Past Saw Of two Persona (ヨウ氏)
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序章
プロローグ:feat.ユウキ


自キャラの設定とか固まってきたのでストーリー書いてみることにしました。
6/24多少改訂


「…ハァ…ハァ…くっ…」

ダーカーの市街区襲撃によって壊滅的な被害を受けている場所で俺はダーカーの殲滅任務を遂行していた、しかし想定以上のダーカーの数に俺の体は限界を迎えていた。

「まだ…だ、」

気力を振り絞り立ち上がる、ここで倒れるわけにはいかない、この市街区域には妹…アロが住んでいる。避難が終わるまで最低でもここだけは守らなくては…

 

「緊急連絡!住民の避難所がダーカーの襲撃を受けています!周辺のアークスは至急向かってください!」

 

「何…?場所は…ッ!!」

全力で走り出す

「どうか、間に合ってくれッ!!」

体が悲鳴を上げる。知ったことか。走る。走る。走る。

「アロ…!!」

そこは…アロが避難しているはずの場所だった

 

 

「嘘…だろ…」

たどり着いた時には、避難所は跡形も無くなっていた。護衛をしていたらしいアークスの死体が転がっていることから、瓦礫の下は想像したくはないが、するのは容易だろう。

「俺は…守れなかったのか…?」

全てを諦めかけた、その時だった。

「お兄ちゃん!!!」

希望の声が、聞こえた

「アロ!?無事だったか!」

「うん…ここにいたアークスの人が助けてくれたの…でも…でも…」

アロは今にも泣きそうだった。無理もない、おそらくそのアークスはさっきの死体の中の一つだろう。人が死ぬの目の前で見てよく泣き出さなかったものだ。

「そうか…怖かっただろう。さあ、安全な場所へ行こう。」

「ありがとうお兄ちゃ…」

「アロ?どうした?」

「う…後ろ!」

「何!?しまっ

反応する間もなく吹き飛ばされる。

「ぐ…」

片目が見えない、そんなことはどうでもいい、急いで敵を倒さなければ、だが、体が動かない。

「ア…ロ…」

「お兄ちゃん!」

アロが駆け寄ってくる、駄目だ、逃げろ、だがそんな声すら出ない。

「… !!」

必死に声を出そうとする、逃げろ、後ろだ、

「あっ…イヤッ!離して!」

ダーカーがアロを掴み上げる。

「アロオオオオオオ!!」

声は出た、だがそれだけだ。

「お兄ちゃん!助けて!」

「クソッ、待てえええ!」

ダーカーがアロを掴んだまま飛び立つ。

「お兄ちゃあああああん!」

ダーカーが消える。

「クソオオオオオオオオオオオオオオオ!」

叫びが瓦礫の街に響き渡る

俺は、全てを失った。

 

 

 

 

 

 

「…うわああああっ!…ハァ…ハァ…」

目を覚ます、また、この夢だ。忘れたくても忘れられず、目自体はどうにか治ったが、消えない傷がいつまでも疼く。

「ハァ…」

あれから五年、俺はアークスとして戦う意味を失ったままだった。当時は引退も何度も考えた。だがそれで本当にいいのか、と優柔不断になってしまい結局やめられなかった。あのときを思い出させる傷を隠し、忘れようとして紙袋を被りはじめたが、このザマだ。それでも被り続ける理由は……………

「行くか…」

そんなことを考えながら、今日も任務へ行く。俺はまだアークスを続ける、あいつと「約束」をしたからな。




時系列的にはEP4で安藤が目覚める前


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プロローグ:feat.エスト

オリジナルストーリーに繋げたいため、EP4までは大分端折ります。5は完全に飛ばします。


(君を、助けに来た)

 

 

 

(ずるいよ…その優しさは残酷だよ…)

 

 

(私はあなたを助けたいだけなのに!)

 

 

(ならば、なぜ泣く)

 

 

(起きろクラリッサ!否、シオンよ!!!私たちの巡ってきた輪廻を、ここで終わらせる!)

 

 

(まさか最初からそのつもりで…)

 

 

 

(お前が気づかせてくれた、ただ一人を救いたいという意思。それを成し遂げるためにやるべきことを!)

 

 

(君は知らないだろうが…君と私は一人約束をした…)

 

(……泣くな、笑え)

 

 

 

 

(おかえり、マトイ)

 

(……ただいま。)

 

???

「………………………」

カプセルの中で眠る一人のキャストがいた。彼はエスト、二年前、シオンから受け取ったマターボードをきっかけに、数々のダークファルス、そして深遠なる闇をも倒し、世界を、いや宇宙を救ったアークスである。今彼はそれまでの戦いで蓄積した想像を超える膨大な量のダーカー因子の浄化のためコールドスリープ状態であった。

 

ーーーーーーーーそして目覚めの時は、来たーーーーーーーーーーーー

 

 

カプセルの中で目を覚ます。

エスト

「…うぅ………」

働かない頭で考えながら辺りを見回す、そうだ…たしかダーカー因子の浄化のためコールドスリープにつくんだったか…、と記憶を辿っていると通信が入り、キャスト特有の響きをした女性の声がする。

???

「お目覚めになりましたね!はじめまして!私はシエラと申します!」

「…あぁ、いま起きた。おはよう、になるのか?」

シエラ

「はい、おはようございます、いまカプセルを開きますね。」

カプセルが開き、外へ出る。長く寝ていたせいか体がうまく動かずよろけてしまう。

エスト

「うぉっとっと…」

シエラ

「だ、大丈夫ですか?」

エスト

「ああ、大丈夫、少しよろけただけだ。」

シエラ

「そうですか…あっ、改めてはじめまして!私、エストさんの専属オペレーターとなりましたシエラと申します!よろしくお願いします!」

エスト

「そうか、シエラ、よろしく頼む。」

シエラ

「はい!体におかしなところは…ないようですね、ダーカー因子もきれいに浄化されています。」

どうやら浄化は無事に終わったようだ、少し安心した。

 

その後、シエラからこの二年でアークスの変化、俺とマトイの守護輝士という役職など、現状の説明を聞いた。

まさかウルクが総司令になってるなんてな、そのウルクからの任務なら、断るわけにはいかないし、断る理由もない、こうして、リハビリがてら出自不明のアークスの監視任務を受けることになった。

これが新たな俺の戦いの始まりになるとは、この時は思ってなかったな…



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再開

ちょっとオリ設定とか出てきます


ーーー地球 ラスベガスーーー

 

エンガにアースガイドの本部へ案内されている途中、とんでもないやつに出会ってしまった。

エスト

「…くっ」

その攻撃を受け止めた(コートエッジ)を握る腕には疲労からか震えが見え始めていた。

シエラ

『なんなんですかあの人!エストさんと互角って!』

通信の向こうでシエラの驚きの声が聞こえる、互角…?それどころじゃない、隙を見せればそのまま殺られかねない…

魔人ファレグ=アイヴズ、だったか…本人曰く努力次第だっていうが、認めたくないが他の例を知ってる以上認めざるを得ない。こいつも四桁くらい生きてたりするんだろうか?まさかな…

 

と余計な考えをしていると…

シエラ

『エ、エストさん後ろ!』

シエラの警告に振り替えると

 

蹴りが目の前に迫っていた

エスト

「しまっ…」

咄嗟にガードしようとするが

(間に合わない…!)

思わず目を伏せてしまう

 

 

 

だが、来るはずの衝撃は来なかった。目を開けるとファレグの蹴りを受け止めるもう一つの蹴りがあった

???

「よう、久しぶり、また危機一髪って感じだったな。」

 

黒に赤のラインが目立つ魔装脚と同じ色のパーカー、そして頭に被る黄金の角を携えた紙袋。

エスト

「お前は…」

???

「なんだ、二年も寝てるうちに忘れちまったのか?」

エスト

「冗談言うな、一度見たら絶対に忘れることない面だろうがよ……ユウキ…」

ユウキ

「お、覚えてたか。さて、感動の再開はまた後にして……っっとぉ!」

嬉しそうに答えつつ蹴りでファレグを押し返す。

ファレグ

「あらあら、また強そうで面白そうな方がいらっしゃいましたね、やはりここへ来て正解でした。しかし…マザーに頼まれた訳ではありませんし、ここでお開きということで。本日の戦いは非常に楽しかったです。特にあなた方二人は素晴らしい相手でした。近いうちにまたお相手していただければ、と。」

ユウキ

「へえ、あなたのような麗しい女性と戦えるなら是非ともお願いしたいところだ。」

ユウキが返す

ファレグ

「あら、お上手ですね。それでは皆さん、またお会いしましょう。」

そう言うと凄まじい跳躍から空中を蹴ってファレグは去っていった…

エスト

「どういう跳躍力してるんだ…っとそれはそうとさっきは助かった、ありがとうユウキ……ユウキ?」

紙袋で見えないが雰囲気から青い顔をしていると感じ取ることができた。

ユウキ

「……足クッソ痛え…どんな力だよアイツ…」

エスト

「お前再戦したいとか言ってなかったか?」

ユウキ

「冗談に決まってるじゃないか…アイツ何者だよ…てかシエラちゃんよ、あんなのいるなんて聞いてないんだが?」

シエラ

『わ、私だって想定外ですよ!ユウキさんがエストさんと会いたいって言うから転送してあげたんじゃないですか!』

エスト

「あー二人ともそこまでだ、ヒツギとエンガが困惑してる。」

二人

「『あ』」

ヒツギ

「えっと…あなたって個性的な仲間が多いわよね…」

エンガ

「今回ばかりは俺も同意見だな」

ユウキ

「ちょっ、俺が変人みたいな言い方はやめてくれよ!」

ヒツギ

「だって…見るからに怪しいでしょ…」

ユウキ

「ひどい!」

エンガ

「まあ、この話はここまでにして、アースガイド本部まで行かないか?」

エスト

「おっと、そうだったな悪い。」

ユウキ

「じゃあ再開もできたし、俺は先に帰るよ、足痛いし。」

エスト

「お、おう。また後でなユウキ。」

そう言うとユウキは簡易テレパイプで帰還していった。

エスト

「二年経ったわりに、全く変わってないな…。」

シエラ

『なんだか嬉しそうじゃないですか。』

エスト

「そうか?まあ、アイツがいたからこそ今の俺があるわけだからな。昔、何度もピンチの時に助けてくれたんだ。さっきみたいにな。」

エンガ

「戦友、ってやつか、信頼してるのが言葉から伝わってくるぜ。久しぶりに会うんだろ?帰ったらゆっくり話してやれよ。」

エスト

「ああ、もちろんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

アークスシップ内 ショップエリア

 

ラスベガスから戻った俺はユウキに会いに行った。

 

ユウキ

「さて、まずは起きてすぐに会いに行けなかったのを謝っておこう。ちょっと忙しくてな、難しかったんだ。」

エスト

「いや、こっちも地球に行ったり色々あったからな、気にするな。」

ユウキ

「で、体のほうはもう良いのか?…って大丈夫だから戦ってんだもんな。……あんなのと」

エスト

「ああ、俺もまだ弱いっていうのが実感出来た。師匠に再開がてら修行でもつけてもらいに行くかな。」

ユウキ

「師匠?ああ……いいのか?二年寝てるからっつってだいぶしごかれるのは確実だぞ?」

エスト

「ああ、だがマザークラスタと対立する以上奴とはまた戦わなければいけない。だったら行くしかないだろ?」

ユウキ

「マザークラスタってのはよくわかんないが…まあ、頑張れや。」

エスト

「ああ、ありがとう。じゃあ、行ってくる。」

 

 

 

 

その後ボロボロになったエストがロビーをフラフラしているのを見つけて、(ああこりゃ相当やられたな…)とユウキは察した。

 

 

 



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ダークファルス・ペルソナ編
ダークファルス・ペルソナ 壱


一気に飛んでペルソナ戦です。戦闘描写難しいっす。


時間は流れ、オメガでの事件は終わり、終の女神シバのアークスシップ襲撃から少したった頃。シエラから緊急の連絡があるということでエストは艦橋に向かった。

 

 

エスト

「ダークファルス・ペルソナだと?」

シエラ

「はい、宇宙の亀裂内部に出現した変質空間で異常な反応が確認され、今までのオメガファルスと違う、というよりすべての反応を併せ持つことから、おそらくペルソナで間違いないと思われます。現在、六芒均衡の出撃可能な方たちなどは既に戦闘準備に入っています、エストさんもご準備を。」

エスト

「…わかった、行こう。後輩の始末は先輩がつけてやらなきゃな。」

シエラ

「強い怨嗟が残滓となり、異様な姿を形作ったと推測されます。エストさん、どうかお気をつけて。」

エスト

「ああ、了解!」

 

 

 

ーーーオラクル宙域 変質領域ーーー

 

レギアス

「ここからでも十分伝わるほど邪悪な気…油断するでないぞ、かの深遠なる闇と同等かそれ以上の相手と思え。」

深遠なる闇と同等かそれ以上、つまり今までで最大の敵になるだろう。

マリア

「なんだいエスト、怖じ気づいてんじゃないだろうね。」

エスト

「まさか、そんなわけないでしょう。」

マリア

「ハッ、そうかい。だがね…これだけは言っとくよ、この戦いはあんた一人でやってんじゃないんだ。それだけは覚えときな。」

ユウキ

「マリアさんの言う通りだ。ま、何が言いたいかって、ムチャすんなよってことさ。」

エスト

「皆…ありがとう!」

レギアス

「覚悟は良いな?突入する!」

 

深遠なる闇を彷彿とさせる黄金の鎧、凄まじいまでの闇の気迫、そして「エルガ・マスカレーダ」の仮面のような頭部、

 

ダークファルス・ペルソナ

『これより先は…連鎖する絶望の追憶…!』

 

それは確かにペルソナであった。

 

エスト

「こいつが…ダークファルス・ペルソナ!」

ペルソナが顔に【巨躯】を模した巨大な仮面を被ると同時にファルス・アームのような腕が出現した。

エスト

「なんだ、あれは…仮面、か?」

マリア

「デカイ腕まで生やして、まるで【巨躯】のようじゃないか…」

ヒューイ

「力比べなら任せておけ!」

ダークファルス・ペルソナ

『狂気に怯えろ!』

ペルソナが腕を振り上げると同時に無数の腕が降り注ぐ。

エスト

「はっ!」

腕の雨を掻い潜りカウンターで双機銃を(ブランニュースター)仮面に撃ち込む、が

「びくともしないか…」

仮面には罅一つ入らない。

ユウキ

「まずはあの腕をどうにかしたほうがいいんじゃないか?」

腕の雨を華麗に避けながらユウキが提案する。

クラリスクレイス&ヒューイ

「片腕は俺(私)たちに任せておけ!」

二人が駆け出す。

ユウキ

「…ならもう片腕は俺たちだな。」

エスト

「了解!」

クーナ

「腕の後ろに弱点があるようです、そこを狙いましょう。」

と言いながら駆け出し、エストたちもそれに続く。

ユウキ

「一応支援かけとくぞ!」

シフタとデバンドを二人にかける。

エスト

「助かる!」

クーナとエストが腕のコアを切り裂き、その隙を埋めるようにユウキの連続蹴り。だがペルソナはそれを振り払い巨腕を振り上げ、

ダークファルス・ペルソナ

『刻め、果て無き闇の導を!』

ユウキ

「!!…まずい、全員退避!」

一気に振り下ろし、凄まじい衝撃波が地面を走る。

マリア

「危機一髪だね……ってエストは何処だい?」

そこにエストの姿は無かった。それもそのはず、エストはペルソナとの間合いを逆に詰めていた。

エスト

「うおおおおおおおおっ!」

一閃、ペルソナの右の巨腕が真っ二つになる。だが、それだけでは終わらない、返す刀で左腕に一撃。そのコアに損傷が生じる。

マリア

「へぇ、やるじゃないかい。レギアス、あたしらも負けてらんないよ!」

レギアス

「うむ!」

二人が更に追撃を与え、左腕が消滅し、立て続けに両腕をやられたペルソナが大きく体制を崩す。

エスト

「今だ!」

全員がペルソナの仮面に全力で攻撃する。斬擊、法擊、打撃、無数の一撃が叩き込まれる。

ユウキ

「いい加減罅くらい入れ!」

魔装脚に全てのギアを込め、全力の蹴り(ヴィントジーカー)が仮面に放たれ、ついに罅割れ始める。

マリア

「ちょうどいい…どきな!一緒にブッ飛ばしちまうよ!潰えろ閻斧……ラビュリス!」

創世器、閻斧ラビュリスの一撃がペルソナの仮面に直撃、粉々に砕け散る。

ダークファルス・ペルソナ

『グオオオオオオッ!!』

マリア

「ブッ放したのは久しぶりだねぇ…爽快だ。」

スッキリした顔で破損したラビュリスを肩に担ぐ。

エスト

「いや…まだだ!」

ダークファルス・ペルソナ

『仕切り直しだ!』

ペルソナが新たな仮面を生成する、今度は【敗者】に似た仮面だった。



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ダークファルス・ペルソナ 弐

三位さん存在感が透刃マイ発動してます




ダークファルス・ペルソナ

『仕切り直しだ!』

新たな仮面が生成される。

レギアス

「この程度では終わらぬか…」

皆が武器を構え直す。

ダークファルス・ペルソナ

『狂気に怯えろ!』

両腕の剣のようなものを時計の針のように組み合わせる。

 

 

気が付くと全員の周りを剣が取り囲んでいた。

エスト

「!!」

エストだけは咄嗟に防ぐことは出来たが他のメンバーが負傷する。

「皆、大丈夫か!?」

マリア

「この程度でくたばっちゃいないよ!次が来るよ!」

エスト

(今の感覚……時間を止めたな…なら!)

【巨躯】の仮面の時ほど一撃が重くはないものの、素早い攻撃に皆が翻弄されていくが、

ヒューイ

「ハッ!同じ攻撃が通用すると思うな!」

次第に動きを見切り始めるようになり始める。

戦況がアークス側に傾いたと思われた時、

ダークファルス・ペルソナ

『狂気に怯えろ!』

ペルソナがもう一度時を止めようと時計の針を生成する。

エスト

(来たか!)

そして時計の針が一周する瞬間ーーー

(今!!)

時間停止のテクニックに全力で抵抗する。

 

辺りの全てが停止した、止まった時の世界。

エスト

「!」

見るとペルソナがまた全員の周囲に剣を召喚している。

「させるか!」

双機銃を使い全ての剣を撃ち落とす。そのまま導具へ持ちかえ、ペルソナの目の前にワープし、

「くらえ!」

零距離でナ・ザンを放つ。

ペルソナの体制が崩れ、止まっていた時間が動き出す。

ダークファルス・ペルソナ

『グッ…記憶したぞ、この痛み…!』

急に体制を崩したペルソナに皆が驚く。

ゼノ

「なんだ…いまエストは何をしたんだ?」

マリア

「そんなこと気にしてる場合かい!叩くなら今だよ!」

ユウキ

「皆!いくぞ!」

 

 

そして何度目かの猛攻の後、ついに【敗者】の仮面が砕け散る…

 

 

実質ダークファルスを二連続で相手にしたようなものだ、全員に疲弊の色が見える。

ユウキ

「ハァ…ハァ…さすがにキツいぞ…」

ゼノ

「まだ、もうひとつくらい被りそうだがな…」

エスト

「……どうやら洒落になってないみたいだ。」

 

ダークファルス・ペルソナ

『我が…我こそが…【仮面】だ!』

新たな仮面、それは四種のダークファルスのそれではない。ただ一人の少女を救えなかった悔恨のダークファルス。【仮面(ペルソナ)】の仮面だった。

 

ユウキ

「マジか…」

エスト

「だがアイツも追い詰められてきたようだ…勝利は近い!」

ユウキ

「なら、もうひと踏ん張り、だな!」

ダークファルス・ペルソナ

『絶望しろ!』

レギアス

「断る!宇宙の希望のため、我々は戦う!始めよう…創世!!」

ゼノ

「ああ、まだ終の女神なんてやつがいるんだ、こんなとこで絶望なんかしてられっかよ!響け戒剣…ナナキ!!」

ダークファルス・ペルソナ

『グッ……理解しがたいな!』

ヒューイ

「貴様にはわかるまい!俺たちの熱い思いが!目覚めろ破拳…ワルフラーン!!」 

クラリスクレイス

「そうだ!その理解できない頭ごと私が吹き飛ばしてやる!」

ダークファルス・ペルソナ

『グアアアアッ!!』

大型ダーカーすら一撃で消し飛ばす攻撃の嵐。だが、ダークファルスを倒すには至らない。

ダークファルス・ペルソナ

『笑って見せろ!!』

 

その言葉をペルソナが言った瞬間、俺はキレた。

エスト

「笑って見せろ、だと…貴様、その言葉の『意味』をわかってるのか?」

ユウキ

「エスト?」

エスト

「全ダークファルスの力を持ち仮面によってそれを使い分ける。ああ、確かに【仮面(ペルソナ)】の後輩と呼べる能力だ。だがお前は【仮面(オレ)】ではない、ましてやエルミルですらない、ただの空っぽの怨嗟が…その言葉を語るなぁぁぁぁぁぁッ!!!」

怒りのまま全フォトンを解放し、ヒーローフィニッシュを仮面に叩き込む。

仮面は、完全に粉砕された。

ダークファルス・ペルソナ

『そんな筈は……ッ!』

ユウキ

「や、やった!」

エスト

「まだ仮面を割っただけだ!止めを!」

クーナ

「!…なにか様子が変です…」

と言った瞬間ペルソナが大きく後退する。

 

ダークファルス・ペルソナ

『全ての宿命を…この闇をもって虚無と成すッ!!』

ペルソナが巨大なエネルギーの塊を生成する。

エスト

「あれは…不味い!」

(力を貸してくれ!ルーサー!)

ルーサー

(フッ…君の思うままに戦いたまえ、演算は受け持とう。)

自身の体にあるダークファルスの力を解放、それはファルス・アンゲルの姿をとり、大きく翼を羽ばたかせる。

 

『全知はここへ導き出された!』

ユウキ

「あれが例の…」

レギアス

「よりにもよってルーサーの姿とは…」

エスト

(あれを着弾させるわけにはいかない、全力で阻止する!)

フォトンの結晶を大量に生成し、撃ち込む。

『式、展開!』

ルーサー

(この程度では無駄な様だ、出力を上げよう。)

迸るフォトンを収束させ、塊の中止目掛けて放つ。

『可能性は収斂する!』

凝縮されたフォトンのレーザーはエネルギー塊を貫通し内側から対消滅させる。

しかし、

ペルソナ

『光ある限り…闇が潰えることは無い!!!』

さらに巨大なエネルギー塊が生成される。

エスト

(まだそんな余力が…こちらも出し惜しみはしていられない、最大出力だ!)

ルーサー

(活動時間は無くなるが構わないね?)

『森羅万象は全知へと収束するッッ!!!』

ファルス・アンゲルの姿を構成するフォトンまで使用し最大出力のフォトンを放つ。

レーザーはエネルギー塊だけでなく、ペルソナの胸部コアを装甲ごと貫通する!

『全ての解は証明された…』

フォトンを使いきり、ファルス・アンゲルの姿が消滅する。

ダークファルス・ペルソナ

『こ…れは、一つの結末に…過ぎない…』

コアを破壊されたペルソナの体も消滅を始める。

エスト

「ハァ…ハァ…ようやく、終わったか…」

ユウキ

「正直一番ヤバかったな…」

全員が安堵する中、シエラから通信が入る。

シエラ

『ま、まだ対象は沈黙していません!』

エスト

「何ッ!?」

咄嗟に振り向くと、目に映ったのはコアを失ったことによりダーカー因子が暴走した消えかけのペルソナがエストに右腕を振り下ろす瞬間だった。

「クッ!」

大剣(コートエッジ)で防ぐが、押し返すことは出来ない。さらに暴走したダーカー因子が大剣を侵食し、フォトンコートが闇に染まり、外観も禍禍しく変質する。その影響でさらに押し込まれるエスト。

そして…

ダークファルス・ペルソナ

『グオオオオオオッ!』

ペルソナの腕が完全に振り下ろれた。

ユウキ

「嘘…だろ、エ…エストオオオオオッッ!!!」



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ダークファルス・ペルソナ 参

ペルソナ戦完結です


 

 

???

(ハハッ、いやぁ~見事にやられちゃったねぇ?センパイ。)

朦朧とする意識の中、聞き覚えのある声がする。

エスト

(お…前は…)

----------------------

???

「だから言ったのに、あのとき消えておいたほうがマシだっただろう?。」

その声の主は、オメガで倒したはずのエルミルだった。

エスト

「エルミル…!俺はまだ終わっていない…!」

エルミル

「アハハハ!あんな潰され方されたのにまだやる気があるんだね」

エスト

「何が可笑しい!それに…なぜお前が生きている…」

エルミル

「ああ僕?僕自体は既に死んだよ。今の僕はこのダークファルス・ペルソナ、これにくっついてる残りカスのようなもの。センパイの中にいるダークファルスの元依代たちと同じようなものサ。」

エスト エルミル

「……なあエルミ「僕も来ないかって言うんだろう?イヤだね。僕がルーサー嫌いなの知ってるだろう?」

言い終わらないうちにエルミルが返す。

「まあ…何もしないってわけでもないサ。センパイに支障が無い程度の【仮面()】の因子を渡してあげるよ。」

エルミルが手をこちらに向け因子を渡す。

「センパイに取り込まれた因子は【仮面(センパイ)】の性質のほうに変化するはずサ。『時間遡行』、と言っても残りカスを更に少量渡すだけだからせいぜい1日が限度だろうけどサ。」

エスト

「エルミル…ありがとう。」

エルミル

「…ねえセンパイ、例えあのダークファルス・ペルソナを倒したところでオメガの因子はまだ吐いて捨てるほど残ってる。復活なんてすぐだろうね…さらに今は終の女神までいるんだろう?もう一度言うけど、未来が希望につつまれてるとは限らない、絶望はセンパイのすぐ側にいる。それでも、本当に戦うのかい?」

エスト

「当然だ。俺はこの命続く限り戦う!」

納得するようにエルミルが頷く。

エルミル

「ハ…そうかい…あーあー、全くやんなっちゃうね。けど、だからセンパイはセンパイのままでいられたんだろうね…」

----------------------

(だったら生きて、死ぬといいサ。この絶望の怨嗟に満ちた世界で…)

エスト

「ぉぉぉぉぉおおおおおおおっっっ!!!」

ペルソナの腕を弾き飛ばす。

ユウキ

「エスト!…ってお前腕が…それに剣も…」

見ると右腕が大きく潰れている。あのとき咄嗟に右手に持っていた剣で受け止めたからだろう。(コートエッジ)もあの一撃の影響でペルソナの怨嗟の力の侵食を強く受け、深遠の力をもつ剣に変質していた。

エスト

「ん?ああ、大丈夫だ。動く、戦闘には問題ない。今、終わらせる…!」

ペルソナの胸のコア目掛け、剣を構え飛び立つ。

ペルソナ

「グッ…オオオオオオオオオオッッ!!!」

コアに剣を突き立てられたペルソナが呻く。

エスト

「俺は、生きて見せる!そして、平和を築く!」

願いと共に剣に浄化の力を流しそのままペルソナにも流し込む。

その願いが剣のフォトンに影響を与え浄化されただけではなく、負を切り裂く星の震えを宿す。

だが、右腕が耐えきれず崩壊する。だがすかさず左手で剣を掴む。

「エルミル!お前の怨嗟も、俺が全て受け止めて、貫いてやる!その先に希望はある!」

その叫びに呼応するようにフォトンだけではなく剣全体が更に変質し、フォトンはその熱い思いを体現するかのごとく鮮やかな緋色に染まる。

そして、その剣は緋の光の跡を描きながら、ペルソナのコアが完全に貫く。

コアを失ったペルソナは内側から朽ち果てるように消滅した。

 

 

 

「任務……完了!」




深遠~光跡シオンまでの進化がだいたい十行で終わった…


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後日談 その1

日常回書いてみたかった


-アークスシップ帰還口-

シエラ

『エストさん!本当に良かった…』

エスト

「ああ…悪い、ちょっと無茶はしたが、大丈夫だ。」

シエラ

『それでご無事?で帰られたとこなんですが…』

エスト

「…?どうした?」

シエラ

『いやー…そのー……マトイさんがご立腹なので後はよろしくお願いします!』

そう言い残し逃げるように通信を切られた。

エスト

「えっちょっ、え!?それってどういう…………ッ!」

背後から凄まじい気を感じ、全てを察した俺は覚悟を決めた。

マトイ

「エ~~~~ス~~~~ト~~~~!!!」

エスト

「………悪かったよ…」

マトイ

「私がどれだけ心配したと思ってるの!死゛ん゛じ゛ゃ゛っ゛た゛か゛と゛思゛っ゛た゛!!」

涙声になりながらすがりついてくる。流石に無茶が過ぎたか、反省しなければ…

マトイを抱き止めながら心に誓った。

エスト

「俺が悪かった 、ありがとうな…マト……ィ…

安堵して今まで気にしなかった負荷が一気に来たのか、俺の意識はそこで途切れた。

シャオやシエラによると、ダークブラストからのヒーローフィニッシュ、武器の浄化と謎の進化。明らかに消耗が激しい行為のやりすぎだ。と説教された。マトイがさらに怒ったのは言うまでもない。

そういうわけでパーツの修復期間なども兼ねて俺にしばらくの休暇が与えられた。

 

エスト

「休暇……って何したらいいんだろうな。」

キャスト体が使えないので今日は人間体だ。

ユウキ

「お前休暇ろくに取らないからな……こういう時くらいマトイちゃんと出掛けに行きゃいいんじゃねえの?」

こういうときユウキは頼りになる。

エスト

「たしかに…心配かけたしな、お詫びも兼ねて誘ってみよう。」

思い立ったが吉日だ。早速誘いに行こう。

 

―エストが去った後―

ユウキ

「あの守護輝士二人さっさとくっつきゃいいのになあ…あのゼノとエコーですらくっついたんだぞ…」

と呟くユウキ。

「んで、聞いてんだろシエラちゃんよ。しっかりお膳立て頼むぞ?」

シエラ

『…未だくっつかない守護輝士、アークスは不安ですよね。不肖シエラ、動きます!……ってなんでこっそり見てるのわかるんですか!』

ユウキ

「ああ、エストから聞いたんだ。相当な覗き魔の変態だ、ってな。だからこれも見てるだろうなって。」

シエラ

『ちょっ…なんで喋っちゃうんですかエストさん…ていうかそれはエストさんも共犯なんですけど!?ユウキさん、誤解しないでくだ…ってあれ?』

既に通信は切れていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

-数日後-

マトイ

「私も何故か急に休暇出されちゃったよ…」

エスト

「二人揃って休みとは…何か裏でもあるのか…?」

マトイ

「うーん…考えすぎじゃないかな…私はともかく、エストはちゃんと理由があるんだから!」

何も無いとは考えにくいが、誘うなら今か。

エスト

「なあ、せっかくだし何処か出掛けないか?心配させたお詫び…みたいなもんだが。」

果たして喜んでくれるだろうか…

マトイ

「…えええええええ!?いいの!?も、もちろん行く!!」(こここここれって…デデデデデデートだよね!!??)

顔を赤らめながらも嬉しそうに同意してくれているのがわかる。

エスト

「よし、決まりだな。行きたい所はあるか?」(凄い喜び方だ…さすがユウキ…)

マトイ

「行きたい所?え、えっとね…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

-アークスシップ 艦橋-

ユウキ&シエラ

「「ッシャオラァ!」」

ハイタッチを交わす二人

ユウキ

「まず第一関門は通ったな。」

シエラ

「ですね!……って本当に覗くんですか?無粋じゃないですかね…」

ユウキ

「それを言えるような日頃の行いか?」

シエラ

「…ふ、二人とも何処へ行くんでしょうねーー!」

ユウキ

「まあいいけど。そうだ、───気付いたか?」

シエラ

「…えぇ、エストさんが相当な朴念仁だというのは分かってましたが、あのマトイさんの反応を見て意識しないのはいくらなんでも重症です。」

ユウキ

「…だがまだ始まったばかりだ、見守るとしよう。」

シエラ

「ですね…」

 




主マトは俺の全知存在(意味不)


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妹との再会編
再会と新たな敵


ちょっと先にこっち進めます


ーーーーーウォパル施設跡ーーーーー

エスト「反応があった場所はここか?」

シエラ「はい、その辺りです。終の女神シバについての資料をルーサーが遺していないか探っていた所、まだ未発見だったエリアがあることが分かったのですが、セキュリティが異常なほど厳重で、今回エストさんたちに調査をお願いすることになりました」

エスト「了解した、シエラ、ナビゲートを頼む」

シエラ「それが…そこから先は通信が遮断されてしまうようで地形データすら分からなくなっているんです…さらに妙なのがルーサーのデータには一切ここに関連するものがありませんでした」

エスト「なるほど…警戒をいつもより強めておこう。すまないな」

シエラ「いえ、お二人なら大丈夫だとは思いますが、お気をつけて」

通信を切る

エスト「って話らしい、後方の警戒は任せた」

ユウキ「ああ、いつも通りにやればいいんだろ?任せろ」

エスト「…未知のエリアだっていうのに…油断はするなよ?」

ユウキ「もちろんだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エスト(ルーサー、ここはどういう場所だ?)

ルーサー(ここには君たちが探しているような資料は置いてないはずだけど、それでも知りたいかい?)

エスト(特に何もない場所に厳重なセキュリティは掛けないだろう)

ルーサー(まあ進んでみればわかるさ、ここは別に迷うような場所でもない、面白い物があるはずさ。特に、後ろの彼にとってはね…)

エスト(それはどういうこ…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ユウキ「ん?どうした、何か見つけたか?」

エスト「…ああ、悪い、気にするな」

ユウキ「?…そうか」

 

道中でかなりの数ダーカーが出現したが、ユウキのアシストもあって難なく進むことが出来た。

 

 

 

 

エスト「ここが最深部みたいだな…」

ユウキ「敵がやけに多いと思ったが謎が解けたな」

エスト「ああ、大規模な設備を守るためだったらしい。しかし…一体何のためにこんな……!?」

ユウキ「エスト?どうし……!!??」

 

設備の中心にはカプセルの中で眠る少女が居た

 

エスト「これは…人?それに…キャストか?どうしてこんな所に…ちっ、こんなときに通信が使えないとは……。おい、ユウキ?どうした?」

ユウキ「バカな…アロ…?」

エスト「アロ…たしか、昔行方不明になったっていう?」

ユウキ「ああ……あの襲撃以来、消息が分からなくなっていた…はずだ…確かにあのときより成長しているが、間違いない…」

エスト「どういうことだ…」(おい!ルーサー!説明しろ!………クソッ!)

ユウキ「…悪い、少し取り乱した…少し辺りを調べてみよう」

エスト「そうだな…」

 

 

 

エスト「これがコントロールパネルみたいだな」

ユウキ「分かるか?」

エスト「分かるわけな……いや、分かる」(ルーサーのやつ、操作方法だけ送ってきやがって…)

ユウキ「嘘だろおい」

エスト「とりあえず、解放…してみるか?」

ユウキ「ああ、頼む」

 

アロ「………」

解放されカプセルが開くが、力なくそのまま倒れそうになりユウキが抱き止める

ユウキ「アロ!生きてるのか!?」

アロ「……ぅ……」

エスト「息はある、安心しろ」

ユウキ「あ、ああ…良かった…生きて、いたんだな…」

 

アロ「……ん…ここは…」ゆっくり起き上がり周囲を見渡す

ユウキ「アロ!俺がわかるか?」

アロ「えっと…誰…?」

ユウキ「ッ!…そんな…」

エスト「紙袋かぶってて顔がわかるもくそもないだろ」

ユウキ「あっ…そう、だったな。待ってろ今…

 

紙袋を外そうとしたとき、どこからか声が響いた。

『やっと完成した僕の道具に何の用かな?』

エスト「誰だ!」

すかさず大剣を構え周囲を警戒する。

???「人の研究所に無断で侵入してずいぶん偉そうじゃないか」

奥から白衣を着た一人の男が出てくる。

アロ「ヒッ…」

ユウキの後ろに逃げるように隠れるアロを見て男を睨み付ける

ユウキ「…お前、何者だ」

???「アークスの癖に頭が高い」

男が手を突きだすと、ユウキがまるで何かに押し付けられるように膝をつく。

ユウキ「なっ、ぐっ…」

エスト「ユウキ!貴様ッ!」

エストが男に一閃、が、既に姿はなく

???「守護輝士クンにはお礼を言わないとねぇ、君のおかげでこの研究は完成したんだから」

エスト「何?どういうことだ」

???「とりあえず、ソレは返して貰おうか」

質問には全く答える気がないとばかりに男はユウキに近よると、ユウキを吹き飛ばし、フォトンで作った拘束具を取り付ける

ユウキ「っ…貴様…アロを放せ…」

アロ「嫌!助けて!」

???「今日は忙しいからこれで失礼するよ。…そうだ、僕の名はフリン。これから宇宙の支配者と成る正真正銘最後のフォトナーさ。じゃあね、守護輝士クン」

エスト「待て!」

駆け出すがその前にフリンと名乗った男は笑いながらその場から消えた。

エスト「クソッ…」

ユウキ「アロ…」

 

 



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捜索

ーーーーーアークスシップ・艦橋ーーーーー

ユウキ「ヤツを追う」

エスト「だが、まだ場所すらわからないんだぞ?」

ユウキ「だったら虱潰しに探すだけだ」

シエラ「落ち着いてください!宇宙を虱潰しはさすがに無理があります」

ユウキ「…落ち着いていられるかよ、7年経ってやっと会えたんだぞ!?」

エスト「せめて手がかりさえあれば…」

ルーサー(少し体を貸してもらうよ)

エスト(ルーサー?…ああ、いいぞ)

体のコントロールをルーサーに託す

エスト(ルーサー)「さて、ちょっと代わりたまえ」

シエラ「エストさん?何をするんですか、ちょっと!」

ユウキ「エスト?」

シエラを椅子から降ろし座るとデバイスやディスプレイを起動し手足にように操る

エスト(ルーサー)「フリンごときに完璧な隠蔽など出来るはずがない…大方よそへぇ、中々面白い場所に居るようだ、見たまえ」

シエラ「ここって…シップ内じゃないですか!」

エスト(ルーサー)「さあ、居場所は割れた、行きたまえ」

エスト(ルーサー、お前…)

シエラ「待ってください!何故そんなことがわかるんですか?」

エスト(ルーサー)「エストに聞けばいい、では僕は失礼するよ」

エスト「っと…ルーサー、ありがとな。悪いシエラ、そういうことだ」

ユウキ「これで止める理由は無くなったわけだな」

言うなり駆けだしていってしまう

シエラ「一人で行く気ですか!?……ああ行ってしまった…」

エスト「俺も後を追う」

エストが歩きだそうとしたとき

シャオ『エスト、ダークファルス・ペルソナの出現だ、急いで準備して出撃してほしい』

エスト「こんなときに…仕方ない、俺の代わりにアイツを…」

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ「…ここか、やつの研究所は。シエラちゃん、リミッター解いてくれ」

シエラ『はい、今解除します。それとエストさんが緊急任務で来れなくなったので別の方がそちらに向かっています…そろそろ到着するようです』

ユウキ「別の?誰だ…」

振り替えると

???「妹が見つかったらしいな、珍しくエストが頼み込んできたと思ったらそういうことか。俺も力を貸そう」

ユウキ「…ジン!」

そこにはエストとはまた違った赤色のキャスト、Ge-X(ジン)がいた。

ユウキ「いいのか?」

ジン「貸し一つだ。それでいいだろ」

ユウキ「ああ、ありがとう」

ジン「作戦はあるのか?」

ユウキ「…全く」

ジン「オイ…ならこういうのはどうだ?」

ジンの作戦はこうだ

まずジンが真正面から突入してドンパチやる。

その隙に俺がジンがくれたステルス迷彩を使用し別ルートを探しだしアロの居る場所を特定、救出後ジンと合流し可能ならフリンをぶちのめして研究所をぶっ壊して脱出。

ユウキ「…なるほど、了解した」

ジン「行くぞ、ほらこれが迷彩だ」

迷彩を受け取る、同時にジンが入り口へ駆け出す

ユウキ「さて、うまくいってくれ…」

俺も周辺をスキャンして見つけた通路へ進んだ



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潜入

~sideジン~

ジン「さて、やるか」

とりあえず手当たり次第に目についた設備をぶっ壊していく

「うまくやってればいいが…ハァ!」

しばらく進むとガシャガシャ…という駆動音がする、振り向くと武装したメカが数十、襲いかかってきた

「ちっ、警備メカか!だがな!」

警備メカごと大剣で凪ぎ払う、が数は減ることなくどんどん増えていく

「チィ…不味い、これでは…ん?」

後ろに一つ、警備メカのいない通路があり、そこへ逃れることは出来たが、まるで誘導されているようなルートだったことに俺は気付かなかった。

 

 

~sideユウキ~

ユウキ「さて…潜入したはいいが…ここは何処だ?」

早速迷っていた。アロを探すことばかり考えていたからか、ここまで辿ってきたルートを覚えていなかった。

「まずったな…アロ…どこだ…っ!」

警備メカを見つけ咄嗟に隠れるが

(そういや迷彩だったな…)

思い出しメカの脇を通ろうとする、が警備メカのカメラがこちらを向き、機銃を展開し始めた!

「なっ」

急いで逃げるが、逃げた先にもメカが待ち伏せていた。

「オイオイ…じゃあこれ要らねえじゃねえか、動きづらいし」

迷彩装置を外し投げ捨てメカのいないルートへ走った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げるがままに走った俺たちは開けた部屋にたどり着いた

ユウキ「ここまで来れば…って」

ジン「やっと撒いたか…あ?なんでここに」

ユウキ「こっちが聞きたい、ていうか迷彩意味無かったぞ、気付かれて大量に警備メカが来やがった」

ジン「何?そっちもか……まさかッ!」

 

 

フリン「そう、導いてあげたんだよ、ここへ、ね」

部屋の中央にフリンが待ちくたびれたように立っていた。

 

ジン「誘い込まれたか…」

ユウキ「オイ、アロはどこだ」

フリン「そんなに慌てなくても今会わせてあげるよ」

フリンが指を鳴らすと、ドサッとアロが力無く落ちてきた

ユウキ「アロ!」

駆け寄ろうとした瞬間、アロからエネルギーの圧が迸り吹き飛ばされる

ユウキ「ぐっ…」

フリン「フフッ…これが僕の研究さ、存分に味わって死ぬといいよ、それじゃあね」

ユウキ「なにを…待ちやがれ!」

ジン「待て、何かおかしい!」

 

 

アロ「ぐっ…あぅ…逃げ…て」

ユウキ「アロ!?」

突然苦しみ始め、もがく

 

 

アロ「っ…アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

叫ぶと同時に強烈なダーカー因子の奔流が巻き起こる

ユウキ「アロ!」

ジン「この反応…ただのダーカーじゃない!…ダークファルスだ!」

ユウキ「なんだと!?」

 

闇の奔流が鎮まり、アロだったものが現れる。

その姿はダークファルス・ルーサーのヒューナル体、ファルス・アンゲルそのものだった。



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原初の闇編
原初の闇 前編


「犠牲になるのは世界か、貴方か…」

「…?」

「私達はフォトンがあるかぎり…選び続けなければいけない………」

 

激闘の末シバを倒したエストとマトイ

 

「どういうこ……っ………!?」

「エスト!?」

自分の中に黒い意思が奔流となって流れ込む。破壊、滅亡、闇、それらが自分の意思を黒く染めていく

「なんだ…っ…これ……」

「エスト…どうしたの?しっかりして!」

マトイの声も塗り潰されて聞こえない

 

『原初の闇はただそこにあるもの…シバが消えた今、次に貴様に宿るのは確実…』

【仮面】が悟っていたように言葉を溢す

(そう…か…これ…が全ての破滅意思というのなら…!)

『そうだ、滅びすものの無い場所へ…』

「全てが生まれる前まで…!」

「時間遡行!?待って!何処まで戻る気なんだ!エスト!」

シャオが止めるが答えている暇はない

「エスト…待って!」

マトイに手を伸ばされ、一瞬思いとどまる

(ごめん…約束…破っちゃうな…)

 

最後に見たマトイの顔が、妙に頭に焼き付いた

 

 

 

 

 

 

 

そうして平和は訪れ、アークス全体としては喜んだが、一部の者は深く悲しむ結果となった。

 

 

 

「マトイさん…帰還しませんね…」

「…僕らがかけられる言葉は無い、今はただマトイを待とう」

悲しみながらも仕事を投げ出すわけにもいかないシエラとシャオは未だ帰還しないマトイを見ながら事後処理に追われていた

 

「僕らは今出来ることをやろう」

「そうですね…ってあれ?マトイさんに誰か近づいてます」

「シエラ、こっちにも誰か来るみたいだ」

 

 

 

~sideマトイ~

 

「…………」

 

マトイは茫然自失としたままふらふらとナベリウスを歩いていた

 

「……あれ…わたしなにを」

 

本人も気づかないうちにある場所へたどり着いていた

 

「ここって…」

 

そこはかつてエストとマトイが約束をした森の中のあの場所だった

 

「エスト……私怒ってるんだから…どっちかを置いていったりしないって約束したよね…絶対…言ったよね………あ…そっか…エストは私を見捨てたんだね…だって目の前であんなことするんだもん…」

 

「そっか…見捨てられたんだ………私…………」

膝から崩れ落ちる

 

「こんなことになるのなら……最初からエストと出会わなきゃ良かった…!」

今まで抑えてきた涙が溢れる

 

「約束…したのに…絶対って言ったのに…!」

 

「…私にも時間遡行ができたらエストとの出会いを無かったことにできるのになぁ…」

 

「その言葉は一番の裏切りだぞ、マトイちゃんよ」

「え…?」

顔を上げるとそこには白髪の少年、ユウキが立っていた

「なんだ…ユウキくんか…帰還させに来たのなら放っておいてよ…」

 

「…さっき、時間遡行が出来ればって言ったよな」

「言ったけど…」

「出来ると言ったら?」

 

「え…?」

 

 

 

 

「連れてきたぜ」

ユウキに連れてこられたのはとある研究所だった。

 

「ん、ご苦労。なら準備を最終段階に進めようか」

「説明が足らんぞ、彼女が戸惑っている」

そこにはなんとなくエストに雰囲気の似た黒いキャスト、ヴィレンと一見幼女の研究者らしき見知らぬ人が待っていた

 

「おっとそうだった、私はテュール、時間はあまり無いから関係に述べよう。エストを救う、そにために協力してほしい」

「久しぶりだなマトイ、…今の心情の中、急で非常に悪いが俺からも頼む」

 

「どういう、こと?エストを助けられるって本当…?」

「それは僕から説明しよう、マトイ」

「シャオくん…」

 

「まず結論を述べよう、エストを救うことは不可能じゃない。」

「…!」

マトイの顔に少し光が戻る

 

「ただし、ほぼ賭けに近い。まずヴィレンがエストのコピーであることは知ってるはずだ」

「それは…知ってるけど」

 

「ならヴィレンにも時間遡行が出来る素質がある…と仮定してテュールがある装置を作ってくれた。それがこの[マターカード]、時間遡行の片道切符だ。ヴィレンにはこれを使ってエストを追ってもらう」

「往復は流石の私でも無理だったよ、これもシャオの協力あっての成果さ」

 

「それでもこれは大きな希望さ。そしてこれを使うためにマトイ、君の力が必要なんだ。シオンの縁者である君がいて初めて[マターカード]は起動する」

「でも…どうやって…?あんな大量のダーカー因子…エストと私でもどうにも…」

 

「俺はフォトンを完全に消滅させることが出来る力がある、これで原初の闇を…」

「消せるの!?」

「いや、はっきり言おう、無理だ。この力は命を削る、死ぬまでやっても一割も削れないだろう」

「じゃあ…どうやって」

「ここからが賭けだ、俺はエストの意識を呼び覚ますために全力で原初の闇を消しにかかる。…あとはエスト次第だ」

 

「死ぬ気、なの?」

「元はと言えばエストから分かれた命、エストに返すのも悪くない」

「そんな…」

「成功すればその世界での俺は死なずに済む、それではダメなのか?」

「でも…」

 

「なら、お前はどうなんだ、エストを救うのか、救わないのか」

「それは…私だって出来るならそうしたいよ!」

「なら答えは一つだ、やるぞ」

 

「あー……一応私、エストの製作者…親に当たる存在なんだけどさ、マトイ」

「えっ…そうなの!?は、はい!」

「私の最高傑作にして最愛の息子、エストを頼むよ」

「……はい!」

「いい返事だ、それじゃ、世界にバグを起こしにいこうか」

 

 

 

~sideヴィレン~

 

エストは全知存在にとって特別な存在らしい、ならば俺は本来、全知存在からすればイレギュラーなのだろう。

「準備完了だ、何時でも始めてくれ」

かつてエストのコピーであることに苦悩したこともあったが、俺は俺だ、それは今も変わらない。しかしオリジナルをコピーである俺が救う、か…こんな面白い最期なら本望だ。

「コピーとはいえ…自分で自分の息子が死にに行く装置を作るとはね…私もマッドサイエンティストの仲間入りかな…」

「逆に考えろ、息子を救うための装置だ、何も気に病むな」

「…そうかい、ありがとね」

 

覚悟は、決まった

 

 

「お、お義母さんこっちも準備出来ました!」

「ふふ、よし!始めようか!」

 

シャオが演算、マトイがマターカードの起動を補助

程なくして自分の体に異変が起こる

「…っ!…これが…」

「エストのそれとは違って半分強引な物になる、耐えるんだ」

 

まるで自分という存在を別の時間へと引っ張り投げるような感覚、それがどんどん強くなっていく

「…エストを…お願い!」

「了解!」

答えると同時に俺は過去へ、エストのいる原初の空間へ飛んだ

 

 

 

~sideエスト~

 

これが正しい選択、世界は救われ、歴史はこれからも紡がれる、そうだろ?

 

そう、そして原初より歴史を識る存在として、万事は此処より始まりて…此にて、終わる

 

これで良かったんだ、世界が救われるなら…

 

 

 

 

 

 

「本当にそうか?」

 

 

…でも…それでも……皆と一緒に未来へ進みたかった…

 

…しかし…これより先の未来へ貴方が失われてはならない、さあ、手を伸ばして、掴め。貴方の紡いだ歴史が光となる!

 

暗闇の中伸ばした手が、何かを掴む

「…やっと目覚めたか、案外早かったな」

「ヴィレン…どうやって!?いやどうして…」

「コピーより不甲斐ないオリジナルを起こしに来た、他に理由が必要か?」

「…そうだな」

「確かに不甲斐ない…こんなので諦めるなんて俺らしくない!」

そうだ、俺は何度だって

 

「…ならば立て、お前のいない未来は色々と面倒だ」

「…ああ!今度は俺自身の未来含めて…守ってみせる!それが『守護輝士』だからな!」

こうやって立ち上がって来たんだ!

 

「後は…全てに片を付けろ…俺が出来るのはここまでだ…」

ヴィレンの存在が消えゆく

 

「ヴィレン…?まさか原初の闇を消すために力を…」

「全ては無理だと思ってたが…俺の存在まで使えばお前を完全に目覚めさせるくらいは出来たようだ…な…安心しろ、俺はお前が諦めた未来から来た。お前が諦めなければ全て解決する……じゃあな…」

そう言い残すとヴィレンは消滅した

「…尚更、無事に帰らなきゃいけないじゃないか」

ヴィレンが消えて手が離れたことで再び空間を落下する、が

 

 

「守護輝士…!」

 

「それに…」

ハリエットの呼び掛けでよりハッキリと光が見える

 

「エスト…!」

 

「俺にはこんなにも」

ヒツギが俺と原初を切り離す

 

「エスト!!!!!」

マトイが手を掴み、落下が止まる

 

「未来を紡ぐ仲間がいるんだ、負けないさ」

 

 

 

 

つづく

 

 



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