この世界は俺に優しくない (天乃天)
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第1話

皆様興味を持って頂きありがとうございます。
注意事項にも書きましたが、この作品は思い付いたままの勢いまかせな見切り発進となっております。
苦手な方はブラウザバックをオススメします。

このまま読み進めて頂ける方、ありがとうございます。
楽しく書くをモットーに行きたいと思っておりますので、お気軽に感想など頂けると喜びます。
響ではないですが、みんなが仲良く楽しめたら良いなぁと思いつつ書いていきたいです。

・追記(2019.6.25)
早速誤字が……(´・ω・`)
報告ありがとうございます!


 この世界は俺に優しくない。

 

 唐突にすまない。だかそう言わざるを得ないのだ。

いきなりだが、俺は転生者だ。しかし転生モノによくある神様のようなすごい力の持ち主には会っていない。なら死んで気づいたらかと思われる方もいるかもしれないが、死んだ記憶がないんだよなぁこれが。直前の記憶が大学で友人と話していて、トイレの為に席を立ったまでなんだよなぁ……。まぁ、俺が死を認識する間もなく死んだ可能性があるから、これに関しては受け入れてるし特に気にしちゃいない。せっかく転生するのだからちょっと神様に会ってみたかったけどそれはそれ。

また、神様転生ではないから特に転生特典みたいなスペシャルなものはない。これも残念だが、仕方ない。本っ当に残念だけど……残念だけど!

そしてご多分に漏れず二次創作ではお馴染みの転生世界は知ってるアニメや作品の世界だ。この作品が大好きな俺としては「いぃやったぁぁぁぁぁッ!!願ったり叶ったりぃッ!してやったりィィィッ!!!!!」って感じ。いや、してやったりはないけども……。

さっきの台詞で気づいたかもしれないが、この世界は戦姫絶唱シンフォギアの世界だ。認定特異災害“ノイズ”という人のみを襲い、人に触れるとその人を炭素に転換させ殺し、一般的な物理エネルギーの減衰または無効化つまりは現行の武器ではほぼ倒すことが出来ず、同体積に匹敵する人を炭素転換し自身も炭素化して崩れ落ちるか、一定時間経過による自壊を待つしかない人絶対殺すマシーン。それに唯一対抗できる聖遺物から作られたシンフォギアを歌によって纏う装者達が戦い、世界を救う物語である。かなりの意訳だが。

 

さてここまでなら俺も納得しているし、むしろ嬉しい部類なのだ。なら何が気に入らないのか、何が世界が俺に優しくないと言わしめるのか。その原因は俺の転生した身体にある。言葉にするのが難しいが、強いて言葉にするならポキュだろうか? いやプキュか? そんな気が抜けるような可愛らしい足音。オレンジ色の身体。ちっちゃな突起物が1つだけある板状の手。極めつけに頭部には種子から伸びる新芽や若葉またはリボンを彷彿させるようなもの。察しが良い方はもうお気づきかもしれない。

 

そう、俺が転生したのは人型ノイズなのだ!

 

ふっざけんな!! 俺殺される側じゃねぇか!というか一定時間経ったら殺されなくても自壊するじゃん!もうお先真っ暗だよ!

なんて怒り狂っている時間はない。それは何故か。周りから“特機部二(突起物)”と揶揄される特異災害対策機動部二課が俺、つまりはノイズの反応を検知し、シンフォギア装者を送り込んで来るからだ。

どのくらいかはわからないが、一定時間という僅かな命を惜しむ間もなく殺されてしまうなどまっぴらごめんだ。緊張感の欠片もない足音を響かせながら俺はこの場から逃げ出すのだった。




短いですが、ちょっとキリが良いのでこの辺で切りますね。申し訳ない。
作者のリハビリも兼ねておりますのでもしかしたら短く刻んでいくかもしれないです。

今後もどうかよろしくお願いします。


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第2話

今期間限定ですが、YouTubeでシンフォギアが無料公開されてるじゃないですか。
あれ、すごいですよねぇ……。

今回はちょっといろいろネタが入っていてもしかしたら不快に感じる方がいらっしゃるかもしれません。申し訳ありません。


戦う前に言っておくッ! 俺は今、この世界の理不尽さをほんのちょっぴりだが体験した。い、いや……体験したというよりは、まったく理解を超えていたのだが……。あ、ありのまま、今起こった事を話すぜ!

 

「俺は死なないために逃げたと思ったら、いつのまにか装者がいる所に自分から来ていた」

 

な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何が起きたのかわからなかった……。頭がどうにかなりそうだった……。シンフォギアだとか特機部二だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

 

とまぁおふざけして現実逃避したところで目の前の現実は変わらない。現実は非情である。逃げた先に広がっている景色は炭素の塊が散見する町並みである。ノイズが出現したんですね、わかります。

 

死なないために逃げました……。逃げたんですよ! 必死に! その結果がこれなんですよ! ノイズになって、生きるために逃げて、今はこうして装者と対面してる! これ以上なにをどうしろって言うんです! 世界は俺にどうしろって言うんですか!

 

2回目の現実逃避だが許してほしい。もう絶対絶命な状況なんだ。青く長い髪に、近寄れば切られてしまいそうな雰囲気を持つスレンダーな女性。天羽々斬(アメノハバキリ)を身に纏いし防人であり我らが歌姫、風鳴翼その人が今目の前にいる。がっつり目が合っているのだ。

奇跡的にまだ攻撃されていないが時間の問題だろう。とりあえず逃げなきゃ死ぬという事実は変わらないのだ。仕方ない。とっておきの策を披露しようじゃないか。息が止まるまでとことんやるぜ!

 

「逃げるんだよォ!」

 

180°回転し、全力で逃げる。ノイズ故に言葉は喋れていないが、そこは気にしてはいけない。ちなみに息もしていないが、深く考えてはいけない。

動く気配を感じ身構えた翼さんは俺が逃げ出したことに呆気に取られて初動が遅れた。これは逃げ切れるかもしれない!やったぜ!

 

そう思っていた時期が俺にもありました。

 

翼さんは斬擊を飛ばす“蒼ノ一閃”を繰り出してきたのだ。あれ思っている以上に速いんだね。気づいてすぐに全力で真横に飛んで避けなかったら今頃真っ二つだったわ……。

 

「避けただと!?」

 

ノイズが人から逃げて、攻撃を避けた光景を見た翼さんが驚いていらっしゃる。それもそうかもしれんが、こっちは必死に生きようとしてるから邪魔をしないで見逃してくれ!

 

「くっ、ならばこれはどうだ!」

 

バッと上に跳躍し……これ知ってるヤバイやつだ!範囲攻撃は反則だゾ!必死に起き上がり全速力を出すも間に合うかは怪しい。

“千ノ落涙”。空間から大量の剣を具現化させて、上空から落下させて広範囲を攻撃する技である。

 

いーやーだー!死にたくないぃーっ!こんなすぐに死んでしまうなんてあァァァんまりだァァアァ!

 

なんて思って必死に逃げていると、人型ノイズの攻撃方法のように手にある小さな突起物から身体が伸び、その伸ばした身体に残りの身体が引っ張られるように前方へ大きく素早く移動ができた。正確には吹っ飛んだが正しいかもしれないが、これで助かった。

偶然出来たが、これをしっかりと習得しないとこの修羅場を潜り抜けることは不可能である。またしても避けたことに驚きを隠せない翼さん。とにかく、距離は稼げたのでこのまま逃げたい。

 

「……またしてもか、ならば!」

 

そう言ってまたしても跳躍する翼さんはライダーキックのようなポーズをして……そいつはアカン、アカンよォ!

大型仕留めるような技をただの人型ノイズに使うとかオーバーキルも良いとこだぞぉ!ふっざけんな!!

 

やっぱりこの世界は俺に優しくないぃぃぃぃ!!!

 

 




絶対絶命なノイズの運命やいかに!
次回もまた読んで頂けたら嬉しいです


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第3話

早速お気に入り登録や評価をしてくださってありがとうございます!
評価するには読まなければいけないわけなので、例え低い評価だとしてもこの作品に興味を持って頂いて、読んで頂けたということは嬉しいものです。
頂いた評価をしっかり受け止めて頑張りたいと思います。
またお気に入りにして頂けてすごく嬉しいです!ありがとうございます!

感想を頂いたり、お気に入り登録して頂けるというのはすごくモチベーションに繋がるのだなと思い出しました。
今頂いている感想はこの後必ず返信します。お待たせしてすみません。

あとがきに追記しました。(2019.6.27)


「はあぁぁぁっ!!」

 

この身は剣。大丈夫、私は1人でもやってみせる!

 

《これで周囲のノイズの掃討は完了よ。翼さん、お疲れ様》

《よし、いつも通り片付けはこちらでやる。翼は帰投しろ》

「了解しました」

 

司令の言葉を聞きアメノハバキリを解除しようとしたところで、藤尭さんから慌てた声で通信が入る。

 

《待ってください!すぐ近くに微弱なノイズの反応を検知!そんな、こんな近くになるまで検知できないなんて……》

 

その言葉にすぐさま周囲を見渡すと、自身の後方十数m先に人型ノイズが1体だけいた。これほど近距離になるまで検知されないステルス性を持ったノイズとの遭遇ははじめてだ。見た目は他の一般的な人型ノイズと差異は見られないが、突然変異の新種なのだろうか?しかして私のやることは変わらない。斬り伏せるのみ!

その人型ノイズはしばらくキョロキョロと辺りを見た後、私をじっと見つめたような気がする。不思議なことではあるのだが、なんとなく目が合ったように感じたのだ。

 

しまった!先手を取られた!

 

不思議な感覚に気を取られてしまったが故に相手が先に動くことを許してしまったばかりか、完全に受けの状態つまりは無防備な状態で相手に行動を許してしまった。新種のノイズ故に慎重に相手しなければならぬというのに不覚である。動き出すノイズを眺め、どのような攻撃が来るか思案を巡らせる。

 

馬鹿な、逃げるだと!?

 

なんとノイズはそのまま反転し、逃げ出したのだ。

 

《ノイズ反転!翼さんから離れていきます!》

《逃げる、だとォ!?》

《反応ロスト!ダメです、追いきれません!》

《翼!ここでやつを逃すと厄介だ。なんとしても仕留めるんだ!こちらも手は尽くす。レーダーに頼らず付近のカメラを総動員してなんとしても補足するんだ!》

 

アームドギアが大型化し、それを振るい発生させるエネルギー刃で標的を両断する“蒼ノ一閃”。これで仕留める!

迫るエネルギー刃に気づいたノイズは真横に飛んで攻撃を避けてみせた。

 

「避けただと!?くっ、ならばこれはどうだ!」

 

すごく人間味のある避け方だが、人型であればそのようなこともあるかと思い直す。しかし、これまででこのように避けられたことなどあっただろうか?……いや、今は考えるよりも仕留めることを優先すべきだ。

地面蹴り跳躍し、上空で四肢を拡げ空間に大量の剣を具現化させる。それを広範囲に落下させる“千ノ落涙”。これならば逃げることなど出来はしない!

 

上空から降り注ぐ大量の剣を背に逃げるノイズは、こちらに攻撃する時のように身体を伸ばして移動しこちらの攻撃を全て回避した。

まさか回避のためだけにあの攻撃モーションをするとは思わなかったわ。しかも消えず残っている……。ここまで明確に避けられたとあれば、逃げたことも含めこのノイズがノイズの中でも特異な存在であることは明らかだ。ここで仕留めなければ禍根を残すことになりかねない。

 

「……またしてもか、ならば!」

 

再び跳躍し、手に持つアームドギアを標的に向け投げる。するとアームドギアは巨大化し、それに片足を繋げ自身と巨大化したアームドギアから出るブースターでさらに加速させ、標的を蹴り貫く“天ノ逆鱗”で仕留めてみせる!

ノイズはこちらを見遣ると迎え撃つかのように構えた。その構えは……

 

おじ様……!?

 

そう、おじ様の構えに酷似していた。刹那のやり取りではあるが気を取られたが故の失態。一瞬の隙をついてノイズは再び身体を伸ばし遠くへと逃亡してしまった。

そしてその一瞬の差でノイズが居なくなった地点に“天ノ逆鱗”は激突するのだった。

 

《逃がしてしまったか》

《ダメです、速すぎてカメラで補足しきれません。完全にロストしました》

「申し訳ありません」

《仕方あるまい、奴はひたすら逃げに徹していた。それを仕留めるのは至難だ》

「それなのですが、逃げ、回避し、捨て身の攻撃のハズの突撃を回避に使用し消滅しない。奴は一見他と変わらぬ見た目ですが、特異な変異体なのでしょうか?」

《わからん。だが、奴はきっと時間が経っても自壊しないだろう。レーダーの強化と平行してそいつの調査は行う。とりあえず戻ってこい、翼》

「了解です」

 

この身は剣と鍛えたハズだというのに不甲斐ない……!次は遅れを取りはしない。必ず奴を仕留めてみせる!

 




本日は二課側からの視点でお送りさせてもらいました。この視点変更はしない方がいいのかとか迷っていたのですが、今回は実験的に導入しています。
評判良ければ今後もまた別の視点を入れるかもしれません。
また今回は台詞もいくつかあるので見辛いとかありましたら知らせて頂けると助かります

そして文字数がちょこちょこ増えるにつれて投稿時間がのびていく……
あとオペレーターの二人の一人称ってなんだろ?記憶に残っていない……


次回もまた読んでいただけたら嬉しいです。

【追記】(2019.6.27)
ノイズの突撃攻撃ですが、アニメの映像から着弾したあとにノイズの姿が確認できないため、本作では普通のノイズの突撃攻撃は当たっても当たらずともノイズ自身は炭化するとさせて頂きます。


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第4話

前話のあとがきにその日の内に追記をしています。
もしお読みになられていない場合は一読頂くとなるほどなとなるかもしれません。

今回も短いです。すみません。


迫り来る巨大な刃に逃げ切れないと悟り、迎撃のために構える。「飯食って、映画観て、寝る!男の鍛練はそいつで十分よ!」ってOTONAも言ってたしやってやるぜ!ってそんなわけあるか!そもそも今の俺はノイズなのだから触れた瞬間真っ二つだわ!くそっ、ここまでなのか……。

 

生きることを諦めるな!

 

そうだ、諦めるものかよ!俺は生きる!生きて逃げ切ってみせる!そう思って間に合うかわからないが飛び退こうとした時、それは起きた。

 

「うぇ!?あ、え……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

急に身体が伸びる感覚と共にあらぬ方向に引っ張られ、吹っ飛んだ。意図せず発動させてしまったのかもしれないが、心構えもなく猛スピードの空の旅にパニックである。

生き残れたし、逃げ切れもしたので結果的にはよかったのかもしれない。

 

「へぶっ!」

 

ちなみに着地は顔面からでした。特に痛みはないのだけど気持ち的に変な声が出てしまった。ノイズだから声出てないだろとか細かいことは気にしたら負けだ。

さて逃げ切れたわけだが、特機部二の優秀なレーダーがある以上、俺に安息の地はない。まぁ、あとどれくらいかはわからないが自壊しちゃうんだけどね!言ってて悲しくなってきた。

 

ただ、無闇に逃げるのも良くないと身をもって知ったのでどうしたものか。

逃げるにしても気をつけなければいけないことは多々ある。1つは今知ったように無闇に逃げると装者と出会うこと。また周囲に気を配らなければならないこと。

誰もが1度は憧れ、漫画などの物語では王道の「曲がり角でごっつんこ 運命の出会い」。これを俺がやると運命の相手は炭化します。そして運命の相手の体積分、俺の運命が減ります。下手すると一発で死にます。くそぉ……。

 

あとは今が原作のどの辺りなのか。俺は翼さんからだけ逃げればいいのか、響ちゃんからも逃げなくてはいけないのか。はたまたクリスちゃんからも逃げなくてはいけないのか。

いろいろあるが、疲れたのでゆっくり移動しながら考えよう。ノイズが疲れるのかという話は無しの方向でお願いします。気疲れとか人間もあるでしょ!

 

翼さんから逃げるときは必死で気にならなかったが、やはりこの足音慣れないなぁ……。気が抜けるというか、なんというか……。慣れるしかないのだけどね……。

ポキュポキュ音を鳴らしながら歩き、今後のことを考える。

うーん、まず最優先であの移動技というか身体伸ばしを習得するべきだな。でないとまた装者に遭遇したら、今度こそ殺されてしまう。どこか誰もいない所で練習するとしようか。どこか良い場所ないかなぁ……。

 

そうやって場所を探しているとばったりと人と出会ってしまった。

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 いやぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

悲鳴を叫びながら逃げ去る少女を見送りながら、その娘とは逆方向に俺も叫びながら逃げる。

だって急に叫ばれたら誰だってビックリするだろ!!それに悲鳴をあげられて逃げられるとメンタルにがっつりダメージが入るんですね。つらい……。

今のですぐに装者が来るはずだから逃げないと!一難去ってまた一難とはこのことか……。






次回もまた読んで頂けると嬉しいです。



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第5話

いろいろ悩んでいたら気づいたら1日経っていました。

お待たせしました、またしても短く刻んでいく第5話です。



俺のメンタルはボドボドダ!

度重なる人との遭遇、叫ばれる悲鳴、ゴリゴリ削られる俺のメンタル。わかってる。わかってはいるんだ……俺だってノイズに会ったら悲鳴あげて逃げるわ。でもね、わかってはいてもつらいものはつらいんだ!!

 

さて、転生してからしばらく経ったのだが、なにが起きたのか説明しようと思う。

あれから何度も場所を変えながら人に遭遇しまくりました。その度にあげられる悲鳴に俺のメンタルが悲鳴をあげています。俺はきっと泣いていい。

その代わり練習はいっぱいしました。今では手の小さな突起物で狙いを定めて自らの意思で飛ぶことが可能だ。特訓の様子は聞かないでくれ。ホントにやり方分からなくて、意図せず出来たときなんか吹っ飛んだ先に私服の翼さんがいた時は死ぬかと思った。もう思い出したくもない。

 

それと分かったことがいくつかある。まず、俺は時間経過で自壊しないということ。数日が経っても未だに生きていることがその証拠だ。

そしてこれがとても大きな収穫なのだが、どうやら俺は特機部二のレーダーに反応しない、または反応しづらいみたいだ。というのも何度か遭遇したのだが、そのいずれも相手にとって不意な遭遇のようだったこと。また、何もないときに襲撃や遭遇が一切なかったことからの推測だ。

ちなみに悲鳴をあげられ続けてメンタルがやられた状態で装者に遭遇した俺の心境は、「クライマックスが100連発気分だよ、私呪われてるかも」である。いやきっと俺は呪われている。

 

諸君らが嫌う私のメンタルは死んだ!何故だ!

ノイズだからさ。

 

やっとる場合かーッ!最近は心の平穏のためにわけのわからないネタや茶番をよくやってしまう。これを現実逃避といいます。

あ、あと分かったことは最近特機部二……もう長いから二課って呼ぶけど、その二課に最近響ちゃんが合流したみたいです。つまり、原作が動き出したってことですね。オラ、ワクワクすっぞ!

 

先程レーダーに反応しないって話をしたが、二課には優秀な人材がいっぱいだ。いつ対応されてもおかしくないからそこは注意しないとな。

そして気づいたら俺、建物とか無機物すり抜けられるようになりました。まさにノイズって感じだ!だから悲鳴あげられるんだよ……。

いらない報告だと思うけど足音が気にならなくなりました。慣れたとも言う。むしろ悲鳴だらけの中で癒しかもしれない。自分でもおかしいこと言ってる自覚はあるがしかたないじゃないか!

 

実はついさっきも人と遭遇して傷心中なんです。今はある程度離れた所で、遭遇した地点とは逆の方向に歩いてます。

こんな時は歌ってしまうね。かぁぁぁぁなぁしぃぃぃぃぃみぃのぉぉぉぉむこぉぉぉぉぉぉへぇとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♪

 

「え……?」

 

え、うそやん?そんな……嘘だと言ってよバーニィィィィィ!!

悲しみの向こうへと辿り着いたら私服の響ちゃんがいました。なんでさ……。

 

世界はそんなに俺が嫌いか!

 




感想返し出来てない方には今からすぐ返しにいきますんで、お待たせして申し訳ない!
皆様、感想やお気に入り登録ありがとうございます!

今更というか再確認ですが、主人公はノイズですが中身は現代のオタクの大学生です。一応、念のため。故にいろんなネタが入ります←

嫌な方とかいらっしゃったら教えて頂ければネタ系は減らすと思います。


次回もまた読んで頂ければ嬉しいです。


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第6話

日に日にお気に入りが増えていき嬉しい作者です。
感想も気軽に頂けると作者は泣いて喜びます。

短く刻んで申し訳ないのですが第6話です。


《やっぱり付近にノイズは見当たらないです》

「そうか、すまなかった響くん。戻ってきてくれ」

《了解です》

 

やはり今回もノイズの目撃報告はあれど、レーダーに反応はなし。シンフォギア装者を現地に向かわせても、付近にノイズの姿は確認できない。

虚偽報告かと疑われるが、我々はひとつ心当たりがある。強化に励んでいるが未だにレーダーに反応しないこと、そして人的被害が出ていないこと。このことから導き出されることは、いくら調べてもわからないあの変異体ノイズだろうということだ。

 

「また、ですね」

「やはりあのノイズでしょうか?」

「だろうな。翼はどう見る?」

 

不意とはいえ何度か遭遇できている翼に話を振る。

 

「十中八九ヤツの仕業でしょう。人から逃げるノイズなどヤツしかいません」

 

何度も逃がしてしまっていることを悔いているのか険しい表情になる翼。あの様子だと今回の現場にも行きたがっていた翼ではなく、響くんを行かせたことで不機嫌になっているのもあるか。年頃の娘というのはなんとも難しいものだ。

 

《でもそのノイズって人を襲わないんですよね?》

 

現場が本部から近いこともあり、歩いて帰ってくるという響くんが会話に加わる。

 

「そうか、響くんはまだ遭遇したことがなかったな」

《はい》

「今のところそれらしい報告があった際に被害の報告は聞いていない。また我々との数少ない遭遇でも全て逃げに徹していた」

「かといってレーダーに反応しない脅威はかわりありません!いつ何時襲いかかってくるか……。それに、報告がないだけで被害が出ている可能性も!」

「それは全力で調査をして一切結果が出ていないことから見てもないだろう。翼、落ち着くんだ」

「くっ……」

 

悔しそうに唇を噛みながら視線をそらすように俯く翼。

 

《分かり合うことはできないんでしょうか?》

「生物のような形態をしていることから過去に何度かコミュニケーションを取る試みが行われたが、その悉くが失敗している」

《でも!》

「確かにヤツは特異なノイズかもしれないが、翼の言う通り今後も襲わないという保証はない。未知数な部分が多いというのに、そんな危険な試みは司令として許可できない」

 

今までにない人を襲わずに逃げる特異なノイズ。響くんの言うようにコミュニケーションが取れる可能性は無いわけではない。どちらかといえば、俺個人の意見は響くん寄りだ。しかし、響くんはまだシンフォギア装者として新米だ。実力も経験も足りていない。危険過ぎる。

実行するにしても交渉者の実力やあのノイズについてもうしばらく調べてからだろう。

 

《え……》

 

通信をしたままだったが故に拾えた響くんの呟き。そして本部内に鳴り響くアラート。

 

「ノイズ出現!」

「位置特定!こ、これは……!?」

「響ちゃんのすぐ側です!」

「なん、だとォ……!?」

「周辺の映像モニターに出します!」

「出撃します!」

「待て、翼!」

 

翼は制止も聞かず飛び出してしまった。無理もない。モニターに映ったのは驚いて固まる響くんと、たった1体だけの人型ノイズなのだから。




SAKIMORI語録。
いつ何時→読みは「いつなんどき」正確には漢字で書くと何時何時となる。
以下ネット辞書より引用
( 副 )
〔「いつ」を強めた言い方〕
いつ。不測の事態の起こる時期が全くわからないさま。 「 -大地震が起こるかわからない」


次回もまた読んで頂けると嬉しいです。


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第7話

お待たせしました。
短く刻んでいるのに時間がかかるというね。申し訳ない。

感想、お気に入り登録ありがとうございます!


驚いて固まっている様子の響ちゃん。まさかの原作主人公との遭遇にテンションが上がり、頭が真っ白になる俺。傍から見ればどちらも硬直しており、なんとも不思議な空間が出来上がっている。

 

「あ、えっと……ノイズ、さん?」

 

なんと響ちゃんは俺に話しかけてくれた!嬉しい!めっちゃ嬉しいっ!この転生で一番嬉しい!ああ、くそっ!せっかく響ちゃんが話しかけてくれているのに返事を返すことすらできないなんてもどかしい!

 

「私の名前は立花響。歳は15で、誕生日は9月13日。血液型はO型。身長はこの間の測定で157cm。体重は……えっと、仲良くなれたら教えるね。趣味は人助けで、好きなものはごはん&ごはん。後はえっと……彼氏いない歴は年齢と同じかな」

 

感動だぁ……。ちょっと違うけどもあの響ちゃんの自己紹介を生で聞けるだなんて。しかも俺に向かって言ってくれてるとはファン冥利に尽きる……。

しかし、返事は出来ないんだよなぁ。どうしたものか。

 

「えっと、そのぉ……」

 

ハッ、いかん! 響ちゃんが襲いも逃げもしないノイズに困り果てている。それもそうか、何の反応もなくただ立ち尽くすノイズに対しどうすればいいのか分からないよな。確かに俺はノイズとしては異質かもしれないが、分かり合えるかもしれないと手を伸ばしてくれるだなんて控えめに言って天使かな。

となると、響ちゃんの性格的になにもしないこちらに攻撃はしてこないだろう。あぁ、そりゃ困っちゃうわ。なんとかして意思の疎通をしなければ。とりあえず首を傾げておくと考えている、または理解できないみたいに感じてくれるかもしれない。いくぞ!交流する意思を示すんだ!

 

……俺の首ってどこぉ?

 

今気付いたけど俺首なくね!?首傾げられねーじゃん!何!?身体ごとよじればいいのか!?くそぉ、意思の疎通って難しいんだな……。しかし、やってやるぜ!届け俺の想い!

 

っておわぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

唐突に横からバイクが猛スピードで突撃してきたのを辛うじて避けた。そしてそのまま進行方向にある建物にぶつかって爆発した。

おい、お前どこ見て走ってんだ!スピード出しすぎじゃボケェ!響ちゃん危なかったろうが!!あと俺が人から逃げる系ノイズじゃなかったらどうするつもりだったんだアァン!?お前が死んでたぞオラァ!!あ、えっと、大丈夫……?し、死んでない?

怒ってしまったが、バイクの運転手は大丈夫だろうか?俺は助けることすらできないから響ちゃん早く救急車を!

急に感じた寒気に従って後ろに飛び退く。すると目の前にいきなり壁が現れた。

 

壁?

「剣だ!」

 

壁かと思ったものは“天ノ逆鱗”の巨大な剣だった。つまりあのバイクは原作でよく乗り捨てられる翼さん愛用の使い捨てバイクか!というかこっちは思っただけで何も言ってないのに翼さんよくわかったな!?え、もしかして俺の声聞こえるの?

ちょっと違うけどさりげない原作台詞にちょっとテンションが上がったけど、とにかく逃げなきゃ!翼さんとのお話タイムはまた今度な!

 

「翼さん!?」

「下がっていろ!ヤツは私がここで仕留めてみせる!」

「待ってください!私、襲われてないです!あの子ならコミュニケーションが」

「戦場で何を馬鹿な事をッ!」

 

響ちゃんが俺を庇おうとしてくれてる優しいなぁ。そんな響ちゃんの努力を無駄にしないためにもここは全力で逃げるぜ!とりあえず人にぶつからないように小刻みに飛んでいくか。

 

「くっ、待て!」

 

翼さんが小刀をこちらに投げつけてくる。待って、あれ影縫いじゃね!?やばっ!急がないと!

飛来する小刀が自分の影に当てられないように細心の注意をしつつ、近くの一番高いビル目掛けて飛ぶ。次に響ちゃんに会うときまでに、私なりのボディランゲージ覚えておかなくちゃ。




SAKIMORI語録

戦場(いくさば)。シンフォギアの世界では戦場をせんじょうと読まずにいくさばと読む人が多い。ちなみに未来さんはちゃんとせんじょうと読む常識人らしい。意味は同じである。


次回もまた読んで頂けると嬉しいです。


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第8話

シンファギアXV始まりましたね!オラ、ワクワクすっぞ!

遅くなってしまって申し訳ありませんでした。ホントはここ〇〇ーネさん視点にする予定だったんですが、全然動いてくれなくて、動かせなくて中止となりました。実力不足を痛感する次第です。今まで出番がありませんでしたが、しばらくは出番なし続行となりそうです←

書きながら〇〇ーネってザビーネかな?(すっとぼけ)とか思ってるから動いてくれないんだぞ!そういうとこだぞ作者ァ!

\だめじゃないか!死んだ奴が出てきちゃあ!死んでなきゃあああ!!/


響ちゃんのおかげで逃げ切れてからまた数日が経った。あれから何度か覚悟を決めて「ドキドキッ!翼さんとのお話タイムwithアメノハバキリ」を行ったのだけど、翼さんの殺意がマシマシ過ぎてとてもじゃないけど確認する余裕はなかったかな。

会うたびに増える翼さんの殺意がとても怖いです。

 さてどうしたものかと歩いていると爆発音が聞こえてきた。音のした方を見るとそんなに離れてはいないみたいだ。ちょっと気になったので向かおうと思う。ノイズの身では装者以外は特に危険じゃないので気楽である。なお人とぶつかると寿命が縮まる模様。でも基本ぶつかってくる人などいないから大丈夫大丈夫。事故?知らないですねぇ。

 

 現着した俺は木の陰から様子を眺める。視線の先ではただいま原作の真っ最中でした。

 ネフシュタンの鎧を纏ったクリスちゃんと翼さんが戦っていて、その横では響ちゃんがノイズに捕まっていた。ふむふむ、これはあれですね。「この残酷は心地良い」とかSAKIMORIが言っちゃうシーンだな。いやー、こうして原作を傍で見られるのはやっぱり嬉しいものがあるなぁ。さて、響ちゃんを助けに行きますか。そうすることで俺に敵対意思がないことを伝えるのだ!

 

「翼さん!」

 

 とそこで響ちゃんの叫び声がしたあと、ひと際大きな爆発とともに翼さんが吹っ飛んできたので再び隠れる。

 

「フン、まるで出来損ない」

「ノイズ1体を仕留める事もできない私は確かに出来損ないだ……」

「あぁん?」

 

 あ、それもしかしなくても俺のことですかね?

 

「この身を一振りの剣と鍛えてきたハズなのに……あの日、無様に生き残ってしまった……。出来損ないの剣として、恥を晒してきたッ……!だが、それも今日までのこと。奪われたネフシュタンを取り戻すことで、この身の汚名を雪がせてもらう!」

 

 このあとどうなるんだっけ?確か影縫いでクリスちゃんが動けなくされて、翼さんが絶唱顔を披露するんだよね。あれを初めて見たときは正直ビビったねー。今ではもう慣れたけども。そう絶唱をして……絶唱!?俺ここにいたらヤバくね!?

 

「月が覗いている内に、決着をつけましょう」

「歌うのか……絶唱……」

「翼さん!」

「防人の生き様、覚悟を見せてあげる!あなたの胸に焼き付けなさい」

 

 ヤバいヤバいヤバい見たいヤバい

 

「やらせるかよ!好きに、勝手にィ……ハッ!?」

「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl」

 

 うわああああ、もうだめだ!離脱する!くっそぉ、ファンとして最後まで見たかったよぉー!!でもどのくらいの範囲かもわからないから逃げるんだよォ!

 

 




戦姫絶笑シンフォギアRADIO AXZ 第7回で石川さんが未来に対して「5期含めてのメイン」と言っていた。
AXZ最終話にて響と一緒に未来さんが浄化された事実と風鳴おじいちゃんが神の力を欲していること。
AXZ最終話後のCMの未来さんの意味深な台詞。
XV1話の未来さんの意味深な台詞。
XVの「繋ぐこの手には神(キミ)を殺す力がある」という神と書いてキミと読ませるワード。

以上のことから未来さんが神の力をその身に宿し、それを響ちゃんがって展開なのかなぁ…と考えてる作者です。

そして私はXDUNLIMITEDで「Glorious Break」が来ることをずっと待ってます。「Vitalization」来たばかりだからまだ先でしょうけど。
ちなみに私が一番好きなOPはGXです←
あとイベントでいいからキャロルちゃん来ないかなぁ
ミカちゃんの一瞬だったけど最終形態というか髪解いた姿可愛い……可愛くない?


次回もまた読んで頂けると嬉しいです。


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第9話

遅くなって申し訳ないです。ちょっと体調崩してうだうだしちゃってました。
皆さんもこの夏は気をつけてくださいね。

XVやっぱりこうなるのねぇ……あのじじぃ翼ちゃんまで許すまじ。
1個気になるのはOP冒頭のあのたくさんあるガスマスクみたいなのはなんなんだろう?ってことですね。多分幼いマリアとセレナだよね?がいるからそれ関係なんでしょうけど。アップルの歌詞にルル・アメルとかあるしアガートラムといい、なにかしらマリアが鍵を握っていそうですよねぇ。
とにもかくにも9話です。

感想はこれから返信していきます。せっかく頂いたのに申し訳ありません!いつもありがとうございます!
また、UAまもなく10000アクセス。お気に入り150オーバーありがとうございます!とっても嬉しいです!


あれから翼さんとは会っていない。そりゃ当然か、しばらくは入院して絶対安静だもんな。

そんなこんなで夜の公園を歩いている俺だが、翼さんが入院してからというものあんなに遭遇していた装者のみならず普通の人とも出会うことがなくなった。もうホントにまったく遭遇しない。多分慣れることはないであろう悲鳴プラス逃走のコンボを受けることがなくメンタルは保たれているが、翼さんが入院しており響ちゃんしかいない今こそが意志疎通のチャンスだというのに誰とも出会えない。

かといって会うために建物に侵入とかは違う気がする。そんなことをしたら、響ちゃんにも愛想を尽かされてしまうだろう。

そもそも翼さんが入院しているこの時期は響ちゃんにとって大事な時期でもある。そう、あのOTONAによる特訓の時期だ!とても邪魔できない。

 

さて、原作ウォッチングもできないならやることがないと思ったそこのあなた!そんなことはない。こんなこともあろうかと俺はとある物を入手していたのさ!備えあれば憂いなしってね!まぁ、ぶっちゃけると捨てられたものを拾ってきただけなんだけどね。だってこの身体(ノイズ)で買い物なんてできるわけないダルルォ!?

拾ってきた場所?公園のベンチの下だよ。正直こんなのがなんでこんなところに?って思った。Hな本かなと期待した君は一回心を浄化してきてくれ。俺も浄化しなきゃ……。話題が逸れちまったな。勿体ぶっても仕方ないしさっさと発表しよう。拾ってきたものは漫画だ。タイトルは「怪傑☆うたずきん!」である。

いやー、読むの楽しみだなぁ。うたずきんと言えば原作でも……って待って!?うたずきんってGXくらいからじゃなかったっけ?とにもかくにも二課がS.O.N.G.になってからのはず。なんで今ここにあるんだ!?

落ち着け……俺というノイズがいるんだ。何が起きたっておかしくはないはずだ。しまったなぁ……生き残ることに精一杯で、俺というイレギュラーによって起きる原作との差異について考えていなかった。このうたずきんはつまりそういうことなのだろう。

考えられる可能性としては、俺のような転生者が他にもいてうたずきんを製作していること。またはギャラルホルンのような異世界と通じている聖遺物などの影響でやってきたことくらいだろうか。もしかしたら俺と一緒にこの世界に来た可能性もあるが、ここに来てから何日も経過しているにもかかわらずそのままになっているだろうか?俺の世界にうたずきんの単行本なんてないんだけどな。

いくら考えたところでノイズの俺に確認できるはずもなし。とりあえず拾った公園は定期的に確認することにして、今は楽しみにしてたうたずきんを読もう!

 

ん?

 

読もうと思ってたうたずきんが手元に無いことに気づき、辺りを確認する。

すると少し離れたところに1体だけオタマジャクシノイズがいた。正式名称はクロールノイズで、手足があったりなかったり、はたまた合体してウーパールーパーみたいなやつだったりナメクジみたいなやつだったりする。今回の奴は手足がなく、その見た目からオタマジャクシと呼ばれてるタイプだ。個人的にノイズの中で可愛いタイプだと思う。ちなみに俺はアイロンノイズと呼ばれる部類。正式名称はヒューマノイドノイズで、その手の形からアイロンノイズと呼ばれていたりする。

んなことより問題はうたずきんがオタマジャクシの前にあることだ。いったいいつ取られたのか……。とにかくうたずきんを回収しよう。

 

ちょ、待てっ!

 

回収しようと近付くとうたずきんを咥えて逃げ出した。おまえ口あったんか!?って思うが、それよりも追わなければ。手足がないからぴょんぴょん跳ねる奴は意外に速い。しかし、身体を伸ばして飛べる俺には敵わないのだ!さっさと奴の前に飛んで先回りして捕まえる。ジタバタと暴れるが逃がしはしない。というかこいつ柔らかいなぁ……クッション抱いてるみたいな感じだ。あの人をダメにするタイプのやつ。

なんとかうたずきんを掴み、回収する。すると奴は俺の両手ごと噛みついてきた!

 

痛ぇ!いたたたたっ!!離せっ!離せよ!くそっ、離せって!!

 

蹴りとばすようにガジガジと噛みついている奴を引き剥がす。まさかノイズになってから本当の痛みを感じるとは。噛みつかれた手を振りながらそこに視線を落として俺はフリーズした。え?どういうこと?

 

そこにはアイロンノイズ特有の手にある板が失くなっていた。どういうこと!?!?

引き剥がした奴に視線を向けるとうたずきんを食べて、なおかつ俺の手についていたはずの板をガジガジと噛んでいた。今の俺の手はぶどうノイズみたいになってる。え?まさかアイロンノイズのあれは手袋とかみたいに取り外し可能だったのか?いやいや待て待て、待ちなさい。だったら痛みを感じるはずないし、身体を伸ばして飛ばす時に一緒に伸ばせるはずがないだろう。

ダメだ……理解が追い付かん。うたずきんは出てくるし、なんかよく分からんオタマジャクシノイズがいるし、そいつにうたずきん食べられるし、俺以外のノイズが1体でいるのもおかしいし、そのノイズがいるのに二課から装者が来ないし……もうどうなってるんだ!?

 

あーしの頭は爆発寸前!




実は8話の最初の構想では

ノイズ「よし、響ちゃんを助けるんだ!」
響「ノイズさん!?」
ノイズ「今助けるよ!」
響「助けようとしてくれてるの!?やっぱり分かり合えるんだね!」
クリス「……は?」
翼「防人の生き様、覚悟を見せてあげる!あなたの胸に焼き付けな、さ……い」
ノイズ「あ、やっべ。バレた」
翼「貴様ァァァァァァ!!!」

流石にぶち壊しなのでボツになりました。構想段階だとこんな感じに本編よりもかなりふざけてたりします←

次回もまた読んで頂けると嬉しいです。


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