不死者の王と最後の願い (剣神盾神)
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1話

設定

 

モモンガ:ユグドラシルの最後に玉座の間で眠った状態で異世界転移した。リアルでの肉体は死亡扱いになっている。

 

ギルメン:モモンガの死亡を知り落ち込んでいたが、ある日ユグドラシルの運営サイトから一つの動画が送られそれを見るとナザリックの玉座に座っているいるモモンガを見てその後強制的に異世界転移する。

しかし、玉座の間に行くと座ったまま眠りについたモモンガを発見し再び絶望するが自分達がユグドラシルではなく異世界にいることを知ったギルメンがモモンガを救う方法があるのではないかと異世界を探索していく。

 

NPC:基本的に原作通り。

 

パンドラズアクター:この物語1番の捏造かも。ギルメンが引退した後に造られため誰もパンドラズアクターの存在を知らなかった。宝物殿に行った際に初めて存在を知り同時にモモンガの今までの孤独を知ることになる予定です。

 

ここから本編のプロローグです。こんな設定で良ければ見て行って下さい。

 

たっち・みー(人にはやり直したい過去の一つや二つ誰しもあるものだ。辛い過去も悲しい記憶も人の数だけ存在しているのだろう。私はテレビのヒーローに憧れたいた。どんな時でも正義を貫き悪を討つ正義のヒーローに私は憧れた、だから私は警察になり困った人に手を差し伸べるために生きてきた。だが現実は違う私はヒーローでも増して警察でもない権力者を守るだけの何もできないただの弱者でしか無かった。何もできない私は一つのゲームに逃げてきた。息抜きのためにプレイしていたが結局何も変わらなかった、公式チートと呼ばれる職についても何故か何かが欠けていて満たされる事がなかった。

そんなある日、異形種狩りをしているプレイヤーを見つけた。大人数で虐めにも等しい行為に及ぶ彼らを倒し倒れているプレイヤーを見ると彼は不思議そうに聞いてきた。

???「何故見ず知らずの俺を?」

そんな彼に私は自分の理想を演じた。

たっち・みー「誰かが困っていたら助けるのは当たり前」課金したエフェクトを使い彼の前で軽くポーズを取った。その時私の中で何かが弾けた。そうか私に無かったものはこれだったんだ。困った人間に手を伸ばすことが出来る。現実とは違い私には確かな力がある。そう確信したと同時にまだ彼に名乗っていない事を思い出し軽く自己紹介をした。

たっち・みー「初めまして、私はたっち・みーと言います貴方は?」

モモンガ「俺はモモンガです。助けて頂いきありがとうこざいます。」

これが彼との出会いだった。私に正義を思い出させてくれた、私を本物のヒーローのように慕ってくれた彼との出会いが無ければ今の私は居ないだろう。私はこの出会いに何度も感謝し何度も彼に感謝した、この出会いほど私にとって輝かしいものは無いだろう私は何度もそう思った。あの日までは。

 

 



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一人の願いと彼らの願い

設定の追加
異世界も原作違う点が多々あります。



ヘロヘロ「またどこかでお会いしましょう」その言葉を残しヘロヘロはログアウトした。

モモンガ「どこで、何時会うのだろうね」最終日にログインした三人のうち最後の一人がログアウトした。

モモンガ「当然だよなリアルとゲームどちらを取るかなんて誰でも分かる。それでも俺にはユグドラシルしか無かったんだ」モモンガはギルメン達との思い出を懐かしみながら最後は締めくくる為に玉座の間へと向かった。玉座に向かう途中プレアデスをに最後の仕事をさせるために共に玉座の間へと向かう事にした。扉を開けるといくつものシャンデリアやギルドメンバーのサインの入った旗がモモンガの視界に入ったそして玉座の隣にはこのナザリック地下大墳墓の守護者統括アルベドの姿。

モモンガ「どんな設定だったかな」そう思い設定を開くと。

モモンガ「・・・え? ビッチである」何これと思ったモモンガだがアルベドを作ったのが設定魔でギャップ萌えのタブラである事を思い出した。幾らなんでもこれは酷いそう思ったモモンガはアルベドの設定を変更する事にした。

『モモンガを愛している』とビッチであると書かれた部分を消し新しい設定を入れた。

モモンガ「うわ、恥ずかしい」恥ずかしさを紛らわす為にモモンガはアイテムの整理をする事にした。

モモンガ「ん? これは確か」モモンガ取り出した物はユグドラシルの課金ガチャで当たるアイテム、超位魔法〈星に願いを〉を経験値消費なしで3度まで使えるアイテム〈シューティングスター〉だった。

モモンガ「結局一度も使う事が無かったんだよな」モモンガは手にはめてある指輪を一つ外しシューティングスターを指にはめた。

モモンガ「指輪よ。俺は願う! ナザリックに永遠の栄光を」願いを言うと指輪にある三つの星の内の一つが消えた。

モモンガ「やっぱり不発に終わったか。ならギルド長として最後に仲間の応援でもするか」

モモンガ「指輪よ。俺は願う!仲間たちの願いを叶えてくれ」今の自分に出来るのはせいぜいこれくらいかそう考えているとかつて仲間の一人が言っていた言葉を思い出す。

???「貴方はもう少し我が儘になった方がいいと思いますよ」今思い出すと誰が言った言葉か少し曖昧だ。

モモンガ「そうだよな今日くらい我が儘を言っても」モモンガは指輪に残る最後の星を眺めゆっくりと空に手を伸ばすように指輪を発動させた。

モモンガ「指輪よ。俺は願う!俺に○○○○○○○○○○○○○」その言葉を最後にユグドラシルは最後の時を迎えた。

 

 

たっち「モモンガさんが亡くなった」ユグドラシル最終日の日何人ものユグドラシルプレイヤー達が遺体となって発見された。最初にその事は知ったのはユグドラシル最終日から一週間も後のこと。ユグドラシルのプレイヤーが亡くなった件に関し運営側は責任を問われたが警察や彼らの遺体を調べた医者の証言で今回の彼らの死と運営には直接的な繋がりが無いと発表されこの事件は早々に迷宮入り扱いになった。

たっち「ここか」彼が訪れたのは葬式の会場。会場にいるのは彼の会社の関係者数人とアインズウールゴウンのメンバー達、彼らとの再会が彼の死の後だと思うと後悔の言葉ばかりが頭の中に出てきた。葬式はほんの数時間で終わった。どうやらも他のユグドラシルプレイヤーの葬式もここで行われるらしくギルドメンバーは葬式の会場後に近くの飲食店に足を運んだ。だが、店に入ってからも彼らは沈黙のままだった。そんな空気を変えるために最初に会話を始めたのはたっちだった。

たっち「皆さんお久しぶりですね」簡単な言葉をしか出なかった。

ペロロン「そう・・・ですね」普段ムードメイカーの彼もやはりこの状況ではいつもより元気が無いように見える。

武人武建御雷「やめとこーぜ今の俺たちじゃ何喋っても同じだ」確かにそうだ今の俺たちに前のような会話をする事が出来ない。彼の言葉で再び沈黙が続いたがそんな沈黙をヘロヘロが破った。

ヘロヘロ「私のせいだ」ヘロヘロは頭を抱えながら大粒の涙を流した。

ヘロヘロ「あの時無理にでもログアウトさしていればモモンガは死ななかった私のせいだ私のせいで」ヘロヘロは懺悔をするかのように謝り続けたがそんなヘロヘロにウルベルトが

ウルベルト「あんたの責任じゃない。あの場にいたのが誰であろうとモモンガさんはきっとあの場所に残ってたあの人はそう言う人だそれはここにいる全員が知ってるだろ」だがその後もヘロヘロは自分を責め続けた。

タブラ「・・凄いなモモンガさんは。私達は一人居なくなってこれなのにあの人はこれをあの場所で一人になるまで見てきたなんて」タブラの言葉が全員の心に突き刺さった。モモンガをあの場所に繋ぎ止めたのは誰でもない自分達だ、なら自分達に今出来ることは一体なんなんだろう。そう考えていると一斉に皆の携帯が鳴り始めた。

四獣天朱雀「誰ですかこんな時に・・ユグドラシルの運営から?これは!!」最初に携帯を見た朱雀が慌てた顔で皆に携帯を見せてきた。その画面に映っていたのは自分達のよく知る場所だった。ナザリック玉座の間そこにはプレアデスと守護者統括アルベドそして玉座に座るモモンガの姿だった。

皆も慌てて携帯を見ると朱雀と同じ物が送られていた。

やまいこ「どうして運営がこれを送って来たんだろう」やまいこの疑問も当然だ今更こんな事をする理由がないだが。玉座に座る懐かしい彼の姿を見た皆は同じ感情を抱いた。

たっち「モモンガさん」

ウルベルト「モモンガさん」

ヘロヘロ「モモンガさん

ペロロン「モモンガさん」

武人「モモンガさん」

タブラ「モモンガさん」

ぶくぶく茶釜「モモンガさん」

朱雀「モモンガさん」

 

全員「貴方に会いたい」ギルメンの心がその思いで一つになった時画面に文字が現れた。

 

《願いは受理されました。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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絶望の始まり

ペロロン「あれここは?」目を開けるとそこは自分のよく知る場所だった。ナザリックにある自分の部屋。辺りを見渡すとペロロンチーノは何故ここに自分が居るのかよりも自分の部屋が引退した時のままでいることに一番驚いた。

ペロロン「モモンガさんが管理してくれたのかな、でもどうして」ペロロンチーノの疑問は当然だ。かつて自分がユグドラシルを引退する時にモモンガに売り払ってもいいと自分で言ったのだから。

ペロロン「取り敢えず一度部屋を出よう」そう思いペロロンチーノは一度部屋を出て廊下を歩き始めたすると。

ウルベルト「ペロロンチーノさん」自分の名前を呼んだのはとても懐かしい彼の姿だった。アインズ・ウール・ゴウンのワールドディザスターでありたっち・みーが創設したナインズ・オウン・ゴールからの付き合いでもあるウルベルトだった。

ウルベルト「ペロロンチーノさんもここに居たんですね。」

ペロロンチーノ「ウルベルトさんもしかして自分の部屋で?」ペロロンチーノがウルベルトに尋ねた。

ウルベルト「・・・ええ、その通りです。自分以外にも皆ここに来てます。ペロロンチーノさんで最後です。」ペロロンチーノはウルベルトが皆ここに居ると言う言葉に希望を抱いた。皆ここに居るということはモモンガが居るとペロロンチーノは思ったからだ。だが、ウルベルトの顔を見た時希望は徐々に薄れていった。何故ならウルベルトの顔には喜びを感じさせない程絶望に染まっていたからだ。

ペロロンチーノ「ウルベルトさんモモンガさんは?」ペロロンチーノはウルベルトに尋ねた。

ウルベルト「・・・取り敢えず玉座の間に来て下さい」ウルベルトはそれ以上何も言わずに玉座の間に向かった。ペロロンチーノもウルベルトの言葉に従い玉座の間に向かった。

ペロロン「!!何、これ」玉座の間に着いたペロロンチーノが見たものは玉座を囲むように座っている仲間たち。そこ顔は皆絶望に染まっていた。しかしペロロンチーノの視線はその中にいる人物からそらすことが出来なかった。ひれ伏したアルベドとプレアデスそして仲間の囲んでいる中にいた懐かしい人物。

ペロロン「モモンガさん!!」ペロロンは彼との再会に感情を抑えきれずにモモンガの近くにまで寄り添った。

ペロロン「モモンガさんもこっちに居たんですね。俺は貴方に言いたいことが沢山あるんです。でも本当にお久しぶりです」ペロロンチーノはひたすらモモンガに喋り続けたがペロロンチーノはある違和感を感じた。

ペロロン「モモンガさん?」不安になったペロロンチーノはもう一度モモンガに語りかけた。

ペロロン「モモンガさん!!俺ですペロロンチーノです。聞こえたら返事をした下さい」ペロロンチーノは何度もモモンガを呼ぶも彼はピクリとも動かない。

ペロロン「そんな」ペロロンチーノはようやくこの状況を理解した。何故仲間たちが落ち込んで居るのか、何故誰もモモンガに語りかけないのかペロロンチーノはそれを理解してしまった。

タブラ「これはきっと罰なんでしょうね」沈黙の中タブラがつぶやいた。

タブラ「自分達の行いを。彼を孤独にしてしまった我々に対する罰なのかもしれませんね」タブラの言葉がここに居る全員に響いた。そうだ散々あの人を一人にしておいて寂しいと言って会えるなんてそんな都合のいい話がある訳もない。タブラの言葉を最後に再び皆黙り込んでしまったがその時。

アルベド「タブラ・スマラグディナ様、モモンガ様に一体何が起こったのでしょうか」その言葉にここに居た全員が顔を上げた。自分達は今起きた出来事を認識できずにいた。NPCであるはずのアルベドがコマンドも無しに勝手に喋り出したからだ。

タブラ「アルベド?」タブラが最初に声を出した。

アルベド「はい、なんでしょうタブラ・スマラグディナ様」自分達の聞き間違いでなかった。あり得ない一体何が起こってる。

ぷにっと萌え「タブラさんちょっといいか?」

タブラ「どうしました?」

ぷにっと萌え「ちょっと試したいことがあるですが」

タブラ「良いですよ。ぷにっと萌えさんにお任せします」

ぷにっと萌え「ありがとうございます。セバスちょっといいか?」アルベドが喋ったならセバスも。

セバス「はい、なんでしょうぷにっと萌え様」予想道理セバスも此方の問いに答えた。やはり何かが起きているらしい。

ぷにっと萌え「セバス、ナザリックを出て周囲を探索しろ。範囲は1キロまでとし交渉出来そうな生命体がいれば連れてこい。向こうが何か要求をしてきたら取り敢えず要求を受け入れても構わない」

セバス「畏まりました、ぷにっと萌え様」

ぷにっと萌え「プレアデス達は九階層に上がり警戒に当たれ」

ユリ「畏まりました、ぷにっと萌え様」そう言うとユリに続くように他の五人も玉座の間から出て行った。

ぷにっと萌え「アルベド、第四と第八を除く全ての階層守護者を玉座の間に集めてくれ」

アルベド「畏まりました」アルベドはそう言うとプレアデス達と同じように玉座の間から出て行った。

ウルベルト「取り敢えずは一度状況整理する必要がありますね」

たっち「本当に何が起こってるんだ」彼らは知らない、本当の絶望が間近に迫っていることを。

 

 

 

???「あれが私の創造主が待ち焦がれたものですか。確かに至高と呼ばれるだけはありそうですね。しかし、彼の方が居ないアインズ・ウール・ゴウンなど・・・・・。本当にくだらない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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一つの可能性

すみません、二話の四獣天朱雀間違いでした。
四獣天朱雀でなく死獣天朱雀でした。


【ナザリック玉座の間】

弐式炎雷「・・・これからどうするつもりなんですかぷにっと萌えさん」彼の疑問は当然だ。モモンガの事を知ってから皆気持ちは同じはずなのに何故彼は落ち着いている?。

ぷにっと萌え「取り敢えず確かめたい事があるので質問は後にして下さい。それより今動ける人は居ますか?」

ウルベルト「俺は行けますよ」最初に名乗り出たのはウルベルトだった。

ぶくぶく茶釜「私も」粘液を触手の様に使い彼女も手を上げた。そして彼女に続く様にタブラとやまいこそして武人武建御と弐式炎雷も無言で手を上げた。

やまいこ「何するつもりなんですか?」やまいこがぷにっと萌えに質問した。すると彼は衝撃の言葉を発した。

ぷにっと萌え「モモンガさんは生きてますよ」彼の言葉に全員が彼の顔を見た。するとペロロンチーノが彼の身体を掴み揺さぶり始めた。

ペロロン「どう言う事ですか!!!説明して下さい」

ぷにっと萌え「彼の手に着けている指輪を見てください。それが一つ目の根拠です」ぷにっと萌えの言葉でその場にいた全員がモモンガの指輪に視線を向けた。すると彼の指にあるアイテムがあった。

やまいこ「これって?シューティングスター!!」

ぷにっと萌え「そうです、シューティングスターです。彼の性格から考えて恐らく指輪を今まで使わなかったのでしょう。でもユグドラシル最終日となり最後に何かを願った可能性が高いです」

死獣天朱雀「ですが、その願いとモモンガさんの生存に何の関係があるんですか?」彼の疑問は当然だ。その願いと生存に何の関係があるのか自分達には分からない。

ぷにっと萌え「・・・二つの目の根拠はあるはずの場所にある物がなかったことです」ぷにっと萌えはそのままそのまま話を続けた。

ぷにっと萌え「私の部屋は円卓の間から近いんですよ。それでヘロヘロさんからログアウトする前に2人でその部屋に居た話を聞いていたので玉座の間に行く前に寄ってみたんですけどねモモンガさんも居なかったけどあれも無かったんですよ」ぷにっと萌えの勿体ぶる喋りにウルベルトが。

ウルベルト「いいからさっさと話して下さい」 ウルベルトは耐え切れなくなり怒鳴るように言った。

ぷにっと萌え「無かったんですよ・・・ギルド武器が、円卓の間にも玉座の間にもね」その言葉で全員がハッとなり同じ事を考えた。何故ならギルド武器はギルドの象徴であり、ギルド武器の消滅はギルドの崩壊を意味するからだ。

ぷにっと萌え「もし最後にモモンガさんがギルド武器を持ったままでいたならギルド武器はモモンガさんの所にある可能性が高いモモンガさんが亡くなっていたら持っていたギルド武器もモモンガさんのアバターも共に消滅しているはず、なのに見たところギルドには何の異常が無い一つを除いて」ぷにっと萌えの言葉に全員が同じ事を考えた。

タブラ「NPCですか?」

ぷにっと萌え「その通りです。そして今から動ける人で三つ目の根拠を確信に近づけたいと思います。もし今の私の考えが仮設でなかったらモモンガさんの生存の可能性は高いものになる」

弐式炎雷「その三つ目の根拠ってどんなものですが?」

ぷにっと「それは調べてから話します。取り敢えず動ける皆さんには第六階層の闘技場に向かってもらいアイテムや魔法、スキルの発動に問題が無いか確かめて下さい」ぷにっと萌えの言葉に従い動けるものは皆闘技場に向かった。そして数十分後にウルベルトからメッセージが届いた。

ウルベルト《ぷにっと萌えさん取り敢えずアイテムや魔法、スキルの発動に問題はありませんでした》

ぷにっと萌え「ありがとうございますウルベルトさん。セバスと階層守護者も集まっているのでこちらに戻って来て下さい」ウルベルト達はぷにっと萌えにメッセージを送ってからすぐに玉座の間に向かった。扉を開けると懐かしい姿が目に入った。ペロロンチーノの作ったNPCのシャルティアに武人武建御さんのコキュートスぶくぶく茶釜さんのアウラとマーラそしてウルベルト自身が作ったNPCデミウルゴス

だった。自分達が戻ったところでアルベドが喋り始めた。

アルベド「それでは皆のもの、至高の御方に忠誠の儀を」アルベドの言葉に続きシャルティアがは喋り始めた。

シャルティア「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン」

コキュートス「第五階層守護者、コキュートス」

アウラ「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ」

マーレ「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ」

デミウルゴス「第七階層守護者、デミウルゴス」

アルベド「守護者統括アルベド至高の御方に我らの忠義全てを捧げます」

アルベド達の忠誠の儀を目にした彼らは同じ感想抱いた。

ギルメン((こいつら、本気だ))

 

【村の焼け跡】

???「また間に合わなかったか」男は怒りを抑えながら静かに呟いた。

「戦士長、一度王国に戻るべきです。明らかに戦士長をおびき寄せようとしています、一度王国に戻り装備を整えるべきです」この国での王族の派閥と貴族の派閥のやり取りは誰が見ても馬鹿に思うだろう。王が信頼を置く戦士長が任務に失敗すればいい攻撃材料になると考えているらしい。

???「安心しろ、まだ負け戦と決まった訳じゃ無い。それに万が一の保険もある」戦士長と呼ばれた男は薄っすらと笑いながら身に付けている指輪を見た。

「戦士長はあの男を随分と信頼しているのですね」部下の男は真剣な表情で戦士長に尋ねた。

???「ああ、彼と約束をしたからな。もし俺が死んだら王国に・・・王の味方になってくれると。最も王国の対応次第でだが」戦士長の言葉からどれだけ彼を信頼しているのか痛いほど伝わってくる。彼ならもしもの時自分の代わりに王国の為になってくれると本気で信じているいや確信している。この場の全ての兵士がそう感じた。

???「そろそろ出発するぞ」戦士長が馬に乗り部下に合図を出した。

「それでは行きましょう。ガゼフ・ストロノーフ様」部下も彼に続き馬に乗った。

ガゼフ「次は絶対に助けるぞ」

 

 



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希望

色々変更してます。ギルメンの過去も捏造してますのでこれでも良い方はどうぞ。


【ナザリック玉座の間】

守護者達の忠誠の儀が終わりぷにっと萌えが話を始めた。

 

ぷにっと萌え「セバス、探索の報告をしてくれ」

 

セバス「はい、ナザリックの周囲に人工建築物及び人形の生物はなく第六階層と同じ夜空が広がっており場所も沼地から草原に変わっておりました」

 

セバスからの報告に彼らは皆驚いた。多くの者が今のこの状況をユグドラシルの延長程度に考えていた為、セバスからの報告で彼らは今のこの状況の異常性を改めて認識した。

 

ぷにっと萌え「皆さん、これからセバスの報告を踏まえた上で今の状況とモモンガさんの生存に関する私の考えを聞いてください」

 

ぷにっと萌え「まず最初に私達のこの状況ですが・・・恐らく我々がいるのは異世界です。それも私達の意思で此処に来てしまった可能性があります」

 

ぶくぶく茶釜「私達の意思?」

 

ぷにっと萌え「皆さん此処に来る前、運営から届いた物を憶えてますか?」

 

たっち「モモンガさんの動画ですね」

 

ぷにっと萌え「運営の動画を見て私達はモモンガさんに会いたいと願いその後の記憶はナザリックの自室から始まっています。そしてモモンガさんの〈流れ星の指輪〉が全て消費されています。可能性としてはモモンガさんの願いで我々の彼に会いたいという願いが叶ったのかもしれません」

 

ぷにっと萌えの説明に頷くものもいるが同時に疑問を持つ者もいた。何故なら、あの指輪が叶える願いはランダムで個人の願いを叶える力はない、それはユグドラシルプレイヤーなら誰でも知っている事だからだ。

 

死獣天朱雀「ですが、仮にモモンガさんが指輪に願ったとしてもそれはユグドラシル内の話で現実にいた我々に影響を与えるとは思えませんが」

 

ぷにっと萌え「確かにその通りです。普通ならあり得ない話です

・・・でも、実際に今私達に起きているでしょう。あり得ない現象が」

 

弐式炎雷「もしかして、あの時に言ってた三つ目の根拠ってまさか」

 

ぷにっと萌え「その通りです。どうやらこの世界ではユグドラシルの魔法やアイテム、スキルが使える。なら、本来はランダムの願いもこの世界でなら現実になる可能性がある。モモンガさんが何を願ったのかは特定できませんが指輪の効果が働いて私達とは別の形でこの世界に転移をしている可能性が高いです」

 

ぷにっと萌えの言葉に今まで顔を暗くしていたギルドメンバーの表情が一斉に変わった。モモンガが生きているかも知れない、一つの可能性の話だと分かっていても彼らはその一つの希望を頼りに一つの決意をした。

 

ウルベルト「これでぷにっと萌えさんがモモンガは生きていると言った意味が全部理解できました」

 

ペロロンチーノ「どういうこと?」

 

ウルベルト「・・・理解出来てなかったんですか。簡単に説明するとモモンガさんはギルド武器を所持したまま此処に居たはず、そして此処で指輪に何かを願った。そしてモモンガさんのアバターは此処にあるのにギルド武器だけが無いそれなのにナザリックの何処にも異常がない。モモンガさんが指輪の力で我々と別に転移をしているならギルド武器はモモンガさんの所にある可能性が高い。ナザリックに異常がないということはギルド武器は無事つまりギルド武器を所持しているはずのモモンガさんも無事である可能性が高いということです」

 

ペロロンチーノ「成る程、理解しました」

 

自信満々に言うペロロンチーノだったが正直不安だ。それにしてもぷにっと萌えには本当に頭が上がらない。あの状況でここまで考える事ができるなんて本当に凄い。アインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明と呼ばれるだけはある。

 

ウルベルト「ぷにっと萌えさん。モモンガさんが生きているのなら早く探しに行きましょう」

 

ぷにっと萌え「いや、まだ駄目です、今のままでは情報が少な過ぎます。それにこの世界にどんな存在がいるか不明ですし我々の他にプレイヤーが居ないと決まった訳じゃない。今の段階では情報収集とナザリックの守りを固めるべきです」

 

ウルベルト「ですが、もしモモンガさんがいるなら」

 

たっち「ウルベルトさん気持ちは分かりますが今は」

 

ウルベルト「何ですかたっちさん貴方はモモンガが心配じゃないんですか?」

 

たっち「心配に決まっているでしょう。でも、だからと言って無闇に行動するべきじゃないと言っているんです」

 

また始まった。ウルベルトとたっちが犬猿の仲であることは皆知っている。いつも口喧嘩するがこうなると彼らは止まらない、止める事が出来るのはモモンガ1人だけ。やばい、このままだとあの時と同じ事が起こると全員が感じた。その時

 

タブラ「いい加減にしてくれませんか」

 

その声に喧嘩をしていた2人も一斉に声のする方を向いた。今までに聞いたことの無いほど冷たい声でタブラは喧嘩をしていた2人を止めた。

 

タブラ「あれから少しでも変わったと期待したのに・・貴方達はいつまでそうしているつもりなんですか?。まさか、忘れたと言いませんよねあの日の事を」

 

タブラの言葉が2人の胸を貫いた。ユグドラシル時代、その日はたまたまモモンガさんだけが仕事の都合でいなかった。あの日も彼らは喧嘩していた。売り言葉に買い言葉で言い合いは激しくなり誰も2人をとやかく止める事が出来ず結局その日を境に2人がユグドラシルに来ることが少なくなった。モモンガが2人を仲直りさせようとしたが2人はあの日の事が余程気不味いのかそのままユグドラシルを引退してしまった。2人に続くように一人また一人とユグドラシルを引退してしまった。彼らにとって忘れたくても忘れられない事件の一つであり、モモンガを1人にしてしまった原因の一つでもある。

 

タブラ「もし、モモンガさんが戻って来ても貴方達が何も変わっていないのならまた同じ事が起きる、その時どうするんですか?。また、モモンガさんに頼りますか」

 

たっち、ウルベルト「・・・」

 

タブラ「でも、別に貴方達だけの責任じゃない。結局、最後に辞めるか続けるか判断したのは自分達です。でも、同時に自覚した下さい。

貴方達が原因の一つである事を」

 

タブラの言葉を最後に沈黙が続いた。モモンガが生きているかも知れないという事実で忘れていたがそもそも彼をこの場所に繋ぎ止める原因は自分達だということを。

 

ぷにっと萌え「取り敢えず、今日はここまでしましょう。これ以上は何も出来そうにありませんしね」

 

ぷにっと萌え「守護者の皆は自分の階層に戻って念のために自分の階層に変化が無いか調べながら待機しておいて、セバス達プレアデスは九階層の警備に、アルベドはここでモモンガさんの側にいてあげて。・・何かあったら直ぐにメッセージしてくれ」

 

アルベド「畏まりました」

 

アルベドに続き他の守護者達も彼の命令通りに自分の持ち場に戻り、ギルドメンバー達も静かに自分達の部屋に戻って行った。しかし、彼らは気が付かなかった。1人の女が死の王の近づき邪悪な笑みを浮かべた事に。

 

 

 

 

 

 



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決意

ぷにっと萌え(やはり・・私には彼の代わりは出来ないか。でも、このままだと何も変わらない。取り敢えず何か対策をしないと)

 

ギルドをどの様にして纏めるべきか。そもそもこのギルドが今まで成立していたのはモモンガが居たからだ。このギルドは皆の個性が強いので正直モモンガが居なければもっと早い段階で崩壊していただろう。ぷにっと萌えは改めて、モモンガのギルド長としての素質を知り同時に自分達の不甲斐なさを感じた。しかし、今モモンガは居ない

何か対策をしなければ。そんな事を考えている時、メッセージが送られて来た。

 

ウルベルト《ぷにっと萌えさんちょっといいですか?》

 

ぷにっと萌え「ええ、大丈夫ですよ」

 

ウルベルト《少しナザリックの外に出てみようと思いメッセージで連絡しました》

 

ぷにっと萌え「別に構いませんよ。でも、あまり遠くに行かないで下さいね」

 

ウルベルト《ありがとうございますぷにっと萌えさん》

 

ぷにっと萌え(ウルベルトさんも彼なりに何か考えているんでしょね。自分は少し焦っていたのかも知れない。この非常事態の中で自分が一番冷静でいたので、無意識に自分で何とかしなければと思っていたのかも知れない)

 

ぷにっと萌え「伝言。タブラさん少しいいですか?」

 

 

ウルベルトside

 

ウルベルト(頭で分かっていたのにどうして行動に移すことが出来ない)

 

ウルベルトはユグドラシル時代、たっち・みーと何度も喧嘩した。だがウルベルトも理解していた、彼が悪い奴じゃない事を。しかし、ウルベルトはたっち・みーとわかり合うことは出来ない。何故ならウルベルトの理想は悪でたっち・みーの理想は正義、その違いが2人を対極の存在にしたのだ。正義を否定した者と正義を肯定した者。その一つの違いが2人の間に常に壁を作る原因になった。

 

ウルベルト(俺はどうすればいいんだ・・・ん?)

 

ウルベルトが墳墓の入り口に到着すると一つの影が見えた。

 

ブループラネット「こんばんは、ウルベルトさん」

 

ウルベルト「ブループラネットさん!!どうしてここに」

 

ブループラネット「セバスの報告で夜空が見えると聞いたから見に来たんだよ。ウルベルトさんこそどうしてここに?」

 

ブループラネットの返答にウルベルトはすぐに納得した。彼は自然が好きで、第六階層に夜空を作ったりしていた事を思い出したからだ。

 

ウルベルト「俺は・・・」

 

ブループラネットの質問にウルベルトは沈黙した。ウルベルトはまだユグドラシルの時の事に負い目を感じているからだ。

 

ブループラネット「当ててあげます。恐らくたっちさんのことでしょ」

 

ウルベルト「!?どうして」

 

ブループラネット「分かりますよ、貴方が一人で悩むのは基本的にたっちさん関係ですから」

 

ウルベルト「・・その通りです。俺はどうすればいいと思いますか」

 

ウルベルトは今の考えをブループラネットに話した。

 

ウルベルト「この非常事態に対応するためにギルドが一つになる必要があります。ですが・・・俺には何度考えてもモモンガさん無しでたっちと協力するイメージが出来ない。俺は・・・怖いんですよ。また俺たちの所為でギルドがバラバラになるのではないかと」

 

ウルベルトは話終わるとその場で膝をついた。ウルベルトは未だにあの時の事を、あの時の自分を許せないでいる。そんなウルベルトにブループラネットが。

 

ブループラネット「だったら協力しなきゃいい」

 

ブループラネットの発言にウルベルトは顔を上げた。

 

ウルベルト「どういう意味ですか?」

 

ブループラネット「そもそもこのギルドは個性が強すぎます。ギャップ萌え、エロゲ好きのロリコン、メイド服好き、自然大好きな人やヒーローが好きな人、厨二病と脳筋にそれから・・・」

 

ウルベルト「・・・それがなんだと?」

 

ブループラネット「つまり、我々は元々性格もやり方もバラバラなんですから無理に合わせても意味がないんですよ。確かにモモンガさんが居た時はこのギルドは纏まっていました。こんな癖の強いメンバーを纏める事ができる彼は凄いと思う。でも、今ここに彼は居ない。モモンガさん無しでこのギルドが纏まることは無いと思います」

 

ウルベルト「・・・・それならどうすれば良いのですか?」

 

ブループラネット「纏まることができないなら協力しなければいい。・・・ゴールが同じなら」

 

ブループラネットの発言をウルベルトは理解出来なかった。どういう意味なのか、それすらも理解することが出来なかった。彼の言うゴールとは何なのか。

 

ウルベルト「ゴール?」

 

ブループラネット「今の我々の目標はモモンガさんを見つけること。なら、足並みを揃えなくてもいいと思います。ゴールが同じならバラバラでも、いつかは目的の場所に着くことができるじゃないですか」

 

ブループラネットの言葉でウルベルトの中にあった霧のような何かが消えた。それと同時に、ウルベルトは解けなかった問題を解いた時のように薄っすらと笑みを浮かべた。

 

ブループラネット「貴方もそう思いませんか。たっちさん」

 

ウルベルト「!!!」

 

ブループラネットが名前を呼ぶと、柱の影からたっち・みーが出てきた。

 

ウルベルト「たっちさん・・・何故ここに?」

 

たっち・みー「いつから気付いていたんですか?」

 

ウルベルトの質問に答えるよりも先に、たっち・みーはブループラネットに質問をした。

 

ブループラネット「ウルベルトさんが膝をついた辺りです。たっちさんこそ、隠れて盗み聞きですか。あまり、いい趣味とは言えませんよ」

 

たっち・みー「ウルベルトさん、私は・・」

 

ウルベルト「言わなくていい。俺も貴方に謝る気は無いです。

 

たっち・みー「・・・しかし」

 

ウルベルト「たっちさん、俺は貴方に謝らない。貴方も俺に謝らないでいい。だから・・・俺と勝負して下さい」

 

たっち・みー「勝負・・ですか?」

 

ウルベルトの唐突な申し出に一瞬戸惑っていたが、彼の真剣な目を見てたっち・みーも理由を聞いた。

 

ウルベルト「モモンガさんを一人にした原因は俺たちだ。だからこそ俺たちにはモモンガさんを救う義務がある。でも、俺たちが協力しても意味は無い。あの状況を作ってしまった俺たちが、今更協力したところでどうしようもない。だから、勝負して下さい。どちらが先にモモンガさんを見つけることが出来るか」

 

ウルベルトの言葉で、たっち・みーは改めて自分の不甲斐なさを知った。ウルベルトが必死に今を変えようとしているのに対して、自分は何も出来なかった。ウルベルトの考えは正しい。モモンガを一人にした原因は自分達だ。だからこそ、自分達にはモモンガを救う義務がある。

 

たっち・みー「その勝負、受けます。その代わりに一ついいですか?」

 

ウルベルト「何でしょう」

 

たっち・みー「もし、私が最初にモモンガさんを見つけたら・・・私と友達になってくれませんか」

 

ウルベルト「たっちさん・・・絶対に嫌です」

 

ウルベルトはこれ以上にない程の笑顔でたっち・みーの申し出を断った。

 

たっち・みー「ちょっ!!今の断るとこじゃないでしょう」

 

ウルベルト「しかし、まあ・・考えておきます」

 

ウルベルトはニヤつきながら小さく呟いた。

 

ブループラネット「二人とも、これから頑張って下さいね」

 

たっち・みー、ウルベルト「「居たんですか、ブループラネットさん」」

 

ブループラネット「何この扱い」

 

ブループラネットが自分の扱いに、二人に文句を言っていると。

 

タブラ《ウルベルトさん、少しいいですか?》

 

タブラからメッセージが送られてきた。

 

ウルベルト「どうしました、タブラさん?」

 

タブラ《遠隔視の鏡でナザリック近郊を調べていたのですが、森の近くに要塞の様な場所がありましてね。その要塞の中央に石で作られた像が置いてあるのですが・・・》

 

ウルベルト「それが何か?」

 

タブラ《その像が持っている杖の形が似ているですよ。・・・スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンに》

 

ウルベルト「はっ?」

 

 

 

 

 

 



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宝物殿

【ナザリック円卓の間】

 

ナザリック円卓の間。ここにはタブラから連絡を受けたギルドメンバー、守護者、プレアデスが集まっていた。

 

ウルベルト「それで、説明してくれませんか。スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンに似ている像について」

 

タブラ「取り敢えず、これを見てください」

 

タブラはそう言うと、遠隔視の鏡を見せた。鏡には要塞のような建物があり、その中央に位置する場合には一つの像が置かれていた。その像は人らしき形をしており、その右手には七匹の蛇が絡み合った杖を握っていた。

 

ぶくぶく茶釜「タブラさん・・これ、もしかして」

 

タブラ「間違いないでしょう。これは恐らく、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを模した物でしょう」

 

たっち・みー「なら、この像の人物はもしかして」

 

ぷにっと萌え「間違えなく、モモンガさんでしょうね」

 

ぷにっと萌えの言葉でこの場にいる全ての者が声をあげた。

 

ペロロンチーノ「タブラさん、今すぐここに行きましょう!!」

 

タブラ「待ってください。取り敢えず、朝を待ちましょう。夜にいきなり、我々のような輩が行けば襲撃と勘違いされかねませんし。それに、ここの住人がどれぐらいの強さなのかを我々はまだ把握しきれていません。なので、人に近い見た目の人達に明日この要塞に行ってもらいます」

 

タブラの言葉に異論を持つものはいなかった。その為、要塞に向かうメンバーはスムーズになる決まった。

 

タブラ「では、明日はこのメンバーで要塞に行ってもらいます」

 

決まったメンバーはたっち・みー、弐式炎雷、セバス、ユリ・アルファ、ルプスレギナ・ベータの五人。

 

タブラ「それと、皆さん。今から私とあまのまひとつさんと源次郎さんの三人で宝物殿に行こうと思います」

 

タブラの言葉で、この場にいるギルドメンバー達は一斉にタブラの方に顔を向けた。

 

ヘロヘロ「・・・どうして、宝物殿に?」

 

タブラ「理由はシンプル。我々は裸同然の初期装備しか身につけていません。今後、この世界で我々が活動をしていく上で、今ナザリックに何があり、何がないのかを把握しておく必要があります。」

 

他のギルメン「・・・・・・・」

 

深い沈黙が続いた。宝物殿にはこのギルドが集めてきた多くの金貨、武器、そして世界級アイテムがある。しかし、恐らくそれらのアイテムはもうないだろう。何故なら、ギルドには維持費がかかる。ナザリックには変わった場所はない。なら、モモンガが一人でこの巨大な拠点を維持するには宝物殿のアイテムなどを売って金貨にするしかない。

 

タブラ「皆さんの気持ちはわかります。しかし、宝物殿に行かなければ我々は彼を探すどころか、彼の今までの想いを知ることさえ出来ない」

 

ウルベルト「タブラさん・・俺とたっちさんも宝物殿に連れて行ってくれ」

 

タブラ「理由をお聞きしても」

 

ウルベルト「あの人を一人にした原因は俺たちだ。なら、俺たちには

あの人の想いを知る義務がある。だから・・」

 

たっち・みー「私からもお願いします」

 

たっち・みーはそう言うとタブラに頭を下げた。それに続き、ウルベルトも同じように頭を下げた。

 

タブラ「・・・分かりました。お二人も一緒に行きましょう」

 

たっち・みー「ありがとうございます」

 

タブラ「それでは、この五人で宝物殿に行きますので、皆さんは待機してて下さい」

 

 

 

【ナザリック宝物殿】

 

あまのまひとつ「タブラさん・・・これは!?」

 

彼だけではない。宝物殿に来た全員が驚いた。宝物殿にはあの時と同じ、大量の金貨が置かれていた。

 

タブラ「多すぎる。どうして?」

 

源次郎「取り敢えず、先に進みましょう。武器などはこの先の通路のにあるはずです」

 

源次郎に続き、他の四人も歩き始めた。だが、何度記憶を思い返してみても、宝物殿はあの頃と何も変わらない。歩いているうちに胸騒ぎがした。虫の知らせのような嫌な予感が。そうしていると、通路を出た先に大きな場所に出た。しかし、五人の視線は同じところに向いていた。

 

あまのまひとつ「嘘!!一体どうなって」

 

最初に声をあげたのはあまのまひとつだった。彼らの視線の先に居たのは、純銀の鎧を身に付けた戦士。たっち・みーだった。しかし、彼のはずが無い。彼は自分達と共に此処に来た。なら、目の前にいるのは一体。

 

たっち・みー「誰ですか貴方は?」

 

たっち・みーが質問をしたが、返事は返って来ない。もし、あれが敵なら厄介だ。こちらは裸同然の装備しかない。数で押しても、もし、あの鎧が本物なら相手はワールドチャンピオンの可能性がある。最悪一撃でこちらのHPが尽きかねない。五人が戦闘態勢に入ったその時。

たっち・みーの姿をした者がグニャグニャと身体の形を変えていった。その姿は欧州アーコロージー戦争で話題になったネオナチの親衛隊の制服に酷似していた。顔に視線を向けると、卵のような頭に埴輪のような顔をした異形。恐らくドッペルゲンガーだろう。弐式炎雷のNPC、ナーベラル・ガンマも同じドッペルゲンガーで見た目が似ていたのを思い出した。

 

???「ようこそおいで下さいました、至高の御方々」

 

カツンとオーバーなアクションで右手を帽子に添えて、敬礼する。

 

ウルベルト「お前は誰だ?」

 

パンドラズ・アクター「お初にお目に掛かります。私はモモンガ様に作られた宝物殿領域守護者。パンドラズ・アクターと申します」

 

パンドラズ・アクターと名乗る者言葉に、全員が反応した。モモンガの作ったNPC。

 

たっち・みー「モモンガさんの・・・NPC?」

 

ウルベルト「何故、たっちさんの姿をしていた?」

 

パンドラズ・アクター「はい、ウルベルト・アレイン・オードル様。私はモモンガ様に作られたただ一人の存在にして、至高の御方四十一人全ての外装をコピーし、その能力の80%程度を使うことが出来るからです」

 

源次郎「そう言えば昔、モモンガさんが外装データが欲しいと言っていた覚えがあります」

 

源次郎の言葉で彼が間違いなくモモンガの作ったNPCであると分かった。

 

タブラ「パンドラズ・アクター、我々は此処に今何があるのか知りたいのですが」

 

パンドラズ・アクター「成る程、分かりました。では、こちらへどうぞ」

 

そう言うと、パンドラズ・アクターは歩き始めた。すると、一つの入り口の前で止まりこちらを向いた。

 

パンドラズ・アクター「この先には、モモンガ様が皆様が戻られた時の為の装備やアイテムが保管されています。それと、入る前に指輪を外していって下さい」

 

タブラ「何故ですか?」

 

パンドラズ・アクター「指輪を付けて入ると、中にいるゴーレムに襲われますので」

 

ゴーレムを待機させる程の物が、この先にあるのか?。パンドラズ・アクターの言葉が妙に引っ掛かる。

 

 

 

 

【宝物殿霊廟】

 

ウルベルト「嘘・・・だろ」

 

ウルベルト達が見たもの、それは不恰好な形をした像。そして、かつて自分達の身に付けていた主武装だった。

 

源次郎「なんで・・・ここに?」

 

たっち・みー「説明してくれるか。パンドラズ・アクター」

 

たっち・みーは震えながら、弱々しい声でパンドラズ・アクターに説明を求めた。

 

パンドラズ・アクター「はい、たっち・みー様。まず、ここは霊廟と呼ばれる場所で、ここには皆様がお隠れになられる前に、モモンガ様に預けられた装備とアイテムを保管している場所でございます」

 

パンドラズ・アクターの言葉が理解出来なかった。いや、理解したくなかった。その方が正しいのだろう。パンドラズ・アクターの言葉を最後に沈黙が続いた。

 

タブラ「取り敢えず、一度円卓の間に戻りましょう。・・・・パンドラズ・アクター。貴方も一緒に来て下さい」

 

パンドラズ・アクター「畏まりました。タブラ・スマラグディナ様」

 

たっち・みー「・・・」

 

ウルベルト「戻りますよ。たっちさん」

 

たっち・みー「・・・ええ、そうですね」

 

今にも消えてしまいそうな程の小さな声を後に、彼らは霊廟を出た。

そして、改めて理解した。自分達の罪を。自分達の愚かさを。そして彼の・・・・数年間の孤独を。

 

 

 

 

 

 

【??????】

 

???「久し振りだな。ツアー」

 

黒いローブを身に付けた男が 目の前の白銀のドラゴンに喋りかけた。

 

ツアー「・・・」

 

???「どうした。挨拶を忘れたか」

 

ツアー「違うさ、友人との再会に身を震わせただけさ」

 

???「友人・・・俺を友と呼んでくれるのはお前を含めても片手でたりる」

 

ツアー「だろうね。むしろ、神様と友達でいろという方に無理があると思うよ」

 

???「神様と呼ばれる程、俺は立派じゃない。それに、俺は神なったつもりなど一度もない」

 

ツアー「ところで、君は今冒険者をやっているそうじゃないか」

 

???「ああ、なかなか面白いぞ。お前もどうだ?」

 

ツアー「それが出来ないのは、君もよく知っているだろ。・・・それよりも、ここに来た理由を聞いてもいいかい」

 

???「・・・知っているだろう、あれから100年経った。いつ、次のプレイヤーが来てもおかしくない」

 

ツアー「今度はリーダーのような人だと嬉しいな」

 

彼の言葉からは一つの願望のようなものが感じられた。しかし、そんな都合よくはいかない。

 

???「・・・俺はエ・ランテルに戻るが、何かあれば連絡する。またな、ツアー」

 

ツアー「君もね、アインズ」

 

アインズ「それと、たまには鎧以外で運動した方がいいぞ」

 

ツアー「ああ、気が向いたらね。君も、記憶が戻るといいね」

 

アインズ「・・・ああ」

 

男はドラゴンに背を向けそのまま姿を消した。

 

 

 

 



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