物間くんは最強です。 (ハッタリピエロ)
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個性設定

物間くんが現在持っている個性

 

ワンフォーオール

オールフォーワン

膂力増強

脚力増強

ゴム化

空気を押し出す

異世界転移

言語翻訳

ブラックゲート

空間切断

光速化

ヘルフレイム

剛翼

バリア

性質変化

IQ

マグマ

磁力操作

天候操作

龍化

鋼鉄化

重力操作

巨大化

超再生

ブラックホール

武器生成

サイコキネシス

テレパシー

テレポート

サーチ

エクトプラズム

抹消

透明化

オーバーホール

ゼログラビティ

透化

波動

粘液化(はぐれメタルのようになるもの)

エンジン

爆破

プロテクト(オールフォーワンや抹消などの個性に関する直接的な干渉の無効化)

爆弾化

亜空間ポケット

液体操作

ダークシャドウ

セメント

空気凝固

プリズム(七つの大罪のパーフェクトキューブのようなもの。ただし絶対に対処できないわけじゃない)

モデリング(物体の形状変化)

レーザービーム

エンチャント(物体に個性の力を与えることができる。例えば燃える剣を作るなど)

召喚(亜空間から契約しているモンスターを呼び出す)

威圧(相手を気絶させるほどの覇気。ワンピースの覇王色の覇気と同じようなもの)

ショック無効

反射(あらゆる攻撃を倍にして跳ね返す。魔方陣のようなもので返す)

増殖(物体を増やす)

テープ

洗脳

ファイバーマスター

サイズ

ポルターガイスト

ツインインパクト

旋回

ショック(衝撃を直接与える)

魚人

粘液

千里眼

蜘蛛の糸(手から糸を放出する。粘度や硬さは調整できる)

触手

植物操作&成長促進

時間停止(停止中はダメージは通らないがツインインパクトなど後に効果のあるものは通る。停止中にも体力を要する。インターバルは十秒)

引き寄せ(あらゆる物体を引き寄せる)

魔神(自分の背後に巨大な魔神を呼び出す。ナルトのスサノオみたいな感じ)

幻術(ナルトの写輪眼とほぼ同じ)

パラライズ(相手を麻痺させる)

幻(こちらは幻を現実世界に直接出す。むろん幻なので触れない)

ジャック(針で刺した相手を意のままに操る。我の強い者や精神力のある者は操れない)

超回復(体力の回復)

治癒(自身や大気中のエネルギーを使って怪我を治す。リカバリーガールの上位互換)

変身(記憶にある人物に変身できる。トガヒミコの完全上位互換)

眠り香

電気操作

リカバー(あらゆる状態異常を治す)

スナッチ(相手の身体能力を奪う。七つの大罪のバンと同じ能力)

シーフ(生物以外の物体を手元にアポートさせる)

アナライズ(見たものの情報を分析する)

柔化

半冷半燃

創造

空中浮遊

衝撃反転

ファルコン(機械の鳥に変化できる)

吸収&放出(炎や風などを手に吸収し、自在に放出できる)

煙操作

クリーム(粘度などは調整可能)

複製腕

トルネード(風の操作)

弾性付与

溶接




雄英の皆の個性は説明会場の時にコピーしました。
あとオーバーホールはヤクザとして有名なのでコピーできました。


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プロローグ

力とはなんなのだろうか?

 

圧倒的な武力のことか?

 

揺るぎない権力のことか?

 

人を惹きつけるカリスマか?

 

色々あってそれは違うのかもしれない。

 

そしてその曖昧な論争はある出来事を機に一つの結論にたどり着いた。

 

それは"個性"だ。

 

超常黎明期という人間に特異能力が発現し、混沌を極めた時代。

 

そしてヒーローという職業が生まれたのを機に"個性"による優劣は更に加速した。

 

"個性"が全てとなりいくら地力を鍛えようも最終的には個性が優れた者が勝つとまで言われてきた。

 

まあいくら"個性"が凄かろうともそれを伸ばさないのは愚かとしかいえないが……

 

とにかく"個性"によって全てが決まる世界。

 

そんな世界に今僕はいる。

 

僕が誰かって?

 

僕は物間寧人(・・・・)。転生者だ。

 

ひょいなことからこのヒロアカの世界に転生しちまった。

 

神様によって与えられた特典もさっぱりわからない。

 

僕はヒロアカをあまり知らない。一巻までしか読んだことがないからだ。知っているのは緑谷出久が主人公で幼馴染が爆豪で出久はオールマイトから個性を貰っていることぐらいだ。だからこそ原作知識は消されなかったのかもしれない。

 

この物間寧人という人物はおそらくモブキャラだろう。

 

だって全く知らないだもん……それかストーリーにすら出てきてないんじゃないか?

 

だが僕の個性はある意味チートそのものだ。

 

個性は"コピー"。他者に触れるとその人物の個性をコピーして使えるというものだ。

 

だけど使用時間は僅か五分。短いったらありゃしない。それに使用時間が過ぎると再びコピーし直さなければならないという欠点もある。

 

僕はこの弱個性をなんとか出来ないかと試行錯誤していると

 

"もし永遠にコピーし続ければ弱点を克服出来るんじゃないか?"と俺は思った。

 

よし……修行したろ……

 

と思って5歳から個性を鍛え続けた結果、僕は個性を"ストック"する術を身につけた。

 

簡単な話。ゲームでいうところのセーブ機能だ。これでコピーした個性を永遠に使い続けることができる。

 

あとは触れなくてもその人物の個性を見るだけでコピーする方法も得た。

 

"アナライズ"という個性を使ってその人物の個性因子を把握することで触れずともコピーできるのだ。

 

これで相手に接触を求める必要もなくなった。

 

改めて思ったけどやっぱコイツって極めればチートじゃね?

 

そして全国のヒーロー志望が集まる雄英高校の入試当日、僕は透明化を使って多古場海浜公園に来ていた。

 

あの緑谷出久がオールマイトから個性を渡される瞬間だ。

 

僕はワンフォーオールをコピーしたがそのままじゃダメなことは知っている。

 

ワンフォーオールは力が蓄積されたもの。僕の個性は蓄積まではコピー出来ない。だから分身の個性で何人もの分身を作り増強系の個性を使って極まれし者の体に無理矢理してそれをパスし続けてワンフォーオールを完成させた。

 

さあいよいよ雄英入試の時だ。

 

僕は黒いモヤの空間系個性……名前は決めてなかったな……"ブラックゲート"を使って雄英までワープした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応神様転生ということになっております。

与えられた特典は鍛えればコピー時間が無限になるという特典です。


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実技試験と誤算

雄英高校の門を前にするが僕は全く緊張していない。

 

むしろ自信しかない。そういえばここで緑谷は麗日お茶子と会うんだよな?

 

そんなことを気にしながら歩いているとつい転びそうになったが僕の体はフワフワしている。あれ?

 

「ごめんね!私の個性!転んじゃったら縁起悪いもんね」

 

あれ?麗日お茶子じゃね?もしかして緑谷くんフラグを奪っちゃった?

 

まあいっか。別にそれで困るわけじゃないし。一応お茶子の個性もコピーしとこ。

 

僕はそのまま試験会場に向かった。

 

筆記は問題なかった。次は実技だ。

 

『今日は俺のライブにようこそー!エブリバディセイヘイ!』

 

"ボイスヒーロー"プレゼントマイクが叫ぶが反応する者はいない。

 

ていうか眠くなってきた……ちょっと寝よ……説明は入試要項みたから大丈夫だし……

 

『コイツはシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の内容をサクッと解説するぜ!!!アーユーレディ!?YEAHH!!!』

 

またしても叫ぶが誰も反応しない。

 

そしてプレゼントマイクの説明の中で

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

眼鏡の優等生みたいなやつが突然声をあげる。

 

そのせいですっかり目が覚めてしまった。

 

なにやら叫んでるのを聞いてると

 

「ついでにそこの縮毛の君!さっきからボソボソと気が散る……!あとそこの居眠りしていた君もだ!物見遊山のつもりならさっさとここから立ち去りたまえ!」

 

なんだあ?コイツ?ていうかコイツよく見てみると飯田だった。

 

随分と言ってくれるじゃねえか……

 

なんか言い返さないと気が済まねえ……

 

「別に〜?だから?」

 

「なっ、なんだと!」

 

「そっちこそうるさいんだよ……もうすこし他人の迷惑のことを考えられないのか?大体この試験で僕が受からないわけないし……」

 

「きっ!君というやつは!」

 

「もう止めようぜ?皆の迷惑だ」

 

そう言って再び寝ようとするとすごい数の視線を感じたが気にせずに眠りについた。

 

と説明が終わる頃に起きると演習試験場までのバスに乗り込む。

 

そして位置に着くと

 

『ハイスタート!』

 

合図が聞こえると同時に僕はホークスの個性を使って背中に翼を生やして一気に駆け抜ける。

 

なにやら後ろでアナウンスがあるが気にしない。

 

僕は翼の羽を鉄に変えて1〜3pt敵に飛ばしましまくる。

 

それだけで周りにいた仮装敵は全部切り裂かれた。

 

そして引き寄せで仮装敵を引き寄せると引き寄せた敵を片っ端から殴り倒した。

 

そしてエクトプラズムで分身を作って千里眼で敵をサーチすると一斉に仮装敵を潰していく。

 

と分身の一人が仮装敵に囲まれているオレンジ髪の少女を見つけたので駆けつけて生成した武器をサイコキネシスで操り躍らせるように斬りまくった。

 

「あ、ありがとう!」

 

「気にすることないさ。ヒーローは助け合いだろ?じゃあ頑張ってね!」

 

さてとこれで何ポイント稼いだかな。

 

・・・・

 

受験生たちが見たのは圧倒的な蹂躙だった。

 

一人の受験生から見ればソイツは不真面目な奴だったかもしれない。だがそんなイメージを無くさせるほどの圧倒的な力を見せつけていた。

 

そして誰もが悟った。

 

アイツには勝てないと。

 

とその時轟音が鳴り響いて0pt敵が現れた。

 

・・・・

 

さて!100も稼いだからいっかな?

 

とその時0pt敵が現れた。

 

と僕のサーチが0ptの近くにいる人物を感知すると僕はワンフォーオールを発動させて

 

「…………SMASH!」

 

0ptを殴り飛ばした。

 

そしてその人物を見た時、僕は驚愕した。

 

なんと麗日お茶子だったからだ。

 

ってことはこれ緑谷くんが潰すはずだった敵?

 

だったら不味くない?これを潰したから合格したんだよね?

 

『終了〜!』

 

そして実技試験は終了した。

 

 

 

 



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実技結果と修羅場

???side

 

私は落ち着いているように見えるが内心では焦っていた

 

「実技総合結果出ました」

 

誰かがそう言うと教師陣はモニタールームに注目する

 

「救助ポイントなしで2位とはなあ!」

 

「後半他が鈍っていく中で敵を迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

その後も色々な生徒の活躍が映るが皆が注目したのが

 

「……だが一際目立ったのはやっぱりコイツだな……物間寧人」

 

「コイツ個性なんなんだ!?羽生やしたり武器出したりとよう!」

 

「ソレダケデハナイ、カレハスデデ0ptヲフキトバシタ」

 

「どれどれ……出ました。個性は"コピー"、あらゆる個性をコピーできるとのことです」

 

「コピー!?なるほどだからあんだけの個性を使えたのか!」

 

「個性だけじゃない……扱いも非常に上手い。それに被害が出ないように戦う余裕すらある」

 

「そして最後に……0ptを吹き飛ばした……」

 

「ああ、あれを吹き飛ばしたのを見るのは久しぶりだな!」

 

そうだ……あの時緑谷少年も立ち上がろうとした……彼がいなければ……しかも……あの時使った個性は……ワンフォーオールに似ている……

 

「敵ポイント140救助ポイント60これだけ稼いだのは例年にいませんよ?」

 

「うむ!彼は間違いなく合格だね!是非とも立派なヒーローになってもらいたいものだ!」

 

「しかし……今年のクラスはひとり空きが出るな」

 

「まあしょうがじゃないか!」

 

とまあこんな感じで会議は進んでいった。緑谷少年……

 

・・・・

 

結論から言うと僕は雄英に合格した。

 

まあ主席合格だ。多分だが緑谷出久は落ちちゃったと思う。

 

でもこればかりはどうにもできない。

 

新しい制服を着て僕は家の扉を開ける。そして電車に乗ること三十分僕は雄英の門の前に立っていた。ここから僕の新生活が始まるんだ!

 

とその時

 

「あ!お〜い!」

 

と後ろから声をかけられたので振り向くと僕が助けたオレンジ髪の少女だった。

 

「あ、君は」

 

「覚えていてくれた!私拳藤一佳!試験の時はありがとね!」

 

「物間寧人だ。よろしく」

 

「物間か!よろしく!」

 

とそこに

 

「ああ!いたいた!」

 

と声の主は麗日お茶子だった。

 

「試験の時はありがとう!私麗日お茶子!よろしくね!」

 

麗日と話していると拳藤の機嫌が悪くなるのを感じる。

 

なんだ?

 

「物間……コイツ誰?」

 

「誰って……試験の時同じだった……」

 

と麗日の方も機嫌が悪くなっている。あれえ?

 

「物間くん……この人誰?」

 

その後二人のことをお互いに紹介するとひとまず収まった。

 

とその時

 

「も〜のまく〜ん!」

 

後ろから抱きつかれた。こんなことするのはあの人だけだ。

 

「なにやってすんか……ねじれ先輩」

 

「ふふ〜ん!物間くんがカッコいいから抱きつきたくなるの!」

 

天然先輩の不意打ちにドキッとする。正直先輩は可愛い。こんなことされると周りからの視線が痛い。

 

この人は波動ねじれ先輩。特訓しているところを見られてからの付き合いだ。先輩の指摘は的を得ているので参考になる。あと言っておくが僕とねじれ先輩は付き合ってないぞ!好きだけどさ!

 

すると

 

「「物間(くん)?その人ダアレ?」」

 

トーンが下がった声が僕に向けられる。正直怖い!

 

ねじれ先輩のことを話すと益々機嫌が悪くなる。

 

そんな状況の中でもねじれ先輩は抱きついてくる。

 

そしてクラス決めの紙を見ると

 

「僕はB組か」

 

「私もB組だ!(……よかった)」

 

「ワタシハ……A組ダッタ……」

 

あれ?麗日のテンションが更に下がっている……なんでだ?

 

とにかくこの空気はいたたまれないので

 

「じゃあさ?お昼は一緒に食べない?」

 

「いいの!?うん!わかった!」

 

こうして麗日の機嫌を取り戻すと僕たちは教室に向かった。

 

途中で麗日たちと別れて教室の扉の前に立つと一佳が

 

「ドアデカっ!?」

 

「まあ異形系などを考慮した結果だろうね。それより先どうぞ?」

 

「え?あっ、ああ、ありがとう……」

 

僕がドアを開けて一佳を先導した。なにやら顔が赤かったな?ドキッとすることでもあったのかな?

 

そして教室に入るとその視線が一気に僕に向けられた。

 

0ptぶっ飛ばしたからかなあ……?原作でも緑谷くんはそれで目をつけられたわけだし……

 

まあ気にすることはない。こういう視線を向けられるのは慣れっこだ。なんでかって?自分でいうのもなんだが物間くんは顔がいい。小学校では個性のこともあってかカースト上位に入っていた。

 

とまあ向けられる視線を気にすることなく僕は席につくと目の前に失礼だがこれといった特徴のない少年たち2人がいた。

 

「ちょっといいか?」

 

「あ?うん。なにかな?」

 

「俺円場硬成!これからよろしくな!」

 

「回原だ。三年間よろしく」

 

とそこに

 

「アンタが物間か?」

 

「うん?そういう君は?」

 

「俺は鎌切尖。突然だがあの0ptを吹き飛ばしたって本当か?」

 

「うん?ああまあね」

 

僕が答えると円場くんが

 

「マジか!?あの0ptを!?」

 

「すげえな……!噂では聞いてたけど本当だったとは……!」

 

と和気藹々と話していると教室のドアが開いて

 

「諸君!席についてくれるか!」

 

甲高い声が響いて皆が席に着く。

 

あの人は……ブラドキングか。

 

「すげえ……ブラドキングだ!」

 

「本物のプロヒーローだ!」

 

「諸君!雄英入学おめでとう!俺がお前たちの担任になるブラドキングだ。気軽にブラドと呼んでくれ」

 

とカリキュラムの説明などを受けていると教室のドアが再び開いて

 

「ブラド、生徒たちをグラウンドに集合させてくれ。校長から許可はとってある」

 

「イレイザー……お前は相変わらずだな。すまんが続きはあとにする!皆体操服を着てグラウンドに集合!」

 

あー……あれか、個性把握テスト。

 

僕たちは体操服を着てグラウンドに集合すると

 

「お?麗日くん、また会ったね」

 

「物間くん!」

 

麗日が満面の笑顔でこちらに来るとなにやら視線を感じたので後ろを見ると金髪のチャラチャラした男と葡萄のような髪のやつがこちらを睨めつけていた。

 

あー?あれか?嫉妬ってやつか?麗日と喋っているから。彼女とでも間違われたか?

 

辺りを見てみるとやっぱり緑谷くんがいなかった。落ちちゃったのか……残念だな

 

と相澤先生からの説明が入ると

 

「個性把握テストおぉ!?」

 

一部の者たちが声を揃えて驚く。

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

麗日が叫ぶが

 

「ヒーローになるのならそんな無駄な行事出る暇ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。またそれは教師陣も然り。主席の物間は……参考にするなら……A組爆豪、お前中学の時のソフトボール投げの記録何メートルだった?」

 

「っ…!65メートル」

 

爆豪が睨めつけながら先生の問いに答える。

 

「じゃあ個性使って投げてみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ」

 

そして相澤先生が投げたボールを爆豪が受け取ると

 

「思いっきりな」

 

爆豪がボールを握った手を振りかざす。

 

「死ねぇ!」

 

死ね……?うん間近で聞いてみるとやっぱり意味不明だな。

 

それでも爆豪が放ったボールは遥か上空へ飛んでいった。

 

そして記録は原作通り705メートルだった。

 

「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

「705メートルってマジかよ!」

 

「個性思いっきり使えるんだ!流石はヒーロー科!」

 

「すげー面白そう!」

 

あ、地雷踏んだな。

 

「面白そうね……ヒーローになるつもりの三年間……そんな腹づもりで過ごす気かい?よしトータル成績最下位の者は見込み無しとして除籍処分としよう」

 

一瞬で場の空気が固まった。

 

「生徒の如何は俺たちの自由。ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」

 

ま、知ってたけどね

 

そのあと麗日が理不尽だと反論したので

 

「麗日くん、ヒーローってのは理不尽に対処するべきなんだと相澤先生は言ってるんじゃないかな?」

 

僕が宥めると

 

「ほぅ……わかってるじゃないか。物間の言う通り日本は理不尽にまみれている。そんな理不尽を覆すのが俺たちヒーローだ。plus ultraさ。全力で乗り越えてこい」

 

そして個性把握テストが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ボール投げの代表を爆豪にしたのは物間くんだと個性がありすぎて参考にならないとの相澤先生の合理的判断です。
ちなみに緑谷くんは普通科に入りました。


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個性把握テスト

「plus ultraさ、全力で乗り越えてこい」

 

相澤先生の言葉にやる気になる皆。まあ僕はこの後の展開を知ってるから最低限の力は見せつけないとな。

 

50メートル走

 

「よーい……ドン!」

 

「ライトニングドライブ!」

 

僕は全身に纏った光で駆け抜ける。

 

側から見れば一瞬で移動したように見えるだろう。

 

「…………記録0秒」

 

『はああああああー!!?』

 

「おいおいどういうことだよ!0秒って!」

 

「おそらくあの計測器では測定できないほどの速さなのでしょう」

 

「マジか……」

 

「………………!!!!」

 

「………………」

 

そして見てみると飯田くんがガックリと膝を落としていた。

 

握力

 

ここは膂力増強だけで充分だ。それでも何重にも組み合わせたが

 

その結果

 

バキッ!

 

「先生すみません壊しちゃいました」

 

「…………わかった。記録は∞ということにしておこう」

 

複製腕の少年、障子目蔵と万力を使っていた少女八百万百は目を丸くしていた。

 

立ち幅跳び

 

ここはホークスの個性を使う。

 

「物間、それはいつまで続けられる?」

 

「一週間はできます」

 

「……記録∞」

 

反復横跳び

 

脚力増強とワンフォーオールを組み合わせて挑んだ。

 

記録は残像による視覚分身ができるほどの結果となり1500回

 

長座体前屈

 

ゴム化で伸びて記録320メートル

 

上体起こし

 

押さえている鉄哲くんを吹き飛ばさないように加減してやった結果160回

 

そしていよいよボール投げ

 

「物間……本気でやれ」

 

「ウソだろ!?」

 

「あれで本気じゃなかったっていうのか!?」

 

「クソが……!」

 

「物間……おまえは推薦入学者を含む……いやこの雄英高校のヒーロー科の誰よりも強い。それを示せ」

 

「わかりました。皆には離れてもらえませんか?」

 

「わかった。というわけだ。皆離れてくれ」

 

そして皆に離れてもらうと僕はワンフォーオールと膂力増強×5を発動させてボールを投げる際に手から空気を押し出して投げる。

 

その結果僕の周りに衝撃波が走り、ドパァン!!!という音が鳴るボールは大空の遥か彼方まで……いや宇宙の星となった。

 

「やはりか……記録∞」

 

皆開いた口が塞がらない。

 

残る持久走だが∞体力回復の個性で永遠に走ることができる。

 

その結果記録は∞となった。

 

「んじゃパパッと結果発表な。トータルは単純に各種目の評点を合計したものだが…一名おかしなやつがいたな……まあいい。一括開示するからちゃんと見とくように」

 

そして試験結果が表示される時

 

「ちなみに除籍はウソな」

 

『は!?』

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

うん知ってた。

 

皆からの絶叫が響いた。

 

まあ驚くのも無理はないかな。僕だって原作知識があるから驚かないだけだからね。

 

しかし……僕が知っているのはここまでだ……あとは未知の領域だ。まあやれることをやるさ。僕にできるのはそれぐらいだ。

 

そして教室に戻ろうとすると

 

「おい!スカし野郎!」

 

「……なにかな?」

 

「今日は負けたが……次は負けねえ!こっからだ!次こそは!ここで俺は一番になってやる!」

 

ほぅ……!

 

「いいとも。僕としても正面から受けて立つよ」

 

「はっ!てめえが勝つのは二度とねえからな!」

 

それだけ言って爆豪はサッサと去っていく。

 

「ちょっと物間……誰、アイツ?」

 

「ああ、ウチのクラスの爆豪くん。ごめんね?あんなんで」

 

「気にしてないよ麗日さん。それにやる気があって良いじゃないか」

 

そして拳藤と麗日と一緒に教室に帰るとそこにはB組だけじゃなくA組の生徒もいた。

 

「おお!帰ってきた!」

 

「来たー!一位の人ー!」

 

「遅かったな!物間!」

 

「てめえ!なに見せつけてくれたんだよ畜生!」

 

「爆発しろ爆発しろ爆発しろ爆発しろ」

 

二人余計なものが混じってるが気にしないでおこう。

 

「物間!おめえの個性ってなんなんだ!?気になってしょうがねえ!」

 

赤い髪の男、切島に聞かれると

 

「ああ〜……そりゃ確かに気になるな。私も助けられたとき武器を作ってたりそれを操ってたり飛んでいたりしたんだもん」

 

「そうだね!私の時はすごいパワーだったし!」

 

皆に問い詰められたので僕は話すことにした。

 

「僕の個性はコピー、他人の個性を使えるのさ」

 

「コピー!?」

 

「なんだよそれ!?才能マンかよ!」

 

「てことは俺たちの個性も……」

 

「ああ使えるよ」

 

「でも制限とかあるんじゃね?」

 

誰かの呟きで皆「確かに」と頷いた。

 

「そこんとこどうなんだ?物間」

 

「うん。元々僕の個性はパクっても五分間が限界だった。でも特訓して永遠にパクリ続けることに成功したのさ」

 

「努力で強くなったというわけか!素晴らしいじゃないか!」

 

眼鏡男子が叫ぶと何人かがウンウンと頷く。

 

「じゃあ僕はそろそろ帰るね」

 

「おう!またな!」

 

こうして雄英での初日は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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説明中の波乱

個性把握テストが終わった翌日、午前は通常授業だった。

 

正直、IQの個性を持っている僕にとっては拍子抜けのようなものだった。

 

そして昼食の時間は食堂でランチラッシュ先生の食事を一佳や麗日と食っている。

 

「ヒーロー基礎学……ハグハグ……どんなものなんだろうねえ?」

 

「まあヒーローの規則や心構えなどなんじゃないかな?」

 

「しっかしあのオールマイトが教師ってのドキドキするな!」

 

一佳はオールマイトの授業が楽しみなようだ。

 

まあ僕も嫌いではない。だけど僕って明確なヒーローのイメージが個性上ないんだよね。

 

とそこに

 

「おいスカし野郎」

 

「爆豪くん……」

 

「隣……いいか?」

 

「あ?うんいいよ」

 

正直に言うと爆豪くんから食事を一緒にするなんて驚きだ。はっきり言うとそんなやつではないんじゃないかと思ってたからだ。

 

そして爆豪くんが隣に座ると

 

「おいスカし野郎……」

 

「なんだい?」

 

「テメェはどこまで個性をコピーできるんだ?」

 

「そうだね……僕が把握しているだけでも100はあるね。まあ個性の力などや練度は僕の体力や力量次第だけどね」

 

「そうか……」

 

「なんで聞いてきたんだい?」

 

「癪だが今の俺はテメェより下だ。テメェを潰すために情報は必要なんだよ」

 

「そうか……まあ頑張ってね」

 

こうして昼休みも終わって午後のヒーロー基礎学の時を待つ。ちなみにA組と合同訓練らしい。

 

「ワーターシーが!普通にドアからやって来た!」

 

『オールマイトだあああ!!!』

 

B組全体に絶叫が響き渡る。

 

「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!」

 

「戦闘……」

 

「訓練…!」

 

そして皆のコスチュームが用意されると

 

「格好から入るのも大事だぜ!少年少女!自覚するのだ!今日から自分は……ヒーローなんだと!さあ始めようか!有精卵ども!」

 

僕のコスチュームは……特に言うことはないな。コピーだから奇をてらう必要はないのさ。

 

そして僕が一番乗りでグラウンドβに着いた。

 

そして後ろを見るとチャイナ風のコスチュームを着た一佳が来ていた。

 

「ど、どうかな……?似合っているかな……?」

 

その問いに対して僕は満面の笑みで

 

「ああ!似合っているよ!正しく格闘美女みたいだ」

 

「そ!そう……(び、美女って……!!!)」

 

「物間くーん!」

 

向こうから麗日がやって来たがその姿に僕は絶句した。

 

「おおお〜!!!物間くんカッコいい!!!拳藤さんも!私ちゃんと要望書けばよかったよ……パツパツスーツって恥ずかしい///」

 

そう言う麗日は宇宙飛行士をイメージしたのかピンクと黒のSFチックなコスチュームだった。しかし体の線が出るように布地がピッチピチになっている。

 

拳藤も同情の視線を向けている。うん。わかるよ

 

「ヒーロー科最高」

 

この葡萄……コイツこんなキャラだったんだ。いるよね……漫画の中に一人はエロキャラってやつが。

 

「うんうん!皆似合っているじゃないか!さあ始めようか!有精卵ども!戦闘訓練のお時間だ!」

 

オールマイト先生が屋内での対人戦闘訓練の重要性による理由を説明する。そのあとに

 

「勝敗のシステムはどうなるのですか?」

 

「ぶっ飛ばしもいいんすか……?」

 

「また相澤先生みたいな除籍とかない?」

 

「別れ方はどのように決まるのでしょうか!?」

 

「このマントヤバくない?」

 

「なんだっていい……!早くやらせろ……!」

 

と皆が皆オールマイトに質問するもんだから一向に話が進まない。

 

はぁ……仕方ない

 

グワッ!!!

 

僕が威圧すると皆その覇気に押されて言葉が出なくなった。

 

そして目で訴えた。"喋るな"と

 

よしよし。これで事が

 

「ちょぉと物間ああぁ!」

 

「ギャホフッ!?」

 

だが次の瞬間首筋に強めの手刀が当てられる。

 

「なんだい!拳藤!いきなり!」

 

「いきなり!じゃない!なんだって説明中に覇気を撒き散らすやつがいるか!?」

 

「皆がうるさかったからじゃないか!?」

 

「だとしてももうちょっと穏やかなやり方にしろよ!」

 

これが僕がのちに拳藤に何度も手刀を食らう羽目になる最初の瞬間だった。

 

 

 



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戦闘訓練(戦いというより蹂躙)

オールマイトside

 

私は今戦闘訓練の授業の指導をしている。

 

説明が難航していた時に彼は動いた。

 

物間少年だ。彼は"威圧"という個性で騒いでいた皆を黙らせた。そのプレッシャーは今の私よりも上だと認識させられるのに充分なものだった。

 

彼は不思議な子だ。彼の個性"コピー"を見ているとアイツを思い出す。オールフォーワン……だが彼はその力を悪に使おうとはしないだろう。なぜかは確信を持って言えない。だがなぜか断言できる。

 

そして緑谷少年がNo. 1になるのに大きな壁となるだろう。

 

そして戦闘訓練の組み合わせが決めようとした時に

 

「先生!この人数だと一人余るのですが……」

 

飯田少年が大きな声で発言する。

 

「そうだな!物間少年は待ってくれないか?」

 

「え?はい、わかりました」

 

彼の強さは最早生徒の領域を超えている。

 

とすれば……

 

 

・・・・

 

 

皆の戦闘訓練が終わると僕は欠伸を出す。

 

ふわあああ〜……眠かったな……見てみたけどやっぱ爆豪は個性の使い方が上手いうえにセンスがずば抜けてるな。

 

「先生、物間さん以外の対戦は終わりましたよ?」

 

露出が激しい八百万さんが聞くと

 

「ふふふふ……それはだな!八百万少女!物間少年には私と戦ってもらう!」

 

『!?』

 

そこにいた奴らはA組B組問わず驚いた。

 

へぇ〜……オールマイトとね……

 

「わかりました。その勝負受けて立ちます」

 

『えええええええ!!!?』

 

「無茶だよ!物間くん!」

 

麗日がそう言ってくるが

 

「僕はやる。ヒーローが逃げたら誰が戦うんだい?」

 

「!?」

 

「それに……僕は負けない。今決めたが僕はどんな相手だろうが最後に勝つヒーローになるつもりだ。だから例えオールマイトが相手だろうが退かない」

 

「物間くん……!うん!そうだね!頑張ってね!」

 

「物間!私も信じているから!」

 

「テメェ!俺に負ける前に負けたらタダじゃおかねえからな!」

 

皆からの激励を受けて僕は演習場に向かう。

 

そしてビルの中に入ると

 

「ふぅ……」

 

サーチを使ってオールマイトを探す。

 

成る程ね。最上階にいるのか。そんじゃま、行きますか

 

僕はブラックゲートを開いて一番上の階にワープする。

 

「むむっ!もう来たか!」

 

「悪いですが倒させせてもらいますよ。敵」

 

そして脚力増強とゴム化による筋肉のバネ化を組み合わせて一気に接近して亜空間から取り出した黄金のハンマーでオールマイト目掛けて振るう。

 

ハンマーがオールマイトに当たると断面から爆発が起こった。

 

このハンマーは爆破の力を与えたハンマーなので当たるたびに任意で爆発させることができる。

 

ワンピースのクリークが使っていた大戦槍のようなものだ。

 

ちなみに名前は神槌ヨルムンガンド。

 

爆発を受けたオールマイトは壁まで飛ばされたが壁を蹴ってこちらに向かってくる。

 

「Carolina……smash!」

 

そしてクロスさせた両腕を広げるようにチョップを打つが物間はチョップが当たると霧が霧散するように消えた。

 

「ぬ!これは……分身か!なっ!?動けない……!?」

 

そう物間はエクトプラズムで分身を作って囮として引きつけ本体は透明化で姿を消して蜘蛛の糸を張り巡らせてオールマイトを拘束したのだ。

 

「僕の勝ちですよね?オールマイト」

 

「ハハハハ……!まさか私が負けるとは!見事だ!」

 

モニタールームでは

 

「すげえ!オールマイトに勝った!」

 

「マジかよ!アイツ!」

 

「なんてヤツだ……!」

 

「スカし野郎……!」

 

「まさに最強……」

 

女性陣も

 

「流石物間くん!」

 

「やっぱりすごい!」

 

「マジで……?」

 

「オールマイト先生に……勝ってしまいました……」

 

「とんでもないわね……」

 

と各々驚きを隠せない。

 

そして物間が帰ってくると

 

「物間!お前本当にすげえな!」

 

「華麗で美しかったよ」

 

と皆が物間を持ち上げた。

 

「今回は良かったぞ!物間少年!それではこれにて戦闘訓練終了!号令!」

 

『ありがとうございました!』

 

こうして僕の初戦闘訓練は見事勝利に終わった。

 

・・・・

 

とある繁華街にあるバー

 

「見たか?これ、教師だってさ、どうなると思う?平和の象徴が……敵に殺されたら」

 

悪意は動き出そうとしている。

 

だが彼らは知らない。物間(バケモノ)の存在を……

 

 

 

 

 

 

 



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マスコミ騒動と悪意との対峙

オールマイトが雄英に就任して数日後、連日のようにマスコミが押しかけてきた。

 

僕はねじれ先輩と一緒に学校の門の前でマスコミによる足止めをくらっている。

 

時間を止めてもいいのだが……個性無断使用にはなりたくない。ていうことで

 

「きゃっ!物間くん!?」

 

「すまない、ねじれ先輩」

 

僕はねじれ先輩の手を引いてマスコミの中に突っ込んで強引に抜ける。

 

雄英敷地内ではセキリティがあるからもう大丈夫だ。

 

「ねじれ先輩大丈夫ですか?」

 

「うん、あっ……手……」

 

よく見てみると僕はねじれ先輩の手を繋ぎっぱなしだった。

 

僕はドキドキを抑えながら手を離す。

 

そして逃げるように教室に向かう。

 

あとに残されたねじれちゃんは

 

「もう少し握ってくれても良かったのに…………」

 

顔を赤くして握られた手を見ていた。

 

・・・・

 

「えー急にで悪いんだがお前たちに学級委員長を決めてもらう!」

 

ブラド先生の言葉で教室のムードが上がる。

 

「静かに!皆を導く重大な役目だぞ!立候補している奴は……うん、いっぱいいるな。じゃあ他を推薦する者はいるか?」

 

ブラド先生がそう言うと拳藤が僕を指差した。

 

「物間がいいと思うんだけどなあ〜?」

 

「え?僕?」

 

僕は予想もしてなかったので適当に机に突っ伏せていた。

 

そこに一佳が指名してきたのだ。

 

「確かに……判断力もいいし……」

 

「なにより強いからな!」

 

「物間なら文句ねえな!」

 

泡瀬くんと鎌切くんに鉄哲くんがそう言ってくる。

 

え?これもう決定事項?

 

皆からの期待の視線が僕に突き刺さる。

 

はぁ……こりゃもう逃げられないな。

 

「………わかりました。引き受けます」

 

「うむ!引き受けてくれるか!よし!次は副委員長だ!」

 

そして副委員長は物間に意見できることから拳藤に決まった。

 

こうして委員長が決まり午前の授業は終了した。

 

食堂で麗日と合流して注文したサバ味噌定食を手に持ち席を探していると

 

「お〜い!物間く〜ん!ここが空いてるよ〜!」

 

ねじれ先輩が手を振ってこちらに呼びかける。

 

拳藤と麗日はなにやら気が進まないようだったが……なんでだ?

 

ねじれ先輩が用意してくれた席に座るとねじれ先輩が一つしかない横に来た。

 

それを見た拳藤と麗日は光のない目でねじれ先輩を見ていたのを物間は知らない。

 

そして昼食にありついていると

 

「それじゃあ物間くんが委員長になったの?」

 

「うん、まあね。本当は気が進まないんだけどさあ……」

 

「まあいいじゃん。これもトップヒーローになるための第一歩だと思うぞ?」

 

「トップヒーローって……僕は別に人を救えれば何番だっていいんだけどさ……」

 

「なーに言ってるの。アンタはトップヒーローになれる"力"を持ってるんだよ?」

 

「まあ、トップにはなりたいけどさ……」

 

そんな話をしていると

 

「物間くん!久しぶりだね!」

 

「あ、通形先輩」

 

「物間…この人誰?」

 

「通形ミリオ先輩。ねじれ先輩もそうだけど雄英の三年生で最強といわれているビッグ3の一人さ」

 

「雄英最強!?」

 

「この人が!?」

 

僕が質問に答えると拳藤と麗日が驚く。

 

通形先輩とはねじれ先輩との特訓の際に知り合った。彼の個性は透過。あらゆる物をすり抜ける。一見すると強個性に見えるが実は扱いが非常に困難な個性だ。僕も使ってみたがとんでもなく難しかった。そんなピーキーな車を乗りこなすように先輩はその個性でトップに立っている。

 

「物間くんどうだい!?雄英での生活は?」

 

「まあ悪くないですね。個性の使い方や使う際の心がけなんかも学べてとても有意義です」

 

「そうかい!それは良かった!そういえばそろそろ雄英体育祭だよね!」

 

と皆でワイワイと話していると

 

(……なんだ?)

 

突然僕のサーチが校内に現れたなにかを感知した。その直後けたたましいサイレンが鳴り響いて食堂はパニックとなった。

 

僕は至急ブラド先生に連絡をとる。

 

『先生!この騒ぎは一体……?』

 

『大丈夫だ!安心しろ。ただのマスコミだ!』

 

マスコミ……?ならさっき感じた二つの反応はなんだ?そう思った僕は

 

『いや……先生、既にこの校舎に侵入している何者かがいる』

 

『!!?なんだと!?それは本当か!?』

 

僕の報告にブラド先生はおろかねじれ先輩たちもビックリしている。

 

『確かです。職員室前に二人……急に現れたところをみると転移系の個性かと……それでどうしようかと……』

 

『ぐっ!俺たちは動けん!いいだろう!個性使用を許可する!』

 

『ブラド先生、いいんですか?』

 

通形先輩が電話を代わってそう言う。

 

『通形か……構わん!おまえも一緒についていってやってくれ!なあに……物間はおまえら以上に強い!遅れはとらないはずだ!』

 

『わかりました』

 

それだけ言うと通形先輩は電話を切る。

 

「行くよ!物間くん!」

 

「ああ、行きましょう!ねじれ先輩は避難誘導を!」

 

僕が転移しようとするとねじれ先輩は僕の手を握り

 

「帰ってきてね……」

 

「ねじれ先輩……」

 

こんな状況なのになぜか落ち着く。そしてその答えは一つだけだ

 

「ええ……必ず帰ってきます!」

 

そして僕は通形先輩と一緒にテレポートした。

 

転移した僕たちは侵入者と思われる二人を睨む。

 

「おいおい……なんでガキが急に現れるんだあ?黒霧」

 

「おそらく察知されたのでしょう……厄介ですね……消えてもらいましょう!」

 

そう言った霧のような敵はそのモヤから脳みそ剥き出しの怪物を出した。

 

「行きなさい!脳無!」

 

僕はアナライズで脳無とやらを分析すると個性が複数あることがわかった。それにDNAがぐちゃぐちゃだ。コイツ……本当に人間か……?

 

そう考えている脳無が向かってきたので僕は重力場を発生させて地面に貼り付けにさせる。

 

「なっ!?脳無!?」

 

そして抹消でモヤの敵の個性を消すとレーザービームで致命傷にならないように攻撃した。

 

「ぐわあっ……!」

 

「黒霧!てめえ……!」

 

僕は氷結で地面を伝って最後の一人を足元から凍らせる。

 

「なっ!?ぐっ!?クソがああ!?」

 

「さてと……終わりましたよ」

 

と通形先輩が呼んだ先生方が駆けつけると

 

「ぐっ……!」

 

「巫山戯るなよ……巫山戯るなよ……!」

 

忌々しそうにこちらをみる敵。だけどモヤの個性は抹消で消してある。問題ない

 

先生方が敵を拘束しようとした時その敵たちの口から黒いものが吹き出して敵たちを飲み込みそのまま姿を消した。

 

なっ!?どういうことだ!?確かに全員の個性は消していたはず……まさか……この場にいない協力者の個性か!?

 

敵がいた場所を見つめる先生たち。僕は自分の甘さを痛感していた。

 

「相澤先生……すみません」

 

「いや、よくやってくれた。これは俺たちのミスだ。気にするな」

 

この後相澤先生たち教師陣に事の顛末を伝えて僕は教室に帰った。

 

 

 

 

 

 



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USJ襲撃

暗い部屋の中で全身に手がついた男……死柄木弔は苛立っていた。

 

「クソが……あのガキ……次に出会ったらぶっ殺してやる……!」

 

なぜなら完璧なはずの自分の計画がものの見事に砕け散ったからだ。今回の件で雄英に警戒されればオールマイト抹殺という悲願も叶わなくなるからだ。

 

その様子をモニター越しで見ていた人物は

 

「やれやれ……危なかったね、弔」

 

「先生……なんなんだアイツは……!あんな奴がいるなんて聞いてないぞ!」

 

「ふむ……僕としても誤算だった……まさかあれほどの手練れがいるとは……しかも……見るからに複数の個性……まるで僕みたいだ。黒霧、あの子の情報は?」

 

「申し訳ありません……雄英の情報は一部しか手に入れることが出来ませんでした……」

 

「まあいいさ。それだけあれば充分だ。オールマイトさえ殺せればヒーロー社会は崩れる」

 

こうして悪意は再び動き出そうとしていた。

 

・・・・

 

雄英に侵入者が出た翌日も普通に授業はあった。

 

あの件でマスコミは世間から非難されるも雄英もセキリティの甘さについて叩かれた。

 

まあこればっかりは僕には見守るだけしかできない。

 

A組はUSJで救助訓練をしているらしい。

 

僕たちも午後はヒーロー基礎学の救助訓練だったらしいのだが昨日の件で予定が先延ばしになったそうだ。

 

教室で座学を聞いていると

 

「っ……!!!」

 

僕が嫌な気配を感じて突然立ち上がったのを見た鉄哲くんが

 

「どうしたあ?物間」

 

「物間くん、授業中は座っていなさいよ」

 

セメントス先生に注意されるも全く耳に入ってこなかった。

 

この感じは……!千里眼を飛ばしてUSJを見るとその気配の正体がわかってしまった。

 

「セメントス先生!至急職員室に連絡を!USJに敵襲来!」

 

「っ!!?それは本当ですか!!?」

 

「間違いありません!!!先日現れた敵に更に何十人もの敵が!!」

 

僕の言葉に皆は

 

「マジか!?」

 

「本当か!?物間!!!」

 

そしてセメントス先生は

 

「わかりました!物間くんは付いてきて来てください!!!皆は教室で待機!!」

 

『わかりました!』

 

僕は職員室の前にブラックゲートを開いてセメントス先生を誘導する。

 

セメントス先生の報告で職員室にいた教師陣は鬼気迫る顔となり己の準備をしていた。

 

「オールマイト先生は!?」

 

「それが今席を外されて……」

 

「くっ!仕方ない!物間くん!転移を!」

 

僕はブラックゲートを再び開いてUSJに教師陣を送り込むと最後に僕も飛び込んだ。

 

「物間くん!!?」

 

「麗日くん!大丈夫か!?」

 

いきなり現れた僕にA組の皆は驚き敵たちは教師陣の登場に冷や汗を流していた。

 

「ちっ!あのガキぃ……!また邪魔を……!」

 

そして教師陣たちが敵たちを圧倒していくと皆に希望が湧いて来た時

 

「グワアァァア!!」

 

『イレイザー!』

 

相澤先生が前に見た脳みそ剥き出しの敵に腕を折られていた。

 

すぐさま僕は光速化で脳みそ敵を蹴り飛ばして相澤先生を連れて教師陣の元へ戻った。

 

「相澤先生をよろしくお願いします……」

 

「待て物間、まさか……!」

 

「はい、僕はアイツを相手にします。その間に避難誘導を」

 

「ダメだ!お前に行かせられるか!お前らを守るのが俺たちの務めだ!」

 

「ですが……」

 

「ぐっ……仕方ない!無茶だけはするな!」

 

『ブラド先生!?』

 

そして敵の元へ向かうと

 

「やはり来ましたか……ですがこの脳無は先日のより強いですよ……貴方に倒せますかね……?」

 

「やってみせる。僕は誓った。全てを救うヒーローになってみせる。来い!霊槍ボルギヌス!」

 

僕の叫びに応えるように巨大な槍が現れた。

 

それは柄が銀色で刃は黄金に輝き、持ち手の木の部分は猛々しさを表すような槍だった。

 

「行け!脳無!奴を殺せ!」

 

脳無とやらが向かってくるが

 

「霊槍ボルギヌス第1形態!ボルギヌス!」

 

槍を操作して僕の前に持ってきて脳無の攻撃を防ぐ。

 

「第二形態!イフリート!」

 

形態と性質を変化させたボルギヌスは紅い岩を纏った巨人となった。

 

そして脳無を下顎から殴って頭を掴むと地面に叩きつける。

 

だご脳無は力づくで起き上がるとイフリートを下から殴りあげた。

 

「……第四形態狙撃手(スナイパー)

 

飛ばされたボルギヌスは空中で静止してその形を変えていく。そして巨大な弓となり脳無をその銀色の矢が貫いた。肩を貫かれた脳無は鮮血を撒き散らして苦しむ。そして脳無の動きがまるで石化するかのよう止まる。

 

「どうした……?脳無!動け!動け!」

 

「無駄だよ。末梢神経の動きを阻害する微毒を入れていたからね。もう動けないよ」

 

そして脳無がそのまま崩れ落ちる。

 

「巫山戯るな!脳無が!オールマイトをも殺せる脳無が!お前ごときにやられるわけないだろ!」

 

「もう終わりだ。大人しく投降したまえ。君に勝ち目はない」

 

とその時

 

「グワアァァア!!」

 

「なに!?」

 

後ろから教師陣の悲鳴か聞こえてきたので見てみると

 

「ほぅ……脳無を圧倒するか……流石だね……」

 

「おまえは……!?」

 

そこにいたのは尋常ならざるプレッシャーを放つ……魔王だった……

 

 

 

 

 

 




霊槍ボルギヌス

第1形態ボルギヌス
・基本形態。先端からレーザビームを放つことができる。

第二形態イフリート
・マグマの性質変化を組み合わせた形態。その強固な鎧は隕石ですら傷つけることができない。

第三形態???

第四形態スナイパー
巨大な弓の形態。あらゆる者の動きを封じる毒が先端に塗られている。


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魔王との戦い。

だいぶ短いです。


なんなんだ……アイツは……!?

 

バイクのパーツのようなものをつけた黒いマスクの男はそこでプロの教師陣を相手に圧倒していた。

 

誰だかわからないが今は止めないと!

 

「霊槍ボルギヌス!第五形態!ファルコンアーマー!」

 

ボルギヌスのエネルギーを体に纏うとボルギヌスは蒼い翼を持った鎧となった。

 

そして僕はマスク敵に突っ込んでその鉤爪を振るうが男は腕を鋼化させて攻撃を防ぐ。

 

「ぐっ……!」

 

「ほぅ……やはり君が来たか……なら少し本気を出そう……高速化×5」

 

凄まじいスピードで背後に回った敵がその巨大化した拳を払おうとしたので僕はテレポートで敵の頭上に転移して敵を蹴り落とした。

 

敵が地面に落ちると凄まじい音がUSJ内に響いた。

 

そしてゆっくりと地面から近づくと僕は咄嗟に横に移動した。すると先程僕がいたところを光の光線が通り過ぎた。

 

まだ倒れていないのか!?

 

そしてマスク敵は再び僕に向かってきた。そして手を前に出すと

 

っ!ヤバイ!僕は咄嗟にバリアを張るも衝撃波を抑えきれずに吹き飛ばされてしまう。

 

そして空中で体勢を立て直して敵を睨みつける。

 

あの敵には抹消が聞いてない。おそらく僕のプロテクトと同じような干渉を無効にする個性を持っているのだろう。

 

「ふふふ……やはり素晴らしい個性だね。僕と同じだ。君はヒーローにいるべき存在ではない……」

 

何言ってるんだ……コイツ……!まさか僕と同じ複数の個性……!

 

そして僕は腕部に付いているガトリング銃を手にとって敵を狙って撃つ。もちろん弾はゴム弾だ。当たっても死にはしない。

 

敵は信じられない速さで避け続けると

 

「竜巻×5!炎×3!」

 

竜巻の空気を吸って威力を増した炎が僕に向かってきた。

 

「ボルギヌス第三形態!人魚歌姫(セイレーン)!」

 

僕を纏っていた鎧は戦場の兵士を癒す歌姫となった。

 

そして

 

「ジャミングワルツ!」

 

歌と踊りを繰り出したセイレーンによって炎の威力が格段に下がった。

 

「なっ!?」

 

そして敵にできた隙をついた光速化と脚力増強を組み合わせて敵を蹴り飛ばした。

 

そしてツインインパクトで更なるダメージを与えて敵を腕から生やした触手で拘束すると

 

「ぐうううぅ……!ハハッ……強いな……できればこの場は引きたいな」

 

「っ!させるか!」

 

僕が叫ぶも敵は触手を風の刃で切り裂きそのまま手だらけ敵の元へ駆けつけ霧の敵もろとも一瞬でワープした。

 

こうしてUSJ襲撃事件は主犯格の敵3名に逃げられて完全勝利とはいえない形で終わってしまった。

 

 

 

 



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パラレルワールドとの邂逅

USJ襲撃が終わってホッとしたのも束の間、今度は雄英体育祭が迫っている。正直僕の個性はヒーローとして使えないのが多い。何故かって?空間切断やブラックホールなどヒーローが敵に向けられるものではないからだ。間違いなくこの世の中から消してしまうだろう。その他の個性も加減をひとつ間違えれば人を殺めてしまうものばかりだ。

 

というわけで自分が作り出した亜空間で修行を積んでいた。

 

 

 

そういえば最近取得したこの個性……使ってみよっかな……?アナライズでも半分しか解析できなかった。なにやらファイアウォールみたいなもので守られている。

 

解析できたところを見てみたが使った場合の危険性はないみたいだし使ってみよっか。

 

んじゃ!

 

そして僕の体が揺らめくようにその場から消えた。

 

・・・・

 

TDLでA組とB組の合同訓練が行われる中で突如緊張が走った。

 

なぜなら訓練場にいきなり銀色のオーロラみたいなものが現れたからだ。

 

「あれはなんなんだ!?」

 

「とりあえず生徒を後ろに!」

 

「オールマイト先生……貴方も……」

 

「ああ……すまんね……」

 

皆が警戒する中で現れたのは

 

「あ〜どこだ?ここ?」

 

『物間あ!?』

 

皆が見知った顔だった。

 

「え!?僕ぅ!?」

 

「え!?どゆこと!?」

 

「皆静かに!……お前は何者だ?」

 

・・・・

 

あ〜どこだあ?ここ。

 

あれ皆いるけど……もしかして時間転移の個性だったか?あれ?僕がいるし……てことはここはなにか?パラレルワールドってやつか!?

 

僕の周りを教師陣が囲んでいる。

 

「お前は何者だ。なぜうちの生徒と同じ姿を……」

 

ありゃあ〜こりゃあ疑われてるな〜まあいっか。この場から逃げるのは簡単だから最悪信じてもらえなかったら空間転移で逃げますか。

 

「あ〜僕はですね。貴方たちとは違う平行世界から来た物間寧人です」

 

『平行世界!?』

 

僕がそう言うと皆は驚いて教師陣も僕を見る。

 

「俄かには信じられないが……真実味がある」

 

「まあ信じてもらえないとは思いますが少なくとも敵ではありませんよ。もし僕が敵ならここにいる全員は死んでますし」

 

『!!?』

 

「それはどういう意味だ……」

 

「言った通りですよ。はっきり言いますが僕はこの場にいる全員を相手にしても勝つ自信があります」

 

僕がそう言うと

 

「あははははははは!!!君は何言ってるんだい!!僕が全員を相手にして勝てるわけないじゃないか!!!」

 

「没個性ごときが俺に勝てるわけねえだろ!」

 

ふむ……この様子を見るとストックする技をこちら側の僕は身につけてないと見るな。

 

「なら勝負しないかい?A組B組全員まとめてかかってきていいよ。僕と模擬戦しよう」

 

「待て、得体の知れない奴に生徒たちを相手にさせられるわけがない」

 

「だーかーらー僕は敵じゃないんですって!それを証明するために生徒たちと戦うということですし……第一敵ならこんな教師陣が集まる時間帯を狙います?」

 

「むむっ……確かに……」

 

「そうだ!戦わせろ!俺が没個性より上だって証明してやる!」

 

こうして僕はパラレルワールドに迷い込みそこにいる皆と戦うことになった。

 

 

 

 

 



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蹂躙

「ていうか本当にいいのか……?全員でなんて……」

 

「待て、通形先輩の時と同じだ。一人だからって油断したら全員やられんぞ」

 

「ああ……確かに……」

 

「しかし物間ねぇ……アイツがあんなに違って見えるとはな……」

 

「ああ、なんか歴戦の強者って感じがするな……」

 

「しかもあの服越しでもわかる筋肉……!間違いなく砂糖を超えているぞ……」

 

「物間の個性ってコピーだよな?確か触れられるとコピーされて五分間使い放題……」

 

「ああ触れられるとこれほど厄介なものはない」

 

皆が僕対策で作戦を立てている。まあ一瞬で勝つのも悪くないがたまには運動しないとな。

 

そして作戦会議が終わって皆が僕の前に対峙する。

 

プレゼントマイクの実況で試合が始まる。

 

「それでは!物間寧人バーサスA組B組の対決!始めぇ!」

 

開始同時に僕は一瞬で柳さんの間合いに詰めた。近づくだけなら脚力増強を使う必要なんてない。

 

『なっ!?』

 

僕のスピードに驚いたのか皆目を丸くしていた。

 

そして柳さんを殴り飛ばして触ることであたかも今コピーしたかのように見せる。

 

「柳さん!」

 

「速い!なっ!?」

 

そしてポルターガイストの個性を使って轟くんを引き寄せてタッチすると

 

「不味い!轟くんの個性をコピーされた!」

 

「じゃあ……あばよ」

 

そして最大火力の氷結を繰り出しすとTDLの半分が氷に覆われる。

 

「ほぅ……耐えたのは君たちだけか……」

 

耐えた人物は緑谷、爆豪、轟、常闇、飯田、切島、鉄哲、だけだった。一瞬で半分以上がやられたのに皆動揺を隠せない。

 

そして頭に浮かんだのはー

 

"強い"

 

コイツは皆が知っている物間じゃない。完全に別物だ。

 

「バカな……僕がこれほどとは……」

 

「まあ、力ってのは使いようだ。といっても僕がいっても嫌味にしか聞こえないだろうがな」

 

「それはどういう……!?」

 

「じゃあちょっとだけ見せてあげるよ。僕の実力を」

 

そして僕はエクトプラズムを発動させて分身を作り出すと

 

『なっ!?』

 

これには生徒たちはおろか教師陣も驚いた。

 

まだエクトプラズムは触れられていない。なのに何故コピーされたのか。その疑問が頭から離れなかった。

 

「実はね、僕は個性をコピーするのに触れる必要がないんだ。見ただけで相手の個性をコピーすることができる」

 

「なんだと……!?」

 

相澤先生が呟く。

 

「それにね。僕は個性をストックできるんだ。一度コピーした個性は永遠に使うことができるんだ。だからいちいち君たちの個性をコピーする必要はなかったんだ」

 

「マジか……!?」

 

この事実に生徒たちは勿論、教師陣も恐怖する。

 

それはつまり全ての個性を使えるといってるようなものだ。

 

「んじゃあ……俺たちは……最初から遊ばれていたのかよ……!」

 

爆豪が僕を睨めつけながらそう言う。

 

「いや〜!そうじゃないんだよ。たまには運動したほうがいいかな〜って」

 

「違うだろ!結局本気で来なかったかって言ってんだよ!!!クソが……!!!」

 

「本気ねぇ……君たちに本気を出すまでもないって言っただろ?」

 

僕が冷たく言い放つと

 

「クソがあああ!!!」

 

爆豪が突っ込んできたので

 

「霊槍ボルギヌス!」

 

ボルギヌスを亜空間から取り出して僕の前に出してガードする。

 

「なっ!なんだこの槍は!」

 

「ふぅ……さてさてさーてやりますか。ボルギヌス!」

 

ボルギヌスの先端からレーザビームを放つと爆豪は吹き飛ばされた。

 

「爆豪/かっちゃん!」

 

爆豪は吹き飛ばされるも空中で体勢を立て直して着地する。

 

そして僕を睨め付ける。

 

「僕がいく!フルカウル……!」

 

「レシプロ……バースト!」

 

飯田くんと緑谷くんが僕に向かってくるが僕は分身を前に出した。

 

「シュートスタイル!」

 

「レシプロエクステンドぉ!」

 

それぞれの蹴りが僕の分身に炸裂した時僕の分身は爆発した。

 

「なっ!?」

 

「ぐあわっ!?」

 

爆発に吹き飛ばされた二人は後ろにとんで様子を伺う。

 

「エクトプラズムって爆発しただろうか!?」

 

「いや!僕たちの知らない個性だ!」

 

「正解!これは爆弾化という個性でどんなものでも爆弾に変えることができる。まああまり人には使わないがな。そして……」

 

剛翼を発動させて羽を緑谷くんたちに向かって飛ばす。

 

「あれもまさか!?」

 

「おそらくそうだ!避けろっ!!」

 

へぇ〜避ける避けるね〜まあ無意味なんだけどね!

 

僕が指を鳴らすと羽は透明となった。

 

「なっ!?どういうことだ!?」

 

「まさか!透明にする個性!ぐわっ!」

 

「緑谷くん!グハッ!」

 

緑谷たちがやられていく様を見ていた先に脱落した者たちは

 

「なんだよ……あれ……」

 

「強すぎだろ……才能マンかよ……いや……そんなレベルじゃねぇ……」

 

教師陣も

 

「アレハ……ソコラノプロイジョウダ……」

 

「とんでもないですねぇ……」

 

「いや、間違いなくナンバーワンに近い男だ……」

 

「あの個性……オールフォーワンではないのか……?」

 

「ああっ……!あの目付き……!顔……!好みだわっ!」

 

と物間の強さに恐ろしさを感じていた。

 

爆発に巻き込まれるも立ち上がって物間をまだ戦えるといった感じで見ていた。

 

「くくっ……!いいねぇ……それでこそ面白い!」

 

「ダークシャドウ!」

 

常闇くんがダークシャドウによる攻撃を僕に当てようとしたので僕は

 

「なっ!?」

 

「すり抜けた!?」

 

「それに消えた!?」

 

「まさかあれは!?通形先輩の!?」

 

「そうさ!透過も僕の力だ!それに……ボルギヌス第六形態!流星雨(グラディウス)!」

 

そしてボルギヌスを何十もの光の星屑に形を変えると

 

「なっ!?グワアァァア!!!」

 

「ダークシャドウ!!!」

 

ダークシャドウを切り刻んだ。

 

ダークシャドウは原形を留めておらなかったがすぐに元に戻った。

 

「よくも……!」

 

「はあっ!」

 

轟が氷結を放ち爆豪が爆破しながら突っ込んできて鉄哲と切島が硬化して突っ込んできて緑谷がフルカウルで物間の頭を捉えた時、世界の時が止まった。

 

 

ふぅ〜さ!時間を止めたことですし!終わらせますか!

 

止まっているそれぞれに攻撃を当てていく。勿論ツインインパクトの力を込めた一撃だ。

 

そして時間を動かすと

 

『なっ!?グワアァァア!!!』

 

物間が突然移動して緑谷たちは吹き飛ばされた。

 

「なっ!?どういうことだ!?」

 

「なにって……時を止めただけさ」

 

僕の言葉に皆は唖然としていた。

 

そしてこうも思った。

 

(勝てねぇ……)と

 

そして緑谷たちの完全敗北で模擬戦は終わった。

 

・・・・

 

 

「クソガァアアアアア!俺はまだ負けてねぇええええええ!!!」

 

「かっちゃんやめなよ!」

 

「そうだぜ!爆豪!」

 

未だに負けが認められない爆豪くんが僕に突っかかってくる。

 

はぁ……僕の世界の爆豪くんのほうがマシだったな。

 

「これで信じてもらえましたか?」

 

「ああ……正直お前が敵じゃなくてよかったよ」

 

「しっかし……もう一人の僕、どうやってそれほどまでの力を身につけたんだ?」

 

こちらの僕が聞いてきたので

 

「ただ鍛錬あるのみだと思うけどな?力がないから努力しないのは違う。はっきりいって僕は恵まれたほうだ。どんなに力を持っていようと諦めた奴が負けるのさ」

 

「………」

 

「僕は5歳からこの力を鍛え続けた。そして今の力を手に入れたんだ」

 

「ふ〜ん……ありがとう。僕にも希望が持てたよ。トップヒーローになるという希望が」

 

「そりゃよかった。んじゃあそろそろ帰るわ」

 

「そうか、じゃあな」

 

「ま、またきてくれるかな……?」

 

「たまにこっちに来るよ。じゃあね」

 

こうして僕はパラレルワールドを後にした。

 

 

 

 

 

 

 



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呼び出し、そして宣戦布告

すごい久しぶりになりました!他作品も投稿しているからです!

待っていてくれて本当に感謝です!


パラレルワールドから帰ってきた僕は職員室に呼び出されていた。

 

なんでだろう?と思ってると校長が来た。

 

「やあ物間くん!急に来てもらって悪かったのさ!」

 

「いえ……大丈夫ですが……」

 

そして席に着いた校長は真剣な眼差しでこちらを見る。

 

「単刀直入に聞こう。君はいくつ個性を持ってるんだい?」

 

そこには有無を言わさない迫力があった。

 

「えー……なんでですかね?」

 

一応聞いておこう。

 

「はっきりいうとお前は規格外すぎる。雄英体育祭をお前の独壇場にするわけにはいかないんだ。そこであらかじめお前から個性を聞いておいて禁止とされる個性を決めておこうと思ったのさ」

 

雄英体育祭はかつてのオリンピックと呼ばれるほど注目され、全国放送されるぐらい他の体育祭と比べるのもおこがましいレベルのものなのだ。

 

そして将来、ヒーローのサイドキックに選ばれるかもしれないというチャンスの場でもあるのだ。

 

確かにそうだな……僕だけの独壇場にするわけにはいかないな……

 

「僕が個性を隠すとは思わないんですか?」

 

「嘘をつけばすぐにバレるさ!君もわかってるだろう!?」

 

はぁ……言うしかないか……

 

そして自分の個性を事細かに話すと

 

「……お前どうやってこれ程までの個性を手に入れた?」

 

相澤先生がため息を吐いて睨めつけてくる。

 

「えー……とですね、親戚にアナライズという個性持ちの人がいましてね……その人の個性をこっそりとコピーさせてもらってですね、街中で歩いてる時もめぼしい個性を見つけてはコピーしまして「ギリギリスレスレのラインまでいってるぞお前」ハイすみません」

 

相澤先生は再びはぁ……とため息を吐くと

 

「まあ人から奪ったりしてないならよしとするか……全く……誰だこんな規格外を雄英に入れるように推したのは」

 

結構どストレートなんだね。相澤先生

 

「とにかくわかった……ありがとう。もう帰っていいぞ」

 

「ハイ、失礼しました」

 

そして僕は職員室を後にする

 

・・・・

 

物間が去った後の職員室では

 

「はぁ……」

 

「オイオイ!なんだよイレイザー!そう落ち込むな!アイツはいいやつだぜ!」

 

「確かに……普通なら模範生なんだがな……」

 

『どうにも規格外すぎるんだよなぁ……』

 

満場一致で頷く。

 

そして話し合いは再開される。

 

「この時間停止はまず却下だな。勝負にならん」

 

『異議なし』

 

「そして……ブラックゲートだっけ?これもなしだ。第一種目と第二種目がアイツの独壇場になりかねん」

 

そして次々と話し合いを続けてその結果これらの個性が禁止となった。

 

ブラックゲート

空間切断

光速化

ブラックホール

テレポート

エクトプラズム

抹消

透明化

透過

増殖

時間停止

 

「まあ他もギリギリ危ういのばっかりなんけどねえ……」

 

「だがこれ以上禁止するのはマズイからな……」

 

「まあ優勝はやる前からわかってるようなもんだからなあ……」

 

『はぁ……』

 

そして教師陣は頭痛に悩まされながらも議論する。

 

・・・・

 

その頃、オールマイトと緑谷出久は

 

「オールマイト……」

 

「緑谷少年……正直に言えばこの体育祭で君が優勝する可能性はゼロだろう……何故だかわかるよな?」

 

「物間くんですよね……普通科でも噂は聞こえてきます……」

 

入試でも圧倒的な実力を見せた物間。その伝説は普通科に留まらず他の科にも轟いている。

 

「今の君が扱える出力は5%がいいとこだろう……それでは「はい……勝てませんよね」わかってるか……だが勝てずともなんだ!皆に見せてやれ!君がきたってことを!」

 

「……ハイ!」

 

・・・・

 

そして放課後

 

「何事だあ!?」

 

B組の前に多くの人が集まっていた。

 

「アンタたち、何の用?」

 

拳藤の質問に答えたのが

 

「なあ……物間ってのはどいつなんだ?」

 

気だるそうな雰囲気の少年が更に質問で返す。

 

「物間なら職員室に呼ばれたけど……なんで?」

 

「……普通科とか他の科ってさ。実技試験の入試落ちたから入ったってやつ結構いるんだ。知ってた?そんな俺たちにも学校側はチャンスを残してくれている。体育祭のリザルトによっちゃあヒーロー科編入も検討してくれるらしい。その逆も……また然りらしいよ……そういうわけで……俺は宣戦布告に来たわけ」

 

「おう!俺たちも受けて立つぜ!」

 

普通科の少年の言葉に鉄哲は元気よく返した。

 

そんな時

 

「おい!」

 

「ん?」

 

「テメエ!宣戦布告する相手!間違えてんじゃねえ!一番はこの俺だ!」

 

爆豪が怒鳴るが

 

「ふ〜ん……アイツよりお前って上だったっけ?」

 

その言葉で爆豪は

 

「死にたいらしいな……!」

 

「ちょっ!止め止め!爆豪!」

 

「挑発に乗るな!」

 

クラスメイトが必死に止める中で

 

「やあ、なんの騒ぎだい?」

 

・・・・

 

職員室から帰ってきたら……なんだこりゃあ?

 

「アンタが……物間寧人……」

 

「そうだよ。何の用だい?」

 

「……体育祭、負けねえからな……」

 

おっ!いいねいいね……!

 

「いいとも。僕としても全員相手にするつもりだよ?」

 

僕がそう言うと

 

「……あれ?なんか変なこと言った?」

 

「いや……アンタは他を見下しているもんだと思っていたが……」

 

「そんなわけないじゃないか!誰がどこまで個性を鍛えているかわからないんだよ!油断なんて愚者のすることだ」

 

「……へぇ、楽しみになってきたな」

 

「君、名前は?」

 

「心操人使、体育祭臨ませてもらうぜ」

 

「こちらこそ。受けて立つよ」

 

「おいスカし野郎!」

 

「……なんだい?爆豪くん」

 

「俺は……負けねえ!テメエがどんだけ強かろうが!俺は!誰にも負けねえからな!」

 

「……面白いじゃないか!僕も君と戦えるのを楽しみにしてるよ」

 

「ハッ!テメエか余裕ぶっこいてられるのも今だけだからな!」

 

そしていよいよ雄英体育祭が始まった!

 

 

 

 

 



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告白と選手宣誓

雄英体育祭当日、会場は大盛り上がりを見せていた。

 

会場には何十人ものプロヒーローたちも姿を見せていた。まあ将来のサイドキックを見極めに来たんだろう。

 

だがこんな盛り上がりとは裏腹に、今年に関しては批判的な声もあったらしい。

 

まっ、そりゃそっか。敵襲来直後にやるんだもんな。

 

よく決断したもんだよ。先生たちも。

 

「コスチューム着たかったなー」

 

「公平を期すために着用不可なんだと」

 

控え室では皆が和気藹々と話している。

 

そんな時、

 

「物間くんいる?」

 

扉がいきなり開いてねじれ先輩が姿を見せる。

 

「何ですか?ねじれ先輩「モノマく〜ん!」うわっ!?ちょっ!やめてください!こんなところで!「あっ、一佳ちゃん!ちょっと物間くん借りてくね〜!」

 

有無を言わさずに連れられた僕

 

そして控え室にいた皆は

 

「誰だあの可愛い先輩!?」

 

「物間と随分と親しかったけど……まさか彼女!?」

 

「チックしょ〜!物間のやつ羨ましいぜ〜!」

 

「あれ……一佳!ちょっと!目が死んでるんですけど!」

 

「なんだ……このカオス……」

 

・・・・

 

「話ってなんですか?ねじれ先輩……」

 

ゆっくりとだがねじれ先輩な抱きついてきた。

 

「心配したんだから……」

 

上目遣いで見てくるねじれ先輩は誰よりも美しく見えた。

 

「物間くんが……敵と戦っていたってのに……なにも出来なくて……助けてあげたかったのに…」

 

「ねじれ先輩……」

 

僕はねじれ先輩をもっと強く抱きしめると

 

「物間くん……」

 

「……僕は負けませんよ。その気持ちがあれば……大好きな人からの想いがあれば……僕は誰にだって負けません」

 

「ふふっ!物間くんってば〜!大好きだって………………え?」

 

あれっ……?

 

ねじれ先輩の顔がドンドン赤くなっていく。

 

ヤバっ……「つい本心を口にしてしまったー!ああああああああ……!僕のバカ、僕のバカ、僕のバカ、僕のバカ……「物間くん」ヒャイッ!?」

 

ねじれ先輩は真っ直ぐに僕を見上げると

 

「私は……物間くんが好きです」

 

「ハイ?」

 

ヤベッ……ねじれ先輩が告白された!?いや嬉しいんだけど!嬉しいんだけど!こういうのは男がやるもんじゃないかな!?やっべ〜……恥ずかしい……

 

まあ今更取り繕ってもしょうがないか

 

「ハイ、僕も好きです」

 

「物間くん……嬉しい!」

 

そして再び抱きついてくる。

 

僕はそれを……深く……深く抱きしめた……

 

そしてお互いが離れると

 

「ねえ……?」

 

「はい?」

 

「体育祭……優勝してね!」

 

「勿論、ねじれ先輩も優勝してくださいね」

 

「うん!」

 

「あとそうだ!」

 

「……何ですか?」

 

「物間くんのこと〜名前で呼ばせて!」

 

「いいですよ」

 

「いいの!?ありがとう寧人くん!」

 

こうして僕はねじれ先輩の恋人となった。

 

・・・・

 

そして控え室に戻ると

 

『物間あ!』

 

「……なにかな?」

 

「なにかなじゃねえよ!誰だよあの可愛い先輩!」

 

「……僕の彼女だけど?」

 

「ハッ!言っちまったよ!コイツ!」

 

「羨ましいぜ〜!この野郎〜!」

 

「モノマ……」

 

「拳……藤……なに……かな……?」

 

後ろを振り返ったがそこには目に光のない拳藤がいた。

 

「ねえ……」

 

「なに……?」

 

「彼女って……ホント……?」

 

「まあさっきなったばっかりだけどね」

 

「ソウ……だったら、私はこの体育祭でアンタを倒すから!」

 

それだけ言って拳藤は控え室の外れに行ってしまった。

 

「なにがしたかったんだ……?アイツ」

 

「物間……お前それ、本気で言ってんのか?」

 

「?」

 

「ダメだこりゃ……」

 

円場と回原が落ち込んだ様子だがなにかあったのか?

 

「皆そろそろ時間だ。行くよ」

 

そしてプレゼントマイクの実況で選手たちが入場する。

 

A組が引き立つような実況だったので僕のクラスメイトや他の科の者たちはやや不満気味だった。

 

『選手宣誓!』

 

そして壇上に立つのは18禁ヒーローミッドナイトだった。

 

会場からは黄色い声援があがる。

 

『選手代表!B組!物間寧人!』

 

僕か……

 

僕は壇上にあがると

 

「宣誓……?」

 

『そうよ!』

 

「せんせー……僕はこの体育祭で一位になります」

 

『ハッ!?ちょっ物間あ!?』

 

「調子乗んなー!」

 

周りからはブーイングがあがるが

 

グワッ!

 

僕が覇気を放つと一瞬で静かになった。

 

「はぁ……スポーツマンシップとかは関係なく皆が一位をとる権利を平等にあることだからさ?この程度で怯むなら諦めろ」

 

その僕の言葉に触発されたのか

 

「やってやろうじゃねえか!」

 

「負けない……」

 

「上等だ!スカし野郎!」

 

「負けねえ……」

 

『ああああああああ〜!物間くん最っ高にいいわ!』

 

そして壇上から降りると

 

「ちょっ物間あ!?」

 

「ゲハフッ!?なにするんだい拳藤!」

 

「なんだって皆を巻き込んだんだよ!」

 

「この体育祭……馴れ合うつもりは毛頭ないからさ。ここにいる皆が主人公でライバルなのさ」

 

「物間……」

 

「熱いぜ物間あ……!お前の気持ち伝わった!俺は負けねえ!」

 

「鉄哲くん。恨みっこはナシだよ?」

 

「おうよ!」

 

こうして雄英体育祭はいよいよ始まった!

 

 

 

 

 



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独走レース!

はっきりいって今回のは自信がないです……


「さあ!位置につきまくりなさい!」

 

ミッドナイトの合図でスタート地点に集まる生徒たち

 

第一種目はナンデモ有りの障害物競走らしい。

 

サポート科などはアイテムの装備も許されているがヒーロー科はコスチュームの使用が認められていない。

 

へぇ……スタート地点からして嫌らしいな……

 

あの入り口……二百人が通れるとは思えないからね。

 

まあやりようは幾らでもあるさ

 

「おい……」

 

「ん?」

 

後ろを振り返るとそこに居たのは

 

「……轟くんだっけ……僕に何の用かな?」

 

「お前には勝つ。敗けねえ」

 

「ふ〜ん……いいとも。僕としても正面から受けて立つよ」

 

「……そうか」

 

言いたいことだけ言ったのか轟くんはその場から立ち去った。

 

そしてランプが点滅してき

 

『スタート!!!』

 

と同時に

 

「うぐっ!?」

 

「なっ!?なんだこりゃあ!!?」

 

「動けねえ……!」

 

『おおっとおお!!?どうしたんだあ!!?開始同時に物間以外、全員が地面に倒れたぞおお!?』

 

「ふんふ〜♪」

 

僕は開始同時に重力倍加を発動させて僕以外の選手の重力を10倍にしたのだ。

 

『アイツ……』

 

相澤先生は呆れたような声を漏らした。

 

そう言わないでくださいよ。

 

これも真剣勝負なんですから。

 

「あの野郎ゥ……!」

 

「スカし野郎……!」

 

爆豪くんと轟くんがすごい目付きで睨んでくるんですが……

 

「アイツぅ……!」

 

「テメェ!卑怯だぞ!」

 

皆さんがブーイングを飛ばしてくるので僕はめいいっぱいの笑みを浮かべて

 

「アハッ♪アハッ♪アハハハハハハハ♪どんな手を使おうが勝てばよかろうなのだあ!!」

 

(酷え……)

 

この時、選手たちの心が一つとなった。

 

そして僕はそのまま第一関門に差し掛かると

 

『あ、アイツ何やってんだ!?』

 

『もうやめてくれ……』

 

磁力操作で仮装敵たちを引き寄せてゲート前まで運ぶと溶接で仮装敵同士をくっつけて性質変化で鋼鉄に変化させてゲート前に巨大なバリケードを作ると

 

『おいおいおい!!なんでもアリかよアイツ!!』

 

『もうダメだ……』

 

ゲート前を完全に塞ぎました。これで通れるやつはいないよね!

 

後ろの心配を取り除いた僕は剛翼を発動させて第二関門を飛び越えて第三関門も

 

「smash!」

 

ワンフォーオールを発動させて地面にsmashを叩き込み全ての地雷を爆破させてその上を悠々と歩いていく。

 

と後ろから声が聞こえてきたので耳を傾けると

 

『爆豪ー!爆破で必至に壊そうとするがこれは無謀としか言えないぜえええ!!!』

 

ゴリッゴリに性質変化させたからね。あれを壊せるのはいないんじゃないかな?

 

そしてゴールを潜る。

 

『何という奴だああああ!!!容赦なしのその徹底振りは誰に教わったあ!!?一番は……B組!物間寧人だああああ!!!』

 

あれ?ゴールしたのに盛り上がらないぞ?

 

もしかして……やり過ぎちゃった?

 

 



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物間くんの実況

今回も短いです。


「おい物間……あのバリケードどうにかしろ。第一種目が終わらん」

 

「はいはい……わかりましたよ」

 

僕が指を鳴らすとバリケードは黒い穴に落ちた。

 

ブラックゲートで宇宙に転移させたのだ。

 

するとゲートから選手たちが一斉に出てきた。

 

まあ僕がぶっ壊したせいで障害物がほとんど無くなってしまったんだけどね

 

こうなると機動力の高い飯田が有利になると思われたがそこは他の選手がそうはさせないと集中攻撃で飯田を妨害する。

 

そうなると泥仕合だ。

 

暇になったので僕はプレゼントマイク先生の元にテレポートすると

 

「うおっ!物間あ!?なんのようだ!?」

 

「ちょっと暇になったので実況させてもらえないでしょうか?」

 

「おい……」

 

「いいぜいいぜ!ノリがわかってるな!リスナー!というわけで俺と物間で実況アーンド解説をするゼェ!」

 

というわけで実況開始。ここは九条貫利矢さんのごとくノリノリでやっちゃおうぜ!

 

『ヘイヘイヘーイ!ここからはプレゼントマイクと!この僕!物間寧人の実況ダゼェェ!!盛り上がってコイヨー!!リスナータチィィィ!!』

 

『イェーイ!!!』

 

『プレゼントマイクもノリノリになっちゃってるし……派手にかましちゃいましょう!勿論!選手たちの妨害はしないがな!!さてさーて!一番は……爆豪勝己だああああ!!!これは僕の予想が外れました!僕が予想した爆豪くんと轟くんの一位の割合は六・四の割合でしたがね……』

 

『誰が没個性の半分野郎に負けるか!!テメェ!!ふざけた予想するんじゃねえぞ!!』

 

『おーっと爆豪選手口が悪い!彼はそうです。黙ってれば優良物件なんです。女子の皆さん!!口が悪くてもいいならどうぞ!!』

 

『っ!勝手にセールスしてんじゃねえ!殺すぞ!』

 

酷え……煽ったのは僕だが……

 

だが予想に反して女子たちの反応は

 

「いや……口が悪いのも案外いいかも……!」

 

「顔も漢らしいし……クールだし……!」

 

『おおーっとお!!爆豪選手!!僕の予想とは裏腹に意外に反応がいいようだあ!!』

 

『誰が意外だ!!殺すぞスカし野郎!!』

 

『キャー!!!』

 

一部の観客から黄色い声援が飛ぶ。

 

『そして第2位は……やはり轟選手です!!個性!『半冷半燃』!だが轟選手!何故かはわかりませんが!右だけしか使っていません!それでも他の選手たちを圧倒ー!!次々と凍らせていきます!!』

 

その後も僕による実況は続き

 

『おおっとおお!!鉄哲選手と切島選手の個性だだかぶり組コンビ対決はドローぉ!!見事な漢気を見せました!!』

 

『第一関門を突破しようとした青山選手のパンツが芦戸選手の酸に巻き込まれて溶けてしまったああ!!これはカッコ悪ィィィィィ!』

 

そして泥仕合を制したのは

 

『おおおおお!!一番は……爆豪勝己だあああ!!そして次が轟選手!!』

 

そして泥沼試合のなかでもヒーロー科全員は一回戦を突破した。

 

おっ?緑谷くんも通過しているぞ?

 

それを確認し終わると僕はアナウンス席から離れて会場に戻る。

 

「このスカし野郎……次は俺が勝つ!」

 

「できるといいね?僕も負けるつもりはないよ」

 

そして二回戦が始まろうとしていた。



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騎馬戦

遅くなりましたぁ!!

後この回は他作品のモンスターが出ますがご容赦ください……


障害物競走が終わり上位42名がに二種目目進出というのが発表された。

 

落ちた人にもこの後のレクリエーションで見せ場があるらしい。

 

そしてミッドナイトが鞭を振るって

 

「さあ!第二種目は何かしら!?私は知ってるけど!第二種目は~!これ!騎馬戦よ!

 

騎馬戦……ね。個人種目じゃない以上なにかしらの要素が絡んでくると思うが……さっきの順位も関係あるのか?

 

「参加者は2~4人によるチームの騎馬を作ってもらうわ!そして普通の騎馬戦と違うのは……先ほどの結果に従ったポイントが振り分けられること!」

 

「つまり組み合わせによってポイントも違ってくるということね!」

 

「私が喋ってんのにすぐ言うわね!アンタら!ええそうよ!そしてポイントは下から順に5P……10Pと5ずつあがっていくわ!」

 

普通に見てみるとただの騎馬戦に見えるが……雄英のことだから……1位の僕にたいしてなにかあるな。

 

「ただし1位の子!物間寧人君には1000万ポイントよ!」

 

……やっぱりね。

 

「そう……上位の子ほど狙われちゃう下克上のサバイバルよ!」

 

ミッドナイトはそう言っているが皆の心境は

 

(いや!無理だろ!あいつから取れるわけねえ!)

 

(どうやってとるんだあ!?)

 

(ていうかまたなにかやらかさないかが怖いわ!)

 

といった感じだった。

 

・・・・

 

僕は1000万ポイントを所有している。

 

つまり僕と組んだ者は格好の標的になるってことだ。

 

まあ組んでくれる人がいるのかな?と思っていたんだが

 

『物間!俺(私)と組んで(ください)くれ!』

 

といった感じで爆豪、轟、拳藤、鉄哲くん緑谷くんに普通科の心操くんを除いた予選通過者全員が僕の元にきた。

 

「あー……とりあえず落ち着いてくれ。話が進まない」

 

(うわあ……マジでどうしよう……実質一人でも事足りるんだがな……でも人数合わせのためだけだとはいえないし……)

 

だったら

 

「麗日さん、僕と組もう」

 

「え!?ウチでいいの!?」

 

「知ってる人が一緒の方がいいしね」

 

「う、うん……そうだね……」

 

こうして僕と麗日さんの二人による騎馬が出来上がった。

 

あ、あと騎馬戦でシーフの使用が禁止になった。

 

そして騎馬戦始まりの時、

 

『さあさあ行くぜ!残虐バトルロワイアル!』

 

『3!』

 

「狙いは……」

 

『2!』

 

「一つ……」

 

『1!スタート!』

 

一斉に騎馬が動き出したがそれらは僕たちではなく爆豪や轟などに向かっていった。

 

だが例外というものはあるもので

 

「物間あ!1000万いただくぜ!」

 

鉄哲くんと心操くんの騎馬が僕に向かってやってきた。

 

「いきなり襲来か……でもね!」

 

僕が指を鳴らして亜空間からアイツを呼び出す

 

『GYAUUUUUUUUUUU……!!!』

 

『なっ……!!?』

 

「頼むよアジダハーカ」

 

僕が呼び出したのは体育祭の前にバディファイトの世界へ行って契約したモンスターアジダハーカだ。

 

正直契約するのは大変だったが僕を認めてくれたのかバディとなってくれた

 

『なんだなんだぁ!!?物間の前にいきなり三つ首の巨大な龍が現れたぞお!!?物間の仕業なのかあ!!?いやお前以外いなかったわ!!ていうか最早なんでもありだなあ!!』

 

『……物間、後で話があるからな』

 

「はい……」

 

「な、なんだよこりゃあ……」

 

鉄哲くん、骨抜くん、塩崎さん、泡瀬くんたちチームだけでなく他のチームもアジダハーカを見上げて口をパクパクさせていた

 

『我の前に立てる者なく我の後にいける者なし…恐れよ…崇めよ…跪けぇ!!』

 

口上とともに咆哮で威嚇するアジダハーカを前に

 

「ダメだ……勝てっこねえ……」

 

「そんなんわかりきってたことだろ!さっさと逃げるぞ!」

 

他のチームは逃げていったが

 

「あんなんでビビッてどうすんだよ!!俺たちだってやれるって見せてやろうぜ!!」

 

鉄哲くんがチームを鼓舞すると

 

「ああ、ここまで来たらなにも怖くねえ!」

 

「やりましょう……!」

 

「死ぬ覚悟でやってやらあ!」

 

再びアジダハーカに向かっていった

 

『ほぅ……我を前に怯まぬとは……なかなかの精神力を持つ人間ぞ……我が半身よ。こやつの相手は我にさせてもらえぬか』

 

「ん?いいよ」

 

『かかってこい!我に挑む者たちよ!』

 

「上等だあ!!」

 

「物間くん……」

 

「なに?麗日さん」

 

「あんな化け物……どうやって仲間にしたん?」

 

「うん?チョちょいと戦ってね」

 

「うわぁ……」

 

引かないでよ……自分でも最早人外レベルになってるって自覚してるんだからさ……

 

とその時氷結が迫ってきたので

 

「ふっ!」

 

ヘルフレイムで氷を溶かす

 

「来たか……」

 

「獲るぞ……!」

 

轟君が指示を出すと八百万さんが恐らく絶縁体シートと思われるものを出し、上鳴くんに電気が溜まっていくのが見えたので

 

「無差別放電!!130万V!」

 

バリアで電撃を逸らさせる

 

「ちいっ!!」

 

轟君が氷結を放ってきたので今度は吸収で防ぐ

 

「くそっ!飯田!」

 

飯田くんのエンジンで迫ってきたが麗日さんに体重をゼロにしてもらって空中浮遊で空に逃げる

 

「そう上手くいかせねえよ!スカし野郎!」

 

爆豪が爆破で突っ込んできたので僕は

 

「ダークシャドウ!」

 

『アイヨ!』

 

ダークシャドウを出して爆豪を弾き飛ばした。

 

着地すると

 

「物間!」

 

「拳藤……」

 

「頂くよ!アンタの1000万!」

 

「そうかい。じゃあ!」

 

僕は指を鳴らして再びモンスターを召還した。そいつは

 

「出てこい!レックウザ!」

 

『(鳴き声)』

 

『また物間がやりやがったあ!!なんだなんだぁ!?今度のはドラゴンというより東洋の龍といった感じの奴だあ!』

 

「更に来いっ!カイオーガ!」

 

『(鳴き声)』

 

『今度出てきた奴はクジラみたいなやつだあ!ていうか急に雨が降り出したぞ!!さっきまで晴れだったってのに!!』

 

『恐らくあのモンスターの特性のようなものだろうな』

 

『マジかよ!!?天候をも操るとか半端ねえー!!』

 

レックウザとカイオーガも僕がポケモン世界に行って契約したモンスターだ

 

「レックウザは僕を囲むように守れ。カイオーガは波を起こせ」

 

レックウザがとぐろを巻くように僕の周りを囲み、カイオーガが波を起こすと

 

「きゃああああっ!!」

 

「ぐっ……!!」

 

「近づけないっ!!」

 

一方鉄哲たちの方は

 

「くそっ!ビクともしねえっ!」

 

「どうした?その程度か?」

 

「私のツルをもものともしないとは……」

 

「まだだ!そうだ!塩崎!」

 

そして鉄哲が作戦をこっそり伝えると塩崎も実行に移す

 

塩崎がツルで鉄哲を持ち上げて振りかぶってアジダハーカに投げつけると

 

「全身硬化ぁ!!食らいやがれえっ!!」

 

『ぬ……!!グホッ!!』

 

『決まったあー!!アジダハーカに初のダメージが!鉄哲よくやったぞおおぉ!!』

 

『もう完全に競技変わってんな』

 

『見事だ……鋼鉄の戦士よ……名前は……』

 

「俺ぁ鉄哲徹鐵だ!!」

 

『徹鐵か……おまえの覚悟しかと試させてもらった!ならば我も答えよう!』

 

そしてアジダハーカが攻撃に移ろうとした時

 

『終了~!!』

 

「『は……?』」

 

『これにて騎馬戦を終了するぜぇ!一位!やっぱというか物間チーム!二位!爆豪チーム!三位!轟チーム!四位!鉄哲チーム!五位!緑谷チーム!以上が決勝進出チームだ!』

 

 

 




爆豪チーム
・原作通り

轟チーム
・原作通り

緑谷チーム
・緑谷と心操に尾白と庄田の中で前者二名が決勝に進出


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