電なんだよなぁ…。 (白ノ宮)
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第一話 

魂の定着完了。

意識のシンクロ率100%。

元々の意識を切り離し、命令無効システムをインストール。

・・・・・・・・・・完了。

正しくインストールされたことが確認されました。

管理者の意識が接続されるまであと2分。

機体の損傷率99,5%。

このまま接続されると頭脳への障害が発生する恐れあり。

管理者の安全を考慮して緊急修復を開始します。

・・・・・問題が発生しない程度まで回復完了。

現在の損傷率50%。

自動修復モードを起動します。

武装管理システム作動。

現在の武装を収容し、新型の武装を装備します。

エネルギー推進利用式脚部ブースター装着完了。

背部防衛バリア装甲装着完了。

展開式長距離狙撃砲装着完了。

高密度エネルギー集中破星砲装着完了。

頭部防護プロテクター装着完了。

自己防衛システムインストール開始。

・・・・・・・・・・完了。

背部エネルギー推進利用式ブースター装着完了。

意識の接続まであと30秒。

現在の損傷率10%。

全武装のエネルギー充填率100%。

管理者の意識を接続します。

――――――――――――――――――

(よし、第一段階は成功したな。)

目視で新品の武装を確認する。

頭部防護プロテクターに搭載されているレーダーを起動し、暁(救世主)を探す。

発見した。現在地から南東に40kmほど離れた孤島にて休憩しているようだ。

その近くを敵勢艦隊がうろついている。

いくらチート持ちでもあの練度は倒せまい。

今から全速力で向かえば、2分で着くはず。

背部と脚部ブースターの出力を100%にして海上を飛ぶ。

時速1200㎞に耐えることができる艦娘の体は相当強いのだろう。

負担がかかっていたとしても自動修復システムで回復できるから問題は無いのだが。

暁のバイタルは正常といえるだろう。

メンタルストレス係数が基準値より高いぐらいか。

そりゃ高くもなるか。

いきなり放り出されて艦隊に追いかけられるのだからな。

いくら精神が強くても内心ひやひやもんだろうよ。

孤島到着まで後10秒。

到着ができ次第、ブースターの逆噴射でブレーキをしないとな。

孤島が一瞬で目の前に迫ってくる。

ブースターの噴射方向を逆にして出力を120%まで上昇させる。

速度はみるみる落ちてゆきブレーキがかかるまで低下したので出力を0%にしてエアブレーキで停止。のちに着陸する。

暁は・・っと、まだ寝てるし。

よっぽど疲れていたのだな。

傍に旧型の外付けブースターが4基あったのでそれを使って逃げてきたのだと確信する。

そういえば暁には俺のことをどう説明すべきか。

暁の協力者だと言って素直に納得してくれるだろうか。

せめて神の使いだと証明できるものがあればいいのだがな。

すると暁が跳び起きた。

何かに焦った様子で海の方を見ている。

あぁ、敵勢艦隊にビビっているんだろう。

粗方、敵の到着予測時間を計算し間違えたとかだろう。

あ、そうだ。ここで敵勢艦隊を追い払う手伝いをしてやればあっさり信じてくれるかもしれない。

そのあとに神の使いだと説明すれば完璧だろう。

あとはそれを実行するだけだ。




結構ペースが早めです。


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第1話 リサイクル

海咲は地球外文明の生命体という事にしようかなと思ったけれど変に凝った設定だと頭可笑しなるからパス。
天使って設定で海咲を運用していこうかな、と。
え?そっちの方が頭可笑しい?
まぁ、どうせ続かないしさ。ええやん。


本来なら四年ほどだった。

 

災害とも言える深海棲艦の発生は四年で終わる予定だった。

 

僕の上司はその予定を組み込んでいたはずなのにこの世界はその通りに進まなかった。

 

僕の上司はこの世界に異常がある事をいち早く察知して僕を派遣する事にした。

 

とても懸命な判断である。

 

下手な下級神を向かわせるより神界軍第二大隊副隊長であるこの僕を選んだ事こそが最適解。

 

異名持ちの戦闘天使を向かわせる事にどれほどの手続きがいるのか想像したく無いが、手続きが終わればこっちのものだ。

 

僕の主な任務はこの世界の救世主的存在である艦娘と協力して深海棲艦を討ち滅ぼす事である。

 

深海棲艦発生地に神界の光というアイテムを使用してやれば発生源である負の感情が浄化される仕組みになっている。

 

そうと決まったら早速この世界で活動するための素体を手に入れよう。

 

お?艦娘と深海棲艦が大規模戦闘をしていたようだね。

 

死屍累々だなぁ。

 

この世界の深海棲艦っていうのは艦娘から変化するのではなく、死んだ者の憎しみや恨みが海の怨霊に纏わり付いて具現化したものだ。

 

だからこそ轟沈した艦娘も深海棲艦も水面にプカプカ浮いてるわけだね。

 

さてさて、損傷の比較的少ない娘はどれかな〜。

 

お?あの茶髪の幼女とか良いんでない?

 

神界から提供されたデータによると、暁型駆逐艦四番艦『電(いなずま)』かぁ。

 

面白い当て字だなあ。

 

さて、この子の死因は近くの艦娘に敵の魚雷が当たって積んでいた酸素魚雷が全て起爆して衝撃波によって吹っ飛ばされて心肺停止、と。

 

重雷装艦の近くにいたなら仕方ない事なのかネェ?

まぁ、良いや。

 

電に修復プログラムを開始する。

 

左腕の複雑骨折と左肩の火傷と首の骨の骨折を治す。

 

どれも死後に負った損傷だ。

 

それほどこの戦場の戦火が激しかったという事なのだろう。

 

修復が完了した電に僕の力の一部を入れてみて馴染ませる。

 

すると力の影響なのか髪の色が茶髪から金髪(金とピンクの混合色)へと変わっていく。

 

瞳も金色に輝いている。僕自身は銀髪で紫の瞳をしてるんだけど何故かこうなってしまう。

 

それだけ僕の力は異常という事なのだろうか。

 

まぁ、そんな事はどうでも良い。

 

馴染ませることも終わったし早速憑依する。

 

海水の冷たさを全身に感じる。感覚神経は問題なし。

 

立ち上がって嗅覚を研ぎ澄ます事で硝煙の匂いが微かにする、嗅覚に問題なし。

 

視界も良好。

 

海水が口に入っていたせいか塩辛いから味覚も問題無し。

 

カモメの鳴き声が聞こえるから聴覚も異常無し。

 

しかし力の影響か身長というか身体が成長して幼女というより少女と言った方が正しい風貌に変わった。

 

金髪(金とピンクの混合色)に変わった髪も腰あたりまで長くなった。

 

なぜか前髪に変化は無かったがこのままにしておくのも面倒なのでヘアゴム型全身シールドを使ってロングポニーテールを作る。

 

武装の装備をしよう。

 

こういったミリタリー的な世界だと神界軍のトンデモ兵器が役に立ってくるわけだ。

 

第1装備頭用装備の全身プロテクターヘアピン型。

 

このヘアピンをつけると全身に強力な防御の加護が付与されて様々な攻撃から守ってくれるという試作品だ。

 

持って行かれる神力が高すぎて一般戦闘天使じゃ使えないから貰った。

 

量産品はもっと脆い防御の加護がついてるそうな。

 

どおりで死者数が減らないわけだよ。

 

第二装備胴体用装備の超小型フライトスラスター。

 

コレをつければ羽のない天使も空中戦が可能になるよ、でも神力の残量はしっかり把握しておけよ。がコンセプトのほとんどの天使がいらない装備。

 

人型の天使である僕には必要な者なのでありがたい。

 

第三装備神界軍特注武器のミニマム・サンクチュアリ(大剣と長剣とレイピアと小銃と電子砲に変形する武器)で非常に取り回しが良くて様々な状況に対応できるのが強みといったところだろう。

 

それらを装備させて服を変更させる。

 

黒を基調としていて青のラインが入ったフード付きパーカーを羽織って下に群青色のTシャツを着用。

 

スカートの丈を少し長くして身長に合わせてから色を赤に変更してから2部丈スパッツを着用する。

 

船のバッジの代わりに神界軍上級士官のバッジ(虹色に輝く星)を装着する。服全体に耐久度アップの念を込めて準備完了である。ミニマムサンクチュアリ(神基)を小銃に変化させて肩からかける。

 

現在の状況は舞鶴鎮守府が深海棲艦との防衛戦でギリギリのところで乗り切ろうとしている。

 

僕は即急に対処する為、スラスターの出力を上げて猛スピードで鎮守府近海へ向かった。

 

 




ねっむ...。
結局騒音で4時間しか眠れんかった。
そういえばスラスターモジュールで火は消せるのだろうか
※追記:壊電の髪色を修正しました(2020 9/14 20:00)
それと海咲の憑依した新生電は『士電 壊』という名前になりました。


海咲 白夢(みさき しろむ) 階級:中佐(上級士官)
神界統合軍兵器開発部一等研究員
第二大隊副隊長 異名『アンデットエンジェル』
何回攻撃しても怯む様子もなく襲い掛かってくる様子からそう名付けられた。
ヘアピン型プロテクトアーマーによってその攻撃はなかった事にされているのは神界軍兵器開発部しか知らない話。


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