遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~ (ミスタータイムマン)
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設定・コラム
設定(カード編)~某大手TCG開発コラム風~前編


※本やりとりはフィクションです。
今話は融合モンスター~リンクモンスターのシステムについてコラム風に作者の想像で書いています。

2ページさん評価ありがとうございます。
マグロクンさん、リボットさん感想ありがとうございます。


今回は例の新しい2種類のカードの事を話す前に、これまで開発してきたカードについて語ろうと思う。

 

 

融合モンスター

 現在は墓地、デッキ、相手フィールドと様々な領域のカードを素材にできる奇襲性の高さが特徴である。融合カードが必要であるため、連続で融合モンスターを出しにくいものの、奇襲性の高さが両立しているのだ。

ちなみに儀式モンスターは融合に似たシステムのため、割愛する。儀式モンスターの「レベルの合計が素材となる」システムはシンクロモンスターに活かされることになる。

 

シンクロモンスター

 シンクロモンスター登場以前のデュエルモンスターズはレベル4モンスターを少しずつ展開して、アドバンテージを少しずつ稼いでいく事が主流だった。(現在でも本質は変わらないが)

シンクロモンスターは原作者、高橋和希氏の原案でモンスターのレベルの足し算でエクストラデッキから召喚するカードである。これにより、低レベルモンスターの地位の向上に成功している。また、チューナーとチューナー以外のモンスターそれぞれがいないと、シンクロモンスターを出せないようにする事で安定性を低下させつつも、上手くはまった時の爆発力の差を出すことができるのだ。どんなデッキでも安定して狙ったカードをより簡単に出すのはエクシーズモンスターに託す事となった。

 

エクシーズモンスター

 同じレベルのモンスター2体以上でエクストラデッキから召喚するモンスター。先の記述の通り、同じレベルのモンスターだけデッキに入れるだけで狙ったモンスターを簡単に出せるのだ。シンクロモンスターの差別化として、素材にしたモンスターの回数分しか効果を使用できなくする事でバランスをとる事ができた。更にエクシーズモンスター1体だけで、強化形態を出すという独自の要素の開発もあった。

 

シンクロ、エクシーズと開発を続けたところでエクストラデッキのシステムは完成に近い状態となった。

以降、新システムの開発はより複雑化していったのだ。

 

ペンデュラムモンスター

 アニメ5作目となるARC-Vは節目の作品という事で作中にシンクロやエクシーズモンスターが出てくる事がわかっていた。そのため、これまでの召喚法をサポートするものが求められた。

私は何らかの方法でレベルが低いモンスターをエクストラデッキから出して、それを素材にして融合やシンクロ、エクシーズ(後、上級モンスターと儀式も)を呼び出そうとしていたが、大きな問題にぶつかってしまった。

それは新しい種類のモンスターが素材にしかならず独自のエースを活躍させにくい状態になってしまったのだ。

その事をトムに相談すると予想外の答えが返ってきた。

 

トム「別にエクストラデッキから出さなくてもいいんじゃないですか?」

 

これは盲点だった。

普通のモンスターと区別するため、魔法カードとしても使えるようにしつつ、2つ揃える事で一気にモンスターを展開できるペンデュラム召喚の誕生に繋がったのだ。

ペンデュラムモンスターの開発に対して、我々は1つの教訓を得た。

 

教訓1:既成概念を壊した先に新たな発見がある。

 

ペンデュラムモンスターの作成に際し、我々はもう1つ新しい試みとしてフィールドの拡張、すなわちペンデュラムゾーンを追加したのだ。それにより、ペンデュラムモンスターは魔法カードとは異なる独自の魔法カードでもある事を示したのである。

 

 

リンクモンスター

 この時の開発背景には2つの目標があった。

1.加速しすぎたデュエルスピードの抑制

ペンデュラム期はペンデュラムモンスターだけでなく、融合・シンクロ・エクシーズの関連においても強力なカードが数多く排出された。

これは多くのデュエリストにとって望んでいたものだが、デュエルスピードは極限まで早くなってしまっていた。カードの開発を続ける上で一度、抑制する必要があつと思われた。

 

2.本格的な競技性TCGへの移行準備

これまでOCGはキャラクター性を重視していたが、より戦略性を持たせることで新たな地位を築くこと。そうすることで更なる発見を遂げることができると考えていたのだ。

 

そのための要素として、カードの位置を戦略として取り入れることとEXデッキからモンスターを特殊召喚することを制限を取り入れた。これにより生まれたのが、EXモンスターゾーンである。新たに開発したそのモンスターはその制限を唯一解除できるようするため、EXモンスターゾーンを増やす矢印をつけた。そのモンスター同士の矢印と矢印を結ぶことは、まるでネットワークを形救っているかのようになった。この性質からこの新しく開発しているカードをリンクモンスターと名付けた。リンクモンスターは位置関係にEXゾーンと新しい要素が多いため、使ったカードの枚数を強さの基準にすることにしたのだ。

今までのカードを活かすためにリンクモンスターを取り入れることは新しい時代の幕開けになる素晴らしいことだと思っていた。

逆に言えば、これまでできていたことができなくなるキャラクター性を大きく損なうものであったのだ。

我々は、今までの使用感となるべく変わらないよう過去のカード専用のリンクモンスターを作成したが、デュエルスピードが再び戻ってしまった。

つまり、我々はゲームスピードの抑制に失敗し、キャラクター性も損なってしまう結果となってしまったのだ。

このことから2つ目の教訓だ。

 

教訓2:これまでできたことができなくなることは受け入れられない人が少なからずいる。

 

 

この2つの教訓、そう2つだ。これらが新たな2種類のカード、ユナイトモンスターとプレイヤーカードの開発へとつながっていく。

 

今回はここまで。

後編ではユナイトモンスターとプレイヤーカードのデザインの話をしていこう。



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設定(カード編)~某大手TCG開発コラム風~後編

ライナさん、名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
お気に入り登録してくださった皆さまありがとうございます。

今回は前回の続きで、ユナイトモンスターとプレイヤーカードの開発風景風の架空コラムです。
2023/10/22 一部のプレイヤーカード修正


今回はいよいよユナイトモンスターとプレイヤーカードについての話だ。

 

 

プレイヤーは傍観者か

 デュエルモンスターズが発展した背景はモンスターをバトル漫画のように魅せた高橋和希氏のアイディアと絵のセンスからだ。

更に劇中とほぼ同じカードゲームとして発売され、大ヒットとなった。ルールは他のTCGと比較して練られていないにも関わらずだ。

つまり、ビジュアルは重要なファクターである事に他ならない。

新しく開発するカードにも、そういった要素を入れる必要がある訳だ。

幸い遊戯王アニメシリーズはそういったビジュアル要素を演出面でかなり取り入れてきた。我々がまず行ったのは過去のアニメから、カードに関連したインパクトが強い要素を抜き出す事だった。

プレイヤーの能力としてのスキル、カードを拾うプレイヤーのアクション、プレイヤーの変身、バイクでのデュエル、そしてプレイヤーとモンスターとの合体である。

そう、カードゲームでもあるに関わらずプレイヤーが行動を起こすという事が共通した事実だったのだ。私達が開発するべきものは決まった。

 

目標:プレイヤーがモンスターにバトルを行えるようにする

 

 

プレイヤーのための剣

 基本骨子は固まった。

後はどうプレイヤーが装備できるようにするかだ。

 

1案:プレイヤーを装備対象とした装備魔法

使用感はモンスターがいなくても装備魔法が使えるようになるだけで目新しさはなかった。召喚法と銘打ってるため、モンスターがないのは違和感だけしかなく、見栄えも退屈であった。そこで2案としてモンスター化させた。

 

2案:プレイヤーに装備できるユニオン風モンスター

モンスターの形になったため、1案に比べ見栄えは改善した。しかし、効果モンスターの括りにすると○○装備はあるが、○○召喚はなく、違和感がある。またペンデュラムモンスターは自身が召喚法を持っていたが、このモンスターに召喚機能を持たせるのは装備要素が薄くなってしまう。そこで3案。

 

3案:エクストラデッキに入るプレイヤーにも装備できるモンスター

エクストラデッキからモンスターとして召喚する事とプレイヤーに装備する、2つの選択肢をもつカードとなっ。

ペンデュラムモンスターのように上下で分け、上半分に装備効果と上昇攻撃値を、下半分はモンスター効果とステータスを記載するようにした。

臨機応変に使い分けるのはなかなかエキサイティングなように思え、この方向性で進む事となった。

 

残る問題はどう場に出すか、プレイヤーという概念をどう処理するかの2点に絞りこまれた。

 

 

プレイヤーよ、今こそ剣をとれ

 プレイヤーをどのような形にするか、まずはルールを変更してプレイヤーに攻撃力や装備ができるように試してみた。

しかし、装備モンスターが浮いた位置にあり、プレイヤーが装備している感覚はあまりなかった。

そこでプレイヤーをカードにしてはどうか、というアイディアが生まれた。

このアイディアを聞いた時、私はある1枚のアニメ用カードを思い出した。

 

 

《スピード・ワールド2》

フィールド魔法

「Sp」と名のつく魔法カード以外の魔法カードをプレイしたとき、自分は2000ポイントのダメージを受ける。

お互いのプレイヤーはお互いのスタンバイフェイズ時に1度、自分用スピードカウンターをこのカードの上に1つ置く(最大12個まで)。

自分用スピードカウンターを取り除く事で、以下の効果を発動する。

●4個:自分の手札の「Sp」と名のついたカードの枚数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。

●7個:自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●10個:フィールド上に存在するカードを1枚破壊する。

(このカードは更にデュエル開始時に発動され、フィールドから離れない要素もある。)

 

 

頭の中でパズルのピースが揃った感じがした。

あらかじめ置いておけるカード。場を離れないという要素に加え、カウンターをためることができる。ユナイトモンスターの召喚方法ももこのカードから出るカウンターを使えばいい。カウンターを召喚に使うのは今までにない新しいものでもある。

《スピード・ワールド2》を参考にすれば、プレイヤーの表現の仕方と召喚法としてのギミック、全てが一気に解決するのだ。

これが最初のプレイヤーカードだ。

 

 

《スタンダード・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動することができる。

②:1ターンに1度、EXデッキからユナイトモンスター以外のモンスター1体をメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

 

そしてプレイヤーを1枚のカードとして扱うことで様々な種類のカードを出すことができるということに気が付いた。それぞれ固有の能力としてメリット能力だけでなく、エクストラデッキからの召喚制限を多種多様に作り、コントロールできる。

 

そうしてできたのがこれらだ。

 

 

《アカデミック・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。

②:自分はEXデッキから融合モンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

《スピーディ・Dホイーラー》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。。

②:自分はEXデッキからSモンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

《エアリアル・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。。

②:自分はEXデッキからXモンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

リンクモンスターの誕生時に融合モンスターをはじめとするエクストラデッキから出るモンスターは召喚に一律制限をかけた。特にシンクロモンスターはアニメ5Dsに登場するシンクロモンスター同士でシンクロ召喚する『アクセルシンクロ』が行いにくくなくなってしまった。ビジュアルや雰囲気を大事にするには劇中の再現ができることが必須である。プレイヤーにとって受け入れられにくかったのだと思われる。

プレイヤーカード毎に制限を変えることができれば、デュエルスピードの安定化に貢献できるはずだろう。

 また、アニメ制作側にとってもこのプレイヤーカードの仕様を受けて、興味深い提案をされることとなったがそれは後ほど語ろう。

 

 

剣の製錬

プレイヤーカードの仕様が定まったことで新モンスター‐ユナイトモンスターの方向性も具体化していった。切り札級のカードのデザインはすぐに決まっていった。それらはカウンターだけでなく、カードを消費するよう調整した。問題は低レベルのユナイトモンスターの意義だ。ユナイトモンスターの召喚にカウンターを使う性質上、カード消費がかなり少なくて済む。しかも低レベルモンスターは消費カウンターも少ない。つまり、召喚県もカードも使わずに展開ができる。そのため、様々なモンスターの素材にできるようにレベルを採用した。更なる展開速度の強化とならないよう気を使う必要はあるということの裏返しでもある。

ユナイトモンスターの消費カウンターと消費カードはこのような関係とした。

 

レベル7・8:カウンター3or4個 消費カード1~2枚

レベル5・6:カウンター3個 消費カード0~1枚

レベル3・4:カウンター2個 消費カード0枚

レベル1・2:カウンター1個 消費カード1枚

 

リンクモンスターと異なり、純粋に召喚を手助けする。人は新しいものを受け入れるには今まで使っていたものの強化となることが使用を促すのだ。

それでは2体のユナイトモンスターをご覧いただこう。

 

《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500 DEF2000/装備ATK+2000

カード1枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスター1体を自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

《ガトリング・ウルフ》

レベル3闇属性獣族・ユナイト・効果ATK1200 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードはリンク素材にできない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

 

 

 

変身するプレイヤー達

 カード開発が進む中で、アニメ制作陣から次回作のアニメの概要が伝えられるとともにカードデザインの注文が舞い込んできた。今までと異なるのはプレイヤーカードに憑いての注文だった。

 

アニメスタッフ「今度のやつは特撮にするから、変身ヒーローと怪人を作ってください。」

 

予想外の注文だが、納得してしまうところもあった。生身で戦うよりも戦っているイメージが湧きやすい。

ヒーロー側のカードは特殊な効果を入れることと、攻撃時に攻撃力をアップさせる効果を入れるだけで済んだが、問題は怪人側だった。

私たちが悩む中、突破口を見出したのはOCGカードストーリー担当のボブだった。

 

ボブ「怪人はプレイヤーカードとユナイトモンスターが合体しているキャラだからちょっとした効果と攻撃力を設定してみては?」

 

今までと同じような感覚でデュエルできるように今までのプレイヤーカードは単体では、相手ターンに攻撃力を蔵相させなかったが、攻撃力を持たせることでプレイヤーが人間でないことのフレーバーになるとわかったのだ。

更に、エクストラデッキを使わないデッキはこれまでのシステムでは強化できなかったため、エクストラデッキから特殊召喚できないようにしてそちらの方面でも手に取りやすくした。

最後に、下級怪人と幹部怪人をお見せしよう。

 

 

《ウルフテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《マスターテラー:ヒュドボロス》

プレイヤーカード ATK1000

①:デュエル開始時、自分は500ポイントライフを失う。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分フィールド上のカード1枚か手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上の表側表示モンスター1体までを選択して発動する。そのモンスターはターン終了時までモンスター効果が無効になり、攻撃力と守備力が300ポイントダウンする。このカードにユナイトカウンターを2つのせる。この効果は互いのターンのバトルフェイズにのみ発動することができる。

 

 

さて、ユナイトモンスターにプレイヤーカード、これらの新しいカードはいかがだっただろうか。新しい種類のカードを2つ同時に取り入れるのはほとんど初めての経験だったが、これらは2つにわけたからこそより良いものになったと思う。

それではまた会う日まで。




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
次回は本編になります。

参考までにその他のカード


《アクション・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK0
①:自分のターン中に魔法カードを発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動する事ができる。
②:1ターンに1度、ユナイトカウンターを2個取り除くことで、自分フィールド上のEXモンスターゾーンのモンスターをメインモンスターゾーンに移動する事ができる。
③:自分は魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

《サイバネティック・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK0
①:1ターンに1度、モンスターを召喚した場合、このカードの上にユナイトカウンターを2個のせる。
②:リンクモンスターとユナイトモンスター以外のモンスターをEXデッキから特殊召喚する場合、ユナイトカウンターを1つ取り除かなければ、特殊召喚できない。


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遊戯王BELIEVER アニメ製作現場の一幕(世界観+登場人物設定 6話までのネタバレあり) +おまけ

お待たせました。

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

今回は制作風景風のキャラ設定回です。

12/20 あとがきにおまけのデッキ紹介を追加




アニメ製作現場ではK●NAMIから新シリーズの新システムが送られてきてたため、会議が開かれていた。

 

「さて、新システムの概要を受け取って1週間。遊戯王新シリーズの世界観をどう考えてきた?」

 

出版社や放送局などとの企画会議前に、制作進行(制作マネージャー)はまず、スタッフとアイディアを出しあう事から始めた。より良い作品を作るには予め話し合い、方向性を皆が納得した上で絞ることが有効だと思ったからだ。そうこうする内にアイディアが出揃ったようだ。

 

異世界ファンタジー、現代ファンタジー、近未来、伝奇物、スポーツ物、特撮、SF、学園物・・・。

 

「いい感じに集まったな」

 

「はい。できれば今までと全く異なる新しい概念であるプレイヤーカードを活かしたいものにしたいですね」

 

若手スタッフの発言は一同も同意する。今回はデュエリスト自身が直接戦闘するため、如何に見せるかジャンルにするかが最初のポイントだ。

 

「そうなると異世界ファンタジー、現代ファンタジー、スポーツ物、特撮が表現しやすそうですね」

 

「そうだな。今の4つを挙げた者は何故そのジャンルか、もっと説明してもらおうか」

 

4人から話を聞く中でスポーツ物と特撮が個性的かつ、新規視聴者の開拓に向いてそうだった。

更にこの2つのどちらが相応しいか、2つの陣営に分かれて議論してもらうことにした。更に意見を挙げてもらった2人には心苦しいが、自分が挙げたのと逆の陣営についてもらった。そうする事でより客観的な意見を、伝えられ活発な議論が生まれるだろう。

 

意見をまとめるとこのようになった。

スポーツは昨今のeスポーツブームやスポーツアニメの根強い人気から新規層の獲得ができる事がメリットとして挙がり、派手なエフェクトや非日常な展開がしづらいデメリットが挙げられた。

特撮は元々、特撮を視聴していた層を取り込め、小中学生に馴染みやすい事とM●RVELの映画が大人にも受けいるられている事、派手なエフェクトや展開をふんだんに取り入れられる事がメリット。デメリットは日常的な展開のしづらさと様々な世代への受けいれやすさがスポーツ物に負けてしまうことが挙げられた。

悩ましいところだった。

 

そんな時、1つの考えが制作進行の頭に浮かんだ。

 

「つまり理想は特撮のように非日常の敵と戦闘をしつつも、主人公達の日常にスポーツ物の要素を入れれば互いのデメリットが消えるのではないだろうか?」

 

一同は目から鱗だというように、目を丸くし、この方向性で行くことになった。

 

そうして後日、できた世界観はこのようになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

決闘(デュエル)指定都市、”在府(ざいふ)市”。決闘者達は日夜、モンスターと肩を並べてデュエルを繰り広げていた。

最近、在府市に引っ越してきた主人公はある日、”テラー”と呼ばれる怪物に遭遇してしまう・・・。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

つまり、都市の世界観としてはスポーツのようにデュエルが発達して、老若男女問わず、デュエルチームが存在するスポーツ物という日常。更にヒーローが裏で街を守っている非日常。この二重構造が肝要であるのだ。

 

「特撮といっても、どういう形式にしますか?例えばヒーローは世間から認知されているのか、そうでないのか。それだけでも変わりますよ」

 

その意見は最もだ。特撮としての非日常をどうするか。

 

「ヒーローということは特別なプレイヤーカードに変身する訳ですから、主人公だけなれてしまうと今までのライバルとは対等じゃなくなってしまいますよ」

 

「怪人をライバルにするとかヒーローは2人だけとかではどうでしょう」

 

「怪人がライバルはなんかなー。ヒーロー側の数が何人か出せる設定の方がカードデザインの制約は少なくなりそうじゃないですかね」

 

「つまり、ヒーローを統括する秘密の組織が裏で怪人達と戦っていたというのはどうでしょう」

 

それならば何とかなりそうだ、となり、ヒーロー組織"ユニティガーディアン"をつくりあげた。

更に、ヒーローのプレイヤーカード"アームドナイト"と怪人"テラー"を作り上げた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

世界観設定*1

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「では次は登場人物の設定だな」

 

如何に納得させるキャラクター像をつくるか、世界観と上手くマッチさせることが難しいところだ

 

「まずは主人公のは組織の所属するかどうかですね」

 

様々な意見が出る中で2つの意見が議論を決定づけた。

 

「主人公には物語の軸として活躍してほしいですから私は主人公は組織には所属させたくないですね。少なくとも序盤は」

 

「確かに、組織に最初から入っていると物語を進ませる要因が外的要因になってしまって受け身的な状況に流される主人公になってしまいますね。私も前の意見に賛成です」

 

そこから話は膨らみ、

 

「転校生とか、街に来たばかりの設定にしないと、使用カードの傾向から、すぐに組織に正体がばれそうですね」

 

「デュエルの腕は強いけど、特別な事情からあまりデュエルをしないから余計に正体がバレにくいとか?」

 

「それもありですね。どんな事情にしましょうか」

 

「主人公に縁がある敵キャラとかも出してみます?」

 

そんな感じで主人公の設定は決まっていき、次はライバルとなった。遊戯王におけるライバルは個性的なキャラクターが多く、作成は難航しやすい。

 

「とにかく、組織のエースの凄腕で王子様キャラって感じまでは良いと思うが、まだパンチが弱いなぁ」

 

「主人公との接点も薄そうですね」

 

「それは主人公と■■■■の人にしたら良いんじゃないか」

 

「確かに。主人公は組織に所属してないからライバルに隠れてヒーローをやるのはおもしろそうですけど」

 

「でもそのままやったら、ライバルの■■での立ち位置がおかしくなると思いますよ」

 

「だったら、ライバルは組織では男装してるって事にすれば■■で正体隠せるし、『ちょっと体調、悪いから保健室に』のネタもできますよ」

 

「それだ!ついでにヒロインにもしちゃおう。カードのパックに入れるヒロイン分の枠が浮く」

 

最後は他のメインキャラクター。エースの攻撃力が2400とか2800の枠。これは音速で決まった。

 

「後は、主人公と組織を繋ぐトリックスターも欲しいな。」

 

「忍者にしようぜ。主人公の友達のお兄さんで」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

登場人物設定*2

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

以下、設定まとめ

*1

世界観設定

ユニティガーディアン:テラー撲滅のために結成された組織。テラーとの戦闘や在布市の治安維持だけでなく、デュエルイベントにも参加するするといったPR活動も行っている。

 

アームドナイト:人類に味方するカードの精霊によって変化したプレイヤーカード。プレイヤーカードをデュエルディスクにセットすることで全身にプロテクターを纏った機械戦士のような姿に変身する。

 

テラー:プレイヤーカードにカードの精霊が融合して暴走している怪物。大半は事故によって起きているが、中には悪意ある精霊によって宿主を乗っ取っている者もいる。

 

在府市

デュエル指定都市の1つ。この街のデュエルはプレイヤー自身も戦闘に参加することが特徴。企業やサークルなど数多くのデュエルチームがあり、チームごとのランキングを競い、1部リーグの昇格を目指している。1部リーグはプロリーグの1つとして扱われている。ユニティガーディアンも1部リーグに所属している。

 

在府リーグ

5つのランクに分かれている。3~5部リーグまではアマチュアクラスで殆どの住人が在籍している。1チームのメンバーは最低3人。2部リーグはセミプロリーグ。1チーム当たりのメンバーは最低5人。

 

ユナイトモンスター&プレイヤーカード

在府市で開発されたカードタイプの1つ。

ユナイトモンスターはプレイヤーが闘うための剣として開発され、よりスリリングなデュエルを可能にした。

プレイヤーカードはプレイヤーをカードの枠にはめる事でより■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■。

*2
登場人物設定

奥田(おくだ)遊士(ゆうし):主人公。最近、在府市に引っ越してきた高校生。地元では数多くの■■デュエル大会で上位入賞を経験するほどの腕の持ち主だったが、現在はデュエリストを半ば引退している。プレイヤーがモンスターと戦う在布市のデュエルに衝撃を受けており、リーグの実況を熱心に観戦するようになった。デッキはあるものの積極的に対戦することはない。彼の人生はテラー、そして《ザンブレイド・ドラゴン》と出会うことで大きく変わり、〔アームドナイト ビリーバー〕となって戦いに身を投じることとなる。現在の使用デッキは【空牙団】。

 

ハクア(白砂(しらすな)アイナ):ライバル兼ヒロイン。銀髪碧眼のショートカット。公的な場では男性と言うことで通している。〔アームドナイト ハクア〕の適合者。ユニティガーディアンのエース兼広告塔。使用デッキは【光属性戦士族】(テラナイトなど)。エースカードは《タイタニック・チャンピオン》

 

ジン(仲町(なかまち)(ひとし)):遊士の友人、(さとる)の兄。物語のトリックスター的な立ち位置で色んなところにパイプがある。ユニティガーディアンの古参メンバーの1人。忍者の格好をしているが、理由は不明。〔アームドナイト シジュ〕の適合者。使用デッキは【忍者軸チェーンビート】。エースカードは《グレーテスト・レイヴン Limited》

 

仲町(なかまち)(さとる):遊士の友人。デュエルチーム、A. ギートのリーダー。現在3部リーグの7位。かつて、遊士に負けてから、遊士をチームに誘おうとしている。




オマケ

スターターデッキ(202X)
 202X年3月2X日発売。
 略号は「ST2X」(STARTER DECK 202X)。

 新ルールである新マスタールールXに対応する最初の商品。
 新たなモンスター種別であるユナイトモンスターと新たな種別のプレイヤーカードを収録。
 また、紙製のユナイトカウンターが5個付属している。

 デッキ内容は【空牙団】。スターターデッキでカテゴリデッキとなるのは今回が初。
奥田遊士/アームドナイト ビリーバーが使用した優良カードを厳選して収録している。

キャッチコピーは「決闘者(デュエリスト)よ、剣を取り、共に進め!ユナイト召喚/ユナイトイクイップ!!」

収録カードリスト
※レアリティ無表記のカードはNormal

ST2X-JP000 《スタンダード・デュエリスト》Super 1
ST2X-JP001 《空牙団の撃手 ドンパ》 1
ST2X-JP002 《空牙団の飛哨 リコン》 1
ST2X-JP003 《空牙団の舵手 ヘルマー》 1
ST2X-JP004 《空牙団の剣士 ビート》N-Parallel 1
ST2X-JP005 《空牙団の参謀 シール》 1
ST2X-JP006 《空牙団の闘士 ブラーヴォ》 1
ST2X-JP007    《空牙団の伝令 フィロ》 1
ST2X-JP008 《空牙団の孤高 サジータ》 1
ST2X-JP009 《空牙団の豪傑 ダイナ》  1
ST2X-JP010 《空牙団の叡智 ウィズ》 1
ST2X-JP011 《空牙団の英雄 ラファール》 N-Parallel 1
ST2X-JP012 《ダイナレスラー パンクラトプス》 1
ST2X-JP013 《風帝ライザー》 1
ST2X-JP014 《シャドール・ドラゴン》 1
ST2X-JP015 《ファイヤーハンド》 1
ST2X-JP016 《アイスハンド》 1
ST2X-JP017 《召喚僧サモン・プリースト》 1
ST2X-JP018 《クリッター》 1
ST2X-JP019 《増殖するG》 1
ST2X-JP020 《エフェクト・ヴェーラー》 1
ST2X-JP021 《ユナイト・リバイブ》 1
ST2X-JP022 《飛竜艇-ファンドラ》 1
ST2X-JP023 《烈風の空牙団》 1
ST2X-JP024 《死者蘇生》 N-Parallel1
ST2X-JP025 《ブラック・ホール》 1
ST2X-JP026 《サイクロン》 1
ST2X-JP027 《聖遺物をめぐる戦い》 1
ST2X-JP028 《禁じられた聖杯》 1
ST2X-JP029 《ガーディアンの力》 1
ST2X-JP030 《ご隠居の猛毒薬》 1
ST2X-JP031 《補給部隊》 1
ST2X-JP032 《ユナイト・ウォール》 1
ST2X-JP033 《ユナイト・バリア》 1
ST2X-JP034 《空牙団の修練》  1
ST2X-JP035 《リビングデッドの呼び声》 1
ST2X-JP036 《聖なるバリア -ミラーフォース-》 1
ST2X-JP037 《和睦の使者》 1
ST2X-JP038 《強制脱出装置》 1
ST2X-JP039 《空中補給》 1
ST2X-JP040 《魔球の賄賂》 1
ST2X-JP041 《ザンブレイド・ドラゴン》 Ultra 1
ST2X-JP042 《テクノロギア・バスタード》 Super 1
ST2X-JP043 《ガトリング・ウルフ》 Super 1


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1章 邂逅編
1話 非日常との遭遇 & 2話 アームドフォーゼ


遊戯王は3年ごとに新作アニメと新召喚法が出てくるので、どんな感じかなぁと思って書いてみました。
召喚法は某所に投稿したやつを基にしています。
やっぱり、プレイヤーがモンスターとともにバトルするのって面白そうなんだよなぁ。

8/24 《ファイティング・デュエリスト》の効果の記載忘れを修正。主人公が引っ越して来た時期を1月前に変更。

11/5 変身→アームドフォーゼに変更。
1/25 後書きに世界観設定を追加。
2/4 決め台詞を追加。
9/26 遊士のデュエル描写を追加。


1話 非日常との遭遇

 

夕陽に照らされる2つの影。1つはガトリングが右腕に装着されているオオカミの毛皮を纏った怪人。もう1つは肩や額から角のような剣が生えた銀色のドラゴン。

 

「これは・・・どうしよう・・・」

 

俺、奥田遊士(おくだ・ゆうし)は目の前の人生崖っぷちのこの状況に泣き出しそうになっていた。

 

 

どうしてこうなった・・・。時間を戻してみてみよう。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

―在布市 在府スタジアム―

この日、遊士は同級生とともに前から楽しみにしていた1部リーグの試合を見に来ていた。

この都市のデュエルは遊士が去年まで住んでいた所とは違い、プレイヤーもモンスターと直接戦うスリリングなデュエルが繰り広げられる。デュエルを半ば引退した自分でもかなり衝撃的で、今や試合観戦するほどだ。

 

在府市は国からデュエルが発達した都市である決闘(デュエル)指定都市としてデュエルが発達した地域の1つとして位置づけられている。デュエルチームが大小合わせて300近くのチームがあり、専門のプロチームだけでなく、サークルや学生グループに果ては一般企業や近所の主婦もチームを作っている。

彼らは日夜、1部リーグへの昇格を目指して戦っているのだ。

特にこの在布スタジアムは、1部リーグのデュエルが行われる在布市中のデュエリスト達の憧れのステージである。

 

決闘指定都市の名に偽りはない。真っ昼間だというのにスタジアムは満員ですさまじい熱気に包まれている。ウェーブは3分に1回くらい起こるし、会場の音声はあんまり聞こえない。携帯ラジオとイヤホンを持ってきてよかったよホント。

 

 

「本日、最後の対戦カードはぁ!ユニティガーディアン ハクア選手、バーサス!チームRX 反場大剛(はんば・だいご)選手ゥ!」

 

スポットライトに2人の選手が照らしだされる。

 

「皆さんはもうご存知だが、解説だぁ。ハクア選手は自警組織、ユニティガーディアンに所属。銀髪碧眼の甘いマスク。多くの女性を虜にしてきたその顔は勝利の女神すらも微笑むのかぁ!対する反場大剛選手は恐竜デッキのデュエリストが集まるプロチーム、チームRXの副キャプテン!その瞳に映るのは獲物だけだぁ!」

 

 

「解説も相変わらずだなぁ」

 

意味不明な内容だが、これはテンションが上がる。実況の人、何て名前だっけ?そういやMCザックって書いてあったな。

またウェーブが起きてるし・・・。

 

「やっぱりハクアの女子人気はすげぇな。出てきてから黄色い歓声が鳴りやまねぇ」

 

そう話すのは友人の仲町悟(なかまち・さとる)。

 

「ところで悟、ハクアが所属してる"ユニティガーディアン"って何だ?聞いたことがある気がするんだけど」

 

「遊士、マジで知らねぇのか」

 

「聞き覚えはあるんだけど、俺はまだこっちに引っ越してからまだ1月だぞ?」

 

「それもそうだな。ユニティガーディアンはな、デュエルで街の平和を守ってる組織だ」

 

「デュエルで・・・、平和を守る?どういうこと?」

 

わけがわからない。

 

「そりゃ色々とさ。リアルソリッドビジョンを使った犯罪に立ち向かったりとかさ」

 

「はぁ」

 

納得するようなしないような。

 

「あー、後は都市伝説で謎の怪人と日夜戦ってるってのがあったな」

 

「なに?ユニティガーディアンって、正義の味方の一種なの?」

 

「制服っつーか、専用プレイヤーカードの"アームドナイト"が変身ヒーローっぽいんだよな」

 

悟がスマホに写して見せてくれたのは、全身を金属プロテクターで覆った姿。確かに変身ヒーローだ。怪人とも戦えそうである。

 

「おい、もう始まるぞ!」

 

見ると両選手ともデュエルディスクを構えていた。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「それではデュエル開始ィ!」

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

 

ハクアと反場はデュエルディスクに構えていた1枚のカードをデュエルディスクをライフゲージの真後ろにはめこむ。

 

【Set Player card】           

【Set Player card】 

 

デュエルディスクから電子音とともに光の直方体が飛び出て、身体を包みこむ。

 

 

【Accept!You are a Fighting Duelist!】 

【Accept!You are a Fighting Duelist!】

 

 

光が収まると、皮の軽鎧と手甲を装備した2人のデュエリストの姿があった。

 

 

 

《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:???

 

 

 

プレイヤーカード、これこそがこの街特有のデュエルシステム。プレイヤーをカードとして扱う事で攻撃力を持ち、モンスターとの戦闘を可能にする。更に特定の行動をとるたびにモンスターとの信頼の証であるユナイトカウンターを得ることができるのだ。

 

 

「おい、ハクアさんよぉ。俺相手に"アームドナイト"のカードは使わないっていうのか。随分余裕だなぁ」

 

「アレは犯罪者を取り締まるためのものでな。リアルダメージが出てしまう。市民を守る私達が市民を傷つけるわけにはいかない」

 

挑発に乗らず、前髪をファサッとかき上げ、余裕そうに闘志を秘めた瞳が反場を射抜く。

 

ちなみに、そのシーンはスタジオメインスクリーンにアップで写されている。黄色い声援が鳴り響き、気を失うものもいたとか。

 

 

 

「まあいい、俺のターン。魔法カード《化石調査》を発動!」(反場 ユナイトカウンター:0→1)

 

反場のデュエルディスクに橙色の光が1つ灯る。

 

【Search 1 Monster】

 

電子音が鳴り響くと、デッキから1枚のカードが飛び出し、大悟の手に収まった。

《俊足のギラザウルス》(レベル3 ATK1400)を特殊召喚!」

 

【Summoned Effect】

 

【Select 1 Graveyard Monster】

 

「先行1ターン目に相手の墓地にモンスターは存在しねぇ。よって効果は不発。だが、俺のユナイトカウンターは2つになる」(反場 ユナイトカウンター:1→2)

 

 

「そして、俺はユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・】

 

デュエルディスクに灯っていた2つの光が宙を舞い、オーロラに輝く円を描く。

 

 

【UNITE SUMMON】

 

 

EXデッキから反場は上半分がオレンジ、下半分は黄緑色のカードを取り出す。

 

「ユナイト召喚!現れろ!レベル4《ハンマー・アンキロ》(ATK1600)」

 

オーロラから現れたのは尾が槌になったアンキロサウルス。

 

ユナイトモンスター、それはプレイヤーカードが生み出すユナイトカウンターを使うことで亜空間より現われるモンスター。この街でのデュエルでは必須となるカード。

しかも、このカードの真価はまた別のところにある。

 

 

「フッ、召喚権を使わず、1枚のカード消費でモンスターを2体並べるか。さすがはチームRXの副キャプテン」

 

「驚くのはここからだ!俺は2体のモンスターをリリース!」

 

 

【ADVANCE SUMMON】

 

 

「アドバンス召喚!現われろレベル8《ジュラック・タイタン》(ATK3000)!更に墓地の恐竜族モンスターを2体を除外する。来い!レベル10《究極伝導恐獣》(ATK3500)」

 

赤と紫、2体の巨大なティラノサウルスが咆哮をあげる。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

「ハクア選手の圧倒的不利!耐性と妨害持ちの攻撃力3000オーバーが2体だぁ!この圧倒的な布陣をどう突破するのかぁ?!」

 

 

反場大剛

LP4000

場:《ジュラック・タイタン》、《究極伝導恐獣》、伏せカード1枚

プレイヤーカード:ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

 

 

「確かにすさまじい布陣だ。私のモンスターは《究極伝導恐獣》に裏守備にされ、《ジュラック・タイタン》はモンスター効果と罠効果を受けない。更に伏せカード。まるで地雷原を歩くようだな。私のターン」

 

【Draw】

 

「私は《月の書》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:0→1)

 

【Select 1 Monster】

 

ハクアのデュエルディスクから光の輪ー"セレクトライト"が飛び、紫色のティラノサウルスの足元に広がる。

 

【Reverse!】

 

次の瞬間、《究極伝導恐獣》がカードに封印され、裏返る。

 

「地雷を1つ除去というわけだ。続いて、《星因子ベガ》(レベル4 ATK1200)を召喚」

 

【Summoned Effect】  (ハクア ユナイトカウンター:1→2)

 

「更に、《星因子シャム》(レベル4 ATK1000)を特殊召喚」

 

【Summoned Effect】  (ハクア ユナイトカウンター:2→3)

 

【1000 Damage!】

 

 

2人目の天界の戦士から光の矢が大悟へ放たれた。

 

「ぐっ!」

 

反場大悟 LP4000→3000

 

 

「《ガーディアン・オブ・オーダー》(レベル8 ATK2500)を特殊召喚」

 

現われるのは大柄な騎士。

 

「《精神統一》を発動」

 

【Search 1 Card】(ハクア ユナイトカウンター:3→4)

 

 

「そして、私は2体のサテラナイトとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

デュエルディスクより放たれた4つの光がハクアの頭上でオーロラの円になり、ハクアへ放たれる。

 

「ユナイトイクイップ、偉大なる天界の戦機の力を我が元に!《タイタニック・チャンピオン》!」

 

ハクアに巨大なロボットのような黄金の腕が装着された。

これこそがユナイトモンスター、最大の特徴。プレイヤーとの合体能力ー『ユナイトイクイップ』。これにより、プレイヤーはモンスターと肩を並べて戦うことができるようになるのだ。

 

 

【UNITE EQUIP! Titanic Armor!】

 

 

ハクアATK0→3000→3500

 

 

「おおっと、ここでハクア選手のエースカード、《タイタニック・チャンピオン》の登場だぁ!過去のデータによると、このカードが出たデュエルの勝率は脅威の8割!」

 

 

《タイタニック・チャンピオン》

レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000

自分フィールドのカードまたは手札2枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。

ユナイト効果

①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る。

 

《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 

 

 

「来やがったか、《タイタニック・チャンピオン》!しかも《ファイティング・デュエリスト》の効果で攻撃力を高めていやがる。だが甘い。リバースカード《サンダ―・ブレイク》!」

 

【Select 1 Card】

 

ハクアにセレクトライトが迫る。

 

「甘いのはそちらだ。手札からトラップカード《レッドリブート》を発動」(ハクア ユナイトカウンター0→1)

 

ハクアLP4000→2000

 

【Chained Counter】

 

《サンダー・ブレイク》無効

 

 

「これで決める」

 

ハクアは左の拳を構え、爆炎とともに空へ舞い上がる。

 

【Player Attack!】

 

裏守備カードをハンマーの要領で打ちすえる。

 

【Effect】

 

「《タイタニック・チャンピオン》の効果!私はもう1度攻撃できる!」

 

【Player Attack 2nd!】

 

今度は右拳にブースターが点火し、赤いティラノサウルスの腹部を突き破った。

 

 

反場 LP3000→2500

 

 

「何ぃ!この布陣を突き崩すと言うのか!」

 

「これでとどめだ!《ガーディアン・オブ・オーダー》でダイレクトアタック!」

 

【LAST ATTACK!】

 

天の騎士の剣が大悟に殺到した。

 

 

反場 LP2500→0

 

 

「決まったぁー!勝者はユニティガーディアンのエース。ハクア選手だ―!」

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

会場内は興奮冷めやらぬ中、遊士と悟は先ほどの試合の話題で持ちきりだった。

「やっぱり、2人ともすげぇよ。あんなデュエルは俺には無理だ」

 

「ああ、しかもハクアは後攻1キル。しかも本当のプレイヤーカード使ってないんだろ。底知れねぇぜ」

 

「そうだよなー。それでもあんなに強ぇんだぜ。ユニティガーディアンはチーム同士で戦う場合は"アームドナイト"のカードを使うんだけど、他のチームと当たった場合は使わないんだよ。やっぱり噂通りなのかなぁ」

 

「噂って?」

 

「ああ、実は"アームドナイト"のカードってリアルダメージが発生するから使わないらしいぜ。」

 

「リアルダメージ発生って・・・犯罪に使う人もいるくらいだし、治安維持で使わない手はないもんなぁ」

 

そうかーと納得し、遊士は帰路に着いた。

 

 

夕方―――、

 

「全く帰って来て早々、お使いを頼まれるとは。もっと早く言ってくれたらなぁ・・・ってあれ?ここはどこだ?」

 

せっかくだからと近道を開拓しようとわき道にそれたのがまずかったか。

どうも道に迷ったらしい。

スマホをとりなしナビアプリを更新するとやはり、だいぶ道がそれていた。

元の道に戻ろうと、次の路地を曲がる。そして見てしまったのだ。

 

夕日に照らされた2つの異形の姿を・・・。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

2話 アームドフォーゼ

 

 

狼怪人と銀のドラゴン、俺と合う2つの視線に竦み上がる。

 

狼怪人はガチャンと左腕と一体化したガトリング砲を俺に向ける。

 

逃げないと・・・!

 

だが、脚はガタガタ鳴って1歩も動くことができない。

 

マズルフラッシュが眼を焼く中、ドラゴンが怪人を突き飛ばす―――、

 

 

 

「おい人間!ボサッとすんな!とっとと逃げろ!」

 

 

「しゃべった・・・!」

 

「ああん?!」

 

ギラリと光る大きな爪。なんか怒っている気がする。

 

とにかくここから離れないと。俺の手には負えない。

 

ダッと脇を走り抜けようとする。

 

その時、見えてしまったのだ。人が倒れているのを。

 

「助けないと!」

 

死ぬかもしれない・・・。俺だけ逃げるわけにはいかないだろ!

 

狼怪人の視界に入らないよう駆け寄る。

夕日に照らされて見えるのは肩まで伸びた銀髪に切れ長の睫毛。同年代の女の子だ。

 

その時再び、閃光が視界の端に映るのが見えた。

 

「しまった・・・!」

 

ガトリングの射線上に奔る巨大な影。

 

ドォン

 

「ガァアアア!まだ逃げてなかったのかよ!」

 

眼前には倒れ伏した剣のドラゴン。

 

「そんな、俺たちを庇って」

 

「ただのかすり傷だ。ったく、何やってんだよ、人間」

 

「さあな。勝手に体が動いただけだ。お前もだろうがよ」

 

「はっ、確かにな!」

 

「だろ?後、俺の名前は遊士だ」

 

「んなこと言ってる場合じゃねえだろ」

 

狼怪人はガトリング砲に鈍く輝かせながらノシノシとゆっくりと迫ってくる。

それは恐怖を煽るかのよう。

 

「仕方ねぇ。おい遊士。お前、デュエリストだろ。この状況から抜け出させてやる」

 

そう言うやいなやドラゴンが光と化し、俺のエクストラデッキケースに吸い込まれた。

 

デッキケースを開くと光り輝く1枚のカードが増えていた。

 

「《ザンブレイド・ドラゴン》、それがお前の名前なのか」

 

その時、頭から声が聞こえてきた。

 

『ああそうだ。プレイヤーカードも見てみろ』

 

「これは・・・!」

 

プレイヤーカードは全く新しいカードに変わっていた。

 

 

《アームドナイト ビリーバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。???

 

 

鋼でできた四肢に仮面。それは昼間、写真で見たあの姿に近いものだ。

 

「これはアームドナイトのプレイヤーカード・・・!」

 

『奴をデュエルで倒すぞ!』

 

「っ・・・!わかった、やってやろうじゃねぇか!」

 

 

【Set Player card】

 

デュエルディスクにプレイヤーカード、《アームドナイト ビリーバー》のカードをセットすると、光のキューブが全身を包む。

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

 

両手をまじまじと見ると銀色の装甲が全身を覆っていた。その姿はまるでテレビの中の絵空事の存在。

 

「まさか、こんな事が・・・!」

 

『信頼、ビリーバーか。なかなか粋な名前じゃねぇか』

 

呆然としていると《ザンブレイド・ドラゴン》の呼びかけでハッとする。

 

「俺の未来を刻んでみせる!」

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

 

「俺のターン!モンスターを1体セット、リバースカードを2枚セットしてターンエンド」

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000

手札3枚

場:セットモンスター1枚 リバースカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター0個

 

 

次は怪人のターンだ。

今にも問答無用で襲ってきそうな異形の体が手札を構えるデュエリストのような動きをとるなんて、なかなか奇妙な光景だと遊士は思った。

 

【Draw】

 

ガトリングの上面がパカッと開くとカードが飛び出る。続けざまガトリングに光が溜まり―――、

 

【Player Effect】

 

無機質な電子音がこだましながら、光弾が遊士を襲う。

 

アームドナイト ビリーバーLP4000→3500

 

「くっ、これは一体・・・!」

 

カードを出していないのに、いきなりダメージが来るなんてありえない。あまりの光景に目を見張る。

 

『あの"テラー"のプレイヤーカード効果だ。効果ダメージ持ちなんだろうな』

 

そんなのが存在するのかよ。

 

「そういや、"テラー"ってあの怪人の名前か!?」

 

『そうだ。俺達、カードの精霊がプレイヤーカードとくっついちまった存在だ』

 

「どういうことだよ、それ!?」

 

『話は後だ。奴が動くぞ』

 

"テラー"は獣のような手を器用に使い、ガトリングが変形したデュエルディスクにカードを置く。

 

【Summon】

 

《ビーストライカー》(レベル4 ATK1850)

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

《モジャ》(レベル1 ATK100)

 

「なんか、かわいいのが来たな」

 

怪人にマスコット、相当なミスマッチだ。

 

だが―――、

 

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

《キング・オブ・ビースト》(レベル7 ATK2500)

 

《モジャ》が光に包まれ、中から現れたのはおどろおどろしい化け物。

 

「怪人に化け物・・・。これはベストマッチってやつ・・・?」

 

『馬鹿な事を言ってる場合か!』

 

【Attack!】

 

《ビーストライカー》がセットカードに襲いかかる。

 

《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 DEF500)

 

「ちっ」

 

【Direct Attack!】

 

《キング・オブ・ビースト》の巨大な前足がズシンと頭上から槌の如く降り下ろされる。

 

「うわぁあああ・・・!」

 

アームドナイト ビリーバーLP3500→1000

 

あまりの衝撃に吹き飛ばされ揉んどりうってゴロゴロと転がる。

 

「さっきは気がつかなかったけど、リアルダメージありかよ・・・!」

 

キッと前を睨む。

その時―――!

 

【Player Attack!】

 

鋭い爪が眼前に迫る。

 

ウルフテラーATK500

 

「始めから攻撃力もあるのか!だけど攻撃力500。ならリバースカード《烈風の空牙団》!」

 

【Select 1 Monster】

 

【Effect Summon】(ビリーバー ユナイトカウンター0→1)

 

《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 DEF500)

 

「これ以上、ライフを削られる訳にはいかないな」

 

【Set 2 Cards】

 

【Turn End】

 

 

ウルフテラー

LP4000

手札2枚

場:《キング・オブ・ビースト》(ATK2500)、《ビーストライカー》(ATK1850)、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《ウルフテラー》ATK500

 

 

《ウルフテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

【Draw】

 

『なぜ《キング・オブ・ビースト》の攻撃で伏せカードを使わなかったんだ。ダメージをかなり減らす事ができただろう』

 

「このデッキは初動の1枚を止められるときついからな。召喚権を使ってない状態で空牙団モンスターを場に残したかったんだ」

 

ここまでのリアルダメージは予想外だったけど、と小さく呟く。

以前に使っていたデッキだったら、もっと楽だったんだろうが今はそう言っていられない。

いや、似たデッキタイプだからこそ、柔軟に対応できると思うべきか。

 

「ここからは戦闘ダメージを受けない。一気に畳み掛ける!《空牙団の飛哨 リコン》の効果を発動!」

 

【Summon 1 Monster】

 

しかし、

 

【Chain】

 

【Select 1 Monster】

 

【Invalid】

 

『む、《禁じられた聖杯》か!』

 

《空牙団の飛哨 リコン》効果無効

 

「やっぱりか。なら《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect】

【Search 1 Monster】

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「ラファールとブラーヴォの効果を発動」

 

【Effect】

【Search 1 Card】

【Attack Plus 500 Points】

 

《空牙団の剣士 ビート》ATK1300→1800

《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK1900→2400

《空牙団の英雄 ラファール》ATK2800→3300

 

サーチカード:《和睦の使者》

 

武器を携えた獣人や竜人達が一気に4体も並び立つ。

 

『この展開力。これを狙っていたのか!』

 

「そういうこと。だけど、まだ主役を呼んでないぜ」

 

 

『主役だと?まさか!』

 

 

 

俺は息を大きく吸い込むと、デュエルディスクに納められている4つのユナイトカウンターに触れる。頼んだぜ!

 

「俺は《空牙団の飛哨 リコン》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

オーロラ色の円から現れるのは、その身にいくつもの剣を宿したドラゴン。

 

 

【UNITE SUMMON】

 

 

「ユナイト召喚!戦場で勝鬨を上げろ!勇猛なる竜! レベル8《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

 

グォオオオ!

 

 

それは再び敵と見える歓喜の雄叫び。

 

「バトルだ。ラファールで《キング・オブ・ビースト》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

英雄の一刀のもとに化け物は瞬時に塵へと還る。

 

ウルフテラーLP4000→3300

 

「次はブラーヴォ!」

 

【Attack!】

 

十字に交差する鋼の爪が《ビーストライカー》を貫く。

 

 

ウルフテラーLP3300→2750

 

「モンスターは全て倒した。《ザンブレイド・ドラゴン》と《空牙団の剣士ビート》でダイレクトアタック」

 

【Direct Attack!】

 

 

『フッ、オレにトドメをさせ、というのか。これは粋な計らいだな!』

 

《ザンブレイド・ドラゴン》は額と両肩、3つの剣を相手に向けて突撃する。

 

 

【Tri Blade Charge】

 

だが―――、

 

【Effect】

 

《波紋のバリア ウェーブフォース》

 

【All Bounce!】

 

「そうきたか!トラップカード《撤収命令》!」

 

デッキに戻される前に4枚の空牙団モンスターを手札に回収する。

 

【Chain】

【All Self Bounce】

 

「更にチェーン。《ザンブレイド・ドラゴン》の効果!来い!」

 

《ザンブレイド・ドラゴン》に向かって手を伸ばす。

 

『おう!』

 

【Chain Equip】

 

《ザンブレイド・ドラゴン》はその体を大剣へと変形し、自分の元へ飛来する。

 

【Fatal Blade!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→2300

 

 

《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

自分フィールド上のカード1枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカード戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

 

「これが《ザンブレイド・ドラゴン》のユナイトイクイップ形態・・・」

 

ずっしりと感じる重み、それでも見た目よりかはずっと軽い。アームドナイトのカードの力で筋力が上がっているのだろうか。

自分は今まさにヒーローとして戦っているのだと、高揚感を覚える。

 

「いくぜ!」

 

柄をギュッと握りしめ、ウルフテラーに肉薄する。

生身ではありえない膂力。

 

【Player Direct Attack!】

 

「うおりゃああ!」

 

縦一閃!

 

ウルフテラーの叫び声と共に衝撃が手に伝わってくる。

 

ウルフテラー(ATK500)LP2750→950

 

「はぁはぁ、カードを1枚セットしてターンエンドだ!」

 

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP1000

手札0枚

場:リバースカード(和睦の使者)1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→2000 ユナイトカウンター0個

 

 

【Draw】

 

 

『これ程のデュエリストがこの町にまだいようとは。遊士・・・、お前は一体』

 

《ザンブレイド・ドラゴン》は遊士の実力に目を見張っていた。

かつて、この町で出会ったデュエリストの中でもかなりの実力者だ。

まだ若い筈だが相当な経験を積んでいるのが判る。こんな所にこれほどの逸材が隠れていようとは・・・。

 

遊士は答えようとするが、ウルフテラーが再びガトリング砲を解き放つ。

 

【Player Effect】

 

アームドナイト ビリーバーLP1000→500

 

「ぐっ」

 

ライフは最早、風前の灯火。このターンを凌いでも次に奴にターンが回れば敗北は確定する。

 

 

【Effect】

 

《エアーズロック・サンライズ》

 

【Select 1 Graveyard Monster】

 

【Revive!】

 

 

《キング・オブ・ビースト》(レベル7 ATK2500)

 

「またそいつか!」

 

【Release】

 

《キング・オブ・ビースト》は再び粒子となり、天に立ち上る。

 

 

【ADVANCE SUMMON】

 

 

《偉大魔獣ガーゼット》(レベル6 ATK0→5000)

 

「ここで攻撃力5000か、だが耐性はない」

 

空牙団には効果破壊能力持ちのカードがある。

 

【Effect】

 

《ガーディアンの力》

 

【Equip】

 

「耐性補強か・・・!」

 

これはまずい。

 

【Direct Attack!】

 

《偉大魔獣ガーゼット》 ATK5000→5500

《ガーディアンの力》魔力カウンター1

 

巨大な悪魔の腕が迫る。

 

「リバースカードオープン、《和睦の使者》!」

 

【Effect】

 

アームドナイト ビリーバーLP500→500

 

バリアが周囲に展開された。

 

【Turn End】

 

 

ウルフテラー

LP950

手札0枚

場:《偉大魔獣ガーゼット》 (ATK5500)《ガーディアンの力》(魔力カウンター1)

プレイヤーカード:《ウルフテラー》ATK500

 

中々きつい状況だ。1枚だけの効果破壊では足りず、打点も高い。効果ダメージ持ちのサジータはこの町では禁止カードに指定されているため、このデッキには入れていないのが悔やまれる。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

【Draw】

 

ドローカード:《空牙団の修練》

 

このカードでは状況を突破できない。どうすれば・・・!

 

『遊士、1つ手があるぞ。《アームドナイト ビリーバー》の効果をよく見てみろ!』

 

ユナイトカウンターをためる効果と攻撃力が300アップする効果以外に何かあったっけ?

さっきは指で隠していたようで、テキストの下の方を見るとまだ効果があるようだ。

この効果は・・・!

 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1300)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

【Effect】

【Search 1 Monster】

 

「《空牙団の参謀 シール》(レベル4 ATK1600)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「シールとブラーヴォの効果を発動」

 

【Effect】

【Revive 1 Monster】

【ATK Plus 500 Points】

 

《空牙団の剣士 ビート》ATK1300→1800

《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK1900→2400

《空牙団の参謀 シール》ATK1600→2100

 

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)をリコンの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

【Effect】

【Search 1 Card】

 

サーチカード:《速攻のかかし》

 

 

先程の展開を上回る5連続展開でユナイトカウンターを5個も貯めることに成功した。

そう、《アームドナイト ビリーバー》の最後のテキストはこう書いてあったのだ。

 

 

<④:デュエル中1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍にする。>

 

 

「さぁこいつで最後だ!」

 

デュエルディスクを滑らせるように触れると5つのユナイトカウンターが宙を舞う。

すると、ビリーバーの体から銀色のオーラが迸る。

 

【Player Effect】

 

【Invalid All Card!】

 

 

 

《偉大魔獣ガーゼット》 効果無効ATK5500→0

《ガーディアンの力》  効果無効

 

【Double Up!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→4600

 

 

「うぉおおおおお!」

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

銀色の光を纏った一撃がウルフテラーを貫き、爆発を起こした。

 

 

ウルフテラーLP950→0

 

 

ドォオオオン・・・!

 

 

「ムッチャ、爆発したけど大丈夫なんだろうか・・・」

 

脇には男性が倒れている。

 

『精霊が分離しただけで無事なはずだ』

 

確かに男性に傷は見当たらないし、呼吸しているのがわかる。

ホッと胸をなでおろすと、ヒラヒラと1枚のカードが飛んできた。

 

 

《ガトリング・ウルフ》

レベル3闇属性獣族・ユナイト・効果ATK1200 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードはリンク素材にできない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

 

 

どことなく、さっきのウルフテラーに似ているカードだ。

 

「って、オイ!こいつに触っても大丈夫なのか」

 

『さっきまでのはプレイヤーと融合して暴走していただけだ。このカードに憑いていた精霊は精霊界に戻っている』

 

「ならいいんだけど・・・。そうだ、さっきの子と合わせて警察に連絡を・・・」

 

 

女の子はどうなったのか、と後ろを振り返る―――――

 

 

 

そこには腕を組み、こちらを睨む仁王立ちした少女の姿。

 

「あー、悪い奴はやっつけたんだけど・・・」

 

あれ、もしかして俺、"アームドナイト"の姿だから怪しく思われてる?

普段はデュエルが終わると元に戻るんだけど、"アームドナイト"のカードはディスクから外さないと元に戻らないのかな?

 

「貴方。その"アームドナイト"のカードとドラゴンのカードを渡しなさい」

 

手帳のようなものを見せつけながら、冷ややかな声色で話す少女。

 

手帳には"UNITY GARDIAN"の文字が躍っている。

 

「え?」

 

『チ、今アイツらの所に行くわけにはいかねぇ。お断りだ!なぁ、"ビリーバー"!』

 

「え?え?」

 

「そう、抵抗するというのね。なら実力行使よ」

 

突如、獰猛な表情でデュエルディスクを構える少女。

 

【Set Player card】

 

盾のようにデュエルディスクが広がり、1枚のカードが差し込まれる。

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept!ARMED PHOSE!This is the Armed Knight HAKUA!】

 

花びらのような曲線で構成された純白のプロテクター。

 

「ハクアってまさか・・・!」

 

思わず、昼間の試合の華麗なカード捌きが想起される。

 

あいつ、男じゃなかったのかよ・・・!

 

「私の誇りに誓って、あなたを倒す!」

 

女の子を助けたと思ったら、その女の子に襲われた件・・・。

 

文字にすると羨ましいんだけどなぁ・・・。マジで何なん、この状況。

 




ノリと勢いで書いてみましたが、いかがでしたか。
評価や感想をお待ちしております。

以下にユナイトモンスターとプレイヤーカードの解説。

ユナイトモンスター
プレイヤーカードが生み出すユナイトカウンターをコストにしてEXデッキからモンスターゾーンに特殊召喚するか、プレイヤーカードに装備(ユナイト)できる。カード枠はペンデュラムモンスターのように上半分に装備カードとしての効果と上昇攻撃力が記載されている。プレイヤーに装備されているときはモンスターとしては扱わないため、《炸裂装甲》などのモンスターを破壊する効果を受けない。(6/19追記:裏守備やモンスターが受ける攻撃力の増減はできず、吸収もされない)

プレイヤーカード
旧ペンデュラムゾーン(もしくはEXモンスターゾーンの外側)にデュエル開始時から置くカード。0の攻撃力とユナイトカウンターを生み出す効果、EXデッキの召喚制限などの効果を持つ。カード枠は無色。プレイヤーカードは効果を無効化されず、フィールドから離れない。また、モンスターではないため、《炸裂装甲》などのモンスターを破壊する効果を受けない。

※プレイヤーの戦闘
プレイヤーが攻撃対象になる場合は、直接攻撃を受ける場合のみ。プレイヤーの攻撃力が相手モンスターより低ければ、プレイヤーと相手モンスターの攻撃力の差の分だけ戦闘ダメージを受ける。プレイヤーの攻撃力が相手より高ければ、モンスター同士の戦闘と同じように相手モンスターを戦闘破壊でき、戦闘ダメージを与えることができる。。プレイヤーが攻撃する場合はモンスターカードと同じ。プレイヤーカードが攻撃する場合、そのバトル中、自分はダメージを受けない。

※装備カードとしての扱い
プレイヤーカードの後ろに置いて装備する。プレイヤーの装備可能枚数は2枚。プレイヤーが攻撃されて戦闘ダメージを受けた時、装備カード扱いのユナイトモンスターは戦闘破壊される。

世界観設定
遊戯王VRAINSと同じ世界。Den-Cityとは距離が離れている。
遊戯王(初代~ARC-V)までアニメになっていない設定


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3話 白亜の決闘者

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
お気に入り登録してくださった皆さまありがとうございます。

始めの回が1話と2話両方になっていますので、これは3話となります。


眼前には雪のような純白の装甲を纏った女の子ー否、“アームドナイト ハクア”の姿。

 

 

《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:???

 

 

私の誇りに誓って、あなたを倒す!」

 

構えたデュエルディスクはまるで喉元に突き付けられたナイフのようだ。

 

倒れた男の人はハクアが連れてくだろうし、何とか逃げれないか、と思考を巡らす。

 

 

すると―――、

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「な!デュエルディスクが対戦モードに・・・!」

 

しかも、周囲に光の円が檻のように展開されている・・・!

 

「私達のデュエルディスクは犯罪者逃亡防止用に強制デュエルモードとサドンデスシステムがついていてね。私を倒さなければここから出られないぞ」

 

「俺は犯罪者扱いかよ・・・」

 

ぜってー、仮面の下でイケメンスマイルしてやがる。女だったけどな!

 

『やるぞ、ビリーバー!』

 

「こうなったらやるしかない!俺のターン、《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1300)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

 

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

 

 

「《空牙団の叡智 ウィズ》(レベル7 DEF2700)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

 

 

【Effect】

 

【Search 1 Monster】

 

 

 

「《空牙団の英雄 ラファール》を手札に加える。そして、魔法カード《ユナイト・セーブ》を発動!」

 

 

【Effect】(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)

 

【Select 1 Monster】

 

 

《空牙団の剣士 ビート》の下にセレクトライトが広がる。

 

 

《ユナイト・セーブ》

速攻魔法

①:自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを手札に戻し、プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個のせる。

②:?

 

【Bounce!】

 

《空牙団の剣士 ビート》→手札

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド」

 

遊士の脳裏にはハクアの鉄腕が強大なモンスター達を殴り倒している姿を思い出す。

あの圧倒的な攻撃を凌ぎきらないと・・・。

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000

手札3枚

場:《空牙団の叡智 ウィズ》(レベル7 DEF2700) リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター3個

 

 

 

「私はそのドラゴンを回収に来た。奴はユニティガーディアンの管理下に置かれていたカードだ。それを貴様が盗んだというならば、容赦はしない!私のターン、ドロー!」

 

「はぁ?俺が盗んだぁ?」

 

おい、待てどういうことだ。と《ザンブレイド・ドラゴン》にこそっと呟く。

 

『うむ・・・。急に力が湧いてきた、と思ったら実体化できてな。飛び出してみた、というわけだ』

 

ノリかよ、こいつ。

 

「"ザンブ"、俺、お前を渡していいかな?」

 

『我が偉大なる名前を訳すな。ここまで来て戻るわけにはいかないのだ。それに、俺を起動できた以上、貴様もただでは済まないはずだぞ』

 

このままだと犯罪者+実験被験者みたいな二重苦かよ・・・。

 

 

「何をごちゃごちゃ話している?私は《星因子デネブ》(レベル4 ATK1500)を召喚」

 

 

【Summoned Effect】  (ハクア ユナイトカウンター:0→1)

 

【Search 1 Monster】 

 

 

「《星因子 アルタイル》を手札に加える。そして、魔法カード《二重召喚》を発動」(ハクア ユナイトカウンター:1→2)

 

一気に展開する気か。

 

「それはさせない!ラファールを捨て、ウィズの効果を発動!」

 

【Chained Effect】

 

《二重召喚》→無効

 

「では《増援》を発動」(ハクア ユナイトカウンター:2→3)

 

【Search 1 Monster】

 

「手札に加えた《トラブル・ダイバー》を自身の効果で特殊召喚」 

 

【Summon】

 

「更に、《光の援軍》を発動!」

 

【Effect】

 

墓地へ送られたカード:《トワイライトロード・ジェネラル ジェイン》、《星因士 ウヌク》、《ガーディアン・オブ・オーダー》

 

【Search 1 Monster】

 

「《ライトロード・アサシン ライデン》を手札に加える」

 

「しまった!手札のモンスターはアルタイルしかいなかったのか!」

 

「フッ、そういうことだ。《二重召喚》はブラフだ。私の手元に下の英雄を呼び出す手筈が整った!私は2体のモンスターとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

4つの光がゲートを作りだす。

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

【UNITE SUMMON】

 

 

「ユナイト召喚!現れろ!常勝無敗!偉大なる天界の戦機!レベル8《タイタニック・チャンピオン》!」

 

 

『少年、その意志を見極めさせてもらおう』

 

現出するは異界の拳闘士。強者特有のオーラを発するソレにビリーバーは身構える。

 

 

「そして、墓地から光属性モンスターと闇属性モンスターを1枚ずつゲームから除外」

 

《ガーディアン・オブ・オーダー》、《トラブル・ダイバー》→除外

 

「伝説の超戦士よ、今ここに現れろ!特殊召喚!レベル8《カオス・ソルジャー -開闢の使者》(ATK3000)!」

 

【Summon】

 

「《カオス・ソルジャー -開闢の使者》だってぇ!」

 

世界に50枚位しかない最上級(ロイヤルクラス)のレアカード。

まさか、実物を拝める日が来ようとは。だが、この状況は泣きっ面に蜂。

 

「"アームドナイト"だから少しは骨があると思ったがこれまでのようだな。《カオス・ソルジャー -開闢の使者》で《空牙団の叡智ウィズ》を攻撃!」

 

【Chaos Blade!】

 

開闢には連続攻撃能力があったはず。なら!

 

「リバースカードオープン!《ブレイクスルー・スキル》!」

 

【Chain Invalid】

 

《カオス・ソルジャー -開闢の使者》→効果無効

 

「ほぅ、連続攻撃を防いできたか。だが、此方もだ!」

 

【Chain Draw】

 

『ぬぅん!』

 

《タイタニック・チャンピオン》が拳同士を打ちつけると、光がハクアのデッキへ届く。

 

「《タイタニック・チャンピオン》はバトル中に相手が効果を発動する度、私はカードをドローできるのさ。最も私の手札が3枚になるまでだけどね」

 

ハクア:手札1→2枚、ユナイトカウンター0→1

 

「くっ」

 

「これで貴様を守る盾はいない。《タイタニック・チャンピオン》!」

 

【Direct Attack!】

 

 

『ゆくぞ少年、我が一撃を受けよ!』

 

【The Impact!】

 

 

衝撃波とともに流星のような勢いの巨人の一撃が放たれた。

 

「ぐわぁあああ!」

 

ドォオオオン!

 

ビリーバーは壁に叩きつけられ、咳き込んだ。

 

ビリーバーLP5000→2000

 

『ビリーバー!無事か!』

 

「ってえ!」

 

『奴は精霊界、最強クラスの拳闘士。直撃ではないとはいえ、かなりの衝撃の筈だ』

 

道理でアーマーがあってもヤバい訳だ。

 

『ほぅ、あの一撃を受けても立ち上がるとは。中々やるではないか』

 

「何を敵を褒めている。私はカードを1枚セットして、ターンを終了する」

 

 

アームドナイト ハクア LP4000

場:《タイタニック・チャンピオン》(ATK3000)、《カオス・ソルジャー -開闢の使者》(ATK3000)、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》ATK0、ユナイトカウンター1個

手札:1枚

 

 

 

「けっこうライフを削られたな。だがここからだ!俺のターン!ドロー!」

 

【Draw】

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK500)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を特殊召喚!《空牙団の飛哨 リコン》の効果!セットカードを破壊」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

【Effect】

 

【Select 1 Card】

 

「甘いぞ、リバースカードオープン!《ユナイト・ウェポナイズ》!」(ハクア:ユナイトカウンター1→2)

 

 

《ユナイト・ウェポナイズ》

通常罠

①:自分フィールド上のユナイトモンスター1体をゲームから除外して発動する。発動時に除外したユナイトモンスターをプレイヤーに装備する。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。

この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。

 

【Chain Equip!】

 

《タイタニック・チャンピオン》がアーマーへと変形していく。

 

【Titanic Armor!】

 

 

アーマーがハクアに装着され、巨大な双腕が露になる。

デュエルディスクは分離し、ハクアを守るように浮遊する。

 

ハクアATK400→3400

 

「攻撃力3400?《タイタニック・チャンピオン》の上昇値は3000のはず。そうか、プレイヤー効果か」

 

「その通り。《アームドナイト ハクア》は相手ターンかライフが初期ライフの半分以下の場合、攻撃力が400アップするのだ」

 

「妨害カードじゃなかったか、ちょうど良い。このまま、突っ切る!ビートの効果を発動!」

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

 

「《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル2 DEF2000)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

【Effect】

 

【Search 1 Monster】

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を手札に加え、ヘルマーの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:5→6)

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「更にヘルマーとラファールの効果を発動」

 

【Effect】

 

【Draw and Search 1 Card】

 

 

ビリーバー:手札2→4

 

サーチカード:《ユナイト・フォース》

 

 

「よし、魔法カード《ユナイト・フォース》を発動!」

 

 

《ユナイト・フォース》

通常魔法

①:プレイヤーと自分フィールド上の全てのモンスターはターン終了時まで、自分フィールド上のカードの枚数と自分のユナイトカウンター数の合計×100ポイント、攻撃力がアップする。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。

この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。

 

 

【Attack Plus 1100 Points】

 

 

《空牙団の剣士 ビート》ATK1200→2300

《空牙団の英雄 ラファール》ATK2800→3900

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→1400

 

 

「まだまだ行くぜ!ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!来い《ガトリング・ウルフ》!」

 

光のゲートから現れたのはガトリング砲。

 

【Beast Gatlinger!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK1400→1900

 

 

「《ガトリング・ウルフ》の効果だ!喰らえ!」

 

【Effect 500 Damages!】

 

無数の光弾が驟雨のようにハクアに降り注いだ。

 

 

「ムッ」

 

ハクアLP4000→3500

 

よし、初ダメージ。

残りのユナイトカウンターは4つ。

 

 

「行くぜ相棒!俺は《空牙団の飛哨 リコン》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「まさか!」

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

 

「連続ユナイトイクイップだと!」

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK1900→3900

 

銀の大剣とガトリング砲、時代錯誤が甚だしい風体。

正にデュエルモンスターズだからこその超オフェンシブスタイル。 

 

 

「《空牙団の英雄ラファール》で《カオス・ソルジャー -開闢の使者》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

 

ハクアLP3500→2400

 

 

「くっ!」

 

ここからは決闘者(デュエリスト)同士の真っ向勝負!

 

「いくぜっ!」

 

 

【Player Direct Attack!】

 

 

ガトリングでけん制しつつ、巨大な拳が振り回せない懐まで正面から一息に飛び込む。

 

「っ・・・!」

 

アームで防御するが遅い!

 

袈裟斬りにアームごと切り払った。

 

「はぁっ!」

 

ハクアLP2400→1600

 

 

『ぬぅ。この太刀筋は・・・』

 

《タイタニック・チャンピオン》を模したアーマーはボロボロとひびが入るように崩れてきている。

プレイヤーが攻撃されて、戦闘ダメージを負った場合、装備されていたユナイトモンスターは全て、戦闘破壊される。直接攻撃のチャンスだ。

 

視線を送ると、子犬の剣士はこくりと頷く。

よし、後はビートのダイレクトアタックで・・・。

 

 

 

その時―――、

 

ハクアのデュエルディスクからオレンジ色の光が飛び出し、アーマーに降り注ぐと崩壊が止まり、元の姿を取り戻した。

 

「まさかここまで追いつめられるとはな。《アームドナイト ハクア》の効果。自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、1ターンに1度だけ、破壊を無効にすることができる」

 

ハクア:ユナイトカウンター2→1

 

 

《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:1ターンに1度、自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードのユナイトカウンターを1つ取り除くことができる。

 

 

「くそっ!カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP2000

手札0枚

場:《空牙団の英雄 ラファール》(ATK2800)、《空牙団の剣士 ビート》(ATK1200)、《空牙団の舵手 ヘルマー》(DEF2000) リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK4200→2800 ユナイトカウンター0個



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4話 更なる脅威

一進一退の攻防を繰り広げるビリーバーとハクアのデュエル、それはハクアのデュエルディスクを通して、ユニティガーディアン本部にも映し出されていた。

 

 

―ユニティガーディアン 司令室ー

 

 

「ハクアがここまでおされるとはな。奴は何者だ?」

 

そう言うのは"ユニティガーディアン"、局長 片桐蓮斗(かたぎり・れんと)。その厳つい風貌から放たれる静かな圧が事態の深刻性を物語る。"アームドナイト"のカードは選ばれた者しか持てない不世出のモノ。組織外の手に渡ってはいけないのだ。

 

「調べました。使用カテゴリ【空牙団】。使用者は80名程。ですが、彼女を追い詰める程の練度となると、少なくとも、1部リーグクラスの実力者です。1部リーグに在籍している者の中に【空牙団】の使用者はいません」

 

モニターにはNo Dataの文字。

 

「正体不明という訳だね。これ程の存在がいようとは決闘者(デュエリスト)としては中々、心が踊るね」

そう飄々と話す優男は光導翼(こうどう・つばさ)。かつて、最強の"アームドナイト"と呼ばれていた天使族デッキの使い手。

"テラー"の最高幹部が一斉に襲来した際、その1人を打ち倒す戦果を挙げている。しかしその時のデュエルが元で大怪我を負ってしまい、未だに戦線からは復帰できていない。

 

「副局長代理」

 

片桐の静かな叱責に肩を竦める翼。

 

「局長、すみません。決闘者の性です。それにジンも、そう思っていると思いますよ」

 

翼のすぐ横には紫色の忍者装束を纏った男性の姿が。

 

「拙者は影故、ただ黙するのみ」

 

その言葉に茫然となる片桐を含む一同。

特に呼びかけた翼が。

 

「どうしたの、ジン?なんか変・・・」

 

「んー、なんか深刻な雰囲気だったからキャラ変してみたんだけど、いまいちでしたかねー」

 

重苦しい空気が一気に霧散する。

この軽いノリ、彼こそが忍者の癖にユニティガーディアン1のムードメーカー、"アームドナイト シジュ"のジンである。

 

「まー、興味深い存在だとは思いますよ。"アームドナイト"になれている以上、一向に契約者が見つからなかったあの気難しい《ザンブレイド・ドラゴン》と友好関係を築いている訳ですから。仲間にしちゃった方が丸くおさまると思うんすけどねー。それに一応、ハクア-アイナちゃんを追い詰めてますし、実力的にも申し分ないと思いますよー」

 

「ふむ。先にスカウトするのもありか」

 

その言葉に思案顔になる片桐。

 

「凍也も良一も非番ですから、俺が行きますよ。アイナちゃん放っとくと関係拗れちゃいますし」

 

「ジン、頼んだぞ」

 

あいよーと返事をするとジンはその場からドロンと消え失せた。

 

ジンの周りを引っ掻き回す言動に一同は自然と溜め息が出る。

その時―――、

 

ビービービー!!

 

突然の緊急警報にオペレーターが反応する。

 

「"テラー"出現反応あり!この反応は幹部級・・・!"マスターテラー"です!」

 

「馬鹿な!まさか!」

 

ジン、間に合ってくれ。

 

片桐は両の拳を握りこんだ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

その少し前

 

司令室を後にしたジンこと、仲町仁(なかまち・ひとし)はマスクの下で肝を冷やしていた。

何故なら―――、

 

「【空牙団】デッキであの実力、それにあの声。我が弟の友人の遊士クンじゃん」

 

世間、狭っ!

(さとる)が『スゲー強いやつが転校してきた。自分のチームに入れてみせる』とか言ってた意味が改めて分かる。俺が見た時も悟をボコボコにしてたもんな・・・。

 

あの時、動揺を誤魔化せて良かったぜ。追及されてたら危なかった。

 

さぁて、日常を整えてきますかね。

 

―――――――――――――――――――――――

 

「フッ、ここまで私のライフを削るとは。どうやら貴様を侮っていたようだ。私のターン!」

 

『あー、ハクア。さっきの斬撃を受けて思うんだが、コイツ、悪い奴じゃ・・・』

 

【Draw】

 

《タイタニック・チャンピオン》が言いかけるがハクアは頭に血が上っているようで話を聞いていない。

 

「墓地から《ユナイト・ウェポナイズ》を除外して、その効果を発動!ユナイトカウンターを1つ増やす」

 

ハクア ユナイトカウンター:1→2

 

「《星因子 アルタイル》を召喚し、効果を発動!」(ハクア:ユナイトカウンター:2→3)

 

【Summoned Effect】

 

「手札の《空牙団の伝令 フィロ》を捨て、ラファールの効果を発動!《星因子 アルタイル》の効果を無効にする!」

 

【Chain!】

 

《星因子 アルタイル》→効果無効

 

 

「フン、ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ宿れ!《レーザー・ファルコン》!」

 

光のゲートからハクアの頭上に舞い降りたのは、光輝く翼の浮遊砲台。

 

【Feather Ray!】

 

 

《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→4500

 

 

「攻撃力4500の2回攻撃・・・!」

 

ちらりとセットカードを見やる。

これは耐えきれるのか・・・。

 

その時――――、

 

ヒュルルル・・・・  ドゴォオオオン!

 

辺りに衝撃波がまき散らされ、砂埃が舞う。

 

砂埃が晴れた先にいたのは2人の人影。

 

1人は亀の怪人。もう1人はサングラスをかけたホストのようなスーツ姿の男。

 

男はサングラスをずらし、口を開く。

 

「随分おもしろそうなことやってんじゃねぇか、ああ?!」

 

背筋に悪寒がはしる。こいつは間違いなく、さっきのテラーよりも数段マズい・・・。

 

「貴様は・・・!まさか?!」

 

そいつはサングラスを外すと、皮膚が赤黒く変色し、蛇をあしらった怪人へと変化する

 

「そうさ、俺様は四魔侯が1人。"蝕毒(しょくどく)のヒュドボロス"!せいぜい嬲られてくれや!」

 

鼓動がドラムのように脈動を刻む。

 

『ビリーバー、呑まれるな!』

 

「くっ、ここは一時休戦だ!蝕毒のヒュドボロスよ。私が相手だ!」

 

「はっ、いいぜ、そっちの震えている奴はコイツが相手をしてやる!」

 

ヒュドボロスがは亀の怪人の肩にポンと手を置く。

 

『ヒヒ、ヒュドボロス様。やってしまってもいいんで?』

 

「俺1人でやっちまったら悪ィからな。子分には分け前を与えねぇとな」

 

『感謝します。小僧、この"タートルテラー"様が相手だ!』

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

『小僧、下級テラーを倒していい気になっているようだが、オレは中級テラー、一捻りにしてやるぜ!オレのターン!』

 

挑発を受けてもビリーバーは俯いたまま。

 

『オレは《番兵ゴーレム》を召喚。更に魔法カード《トランスターン》を発動だぁ!』

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「現れろ!《クリオスフィンクス》!」

 

門に手足が生えたゴーレムが粒子へと変わり、中からスフィンクスが現れた。

 

『圧倒的な力を見せてやる!《クリオスフィンクス》をリリースし、姿を現せ!レベル8《守護神エクゾート》(DEF4000)!』

 

伝説のエクゾディアを模したモンスターが大地に降り立つ。

 

『言葉も出ないか!オレはカードを2枚セットして、ターンエンド』

 

【Turn End】

 

 

タートルテラー

LP4000

手札0枚

場:《守護神エクゾード》(DEF4000)、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《タートルテラー》ATK600

 

 

 

『ビリーバー、しっかりしろ!』

 

ビリーバーは大きく息を吐くと顔を上げる。

 

「あー、ったく!どいつもこいつも!」

 

ビリーバー‐遊士は決して怯えてはいない。その瞳には怒りが宿っていた。

 

「ザンブ、それからそこの亀、俺が1番気に入らないものを教えてやる!それは弱者に思われることだ!俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

『スタンバイフェイズ時に《バトルマニア》を発動!貴様はこのターン、攻撃しなければならない!』

 

【Effect】

 

「それがどうした!《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の伝令 フィロ》(レベル1 DEF0)を特殊召喚!リコンの効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

【Select 1 Card】

 

【Destroy!】 

 

『甘い!対象となったリバースカードオープン!《D2シールド》!エクゾードの守備力は8000となる!』

 

《守護神エクゾード》DEF4000→8000

 

『更にオレがいる限り、相手はバトルフェイズをスキップできず、1ターンに1度、次のドローを放棄することで、フィールドのカードは破壊されない!これで貴様は袋の中の鼡だ!』

 

 

《タートルテラー》

プレイヤーカード ATK600

①:1ターンに1度、自分フィールド上のモンスターはカードの効果では破壊されない。この効果を適用した次のターンの自分のドローフェイズをスキップする。

②:相手はバトルフェイズをスキップできない。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

「随分と穴だらけな戦術だな!《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル2 DEF2000)を特殊召喚!更に《空牙団の参謀シール》を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3→4)

 

 

【Effect】

 

【Draw】

 

「ヘルマーの効果で《空牙団の豪傑 ダイナ》を捨ててドロー、《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!その効果でダイナを回収する」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

ビリーバー:手札1→2

 

『随分と雑魚を並べたなぁ!それがどおしたぁ!』

 

「俺はカードを1枚セット。セットカードとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

ビリーバーATK300→2300

 

 

「行くぜ、俺は魔法カード《ユナイトイベント―勇猛果敢》を発動。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、その数までユナイトカウンターをのせる!」

 

ビリーバー ユナイトカウンター:1→6、手札1→6

 

 

《ユナイトイベント―勇猛果敢》

通常魔法

①:このカードはプレイヤーがユナイトモンスターを装備している場合のみ、発動することができる。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、手札に戻したカードの枚数まで自分プレイヤーカードにユナイトカウンターをのせる。

 

 

「俺はユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ! 《トリック・スネーク》!」

 

【UNITE EQUIP! Tric Whip!】

 

ビリーバーATK2300→2500

 

「手札を1枚捨て、《トリック・スネーク》の効果を発動!」

 

【Effect!】

 

《守護神エクゾード》DEF8000→ATK0

 

 

《トリック・スネーク》

レベル1水属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK200 DEF300/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手はデッキからカードを1枚ドローする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動することができる。そのモンスターの表示形式を変更する。

 

 

『何だとぉ!』

 

「こいつで最後だ!」

 

 

デュエルディスクを滑らせるように触れ、5つのユナイトカウンターを解放すると、ビリーバーの体から銀色のオーラがフィールドに迸る。

 

 

【Player Effect】

 

【Invalid All Card!】

 

 

【Double Up!】

 

ビリーバーATK2500→5000

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

銀色の一閃が闇夜を切り裂いた!

 

『こんな小僧にあっさり負けるとは・・・!そんな馬鹿なぁあああああ!』

 

タートルテラーLP4000→0

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

その銀色の閃光はハクア達の所にも届いていた。

 

 

「この光は・・・?!」

 

「チ、あの野郎負けやがったか、ったく使えねぇなぁ」

 

ぼやきながらも口元に笑みを浮かべるヒュドボロス。

 

「少しは楽しめたぜ。お前をやったら次はアイツだな」

 

2本の黒色の短剣を弄びながら銀色の光の方を見やる。

 

 

四恐侯 蝕毒のヒュドボロス

LP3000

手札2枚

場:リバースカード2枚

プレイヤーカード:《マスターテラー:ヒュドボロス》ATK2800、《カースド・ナイト》(装備ATK+900)×2

 

 

《マスターテラー:ヒュドボロス》

プレイヤーカード ATK1000

①:デュエル開始時、自分は500ポイントライフを失う。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分フィールド上のカード1枚か手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上の表側表示モンスター1体までを選択して発動する。そのモンスターはターン終了時までモンスター効果が無効になり、攻撃力と守備力が300ポイントダウンする。このカードにユナイトカウンターを2つのせる。この効果はお互いのターンのバトルフェイズにのみ発動することができる。

 

《カースド・ナイト》

レベル3闇属性戦士族・ユナイト・効果ATK900DEF1200/装備ATK+900

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚した次の自分のスタンバイフェイズ時まで、自分フィールド上の闇属性以外のモンスターの攻撃力は300ダウンする。

ユナイト効果

①:このカードがフィールド上に存在する限り、相手プレイヤーと相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力と守備力は300ダウンする。

 

 

 

アームドナイト ハクア LP1000

場:なし

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》ATK400→0、ユナイトカウンター2個

手札:2枚

 

 

「まだ終わってはいない!私のターン!」

 

【Draw】

 

「《精神統一》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect】

【Search 1Card】

 

「魔法カード《ユナイト・リバイブ》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect】

【Select 1 Monster】

 

 

《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:プレイヤーが装備していない場合のみ、自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「《タイタニック・チャンピオン》を装備!」

 

【Equip!Titanic Armor!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK0→2800(ATK600ダウン)

 

 

「随分と弱体化してるなぁ!そんなんじゃ俺には届かないぜ!」

 

嘲るヒュドボロス。

 

「それはどうかな?私はこの一撃にかける!ユナイトカウンターを4つ取り除き、《The White Arcanum》を発・・・」

 

 

「はい、ちょっと待った。ハクアちゃんストーップ」

 

カードを持ったハクアの腕をガシッと掴む忍装束の男性の腕。

 

 

《The White Arcanum》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。

①:このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ハクア》でユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを4個取り除いて発動する。???

 

 

 

「「貴様・・・!」」

 

「ワーオ、敵味方から同じ事言われるなんて初めての経験だね。俺はハクアちゃんと新参者の子を連れ戻しにきただけだよ。それにヒュドボロスさんも1対3はきついでしょ」

 

「は、雑魚が!言わせておけば調子にのりやがって!」

 

ヒュドボロスは怒気とともに更に殺気を纏う。

 

しかし、

 

『ヒュドボロス、遊びは止めてそろそろ戻りなさい』

 

ヒュドボロスのデュエルディスクから聞こえるのは機械のように平坦な女性の声。

 

『"ティアフィネル"か。俺に指図するんじゃねぇ』

 

はぁ、と溜め息が漏れる。

 

『あなたなら全力を出せば何とかなると思いますが、今はその時ではありません。特にその男はあの創世期から生きる大怪鳥の契約者。何をしてくるかわかりませんよ』

 

ヒュドボロスは怒りを抑えるかのようにガンと床を砕く。

 

『仕方ねぇ、今回は勝負を預けた。精々震えてやがれ!』

 

 

ヒュドボロスの周囲に魔方陣が展開されると、次の瞬間何事もなかったかのように消え去っていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ハクア-白砂(しらすな)アイナはアームドナイトのカードを無言でデュエルディスクから取り出して元の姿に戻ると、おもむろにジンの脛を蹴りつける。

 

「よっ、と。イライラするのは分かるけどさ。多分、アレでは削りきれなかったと思うよ」

 

半歩ずれるだけでキックを避けたジンはあの攻防をそう評した。

 

「むぅ」

 

「それにさ、あの《ザンブレイド・ドラゴン》はビリーバーくんと共に保護する事に決まったんだ。けどアイナちゃんがボコボコにしてたから、彼けっこう警戒しちゃったんだよね」

 

「何が言いたいんですか」

 

『アイナ、だからこそ俺も闘いを一旦、止めるよう言おうとしたんだが。彼の斬撃は悪意など微塵も感じられなかったのだから』

 

「バトルマニアは黙っていてください」

 

で、と話の続きをジンに促す。

 

「逃がしちゃったw」

 

「は?貴方こそ、何をやってるんですか!」

 

「ジン先輩って呼んで!要するにあのままだと警戒しっぱなしだから、まずは信頼関係を上げとこうと思ってさ。ピンチに颯爽と登場したりして良い感じになってきたところで勧誘しようという作戦さ」

 

アイナははぁ、と溜め息をつく。

 

「それならジン・・・先輩が始末書を書くべきですね」

 

「マジで先輩って呼んでくれた!俺、始末書がんばって書くわ!あ、アイナちゃんの分の報告書も書こうか?」

 

「・・・」

 

――――――――――――――――――――――――

 

銀色の一閃がタートルテラーを爆散させた頃に戻る。

 

「何とか倒せたぜ」

 

遊士は、変身を解除すると落ちていたカードを拾う。

 

 

《キャノン・トータス》

レベル6炎属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK1300 DEF2300/装備ATK+2000

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1ターンに1度、戦闘またはカードの効果で破壊されない。

ユナイト効果

①:なし

 

 

『遊士・・・、お前』

 

「さっきのあれか。俺、引っ越すちょっと前までヤンチャしててさ。見下されるっていうかなんつーか、モヤモヤしちゃうとあの頃みたいにキレちゃうみたいなんだよな。デュエルだと、特にさ。だからこそ、あんまりデュエルしないようにしてたんだけど」

 

『そうか・・・』

 

そこへ―――、

 

 

 

「とぅ、我が名はジン。貴殿がビリーバーか?」

 

スタッと勢いよく着地したのは紫色の忍者。

 

「えっ、忍者マジで?!」

 

『そうじゃないだろ、追っ手だと思うぞ』

 

「お兄さん、そこは『アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?』って言って欲しかったんだけど」

 

随分と軽いノリの忍者がいたもんだなぁ。

だけど、アームドナイトの事を知っていると言うことはあの人もユニティガーディアンの筈。気を引き締めないと。

 

「アンタもユニティガーディアンなんだろ、俺達を捕まえにきたのか」

 

「ノンノン、できれば任意同行してもらいたいところだけど。今日のところはいいや。一応、挨拶さ。弟の友人にね」

 

弟の友人?何を言ってるんだ、と思うや忍者は自らマスクを脱ぐ。

 

(ひとし)さん?!仲町(なかまち)のお兄さん!」

 

昼間に試合を一緒にみた友人、仲町(さとる)の兄だ。前に仲町の家で見たことがある。ユニティガーディアンだったのか。

 

「そう言うことだ、遊士くん。今日はとにかく帰りなよ。明日、俺ん家に来てくれ。色々教えてやるからさ」

 

ほいよ、と買い物袋も渡してくれると、仁さんは霞のように消えていった。

 

「仁さん、良い人だわ」

 

『懐柔されるの、早くないか・・・』

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

―ユニティガーディアン・副局長室―

 

「ご苦労だったね。ジン」

 

椅子にゆったりともたれかかるのは、光導翼 副局長代理。

 

「ビリーバーと接触した。《ザンブレイド・ドラゴン》はかなり彼になついているようだ」

 

「これで5人の"アームドナイト"が揃った。ようやく始まる、楽しみになってきた、そうだろ、ジン。それにティア」

 

翼のPCのモニターには、ヒュドボロスから"ティアフィネル"と呼ばれた青い髪の女性の姿。

 

「ええ」

 

「拙者は影故、ただ黙するのみ」



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5話前半 仁の話・上

お待たせしました。今話は説明回です。

名もなきA・弐さん、レクターさん、感想ありがとうございます。
多分人間さん、ガラクータさん、名もなきA・弐さん、きぜすさん、赤尾さん、九咲さん、ヴァイトさん、お気に入り登録ありがとうございます。


―在布市郊外 住宅街-

 

『ここか?』

 

「ああ、ココがジン、いや(ひとし)さんの家だ」

 

激動の夜から一夜明けた今日。遊士と《ザンブレイド・ドラゴン》は仲町仁の元を訪れていた。

 

「今日が日曜で良かった。昼間はみんな"デュエルタイム"で繁華街の方にいるからな」

 

在布(ざいふ)市は毎週の土日の昼間、下部リーグ戦が繁華街中で繰り広げられている。

街の至るところに"デュエル領域(スクエア)"が展開されていて、初めて見た時は呆気にとられたものだ。

そのためこの時間帯の住宅街は、人気のない閑散としてしまうのだ。

 

ピンポーン

 

「遊士くん、よく来たな」

 

扉をガチャっと開け、顔を出したのはTシャツ短パン姿の角刈りの男性ー仲町仁。

 

「仁さん。昨日振り、ですよね?」

 

昨日のアレは余りにも現実離れしている。これはその確認だ。

仁さんはニカッと表情を綻ばせる。

 

「その通りだぜ、ニンニンってな。後の話は中に入ってからだ」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

通されたのは、仁さんの自室。

焦げ茶を基調としたシックな部屋だ。意外にもキッチリ整理整頓されていて、机や棚の上に物が全く置かれていない。

 

「まー、とりあえずかけてくれ」 

 

仁さんが椅子に腰をかけると、俺にベッドに座るよう促す。

 

「失礼します。それとこれを」

 

バッグから昨日の買い物袋に入っていたDVDを取り出した。

 

「見てくれたか?中々面白かったろ」

 

「そうですね。ユニティガーディアンのプロモーションは、あんまり知らなかったからありがたかったですけど、もう1つの方は見て良かったんですか?内輪のヤツですよね」

 

プロモーションの内容は本当に普通の宣伝で、街の治安に貢献している事や専門デュエルチームがいる事など分かりやすく解説していたのだが・・・。

 

「そう、去年のクリスマスパーティの様子さ。みんな楽しそうだったろ?ウチは和気あいあいとした職場なのさ」

 

「まぁ、確かにみんな楽しそうでしたけど・・・」

 

「なんといってもアイナちゃんのミニスカサンタがサイコーだろ」

 

あのDVDにはハクアーアイナが『なんで私がこんな格好を・・・』と、恥ずかしそうにスカートの裾を押さえるシーンがあった。

しかも周り(主に仁さん)が『アイナちゃんカワイイー』を連呼して更に顔を真っ赤にして俯いてしまう様はあまりの破壊力だった。

 

「日本人離れした美人にアレは反則ですよ。俺、部外者ですけどハクアーアイナさんの本名を知って良かったんですか?機密事項っぽい気がするんですけど」

 

「大丈夫大丈夫。同じアームドナイトだしさ。細かい事は気にすんなよ。遊士くんはアイナちゃんに攻撃されて、俺らに警戒感を持ってるだろ?あのクリパを見たら、ちょっとでも親しみやすさが出るかなぁと思ってさ」

 

「そうだったんですね。あんまり苦手意識はないから大丈夫ですよ」

 

とは言うものの、実はアイナさんにはあんまり関わりたくない。ヒロインっぽい感じから襲撃者への変貌、あの落差はマジで怖かった。

 

 

「そうかそうか。さてここからが本題。テラーとアームドナイトについてだ」

 

と、仁さんは真面目な表情で話を切り出した。

 

 

俺はコクリと頷き、続きを待つ。

 

「まずは前提として、俺達の世界とは別にデュエルモンスターズの精霊たちが暮らす異世界、精霊界があるんだ」

 

いきなりぶっ飛んできたぞ。

まぁでも、しゃべれるドラゴンである”ザンブ”(ザンブレイド・ドラゴン)がいる以上、そう突飛でもないか。

 

「精霊たちは、ごく稀に俺たち人間界のカードに現われることがあるんだ。カードが生まれた時に最初からいるのもいるし、力ある精霊の中には人間界にやってきたときにカードになるのもいる」

 

『ちなみに俺も自力で人間界に来たぞ』

 

ザンブは俺の隣に置かれている。

カードだから判らないが、多分ドヤ顔してる。

 

「はぁ」

 

「ちなみにこのドラゴンくんはカード化して慌てふためいてるところを俺達が回収した」

 

『ぬぅ』

 

そんなとこだろうと思ったよ。

 

「普通、精霊が宿るのは自身のカードだけだが、たまにプレイヤーカードに宿ってしまうことがある。そもそもプレイヤーカード自体、決闘者(デュエリスト)自身と適合性が高いから決闘者は精霊と混ざってしまうんだ。この状態が”テラー”だ」

 

「なるほど、人間と精霊のキメラって事ですか。そう言えば、ザンブもそんなこと言ってました」

 

「そうだ。在府市はデュエル指定都市。町で安全にデュエルができるようにするのが、俺達ユニティガーディアンの役割だ」

 

「テラーは強力なデュエルエナジーをぶつけてデュエルに勝てば、プレイヤーとの融合は解除される。だが、常人ではデュエルエナジーが足りなさすぎる。テラーを打倒するために生まれたのが、”アームドナイト”だ。幸い俺達の中に精霊界に詳しいヤツがいてな。何体かの力ある精霊と協力して作り上げたんだ」

 

『ちなみに俺達、精霊がテラーの仕組みを参考にして、俺達の力の一部をプレイヤーカードに宿す事でアームドナイトのカードを作り上げたのさ』

 

「そういうこと、精霊には精霊ってことだ。こうして俺たちはテラーを倒せるようになったんだ。だが・・・、奴らが現れた。”マスターテラー”だ」

 

「マスターテラー・・・!」

 

あの赤黒い怪人、ヒュドボロスのプレッシャーを思い出し、思わず身震いする。

 

「ああ。奴らはある日、俺達を強襲した。奴らは今までのテラーとは一線を、いや線を2つも3つも画していた。幹部の1人は俺たちの最強が何とか相討ちまでもちこんだんだがな。あの時、奴等が引いてくれたから何とかなった。だがあの時、ある事実が判明してしまった」

 

拳を固く握りしめ、もう片手が怒りを抑えるかのように上から拳を握りしめる。

 

「それは一体・・・なんなんですか?」

 

「マスターテラーはテラーを人為的に生み出せることが分かったんだ」

 

「っ!ということはテラーの被害がどんどん拡大してしまうって事ですか」

 

「あの”マスターテラー襲撃事件”以降、テラーの出現率は跳ね上がった。そこで俺たちはアームドナイトの適合者を積極的に探すことにした、で、そんな大事な時に逃げ出したのが・・・」

 

『逃げたわけではない!オレとともに戦うのはオレが信頼した者だけだ!』

 

抜き身の刃のような殺気を放つザンブ。ほんの少しの付き合いだが仁さんの発言はプライドが許さなかったのだとわかる。でも信頼してくれたって言ってくれたのは嬉しいな。

 

『遊士とは成り行きだから、仮だがな』

 

おい。

 

「待てコラ。仮ってなんだよ」

 

『たしかにコイツはなかなかやるが、まだ基準には達していない』

 

「じゃれあいはそんなトコにしとけよー。テラーとアームドナイトに関しては大体こんな感じだ。俺達としてはユニティガーディアンに入ってくれると嬉しいんだが、どうだ?」

 

「あー、俺というかザンブが戻りたくないって言ってるんですよね」

 

『今更、戻りたくなどない』

 

「ザンブは近くにテラーがいても分かるみたいだから、俺達は独自に動いちゃダメですかね」

 

「たしかにこの様子じゃ、無理やり引っ張ってきたら、精霊界に帰りそうだなー。俺もそこらが妥協点でいいと思うんだけどなー。どう思う?”グレーテスト・レイヴン”?」

 

仁が懐から取り出したのはカラスのイラストが描かれたカード。もしかしてこのカードが仁さんの相棒?

 

『久しいな、銀色の。あの時以来か・・・』

 

『アンタか。まさか、コッチに来てたとはな』

 

「えっ、知り合い。もしかして精霊界で?」

 

思わずザンブのカードに顔を向ける。

 

『まあな、ヤマトエリアにずっと居座っている年寄りだ』

 

精霊同士の会話をよそに、仁さんはグレーテスト・レイヴンの補足をしてくれた。

 

「ああ見えてヤマトエリアでは神様として信仰されてたぞ。ゲツガのおっさんがそう言ってたし」

 

「マジですか。ってかその言い草だと、仁さんって精霊界に行ったことがあるんですか?」

 

「その話はまた今度な」

 

精霊達はその間に話し終わったらしい。

 

『あい分かった。私としては彼が1人で戦っていけるかを確かめたい。その腕、見させてもらおうか』

 

『ハッ。見せてやれ遊士』

 

「わかった。デュエルするよ」

 

デュエルディスクをバッグから取り出そうとしたところ、仁さんから待ったの声。

 

「それは家が潰れるから、こっちにしようぜ」

 

そうして床に広げたのはデュエルマット。しかも紙製。

これでデュエルするのは、遠い昔の頃だ。

 

「これでですか」

 

「その通りだ。俺も君の実力をアームドナイト込みで見たいしさ。流石にリアルダメージを出すわけにはいかないからな。というか、後片付けが大変」

 

そういや、壁をぶった切ってたわ。家が倒壊とか笑いごと以下だ。

 

「そうですね・・・ではお願いします」

 

5話前半 仁の話と決闘

 

 

―――――DUEL!―――――

 




話数を合わせるため、今回は前半部分のみで短めになりました。
デュエルパートは次回になります。


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5話後半 仁の話と決闘・下

お待たせました。

名もなきA・弐さん、09e16さん感想ありがとうございます。
お気に入り登録をしてくださった皆様ありがとうございます。


※今回は実験的に脚注機能を使って今までに登場したオリカを記載しました。

2/19 The Violet Violenceの効果を変更
11/5 変身→アームドフォーゼに変更。


5話後半

 

 

―――――DUEL!―――――

 

「んじゃ、俺の先攻からだ。《忍者マスターHANZO》(レベル4 ATK1800)を召喚。効果で《忍法 変化の術》を手札に加える」

 

「やっぱり【忍者】ですか?」

 

「さぁ、どうだろうな。カードを3枚セット」

 

慣れた手つきでカジノのディーラーのようにカードを並べ、プレイヤーカードを指さす。

 

「紹介するぜ。これが俺の"アームドナイト"、シジュだ。こいつは自分か相手が魔法・罠カードをセットした時に、ユナイトカウンターをのせる。つまり、一気に3枚貯めるぜ」

 

《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター0→3

 

 

「これが、仁さんのアームドナイト!?」

 

「そうさ。イカしてるだろ?見るか。俺もビリーバーのカードを見たいしな」

 

「いいですよ」

 

互いにカードを渡す。

そこには扇子を持った紫色の陣羽織を羽織った鎧武者のようなイラストが書かれていた。

 

 

《アームドナイト シジュ》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが2個以下の場合、自分または相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットする度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードと自分フィールド上のモンスターはこのカードにのっているユナイトカウンター1つにつき100ポイント攻撃力がアップする。

④:このカードのユナイトカウンターを2個取り除いて発動する。このカードに装備されたユナイトモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

 

「シジュはモンスターへのサポートに特化してるんですね」

 

興味深い。アームドナイトは他のプレイヤーカードに比べ強力で、個性的なカードが多い。

 

「なるほど。ビリーバー《アームドナイト ビリーバー》 はかなりスタンダードにまとまりつつも、一撃必殺が狙えるようになってるんだな。寧ろ、④の効果なんて"必殺魔法"クラスじゃねえか」

 

聞き慣れない単語が出てきたぞ。

 

「"必殺魔法"って何ですか?」

 

「ん?持ってないのか?"The"から始まる英語の名前のカードなんだが」

 

「おい、ザンブ。どういう事だ?」

 

『黙秘する』

 

断固とした口調。とりつく島がなさそうだ。仁さんに視線を向け、続きを促す。

 

「必殺魔法ってのは、アームドナイトの秘中の秘。発動条件は厳しいが一撃必殺の力をもつ強大な魔法カードだ。普通はアームドナイトが生まれた時に一緒に生成されるんだが」

 

「特撮物の必殺技みたいな感じですか?」

 

「そういう事だな。デュエルを続けるぜ。俺はユナイトカウンター1つでコーリング!」

 

EXデッキの束から1枚のカードを取り出す仁さん。

 

「アクセプト、1ユナイトカウンターってな。ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《ブレイブ・フライ》!」

 

《アームドナイト シジュ》にのせたカードはオレンジ色のトンボが描かれたカード。俺も持っているユナイトモンスターの中でも基本的な1枚だ。

 

「"ブレイブ・フラッグ"って音声が鳴るんだぜ。こいつを装備している限り、自分フィールドのモンスターの攻撃力は200アップする」

 

 

《ブレイブ・フライ》

レベル1風属性昆虫族・ユナイト・効果ATK200 DEF200/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分フィールド上のカード1枚をリリースする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は200アップする。

 

「ターン終了。さあ、その実力を見せてもらおうか」

 

 

仲町仁 LP4000

場:《忍者マスターHANZO》ATK2000、セットカード3枚

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》(《ブレイブ・フライ》装備)ATK200、ユナイトカウンター2個

手札:2枚

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

セットカードが3枚。恐らく内、1枚は《忍法 変化の術》。かなり攻めにくいが、セットカードを使わせてこちらのペースに巻き込む!

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を召喚!」(《アームドナイト ビリーバー》ユナイトカウンター:0→1)

 

「はい来た。召喚時にリバースカード《強制退出装置》を発動。HANZOとリコンをデッキに戻すぜ」

 

初動を止められるのはキツイ。いや待て、仁さんがサーチしたのは・・・!

 

「わかったって顔だな。《強制退出装置》にチェーン。HANZOをリリースして《忍法 変化の術》を発動。おい出ませ!レベル7《ダーク・シムルグ》(ATK2700→2900)」

 

 

「まさかそのデッキは!」

 

「そう、コイツは【忍者軸チェーンビート(風魔流鎖鎌の型弐)】!」

 

「なんか変なルビが振られてるー!」

 

「教えてやろう。忍者決闘者には基本の4つの型がある。【ビートダウン(刃の型)】、【コントロール(手裏剣の型)】、【チェーンビート(鎖鎌の型)】、【バーン(爆弾の型)】。それらは伊賀、甲賀、赤影そして風魔それぞれの派閥で独自の発展をしてきた。かつて彼らは己の派閥こそが頂点であると互いに鎬を削っていた。そんな中、突如として現れたのがイチノジョウ・ギンガ。彼は瞬く間に4つの派閥を1つに纏めあげ、"忍者将軍"を襲名したんだ。統一後、彼が書き記したのが、"六魔天の書"。その中で示されたのが、かの"変形忍札論"。全ての流派と基本の型を組み合わせる事で夢幻もの戦術へと至る事ができる、と。これこそが新時代忍者決闘システムということだ」

 

大げさだろ。

 

『何だとっ!こちらの世界の忍にも、そのような歴史があったとは』

 

「ザンブ、こっちの世界に忍者は・・・」

 

いたわ。目の前に。観光地になんちゃって忍者はいるし、変なテンションの決闘者もいる所にはいたわ。

 

「まあいいです。俺はユナイトカウンター1つでコーリング!ユナイト召喚!レベル2《ホイール・ガードナー》(DEF800)」

 

ホイールが盾になったタイヤ型のモンスターを場に出した。

 

 

《ホイール・ガードナー》

レベル2闇属性機械族・ユナイト・効果ATK500 DEF800/装備ATK+500

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分の手札またはフィールドからモンスター1枚を選び、墓地に送る。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、このカードは破壊されない。

 

 

「このカードがユナイト召喚された場合、手札かフィールドからモンスターを墓地に送る」(《アームドナイト ビリーバー》 ユナイトカウンター:1→0)

 

《空牙団の叡知 ウィズ》手札→墓地

 

「なるほど。ウィズは魔法・罠カードを多用するこのデッキにはキツイ」

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド」

 

「セットしたな。シジュにユナイトカウンターがのるぜ。最大3個までしかのらないのが、欠点だがな」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター2→3)

 

「そのアームドナイトは《ダーク・シムルグ》と噛み合いすぎじゃないですか」

 

「だろだろ」

 

伏せた1枚は《烈風の空牙団》。《ダーク・シムルグ》がいなければ発動できたんだが。

 

 

奥田遊士 LP4000

場:《ホイール・ガードナー》DEF800、セットカード2枚(《烈風の空牙団》1枚)

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

 

「さぁて、俺のターンだ。ドロー。最初から決めにかかるぜ。

 

仁さんはそう言うと手札2枚を抜き出した。

 

「まずは《ヴェルズ・サンダーバード》を召喚。更にカードを1枚セット」

 

忍者ではない、チェーンビートとしてのカード。

チェーンビートには珍しい怒濤の攻めはここで確実に削りきる事を狙っているはずだ。

 

「ここからが本番だ。リバースカード1枚とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

『うむ。あくせぷと、3ユナイトカウンター』

 

え、"グレーテスト・レイヴン"さん!?

 

「ユナイト召喚!日輪の化身よ!仮初めの躯に宿りて顕現せよ!レベル7《グレーテスト・レイヴン Limited》!」

 

3本足の紫色に輝く翼を広げた姿。

神々しさも感じる程だ。

だけど、Limited(リミテッド)それは何を意味するのだろう。

 

『名前が気になるか?私自身は精霊界を離れる事が出来ぬ故、こうして分身体を此方に飛ばしておるのだ』

 

「弱体化しているが、かなり強ぇぜ。まずは、ユナイト召喚時の効果。セットカード1枚を手札に戻す」

 

疾風之陣(しっぷうのじん)!』

 

選ばれたカードは《烈風の空牙団》。このまま戻されたら、再発動に時間がかかる。このタイミングではないが仕方ない。

 

「リバースカードオープン、《烈風の空牙団》!《空牙団の叡知 ウィズ》(レベル7 DEF2700)を蘇生!」(《アームドナイト ビリーバー》 ユナイトカウンター:0→1)

 

「やっぱ、蘇生カードだったか、さっさと戦闘破壊させてもらうぜ。《グレーテスト・レイヴン Limited》で攻撃」

 

天焦裂覇(てんしょうれっぱ)!』

 

「かかったな。リバースカード、《聖なるバリア ミラーフォース》を発動!攻撃モンスターを全て破壊する」

 

カルタ取りのように勢いよく伏せカードを表にする。

相手は【チェーンビート】は採用モンスターの場持ちの良さから、耐性付与のカードは少ない筈だ。

 

「本命はこっちだったか。だが、《ヴェルズ・サンダーバード》の効果を発動。サンダーバードは次のターンまで除外される。チェーンして《グレーテスト・レイヴン Limited》の効果。セットした魔法罠カードを1枚選択して、ゲームから除外」

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》をセットしたカードの下に入れて、説明を続ける。

 

「伏せカードに隠れるイメージさ。ソリッドビジョンだったら見せれるんだけどな。セットしたカードが発動するか場を離れると、場に戻るぜ」

 

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》

レベル7風属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK2400 DEF1900/装備ATK+1800

魔法・罠カード1枚+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動できず、発動したターン、このカード名のカードは攻撃できない。

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、セットしたカード1枚を選択して発動する事ができる。そのカードを手札に戻す。

②:魔法・罠カードゾーンにセットされたカード1枚を選択して発動できる。選択したカードが発動するかフィールドから離れるまで、自分フィールド上のこのカードをゲームから除外できる。 この効果は相手ターンでも発動できる。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手の全ての手札か相手がセットした全てのカードを確認する事ができる。

 

 

「さすがにチェーンビートと相性が良いですね。ですが、《ダーク・シムルグ》は破壊させてもらいますよ」

 

「それはしゃあない。だが、この布陣はすぐに復活するぜ。カードを1枚セット。ターン終了だ」

 

 

仲町仁 LP4000

場:セットカード2枚

  一時除外《ヴェルズ・サンダーバード》、《グレーテスト・レイヴン Limited》

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》(《ブレイブ・フライ》装備)ATK200、ユナイトカウンター2個

手札:0枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「スタンバイフェイズ時に《ヴェルズ・サンダーバード》をフィールドに戻す」

 

《ヴェルズ・サンダーバード》ATK1650→1950→2150

 

「《空牙団の舵手ヘルマー》を召喚」(《アームドナイト ビリーバー》 ユナイトカウンター:1→2)

 

「ヘルマーの効果。手札から《空牙団の英雄ラファール》を特殊召喚」

(《アームドナイト ビリーバー》 ユナイトカウンター:2→3)

 

「ヘルマーの効果で1枚ドロー。ラファールの効果でカードをデッキトップ3枚から1枚を選んで手札に加える」

 

「手札0枚になったな。チェーンして、《強制脱出装置》を発動。ウィズを手札に戻させてもらうぜ」

 

「しまった!」

 

コストとなる手札がなくなるこの瞬間を待っていたのか。

ウィズがいるからと、安心してしまった。

 

「まだだ。速攻魔法《ユナイト・セーブ》を発動。場のヘルマーを手札に戻し、ユナイトカウンターを1つ得る」(《アームドナイト ビリーバー》 ユナイトカウンター:3→4)

 

『ふむ、来るな?』

 

「俺は《ホイール・ガードナー》とユナイトカウンター4個でコーリング!ユナイト召喚!戦場で勝鬨を上げる勇猛なる竜! レベル8《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

戦場に並ぶ2体のドラゴン。決められるか・・・。

 

「バトル!《ザンブレイド・ドラゴン》で《ヴェルズ・サンダーバード》を攻撃!」

 

『トライブレードアタック!』

 

通った?

チェーンビートは伏せカードを多用する鉄壁の守りを得意としたデッキ。こんなに簡単に攻め込めるのか?

 

「サンダーバードは戦闘破壊か。あ、電卓出し忘れてた」

 

仁さんはベッドの下から電卓を引っ張り出し慣れた手つきでキーを叩く。

なかなか、レトロな光景だ。

 

仁:LP4000→3650

 

 

「まあいい、《空牙団の英雄 ラファール》でダイレクトアタック!」

 

この攻撃と《ザンブレイド・ドラゴン》の装備効果で決着はついてしまうが・・・。

 

その瞬間―――!

 

「リバースカード《ガード・ブロック》!その戦闘ダメージを0にし、1枚ドロー!」

 

《ブレイブ・フライ》(装備)戦闘破壊

 

《ガード・ブロック》だって?フリーチェーンでないから相性は悪いはずなのに。

 

「驚いたか。この意表を突くことこそが【風魔流】。一瞬の隙は体を蝕む毒となるのさ。俺の狙いはこれだ。再臨せよ。グレーテスト・レイヴン!」

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》ATK2400

 

 

『このような形で戦場で会おうとはのう』

 

『てめぇをぶっ飛ばすいい機会だぜ』

 

しみじみとしたグレーテスト・レイヴンつぶやきに対してザンブは好戦的に威嚇する。

 

「追撃はできないか。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター2→3

 

ユナイトカウンターをシジュにためられてしまうが、仕方がない・・・。

流石はアームドナイト。

 

 

奥田遊士 LP4000

場:《ザンブレイド・ドラゴン》ATK2500、《空牙団の英雄 ラファール》ATK2800

セットカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚(《空牙団の舵手 ヘルマー》)

 

 

 

「その調子だぜ、遊士くん。もっと実力を見せてくれ。俺のターン、ドロー」

 

ラファールの効果で軸となるモンスターの一時除外効果は防げる。仁さんはどう出る?

 

「俺はユナイトカウンター1つでコーリング!ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《ブレイブ・フライ》!」

 

2体目か。

 

「更にユナイトカウンター2個でコーリング!ユナイトイクイップ!我が手へ宿れ!《軍師カッショ》!」

 

『メイコウ扇』

 

《アームドナイト シジュ》ATK300→1000

 

連続ユナイトイクイップ。何を狙ってる?

 

「《軍師カッショ》のユナイトイクイップ効果は自分ユナイトモンスターの攻撃力を800アップする効果と戦闘破壊されたユナイトモンスターを装備する効果をもつ」

 

 

《軍師カッショ》

レベル4地属性戦士族・ユナイト・効果ATK800 DEF1600/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚されたターン終了時まで、相手フィールド上のモンスターの攻撃力は800アップする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのユナイトモンスターの攻撃力は800アップする。

②:自分フィールド上のユナイトモンスターが戦闘によって破壊された場合、このカードを墓地に送る事でそのモンスターをプレイヤーに装備する事ができる。

 

 

《グレーテスト・レイヴンLimited》ATK2400→3400

 

「更にカードを2枚セット」

 

《グレーテスト・レイヴンLimited》ATK3400→3600

《アームドナイト シジュ》ATK1000→1200 ユナイトカウンター0→2

 

「バトルだぜ。グレーテスト・レイヴンでラファールを攻撃!」

 

『天焦裂覇!』

 

力業かよ。

 

遊士:LP4000→3200

 

「じゃ、ターンエン・・・」

 

ここだ!

 

「エンドフェイズ前に、リバースカードオープン。《空中補給》。幻獣機トークン1体を特殊召喚」

 

「【空牙団】に【幻獣機】のカードだって!」

 

「ターン終了時にトークンは墓地に送られる。だがユナイトカウンターは貯まる!」

 

《アームドナイト ビリーバー》ユナイトカウンター0→1

 

「なるほど。実質、互いのターンに1個ずつユナイトカウンターを貯められる訳か。ターン終了だ」

 

 

仲町仁 LP3650

場:《グレーテスト・レイヴン Limited》、セットカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》(《ブレイブ・フライ》、《軍師カッショ》装備)ATK1000、ユナイトカウンター2個

手札:0枚

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

伏せカードはおそらく除去カードのはず。だったら・・・。

 

「《空牙団の舵手 ヘルマー》を召喚」(《アームドナイト ビリーバー》ユナイトカウンター1→2)

 

「功を焦ったか?リバースカード《激流葬》。フィールド上のモンスターを全て破壊する。《グレーテスト・レイヴン Limited》の一時除外効果を発動」

 

「やっぱり、除去カードでしたね。チェーンして、《ザンブレイド・ドラゴン》の効果。プレイヤーに装備する」

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK0→300→2300

 

「更に《空中補給》で幻獣機トークン(DEF 0)を特殊召喚」

 

《アームドナイト ビリーバー》ユナイトカウンター2→3

 

「ユナイトカウンター3個でコーリング!ユナイトイクイップ!来い!《キャノン・トータス》(ATK+2000 ユナイト効果なし)」

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→4300

 

「攻撃力4300か!」

 

「バトル!《アームドナイト ビリーバー》でダイレクトアタック!」

 

何が出てくる?仁さんの手は伏せカードにかかっている。

 

「リバースカード《強欲な瓶》を発動。グレーテスト・レイヴンをフィールドに戻し、カードを1枚ドロー」

 

勢いよくカードを引く。一瞬、焦りの表情を浮かべる。

 

チャンスか?

 

「攻撃対象を《グレーテスト・レイヴン Limited》に変更する」

 

『その意志、見せてみろ』

 

『いくぜぇ!』

 

仁:LP3650→2750

 

「《軍師カッショ》のユナイト効果。このカードをリリースすることで戦闘破壊されたユナイトモンスターをプレイヤーに装備する」

 

『天之羽々斬』

 

《アームドナイト シジュ》ATK1000→2000

 

「幻獣機トークンをリリースして、ターンエンド」

 

 

奥田遊士 LP3200

場:《空中補給》

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK4300→4000(《ザンブレイド・ドラゴン》、《キャノン・トータス》装備)、ユナイトカウンター0個

手札:2枚(内1枚《空牙団の叡智 ウィズ》)

 

 

 

「俺のターン、ドロー。《グレーテスト・レイヴン Limited》のユナイト効果を発動。相手のセットカードまたは手札を確認する」

 

セットカードはないから手札か。

 

遊士 手札:《空牙団の叡智 ウィズ》、《空牙団の剣士 ビート》

 

「ウ―――ム。ちょっと厳しいかなぁ・・・」

 

『フム、ここまでできれば十分だろう』

 

「だな」

 

そう言うと、仁さんはデッキに手を置いた。

 

仁:LP2750→0

 

「な!?」

 

サレンダー。決闘者にとっては土下座にも等しい行為。決闘者歴は長いが、殆ど見たことがない。

 

「今回はテストみたいなもんだからな。まぁいいさ。遊士君は《ザンブレイド・ドラゴン》といっしょなら大丈夫だろ」

 

「ありがとうございます」

 

「まぁ、干渉しあわなければいいからな。たまには悟とデュエルしてやってくれや」

 

「考えておきます」

 

「あー、後アームドナイトにはいくつか隠し機能があってな。いくつか・・・」

 

 

ビービービー

 

「今のは?」

 

どうやら、仁さんのスマホから鳴っているようだ。

 

「この辺りで、テラーが出たらしいな。そうだ。せっかくだからアームドナイトの機能を見せてやるよ。実際に見せた方が早いしな。先に外に出て待っててくれ」

 

「わかりました」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

『行ったか。あのカードを使えば、勝負はわからなかっただろう。なぜ使わなかったのだ?』

 

「さっき言ったように実力を見るためのものだからな。まだまだ秘密にしときたいしさ」

 

手札にはユナイトカウンターを増やす《ユナイト・チャージ》。このターンに引いたカードだ。

 

《ユナイト・チャージ》

速攻魔法

①プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。相手フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合、ターン終了時にデッキから《ユナイト・チャージ》1枚を選択して、手札に加える。

 

 

そしてもう1枚―――、

 

《The Violet Violence》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト シジュ》でレベル7以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを3個以上取り除いて発動する。4個以上、取り除いて発動した場合はこの効果の発動を無効にできない。

①:フィールド上のモンスターと魔法・罠ゾーンのカードは次の自分のスタンバイフェイズまで無効になり、攻撃力と守備力は3000ポイントダウンし、表示形式を変更できない。

 

「さあて、行こうかね」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「さっそく、暴れているな」

 

辺りは叫び声と怒号に包まれていた。

そこでは、熊を模したテラーが周囲の物に拳をふるっている。

人間ではありえないほどの膂力に遊士は圧倒される。

 

「暴れてるねぇ。まずはアームドナイトの機能その1。デュエルでなくてもアームドナイトのカードは使用できる。まずはデュエルディスクを起動して、と」

 

【Duel Disc standby】

 

「そして、起動してからすぐにコイツを入れる」

 

言うやいなやデュエルディスクにアームドナイトのカードをセットすると現れる光のキューブ。

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight SHIJU!】

 

 

カードで見た紫の鎧甲冑姿が現れる。

 

「アームドナイトになると俺達は超人のような力を出すことができる」

 

はぁ!と掛け声とともにテラーに迫る。

一歩一歩がアスファルトを押しつぶし、爆発的に加速していく。

瞬く間にテラーと組み合い、足払いをかけて重心を崩す。

その勢いに体重をかける事でテラーを地面へ押し倒しながらゴロゴロと地面に転がる。

 

【RAJ SYSTEM WAKE UP!】

 

その瞬間!グルンと世界が反転した。

 

「今くらっとした?あれ?」

 

いつの間にかシジュとテラーは消えていた。

 

先ほどまでの喧騒も嘘のように、周囲の人々の悲鳴も治まる。

カメラを取り出していた野次馬も興味がなくなったかのようにそっぽを向き、元の喧騒を取り戻していた。

異様な光景に言葉を失っていた。

 

「さっきまであんな異常な光景だったのになんで・・・」

 

その瞬間―――、

 

「よっと。これがアームドナイトの秘密その2.”RAJシステム”さ」

 

1枚のカードを持った仁さんと男性が不意に姿を現す。

 

「RAJ・・・?」

 

何かの略か?

 

「ああ、Rolling Area Jump(ローリング エリア ジャンプ)。アームドナイトとテラーを中心に回転するスピリチュアルエネルギーによって俺達は時間の流れが異なる空間に転送されるのさ。更に現実空間では空間の修正力が働いて異常がなかったことになるのさ」

 

「はぁ」

 

「要は取っ組み合って回転すれば、周りに被害が出ないような場所にいけるってことさ。特撮でもよくあるだろ」

 

あー、何となく分かった気がする。でも無茶苦茶理論過ぎて受け入れづらいけど。

 

「ちょっとついていけないですが、これがテラーが表に出ない理由なんですね」

 

「そういうこった。ま、これからよろしく頼むぜ。遊士くんなら不用意に危険に突っ込まないから、自分の身は守れるだろ」

 

「はい」

 

俺の返事に頷くとそれまで軽薄な表情から一変。

真剣な声色で口を開く。

 

「ただ――、俺達は街を守るため、テラーを根絶しようと思っている。それができるのはアームドナイトだけだ。もちろん、一人で立ち向かうのは無謀だ。君にその覚悟が持てるなら、俺達ユナイトガーディアンは歓迎しよう」

 

俺はその言葉に答える事ができなかった。

《アームドナイト ビリーバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍になる。

》《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

自分フィールド上のカード1枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカード戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。



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6話 日常へ

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

今回は日常編です。


この2日間は人生で最大級に無茶苦茶だった、と遊士はベッドでゴロゴロしながら思い出す。

 

怪物に追い回されたり、変身してデュエルしたり、忍者に勧誘されたり。

 

そして、はたと気づいて起き上がる。

 

「今日、学校だったわ」

 

 

6話 日常へ

 

 

自転車を漕いで30分。繁華街を抜けた先の開けた場所に今通っている"在府東高校"がある。

繁華街の雰囲気をもってきたかのような豪勢な建物に来た当初は驚いたものだ。

 

 

『何か、今日はいつもと違って見えるぜ』、と心の中で呟く。

 

すると、

 

『そうなのか』、とザンブの声。

 

『こう日常の象徴の学校で念話なんてできるのがな、随分と遠くまで来ちゃったんだなぁと思ってさ』

 

あの時、仁さんから念話の仕方を教えてもらっていたのだ。精霊側が対象を指定する事も可能らしい。

仁さん達は、(こいつ直接脳内に・・・)ネタで実践してくれた。

 

『大した事ではないだろう。お前はこの俺に選ばれた契約者なのだからな』

 

『わかってるさ』

 

――――――――――――――――――――――

 

 

教室に行くと、(さとる)達が『週刊決闘者』とカードを並べていた。

 

「おっ、遊士。今日は早いな」

 

「まぁな。そういえば、SNSでも書いたけど昨日のリーグ戦の勝利おめでとう。もうちょいで昇格戦だな」

 

昨日、仁さんと会っている間、悟は3部リーグで闘っていた。

悟は自分のチーム、"A.ギート"は今回の勝利ランキングが7位まで上がったと興奮した様子でSNSに報告を挙げていた。

 

「そうなんだ。4位になれば昇格戦。それで2部リーグに進めるんだ。だから遊士、チームに入ってくれ」

 

「入んねーよ」

 

いつものやり取り。俺達にとっても挨拶みたいなもの

2部リーグからはメンバーは最低5人以上。悟達は3人しかいない。

転校してきた時に、"俺達、A.ギートの力を見せてやるぜ"とかデュエルで絡んで来たのを返り討ちにしてからというもの事ある毎に新メンバーとして勧誘するのだ。

 

 

「一昨日のハクアと反場の試合、遊士も興奮したろ。俺達と頂点を目指してアイツらとも闘おうぜ」

 

ハクアかー。

一回デュエルしたしなー。

しかしあの一夜で俺の中で大分、印象変わっちまったな、と思わず遠い目をする。

 

「ハイハイ。俺に勝ったら考えてやるよ。先生が来たからまた後でな」

 

サムズアップしたままの悟の腕をどける。

 

「言質はとったからなっ」

 

――――――――――――――――――――――

 

昼食―――、

 

この学校は校舎と校舎の間のV字型のスペースを利用して巨大なラウンジを作り出している。

食事を摂るだけでなく、寝転がったり、演奏したり、そしてデュエルをする事も・・・。

 

「遊士ぃ、デュエルだぁ!」

 

やっぱり来たか。

悟は週3回位で挑んでくる。

今回は良いデュエルができたからだろう。

 

「いいぜ。さっさと始めようぜ」

 

周囲の人たちはざわめきつつも、またかというような感じで中央の大きなスペースを開けてくれる。

更に近くで見ようと近づいてくる人たちもいる。

 

「なんか、日に日に集まる人が増えてる気がするなぁ」

 

意外と女子の割合が多い気がする。

 

「俺の人気、と言いたいところだけど多分お前の【空牙団】見たさじゃねぇか。可愛いカード結構あるだろう?」

 

「ああ成程、確かに」

 

空牙団の下級モンスターはソリッドビジョンだと割とあざとい仕草をすることがある。

 

「ま、3部リーグランキング7位になったこの俺にボロボロにされるんだけどな」

 

「今まで一度も勝ててないのに、よく言うぜ」

 

 

その時―――、

 

 

 

「あなた、【空牙団】を使うの?」

 

鈴のように澄んだ声。

どこか聞き覚えがある声色に心臓が跳ねる。

 

「白砂先輩!?」

 

悟の視線は綺麗な銀髪の女子生徒―白砂アイナ(ハクア)へ向く。

ここの生徒だったのかよ・・・!

 

「仲町君」

 

まるで彼女が主演の舞台であるかのように、この場にいる全員が彼女の一挙手一投足に注目している。

 

「は、はい」

 

悟は上ずりながら、慌てて答えた。

 

「キミのチームはこの学園でトップ5にも入る程の実力を持つと思うのだけれど、そこの【空牙団】使いの彼はそんなに強いのですか?」

 

もしかして、疑われてる?

 

「そうなんすよ。コイツ無茶苦茶強いんです。まぁ、今日は俺が勝ちますけど」

 

ス、と俺に視線が向く。

 

「私はこの学園でも顔が利くのだけれど。初めて見る顔ね。あなた、名前は?」

 

落ち着け。まだ看破されてないはず。

 

「奥田遊士です。1ヶ月前に転校してきました」

 

「奥田君ね。強い決闘者がこの学園に在籍するのは大歓迎よ。そのデュエル、最後まで見させてもらうわね」

 

監視ですね。わかります。

 

「おい、遊士!ちょっとこっち来い」

 

慌てたように俺に手招きする悟。

 

「悟。白砂先輩?あの人、何?ムッチャ緊張したんだけど」

 

ガッとヘッドロックをかまされる。

 

「あの人はこの学園の2年の学生代表だよ。ぶっちゃけアイドルみたいな感じだな。あの人に目をかけられるなんて羨ましいぞ」

 

「お前だって覚えられてるから、どっこいどっこいだろ」

 

「それもそうだが、俺とお前では興味度合いが違う感じがするからなぁ」

 

さすが鋭い。俺の場合は不信感だからな。

あ、今気づいたけど、仁さん、こうなるの知ってただろ。絶対この状況を楽しんでやがる。

 

「まぁいいか。憧れの白砂先輩に見てもらえるなんて最高の舞台だ。始めさせてもらおうじゃねぇか」

 

「だな」

 

互いに距離をとってデュエルディスクを構える。

 

 

【【Duel Disc stand by】】

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

 

 

【【Set Player card】】

 

【Accept!You are a Starter Duelist!】 

【Accept!You are a Fighting Duelist!】

 

 

「《スターター・デュエリスト》?」

 

ハクア‐白砂先輩(アイナさん)が驚いた声を上げる。《スターター・デュエリスト》は体験会とかで無料で配っているカードでユナイトカウンターをほとんど貯めることができない非力なカードとして知られている。

 

 

《スターター・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上のモンスターが墓地に送られた場合に発動することができる。このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果はデュエル中に1度だけ発動することができる。

 

 

「俺、そんなにユナイトモンスターを持ってないですし、こいつで十分なんですよ」

 

「そう、ごめんなさい、止めてしまって」

 

手をヒラヒラと振る悟。

 

「かまわないですよ。じゃ、俺のターンからだ!《マシンナーズ・ギアフレーム》(レベル4 ATK1800)を召喚し、効果を発動」

 

【Search 1 Monster】(《マシンナーズ・フォートレス》) 悟:r()e()f()()()()()()()()()()()()()()()()《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動することができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。《/ref》》(ユナイトカウンター0→1)

 

「手札に加えた《マシンナーズ・フォートレス》の効果。このカードと《無頼特急バトレイン》を墓地に送ることで自身を特殊召喚する。現われろ、レベル7《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500)!」

 

【Summon 1 Monster】

 

「ギアフレームの効果を発動。ギアフレームをフォートレスに装備する」

 

【Effect】

 

悟:《ファイティング・デュエリスト》(ユナイトカウンター1→2)

 

蒼色の戦車にオレンジの機械兵が強化フレームに変形して合体した。

 

「ほとんど手札消費なしでユナイトカウンターを2つも貯めつつ、最上級モンスターを出してきたか」

 

「フッフッフ。今日はいつもと違うぜ。マジックカード《テラフォーミング》!フィールド魔法《王の舞台(ジェネレイド・ステージ)》を手札に加え、発動!」

 

【Search 1 Card】

 

悟:《ファイティング・デュエリスト》(ユナイトカウンター2→3→4)

 

地面から青色の光が放たれ、樹のように広がった。どことなく荘厳な感じのこのカードは初めて見るカードだ。

 

「新しいカードを入れてきたか」

 

「ああ。こいつは俺のデッキにマッチする強力なカードだ。こいつの真価は後で教えてやるよ」

 

未知のフィールド魔法は気になるが、ユナイトカウンターは4個も貯まっている。くるか?

 

「俺はユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

3つの光が宙を舞い、オーロラに輝く円を描き出す。

 

 

「ユナイトイクイップ!蒼き叡智の結晶よ、我が手に宿れ!《マシン・ブレイザード》(装備ATK+2200)」

 

 

【UNITE EQUIP! Brizzard Lance!】

 

 

《マシン・ブレイザード》

レベル6水属性機械族・ユナイト・効果ATK2400 DEF2200/装備ATK+2200

ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:1ターンに1度、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを守備表示にし、次の自分のターンのスタンバイフェイズまでそのモンスターの効果を無効になり、表示形式を変更できない。

②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

ユナイト効果

①:装備プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:装備状態のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。

 

悟が抱えるのは身の丈ほどの大きさのメカニカルな槍だ。水色に輝くソレは底冷えする冷気をまき散らす。

 

 

悟:《ファイティング・デュエリスト》ATK0→2200→2700

 

「カードを1枚セットしてターン終了だ。この時、墓地に送られていた《無頼特急バトレイン》の効果。《弾丸特急バレット・ライナー》を手札に加える」

 

【Search 1 Monster】

 

 

仲町悟

LP4000

場:《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500:《マシンナーズ・ギアフレーム》装備)、

  フィールド魔法《王の舞台》、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK2700、ユナイトカウンター0個

手札:2枚(内1枚:《弾丸特急バレット・ライナー》)

 

 

 

「相変わらずなかなかの布陣だな。俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

ここまではいつもとほとんど同じ。唯一違うのはフィールド魔法位か・・・。

ん、なんか光始めたぞ。

 

【Effect】

 

「遊士がドロ―したことで《王の舞台》の効果を発動だ!相手がカードを手札に加えた時、1度だけ、デッキから(ジェネレイド)モンスターをデッキから特殊召喚する!来い、レベル9《鉄の王(くろがね ジェネレイド) ドヴェルグス》(DEF2500)!」

 

【Summon 1 Monster】

 

「ノ―コストで最上級?」

 

やばいな、と思うのもつかの間、更に電子音が鳴り響く。

 

【Effect】

 

「ジェネレイドモンスターが特殊召喚されたことで《王の舞台》の更なる効果が発動するぜ。俺のフィールドの空いているゾーン全てに《ジェネレイド・トークン》(レベル4 ATK1500)を4体、特殊召喚する」

 

【Summon 4 Monsters】

 

 

「なんだよソレ。1枚のカードでできる限界を超えてるだろ・・・」

 

「どうだ、強ぇだろ。最もトークンは相手ターンにしか出ないしこのターンに破壊されるからな。攻撃表示限定だからデメリット扱いってことさ」

 

相手ターンにモンスターを利用する手段は限られているとはいえ、このまま放置とは思えない。

まずは、あの伏せカードか。今までのパターンからして、こちらの初動を止めてくる可能性の方が高いか。

 

「魔法カード《ユナイト・バリア》を発動。このフェイズ中、自分フィールド上のモンスターは相手のカードの効果を受けない。その後、ユナイトカウンターを1つ得る」

 

 

《ユナイト・バリア》

通常魔法

このカードは自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上のモンスターが2体以上の場合のみ発動することができる。

①:このフェイズ中、自分フィールド上のモンスターは相手のカードの効果を受けない。プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。

 

遊士:《スターター・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1

 

 

「そのカードは、今までデッキに入って無かった筈。まさか!」

 

「そうさ、新しいカードを手に入れたのは悟だけじゃない」

 

やっぱり俺も一昨日見た試合に影響を受けてるのかもしれないな、と続けてひとりごちる。

 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚!」

 

ビートは勢いよく地上に降り立ち、剣を構えるとコテンとヘルメットが傾いて視界を隠してしまう。

何事もなかったかのように、クイッとメットを元に戻す。

その可愛さに、黄色い声がワッと響く。

実にあざとい。

 

「ビートの効果で手札の《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル3 DEF2000)を特殊召喚」

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

 

「《空牙団の飛哨 リコン》をサーチ」

 

 

【Effect】

 

【Search 1 Monster】

 

「ヘルマーの効果で《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 DEF500)を特殊召喚。手札の《空牙団の修練》を捨てて、1枚ドロー」

 

リコンはビートとヘルマーの間に降りるが、失敗してゴロンと転ぶ。

やれやれ、という感じでビート達は引っ張り上げる。

俺のデッキの可愛い系モンスターがそろい踏み。

黄色い声が大きくなってきた。

アイナさんも心なしか顔が紅潮してる気がする。

 

【Summon 1 Monster】

 

【Draw 1 Card】

 

「リコンの効果で《空牙団の参謀 シール》(レベル4 DEF1000)を特殊召喚!」

 

【Summon 1 Monster】  

 

【Effect】

 

【Select 1 Card】

 

「リコンの効果でそのセットカードを破壊する」

 

リコンが小さな腕を振り上げると、空中から槍がセットカードめがけて飛来する。

 

「そう来ると思ったぜ。罠カードオープン、《重力解除》。フィールド上の全てのモンスターの表示形式をすべて変更する」

 

「そうきたか」

 

《マシンナーズ・フォートレス》DEF1600、《鉄の王 ドヴェルグス》ATK1500、《ジェネレイド・トークン》×4 DEF1500

 

「《鉄の王 ドヴェルグス》の効果。このカードをリリースし、レベル10《弾丸特急バレット・ライナー》(ATK3000)を手札から特殊召喚!」

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

 

「伏せカードは《重力解除》だったか。これで随分か攻めやすくなったぜ」

 

「ちっ、だがこの布陣をそう簡単に突破できると思うなよ」

 

俺はフッと口角を吊り上げ、虚空に手を伸ばす。

 

「来るか!?」

 

悟はグッと身構える。ギャラリーもザワザワし出すが、何人かポカンとしている人もいる。

アイナさんにザンブ、面白いものを見せてやるよ。

 

 

「現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター3体!」

 

天空に水色の畳のようなものが投影されるとビート、ヘルマー、リコンが光の矢となって吸い込まれる。

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク3《空牙団の大義 フォルゴ》!」

 

「リンク…モンスター!?」

 




ここにきて既存の召喚法。今回はこの展開をやりたかったこそ書いたと言っても過言でないところ。

以下、補足
なんで遊士がリンク召喚できるかというと、引っ越す前に住んでいたところがDen Cityの隣町という設定のため。ちなみにLINK VRAINSには2・3回しかログインしていなかった模様。電脳空間は性に合わないとのこと。

ちなみに悟は何回かデュエルしているため、遊士がリンクモンスターを使用してくるのは知っている状態でした。


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7話 4人目と5人目

名もなきA・弐さん、ファイネス1さん、感想ありがとうございます。

2/4 決め台詞を追加。


「現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター3体!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク3《空牙団の大義 フォルゴ》(ATK2400)!」

 

「リンク…モンスター!?」

 

アイナは目を丸くする。

映像を見たことはあるが、本物を見るのは初めてだ。

召喚法は各都市によって様々な種類のものが存在するが、技術の離散防止のため、その街の住人にしか手に入らないようになっているのだ。

 

「はい、リンク召喚は前に住んでいた所で最もメジャーだった召喚法です。モンスター同士を繋げ、新たなモンスターを呼び出す、それがリンクモンスターです」

 

遊士の【空牙団】デッキは前にいた街で作成したものがベースになっている。だからこそ、リンクモンスターはデッキにいるのは当然といえる。

 

「《空牙団の大義フォルゴ》のリンク召喚時の効果と《空牙団の参謀シール》のモンスター効果」

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

【Return 1 Monster】

 

「デッキから《空牙団の伝令フィロ》(レベル1 DEF0)を特殊召喚し、墓地の《空牙団の剣士ビート》を手札に加える」

 

黄色いヒヨコがポンという音とともに空中に飛び出る。

 

「フィロの効果で回収したビート(レベル3 DEF500)を特殊召喚」

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「更なるフィロの効果で墓地から《空牙団の舵手シール》(レベル3 DEF2000)を特殊召喚」

 

これで空牙団モンスターは5体。モフモフパラダイスと化した盤面にワッと歓声があがった。

 

「いくぜ、バトルだ。《空牙団の大義フォルゴ》で《ジェネレイド・トークン》を攻撃!」

 

【Attack!】

【Rouga Issen!】

 

「空牙団モンスターが3種類以上存在する場合、相手モンスターを戦闘・効果で破壊した場合、カードを2枚ドロー」

 

フォルゴの抜刀術は相手モンスターを瞬く間に切り裂いた。

 

「ちっ、トークンを狙われたか」

 

これで遊士の手札は4枚。

かなりアドバンテージを溜め込まれた、しかもリンク素材はまだあると悟は警戒を強める。

 

「バトルを終了。現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター2体!リンクマーカーにシールとヘルマーをセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2《トロイメア・フェニックス》(ATK1900)!」

 

「メインモンスターゾーンに展開?!」

 

在府市ではありえない光景に、補足したのは悟。

 

「白砂先輩、リンクモンスターはリンクマーカーが向いているモンスターゾーンにエクストラから直接、展開できるんですよ。かなり掟やぶりでしょう?」

 

「俺からしたら、デュエリストに装備できるユナイトモンスターの方が掟やぶりだと思うけど・・・。デュエルを続けるぞ。《トロイメア・フェニックス》の効果、手札を1枚捨て、《王の舞台》を破壊する」

 

【Effect】

【Select 1 Magic Card】

【Destroy!】 

 

《トロイメア・フェニックス》が羽ばたくと、光の樹が燃え上がった。

 

「くっ、《王の舞台》が・・・」

 

「再び現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター2体!リンクマーカーにビートとフィロをセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!リンク2《トロイメア・ケルベロス》(ATK1600)!」

 

「《トロイメア・ケルベロス》の効果、手札を1枚捨て、《弾丸特急バレット・ライナー》を破壊。更に《トロイメア・フェニックス》と相互リンク状態のため、1枚ドロー」

 

 

【Effect】

【Select 1 Monster】

【Destroy and draw!】

 

 

可愛らしい空牙団モンスターが消え、代わりに出てきたトロイメアモンスター達にブーイングが起こるが遊士は気にせず、ターンを進めていく。

 

「三度現れろ、歴史を刻むサーキット!効果モンスター2体以上!リンクマーカーにトロイメア2体をセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!強襲せよ、リンク4《揚陸群艦アンブロエール》(ATK2600)!」

 

魚の形をした軍艦のようなモンスターがドシンと大地に降り立った。

 

「アンプロエールは墓地のリンクモンスター1体に付き200攻撃力がアップ!」

 

《揚陸群艦アンブロエール》ATK2600→3000

 

 

「俺はユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!r()e()f()()()()()()()()()《ブレイブ・フライ》

レベル1風属性昆虫族・ユナイト・効果ATK200 DEF200/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分フィールド上のカード1枚をリリースする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は200アップする。《/ref》》!」

 

 

【UNITE EQUIP! Brave Flag】

 

「自分フィールド上のモンスターの攻撃力は200アップ!」

 

身の丈程の黄緑の戦旗を掲げると黄緑の粒子が自軍を舞う。

 

《空牙団の大義フォルゴ》ATK2400→2600

《揚陸群艦アンブロエール》ATK3000→3200

 

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド」

 

「エンドフェイズにバレットライナーの効果で機械族モンスター、《無頼特急バトレイン》を手札に加える」

 

 

奥田遊士 LP4000

場:《空牙団の大義フォルゴ》ATK2600《揚陸群艦アンブロエール》ATK3200、セットカード1枚

プレイヤーカード:《スターター・デュエリスト》(《ブレイブ・フライ》装備)ATK200、ユナイトカウンター1個

手札:1枚

 

 

「フィールドを整えてきたな。俺のターン、ドロー」

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》のユニオンを解除」

 

 

「《無頼特急バトレイン》を召喚し、効果を発動。相手ライフに500ダメージを与える」

 

遊士LP4000→3500

 

「《補給部隊》を発動。これでユナイトカウンターは3つ!「俺はユナイトカウンター3個と機械族モンスター2体でコーリング!」

 

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!深き叡智の結晶よ、我が手に宿れ!《マシン・ゴレイム》(装備ATK+1800)」

 

 

天から土色のゴーレムが現れ、ロボットアームに変形する。

 

 

【UNITE EQUIP! Gigantic Arm!】

 

アームは悟の左腕に装着され、軽々と片手で機械槍を掴んだ。

 

悟:《ファイティング・デュエリスト》ATK2700→4500

 

「ここからが、俺の本領発揮だ!うぉおおお!」

 

【Player Attack!】

 

かけ声とともに巨大アームから勢いよく青槍をアンプロエールに投げ飛ばした。

 

遊士LP3500→2200

 

「ぐっ」

 

「まだだ。《揚陸群艦アンブロエール》が破壊された事で、墓地から墓地からリンク3以下のモンスターを特殊召喚する。再臨せよ、《トロイメア・フェニックス》(ATK1900)!」

 

 

【Effect】

【Select 1 Monster】

【Summon!】

 

鉄塊となったアンプロエールの内側から卵の殻を割るように不死鳥が姿を現す。

 

「ここで蘇生効果を発動?そのままならダメージを受けないのに何、考えてやがる」

 

遊士はニヤリと不敵に笑いながら答える。

 

「アンプロエールの蘇生効果を使わなかったら、悟は何も考えずにフォルゴを攻撃したろ?そうすれば、フォートレスの効果で俺のフィールドにモンスターはいなくなるし、《補給部隊》でドローできる。な、困るだろ?」

 

 

プレイングミスではなく、しっかりとした戦術だったのかと一同は唖然となった。

デュエルモンスターズの常識とはかけ離れているからだ。

 

 

「俺も読めたぜ。裏を返せばフォルゴを破壊されたくないって事だよな。だったら《マシンナーズ・フォートレス》で《空牙団の大義フォルゴ》を攻撃だ!」

 

戦車からドーン、と砲撃。

フォルゴは抜刀し切り伏せ、二の太刀で《マシンナーズ・フォートレス》を一刀両断。

 

悟:LP4000→3900

 

「《マシンナーズ・フォートレス》は戦闘破壊されるが、効果で《空牙団の大義フォルゴ》を破壊する」

 

【Effect】

【Select 1 card】

【Destroy!】

 

「更に《補給部隊》の効果で1枚ドロー・・・。よしっ」

 

【Draw】

 

「フォルゴが破壊された事でアンプロエールの効果。《補給部隊》を破壊する」

 

【Effect】

【Destroy 1 card】

 

「装備状態のカードを破壊しない?」

 

プレイングミスか、とアイナはいぶかしんだ。

2人ともプレイングスキルはかなり高い。

この状況では突破が困難な装備状態のユナイトモンスターを破壊する方が良いように思う。

 

「装備状態のカードは《マシン・ゴレイム》の効果で1ターンに1度だけ、破壊されないからな。そうくるしかないもんな」

 

「ああ。やっぱり、悟のエースは厄介だぜ、ホント」

 

 

《マシン・ゴレイム》

レベル7地属性機械族・ユナイト・効果ATK2400 DEF2000/装備ATK+1800

ユナイトカウンター3個+機械族モンスター2体

モンスター効果

①:このカードは水属性モンスター以外のカードの効果の対象にならず、効果では破壊されない。

②:このカードの攻撃力は相手フィールド上のモンスター1体につき、100ポイント、攻撃力がアップする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、装備状態のカードは相手のカードの効果を受けず、破壊されない。

 

 

「あと一歩だぜ。手札から《鉄の王》を墓地に送り、墓地から《マシンナーズ・フォートレス》(DEF1600)を守備表示で特殊召喚」

 

【Effect】

【Summon 1 Monster】

 

「エンドフェイズ時、《無頼特急バトレイン》の効果により、《弾丸特急バレット・ライナー》を手札に加え、ターン終了だ。遊士!俺は今日こそお前に勝つ!」

 

 

仲町悟

LP3900

場:《マシンナーズ・フォートレス》DEF1600

伏せカード0枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK4500(《マシン・ブレイザード》、《マシン・ゴレイム》装備)、ユナイトカウンター0個

手札:1枚(《弾丸特急バレット・ライナー》)

 

 

「流石に強いな。だけど、このターンで決める」

 

耐性持ちの攻撃力4500のプレイヤーに破壊効果とハンデス効果持ちの最上級モンスターがいる鉄壁の布陣。

遊士の勝利宣言にギャラリーがざわついていく。

 

「俺の全力、越えれるものなら越えてみやがれ」

 

そう言うものの、悟の表情は硬い。

幾度となく遊士とデュエルしてきた彼は、この場において遊士の実力を1番よく理解しているのだ。

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「《空牙団の闘士ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を召喚」

 

【Summon】

 

両手の鉄爪を振り上げ、リザードマンが雄叫びをあげる。

 

「手札を1枚セット。俺はユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

「ユナイトイクイップ! 我が手に宿れ、r()e()f()()()()()()()()()()()()《トリック・スネーク》

レベル1水属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK200 DEF300/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手はデッキからカードを1枚ドローする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動することができる。そのモンスターの表示形式を変更する。《/ref》》!」

 

 

【UNITE EQUIP! Tric Whip!】

 

 

遊士:《スターター・デュエリスト》ATK200→400

 

「《トリック・スネーク》の効果を発動!」

 

【Effect】

 

遊士は手にした黄色と黒の鞭を《マシンナーズ・フォートレス》に絡ませ、表示形式を変更する。

 

《マシンナーズ・フォートレス》DEF1600→ATK2500

 

「装備状態のユナイトモンスターはモンスターとしては扱われないから、《マシンナーズ・フォートレス》のハンデス効果は発動しない。最も俺の手札は0枚だけどな」

 

「残りのカードはそのセットカードだけだ。このターン、耐えてみせるぜ」

 

「これが最後の一手。リバースカードオープン、《ミニマムガッツ》!」

 

《トロイメア・フェニックス》がフォートレスに突撃し、装甲に穴を開ける。

 

《マシンナーズ・フォートレス》ATK2500→0

 

「くっ」

 

続けてブラーヴォが手甲を煌めかせる。

 

「《空牙団の闘士ブラーヴォ》で《マシンナーズ・フォートレス》を攻撃」

 

【Attack!】

 

「くそっ」

 

悟:LP3900→1800

 

「《ミニマムガッツ》の効果を受けたモンスターが破壊された場合、そのコントローラーはその攻撃力分のダメージを受ける」

 

言い終わるや《マシンナーズ・フォートレス》が爆発した。

 

「マジかぁあああ!」

 

悟:LP1800→0

 

――――――――――――――――――――――――――

 

奥田遊士くんのあの強さ、あの銀色のアームドナイトを髣髴とさせる。

しかし、使用カードや戦い方がまるで違う。確かに、外部の者ならば今まで頭角を現していなかったとしても不思議ではないけど・・・。

ここで判断するのは難しそう。ただ1つ言えるのは奥田くんだけでなく、仲町くんも2部リーグ上位に食い込める実力だということ。

かつての仲町くんはここまでの実力は無かった筈。奥田くん、彼との幾度となく行われたというデュエルによって引き上げられたということかしらね。

 

そんな2人をチラリと見る。

 

 

 

「今日も負けたぁー!あー、悔しい!」

 

「今日はちょっと危なかったかな。しかし日に日に強くなっていくな」

奥田くんはゴロンと仰向けに寝転んでいる仲町くんへ手を伸ばす。

 

「何で《ミニマムガッツ》なんか入ってんだよ。初めて見たぞ」

 

「そりゃ、このデッキの奥の手の1つだからな。使い所々は難しいけど、一気にデュエル終了まで持っていけるから入れてるんだ」

 

「ってことは、俺の実力は認めてる?『実力認めたら、チームに入る』、とか言ってなかったっけ」

 

立ち上がりながら、あれ?と首をかしげた仲町くん。

 

「言ってねぇし、過去を捏造するなって」

 

対し、奥田くんは思わずパッと、手を放す。

 

「バトル漫画的には『ここまで追い詰められるとは。約束とは違うが協力しよう』だろ?頼むよー、来週までにメンバーを登録しないと昇級試験に申し込めないんだよー」

 

仲町くんは土下座するように倒れこみつつも両手は奥田くんの右手を掴んで離さない。

 

「だぁー、もう、わかったよ。そんな状態なら、俺も協力するしかないだろ!4人目が見つかったら、お前のチーム入るから!」

 

「マ・・・、マジ?」

 

仲町くんの手の力が緩んだのか奥田くんは彼の肩に大丈夫だ、というように両手を置く。

 

「マジだよ。4人目を探すのも手伝うぜ」

 

「流石、遊士。恩に着るぜ」

 

ガシッと両手を組む2人に私は近づく。

 

「それなら私を4人目のメンバーに入れてもらえないかしら」

 

これなら奥田遊士くん、彼が銀のアームドナイト、ビリーバーなのか見極めることができるはず。

 

 

 

「「え?」」

 

左を向くとアイナさん―白砂先輩が爆弾発言をしていた。

悟も一瞬呆然となっていたが、すぐに立ち直り、おずおずと尋ねる。

 

「白砂先輩、良いんですか?だって先輩はご家庭の事情が・・・」

 

「家庭の事情?」

 

思わず呟いてしまうとすぐさま、悟がおぃと腕を引っ張り、小声で伝える。

 

「白砂先輩はこの街でデュエルディスクを作っている白砂カンパニーの社長の娘さんなんだよ」

 

そういう事ね。大体わかった。

そういや、デュエルディスクに“SC”ってロゴがあったな。

 

「そんなことよりも、生徒会としては我が校の生徒が2部リーグに行くことかできるようにする方が大切よ。それにあなた達と一緒なら1部リーグ入りも夢じゃないと思うの」

 

そりゃ1部リーグで大活躍のハクアさんが来たらなぁ。

ていうか、悟は実力を知ってるのか?

 

「悟、本当にこの人で良いのか?俺、この人の実力知らないんだけど」

 

「白砂先輩はトップクラスの実力者だぞ。学年代表ってのはそういう事だ。白砂先輩に遊士、この学校で考えうる限り最強のメンバーだぜ」

 

わっははは、と大笑いする悟。

どんだけ嬉しいんだよ。

そこへ、スッと細長い白い腕が眼前に伸びる。

 

「よろしくね。奥田遊士くん」

 

すげぇ可愛らしい笑顔だが、どことなく警戒されてるようなそんな感じだ。

 

「えぇ、こちらこそよろしくお願いします。白砂先輩」

 

うーん、これは大変な事になった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

帰り道―――、

 

『遊士、あのハクアが同じ学舎にいたのは驚いたが、上手く乗りきれたな。まさか、デッキが2種類あるとは思わなかったぞ』

 

「アレは昔の癖さ。俺にデュエルを教えてくれた人のテクニックでさ。同じデッキでも微妙に異なるデッキを複数持つことで1つのデッキが、無限の戦略を持つように見せるってやつさ」

 

遊士は懐からデッキケースを2つ取り出して掌で弄ぶ、

 

『ほぅ、中々に興味深いな・・・。む、どうやらテラーが表れたようだな』

 

ザンブに頷き建物の影に隠れる。

 

【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

「俺の未来を刻んでみせる!」

 

宙を駆ける銀の装甲が夕陽に煌々と照らしていた。

 




アイナ「フフ、2部リーグに上がれそうな生徒がいるなんて。これから楽しくなりそう」
タイタニック・チャンピオン「ハクアの時と試合が被らないか?」
アイナ「・・・」

その後、ユニティガーディアンの本部に無茶苦茶謝った。


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8話前半 ハイテラーの脅威・上

お久し振りです、お待たせしました。
書いてる途中で15000字をオーバーしてしまったので投稿。

名もなきA・弐さん、ポスポさん、感想ありがとうございます。
ヒデンナイトさん、お気に入り登録ありがとうございます。

11/5 変身→アームドフォーゼに変更。
2/4 決め台詞を追加。



遊戯王BELIEVER 8話

 

広場に銀色の極光が光輝く。

 

『LAST PLAYER ATTACK!』

 

爆風にあおられ、1枚のカードがヒラヒラと宙を舞う。

 

それを奥田遊士ーアームドナイト ビリーバーがキャッチしたその時。

 

「ビリーバー・・・」

 

ビリーバーが振り返った先には白のアームドナイト―ハクア。

ビリーバーはハクアの姿を一瞥すると、クルリと踵を返す。

 

「待ってくれ!私に謝罪をさせてくれないか」

 

ビリーバーはピタリと足を止める。

 

「私が君と出会ったあの時、私は君を《ザンブレイド・ドラゴン》を奪った犯人だと疑い、手を上げてしまった。しかも君は私を助けてくれたと言うのに・・・。本当にすまなかった」

 

頭を垂れるハクアへとビリーバーは振り返り答える。

 

「過ぎた事だ。そういうのが多いって、あの忍者から聞いているし。アンタの色んな事も言ってたぞ」

 

ハクアは顔が熱くなるのを感じるが、気を取り直して口を開く。

 

「ならば話は早い。私達と・・・」

 

「悪いがユニティガーディアンには入らないぜ。じゃ帰るわ」

 

「なっ!待て!」

 

ハクアは追いすがろうと手を伸ばすが、ビリーバーは閃光とともに消え去っていった。

 

「ユニティガーディアンに来ないなんて、何を考えているんだ?」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

翌日―――、

 

晴れた日の閑散とした公園。

ポツンとスーツ姿の男性がベンチに腰かけていた。

 

「なんで、1件も新規が取れないんだ。このままだと・・・」

 

男性は両手で頭を抱え、絶望にうちひしがれていた。

彼は保険会社の営業担当。成果をあまり出せないでいた。そのため、月末までに成果が出せなければリストラを宣告されていたのだ。

どうしたらいいのか。顔を上げる。

 

その時―――、

 

 

「あなた、とても良い顔をしてるわね」

 

眼前には青いロングヘアーの綺麗な女性が佇んでいた。

浮き世離れした美しさだが、ドレスも瞳や唇、爪に至るまで全てが青。

異様な格好に身に纏う異様な雰囲気が恐怖感を催す。

 

「でも、そんなのを抱えたままでは大変。解放してあげる」

 

女の手には真っ黒なカード。カードから黒い煙のようなものが上がっている。

 

「ヒッ!」

 

ソレが額に押し当てられると男性は闇に包まれ、意識が消失した。

 

『Plant Terrorrr…』

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

蔦を纏った怪人がのそのそと歩き出すのを見た女性ーティアフィネルは満足そうに笑みを深める。

 

「あーあ、そんな使い方しちゃって。勿体ないなぁ」

 

ティアフィネルの背後から甲高い子供のような声が響く。

 

「あなたは・・・、ブレイウルスの子ね、どういう意味かしら?」

 

小柄な人影は鉄棒の上で足をブラブラさせるのを止め、ストンと地面に降りる。

 

「アレじゃ、エナジーをあんまり回収できないんじゃないの?もっと強い方が良いでしょ?」

 

フードを被った人影はニヤニヤと笑みを浮かべながら話す。

 

「それで?」

 

「ボクにも少々、噛ませて欲しいんだ」

 

無邪気に振る舞うその姿を見てティアフィネルは眉をひそめる。

しかし彼がかなりの功績を挙げていた事を思い出す。

 

「結構。任せたわ、”ハイテラー:ストリア”」

 

ティアフィネルは真っ黒なカードを差し出す。

 

「えへへぇ」

 

ストリアは両手でカードを掲げ新しいオモチャをもらった子供のように目を輝かせていた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

―ユニティガーディアン 司令室―

 

「ジンさん!ビリーバーに私の事を色々と話したそうですね!」

 

ハクアー白砂アイナは怒りに頬を朱に染め、ジンに詰め寄る。

 

「友好関係を作るには、まず苦手意識をもってるアイナちゃんの誤解を解くところからだからな。アイナちゃんの魅力を余すことなく伝えてやったぜ」

 

目元は見えないが、ニカッと良い笑顔でサムズアップで答える忍者。

 

「ぅう・・・」

 

アイナは顔全体を真っ赤に染めて俯いてしまう。

そんな中に割って入る声が1つ。

 

「2人のやりとりは相変わらず面白いね。だけど今は緊急召集中だぜ」

 

司令室の中央からそう言うのは光導翼 副局長代理。彼は視線を横の片桐局長に向ける。

皆も自然と片桐局長へと注目が集まる。

口を開こうとするがすぐに一文字になってしまう。その表情は固く、苦々しい。

 

「局長、一体何があったんですか?」

 

アイナの呼びかけに意を決したかのように局長は正面を見据え――――、

 

 

「《アームドナイト ロウオウ》―久我凍也(くが・とうや)が倒れた。今は意識不明で在府病院で手当てを受けている」

 

 

―――血が滲み出る程、拳を握りしめながら吐き出すように言葉を絞り出した。

 

「アイツが・・・。マジかよ」

 

ジンは愕然とした様子で目を見開く。

彼と翼、自身はアームドナイトの中でも最古参。かつてのマスターテラー襲撃事件において、最も多くのテラーを倒したのが彼なのだ。

その実力は折り紙付き。そんな彼が一体何にやられたのか、一同に疑問が宿る。

 

「マスターテラーですか?」

 

あの化物達の実力ならば起こりうる事象だ。

 

「確かに。この前もアイナ達の前に現れたからね。だけどマスターテラーと戦うなら、凍也が連絡しないはずがないよ。アイツらは1人では倒せないことは凍也がよく知っているからね・・・」

 

「マスターテラーの可能性は薄いだろう。久我が発見された場所にテラーの反応はあったがマスターテラーの反応はなかった」

 

モニターに当時の地図が表示されているが普通のテラーと同じ画面。

 

「しかし、久我さんは"ハイテラー"を2人同時に相手をして撃破した事があると聞いています。あの人は一体、何と戦ったんですか?!」

 

声を荒げるアイナ。テラーの上位種であるハイテラーは数回、相手をした事があるが、いずれも強敵揃いだったがあの久我さん(ロウオウ)がハイテラーに負ける姿が彼女には想像できない。

 

「アイナちゃん、落ちつけ。案外、テラーを相手にしてたら後ろから襲撃されただけかもしれないぞ」

 

アイナはビリーバーに助けられた少し前の自分の事を思い出して、かつての迂闊さに唇を噛み締める。

頭に上っていた血が収まるのを感じる。

だからこそ矛盾した点がある。

 

「って、あの人がそんな私みたいなマネをするはずが―――」

 

 

ビービービー!!

 

 

「"テラー"出現反応あり!在布臨海公園です!しかも側にアームドナイトの反応もあります」

 

オペレーターの声に片桐局長は頷き、指令を出す。

 

「またビリーバーか。ハクア、ジン行ってきてくれ。彼と協力して事態の収拾を図れ。件のヤツもいる可能性がある。注意してくれ」

 

アイナとジンは司令室から飛び出していった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

―在府臨海公園―

 

テラーが現れる少し前、遊士は悟と悟達のチーム、A.ギートのメンバー達と合流するため、公園近くのデュエル場を目指していた。

 

「そういや悟、あんまり聞いてなったけど何でわざわざデュエル場に行くんだ?」

 

「そういや遊士は1部リーグ以外の試合は見たことなかったんだったな。2部リーグと3部リーグはバトルロイヤル形式なんだよ。常識だぜ」

 

やれやれ、と悟はため息をこぼす。

 

「下位リーグ中継されてないからなぁ。ライフポイント引継ぎで手あたり次第戦っていく感じ?」

 

「だいたいはな。1対1のシングルデュエル形式で、3人撃破が勝利条件だな。ライフは引き継ぎ式だけど受けたダメージの半分、回復する仕組みだな」

 

だいぶ有情仕様だなと思いながら続く話に耳を傾ける。

 

「2部リーグの昇格戦から控えとして2人参戦できるから追加ルールで自陣に戻れば控えメンバーと交代できるのと相手陣にあるフラッグを自陣に持ち帰ることが勝利条件に追加されるんだ。最もフラッグを取りに行くには1対2のハンディキャップマッチになるから難易度は高いけどな」

 

「なるほどね、チーム全体でサポートし合う事が重要なんだな」

 

「そういうこと。チームリーダーは1度だけデュエルを中断させて中断させた相手とデュエルする権利もあるから余計にな。だから専用のデュエル場でチームワークの練習が必要になるんだよ」

 

遊士はそこでもう1人の新しいメンバーがいたことを思い出す。

 

「そういや白砂先輩は来ないのか?」

 

「先輩、今日は忙しいんだと。来なくて残念だったな」

 

遊士は悟られないように胸をなでおろしつつ、ユニティガーディアンの仕事かな、と思いを巡らす。

 

「つうか先輩、試合当日大丈夫なのか・・・?」

 

「何とかなる・・・気がする」

 

 

その時―――――、

 

わぁあああああ! きゃああああ!

 

 

大勢の人が必死の形相でこちらに向かって走ってきた。

 

何があったのか?道の先には木の蔦で覆われたような怪人がのそりのそりと歩みを進めていた。

 

テラー・・・!

遊士は懐のアームドナイトのカードに手を伸ばしつつ、口を大きく開け、目を丸くさせている悟に呼びかける。

 

「逃げるぞ」

 

「あ、ああ」

 

遊士は逃げてきた人達に加わるように悟を誘導しつつ、木陰に隠れデュエルディスクを取り出す。

 

 

【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】

 

《アームドナイト ビリーバー》のカードをデュエルディスクの中央に差し込む。

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

「俺の未来を刻んでみせる!」

 

銀の装甲が展開されると同時に《アームドナイト ビリーバー》は《プラントテラー》へと肉薄する。

 

《プラントテラー》は指先全てから蔦を鞭のように奔らせ迎撃する。

 

「近づけない・・・!」

 

これではRAJシステムからデュエルに持ち込めない。

 

『遊士、俺を使え!』

 

遊士は《ザンブレイド・ドラゴン》のカードに手をかざすとカードから光が飛び出す。

 

【Fatal Blade!】

 

ビリーバーは手にした大剣を振り下ろすも蔦が数本斬れる程度。

すぐさま残りの蔦が殺到し、距離をとる。

 

「戦いづらい・・・!」

 

 

瞬間―――――、

 

細長い光弾が幾重にも蔦を切り裂く。

 

【Feather Lay!】

 

「ビリーバー!」

 

声の先にはアームドナイト姿のハクアとジンの姿。

 

「ありがてぇ!」

 

大剣を横なぎに振り払い、強制デュエルモードへと移行させる。

 

「一気に片をつけてやるぜ!」

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「俺のターン!モンスター1体とカードを1枚セットしてターンエンド」

 

【Turn End】

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000

手札3枚

場:セットモンスター1枚 リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター0個

 

 

蔓を縮め手に戻したプラントテラーは手首と合体したデッキからカードを1枚振り抜く。

 

【Draw】

 

直後、プラントテラーが淡く光輝く。

 

【Player Effect】

 

プラントテラーLP4000→4600

 

【Life plus 600】

 

「ライフ回復か、大したことはなさそうだ」

 

 

《プラントテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、 自分のライフを600ポイント回復する事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

【Summon】

 

《ローンファイア・ブロッサム》レベル3ATK500

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

《森羅の仙樹レギア》レベル8ATK2700

 

赤い花が成長し大きな樹木が鎮座した。

続けて、辺りが神秘的な野山に囲まれる。

 

《森羅の霊峰》フィールド魔法

 

【Effect】

 

手札の植物族を捨てる事でプラントテラーのデッキから1枚のカードが飛び、デッキの1番上に戻る。

 

【Monster Effect Select 1 Card】

 

大樹が身体を震わすと先ほどのデッキの1番上のカードが墓地に送られる。

 

《森羅の実張りピース》墓地へ

プラントテラー手札4→5

 

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

《ローンファイア・ブロッサム》ATK500

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

《森羅の仙樹レギア》レベル8ATK2700

 

「また増えやがった」

 

【Monster Effect】

 

《森羅の影胞子ストール》墓地へ

プラントテラー手札5→6

 

【Monster Effect-Destroy 1 Card】

 

セレクトライトがビリーバーの伏せカードに向けられた。

 

「トラップカード《和睦の使者》。このターン、俺はダメージを受けず、モンスターは戦闘破壊されない」

 

【Summon 1 Monster】

 

《森羅の賢樹シャーマン》レベル7ATK2600

 

【Monster Effect】

 

《森羅の番人オーク》墓地へ

 

【Monster Effect-Select 1 Card】

 

《ローンファイア・ブロッサム》墓地→デッキトップ

 

【Set 2 Card】

 

空中に2枚の裏向きのカードが浮遊する。

 

【Turn End】

 

 

プラントテラー

LP4600

手札4枚

場:《森羅の仙樹レギア》(ATK2700)×2、《森羅の賢樹シャーマン》(ATK2600)、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《プラントテラー》ATK500

 

 

「俺のターン、ドロー」ビリーバー手札3→4

 

【Draw】

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を反転召喚。その効果を発動」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

【Monster Effect】

 

プラントテラーの伏せカードの1枚が露になる。

 

【Chain Effect】

 

《天罰》

リコン→無効

プラントテラー手札4→3

 

【Summon】

 

「カウンターか。なら《空牙団の参謀 シール》(レベル4 ATK1600)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)

 

【Monster Effect-】

【Search 1 Card】

【Summon 1 Monster】

 

《空牙団の飛哨 リコン》墓地→手札

 

「続けて、《空牙団の砲手ドンパ》(レベル2 DEF1000)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

 

【Monster Effect-Search 1 Monster】

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を手札に加え、ドンパの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

「ラファールとドンパの効果を発動」

 

【Monster Effect-】

【Search 1 Card】

【Select 1 Card-Destroy!】

《森羅の仙樹レギア》破壊

サーチカード:貪欲な壺

 

「俺はドンパとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

「ユナイト召喚!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜! レベル8《ザンブレイド・ドラゴン》(ATK2500)!」(ビリーバー:ユナイトカウンター5→1)

 

「《ユナイト・フォース》を発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力は600アップする」

 

【Effect-Attack Plus 600】

 

《空牙団の剣士ビート》ATK1300→1900

《空牙団の参謀シール》ATK1600→2200

《空牙団の英雄ラファール》ATK2800→3400

《ザンブレイド・ドラゴン》ATK2500→2900

 

「バトルだ!ラファールで《森羅の仙樹レギア》を攻撃」

 

【Attack!】

 

ラファールが大剣を震うと大樹は瞬く間に薪へと変えられる。

 

プラントテラーLP4600→3900

 

「行けっザンブ!シャーマンを攻撃だ」

 

『うおぉ!トライブレードアタック!』

 

プラントテラーLP3900→3600

 

「これで終わりだ。ビート!シール!」

 

その時、

 

【Effect-Select 1 Monster-Revive!】

 

《森羅の恵み》

プラントテラー:手札3→2

《森羅の仙樹レギア》ATK2700

 

「ターンエンドだ」

 

【Effect】

 

《森羅の霊峰》の効果が発動され、《薔薇恋人》が墓地に送られる。

 

「エライもんが墓地に送られちまったな」

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000

手札1枚

場:《空牙団の剣士ビート》(ATK1300)、《空牙団の参謀シール》(ATK1600)、《空牙団の英雄ラファール》(ATK2800)、《ザンブレイド・ドラゴン》(ATK2500)

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター1個

 

 

【Draw】プラントテラー:手札2→3

 

プラントテラーが淡く光輝く。

 

【Player Effect】

 

プラントテラーLP400→1000

 

【Life plus 600】

 

【Summon】

 

《ローンファイア・ブロッサム》ATK500

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

【Chain Effect】

 

「ラファールの効果で手札の空牙団を墓地に送り、効果を無効にする」

 

《ローンファイア・ブロッサム》無効

 

【Monster Effect-Summon 1 Monster】

 

《薔薇恋人》墓地→除外

《姫葵マリーナ》(レベル8ATK2800)

 

ヒマワリを模した女性が姿を表した。

 

【Battle】

 

《ローンファイア・ブロッサム》がビートに向けて花びらから弾を発射する。しかし、ビートの一刀の元に切り伏せられてしまう。

 

プラントテラーLP1000→200

 

「マリーナの効果を狙ったか」

 

【Monster Effect-Select 1 Card-Destroy!】

 

マリーナから伸びた蔓はラファールを捕らえ光へと変えてしまう。

 

【Attack!】

 

マリーナの蔓は更に《ザンブレイド・ドラゴン》へと向かう。

 

『ぐぉおおお!』

 

「くっ、ザンブ!」

 

ビリーバーLP4000→3700

 

 

【Set 1 Card】

 

空中に1枚の裏向きのカードが浮遊する。

 

【Turn End】

 

 

プラントテラー

LP200

手札0枚

場:《姫葵マリーナ》(ATK2800)、リバースカード1枚

プレイヤーカード:《プラントテラー》ATK500

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ビリーバーと《プラントテラー》のデュエルも終盤に差し掛かってきた頃、無邪気な声が聞こえてきた。

 

「あ~あ、ティアフィネルさんが作ったのは弱いな~。さてと、ここからが第2幕だよ!」

 

滑り台の上にパーカーを被った子どもの姿があった。

よっ、と掛け声を上げ、滑り台から滑り降りすくっと立ち上がる。

 

「貴様、何者だ!」

 

ハクアは警戒しフェザーレイを少年に向ける。

 

「ボクはストリア。君たちに紹介したいゲストがいるんだ」

 

そう言うと指を鳴らすように指を動かし、空間を歪める。

中からタンクトップ姿の大柄な男性が現れる。

 

「ユニティガーディアンの皆さんよぉ、久しぶりだなぁ」

 

どこか小馬鹿にしつつも、憎しみの表情。

 

「貴様はチームDARKの大豪寺!捕まったはずでは!」

 

先ほどまで首をひねっていたシジュはその言葉を聞き、思い出したとばかりに拳を手の平に打ちつけていた。

チームDARKはかつて1部リーグに所属していたが、集団での恐喝や暴行などの罪でユニティガーディアンにとらえられていたのだ。大豪寺はそのリーダーであった。

 

「このガキに引っ張り出されたのさ。『ユニティガーディアンに復讐したくないかと』」

 

横目でストリアを見やる。彼は自身の小さな手を見つめ、指が鳴らなかった・・・としょげていた。

 

「何はともあれ、俺は力を手に入れたのさ・・・!うぉおおおお!」

 

雄たけびを上げると、大豪寺の全身が黒く染まる。

 

【High Terrorrr… Darks!】

 

全身を岩のような黒い装甲に突き上げる2本の角はまるで鬼や悪魔のよう。

赤く染まった瞳がハクアを捉える。

 

地鳴りが響くとともに鋼のような拳がハクアへと振るわれる。

 

ガキン、金属質の音をたてながらとハクアの盾が拳を遮った。

 

「この姿になると、どうも昂っていけねぇ。デュエルと行こうじゃねぇか」

 

「私の誇りに誓って、あなたを倒す!」

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

《ユナイト・フォース》

通常魔法

①:プレイヤーと自分フィールド上の全てのモンスターはターン終了時まで、自分フィールド上のカードの枚数と自分のユナイトカウンター数の合計×100ポイント、攻撃力がアップする。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。

この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。



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8話後半 ハイテラーの脅威・下

8話後半、何とか書き上がりました。

書いている内に新ルールの発表がありましたね。
まさか、全く違うルールを別軸で作るとは予想外でした。
後、EXデッキの召喚制限の緩和も合ってシンクロ好きの自分には朗報。
デッキ構築が楽しくなりそうです。
2/19 The White Arcanumの発動条件を変更

4/28 ユナイト・リバイブの発動条件を緩和
5/1 必殺魔法の音声を微変更
12/5 必殺魔法のチェーン不可を無効化できないに変更。


―――――DUEL!―――――

 

「ハクア、気をつけろ。ロウオウを倒したヤツかもしれない」

 

ジンさん(シジュ)、わかってます。何が来ようとも打ち倒します。私のターン!魔法カード《増援》。《星因子アルタイル》を手札に加える。更に《おろかな埋葬》を発動し、《星因子デネブ》を墓地へ」(ハクア:ユナイトカウンター0→1→2アームドナイト ハクア

 

【Effect】

 

ハクアは制限カード2枚で仕込みをしつつ、ユナイトカウンターを貯めていく。

 

「《星因子アルタイル》を召喚し、効果を発動。墓地から《星因子デネブ》を特殊召喚。更にデネブの効果で2枚目の《星因子アルタイル》を手札に加える」ハクア:ユナイトカウンター2→3→4)

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Revive!】

【Monster Effect-Select 1 Monster-Search!】

 

 

「2体のモンスターとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・UNITE SUMMON】

 

「ユナイト召喚!現れろ!常勝無敗!偉大なる天界の戦機!レベル8《タイタニック・チャンピオン》(ATK3000)!」

 

『ハイテラーか、相手にとって不足はない』

 

「カードを2枚セットしてターンを終了する」

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP4000

手札:3枚

場:《タイタニック・チャンピオン》(ATK3000)、伏せカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》ATK0、ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン!ドロォ!」

 

【Draw】

 

カードを引く同時に障気が溢れ出る。

 

「まずは《暗黒界の取引》。互いに1枚ドローし、1枚捨てる」

 

大豪寺ーハイテラー:ダークスは【暗黒界】デッキの使い手。手札交換も無駄なく利用する筈だとハクアは思考する。

 

現にその予想は当たっている。

 

「俺が捨てたのは《暗黒界の龍神グラファ》!貴様のエース、《タイタニック・チャンピオン》にはご退場願おうかぁ!」

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Destroy!】

 

ダークスの墓地に暗黒が広がると、ソレをキャノン砲に見立て、《タイタニック・チャンピオン》に放つ。

 

『ぬぅ』

 

「甘い!罠カード《ユナイト・ウェポナイズ》を発動!」

 

 

【Chain Effect!】

 

 

《タイタニック・チャンピオン》は瞬く間にアーマーとなり、ハクアの豪腕と化す。

 

【Titanic Armor!】

 

ハクアATK400→3400

 

 

「んなこったろうと思ったぜぇ。リバースカードを1枚セットォ。手札から《未界域のビッグフット》の効果を発動。俺様の手札を1枚選べ!」

 

【Monster Effect】

 

「未界域カードも手に入れていたか。私から見て右端のカードを選ぶ」

 

それを見てニヤリと笑うダークス。

 

「当たりだぜ。貴様が選んだのは《暗黒界のスノウ》!」

 

【Monster Effect-Search 1 Card】

 

「スノウの効果で《暗黒界の門》を手札に加え、ビッグフットが選ばれなかった事でビッグフット自身を特殊召喚し、1枚ドローォ!」

 

【Summon】

【Draw】

 

《未界域のビッグフット》(レベル8 ATK3000)

 

「まぁ何を選んでも一緒だけどなあ!更に《暗黒界の門》を発動。スノウを除外し、1枚ドローし、《暗黒界の尖兵ベージ》を墓地に送る」

 

【Effect-Draw】

 

更に墓地からベージの腕が生え出てきた

 

【Monster Effect-Revive!】

 

「あぁ、こいつも墓地発動だったわ。手札から墓地に捨てられた場合、ベージは特殊召喚される。更に墓地の《暗黒界の龍神グラファ》の効果。ベージを手札に戻し、特殊召喚される!」

 

【Monster Effect-Revive!】

 

《暗黒界の龍神グラファ》(レベル8ATK2700→3000)

 

「更に、《おろかな埋葬》!貴様も使ったカードだぜぇ。勿論、墓地行きは《暗黒界の龍神グラファ》!2枚目だぁ!そしてぇ!」

 

ダークスの両手に闇が収束しハクアへと向けられる。

 

「俺様自身の効果。相手プレイヤーかモンスターを1体選択し、ターン終了時まで攻撃力を600ダウンさせる!ハァッ!」

 

【Player Effect】

 

闇が放たれハクアは脱力を感じる。

 

「くっ」

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→2800

 

「コストとして手札を1枚捨てるのが難点だがな。最も捨てるのは《暗黒界の尖兵ベージ》。自身を召喚。更に墓地の2枚目《暗黒界の龍神グラファ》の効果。ベージを手札に戻し、特殊召喚だぁ!」

 

【Monster Effect-Revive!】

 

《暗黒界の龍神グラファ》(レベル8ATK2700→3000)

 

 

《ハイテラー:ダークス》

プレイヤーカード ATK700

①:1ターンに1度、手札を1枚捨て、相手プレイヤーかモンスター1体を選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は600ダウンする。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

ハクアは息を飲んだ、それは先程の焼き直し。しかも召喚権も残している。

 

「バトルだぁ!ビッグフットでハクアを攻撃!」

 

【Attack!】

 

ハクアLP4000→3900 ATK2800→0

 

タイタニックアーマーは砕け散り、ハクアは思わず、膝をつく。

自然、巨大な猿人に龍神達、悪魔を見上げる形になる。

 

「フハハハァ!無様だなぁ!貴様にはお似合いの格好だ!」

 

だがハクアの闘志は揺るがず、ダークスは苛立ちを覚えた。

 

「ちっ、グラファでダイレクトアタックだ!」

 

【Attack!】

 

「罠カード発動!《ユナイト・ウォール》!このターン受けるダメージを半減し、ユナイトカウンターを3つ得る!」(ハクア:ユナイトカウンター0→3)

 

ハクアLP3900→2400

 

《ユナイト・ウォール》

通常罠

①:2000以上のダメージを受ける場合に発動する事ができる。そのダメージとこのターンに自分が受けるダメージは半分になり、自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを3つ置く。

 

ハクアはデュエルディスクの盾を構え、グラファの爪を凌ぐ。

 

「まだまだぁ!2体目のグラファで攻撃!」

 

【Attack!】

 

更なる衝撃に鎧の下の顔が歪む。

 

「くっ!」

 

ハクアLP2400→900

 

「俺自身の攻撃だぁ!喰らえ!」

 

【Player Attack!】

 

ダークスは両の拳を組んで槌のように振り下ろした。

 

ハクアLP900→550

 

 

「ハッハッー!圧倒的じゃねぇかぁ。あのガキの話を信じて正解だったぜ」

 

「あの子供か」

 

指を鳴らす練習をしていたストリアはハクアの視線に気づき、不敵に笑う。

 

「そういうこと、全て僕のおかげなんだ。“求めよ、さらば与えられん…”だっけ?要は欲しい人に欲しいモノをあげないといけないもんね。無理やりはダメ、ゼッタイ」

 

少年は腕をクロスさせバッテンを無邪気に作っている。

 

「経緯とかは癪だがな、まあいい、俺はこれでターンエンドだ!」

 

【Turn End】

 

 

ハイテラー:ダークス

LP4000

手札4枚

場:《暗黒界の龍神グラファ》(ATK2700→3000)×2、《未界域のビッグフット》(ATK3000)、《暗黒界の門》リバースカード1枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ダークス》ATK700

 

 

「貴様のデッキの性能、戦術は確かに脅威的だ。だがそれだけの話。私達には及ばない。私のターン!」

 

【Draw】

 

「魔法カード《ユナイト・リバイブ》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect-Select 1 Monster-Equip!】

 

「《タイタニック・チャンピオン》を装備!」

 

【Titanic Armor!】

 

再びタイタニックアーマーを装備し、気力を漲らせる。

 

《アームドナイト ハクア》ATK400→3400

 

「墓地の《ユナイト・ウェポナイズ》の効果。このカードを除外する事でユナイトカウンターを1つ得る」(ハクア:ユナイトカウンター4→5→6)

 

【Effect】

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ宿れ!《レーザー・ファルコン》!」(ハクア:ユナイトカウンター6→4)

 

【Feather Ray!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→4500

 

光翼の浮遊砲台が悪魔へと向く矛先となる。

 

 

「墓地の《ADチェンジャー》を除外し、効果を発動!《未界域のビッグフット》を守備表示にする!」

 

「《暗黒界の取引》の時か」

 

「そうだ。更に装備状態の《レーザー・ファルコン》は貫通能力を持つ。これで終わりにする!バトル!」

 

《未界域のビッグフット》ATK3000→DEF0

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

ハクアはアーマーのブースターから爆炎を迸り、一直線にビッグフットに突撃する。

 

「ちぃ!墜ちろぉ!」

 

《アームドナイト ハクア》ATK4500→3900

ハイテラー:ダークス手札4→3(《暗黒界の斥候スカー》)

 

ダークスの黒い波動を受けるがその加速は止まらない。

 

「ハァアアア!」

 

ビッグフットが貫かれる瞬間、ダークスのリバースカードが露になる。

 

「リバースカード《ユナイト・ウォール》!このターンのダメージを半分にぃ!更にユナイトカウンターを3つ得る!」

 

ハイテラー:ダークス

LP4000→2050

ユナイトカウンター:0→3

 

「装備状態の《タイタニック・チャンピオン》は2回攻撃能力を持つ!」

 

続けざまに振り抜かれる拳は龍を捉える。

 

ハイテラー:ダークスLP2050→1600

 

「カードを1枚セット。ターン終了時に《レーザー・ファルコン》は《タイタニック・チャンピオン》の効果でEXデッキに戻るターンを終了」

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP550

手札:2枚

場:伏せカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》(《タイタニック・チャンピオン》を装備)ATK3400、ユナイトカウンター3個

 

――――――――――――――――――――――――――

 

その頃、ビリーバーとプラントテラーのデュエルは決着の時を迎えようとしていた。

 

「俺のターン、ドロー!《空牙団の飛哨 リコン》を召喚」(ビリーバー:ユナイトカウンター1→2)

 

相手の場に強力なモンスターがいるが意に返さず、淡々とデュエルを続ける。

なぜなら、ビリーバー-遊士には相手のデュエルの底がすでに見えている。

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング」 

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!来い《ガトリング・ウルフ》!」

 

【Beast Gatlinger!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→1100

 

プラントテラーは恐ろしいモノを見るかのようにジリジリと下がる。

プラントテラーは気付いているのだ、自分の敗北を。

 

「悪いがライフが500を下回った時点でお前の負けだ。一気に片をつけてやるぜ!」

 

《ガトリング・ウルフ》のユナイト効果のテキストはこう書かれている。

[①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。]

この効果はこの局面において、あまりにも決定的だった。

 

 

【LAST EFFECT!】

 

狼を模したガトリングが火を噴き、プラントテラーは爆散した。

 

プラントテラーLP200→0

 

 

「今回は大したことなかったな・・・。いや勘が、戻ってきている?」

 

注意しないとな、と独り言ちるとともにハクアのデュエルに目をやる。

相手はハイテラーと言ったか、今までのテラーとは一線を画しているはず。

必ず勝て、とデュエルの経過を見守った。

そんな彼を食い入るように見つめる視線に気づくことはなかった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

容易に倒すことができると思っていた相手の予想外の反撃にダークスは苛立ち、怒鳴り散らす。

 

「いい加減にくたばりやがれぇ!俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

「《暗黒界の尖兵ベージ》を召喚。更に墓地の2枚目の《暗黒界の龍神グラファ》の効果。ベージを手札に戻し、特殊召喚!]

 

【Monster Effect-Revive!】

 

「最強の力を見せてやる!2体の《暗黒界の龍神グラファ》とユナイトカウンター3個でコーリング!」 

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が糧となれ!《双頭の魔竜 ディープ・ダークス》!」

 

【Drago Arms!】

 

《ハイテラー:ダークス》ATK700→3600

 

ダークスの両腕にドラゴンの顎、頭にもドラゴンを模した兜が装着された。

より禍々しいオーラがその凶悪さを物語っていた。

 

「テラーがユナイトイクイップ?!」

 

「そうだぜ、ビリーバー。ハイテラーはユナイトイクイップさえ使いこなすんだ」

 

シジュの言葉にビリーバーはハイテラーは普通のテラーとはここまで違うのかと警戒を強める。

 

「ふっふっふー。なかなか強いでしょ。僕の中でもかなりの自信作なんだ。いっけー、ダークス!」

 

腕を振り上げ応援する姿はまるで子供のよう。

 

「《暗黒界の門》を発動。墓地の《暗黒界の斥候スカー》を除外し、1枚ドロー。《暗黒界の尖兵ベージ》を墓地に送り、蘇生!」

 

【Effect-Draw】

 

【Monster Effect-Revive!】

 

「更に墓地の《暗黒界の龍神グラファ》の効果。ベージを手札に戻し、特殊召喚!俺の効果でアクアの攻撃力を600ダウンさせ、手札を1枚捨てる!」

 

【Monster Effect-Revive!】

【Player Effect】

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→2800

 

「コストとして捨てた《暗黒界の尖兵ベージ》を再び蘇生。更に墓地の2枚目《暗黒界の龍神グラファ》の効果。ベージを手札に戻し、特殊召喚!」

 

《暗黒界の龍神グラファ》(ATK2700→3000)

《暗黒界の龍神グラファ》(ATK2700→3000)

 

「これで終わりだぁ!《暗黒界の龍神グラファ》でダイレクトアタック!」

 

【Direct Attack!】

 

ハクアLP550→350

 

「《アームドナイト ハクア》の効果!ユナイトカウンターを1個取り除くことで《タイタニック・チャンピオン》の破壊を無効にする!」(ハクア:ユナイトカウンター4→3)

 

「2体目の《暗黒界の龍神グラファ》でダイレクトアタック!」

 

【Direct Attack!】

 

ハクアLP350→150 ATK2800→0

 

「くぅ!」

 

「これで終わりだぁ!」

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

ゴォオオオオ!

 

竜の腕から漆黒の波動が瀑布のように放たれた。

 

「動きが単純になったぞ!リバースカードオープン!《ガード・ブロック》!」

 

【Effect-Draw】

 

デッキトップからカードが飛び出し盾となる。

 

ハクア手札2→3

 

「おのれおのれおのれぇえええ!カードを3枚セットォ!」

 

眼が血走り、あまりの憎しみに顔を大きく歪める。

 

【Turn End】

 

ハイテラー:ダークス

LP1600

手札1枚

場:《暗黒界の龍神グラファ》(ATK2700→3000)×2、《暗黒界の門》リバースカード3枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ダークス》(《双頭の魔竜 ディープ・ダークス》装備)ATK3600

 

《双頭の魔竜 ディープ・ダークス》

レベル9闇属性悪魔族・ユナイト・効果ATK3100 DEF2800/装備ATK+2900

闇属性レベル8モンスター×2+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃することができる。

ユナイト効果

①:1ターンに2度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのカードを破壊する。

 

 

「私のターン!」

 

【Draw】

 

「魔法カード《ユナイト・リバイブ》!」(ハクア ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect-Select 1 Monster-Equip!】

 

「三度、立ち上がれ!《タイタニック・チャンピオン》を装備!」

 

【Titanic Armor!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK400→3400

 

「またそいつか!いい加減しつけぇんだよ!永続罠《ユナイト・リミット》発動!」

 

 

《ユナイト・リミット》

永続罠

(1):相手プレイヤーはユナイトモンスターを1体しか装備できず、相手フィールド上のユナイトモンスターのモンスターのユナイト効果は無効になる。

 

【Chin Effect】

 

「これで貴様は俺を越えられねぇ!」

 

これではハクアはこれ以上攻撃力を上げられない。

だが彼女はまるで気にするそぶりも見受けない。

 

「確かに貴様は、ハイテラーらしく、強敵。しかし、それが貴様の底だ。この程度ならばロウオウ、いや私を倒すことはできない!」

 

「貴様ぁ!この俺を誰だと思って・・・」

 

侮辱され、更なる激情を呼び起こすダークスは反論しようと声をあげるが、途中で言葉が止まってしまう。

 

「何やってんだよー!ハイテラー:ダークス。あんな奴、早くやっつけちゃってよ」

 

ステリアはブーブーとヤジを飛ばし、急かす。

 

「俺はハイテラー:ダークス!目障りなヤツは叩き潰す!」

 

「何だ?・・・何か違和感が?」

 

憤怒に身を任せ雄叫びを上げるその姿の不自然さにビリーバーは首をかしげる。

その真相に気づいたシジュはストリアに怒気を強める。

 

「貴様・・・!」

 

『そういうことか!あの男の精神はテラーに喰われてしまったのだ。普通のテラーならば、あくまで眠っているだけ、しかしあの男はテラーと同調しすぎたのだ』

 

「そんな・・・」

 

人1人があっさりと消滅してしまった事実にビリーバーは愕然となる。

ハクアはアイナさんは大丈夫なのかと表情を伺おうとするが、その顔は仮面に覆われていて伺えない。

 

「・・・《星因子アルタイル》を召喚し、効果を発動。墓地から《星因子デネブ》を特殊召喚。更にデネブの効果で《星因子シャム》を手札に加える」ハクア:ユナイトカウンター4→5→6)

 

【Effect-Select 1 Monster-Search!】

 

ハクアは自身の無力さに憤っていた。悪人であったとはいえ命を救えなかった自分に。

すぐに倒すことができていたなら、救えたのではないか。

ハクアは決意と共に手札から1枚のカードを取り出した。

 

「私にできるのは、できるだけ早く貴様を倒すことだけだ!これがこの戦いを終わらせる最後の1枚!超動!《The White Arcanum》!」

 

 

【HAKUA Hissatsu Effect!】

 

 

巨大な半透明の白い壁が展開される。

 

 

「なんなんだよぉ、コイツはぁ!」

 

「これこそがアームドナイト最強の切り札。必殺魔法が1つ。ザ・ホワイト・アルカナム。相手モンスターは全て墓地に送られ、プレイヤーの攻撃力は2000アップ。そしてバトルを挟まない直接攻撃を行う!」

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→5400

 

壁は輝きを増すとともにテラーとしての生存本能が警鐘を鳴らす。この攻撃は己を滅するものであると。

 

「《神の宣告》が発動しねぇ!どぉなってやがる!」

 

「残念ながらユナイトカウンターを5個以上使った場合、この効果の発動にチェーンすることはできない」

 

 

《The White Arcanum》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用でき、発動条件は無視できない。

①:このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ハクア》でレベルの合計が7以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、メインフフェイズ1にユナイトカウンターを4個以上全て取り除いて発動する。5個以上のユナイトカウンターを取り除いた場合、この効果の発動と効果を無効にできない。。相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送り、相手プレイヤーに自分プレイヤーカードの攻撃力に1500加えた数値分の戦闘ダメージを相手プレイヤーに与える(相手プレイヤーの攻撃力分ダメージは軽減される)。その後、このターンを終了する。

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

ギュゴオオオオオオ!

 

壁全体から轟音と共に光線が解き放たれた。文字通り必殺の一撃が世界を揺らした。

 

 

 

「グワァァァァアアアあああ!」

 

ハイテラー:ダークスLP1600→0(5400-3600=2300ダメージ)

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「あーあ、負けちゃったー。前のよりは強くなったんだけどなー」

 

ストリアは不満げに近くの小石を蹴り上げ、大豪寺の体にポテンと当てる。

 

「前だと?」

 

世間話をするかのように少年は口を開く。

 

「この間はヒュドボロスさんにテラーカードを貰って作ったんだけど狼の仮面に倒されちゃったんだ」

 

その言葉にシジュの脳裏に閃きが走る。

 

「それは昨日の出来事か・・・?」

 

「よくわかったねぇ。ソイツ、なかなか強くてさ、ついデュエルを挑んじゃったよ。確か名前は・・・」

 

「ロウオウ・・・」

 

シジュはうつむき、絞るようにその名を告げる。

 

「そう、ロウオウ、いやー楽しかったなぁ」

 

「そんな、まさか・・・」

 

ハクアは信じられないものを見るかのようい口に手を当てる。

 

「ロウオウはお前に負けたのか・・・。柄じゃないが弔い合戦といこうじゃねぇか」

 

顔をあげたシジュは軽い口調でデュエルを申し込む。

内心は穏やかでないが、冷静であれと自分に言い聞かせているのだ。

少年はそんな気持ちも露知らず、申し出を快諾する。

 

「いいね、やろうやろう。僕の力をもっとみせつけないとね!」

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

「ボクの先攻からだ。最初のカードはこれだ!《テクノロギア・サーベルタイガー》を召喚!」

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》レベル4ATK1800

 

 

「あのカードは・・・?」

 

 

事態は更に混沌を極めていった。

《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:1ターンに4度まで自分のターンに自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:1ターンに1度、自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードのユナイトカウンターを1つ取り除くことができる。

《タイタニック・チャンピオン》

レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000

自分フィールドのカード2枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。

ユナイト効果

①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る。

《ユナイト・ウェポナイズ》

通常罠

①:自分フィールド上のユナイトモンスター1体をゲームから除外して発動する。発動時に除外したユナイトモンスターをプレイヤーに装備する。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。

この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。

《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:プレイヤーが装備していない場合のみ、自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。

《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター

効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。




唐突にオリカ登場。ユナイト関連以外はオリカを出さないよう心掛けていましたが、やっぱり作りたくなっちゃいました。ストーリー的な意味合いもありますが。


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9話 猛攻のテクノロギア

お待たせしました。書き溜めしていました。

遊戯王SEVENS 冒頭放映記念として投稿します。


名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
ヒデンナイトさん、評価ありがとうございます。

2/4 決め台詞を追加。
3/28 《テクノロギア・マテリアル》と《テクノロギア・サーベルタイガー》のテキストの記載ミスを修正。
5/1 必殺魔法の音声を微変更。
5/2 デュエル描写ミスのため、《テクノロギアン・セキュリティ》の効果を微変更


9話

 

アームドナイト シジュ(ジン)とハイテラー:ストリアのデュエル、その開幕はストリアが未知のモンスターを呼び出したところから始まった。

 

 

 

「ボクの先攻からだ。最初のカードはこれだ!《テクノロギア・サーベルタイガー》を召喚」

 

【Summon】

 

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》レベル4 ATK1800

 

現れたのは光輝く牙をもったレモン色の虎。

 

「あのカードは・・・?」

 

シジュは初めて見るカードに眉を寄せる。

マスターテラーやハイテラーは独自のユナイトモンスターをエースに据えている事が多いが、メインデッキからして異なるのは異例である。

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》が召喚に成功した時、手札かデッキから《テクノロギア・マテリアル》(レベル1 DEF100)を特殊召喚するよ」

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》の牙から雷球が咆哮とともに宙へと浮かぶ。

 

【Effect Summon】

 

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》

レベル4光属性獣族・効果ATK1800DEF1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか、発動する事ができない。

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、手札またはデッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

 

《テクノロギア・マテリアル》

レベル1光属性雷族・効果ATK100DEF100

このカードはEXデッキからモンスターを特殊召喚するための素材にできない。

①:自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールド上の全てのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が100ポイントアップする。

 

 

「やはりシリーズカードか」

 

メインデッキは全て初見のカードが出ると思って間違いない。

 

「カードを1枚セットして、プレイヤーカード《ハイテラー:ストリア》、つまりボクの効果でメインモンスターゾーンのモンスターの位置を移動し、ユナイトカウンターを1つ得る」(《ハイテラー:ストリア》ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect】

 

「ターンエンドだよ。さあ、君の力を見せてよ」

 

 

 

ハイテラー:ストリア LP4000

場:《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1800《テクノロギア・マテリアル》DEF100、セットカード1枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK0、ユナイトカウンター1個

手札:3枚

 

《ハイテラー:ストリア》

プレイヤーカード ATK0

①:1ターンに1度、自分のメインモンスターゾーンのモンスターの位置を並べ替え、このカードの上にユナイトカウンターを1個置き、そのモンスターの位置を任意の位置に移動する。自分の墓地にカードが8枚以上ある場合、この効果は相手ターンでも発動することができる。

②:自分は「テクノロギア」モンスター以外のモンスターをユナイト召喚することができない。

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

準幹部クラスの強襲、これまでのパターンと全く異なる。

この相手はここで確実に倒さなければ。

あのロウオウを倒すほどの手練れ。盤石の体制で迎え撃つ!

 

「《ゼンマイ・ラビット》(レベル3 ATK1400)を召喚」

 

初めに出したのは【チェーンビート】には欠かせない場持ちの良い機械仕掛けのウサギ。

 

【Summon】

 

「カードを4枚セット!」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター0→3)

 

シジュの眼前に現れる4枚のカード(守り)。その1枚を引き抜き宣言。

 

「リバースカード1枚とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!日輪の化身よ!仮初めの躯に宿りて顕現せよ!レベル7《グレーテスト・レイヴン Limited》(レベル7 ATK2400)!」

 

「いきなりグレーテスト・レイヴン!?」

 

シジュのデュエルはカウンター主体。ハクアは今までのシジュのデュエルでも1ターン目にエースを召喚はほとんど見たことがない。

 

『フム、格は低いがかなりの手練れ。私の力が必要なようだな』

 

「頼むぜ、グレーテスト・レイヴンがユナイト召喚に成功した時、セットカード1枚を手札に戻す」

 

『疾風之陣!』

 

「じゃあチェーンして、永続トラップ《テクノロギアン・セキュリティ》を発動!このカード自身は手札には戻されるけど、発動時にデッキから「テクノロギア」モンスターをアドバンス召喚するよ!」

 

「デッキからアドバンス召喚だと?!」

 

だが、戦術は少し読めた。先程の下級モンスターの展開力をみるに、高速展開してアドバンス召喚するテーマ・・・。

ジンはそう推測した。

 

【Chain Effect】

 

《テクノロギアン・セキュリティ》

永続罠

①:1ターンに1度、手札またはデッキからレベル5以上の「テクノロギア」モンスター1体をアドバンス召喚する事ができる。

②:?

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「アドバンス召喚!《テクノロギア・パイルバンカー》(レベル8 DEF3000)!」

 

パイルバンカーを携えた5mもの機械巨人の姿。

今までの動物と全く異なる姿のモンスター。何故同一カテゴリなのか、シジュは違和感を覚える。

 

 

《テクノロギア・パイルバンカー》

レベル8光属性機械族・効果ATK2400DEF3000

 

 

「ちっ、簡単には突破できないか。俺はこれでターン終了だ」

 

 

 

アームドナイト シジュ(ジン) LP4000

場:《グレーテスト・レイヴン Limited》ATK2400《ゼンマイラビット》ATK1400、セットカード3枚

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

 

 

「ボクのターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「《強制退出装置》を発動。《ゼンマイラビット》と《テクノロギア・パイルバンカー》を選択。《ゼンマイラビット》は自身の効果で一時除外。《テクノロギア・パイルバンカー》のみをデッキに戻す」

 

【Effect】

 

ジンお得意の除去戦法。【忍者軸チェーンビート】の十八番での動き。

最上級モンスターの除去が綺麗に決まったことはジンには寧ろ不気味に感じられた。

あっさり除去されすぎだろ、枠を見るに効果モンスターの筈だが、何故効果を使わない。

 

「ふーん、《テクノロギア・オックス》(レベル4 ATK1600)を召喚」

 

【Summon】

 

 

《テクノロギア・オックス》

レベル4光属性獣族・効果ATK1600DEF1900

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動する。自分の手札または墓地から《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

 

「デッキの1番上のカードを墓地に送り、オックスの効果を発動。墓地から《テクノロギア・マテリアル》(DEF100)を特殊召喚」

 

今度は闘牛。その角からも雷球が生み出された。

 

【Effect Summon】

 

「《テクノロギアン・デベロップメント》を発動。1ターンに1度、手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスターを特殊召喚できる。《テクノロギア・ファイター》(レベル5 ATK2000)を特殊召喚」

 

【Effect Summon】

 

 

《テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。

②:?

 

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果。自分フィールド上にモンスターが特殊召喚された事で《テクノロギア・ファイター》の攻撃力は100アップし、2100に。オックスの攻撃力も1700に」

 

《テクノロギア・マテリアル》から機械戦士の拳に黄色の光が宿る。

 

【Effect】

 

「《テクノロギア・ファイター》の隣でモンスター効果が発動したことで《テクノロギア・ファイター》の効果を発動。デッキから《テクノロギア・サーベルタイガー》(ATK1800)を特殊召喚」

 

【Effect Summon】

 

 

《テクノロギア・ファイター》

レベル5光属性機械族・効果ATK2000DEF1800

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキからレベル4以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚する。

③:?

 

 

「更に《テクノロギア・サーベルタイガー》の特殊召喚成功時、デッキから《テクノロギア・マテリアル》(DEF100)を特殊召喚するよ。1体目の《テクノロギア・マテリアル》の効果でフィールド上のモンスターの攻撃力がさらに100アップ」

 

【Effect Summon】

 

「メインモンスターゾーンを埋め尽くした・・・。なんて展開力」

 

しかも《テクノロギア・マテリアル》の効果で更に攻撃力を上げてくるのだ。

 

「まだまだ行くよ。《テクノロギア・オックス》をリリースし、手札から《テクノロギア・クラッシャー》(レベル6 ATK2200)を特殊召喚!」

 

【Summon】

 

「2体の《テクノロギア・マテリアル》の効果でボクのモンスターの攻撃力は更に100アップ!」

 

【Effect】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2200→2500

《テクノロギア・クラッシャー》ATK2200→2400

《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1900→2100

 

【Effect】

 

「《テクノロギア・ファイター》の隣でモンスター効果が発動したことで《テクノロギア・クラッシャー》の効果を発動。《グレーテスト・レイヴン Limited》を破壊するよ!」

 

雷球のエナジーを受けた機械戦士の鎚が雷光を帯び、怪鳥へと迫る。

 

【Select 1 card-Destroy!】

 

 

《テクノロギア・クラッシャー》

レベル6光属性機械族・効果ATK2200DEF1600

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのカードを破壊する。

③:?

 

 

「また誘発効果か。だが《グレーテスト・レイヴン Limited》の効果。セットした魔法・罠カードを1枚選択し、自身をゲームから除外する。俺の場にモンスターはいなくなった、だが【テクノロギア】デッキの構造は掴めた。基本は【高速ビートダウン】。下級で戦力を補充し、上級モンスターの効果を誘発。更にアドバンテージを獲得していくデッキだな」

 

歯車(ギア)のように次々と効果を誘発していく。それがテクノロギアデッキの正体。

 

「モンスターがいないのに随分余裕だね。まぁ、伏せカードが2枚もあるもんね。そう【テクノロギア】とは自然界(ロギア)にいるモンスターを利用し、科学技術(テクノロジー)を発展させていくシリーズカードなのさ。とりあえず《テクノロギア・クラッシャー》でダイレクトアタック」

 

【Attack!】

 

「罠カード発動!《ユナイトチャーム》!ユナイトカウンターを1個のせ、このターンに受けるダメージを半分にする」

 

 

シジュ(ジン):LP4000→2750 ユナイトカウンター0→1

 

 

《ユナイトチャーム》

通常罠

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個乗せ、このターン受けるダメージを半分にする。

 

 

「今度は《テクノロギア・ファイター》で攻撃!」

 

【Attack!】

 

アームドナイト シジュ(ジン):LP2750→1550

 

「次の攻撃の前に罠カード、《裁きの天秤》を発動。4枚ドロー」(アームドナイト シジュ手札1→5)

 

「選択したセットカードが発動したため、《グレーテスト・レイヴン Limited》はフィールドに戻る」

 

「カードを1枚セット。それから、ボク自身の効果。自分フィールド上のモンスターの位置を移動。そしてユナイトカウンターを1個得る。ターンエンドだよ」(《ハイテラー:ストリア》ユナイトカウンター2→3)

 

 

 

ハイテラー:ストリア LP4000

場:《テクノロギア・クラッシャー》ATK2200、《テクノロギア・ファイター》ATK2000、《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1800、《テクノロギア・マテリアル》(DEF100)×2、《テクノロギアン・デベロップメント》、セットカード1枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK0、ユナイトカウンター3個

手札:1枚

 

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「《ゼンマイラビット》はフィールドに戻ってくる。《忍者マスターHANZO》を召喚。《忍法 超変化の術》を手札に加える。更にカードを3枚セット。ユナイトカウンター3個でコーリング!」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター1→4→1)

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!嵐とともに現われろ!レベル6《旋風忍者シュウソウ》(ATK2200)!」

 

シジュを守るように現れたのは薄緑の装束の忍者。

 

「まだだ!墓地から《ユナイト・ウエポナイズ》の効果を発動。このカードを除外し、ユナイトカウンターを1個得る。ユナイトカウンター2個でコーリング!」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター1→2→0)

 

 

【Accept 2 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《軍師カッショ》!」

 

【UNITE EQUIP! Meiko-Ogi!】

 

《アームドナイト シジュ》ATK0→800

 

「《軍師カッショ》の効果で自分フィールド上のユナイトモンスターの攻撃力は800アップ!」

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》ATK2400→3200

《旋風忍者シュウソウ》ATK2200→3000

 

「バトルだ!《旋風忍者シュウソウ》で《テクノロギア・サーベルタイガー》を攻撃!シュウソウは全体攻撃が可能だ!」

 

『Attack!Storm Nin-Pow!』

 

《旋風忍者シュウソウ》

レベル6風属性戦士族・ユナイト・効果ATK2200 DEF1000/装備ATK+1600

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1度ずつ攻撃することができる。

②:自分フィールド上のモンスターがカードの効果の対象になるか効果の対象になる相手の効果が発動した場合に発動することができる。代わりにこのカードが対象になり、ユナイトカウンター1つをプレイヤーカードに置く。

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードが破壊された場合、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して発動する。そのカードを破壊する。

 

 

「このカードの事、忘れてないかな?《テクノロギアン・デベロップメント》を発動。サーベルタイガーとマテリアルをリリースし、デッキから《テクノロギア・コマンダー》(レベル8 ATK2800)をアドバンス召喚!」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「モンスターが特殊召喚されたことで再び《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。僕のフィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect】

 

《テクノロギア・クラッシャー》ATK2200→2300

《テクノロギア・ファイター》ATK2000→2100

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→2900

 

「それだけじゃないよ。マテリアルの隣にいるのはクラッシャーとファイター!クラッシャーの効果で《旋風忍者シュウソウ》を破壊する!そしてファイターの効果で《テクノロギア・マテリアル》を特殊召喚!」

 

【Effect Select 1 card-Destroy!】 【Effect Summon】

 

「ならば、《旋風忍者シュウソウ》の効果で対象を自身から自身へ。本来は身代わりだが、この効果でユナイトカウンターを1個得る!。更に《アームドナイト シジュ》の効果で自分フィールド上のモンスターは自分ターン中、100アップ」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター0→1)

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》ATK3200→3300

《ゼンマイラビット》ATK1400→1500

《忍者マスターHANZO》ATK1800→1900

 

「2体目のマテリアルが召喚されたことでボクのテクノロギア達の攻撃力はまたアップする」

 

《テクノロギア・クラッシャー》ATK2300→2400

《テクノロギア・ファイター》ATK2100→2200

《テクノロギア・ブラスター》ATK2900→3000

 

「やはり《テクノロギア・マテリアル》は厄介だな。《ゼンマイラビット》で《テクノロギア・マテリアル》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

「続けて、《グレーテスト・レイヴン Limited》で《テクノロギア・クラッシャー》を攻撃!」

 

【Attack!『天焦裂覇(Tensho-Reppa)!』】

 

ハイテラー:ストリアLP4000→3100

 

「俺はこれでターン終了だ」

 

 

 

アームドナイト シジュ(ジン) LP1550

場:《グレーテスト・レイヴン Limited》ATK3200、《忍者マスターHANZO》ATK1800、《ゼンマイラビット》ATK1400、セットカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》ATK800(《軍師カッショ》装備)、ユナイトカウンター1個

手札:3枚

 

 

 

「よーし、ボクのターン、ドロー」

 

【Draw】

 

ストリアがドローした瞬間、シジュは前のターンと同じように伏せカードの発動ボタンに手をかける。

 

「この瞬間、《忍者マスターHANZO》と《テクノロギア・コマンダー》を対象に《忍法 超変化の術》を発動―――――!」

 

 

 

 

「―――――ダメだっ!!」

 

 

 

悲痛な叫びが辺りに木霊した。

 

 

 

「ビリーバー!?」

 

 

それは、このデュエル中一言も話さなかったビリーバー。

どういうことだ、とハクアがビリーバーを振り返ると、彼は仮面越しでもわかる程の荒い息をしながら拳を強く、握りしめていた。

 

 

 

「もう遅いよー。《テクノロギアン・セキュリティ》の効果を発動このカードの前方にいるモンスターがカードの効果の対象になった場合、デッキの1番上を墓地に送り、その発動と効果を無効にするよ!」

 

【Chain Effect】

 

大剣を携えた機械巨人の周囲にエネルギーフィールドが展開され、忍術による干渉を防ぎ切った。

 

 

《テクノロギアン・セキュリティ》

永続罠

①:1ターンに1度、手札またはデッキからレベル5以上の「テクノロギア」モンスター1体をアドバンス召喚する事ができる。

②:このカードの同じ縦列の「テクノロギア」モンスターが効果の対象になった場合、デッキの1番上を墓地に送り、その発動と効果を無効にする

 

 

「っ!」

 

「それからね、最上級テクノロギアは縦列のカードが発動した時に、誘発効果を発動するのさ。《テクノロギア・コマンダー》の効果。カードを1枚ドローし、自分フィールド上のテクノロギアモンスターの攻撃力はこのターン700アップするよ」(ストリア手札2→3)

 

大剣が光り輝き、テクノロギアモンスター達に光が降り注いだ。

 

《テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

①:このカードは自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター2体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:?

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギア・ファイター》ATK2000→2700

 

「ちっ!最上級テクノロギアは縦列参照だったのか!」

 

どおりで今まで効果を発動しなかったわけだ。

ミスったな、とシジュは舌打ちした。

 

「そうそう、《テクノロギア・コマンダー》が効果を発動したから隣の《テクノロギア・ファイター》の効果を発動。《テクノロギア・オックス》(DEF1900)を特殊召喚。デッキの1番上を墓地に送り、墓地から《テクノロギア・マテリアル》(DEF100)を特殊召喚するよ」

 

「くっ!」

 

効果の連鎖、ビリーバーはこれを予見していたのか・・・。

恐るべきデュエル勘というべきか。

 

「《テクノロギア・マテリアル》が2回誘発したね。ボクのモンスターの攻撃力は更にアップ」

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK3500→3700

《テクノロギア・ファイター》ATK2700→2900

 

 

「さあ、バトル!《テクノロギア・コマンダー》でグレーテスト・レイヴンを攻撃!」

 

『ぬっ!』

 

《テクノロギア・コマンダー》のサーベルが黒紫の翼を切り裂く。

 

シジュ(ジン):LP1550→1050

 

 

「《軍師カッショ》の効果!自分フィールド上のユナイトモンスターが戦闘破壊された場合、このカードをリリースすることでそのモンスターを装備する」

 

『EQUIP! Amanohabakiri!』

 

グレーテスト・レイヴンは黒紫の翼が峰から生えた日本刀へと姿を変える。

 

《アームドナイト シジュ》ATK800→1800

 

「あれ?伏せカード発動しないのかな?まあいいや、《テクノロギア・ファイター》で《ゼンマイラビット》を攻撃」

 

「気が緩んだな、罠カード《吊り天井》!フィールド上の表側表示モンスターを全て破壊する!《ゼンマイラビット》は一時除外だ。お望み通り伏せカードは発動するぜ」

 

相手に展開させ、最も警戒心が薄れた瞬間に一網打尽にする。このためにシジュは2枚の伏せカードで二重の罠を貼っていたのだ。その姿はまさに忍者そのものである。

だが、シジュは警戒心を緩めてはいない。すぐに盛り返すことは予測に難くないからだ。

 

「いいねいいね。そうこなくっちゃ。メインフェイズ2!《テクノロギアン・デベロップメント》の効果!墓地の《テクノロギア・マテリアル》が3枚のため、更なる効果!墓地から《テクノロギア・コマンダー》(ATK2800)を特殊召喚するよ」

 

 

《テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

 

 

【Effect】

 

「カードの効果が進化した!?」

 

ハクアはゾッとした。デッキからのアドバンス召喚に連鎖する誘発効果、カード効果の進化。

一体、テクノロギアはどこまで特異的な効果を所持しているんだ・・・!

 

「【テクノロギア】は開発(ターン)が進む事でより進化していくんだよ。更にマジックカード《死者蘇生》!《テクノロギア・パイルバンカー》(DEF3000)を特殊召喚。」

 

【Effect summon】

 

「ボクの効果でモンスターの位置を変更し、ユナイトカウンターを1個得る。カードを1枚セットしてターンエンド」(《ハイテラー:ストリア》ユナイトカウンター3→4)

 

 

 

ハイテラー:ストリア LP3100

場:《テクノロギア・コマンダー》ATK2800《テクノロギア・パイルバンカー》DEF3000、《テクノロギアン・デベロップメント》《テクノロギアン・セキュリティ》、セットカード1枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK0、ユナイトカウンター4個

手札:1枚

 

 

 

「俺のターン、ドロー!カードを3枚セット。ユナイトカウンターはこれで4個!」(《アームドナイト シジュ》ユナイトカウンター1→4)

 

「ん、なんかやばい感じ。リバースカードオープン、《ユナイト・チャージ》!ユナイトカウンターを1個得るよ。このカードの前列は《テクノロギア・パイルバンカー》!相手の縦1列を全て破壊する」(《ハイテラー:ストリア》ユナイトカウンター4→5)

 

【Effect Destroy!】

 

杭が轟音をあげてシジュの伏せカードの1枚を打ち抜いた。

 

「もう遅い!刮目せよ!我が必殺魔法《The Violet Violence》!」

 

天羽々斬の刀身が毒々しい紫色に輝き、シジュは横一閃に振るわれる。

 

【SHIJU Hissatsu Effect!】

 

洪水を思わせるかのような紫の波濤がストリアのフィールドを全て呑み込んでいく、

 

「次の俺のターンまで相手フィールド上のモンスターと魔法・罠カードは無効になり、攻撃力と守備力は3000ポイントダウンする!」

 

 

《The Violet Violence》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト シジュ》でレベルの合計が7以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを3個以上取り除いて発動する。4個、取り除いて発動した場合はこの効果の発動と効果を無効にできない。

①:相手フィールド上のモンスターと魔法・罠ゾーンのカードは次の自分のターンのスタンバイフェイズまで無効になり、攻撃力と守備力は3000ポイントダウンし、表示形式を変更できない。

 

 

「それが必殺魔法!やるねっ!」

 

場の全てのカードを無力化する毒は、全ての機械人形をガラクタへと変貌させてしまう。

 

「貴様の場にいるのは木偶の坊だけ。こっちもリバースカードオープン、《死者蘇生》!《旋風忍者シュウソウ》(ATK2200)を特殊召喚!これで終わりだ。シュウソウで《テクノロギア・パイルバンカー》を攻撃!その歪みを正させて貰う!」

 

プレイヤーと《ゼンマイラビット》の攻撃でこのデュエルは決着する。

 

 

 

だが―――――、

 

「墓地のテクノロギアを10枚除外し、《テクノロギア・セキュリティ》の効果を発動するよ。このターン受けるダメージは半分になり、カードを2枚ドロー」

 

「ここで墓地効果だとぉ!」

 

ハイテラー:ストリアLP3100→2000

 

「ボクを倒すには、まだ攻撃力が足りなかったね」

 

トントンと首に手をやるストリア。

 

「《ゼンマイラビット》で《テクノロギア・パイルバンカー》を攻撃」

 

【Attack!】

 

「俺自身の攻撃!はぁあああ!」

 

日本刀を構えたシジュはストリアへと接近し、駆け抜けるように横一文字に刀を振るう。

 

【Player Attack!】

 

ストリアは涼しげな表情で無抵抗に攻撃を受けた。

 

ハイテラー:ストリアLP2000→1100

 

「・・・ターン終了だ」

 

 

 

アームドナイト シジュ(ジン) LP1150

場:《ゼンマイラビット》ATK1400、《旋風忍者シュウソウ》ATK2200

プレイヤーカード:《アームドナイト シジュ》ATK1800(《グレーテスト・レイヴンLimited》装備状態)、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

 

 

「ボクのターン、ドロー。《テクノロギア・オックス》(ATK1600→0)を召喚。なかなか面白かったけど、そろそろ終わらせるね」

 

「貴様のモンスターも魔法・罠は無力化している。このターンに貴様にできることはない」

 

《The Violet Violence》は攻防一体の必殺魔法。特に防御力は他のアームドナイトと比較しても最強クラス。突破するのは不可能なはず。だが、この相手は常に予想を超えてくる。何を起こすかわからない。

 

「それはどうかな?封じていないのはまだあるよ。ボクの効果で《テクノロギア・オックス》の位置を変えて、ユナイトカウンターを1個得る。これでユナイトカウンターは6個になる」(《ハイテラー:ストリア》ユナイトカウンター5→6)

 

「ユナイトイクイップか・・・!」

 

ヴィオレット・ヴァイオレンスの唯一の抜け道。本来ならユナイトモンスターの使用の可能性は十分あった。だが、ユナイトモンスターを使われずに必殺魔法を使うほどに追い込まれてしまった。

単純に、一手抑えきることができなかった・・・。

 

「そのとおり、温存してよかったよー。ボクは《テクノロギア・オックス》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が元に結実せよ!機巧技術の砲身!《テクノロギア・バスタード》!」

 

【UNITE EQUIP! Exceed Canon!】

 

 

《テクノロギア・バスタード》

レベル5光属性機械族・ユナイトATK2300DEF1200(装備時+1600)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動することができる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで200ポイントアップする。

ユナイト効果

①:このカードがプレイヤーカードに装備された場合、自分フィールド上のカード1枚をリリースし、自分の墓地のレベル4以下のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーカードに装備する。

 

 

《ハイテラー:ストリア》ATK0→1600

 

 

「テクノロギアのユナイトモンスター・・・」

 

ビリーバーは奥歯をギリリと噛みしめる。ヤツのユナイトカウンターはまだ残っている。

 

「もう1回!ユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が元に結実せよ!機巧技術の戦刃!《テクノロギア・ブレイズィング》!」

 

【UNITE EQUIP! Thousands Blades!】

 

 

《テクノロギア・ブレイズィング》

レベル5光属性機械族・ユナイトATK2000DEF1800(装備時+1400)

ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:このカードが攻撃対象か効果の対象になった場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動することができる。そのモンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントダウンする。

ユナイト効果

①:装備モンスターが戦闘を行った場合、相手ライフに1000ポイントのダメージを与える。

 

 

《ハイテラー:ストリア》ATK1600→3000

 

 

ストリアの周囲に漂うキャノン砲と羽を模した無数の短剣。

 

「ここで連続ユナイトイクイップ!ジンさん!」

 

「っ!これは不味いな・・・」

 

「ボクがユナイトモンスターを使用することを予想していなかったのが敗因だったね。敗北の歴史をその身に刻むといい!」

 

キャノン砲が忍者を捉える。

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

閃光はさらに大きくなり、シジュをも飲み込んでいく。

 

「ぐわぁあああ!」

 

シジュ(ジン)LP1550→150→0

 

 

シジュは地面をゴロゴロと転がり、グタリと地面に倒れこんだ。

 

「そんな、ジンさん・・・」

 

ハクアは手を口に当て安否を気遣う。

ボン、とシジュが小気味良い音がした、と思うと人型の丸太がゴロンと現れる。

 

「くっ、空蝉の術がなかったらヤバかったぜ。ハクア、どしたの?」

 

しれっと、ハクアの隣に出現していた忍者。一見、余裕そうだが息はかなり荒い。

攻撃そのものは避けることができていたが、直後に膝をついてしまう。

そんな様子をストリアは満足げに胸を反らす。

 

「へっへー、ボクの勝ちだね。今日はこんなとこにしようかな」

 

トン、とビリーバーに歩み寄る。

 

「今日のは宣戦布告さ。これからを楽しみにしてよね」

 

ストリアはそう言うと、ビリーバーの肩をポン、と叩き、霞のように消えていった。

《アームドナイト シジュ》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが2個以下の場合、自分または相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットする度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードと自分フィールド上のモンスターはこのカードにのっているユナイトカウンター1つにつき100ポイント攻撃力がアップする。

④:このカードのユナイトカウンターを2個取り除いて発動する。このカードに装備されたユナイトモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

《グレーテスト・レイヴン Limited》

レベル7風属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK2400 DEF1900/装備ATK+1800

魔法・罠カード1枚+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動できず、発動したターン、このカード名のカードは攻撃できない。

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、セットしたカード1枚を選択して発動する事ができる。そのカードを手札に戻す。

②:魔法・罠カードゾーンにセットされたカード1枚を選択して発動できる。選択したカードが発動するかフィールドから離れるまで、自分フィールド上のこのカードをゲームから除外できる。 この効果は相手ターンでも発動できる。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手の全ての手札か相手がセットした全てのカードを確認する事ができる。

《ユナイト・ウェポナイズ》

通常罠

①:自分フィールド上のユナイトモンスター1体をゲームから除外して発動する。発動時に除外したユナイトモンスターをプレイヤーに装備する。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。

《軍師カッショ》

レベル4地属性戦士族・ユナイト・効果ATK800 DEF1600/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚されたターン終了時まで、相手フィールド上のモンスターの攻撃力は800アップする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのユナイトモンスターの攻撃力は800アップする。

②:自分フィールド上のユナイトモンスターが戦闘によって破壊された場合、このカードを墓地に送る事でそのモンスターをプレイヤーに装備する事ができる。

《ユナイト・チャージ》

速攻魔法

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。相手フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合、ターン終了時にデッキから《ユナイト・チャージ》1枚を選択して、手札に加える。




おまけ 初夢編

遊士「そういや、変な夢見たんだけど」

ザンブ『どんな夢だ?』

遊士「こんな夢→https://syosetu.org/novel/210734/」


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10話 遊士vsアイナ

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
ガラクータさん、お気に入り登録ありがとうございます。

11/5 変身→アームドフォーゼに変更。
2/4 決め台詞を追加。


 

―在府市 花ノ木商店街―

 

ハイテラー:ストリアの襲来から一夜明けた日曜。

白砂アイナは新たに自分が所属するチームAギートの試合を見に市街地へとやってきていた。

 

「あ、白砂先輩。着てくださったんですね。お疲れ様ッス」

 

チームAギートのリーダーである仲町悟が遠くにいたアイナに向かって手を振る。

 

「こんにちは、仲町くん。昨日はゴメンなさいね。用事があって行けなくて」

 

虚を突かれたように、ポカンと口を開ける残りのAギートのメンバー2人、その中の1人、ヒヨコみたいに後ろ髪が跳ねている戸部翔太(とべしょうた)が小さい声で悟へとささやく。

 

「おい、すげぇ人が来るって言ってたけど、何あの美人?」

 

翔太の言葉を受け、最後の1人、剛田正志(ごうだまさし)も大木のように太い腕を組み、ウムと頷く。

 

「女っ気のないウチのチームに何故・・・、一体どんな縁だ?」

 

「学校の先輩だよ。しかもうちの学校でもトップ3には入るレベル。ぶっちゃけ、今も驚いてる。あ、そうだ白砂先輩。この2人が前、話してた残りのメンバー、戸部に剛田です」

 

悟の目くばせに2人とも自己紹介し、続けてアイナも自己紹介。

すると、翔太と正志からは驚きの声。

 

「白砂って・・・え?デュエルディスクを作っている、あの?」

 

「はい、この町のデュエルディスクは父の会社が作成している物です。ところで奥田くんは・・・?」

 

アイナは本来来る予定だったもう1人の新メンバーのことを悟に尋ねた。

 

「あいつは、何か急用が入ったとかで、今日来られないんですって。ったく、俺達が昇級戦を勝ち取るこの試合に来てほしかったんですけどね」

 

 

そんなことを話していると試合時間になり、アイナを除いた3人はデュエルコートへと移動した。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

サッカーコート半分くらいの広さのデュエルコートの両サイドに出場選手たちが並ぶ。

3部リーグの試合は勝ち抜き戦。コート中心部の円で囲まれたエリアで1対1のデュエルが行われる。

試合開始の合図とともに選手たちは駆け出し、先に中心部へとたどり着いた選手が先行になる。

デュエルは基本先攻が有利。脚力に自信のある選手を1人目に据えることが多い。

チームAギートの先鋒は翔太もその1人。

彼は在籍している在府工業高校で陸上部にスカウトされる程の健脚の持ち主だ。

瞬く間に先攻をもぎ取ってみせた。

 

「戸部くん、かなり速いわね。この速さならほとんどの試合で先攻が取れるわね、しかもデッキは先行制圧が得意な【シムルグ+霞の谷】」

 

翔太は1ターン目から盤面を整え、危なげなく1勝。

 

「デッキを十分使いこなしていて実力も充分」

 

第2試合、翔太はライフポイントを半分以上削り取られてしまうものの何とか2勝。

3部リーグも他のリーグの勝ち抜き戦と同じようにライフポイントは失った文の半分は回復する者の引継ぎ式。

しかも先攻は敗北したチーム側へと移るため、更に不利に追い込まれていく。

最終戦の相手は無効のチームのエース。ライフをほとんど削れずに、次の試合へ。

 

「次は仲町くんね」

 

3部リーグは相手に合わせて残りのメンバーから選手を選出できる。Aギートの面々は岩石族使いの正志よりもキャプテンの悟が出た方が有利だと判断したのだ。

悟は多少、ライフは削られたものの危なげなく勝利。

 

「流石は仲町くん。高レベル機械族の安定感を前面に押し出している。このチームなら2部リーグでも通用しそうね」

 

このメンバーなら私と奥田くんが加われば、1部リーグ入りも・・・。ダメダメ、そこまで行ったら、私vsハクアとか可笑しなことになっちゃう。でも自分たちのチームでチャンピオンになるのは昔からの夢だったし・・・。

アイナは思考を中断させると、勝利を喜び合っている悟達の輪に入っていった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

翌日―――、

 

―在府高校 空き教室前―

 

 

「え、マジでみんな来るの、忙しそうな白砂先輩だけじゃなくて、他校の2人も?」

 

「ああ、白砂先輩が来週の昇格戦の前に一度みんなで顔を合わせた方が良いってな」

 

昨日の時点で早めにチームワークを深め合う事が必要と、アイナが提案していたのだ。

悟が教室の扉を開けると翔太、正志、そしてアイナの姿があった。

 

「皆さん、来ましたね。昨日もお話しましたように私と奥田くんはチームに合流してから自分たちのデュエルをメンバー全員に伝えきれていません。2部リーグからはシングルデュエルだけでなく、即席でタッグデュエルもします。タッグデュエルではパートナーの戦術を把握することが必須。だからこそ、デュエルをしましょう。思う存分に」

 

アイナはそう言うとにこやかな笑顔でデッキを差し出す。

悟にはその背後に炎がメラメラと燃え盛っている幻視が見えた。

 

「先輩って、こんなキャラだっけ、何か熱血感が・・・、なぁ、遊士」

 

「・・・そうだな」

 

遊士も引いているっぽい。

 

「とりあえず、シングルデュエルを2組で、後カメラ係1人。まず、俺がカメラな」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

遊士(LP1800)vs正志(LP1600)

 

「速攻魔法《月の書》を発動。《メガロック・ドラゴン》を裏側守備表示にする」

 

《メガロック・ドラゴン》ATK5600→DEF0

 

「ム、これは・・・」

 

「《空牙団の闘士ブラーヴォ》で裏側守備表示の《メガロック・ドラゴン》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

「《空牙団の大義フォルゴ》でダイレクトアタック!」

 

【Last Attack!】

 

 

正志LP1600→0

 

 

「流石、悟が見込んだ男。俺の岩石族モンスター達を突破するとは」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

アイナ(LP3800)vs翔太(LP300)

 

「ほとんどライフが削れねぇ。これが在府高校の最強クラスってやつか・・・!」

 

「《アテナ》(ATK2600)で《始祖神鳥シムルグ》(ATK2900→3400)を攻撃!ダメージステップ開始時、手札の《オネスト》の効果。《始祖神鳥シムルグ》の攻撃力分《アテナ》の攻撃力をアップさせます」

 

《アテナ》ATK2600→6000

 

【Last Attack!】

 

 

翔太LP300→0

 

 

「マジで強ぇ・・・!」

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

「やっぱ、2人ともスゲェ。俺もデュエルしたくなってきたぜ」

 

次は自分の番とばかりに悟はデッキを取り出すが、翔太に肩を捕まえられた。

 

「ちょっと待てよ。お前のデュエルよりも見たいもんがある。正志も同じはずだぜ」

 

「俺も見たい。あの2人のデュエルを」

 

翔太と正志の視線の先は自分たちを倒した2人、遊士とアイナ。

2人の視界に映るのはお互い自身。

そんな様子を捉えた悟は、あー確かにと呟く。

 

「だよなー、俺も見てみたかったし」

 

「私も奥田くんの実力は気になってましたから是非お願いしたいと思ってました。奥田くん、いいですね?」

 

淑女然とした態度だが、瞳の奥には闘志を湛えている。

 

「・・・わかりました。精一杯やらせてもらいます」

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

【【Set Player card】】   

 

 

【Accept!You are a Fighting Duelist!《ファイティング・デュエリスト》】 

【Accept!You are a Supporting Duelist!】

 

《サポーティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが2個以下の場合、自分または相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットする度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中、ユナイトモンスターを装備している場合、自分フィールド上のモンスターは攻撃力が300アップする。

④:自分のデュエル開始時に自分のライフを300回復する。

 

 

「私のターン、《サポーティング・デュエリスト》の効果でライフを300回復、手札から《神の居城-ヴァルハラ》を発動」(アイナLP4000→4300)

 

【Effect】

 

アイナの背後に出現した神殿。その奥からバサリと翼が翻る。

 

「レベル8《大天使クリスティア》(ATK2800)を特殊召喚」

 

【Summon】

 

「クリスティアか、遊士にはきついカードだな」

 

《大天使クリスティア》の特殊召喚封じは空牙団にとって相性は最悪。空牙団は特殊召喚できなければ効果を発動できないカードばかり。

 

「カードを2枚セット、《カードカーD》を召喚。リリースして2枚ドロー」(《サポーティング・デュエリスト》ユナイトカウンター0→2)

 

【Summon Effect Draw】

 

「ターンを終了します。さあ、この布陣をどう突破しますか?」

 

 

白砂アイナ

LP4300 手札2枚

場:《大天使クリスティア》(ATK2800→3100) リバースカード2枚

プレイヤーカード:《サポーティング・デュエリスト》ATK0 ユナイトカウンター2個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「モンスターを1体セット、リバースカードを1枚セットしてターンエンド」

 

「随分、消極的ですね?ならエンドフェイズ時に罠カード《サイクロン》を発動。セットカードを破壊」

 

【Effect Select 1 card -Destory!】

 

「ターンエンドだ」

 

奥田遊士

LP4000 手札3枚

場:セットモンスター1枚 リバースカード2枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK0 ユナイトカウンター0個

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ宿れ!《レーザー・ファルコン》!」(《サポーティング・デュエリスト》ATK0→1100、ユナイトカウンター2→0)

 

【Feather Ray!】

 

「ではバトル。私自身でセットモンスターを攻撃」

 

【Player Attack!】

 

浮遊していた翼を模した砲台から幾条の細い光線がセットモンスターを貫く。

 

《空牙団の剣士 ビート》DEF500 破壊

 

「《大天使クリスティア》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

「ぐっ!」

 

奥田遊士LP4000→1200

 

 

「貴方の実力に期待してたけど、この程度かしら?カードを2枚セットしてターン終了」(《サポーティング・デュエリスト》ユナイトカウンター0→2)

 

 

 

白砂アイナ

LP4300 手札1枚

場:《大天使クリスティア》(ATK2800→3100)《アーティファクト モラルタ》 リバースカード2枚

プレイヤーカード:《サポーティング・デュエリスト》ATK1100(《レーザー・ファルコン》装備) ユナイトカウンター2個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

場にカードはなく、特殊召喚できない不利な状況にもかかわらず、淡々とドローを宣言する遊士。

その様子にアイナは失望を感じていた。

 

 

「・・・闘志が感じられませんね。この間見た、あなたと仲町くんのデュエルは素晴らしい闘志のぶつかり合いでした。ですが、今のあなたからは勝利への意志が見えません。あなた達とならリーグチャンピオンも夢でないと思ったのに・・・」

 

その言葉に遊士は奥歯を噛みしめたかと思うと俯く。

その表情は手札に隠れてしまう。

 

「俺は・・・」

 

「何シケたツラしてんだ。何かウジウジしてるみてぇだが、お前はデュエリストだろう!デュエリストはデュエルに身を任せるもんだ。そうやれば湧き上がるはずだ!勝ちたいって意志が!悩みなんざ一気に吹っ飛んじまう!」

 

 

悟のシャウトにシン、と静まる教室。

幾度となく、遊士とデュエルをしてきた悟にとっても友人が実力を発揮できないで負けそうになることはあまりにも悔しすぎる。

 

 

 

そこへ―――――、

 

 

 

ハァーっ

 

 

 

静まった教室に大きく響くため息皆の視線が声の主である遊士へと向いた。

 

「・・・だな。大切なことを忘れてたぜ。俺は今、こうしてデュエルディスクを構えてる。なら考えることはただ1つだけだもんな」

 

アイナは自分に向く遊士の顔つきが今までと違っていることをまざまざと感じていた。

これからがこのデュエルの本番なのだと期待が広がる。

 

「先輩、すみません。デュエルを中断させてしまって、それからもう1つ謝らせてください。今からボコボコにしますので、よろしくお願いしますね」

 

「へぇ、機能停止しているあなたのデッキで何ができるか、見せてもらいましょう!」

 

バチバチと火花を飛ばし合う2人に悟は何もそこまでしなくても・・・、と呟く。

どこからともなく『ナイスガッツ』と聞こえるのは空耳の筈だ。

 

「いきます。マジックカード《精神操作》を発動。《大天使クリスティア》のコントロールを得る」(《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect】

 

「そうきましたか、ではカウンタートラップ《八式魔法多重結界》を発動。《精神操作》を無効にします」

 

【Chain Effect】

 

「止めますよね。なら《強欲で金満の壺》を発動。カウンターしますか?」(《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター1→2)

 

「いいえ、通します」

 

「EXデッキからカードを裏向きで6枚除外し、2枚ドロー!」

 

【Effect Draw】

 

 

「《禁じられた聖杯》を発動。《大天使クリスティア》の効果を無効にし、攻撃力を400アップさせます」(《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Select 1 Monster - Invalid!】

 

《大天使クリスティア》ATK3100→3500、効果無効

 

「これで特殊召喚が可能。ここから空牙団の怒涛の展開が始まるぞ」

 

正志は先ほどのデュエルでとめどなく展開してくる空牙団の展開力を思い出していた。恐らく戦況は一気に変わる筈。

 

「《空牙団の砲手ドンパ》(レベル2 ATK500)を召喚」

 

【Summon】

 

「その効果は止めさせてもらうわ。トラップカード《ブレイクスルー・スキル》。《空牙団の砲手ドンパ》の効果は無効!」

 

【Effect Select 1 Monster - Invalid!】

 

「初動をつぶされた!どうする遊士!」

 

悟はグッと拳を握る。

今の遊士はこのままじゃ終わらないはずだと、次の手を期待しているのだ。

 

「まだだ!ユナイトカウンター1つでコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!現われろレベル2《ホイール・ガードナー》(DEF800)。《ホイール・ガードナー》の効果で手札からモンスター1体墓地に送る」(《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター3→2)

 

透明な水色の板が出現すると、そこへ矢と化した獣人とマシーンが飛びこんでいく。

 

「現われろ!歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター2体!《空牙団の砲手ドンパ》と《ホイール・ガードナー》でリンクマーカーをセット。サーキットコンバイン!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「リンク召喚!リンク2《トロイメア・フェニックス》(ATK1900)!」

 

 

「来た!リンク召喚だ!」

 

翔太は目をキラキラと輝かせ興奮したように

一昨日にデュエルした時にも見たけど、やっぱスゲェ!叫ぶ。

 

 

「ユナイト召喚からリンク召喚につなげてきた・・・。でも《ファイティング・デュエリスト》ではメインモンスターゾーンにリンク召喚をできない。一体何を・・・」

 

アイナのいぶかしげに呟きに遊士は答えるよう1枚のカードを手札から抜き出す。

 

「悟のチームに入るって決めてから俺はデッキを見直した。これが俺の新たに投入したカード!墓地から種族の異なる3体のモンスターを除外!特殊召喚!レベル11《アークネメシス・エスカトス》(ATK3000)!」

 

宣言とともに天に雷雲が広がる。そこから紫電を纏う光の柱が地面を穿つ(*ソリッドビジョンです)

光の中から長い体をくねらせ、異形の竜が姿を現した。

 

ギュアアア!

 

 

「《アークネメシス エスカトス》!種族統一デッキ殺しのカウンターカード・・・!」

 

「そうか、今までプレイングは墓地にモンスターを貯めるためだったのか!」

 

悟は指をパチンと鳴らし納得していた。

在府市でのデュエルでは安定したサポートカードが使える種族や属性を統一したデッキが殆ど。

それ故、このカードの安定させて運用するデッキはほとんどない。アイナ(ハクア)としての1部リーグでも使用している者はほとんど見かけない。ソリッドビジョンとしてみるのは初めてな位だ。

 

「《アークネメシス エスカトス》の効果。選択した種族のモンスターを全て破壊する!天使族モンスターを全て破壊します」

 

【Effect All Monsters Destroy!】

 

《アークネメシス エスカトス》を中心にまばゆい光がフィールドを包み込む。

 

「クリスティアが・・・!しかもエスカトスは効果破壊耐性を所持している・・・!」

 

「更にこの効果を使用した次のターンまで天使族は特殊召喚できなくなる。ゲームから除外された《空牙団の剣士ビート》をデッキに戻し、《ネメシス・コリドー》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚」

 

鳥人を模したアンドロイドが旋風と共に空中から舞い降りた。

 

「俺はユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《キャノン・トータス》!(装備ATK+2000)」

 

【UNITE EQUIP! Big Canon!】

 

「《ファイティング・デュエリスト》の効果で攻撃力が更に500アップし、攻撃力は2500に!」

 

《ファイティング・デュエリスト》ATK0→2000→2500 ユナイトカウンター3→0

 

「バトル!俺自身の攻撃!」

 

【Player Attack!】

 

脇に抱えたキャノン砲に光が収束し、光線が放たれる。

アイナが装備していた機械の翼を盾にして衝撃を抑えるがバキンと砕けてしまう。

 

白砂アイナLP4300→3600

 

「ライフがあまり減っていない?」

 

アイナの前には隠れてしまう壁のようにそびえる赤色のカード。

その周辺に光り輝く粒子が舞っていた。

 

「ええ、トラップカードr()e()f()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()b()r()&()g()t();()()()()b()r()&()g()t();()(()1())()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()b()r()&()g()t();()()/()r()e()f()を発動していたわ。これでダメージを半分にし、ユナイトカウンターを1つのせる」(《サポーティング・デュエリスト》ATK1100→0ユナイトカウンター2→3)

 

「削れるだけ削ります。《ネメシス・コリドー》と《トロイメア・フェニックス》で直接攻撃!」

 

白砂アイナLP3600→2750→1700

 

「最後に《アークネメシス エスカトス》でダイレクトアタック!」

 

大きく開いた口腔から紫色の光が集まり、ブレスを放つ。

着弾とともに雷光が弾けとんだ。

 

「っ!」

 

白砂アイナLP1700→200

 

「メインフェイズ2、現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は名前の異なるモンスター2体!《トロイメア・フェニックス》と《ネメシス・コリドー》でリンクマーカーをセット。サーキットコンバイン!」

 

 

【LINK SUMMON!】

 

 

「リンク召喚!現われろ!リンク3《天威の鬼神》(ATK3000)!ターンエンドだ」

 

 

奥田遊士

LP1200 手札0枚

場:《アークネメシス・エスカトス》(ATK3000)、《天威の鬼神》(ATK3000)

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK2500(《キャノン・トータス》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

ドローしたのは効果でデッキトップへ戻っていた《大天使クリスティア》。今は天使族は特殊召喚できないため、実質的なドローロック。しかし、アイナの表情に焦燥はなく、穏やか。

 

「私のライフは残り200。ここまで追いつめられたのは久しぶり。私の眼に狂いはなかった。マジックカード《精神操作》。《アークネメシス・エスカトス》のコントロールを得る」

 

【Effect】

 

「しまった!」

 

前のターンで遊士が使おうとしていた手だ。

逆転の切り札であった《アークネメシス・エスカトス》が今度は遊士に牙を剥く。

 

「フフ、大きな力は諸刃の剣という事ね。《アークネメシス・エスカトス》の効果で種族を幻竜族変更し、幻竜族族モンスターを全て破壊」

 

【Effect All Monsters destroy!】

 

「ユナイトカウンター2つでコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counter・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「ユナイト召喚!レベル4《レーザー・ファルコン》(ATK1600)!」

 

白銀の隼が翼を広げ、飛翔する。

 

「EXデッキは種族統一してなかったですね・・・」

 

遊士は悔しがりつつも、その表情は晴れやかだった。

 

「《レーザー・ファルコン》でダイレクトアタック!」

 

 

【Last Attack!】

 

 

奥田遊士LP1200→0

 

 

―――――

 

 

「すさまじいデュエルだったな、俺も早くデュエルしたいぜ!」

 

翔太は悟からカメラを取り上げドン、と悟の背中を押す。

 

「だな。俺がカメラやるよ!行ってこいリーダー」

 

 

その後、遊士たちは何度もデュエルをし続けた。

帰る頃には皆、疲労した様子が出ていたが、笑顔に満ち溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

夜―――――、

 

 

「この場所にストリアがいるんですね」

 

『はい、この薄い反応に8体のテラーの反応、リークされた情報通りです』、とオペレーター。

 

ハクア(アイナ)は森の奥の廃墟となったホテルに来ていた。ユニティガーディアン本部の通信データにいつの間にか残されていた今日の日時と座標、そしてSの文字。実に子供めいたストリアらしい手口。

 

『間違いなく、罠だと思いますが・・・』

 

「罠だろうが、今ヤツを倒さなければならない!私しか動ける者がいないのだから」

 

これはハクアの独断の判断。第一発見者であるオペレーターの小野裕子に口止めをして現場に出向いているのだ。

 

『! 前方に《アームドナイト ビリーバー》の反応。彼と協力して事態の収拾に当たってください』

 

小野は最後にそう伝え、通信を切った。

直後、クルリと椅子を回転させ、後ろの2人に顔を向けた。

 

「片桐局長、光導副局長代理。申し訳ありません」

 

「仕方ないよ、小野さん。キミではハクアを止められないのはしょうがないからね。補助部隊も出したし、いざという時はなんとかできると思うよ」

 

 

片桐が眉間にしわを寄せている中、光導翼は優しい声色で語りかけた。

 

 

―――――

 

「ビリーバー?どうして、ここに?」

 

まさか、ビリーバーにもリークがあったのか、とハクアは思案を巡らせる。

 

「ヤツを、ストリアを追ってきたのか・・・?」

 

「!」

 

なんだ、このプレッシャーは。これがビリーバーなのか・・・。

 

 

「ハクア、帰れ。ここはお前がいていい場所じゃない」

 

「何?私はこの町のため、ヤツと戦った2人にかけて、この場所を去るわけにはいかない!」

 

ハクアの脳裏にロウオウとジン。ストリアに敗れ、散っていった者達の姿が浮かぶ。

 

 

「ラチが明かないな。力ずくでも引いてもらおうか・・・!コイツでな!」

 

ビリーバーはデッキを構える。デッキの1番下のカードを見せつけるように・・・。

 

 

「そのカードは・・・!馬鹿な!」

 

 

《テクノロギア・マテリアル》

 

 

「テクノロギアのカード。なぜ貴様が持っている!」

 

あれは、あのストリアのカード!訳が分からない!

ビリーバーが持っているはずがない。

 

「それを聞きたければ、俺に勝つことだ。行くぞ!」

 

 

ハクアはデュエルディスクを懐から取り出し、腕に装着する。

 

【Set Player card】

 

「私の誇りに誓って、あなたを倒す!アームドフォーゼ!」

 

デュエルディスクにプレイヤーカードを挿入すると、光のキューブが全身を包みこんだ。

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight HAKUA!】

 

 

 

―――DUEL!―――――

 

 

《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がユナイトモンスター以外の魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

《ホイール・ガードナー》

レベル2闇属性機械族・ユナイト・効果ATK500 DEF800/装備ATK+500

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分の手札またはフィールドからモンスター1枚を選び、墓地に送る。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、このカードは破壊されない。

《キャノン・トータス》

レベル6炎属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK1300 DEF2300/装備ATK+2000

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1ターンに1度、戦闘またはカードの効果で破壊されない。

ユナイト効果

①:なし




出た!ライダー特有のよく分からん理由でする味方とのバトル!


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11話 ハクアvsビリーバー

遊戯王SEVENS 1話放送記念に投稿。


名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

2/4 決め台詞を追加。


―――――DUEL!―――――

 

 

 

「私のターン、永続マジック《一点着地》を発動」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター0→1*1

 

【Effect】

 

何故、奴がテクノロギアのカードを所持しているのか、何故、自分の前に立ちはだかるのか。

ビリーバーは曲がりなりにも多くのテラーを共に戦ってきた。今までのやつの姿とはあまりにもかけ離れている。

様々な疑念が浮かび思考がまとまらない。

それではだめだ、とハクアは奥歯をかみしめ思考を切り替え、デュエルへと集中する。

 

 

「《星因子ベガ》を召喚。召喚時効果により、手札から《星因子デネブ》を特殊召喚」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「《星因子デネブ》の召喚時効果により、デッキから手札から《星因子アルタイル》を手札に加える」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「手札からモンスターを特殊召喚したことで《一点着地》の効果で1枚ドロー」

 

【Draw】

 

「《星因子デネブ》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

3つの光玉がオーロラ色のゲートを生み出す。

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「ユナイト召喚!現われろ!誇り高き守りの担い手!レベル6《クラウンシェル・レオーネ》(DEF2400)!」

 

オーロラの彼方より現れたのは鎧をまとった獅子。

ライオンは大地を踏みしめ、敵対者を睨み据える。

 

《クラウンシェル・レオーネ》

レベル6光属性獣族・ユナイトATK2100DEF2400(装備時+1500)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:このカードが戦闘またはカードの効果で破壊された場合、このカードをプレイヤーに装備する。

ユナイト効果

①:相手ターン中、装備したプレイヤーの攻撃力は700ポイントアップする。

②:このカードが破壊された場合、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする事ができる。

 

 

護りに特化したユナイトモンスターだが、ジンとストリアのデュエルを思い出すと、あの速攻を防ぐにはまだ足りない。ハクアは更なるカードを手札から引き抜く。

 

「マジックカード、《ユナイト・ウィッシュ》を発動。ユナイトカウンターを2個得る。更に《アームドナイト ハクア》の効果でユナイトカウンターをもう1個、追加」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター0→2→3)

 

【Effect】

 

《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個のせる。

 

更にユナイトカウンター3個を補充し、解放する。

 

「《星因子ベガ》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

ハクアの手元に光が宿る。

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ来たれ!《シャイニング・ユニコーン》!」

 

 

【UNITE EQUIP! Holy Lance!】

 

 

《シャイニング・ユニコーン》

レベル6光属性獣族・ユナイトATK2400DEF1500(装備時+2200)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:相手のターン中、このカードはカードの効果の対象にならない。

ユナイト効果

①:自分フィールド上のカードがカードの効果の対象になった場合、その効果は無効になり、このカードは墓地に送られる。

 

 

《アームドナイト ハクア》 ATK0→2200

 

ユニコーンを模した白い槍をその手に掴む。

 

「1ターンで上級ユナイトモンスターを2体も出したか、随分とこのデッキを警戒しているな」

 

トントンとデッキを叩くビリーバーにハクアは苛立ちを募らせていく。

 

「舐めた口を・・・。貴様を倒し、事情をはかせてやる。カードを1枚セットしてターン終了」

 

 

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP4000

手札:2枚

場:《クラウンシェル・レオーネ》(DEF2400)、《一点着地》、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》(《シャイニング・ユニコーン》装備)ATK2200、ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

ビリーバーは手札から雄牛が書かれたカードを引き抜いた。

ハクアにも見えたそのカードは間違いなく、テクノロギアのカード。

 

「《テクノロギア・オックス》*2(レベル4 ATK1600)を召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》*3ユナイトカウンター0→1)

 

 

【Summon】

 

「ソイツは《テクノロギア・マテリアル》をサーチするカード!ここで叩かせてもらう!トラップカード《ブレイクスルー・スキル》!《テクノロギア・オックス》の効果を無効にする!」

 

【Effect Select 1 Monster - Invalid!】

 

 

「成程、テクノロギアの速攻を警戒して守備を固めていた、という事か。だが―――――」

 

 

 

 

 

「―――――、そんなものではこのデッキは止まらない!《テクノロギアン・デベロップメント》*4を発動!」

 

ビリーバーの闘気が一気に膨れ上がり、次のカードを勢いよくデュエルディスクに叩きつけた。

 

【Effect】

 

 

「手札から《テクノロギア・サーベルタイガー》*5(レベル4 ATK1800)を特殊召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

 

「だが《一点着地》の効果で私は1枚ドローする」

 

 

ハクア:手札1→2

 

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》の召喚時効果でデッキから《テクノロギア・マテリアル》*6(レベル1 DEF100)を特殊召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect Summon】

 

《テクノロギア・マテリアル》、ステータスは低いが、上級テクノロギアの効果を誘発し続けるキーパーツ。

その出現にハクアはより一層、警戒感を強める。

 

 

「ユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「ユナイト召喚!暴虐を振るう太古の牙!レベル6《アサルト・レックス》(ATK2300)」

 

 

《アサルト・レックス》

レベル6闇属性恐竜族・ユナイト・効果ATK2300 DEF800/装備ATK+1400

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカードの①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:フィールド上のモンスターを1体選択して発動する。そのモンスターはこのターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーがモンスターを攻撃した場合、相手ライフに500ポイントのダメージを与え、もう1度続けて守備表示モンスターに攻撃できる。

 

 

褐色のティラノサウルスがオーロラを引き裂いて姿を現した。

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1800→1900

《アサルト・レックス》 ATK2300→2400

《テクノロギア・オックス》 ATK1600→1700

 

 

「《テクノロギア・オックス》をリリースし、《テクノロギア・ガンナー》(レベル6 ATK2200)を特殊召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》ユナイトカウンター:0→1)

 

【Summon】

 

片腕がキャノン砲になった機械兵の出現と共に《テクノロギア・マテリアル》が輝きを増し、自軍を照らし出す。

 

「モンスターが特殊召喚されたことで《テクノロギア・マテリアル》の効果で自分フィールド上のモンスターの攻撃力は100アップ」

 

【Effect】

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1900→2000

《アサルト・レックス》 ATK2400→2500

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2200→2300

 

《テクノロギア・マテリアル》の輝きは隣の《テクノロギア・ガンナー》へと伝染し、キャノン砲にエネルギーが充填されていく。

 

 

「横隣のモンスター効果が発動したため、《テクノロギア・ガンナー》のモンスター効果!相手フィールド上のカード1枚、《クラウンシェル・レオーネ》を手札に戻す!」

 

【Effect select 1 Monster-Bounce!】

 

《テクノロギア・ガンナー》

レベル6光属性機械族・効果ATK2200DEF1400

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動する。そのカードを手札に戻す。

③:?

 

マテリアルから始まるテクノロギアの効果の連鎖。

ビリーバーは扱いが難しいこのデッキを手足のように扱っている。

 

「《シャイニング・ユニコーン》の効果。自分フィールドの対象を取るカードが発動した場合、効果を無効にし、このカードは墓地に送られる」

 

【Effect】

 

「永続魔法《テクノロギアン・エンハウンス》を発動。デッキの1番上のカードを墓地に送る事で自分フィールド上のテクノロギアモンスターの攻撃力は500アップ!」

 

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK2000→2500

《テクノロギア・ガンナー》    ATK2300→2800

 

 

《テクノロギアン・エンハンス》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターはターン終了時まで攻撃力は500ポイントアップする。この効果は相手ターンでも発動することができる。

②:相手バトルフェイズ中、墓地のこのカードを含むカード10枚をゲームから除外して発動する。自分はデッキからカードを2枚ドローし、このターンに受けるダメージは半分になる。

 

 

「バトル!《アサルト・レックス》で《クラウンシェル・レオーネ》を攻撃」

 

【Attack! Crush Bite!】

 

《アサルト・レックス》の噛みつきを受け、粒子と化す《クラウンシェル・レオーネ》。しかし、粒子はハクアの下へ戻る。

 

「《クラウンシェル・レオーネ》はモンスターゾーンで破壊された場合、プレイヤーに装備される。更に装備したレオーネは相手ターン、プレイヤーの攻撃力は700アップ!」

 

【Equip!Crown Shield!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK500→2000→2700

 

ユニコーンで味方を守り、レオーネでデュエリストを守る。これがハクアがとった戦略。

 

「《テクノロギア・ガンナー》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

ハクアLP4000→3900

 

「装備状態の《クラウンシェル・レオーネ》はフィールドから離れたことで1枚ドロー!」

 

「攻撃はまだ残っている!《テクノロギア・サーベルタイガー》でダイレクトアタック!」

 

「っ!」

 

ハクアLP3900→1400

 

「カードを1枚セットし、ターンエンド」

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士) LP4000

手札:1枚

場:《テクノロギア・サーベルタイガー》(ATK1800)、《テクノロギア・ガンナー》(ATK2200)、《アサルト・レックス》(ATK2300)、《テクノロギア・マテリアル》(DEF0)、《テクノロギアン・エンハウンス》、伏せカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK0、ユナイトカウンター1個

 

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

ハクアは思案する。

大型モンスターが並ぶこの状況。《タイタニック・チャンピオン》で逆転したいところだが、奴の場にはバウンス効果を持つ《テクノロギア・ガンナー》がいる。まずは安全に展開するための活路を開く。

 

「墓地の《ブレイクスルー・スキル》の効果を発動。ターン終了時まで《テクノロギア・ガンナー》の効果を無効にする」

 

【Effect select 1 Monster - Invalid!】

 

「《星因子アルタイル》(レベル4 ATK1800)を召喚。召喚時効果で墓地の《星因子デネブ》(レベル4 ATK1500)を特殊召喚」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「特殊召喚された《星因子デネブ》の効果でデッキから《星因子シャム》を手札に加える」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「《ユナイト・ウィッシュ》を発動!ユナイトカウンターを2つ、ハクアの効果で計3つ得る!」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター2→4→5)

 

【Effect】

 

「私は2体の星因子とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】 

 

「ユナイトイクイップ、偉大なる天界の戦機の力を我が元に!《タイタニック・チャンピオン》*7!」

 

【UNITE EQUIP! Titanic Armor!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK400→3400

 

「バトル!」

 

ハクアの絶対的なエース、《タイタニック・チャンピオン》。ユナイトイクイップ形態のタイタニックアーマーは高い攻撃力と連続攻撃能力を持つ。

両腕に搭載されたブースターが点火し、《テクノロギア・ガンナー》へと迫る。

 

「リバースカード《テクノロギアン・エマージェンシー》を発動。《テクノロギア・サーベルタイガー》と《テクノロギア・マテリアル》をリリース!」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「アドバンス召喚!レベル8《テクノロギア・コマンダー》*8(ATK2800)!更に《アサルト・レックス》の効果を発動。このカード自身を対象に戦闘耐性を与える」

 

【Effect】

 

「《アサルト・レックス》の効果が発動したことで同じ列にいる《テクノロギア・コマンダー》の効果が発動。テクノロギアの攻撃力は700アップし、1枚ドローする」

 

【Effect】

 

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2200→2900

 

「デッキの1番上のカードを墓地に送り、《テクノロギアン・エンハウンス》の効果を発動。自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターの攻撃力は500アップ」

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK3500→4000

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2900→3400

 

《テクノロギア・ガンナー》の攻撃力がハクアと並んだ。ハクアは一瞬の逡巡の後、《アサルト・レックス》へと標的を変えた

 

「ならば《アサルト・レックス》に攻撃!ハァ!」

 

【Player Attack!】

 

ビリーバーLP4000→2800

 

「《アサルト・レックス》は自身の効果で戦闘破壊されない」

 

「効果を使用しなかった《一点着地》は破壊される。カードを2枚セットしてターンを終了する」

 

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP1400

手札:2枚

場:伏せカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》(《タイタニック・チャンピオン》装備)ATK3400、ユナイトカウンター1個

 

「随分と差が開いたな。俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「良いカードを引いた。マジックカード《ハーピィの羽箒》を発動!相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する」

 

【Effect All Destroy!】

 

古より伝わる制限カード、《ハーピィの羽箒》。反撃の手段を根こそぎ吹き飛ばす。

 

「チェーンして、ダブルトラップ発動!《裁きの天秤》!《ユナイト・プロテクション》!」

 

【Effect Draw】

【Effect】

 

「《裁きの天秤》の効果で2枚ドロー!《ユナイト・プロテクション》で私の攻撃力は1000アップ!更に装備したユナイトモンスターは効果・戦闘耐性を1ターンの間得る!」

 

ハクアの眼前にバリアが張られた。

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→4400

 

 

《ユナイト・プロテクション》

通常罠

このカードは相手ターンでしか発動することができない。

①:ターン終了時までプレイヤーの攻撃力は1000アップし、装備されているユナイトモンスターは戦闘・効果でフィールドから離れない。

②:自分が装備しているユナイトモンスターがフィールドから離れる場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。

 

 

「《アサルト・レックス》の効果を発動。このカード自身を対象に戦闘耐性を与える」

 

【Effect】

 

「《アサルト・レックス》の効果が発動したことで同じ列にいる《テクノロギア・コマンダー》の効果が発動。テクノロギアの攻撃力は700アップし、1枚ドローする」

 

【Effect】

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2200→2900

 

「デッキの1番上のカードを墓地に送り、《テクノロギアン・エンハウンス》の効果を発動。自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターの攻撃力は500アップ」

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK3500→4000

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2900→3400

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド!」

 

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士) LP2800

手札:1枚

場:《テクノロギア・コマンダー》(ATK2800)、《テクノロギア・ガンナー》(ATK2200)、《アサルト・レックス》(ATK2200)、《テクノロギアン・エマージェンシー》、《テクノロギアン・エンハウンス》、伏せカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK0、ユナイトカウンター1個

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「この瞬間、《アサルト・レックス》の効果を発動。このカード自身を対象に戦闘耐性を与える」

 

【Effect】

 

「更に同列の《テクノロギア・コマンダー》の効果が発動。テクノロギアの攻撃力は700アップし、1枚ドロー」

 

【Effect】

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギア・ガンナー》 ATK2200→2900

 

相手ターンにも関わらず、効果の連鎖は更に続く。

 

「横隣のモンスター効果が発動したため、《テクノロギア・ガンナー》のモンスター効果!《タイタニック・チャンピオン》を手札に戻す!」

 

再び張られたバリアが光線を防いだ。

 

【Effect select 1 Monster-Bounce!】

 

「させない!墓地の《ユナイト・プロテクション》の効果。《タイタニック・チャンピオン》の代わりに墓地のこのカードを除外する」

 

「《星因子ベガ》を召喚。召喚時効果により、手札から《星因子シャム》を特殊召喚」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「《星因子シャム》の召喚時効果により、相手ライフに1000ダメージ」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect Damage】

 

アームドナイト ビリーバーLP2800→1800

 

小柄な星の騎士から放たれた矢がビリーバーを貫いた。

 

「魔法カード《ユナイトイベント―勇猛果敢》*9を発動。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、その数までユナイトカウンターをのせる!」(《アームドナイト ハクア》ユナイトカウンター2→4→5)

 

ハクアのユナイトカウンターはこれで5つ。

そして、レベルの合計が7以上のユナイトモンスターが装備されている。

これで条件は整った。ハクアは手札に手を伸ばす―――――、

 

 

 

 

 

「―――――トラップカードオープン、《マインドクラッシュ》!《The White Arcanum》を宣言!さあ、ソイツを墓地に捨てろ!」

 

「なんですって・・・!」

 

ハクアの手がピタリと止まる。

触れていたカードは正にその《The White Arcanum》。

バカな。このタイミングでエンドカードを見抜いたとでもいうのか?!

 

「アンタのデッキは《タイタニック・チャンピオン》を軸としたハイビートデッキ。奥の手としての《The White Arcanum》。シンプル故、様々な状況に対応できるよう対応するためのサポートも数多く組み込める。安定したデッキだ。だからこそ非常に読みやすい」

 

ハクアは悔しげに墓地へ送られる《The White Arcanum》を見やる。

 

「前のターンから手札にあったはずだ。でなければ、ハクアの耐性任せにガンナーをつぶしてきただろうからな。ユナイトカウンターを消費したくなかったんだろうな」

 

完全に読まれている。恐るべき洞察力にハクアは背筋が凍る。プロでもここまでの洞察力ができるプレイヤーはほとんどいない。プレイングに関しては悔しいが、自分よりも確実に上・・・。

 

「くっ、ならば、ユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《キャノン・トータス》*10(装備ATK+2000)」

 

【UNITE EQUIP! Big Canon!】

 

 

「だから読めていると言っている!カウンタートラップ《ユナイト・パニッシュメント》!自分フィールド上のユナイトモンスターをリリースすることでモンスターの特殊召喚と装備を無効にし、破壊する。そして、ユナイトカウンターを1個得る」(《アームドナイト ビリーバー》ユナイトカウンター0→1)

 

 

《ユナイト・パニッシュメント》

カウンター罠

①:相手がモンスターの特殊召喚かユナイトモンスターを装備した場合に、自分フィールド上のユナイトモンスター1体をリリースして発動できる。それを無効にし、破壊する。ユナイトカウンターを1個得る。

 

 

《アームドナイト・ハクア》ATK3400→5400→3400 ユナイトカウンター5→2

 

「まだユナイトモンスターは残っている!ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ宿れ!《レーザー・ファルコン》*11!」

 

【Feather Ray!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→4500、ユナイトカウンター2→0

 

「デッキの1番上のカードを墓地に送り、《テクノロギアン・エンハウンス》の効果を発動。自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターの攻撃力は500アップ」

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK3500→4000

《テクノロギア・ガンナー》ATK2900→3400

 

 

「バトルだ!《テクノロギア・ガンナー》を攻撃」

 

【Player Attack!】

 

容易に巨腕に叩き潰される《テクノロギア・ガンナー》。その直後―――、

 

 

ドォオオオン!

 

 

ハクアを巻き込んで爆発を引き起こした。

 

【Effect Select 1 Card - Destroy!】

 

「何っ!タイタニックアーマーが!」

 

爆発がおさまるとタイタニックアーマーが消失していた。しかもビリーバーのライフは1ポイントも減っていない。

 

「自分の墓地にカードが8枚以上ある場合、《テクノロギア・ガンナー》の効果を発動!このカードが戦闘かモンスター効果によって破壊された場合、相手フィールドのカード1枚を破壊する。更に自分の墓地にカードが8枚以上ある場合、《テクノロギア・コマンダー》がフィールドに存在する限り、「テクノロギア」の戦闘時のダメージは0になる」

 

 

《テクノロギア・ガンナー》

レベル6光属性機械族・効果ATK2200DEF1400

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動する。そのカードを手札に戻す。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター2体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:自分の墓地のカードが8枚以上でこのカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターの戦闘で自分が受けるダメージは0になる。

 

 

「まだ効果を隠し持っていただと!」

 

ストリアでさえ使用していない効果を2つ同時に発動させ、コンボさせている。

ビリーバーは完全にこのデッキを使いこなしている。一朝一夕にできるものではない。

まるで長年、使い込んだデッキであるかのようだ。

 

「テクノロギアは刻んだ歴史と共により進化をしていく。開発期間を与えすぎた、という事だ」

 

そう、【テクノロギア】は速攻タイプのデッキであるが、開発が進めば進む(墓地にカードが貯まる)程に真の力を発揮する、長期戦にも強いデッキでもあるのだ。

 

「・・・カードを1枚セットして、ターンを終了する」

 

 

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP1400

手札:2枚

場:伏せカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》(《レーザー・ファルコン》装備)ATK1500、ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「リバースカード《リビングデッドの呼び声》。《テクノロギア・サーベルタイガー》を墓地から特殊召喚。更にデッキから《テクノロギア・マテリアル》も特殊召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》ユナイトカウンター:2→4)

 

【Effect】

 

無慈悲にもビリーバーは追撃をかける。

 

「やらせない!リバースカード《激流葬》!フィールド上のモンスターを全て破壊する!」

 

【Effect All Monsters Destroy!】

 

「無駄だ!《テクノロギア・オックス》(レベル4 ATK1600)を召喚。デッキの1番上のカードを墓地に送り、墓地から《テクノロギア・マテリアル》を特殊召喚」(《アームドナイト・ビリーバー》ユナイトカウンター:4→6)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「《テクノロギア・マテリアル》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→2300

 

「ザンブレイド・ドラゴン!貴方まで・・・!」

 

正義感が強い彼がテラーを守るようなことをするだろうか、そんな感情と共にハクアは声を張り上げるものの、大剣の彼は沈黙して何も答えない。

 

「敗北の歴史をその身に刻め!《テクノロギア・オックス》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

ハクア LP1400→1300

 

「うっ」

 

闘牛の突撃に翼が散らされ、衝撃に顔を背ける。直後、顔を上げると眼前に大剣を力みなくダラリと垂らしたビリーバー。

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

「あぁあああああ!」

 

無造作に繰り出された大剣にハクアは吹き飛び、ゴロゴロと地面を転がる。

 

ハクアLP1300→0

 

 

 

―――――――――

 

アームドフォーゼが解除され地に伏したハクアはビリーバーを見上げる。

 

「ビリーバー、何故こんなことを・・・!」

 

「・・・敗けたら答えると言ったはずだ」

 

ハクアを見下ろすビリーバーはとりつくしまもなく冷淡に告げ、廃ホテルへと消えていった。

 

「ビリーバー・・・!やはり貴様は敵なのか・・・!」

 

憎悪に満ちたハクアの慟哭が虚空へと木霊した。

 

 

――――――――――

 

 

十数分後―――――、

 

10体近くいたテラーを一掃したビリーバーはホテルの最上階への階段を上っていた。

 

『ここにヤツがいるのか?』

 

ザンブレイド・ドラゴンは遠慮がちにビリーバーに尋ねた。

 

「アイツの性格からして1番高いところにいるのはほぼ確実だ」

 

『そうか・・・』

 

階段を上った先の屋上には手すりに腰かけているフードを被った小柄な人影の姿。

 

「■■■■■、こっちに来ているとはな」

 

人影はピクッと反応して振り返る。

 

「遊士、やっと来てくれたね、僕のパートナー(最高の相棒)

 

ストリアは嬉しそうにそう答えた。

*1
《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:ユナイトカウンターが3個以下の場合、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動することができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:1ターンに1度、自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードのユナイトカウンターを1つ取り除くことができる。

*2
《テクノロギア・オックス》

レベル4光属性獣族・効果ATK1600DEF1900

このカード名の①と②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動する。自分の手札または墓地から《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

*3
《アームドナイト ビリーバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍になる。

*4
《テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

*5
《テクノロギア・サーベルタイガー》

レベル4光属性獣族・効果ATK1800DEF1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか、発動する事ができない。

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、手札またはデッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

*6

《テクノロギア・マテリアル》

レベル1光属性雷族・効果ATK100DEF100

このカードはEXデッキからモンスターを特殊召喚するための素材にできない。

①:自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールド上の全てのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が100ポイントアップする。

*7
《タイタニック・チャンピオン》

レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000

自分フィールドのカードまたは手札2枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。

ユナイト効果

①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る

*8
《テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の墓地に《テクノロギア・マテリアル》2体以上存在する場合、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

①:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:?

*9
《ユナイトイベント―勇猛果敢》

通常魔法

①:このカードはプレイヤーがユナイトモンスターを装備している場合のみ、発動することができる。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、手札に戻したカードの枚数まで自分プレイヤーカードにユナイトカウンターをのせる。

*10
《キャノン・トータス》

レベル6炎属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK1300 DEF2300/装備ATK+2000

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1ターンに1度、戦闘またはカードの効果で破壊されない。

ユナイト効果

①:なし

*11
《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。




一次強化枠→テクノロギアデッキ


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12話 Yo-Cityと電子の世界

竜音(ドラオン)さん、お気に入り登録ありがとうございます。
名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

後半は掲示板形式になっています。


 

「―――遊士、やっと来てくれたね、僕のパートナー(最高の相棒)

 

『遊士。やはり、ヤツは・・・』

 

「あー、イラっとするなぁ。僕たちを捨てて新しいヤツと楽しんじゃってさ」

 

忌々し気にチッと舌打ちするストリアだが、不意に口元を吊り上げる。

 

「まぁ、一先ずはいいか。また、そのデッキを使ってくれているようだし、ね」

 

悪びれる様子のないストリアにビリーバーは肩を震わせ、デッキをセットしたデュエルディスクを構える。

 

「・・・これは俺なりのけじめだ!俺はお前を止める責任がある!」

 

「いいね、やる気になったみたいだね。でも今日は闘んないよ。今日は様子見さ。キミがどれだけボクたちのことを想っているか。じゃあね」

 

ストリアはそう言うと、ホテルから身を投げ出した。

 

「待て!」

 

遊士が下を覗き込むと、その姿は消え失せ、木霊が響いていた。

 

 

― こんな寂れたところじゃない、相応しい舞台を用意して待ってるよ。 ―

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

『昨日の話通り、遊士の予想通りだったな』

 

「ああ、アイツの狙いは俺1人。だからこそ俺が倒さなきゃいけない」

 

ユナイトガーディアンにも手を出させる訳にはいかない。

 

『この戦いは遊士にしかできない、とオレも思う。しかし、なんという因果か・・・』

 

遊士とストリアの因縁、それをザンブレイド・ドラゴンが知ることになったのは昨日まで遡る。

 

 

 

 

―日曜日 在府東駅―

 

『昨日は試合を見に行くと言っていたが、どうしたのだ?急に昔住んでいた街に出かけるというのは?』

 

本来はこの日、悟達と会う約束をしていたが、遊士が今、立っているのは駅のホーム。

 

「・・・確かめないといけない事があってな」

 

直後、電車のアナウンスが入る。

 

―間もなくDen-City行き特急が1番ホームに参ります。この電車は途中Yo-City駅にも止まります。―

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

―Yo-Cityー

 

ジャングルのようにそびえるビル群が立ち並ぶ近代都市を遊士は迷いのない足取りで進んでいく。

この町はAIとロボットが発達したDen-Cityに接する都市である。この街もDen-Cityと同様にSOLテクノロジー社が開発したロボットが市内を巡回し、住民をサポートしている。勿論、SOLテクノロジー最大の収益を誇るLINK VRAINSにもアクセスが可能な地域になっている。数多のビルに設置されているモニターにもLINK VRAINSの映像が写し出されている。そんな街の様子はザンブレイド・ドラゴンにとっては物珍しい光景だ。デッキケースから興味深そうに眺めていた。遊士はそんな様子にかまうことなく、路地裏へと足を向ける。まるで迷路のような路地裏の小ビル群。複雑に曲がりくねる道を迷うことなく進みとあるビルで足を止めた。

 

『カードショップ SUMERAGI?』

 

しかし、遊士の足はそのテンポの隣の地下へと続く階段へと向かう。

階段を下りた先にはベコベコにへこんだ黒ずんだ鋼鉄の扉。

その扉の立て札には『決闘倶楽部(デュエルクラブ) (すめらぎ)』の文字。

遊士はフードを被ると、ドアノブに手をかける。

 

建付けが悪い扉ギィイイ・・・と床をこする音を立てながらゆっくりと開いていく。

扉が開くのに従って、中からダンダンと音量を上げながらロックミュージックが響いてきた。

店内は昼間だというのに薄暗い。

照明は天井の切れかかった蛍光灯と店の壁にかかった大型モニターだけ。

どこかのデュエルを映し出したモニターは試合展開に従って様々な色の光を放っている。

 

モニターの前にはフライやドリンクを片手にガラの悪い連中がたむろしていた。

そのうちの1人は扉を開けた音に気付き、誰か来たのかと、遊士の姿を捉える。

 

「この店はガキが来るトコじゃねぇんだよ!とっとと・・・」

 

だんだんと声が小さくなり、青ざめていくモヒカン男。

仲間が急に口を閉ざしたのを見て、何があったのかと、彼らはモヒカン男と遊士を見ると彼らも一様に顔を青ざめさせる。

 

ガチガチに固まった男たちを尻目に遊士は店の奥へと進んでいく。

その後ろで男たちは顔を見合わせ、なんであの人が・・・。今更どうして・・・。そんなことを小さな声でどよめきが上がっていた。

 

遊士の足は店の奥のカウンターへと進んでいく。周囲で騒いでいた男たちも静かになり、店内の歓声がピタッと止まる。

カウンターでミキサーを操作していたニット帽を被った大柄な男、この店のオーナーである皇墨字(すめらぎすみじ)も店の違和感に気付き、顔を上げた。

 

「お前・・・、遊士か・・・」

 

皇は呆然とした様子でヘッドホンを外す。

 

「久しぶりだな、皇さん。ちょっと下で話せるか?」

 

「ああ、わかった」

 

皇は隣の店員に声をかけ、その肩をポンと叩くと、遊士と共に先ほど指さしたエレベーターへと進んでいった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

―決闘倶楽部 皇 事務室―

 

豪華な革製の椅子にドカッと腰を掛けた皇は口を開く。

 

「遊士、お前がまたウチに来るとはな。引っ越してからデュエルをやめるとほざきやがって、勝手にデッキを預けてきたときは驚いたもんだが・・・。また復帰したくなったって事か?」

 

「まぁ。そんなところだ」

 

「一度、深淵まで近づいたデュエリストがデュエルを辞めるなんて無理な話だもんなぁ」

 

皇はニィ、と口元を吊り上げ、タバコを口に咥える。

 

「とにかく、俺はデッキを受け取りに来ただけだ」

 

「全く、勝手に押し付けておいてたった2か月そこらで返すたぁ舐められたもんだな・・・、と言いたいところだが、ほかならぬ遊士の頼みを無碍にはできんな」

 

煙草を灰皿に擦り付けると机の引き出しから細長い箱を取り出した。

 

「・・・良いのか?何か頼まれると思ったんだが」

 

遊士は呆気にとられながらもデッキを受け取ると、カタン、という音をたてながら懐に押しこむ。

 

「ホントは何か吹っ掛けてやろうと思ったが、お前がいなくなった途端、トップ勢、六魔天の連中が姿を見せなくなっちまってな。しかも表の方のLINK VRAINSへのログインルーム事業がこっちよりも儲かってコッチの方を畳もうとかと考えるくらいだ。ただ、お前のデッキがココにあるのが心残りなぐらいだ」

 

しみじみと語る皇はまるで燃え尽きたかのような印象だ。リズムが狂うな。

つーか、あのデュエル馬鹿ども来ていないのか意外だな。

 

「俺としてもこの場所はデュエルのイロハを教わった懐かしい場所だ。このままなくなるのは忍びない。デッキを預かってもらった礼に一度だけここで闘ってやるよ」

 

「本当か!?」

 

とたんに顔を輝かせる皇。

 

「ああ、一戦だけだからな。俺はそう簡単にコッチには来れないんだ」

 

「いや、お前が一戦やればお前がまだデュエルを辞めていない証になる。それだけでアイツ等の何人かも戻ってくるかもしれない」

 

「さあな。あいつらはアイツらの事情があるからな」

 

「とにかく、こいつはビッグニュースだ!ちょっと待ってろ上に伝えてくるからな。当然、相手はこの俺だからな!」

 

皇の眼には爛爛と光が灯っていた。

 

それから遊士はデュエルし、帰途へと着いた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

―帰りの電車ー

 

『まさか、テクノロギアデッキは元々、遊士のデッキだったとはな。しかも――――』

 

遊士が受け取った長方形の箱には3つの枠。デッキが収められているのは残りの2つ。

 

「1番使っていたデッキとEXデッキが抜かれている。テープを外した後も全くない・・・」

 

遊士は息をハァと吐くと眼光を鋭くし、こう続けた。

 

「やはり、ストリアが俺のデッキを使っている」

 

『テラーの元はデュエルモンスターズの精霊だ。精霊ならばデッキの転移も造作はない筈だ。間違いなくヤツはテクノロギアの精霊だろう。遊士とは元から因縁があったのだな』

 

「ああ、何を恨んでいるかは想像がつく。それから奴の能力からするとアイツの本当の正体は《テクノロギアマイスター―――――」

 

ガタンガタン

 

電車が走る音が大きく鳴り響いた。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

ユナイトガーディアンのオペレタールームではテクノロギアの正体について手掛かりをインターネットから探っていた。

 

 

1名無しの決闘者 18:32:28.16ID:ID:LE4eB/y/0

【新イベ】LINK VRAINS総合スレ-6121【到来】

 

LINK VRAINSについて雑談するスレッドです。

次スレは>>900が立てること。立てられない場合は次の人を指定しましょう。

反応がない場合は立てられる人が宣言してから立てること。

 

 

避難所

LINK VRAINS総合スレッド避難所

ttp://jbbs.itarabo.net/bbs/red.cgi/game/xxxxx/yyyyy/

 

前スレ

【何これ】LINK VRAINS総合スレ-6120【珍デッキ】

ttps://eeg.Xch.net/test/red.cgi/tcg/xxxxxxx/

 

 

 

249 名無しの決闘者 22:15:29.84ID:jf39HC9ca

とりま、イベントお疲れ。

まさか、MMOじゃないのにレギオン戦をやると思わんかった。

 

250 名無しの決闘者 22:15:35.05ID:ZXxNR+m60>>255

しかもレギオンがPM軍、GO軍、BA軍って・・・。

 

251 名無しの決闘者 22:15:48.90ID:jkqObbnG0

あからさますぎるぞ運営!

 

252 名無しの決闘者  22:26:27.79ID:jCqc1zXh0

あの3人、超有名だからな。あの3人がいなかったらLINK VRAINS詰んでたし。

 

253 名無しの決闘者 22:28.60ID:WrJha4GLd

だからと言ってイベントに勝手に利用するのは・・・。

GO軍とかまんま何ですけぉおおお!

 

254 名無しの決闘者 22:29:20.38ID:2XWr1+FQ0

頭文字と色位だけだったし大丈夫大丈夫。

まぁ、折角だしここらでLINK VRAINSの有名人でも改めてまとめとくか。

 

255 名無しの決闘者 22:31:56.02ID:7svf/QIcM>>260

まず、>>250の元になった、Playmaker、Go鬼塚、ブルーエンジェルこの三英雄は別格だな。

世界恐慌になりかけたあのハノイ事件を解決に導いて名実ともに看板デュエリストになったんだよな。

 

 

256 名無しの決闘者 22:32:28.16ID:5t1ZPREha>>258

Playmaker以外の2人は元からランキング1位とデュエルアイドルとして最高クラスの知名度だったけどな。

一気に雲の上まで駆け上がった感じ。

 

257 名無しの決闘者 22:33:02.05ID:8UQ9qsot0

なお、ハノイ事件の後Playmakerはしばらく指名手配される模様。

 

258 名無しの決闘者  22:37:40.19ID:bpRIDjKs0

英雄に何という事をw

 

259 名無しの決闘者 22:32:28.16ID:5t1ZPREha

>>256

Playmakerのデュエリストととしての実力はGo鬼塚、ブルーエンジェルよりも1段上な気がする。

 

260 名無しの決闘者 22:33:02.05ID:8UQ9qsot0

誰も勝てなかったハノイのリーダーに勝ってるぐらいだからな。

 

261 名無しの決闘者  22:34:38.07ID:C9oYFDCxa

>>255

とりあえず、LINK VRAINSのランキングを作ってみた。

 

SS:Playmaker、ハノイのリーダー

S:Go鬼塚、ブルーエンジェル

 

~~~~~~一般人の壁~~~~~~

 

A:ランキングトップ10勢

 

262 名無しの決闘者 22:36:03.16ID:bpRIDjKs0

一般人の壁w

 

263 名無しの決闘者 22:38:39.52ID:S8caM5wMa

ハノイのリーダーはLINK VRAINSの人じゃないのでNG。Soulburnerとかも入れようぜ。

 

264 名無しの決闘者 22:41:44.66ID:16bIf7G50

SoulburnerはS以上は間違いなくあると思うけど、Playmakerと同レベルかというとウーン。

 

265 名無しの決闘者  22:42:22.90ID:n8rbmmcgM

SoulburnerはSS~Sだな。他のSクラスというとバウンティハンターのブラッドシェパードととレジャーハンターのゴーストガールかなぁ。

 

266 名無しの決闘者 22:43:25.16ID:i/Y1i32v0

ブラッドシェパードはバウンティハンターだからわかるけどゴーストガールも強いの?

 

267 名無しの決闘者 22:46:53.39ID:n8rbmmcgM

Playmakerを追い詰めてる動画どか出回ってるし、何より実際戦ってみて並のランキングトップ勢よりも1段強い感じがした。

 

268 名無しの決闘者  22:48:45.05ID:lQV8Gvqvr

馬の骨とも知れねぇテメェの判断なんて当てになるか!

 

269 名無しの決闘者 22:51:49.16ID:n8rbmmcgM>>293

ランキング上位勢ですが何か(ドヤァ

つプロフィール画面(ttps://i.rod.its/xxxxx1.png)

 

270 名無しの決闘者 22:53:02.05ID:lQV8Gvqvr>>272

大した奴だ。(テノヒラクルー

 

271 名無しの決闘者  22:54:10.78IDi/Y1i32v0>>272

アンタほどの人が言うなら・・・。(テノヒラクルー

 

272 名無しの決闘者  22:56:06.77ID8UQ9qsot0

>>270と>>271でオーバーレイネットワークを構築!

 

273 名無しの決闘者 22:57:33.76IDC9oYFDCxa

とにかく、SS-S SoulburnerとS ブラッドシェパード、ゴーストガールは確定だな。

 

274 名無しのイグニス 22:58:06.00ID:8UQ9qsot0>>276,>>279

SSS:Ai

 

~~~~~~超えられない壁~~~~~~

 

275 名無しの決闘者  22:58:06.77ID:C9oYFDCxa

SS:Playmaker

SS-S:Soulburner

S:Go鬼塚、ブルーエンジェル、ブラッドシェパード、ゴーストガール

 

~~~~~~一般人の壁~~~~~~

 

A:ランキングトップ10勢

 

276 名無しの決闘者 22:59:33.76ID:i/Y1i32v0

>>274

おいw何か変なの混じってるぞ。誰だよAiって?!

 

277 名無しの決闘者 23:01:32.05ID:8UQ9qsot0

唐突に変なのが沸いて草

 

278 名無しの決闘者  23:02:30.49ID:bpRIDjKs0>>279

え?Playmakerと死闘を繰り広げた、あのAiを知らない?

 

279 名無しの決闘者 23:03:28.24ID:5t1ZPREha

>>274,>>278

つID:bpRIDjKs0

 

280 名無しの決闘者 23:04:02.05ID:8UQ9qsot0

 

281 名無しの決闘者  23:05:33.24ID:bpRIDjKs0

bpRIDjKs0は放ってほいて他のプレイヤーで一般人の壁wを突破している人いるかな?

個人的には最近出てきた光属性サイバース使いのZINってヤツがそれくらいの強さな気がする。

 

282 名無しの決闘者 22:06:28.16ID:n8rbmmcgM

ルーキーながらもランキング上位勢を結構倒してるし、動画見ても桁外れ感がある。

 

283 名無しの決闘者 23:07:16.48ID:/buwwX3e0

PlaymakerといいSoulburnerといい、サイバース使いは高確率で一般人の壁を越えている気がするな。

 

284 名無しのイグニス 22:08:40.19ID:bpRIDjKs0

そう、Aiも。

 

285 名無しの決闘者 23:09:51.95ID:vlUc3QPE0

つうか、サイバースってどこで手に入るんだろ。一般パックにはないんじゃないか?

 

296 名無しの決闘者  23:12:38.57ID:zNg3VFyC0

表には出回っていないパックもあるらしいからな。

 

287 名無しの決闘者  23:14:14.38ID:VCJ9rsXx0

何その話、kwsk

 

288 名無しの決闘者  23:16:38.57ID:zNg3VFyC0

関係者以外〇〇・・・とか、地域限定とか・・・。作ったけど発禁になったりとか色々。眉唾物だと湧くってのもあったな。

 

289 名無しの決闘者  23:16:40.52ID:whsDNULh0

湧くw

 

290 名無しの決闘者  23:19:42.05ID:n8rbmmcgM>>292

その話で思い出した。そういやβ時代にヒストリアってムッチャ強いデュエリストがいたな。

ソイツもコッチじゃ見ないデッキを使ってた。

 

291 名無しの決闘者  23:21:03.49ID:gIPPcuWoa

ヒストリア?誰それ、聞いたことがないんだけど?

 

292 名無しの決闘者 23:24:32.55ID:8UQ9qsot0>>295

βテストっていうと5年前位か。確かDen-City周辺のショップ大会の優勝賞品でβテストのアカウントがだったんだっけ。つかなんで>>290は知ってるの?

 

293 名無しの決闘者  22:25:52.17ID:n8rbmmcgM

俺、βテスターだからな。

つ>>269

 

294 名無しの決闘者 22:32:28.16ID:5t1ZPREha

ランキング上位ニキ!ランキング上位ニキじゃないか!

 

295 名無しの決闘者兄貴 23:33:02.05ID:n8rbmmcgM

ランキング上位連呼はヤメテクレ、ハズィ。

とにかく、>>292の言うように当時の実力者がβには揃っていて全体的にレベルが高かったんだ。

そういやGo鬼塚もいたな。当時はそこまで強くなかったけど。

 

296 名無しの決闘者 23:34:33.21ID:8UQ9qsot0

Go鬼塚は本サービスでジワジワと順位を上げていった大器晩成タイプだったね、そういえば。

今でも進化し続けているけど。

 

297 名無しの決闘者兄貴 23:36:00.01ID:n8rbmmcgM

βの最終日、βの全メンバーでトーナメントが開かれることになったんだ。

そこで圧倒的な実力で優勝したのがヒストリア。

カテゴリ名は忘れたが、確か獣とか機械系だった気がする。よくわからん展開力でよくわからん効果を誘発しまくってたな。そいつも一般人の壁は破ってる気がする。Playmaker程の強さではないけど。

 

298 名無しの決闘者 22:38:15.11ID:/kI594Lz0>>300

決闘者兄貴の記憶あんま当てにならんな。

 

299 名無しの決闘者 23:38:21.87ID:G+ZsDXl00>>300

つうか、5年前でそれなら今はもっと強くなってるんじゃないか?

 

300 名無しの決闘者兄貴 23:42:34.41ID:n8rbmmcgM

>>298は後で説教な。

>>299

そんなに実力は変わってない気がする、デュエリストの勘だけど。なんとなく完成された強さな感じがした。

 

301 名無しのイグニス 23:47:04.20ID:bpRIDjKs0

ヒストリアね。ちょっと調べてみようかな。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

ユナイトガーディアンのオペレーターである小野裕子は『【鍵付き】TCGショップSUMERAGI-355【裏】』というスレッドを見つけていた。

 

「この程度のロックなら造作もないですね。まずは印刷した先程のスレッドを確認しましょうか」

 

彼女はそう呟くと席を立った。

 

 

 

 

1名無しの決闘者 22:32:28.16ID:5t1ZPREha

【鍵付き】TCGショップSUMERAGI-355【裏】

 

ここは決闘倶楽部 皇について雑談するスレッドです。

TCGショップSUMERAGIとは何の関係もありません。フィクションです。

身に覚えのない方はページ移動を推奨しています。

個人名の記載もNGです。

次スレは>>950が立てること。立てられない場合は次の人を指定しましょう。

反応がない場合は立てられる人が宣言してから立てること。

なお、このスレは機密保持のため、>>1000になると自動的に爆破(削除)されます。

 

 

858 名無しの決闘者  19:02:30.98ID:N5YEB0130

あ・・・あの方がいたぁあああ!!!

 

859 名無しの決闘者 19:04:06.08ID:y//T9FTZa

うっさい!

 

860 名無しの決闘者 19:04:21.23ID:f207m54qa

落ち着け。

 

861 名無しの決闘者 19:05:00.58ID:QjjPWA400

六魔天最年少のあの人だよな。デュエル辞めるって聞いてたんだけど。まさか、地下に来てるとは。

 

862 名無しの決闘者 19:06:33.27ID:Bxi9I43e

店長も驚いてみたい出し。さっきまで店長とデュエルしてたぞ。

店長も久々にイキイキしてる感じだった。

 

863 名無しの決闘者 19:07:10.07ID:Ca4he1k10

あの人が引退してから六魔天の足も遠のいて、スタジアムの活気もあんまりなかったし。

 

863 名無しの決闘者 19:12:22.28ID:y//T9FTZa>>866

え、アイツ来てたの!?今度はいつ来るの!?

 

864 名無しの決闘者 19:13:30.51ID:+jsromlV0

それは聞いてないです。一戦やったら早々に帰っちゃいましたし。店長に聞けばいいんじゃないですか?

 

865名無しの決闘者 19:14:01.68ID:y//T9FTZa>>866

わかった。聞いてくる!

 

866 名無しの決闘者 19:15:10.14ID:0Q9v53gU0

今の>>863と>>865って、やっぱり・・・。

 

867 名無しの決闘者 19:17:36.09ID:dXF3aVNd0

六魔天の書き込みなんて俺達は何も見なかった。いいね。

ただ、活気は戻りそうだ。

 

868 名無しの決闘者 19:18:43.03ID:ZodTYJLsa

ア、ハイ。

六魔天、ランキング6位以上固定のあの人たちのデュエルは本当に盛り上がるからな。

特に最年少のあの人のデッキは裏のレアパックから出てきた珍しいカテゴリ。

また、あのデッキが戦うとこはまた見てみたいなぁ。

 

869 名無しの決闘者  19:20:02.00ID:f207m54qa

スレ、めっちゃ加速してるな。

俺達もLINK VRAINSに何か負けないことを証明してやろうぜ!

 

 

 

この後、スレは祭りとなり、勢いが加速していった。

 

 

999 名無しの決闘者  19:47:22.92ID:vlUc3QPE0

このスレの爆破まで後、1レス。

 

1000 名無しの決闘者  19:47:31.88ID:UXb0FTkW0

 

       _/           \_

 =二 ̄ /               ',  ̄二=

     ̄7'' ―― ___ ―― 戈 ̄

    从,,i ;         `. 、 .尢r、

      /\じ'jl|此ト=メ i;_,,爻,,i| 刈ゞメ

     ``‐ヾ:;!Iヅ 〃!iメト辷-"

^

1001 1001Over 1000Thread

このスレッドは1000を超えました。

新しいスレッドを立ててください。

尚、このスレッドは後30秒後に消去されます。

 

 

 

席に戻ってきた小野がこのスレッドを見ることはなかった。

 




という訳でストリアはテクノロギアカードの精霊で、元々遊士のカードでした。
なお、各勢力の現在の立ち位置はこんな感じ。

遊士:ストリアが活動しているのは自分の責任。自分がストリアを速やかに打倒しなければならない。
アイナ含むユナイトガーディアン:ストリアは目下、最大の脅威。ハクアを倒したビリーバーも敵。事情があるなら真実を知りたい。
マスターテラー:ストリアは勝手しすぎ(怒)×2、興味深い×1

遊士、誤解を受けまくる(2度目)。

ちなみに遊士とストリアのつながりについての伏線はこんな感じです。
・8話:ストリア初登場のシーンでビリーバーを見ていたシーン
・9話:シジュに「ダメだ!」っていうシーン(自分のデッキなので知ってて当然)、ストリアがビリーバーの肩に手を置くシーン
テクノロギアデッキの設定:位置が重要な要素であること(リンクテーマのカードの可能性の示唆)、空牙団デッキと似た動き
・遊士のリンク召喚口上(6話~):歴史を刻むサーキット(歴史・発展テーマのテクノロギア由来)
・キャラ紹介、オマケの捏造スターターデッキに入るテクノロギアのユナイトモンスター


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2章 デュエルフェスタ編
13話 デュエルフェスタ開幕


お待たせしました。

3DCG作ったりとかゲームとかやってて遅くなりました。

名もなきA・弐さん、いつも感想ありがとうございます。
2ページさん、誤字報告ありがとうございます。

2023/10/24リーダーオーダーの能力が試合の強制中断のみに変更


―6月下旬 在府スタジアム―

在府スタジアムにつながるメインストリートの歩道には多くの屋台が並んでおり、それに比例するかのように人だかりができていた。

 

「スゲェだろ、デュエルフェスタ!」

 

興奮したようにまくしたてる悟に遊士は昨日までのスタジアムで戦える喜びに興奮していたチームメイトの様子を思い出す。

 

「確かにまだスタジアムの外なのにスゲェ人だかりだな。つーか、今日は昇格戦って聞いていたけど、フェスと合体しているのか?」

 

奇異な目でこちらを見るのは同じチームになった翔太だ。

 

「え、知らなかったのか?」

 

「遊士はまだこっちに来て半年もたってねぇからな。俺達もこのステージに立つことだけで舞い上がってたから説明してなかったな。デュエルフェスタは要はシーズンの節目ごとに行う総決済みたいなもんだな。授賞式にオールスター戦、パレード、小大会とまさにデュエルのお祭りだな」と、悟が解説する。

 

「あーそういうことか。だからここ、道の中央が空いているんだな。パレードするために」

 

「正解。でもまだ開会式、始まってないだろ?トップリーグのプロデュエリスト達を一斉に間近で見られるチャンスだからな。だから、こんなにも人が多いんだ」

 

 

その時―――、

 

「おい、来たぞ!」

ゆっくりとした速度でこちらへ向かって十数台のバスが見えた。

 

「チームTECH、チームRX、チームワイルドにチーム崑崙・・・!うぉおおお!スゲェ!!」

車内から選手たちが顔を出すと、数多の歓声が怒涛のように沸き上がる。

 

 

そして、最後尾には・・・。

 

 

「チームユニティガーディアンだ!」

ナンバー1チームの登場に歓声は最高潮に。

すさまじく目立つ忍び装束―ジンに2人のメイド―タッグデュエリストとして有名なソウ、ハン。色物多いな、このチームと思いながら見ていると、見知らぬホスト風の金髪の男性の姿が目に止まる。

こんな人いたっけ、と遊士は首をかしげる。

 

「えっ?アレってアマツ?!マジかよ!引退したんじゃなかったのか?!」

 

「アマツ?初めて見るんだけど?」

 

「ユニティガーディアンでかつて最強だった人だぜ。引退してコーチになったって聞いたんだけどな」

 

「へぇ、最強ね」

 

ハクアとかよりも強かったって事か。

最後のバスを見送った正志は悟に振り返る。

 

「そういえば、白砂さんは遅くなると聞いていたが、いつ来るんだ?開会式には間に合わない気がするのだが・・・」

 

あ、今ハクア(白砂先輩)が後部座席の方から見えた。コッチ見て気まずそうな表情になって顔を引っ込めんだけど・・・。

 

「朝のLIMEには直接、会場に行くってなってるけど、いつになるのかなぁ・・・。あ、控室で合流するってさ」

 

「やっぱり健康面か?」、と翔太。

 

そういや病弱設定だったな、あの人。

 

「いや、もし体調不良ならば、そうと連絡が来る筈だ。彼女は白砂カンパニーのご令嬢。挨拶回りとかあるんじゃないか?」

 

「正志の言う通りかもな。慌ててもしょうがないから会場に行こうぜ」

 

今別のチームにいるからなんだけどな。やっぱり、あの人たまにぬけてる所がある気がするよな・・・。

 

『ユニティガーディアンの奴等も天然とか言ってたな』

 

ザンブが昔を思い出しながらの呟く。

そういう扱いなのか、と思うと遠ざかっていくバスの後ろ姿に哀愁を感じるのだった。

 

 

―――――――――

 

ファン達を見送っていたハクア―白砂アイナは悟達、チームA.ギートの面々が視界に入り、改めてチームメイトを待たせている現実に引き戻される。

 

「はわゎ・・・」

 

慌ててスマホを開きLIMEを起動する。

開会式は9時半、終わるのは9時45分だから、控室に直接行かないと・・・。

メッセージを打ち込をふぅ、と一息いれると、目に入ったのはにやけ面のジン。

 

「アイナちゃん、ダブルブッキングしてるんだっけ?」

 

ジロリ、と一睨みして黙らせると、クルリと顔をこちらに向ける赤いニット帽の男性。

 

「ダブルブッキング?どういうことだ?」

 

炎をかたどったライダースーツを纏った青年―グレンこと、赤石(あかいし)遼一(りょういち)

彼こそアームドナイト グレンの適合者である。

 

「ああ、彼女はちょっとした事情で一般チームに参加する事になったんだけど、遼一は最近この町に戻ってきたばかりだから、話してなかったっけ?」

 

彼の疑問に答えるのはアマツと呼ばれていた青年、光導(こうどう)(つばさ)副局長代理。

 

「初耳ですけど。というかマジでいいんですか、ソレ。プロが昇格戦に混じるとかマズくないですか?」

 

自身もユニティガーディアンに入隊する際にかつてのチームを脱退しなければならなかったのだ。

 

「問題ではあるが、許容範囲だ。彼女の場合は正体を隠蔽できているからな。本来のデッキを使用しなければ問題ないだろう」

 

そう話すのは片桐局長。彼はユニティガーディアンの局長であると同時にチーム ユニティガーディアンのコーチでもあるのだ。

 

「まぁ、彼女の場合は任務としての側面もあるからね。君は大学生デュエリストとして有名だったから、無縁な話だろうけどね」

 

「光導副局長代理」

 

叱責に失礼しました、と肩をすくめる翼。

そんな様子を尻目にアイナにだけ聞こえるようにメイドの1人がボソリと一言。

 

「実際はお嬢様のポカのフォローですが」

 

「ハン!ちょっと!お嬢様が恥ずかしがっていたことを忘れたの?!」

 

「うっ・・・」

 

「ソウが言った方のがダメージが大きいと思うけど」

 

毒舌のハンに、真面目系残念なソウ。彼女らはチームユニティガーディアンのタッグデュエリストにして、白砂家に仕えるメイドだ。

 

「2人とも相変わらずの素晴らしいコンビネーションだね」

 

「?そうでしょうか?」

 

コテンと首をかしげるソウを見て、そういうことだよなぁ、と一同は嘆息した。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

―在府スタジアム 控え室ー

開会式は控え室の壁にかけられたスクリーンからも見えていた。今は市長による開会宣言が行われているところだった。

 

 

―――ただいまより、春季デュエルフェスタの開会を宣言します!

 

 

ワァアアア!!!

 

歓声はスクリーンからだけでなく、この控え室からも響いていた。

その熱量はこの町ならではで流石は決闘指定都市、と遊士は感心していた。

改めて室内を見渡すと、控え室は3つの集団に分かれていた。

3部リーグ1位と2位のチームだ。

 

「やっぱり、先輩は開会式には間に合わなかったか」

 

「俺ら3位のチームだから、1番最初か、先輩はもう少しで来るかなぁ?」

 

「そうだ、昇格戦にはどのチームと戦うんだ?上位リーグのチームと戦うんじゃないんだろ?」

 

「戦うのはデュエル協会の人達だ。ルールは前に話してた疑似3on3のフラッグデュエル」

 

「この間みんなで練習したアレだろ。基本3人のフィールドメンバーに控えの2人が自陣のフラッグを守るっていう奴だろ」

 

メンバー3人の撃破か相手のフラッグの奪取が勝利条件のため、シングルデュエルとタッグデュエルが入り乱れる戦略性が深いデュエルだ。

 

「今のうちに改めて作戦を確認するか。基本のアタッカーは2人、司令塔が一人だから・・・」

 

そうやって話しあっていると―――、

 

 

バタバタバタ!

 

 

ガチャ

 

 

「皆さん、遅くなりました」

 

扉をゆっくりと開け、おずおずと姿を見せたアイナ。

走ってきたせいで若干息が弾んでいる。しかも普段の制服姿とは異なり、スポ-ツウェア姿で髪はポニーテールにまとめていて、その姿に思わずドキリとなる。

 

「すみません、遅くなってしまって」

 

「かまわないですよ、なぁ」

 

チームの面々だけでなく、居合わせた他のチームも頷いていた。

 

―――チームA.ギートの皆様、試合開始時刻になりましたので第3コートまでお集まりください。

 

「よっしゃ、行こうぜ、みんな」

 

 

―在府スタジアム 第3コート―

 

在府スタジアムは中央のメインコートの脇に2つのコートが隣接するスタジアムとなっている。

中央のメインコートにはトップリーグのチームによるエキシビジョンマッチが行われており、第2コートには2部リーグのチームの昇格戦が始まろうとしていた。

 

そして第3コートには―――――、

 

 

「あいつらが俺たちの対戦相手か・・・!」

 

遊士達の視線の先にはサングラスをかけた黒服達。

皆、かなりの実力者の雰囲気を纏っているのを遊士は感じた。

その中でも特に中央にいる人物、彼からは特に強者のオーラ、寧ろ、ココにいるのが場違いなくらいだと、目を見話せないほど。

彼は遊士の視線に気付くと、フッと笑みを浮かべ、おもむろにサングラスに手をかける。

 

直後、スタジアム全体がざわめきに包まれた。

 

「「「なっ・・・!」」」

 

 

『なんという事だー!第3コートに現れたのはユニティガーディアンのアマツ!引退した筈ではなかったのかー!』

 

まさかのアマツ(光導翼)の登場。それは名物司会MCザックすらも予想だにしていなかった事態。

 

『Oh、マジか・・・!。ん、たった今入ってきた情報によると選手としてではなく、臨時の試験官だそうです!フォーゥ!またアマツのデュエルが見られるってことじゃないかーっ!イェーイ!』

 

それはチームメイトであるアイナ(ハクア)も初耳。

 

「どういうことですか?何故、貴方が・・・?」

 

彼はデュエルの場にいるということは彼女にとってもユニティガーディアンにとっても異常事態だ。

 

「大丈夫です。上の許可は貰っています。何しろ、白砂社長のご息女である貴方が選手として参加されてますからね」

 

『んんっ!?よくチーム A.ギートのメンバー表を見ると、白砂って・・・。まさか白砂社長の娘さん?!これは面白い好カードになりそうな予感だぁ!』

 

「ね」

 

「・・・」

 

「まぁ、今の私は試験官、光導翼。チームA.ギートが2部リーグ入りにふさわしいか。試させてもらうよ」

 

ジャキッと、デュエルディスクが構える翼たち試験官。膨れ上がるプレッシャーに皆、デュエルディスクを構えた。

 

「良い闘志だ。さぁ、素晴らしいデュエルにしよう」

 

『それでは2部リーグ昇格戦第一試合、フラッグデュエル、スタートォ!』

 

 

―――――FLAG DUEL!*1―――――

 

 

宣言と共にコートに岩山が広がった。しかもフィールドも本来のスペースよりも広がっている。

リアルソリッドビジョンに、空間拡張システム、ユニティガーディアンに技術供与をする白砂カンパニーの技術である。

 

フィールドが広がった後、遊士達は作戦の最終確認に加え、先程のアマツー光導翼について情報交換をしていた。

 

「作戦は当初の予定通りだな。だけど、アマツ。アレは・・・」

 

「ええ、彼の強さは常軌を逸しています」

 

悟の言葉に頷くアイナ。ユニティガーディアンでも飛び抜けた実力で彼女自身も他のメンバーが彼に勝った姿を見たことがないほどだ。

 

「とにかく時間が惜しい。ここで立ち止まっていること自体がアド損だ」

 

翔太はバン、と拳を打ちつける。その言葉に皆頷くと、遊士と悟、翔太は駆け出して行った。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

試験官達は基本陣形である前衛2人、センター1人に分かれ、歩みを進めていた。

フラッグデュエルにおいて、自陣を強襲されることが最も痛手。

前衛の黒服2人は左右に分かれ、確実に索敵することでローラー作戦のように確実に相手を炙り出すのだ。

それでいて、互いをすぐにサポートできる位置にいるため、奇襲の備えも万全。

しかも今回のセンターにいるのはアマツさん。万全な体制である。

 

「いたぞ!」

 

岩山の陰に隠れていた戸部翔太を早速発見。こちらに気付くや踵を返す。

どうやらフラッグの奇襲が目当て、しかも戦わずに背を向け小手先だけの戦法に虚しさを覚える。

かなりの健脚。高校生としても上位クラスだが私達、在府リーグ試験官からすれば、追いつくのは容易!

見る見るうちに差が縮まり、振り向く戸部少年。

その顔には―――――

 

 

―――――笑みが広がっていた。

 

 

「よっし!かかった!」

 

 

【Duel Stand by!】

 

自身のデュエルディスクに伸びる虹色の光帯―デュエルライン。

フラッグ・デュエルでのみ機能する強制デュエルシステム。

それが2本。もう1本のデュエルベルトの先にいるのは仲町悟。つまり、2対1のデュエル。

これが意味することは1つ。

 

「誘いこまれたか」

 

しかし、私たちは2人。相方へと視線を送る。

彼にもデュエルラインの光が・・・。

 

【【Duel Stand by!】】

 

「コッチはサシでいかせてもらうぜ。試験官さん」

 

奥田遊士。なるほど、私達2人を確実に倒す作戦という事か・・・。

良いだろう。だが、私たちはそう簡単に倒せる相手ではないぞ。その実力を見極めさせてもらう!

 

「「「「「デュエル!!」」」」」

*1
フラッグデュエル ルール

・5vs5のチーム戦。性質上、タッグデュエルや1vs2となることが多い。

・勝利条件は相手プレイヤー3人の撃破か相手陣のフラッグの奪取。

・エリアは自陣、中立陣、相手陣に別れている。自陣と相手陣は畳2畳程度のスペース。

・中立陣は1チーム、3人まで送りこめる。

・自陣には控えプレイヤーが待機。控えプレイヤーは自陣まで来た相手プレイヤーとデュエルが可能。主にフラッグを守る。

・フラッグデュエル内でのデュエルの申請はデュエルディスクから出る光線(デュエルライン)を相手のデュエルディスクに当てて行う。5Dsのデュエル(満足)アンカーみたいなモノ。

・リーダーは1度だけ、自分以外が行っているデュエルを中断させ、中断させるリーダーオーダーをもつ。

・デュエルが終了するか中断した場合、失ったライフの半分を回復する。




大会編に合わせてキャラが着々と増えていく模様。
そんなに増やす気、なかったんだけどなぁ(尚、更に増える模様)。

前書きに書いた3DCGを公開。

SCデュエルディスク

【挿絵表示】


SCは白砂カンパニーの略。
真ん中のクリスタルはユナイトカウンター。カウンターが載ると発光する。
右のスペースはプレイヤーカードを置くスペース。
プレイヤーカードを置くとこんな感じ。↓


【挿絵表示】


プレイヤーカードの方はこんな感じ。


【挿絵表示】


やっぱり3DCGは難しい・・・。


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14話 昇格戦開始

バルバロッサ・バグラチオンさん、お気に入り登録ありがとうございます。

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

2023/10/24リーダーオーダーの能力が試合の強制中断のみに変更


「「「「「デュエル!!」」」」」

 

 

悟LP4000・翔太LP4000 vs 試験官LP4000

 

【【【Set Player card】】】   

 

 

 

 

 

【【Accept!You are a Fighting Duelist!*1】】 

 

【Accept!You are a Knight Duelist!】

 

 

《ナイト・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが3個以下の場合、自分フィールド上に戦士族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上の戦士族以外のモンスターの攻撃力と守備力は300ポイントダウンする。

③:自分フィールド上の戦士族ユナイトモンスターと戦士族ユナイトモンスターを装備しているプレイヤーの攻撃力は400アップする。

 

 

「俺のターン、《招神鳥シムルグ》(レベル2 ATK1000)を召喚。効果で《烈風の覇者シムルグ》を手札に加える!」(戸部翔太《ファイティング・デュエリスト》):ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

「フィールド魔法《神鳥の霊峰エルブルズ》を発動!効果により風属性鳥獣族モンスターは攻守が300アップ!」(戸部翔太《ファイティング・デュエリスト》:ユナイトカウンター1→2)

 

翔太の背後に小さな山が現れ、緩やかな風を運ぶ。

 

【Effect】

 

「更にエルブルズの効果!《烈風の覇者シムルグ》を公開することでリリースを1体減らす!」(戸部翔太:ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect】

 

「エルブルズの3つ目の効果により、俺はさらに風鳥獣をもう1度、召喚できる。俺は《招神鳥シムルグ》をリリース!アドバンス召喚!レベル8《烈風の覇者シムルグ》(ATK2900→3100)」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「まだまだ!風属性モンスターがアドバンス召喚したことで手札の《ダークネス・シムルグ》の効果を発動!自身を特殊召喚!」(戸部翔太《ファイティング・デュエリスト》:ユナイトカウンター3→4)

 

《ダークネス・シムルグ》(レベル8 ATK2900→3100)

 

【Effect Summon】

 

翔太が左右に従えるは翠と漆黒の巨鳥。魔法・罠には完璧に対処が可能な構え。

しかし、相手はその穴を吐くはず。翔太は手札から更に1枚のカードをデュエルディスクの魔法&罠カードゾーンにに差し込む。

 

【Effect】

 

「マジックカード《ダウンビート》!レベル8の《ダークネス・シムルグ》をリリースし、レベル7の《霞の谷の巨神鳥》(ATK2700→3000)を特殊召喚!」

 

【Summon】

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が翼となれ!《ホーンド・ハミングバード》(ATK+900)!」(戸部翔太《ファイティング・デュエリスト》:ATK0→900→1400)

 

【Winged Hone!】

 

「ターンエンドだ!」

 

翔太は淀みない動きで布陣を一気に整える。このデュエルはもたもたしていると、すぐにあのアマツが来てしまう。そうなっては奇襲の意味がなくなってしまう。だからこそ素早くターンを進める必要があったのだ。

更にフラッグデュエルでは遅延防止のため、デュエルでの持ち時間は1試合につき150秒しかないため、より時間を消費しないのが肝要なのだ。

 

戸部翔太

LP4000 手札1枚

場:《烈風の覇者シムルグ》(ATK3100)、 《霞の谷の巨神鳥》(ATK3000)、《神鳥の霊峰エルブルズ》リバースカード0枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK1400(《ホーンド・ハミングバード》装備) ユナイトカウンター2個

 

「ここまで展開して時間をあまりかけないとは。私のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「《切り込み隊長》(レベル3 ATK1300)を召喚。その効果で《不死武士》(レベル3 ATK1300)を特殊召喚!」(試験官《ナイト・デュエリスト》:ユナイトカウンター0→1→2)

 

【Summon】

 

「マジックカード《トランスターン》を発動。《切り込み隊長》をリリースし、デッキから《U.A.ファンタジスタ》を召喚!」(試験官《ナイト・デュエリスト》):ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Summon】

 

サッカーボールをドリブルしながら現れるアスリート。

そのテーマは翔太にも見覚えがあった。

 

「【U.A.】デッキか!?」

 

「その通り、まだまだ続くぞ!U.Aが召喚されたことで手札から《U.A.プレイング・マネージャー》を特殊召喚!特殊召喚成功時効果により、《霞の谷の巨神鳥》を破壊!」(試験官《ナイト・デュエリスト》:ユナイトカウンター3→4)

 

【Summon】

 

【Effect Select 1 Card Destory!」

 

「だったら巨神鳥の効果!自身を手札に戻すことで《U.A.プレイング・マネージャー》の効果を無効にし、破壊する!ミスティック・ゲイル!」

 

【Effect Invarid!】

 

「私は《U.A.ファンタジスタ》と《不死武士》、ユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「ユナイト召喚!現れろ!レベル7《黒鋼の将軍フリーデン》(ATK2800)!」

 

 

 

 

閃光から現れたのは漆黒の鎧を纏う歴戦の強者。

担いだ黒き大剣を轟音と共に振り下ろす。

 

 

「手札を1枚捨てることで、《烈風の覇者シムルグ》を破壊!更に墓地の《U.A.プレイング・マネージャー》を手札に戻す」

 

【Effect Select 2 Monsters Destroy!Bounce!】

 

《黒鋼の将軍フリーデン》

レベル7闇属性戦士族・ユナイト・効果ATK2800 DEF2300/装備ATK+2800

戦士族モンスター2体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:1ターンに1度、手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上のモンスター1体までと自分の墓地の戦士族モンスター1体までを選択して発動できる。そのモンスターを手札に戻す。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、手札から戦士族モンスター1体を特殊召喚することができる。

 

「破壊と戦力補充を同時に・・・」

 

「プレイヤーカード《ナイト・デュエリスト》の効果で戦士族ユナイトモンスターの攻撃力は400アップしている。《黒鋼の将軍フリーデン》カードを1枚セットしてターンエンド」

 

《黒鋼の将軍フリーデン》ATK2800→3200

 

試験官

LP4000 手札2枚

場:《黒鋼の将軍フリーデン》(ATK3200)、 リバースカード1枚

プレイヤーカード:《ナイト・デュエリスト》ATK0 ユナイトカウンター0個

 

「流石に強い!だけど、あの2人に比べたらまだまだだ!俺のターン、ドロー!」

 

幾度となく行った白砂先輩や遊士のデュエルが頭をよぎる。

 

【Draw】

 

 

「《機甲部隊の再編制》を発動。手札を1枚捨て、デッキから2体のマシンナーズモンスター、《マシンナーズ・メタルクランチ》と《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加える」(仲町悟《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect】

 

「手札のレベル8の《マシンナーズ・メタルクランチ》を墓地に送り、手札からレベル7《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500)特殊召喚!」

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「《爆走特急フライング・ペガサス》(レベル4 ATK1000)を召喚し、効果により、墓地の《マシンナーズ・メタルクランチ》(レベル9 DEF0)を特殊召喚」(悟《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

【Effect Select 1 Monster- Revive!】

 

「《マシンナーズ・メタルクランチ》が特殊召喚された事で効果により、効果発動。3枚の地属性機械族モンスター公開し、ランダムに手札に加える。手札に加わるのは当然《無頼特急バトレイン》!」(仲町悟《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect】

 

「俺はユナイトカウンター3個と《爆走特急フライング・ペガサス》、《マシンナーズ・メタルクランチ》でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「深き叡智の結晶よ。大地より現れろ!ユナイト召喚!レベル7《マシン・ゴレイム》(ATK2400)!」

 

【Effect】

 

「魔法カード《ユナイト・ライトニング》発動!ユナイトカウンターを1つ得、《黒鋼の将軍フリーデン》を破壊する!」(仲町悟《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1)

 

《ユナイト・ライトニング》

通常魔法

このカードは自分フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合のみ発動することができる。

①:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを破壊する。ユナイトカウンターを1個得る。

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

 

仲町悟

LP4000 手札2枚

場:《マシン・ゴレイム》(ATK2400)、《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500) リバースカード1枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK0 ユナイトカウンター1個

 

 

「相手のフィールドは空だ。翔太、頼んだぜ」

 

「ああ!俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

「《雛神鳥シムルグ》(レベル1 ATK0)を召喚」

 

【Summon】

 

「フム、《リビングデッドの呼び声》を発動!《U.A.ストロング・ブロッカー》(レベル7 DEF2900)を特殊召喚!手札の《U.A.プレイング・マネージャー》(レベル8 DEF2600)を自身の効果で特殊召喚」

 

【Effect Select 1 Monster-Revive!】

 

「《U.A.プレイング・マネージャー》の効果で《神鳥の霊峰エルブルズ》を破壊!」

 

【Chained Effect-Destroy!】

 

 

「そう簡単には攻めさせてくれないって事か。こんな程度では俺は止まらねぇ!《招神鳥シムルグ》(レベル2 DEF1000)を自身の効果で特殊召喚」

 

【Summon】

 

「雛神鳥の効果で《霞の谷の巨神鳥》(レベル7 ATK2800)をアドバンス召喚」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「風属性モンスターをアドバンス召喚したことで墓地から《ダークネス・シムルグ》(レベル7 ATK2800)を特殊召喚」

 

「《U.A.ストロング・ブロッカー》の効果で《霞の谷の巨神鳥》を手札に戻す」

 

【Effect select 1 monster Bounce!】

 

「《霞の谷の巨神鳥》の効果を発動!《U.A.ストロング・ブロッカー》の効果を無効にし、破壊する」(戸部翔太《ファイティング・デュエリスト》:ユナイトカウンター2→3)

 

 

瞬く間に並ぶ怪鳥達。試験官は少しでも戦力を削る事を選ぶしかなかった。

翔太は戦力の減少も意に返さず、デュエルディスクのクリスタル部分に触れる。

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!わが手に宿れ!《ガルーダ・ファルコン》(ATK+1200)」

 

【UNITE EQUIP! FALCON RIFLE!】

 

「バトルだ!《ダークネス・シムルグ》で《U.A.プレイング・マネージャー》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

「俺の攻撃だ!」

 

【Player Attack!】

 

風の弾丸を受け、試験官は膝をつく。

 

試験官LP4000→1400

 

「ターンエンド!」

 

戸部翔太

LP4000 手札0枚

場:《ダークネス・シムルグ》(ATK3100)、、リバースカード0枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK2600(《ホーンド・ハミングバード》《ガルーダ・ファルコン》装備) ユナイトカウンター1個

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「《ユナイト・リバイブ》*2を発動!《黒鋼の将軍フリーデン》を私に装備する。《ナイト・デュエリスト》の効果も併せて攻撃力は3200!」

 

試験官《ナイト・デュエリスト》ATK2800→3200

 

「《黒鋼の将軍フリーデン》のユナイト効果。1ターンに1度、手札から戦士族モンスター、《U.A.ドレッドノートダンカー》(レベル7 ATK2500)を特殊召喚」(試験官《ナイト・デュエリスト》:ユナイトカウンター0→1)

 

 

《U.A.ドレッドノートダンカー》ATK2500→2900

 

【Summon】

 

「私はユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が元に宿れ!《不屈の兵士》(+ATK500)!」

 

【UNITE EQUIP!RIGING BLADE!】

 

試験官《ナイト・デュエリスト》ATK3200→3600

 

「私の攻撃だ、《ダークネス・シムルグ》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

戸部翔太 LP4000→3500

 

「《U.A.ドレッドノートダンカー》でダイレクトアタック」

 

【Attack!】

 

戸部翔太 LP3500→3200

 

「くっ!」

 

「ターンエンド」

 

試験官

LP1400 手札0枚

場:《U.A.ドレッドノートダンカー》ATK2900、、リバースカード0枚

プレイヤーカード:《ナイト・デュエリスト》ATK3600(《黒鋼の将軍フリーデン》、《不屈の兵士》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

《不屈の兵士》

レベル2地属性戦士族・ユナイト・効果ATK500 DEF500/装備ATK+500

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

このカードは自分フィールド上のカードが相手フィールド上のカードより3枚以上少ない場合のみ、ユナイト召喚することができる。

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードは1ターンに1度、戦闘では破壊されない。

 

 

「追い詰めたぜ!俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

「《無頼特急バトレイン》(レベル4 ATK1800)を召喚!起動効果で500ダメージ!」(悟《ファイティング・デュエリスト》ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

【Effect】

 

試験官LP1400→900

 

「バトルだ!《マシンナーズ・フォートレス》で《U.A.ドレッドノートダンカー》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

「ここでバトル?《マシンナーズ・フォートレス》の効果を誘発させるつもりか?」

 

【Effect!】

 

《マシンナーズ・フォートレス》ATK2500→5000

《マシン・ゴレイム》ATK2400→4800

《無頼特急バトレイン》ATK1800→3600

 

「これは・・・!」

 

「速攻魔法《リミッター解除》だ!ココで決めるに決まってんじゃねぇか!」

 

「くっ!」

 

試験官LP900→0

 

 

――――――――――――――

 

 

「よし、まずは1勝!」

 

「完敗だ。だが・・・、時間をかけすぎたな」

 

パチパチパチ

 

「素晴らしいよ。A.ギート。もう1人、倒してしまうとはね。これなら素晴らしいデュエルができそうだ」

 

その姿を捉えた悟たちに戦慄が走る。

 

「アマツ・・・!」

 

拍手とともに近づいてきたのはアマツ―光導翼。最強のユナイトガーディアンその人なのだから。

 

「やるしかねぇな」

 

「当然だろ」

 

デュエルディスクを構える2人の瞳に宿るのは闘志。

 

「良い気迫だ。これは素晴らしいデュエルになりそうだね」

 

「勝つぜ。翔太」

 

「「「デュエル!!!」」」

 

 

 

――――――――――――――

 

 

ほぼ同時刻、遊士と試験官のデュエルは終局へと向かっていた。

 

「なんという強さだ。これで2部リーグ挑戦者?」

 

試験官は遊士のプロと遜色ない実力に驚きを感じていた。

自分の本来のデッキですら、勝利は難しいのではないだろうか。

 

「トドメだ!《アークネメシス・エスカトス》でダイレクトアタック!」

 

【Last Attack!】

 

遊士LP3200→3600

 

 

――――――――――――――

 

 

流石は試験官、予想以上に時間がかかってしまった。

悟達はどうなったのか、と振り返る。

 

 

悟LP800 場0 手札1

翔太LP200 場0 手札0

アマツLP3500 場《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》レベル9 ATK3200(ユナイト・効果なし)×2 手札4

 

 

「これは・・・!」

 

「遊士、俺たち時間をかけすぎちまったみたいだ」

 

「やっぱりあの人は、トンでもなく強ぇ!たった1ターンでコレかよ!」

 

悟も戸部も遊士が知っているこの街のデュエリストでは中々の実力者。その2人をこうも圧倒するなんて。

アレがアマツか。俺は、その実力に戦慄するとともに・・・。

 

「良い感じだ。さあ、バトルフェイズと行こうか!《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》で戸部クンにダイレクトアタック!」

 

眼前で光のドラゴンがブレスを解き放つ!

この攻撃で2人は・・・!

 

【Last Attack!】

 

「させるか!手札から《絆クリボー》の効果を発動!」

 

【Effect!】

 

悟の手札から現れた《絆クリボー》は橙色に淡く輝き出した。

 

「バトルフェイズを終了させる。ただし2つのデメリットがある。相手ライフ、翔太のライフを1000回復させる!」

 

翔太LP200→1200

 

「上手い。フラッグデュエルはチーム戦とはいえ、サドンデス形式。デメリットを逆手にとっている」

 

「《絆クリボー》、随分珍しいカードを持っているね。ただ、そいつにはデメリットがあるよね」

 

「ええ、《絆クリボー》の第2のデメリット。俺は1000ダメージを受けます」

 

悟LP800→0

 

《絆クリボー》

レベル1地属性悪魔族・効果ATK300DEF200

①:バトルフェイズ中、このカードを手札から墓地へ送って発動する。このバトルフェイズ終了し、相手はライフを1000回復し、自分は1000ポイントのダメージを受ける。

②:?

 

「1ターンの猶予を得る事かできたけど、時間稼ぎだよね」

 

確かにこのままでは戸部が敗北するのも時間の問題と思うだろう。だけど・・・!

 

「遊士!今だー!」

 

「リーダーオーダー起動!」

 

デュエルディスクをかざすと中央の結晶が輝き出す。

 

【LEADER ORDER:ACCEPT!】

 

翔太LP1200→2600

アマツLP3500→3750

 

【DUEL ENDED】

 

 

「奥田クンがリーダーオーダーを?仲町クンがリーダーじゃなかったのか?」

 

フラッグデュエルではリーダーのみが1度だけのデュエルの中断権、『リーダーオーダー』を持つ。フラッグデュエルをただの団体戦とは異なる戦略的な要素をもたせているのだ。勿論、この場合も失ったライフの半分の回復が適用される。

リーダーオーダーを活かす事は2対1の状況を作り出す事と同様に格上相手にも逆転できる可能性になるのだ。

普通は司令塔であるチームリーダーだからこそ与えられる権利だが、悟はこの試合のみ自分より強力なデュエリストである遊士をリーダーとしていたのだ。

 

「次の相手は俺です」

 

デュエルラインをアマツのディスクへと延ばす。

 

【Duel Stand by!】

 

「よし、プランB成功だぜ。俺は白砂さんと入れ替わってフラッグを守りに行く!」

 

自陣へ駆け出す翔太。俺と白砂先輩によるダブルアタックを仕掛ける作戦だ。

白砂先輩が発案した際、はっきりと口にしたのだ。「あの人には正攻法では勝てない」、と。

 

「これは1本、取られたかな。まぁキミとはデュエルしてみたかったし、ちょうどいいかな?」

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

*1
《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がユナイトモンスター以外の魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

*2
《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:プレイヤーが装備していない場合のみ、自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。



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15話 天上の決闘者

ししゅうさん、お気に入り登録ありがとうございます。
名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

今話はvsアマツ前編になります。

SEVENSで新召喚法が出てきましたね。
マキシマム召喚、モンスターゾーン全てを使う極大限のモンスターとは面白そうです。



【【【Set Player card】】】   

 

【Accept!You are a Kizuna Duelist!】

 

【Accept!You are a Plane Duelist!】

 

今回のデュエルにあたって、俺は新しいプレイヤーカードとして《キズナ・デュエリスト》を選択した。

 

《キズナ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンにモンスターを召喚・特殊召喚する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合、このカードと自分EXモンスターゾーンのモンスターの攻撃力は300アップする。 

 

 

このカードのユナイトカウンター精製効果は《アームドナイト ビリーバー》に近いモノだ。ビリーバーとしてのデュエルを重ねていく内、どうも、召喚時にユナイトカウンターを載せる方が合ってるらしい事に気付き、こちらに変更してみたのだ。

 

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 

遊士LP3600vsアマツLP3750

 

「俺が先行だね。手札から《天威龍―アシュナ》(レベル7 DEF2600)を特殊召喚」(アマツ《プレーン・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1)

 

《プレーン・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分が効果を持たないモンスターをEXデッキから特殊召喚したターン終了時、自分EXモンスターゾーンの効果を持たないモンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを任意のメインモンスターゾーンに移動する。

 

【Summon】

 

「天威デッキ!」

 

テーマ全体で特殊召喚効果や墓地発動効果を持つ制圧能力が高いテーマだ。

Yo-Cityでは効果を持たないリンクモンスターが必須のテーマだったがコチラではどう来るか?

 

「《天威龍―アシュナ》とユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!幻出せよ!レベル2《ピカリュウ》(ATK600)!」

 

ピィ~

 

現れたのは小柄な雷光を纏ったレモン色のドラゴン。

《風霊使いウィン》の使い魔として知られている《プチリュウ》の色違いモンスターだ。

 

 

《ピカリュウ》

レベル2光属性幻竜族・ユナイトATK600 DEF500/装備ATK+600

幻竜族モンスター1体+ユナイトカウンター1個

モンスター効果

なし

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードが墓地に送られた場合に、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターは次のターン終了時まで表示形式を変更できず、攻撃できない。

 

「《ピカリュウ》はモンスター効果を持たないため、手札から《天威龍―マニラ》(レベル4 DEF1600)を特殊召喚」

 

【Summon】

 

「墓地のアシュナの効果を発動。このカードを除外してデッキから《天威龍―シュターナ》(レベル4 DEF2000)を特殊召喚」

 

【Summon】

 

「マジックカード《ユナイト・ウィッシュ》*1。ユナイトカウンターを2個増やす」

 

【Effect Plus 2 Unite Counters】

 

「ユナイトカウンター4つにモンスター3体・・・」

 

いつでも最上級ユナイトモンスターが呼べる状態。デュエルディスクを構え直す。

 

 

「いくよ!2体の天威龍と《ピカリュウ》、ユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!悪魔龍よ、光の力を呼び起こし、幻出せよ!レベル9《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》(ATK3200)!」

 

 

《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》

レベル9光属性幻竜族・ユナイトATK3200 DEF2500/装備ATK+3000

属性が異なるモンスター3体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

なし

ユナイト効果

①:このカードが装備されたプレイヤーが与える戦闘ダメージは1000になる。

 

 

あれば、悟と翔太を倒したモンスター・・・。

悪魔のような捻れた角を持つ純白のドラゴンが、猛々しい咆哮をあげる。

 

【Effect】

 

「フィールド魔法《天威無崩の地》を発動」

 

大地から剣のような岩盤が突き上がった。

効果を持たない(バニラ)モンスターに耐性を与え、ドロー効果を持つ面倒なカードだ。

 

「カードを1枚セット。これでターン終了だ。ターン終了時に《プレーン・デュエリスト》の強制効果で《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》をメインモンスターゾーンに移動するよ」

 

【Player Effect】

 

「さあ、キミはどんな素晴らしいデュエルを魅せてくれるかな?」

 

 

アマツ(光導翼) LP3750

手札:0枚

場:《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》ATK3200、伏せカード2枚

プレイヤーカード:《プレーン・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター1個

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】 

 

相手の場のモンスターは1枚。セットカードも1枚だけだが、墓地には天威龍達。

《天威龍―マニラ》は耐性を与え、《天威龍―シュターナ》はカウンター効果。かなり強固な布陣だ。

最悪を考えるとセットカードは万能カウンター、《天威無双の拳》といったところか。

この手の場合に考えるのは常に最悪の場面!

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を召喚」

 

【Summon】

 

「リコンの効果を発動!手札から《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル3 DEF2000)を特殊召喚!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

本来ならここでカウンターがくる筈だが、フィールド魔法のドロー効果は相手のモンスターを特殊召喚した場合に発動するものカウンターをしない可能性が高い。

 

「なら、俺は《天威無崩の地》の効果で2枚ドロー」

 

【Effect Draw 2 Cards】

 

「空牙団モンスターが特殊召喚された事で《空牙団の飛哨 リコン》の効果を発動。セットカードを破壊します」

 

カウンターするならこのタイミング。例えカウンターされて効果が無効になっても、手札にはまだ空牙団モンスターがいる。どちらに転んでも問題はない。

 

リコンが投げたナイフがセットカードへと突き刺さり、爆発が起きた。

その効果、そんなエフェクトだったっけとリコンを見るとリコンも同じようにコチラを見る。

 

「良い戦略だね。不確定要素を潰しつつ、着実に展開する。ただ・・・」

 

【Effect Select 1 Monster-Summon!】

 

煙の向こうには2体の聖魔竜のシルエット。

 

 

「・・・《やぶ蛇》だったね。このカードは相手に破壊されたら、EXデッキからモンスターを直接召喚できるカード。2体目の《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》を呼ばせてもらったよ」

 

「っく!ですが、俺の展開はまだ終わりません!《空牙団の舵手 ヘルマー》の効果を発動!」

 

【Effect Draw 1 Card】

 

【Chain Effect!Invalid!】

 

「ユナイトカウンターを1つ取り除き、手札からトラップカード、《ユナイト・ヴァニッシュ》を発動。ターン終了時まで《空牙団の舵手 ヘルマー》の効果を無効にするよ」

 

《ユナイト・ヴァニッシュ》

通常罠

このカードはユナイトカウンターを1個取り除く事で手札から発動する事もできる。

①:相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターのモンスター効果はターン終了時まで無効になる。

 

「さっきのドローで・・・!」

 

なんて確率。いや、あの常に余裕綽々な表情、まさか!

 

「何となくこんな展開もある気がしていたよ。常に最善の1歩先を行くように心がけているからね」

 

やっぱり、そういう次元かよ!

久しぶりに見たぜ。

そういう手合は常に攻めあるのみ!

 

「マジックカード、《ユナイト・チャージ》!ユナイトカウンターを1つ増やす」

 

【Effect Plus 1 Unite Counter】

 

「ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!来い!レベル4《リカバリー・ツリー》(DEF1000)!」

 

【Effect Draw and Back 1 Card】

 

「このカードのユナイト召喚成功時、相手はカードを1枚ドローさせ、デッキに1枚を戻させます。常に最善の手札になるあなたならデメリットは関係ありません」

 

 

《リカバリー・ツリー》

レベル4光属性植物族・ユナイト・効果ATK500 DEF1000/装備ATK+500

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、相手はデッキからカードを1枚ドローし、手札1枚をデッキに戻す。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、発動する事ができる。自分のライフを500回復する。

 

 

「なるほどね。だけどユナイトカウンターが全くない状態でモンスターを並べたところで壁にしかならない筈だよ」

 

淡々と手札を入れ替えるアマツを尻目に、腕を天へと掲げた。

 

「現われろ、歴史を刻むサーキット!」

 

「何だって!?」

 

空に浮かび上がるサーキット、この街には存在しない現象だ。ここからは相手にとっても未知の領域。

 

「召喚条件は名前の異なるモンスター3体!《リカバリー・ツリー》、リコン、ヘルマーをリンクマーカーにセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク3《空牙団の大義 フォルゴ》(ATK2400)!プレイヤーカード《キズナ・デュエリスト》の効果でフォルゴと俺の攻撃力は300アップします」

 

《空牙団の大義 フォルゴ》ATK2400→2700

 

 

「リンクモンスターだって!?キミは一体?」

 

ここまでしてようやく動揺したか。1手は詰められたか?

 

「《空牙団の大義 フォルゴ》のリンク召喚時の効果を発動。デッキから《空牙団の剣士剣士 ビート》(レベル3 DEF500)を特殊召喚!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「ビートの効果を発動。手札から《空牙団の闘士ブラーヴォ》を特殊召喚」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「ブラーヴォが特殊召喚された事でビートの効果により、《空牙団の豪傑 ダイナ》を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」

 

【Effect Search 1 Monster】

【Effect Summon 1 Monster】

 

「ダイナ、そのカードの効果は・・・!」

 

「はい、フィールドの空牙団の数まで相手の墓地のカードを除外できます。2体の天威龍と《ビカリュウ》を除外する!行けっ!ダイナ!」

 

【Effect】

 

ダイナは拳を重ね、大地へ振り下ろす。

熊の獣人由来のそのパワーがアマツのデュエルディスクからカードを弾き飛ばした。

 

「やるね」

 

「更にブラーヴォの効果で自分フィールド上の空牙団モンスターの攻撃力は500アップ!」

 

【Effect Attack Plus】

 

《空牙団の大義 フォルゴ》ATK2700→3200

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK2500→3000

《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK1900→2400

 

「ユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《ブレイブ・フライ》(ATK+200)!」

 

【UNITE EQUIP! Brave Flag】

 

「自分フィールド上のモンスターの攻撃力は200アップ!」

 

 

《空牙団の大義 フォルゴ》ATK3200→3400

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK3000→3200

《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK2400→2600

 

「もう1回だ!ユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

「連続ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!《ブレイブ・フライ》(ATK+200)!」

 

【UNITE EQUIP! Brave Flag】

 

「自分フィールド上のモンスターの攻撃力は更に200アップ!」

 

《空牙団の大義 フォルゴ》ATK3400→3600

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK3200→3400

《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK2600→2800

 

「よし!ダイナで《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》を攻撃!」

 

拳がドラゴンへ振り下ろされるその瞬間!

 

「甘いね、ダメージステップ時に手札から《天威龍―ナハタ》の効果を発動!ダイナの攻撃力を1500ダウンさせる」

 

【Effect Attack Minus】

 

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK3400→1900

 

緑の嵐がダイナの突撃を鈍らせる。

その隙を狙った迎撃の光線がフィールドに迸った。

 

「くっ!」

 

遊士LP3600→2500

 

「これで、全て使いきった筈だ。《空牙団の大義 フォルゴ》で《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》を攻撃!」

 

 

【Attack!Rouga Issen!】

 

「っ」

 

アマツLP3750→3250

 

「相手モンスターを破壊したためフォルゴの効果でカードを3枚ドロー、カードを2枚セットして、ターン終了時に《ユナイト・チャージ》を手札に加えます」

 

【Effect】

 

「ならターン終了時、EXモンスターゾーンの《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》をメインモンスターゾーンに移動するよ」

 

【Player Effect】

 

「ターンエンド」

 

奥田遊士 LP2500

場:《空牙団の大義フォルゴ》ATK3100《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK2300、空牙団の剣士 ビート》DEF500、セットカード2枚

プレイヤーカード:《キズナ・デュエリスト》(《ブレイブ・フライ》×2装備)ATK700、ユナイトカウンター0個

手札:5枚

*1
《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

①:自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを2個、のせる。

②:?



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16話 昇格戦決着

right001さん、評価とお気に入り登録ありがとうございます。
評価してくださった方が3名となりました。評価に色が付くまで後、2名。評価、お気に入り登録、感想お待ちしております。

今話は、vsアマツ後編です。
尚、ストックがなくなりましので、再び不定期更新に戻ります。


奥田遊士 LP2500

場:《空牙団の大義フォルゴ》ATK3100《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK2300、空牙団の剣士 ビート》DEF500、セットカード2枚

プレイヤーカード:《キズナ・デュエリスト》(《ブレイブ・フライ》×2装備)ATK700、ユナイトカウンター0個

手札:5枚

 

 

何とか初ダメージは与えたし、アドバンテージはこちらが有利の筈。

けど、追い詰めた感じがまるでない・・・。

 

「良い攻撃だったよ。ここまで不利になったのは久しぶりだ。さぁ、楽しませてもらうよ」

 

【Draw】

 

「《強欲で貪欲な壺》を発動。デッキの上からカードを裏向きで10枚除外し、2枚ドロー」

 

【Effect Draw 2 Cards】

 

「《異次元からの埋葬》を発動。天威龍―マニラ、アシュナ、シュターナの3枚を墓地に戻す」

 

【Effect】

 

「墓地のアシュナの効果を発動。このカードを除外してデッキから《天威龍―ヴィジュダ》(レベル7 DEF2500)を特殊召喚」

 

【Summon】

 

「それから、《プラチナム・ドラゴン》(レベル4 ATK1500)を召喚。召喚成功時にユナイトカウンターを1つ増やす」

 

《プラチナム・ドラゴン》

レベル4光属性幻竜族・効果ATK1500DEF1500

①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する事ができる。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個のせる。

 

天威じゃないモンスター!?ユナイトカウンターを増やす効果とは。来るか、更なるユナイトモンスター!

 

「いくよ!《天威龍―ヴィジュダ》と《プラチナム・ドラゴン》、ユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!、悠久にたゆたう七の星よ!その姿を幻出せよ!レベル7《ウラヌス・マザー・ドラゴン》(DEF2500)!」

 

召喚エフェクトを天の川のように煌めかせ、現れたのは薄いクリーム色のドラゴン。

長い毛並みを優雅に靡かせ、アマツへと付き従う。

 

「《ウラヌス・マザー・ドラゴン》の効果を発動。1ターンに1度、自分の墓地から幻竜族ユナイトモンスター効果を無効にして特殊召喚する。蘇れ。《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》!」

 

【Effect Summon-Sevens Right】

 

「3体の最上級ユナイトモンスター・・・!」

 

「さて、バトルといく前に、墓地の《天威龍ーヴィジュダ》の効果で《空牙団の大義 フォルゴ》にはお帰りいただこうか」

 

【Select 1 Card Bounce!】

 

地面から黒龍の波動がフォルゴへとまとわりつき、彼をEXデッキへと押し流した。

 

「さあ、バトルだ。《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》で、《空牙団の剣士 ビート》を攻撃!メタファイズ・デーモンズは《ウラヌス・マザー・ドラゴン》の効果で貫通能力と破壊耐性を持つ!」

 

【Attack! Heavens Flare!】

 

「マズイ。リバースカード《ユナイト・チャーム》*1発動!ダメージを半分にし、ユナイトカウンターを1つのせます!」(《・デュエリスト》ユナイトカウンター0→1)

 

奥田遊士LP2500→1150

 

「《ウラヌス・マザー・ドラゴン》の更なる効果。相手に戦闘ダメージを与える度、1枚ドロー」

 

【Effect Draw】

 

「まだ効果が!」

 

《ウラヌス・マザー・ドラゴン》、なんてカードだ!効果あり過ぎだろ。

 

「ふふ、《ウラヌス・マザー・ドラゴン》は生半可なカードではないからね。もう1体のメタファイズ・デーモンズで《空牙団の闘士 ブラーヴォ》を攻撃!」

 

【Attack! Heavens Flare!】

 

奥田遊士LP1100→600

 

「《ウラヌス・マザー・ドラゴン》の効果でもう1枚ドロー」

 

【Effect Draw 1 Card】

 

「まさか、ウラヌス・マザーまで出させるとはキミとのデュエルは本当に素晴らしいものになりそうだよ。カードを1枚セットして、ターン終了」

 

アマツ(光導翼) LP3250

手札:1枚

場:《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》ATK3200×2、《ウラヌス・マザー・ドラゴン》DEF2500、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《プレーン・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター1個

 

 

《ウラヌス・マザー・ドラゴン》

レベル7光属性幻竜族・ユナイト・効果ATK0DEF2500

幻竜族モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカード名はルール上、「プラネッツ・ドラゴン」カードとして扱う。

①:1ターンに1度、自分の墓地の幻竜族ユナイトモンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを効果を無効にして、自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。

②:自分フィールド上の効果を持たないモンスターまたは効果が無効になったモンスターが自分フィールド上に存在する場合、このカードは効果や攻撃対象にならない。

③:自分フィールド上の効果を持たないモンスターまたは効果が無効になったモンスターは以下の効果を得る。

●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●このカードは戦闘によって守備表示を攻撃した場合、その守備力を攻撃力が上回っているなら、その差の分、戦闘ダメージを与える。

ユナイト効果

 

―――――――――――――――――――――――

 

星を司る巨大なドラゴンの姿は遊士の下へ向かうアイナからも見ることができた。

 

「あれは、《ウラヌス・マザー・ドラゴン》!」

 

アマツー光導副局長代理が所有するプラネッツ・ドラゴンの1角。

はっきり言って、試験で使うようなカードではない。

 

「あの人は何を考えているんですか?!」

 

急がないと・・・。

 

ビーッ

 

デュエルディスクに届く一筋の赤光。

 

「デュエルライン・・・!」

 

「白砂お嬢様には足止めをさせていただきます」

 

こんな時に・・・!

 

「「デュエル!」」

 

奥田くん、何とか持ちこたえて。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

手札は潤沢とはいえ、ライフはたったの600。

一度でもミスすれば、その時点で敗北は必至。

慎重に動く必要がある。

 

「《ユナイト・チャージ》*2を発動。ユナイトカウンターを1つ得る」

 

【Effect】

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1300→1700)を召喚」

 

【Summon】

 

「ビートの効果で手札の《空牙団の参謀 シール》(レベル4 ATK1600→2000)を特殊召喚!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「ビートの効果で《空牙団の英雄 ラファール》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

リバースカードに反応はない。攻撃反応型かそれとも別の要因か・・・。

 

「更に《空牙団の参謀 シール》の効果で《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800→3200)を特殊召喚」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「シールの効果で《空牙団の豪傑 ダイナ》を手札に加え、ラファールの効果でデッキの上から4枚めくって1枚を手札に!」

 

【Effect Bounce 1 Monster】

【Effect Search 1 Card】

 

「ここで、リバースカード《裁きの天秤》を発動!自分と相手の場と手札の差、3枚をドロー!」

 

【Effect Draw】

 

ここで《裁きの天秤》!普通のデッキでの3枚ドローなら攻めきれる。だけど相手は手札誘発が多い天威デッキ。

しかも、俺は誰にドローさせた!驚異的な引きの良さを持つアマツ。ヤバいなんてもんじゃないだろう。

 

「これで、アドバンテージは縮まったね。《ウラヌス・マザー・ドラゴン》は効果を持たないモンスターがフィールドにいる限り、効果や攻撃対象にならない。キミはどう攻略する?」

 

「手札を1枚捨て、マジックカード《ワン・フォー・ワン》を発動!デッキから《空牙団の伝令 フィロ》(レベル1 ATK0)を特殊召喚!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「フィロの効果で《空牙団の豪傑 ダイナ》を特殊召喚!」

 

【Chain Effect! Invalid!】

 

「それはさせないよ。ユナイトカウンターを1つ取り除き、手札からトラップカード、《ユナイト・ヴァニッシュ》*3を発動。ターン終了時まで《空牙団の伝令 フィロ》の効果を無効にする」

 

「でしょうね。現われろ、歴史を刻むサーキット!モンスター2体!フィロとビートをリンクマーカーにセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク2《ミス・ケープ・バーバ》(ATK200→900)!」

 

「リンク召喚か。そのカードでは届かないよ」

 

確かに《ミス・ケープ・バーバ》の効果は役に立たない。

 

「だけど、これでメインモンスターゾーンのモンスターを増やせます!リバースカード、速攻魔法《烈風の空牙団》を発動!《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 DEF200)を特殊召喚!」

 

【Effect Select 1 Monster-Revive!】

 

「ブラーヴォの効果で《空牙団の豪傑 ダイナ》(レベル6 ATK2500→2900)を特殊召喚!効果により、墓地のマニラとシュターナを除外!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

【Effect】

 

「リバースカードは蘇生カードだったか、やられたね」

 

「更にブラーヴォの効果で自分フィールド上の空牙団モンスターの攻撃力は500アップ!」

 

【Effect Attack Plus】

 

《空牙団の英雄ラファール》ATK3200→3700

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK2900→3400

 

「再び現われろ!歴史を刻むサーキット!召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上!《ミスケープ・バーバ》と《空牙団の闘士 ブラーヴォ》をリンクマーカーにセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク3《スリーバーストショット・ドラゴン》(ATK2400→3100)!」

 

機械仕掛けのドラゴンがズシンと大地に降り立った。

 

「バトル!《空牙団の豪傑 ダイナ》で《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

「素晴らしい。また、こちらのモンスター全ての攻撃力を上回るなんて」

 

アマツは眼を輝かせ大袈裟に喜ぶも束の間、彼は手札から1枚カードを引き抜く。

 

【Effect Attack Minus】

 

ダイナの眼前に龍を象った緑色の突風が吹き荒れた。

 

「だけど残念だよ。ダメージステップ時、《天威龍―ナハタ》の効果を発動。ダイナの攻撃力を1500ダウンさせる。これではさっきと同じだよ」

 

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK3400→1900

 

 

 

しかし――――――、

 

【Chain Effect! Invalid!】

 

緑嵐を貫く三点掃射(スリーバースト)

 

 

「《スリーバーストショット・ドラゴン》の効果を発動しました!1ターンに1度だけダメージステップ時に発動したカードを無効にします!」

 

《空牙団の豪傑 ダイナ》ATK3400

 

「何だって!」

 

《スリーバーストショット・ドラゴン》は守備力2500の《ウラヌスマザー・ドラゴン》を突破する要因だけではない。彼のドロー力ならナハタを握っている可能性は非常に高い。目論見通り手札にあった。

アマツLP3250→2850

 

「くっ!」

 

問題は3枚目、もしくは《オネスト》があるかどうか。

余裕ぶった表情は相変わらず。

攻撃するかしないか・・・。いや、迷う必要はない。

 

【Attack!】

 

 

「《空牙団の英雄 ラファール》で《メタファイズ・マザー・ドラゴン》を攻撃!チェーンはありますか?

 

来るか?!

 

「発動するカードはないね」

 

アマツLP2850→2350

 

「よしっ!《スリーバーストショット・ドラゴン》で《ウラヌス・マザー・ドラゴン》を攻撃!《スリーバーストショット・ドラゴン》は貫通能力があります!」

 

【Attack! Precision Rain!】

 

ビーム砲が《ウラヌス・マザー・ドラゴン》を貫いた。

 

アマツLP2350→1750

 

「くっ、ウラヌス・マザーまで攻略するか!これはなかなか」

 

これで壁モンスターはいない。背負っていた旗―ブレイブフラッグを剣を構えるように取り出す。

 

 

「いきます!」

 

2振りの旗を円を描くように振るう。

 

【Player Attack!】

 

「くっ」

 

アマツLP1750→1050

 

 

「よしっ!」

 

相手の鉄壁の守りを今度こそ壊滅させた。

しかも、エースも倒す事ができた。

これで、一気に勝利に近づいたはず――――――。

 

 

 

ゾクッ!

 

 

 

「素晴らしい!素晴らしいよ!奥田遊士クン!まさか、ここまでやるなんて!この仕事を入れてホントに良かった。キミ程の実力なら、他のプラネッツ・ドラゴン達を、いやエースを出しても良さそうだ!」

 

《ウラヌス・マザー・ドラゴン》程のカードがエースじゃない!?

プラネッツって事はアレ程のカードが10枚近くあんのかよ!

しかも、エースは更に上って冗談じゃねぇ。

 

 

「くそっ、メインフェイズ2!現われろ!歴史を刻むサーキット!」

 

「召喚条件はリンクモンスターを含むモンスター2体以上!《スリーバーストショット・ドラゴン》と《空牙団の豪傑 ダイナ》をリンクマーカーにセット!」

 

【LINK SUMMON】

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク4《破械雙王神ライゴウ》(ATK3000→3400)!《ユナイト・チャージ》を手札に加え、ターンエンドです!」

 

この布陣でいけるか・・・!

 

 

奥田遊士 LP600

場:《空牙団の英雄 ラファール》ATK3100《破械雙王神ライゴウ》ATK3400、セットカード0枚

プレイヤーカード:《キズナ・デュエリスト》(《ブレイブ・フライ》×2装備)ATK700、ユナイトカウンター5個

手札:2枚

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

一方、アイナの方は―――――、

 

 

「想像以上の実力。これが白砂社長のご息女・・・」

試験官A:LP900

「ですが、私たちのデッキは防御重視。貴方でも攻めきるには時間がかかります」

試験官B:LP1100

時間をだいぶかけてしまっている。けど・・・。

 

ドォオオオン!

 

私達のすぐ側を熱線が奔る。

「この熱線。まさか」

「ええ、私たち以外にデュエルを行っている場所はたった1つだけ。誘導させてもらいました」

「馬鹿な。そんな真似を出来る訳が・・・」

本来、デュエル中は移動は難しい。けど、デュエリストによる攻撃を利用することで位置を細かく調整できる。

最もリーダースキルを使っている私達にはあまり意味がないんだけど。

それよりも心配なのは・・・。

 

 

 

その時―――――、

 

 

【DUEL ENDED! Winner Team A-GIETO!】

 

 

「これはまさか!?」

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

少しだけ時を巻き戻す―――――、

 

 

「さあ、もっと激しいデュエルを!俺のっ!ターンッ!」

 

デッキトップに手をかけるアマツ。その凄まじい気迫に身構える。

 

「ゴホ、ゴホッ、ゴッフッ!」

 

突如、口元を抑え咳込んで膝をついた。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

未だに咳込んでいるアマツは答える代わりにディスクのモニターを操作。

 

 

【Surrender】

 

 

「え・・・」

 

【DUEL ENDED! Winner Team A-GIETO!】

 

 

 

フラッグデュエルが終了し、空間がバラバラ崩れ通常空間へと戻っていく。

 

「やっぱり、無理をしていたんですね」

 

心配そうな声色は白砂先輩。

ただ、呆れも少し混じっている。

どういう事か、聞こうと口を開く。

 

その前に、彼の腕を掴み引っ張り上げる赤いライダースーツの男。

 

「こうなるとみんな思ってましたよ。副局長」

 

「あ、赤石遼一?!チーム烈火の元リーダーでユニティガーディアン入りしたあの?!」

 

悟は興奮して早口でまくし立てた。

俺も映像で見た事があるユニティガーディアンの1人。

 

「うん?俺のファンか。けど、ここではグレンって呼んでくれ。そういう設定だからな」

 

グレンの視線はアマツに向き直った。

 

「それじゃ、副局長代理。医務室へ行きますよ」

 

やってきた医療スタッフ達はアマツを担架へと乗せ担ぎ上げる。

 

「悪いね、グレン・・・」

 

「全く・・・。後で局長に絞られますよ」

 

「そうなるよなぁ・・・」

 

ハァ、とため息を残しながら医務室へ運ばれていった。

 

アマツを見送ったグレンは俺達の方へと向き、親指を立てる。

 

「さてと、良いデュエルだったぜ、A.ギート。実力にコンビネーション、2部リーグ入りには充分だ。お前たちなら、俺達と公式戦ができる日も来る・・・かもな」

 

彼は、その日を楽しみにしているぜ、とひらひらと手を振り、会場を後にした。

*1
《ユナイト・チャーム》

通常罠

(1):プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個乗せ、このターン受けるダメージを半分にする。

*2

*3
《ユナイト・ヴァニッシュ》

通常罠

このカードはユナイトカウンターを1個取り除く事で手札から発動する事もできる。

①:相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターのモンスター効果はターン終了時まで無効になる。




おまけ
アイナ「全く、あの人は・・・。こんな所で本気を出すなんて」
悟「【天威】だったから、自重はしてくださったと思います。俺等速攻で負けちゃいましたけど」
遊士「マジで!?(まだ、何段階か上があるとは思ってたけど)」
アイナ「ウソでしょ!?(自重するつもりあったんだ・・・)」


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5555UA記念 人物紹介&小ネタ集

お久しぶりです。
だいぶ、キャラが増えてきましたので、キャラ紹介と用語の修正をしていきます。
本編の投稿はもうしばらくお待ちください。

1/25 世界観設定を追加


登場人物設定(17話時点)

 

奥田(おくだ)遊士(ゆうし):主人公。〔アームドナイト ビリーバー〕の適合者。最近、在府市に引っ越してきた在府東高校1年生。地元、Yo-City*1の裏デュエル界では最上位クラスのデュエリストだった。デッキはあるものの積極的に対戦することはなかったが、《ザンブレイド・ドラゴン》と出会いをきっかけにデュエルするようになる。現在はデュエルチーム、A.ギートの一員として、また、〔アームドナイト ビリーバー〕として行動している。転校生という出自から本作においてリンクモンスターを使用する唯一のデュエリスト。

現在の使用デッキは【空牙団】(普段)と【テクノロギア】(アームドナイト時)。エースカードは《ザンブレイド・ドラゴン》

 

ザンブレイド・ドラゴン:遊士のエースカードの1枚にして相棒。負けん気が強く、プライドが高い。現在は遊士とストリアの因縁に、かつての自分を重ね、気を揉んでいる。それはそれとして人間界の様々な物に興味津々で人間界を満喫している。遊士からの愛称はザンブ。

 

ユニティガーディアン

 

ハクア(白砂(しらすな)アイナ):ライバル兼ヒロイン。〔アームドナイト ハクア〕の適合者。ユニティガーディアンのエース兼広告塔として男装して振る舞っている。その正体は白砂カンパニーの令嬢にして在府東高校2年の代表生。遊士や悟の先輩に当たる。7話でチームA.ギートのメンバーになり、チーム活動を楽しんでいる模様。アームドナイトとしては、ロウオウやジンの仇であるストリア、そして不審な様子のビリーバーを追っている。

使用デッキは【光属性戦士族】(アームドナイト時)、【光属性天使族】。エースカードは《タイタニック・チャンピオン》

 

タイタニック・チャンピオン:ハクアのエースカードで良き理解者。精霊界では、とあるコロシアムのチャンピオンだった。熱血感で拳を交えて友情を育むタイプ。コロシアムに居着く前は各地を転々としていた。

 

ジン(仲町(なかまち)(ひとし)):遊士の友人、(さとる)の兄。物語のトリックスターとして遊士とユニティガーディアンを繋ぐ人物。また、テラーとコンタクトをとる光導副局長代理(アマツ)を黙認している。ユニティガーディアンの古参メンバーの1人。忍者の格好をしているが、理由は不明。〔アームドナイト シジュ〕の適合者。また自身がユニティガーディアンのジンである事は家族には秘密にしていて、白砂カンパニーの社員という事になっている。

使用デッキは【忍者軸チェーンビート】。エースカードは《グレーテスト・レイヴン Limited》

 

グレーテスト・レイヴン:ジンの相棒。精霊界では極東エリアの守護神の1柱。ジンの下にいるのは分体である。神様らしく荘厳な性格だが、お茶目。

 

光導(こうどう)(つばさ)(アマツ):ユニティガーディアンの副局長代理。〔アームドナイト アマツ〕の適合者だが、かつての戦いの後遺症から一線を退いている。現在はテンションが上がると倒れるものの、現役時代はマスターテラーの討伐に唯一、成功*2した作中最強のデュエリスト。しかし、マスターテラーの1人とコンタクトを取るなど不審な点もみられる。

使用カードは《ウラヌス・マザー・ドラゴン》などのプラネッツ・ドラゴン。

 

グレン(赤石(あかいし)遼一(りょういち)):ユニティガーディアンのメンバーの1人で〔アームドナイト グレン〕の適合者。元々は2部リーグ1位チーム、チーム烈火のリーダーだったが、ユニティガーディアンにスカウトされた。現在は大学とユニティガーディアンの両立に四苦八苦している模様。

 

ロウオウ(久我(くが)凍也(とうや)):ユニティガーディアンの最古参の1人で〔アームドナイト ロウオウ〕の適合者。ストリアと戦って敗北し、治療中。

 

ソウ&ハン:タッグデュエリストの双子メイド姉妹。ユニティガーディアンのメンバーだが、アームドナイトではないが、1部リーグ、チーム ユニティガーディアンの代表メンバーである。本来の所属は白砂家専属メイド。真面目系天然がソウで、イタズラすきでアイナお嬢様弄りが大好きなのがハン。

 

片桐(かたぎり)蓮斗(れんと):ユニティガーディアンの局長でチーム ユニティガーディアンの監督。最近、テラーの活動が活発になってきている事に危機感を覚えている。

 

 

チーム A. ギート

仲町(なかまち)(さとる):遊士の友人。デュエルチーム、A. ギートのリーダー。チームは現在3部リーグの3位。遊士にアイナ先輩と有力デュエリストがチームに入って、チームも2部リーグ入り確実と毎日がテンション上がりっぱなしの状態。

使用デッキは【地属性機械族】。エースカードは《マシン・ゴレイム》

 

戸部(とべ)翔太(しょうた)&剛田(ごうだ)正志(まさし):チーム A.ギートのメンバー。翔太はノリが軽い性格で、正志は実直な性格。悟とは小学生の頃からの付き合い。高校は家庭の事情で、別々の高校に行った。

使用デッキは【風属性鳥獣族】(翔太)、【岩石族】(正志)

 

 

テラー

ヒュドボロス:マスターテラー四魔侯の1体。司るは毒。傲慢な性格。最もテラーを量産する。

 

ティアフィネル:マスターテラー四魔侯の1体。司るは水。光導翼と何らかのやりとりをしている。テラーの作成は、欲望を持つ人間を選んでいる。

 

ブレイウルス:マスターテラー四魔侯の1体。司るは獄炎。ストリアを生み出した。

 

ストリア:ハイテラーの1体。四魔侯に迫る実力を持つ。元々は遊士のカードの精霊。使用デッキは【テクノロギア】

 

 

各デュエルチーム

 

チームRX:1話で登場。1部リーグ上位チーム。【恐竜】使いが多く在籍する。

 

チームアトリビュート:17話で登場。各々が属性のスペシャリスト。1部リーグ2位のチーム、チーム ユニティガーディアンの最大のライバル。リーダーは光導(こうどう)ナツメ。光導翼の従兄妹に当たる。その他のメンバーは、性別不明の自称、風の魔法使いこと、(つかさ)マコト。使用デッキは【マジェスペクター】(マコト)

 

 

世界観設定

遊戯王VRAINSと同じ世界。Den-Cityとは距離が離れている。

遊戯王(初代~ARC-V)までアニメになっていない設定。

 

設定変更

・変身/HENSIN→アームドフォーゼ/ARMED PHOSE

B●ND●Iが商標登録しているため、遊戯王シリーズのIFの本作では別の用語にします。

 

 

小ネタ

・主人公のデッキが空牙団なのは、仮面ライダークウガにあやかって。1話はその他にも仮面ライダーネタを意図的に書いています。ビルド、ジオウ、RX*3など。

 

・タイトルの遊戯王BELIEVERは、適当に決めましたが、5話位に、仮面ライダーシリーズも主人公がタイトル名ということに気付きました。仮面ライダーモチーフにはドンピシャだった模様。

*1
VRAINSのDen-Cityの隣町

*2
相討ちだが

*3
本作ではRXとレックス(恐竜)かけたけど、リバイスのレックスゲノムもRX由来なのかな?



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17話 デュエルフェスタする(動詞)

お待たせしました。本編、投稿します。


―デュエルフェスタ1日目・昼―

 

俺達、A.ギートの面々は昇格デュエルの後、更衣室で一休みをしていた。

 

「はぁ~。昇格デュエルがまさかあんなことになるなんてなぁ。アマツさん、大丈夫かなぁ」

 

難易度が跳ね上がった昇格デュエル自体は何とか勝ったから昇格はできると思う。けど、アマツが最後に倒れたのが心配だなぁ。

 

「アマツ・・・光導さんは、大丈夫だと思います。よくあるんです。盛大に倒れた後、ちょっとするとケロッと復活して。しかも異常は見当たりませんし」

 

ため息を吐くように白砂先輩はそう話す。

どことなく遠い目をしている。

 

「白砂さんは何でそこまで詳しく・・・。そうか、白砂カンパニーってユニティガーディアンの出資会社でしたね」

 

なるほど、と正志は納得するように頷く。

 

「えぇ。パーティでもよくお見かけしますよ。それに双子決闘者(デュエリスト)のソウとハン姉妹は白砂家のメイドですし」

 

「えっ、マジですか?」と翔太。俺もビックリだよ。

 

「フフっ。あっ、赤石さんから連絡が来ました。光導さん、回復したって」

 

「それは良かったです。それにしても、まさかのアマツ参戦でしかも、デュエルできるって改めてスゲー幸運なんだよな、俺達」

 

俺はワンキルだったけど、憧れの決闘者の1人とのデュエル、夢みたいだぜ。

 

「お前らは良いよなぁ。俺も戦いたかったよ。まぁ間近では見れたが」

 

正志にはやぶ蛇だったぜ。

 

「まぁ、正志は俺達の守りの要だからなぁ。お前が活躍するって事はチームがピンチって事だし」

 

「分かってはいるんだが、惜しかったなーって。あの人相手なら、俺もワンキルされるだけだろうしな」

 

と、正志の視線が遊士に向く。

 

「だからこそ、奥田。いや遊士、よく持ちこたえたな、流石だ。俺達3人ではどうにもならなかっただろう。お前と白砂さんの活躍のおかげだ。ありがとう」

 

遊士は2人に向かって頭を下げる姿に目を丸くする。

 

「頭、上げろって。チームメイトだろ俺達。俺だって、意表をついて何とか数ターン生き延びただけだぞ。悟と翔太の粘りと機転がなかったら、多分各個撃破されていたぞ」

 

「謙遜すんなって、遊士。あの時のお前マジで凄かったぞ。スゲー、攻めまくってじゃん。プラネッツ・ドラゴンもぶっ倒してじゃんか」

 

「いや、アレは無理に攻める事でアマツさんの攻撃札を削って、何とか生き延びただけだぞ」

 

その思考からして既にヤベーんだが。翔太も正志も引いてるぜ。

白砂先輩はなんか、複雑そうな顔してるな。

考え込むような、いや不満そう?

 

「あの!」

 

一斉に注目が集まり、表情が強張る白砂先輩。

しかし、意を決したように言葉を続ける。

 

「…ええとですね。私もチームメイトですから、私の事も名前で呼んでいただきたいな、と思うのですが・・・」

 

マジすか、アイナパイセン。

 

――――――――――――――

 

「これが綿飴…。知識としては知っていましたけど、実物を見ると本当に不思議ですね。よく砂糖を綿みたいに加工できますね」

 

あの後、俺達は屋台へと繰り出した。

白す・・・アイナ先輩は、こういったお祭りの屋台に行くことがないみたいで、興味深そうに眺めたり、買ったり、体験したりしていた。

 

「馴染みはあまりないですが、面白い物がたくさんありますね」

 

「やっぱりデュエルフェスタと言えば屋台が醍醐味ですからね。アイナ先輩、タコ焼きまだありますけど食べます?」

 

「悟君、お1つ貰おうかしら」

 

俺が差し出した容器のタコ焼を爪楊枝でプスッと刺して1口で頬張る。

ヤベェ、この一連の流れも優雅だぜ。手が震えて、危うく容器を落とす所だった。

 

「なぁ、みんな。アッチの方、スゲェ並んでるぜ。行ってみないか」

 

翔太が指差した屋台は長蛇の列だった。何であそこだけあんなに並んでるんだ?

 

「アレ、白砂カンパニーのショップじゃないか?SCって見覚えのあるロゴがあるんだけど」

 

「遊士、目良いな。きっと限定品が売っているに違いないぜ」

 

正志もコクリと頷く。

 

「そうだな。これは是非行かないと」

 

 

――――――――――――――

 

 

「・・・って、何で兄貴がいんだよ!」

 

「悟!それに翔太に正志、遊士君も!よく来たな。チームで屋台を見て回ってんのか?」

 

白砂カンパニー直営の屋台にいたのは、(ひとし)兄貴。

確かに白砂カンパニーの会社員だけど、まさかこんな所で出くわすとは。

 

「ええと、そちらの方は悟君のお兄様ですか?」

 

キョトンと首を傾げるアイナ先輩に兄貴が目を剥く。

 

「悟!おまっ!白砂お嬢様に名前で呼ばれてんのか!」

 

うわー、言われると思った。

 

「チームメイトだからだよ。つーか、兄貴。何で売り子なんてやってんだよ?」

 

「仕事だからな。それにしてもどうよ、この品揃えは」

 

「うぉ、スゲッ!ユニティガーディアンの限定公式ユニフォームに、ブロマイド。ヤベェ、品揃えが半端ねぇ!」

 

「翔太が驚くのも無理ない。これは人気が出る訳だ」

 

「フッフッフ。これらの人気商品がお金だけで手に入ると思うな!全てくクジ引きの景品だ!」

 

マジかよ!確かに値札が書いてねぇ。番号だけだ。

 

「ちなみに、くじは1回5口までだ。買い占めるヤツがいるからな」

 

視界の端にチラリとフリルが映る。何だ?と思って横を見た。

 

「!ユニティガーディアンのハン?!」

 

あまりにも様になっているメイド姿はまるでマンガから飛び出したような出で立ちだ。改めて、現代日本にこんな浮世離れしたメイドさんがいるなんて驚きだ。

 

「では再び5口、くじを引かさせていただきますよ」

 

「ハン、何で貴女がここに?!」

 

「愚問ですねー、お嬢様。この私がハクア様のグッズがあるところにいない筈がないでしょう?」

 

アワアワするアイナ先輩に腰に手を当て、得意気にドヤ顔で答えるハン。

 

「ハンってメイド。ユニティガーディアンのメンバーなんだよな。何で同僚のグッズを買い漁るんだ?」

 

そこに、訳が分からないと首を傾げる遊士。

それは当然の疑問だな。

 

「ハクアって女性人気が高いだろ?チームメイトも例外じゃないんだ。ファンにはいつもの事って感じだな」

 

「そうなのか?いやでも、うーん。まぁそういう事なのか・・・?」

 

遊士は余計に混乱したようだが、何とか納得したみたいだ。

その間にハンはお金の支払いを終えたところだった。

 

「先程までの試行でクジの混ぜ方は把握しました。ハクア様、今こそ逢瀬の時!」

 

「ハン!」

 

何故か真っ赤になって叫ぶアイナ先輩だが、無情にも、ハンの手はクジへと伸びていく。

しかし、ハンが掴んだのは虚空。

 

「しれっと不正を働きそうなメイドがいるので、お嬢様が代わりに引いてくださーい」

 

「ええと、私ですか?」

 

「ええ、記念にどうぞ」

 

アイナ先輩がおずおずとした様子でクジへ手を伸ばす。

 

「お嬢様!(そこから、左3センチ、下1センチ、奥2センチです!)」

 

「ソイヤッ!」

 

顔を僅かにひきつらせた先輩を見て、手首のスナップでクジ箱の中身を揺らす兄貴。

 

「そんなひどい」

 

「テレパシーも禁止だ!メイド妹!」

 

あの2人はどこで戦っているんだ。

崩れ落ちるハンを尻目に兄貴は慣れた手つきで次々とクジを開いていく。

 

「鉛筆に、デュエルマット、ポスターカード・・・お!当たりが出たな」

 

向かったのは、大型の商品がある方。

 

「ユニティガーディアンの写真がついたTシャツだ。絵柄はジンだ!」

 

「「・・・」」

 

途端に微妙そうな表情になるハン、そしてアイナ先輩。

何でだ?

 

「ジンって結構人気だろ。ハンさんはハクア以外、欲しくないのは分かるけど」

 

翔太も正志も首を捻っている。

 

「翔太の言う通りだぜ。ジンはユニティガーディアンのトリックスターだぜ。去年のチーム アトリビュートとの優勝決定戦でも忍術を駆使してフラッグを奪う活躍なんて痺れたじゃねぇか」

 

兄貴もウンウンと頷いている。

 

「・・・良かったら、お譲りしましょうか?」

 

「良いんてすか、当たりなのに?」

 

「ええ」

 

「ヨッシャー!良いよな、みんな!」

 

ナイス、棚ぼた!今日のチームの活躍といい、今日は1番ツイている日だ。

 

「悟はジン好きだもんな。お前のモンで良いぜ」

 

「良かったな、悟」

 

「うぉおおお!ありがとう、みんな!」

 

兄貴が遠い目をしていたが、気のせいだな。

 

――――――――――――――

 

仁さん、顔が引きつっているなあ。

家で家族が自分の写真が入ったTシャツを着ているのを想像したら、そうなるか。

ていうか、家族にも話してないんだな、正体。それにアイナ先輩も、ハンさんも知らなさそうだな。とりあえず、話題を変えておこう。

 

「後、もう1枚クジがありましたけど、どうでした?」

 

「そうだったそうだった。これは…、シールだな」

 

差し出したシールにはアームドナイトの方のハクアの横顔に盾のマークが描かれていた。

 

「最後のはハクアの紋章のシールか。この紋章、凝っていてカッコいいんだよな」

 

「そうでしょう。カッコいいでしょう。ハクア様の紋章!ハクア様の切り札に書かれたイラストをそのまま使っているんですよ。しかも5枚入りです」

 

翔太の呟きを待ってましたとばかりにハンさんは直ぐ様、反応。ドヤ顔で解説を始める。

そうか。アレ、必殺魔法のヤツか。ビリーバーにあったら、どうなるのかな。

そんな事を考えていると、ハンさんはアイナ先輩へシールを差し出していた。

 

「丁度5枚ありますし、皆様にこちらをお渡ししますね。私、これ36セット持ってますし」

 

「ハン、あなた・・・」

 

「お嬢様に、こうして普通のご友人の方々ができるのは従者として、嬉しいですからね」

 

微笑むハンさん。それはそうと、と前置きし、

 

「お嬢様。もうそろそろお時間なのでは?」

 

「もうこんな時間ですか」、と俺達に向き直る。

 

「皆様、今日は楽しかったです。ではごきげんよう」

 

そう言うと、先輩はハンさんと共にこの場を後にした。

 

――――――――――――――

 

「ヨシッ、俺もあがるかね」

 

アイナ先輩が見えなくなった途端、仁さんはエプロンを脱ぎ始めた。

 

「兄貴、もう仕事終わりなのかよ。サボりなん?」

 

「別ん所で仕事だよ。兄ちゃんは、超有能社員だからな。あっちこちで引っ張りダコなんだよ」

 

そういえば、ユニティガーディアンの試合、1時間後位にあったな。先輩もハンさんもそっちの方かな。

 

「ああそうだ。遊士君、チョイいいか?」

 

アノ事だよな。

 

「はい。悪いけど、みんなちょっと先に行っててくれ。すぐに追いつく」

 

「しゃあねぇなぁ。俺達は先にアッチの屋台に行っているよ」

 

―――

 

「仁さん、ストリアの事ですよね」

 

俺は仁さんと屋台の脇まで来ると、そう切り出した。

 

「そうだ。遊士君はアイツと何か関係があるのか?それに、テクノロギアのカードを使ったってアイナちゃんから聞いたんだが、どういう事だ?」

 

鋭い眼光だ。アイツは多くの人達を傷つけた。

それに近しい立場の俺も疑われて当然だ。

だからこそ誠意を持って話したいけど・・・、

 

「すみません、答える事はできません。けど、俺の目的はストリアを止める事ただ一つです」

 

「・・・信じて良いんだな」

 

グッと頷く。

 

「分かった。ただ、ムリはすんなよ。手に追えないと思ったら、いつでも俺達を頼ってくれ」

 

「すみません」

 

「悪かったな、時間取らせて」

 

 

―――――――――――――

 

みんなはどこに行ったのかな、と辺りを見渡す。

ビルの屋上も忘れずに見る。アイツ、その辺で悪巧みしてそうだからな。いつでも行けるように準備をしておかないと。

視線を屋台辺りに戻す。

アレ?悟達、大勢に絡まれているぞ?

 

 

「お前っ!白砂様をチームに入れるなんてどんな汚い手を使ったんだ!」

 

「だから、何もないって言ってんだろ!先輩はウチのチームに入りたいって言ってくれただけだよ」

 

相当、ヒートアップしている。ちょっと離れただけなのに何でこうなってんだ?そう疑問に思っていると、隣の人が話し始めた。

 

「見事に因縁をつけられているね。白砂嬢が離れたのを見計らって、あんな事をしているみたいだね。ちなみに因縁をつけているのは、今季、2部リーグから降格するチームの人だよ」

 

うわ。何、その逆恨み。後、解説ありがとうございます。

 

「奥田遊士君、キミのリンクモンスターも先方は言いたい事があるみたいだよ」

 

え?

 

「そうだ。お前のリンクモンスターも卑怯だ!誰も使っていない自分だけの召喚法なんて!そんなもの使って恥ずかしくないのか!?」

 

何を言い出すんだコイツ?

 

「ちゃんと在府市の検問を通ってリンクモンスターを持ち込んでいますが。もしあなたが俺と同じ立場になったらそうすると思いますけど」

 

本来、都市固有の召喚法はデュエルディスクに過剰な負荷がかからないように別の都市に持ち込みはできなくしている。

しかし、在府市は決闘(デュエル)指定都市のためいくつかの条件をクリアすれば、50枚まで持ち込みが可能なのだ。

 

「だけど、卑怯なことに変わりはない!」

 

尚も口角泡を飛ばしながら詰め寄る男に辟易する。

どう切り抜けようか。

 

「平行線だね。折角のデュエルフェスタなんだし、デュエルで白黒をつけたらどうかな?実にデュエルフェスタする事になると思うよ」

 

さっき解説してくれた中性的な顔立ちの人が、シレッとそんなことを言い放った。ていうか、デュエルフェスタするって何、動詞化しているの?

 

「そうだな。俺達、『チーム獣道』が身の程を教えてやるよ!」

 

よく分からんけど、コレがデュエルフェスタするって事?



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18話 チームアトリビュート

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
カロンガンダムさん、お気に入り登録ありがとうございます。

活動報告の方に、伏線についての雑記を書きました。
よかったら、見てみてください。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271600&uid=156641


近くのデュエルフィールドに移動した俺達は早速デュエルを始めた。今、相手の最初ターンが終わろうとしていた。

 

「どうだ!これが2部リーグチームの力だ!」

 

【Turn end】

 

 

鹿野秀斗(しかのひでと) LP4000

手札:1枚

場:《森の聖獣 アルパカリブ》(ATK2700)、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《ファイティング・デュエリスト》ATK2900(《ブレード・ヴォルファング》装備)、ユナイトカウンター0個

 

《ブレード・ヴォルファング》

レベル7地属性獣族・ユナイト・効果ATK2600 DEF2200/装備ATK+2400

獣族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分の墓地からレベル4以下の獣族モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚することができる。

ユナイト効果

①:このカードを装備したプレイヤーが攻撃する場合、そのバトル中、互いのプレイヤーの攻撃力は増減しない。

 

 

大剣を担ぎ上げた相手は肩を獣の皮で覆われた峰でトントンと叩く。お手並み拝見、とばかり余裕綽々な表情だ。

俺は俺のデュエルをしよう。

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

 

「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を召喚し、効果発動!」(奥田遊士 ユナイトカウンター:0→1)

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を特殊召喚!《空牙団の飛哨 リコン》の効果でセットカードを破壊する」(遊士 ユナイトカウンター:1→2)

 

【Effect Select 1 Set Card:Destroy!】

 

リコンが放ったロープ付きのフックが伏せカードを貫く。

 

「くっ、ミラーフォースが・・・」

 

フリーチェーンのカードじゃないか。警戒せずにそのまま行けそうだ。

 

「ビートの効果で《空牙団の砲手 ドンパ》(レベル2 DEF1000)を特殊召喚!」(奥田遊士 ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(奥田遊士 ユナイトカウンター:3→4) 

 

【Effect Search 1 Monster】

 

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を手札に加え、ドンパの効果で特殊召喚!」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「くっ!止まらねぇ。なんて展開力だ!」

 

「展開力だけじゃない。空牙団は味方が増える度に効果が発動するのを忘れたわけじゃないだろう?更なるドンパの効果だ!」

 

ドンッ!

 

「バカな。ビーストブレードが!」

 

ドンパが手にした大砲から白煙が靡く。

砲弾が相手の剣を穿ったのだ。

 

【Effect Select 1 Card:Destroy!】

 

「リコンをリリースし、《エネミー・コントローラー》を発動。ターン終了時まで《森の聖獣 アルパカリブ》のコントロールを得る」

 

【Effect Select 1 Monster:Steal!】

 

大樹を模した大きな鹿がのそりと反転。主人である相手を見下ろす。

 

「そ、そんなバカな!ユナイトモンスターもリンクモンスターも使わずにここまで・・・!」

 

この慌てよう、手札に防御カードはなさそうだな。

 

「バトル!《森の聖獣 アルパカリブ》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

大鹿が枝葉そのものの角を主人に向かって、振り下ろした。

 

鹿野秀斗LP4000→1300

 

 

「うっ!」

 

アルパカリヴが頭を持ち上げると相手の眼前には竜戦士の姿。

ラファールは剣を天へと掲げた。

 

「《空牙団の英雄 ラファール》でダイレクトアタック!」

 

【LAST ATTACK!】

 

「うわああぁー!」

 

鹿野秀斗LP1300→0

 

 

そんなに手応えはなかったな。悟達の方が強い気がするな

強いて言えば、出会った頃の悟くらいかな?

悟達の方を見渡すと、そちらもデュエルが終わる頃だった。

 

「これで終わりだ!《マシン・ゴレイム》でダイレクトアタック!」【Iron Impact!】

 

「《メガロック・ドラゴン》で攻撃!」【Mega Rock Overrun!】

 

「これで決める!《烈風の覇者シムルグ》でダイレクトアタック!」【God Hurricane!】

 

予想以上に早く決着がついたな。

そうか。みんな、アイナ先輩や俺と闘いまくってパワーレベリングされてるんだな。

 

「コイツら強ぇ!コレが3部リーグのチームなのか?!」

 

「彼らは、あのアマツ率いる試験チームに勝利したチームだよ。もはや、2部リーグのチームと言っても過言ではないよ」

 

イチャモンをつけてきたチームを見下ろすのは審判をかって出た人。そう、さっき解説してくれた人だ。

・・・さっきまで気づかなかったけど、この人って―――――、

 

「誰に対してって・・・!(つかさ)マコト?!チーム アトリビュートの?!」

 

「そうで~す。自称、風の魔導師こと、司マコトさんでーす」

 

チーム アトリビュートはユニティガーディアンに次ぐ1部リーグ、2位のチームだ。

この人はそのメンバーだ。俺ですら知っている人だ。そんな人がいたのに何で気づかなかったんだ?!

 

「デュエルの結果に則り、チーム A.ギートは実力を示してみせた。奥田遊士君に至ってはユナイトモンスターにもリンクモンスターにも頼らずに示してみせた。チーム獣道の面々はその結果を真摯に受け止める事だね」

 

「うっ・・・」

 

一流デュエリストの判決に苦虫を噛みしめるチーム獣道。

彼らを見る司さんの視線はさらに冷ややかになる。

 

「まぁ、ワタシが一番、気になったのはこの街に存在しないモンスターを使う事を卑怯と言った事さ。ワタシの【マジェスペクター】達、ペンデュラムモンスターにもケンカを売っているという事で良いのかな?そもそも外からの召喚法を受け入れるように市長に掛け合ったのはワタシなんだからね。単行本3巻分位の物語があったんだよ」

 

俺と似た立場の人だとは思っていたけど、まさか司さんの尽力のおかげで、他の召喚法の使用の許可が降りたのか。後でお礼を言っておかないと。

 

「「す、すみませんでした!」」

 

「謝罪はワタシにだけかな?」

 

無表情にコテンと首を傾ける司さん。

非常に怖いと思います。

 

「「皆様にご迷惑おかけしました~!!」」

 

 

面々は逃げるように去っていった。

 

 

―――――――――――――

 

 

あの後、俺達は司さんと話をする事になった。

 

「司さん、先程はありがとうございました。助かりました」

 

「気にしないでよ。ワタシはキミ達のファンだからさ」

 

「ファン?」

 

「そう、ファンなんだ。キミ達の戦い方が気に入っているんだ。昇格デュエルでのチームワーク、戦略、個々の実力。いやー、これは応援したくなるチームだよ」

 

「ありがとうございます。それに他の都市の召喚法を入れるように働きかけて下さったってはじめまして知りました。とても助かりました」

 

「元々はワタシ自身のためだったんだけど、巡りめぐってキミのためになるなんてね。A.ギートの中でも特に奥田遊士君、キミのファンだからね。ワタシと同じで別の街の召喚法を使うのが推しポイントだよね"遊"の字が付く名前のも主人公っぽくて素敵だし」

 

ファンなのはありがたいけど、なんかついていけない。

悟達も若干、引き気味だ。

 

「はぁ」

 

俺達の様子を見ると、司さんはペースダウンし、コホンと咳払い。

 

「いやはや、ついつい興奮してまくしたてちゃった、ゴメンネ。ともかくキミ達には注目しているってコト。ではココで失礼させてもらおうかな。そろそろチームの試合に間に合わなく・・・」

 

急に言葉がピタリと止まり、ジッと一点を注視する司さん。段々と顔が青ざめていく。

何処を見ているのかと振り返る。メインステージを写した巨大なソリッドビジョンスクリーンだ。

そこにはでかでかとこう書かれていた。

 

チーム アトリビュート V.S. チーム RX フラッグデュエル開始!

 

「・・・終わった」

 

「司さん?」

 

「今、行っても控え室でポツンと一人ぼっち。みんなからは絶対怒られる・・・。こうなったら・・・!」

 

ブツブツとつぶやいたかと思うと、どこからか人数分の椅子を取り出してドカッと座る。

 

「一緒に見よ?ワタシ、解説するから」

 

え?と思わず俺達は顔を見合わせる。

バンバンと椅子の背を叩く司さんの姿は、残念感がより一層増して見えた。

 

「いいんですか?」

 

「怒られるのは、どう行動したって一緒だし、今を最大限楽しむことにした♪」

 

うすうす気づいていたけど、この人は相当残念な人だ。

 

 

―――――――――――――

 

 

30分程前、チーム アトリビュートの控え室――――、

 

「遅い!もうすぐ出場デュエリストを選定時間は過ぎるっていうのに、アイツは何やってんの!?」

 

赤毛のショートヘアーの女性ー火野(ひの)エリカは、バンと机を叩く。その隣でヒッと小さく悲鳴が上がった。

 

「何かトラブルに巻き込まれたんでしょうか」

 

机を叩く音に涙目になっていた小柄な女性ー土屋(つちや)イロリはおどおどしながらも予想の一つを話してみる。

そこへ、それはどうかなー、とキャピキャピしたよく通る声が響く。

 

「マコマコだからねー。トラブルなら寧ろ自分から突っ込んでいったんじゃない?」

 

そう茶化したのは水城(みずしろ)アルカ、チーム アトリビュートのムードメイカーだ。

 

「それもありそうですけど、あの人の事だからもっとしょうもない理由だと思いますけどねー。例えば、野良デュエルに夢中になっていたとか」

 

丁寧な口調で話すのはチームの参謀、望月(もちづき)マリア。

彼女の作戦は幾度となく、ユニティガーディアンを窮地に追い込んできた。

 

「だったらもっとムカつくんだけど!マコト抜きで行こう、ナツメ!」

 

4人の視線はリーダーであるサイドテールの金髪の女性-光導ナツメへと向かう。

 

「む~、折角マコトちゃんのペンデュラム召喚で盛り上げようと思ったのに~。兄さんと戦った相手はリンク召喚で盛り上がったっていうのに。よしみんな、マコトちゃん抜きでも盛り上げてみせるよ!」

 

「具体的には?」

 

マリアの質問にナツメはニヤリと笑うと、こう答えた。

 

「みんな、おもいっきりブッ飛ばす!マコトちゃんも言い訳によってはブッ飛ばす!」

 

 

―――――――――――――

 

 

司さんが用意した観戦用のセットは正に完璧だった。

座席は無茶苦茶座り心地が良いし、ボップコーンや炭酸飲料、ウェットティッシュまで完備してある。勿論、大会の映像がより鮮明に見える専用の大型ソリッドビジョンモニターもある。

俺達は至れり尽くせりの状態で試合を見させてもらえているのだ。

 

『ただ今より、チーム アトリビュート対、チームRXの試合が始まります!両チーム、入場です!』

 

スタジアムから大きな歓声が響き渡る。チーム アトリビュートからは顔立ちが整った女性達が、チームRXは革ジャンを着こなした男性達が出てきた。

チーム アトリビュートの人達は、いずれも華がある。

服装なんかは戦士風や魔女風とどこかファンタジーの勇者パーティのようだ。それぞれの容姿を引き立てている。

 

「アトリビュートの人達はみんな美人だよな。でもなんかプレッシャーが画面ごしでも感じるんだけど・・・」

 

翔太の言うように、凄まじいプレッシャーを感じる。

俺も、テレビでチーム アトリビュートの試合を見る事があるけど、ここまでではなかった。違いがあるとすれば、中心にいる一際、綺麗なモデルみたいなブロンドの女性だ。

 

『今回は司マコトがいない!しかーし、チームリーダーの光導ナツメがいきなりの登場だー!』

 

1部リーグでのフラッグデュエルは前半戦と後半戦の2部構成。前半と後半で3名まで交代が可能なのだ。大抵、光導ナツメは後半戦に出てくる事が多い。

ちなみに2部リーグでは3人の敗北で決着が決まっていたが1部リーグでは5人全員が敗北しないと決着にならない。より、フラッグを奪取する事の重要性が高まるのだ。

そう言えば、光導ってやっぱり、あの光導翼の親戚かな?改めて見ると、顔立ちが割と似ている気がする。

 

「お~。ナツメちゃん、気合い入ってるー!ワタシの代わりにがんばれー」

 

プレッシャーがいつもよりも強いのは多分、あなたのせいでもあると思います。少数精鋭のアトリビュートはメンバー6人だけですもんね。つまり、このメンバーで続けて2戦行うという事。つまり、メンバー全員に大きな負担がかかる事になってしまう。

 

 

 

『チーム アトリビュート vs チームRX前半戦 フラッグデュエル、スタートォ!』

 

 

 

―――――FLAG DUEL!―――――

 

 

ステージは荒野だ。見通しが良く、ステージの端から端までは100m程度。開始わずか10秒でお互いの前衛同士が会敵することになった。

 

【Duel Stand by!】【【Duel Stand by!】】

 

ナツメは大東修(だいとうおさむ)大東練(だいとうれん)。との1対2、エリカとマリアは素手胡(すてご)(まもる)と2対1となった。

 

『私の相手はキミ達だね、大東兄弟』

 

『俺達、兄弟のコンビネーションで貴方を倒してみせる!いくぞ、練!』

 

『ああ、修兄貴!』

 

デュエル!!

 

【Set Player card. Accept!You are a FLame Worriar!】

【Set Player card. Accept!You are a Dark Magi!】

【Set Player card. Accept!You are a Fighting Duelist!】

 

エリカは衣服全体に装飾が追加され、炎をかたどった篭手を両手に装着。マリアはローブに星空の模様が描かれた。

 

『まずは1人、確実につぶしていくわよ』

 

『ハッ。俺の鉄壁の防御系恐竜達を甘く見るなよ!寧ろ、リーダーの方を心配した方がいいんじゃないか。大東兄弟はチーム随一の攻撃系恐竜デッキの使い手だ。あいつらのコンビネーションはやべぇからな』

 

『奇遇ですね。私たちの狙いも同じです。ただ1つ違うのは、ナツメが、とってもやる気という事です』

 

『何っ!?』

 

――――――――――――――――――――――

 

 

デュエル!

 

【Set Player card. Accept!You are a Glory Blaver!】

【Set Player card. Accept!You are a Dyna Duelist!】

【Set Player card. Accept!You are a Dyna Duelist!】

 

《グローリー・ブレイバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが4個以下の場合、自分フィールド上にレベル5以上の光属性族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを2個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上に特殊召喚されたモンスターは特殊召喚されたターン、攻撃することができない。

③:このカードにレベル5以上の光属性ユナイトモンスターが装備されている場合、攻撃力が500アップし、このカードが相手守備表示モンスターをを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

《ダイナ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが3個以下の場合、自分フィールド上に恐竜族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上の恐竜族以外のモンスターの攻撃力と守備力は300ポイントダウンする。

③:自分フィールド上の恐竜族ユナイトモンスターと恐竜族ユナイトモンスターを装備しているプレイヤーの攻撃力は400アップする。

 

 

ナツメと大東兄弟のデュエルの幕が上がる。強力なタッグデュエリスト達。やっぱりフラッグデュエルではタッグデュエルの重要性が勝利の鍵になりそうだ。

 

『俺のターン、フィールド魔法《ロストワールド》を発動するぜ!』

 

地面から草木が生い茂り、ジャングルが広がる。

 

『俺は《レスキュー・ラビット》(レベル4 ATK300)を召喚。リリースし、効果を発動!』

 

【Summon】

【Effect Summon 2 Monsters!】

 

ヘルメットを被ったウサギが笛を鳴らすと、2体のトリケラトプスかズシンと大地を踏みしめる。

 

『《セイバー・ザウルス》(レベル4 ATK1900)2体を特殊召喚!カードを1枚セット!ターンエンド!』(大東修 ユナイトカウンター:0→1→2)

 

―――

 

「どういう事だ?このままだと、制約効果で破壊されるぞ!?」

 

「そんな事はないよ、仲町悟君。フィールド魔法をよく見てみて」

 

悟の疑問に司さんはフィールド魔法を見るように促す。

 

―――

 

 

『ターン終了時に、《レスキュー・ラビット》で特殊召喚された《セイバー・ザウルス》は破壊されない!《ロストワールド》の効果発動!デッキから2体の《プチラノドン》を代わりに破壊する!』

 

【Effect】

 

『更に《プチラノドン》が破壊された事でデッキからレベル5以上の2体の恐竜、レベル7の《ダイナレスラー・パンクラトプス》(ATK2600)、レベル8の《超伝導恐獣》(ATK3200)を特殊召喚!』(大東修 ユナイトカウンター:2→3→4)

 

【Effect Summon 2 Monsters!】

 

『どうだ!この布陣でお前を倒す』

 

 

【Turn End】

 

 

大東修 LP4000

手札:2枚

場:《ダイナレスラー・パンクラトプス》(ATK2600)、《超伝導恐獣》(ATK3200)伏せカード1枚

プレイヤーカード:《ダイナ・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター4個

 

―――

 

「うわ、パンクラトプスとロストワールドで妨害ってヤバいな」

 

「しかも、攻撃性能がかなり高いぞ。コレはあの光導ナツメもキツイんじゃないか?」

 

翔太と正志の形勢判断に司さんは不敵に微笑む。

 

「フフフ、ナツメちゃんはどう出るだろうねぇ?」

 

 

―――

 

『私のターン』

 

【Draw】

 

『《ハービィの羽箒》を発動するよ!』

 

【Effect Destroy!】

 

「だったら、トラップカード、《ユナイト・イグニション》を発動!ユナイトイクイップを行う!」

 

【Chain Effect!】

 

《ユナイト・イグニション》

通常罠

①:ユナイト召喚またはユナイトイクイップを行う。

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

『俺はユナイトカウンター3個と《セイバー・ザウルス》2体でコーリング!』

 

 

『ユナイトイクイップ!我が身に来たれ!《ダイナミック・ダイナソー》(装備ATK+2600)!』

 

大東修ATK0→2600→3000

 

 

【UNITE EQUIP! Dynamic Exoskeleton!】

 

《ダイナミック・ダイナソー》

レベル7地属性恐竜族・ユナイト・効果ATK2800 DEF2500/装備ATK+2600

恐竜族モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:自分フィールド上の恐竜族モンスターが破壊された場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力の半分、アップする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、自分フィールド上の恐竜族モンスター1体と相手フィールド上のカード1枚を選択して発動する。選択したカードを破壊する。

 

 

『私は《聖刻龍―ドラゴンヌート》(レベル4 ATK1800)を召喚』

 

【Summon】

 

「ドラゴンヌートをリリースして、《聖刻龍―ネフテドラゴン》(レベル5 ATK2100)を特殊召喚。更にドラゴンヌートの効果で《神龍の聖刻印》(レベル8 DEF0)を特殊召喚するよ」(光導ナツメ ユナイトカウンター:0→2→4)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

『攻撃力0の《神龍の聖刻印》が特殊召喚された事で速攻魔法《地獄の暴走召喚》を発動!現れて、2体の《神龍の聖刻印》(レベル8 DEF0)』(光導ナツメ ユナイトカウンター:4→6)

 

『くっ、《ダイナレスラー・パンクラトプス》は制限カード!俺は2体目の《超伝導恐獣》(レベル8 ATK3200)を特殊召喚!』

 

【Summon】

 

ナツメはデュエルディスクへ手を伸ばす。ユナイトカウンターは充分、溜まっている。

 

『修兄貴!』

 

『ああ!奴を呼び出させるわけにはいかない!《ダイナレスラー・パンクラトプス》をリリースして《神龍の聖刻印》1体を破壊!』

 

【Effect Select 1 Card:Destroy!】

 

『《ユナイト・スペクタル》を発動。《聖刻龍―ネフテドラゴン》をリリースして、墓地から同じ属性のモンスターを守備表示で特殊召喚。現れて!《神龍の聖刻印》(レベル8 DEF0)!更にネフテドラゴンがリリースされて事で《ラビ―ドラゴン》(レベル8 DEF2900→0)を攻守を0にして、特殊召喚』(光導ナツメ ユナイトカウンター:6→7)

 

《ユナイト・スペクタル》

速攻魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動できない。

①:ユナイトカウンターを1個得る。自分フィールド上のモンスターを1体リリースして発動する。リリースしたモンスターと同じ属性のモンスターを墓地から1体選び、守備表示で特殊召喚する。

 

 

―――

 

「レベル8のモンスターが3体にユナイトカウンターが4個、来るぞ!遊士!」

 

え!?司さん!?

 

「どういう事ですか!?何で俺に振るですか!?」

 

「うう、つい癖で・・・。コレ言うの憧れてたんだ。呼び捨てにしてごめんね」

 

よく分からないけど、今は試合に集中しよう。

 

―――

 

 

『私は《神龍の聖刻印》3体とユナイトカウンター4個でコーリング!』

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

天上からオーロラの光がナツメの下へ放たれた。

 

 「ユナイトイクイップ、古の福音たる輝きよ、天を焦がす威光を私の元に!《天獄龍 アルマゲドン》(装備ATK+3200)!」

 

【UNITE EQUIP! Raging Canon!】

 

光導ナツメ(グローリー・ブレイバー)ATK0→3200→3700

 

 

《天獄龍 アルマゲドン》

レベル10光属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK3500 DEF2800/装備ATK+3200

レベル8以上の光属性モンスター3体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:このカードが墓地に存在する場合、墓地からレベル8以上の光属性モンスター3体をゲームから除外して発動する。墓地のこのカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードはカードの効果の対象にならない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、自分のデッキからカードを1枚ドローし、ターン終了時まで、プレイヤーの攻撃力は800アップする。

 

龍の顎を模したキャノン砲がナツメの傍らに浮遊する。

 

『くそっ!ヤツの召喚を許してしまった!』

 

大東兄弟達から冷や汗が滲む。あのモンスターはそれほどのカードだというのか。

 

『《天獄龍 アルマゲドン》の効果を発動。1枚ドローし、ターン終了時まで攻撃力を800アップするよ』

 

【Effect Draw 1 Card And Attack Plus!】

 

 

光導ナツメ(グローリー・ブレイバー)ATK3700→4500 手札1→2

 

 

『マジックカード、《死者蘇生》を発動!墓地から《神龍の聖刻印》(レベル8 DEF0)を特殊召喚するよ』

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

『私は《神龍の聖刻印》、《ラビードラゴン》とユナイトカウンター3個でコーリング!』

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

 「ユナイトイクイップ、燦々と大地を照らす輝きよ、その力を私の元に!《陽光龍 ガランテール》(装備ATK+2500)!」

 

ナツメが右腕を横に広げると飛竜を模した金色の腕輪が納まる。

 

【UNITE EQUIP! Solar Bracelet!】

 

光導ナツメ(ホーリー・ブレイバー)ATK4500→7000

 

『『攻撃力7000だとぉ!』』

 

俺がこの街で見たプレイヤーカードの最高攻撃力だ。

公開されているカードの情報を見るに光導ナツメはプレイヤーカードの強化に特化したデュエリストだ。それも規格外の。

 

『バトル!』

 

ナツメが右手を前に突き出すと、ブレスレットから橙色の光がキャノン砲へと伸びる。

 

『私の一撃必殺を見せてあげる!』

 

キャノン砲の龍の顎が大きく開くと黄金の光が大きくなっていく。

 

『凄まじい攻撃力だが、俺のライフは残る!そうなれば、次の俺達の攻撃であなたを倒す!』

 

『甘いよ!《陽光龍 ガランテール》のユナイト効果でプレイヤーが攻撃力2000以上のモンスターかプレイヤーとの戦闘で与えるダメージは2倍になるよ!』

 

『何だとぉおお!』

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

システムの無慈悲な宣告の直後、黄金の光の奔流が放たれた。

 

大東修LP4000→0(-3600)

 

『修兄貴ー!』

 

大東練の悲痛な叫びが響き渡った。

 

――――

 

「・・・チーム アトリビュートって、格好的に勇者パーティかと思ったけど、魔王パーティだな」

 

あの惨劇はヤベーわ。大東兄、死んだかと思ったし。

 

「気づいてしまったか、遊士」

 

悟が遠い目をしている。

周知の事実だったか。

 

「マコトちゃんはただ全力で闘って盛り上がっているだけなんだけど、絵面がね、言い訳できないんだよ。だから、2つ名が”光の魔王”なんだよ・・・」

 

光の魔王・・・。正にその通りだよ。

 

――――

 

『《超再生能力》を発動。カードを3枚ドロー。カードを2枚セットするよ』

 

【Turn End】

 

 

光導ナツメ LP4000

手札:1枚

場:伏せカード2枚

プレイヤーカード:《グローリー・ブレイバー》ATK6200(《天獄龍 アルマゲドン》、《陽光龍 ガランテール》装備)、ユナイトカウンター0個

 

《陽光龍 ガランテール》

レベル8光属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2000/装備ATK+2500

レベル8以上の光属性モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:?

ユナイト効果

①:プレイヤーが攻撃力2000以上のモンスターかプレイヤーとの戦闘で与えるダメージは2倍になる。

②:自分フィールド上の攻撃力2000以上のモンスターの攻撃力は半分になる。

 

 

『俺1人でもっ!俺のターン』

 

【Draw】

 

『くっ!モンスターを1体セット』

 

大東練は手札を手にとり、魔法罠ゾーンを見やる―――、

 

 

『リバースカードオープン!《おジャマトリオ》!』

 

その瞬間、伏せカードが発動した。

 

【Effect Summon 3 Monsters】

 

大東弟のフィールドに現れたのはキモかわ系の小人達*1

 

 

『相手フィールドにモンスターが特殊召喚された事で、更に永続トラップ《召喚制限-猛突するモンスター》を発動するよ』

 

【Effect】

 

おジャマ達がファイティングポーズをとる。おジャマトリオ自身も勝手に動く体に驚きを隠せない様子だ。《召喚制限-猛突するモンスター》の効果は攻撃の強制だ。つまり、攻撃力6000もの相手に挑む自殺へのカウントダウン。

 

『何だって!今の手札では《おジャマトリオ》を処理できない!』

 

歯噛みする大東弟。《召喚制限-猛突するモンスター》の効果を受けたモンスターを破壊やリリースで処理できれば攻撃強制はなくなるが、あの様子ではどうにもならなさそうだ。

 

『うっ・・・、おジャマトークンで直接攻撃』

 

おジャマブラック*2。は動いた瞬間、光の柱が頭上から全てのおジャマ、そして大東弟に光に飲み込まれた。

 

大東練LP4000→0(-2300)

 

 

―――

 

光導ナツメが大東兄弟を撃破するとほぼ同時に、火野エリカと望月マリアもデュエルに勝利。

3人は軽口を言い合いながら、敵陣へと歩みを進める。その様子は正に魔王軍の進撃である。

チームRXの残り2人のメンバーがデュエルラインを3人全員に伸ばそうとするも、魔王を守るように前に陣取るエリカとマリアに阻まれる。

フリーとなったナツメは悠々と相手の陣地までたどり着き、フラッグへ手を伸ばした。

 

【DUEL ENDED!Winner Team Attribute! 】

 

 

『決まったー!勝者はチーム アトリビュートだー!』

 

魔王!魔王!魔王!と会場では魔王コールが響く。

 

『だから、私は魔王じゃないってばー!』

 

尚、後半戦も同じように蹂躙して終わった。

 

――――――――――――――――――――――

 

 

一方―――――、

 

 

 

 

「クッソ!俺達、チーム獣道がなんでこんな目に。あいつ等と俺達、何が違うっていうんだ・・・!」

 

鹿野秀斗たち、チーム獣道のメンバーは遊士達から逃げた後、路地裏に来ていた。

俺達は正しかったはずだ、何故あそこに司マコトがいたのか、どうすればよかったのか、と思考が堂々巡りに陥る。

 

「ハッ!負け犬の臭いがプンプンするなぁ!」

 

秀斗は文句を言おうと後ろを振り向く。

 

「ヒッ!」

 

彼らが目にしたのは蛇をヒトガタに固めたような紫色の怪人、マスターテラー四魔侯。蝕毒のヒュドボロス。彼は腰が抜けて動けない、チーム獣道のメンバーを見下ろしながら暗黒のカードを扇のように広げた。

誰も声を上げることができない。恐怖に縛られてしまっているのだ。

 

「テメェらに朗報だ。力をくれてやる、ありがたく思え」

 

ヒュドボロスは唇の端を三日月のように吊り上げながらカードを埋め込んだ。

 

『Aaaaaaaaaaaaaaa!』

 

「まぁ、俺様の言う事しかわからないシモベになっちまうんだがなー!ハーッハハハハハ!」

 

真の悪魔の哄笑が路地へと響き渡った。

 

*1
久々の出番ねーん。なんか、ヤバそうなのがいるんだけど。

*2
弟よ、俺がいくぜ。にいちゃん。あれ、上…。




【悲報】チームRX、再び噛ませと化す【ドンマイ】
あのチーム、今のチームA.ギートじゃ勝てない位、強いんだけどあ。

チーム アトリビュートのメンバーの元ネタは、ナツメが某管理局の悪魔、マコト以外の4人の名前は、自分が1番好きなネット小説からとっています。


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19話 デュエルフェスタ1日目の終わり

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

お待たせしました。今話からデュエルフェスタ編の後半になります。


―デュエルフェスタ・1日目・夕方―

在府スタジアムメイン会場では本日の目玉、チーム・ユニティガーディアンとチームTECHとのフラッグデュエル、それも今まさに終わりを告げようとしている。

 

ハクアが相対しているのは 、ツインテールの小柄な少女、渡来一美(わたらいかずみ)

彼女こそ、かつて天才少女として名を馳せたチームTECHのヘッド。

 

「《タイタニック・チャンピオン》(ATK3000)で《竜儀巧(ドライトロン)―メテオニス=QUA》(ATK4000)を攻撃!」

 

攻撃力が低いモンスターでの攻撃は、勝算がなければ行わない行動だ。

デュエルモンスターズのカードは何万種類もあるため、想定するのは容易ではない。

だがデータ分析を得意とするチームTECH、そのヘッドたる渡来一美は一瞬で思い至る。

光属性最強の戦闘補助モンスターの存在を・・・!

 

【Effect! Attack plus!】

 

「ダメージステップ時、《オネスト》の効果を発動!《タイタニック・チャンピオン》の攻撃力は4000アップする!」

 

《タイタニック・チャンピオン》の背中から純白の翼がはためき、天空を舞う。

拳を構え、一瞬のホバリング。

 

【LAST ATTACK!】

 

直後、急降下。重力を利用した一撃はドラゴンへと突き刺さる。

 

【The Impact!】

 

「あぁっ!」

 

渡来一美LP2000→0

 

直後、両脇からも爆発が響く。

ジンとグレンが勝利を決めたのだ。

 

【Battle Ended Winner Team Unity Gurdian!】

 

これでチーム ユニティガーディアンは明日の決勝戦に駒を進めた。

 

「危なかった。流石は渡来さんですね。《オネスト》を引けていなかったら、敗けていたかもしれません」

 

ハクアはサラリと髪をかき上げて、尻餅をついている一美へと手を差しのべる。

 

「っ・・・!」

 

ボォっと一美の頬に朱が刺す。

 

「ああっ、またハクア様の毒牙にかかる乙女がまた1人・・・」

 

「ハン、何言っているの?」

 

そんなこんなでデュエルフェスタの1日目は終了した。

しかし、一部のメンバー、1部リーグのデュエルチームにはまだ続きがある。

それが、白砂カンパニー主催のデュエルフェスタ 1部リーグ交流会だ。

 

―在府ホテル 1部リーグ交流会会場―

在府ホテルは、在府スタジアムのすぐ隣というかなり便利な立地にある。

ホテルは在府市では最高級のホテルで、普通に宿泊すれば1泊6桁。

もちろん、会場も豪華だ。真紅のカーペットはフカフカで、花畑を彩る円形テーブルとシルクのテーブルクロスはまるで花のようで会場は白い花畑の様相を呈す。

テーブルの周囲には着飾った人々。彼ら彼女らこそ、1部リーグのデュエルチームのメンバー達。プロ特有の風格はこのような豪勢な場にも負けていない。この交流会こそがデュエルフェスタ1日目の最後の華といえる。

それ故に会場の端にはリポーターやカメラマンなどの報道陣の姿もみられる。

その中に一際異彩を放つ3人組の姿。

彼らこそチームTECHが誇るデュエリストであり、データ収集のスペシャリスト、青島、赤輪、黄田である。

 

「チームRX、チーム崑崙、チーム大地の会、チームワイルドの動向は定点カメラでしっかりと記録できているな」

 

青色の眼鏡をキラリと光らせるのは青島。

チームTECHは様々な場面からデュエリストの情報を収集し、ビッグデータとして活用する頭脳集団。

デュエリストの癖を掴む事ができれば、デュエルを有利に進行できるのだ。

 

「よし。チーム ユニティガーディアンとチーム アトリビュートは、手持ちの機器でしっかりきっちりと情報を集めようぜ」

 

青島の言葉を受け、赤輪はカメラをチーム アトリビュートに向けた。

 

 

 

「ねー、エリカちゃん。この会場で簀巻きは浮くとワタシ思うんだけど。試合に遅れちゃったのは、本当にごめんなさいだけど」

 

「試合に遅れたのは人助けだったみたいだし許しているわよ。だけど、今までの交流会でアンタが何をやってきたか、覚えていないわけじゃないわよね」

 

「今回はやらないよー。前までアルカちゃんも一緒にやっていたじゃん。不公平だよ」

 

色々な料理を次から次へとパクついていたアルカに視線が向く。

 

「マコマコ、何言ってるの?私はそんな子供染みた事からは卒業したから。あ、マコマコはお皿に手をつけていないようなので私がもらうね」

 

「ワタシの餃子ぁ!私は手が出せないだけだからー!この裏切り者がー!」

 

マコトを擁護するか細い声が涙目のマコトに届く。

 

「マコトちゃんは反省しているみたいだし、もういいんじゃないかな。それにその格好は目立つし・・・」

 

「イロリちゃん良い事言った。ワタシの味方はイロリちゃんだけだよー」

 

マコトはオヨヨと袖で涙を拭う真似。

イロリの言葉にエリカはう、と逡巡する。

 

「確かに簀巻きは目立つよね・・・。頭に血が上っていたかも・・・。でも、こいつの悪行みんな知っているから、別にやりすぎじゃないのかも・・・。うーん、マリカはどう思う?」

 

エリカは黙々と料理に手を付けているマリカに助言を求める。

 

「・・・あまり気にする必要はないんじゃないかしら、ホラ」

 

彼女は箸を置くとマコトへ顔を向けるとつられて、皆、マコトに視線が集まる。

 

「やっぱり、ココの料理はおいしいねー。あと、そのミートボールは頂いていく!」

 

「私のミートボールッ!マコマコ、いつの間に脱出を!」

 

「ね」   「・・・」

 

 

―――

 

「何・・・だと・・・!」

 

チーム アトリビュートを撮影していた赤輪は戦慄していた。

 

「どうした赤輪。何があった?」

 

そう尋ねたのはもじゃもじゃ頭の黄田。赤輪がここまで動揺しているのも珍しい。

赤輪はバンダナを目元まで下ろしてごしごしと目元の汗を拭い、深呼吸。

そして息を整えて言う。

 

「落ち着いて聞いてくれ。さっきまで司マコトが簀巻きになっていただろ」

 

「ああ。さすがにあんな状態になっているなんて驚いたよ」

 

「俺も最初はびっくりしたが、まぁすぐ慣れたけどな。むしろ、あの姦しい感じが目と心の保養になったぐらいだ。それは置いといて、司マコト、一瞬で簀巻きから抜け出していた。しかも抜け出す瞬間はビデオに写っていなかった。フレームが変わった瞬間には完全に抜け出ていた。このビデオカメラ、フレームレートは120だぞ。超スピードとか、そんなちゃちなものじゃねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・」

 

「ポ●ナレフかよ。いや、過程が映っていないなんて・・・。え、でもマジで・・・!」

 

時間を止めてるのか・・・!?黄田も恐ろしい可能性に思い至り、おののく。

 

「落ち着け2人とも。微妙に簀巻きの位置が変わっている。前後の画面を重ね合わせてみろ」

 

チームTECHのサブヘッドでもある青島が画像を指さしながら冷静に伝える。

 

「確かに・・・。え、じゃあマジで超スピードで抜けたってコトか・・・!」

 

「むぅ・・・。その可能性は高いな。まぁ、デュエリストの中には超人的な身体能力を持つ人もいるのは知っての通りだろう?」

 

「確かに・・・、ユニティガーディアンのジンもそうだよな。ガチの忍者だもんな」

 

「しかもNINJAの方だしなぁ」

 

水の上を走ったりとかな、と黄田は嘆息する。

 

「まぁ、そっちは置いておこう。光導ナツメはこのテーブルにはいないようだな、赤輪、チーム ユニティガーディアンの方にはいないか?」

 

「いないな。あ、ソウ・ハン姉妹と目が合った。2人とも綺麗だよなぁ」

 

「2人とも大人っぽい感じだしな。まぁでもこの会場で1番の美人はナツメだよな。芸能人の東鬼(しのぎ)唯華(ゆいか)クラスだぜ」

 

「あぁYo-Cityの。黄田は東鬼唯華のファンだもんなぁ、でも他のアトリビュートのメンバーもレベル高いからなー。元気っ娘の水城アルカも、小動物系の土屋イロリもいいよなぁ」

 

「だよな、アトリビュートのメンバーは美人過ぎだな。あのクラスだとソウハン姉妹と、白砂お嬢様かな。あの人はまだ1部リーグ入りしていないけど」

 

「確かにあの人はマジ美少女だもんな。純白のドレスの破壊力はやべぇ」

 

「へぇ、渡来一美は?」

 

「ああ、ヘッドは・・・ってヘッドォオ!?」

 

そこには仁王立ちしている少女、渡来一美の姿。

 

「アンタ達、誰がチンチクリンですってぇ!」

 

「ヘッドはかわいいに全振りですから、勝負の土台が違うんですよ」

 

「ア・ン・タ達ねぇ・・・!」

 

と、そこへ一美に近づく金色の影―――、

 

「あー、かずみん こんな所にいたー!」

 

ヒョイっと一美を抱きかかえたのはチーム アトリビュートの光導ナツメ。

 

「抱きつくな持ち上げるなデカ女。いろんなところがデカいのは私に対する嫌味か!」

 

「えー、何のこと―?全然、翼お兄ちゃんに会えない私を慰めてよー」

 

「知るか―!離せ―!」

 

「プリプリしてるかずみんもかわいいなぁ、癒されるー」

 

「流石、光導ナツメ。ココまでヘッドの愛らしさを引き出すとは・・・」

 

「やっぱり俺達のヘッドが1番だぜ!」

 

 

 

一方で主催席―――、

 

そこには礼服姿の物腰柔らかな様子の青メッシュが入った黒髪の男性とドレス姿のアイナの姿があった。

 

「今回も交流会もにぎやかで良いねぇ」

 

「そうでしょうか」

 

光導ナツメに抱き着かれる渡来一美や簀巻きで遊んでいるアトリビュートのメンバー達を眺めながらのほほんとしている父親―白砂幾星(いくせい)を見て、アイナは大きくため息を吐いた。

母に代わって交流会に参加するようになって、いつもこんな感じではあるが、夜会としてはこれでいいのだろうかといつも疑問に思うところがある。

そうこうしている内にユニティガーディアンの皆がやってくるのが見えた。

 

「白砂社長、いつもお世話になっております」

 

「片桐君、こちらこそ。君達の活躍はアイナから聞いているよ。チームとしてだけでなく、ね」

 

そんな感じで父と片桐局長は話が弾んでいった。私は他の皆に話しかける。

 

「グレンさん、ジンさん、今日はゆっくり楽しんでいってくださいね」

 

「お・・・おう」

 

グレン―赤石さんは歯切れが悪そうに答える。

先程まで一緒に戦っていたからしょうがないと思う。

 

「・・・そういえば光導副局長代理は?体調は回復したと聞きましたが。昇格戦をしていただいたお礼を伝えたかったのですが」

 

「副局長代理は胸騒ぎがするって、今は本部にいますよ」とジン。

 

この人は逆に自然体すぎるのでは・・・。

 

 

ビッビッビッビービービー

 

ユニティガーディアンの緊急アラーム!

片桐局長のスマートフォンからだ。

 

「失礼。光導どうした!」

 

『テラーの反応がありました。反応はハイテラークラス!しかも20以上のテラーミニオンズの反応もあります。在府スタジアム脇の屋台エリアです!』

 

「何だと!」

 

「全く、こんな祭りの時に来るとはな、看破できねえ状況だぜ。俺が行こうか?」

 

ジンさんなら素早くたどり着けるはずだ。しかし、赤石さんが異を唱える。

 

「いや、俺が行く!グレンならテラーミニオンズを一気に殲滅できる。場所も近いしな」

 

「フム、頼んだぞ赤石!」

 

 

 

 

その少し前―――、

 

 

夕方、俺達、チームA.ギートのメンバーで屋台を巡っていた。

屋台の光は提灯のように柔らかい光を放っている。

普段は暗い場所だが、屋台が数多く集まる事で辺りを淡く照らし出している。

 

「明日はユニティガーディアンとアトリビュートの対決だな!しかも会場で見れるから楽しみだぜ」

 

「ああ、アイナさんのおかげだな」

 

悟と正志の言う通りだ。

デュエルフェスタの決勝デュエルは、かなり倍率が高いらしいが、そこは白砂カンパニーの令嬢にして出場選手、アイナ先輩。

抽選開始前からチーム全員にAクラス席の入場券をくれたのだ。

そんな事を思いながら、辺りを見渡して気づく。

それにしても、屋台が途切れないな。

 

「もしかして、昼間よりも屋台が多くないか?」

 

「遊士、夜の屋台はデュエルフェスタの魅力の1つなんだぜ。しかも色んなレストランが出店しているんだ」

 

俺の呟きに得意顔で答えたのは翔太だ。

確かにレストランが多い。

 

「ちなみに、俺のオススメはこの店だ!」

 

翔太が屋台の一つを指さす、

 

洋食屋TOBE

 

「洋食屋TOBE?翔太の家ってレストランだったのか!?」

 

「そうさ。我が家ながら味は中々のモンだぜ。本当はA.ギートの試合の帰りにでも連れて行きたかったけど、ウチは中心部から微妙に離れているからな、よーやく連れていけたぜ」

 

「夕飯は、ソコで決まりだけど、まだ、そんなに腹減ってないしな。色々見て回ろうぜ。折角だから別行動にしようぜ。7時半に集合な」

 

悟の提案で一先ず、みんなと別れる事になった。

皆、見たい所が色々あるだろうからって悟は考えてくれたんだろうな、と思う。

 

 

 

―――

「みんなと別れて正解だったかもな。アイツが大舞台にこの機会を逃す事はない筈だからな」

 

『見回りという訳か。このところ、テラーの出現頻度は少ない。戦力を準備している可能性もありうる』

 

 

その時―――、

 

『グゥオオオオオ!』

 

けたたましい咆哮。まるでエコーがかかったように幾重にも重なって聞こえる。

 

「やっぱり来やがったか」

 

逃げ惑う人々を避けてたどり着いた先には4体のテラー。

目立つのは奥の1体の巨大なテラー。

 

「コイツがあの咆哮の主か!」

 

4メートルにも迫ろうかという巨体。しかも身体中から様々な動物の頭部が生えていてグロテスクだ。

 

『まさか複数のテラーで構成されているのか!?何て醜悪な!遊士!』

 

「ああ、被害が出る前に倒すぞ!」

 

【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】

 

デュエルディスクを構え、《アームドナイト ビリーバー》のカードを翳す。

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

「俺の未来を刻んでみせる!」

 

1対4は無謀。デュエルなら各個撃破で倒せる。

幸いにもアームドナイトには怪人を転がして発生するRAJの空間がある。

通常空間の1000倍の速さで時間が進むため、各個撃破でも十分間に合う。

 

 

 

まずはどこから攻めるか、右手をEXデッキに添えながら思案する。

 

 

だが―――、

 

 

4体のテラーの影から真上に煙が立ち上る。

そこから十数もの赤い光点が妖しく輝く。

 

『あれは、“テラーミニオンズ”!』

 

煙が晴れた先に現れたのは黒い体躯の赤い血のようなレンズの頭部をもった数十もの怪人。

 

「一気に増えた!ザンブ、アイツらは何なんだ!?」

 

『テラーが生み出す雑兵だ!奴らはデュエルディスクを持たない魂なき存在。ぶった切ればそれでしまいだ』

 

「そいつはシンプルだ!」

 

【Fatal Blade!】

 

腰だめに右手を構え、抜刀術の要領で生成されつつあるフェイタルブレードを横凪ぎに振り抜く。

正面にいたテラーミニオンズは輪切りになり、煙に変える。

 

「まずは1体!」

 

尚も取り囲もうとするテラーミニオンズ達に対し、サマーソルトキックを放ち、飛び上がった勢いのまま後ろにジャンプして距離をとる。生身ではどうやったってできないアームドナイトのスペックのおかげだ。

その間に新しいカードをデュエルディスクにセットする。

 

【Beast Gatlinger!】

 

狼を模したガトリング砲が周囲に銃弾をばらまき、弾幕を張る。

テラーミニオンズ達は怯むだけ。これでは決定打にはならないが隙が僅かにできる。

 

「うぉーおおお!」

 

気合を入れると、フェイタルブレードが銀色の光を纏い、1歩踏み出す。

大上段から大剣を勢いよく振り下ろす。

 

ゴォオオオン!

 

衝突すると、光の大瀑布が巻き起こり、。数体のミニオンズが塵となる。

 

フッと呼吸を整える瞬間―――、

 

 

「オレ達を!」「忘れたか!」

 

炎と氷の拳が左右から迫る。

 

膝カックンもかくやという勢いで、全力で膝を曲げ、崩れ落ちるように回避。

 

見上げた先には赤と青のテラー。大元が来ない筈はないか。

 

『上級テラーか!』

 

「その通り。我が名はフレアテラー」「そしてアイステラー」

 

息がピッタリだな。

というか、今にも襲ってきそうな巨大テラーは何で襲ってこないんだ?

奥を見やると、巨大テラーは唸っていた。

よく見ると、武道着のような岩石の鎧を纏っているテラーが肩を掴んでいて押さえつけていた。もしかして、1番強いのはアイツか?

とにかく、状況は果てしなく悪い。どうする・・・。

 

ザッ!

 

 

「貴様は・・・」

 

岩石のテラーの呟き、アイツ喋れたのか。それよりも奴が見ているのは、後ろを振り返る。

紅いジャケットの男の姿。

 

「赤石遼一・・・!?」

 

「ビリーバー、聞かなきゃいけないことは色々あるが、まずはコイツらからだ!」

 

「・・・」

 

彼はデッキケースからカードを抜き出し翳す。

 

 

《アームドナイト グレン》

 

 

【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】

 

紅い光のキューブが赤石さんを囲む。

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight GUREN!】

 

光が収まった先には赤色の戦士が現れる。

右肩から体に延びているアーマーはまるで炎の翼。左腰から右足にかけても炎の翼を模したマントがたなびく。

その姿はまるで不死鳥のようだ。彼は鳥の頭を模したテンガロンハットのような頭部アーマーを人差し指でピンと弾く。

 

「まとめて相手になってやるぜ!」

 

そう言うや、ワンステップでテラーミニオンズの前に接近すると、翼を羽ばたかせるように回し蹴りを見舞う。

軽く掠めるような感じでダメージは浅い。だが、テラーミニオンズ達が引き寄せられていく。、

 

ゴゥ!

 

グレンが蹴った周囲に真空領域が作り出されたのだ。

 

【Blazing Rifle!】

 

天馬を模したライフルがグレンの手に収まり、引き金を引く。

 

ギュオォーーーン!

 

真紅の光線がテラーを貫く。そして爆発。

 

『テラーは全て焼き尽くす!』

 

「ミーティアル・ペガサスか・・・!」

 

ライフルからの声はミーティアル・ペガサス、赤石遼一のエースカード。映像で見たことがある。

 

グレンは爆発の勢いを利用し、空中へ飛び上がり、フレアテラーに掴みかかる。

真下に叩きつけたその瞬間、グレンとフレアテラーが消失した。

 

【RAJ System Awaking!】

 

 

紅蓮は姿を消した直後、再び姿を現す。彼は手にしていた1枚のカードをデュエルディスクに勢いよく突っ込む。

 

【GUREN!Hissatu Effect!】

 

光の軌跡が空に広がり、魔法陣が描かれていく。

そこから現れたのは真っ赤に燃えている隕石だ。

 

ゴゴゴゴゴ!

 

【The Prominence Impact!】

 

隕石は凄まじい勢いで加速して大地に突き刺さった。

 

ドォオオオン!

 

「RAJエリアから出た直後、ユナイトカウンターが貯まっていたら必殺魔法を撃てるんだ。ビリーバー、よく覚えときな」

 

なるほど。でも俺、必殺魔法カードを持っていないんけど。

 

「後はアイツ等だな!」

 

岩石のテラーは巨大テラーの肩から手を離す。

 

「「グゥオオオォォンン!」」

 

勢いよく巨大テラーが向かって走り出した。

 

第2幕って訳か!

 

迫りくる拳に合わせて大剣を叩きこむ。

 

ザシュッ!

 

「堅っ!」

 

ちょっとしか切れなかったぞ。しかもつけた傷は塞ぎはじめている。

どう倒す・・・イヤ、無理に倒す必要はないか。何とかデュエルに持ち込めればいい。

だけど、ココは、目撃者が多い。何とか投げ飛ばしてRAJ空間に飛ばさないと・・・。

 

「「ンォオオオオレレエエエエ!」」

 

再び振るわれる拳。大振りだからスキを突けばあるいは・・・。

拳から外側に避けてから、背後から一撃を―――、

 

「「エェアアアア!」」

 

腕から動物の牙が伸びてくる。

 

「―――!」

 

『上からも来るぞ!』

 

今度は尻尾かよ!相性が悪い!

少しでもダメージを与えて、チャンスを待つしかないか・・・。

 

―――

 

「ビリーバーは苦戦しているな」

 

巨大テラーの攻撃をビリーバーが捌いていて、時折、隙をついてダメージを与えるが、決定打はない。

 

「俺も人のことを言える状態じゃないんだけどな!」

 

 

岩のテラーはこちらの射撃は全て撃ち落とされ、接近戦は外皮が固く、傷つけることは困難だ。

近接武器になるユナイトモンスターはEXデッキに入っていない。

しかも奴の拳は岩石のテラーらしく、重い。有効打が入ったらこちらは1発でダウンするだろう。

改めて、相手を見る。あの外皮の硬さと膂力、ただの上級テラーとは思えない。

だが、ハイテラーとしてはあまりにも感情を感じられない。

 

「お前、本当にハイテラーか!?全く感情がみえないぜ」

 

 

誰に言うでもないただの独り言だ。

 

 

しかし―――、

 

 

「勝負は感情を、隙を見せた者から脱落していく。忘れたのか!?」

 

そのセリフ、いやその体捌きは、まさか!

 

「フンッ!」

 

急に眼前にヤツが現れた。重心を動かさない歩法。距離感がバグらされたか。

瞬間、体に加わる拳の衝撃。少しでも衝撃を抑えようと、半身を捻る。

 

「ケホッ、ゴホッ」

 

「最も、少しでも感情を抑えなければ、この忌まわしい力に飲み込まれてしまうからな。この、”ハイテラー ティタン”に」

 

「やっぱり、あなたは岩崎さん、どうしてあなたがテラーに・・・!」

 

間違いない。あの人はチーム大地の会のOB、岩崎文理(いわさきぶんり)さん。

実家の道場を継いで、道場の経営に専念するためにチームを脱退したと聞いていたが、どうして・・・!

いや、今はそんなことを気にしている場合じゃない。何とか制圧しないと・・・!

倒すにしても相性が悪いぜ。

 

「そうか、相性・・・!ビリーバー!」

 

仮面越しにビリーバーに呼びかける。アイツと目が合った気がする。

その間にもティタンの拳が迫り、側転して避ける。そして銃の引き金に手をかけた。

 

 

―――

 

「ビリーバー!」

 

グレンが急に呼びかけた!?視界の片隅にグレンのライフルに光が灯るのが見えた。

そうか!なら俺は!

 

一足飛びに右にいる岩石テラーに振りかぶる。

 

「むぉ!」

 

ザックリと斜めに一閃。岩石のテラーはたまらず、膝をつく。

俺を負っていた巨大テラーもグレンが銃撃。体中が焼け焦げた巨大テラーも膝を折るしかない状況だった。

 

「よしっ!」

 

後は―――――、

 

 

 

!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

何だ・・・!このプレッシャーは・・・!

 

「ったく、ザコどもが。この俺様の手を煩わせやがって・・・!」

 

チンピラのような風貌の男。ヤツは・・・!

 

「マスターテラー・・・!」「ヒュド・・・ボロス・・・!」

 

 

―――――

 

「ったく、コイツら。全然、使い物にならねぇ。この木偶の坊は一気にテラーを作ったらくっつきやがったが、ただのカス」

 

不満げなヒュドボロスはドカッと巨大テラー、―――キメラテラーを足蹴にする。

 

「ブレイウルスが押し付けたコイツも、作戦1つこなせねぇ。本当にハイテラーか、あぁ!?」

 

今度は岩石テラー、―――ハイテラー:ティタンの傷口に蹴り上げた。

 

「ま、これくらいにしといてやるか。残りは・・・」

 

ヒュドボロスが紫色のモヤに包まれ、蛇のような怪人形態へと変貌を遂げた。

 

「テメェらだ」

 

ビリーバーとグレンに凄まじい圧力が襲いかかる。

あの時は、実力を全く出していなかったのか、とビリーバーはかつてハクアとのデュエルを横で見ていた時とは違う雰囲気を感じていた。

 

「ウォオオオ!」

『今度こそお前に報いを受けさせる!』

 

己を鼓舞するグレンと怒りを燃やすミーティアル・ペガサス。

 

【Wind Shooter!】

 

グレンは新たなライフルを生成し、炎と風の2丁拳銃を連射。

ヒュドボロスが爆炎に包まれる。

 

「攻撃のつもりか?」

 

悠然と歩いてくるヒュドボロスは無傷。

恐怖を煽るように、自身の強大さを誇るようだ。

 

だからこそ―――、

 

「隙だらけだ!」

 

ヒュドボロスの側面には銀色に輝いたフェイタルブレードを大上段に構えたビリーバー。

完璧な不意打ち。彼の首筋に銀光が爆ぜた。

 

 

 

 

ガキィン!

 

 

 

「マジ・・・かよ・・・!」

 

 

あまりにも硬い外皮によって大剣が阻まれたのだ。

何でできてるんだあの皮膚。ビリーバーはゾッとなった。刃が通る気がまるでしない。

 

冷めた目でヒュドボロスはビリーバーを見下ろす。

 

「“銀王龍”の力を使ってそんなもんか、契約者がザコかそれとも、本体がザコなのか」

 

カタカタと振動するフェイタルブレード。ビリーバーはザンブ、といぶかしむ。

 

「その名を・・・その名を呼ぶな!」

 

フェイタルブレードは莫大な光を放ち、ドラゴン型の光がヒュドボロスに放たれる。

 

「ハッ」

 

至近距離の一撃すらもヒュドボロスが放った闇の波動で相殺されてしまう。

 

「オラァ!」

 

「グ・・・!」

 

ヒュドボロスの前蹴り、先程までとは違い怪人体での一撃だ。

道端の小石を蹴り飛ばすかのように、ビリーバーを吹き飛ばした。

そのままグレンに衝突するも、それでもまだ勢いは殺しきれず、2人ともゴロゴロと転がっていく。

 

「ここまでお膳立てしてやったんだ。後は解るな」

 

クルリとヒュドボロスはきびすを返すとティタンへと顎をしゃくる。

 

「ぬぅ」

 

ティタンから黒い光の円が広がる。

 

 

『待てっ!』

 

 

「俺様自ら手を下したいところだが、時間切れだ」

 

そうザンブレイド・ドラゴンに返すとヒュドボロスは煙となって消えていった。

 

 

 

―――――DUEL!―――――




という訳でヒュドボロス無双でした。
ポ◯モンで言えば、バッジ1,2個でしてんのうに挑むようなものなのでかなり実力に開きがあります。
4話で出てきた時は相当手加減していた模様。

また、今話も何人か登場人物が出てきたのでいくつか紹介していきます。

登場人物紹介
東鬼唯華(しのぎ・ゆいか)
2部より登場予定。黄田が話題にしていた人物
Yo-Cityの裏ファイト界、六魔天3位の人。遊士の2歳上。デュエルにはストイック。
一般には裏デュエル界での実力者という事は知られていない。
表の顔は芸能人で元々は読者モデル。八頭身の赤毛美女。ツンデレ系。
在府市にはロケで来た。在府市でも有名人。漫画雑誌のグラビアも飾るため、遊士も認知はしていた。
使用デッキはバーンデッキの【火焔戦技(フレイムアーツ)】。
エースはリンクモンスターの《業火の魔神 アラストル》。
別世界での名前は東雲ユイカ(しののめー)

白砂幾星(しらすな・いくせい)
白砂カンパニーの創業者でアイナの父親。のほほんとした性格。デュエルディスクの開発からユナイトモンスター、プレイヤーカードを作成したのも彼。地元の名士で数多くの業績を挙げているため、在府市の議会でも高い発言力を持つ。市長も頭が上がらないほど。
フェイバリットカードは《ヴィサス=スタフロスト》

渡来一美(わたらい・かずみ)
1部リーグ四強チームの1つ、チームTECHのヘッド((リーダー))
見た目は小学生だが、歴とした成人。
幼少期から神童として知られ、考古学の権威でもある。儀式復古論を打ち出し、一部の家系にしか伝来していなかった儀式モンスターを解析し、新たな儀式モンスター、「竜儀巧」シリーズの開発に成功した。
名前の由来は、仮面ライダービルドの猿渡一海から。
使用デッキは【ドライトロン】

テラー設定
テラーミニオンズ
上級テラー以上が生み出す戦闘員。テラーの影から出てくる。
負の感情が強い人程数が増加する。
姿はポリゴン化しつつある形が崩れかけた人間で顔はのっぺらぼうで鼻辺りに拳より一回り大きい赤いレンズみたいな半円球がつく。


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20話 刃と炎風の共闘

名もなきA・弐さん、いつも感想ありがとうございます。


念願のULTIMAGEAR 千年パズルをゲットしました。
中々手に入らなくて1年も待ちました。
フラッと立ち寄ったお店で手に入るとは。
歯ごたえがあるし、パズルの組み方も原作再現が高い良いパズルでした。

今話はビリーバー&グレンとティタン&キメラテラーのタッグデュエルです。


―――――DUEL!―――――

 

テラー側はデュエルを仕掛けたことで、このデュエルは認識改変ができない状態だ。

今は騒ぎの関係で誰もいないが、いつ人々が戻ってきてもおかしくはない。

早めに決着をつける必要があるが、アームドナイトとテラーのデュエルは戦いを仕掛けた方が先攻になる。

二重の意味で痛いところだ。

 

「今はデュエル集中するしかない」

 

「私のターン、《隣の芝刈り》を発動。お主とのデッキ枚数の差は20枚、デッキの上からカードを20枚、墓地に送る」

 

一気に墓地を肥やしてきたか。よくもまぁ、初手で引き込めたものだ。

あのカードはデュエルモンスターズ史上最も多くの墓地肥やしをできるカードの1つだ。

 

【Effect Revive!】

 

「来たか、大地輪廻流の要」

 

大地輪廻流?

 

「如何にも。これこそが大地輪廻流奥義!」

 

第壱幕 盤石之地盤!

 

今、漢字のエフェクトが出なかったか?

 

「全ての生命は大地より生まれ出で、最後には大地へ還る。故に!」

 

【Effect】

 

「大地を体現する事こそが勝利の道しるべ!墓地に送られた《リバイバル・ゴーレム》の効果を発動。自身を手札に戻す。これが大地の恵みである。更にフィールド魔法《メガリス・ポータル》を発動」

 

空中に六角形の岩石の台座が浮かび上がった。初めて見るフィールド魔法だ。

 

「初手、《隣の芝刈り》に墓地送りの《リバイバル・ゴーレム》。そして岩崎文理のデュエルはテラーになっても健在という事か」

 

グレンは警戒を強める構え。反応を見るに昔馴染みっぽい気配だ。プロデュエリストだろうか。

 

 

「与えられた大地の恵みには返礼を。儀式魔法《大地讃頌》を以て儀式を執り行う!」

 

ハイテラーの眼前に4つの蝋燭が現れ、ボッポッポと光が灯っていく。

 

【RITUAL SUMMON!】

 

「儀式召喚!降臨せよ!レベル4《メガリス・オク》(DEF2700)!」

 

白と黒双子の天使の石像が姿が大地から浮かび上がるように姿を現す。

 

「儀式召喚か」

 

儀式召喚とは廃れた召喚法の1つだ。

手札消費が荒く、キーカードである儀式魔法と儀式モンスターの2枚と素材が揃って始めて召喚できるのだ。

流通しているカードも数は殆どないはず。チームTECHのヘッドが使う『竜儀巧(ドライトロン)』シリーズだけかと思っていた。アレは国家事業で特別に開発したものらしいと聞いていたが。

 

「《メガリス・ポータル》の効果で墓地から《メガリス・ベトール》を回収。《メガリス・オク》の効果で1枚捨て1枚ドロー」

 

【Effect Bounce 1 monster】

【Effect Draw】

 

「私、《ハイテラー:ティタン》の永続効果。自分フィールド上の守備表示モンスターの守備力は300アップする」

 

《メガリス・オク》DEF2700→3000

 

「更に、墓地から《はにわ》3枚をゲームから除外し、レベル8《ブロック・ドラゴン》(DEF3000→3300)を特殊召喚する」

 

「ターン終了時に私はユナイトカウンターを1個得る。この1回限りのみの話だが」(ティタン ユナイトカウンター0→1)

 

【Player Effect】

 

【Turn End】

 

 

ハイテラー:ティタン

LP4000 手札2枚

場:《メガリス・オク》(DEF3000)、《ブロックドラゴン》(DEF3300)《メガリス・ポータル》

プレイヤーカード:《ハイテラー:ティタン》ATK0 ユナイトカウンター1個

 

《ハイテラー:ティタン》

プレイヤーカード ATK 700

このカードの②の効果はデュエル中、1度しか発動する事ができない。

①:自分フィールド上の守備表示モンスターは守備力が300アップする。

②:自分のターン終了時、守備力2000以上のモンスターが自分フィールド上に存在する場合、ユナイトカウンターを1個得る。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

「俺のターン」

 

【Draw】

 

「W永続魔法《炎と風のカーニバル》と《炎風誘発》を発動」

 

【Effect】

 

「《ヴォルカニック・エッジ》(レベル4 ATK1800)を召喚。《炎と風のカーニバル》の効果で風属性モンスター、《神禽王アレクトール》を手札に加える」

 

【Summon】

【Effect Search 1 monster】

 

《炎と風のカーニバル》

永続魔法

このカード名の①と②の効果はそれぞれ、1ターンに1度だけ、発動する事ができる。

①:炎属性モンスターの召喚に成功した場合、デッキから召喚した場合、風属性モンスター1枚を選んで手札に加える。

②:風属性モンスターの召喚に成功した場合、デッキから召喚した場合、炎属性モンスター1枚を選んで手札に加える。

 

「《ヴォルカニック・エッジ》の効果で500ダメージを与える」

 

頭が刃物になっている甲殻恐竜が下級を放つ。

 

【Effect 500 damages】

 

ハイテラー:ティタン LP4000→3500

 

「炎属性モンスターの効果が発動したことで《炎風誘発》の効果で手札から《神禽王アレクトール》(レベル6 ATK2400)を特殊召喚する」

 

《炎風誘発》

永続魔法

このカード名の①と②の効果はそれぞれ、1ターンに1度だけ、発動する事ができる。

①:炎属性モンスターの効果が発動に成功した場合、手札から風属性モンスター1枚を特殊召喚する事ができる。

②:風属性モンスターの効果が発動に成功した場合、自分のデッキから炎属性モンスターを1枚選んで墓地に送る。

 

【Summon】

 

「ふむ、ならば《メガリス・オク》の効果を発動。《メガリス・オク》にて儀式を執り行う」

 

「儀式モンスターで儀式召喚だって!?」

 

「岩崎文理の【メガリス】では当たり前の動きだぞ?」

 

そうなのか?

 

8つの蝋燭に照らし出された《メガリス・オク》はピキピキとひび割れていく。

 

【Effect】

【RITUAL SUMMON!】

 

「儀式召喚!降臨せよ!レベル8《メガリス・ベトール》(DEF2600→2900)!」

 

《メガリス・オク》からヤギのような角を持つ悪魔を模した石像がその姿を現した。

その禍々しい角と角の間に緑黒色の光が収束していく。

 

【Effect Select Cards:Destroy!】

 

「《メガリス・ベトール》の儀式召喚時の効果で5枚までカードを破壊する!更に《メガリス・ポータル》の効果で墓地の《メガリス・フール》を手札に加える」

 

【Effect Bounce 1 monster】

 

「相手ターンで全体破壊か。だろうと思ったぜ。この程度、プロなら日常茶飯事だ!俺の炎属性モンスターか風属性モンスターが破壊された事で、俺はユナイトカウンターを2個得る!」(グレン ユナイトカウンター0→2)

 

《アームドナイト グレン》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上の炎属性モンスターか風属性モンスターが破壊される度、このカードの上のユナイトカウンターが3つ以下の場合、ユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分の炎属性モンスターまたは風属性モンスターが対象とる効果を発動時に、このカードのユナイトカウンターを1個取り除いて発動する。その効果の対象を1つ増やす。

 

 

「行くぜ!ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「ユナイト召喚!現れろ!レベル3《フレイムホーン》(DEF800)!」

 

炎の角を持った四足獣がグレンの傍らに付き従う。

 

「魔法カード、《死者蘇生》を発動。《神禽王アレクトール》(レベル6 ATK2400)を特殊召喚し、効果を発動!」

 

【Summon】

【Effect Select 1 monster: Invarid!】

 

 

「《ブロックドラゴン》の効果を無効にする!これで条件は揃った。通常魔法《炎風延焼》を発動!このカードは自分フィールド上に風属性モンスターと炎属性モンスターが揃っている場合、かつ炎属性・風属性モンスターの効果が適用されている場合にのみ発動できる!」

 

 

《フレイムホーン》の角から炎が噴出する。その隣で《神禽王アレクトール》が翼を羽ばたかせ、風を巻き起こす。炎は煽られ、フィールドを覆う程になる。尚も風が供給され、火炎の竜巻と化し、ティタンのフィールドを蹂躙していく。

 

【Effect Destroy All monsters and Draw 1 card!】

 

「貴方のモンスターは全滅。更に、1枚ドロー!発動したこのカードは手札に戻る」

 

 

《炎風延焼》

通常魔法

このカードは炎属性モンスターと風属性モンスターがカードの効果を発動したターン、自分フィールド上に炎属性モンスターと風属性モンスターがそれぞれ、1体以上存在する場合に発動する事ができる。

①:相手フィールド上のモンスターと魔法・罠カードゾーンのカードを全て破壊し、カードを1枚ドローする。発動したこのカードは、手札に戻る。

 

 

「だが、《神禽王アレクトール》の効果はフィールドのみ。よって《ブロックドラゴン》の墓地効果は有効。《ブロックドラゴン》が破壊された事でデッキから《メガリス・オク》と《メガリス・オフィエル》を手札に加える。この大地の循環こそが大地輪廻流奥義!」

 

第参幕 大地合切!

 

弐幕はどこいった!?

 

「《神禽王アレクトール》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

ハイテラー:ティタン(ATK700) LP3500→1800

 

「カードを1枚セット」

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト グレン(赤石遼一)

LP4000 手札3枚

場:《神禽王アレクトール》(ATK2400)、《フレイムホーン》(DEF800)、セットカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト グレン》ATK0 ユナイトカウンター0個

 

《フレイム・ホーン》

レベル3炎属性獣族・ユナイト・効果ATK1300 DEF800/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

このカードは自分の墓地に炎属性モンスターが3体以上存在する場合のみ、ユナイト召喚できる。

ユナイト効果

①:装備プレイヤーが攻撃した時、相手ライフに300ポイントのダメージを与える。

 

 

『『ァァァァアアア!』』

 

巨大テラーのターンだ。奴はカード名を見る限り、《キメラテラー》(ATK1000)という名前のようだ。

 

「あのテラー、攻撃力が1000もあるのか」

 

《キメラテラー》

プレイヤーカード ATK1000

①:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができず、カードをセットできない。

②:?

 

【Draw】

 

 

 

【Summon】【Effect】

【Summon】【Effect】

【Summon】【Effect】

【Summon】【Effect Draw】

 

キメラテラーの前に4体の刀を手にした獣人型のモンスターが現れる。

 

《妖仙獣 鎌壱太刀》レベル4 ATK1600

《妖仙獣 鎌弐太刀》レベル4 ATK1800

《妖仙獣 鎌参太刀》レベル4 ATK1500

《妖仙獣 飯綱鞭》レベル4 ATK800

 

【Effect Bounce!】

 

《神禽王アレクトール》フィールド→手札

 

「【妖仙獣】か!」

 

【妖仙獣】は展開力が高いテーマだが、弱点も多いテーマだ。

 

【Battle Phase】

 

【Player Attack!】

 

グゥワン!

 

キメラテラーが跳躍。一足飛び《フレイムホーン》の眼前に飛来して大きく広げた左手で《フレイム・ホーン》を押し潰した。

 

「炎属性モンスターが破壊された事でユナイトカウンターを1個得る」(グレン ユナイトカウンター0→1)

 

「更に、炎属性モンスターが破壊された事で手札の《炎天禍サンバーン》(レベル8 ATK2600)の効果を発動。自身を特殊召喚し、相手に《フレイムホーン》の攻撃の半分、600ポイントのダメージを与える!」

 

【Effect Summon & Damage!】

 

『『アァアアアア!』』

 

赤色の魔人が手を掲げるとキメラテラーが燃え上がった。

 

キメラテラーLP4000→3400

 

攻撃力が高いサンバーンがいることで一斉攻撃は免れた。

しかし、それを掻い潜るカードもいる。

 

【Attack!】

 

グレンの体に決まる斬撃。

《妖仙獣 鎌弐太刀》は与えるダメージは半分になるものの直接攻撃能力を持つ。

 

アームドナイト グレン(遼一) LP4000→3100

 

 

『『ナァァアアアズズズゥゥゥウウ!』』

 

【Bounce】【Bounce】【Bounce】【Bounce】

 

妖仙獣モンスターのターンエンド時に手札に戻るデメリット効果だ。

 

【Turn End】

 

 

キメラテラー

LP3400 手札7枚

場:《メガリス・ポータル》

プレイヤーカード:《キメラテラー》ATK1000 ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー!」(《アームドナイト ビリーバー》ATK0→300)

 

【Draw】

 

「フィールド魔法《テクノロギアン・アーセナル》を発動。発動時、効果で《テクノロギア・サーベルタイガー》を手札に加える」

 

背後のフィールドに近未来的な工場がせり上がった。

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》*1(レベル4 ATK1800)を召喚。《テクノロギア・マテリアル》*2(レベル1 DEF100)1体をデッキから特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター0→2)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》をリリースして、《テクノロギア・ランサー》(レベル6 ATK2200)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

「自分フィールドにモンスターが特殊召喚された事で《テクノロギア・マテリアル》の効果、自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ!更に《テクノロギア・ランサー》の効果が発動される。《メガリス・ポータル》を破壊!」

 

【Effect Attack Plus!】

【Effect select 1 Magic Trap card:Destroy!】

 

《テクノロギア・ランサー》ATK2200→2300

 

光球から光がフィールドに広がり、《テクノロギア・ランサー》が持つ槍。

その表面の幾何学模様が光り輝き、機械槍兵は六角形の台座へと投擲した。

 

「《テクノロギアン・デベロップメント》*3を発動!レベル5以下の「テクノロギア」モンスターを特殊召喚できる。デッキの1番上のカードを墓地に送り、《テクノロギア・ファイター》(レベル5 ATK2000)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4)

 

【Effect Summon】

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果。自分フィールド上にモンスターが特殊召喚された事で自分フィールド上のモンスターの攻撃力は100アップ!」

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2000→2100

《テクノロギア・ランサー》ATK2300→2400

《炎天禍サンバーン》ATK2600→2700

 

《テクノロギア・マテリアル》から機械戦士の左の拳に黄色の光が宿った。

 

【Effect Search 1 monster】

 

「《テクノロギア・ファイター》の隣でモンスター効果が発動したことで《テクノロギア・ファイター》の効果を発動。デッキから《テクノロギア・オックス》を特手札に加える」

 

【Summon】

 

《テクノロギア・ファイター》

レベル5光属性機械族・効果ATK2000DEF1800

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキからレベル4以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「俺は《テクノロギア・マテリアル》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》*4!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

《アームドナイト・ビリーバー》 ATK300→2300

 

「ザンブ、行くぜ!」

 

『・・・うむ』

 

大剣と化したザンブはどこか歯切れが悪い。

 

「何を考えているか想像はつく。ただ、俺が言えるのは・・・あいつらを倒さないと俺達に未来はないって事だ!」

 

『・・・』

 

そうして俺は《キメラ・テラー》へとフェイタルブレードを構える。

 

「バトルだ!《テクノロギア・ファイター》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

【Effect Summon】【Effect Summon】

 

 

《妖仙獣 大幽谷響》(レベル6 DEF?)、それも2体。

このカードは攻撃してきたモンスターの元々の攻撃力と同じになるが、相手が悪かったな。《テクノロギア・マテリアル》の効果でテクノロギア達の攻撃力は常に更新される。

 

「《テクノロギア・ファイター》で《妖仙獣 大幽谷響》(DEF?→2000)に攻撃」

 

機械拳士の右ストレートで1体目の暗い靄は霧散する。

 

「いくぜ!」『おう!』

 

【Player Attack!】

 

大幽谷響に肉薄し、斜めに切り落とす。プレイヤーはモンスターではないから、大幽谷響の守備力は0のままだ。

 

 

「《テクノロギア・ランサー》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

キメラテラー(ATK1000):LP3600→2200

 

「《炎天禍サンバーン》でダイレクトアタック!」

 

キメラテラー(ATK1000):LP2200→600

 

刺突に火炎弾、キメラテラーにダメージが蓄積されていく。

 

 

だが、

 

『『ガガガゥゥウウウダァァァアアア!』』

 

キメラテラーの身体中に張り付いていた口がベキベキと音をたて、動物の首や頭が伸びていく。

 

キメラテラーATK1000→2400

 

 

《キメラテラー》

プレイヤーカード ATK 1000

①:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができず、カードをセットできない。

②:自分のライフポイントが1000以下の場合、このカードの攻撃力は1400アップする。

 

攻撃力のアップ。第2形態って事か。

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド」

 

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000 手札0枚

場:《テクノロギア・ファイター》(ATK2000)、《テクノロギア・ランサー》(ATK2200)、《炎天禍サンバーン》(ATK2600)、セットカード2枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→2000(《ザンブレイド・ドラゴン》装備) ユナイトカウンター0個

 

《テクノロギアン・アーセナル》

フィールド魔法

①:このカードの発動時の効果処理として、「テクノロギア」モンスター1枚を手札に加える事ができる。

②:自分フィールド上のメインモンスターゾーンのモンスター2体を対象として発動する。そのモンスターの位置を入れ替える。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

③:?

 

 

「手札を使いきったか。まだまだ甘いな、私のターン!」

 

【Draw】

 

「《強欲で金満な壺》を発動。EXデッキからカードをランダムに6枚除外し、2枚引く!」

 

【Effect Draw!】

 

「リバースカードオープン《テクノロギアン・セキュリティ》*5を発動!《テクノロギア・ファイター》と《テクノロギア・ランサー》をリリース!」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「デッキより来たれ!アドバンス召喚!レベル8《テクノロギア・パイルバンカー》*6(DEF3000)!」(ビリーバー ユナイトカウンター0→1)

 

「デッキからアドバンス召喚とは面妖な。しかし、我が歩みは止まらない!《メガリス・アラトロン》にて儀式を執り行う!」

 

宝石を散りばめた天使の姿の石像が空中から舞い降りた。

 

【RITUAL SUMMON!】

 

「儀式召喚!降臨せよ!レベル2《メガリス・フール》(DEF2000)!その効果でレベルを8に変更し、《メガリス・ファレグ》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「そいつは!」

 

グレンが警戒するように声を上げる。

なるほど、メガリスデッキのパワーカードって事か。

 

「《テクノロギアン・リバイアル》を発動!墓地からレベル8《テクノロギア・コマンダー》(DEF2200)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター1→2)

 

《テクノロギアン・リバイバル》

永続罠

①:このカードの発動時の効果処理として自分の墓地から「テクノロギア」モンスター1体を選択して墓地から特殊召喚する事ができる。

②:1ターンに1度、自分のデッキの1番上のカードを墓地に送って発動する。ライフを200回復する。

 

 

「《テクノロギア・パイルバンカー》の効果が誘発する。《メガリス・フール》の縦列を全て墓地に送る!」

 

【Effect Bury!】

 

 

「妨害はこれで終わりか。ならば、この時を終の場としよう!《メガリス・アラトラン》で儀式を執り行う。儀式召喚!降臨せよ!レベル8《メガリス・ファレグ》(ATK2500)!《メガリス・ファレグ》が存在する限り、私の儀式モンスターは墓地のメガリスモンスター1体につき、攻撃力が300アップする!私の墓地のメガリスモンスターは16枚。即ち、《メガリス・ファレグ》攻撃力は・・・」

 

《メガリス・ファレグ》が手にした剣に岩石が吸い寄せられ、ビル程の巨大な剣になる。

 

 

《メガリス・ファレグ》ATK2500→7300

 

「攻撃力7300!妨害されて尚、ココまでのモンスターを出すなんて・・・。だからこそ解せない!何故、貴方と程の人がテラーに・・・!」

 

一瞬、シンと無音になる。

 

「・・・自らに目を背けていた者の末路だ。私が怪物と化したのは、数日前の事だ」

 

 

 

 

 

―――数日前、友灯神社

 

 

夕方・・・

 

 

本来ならば道場で修業をしていた弟子達が神社に戻ってくる時間だが、誰も戻ってきていない。

普段なら聞こえる喧噪がないこの静寂はいささか不気味に思える。

私は道場へと向かった―――――。

 

 

 

道場で私が目にしたのは、畳の床に倒れ伏す弟子達。

 

「神に仕え修行するデュエリストは求道者と聞いていましたが、実力も思いも期待外れですね」

 

その中心には、裾の長い深紅の執事服に身を包む長身の浮世離れした男。

彼は1人の女性、一番弟子の加納那由多(かのうなゆた)に視線を向ける。

 

「とりあえず、まだマシだった彼女を"テラー"にしましょうか」

 

胸ポケットから取り出したのは闇を凝縮したような禍々しい真っ黒なカード。

 

 

「貴様!私の弟子達に何をした!」

 

「おや?まだ人がいたのですか。彼女を弟子と呼ぶという事は、貴方が師範、道場主なのですね」

 

ゆるりと首をこちらに向けた男―否、魔人はその双眸で私を捉える。

その瞳孔は縦長で人間とは思えない。恐怖に全身が支配され金縛りに遭うかのような圧だ。

逆らうことなどできない絶対的捕食者だと本能が訴えるのだ。

それでも、と恐怖を抑え込み口を開く。

 

「か・・・彼女を離してくれ。私が彼女の代わりになろう」

 

「・・・いいでしょう。その願いを聞き入れましょう」

 

安堵するもつかの間、私の視界は暗闇に覆われた。

 

 

「グォオオオオオ!」

 

 

永遠に続くかのように思われた苦痛は前触れもなく引いた。

何事もなかったのではないかと、手のひらを見ると、岩の皮膚になっていた。

 

「なっ!」

 

後ずさり、縋る思いで稽古用の姿見を見ると、執事服の魔人と岩の怪人の姿が写っている。

 

これは・・・、

私・・・なのか・・・?

 

「《ハイテラー:ティタン》ですか。まさかこんな形で"ハイテラー"を作り出せるとは」

 

魔人が私へ1枚のカードを差し出す。そこに描かれていたのは今の私の姿。そして《ハイテラー:ティタン》の名。

 

「運が良いですね。通常のテラーになった場合は我を失います。そうなれば、あなたがこの周囲一帯を破壊していたことでしょう」

 

そう嘯く魔人に怒りがこみ上げる。

 

「貴様・・・!」

 

「ああ、そうそう。ハイテラーに至る条件が分かってきましてね。独力でテラーに至れる程の大きな心の闇を持つ者に対して、先程の黒のカード、"テラーローダー"を使うことでハイテラーへと至ります」

 

「・・・」

 

「つまりあなたはそれ程の心の闇を抱えている筈なのですが、どのようなものでしょうかねぇ」

 

大地輪廻流を修めた私に心の闇など・・・。

 

ゾワッと心の奥か暗いものがあふれ出てくる。

 

『何故、次男の私がこの神社を・・・』

 

大成(たいせい)では、この家を任せられないでしょ・・・!』

 

何故、チームを抜けなければならないのか・・・

 

『実家の都合なら、しょうがないよな・・・』

 

『俺達じゃ、ユニティガーディアンやアトリビュートには届かないよな・・・』

 

何故、己の力不足を見つめない・・・!

 

 

何故、何故・・・。

 

 

「ナゼだぁアアアア!」

 

「やはり、相応の闇を抱えていますね。では《ハイテラー:ティタン》よ、これより先は私の下で力を奮いなさい。貴方の望みの成就は私が保証しましょう。この・・・」

 

 

マスターテラー 獄炎のブレイウルスが。

 

 

 

―――――

 

 

「そんな事が・・・だけど!」

 

「貴様にも、誰にも否定できまい。このただの自業自得を、墜ちた私を。私のこの感情を・・・!怒りを!」

 

ティタンの下に暗黒の闘気が収束していく。

 

「はぁあああああ!墓地の《古代の壺》2体と《メガリス・オク》を3体除外して、レベル8《ブロックドラゴン》(DEF3000)を特殊召喚」

 

《メガリス・ファレグ》ATK7300→6700

 

ファレグの攻撃力を削ってまで《ブロックドラゴン》を出した。何を考えている。

「《ユナイトウィッシュ》を発動!ユナイトカウンターを2個追加!」(ティタン ユナイトカウンター1→3)

 

【Effect Get 2 unite counters】

 

かつて、ジンさんが話した言葉を思い出す。

 

 

―――ハイテラーは、ユナイトイクイップも使いこなす。―――

 

 

「私はレベル8の《ブロックドラゴン》と3つのユナイトカウンターでコーリング!」

 

【Accept 3 Unite Counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が心の闇!《デア・ガイアス》(装備ATK+?)!」

 

 

【UNITE EQUIP!GAIAS IDEA!】

 

それは、真っ黒な岩石の装甲。ティタンの溢れ出る心の闇が具現化したかのよう。

 

It's terrible!

 

しかも追加音声とか絶対にヤバ代物だ。

 

 

「私の攻撃力は墓地のモンスターの1枚につき、200ポイント攻撃力がアップする。私の墓地のモンスターは20体」

 

《ハイテラー:ティタン》ATK700→4300

《メガリス・ファレグ》ATK6100→6400

 

 

《デス・ガイアス》

レベル10地属性岩石族・ユナイト・効果ATK3000 DEF3000/装備ATK+?

レベル8モンスター+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:?

ユナイト効果

このカードは元々の攻撃力が700以上の「テラー」プレイヤーカードにのみ装備できる。

①:プレイヤーの攻撃力は、自分の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

②:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合に発動する。そのモンスターは表側攻撃表示になる。

③:装備プレイヤーは、効果ダメージを受けない。

 

 

「ますい!《テクノロギアン・アーセナル》の効果で《テクノロギア・パイルバンカー》と《テクノロギア・コマンダー》の位置を入れ替える」

 

【Effect】

 

「《テクノロギアン・リバイバル》の効果でデッキの1番上のカードを墓地に送ってライフを200回復する!それにより、《テクノロギア・コマンダー》の誘発効果で1枚ドローし、フィールド上のモンスターの攻撃力を700アップする」

 

 

【Effect 200 Life recovery】

【Effect Draw & Attack plus!】

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2700→3400

《テクノロギア・パイルバンカー》ATK2400→3100

《炎天禍サンバーン》ATK2600→3300

アームドナイト ビリーバー(遊士)LP4000→4200

 

「攻撃開始!《メガリス・ファレグ》で《炎天禍サンバーン》を攻撃!」

 

《メガリス・ファレグ》が手にした巨大剣が振り下ろされる。そのまま振り下ろされれば、俺達も攻撃の巻き沿いになる。

 

「ビリーバー!」

 

「グレン、ありがたく使わせてもらう!《ユナイトチャーム》*7を発動。このターンのダメージを半減させる!更にユナイトカウンターを1つ得る!」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

《炎天禍サンバーン》の周囲にバリアを纏って、迫り来る巨大な建造物と化した剣を抑え込んだ。

 

「ぐぅううう!」

 

アームドナイト ビリーバー(遊士)LP4000→2100

 

 

「我が怒りの一撃を喰らえ!《テクノロギア・パイルバンカー》を攻撃!」

 

【Player Attack!】

 

「《テクノロギア・ランサー》が攻撃表示に!」

 

「《デス・ガイアス》を装備した私との戦闘では守備表示は許されない!」

 

機械兵士のがら空きの胴をティタンの拳が貫いた。

 

アームドナイト ビリーバー(遊士)LP2100→1100

 

「フゥウウウ・・・。これで私のターンは終了だ」

 

【Turn End】

 

 

ハイテラー:ティタン

LP1800 手札0枚

場:《メガリス・ファレグ》(ATK6400)、

プレイヤーカード:《ハイテラー:ティタン》ATK4300(《デス・ガイアス》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

「貴方の苦しみは俺が決着をつける!俺のターン!」

 

【Draw】

 

「ビリーバー、使わせてもらうぜ。《テクノロギアン・リバイバル》の効果を発動。デッキの1番上のカードを墓地に送り、ライフを200回復する」

 

【Effect 200 Life recovery】

 

アームドナイト グレン(遼一)LP3100→3300

 

「《テクノロギア・コマンダー》の効果が誘発。カードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力を700アップ」

 

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギア・パイルバンカー》ATK2200→2900

 

【Effect Draw & Attack plus】

 

「カードを1枚セットし、《火舞太刀》(レベル4 ATK1700)を召喚」

 

【Summon】

 

「《炎王炎環》を発動。《火舞太刀》を破壊し、墓地から《ヴォルカニック・エッジ》(DEF500)を特殊召喚」(グレン ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect Summon】

 

「破壊された《火舞太刀》の効果で《メガリス・ファレグ》を破壊!更に500ダメージを与える」

 

【Effect Select 1 Card:Destroy! & 500 damages!】

 

《ハイテラー:ティタン》ATK4300→4500

 

「だが、《デス・ガイアス》の効果で私は効果ダメージを受けない!」

 

効果ダメージを無効にするのか。厄介だな。

 

「魔法カード《炎風招来》を発動。自分フィールド上に炎属性モンスターが存在する場合、デッキからそのモンスターと同じレベルの風属性モンスターを効果を無効にして、特殊召喚する」

 

【Effect Summon】

 

《炎風招来》

通常魔法

①:以下の効果からいずれか1つの効果を選んで発動する。自分の墓地に「炎風」カードが3種類以上存在する場合は2つ選択できる。

●自分フィールド上に炎属性モンスターが存在する場合、デッキからそのモンスターと同じレベルの風属性モンスターを効果を無効にして、特殊召喚する。

●自分フィールド上に風属性モンスターが存在する場合、デッキからそのモンスターと同じレベルの炎属性モンスターを効果を無効にして、特殊召喚する。

 

 

「《霞の谷のファルコン》(レベル4 ATK2000)を特殊召喚。速攻魔法《ユナイトチャージ》*8を発動。これでユナイトカウンターは3個!」(グレン ユナイトカウンター0→3)

 

【Effect Get 1 unite counters】

 

「俺は《ヴォルカニック・エッジ》、《霞の谷のファルコン》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

天空へと吸いこまれる5つの光が魔法陣を描き出す。

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!陽光と共に舞い降りろ!レベル8《ミーティアル・ペガサス》(ATK2700)!」

 

黄緑の装甲を纏った朱鷺色の天馬が、天空から大地に降り立った。

 

『今こそ決着の時!行くぞ!』

 

「《ミーティアル・ペガサス》・・・!」

 

「カードを1枚セット。《ミーティアル・ペガサス》で攻撃!」

 

《ミーティアル・ペガサス》は天高く舞い上がる。

 

【Attack!Burning Charge!】

 

「《ミーティアル・ペガサス》はユナイト召喚したターン、攻撃力が2倍になる!」

 

背中の装甲から爆炎がロケットのように噴出される。その様はまるで流星。

 

 

《ミーティアル・ペガサス》

レベル8炎属性獣族・ユナイト・効果ATK2700DEF1500/装備ATK+2200

炎属性モンスターまたは風属性モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカードは風属性モンスターとしても扱う。

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:このカードが特殊召喚に成功したターンのバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は2倍になる。

②:このカードは自分のターン中、相手の魔法・罠・モンスター効果を受けない。

ユナイト効果

①:?

 

 

 

《ミーティアル・ペガサス》ATK2700→5400

 

 

 

 

ティタンは腕を交差させ防御姿勢をとるも、強烈な衝撃が彼を襲う。

 

 

「ガァアアア!!」

 

ハイテラー:ティタンLP1800→900

 

白煙の痕には片膝をついていたティタンの姿。

ガイアスイデアの鎧も解除されている。

 

「馬鹿な。全てを捨てた私に何故ここまでの差がつく・・・!」

 

「バックもなしに《ミーティアル・ペガサス》の召喚を許したのが貴方の敗因だ。ビリーバーが追い詰めたお陰だ」

 

「仲間の、差か・・・!」

 

ティタンはこちらを見やる。

その瞳に写るのは後悔か、悲哀か、それとも・・・。

 

 

「《テクノロギア・コマンダー》で攻撃!」

 

【LAST ATTACK!】

 

 

「・・・無念」

 

ハイテラー:ティタンLP900→0

 

 

煙が晴れるように、ティタンは人の姿に戻る。どこか憑き物が落ちたようなそんな表情。

 

「だが私もデュエリストの端くれ。立場はどうあれチームの勝利に尽くす。これが大地輪廻流!」

 

最終奥義! 相承之芽吹き!

 

 

何をした!?

ティタンは倒した筈。ライフも戦意もない。

 

いや待て!

これはタッグデュエルだ!

 

 

【Draw】

 

 

『『ヴォオオオオオ!』』

 

キメラテラーの咆哮が虚空へ響く。

 

 

 

【UNITE EQUIP!GAIAS IDEA!】

 

 

それは新たに手に入れる力に対しての歓喜の雄叫び。

 

 

 

It's terrible!

 

 

 

《キメラテラー》ATK2400→8000

 

 

 

アイツがパワーアップするのかよ。

 

 

 

 

《デス・ガイアス》

レベル10地属性岩石族・ユナイト・効果ATK3000 DEF3000/装備ATK+?

レベル8モンスター+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが自分のターンのドローフェイズ時に墓地に存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札を全て捨て、このカードをプレイヤーに装備できる。このターン、あなたは他のカードをプレイできない。

ユナイト効果

このカードは元々の攻撃力が700以上の「テラー」プレイヤーカードにのみ装備できる。

①:プレイヤーの攻撃力は、自分の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

②:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合に発動する。そのモンスターは表側攻撃表示になる。

③:装備プレイヤーは、効果ダメージを受けない。

*1

《テクノロギア・サーベルタイガー》

レベル4光属性獣族・効果ATK1800DEF1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか、発動する事ができない。

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、

手札またはデッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

*2
《テクノロギア・マテリアル》

光属性雷族・効果ATK100DEF100

このカードはEXデッキからモンスターを特殊召喚するための素材にできない。

①:自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が100ポイントアップする。

*3
《テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

*4
《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

*5
《テクノロギアン・セキュリティ》

永続罠

①:1ターンに1度、手札またはデッキからレベル5以上の「テクノロギア」モンスター1体を召喚する事ができる。

②:1ターンに1度、このカードと同じ縦列の「テクノロギア」モンスター1体を対象とするカードが発動した時、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。

*6
《テクノロギア・パイルバンカー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2400DEF3000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の墓地に《テクノロギア・マテリアル》2体以上存在する場合、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、相手フィールド上の縦列を選択して発動する事ができる。それらのカードを墓地に送る。

*7
《ユナイトチャーム》

通常罠

(1):プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個乗せ、このターン受けるダメージを半分にする。

*8
《ユナイト・チャージ》

速攻魔法

①プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。相手フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合、ターン終了時にデッキから《ユナイト・チャージ》1枚を選択して、手札に加える。




グレンのデッキは炎+風属性でした。
炎を風で広げ、広範囲を燃やすイメージです。
ティタンは岩石をメインにして、由緒ある神主の家系で儀式を入れたかったので【メガリス】になりました。
儀式が在府市で日の目を見ているのは5割位、かずみんのお陰です。


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21話 真のデュエルフェスタ

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
超熱血球児ニルさん、お気に入り登録ありがとうございます。



 

【UNITE EQUIP!GAIAS IDEA! It's terrible!】

 

 

キメラテラーに小型の岩石が次々と着弾するかのようにガイアス・イデアが装着されていく。

 

 

《デス・ガイアス》

レベル10地属性岩石族・ユナイト・効果ATK3000 DEF3000/装備ATK+?

レベル8モンスター+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが自分のターンのドローフェイズ時に墓地に存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札を1枚捨て、このカードをプレイヤーに装備できる。このターン、他のカードをプレイできない。

ユナイト効果

このカードは元々の攻撃力が700以上の「テラー」プレイヤーカードにのみ装備できる。

①:プレイヤーの攻撃力は、自分の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

②:装備プレイヤーは、効果ダメージを受けない。

 

 

《キメラテラー》ATK2400→8000

 

『『ァァアアア!コォノチカラデェェエエ、アイツラァァニィィフクシュウヲヲヲ!』』

 

喋った!? この声どこかで・・・。

 

 

「《テクノロギアン・リバイバル》の効果でデッキトップを墓地に送り、ライフを200回復。これにより、《テクノロギア・コマンダー》の効果で自分フィールド上のモンスターの攻撃力は700アップし、1枚ドロー!」

 

【Effect Life Recover】

【Effect Draw & Attack Plus!】

 

《ミーティアル・ペガサス》ATK2700→3400

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

アームドナイト グレン(遼一)LP3300→3500

 

 

「ビリーバー!さっきから言いたかったが往復2枚ドローに攻撃力アップって、やっぱりこの2枚のコンボ性能おかしいだろ!」

 

「そんな事言っている場合かよ!」

 

ヤケクソみたいな感じで、そんな事を宣うグレン。

俺も内心、コマンダーのアド獲得能力はヤバいとは思っていたけどさ。もっと性能がおかしいカードがまだあるから、感覚がマヒしているけど。

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

獣とも岩石とも付かなくなったキメラテラーは《ミーティアル・ペガサス》に突撃していく。ただの体当たりだが、その圧倒的な膂力から生み出される質量と硬度は超弩級の砲弾。ライフも一撃で消し飛ぶ。

 

『『チィィイィイムケモノォオオミチィィィイ、バァァァンザァァァイ!!』』

 

チーム獣道!?まさかアイツ等、合体してテラーになったのか!?

 

「チャンスの後にはピンチってのは、よぉく分かってんだ!リバースカード《ユナイト・ブースト》!《ミーティアル・ペガサス》の攻撃力を1200アップする!」 (グレン ユナイトカウンター0→1)

 

《ミーティアル・ペガサス》ATK3400→4600

 

 

《ユナイト・ブースト》

通常罠

自分フィールドのモンスター1体までを選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は1200アップし、ユナイトカウンターを1個のせる。

 

 

『ぬぉおおお!』

 

《ミーティアル・ペガサス》は巨大な質量で押し潰され、砕け散った。

 

アームドナイト グレンLP3700→100

 

「何とか耐えれたぜ!後は頼んだぜ、ビリーバー!」

 

俺に向かってサムズアップするグレン。

やっぱり何か距離感が近くなっているよな。

 

【Turn End】

 

キメラテラー

LP600 手札0枚

場:なし

プレイヤーカード:《キメラテラー》ATK7600(《デス・ガイアス》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

グレンに任されたが、正直アドバンテージは完全にコチラ側なんだよな。

キメラテラーもティタンも決着を焦り過ぎた。

だから俺はこうして潤沢な戦況で戦える。

 

「《テクノロギア・オックス》を召喚。デッキトップを墓地に送り、効果で《テクノロギア・マテリアル》を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4→5)

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

デュエルディスクを滑らせるように触れ、5つのユナイトカウンターを解放すると、銀色のオーラがフィールドに迸る。

 

 

【Player Effect】

 

【Invalid All Card!】

 

《キメラテラー》ATK8000→2400

 

シュゥー、と黒い煙がキメラテラーの岩石の鎧から上がる。

《アームドナイト ビリーバー》のプレイヤー効果の光は、相手のカードの効果をすべて無効にする。

怪物は急激に力を失い首を垂れ、沈黙する。

 

 

【Double Up!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→4600

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

キメラテラーは、もはや銀の極光から逃れる術はない。

 

 

『『ガァアァアアァァアアア!!』』

 

 

キメラテラーLP600→0

 

 

キメラテラーは黒い瘴気を上げながら崩れ落ちた。中からは7.8人ほどの男性達の姿が露わになる。

 

 

グレン―赤石さんは人間に戻ったティタンへと駆け寄っていた。

 

「岩崎さん、大丈夫ですか」

 

「う・・・」

 

意識は朦朧としているが、命に別状はなさそうだ。

一安心と思っていたのも束の間―――――

 

 

パチパチパチ

 

 

―――――乾いた拍手の音がした。

 

 

「素晴らしいデュエルでした」

 

 

拍手の主は、真っ赤な執事服を着こなした男。その身にまとう圧倒的な威圧感。アイツは・・・!

 

「お前は、まさか!マスターテラー!」

 

 

「お初お目にかかります。ブレイウルスと申します。ああ、そんなに気を張らなくても大丈夫ですよ。私はコレを回収しに来ただけですから」

 

 

《デス・ガイアス》

 

 

「そのカードは、ティタンの・・・」

 

「ええ、彼の働きは予想以上でした。ハイテラーに至るだけでなく、《デス・ガイアス》まで呼び起こすとは。全く期待していなかったのですけどねぇ。これだから人間というものは興味が尽きません」

 

クツクツと妖しく三日月のように顔を歪める。

 

「テメェ!」

 

「フフ。私ばかりを気にしていいのですか」

 

遠くで一般の人達のざわめきが響く。

アームドナイトは聴力まで強化されているのだ。

 

 

「では、また会う日まで」

 

ブレイウルスは恭しく一礼すると、闇に溶けて消えていった。

 

「俺もココにいるのはマズいな」

 

「ちょっと待て、ビリーバー!」

 

フェイタルブレードを輝かせて目くらまし。

俺もこの場を離脱した。

 

 

今回のテラー襲撃事件は初めて公にテラーが白日の元に晒されることになった。

この時の出来事が大きな流れにつながっていくことは俺は知る由もなかった。

 

 

 

――――――――――

 

 

結局、事故調査の名目で屋台や交流会は全て中止となった。

そこで俺達、チームA.ギートの面々は翔太の家、洋食屋TOBEに向かうことになった。

 

 

―洋食屋TOBEー

 

「何か、スゴイことになっちゃったな。怪人?とかも現れたってSNSで報告があったし」

 

沈黙を破ったのは翔太。

 

「ウワサだと思うけどなぁ」

 

俺はどうかなぁ、とやんわり否定するも悟は異を唱える。

 

「まぁでも、あの爆発はガチであったしなぁ」

 

「デュエルフェスタ自体が中止になる可能性もあるだろうな」

 

「それは1番嫌なパターンだぜ、正志。だからこうして、白砂カンパニー社長の記者会見を待って訳なんだけどさ」

 

「あ、来たぞ」

 

テレビ画面は丁度、会見席に座る青のメッシュが入った黒髪の男性―白砂幾星社長を写し出したところだった。

 

 

―――――

 

 

『白砂社長、今回の爆発事件についてお伺いします。何が原因で起きたのでしょうか。怪物もいたという情報も挙がっておりますが』

 

この場においても微笑みを称えていた白砂社長の顔がアップになる。

 

『まずは、この場で皆様を驚かせてしまった事をお詫びさせていただきます。実はアレは私どもが企画したゲリラショーの一環なんです』

 

予想外の返答に唖然となる報道陣。

当事者の俺としては無理があるだろ、と思わざるを得ない。

 

『ですが、あの爆発は・・・』

 

『お恥ずかしながら使用する火薬の量が多すぎました。改めて、お詫び申し上げます』

 

 

しばらく、記者とのやり取りが続き、最後にこう宣言した。

 

 

『ですので、デュエルフェスタ2日目は予定通り行わせていただきます』

 

それを聞いた悟と翔太はめっちゃ、盛り上がっていた。

 

 

―――――

 

―ユニティガーディアン・司令室―

 

先程まで中央スクリーンに白砂社長の記者会見の様子が映し出されていて、ユニティガーディアンのメンバー全員が集まって放送を見ていた。

 

「俺が言うのもなんだけど、理由付けが強引じゃねぇ?特撮のゲリライベントって・・・」

 

「あはは。父らしいですよね」

 

そんな理由でいいのかと、半笑いの遼一にアイナは苦笑いする。

しかし冷ややかな目線で遼一を睨むのは真面目系メイドのソウ。

 

「主人への侮辱ととってもよろしいでしょうか。それに貴方とビリーバーがRAJ空間に引き込めなかったのが全ての原因ではないですか」

 

「スミマセン。全て俺の至らなさです」

 

あまりの圧に遼一は条件反射で謝る。

 

「マスターテラーが相手だ。こうなる可能性も充分に予見できた。重要なのはテラーの存在がどれ程まで『認識』されてしまったかと言うことだ」

 

片桐局長の口は重々しい。今までマスターテラーは表立って活動してこなかった。

唯一の例外はユニティガーディアン襲撃事件の時のみ。

そもそも、テラーがスタジアムの近くに出現したことも例外だ。

テラーの出現にはある程度、マイナスの感情が周りに充満している必要がある。

スタジアムでは人々の熱狂というプラスの感情で満たされているため、本来は出現しないのだ。

今回は会場から少し離れた場所での出現だったため、隙をついたともとれるわけだ。

 

「大会をキャンセルする、というのはテラーの存在を暗に認めると一部の層は思うだろうね。逆に、このまま何事もなく大会が終われば、みんなすぐに忘れてくれると思うよ」

 

翼の補足に片桐は頷き、言葉を続ける。

 

「白砂社長には随分と普段をかけてしまったな。あの方の言葉には不思議と人々を信用させる力がある。少しでも皆がテラーの存在をイベントだと思ってくれればよいのだが・・・」

 

 

 

―――――

 

 

―デュエルフェスタ2日目―

 

遊士達はアイナ先輩からもらったチケットでチーム ユニティガーディアンとチームアトリビュートの試合が行われる第1スタジアムに来ていた。

満員の観客席でも見渡しの良い。流石はAランク席といったところだ。

スタジアムのメインスクリーンにMCザックが映し出された。

 

「お待たせしました。いよいよ選手の入場だー!」

 

うぉおおおー!

 

歓声に呼応するように、スタジアムのボルテージも更に上がっていく。

 

 

「まずは、チーム アトリビュート!一昨年、彗星のごとく現れたこのチーム!昨年の優勝決定戦ではチーム ユニティガーディアン大健闘を見せた!今年こそは悲願達成なるかー!」

 

スタジアムの東側からスモークが噴出する。そこから表れたのはチーム アトリビュート。彼女達は客席に向かって手を振っている。今回はマコトさんもいる。

 

「続いては、押しも押されぬNo,1チーム。もはや説明は不要!チーム ユニティガーディアン!」

 

反対側からは、チーム ユニティガーディアンのメンバー、片桐コーチ達もいる。彼らは手は振るものの、ピリピリしている。アトリビュートとは対照的である。

 

竜虎相搏つ、頂上決戦の様相。会場の熱気も最高潮に。

MCザックもその熱気を受け、万感の思いで試合開始の宣言に入る。

 

 

 

「さあ、いよいよ試合開s・・・ん」

 

 

何かに気付いたように、ザックは後ろを振り向く。

試合開始を目前に虚を突かれる観客達。

 

 

 

 

「・・・ボーイ(子供)?ここは放送室だぞ?・・・うわぁ!?」

 

スクリーンに大慌てで逃げ惑うスタッフ達が映る。

光の歯車が放送室をひゅんひゅんと飛び交っていた。

一体、何があったのか、ソリッドビジョンを使ったショーの一環か、はたまた本物の怪人か、観客席ではざわめきが走る。

 

 

「あーあーテステス。みんな、こんにちはー。デュエルフェスタは楽しんでいるかな?」

 

あの子供は何者だ!

もしかして本当に!?

観客席から次々と大声が上がっていく。

 

 

「でもボクは思うんだ。もっとスリルがあれば、このお祭りは楽しくなるって。みんな、出て来てー♪」

 

 

ブゥン!

 

 

『『『ガァアアアアア!』』』

 

ストリアが翳した手が輝くと、紫色の長方形の半透明の膜―ゲート2つがスタジアムに出現した。

中から10体以上のテラーがスタジアムへと降り立った。

更にその影からテラーミニオンズ達も湧いてくる。

 

「うわ、こっちに来るぞ!」

 

何体かは観客席へと突進しようとしていた。

着ぐるみにしてはテラーの姿はあまりにも生々しい。

現実離れした状況。しかし生物めいたテラーの生々しさ、これが現実であるのだとまざまざと感じさせる。

観客たちが恐慌状態に陥るのには十分すぎる程だった。恐怖の感情そのものがテラーが求め、テラーの力を上昇させるのだ。

 

 

「楽しくなってきたでしょ。ここからが真のデュエルフェスタの開幕だよ♪」

 

 

 

―――――

 

 

「馬鹿な!何故、出現を探知できなかった!いや、この数か月のテラーの不自然な出現はヤツの能力か!」

 

『恐らくは。12体ものテラーと38体のテラーミニオンズがこの瞬間に出現しました!』

 

コーチ席の片桐コーチ(局長)は司令室に通信をつないで、問いただす。

そこに、そういえばと翼が顎に手を当て、思案する。

 

「ここ最近、出現したテラーの反応が急に消失することが何度かありましたね。確か最初は3ヶ月程前からでしたっけ」

 

「ストリアの能力によるものだろうな。3ヶ月前というと、ビリーバーが現れてからだな」

 

ハイテラー:ストリアにザンブレイド・ドラゴン、ビリーバーは事態の中心にいるようだ。

 

「はい。ストリアの件といい、ビリーバーには何か関係、『因果』があるかもしれませんね」

 

「『因果』か。なんにせよ我々ができることは、市民の安全の確保だ!」

 

片桐と翼は、ハクア達へ指示を出しながら、アトリビュートのメンバーを安全な場所へ避難すべく、彼女たちの下へ向かった。

 

 

―――

 

 

「何て数のテラー!」

 

大勢の助けを求める声がスタジアム中を埋め尽くす。

私は『アームドナイト ハクア』に変身してテラーの侵攻を食い止める。

ジンさんと赤石さんは観客席のテラーの迎撃とストリアの打倒に向かっているが、あまりの数に手間取っているようだった。

せめてもう1人いれば・・・。

だが、試合会場内のテラーの数は多い。

今にも選手達に飛びかかろうとしているテラーの集団が視界に入る。

 

【Feather Ray!】

 

背中に生やした翼から幾重の光線がテラー達を刺し穿つ。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ」

 

ソウとハンはメイド流柔術でミニオンズを転倒させているようだ。相変わらず、流石の手際です。

ココにはアトリビュートの方達も合わせて、8人いる。

 

「マコトちゃんがいない!」

 

どうしようとナツメさんはオロオロする。

はぐれてしまったのか、と辺りを見渡す。

 

「みんなこっちだよ!」

 

マコトさんは既に選手通用口で私達を呼んでいた。いつの間に。

 

「コッチには怪人はいないみたいだよ。後、謎の特殊部隊の人達もいるよ」

 

ユニティガーディアンのサポート部隊だ。

入り口までの安全は確保できているとの声が聞こえてきた。

これなら、無事に避難できそうだ。後は観客の安全の確保、そしてストリアの討伐!

奴がいる放送席までのルートを探っていると、銀の戦士、ビリーバーの姿が見えた。

どうしてここに!?

 

 

―――――

 

少し前―――、

 

 

『あーあー、テステス』

 

やっぱり来たか。最も盛り上がるタイミングに来ると思ったぜ。

 

「俺、ちょっと洗面所に行ってくるわ」

 

「エ、そのタイミングで行くのか!?」

 

みんな唖然とした様子だ。

異常事態なのにどこかに行こうとするとか、普通に考えたら非常識だろうけど・・・。

俺としては今の内にアームドナイトになっておかないと、タイミングを逃しちゃうからな。

すぐに戻ると言って、スタジアムの観客席入り口の奥まで行き、デュエルディスクを起動する。

 

 

【Duel Disc Stand by・・・Set Player Card】

 

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

変身してスタジアムに戻るとテラーが観客達を襲おうとしているところだった。悟達もいる。

 

「させるか!」

 

【FATAL BLADE!】

 

跳躍して、上段から切りつける。

危なかった。間に合ってよかった。

 

「助かったー。ありがとうございます」

 

「早く、行くぞ」

 

「ああ」

 

ストリアがいるのは放送席。ここから壁を伝えば30mってとこか。

だが、テラーミニオンズ達がすぐさま立ちふさがった。

 

『ええぃ、邪魔だ!』

 

 

中々放送室まで行けず、焦りが募っていく。

 

 

そこへ―――――、

 

 

 

火炎を纏ったキックがテラー達を焼き払う。それは炎のガンマン―アームドナイト グレン。

 

「ビリーバー、ここは任せろ!」

 

「グレン!」

 

グレンは俺の前壁を作るように立つと、テラーを銃撃。

そして、こう言い放った。

 

「大体の事情は聞いた。ここから先はお前が行け!」

 

「いいのか?」

 

俺はストリアの奴との繋がりを疑われているはずだ。寧ろ捕縛対象だと思う。

そんな疑念を余所にグレンは言葉を続ける。

 

「共にタッグを組んでデュエルして分かった。お前はテラー側じゃない。多分、アイツと因縁があるんだろ」

 

「・・・助かる」

 

 

ググっと屈み、放送席めがけて跳躍。

腕を交差させて、その窓へと飛び込んだ。

目を見開くストリアに向かって、フェイタルブレードを大上段から叩きつける。

 

「うわっ、ビックリしたー。危ないじゃないか、遊士」

 

ヤツはヒョイと避ける。放送席の一部が破壊されるが、狙い通り。

本当の狙いはマイクだ。アイツが何を口走るかわからないからな。

 

 

「ストリア、いや“テクノロギアマイスター ステイル”!お前を止めにきた!」

 

ストリアはスッと目を眇める。

 

「流石にバレちゃうか。そうだよ。ボクは”ステイル”さ。楽しんでくれた?ボクのデュエルフェスタを」

 

「は?あれだけの被害を出して何を言っているんだ?」

 

「うん。身近な人達に嫌な目に遭うと傷つくよね。だから、僕もそうしたんだ」

 

一体どういうことだ?アイツの言動の整合性がおかしい。

 

「だから何を言っている!」

 

「それなのにさ、遊士は新しい友達と楽しんじゃってさ。許せないよね。ボク達はあんな目に遭っているっていうのに」

 

その双眸には浮かぶのは怒り。

ゴォっとストリアから闇の波動が湧き起こると、服装が歯車を模した幾何学模様の魔法使い然としたローブに変わり、紫色の神と瞳が露わとなる。

見知った姿、《テクノロギアマイスター ステイル》の姿だ。

ただし色が青から紫に変色している。

 

『むうぅ。なんという強い瘴気だ』

 

「遊士!完膚なきまでにキミを叩き潰す!」

 

ストリアの周囲に浮遊した無数の光の歯車(ギア)が襲い掛かる。歯車が通った後は地形が削り取られる。アームドナイトの鎧でもタダじゃすまないはずだ。

 

ダンダンダン!

 

「デュエリストは背を向けないんじゃなかったけ?それに逃げてばかりじゃ何も変わらないよ」

 

追尾する飛び道具相手だとこちらは不利。当然、ユナイトウェポンを装備する時間はない。

ここは壁や天井を足場にして歯車の隙間を縫って避けていく。

だが、手がないわけじゃない。クロスレンジまで持ち込む!

 

「くぅ!」

 

弧を描くように何とか接近に成功。ここまで近づけば歯車を細かく動かせないはずだ。

一瞬の虚を突いてパーカーを掴む。

 

「離せぇ!」

 

壁に向かって放してやるさ!

 

【RAJ SYSTEM WAKE UP!】

 

 

空間が反転する。回転した先にたどり着いたのは廃工場だ。

フィールド魔法の《テクノロギア・アーセナル》によく似ている。

 

 

「くっ、キミとの決着はやっぱりデュエルしかないみたいだね」

 

「お前に何があったのか、このデュエルで見極める!」

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

「【テクノロギア】じゃない・・・?」




大会の中断ってホビーアニメの華ですよね。


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22話 ビリーバーvsストリア

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

ビリーバーvsストリア戦がスタート。
前話の引きのテクノロギアを使わない遊士は、テクノロギアが初めて登場した8話のストリアを対比させてます。


 

―――――DUEL!―――――

 

 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

【Summon】

 

「【テクノロギア】じゃない・・・?バカにしているのか!」

 

俺が繰り出した子犬の剣士を見て、ストリアは苛立ちを隠しきれない。

 

 

「さあな。ただ、俺がデュエルに本気で取り組まない事があったか?」

 

「・・・」

 

「お前は俺を許せないと言ったが、そらはこっちも同じ事だ。俺はビートの効果で手札の《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル2 DEF2000)を特殊召喚」

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

 

「ビートの効果で《空牙団の英雄ラファール》をサーチ」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「ヘルマーの効果で《空牙団の伝令 フィロ》(レベル1 DEF0)を特殊召喚。手札の《空牙団の叡智 ウィズ》を捨てて、1枚ドロー」

 

【Effect Summon 1 Monster】 

【Effect Draw】

 

「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→3)

 

【Effect Summon 1 Monster】 

 

「フィロの効果で墓地から《空牙団の叡智 ウィズ》(レベル7 DEF2800)を特殊召喚。《空牙団の英雄 ラファール》の効果で《烏合の行進》を手札に加える」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect Summon 1 Monster】

【Effect Search 1 Card】

 

お馴染みの龍剣士ラファールに、口元を隠した踊り子風の魔導師ウィズ。これでモンスター、魔法罠に1回ずつカウンターができる。これが【テクノロギア】の怒涛の攻めを捌く第1手。

 

「俺はユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!レベル3!《ブレイズ・スロープ》(DEF1000)!」

 

《ブレイズ・スロープ》

レベル3炎属性獣戦士族・ユナイト・効果ATK1000 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン、自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター以外のモンスター効果を発動することができない。

ユナイト効果

①:?

 

炎の毛皮を持つ狼人間が廃工場へ降り立つ。これで俺の場には鳥獣族と獣戦士族モンスターがフィールドに揃う。

 

「マジックカード、《烏合の行進》を発動。自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターの種類までカードをドローできる!2枚ドロー!」

 

【Effect Draw】

 

「現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件はモンスター2体以上!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「ビート、ヘルマー、フィロそして、《ブレイズ・スロープ》でサーキットコンバイン!リンク召喚!来い、リンク4《召命の神弓-アポロウーサ》(ATK?→3200)!」

 

シロクマに跨った獣人の女狩人がフィールドに躍り出る。カウンター能力を持つ強力なカードだ。

ここからだ。手札から1枚を抜き出す。このカードを投入した事こそが俺が【テクノロギア】を使わなかった理由!

 

「永続魔法発動!《禁止令》!《テクノロギア・マテリアル》を宣言。お互いに《テクノロギア・マテリアル》をプレイできない!」

 

【Effect】

 

「対人メタァ!?そんなの卑怯じゃん!」

 

「俺がいつもメタカードを使っていたのは忘れたか!」

 

そもそも地下デュエルでの上位陣、六魔天とのデュエルは互いにメタカードを使用するのが日常茶飯事だった。

最も、メタカードだけでは止まらないからメタで相手のリソースを削るためだが。

【テクノロギア】の展開の大半は《テクノロギア・マテリアル》が軸だからな。

先の無効カード3枚で《禁止令》を守る算段だ。

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド」

 

【Turn End】

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000

手札3枚

場:《召命の神弓-アポロウーサ》ATK3200、《空牙団の英雄ラファール》ATK2800、《空牙団の叡智 ウィズ》DEF2800《禁止令》リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター2個

 

 

「ボクのターン、ドロー」

 

【Draw】

 

 

「《テクノロギア・マテリアル》と《テクノロギア・コマンダー》を捨て、《禁じられた一滴》を発動。《召命の神弓-アポロウーサ》と《空牙団の英雄 ラファール》のモンスター効果を無効にして攻撃力を半分にするよ」

 

【Effect Select 2 monsters:Invarid & Attack minus!】

 

《召命の神弓-アポロウーサ》ATK3200→0 効果無効

《空牙団の英雄 ラファール》 ATK2800→1400 効果無効

 

無効化できない効果無効カード!初手から引いてきたか。

 

「《テクノロギア・ワイルドキャット》(レベル4 ATK1700)を召喚」

 

【Summon Effect】

 

「ワイルドキャットの召喚時効果で《テクノロギア・マテリアル》を墓地に送るよ」

 

 

《テクノロギア・ワイルドキャット》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF500

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカード召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を墓地に送る。墓地に《テクノロギア・マテリアル》が3枚存在する場合、代わりに「テクノロギア」モンスター1体を墓地に送る。

 

「自分フィールド上にテクノロギアモンスターが存在するため、手札から《テクノロギア・ハウンド》(レベル3 DEF200)を特殊召喚」

 

【Summon】

 

 

《テクノロギア・ハウンド》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF500

このカード名の①と②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:自分フィールドに「テクノロギア」モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②:自分の墓地にこのカードと《テクノロギア・マテリアル》が存在する場合、墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を選択して、手札に戻す。

 

 

「現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件はテクノロギアモンスター1体!」

 

黄色のヤマネコが光球になって空中のリンクサーキットに吸い込まれていく。やっぱり使ってきたか、リンク召喚。

テクノロギアデッキにとって、リンクモンスターは生命線だ。

 

【LINK SUMMON!】

 

「《テクノロギア・ワイルドキャット》をリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!リンク召喚!我が身を写せ、リンク1《テクノロギアマイスター ステイル》(ATK500)!」

 

歯車模様のローブに青い髪の少年。ストリアのかつての姿だ。

 

『その姿!これがストリアのオリジンか』

 

「そうさ。これこそがボクの元々の姿だ」

 

「やはりヤツは精霊界の存在。精霊界でテラー化したという事か。貴様は実体のままこちらに来る程の高位精霊でもなさそうだからな」

 

傍にいる半透明のザンブは得心がいったように呟く。

それをハン、とストリアは鼻で笑う。

 

「噂通りプライドだけは高いみたいだね。キミの言う通りさ。ブレイウルスの奴がボクの所に来てテラー化させたからね」

 

ブレイウルス、あの底知れないテラーか。

 

「リンクモンスターのテラーが欲しかったみたいだよ。ゲートを開くのはリンクモンスターであるボクの固有能力だからね。ボクにとってはラッキーだったけどね。まさか遊士、こんなに早く、キミに会えるとは思っていなかったからさ。運命を感じたよ。さて、デュエルを続けるよ」

 

【Effect Search 1 monster】

 

「リンク召喚時のステイルの効果でデッキから《テクノロギア・マテリアル》1枚を手札に加えるよ」

 

 

《テクノロギアマイスター ステイル》

リンク1光属性サイキック族・リンクATK500 リンクマーカー:下

「テクノロギア」モンスター1体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキか墓地から《テクノロギア・マテリアル》1枚を手札に加える。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500ダウンする。

 

 

「再び現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件はトークン以外のモンスター2体!」

 

『連続リンク召喚か』

 

【LINK SUMMON!】

 

「《テクノロギアマイスター ステイル》と《テクノロギア・ワイルドキャット》をリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!リンク召喚!頼んだよ、姉々(ねぇねぇ)。リンク2《テクノロギアマイスター サクナ》(ATK1000)!」

 

ケープを羽織った薄水色のロングヘアの少女が無表情でフィールドに降り立つ。前はもう少し、アクションがあった気がするが・・・。

 

「サクナのリンク召喚時の効果で手札の《テクノロギア・マテリアル》を捨て、《テクノロギアン・デベロップメント》を手札に加えるよ」

 

 

このテクノロギアのリンクモンスター達の連続コンボこそがテクノロギアデッキの生命線。デッキのエンジンといっても過言ではない。しかもEXモンスターゾーンにあるから、最上級テクノロギアモンスターの効果の誘発も可能にする。

 

「《テクノロギアン・デベロップメント》*1を発動」

 

【Effect】

 

「させるか!手札の《空牙団の飛哨 リコン》を墓地に送り、《空牙団の叡智 ウィズ》の効果で《テクノロギアン・デベロップメント》の効果を無効にし、破壊する」

 

墓地の《テクノロギア・マテリアル》は3枚。完全蘇生カードはマズい。

 

【Chain Effect:Invalid!】

 

何とか阻止したが、これでは不十分か。ストリアの墓地を見やる。

 

「まだまだだね、遊士。ボクは墓地の《テクノロギア・ハウンド》の効果を発動。自分の墓地にカードが5枚以上存在するため、ハウンドを除外することで墓地から《テクノロギアン・デベロップメント》を手札に加えるよ」

 

【effect Bounce 1 Magic &Trap card】

 

「もう一度、《テクノロギアン・デベロップメント》を発動。墓地から《テクノロギア・コマンダー》(レベル8 ATK2800)*2を特殊召喚!」

 

【Effect Revive 1 monster】

 

「《テクノロギアマイスター サクナ》の効果を発動。《テクノロギアン・デベロップメント》の位置をサクナの下に移動」

 

【Effect】

 

《テクノロギアマイスター サクナ》

リンク2光属性サイキック族・リンクATK900 リンクマーカー:左・下

トークンでないモンスター2体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に手札を1枚捨て、自分の墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に戻す。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、自分の魔法・罠ゾーンのカード1枚を選択して発動する。そのカードを空いている魔法・罠カードゾーンに移動する。

 

 

「《テクノロギア・コマンダー》の効果が誘発。1枚ドローし、モンスターの攻撃力は700アップ!」

 

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

《テクノロギアマイスター サクナ》ATK900→1600

 

【Effect Draw & Attack plus!】

 

 

「《ハイテラー:ストリア》、ボク自身の効果で《テクノロギア・コマンダー》の位置を移動し、ユナイトカウンターを1個得る」(ハイテラー:ストリア*3 ユナイトカウンター0→1)

 

【Player Effect】

 

「バトル!《テクノロギア・コマンダー》で《召命の神弓-アポロウーサ》を攻撃」

 

【Attack!】

 

「リバースカード、《ユナイト・ブースト》*4!アポロウーサの攻撃力は1200アップ!」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

 

《召命の神弓-アポロウーサ》ATK0→1200

 

【Effect Attack Plus &Get 1 unite counter!】

 

「くっ!」

 

アームドナイト ビリーバー(遊士)LP4000→1700

 

「再び現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「《テクノロギアマイスター サクナ》と《テクノロギア・コマンダー》をリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!リンク召喚!お願いっ、兄々(にぃにぃ)。リンク3《テクノロギアマイスター クラフト》(ATK2200)!」

 

片目を髪で隠した深い青色の髪の青年が現れる。こちらも目に生気がない。マントのように羽織ったローブのはためかず、スパナが柄についた剣を構えることもない。まるで人形のようだ。

 

「やっぱり、クラフトもサクナも様子が変だ」

 

苛立しげな表情は悲しみを憂うような表情へと変わっていく。

 

「今更気づいたんだ。2人共、固まって動かなくなっちゃったんだよ。キミがボク達を捨ててからね」

 

精霊界での話か?俺としてはストリアーステイルが精霊だった事すら、当時は知らなかったが。

 

「俺が捨てた?皇さんにテクノロギアデッキを預けた時の事か?」

 

「そうだよ。今まで燦々と輝いていたテクノロギアの領土が、急に真っ暗になったんだから。にぃにぃとねぇねぇが調べたらカードの外の世界が真っ暗だったのが判ったんだ。建物の設備もまともに使えない状況で大変だったんだけど、それでもボクらはなんとか頑張ってきたんだ。あの日までは・・・」

 

 

―――――

 

 

あの日―――――、

 

 

クラフト(にぃ)とサクナ(ねぇ)は食料を探すと言って隣の都市に朝から出掛けていった、

最近はいつもの事だったから気にも留めていなかったが、2人は夜遅くになっても帰ってこない。

2人ともどこに行ったのかと思って、外へ探しに行った。そこでアイツと出会った。

 

「誰かお探しですか?」

 

紅い執事服の男の人―ブレイウルスに。

 

彼に兄と姉を探していることを伝えると、神妙な面持ちで頷きこう答えた。

 

「その特徴に合致している方は先程見ました。ご案内しましょう」

 

「本当?」

 

案内された先に2つの人影が見えた。

 

「クラフトにぃ!サクナねぇ!」

 

2人は道の脇に立っていた。

だが、蝋で塗り固めたように、ピタッと停止していた。

 

「そんな、どうして・・・」

 

「時の停止ですね。貴方にも覚えがあるでしょう。かつての輝きを失う世界を」

 

「2人はどうすれば元に戻るの?知っていることを教えてよ!」

 

グッと男に掴みかかる。絶対に何か知っているはずだと、直感が告げる。

男はフム、と頷き、考えるそぶりを見せる。

 

「こういった事象は原因を取り除くことが解決策です。何か思い当たることがありますか?」

 

「遊士がボク達を手に取らなくなった事?」

 

テクノロギアの領域は人間世界のデッキとつながっている事を伝える。

 

「なるほど。使い手が限られていて、最後に忘却されたパターンですね。つまり君達は捨てられた、という事ですね」

 

「ふざけるな!遊士がそんなことするわけがないじゃないか!」

 

「そうでしょうか?人間がデッキを手放す事はよくある事です。より強力なカードを求めるのは彼らのサガですよ」

 

アイツの口から出るのは毒物。聞きたくない言葉が聞こえてくる。

 

「そんな・・・」

 

「対策としては人間界で貴方達のデッキが再び陽の目を見ることができれば、解決に向かうでしょう。例えば、貴方が人間界へ向かいデッキを手に取るとか」

 

そっか、ボクが使えば・・・。でも・・・。

 

「でも、ボクは実体のまま人間界に行けないよ」

 

「1つだけ方法があります。試してみますか」

 

ボクの目の前には真っ黒なカードが差し出されていた・・・。

 

 

―――――

 

 

ストリアが語ったのは石化する兄と姉達。ブレイウルスとの邂逅。アイツ、ココでも暗躍していたのか。

 

 

「《テクノロギアマイスター クラフト》の効果を発動。《空牙団の英雄 ラファール》を破壊し、1枚ドロー」

 

クラフトの足元に魔法陣が展開され、その姿をかき消える。

瞬間、ラファールの背面に現れる魔法陣。その出現の気配に気づいて歴戦の竜剣士は後ろを振り向く。

振り向いたラファールの後ろには背を向けたクラフト。彼はチン、と剣を鞘に納める。

直後、ラファールだった粒子が宙を舞う。

 

 

《テクノロギアマイスター クラフト》

リンク3光属性サイキック族・リンクATK2200 リンクマーカー:上・下・右

効果モンスター2体以上

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に、相手フィールド上のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。また、自分の墓地に「テクノロギア」モンスターが5枚以上、存在する場合、デッキから1枚ドローする。

②:このカードが攻撃した攻撃宣言時に発動する。相手は罠カードを発動できず、相手ライフに800ポイントのダメージを与える。

 

 

【Effect Select 1 monsuter:Destoroy!】

【And Draw】

 

「カードを2枚セットして、ターンエンド」

 

【Turn End】

 

ハイテラー:ストリア

LP4000

手札0枚

場:《テクノロギアマイスター クラフト》ATK2200、《テクノロギア・コマンダー》ATK2400、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK0 ユナイトカウンター1個

*1
テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

*2
テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

カード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター2体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:自分の墓地のカードが8枚以上でこのカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の「テクノロギア」カードは1ターンに1度、効果で破壊されず、「テクノロギア」モンスターの戦闘で自分が受けるダメージは0になる。

*3
《ハイテラー:ストリア》

プレイヤーカード ATK0

①:1ターンに1度、自分のメインモンスターゾーンのモンスターの位置を並べ替え、このカードの上にユナイトカウンターを1個置き、そのモンスターの位置を任意の位置に移動する。自分の墓地にカードが8枚以上ある場合、この効果は相手ターンでも発動することができる。

②:自分は「テクノロギア」モンスター以外のモンスターをユナイト召喚することができない。

*4
《ユナイト・ブースト》

通常罠

自分フィールドのモンスター1体までを選択して、発動する。ターン終了時まで攻撃力は1000アップし、ユナイトカウンターを1個、得る。




チラブレイウルス。
テクノロギアなリンクモンスターは頭1つ抜けて強い設定になっています。

活動報告に当SSでのカードの使用制限等を書きましたので、良かったら見てください。


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23話 銀色の世界

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
ガガガサモナーさん、お気に入り登録ありがとうございます。
超融合 時空を越えた絆Ⅱの方のお気に入り登録もありがとうございます。


ハイテラー:ストリア

LP4000 手札0枚

場:《テクノロギアマイスター クラフト》ATK2200、《テクノロギア・コマンダー》ATK2400、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK0 ユナイトカウンター1個

 

――――――――――

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「罠カード《テクノロギアン・リバイブ》を発動。《テクノロギア・コマンダー》(レベル8 DEF2200)を守備表示で特殊召喚するよ」

 

【Effect Revive 1 monster】

 

 

《テクノロギアン・リバイブ》

通常罠

①:自分の墓地の「テクノロギア」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

②:?

 

 

「ユナイトカウンターを1つ取り除き、《ユナイト・ドロー》を発動。《空牙団の叡智 ウィズ》を除外し、2枚ドロー!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→2)

 

 

《ユナイト・ドロー》

通常魔法

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①:ユナイトカウンターを1つ取り除いて、発動する。フィールド上からモンスター1体を除外し、カードを2枚ドローする。

 

 

【Effect Draw】

 

「《鉄獣戦線(トライブリケート) ケラス》を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

ガスマスクをつけた鳥がフィールドに羽ばたいた。

この間カードショップSUMERAGIに行った時に、鉄獣戦線カードを手に入れた。俺がYo-Cityを出ていってから発売されたカードだ。共通効果の墓地リンク召喚効果が強力なシリーズである。

普通の効果モンスターは持ち込み制限はないから、良い強化になった。

 

「甘いよ!《ブレイクスルー・スキル》で《鉄獣戦線 ケラス》の効果を無効にするよ。《テクノロギア・コマンダー》の効果が誘発。カードを1枚ドローし、モンスターの攻撃力は700アップする!」

 

【Chain effect Select 1 monster:Invalid!】

【Effect Draw & Attack Plus!】

 

《テクノロギアマイスター クラフト》ATK2200→2900

 

「だが、これで妨害カードは墓地の種族が異なるモンスター3体を除外して、現れろレベル11《アークネメシス・エスカトス》(ATK3000)!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)

 

【Summon】

 

「エスカトス・・・!」

 

「《アークネメシス エスカトス》の効果。機械族モンスターを全て破壊する!次のターンまで機械族モンスターは特殊召喚できない!」

 

【Effect All Monsters Destroy!】

 

よし通った。デッキパワーを覆すにはより持続する妨害が重要だからな。下級テクノロギアにはカード除去能力はないからな。

 

「行くぜ!俺は《鉄獣戦線 ケラス》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!戦場で勝鬨を挙げる勇猛なる竜の牙! レベル8《ザンブレイド・ドラゴン》*1(ATK2500)!」

 

『行くぞ。奴との因縁はオレが断ち切る!』

 

「《アークネメシス エスカトス》で《テクノロギアマイスター クラフト》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

光線がクラフトを一瞬で消し炭にする。

 

「よくも、クラフトにぃを!」

 

ハイテラー:ストリアLP4000→3900

 

「《ザンブレイド・ドラゴン》でダイレクトアタック!」

 

『ウォーオオオ!』

【Attack!Tri Blade Charge!】

 

「うわぁ!」

 

ザンブの突進を受けてストリアは空中に放り出される。

 

ハイテラー:ストリアLP3900→1400

 

着地点の前に俺は拳を構える。

 

「ハァ!」《アームドナイト ビリーバー》ATK300

 

渾身のストレート。

しかし、ヒラリと着地したストリアが展開した歯車型の障壁に阻まれてしまう。

 

【Player Attack!】

 

「ぐっ!」

 

ハイテラー:ストリアLP1400→1100

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

【Turn End!】

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP1700

手札2枚

場:《アークネメシス エスカトス》ATK3000、《ザンブレイド・ドラゴン》ATK2500、《禁止令》リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター0個

 

 

 

 

「ボクのターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

「永続魔法《テクノロギアン・デベロップメント》を発動。墓地から《テクノロギアマイスター クラフト》(リンク3 ATK2400)を特殊召喚!」

 

【Effect Summon】

 

 

「《テクノロギア・リユース》*2を発動。墓地の《テクノロギア・マテリアル》の数までテクノロギアモンスターを手札に戻す。墓地から《テクノロギアマイスター ステイル》、《テクノロギア・ワイルドキャット》と《テクノロギアマイスター サクナ》を手札とEXデッキに戻す」

 

「《テクノロギア・ハウンド》を特殊召喚」

 

【Summon】

 

「ボク自身の効果で《テクノロギア・ハウンド》の位置を移動し、ユナイトカウンターを1個得る」(ハイテラー:ストリア ユナイトカウンター1→2)」

 

「《テクノロギア・ワイルドキャット》を召喚。デッキから《テクノロギア・ランサー》を墓地に送るよ」

 

【Summon】

【Effect】

 

「現われろ、歴史を刻むサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!《テクノロギアマイスター クラフト》と《テクノロギア・ワイルドキャット》をリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!」

 

サーキットに4つの光点が輝く。ここで来るのはあのカードしかいない。

脳裏には歯車の龍がフラッシュバックする。

 

 

【LINK SUMMON!】

 

「天工機巧の頂点たる竜の姿を見よ!リンク召喚!リンク4!《ハイテクノロギア・ファーヴリル》(ATK3000)!」

 

 

ゴァアアア!

 

 

「やはり、ファーヴリル・・・!」

 

 

歯車の鱗を持つ黄土色のドラゴンが咆哮する。

アドバンテージ確保能力、耐性、攻撃力、それら全てが優れたトータルバランスを持つ強力無比なかつてのエース。

 

 

「《ユナイト・ウィッシュ》*3を発動。ユナイトカウンターを2個得る」

 

【Effect Get 2 unite counters】

 

ユナイトカウンターを4まで貯めた。最上級ユナイトモンスターまで呼ぶつもりか!

 

「ボクは《テクノロギア・ハウンド》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が元に結実せよ!天工機巧の禁断の極地を示せ!《テクノロギア・ダークギカント》(ATK+2800)!ハァアアア!」

 

ストリアの傍らに現れた黒鉄の巨人。ソレの頭部と胸部に亀裂が走り、触手がストリアを絡めとる。

ストリアは巨人の空いた頭部と胸部に収まって合体した。

 

【UNITE EQUIP!RAGNAROK ARMOR!】

 

 

《テクノロギア・ダークギカント》

レベル8闇属性機械族・ユナイトATK3000DEF3000(装備時+2800)

「テクノロギア」モンスター1体+ユナイトカウンター×4

モンスター効果

①:1ターンに1度、墓地の「テクノロギア」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

②:このカードの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力の半分、攻撃力がアップし、そのモンスター効果を得る。

③:このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊する。

ユナイト効果

①:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:1ターンに1度、このカードがカードの効果で破壊される場合、代わりにユナイトカウンターを1個取り除く。

 

「《ハイテクノロギア・ファーヴリル》の効果を発動。《ア-クネメシス エスカトス》を破壊する!」

 

ファーヴリルは尾を鞭のようにしならせ、ザンブを打ちすえる。

しっぽの鱗も猛烈に回転しているソレはチェーンソーのような切断力を誇る。

 

【Effect Select 1 monster:Destroy!】

 

《ハイテクノロギア・ファーヴリル》

リンク4光属性ドラゴン族・リンクATK3000 リンクマーカー:左・上・下・右

種族が異なる効果モンスター2体以上

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードが攻撃対象か、相手のカードの効果の対象になった場合に発動できる。自分の墓地から「テクノロギア」モンスター1体を選択し、守備力を半分にして表側守備表示で特殊召喚し、その対象を特殊召喚したモンスターに移す。(この効果で特殊召喚したモンスターの効果はタイミングを逃さない。)

②:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1枚を選択して発動する。そのモンスターを破壊する。このカードが「テクノロギア」リンクモンスターと相互リンクしている場合は、魔法・罠カードも破壊でき、相手メインフェイズにも発動できる。

 

 

「《ハイテクノロギア・ファーヴリル》で《ザンブレイド・ドラゴン》を攻撃!」

 

【Attack! Gearic Stream!】

 

全身の鱗の歯車が回転し、口腔に螺旋状のエネルギーが収束し、一閃!

 

『ぐぅおおお!』

 

「ザンブ!」

 

アームドナイ ビリーバー(遊士)LP1700→1100

 

「お似合いの末路だったね。これで終わりだよ!」

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

鋼鉄の拳が迫る。

 

「負けるかぁ!リバースカード、《エマージェンシー・ユナイト》!ユナイトモンスターを装備!この効果で装備されたユナイトモンスターは破壊されない!」

 

【Effect】

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

 

《エマージェンシー・ユナイト》

通常罠

このカードは相手ターンにのみ発動する事ができる。

①:自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して、プレイヤーに装備する。

この効果で装備されたユナイトモンスターはターン終了時まで、破壊されない。

 

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK0→2000

アームドナイト ビリーバー(遊士)LP1100→300

 

「そんなものか。お前の力の底は!」

 

「くぅ、ボクの効果で《ハイテクノロギア・ファーヴリル》を移動してユナイトカウンターを1個得る」

 

Player Effect】

 

「カードを1枚セットしてターンエンド!」ストリアユナイトカウンター0→1

 

【Turn End】

 

ハイテラー:ストリア

LP1100

手札0枚

場:《ハイテクノロギア・ファーヴリル》ATK3000、リバースカード1枚

プレイヤーカード:《ハイテラー:ストリア》ATK2800(《テクノロギア・ダークギガント》装備) ユナイトカウンター1個

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

何とか首の皮1枚つながった。さっきはああ言ったけど危なかった。だけど、奴も手札は尽きている。ココが正念場だ。耐性持ちのファーヴリルを倒すには上から叩く。ビリーバーの攻撃倍加。コレに賭ける!

 

【Draw】

 

「《貪欲な壺》を発動。カードを2枚ドロー!」

 

【Effect Draw】

 

「《空牙団の飛哨 リコン》を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

「《空牙団の飛哨 リコン》の効果で《空牙団の英雄 ラファール》を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect Summon】

 

「リコンの効果でセットカードを破壊!」

 

「狙いは読めているよ。リバースカードオープン!《ユナイト・グラビティ》!プレイヤーカードの効果はターン終了時まで無効になる」

 

【Effect Select 1 Player:Invarid!】

 

 

《ユナイト・グラビティ》

速攻魔法

①:ユナイトカウンターを1個取り除いて発動する。ターン終了時までユナイトカウンターを得る効果以外の相手プレイヤーの効果を無効にする。

 

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→2000

 

 

しまった!起死回生の一手だったのに!

 

「そんな陳腐な戦略はバレバレだよ。これで終わりだね、遊士!」

 

くそっ・・・。

 

 

 

この状況を打破することは・・・、

 

 

 

 

できない・・・。

 

 

 

 

『遊士!何をあきらめている!』

 

フェイタルブレードから声が響く。

 

「ザンブ・・・。でも今の手札では・・・」

 

『ラファールの効果で新たなカードを呼び込めばいいではないか!』

 

「俺のデッキに対抗できるカードは、ない」

 

『いや。この状況を覆す可能性はある!』

 

「可能性?」

 

『そうだ。必殺魔法だ』

 

ハクアやシジュも所持していたアームドナイトの最強カード。

その力は何回か見てきたけど、どれも圧倒的だ。確かにそれがあれば対抗のしようがあるが・・・。

でもビリーバーに必殺魔法が存在するのか?

 

「ビリーバーの3つ目の能力が必殺魔法相当じゃないのか?」

 

『フン、オレの力を甘く見るな。オレの本当の力はこんなものじゃない。オレ自身、覚悟を決めきれていなかっただけに過ぎん。遊士、お前を本当にこちら側に巻き込んでいいのか、お前にこの業を背負わせてよいのか・・・な』

 

俺はコン、と大剣を小突く。

 

『何を言っている。あの日、俺は傷ついていたザンブ達を見て、この道を選んだんだ。今更、降りることはするわけがないさ」

 

『遊士・・・』

 

「それにこの道を選んだからこそ、俺はデュエリストの道にも戻れたんだ。この縁には感謝しかないよ」

 

それに、と大きく息を吸い込む。

 

「俺はお前を信頼(Believe)する!その決定をした俺自身も!」

 

『オレも遊士の信頼に応え、我が真なる担い手として認めよう!』

 

《アームドナイト ビリーバー》のカードが輝き、銀色の光がデュエルディスクを伝い、デッキにまばゆい輝きに包まれた。

 

『行くぞ、遊士!』

 

【Effect】

 

「ああ。《空牙団の英雄 ラファール》の召喚時効果を発動!デッキの上からカードを2枚見て、手札に加える!」

 

一気に2枚引き抜く。

 

 

2枚目:《ユナイトイベント-勇猛果敢》

 

このカードではない。2枚目をデッキに戻す。

 

 

1枚目は・・・。

 

 

 

 

「俺は《ユナイト・ウィッシュ》*4を発動。ユナイトカウンターを2個得る」(ビリーバー ユナイトカウンター2→4)

 

【Effect Get 2 unite counters】

 

 

 

 

「ユナイトカウンターを4個全て使用!超動せよ、我が必殺魔法!」

 

 

《The Silver World》!

 

 

 

【BELIEVER Hissatsu Effect!】

 

 

ザン!

 

剣を振ってもいないのに銀の斬撃が空中に奔る。

 

斬!ザン!斬!ザン!斬!

 

幾重にも幾重にも。

 

ザン!斬!ザン!斬!ザン!

斬!ザン!斬!ザン!斬!

 

 

世界を銀一色へと染め上げていく。

 

 

 

「何これ!」

 

「これこそが俺達の必殺フィールド魔法《The Silver World》!」

 

「フィールド型の必殺魔法だって!」

 

「バトル」

 

逆袈裟に剣を振るう。

 

【Player Attack!】

 

「俺が攻撃した対象の攻守は1000ダウンする」

 

斬!

 

離れた位置にいる《ハイテクノロギア・ファーヴリル》に逆袈裟の斬撃が迸る。

だが、ファーヴリルの姿がブレて《テクノロギア・コマンダー》が出現した。

 

《テクノロギア・コマンダー》(DEF2200→1100→100)

 

「ムダだよ。《ハイテクノロギア・ファーブリル》には、効果か攻撃対象になった場合、墓地からテクノロギアモンスターの守備力を半分にして身代わりにする効果があるからね」

 

瞬く間に切り裂かれる《テクノロギア・コマンダー》。

だがテクノロギアのエース、《ハイテクノロギア・ファーヴリル》は未だ健在である。敵対すると本当に厄介だとビリーバーは独りごちる。

 

 

「相手がカードを発動する度に200ポイントのダメージを受ける」

 

数センチ程の小さな銀閃がストリアを襲う。

 

 

ハイテラー:ストリア LP1100→900

 

 

「攻守を下げる能力とバーンはあるみたいだけど、こんなんじゃ大したことないね。必殺魔法が聞いて呆れるよ」

 

ザン!

 

次の瞬間、嘶きとともに地に臥せる黄土色の竜。

地面に落ちきる前にポリゴン片へと分解されていく。

俺は今度は袈裟斬りに振り抜いていた。

 

【Player Attack!】

 

「何で!?」

 

「これで終わりな訳ないだろう。俺はこのターン、発動時に消費したユナイトカウンターと同じ回数の攻撃できる。つまり、俺は後2回の攻撃を残している!」

 

 

「何だって!」

 

 

《The Silver World》

フィールド魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ビリーバー》でレベルの合計が8以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを4個以上取り除いて発動する。5個以上、取り除いて発動した場合はこの効果の発動と効果を無効にできず、このターンのバトルフェイズはスキップされない。

①:このカードの発動時の効果処理として、ターン終了時までプレイヤーカードは以下の効果を得る。

●このカードはこのカードの発動時に取り除いたユナイトカウンターの数まで、攻撃できる。

●このカードの攻撃対象になる度、そのモンスターかプレイヤーの攻撃力と守備力はターン終了時まで1000ダウンする。

●プレイヤーカードは相手の効果を受けず、このカードに装備されているユナイトモンスターはフィールドから離れない。

②:相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に200ポイントのダメージを与える。

 

 

【Player Attack!】

斬!

 

横凪ぎに腕が振るい、横一文字の斬撃がストリアのラグナロク・アーマーを砕く。

 

「うわぁあああ!」

 

ハイテラー:ストリア ATK2800→1800→0 LP900→700

 

全身に火花が奔りながら、ズウゥウンと黒鉄の巨体は崩れ落ちていく。

1歩踏み込むと、ストリアの真正面に転移する。

 

うずくまった姿勢からストリアは顔を上げるところだった。

 

「遊士・・・」

 

大上段に運命の大剣を掲げる。

 

「敗北の歴史をその身に刻め!」

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

ザン()

 

「遊士!」

 

ハイテラー:ストリア LP700→0

*1
《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

*2
《テクノロギアン・リユース》

通常魔法

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分の墓地の「テクノロギア・マテリアル」の数まで自分の墓地の「テクノロギア」モンスターを選択して発動できる。そのカードを手札に戻す。

*3
《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを2つのせる。

*4
《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを2つのせる。




今回でvsストリアは決着となります。
勝った!第2章完!

最もストリアの心情は何一つとして解決していないですが。


オマケ《The Silver World》について
The Silver Worldはこれから起こりうる斬撃の可能性を全て内包した必殺フィールド魔法。
そのため、『剣を振るう』という工程を経る事でフィールド内の任意の場所に斬撃が発生する。
また、『これから起こりうる斬撃』の可能性があるため、逆説的に『剣を振るう者は、どこにでもいる可能性』も同時に保証され、フィールド内での瞬間移動も可能。
加えて相手の一挙手一投足に小さな斬撃が発生する機能もあるため、通常戦闘では厄介。

これがヒュドボロスとの通常戦闘であったら、有効打になりうる。最も今のビリーバーでは先にフィールドを破壊されてしまう可能性が高い。


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24話 決着、

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
桃色青りんごさん、誤字報告ありがとうございます。

最近、紙で【ティアラメンツ】を組んでみました。
ランダム墓地肥やしでプレイングが変わるのが良いです。
今度、【ジャンクドッペル】と混ぜてみようかな?


「敗北の歴史をその身に刻め!」

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

ザン()

 

ハイテラー:ストリア LP700→0

 

 

項垂れるストリア、いやステイル。

彼はテラーの因子が抜け落ちて、元の青色の姿に戻っていた。半透明になり、実体もない。

 

『そんな、ボクが負けるなんて・・・。こんなんじゃ、皆を助けてあげられない・・・』

 

膝をついて鋼鉄の床を掴むように、ギュっと拳を握りしめる。その頬からは涙が伝う。

 

「ステイル・・・って、え!?」

 

俺はどう言葉をかけるべきか、そっと近づくとふと別の気配を感じて上を向くと目を剥いた。

 

 

 

『ステイル』 『ステイル!』

 

 

「にぃにぃ、ねぇねぇ・・・」

 

そこには、半透明のクラフトとサクナの姿があった。

憮然とした表現でクラフトは口を開く。

 

『ステイル、俺達は固まった後も朧気ながら意識があった。多くの人々を犠牲にしたみたいだな』

 

『う、ごめんなさい・・・ボク・・・。本当にみんなにひどいことを・・・』

 

フ、とクラフトは表情を和らげ、ポンポンとストリアの頭に手をのせた。

 

『でも、お前が無事で良かったよ』

 

『ステイル、本当に無事で良かった。でもあなたのしたことは許されることではないわ。私達の為に行ったとはいえ、アナタは罪を償わないといけない』

 

ギュッとステイルを抱きしめたサクナは俺の方にステイルごと向く。

 

『う~、遊士ごめんなさい』

 

「・・・謝罪は受け入れるよ。物的被害はあるけど、人的被害は何とか防げたからな」

 

『これからは遊士達の為に戦うよ』

 

「ああ。そういえば2人とも石になったって聞いていたけど、どうして復活できたんだ?」

 

『マスター。こうして直接会うのは初めてだな。かつてのマスターは俺達を見えなかったからな。フム、その鎧の影響だろうか?』

 

そういえば今は見えるな。アームドナイトになったせいか?

 

『また、物思いにふけるところだった。先の答えだが、ステイルがデュエルで負けた瞬間に俺達を縛っていた力が消滅したんだ』

 

『ふぅむ。アームドナイトのプラスの力とテラーのマイナスの力、2つの正反対の力がぶつかり合ったせいか?』

 

『ザンブレイド・ドラゴン殿、あなたの力は最上級クラスですからね。その力によるところは大きいと思います』

 

正負のエネルギーを浴びた事での復活・・・。

そうなると2人の硬化は何らかの影響を直接受けていた可能性が高いな。

 

「2人共、硬化の原因に心当たりはあるか?」

 

『あの時、私達は物資を手に入れて帰るところだったんだけど、だんだん霧が出てきて気が付いたらああなってしまっていたの』

 

そう答えたのはサクナ。

 

「その霧が原因という事か」

 

『あの辺りに霧は出ない筈なんだがな』

 

クラフトは腕組みして考え込む。

作為的な気配がするな。精霊界に詳しいグレーテスト・レイヴンなら何か知っているかな?

そんなことをボンヤリと考えていた。

 

 

すると―――、

 

 

 

「アレをやったのはブレイウルスですよ」

 

 

 

朗々としたソプラノボイスが工場に響き渡った。

またブレイウルスかよ。マッチポンプじゃねぇか。

アイツ、暗躍し過ぎだろう。

 

いや待て・・・、今話したのは誰だ・・・?

 

振り返ると、青いドレス姿で腰まで届く波のようなロングヘアーの妙齢の女性。

その皮膚は青み係人間とは思えない美しさを放っている。

 

『ティアフィネル・・・』

 

ストリアははっきりとそう呟いた。

 

 

24話 決着、ティアフィネル襲来

 

 

「フフフ、初めましてビリーバー。私はマスターテラー、ティアフィネル。”深淵”の称号を賜っています」

 

3人目のマスターテラー・・・!?

 

慌てて距離ををとり、剣を構える。どうやってここに?

いや待てよ・・・。

 

「そうか、ここはまだRAJ空間だったな。さっきまでは気にならなかったけど、アンタがいたから解除されなかったんのか」

 

「察しが良いですね。この空間に干渉させていただきました。彼にマーカーを付けていましたからね。干渉は簡単でした」

 

『気づかなかった・・・』

 

寧ろ警戒感が強まるぜ。いくらタイミングを計れるとはいえ、ココは通常空間の1000倍以上のスピードで流れている。それをこともなげに接続するなんて常軌を逸している。ヒュドボロスを基準としても尚、異様に感じる。プレッシャーも全く感じられないし。

 

「少々、遊ばせてもらおうかしら。ヒュドボロスやブレイウルスも随分楽しんでいるようですし」

 

「遊びに・・・だと・・・?」

 

「ええ、私達は当初の目的を達成しましたからね。私達のデュエルエナジーに余裕ができましたので。それもブレイウルスの子達と貴方達のおかげです。テラーの存在、概念をこの都市に流布することができましたからね」

 

そうか。この一件でテラーの存在は世に知られつつある状況。これが狙いだったのか。

 

『そんな。ボクのせいで・・・』

 

「えぇ。ブレイウルスの子だった者、あなたの働きは理想的でした。隠密性のあるゲートに効果的な侵略、共に素晴らしいモノでした」

 

『掌の上だったという訳か・・・』

 

「それにこのデュエルフェスタの空気、闘争本能を刺激されます。ですので、私も少し遊んでみたくなりました。デュエルモンスターズで」

 

ティアフィネルが手を下にかざすと一筋の水滴が床に落ち波紋が広がる。

勝手にデュエルディスクが展開される。強制デュエルって事か。

まぁ考え方によってはマスターテラーを倒すチャンスでもある。

 

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「私のターン、永続魔法《カジノステージ ルーレットキャッスル》を発動」

 

【Effect】

 

「《カジノディーラー ベガス》(レベル4 ATK1600)を召喚」

 

 

召喚されたのはチョビヒゲを生やしたタキシード姿の男性。

カジノステージにカジノディーラー。初めて見るカードだ。

 

【Summon】

【Effect Search 1 monster】

 

「召喚時、《カジノステージ もふもふバックギャモン》を手札に加えます。更に《カジノディーラー ベガス》が召喚された次の私のターン開始時まで、私が1度に受けるダメージは400になります」

 

ベガスはトランプを弧を描くように空中でシャッフルし、中の1枚をティアフィネルへ投げ飛ばした。

 

 

《カジノディーラー ベガス》

レベル4/水属性/魔法使い族・効果/ATK1600/DEF1300

自分フィールド上に「カジノステージ」カードが存在する場合のみ、 このカードは表側表示で召喚できる。

①:このカードが召喚に成功した時、自分のデッキから「カジノステージ」カード1枚を手札に加える。この効果を発動した次の自分のターンのスタンバイフェイズ時まで、お互いのプレイヤーが1度に受ける戦闘ダメージは400になる。

②:このカードが相手のカードの効果の対象か攻撃対象になった場合、このカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードを相手プレイヤーは1度、発動する。

 

 

ダメージ軽減効果は厄介だ。

5回の攻撃でもライフが2000しか削れないからな。

 

 

「デッキの上からカードを3枚上から墓地に送り、《カジノステージ ルーレットキャッスル》の効果を発動。コイントスを行い、コインが表ならカードを1枚引きます」

 

 

《カジノステージ ルーレット・キャッスル》

永続魔法

自分はこのカードの(1)の効果を1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:お互いのプレイヤーは自分メインフェイズ時に、デッキの上からカード3枚を裏向きで除外して発動できる。コイントスを1回行う。表が出た場合、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする。この効果は相手プレイヤーでも発動する事ができる。

 

 

【Random Effect:Right Side-Draw!】

 

「良い運勢ですね。カードを1枚引きます」

 

カジノっていうのはそういう事か。

カジノをプレイする事で強力なメリット効果をランダムに得るってワケか。

 

「手札に加えた《カジノステージ もふもふバックギャモン》を発動。デッキの上からカードを2枚裏向きで除外して《カジノステージ モフモフバックギャモン》の効果を発動。サイコロの1・3・5・6が出た場合、ライフを500回復します」

 

 

《カジノステージ もふもふバックギャモン》

永続魔法

自分はこのカードの(1)の効果を1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:お互いのプレイヤーは自分メインフェイズ時にデッキの上からカード2枚を裏向きで除外して発動できる。サイコロを1回振る。1か3か5か6が出た場合、500ライフを回復する。この効果は相手プレイヤーでも発動する事ができる。

 

【Random Effect:Number 2ーFail!】

 

「2・・・ですか。残念ですね。私のターンはこれで終わりとします」

 

【Turn End】

 

マスターテラー 深淵のティアフィネル

LP4000 手札4枚

場:《カジノディーラー ベガス》ATK1600、《カジノステージ ルーレットキャッスル》《カジノステージ もふもふバックギャモン》

プレイヤーカード:《マスターテラー:ティアフィネル》ATK800 ユナイトカウンター0個

 

《マスターテラー:ティアフィネル》

プレイヤーカード ATK800

①:自分はEXデッキからモンスターを攻撃表示で特殊召喚できない。

②:?

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

あのダメージ軽減効果が厄介だ。なかなかダメージを与えられない。

まずは展開して布陣を固めるのが先決。相手にアドバンテージを与えないようにしないとな。

 

「1つ、お伝えしましょう。私のカジノステージ達は、相手プレイヤーも発動できます」

 

え?

 

「加えて、相手プレイヤーは何度でも発動できます」

 

何だ、そのデカいデメリット。普通なら採用しないカードだ。

デメリットが重すぎる。余裕のつもりなのか?

 

「随分、気前がいいな」

 

「そう受け取っても構いません。ですが、よくお考えください。貴方の選択は本当に正しいのかと」

 

「デッキの上からカードを3枚上から墓地に送り、《カジノステージ ルーレットキャッスル》の効果を発動。コイントスを行う」

 

【Random Effect:Right Side‐Draw!】

 

「1枚ドロー。もう1回!」

 

【Random Effect:Flip SideーFail!】

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》(レベル4 ATK1800)を召喚。デッキから《テクノロギア・マテリアル》(レベル1 DEF100)を守備表示で特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター0→1→2)

 

【Summon】

【Effect summon】

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》をリリースして、《テクノロギア・ソーディアン》(レベル5 ATk2000)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2000→2100

 

「マテリアルの隣にいる《テクノロギア・ソーディアン》の効果が誘発!デッキから《テクノロギア・ハウンド》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

 

「《テクノロギア・ハウンド》*1(レベル3DEF200)を特殊召喚。《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4)

 

 

【Summon】

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2100→2200

 

「現れろ!歴史を刻むサーキット!」

 

ストリア―ステイルと和解した事で俺のデッキにはテクノロギアのリンクモンスター達が戻ってきた。

今こそ俺のテクノロギア達はフルパワーを出せる。

 

「《テクノロギア・ハウンド》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「現れろ!天工機巧の幼き担い手!リンク1《テクノロギアマイスター ステイル》*2(ATK500)!」

 

『いくよ、ビリーバー!』

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2200→2300

《テクノロギアマイスター ステイル》ATK500→600

 

「《テクノロギアマイスター ステイル》がリンク召喚に成功した場合、《テクノロギア・マテリアル》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「《テクノロギア・ソーディアン》をリリースして、特殊召喚!現われろ!《テクノロギア・ファイター》(レベル6 ATK2100)!」

 

【Summon】

 

「ファイターが特殊召喚されたため、《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2100→2200

《テクノロギアマイスター ステイル》ATK600→700

 

「《テクノロギア・ファイター》の効果が誘発!デッキから《テクノロギア・ワイルドキャット》(レベル4 ATK1700)を特殊召喚!」

 

ソーディアンが剣を手元で軽く一振りすると、魔方陣が出現し、ヤマネコの姿が浮かび上がる。

 

【Effect Summon】

 

 

《テクノロギア・ファイター》

レベル5光属性機械族・効果ATK2100DEF1500

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキからレベル4以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2200→2300

《テクノロギアマイスター ステイル》ATK700→800

《テクノロギア・ワイルドキャット》ATK1700→1800

 

「《テクノロギア・ワイルドキャット》の効果でデッキから《テクノロギア・マテリアル》を墓地に送る」

 

【Effect】

 

「《テクノロギアマイスター ステイル》の効果を発動。《カジノディーラー ベガス》の攻撃力をターン終了時まで500ダウンさせる!」

 

『いくよっ!』

 

ステイルの杖から波動が放たれ、ベガスを襲う。

 

《カジノディーラー ベガス》ATK1600→1100

 

 

「現れろ!歴史を刻むサーキット!《テクノロギアマイスター ステイル》と《テクノロギア・ワイルドキャット》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「来い!リンク2《テクノロギアマイスター サクナ》*3(ATK1000)!」

スパナ型の杖をバトン回しのようにクルクルと回し、決めポーズをとっての登場。いつもこんな感じだったな。

 

『いきます!それからマスター、私の召喚時にも口上をください』

 

『オレのも頼む』

 

お前ら、口上がなかったのを気にしてたのか。

今はそんなこと話す場合じゃないんだけどな。

 

「また今度な。リンク召喚時効果で手札の《テクノロギア・マテリアル》を1枚捨て、《テクノロギアン・デベロップメント》を手札に加える」

 

【Effect Bounce 1 Monster】

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2300→2400

《テクノロギアマイスター サクナ》ATK1000→1100

 

「俺は《テクノロギア・マテリアル》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》*4!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

《アームドナイト・ビリーバー》 ATK300→2300

 

これで墓地に《テクノロギア・マテリアル》が3枚揃う。

 

「《テクノロギアン・デベロップメント》*5を発動。墓地から《テクノロギア・ソーディアン》を特殊召喚」

 

【Effect Summon】

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ファイター》ATK2400→2500

《テクノロギアマイスター サクナ》ATK1100→1200

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2000→2100

 

「バトルだ!」

 

「《テクノロギア・ソーディアン》で《カジノディーラー ベガス》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

マスターテラー:ティアフィネルLP4000→3600(ATK800)

 

大ダメージと行きたいところだが、生憎、《カジノディーラー ベガス》の効果でこのターンの戦闘ダメージは400固定だ。

 

「《テクノロギア・ファイター》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

ファイターの拳がティアフィネルに迫る。

しかし、その拳を遮るようにティアフィネルの足元から水流が壁のように吹き出し、攻撃を遮る。

 

マスターテラー:ティアフィネルLP3600→3200(ATK800)

 

「殴られるのは好きではないので防がせていただきます。ルール上、問題はない筈ですね」

 

「《テクノロギアマイスター サクナ》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

マスターテラー:ティアフィネルLP3200→2800

 

サクナのスパナでの攻撃も楽々防ぐ。

 

『流石に私では突破できませんね。マスター!』

 

サクナが攻撃後、脇に逸れると俺がティアフィネルに相対する形になる。サクナの攻撃に合わせて接近しておいたのだ。

 

【Player Attack!】

 

「はぁ!」

 

気合を入れた横凪ぎが水流を叩き切る。

 

 

「こうした催しも楽しいですが、残念な事に随分と軽い一撃ですね」

 

折れそうな程のか細い指が刃を掴んでいた。

動かそうにもビクともしない。どこにそんな力が・・・!

 

 

「ちっ、メインフェイズ2!現れろ!歴史を刻むサーキット!《テクノロギアマイスター サクナ》、《テクノロギア・ファイター》と《テクノロギア・ソーディアン》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!」

 

【LINK SUMMON!】

 

「天工機巧の頂点たる竜の姿を見よ!リンク召喚!リンク4《ハイテクノロギア・ファーヴリル》*6(ATK3000)!」

 

久々に扱う黄土色のギアドラゴンがズシンと大地に降り立つ。

やはり味方だと心強い。

 

「カードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

【Turn End】

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000 手札2枚

場:《ハイテクノロギア・ファーヴリル》ATK3000、リバースカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK2000(《ザンブレイド・ドラゴン》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

 

 

「私のターンです」

 

【Draw】

 

「《カジノディーラー チアンマ》(レベル3 ATK1400)を召喚します」

 

ピンク色のツインテールの女性が現れる。

おそらく、このカードもダメージ軽減効果を持つ筈。

 

「甘い。トラップカード《ブレイクスルー・スキル》を発動。その効果で相手のモンスター効果を1度だけ、無効にする」

 

【Effect Select 1 Monster:Invalid!】

 

「なるほどそう来ましたか。では少々ペースを上げていきましょう。永続魔法《魂吸収》を発動します」

 

【Effect】

 

「《魂吸収》!?」

 

確か、カードが1枚除外される毎にライフを500回復するカードだ。10枚除外の《強欲で貪欲な壺》との併用でライフを5000も回復するコンボが有名だ。

不味い。カジノステージの発動条件からすると、一気にライフを回復してしまう。

 

「デッキの上からカードを3枚上から墓地に送り、《カジノステージ ルーレットキャッスル》の効果を発動。コイントスを行い、表ならカードを1枚引きます」

 

【Random Effect:Right Side-Draw】

 

「1枚引きます。またカードが3枚除外されたことでライフを1500回復します」

 

マスターテラー ティアフィネルLP2800→4300

 

「《カジノステージ もふもふバックギャモン》を発動。デッキの上からカードを2枚裏向きで除外して《カジノステージ モフモフバックギャモン》の効果を発動。サイコロの1・3・5・6が出た場合、ライフを500回復します」

 

【Random Effect:Number 3-Recover】

 

「2つの永続魔法の効果で私のライフは更に1500回復します」

 

マスターテラー ティアフィネルLP4300→5800

 

ライフを3000も回復しやがった。

 

「これで終わりではありません。魔法カード《強欲で貪欲な壺》を発動。デッキの上からカードを10枚除外して、2枚引きます」

 

そいつもあるのかよ!?

 

マスターテラー ティアフィネルLP5800→10800

 

「ライフ10000オーバーだと!?」

 

 

「除外された裏向きのカードを4枚、デッキに戻して手札より特殊召喚。現れなさい!レベル8《カジノキーパー グシオン》(DEF4000)!」

 

巨大な亀のような悪魔がのそりと鎌首をもたげる。

 

 

《カジノキーパー グシオン》

レベル8/闇属性/悪魔族・特殊召喚・効果/ATK2000/DEF4000

このカードは通常召喚できない。

自分が裏向きでゲームから除外したカードが8枚以上ある場合、その内の4枚をデッキに戻す事で手札から自分フィールド上の「カジノステージ」カードと同じ縦列に特殊召喚できる。

①:このカードとこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードは相手のカードの効果をフィールドから離れない。

②:相手プレイヤーがこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードの効果を発動する度、このカードの守備力は500ダウンする。

 

 

「続けて除外された裏向きのカードを4枚をデッキに戻して手札より特殊召喚。現れなさい!レベル8《カジノキーパー フラウロス》(ATK4000)!」

 

次に現れたのは、チーターのような姿の巨大な悪魔だ。

 

 

《カジノキーパー フラウロス》

レベル8/闇属性/悪魔族・特殊召喚・効果/ATK4000/DEF1000

このカードは通常召喚できない。

このカード名はフィールド上に1枚しか、存在することができない。

自分が裏向きでゲームから除外したカードが8枚以上ある場合、その内の4枚をデッキに戻す事で手札から自分フィールド上の「カジノステージ」カードと同じ縦列に特殊召喚できる。

①:このカードとこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードは相手のカードの効果でフィールドから離れない。.

②:相手プレイヤーがこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードの効果を発動する度、ターン終了時までこのカードの攻撃力は800ダウンする。

 

 

「《カジノキーパー グシオン》と《カジノキーパー フラウロス》と同じ縦列の2体のカジノステージはカードの効果ではフィールドから離れません。では、バトルフェイズといきましょう。《カジノキーパー フラウロス》で《ハイテクノロギア・ファーヴリル》を攻撃します」

 

獣の悪魔の爪撃。だがファーヴリルには無意味だ。

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

「《ハイテクノロギア・ファーヴリル》が攻撃対象に選択されたため、効果を発動。墓地から《テクノロギア・ソーディアン》(DEF1500→750)を特殊召喚し、攻撃対象をソーディアンに変更する」

 

ファーヴリルは粒子化して攻撃をかわすとともに機械剣士をその場に残す。

機械剣士は一撃で破壊されるが、《カジノディーラー チアンマ》の下へ飛び爆発した。

 

【Effect Select 1 Monster:Destroy!】

 

「自分の墓地のカードが8枚以上の場合、《テクノロギア・ソーディアン》が相手によって破壊された事で相手フィールド上のモンスター1体を破壊する」

 

「では私はこれでターン終了とします。さてこの悪魔達をどのように攻略しますか?」

 

【Turn End】

 

マスターテラー 深淵のティアフィネル

LP10800 手札2枚

場:《カジノディーラーチアンマ》ATK1400、《カジノキーパー フラウロス》ATK4000(縦列にモフモフバックギャモン)、《カジノディーラー グシオン》DEF4000(縦列にルーレットキャッスル)、《カジノステージ ルーレットキャッスル》《カジノステージ もふもふバックギャモン》、《魂吸収》

プレイヤーカード:《マスターテラー:ティアフィネル》ATK800 ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「まずは《魂吸収》を破壊する。《ハーピィの羽箒》!相手の魔法・罠カードを全て破壊する」

 

【Effect All Magic & Trap Card Destroy!】

 

「カジノステージはカジノキーパー達が存在する限り、破壊されません」

 

最も、カジノステージは破壊する気はないけどな。

やはり、完全耐性の攻撃力4000と守備力4000のカジノキーパー達が厄介だ。

 

『戦闘でしか打倒できんという訳か』

 

厄介だとザンブは唸る。

 

「ええ、ですがグシオン達はあくまで、《カジノステージ》の監視者。このカードと同じ縦列の《カジノステージ》カードを発動する度にパラメータが500ポイントダウンします」

 

フラウロスの後ろがライフ回復のカジノステージ、グシオンの後方がドローのカジノステージだ。

どのような組み合わせでカジノステージを発動させるかという事か。だけど、この違和感は何だ?

 

『こちらもデメリット持ちという事か。どうするビリーバー』

 

一見、カジノステージを発動してステータスをダウンさせる事がセオリーに見える。相手にアドバンテージを与えるカジノステージにカジノステージを使われる事で弱体化するカジノキーパー。

これではまるで、カジノステージの使用を強要されている・・・?

 

「まさか・・・!?」

 

ビリーバー 残りデッキ23枚

 

「お気づきになりましたね。カジノデッキのコンセプトはデッキ破壊です。己自身の手で自分の身を破滅させるなんて素敵でしょう」

 

 

 

彼女は頬に手を当て恍惚の表情でビリーバーを見つめる。

深淵のティアフィネルは、あのように人の破滅を見るのに悦楽を覚える快楽主義者なのだ。

*1

《テクノロギア・ハウンド》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF500

このカード名の①と②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:自分フィールドに「テクノロギア」モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②:自分の墓地にこのカードと《テクノロギア・マテリアル》が存在する場合、墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を選択して、手札に戻す。

*2
《テクノロギアマイスター ステイル》

リンク1光属性サイキック族・リンクATK500 リンクマーカー:下

「テクノロギア」モンスター1体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキか墓地から《テクノロギア・マテリアル》1枚を手札に加える。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500ダウンする。

*3
《テクノロギアマイスター サクナ》

リンク2光属性サイキック族・リンクATK1000 リンクマーカー:左・下

トークンでないモンスター2体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に手札を1枚捨て、自分の墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に戻す。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、自分の魔法・罠ゾーンのカード1枚を選択して発動する。そのカードを空いている魔法・罠カードゾーンに移動する。

*4
《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

*5
テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

*6
《ハイテクノロギア・ファーヴリル》

リンク4光属性ドラゴン族・リンクATK3000 リンクマーカー:左・上・下・右

種族が異なる効果モンスター2体以上

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを破壊する。このカードが「テクノロギア」リンクモンスターと相互リンクしている場合は、魔法・罠カードも対象にでき、相手メインフェイズにも発動できる。

②:このカードが攻撃対象か、相手のカードの効果の対象になった場合に発動できる。自分の墓地から「テクノロギア」モンスター1体を選択し、守備力を半分にして表側守備表示で特殊召喚し、その攻撃対象か効果対象を特殊召喚したモンスターに移す。(この効果で特殊召喚したモンスターの効果はタイミングを逃さない。)




という訳でティアラメンツならぬ、ティアフィネルの登場でした。
オリカの【カジノ】は昔作ったお気に入りのシリーズです。

ストリアは闇落ちの原因を全て取り除く+罪を償うで味方化となりました。全部、ブレイウルスって奴のせいなんだ。


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25話 終幕は雨と共に

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。


 

 

ビリーバー 残りデッキ23枚

 

「お気づきになりましたね。カジノデッキのコンセプトはデッキ破壊です。己自身の手で自分の身を破滅させるなんて素敵でしょう」

 

 

奴は頬に手を当て恍惚の表情でこちらをを見つめる。

 

 

「そういう事かよ。だったら、このターンでケリをつけるまでだ!《テクノロギアン・リユース》*1を発動。墓地の《テクノロギア・マテリアル》は3枚。《テクノロギアマイスター サクナ》、《テクノロギア・ソーディアン》と《テクノロギア・ハウンド》を手札に加える」

 

【Effect Bounce】

 

「デッキトップを墓地に送って《テクノロギアン・デベロップメント》の効果を発動。《テクノロギア・オックス》(レベル4 DEF1900)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect Select 1 Monster:Revive!】

 

オックスは前のターンのデベロップメントのコストで墓地へ送られていたのは幸運だった。

 

「デッキトップを墓地に送って、《テクノロギア・オックス》の効果を発動。《テクノロギア・マテリアル》(レベル1 DEF100)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect Select 1 Monster:Revive!】

 

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数23→22枚

 

 

「《テクノロギア・オックス》をリリースして《テクノロギア・ソーディアン》(レベル5 ATk2000)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2100→2200

 

「《テクノロギア・ソーディアン》の効果が誘発し、デッキから《テクノロギア・ファルコン》(レベル4 DEF1200)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4)

 

【Summon】

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数22→21枚

 

 

「《テクノロギア・ファルコン》の効果で墓地から《テクノロギア・マテリアル》を手札に加える」

 

 

《テクノロギア・ファルコン》

レベル4光属性獣族・効果ATK1500DEF1200

このカード名の①と②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードがカードの効果の対象になった場合、自分のデッキまたは墓地から《テクノロギア・マテリアル》1体を手札に加えることができる。

②:デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動する。ターン終了時まで、このカード以外の自分フィールド上のモンスターの攻撃力は200ポイントアップする。

 

 

 

「《テクノロギア・マテリアル》の効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力が100アップ」

 

【Effect Attack plus】

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2200→2300

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》(レベル4 ATK1800)を召喚し、手札から《テクノロギア・マテリアル》(レベル1 DEF100)を守備表示で特殊召喚」

 

【Summon】

【Effect Summon】

 

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2300→2500

《テクノロギア・サーベルタイガー》ATK1800→1900

 

 

「俺は《テクノロギア・マテリアル》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!天工機巧の禁断の極地を示せ!テクノロギア・ダークギカント》*2(ATK+2800)!」

 

 

黒の巨人か出現すると、ガチャガチャと折り畳まれ、魔方陣が刻まれた黒い幅広の大剣へと姿を変える。

 

【UNITE EQUIP!RAGNAROK BLADE!】

 

ステイルの時とだいぶ違うな。

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→5100

 

「デッキの上からカードを3枚上から裏向きでゲームから除外し、《カジノステージ ルーレットキャッスル》の効果を発動。コイントスを行う」

 

【Random Effect:Flip Side-Fail!】

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数21→18枚

《カジノキーパー グシオン》DEF4000→3500

 

「チ、もう1回!」

 

【Random Effect:Right Side‐Draw!】

 

「よし、1枚ドロー」

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数18→15→14枚

《カジノキーパー グシオン》DEF3500→3000

 

 

「もう1回!」

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数14→11枚

《カジノキーパー グシオン》DEF3000→2500

 

【Random Effect:Flip Side-Fail!】

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数11→8枚

《カジノキーパー グシオン》DEF2500→2000

 

 

【Random Effect:Right Side‐Draw!】

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数8→5→4枚

《カジノキーパー グシオン》DEF2500→2000

 

 

「来たか!《ユナイトイベントー勇猛果敢》*3を発動。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、ユナイトカウンターを6個得る」

 

【Effect Get 6 unite counters】

 

「ほぅ、かなりのユナイトカウンターを貯めましたね。しかし・・・」

 

確かにユナイトカウンターだけでは意味はない。この状況を乗り越えるには必殺魔法しかない。《ユナイトイベントー勇猛果敢》はデッキに複数枚投入されているため、引くことができた。デッキ破壊されているため、1枚しかない必殺魔法を引くのは不可能だろう。

 

初手から手札に来ていたんだ《The Silver World》は。

 

 

「ユナイトカウンターを6個使用!必殺魔法、《The Silver World》*4超動!」

 

【BELIEVER Hissatsu Effect!】

 

斬!ザン!斬!ザン!斬!

 

空が、世界が、銀に覆われた。

 

「これで俺は6回の攻撃が可能!更に《テクノロギア・ダークギガント》を装備したプレイヤーは貫通能力を得る!」

 

攻撃力5100の6連続攻撃。これなら30600ものダメージを削ることができる。

 

「コレがあなた達の必殺魔法ですか。素晴らしい。これまでに見た中でも強大な力を感じます。流石はあの方に連なる力です」

 

あの方・・・?今は奴を倒す。

黒の大剣を袈裟向きに振るって巨大な斬撃をフラウロスへ発生させる。

 

【Player Attack!】

 

斬!

 

《カジノキーパー フラウロス》ATK4000→3000

マスターテラー:ティアフィネルLP10800→8700

 

【Player Attack!】

 

続けて、白の大剣も斜めに振り下ろす。

銀の一撃がグシオンの装甲を叩き割る。

 

 

 

ザン!

 

《カジノキーパー グシオン》DEF2000→1000

マスターテラー:ティアフィネルLP8700→4600

 

 

射程圏内だ。交差した2色の大剣を解き放った。

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

X型の斬撃はしかし、立ち消える。

ティアフィネルの前にはスーツを着た羊頭の獣人。

 

「フフ。手札から《カジノ・ベルマン》(レベル3 DEF1000)を特殊召喚しました」

 

【Summon】

 

「《カジノ・ベルマン》は相手ターンのバトルフェイズ中に手札から特殊召喚できます。特殊召喚に成功した時、お互いにデッキからカードを1枚、引きます」

 

【Effect Draw】

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数4→3枚

 

「だが、カードの効果を発動した事で《The Silver World》の第2の効果。カードをプレイする度に200ポイントのダメージを与える」

 

ティアフィネルのドレスを小さな斬撃が襲う。

 

マスターテラー:ティアフィネルLP4600→4400

 

「もう一度、攻撃しますか?《カジノ・ベルマン》は効果の対象か攻撃対象に選択された場合、このカードの後方のカジノステージを発動しなければなりません。そして、《カジノ・ベルマン》自身は墓地に送られます」

 

 

《カジノ・ベルマン》

レベル3水属性獣戦士族・効果ATK800DEF1000

①:自分フィールド上に「カジノステージ」カードが存在するバトルフェイズ中に発動する。手札のこのカードを特殊召喚し、全てのプレイヤーはカードを1枚ドローする。

②:このカードが攻撃対象か効果の対象になった場合、このカードをリリースして発動することができる。相手プレイヤーは自分フィールド上の「カジノステージ」カードを1度、発動する。

 

 

後方はドローのカジノステージ、《カジノステージ ルーレット・キャッスル》だ。このカードを発動した時点でデッキは0枚。

もし効果の発動に成功した場合、俺はドローしなければならなくなるため、敗北。どうするべきか。

 

「いや、どちらにしてもジリ貧。ここは攻撃あるのみ!」

 

斜め上への斬り上げ!

獣人に斬撃が入る。

 

【Player Attack!】

 

「《カジノ・ベルマン》は攻撃対象になったため、墓地へ送られ、相手は私が指定した「カジノステージ」を1枚発動しなければなりません。《カジノステージ ルーレットキャッスル》を発動してください」

 

「だがその前に200ダメージを受けてもらう」

 

マスターテラー:ティアフィネルLP4400→4200

 

 

「デッキの上からカードを3枚上から裏向きでゲームから除外し、《カジノステージ ルーレットキャッスル》の効果を発動。コイントス!」

 

 

アームドナイト ビリーバー(遊士):デッキ枚数3→0枚

 

【Random Effect】

 

 

 

 

 

 

【Flip Side-Fail!】

 

 

「よしっ!」

 

 

「なんと・・・」

 

信じられないものを見るようにティアフィネルは目を見開く。

 

 

 

 

 

これで俺の勝ちだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

【Summon】

 

恭しく服を着た獣人、《カジノ・ベルマン》が一礼して現れた。

 

 

2枚目・・・だと・・・。

 

 

 

 

 

「では手札から2枚目の《カジノ・ベルマン》(レベル3 DEF1000)を特殊召喚します。特殊召喚成功時、お互いにデッキからカードを1枚、引かなければなりません」

 

 

【LAST EFFECT! DRAW!】

 

 

「ぐぅ!」

 

デュエルディスクからスパークが起き、ガクリと膝から力が抜けて地面に墜ちる。

 

 

「最後の最後で勝利から敗北へ転落する。本当に本当に素晴らしいですよ」

 

 

グゥワ―――――ン

 

 

鉄色の景色が歪み、通常空間へと帰還する。

 

 

ポツ・・・ポツポツポツ

 

 

首筋を降り始めた雨が打ち付ける。

空間復帰の位置も操ったのか。

 

「やはり、ライフを0にしなければ物理ダメージを最小限にできますね。中々、貴重な経験でした。このデータがあれば、デュエルでの物理ダメージの調整も行いやすそうですね」

 

「・・・!」

 

まさか・・・。いや、やはりか。あのカジノデッキは本気のデッキじゃない。

プレイヤーカードの不使用だけでなく、ココまで手加減されていたとは。

本当に規格外な存在だ、マスターテラーは・・。

 

「それでも変身の解除はまだしない。やはり予測通り、アナタ達の力は素晴らしいようですね。次に会うときは更なる輝きを期待していますよ」

 

そう言い放つと、ティアフィネルは靄のように消えていった。

奴が去って気が抜けたのか、変身も解ける。

 

「完璧な敗北だ」

 

雨は強くなっていった。

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

 

 

同時刻―――、

 

 

私はチームアトリビュートの皆さんを観客やユニティガーディアンの警邏部隊がいる安全地帯へ送ると、そこで仲町くん達が焦ったように、周囲を見回っていた。

 

「くそっ、やっぱり遊士がいねぇ。どこに行ったんだ?」

 

「あの時はトイレの方に行ったから、とっくにこっちに来ているかも、と思ったんだけど」

 

「今はここを動くのは危険だ。吉報を待とう」

 

遊士くんが行方不明・・・?

 

洗面所に行ったと行くことはまだ会場にいるかもしれない。

スタジアムに向かおうとしたとき、タイタニック・チャンピオンがこう言っ放った。

 

 

『む、アイナ。空間の歪みを感じるぞ。すぐ近くだ』

 

 

タイタニック・チャンピオンは数多くの精霊界を渡り歩いた存在。その予測は恐らく、正しいだろう。

昨日は2体のマスターテラーの出現もあって、再びあってもおかしくはない。

 

『観客席以外の建物内部にテラーの反応は感じとれないな。どうする、アイナ』

 

『スタジアムの施設内を闇雲に探すより、目先に迫る脅威の排除が先決』

 

脳裏に響く闘士の声にそう、念話しながら現場へ急いだ。

 

 

 

タイタニック・チャンピオンが示したのは、スタジアムの脇の林だった。

 

 

 

「!」

 

若い青の女性の姿、アレはマスターテラー四魔侯の1人、深淵のティアフィネル。

彼女の前には膝をついた銀色の騎士。

 

「ビリーバー・・・」

 

ストリアに向かっていたのでは・・・?

 

ティアフィネルは背を向け、空間に溶けていく。

 

「・・・次に会うときは更なる輝きを期待していますよ」

 

 

そうしてビリーバーの―――――。

 

 

 

―――――変身が解けた。

 

 

 

「!?」

 

 

彼が、遊士くんが、ビリーバー!?

 

 

遊戯王BILIEVER 2章デュエルフェスタ編

Fin

 

 

 

 

 

 

 

 

Next・・・

 

ビリーバーの事、みんなに打ち明けるべきなの・・・?

 

お前を倒すのはチーム烈火のリーダーだった俺の役目だ!

 

俺は《ザンブレイド・ドラゴン》とユナイトカウンター5個でコーリング!

 

行くぜ、相棒。決闘共鳴(デュエルレゾナンス)

 

 

 

3章 決闘共鳴編

 

 

だいぶ進んじまったな。減速させないといけねぇかな。

じゃないと、この状況は看破できなくなる。

 

 

 

 

更に―――、

 

チームA.ギート!2部リーグ初デュエルだぜ!

 

チームコックス、見参!

 

翔太の所の両親って、2部リーグチームの人だったの・・・?

 

アレが2部リーグ最強クラスチーム、チーム烈火・・・。

 

チーム烈火の灯は消えちゃいねぇ!

 

 

3章 決闘共鳴編+2部リーグ挑戦編

 

*1
《テクノロギアン・リユース》

通常魔法

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分の墓地の「テクノロギア・マテリアル」の数まで自分の墓地の「テクノロギア」モンスターを選択して発動できる。そのカードを手札に戻す。

*2
《テクノロギア・ダークギカント》

レベル8闇属性機械族・ユナイトATK3000DEF3000(装備ATK+2800)

「テクノロギア」モンスター1体+ユナイトカウンター×4

モンスター効果

①:1ターンに1度、墓地の「テクノロギア」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

②:このカードの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力の半分、攻撃力がアップし、そのモンスター効果を得る。

③:このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊する。

ユナイト効果

①:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:1ターンに1度、このカードがカードの効果で破壊される場合、代わりにユナイトカウンターを1個取り除く。

*3
《ユナイトイベント―勇猛果敢》

通常魔法

①:このカードはプレイヤーがユナイトモンスターを装備している場合のみ、発動することができる。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、手札に戻したカードの枚数まで自分プレイヤーカードにユナイトカウンターをのせる。

*4
《The Silver World》

フィールド魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ビリーバー》でレベルの合計が8以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを4個以上取り除いて発動する。5個以上、取り除いて発動した場合はこの効果の発動と効果を無効にできず、このターンのバトルフェイズはスキップされない。

①:このカードの発動時の効果処理として、ターン終了時までプレイヤーカードは以下の効果を得る。

●このカードはこのカードの発動時に取り除いたユナイトカウンターの数まで、攻撃できる。

●このカードの攻撃対象になる度、そのモンスターかプレイヤーの攻撃力と守備力はターン終了時まで1000ダウンする。

●プレイヤーカードは相手の効果を受けず、このカードに装備されているユナイトモンスターはフィールドから離れない。

②:相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に200ポイントのダメージを与える。




ティアフィネルには完敗、遊士とアイナに不穏な空気が漂う中、ようやく遊戯王BELIEVER2章、完結です。

2章はストリアと決着をつけようと思って書いてみましたが、新キャラがたくさん出たり、《The Silver World》を使ったり、書いている自分がビックリです。

質問コーナーを活動報告に載せましたので、質問してくださると嬉しいです。
また、感想や評価、お気に入り登録もして頂けると励みになります。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=280274&uid=156641


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劇中使用カード ユナイトモンスター・プレイヤーカード編

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
gr1さん、お気に入り登録ありがとうございます。

2章が一段落ついたので使用カードを書いてみました。


ユナイトモンスター

 

《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

《タイタニック・チャンピオン》

レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000

自分フィールドのカードまたは手札2枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。

ユナイト効果

①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る。

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》

レベル7風属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK2400 DEF1900/装備ATK+1800

魔法・罠カード1枚+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動できず、発動したターン、このカード名のカードは攻撃できない。

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、セットしたカード1枚を選択して発動する事ができる。そのカードを手札に戻す。

②:魔法・罠カードゾーンにセットされたカード1枚を選択して発動できる。選択したカードが発動するかフィールドから離れるまで、自分フィールド上のこのカードをゲームから除外できる。 この効果は相手ターンでも発動できる。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手の全ての手札か相手がセットした全てのカードを確認する事ができる。

 

《ミーティアル・ペガサス》

レベル8炎属性獣族・ユナイト・効果ATK2700DEF1500/装備ATK+2200

炎属性モンスターまたは風属性モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカードは風属性モンスターとしても扱う。

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:このカードが特殊召喚に成功したターンのバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は2倍になる。

②:このカードは自分のターン中、相手の魔法・罠・モンスター効果を受けない。

ユナイト効果

①:?

 

《ウラヌス・マザー・ドラゴン》

レベル7光属性幻竜族・ユナイト・効果ATK0DEF2500

幻竜族モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカード名はルール上、「プラネッツ・ドラゴン」カードとして扱う。

①:1ターンに1度、自分の墓地の幻竜族ユナイトモンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを効果を無効にして、自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。

②:自分フィールド上の効果を持たないモンスターまたは効果が無効になったモンスターが自分フィールド上に存在する場合、このカードは効果や攻撃対象にならない。

③:自分フィールド上の効果を持たないモンスターまたは効果が無効になったモンスターは以下の効果を得る。

●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●このカードは戦闘によって守備表示を攻撃した場合、その守備力を攻撃力が上回っているなら、その差の分、戦闘ダメージを与える。

ユナイト効果

 

《ガトリング・ウルフ》

レベル3闇属性獣族・ユナイト・効果ATK1200 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードはリンク素材にできない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

 

《キャノン・トータス》

レベル6炎属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK1300 DEF2300/装備ATK+2000

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1ターンに1度、戦闘またはカードの効果で破壊されない。

ユナイト効果

①:なし

 

《ブレイブ・フライ》

レベル1風属性昆虫族・ユナイト・効果ATK200 DEF200/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分フィールド上のカード1枚をリリースする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は200アップする。

 

《ホイール・ガードナー》

レベル2闇属性機械族・ユナイト・効果ATK500 DEF800/装備ATK+500

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、自分の手札またはフィールドからモンスター1枚を選び、墓地に送る。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、このカードは破壊されない。

 

《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

《アサルト・レックス》

レベル6闇属性恐竜族・ユナイト・効果ATK2300 DEF800/装備ATK+1400

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

このカードの①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:フィールド上のモンスターを1体選択して発動する。そのモンスターはこのターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーがモンスターを攻撃した場合、相手ライフに500ポイントのダメージを与え、もう1度続けて守備表示モンスターに攻撃できる。

 

《フレイム・ホーン》

レベル3炎属性獣族・ユナイト・効果ATK1300 DEF800/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

このカードは自分の墓地に炎属性モンスターが3体以上存在する場合のみ、ユナイト召喚できる。

ユナイト効果

①:装備プレイヤーが攻撃した時、相手ライフに300ポイントのダメージを与える。

 

《リカバリー・ツリー》

レベル4光属性植物族・ユナイト・効果ATK500 DEF1000/装備ATK+500

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、相手はデッキからカードを1枚ドローし、手札1枚をデッキに戻す。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、発動する事ができる。自分のライフを500回復する。

 

《クラウンシェル・レオーネ》

レベル6光属性獣族・ユナイトATK2100DEF2400(装備時+1500)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:このカードが戦闘またはカードの効果で破壊された場合、このカードをプレイヤーに装備する。

ユナイト効果

①:相手ターン中、装備したプレイヤーの攻撃力は700ポイントアップする。

②:このカードが破壊された場合、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする事ができる。

 

《シャイニング・ユニコーン》

レベル6光属性獣族・ユナイトATK2400DEF1500(装備時+2200)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:相手のターン中、このカードはカードの効果の対象にならない。

ユナイト効果

①:自分フィールド上のカードがカードの効果の対象になった場合、その効果は無効になり、このカードは墓地に送られる。

 

《軍師カッショ》

レベル4地属性戦士族・ユナイト・効果ATK800 DEF1600/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚されたターン終了時まで、相手フィールド上のモンスターの攻撃力は800アップする。

ユナイト効果

①:自分フィールド上の全てのユナイトモンスターの攻撃力は800アップする。

②:自分フィールド上のユナイトモンスターが戦闘によって破壊された場合、このカードを墓地に送る事でそのモンスターをプレイヤーに装備する事ができる。

 

《旋風忍者シュウソウ》

レベル6風属性戦士族・ユナイト・効果ATK2200 DEF1000/装備ATK+1600

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1度ずつ攻撃することができる。

②:自分フィールド上のモンスターがカードの効果の対象になるか効果の対象になる相手の効果が発動した場合に発動することができる。代わりにこのカードが対象になり、ユナイトカウンター1つをプレイヤーカードに置く。

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードが破壊された場合、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して発動する。そのカードを破壊する。

 

《ブレイズ・スロープ》

レベル3炎属性獣戦士族・ユナイト・効果ATK1000 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン、自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター以外のモンスター効果を発動することができない。

ユナイト効果

①:?

 

《メタファイズ・デーモンズ・ドラゴン》

レベル9光属性幻竜族・ユナイトATK3200 DEF2500/装備ATK+3000

属性が異なるモンスター3体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

なし

ユナイト効果

①:このカードが装備されたプレイヤーが与える戦闘ダメージは1000になる。

 

《ピカリュウ》

レベル2光属性幻竜族・ユナイトATK600 DEF500/装備ATK+600

幻竜族モンスター1体+ユナイトカウンター1個

モンスター効果

なし

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードが墓地に送られた場合に、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターは次のターン終了時まで表示形式を変更できず、攻撃できない。

 

《マシン・ゴレイム》

レベル7地属性機械族・ユナイト・効果ATK2400 DEF2000/装備ATK+1800

ユナイトカウンター3個+機械族モンスター2体

モンスター効果

①:このカードは水属性モンスター以外のカードの効果の対象にならず、効果では破壊されない。

②:このカードの攻撃力は相手フィールド上のモンスター1体につき、100ポイント、攻撃力がアップする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、装備状態のカードは相手のカードの効果を受けず、破壊されない。

 

《マシン・ブレイザード》

レベル6水属性機械族・ユナイト・効果ATK2400 DEF2200/装備ATK+2200

ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:1ターンに1度、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを守備表示にし、次の自分のターンのスタンバイフェイズまでそのモンスターの効果を無効になり、表示形式を変更できない。

②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

ユナイト効果

①:装備プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:装備状態のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。

 

《天獄龍 アルマゲドン》

レベル10光属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK3500 DEF2800/装備ATK+3200

レベル8以上の光属性モンスター3体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:このカードが墓地に存在する場合、墓地からレベル8以上の光属性モンスター3体をゲームから除外して発動する。墓地のこのカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードはカードの効果の対象にならない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、自分のデッキからカードを1枚ドローし、ターン終了時まで、プレイヤーの攻撃力は800アップする。

 

《陽光龍 ガランテール》

レベル8光属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2000/装備ATK+2500

レベル8以上の光属性モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:?

ユナイト効果

①:プレイヤーが攻撃力2000以上のモンスターかプレイヤーとの戦闘で与えるダメージは2倍になる。

②:自分フィールド上の攻撃力2000以上のモンスターの攻撃力は半分になる。

 

《黒鋼の将軍フリーデン》

レベル7闇属性戦士族・ユナイト・効果ATK2800 DEF2300/装備ATK+2800

戦士族モンスター2体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:1ターンに1度、手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上のモンスター1体までと自分の墓地の戦士族モンスター1体までを選択して発動できる。そのモンスターを手札に戻す。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、手札から戦士族モンスター1体を特殊召喚することができる。

 

《不屈の兵士》

レベル2地属性戦士族・ユナイト・効果ATK500 DEF500/装備ATK+500

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

このカードは自分フィールド上のカードが相手フィールド上のカードより3枚以上少ない場合のみ、ユナイト召喚することができる。

ユナイト効果

①:装備状態のこのカードは1ターンに1度、戦闘では破壊されない。

 

《ブレード・ヴォルファング》

レベル7地属性獣族・ユナイト・効果ATK2600 DEF2200/装備ATK+2400

獣族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分の墓地からレベル4以下の獣族モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚することができる。

ユナイト効果

①:このカードを装備したプレイヤーが攻撃する場合、そのバトル中、互いのプレイヤーの攻撃力は増減しない。

 

《ダイナミック・ダイナソー》

レベル7地属性恐竜族・ユナイト・効果ATK2800 DEF2500/装備ATK+2600

恐竜族モンスター2体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:自分フィールド上の恐竜族モンスターが破壊された場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力の半分、アップする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、自分フィールド上の恐竜族モンスター1体と相手フィールド上のカード1枚を選択して発動する。選択したカードを破壊する。

 

《テクノロギア・バスタード》

レベル5光属性機械族・ユナイトATK2300DEF1200(装備時+1600)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動することができる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで200ポイントアップする。

ユナイト効果

①:このカードがプレイヤーカードに装備された場合、自分フィールド上のカード1枚をリリースし、自分の墓地のレベル4以下のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーカードに装備する。

 

《テクノロギア・ブレイズィング》

レベル5光属性機械族・ユナイトATK2000DEF1800(装備時+1400)

ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:このカードが攻撃対象か効果の対象になった場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動することができる。そのモンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントダウンする。

ユナイト効果

①:装備モンスターが戦闘を行った場合、相手ライフに1000ポイントのダメージを与える。

 

《テクノロギア・ダークギカント》

レベル8闇属性機械族・ユナイトATK3000DEF3000(装備ATK+2800)

「テクノロギア」モンスター1体+ユナイトカウンター×4

モンスター効果

①:1ターンに1度、墓地の「テクノロギア」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

②:このカードの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力の半分、攻撃力がアップし、そのモンスター効果を得る。

③:このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊する。

ユナイト効果

①:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:1ターンに1度、このカードがカードの効果で破壊される場合、代わりにユナイトカウンターを1個取り除く。

 

《デス・ガイアス》

レベル10地属性岩石族・ユナイト・効果ATK3000 DEF3000/装備ATK+?

レベル8モンスター+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが自分のターンのドローフェイズ時に墓地に存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札を1枚捨て、このカードをプレイヤーに装備できる。このターン、他のカードをプレイできない。

ユナイト効果

このカードは元々の攻撃力が700以上の「テラー」プレイヤーカードにのみ装備できる。

①:プレイヤーの攻撃力は、自分の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

②:装備プレイヤーは、効果ダメージを受けない。

 

《双頭の魔竜 ディープ・ダークス》

レベル9闇属性悪魔族・ユナイト・効果ATK3100 DEF2800/装備ATK+2900

闇属性レベル8モンスター×2+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃することができる。

ユナイト効果

①:1ターンに2度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのカードを破壊する。

 

《カースド・ナイト》

レベル3闇属性戦士族・ユナイト・効果ATK900DEF1200/装備ATK+900

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚した次の自分のスタンバイフェイズ時まで、自分フィールド上の闇属性以外のモンスターの攻撃力は300ダウンする。

ユナイト効果

①:このカードがフィールド上に存在する限り、相手プレイヤーと相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力と守備力は300ダウンする。

 

プレイヤーカード

 

《アームドナイト ビリーバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍になる。

 

《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:1ターンに4度まで自分のターンに自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:1ターンに1度、自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードのユナイトカウンターを1つ取り除くことができる。

 

《アームドナイト シジュ》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが2個以下の場合、自分または相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットする度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードと自分フィールド上のモンスターはこのカードにのっているユナイトカウンター1つにつき100ポイント攻撃力がアップする。

④:このカードのユナイトカウンターを2個取り除いて発動する。このカードに装備されたユナイトモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 

《アームドナイト グレン》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上の炎属性モンスターか風属性モンスターが破壊される度、このカードの上のユナイトカウンターが3つ以下の場合、ユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分の炎属性モンスターまたは風属性モンスターが対象とる効果を発動時に、このカードのユナイトカウンターを1個取り除いて発動する。その効果の対象を1つ増やす。

 

《ファイティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がユナイトモンスター以外の魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 

《スターター・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上のモンスターが墓地に送られた場合に発動することができる。このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果はデュエル中に1度だけ発動することができる。

 

《サポーティング・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが2個以下の場合、自分または相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットする度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中、ユナイトモンスターを装備している場合、自分フィールド上のモンスターは攻撃力が300アップする。

④:自分のデュエル開始時に自分のライフを300回復する。

 

《ナイト・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが3個以下の場合、自分フィールド上に戦士族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上の戦士族以外のモンスターの攻撃力と守備力は300ポイントダウンする。

③:自分フィールド上の戦士族ユナイトモンスターと戦士族ユナイトモンスターを装備しているプレイヤーの攻撃力は400アップする。

 

《プレーン・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分が効果を持たないモンスターをEXデッキから特殊召喚したターン終了時、自分EXモンスターゾーンの効果を持たないモンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを任意のメインモンスターゾーンに移動する。

 

《キズナ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンにモンスターを召喚・特殊召喚する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合、このカードと自分EXモンスターゾーンのモンスターの攻撃力は300アップする。 

 

《グローリー・ブレイバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが4個以下の場合、自分フィールド上にレベル5以上の光属性族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを2個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上に特殊召喚されたモンスターは特殊召喚されたターン、攻撃することができない。

③:このカードにレベル5以上の光属性ユナイトモンスターが装備されている場合、攻撃力が500アップし、このカードが相手守備表示モンスターをを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

《ダイナ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:このカードにのっているユナイトが3個以下の場合、自分フィールド上に恐竜族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分フィールド上の恐竜族以外のモンスターの攻撃力と守備力は300ポイントダウンする。

③:自分フィールド上の恐竜族ユナイトモンスターと恐竜族ユナイトモンスターを装備しているプレイヤーの攻撃力は400アップする。

 

《マスターテラー:ヒュドボロス》

プレイヤーカード ATK1000

①:デュエル開始時、自分は500ポイントライフを失う。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分フィールド上のカード1枚か手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上の表側表示モンスター1体までを選択して発動する。そのモンスターはターン終了時までモンスター効果が無効になり、攻撃力と守備力が300ポイントダウンする。このカードにユナイトカウンターを2つのせる。この効果はお互いのターンのバトルフェイズにのみ発動することができる。

 

《ハイテラー:ストリア》

プレイヤーカード ATK0

①:1ターンに1度、自分のメインモンスターゾーンのモンスターの位置を並べ替え、このカードの上にユナイトカウンターを1個置き、そのモンスターの位置を任意の位置に移動する。自分の墓地にカードが8枚以上ある場合、この効果は相手ターンでも発動することができる。

②:自分は「テクノロギア」モンスター以外のモンスターをユナイト召喚することができない。

 

《ハイテラー:ダークス》

プレイヤーカード ATK700

①:1ターンに1度、手札を1枚捨て、相手プレイヤーかモンスター1体を選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は600ダウンする。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《ハイテラー:ティタン》

プレイヤーカード ATK 700

このカードの②の効果はデュエル中、1度しか発動する事ができない。

①:自分フィールド上の守備表示モンスターは守備力が300アップする。

②:自分のターン終了時、守備力2000以上のモンスターが自分フィールド上に存在する場合、ユナイトカウンターを1個得る。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《キメラテラー》

プレイヤーカード ATK 1000

①:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができず、カードをセットできない。

②:自分のライフポイントが1000以下の場合、このカードの攻撃力は1400アップする。

 

《ウルフテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《タートルテラー》

プレイヤーカード ATK600

①:1ターンに1度、自分フィールド上のモンスターはカードの効果では破壊されない。この効果を適用した次のターンの自分のドローフェイズをスキップする。

②:相手はバトルフェイズをスキップできない。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《プラントテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、 自分のライフを600ポイント回復する事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。




改めて、オリカむっちゃ作ったな。


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劇中使用カード ユナイト魔法・罠関連+テクノロギアなど

beatさん、お気に入り登録ありがとうございます。
名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

一旦、前話で紹介しきれなかったカードを紹介します。
備忘録も兼ねています。

2023/12/15 必殺魔法、微エラッタ。


ユナイト魔法・罠

 

《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを2個のせる。

 

《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。

 

《ユナイトイベント―勇猛果敢》

通常魔法

①:このカードはプレイヤーがユナイトモンスターを装備している場合のみ、発動することができる。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、手札に戻したカードの枚数まで自分プレイヤーカードにユナイトカウンターをのせる。

 

《ユナイト・バリア》

通常魔法

このカードは相手フィールド上にのみモンスターが存在する発動することができる。

①:このフェイズ中、自分フィールド上のモンスターは相手のカードの効果を受けない。プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。

 

《ユナイト・ライトニング》

通常魔法

このカードは自分フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合のみ発動することができる。

①:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを破壊する。ユナイトカウンターを1個のせる。

 

《ユナイト・ドロー》

通常魔法

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①:ユナイトカウンターを1つ取り除いて、発動する。フィールド上からモンスター1体を除外し、カードを2枚ドローする。

 

《ユナイト・チャージ》

速攻魔法

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つのせる。相手フィールド上にユナイトモンスターが存在する場合、ターン終了時にデッキから《ユナイト・チャージ》1枚を選択して、手札に加える。

 

《ユナイト・セーブ》

速攻魔法

①:自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターを手札に戻し、プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個のせる。

②:?

 

《ユナイト・スペクタル》

速攻魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動できない。

①:ユナイトカウンターを1個得る。自分フィールド上のモンスターを1体リリースして発動する。リリースしたモンスターと同じ属性のモンスターを墓地から1体選び、守備表示で特殊召喚する。

 

《エマージェンシー・ユナイト》

通常罠

このカードは相手ターンにのみ発動する事ができる。

①:自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して、プレイヤーに装備する。

この効果で装備されたユナイトモンスターはターン終了時まで、破壊されない。

 

《ユナイト・ウェポナイズ》

通常罠

①:自分フィールド上のユナイトモンスター1体をゲームから除外して発動する。発動時に除外したユナイトモンスターをプレイヤーに装備する。

②:墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1つ置く。

この効果は墓地に送られたターンには発動することができない。

 

《ユナイトチャーム》

通常罠

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個乗せ、このターン受けるダメージを半分にする。

 

《ユナイト・ウォール》

通常罠

①:2000以上のダメージを受ける場合に発動する事ができる。そのダメージとこのターンに自分が受けるダメージは半分になり、自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを3つ置く。

 

《ユナイト・プロテクション》

通常罠

このカードは相手ターンでしか発動することができない。

①:ターン終了時までプレイヤーの攻撃力は1000アップし、装備されているユナイトモンスターは戦闘・効果でフィールドから離れない。

②:自分が装備しているユナイトモンスターがフィールドから離れる場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。

 

《ユナイト・ヴァニッシュ》

通常罠

このカードはユナイトカウンターを1個取り除く事で手札から発動する事もできる。

①:相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターのモンスター効果はターン終了時まで無効になる。

 

《ユナイト・ブースト》

通常罠

自分フィールドのモンスター1体までを選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は1200アップし、ユナイトカウンターを1個のせる。

 

《ユナイト・イグニション》

通常罠

①:ユナイト召喚またはユナイトイクイップを行う。

 

《ユナイト・リミット》

永続罠

①:相手プレイヤーはユナイトモンスターを1体しか装備できず、相手フィールド上のユナイトモンスターのモンスターのユナイト効果は無効になる。

 

《ユナイト・パニッシュメント》

カウンター罠

①:相手がモンスターの特殊召喚かユナイトモンスターを装備した場合に、自分フィールド上のユナイトモンスター1体をリリースして発動できる。それを無効にし、破壊する。ユナイトカウンターを1個得る。

 

 

 

必殺魔法

 

《The White Arcanum》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用でき、発動条件は無視できない。

①:このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ハクア》でレベルの合計が7以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、メインフフェイズ1にユナイトカウンターを4個以上全て取り除いて発動する。5個以上のユナイトカウンターを取り除いた場合、この効果の発動と効果を無効にできない。相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送り、相手プレイヤーに自分プレイヤーカードの攻撃力に1500加えた数値分の戦闘ダメージを相手プレイヤーに与える(相手プレイヤーの攻撃力分ダメージは軽減される)。その後、このターンを終了する。

 

《The Violet Violence》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト シジュ》でレベルの合計が7以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを3個以上取り除いて発動する。4個以上、取り除いて発動した場合はこの効果の発動と効果を無効にできない。

①:相手フィールド上のモンスターと魔法・罠ゾーンのカードは次の自分のターンのスタンバイフェイズまで無効になり、攻撃力と守備力は3000ポイントダウンし、表示形式を変更できない。

 

《The Silver World》

フィールド魔法

このカード名の①効果はデュエル中に1度のみ適用できる。このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ビリーバー》でレベルの合計が8以上のユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを4個以上取り除いて発動する。5個以上、取り除いて発動した場合はこの効果の発動と効果を無効にできず、このターンのバトルフェイズはスキップされない。

①:このカードの発動時の効果処理として、ターン終了時までプレイヤーカードは以下の効果を得る。

●このカードはこのカードの発動時に取り除いたユナイトカウンターの数まで、攻撃できる。

●このカードの攻撃対象になる度、そのモンスターかプレイヤーの攻撃力と守備力はターン終了時まで1000ダウンする。

●プレイヤーカードは相手の効果を受けず、このカードに装備されているユナイトモンスターはフィールドから離れない。

②:相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に200ポイントのダメージを与える。

 

 

 

テクノロギア

 

《テクノロギア・マテリアル》

レベル1光属性雷族・効果ATK100DEF100

このカードはEXデッキからモンスターを特殊召喚するための素材にできない。

①:自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールド上の全てのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が100ポイントアップする。

 

《テクノロギア・サーベルタイガー》

レベル4光属性獣族・効果ATK1800DEF1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動する事ができない

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、手札またはデッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

 

《テクノロギア・オックス》

レベル4光属性獣族・効果ATK1600DEF1900

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動する。自分の手札または墓地から《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

 

《テクノロギア・ファルコン》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF1700

このカード名の①と②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードがカードの効果の対象になった場合、自分のデッキまたは墓地から《テクノロギア・マテリアル》1体を手札に加えることができる。

②:デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動する。ターン終了時まで、このカード以外の自分フィールド上のモンスターの攻撃力は200ポイントアップする。

 

《テクノロギア・ワイルドキャット》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF500

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカード召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を墓地に送る。墓地に《テクノロギア・マテリアル》が3枚存在する場合、代わりに「テクノロギア」モンスター1体を墓地に送る。

 

《テクノロギア・ハウンド》

レベル4光属性獣族・効果ATK1700DEF500

このカード名の①と②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:自分フィールドに「テクノロギア」モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

②:自分の墓地にこのカードと《テクノロギア・マテリアル》が存在する場合、墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を選択して、手札に戻す。

 

《テクノロギア・クラッシャー》

レベル5光属性機械族・効果ATK2200DEF1600

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのカードを破壊する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・ランサー》

レベル6光属性機械族・効果ATK2400DEF1500

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して発動する。そのカードを破壊する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・ガンナー》

レベル6光属性機械族・効果ATK1600DEF2500

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動する。そのカードを手札に戻す。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・ソーディアン》

レベル5光属性機械族・効果ATK2000DEF2000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキから「テクノロギア」モンスター1体を手札に加える。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・ファイター》

レベル5光属性機械族・効果ATK2100DEF1500

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキからレベル4以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

《テクノロギア・パイルバンカー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2400DEF3000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の墓地に《テクノロギア・マテリアル》2体以上存在する場合、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、相手フィールド上の縦列を選択して発動する事ができる。それらのカードを墓地に送る。

③:自分の墓地のカードが8枚以上でこのカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスターの戦闘で自分が受けるダメージは0になる。

 

《テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の墓地に《テクノロギア・マテリアル》2体以上存在する場合、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:自分の墓地のカードが8枚以上でこのカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の「テクノロギア」カードは1ターンに1度、効果で破壊されず、「テクノロギア」モンスターの戦闘で自分が受けるダメージは0になる。

 

《テクノロギアマイスター ステイル》

リンク1光属性サイキック族・リンクATK500 リンクマーカー:下

「テクノロギア」モンスター1体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキか墓地から《テクノロギア・マテリアル》1枚を手札に加える。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500ダウンする。

 

《テクノロギアマイスター サクナ》

リンク2光属性サイキック族・リンクATK900 リンクマーカー:左・下

トークンでないモンスター2体

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に手札を1枚捨て、自分の墓地の「テクノロギア」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に戻す。この効果を発動するターン、「テクノロギア」モンスター以外のモンスターを特殊召喚する事ができない、

②:1ターンに1度、自分の魔法・罠ゾーンのカード1枚を選択して発動する。そのカードを空いている魔法・罠カードゾーンに移動する。

 

《テクノロギアマイスター クラフト》

リンク3光属性サイキック族・リンクATK2200 リンクマーカー:上・下・右

効果モンスター2体以上

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードがリンク召喚に成功した場合に、相手フィールド上のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。また、自分の墓地に「テクノロギア」モンスターが5枚以上、存在する場合、デッキから1枚ドローする。

②:このカードが攻撃した攻撃宣言時に発動する。相手は罠カードを発動できず、相手ライフに800ポイントのダメージを与える。

 

《ハイテクノロギア・ファーヴリル》

リンク4光属性ドラゴン族・リンクATK3000 リンクマーカー:左・上・下・右

種族が異なる効果モンスター2体以上

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードが攻撃対象か、相手のカードの効果の対象になった場合に発動できる。自分の墓地から「テクノロギア」モンスター1体を選択し、守備力を半分にして表側守備表示で特殊召喚し、その対象を特殊召喚したモンスターに移す。(この効果で特殊召喚したモンスターの効果はタイミングを逃さない。)

②:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1枚を選択して発動する。そのモンスターを破壊する。このカードが「テクノロギア」リンクモンスターと相互リンクしている場合は、魔法・罠カードも破壊でき、相手メインフェイズにも発動できる。

 

 

《テクノロギアン・リユース》

通常魔法

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分の墓地の「テクノロギア・マテリアル」の数まで自分の墓地の「テクノロギア」モンスターを選択して発動できる。そのカードを手札に戻す。

 

《テクノロギアン・エンハンス》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送り、フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターはターン終了時まで攻撃力は500ポイントアップする。

②:相手バトルフェイズ中、墓地のこのカードを含むカード10枚をゲームから除外して発動する。自分はデッキからカードを2枚ドローし、このターンに受けるダメージは半分になる。

 

《テクノロギアン・デベロップメント》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。手札からレベル5以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚することができる。自分の墓地に「テクノロギア・マテリアル」が3枚存在する場合、代わりに墓地の「テクノロギア」モンスター1体を選択して特殊召喚することができる。

 

《テクノロギアン・リバイバル》

永続罠

①:このカードの発動時の効果処理として自分の墓地から「テクノロギア」モンスター1体を選択して墓地から特殊召喚する事ができる。

②:1ターンに1度、自分のデッキの1番上のカードを墓地に送って発動する。ライフを200回復する。

 

《テクノロギアン・セキュリティ》

永続罠

①:1ターンに1度、手札またはデッキからレベル5以上の「テクノロギア」モンスター1体を召喚する事ができる。

②:1ターンに1度、このカードと同じ縦列の「テクノロギア」モンスター1体を対象とするカードが発動した時、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

カジノ

 

《カジノディーラー ベガス》

レベル4/水属性/魔法使い族・効果/ATK1600/DEF1300

自分フィールド上に「カジノステージ」カードが存在する場合のみ、 このカードは表側表示で召喚できる。

①:このカードが召喚に成功した時、自分のデッキから「カジノステージ」カード1枚を手札に加える。この効果を発動した次の自分のターンのスタンバイフェイズ時まで、お互いのプレイヤーが1度に受ける戦闘ダメージは400になる。

②:このカードが相手のカードの効果の対象か攻撃対象になった場合、このカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードを相手プレイヤーは1度、発動する。

 

《カジノ・ベルマン》

レベル3水属性獣戦士族・効果ATK800DEF1000

①:自分フィールド上に「カジノステージ」カードが存在するバトルフェイズ中に発動する。手札のこのカードを特殊召喚し、全てのプレイヤーはカードを1枚ドローする。

②:このカードが攻撃対象か効果の対象になった場合、このカードをリリースして発動することができる。相手プレイヤーは自分フィールド上の「カジノステージ」カードを1度、発動する。

 

《カジノキーパー グシオン》

レベル8/闇属性/悪魔族・特殊召喚・効果/ATK2000/DEF4000

このカードは通常召喚できない。

自分が裏向きでゲームから除外したカードが8枚以上ある場合、その内の4枚をデッキに戻す事で手札から自分フィールド上の「カジノステージ」カードと同じ縦列に特殊召喚できる。

①:このカードとこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードは相手のカードの効果をフィールドから離れない。

②:相手プレイヤーがこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードの効果を発動する度、このカードの守備力は500ダウンする。

 

《カジノキーパー フラウロス》

レベル8/闇属性/悪魔族・特殊召喚・効果/ATK4000/DEF1000

このカードは通常召喚できない。

このカード名はフィールド上に1枚しか、存在することができない。

自分が裏向きでゲームから除外したカードが8枚以上ある場合、その内の4枚をデッキに戻す事で手札から自分フィールド上の「カジノステージ」カードと同じ縦列に特殊召喚できる。

①:このカードとこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードは相手のカードの効果でフィールドから離れない。.

②:相手プレイヤーがこのカードと同じ縦列の「カジノステージ」カードの効果を発動する度、ターン終了時までこのカードの攻撃力は800ダウンする。

 

《カジノステージ ルーレット・キャッスル》

永続魔法

自分はこのカードの(1)の効果を1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:お互いのプレイヤーは自分メインフェイズ時に、デッキの上からカード3枚を裏向きで除外して発動できる。コイントスを1回行う。表が出た場合、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする。この効果は相手プレイヤーでも発動する事ができる。

 

《カジノステージ もふもふバックギャモン》

永続魔法

自分はこのカードの(1)の効果を1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:お互いのプレイヤーは自分メインフェイズ時にデッキの上からカード2枚を裏向きで除外して発動できる。サイコロを1回振る。1か3か5か6が出た場合、500ライフを回復する。この効果は相手プレイヤーでも発動する事ができる。

 

 

その他

 

《絆クリボー》

レベル1地属性悪魔族・効果ATK300DEF200

①:バトルフェイズ中、このカードを手札から墓地へ送って発動する。このバトルフェイズ終了し、相手はライフを1000回復し、自分は1000ポイントのダメージを受ける。

②:?

 

《プラチナム・ドラゴン》

レベル4光属性幻竜族・効果ATK1500DEF1500

①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する事ができる。自分プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個のせる。

 

《炎風延焼》

通常魔法

このカードは炎属性モンスターと風属性モンスターがカードの効果を発動したターン、自分フィールド上に炎属性モンスターと風属性モンスターがそれぞれ、1体以上存在する場合に発動する事ができる。

①:相手フィールド上のモンスターと魔法・罠カードゾーンのカードを全て破壊し、カードを1枚ドローする。発動したこのカードは、手札に戻る。

 

《炎と風のカーニバル》

永続魔法

このカード名の①と②の効果はそれぞれ、1ターンに1度だけ、発動する事ができる。

①:炎属性モンスターの召喚に成功した場合、デッキから召喚した場合、風属性モンスター1枚を選んで手札に加える。

②:風属性モンスターの召喚に成功した場合、デッキから召喚した場合、炎属性モンスター1枚を選んで手札に加える。

 

《炎風誘発》

永続魔法

このカード名の①と②の効果はそれぞれ、1ターンに1度だけ、発動する事ができる。

①:炎属性モンスターの効果が発動に成功した場合、手札から風属性モンスター1枚を特殊召喚する事ができる。

②:風属性モンスターの効果が発動に成功した場合、自分のデッキから炎属性モンスターを1枚選んで墓地に送る。

 

 




結構、忘れていたカードが多いな。まだ、抜けがあるかも。


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3章 決闘共鳴編
番外編 3X話


エイクさん、お気に入り登録ありがとうございます。
名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

UA8888記念です。
この話は第3章の話となります。
後々、本編に加わる予定のためその体で話が進みます。


番外編 3X話

 

―在府東高校・空き教室—

 

とある夏の日———、

 

チームA.ギートの面々は正志が持ってきた次の試合について耳を傾けていた。

 

「次の試合の会場なんだが、俺の高校—在府南高校でやることになった」

 

「まじか。つーか、正志はどこから知ったんだ?」

「そうだぜ」

 

本来、試合の日時は組織委員会から一斉に情報端末に送信される。

何故、同じチームの正志が知っているのか、悟と翔太の疑問は当然のことだ。

「今度の試合相手の『TEACHERS』のメンバーに担任がいてな。校長曰く、『わが校に2部リーグのチームが折角いるのですから、宣伝しない手はありません』とのことだ」

 

「なるほど、それぞれのチームにメンバーが在籍しているからこそ実現したというわけですね。委員会としても丁度良さそうな提案ですね」

 

面白い提案ですと、アイナ先輩は頷く。

アイナ先輩は立場的に大会の表裏をたくさん聞いているのだろう。白砂アイナとしてもハクアとしても。

 

「流石先輩。詳しいですね」

 

フワリ、とほほ笑む先輩。でもどことなく表情が硬い気がする。

 

「ところで、正志君がみんながいるこの場でそう切り出したということは他に何かあるのかしら?」

 

「はい。みんなは『サマーキャンペーン』は知っているな」

 

俺は知らない。

 

「サマーキャンペーン?」

 

「ん、遊士は知らないか。『サマーキャンペーン』は2部リーグ以上の試合で、夏らしいものを会場や試合のルールに盛り込むんだ。サマーキャンペーンとして行われる試合は、勝利ポイントが普段の1.5倍になるおいしいイベントだ」

 

「チームランキングを上げる近道だぜ。ビーチなんかはスゲェ人気だから、場所の取り合いなんだぜ」、と翔太が補足。

 

「つまり、特殊ルールがあるって事か」

 

「ああ、っても大したルール変更はないさ。それに高ェ勝利ポイントだ。相手チームの気合もいつも以上だろうぜ」

 

試合を盛り上げるための肉付けっていったところか。

 

一方、アイナ先輩は何故か固まっていた。

 

 

「え、ちょっと待って!会場が学校ってもしかして・・・」

 

「はい、わが校を挙げて肝試しフラッグデュエルを作り上げるそうです」

 

「あー確かに。南高校ってボロいから、雰囲気でそうだよなー」

 

 

「そんな・・・」

 

 

 

「ホラー部の部長が気合いを入れて作ると言っていたな」

 

正志の不穏な呟きはアイナの耳に入ることはなかった。

 

 

―――――――――

 

 

――――1週間後 試合当日、

 

尾須(おず)先生、今日はよろしくお願いします」

 

「俺が教え子とリーグ戦でデュエルする日がくるとはな。良い勝負にしよう」

 

あれが、正志の担任。英語の尾須先生。

kosmoデッキの使い手にして、TEACHERSのキャプテン。

 

ツカツカツカ

 

校舎の方から2人の女性がやってきた。

片やパンツスーツをカッコよく着こなした背の高い女性。

片や、片方の目を覆う程の長い前髪が特徴的なお下げの女学生。

 

 

「おっ、顔合わせは済ませたか?」

 

「校長先生、いらしてくださったんですか?」

 

あの颯爽としている感じのお姉さんが校長?

 

「リーグ戦の会場設営の経験がないウチを選んでくれたんだ。コッチから出向くのが筋ってもんだろ」

 

そう豪快に良い放つや、アイナ先輩に向かって頭を下げる。

 

「白砂様、我が校を会場とする申請を認めて下さり、ありがとうございます。安全かつ快適に試合ができるよう、全力で運営に当たらせていただきます」

 

「頭を上げてください。私はこの件に関与していません。1選手として、この場にいるのですから」

 

「お心づかい痛み入ります・・・。あー、すまんな。こういうのは慣れないからなぁ」

 

1歩下がり、くるりと此方全体を見渡す。

 

「2チームとも応援しているよ」

 

運営スタッフの方へ颯爽と歩いていった。

 

 

―――――――――

 

 

校長が立ち去ると、ポツンと1人残されたのは女学生1人。

恥ずかしそうに俯いている。

 

というか、この人は誰だろう。

 

「彼女は花上幽子(はながみ ゆうこ)、ホラー部の部長だ。企画や設営を積極的に行ってくれた今回の立役者の1人だ」

 

へー、怖いのは苦手そうな感じなのに、意外だな。

あ、正志の後ろに隠れた。

 

「花上さん、会場の設営ありがとうございます。自信作と聞いて不安になってしまいますね。お手柔らかにお願いします」

 

「ヒャ・・・ヒャィ。こちらっこそ、よろしくお願いしますっ」

 

顔を寄せてきた先輩に、今にも消え入りそうなか細い声。

一瞬の沈黙の後に意を決したように顔を上げる。

 

「あ・・・あの、アイナ様。頑張って下さい。ファンの1人として応援していますっ!」

 

「先輩のファン!?」と、翔太。

 

「は、はい。アイナ様の優しげな話し方。優しくも凛とした態度も素敵です。お話も素晴らしくて・・・、私の憧れです!」

 

スゲェ早口。

 

「熱烈なファンなんだな」

 

「ああ。俺がアイナさんとチームになるって知った時なんか、凄まじかったぞ。だからこそ幽子は今日のイベントに、かなり力を入れていたぞ」

 

「正志くんっ!?」

 

ぶっちゃけたな、正志。

 

「あっ、試合もう始まるみたいだぞ」

 

悟、ナイス。先輩もホッとしているみたいだ。

 

「そうですね。花上さん、失礼します」

 

 

 

―――――――――

 

 

俺達が通されたのは校舎の西側の1階だ。まだ試合前のため、会場の様子が確認できないようカーテンが目前にかかっている。後、ルールブックも渡された。

ルールブックには、①前衛と後衛がない。②5対5の闘い。③フラッグは1つだけ。校舎のどこかに隠されている。と書かれていた。

開始時間が残り5分を切ったところで校内放送が響く。

 

 

「只今より、『TEACHERS』VS 『チームA.ギート』のサマーフラッグデュエルを開始します。勝利条件は相手チームを全て撃破すること、もしくはフラッグの獲得。フラッグはホラーハウスと化した校内のどこかに隠されています。幽霊達を掻い潜りながら探し当てる必要があります。まもなくフラッグデュエル開始です」

 

 

「相手はどこにいるか、分からない。どう攻める?」

 

「1箇所に集まるのもありだけど・・・」

 

悟と翔太のやり取りに、いやと正志が遮る。

 

「この学校には階段がたくさんある。挟み撃ちになる可能性もあるし、フラッグの探索に不利だ」

 

「だからと言って戦力を分散させるわけにもいかない。2手に別れた方が無難って訳か。なら、どう分ける?」

 

戦力のバランスわけが肝。なかなか難しいところだ。

 

「戦力的にチーム最強の先輩と校舎に詳しい正志で機動力を高めて、俺と悟、翔太で足止めするのはどうだ?」

 

「いや。先輩とは遊士が組んだ方が良いと思う。先輩と遊士が暴れている間に俺達3人が臨機応変にフラッグを探す」

 

悟はそれから・・・といくつか作戦を伝える。

 

「悟くんの作戦は理に適っていると思う。チームワークと個の力の柔軟性。うまく両立できていると思うわ」

 

「ありがとうございます。でも結局は臨機応変に対応するしかない形です」

 

「充分だろ。もうすぐ時間だぜ」

 

カーテンが取り払われる。

 

 

―――――FLAG DUEL!―――――

 

 

「ここまでは何も起きなかったな」

 

薄暗闇の廊下を駆ける。不気味なBGMが鳴っていたり、おどろおどろしい小物が置いてあるが、まだ何も起きておらず不気味さが増している。

 

 

「階段だ。ここで2手に分かれるぞ!」

 

俺とアイナ先輩は2階へと続く階段を駆け上がっていった。

 

 

~~~

 

 

「まだ、他のチームは来ていないみたいですね」

 

遊士君は周囲を見渡しなから、そう話しかけた。

ビリーバーである彼の実力、精神力は本物だ。こういった場面では心強い。私は緊張が和らぐのを感じる。

 

「ええ。慎重に行きましょう」

 

 

廊下を1歩踏み出す―――――、

 

手 手 手 手 手 手 手 手 手 手

手 手 手 手 手 手 手 手 手 手

手 手 手 手 手 手 手 手 手 手

手 手 手 手 手 手 手 手 手 手

手 手 手 手 手 手 手 手 手 手

 

「っ・・・!」

 

教室の窓ガラス一面に叩き突けられる無数の手形。

歩き始めてすぐの意識外からの演出に心臓が跳ねる。

 

「らしくなってきたな」

 

遊士君はなんで楽げなの・・・!?

 

フゥ

 

 

気を取り直して、再び前を向く。

 

ストン

 

 

まさか、生首!?思わず身構えてしまう。

 

「え、鏡?」

 

フェイントもあるのね・・・。

いえ、これは・・・。

 

予想が外れてほしいと、目を凝らして鏡をのぞき込んでしまう。

そこに写っていたのは無数の生気のない瞳。

 

ゆっくりと振り向く。

 

「ヒッ・・・」

 

Arrr・・・ Arrr・・・ Arrr・・・

 

背後にはゾンビ達がすぐそこまでにじり寄ってきた。

 

 

逃げないと。駆け出そうと足に力を入れる。

 

 

だが―――――、

 

 

「あっ、前にも現れましたね。よく練られている」

 

「なんでそんなに暢気なのっ!?」

 

遊士君、何言っているの?!

 

「ソリッドビジョンですし・・・。昔、似たようなのを何度も見たことがありますからね」

 

遊士君は一体、どんな経験をしてきたの?

 

 

キャア―――!!  ウワァアアーーー!

 

 

「上の階と下の階か。今ので居場所がわかりましたね。早く向かえば間に合いますね」

 

「ちょっと待ってください!足がすくんで動けなくて・・・」

 

「あーそうですね。でしたら、この教室で身を隠していてください。偵察していきます」

 

遊士君が示したのは、先に無数の手形が現れた教室。

え・・・。あそこに1人でいるの?

 

 

「1人に・・・、しないでください・・・」

 

「・・・わかりました。一緒に行きましょう。女の子をこんなところで1人にするのは軽率でしたね」

 

つかまってください、と手を差し出す遊士君。私は何のためらいもなく手首を握った。

 

 

 

―――――――――

 

 

同時刻、放送室―――、

 

放送室には、今回のソリッドビジョンを操作するシステムや学園内に多数取り付けたカメラを見るための数多くのモニターが備え付けられている。

この中で、得意気に腕組みをして、モニターを見上げているのは小岩井響(こいわい ひびき)校長。

 

 

「花上、うまくいっているようだな」

 

「校長先生、ありがとうございます。みんなで頑張って準備した甲斐がありました」

 

「フ、今回のホラーハウスならぬ、ホラースクールが有名になればわが校への注目ももっと集まるからな。話題になるものはあればあるほど良いからな」

 

尚、この後やりすぎと運営から叱られるのはまだ誰も知らない。

 

「ええ、参加者の皆様も素敵な反応をしてくださいます」

 

「ですが部長。あのグループだけはあまり反応が芳しくありません」

 

部員の1人が遊士とアイナがいるモニターを指し示す。

2人とも意に返さずに進み続けている。

 

「なるほど。まだまだリアリティが足りないみたいです。私は少し出ていきます。皆さんソリッドビジョンの操作は任せましたよ」

 

花上幽子は普段はオドオドしている。しかし、ホラーの事となると一切の妥協は許さず、自らの道を行くのだ。

だからこそ彼女は、南高校伝統のホラー部の部長の座を勝ち取ったのだ。

 

「まさか、部長自ら・・・。本格的に参加者皆様が心配になるな」

 

部員のぼそりとした呟きに小岩井校長が反応する。

 

「それほどなのか」

 

「はい、部長の操演の人形達に命を吹き込みます」

 

「それは期待できそうだな」

 

 

より話題になるだろうと、小岩井校長は呵呵と笑う。

コレがきっかけで、来年の受験者数が更に減ることを彼女はまだ知らない。

 

 

 

―――――――――

 

 

 

「妙な扉が出てきたな・・・」

 

遊士達の前には「1」と書かれた2つの扉があった。

 

「恐らくこの先にフラッグがある可能性が高いですね」

 

俺は言い淀み、アイナ先輩を見やる。

 

「ええ。ここで別れることになりますね・・・。遊士君、大丈夫です。もう落ち着きましたから」

 

「・・・」

 

「フフ。遊士君のお話を聞いていたら気がほぐれました。師匠の方の『ツッコミを心に持て』と。面白いことをおっしゃる方がいるのですね」

 

師匠だからな。兎に角、破天荒な人だった。

あのグラサンアフロ、今何やってんだろう?

 

「わかりました。では行きましょう」

 

 

~~~

 

 

 

 

 

―――――――――

 

アハハ キャハハ アハハ キャハハ

 

 

私が入った教室の中では少女の声が鳴り響いている。

ホラーと化したドールハウスと言ったところ。

ですが、もうこのソリッドビジョンには慣れました。

目の前に漂っている日本人形も怖くはありません。

手を伸ばして来ようとも無意味な事。

 

サラリ

 

キレイナカミ ステキ ウラヤマシイ ステキ

 

「な・・・、なんで・・・」

 

触れるの?

 

 

ペタン

 

 

「ウフフ。アイナ様、何て素敵な表情をされるんです?」

 

高い場所から笑い声がする。

机の上に佇んでいたのは、お下げの少女。

彼女は人形を操る為の操作板を持っていた。

 

 

「あなたは・・・、花上さん・・・?」

 

嬉そうに唇を吊り上げる花上さん。

最初に会った時の自信無さげな印象とはまるで違う。

彼女こそがこのホラースクールの女王であるかのようだ。

 

「覚えていて下さったんですね。感激です♪」

 

 

 

花上さんは嬉そうに大きくかぶりをふる。

お下げにしていたリボンが外れ、前髪で隠されていた片目もあらわになった。

怪しく輝く双瞳は狂喜の色に染まっている。

その狂喜に呼応するかのように、彼女の周りから黒いオーラが立ち上る。

オーラは彼女のデュエルディスクのプレイヤーカードに集まっていく。

 

《デュエリスト・グール》

《リッチテラー》

 

彼女のデュエルディスクにカードが収まると、変貌が始まる。

胸元が開いた漆黒のドレスに衣装が変わり、肌は青白くなる。

その姿は死霊達の女王そのもの。

 

『Lich Terrorrr…』

 

「テラーに!?」

 

「アハッ。この力があれば、やりたかったことが全部できる!」

 

 

彼女から赤い稲妻のようなラインが床や壁に広がっていく。

 

キギィ キギィ キギィ

キギィ キギィ

キギィ キギィ キギィ

 

 

ラインからいくつもの裂け目ができあがり、その中からゾンビを模した仮面をつけたテラーミニオンズが現出する。

 

「アハハハハッ!どうですか。素晴らしいでしょう?恐ろしいでしょう?」

 

己の力に酔いしれる花上さんーリッチテラー。

 

「いいえ。テラーならば慣れている!」

 

《アームドナイト ハクア》

 

「それはっ!何故あなたがそれを!?」

 

 

【Duel disk stand by… Set Player card】

 

構えていたハクアのプレイヤーカードをデュエルディスクにセットする。

 

「アームドフォーゼ!」 

 

【Accept!ARMED PHOSE!This is the Armed Knight HAKUA!】

 

 

「私の誇りに誓って、あなたを倒す!」

 

 

~~~

 

一方、遊士-アームドナイト ビリーバーは突然壁や床中から這い出てきたゾンビミニオンズ達を薙ぎ払っていた。

 

「数が多いな」

 

このままでは他の参加者やスタッフに危害が及ぶのは確実だ。

 

「一刻も早くみんなを助けないと。ザンブ、アレをやるぞ!」

 

『アレか。今は時間が惜しい。あの姿ならば・・・!』

 

ビリーバーはフェイタルブレードと化したザンブをデュエルディスクのプレイヤーカードへと翳す。

 

「ザンブ、行くぜ!」

 

『おう!』

 

「『決闘共鳴(デュエル・レゾナンス)!」』

 

眩い輝きがビリーバー達を覆った。

 

 

~~~

 

 

ゾンビ型のテラーミニオンズ達が此方を取り囲む。

 

 

「その鎧は見たことがあります。アイナ様がハクア様だったんですね。お2人はご親戚かと思っていましたが、同一人物とは。ですが、この数の差に勝てると・・・」

 

【Feather Ray!】

 

背中から現れた機械翼から無数の光線がゾンビ達を焼き切る。

レーザーファルコンのイクイップ形態はテラーミニオンズの殲滅に最も向いている形態の1つである。

 

「まさか、その鎧にも人智を越えた力が・・・」

 

呆けてしまうリッチテラー。ハクアにとってはあまりにも長い隙が生まれる。

 

「この力は、お前達テラーを打倒するものだ!」

 

 

蹴り払いが炸裂し、上下が反転する。

 

【RAJ System Awaking!】

 

そうして、世界も反転する。

これよりデュエルの世界へ切り替わる。

 

リッチテラーが見上げると、デュエルディスクを構えるハクアの姿。その様は処刑人のよう。

 

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「私のターン、《新星騎士マルクレス》*1(レベル4 ATK1700)を召喚」

 

【Summon】

 

リッチテラーは紅の鎧騎士を睨みつける。

 

「そのカードはハクア様が最近使うようになったシリーズカード・・・」

 

リッチテラー、花上幽子はアイナに少しでも関わりがあるであろう事象には全て目を通す。

ハクアの動向はアイナ様ファンクラブの一員としては、必修項目である。

 

 

「《新星騎士マルクレス》の召喚時の効果を発動する!」

 

「させません!手札から《灰流うらら》の効果を発動。その効果を無効にします!」

 

【Chain Effect:Invarid】

 

新星騎士マルクレスのマルクレスカードのサーチは展開の要にしてユナイトカウンターを増やす強力な効果。防ぐのは当然と言える。

 

 

「手札から《到拳王マルクレス》*2の効果を発動。デッキから《巡聖騎士マルクレス》を手札に加える」(ハクア:ユナイトカウンター0→1*3

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Serch!】

 

「《新星騎士マルクレス》の2つ目の効果を発動。このカードをリリースして、手札からレベル5の《巡聖騎士マルクレス》*4(ATK2100)を特殊召喚!」

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Summon!】

 

「フィールド魔法、《召魔装着》を発動」(ハクア:ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect】

 

「《巡聖騎士マルクレス》の攻撃力は300アップ(ATK2100→2400)。更に、マジックカードを発動したことで《巡聖騎士マルクレス》の効果が発動される。デッキから装備魔法《天命の聖剣》を手札に加え、ユナイトカウンターを1つ得る」(ハクア:ユナイトカウンター2→4)

 

【Monster Effect-Select 1 Magic-Serch!】

 

「手札を1枚捨て、《召魔装着》の効果を発動。デッキからレベル6《魔装戦士マルクレス》*5(ATK2400→2700)を特殊召喚!」

 

【Magic Effect-Select 1 Monster-Summon!】

 

 

同じ顔の赤毛の騎士と戦士が並ぶ。

 

「《魔装戦士マルクレス》の2つ目の効果を発動。このカードをリリースして、墓地からレベル7《到拳王マルクレス》(レベル5 ATK2600→2900)を特殊召喚!」

 

ナックルダスターを装備した赤毛の重戦士が床の魔法陣から拳をついた姿勢で現れ、ゆらりと巨大な体躯を持ち上げる。

その姿は巨大な剣闘王(タイタニック・チャンピオン)の生き写し。

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Summon!】

 

「《巡聖騎士マルクレス》とユナイトカウンター3個でコーリング!」 

 

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

 

「ユナイトイクイップ!我が盾となれ!《クラウンシェル・レオーネ》*6!(《アームドナイト ハクア》ATK0→1500)」

 

【Leon Shield!】

 

ライオンを象った白の円盾がハクアに装備された。

 

 

「《到拳王マルクレス》に《天命の聖剣》を装備し、ターン終了」(ハクア:ユナイトカウンター1→2)

 

【Turn End】

 

アームドナイト ハクア(白砂アイナ) LP4000

手札:2枚

場:《到拳王マルクレス》ATK2900(《天命の聖剣》装備)

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》(《クラウンシェル・レオーネ》装備)ATK1500、ユナイトカウンター2個

 

 

 

「私のターンです」

 

【Draw】

 

「魔法カード《手札抹殺》を発動。手札を全て捨て、その枚数分お互いに引きます」

 

【Magic Effect Trash and Draw】

 

「《古先兵ケルベク》が墓地に贈られたため、《古先兵ケルベク》の効果により、お互いのデッキトップの上から5枚墓地に送ってください」

 

【Monster Effect】

 

「墓地にカードを貯めたか」

 

リッチテラーが何をしてくるか未だ読めない。ハクアの表情は硬い。

《到拳王マルクレス》にはモンスター効果を無効にする効果がある。どのタイミングで使うべきか。

デッキの内容が分からない今はマストカウンターの見極めが肝要。

 

「では、《浮幽さくら》の効果を発動します。私は《シャイニング・ユニコーン》を除外します。EXデッキに入っていますね、《シャイニング・ユニコーン》。勿論、マルクレスで無効にしてもらっても構いません」

 

「・・・デッキから《シャイニング・ユニコーン》を除外する」

 

「フフフ。手札からモンスター効果が発動したことで私は墓地の《闇夜の眷属》(レベル4 ATK1800)を5体特殊召喚!」

 

【Chain Effect:Summon】 【Chain Effect:Summon】 【Chain Effect:Summon】

【Chain Effect:Summon】 【Chain Effect:Summon】

 

 

「5体!?同名カードの枚数制限は最大3枚の筈!」

 

だが、大地より現れた5つの召喚陣は止まる気配はない。

 

「くっ、ユナイトカウンターを1つ取り除いて、《到拳王マルクレス》*7のモンスター効果を発動。《闇夜の眷属》1体のモンスター効果を無効にする!」(ハクア:ユナイトカウンター2→1)

 

【Chain Effect:Invarid】

 

デュエルモンスターズでは同一名称のカードの最大投入枚数は3枚。だが、彼女は5体の《闇夜の眷属》を特殊召喚すると言った。

 

「私、リッチテラーの効果です。《リッチテラー》がプレイヤーカードなら、私はデッキに《闇夜の眷属》を20枚まで投入できます」

 

 

《リッチ・テラー》

プレイヤーカード ATK0

①:自分は「闇夜の眷属」をデッキに20枚まで入れることができる。

②:このカードと自分フィールド上の「闇夜の眷属」の攻撃力は自分フィールド上と墓地の「闇夜の眷属」な枚数×100ポイント攻撃力がアップする。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《闇夜の眷属》

レベル4闇属性アンデット族・効果ATK1800DEF0

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:手札からモンスター効果が発動した場合、手札または墓地からこのカードを可能な限り、表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分は「闇夜の眷属」以外のモンスターを召喚・特殊召喚することができない。

②:このカードが墓地の送られた場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのカードの攻撃力と守備力はターン終了時まで900ダウンする。

 

 

豊かな胸に手を当て、そう答えた。

 

「なんて異様な効果」

 

「最もこの効果を発動したターン、私は他のモンスターをフィールドに出せなくなりますが。《リッチテラー》の効果はまだあります。自分の墓地とフィールドの《闇夜の眷属》の枚数の100倍、私と《闇夜の眷属》の攻撃力がアップします」

 

《リッチテラー》ATK0→500 《闇夜の眷属》×4 ATK1800→2300

 

「《闇夜の眷属》で《到拳王マルクレス》を攻撃」

 

闇の瘴気侵されたミイラの1体がマルクレスに迫るが、突き出した拳によって大穴が開けられる。

だが、黒色の包帯がマルクレスに迫る。

 

「《闇夜の眷属》が破壊された場合、相手モンスターの攻撃力を900下げます」

 

【Monster Effect-Select 1 Monster-Status Down!】

 

《到拳王マルクレス》ATK2900→2000

リッチテラーLP4000→3400

 

「自爆特攻か・・・」

 

「2体目の《闇夜の眷属》で《到拳王マルクレス》を攻撃!」

 

アームドナイト ハクア(アイナ)LP4000→3700

 

「《到拳王マルクレス》は《天命の聖剣》の効果で1ターンに1度、破壊されない!」

 

「まだ攻撃は残っています。3体目の《闇夜の眷属》で《到拳王マルクレス》を攻撃」

 

今度こそマルクレスに包帯が突き刺さり、その体躯を塵へと変える。

 

「マルクレスが・・・」

 

アームドナイト ハクア(アイナ)LP3700→3400

 

 

「やりました。私があのハクア様にダメージを・・・。フフッ。今度はその装備を引きはがしてあげます。4体目の《闇夜の眷属》でハクア様、いえアイナ様を攻撃!」

 

ハクアはシールドを構え、四方からの包帯を弾いていく。

しかし数度、叩き落とした後シールドが破裂する。

 

アームドナイト ハクア(アイナ) ATK2200→0 LP3400→3300

 

「装備状態の《クラウンシェル・レオーネ》が破壊されたことで1枚ドロー」

 

【Monster Effect Draw】

 

「フフフ、アハハ。私の攻撃が残っていますよ・・・。やっと私の手で貴女に・・・。フフフ、嬉しすぎます・・・」

 

リッチテラーが腕を上にふるうと黒い顎のような肉塊がハクアに噛みつくように迫る。

 

「ハッ」

 

ハクアは空へとジャンプし、醜悪な顎を回避した。

 

《アームドナイト ハクア》LP3300→2300

 

「はぁあああ~、素晴らしい回避。ほれぼれしちゃいます。カードを1枚セットしてターンエンドです♪」

 

【Set 1 card】

【Turn End】

 

リッチテラー

LP3400

手札3枚

場:《闇夜の眷属》(ATK2300)×3、セットカード1枚

プレイヤーカード:《リッチテラー》ATK1000

 

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「《戦士の生還》を発動。墓地の《新星騎士マルクレス》を手札に加える!」

 

「させません。私は手札から《屋敷わらし》の効果を発動。墓地からカードを回収する《戦士の生還》を無効にします」

 

【Chain Effect:Invarid】

 

「また手札誘発・・・。厄介な」

 

「元々の私のデッキは【妖怪少女】。相手を縛る事は得意です。それだけではありません」

 

【Chain Effect:Summon】 【Chain Effect:Summon】

 

「《闇夜の眷属》を2体、蘇生。私の軍勢は再び完璧なものになりましたよ」

 

「《貪欲な壺》を発動!墓地のモンスターを5体デッキに戻し、2枚ドロー」(ハクア:ユナイトカウンター1→2)

 

【Magic Effect-Select 1 Monster-Summon!】

 

【Magic Effect Draw】

 

「手札を1枚捨て、《召魔装着》の効果を発動。デッキからレベル6《魔装戦士マルクレス》(ATK2400→2700)を特殊召喚!」(ハクア:ユナイトカウンター2→3)

 

【Magic Effect-Select 1 Monster-Summon!】

 

「《魔装戦士マルクレス》の効果を発動。《召魔装着》とあなたのセットカードを破壊する」(ハクア:ユナイトカウンター4→5)

 

【Monster Effect select 2 cards:Destroy!】

 

「そして、ユナイトカウンターを1個得る!」(ハクア:ユナイトカウンター3→4)

 

【And get 1 Unite Counter】

 

「なら、リバースカード発動。《針穴の巣窟》!デッキトップ5枚を墓地に送る!」

 

《闇夜の眷属》《闇夜の眷属》《闇夜の眷属》《闇夜の眷属》《闇夜の眷属》

 

 

「これで私の力は、更なる高みへ至ります!」

 

《リッチテラー》ATK1000→1500

《闇夜の眷属》×5 ATK2300→2800

 

 

「魔法カード《ユナイト・リバイブ》*8を発動。墓地の《クラウンシェル・レオーネ》を装備!」

 

 

【Effect-Select 1 Monster-Equip!】

【Leon Shield!】

 

「《輝きの精霊》(レベル1 ATK100)を召喚」

 

【Summon】

 

「私は《魔装戦士マルクレス》と《輝きの精霊》、ユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ、偉大なる天界の戦機の力を我が元に!《タイタニック・チャンピオン》*9!」

 

 

【UNITE EQUIP! Titanic Armor!】

 

ライオンの盾を機械の拳に装着した偉大なる戦士の装甲がハクアへと宿った。

 

 

《アームドナイト ハクア》ATK4500

 

「《タイタニック・チャンピオン》・・・。ですが、攻撃力4500。2回攻撃があっても私のライフは200残ります!」

 

「それはどうかな」

【Monster Effect-Select 1 Monster-Status Up!】

 

「そんな!」

 

「ユナイト素材となり、墓地に送られた《輝きの精霊》の効果が発動される。プレイヤーの攻撃力は1000アップし、このターンのバトルフェイズ中に相手はカードを発動できなくなる!」

 

 

《輝きの精霊》

レベル1光属性戦士族・効果ATK100 DEF100

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:?

②:このカードがユナイト素材になった場合、このカードをユナイト素材としたユナイトモンスターは以下の効果を得る。

●このカードの攻撃力は1000アップし、バトルフェイズ中、相手プレイヤーはカードの効果を発動する事ができない。

 

 

《アームドナイト ハクア》ATK5000

 

「攻撃力5500の2回攻撃!?」

 

 

【Player Attack!】

 

 

《闇夜の眷属》の1体を地面に叩き突ける。

 

「うぅ、これがユニティガーディアン、アイナ様の力。ここまで実力差があるなんて・・・」

 

《リッチテラー》LP3400→1200

 

 

「二撃目!」

 

 

【Last Player Attack!】

 

もう一方の拳で2体目の眷属を貫く。リッチテラーはその風圧で壁まで吹き飛んだ。

 

 

「アイナ様ぁぁあ!」

 

《リッチテラー》LP1200→0

 

 

――――――――――

 

 

その後――、

 

 

結局、試合は中断となった。機材のトラブルとして処理されたらしい。

俺はテラーミニオンズっぽいのを倒しながらみんなを助けるだけだったから、この事件の実態はよく分からない。

最後まで見つからなかった花上さんはアイナ先輩が発見してくれていた。

その時の花上さんの表情は申し訳なさと緩みきった表情を行き来していたのが印象的だった。

こっちに来た後は何故だか、全員に謝っていた。特にアイナ先輩には無茶苦茶、謝っていた。

 

「私、何か謝らないといけないような気がして、特に思い当たることはないんですけど・・・」

 

状況的に彼女がテラーだったのだろうか。

先輩は気にしないで、と言っていたが微妙に後ずさりしていた気がするが気のせいだろうか。

 

とりあえず、悟達の会話に加わる。

 

「いやー。ヤバイ位、怖かったな。俺達も『TEACHERS』の人達も動けなかったぜ」

 

「怖すぎて、デュエルするどころじゃなかったからな」

 

「だな。思わずリーダースキル使っちまったよ」

 

笑い合う悟と翔太。

翔太はでも、と正志を見やる。

 

「正志と尾須さんは普通にデュエルしていたけどな」

 

「ウチの生徒は、アイツの仕掛けに馴れているからな。俺としては先生に後一歩、及ばなかったことの方が悔しい」

 

ストイックだな。

 

「向こうはそんな感じだったんだな。俺達は他のチームと会えなかったんだよな」

 

「そういや、遊士の方はどうだったんだ」

 

「俺の方は良い感じのお化け屋敷を体験している感じだったな。でも途中で先輩が・・・」

 

「遊士君!」

 

顔を赤らめた先輩が会話に混ざってきたのは、そんな頃合いだった。

*1
新星輝士(ニューステラナイト)マルクレス》

レベル4光属性戦士族・効果ATK1700DEF1400

このカード名の①②効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからこのカード名以外の「マルクレス」カード1枚か「テラナイト」魔法・罠カード1枚までを手札に加え、ユナイトカウンターを1個得る。

②:このカードをリリースして発動する。自分の手札か墓地からレベル5の「マルクレス」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で墓地から特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

*2
《到拳王マルクレス》

レベル7光属性戦士族・効果ATK2600DEF2000

このカード名の①②効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードを墓地へ送って発動できる。デッキからレベル6以下の「マルクレス」モンスター1枚を手札に加える。

②:1ターンに1度、相手のモンスター効果が発動した場合、任意のカウンターを1つ取り除いて発動することができる。その発動と効果を無効にし破壊する。

*3
《アームドナイト ハクア》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のユナイトカウンターが3個以下の場合、1ターンに4度まで自分のターンに自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:相手ターン中か自分のライフが2000以下の場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

④:1ターンに1度、自分フィールド上のユナイトモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードのユナイトカウンターを1つ取り除くことができる。

*4
《巡聖騎士マルクレス》

レベル5光属性戦士族・効果ATK2100DEF1600

このカード名の①②効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分が魔法カードの発動に成功した場合、自分のデッキから「聖剣」装備魔法カード1枚までを手札に加え、ユナイトカウンターを1個得る。

②:このカードをリリースして発動する。自分の手札か墓地からレベル6の「マルクレス」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で墓地から特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

*5
《魔装戦士マルクレス》

レベル6光属性戦士族・効果ATK2400DEF1800

このカード名の①②効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚までを対象として発動できる。そのカードを破壊し、ユナイトカウンターを1個得る。

②:このカードをリリースして発動する。自分の手札か墓地からレベル7の「マルクレス」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で墓地から特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

*6
《クラウンシェル・レオーネ》

レベル6光属性獣族・ユナイトATK2100DEF2400(装備時+1500)

モンスター1体+ユナイトカウンター×3

モンスター効果

①:このカードが戦闘またはカードの効果で破壊された場合、このカードをプレイヤーに装備する。

ユナイト効果

①:相手ターン中、装備したプレイヤーの攻撃力は700ポイントアップする。

②:このカードが破壊された場合、自分のデッキの上からカードを1枚ドローする事ができる。

*7
《到拳王マルクレス》

レベル7光属性戦士族・効果ATK2600DEF2000

このカード名の①②効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードを墓地へ送って発動できる。デッキからレベル6以下の「マルクレス」モンスター1枚を手札に加える。

②:1ターンに1度、相手のモンスター効果が発動した場合、任意のカウンターを1つ取り除いて発動することができる。その発動と効果を無効にし破壊する。

*8
《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:プレイヤーが装備していない場合のみ、自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。

*9
《タイタニック・チャンピオン》

レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000

自分フィールドのカードまたは手札2枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。

ユナイト効果

①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。

②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る




以上、番外編でした。今話はアイナに焦点を当てつつ、夏らしさを重視しました。
投稿日は9月ですが・・・(暑いからセーフ)。
デュエルの構成が甘いかったかも。
実力差を出したかったので淡白め。

古先兵ケルベク(2023/10/1から禁止)「間に合った」


おまけ
ジン「遊士くん、こないだユニティガーディアンの慰安旅行で撮ったんだけど、欲しい?」
遊士「これって・・・」
アイナ「ジンさん!なにしてるんですか!?」
ジン「ゲッ!」
アイナ「私の写真!?消します!」
遊士「・・・」
アイナ「遊士君は見てないですよね」
遊士「(パーカー水着、パネェですって言わないでおこう)」


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番外編その2 ロウオウ武者修行編・プロローグ(最新話)

あけましておめでとうございます。
名もなき者・弐さん、感想ありがとうございます。
駄蛇さん、リバイバル召喚の紹介の掲載の許可をさせていただきありがとうございした。
評価とお気に入り登録をしてくださった方々、ありがとうございます。

今回はロウオウ(久我凍也)が他の都市に遠征に行く話のプロローグになります。
本作の世界観では都市はそれぞれの召喚法を持つという設定のため、必然的に新しいオリジナル召喚法が登場します。
ですので、こちらにはロウオウが別の町に旅立つ過程までを掲載します。
デュエル本編はオリジナル召喚法の紹介SSで掲載します。
変則的で申し訳ないです。

後書きにも書きますが、次話はこちら。
https://syosetu.org/novel/277469/2.html

1/12 追記 ようやく、遊戯王の原作カテゴリに載りましたね。何でしばらく反映されなかったんだろう。 明日に掲載順を番外編1の次に載せておきます。


久我(くが)凍也(とうや)(《アームドナイト ロウオウ》) LP1000 

vs

ストリア(《ハイテラー ストリア》) LP500

 

眼前の黒鉄の巨人は腕にエネルギーを集めていく。

場のカードは0。

黄土色の機械龍を相手にするだけで手一杯だった。

 

 

「なかなかやるけどこれで終わりだよ!ボクは《テクノロギア・ダークギガント》でダイレクアタック!」

 

【Last Attack!Chous Cannon!】

 

 

「ここ…までか…」

 

辺りが光に包まれて俺は意識を失った。

 

 

 

 

 

俺はそのデュエルの後、1週間眠っていた。

 

 

 

―在府病院・病室―

 

「ま、そんな訳でデュエルフェスタでテラーが溢れまくってヤバかったってわけよ。しかもその後、テラーの本拠地が顕現しかけてヤバかったぜー」

 

ベッドの横できれいにリンゴを剥いている忍者、ジンはそう話す。

 

「俺が眠っている間にそんなことが・・・」

 

「ちなみに、本拠地の方は俺が動力炉を故障させたお陰で何とかしたんだぜ」

 

「そうか。お前の身軽さならそういった芸当も可能か」

 

思わずタメ息が出る。

俺がいない間に情勢は大きく変わったようだ。

俺はアームドナイトとして数多くのテラーと戦ってきた。

だが、ここまで情勢が変わった事はこれまでなかった。

この数年間は一体なんだったのだろうかと自嘲する。

心残りは一つ位だ。

 

「ところでジン。一つ聞きたいのだが、俺を倒したハイテラーは誰が倒したんだ?」

 

「ビリーバーさ。デュエルフェスタの最終決戦で倒したんだ。それにしてもストリア、あいつマジで強かったなぁ。俺も負けたし」

 

「お前も負けたのか。成る程、ビリーバーは相当な強者なのだな」

 

ビリーバー、俺は会った事がないがその戦歴と今の情勢を見れば彼は台風の目なのだろう。

 

「そうだな…。多分1部リーグ最上位の実力の持ち主だろうな。おそらく、全盛期の翼―アマツでも勝利の可能性があるだろうな」

 

俺の脳裏には入院中に送られてきたあるデュエルの1シーンが思い浮かんだ。

それはアマツと渡り合うリンク召喚使いの無名の少年の姿。

 

「お前が言うなら確かだろうな。ジン感謝する。これで俺が行くべき道が分かった」

 

「凍也、どういうことだ?」

 

リンゴをナイフごと机に置き、こちらを見据える。

 

「俺の今の体調では暫くはアームドナイトとして戦い、任務を全うするのは難しいだろう。だが、その間でもできる事がある」

 

ジンへ情報端末に送られてきたある文面を見せる。

 

「決闘都市交流会?」

 

「ああ、3ヶ月に渡って各決闘都市を巡ってその土地のプロデュエリストと交流を深めデュエルを行うイベントだ」

 

各決闘都市はデュエルモンスターズが独自の進化を遂げ、独自の召喚法を編み出している。

そんな都市を代表するプロと戦うのは最高の経験になる。

 

「今よりも更に地力を上げようって事か」

 

「デュエリストとして当然だろう。それにあのハイテラーデュエルして1つ分かった事がある。俺はまだ未知の状況への対応力が低いという事だ」

 

あの時だけではない。マスターテラーとのデュエルでも未知のカードに対応しきれなかった。

これはデュエリストとして大きな弱点といえる。

 

「確かに。【テクノロギア】やマスターテラー達のカードは見た事もないカードばかりだったな」

 

「これからの戦いは対応力が勝負になるだろう。幸い別の都市にはここでは見られないカードも数多くあると聞く」

 

「召喚法そのものが違うからな。更に未知のカテゴリだってあるだろうしな。有給をほとんど使っていないお前ならちょうど良い気分転換になるかもな♪」

 

 

異なる召喚法、あのハイテラー ストリアも"そう"だった。

 

 

『確かにキミはソコソコやるね。だけどこれはどうかな?』

『現れろ、歴史を刻むサーキット!』

『サーキットコンバイン!』

【LINK SUMMON】

『天工機巧の頂点たる竜の姿を見よ!リンク召喚!現れろ、リンク4!《ハイテクノロギア・ファーヴリル》!』

『リンクモンスターだと・・・!』

 

あの黄土色のドラゴンに俺の戦線は壊滅させられたのだ。

 

 

「そうだな」

 

この交流会自体、ユニティガーディアンを通して送られてきた正式なもの。事は単純に運ぶだろう。

ジンが帰った後、局長に連絡を入れるとこちらの回復の経過をみながらスケジュールを入れるとの事だった。

交流会を続けながらもこちらに帰れるため、1ヶ月後には1部リーグの試合にも無理なく参加できるそうだ。

 

 

「俺はあの時のデュエルを糧に更なる高みを目指す!」

 

あのビリーバー-奥田遊士のように。




次話
ロウオウ修行編
VS ブーストモンスター
https://syosetu.org/novel/277469/2.html


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26話 絶望の時

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

いよいよ3章開始です。
今回の話は3章のプロローグになる話です。
内容は短めですが、結構濃い話になります。



デュエルフェスタから数日が過ぎた。

あれから、日常は幾分か変わった。

ネットの動画に流れるテラーの姿。度重なる目撃情報。更に地上から見た月の色の変色。

テラーの影響は加速度的に広まっている。

 

 

―ユニティ・ガーディアン本部―

 

「テラーの出現が相当数増えてきている。このままでは・・・」

 

苦渋に満ちた表情の片桐局長。何か手を打たないとテラーによる侵攻が始まってしまう。

 

「テラーはこちらの世界がテラーを認識するほどに増えていく。あのデュエルフェスタの件で相当広まってしまいましたからね。それを呼び水にしてテラーの出現数が増加。この繰り返しは、手遅れに近い・・・」

 

「光導さんっ!それじゃあ、この世界はテラーに滅ぼされるってことかよ!」

 

ダン、と壁に拳を打ち付けるグレンー遼一。彼の胸の内に悔しさと無力感を覚える。

 

「でも、それでもできることはあるはずです!」

 

「お嬢様。ですが、アームドナイトの皆様は町のテラー達を倒し続けて被害の拡大を食い止めなければなりません」

「そう、手が足りないんですよ。お嬢様。お嬢様自身の疲労も相当なものでは・・・」

 

「・・・」

 

ハンとソウがアイナを諭す。この状況は正にジリ貧。単純に手が足りない。

 

「それでもっ、それでも・・・」

 

「アイナ。今は休んだ方がいい」

 

「お父様・・・」

 

後ろからアイナの肩を抱きしめるのは父親の白砂幾星。この危機的状況にか彼も駆けつけたのだ。

 

「ジン君。時間稼ぎか何か、もしくは敵地に乗り込んで情報を集められないかい?」

 

みんなの視線が入口の近くにいたジンへと向かう。

 

「俺ですか・・・?」

 

「忍者だろう?斥候とかできないかい?相手の前線の場所はわかっているんだしね」

 

幾星が示したのは変色した月。これは精霊世界のテラーの根城と繋がっている。

 

「あれは月にあるわけではない。月が見える空が変わっただけだ。衛星写真の月は変色していないからね」

 

「社長、忍者を何だと思っているんですか?」

 

「キミ達ならできるだろう?」

 

彼は近づいてジンの肩に手を乗せる。

 

「やろうと思えばできますけどね。グレーテスト・レイヴンもいますし。元々行く予定でしたからね」

 

「期待しているよ。神守(かみもり)(あざな)を承ったキミならね・・・」

 

幾星はジンにだけ聞こえる声でそう囁いた。

 

「・・・では、失礼仕ります」

 

ジンは屈み、床に拳をつくと紫色の風と共に消えていった。

 

 

―――――

 

 

―精霊界・テラーズキャッスル―

 

岩や黒や紫の結晶で覆われた巨大な城、その最上階の大広間に3人のマスターテラー達が玉座のような椅子に腰かけていた。

 

「私達の存在強度は確固たるものになってきましたね。もうじき不自由なく人間界に行くことができるでしょう」

 

空中に浮かんだモニターを見て満足そうに話すのは赤の玉座に座る”獄炎”のブレイウルス。

 

「フン、まだ時間がかかるのかよ。退屈だなぁ。ふあぁ・・・」

 

紫の玉座に頬杖を突き、欠伸をするのは”蝕毒”のヒュドボロス。

 

「では、あなたをいの一番に行かせましょうか。私達はココから眺めていますね」

 

「ああん!?」

 

青の玉座でクスリと嘲るのは"深淵"のティアフィネル。

3体のマスターテラーが集うこの場は伏魔殿。仮に常人がこの場所にいたら、存在圧だけで数秒で死に追いやるだろう。

 

 

ギイィ。

 

 

「たのもー!」

 

気の抜けた声とともに大広間の扉が開かれた。

 

「貴方は翼の隣にいた・・・忍者?」

 

「ティアフィネルって言ったか、あの時以来だな」

 

扉の正面から堂々と入ってきたのはジン。普段の忍者装束である。

 

「キミはストリアに敗北したアームドナイトか。よくもまあその程度で此方に来られたものだ」

 

どうなるかわかるわけでもあるまい、とブレイウルスはプレッシャーを高める。

 

「侵攻を抑えてほしいかなぁって交渉に来たんだが、どうだ?」

 

ジンはそんな事など、どこ吹く風で言葉を続ける。

そんなジンの飄々とした態度にイライラを募らせていたのはヒュドボロスだ。

 

「あぁん、何言ってんだテメェ、ツブすぞ!ん?そうか、お前3年前に俺様にヤラれた奴か。雑魚じゃねぇか」

 

嘲る怪人達にはぁ、とジンは顔に手を当てて溜息を吐く。

 

「そうだった。俺、ヒュドボロスにボコボコにされたんだっけ」

 

ハハハ・・・と乾いた笑い声を出しながらおもむろに忍び頭巾を外す。

 

「じゃあ、イタイ目に遭わせてもいいよな」

 

顔を上げたジンから凄まじい殺気が放たれた。

 

「あぁん!?」

 

ジンは1枚のカードを掲げた。

 

 

《グレーテスト・レイヴン Limited》

レベル7風属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK2400 DEF1900/装備ATK+1800

 

 

 

《■■■■■グレーテスト・レイヴン □□□▯》

レベル◘■属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK◘◘◘◘ DEF◘◘◘◘/装備ATK+◘◘◘◘

 

 

 

 

 

《紫ノ世界神グレーテスト・レイヴン》

レベル10神属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK4000 DEF3500/装備ATK+4000

 

 

 

「な・・・なんだソレは・・・!?」

 

カードから放たれるプレッシャーは自分たちを圧倒的に上回っている。

これほどの力はかつて唯の1度しか経験したことがない。

 

「神・・・。これほどの神が在野にいたというの・・・?貴方は一体?」

 

「俺はアレから神守の字を名乗ることを許された者、カミモリ・ヒトシ。といってもこの名前に意味はもう存在していないがな」

 

まったく、なんで社長は知ってんだか・・・とジン、神守仁は溜息を吐く。

 

「悪いが、看破できる状況じゃねぇんだ」

 

 

【Duel Disc Stand by】

【Set Player card】

 

仁は《紫ノ世界神グレーテスト・レイヴン》のカードをデュエルディスクに掲げる。

 

 

 

―――――決闘共鳴(デュエル・レゾナンス)!―――――

 

 

【Promote Next player card!】

 

仁を中心に紫色の暴風が吹き荒れ始める。

 

「アームドフォーゼ!」

 

紫色に輝く《アームドナイト シジュ》のカードをデュエルディスクに叩きつける。

 

【Accept! Demi-God is coming!ARMED PHOSE!】

 

これまでより薄い紫色の忍び装束を模した甲冑が装着されていく。

 

【Nobody knows the Armed Knight SHIJU-KAMUI!】

 

横一文字の細長いバイザーから怪しげな光が輝いた。

 

【The Vertex One!】

 

 

《アームドナイト シジュー神威》の降臨である。

バサリ、とマフラーのように首から伸びた大きな翼を模したマントを翻すと、周囲に紫色の波動が解き放たれた。

 

「グッオオオ!」

 

たったそれだけの動作でヒュドボロスが蹲り、床にクレーターができる。

ヒュドボロスにかかる重力が1000倍に膨れ上がったのだ。

 

「頭を垂れるか。グレーテスト・レイヴンの神格としては当然のことだな。実質虎の威を借る狐だがな」

 

『それを言うなら、神の威を借る忍者だな』

 

「あんま口を開かんでください・・・。今の貴方の力だとダメージが起きてしまうでしょう」

 

『ムゥ・・・』

 

「馬鹿な。あの筋肉ダルマが、蝕毒のヒュドボロスが何もできないだと・・・」

 

「そうか、効果範囲外だったか」

 

スッとシジュー神威は手を掲げる。

 

「ッ!」

 

慌てて飛び退ろうとする2体。

 

バチバチバチィ!

 

「あぁ・・・!」

 

彼ら自身から凄まじい勢いで紫電の雷光が迸る。

 

「大人しくしていろよ。あとちょっとで終わるからな」

 

クンと手招きするように指を曲げると、マスターテラー達の懐からテラーカードが浮き上がる。

 

「そんで、ほいっと」

 

軽く腕を薙ぎ払うと紫色の波動がカードへ纏わりつく。

 

「一体、何をするつもりだ。ガァアアア」

 

「ちょっと大人しくしてもらうおまじないだよ。3年前もコレができたらよかったんだがな」

 

マスターテラー達の首元に錠前が出現すると急速に力が抜かれていくのを感じる。

 

《マスターテラー:ヒュドボロス Sealing》

《マスターテラー:ティアフィネル Sealing》

《マスターテラー:ブレイウルス Sealing》

 

 

「精霊界じゃないとコレができないのが難点だよ。俺にとっては今がチャンスだったぜ」

 

彼は変身を解き、忍び頭巾を被り直した。

 

「待て!何故倒さない。それ程の実力があれば、私達を容易に打倒できるはずだ!」

 

「何故か、か・・・答えはただ1つだ」

 

息も絶え絶えなブレイウルスの問いかけに答える。

 

 

現状維持さ

 

 

―――――

 

―ユニティ・ガーディアン本部―

 

 

「テラー前線基地。存在率が低下しています。局長!」

 

何事か、とモニターを精査するオペレーター。

 

 

その直後———、

 

 

「ただいま~。何とかしてきたぞー」

 

「ジン!よくやったぞ!」

 

片桐局長がバン、とジンの肩を叩いた。

その衝撃でジンは崩れ落ちる。

 

「いやぁ、疲れた~。構造上の弱点を発見したしたはいいものの、マスターテラー達に追いかけられて、大変だったぜ。煙玉と空蝉、多めに持っておいてよかったぜ・・・」

 

「ジンさん、よくそんなことができましたね。お疲れ様です」

 

「アイナちゃんにそう言われるとやる気出るわー!復ッ・・・活ッ!」

 

「ジンさん、マジですげぇぜ。流石は最古参メンバーだぜ」

 

「遼一もありがとな。俺は疲れたから、仮眠をとってくるぜ」

 

後でな、と指令室の歓声を余所に仮眠室へと続く廊下に出るジン。

 

 

そこへ―――、

 

 

「ジン、やってくれたね」

 

「翼か、お疲れ」

 

ジンを廊下で待っていたのは光導翼、アマツだった。

 

「全く、君にそんな力があったなんて予想外じゃないか・・・」

 

彼は口を開くとありえないはずの言葉を紡いでいく。

 

「もう少しでテラー達の、オレ達の目標の達成に近づくはずだったのにな」

 

「翼、いやお前—”烈光”が表面化しているのか?」

 

ジンは翼がかつて戦ったマスターテラーの姿を思い出す。

 

「俺は翼で、オレは”裂光”だよ。ティアから連絡があったよ。随分、酷くヤったようじゃないか」

 

「ただ、お灸を据えただけさ。倒すつもりは毛頭ない」

 

「オレからはまあいいさ。だけど3年前、お前は何故その力を使わなかった?」

 

翼からの圧がジンを捉える。

 

「・・・精霊界じゃないとグレーテスト・レイヴンの力が使えないんだよ。悪いな翼、お前をこんな目に遇わせて」

 

「全くだよ。君の事は心の内にしまっておくよ」

 

「俺もさ。同僚にして上司がテラーに与していました、なんて言える訳もねぇ」

 

ハハハと2人は笑い声をあげる。

 

「今度こそ、お疲れジン」

 

「ああ。マスターテラーには動力炉を壊されたっていう設定にしとくよう頼んどいてくれ」

 

翼は指令室へと去っていった。

そんな背中にジンは独り呟く。

 

「翼、お前のソレは必ず俺が解くからな・・・!」

 

 

第26話 絶望の時、未来への願い

 

 

―――――

 

 

―精霊界・テラーズキャッスル―

 

「だいぶやられましたね。しばらくは満足に活動できませんね」

 

「ったく何だってんだ!あの野郎!」

 

「だが手はある」

 

ブレイウルスは懐から1枚のカードを取り出す。

 

 

《デス・ガイアス》

 

 

「理論上示唆された可能性がこうしてあるのだ」

 

「ええ、後4つ・・・」




伏線、大回収の回でした。
今回の話は賛否両論あるかもしれませんが、テラーの性質的にこうなります。
ソレと過去話で示唆していたアレも出せて良かったです。
まぁ、奴のは特殊です。普通はあそこまでパワーアップしません。いきなり最終フォームです。


P.S.召喚法など、活動報告を更新しました。よかったら見てください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303487&uid=156641


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27話 友灯神社での修行~1日目~

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。




―在府東高校・空き教室―

 

「私は皆さんに話さなければならない事があります」

 

放課後、アイナ先輩に集められた俺達に先輩はいきなり、そう話を切り出した。

 

みんながいるから、ビリーバーの話はないな。正体がバレた素振りもないし。

デュエルフェスタが終わって数日、月が変な感じになっている間は憔悴しきっていたし。どこか探るような感じはなくなっていたな。

この間、ステイルを謝らせに行った時はおっかなびっくりしていたか。

俺のデッキの精霊がテラー化しているとは夢にも思うまい。

でも、元気なさそうな感じがあったな。

今は違うか。活力のオーラが半端ない。

 

「この2週間、私達の成績はどうだったでしょうか」

 

「・・・」

 

俺達は押し黙るしかなかった。

チーム、A.ギートが2部リーグで戦ったのは2回。

 

「2回、負けたな」

 

悟、それは全敗という。勝ち星は0である。

 

「私達は他のチームと比較しても弱いチームとは思えません。寧ろ、個々人の実力は2部リーグトップクラスと言っても過言ではないと思います」

 

「確かに。特にアイナ先輩と遊士は別格だ」

 

「翔太、先輩はともかく俺はそこまででもないぞ、この前の試合も負けたし」

 

【空牙団】はトッププロとやりあえる程の完成度ではない。

 

「いや、1対2で粘っていただろ。俺達ではもっと持たないぞ」

 

でもアイナ先輩だったら何とかなりそうなんだよな。【空牙団】自体、耐久力がなく多人数相手では分が悪いのもあるだろうが。

ちなみに先輩はこの2試合、デュエルをさせて貰えなかった。

2チームとも先輩を徹底的に回避する作戦だったのだ。

とても不完全燃焼だろう。

 

「本題に戻ります。私達に足りないのはフラッグデュエルの経験に練度、それからチームワークです」

 

具体的にどうすれば良いんだろうか。

アイナ先輩のコネで練習試合を申し込みまくるか。

 

「次の土日で合宿をします!」

 

そう来たか~。

 

瞳をキラキラ&メラメラさせているアイナ先輩を止める者は誰もいなかった。

 

 

―――――

 

合宿と聞いて、どこに行くかアイナ先輩のご自宅(おそらく大豪邸)かと、テンションが上がったが違うとのことだった。ソウ・ハンの双子メイドさん達に立ち回りを教えてもらうたら、ずいぶん助かるのだが。

先輩的には、家のみんなが喧し過ぎて合宿した気分じゃないらしい。

俺達は残念がった。

 

向かったのは山奥の神社。山道から石畳の高い階段が見えたことからその大きさが推し量れる。

多分、他の3人も『先輩、ガチだ・・・!』と思っている筈。

参道の階段前まで来たが、境内を見ようと頭を上げても入口が少し見える程度だった。

改めてこれから上る階段の高さにゲンナリする。

 

 

「友灯神社へようこそ。白砂様、チームA.ギートのご一行」

 

 

修験僧のようながっしりとした体格の男性。それに隠している決闘者としての圧。

俺はこの人に会ったことがある。

 

「よろしくお願いします。岩崎住職」

 

「岩崎文里さん!?チーム大地の会の元リーダーの・・・・!」

 

ぺこりとお辞儀をする先輩を余所に興奮したようにまくしたてる翔太。

この人はデュエルフェスタでハイテラーだった人だ。道理で見覚えがあるわけだ。

 

「昔の話です。立ち話は何ですから道場までご案内します」

 

 

随分穏やかになったな。あの時のように怒りを押し殺している感じがない。

どこか泰然としている感じだ。多分、あの時よりも今の方が強い気がする。

 

皆、お喋りしながら各々のペースで階段を上る。

アイナ先輩は岩崎住職と談笑しながら。悟たちは岩崎さんに会って興奮したとか往年のチーム大地の会の話をしていた。

 

 

『ふむ、こういった雰囲気悪くないな』

『うん、マンガで見た修行っぽい感じだね』

 

ザンブとステイルが念話してきた。

 

『お前ら人前で話しかけてくるな、気づかれるだろ』

 

『ちょっと離れているし大丈夫だよ』

『修行といえば、滝に打たれるとかだろうか。オレも強靭な外皮を獲得するために火山口に潜ったものだ』

『え、君そんなことやっていたの・・・。同じ精霊としてビックリだよ』

 

『お前ら、ホントに仲良くなったな』

 

しばらくは険悪で喧嘩を繰り返していた。

はっきり言ってテスト勉強の邪魔だったので、映像端末に入れていた漫画を自動スクロールモードにして放置した。

『このブリーフの男は主人公ではないのか?』『影を吸収して闇を晴らす、カッコイイ!』『遊士もやってみないか?』

仲良くはなったが、うるささはあんまり変わらなかった。

流石はこの国が誇る最高の文化の1つだ。

「ブリーフの男は濃すぎるモブだ!その主人公は後でもっとカッケェ能力になるから、ちょっと黙って見ていろ!」

『ネタバレしないでよー』『良いではないか。しばらく見てみようじゃないか』

 

 

そんなことをしていたら、境内の道場にたどり着いた。

悟達はクタクタになっていたが、アイナ先輩はどこ吹く風だった。

病弱設定はどこに消えたのだろうか。みんなが疲労困憊なのが幸いである。

 

 

 

―友灯神社・道場―

 

「《終焉の王デミス》の効果を発動!」「《スーパー・ウォー・ライオン》が・・・」

「フン、《剣の御巫ハレ》で《怒炎壊獣ドゴラン》を攻撃!」

 

「みんな、手を止めてくれ。客人だ」

 

パンパンと岩崎住職が手を叩くと、一瞬にして喧騒が止んだ。

道場の門下生たちが集まってきた。

 

「今日から2日間、道場体験をすることになったチームA.ギートの皆さんだ」

 

道場はアイナ先輩-白砂カンパニーの令嬢の登場に騒めきだつ。

 

「2日間という短い時間ですが、少しでも実力を伸ばすきっかけになればと思い修行に加わらせていただきます」

 

パチパチパチ

 

「修行は男女に分けて行おう。白砂様は加納、お願いできるか」

 

「了解しました、師範」

 

岩崎さんが声をかけたのは道着を纏ったツインテールの黒髪の女性。

切れ長の瞳のストイックそうな女性だ。先輩と同じくらいの年齢だろうか。

 

「まずは道着を取りに行こうか。男性陣は私に着いてきてくれ」

 

「わかりました」

「いよいよ修行が始まるって感じがするな」

「翔太、浮かれ過ぎだぞ」

 

それにしても加納って人、どこか不機嫌そうなんだよな。気のせいだろうか。

 

「遊士、早く行くぞ!」

「ああ」

 

 

―――――

 

「着替えは終わったかしら?それじゃあ行きましょう」

 

着替えを終えた私を待っていたのは加納那由多(かのうなゆた)さん。

道すがら食堂や浴場等の場所へ案内していく。

 

「ここの道場は女性はあまりいらっしゃらないんですね。加納さんはいつからここに?」

 

「4歳の頃からよ」

 

「そんなにも前から」

 

男性に囲まれていても物怖じせず、毅然とした態度はカッコいい。

しかも彼女はこの道場で1・2を争う実力者だという。

 

「昔はもっと女性もいたの。でもみんな辞めていった。何故かわかるかしら」

 

「やはり、相当厳しいからなのでしょうか」

 

「正解です。お嬢様の貴女が付いていけるか、甚だ疑問を感じます」

 

「・・・」

 

「ここの修業は男女は関係ない。軽い気持ちでいるなら後悔することになりますよ」

 

「それはどうかしら。この2日、よく見ていてください」

 

「この2試合何もできなかった人がどこまでできるか見てあげますよ」

 

―――――

 

「もうそろそろ白砂先輩が来るな。きっと道着姿も様になっているだろうな」

 

「ふっ、こういうのもチームの特権だよな」

 

確かに。俺達だけじゃなく、道場の人達もソワソワしている。

 

「あ、そろそろ来・・・」

 

 

一陣の冷たい風が吹いていた。

 

アイナ先輩も、加納さんも剣呑とした表情だ。

一戦交えてきた後だったか・・・。

 

「みんな、何をぼさっとしているの!早く次の組み手に取り掛かりなさい!」

 

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」

 

門下生達にそう命じた後にキッと此方を見据える。

 

「あなた達は山で走り込みです!まずは体力を見させていただきます!大山、宍戸一緒に来て!」

 

「「「「「「「「はい!!!!!!!!」」」」」」」

 

 

この言葉を皮切りに地獄の特訓が始まった。

高低差があり、視界が悪いランニングは中々キツかった。

先輩の話によると、実際のフラッグデュエルでも高低差がある場所を走ることが多いため、理にかなった練習らしい。

その後は疲労状態の中での石避け。珍しい課題だと高志が言っていたが、極限状態で周囲に注意を向けるこの課題は逆境でのデュエルに役立つからいい特訓だと伝えておいた。

良く知っているな、と加納さんを含めみんなびっくりしていた。

ちなみに昔やった事があるから知っていた、と言ったらみんな引いていた。

他にもいろいろ行って、最後に来た道を覚えているかと尋ねられ、道場までの道のりを思い出しながらのランニング。

しばらくは皆に任せていたが、道を外れていたので正しい道を教えた。

なんで、覚えているのよ!と加納さんが怒鳴っていたが、コレもやったことがあるからだ。

そんな感じで道場に戻ってきて、休憩。疲労困憊でメンバー全員が突っ伏していた。

ただし、アイナ先輩は座りこまないように頑張っていた。

手持ち無沙汰になったので加納さんに話しかける。

 

「加納さん、何か手伝うことはありますか。お茶を汲んだりとかしましょうか」

 

「貴方、なんでそんなに元気なの?それに訓練内容も全部知っているみたいだし、何者なの?」

 

「何者ってチームA.ギートのメンバーの1人ですよ。まぁ、昔住んでいたところで師匠に鍛えられたんですけど」

 

「師匠?」

 

師匠の名前を口にするが、知らない人らしい。

離れた都市の裏世界の人だから知らないのも当然だ。

 

「とにかく、その師匠は凄腕みたいね」

 

「そうですね。それと、加納さんの目から見てみんなはどうですか?ガッツがあると思うんですけど」

 

「男性3人は初めてにしては上出来ね。特に剛田君は我慢強いわね」

 

「ですよね。白砂先輩はいかがですか?」

 

「・・・悪くはないわね」

 

「先輩は滅茶苦茶、負けず嫌いで責任感がとても強い人です。例え命がかかったとしても、貫き通すでしょう」

 

「・・・」

 

「先輩は軽い気持ちでココに来たんじゃない事は知って欲しいです。俺達、チームA.ギートが最強のチームになるためにここにいるんです」

 

「よく分かりました。随分慕われているんですね、白砂さん」

 

「遊士君・・・」

 

しまった。大分注意散漫になっているな。

 

「貴方の言う通りです。私達は最強のチームになるためにココに来ています!」

 

突っ伏していた皆も集まってきた。

 

「ああ、先輩の言う通りだぜ。1部リーグに昇格して、打倒ユニティガーディアン!」

 

「ええ」

 

とか言いながら先輩の目はスンってなっていたのは見逃していない。

 

「っ」

 

こっちに目が合ったと思ったら、スイと加納さんの方に向いた。

 

「私達はいつでも準備はできています」

 

「そのようね。まずはお茶を汲んできて貰おうかしら」

 

―――――

 

 

私たちはお茶汲みをして一服した後、岩崎住職—師範がやってきて次の課題を言い渡した。

 

「一息付けたようですね。しかし、心身ともに疲労状態。この状況だからこその100人組手デュエルをしていただきます」

 

 

 

「「「「「「押忍!!!!!!」」」」」

 

 

門下生達は気合十分のようだ。

 

 

「へっ、良いじゃねぇか。それでこそ来た甲斐があるってもんだ!」

 

悟君たちもやる気十分だ。

遊士君をチラリと見やる。

遊士君がビリーバーだと知って、ある意味緊張してしまう。

 

「良いね、こういう類は久しぶりだ」

 

 

唇の端を歪め、静かに闘志を燃やしている。

そこに、どんな逆境でも戦い続けるビリーバーの背中を感じた。

 

「行きましょう、最初の相手をお願いします」

 

「では白砂さん、私がお相手しましょう。この【御巫】で」

 

 

「いきます、《大天使クリスティア》で攻撃!」

 

「《空牙団の英雄ラファール》でトドメだ!」

 

 

100人、相手はきつかったですが、勝率は9割程度ですか。

 

「先輩、流石ですね。俺は勝率80%位です」

 

遊士君は8割とはいえ、私と違って前半・後半通してパフォーマンスが全く落ちていない。

 

 

悟君たちは・・・。

 

「《オオヒメの御巫》で攻撃!反射ダメージは相手が受ける!」「マジかよーーー!」

 

「《マグネット・バルキリオン》で《風帝ライザー》を攻撃!」「うわぁぁああ!」

 

「《リトマスの死の剣士》でダイレクアタック!」「ぐぉおおお!」

 

 

 

「勝率4割・・・。みんな後半になる程負けているな」

 

「ええ、課題が1つ見えてきましたね」

 

みんな、極限状態ではパフォーマンスを保ち続けられない。

 

「みんなお疲れ様、昼飯の時間だ。昼食後はタッグデュエルをするから準備しておくように!では解散!」

 

 

 

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」

 

 

 

 

~~~

 

昼食は精進料理。栄養の偏りもなく、バランスが良い。

 

 

「いやぁ、走り込みに100人デュエル。いきなり大変だったぜ」

 

「俺たちでは集中力が続かないな。それでもアイナ先輩と遊士はずっと勝ち続けていたな」

 

「2人とも流石だぜ。アイナ先輩はユニティガーディアンの面々に囲まれているから強さの理由はわかるんだけど。遊士は何でこんな強いんだ?」

 

遊士君の強さの根源、確かにそれは気になる。

 

「師匠がいるっておっしゃってましたね」

 

「そうですね。俺が今あるのは、師匠の教えもありますね」

 

「それだけではないって言っているように聞こえるぜ?」

 

「流石は悟だな。まぁ、そろそろ話してもいいか」

 

遊士君は意を決したように口を開く。

 

 

「俺、昔は地下デュエルで腕を磨いていたんだ」

 

 

「ちょっと待って、地下デュエルって何?」

 

「ん、この都市にはないのか地下デュエル?」

 

「ねぇよ」

 

私も聞いた事がない。

 

「表の世界のデュエルに刺激が足りなかった決闘(デュエル)狂人共が集う魔境の事だ。賞金も表とは比べ物にならないし、命を懸けることなんて日常茶飯事。不意打ちも当たり前の狂った所さ」

 

「何だその地獄!」

 

「危険すぎるじゃない!」

 

「そうですよ。俺はそこで生きるしかなかったんです。俺は良い感じに適合できたのか、ランカーまで上り詰めましたけどね」

 

「・・・」

 

「結局、高校に上がる前に燃え尽きちゃって。決闘、封印していたんです。でも、みんなの熱気に中てられて復活できました」

 

「想像以上にヤベェ話が出てきたな」

 

「あー、でもアレも今思えば楽しかったし、結果オーライさ。それから、みんなも知っているかもなヤツも、地下デュエルのランカーだぜ。しかも3位」

 

「誰だよ、それ」

 

コイツ、と遊士君は情報端末からインターネット記事を出して見せる。

 

東鬼唯華(しのぎゆいか)じゃないか。モデルでテレビ番組によく出ているを見るぜ!」

 

私もCM等で見たことがある。ふんわりとした雰囲気なのに彼女も地下デュエルのランカーなの。

信じられない。

 

「このほんわかお姉さんがランカーなのか?嘘言うなよ」

 

「外面に騙されんな。相当な猫かぶりだからな」

 

「公式プロフィールにはデュエルは、苦手と書いてあるが」

 

「本人曰く、決闘狂人としての血が抑えきれなくなるらしいぞ。つまらないデュエルなら全力で潰しにかかるし、強敵でも全力で潰しに行っちゃうからって言っていたな。とにかく、表ではカードは持たないんだって」

 

「人は見かけによらないなぁ、ちなみに遊士との対戦成績はどうだったんだ」

 

「総合勝率はアイツの方が上だけど、直接の対戦成績は俺の方が上だぞ」

 

「つまり、3位の人に勝ち越したって事か・・・。遊士の力の一端が分かったぜ」

 

「ちなみに、1位の人ってどんな人なんだ?」

 

「あー、”占い師“さんか。顔をヴェールを被って隠していたから、よく分かんねぇんだよな。使うデッキも毎回変わっていたし。まぁでも強さで言うなら、あのアマツ位の強さはあると思うぞ」

 

アマツ―光導副局長レベルですって・・・。

 

「あのクラスかよ・・・」

 

「そうか、だから遊士はアマツと相対しても一歩も引かなかったんだな」

 

「正志、その通りだよ。2人とも必要な状況に応じて最善のカードが舞い込んでくる。そういう想定で最善を崩す感じで戦っていたよ。でも、あの人には唯華とのタッグデュエルで奇跡的に1回だけ勝てたんだよなぁ」

 

遊士君はしみじみとそんなことを呟いた。

今、聞き捨てならないことが聞こえてきたんだけど。

 

「え・・・」

 

「ヤベ・・・」

 

「待て、遊士。アマツって棄権以外、公式戦無敗だろ!そんなレベルの相手に勝ったってマジかよ」

 

「エ、そうなの?やっぱりアマツの方が強かったと思う!」

 

ハクアとして見ても、マスターテラーを打倒できる唯一の人物。

雲の上の相手だったからこそ、寝耳に水。

 

「ちょっと待って!アマツ位の実力者に勝ったってどういう事!」

 

加納さんまでやってきた。

 

「唯華が防ぎ妨害して俺が攻める。なんちゃってクロックパーミッションがうまくいったんだよ。アレは奇跡の嚙み合わせだった。つうか加納さん、なんでこっちに来ているんですか!?」

 

「流石にビックリする言葉が聞こえてきたからよ。こんな化け物が、なんで2部リーグにいるのよ!」

 

「なるほど、そのような強者とは。ここは私も一手試合を申し込みたいところだな」

 

岩崎師範も!?

 

「もう時間ですよね!早くタッグデュエルしましょう!後、今日の事は絶対誰にも言わないでくださいね。裏の刺客とか来ますから!」

 

 

 

 

 

「今日もお疲れ様。泊まりの者達は夕飯と風呂の準備に取りかかってくれ」

 

組み手タッグデュエルも終わって、掃除、夕飯、就寝って感じで残りの時間はあっという間に過ぎた。

これだけのデュエルをやったのは久し振りだ。

アイナ先輩と岩崎師範のタッグが1番キツかった。トッププロ2人じゃないか。

 

みんな疲れすぎて、遊ぶ余裕もなく寝入った。

昔の事を話せて心が軽くなった気がする。

 




読んでいただき、ありがとうございます。
評価や感想を頂けると励みになります。

デュエルを入れたら長くなりすぎたので分割しました。


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28話 友灯神社での修行~2日目~

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

今回も修行回です。今までで一番の文章量になっています。
前回は修行回にも関わらず、デュエルシーンを出せていなかったのが心残りでしたが今回は出せました。



2日目―――、

 

「奥田さん、おはようございます」

 

そう遊士君に話しかけるのは宍戸恭介(ししどきょうすけ)君。可愛らしい顔立ちをしている小柄な男性だ。

昨日の午後から遊士君を慕い始めていた。

 

「宍戸君、おはよう」

 

「みんな、準備はできましたね。加納、彼らの走り込みの確認をしてきてくれるか」

 

「はい!師範!みんな、今日はコースを変えていくからね!」

 

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」

「後、奥田君はアドバイス禁止ね」

 

「了解です」

 

私達はまた昨日のように走り出した。

 

 

「そういえば、あれだけ動いたのに筋肉痛があんまりないな、どうしてだ?」

 

「友灯山で採れる山菜、命力草のお陰ですね。一時的に筋疲労を和らげる効果があるそうですよ」

 

ユニティガーディアンでも試合の前日のトレーニング後に食べる事がある。

 

「よく知っているわね。流石は白砂アイナと言ったところね。命力草はユニティガーディアンのジンが何年か前にやって来た時に効能を師範に教えたそうよ」

 

昔、ジンさんが大量の草を持ってきて、『何でコレがココにもあるんだよ!』って騒ぎながら、家の科学部に成分を分析させていたっけ。

次の日の食事に出てきて驚いたのを覚えている。

 

「あの忍者、本当に何者なんだ?」

 

遊士君の言う通りね。

 

その後の石避けも帰り道探しも、つつがなく終わった。

 

 

「次は100人組み手デュエルだ。5割の壁を突破してやるぜ」

 

「期待しているわよ。まずは私からね」

 

「いきなり加納さんとかよ!でも勝つ!」

 

悟君達の気合いは十分。遊士君はいつも通りね。

 

 

「コレが俺の最大火力だ!」【LAST PLAYER ATTACK!】

 

「《メガロック・ドラゴン》で攻撃!」【LAST ATTACK!】

 

「《ダーク・シムルグ》でトドメだ!」【LAST ATTACK!】

 

 

悟君達は後半の勝率の低下は、昨日よりも少ないみたい。

 

 

「《空牙団の大義フォルゴ》で効果が無効になった《オオヒメの御巫》を攻撃」

 

【LAST ATTACK!】

 

「ここにきて、この集中力・・・!」

 

「奥田さん、凄いです!」

 

遊士君は相変わらずというか、寧ろキレが上がっている?

 

「加納さん、ありがとうございます。極限状態での感覚が戻ってきました」

 

「貴方、ホントどんな環境でデュエルしてきたのよ・・・。でも私の方も研ぎ澄まされてきたみたい。次、白砂さん」

 

「はい!」

 

私達の調子は良い。ただ、遊士を慕っていた宍戸君はあまり、勝てていないみたい。

 

「よそ見?ああ、宍戸君ね。努力家なんだけど、中々勝てなくてね」

 

彼の勝率は1割にも満たない。効果モンスターもあまり使えてないみたい。

 

「彼、プレイングは上手いんだけど。効果モンスターを扱うのが苦手というか縁がなくてね。昔、プロキシで【真竜】や【帝王】を使わせたんだけど、悉く手札事故を起こすの。呪いかと思う位にね」

 

「そうなんですね。それは・・・」

 

決闘者(デュエリスト)としては致命的に近い。

 

【神碑】(ルーン)も【メタビート】もダメだったわね。それでも諦めずに食らいついてくる。私達、門下生の中で最も根性があるわ。私達の大切な仲間よ」

 

「話していただき、ありがとうございます」

 

「今回は負けないわよ」

 

「いいえ、勝つのは私です」

 

 

―――――

 

午後も私達はデュエルを繰り返していた。

そんな時である。

 

 

ブモォオオオ!

 

 

 

「なんだ、この唸り声は!?」

 

境内の方からだ。

 

建物の陰から境内を覗き混むと、ソコにいたのは鎧のようなものを纏ったピンク色のテラー。

 

「何だ?豚の怪物!?いや、あそこにいるのは・・・!」

 

「ヒッ・・・!」

 

宍戸君が床に座りこんで後ずさりしていた。

 

「くっ、ここは私が・・・!」

 

岩崎師範が拳を握り締め飛び出そうとする。

行かないと!

ダメ。遊士君から見た私はみんなに正体を隠すようにする筈。

ウカツに飛び出したら、私が遊士君の正体を知っている事になる。

 

「俺が行きます!」

 

「っ遊士君!?無茶です!」

 

「彼の身体能力は最も高い。いや、私も行くか・・・!」

 

「2人で行った方が逆に危ないと思います!彼に任せましょう!」

 

「そうか・・・!」

 

苦しい言い訳だったけど、気が動転しているから、何とか通じてくれた。お父様みたいにできたかな?

 

 

 

 

―――――

 

今にも豚型のテラーが襲い掛からんとしているところだった。

先輩がみんなをまとめて連れ出してくれたおかげだ。

間に合ってよかった。

 

「宍戸君、大丈夫か!」

 

「奥田さん!?」

 

「早く逃げろ!」

 

「は、はい!」

 

走り去る宍戸君を尻目に俺は敵を見据える。

 

 

【Duel Disc stand by】

 

「すぐに終わらせるぜ!」

 

【Set Player card】

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

「俺の未来を刻んで見せる!」

 

さて、と《ザンブレイド・ドラゴン》のカードを構える。

 

 

すると―――、

 

 

「ブモォオオオ!」

 

クルリ

 

豚型のテラーは一目散に山奥へ逃げていった。

 

 

「逃げたーーー!?」

 

『追いかけるぞ!』

 

そんな事があるのか・・・。

 

 

 

―――――

 

 

「ここまでくれば大丈夫かな・・・」

 

 

宍戸恭介はテラーから命からがら逃げてきて、木の根元に座り込んだ。

安堵すると同時に罪悪感に彼は苛まれていた。

 

「奥田さんは無事だろうか・・・」

 

「何をシケたツラしてやがんだ?あぁ?」

 

「え・・・」

 

強面の男が其処にいた。まるで人間とは思えない異様な存在感を彼は感じ取っていた。

 

「臆病者にはお似合いなツラだぜ」

 

「う・・・僕は・・・悔しい・・・」

 

宍戸恭介にとっては尊敬する人を尻目に逃げるしかなかった自分があまりにも悔しいのだ。

 

「ハ、テメェはツいているぜ!この俺様が直々に力を与えてやるんだからな!!」

 

男は、ヒュドボロスはテラーローダー(暗黒のカード)をかざした。

 

「な、うわぁあああ!」

 

【Leon Terror…】

 

「その力を存分に振るえ!」

 

 

「ヴウオォオオオ!!!」

 

力に餓えた獣だけが残った。

 

 

―――――

 

 

「よし、追い付いた!」

 

見失ったが、やっと見つけた。

やっぱり山で人を探すのは困難だ。

 

 

その時―――、

 

「ヴオオオオ!!」「ブモオオオ!」

 

 

ドゴォオオン!

 

 

「テラー同士が闘っている!?」

 

ライオン型のテラーがボディブローを決め、豚型のテラーを仰け反らせる。

初めて見る光景だ。

それに、ライオン型のテラーはどこから来たんだ?

 

『このような事があるのか・・・』

 

ザンブも知らないのか。

 

そのまま踵落としを食らわせられ、ぐったりと豚のテラーは倒れる。

倒れたテラーから障気が涌き出る。それはライオン型のテラーに吸収されていく。中心の黒いカードまでも取り込まれていった。

 

「ヴォ・・・ウオォオオオ!!!」

 

『なんという瘴気だ。まるで、ハイテラーだ』

 

「ウォオオオ!これが、〔レオンテラー〕の力!倒したぞ!この僕が!僕は強くなった!」

 

エコーがかかっているけどその声は・・・。自分を慕ってくれた少年、宍戸君だ。

 

「何故テラーに・・・」

 

一体、どのタイミングで・・・。

 

「お前も敵か!」

 

くそっ、今は戦うしかない!

 

 

――――――――――DUEL!――――――――――

 

 

「僕のターンだ。フィールド魔法《超獣王の御処(おんどころ)》を発動!」

 

周囲に鎖が張り巡らされる。その中央には神社のような社がそびえ立った。社の中心には鎖でグルグル巻きの像が鎮座していた。

 

【Effect】

 

「《超獣王の御処》が発動した事でデッキから《超獣王の御旗(みはた)》を手札に加える。手札に加えた《超獣王の御旗》を発動!」

 

《超獣王の御処》に《超獣王の御旗》どちらも初めて目にするカードだ。

 

『テラーの力によって生み出されたカードだ。そういった類いのカードは所有者と相性が良い。ビリーバー、気を引き締めろ』

 

『うん、ボクの《テクノロギア・ダークギカント》もそんな感じだったよ』

 

なるほどね。宍戸君のデッキは通常モンスター軸のデッキだった。恐らく能力は・・・。

 

「僕は《予想GUY》を発動。来い!《ワイバーンの戦士》(レベル4 ATK1500)!」

 

【Effect Select 1 Monster:Summon!】

 

 

「僕のフィールドに攻撃力1550以下の通常モンスターが召喚・特殊召喚された事で、《超獣王の御処》の効果を発動。このカードに解放カウンターを1つのせる!」

 

バチン!

 

フィールドに張り巡らせれた鎖が1つ切れた。中央の像から禍々しい気配が増加する。

 

 

【Get 1 Counter】

【Attack Plus!】

 

「自分フィールド上のトークン以外の攻撃力1550以下の通常モンスターは解放カウンターつに付き攻撃力が300アップ!更に《超獣王の御処》がある限り、攻撃力1550以下の通常モンスターは効果では破壊されない!」

 

《ワイバーンの戦士》ATK1500→1800

 

 

《超獣王の御処》

フィールド魔法

①:このカードの発動時の効果処理として、デッキから「超獣王の御旗」1枚を手札に加える事ができる。

②:手札または墓地から自分フィールド上にトークン以外の攻撃力1550以下の通常モンスターが召喚・特殊召喚される度にこのカードに解放カウンターを1つ置く。(最大7個まで)

③:自分フィールド上のトークン以外の攻撃力1550以下の通常モンスターはカードの効果で破壊されず、このカードの上の解放カウンター1つにつき、攻撃力が300ポイントアップする。

④:自分または相手バトルフェイズ中、解放カウンターが7個乗ったこのカードを含む自分フィールド上のすべてのカードをリリースして発動する。EXデッキから「超獣王 ウルトラ・ウォー・ライオン」1体をユナイト召喚扱いで特殊召喚する。

 

 

やっぱりか、だが通常モンスターデッキの真骨頂はこれからの筈・・・!

 

「永続魔法《超獣王の御旗》の効果を発動!デッキから攻撃力1550以下の通常モンスター1体を特殊召喚する!現れろ!レベル5、《モリンフェン》(ATK1550)!」

 

魚のような悪魔がたゆたう。それは最弱カードの代名詞の一角。

ソリッドビジョンとして見たのは初めてだ。

 

 

《超獣王の御旗》

永続魔法

このカード名は自分フィールドに1枚しか存在する事ができない。

①:自分フィールド上の「超獣王の御処」は他のカードの効果を受けない。

②:フィールド上のこのカードが破壊された場合、「超獣王の御処」に解放カウンターを3つまで置く。

③:1ターンに1度、いずれか1つの効果を選択して、発動することができる。

●自分のデッキからから攻撃力1550以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。

●自分のデッキから「超獣王の御旗」以外の「通常モンスター」または「効果を持たないモンスター」と記されている魔法・罠カード1枚を手札に加える。

 

「《超獣王の御処》に解放カウンターを1つ置き、攻撃力が更にアップする」

 

【Get 1 Counter】

 

《ワイバーンの戦士》ATK1800→2100

《モリンフェン》ATK1550→2150

 

「僕はまだ通常召喚を残している!《レスキューラビット》(レベル4 ATK100)を召喚」

 

ヘルメットを被ったウサギがピョコンと飛び出してきた。

それは、宍戸君のデッキの唯一の効果モンスターだ。

その効果は中々強力だ。

 

「《レスキューラビット》をリリースして、デッキから2体の《ペイルビースト》(レベル4 ATK1400)を特殊召喚!」

 

ピィイイイ!

 

ウサギが笛を吹くと、今度は2つの頭を持つ魔獣が2体、飛び出した。

 

「《超獣王の御処》に解放カウンターが2つ乗る!」

 

【Get 2 Counters】

 

《ワイバーンの戦士》ATK2100→2700

《モリンフェン》ATK2150→2750

《ペイルビースト》×2 ATK1400→2600

 

「カードを1枚伏せる。2体の《ペイルビースト》は破壊され、ターン終了だ!」

 

 

レオンテラー

LP4000 手札1枚

場:《ワイバーンの戦士》(ATK2700)、《モリンフェン》(ATK2750)《超獣王の御処》(解放カウンター4個)、《超獣王の御旗》、セットカード1枚

プレイヤーカード:《レオンテラー》ATK400

 

《レオンテラー》

プレイヤーカード ATK400

①:自分フィールド上に通常モンスターが存在しない場合、メインモンスターゾーンのモンスター効果は無効になる。

②:自分は効果モンスターをデッキまたは墓地から特殊召喚することができない。

 

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

相手の場には効果破壊耐性を持った最上級モンスタークラスの攻撃力を持ったモンスターが2体。

フィールド魔法の《超獣王の御処》を破壊して、弱体化を狙いたいところだが、問題は永続魔法《超獣王の御旗》。このカードはテキストが確認できたが、《超獣王の御処》に破壊耐性と効果無効耐性を与えている。しかもこのカードが破壊されると、解放カウンターを3個増やしてくる。かなり厄介だ。

それに伏せたカード、カウンタートラップの可能性が高い。

ならば、と手札の1枚に手を伸ばす。

 

「永続魔法《禁止令》を発動。宣言するのは《天威無双の拳》!」

 

【Effect】

 

最も警戒すべきは通常モンスター専用の万能カウンター《天威無双の拳》。こちらの攻め手を確実に1つ削いでくる強力なカードだ。しかも、破壊された場合にはEXデッキからの展開もある厄介なガードだ

 

「それは・・・!」

 

カウンターはない。

コレを通したという事は、セットガードは《天威無双の拳》ではない。

《禁止令》がある限り、新しい《天威無双の拳》はもう使用できなくなる。

2枚目以降を無駄にしたくないなら、このタイミングで発動しなければならないからだ。

コレで思う存分に展開ができる。

 

「手札から《テクノロギア・マテリアル》を墓地に送り、《テクノロギア・ソーディアン》*1(レベル5 ATK2000)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター0→1→2*2

 

【Summon】

 

「テクノロギア・・・?」

 

いぶかしむのも無理はない。初見のデッキだからな。

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》*3(レベル4 ATK1800)を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

 

「サーベルタイガーの効果を発動。デッキから《テクノロギア・マテリアル》*4(レベル1 DEF100)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Summon】

 

「《テクノロギア・ソーディアン》の効果。隣で効果が発動したため、デッキから《テクノロギア・コマンダー》を手札に加える!」

 

【Effect Search 1 Monster】

 

「マジックカード《ユナイト・ウィッシュ》*5を発動。ユナイトカウンターを2つ増やす」(ビリーバー ユナイトカウンター2→4)

 

【Get 2 Unite counters】

 

「俺は《テクノロギア・マテリアル》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!天工機巧の禁断の極地!テクノロギア・ダークギカント》*6(ATK+2800)!」

 

 

紋様が刻まれた黒い幅広の大剣が大地に突き刺さる。

 

【UNITE EQUIP!RAGNAROK BLADE!】

 

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→3100

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》をリリース!特殊召喚!レベル7、《テクノロギア・コマンダー》*7(ATK2800)!」

 

【Summon】

 

「永続魔法《テクノロギアン・エンハウンス》*8を発動。デッキトップを墓地に送り、《テクノロギア・ソーディアン》の攻撃力を500アップ!」

 

【Effect Select 1 Monster Attack Plus!】

 

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2000→2500

 

 

「《テクノロギア・コマンダー》の縦列のカードが発動したため、コマンダーの効果が誘発される。テクノロギア達は攻撃力が700アップ!更に1枚ドロー!」

 

【Effect Attck Plus】

【Effect Draw】

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2700→3400

《テクノロギア・ソーディアン》ATK2500→3200

 

「グゥオオウ!リバースカード、《正統なる血統》を発動!甦れ《ペイルビースト》(レベル4 ATK1400)!《超獣王の御処》に更に解放カウンターを1つ乗せる!」

 

【Effect Select 1 Monster:Rivive!】

【Get 1 Counter】

 

「通常モンスター達は更に攻撃力が300アップ」

 

《ワイバーンの戦士》ATK2700→3000

《モリンフェン》ATK2750→3050

《ペイルビースト》ATK1400→2900

 

リバースカードは蘇生カードだったか。だが、やることに変わりはない。

 

「バトルフェイズ!《テクノロギア・コマンダー》で《ワイバーンの戦士》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

銃弾がワイバーンを貫いた。

 

レオンテラーLP4000→3600

 

「《テクノロギア・ソーディアン》で《モリンフェン》を攻撃!」

 

【Attack!】

 

テクノロギア・ソーディアンが大上段に剣を振り下ろし、モリンフェンを真っ二つにした。

 

レオンテラーLP3600→3350

 

「行くぜ!」

 

こちらに飛びかかるペイルビースト。

 

【PLAYER ATTACK!】

 

すれ違いざまに黒の大剣を横一文字に振るい、真っ二つにする。

 

レオンテラーLP3350→3150

 

 

「ガードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

【Turn End】

 

 

アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)

LP4000 手札1枚

場:《テクノロギア・ソーディアン》ATK2000、《テクノロギア・コマンダー》ATK2800、セットカード1枚

プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK2800(《テクノロギア・ダークギカント》装備) ユナイトカウンター1個

 

 

 

「僕のターン!」

 

【Draw】

 

「ハァアアア!《強欲で金満な壺》を発動。EXデッキのカードを6枚裏向きで除外して、2枚ドロー!」)

 

【Effect Draw】

 

「マジックカード《ブラックホール》を発動!モンスターを全て破壊する!」

 

破壊耐性のあるモンスターはいない。黒い渦が全てを飲み込む。

 

「《邪剣男爵》(レベル4 ATK1550)を召喚!」

 

豚顔の剣士が現れた。このカードもあまり見ないモンスターだ。

 

【Summon】

 

「《超獣王の御処》に解放カウンターを1つのせる!」

 

【Get 1 Counter】

 

《邪剣男爵》ATK1550→3350

 

「永続魔法《超獣王の御旗》の効果を発動!デッキから攻撃力1550以下の通常モンスター1体を特殊召喚する!現れろ!レベル5、《モリンフェン》(ATK1550)!」

 

魚のような悪魔が再び舞い降りた。

 

【Get 1 Counter】

 

「《超獣王の御処》の解放カウンターは最大値の7個へと至った!」

 

バッキーィイン!

 

像の最後の鎖が外れ全身像が露になる。

どうやら、ライオンを模したモノのようだ。

 

《モリンフェン》ATK1550→3650

《邪剣男爵》ATK3350→3650

 

 

「バトル!《邪剣男爵》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

豚の剣士が袈裟斬りを放つ。俺はラグナロクブレードでガードする。

 

「迂闊だな、リバースカードオープン!《ユナイト・プロテクション》!ユナイトカウンターを1つ追加。更にプレイヤーの攻撃力は1000アップする!」(ビリーバー ユナイトカウンター1→2)

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2800→3800

 

ラグナロクブレードの紋様からビームが放たれて《邪剣男爵》は豚の角煮と化す。

 

【Effect Player Attack Plus】

【Get 1 Unite counter】

 

「何だとっ!」

 

レオンテラーLP3150→3000

 

「この程度か」

 

「おのれぇ!僕の力はこんなモノじゃない!《超獣王の御処》の最後にして最強の効果を発動する!」

 

ピシッピシピシ

 

像に罅が入っていき連動するように社が崩れていく。

 

「この効果は解放カウンターが7つのった《超獣王の御処》を含むフィールド上のカードを全てリリースして発動する!」

 

ギィイイイ!

 

社の崩壊はフィールド魔法全体まで及び、《モリンフェン》も断末魔を上げながら呑み込まれていく。

 

「我が眷属と共に七つの封は今、解かれた!仇なす万物を蹂躙せよ!」

 

【UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!降臨せよ。真なる王!レベル7《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》(ATK2300)!!」

 

一陣の威風が吹いた。

世界(フィールド魔法)が崩壊した先に屹立しているのは黒鉄の鎧を纏った獅子の武人。

 

「《超獣王の御処》によって特殊召喚された《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》はカードの効果を受けず、攻撃力と守備力が2000アップする!」

 

 

《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》ATK2300DEF2100→ATK4300DEF4100

 

 

「《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》でダイレクトアタック!」

 

【Cho-Ju-Ken!】

 

 

ガギィン!

 

ラグナロクブレードに凄まじい衝撃が走る。思わず手を放しそうになる。

 

アームドナイト ビリーバーLP4000→3500

 

「《ユナイト・プロテクション》の効果で《テクノロギア・ダークギガント》は破壊されない!」

 

「これが僕の・・・、俺の力だ!ターンエンド!」

 

 

レオンテラー

LP3000 手札0枚

場:《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》(ATK4200)

プレイヤーカード:《レオンテラー》ATK400

 

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

「スタンバイフェイズ時に墓地の《モリンフェン》を除外して、《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》の効果を発動!このカード以外の自分フィールド上のカードを全て墓地に送り、700ポイントのダメージを与える!」

 

獅子の戦士が気合と共に天に向かって咆哮すると、周囲に波動が放たれた。

 

【Effect All Cards Destroy!& 700 Damages!】

 

アームドナイト ビリーバーLP3500→2800

 

ボロボロと崩れていく黒い大剣。先ほどまでの耐久性が嘘のように砕けていった。

そんな軽い条件で全体墓地送りだと!?

 

 

《超獣王 ウルトラ・ウォー・ライオン》

レベル7地属性獣族・ユナイト・効果ATK2300DEF2100/装備ATK+2300

レベルの合計が7以上になるモンスター1体以上+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが「超獣王の御処」の効果で特殊召喚された場合、このカードは他のカードの効果を受けず、攻撃力と守備力は2000アップする。

②:互いのスタンバイフェイズ時、自分フィールド上のカードがこのカードのみの場合、墓地に通常モンスターが1体をゲームから除外して発動する。このカード以外のフィールド上のカードを全て墓地に送り、700ポイントのダメージを与える。

ユナイト効果

①:自分の墓地に通常モンスターが7体以上存在する場合、このカードは1ターンに3度まで破壊されない。

 

 

「確かにそのカードは強い!だけど、それでは俺に勝てない!デッキトップを10枚裏向きで除外し、《強欲で貪欲な壺》を発動。2枚ドロー!」

 

【Effect Draw】

 

「知った風な口を吐くなぁ!」

 

「マジックカード《死者蘇生》を発動!甦れ!レベル7《テクノロギア・コマンダー》(ATK2800)!」(ビリーバー ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Select 1 Monster:Rivive!】

 

「《テクノロギアン・リユース》*9を発動。墓地から《テクノロギア・サーベルタイガー》と《テクノロギア・ファイター》を手札に戻す」

 

《テクノロギア・ファイター》は前のターンに《テクノロギアン・エンハウンス》のコストで墓地のに送られたカードだ。

 

【Effect】

 

「《テクノロギア・コマンダー》の縦列のカードが発動したため、コマンダーの効果が誘発される。コマンダーは攻撃力が700アップ!更に1枚ドロー!」

 

【Effect Attck Plus】

【Effect Draw】

 

《テクノロギア・コマンダー》ATK2700→3400

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》(レベル4 ATK1800)を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4)

 

【Summon】

 

「サーベルタイガーの効果を発動。デッキから《テクノロギア・マテリアル》(レベル1 DEF100)を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター4→5)

 

【Effect Summon】

 

「フィールドの《テクノロギア・マテリアル》を墓地に送り、《テクノロギア・ファイター》*10 (レベル5 ATK2000)を特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター5→6)

 

「《テクノロギア・サーベルタイガー》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》*11(ATK+2000)!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK300→2300

 

俺はもう馴染んでしまった剣の重さを確かめる。

この重さは俺の覚悟を表しているようだ。

 

「《ユナイト・イベント-起死回生》を発動。《テクノロギア・ファイター》をリリースし、ユナイト・カウンターを3個得る」(ビリーバー ユナイトカウンター2→5)

 

【Get 3 Unite counters】

 

 

《ユナイト・イベント-起死回生》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動する。プレイヤーカードにユナイトカウンターを3個のせる。

 

 

これでビリーバーの効果を使えば・・・。

この2日間で俺の決闘者としての感覚は更に戻ってきた。

 

だからこそ、ふと気づく。

 

『ザンブ、お前何か波動が出てねぇ?』

 

フェイタルブレードから波のような力の放出を感じる。

何だこれ。

 

『それを言うなら、遊士の方からも出ているぞ』

 

『マジ?あ、ホントだ。うわぁ・・・』

 

意識を集中すると、確かに何か出ている。

というか、波長変えれるな。

待てよ・・・。

 

『ザンブ、俺の波長に合わせられるか?』

 

『完全には無理だな。遊士も合わせるとすれば、合うかもしれない』

 

『やってみるか』

 

「お前、何をボーっとしている!」

 

待たせていたか。苛立たし気にレオンテラーはこちらをにらみつける。

 

「待たせたな!ザンブ、行くぜ!」

 

『応!』

 

フェイタルブレードをデュエルディスクにセットしたプレイヤーカードに近づけるように腕を交差させる。

そうすると、俺とザンブの力が一体になっていくのを感じる。

 

キィイイイイン!

 

 

『俺も感じるぞ、ビリーバーの、遊士の力を』

 

そういや、あの"占い師"(ランク1位)も言っていたな。

 

―――貴方はもっと先に行ける。カードとの共鳴もきっとできるはず。―――

 

 

「『決闘共鳴(デュエル・レゾナンス)!」』

 

 

「俺は装備状態の《ザンブレイド・ドラゴン》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

ビリーバーとフェイタルブレード、それぞれから銀色のキューブが浮かぶ。

それらはグルグルと回転を始め、次第に結びついていく。

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

「勇猛なる竜の牙よ!」

 

【Promote Next player card】

「絆の鎧を纏いて、かの地より我が手に来たれ!」

 

【Accept! New beginning!】

「ユナイトイクイップ!《ザンブレイド・ドラゴン・アムド》!」

 

【We call the BELIEVER:EXTEND!】

【UNITE EQUIP! Over Fatal Blade!】

 

【It's Amazing!】

 

 

「俺達の未来を刻んでみせる!」

 

卵の殻を破るようにキューブが解け、新たなる力を纏った戦士が姿を現した。

 

 

《ビリーバー:エクステンド》ATK500→3000

 

 

 

「・・・って、流れに任せてやってみたけど・・・。何だコレ」

 

胸部装甲は竜の頭を模していて、手足の装甲も鱗状のレリーフが生えてきている。

鎧のようなモノが増えて更に1周り巨大になった大剣(電子音的にはオーバーフェイタルブレード)で自身の顔を映すと牙や角のような装飾が追加されている。

後で考えるか。

 

「プレイヤーカード、《ビリーバー:エクステンド》の1つ目の効果を発動。自分フィールド上のユナイトモンスターの数までユナイトカウンターを1つ得る」

 

【Player Effect: Get 1 Unite couter】

 

「これで決める!」

 

白銀の巨大剣を腰溜めに構え、獅子の獣王に飛び込む。

 

「攻撃力はウルトラ・ウォー・ライオンの方が上だ!」

 

俺は答える代わりにデュエルディスクのユナイトクリスタルに触れる。

 

【Player Effect】

 

【Dividing All Attack!】

 

銀色の波動が体の内側から爆発する。

 

《レオンテラー》ATK400→200

 

「《超獣王ウルトラ・ウォー・ライオン》は他のカードの効果を受けない!」

 

 

【Double Up!】

 

攻撃力の倍化はビリーバーの特権だ。今の状態でも当然使用できる。

関節の節々から銀の燐光が舞い、さながらロケットのように加速する。

 

《ビリーバー:エクステンド》ATK3000→6000

 

【AMAZING LAST PLAYER ATTACK!】

 

勢いよく燐光を纏った巨大剣を振り抜く。

銀色の光の奔流が迸り、背後の《レオンテラー》も飲み込んだ。

 

【Twice Damage!】

 

レオンテラーLP3000→0

 

 

「うわぁあああああ!」

 

「装備状態の《ザンブレイド・ドラゴン・アムド》は与える戦闘ダメージを2倍にする」

 

 

 

《ビリーバー:エクステンド》

プレイヤーカード ATK0 (第2面時ATK500)

プレイヤーカードが「アームドナイト・ビリーバー」で「ザンブレイド・ドラゴン・アムド」が装備またはユナイト召喚される場合、第2面のこのカードを重ねる事ができる。

①:1ターンに1度、自分フィールド上か装備状態のユナイトモンスター1体につき、1つこのカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。(最大3個まで)

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:1ターンに2度、バトルフェイズ中にユナイトカウンターを4個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上のモンスターとプレイヤーカードの攻撃力は半分になり、このカードの攻撃力は2倍になる。第2面のこのカードがこの効果を適用する場合、消費するユナイトカウンターは2個になる。

このカードはルール上「アームドナイト・ビリーバー」として扱い、「アームドナイト・ビリーバー」の第2面としても扱う事ができる。

 

※プレイヤーカード追加ルール:異なる面のプレイヤーカードは複数枚でも1枚のプレイヤーカードとして扱う。

 

 

《ザンブレイド・ドラゴン・アムド》

レベル9地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2200/装備ATK+2500

装備状態の「ザンブレイド・ドラゴン」+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:1ターンに1度、このカードをプレイヤーカードに装備する事ができる。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

②:このカードが破壊された場合、自分の墓地から「ザンブレイド・ドラゴン」1体を表側表示で特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:このカードが第1面以外のプレイヤーカードに装備されている場合、プレイヤーが与える戦闘ダメージは2倍になり、攻撃対象のカードの効果はそのバトル中無効になる。

②:自分が受けるダメージは500減少する。

 

 

 

~~~

 

「大丈夫か」

 

俺はレオンテラー、宍戸君に駆け寄ろうとする。

 

『待て、様子がおかしいぞ』

 

突っ伏したレオンテラーはまだ変貌が解けていない。

それどころか黒い煙が沸き上がっている。

 

「俺はっ・・・!負けないっ!ウォオオオ!」

 

闇がレオンテラーを包んでいく。

 

【High Terrorrr… Leoja!】

 

暗黒が爆発する。

ソコにいたのは膝立ちになった鎧をまとった獅子の王のハイテラー。

 

「ハイテラーに進化した・・・!?」

 

そんな事があるのか?俺も人のことを言えないけど。

 

 

「ハッ、覚醒したか」

 

声の方を向くと空間がひび割れていた。

 

「ヒュドボロス!」

 

『貴様!何をした!』

 

「何をしたってのはコッチのセリフだ。テメェもソレができるのかよ。つってもまだ雑魚だがな」

 

『そちらは随分と消耗しているようだな』

 

更に不機嫌になるヒュドボロス。本来なら怒り狂うはずだが、隣のハイテラーに声をかける。

 

「チッ、まぁいいさ。レオージャ、こっちに来い。お前を更に強くしてやるぜ」

 

「グゥウ。確かに今の俺ではヤツに勝てない。いいだろう」

 

ハイテラー:レオージャの周囲にも罅割れた空間が広がっていく。

 

「待て!」

 

「俺は必ず貴様に勝つ!」

 

ハイテラー:レオージャ―宍戸君はこの世界から消え去った。

 

 

―――――

 

 

―ユニティガーディアン本部・とある一室―

 

 

「おい、何だこれは」

 

翼はジンに詰め寄っていた。

テラー側から送られた映像に驚くべきモノが映っていたからだ。

 

「ビリーバーのデュエルビデオか?ん、何だコレ・・・」

 

「キミと同じデュエルレゾナンスだ。どうしてビリーバーが使える」

 

「…俺も知らねぇよ。え、マジで、できるのか?ザンブレイド・ドラゴンだけでできる訳が・・・?神格がないのにどういう理屈で・・・」

 

ジンも戸惑っているのだ。自分たちが知っている理とは異なっているからだ。

 

「まぁ、キミ程は強くなっていないからまだいいんだが・・・」

 

「ビリーバーには注意した方がいいな。これ以上強くならないように」

 

「ジン」

 

「分かっているさ。俺は現状を崩したくないんだ。アイツがマスターテラーを脅かすようになったら、俺が何とかするさ」

 

「頼んだよ」

 

翼はそういうと、部屋を出ていった。

 

「はぁ。これ以上困らせてくれるなよ、遊士君」

 

その瞳には、新たな姿を得たビリーバーの映像が映っていた。

*1

《テクノロギア・ソーディアン》

レベル5光属性機械族・効果ATK2000DEF2000

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から《テクノロギア・マテリアル》1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキから「テクノロギア」モンスター1体を手札に加える。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

*2

《アームドナイト ビリーバー》

プレイヤーカード ATK 0

①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍になる。

*3

《テクノロギア・サーベルタイガー》

レベル4光属性獣族・効果ATK1800DEF1200

このカード名の効果は1ターンに1度しか、発動する事ができない。

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、

手札またはデッキから《テクノロギア・マテリアル》1体を特殊召喚する事ができる。

*4
《テクノロギア・マテリアル》

光属性雷族・効果ATK100DEF100

このカードはEXデッキからモンスターを特殊召喚するための素材にできない。

①:自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚された場合、フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が100ポイントアップする。

*5

《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを2個のせる。

*6
《テクノロギア・ダークギカント》

レベル8闇属性機械族・ユナイトATK3000DEF3000(装備ATK+2800)

「テクノロギア」モンスター1体+ユナイトカウンター×4

モンスター効果

①:1ターンに1度、墓地の「テクノロギア」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

②:このカードの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力の半分、攻撃力がアップし、そのモンスター効果を得る。

③:このカードが戦闘で破壊される場合、代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを破壊する。

ユナイト効果

①:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

②:1ターンに1度、このカードがカードの効果で破壊される場合、代わりにユナイトカウンターを1個取り除く。

*7

《テクノロギア・コマンダー》

レベル7光属性機械族・効果ATK2800DEF2200

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の墓地に《テクノロギア・マテリアル》2体以上存在する場合、自分フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードと同じ縦列で自分のカードの効果が発動した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローし、自分フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

③:自分の墓地のカードが8枚以上でこのカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上の「テクノロギア」カードは1ターンに1度、効果で破壊されず、「テクノロギア」モンスターの戦闘で自分が受けるダメージは0になる。

*8

《テクノロギアン・エンハンス》

永続魔法

①:1ターンに1度、デッキの1番上のカード1枚を墓地に送り、フィールド上の「テクノロギア」モンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターはターン終了時まで攻撃力は500ポイントアップする。

②:相手バトルフェイズ中、墓地のこのカードを含むカード10枚をゲームから除外して発動する。自分はデッキからカードを2枚ドローし、このターンに受けるダメージは半分になる。

*9

《テクノロギアン・リユース》

通常魔法

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:自分の墓地の「テクノロギア・マテリアル」の数まで自分の墓地の「テクノロギア」モンスターを選択して発動できる。そのカードを手札に戻す。

*10

《テクノロギア・ファイター》

レベル5光属性機械族・効果ATK2000DEF1800

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動することができない。

①:このカードは自分の手札かフィールド上から「テクノロギア」モンスター1体をリリースすることで手札から特殊召喚する事ができる。

②:このカードの隣のモンスターカードゾーンでモンスター効果が発動した場合に発動する事ができる。自分のデッキからレベル4以下の「テクノロギア」モンスター1体を特殊召喚する。

③:自分の墓地のカードが8枚以上あり、このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

*11
《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000

モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。




というわけで早速、出しました中間フォーム。いかがでしたか。
ライダーっぽくするため、あえてサラッと中間フォームになりました。
変身音も召喚口上と組み合わせたモノにでき、満足しています。
後、補足ですが、テラー化すると、デッキが丸々変わる場合と、一部だけ変わる場合があります。変化するカードが少ないほど、強力なカードが生まれやすい傾向があります。

オマケ
アームドナイトやテラー達の力関係(左側の方が強い)
リアルファイト力
シジュ―神威*1>>>マスターテラー達>>弱体化状態のマスターテラー達>ビリーバー:エクステンド*2>通常のアームドナイト*3、ハイテラー>通常の上級テラー>下級テラー、テラーミニオンズ

同じ、決闘共鳴でもシジュとビリーバーのスペック差はウォズギンガとアーマータイムのジオウ程度の差があります。

デュエリストレベル
全盛期アマツ(翼)、"占い師"≧"裂光"のマスターテラー、ブレイウルス、ティアフィネル、ヒュドボロス≧シジュ―神威>弱体化状態のマスターテラー達>光導ナツメ、ビリーバー:エクステンド>ロウオウ、ハクア、グレン、シジュ、ハイテラー、地下デュエルのランカー>通常の上級テラー、渡来一美、ソウ・ハン、チームRX以下、一部リーグの人達>下級テラー、テラーミニオンズ

実は、シジュ―神威がスターテラー達に3対1でデュエルを挑まれていたら、敗北していた模様。

評価や感想を頂けると励みになりますので、よろしくお願いします。

*1
パンチ力48.5tキック力89.7t走力1.2s/100m
特殊能力:毒や雷、呪い、重力などの紫色っぽい能力を操る。
マスターテラーまでのテラーをデュエルせずに撃破が可能。

*2
パンチ力11.2tキック力19.8t走力4.8s/100m
特殊能力:近く範囲内に斬撃を発動+斬撃箇所への転移
     下級テラーをデュエルせずに撃破が可能。

*3
パンチ力2.5~3.4tキック力4.1~5.3t走力7.5~8.7s/100m



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29話 vsチーム武勇 前編

風呂吹き大根さん、から揚げ隊長さんお気に入り登録ありがとうございます。

名もなきA・弐さん、いつも感想ありがとうございます。
から揚げ隊長さん、初感想ありがとうございます。感想の返信を数回書き換えてしまい申し訳ありませんでした。


降りしきる雨の深夜の街。

その闇夜の中、一際光り輝く存在があった。

 

 

「『決闘共鳴(デュエル・レゾナンス)!」』

 

 

【AMAZING LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

「大分この状態も使えるようになってきたな」

 

 

奥田遊士-ビリーバー:レゾナンスはこの場所にいる最後のテラーを切り裂いて、一息ついた。

 

 

『フム、まさか下級テラーはデュエルせずに倒せるようになるとはな』

 

 

「そうだな」

 

 

思わぬ収穫だった。ただし、上級テラーは今まで通りデュエルしないといけないが。

しかも今まで以上の身体能力だけでなく離れた場所に斬撃を出したり斬撃した場所に瞬間移動できたり、かなり便利になった。

離れた場所に斬撃→瞬間移動→離れた場所に斬撃のループはかなり爽快だった。

相応に疲労したけど・・・。

 

 

「この辺のテラーも全部倒したし、帰るか」

 

ザッ

 

「ビリーバー、何か姿が変わってね?」

 

「ジンさん・お久しぶりです」

 

忍者、久しぶりの登場である。

 

「男子3日会わざれば刮目して見よというが、アームドナイトの姿も変わっているとはな、どういうことだ?」

 

まだ他の人に話してなかったっけ。

この姿、デュエル・レゾナンスが発現したときの話をする。

何回かやってみて分かったが、俺とザンブが共鳴することで新たな姿、ビリーバー:エクステンドになるっぽいのだ。

 

「ジンさん、何か知っていますか」

 

「知らん、何それ、こわ・・・」

 

仁さんも知らないのか。

 

「特殊な形態なんですか、コレ?」

 

「そうだぜ。そんなの*1聞いたことねぇ。まぁ、なんにせよ秘密にしておいた方が良いな」

 

うん?

 

『何故だ?』

 

「ビリーバーも《ザンブレイド・ドラゴン》も誕生が特殊だしな。必殺魔法っぽい能力を内蔵したアームドナイトのカードなんて今までなかったしな。ビリーバーだけのパワーアップ形態の可能性がある」

 

「俺だけってことですか。みんなが使えるようになれば、と思ったんですけどね」

 

「確かにそれができればいいんだがレゾナンスの訓練に時間をかけて、できなかったら特訓の時間が無駄になるしな」

 

「はぁ」

 

「ま、ココぞという時に使う方がより効果的だと思うぜ。切り札に頼りすぎると鈍るしな。その方がカッコイイだろ?」

 

「そうですか」

 

そういうものか。下級テラーを直接倒すとユナイトモンスターがドロップしないしな。

 

「じゃ、そういう事で。早く帰ろよ。明日の試合、早いんだろ。悟もやる気充分だし、明日の試合、期待しているぜ」

 

明日はチームA.ギートの試合の日だ。気を引きしめないとな。

雨足も弱まってきた。明日はデュエル日和かな?

 

 

29話 vsチーム武勇 前編

 

 

―――――――――――――――

 

―在府市民公園―

 

「俺たち、チームA.ギートはあの修行の日々で生まれ変わった!この試合、勝つぜ!」

 

「ええ、みんな強くなったはずよ」

 

「はい、自分たちの弱点も把握できました」

 

今までの戦い方の問題点も更に洗い出して、良い作戦を立てることができた。

今までは長所が出せなかったけど、これなら行ける筈だ。

 

 

―――〔ただ今より、チーム武勇対チームA.ギートのフラッグデュエル*2を開始します。〕―――

 

 

相手のチーム武勇は、2部ランク38位*3の三国志や水滸伝をモチーフにした獣戦士族や戦士族デッキの使い手のチームだ。

中華風の衣装が様になっている。

特に警戒すべきメンバーはリーダーの李金虎(リ・ジンフー)と副リーダー兼参謀の道芭鈴子(みちばすずこ)

欠伸を書いていて、髪を虎の尻尾のような束ねているのがリーダーさん。

彼は中国のとある古武術の使い手で、その古武術をデュエルに応用しているという。

更に古武術由来の高い機動力はフラッグデュエルにおいてかなり厄介になる。

ココアシガレットを口にしているロングヘアーの女性が道場さん。

彼の三国志の軍師、諸葛亮をリスペクトしていて彼の戦略をフラッグデュエルで再現している2部リーグ屈指の戦略家だ。

残りのメンバーである火上(ひうえ)兄弟と水原藤呉(みずはらとうご)もチームプレーが得意な屈指のデュエリストだ。

 

「チーム武勇の皆さん、よろしくお願いします。今日は良いデュエルをしましょう」

 

悟がリーダーの李さんへ挨拶に向かった。

しかし、李さんは怪訝そうな顔をする。

 

「お前がリーダー?冗談だろ?白砂お嬢様じゃねぇのか?金魚の糞かと思ったぜ」

 

は?

 

金虎(ジンフー)!失礼だぞ!申し訳ない、リーダーが非礼な事を言ってしまって」

 

「相手の実力は一目で分かる。一際大きな“気”に、後はソコソコ。ワンマンチームの典型じゃねぇか」

 

「てめぇ!」

 

道芭さんの制止も利かず、そんな事を声高に喋る李。

相手の冷静さを崩す盤外戦術だろう。

地下デュエルではよくある話だ。

 

「翔太、落ち着け。デュエルで証明すればいいだけの話だろ。それに侮ってくれた方がありがたいだろ?」

 

「ごめん、焦っていた」

 

「遊士、流石だぜ。俺はクソ兄貴のお陰で煽り慣れているがな」

 

(ひとし)さん、何やっているんですか。

やっているところは容易に想像できるけど・・・。

 

「何はともあれ、良いデュエルにしましょう」

 

微笑むアイナ先輩。どこかプレッシャーを感じるぜ。

 

「ええ、私達の勝利で終えてみせますよ」

 

「チームメイト全員で勝利をつかんでみせますよ」

 

挑発する道芭さんにアイナ先輩はそう返した。

 

 

「ジンフー、毎度思っていたが、あなたの態度は礼節さに欠く。穏便にできないのか」

 

「ハッ、デュエルでは言葉にしないだけで似たようなことをやるんだ。いつやっても同じだろう」

 

「俺達も鈴子の姉御に同感だ。どのような場でも尊敬して接する事が師の教えだろう」

 

そう叱責するのは火上永一だ。ジンフーも思うところがあるのか、顔を背ける。

 

「・・・言い方間違えたぜ。だが、会敵必殺。敵を前にしたらもう戦いは始まっているんだ。尊敬の精神は試合の後だ」

 

「あなたの言い分はわかります。納得する面もあるが、相手に敵愾心を与えるのは今後に響いてきます」

 

水原は静かにたしなめる。

 

「水原・・・。わかったよ、そういうのはなるべく避ける」

 

「漸く纏まったわね。それにしても、チームメイトを諭した彼、奥田遊士君といったかしら。彼は要警戒よ」

 

「ヤツにはそこまでの“気”はなかったぞ」

 

「前の2試合、全然活躍できていなかったぞ」

 

怪訝そうな顔のジンフーと火上永二に鈴子は溜息を漏らす。

 

「確かに彼は前の2試合パッとしないように見えたけど、2人相手にしばらく凌いでいたわよ、それに・・・」

 

彼女は一度、言葉を止め息を継ぐ。

 

「彼は昇格戦の際に、あのアマツ相手に互角に渡り合っていたわ」

 

「アマツ相手に互角・・・!」

 

「そうは見えなかったぞ・・・!」

 

ジンフーも驚愕する。そんな強者が何故、あれだけの”気”しか持ちえないのか・・・。

 

「彼の来歴は謎が多いわ。昔、彼が住んでいた頃のデータを調べてみたけど、公式戦に出た経歴は0。ショップ大会に1度出て優勝したくらいしかなかったわ」

 

「そんなヤツも紛れ込んでいるのか。それならこの試合は楽しめそうだ」

 

故郷では眠れる黄金の虎と呼ばれるジンフーの目覚めが刻一刻と迫っていた。

 

 

 

〔それでは、フラッグデュエル開始です!〕

 

 

 

 

―――――FLAG DUEL!―――――

 

 

 

野外公園、一体にリアルソリッドビジョンが展開された。

戦場は森。木々が増え、見通しが悪くなる。

中立陣は公園7割程度の規模とかなりの広さになる。

 

「遊士、まずは俺達で先行するぞ!」

 

「ああ!」

 

遊士は悟とツーマンセルで相手陣に向けて走り出した。

基本的に、自陣から相手陣までは一直線だ。

だからこそ真っ直ぐに進む。フラッグデュエルの基本戦術である。

 

勿論、相手チームでも同じことだ―――――。

 

「早速お出ましね」

 

遊士達と相対するのは道芭鈴子と火上永二。

4人は互いにデュエルディスクからデュエルラインの光帯を飛ばす。

 

【Duel Stand by!】【Duel Stand by!】

【Duel Stand by!】【Duel Stand by!】

 

【Duel accept!Mode select:Battle royale mode*4!】

 

【【【【Set Player card】】】】

 

【Accept!You are a Cyborg Duelist!*5

 

【Accept!You are a Kizuna Duelist!*6

 

【【Accept!You are a Budo Duelist!*7】】

 

 

「「「「「デュエル!!」」」」」

 

 

デュエルの火蓋が切って落とされた。

「先行は俺だ!俺のターン、《マシンナーズ・ギアフレーム》(レベル4 ATK1800)を召喚!」(悟 ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

悟はプレイヤーカードのソリッドビジョンで機械化した右手でカードをデュエルディスクにセットした。

この戦いから悟はプレイヤーカードを新調していた。

 

 

《サイボーグ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に機械族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は機械族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が機械族ユナイトモンスターを装備している場合、攻撃力が600アップする。

 

 

【Effect】

 

「ギアフレームの効果で《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加える。《マシンナーズ・フォートレス》の効果を発動。手札から《マシンナーズ・カーネル》を墓地に送り、現れろ!レベル7《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500)!」(悟 ユナイトカウンター1→2)

 

【Effect Summon】

 

機械人形の次に現れたのはロボットの戦車。悟の十八番の戦略である。

 

 

「更に行くぜ!墓地の《マシンナーズ・カーネル》を装備して、手札から特殊召喚!レベル8《セリオンズ“キング”レギュラス》(ATK2800)!」(悟 ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Summon】

 

続けて現れたのは獅子の仮面の機械戦士。巨大な両腕はマシンナーズ・カーネルのパーツを纏い、イラストよりも巨大化している。

 

「俺のユナイトカウンターは3つ!俺は《マシンナーズ・ギアフレーム》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

3つの光が宙を舞い、オーロラに輝く円を描き出す。

 

「ユナイトイクイップ!万物を焦がす雷霆よ、我が元に結実せよ!《マシン・ヴォルテクス》(装備ATK+1900)」

 

【UNITE EQUIP! Lightning hammer!】

 

 

悟が破城槌を手に取ると機械の腕の文様が光り輝く。

 

「俺は《サイボーグ・デュエリスト》の効果で攻撃力は更に600アップする」

 

悟:《サイボーグ・デュエリスト》ATK0→1900→2500

 

 

「カードを1枚セットしてターン終了だ」

 

【Turn End】

 

 

仲町悟 LP4000

場:《マシンナーズ・フォートレス》(ATK2500)、《セリオンズ“キング”レギュラス》(ATK2800)

  伏せカード1枚

プレイヤーカード:《サイボーグ・デュエリスト》(《マシン・ヴォルテクス》装備)ATK2500、ユナイトカウンター0個

手札:2枚

 

《マシン・ヴォルテクス》

レベル7光属性機械族・ユナイト・効果ATK2400 DEF2400/装備ATK+1900

機械族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:?

②:このカードが破壊され、墓地に送られた場合、相手プレイヤーと相手フィールド上のモンスターの攻撃力はターン終了時まで500ダウンする。

ユナイト効果

①:バトルフェイズ中、このカードはカードの効果で破壊されない。

 

 

「私のターン!」

 

【Draw】

 

鈴子と永二はドローと同時に林に向かって駆けていく。

 

「どこへ行くんだよ!?」

 

「2部リーグでは常識よ。少しでもフラッグに近付く方策の1つ。それに私達を見失ったら、カードの発動タイミングを逃す事になるわよ」

 

フラッグデュエル、自分のターン中なら声が聞こえなくても進める事ができる。

最悪の場合、好き勝手に展開しながら見えない場所から奇襲をかける事になる。

 

「やべぇ!俺達も行くぞ!」

 

悟と遊士も慌てて後を追う。

 

「私は永続魔法《戦華史略-三顧礼迎》を発動」

 

【Effect】

 

「相手フィールド上にのみモンスターが存在するため、手札からレベル7《戦華の義-関雲》(ATK2500)を特殊召喚!」(道芭鈴子 ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

「《戦華史略-三顧礼迎》の効果で《戦華の雄-張徳》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 monster】

 

鈴子は移動しながら、的確にカードを操っていく。

長年の経験の努力の賜物だ。

 

「《戦華の義-関雲》の効果を発動。《セリオンズ“キング”レギュラス》を破壊する」

 

【Effect Select 1 monster:Destroy!】

 

レギュラスに方天戟が振るわれ、一刀両断される。

 

「《セリオンズ“キング”レギュラス》の効果を使っても意味がない・・・」

 

万能カウンターをもつレギュラスだが、セリオンズのモンスターがいなければ、本領を発揮できないのだ。

 

「《戦華の徳-劉玄》(レベル4 ATK1400)を召喚」(道芭鈴子 ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

 

「戦華モンスターが2体以上いるため、手札からレベル7《戦華の雄-張徳》(ATK2700→3000)を特殊召喚」(道芭鈴子 ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

「攻撃力3000・・・」

 

「フフ、バトル!《戦華の雄-張徳》で《マシンナーズ・フォートレス》を攻撃!《戦華の徳-劉玄》の効果で1枚ドロー」

 

【Effect 1 Draw】

 

【Attack!】

 

仲町悟LP4000→3500

 

「くっ、《マシンナーズ・フォートレス》の効果を発動!相手フィールドのカード1枚を破壊する!」

 

「私の場には《戦華の徳-劉玄》がいるわ。相手はこのカード以外の戦華モンスターを対象にできない!」

 

「知っているさ。俺は《戦華の徳-劉玄》を破壊する!」

 

【Effect】

 

「では破壊効果にチェーンして、手札から《D.D.クロウ》の効果を発動!墓地の《マシンナーズ・カーネル》を除外します」

 

【Effect】

 

「マジかよ」

 

「予測していないとでも?」

 

「なんてな、リバースカードオープン《リビングデットの呼び声》!蘇れ!《セリオンズ“キング”レギュラス》!これでアンタの戦略を1手封じられるぜ!」

 

墓地メタは悟が苦手な分野だ。そのため2つの手を用意しておいたのだ。

 

「やるわね、メインフェイズ2に移行。私は《戦華の徳-劉玄》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON】

 

「ユナイト召喚!事象の理を見極め、翼をはためかせろ!レベル7《風仙大聖 飛廉》(ATK2600)」

 

《風仙大聖 飛廉》にはバウンス効果があるが、今回は使えない。次の作戦に備える算段だ。

 

「カードを1枚伏せ、ターンを終了します」

 

【Turn End】

 

 

 

道芭鈴子 LP4000

場:《戦華の雄-張徳》(ATK3000)《風仙大聖 飛廉》(ATK2600)

  伏せカード1枚

プレイヤーカード:《武道デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:2枚

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

遊士はデュエルディスクからカードを自然体で引き抜く。

鈴子は彼から恐気のようなものを感じた。

 

ゾクッ

 

この感覚は何なのだろう。

 

「奥田遊士君、アマツに肉薄したという実力を見せてもらいましょう!」

 

彼女はまだ知らなかった。自分は狩られる側の人間であったという事を・・・。

 

 

 

――――――

 

 

一方―――、

 

 

「森のステージは、俺にピッタリだな」

 

火上永一は森の奥からA.ギートのフラッグを視界に納めながら、そう呟いた。

森のステージは隠れる場所が多い。特に永一はチーム武勇の中で最も小柄で随一の敏捷性を誇る。

ド派手に相手を攻め立て、次につなぐ作戦だ。

最も永一のデュエルの腕はチーム武勇のナンバー2。

過去の試合のレベルを見るに1対2でも勝利の目はあると永一は考えていた。

 

行くぜ――――――

 

 

 

森から出てフラッグへと向かう。フラッグまでの空間を遮る者は誰もいない――――――、

 

 

 

――――――筈だった。

 

 

 

【【Duel Stand by!】】

 

 

永一のデュエルディスクにデュエルラインが伸びていた。

 

 

「何ィ!」

 

 

「来ましたね。流石は悟君といったところかしら」

 

白砂アイナだと・・・。

 

彼女の実力は知る人ぞ知るレベル*8だが、在府の孔明と呼ばれる道場鈴子のチームメイトである永一は知っていた。

彼女の実力は1部リーグにも匹敵している。

 

「みんなが私を避けていくなら、必ず行かざるを得ない場所にいれば良いと」

 

過去のA.ギートの試合、前衛だったアイナは相手チームから徹底的に避けられた。後衛だった時は前衛のみんなが狙われた。

故に悟はこの作戦を提案したのだ。

 

「やるしかねぇ、火上永一の炎のデュエルをみせてやるぜ」

 

 

【【Set Player card】】

 

【Accept!You are a Oracle Duelist!*9

 

【Accept!You are a Budo Duelist!*10

 

 

「私のターン、《強欲で貪欲な壺》を発動します。デッキトップ10枚を裏向きで除外して、2枚ドロー」

 

アイナも新たなプレイヤーカードを新調した。ゆったりとした長い袖。その姿はまるで神官。

 

【Effect Draw】

 

「《神の居城―ヴァルハラ》を発動」

 

【Effect】

 

「その効果で手札からレベル6《光神テテュス》(ATK2400)を特殊召喚します」

 

【Effect Summon】

 

クリスティアじゃない・・・、

永一はホッと息を付く。かの《大天使クリスティア》は特殊召喚を封じる先行1ターン目に出されると非常に厳しいカードだ。

対してテテュスはドロー効果があるものの妨害力はない。

 

「次に《救済のレイヤード》(レベル4 ATK1400)を召喚します」(白砂アイナユナイトカウンター0→1)

 

 

次に現れたのは芸術作品のような、のっぺりとした天使。

このカードは、カウンタートラップを発動時にドロー効果を持つカード。

待てよ・・・、これはかなり不味いのでは・・・?

 

「カードを3枚セットして、ターンを終了します」

 

【Turn End】

 

もしかして詰んだか・・・?

 

 

白砂アイナ LP4000

場:《光神テテュス》(ATK2400) 《救済のレイヤード》(ATK1400)《神の居城―ヴァルハラ》 伏せカード3枚

プレイヤーカード:《オラクル・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター1個

手札:0枚

 

《オラクル・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンに天使族モンスターを召喚または罠カードが発動した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は天使族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合の相手ターン中、プレイヤーの攻撃力は600アップし、自分の天使モンスターの攻撃力と守備力は400アップする。

 

 

「俺のターンだ!」

 

【Draw】

 

「カウンター罠《強烈な叩き落とし》を発動します。ドローしたカードを墓地に送ってください」

 

【Chain Effect!】

 

「いきなりかよ!」

 

「カウンター罠が発動した事で《救済のレイヤード》の効果で1枚ドロー」

 

【Chain Effect 1 draw】

 

「ドローしたカードは《緑光の宣告者》。天使族モンスターをドローしたため、《光神テテュス》の効果で1枚ドロー」

 

【Chain Effect draw】

 

「次にドローしたのは《朱光の宣告者》。更にドロー」

 

【And draw】

 

「次は《イーバ》。追加でドロー《天空の宝札》。ここで途切れましたか」

 

【And draw】

 

「4枚ドローだとぉ!」

 

アドバンテージ差が急速に詰まっていく。

 

「俺は負けない!《炎舞-「天璣」》を発動!」

 

獣戦士族デッキの要のカードだ。ここから立て直す!

 

【Chain Effect:Invalid!】

 

「手札を1枚捨て、《マジック・ジャマー》を発動しました。私の伏せカードはまだありますよ」

 

「げっ・・・」

 

「カウンター罠が発動した事で《救済のレイヤード》の効果で1枚ドロー」

 

【Chain Effect 1 draw】

 

「ドローしたカードは《朱光の宣告者》。天使族モンスターをドローしたため、《光神テテュス》の効果で1枚ドロー」

 

【Chain Effect 1 draw】

 

「次にドローしたのは《大天使クリスティア》。更にドロー」

 

【And draw】

 

「次は《緑光の宣告者》。追加でドロー《神の警告》」

 

【And draw】

 

白砂アイナ 手札7枚

 

「・・・」

 

相手の手札には大量の宣告者に天使族を補給するイーバまである。この後の展開を永一は一瞬で考える。

 

 

・・・無理だろ、勝つの。

 

 

【Surrender】

 

 

「サレンダーですか・・・」

 

「チームのためです。早く負けた方がよっぽど良い」

 

 

――――――

 

 

アイナが火上永一を倒した頃、遊士達のデュエルは佳境を迎えていた。

 

「な・・・何なの、アナタ・・・」

 

 

道芭鈴子 フィールド0枚 LP400

 

 

彼女の周囲を空牙団のモンスター達がズラリと並び、武器を構えて取り囲んでいる。

 

私は油断なく構えていた。

にもかかわらず、あの奥田遊士はその上を行った。

構えていた妨害は1つ1つ破られ、打ち手は全く残っていない。

強い決闘者は何人も知っている。だが彼からは同時に恐ろしさも感じる。まるで肉食獣と対峙しているかのよう。

 

「ク、ハハ。やっぱり愉しいなぁ、自らを強者だと思っているヤツを弱者だと分からせるのは」

 

「う、あ・・・」

 

理解した。ヤツにとってこれは狩り。私は獲物でしかない。

アレは私から“勝利”を貪ろうとするなのだ。

 

「遊士、迫力あるなぁ。よっ、元地下ランカー」「はっ、挑発の空気に当てられてやっちまったっ!悟、今のなし!忘れろ!」

 

師匠からかつて師匠に質問した話が頭によぎっていた。

 

 

~~~

 

数年前、

 

「師匠、もし自分達では勝てない強大な敵を打ち倒す、どうすれば良いのでしょう」

 

「逃げるが勝ちじゃ」

 

「師匠!」

 

「今、勝てんもんには勝てんじゃろ。一度逃げて戦う為の策を練るのが肝要じゃ」

 

「もし逃げられない場合は?」

 

「あきめろぃ」

 

「なっ!」

 

「じゃが、ワシは信じておるぞ。お主ならそのような事態に陥らないと。人事を尽くしたお主なら天命は必ずやってくるのじゃ」

 

「師匠・・・。撫でて良いですか?」

 

私は目の前の黒髪ロリ幼女を持ち上げて抱きついた。

 

「待て、持ち上げるではない!床に足が着かんではないか!」

 

じたばた

 

「その長い髪は床に着いているから良いではないですか」

 

「ぬぁーーー!」

 

 

~~~

 

 

「人事を尽くして天命を待つ・・・」

 

「これで終わりだ。《空牙団の剣士ビート》でダイレクト―――」

 

 

「ホゥワアァアア!」

 

 

ドッゴオオン!

 

 

空から人が落下。その勢いのまま、震脚で地面を抉る。

そんな事ができるのは、この場でただ1人。

 

「ジンフー!」

 

「リーダーオーダー起動!」

 

 

李金虎だ。彼は崑崙組の若手で随一の武道家でもある。

永一が降参してすぐに駆けつけたのだ。

この流れは永一の早期の降参と、金虎が危機を察知して最速で駆けつけた事で成されたものだ。

正に人事を尽くした結果と言えよう。

 

 

【LEADER ORDER:ACCEPT!*11

 

仲町悟LP3500→3750

道場鈴子LP400→2250

 

【DUEL ENDED*12

 

 

「後もう少しだったのに。リーダーオーダーかよ」

 

時間をかけすぎたか、と遊士は独りごちる。

 

「この荒々しい“気”はお前か。まさか、“気”を偽るヤツがいるとはな」

 

「俺が昔いたところでは基本技能だぜ。弱く見せないと()ってくれないからな」

 

「修羅か。道理でな」

 

「ジンフー、助かった。フラッグの下に行くぞ」

 

「しおらしいのはもう終わりか。見物だったぜ」

 

鈴子はジンフーをギロリと睨み付ける。

 

「逃げる気か」

 

「そのまま()っていたらフラッグまで素通りだろうが。今回は引かせもらうぜ、鈴子!」

 

「任せろ、[石兵八陣(せきへいはちじん)!]」

 

「霧っ!?しかも煙っぽいぞ」

 

遊士と悟の前に霧が濃くなり、砂埃も舞う。

石兵八陣とは創作物において諸葛孔明が陸遜を閉じ込めたとされる岩の八極陣、その再現である。

 

「昨日、雨が降っていたから湿度は充分。先程の震脚で巻き上げた砂埃が舞っている」

 

「姉御がここまで誘導したのさ。この場所から、アンタ等は逃げられないぜ、これぞ姉御が“在府の孔明”と呼ばれる所以だ」

 

「何もしてないヤツが何を偉そうにしているんだよっ」

 

自信満々に説明する永二に悟がツッコミを入れる。

 

「てな訳だ。じゃあな」

 

そう言うとチーム武勇達はスッと霧のように消えていった。

 

 

 

―――

 

 

「ジンフー、苦労をかけた」

 

「別に良いさ。アレはお前等では荷が重いからな」

 

「アレがお前が言う“気”か。今まで眉唾だと思っていたぜ」

 

あの獣のような荒々しい“気”は鋭敏でない永二にも分かった。

 

「アレは例外だろうがな。いつか()り合ってみたいぜ」

 

「お前がそこまで言うのか・・・。だが、結果として作戦通りだ。このままフラッグを奪う!」

 

アイナと翔太、正志との対決が迫っていた。

*1
(遊士君式の決闘共鳴は)

*2
フラッグデュエル ルール

・5vs5のチーム戦。性質上、タッグデュエルや1vs2となることが多い。

・勝利条件は相手プレイヤー3人の撃破か相手陣のフラッグの奪取。

・第2部リーグではエリアは自陣、中立陣、相手陣に別れている。自陣と相手陣は畳20畳程度のスペース。

・中立陣は1チーム、3人まで送りこめる。

・自陣には控えプレイヤーが待機。控えプレイヤーは自陣まで来た相手プレイヤーとデュエルが可能。主にフラッグを守る。前衛も来てもよい。

・フラッグデュエル内でのデュエルの申請はデュエルディスクから出る光線(デュエルライン)を相手のデュエルディスクに当てて行う。5Dsのデュエル(満足)アンカーみたいなモノ。

・リーダーは1度だけ、自分以外が行っているデュエルを中断させる、リーダーオーダーを持つ。

・デュエルが終了するか中断した場合、失ったライフの半分を回復する。

*3
総100チーム

*4
タッグフォースルールと違い、フィールドは共有しない。自分フィールドが独立している。

また、1ターン経過したプレイヤーに攻撃を仕掛けることが可能。

つまり、プレイヤーC・Dが行動していなくてもプレイヤーBは先に行動していたプレイヤーAにバトルを仕掛けることができる。

フィールド上と書かれているカードは全てのプレイヤーのフィールドに影響を与えるが、相手フィールドは相手プレイヤー1人のフィールドを指定する形になる。

*5
《サイボーグ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に機械族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は機械族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が機械族ユナイトモンスターを装備している場合、攻撃力が600アップする。

*6
《キズナ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンにモンスターを召喚・特殊召喚する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合、このカードと自分EXモンスターゾーンのモンスターの攻撃力は300アップする。

*7
《武道デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:獣戦士族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は獣戦士族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が獣戦士族ユナイトモンスターを装備している場合、プレイヤーの攻撃力は500アップし、自分フィールド上の獣戦士族ユナイトモンスターの攻撃力と守備力は200アップする。

*8
2部リーグ全チームは調査済み

*9
《オラクル・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンに天使族モンスターを召喚または罠カードが発動した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は天使族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合の相手ターン中、プレイヤーの攻撃力は600アップし、自分の天使モンスターの攻撃力と守備力は400アップする。

*10
《武道デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:獣戦士族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は獣戦士族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が獣戦士族ユナイトモンスターを装備している場合、プレイヤーの攻撃力は500アップし、自分フィールド上の獣戦士族ユナイトモンスターの攻撃力と守備力は200アップする。

*11
リーダーは1度だけ、自分以外が行っているデュエルを中断させる、リーダーオーダーを持つ。

*12
デュエル終了時に失ったライフの半分が回復する。




また長くなりすぎました。
相変わらず、フラッグデュエルは書くのが大変過ぎる。
次回はしっかりしたデュエル描写になります。
今話からフラッグデュエルのリーダーオーダーを『デュエルを中断』に変更しています。
感想やお気に入り登録、評価をしていただけたら嬉しいです。


P.S.活動報告を更新しました。
アニメ遊戯王の世界観・時系列について
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304228&uid=156641
こちらもよろしければ見てくれるとありがたいです。
10/25総括がわかりにくそうなので、結論を更新。
  基本、わかりにくい文章だと思います。


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30話 vsチーム武勇 中編

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

1話で終わらせようと思っていたフラッグデュエルも3話になる模様。
フラッグデュエル、書くの大変すぎる・・・。


 

 

「遊士君と悟君はまだ、戦っているみたいね」

 

「恐らくは。少なくとも負けてはいないみたいです」

 

アイナの言葉を受けて、正志はデュエルディスクの表示を確認する。ロックはまだ外れていない。

 

「さっき先輩が1人倒しましたから、もうそろそろ1人来るかもしれませんねって、いた!」

 

翔太が指を指した先に、中国の舞踏家のような男が走ってくるのが見えた。

 

李金虎(リ・ジンフー)!」

 

単独の実力だけでは1部リーグレベルにも届くとも言われている男だ。皆、警戒を強める。

 

「その脇にまだ2人いるぞ!」

 

視力2.5の翔太の眼には更なる人影が映っていた。

道芭鈴子と火上永二だ。

 

「悟と遊士が戦っていたんじゃなかったのか!?」

 

正志は再びディスクに目を落とすが2人が負けた様子はない。

 

「まさか、リーダーオーダーでデュエルを中断させてから来たのか!?」

 

「ええ、2人は再び現れることはないわ。私の『石兵八陣』は完璧よ。この試合の間、2人は霧と砂嵐の中をさ迷い続ける!」

 

「悟と遊士、足止めかよ!」

 

こんなにも攻め込まれているのに、救援は望めないのか。

正志と翔太は歯噛みする。

そんな最中、朗々たる声が響き渡る。

 

「2人とも、ココが正念場です。このフラッグデュエル、2人を倒せば私達の勝ちです!」

 

「アイナさんの言う通りだ」

「だな、俺達が美味しいところをもっていってやろうぜ」

 

翔太と正志に闘志が漲っていく。

 

「士気が一気に・・・」

 

白砂アイナの一声にこれ程までの力があるとは。

まるで神話の英雄か王族かと見紛う程。

 

「才能だな。そういうのを破ってこそ俺は更に強くなる!」

 

「ジンフー、任せたぞ!」

 

金虎は空を飛ぶようにアイナの元へ跳躍する。

 

「崑崙会の次期エース、相手にとって不足はありません」

 

アイナはデュエルディスクからデュエルラインを放つ。

デュエルラインを命中させた方が先攻を取る事ができる。

如何に相手にデュエルラインを当てるかも、フラッグデュエルの重要な要素なのだ。

アイナはユニティガーディアンのエース、ハクアとして君臨している。デュエルラインに関する駆け引きは1部リーグトップくらすだ。

アイナが放ったデュエルラインは空中にいるジンフーに吸い込まれていく。避ける事は不可能だ。

 

 

しかし―――、

 

 

「フッ!」

 

地面を蹴り、地に着いた足を軸に回転。その勢いのまま、アイナの側面に移動する。

 

「な・・・!」

 

人間離れした動きにアイナは呆気にとられた。

崑崙会の1部リーグチーム、チーム崑崙のメンバーにもこのような動きをする者はいないからだ。そんな事ができるのは崑崙会の大師範位だ。

何という逸材・・・。

 

 

【【Duel Stand by!】】

 

「先攻は俺という事だ」

 

 

【Set Player card】【Set Player card】

 

【Accept!You are a Oracle Duelist!*1

 

【Accept!You are a Werewolf Duelist!*2

 

 

「「デュエル!」」

 

 

「俺のターン!《ユナイトイベント―強敵邂逅》を発動!」

 

【Effect Summon 1 enemy and draw】

【And Get 3 unite counters】

 

「相手は1枚ドローし、相手フィールド上に攻撃力2700の強敵トークンを特殊召喚する。その代償にユナイトカウンターを3個得る!」(金虎ユナイトカウンター0→3)

 

《ユナイトイベント―強敵邂逅》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:相手フィールド上に「強敵トークン」(悪魔族・闇・星7・攻2500/守1000)1体を攻撃表示で特殊召喚し、そのコントローラーはカードを1枚ドローする。プレイヤーカードにユナイトカウンターを3個のせる。

 

 

「相手フィールド上にのみモンスターが存在するため、手札からレベル5《天昇星テンマ》(ATK2100)を召喚」(金虎ユナイトカウンター3→4)

 

【Summon】

【Summoned Effect】

 

「テンマの召喚時の効果により手札からレベル5《地葬星カイザ》(DEF2100)を守備表示で特殊召喚!」(金虎ユナイトカウンター4→5)

 

大地に降り立つ鎧武者達。

彼らから獣の形をしたオーラが沸き上がる。

 

「更に我がプレイヤーカード、《ワーウルフ・デュエリスト》はユナイトカウンターがあるかユナイトモンスターを装備している限り、自分フィールド上と墓地の戦士族と魔法使い族モンスターは獣戦士族モンスターになる!」

 

《天昇星テンマ》戦士族→獣戦士族

《地葬星カイザ》戦士族→獣戦士族

 

「俺は地属性獣戦士族の《地葬星カイザ》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters】

 

「ユナイトイクイップ!荒ぶる大地の使者よ!その力を我が元に!《地仙大聖 猪九戒》(+ATK1800)」

 

【UNITE EQUIP GRAVITY LANCE!】

 

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK0→1800

 

「なるほど、《ワーウルフ・デュエリスト》なんて珍しいカードを採用したのはこのためですか」

 

《ワーウルフ・デュエリスト》はプレイヤーカードの能力そのものは他のプレイヤーカードに比べて攻撃性能は乏しい。

そもそも、市場にあまり出回っていないカードだ。

だが、種族の変更能力は唯一無二の能力だ。

 

「《地仙大聖 猪九戒》を装備したことで1枚ドロー」

 

【Effect 1 draw】

 

 

《地仙大聖 猪九戒》

レベル7地属性獣戦士族・ユナイト・効果ATK2200 DEF2100/装備ATK+1800

地属性獣戦士族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:?

ユナイト効果

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:このカードが装備された場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。

②:プレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

「まだだ!《ユナイト・ウィッシュ》*3を発動。ユナイトカウンターはさらに増え、4個に!」(金虎 ユナイトカウンター2→4)」

 

【Get 2 Unite counters】

 

「光属性獣戦士族の《天昇星テンマ》とユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!輝ける珠玉の龍よ!天上たるその力を我が元に!《光仙大聖 八武天龍》(+ATK2200)」

 

【UNITE EQUIP LIGHTING WHIP!】

 

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK1900→4100

 

「ハァ!」

 

左手に槍、右手に雷を纏った竜鱗の鞭をクルクルと演舞のように回転させるその姿は天と地の饗宴。

崑崙会が信条とする太極の図である。

 

「プレイヤーへの上級ユナイトモンスターの二重装備・・・。噂に違わぬプレイヤー強化特化型ですね」

 

あの光の魔王、光導ナツメを彷彿とさせるプレイヤーの強化。

最もユナイトモンスターの特徴を活かしたプレイスタイルだ。 

 

「カードを1枚セットして、手番終了だ!」

 

【Turn End】

 

 

李金虎 LP4000

手札:1枚

場:伏せカード1枚

プレイヤーカード:《ワーウルフ・デュエリスト》ATK4000(《光仙大聖 八武天龍》、《地仙大聖 猪九戒》装備)、ユナイトカウンター0個

 

―――

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「《神の居城―ヴァルハラ》を発動」

 

【Effect】

 

「それは通さねぇ。《光仙大聖 八武天龍》の効果を発動。1ターンに1度、攻撃力2000以上のモンスター以外のカードを破壊する!」

 

ジンフーが右腕を振り払うと、電撃の鞭が《神の居城―ヴァルハラ》のカード目掛けて殺到した。

 

 

《光仙大聖 八武天龍》

レベル8光属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2800 DEF2200/装備ATK+2200

光属性獣戦士族モンスター1体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:?

②:?

ユナイト効果

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:フィールドの表側表示の攻撃力2000以上のモンスターでないカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

「《手札抹殺》を発動します。私は手札を5枚捨て、5枚ドロー」

 

【Effect Bury and Draw】

 

「チッ、俺は1枚捨て1枚ドロー」

 

相手の墓地肥やしを極力抑えて自分はその5倍もの墓地肥やしとドロー。

完璧な《手札抹殺》の発動タイミングである。

高い手札と墓地の循環。太極を掲げる崑崙会に所属している李金虎だからこそ、この手がいかに完璧だったかが身に染みて分かるのだ。

彼にとって、この“気”の流れは不味い。

 

「墓地から《命の代行者ネプチューン》をゲームから除外し、手札からレベル8《マスター・ヒュペリオン》(ATK2800)を特殊召喚します」

 

【Effect Summon】

 

鎧の天使が胸の前に掲げた両手からエネルギー弾が生成されていく。

 

「《マスター・ヒュペリオン》の効果を発動。墓地の《朱光の宣告者》を除外し、装備状態の《光仙大聖 八武天龍》を破壊します」

 

【Effect Select 1 card: Destroy!】

 

光弾がジンフーの右手、鞭へと姿を変えた《光仙大聖 八武天龍》を衝突し塵へと変えた。

 

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK4000→1800

 

「天使族モンスターの効果が発動した事で手札からレベル7《守護天霊ロガエス》(ATK2400)を特殊召喚します」

 

【Effect Summon】

 

「除外カードか。ソッチは通さねぇ。伏せ札発動!

《ユナイト・パニッシュメント》*4《守護天使ロガエス》の特殊召喚を無効にし、破壊する!更にユナイトカウンターを1個得る」(金虎ユナイトカウンター0→1)

 

【Chain Effect: Invarid!】

【Get 1 Unite counter】

 

「ですがあなたは伏せカードを使いきりました。バトルです!《マスター・ヒュペリオン》でダイレクトアタック!」

 

【Attack!】

 

「クッ」

 

光弾を黒い槍で受け止め、切り払ったが槍は役目を終えたかのように消滅した。

 

李金虎 LP4000→3000

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK1800→0

「カードを2枚セット」

 

初ダメージだが、アイナは警戒の表情を崩さない。このタイミングでカウンターを切ったのか、初動で切った方がダメージを抑えられる筈だからだ。

 

「警戒しているな。倒される猪九戒を守ったか、その種明かしといかせてもらおう。墓地の《光仙大聖 八武天龍》の効果を発動、このカードが破壊されたターン終了時、墓地から獣戦士族モンスターを除外することでこのカードを装備か特殊召喚できる!龍は地に伏すのはほんの一時だけだ」

 

 

【Effect Equip】

 

「自己再生能力ですか・・・厄介ですね。ターンを終了します」

 

【Turn End】

 

白砂アイナ LP4000

場:《マスター・ヒュペリオン》(ATK2800) 伏せカード2枚

プレイヤーカード:《オラクル・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

 

――――――

 

 

 

その頃―――、

 

 

「ジンフーはデュエルを始めたな。姉御、俺達も行くぜ!」

 

永二の言葉に鈴子はコクリと頷く。

 

「翔太。アイナさんが勝っても俺達が負けたらフラッグが捕られる。この闘い、俺達にかかっているぞ」

 

「ああ。修行の成果を見せてやろうぜ!」

 

 

【Duel Stand by!】【Duel Stand by!】

【Duel Stand by!】【Duel Stand by!】

 

【Duel accept!Mode select:Battle royale mode!】

 

【【【【Set Player card】】】】

 

【Accept!You are a Mason Duelist!*5

 

【Accept!You are a Bird Master!*6

 

【【Accept!You are a Budo Duelist!*7】】

 

 

「「「「デュエル!!」」」」*8

 

正志のターンからだ。

「EXデッキから6枚のカードを裏向きで除外し、《強欲で金満な壺》を発動。カードを2枚ドローする!」

 

【Effect 2 Draw】

 

手札を確認した後、そこから4枚引き抜くと流れるようにデュエルディスクにセットした。

 

「俺のターンからだ。モンスターをセット、カードを3枚セット、ターン終了だ」

 

 

剛田正志 LP4000

場:セットモンスター1体 伏せカード3枚

プレイヤーカード:《メイソン・デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:2枚

 

―――

 

「随分消極的だな。そんなんじゃ俺のマグマのような侵略には勝てないぜ」

 

次は火上永二のターンだ。先程のデュエルでは何もできず燻っていた。

だが、このデュエルはフラッグデュエル全体から見て大一番だ。

だからこそ彼は今、ハゲしく燃え上がっている。

 

「俺のターン!」

 

【Draw】

「永続魔法《炎舞―天璣》を発動!デッキから《戦華の詭-賈文》を手札に加える!」

 

【Effect Search 1 monster】

 

「レベル5《機炎星-ゴヨウテ》(ATK2100→2200)を自身の効果で特殊召喚」(火上永二 ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

「俺のマグマのような攻めはここから始まる。速攻魔法《サイクロン》を発動!右側の伏せカードを破壊する!」

 

【Effect Select 1 magic trap card:Destroy!】

 

「ならば、チェーンして伏せカード、《メタバース》を発動。デッキからフィールド魔法《岩投げエリア》を発動!」

 

【Chain Effect】

 

「うまく避けたか。だが相手のカードが破壊された事でレベル8《戦華の孟-曹徳》(ATK3000→3100)を特殊召喚する!」(火上永二 ユナイトカウンター1→2)

 

「甘い!伏せカード《岩投げアタック》を発動。《タックルセイダー》相手プレイヤーに500ダメージを与える。対象は道芭女史!」(剛田正志 ユナイトカウンター0→1)

 

道芭鈴子LP2200→1700

 

「効果ダメージ・・・」

 

飛び火ならぬ飛び岩。

ライフが少ない間を狙うのはバトルロイヤルの定石だ。

元々、ライフが少なくなっている道芭鈴子にとってはかなりキツイ。

 

【Effect】

 

「よくも姉御をっ!」

 

「よそ見して良いのか。墓地に送った《タックルセイダー》の効果は既に発動している。《戦華の孟-曹徳》は裏守備表示になってもらう!」

 

正志は永二が戦華モンスターを手札に加えているのを確認している。

《戦華の孟-曹徳》は他の戦華モンスターがいると対象耐性をもってしまう。

だからこそ、このタイミングで《岩投げアタック》を切ったのだ。

更に、正志は新たなプレイヤーカード《メイソン・デュエリスト》の効果でユナイトカウンターを1個、得ている。

 

 

《メイソン・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に岩石族モンスターが召喚されるか墓地に送られる場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分は岩石族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:相手ターン中、自分が岩石族ユナイトモンスターを装備している場合、攻撃力が800アップする。

 

 

「クソっ!《戦華の詭-賈文》(レベル4 ATK1400→1500)を召喚」(ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

 

「俺は炎属性獣戦士族の《戦華の詭-賈文》とユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・UNITE SUMMON!】

 

「ユナイト召喚!岩より生まれし炎の英雄よ!その力で全てを打ち払え!現れよ!レベル7《炎仙大聖 悟天》(ATK2500→2600)!」

 

赤色の猿の仙人は炎でできた棒を巨大化させ、セットモンスターに振るわれる。

 

【Effect Select 1 monster:Destroy!】

 

「《炎仙大聖 悟天》がユナイト召喚に成功した場合、相手モンスター1体を破壊する!戦闘破壊耐性なんて関係ないぜ」

 

 

《炎仙大聖 悟天》

レベル7炎属性獣戦士族・ユナイト・効果ATK2500 DEF200/装備ATK+2000

炎属性獣戦士族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功した場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択して、発動する。そのモンスターを破壊する。

ユナイト効果

このカード名の①効果は1ターンに1度しか発動する事ができない。

①:?

②:?

 

 

「ユナイトカウンターを1つ取り除き、手札から《ユナイト・ヴァニッシュ》*9を発動!ターン終了時まで《炎仙大聖 悟天》のモンスター効果を無効にする!」

 

【Chain effect:Invalid!】

 

「だったら、バトルだ!《機炎星-ゴヨウテ》でセットモンスターを攻撃!」

 

【Attack!】

 

「勇み足だな。セットモンスターは《伝説の柔術家》だ。《機炎星-ゴヨウテ》はデッキトップに戻る。更に《岩投げエリア》の効果を発動。《岩石の番兵》を墓地に送り、《伝説の柔術家》は戦闘耐性を得る」(剛田正志 ユナイトカウンター0→1)

 

「《伝説の柔術家》か・・・。カードを1枚セットして、ターンエンドだ!」

 

この選択は永二にとっても苦渋の選択だ。

《伝説の柔術家》は《炎仙大聖 悟天》で戦闘破壊は可能だが、デッキに戻ってしまう。デッキトップが固定され、場のカードはセットモンスターとセットカードの2枚しかなくなるのは、あまりにも脆い次の相手2人のターンで総攻撃を受ければ、ひとたまりもないのだ。

こういった駆け引きこそがバトルロイヤルの醍醐味と言える

 

【Turn End】

 

 

火上永二 LP4000

場:セットモンスター(《戦華の孟-曹徳》)、《炎仙大聖 悟天》(ATK2600)

  《炎舞―天璣》、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《武道デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

―――

 

「俺のターンだ!」

 

【Draw】

 

「新たにパックから出てきたカード達の御披露目と行くぜ!永続魔法《ふわんだりぃずと未知の風》を発動!」

 

翔太が発動したのは絵本の1ページのような柔らかいタッチで描かれた夕焼けのイラストのカード。

する。

 

【Effect】

 

翔太が発動したのは絵本の1ページのような柔らかいタッチで描かれた夕焼けのイラストのカード。最新パックのカードのようだ。

 

「ふわんだりぃず?平仮名のテーマか?初めて聞くな」

 

「姉御でも知らないのか?」

 

鈴子は神妙な顔で表示されたカードの効果を確認する。

アドバンス召喚をテーマにしたカードか?待て、《帝王の烈旋》内蔵!?

 

「《ふわんだりぃず×ろびーな》(レベル1 ATK600)を召喚!召喚成功時、デッキから《ふわんだりぃず×いぐるん》を手札に加えて召喚するぜ!」(戸部翔太 ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

【Effect Search 1 monster】

 

「《ふわんだりぃず×いぐるん》(レベル1 ATK800)を召喚!」(戸部翔太 ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

 

続いて現れたのは可愛らしいコマドリと鷲のカードだ。小さな翼を大きく見せるように広げる姿に鈴子は内心、キュンとしてしまう。

どのようなカードなのか、ディスクに写し出されたカードの情報を読み込んでいく。

 

「《ふわんだりぃず×いぐるん》の召喚時の効果を発動するぜ!デッキからレベル7以上の鳥獣族モンスター、《ダークネス・シムルグ》を手札に加える。更に俺はこのターン、鳥獣族モンスターを召喚できる!」

 

【Effect Search 1 monster】

 

「何その害鳥!?書いている事がおかしくない!?」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

《ふわんだりぃず×ろびーな》と《戦華の孟-曹徳》が光になって登っていく。

 

「俺は《ふわんだりぃず×ろびーな》と《戦華の孟-曹徳》をリリース!アドバンス召喚!レベル8!《ダークネス・シムルグ》(ATK2900)!」(戸部翔太 ユナイトカウンター2→3)

 

フィールドに舞い降りたのは黒き翼の大聖鳥。

 

「俺の曹徳が!?」

 

「《ふわんだりぃずと未知の風》がある限り、最上級モンスターのリリース素材の1体を相手モンスターも指定できるのさ」

 

イラストの可愛らしさにあるまじき、鬼畜とも言える効果、それが”ふわんだりぃず“だ。

最も翔太が所有している”ふわんだりぃず“のカードは10枚にも満たない。

翔太がこれらのカードを入手したのはあの合宿の時だ。

 

 

~~~

 

夜―――、

 

「『こういうのは合宿にはつきものだろ』って兄貴が50パックくれたから、みんなで開けようぜ」

 

「最新弾じゃねぇか!?悟、そんなものを隠し持っていたのか!」

そんな感じでみんなでパックをワイワイ開けることになった。

「《セリオンズ“キング”レギュラス》、何かすごそうなのをゲットしたぜ!」

「ツいているな悟。俺は俺で《空牙団の積荷レクス》をゲットできたから良かったぜ」

「新しい空牙団カードか。俺は汎用カードだな」

「《強欲で金満な壺》ですか、壺カードは強力なものが多いですからね。正志君、運がいいですね。私も天使族と戦士族のカードがいくつか手に入りました。1番面白そうなものは《ユナイトイベント―強敵邂逅》ですね」

「みんな良いなぁ、俺も鳥獣族関連のカードはあったけど、あんまり強くなさそうだしなぁ・・・。《ふわんだりぃず×いぐるん》ってのは、何とか使えそうな感じがするんだけどなぁ」

ツイてねぇなぁ・・・。ん、遊士が固まっていないか。

「“ふわんだりぃず“かよ!?しかもこんなに?大当たりだぞ、翔太!」

そうなのか?

「こんなにもカワイイのに、強力なカードなんですか?」

首をコテンと傾げるアイナさん、こっちもかわいい。

「はい。さっき話していた地下ランク1位の人が使っていたシリーズカードの1つです」

「地下ランク1位って、アマツ並って言っていたよな?」

「その通りだ悟。あの人は気分によっていろいろなデッキを使うんだけど、その中の1つだ。俺もあのクソバード共に何度苦汁を嘗めさせられたことか・・・」

「クソバードって言い方・・・」

「どれだけヤツ等が危険なのか、説明するからちょっと待ってろ」

遊士、目つきが据わっている・・・。そんなことを思いながら俺達は説明を聞いていく。

「手札を全然減らさずに除去しながら展開・・・。しかも《霞の谷の巨神鳥》が相手のターンにも出てきて、特殊召喚メタも入れられるって・・・」

「絵柄に反して外道すぎンだろ・・・」

「確かに・・・、コレは・・・。アマツさんと同レベルの方が扱うデッキの1つというのも納得です」

俺でも分かった。このカード達、まとまるとヤバい。

そんな強力なカードを持っているって思うと手が震えてくるな。

まるで一等の宝くじを持っている気分だ。

「なるほど。コイツ等全部デッキに入れるぜ!」

 

~~~

 

 

「驚いたか。俺はユナイトカウンター3個でコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!我が手に宿れ!風を切り裂く刃よ!《ソードウィング・ホーク》(+ATK1600)!」

 

【UNITE EQUIP Aero Blade!】

 

《バードマスター》ATK0→1600

 

 

「鳥獣族ユナイトモンスターが装備されているため、俺の鳥獣族モンスターの攻撃力は500アップする!」

 

《ダークネス・シムルグ》ATK2900→3300

《ふわんだりぃず×いぐるん》ATK800→1200

 

 

《バードマスター》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に鳥獣族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は鳥獣族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が鳥獣族ユナイトモンスターを装備している場合、自分フィールド上の鳥獣族モンスターの攻撃力は400アップする。

 

 

「バトルだ!《ダークネス・シムルグ》で《機炎星-ゴヨウテ》に攻撃!」

 

【Attack!Dark Hurricane Sonic!】

 

「チッ!《心太砲式》を発動!《烈風の覇者シムルグ》をデッキに戻す!」

 

【Effect Select 1 monster:Bounce!】

 

「《ダークネス・シムルグ》の効果を発動するぜ!《ふわんだりぃず×いぐるん》をリリースして、《心太砲式》の効果を無効にする!」

 

【Chain Effect Invaid!】

 

火上永二LP4000→2900

 

「いくぜ、オラァ!」

 

【Player Attack!】

 

翼を模した剣が永二を袈裟切りにする。

 

火上永二LP2900→1300

 

「くそっ」

 

「俺はカードを3枚セットしてターンエンドだ!」

 

【Turn End】

 

 

戸部翔太 LP4000

場:《ダークネス・シムルグ》(ATK3300)

  伏せカード3枚

プレイヤーカード:《バードマスター》ATK1600、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

*1
《オラクル・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分がメインモンスターゾーンに天使族モンスターを召喚または罠カードが発動した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は天使族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在する場合の相手ターン中、プレイヤーの攻撃力は600アップし、自分の天使モンスターの攻撃力と守備力は400アップする。

*2
《ワーウルフ・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分がユナイトモンスターを装備しているかこのカードにユナイトカウンターがのっている場合、自分フィールド上と墓地の戦士族または魔法使い族モンスターの種族は獣戦士族になる。

*3

《ユナイト・ウィッシュ》

通常魔法

このカード名は1ターンに1度しか発動することができない。

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを2個のせる。

*4

《ユナイト・パニッシュメント》

カウンター罠

①:相手がモンスターの特殊召喚かユナイトモンスターを装備した場合に、自分フィールド上のユナイトモンスター1体をリリースして発動できる。それを無効にし、破壊する。ユナイトカウンターを1個得る。

*5
《メイソン・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に岩石族モンスターが召喚されるか墓地に送られる場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動する事ができる。

②:自分は岩石族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:相手ターン中、自分が岩石族ユナイトモンスターを装備している場合、攻撃力が800アップする。

*6
《バードマスター》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分フィールド上に鳥獣族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は鳥獣族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が鳥獣族ユナイトモンスターを装備している場合、自分フィールド上の鳥獣族モンスターの攻撃力は400アップする。

*7
《武道デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:獣戦士族モンスターが召喚・特殊召喚される場合、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。

②:自分は獣戦士族以外のモンスターを召喚・特殊召喚する事ができない。

③:自分が獣戦士族ユナイトモンスターを装備している場合、プレイヤーの攻撃力は500アップし、自分フィールド上の獣戦士族ユナイトモンスターの攻撃力と守備力は200アップする。

*8
道芭鈴子のみLP2200

*9
《ユナイト・ヴァニッシュ》

通常罠

このカードはユナイトカウンターを1個取り除く事で手札から発動する事もできる。

①:相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する事ができる。そのモンスターのモンスター効果はターン終了時まで無効になる。




ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今話はふわんだりぃず無双でした。あいつ等ファンデッキ殺しだよなぁ。

オマケ  ~かつての地下デュエル場での一幕~
占い師(地下1位)”「【ふわんだりぃず】を使うことで、私も若く見えると思いませんか?今なら制服に袖を通しても大丈夫ですね」
唯華(地下3位)「何を言っているんですか、貴女が来てもコスプレにしかならないですよ」
“占い師”「ウフフ。私、唯華ちゃんとJKトーク(デュエル)したくなってきちゃいました」
唯華「良いですね。それなら私の【火焔戦技(フレイムアーツ)】で焼き鳥にしてあげます」

ちなみに活動報告に東鬼唯華が使う予定のオリカを掲載しました。よかったら見てください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304777&uid=156641

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31話 vsチーム武勇 後編

名もなきA・弐さん、TRICERATOPSさん、感想ありがとうございます。

TRICERATOPSさんの感想欄でも感じましたが、このSSは初見だと取っつきにくさがかなりあると思います。
何しろオリ主、オリ世界観、オリカ多数、オリジナル召喚法と4重デバフがありますからね。
取っつきにくさは評価バーの点灯(5人以上の評価者)と推薦があれば変わるとは思いますが、自分にはどうしようもないですからね。
とはいえ、目標の1つだった10000UA突破できました。
祝い案件です。お読み頂いている皆様のおかげです。
記念に今までの話にサブタイトルを追加しました。読み返しやすくなったかなと思います。

今話でチーム武勇戦もクライマックスになります。
まさか、ここまで長くなるとは想定外でした。


戸部翔太 LP4000

場:《ダークネス・シムルグ》(ATK3300)

  伏せカード3枚

プレイヤーカード:《バードマスター》ATK1600、ユナイトカウンター0個

手札:1枚

 

―――

 

「状況は芳しくないですね。私のターン!」

 

正志のフィールドには戦闘破壊耐性持ちの守備表示モンスターに、いまだ発動する事がないセットカード。

翔太のフィールドは魔法・罠カードの発動を無効にする最上級モンスターに3枚のセットカード。

どちらも攻め込みにくい。

 

【Draw】

 

「私は永続魔法《戦華史略-三顧礼迎》を発動」

 

【Effect】

 

「相手フィールド上にのみモンスターが存在するため、手札からレベル7《戦華の義-関雲》(ATK2500)を特殊召喚!」(道芭鈴子 ユナイトカウンター0→1)

 

【Summon】

 

「《戦華史略-三顧礼迎》の効果で《戦華の智-諸葛孔》を手札に加える」

 

【Effect Search 1 monster】

 

「《戦華の義-関雲》の効果を発動。《ダークネス・シムルグ》を破壊する!」

 

【Effect Select 1 monster:Destroy!】

 

「焦ったな!リバースカードオープン!《スワローズ・ネスト》!《ダークネス・シムルグ》をリリースして、デッキからレベル8《烈風の覇者シムルグ》(ATK2900)を特殊召喚するぜ!サクリファイスエスケープだ!」

 

【Chain Effect Search 1 monster:Summon!】

 

 

「《戦華の智-諸葛孔》を召喚」(道芭鈴子 ユナイトカウンター1→2)

 

【Summon】

 

「永続魔法《戦華史略-東南之風》を発動」

 

【Effect】

 

《戦華の智-諸葛孔》に《戦華史略-東南之風》。魔法・罠の牽制としては高い効果を発揮する。

 

「《戦華の雄-張徳》を手札から特殊召喚」(道芭鈴子 ユナイトカウンター2→3)

 

【Summon】

 

「《戦華の雄-張徳》、やっぱり来たか!リバースカードオープン《魍魎跋扈》!相手メインフェイズにも俺は召喚できる」

 

戦華モンスターが並ぶと出てくる道芭鈴子のアタッカーの1体。翔太は以前に見た映像で学習していた。

 

【Effect】

 

「《魍魎跋扈》!?ですが無駄よ!《戦華の智-諸葛孔》の効果を発動。《戦華史略-東南之風》を墓地に送って《魑魅魍魎》を無効にするわ!」

 

【Chain effect:Invarid!】

 

翔太にとっては起死回生の一手だ。知っていても無効にされるのはきつい。

 

しかし―――、

 

 

「1500ライフを払い、《神の通告》を発動!《戦華の智-諸葛孔》の効果を無効にする!」

 

【Chain effect:Invarid!】

 

剛田正志LP4000→2500

 

「剛田正志・・・!」

 

「俺にも伏せカードがあるのを忘れていないだろうな」

 

「正志!助かったぜ」

 

「チーム戦だからな。翔太ここで一気にケリをつけてやれ!」

 

「ああ!」

 

【Effect】

 

「盛り上がっているところ悪いけど、墓地に送られた《戦華史略-東南之風》の効果はすでに発動しているわ。私の戦華モンスター達は攻撃の度に、相手のカードを除去する効果を得るわ」

 

「それはどうかな!戦華モンスターがいなかったら、意味がないだろ!俺は《ダークネス・シムルグ》と《戦華の義-関雲》をリリース!」

 

【ADVANCE SUMMON!】

 

「まさか!」

 

思い出されるのは前のターンの惨劇。この好況を打破する最上級モンスターを翔太がデッキに入れていることも鈴子は知っている。

 

「現れろ!レベル8!《始祖神鳥シムルグ》(ATK2900→3300)!風属性モンスターのみを素材にしたため、モンスター効果が発動するぜ!」(戸部翔太 ユナイトカウンター0→1)

 

【Effect Select 2 monsters:Bounce!】

 

「しまった!」

 

鈴子のメインは風属性の戦華なのが仇になった形だ。

 

「俺がモンスターを召喚していたことで除外されていた《ふわんだりぃず×すのーる》と《ふわんだりぃず×いぐるん》は手札に戻るぜ」

 

【Effect Bounce】【Effect Bounce】

 

「手札補充効果まであるというの・・・。カードを1枚セットしてターン終了・・・」

 

【Turn End】

 

 

道芭鈴子 LP1700

場:《戦華史略-三顧礼迎》、伏せカード1枚

プレイヤーカード:《武道デュエリスト》ATK0、ユナイトカウンター3個

手札:2枚

 

―――

 

 

「俺のターン」

 

【Draw】

 

「手札の《番兵ゴーレム》2体と《タックルセイダー》を墓地に送り、手札からレベル8《ブロックドラゴン》(ATK2500)を特殊召喚!」

 

【Summon】

 

戦闘以外に耐性を与えるモンスターだ。《岩投げエリア》と合わせるとムテキの状態になっている。

鈴子はこの瞬間、伏せカードの《聖なるバリア-ミラーフォース》が紙切れになったことを知り、敗北を確信した。

 

「よっし!正志決めろ!」

 

「このお膳立てを逃すわけにはいかないな。《伝説の柔術家》を攻撃表示に変更して、火上永二にダイレクトアタックだ!」

 

【LAST ATTACK!】

 

火上永二LP1300→0

 

張り手に伸されて永二はしりもちをつく。

 

「ここまでかよ・・・!だけど、俺が敗れてもアイツは、金虎(ジンフー)が一矢報いるぜ!」

 

 

怪物のような腕をもつ獣戦士と化したジンフーが天使へと向かい合っているところだった。

 

 

――――――

 

時間は巻き戻り、アイナとジンフーのデュエル―――、

 

 

「俺のターン!」

 

【Draw】

 

「《光仙大聖 八武天龍》の効果を発動。1ターンに1度、攻撃力2000以上のモンスター以外のカードを破壊する!セットカードを破壊する!」

 

【Effect Select 1 card: Destroy!】

 

「トラップカード《ユナイト・ブースト》*1を発動!《マスター・ヒュペリオン》の攻撃力は1200アップします」(アイナ ユナイトカウンター0→1)

 

【Chain Effect Attack Plus!】

 

《マスター・ヒュペリオン》2800→4000

 

「《番族の饗宴Lv5》を発動。甦れ!《天昇星テンマ》(レベル5 ATK2100)!《地葬星カイザ》(レベル5 DEF2100)!」(金虎ユナイトカウンター2→3)

 

【Effect Summon 2 monsters】

 

「《リード・オブ・ユナイト》を発動。デッキから「ユナイト」罠カード、《ユナイト・プロテクション》を1枚を手札に加え、ユナイトカウンターを1つ得る!」(金虎ユナイトカウンター3→4)

 

 

《リード・オブ・ユナイト》

通常魔法

このカード名の①効果は1ターンに1度だけ、発動することができる。

①:自分のデッキから「ユナイト」罠カード1枚を手札に加え、ユナイトカウンターを1個得る。

 

 

「俺は《天昇星テンマ》と《地葬星カイザ》、ユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

「ユナイトイクイップ!暗闇より来たれすべてを食らう魔物よ!異形たるその呪力を我が身に!《墜魔大聖(ついまたいせい) 黒毛吼(こくもうこう)》(+ATK2500)」

 

【UNITE EQUIP Darkness Fang!】

 

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK2200→4700

 

獣の皮のような頭部を獣の頭が覆う漆黒の外套をジンフーはその身に纏う。

 

 

【Effect all invalid!】

 

「《墜魔大聖 黒毛吼》が装備されたことで相手フィールド上の表側のカードの効果は全て無効になる。更に墓地から《天昇星テンマ》を除外して、《マスター・ヒュペリオン》を破壊する!」

 

【Effect Select 1 card: Destroy!】

 

「効果を無効にして破壊!?」

 

2つの効果を介するとはいえ、破壊に特化した能力。呪いを模したこのカードを象徴するかのようだ。

 

 

《墜魔大聖 黒毛吼》

レベル8闇属性獣族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2000/装備ATK+2500

レベル5以上の獣戦士族モンスター2体+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:?

②:?

ユナイト効果

①:このカードが装備された場合、相手フィールド上の表側のカードはカードの効果が無効になる。

②:自分の墓地から獣戦士族モンスター1体を除外し、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

 

「これで終わりだ!ハァァア!」

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

「トラップカード、《ユナイト・エクリプス》を発動します。このターン、私が受けるダメージを1500減らし、ユナイトカウンターを1つ獲得し、カードを1枚引きます!くぅ!」(アイナ ユナイトカウンター1→2→3)

 

【Effect 1 Draw】

【And Get 1 Unite counter】

 

 

《ユナイト・エクリプス》

通常罠

①:プレイヤーカードにユナイトカウンターを1個乗せ、次に自分が受けるダメージを1500減らす。カードを1枚ドローする

 

 

白砂アイナLP4000→800

「カードを1枚セットして、手番終了だ!」

 

 

李金虎 LP3000

手札:0枚

場:伏せカード1枚(《ユナイト・プロテクション》)

プレイヤーカード:《ワーウルフ・デュエリスト》ATK4700(《墜魔大聖 黒毛吼》、《光仙大聖 八武天龍》装備)、ユナイトカウンター0個

 

【Turn End】

 

―――

 

「私のターン」

 

【Draw】

 

「ユナイトカウンターを1つ取り除き、《ユナイト・ドロー》*2を発動します」

 

【Effect 2 Draw】

 

「良いカードは引けたか?だが、第一太極図は陽に《光仙大聖 八武天龍》、陰に《墜魔大聖 黒毛吼》。更に第一太極図を陽、伏せ札の《ユナイト・プロテクション》を陰とする第二太極図。この布陣の攻略は不可能だ!」

 

制圧カードにプレイヤーと装備状態のユナイトモンスターに完全体制を与える《ユナイト・プロテクション》のコンビネーション。

更に攻撃力4000オーバーのプレイヤーを指しての2つ重ねの太極図。仙術としてみても完成度が高い布陣だ。

 

「何という完成度・・・」

 

アイナはかつて相対した光導ナツメの布陣を思い出す。この戦略は彼女クラスだ。

あの圧倒的なパワー。

かつてのアイナはどう正面から突破するかを考えていただろう。

しかし、今の彼女は友灯神社で見出した経験がある。

 

 

~~~

 

 

「《御巫の祓舞》を装備した《オオヒメの御巫》でダイレクトアタック!私が受けるダメージは全て貴女に!」

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

「そんな・・・!」

 

白砂アイナLP2000→0

 

「加納さん、流石です」

 

「私の御巫は相手の力を利用して戦う。相手が強ければ強い程、好都合よ。それだけ貴女が強いという事ね」

 

「恐縮です」

 

「まぁでも貴女。見かけによらず力押しよね」

 

「えっ・・・」

 

「自覚、なかったのね・・・」

 

言われてみれば、思い当たる節はいくつもある。

チラリとデュエルをしている遊士君が視界に入る。

確か、遊士君-ビリーバーとデュエルした時にもそんな事を言われたっけ。

 

『・・・安定したデッキだ。だからこそ非常に読みやすい』

 

あの時は《The White Arcanum》をピンポイントでハンデスされて敗北した。

多分、彼は私のデュエルスタイルに気づいていたのだろう。

 

「パワースタイルは私みたいなのには好都合だから、この先気をつけた方が良いわよ」

 

「勉強になります」

 

~~~

 

 

「私はマジックカード、《死者蘇生》を発動。墓地から《堕天使スペルビア》(レベル8 ATK2900)を特殊召喚します」

 

【Effect Select 1 monster:Revive!】

 

「《堕天使スペルビア》のモンスター効果を発動します。墓地からの特殊召喚成功時に墓地からレベル7《守護天霊ロガエス》(ATK2400)を特殊召喚します」

 

【Effect Select 1 monster:Revive!】

 

「《守護天霊ロガエス》の効果!《堕天使スペルビア》(DEF2400)を守備表示に変更し、《墜魔大聖 黒毛吼》をゲームから除外します!」

 

「無駄だ。伏せ札の《ユナイト・プロテクション》を発動。俺の攻撃力は1000アップし、装備状態のユナイトモンスターはフィールドから離れない!」

 

【Effect Attack Plus】

 

《ワーウルフ・デュエリスト》ATK4700→5700

 

「正に鉄壁ですね。だからこそあなたにはこのカードで応えます。《ユナイトイベント―強敵邂逅》を発動!」

 

【Effect Summon 1 enemy and draw】

【And Get 3 unite counters】

 

「相手は1枚ドローし、相手フィールド上に攻撃力2700の強敵トークンを特殊召喚する。その代償にユナイトカウンターを3個獲得します!」(アイナ ユナイトカウンター2→5)

 

 

「《堕天使スペルビア》とユナイトカウンター3つでコーリング!」

 

【Accept 3 Unite counter・・・UNITE SUMMON!】

 

 

「天空を切り裂く二振りの刃よ!勝利の導きを示せ!ユナイト召喚!レベル7《天空の双剣士パーシアス》(ATK2100)!」

 

 

「《天空の双剣士パーシアス》、ドローと2回攻撃能力を持ったモンスターか。その程度では俺の太極に届かない!」

 

二本の長剣を手にしたケンタウロスがゆっくりと飛来した。

 

 

《天空の双剣士パーシアス》

レベル7光属性天使族・ユナイト・効果ATK2100 DEF1200/装備ATK+1000

天使族モンスター1体+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

②:このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

ユナイト効果

①:?

 

 

「バトル!《守護天霊ロガエス》で強敵トークンを攻撃!」

 

「血迷ったかっ!」

 

端から見ればただの自爆特攻だ。それだけではない。

 

白砂アイナLP800→500

 

「くっ、《守護天霊ロガエス》が破壊された事でモンスター効果を発動。フィールド上のモンスターに破壊耐性を与えます!」

 

「パーシアスに破壊耐性を与える気か?だが・・・!」

 

「いいえ。破壊耐性を得るのは、あなたの強敵トークン!」

 

悪魔に天使の加護が降りそそぐ。強敵トークン自体も困惑しているようなしぐさをとる。

 

「正気か!?」

 

「バトル!《天空の双剣士パーシアス》で強敵トークンを攻撃。ダメージ計算前に手札の《オネスト》の効果を発動!強敵トークンの攻撃力分、2700ポイント攻撃力がアップします」

 

【Attack Sky Sword】

 

【Effect Attack Plus】

 

《天空の双剣士パーシアス》ATK2100→4800

 

極彩色に輝く翼をまとったケンタウルスの左の剣が悪魔を切り裂いた。

 

李金虎LP3000→900

 

【Effect draw】

 

「《天空の双剣士パーシアス》が戦闘ダメージを与えた事で1枚ドロー」

 

光属性のデッキに《オネスト》は最警戒カード。

ユナイトモンスターの装備をメインとするジンフーはあまり意識していなかった。

だが、トークンを生成された事で計算が崩れた。

 

「グッ、だが、俺のライフは・・・まさか!」

 

本来なら圧倒的な攻撃力を持つジンフーを前にココで打ち止め。

だが、強敵トークンは”破壊耐性“を得てしまっている。更に《天空の双剣士パーシアス》は2回攻撃能力を持つモンスター。

 

 

「お分かりですね。《天空の双剣士パーシアス》で再び、強敵トークンを攻撃します。パーシアスの攻撃力は《オネスト》の効果で更にアップ。攻撃力は6500となります」

 

【LAST ATTACK! Sky Sword!】

 

パーシアスの右の剣から光線が放射状に迸った。

 

「グゥオオオ!」

 

李金虎LP900→0

 

【DUEL ENDED! Winner Team A-GIETO!】

 

「倒せない相手がいるなら、別の方法で倒せばいい。そうですね加納さん」

 

このシーンの中継を現場のモニターで見ていた加納那由多は『結局、力押しじゃない!』と叫んでいた。

 

 

――――――

 

「《ブロックドラゴン》でダイレクトアタック!」

 

【LAST ATTACK! Block Gatling!】

 

ドラゴンを模したブロックの全身から細かなブロックが次々と鈴子に飛来していく。

 

「くうっ・・・」

 

道芭鈴子LP1700→0

 

【DUEL ENDED! Winner Team A-GIETO!】

 

 

「よっしゃ、勝ったぜ!」

「ああ、2部リーグ初勝利だ!」

「ええ、お疲れ様。2人共、良いデュエルができたみたいね」

 

喜び合う3人の前に時人の外れから2つの人影が出てきた。

 

 

「やーっと抜け出したぜ。あの霧と砂埃はヤバかったぜ」

「まさかこんなに狭いところで道に迷うとは思わなかったよ」

 

「悟!遊士!」

 

彼らは疲労困憊といった様子でふらふらとした様子。

石兵八陣は体力面も精神面も削るのだ。

 

「いつの間にか、勝ってんじゃん!A.ギート2部リーグ初勝利だぜ!」

 

「悟、少し遅いぞ。俺達はもう祝ったぞ」

 

「マジかよ!」

 

1番良いところを逃したと悟が嘆いていた。

そんな様子をアイナは微笑ましく眺めながらこの試合中、疑問に思っていた事を遊士に尋ねる。

 

「そういえば遊士君、何があったんですか?2人とも負けた様子がなかったのにチーム武勇の3人が此方に来ましたけど」

 

遊士はバツが悪そうに口を開く。

 

「道芭さんの罠にかかっちゃったんですよ。自然現象を利用した感じの。デュエル自体はもう少しで勝てたんですけどね。相手のリーダーがリーダーオーダーで中断がなかったらなぁ。いやでも、結果として逃げられちゃってみんなに負担をかけちゃいましたね。申し訳ないです」

 

「気を落とさないでください。結果として勝てたんですから、相手の策略が凄かったという事にしておきましょう」

 

「そうですね。確かにあれは天才の所業でしたね。ぬかるんだ地面と砂埃だけで天然の迷路を作るんですよ」

 

遊士とアイナがそんな事を喋っていると、ハスキーボイスが2人の耳に飛び込こんだ。

 

「強敵からそう評価して頂いて嬉しいよ。石兵八陣は私の研究成果の1つだ」

 

噂をすれば影である。

 

「道芭さん!チーム武勇の方々も!」

 

「悪かったな、煽っちまって。お前等は良い強いチームプレーだぜ」

 

そう話すのは火上永二。鈴子と並んで今日最も多くのA.ギートと戦った彼だからこその評価だ。

彼は、この試合を通してこのチームが白砂アイナ頼りのチームでないことをよく分かった1人なのだ。

 

「そうだろう?ジンフー」

 

今まで目を閉じて腕組みをしていたジンフー。

彼は目を開き、チームA.ギートの面々に顔を向ける。

 

「敗北した俺からは何も言う権利はない。だが、俺が認める武勇のメンバーがみんな敗北したんだ。お前達は確かに強者だ」

 

そう言うと彼は悟の元へ歩き手を出す。

 

「良い決闘だった。また戦う時を楽しみにしている」

 

ポカンと、悟は一瞬呆気にとられるもののすぐさま、ギュッと握り返す。

 

「ああ!また戦おうチーム武勇!」

 

「次に勝つのは俺達だ!チームA.ギート!」

 

正にお互いを称え合うスポーツマンシップならぬデュエリストシップ。

 

 

そこへ―――――、

 

 

パチパチパチパチパチ

 

 

まさかブレイウルス!?

 

遊士とアイナは勢いよく音の方を振り向いた。

 

 

「素晴らしいデュエルだったぞ、若人達よ!」

 

木の上に腕組みをしているのは絹のような長い黒髪を靡かせる少女。

かなり若く、年は10歳にも満たないような風貌。

胴着もブカブカしている。

 

 

「貴女は崑崙会代表、呂洞(りょどう)大師範!」

 

彼女こそ崑崙会のトップの1人、呂洞桜嘉(おうか)大師範である。

白砂幾世が出てくる前に最も有名な在府市の人物だ。

そんな地元の有力者の名前を遊士は当然・・・。

 

「誰・・・?」

 

知らないのだ。

 

「コイツ、大師範を知らないのか・・・?全国のメディアも取り上げる位だが」

 

「スマン・・・」

 

Yo-Cityの裏世界をメインに生きてきた遊士は、割と表の世界の事を知らなかったりするのだ。

 

「気にするでない。内に隠した獰猛な“気”から察するに仕方のないことよ!」

 

「!」

 

この幼い少女はタダ者ではない、遊士はそう認識を改める。

 

「ワシが来たのは労いじゃよ。皆、よう頑張った!今回の戦いでで課題も自覚した事じゃろう」

 

皆、沈黙し彼女の話に耳を傾けていく。

 

「それらを克服した暁にはお主等はより高みを目指せる筈じゃ!」

 

ハッハッハッハッハ

 

彼女はそう高笑いすると靄のように消えていった。

 

「師匠可憐です。撫でたかった・・・

 

鈴子の近くにいた遊士とアイナはそんな呟きが聞こえてきた気がするが気にしない事にした。

 

チームとして段階上に上がった。そんな気がした。

*1
《ユナイト・ブースト》

通常罠

自分フィールドのモンスター1体までを選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は1200アップし、ユナイトカウンターを1個のせる。

*2
《ユナイト・ドロー》

通常魔法

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①:ユナイトカウンターを1つ取り除いて、発動する。フィールド上からモンスター1体を除外し、カードを2枚ドローする。




ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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32話 烈火との邂逅

名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。

TRICERATOPSさん、紅魔郷=先輩さん高評価ありがとうございます。これで夢の評価赤バー点灯です。
紅魔郷=先輩さん、駄蛇さんお気に入り登録もありがとうございます。

今話はチーム武勇とのデュエルから1ヶ月位が経った辺りになります。
デュエル描写はなしです。


―在府市・中央繁華街エリア―

 

中央広場を中心に周囲をビル群が取り囲む。この辺りは在府市の中で最も発展している場所だ。

遊士達、チームA.ギートの面々はこの場所に集まっていた。

 

「この辺りは相変わらず賑やかだよな。遊士もそう思うだろ?」

 

「ん、そこそこかなぁ。悟、俺が前に住んでいた場所の隣街がDen-Cityだぞ」

 

「都会っ子めぇ・・・」

 

Den-Cityは、この国随一に発展した都市だ。広い土地に数多のビル群。この国の電子システムの中枢を担うとても煌びやかな都市だ。

Den-Cityはデュエルにおいても優遇されている。

本来、1都市1召喚法だが、Den-Cityは都市固有のリンクモンスターだけでなく、電脳世界LINK VRAINSにおいては融合・シンクロ・エクシーズモンスターのデータの所持も認められているのだ。

 

遊士にとって在府市の中央繁華街は地方都市のちょっと栄えている場所でしかない。

 

「Yo-City自体はそこまで栄えていないからな。まぁでも、繁華街を舞台にしたフラッグデュエルがそこら中でやっていて、観戦する人達がこんなに集まっているのは壮観だよ」

 

遊士が見渡す限りでも3つもフラッグデュエルが行われていてデュエリスト達がエリアを縦横無尽に駆け巡っている。

しかもそれらを観戦する人達がとても多いこと。

これらは彼の眼にも新鮮に写った。

 

「繁華街エリアでデュエルできるのは1部リーグのチームと2部リーグのトップ5のチームだけだ。最も2部リーグならトップ5のチームと戦うならこの場所でも戦えるけどな」

 

「チーム武勇とのデュエル以降勝率は8割。2部リーグの下の上位まで順位も上がったし、俺達もそろそろココでデュエルできるんじゃねぇかな?」

 

+正志の解説に、翔太は最近の手応えからの願望を口にする。

翔太の憧れも最もだ。

繁華街エリアでのフラッグデュエルは在府市民の憧れだからだ。

この1ヶ月と少しでチームA.ギートは4勝1敗を記録していた。

あともう少しの筈。悟も正志も口にはしていないが意識はしているのだ。

 

「私達もこの舞台に立つ日は近いでしょう。ですが、今日の目的はチーム武勇の応援。遅れないように早く行きましょう」

 

「そうだな。ジンフー、気合い入っていたからな。何せ今日の相手は2部リーグ最強の“チーム烈火“だからな」

 

「悟、ジンフー達と仲良くなったよな」

 

悟はチーム武勇との試合後、ジンフーと意気投合し連絡を取り合うようになった。

時々、パソコンでリモートARデュエルもしているのだ。

今回のデュエルはチーム武勇にとって大一番。

その覚悟を示すため、彼らは悟に観戦の連絡をしたのだ。

 

「連絡がなくても行く予定だったけどな。アイツ等の晴れ舞台を見逃す訳ないぜ。もうそろそろ始まるみたいだし、行こうぜ」

 

 

―チーム武勇vsチーム烈火 試合会場―

 

俺達が会場に着いた時やはりというべきか、人で溢れ帰っていた。

 

 

「この辺が観やすそうだな」

 

悟が陣取った位置は会場からやや離れた位置たが、試合会場全体が見渡せる場所だ。

ホロモニターである程度状況が見えるからこそ、できる限り会場全体を見渡せる場所が良いのだ。

そう言えば、あの大師範も会場に来ているのかと、周囲を見渡す。

+いた。ビルの屋上の避雷針の上で腕組みをしている。

故障の原因になるからやめて差し上げてください。

 

「遊士!始まるぞ!」

 

視線を会場に戻すと、両チームとも定位置に着いていた。

チーム武勇の前衛はジンフーさん、道芭さん、永一さん。

メンバーの中でも特に実力が高い3人だ。いきなり、勝ちに行くような布陣だ。

一方のチーム烈火は、1人目がリーダーの美芳野(みよしの)夕陽(ゆうひ)さん。癖毛の真っ赤ロングヘアーを靡かせるヤンキー風の近づきがたい女性だ。

2人目は修行僧のような大柄の男性、八塚(はちづか)壊晴(かいせい)。大きな玉の数珠を首から下げている。また、お洒落なのか鼻眼鏡も着けている。

3人目はこれといった特徴がないオドオドした濃い茶髪のミドルヘアの女の子。名前は確か、影絵透子といったかな?

 

チーム烈火の人達の特徴を予め聞いておいて良かった。

危うく誰が誰だか分からなくなるところだった。

みんなから聞くところによると、チーム烈火は今のリーダー、美芳野夕陽と元リーダーで現ユニティガーディアンの赤石遼一の2人が在府市各地の名のある炎属性デュエリスト5人を捩じ伏せ、仲間に引き入れてきたのだという。

それ故、メンバー全員が2部リーグでリーダーをやれる程の腕前なのだ。

 

〔それでは、フラッグデュエル開始です!〕

 

 

試合開始の合図が会場全体に鳴り響いた。

 

「両チームとも前衛の3人が固まって移動しているな、どういう事だ?」

 

翔太の疑問も最もだ。チーム武勇は俺達とのフラッグデュエルで二手に別れていた。

 

「繁華街エリアは高低差が少ない分、ステージの面積が狭くなっています。戦力の分散を避ける繁華街エリアの鉄板のスリーマンセルですね」

 

すかさず答えたのはアイナ先輩。

1部リーグトップチーム(ユニティガーデァアン)エース(ハクア)ですからね。

 

「アイナさん、ノータイムで答えた・・・、スゲェ!」

 

あ、先輩誉められて得意気になっている。

マネージャーもやってみたいとか、この間喋っていたな。

2チームの会敵はすぐそこに迫っていた。

 

 

―――――

 

 

会敵直後、鈴子は2人に呼び掛ける。

 

『早速、お出ましだな。作戦通りにいくぞ!』

 

『『応!』』

 

鈴子と永一はジンフーの前に出て、彼を守るようにデュエルディスクを構えた。

その光景をフン、と一笑に伏したのは烈火のリーダー、美芳野夕陽。

 

『味方を守るか。ハッ、そんな小細工捻り潰してやる!』

 

『小細工かどうかはコレを見ても言えるかな?』

 

鈴子と永一は目配せをして左右に広がる。そこにジンフーの姿はない。

 

『ミスディレクション、視線誘導か』

 

ジンフーは夕陽達から離れて、肉食獣のように大地を駆ける。

彼の縛ってある後ろ髪はまるで、獣の尾の如く。

彼が向かう先はチーム烈火のフラッグだ。

アイナと互角近くに渡り合った彼ならば後衛メンバーの打倒も可能な筈だ。

 

『行かせん!』

 

夕陽の右隣の大男、八塚壊晴はデュエルディスクから光帯(デュエルライン)を打ち出す。

ジンフーにとっては完全に視覚外だ。

だがジンフーは一瞥することなく、半歩横にズレるだけでデュエルラインを躱した。

崑崙会の輝ける新星、その真骨頂とも言える身体能力と武術の高みである。

 

『フラッグ狙いか。1対2の逆境をはね除けようとする気概は買ってやる』

 

夕陽はジンフーを横目で視界に納めるとそう口を開いた。

そして、だがと続ける。

 

 

【Duel Stand by】

 

 

『何っ!』

 

それはジンフーのディスクからだ。

 

『こちらにもミスディレクションが得意なヤツがいるんだ』

 

 

【Duel Stand by】

 

 

ジンフーの直ぐそばに印象があまり残らないミディアムヘアの儚げな女の子がデュエルディスクを構えていた。

 

 

『えっと、デュエル、です』

 

影絵透子は在府市北部高校の学生だ。

だが、彼女は在府市北部では名のあるデュエリスト。

ミステリアス・シャイガールの2つ名も持っている。

感情表現は控え目だが、彼女はそつなく何でもこなす。

あまりの手際の良さに周囲からの印象は薄くなってしまっていた。

何でもソツなくこなすというのはデュエルにおいても無論、発揮される。

かつて、北部地区はデュエルギャング“北向の牙”が幅を利かせていた。

彼らは毎朝の辻デュエルを日課にしていて、少なくない迷惑を地元住民達にかけていた。

当然、彼らは彼女にも辻デュエルを仕掛けていた。

しかし、彼女の”何事もソツなくこなす“は辻デュエルにも発揮された。

【陽炎獣】の対象耐性と相まった掴み所のないデュエルは次々と“北向の牙”の刺客達は全て返り討ち。面子を潰されたと怒り狂った“北向の牙”のボスでさえも彼女には敵わなかったのだ。

その頃から影絵透子は”北向の牙”達にボスと呼ばれるようになった。

そんな彼女に挑戦状を叩きつけ、“北部、真夏の白昼夢が彩る紅の1日”を引き起こした末に打ち倒したのが、赤石遼一と美芳野夕陽である。

結局、彼女はチーム烈火の一員となり、“北向の牙”は『ボスがいないんじゃ、南を向いちまうよな』と解散となった。

そう、それがジンフーが見えた相手である。

 

 

『チィ・・・!』

 

素早くケリをつける、とジンフーもデュエルディスクを構えた。

 

『『デュエル!』』

 

 

ジンフーの奇襲の失敗は鈴子達につかの間の隙を生み出してしまう。

夕陽と壊晴はそんな隙を逃す筈がない。

 

 

【Duel Stand by】【Duel Stand by】

 

『しまった・・・』 『姉御、ヤルしかねぇ!』

 

鈴子が相対するのは八塚壊晴、永一が相対するのは美芳野夕陽。

今、ここに1 on 1のスリーペアが出揃った。

 

 

――――――――――

 

 

 

「鈴子さんの作戦が破られた!?それにジンフーが反応できなかったって、相当だぜ・・・!」

 

悟は戦慄を覚えざるを得なかった。アイナ先輩も同意するように補足する。

 

「流石は影絵さん、ミステリアス・シャイガールの本領発揮ですね。美芳野さんと“破壊の問答者”八塚さんの存在感があってこそですが、2人の存在感を利用して自身の存在感を限りなく薄めています。だからこそ李さんに通用したのでしょう」

 

先輩、解説キャラが板に付き過ぎじゃねぇ?

そんな事を話している考えている内にデュエルは進んでいく。

 

「ジンフー、攻めあぐねているな」

 

【陽炎獣】の対象耐性がジンフーの主力カードの破壊効果を無力化している。

 

「いや、不味いのは2人の方だ。永一さん、もう後がないぞ!」

 

正志が示したモニターには紫色のドラゴンを睨み付ける永一さんの姿があった。

 

『《|蛇眼の炎龍《スネークアイズ・フランベルジュ・ドラゴン 》》でダイレクトアタック!』

 

【LAST ATTACK! Burning Stream!】

 

火上永一LP800→0

 

『永一!』

 

悲痛の声をあげる鈴子さん、そんな彼女に話しかけるのは相対している大男。

 

『余所見はあまり宜しくないですな。炎王達による破壊の循環、その真髄を魅せてあげましょう』

 

大男、八塚さんは鼻眼鏡をクイッと持ち上げる。

この人もキャラが濃そうだ。アイナ先輩なら分かるかな?

 

「先輩、あの八塚さんもかなりのデュエリストなんですか?」

 

そう尋ねるや、先輩は瞳をキラキラさせながら得意気に口を開く。

 

「良い質問ですね。八塚壊晴さん、彼は”破壊の問答者“という2つ名を凄腕決闘者(デュエリスト)です。そのデュエルは焼き畑農業からインスピレーションを受けたと言われています。草木を焼く事で草木は肥料になり、新たな草木を育てる。この焼き畑農業の循環をデュエルに置き換えました。つまり自らのカードを破壊し、それを糧に新たに展開し、同時に相手のカードを破壊する循環仕組みを作りあげたんです。いわゆる、“八塚破壊システム”です」

 

どういう・・・事だ・・・?

 

「なるほど、それが、自分のカードを破壊する【炎王】デッキのギミックに繋がる訳ですね」

 

正志、何故分かる・・・。

 

「道理で強いワケだぜ」

 

翔太、お前は適当なノリで答えただろ・・・。

悟もしたり顔で頷くな。

 

「ええ、それに彼は炎属性モンスターと農業の関連性についてまとめた『炎と農業』は農業本としては異例の売上をあげたそうよ」

 

炎属性モンスターと農業の関連性は百歩譲ってあったとしても、何で修行僧の格好をしているんだ?

 

「そんな彼を表舞台に引きずりだしたのが赤石さん達です。2人の熱意が破壊の循環を乗り越えたのがチーム入りの決め手になったそうですね。詳しく調べた甲斐がありました」

 

フフンと先輩は語れて嬉しそうな様子だ。まぁいいや。

 

「八塚さんの強さの秘密が何となく分かった気がします。そうなると、道芭さんの状況はかなりヤバくないですか?」

 

モニターを覗くと道芭さんのフィールドは空になっていた。

 

「燃え尽き、再生し、更なる破壊を生むこの循環こそがこのデッキの真髄。否!デュエルの真髄である!」

 

この強さにキャラの濃さ。地下デュエル2桁レベルの実力があるな。

 

『やはり、チーム烈火は強い・・・!』

 

 

 

「ゲッ、美芳野さんがジンフーの方に向かっている・・・!」

 

美芳野さんはリーダーオーダーでジンフーと影絵さんのデュエルを中断させ、1対2の構図を作り上げる。

リーダーを含む2人の攻めは苛烈だ。

ジンフーと言えどもジリジリと追い込まれていく。

 

 

そうして―――、

 

 

【Duel Ended Winner Team Rekka!】

 

 

「ジンフー達が負けた・・・!」

 

「アレが2部リーグ1位の実力・・・」

 

真っ向から不利な状況から脱し、一気に実力で押し潰す。

優れた実力のチームだ。

 

「俺、アイツ等のところに行ってくるよ」

 

悟が真剣な面持ちで席を立つ。圧倒的な敗北。

悟は彼らの精神状態を不安に感じているようだ。

 

「俺達も行くぜ」

 

翔太の言葉に正志も頷く。

 

俺も行こうかと立ち上がったところ、先輩が目に入る。

 

「赤石さん・・・?」

 

先輩の視線の先にはマスクに帽子、サングラスの不審者スタイルの赤石遼一さんの姿があった。

 

「皆さん、申し訳ありませんが、失礼させていただきます。遊士君も良いですか?」

 

えっ・・・。

 

「俺もですか!?」

 

「どうしたんですか、先輩」

 

不自然に思った悟が声をかける。

 

「声をかけないと行けない人が1人います」

 

―――――――

 

「赤石さん、少々よろしいですか?」

 

先輩は悔しそうな、どこか悲しげな表情の赤石さんに声をかけた。

 

「ハ・・・、白砂お嬢様?」

 

意外な人物の登場に驚き様子だ。

 

「お久しぶりです。少しお話をしませんか?」

「良いですけど、彼も一緒ですか?」

 

赤石さん、アームドナイト グレンとは共闘した事があったから、新鮮な感じがするな。

遊士としては、ほとんどはじめましてか。

 

「ええ、彼は、奥田遊士くんも参加します」

 

「赤石さん、A.ギートの昇格デュエル以来ですね」

 

「ああ、キミか。光導さん、相手に渡り合った。あの人もキミのデュエルを絶賛していたよ」

 

「覚えて下さってありがたいです」

 

そうして、俺達は先輩に連れられてカフェに向かった。

 

―――

 

 

「白砂お嬢様、それでお話とは何でしょうか?」

 

こ洒落たカフェで優雅に紅茶を戴く先輩は正に深窓の令嬢といったところだ。

俺と赤石さんは場違いな感じがする。

 

「単刀直入に聞きます。チーム ユニティガーディアンに加入する際、円滑にチーム烈火を脱会したと聞いたのですが、その格好、どういう事ですか?」

 

「それは・・・」

 

不審者スタイルの格好、チームと離れた距離。

今の赤石さんとチーム烈火とあまりよくない事は俺でも想像がつく。

しかし、だいぶ突っ込んで聞いてきたな。

というか、部外者の俺がいても良いのか?

いや、チームメイトのハクアとグレンという立場で話したくないのか?

 

6/7(7分の6)は納得してくれましたよ。一応、過半数です」

 

「説明していないのは、誰ですか?」

 

「夕陽・・・です」

 

先輩の有無を言わさぬ圧力に、赤石さんはポツリと呟く。

って言うか今のリーダーかよ。しかも、1番最初のチームメイトだ。

今の先輩からして、このままにしておくととんでもない事になりそうだ。フォローしないと。

この人とタッグデュエルをした俺なら、会心の手がある筈だ。

 

「ええと。もしかして今日、チーム烈火の試合に来たのって美芳野さんに説明するためですか?」

 

目を丸くする遼一さん。やっぱりか。

彼が努力する姿勢はこれで伝わった筈。

 

「ああ、そうです。俺はあの日から夕陽に説明するタイミングをこの1年、伺っていました」

 

「1年・・・ですか」

 

ハァ、とため息をつくアイナ先輩。

少しは分かってくれたかな?

 

「1年かけて、何も進展していないという事ですか」

 

雲行きはまだ怪しいままだ。

 

「局長からあなたの移籍条件の1つにチームメンバー全員の同意があったと聞いています。これは規約違反ですね」

 

「その・・・」

 

「赤石さん、チーム ユニティガーディアンに在籍する意味、分かっていますよね。私は白砂カンパニーの一員としてこの件を報告しなければなりません」

 

「先輩!」

 

ユニティガーディアンとして在籍する意味、それはアームドナイトとしてテラーと戦うということだろう。

彼らにとって不義理を果たした人物にアームドナイトを預けたくないのも分かる。

だけど、赤石さんはこれまでみんなの為に頑張ってきている。

俺自身も彼がアームドナイトに必要な人物だと思う。

 

「ですが、チームA.ギートの白砂アイナとしてはあなたにチャンスを与える事ができるかもしれません」

 

風向きが変わったぞ、どういう事だ?

 

「私達、チームA.ギートはチーム烈火とデュエルを行い、そして勝利します。このタイミングなら、美芳野さんと話ができるタイミングがある筈です」

 

だから、チームメイトの俺を呼んだのか。

確かに、あの人は敗者の話は聞かなさそうだ。他のチームと根回しすればうまくいく可能性がある。

 

「俺のチーム ユニティガーディアンへの移籍は夕陽は快く思っていない。何しろ、これまで1部リーグへの入れ替え戦にずっと勝てなかった。それなのに俺だけ1部リーグに行くなんて、アイツとの1部リーグで頂点を取るっていう約束を裏切る形になる。だけど、俺は」

 

赤石さんは俺をチラリと見やる。テラーの事か。

部外者の俺がいる前では話づらいだろう。

 

「あなたの言うように、そのタイミングなら話を聞いてくれるチャンスがあるかもしれません。ですけど、烈火は強いですよ」

 

「そうですね。自力と熟練度は向こうが上でしょう。ですが、勝算はあります」

 

「確かに、貴女と光導さんとやりあった奥田くんなら勝機はあるかもしれません」

 

俺にも期待してくれているのか。グレンとの共闘でも思っていたけど、この人は本当に良い人だ。

 

「ですが、アイナ先輩。どうやってチーム烈火にデュエルを申し込むんですか?フラッグデュエルはランダムですよね」

 

そこでアイナ先輩が胸を張ってこう言った。

 

「遊士君、私を誰だと思っているんですか?私なら担当者に直接掛け合う事ができます。この非常事態なら仕方ありません」

 

権力かよ!




悲報:チーム武勇、早速噛ませ犬になる。
今話は先輩を含め、ハッチャケています。
某One lover boostリスペクトです。

また、オリジナル召喚法の紹介をやってみました。
駄蛇さん、ご協力ありがとうございました。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304950&uid=156641

ついでにオリジナル召喚用のオリカ掲示板も。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304951&uid=156641






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