盾の勇者と精霊の力を持つ者の成り上がり (深淵の覇者)
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盾の勇者
出会い


どうもこんばんは、深淵の覇者です。
最近盾の勇者の成り上がりをみていてデート・ア・ライブとコラボさせたら面白そうだなと思い書いてみました。
上手くかけているかは分からないのでそこはご理解をお願いします。


ではどうぞ。


俺、五河士道は久々にゆっくりと過ごしていた。今日は、友人である岩谷尚文と七罪と図書館に行こうとしたんだが、運悪く(?)折紙に見つかってしまい「七罪が行っていいのに私が行ってはいけない道理はない。」と押し切られてしまい、結局4人で図書館に行くことになった。

 

士道「尚文は何を探すんだ?」

 

俺がそう聞くと

 

尚文「そうだな、いつも通りラノベ漁りでもするかな?ていうかそういうお前は何を見るんだ?」

 

士道「ああー、今日は特にないからお前と同じのでも探すかな。」

 

そう言って、折紙と七罪は?と聞くと

 

折紙「私は士道について行く。」

 

七罪「えーと、邪魔じゃないなら私も…」

 

とりあえず、みんなで同じような所を探すことになりそうだなと思いながら、図書館へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●●●●●

そして、俺たちは図書館に着いたのでラノベがありそうな所へと足を運んだ。

 

そうして、暫く漁っていると尚文が漁っている方から本が落ちる音がしたので大丈夫かと思って俺が行くと折紙と七罪もどうかしたのかと着いてきた。

 

士道「尚文、大丈夫か?なんか凄い音がしたけど。」

 

そう俺が声をかけると

 

尚文「ああ、大丈夫だ。本が落ちただけだからな。」

 

そういって俺たちが本を元に戻していると尚文が気になる本でもあったのか、本を手に取って見ていたから俺も覗いた

 

士道「どうしたんだ、尚文?なんか気になる本でもあったのか?」

 

尚文「あ、ああ悪いなちょっとラノベっぽい本があったんだ。」

 

そう言って俺に渡してくる。

 

士道「ん?四聖武器書?なんだこれ」

 

そうして、読み進めてみると大体の内容がわかった。

これは、それぞれ剣、槍、弓、盾の勇者がいてそれぞれが主人公ということらしい。そして、読み進めていくと盾のページまでいったのだがそこは白紙だった。なんでだと思っていると突然目の前の物が遠ざかって行くような感覚がしたと思っていると落ちた感覚がしたので尚文たちに無事を確かめようとしたら急に声が前から聞こえた。

 

??「おお!成功したぞ。」

 

そんな声がしたのでなんだ?と思っていると

 

??「勇者様、どうかこの世界をお救い下さい。」

 

そんなことを言ってきた。

 

「「「「「は?」」」」」

 

声が重なった。え?と思いそちらをみると3人の人間がいてそれぞれが剣、槍、弓を持っていた。

 

士道「おい、大丈夫か、尚文?」

 

と言うとその腕に目がいった

 

尚文「ああ、なんとかな。お前は大丈夫か?どうした?」

 

そう不思議そうな声で聞いてくるのでその腕に着いているもののことを指摘すると

 

尚文「は?なんだこれ。盾?」

 

そう言って話していると他の3人か話を進めだした。

 

??(弓)「それは、どういうことですか?」

 

そいつがそう聞くと

 

??「この世界は今存亡の危機に立たされているのです。どうかお力をお貸しください。」

 

そう言ってくるので尚文が

 

尚文「まぁ、話だけなら…」

 

と言いかけると剣を持っているやつが

 

??(剣)「断る。」

 

??(弓)「そうですね。」

 

??(槍)「元の世界に返してくれるのか?話はそれからだ。」

 

そう言い始めた。やばいよこいつら。いきなり反発し始めたよ。

ほんとにすげーわ。なんて思っていると

 

??(剣)「お前らには強制的に人を呼びつけたことに対する罪悪感は無いのか?」

 

??(弓)「ええ、そうですね。平和になったらポイっと元の世界に返されてはタダ働きもいいところですからね。」

 

??(槍)「こっちの意志をどれだけ汲み取ってくれるんだ?その答えによっては俺たちはお前たちの敵になるかもしれないな。」

 

尚文も同じことを思ったのかこっちを見てくるのでとりあえず俺も何か言うことにした。

 

士道「なぁ、あんた達とりあえず、ここはどこなんだ?見たところ異世界っぽいからな。」

 

俺がそう質問すると驚いたようにこちらを見てきた。

 

??「あなた方3人は誰ですか?勇者様は4人のはずですが。」

 

と言っているがまぁ、いいでしょうと勝手に理解して俺の問に対して答え始めた。

 

??「ここはメルロマルク国といいます。」

 

と言って、あとは王様が説明してくれるからそれを聞いてくれと言ってきた。

 

そうして、俺たちは王様の元へと案内された。




とりあえず早く出せるように頑張りますが、テストが近いので少しずつになります。


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盗聴

少しずつゆっくりと書いていく予定です。


俺たちは暫く歩いたあと、王のいる間へと案内された。

 

王「ほう、この者達が古より伝わる四聖勇者たちか。私はオルトクレイ・メルロマルク32世だ。」

 

そう、言うとそれぞれの名前を聞くと言い出した。

なので、俺たちは順番に自己紹介をした。

 

??(剣)「俺の名前は天木練、年齢は16歳高校生だ。」

 

??(槍)「俺は北村元康、21歳大学生だ。」

 

??(槍)「僕は川澄樹、17歳です。」

 

そして、尚文が自己紹介をしようとしたところでそれを無視した。

 

王「ふむ、練に元康に樹だな。」

 

それで慌てて

 

尚文「ちょ、ちょっと王様、俺の事忘れてる。」

 

そう尚文が言うと

 

王「む?おう、すまないな。」

 

なるほど、最初から尚文のことは眼中にないって感じだな。

 

尚文「俺は岩谷尚文、20歳だ。」

 

そして、俺も一応名乗ることにした。

 

士道「俺は五河士道、高校生だ。こっちは折紙と七罪だ。」

 

すると、王様は当然の如くスルーして、話を進めた。

 

王「まずは事情を説明しなければならないな。我が国メルロマルクさらには世界全体が滅びへと向かいつつある。それは……」

 

ここから先は長ったらしいので要約するとこうだ

 

この世界には終末の予言というものがあり、それによると終末の波が幾重にも重なってくるという。そして、波が振りまく厄災を跳ね除けなければこの世界は滅びてしまうという。そして、各国には「龍刻の砂時計」と言うものがあり、それが波が来るタイミングを教えてくれるらしい。そして、波に対抗できるのは勇者しかいないらしい。そして、俺たちは恐らく尚文と一緒にいたからだろうと言うことになった。要はイレギュラーが起こった訳だが理由は分からない。そして、もう既に第一波は来ていたらしくそれはなんとか耐えきったものの波はどんどん強くなっていくらしくこのままでは、いずれ耐えきれず滅ぶだけとみて尚文たちを召喚したらしい。

 

王「故にもう時間があまり残されていないのだ。」

 

すると

 

練「話は大体わかった。で?俺達には無報酬で戦えと?」

 

側近「もちろん、波を無事退けた暁には十分な報酬を約束します。そして、そのための資金もこちらから提供します。」

 

元康「まっ、約束してくれるんなら問題ないけどな。」

 

練「敵にならない限りは協力してやる。上手く買い慣らせるとは思うなよ。」

 

樹「ですね、甘く見てもらっては困ります。」

 

(ホント常にこいつら上から目線だな)

 

王「それでは、お主らのステータスを確認してみよ。」

 

尚文「ステータスってなんだ?」

 

樹「ステータス?」

 

練「なんだ、お前たち気づいてなかったのか、この世界に来て1番先に気づくことだろう。左端にアイコンがないか?」

 

そう言われてみんなそれに意識を向けると開いたようで、俺もあったので見てみる。するとなぜか折紙と七罪のものまで入っていた。

 

士道「これって仲間のものまで分かるのか?」

 

王「いや、そんな事例は聞いたことがないな。」

 

王がそう言うと折紙が

 

折紙「これは、私たちの愛の証。」

 

そう言って無表情のまま腕を組んできた。

 

七罪「え?なら、私と士道の愛のあか…」

 

言おうとしたことを引っ込めると「あ、すいません冗談です。」

と言ってきたがまぁ、それは今回は突っ込まずにいよう。

 

尚文「じゃあ、俺たちでパーティを組めばいいんじゃないか?」

 

尚文の提案はいいものだったのだが

 

大臣「お待ちください勇者様。実はあなた方でパーティを組むことは出来ないのです。勇者同士が近くで戦うと、武器が反発し合うのです。」

 

と、そうしていると

 

王「日も傾いてきたし、今日は部屋で休まれるといい。明日勇者と共に行きたいという者を紹介するゆえな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●●

その後大臣の1人に案内されて部屋にいった。

 

大臣「それでは皆様ごゆっくりとお過ごしください。」

 

そう言って大臣は出ていった。

 

元康「やっぱり勇者ともなると待遇もいいのな。」

 

樹「確かに、料理も豪華でしたし。」

 

尚文「なぁ、これってゲームみたいだよな。」

 

そう言うと

 

元康「ていうかゲームじゃね?」

 

士道「確かにゲームっぽいけど、俺はあんまりこういうゲームはやったことがないんだよな。折紙は知ってるのか?」

 

そう俺が折紙に聞くと

 

折紙「知らない。」

 

意外なことに折紙もこの手の話はあまり知らないらしい。

 

それよりと言って

 

折紙「士道と尚文はあの王には気をつけた方がいい。何か嫌な感じがした。」

 

士道「確かに、俺と尚文に対しての対応が明らかにおかしかったもんな。」

 

そう俺が言うと

 

尚文「うーん、ただ単に焦りからくるものだったんじゃないのか?」

 

尚文はそう言うが俺もなにかおかしなものは感じた。まるで何かを企んでいるような、そう例えるならDEMのアイザック・ウエストコットのような。

 

そう俺が考えていると

 

元康「まるでエメラルドオンラインそっくりじゃねーか。」

 

尚文「はあ?なんだそのゲーム。」

 

そう尚文が聞くが俺も聞いたことがない。あのゲーム好きの双子の姉妹からも聞いたことがない。

 

樹「何を言ってるんですか。ネットゲームなどではなくコンシューマーゲームの世界ですよ。ディメンションウェーブっていう。」

 

そういうと錬が

 

錬「何を言っている、VRMMOだブレイブスターオンラインとほぼ同じと言っていい。」

 

そう言うと折紙が

 

折紙「なるほど、恐らくではあるけど私たちは別々の世界から飛ばされてきた可能性がある。正確には別々の時間軸から。」

 

錬「それはどういうことだ?なぜそんなことが言える。」

 

折紙「今の話を聞く限りそうとしか思えないのと、私たちの仲間の中に実際にその力が使える者がいたから。」

 

そして士道も、と付け足した。

 

元康「いやいや、そんな能力ただの人間が持ってるわけないだろ。」

 

士道「いや、悪いが俺はただの人間じゃない。実際に言うと精霊に近い存在だろう。」

 

錬「バカを言うな、精霊なんて存在仮想の世界にしかいない。」

 

そういうので仕方ないので

 

士道「なら、証拠を見せよう。たぶんこの力が俺もこの世界に呼び寄せられた理由だろう。」

 

そう言うと、全員が黙りこくってこちらをみた。

 

士道「『鏖殺公!』これでいいか?」

 

俺がそう言うと

 

元康「まじかよ、ほんとに精霊なのかよ。」

 

錬「これは……」

 

樹「この、力相当なものですね。」

 

とみんなが言っている中で折紙だけがそれに気づけた。

 

そう、盗聴している者がいたのだ。

 

折紙「みんな、静かに。」

 

すると、みんながなぜ?という顔をする。

 

折紙「今、何者かがこのドアの向こうにいた。」

 

どういうことかと、みんな思っているが誰もその理由までは分からなかった。

 

そしてその日はみんなそれぞれ部屋に戻った。



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渦巻く陰謀

昨日はあの後折紙が俺と一緒に寝ようとしていたがなんとか言いくるめて俺は尚文と同じ部屋で寝た。

 

そして今日俺たちは再び昨日の場所に集められていた。

 

 

王「良くぞ参ったな。それでは、お主らと共に行きたいと志願したものを選りすぐって読んである。大臣。」

 

そう言われると大臣は

 

大臣「はっ。それでは入ってきなさい。」

 

そう言うと扉が開いて続々と入ってきた。

 

そして、1箇所に集まった。

 

王「それでは、勇者の方々は横に並んでくれ。そして、その後ろに勇者と行きたいものが並ぶのだ。」

 

するとなんか予想通りというかなんと言うか

 

錬 4人

樹 4人

元康 4人

尚文 俺と折紙と七罪

 

これは……見事に誰も来なかったな。

 

すると王もこれは予想外だったのか

 

王「まさかこうなるとはな…」

 

そして、暫く話していると元康の所に並んでいた赤髪の女が

 

??「すいません、私盾の勇者様の所へ行ってもよろしいでしょうか?」

 

突然そう言い出した。だから俺はなぜ?と聞いた。

 

??「ふふ、だって冒険者でもない人達だけじゃ大変でしょ?それにいろんな情報だって。」

 

なるほど筋は通っているな。だが

 

折紙(士道、あの女からはなんかいやな感じがする。気をつけて)

 

囁くようにそう言ってきたのでとりあえず警戒はすることにした。

 

元康「ああ、そうだな。じゃあ頼めるか?」

 

??「はい、それでは盾の勇者様よろしくお願いしますね。」

 

その後は大臣が錬、樹、元康には銀貨400枚を渡し尚文には、銀貨600枚を渡した。

 

そして、その後俺たちは武器と防具を調達することにした。

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

??「私は冒険者のマインといいます。よろしくお願いしますね。盾の勇者様。」

 

尚文「ああ、俺は岩谷尚文だ。よろしく。」

 

士道「俺は五河士道だ。こっちは折紙と七罪。」

 

自己紹介を済ませた後、これからどうするか話合っていると

 

マイン「あ、それなら私いい武器屋知ってます。」

 

そういうので、俺たちはマインについて行った。

 

 

 

 

●●●●●●●●●

暫く歩くともうそれはこれが!というような武器屋があった。そして、入ると

 

店主「いらっしゃい。お、お客さん初め見る顔だな。この店を選ぶとはなかなか目の付け所がいいんじゃねえか?」

 

尚文「いや、この店のことはマインに聞いたんだ。」

 

尚文がそう言うと

 

店主「ん?お客さんどっかで見たことが…」

 

マイン「それより、なんかオススメの武器とかってないですか?」

 

マインがそう聞くと店主はまぁ、いいかと言っていろんな武器を見せてくれた。その中で俺の目についたのは1振りの剣だった。

 

士道「なぁ、これってなんの剣なんだ?」

 

店主「ああ、それはな振ると斬撃が飛ぶって言う武器なんだが、もう何人も使ってるんだが誰も斬撃を出せてないんだ。その上その剣な、バルーンボムすら何回も叩かないと斬れないらしい。まぁ、物は試しだ。やってみるか?」

 

そう言われたので

 

士道「あ、それじゃあ、やってみます。」

 

そう言ってから俺は重要なことに気がついた。

 

士道「なぁ、ところでなにで試し斬りすればいい?」

 

そう俺が聞くと

 

店主「ああー。そうだな、じゃあ、この1番安い鎧で試してみたら良いぜ?今回は特別だ。」

 

士道「それじゃあ、お言葉に甘えて。」

 

店主からのOKが出たので俺はとりあえず剣を鎧に向かって振った―――次の瞬間、鎧は綺麗に2つに分かれていた。

そう、何が起こったかと言うと俺が剣を振った瞬間に斬撃が飛んだのだ。

 

士道「ええーと、試し斬りは大成功だけど鎧が…」

 

店主「ああ、いいんだ。俺がやっていいって言ったんだからな。でもな、それにしてもだ。なんで何人もの人間が使ってもダメだったのにお前はできるんだよ!」

 

うーん、理由はわからないけど、まず俺は『普通』の人間じゃないからな。

 

士道「ええっと、とりあえず剣はいくらくらいするんですか?」

 

店主「ああ、とりあえず銀貨40枚でいいぜ。どうせ買い手もないだろうしな。」

 

えっと、この世界の金の価値観がわからないからな。高いのか安いのか全くわからん。ん?そうだ。わからないなら調べればいいか。でも、マインの前でやるのはなんか危険そうだし。

 

士道「なぁ、ここってトイレってあるか?」

 

店主「ああ、そこを入って右だ。」

 

ありがとう、と言ってから折紙に目配せをして、口パクで

 

『マインのことを見張っててくれ。』

 

そう言ったら分かったというサインが帰って来たので俺はそのまま、行ってから入ると

 

士道「『囁告篇帙』」

 

そう言うと手の中に一冊の本が現れたので、とりあえず急いで調べた。

 

調べることは

 

・マインについて

・この世界の金の価値観について

 

とりあえずはこんな所でいいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あれから大体5分で俺は戻った。

 

だが、俺は大体の事を知っていた。

 

まず、マインの正体はこのメルロマルクの王女であること、そして、もうひとつこれの付属として分かったのがどうやらあの王と王女は盾の勇者である尚文の事を社会的に抹殺しようとしているらしい。

 

そして、この国の硬貨についてだが、銀貨100枚程で金貨1枚分だということが分かった。

 

 

 

 

そして、俺たちは色々と買ってからレベリングへと向かった。

 

最初はバルーンスライムという初級モンスターを相手にすることにした。尚文はひたすら殴ってやっと一体倒していたがどうやら盾の加護のお陰なのか全くダメージは無いらしい。ちなみに俺は斬撃を飛ばしまくって倒していたがどうやら霊力をもとに飛ばしているようなので鏖殺公の退化バージョンの剣なのではないかと思っている。そして、折紙は元々ASTの時に剣を使っていたので楽に倒していた。七罪は後方で待機していた。マインもほとんど何もせずにいた。

 

 

 

そして、暫くそうしていると暗くなってきたので、一旦宿を取ってまた明日やることになった。

 

そして、ちょうどマインが遠くに行ったところで俺は七罪と折紙に近づき

 

士道「七罪、ちょっといいか?」

 

七罪「なによ?」

 

士道「いや、大したことじゃないんだが念の為に今日の部屋は3部屋になると思うんだ。部屋割りは多分俺と尚文、七罪と折紙であとはマインだと思う。で、ここにはほかの勇者も泊まってるからな。とりあえず何が言いたいかというとだな、贋造魔女で扉を絶対に外から入れないようにしてくれ。」

 

七罪「まぁ、いいけど。」

 

士道「ありがとう、七罪。」

 

マイン「皆さん、鍵を借りてきましたよ。」

 

すると鍵が3つあることに俺は気づいた。

 

士道「なぁ、なんで鍵が3つあるんだ?」

 

そう俺が聞くと

 

マイン「ああ、実はですね。部屋が一人部屋か2人部屋しかないらしくて。」

 

なるほど、そういうことか。

 

士道「分かった。それじゃあ、部屋割りを決めよう。まぁ決めると言っても俺と尚文は同部屋で決まりだな。そうすると、お前らをどうするかなんだが……」

 

そう俺が言うと

 

マイン「それでは、私が一人部屋に行きましょう。どうやらそちらのお二人は知り合いのようですので。」

 

折紙「分かった。」

 

その後俺たちは夕飯を食べてから各自の部屋へと戻って行った。

ちなみに、その日の夜は寝る前に士道と七罪がそれぞれの部屋で贋造魔女を使って部屋を溶接してから寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

そして次の日起きて贋造魔女で扉を元に戻してから部屋を出ると、そこには兵士がいて俺たちは城へと連れていかれた。



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冤罪

俺たちは起きてから準備をして部屋から出るとそこには兵士がいて俺たちは王城に連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

王「お前たちはなぜ呼ばれたか分かるな?」

 

王はそういうが俺達にはもちろん心当たりはないが、俺はなんとなくマインからいやな雰囲気を感じていたのでもしやと思っていると

 

尚文「そんなの知るわけないだろう!」

 

そう尚文が言うと

 

王「よくもぬけぬけとそんなことが言えたな!いいかお前たちの罪はな仲間の冒険者を無理やり襲ったことだ!」

 

士道「どういうことだ?俺たちは普通に寝たぞ。それにまずそんな証拠はあるのか?」

 

俺がそういうと王は俺たちの部屋からマインのショーツが出てきたと言い出したがそんなはずはない。俺たちは昨日しっかりと扉を溶接してから寝たからだ。だが恐らくはこの城の兵の一部もグルだったのだろう。俺たちをここへ連れてきてから俺たちの部屋に入り「おい!ここにこんなものがあったぞ!」とでも言ったのだろう。

 

王「いいか!ここに証拠ならあるのだ!いい加減に自分の罪を認めろ!」

 

そう王が言うとそれに続くように錬と樹と元康が

 

錬「最低だな」

 

樹「最低ですね」

 

元康「最低だな」

 

そして王は

 

王「お主らには罰が必要だ。だが盾は勇者であるから波を退けて貰う必要があるなのでお前の仲間をここで処刑するとする。」

 

そう言われて俺はまさかと思うと

 

王「あの者たちをここへ」

 

そういうと扉からは手錠をされた折紙と七罪が現れた

 

士道「おい!どういうことだ!」

 

王「言ったであろう。処刑すると。」

 

その言葉を聞いた瞬間俺の頭の中は真っ白になった。

 

王「やれ。」

 

(ああ、殺されてしまう。俺の大切な人達がこんな奴らに……

そんなの許せるわけがない。

だったら殺られる前に殺る!)

 

そして、剣が2人に振り下ろされる瞬間

 

士道は行動した。

 

士道『跪け!』

 

そう言っただけでこの場にいる全員が膝を着いた。

 

士道『暴虐公』

 

そして士道は魔王を呼び出した。

 

士道「おい、お前さっきこいつらを殺すと言ったな。」

 

王「当たり前だ!お前たちへの罰だ!」

 

士道「そうか、なら俺はお前たちを殺す。邪魔する奴も殺す。いいか?お前たち勇者3人でかかってきたところで俺に勝てると思うなよ。」

 

そう言ってから俺は

 

士道『贋造魔女、千変万化鏡』

 

そう言ってから2人の手錠を綿に変化させてから取り外した。

 

士道「それで、どうする?今ここで俺と殺り合うか?」

 

そういうと彼我の戦力差を悟ったのか

 

王「いいだろう、だがお前たちの罪はもう既に街には広まっておる!この国で居場所があると思うなよ!」

 

苦し紛れなのかは知らないがそんなことを言ってきたがそんなことは今の俺にとってどうでもいい事だった

 

士道「そんなことはどうでもいい。俺が聞いているのは死にたいか死にたくないかだ。分かるか?」

 

俺が濃密な殺気を出しながらそういうと、周りの者たち全員が黙った。

 

士道「俺たちはもう行く。」

 

そして、俺たちが背を向けた瞬間、王が敵意のある視線を向けてきたので付け加えておいた

 

士道「ああ、そうだもうひとつ言うのを忘れてたな。俺の仲間に手を出したらこの国ごとお前を滅ぼすからな。」

 

そう言ってから全員で王城から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

尚文「なあ士道。」

 

士道「ん?なんだ?」

 

尚文「いや、なんだお前ほんとにこの国を滅ぼすのか?」

 

尚文がそんなことを聞いてくるのでびっくりしたが多分さっき自分が言ったことについてだろうと思った。

 

士道「いや、別に滅ぼすつもりは今のところはないけどもしも折紙や七罪やお前になにかあったら俺は自分を抑えられるかは分からないな。だから、もしかしたら滅ぼす可能性もあるかもな。」

 

と笑いながら言うと

 

尚文「はは、まじかよ。」

 

と言っていた。

 

折紙「大丈夫、さっきは不覚を取ったけど、2度はない。それに取るなら士道のパンツの方が……」

 

七罪「ほんとすいません、私のせいで。死にます。」

 

折紙はなんか不穏なこと言ってるし七罪は自分をかなり責めてるから

 

士道「やっぱりあの王と女は殺しといた方がよかったかな。」

 

そう俺がつい言うとみんながいやいや、そんな大袈裟に考えなくても、みたいな顔をしているので冗談だよ、と言って誤魔化しておいた。

 

尚文「ところでこれからどこへ行くんだ?」

 

そう、それが問題なのだがとりあえず俺はこの街には明日まで滞在してその後色々と情報を集めながらレベルアップをしていこうと思っていた。

 

士道「とりあえず、今日はここら辺で宿をとろう。」

 

尚文「ああ、そうだな。」

 

そうやって歩いていると武器屋の前を通りがかったときにあの時の店主と遭遇した。

 

店主「おい、ちょっと待ちな。お前らあの嬢ちゃんを無理やり襲ったんだってな!」

 

士道「待ってくれ!あれは違うんだ。あれは……冤罪なんだ。」

 

そう士道が言うと店主はなにかおかしいと思ったのか話を聞いてくれた。

 

士道「まず、昨日の夜は俺は扉を溶接してから寝たんだ。」

 

そういうと店主はどうやって?というような顔をしたので実際に見てもらうことにした。

 

士道「なにか廃棄処分の物とかってあるか?それがあれば多分信じてもらえると思う。」

 

そういうと店主は廃棄処分予定のものだと言って好きにしろと言ったので士道は贋造魔女で物質を変化させた。

 

士道『贋造魔女、千変万化鏡』

 

そう士道がいうと手に持っていた布が金属になった。

 

店主「こりゃたまげたな。まさかほんとに別のものに変化させちまうとは。ていうことはあの噂はデマか?」

 

士道「ああ、そうだ。」

 

そう俺が答えるとなるほどな、といい

 

店主「分かった、そういうことなら俺はお前らを信じよう。ある程度はお前さんたちの支援もする。」

 

士道「ありがとう。」

 

尚文「助かる。」

 

とりあえず、ある程度の援助は貰えることになったからあとはこれからどうするかな?と思っていると

 

店主「なあ、あんたら次の行先は決まってるのか?」

 

決まってないなら地図を見せてやると言われたのでそれを見て決めることにした。

 

士道「ありがとう。それじゃあお言葉に甘えて。」

 

そういって見せてもらう

 

尚文「なぁ、とりあえず俺たちの噂があまり流れていないところに向かった方が良いんじゃないか?」

 

折紙「それなら別の国に行くという手もある。」

 

折紙の言うことも最もなのだが1つ問題があった。

 

士道「でも、今の俺たちは罪人だからな馬車とかに乗せてもらえるかどうかもわからないぞ。」

 

そういうと折紙も

 

折紙「確かに、それは問題。でも今の私たちならそんなに問題ではない。私は限定霊装を纏えば飛べるし、七罪も贋造魔女で颶風騎士に天使を変化させればいい。士道も颶風騎士は使えるはず。尚文は士道の風に乗せればいい。」

 

士道「でも、やっぱり俺たちの噂はある程度解消しといた方がいいと思う。それに親父さんと同じようにわかってくれる人もいるかもしれない。」

 

そう俺が言うとみんな暫く考えてからそれでいいと、賛成してくれた。

 

店主「それなら、このリユート村なんかがいいんじゃねえか?そこなら初心者向けダンジョンもあるから盾のあんちゃんのレベル上げにも最適だろう。」

 

士道「なら、今日はどこかで宿をとって明日リユート村に行こう。」

 

尚文「そうだな、とりあえず俺は必要な物を買ってくる。」

 

そう言ってから尚文は出ていったので夕方に宿に集合しようと言っておいた。

 

士道「とりあえず俺たちは宿を取りに行こう。」

 

そういって、俺たちは宿をとりに向かった。




次回は盾の勇者の成り上がりのメインヒロインのラフタリアの登場です。


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ステータスなど
キャラクタープロフィール


今回は次話の前に一旦情報を整理したいと思います。


~盾の勇者陣営~

 

五河士道

 

17歳、高校2年生

 

好きなもの 料理

 

嫌いなもの 自分の黒歴史、絶望してる人間を見ること

 

武器 鏖殺公《サンダルフォン》、氷結傀儡《ザドキエル》、灼爛殲鬼《カマエル》、刻々帝《ザフキエル》、颶風騎士《ラファエル》、破軍歌姫《ガブリエル》、贋造魔女《ハニエル》、絶滅天使《メタトロン》、囁告篇帙《ラジエル》、封解主《ミカエル》、暴虐公《ナヘマー》、救世魔王《サタン》※これはまだ限定的にのみ使用可能

鏖殺公(劣化版ではあるがそこそこの威力はあり代償もない。)

 

防具 1番~10番までの神威礼装

 

 

岩谷尚文

 

20歳、大学生

 

好きなもの 料理

 

嫌いなもの この世界の女性、裏切りを平気でするやつ

 

武器 四聖武器・盾(今のところは盾に素材を吸収させることによる成長のみ)

 

防具 ( 盾により防御力が上昇されているため今はまだ何もない。)

 

 

鳶一折紙

 

17歳、高校2年生

 

好きなもの 士道、カロリーメイト

 

嫌いなもの 士道に敵対するもの

 

武器 絶滅天使《メタトロン》

 

防具 神威礼装・一番《エヘイエー》

 

 

七罪

 

年齢不詳

 

好きなもの 四糸乃、士道

 

嫌いなもの 周りの人間、学校

 

武器 贋造魔女《ハニエル》

 

防具 神威礼装・七番《アドナイ・ツパォト》

 

 

ラフタリア

 

10歳

 

好きなもの 両親

 

嫌いなもの 怖いもの

 

武器 ショートソード

 

防具 私服

 

 

~3勇者陣営~

 

天木錬

 

16歳、高校生

 

好きなもの ??

 

嫌いなもの ??

 

武器 四聖武器・剣

 

防具 私服

 

 

川澄樹

 

17歳、高校生

 

好きなもの ??

 

嫌いなもの ??

 

武器 四聖武器・弓

 

防具 私服

 

 

北村元康

 

21歳、大学生

 

好きなもの 可愛い女の子

 

嫌いなもの ??

 

武器 四聖武器・槍

 

防具 鎖帷子《くさりかたびら》

 

 

~メルロマルク陣営~

 

オルトクレイ(王)

 

メルロマルク国女王ミレリアの夫。四聖召喚時の王であり民衆にも「王様」と呼ばれるが、入り婿でありメルロマルクは女王制のため、不在時の代理の王。三勇教と共謀して四聖召喚を行い、敵対国シルトヴェルトが神と崇める盾の勇者の尚文を嫌っており、様々な迫害に加担する。娘たちを溺愛しており、マルティに良いように利用されている。

 

 

マルティ=メルロマルク(冒険者名はマイン)

 

メルロマルク第一王女。王位継承権第二位。

最初尚文の唯一の仲間「マイン・スフィア」として旅立つが、全財産と装備を奪い取った後、尚文を強姦魔にでっち上げた張本人[注 37]。その後、槍の勇者の仲間として旅立つ。度を越した贅沢と浪費を当然と考え、人を騙して陥れることを好み、最後は騙した相手に真実を告げて嘲笑うという醜悪な性格[注 38]。女王から全く信頼されなかったため、第一王女だが王位継承権はメルティの方が上であり、三勇教の起こした事件ではメルティを心配するふりをしながら暗殺しようとした。父親であるクズとは違い、他者を憎み蔑む明確な理由があるわけでもないのにどんな罰を受けても行いを改めることのない筋金入りのエゴイスト。




今回はここまでの紹介にします。あまりキャラを出しすぎるとネタバレになりますからね。


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奴隷の少女と災厄の波
盾の勇者と少女の出会い


今回はなんかグダグダ感がすごいな…


尚文「さて、俺はとりあえず回復系の薬を買うか。」

 

そんな風に思っていると

 

??「盾の勇者様ですね?どうでしょう、人手を欲してはいませんか?」

 

急に路地裏から出てきた紳士のような男に多少驚きながらも

 

尚文「人手なら間に合っている。」

 

そう俺は言ってさっさと行こうとすると

 

??「ふふ、あなたの目は誰も信じられないというような色をしていますねぇ。」

 

尚文「当たり前だ。それに俺にはこれ以上仲間なんていらない。」

 

そういうと男は

 

??「違いますよ。私が提供するものは仲間なんて面倒くさいものではありません。私が提供するものは奴隷です。奴隷は仲間と違い決して主人を裏切りません。」

 

それに、といい

 

奴隷商「奴隷には種類があります。」

 

種類?と俺が聞き返すと

 

奴隷商「ええ、戦闘用、愛玩用など様々な種類の奴隷がいます。」

 

尚文「そうか。」

 

俺が素っ気なくそういうと奴隷商の男は、奴隷に興味がおありならばご一緒に来てください、と言って先に進んで行ったので、少し奴隷にも興味があったのでついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

少しするとサーカス小屋のようなテントが見えてきた。

そして、そのまま中に入っていったので俺も続いて入るとそこには、無数の檻があった。

 

尚文「それで、俺にどんなものを提供してくれるんだ?」

 

そう俺が言うと

 

奴隷商「はい、貴方様が欲しているのは戦闘用の奴隷でしょう?であればこちらなんかはどうでしょうか?」

 

そういうと奴隷商は、明らかにレベルが俺よりも高く、値段が高そうなのを指してきた。

 

尚文「おい、こいつはいくらだ?」

 

奴隷商「そうですな、これだとざっと金貨15枚といった所でしょうか。」

 

尚文「ふん、最初から俺が買えないのを分かっていて紹介したな?」

 

俺がそう言って責めると奴隷商は全く悪びれもせずに

 

奴隷商「ええ、あなたには目を養って貰わなければこちらも困りますので。」

 

そういうと、どんな奴隷がいいかと聞かれたので

 

尚文「安くて言うことを聞くやつがいい。」

 

そういうと

 

奴隷商「そうすると、亜人ですな。しかし、そうなると戦闘には向かなくなりますが。」

 

尚文「弱いなら育てればいい。」

 

俺が即答すると

 

奴隷商「これはしてやられましたな。」

 

といい笑った。そして、3つの檻の前に来ると

 

奴隷商「これがお客様に提供出来る最低ラインの奴隷です。左から「お前、顔を上げろ。」え?」

 

俺が奴隷商の話を遮りそう奴隷に言うとゆっくりと顔を上げた。その顔にはまるで生気がなく、具合も悪そうだった。

だが

 

尚文「お前にする。おい、こいつはいくらだ?」

 

そう聞くと奴隷商は

 

奴隷商「そのラクーン種は銀貨30枚です。」

 

奴隷商がそういうと銀貨31枚の入った袋を渡した。

 

奴隷商「1枚多いようですが?」

 

奴隷商はそう言ってきたが、どうせ搾り取るつもりだったんだろう?というと、なにやら満足顔で、よくお分かりで、と言ってきたので、後は奴隷商から奴隷紋についての説明や同行者設定と言うものについて説明を受けた。そのあと俺は回復ポーションの売っている店へ行き、そのまま士道たちの元へ帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

尚文が奴隷を買ってから帰ると出迎えてきた士道にその子は誰だと聞かれたので奴隷だ、と答えると

 

士道「お前は何をしてるんだ!」

 

そういきなり士道が激怒したのでなぜそんなに怒ってる?と聞くと

 

士道「いいか、100歩譲って奴隷を買ってきたことは目を瞑ろう。だが!せめてちゃんとした服ぐらい買ってやれよ!」

 

可愛いそうだとは思わないのか?と言われて

 

尚文「うっ、確かにそうだな。そこまで考えてなかった。」

 

士道「はぁ、とにかく今はとりあえず贋造魔女で服を作っといてやるけどちゃんと明日買いに行くからな。」

 

そう言ってから士道は贋造魔女を使って可愛らしい服を少女に纏わせる(その瞬間多少怯えていたが)。

 

士道「とりあえずはこんなもんだろ。」

 

尚文「なあ士道、なんで女物の服にこんなに詳しいんだ?」

 

そう聞くと士道はそれは聞かないでくれ、と辛そうに言ってきたので深追いをしないでおこうとしたのだが折紙が

 

折紙「士織も悪くない。」

 

そう言ったので一瞬なんの事か分からなかったがもしやと思い聞いてみた。

 

尚文「なぁ、お前もしかして女装したことあんの?」

 

そういうと、

 

士道「いや、あれは、その…」

 

となんかかなり凄いこと言い出したからもうよくわからん。

まぁでも明日も早いし今日は寝るか……



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波への準備

やっと投稿できました。

遅くなりすみません。これからもこのくらいのペースになるかもですがよろしくお願いします。


次の日俺たちはラフタリアの衣服を買うために武器屋の親父の所に来ていた。(ちなみに名前は今日の朝聞いた。)

なぜ服屋ではなく武器屋に行くかというと王と王女の陰謀により俺たちは犯罪者となってしまっている。なので俺たちが無罪であることを知っている親父の所へ行くことにしたのだ。

 

尚文「親父、こいつに合う装備を見繕ってくれ。あと、衣服があれば何着かくれ。」

 

俺がそういうと親父は『うちは服屋じゃねぇんだけどなぁ。』と言いつつも、ちゃんと服と装備を見繕ってくれるあたり良い人なんだろうな。その後、渡された服に奥の部屋で着替えてきたようだ。

 

士道「うん、よく似合ってるよ。」

 

尚文「ああ、そうだな。」

 

俺たちが、そう口々に言うとラフタリアは少し照れたように頬が赤く染まった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

その後は前々から考えていたことだが、俺たちは王都を出てリユート村にあるというダンジョンへと向かった。

 

士道「尚文、とりあえずダンジョンに入る前にある程度お前とラフタリアのレベルを上げといた方がいいんじゃないか?」

 

士道の言葉に尚文は確かにそうだなといい、適当に敵を倒すことにした。

 

尚文「ならまずはオレンジバルーンら辺がいいんじゃないのか?あれなら対して強くもないしな。」

 

士道「そうだな、あれなら俺の支援なしでも簡単だろうな。」

 

 

 

俺達はその後オレンジバルーンを倒したり嫌がるラフタリアに無理やり殺らせたり(うさぎ型の魔物)といろいろしながらリユート村へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

尚文「着いたな。」

 

士道「ここがリユート村か。」

 

俺たちは、約3時間ほどかけながら歩いて来た。

リユート村では、村人にダンジョンについて聞いたところ、波が来る前まではよく冒険者たちが来ていたらしいが今では、波が来てからダンジョン内に危険な魔物が出るようになったらしく誰も入らなくなったらしい。

 

俺たちはダンジョンに入る前にロープやピッケルを買ってから向かった。ロープは盾に吸わせることで新しい能力が解放された。

 

尚文「ロープシールドか…まあなにか役に立つこともあるだろ。」

 

士道「このダンジョンは洞窟のようになってるっぽいし持ってて損は無いだろうな。」

 

士道「とりあえず、ダンジョンに行こう。」

 

それから俺たちはダンジョンに入って行くと穴が2つあったので尚文とラフタリア、俺と折紙と七罪で別れて行くことにした。

 

 

士道「それじゃあ、また後で合流しよう。」

 

俺がそういうと尚文はああ、とだけ言って左側の穴へと向かって行った。

 

士道「それじゃあ俺たちも気をつけて行くか。」

 

折紙「分かった。」

 

七罪「うん。」

 

そして、俺たちは尚文たちとは反対方向の右の道へと進んだ。

 

道中に遭遇した敵は折紙の絶滅天使《メタトロン》の攻撃や俺の鏖殺公《サンダルフォン》で瞬殺しながら進んで行った。

 

士道「そういえば、俺たちのレベルも1からだけどやっぱり精霊の使う《天使》の力は変わらないんだな。」

 

俺がそういうと

 

折紙「確かに、それは私も不思議に思っていた。でもそもそも精霊の力は強力なもの。それこそ国ひとつを簡単に滅ぼせるくらいには。そして、元々持っている力はそのまま使えるのも当然といえば当然。」

 

七罪「まあ、あたしの場合は威力が落ちてるかなんてわかんないけどね。」

 

確かに七罪の力は贋作を作り出す力だ。それに強いも弱いもないか。

 

そうこう話していると奥に着いたようだ。

 

士道「折紙、七罪、いつでも《天使》を使えるようにしておいてくれ。」

 

そういうと2人とも頷いて着いてきた。

 

そして、大部屋らしきところに入るといきなり敵が湧いてきた。

 

士道「折紙、七罪!離れないように戦うぞ!」

 

折紙「士道に手出しはさせない。絶滅天使。」

 

七罪「贋造魔女!ふふ、悪い子たちにはお仕置きが必要ね。」

 

俺は武器屋で買った鏖殺公擬きを使い敵を倒していくが切りがなさすぎてこれじゃ消耗戦になると思い、とりあえず大規模な技を使うことにした。

 

士道「《刻々帝》時喰みの城。」

 

俺がそういうと俺の右眼が金色の時計盤になるのと同時に、俺たち3人以外は力を吸い取られてそのまま絶命するかもしくは影から出てきた白い腕に影に引きずり込まれていく。そして、ほぼ全ての魔物を刻々帝の力で倒すと士道の右目の時計盤がどんどん逆回転していった。

 

士道「とりあえずはこれで大丈夫そうだな。」

 

戦闘が終わるとかなりの激戦だったためかなりレベルが上がっていた。

 

 

士道

 

Lv1→Lv20

 

折紙

 

Lv1→Lv15

 

七罪

 

Lv1→Lv14

 

士道「俺たちも結構上がったな。」

 

折紙「たぶんさっき多くの魔物を倒したからだと思う。」

 

そのあとは特に何事もなく倒した魔物の素材や鉱石などを持って合流地点に来ると尚文は血だらけでラフタリアはその尚文に背負われている格好だったので何があったか聞くと2つ首の魔物に襲われたがなんとか2人で倒したということだった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

あれから、俺たちは1度王都に戻ってエルハルトの店に新しい防具を調達しに来ていた。ちなみにラフタリアは10歳くらいの外見から14歳くらいの外見になっていた。どうやら亜人は人間と違って幼い頃にレベルアップをすると体が成長するらしい。ただ、尚文はまだそれには気づいていないらしい。

 

エルハルト「いらっしゃい、今日はどうしたんだ?」

 

尚文「今日はラフタリアの武器を買いに来たんだ。」

 

そう尚文が言うとラフタリアが

 

ラフタリア「ちょっと待ってください!今日は尚文様の防具を買いに来たはずではないんですか?」

 

尚文「いや、俺には盾の効果があるからいい…」

 

そう尚文が言いかけるとラフタリアが近くにあった剣を素早く抜いて尚文の首に近づけると

 

ラフタリア「尚文様、あまりおふざけが過ぎると本当に死んでしまいますよ。」

 

エルハルト「はっはっは!前来た時より性格がいい方向に成長してるじゃねぇか。」

 

そういうと、剣を少しサービスしてくれるという話になっていった。そのあとは尚文の防具をオーダーメイドしてから色々な必要なものを買ってから帰った。

 

そして次の日に出来上がったやつを見てみると

 

尚文「これか?」

 

エルハルト「おうよ!俺の自信作だ。名付けて『蛮族の鎧』だ。」

 

それを着た尚文を見た俺は

 

士道「やば、めっちゃ似合ってるぞ。」

 

ラフタリア「はい!ものすごくかっこいいです!」

 

そう目を輝かせながら言っているが尚文は

 

尚文「俺は一応これでも勇者のはずなんだけどなぁ。」

 

まあ、せっかく作ったし装備しないと損か、と渋々着た。

 

士道「それにしても、波っていつ起こるんだろうな。せめて時間と場所さえ分かれば助かるんだが。」

 

俺がそういうと尚文が

 

尚文「本当だよなぁ、分かれば助かるんだけどな。」

 

俺と尚文がそんな話をしていると折紙が

 

折紙「なら士道、囁告篇帙を使えばいい。あれの能力を使えば。」

 

そう言われて、そういえば確かにと思い早速調べてみることにした。

 

士道「『囁告篇帙』えーと、あ、あった。どうやら教会にある《龍刻の砂時計》というもので分かるらしいぞ。」

 

エルハルト「それは一体なんなんだ?」

 

エルハルトが初めて見る囁告篇帙に困惑しているので簡単に説明した。主に調べたいことを簡単に調べられる便利道具だと。

 

それから俺達は教会へと向かい龍刻の砂時計の前まできた。そこで尚文の盾を翳すと俺たちの前に波までの残りの時間が表示された。

 

尚文「なっ、これは。」

 

士道「マジか。」

 

あと40時間と表示された時間を見ているともうあと少しで始まるのが分かった。

 

尚文「とりあえず、宿に戻って準備をするか。」

 

そういい、帰ろうとすると俺たちの前に今1番会いたくないやつとエンカウントしてしまった。

……そう、元康たち3勇者だ。

俺たちを見ると元康は

 

元康「おいおい、まだそんな装備でやってるのかよ。」

 

そう言ってからラフタリアに目がいくと話しかけた

 

元康「君は尚文の仲間なのか?」

 

そういうと、ラフタリアに対して「可愛い」だとか「俺が守ってやる」だとか寝言を言っていたが終いには

 

元康「まさか、尚文の噂を知らないのか?」

 

そう言った瞬間尚文はめちゃくちゃ悔しそうな顔をするとラフタリアを連れて来た道を引き返し始めたので俺もついて行くと元康が

 

元康「足でまといにだけはなるなよ。」

 

そんなことを言っていたのでとりあえずこう言っておいた

 

士道「何言ってんだ?自分より強いやつに言うことじゃないだろ。力量差も分からないとは呆れる。」

 

そう言ってから俺も折紙と七罪とともに2人を追いかけた。




次回はリユート村防衛戦です。


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波と更なる陰謀

今回もかなり時間がかかってしまい申し訳ありません。今後もこれぐらいの投稿スピードになると思います。


波が始まる瞬間、俺たちは戦場へと転送された。

 

そして、俺たちは今リユート村を防衛している。何故俺たちがこの村を守っているかと言うと他の3勇者がボスモンスターを倒すことしか頭になく、周りは全く見ていないため俺たちがとりあえず、モンスターから村を守りつつ村人の避難を進めていた。戦況としてはかなり敵の数が多いが質ではこちらが勝っているため問題なく対処出来ていた。

 

尚文「エアストシールド。」

 

尚文が敵に攻撃されそうな村人を守りながら敵を引き付けて

 

折紙「絶滅天使、光剣」

 

七罪「贋造魔女、千変万化鏡」

 

士道「うおぉぉぉ!」

 

折紙と七罪と士道で敵を倒していっていたが魔物は波が収まるまでは無限に湧き続ける。ある程度の村人を全員、避難させたのを途中で合流した、ラフタリアに確認して、とりあえずは安心したが、このままではいつまで経っても波は終わらないから俺たちもボスモンスターを倒しに行こうかと考えていた所で炎の雨が降ってきた。

 

尚文「まずい!全員俺の後ろに来るんだ!」

 

そう言って尚文が守ろうとはしているが量が多いだけにさすがに無理だろうと考えた俺は多少の代償は覚悟して《天使》を使うことにした。

 

士道「《氷結傀儡》!」

 

俺がそう叫ぶと俺たちの周りを護るように半円状に氷の膜が形成されていった。

 

少しして炎の雨が止むと30人に満たない騎士たちが歩いてきた。

 

騎士「はっはっは!魔物共もあらかた片付いたな。」

 

そんな風にいいながら歩いてくると俺たちに気付いたのかこちらを見ると

 

騎士「なんだ、生きていたのか。頑丈な奴め。」

 

そう呟いた瞬間、尚文に守られていたラフタリアがブチ切れた。

 

ラフタリア「…っ!あなたたち、尚文様がいると分かっていてやったんですか!?」

 

そう言って切りかかるがそれは防がれてしまった。騎士の男はにやにやしながら相手をしていたが、その場にはもう1人ブチ切れしていた人がいたのだ。

 

 

そう、士道だ。

 

士道「《鏖殺公・最後の剣》」

 

士道が小さく呟くと鏖殺公が出現し、それにどんどん瓦礫のようなものがくっ付いていくとその内に巨大な剣が出来た。そして鏖殺公は現在士道の怒りを表すかのように雷が所々から出ていた。にやにやとしていた騎士はそれを見ると一瞬で顔を青ざめさせた。

 

騎士「なっ…!巨大な剣だと……」

 

そして、士道が剣を縦に振り下ろすと当たった訳でもないのに、衝撃波だけで騎士たちは吹き飛ばされた。そしてその吹き飛ばされた先には魔物の群れがいた。そして魔物が棍棒を振り下ろそうとした瞬間に尚文が間に入って盾で受け止めた。

 

尚文「おい、このまま名誉の死を遂げるか?それが嫌ならさっさと体制を立て直せ!」

 

そう言ってから尚文がラフタリア!と呼ぶとそれだけで察したラフタリアが魔物の額に剣を突き刺してワンパンした。

 

すると、騎士の男はものっすごく悔しそうな顔をすると

 

騎士「おい!ここは盾の勇者に任せて我々は三勇者様の元へと向かうぞ!」

 

そういうと半分くらいの兵士を連れて走っていったがもう半分の兵士はリーダー格の男が指示を出すと直ぐに戦えるように体制を立て直した。

 

尚文「いいか、でかいのは俺たちがやるから雑魚を頼む!」

 

そう尚文が言うと、頷くと陣形を整えると戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あれから長いこと魔物共を倒しているのだが一向に波が収まる気配がしないのでおかしいとみんなが感じ始めていた。とりあえずその原因が分からないのでボスを倒しに行った三勇者を見に行くことになったが、村のことも守らなければいけないのでチームを2手に分けることにした。

村の防衛は尚文、ラフタリア、騎士団、折紙にして残りは俺と一緒に三勇者の様子を見に行くことになった。チーム分けを終えると早速俺たちは《颶風騎士》を使い一気に近くまで行くと、三勇者は連携も何もなく戦っていた。しばらくすると、ボスモンスターを倒した。

 

錬「やっと終わったか。」

 

樹「まあ、少々手こずりましたが、ほぼ無傷で倒せたのですし良しとしましょう。」

 

元康「ああ、これで今回の波は終わりだな。」

 

しかし、その直後に裏ボスと思われる敵が出てきた。

それぞれが驚愕していたが、ゲーム感覚でやっていたおかげかそこまでの動揺はなくすぐに戦闘態勢を整えると攻撃し始めたがまるでダメージが通ってないのが遠くからでも分かる。

 

士道「七罪、これは助けに入った方がいいよな?」

 

七罪「そうね、この状況を見る限りあれじゃいつまで経っても波が収まる感じがしないわね。」

 

俺が聞くとそう答えてくれたのでとりあえずは助けに入ることは決定したが、どうやって攻撃を入れるが問題だ。そこで七罪がある提案をしてきた。

 

七罪「ねぇ、それなら私と士道で鏖殺公を顕現させてそれで攻撃するのはどうかな?それでダメなら私が破軍歌姫でデバフを掛けるとか。」

 

士道「それなら行けるかもしれない!」

 

それから2人である程度の作戦を作ってから2人で天使を呼んだ。

 

士道・七罪「《鏖殺公》《贋造魔女・千変万化鏡》」

 

そして、俺たちは裏ボスとの戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

士道「《最後の剣》おおぉぉぉぉ!」

 

七罪「《最後の剣》はぁぁぁぁぁ!」

 

二つの鏖殺公で攻撃をしたのだがどうやら一撃では倒しきれないHPをきているらしく倒すのには少し手間が掛かりそうだった。

 

そんなふうに分析していると三勇者も攻撃を再開したが全く効いてないのがHPの残量を見れば丸分かりだった。だが俺たちにも霊力の限界はある。

 

士道(特に俺の場合身体の限界の方が早いだろうし。)

 

そんな風になかなか攻めきれないでいると村の防衛を任せていた折紙がやってきた。

 

士道「折紙!?なんでここに。」

 

俺が驚いてそう聞くと

 

折紙「士道たちの帰りが遅かったから何かあったのかと思って、あっちは尚文たちに任せてきた。」

 

どうやら折紙は俺たちのことを心配して来てくれたようだ。だが理由はなんであれジャストタイミングだった。2人だけでは攻めきれないが折紙も攻撃してくれればいけるはずだ。

 

士道「折紙、あのボスは多分裏ボスなんだが裏ボスだけあってなかなかのHPで俺たちだけの攻撃じゃ倒せないんだ。だから2人でタイミングを合わせて最大火力で攻撃しよう。七罪は《破軍歌姫》で【行進曲】を頼む。」

 

俺が2人にそう言うとすぐに頷いて行動してくれた。

 

七罪「《贋造魔女・千変万化鏡・行進曲》」

 

折紙「《絶滅天使・砲冠》」

 

士道「《鏖殺公・最後の剣》」

 

七罪に行進曲で能力の底上げをしてもらうと2人で顔を見合わせると同時に攻撃した。するとどうやら行進曲によって強化された奥義には耐えれなかったのか跡形もなく消え去った。

 

士道「どうにか倒せたみたいだな。」

 

無事に倒せたが天使を連続して使ったことにより士道の意識はそこで途絶えた。



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ほんとーに久しぶりの投稿になってしまいました!申し訳ないです!待っていてくれた人はありがとう!


士道たちが裏ボスを倒すと空は禍々しい色から元の澄んだ青色へと戻っていった。そして、しばらくすると騎士団が来て

 

騎士「勇者様方、よくぞ波を退けてくれました。王から報奨がありますので是非とも帰る際に王城へとお立ち寄りください。」

 

錬「当然だな。」

 

樹「そうですね、貰えるものは貰っておきましょう。」

 

元康「よし!そうと決まれば今から王城へと向かおう。」

 

騎士が勇者3人にそう言ってからこちらへと向くと

 

騎士「ぜひ盾の勇者様も来て下さるよう、使えておいてください。」

 

そう言うと部下を引き連れて一足先に帰っていった。

折紙と七罪も士道のことを2人で抱えると尚文たちの元へと戻っていった。

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●●

尚文「おい!士道はどうして気絶してるんだ?大丈夫なのか?」

 

尚文が折紙たちが戻ってくると早々に心配した様子でまくし立ててきたが折紙が心配ないと言うと尚文は安堵していた。ラフタリアも心配している様子だったが折紙の言葉を聞くと安心していた。それから折紙たちが騎士から言われたことを教えると

 

尚文「そうか、報奨が出るのか…」

 

ラフタリア「どうかしましたか?」

 

尚文「いや、冤罪がかかっている俺にそもそも報奨を出す気があるとは思えなくてな。なんか嫌な予感がするんだ。」

 

そう尚文がいうと

 

折紙「同感。でももしも何かあったとしても最悪私たちが実力行使をして、強引に逃げればいい。」

 

それに尚文も同意し、みんなで王城へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

【尚文side】

あれから、何時間か歩くとやっと王都に到着した。その間に士道も目を覚ましたので、このまま王城に行くと、報奨の授与の前に波を退けたことのパーティーをやるということだったから報奨のために仕方なく俺たちは行くことにした。そして、今俺たちはパーティー会場にいる。

 

ラフタリア「尚文様、なにか食べ物を取ってきましょうか?美味しそうなものがいっぱいですよ。」

 

尚文「いや、俺はいいから食べたいものがあるなら食ってこい。」

 

ラフタリアはそう言ってくれるがはっきり言って今の俺には味覚がない。だから断った。そしたら身を翻して食べ物を取りに行ったので少し罪悪感を感じていると

 

ラフタリア「尚文様。これ、本当に美味しいですよ、食べてみてください。」

 

そう言われても別に食べたいとは思ってないので断ろうとしたが、スプーンに乗った食べ物を出してくるので渋々と食べたがやはり味はしなかった。そうこうしていると、俺の足元に手袋が投げつけられた。

そして

 

元康「おい、尚文!お前そのラフタリアちゃんは奴隷なんだってな!これは本当の事なのか!?」

 

尚文「だったらどうした。」

 

突然元康が言ってきたからだからなんだと返してやると、勇者が奴隷を使うなんてダメだとか言ってくるのでうんざりしていると

 

元康「尚文!俺と決闘しろ!俺が勝ったらそのラフタリアちゃんを奴隷から解放しろ!」

 

そう言ってきたからので

 

尚文「じゃあ、俺が勝ったらお前は何を俺に差し出すんだ?」

 

そう聞くと

 

元康「お前が勝ったならこれまで通り好きにすればいい。」

 

尚文「話にならないな。」

 

そう言って帰ろうとすると階段下にいた警備兵が通せんぼしてきて、それから

 

オルトクレイ「話は聞かせてもらった。勇者ともあろうものが奴隷を使うなどあってはならない。故にこの決闘、ワシが命じる。」

 

尚文「は?ふざけるな!俺は戦えないから奴隷を買ったんだ!」

 

そう言っても王は全く聞く耳を持たずに進めてしまって結局決闘は決定してしまった。

 

尚文「おい。俺が勝てばラフタリアは帰ってくるんだな?それなら受けてやるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

【尚文side】

今俺は決闘のため闘技場の控え室にいる。ほんとにどこにもメリットが無かったからやりたくはないがラフタリアを取り返すためだから仕方ない。とりあえずどんな手段を使ってでも勝つ。そう思っていると、扉が開いたので控え室を出ると上の方で貴族共がニヤニヤ笑いを隠そうともせずに見ていた。恐らく俺の負けは確定していると思ってるんだろうが俺は何をしてでも勝つ。

 

元康「おい尚文。今ならまだ降参できるぞ?どうせ負けるんだからさっさと降参したらどうだ?」

 

尚文「はっ。そんなのはやってみなければ分からない。さっさと始めるぞ。」

 

すると、試合開始の合図がされた。その瞬間元康は突っ込んできたが全ての攻撃を受け止めることには簡単に成功した。

 

元康「ほう、これを止めるか流石は盾の勇者って所か?だがまだまだ!」

 

尚文「残念ながらお前の負けだ、元康。お前の槍じゃあ俺は倒せない。」

 

そして、また元康が真っ直ぐに突っ込んできたので今度はカウンターを上手く叩きつけ、それと同時にオレンジバルーンを噛みつかせる。それで怯んだ瞬間を狙ってスキルを発動した。

 

尚文「エアストシールド!」

 

すると、真っ直ぐに飛んでいき元康の腹に思いっきり突き刺さり悶絶した所にオレンジバルーンを4体投げそのまま追撃した。

 

尚文「シールドプリズン。」

 

元康「なに?オレンジバルーンだと!?」

 

そして驚いている間にもバルーンは噛み付いているので時折『痛っ』とか『うわっ』とか聞こえてくるので静かに元康の近くに歩いていくと

 

尚文「おい、早く降参したらどうだ?これ以上醜態を晒すな。」

 

そう言ってシールドプリズンを解くと肩で息をしている元康が出てきた。だがそれでも力強く睨んできたので

 

尚文「そうか。ならこれからお前の顔と股間を集中的に攻撃してやるよ。俺は卑怯者だからなぁ!」

 

そう笑いながら言っていると俺は吹き飛ばされた。

 

尚文「くっ、一体なんだ?」

 

そう訝しみながら周りを見るとマインがこちらに手を向けてそして笑っていた。あたかも、ざまぁみろというかのように。

 

尚文「てめぇぇぇぇぇぇ!」

 

怒りが爆発した尚文が叫ぶとその瞬間顔の前を槍が通り抜けていき体勢を崩した俺は全部を防ぎきることは出来ず盾をカチ上げられた。その隙を突くように元康はスキルを使ってきた。

 

元康「はぁぁぁぁ、ライトニング・スピアー!」

 

尚文「があぁぁぁぁ……」

 

元康のスキルをモロにくらった俺は立っていることも出来ずに倒れるしかなかった。

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

決着が着いたと分かると審判が直ぐに「勝者、槍の勇者ぁぁ!」

と言うと会場は盛り上がった。

 

オルトクレイ「では、元康殿の要望通り奴隷紋は解除する。」

 

そう言うと下へと降りてきてラフタリアの奴隷紋を解除しにかかった。

 

尚文「まて!この試合は無効だ!1対1の決闘にお前の仲間が水を差したんだ!」

 

元康「なにを言ってるんだ?負け犬の遠吠えだな。」

 

元康は全く聞く耳を持たないので会場の奴らにも「見ていたはずだ!」というが全員が無視をした。

 

オルトクレイ「流石は我が娘が選んだ勇者だ。よくやってくれた。」

 

マイン「ええ!さすがですわ、元康様!」

 

元康「いやぁ、そんなことはないさ。」

 

そう言っているのを聞いて俺は驚いた。

 

尚文(マインが王の娘!?なるほどそういうことか!気に入った勇者に取り入るために他の奴を蹴落としてもなんとも思わない娘とそんな娘のためならなんでも自分の権力で事実を捏造してしまう父親か!)

 

そう思っているとラフタリアの奴隷紋は消えてしまい俺のパーティから抜けてしまった。ラフタリアの方を見ると『サヨナラ』と言われた気がした。

 

尚文(そんな…お前だけは俺を信じてくれると思ったのに。ちくしょう!俺が盾の勇者だからか!だったらこんな物もう要らねぇ!)

 

そう思って盾を投げ捨てるも途中で消えると俺の腕にくっ付いていた。

 

尚文(ここは地獄だ!もういやだ、俺は自分から望んでこの世界に来たわけじゃない。無理やり来させられてそれなのに騙され、全てを奪われる!だったら、『こんな世界、滅んじまえ!』そう思った瞬間尚文が気づかない内にそれは発現した。

 

〘カースシリーズの解放条件を達成しました。〙

 

 

王や元康が談笑していると上から錬と樹が降りてきた。

 

錬「おい、この試合お前の負けだ元康。」

 

元康「はぁ?何を言ってんだよ。」

 

樹「決闘中にあなたの仲間が尚文さんに攻撃したんですよ。」

 

錬「ああ、風の魔法のようだったからよく見ないと分かりずらかったがな。」

 

マイン「何のことでしょう?見間違いでは?」

 

マインは錬の言葉にとぼけるが

 

樹「いいえ、ここにいる人たちが見ていましたよ、あなたが魔法を使ったのはね。」

 

マイン「でも誰も見ていないようですが?」

 

そういうが樹は

 

樹「恐らく王に黙らされているんでしょう。」

 

そして、錬が最後に

 

錬「いい加減に罪を認めろ。じゃないとこの国は今から滅ぶぞ?」

 

そう言われて全員が階段を見るとゆっくりと降りてくる人影があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●●

【士道side】

元康が尚文に決闘を申し込んだ時に俺は動こうとしたのだが折紙が「このまま尚文が勝てれば問題ない。それにきっと勝てる。」

そう言ってくれたので我慢したがやっぱりもう限界だあのクソ王女といいクズ王といいふざけたことをしやがって、絶望を見せてやる。

 

士道「折紙、七罪、ちょっと行ってくる。」

 

そう言うと俺は階段を降りて行った。すると、全員の視線が俺に集まった。そして俺は《鏖殺公》と《滅殺皇》を顕現させると切っ先を向けて

 

士道「おい、王と第1王女。俺は言ったよな?『俺の仲間に手を出したら国とともにお前も滅ぼす』と。」

 

覚悟はいいな?と言う意味を込めて睨むと王はたじろぎながらも

 

オルトクレイ「これは決闘にて決めたものだ!お前のごときが出てくる筋合いはない!それに貴様1人国の兵を差し向ければすぐにでも殺せることを「ああ?」くっ。」

 

士道「そうか?やれるもんならやってみろよ。お前らが先に死んでるだろうがな!」

 

そう言うと俺は剣を縦に振ると一瞬で王と王女のすぐ側の地面がえぐれた。王と王女はその衝撃と自分が今殺される1歩手前出会ったことを悟った。

 

士道「いいか、次は無いぞ?分かったらさっさと消え失せろ。」

 

俺がそう言い放つと悔しそうにしながらもここから去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

【尚文side】

ラフタリア「この卑怯者!私がいつ助けてくださいっていいましたか!?」

 

そう言ってラフタリアは元康の事を張り飛ばした。

 

元康「だが君は尚文に酷使されていたんだろう!?」

 

ラフタリア「そんなことはありません!尚文様はいつだって私に出来ないことはさせませんでした。私が戦うのを嫌がった時にだけ呪いを使っただけです!」

 

元康「それがダメなんだ!それに君が戦う必要はない!」

 

ラフタリア「尚文様は盾の勇者だから戦うことが出来ないんです。だから誰かがやらなくちゃいけないんです!それに尚文様はちゃんと私を守ってくださいます!疲れたら休ませてくださいます!」

 

ラフタリア「それに、あなたは病を患ったいつ死ぬかも分からない奴隷に手を差し伸べることが出来ますか?」

 

元康「え?」

 

ラフタリア「尚文様は貴重な薬を分けてくださいました。そして食べ物もちゃんと食べさせてくれます。あなたにそれが出来ますか?」

 

元康「で、出来る!」

 

ラフタリア「それならあなたの隣には私ではない違う奴隷がいるはずです。」

 

そう言うとラフタリアは尚文の方へと歩いてきた。

 

ラフタリア「あ、あの尚文様。」

 

尚文「なんだ?負け犬の面でも拝んでこいと慈悲深い元康に言われたか?もううんざりだ!何もかも……」

 

ラフタリア「尚文様の噂は聞きました。仲間の女性に姦計を迫ったと。」

 

そう言って俺にラフタリアは優しく触れようとしてくるが、誰も信じるわけが無い。あの時だってそうだったんだ。

 

尚文「触るな!俺はやってない!何もしてないんだ!だがどうせ誰も信じやしない!だからもう放っといてくれ!それに」

 

俺がそうやって突き放してもラフタリアは優しく語りかけてくる

 

ラフタリア「尚文様、私の話を聞いてください。」

 

尚文「うるさい!もう俺に関わるな!」

 

そうやって拒絶していると

 

士道「いい加減にしろ!尚文!」

 

俺に大声で怒鳴ってくる声に反応し顔を上げると

 

士道「俺は言っはずだぞ!お前の事を信じているって。それはラフタリアだって同じなはずだ!そうじゃなきゃ奴隷紋から解放された今もお前に優しく語りかけるわけがないじゃないか!」

 

そう言って最後に「だから少しくらい聞いてやれよ。」そう言われて俺はハッとしてラフタリアの方を見ると

 

ラフタリア「尚文様、私は世界中の人々があなたの事を責めても私だけはあなたを信じています。だから尚文様も私が尚文様のことを信じていることを信じてください。」

 

そう言ってラフタリアが抱きしめてきた。今度は拒絶はしなかった。もうする必要がないと思ったからだ。俺はもう何も失いたくない、奪われたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

元康「くっ、俺は間違ってなんかいない。それにラフタリアちゃんだってまだ尚文に洗脳されてるかもしれない。」

 

そう元康がいうと

 

錬「いい加減にしろ元康。」

 

樹「あれを見てもまだそんなことが言えるなんてほんと凄いですね。」

 

そう言われて元康は悔しそうにしながら闘技場を出ていった。



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新たな仲間

随分と遅くなってしまいました。

最近は公務員試験の勉強が忙しくなかなか執筆が出来ないんです。

暇を見つけたら書いてますのでこれからもよろしくお願いします。


【尚文side】

ラフタリアに抱きつかれてから何時間くらいたったんだろうか?いつの間にか眠っていたようでもうここには俺達しかいなかった。

 

尚文「んっ。お前は誰だ?」

 

俺が目の前にいる女の子にそう尋ねると

 

??「何を言ってるんですか。ラフタリアですよ。」

 

俺がそう言われて

 

尚文「いや、でもラフタリアはまだ子供のはずじゃ…」

 

そう俺がいうと少し拗ねたようにラフタリアは

 

ラフタリア「全く尚文様はいつまでも私のことを子供扱いするのはやめてください。まあ、亜人は子供の時に急激なレベルアップをすると体も成長するんです。」

 

そう言われてよく見てみると、確かにラフタリアの面影があった。

 

尚文「そうか。そうだ、士道達はどこに?」

 

ラフタリア「士道さんたちは私たちに気を使って先に宿に戻ってくれました。」

 

尚文「そうか、それじゃあ俺達も戻らないとな。」

 

そう言って最後に「信じてくれてありがとう。」と言って先に行くとラフタリアは嬉しそうに尻尾を揺らしながら付いてきた。

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

【尚文side】

しばらく歩くと外に出た。するとラフタリアがいつの間にか作っていたパンをくれたので食べると

 

尚文「…っ。味がする。美味い!」

 

そう、今まで失っていた味覚が戻っていたんだ。

 

ラフタリア「まぁ、城の厨房にあった残り物なんですけどね。」

 

「でも、美味しい。」そう呟いたラフタリアに一瞬俺は、ドキリとして見つめてしまい、それに対してラフタリアから「どうかしましたか?」と言われたことに慌ててなんでもないと取り繕う事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●

【尚文side】

士道たちの元へと帰る前にラフタリアが奴隷紋を刻み直したいと言うので来ていたのだが。(ちなみに来る途中でたまたま士道とは会ったので一緒に奴隷商の元へと来ていた。)

 

尚文「なあ、本当に良かったのか?別に奴隷紋なんてもうなくてもいいんだぞ?」

 

俺がそうラフタリアに言うと

 

ラフタリア「いいんです。私が尚文様のものであるという証が欲しかったのです。」

 

尚文「いや、でも……」

 

俺たちが話していると奴隷商が話かけてきた。

 

奴隷商「いや~それにしてもあの奴隷がここまでの上玉になるとは!生かさず殺さずそれが真の奴隷使いと言うものなのですな!いやはや盾の勇者様には脱帽でごさいます。」

 

そう言われて俺は

 

尚文「おい、俺をどういう目で見てんだよアンタは。」

 

奴隷商「いやいや、感嘆しているのですよ!ここまでの上玉なら非処女でも金貨20枚はイケます!」

 

そう言われてラフタリアは顔を赤くしながら

 

ラフタリア「なっ!私は今は尚文様のものです!それに処女です!」

 

そう言うと奴隷商は目を輝かせて

 

奴隷商「なんと!それでは金貨40枚でどうでしょうか!!」

 

なに!?それだとあのLv75の狼男も買えるじゃないか!?そんなことを思ってるとラフタリアが

 

ラフタリア「尚文様!なにか言ってくださいよ!」

 

はっ、として俺は咄嗟に「ラフタリアは俺のものだ。一生一緒にいてもらわなきゃ困る。」なんて言ってしまった。すると

 

ラフタリア「えっ///」

 

驚きつつも凄く顔を赤くしていたのでどうしたのかと思っているとさっき俺が自分で言った発言を思い出すと

 

尚文「あっ。」

 

そう、まるで愛の告白の様だったのだ。それに気づいたはいいが言ってしまったものはどうしようもないので話題を変えることにした。

 

尚文「んんっ。ところであの卵はなんなんだ?」

 

俺がそう奴隷商に聞くと士道も気になっていたらしくこちらへと来た。

 

士道「確かに俺もなんの卵なのか気になってたんだよな。ところでお前らなにかあったのか?」

 

尚文「いや、なんでも。そんなことより卵に付いてだ。」

 

そう改めて聞くと

 

奴隷商「いやぁ~盾の勇者様は実にお目が高い!実はですねこれは卵クジと言いまして私共の表の商売でございます。」

 

尚文「クジか…まさか偽物じゃあないだろうな?」

 

俺がそう怪訝そうに言うと凄い勢いで否定してきた。

 

奴隷商「何をおっしゃいますか!私共は虚言でお客様を騙すのは好きでありますが、売るものを詐称したりは致しません!」

 

その勢いに俺は圧倒されながら

 

尚文「そ、そうか、それでいくらで売ってるんだ?」

 

奴隷商「はい、一つ銀貨100枚でございます。」

 

その金額を聞いて士道は

 

士道「いや、流石に銀貨100枚は高くないか?」

 

奴隷商「いえいえ、確かに少々高いかもしれませんが私共はフィロリアルの成体なら銀貨200枚から、ドラゴンならばもうその倍は出して買取ります。」

 

そう言われると確かにハズレがないなら最悪売ればいいか、と思い一つ買うことにした。

 

尚文「わかった、それじゃあ一つ買おう。」

 

俺がそう言うと士道も続いて

 

士道「あ、じゃあ俺も買うよ。」

 

すると奴隷商はニコニコ顔で

 

奴隷商「毎度ありがとうございます!」

 

合計銀貨200枚払って卵を受け取るとそのまま俺たちは宿へと一旦戻った。

 

 

 

●●●●●●●●

【尚文side】

俺たちは10時くらいに来るように呼ばれていたので報酬の為と思って来ていた。

 

オルトクレイ「ようやく集まったな、宰相。」

 

宰相「はっ。それではこれより勇者様方への波への対処の報奨の授与へといきたいと思います。」

 

オルトクレイ「うむ。それではまず元康殿には波への対処と我が国からのクエストの成功報酬を含めて銀貨4000枚。錬殿には波への対処とクエストの成功報酬を含めて銀貨3800枚。樹殿にも同じく波への対処とクエストの成功報酬を含めて銀貨3800枚。盾には銀貨500枚。」

 

そう言って渡そうとしてくるが

 

オルトクレイ「だが、奴隷紋の解除代と相殺し、今回の援助金は無しとする。」

 

その言葉に士道がキレそうになってるとまさかという所から援護が来た

 

樹「流石にそれは問題では?勇者同士の1対1の勝負に不正を行い、その上奴隷紋でしたっけ。それを解除しその上援助金まで払わないんですか?」

 

錬「確かに、ルール上では明らかに尚文は勝っていた。」

 

そう言われて元康は

 

元康「な、俺は負けていない!」

 

マイン「それは違いますわ、樹様、錬様。一対一の決闘に魔物をマントの下に隠していたのは盾の勇者。ですから父上は采配を見送ったのですわ。」

 

樹「それでも、あなたが魔法を放ったことは反則です。」

 

錬「それに波の時に実際騎士団の代わりに村を守ったのは尚文だ。」

 

そう言って錬は騎士団長の方をチラッと見ると

 

錬「最低限、報奨金は払うべきだ。」

 

そう言うと王は仕方ないというふうに

 

オルトクレイ「では、盾には規定どうり銀貨500枚を支給する。」

 

そして、次にラフタリアがまだよく分かっていないことについて聞いた

 

ラフタリア「あの、クエストというのは?」

 

オルトクレイ「この国の問題を勇者殿に解決してもらっているのだ。」

 

そんな話は聞いてないなと思ってると

 

ラフタリア「なぜ尚文様は受けてないのですか?」

 

ラフタリアがそう聞くと王は蔑むような目を向けながら

 

オルトクレイ「盾になにが出来るというのだ?」

 

王がそう言うと周りも失笑しているのが分かる。

やばい、俺もキレそう。

そうしているとラフタリアも、手を握りしめていた。

 

オルトクレイ「援助金を貰えるだけ有難く思え。」

 

そう言うと3勇者からも

 

元康「ま、全然活躍しなかったもんな」

 

樹「そうですね。波では見掛けませんでしたが何をしていたのですか?」

 

錬「足手まといになるなんて勇者の風上に置けない奴だ」

 

流石にこの言葉にはイラッときたので言い返した

 

尚文「民間人を見殺しにしてボスだけと戦っていれば、そりゃあ大活躍だろうさ。勇者様。」

 

元康「ハッ! そんなのは騎士団に任せておけば良いんだよ。」

 

尚文「その騎士団がノロマだから問題なんだろ。あのままだったら何人の死人が出たことやら……ボスにしか目が行っていない奴にはそれが分からなかったんだな。」

 

元康、錬、樹が騎士団の団長の方を向くと団長の奴は忌々しそうに頷いていた。

 

オルトクレイ「だが、勇者に波の根源を対処してもらわねば被害が増大するのも事実、うぬぼれるな!」

 

王がそう言った瞬間物凄いプレッシャーが放たれた。

 

士道「ふざけるなよ、このクズ王が。」

 

そう言われて王は「なっ。」というが士道の圧倒的なプレッシャーに負けて何も言えていなかった。

 

士道「守るべき民も守れていない上にただ単に椅子に腰掛けているだけの奴がそんなことを言ってんじゃねぇよ!お前らの騎士団の判断力が甘いから尚文が守ったんじゃねえか!いいか!それとなぁ、騎士団の連中は波の際に必要な勇者を殺そうとしたんだぞ!」

 

士道がそういうと錬、樹、元康は揃って騎士団長を見た。

 

錬「おい、それは本当なのか?」

 

錬の問に俺がああ、と頷くと

 

樹「はぁ、まさか波の最中に、そんなことがあったとは。王よこれはどういうことですか?」

 

樹が王にそう聞くと

 

オルトクレイ「そんなことはありえない!錬殿、樹殿、あなた方は罪人の仲間の言葉を信じるのか?」

 

王は話を逸らそうとするがそれに乗せられたのは元康だけだった。

 

元康「た、確かに!王様たちがそんなことをしてもなんの得にもならないじゃないか!」

 

元康がそう言うと

 

錬「今は罪人がどうのという話をしているんじゃない。話を逸らすな。それに元康。これが本当なら俺達も危ないのかもしれないぞ?」

 

樹「そうですね。士道さんがそんなつまらない嘘をつくとは思えませんし。これは早急に真実を知る必要がありそうですね。」

 

そう言うと樹と錬は騎士団長に

 

樹・錬「これはどういうことだ(ですか)?」

 

騎士団長「それは………そう!盾の勇者がいるなんて思わなかったのです!」

 

士道「あ?お前あの時『なんだ、生きていたのか頑丈な奴め』って言ったよな?」

 

士道がそう言うと騎士団長は顔面蒼白になった。そして、士道はおもむろに虚空へと手を伸ばすと

 

士道「囁告篇帙。」

 

そう呟くと本が出てきてそれを読み始めた。周りは唖然としているが士道は気づいてはいないようだ。そして、30秒ほど経つと

 

士道「なるほどな、そういうことか。」

 

尚文「どういう事だ?」

 

俺が訳が分からずにそう聞くと士道は

 

士道「ああ、騎士団長のやったことだが恐らく独断ではないだろうと思ってな。俺の《天使》で調べたんだ。そしたら面白いことが分かったんだ。」

 

その言葉に面白いこと?と返すと

 

士道「ああ、実は騎士団長に命令したのはマイン・スフィア、ようはマルティ・メルロマルク、第1王女だったんだ。」

 

そう士道が言った瞬間元康が

 

元康「なっ!そんなのデタラメだ!それにマインがやったって言う証拠がないじゃないか!?」

 

その言葉に

 

士道「ああ、確かにな。だが俺のこの《天使》は知りたい情報を過去のことなら正確に教えてくれる能力を持っていてな、俺に対して全ての嘘は意味をなさない。」

 

俺がそう言うとその場はしんと静まり返った。誰もが士道の言っていることが理解出来ないでいるのだ。

だがその静寂は破られた…最悪の形で

 

マルティ「デタラメよ!そんな知りたいことがなんでも知れるなんて物があるわけないわ!それに、もしそれが本当だとしたら国の機密を他国に流されたら不味いでしょう!だからパパ、早くこの男を牢獄に捕らえるべきよ!」

 

マルティがそう言うと王はさっき士道が言ったことなどもう忘れたと言わんばかりの態度で

 

オルトクレイ「直ぐにそのものを捕らえよ!そして、盾以外の仲間は殺しても構わん、無力化せよ!」

 

そう言うと兵士たちは士道の事を囲むと捕まえるタイミングを待った。

 

マルティ「元康様ァ、どうかそのお力を貸してください!私のためこの国のためあの危険人物を捕まえる為に協力をしてください

!」

 

元康「ああ、もちろんだ!」

 

その言葉に樹と錬は反対した。

 

錬「まて、元康マルティ王女の件がまだ終わっていない。」

 

樹「ええ、確かに証拠は今のところありませんが、そのままにしておくのは僕たちは危険ですから。あなたと違って。」

 

その言葉にどういうことだと元康が聞くと

 

錬「第一王女に気に入られてるお前は何もされる心配がないだろうが俺たちは違うもしも今回の件が本当なら俺たちのことも邪魔だと思ったら殺すために行動を起こす可能性がある。」

 

樹「ええ、ですからこの件は尚文さんのためだけではなく僕達自身のためにも真実を知らなければいけないのです。」

 

そうやって3勇者が言い合っている間にも事態は悪化していった。

 

士道「おい、お前ら俺たちのことを殺そうとするだけじゃなく折紙たちにまで危害を加えようとするのか?」

 

士道がそう尋ねると王は

 

オルトクレイ「当たり前だ私はこの国の王だ。ならば危険な者を野放しには出来んだろう?」

 

士道はその言葉にそうかと一言呟くと濃密な殺気を放った。

 

3勇者「…!」

 

オルトクレイ「早く捕らえよ!」

 

その言葉を皮切りに士道のところに兵士が殺到した……が飛んだ首は兜を被っていた。

 

士道「いいか、前にも言ったがそれでも足りないならその身に思い知らせてやる。本当の恐怖というものを!《鏖殺公(サンダルフォン)》《絶滅天使(メタトロン)》《刻々帝(ザフキエル)》」

 

士道が己の中に封印してきた力を解き放つと嵐のような風が吹き荒れた。そして気づいた瞬間には兵士10人が士道の手によって絶命した。

 

士道「いいか、これは警告だこれ以上俺たちに危害を加えようとするならば次はこの国が滅ぶと思え。」

 

そう言うと士道は折紙と七罪を連れて王の間から出ていった。

 

そして、尚文もその後を追って出ていった。

 

その後の王の間には沈黙と血が流れていた。



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新たな仲間と頭を抱える女王

―ミレリアside―

士道が王宮で血の雨を降らせてから数時間後メルロマルク国女王のミレリア=Q=メルロマルクは女王直属の部隊である『影』から事の顛末を聞いていた。

 

ミレリア「それではそのイレギュラーで呼ばれた五河士道という人間はこちらから手を出さなければ安全ということですか?」

 

ミレリアが何もない所へと言葉を投げかけると

 

影「はい、恐らく言動と行動を見てもそう判断して問題ないかと。」

 

そう返してきた影に対してミレリアはそうですかと返すと

 

ミレリア「では、今はとにかく盾の勇者様と五河士道様と早急な和解が必要です。なので私のいるこの場所へと誘導してください。そのための交渉役としてメルティを連れて行きなさい。メルティには私から話しておきますので。それで私自らが話しをし、なんとか協力を仰ごうと思います。」

 

そしてミレリアが言い終わると影は承知しましたというとスッと影に溶け込むようにして消えた。

 

ミレリア「はあ、どうにか和解が出来ると良いのですが。」

 

そう呟くとミレリアは事情を話すためにメルティの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

時間は戻り王宮を血の海で染めた士道たちは現在エルハルトの武器屋に来ていた。

 

エルハルト「おっ、兄ちゃんたち早かったじゃねぇか。もう王様との謁見は終わったのかい?」

 

士道「いや、終わらせてきた。」

 

士道のその言葉にエルハルトは首を傾げると尚文に何があったのかを聞いて士道をチラッと見てから尚文に視線を戻すと

 

エルハルト「……マジで?」

 

尚文「マジだ。」

 

その即答ぶりにエルハルトは頭を抱えた。

 

エルハルト「おいおい、ウチの王様国を滅ぼす気でもあるのか?」

 

そうやって話してるところに士道がやってきた。

 

士道「なぁ、親父さん。この店にはなんかステータスを上げることが出来るようなアクセサリーって無いのか?」

 

士道が自然とそんなことを聞くと

 

エルハルト「ああ、そうだなアクセサリーだとここら辺はどうだ?」

 

そういってエルハルトは10種類くらいのアクセサリーを持ってきた。

 

士道「そうだな、だったらこの指輪の魔力上げのやつと知力が上がる奴を買うよ。」

 

エルハルト「ほう、それを選ぶとは流石だな。それじゃあお代は負けてやるよ。銀貨50枚でいいぜ。」

 

その値段に士道は驚いた。

 

士道「そんなに安くしてもらってもいいのか?」

 

エルハルト「いいんだよ、まずは兄ちゃんたちが生きて戻ってきてくれりゃあな。あとはこれからもここに素材を売ってくれればいい。」

 

そういうとエルハルトはニカッと笑った。

 

士道「そうか、分かった!絶対に俺たちは生きて帰ると約束するよ!」

 

士道がそう言うとエルハルトは満足した。

 

士道「それともうひとつ言っておきたいんだけど。」

 

エルハルト「ん、何だ?」

 

士道「いや、一つだけ不安要素があってな、俺は王国の王に喧嘩を売ってきたわけだろ?」

 

士道がそう言うと確かになとエルハルトは頷いた。

 

士道「そして、俺たちってこの店をよく利用してるだろ?」

 

エルハルト「おう、そうだな。」

 

士道「それでな、俺に対して絶対に何かしてやろうと思ってるはずなんだ。そこで、多分奴らは俺たちが通ってるこの店を狙うかもしれないんだ。いや、厳密には親父さんの事を。」

 

その言葉にエルハルトは確かにと思った。

 

士道「だから、その対策としてこれを置いてくよ。」

 

そう言うと士道は布を取り出すと贋造魔女でスイッチを作り出した。

 

エルハルト「これは何に使うんだ?」

 

士道「それはGPS付きのスイッチだ。」

 

エルハルトは聞きなれない言葉に首を傾げた。

 

エルハルト「そのGPSってのはなんなんだ?」

 

士道「簡単に言うとそのスイッチを押すとそのスイッチの位置情報が俺にだけ伝わるんだ。だから、もしも王宮が何かしてきた場合はそれを押してくれ。直ぐに飛んでくるから。」

 

もはや何が何やらという感じのエルハルトはとりあえず頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●

あの後ある程度の準備が終わった俺たちは一旦宿に帰ってからまた明日出発するということにして帰った。

そしてその次の日の朝ラフタリアと七罪に俺たちは叩き起こされた。

 

七罪「士道、早く起きてちょっとこっち来て!」

 

そんな風に凄く急いでる感じからして何かが起きたのだろうという事を感じたのでついて行った。

 

士道「どうしたんだよ、七罪~」

 

そうやって聞いてもとにかく早く来てと言われるがままに女子部屋へと来ると折紙がいたので聞いた。

 

士道「折紙、一体何があったんだ?」

 

折紙「?七罪から聞いてないの?」

 

士道「ああ、とにかく早く来てとしか。」

 

そう言うと折紙は

 

折紙「そう、なら私が伝える。前に買ってきた卵が孵化しそう。」

 

士道「おっ、そうなのか。じゃあ見てようか。」

 

それからは5人で談笑しながら待っていると不意に卵の殻にヒビが入った。すると、みるみるうちにヒビが広がると尚文が買った方からはフィロリアルが士道が買った方からはドラゴンの赤子が生まれた。

 

尚文「お、生まれたみたいだな。」

 

士道「そうだな、俺の方はドラゴンか。」

 

士道と尚文が話しているとフィロリアルの方は尚文、ドラゴンの方は士道の頭の上に乗ると、とても楽しそうにはしゃいでいた。

 

ラフタリア「尚文様、この子凄く可愛いですよ!」

 

尚文「あ、ああそうなのか?俺には見えてなくてな。」

 

士道「へえ、やっぱり生まれたばかりだからなのか懐いてくれるんだな。」

 

士道がそうやって喋っていると七罪が羨ましそうな目で見てたからそっと頭の上から降ろすと七罪に手渡した。

 

七罪「わああ、すごいわね士道!すっごく可愛い!」

 

七罪のそんな無邪気な反応に微笑むと士道は

 

士道「それじゃあとりあえず名前を付けないとな。」

 

士道の言葉に皆が頷いた。

 

ラフタリア「尚文様、尚文様はこの子の名前はなにがいいと思いますか?」

 

ラフタリアがそういうと尚文は少し考えると

 

尚文「フィロリアルだからフィーロなんて名前はどうだ?」

 

尚文がそう言うとラフタリアは安直過ぎではないかと心配したが当の本人は嬉しそうに鳴いていた。

すると、ドラゴンの子も士道に対して希望の眼差しを向けていた。

 

士道「そうだな………(今日は確かあっちの世界だと20日だったな)ハツネってのはどうだ?」

 

士道がそう聞くとドラゴンの子は嬉しそうに鳴いて士道の頬を舐めていた。

 

士道「よかった、それじゃあこれからお前の名前はハツネだ、よろしくな。」

 

士道がそう言うとハツネはキュルルとひと鳴きした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

ハツネとフィーロが生まれてから2週間が経った。前までは全長80cmくらいしか無かったが今ではもう士道と尚文が乗れるくらいの大きさになって実際に魔物との戦闘も問題なく出来ていた。

 

士道「尚文、今日はどこら辺でレベル上げしようか?」

 

尚文「そうだな、こいつらももう大きくなってきたし少し強い奴がいる所まで行くのも悪くないかもな。」

 

士道「確かに、それじゃあ俺はこのことをみんなに伝えてくるから尚文はここで待っててくれ。」

 

そう言うと士道は折紙たちの元へと向かって行った。

 

尚文「それにしても、かなりでかくなったよな。」

 

ラフタリア「そうですね、確かにもう尚文様のことを乗せて戦う位のことも出来るでしょうし。」

 

尚文「ああ、そうなると戦術の幅も広がるな。」

 

尚文とラフタリアが2人で喋ってると何やら厩舎の外が騒がしくなったので人が集まっている広場へと向かうとそこにはまさかの人物が居た。

 

尚文「元康、と第1王女か。一体何しに来たんだ?」

 

尚文がなぜここに2人が来たのか考えているとマルティが話し始めた。

 

マルティ「この度、波の戦いでの功績を称えられ槍の勇者元康様がこの地の領主に任命されました。速やかな復興のため通行税をかけます。村に入るのに銀貨50枚、出るのに50枚。」

 

そう言うと村人たちは流石にそれだと食べるものすらなくなってしまうと言ったがマルティは

 

マルティ「領主様の命令が聞けないと?」

 

尚文「当たり前だろ。」

 

尚文がそう言うとマルティは見下すような目で見ながら

 

マルティ「盾の勇者、まだこんな所にいたの。ここはもう元康様の領地です。というか、犯罪者はとっとと出ていってください!」

 

士道「誰が犯罪者だって?」

 

マルティがそう言ったところで士道が戻ってきた。

 

マルティ「イツカシドウ、あなたまでいたのですか。」

 

士道「さて、今ここでお前を殺すことに躊躇いはないが俺が殺すと本当に犯罪者になっちまうからな。とりあえずだ尚文。」

 

士道がそう言って尚文に目配せすると尚文は小さく頷くと

 

尚文「元康、お前はここの宿代が1泊いくらか知ってるか?」

 

その問いに元康は知らないようで目を逸らした。

 

尚文「いいか、1泊食事付きで銀貨1枚だ。つまりお前たちは村を出入りするだけで100日分の宿代を奪おうとしてるんだぞ。」

 

尚文の言葉に村人も続いた。

 

するとマルティは少々イライラしたのか強硬手段に出た。

 

マルティ「国の決定に異議を唱えるとは…」

 

すると周りの兵士たちが一斉にこちら(村人も含む)に槍を向けてきた。

 

その行動に村人たちはビビりまくっていたが。そんな行動に出たので士道も力を解放した。

 

士道『颶風騎士』『鏖殺公』

 

士道が精霊の力を発現させると風は村人を守るようにして緩やかにだが回り始めた。そして士道の手には鏖殺公が握られていた。士道はそれをマルティに向けると

 

士道「お前たちが何の罪もない人達を傷つけるというのなら俺は犯罪者になろうとも今ここでお前たちを殺す。」

 

士道がそう言うとマルティは顔を青くし、元康は慌てていて、兵士たちは腰が完全に抜けていた。そうして少し間が空いたところで突然マルティの隣から人影が出てきた。そしてマルティに自分たちのことは知っていることを聞くと巻物を渡した。

そしてその巻物を見たマルティは青い顔で

 

マルティ「盾の勇者か、イツカシドウ、村の権利をかけて勝負よ!」

 

そう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●

マルティが宣戦布告してから数分後士道はハツネとともにレースのスタート地点に立っていた。隣には自信満々の元康がいたがハツネは成長が早いのかもう既に元康の騎龍よりも大きくなっていた。

 

士道「ハツネ、村の人達のためにも絶対に負けられないから頼むぞ!」

 

士道がそう言うとハツネは咆哮することで応えた。

 

尚文「士道、奴らは何をしてくるかわからんから試合中も周りに気をつけてくれ!」

 

ラフタリア「士道さん、頑張ってください!」

 

折紙「士道なら大丈夫、絶対に勝つ。」

 

七罪「が、頑張ってよね!」

 

みんなの声援を受けたところでコースの準備が出来たようだ。

 

村長「それでは、これよりドラゴンレースを始めます。……始め!」

 

村長が始めと言った瞬間に村長の横を士道と元康が通り過ぎた。

 

そして最初のカーブで突然目の前に穴が出来た。

 

士道「穴!?『贋造魔女・千変万化鏡』」

 

だが瞬時に贋造魔女で穴を塞ぐと続けざまに破軍歌姫を発動した。

 

士道「そっちがその気なら俺も手加減はしない。ハツネ、本気で走れ!『破軍歌姫・行進曲』『颶風騎士』」

 

破軍歌姫と颶風騎士の同時使用は少し体に負担がかかるが士道はそれを無視した。だがその甲斐あって元康はもう見えなく士道は2週目に入った。

 

だがそこでおかしなことに気づいた。元康が急に速くなったのだ。さっきまでよりも明らかに違う。しかし元康には自分へのバフ系のスキルはあまりなかったはずだ。

 

士道「どういう事だ?(確かこのレースは自分で自分に魔法を使用するのは良いが外野からはダメだったはずだ。そうすると恐らく所々にいる兵士たちが怪しいな。)」

 

そう考えているうちに元康は士道のすぐ後ろまで迫っていて次の瞬間一瞬だけかなり速くなった。だが士道もただ黙って見ているつもりはなく颶風騎士と破軍歌姫の力を最大限に引き出した。

 

そして最後の300mで士道は元康を追い抜くとゴールした。

 

士道「良かった、勝ったな。」

 

そう言うと士道はバタリと倒れた。

 

その様子を見ていた尚文たちは急いで士道の元へと走った。

 

尚文「士道!折紙、士道は大丈夫なのか!?」

 

ラフタリア「士道さん!?」

 

突然士道が倒れたので心配して駆け寄ったが折紙と七罪は士道の様子を見ると安堵した。

 

七罪「多分士道は大丈夫よ。」

 

折紙「2つの精霊の力をフルで使った反動だと思う。」

 

その言葉にとりあえずは安堵したが意識を失った士道をそのままには出来ないので折紙と七罪が士道を運ぼうとした所でハツネに変化が起きると元々3m近くあった全長が5m程に大きくなった。

 

そしてその姿を見るやマルティは

 

マルティ「な!?不正ですわ!騎龍と言っておきながらこんなに大きなドラゴンだなんて。」

 

その言葉に村長は不正ではないと言ったが聞く耳を持つはずもなかった。

 

尚文「ふざけるな所々穴だのなんだのといろいろと妨害をしていたくせに!」

 

マルティ「あらぁ?なんの事か分かりませんわぁ。」

 

尚文の問いにしらばっくれようとしたが証拠はあった。

 

そして次の瞬間、マルティの前に『影』が出てきた。

 

影「盾の勇者様の言う通りです。コース上に魔法の痕跡が見られました。」

 

だがマルティはなんとか誤魔化そうとしていたが結局は影の完璧な証拠により渋々帰っていった。



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