 

クロノス《ターンエンドじゃ》

 

レミリア「メインステップ!運命(さだめ)を破壊せよ!『破壊の創界神シヴァ』を配置!『神託』してコアを一つ『シヴァ』へ!さらに…『ディオニュソス・パスト』を召喚!」

 

シヴァ《ゴキゴキ…さぁて破壊タイムだ!》

 

ディオニュソス《…ん…たまにはこっちも良いかぁ…?召喚時効果で二枚ドローするぜ》

 

手首を鳴らしながらシヴァが『魔界の決戦場』に姿を見せる。さらにフィールドには若かりし頃の『ディオニュソス』が剣を持って召喚された。当人も意外と気に入っているようである。

 

レミリア「アタックステップ!『ディオニュソス・パスト』でアタック!」

 

ディオニュソス《…えー…まぁ仕方ないか!》

 

クロノス《ライフで受けよう!》

 

そうは言っても『自分では戦いたくない』のか『ディオニュソス』は文句をたれながら駆け出す。その剣の一振りは華麗にクロノスのライフを両断した。

 

レミリア「かかったわね!『ディオニュソス・パスト』の『転醒』発揮!相手のライフが減った時、裏返して配置できる!『ディオニュソス・フューチャー』!」

 

ディオニュソス《んん~!でもやっぱり今の俺が一番!『神託』発動!一つ貰うぜ》

 

クロノス《…な、なんじゃと!?》

 

レミリア「最後に『転醒』時効果。相手の創界神ネクサスのコア二個を奪い取るわ」

 

『ディオニュソス・パスト』のカードがひっくり返り、フィールドの『ディオニュソス』も若い頃の姿から一気に成長して『シヴァ』の隣に移動した。

 

レミリア「これで良いわ。ターンエンドよ」

 

クロノス《…ふん…メインステップ。『キャメロット・ナイト』『カースガーゴイル』を連続召喚!儂の駒になれぃ》

 

クロノスは自らを落ち着かせ、小さな紫色の騎士、そして白い身体の悪魔を立て続けに呼び出す。『不死』を持つ『キャメロット・ナイト』を処理するのは骨が折れそうだ。

 

クロノス《アタックステップ!まずは『カースガーゴイル』!あの小娘のライフを削るのじゃ!》

 

レミリア「…『魔界の決戦場』の効果!相手スピリットが疲労したことにより一枚ドロー。そのアタックはライフよ!」

 

『カースガーゴイル』が鋭い爪をレミリアのライフに突き立てる。その前に『魔界の決戦場』がザワザワ音をたてて手札を増やした。

 

レミリア「…いっつ…!なかなかくるわね…」

 

クロノス《続け!『キャメロット・ナイト』!》

 

レミリア「再度ドロー。これもライフで受ける!」

 

『原初神』のバトルによる一撃にレミリアは不快感を示す。それにお構い無く『キャメロット・ナイト』の一突きがもう一つライフを破壊していった。

 

クロノス《フォッフォッフォッ…ターンエンド》

 

レミリア「…チッ…メインステップ!『創界神ディオニュソス』を配置して『神託』。コアを二つ置くわ。そして『冥府の守護騎士』、『冥府三巨頭ザンデ・ミリオン』を召喚!」

 

ライフを二つ砕かれたレミリアは、冷静に本家『ディオニュソス』を出して『冥府』の維持コアを無くす。浮いたコアで召喚されたのは、ぼろ布を着た人間サイズの骨の騎士とその何倍もの巨体の骸骨ドラゴンだった。

 

『冥府の守護騎士』は賎しい見た目とは真反対にチャキッ!と剣を構え、『ザンデ・ミリオン』も骨の顎を鳴らして今か今かと攻撃の指示を待っている。

 

レミリア「アタックステップ!『ザンデ・ミリオン』でアタック!こいつはスピリットを破壊しないとブロックできないわよ!」

 

クロノス《…ならば『キャメロット・ナイト』を破壊。『キャメロット・ポーン』でブロックだ。スピリットの破壊によりバースト発動!『呪の覇王カオティック・セイメイ』により一枚ドローして手札に戻る》

 

『ザンデ・ミリオン』の邪悪な波動がクロノスのフィールドを覆い尽くし、『キャメロット・ポーン』のブロックと引き換えに『キャメロット・ナイト』が塵に還った。

 

『キャメロット・ポーン』も踏み潰されてその後を追うが、クロノスはバーストで上手くリカバリーする。

 

クロノス《さらにコスト0のスピリットが破壊されたため、トラッシュの『キャメロット・ナイト』の『不死』発揮。再召喚するぞ》

 

それだけでは終わらず、フィールドに溢れ出した霧から『キャメロット・ナイト』が復活する。豪快な効果ではないが、チマチマやられるとウザイ効果には間違いない。

 

レミリア「あーもう!めんどくさい!ターンエンド!」

 

クロノス《メインステップ!『妖術師ヤクモ』を召喚!召喚時効果でトラッシュから『キャメロット・ポーン』『シキツル』を蘇生させる!》

 

イラつくレミリアをさらにクロノスはイラつかせる動きを始める。フィールドがおどろおどろしい空気へと変わると、背中にクモの足を生やした陰陽師が現れ、トラッシュの『キャメロット・ポーン』と『シキツル』を呼び出したのだ。

 

クロノス《『シキツル』の効果でドロー。バーストセット。アタックステップ!『キャメロット・ナイト』でアタック!》

 

レミリア「うじゃうじゃと…!一枚ドローしてフラッシュタイミング!手札の『時空の破壊魔龍ラクタ・ヴィージャ』を召喚!手元を増やしてバトルを終わらせるわ!」

 

シヴァ《良くやった『ラクタ・ヴィージャ』!》

 

ディオニュソス《ほーう♪やるねぇ~!》

 

押し寄せるクロノスのスピリット達、最初に攻撃してきた『キャメロット・ナイト』の前方の空間にヒビが入る。そこから出てきた『死竜』が『キャメロット・ナイト』に何もさせずに追い返した。

 

クロノス《続けて『シキツル』でアタック!》

 

シヴァ《おおっと!俺様のレベル2『神技』を使う!破壊だ!『カースガーゴイル』!》

 

レミリア「…ナイスよ!『魔界の決戦場』は相手スピリットの破壊をトリガーに『転醒』する!『千槍将軍デスバゼラード』!!」

 

『シキツル』が骨の翼で羽ばたいて攻撃してくると、シヴァの衝撃波が逆に『カースガーゴイル』を吹き飛ばす。すると『魔界の決戦場』が消え去り、フィールド内でたくさんの武器を背負った鬼として再臨した。

 

クロノス《…ぬぅぅ…!また『転醒』かっ…!》

 

レミリア「『デスバゼラード』の『転醒』時効果!相手スピリットのコア三個をリザーブへ!『キャメロット・ポーン』『ヤクモ』『シキツル』のコアを指定!」

 

ディオニュソス《ヒュー♪ざまぁw》

 

『デスバゼラード』が六本ある腕で槍を突き出すと、『キャメロット・ポーン』『ヤクモ』『シキツル』のコアが貫かれる。全員コアが一つしか乗っていなかったので、綺麗さっぱり消滅した。

 

これでクロノスのフィールドには疲労している『キャメロット・ナイト』だけになる。

 

クロノス《ぐぬぬ…ターンエンド》

 

レミリア「反撃よ!メインステップ!紫電の輪舞!『冥府骸騎士アジャクシオン』を召喚!!『デスバゼラード』をレベル2に!」

 

空から雷が落下して地面を破壊する。そこからツルハシのような両刃の鎌を手に取り、『冥府の守護騎士』より大きな骸骨騎士が出現した。

 

レミリア「アタックステップ!『デスバゼラード』でアタック!一枚ドローして『キャメロット・ナイト』を破壊!」

 

クロノス《ライフで受ける!ライフ減少によりバースト発動!『大甲帝デスタウロス』!『ザンデ・ミリオン』を疲労させ、疲労しているスピリットを全て破壊じゃ!》

 

背中の槍を発射して『デスバゼラード』が『キャメロット・ナイト』とクロノスのライフを撃ち抜く。だがクロノスのバーストから緑の虫のような外骨格に紫の悪魔の翼を生やした合体スピリットが出現した。

 

さらに『デスタウロス』から噴き出した黒い煙が『ザンデ・ミリオン』と『デスバゼラード』を飲み込んでしまった。

 

レミリア「仕方ない、ターンエンド」

 

クロノス《…耐えたぞ…メインステップ!輪廻転生司る悪魔!『魔界七将ベルゼビート』を召喚!召喚時効果でトラッシュの『呪撃』を持つ『カースガーゴイル』を蘇生!》

 

バトルフィールド上空に黒い膜で覆われた球が出現し、中からハエの頭をした悪魔が不気味に鳴いて現れる。リバイバル前の『ベルゼビート』は手をかざして『カースガーゴイル』を蘇らせた。

 

クロノス《フォッフォッフォッ……『ベルゼビート』を『転召』!色欲司る不吉の申し子!『魔界七将アスモディオス』!レベル2で召喚するぞ!》

 

レミリア「…っ…!またリバイバル前の…『転召』なんて久しぶりに見たわ…」

 

『ベルゼビート』が塵になって空へ昇っていくと、反対に空からはケンタウルスのような下半身は馬、上半身は六手の悪魔が駆け降りてきた。『デスタウロス』と並んだ光景にレミリアは少々気圧されたように口をしかめる。

 

クロノス《『アスモディオス』召喚時効果!相手のスピリットからコアを二個ずつ外す!『ベルゼビート』で『転召』したことにより、手札も四枚棄てて貰おうかの!》

 

ディオニュソス《やべっ…おぜ・うー!手札何枚だ!?》

 

レミリア「おぜう言うな!……ちょうど四枚ね…」

 

シヴァ《丸腰かよ…!まぁ『冥府の守護騎士』と『アジャクシオン』は効果受けないからましか…》

 

『アスモディオス』が水晶の剣から黒いビームを発射して『ラクタ・ヴィージャ』のコアを取り除く。さらにレミリアの手からカードが全て離れ、トラッシュに落ちていった。

 

クロノス《フォッフォッフォッ!これでお主を守るものはせいぜいバーストぐらい!観念せい!》

 

レミリア「…あら?『神々の王になる』って言う割には…このカードが見えてないのかしら?」

 

クロノス《…あぁ?》

 

レミリア「このカードは効果で手札から破棄された瞬間、召喚できる!召喚!『鬼神女王ジェラシックドール』!!」

 

ディオニュソス《………!!》

 

落ちたレミリアのカードの一枚が光りながらフィールドに移動する。どこからか伸びてきた糸が空中で自動的に編まれていき、鬼の女性型人形『鬼神女王ジェラシックドール』がレミリアを守るように降り立った。

 

クロノス《バンッ!なぜだっ!?そやつはヘラの『化神』なはず!!》

 

レミリア「…さぁね?『覚妖怪』ではない私には彼女の頭の中は分からない。でも……想像することはできる…クルッ」

 

バトルボードを叩いてクロノスは身を乗り出しながら問うが、レミリアは肩をすくめてとぼける。するとレミリアはクロノスに背を向け、彼女の後ろに立っていたディオニュソスと向き合う。

 

レミリア「…たぶん、一番手のかかるドラ息子のことが…心配だったのかもね」

 

ディオニュソス《………………》

 

シヴァ《…お前と似て…アイツは不器用だからなぁ…》

 

先程までのカリスマ顔とは別に、優しい顔でレミリアは意味深に言葉を綴る。うつむいたディオニュソスに隣のシヴァは肩に手を置いて感慨深く続けた。

 

ディオニュソス《…フッ…親孝行か…血の繋がったお袋にはしてたけど…そろそろ義理の方にもやる時かねぇ…》

 

レミリア「ふふっ…クルッ…『ジェラシックドール』の召喚時効果!デッキを一枚破棄!…さすがにこれは当たらないか…『冥府作家ラス・カーズ』なので、そのまま破棄」

 

シヴァ《さぁて…これでこっちのスピリットは三体!俺の効果も入れて十分守りきれるぜ!》

 

『ジェラシックドール』の効果が発動するのは『呪鬼のカード』か『ネクサス』か『マジック』。さすがに『無魔』主体のデッキでは当たらなかったが、クロノスの攻撃を牽制することはできた。

 

クロノス《ぐぅぅ!ターンエンド!》

 

レミリア「終焉の時よ。メインステップ!『ジェラシックドール』をレベル3に!アタックステップ!『ジェラシックドール』!奴を滅せよ!」

 

悔しげに歯噛みするクロノスだったが、既に風向きはレミリアに向いていた。ドローしたカードを使うことなく、『ジェラシックドール』にアタックを命じる。

 

レミリア「レベル2からの『界放』!相手のスピリットを一体破壊させ、『ディオニュソス・フューチャー』のコア二個を移動。トラッシュの『ザンデ・ミリオン』を回収」

 

クロノス《…『カースガーゴイル』を破壊する…そのアタックはライフだ!》

 

シヴァ《もう一度俺の『神技』!手札を手元に置いて『デスタウロス』を破壊!》

 

『ジェラシックドール』の糸が『カースガーゴイル』とクロノスのライフを貫き、二度目のシヴァの衝撃波が『デスタウロス』を粉砕していった。やはり『アスモディオス』を無理矢理召喚したことによるコア不足が響いているようだ。

 

レミリア「残り二つ!続けて『アジャクシオン』でアタック!!コアが0個時、ターンに一度回復する!そして『破壊の創界神シヴァ』!『転神』!その大いなる力を振るえ!」

 

シヴァ《おうっ!》

 

クロノス《『アスモディオス』!防御せよ!BPはこちらが勝っておる!》

 

大鎌を構えて『アジャクシオン』が疾走するが、彼の何倍もの大きさの『アスモディオス』が剣を振り下ろしてくる。BP差もあり『アジャクシオン』の鎌は『アスモディオス』の剣に弾かれ、劣勢に陥ってしまう…

 

レミリア「『アジャクシオン』の最後の効果!ブロックされたらそのスピリットを否応なしに破壊する!」

 

…が…『アジャクシオン』は雷の如く『アスモディオス』の後ろへ回り込む。そして首を勢い良くはね飛ばし、『アスモディオス』は爆発した。

 

レミリア「再び『アジャクシオン』!行け!」

 

クロノス《ライフで受ける!》

 

回復した『アジャクシオン』が大鎌を投げつけてクロノスのライフを砕く。

 

レミリア「『シヴァ』!撃滅せよ!」

 

クロノス《まだ終わらん!フラッシュタイミング!『紫電のゼロ』の『神技』!トラッシュから『シキツル』を召喚!ブロックぞ!》

 

シヴァ《…クソッ!邪魔すんな!》

 

最後のライフを砕こうとシヴァが駆け出すが、悪あがきにクロノスは『シキツル』を復活させて守ろうとする。

 

ディオニュソス《それは良くないなぁ…俺の『神技』!疲労状態のスピリットを破壊してブロックを無効化させる!》

 

シヴァ《おっ!サンキュー!》

 

ブロックしようとした『シキツル』にディオニュソスの斬撃が飛んでいく。キレイに真っ二つになった『シキツル』は爆発し、煙を突っ切ってシヴァがクロノスの眼前に到達した。

 

クロノス《…あ、あり得ない…!》

 

シヴァ《おらぁぁ!ぶっつぶれろぉぉぉ!!》

 

そんなセリフを吐き捨ててシヴァは己の拳をクロノスの最後のライフめがけて打ち込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノス《…お、覚えて…おれ!》

 

フラン「あっ!逃げた!」

 

レミリア「はぁ!?あれで終わりじゃないの!?」

 

オシリス《…タカミムスビさんの時と同じか…!》

 

 

バトルを終えてレミリアが戻って来ると、クロノスは満身創痍になりながらも空へ飛び出し、逃走を試みていた。だがヘラの糸を潜り抜けてクロノスがほんの少し気を抜いた瞬間……!

 

 

ペルセポネ《ヒャッハー!最後の最後で出番来たわ!さぁ…『首輪』して…お散歩の時間よ!!》

 

クロノス《ゴフぅッ!?》

 

レミリア達から離れたところで戦っていたペルセポネがウキウキで鞭を振るった。意思を持っているかのように伸びた鞭は見事クロノスの首に巻き付き、逃走を押さえ込んだ。

 

レミリア「…いくわよフラン!バッ」

 

フラン「うん!バッ」

 

その隙に二人の吸血鬼が翼を羽ばたかせて飛び出す。いつもは漆黒の闇が映る月の都の空だが、『スカーレット』の影響か今は血の色を思わせる紅色をしていた。

 

二人は助走のために十分距離をとると、一斉に自らの『必殺技』を発動させる。

 

 

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』!

 

フラン「禁忌『レーヴァテイン』!!

 

 

レミリアが自分の身体の倍近くあるエネルギー槍を構えて、フランがこれまた身体を大きく越える炎の剣を持ってクロノスに突撃する。

 

重力によって威力が跳ね上がった槍と剣が、二筋の光になってクロノスを貫いた!

 

 

クロノス《 ギャァァッ…!!わ、儂は…神々…の王…に………

 

身体の真ん中に大穴を空けられ、とうとうクロノスは崩れていく。最期に手を無造作にのばしたが、その手を掴んでくれる者は誰一人いなかった。

 

 

フラン「ふふーん♪正義は勝つっ!v(・∀・*)」

 

レミリア「眠りなさい。永遠の苦しみを抱いてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

元ネタのギリシャ神話ではヘラとディオニュソスの仲はすこぶる悪いんですけど、うちのヘラさんはアポローンやアルテミス達と歩み寄ろうとする立場にいます。彼らとの和解話をいつか書こうとしていたので、今回ここに入れました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

逝って良いってさ

はい、皆様。ほんの数ヶ月前まで見るのも嫌だったデッキと言えば?十中八九『殻人×遊精』と答えられるかと思われます…

…はい、今回暴れます。


月の都 人気のない大通り VSプロメテウス

 

 

ホルス《ヒュンッ!だぁっ!》

 

ヘルメス《シュッ!てめっ…意外と速い…なっ!》

 

 

プロメテウス《はんっ!当たり前だろ!これが俺様の真の力なのさ!》

 

避難指示でも出ていたのか、人っ子一人いない通りで目にも止まらぬ速さの戦闘が繰り広げられていた。『オリン』最速の創界神であるヘルメスと『エジット』の天空の王者のホルスが超高速で動き、プロメテウスも負けない速度でそれを迎え撃っている。

 

白蓮「…ビュッ!身体強化してやっと追いつける…」

 

文「…ババッ!椛に取り憑いてた時より速い…!」

 

幻想郷では1、2のスピードを誇る文や白蓮でもついていくのは一苦労。なので主な戦闘は創界神2柱に任せ、二人は戦闘に着いていきながら援護射撃を飛ばす戦法に変更した。

 

ホルス《ならこいつで勝負だ!羽ばたけ!『ホル=アクティ』!》

 

ヘルメス《振りきるぜ!『オデュッセイバー』!》

 

プロメテウス《無駄さ!俺には追いつけない!》

 

 

ホルスは己の神力を練り固め、茶色の身体に紅白の機械で武装した鳳凰『天空鳳凰ホル=アクティ』を召喚する。ヘルメスも傍らに灰色の豹『光速神王オデュッセイバー』を呼び、プロメテウスにぶつかっていった。

 

 

椛「…くっ…」

 

サラ《ホルスとヘルメスに任せとけば問題ないでしょ》

 

神奈子「…しかし…仮にも私は『軍神』。ボーッと突っ立ってる訳にも…」

 

超高速移動が出来なくて歯噛みしている椛や神奈子とは反対に、サラスヴァティーは完全な丸投げを決め込んだ。彼女の言うとおり、下手に苦手な分野に首を突っ込んだら、足手まといになる可能性は高い。

 

 

それでも神奈子は背中にオンバシラを装備した状態で、何か出きることを探っていると………

 

 

アレス《神奈子、よくぞ言った。今こそ我ら軍神の力の見せ所だ》

 

神奈子「アレス様…!」

 

アレス《敵目標捕捉困難。よって自分のミッション。敵の捕捉かつ速度低下。自分の化神『K・O・B(ナイト・オブ・グラディウス)』!出撃!!》

 

諦めムードの三人のところへ、肩に大型斧槍『ランパートブレイカー』を背負ったアレスが歩いてきた。アレスは神奈子に同じ『軍神』として激励の言葉を送ると、自らの化神『殻人騎士ナイト・オブ・グラディウス』を呼び出す。

 

アレス《さて神奈子、ここで問題だ。速すぎる敵に攻撃を当てるには……どうすれば良い?》

 

神奈子「は…?…ええと……」

 

アレス《…考えろ。難局こそ軍神の腕が試される》

 

ふとアレスが神奈子に問いを投げかける。戸惑う神奈子だったが、アレスは一言言った後、何も文句を言わずに神奈子の答えを待っていた。

 

神奈子が考えることおよそ数分、ようやく答えが出たようだ。

 

神奈子「…全感覚を研ぎ澄ませて…渾身の一発を打ち込みます」

 

アレス《…まぁ正解で良いだろう。幸運にも自分の『甲殻騎士団』には動きを鈍らせる毒を持つ『蜂』の殻人がいる。『ワスピーダー』!前に出ろ!》

 

神奈子の答えに無愛想にアレスは微笑む。そして『ナイト・オブ・グラディウス』の肩の上に黄土色の殻人『光速騎士ワスピーダー』が羽を羽ばたかせて降り立った。

 

アレスによって召喚された『ワスピーダー』はさっそく蜂の毒針を手に取り、超高速で飛び回るプロメテウスに標準を合わせようとする。

 

 

アレス《『ワスピーダー』、自分と五感を同調。後は任せておけ》

 

椛「…あれは何を…?」

 

サラ《馬神 弾はやってないの?私達創界神は眷属のスピリット達と五感を同調できるのよ。所謂『憑依』ってやつ》

 

アレスが瞳を閉じて『ワスピーダー』と意識や五感をシンクロさせる。そしてアレスは右手で針を持つようなポーズを取り、全神経をプロメテウスの気配へと集中させた。

 

 

アレス《…スゥゥ…………ハァァ……》

 

神奈子「……ゴクリッ…」

 

他の三人は固唾を飲んでアレスを見守っている。普通なら目にも入らないスピードで、しかも近くで飛んでいるホルスやヘルメスを識別し、当てないようにしなければならない。

 

まさに『神技』を繰り出さないといけない場面だ。

 

 

アレス《……天渡『ワスプ・スティング』!》

 

プロメテウス《…ん…?…いぃっ!?》

 

神奈子「よしっ!当たった!」

 

カッ!と目を見開いてアレスは全力で毒針を投擲する。弾丸のスピードで放たれた毒針は文や白蓮、ホルスにギリギリ当たらないところを通ってプロメテウスの右ふくらはぎに突き刺さった。

 

プロメテウス《…て、てめぇ…!》

 

ヘルメス《おぉ~!アテナなら出来ないスゴ技だねぇ~》

 

アレス《御託はいい。さっさと追撃しろ》

 

ヘルメス《へーい。化神『英雄獣の爪牙(ヒーローズクローズ)』!》

 

軽口叩きながらヘルメスは動きを止めたプロメテウスめがけて『オデュッセイバー』を繰り出す。緑の風を爪に宿して『オデュッセイバー』がすれ違い様にプロメテウスを引き裂いた。

 

プロメテウス《…いっ…クソッ!…この針…!まさか毒針か!?》

 

ホルス《これも食らえ!化神『アクティエクストリーム』!》

 

足の痺れで避けられなかったプロメテウスは右ふくらはぎの針に毒があることに気がつく。だがその時既に空から『ホル=アクティ』が足でホルスの肩を掴み、突っ込んできていた。

 

ホルス《へっ!ハードボイルドに決めるぜ…!だぁぁ!》

 

プロメテウス《ウゴッ…!!》

 

 

ドガァァァァンッッ!!!!

 

 

『ホル=アクティ』の翼を広げさせ、勢いに乗ったホルスは風を纏った右足のキックをプロメテウスの顔面におみまいする。ハードボイルドかどうかは置いておいて、プロメテウスを吹き飛ばして地面に落下させることには成功した。

 

サラスヴァティー《あーめんどくっさ…でも戦う価値はあるわね。ピュィッ!来なさい!『ガーヤトリー・フォックス』!》

 

アレス《ご苦労『ワスピーダー』、後退を許可する。目標捕捉。自分の化神『ナイト・オブ・グラディウス』。戦闘準備満了》

 

けだるげでもサラスヴァティーは指笛を吹いて鮮やかなエメラルドグリーンの狐『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』を呼び出す。アレスも『ワスピーダー』を下げさせ、『ナイト・オブ・グラディウス』の戦闘へと移った。

 

プロメテウス《てめえらなんぞにやられるか!崩符『大罪の灯火』!》

 

アレス《自分が肉壁になる。その隙にお前は反撃しろ》

 

サラ《あら?なら遠慮なく…バッ!!》

 

プロメテウスが拳から石すらも焼き焦がす炎を放ってくる。二柱は打ち合わせるよりも先に動きを始めていた。サラスヴァティーは『ガーヤトリー・フォックス』と共に飛び上がり、アレスは『ナイト・オブ・グラディウス』を炎の前に立たせる。

 

アレス《…化神『ランパードブレイク』!!》

 

 

バガァァァァンッッ!!!!

 

 

プロメテウス《…ちっ!地面を砕いて盾にしやがった…!》

 

『ナイト・オブ・グラディウス』が渾身の力で斧を地面に振り下ろす。すると割れた地面の破片が宙に舞い、岩の壁となって炎をシャットアウトしてしまった。

 

アレス《…やれ!》

 

サラ《こっちよ!化神『ダル・セーニョ・シュート』!!》

 

土埃が辺りに立ち込める中、アレスの声が空へと響く。すると空では雲のような尻尾をたなびかせた『ガーヤトリー・フォックス』が緑のエネルギー球を作り出し、サラスヴァティーの真正面に打ち出していた。

 

サラ《ボールを…!奴のキモい顔面に…!シュートッ!!》

 

プロメテウス《…ふんっ!…これしきの攻撃ぃ…!》

 

『ガーヤトリー・フォックス』のエネルギー球を、サラスヴァティーが下着が見えるのも気にせず、『超!エキサイティン!!』なオーバーヘッドキックで蹴り飛ばした。プロメテウスはとっさに両腕をクロスさせて防御し、何とか持ちこたえようとする。

 

文「私達もいるわよ!『無双風神』!!」

 

椛「狗符『レイビーズバイト』!!」

 

神奈子「『風神様の神徳』!!」

 

白蓮「…超人…『聖 白蓮』!!」

 

プロメテウス《…な、にぃ……!!?》

 

 

バッゴォォォンッッ!!!

 

 

プロメテウスの防御を掻い潜り、文の風を纏わせた弾幕、椛の剣の一撃、そして神奈子の大量の札が襲いかかる。そして最後に白蓮がエネルギー球を蹴り飛ばし、プロメテウスは耐えられずに後ろへ転がった。

 

サラ《さっ…後はあんたが頑張んなさい!》

 

白蓮「はいっ!」

 

アレス《自分も力を貸そう。なに、足手まといにはならん》

 

白蓮は飛ばされたプロメテウスを追いかけながら、サラスヴァティーとアレスをその身に降ろす。彼女の強い意思は二柱分の負担ももろともせず、起き上がったプロメテウスにたどり着いた。

 

プロメテウス《原初神の俺様に…!よくもこんな狼藉を…!》

 

白蓮「人も妖怪も神も仏も全て同じ。世界の和を乱すなら等しく成敗します!」

 

 

白蓮 プロメテウス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロメテウス《今度こそ…血祭りにあげてやる!》

 

白蓮「…南無三…!」

 

血走った眼でプロメテウスは『ぶっ殺す!』とにらむが、その白蓮自体は静かに合掌すると、法力を高めたあとデッキから初期手札四枚をドローしていた。

 

白蓮「参ります。メインステップ。『ゴッドシーカー 天騎士オールリィチ』を召喚!召喚時効果でデッキを四枚めくります」

 

先行の白蓮はゴキブリの殻人騎士を召喚し、デッキをサーチしにいく。めくられたのは『音獣ノーツヤマアラシ』『ト音獣ジークレフキャット』『音獣エイトーンラビット』『殻人騎士ナイト・オブ・グラディウス』。

 

白蓮「『天渡』を持つ『ジークレフキャット』、そして手札が五枚以下なので『エイトーンラビット』も回収します。残りは『ナイト・オブ・グラディウス』を上にしてデッキトップへ」

 

『殻人』と『遊精』の混合デッキを操る白蓮。最初のターンで『ジークレフキャット』を手札に入れたのはかなりのアドである。

 

白蓮「ターンエンドです」

 

プロメテウス《…メインステップ!ネクサス『賢者の樹の実』、そして緑の創界神ネクサス!『疾風のゼロ』を配置だ!『神託』でデッキを三枚破棄。対象カード二枚分、コアを追加!》

 

プロメテウスの後ろに生えてきたのは、黄金色の幹と果実が輝く大樹。それと例の如くフィールドに誰も現れない創界神ネクサスも配置された。

 

プロメテウス《ターンエンドだ!来いよっ!》

 

白蓮「…ふむ…『オールリィチ』の効果は使いません。メインステップ。バーストを伏せ…初めて見るカードですが…『命の果実ー原種ー』を配置します」

 

『賢者の樹の実』とはバトルフィールドを挟んで真反対側…白蓮の後ろにも大樹がメキメキと生えてくる。違うのは健康そうな茶色い幹と秋の紅葉を思わせる葉の色だ。

 

白蓮「ひとまずターンエンドとします」

 

プロメテウス《メインステップ!『ヤン・オーガ』を召喚してもう一つ『賢者の樹の実』を配置する!》

 

『賢者の樹の実』がもう一本生えてきて、フィールドにはトンボの頭をした蟲人が現れる。だがこれでプロメテウスの手札は2枚、これ以上動くのは厳しかった。

 

プロメテウス《…ターンエンドだ》

 

白蓮「徹底してコアを増やしますか…メインステップ。『ト音獣ジークレフキャット』を召喚!メインステップ時効果発動!『ジークレフキャット』を疲労させ、ボイドからコアを二個置きます!」

 

召喚されたのは、透明な蝶の翼に黄土色の可愛らしいネコだった。だが可愛い見た目とは裏腹に、その効果は一時期環境を荒らしたほどの凶悪さを持つ。

 

白蓮「続けて私のデッキを八枚オープン!そこから『緑の創界神ネクサス』全てと『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』一枚を回収です!」

 

『ジークレフキャット』が「ニャーン」と鳴くと、白蓮のデッキが八枚露になる。コアブーストと同時にここまで広くサーチできることこそ『ジークレフキャット』の強みなのだ。

 

一枚目『ゴッドシーカー 休音獣チンチラスト』

二枚目『創界神サラスヴァティー』

三枚目『歴戦騎士ドルク・エヴィデンス』

四枚目『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』

五枚目『創界神アレス』

六枚目『六刃騎士ムツバセイボゥ・A』

七枚目『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』

八枚目『休音獣ピッグレスト』

 

白蓮「『創界神サラスヴァティー』『創界神アレス』、そして『ガーヤトリー・フォックス』を手札に。さらに『ムツバセイボゥ・A』は自身の効果で手札に入ります」

 

プロメテウス《…チッ…ずいぶん手札が増えたもんだな…》

 

白蓮「…んん…持ちにくい…響け!浄めの調よ!『創界神サラスヴァティー』!そして我を勝利へ導きたまえ!『創界神アレス』を連続配置します!『神託』によってコアを二つずつ追加」

 

サラ《緑らしからぬドロー力が『遊精(うち)』の『音獣』よ》

 

アレス《了解。今回我が軍は援護攻撃に専念しよう》

 

白蓮の両斜め後ろにサラスヴァティーとアレスが『風神雷神』の如く並び立つ。サラスヴァティーは清らかなオーラ、アレスは荒々しいオーラを放って準備万端だ。

 

白蓮「ターンエンドです」

 

プロメテウス《…それを待ってたぜ。メインステップ!まずは『ヤン・オーガ』をレベル3にしてマジック!『ライフチャージ』! 『ヤン・オーガ』の効果も合わせて合計6コアをリザーブへ!》

 

白蓮の手札増加にむしろプロメテウスは喜ぶと、『ヤン・オーガ』とセットのマジック『ライフチャージ』を使用した。緑の光と共に『ヤン・オーガ』が弾け飛び、プロメテウスの生け贄となる。

 

 

プロメテウス《増えたコアでマジック!『ハンドリバース』を使用!手札を全て破棄することで、相手の手札と同じ枚数ドロー!》

 

白蓮「あら…私の手札は…ひぃふぅみぃ…七枚ですね」

 

プロメテウス《ははっ!さらに命を刈り取る大鎌!『黒蟲魔王ディアボリカ・マンティス』!レベル2で召喚!》

 

『ヤン・オーガ』と『ライフチャージ』で増えたコアをふんだんに使い、プロメテウスは手札も増やすことに成功した。続けて地面から緑の大怪蟲『ディアボリカ・マンティス』が両腕の鎌を振り回して現れる。

 

プロメテウス《アタックステップ!『ディアボリカ・マンティス』!各の違いを思い知らせてやれ!まずは『オールリィチ』を疲労!》

 

白蓮「…ライフで受けます!…あぐっ…!!」

 

『ディアボリカ・マンティス』の緑の風が『オールリィチ』を疲労させ、大鎌で白蓮のライフを切り裂く。原初神のバトルによるライフ粉砕の痛みは白蓮の顔を大きく歪ませた。

 

サラ《ちょっと!これでギブとかないわよね!?》

 

白蓮「…ハァァ…だ、大丈夫です!『命の果実ー原種ー』の効果!相手の効果では私のライフは減らず、ライフ減少時にドローできます!」

 

プロメテウス《なんだよ!『ディアボリカ・マンティス』のレベル2効果不発じゃん!》

 

サラスヴァティーが彼女なりの応援を送り、白蓮は少し気を張ってバトルを進める。そんな彼女を『命の果実ー原種ー』が『ディアボリカ・マンティス』の風から守り、デッキから一枚カードを与えた。

 

プロメテウス《…まっ…ターンエンドでいいか…》

 

白蓮「イタタ…ではメインステップ!色即是空 空即是色…召喚!『殻人騎士ナイト・オブ・グラディウス』!」

 

アレス《…り、了解。出ろ!『KOB』!》

 

サラ《…「全てのものは『空』である」…?何でソイツの口上に使ったのよ?》

 

白蓮「雰囲気が良かったからです!ドヤッ!」

 

サラ アレス《 《あ…そうなの…》》

 

アレスが旗をフィールドに突き刺し、砕けた地面から緑の甲冑を装備した蟲騎士が起き上がる。そしてアレスの旗を大きな戦闘斧に変え、その手で持ち上げた。

 

白蓮「アタックステップへ!『創界神アレス』のレベル2効果を使い、『オールリィチ』と『ナイト・オブ・グラディウス』で同時に攻撃します!」

 

アレス《了解。『ナイト・オブ・グラディウス』『オールリィチ』。敵を撃滅せよ!》

 

白蓮「アタック時に『ディアボリカ・マンティス』を重疲労して『アレス』のコアを二つ移動。これによりライフを一つ砕きます!」

 

アレスの号令を受けて『オールリィチ』と『ナイト・オブ・グラディウス』がそれぞれ剣と斧を構えて飛び出していく。アレスの力を吸収した『グラディウス』が斧をブンッ!と振って『ディアボリカ・マンティス』を叩き伏せ、ライフも破壊した。

 

プロメテウス《どちらともライフ!『賢者の樹の実』の効果でコアを増やす!》

 

『オールリィチ』の剣と『グラディウス』の斧がプロメテウスのライフを砕く。だが二つの『賢者の樹の実』がコアへと変わり、プロメテウスのリザーブへ置かれた。

 

白蓮「むっ……ここでターンを終えます」

 

プロメテウス《…ひひっ♪メインステップ!地獄から吹く絶望の風!『獄風の四魔卿ヴァンディール』!レベル4で現れよ!!》

 

アレス《……『邪神』出現。『ソウルドライブ』に警戒》

 

歪んだ笑みを浮かべたプロメテウスが緑の炎を灯すカードを頭上へ掲げる。すると巻き起こった竜巻の中から黄金色のカミキリムシ型アルティメットが現れ、空から降ってきた大鎌を手にとって竜巻を振り払った。

 

プロメテウス《アタックステップ!やれっ!『ヴァンディール』!!身分の違いをわきまえない愚か者へ死を!『ソウルドライブ』!!発動!》

 

サラ《…!…奴のデッキからアルティメットが三体増えるわよ!構えなさい!》

 

白蓮「…はい!」

 

『ヴァンディール』が鎌をグルグル回転させて風を巻き起こす。アレスとサラスヴァティーの忠告に身構えたその時、プロメテウスのデッキがアルティメットが三枚出るまで、次々とオープンされていった。

 

1体目『アルティメット・ウシワカ』

2体目『アルティメット・ホウオウガ』

3体目『アルティメット・ビャク・ガロウ』

 

プロメテウス《コイツらを全て召喚!『ホウオウガ』の召喚時効果で相手スピリットを三体疲労!》

 

 

フィールドの中心で回転しながら降りてきたのは、腕が翼の蟲の武士。天狗のような身のこなしで、『ウシワカ』は和服を裾をはためかせて着地した。

 

緑に染まった空から降臨したのは巨大な極楽鳥。『賢者の樹の実』の上で羽ばたくと、木の葉が風で散って優雅な景色を醸し出していた。

 

さらに地面の緑シンボルから剣が何本も突き出し、尻尾に剣をつけた白虎が土埃をあげて召喚される。口の刀を噛み締めて『ビャクガロウ』はグルルと唸った。

 

白蓮「フラッシュタイミング!『音速』で『音獣エイトーンラビット』を召喚!ブロックをお願いします!」

 

『ヴァンディール』が大鎌を振り下ろすが、場外から飛んできた小さなウサギが体当たりして白蓮を守る。だが『エイトーンラビット』は呆気なく弾かれてしまった。

 

プロメテウス《続けて『ビャクガロウ』!アタック!Uトリガー!ロックオン!!》

 

白蓮「…コスト1の『音獣ノーツヤマアラシ』です」

 

プロメテウス《クリティカルヒットだ!相手の疲労状態のスピリットを全てデッキ下へ戻す!失せろ!》

 

次点の攻撃は『ビャクガロウ』。『Uトリガー』がヒットした効果で尻尾の剣を放ち、『オールリィチ』『ジークレフキャット』『ナイト・オブ・グラディウス』を貫いた。

 

白蓮「再びフラッシュタイミング!アクセルで『ムツバセイボゥ・A』を使用!効果は意味を成しませんが、続けて召喚します!ブロック!」

 

今度こそ白蓮のライフが飛ぶと思われたが、『ビャクガロウ』に六本腕の蟲剣士が斬りかかる。『ムツバセイボゥ・A』自体は簡単に両断されてしまった。

 

プロメテウス《こんのぉ…!…落ち着け…ここで攻めすぎるのもダメだ。ターンエンド》

 

アレス《…何か防御札があるな…?》

 

白蓮「…問題ありません!メインステップ!彼岸に往ける全ての者達よ!悟りに幸あれ!『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』!召喚!!」

 

サラ《ピィィッ!召喚時に私にコアを二個追加!オマケにバースト効果は発揮されない!》

 

これ以上の追撃をやめたプロメテウス。防御札の可能性も高いが、白蓮は怯まずサラスヴァティーの『化神』を召喚する。サラスヴァティーの指笛を聞きつけて『命の果実ー原種ー』の後ろから『ガーヤトリー・フォックス』が飛び込んできた。

 

白蓮「さらに『大神剣アラマンディー』を『創界神サラスヴァティー』に直接合体するように召喚!一気に攻めます!」

 

サラ《ガチャ!へへっ…『転神』っ!》

 

『ガーヤトリー・フォックス』の背中にサラスヴァティーが紅色の剣を持って股がる。今の彼女のコアは6個、よって二回回復できる計算だ。

 

白蓮「アタックステップ!サラスヴァティーでアタックです!まずはBP10000以下の『ウシワカ』を破壊!」

 

プロメテウス《『ホウオウガ』!防御しな!》

 

サラ《…さすがに部が悪いわね…ズザザッ!》

 

『ガーヤトリー・フォックス』の背を蹴り、『ウシワカ』の首を横一閃で切り捨てたサラスヴァティーが上空の『ホウオウガ』に斬りかかる。だがアルティメットと創界神ではBP差が大きく、サラスヴァティーはいったん後退りさせられた。

 

白蓮「コア三個を捨てて回復!もう一度お願いします!次は『ディアボリカ・マンティス』を破壊です!」

 

サラ《あー!忙しい~!》

 

プロメテウス《なら『疾風のゼロ』の『神技』!『ヴァンディール』を回復させてブロック!!》

 

『ホウオウガ』が地面に降りて疲労した隣で、『ヴァンディール』が起き上がる。そして走るサラスヴァティーの剣が立ちふさがる『ヴァンディール』の大鎌と火花を散らした。

 

サラ《もうっ!BP高すぎ~!》

 

白蓮「ですが『サラスヴァティー』は二度回復する!これで決まりです!!『創界神サラスヴァティー』で合体アタック!!」

 

『ヴァンディール』の頭を蹴ってサラスヴァティーはプロメテウスの目の前に躍り出た。『アラマンディー』が残りのライフを全て破壊すると思われた……

 

 

プロメテウス《バーカ!フラッシュタイミング!『烈神速』!トラッシュのコアを使って『アルティメット・セイリュービ』をレベル4で召喚!》

 

白蓮「なっ!?」

 

サラ《…ちぃ…!これじゃ『ガーヤトリー・フォックス』も疲労させられる…!》

 

空の雷雲からニュウッと首を出してきたのは、東洋風のドラゴン。両手の剣をぶつけ合い、サラスヴァティーとプロメテウスの間に割って入るため、下へ降りてくる。

 

『セイリュービ』の『Uトリガー』はブロック時にも発動するので、『ガーヤトリー・フォックス』も止められてしまう…白蓮とサラスヴァティーは唇を噛んだ…

 

 

アレス《緊急出動要請。『歴戦騎士ドルク・エヴィデンス』。『セイリュービ』を打ち消すのだ!》

 

プロメテウス《…え…えぇ…!?》

 

…しかしアレスは冷静に白蓮の手札から一体のスピリットを呼び出す。特殊召喚されたクワガタ殻人が剣を『セイリュービ』の眉間に突き刺して『烈神速』ごと打ち消してしまった。

 

アレス《やれっ!》

 

白蓮「おぉ…!」

 

サラ《…スゥゥ…全集中…!》

 

 

もうこれでサラスヴァティーを邪魔するものは何もない。プロメテウスのライフを『アラマンディー』が二点一気にぶったぎった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロメテウス《ウゴッ…ハァ…ハァ…》

 

白蓮「へ…?」

 

サラ《はぁ!?こいつ生命力ゴキブリレベルじゃん!》

 

バトルフィールドから戻ってきた白蓮とサラスヴァティーは、プロメテウスがまだ生きているのに驚愕する。虫の息とはいえプロメテウスは這ってでも逃走しようと足掻いていたが……

 

 

神奈子「…ガリガリガリ…どこへ行くんだ?」

 

プロメテウス《ヒィィッ…!》

 

アレス《…んっ?俺の『ランパートブレイカー』…》

 

ぶちギレオーラを纏いながら、軍神『八坂 神奈子』が『ランパートブレイカー』を引きずってきた。その迫力にプロメテウスは腰を抜かして怯えだす。

 

神奈子「…年貢の納め時だ…!覚悟しろっ!」

 

プロメテウス《ま、待て!お前に地位と勲章をやろう!なら俺を生かして…》

 

神奈子「…ゴゴゴゴ…!!」

 

薄汚いプロメテウスの命乞いに神奈子は耳を傾けない。恐ろしいほど無表情で神奈子は『ランパートブレイカー』を持ち上げ、気合いを入れ始めた。

 

プロメテウス《…だ、だったら俺たち『原初神』と同格の神に》

 

神奈子「黙れ

 

プロメテウス《ヒッ…!ヒィィ!》

 

もはやプロメテウスにできるのは震えながら腕をだすことだけだった。とうとう『ランパートブレイカー』にエネルギーが貯まり、神奈子は地面を踏みしめる…!

 

 

神奈子「天誅ぅっ!!

 

プロメテウス《ギィィヤァァァッ!!》

 

 

ザシュウゥッッ!!!!

 

 

神奈子の『ランパートブレイカー』が泣き叫ぶプロメテウスの脳天に直撃した。刃が肉を切り裂き、骨を粉砕する音が響き渡り、そして飛び散る鮮血が神奈子の顔や服にかかる。

 

プロメテウス《…ぁ…ぁぁ…

 

神奈子「……ブンッ」

 

プロメテウスの肉体が塵となって消えていく。血まみれになった神奈子は軽く『ランパートブレイカー』を振ると、踵を返してただ見守っていたアレス達の方へ歩きだした。

 

 

神奈子「…たとえ何を対価に出されても…この世界の『命』より価値ある物などありはせんよ」

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ほんと創界神割れないと『転神』が強いのなんの…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶対なる太陽神×不変なる維持神

…本当に…お久しぶりです……言い訳は…

…軽度のスランプと…架空バトスピ『動画』を作っていたからです。下にリンクを張っておくので、許す!というお方は見てコメントしてくれると嬉しいです。

https://sp.nicovideo.jp/watch/sm37185549?ss_id=c285a4ab-02c9-4f8b-95af-03c192f254df&ss_pos=4


月面 静かの海(裏) VSテミス

 

 

アマテラス《…ここからは手加減せぬぞ!》

 

ヴィシュヌ《…うげぇ…仕方ない。やるかぁ……!》

 

テミス《フンッ!『主神』だからと言って調子に乗らないことですわ!》

 

 

月の都から少しはなれた海岸…生命の住まない波打ち際で『草薙の剣』を構えるアマテラスが『アブソリュートキャリバー』を持ったヴィシュヌを連れて戦闘していた。

 

『神世界最強の創界神』という異名を持つ『創界神アマテラス』は完全に『仕事モード』に切り替わり、長い裾が濡れるのも構わず砂浜を駆け回る。

 

『インディーダ』の実質的な最高神である『創界神ヴィシュヌ』はアマテラスとの共闘に居心地の悪さを感じるものの、勝利のため即座に気を取り直す。

 

アマテラス《せいやっ!》

 

ヴィシュヌ《…おらよっ!》

 

テミス《キィンッ!…チッ…甘い!キィンッ!》

 

砂や海水を踏みながらアマテラスの剣撃がテミスの足の剣とぶつかり合い、すかさず反対側からヴィシュヌも斬りつける。テミスは四つ足に加え、二本の手があることをいかして二柱の剣を流していた。

 

ヴィシュヌ《…おいアマテラス。普通に斬りかかるだけじゃあこいつは倒せねえぞ?》

 

アマテラス《さてそうなれば…如何にしようか…》

 

テミス《崩符『ダモクレスの剣』!》

 

アマテラスとヴィシュヌがいったん攻撃を止めた隙に、テミスが装備していた剣を何本も宙に浮かす。そして生きているような軌道を描き、剣の群れが二人に襲いかかった。

 

 

アテナ《守りなさい!私の化神『アテナイアー』!!》

 

ヴィシュヌ《…アテナ…!》

 

アテナ《お二方、私達が援護します。存分に戦ってください》

 

するとテミスとアマテラス達の間に巨大な影が降ってきた。砂ぼこりをあげて銀色のロボット『鋼鉄騎神アテナイアー』がテミスの剣を防ぎきり、『アテナイアー』の肩からアテナが飛び降りる。

 

アマテラス《おぉ…礼を言うぞ。はっ!タンッ!》

 

ヴィシュヌ《…やっぱり『インディーダ』(うち)に欲しい逸材だわ…タンッ!》

 

テミス《調子に乗らないことですわ!崩符『ダモクレスの剣』!》

 

二柱は『アテナイアー』の肩を蹴って空へ飛び上がり、上空からテミスに斬りかかる。それにも怯まずテミスが再び剣を発射して貫こうとした。

 

アテナ《させません。鋼鉄『自動障壁(ファランクス)』!》

 

 

ガキィキィキィキィィィンッ!!!!

 

 

テミス《…は、弾かれた…!?》

 

アマテラス《ほぉ…『遠隔障壁』か》

 

だが『防御』に関しては神世界1、2を誇る軍神アテナ。すぐさま二柱の前方にバリアを展開してテミスの攻撃を無力化することに成功した。

 

さらに地上の『アテナイアー』も槍を真っ直ぐ構えてテミスに突っ込んでいく。

 

アテナ《くらいなさい!化神『絶対なる神槍(パラス・グングニル)』!

 

テミス《…ギィンンッ!!くぅぅ…!!》

 

アマテラス《隙あり!》

 

ヴィシュヌ《…ふん!》

 

『アテナイアー』の白銀の槍がテミスの剣とぶつかり、テミスは大きく後ろへ後退させられる。アマテラスとヴィシュヌの斬撃も続いてテミスにクリーンヒットした。

 

テミス《いっつ……!》

 

アテナ《…アルテミスっ!!撃ちなさい!》

 

アルテミス《あいよっ!サグメちゃんも!》

 

サグメ《…ちゃんはやめてください…》

 

怯んだテミスの追撃のためアテナが指示を飛ばす。テミスの背後からアルテミスが矢をつがえ、サグメが陰陽玉を浮かべて攻撃しようとした。

 

テミス《…無駄ですわ!崩符『砂時計』!!》

 

アルテミス《ううっ!?》

 

サグメ《…身体が…!動かない…!?》

 

アマテラス《むむっ…!私は何とかいけるが…!》

 

テミスが持っていた天秤が妖しく光を放つと、突然アルテミスの矢とサグメの陰陽玉が空中で静止してしまった。どうやらテミスが『時間』を止めてしまったようで、創界神達の身体も皆重くなっている。

 

唯一呪術が何かで動けるアマテラスが前に出るが、全快の原初神とタイマンの戦闘はかなり厳しい。

 

テミス《オッホッホッ!まずは憎きタカミムスビの一番弟子から…》

 

???《ビンゴ。ここからは僕たちのターンだ》

???「一応『時間』も私の権能のはしくれなのだよ」

 

テミスの高笑いを遮って何者かの声が響く。『時間』を止めている以上、たとえ普通の人妖神ならば動くこともできないはず…そう…『()()』なら…

 

テミス《…っ!その声…!トトに『摩多羅神』!?》

 

トト《僕たちは『時間』を司る神。時間操作系の魔術は効かないよ?》

 

隠岐奈「そゆこと♪くらえ!バッ」

 

テミス《バシッ!ちっ!》

 

『時間操作』の影響を受けないトトと隠岐奈が代わって戦闘を続ける。どうやらテミスは時間を止めているからか、トトと隠岐奈でも押されていた。

 

トト《…スチャッ…検索終了。君の弱点は全てわかった…バンバン!》

 

隠岐奈「秘儀『弾幕の玉繭』!!」

 

テミス《…バシッ!はん!やはり大したこと》

 

トト《…いいのかい?もうすぐ『時間』が動くけど?》

 

トトのスナイパーライフルを連射しつつ、隠岐奈がテミスを緑色の弾幕で包み込む。テミスは剣を振りながら弾丸や玉繭を弾いていくが、トトの指摘と同時にテミスの『時間操作』が切れた…その時テミスの前にあったのは…

 

 

…先ほどアルテミスとサグメが放ったエネルギー矢&陰陽玉の群れだった。

 

テミス《…しまっゴハッ!!》

 

トト《さすがは隠岐奈。上手くアルテミスの矢の前まで誘導できた》

 

隠岐奈「ふふーん♪これぞ『秘神』の腕前!」

 

アルテミス《おっとと…どーやらうまくいったみたいね》

 

玉繭を破ったテミスに元のスピードの矢と陰陽玉が襲いかかる。たまらずテミスは砂まみれになりながら後ろへ転がった。

 

ここまで計算してトトと隠岐奈は戦闘を行っていたと見える。そして止まっていた時間も戻り、アルテミス達が再び動けるようになった。

 

アマテラス《ぬぅ…私の良いところが未だにない…》

 

ヴィシュヌ《…そんな事言ってる暇あるなら攻撃しろ…という訳で……行けクリシュナ》

 

クリシュナ《ヴィシュヌ様ブーメランですわよ!?…まっ!ヴィシュヌ様のためならナンとやら!来なさい!『ジャガンナート』!!》

 

アルテミス《撃ち抜け!『ファナテック・エルク』!》

 

トト《ふふっ…ゾクゾクするね。行こうか?『ジェフティック=トト』》

 

また『天岩戸』に引きこもる五秒前なアマテラスやヴィシュヌに代わり、クリシュナとアルテミス、トトがそれぞれ化神を呼び出して追撃体勢に入る。

 

クリシュナの目の前の砂浜がブルルッ!と揺れると、砂を押し上げて巨大な白い四つ足のドラゴン『神撃甲龍ジャガンナート』が這い出てくる。翡翠色の翼と頭部の角が煌めき、『ジャガンナート』はテミスを睨み付け唸った。

 

アルテミスの傍らにも白銀の毛並みの牡鹿がフワリと現れる。月の都の光を受けて『月天神獣ファナテック・エルク』はいつでも準備万端だ。

 

最後にトトが弾き出した数式が地面に張りつき、巨大なスナイパーライフルを構えたロボット『聖刻神機ジェフティック=トト』が呼び寄せられる。

 

テミス《ザザッ…ふ、ふんっ!雑魚がいくら集まろうと》

 

アルテミス《私の『能力』は弓矢だけじゃないわよ~!化神『狂い踊る女狩人(ルナティックダイアナ)』!》

 

鈴仙「バッ!私も援護します!『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』!!」

 

テミス《…ああぁぁっ!!?》

 

『ファナテック・エルク』の角と鈴仙の赤い瞳から妖しげな波動が放たれる。創界神の力もあい極まってテミスの視界は完全に制御不能、誰がどこにいるのか把握できなくなってしまった。

 

クリシュナ《ナイスッ!化神『甲竜の誘い』!》

 

トト《化神『トリガーフルバースト』!!》

 

無防備なテミスめがけて『ジャガンナート』が背中の翼を緑に輝かせてエネルギーをチャージする。さらに『ジェフティック=トト』のライフルにもパワーが充填され始めた。

 

クリシュナ《ぶっとびぃ~!アタァァックゥゥ!!》

 

トト《さぁ…お前の罪を数えろ!》

 

 

ドッガァァァァァンッッ!!!!

 

 

テミス《ギィヤァァァ!!》

 

『ジャガンナート』の口、『ジェフティック=トト』のライフルから超高圧ビームが放たれ、二つが螺旋を描きながらテミスをぶっ飛ばした。

 

アマテラス《…まずい…!これでは私の出番がなくなる…!正邪!正邪行くぞ!カードバトルは私達が!》

 

正邪「ニュッ…ウィーッス。美味しいとこはいただきだ!」

 

アテナ《ヴィシュヌ、あなたも行きなさい。今の戦闘であなたほとんど活躍してないわ》

 

ヴィシュヌ《…ヘイヘイ…》

 

焦りに焦ったアマテラスは急いで正邪を呼び、バトルのため正邪の体内へ降りた。その隣でヴィシュヌはアテナから辛辣な一言をくらい、しぶしぶアマテラスに続いて正邪に降りる。

 

 

正邪「…へへっ…良いなぁ~…つえぇ奴を叩き潰すのは!」

 

テミス《…ザザッ…この…!下劣な妖怪め!》

 

 

正邪 テミス「《ゲートオープン!界放!!》」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正邪「…ぐぇ…!これが創界神二人分の力…!」

 

テミス《あら?まさか戦う前からギブアップ?》

 

正邪「んなわけねえだろっ!ぜってぇ勝つ!」

 

息を乱しながらも正邪はテミスの挑発に腕を振って言い返す。この天の邪鬼、これ以上の逆境を耐え抜くことは何度も経験したのだ。

 

正邪「行くぜ!メインステップ!まずは『維持の創界神ヴィシュヌ』!配置して『神託』だ!二つコアを置く!」

 

ヴィシュヌ《…うぇーい…》

 

初手正邪は創界神を引き当てて、そのまま配置する。頭をかきながら『維持の創界神ヴィシュヌ』が正邪の後ろへ出現した。

 

正邪「ターンエンド!」

 

テミス《メインステップ!白き創界神ネクサス!『白銀のゼロ』を配置!『神託』によってコアを3個追加しますわ!さらに『六絶神 鉄壁のクロム・リゼルファー』を召喚!》

 

テミスも白の創界神を配置してシンボルを確保しにかかる。さらにフィールドには白のロボットが変形しながら登場した。『クロム・リゼルファー』は白属性で一番低コストのスピリット、さらには『超装甲』を持つので場持ちも良いのだ。

 

テミス《これでターンエンドですわ》

 

正邪「…メインステップ。『ゴッドシーカー 機巧巫女サルメ』を召喚!召喚時効果だ!四枚オープンするぜ!」

 

次に正邪が召喚したのはカラクリ仕掛けの白い巫女。『サルメ』はフワッと袖をたなびかせて舞うと、正邪のデッキを四枚めくった。

 

『創界神アマテラス』『ゴッドシーカー 竜巫女ウズメ』『ヴィシュナーガ・カルキ』『連環ノ計』

 

正邪「っしゃっ!『ヴィシュナーガ・カルキ』と『創界神アマテラス』を回収!そしてこのまま『創界神アマテラス』を配置!再び『神託』で対象カード三枚分、コアを増やす!」

 

 

ズズゥゥゥンッッ!!!!

 

 

ヴィシュヌ《ぐへっ…お前…ちっとは抑えろよ…!》

 

アマテラス《いやぁ…すまんすまん》

 

『サルメ』が引き当てたカード、アマテラスがバトルフィールドに衝撃波を放ちながらヴィシュヌの隣に現れる。やはり衝撃波は鬱陶しいのか、珍しくヴィシュヌの声色は強かった。

 

正邪「…ん…まだ攻め時じゃねぇな。ターンエンド」

 

テミス《メインステップ。『要塞都市ナウマンシティー』を配置しますわ!配置時効果!手札の白のスピリットをコストを支払わずに召喚!『機獣要塞ナウマンガルド』!》

 

バトルフィールドが近未来の都市へと変わり、テミスの背後のひときわ大きな象型の建物が震えだす。すると象の建物は意思を持つかのように動き始め、フィールド内部に足を踏み入れてきた。

 

テミス《アタックステップ!『ナウマンガルド』!潰すのです!》

 

 

正邪「デカいの出るのはえ~…今『サルメ』を失いたくはねぇな…ライフで受ける!!…うおっ!?」

 

アマテラス《…!…天岩戸!展開っ!》

 

『ナウマンガルド』が巨体を揺るがして正邪に進撃する。『サルメ』を蹴散らして『ナウマンガルド』の鼻の一撃が正邪のライフを二つ粉砕した。

 

テミス《…チッ…雑魚妖怪程度なら、ライフを失った痛みで気絶させるつもりでしたが…》

 

アマテラス《ふん…仮にも『主神』で『白属性』。雑作もない》

 

テミス《…ターンエンド》

 

あろうことかテミスは正邪を『原初神』のライフ減少ダメージで仕留めようとしていた。しかしそれを察知したアマテラスがダメージを『天岩戸』の防御壁で軽減したのだ。

 

正邪「おーん…なら遠慮なく行く!ドローステップ……ん?何だこのカード?」

 

ヴィシュヌ《…それ…まさかタカミムスビさんの…?》

正邪「…まぁ良いや!メインステップ!『転醒』ネクサス!『白の世界』を配置だ!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴッッ!!!

 

 

正邪の配置したカードがバトルフィールドを銀色の塔がそびえる鋼鉄の世界へと変える。空に浮かぶオーロラが鉄の壁に反射してフィールドが幻想的な雰囲気を醸し出していた。

 

正邪「配置時効果!『ナウマンガルド』をデッキ下へ戻す!」

 

『白の世界』の塔からまばゆい光が放たれて『ナウマンガルド』はひっくり返って消えていく。

 

正邪「どんなもんだ!ターンエンド!」

 

テミス《くっ…メインステップ!『機巧将イチヤ・ジョー』をレベル2で召喚します!…手札が足りない…!!》

 

手札の少なさに歯噛みしながらもテミスのフィールドが隆起して巨大な岩を出現させる。その中から石垣のような腕と天守閣の身体をした『機巧』スピリットが現れた。

 

テミス《…まぁ…ターンエンドとしましょう》

 

アマテラス《…おやヴィシュヌ、そろそろ攻め時では?》

 

ヴィシュヌ《…正邪、俺の『化神』を切れ…!!》

 

正邪「お、おう…メインステップ!ひとまず『ヴィシュナーガ・カルキ』を相手の創界神のコア三個を外しながら召喚!アタックステップ!このまま行けっ!!」

 

後の創界神達の言葉を聞いて、正邪はひとまず剣を持ったケンタウルスの甲竜を呼び出す。『カルキ』は鋼鉄の身体を振るわせて走り出した。

 

正邪「フラッシュタイミング!『カルキ』に『神煌臨』!『維持神龍トリヴィ・クラマ』!!煌臨時効果で『クロム・リゼルファー』を手札に戻して回復!!」

 

テミス《はぁ?…まぁ良いですわ!『イチヤ・ジョー』でブロック!ブロック時効果でBPプラス10000!》

 

ヴィシュヌ《…それも計算内だ…!!》

 

『カルキ』の身体にヴィシュヌの光が直撃し、鋭い六本の翼を持つ『トリヴィ・クラマ』がテミスの『クロム・リゼルファー』を弾き飛ばす。だがBP差で勝る『イチヤ・ジョー』のパンチが『トリヴィ・クラマ』に襲いかかる…!

 

正邪「まだ効果はあるぜ!『白の世界』は自分の白のスピリットが効果で回復/ブロックした時に『転醒』できる!そびえろ!『白き機神』!!」

 

 

ゴゴゴゴゴゴッッ!!

 

 

アマテラス《おおおっ!?塔が…!》

 

『トリヴィ・クラマ』が殴り飛ばされて破壊されると同じタイミング、『白の世界』の鉄の塔が音をたてて変形していく。そして白いロボットへと変わり、バトルフィールドへ降り立った。

 

正邪「『転醒』時効果!トラッシュに白一色のスピリットが三枚以上あるので、相手の手札を二枚棄てる!!」

テミス《…しまった…!!手札が…!》

 

『白き機神』が腕から衝撃波を放ってテミスの手札二枚を吹き飛ばす。もともと手札が二枚しかなかったので、テミスはこれで少ない手札をさらに失うこととなった。

 

正邪「へーん♪ターンエンド!」

 

テミス《まだです!『イチヤ・ジョー』の効果!私のライフが減らなかったことにより、相手のスピリットを二体手札へ!》

 

だがテミスもやられてばかりではないと言わんばかりに『イチヤ・ジョー』の効果を使う。腕で『イチヤ・ジョー』が地面をひっくり返し、『サルメ』と『白き機神』を正邪の手札に戻した…

 

正邪「おおっと残念!『白き機神』の『根幻回帰』!効果でフィールドを離れる時、再び裏返して配置できる!」

 

消えていった『白き機神』が光の粒子となって正邪の後ろで再び塔に変わる。テミスは『白の世界』にかなり振り回されていた。

 

テミス《…メインステップ!その白き剣と鎧で私を守りなさい!『戦国六武将センリュウカク』!レベル4で召喚!!》

 

苦しげにテミスの上空から銀色に光り輝くドラゴンが降りてくる。巨大な日本刀を振りかぶり、『センリュウカク』は吠えるが、さすがに『ソウルドライブ』は打ち損だろう。

 

テミス《アタックステップ!『センリュウカク』でアタック!》

 

正邪「バースト貰ったぁ!全てを閉じる岩戸の化身!『天照神機オオヒルメ』を召喚だ!!」

 

アマテラス《さらにヴィシュヌのコア二個を我が『オオヒルメ』へ!これによりアタックステップを終わらせるぞ!》

 

ヴィシュヌ《…俺今回…ほんと脇役だな…》

 

『センリュウカク』が飛び出した瞬間、アマテラスの袖が白く輝く。するとアマテラスから袖型のエネルギーがフィールドに落ちて、巨大な『機巧』スピリット『天照神機オオヒルメ』へと変わって現れた。

 

正邪「そいつのアタックはライフ!」

 

テミス《…ターンエンドです》

 

アマテラス《赤シンボルの存在により『イチヤ・ジョー』!砕け散れぃ!》

 

『センリュウカク』の一閃が正邪のライフをぶったぎるが、『オオヒルメ』の効果でこれ以上のアタックはできない。そして『オオヒルメ』が赤いエネルギー玉を投げつけて『イチヤ・ジョー』を粉砕した。

 

正邪「終わりにしようぜ!メインステップ!世を照らし、人を導く、太陽よ、竜と成りて、我が御前に!『オオヒルメ』へ『神煌臨』!『天照龍神グラン・テラス』!!」

 

アマテラス《これで終焉じゃ!》

 

ヴィシュヌ《…おまけに…『三龍宝剣アブソリュート・キャリバー』を『グラン・テラス』へダイレクト合体…!!》

 

 

アマテラスが頭上に掲げた巨大な火の玉の中へ『オオヒルメ』が吸い込まれる。その後火の玉が爆発すると、黄金色に光り輝く鎧と二本の刀を装備したドラゴンがアマテラスの後へ巨体を降ろしてきた。

 

さらにヴィシュヌの白い宝剣を『グラン・テラス』は口に咥えると、その身体が銀色へと変化した。

 

正邪「アタックステップ!『グラン・テラス』!ぶちかませ!『天照界放』!『センリュウカク』をデッキ下へ戻しつつ回復だ!」

 

アマテラス《レベル2の私の『神域』!ライフを一つ削る!》

 

ヴィシュヌ《…そして再び『転醒』!『白き機神』の効果で手札を破棄!》

 

白銀の『グラン・テラス』が強く咆哮し、とてつもない衝撃波を発生させる。『センリュウカク』は赤色のバリアで防ごうとしたが、『天照界放』の威力は殺せず塵となって消えていった。

 

さらに『アマテラス』が右手をかざしてテミスのライフを吹き飛ばすと『グラン・テラス』の回復に呼応して『白の世界』が再び『転醒』する。

 

テミス《…ぅぅ…!!ライフで…ぎゃあっ!!》

 

『グラン・テラス』が巨体をくねらせて二刀流でテミスのライフを三点ぶったぎった。

 

正邪「『白き機神』でアタック!!吹っ飛びやがれ!!」

 

機械音をたてながら『白き機神』は拳を構えて右ストレートパンチをテミスめがけて放った!

 

 

 

 

 

 

 

 

テミス《ガハッ…!!》

 

鈴仙「やった!」

 

アテナ《…!…まだ消えていない…!?》

 

バトルフィールドから弾き出されたテミス。しかしボロボロで砂浜を転がりはしたが、まだ消滅するには至らなかった。全員が気合いを入れ直したその時……

 

 

アマテラス《我が化神『グラン・テラス』よ。世界に仇なす奴に天誅を!》

 

ヴィシュヌ《…終わりにしようぜ…『トリヴィ・クラマ』!》

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

 

アテナ達の後ろから放たれる膨大な神力、それは戻ってきたアマテラスとヴィシュヌがフルパワーを放出していたから…二人の後ろには巨大な黄金の竜と六枚羽の銀色の竜が控えていた…!

 

テミス《ひぃ…!!》

 

アマテラス《 化神『天焦がす滅亡の光』!!

 

ヴィシュヌ《 化神『化身達の威厳(アヴァターラ・プレッシャー)』!!

 

 

ドッガァァァァァァンッッッ!!!

 

 

テミス《 ギィヤァァァァァ……ァ……ァ…》

 

 

『グラン・テラス』の吹く炎と『トリヴィ・クラマ』の氷息を纏った二人の必殺ライダーキックがテミスを直撃し、大きく吹き飛ばす。そしてテミスは静かの海の果てまで飛んでいき、悲鳴をあげながら見事、大爆散した!!

 

 

アマテラス《スタッ…よし…》

 

ヴィシュヌ《…フワァ~…まっ…こんなもんか…》

 

 

 

 

 

 

 




…はい、ありがとうございました。

次の更新はなる早で頑張ります…目標は……今月中?(ターボ小説投稿者の名が泣いてるで…)


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。