救えなかった少年 (ニック)
しおりを挟む

加藤隊 キャラ紹介

とりあえずキャラ紹介です。一応A級ランク戦①までのところでのステータスです


加藤巧  15歳 オールラウンダー

誕生日 2月28日

好きなこと ラーメン 師匠 友達 星

 

トリオン 10

攻撃   13

防御支援 8

機動   12

技術   10

射程   4

指揮   8

特殊戦術 2 

トータル 67

 

サイドエフェクト未来予知 

 

ポイント  スコーピオン 6010

ガンナー  アステロイド 6002

      ハインド   5600

シューター アステロイド 4800   

 

攻撃面だけではなく、サポート能力でも高い能力を持つオールラウンダー。アタッカーもガンナーも一流だが、かなりの感覚派でシューターも加古さんが教えるとある程度形になり即実践投入できるほど。

スコーピオンになると風間さんや嵐山さんも増えたランク戦は、風間さん相手に6−4で勝てる程度の実力。最近は太刀川さんとも4-6で渡り合えるようになっていた。なお忍田さんには未だに10本に1本取れるか取れないか。

先輩、後輩さらに上層部からも一目置かれており、特に女子からは人気だが、しかし加古さんと付き合っているという噂と綾辻、三上と言ったボーダーで人気の高い女性と交流が多いことからあまり近寄り辛いと思われている

加古炒飯被害者。(吉井の姉貴と食べる回数が多いことから耐性がある)

派閥は忍田派

 

師匠 戦術 加古さん

 

吉井明久 15歳 アタッカー

誕生日 12月2日

好きなこと 友達 ゲーム ランク戦で勝つこと

 

トリオン 6

攻撃   10

防御支援 15

機動   10

技術   7

射程   2

指揮   1

特殊戦術 1 

トータル 52

 

ポイント 弧月     9010 (新人王獲得)

     スコーピオン 8010

 

加藤と太刀川さん曰く加藤隊の中で一番の変態はおそらくこいつだろうと言われているくらいの変態。どれくらい変態かというと1000点スタートから一期でスコーピオンと弧月でマスターランクに昇格し、B級ランク戦とはいえ、自発的ベイルアウトを一度しか行っておらず(なお主人公の加藤巧で5回なのでどれほど異常なのかは分かるだろう)、忍田さんのワンセットを弧月一つ捌けるくらいの実力を持っている。ただし、弾丸トリガーはハウンドさえうまく使えないという弱点がある。

勉強はできないがその他のことではそつなくこなすことができ、家事能力が全くない主人公の世話を三上と一緒にとっている。

派閥は玉狛よりの忍田派

加古炒飯被害者(しかし姉の影響で全く平気)

 

神崎有希子  ガンナー

誕生日 3月3日

好きなこと ゲーム、友達、和菓子

 

トリオン 11

攻撃 7

防御支援 10

機動 6

技術 8

射程 5

指揮 3  total 50

 

ポイント アステロイド 5289

     ハウンド   5098

 

アサルトライフルを二つ抱えながらスナイパーの位置を予知をしないでもゲームでの知識で暴き出し確実に殺すという変態。

特に主人公と組むとレッドバレッドでクロス射撃を食らわせるのでシールドが効かず機動力部隊に譲るという選択と確実にアステロイドのフルアタックを食らわせるなどとことん変態じみている

速水とは本の好みが一緒で、国近先輩と明久はゲーマー仲間

いつも隊室ではゲームをやっていて、二人のゲーマーから神扱いされているのだが、戦略ゲームで主人公に一度も勝てないのを結構気にしている模様で主人公に戦略ゲーを挑んでは負けてそしてそれ以外のゲームで完封するというループを見せる。だけど主人公を尊敬していて結構仲がよく、三上が少し嫉妬しているが明久のことが気になっている

なお忍田派

 

速水凛香 11歳 スナイパー

誕生日 7月12日

好きなもの 猫 ジャズダンス 絵葉書

 

トリオン 9

攻撃 10

防御、支援 8 

機動 9

技術 13

射程 6

指揮 5

特殊戦術 2 total 62

 

ポイント ライトニング 12200

     アステロイド 6200

 

スナイパーの教祖の一人であり、東さんと同時期にスナイパーになったのだが小学生だったこともありあまりにライフルが重かったことにより開発部に初めてライトニングを作らせた。

軽いライトニングを木からぶら下がって狙撃をしたり東さんのスナイプを狙撃するなど、スナイパーとしては東さん以上に変態と言われる。

攻撃能力も高いが比較的にサポート能力が高く主人公のピンボール中の隙間からモールモッドの目に狙撃ができるほど

基本はツンとしているが猫や友達にはデレる時があり主人公と絢辻はその姿に撃沈するほど破壊力が高い

なおアステロイドも6000点台あることから銃系統はなんでも得意であると思われる

 

三上歌歩 

 

概ね原作通り

 

隼部隊は三上がいなければ成立しないと主人公がいうくらいに主人公は三上を信頼しており、逆に三上も加藤くんがいなければチームが成り立ってないと評価するくらいの信頼関係を気づいている。

加藤巧③以降は綾辻と主人公でよく甘いものを食べにいき、そのまま遊ぶことが多い。ボーダーにほぼ住み込んでる主人公と明久のことを思い土日の夜は基本的に一緒にボーダーに泊まることが多い

なお主人公ヒロインの一人

 

 

加藤隊 

エンブレム 流れ星が5つ降り注いでいるだけのシンプルなエンブレム

 

隊服    青に近い紫色の暗殺教室の新体操服(男子女子でデザインが違う。)

 

通称    隼部隊 彗星部隊 お人好し集団 化け物集団など

 

近距離、中距離に優れたチームで主人公と明久が点をとり、その他がサポートすると言った形のチーム。ほとんどがグラスホッパーをつけており、そして機動力を利用して相手の弱いところから確実に仕留めていく。連携や個人技は東隊と嵐山隊を足して二で割ったくらいなので両方ともA級上位クラスの力をもっている。

東さん曰く非常にやりづらい相手であり、主人公のサイドエフェクトを使わなくても将来的にボーダーを引っ張っていくチームだろうと言われるほど買っていて話してみたいと思っているのだが、なかなか話すことができないでいる。(お互いに多忙なため)

なお、全員が頼まれた仕事は請け負ってしまうため、日々仕事をしている4人が目撃されている。(明久はバカなので元より仕事をすると三上と加藤の仕事が増えるので、全部最初から主人公がやっている。)

 

成績 加藤は三上と同じくらいで体育会系。

   速水と神崎は三上と同じくらいで中心より少しだけ文化系に傾いている

   明久は遊間とおなじくらいの体育系型



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ

「……ただいま。」

俺は学校から帰ると返事は返ってこない

当たり前だ。ここには俺しか住んでいないのだから

俺の家は簡易な被災者支援の為に建てられた仮設住宅であり、そして家の中には布団が敷かれているだけだ。

三門市は2年前に大きな災害ネイバーという生物からの進行を受けた

俺はとある事情で回避していたんだが両親は違い今だに死体も見つかっていない

ボーダーの人曰く俺の両親は連れ去られたことが有力らしい

その担当の人がいうのはトリオン能力が高かったのが災いしたのだろうっということだった

トリオンは俺はその当時はあまり知らなかったのだが、ボーダーから詳しく聞くにはトリオンは俺にも多く持っているらしい

何故だか分からないがそのトリオンを多く持っているものが

そして、祖父や祖母は早死したらしく俺は身寄りがなく、施設に入るかボーダーの用意した仮設住宅でくらす選択しかなかった

お金がない

簡単にいうならば、今まで支援で暮らしていたのもありさらに行方不明ってことで保険が下りなくて、さらに財産の付与すらできなかった。

というよりもこのままだったらガチで餓死してしまうので中学生でもできるバイトを探し、先週。採用通知が届いたのだ。

採用通知には仮入隊期間が設置されていて人数はおよそ50人ほど

ボーダーと呼ばれる組織に入隊することとなる

というよりも中学生の俺が採用をもらえるのはそこしかないのだ

ぐぅと腹の音がなり俺はため息を吐く

腹が減ったのでとりあえずもやし炒めでも作るか

とりあえず、これからは学校よりもバイトだ

学校はボーダー推薦という奴があれば大学まではきちんといけるらしい。学歴は大事だし支援金とB級直後の防衛任務という奴をほとんどの時間入れれば大学までの資金はどうにかなるだろう

そして買ってきたもやしと八百屋のおっちゃんから頂いたキャベツを炒め始める

最近節約を決意してからはもやしと豆腐を繰り返し食べている

こんな日常を送っているとやはり体重も減ってきている

昔はスポーツチャンバラという日本ではマイナーなスポーツをしていたのでボーダーにも活用できるだろう

今は150cmで体重は40kg。昔は55kg近くあったので本格的にまずい

調味料は塩こしょうと醤油。それさえあればなんとかなると思っていたんだが食事に関しても手を加えないと飢餓まっしぐらだ

炒め終えると皿に盛り付け食べる。

というより俺の場合焼く、茹でるくらいしか調理のレパートリーがない

明日からは仕事だからな早く寝るのに越したことないか

家計簿をつけ終え、そして宿題を終えると布団に入る

無駄に体力を減らしたくはないのとお腹が減るのを備える為に寝ることが多くなっていた

そして俺は夢の中に意識を落としていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤巧

ボーダー初日俺は仮入隊に30分前にボーダーの仮入隊の会場に入っていた

この仮訓練はボーダー個人の実力を確かめる為の場らしいのだが

集合場所にポツンと座っているのだが

「誰もこねぇ。」

一時間前から待っているので俺は待ちぼうけを食らっているのだがやっぱり早く来すぎたのか?

……まぁ、早いか

仕事は初めてだったので俺は妙に緊張したのか、朝早くに起床し飯を食べ風呂に入り集合場所に来たわけだがやっぱり早すぎたらしい

俺は学校の図書館で借りて来た本を読みながら待っている。

俺はぶっちゃけ本とかは好きではない

活字を見るだけで眠くなるのだが暇だから仕方がないのだ

そうして暇つぶしに読んでいると

「あれ?もう来たのか?」

すると明るい男性の声が聞こえてくる

前を向くとどこかで見たような気がするが気のせいだろう

「うす。一応おそすぎるより早い方がいいと思って。」

「しかし、まだ一時間前だけど。」

「えっ?」

俺はスケジュールを見ると仮訓練時間と入隊式の時間で時間がずれていることに気づく

「あ〜入隊式の方と間違えてました。すいません。」

「お、おう。」

そしてまた本に目線を戻す

集合場所は同じだし別にここでいいだろう

「あら、あらしやまくん。どうしたの?」

「かこさん、それが早くに来すぎた子がいて。」

多分俺のことをいっているのであろう。

「どうも。」

俺は礼をして本に戻るが

……やっぱり面白くないのであくびをしてしまう

本ってどこが面白いんだろうなこれ。

俺はため息を吐くと

……急に目線が変わりいつもの予知を見始める。

物心がついたころから俺は未来が見える

いや。これから自分が起こりえることが見えるというべきだろう

嫌な時には変えることができるし、変えないこともできる

そして見えたものは何故か学校で女子に囲まれている自分の姿だった。

「……なんだこれ?」

俺が呟く。学校ではぼっちを貫き通しているのにこんなことはあるはずないんだが

「ん?どうかしたのか?」

「あっ。何でもありません。」

少し苦笑をしながら俺はやり過ごそうとする

「そういえば、君って。」

「あっ。加藤巧です。えっと、あらしやまさんとかこさんですよね?」

「……加藤?もしかしてじんが言っていたのって。この子のことか?」

迅っていう人が言っていたってどういうことだ?

俺が首を捻る。そして記憶を探っても見えないのなら未来を見るか

そして目に瞑るそして未来を見る

予知には2種類あり、危険や嫌なことを知らせる時に前もって見ることができる危険予知と、現在のことが分からなくなる分自分から思った通りの未来を見ることができる予知夢がある

そして迅という人を見ようとすると

「ぎゃ。」

という声が聞こえお尻を触っている男の人がいた

「ちょっとジン君。」

「いや〜サワムラさん今日も美しい。」

とお尻を触っている男性がどうやら迅というらしい。

「何で捕まらないんだあの人?」

俺は口に出してしまう。すると目が覚める

声を出すことが予知の終了となっているので今は便利にこの能力を使っている

「……えっ?」

「…あっ。やば。」

人前ってことすっかり忘れてた。

「えっと。もしかしてじんのことを言っているのか?」

あらしやまさんから話しかけられると俺は少し悩み多分この人

「すいません。ちょっと俺にも少し色々ありまして。じんって人は知りませんけど。多分さわむらさんと呼ばれる人にお尻を触っている。」

「「迅だな(くんね。)」」

「いや、それなら止めましょうよ。セクハラは犯罪ですよね。しかもその様子から常習犯だし。」

俺はため息を吐く

「……えっ?じん君のこと知らないの?」

「ただ予知を使って名前を当てはめただけです。俺は自分の見る未来が見えるので。」

まぁ、どうせ信じてくれないだろうけど。話しておくか。

実際予知なんて家族でも信じてくれなかったし

「「……」」

だが二人は驚いたように俺の方を見る

…本気にしているのかこんな馬鹿げたこと

俺は首をひねっていると

「……もしかしてこの子サイドエフェクト持ちなのかしら。」

すると聞きなれない単語がでてくる

サイドエフェクト?

俺は首をかしげる。確か日本語で訳すと副作用か?

「嵐山さん、どうかしましたか?」

すると後ろからあらしやまさんと同じ服を来たきのこ頭の男子が話かけてくる

「あれ?その人は?」

「今年から来る入隊生らしい。」

「……どうも。それと受付時間ですよね。もう行きます。」

予知や色々のことをしていたので30分前になっているしな

「あぁ、加藤君の奴はやっておいておいたわよ。せっかく面白そうな子だし。それに私ももうそろそろチームから離れるから。私の隊に来る時に誘おうかしら」

「チーム?」

「あら知らないのかしら。」

「すいません。ちょっと事情があってうち結構貧しくて。新聞もテレビも見られないんですよ。ボーダーも街中のポスターと予知で入ったみたいなものですから。」

実際家族は他界しているから嘘は言っていないし俺の能力を知らせた二人なら信じてくれるだろう

「それじゃあ失礼します。」

と頭を下げ俺は入隊式の人混みの中に紛れ込む

だけどこの時はまだ気づいてなかった

これからのボーダー生活は生活も全て変えることになることとなる



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仮入隊①

今俺は端っこに居座り説明会を聞いていた

前には本部長という人が話しているの。まぁお世辞と呼ばれるものが多くだろう

ぼっちである以上は俺は観察するしかないのだ

目立たず強くなることは不可能に近いだろう

一人一人が憧れを抱いているのだがそれほど甘くはないはずだ

元々B級隊員は今の所80人程度

C級は150人いるのにも関わらずだ

つまり役半分以上に入らないと給料は入らないってわけか。

そんな甘くはないかな。

ボーダーにはランクというものが存在していてA級B級C級と別れられる。そしてA級となれば固定給が手にはいることになるらしいが。

……本部長曰くチームを組まないといけないらしい。

今のA級は15名。嵐山隊、東隊、沢村隊

個人の成績では太刀川っていう人が圧倒的な強さらしい。

それを決めるのがランク戦という模擬戦闘システム

仮想空間で安全に模擬戦闘ができるというボーダー屈指の技術らしいのだが

聞くにすごく面白い技術だと思う

戦闘システムは大事で隊員が弱ければ意味がない

そしてその隊員の強さのランクが分かりやすいしそれに安全に訓練できる

とりあえずまずはB級か。

B級には4000点が必要らしいのでまずはランク戦や訓練で稼ぐ他はないだろう

「それじゃあ。この後は嵐山隊の嵐山隊長に一任する。」

「はい。」

すると急にざわざわと騒ぎ始める。どうやら嵐山さんは結構有名な人らしい

「さて、これからオリエンテーションを始めるがトリガーについて一通り説明しておこうと思う。」

すると大きなモニターにトリガーの特性が分かりやすくかかれたボードを見られる

どうやらトリガーの違いについて説明している

アタッカーのトリガーは2種類

トリガーが一番使っている人が多くボーダーが弧月。重量がありそして威力防御力ともに一級品

スコーピオンは軽量型のトリガーで速度重視のトリガーらしく耐久性はないが腕や足から生やしたりできるらしい。

そしてシューター、ガンナーのトリガーも1つ

アステロイド、威力と重視のトリガーで直線上に飛ぶ

そしてスナイパーは今の所イーグレットという射程距離が長いトリガー一つらしいが今開発室でライトニングという比較的当たりやすいもできるとのことらしい

メイントリガーか

スポーツチャンバラをやっていた以上スコーピオンならすぐに対応できそうだけど

でも弧月の耐久力も捨てがたいんだよなぁ

……まぁ最初はとりあえずスコーピオンにしようかな

色々B級になってから確かめていけばいいか

「それじゃあメイントリガーが決まったらアタッカーとガンナーはここに残り、そしてスナイパーを希望するものはうちの佐鳥について訓練場に移動してくれ。」

するとチャラそうな人が手をあげる。赤い隊服をきていることから嵐山隊の一人なんだろう。

すると数人が移動するが大半はここに残る

「改めて、アタッカー組とガンナー組を担当する嵐山隊の嵐山准だ。まずは入隊おめでとう。」

とその後ボーダーのシステムの説明をはいるのを確認程度で聞いておく

……まぁ一期は多分スカウトされないとA級昇格はまず、ありえないだろう

つまり今回は自力でB級で5000点

新人王を目指すことが第一の目標だろう

それに多分チームは俺が作るしかないだろう

俺の予知能力は自分しか聞かないのでメインアタッカーよりもサポートとして入った方が強い

てか俺の実力がどれほどあるのかも知りたいしな

「それじゃあ最初に行う訓練は。」

すると数mあった先にある訓練は

「対ネイバー戦闘訓練だ。」

いきなり戦闘訓練だった。

 

「いきなり戦闘訓練。」

とざわめきはじめるけど

「そりゃ、ありえるだろ。俺たちは遊びに来たわけじゃないんだぜ。」

俺がため息を吐く。すると数人が俺を睨んできたのだが

「ボーダーってなんか人気みたいだけど元々は外敵から身を守るための防衛機関だろ。それならメインの仕事は戦闘だ。ランク戦もそうだし効率のよく、トリガー使いを増やそうとしている。去年の大規模侵攻で多くの人が亡くなっているしそれを守るのがボーダーのルールだ。それが普通だろうよ。」

ざわざわし始める空気に俺はため息を吐く。一応これは大規模侵攻を備えるってことで呼ばれていたしな。

戦闘訓練が最初なんて予知がなくてもわかることだ

「まぁ、確かにそうだよな。」

するとクスクス笑いだすクリーム色の男がいた。

「お前結構面白いじゃん。名前は?」

「加藤巧だ。てか名前を聞くんなら最初自分の名前からだろうよ。」

「おれ?俺は出水公平。」

「……てかムカつかないのかよ。結構嫌味たっぷりで言ったつもりなんだけど。」

「あっ。やっぱわざといったのか?」

「当たり前だ。てか気づいていたのかよ。あんまり人を寄せ付けないために言ったんだけど。」

「ほら。そこうるさいぞ。」

「「あっ。すいません。」」

すると俺と出水は顔を見合わせる。なんとなくだが、こいつは面白そうな予感がする

そしてトリオン兵のコピーみたいな。物がでてくる

装甲は厚く、そして大きい

そして口の中にある円状の物が少し気になるな

それと隙間

体の研ぎ合わせたような隙間があるのでそこが弱点だろうか

「それじゃあ試しにやって見たい人はいるか?」

嵐山さんの発言にさすがに臆しているのか俺以外に手をあげる人はいなかった

「おっ。加藤君やってくれるのか?」

「は?お前やるの?」

「やるぞ。だいたいの弱点らしきものは想像つくし。すいません。武器はスコーピオンをお願いします。」

ぼっちで鍛えた観察眼は多分間違えていることはないだろう

「へぇ〜自信あるのか?」

「装甲が厚いと言いながらも全体が硬いわけじゃないしな。まぁトリガーは普通の数倍の力は出せるんだろ?加速で勢いつければ一撃で倒せるだろ。嵐山さん30秒だけ待ってもらっていいですか?」

「30秒?別にいいが。」

それじゃあ。

そして目を閉じ余地を確認する。そして行動パターンを確認し未来を見る

正隊員の物をみるとすると思った以上にスコーピオンは切れることが

「よし行くか。」

「これがトリガーなんだけど、使い方は分かるか?」

「大丈夫です。見ましたから。」

俺は受け取り

「トリガーオン。」

と一声で全身が白い隊服に包まれる

俺は一回跳ねると身体能力はかなりアップしていると思われる

「……へぇ。なるほどなぁ。」

隊長3m以上ある巨体を切り捨てるのは確かに生身では無理だろうけど。

「それじゃあ準備はいいか。」

「大丈夫です。」

「それじゃあ訓練スタートだ。」

と言われた瞬間に瞬時に加速し俺は未来予知で見た動きに合わせ大型ネイバーの懐にはいるとスコーピオンをレイピア状にして口の中の円の下部分にあるとされる節目に突き刺す

一番早く威力が高いのは切るよりも刺すことだ、力が一点に集まりさらに加速したぶんだけ威力が出せるしな

一番スピードが早く一点集中の攻撃に力が集まる。勢いもつけていただけあって装甲部を貫通するほどの威力があり手応えを感じると俺ネイバーの甲殻を隙間に沿うように力任せにネイバーの甲殻がち中の円を半壊させると模擬戦の大型ネイバーは機能を止めた

「訓練終了記録0.6秒。」

「「「なっ!!!」」」

「……ふぅ。上手くいった。」

対人戦や実際のトレーニングではまず使えないけど動きの鈍く、これくらいのものならば貫通できるだろうな。

するとざわめき始める訓練室に対して

「ちょ、お前マジかよ。」

出水が驚いたような顔をしているが

「いや、これ対人戦じゃ全く使えないし、ネイバーだからできる策だからな。てかスコーピオン使いやすいな。これだったら両手持ちでもスポーツチャンバラの時と同じくらいか。」

「スポーツチャンバラってなんだ?」

「小学生の時にやっていたんだけどエアー式の剣とアクリルのフェイスガードでやるスポーツのチャンバラだよ。あんまりメジャーじゃなかったけど、それでも剣道みたいに決まったところではなく相手にどこに当てても勝ちだからハマってな。」

「へぇ〜そんのあるのか。」

面白そうにしている。

まぁ予知を使って無双していたんだけどな。

そして次々と訓練室に入っていくが基本的に4分から5分の時間がかかっている

武道や剣術は腰を使う技が多いのでそれができなければ多分なん分経っても上手くはいかないだろう。

てかアタッカー希望多いな。今の所アタッカーは天羽って奴が48秒で俺以外のアタッカー希望の中ではトップ。

というよりそんなに難しいか?人を切れとかだったら少しは戸惑うけど機械だぞ。

そして出水は唯一のシューターで、そしてアステロイドで30秒。

観察して真ん中の口を弱点を集中狙いした形だった

そしてその後訓練の全てで予知を利用した俺は有利に進み全種目トップの成績で午前の部を終えたのだった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

同級生①

一ヶ月後俺たちは仮訓練期間を最後の訓練を終えると出水と一緒に食堂で飯を食べる

「……あ〜また負けた。」

「いや、お前シューターなのになんでここまで隠密訓練の成績高いんだよ。」

俺は呆れるように出水をみる

基本的に出水と俺がトップ争いの常連であり、後は天羽が追いかける形になっている

そういうこともあり俺と出水はスカウトの対象として多くの隊長と話しているのだが。俺は防衛任務を多く入れたいため当分はソロで行動することを決めている

「そういや、巧は決めたか?」

「俺はサイドエフェクトが正式に認定されたからチームは自分でつくる予定。」

サイドエフェクト。

俺と出水はほぼB級に近いことから説明されたものでどうやらトリオンと呼ばれるトリガー使いの才能みたいな物が多いとでるらしく俺はS級の未来予知というサイドエフェクトだと判定された

だがトリオン量が俺よりも多い出水は持っていないので本当に副産物的なものなんだろう。

「へぇ〜チーム作るのか。」

「そっちの方がいいだろ?とりあえず今期中に上がって来季は防衛任務重視かなって。一応アタッカー重視オールラウンダー目指す予定だし。」

「まじか?」

「どうやら今トリガーで追尾する弾丸を開発しているらしくてその実験台をやりたかったんだよ。それに俺シールド入れないつもりだし。」

「お前それノーガード戦法をとるってことか?」

「仕方ないだろ。グラスホッパーとその追尾する弾丸。バックアームにバイパー。スコーピオン入れたらギリギリなんだよ。これから開発するトリガーで」

「スパイダーってまた渋いトリガー使うなお前。」

バイパーは今は注目度が小さいけど案外便利なんだよなぁ。

「そういえば仮入隊の結果で有望株は上位からやらせてくれるんだろ?モールモッドも苦にしないし。」

「それお前もだろうが。」

ため息をついてしまう

「でも今まで最高で2000点代後半だからそれくらいだろ。そうそううまくはいかないだろ。」

「いやいや。即戦力って言われているお前が何を言っているんだよ。」

「ボーダーは出来たばかりの新しい組織だし、あんまり差別化するような真似はしないだろ。」

「そうか?でもここ実力主義が強くでているからな。」

まぁそれもそうなんだが

「てか、逆にうまくいきすぎなんだよなぁ。今の所。ただ、ぶっちゃけ今の所コンビ上手くあうのお前くらいだろ。」

機動力の俺とパワーの出水

「まぁ、チーム組んでもいいけどさすがに他の隊も見たいんだよなぁ。」

「だろうな。てか出水とは俺はチームを組むよりもライバルとしてA級で戦いたいけどな。」

最近じゃ学校が終わってすぐにこっちに来て出水とランク戦と呼ばれる1対1の対人戦ばっかりしているし。

「まぁ、確かにそっちの方が楽しそうだけどな。」

「だから俺はしばらくはソロかな。」

「まぁ俺も。一月目のソロ隊員は他の隊と合同防衛任務だろ?」

「らしいな。とりあえずは様子見で気になるところがあればって感じだけど。お前それだけでよく生きてられるな。」

「……最近自分でもそう思うようになってきた。」

豆腐、もやし、豆腐で一日乗り越えている俺は本当にまずいよな

「まぁ、さすがに学費じゃなくてボーダーの金は食費と生活費にあてて補助金を高校の資金にするか。」

「そうした方がいいと思うぞ。」

はぁとため息を吐く。

「固定給がそうすると欲しくなるしなぁ。そうしたら少しずつ貯金できるし。」

「まぁ、それは仕方がないとしかいいようがないな。まぁサイドエフェクト使って最悪ボーダー外から引っこ抜いてくること考えるか。」

「それありなのか?」

「う〜ん。わからないけどオペレーターにしたい奴と少し面白そうな奴なら一人いる。学校で責任感が強くてさらに女子から人気のある奴と、バカがいる。」

「バカ?お前のところって進学校だろ?」

「う〜ん。でもバカとしかいいようがない。食費を全部趣味に費やすような奴だし。毎回先生に怒られて鉄人と呼ばれる先生から逃げ回っていたり全教科赤点をとるような奴なんだけど。」

「……それは陽介以上にバカだな。」

「でも生身で3階から飛び降りたり、荷物点検とかで没収された荷物を取り戻したりしているから行動力は凄いんだよな。」

「それ、マジで?」

「あぁ、吉井くんのことでしょ?それ。」

するとラフな格好をした女子が俺の前に来る。

「あれ?副会長じゃん。ボーダーだったのか。」

「うん。私はオペレーターだけどね。確か出水くんと加藤くんだよね?」

「えっと。だれだ?」

「うちの学校で生徒会副会長の綾辻遥さん。生徒会のマドンナって呼ばれているほどで成績優秀人気が高いんだよなぁ。」

「加藤くんも今やボーダーじゃ知らない人はいないくらいだと思うんだけど。もしかして吉井くんをボーダーに誘うの?」

「あぁ、根は優しい奴だと思うし運動神経も悪くないからな。てか運動部に入ってないのに陸上部のエースに100m走で勝つような奴だし。後は三上って分かるか?」

「歌歩ちゃん?」

「うん。そいつ。あいつ面倒見がいいし、同じクラスなんだけど、前にクラスの行事実行委員会やらされた時でもきちんとまとめているからオペレーターとしては優れているんじゃないかって思ってな。一回頼んでみようかな。」

俺は考える。吉井の身体能力はどう見てもアタッカー向きだし単純なあいつのことだかっこいいとか言って多分アタッカー希望を出すだろう

「まぁ三上も話したことないから変な人だと思われないといいけど。」

「それ無理なパターンだろ。」

うん。俺もそう思う

「でも、加藤くんって学校じゃ目立たないよね?いつも勉強か本読んでいるイメージがあるんだけど。」

「……ん?珍しいな。学校の俺を知っているなんて。」

「歌歩ちゃんが言っていたんだよ。加藤くん基本誰とも話さないって。」

「……まぁ、大侵攻を予知したにも関わらず結局家族は誰も救えなかったからな俺。少し塞ぎこんでいたんだよ。」

先生にも友達にも家族にも誰にも信じてくれなかったからな

いや一人だけ予知できるっていうことを信じてくれたやつが二人いたか。

その当時友達だった奴らは生きているけど大分気まずくなってしまって話さないようになってしまったのもあるけど

「ご、ごめん。」

「いや、いい。普通誰も信じてくれないしな。予知なんか。」

俺はため息を吐く

「とりあえず。出水ランク戦いかね?」

「悪い。今日友達と約束してて。」

「あ〜ならしゃーない。んじゃ今度は入隊式で。」

「どうせ毎日ランク戦こもっているんならバトれるだろ。」

「まぁ、それもそうか。んじゃな」

「あぁ、またな。」

出水はそれで去っていくと

「あれ?そういや副会長。」

「名前でいいよ。」

「あっ悪い。それで綾辻ラーメン伸びてるけど……。」

「あっ。忘れてた!!」

するとショックを受けたようにする綾辻になんとなく笑ってしまう。

「もう。早く言ってよ。」

「俺が悪い訳じゃないんだけど。まぁ話相手になるから。」

膨れる綾辻をなだめながら俺はボーダーの最終日が過ぎていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

吉井明久①

一週間がたった土曜日俺たちは入隊式当日を迎えていた。

「よう。」

「おう。おはようさん。」

「お前それおっちゃんみたいだぞ。」

「うるせ。ほっとけ。」

と俺は不貞腐れる

「そういや、今日から入隊式だけど訓練内容って。」

「多分実戦訓練だと思うぞ。」

「だよなぁ。とりあえず新記録更新を狙おうかな?」

「俺はもう縮まりようがないんだが。」

俺はため息をつく。今の俺の最速タイムは0.4秒。

なおボーダーの忍田部長と太刀川さんという人くらいしか今のボーダーには超える人がいないらしい

「しかし仮訓練受けてなかった人も多いんだな。」

仮訓練時は30人と比べて今は50人

20人ほど増えているな

「まぁ、スカウト勢がいるからな。」

「スカウト?」

「あぁ、才能がありそうなスカウトするんだよ。そういった奴は試験とか全部免除されるんだよ。」

「ほへ〜。知らなかった。」

俺はキョトンとしてしまうがそれは一瞬で変わる

茶髪の少年が女の服を着ていた

「あれ?吉井だ。」

「……えっ?」

「ほら、女子の制服を着ている茶髪のバカっぽいやつ。」

「おい。ちょっと待て。色々とツッコミたいことがあるんだが。」

まぁ当たり前だな

「あいつ。家では立場がとことん弱く姉さんに女子格好させられているらしい。俺、小学校ではあいつと結構仲よかったんだよ。その時聞いた。」

「マジで?」

「小学校のころは吉井はめちゃくちゃ明るくてクラスのムードメイカーだったし俺もスポーツやっていたからな。自然と仲良くなったんだよ。」

よく遊んでいったしな。

……俺は少し悩んでから

「ちょっとスカウト行ってくる。」

「お前肝っ玉すげぇな。」

「うん。俺も関わりたくないけどゲットできれば戦力になるからな。」

俺はそうやって吉井に近づく

「おい。吉井お前何女の服着ているんだよ。」

「えっ?あっ。巧久しぶり。巧もボーダーだったんだ。」

「おう。てかお前仮入隊いなかったんだけどどうしたんだよ。」

「へ?仮入隊とかあったの?」

「あったわバカ。」

俺は呆れてしまうが

「てか普通にスカートで着ているんんだよ。」

「だって姉さんが着なければ濃厚で濃密なキスをしますっていうから。」

「……はぁ全くお前らの家族は。」

俺は呆れる

「まぁいいや。それで早速なんだけど。俺とチーム組まね?」

「へ?」

するとザワザワし始める

「いや、俺大侵攻で家族死んだからな。生活費のためにボーダーに入ったんだけど合ったチームがないんだよ。吉井なら昔から付き合いあるし、多分すぐにB級に上がれるだろうかなな。」

「あっ。もしかして予知使ったの?」

「……お前まだ信じていたんだな。その話。」

俺は少し呆れたようにしてしまう。俺が予知を使えることを信じたのはこいつくらいだ。

「えっ?嘘だったの?」

「嘘じゃないけどさ。まぁその話は後だ。とりあえず理由は2つ一つ目は行動力。そして二つ目は身体能力だ。どうせお前アタッカー希望なんだろ?カッコいいとかそんな理由で。」

「本当に予知使ってないんだよね?」

「お前が単純すぎるんだよ。俺もアタッカー型オールラウンダー目指すからな。連携重視か機動力を生かした近距離型のチームにしたいんだよ。」

「なるほどね。僕はいいよ。」

「……やけにあっさりだな。」

「うん。友達とやるほうが楽しそうだし。」

「お前一応命がけの仕事ってこと忘れんなよ。」

呆れたようにいうと

「とりあえず俺はこれ終わったら開発室行かないといけないから。」

「えっ?訓練受けなくていいの?」

「あぁ、俺はC級じゃないからな。」

「どういうこと?」

首を傾げる吉井に俺はため息を吐き

「仮訓練の結果俺は先にB級に上がったんだよ。全部ぶっちぎりでトップだったし。」

「……あぁ。まぁ予習できるからね。」

「そういうこと。まぁランク戦みたいに30分くらいの長い時間見なければ普通に問題ないしな。まぁもうそろそろ始まるから学校で話そうぜ。さすがにお前の服装だと話したくないし。」

「うん。明日からは男用の服を着てくるよ。ボーダーで安定したら一人暮らしするつもりだし。」

納得。こいつあの姉さんから離れたい為にボーダーに入ったのか。

「んじゃまた学校でな。」

「うん。またね巧。」

俺は手を振る。まぁとりあえずアタッカーは確保か

「うす。」

「よう。どうだった?」

「アタッカー確保。後はオペレーターだけ。」

「そういえば絢辻ってオペレーター希望だろ?絢辻誘えばよかっただろ?」

「嵐山隊のオペレーターが今期で退社するから代わりに入るらしいぞ。」

オペレーターをスカウトして自分のチームに入れてもいいか上層部に確認をとったときに嵐山さんから聞いたことだ

「あ〜そりゃ無理だな。」

「でも今オペレーターは人足りてないらしくて入隊したいのであればスカウトしていいらしい。から三上にも声かけるか。これからオペレーターも増え始めたらオペレーターでも階級を決めるらしいし。早めの方がいいな。明日あたりにでも声をかけて誘ってみるか。」

「行動力すげぇな。」

「生憎A級トップ目指したいしな。」

それに俺の目もある予想は確定している。それに備えての一歩でもある

もう二度と失いたくないからな

すると忍田本部長が入ってくると全員が静まる

そして入隊式が始まった




隊の一人目はバカとテストと召喚獣より吉井明久です
まぁ理由は馬鹿で弄りやすいからですね
明久ヒロインはクロスしたキャラ一人と後は趣味つながりでのボーダーキャラにする予定です
とりあえず現段階でのステータスを書いておきます
なお、吉井明久については誕生日が明確ではないためオリジナルで作ることになりました

加藤巧 15歳 アタッカー
誕生日 2月28日
好きなこと ラーメン 師匠 友達 星

トリオン 10
攻撃 12
防御支援 2
機動 12
技術 10
射程 2
指揮 8
特殊戦術 2 トータル 58

サイドエフェクト未来予知 

機動型の防御無視のアタッカー。速さで敵を翻弄しスコーピオンで止めを刺すアサシン
サイドエフェクトがなければ回避もできないんじゃないのかと言われるくらいの攻撃特化型で、防御無視で突っ込んでくる時が多く攻撃力は慶以上あると忍田さんはいうのだがボーダー評価は辛め。忍田さんや太刀川さんと打ち込むことが多く最強二人を手合わせしたせいで攻撃特化に磨きがかかる。スピードバカと出水が発言したことによりそのあだ名が広がることとなるのだが成績は高く進学校では上位クラス下辺りをキープしており、さらに指揮能力は高め。将来的に機動型オールラウンダーを目指している。出水とは天才コンビと呼ばれている
加古さんから隊に誘われたが断ったら、弟子にされるほどの才能の持ち主
派閥は忍田派

師匠 戦術 加古さん

吉井明久 15歳 アタッカー
誕生日 12月2日
好きなこと 友達 ゲーム ランク戦で勝つこと

トリオン 5
攻撃 9
防御支援 9
機動 10
技術 7
射程 1
指揮 1
特殊戦術 1 トータル 43

機動型のスコーピオン使いだが戦術を説明しても全く理解できないので指揮能力を隊長に丸出しした。一言でいうならバカ。バカとしか言いようがないばか。成績は米屋より悪く毎回のようにオペレーターに泣きつくほど。それでいて追試を免れない
ただし戦闘面に関しては自分が何をできるのか理解しており、かなり優秀でランク戦でも主人公がいなければ普通にエースレベル
回避技術は予知を主人公以上にあり、出水のフルアタック射撃を一度シールドを使わずに受け切ったほどの実力
他人のために熱くなれる性格でよくトラブルを持ってくる。本部版太一。女誑しは相変わらずで無自覚に人を落とすことでファンクラブが存在している
なお女装写真も人気が高く裏に写真売りに一枚100円でトラブルされている
お金を貯め一人暮らしするのが目標
派閥は玉狛よりの忍田派


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加古望①

入隊式が終わると一足先にB級昇格が決まった俺は開発室へと向かう

相変わらず広いよなぁここ。

今日は予定が立てこもっており早くにB級昇格が決まっていた俺は明日の放課後に防衛任務を入れている

……まさか最初が沢村隊とは思わなかったが

アタッカー二人とスナイパー一人のチームで前年度A級二位のチームだ

沢村さんと今唯一の小学生隊員であるスナイパー件ガンナーの速水が点数を稼いでいるチームで特にコンビネーションに関してはボーダー1のチームと言って過言では

なお、ランキングではA級は前年度は6チームあったらしいが三チームがレベルについていけずに脱落。

つまりA級のレベルはかなり高いのだろう

とりあえず今日はサブトリガーを使ったトレーニングで後からランク戦で練習しようか。

そうして歩いていくと

「あら?加藤くんじゃない。」

するとセレブオーラを振りまいている加古先輩が偶然に遭遇した

「久しぶりです。加古先輩。」

「あの件考えてくれたかしら。」

すると加古先輩は多分勧誘の件だろう

加古先輩は一番最初に勧誘してきたのもあり、入るなら加古先輩の部隊にすることを考えていたのだが

「すいません。自分で部隊つくることにしました。」

「あら、そうなの?」

「はい。正直グラスホッパーを主体とした機動力か連携を重視したチームを作りたかったので。」

俺は謝罪の意味を兼ねた本当の意味を語る

「……あら残念。ってことはもしかしてグラスホッパー入れるのかしら。」

「はい。えっと今からそのトリガー構成に行くんですけど。」

「えっ?入隊式今日だったでしょ?」

驚いたようにしているが

「俺全訓練でトップだったので。仮訓練時のランク戦もC級隊員とやってましたし4012点スタートなんで。出水も3500点スタートですし。」

「あぁ、なるほど。」

ただでさえ出水も即戦力に近いからどうやら上層部がかなり悩んでいたらしい

「今年は二人が目立っちゃって他はそれなりね。さっき見てきたけど女装していた吉井くんって子が30秒で倒していたのはちょっと驚いたけど。」

吉井初めてで30秒か。普通に早いな。

「加古先輩はどうしたんですか?」

「炒飯の準備を買って来てたのよ。これから太刀川くんと堤くんに新作チャーハンを作ってあげようと思って。」

そういや買い物袋を持っているしスーパーかどこかから買ってきたのだろう

「荷物持ちますよ。」

「あら、いいの?」

「俺今日は暇なんで。今日中に開発室いけばいいですし。」

それに太刀川さんとA級一位のチーム見てみたいしな

俺は加古先輩の買い物袋を持つ。

「そういえばトリガー構成ってどうするの?」

「一応メインがスコーピオン スパイダー グラスホッパーでサブがスコーピオン、ハウンドっていう開発室が新しく作ったものを後はバックワーム、スパイダーですね。」

「シールドは入れないの?」

「シールド入れるかエスクード入れるか少し迷ってます。俺は危険予知があるので基本は回避できるんですけど。」

「今はそんなにシューターやガンナーの種類は少ないから分からないだろうけどでも多分シールドは入れた方がいいわよ。それとスパイダーはなんでいれるの?」

「これはコンビネーション用ですね。トリオン量が少なくて相手の動きを制限できるし高速移動を使って足場を空中につくることになって空中戦にできるかと。こっちはグラスホッパーもありますし。」

「でも、中途半端だと思うのだけど。」

まぁ、そこはランク戦して確かめようと思っていたんだけど。

「まぁそうですね。う〜ん。外すとしたらスパイダーかバックワームですね。」

「バックワームはやめといた方がいいわ。チームを組む以上逃げを選択しないといけない時もあるからレーダーに残っていると狙撃される可能性があるわ。それにもしもチームメイトがベイルアウトした時に集中砲火されたらさすがに一溜まりもないわよ。」

「……なるほど。」

それはランク戦に入らないと分からないけどタイムアップを狙わないといけない時か。

引き時を見極めるってことも大切なことなんだな

「スパイダーを入れたいのならその時はスコーピオンを外したらどうかしら。加藤くんの実力ならスコーピオン一つでも十分通用するはずよ。」

「詳しいですね。」

「あなたとチーム組んだら二宮くんや三輪くん達にも勝てる気がしたのよ。エースの素質を持っているし、どこもゴールデンルーキーの配属地は気になるわよ。」

「純粋に俺を欲しがったのは加古さんのグループだけでしたけどね。他は多分サイドエフェクトだと思いますよ。オペレーターになってほしいって言われたところもありましたし。純粋にエースとしては加古先輩くらいしか評価はされませんでした。」

「その子は見る目ないわよ。あなたはサイドエフェクトよりも反応速度が早いことがあなたの持ち味なのに。」

加古さん曰く俺の反応速度は太刀川さん以上であり、機動力と言う形では太刀川さんを上回る可能性があるらしい。

「やっぱりうちに来ない?」

「さすがに。それに今年入隊した一人に声かけているので。」

「あら?そうなの。」

「はい。本当にすいません。」

俺がそうやって歩いていると

「あれ。加古さん。」

「あら、堤くんじゃない。」

するとオレンジ色の髪をした先輩と出会い俺の方を見る

「あれ?見慣れない顔ですね。」

「私が言っていた加藤くんよ。」

「加藤です。」

「あぁ、噂のゴールデンルーキーですか。諏訪隊に所属している堤です。」

俺が一礼すると自己紹介をする堤先輩に俺は優しそうな先輩だと思う

「あっ。堤先輩が来たなら俺はお役御免ですね。俺開発室行ってきます。」

「あら、もう少し話したかったんだけど。」

「えっ?加古さん俺に用事あったんですか?」

「えぇ。新作チャーハンを考えたから食べてくれないかしら。」

「えっ?」

すると堤先輩の顔が明らかに引きつっている

「は、はい。」

「よかったわ。太刀川くんも誘ってくるから少し隊室で待ってくれるかしら。」

「そ、そうだ。加藤もどうだ?」

「すいません。今日の昼飯は出水と食う約束しているので。」

「あら、残念。それじゃあ今度作ってあげるわ。」

「はい。その時は楽しみにしています。それじゃあ失礼します。」

そして俺はビニール袋を加古先輩に返すと俺は開発室で歩き出す

サイドエフェクトが反応していたので少し急ぎ足で

……後から加古さん本人から聞いた話だとチョコミント炒飯だったらしく。食べないでよかったと思ったのは俺だけではなかっただろう

だがこの時は知らなかった

この人に弟子になってこれからも幾度も加古さんの炒飯に食べることになることを




主人公の現在のトリガー構成
メイン
スコーピオン ハウンド グラスホッパー シールド
サブ
スコーピオン グラスホッパーorハウンド バックワーム free

なおガンナー型のオールラウンダーで銃はアサルトライフル


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三上歌歩①

「ふぁ〜。眠。」

俺は眠そうな顔で学校に登校する

三門第三中学校に通っている普段は冴えない中学生だ

友達どころか俺のことを知っている人はいない人が多い。

そうやってぼっちライフを楽しんでいると

「おはよう〜!!加藤くん。」

「うぉっと。」

急に後ろから衝撃が加えられ後ろを見ると絢辻が背中に乗っかってくる

「なんだ。綾辻か。おはようさん。」

「うん。ってあれ?元気ない?」

「学校始めで今日から防衛任務俺3連勤だぞ。」

「あっ。そういえばB級昇級おめでとう。」

「このタイミングで言うのか。まぁ、あんがと。そっちも嵐山隊入隊及びA級昇格おめでとうさん。」

と歩き始める

「てか生徒会は?」

「今日は休みだよ。元々あまりうちの生徒会は大変じゃないから。」

「まぁ確かに生徒会はあまり仕事はないな。仕事があるのは風紀委員会の方か。」

というのも理由がある

俺たちの学校は進学校として三門市内では有名なんだが

「吉井。また女子の制服を着よって。」

「違うんです。また姉さんが勝手に。」

「あちゃーまたやっているよ。」

校門付近で吉井が風紀委員の先生に怒られていた。もう俺たちの学校では見慣れた風景だ。

吉井の女子の制服での登校は入学式からあったことで相変わらずのシスコンぷりを見せる始末

まぁ、吉井の姉さんは学校以外では常識知らないしな。

ここは関わりたくないので俺はスルーをすることを決め込みこっそり玄関へ向かい綾辻と別れる

そして下駄箱に上履きを取り出すと

「お、おはよう。加藤くん」

俺は後ろを見ると三上が登校してきたらしい

「おう。」

といい上履きを履き教室へ向かう

そして俺は教室に入るとざわざわした声が聞こえてくる

体を伸ばし俺はあくびをする

そしてしばらくした後に三上が何かショックを受けたように入ってくるとそれを見た宇佐美と何かを話している

はぁあいつを誘うのか

俺は少しため息を吐くそういやこれも提出しないといけないんだ

そしてしばらくすると

「みなさん。席についてね。出席取るわよ。」

「あっ。先生ちょっと。」

「あら?えっと。加藤くんどうしたの?」

俺はポケットに入れていたシフト表を先生に見せ

「防衛任務のシフト表を学校にださないといけないらしいんで。なるべく授業の時間は外したんですけど。」

「あら。このクラス初めてのボーダー隊員ね。分かったわ。これ少し預かっていてもいいかしら。」

「放課後までに返してくれるのなら大丈夫です。」

「あら。とりあえずB級昇格おめでとう。」

「うす。」

といって席に戻ると俺はあくびをする

あんまり反応ないし多分ボーダーってそんなに珍しいことじゃないんだろうな

とそう思いながら俺は朝のホームルームに入っていった

 

「ねぇねぇ。ボーダーに嵐山さんいた?」

「ボーダーって基地の中どうなっているの?」

朝のホームルームの時の俺を殴りたい

あれから休み時間の間質問ぜめにあっている

ボーダーの認知度は高く特に嵐山さんはものすごい人気らしい

主に女子に

サイドエフェクトで見たのはこれかよ。

人付き合いが苦手な俺にとって

「あの、ごめん少し飯食べさせて。」

俺は未だに弁当を食えずにいた

てか吉井遅すぎ。あいつ何しているんだよ。あのバカ

とイライラしていると

「失礼します。巧いる?」

のほほんと話しているバカがいた。もちろん風紀委員に着替えさせられたのであろう男子の制服をきて

「遅えぞバカ。」

「仕方ないじゃん。鉄人に何もしてないのに追いかけられたんだから。」

「お前がまた掃除当番サボったりしたからだろうが。」

俺はため息を吐くとりあえず。揃ったと言いたいが

もうこのタイミングかな

「三上そういやいる?」

「えっ?」

「ちょっと話したいことあるんだけど。それと嵐山隊については綾辻に聞いた方がいいぞ。嵐山隊のオペレーターやるらしいから。」

これで女子の気は綾辻に向いただろう

まぁボーダー支給のスマホで嵐山さんのメアドを知っていることだけは絶対に誓ったけど

「あれ?加藤君歌歩ちゃんに何か用があるの?」

宇佐美が首を傾げる

「まぁな。」

「へぇ〜。もしかして告白?」

「そんなわけねーだろ。吉井も関係あるから呼んでいるんだろうが。」

「まぁそうだよねー。」

やっぱり知っていたのか少し苦笑してしまう

「吉井とりあえず座れ。てか飯は?」

「ボクはまだだけど。お弁当だから。」

「ならいいけど。三上も悪いけど付き合ってもらっていいか?宇佐美も聞いててもいいし。」

「うん。私はいいけど。」

すると机を引き寄せグループを作る

そして俺は弁当箱を開けいつも通りのもやし炒めを食べ始める

「あれ?加藤君の弁当ってそれだけ?」

「これだけだけど。」

「あれ?昔お弁当普通だったけど。」

「……金がないから仕方ないだろうが。俺の家大侵攻で両親二人とも行方不明なんだよ。」

「「「……」」」

全員が黙りこむ

「ごめん。」

「別に。正隊員になれたから金稼げるし。大学の奨学金もボーダーの忍田さんが保証人になってくれるらしいから。」

俺のことはボーダーでも有名で奨学金も何かと融通をきかせてくれるらしい。

とりあえず未来は二つ変えたことによって結構余裕ができたのでよかったのだろう

「とりあえず俺の弁当の件はいいから本題に入るぞ。三上ボーダーに入って俺たちの隊のオペレーターやってくれないか?」

「えっ?」

「今吉井と隊を作るつもりなんだけど。」

「吉井君もボーダー隊員なの?」

「僕はまだ訓練生なんだけどね。でも何で訓練生の仮入隊してないボクをスカウトしたの?」

「学校の3階から生身で無傷で飛び降りたりお前の姉貴の関節技で関節全部外されても死なないお前が正隊員なれないはずないだろ。」

「ちょっと待って明らかにそれおかしいから。」

宇佐美が突っ込む

「ん?小学生の時は仲よかったからいうけどこいつの家庭結構おかしいんだよ。こいつのボーダーに入った理由も姉さんから逃げ出したいから一人暮らしがしたいって理由だし。」

「うん。母さんよりマシだけど。」

「ついでにこいつが女装して学校に来ているのも大体はこいつの姉貴のせい。小学生なんか週三で女物の服来てたし。」

「……あの、吉井君のお姉さんって吉井君のことが嫌いなの?」

すると宇佐美がそんなことを言い出す

「いや。俺が聞いたところ好きらしいけど。」

「えっ?そうなの?」

すると吉井が驚いている。まぁ普段の態度からだったらそんなことは思いもしないだろう

「むしろ愛しているらしいぞ。」

すると恥ずかしそうにしている明久だが

「一人の異性として。」

「ちょっと待って冗談だよね。」

俺の一言によって急に焦り始める

「……冗談だったらよかったのになぁ。多分本気で言っているぞ。あの人。」

俺が吉井の姉貴を忘れられない理由はそこだ。

すると結構ガチ目に落ち込み始める

「まぁ、こいつの家庭の話は置いといて。本題に戻すぞ。」

「ちょっと待って置いとかないで。」

「えっと……あぁ。私が加藤君の隊のオペレーターに入って欲しいって。」

「うん。俺から振っておいて衝撃すぎたからな。」

「うん。いいよ。」

俺はぼかんと口を開けてしまう

「……えっ?」

「私の家も家族多いから少しでも家計のためになれば嬉しいし。それに加藤君最近楽しそうだったから。」

「いや、簡単にいうけどお前両親の許可おりるのか?」

「う〜ん。大丈夫じゃないかな?歌歩ちゃんしっかりしているから。基本放任主義なんだよね。私も入ろうかな。」

「オペレーターは人足りてないらしいし両親と相談してってところじゃないか?」

俺はくすりと笑い

「吉井。お前五月中に正隊員なれるか?」

「えっ?うん。一応いまのペースなら。」

「スコアは?」

「今は1500くらいかな。」

「1500?早くねーか?」

ペース的に一日500とか無茶すぎるんだけど

「3500点オーバーの人と戦っていたらね。」

「あ〜。武器は」

「スコーピオンだけど。」

ランクの高い相手と戦えば戦うほどポイントは多くもらえるからな

「ただ出水って人には負けたよ。」

「あぁ。あいつはきつい。俺も勝率6割程度。」

「それでも勝ち越しているんだ。」

「伊達に今期仮訓練最高成績収めてないしな。」

それでも副トリガー含めると勝てるかどうか分からないしな

「それじゃあ後は学校終わったら話すわ。とりあえずこれスカウト専用の書類。本部長がくれた。時間が決まったら俺がボーダー基地まで案内するから。」

「…それでいつからランク戦参加するつもりなの?」

「六月から。とりあえず三上が正式にオペレーターに認定されたらすぐチーム組む予定。とりあえず今は連携やオペレーターの操作になれていないから最初は個人技やってって感じ。人数も最初は二人で三上が慣れたら3人目を入れるってことで。」

「オペレーターって難しいのかな?」

「綾辻に聞いたところオペレーターは多くの物事を伝えられる状況と支援、サポート能力が大切らしい。三上なら俺は機械操作に慣れたら普通にできると思うぞ。」

純粋に三上は状況判断能力も普通に優れているしそれにまとめることもできる

まぁ、少し心配点も数カ所あるけど。そこは俺がカバーすればいいか。

「ねぇ。それって私も入れないかな?」

宇佐美ももう入る気でいるらしい。まぁ俺は別にいいんだが

「一応聞いてみる。けど断られても恨むなよ。」

「分かったよ。」

「それじゃあ一旦これでボーダーの話は終える。三上は一応ちゃんと両親に報告たのむな。」

そして飯を食べ始める。とりあえずこれで一歩進み出したってことでいいのかな?

 

……余談だけど綾辻を売った件に関しては俺は綾辻に散々怒られた後、初任給が出た時にケーキをおごることになったことを記載しておく




ここでクラス配置を言います

A組 吉井 綾辻 担任 西村

B組 加藤 三上 宇佐美 

一応これが今まで出たメンバーです。一応バカテスメンバーはもうCクラスに1人、Dクラスに2人用意していますが一人は風間隊のオペレーターにする予定です。
なお氷見さんと奈良坂も同じ学校です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤巧②

午後7時に入ると俺は沢村隊の隊室へ向かう

「失礼します。」

ノックをした後に俺は入ると

「あら、もしかして今日上がったっていう加藤君かな?」

すると短髪の女性が話しかけてくる

「はい。加藤と言います。一応メイントリガーはスコーピオンです。」

「隊長の沢村響子です。そしてこちらは速水凛花ちゃん。」

「……よろしく。」

するとオレンジ色の髪をした少女が頭を下げる

「よろしく。ってあれ?他の皆さんはどうしたんですか?」

「今日はいないのよ。……就職活動で。」

「あぁ。なるほど。そういえば忍田本部長が解散するって言ってましたね。」

「うん。私たちは元々一年で解散するつもりだったから。」

女性チームで予想はしていたのだが怪我はしないのだけど

「つまりオペレーターいない中で防衛任務ってことですか?」

「いえ綾辻さんが中央オペレーターからくるわ。初めてらしいからフォローに月見さんも来るって言っていたわよ。」

「あぁ。綾辻か。」

顔見知りだし月見さんがフォローってことは東隊は防衛任務当たっていないのか。

「でも凄いわ。初日B級どころか昨日のランク戦スコーピオン二刀流だけで35ー15でしょ?シールドも入れているとは思っていたんだけど。」

「まぁ危険だったらサイドエフェクトが反応しますんで。あまり意味ないとは思いますが。」

「サイドエフェクト?」

「凜香ちゃんは知らないのね。迅くんとは少し違うけど予知能力を持っているのよ。」

沢村さんがそういうとそういえば入隊式の予言で

「そういえば多分なんですけどその沢村さん迅って人にお尻触られると思いますよ。多分報告書を上に届ける時ですが。」

「……忠告ありがとう。」

すると苦しげに嫌な顔をする。

「そういえばあなたってトリガーを少し教えてくれるかしら。」

「あっ。一応メインがスコーピオン、グラスホッパー、ハウンド、シールドでサブがスコーピオン、グラスホッパーにバックアーム、スパイダーです。」

「……あれ?シールド一つ?」

「ランク戦の時に確かめていたんですが俺ってシールドまず使わないんですよ。危険はサイドエフェクトで。多分庇う目的以外は使わないかとハウンドもトリオンに反応して動くって言われたのでグラスホッパーで回避すればいいかなって。」

「う〜ん。でもシールド一つは入れているんだよね。」

「あ〜スパイダーのところが俺はいつもフリー何ですよ。ちょっと訓練室で練習していたときに抜き忘れて。」

「トリオンも余裕あるのね。それじゃあ凛ちゃんは今日は加藤君をフォローしてあげてね。」

「分かりました。」

「それじゃあ防衛任務行こうか。引き継ぎのやり方も教えてあげるから。」

「助かります。俺も部隊つくるので。」

と話しながら俺たちは防衛任務へと向かった

 

「……警戒区域ってこんな風に今なっているんですね。」

俺が屋根の上から見下ろした風景には暗闇の中でも光一つない闇の中で俺は見下ろしていた

「えぇ。入るのは初めて?」

「はい。俺は旧ボーダー本部以外警戒域には入ったこともみたこともないので。」

「……予知では見なかったの。」

速水が俺に聞いてくるけど

「速水俺の予知能力はそんな優れたものじゃないぞ。てかデメリットの方が多いし。」

「……どういうこと?」

「予知夢を使えば聴覚と視覚は遮断され身動きできないことと時間制限があるってことかな。やっぱ一番は。俺の場合正確な予知は1分しか持たない。」

「1分?」

「そう。ぼんやりして時々見えなくなる。いらない情報を抜いたものなら30分。それくらいだな。」

それ以上やると忘れてしまうんだよ。夢を見ると忘れてしまう時があるみたいに俺も忘れてしまう

「やっぱり迅くんみたいに戦闘中に自分の未来が見えるってわけにはいかないか。」

「危険予知は二通り。本当に未来が見えるときと危険を察知してどうすればいいのかを教えてくれる直感型って感じです。こちらは見えるときがいつ起こるかが分からないくらいでデメリットはそんなにないです。ただデメリットを言うならばそれが例え残酷な未来でも見えてしまうことくらいですね。」

「どういうこと?」

俺は少しだけ息を吐く

「……そういや沢村さんは俺の境遇って確か知ってましたよね?」

「うん。両親が行方不明になっているのも知っているわ。」

「……予知があるのに両親が攫われたんですか?」

「サイドエフェクトってわかっているからそういうことが言えるんだよ。速水はサイドエフェクトがないころに友達に予知能力があるってことを言われたら信じるか?」

「……」

無言ってことは信じないってことだろう

「つまりそういうことだよ。信じてくれる奴なんかオカルト主義のやつかなんでも信じるバカぐらいだ。」

「……ごめん。無神経なことを聞いて。」

「別に。両親が攫われたのは変えられなかった自分が悪いんだし、それに。」

といいかけそれをやめる

見捨てた俺の悪いんだよ。

自分の命を両親の命よりも俺は優先した

たったそれだけのことだ

「……」

小学生にいうのにはまだ早いかな

『ゲートが発生しました。座標誘導誤差0.50です。』

ゲートの声が聞こえ

「綾辻トリオン兵の種類は?」

『攻撃型3体と捕獲型が5体です。』

「マーカーで攻撃型と捕縛型の色分けを頼む。」

『分かりました。表示します。」

すると2ー4が左側多めになっている

「俺が左側に行って速水の盾になります。その隙に速水が狙撃で殲滅って形ですよね?」

「……!!」

「とりあえず俺の武器じゃ攻撃型の装甲はちょっと厳しいっすしいくら沢村さんとはいえ一人で6対を一斉に相手にするのは厳しいでしょうし。」

「うん。それでいいわ。」

「俺たちは沢村さんが来るまで一体ずつ削っていくから配置と狙撃位置のマーカーつけておいて。射線もついでにレーダー写せる。」

『うん。大丈夫。』

「それなら射線通すように攻撃するから。配置ついたら攻撃型を落とすから。」

「……速水了解。」

さてとその前に

後ろの捕獲型を先にやっちゃいますか

俺はグラスホッパーで飛んで敵に接近する

そして一体の攻撃型が右からふるってくると俺は上に回避しそして

グラスホッパーを使いスピードを上げ二つのスコーピオンで二回剣を振るう

的確に口の目を捉えると俺は横に飛ぶと同じことを4回繰り返し

捕獲型を全滅させると射撃が攻撃型の目に当たるとその隙を狙い後ろ足を一本ずつ削ると一瞬だけ生まれた隙に

そして速水がリロードが終わっていたらしく狙撃で一匹倒しあと一体

俺は武器をしまい

「ハウンド。」

今度は中距離から確実に削る。とはなってこちらに向こうとした時に狙撃が正確に刺さると

そしてズドンと音が聞こえ最後の一体が倒れる

「こちら加藤。ネイバーの撃退に成功。」

「えぇ。こっちも終わったんだけど早すぎない。」

「盾になるっていいながらバムスターを一撃で倒しましたから。」

「いや。だって後々残るよりは倒しやすいほうを狙った方がいいじゃねーか。てか……狙撃手ってこんなに正確なんですか?目にドンビシャなんですけど。」

二発とも結構激しい動きをしていたにも関わらず全弾弱点の目に的中しているんだけど

「そこが凜香ちゃんの優れているのよ。動体視力と手先の柔らかさバランス優れているの。どんなにバランスが悪いところでも正確な射撃ができるわ。」

自慢げに速水を自慢している

……凄いですけどそれってどれくらい引き金が重いのだろうか

「綾辻。回収地点マークつけておいて後から回収班に回収しておいてくれって頼んどいて。」

『分かりました。』

といいながら初戦闘が終わるとその日は結局4〜5頭のネイバーに4回戦闘するくらいであとは楽々防衛任務は終えた




二人目は暗殺教室より速水凛香です。
まぁ単純にワートリと暗殺教室って同じ学生が武器を使ってますし。
ついでにクロスは増えすぎると嫌になる可能性があるので暗殺教室とバカとテストと召喚獣だけになります。
なお、この時速水は小学6年生で三雲や木虎と同じ世代です。

速水凛香 11歳 スナイパー
誕生日 7月12日
好きなもの 猫 ジャズダンス 絵葉書

トリオン 9
攻撃 10
防御、支援 8 
機動 9
技術 13
射程 6
指揮 5
特殊戦術 2 total 62

スナイパーの教祖の一人であり、東さんと同時期にスナイパーになったのだが小学生だったこともありあまりにライフルが重かったことにより開発部に初めてライトニングを作らせた。
軽いライトニングを木からぶら下がって狙撃をしたり東さんのスナイプを狙撃するなど、スナイパーとしては東さん以上に変態と言われる。
攻撃能力も高いが比較的にサポート能力が高く主人公のピンボール中の隙間からモールモッドの目に狙撃ができるほど
基本はツンとしているが猫や友達にはデレる時があり主人公と絢辻はその姿に撃沈するほど破壊力が高い
なおアステロイドも6000点台あることから銃系統はなんでも得意であると思われる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三上歌歩②

「……お前もう3000超えたのかよ。」

放課後、俺たちはボーダー専用通路前で集まると明久のペースに少し

「うん昨日超えたけど、最近格上の人がいないから少しペースは落ちているかな。」

「いや。十分だろ。てか早いくらいだ。」

実際かなり早くあれからまだ一週間くらいしか経っていない。

俺と出水、

「うん。十分早いだろ。」

「出水に言われてもなぁ。お前も防衛任務昨日いったばっかだろうが。」

やはりというべきだろうか。出水は楽々勝率9割を保持していたために俺が防衛任務に就いた2日後にB級に入り昨日は嵐山隊と防衛任務を組んでいた

「いやいや。沢村隊に何度も防衛任務に誘われているお前に言われたくないんだが。」

「沢村さん俺がいると迅さんのセクハラの被害が格段に減るらしくて俺がチームを組むまで、一緒に合同訓練をすることを忍田本部長のところに掛け合っているからな。」

「……あの人も大変だな。」

出水が呆れたようにしている

「そういや、待ち人は?」

「もうそろそろ来るんじゃね?一度帰宅してから来るって行っていたし。」

「しかし、まさか初の中学生隊長がお前なんてな。仮入隊初日にいきなり暴言を吐いた奴が。」

「巧何しているんのさ。」

「うっせ。あの時結構キツキツだったから金銭的にあんなに簡単に解決できるとは思ってなかったんだよ。」

「忍田さんも太っ腹だよな。」

と適当に雑談をしていると

「加藤君。お待たせ。」

すると少し走りながら三上が約束の場所に走ってくる

「おう。出水こちらがオペレーター勧誘してたの三上。」

「急がなくてもよかったのに。てかなんか飲むか?」

「えっ?」

「スポーツ飲料でいいな。」

俺は財布を取り出すと人数分の飲み物を買う

「ほれ。出水も」

「えっ?」

「お前お金あったのか?」

「普段節約しているからな。基本は5万円を毎月貯金していたんだよ。それに今日申請用紙だすって言ってあるし隊室も用意してあるらしい。簡単なセットだけならトリオンでできるらしいけどモニターや湯呑などは全部今日買い出しに行くから。金おろしてきた」

おかげで今の貯金額は70万を超えているし50万おろしたし妥協はしたくない

「えっでも。悪いよ。そんなこと。」

「必要経費だ。お前らは家族が生きているからあまりお金は使えないし俺から誘ったからな。明久も一人暮らしの頭金貯めないといけないだろうし。それに今月は無給に近いだろ?俺は大体15万くらいはでるし、奨学金の前金が減らされるとしてもそうとうな金額だしな」

さすがに学生にそこまでの金額を出せって言っても悪いだろう

「とりあえず俺の分と三上で最低限度は買いにいくからな。俺はスコーピオンが5000ぴった、ハウンドを4019まであげたから安定期入ったんだよ。余裕あるから当分は大丈夫だ」

「お前、何でそんなに上がっているんだよ。」

先週は4000ちょいくらいだったので急に5000点まで上がっていたら普通は驚くだろうが

「……お前らと違い防衛任務と宿題の時以外ランク戦しかすることないんだよ。」

ほぼランク戦ブースにこもっていたので仕方がないんだよ

「とりあえず行くぞ。」

「うん。ボクはランク戦ブース行こうかな。」

「そうしろ。さっさと4000点まで上げろよお前は。」

「それじゃあ三上さんと巧が買い出し?」

「まぁ、三上の入隊届け出したらな。」

「えっ?つまり。」

「ん?どうした?」

「ううん。何でもないよ。」

俺は首を傾げる。まぁいいや

そして話しながらボーダー本部に行く

「ボーダー本部ってこんな風になっているんだ。」

「大きいし色々複雑だからな。道覚えるまでは三上は綾辻と行動しろよ。」

「じゃあ俺はランク戦ブース行ってくるわ。」

「僕も行ってくる。」

「了解。んじゃ三上行くか。」

「うん。えっとまずどこに行くの?」

「一応本部長室。あの人上層部の中で一番話しやすいから。」

「そんな理由!?」

だって総司令官や鬼怒田さんとか結構口調が強いし怖いし

「それに元々人事は本部長のところなんだよ。それに真面目な人には優しいから。」

そしてしばらく歩き本部長室に着くと俺は二回ノックをする

「いいぞ。」

「失礼します。」

するとヒゲが生えた男子高校生が正座して忍田本部長に怒られていたと思われる姿がいた

「……えっと、お邪魔だったでしょうか。」

「いや。大丈夫だ。それで加藤君その子が。」

「はい。スカウトした同級生です。」

「三上歌歩です。」

「加藤。もしかして君が忍田さんが言っていたゴールデンルーキーか?」

すると正座している人が俺の方を見る

「あの、俺は上層部でどんな呼ばれ方をしているんですか?忍田さん。」

「すまない。ケイは強い者を見るとランク戦をしたがるんだよ。」

「ケイ?……もしかしてこの人が太刀川先輩ですか?」

少し絶句してしまう。忍田本部長の弟子でありバケモノみたいな強さを誇るらしく唯一S級隊員ではなく個人で防衛任務を行なっているという太刀川先輩か。

アタッカー、総合共に1位でログを見たんだが明らかに総合2位の二宮先輩とかなり差がある

……ぶっちゃけ勝てる気がしない

「えっととりあえずランク戦なら今度付き合いますよ。それと忍田さん正式に三上と部隊を作ります。一応三上にはサイドエフェクトの説明とかは俺の方でやっておきますけど。」

「あぁ、後は吉井君が入るつもりだったよな。それじゃあ三上さんはしばらくは絢辻さんがつくんだったよな?」

「本当に無茶言ってしまい本当にすいません。」

「大丈夫だ。オペレーターは人数が足りてなかったし元々オペレーター希望というのは少ないからな。」

「やっぱり広報部隊か何か作ってPRしていった方がいいんじゃないですか?今サイドエフェクトでは少なくも一年間が大侵攻みたいな大きな災害はおきないと思います。大きな災害ほど早く感知できるんで多分これから地域の評価は重要視されると思いますよ。最悪三門市から出る人もいると思いますし何かと評判をあげるようなことをしていった方がいいと思います。」

「うむ。広報か。」

少し悩んでいるように忍田さんは悩んでいる

「……それで本題に戻りますが。」

「あぁ部隊申請書は昨日提出しているからな。隊室の準備はできているんだが。それと隊服の件なんだが来週には準備できるようだ。」

「あっ助かります。ランク戦は来期から参加するので。」

「あぁ。分かった。ではこれよりB級20位加藤隊の結成を承認する。」

そうして判子を押されると軽く説明をされた後に俺たちは本部長席を出た

 

「うぉ。すげぇ。」

「わぁっ!!」

机と二人がけのソファーが4つ。それと簡単なキッチンにオペレーター室も完備

およそ30畳ほどの大きさあった。

「すげぇ。加古さんに隊室のデザインを考えてもらったんだけどここまでやってくれるとは思わなかったな。」

「加古さん?」

「A級部隊トップの東隊に所属しているシューターなんだけど何かよくしてくれているんだよ。俺のトリガー構成も殆ど加古さんと相談してきめているから。なんか最近じゃ戦略についても教えてくれるから完全に師弟みたいになっている。」

実際弟子入りしようか本格的に悩んでいるんだよなぁ。加古さん戦術面でも学ぶことは多いし

てかキッチンなんてある隊室なんて見たことないぞ。一度加古さんに炒飯作ってもらった時はカセットコンロを使ってたし。

なおその時はカレーチーズ炒飯だったのでとても美味しかった。

「まぁ、吉井がいるからあいつに有効利用させればいいか。」

「あれ?吉井君って料理できるんだ。」

「……あぁ、あいつ弁当は基本自分で作るからな。あいつの家女性陣料理壊滅だから。」

そして俺は足りない物を書き出していく

「食器や箸は百円ショップでコップひとつだけ専門店で買うか。調理器具は明久に任せてテレビもなるべくいい奴買いたいな。」

「うん。基本は百円ショップでいいと思うよ。そうしないとお財布に厳しいだろうし。」

「まぁ、そうするけど……う〜ん。」

なんというか、少し距離があるような気がするな

まぁいいや。買い物に行く時に少し距離を詰められるようにできればいいんだけど

「とりあえず買い出し行くか。三上。」

「うん。いいけど。どこに行くの?」

「三門アウトレットでよくないか?あそこなら近いし百円ショップも電気工具店もあっただろ?」

とりあえず買い出しからだな

そして3時間後

「ふぅ。これくらいでいいか。」

「あの、本当にいいの?」

俺たちは買い出しを終え隊室に戻ると既に日は落ちていてもう8時を少し回っている

今日買った物は冷蔵庫とモニター、ブルーレイで40万ほど、食器は百円ショップで買ったものを今俺が持っていた。

全額を俺が出したことで気が引けているのか少し戸惑ったようにしていた

「別にいいだろ。冷蔵庫はさすがに少し小さいけどそれでも十分くらいの大きさだしな。」

「いや。そういうことじゃないんだけど。」

うん。わかっている。

まぁ

俺は少しだけ考え正直に言うことにする

「三上お前やっぱり文化祭の時も思っていたけど人に甘えるってことに慣れてないんだろ?」

「えっ?」

「お前、面倒見はいい癖に自分は面倒を見られるのを少し拒む傾向あるからなぁ。何でも自分がやるし、それができるからなんだと思うんだけど、なんか距離があるように感じるっつーか。心配になるっつーか。」

多分だけど気になっていたんだろう

面倒見がいいから教えることを優先して自分のことを後回しにしすぎるし

「……もう少し甘えてもいいんじゃないのか?学校でもボーダーでも。」

俺は少し思っていたことを素直を言ってみる

「俺だって三上を頼ることだってあるし今回だって頼った。一応命がけの仕事だから妥協したくなかったし命を任せるなら三上がいいって思っていたしな。」

一応ボーダーは攫われる可能性があり緊急脱出システムがあるとはいえかなり危険な仕事だ

「まぁ、余計な御世話だけどさ、一応言っておくけど頼りたかったり甘えたかったら頼れ。俺でも吉井でもいい。今日からチームメイトなんだし。まぁ、金銭的なことは今日は俺が払うってことだ。流石に毎回毎回たかられたらもたないし。それに俺だってあんまり金銭的なことでチームメイトと貸し借りを作りたくない。もしそれでも気になるようなら働いてから給料で少しずつ返せ。家計を楽にしたいと言っておきながら家計が苦しくなったら本末転倒だろ?だから今は素直に甘えとけ。」

「……うん。」

少し納得はしてないらしいけどとりあえずは頷く三上に苦笑してしまう

そして三上を送っていくまで三上はどこか考えごとをしながら歩いていたらしくどこか上の空だった




この話は過去話へと繋がる話です。
時間があれば三上との文化祭の準備のシーンを書こうと思います


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊①

「……三上ここ分かるか?」

「えっとここは。」

と隊室で宿題をやっていた。

というのも昨日は3,4限に防衛任務があり、俺は授業に出れなかったので(三上は今はまだ研修のため防衛任務には参加していない。)三上にノートを写させてもらってその後に分からないところを教えてもらっていた

「でも意外だね。巧が勉強するなんて。」

と昨日4000越えて正式にうちの隊に来た明久が以外そうに俺を見る

最近吉井と呼ぶのも他人行儀なので名前で呼ぶようになって

「お前は勉強しなさすぎなんだよ。それに赤点あったら給料減らされるんだぞ。こっちは。」

「でも予知で問題見れるんじゃ。」

「あんなサイドエフェクトの制限時間1分の中でどうやってテストの問題丸暗記できるんだよ。」

サイドエフェクトのことと弱点はもう既に二人には話している。三上は予知能力があると知った時は驚いていたけど、それでも普段通りなので本当に助かっている

「そういや、今日発表だろ?」

「えっと何が?」

「ランク戦の対戦相手。」

すると全員がハッとしたように見る

「そういえば今日だっけ?」

「あぁ。六月からのランク戦で新規参入は俺と新里隊だけだからあと一つB級最下位のチームだからな。多分大島隊がくると思う。」

「大島隊?」

「あぁ。一応3人チームのアタッカー、ガンナー、スナイパーのバランスが取れたチーム。一度ラス前中位グループまで上がったんだけど一点も取れずに下位の中位グループまで落ちたんだよ。そしてその下もいたんだけど、成績が悪く解散している。」

「そっか。解散するチームもあるんだ。」

「結果が付き物だしな。まぁとりあえず一期目だ。俺たちの目標は B級上位グループかな。」

「あれ?B級トップじゃないの?」

「う〜ん。というよりも連携練習未だにしてないだろ?3ヶ月のランク戦でどれだけ上に上がれるかが問題なんだぞ。俺たちの隊は二人だし生存点が取りづらいっていうのもあるんだけど。明久のトリガー構成って純粋な機動型だろ?」

「うん。トリオンがボクは射的トリガーを入れる余裕がなかったから。」

トリオンの数値が5の明久は純粋なアタッカーを目指すらしく二刀流スコーピオンにグラスホッパーを入れた純粋アタッカーに近い構成だ。

俺はタブレット端末でボーダーのランク戦の記事を広げると

「うん。やっぱり大島隊と新里隊だった。新里隊長は弧月を主体としたアタッカーで何度かランク戦で戦ったけど19−1で俺は勝ち越しているから多分相方次第では勝てると思う。問題は大島隊だ。スナイパーが一人いるんだよなぁ。ランクは低いけど上位15 %に入ったことのあるスナイパーだから警戒はしたほうがいいんだけど。朗報MAP選択権うちだ。」

「本当?」

三上が俺の方を見る

「へぇ〜隊が作った順番でMAP選択権が変わるんだね。まぁ、スナイパーがいるからその対応を取れるステージになるのかな?」

「……う〜ん。それなら工場地帯は?射線が切りやすくてエリアも小さいからスナイパーを見つけたらグラスホッパーですぐにとりにいけると思うけど。」

すると明久からまともな意見が出される。

そうだな。ぶっちゃけありだ。

「それでもいいと思うけど市街地Dでもいいと思うよ。スナイパーの狙撃する位置が外しかないから。」

三上からも意見を出される。確かにそれもありだ

でもどちらも機動力というよりも相手を防ぐことばっかりで俺たちの持ち味を失っているような気がする。

「……う〜ん。なら明久。お前はどこなら一番やりやすい?」

「えっ?」

「こういった場合どこがやりやすいかと言ったより自分の得意なところで戦った方がいい。相手を気にせず自分のホームグラウンドを決めてやった方が有利になる可能性が高い。三上も俺たちの持ち味を生かす方に変えてくれ。スナイプも関係ない。俺たちが絶対に勝てるステージを作ろう。相手にもステージはバレるとは思う。でも連携もランク戦自体初めての隊だ。それならそういったことは来期にして今は俺たちのやり方で勝ちにいきたい。」

「つまり、今期は個人技で勝つってこと?」

明久が聞いてくる

「いや、前期だけだ。前期を個人技中心にして後半を連携で崩す。元々二人しかいないチームだし合流する前に誰かと戦う可能性が高い。それに下位のチームはエース不在の連携で倒すことに気をとられすぎて合流を優先するチームが多い。上位になると連携は絶対必要だけど今は個人技を鍛えて連携を取れる前段階を作るほうがいい。」

「それなら私はここがいいと思う。前にログを見ていたら建物が狙撃されやすいけど。でも加藤君のサイドエフェクトと合わせると多分一番加藤君の有利が生かせると思う。」

すると三上が一つのMAPを指差す。俺と明久はそのMAPを見て頷く

相手に合わせるんではなく自分たちの武器を生かす

そういう方針が俺たちの中で確立した瞬間だった。




吉井のトリガー構成です

メイン 
スコーピオン シールド free free
サブ
スコーピオン シールド グラスホッパー バックワーム


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊②

ランク戦初日

俺たちは試合開始一時間前から集まりそわそわした様子で俺たちは作戦室にいた

というのもやはりチームランク戦はとっては初戦。そして相手に予想外のことが起こったのだ

2-4-4

まさかの4人チームが二チームというかなりの戦力差である

「はぁ。マジか。さすがにこれは予想してなかったな。」

俺もさすがに一から考え直しだったのでちょっと戸惑ってしまった。

しかし唯一幸いだったのは全員対戦したことがあり、俺は全員に勝ち越している点だったことを含めると

「とりあえずおさらいするぞ。とりあえず大島はスナイパーで基本バックアームを装着している。去年の下位グループでは明らかに目立っていて基本は点取り屋だ。そしてアタッカーの柴田は弧月を使用していて基本バックアームは装着はしていないが誘い込むのが得意な防御型のアタッカーだ。多分新加入した三島も弧月とシールドをうまく使っていることだから誘いだすのが目的なんだと思う。そして最後にガンナーの島田。前はアステロイドを使っていたんだけど最近はハウンドをよく使っているからな。多分島田か柴田を先に倒せたら随分楽になるだろうと思っている。」

一区切りついて

「そしてこっちは隊長の新里以外は全員シューターの中距離のチームだ。どうやら去年解散したチームで組み直したらしく中距離戦では負けなしだろう。こっちもメインはハウンドだと思っていい。」

「やっぱりハウンドを加えている人が多いね。」

「まぁ単純な話一番当たりやすいからだろうな。俺も片方入れているし。」

追尾弾と呼ばれトリオンに誘導するか目線で操作のできるので格段にアステロイドよりも使用率が高くなると予想されているが

「まぁでも落とせない速さじゃないだろ。とりあえず三上最初の1分が勝負だ。……サポート頼むぞ。」

「うん任せて。」

「明久しくじるなよ。」

「任せといて!!」

そして時間になる

『『トリガーオン。』』

視界が変わり隊服のグレーと黒を主とした隊服変わる。

動きやすさ追求しとトリオンを少しつぎ込むことにより5色に隊服を変更することができる最新鋭の隊服。

まぁ開発部に任せたのが運の尽きか。

そして俺が仮想空間に出ると直ぐに分かる

建物の屋上に出たのか俺の目線に見えるのはいつも見慣れた校庭だった

「エリア学校。時刻夜。B級ランク戦スタート。」

その音声と一緒にバックアームを起動し走り出す。そして俺のマーカーに直ぐに三上がつけたと思われるマーカーがセットされる。

『最初の目標の位置共有します。』

そして俺の目の前には予知で見抜いた最初の初期配置が記載していた。校舎から飛び降り戦闘準備に入る

「サンキュー三上。10秒後島田に奇襲をかけます。」

『了解。こっちも新里さんを捉えたから一撃で仕留めるね。』

「了解。」

そして俺は走っていくと島田が見えてくるまだ気づいてはいないので直ぐに速攻をかけるか

すると誰かが飛んだのか空中にベイルアウト後に目線がいった

未だ

「グラスホッパー。」

俺はバックアームを取りグラスホッパーを踏みスコーピオンで島田の首を切った。

「活動体限界ベイルアウト。」

島田は驚いたようにしているが遅すぎる。

そして直ぐにバックアームを付けると連絡する

「ナイス明久。こっち島田落としたから後は新里隊のシューター落とすぞ。三上。」

『はい。新里隊の位置情報をマークします。』

俺の予知は視覚共有をすることはできない。それなのに何で居場所を共有できるのか。

それはいつも俺たちが通っている学校であれば三上も明久も言葉で通じるからだ。

そして極端に狭いステージなので俺たちの機動力もいき

俺たちが唯一誰よりも詳しくそして有利な展開に持っていける

狙撃手が学校の屋上を取られたらめんどくさいが今回は俺が一番にとっていたので直ぐに追撃することができ運良く俺が屋上をキープできた。

「マークされる可能性があるから少し遠回りしてからいくぞ。明久はどれくらいだ?」

『後校長室にアタッカーの新里さんとぶつかる。多分そっちに3人いると思う。』

「了解。それじゃあこっちは裏口に向かう。同じくグラスホッパーで奇襲をかける。」

後30秒くらいだろうか。だから

全員一撃で仕留める

そして3人見かけるとバックアームを取りグラスホッパーを一度踏んだ後一直線で突っ込むと俺はスコーピオンを三回後ろから首を切り一撃で仕留める

そして一気に4人がベイルアウトする。

「明久。」

『大丈夫。被害はないけど。これからどうする?』

内部音声が聞こえてくる

「パーフェクトだと10点だよな。アタッカーしかいないしせめてもいいかもな。」

『一応最終地点は学校だけど?』

「どこらへんだ?」

『多分玄関で隠れているかな。さっきから動いてなかったから』

ほぼ確定だな

「玄関か。んじゃポイント取ってくる。明久はバックアームを解除して反対から回れ精神的においつめる。」

『了解。一応二人だから気をつけて。』

「そんなこと分かっているつーの。んじゃ。4点取ってくるわ。」

俺は裏口からはいるとゆっくり歩く

危険感知ができるようにゆっくりと襲われるようにして

そしてしばらく歩いた後に反応する。左右に一人づつか

「明久大きな音立てれないか?一瞬でもいいから気をそらしたい。」

『了解。それじゃあ3.2.1。』

するとパリンとガラスに割れた大きな音が聞こえると未来予知が反応しなくなったので突っ込む。一瞬の隙を狙いスコーピオンで一人倒した後、一人が剣を振るうが上に回避しそして切り捨てる

そして飛んでいく二人を見送ると

『ランク戦終了10-0-0。加藤隊の勝利です。』

無機質なアナウンスが流れて俺たちはこちらに戻ってくる

「「「……」」」

声にならない。予想通りで一番思い通りに進んだ初戦

例えB級下位とは言え通用したということは

「「よっしゃ!!」

「やったー!!。」

俺たちの実力で勝ったということだ

一分間だけ無敵の部隊

されど1分を過ぎたら戦力は極端に下がる。

だから機動力で押すしかなかった。

機動力で小さいマップで速攻をかける

試合時間はチームランク戦とは思えない4分での終了だった

一通りハイタッチをしたところで俺は一通り息を吐く

さすがに緊張した

初めて指揮をとる中で俺は失敗しないかと焦っていたのだが

三上が正確にサポートしてくれたおかげがでかい

予知で伝えたデータは本当に正確にそして俺たちが分かりやすいようにルートも正確にレーダーされていた

個人ではなくチームでの勝利。これは本当に大きい

それに地味に明久がサポートに回ったのがでかい

こいつ思った以上に周辺を見えていて基本自分の実力が見えている

「……どうしたの?」

「いや。なんでもねぇよ。ただ反省点を後からログを見ておかないといけないし、今日のランク戦をやってみて少し気になったことを上層部に話そうと思っただけ。」

忍田さん辺りにちょっと言っておかない多分育成が数倍遅れる事になると思う

……とりあえず勝って何よりだけど

「とりあえず今日の夜の部で対戦相手決まるからな。それまでは浮かれていていいけど多分次はうちの得意な戦法は使えない。こんだけの高得点でB級中位グループまで一気に上り詰めたからな。」

「そっか。10得点って。」

「過去最高得点だよ。どう見ても。はぁおかげで作戦また作り直さないといけないか。かなり警戒されるだろうな。」

「そりゃ。あんだけ目立っていたらね。」

……目立ちすぎだけどこれからは多分俺のマークが大きくなるか

「なぁ、三上。これ連携より多分だけど機動力を駆使した今のやり方の方が点数取れるんじゃね?」

「うん。でも今のままでさすがにB級上位には通用しないと思う。」

「あぁ。だからこれからは少し変えていく。機動力を生かして相手の弱いやつを的確に一人づつ潰していく。浮いた駒や乱戦に強い方が人数の少ない俺たちには有利だろ?ぶっちゃけ細かな作戦やサインを立てたところで明久は理解できないだろうしな。」

「うっ。否定できない。」

一度連携練習を行った時に明久の動きがかなり悪くなったことが一番の問題なんだが

「それに今でも個のチームは少ないし単純な話強い方が勝つ。……次の試合は明久が鍵になるぞ。」

マークで俺は多分警戒されるだろうしな

「うん。でも状況次第だったら加藤くんは点を取った方がいいかも。エース兼隊長は少し厳しいけど。」

「前衛は足りているから遠距離か中距離希望の奴も探しておく。それと来月からスナイパーの種類が2種類追加になるらしい。今シーズンは使うところはほとんどないだろうけど、一応覚えておいてくれ。」

「分かりました。」

「了解。」

「それじゃあ反省会終わるか。」

「うん。ボクはちょっとランク戦行ってくるよ。ご飯先食べてて。」

すると腹が減っていることに気づく。そういや昼飯食ってなかったな

「……了解。それなら三上飯食いにいかね?給料日過ぎたから自炊はできるんだけどさすがに疲れて昼食作る気にならない。」

「私はいいけど何食べにいくの?」

「ラーメンは?味自慢だったら安くて量食えるし。あそこのとんこつ醤油おいしいし久しぶりに食いたい。……って女子ならパスタとかそっちの方がいいか?」

「私ラーメン屋よく家族で行くから大丈夫。」

「それじゃあ行くか。明久。今日はすぐに上がれよ。」

「うん。」

するとブースの方に走っていく明久を見つめながら俺は苦笑してしまう

焦るなよ明久

内心で隠しつつ俺はラーメン屋への道へ歩き始めていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

那須玲①

ランク戦が始まり早一月半

七月半ばに入るとちょうど夏休みに俺は入っていた

9戦目が終わった時順位

B級一位加藤隊

機動力を主にしたグラスホッパーと得点力は誰にも止められずただ連勝街道を突っ切っていた

隼部隊

俺らのチームの二つ名までつくほどになったんだが

「チッ。」

忍田さんの腹を切られると浮遊感が生まれそしてまた再生する。

スコア1-29

「……あ〜くそまた負けた。」

「いや、だんだんいいところまできている。だが攻撃に特化しすぎて防御が雑になっているな。」

最近忍田本部長に手合わせをお願いするようになっていた

夏休みに入ると夏期講習や補講で忙しくなるんだが俺はどちらも受けないことが決まったので夏休みに俺は休暇を使って自分の実力を確かめる

忍田本部長と手合わせをすると毎回のように負ける

というよりも未だに100試合くらいやって2勝しかしていないのだ

「だってスコーピオンの耐久度じゃさすがに忍田さんの剣受けたら一撃で壊れますよ。太刀川さんでも受け流すの大変なのにどうするんですか。」

「まぁそうだが。」

「それにこれが俺のスタイルだから仕方じゃないと思いますよ。」

俺はあれから少しずつ変化していって戦術も少しずつ変わってきているが戦闘スタイルは攻撃に特化しすぎて防御が明久とサイドエフェクト頼みになっている

……出水曰くスピードバカと呼ばれるほど速さで崩しそしてスコーピオンでとどめをさすやり方がハマっていた

「そういえばあの件どうなりましたか?」

「あの件って。あぁ確かランク戦の件か?」

「はい。ちょっと気になっていたんですけどあのままじゃあ正直なところ自分たちの意見ばかりでチーム力の上昇が難しいと思います。事実B級とA級の差って俺自身は戦略も自力も圧倒的に低いからだと思います。だから根本的に改革するのが他人の意見を聞くっていうのも大切だと思います。俺も毎回のように加古先輩にボロボロに戦略を叩かれてますから。」

主にもっと簡単に勝てたんじゃないか的な意味で

加古さんに正式にランク戦が始まってから弟子入りし

実際俺たちの部隊は新規参入とはいえ三上のフォローと俺のサイドエフェクト、明久のフォロー技術はA級並みと言われているしな

おかげで大分戦略を組み立てて褒められることも多くなったけど

「まぁ、それは一度上層部で検討してみるよ。」

「お願いします。」

俺はそうやって立ち上がろうとすると

「あっ加藤くんここにいたんだ。」

「綾辻?どうした?」

「ちょっと買い物付き合ってほしいんだけどいいかな?前に入隊の時のケーキもまだだし。」

「あっ。悪い完全に忘れてた。」

そういやケーキ奢る約束していたんだった。貯金や未だに三上が昼食を作ってきてくれる分貯金額がたった2月で20万を超えているし少しくらい無駄遣いしてもバチは当たらないだろう

「それじゃあ慶と俺は打ち合うか。」

「ありがとうございました。」

俺は一度礼をする。

「いや、久しぶりに体を動かしたくなったからな。こちらこそありがとう。」

事務処理が溜まっていたのかかなり忙しかったらしく一週間ぶりに打ち合ったらしい

俺は綾辻の元に小走りで向かう

「おう。お待たせ。」

「別に大丈夫だけど本部長と打ち合っていたの?」

「あぁ。一応サブトリガーも使ってやっているけどオプショントリガーは使ってないからな。スコーピオン二つで対応しているんだけど。なんであの人弧月一つで俺の剣筋のスピードより早く振れるんだ?」

「戦ったところみたことないんだけどそんなに強いの?」

「太刀川先輩が8-2で負けるくらいには。」

すると俺はため息をつく

太刀川さんとランク戦をした時の勝率がそのまま太刀川さんと忍田本部長の成績なんだよなぁ。

超攻撃型トリガー構成でシールドが一枚しか入っていない構成は俺のサイドエフェクトと剣の腕があるからできることと前に太刀川さんが言っていた。だから一時期俺の編成をやろうとしていたB級隊員が多くいたのだが堅実主義の奴にボコボコにされる人が多数いて俺以外にこの組み立てをできるようになるのは無理らしい。

でも強い人と手合わせをするのはかなりの勉強になる

剣筋、思考癖を見抜きそれを隙を見て一本取ったときの快感は忘れられないくらいに気持ちがいい

「てかそういや何で今日なんだよ。明日から三日行ったら俺たち夏休み入るだろ?」

俺たちは期末試験が終わり相変わらず3つ赤点の明久と丁度中間辺りの出水、そして俺と三上は同じくらいの上の中程度で綾辻がボーダー内ではトップだったのだ。

「私は嵐山隊の引き継ぎとかで忙しいんだよね。」

「あっ。そういや来季で東隊も解体らしいな。元々優秀な隊長を育てる為に東さんが引き受けていた節もあってA級一位になったら解散って決めていたらしい。」

「へぇ〜つまり二宮先輩や加古先輩、三輪くんが隊長になるの?」

「加古先輩はまだ組まないって言っていたな。しばらくはソロで様子を見るらしい。他はどうするのか俺も知らないけど月見は三輪が隊長になった時にオペレーターになるって言っていたな。」

と綾辻と話していると既にボーダー専用通路の前にくる

「そういや、綾辻。今日のメンツって。」

「私と加藤くんだけだけど。」

「……」

突っ込んだ方がいいのか微妙な線だな。多分こいつ無自覚で誘ったパターンだ。

気にしない方がいいか微妙だな

三上や明久誘おうと思ったがあいつらは家族関係の用事(明久は高校生になったら一人暮らしする許可を取りに行った。)し出水も友達と遊びに行くと言っていたのでいないしなぁ

「はぁとりあえずどこ行く。買い物って行っても種類あるだろ?」

「う〜ん。買い物って言ったけどあまり買いたいものはないんだけど。」

「おい。ちょい待ち。買い物ないってどういう。」

「だって今日加藤くんを休ませるのが目的だもん。」

すると綾辻がそんなことを言い出す。

「俺を休ませる?」

俺は首をかしげる

「歌歩ちゃんが言っていたけど最近ボーダーで夜遅くまでログ見ているよね?」

「まぁ確かにログは見てるけど、最近は上層部に少し提案を持ち込んでいるからそれのデータをまとめたりしているけど。」

「……休み最近いつとったの?」

「休みか。……休みそういやあったか?」

何かと模擬戦とかランク戦とかで休みは入隊してから一度もとってなかったような。

「……うん。取ってない。外出るのもトレーニングしている時だけだな。根っからの仕事人間だし。」

「だから今日は加藤くんの好きなところ回らないかな?吉井くんが昔はよく遊びに行ったって言っていたから。」

「遊びに行くったって。う〜ん行きたいところか。」

あんまりないんだよなぁ

「綾辻は?」

「私?う〜ん。」

少し悩み出す綾辻。そういや

「悪いちょっと付き合ってくれないか?そういや久しぶりに行きたいところがある。」

「行きたいところ?」

「あぁ、居たらラッキー程度だけど昔の友達に会いにいこうって思って。」

「うん。いいけど。どこ行くの?」

「病院。」

すると絢辻は驚いたような顔をしているが久しぶりに電話番号をうつ。

ツーコール後すぐに出る相手に対して俺は少しだけ息を吐きそして声を出す

「もしもし加藤だけど、那須か?」

そして俺がコールしたした後に出た声はどこか懐かしくそして少し怒ったような声だった

 

「綾辻は知らないと思うんだけど。元々小学生の時俺と那須、明久は4〜6年まで同じクラスだったんだよ。」

俺は那須の好きな桃缶を買った後に少しだけ綾辻に話しかけていた

「んで唯一俺の友達だったって言える仲だったんだよ。明久は誰とも仲がよかったけど俺たちといる時が一番高かったんだよ。んで那須って奴は昔から病弱でよく検査入院を繰り返していてあまり学校に来ない時期が多かったんだよ。」

事実今日も検査入院で病院にいるらしいし

「俺は少し小学生のときは今の学校よりは明るかったけど、元々騒ぐのが苦手で比較的隅でのんびり寝ていることが多かったんだけど。昼寝していたら那須が話しかけてきて、んで明久はいつの間にか俺たちのグループに入っていたな。」

「吉井くんらしいね。」

「あいつバカは才能で自然と仲が良くなれるのは才能だからな。話は逸れたけど明久は当時女子からモテていて、それで結構那須って女子から妬まれていたんだよ。」

ぶっちゃけ虐められているところは何度か見たことあるし、俺も明久も知っていたけどでも、ちょっかいを出したら悪化することもわからないほどの馬鹿ではなかった

「……だから一度悪意を全部俺に向けたんだよ。明久と相談してな。」

「えっ?どういう?」

「思いっきり正論をそのクラスの女王みたいな奴に吹っかけた。那須がいない間にな。」

あいつが知ったら怒られると俺はわかっていた。明久だってそれは分かっていたし、俺だってサイドエフェクトで見ていた

「明久は反対したけど、それでも俺は押し通して決行した。……まぁ成功はしたけどそれがきっかけでギクシャクしてな。中学になってからは大侵攻もあったし疎遠だったんだよ。」

明久は覚えていたらしいけど、あのことについては未だに俺も明久も触れてはいない

それは禁忌のように扱うかのように

「……それじゃあ私はお邪魔かな?」

「いや。一人じゃ居づらいからお前連れてきたんだけど。」

「それは連れてきた加藤くんも悪いと思うよ。」

「……それについては謝るけど。それほど俺が会いたくなかったんだよ。例えそれが那須を助けるためであっても傷つけたのは事実だからな。」

多分本当の理由を言ってもわからないだろう

そしてしばらく歩くと三門市立病院に着く

この辺りでは一番大きい病院で、そして俺が昔からよくお見舞いに訪れていた病院だ

「……ふぅ。やっぱり綾辻一緒に来てくれないか?ちょっとマジで心拍数がまずい。」

心臓がばくばく言って手汗がやばいほど出ている。

「加藤くんどれだけ緊張しているの?」

「仕方ないだろ。はぁ。でも行くしかないのか。」

「うん。私は受付で待っているから。」

俺は受付で面会希望を選択しいつもの部屋番号を伝える

許可がおりると俺はコツコツという靴音が響きながら窓口へ向かう

そして久しぶりに見るこの名前

那須玲

という文字が俺の目に入る

「……ふぅ。」

俺は一息入れそして

コンコンとノックをする

「はい。どうぞ。」

「失礼します。」

俺はゆっくり入るとそこには白い服を着た色白の女子が俺の方を見ていた

「久しぶりだな。那須。」

「えぇ。久しぶりね。でも電話番号覚えていたのね。」

「覚えるも何も卒業式に連絡先を卒業アルバムに連絡先書いて無言で去って行く奴を忘れるか。」

俺は少しだけため息を吐く

「悪い。色々あって謝りにくるの遅くなった。」

「……」

「ごめん。今更だったけど。でも。」

「いいわ。私のためにやってくれたのは吉井くんが言っていたから。」

あいつ話すなって言っていただろうが

俺はさすがに少し苦笑いをしてしまう

「でも生きていたのね。」

「俺はな。調べたけど小学校の奴らも数人は死んでるか行方不明だとさ。明久は生きているから安心しとけ。」

「明久くんも生きているの?」

すると意外な言葉が出てくる

「あれ?てっきり会っているかと思っていたんだけど。会ってなかったのか?」

「お互いに中学校が違うから会えなくなって。」

「……へぇ〜正直意外。連絡先は?」

「私は知らないわね。多分明久くんも知らないんじゃないかしら。」

へぇ〜。それなら明久も今度連れてくるか。てか久しぶりに会うと何を話そうか迷うな

「そういや桃缶食うか?」

「えぇ。頂くわ。」

俺はそうやって缶詰を用意して開く。手慣れたように開く。

「……どうなんだ。」

「昔よりは大分楽になったわ。動くと息苦しかったり体調を崩すみたい。でも普段はあまり病院に行く頻度は減ったわ。」

「そうか。ということは中学には行けているのか。」

「えぇ。病院で休んでいることは多いのだけれど。」

「無事行けているんならよかったよ。家族は大丈夫だったのか?」

「その日は偶然お見舞いに来てて。」

「……そっか。よかったな。」

「そっちは?」

「俺の家は俺以外全滅。今はボーダーで生計を立てながら生活って感じか。」

「ボーダーってあのボーダー?」

「そうそう。んで明久と後三上って奴でチーム組んでる。一応来季にはA級上げれそうだけどな。」

軽く桃缶を摘みながら那須と話す

久しぶりに話す友達はとても楽しそうで、しばらく時間を忘れるほど楽しい時間だった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

速水凛花①

30分くらい話をした後連絡先を交換すると俺は病室からでて受付へと向かう

「絢辻。悪い。」

「あれ?早かったね。」

「元々お前のお詫びなんだし、さすがに早めに切り上げるさ。まぁ元気そうだったからよかったけど。」

お見舞いは連絡先の交換が目的だったし

「それに一度会えばまた会えるからな。案外簡単に許してはもらえたし。」

結局帰りしなに二度とあぁいうことをしないって約束して別れた

まぁ今度はボーダーの友達を紹介することも約束したしな

「そういえば、ちょうどいいからプラネタリウム見に行かないか?この辺り市立のプラネタリウムあるだろ?」

「プラネタリウム?」

「そう。久しぶりに見に行きたくてな。星座って変わらないから好きなんだよ。」

いつの未来を見ても星空は変わらない

周期など色々あるのだがそれでも同じ季節に同じ景色を映し出す

とプラネタリウムに向かおうとしたところで

蹲った見覚えがある女子がいた

「……あれ?速水じゃん。」

「あっ本当だ。」

「何しているんだろう?」

俺はこっそり近づくと

「な〜。」

手に抱えている猫に話している速水の姿だった

……

なんだろ。これ。いつもクールな小学生ってイメージがついていたし、あまり気にしないと思っていた

しかし今の速水は違いどこか優しげで本当に幸せそうな顔で猫を見ていた。

……これは反則だろ

さすがに俺も顔を背けてしまう

なんだろギャップ萌えというのか知らないけどこれはマジで反則

綾辻もさすがに顔を真っ赤にしているし

すると子猫の方を見るとそして歩いてくる

「あっ。」

「な〜。」

すると俺の足元にくると速水も自然と俺たちの方を見るので

「……なっ。」

やっぱりというか当然のように俺たちに気づく

「お、おう。久しぶり。」

「こ、こんにちわ。凛ちゃん。」

すると急に顔を真っ赤にする速水に俺たちはただ苦笑いをするしかなかった

 

「あの、本当にいいの?」

「別に。どうせ綾辻に奢る予定だったんだし一人も二人も変わらんだろ。」

俺たちは速水を連れてケーキバイキング店に来ていた

「てか俺は一応B級だけど結構上層部の仕事を手伝ったり色々案をいったり会議にも参加しているからA級並みに給料もらってさらに災害手当まであるんだ。貯金も趣味のお金もほとんど使わないから。金が溜まっているんだよ。」

「加藤くん仮入隊に来てからボーダーに行くのが癖になって。毎日ボーダーに来ていたらしいの。」

「毎日って。バカなの?」

小学生から言われるって少し来るものがあるけど

「仕方ないだろ。そうしないと朝から晩までもやし生活に逆戻りだぞ。」

「……いや、歌歩ちゃんにお弁当作ってもらっているんでしょ?」

「うん。断れないタイミングで弁当渡してきたから。仕方なくって感じだけど。おかげでもやし炒めばっかりの毎日は避けられているし貯金も50万ちょいはあるから余裕はあるかな。」

「何でそんなにすぐに溜まるのよ。」

「ボーダーに入り浸って風呂もボーダーのシャワー室に切り替えたからじゃないか?暑くてゆっくり風呂入るって気分じゃないし。最近水道代も電気代も格段に減っているからな。」

「ボーダーの隊室って便利だよね。そう考えると。」

「ただ三上も最近土日は泊まるからな。明久も姉から逃げるの必死らしくて。」

「……姉から逃げるって。」

「弟に女装を強要したりグーでピンタをする姉に慈悲はいらないと思うけどな。」

俺は注文したコーヒーを飲みながらため息を吐く

「……三上の家や嵐山さんみたいに兄弟仲がいいところだったら別に何も言わないけどさ、さすがに関節技で全関節を外したって聞いたときは本当に明久の生命力がなければ死んでるぞ。」

「さすがに嘘でしょ。」

「「……」」

速水は知らないが俺と綾辻。いや俺たちの中学校では有名だ。

チーム結成した一週間後ボロ雑巾のように学校にきた吉井はもう本当にひどい姿で鉄人こと西村先生という生徒指導室の先生がさすがに保健室に行って治療を進めるというありえない自体になった

明久は何でそうなったのか理由を聞くと俺らの隊に女子がいるからという理不尽な理由でどこかのクトゥルフ神話のような姿をして来たとなったわけだ

すると笑っていない俺と綾辻を見てさすがに嘘を言っていないと思ったらしく

「……えっ本当なの。」

と聞き直してくる

「マジ。吉井ってうにとたわしが間違えられた料理に出てきてもなぜか生きているし。加古炒飯の外れをけろりと堤先輩の分完食した猛者だぞ。」

あのときカスタードいくら炒飯を堤先輩の分まで完食した明久は堤先輩から神と崇められるほどだった。

なお明久曰く

「姉さんの料理に比べたら全然美味しいよ。」

お前の姉さんと比べたらサルミアッキやシュールストレミングでも美味しいだろうよ

なお、俺も明久の姉の料理を何回か食べたことがあったので、耐性はできていたらしく三上の分をきっちり完食したんだが、まずいものは不味く後から胃もたれと甘ったるさが口の中に浸透していたほど。

なお、俺が明久の姉さんの料理を食べた記憶では、痛いと辛いとしょっぱいなど不味いと呼ばれる要素を全部付き合わせた味で一口食べたらあの世が見れるほどの腕前だ。

でも加古先輩の笑顔を見るに断れないからな。

なお、翌日のお弁当は三上が腕をふるってかなり豪華な弁当になったしな。さすがに涙目で食べる三上はさすがにダメだし。

「……それはすごいですね。」

「速水も食べたことあるのか?」

「うん。生クリームごぼう炒飯を一度。」

「……あの人何で炒飯に甘いものを入れたがるんだ?」

ショートケーキを食べながら俺は呆れたようにしてしまう

「そういや聞いてみたいことあったけど、速水って部隊解散したらどこかのチーム入ることって考えているか?」

「私?うん。今の所大沢さんと諏訪さん、後二宮先輩から誘われているけど。」

「……うわぁ。やっぱり二宮さんはいるか。」

二宮さんも来季で部隊解散することは決まっているのでチームを作ろうとするにはちょうどいいか

「どうしたの?」

「いや、チーム困っていたんだったら俺たちのチームに入ってくれないかと思ってな。」

「……えっ?」

「元々近距離主体の俺と明久だけどちょっと対策が取られてきて来季から2人入れたいんだよ。お互いに点取り屋だからな。となるとサポーターが必要なんだよ。んでお互いにスカウトしているんだけど。チームの特徴に今はアタッカー重視の機動力部隊なんだけど、そのスタイルを崩したくない。でも俺のスピードについていけるスナイパーがいなくてな。それに防衛任務である程度の連携は取れるし俺が落ちても得点を取れるような奴が欲しかったんだよ。」

実際俺のスピードできちんとサポートできる奴は今の所速水か東さんくらいだろう。

「……まぁ、あまりオススメはしないけど。俺ら戦術言ったところで理解できないバカが一人いるし。」

「吉井くんだよね?」

「あぁ、あいつ駒としては使い用はあるけど、基本戦術伝えたところで違うことをするのが見に見えてるし、あいつは自由に動かした方が生きる駒だ。あいつが戦略を使う時は俺たちに選択権があるときだけど。多分もうないだろうな。事実2位と4得点差離れているし余程のことがない限り一位通過だろ。」

事実対応を取ろうとしても動体視力は強すぎる

「前期はほとんど完封ペースだったからね。」

「まぁA級上がっても今のままじゃ通用しないってことはわかりきっているからな。だから速水を誘おうと思ったんだけど。」

BとAではかなりの差があり、そして俺じゃ今はまだ叶わないのが事実だ

「凛ちゃんはどこに入ろうとしているの?」

「私は特に考えてません。けど友達と一緒のところに入ろうと思います。」

「……友達?」

「はい。ゲーム費を稼ぐ為にボーダーに入ったらしいんですけど。その子が先週B級に上がったのでチームを作るかと話していたんですけど。オペレーターが見つからなくて。」

「あぁ、そういやオペ足りてないって言っていたな。」

そういや宇佐美は俺が頼んだんだけどこれ以上はさすがに上層部が公平でないと判断されたので宇佐美に話したところ自分で受けるって言っていた。

「……綾辻。」

「ごめん。今中央オペレーターもかなり大変なの。私も今できる限りは入るようにしているし。」

「……新人が入るのを待つしかないか。」

俺はため息を吐く

ふとボーダー支給のスマホにメッセが入っているのが見える

「ごめん。メッセ入った。」

「あっ。私もメッセージ来てる。」

二件が那須。そして後一件は明久からだった

とりあえず明久の方を見ると女子のデータが一つ入っている

……神崎有希子?

ポジションはガンナーでアステロイド4030

「……なんだ?あいつデータだけ送ってきて。」

「えっ?」

「速水どうした?」

「えっと友達がスカウト受けたって。私がよければそこに入りたいって。」

「へぇ〜。それじゃあこれ食い終わったらボーダー行くか。俺もなんか明久から連絡来た。」

多分スカウトだろうなこれ。

「というより話しすぎだな。時間ギリギリだな。」

時間はすでに50分を経過しているのでお代わりはもう無理だろう。

 

食べ終わって会計が終わったあとしばらく全員でボーダーへ向かっていたんだけど

「綾辻はどうする?防衛任務ないんだろ?」

と俺は思い出すと綾辻に声をかける

「私は今日はここで帰ろうかな。」

「悪いな。俺の都合にも付き合ってもらって。」

「いいよ。今度また奢ってもらうから。」

「……ちゃっかりしてるな。また連絡してくれ。」

「うん。また遊びに行こうね。」

と言って綾辻は手を振りながら去っていった。

「……綾辻先輩とデートしていたの?」

すると速水が聞いてくる

「いや、お詫びってことでケーキ奢る約束してたんだよ。クラスメイトに売ったから。」

するとジト目で見られる。ボーダーは何かと憧れが強いらしく注目を浴びることが多い

だから綾辻を売ったって言えばどういうことなのか分かるだろう

「まぁ、でもまんざらではないんだろうよ。元々生徒会に一年生の秋から副会長やっているんだし。」

「へぇ〜。」

「お前興味ないだろ。」

俺はため息を吐く。

「てか一応黙っておいてくれないか?出水や明久に知られたらかなり面倒くさいから。」

「別にいいけど。」

「……助かる。」

俺は苦笑してしまう。もしバレたのならからかわれるのはわかりきっているしな。

そうしながらボーダーへ向かう。

そして速水と別れ俺は隊室へと向かう。

「うっす。」

「巧どこ行っていたの?」

「少し用事と那須のところ。」

「玲ちゃん?えっ玲ちゃんとあってきたの?」

驚いたようにしている。そういや明久は連絡先知らないんだったな

「あぁ。連絡先は卒業アルバムに残していたあったからな。」

「卒業アルバムって。でも元気そうだった?」

「一応な。てかそっちは?」

「うん。一応許可はもらえたよ。」

「いや、そっちじゃなくて。」

「あっうん。神崎さんのこと?一応見てもらった方が早いんだけど。」

「あっ。アポ取っているんだ。」

「アポ?」

「……アポイントメントの略だよ。」

「アポイントメント?」

……あっ。こいつ分からないのか

「面会とかの約束を取り付けるって意味だ。」

「あ〜でも友達に聞いてからだって。友達もよかったらって。」

「お前はなんでそんなことを。俺がスカウト成功していた時のこと考えろや。」

俺は思いっきり明久の頭を掴み力を入れる。最近ランク戦以外でも体を動かしているので

「痛い痛い。ギブ。ギブ!!」

アイアンクローの威力は少し上がっているのでかなり痛いだろう

しばらくして離すと頭を撫りながら明久涙目になっていたが気にせずに続ける

「たく。まぁ俺はダメだったぽいけどな。スナイパーのつてが友達次第っていっていたし。」

「そうなの?」

「あぁ。明久がスカウトした方優先にするか。三上にも報告してっと。とりあえず会うか。」

「うん。友達にも連絡するって言っていたからもう来ると思うよ。」

するとコンコンという声とノックの叩く音が聞こえる

多分こちらから行くべきだろうよ。まぁいいや。

「明久。出て。お茶請け出すから。」

「了解。」

俺はそうやってキッチンの方へ向かう。

そういえば速水も友達次第って言っていたけど

……まさかな

そして適当にお茶とお茶請けにいいとこのどら焼きを用意する

「……用意できたぞ。ってやっぱか。」

「あっ。」

俺は客間に出るとさっきまで一緒にいた少女と、あとは如何にも清楚に見える女子がそこには座っていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊③

神崎さん人気すぎたのでもう一話掲載
それとアンケートを取りますので協力お願いします
アンケート期限は2日間です


「という訳で次の試合から速水凛花さんと神崎有希子さんが俺たちの隊に入ることになりました。」

「……よろしく。」

「よろしくお願いします。」

速水は神崎は俺がいうと頭を下げる。結局昨日トントン拍子に入隊と沢村さんの許可を得て速水と神崎の入隊が決まったのだ。

「んで、こっちはアタッカーの吉井。一応スコーピオンが今5200だっけ?」

「うん。巧は?」

「俺は5400。最近ランク戦参加してないし、基本総合的なアタッカーの強さでは明久の方が上だろうし。神崎は一期前から入ったんだよな?」

「はい。私は家が厳しいのであまり長くはいられないのですが……。」

神崎がそういうと

「って話逸れた。んでオペレーターの三上。一応当分は三上は厳しいだろうけど。慣れるまでは速水と神崎主体で。」

「うん。少しフォローが遅れるかもしれないけど。」

「そこらへんは俺がカバーする。俺かなり警戒されているからしばらくは俺もアステロイドを入れて連携重視に変更する。それとだけど後から軽く連携練習しておきたいんだけど今日は時間大丈夫か?」

「私は夜中に防衛任務が当たっているので。」

「私も。」

「ん。了解。それじゃあとりあえずだけど。一つだけ来季A級トップを最初の目標。つまり今期はB級トップをまず目標として来季はA級トップ。最低でもA級2位を目指す。」

「二位ですか?」

「あぁ。ぶっちゃけいうけど今は正直実力不足だろうな。ログを見たけど通用するのは明久と速水くらいか。」

「……えっ?巧は?」

「俺が強いのは単体戦。集団戦で特に嵐山の連携なんかログを見たらやばいぞ。B級だったら俺たちは運良く当たってない諏訪隊に近いな。アステロイドの集団攻撃で二宮先輩ベイルアウトさせたりしているし。それに地味に佐鳥が上手い。それにほとんど中距離のチームだぞ。俺がハウンドで今までは中距離を補っているけど、元々は俺は近接。だから連携だけそれもアステロイドで火力重視でやりたいな。」

「連携なら私もアステロイド入れているから。」

「そういえば二人のトリガー構成って。」

「私はメインがライトニング シールド グラスホッパーサブがアステロイドとシールド そしてバックワーム。」

「……えっ?」

俺はキョトンとしてしまう。

「お前イーグレットは?」

「イーグレットは少し重量が重いから軽くて弾速が速いライトニングを使っているから。」

「てかライトニングってまだ使えない。」

ってそういえば

「A級の武器改造か。」

「うん。これは元々は私専用のトリガーだったから。でも私のは威力と射程も少し短い代わりに弾速が早くなって、軽量化がされているから。」

「なるほどどうやって木からぶら下がってスバイプしたりしているのか気になっていたらそういうことだったのか。」

バランス感覚と動体視力を使ってどこからでも狙撃をする、いわゆる動くスナイパーとして、速水は成功をしている。

「射程とかは後からにして神崎は。」

「私はメインはアステロイド ハウンド シールド サブはアステロイドとレッドバレット。シールドとバックワームです。」

「……レッドバレッドか。また珍しいトリガーを使うな。」

三輪くらいしか使うところ見たことないぞ

でも一応相性はいいから大丈夫か

「んじゃ軽く十字射撃と近接攻撃との連携練習をしようか。ってちょっと待ってて。三上ハウンドをアステロイドに変更できる?」

「うんできるけどトリガー変えるの?」

「神崎が来たからな。中距離は任せようと思う。だから連携以外の中距離戦は俺は基本しないで近距離戦特化。中距離は火力重視に換える。それでサポート希望の奴ってこの中だったら。」

「私の神崎がそう。」

「うん。了解。……近距離主体だからな。基本俺が攻め他がサポートになるのか?」

「連携重視って訳ではないし、自分のできることをやっていけばいいんじゃない?」

速水の言葉に頷く。

「そうするか。簡単な連携はやるけどサポートが基本は個々のチームで基本的に弱いところから確実に落とすのが俺たちのチームだ。サイドエフェクトも制限があるけど、とりあえず作戦は俺と三上。基本指揮は俺が取ることになっている。なるべく個人で強くなって戦闘は強い方のサポートに回るって感じだな。戦術とかは基本明久が理解できないから一つだけ。自分が倒せる物は自分で倒す。それだけだ。」

「了解。」

「分かりました。」

「それと、なるべく上下関係は抜きでお願い。俺も明久も慣れてないし。それに意見があるときは上下関係あるとめんどくさいから。それに俺も明久も一応ボーダー内では後輩だからややこしいし。敬語もなしで。」

チームで堅苦しくなるのは本気で勘弁してほしいしな

「うん。いいけど。」

「あの、せめて先輩呼びは。」

速水は大丈夫らしいが神崎は抵抗あるのか

「それくらいなら別にいい。てか慣れないようなら敬語でもいいぞ。あまり強制させるつもりはないし。」

「はい。でも大丈夫です。」

「加藤くん準備できたよ。」

「んじゃ、やるぞ。」

すると三上が声をかける。

俺たちは頷きそして

「「「「トリガーオン」」」」

結成後初めての訓練を開始した




神崎有希子  ガンナー
誕生日 3月3日
好きなこと ゲーム、友達、和菓子

トリオン 11
攻撃 7
防御支援 10
機動 6
技術 8
射程 5
指揮 3  total 50

アサルトライフルを二つ抱えながらスナイパーの位置を予知をしないでもゲームでの知識で暴き出し確実に殺すという変態。
特に主人公と組むとレッドバレッドでクロス射撃を食らわせるのでシールドが効かず機動力部隊に譲るという選択と確実にアステロイドのフルアタックを食らわせるなどとことん変態じみている
速水とは本の好みが一緒で、国近先輩と明久はゲーマー仲間
いつも隊室ではゲームをやっていて、二人のゲーマーから神扱いされているのだが、戦略ゲームで主人公に一度も勝てないのを結構気にしている模様で主人公に戦略ゲーを挑んでは負けてそしてそれ以外のゲームで完封するというループを見せる。だけど主人公を尊敬していて結構仲がよく、三上が少し嫉妬している
なお忍田派


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊④

アンケートと注意事項も兼ねて下に書いてあります
一応連続投稿です。



トレーニング開始してわずか3日後

ランク戦初日なんだが

「神崎、明久。あれやるぞ。」

「分かりました。」

「任せて。」

グラスホッパー相手に横に移動するとアステロイドで十字射撃を仕掛ける。

連携技はあまり使おうとは思わないんだけど、相手が中距離の場合そうも言っていられない。

というよりも思ったより完成度が高く、それでいて威力が桁違いに高いのだ

「ちっくしょ。」

最後の一人の羽柴隊の隊長がシールドをはると左右からの射撃に防ぐのがいっぱいになり前ががら空きになる

「旋空孤月。」

すると明久から放たれる弧月が相手に刺さる。明久曰くスコーピオンの利点である軽くて自在に変形できるのが仇となりうまく扱えなかったらしいのだが。弧月になった途端に格段に腕が上がった。

グラスホッパーを使っているがそれでもスピードが落ちずにキレもいい。

……早く言ってくれよお前。

胴体が真っ二つになると俺たちの勝利が決まる

四つ巴の試合で生存点2点に明久が3点、俺と神崎が1点、そして速水が2点。

速水は二人目を倒した後に相手のスナイパーに狙撃され落とされたが、まぁ、これだけ取れたら十分だろう

……というよりも俺がかなり警戒されて明久がかなりフリーになっていたし、俺と対戦したやつが元より勝つ気なくて時間稼ぎをされた性もあるだろうけど

「……ふぅ。お疲れ様。まぁこれで二位と点数差また開いたな。」

「えっと、今日の二位のチームって。」

「昼の部で5点取って勝ってる。だから4点差がついた。」

相手はスナイパーがいることから市街地3を選択していただが速水がいることによって相手は大混乱だったらしい。

速水もそれを知っているから今日は点を積極的に狙ったと言っていた

神崎もデータがなかったが相手のスナイパーを速水が狙撃された後に撃破。初得点を挙げた

「神崎も初ランク戦お疲れさん。」

「はい。お疲れ様です。」

「それでなんだけど。今日の反省点って。」

「まぁ色々あったけど今回は俺がちょっと動きが悪かったな。速水は落とされたけどそれでもきっちり点数は取れているし、明久は3点取っているからいいんだけど。最初に相手のエースに捕まったのが悪かった。」

「まぁ仕方ないんじゃない?今回予知使ってないんでしょ。」

速水があっさりと答える。

というのも使おうと思ったらそのまま疲れていたのか爆睡してしまい半日くらい寝てしまったのが原因だろう。

「……本当に予知が使えるんですね。」

すると神崎が驚いたようにしている。

「サイドエフェクトって言われてもあまり信じないよな。でも俺とは別に未来を見える人もいるらしいぞ。音声とかは別だけど。」

「そういったことではあんたは夢だから音声も全部聞こえるわけね。」

「そういうこと。」

まぁでも予知がなくても強いということが証明されたから別にいいんだけど

「そういや、今日8時から防衛任務だけどどうする?」

「う〜ん。とりあえずご飯作ってから。ゲームしない?」

「別にいいけど宿題は?」

「僕はないよ。」

俺たちもないしな

「んじゃ飯頼む。」

「うん。それじゃあ簡単に焼きそばでも作ろうかな?」

「……本当にここで飯食べているんだ。」

「それも吉井先輩が作るんですか。」

「この中じゃお世辞抜きに明久が一番上手いからな。三上も料理作れるけど……明久はちょっとかなり特殊な家庭で育ったから物心ついた時から作っているしな。基本俺が一人暮らしで飯を食っているけど料理ができないのもあるんだけど。」

事実未だに目玉焼きや野菜炒め以外のおかずは作れないし

「吉井先輩の料理の腕前って。」

「食べた女子が凹むほどの実力。」

絢辻と三上、加古先輩も一度食べたことがあるんだが、全員が凹んでしまい後からの機嫌をとるのが大変だった。

なお加古炒飯を失敗作を食べないといけなくなったのはこの時だ。まぁあの人よりマシだったけど

俺と出水は何度も食べているけどつい食い過ぎてしまうし

「うん。カルチャーショックを受けるよ。」

「まぁ、さすがに今日は焼きそばだからそんなに衝撃は受けないと思うけど。」

「ねぇ、シーフードミックスがあるから塩焼きそばでもいい?塩ダレは簡単なものなら作れるから。」

「……あぁ言うところだよ。」

俺はため息を吐く

なお、神崎も速水も明久の料理を食べてのだが、まだ小学生だったのもありプライドではなく今度教えてもらうことになったらしい。

 

飯食い終わってそして防衛任務までの暇な時間

俺たちの隊室はゲームの音で流れていてそして

「明久と神崎強すぎだろ。」

俺がゲーム画面を見ながら驚いてしまう。

某対戦型ゲームで神崎は無双していたのだ。

ついでに今の戦績は

俺、三上、速水、0勝 明久3勝 神崎6勝

いや、マジで勝てない。

俺は黄色ネズミを使っているのだが攻撃がマジで当たらず雷連打する羽目だ

「う〜ん。このゲーム家から持ってきたからだけど、逆に巧弱すぎない?」

「俺基本戦略ゲームしかやらないし。」

明久が持ってきた物には一人でやるやつから全員で対戦できるような物がある

「RPGはやらないんですか?」

「RPGは昔明久がよくやっていたの見るだけだったな。というよりRPGってレベル上げとか面倒だし。」

「僕からしたら戦略ゲームの内政の方がめんどくさいと思うんだけど。」

まぁそれは人それぞれってことで

「てか、お前姉さんがいる中でよくこれだけ買えたな。」

あの人かなり厳しい人で異性の交流でさえ制限をかけるほど堅いのに

「あっ。私の分を吉井先輩に預けてもらっていたんです。」

「どういうこと?」

「私も家が厳しくて、ボーダーに入りたいって言った時も両親と一悶着ありましたから。」

……まぁ、小学生に武器持たせるなんて正気の沙汰じゃないからな

「それで僕と時々隠れてゲームしていたんだよ。僕もユキちゃんもあまりゲーム買えないから。本当はもう一人先輩がいるんだけど」

「ゲーマー同士ってことか。てかお前あだ名で神崎のこと呼んでいるんだな。」

「うん。」

「なんか思った以上に馴染んでいるなお前ら。」

速水も神崎も思った以上に早く馴染んできている

「そうだ。来週水曜日、期末あるからランク戦休むぞ。」

「……えっ?期末テストで休むんですか?」

神崎は驚いてるが

「俺と三上は基本成績上位だからいいんだけど。さすがにこいつは成績が酷すぎるから。徹底的に勉強させないといけないんだよ。最悪問題を予知するから。」

「そんなに吉井先輩ひどいの?」

「学年最下位だぞ。こいつ。」

事実かなり成績はひどい。太刀川さんよりも酷いのがこいつだ

「えっと加藤は?」

「俺は成績上位グループ。三上の一個下。」

「……勉強できたんだ。」

「授業さえきいていれば案外できるぞ。予知を使うこともねぇよ。それに問題見たってそれが受験の時厳しくなるだけだし。」

事実なるべく予知はランク戦の方重視でやりたいしな

「てかもうそろそろ行くぞ。」

「えっ?あっもうこんな時間。」

「防衛任務遅いから今日はボーダーに泊まれよ。さすがに補導はまずいから。」

夜の防衛任務は小学生の隊員はなるべく泊まることを推奨している。

「あぁ、なるほど。教科書を置いて行けってそういうことだったんですね。:

「一応乾燥機付きのコインランドリーもあるし洗濯もできるからな。ここ。特に俺たちは夜の時間帯が多いんだから。」

基本放課後の時間帯に俺たちは防衛任務を入れているしな

「じゃあ授業中に入れたら。」

「明久の進学がかかっているから無理。」

提出物だけは俺と三上が明久につきっきりで教えており、成績をきちんとするように保っている

「……本当にごめん。」

「お前らはマジでこいつみたいになるなよ。」

俺は呆れたようにため息を吐く

そして微妙な空気になりながら俺たちは防衛任務に向かうことになった




早速明久のトリガーが代わりました
この小説ではトリガーが未だに開発が少ないためにトリガー構成がよく変わっていきます。詳しくは定期的にトリガー構成を書きますのでご了承ください
それとアンケートの件ですが今の所なしになりそうですが、前にも書いた通り風間隊のオペレーターにバカテスキャラを一人いれることになっており、それに追加して1人ほど追加しないと矛盾が産まれてしまうのでそこは勘弁してください。
なお今回は明久のメインに弧月と旋空がセットされたくらいですのでご了承ください
ついでにこの時点で弧月はランク5000あります


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊⑤

夏場を抜けるとついに迎えたランク戦最終日

俺たちは圧倒的な強さでここまで勝ち上がってきて、そして

「はい。それじゃあA級昇格及びB級1位を祝って。乾杯。」

「「「「乾杯。」」」」

ボーダーB級ランク戦ぶっちぎりとはいかなかったが優勝を決めた

というよりもほとんど警戒されていて点数が取れる時が少なく、一度俺たちに点数を与えようとしない奴が自害してポイント没収されたという悲惨な事故にあったほどだった

……まぁ、実際それだけ強かったこともあるだろうけど

ベイルアウト数は9回でほとんどベイルアウトしておらず、特に明久は1回足と片手を切られて自発的にベイルアウトした以外ベイルアウトしていないし。弧月になってからは一度もベイルアウトしていない

いや固すぎるだろこいつ

さらにグラスホッパーを使って、ますます太刀川先輩に似てきているんだけど。

……正直似た者同士って戦闘スタイル似るのかな?

まぁ明久も俺も入隊当時から役割ははっきりしていて

アタッカーが俺で防御が明久

その役割を一シーズン崩さなかっただけでも大きな進歩だろう

「てかすごい豪勢だな。」

目の前にはちらし寿司や焼肉、デザートにもケーキや和菓子など色々な物が置いてあるのだが

「でも、さすがに買いすぎたね。」

「そだな。てか多すぎ。」

俺も少しこの量を食べるのはさすがに無理だろ。

「まぁ寿司から食べてそのほかはラップ巻いて冷蔵庫に入れとけばいいだろ。」

「そうね。どうせ加藤先輩が食べるんだから。」

「まぁそうだけど。お前だって来るんだろ?」

速水の両親はボーダーに勤務しているために基本的両親が休みの日以外はボーダーにいることがあり、俺と正直どっこいどっこいだろう。

「でも、夏休みほとんどどこにも行けなかったね。」

「ランク戦が重なっていたからな。それに長期的な休みが取れなかったのがでかかったな。」

シーズンは8月までで家族旅行とかがなくのと両親が忙しいのが原因で長期的な休みがとれなかったのだ

「冬か春が優先して取れるらしいから。それにA級ランク戦まだできるだけの人数じゃないし。」

「そういえば、今どうなる予定なの?」

「来季はA級はランク戦は1ヶ月に一回。つまり三試合での総当たり戦でやるらしい。多分今年A級が上がるのは俺たちだけだと予想されているからな。」

「……あれ?二位の三好隊は?」

「俺たちの時のあの件でペナルティー食らってA級昇格を見送るってさ。」

すると自害の件だと分かったのか全員が苦笑する

「それと3位はさすがに実力差がありすぎだからな。多分落とすだろ。」

「結局沢村隊と入れ替えってこと?」

「そういうこと。まぁどちらにしろ三つ巴か四つ巴だから戦略を決める俺と三上以外はやることは変わらないぞ。むしろ休みが多くなるしな。」

B級が多いのでランク戦はできるだけB級が多めに設定しているのでもしランク戦を行うとしても1日試合。A級は一週に一回ランク戦を行えばいい話になる

「休みが多くてもあまり変わらないでしょ?吉井先輩は家族から逃げるためにここに来るし、三上先輩と加藤先輩は書類仕事があって、私と神崎もやることないからほぼ毎日来るわよ。」

「私もゲームができますから。比較的ボーダーに集まると思います。」

ここ、もう自分の家よりもいる時間長いよな。

「……それならせっかくだし明日、お祭り行かない?」

すると三上がそんなことを言い出す。

「お祭りって。」

「大侵攻を追悼する花火大会のことだろ?綾辻から誘われたから覚えている。まぁ断ったけど。」

「えっ?断ったの?」

「あぁ、せっかくだし隊でなんかしたかったんだよ。三上が言わなかったら俺が誘ってた。」

防衛任務もないことだしせっかくだし羽目を外してもいい機会だろう

「それに、忍田さんからこれもらった。」

俺は紙を数枚だす。

「……何?それ。」

「来賓用の席。有料席なんだけどボーダーも提供しているんだよ。一応大侵攻の追悼ってことだからな。」

「新隊長を世間に見せるためじゃないの。」

速水は本当の目的にも気づいたのか

「そういうこと。それにお詫びも兼ねているだろうよ。俺たち休みがほとんどなかったことも合わせるとなるとな。それに俺が休みを取らなすぎたことも原因だろうな。」

「えっと今嵐山さんの補佐をしているんだよね?」

「それと広報を上層部に進言したりとトリオン技術の研究室に入ったり。今は少し武器改造を頼んでいるからこれからもっと忙しくなると思う。」

「それに加えて仮訓練で指導もしているんだよね?しかも生徒会長目指すっていってなかった?」

「……あの、先輩さすがに仕事やりすぎです。」

神崎がさすがに

「いや。暇だったし。」

「暇だったから仕事するって加藤君私のこと言えないと思うけど。」

「無茶はしてないし、体力はあるし睡眠も6時間はとるからいたって健康体だけどな。」

「仕事人間すぎるでしょ。夏休み那須さんのお見舞い以外ずっとボーダーから出た?」

「毎朝ランニングしているから外出てるぞ。後加古先輩と買い物行ったくらいか。」

「加古先輩と?」

「働きすぎって言われて色々連れ回された。そして戻ったら堤さんと一緒にいくらカスタード炒飯を。」

「……お疲れ様です。」

同情したように速水がいう

「まぁ話逸れたけどどうだ?一応俺は挨拶回りだけはしないといけないけど。」

「僕はいくよ。せっかく優待券もらったら使わないともったいないし。」

「私も行きます。」

「それじゃあ私も。」

「了解。それじゃあ明日は午後5時にここに集合な。とりあえず食おうぜ。」

と俺は箸をつけ始めた

 

「うわぁ。相変わらずだな。」

花火大会だけあって人混みの多い中で俺たちは5人で歩いていた

「まぁお祭りなんだから仕方ないと思うよ。」

「それにお祭りができるくらい平和になったんだよ。去年のこの時期ってまだ復興が進んでいなかったから。」

「まぁそれもそうか。」

確かに復興が進んできた証拠か

「……でも、普通に浴衣なんだなお前ら。」

と女子と明久は女性ものの浴衣を着ていた

「うぅ。姉さんがこれを着ていかなかったら家から出しませんって言っていたから。」

「吉井先輩の家って本当に女性が強いんですね。」

「元々こいつが何も言わなかったことに問題があるからな。さすがに同情するけどさ。」

さすがに俺でもこいつの家の息子にだけはなりたくないし。

「でも、似合っているわね。」

速水がそういう。まぁぶっちゃけ女子より可愛いってよく言われているし

「言われるまでこいつが男ってまず気づかないよな。」

「私も。」

「ちょっとみんな酷くない!!」

いや。事実だし。

「てかお前隊室で集合したから着替えてこればよかっただろうが。」

「……あっ。」

いつも泊まることが多い俺と明久は服を持って着ていることが多く俺がよくコインランドリーで洗濯した服がそのまま残っているのに

「すっかり忘れてた。」

「バカだ。」

「うぅ。否定できない。」

あぁそれと

「てかお前らも似合っているな。」

「えっ?」

「うん3人とも似合っているよ」

赤主にした少し派手な浴衣をした速水と薄い桃色浴衣を着た神崎、そして青に金魚を描かれている

すると少し照れたように微笑む3人。

「とりあえずどうする?屋台回るか?」

「うん。席取りはしなくていいんだよね?」

「忍田さんも一応来ているからな。先に挨拶回りしてくれるって。俺たちはその後に来賓席に行けばいいってこと。それに集合時間は7時30分だしまだまだ先だし。」

純粋に祭りを楽しんで来なさいって言われたしな

「それなら僕たこ焼き食べたい。」

「あっ。俺も。ついでに焼きそばも買ってきて、お金払うから。」

「ついでじゃないと思うんだけど、私も行くよ?」

「うん。分かった。」

すると明久と三上は近くの屋台へと並び始める

「……本当に自由ですね。」

「楽しんだもの勝ちだろ?お祭りなんて一年に一度行けたらいいくらいなだけだし来年もしかしたら防衛任務入っている可能性があるだろ?それに、お前らがどんなものが好きなのか知っておきたいし。それに時々はこうやって出かけるのもいいだろ?」

「はい。そうですね。」

「まぁそうだけど。」

すると笑う神崎と少し戸惑っている速水に苦笑する

「…だからお前らももっとやってみたいこととか困ったあれば言えよ。俺、いや俺たちができることならやるから。ボーダーのことでも、それ以外でも大歓迎だ。」

「……あんた、そんなこと言って恥ずかしくないの?」

「めっちゃ恥ずい。でもそうでも言わないとお前らは頼りそうになかったからな。ついでに一度三上にやっているし。」

俺は頰をかきながら顔を隠す

「三上先輩もですか?」

「三上もだよ。というよりもこいつの場合はどこか甘えたいと思っていたんじゃないのかな。三上って自己主張は少ないし気を使うタイプだから隊結成時に行ったんだよ。もう少し頼ってくれって。あんまり関わりないし迷惑だと思われる可能性はあったんだけど。」

「……先輩お人好しってよく言われませんか?」

「お人好しってより身内に甘いだけだ。……一度失った辛さだけは未だに忘れられないからな。」

今でも時々夢を見ることがある

楽しかった両親のことを

……大侵攻のときの夢を

「……だから今度こそは大切な人を守れる強さが欲しいんだよ。」

もう失いたくないから。

もう何もできないのは嫌だから

だから俺は強くなりたい

生活だって落ち着いているし、今は少しくらい弱音を言ってもいいだろう

「……」

「……」

速水も神崎も黙って聞いている。

まぁ、分かれって言う方が酷だ

俺は神崎と速水の頭を軽く叩く

「だからお前らくらいは守らせてくれ。大事な仲間なんだから。」

そういうと俺は明久と三上のところに向かう

今度こそは守ってみせるから、見守ってくれよ

明るいからか空をみても星空は全く見えなかった




アンケート結果ですが、一番多かったのは増やさないという回答だったので予定していた人以外は加えることはしないことになりました
アンケートに答えてくれた123名のみなさまありがとうございました。
まさかこんなにもアンケートに答えてくれるとは……
ご覧頂きありがとうございます。駄文ですが救えなかった少年これからもお願いします


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤隊⑥

花火大会から一週間後

「……どうかしら?」

「「「「「とっても美味しいです。」」」」」

俺たちは加古さんの炒飯(当たり)に舌鼓を打ちながら今日の入隊式のことを振り返っていた

まぁ簡単にいうならば

「不作ですね。」

「前期が豊作だったから仕方ないわよ。」

と一ついうならば不作すぎるのだ

同じ訓練で最高記録が20秒と30秒

……あまりぱっとしない結果になった

「訓練が全てってわけではないですけど、あまりよくはないよね。特に仮訓練組は。」

「そうだな。今回は烏丸と影浦先輩くらいじゃないのか?即戦力は。それに多分影浦先輩は俺と同類のサイドエフェクト持ちは確定だろうな。明らかに攻撃が読んでいるみたいだったし。」

実際逃げ場のない被弾はほとんどなかったしな

「そういえば来期はどうするのかしら。」

「俺たちは修学旅行ありますからあまり参加はせずに来期の仮入隊担当ですね。」

「あぁ、どこ行くの?」

「関西です。2泊3日で。」

「へぇ〜でも吉井くんとは別のクラスなんでしょ?」

「一応ボーダーは他のクラスであっても同じ班になるらしいので。一応緊急帰還令だされる可能性はありますし。」

特にA級隊員が4人もいる俺たちの学校は非常時になるとさすがにボーダーに行かないといけないらしい。

「ちゃんと処理はされているのね。」

「処理って。まぁボーダー連携高の兼ね合いもありますし。一応学校行事が優先的ですね。俺たちの班は絢辻に明久。三上に俺とあと中央オペレーターの宇佐美って奴です。」

今年のオペレーターでは国近先輩と宇佐美はすでに中央オペレーターで働くほどの人らしい

「あら、女子が多いのね。」

「そうなんですけど、もう見知った仲ですし、綾辻ともあれからちょこちょこ飯食いにいってますし。」

「……あの、それデートですよね?」

「綾辻に自覚がなければデートではないだろ。というよりも俺がここにこもっているから定期的に連れ出さないとって言っていたけど。」

実際色々な場所に連れていかれた

「……うん。巧はもうちょっと外出た方がいいと思うよ。」

「それお前に言われたくない。というよりもいつのまにか三上以外はうちの隊ってほとんど全員隊室にいるのに。」

ついでに明久と神崎はゲーム、速水が読書するためによくうちの隊は全員集まっていることが多いし

「それに俺はお見舞いに週2で行きますし。」

「お見舞いって退院はしたんだよね?」

那須は一応二週間前には退院しておりそして、家には帰っているのだが

「普通に話しているんだよ。1日1時間くらいか。最近じゃ軽く公園で日向ぼっこするくらいには回復している。」

「二人で?」

「そうだけど。……ってなんか三上怒っているか?」

三上の言い方に棘があるように感じるんだけど

「そういえば、加藤君って隊の仲間と二人っきりで出かけたことはあるの?」

「……二人っきりはないですね。というよりも那須も絢辻もどちらかというとあっちから誘ってくるからな。」

「まぁ、巧が誘うってことは多分ないと思うなぁ。こっちではとことん積極的だけど元々人見知り激しかったし。」

「……そういえば、最初会った時も結構きつかったわね。」

「本当にあの時はすいませんでした。」

俺は頭を下げる

さすがにあの時は失礼すぎた

でも

「行きたいんならどこか行くか?」

「えっ?」

「元々本部長にもっと休めって言われているし。ランク戦も最終週だから別に今はぶっちゃけ暇だしな。」

それに夜に仕事回せばいいし勉強も予習も結構余裕あるし。

「……嫌ならいいけど。」

「ううん。そんなことないよ。」

勢いよく言われてつい仰け反ってしまう。その時に少し未来が見えた

「お、おう。んじゃどこ行く。行きたいところあるか?俺あまり女子が行きそうなところ知らないし。」

特にゲーセンとかカラオケくらいしかないしな

「う〜ん。ショッピングモールでいいんじゃないかな?」

「了解。んじゃ文化祭の時と同じ場所で待ち合わせな。」

「うん。いいけど。何で回りくどい言い方?」

「だって約束場所いうと、明久が綾辻や出水を連れてショッピングモールでからかってくる未来が見えたし。」

するとビクっと反応する明久。未来予知有能だな

「……それと神崎と速水も付いてくる可能性が高いし。」

「「……」」

「たく。」

てかお前らゲスすぎ。

それに俺がこいつらと出かけないのはある理由がある

「それならみんなで。」

「いいよ。せっかくだし二人で遊びにいってきて。」

「そうですよ。」

「ついでに明久。ついて来たら明久の姉貴に神崎と一緒に寝落ちした時の写真渡すから。」

するとさぁっと顔を青ざめている明久

「…貴様僕を殺す気か!!」

「お前やろうとしてたんだな。」

「何でそんな写真持っているのよ。」

呆れたようにしている。

「ん?こいつのファンクラブに売ったら結構高値で売れるからな。」

「……へ?ファンクラブ?」

「あっ。聞いたことある。今嵐山さんと吉井君は人気が高くてファンクラブが存在しているんだよね。」

「そうらしいな。俺も急に集団で押しかけてきて明久の写真が欲しいって言われた時ガチで怖かった。」

俺と速水、綾辻と3人でお茶を飲んでいた時に急に来たし。さすがに二人ともドン引きしていたのだが

「……そうなんですか?」

「神崎は知らなかったんだ。あれはちょっと。」

速水もさすがに言葉にならないようだった

「ついでに女子は全員ファンクラブがあるからな。ちょっと調べてみたけど男の方が多いから女子に飢えているぽいから結構多いんだよな。」

「「「えっ?」」」

「……えっと。つまり?」

「俺以外のメンバーはファンクラブがあって碌に二人っきりになろうとするといつ後ろから刺されてもおかしくない状況ってこと。」

普通に遊びたいけど碌に誘うと後からB級やC級の奴にまじで刺されかれない

実際結構B級下位の奴からはかなり愚痴を言われているし

「それに俺って加古先輩の弟子ってことまだ公表してないから加古先輩と付き合っていると思われているらしいし。」

「……そうなのよね。前に炒飯の買い物に付き合ってもらった時に偶然C級隊員に見られてしまって。」

それもスーパーで見られたことがきつかった

「否定すればいいのに。」

「加古先輩が面白いからほっときましょうっていうから。」

「えぇ。せっかく面白そうなことを放っておくわけないじゃない。」

「まぁ、ぶっちゃけ今は好きな人とかいないから別にいいんですけどね。」

すると少しの間が空く

「……巧ってかなり鈍感だよね。」

「……お前に言われたら結構きついんだけど。」

「何で!!」

そうやって軽口をいうと軽く叩かれる

今日も俺たちの隊は平和だった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤巧③

翌日三門駅付近で俺は三上を待っていた

というのも三門アウトレットとは違い駅前からの方からの方が近いのだ

服は適当に白Tシャツに適当に合わせてきたけど

約束の時間は後20分くらいあるのでまだ時間は有り余っている

まさか三上と出かけるなんてな。

学校でもボーダーでも屈指の人気を集め、さらに俺たちのA級入り後は一気に評価が変わり上層部からも一目を置かれている

……ぶっちゃけあいつの弱点って人に頼ろうとしないくらいでほとんどないんだよな

気が利きオペレーターもかなり早いスピードで覚えている。

絢辻や中央オペレーターの知り合いに指導を頼んでいたし、時間を見ては俺もトリガーの切り替えなど三上の手伝いに当たっていたのもある

元々チームの要は三上だ

機動力と予知で情報伝達量が他のチームより多く4人チーム、さらに俺と神崎は連携もするようになったのでさらに情報が増えているはずなのにこんなに上手くいっているのは三上が的確にフォローしてくれるからだろう

……スカウトして正解だったな

俺は内心だけほっとしていると

「よう。いや、初めましてかな天才少年君。」

声をかけられる

「……初めましてではないでしょ。というよりも八百屋の常連さんがまさか迅さんって思いませんって。」

ゴーグルをかけた少し大きい男性は新規S級隊員となった迅さんだった

「てか、俺の方からも少し気になっていることがあるんですけど。」

「何だい。少年。」

「……何で俺たちの隊を東隊を解散させてまで、A級にするように動かしたんですか。」

未来が見えるというのはいくつかの可能性が見えるってことだ。

俺はメンバーが確定した時にいくつかの可能性を見たのだがその時にいくつかの可能性があった

一つ目はまぁ、B級中位グループ。そして二つ目がB級上位グループでこの可能性が一番高かった。

だけど東隊の解散で全てが変わったのだ

一つ目は重点的に加古先輩が俺の指導をしたのが一番大きいのだろう

「……まぁ。バレるか。」

「当たり前です。俺のサイドエフェクトがそういっていましたから。」

「まぁ、そうした方が忍田さんや俺にとって都合がよかったんだよ。」

「……派閥争いですか。」

俺がそういうと迅さんは頷く

「あぁ。って知っていたのか?」

「玉狛と城戸司令が仲が悪いことは知ってますよ。俺も時々上層部に呼ばれるので。」

「まぁ、ぶっちゃけると忍田さんの派閥に入って欲しいんだよ。」

「……忍田さんですか?」

「あぁ、これから城戸派と俺たちで相当な対立が生まれる。できればその間に加藤隊がいると助かるんだよ。」

「いや、東さんがいるじゃないですか。俺もアタッカーの指導任されるんですよ。」

「知っているよ。……だからこそお前が適任なんだ。」

「……どういうことですか?」

「いずれわかる日がくるさ。俺のサイドエフェクトがそういっている。」

……とは言ってもな俺一人の意見で決めることじゃないしな

「まぁ、一応隊のみんなと話しておきます。一応派閥に入るってことは結構大事なことだと思うので。」

「あぁ。それでいい。それと、」

迅さんは一つ息を飲み

「少年の両親が死んだのは少年が悪いわけじゃないさ。」

と一言だけ言い迅さんは去っていった

「……」

俺はただ呆然とその後ろ姿を見ていた

……何でこのタイミングで伝えるのかな

いや、このタイミングで伝えたのは理由があると周辺を見回すとやっぱり三上がいた

「……聞いていたか。」

すると三上は少し迷っていたが頷く

「う、うん。」

「……そっか。」

多分誰にも見せたことがない顔をしているのだろう

「……ちょっと付き合ってくれ。少し話したいことがある。」

 

『予知なんてできるわけないだろ。』

『あんた何バカのこと言っているのよ。そんなことより勉強しなさい。模試がもう近いのよ。』

それが最後の両親と話した言葉だったんだ

……予知が使えるからって救えるとは限らない。

あの日の朝、母さんと父さん言われた言葉が嫌にも思い出してしまう

……今でも時々夢をみる

楽しかった思い出やどうでもいいと思っていた説教や褒められて調子に乗っている自分の夢

でも一番多いのは自分の両親がネイバーに殺される夢だったんだよ

仕事に逃げていた時点で、ずっとそのままだったんだろう

現実を見るのが怖くて

失うことが怖くて

危険予知

サイドエフェクトはみんなは睡眠の進化だと思われているのだが本当は違う

人間には五感とほかに第六感と呼ばれるものがあるのはしっているか?

生まれつき俺は臆病で泣き虫だったらしい

さらに母さんは成績至上主義であるから、さらにメルヘンチックであったこともあったのが原因なんだろう

だから第六感が発達した

最初はただの危険予知だった

こうしたら怒られるとかテストで間違いがあった時に気付く程度だったんだ

人の顔を伺い人をストレスが溜まる日々だったから

いつの日か未来が見えるようになっていた

……だけどそんな日も俺にとっては幸せだったのだろう

元々成績もよかったのもあるのだが普通に父さんは優しかったし、母さんは将来のことを考えてくれていたことがわかっていた

……だから俺は自分が許せない

自分が守れなかった

未来を変えられなかったんだよ

 

一通りぶっちゃけると俺は息を吐く

ここまで自分のことを話したのは本当に初めてだった

からんと氷の音がなり、昼前で混雑していた喫茶店の中で俺たちの机は対象的に静かだった

そして終始無言だったのだが

「これが俺の罪。本当なら少し粘れたらもしかしたら助けられる未来もあったんだよ。」

事実1割ほどだけどそういう可能性があったんだが

「でも、俺は自分が確実に生き残るルートを選択した。助けられる命を俺は見捨てて自分だけが生き残る選択をしたんだ。」

来月から中学生になる俺にはかなりつらい結末だった。

「……まぁ、まさかこのタイミングで迅さんが介入してくるとは思わなかったけどな。完全に見落としていた。」

「……予知で見えなかったんだ。」

「というよりも見えないように仕向けたんだろうな。……お前と待ち合わせしていたからその約束を破ることは俺に取って両親の死と向き合うよりも最悪の未来だし。」

「えっ?」

「俺にとって第一優先は友達と師匠だ。……お前もメンバーもな。」

俺は少し息を吐き

「死んだ人間より生きた人間。それに守りたい奴らがいるし、逆に守られる立場って知っている。」

「……それって私たちのこと?」

「当たり前だ。だって俺には足りないところをお前らで補っているんだし。」

「……へ?」

「三上は純粋な優しさと視野の広さ。信頼性も高く気遣いができる。速水は根っからの仕事人。……きついときはあるけどそれでも任された仕事はキチンとやり遂げる。神崎は人のことをよく見て的確にサポートする。いわゆる気遣いができる存在。んで明久はムードメイカーでまっすぐで、んで誰よりも優しい性格。全部俺よりも優れている点で。俺にはない才能なんだよ。まぁ、うちの隊は全員が一癖あるような性格なんだけどな。」

事実、何度も明久や三上には救われているし

「俺が作ったからかもしれないが俺はお前らのこと好きなんだよ。……だから今度こそは守りたいんだ。みんなを。もう二度と大切誰かを失わないように。……誰かを悲しませないように。俺みたいなことを起こさせないように。」

すると三上が驚いたように俺を見る

「……加藤くんは復讐とかは?」

「別に考えてないさ。ぶっちゃけ俺の力不足が原因だったし、それにお前らに復讐を目標にしてほしくないしな。」

「……優しいって言っていたけど、加藤くんも十分優しいと思うよ。」

三上はそんなことをいう。俺はキョトンとしてしまうが少し笑ってしまう

俺は優しいなんて思わないし見捨てる奴は見捨てる

それでもこいつらに優しいって評価をもたれているんだったらそれならばいいだろう

……俺が守りたいのはお前らだからな

「……まぁ、いいや。とりあえずこの話はおしまい。結構久しぶりに溜まっていることを言えたしな。結構すっきりした。」

「やっぱり溜まっていたんだね。」

「聞いてくれる人がいなかったしな……案外ストレスとか溜まっているんだぞ。まぁ時々三上に愚痴聞いてもらえばいいか。」

「……えっ?私?」

「せっかくだし、お前のことも聞かせろよ。あんまり学校でも宇佐美と絢辻に取られるしボーダーだったら出水や明久と話すから話す暇ねぇしな。あんまり二人っきりで話す機会ないしそれに俺ばっかり恥ずかしい話してお前が無傷っていうのが苛つくし。」

ただの憂さ晴らしとも言える言葉に三上はキョトンとしているが意味が分かったらしく笑っている

そして、店の人に注意を受けるまで俺たちは話を途切らせることはなくずっと話していた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

A級ランク戦①

A級ランク戦初戦

「…って作戦で行くつもりだな。」

珍しく戦術を説明していた

というのも今回は俺たちに選択権がありそして結構戦術を練っていた。

「……つまり今回は負けることも織り込み済みで動くってことですか?」

と神崎はそういうけど俺は首を横に振る

「いや、勝ち筋がこれくらいしかないんだよ。この中で二宮先輩に勝てる奴どれ位いると思っているんだよ。」

二宮先輩は総合2位の化け物である。そんな人に真っ正直に当たるほどバカではないはずだ

「それに俺らは基本近距離がメインで中距離は東隊と嵐山隊に劣っているんだぞ、それなら戦術を固定して勝ち筋を限定してやった方がいい。地形と天候を使って相手を動かす。それと俺の新型トリガーもお披露目だしな。」

8つ目の枠を使い研究室とまだ試作であるが、俺はとある新型トリガーを作っていた

「まぁ制御を失敗したら結構トリオン持っていかれるけど。」

「成功率は8割前後くらいだから初見殺しだと思いますけど。」

「まぁ、距離の感覚が難しいんだよなぁ。通常オプションにするにはコストが高すぎるし。というよりもこれよく作れたな。」

実際開発室にはかなりの無茶振りをしたのだがまさかできるとはな

「……まぁこれをどう使うかが今回の鍵だな。」

「それで今回の天候ってわけね。」

「そう。全員グラスホッパーいれたよな?」

「僕と速水さんは元から入っているけど。」

「バックワームの迷彩も白にしたし隊服も白に変化させているからバレないとは思うよ。」

「まぁ、さすがに驚くと思うけど。それでも東さんは対応できるんじゃないの。」

「いや、多分東さんは今回ばかりはかなり慎重に動くと思うぞ。ログを見ても東隊が一度も戦ったことがなくて、天候が一番マッチングするのはここしかないからな。俺も久しぶりにグラスホッパー一つ積み構成だし。それに今回は転送運もいいからな。速水は東さんをやらなくていいから抑えろ。神崎は俺と合流し嵐山隊を潰していく。それと移動するときは射線通ってもいいから屋根で移動しろよ。機動力鈍るし、んで明久は自由に点をとってこい。悪いけど明久だけは転送位置が真逆だからな。」

「了解。」

「んじゃ時間だ。やるぞ。」

すると全員頷く。

そして転送されると

風が強く凄い勢いで吹雪が舞っている

エリア 運動公園、天候猛吹雪 

俺たちが選んだマップでこれまた小さいマップだ。

射線が通りやすいが高低差が少なく狙撃位置が殆どない。

というよりも駐車場と野球場、体育館、陸上競技場で形成されており隠れる小部屋がスタジアムの中に多くあるというのが一番の特徴だろう

そして一番大きいのは

天候のせいでバックワームを着たままでもグラスホッパー使い放題って点だな

雪上に小さなグラスホッパーを並べていきトントンと歩いていく

俺たち以外にグラスホッパーを入れている隊員はまずいないだろうしそれに

今回の一番のカモが俺の近くにいるしな

グラスホッパー。

「嵐山さん発見攻撃に移ります。」

俺はバックワームを外しそして嵐山さんに奇襲をかける。

するとギョッとしてとっさに首と頭にシールドとスコーピオンで守りを固めようとしたけど

悪いけどそっちじゃないんだよな

俺は嵐山さんの両脚を削る

「しまっ。」

「悪いね嵐山さん。一本もらうよ。」

そして容赦無くスコーピオンで追撃するとアステロイドで相打ちに持っていくつもりだけど

悪いけど俺は斜線が何処を向いているかわかるので確実に後ろから切りつけた

「……やられたな。」

「すいません。これも勝負なので。」

するとベイルアウトしていく嵐山さん

そしてバックワームを着込み少し移動せずにみると

「東さん発見攻撃に移るね。」

明久からも声は聞こえてくる。今回は嵐山さんを最初に合流される前に発見したので高台を移動していた明久が発見できたのはラッキーだな

「こっちは片付いたからとりあえずルート計算できるか?」

『うん。集合場所をマークするから、ついでに二、三人見つけられるといいんだけど。』

すると誰かがベイルアウトする光が二人見える

「……およ?誰だ。」

「僕は東さんを倒したんだけど。」

「ごめん。私。二宮先輩と加古先輩が合流してて背後取られた。」

速水が申し訳なさそうにしているが、狙撃手ではなく今日はガンナーとして立ち回っていたので仕方ないだろう

それに加古さんと二宮さんが

「……マジか。転送位置近かったんだな。二人は嵐山隊を叩け。三輪は合流してなければ攻撃してもいい。」

「了解です。」

「了解。巧は?」

「悪いけど逃げる。これ位置的に次に近いのは俺だ。少し移動する。」

『それじゃあルート計算だしてついでにユキちゃんと合流。』

「いや反応があるからやめた方がいい。少し遠いけど明久と合流する。」

『分かった。それじゃあルート送るね。』

「サンキュー。」

それじゃあ逃げよっと。

グラスホッパーを足場にして器用に歩いていく。佐鳥の位置透けてないのがちょっと厳しいな。

しかしその不安はすぐに消えることになる

「それじゃあ私佐鳥先輩落としにいきますね。」

「「「『えっ。』」」」

まだ一発も撃っていないスナイパーの位置をどう暴くんだよと思ったけど

そういえば最近シューティングゲームにハマっていたなこいつ

「分かるのか?」

「はい。大体予測は付いているのでそこを今回っています。」

「了解。んならいってこい。結構時間経っているけど足は確実に奪えているはずだから機動力で押していくぞ」

事実嵐山隊の連携は基本は嵐山さん軸になっており、そしてそこが抜ければ脆い。

個人技の練習プログラムは俺たちはやっておらず、ランク戦で鍛えられているので俺たちのトレーニングは全て連携練習に回している

まぁ実践で通用するかは分からないがそれでも新型トリガーと組み合わせたのならば奇襲にはなるだろう

「えっ僕がフォローじゃないの?」

「お前ランク俺よりも高いだろうが。それに今回の作戦は俺が落ちた瞬間に負けることになる。ってやべ。」

サイドエフェクトが反応して後ろに飛ぶとすると黒い弾丸が飛んでくる

「……悪い。ちょっと時間かかりそうだわ。」

レッドバレッド。

そのトリガーを使うのは神崎を使えば一人だけ

「三輪を発見交戦状態へと移る。すぐに終わらせるからそれまで待っていてくれ。」

さて勝負所だな

早く倒さないと二宮先輩たちこっちに来るし早く倒すか

俺はグラスホッパーを踏むとそして一気に加速する

「チッ。」

無駄語りをせずに突っ込むと三輪は舌打ちをしながら銃で弾丸を撃ってくるけど

射線を見るまでもなく避けアステロイドを撃ち込みながら突っ込む

サイドエフェクトの関係でかなり射撃やスナイプは俺には効きづらいのだから多分これは牽制弧月で決めるつもりだろう

……悪いけど一撃で決める

テレポーター

すると視界が映り変わり三輪の後ろにワープする。

トリオンをかなり消費するもののかなり便利で視線の方向に30mは飛べるらしい。

その代わり5秒間は他のトリガーに切り替えられないというタイムログが生まれるので易々使えるわけではないし他のトリガーより高価なためこれ一本しか作れないと開発部から言われたのだが

今日のうちに点数とっておかないとまずいんだよ

嵐山隊と東隊のログをみたけど今ちゃんと個人なら俺、団体戦なら速水と明久が通用するのだが神崎と俺はベイルアウトになりやすい。

だから一対一で負けるわけにはいかないんだよ

そして大きなキューブを浮かべ俺はシューターとしてアステロイドを放つ

元々ガンナー型のオールラウンダーを目指していたのだが、加古先輩からシューターとしての指導を受けていた

まぁ、武器の入れ替えが簡単なんだよなぁ、一々しまう必要ないし

そして三輪の体を貫くと三輪は驚いたようにしながら飛んでいった。そしてもう一人ベイルアウトしていく。

バックワームを装着した後

「神崎。とったか?」

内部通信で声をかける

「はい。片足失いましたけどなんとか。」

足取られたか

『有希子ちゃんは機動力死んでいるからベイルアウトした方がいいと思うよ。多分場所も割れているだろうし。」

「そうだな。4点取れたから及第点だし別に大丈夫だろうな。神崎はベイルアウト。そういえば明久は。」

『吉井くんは時枝くんと交戦中だけど、柿崎さんのいる場所が分からないの。」

「マジか。……これじゃ迂闊に動けないな。」

俺は走りながら考え

「とりあえず神崎は自発的にベイルアウト。俺は潜伏するわ。トリオンも結構いかれているし。」

するとまたベイルアウトした光が見える。多分神崎だろう。

「それにこの天候だしスナイパーは全滅さすがに動けないだろうし俺のテレポーターの仕掛けもバレていない。東さんの性格上これ以上は断念するはずだ。白い迷彩きているから探すのも一苦労だしな。」

そして後ろにベイルアウトした光が広がる

「ごめん。通信出来なかった。僕もトリオン限界に近いから潜伏するね。」

「了解。あまり歩き回るなよ。てか柿崎さんまじでどこにいるのか後から嵐山さんに聞いてみよっと。」

そうして白迷彩を着なが明久と反対方向へ向かう

まぁ多分柿崎先輩は嵐山さん落とされた時点で潜伏だろうな

隠れる場所少ないからさっさと明久と反対側向かうか

そして20分ほど隠れていると試合終了のアナウンスがなる

5−1ー0

加藤隊の勝利という大波乱でA級初戦は締めくくられた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

加藤巧④

「やってくれたじゃない。」

「いひゃいいひゃい。加古先輩痛い。」

俺はランク戦終わった後反省会をしようとしたところでやってきた加古先輩に俺は頰を引っ張られていた

「加古さん落ち着いて。」

「まぁ、加古先輩落ち着いてください。」

「……それで何で嵐山隊までいるんですか?」

速水がジト目で見る。

「分からないけど、ランク戦のことで何か言いたいんじゃないか?」

「まぁ、そうだな。まさか天候の設定をいじってくるとはな。」

事実今までは実践ということもあり夜や昼などの変更はあったものの極端な設定をするところがなかったのだが

「いや、設定してもいいってことは自分のチームが動きやすいようにするのが基本ですよね。元々俺たちはグラスホッパーを活かして機動力で行動するチーム。嵐山隊も嵐山さんはともかく元々は連携を重視することで強さを発揮するのでそれならば足を止めればいい。まぁ予想外だったこともありましたけど基本は作戦通りだったんで。東さんなら足を取られた時点で合流することは予想ついていたんで。あそこで速水が落とされたのは痛かったですけど。」

「でも東さんが吉井くんに捕まっちゃったのも痛かったわね。」

「僕も神崎ちゃんに捕まっちゃいましたしね。」

「……正直東さんと佐鳥は捕まると思わなかったけど、どこらへんで見つけたんだ?」

「僕は野球場のバックスクリーンの一番上にいたところを偶然見つけたんだよね。」

「私は陸上競技場のスクリーン上ですね。狙撃地点が少なかったので。」

「速水も生き残っていたらガンナーでサポートしてもらうつもりだったし風邪で足音もほとんど聞こえないだろうからな。バックワームの奇襲で東さんをやれたのが今回勝った原因だろうな。サポートがいれば二宮先輩も加古先輩も自由に動けただろうし。」

「新型トリガーにもうちはやられたんだけどね。あれって。」

「テレポーターです。視線の方向に数十メートル移動できるっていう優れものです。」

「えっ?新型トリガーについて話しちゃってもいいの?」

綾辻が首を捻るが

「三輪に使ってしかもしっかり一撃で落としたからな弱点も見抜かれるだろうし、それに所詮初見殺しだ。それにこの5点はでかかったからな。」

「まぁ、今日は私が最初取られたのが痛かったね。」

「いや合流していることがわかったから結果オーライだろ。しかし柿崎先輩も潜伏はキツかったな。」

「まぁな。生存点を阻止しないといけないだろ?」

「……まぁ、それだから俺たちも撤退しざるを得なかったんだけど。」

実際柿崎先輩がいた場合俺たちは危険を冒してまでも攻めに転じていただろう

「しかし、思った以上に戦術を張り巡らせていたわね。多分だけど私たちは元から狙わないつもりだったのでしょう?」

「嵐山隊からとっても東隊から取っても一点ですし、それにシューターは足を止められてもある程度は戦えますし置き玉あたったらトリオン勿体無いし。それに、戦術を限定した方が勝ちやすかったんで。」

「……お前本当に中学生か?」

柿崎さんが驚いているが

「でも結構作戦失敗しているんですよ。東さんと佐鳥は完璧に明久と神崎のおかげだし。まぁ勝てたから結果オーライだけど。反省点も多かったですしね。今回は俺たちが有利な条件だったので勝てることは当たり前ですよ。」

奇襲と呼べる条件が全部揃っており、かなり有利な条件だったしな

「俺たちはおかげで無得点だったけどな。」

結果今の所トップになったというわけだが

「でも今回のランク戦公平にするために一位に二位も関係なく各隊一回ずつ選択権ありましたよね?」

三回のランク戦を三チームで行うために各隊一度ずつ選択権があるのだが

「まぁ、加藤くんは効かないけどね。一応サイドエフェクトでエリアと天候は見ているんでしょ。」

「まぁそうですけど。」

「加藤隊って本当に穴がないですね。」

「まだ連携甘いけどな。」

そうしながら反省会を混ぜ込んだ雑談をしていると

ギュルルとどこからか空腹の音がなる

「あれ?あぁそういやまだ昼過ぎか。」

「そうだね。それじゃあ私が何か作ろうか?」

「そうだな。それなら僕も何か作るよ。」

「やめとけ。また犠牲者がでるから。」

俺は明久を止めようとしたら

急に寒気が起こりそして加古先輩が笑顔でこういった

「それなら私が炒飯を作ってあげるわよ。三上ちゃんは付け合わせの方をお願いしていいかしら。」

「……は、はい。」

すると一斉に緊張感が増す

「「「………」」」

あっまずい。多分今日外れの日だ

ただ、そう感じてながらも加古先輩を見送るしかないのだ

師匠に口だしできる弟子などいないのである

 

「うぅ。苦しい。」

「さすがに腹壊しそうだな。」

「……大丈夫ですか?」

加古先輩が防衛任務のために退室した後に俺と明久は4人前の水飴イチゴジャム炒飯を食べ終わると同時に寝転がる

「本当にすまない。」

「大丈夫です。食べ慣れていますしただ量が少し。」

「さすがに4人前はキツイよ。」

俺は三上、綾辻、嵐山さん、明久は神崎、速水、時枝の分を完食し、佐鳥と柿崎先輩は今奥で寝ている

女子は食べなくていいといい後はじゃんけんで決めた結果なので佐鳥と柿崎先輩が残念ながら地獄を味わってもらった

「でも、よく食べられるね。それ。」

「そりゃ、タワシや重曹、洗剤が入ってないだけマシだしな。」

「そうそうビーフシチューを作るのに豚の血や金属を入れないでほしいだけまだ。」

「……それはもう料理じゃないでしょ。」

「大丈夫。何度か三途の川見えたから。」

「「「それ。大丈夫じゃない(から)。」」」

嵐山さんがキョトンとしているが一度ボーダーの食堂で弁当を食べているときに姉が作ったと思われるジャムを塗られた虹色に光ったパンを食べ

『お前にレインボー』

と言ってから倒れて救護室に運ばれた明久はかなり有名である

そして吉井の姉の料理の味もボーダー全般に広がったのだ

「そういえば今週体育祭だったんだろ?」

「あっ。その話は。」

「やめといた方がいいですよ。」

俺と三上が止める

「何かあったんですか?」

「俺と三上は出場競技が玉入れと二人三脚だったからいいんですけど。綾辻と明久がちょっと。」

「……何があったんだ?」

俺はため息を吐きそして話し始める

「えっと、綾辻は生徒会の関係上あまり競技に参加できなかったんですけど、その分あまり人気のない競技に参加させられて1000m走を走ったんですけど、運悪く陸上部と当たってしまってトップと一周差の最下位。明久は買い物競争で女装姿でゴールしなければならなくて。」

「「うぅ。」」

「……それは悲惨ですね。」

体育祭でかなりひどい目にあったからなこいつら

「まぁ、こっちもこっちで注目集めましたけど。」

俺も競技自体は何にもなかったものの三上と二人三脚をすることによって男子の妬みをかい、俺と明久が参加した学年リレーでは俺と明久がぶっちぎりで早く2学年が勝ったこともあり運動部から誘われることになった

「それに来週土曜日は文化祭だし再来週は修学旅行だよ。」

「そういや、加藤先輩達は何するんですか?」

「俺と三上はコスプレ喫茶。明久と綾辻は確か中華喫茶だっけ?」

「うん。そういえば加藤先輩と三上先輩は何のコスプレするの?」

「……まぁ、それは後日のお楽しみってことで。」

「うん。」

俺と三上は苦い顔をしてしまう

あんまり、というよりもやりたくないんだが

三上はともかく俺は絶対に似合ってないし

なんとなくだがこれから起こる未来が見えたので俺は少しため息を吐く

……トラブルは平和な時間さえも崩すのである



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

綾辻遥①

学校中がざわざわと盛り上がり、そして俺と三上は来て欲しくなかった日が迎える

「マジで、これ着るの?」

「うん。いいから。早く、早くもうお客さん来ちゃうよ。」

「……ちょっと栞ちゃん後ろ大丈夫?」

「大丈夫だよ〜。ほら歌歩ちゃんも早くしなよ。」

そうやって俺たちは着替える事になる

休みたかった文化祭。それも今回は那須や出水、神崎や速水も見にくるという事なのでかなりの来客数が見込まれているのだが

これやっぱり似合わないだろ。

俺はくじ(多分仕込まれていた)ものを着ながらため息をつくしかなかった

「宇佐美お前な。」

俺は着替えから終わり出て来るとするときゃーと騒ぎ声が聞こえる

「うん。やっぱり似合っているね。加藤くん。」

「嬉しくね〜。てか何で俺はこれ結構恥ずかしいんだけど。」

というのは俺の今の格好であるのだが

まぁぶっちゃけ執事服なのだ。

どうやら黒執事というアニメのコスプレらしいのだが、俺は見ていないので本当にどういう風にすればいいのか分からない。

そして三上の方も出て来るとするとおぉという声が漏れる

三上のコスプレはもはやコスプレも関係なく、ウエディングドレスである。

最初は三上も嫌がっていた物の、店の手伝いをしなくていいというかなり魅力的な案を出された為に結局三上が折れた。まぁ俺もそうなのだが

「しかし、加藤くんも歌歩ちゃんも似合っているね。」

「はぁ、たく客寄せでこんなに派手な服作るかよ。」

「さすがに私も恥ずかしいかな。」

とある意味公開処刑をすることになるという最悪のことになった

「はぁとりあえず回るか。とりあえず俺たちはこの格好で文化祭を楽しんでくればいいんだよな?」

「うん。それとこれ、文化祭の無料券。」

「「えっ?」」

「いや、さすがに加藤くんも歌歩ちゃんも働いているとはいえ一日中遊ぶことになるから。そうすると加藤くんのお財布軽くなるでしょ?」

「ちょっと待って。この格好で一日中回れっていうのか?」

「文化祭でボードを持って無料で遊べるんだよ。それとも一日中その格好のままで接客する?」

「「……」」

逃げ場はないと思ったので無料券を受け取ると

「んじゃ行くか。」

「そうだね。」

「それと他のクラスの宣伝もしてね。それが無料券の条件だったから。」

「了解。」

と宇佐美はにこにこと笑いながら俺たちを見送った

 

「それでどこから行くか?」

俺は三上と歩きながらぐったりしたようにする

というのも廊下に出た瞬間捕まり俺と三上は捕まり写真撮影の列ができてしまってもう1時間が経過していた

おかげでかなりの気力と精神がすり減りさらに未だにボーダーメンバーに会っていないという事実がある

「そうだね。とりあえず吉井くんと遥のところに行かない?」

「まぁ、そうなると思ったよ。」

まぁどのみち行く羽目になるだろうし別にいいけど

そうして視線を集めながら俺たちは明久達がいるAクラスへと向かう。

そして中に入ると

「あっ。加藤くんって歌歩ちゃん!?きゃ〜!!加藤くん何その格好?」

とテンション高めで綾辻が俺たちをみる

「……コスプレ喫茶の衣装。俺と三上は番宣係。」

「加藤くんも歌歩ちゃんも似合っているよ。明久くん来て歌歩ちゃんと加藤くんが。」

「あぁもうあんまり広めないで!!」

「どうせ嫌でも目立つことになつよ思うけどな。」

ウェディングドレスと執事服の二人なんかどこの文化祭回っても俺たちだけだろうし

「そういや、中華喫茶ってどんなもの売っているんだ?さすがに麻婆豆腐とか青椒肉絲売るわけにはいかないだろ?」

「胡麻団子と黒烏龍茶だよ。」

「おっ。明久。おはよう。」

「おはようって何でぐったりしているのさ。」

「女子に囲まれ写真撮影。」

「……本当にその苦手なんだね。」

「……明久いないと女子に囲まれるの本当に無理。」

基本見知った奴なら大丈夫なのだが学校の奴はクラスメイト以外に囲まれると未だに慣れない

「……はぁ。それならこれって使えるのか?これ使って他のクラスの宣伝してこいって言われているんだけど。」

「えっ?あっこれ加藤くんも貰ったんだ。2学年だけだけど使えるよ。」

「サンクス。んじゃ胡麻団子とお茶一つ。ボーダーの奴らも今日はくるらしいし、那須も友達連れてくるって言っていたからな。宣伝は任せとけよ。」

「……えっ?玲ちゃんくるの?」

明久がびっくりする。まぁ那須が人混みが多いところに出るのは珍しいしな

「体調が最近はいいらしくて、後はいとこがこの学校にいるらしいからついでにって感じだけどな。」

「それじゃあ玲ちゃんに久しぶりに会えるかな。」

「まぁ、俺は会えるから別にいいけどお前も会いにこればよかったのに。」

「僕はいいよ。二人の邪魔したら悪いし。」

「邪魔って普通に昔3人で話していたから邪魔じゃないと思うけど。」

すると呆れたように明久は俺を見る

まぁどうせ『これだから巧は』とでも言いたいのだろう

「それにあいつも会いたがっていたから。それに神崎と速水も来るのそれくらいだし。ついでに嵐山隊と嵐山さんの従兄弟もくるらしいし今回かなり大人数になりそうだな。もち加古先輩も来るらしいし公平も友達連れてくるらしい。」

「また豪華なメンツだね。僕も国近先輩とユキちゃん回る約束しているから。」

「…国近先輩とよく徹ゲーやっているもんなお前ら。」

小学生と中学生が徹ゲーをやって俺も時々付き合わせれるが、基本的に俺は落ちてしまい途中で寝てしまう。

てか神崎があの二人についていける方がすごいと思うんだが

なお、小学生組の両親は俺と三上から勉強をしっかり教えているので塾行っていた時よりも成績が上がったことを喜んでいたのと一度二人が隊室にいる時に挨拶しに行ったことにより信用出来る人物だと判断されたらしく、俺と三上のいる時だけはボーダーで泊まることを許してくれた。

だけど徹ゲーだけは勘弁してください。マジで。

それともう一人今回に限ったら一番大事な人がくる

連絡を取ったところ色々言われたがまぁ条件持ちで引き受けてくれることを承諾してくれた

……はぁ、まぁこう言った特殊任務は得意だし、上層部にももう説明して修学旅行でのトリガーの使用許可を得ているんだけどな

「あっ、そうだ、綾辻生徒会長から、今日くらい仕事はいいからゆっくり文化祭楽しんでおいでだってさ。」

「えっ?」

「お前俺に働きすぎって言いながらボーダーと生徒会掛け持ちで毎日仕事をしていたらしいじゃないか。……俺に生徒会長から報告きているんだぞ?」

すると視線を逸らす綾辻

……こいつもある意味仕事中毒じゃねーか

「はぁ。というわけでこいつ借りて行くぞ。」

「えっ?」

「うん。根回しは終わっているから綾辻さんのことお願いね。」

「ちょっと吉井くん。」

「……結構マジでやばいんだよ。お前。」

俺が小さな声で綾辻に警告する。というのもサイドエフェクトである未来が見えたからだった

「サイドエフェクトでお前が倒れる未来が見えた。」

「……えっ?」

「一応明久に頼んで無理言って綾辻を休ませるように頼んでいたんだけど、生徒会の仕事の方に行っていたんだろ?」

出来るだけ気づかれないようにしないようにしないと未来が少しややこしいことになるんだけど

まぁ、俺の不利益になるだけだしそこは置いといて

「今日一日付き合え。少し気分転換しないと本気でまずい。」

「……うん。」

悪いけど今回ばかりは笑ってはいられない

明久に結構無茶を言って休ませるようにしないといけないくらいにやばい未来だった

それを察したのか綾辻はただ頷くだけだった

「明久一人分追加。」

「うん。もう準備はしてあるからいいよ。それで料金は。」

「いくら?さすがに払う。」

「二つのセットで500円だよ。」

「あいよっと。……んで突っ込もうか突っ込まないか迷ったけど、何でお前だけチャイナドレスなんだ?」

ワンコイン払った後に明久は真っ赤で派手な服を着ていることに俺は苦笑してしまう。

「……これが条件だったんだったから。」

「……悪い。うち俺持ちで。」

「肉。」

「ジで。」

「了解。」

打ち上げ数万は飛ぶだろうな。焼肉としたら安いけど

「お前らも行くか?」

「なんて言っていたのかまず分からないんだけど。」

「打ち上げを俺おごりで寿寿苑になったって話。」

「えっ?いいの?」

「いいぞ。最近明らかに弁当豪華になったしな。」

主に加古炒飯を食べる機会が増えた分増えたんだけど

それに太刀川先輩や堤先輩が俺たちを誘ってくるので速水と神崎に至ってはその二人をブラックリストという名の隊室出入り禁止としたのだ。

まぁうちの隊で炒飯ばっかりな現状はさすがに俺もくるのもがあるけど

「綾辻も来れば?防衛任務もないし。」

「私もいいの?」

「甘いものじゃなくて悪いけどな。」

「やった〜!!」

と無邪気に笑う綾辻に俺は少し苦笑してしまう。

時々見せる子供っぽい発言はいつもよりも可愛く見えた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

同級生②

試験期間に入るので投稿少し遅れます


胡麻団子を食い終わった後に俺と三上と綾辻は廊下を歩いていた

「それで、これからどうするの?」

「ん?適当にクラスごとに回っていってあいつらが来るのを待つって感じだな。ちょうど目立っているだろうし。」

「目立つって。」

「こういった場面は便利だよね。」

「あんまり人目集めるのは勘弁してほしいけどな。」

綾辻の言葉に反論する。こいつは目立つことにはとことん慣れているしな

「でも、ボーダーだったら加藤くんは有名でしょ?中学生ながらA級部隊を率いて私たちを集中砲火したんだし。」

「嵐山隊強いんだけど個人でいえば二宮先輩、明久、俺、加古先輩の順に強いだろ?」

「えっ?吉井くん加藤くんよりも強いの?」

「相性がいいから俺と明久が戦ったら俺が勝つけどそれでも、あいつくらいじゃないのか?太刀川さんに純粋な剣の勝負で勝ち越せるのは。」

「……えっ?」

「吉井くん本気で強いからね。加藤くんのサイドエフェクト持ってないのにランク戦に入り浸っているおかげだけど、私加藤くん以外に吉井くんが負け越しているところ見たことないかも。」

「俺は二宮さんに負け越しているところは見たことはあるけど、それでも4ー6だったからなぁ。何というか、明久の剣って一撃で仕留めるっていうより地道にトリオンを削っていく持久戦よりの戦い方なんだよなぁ。俺は短期決戦型でトリオンをかなり消費する戦い方をするから。」

事実俺はトリオン消費力を考えずなりふり構わずに攻めることが多い。実際前のランク戦は明久には不利な状況な戦いだったはずだ

「トリオン能力が同じだったら俺でも勝てないさ。それ以前に防御よりの戦闘スタイルは多分トリオンが少ないからこそそうしたんだろ?明久は俺たちに嘘をついてまで多分スタイルを変更したくらいだったしな。」

「どういう?」

「あいつはチームの勝利を優先し自分のスタイルを変えたんだよ。」

一言だけ呟くと

事実明久のスコーピオンはマスターランクに達しており、そして普通にアタッカーとしてもエースとしてできるくらいの実力を持っている

……明久はバカだ

バカだけどそれでもチームとしての明久はバカではないということだ

もう少し頑張らないとな

そんなことを思わされてばっかりだ。

神崎だって速水だってコソ練していることも知っている

あいつらを生かすのも殺すのも俺の采配しだいだろうし

それにあいつらのことを守れるのも俺と。

俺は横を少し見ると綾辻と話している三上がいる

……恵まれているよな。

元々は俺と三上から始まったこの隊はいつの間にか俺の居場所となっていた

本当に金の為に始めたボーダーだけど本当に入ってよかったな

……なんか柄にもないことを思っているなと思いながらも鼻歌を歌っていたらしく綾辻と三上が首を傾げていた 

 

「おっ。巧じゃん。って何その格好。」

すると出水が友達と思われる男を連れて来ている

「……宇佐美に一日中遊んでいいって言われた代わりにコスプレさせられた。」

「まだコスプレなだけマシだよ。私なんてウエディングドレス着せられたし。」

「ん?もしかしてお前栞と知り合いなのか?」

すると出水の友達なのかカチューシャをつけている男がいた

「ん?あぁ。一応同じクラスでボーダー仲間だな。公平の友達だよな?」

「あぁ。俺は米屋陽介。」

「俺は加藤巧。まぁ、公平の同期だな。」

「話には聞いているぜ。一期だけでA級まで上がった化け物だろ?」

「化け物って。おい。」

「事実じゃねーか。てかお前だけだろ?唯一の中学生隊長で今はシーズン途中だけどA級一位だろ?」

「……あっ。」

そういえば順位のこと全く気にしてなかった。

「あっそっか。この一ヶ月間はA級一位って加藤隊なんだ。」

「選択権あったからだろうな。てか全く気づかなかったな。」

「私も。」

「……お前ら。」

「いや、だって俺と三上って基本仕事回されて書類仕事ばっかりだぞA級になってからランク戦ブースにすらあまり行ってないし。最近じゃ綾辻と三上と一緒に気分転換で遊びに行くくらいじゃないのか?」

「女子ばっかりだな。」

「お前は断るし、明久はゲームかランク戦だしな。」

「お前男の知り合い少なくね?」

「後、風間先輩、太刀川先輩、嵐山さんだぞ。堤先輩はともかく俺たちの下同級生案外男子いないし、それに弱いし。」

「辛辣だな。」

「……だって同学年で今俺が負け越す可能性があるやつってお前と明久、三輪以外に本部にいると思うか?」

「いや、全く。」

「つまりはそういうことだ。」

俺はため息を吐く

「支部の奴らは俺は知らないけど、俺と正隊員で個人で負けるのは太刀川先輩と二宮先輩くらいだろ?今の所。」

「弾丸有利と言われているのにお前ら普通に弾を切ってくるからな。」

「シールドがもろすぎるんだよ。マジで。」

「そういう問題じゃないだろ。」

呆れたように俺を見る

「でも、未だに負けてないことを考えると、お前らのチームって本当に強いよな。でも、俺たちも来季からチーム組むからその時はよろしく。」

「おっ。それは楽しみに待っているさ。……まぁ負けねぇけど。」

「おう。それじゃあ明久のところ行ってくるわ。」

「面白いことになっているからカメラ持って行った方がいいぞ。それと米谷って言ったか?」

「おう。なんだ?」

「三ヶ月後楽しみに待っているさ。」

俺はそういうと手を振り歩き始める

多分首を傾げていると思うけど俺のサイドエフェクトは告げていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

嵐山准①

三上と綾辻は少し友達のところに行くとか行っていた後嵐山さんと合流し俺のクラスの喫茶店に入ったのだが

「……嵐山さん、有名人なんだからもう少しメガネをかけるとかそういった変装してください。」

お陰かなり目立つことになり。俺たちのクラスに

俺がジト目で見ると嵐山さんを悪い悪いといいながら笑っている

嵐山さんとは何かと縁があり、前に補佐をしていたこともあり飯をよく奢ってもらうのだ

んでその時は基本ボーダーの戦闘の話はタブーになっている

「そういや、巧。お前加古先輩と付き合っている噂あるけど。」

「あっ、嵐山さんもしってましたか?」

「まぁ有名な話だけらなぁ。加古先輩にも聞いてみたけど。」

「逃げられたんですね。加古先輩都合の悪い話結構逃げる癖あるんで。」

俺は苦笑してしまう。面白がってやったはいいものの嵐山先輩が肯定したら多分それが事実として広まるしな

「まぁぶっちゃけ付き合ってないです。加古先輩は師匠なんで。」

「あっ。だからか。」

「なにがですか?」

「加古先輩と会うといつも巧の話するし、最近東隊にいるよりも加古先輩が加藤隊の隊室にいるときの方が長いよな?」

まぁ確かに最近はこっちに来るときは多いよなt「そういうことです。それに俺は隊のことで精一杯なんで恋愛は当分はいいかなって。」

「まぁ、そうだな。」

「てか、あんまりボーダーの人って色恋沙汰少ないですよね。男子と女子の隊員多いのに。」

「確かにそうだな。でも混合部隊が少ないし、集団行動が多いからじゃないのか?」

「あぁ。確かに。」

案外男女が二人っきりって少ないしな

「嵐山さんはどうなんですか?好きな人のタイプとか。」

「う〜ん。俺より頼りになって、好きなことを共有できる人かな。」

「あ〜。」

なるほどこれは難しいな

嵐山さんより頼りになる女性ってそんなにいないと思うけど

「巧は?」

「…俺は、多分ですけど……自分が楽しいと思える人ですかね?」

俺は少し悩んだ挙句そう伝えると

「楽しい?」

「話して楽しいと思える時もありますし、逆にただいるだけで落ち着くって人もいるんですけど。多分俺が付き合うとするなら、その人といると自然と笑っているような人だと思います。」

多分俺にとって好きな人の定義はお互いにいて楽しいと思える人だろう

人間やっぱり喧嘩や揉め事だってするだろうし、一緒にいると嫌なことだって起こる。

でも文句や喧嘩もしながらも結局は楽しいと思えるような人を好きになると思っている

「なんか巧らしいな。でもそれなら結構候補はいるんじゃないのか?」

「どうですかね?ほとんど素の俺を知っているのって三上と綾辻、それと加古先輩くらいでしょ?小学生組を除いては。」

隊のメンバーを排除するとなると実質綾辻と加古先輩くらいだろう。

「ぶっちゃけ全員かわいいとは思いますし、あっち側が意識しているのは分かりますよ。というよりもそういう未来は俺も迅さんも確認済みです。」

「……あぁ、サイドエフェクトか。」

一応ここは教室だが宇佐美に頼んで人払いを頼んでいるためにサイドエフェクトなら話しても大丈夫ってことだろう。

「サイドエフェクトっていうのも難儀だな。」

「最近は夢の中で予知することが多いのでつい別のものも見えるんですよ。修学旅行の件もまだ終わってませんし、ちょっと色々面倒くさいことが。」

「そういえば綾辻は大丈夫なのか?」

「大丈夫です。元々気分転換をさせたらいいだけですし。そういう未来はなくなりました。問題は、修羅場が一つ生まれることでですね。」

「……それは大丈夫じゃないな。」

「大丈夫です。今頃速水がバカをめぐる戦いに巻き込まれて涙目になっているんで。それに比べたら。」

すると俺のスマホから連絡が来る。すると那須から丁度着いたらしく一緒らしい。

「ん。俺もうそろそろ行きますね。友達来たんで。」

「俺ももうそろそろ本部に戻らないといけないから。」

「了解です。」

「それと、迅から2日目の2時29分って伝えてくれって連絡があったんだけど。」

「……迅さんに今度ぼんち揚一箱送りますって伝えていてください。」

俺は外れから出ると支払いを済ませようと出る

「宇佐美お勘定。」

「あっ。嵐山先輩からすでに受け取っているんだけど。」

後から嵐山さんにもお礼をしようと決めた俺だった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。