仮面ライダーAGITΩ-ライダーズスピリット- (ナハトムジーク)
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1話

突然だが皆さんは異世界というものを信じているだろうか? 今いる自分の世界とは違う世界のことだ。例えば魔法使いやモンスターがいるファンタジーの世界だったり、機械が発達しているSFの世界だったり、はたまた今とは違う人生を歩んでいる自分がいる、なんて世界もあると思う。

 

ちなみに俺、火原一輝は異世界というものを信じる派である。まぁ、ほとんどの人はあるんじゃない?程度には信じているだろうと思う。しかし、俺はあると確信している。何故かと言うと目の前で起こっていることを俺は知っているからだ。

 

俺は今、船に乗っている。……船の名前はあかつき号。

 

そう仮面ライダーアギトに出てくるあの始まりの船だ。あかつき号自体はありふれた船の名前だと思うんだけど目の前にいる白い男。

 

男を見たときに俺は異世界の記憶を思い出した。仮面ライダー。この世界では未確認生命体4号と言われている者。つい一年前日本で未確認生命体という怪物が突如として出現し人間を標的としたゲームをしていた。死者は数万人。同じ未確認である未確認生命体4号により殺され絶滅したと考えられている。

 

俺はそれが真実でありクウガの物語を思い出した。

 

火のエル。仮面ライダーアギトの神的存在。人間に超能力を与えた者。そんな超常の存在が俺の目の前にいる。階段の踊り場に倒れている。男が一人、火のエルの首に指を当て、脈拍を確かめ始めた。

 

「……死んでいます。見たところ、どこにも外傷はないようだが……誰か、知り合いの方は?」

 

男が周りに問いかけるが顔を見合わせるだけだった。

 

「妙ですなぁ。乗船名簿と人数が一致しません。この人はどこにも記載されていません」

 

そう船長が言ったとき。声が聞こえた。

 

―私は君たちを助けるためにここに来ました―

 

俺の脳に直接語り掛けてくるような声だった。

 

まずい!

 

俺は逃げ出した。

 

「君!」

 

呼び止められたが俺は止まらなかった。俺には仮面ライダーの名前は重過ぎる。アンノウンたちは翔一さんに任せるべきだ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「はぁ……」

 

看板で海を見ながらため息をつく。この船に乗ってしまったということはこれから始まる殺人事件に巻き込まれることが確定してしまった。しかも逃げられない。

 

「どうすればいいんだ」

 

悩んでも答えが出ないことはわかっているがつぶやかずにはいられなかった。俺の悩みに反するように航路は雲一つもない青空が広がっていてそれがさらに俺を憂鬱にさせる。

 

次の瞬間あれだけ快晴だった空が急に陰り雨と風が吹き荒れ、雷が鳴りだした。

 

―もうすぐ―

 

あの声が聞こえた。俺はすぐに振り返る。そこにはさっきまで倒れていた火のエルが立っていた。

 

―君の命を狙うものがやってきます―

 

言いながら男は近づいてくる。

 

―その前に私の最後の力であなたの中の私の力を覚醒させます―

 

そう言うと火のエルが光り輝く。

 

「あ?……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

 

熱い暑いアツイ! 燃える!体が焼ける!

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

冷やさないと!水!ミズ!海!

 

俺は熱くなった体を冷やすべく荒れ狂った海に身を投げた。そこで、俺の記憶は途絶えた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

―数週間後

 

「おはよー」

 

「うーっす」

 

俺は学校に復学していた。あのあかつき号事件から2週間俺は行方不明となっていたらしい。そして実家がある県の浜辺に倒れていたところを発見されたらしい。俺は財布に免許証を入れていたためすぐに身元が分かり病院に搬送されたそうだ。

 

起きた時にはかなり騒がしかった。母親と姉は泣いていたし、叱られた。親父と弟は冷静だったけど。

 

学校に復帰したときは友達は笑って迎えてくれた。3週間もの休みを羨ましがっていたが、友達なりに事件を笑い話にしようとしてくれているんだろう。

 

楽しい毎日が戻ってこようとしていた。だが今まで通りとはいかない。いつも通りに生活していたが時折、記憶がない時があった。友達に聞くと俺が急に何かを思い出したように立ち上がり先生の制止も聞かずに教室を出ていく時があるそうだ。バイクを使ってどこかに行っているようなのだがどこに行ってるのか聞かれた。俺自身も記憶がないので友達や先生もあまり触れてはこないが三者面談をしたり、カウンセリングを受けさせられたりした。

 

カウンセリングの先生も事故のストレスが原因だろうと言っていたが、たぶんアギトとしてアンノウンと戦っているのだろう。

 

アンノウンはすでに殺人を始めている。今日も新聞の見出しに木の洞に成人の死体が入れられていた事件が書いてあった。新しい未確認ではないかと警戒されている。

 

警察も未確認の時とは違うらしく新しく特殊な装備で対抗しているらしい。それも新聞で載っていた『まるでアイアンマン! 警察の未確認対策アーマー』なんて見出しもついていたっけ。G-3のことだとはわかるが初期のG-3はそこまで強くない。アンノウン1体にも苦戦してしまうのだから。

 

俺がアギトとして戦わなければならない。そう考えただけで体が震えそうになる。実際に顔色も悪いらしく先生に保健室に行くように言われた。友達が茶化してくるが休めるのはラッキーだ。お言葉に甘えてしまおう。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

マラークの1体であるジャガーロードはいつも通りに。淡々とテオスに命じられたとおりに。獲物を殺し、洞に埋める。

 

獲物に背後から近寄り殺す。そして洞に詰める。

 

今回は人間に獲物を殺すところを見られてしまった。人間が武器を取り出すがそれを弾き飛ばす。

 

「きっ貴様の仕業か!」

 

人間が何か言っているが無視して首をつかみ持ち上げる。……覚醒していない。

 

放り投げ立ち去る。

 

背後から大きな音がする。……人間が武器を使用している。……覚醒していない者を殺すことはできない。無視して立ち去る。

 

背後から人間が追いかけてきた。速い。逃げられない。少し痛めつけるとする。

 

 

 

少し痛めつけたら動かなくなった。では帰ると……この気配は……アギト。

 

視線の先にアギトがいた。赤い瞳。きらめく装飾。そして赤い装甲。

 

「ああああああ!」

 

アギトが襲い掛かってくる。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

何だ?何が起こっている?

 

豹型の未確認らしき生物と遭遇してG-3ユニットで戦ったが武装が効かずにやられてしまった。これまでかと思ったが未確認らしき生物が急に現れた光る赤い未確認に殴り飛ばされた。

 

「ああああああ!」

 

赤い未確認。警察の資料で読んだ未確認生命体4号と似ている。だが赤い角と装甲。攻撃的な爪と拳についている棘。開いた口から確認できる牙が凶暴な肉食動物を連想させる。

 

「ぐるるるるる!」

 

赤い生物はうなり声をあげ、豹の未確認に近づく。

 

豹の未確認も殴られたが負けじと赤い未確認に向かっていく。豹の未確認は赤い未確認を攻撃するが荒々しくも素早い動きで赤い未確認は攻撃を避ける。そして豹の未確認は赤い未確認の爪と拳で傷つけられていく。

 

「ガアッ!?」

 

豹の未確認が殴り飛ばされたたらを踏む。

 

「うぉおおおおおお!」

 

赤い未確認が吠える。そして姿勢を低くし拳を強く握りこむ。足元に赤い紋章のようなものが光り輝き、赤い未確認に吸い込まれていく。手に炎が灯り周りが熱で歪む。

 

「はああああああ! ……だああああ!」

 

赤い未確認が一足飛びに飛び掛かり豹の未確認に拳を叩き込む。

 

「ギャアアアア!」

 

豹の未確認が炎で包まれ頭の上に光輪が出現し、消えた瞬間爆発した。

 

「ふぅ……」

 

赤い未確認はそれを確認すると何事もなかったかのように立ち去った。

 

「……何者なんだ」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ん? ふぁああ……」

 

勉強してたらいつの間にか眠ってたみたいだ。アギトの力を手に入れてから体の調子は悪くないはずなんだけどな。

 

「木の洞の中に謎の死体か……」

 

確かアギトの最初の敵ジャガーノート?ロードだっけ? 嫌だなぁ。できれば戦いも命の危険もない生活が送りたいのに。深い絶望もない。でも、できれば激しい喜びは欲しい。できれば楽しく生きて自分のことが自分でできるうちに死にたい。そんな普通の人生が送りたいのになぁ。

 

「まぁ、普通が一番難しいって言うもんね」

 

もう夜中だし、さっきまで寝てたけど寝ておくか。

 

 

 

――この時の俺は、まだこの世界の理不尽を知らない。誰かが言っていたように大いなる力には大いなる責任が伴うのだ。

 

――テオスの攻撃はすでに始まっている――

 




 初めましてナハトムジークと言います。この度は私のつたない小説を読んでくれてありがとうございます。

 オリジナルライダーということで色々思うところはあると思いますがまぁ、見てやるかぐらいの気持ちで生暖かい目で見てやってください。

 主人公の見た目はバーニングフォームを獣っぽく、刺々しい感じにした見た目を想像していただければと思います。スペックはフレイムフォームと同等くらいです。
 
 完結を目指して頑張ります




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2話

未確認らしき敵との戦いの後僕はは病院で検査を受けに来ていた。どこにも異常はなかったようだが一緒に検査を見に来てくれていた小沢さんが自分の開発していたG-3が敵に手も足も出なかったことに関して特に言ってくることもなかった。

 

「小沢さんショックじゃないんですか? G-3の武器が通用しなかったんですよ?」

 

開発した小沢さんがいつも通りのため僕は思い切って聞いてみた。

 

「そりゃあまぁ……でも収穫もあったってことにならない? 相手が未確認生命体ならG-3の武器で一撃で倒せたはずよ?」

 

確かに。G-3の武器には対未確認生命体用の神経断裂弾が使われている。スペック上なら並みの未確認とでも互角以上に戦えるはずなのにあの敵には効かなかった。ならあれは未確認生命体とは違う新しい敵? それに未確認生命体第4号に似ているあの生命体のことも気になる。あの敵に対してあれだけ一方的に攻撃して倒していたあの生命体。第4号の新しい姿? いや、第4号はあんな荒々しい戦い方をしていたという記録はない。そもそも第4号はG-3をはるかに超える戦闘能力があるはずだ。だが、あの戦いではそんな力があるようには見えなかった。だがG-3の武器は効かずにあの生命体の攻撃は効いた。あれはまるで……

 

「氷川君?」

 

小沢さんに呼ばれる。しまった少し考え込んでしまっていたようだ。これから幹部の方たちとの話し合いがあるんだった。

 

僕はすぐに小沢さんを追いかけた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

僕は幹部の方々と昨夜の映像を見ていた。

 

「これが、君が遭遇したという未確認生命体らしき敵かね」

 

そこに移っている画像は明らかに鮮明とは言い難い映像だった。

 

「戦闘オペレーションの実行時間は21分41秒と記録されている。だが録画された時間はわずか12秒。しかもこの状態だ」

 

「わかりません。なぜ映っていないのか……あの時G-3に装備されたカメラで確かに敵の姿を捉えたはずなんですが」

 

「まさに未確認だな」

 

確かに映像には映らず自分の目でしかその実態を捉えることができないなんて、未確認生命体よりよほど未確認だと言える。

 

「それから、これ」

 

幹部の方が手元のパネルを操作し新しい映像を映し出した。

 

「最終的に未確認生命体を倒したと言う謎の生物だが……なんなのかね?」

 

「それは……以前未確認と戦っていた第4号に似ていました」

 

僕にもわからないが自分の見解を述べた。

 

「馬鹿な! 未確認生命体はすでに滅んでいるんだよ!それに伴って第4号も消息を絶っている」

「私が遭遇したのは、未確認生命体ではないと思います。もし未確認なら、G-3システムの武器で倒せたはずです!」

 

僕が見解を述べると幹部の方々は顔を見合わせた。

 

「未確認生命体を超える新たなる敵が現れたとでも言いたいのかね!」

 

「はい!」

 

僕が返答をすると幹部の方たちは苦虫を嚙み潰したような顔をする。

 

「君の言うことが本当なら、君が遭遇した生物はアンノウンとしか言いようがないな」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

僕が会議室から出ると階段に男性が立っていた。確かこの人は北條透さん。本庁きっての若手エリートだという人物だ。

 

「氷川誠」

 

いきなりフルネームを言われる。

 

「香川県警から対策班にスカウトされたと聞いたときは素朴な人間だろうと思いましたが……とんだ食わせ物でしたね」

 

「……何のことです?」

 

「未確認生命体らしき者と遭遇したというのは、君の作り話だ。違いますか」

 

いきなり現れて何の用かと思ったらこの人は僕の話がでまかせだと言った。

 

「作り話……私が何のためにそんな?」

 

唖然としそうになったが聞き返す。

 

「未確認が滅んで二年。このまま何も起こらなければ間違いなく対策班は解散になる。それを防ぐために君は話をでっち上げた」

 

どうやら聞いた僕が間違っていたようだ。あまりの言い分に笑いがこみあげてくる。

 

「聞きましたよ? 北條透と言えば本庁きっての若手エリートだって」

 

僕がそう言うと北條は満足そうな笑みを浮かべる。

 

「でも意外と暇なんですね」

 

僕が皮肉を言うと北條の表情が一変し無表情になる。

 

「そんなことを言うために私を待ってるなんて。……失礼します」

 

これ以上この人といると嫌なので僕は一礼してその場を離れた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「やっぱりいるんだな」

 

俺、火原一輝はパソコンでクウガに関する情報を見ていた。それは警察の公開情報だったり実際にクウガに助けてもらった人が撮った写真だったり様々だがクウガの画像が残されていた。

 

俺がテレビで見たのとは違い生物的になっているが間違いなくそこに写っているのはクウガだった。

 

『新たなるヒーロー。未確認生命体四号に迫る!』

 

なんて見出しで新聞にも取り上げられていたそうだ。

 

「やっぱりすごいな五代さんは」

 

ネットには『助けてもらって感謝してる』なんて好意的な内容から『もっと早く来てくれれば』『あいつもどうせ未確認の一体。いなくなって清々した』なんて否定的な意見まで様々だ。親しい人が実際に被害にあっている人たちがいるから否定的な意見が多いのは仕方のないことだが、五代さんはこんな中で戦っていたんだ。

 

「俺だったら途中で戦いを止めていたかもしれない」

 

俺がいきなり力を渡されて今日から命を張って他の人を守ってね。なんて言われたら絶対に断る。確かに五代さんたち仮面ライダーは好きだけど、それはヒーローってかっこいい。こんな人になりたいな。なんて言う憧れからくるものだ。『憧れは理解から最も遠い感情だよ』なんて言葉もある。

 

俺は外面だけ見てヒーロー達の苦しみや悲しみ、辛さを理解していなかった。いや、今も理解なんてしていない。どうして俺が、ほかにもいるだろうなんてグチや不満に似た感情が俺の心に渦巻いている。

 

「一輝ー! ご飯だよー!」

 

1階から母さんが俺に呼び掛けてくる。俺はすぐにリビングに行く。テーブルにはすでにおやじと姉の愛華、弟の響二はもう座っている。俺もテーブルのいつもの席に座る。

 

「今日はグラタンだよ。熱いから気を付けてね」

 

俺は置かれたグラタンにすぐに手を付ける。

 

「一輝さぁ。毎回思うんだけど熱くないの?」

 

弟の響二が俺に言ってる。

 

「俺は熱くないよ」

 

「熱いものを食べるとガンになりやすいらしいから気を付けなよ?」

 

姉の愛華も俺のことを心配して言ってくるが平気だ。昔から熱かったり冷たかったりする食べ物を食べて体調が悪くなったことはない。むしろ力が湧いてくるぐらいだ。愛華が熱い熱い言いながらご飯を冷ましていても俺は平気で食べられるし、響二が冷たいものを食べて頭が痛くなっているのをしり目にかき氷を丸呑みする勢いで食べても頭が痛くなったことはない。

 

「ご馳走様」

 

「おかわりあるわよ?」

 

母さんが言ってくるが遠慮しておいた。最近あまりおなかが減らない。いや、最近というかあの事件以来、夜に腹が減ることはあるが朝になるとお腹がすいているどころか力が湧いてくるような気さえする。たぶんアギトに覚醒したことで何らかの能力が目覚めたんだと思う。

 

光合成の能力って考えると弱い気がするがお腹が減らないのは良いことだ。

 

部屋に戻ろうとすると耳鳴りがしだした。頭が痛い。速くいって原因を殺さなければ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

警邏をしていると通信で未確認生命体らしき生物と警官が遭遇したとの情報を受け小沢さんたちと連絡を取りで合流ポイントに向けて車を走らせる。

 

後ろからGトレーラーが近づいてくるのを確認した僕は近場に車を止め、Gトレーラーに乗り込む。

 

G-3を装着しガードチェイサーに乗り現場に向かう。

 

現場では先日遭遇したアンノウンに似た怪人が刑事を殺そうとしていた。ガードチェイサーをフルスロットルで走らせアンノウンを吹き飛ばす。

 

刑事を見る。どうやら北條透のようだ。同僚の刑事に呼び掛けられ体を揺すられている。気絶しているみたいだが呼吸はしていて命に別状はなさそうだ。

 

僕は北條を同僚らしき刑事に任せアンノウンを追いかける。……いた。ガードチェイサーを飛ばし、アンノウンを止めるべく追い越し、停止させる。

 

「うわ!?」

 

アンノウンが速度を上げ襲い掛かってくる。ガードチェイサーから放りだされ地面を転がるがすぐに体勢を立て直し攻撃しようとするがアンノウンのほうが早く体制を立て直し攻撃をしてきた。

 

吹き飛ばされ、ガードチェイサーにぶつかる。先日は素手で戦って負けてしまったのでガードチェイサーに装備されているGS-03デストロイヤーという超高周波振動ソードを手に取るがアンノウンもそのすきを見逃してくれるはずもなく追撃され抑え込もうとしてくる。

 

アンノウンの拘束から逃れけん制で殴り掛かるが受け止められてしまった。腕をはじかれ攻撃されるがアンノウンも体制が整っていなかったのでG-3の装甲で耐えられた。デストロイヤーを装備するため前蹴りでアンノウンを攻撃しつつ距離をとる。

 

『GS-03 アクティブ』

 

通信で小沢さんの冷静な声が届く。すぐにしまわれていたブレードが展開し、ブレードが凶悪なうなり声をあげる。

 

デストロイヤーで攻撃する。アンノウンが攻撃を避けた。やはり直接的な攻撃は通りやすいみたいだな。

 

そのまま戦闘を続行する。

 

「ウガアア!」

 

不意に今戦っているアンノウンの陰から別のアンノウンが僕を攻撃してきた!?

 

「ぐあっ!?」

 

『氷川君後ろ! アンノウンは2体よ!』

 

振り向くと似たような形で色の異なるアンノウンが出現していた。先ほどまで相手をしていたアンノウンは白の体毛に青いマフラーのような物を付けていたが、もう1体は黒い体毛に黄色のマフラーをしている。応戦するがすさまじい連携で攻撃してきて片方のアンノウンに抑え込まれてしまった!

 

「フン!」

 

「うぐっ!」

 

抑えている方とは別のアンノウンが攻撃してくる。体制がしっかりしているせいで先ほどより攻撃が強力だ。

 

『左肩ユニット損傷!』

 

ユニットが損傷し左肩がただの重りになる。

 

『メインバッテリー電圧30%低下!』

 

通信から小室さんの声が聞こえる。まずい!

 

このまま嬲り殺される! そう思ったとき、2体のアンノウンが急に振り返る。

 

見ると腰の部分が光り輝く人影が2つ見えた。人影は1人は冷静なように1人は荒々しくこちらに歩んでくる。

 

アンノウンが人影に向かっていった。その人影は連携の上手かったアンノウンを上回る連携でアンノウンと戦い始めた。

 

「小沢さん! 何者かが2人、アンノウンと戦い始めました!」

 

しばらくすると光が収まり2人の姿が見える。1人はこの前の赤い4号に似た個体。もう一人はさらに4号に似た金色の装甲をまとった個体だった。

 

「何者なんだお前たちは」

 

「アギト!」

 

僕の疑問に答えるようにアンノウンが驚いたように初めて言葉のようなものを呟いた。そして戦いが始まる。

 

白い体毛のアンノウンがアギトと言った金色の装甲の生物に走り寄り攻撃を仕掛け組み合った。その間にもう黒い体毛のアンノウンの頭に光輪が現れ槍をどこからか取り出した。アンノウンは武器も使うのか。

 

金色のアギトは白いアンノウンを蹴り飛ばすがすかさずそこに黒いアンノウンがカバーに入るように金のアギトに槍で攻撃を仕掛ける。

 

「ぐらあああああ!」

 

赤いアギトが吹き飛ばされた白いアンノウンに向かうが子の個体は素早いのか、赤のアギトの攻撃が空振り逆に攻撃されてしまう。

 

「ふしゃあ!」

 

赤のアギトも攻撃をよけるがこれではらちがあかない。こちらのアンノウンも光輪から弓を取り出し赤いアギトに向け矢を射出する。赤いアギトはそれを避けるが距離が離れてしまった。

 

逆に金のアギトはいつの間にか取り出した杖のような武器で黒いアンノウンに優位に立ちまわっていた。アンノウンの攻撃を捌き足を払い、片膝をついたアンノウンを足で踏みつけ動きを封じた。まるで武道の達人のような無駄のない動きで赤のアギトとは真反対の戦い方をしていた。

 

金のアギトは杖を正面に構えると空間がゆがみ一瞬のうちに装甲の色が金から青に変わった。装甲が青に変わると持っていた杖の両端から刃が出現し槍のような形状に変化した。

 

はっ! 見惚れている場合じゃない。この人? 達をサポートしなければ!

 

僕は持っていたGM-01スコーピオンを発砲し白いアンノウンに攻撃するがやはり効果がない。ならばとガードチェイサーに向かいGG-02サラマンダーを取り出した。サラマンダーをスコーピオンに取り付け白いアンノウンにグレネードランチャーを発砲する。

 

……効いた!?

 

初めてG-3の武器でアンノウンにダメージが通った。

 

アンノウンがひるんだ時赤いアギトが後ろに飛び青いアギトの近くに着地した。青いアギトは何の反応もせず槍を演舞のように回しだす。風が吹き荒れ、黒いアンノウンがひるむ。次の瞬間。

 

「ぐぅ! があああああ!」

 

赤いアギトが苦しそうに吠える。赤いアギトの周りには青いアギトが起こした風がまるで吸い寄せられるかのように逆巻き、赤いアギトに吸収されていく。

 

赤いアギトにも変化が起こった。装甲の色が変わるなどの劇的な変化はないが上半身が少しスマートになり、下半身がミチミチと音を立て刺々しくなった。膝にはニードルが生え、足の爪が長くなり、かかとから刃が飛び出した。

 

2人のアギトが同時にアンノウンに襲い掛かった。

 

青いアギトは流麗な槍捌きでアンノウンを攻撃し、赤いアギトは先ほどとは段違いのスピードで白いアンノウンに矢を躱しつつ近づき攻撃的になった足で攻撃した。

 

「はぁっ!」

 

「ぐらあああ!」

 

まったくの同時に青いアギトは槍でアンノウンを切り裂き、赤いアギトは膝の棘をアンノウンに刺しこんだ。

 

アンノウンは吹き飛ばされ、光輪が現れると爆発した。

 

戦闘が終わり、僕はアギトたちに近づく。

 

「お前たちはいったい」

 

僕はそう聞いてみたがアギト達が向かい合った。

 

「ぐああああああ!」

 

「ふん!」

 

そしてそのまま、アギト達の戦闘が始まった。

 

 



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3話

「ふしゅるるる」

 

「…………」

 

にらみ合う二人のアギト。だが両者の様子はまるで正反対。方や獣のようにうなり声をあげ、片や静かに立っている。共通点はどちらも相手を害そうという意志だけだった。

 

「ぐるあああ!」

 

先に動いたのはやはり赤いアギトだった。先ほどと同様の速度で青のアギトに迫る。持ち前の鋭い爪で青のアギトに切りかかる。

 

「ふん!」

 

だが長い槍を持ち冷静に相手を見ていた青のアギトには通じず。叩き落されてしまう。そして青のアギトは体勢を崩した赤いアギトを槍で切り裂く。

 

「ぎ!?」

 

赤いアギトも避けようと飛び退いたが長いリーチのせいで完全によけるには間に合わず、足にダメージを負ってしまう。

 

「ふーっ!」

 

赤いアギトは青のアギトを威嚇するように声をあげ、まるで獣のように手を地面につく。

 

ミチミチと赤いアギトがさらに変化し今度は体型が変わった。今度は下半身だけでなく上半身も強化され、爪が長くなる。そして足が短くなりまるで大型の肉食動物を連想させる体型に変化した。

 

「ふー! ふー!」

 

しかし、体に負荷がかかるのか先ほどよりも明らかに息が荒くなっている。

 

「ふしゃあああ!」

 

赤いアギトが先ほどよりもさらに速く青のアギトに迫る。

 

「くぅ!」

 

青のアギトも先ほどよりも速い赤のアギトの速度に対応できないのか爪で切り裂かれ体当たりで吹き飛ばされる。

 

「ふん!」

 

「ぐあ!?」

 

しかし、青のアギトも負けじと蹴りを放ち、赤いアギトと距離をとることに成功する。そして青のアギトが槍を回す。すると風が巻き起こる。

 

「ぎゃん!?」

 

青のアギトが起こした風で砂煙が巻き起こり赤のアギトの視界を塞いだのだろう。しきりに赤のアギトは目をこする。だがその風が渦を巻き赤のアギトにまたも吸収される。

 

さらにエネルギーを吸収した赤のアギトがミチミチと音を立てさらに変化する。尾てい骨があるだろう部分からしっぽが生えさらに体が大きくなっていく。

 

なんて奴だ。無限に成長するとでもいうのか!?

 

「ぐっ! ぐぎゃああああああああ!」

 

赤のアギトに変化が起こった次の瞬間。赤のアギトが発火しだした。まるで吸収したエネルギーを制御しきれないかのように全身から炎が噴き出ている。

 

「はぁ!」

 

「ぎゃあああああ!」

 

その隙を逃さず青のアギトが赤のアギトを切り裂きさらにダメージを負わせる。そして赤のアギトがダメージと自身の炎によって転げまわっているところに今度は青のアギトが変化した。

 

最初の金色の形態に変化し、その金色の角が展開し、赤のアギトと同様6本角に変化する。構えをとると金のアギトの足元が輝き、紋章のようなものが展開され、

金のアギトに吸収されていく。

 

「あ……」

 

その時、金のアギトの様子がおかしくなった。まるで自身が何をしていたのかわからないとでもいうように構えを解き、自身の両手を見る。角が元通りにしまわれ金のアギトは立ち去って行った。

 

「ふーーー!」

 

赤のアギトの炎も収まり、金のアギトを威嚇していたが、金のアギトが立ち去っていくのを見て、反対方向に逃げるように走り去っていった。

 

「何だったんだ……いったい」

 

一人残された僕は新たな疑問を考えつつも報告のためGトレーラーに帰還したのだった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「いたたた」

 

俺、火原一輝は朝起きたら全身筋肉痛に苛まれていた。昨日は筋トレとかした覚えはないんだけど、なぜか体中が焼けるように痛くて起き上がることも難しいほどだった。しかも、熱も出てる。

 

普通の筋肉痛ならご飯食べたり、日を浴びれば少しは良くなるのに今日はむしろ悪化していた。

 

「大丈夫? なんだったら病院行く? 車出すよ?」

 

母さんが俺を心配してそう言ってくれた。確かに変だよな昨日はご飯食べた後普段通りに過ごして寝たし、筋トレもしてないし、明らかに普通じゃないよな。

 

「うん。お願い」

 

もしかしたらやばい病気の兆候かもしれないし、一応病院に行くことにした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「詳しくは検査の結果が出ないとわかりませんが、全身の筋肉の発熱とかすかにけいれんを起こしています。……何か激しいトレーニングでもしましたか?」

 

「いえ、昨日は普通に寝たはずです」

 

「そうですか。実は先日同じような症状の患者が運び込まれましてね。君よりさらにひどい熱を起こしていました。検査の結果、全身の筋肉が膨張を続けていたようなのですが、原因はわかっていません」

 

「その患者さんは?」

 

「わかりません。実は昨夜、急に病院から姿を消してしまって、大学の先生が心配していらっしゃったのですが」

 

「そうですか」

 

「その患者さんとも違って君の症状は軽いみたいですし、入院は必要ではないでしょう。もし症状が悪化したらすぐに病院に来てください」

 

そう言われて診察は終わった。

 

「ねえ母さん」

 

「なに?」

 

帰りの車の中、俺は母さんに話しかける。

 

「俺がさ、怪人になっちゃったらどうする? それで人を襲ったりして悪いことしてたらどうする?」

 

たぶん俺はアギトになって戦っているんだと思う。でもいつの間にか時間が飛んだり、記憶が無い時があったりするのは怖い。もし人を襲っていたら、なんてことも想像してしまう。

 

「なにそれ? あんたがそんなことするわけないでしょ」

 

「いや、もしもだよ。最近記憶が無いことがあるし、どこかに行ってる。もしかしたらそれで人を傷つけてるかも」

 

母さんは笑い飛ばしているが俺にとっては少し悩みの種だった。

 

「そんなことになったら、あんたを警察に届け出なきゃいけないわね」

 

母さんは少し真剣な声色でそう言った。

 

「そう、だよね」

 

「嘘よ。もしそんなことになってもあんたを守って見せる。たとえ私が傷つけられてもね。それが家族ってもんよ」

 

母さんの言葉で俺は少し肩の荷が下りた気分だった。

 

「ありがとう」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「おはよー」

 

「うーっす。大丈夫だったか」

 

「いや、なんかさ全身筋肉痛みたいになってて熱が出ててチョーつらかったわ」

 

数日後、俺は筋肉痛のようなものが回復して学校に登校していた。

 

「お、風谷だ。今日もかわいいよな」

 

友達がクラスメイトの風谷真魚のことを見て言った。確かにかわいいし、異世界の記憶を受信するまではちょっとした好意を抱いていたんだけど、今はクラスメイトではなくアギトのヒロインとしてしか見れなくなってしまっていた。

 

「でもなんか機嫌悪そうだな。俺話しかけてみようかな!」

 

「あ、おい!」

 

友達が止める間もなく行ってしまった。

 

「おーい風谷。どうしたん? 悩みがあったら聞くよ?」

 

「なんでもない」

 

友達が話しかけるが素気無くふられてしまった。

 

「いや、だって風谷機嫌悪そうじゃん? なんかあっただろ? 相談に乗るからさ」

 

「何でもないって言ってるでしょ!」

 

風谷が声を荒げる。その瞬間、教室がシンと静まり返った。

 

「ご、ごめんね! こいつも悪気があったわけじゃないんだ! ほら、お前も謝って!」

 

「ご、ごめん」

 

「もういい!」

 

そう言うと風谷は教室から出て行ってしまった。

 

「や、やっちまったあああ!」

 

友達がそう言って大げさに頭を抱える。友達が騒ぎこいつが原因という雰囲気を作ることによって冷め切っていた教室の雰囲気がいつも通りになった。

 

「まったく、何やってるんだお前は」

 

「わるいわるい」

 

悪びれることなくそう言った友達だがこいつなりに風谷を心配し、自分が悪いという雰囲気を作り出し、風谷の立場を守った。悪い奴じゃないんだけどね。調子が良すぎることが玉に瑕だ。いい友達を持ったと自分でも思う。面倒な奴ではあるけどな。

 

その時、俺はデジャブのようなものを感じる。カラスのようなアンノウンに人が襲われている。アンノウン出現の感覚だ。

 

「あ、おい」

 

初めての感覚に戸惑いつつも友達の制止も聞かずに俺は走り出した。

 

駐輪所についてすぐに自分のバイクガスガス パンペーラに乗り込む。エンジンをかけすぐに走り出す。俺はどっちかっているとフルカウルが好きだったんだけど、なんでオフロードのバイクに乗ろうとしたのかは別世界の記憶を受信したときにわかった。クウガと同じバイクに乗りたかったんだ。

 

腹の周りにベルトが巻かれる。アギトのベルト、オルタリングだ。

 

「変身!」

 

掛け声とともに俺と、バイクに変化が起こる。

 

「ぐるるる」

 

アギトに変身し、肌に装甲が浮き出る。初めて見るけど赤い。フレイムフォームみたいな感じだろうか。爪があって、どこか獣のような感じだ。バイクもカウルが浮き出る。かっこいい!

 

俺はもっと自分をよく見ようとミラーを見ようとする。ん? 頭が動かない。体が勝手にスロットルを回す。待て待て! スピード違反になるだろ! 俺の意思に反し、体が勝手にバイクのスピードを上げる。メーターがレッドゾーンを記録する。

 

ビル街についた俺はバイクを停め、あたりを見渡す。アンノウンの被害者らしき人物が倒れているが体が勝手に動いている俺はその人に目もくれない。

 

「ぐあ!?」

 

不意に背後から何者かに襲われた。受け身をとり、襲撃者を見るとさっきのイメージ通りのカラスのようなアンノウンだった。ここは様子を見るべきだ。

 

「がああああ!」

 

俺の体が勝手にアンノウンに襲い掛かる。

 

アンノウンはそれを見てすぐに宙を飛んだ。速い。カラスとはいえ鳥類は移動速度ではかなりの速さを持っていてそれがアンノウンにも適応されているみたいだ。

 

ここはいったん待って追撃したしてきたところを迎撃するのがいい作戦だと思う。

 

「ぐるああああ!」

 

だけど俺の意思に反して体は勝手にアンノウンを追いかけてしまった。待て待て! ダメだって!

 

「ふー! ふーっ!」

 

だから言ったろ! 追いかけて疲れたら相手の思うつぼだろうが!

 

疲れたところをアンノウンが追撃してきた。

 

痛い! 逃げろ! 体勢を立て直すんだ。この相手は勝てない!

 

俺はそう思ったけど体はやっぱりアンノウンに向かっていった。アンノウンもこちらに向かい攻撃を仕掛けてくる。

 

「がああああ!」

 

俺の手が燃え上がり、爪が赤く染まる。熱いとは感じない。まるで体の一部のように炎を感じ取ることができた。

 

「ぐあ!?」

 

そのまま爪で攻撃するがアンノウンが途中で軌道を変え、肩を踏みつけられ迎撃されてしまった。

 

体がコンクリートに叩きつけられ、すさまじい衝撃を受けた。全身痛いし頭がくらくらする。……やろう。ぶっ殺してやる。

 

「うおおおおお!」

 

俺は吠え、自分の能力を全開にする。太陽のエネルギーが吸収され、体に力が満ちる。そのエネルギーを足に溜める。

 

アンノウンがスピードを上げ、襲い掛かってきた。俺も全速力で走り、アンノウンに飛び掛かる。アンノウンが先ほどと同じように軌道を変えようとする。だが遅い。俺は足に集中させたエネルギーを爆発させる。

 

「だああああ!」

 

速度が上がり、一瞬で迫ってきた俺の爪を避けられるはずもなく、アンノウンは爪で切り裂かれ光輪が発生し爆発した。

 

「はぁっ! はあっ!」

 

アンノウンが死んだのを確認すると俺の変身が解かれた。冷や汗と、寒気がする。なのに呼吸は荒い。大きい生き物を殺したのは初めてだった。それに相手を殺そうなんて考えも子供の頃にけんかで相手を殴ってやろうそんな考えとは比べ物にならない衝動だった。

 

いまだに手に肉を切り裂いた感触が残っている。殺した。俺が!

 

その瞬間俺は意識を失った。

 

 

 

 



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4話

あのカラスのようなアンノウンと戦ってから俺はアギトの力を使うときに意識を保っていられるようになった。

 

今まではアンノウンの出現の反応を察知すると意識が飛び自動でアンノウンと戦っていたみたいだけど今は意識を失うことなくアンノウンと戦えている。

 

アンノウンの反応だ。できれば行きたくないんだけど。

 

そう思いつつも俺の体は動いていた。バイクに乗り頭の中に来たイメージの場所にバイクを走らせる。

 

「変身!」

 

俺はすぐにアギトに変身する。変身するとバイクも変形してかっこいいしスピードも段違いに上がる。何より……

 

「ぐるる」

 

俺の体がバイクのスロットルを回し、全速で駆ける。

 

速度違反で捕まることがない。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

全速で走ったバイクはすぐに現場についた。途中白黒の車に追いかけられた気がするが、知らない。相手はタコ型のアンノウン。それに立ち向かうようにG-3が対峙していた。

 

「ぐああああ!」

 

俺の体はアンノウンに向かって駆けていく。

 

「アギト!?」

 

「グギャ!?」

 

アンノウンもG-3の人も驚いたがそれに構わずアンノウンに攻撃を仕掛けた。

 

相手はタコ型のアンノウンだ! 打撃は効果が薄い! 爪で攻撃しろ! ああ! なんで殴るんだよ!

 

アギトは俺の考えを無視して戦い始めた。俺の体なのに全く俺の意思で動いてくれない。

 

攻撃が来るぞ! 防御しろ! うぐっ!?

 

「ぎゃう!」

 

防御しようとしているのに全く反応せずに棒立ちで攻撃を食らってしまった。タコのアンノウンの触手で思い切り打たれてしまった。

 

痛い。辛い。どうして俺がこんな目に!

 

『殺せ!』

 

俺の頭から声がする。敵を殺せと、叩きのめせ食い殺せ。アギトに変身するといつも頭の中から声が聞こえる。俺は必死にそれを制御しようとする。

 

ダメだ。そんな戦い方したくない。俺は怪人じゃない。

 

「がああああ!」

 

そんな俺の意思とは裏腹にアギトはラフファイトを繰り広げる。アンノウンに爪を立て咢で食い殺そうとする。

 

止まれ!言うことを聞けよ!

 

それでもアギトは止まらない。アンノウンの左手で首を絞め、右手を高々と上げる。右手に炎が宿りアンノウンにとどめの一撃を……刺せなかった。

 

「ぎゃあ!?」

 

後ろから撃たれたのだ。振り返るとG-3がグレネードを装備してこちらに向けて構えている。

 

誤射か!? そう思ったが2発3発と俺にグレネードが直撃して、爆発が起こる。

 

「ぐぎゃああ!」

 

爆発の威力は吸収できても当たったグレネードのダメージは吸収できない。俺は吹き飛ばされ地面を転げる。

 

「見ていてください。今、アギトとアンノウン両方を捕獲、そして撃破して見せます」

 

その声と言葉を聞き、思い出した。そうだこいつは北條とかいういけ好かない感じの奴だ。

 

「こちらアギトはどうやらそこまで強いわけではなさそうだ」

 

そう言ってG-3はこちらにゆっくり近づいてくる。まるで馬鹿にするかのように。

 

ぶっ殺す!

 

『殺せ!』

 

アギトの声と俺の思いが一致した。すぐに立ち上がりG-3のほうに歩きだす。G-3はまたグレネードを発射するが俺は掌でそれを受け止める。ダメージを受け流し、爆発のエネルギーを食らう。

 

「がああああああ!」

 

エネルギーが体の中で渦巻き、全身に行き渡る。ミチミチと音を立て体が変化していく。より固く、より強靭に。

 

「なっ!?」

 

G-3が驚いてさらに撃ってくるが、もう防御する必要すらない。弾丸は俺の装甲で炸裂し爆発のエネルギーを食らう。

 

「あ……ああ……」

 

「ふしゅるるる」

 

G-3の前にたどり着く。今G-3の目の前にいるのは最大武装をものともしない筋肉隆々の巨大な怪物だ。そんな怪物が目の前に立っていて見下ろされているこいつの気分はどうなんだろうか。まぁ最悪に決まっているけど。なんたってハルクが目の前に立っているみたいなものだ。

 

「がああああああ!」

 

「ひゃああああ!? うげっ!?」

 

手加減しつつその上で思い切りぶん殴る。重いはずのG-3が宙を舞い。5Mは吹き飛んだかな。転げまわった後、G-3は腹にあるベルトに手をやる。するとG-3の装甲が開き中から北條が姿を現した。

 

「ひぃ……ひぃ……」

 

北條が無様に逃げる。少し溜飲がさがった。

 

「があああああああ!」

 

「ひぃいいいい!?」

 

だから少し脅かしてやるだけにするか。

 

次はアンノウンだ。そう思って俺はアンノウンが居るであろう方を見る。

 

「とおおお!」

 

「グギャアアアア!」

 

そこにはアギトと爆散したアンノウンが居た。どうやら俺がG-3と遊んでいる間に倒してしまっていたらしい。

 

「ふしゃああ!?」

 

アギトの姿を確認すると俺のアギトが驚いた声を上げ、飛び退く。なぜか俺のアギトは主人公のアギトが苦手らしい。俺の体が勝手に動き出し逃げ出した。

 

何なんだ。まったく。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ただいま」

 

「おう、おかえり」

 

家に帰るとそこには弟の響二だけだった。テレビをつけっぱなしにして椅子に座り作業をしている。

 

「あれ? お前だけか。愛華は?」

 

「しらね。友達と遊びに行ってるんじゃない?」

 

そう言うと興味をなくしたのか響二は作業に戻る。テレビを見るとそこにはアンノウンの殺人の情報が映っていた。

 

「お前も気をつけろよ?」

 

「はいはい」

 

響二に気を付けるように言うがあまり真剣に捉えてはいないようだった。まぁこいつの年頃だと週に一件起こる事件より自分のことのほうが大事か。

 

「出来た!」

 

響二が声を上げる。そこにはきれいな装飾がされた革財布が出来上がっていた。

 

「相変わらずうまいな」

 

「ふふん。そうだろ」

 

響二には夢がある。レザークラフトの職人になりたいという夢が。そのために学校に通いつつバイトをして自分の道具を揃えている。弟子入りも考えて先を見据えて努力している。そんな響二を見ていると俺は何をしているのかと考えてしまう。俺には夢がない。ただ惰性で学校に行き、目的もなく遊び、そしてゲームや漫画を読み日々を無駄にして過ごしている。昔は俺も夢があった。小さいころ俺はヒーローになりたかった。強く優しい。それでいて正義のために戦う。そんなヒーローに。でも今はそんなことは無理なんだと思っている。俺はそんなヒーローにはなれない。

 

「? どした?」

 

「あ、いや」

 

何も話さない俺を見て響二が聞いてきたが俺は答えられなかった。兄として弟に嫉妬してるとは言えなかった。

 

「そういえばお前最近どっか行ってたりすんじゃん。どこ行ってんだ? もしかして、彼女でもできたか?」

 

「出来てねえよ」

 

彼女とかだったらどれだけよかったか。人外と自分の変身した怪物と一緒になって殺し合いしてるとは言えないが。

 

「そうか。前に行ってた風谷って人とは? なんか進展あったりした? お前にしては珍しくかわいい子がいるとかって言ってたろ?」

 

響二はニヤニヤしながら言ってきたが俺の現状はそれどころではない。

 

「何もないよ。話しかけもしてないしな」

 

俺がそう言うと響二は大きくため息をついた。

 

「そんなんだからダメなんだよ。もっとグイグイいかないと。それでもついてんのか?」

 

「うるせぇ。だいたいお前も彼女なんていないだろ!」

 

俺が言い返すと響二は笑みを深める。

 

「残念だったな。彼女はいるんだよな。どっかの誰かさんと違って。いやーもてるのってつらいわー」

 

こ、こいつ! ムカつくなぶん殴って……いかんいかん。落ち着け。響二の言葉にこれ以上苛つかないように深呼吸をする。……ふぅ。少し落ち着いた。まぁ俺には俺の、こいつにはこいつのペースがある。彼女が居ようといまいと自慢することでも悔しがることでもない。悔しくなんかない。

 

「……お前、子供の頃と変わったよな」

 

響二が落ち着いた俺にそんなことを言ってくる。

 

「前だったら、そこまでムカつかせればぶん殴ってきたのによ。今ではずいぶん平気になったよな」

 

「……そうだったか? 今も昔も変わらないと思うけど?」

 

だいたいこいつと喧嘩なんてしたことあったっけ? 覚えてないな。

 

「は? 俺はお前に殴られて頭縫ったことあるんだけど? いや、俺も仕返しにやってやったけどよ」

 

「あぁ、そんなこともあったな」

 

確かに昔は怒ると手が付けられなかった。怒ったらムカつくやつをぶん殴ることしか頭になかった。まるで今のアギトの状態のように。いつしか俺は自分の怒りをコントロールできるようになり、その頃から弟との喧嘩も減っていった。いつかアギトの力を制御しなきゃいけない。

 

「あんころは喧嘩もしたけどお前も今と違って明るかったのに今じゃすっかり根暗だなw。昔のほうが彼女できたんじゃねーの?」

 

俺が改めて決心して怒りを制御しようとしていたのにこいつは昔のほうがいいだと? 冗談じゃない!

 

「成長したんだよ。お前も自分の楽しみじゃなくて勉強でもしろ」

 

「俺は良いんだよ。職人になるんだから」

 

そう言うと響二は自分の作業に戻った。こいつに何を言っても無駄だったか。俺はそう考え部屋に行くことにした。

 

昔のほうがよかっただって? そんなことあるはずがない。制御するんだ怒りを感情を。自分と戦え。この力をいいことに使うんだ。俺はヒーローにならなければならない。

 

 

 





この小説を読んでいただきありがとうございます。

アギトを見直しつつ書いているのですが難しいですね。何話のどのタイミングで主人公を出せば良いか考えつつ書いているのですが、どうやったらアギトの話の流れに沿いつつ改変していけるか難しいです。

それに日常パートが難しいです。仮面ライダーは結構日常パートを濃密に書いているので私もそれに倣おうとしているのですが日常パートを書いたことが無くて四苦八苦しております。

あと、結構書き終わってすぐ投稿しているので、誤字脱字や表現がおかしい点があると思いますので、ここ間違ってるなどがあったら報告していただけたら幸いです。


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5話

「があああ!」

 

俺は馬型のアンノウンに爪を振るう。だがアンノウンに避けられてしまう。だがそのまま体当たりをして吹き飛ばす。

 

『殺せ』

 

馬型のアンノウンは力の差を感じ取ったのか逃走する。俺も追いかけようとするが速い。さすがは馬型だ。

 

「があああああ!」

 

上半身にある力を下半身へ移動させ俊敏体に変身した。馬型のオルフェノクを追いかける。走っているアンノウンにすぐに追いつき並走する。

 

「ブルル!?」

 

「きしゃあああ!」

 

足払いをかけアンノウンを転ばせる。そして……

 

『殺せ!』

 

「がああああああああ!」

 

踵から刃が飛び出る。それを倒れてしまいいまだに体勢を立て直せないアンノウンに叩き込む。

 

「ブルル…………!」

 

アンノウンが光輪とともに爆発した。

 

なるんだ。

 

 

「シャアアア!」

 

サソリ型のアンノウン。こいつは毒をもっているはずだ。しっぽを切り裂け!

 

「があああああ!」

 

俺の体が動き、背後に迫っていたアンノウンのしっぽを爪で切り捨てる。

 

「があああ!」

 

俺の体がアンノウンにとどめを刺すべく、貫き手で攻撃する。

 

「フッフッフ」

 

なに!? 盾とレイピア!? サソリっぽい武器だな。ここはいったん距離をとって様子見をする。

 

「があああ!」

 

だが俺の体はそのまま盾を引きはがしレイピアを持っている腕をつぶさんばかりに握る。

 

待て、危険だ。レイピアにも毒があるかもしれないんだz『噛み殺せ!』うああああ!

 

「ぐらああああ!」

 

「ギャアアアア!」

 

俺の体は構わずにサソリ型のアンノウンの首に食らいつく。そしてエネルギーを牙に集めた。

 

「ギャアアアアアアアアアア!」

 

過剰なまでの炎を受けアンノウンが灰となり消滅した。

 

 

ならなければ。

 

 

次の相手はクラゲのアンノウンだ。何をしてくるかわからない。ここは慎重に「があああああ!」だよな。

 

俺の思考とは反対に俺の体が駆けだす。クラゲ型のアンノウンは俺を指さす。すると俺に向かって雷が降ってくる。

 

「ふしゅるるる」

 

俺には効かない。むしろ取り込んでパワーアップする。

 

「……!?」

 

クラゲ型のアンノウンは何度も雷を放ってくるが無駄だ。もっと強く速く強靭になる。クラゲ型のアンノウンはあっけなく俺のアギトに殺された。

 

ヒーローにならなければ。

 

 

「ただいま」

 

「おかえり~」

 

家に帰るとのんきそうな声が聞こえた。リビングに入ると親父がビールを飲みつつテレビでニュースを見ていた。そこには今日もアンノウンの情報がやっていた。人が死んだ。アギトがアンノウンを倒したと報道されていた。

 

「怖いね~」

 

「ああ、そうだな」

 

俺はそう言って席に着く。テレビからは警察は何をやっているのかなんて無責任な言葉が聞こえてくる。アンノウンの情報が載ってる掲示板も警察の無能さをアギトの責任について無責任な奴らが声を上げていた。なんで俺がこんな奴らのために……いや、これがヒーローとしての責任なんだ。俺がもっと早くアンノウンの出現を予知できれば被害は未然に防げるはずだ。五代さんならどうする?

 

「一輝」

 

俺が考え込んでいると親父が話しかけてきた。

 

「なに?」

 

「お前最近どこに行ってるんだ? 学校も途中で抜け出す。それに夜遅くまで出かけてるし、母さん心配してたぞ?」

 

「なんでもねぇよ。ただ遊んでるだけだ」

 

俺はそう返すことしかできなかった。

 

「なんかあるなら相談しろ? 学校が嫌だとか。実はいじめられてるとか」

 

「だから、何でもないって」

 

めんどくさいな。いつもだったらこんなに突っ込んでくることないのに。親父はのんびりした性格で楽天家な人だ。こんなこと聞くような人じゃないんだけど。

 

「なんかあったら母さんが助けてくれるからさ」

 

「何だよそれ」

 

いつもなら何気ない一言だったが、今の俺には心底ムカつく発言だった。

 

「なんで母さんなんだよ! 親父はいつもそうだよな! 俺たちに何にもしてくれない! 昔俺がいじめられてる時だって学校に来てくれたのは母さんだけだった!」

 

そんなことは無い。親父は心配してくれていたし、仕事があって来れなかったのも知ってる。

 

「それで自分はのんきに会社の同僚とゴルフかよ! ずいぶんと楽しそうだよな! 良いよな親父は! 何にも考えなくて気楽そうで!」

 

ゴルフだって接待だし、親睦を深めるためだってのも知ってる。

 

「人任せになんてすんなよ! みんなそうだ! 俺らにばっかり文句言って自分たちは安全な場所で厚かましく居座りやがって! てめえらで戦ってみろよ!」

 

「一輝……お前……」

 

「あ……ごめん」

 

俺は逃げ出した。家を出てバイクで走りだす。戦わなきゃ。戦わなきゃ生き残れない。

 

 

 

 

この反応は、アンノウン!

 

アンノウンの予兆を感じ取った俺はすぐにバイクをその方向に走らせる。

 

「変身!」

 

俺とバイクが変身する。すぐにスロットルを開き全速力で駆けだした。

 

「フッフッフッ」

 

俺がアンノウンのいる場所にたどり着いたときはもう手遅れだった。蜂型のアンノウンが、殺されてコンクリートに生き埋めになった人の前で満足そうに笑っている。クソが!

 

「があああああああああ!」

 

「ムッ!? ギャッ!?」

 

俺はアンノウンに襲い掛かり押し倒し、馬乗りになる。

 

「がぁ! がぁっ!」

 

殴りつける。何度も、何度も。アンノウンの骨が砕け肉が裂けても。何度も、何度も!

 

『そうだ殺せ! 殺してしまえ!』

 

頭の中の声に従うように

 

『こいつは獲物だ! 俺は強い!』

 

「死ねええええええ!」

 

アンノウンが力尽き、爆散した。

 

「ああああああああああああああ!」

 

そして、静寂が訪れた。俺は被害者に近づきコンクリートから掘り起こす。傷つけないようにゆっくりと。そして出てきたのは俺とさほど歳が変わらない男だった。

 

この人にも家族がいたんだろう。もしかしたら彼女もいて結婚の予定とか将来どの会社に行きたいとか、もしかしたら歌手になりたいとかパイロットになりたいとか響二みたいに職人になりたいとか友達と一緒に夢について語り合ってたかもしれない。学校の授業がたるいとか、あしたカラオケに行こうとかそんな他愛のないことを話して青春を、今を、精いっぱい生きていたはずなのに。どうして、こんな、たかが人と変わってるからってどうして死ななければならないんだ。

 

ブブブブブ

 

羽音が聞こえる。感情が読み取れる。怒りだ。俺に対して激怒している。上等だ。

 

俺は羽音がするほうを見る。おびただしい数の蜂のアンノウンが浮遊し、その中央に嬢王蜂のアンノウンが俺を見ている。

 

何怒ってやがる。仲間を殺された? 家族が殺された? お前らだって同じことをしているだろう!

 

『「来い! お前らを絶滅させてやる! ああああああああああああ!」』

 

俺の体が輝きだす。敵を射殺さんばかりの光を放つ。白く白く。外敵を光で塗りつぶすように。

 

『「ガアアアアアアアアアアア!」』

 

 

 

 

 

 





主人公暴走回です。主人公を突き動かしているのはヒーローにならなければならないという強迫観念であると同時に戦わないとアンノウンに家族ともども殺されてしまうという知識からです。ですが主人公は自分がヒーローの器ではないと心の中ではあきらめており、それなのに他の人はまだ努力が足りないと言ってくることに対しての怒りで精神的に揺らいでいます。


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能力紹介

仮面ライダー AGITO ✖✖✖✖✖✖✖

 

真名 火原一輝

 

身長 169㎝ 変身時 194cm

 

体重 65㎏  変身時 100㎏

 

出典 オリジナルライダー

 

地域 日本

 

属性 中立 善

 

イメージカラー 深紅

 

特技 運動全般

 

好きなもの 漫画 ゲーム ヒーロー

 

苦手なもの 自己肯定

 

天敵 AGITΩ(津上翔一)

 

 

 

 

フォーム ビーストフォーム(超獣精神の深紅の戦士)

 

 

外見 

 

火原一輝が火のエルロードの力で覚醒した姿。アギト バーニングフォームにギルスのような爪や牙、肘の部分に刃を備えた攻撃的な姿。装甲のところどころから炎があふれ出している。クロスホーンは常時展開されている。

 

 

能力

 

パンチ力 25t

 

キック力 15t

 

ジャンプ力 25m

 

走力 100mを6秒

 

自身からあふれ出る炎を炸裂させパンチやキック力を増強させることができる。足や肩部で炎を炸裂させクイックブーストのように高速移動や二段ジャンプができる。上半身の力に特化されており足は遅い。武器などは使えず爪や牙、拳などの肉体を使って攻撃する。

 

能力が暴走しており、クロスホーンが開きっぱなしになっていて、全力で戦っているため継続戦闘力が低い。吸収した能力が抑えきれずに体を変形させることで力を受け流している。

 

必殺技

 

バーニングフィスト 威力 45t

 

自身の拳に吸収したエネルギーを集中させて放つ必殺の拳。本来であれば炎を操作し追尾させることも可能だが能力が暴走しておりただ振るうだけになっている。

 

クリムゾンクロウ

 

自身の爪にエネルギーを集中させて相手を貫く技。バーニングフィストより貫通力が高くなっており殺傷能力が上がっている。

 

 

ビーストフォーム 俊敏体

 

能力

 

パンチ力 15t

 

キック力 25t

 

ジャンプ力 35m

 

走力 100mを4.5秒

 

自然エネルギー吸収の能力でアギトストームフォームの風のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを逃すために脚力に移した姿。速度が上昇し上半身のパワーが落ちてしまった。自身の能力を逃すために体力を使っているので体力が落ちている。

 

 

 

ビーストフォーム 激状態

 

能力

 

パンチ力 25t

 

キック力 25t

 

ジャンプ力 35m

 

走力 100mを3秒

 

速度特化からさらにエネルギーを吸収しすでに人の形を保てなくなったアギトの姿。すべての能力が上昇し体力はさらに落ちている。

 

 

火原一輝

 

能力

 

自然エネルギーの吸収

 

卑屈気味でヒーロー願望のある普通の高校生。ただし昔から熱や冷たさなどエネルギーを吸収し体力を回復させることができた。それが災いし火のエルロードの力を必要以上に吸収してしまいアギトの力を暴走させている。

 




主人公の能力紹介です。

私事ですが、『ファイナルファンタジー14 光のお父さん』を見てきました。正直泣きかけました。息子とお父さんのぎこちないコミュニケーション。オンラインゲームという顔の見えない関係でも築ける絆。お互いどう相手とコミュニケーションをとっていいかわからないながらも相手を大切に思っている。物語とは違うヒューマンドラマがそこにはありました。本当に感動したのでみんなも劇場に行って見よう!(ダイマ)


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