私を愉しませてくれたまえ (メルシー)
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私を楽しませてくれたまえ (FGO 冬木内)

めっちゃ久しぶりに書きました。思いつきです。シャドバのギルド編ストーリーのユリアスに惚れました。はい

FGO冬木時間軸は立花達が来る少し前です。



虚空が歪む。確かにあった人影は消えた。

 

全体的に色白の男は紅い瞳を開けた。

「いい世界だ。強き者の気配のみ。」

自然と口角が上がるのがわかる。気分がいい。

彼の瞳に人影は映らない。赤黒く揺らめく一面の焔だけがより彼の瞳を紅蓮に冷たく燃やした。

 

ーーーーー

 

 

私はヴァンパイア族の主。

生まれながらにしてヴァンパイアなのだ。

ヴァンパイアは絶滅したと言われるが

紛い物しかいなかった彼らは私が根絶やしにした。

しかし、私の気は晴れることなく潤う事もない。

兵士、騎士、女子供、老人をも手にかけたが満たされることはなく生涯渇き続けている。

 

 

 だが、私は理解した。この渇きが満たされる事を。一国の騎士により小さな傷を受けた己から出る血によって。これだ。私が求めていたものは。

 

ヴァンパイアは永遠を生きる種族。これまで何千年分もの渇きを埋めるかの如く闘争を。虐殺ではなく闘争。相手が強ければ強いほど私は満たされ強き者を蹂躙する。

気まぐれに逃した人間が再び私を楽しませてた。前よりもより強者になっている。彼は復讐という哀れなことの為力をつけたようだ。私が何年も前に殺した女の為。

 

私は学んだ。力よつけて私の前に立ち私を楽しませる事を。人間とは成長する事を。何をなし得たか人それぞれあるが人間は強くなる事を。私は惜しんだ。強き者を殺すことに。

 

 

ーーーーー

 

 

「なんだ奴は。」

彼は狂化がかかった赤黒き鷹の目で捉えた。

焼け爛れたこの街に人など等に居ない。奴はサーヴァントではない事を感覚が告げる。

しかし人でもない。それは生前の経験で鈍く告げる。

狂化のせいかここで思考にノイズがかかる。

味方ではない。それだけ分かれば弓を引く理由としては十分。彼にはそれだけだった。

廃墟ビルの上空から数百m離れた相手と視線が合う。

 

燃えていて熱気があるはずの空間は空気の温度が下がって行く感覚がある程の威圧を肌が感じる。

虚空より弓が出る。次からの動作は常人では目で追えない。戦闘が始まった。

 

 

ーーーーー

 

 

対象は口角が上がったまま歪みから蝙蝠をいくつかぶつけ相殺した。

「素晴らしい。今までで一番私の理想に近いようだ。有無を言わずとも闘争。そしてこのむき出しの強者の殺気。」

 

その言葉に返すものは誰もいない。本人も当然理解をしている。敵は己から数百m離れていることを。

代わりに3発の矢が飛んでくる。

 

彼は右手を振るうと矢は掻き消える。

 

3本に混じり本命で有ろう一本が現れる。青く槍のような形を彼は捉えた。何かを唱えると右手が蠢き「鋭利な一裂き」で槍が突かれる。彼は何かに気づき防御体制を取るが防ぎきれない。着弾と同時に槍は爆破した。攻撃時使用した右腕に小さな傷を負ってしまう。

 

「チっ」悪態を付くが表情は変わらない。

 

「今度はこちらから行かせて貰おう。」

彼はまた何かを唱えると「姦淫な翼」が彼の背中に出現する。

彼は圧倒的速度で上空へ舞い上がる。矢の位置からある程度場所の予測が付いていたところで真っ直ぐに向かう。

 

前方の炎の中から剣が飛翔してくる。蝙蝠を喚び相殺させる為ぶつけるが止まらない。

「ほぅ」

彼は面白そうに毒蛇を喚び今度は相殺する。

剣は顔ギリギリで砕ける。彼は気にせず加速する。

瓦礫を突っ切る。既に互いの距離は10m。

 

ここで初めて赤黒い弓兵と顔を見合わせた。

 

 

彼はユリアス。

ユリアス·フォルモンド。ヴァンパイア族唯一の生き残りにして闘争を好む歴代最強のヴァンパイア。

 

彼は両手を開き豪語する。圧倒的殺気と共に。

「私を愉しませてくれたまえ」

 

 

 

 

 




気が向いたら続き書くかもです。
fate先長すぎて序章終わったら適当に別の世界にユリアス飛ばすかもです。


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2話 味見

正直戦闘の描写が短すぎ
ユリアス短気すぎは良く分かってるよ。。。うん

お互いを切り替えるタイミングがとても難しい


彼は両手を開き豪語する。圧倒的殺気と共に。

 

「私を楽しませてくれたまえ」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「初めは楽しめるかと思ったが実に他愛ない。」

 

 

 

「···」

 

口に出しては居るが相手のリアクションはない。

 

 

 

第一印象より悪かった。

 

 

 

今のところ爆発した槍以上の火力もない。近距離戦も双剣を出した辺りから初めは楽しめていたが底が見えた。

 

特別強い攻撃がある訳でもない。目に見えないほどの攻撃もない。だが手を抜いているとは言え攻めきれない。

 

そこに旨さと奥に秘めた刃を見た。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

初めて奴が何を言っているかなどどうでも良かった。

 

だが表情から察するにかなり狂っている事は得ていた。

 

 

 

私達は交差点の真ん中であった場所で対峙している。

 

 

 

奴の攻撃を流しては居るが一撃一撃で地面が抉られる。

 

食えて翼が出てからの速さは私をも上回る。

 

ランクダウンしているとは言え曲がり成にも宝具。カラドボルグを相殺する程の使い魔を使役し爆発にも耐える体。

 

「チッ」

 

加えてあの笑み。まだまだ底を見せていないと優に見て取れる。戦いの長期化が見え舌打ちをする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これほどの力そう出来るものでもあるまい。君よりも強い力も感じている。実に興味深い。君たちは人の理を超えているな?」

 

 

 

「貴様に話す舌など持たぬ」

 

 

 

 

 

「その隠している力を使う前にくたばってくれるなよ。

 

 

 

どちらか滅びるまで闘争を楽しむとしよう。」

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

「トレースオン」

 

 

 

なん種類かの魔物殺しの剣を混ぜ辺りの建物、炎の中に潜める。奴が何者なのか特定するために。

 

 

 

剣戟の中後方30m前後のビルの上に下がりながら弓を投影し放つ。

 

命中を確認せず2射3射続けて行う。

 

奴も何かの詠唱をしているのが耳に届く。腕が黒く膨大な何かに変わる。私の目にはノイズが掛かる。解析は出来ない。

 

奴はそのままこちらへ突っ込んでくる。 

 

魔物殺しの剣を2射左右後方で奴死角から放つが当たることはない。

 

(今の状態、奴の方が私より早い···。ここまで捉えられているのであれば。) 

 

 

 

「クッ」

 

 

 

回避行動を取る為左に回ろうとするがこちらの動きを捉えられてる以上行動を変える。

 

 

 

右手を突き出し自身が知る限り最高の盾の名を告げる。

 

 

 

「熾天覆う七つの円環《ロー·アイアス》‼」

 

 

 

 

 

「チッ」

 

詠唱破棄の急造品とは言え2枚目まで一瞬の内に削られる。足元は揺らぎ瓦礫と変わる。

 

 

 

頼りないが頼る他ない。事実に舌打ちが溢れる。

腕を犠牲にしてでも止めるつもりでいた直後の出来事だった。

 

 

 

攻撃の手は急激に止んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「どれ、ギアを上げるとしよう。」

 

 

 

«狂恋の華鎧・ヴィーラ»それは力を底上げする。

 

使い魔の力をその身に宿す。

 

 

 

このヴィーラの力は低ランクの攻撃を寄せ付けず

 

自身の肉体強化も図っている。

 

 

 

その為後方に下がりながら飛ばしてくる矢など今のユリアスには気にも止めない。

 

 

 

直進。ビルの上に居る相手に向かって一直線で飛翔する。

 

 

 

ただ。ただの右手による攻撃。強化されただけの腕力で突如として現れた花弁を貫く。

 

 

 

「それでは持たんよ。次の一手を打ちたまえ」

 

 

 

「···」

 

 

 

 

 

次々に花弁を割るが手を変えない相手に苛つく。

 

 

 

「その内に秘めた物は使わないのかね。

 

···興ざめだ。」

 

 

 

もはや表情に笑みはなく、興味はあるが別に向いてしまっている。

 

 

 

(ここまで力の差を見せたが出してこないのは理由でもあるのだろう。まだいくつか反応のある。そちらへ赴くとしよう。)

 

 

 

 

 

 

 

手を辞めると隣の廃墟に飛び移ると蝙蝠がひしめく。

 

 

 

 

 

 

 

ユリアスの体を覆うと姿は消えていた。

 

 



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3話 本人知らぬうちにボス戦(前編)

 

 

(誰かまではわからんが誰か来る···)

 

私の直感は何者かの訪問をつげていた。

既にバイザー、身に纏っているものまで変わってしまっているが私の直感は確かに告げていた。

 

アーチャーが破られた気配が無い。

(あのアーチャーが巻かれたのか?面白い少し遊んでやろう。) 少し口角が上がる。強者の予感を告げる。

 

 

 

洞窟の一点を見つめる。

 

 

 

目先には洞窟出入り口に異常に居る蝙蝠の群れ

ーーー

 

 

「ほう。どうやら女と見える。その出立ち騎士のそれかね?だが確かに強い気を感じる。」

 

「···」

 

「さっきの男もそうだったが君たちは言葉がわからないのかね?今からやり合う相手に言葉は不要か。こちらは先程の戦いで準備運動は済んでいる。いつでも構わんよ。」

 

(先程の男と雰囲気が似ている。大方強化でも施されているのだろう。明らかに平常でわない。)

 

ジャキ

 

剣身は真っ黒でいて鈍く赤く光る。剣の構える音のみが洞窟内をこだました。

 

面と向かい合い距離は15メートル辺り。障害物の無い空間は力と力の真っ向勝負を意味していた。

 

 

先に動いたは剣士。常人では追えぬ剣速で右から剣を振り下ろす。

 

目で追うには些か早い、が。

対するユリアスは左手の甲で力ずく弾く。

ただ、力ずくと一言で言っても互いに人外。

辺りに爆風が舞う。

 

だが一撃弾かれて引く剣士ではない。

2撃3撃と追撃を振り下ろす。

男も素手では流石に分が悪いのか腕周りに小さな傷受ける。しかし、傷の数に比例して男の口角上がるのが見て取れる。

 

数メートル間合いが少し離れる。

予備動作などない。少なくとも常人には見えない。

剣から放たれた黒い一撃がユリアスを飲み込むが一瞬。

斬撃はユリアスの辺りを抉るが本人は傷1つ負わず。

 

チッ

 

(この程度は傷も負わぬか。

厄介だな。下手をしたらアーチャー以上に。)

 

相手の戦闘力を図り間違えた事に対して舌打ちが漏れる。問題はそれだけではない。何をしたか分からなかった。戦闘においてこれ程怖いことはない。対処、解決方法を模索する必要があるのだから。一撃で終わる積りも無かったが無傷という結果に握る剣の柄が軋む。

 

ならばより強い力で押し通る。

 

 

ーーーー

 

 

(素晴らしい。ノーモーションから繰り出されたとは思えないほどの力。斬撃と呼ぶには少々魔が宿っている様であったが強ければそれでいい。)

 

 

(あの斬撃何度も受けられるものではないか。こちらも素手では少々分が悪い。)

「スペル」

地面に引きずられながら1m以上ある斧がユリアスの手の中に収まる。

「処刑人の斧」

既にいくつもの血を吸ったかのように斧は鈍い光を放つ。

 

 

「今度はこちらから行かせてもらう」

 

「ふんッ」

その斧とユリアスが居た場所は歪む。

加速。ユリアスは確かにより早くなっていた。

動きは突進。真っ直ぐに加速する。

 

移動スピードと振り下ろす力を目一杯に使い斧を振り下ろす。単調な動き···故に防がれるが一撃で終わるはずもない。左右上下から斧を繰り出す。どちらかに綻びが現れるまで。

辺りの地面が砕け散る。足場など今の二人は気にも止めない。一方は止める事さえ許されず。一方は純粋に気にせず。両者の攻防は斧が押していく。

 

剣戟の決着

時間にして十秒前後 何百の攻撃が繰り返される中で一撃を貫く。深くはないが、バイザーの左上に亀裂が入る。

 

(ある程度は着いてくるか。女と少し侮っていたが騎士と言う人種は中々どうして私を愉しませる。)

 

 

 




最初の剣戟で傷受けてるのに黒い一撃無傷なのやばい()


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