転生したらクトゥルフ神話TRPGの世界だったけどどうしよう?~江戸川探偵事務所と愉快な探索者達の(非)日常~ (河影 御月)
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#0 その日、運命(邪神)に出会う

天啓が来たのでまた性懲りもなく新作です。
前作のクトゥルフ神話TRPG小説の反省点を活かして書いていきたいと思います。



........話をしよう。

 

あれは確か3日ほど前のことだ。

俺は仕事の休暇を利用して新しいクトゥルフ神話TRPGのサプリメントを買いに最寄りの○ーチャン○ォーに向かっていた......はずだった。

 

 

気が付けば俺は真っ白な部屋に倒れていた。

 

 

「...此処どこ?」

 

 

何処までも白い空間が広がり上下左右の区別も掴めず、距離感も分からない奇妙な場所に俺は倒れていた。

ぶっちゃけ訳が分からない。

これが噂に聞く神様転生というやつだろうか?

ということはここで神様が出てきて都合のいい話を持ってきてチート貰って異世界へGO!って感じだろうか?

しかし『車に跳ねられた訳でも背後から刺された覚えもないって?』っ........!?

 

「誰だ!?」

 

俺が辺りを見回すと【()()()()()()()()()()()()】ように"黒"が佇んでいた。

 

比喩ではない。輪郭は辛うじて人型であると分かるが、顔も体型も全く分からず、ソレが大きいのか小さいのか、平面なのか立体なのかも分からない。

ただひたすらに黒い、黒い人型。

それは老人か子供か男か女か分からない声で話しかけてくる。

 

『君、ある意味凄いね。僕の気まぐれで設置した転移用の門を踏んで入り込んだあげく、本来なら宇宙空間に放り出されるかドリームランド辺りに迷い混む筈なのに、僕のプライベート空間に運良く紛れ込むなんてね...』

 

"黒"の表情はさっぱり分からないがその声は楽しげだ。

 

「...あんたは()だ?」

 

『ふーん、"誰"って聞かないんだね。まあ、人じゃないのは正解だし、答えてあげよう』

 

"黒"の表情は相変わらず分からないが、口元がニヤリと歪んだような気がした。

 

『僕は有り体にいえば...神様だね。人間に祝福を与える、人間好きの神様だ』

 

「...そんな神様が何か用?プライベート空間に入り込んだ不敬者に罰でも与えに来たのか?」

 

『いやいや、他の(グズ共)ならやりかねないけど、僕は優しいからね。そんなひどいことはしないよ。むしろこんなに面白い人間(玩具)に出会えたんだ、君を助けてあげるよ』

 

「俺を、助ける?」

 

『ああ、僕の設置した門に入り込んだ人間は絶対に元の時空へは戻れない。次元とかがメチャクチャに入り組んでて僕みたいな高次元存在じゃないと確実に迷うし、秒単位で時空座標が変化しまくるからね。迷い混んだ人間はほぼ100%の確率でさっきも言った通り別の場所に跳ばされるか、時空の狭間に挟まって「そして○○は、考えるのをやめた...」状態になる。運良くここ(プライベート空間)に入り込んだ君も例外ではない』

 

「!?...じゃあ俺は生きているにも関わらず、二度と元の場所には戻れないってことか?」

 

『Exactly!その通りでございます。それどころかここに迷い混んできた時点で肉体的にはバッチリ死んでるからね。今の君は魂だけの存在だ。「えっ、それマジd」でもそんなのやだよね?もっと人生エンジョイしたいよね?そこで提案だ!

 

"黒"はズイッとこちらに身を乗り出してくる。

 

『僕が本来いる世界に都合良く君と同じ名前で君と同じ生年月日で、年齢まで一緒な仮死状態の肉体がある。...と言ってもあれには既に魂と呼べる物が抜け落ちていてね、ある意味僕のお気に入りの人間だったのだが今はそんなことどうでもいい、重要なことじゃない。でもこのまま放置されてやがて肉体が破棄されるのもつまらn...かわいそうでね、だったら有効活用してやった方がいいんじゃね?と考えたわけだ。どうだい?君がまだ生きる意思を持っているならばその世界に送り込むことができるんだが?』

 

「えっと答えは聞いてない!ええ........」

 

『なに、ありがたく受け入れておいた方がいいよ?そもそも善意とは基本的に押し付けるものだ。僕は君の(絶望)顔が見たいだけだからね♡』

 

 

こうして俺は新たな世界に(半強制的に)根を下ろすことになった。

"黒"がなにやら良く分からない言葉をぶつぶつと言った瞬間、俺の視界がぼやけて意識が遠のいていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に意識を失う直前

 

 

 

 

またね、江戸川出雲くん........

私/僕/俺を楽しませろ(退屈させるな)よ?

 

 

という声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとそこは知らない白い天井だった。...訂正、仕事の関係で何度か見たことがある、病院の天井だ。

 

外は柔らかな春の日差しに照らされており、幾つかの高層マンションやビルが窓から見える。そこは俺が生まれ育った町そのままの光景だった。

 

俺はあの謎空間と"黒"の存在が夢だったのではないか考え始める。

実は気づかない内に交通事故に巻き込まれて、あれは意識を失ってる間に見ていた突拍子のない夢ではないか?と。

 

 

...軽い頭痛がする。

頭に触ってみると包帯が巻かれているようだ。

 

「......やっぱり事故に巻き込まれて気絶してたのかna............................えっ?」

 

........はて?俺はこんなソプラノボイスだったか?

俺の記憶では男らしい割りと低めの声だったと記憶しているが........

 

「髪の毛も、こんなサラサラだっけ?」

 

俺の髪の毛は親父譲りの癖っ毛だったはず...

 

「指も...こんな華奢じゃなかったはず」

 

手を見てみると白くて細い綺麗な手である。

 

さらに胸部に重量を感じて顔を下に向けると、

 

 

 

 

二つの大きなメロンがくっついていた。

 

 

 

 

「?????(首を傾げてる) ゴシゴシ(-_\) ジー(・・;) ................(目頭を揉んでる) ジー(・・;)」

 

何度見ても変わらないため揉んでみることにする。

 

「(モミモミ)........んっ」

 

感度は良好、揉み心地も素晴らしい...................ってファッ!?

 

ほぼ無意識に股間に手を伸ばす。

 

 

 

 

 

そこには俺のビッグマグナムマイサン(自称)は存在しなかった

 

 

 

 

 

「お、俺の27年間相棒だったウルトラビッグマグナムダイナミックマイサンが~~~~~!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが3日前、俺...否、私の、この世界における産声であった。

 

これは私こと『江戸川出雲(女)』による冒涜的で外宇宙的な存在と、ある意味連中よりもイカれてる人々...【探索者】たちとの、涙あり笑い発狂ありの物語(シナリオ)である。




次回は主人公のキャラクターシート風ステータスの紹介です。


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探索者紹介

文字通り探索者紹介です。
話が進めば紹介する探索者も増え、ステータスや技能等が更新されます。
技能は適当に選び、ステータスはダイス(3回振りなおしアリ)で決定しました。



江戸川出雲(えどがわいずも) 探偵 女 27歳

STR16 CON13 SIZ17 DEX15 APP18 INT16 POW17 EDU21

db+1d6 耐久15

技能:言いくるめ80 鍵開け51 聞き耳80 心理学80 追跡50 図書館80 法律35 目星80 武道(バリツ)81 キック80 回避55

呪文:なし

 

我らが主人公。バリバリの脳筋武闘派探偵。人外級の美貌を持ち、江戸川探偵事務所を経営する探偵。

普段はペットの捜索や浮気調査等を請け負っているが、たまにクトゥルフ神話関係の事件を請け負っていた。数年前にクトゥルフ神話関係の事件を追っていた最中事故に巻き込まれて昏睡状態となっていた。実はとっくに死亡しており、ニャルの気紛れによって肉体だけが生かされ、魂は昇天済みである。

今回同じくニャルの気紛れにより別世界の江戸川出雲(男)の魂を入れられ、活動を再開した。転生の影響でクトゥルフ神話技能を全て失っており、既視感のようなものは感じるがクトゥルフ神話技能に成功しない限り思い出すことはない。

性格や思考が肉体に引っ張られがちであり、地頭も教養も良いが脳筋思考になりがちである。

性癖も両性愛者となっており、美少年や美少女に目がない。

女性の肉体や生活にまだ慣れておらず、事務所の隣部屋の私室は独り暮らし男性のようにゴミや下着が散らばっている。

武道は彼女の探偵の師匠に仕込まれたものであり、痴漢やストーカーの撃退に利用している。

 

 

四沼ウェイド (しぬまウェイド) ゴーストハンター 男 27歳

STR8 CON12 SIZ14 DEX11 APP4 INT15 POW10 EDU12

db±0 耐久13

技能:オカルト51 化学41 機械修理50 写真術20 生物学41 説得35 電気修理40 物理学21 拳銃70 ショトガン70 ライフル70 日本語16 母国語(英語)60

呪文:なし

 

出雲の友人。アメリカ出身の日本人とアメリカ人のハーフ。顔にひどい傷があるため赤い覆面で顔を隠してる。

この世の不可解な現象を科学的(?)に証明しようとしている人物。

父親がガンスミスのため子供の頃から銃に触れており、現在では立派なトリガーハッピーとなった。銃刀法が知ったことかと言わんばかりに銃をもっており、霊的な何かを一体残らず撃ち抜いてきたと豪語するキ○ガイ。

ブレーキ役がいなければ何処までも暴走していくヤベー奴。

その場のノリで行動する一方、仲間を大切に思っておりいざというときは前線に出て活躍する。

日本語はそれなりに流暢に喋れるが読み書きが壊滅的であり、簡単な文章を訳することすらできない。

悪霊の家編では館の調査を請け負っていた。

 

 

千界樹奏(せんかいじゅかなで) 詐欺師 女 27歳

STR7 CON5 SIZ15 DEX10 APP18 INT17 POW18 EDU19

db±0 耐久10

技能:言いくるめ95 経理40 コンピュータ51 信用50 心理学95 説得30 値切り30 法律50 隠れる60 聞き耳50 忍び歩き60 目星50 こぶし70

呪文:なし

 

出雲の幼なじみ。元華族の名家、千界樹家の一人娘だったが、父親が詐欺師に騙され財産を根こそぎ巻き上げられ没落。暫く放浪生活を送っていたが一族を破滅させた詐欺師に復讐を誓い、目には目を、歯には歯を、詐欺師には詐欺師を、ということで詐欺の技術を独学で学び、詐欺師として活躍している。

彼女の最終目的は復讐対象の詐欺師を見つけ出し、地獄すら生ぬるい目にあわせることである。

詐欺師らしく相手の心理を読み解き、口先八丁で言いくるめることを得意とする。

その美貌と相まって騙された人の数は数えきれず、裏では『八枚舌の奏』と呼ばれている。

常に護衛用のスタンガンを持っており、自身の身に危険が迫ったり、相手を脅す際に使用する。

悪霊の家編では報酬金目当てでついていく。

 

 

春日部優(かすかべまさる) ボディビルダー 男 36歳

STR18 CON17 SIZ17 DEX16 APP18 INT15 POW16 EDU17

db+1d6 耐久17

技能:応急手当50 投擲30 芸術(肉体美)80 武道(立ち技)81 こぶし80 キック80 組み付き80 回避52 聞き耳70 精神分析61 目星70

呪文:なし

何時でも何処でもマッスルと笑顔が眩しい男。ステータス(1回振り)の怪物。出雲の師匠の友人。本格的に外出しない限りは常にブーメランパンツ一丁の筋肉モリモリのマッチョマンのHE☆N☆TA☆I。

若干ナルシストの気がある。

かなりの脳筋、出雲(憑依前)が脳筋なのはだいたい彼の影響。

しかし頭自体は悪いどころか優秀であり、ごく稀にインテリな一面も見せる。

ボディービルダーの他に総合格闘大会などに出場し、現在負けなし。唯一出雲の師匠にだけは頭脳戦でも格闘技でも勝てたことがないという。

悪霊の家編では最近(憑依の影響で)不安定な出雲を心配してついてきた。




次回、悪霊の家(現代改訂版)
ご期待ください。


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悪霊の家(現代改訂版) ※アレンジシナリオ
#1 赤いキ○ガイの襲来


モチベーションがあるうちに投稿


私が江戸川出雲(女)になってから数ヶ月後、やっと自身の身辺事情の把握ができた。

元の世界で私は普通の若手サラリーマンだったが、この世界では探偵事務所を経営する身らしい。

それと事務所の整理をしていく過程で本棚からこんな本を見つけた。

 

 

『観光ガイドシリーズ これで完璧!アーカムの全て~ミスカトニック大学編~』

 

 

転生した結果記憶がぼやけてるせいか、これがどうヤバいかは分からないが、何かとてつもなくヤバいということをただ漠然と脳の片隅で理解していた。

 

それと同時に、同じく脳の片隅に浮かぶワードがあった

 

『クトゥルフ神話』

 

それが何を意味するのかほとんど何も思い出せないが、なぜかこの世界に私を送った"黒"が真っ黒な笑みを浮かべている姿が脳裏に浮かんだ。

 

 

私が長期間放置されていた事務所を掃除していると、コンコンと事務所の扉を叩く音と同時に

 

「出雲!居るかい?」

 

という男の声が響く。

 

「開いてるよ」

 

とこちらが答えると扉を開けて赤い覆面を被った一人の男が入ってくる。

その男はここがまるで自分の家であるかのように事務所のソファーに座り、寛ぎ始める。

 

「あっ、お茶くれない?キンッキンに冷えた麦茶」

 

「お前の図太さはある意味尊敬するよ、ウェイド。でも今は私が眠っていた間埃が積もりまくった我が事務所の掃除に忙しいんだ。くつろいでる暇があったら手伝ってくれないかな?」

 

 

こいつは『四沼ウェイド』。(この世界の江戸川出雲)の友人であり、【凄腕のゴーストハンター】を名乗るキ○ガイである。

 

 

本人は【清く正しい凄腕のゴーストハンター】と自身を認識しているらしいが、その実態はキチ○イそのものである。

 

器物破損は当たり前、事務所は禁煙と言ってるのに平然とタバコを吸う、さらにここは現代日本であり銃刀法がバッチリ存在するはずなのに拳銃(グロック17)やライフル(種類は知らん)、ショットガン(12ゲージ二連式)を無許可で所持しており事務所の机に置いてさも当然の如く手入れをしている。

 

少し前にさりげなく銃の出所を聞いてみたら、

 

「銃?前にも話さなかったっけ?まあ、また教えてやるけど、ほら俺の親父って銃整備士(ガンスミス)でさ、銃には昔から触れてるしダイジョブだろってことで親父が定期的に送ってくる」

 

と真顔(覆面付き)で言っているのを聞き、頭痛と彼の父親の感性の違いに暫く悩まされるたものであった。

 

 

「それで?今日はどんな用事だウェイド?まさか麦茶を飲みに来ただけって訳じゃないよな?」

 

「Oh、そうだ忘れるところだった」

 

そう言いながらウェイドは(覆面を被ったまま)麦茶を飲み、こう切り出してきた。

 

「この町の外れに古びた洋館があるだろ?」

 

「?........ああ、あの幽霊屋敷のことか?」

 

この町、明夢(あけむ)市には様々なホラースポットや都市伝説が存在し、その中でも特に有名なのがウェイドの話題に上がった古びた洋館、『コービット邸』である。

 

明治時代にコービットという人物が建てた館であり、コービットが死んで空き家になってからは様々な人が引っ越してきたが、殆どの住人が謎の失踪を遂げるか変死体で見つかり、生き残った人もほぼ全員が精神的な病を患って館を引き払ってしまう。

生き残った人々は口を揃えて『あの館にはバケモノがいる』と証言し、数々の怪奇現象が発生するとの噂も合わさって【悪霊の住まう家】【恐怖の館】【幽霊屋敷】などと呼ばれ、人があまり寄り付かない場所となっている。

 

「実は数日前に館の今の所有者から館内部の調査を依頼されてな、その館に足を踏み込んだのさ。すると俺のオカルトシックスセンスにビビッと来てな、この調査、援軍が必要だなっと思ってな、館の探検がてら一緒に調査しないか?」

 

「要するに『入ってみたら意外と怖かったから一緒に来てくれ』ってことでしょ?」

 

「そそそそんなわけないだろ!?おおお俺はただ一緒に来てくれると嬉しいなーって思ってるだけで別に怖いとかそういうのはないけどついてきてくれるとすごくありがたいっていうかついてきてくださいお願いします!!!」

 

「ハイハイ分かったから落ち着きなよ」

 

挙動不審になったウェイドを落ち着かせるために一発気合いをいれてやるか。

 

バチンッ 

 

「タコスッ!?」

 

 

「それで?他にメンツはいるの?」

 

「オッフめっさ痛え........。あー他のメンツは奏と春日部さんだな」

 

奏は私の幼馴染みの詐欺師、春日部さんは(この世界の江戸川出雲)の師匠の友人にあたるボディービルダーである。

........我ながら人間関係ヤバくない?

 

「奏?あの子すっごいめんどくさがりで利益にならないことには首突っ込まないと思ってたけど...」

 

「報酬金ちらつかせたら食い付いた」

 

「現金だなぁ...。ん?報酬金?」

 

「ああ、今回の探検は一応正式な調査だからな、ちゃんと報酬金も出るぞ」

 

「幾ら?」

 

「色々込みで各40万円、完全に安全が保証できれば追加報酬で各80万円」

 

「随分と太っ腹ね」

 

「何でも、ガチな曰く付き物件だから売りたくても全く買い手がつかないんだとさ。依頼主としてはヤバい印象を払拭したいと考えてるらしい。」

 

「なるほどね...。ところでいつ行くの?」

 

「?今からだが...」

 

いきなり押し掛けてきて話を持ち込んだと思ったらこっちの予定も無視かい........

 

「...別に予定がなかったからいいけど次からは前もって連絡してくれ........」

 

「おう分かった」(漫画読んでる)

 

 

こいつ........っ!!!  (^ω^#)ピキピキ

 

 

その後私はウェイドに連れられて待ち合わせ場所に向かうのであった。

その道中ウェイドはシバいた。



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#2 集う探索者と始まる探索

少しネタばらし
主人公は転生した結果クトゥルフ神話知識は殆どのゼロになりましたが、その分他の探索者に比べて貪欲に神話知識を集めようとします。
いよいよ探索が本格的にスタート。
どう進むかはダイス次第です。


どーもどーも江戸川でございます!

さて、私は今、どこにいるでしょーか!!

それでは一発ネタ、『江戸川を探せ!』3.2.1.....

 

こっこで~~す!!ここ!ここ!正解はですね~

 

 

 

()()()()()()()()()()()』でした~~~☆

 

 

 

ってオイッ!

「ウェイド!お前なんでここ待ち合わせの場所にした!?こういうのは普通駅前とかだろ!肝試しは向かう道中からが本番だろうが!」

 

私は前世に置いて【肝試しマイスター】と呼ばれた男。頑固なようだがわりと道中からのムードって大切だと思うの私。

 

まあ、他のメンツに比べて私キャラ薄いし、これくらいならまだ正気だよね?(すでに手遅れな模様)

 

それに来てみて分かったが館からヤベー邪気の様なものが溢れてる気がする、私の第6感が危険信号をバリバリ発している。話を聞いたときは大したことはないと考えていたが洒落にならない気配がプンプンするぜ........

 

ここに連れてきた元凶(ウェイド)に問い詰めると

 

 

「最初からクライマックスが最高だろJK(常識的に考えて)

 

 

................そういえばこいつこういう奴だったな。

 

ウェイドと私自身(中の人)の付き合いは数ヶ月程度だが、こいつの性質は十分理解している。

 

こいつは面白さの為なら重要情報を放り投げるほどn

 

 

 

 

キキーーーーッッ!!ドーーーン!!!

 

 

 

 

!?何事だ!?

 

館へ続く林の向こう側から爆発音が響く。

 

音の発生源に向かうと、横転した車が爆発炎上していた。

 

炎の向こう側には一つの人影が悠然と佇んでいた。

 

 

その男は、マッスル(パンツ一丁の変態)であった。って

 

 

「なにやってんですか........春日部さん」

 

「はっはっはっイヤー失敗したな。まさかブレーキとアクセルを踏み間違えるとは........」

 

春日部さんは炎をものともせずにこちらに向かって歩いてくる...

いつ見ても超人すぎるよ春日部さん........

 

「あっ、春日部さんまた車駄目にしたんですか?」

 

少し遅れてウェイドもやってくる。

ウェイドの言う通り春日部さんはなんで免許を持っているのか分からない程車の運転が致命的に下手であり、それと同時にかなり荒っぽい運転をするため、同乗する人はほぼ確実に御愁傷様としか言い様のない目に合うのである。

 

「あれ?連絡では奏を連れてくるって話でしたけど........もしかして、さっき事故った時に殺っちゃったんすか?」

 

「はっはっはっまさか、私が無事な以上同乗者はしっかりと守るとも。ほら」

 

と、肩に担いでいた屍のごとき人物......気絶した千界樹奏を見せてくる。

 

相変わらずこういう所はしっかりしてるんだけどね...

 

「よーし、これでメンバーは揃ったな。早速行くぞ!」

 

 

 

館の前に戻ってくると相変わらずおぞましい気配を撒き散らしている........

改めて館を見ると、館はレンガ造りの外装となっている二階建ての建物であり、一階の窓は一つ残らず内側から板が打ち付けてある。

館の周りには元々美しかっただろう庭があったようだが、今は草が延び放題になっている。

 

「ふんむ、なかなかにボロいね」

 

春日部さんが筋肉をピクピクさせながらそう言う。

 

そろそろ服を着てほしいんだが........

 

「うん?これ鍵がかかってるよ?」

 

「ああ、それは今の館の持ち主が新しくつけたやつだな、鍵は貰ってるから今から開けるぜ」

 

ウェイドが鍵を開けている間、何気なく庭を見てみると........

 

 

江戸川 目星(80)→39 成功

 

 

草むらの間に空き缶や空き瓶といったゴミが捨てられているのが見える。

 

「はあ...マナーが悪い連中が庭でたむろしてたのね。」

 

仕方なく庭に入り、ゴミを拾い集める。

 

肝試しはマナーが大切だ。場所を汚したりしてはいけないし、ゴミを捨ててはいけない。これ、スゴクタイセツ、良いの皆は肝試しの場所にゴミを捨てないでね。ムードもへったくれもなくなるし躓いたりして危ないからね。探偵との約束だぞ☆

 

「うん?ゴミ拾いかい?ならば私も手伝おう」

 

「あっ、ありがとうございます。春日部さん」

 

「はっはっはっ、いいってことさ!それに最近君は不安定だからね、うっかり怪我をしないか心配なのさ。やっぱり事故の後遺症が残ってるのかい?」

 

「い、いいえ、大丈夫デス、ナントモナイデス........」

 

実は中身が別人です、なんて言えないしな........

 

 

江戸川 幸運(85)→93 失敗

 

春日部 幸運(80)→81 失敗

 

 

ゴミを拾っていると、何か白っぽい棒状の物を見つける。

 

「うん?なんだこ.....りゃ...?」

 

視線を上げると

ぽっかりと空いた眼孔と目があった

 

 

江戸川 SANチェック→6 成功 減少なし 

 

春日部 SANチェック→63 成功 減少なし

 

 

「フオオオウ!?ってなんだただの骨か........」

 

「いやいや江戸川君、白骨死体はわりと事件性があるんじゃないか?」

 

 

江戸川 アイディア(80)→12 成功

 

 

「この白骨死体はわりと古いみたいですね........多分昔にコービット邸に住んで行方不明になった人のものじゃないですかね。後で警察に通報するにしてもとりあえずウェイドに声かけてからですね。」

 

 

四沼 SANチェック→54 失敗 1減少 50→49

 

 

「オワオ!?」

 

突然ウェイドが変な悲鳴をあげる。

 

「ちょっと!なんて声あげるんだビックリしたじゃないか!」

 

ウェイドの近くでボーっとしていた奏がたまらず抗議の声をあげる。

 

「えっあっいやっえ........今の、幻覚、か?」

 

「どうしたんだウェイド?遂に頭がおかしくなったか?」

 

「いや、扉を開けようと手を掛けたら変なバケモノが大口を開けて俺を飲み込もうとしていたんだが........多分幻覚だろ。驚かせてすまねえ」

 

「そうか、ところでウェイドあの庭に白骨死体が転がっていたんだが、知ってたか?」

 

「え、いや知らんかったが...そんなもん転がってんのかよ......やっぱりこの館、本気でヤバいかもな」

 

「白骨死体のことを警察に通報しようとも考えてるし、やっぱり止めたほうがいいんじゃ「だが断る」.....ファッ?」

 

「せっかく他のメンバーも集めて来たんだ、それに!......マジもんの悪霊を拝めるチャンスだろ?出雲、知ってるか?ヤバい出来事って書いて...美味しいって読むんだぜ(ドヤァ)」

 

「...........やっぱりお前、真性のアホだろ」

 

そうとしか思えん。

 

「他の二人はどう思う?」

 

職業こそ変わってるがこのアホ(ウェイド)よりは常識人な筈の二人に問いかけてみる。

 

 

まあ、結果は分かりきって「私は行くよ」..............ふぇ?

 

 

「うちが没落貴族なのは知ってるでしょ?破産したショックで寝込んだ両親に仕送る金も必要だし、私自身お金が欲しいもの」

 

「え、えっと春日部さんは......」

 

「二人だけを行かせるわけにはいかないし、これも仕事の一種だろう?」

 

えっと...................入ること確定ですかそうですか。

 

まあ、入るよ!ここまで来て引き返すって確かに色々とダメだもんな!チクショウ!

 

「はあ、分かった、入るよ...ただし危ないと感じたら即撤退だからね!」

 

「オウケェイ!言ってくれるお信じてたぜ皆!やっぱり持つべきは友人だな!それじゃ、コービット邸に........おじゃま!!!

 

 

 

そう言ってウェイドは力強く扉を開けた。

 

 

 

この館にはいったい何が待ち受けているのか、大きな好奇心と小さな恐怖心を胸に抱き、私達はコービット邸へと突撃するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勢いよく開いた扉が反動でゆっくりと閉まっていく。

 

 

白骨死体の落ちていた木の影からゆったりと現れる人影、否、赤い目を爛々と輝かせる黒いモヤが、探索者達のことをじっと見つめていた。

 

やがてモヤは館に近づくと、甘く胸がムカつくような悪臭をその場に残し、スゥっとその姿を消すのであった。



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#3 江戸川と奇妙な館~あ、ありのままに(以下略~

今回はネタ多めです。


館に入るとすぐに真っ直ぐな廊下になっており、左に3つ、右に3つの扉が存在するしており、廊下の突き当たりは二階へ続く階段が見える。

 

廊下には意外と埃が積もっていないが、所々床材の木が腐っているようで黒ずんでいる。

 

「中は意外と綺麗だな」

 

「一部の床は腐ってるみたいだけどね。うっかり踏まないように注意しないとダメだね。」

 

歩く度に不快なギシギシ音が鳴る。

私達、メンバーの平均身長が高い分それなりに重量があるから床が抜けたりしないか少し不安だ........

 

「それはそうと部屋が六つあるみたいだけど、どの部屋から行くんだい?」

 

「そうだな........効率よく二手に別れるってどうだ?片方のチームが左側の部屋、もう片方は反対側の部屋を手前から順に探索するって感じでな」

 

「ウェイドのクセによく考えるじゃん、ウェイドのクセに!ウェイドのクセに!」

 

「ふふ~ん、俺ちゃんが何も考えずに突っ込むと思うか?残念ながら色々とこれでも考えてるのさ!........それはそれとして三回も言われると少し傷つくからやめてくださいお願いします。」

 

 

その後私達はじゃんけんでチームを決め、私はウェイドと行動することになり、左側の部屋を担当することなった。

 

 

左側の一番手前の部屋に入ると、どうやら物置部屋のようだ。

 

様々な物が入った箱や錆び付いた水槽、古い自転車のようなガラクタが置いてある。

部屋の右側は戸棚になっているが、板をはって塞がれている。

 

「...この戸棚、明らかに怪しいね」

 

「ああ、俺のオカルトシックスセンスがビンビン反応してるぜ」

 

「........剥がす?」

 

「剥がすべ、ちょうどそこの箱にバールがぶっ刺さってるみたいだし、ありがたく使わせてもらおうぜ」

 

 

江戸川 STR5との対抗ロール 自動成功

 

 

箱に刺さっていたバールを隙間に突っ込み、少し力を込めるとバキッという音と共に板が弾け飛ぶ。

 

「よし結構簡単に開いたな」

 

「....相変わらずの馬鹿力だな、出雲」

 

「いやー春日部さんには負けるよ」

 

あの人と腕相撲してみたら勝てねえよ、駆け引きもパワー比べも格が違いすぎる........

 

「いや、比較対象がおかしいだけでお前も十分強えよ.....」

 

 

ウェイドと私は板を外した戸棚を覗き込む。

中には英語で名前が書かれた一冊の日記が納められている。

 

「なんだよ、御大層な封印が施されてたからもっとスゲェ物が入ってるかと思ったのに.......期待外れだな」

 

そういいながらもどこかウキウキした様子でウェイドは戸棚の中にに手を伸ばして日記を手に取る。

 

 

四沼 EDU×3(36)→88 失敗

 

 

「うん?変わった手触りの革表紙だな。は虫類系でもないし、獣のそれでもない.....まあいいか、さーて中身はっと...」

 

 

四沼 英語(60)→30 成功

 

 

「んん?なんじゃこりゃ?」

 

あのウェイドが珍しく困惑している、何が書かれているんだろう?

 

「なんて書かれてんだ?」

 

「いや、まだ内容は読んでないけど...読みきったら教えてやる。この厚さとこの癖字なら....二時間くらい待っててくれ」

 

「??分かった、じゃあ他の場所を探索してくるよ」

 

「おう、頼んだぜ」

 

 

という訳で日記をウェイドに任せて隣の部屋へ移動する。

この部屋も物置部屋のようで、壊れた家具など粗大ゴミ系のガラクタが山のように積み重なっている。

 

「嫌な気配はすれども普通に空き家...それどころかゴミ屋敷だな........ん?」

 

 

江戸川 アイディア(85)→2 クリティカル!

 

 

周りを見てみるとゴミが何かを意図的に隠しているような配置をしている、しかもこのゴミ山、見た目に反して動かしやすいように積み重ねてあるみたいだな........よし、動かしてみるか。

 

実際に動かしてみると、予想通り簡単にゴミを退かす事ができた。

 

ゴミを退かすと、床に鉄製の扉が取り付けられていた。

扉には頑丈そうな錠前が付いていて、このままでは開けることができそうにない......

 

 

 

と言うとでも思っていたのかヴァカめ!

 

 

 

「ふはははははは!探偵を舐めないでもらおうか!」

 

こんな時の為のピッキング技術!

依頼で浮気現場とかを押さえるために鍛えた技の冴え、見るがいい!

 

 

江戸川 鍵開け(51)→33 成功

 

 

ふふふ、この程度の鍵、ここをこうしてここをひねれば........

 

カチッ

 

ほ~ら開いた、早速扉から錠前を取り外して「ガキンッ」..................あれぇ?

 

 

 

い、今、勝手に鍵がまた閉じた.......だと?

 

 

あ、ありのままに今起こったことを話すぜ!

『私は怪しげな鉄扉についていた錠前をピッキングで解錠したと思ったら独りでに施錠された』

な...何を言っているのか分からねーと思うが私も分からなかった......

 

 

おおおおおお落ち着け江戸川出雲!探偵は狼狽えない!そうだ、こういう時は素数を数えるんだ!

 

2.3.5.7.11.13.17.19.23.................

 

 

 

 

 

ふう、スッとしたぜ(スッキリ)

 

 

 

「しかしいったいなんでこんな摩訶不思議な現象が起きたんだ?」

 

不思議に思って鍵をまじまじと観察してみる。

 

よく見ると錠前が鈍く不思議な色で発光している.......ように見える。

 

 

........ひょっとしてこの鍵、不思議パワー的な物で守られてるのか?

 

 

突拍子もないが、普通は鍵が独りでに発光したり閉じたりするわけではないのでそうとしか考えられない...。

 

「とりあえずここには解錠用の鍵を入手してもう一度来る必要がある展開だな。」

 

一旦ここは保留にして、私は隣の部屋へと移動するのであった。



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#4 怪奇現象なんてありませんよ...。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから[なお現実は(以下略)]

遅れてすみませんでした 。 m(_ _;m)三(m;_ _)m

レポートや課題に追われていたのと、
オリジナルシナリオを考えているうちにまた新しいシナリオアイディアが浮かんで、また新しい(以下略)という状況に陥り投稿が遅れました。

骨組みがハッキリとしたシナリオでも改めてみてみると穴があったり矛盾が発生したりとシナリオ作りが大変だということを思い知らされました。

シナリオ作成者の皆様に敬意を表すると共に#4、投稿です。
相変わらずの駄文ですが暖かい目で見てくれると嬉しいです。

では、どうぞ。


前回までのあらすじ

本を買いに外出していた俺こと江戸川出雲はうっかり神が作った門とやらを踏んでさあ大変!神の力により別世界に転生した俺は別世界の俺(女)に憑依してしまった!やっとこさ落ち着いたと思ったらキ○ガイに連れられてなんかヤベーオーラを撒き散らす館に愉快な仲間達と共に凸るのであった!

 

以上!

 

 

 

 

 

さて、そんなこんなで鉄扉があった部屋の隣の部屋へとやって来たぜ!

 

この部屋は土間になっている。壁には古ぼけたオーバーコートが掛けられ、穴の開いたゴム靴、帽子、骨の折れた傘などが無造作に転がっている。

壁際には石炭がいっぱい詰まった大きな石炭袋が幾つも並べられている。

 

「さて、何かないかな~」

 

周囲を手当たり次第ガサゴソと漁ってみる。

 

 

江戸川 目星(80)→96 ファンブル!

 

 

江戸川 聞き耳(80)→17 成功

 

 

目ぼしい物を探していると、変な臭いが漂っていることに気づいた。

何やら胸がムカつく甘ったるい悪臭が部屋全体に充満しているようである。さっきまではこんな臭いはしなかった筈なのだが........

 

不思議に思って辺りを見回して見ると、不可思議なものを目撃した。

 

 

 

 

先程までただ無造作に転がっていただけのゴム靴や傘が独りでに浮き上がり、そのまま勢いよく私に向かって飛んできたのだ!

 

 

「ファッ!?」

 

 

江戸川 SANチェック→39 成功 減少無し

 

 

江戸川 回避(55)→76 失敗

ダメージ 1d3→1  残り耐久力14

 

 

私は少し驚きながらも飛んできたのだゴム靴を避けようとしたが、焦ったせいか体勢を崩し、飛んできた傘が顔面にクリーンヒットしてしまった。

 

「痛っ!」

 

幸い傘自体の重量が軽かった為にたいした傷は負わなかったが、内心ビックリで心臓がバクバクいっているのがわかる。

 

「な、なんだったんだ今の?」

 

飛んできたの傘やゴム靴を突っついてみたが、反応はなくただのガラクタのようだ....。

 

しかしこの部屋からは薄ら寒い何かを感じる........

 

「...........早めに皆と合流した方がいいな」

 

そう考えて部屋の外に出ると、

 

 

「「「おっ?」」」

 

 

丁度タイミングよく春日部さんと奏のペアが向かいの部屋から出てきた。

 

「お疲れ江戸川君、こっちは壁にぶちまけられた血痕と腐ったスープ、血を抜かれたみたいに干からびたネズミの死体を見つけたよ。あと一番奥にのキッチンにまだ食べられる缶詰めなんかが結構あったよ、昼ご飯に幾つか失敬してきた」

 

「こっち側の部屋は三つとも中で繋がっていたわ。あと一番手前の部屋は十字架やマリアの像があったけど.....どれも人為的に壊されていたわね」

 

「壁にぶちまけられた血痕と干からびたネズミの死体か........そっちもなかなか不気味な物を見つけたんだね。こっちは一番手前の部屋で変な日記を見つけたよ。今、ウェイドが解読してる。あと真ん中の部屋には錠前のついた地下への鉄扉らしきものがあったんだけど........」

 

あり得ないと馬鹿にされるかもしれないけど言っておくか.......

 

「ピッキングして開けたら勝手にまた施錠された...しかも錠前がそれ以上触ってないのに、あれはまるで鍵が独りでに意思を持って動いたように見えた........それと一番奥ので傘とゴム靴に襲われた」

 

 

「「...............うっそだ~」」

 

 

だよね........ (ー_ー;)

 

「いやいや本当だって見てよこの顔のアザ、さっき傘が飛んできて直撃した跡だよ!」

 

「いやいやいや傘が飛んでくるって、それはないわよ。ファンタジーやメルヘンじゃないんだから」

 

「江戸川君、うっかりこけて怪我をしたのが恥ずかしいのは分かるけど........本当に体調大丈夫かい?」

 

奏はともかく春日部さんはわりと本気で心配してくれているようだ。

 

「嘘じゃないし本当に大丈夫です!」

 

ぶっちゃけ埒が明かない為、ポルターガイスト?の現場に二人を連れていく。

 

 

江戸川 目星(80)→15 成功

 

 

部屋の中は先ほどとほとんど変わらない。

 

 

 

.....が、よく見ると一ヶ所だけ違和感を感じるものを見つけた。

 

 

 

「........あれ?」

 

壁際に並べられている石炭袋のうち一つだけ袋の口が開いており、中の石炭がこぼれ落ちている。

 

「出雲~、ガラクタくらいしかないし動かないわよ?」

 

「やっぱり疲れてるんじゃないか?心配だな...」

 

そんなことを言ってくる二人を無視して袋に近づいていく。

 

袋の口から中を覗くと、石炭がギッチリ詰まっているのが分かる。

 

 

......がその隙間から白いナニカが見え隠れしているのに気づいた。

 

 

「...?なにこれ?」

 

興味本意で石炭の中に手を突っ込むとなにやら石炭とは全く違う質感のものが指先に触れた。

 

硬いけども表面がカサカサしておりなにやら軽い感触........

 

気になって引っ張り出してみるとそれの正体が分かった。

 

 

 

 

それは『腕』だ。

人間の白骨化した腕を、俺は掴み取っていた。

 

 

 

「..............は?」

 

 

江戸川 SANチェック→83 成功 減少なし

 

 

その直後

 

ドスン!ドスン!

という大きな音が部屋中に鳴り響く。

 

その音はまるで巨大なナニかが癇癪を起こして思い切り床を踏み鳴らしているようであった。

 

 

その音を聞いて、ふと俺はウェイド館の扉を開けようとした時に言っていたことを思い出した。

 

 

 

 

 

"扉を開けようと手を掛けたら変なバケモノが大口を開けて俺を飲み込もうとしていたんだが........"

 

 

 

 

 

あれはウェイドの幻覚にすぎないと思っていたが...

 

もしも、もしも本当にそんなバケモノが存在していたのならば、このような現象を引き起こすことが可能なのではないか?

そのような考えが脳内に浮かぶ。

 

俺の理性は"あり得ない"とその考えを一蹴する、しかし俺の本能は未知のバケモノの姿に恐怖している...

 

 

江戸川 SANチェック→57 成功 1減少 85→84

 

春日部 SANチェック→19 成功 1減少 80→79

 

千界樹 SANチェック→28 成功 1減少 90→89

 

 

江戸川 聞き耳(80)→27 成功

 

 

自身に生じた恐怖心を理性でなんとか黙らせ、音の発生源を探ると、どうやら二階中央の部屋から聞こえることがわかる。

 

幸いすぐに音は止み、俺たちはほっと息つく。

 

「びっくりした...今の何の音?」

 

「何か大きなものが動くような音だった、これはファンタジーだメルヘンだと言ってる場合じゃ無さそうだね」

 

 

二人もこの館がヤバいと認識したようだ。

 

 

「今の音はこの腕を袋から引っ張り出した瞬間に鳴った。何か重要な意味でもあるんだろうか...?」

 

「........え?ちょっと待って、腕?」

 

「?ああ、この石炭袋の中に白骨死体が入ってたんだ」

 

 

ホレッ、とほぼ無意識に白骨化した腕を二人に見せてしまう。

 

 

春日部 SANチェック→80 失敗 1d3減少 

    減少値1 79→78

 

千界樹 SANチェック→33 成功 減少なし

 

 

気づいた時には遅く、いきなり白骨化した腕を見せられた春日部さんは「ヒエッ」と小さな悲鳴を漏らした。

 

 

「ん?この腕、何か握ってない?」

 

 

一方奏は臆することなく閉じていた手のひらを軽くこじ開ける。

すると手のひらからポロリと丸まった紙が転がり落ちる。

 

「よっと」

 

奏は素早くその紙を手に取ると、躊躇なくクシャクシャの紙を広げる。...って

 

「いやいや、さっきのこともあるしもう少し躊躇くらいしようよ...」

 

「死体が握ってるメモなんて"証拠です、取っていってください"って言ってるようなものでしょ。えっと内容は........なにこれ?」

 

横から紙を覗き込んでみると、震えた文字でこのように書かれていた。

 

 

『この館には化け物がいる 甘ったるい不快な臭いを撒き散らして襲ってくる もう耐えきれない 家族はみんな殺された 赤いベッドが  』

 

 

甘ったるい不快な臭い?

 

「そういえばポルターガイストが起こる前に甘ったるい胸のムカつく悪臭がしたけど......」

 

「!?それは本当かい?」

 

「だとしたらこのメモに書いてあることは本当ってこと?これは少し危険なんじゃないかしら?」

 

「どうする二人とも?」

 

 

奏と春日部さんに声をかける

 

 

「さすがにヤバいと思う、僕は一旦外に出た方がいいと思うよ」

 

「私も賛成、依頼だし最後まで付き合いはするけど一旦出て準備するべきね」

 

 

二人とも考えていることは同じようだ。

 

 

「よし、ウェイドを回収したら一度館を出よう」

 

 

 

そう決めて私たちはウェイドのいる部屋に移動するのであった。

 

 

 

 

 

 

現在耐久力及び正気度

         耐久力  正気度

・江戸川出雲   14    84

・四沼ウェイド  ??   ??

・千界樹奏    10    89

・春日部優    17    78




主人公の一人称がぶれているのは今だに精神が肉体に馴染みきっていないからです。
編集中に変えるのがめんどくさいと思ったからとは口が裂けても言えない


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