僕のヒーローアカデミア~通りすがりのヒーロー~ (shimito18)
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第1話 変身
「322…323…324…325…」
少年は腕立て伏せと腹筋を1000回ずつ終わらせると、巨大な石を布で包みロープを結ぶとそのロープを腰に巻き町内を走り始めた。それが終わるとシャワーを浴び朝食の準備を始めた。
「…よし、今日のみそ汁も上出来」
少年の名前は
今から約15年前、彼は前世でとある事故で死亡した。何を思ったのか神はとある力を与え、そして僕のヒーローアカデミアの世界に転生させた。士はとある夫婦の元に産まれるが、5歳になったその年に強盗を行ったとある
だが親戚の誰1人として士を引き取ろうとはしなかった。そんな時、士からある提案が出された。それは、何と士が1人で元の家で生活を行う代わりに、親戚の皆でお金の工面するといった事だった。普通ならば「そんな馬鹿げたこと!」と一蹴されるが、親戚たちはそれを了承した。ただ、法的に士の保護者、親戚たちの取り纏めとして責任者は母方の姉の長女が行う事になり、世間体も気にして週に1度は士の様子を見に来る事になった。
それから約10年の月日が流れ現在、すっかり成長した士は特に問題を起こす事も無く順風満帆な生活を送っていた。
そんなある日の日曜、今では恒例になった士の伯母が朝から訪ねて来た。
「いらっしゃっい伯母さん、これから朝ごはん何だけど食べていく?」
「ええ、頂くわ」
士は慣れた手つきで伯母のコートとバックを受け取りリビングまで行き伯母と自分の分の朝食をテーブルに並べた。
「「いただきます」」
2人は黙々と食べ始めしばらくすると、最初に口を開いたのは伯母からだった。
「貴方また腕を上げたわね、もう私たちの誰よりも料理の腕は上だわ」
「あ、ありがとうございます」
「まあそんな事より、貴方確か今年から受験生だったわね。確かどこだったかしら、ヒーロー科で有名な高校だったはずだけど…」
「国立雄英高等学校です」
「ああ、そうそうそんな名前だったわね。いい、受験料は気にしなくて良いわ。国立だからそこまで受験料は高くないけど毎年倍率は高くなるとも聞いてるわ、落ちてしまうのもある程度は仕方ないと思ってるわ。でも、余りにも酷い成績は残さない事。これさえ守ってくれれば、何をしてもいいわ」
「…分かりました」
それから少し月日が流れたある日
「きゃあああ!助けてー!」
「うわわわ!敵だー!」
市街地で敵が暴れていた。司は急いで路地に入ると持っていたバッグからマゼンタ色のバックルを取り出し、腰につけるとベルトになり巻き付いた。バックルを左右に展開し、ベルトに装着されてある本の様な物から1枚のカードを取り出した。
「変身!」
Kamen Ride Decade!
バックルにカードを入れ展開部を閉じると、司の姿が変わり頭には9枚の板の様な物が刺さり独特なデザインの姿へと変わった。その姿は人の形をしているがただの人ではあらずその名を
仮面ライダーディケイド。
「ヒーローが怖くて敵がやってられ…っブフェ!」
司は死角から容赦なく蹴りを敵に喰らわせると、人の居ない方へ吹っ飛んだ。
「だ、誰だお前!」
「通りすがりの仮面ライダーだ、今は覚えておく必要はないぞ」
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第2話 ディケイド
15年前彼が神から仮面ライダーディケイドの力を貰い、この世界では個性「ディケイド」として力を使っている。今はもちろん免許は持っておらず、出かけた時にヒーローが間に合っていなければこうして力を使って戦っているのだだ。
「さて、本職が来る前に片付けるか」
「な、舐めるなー!」
敵は掌から火球を出し士へ放つが、士に着弾する直前に士が火球を蹴り敵へ跳ね返した。
「あちあちあち!」
敵は跳ね返された火球に当たり、自分の火で熱がりながらその場に転がった。
「さて、これで終わりにするか」
士はライドブッカーから変身時とは別のカードを取り出すと、それを展開したドライバーに差し込んだ。
Final Attack Ride De、De、De、Decade!
「ハァーーーーー!」
士は真上にジャンプするとキックの体制になり、敵との間にカードがずらりと並んだ。そのまま敵に飛び蹴りをお見舞いした。そうディケイドの必殺技「ディメンションキック」だ。だがキックは外れた、いや外したのだ。ディケイドのスペックはパンチ力が4tキック力が8tそしてディメンションキックは30t。ノーマル時の3.75倍になる計算である。それが例え敵でもまともに当たればどうなるか、殺す殺さないの前に身体が爆散する。だから敢えて狙いを外し、爆風で敵を後方へ吹き飛ばしたのだ。
「きゅ〜〜……」
敵は吹っ飛ばされてそのまま気絶すると、士は敵の元に近づき「さてと」と言うとライドブッカーから変身時に似たカードを取り出し、それをドライバーに差し込んだ。
Kamen Ride Wizard!フレイム!プリーズ ヒー! ヒー! ヒーヒーヒー!!
するとディケイドの姿から一変し、今度は仮面ライダーウィザードへ変身した。そしてまたライドブッカーからカードを取り出した。それは見た目がウィザードに似たライダーのカードだった。
Form Ride land!ランド!プリーズ ドッドッドッドドドン! ドンッドンドンドン
士はウィザードフレイムスタイルからランドスタイルにフォームチェンジした。
Attack Ride bind!
士は地面から鎖の様な物を出現させると、敵に巻きつかせ拘束した。警察でも呼ぼうかと思った瞬間、遠くから声が聞こえてきた。
「もう頃合いか」
Attack Ride invisible!
士はウィザードの姿からディケイドに戻り姿を消して去って行った。それから1分と待たない内にヒーローが到着するが、そこにあるのはボロボロになった道と鎖で拘束された敵だけだった。
しばらくすると鎖は消え警察が改めて拘束し連行した。そして、連行された敵は大声でこんな事を叫んでいたらしい。
「おのれ、仮面ライダー!覚えてろよー!」
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第3話 説明
そして遂に国立雄英高等学校の受験日が訪れた。
「おお~」
士は雄英高校の門の前に立つとその門の大きさと受験生の多さに驚きつつ感心していた。門の大きさは10mを越え、受験を受けている生徒数は倍率300倍という数字を納得させる数だった。
だが、感心していたのはそれだけじゃあない。それはこの場の空気だ、ピリピリとしその場にいる全員が互いを敵視していた。当然だ今日は例え友人でも周りに居る者たちは全員ライバルなのだから。
「国立雄英高等学校」通称雄英、No.1ヒーロー オールマイトやNo.2ヒーロー エンデヴァー、No.4ヒーロー ベストジーニストの出身校であり、 彼等の他にも名だたる数々のヒーロー達を輩出してきた名門校。
それ故に「No.1ヒーローになる為にはこの高校に入学し、卒業しなければならない」と言われるほどの偉大なヒーローになるための登竜門としての地位に存在している。
『今日は俺のライブにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!!』
「「「「…………」」」」
ボイスヒーロー”プレゼントマイク”が受験生相手に無茶な返しを要求してくるがそれには当然誰も応えなかった。筆記が終わり今から合否に大きく関わる実技試験という緊張のピークの時に返しなんか出来るわけがない。それからここは受験生が集められた講堂でありプレゼントマイクのライブではない。
「こいつあシヴィー!!!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」
(ダメです!)
マイクはそんな会場の雰囲気など知ったものかという感じで、テンションを全く下げることなく説明を続ける。
『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!!持ち込みは自由!プレゼン後は指定の演習会場へ向かってくれよな!!』
「なるほどな大体分かった」
士は配られた用紙とスクリーンに映し出された資料、プレゼントマイクの説明を聞き大体は理解した。
(それにしても、隣の目付きの悪いツンツン頭と、ボソボソ言ってる緑頭もヒーロー志望なのか?特にツンツン頭は見た目はどう見ても
そんな事を考えていると「質問をよろしいでしょうか!?」という声が士の席から下の方から聞こえると、全員がそちらを向き発言が許可されると、メガネをかけた如何にも真面目そうな男子が立っていた。
「プリントには4種類の敵が記載されております!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!
ついでにそこの縮毛の君、先程からボソボソと気が散る!!物見遊山なら即刻
「オーケー、オーケー、受験番号71111くんナイスなお便りサンキューな!4種目の敵は0Pそいつは言わばお邪魔虫!何でも良いからゲームやった事あるか!?アクションゲームな、あれの倒せない敵モンスターみたいな物さ、各会場に1体所狭しと大暴れしている「ギミック」よ!倒して押し通るも良し、
「なる程…避けて通るステージギミックか。有難う御座います、失礼しました!」
男子生徒は質問に答えてもらうとそう言ってまた真面目に90度の角度で礼をし着席した。
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と"
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第4話 実技試験
プレゼントマイクの説明を終えて士たちはそれぞれの試験会場に向かった。そこは試験会場というには余りにも広大で、そこはもう街と呼んでも差し支えない広さだ。
「ほ〜、噂には聞いていたが想像以上だな、っと感心してる場合じゃなかったな。変身!」
Kamen Ride Decade!
士はディケイドに変身し、「1,2.3〜4,5〜6.7〜8!」と準備運動を始めると、
「おい!さっきから五月蝿えぞピンク野郎!!」
「む?この色はピンクじゃないマゼンタだ!!ピンクは所謂イエローが入っているが、俺のはマゼンタ100%だ!…って誰かと思えばさっき隣に緑頭と座っていたツンツン頭か」
「人を変な渾名で呼んでんじゃねー!!」
ブーメランである。
「そういえば、お前何処かで……」
士はツンツン頭の顔を見て何処かで見た事がある様なと思い出していた。
もちろん彼と士は今日が初対面であり、さっき講堂であったとかそういうボケではない。そう、それは約10ヶ月ほど前の新聞やテレビにて、
「あ、思い出した。お前10ヶ月くらい前にヘドロ敵に襲われたヘドロ君か!」
「っ!誰がヘドロだクソ野朗!!俺は爆豪だ!それからテメェら雑魚モブ供も今後二度と俺の前でヘドロって言うんじゃねぇ!ぶっ殺すぞ!!」
爆豪は周りを脅しつつ挑発していると『ハイスタートー!』というプレゼントマイクの声が試験会場中に響いてきた。
『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!
賽は投げられてんぞ!!?』
その声とほぼ同時に生徒たちは走り始めた。何名か出遅れた者も居た。士も一瞬出遅れたがディケイドの持ち前の脚力で出遅れを取り返した。
先程まで言い争いをしていた爆豪は、両手から爆発を起こし飛ぶように走り1番前を独走していた。
(流石にこのままじゃヤバイか、だったら!)
Kamen Ride OOO ! タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ!
(からの!…)
Form Ride Tajador! タ〜ジャ〜ドル〜!
士はディケイドからオーズへカメンライドしタジャドルへフォームチェンジしタジャドルの固有の特殊能力「超音速飛行」にて上空へと飛んだ。それを見ていた周りの受験者は「スゲー」や「何だよあれ…」など驚きを隠せなかった。
「さて、空から仕掛けるか」
士は上空にて右手にタジャスピナー、左手にライドブッカーガンモードにて1Pと2Pの仮想敵を倒し、どちらでも間に合わない時は超音速飛行を使いコンドルの蹴爪にて撃破している。そして3Pは、
Final Attack Ride O、O、O、OOO !
「ハァ〜!セイヤーー!!」
オーズの必殺技「マグナブレイズ」で撃破している。
そして時間が流れかれこれ5分以上が経とうとしていた。士は地上に降り変身をディケイドに戻し安全な場所に移動し一息付いていた。
「ふぅ〜、獲得Pは80以上、これだけあれば合格出来るだろけどまだ終わっていない、そろそろ
そんな事を呟いていると、BOOOM!!と大きな爆発音を立てながら歩いているビルよりも大きな巨影が姿を現した。それは士が勝手に戦ってきたどの敵よりも圧倒的な脅威の敵。0P敵だった。
(まさか、ここまでとはな…)
士は内心少しビビっているが深呼吸して敵に向かって歩いた。すると「いっつー…」という女子生徒の小さな声だが士の耳に聞こえると、仮面の奥の目付きが変わった。
(そうだ、俺が目指し超えようとしているあの人達はこんな事でビビったりしない。俺はあの人達を超えNo.1ヒーローになるんだ!!)
Attack Ride Illusion !
イリュージョンのカードを使い士は6人に分身し、2人は女子生徒の元へ向かった。
女子生徒は脚が瓦礫の下敷きになっていた。
「大丈夫だ、今助ける」
士の分身はそういいながらカメンライドした。片方は仮面ライダーフォーゼにもう片方は仮面ライダーオーズサゴーゾコンボに。フォーゼの士はスイッチのアタックライドを使い分けながらオーズの士に指示を出し、オーズの士はフォーゼの士の指示に従いながら自慢の腕力で瓦礫を人の居ない場所へ投げ捨てた。女子生徒の救助を終えるとオーズ士はフォーゼ士の指示でオリジナルの元へ戻り、フォーゼ士はメディカルのアタックライドで女子生徒の怪我の応急処置を済ませた。
「1人で立てそうか?」
「立てなくはないけど、少し難しそう」
「分かった。手を肩に、安全な場所に移動するから」
オリジナル士はフォーゼ士が女子生徒を、安全な場所に移動した事を確認すると目の前の敵に目を据えた。そして右手人差し指を立て頭上を見つめた。
「ある人が言っていた、俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方するっとな。まさに今がその時だ」
Final Attack Ride De、De、De、Decade!
「ハァ〜〜…ハァーーー!!」
士必殺のディメンションキックを天高く放ち、そして巨大敵を破壊した。すると上空にいる士も地上にいる士たちもライドブッカーガンモードを持ち落ちてくる敵の瓦礫を粉砕した。
コピー士たちは消え士はディケイドからフォーゼへカメンライドし、パラシュートを使い女子生徒の元まで降りていった。
「よぉ、脚とポイント大丈夫か?後で保健室行って見てもらえよ」
「うん、脚は大丈夫だと思う。ポイント正直もう少し欲しいけど…」
「ああ、そろそろ…」
プレゼントマイクの誰かにとっては無慈悲の、誰かにとっては安堵の、誰かにとっては当たり前の終わりの知らせを告げた。
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第5話 結果発表
いつもより長めに書いたので許して!
前世から転生して仮面ライダーディケイドの力を得た門矢士は、ついに念願の雄英高校入試試験を受けた!そしてその結果は如何に!?
今回は何人か人を出したのですが、もしかしたらちょっとキャラが違う!と思われたらすみません!(何か今回は誤ってばっかりだな…)
さあ、どうなる第5話!スタート!
仮面ライダーって誰かが前回までのあらすじをするってイメージはあんまりないんだよな~…
しばらくすると看護教諭、妙齢ヒロインことリカバリーガールがやって来た。リカバリーガールの個性は「治癒力の超活性化」本人の治癒能力をあくまで活性化させるだけなので、やりすぎると逆に本人の負担となる事となり、最悪死ぬ。
かすり傷程度の怪我人にはハリボーという食べ物を渡し、ヒドイ怪我人には怪我人にキスし治癒させていた。
「リカバリーガール、こっちもいいですか?!」
士がリカバリーガールを呼ぶとリカバリーガールは「はいはい」と言いながら士の元まで来た。
「彼女さっきまで瓦礫に脚が挟まってて、個性で応急処置はしたんで骨にヒビは入ってないと思うんですけど」
「ほぅ…どれどれ…」
リカバリーガールは慣れた手付きで女子生徒の脚を触ると「チユ〜〜〜」と、まるでアニメか漫画の様に唇を尖らせ脚の怪我をしている部分に触れた。
「どうだい、まだどこか痛むかい?」
「いえ、大丈夫ですけど…何か疲れが一気に…」
「私の個性は人の治癒力を活性化させるだけ、治癒ってのは体力がいるんだよ。大きな怪我が続くと体力消耗しすぎて逆に死ぬからね」
「「「「逆に死ぬ!!!!」」」」
リカバリーガールの話を聞いていた女子生徒や士を含め周りにいた者たち全員で驚いた。
リカバリーガールは「ハリボーだよ」と言ってグミ菓子(※作者から。原作読んでもハリボーやペッツはよく分からなかったので、ペッツはラムネ菓子とこの作品では表記します。分かる方は作者までメッセで教えて下さい)を貰った。士もそれを食べ教師たちに従い講堂へと戻った。
講堂では色々な顔があった。自信がある顔、不安そうな顔、何か気に入らないと言った顔、不満気な顔、結果は色々あるようだ。プレゼントマイクは最後に合否判定は後日各校から提出された資料に書いてある住所に投函するとの事だった。こうして長いようで短かった受験が幕を閉じた。
「さてと帰ったら2丁目のスーパーよって卵を…」
士がブツブツと今晩の献立を考えていると肩をトントンと叩かれ振り向くと先ほどの女子生徒が立っていた。
「よ、さっきはありがとね」
「お前はさっきのサイドポニーか、怪我はもう大丈夫なのか?」
「もちろん、ただやっぱりまだ疲れてるんだよね〜それより、私は
「ああ、俺は門矢士だ。必要以上に馴れ合う気は無いがそれでもよろしくな」
互いに握手し2人は別れた。
一週間後
ついにその日がやって来た。士はいつも通り朝ポストの中を確認すると中には1枚の封筒と差出人には「雄英高等学校」と書かれており宛名はもちろん「門矢士様へ」となっていた。士は朝食の用意そっちのけで封筒を開くと何かの機械と書類が何枚か入っていた。
『私が投影された!!』
「オールマイト!!?」
『諸々の手続きに時間が掛かって連絡が遅れていやすまない!!私がなぜ投影されたのか、それは他でもない雄英に勤めることになったからなんだ。さて本題に移ろう、門矢少年君の合否は…おめでとう合格だ!!筆記はもちろん、実技は83Pそしてもう1つ
と言いたいところだが、まずはこのVTRを観て欲しい!』
ホログラムのオールマイトがビデオを再生すると映し出されたのは、全身マゼンタ色でカード使って戦う人影。そうディケイドこと士だ。
『これは君だね、これらの行為は入学取り消しもしくは警察のお世話になるかもしれないことだよ!だから我々としても話が聞きたい、なので他の皆より先に雄英に来いよ!!待ってるからさ。それから校舎内に入るのに必要な書類も同封しているから、指定されている日時に来なさい』
オールマイトのその言葉で映像は終わった。「やっぱりか…」士はこうなる事を多少は分かっていた。士はプロヒーロー資格、通称本免を当然だが持っていないのだ。その様な者が無断でヒーロー活動をすればどうなるか、決まっている規則違反に当たり、相手が凶悪なヴィランであろうと応戦・撃退すれば明確な違反として罰せられる。 もし法で罰せられなくても受験生なら合格取り消しだってあるだろう。
「…まあ今は、朝食にするか」
-----数日後
士は指定された日に雄英にやって来た。その日は休日の為か受験に来た時よりも警備が強化されており、同封されていた資料に書いてある通りの場所に入場許可証を提出した。その後教員に案内されて応接室に来た。
「校長は後から来るけど中ですでに先生が待ってるから」
「分かりました、ありがとうございます」
士は緊張しながらコンコンと扉をノックした。だがしばらく待つが中からは何も反応がなかった、もう一度ノックするが反応は無く士は「失礼します!」と言って室内に入ると中には誰も居なかった。士は仕方なく奥の下座に座ると隣に黄色の棒状の何かがあった。
「おせ〜ぞ、30秒の遅刻だ。本当にヒーロー目指してんのか?」
(な、何かいるぅぅぅ‼︎!)
そこに居たのは黄色の寝袋に入った中年男性だった。
「あ、はじめまして、今日来るように言われた門矢士です」
「ヒーロー科教師の相澤消太だよろしくね」
(え!教師‼︎!まあだろうとは思ってたけど…)
「悪いが校長は会議で遅れ…」
相澤がそこまで言うと部屋の扉が開く音がして、士と相澤がそちらを向くと何か居た。
「何?」
「ネズミなのか犬なのか熊なのか、斯くしてその正体は、校長さ!」
(校長だった‼︎)
「お疲れ様です、早かったですね」
「こちらが呼んだんだ、あまり待たせては失礼だからね。初めまして門矢士君、私がこの雄英高校校長の根津さ」
「よろしくお願いします」
根津も椅子に座るとタバコに火をつけた。士は(タバコ吸うんだ…)と思っていると「さて」と根津が話し始めた。
「早速本題に入ろうか、相澤君例の物を」
根津の指示で相澤は何処からか大きめの封筒を取り出し開けるとそこに入っていたのは写真だった。そこに写っていたのはマゼンタカラーの人影、ディケイドこと士だった。
「これは数ヶ月前に近くの監視カメラで撮られた物だ。ここに写っているのは君で間違いないね?」
(分かっていた事だがバレてたか)士はそう思いながら数秒考えた。どうすればこの場を凌げるか、どうすれば入学取り消しにならずに済むかとだが答えは出なかった。だから
「はい、俺で間違いありません」
正直に答える事にした。
「ほう、認めるんだな?」
「はい、それは紛れもなく俺です」
「それじゃあ、どうしてこんな事を?民間人が許可なく個性を使う事を法律で禁じているのは知っているよね」
「もちろん知ってます。だけど…昔、俺がまだ5歳の時に強盗を行った敵の攻撃の被害に合って死にました。その時は今ほど個性をコントロール出来ませんでしたが、それでも普通の人より強力な物だという自覚がありました。この力を使ってたら両親を救えたかもしれない、他に被害に遭った人も救えたかもしれない。そう思わなかった日はありません。
俺はその時に思ったんです。もうこんな思いをしたくない、だからもっと強い力がどんな所にも届く手が欲しいとそう願いました。
そしてそんな事はあのNo1ヒーローオールマイトですら成し得ていません。だったら俺がなってやろうと思いました、オールマイトをいやこれまでの全てのヒーローを(そして全てのライダーを)超えるヒーローになると!」
「その所為で、今までの行動結果でヒーローになれなくなるとは考えなかったのか?」
「考えません、俺の生き方は"自分の言った事は曲げない"何が何でも必ず俺が今までを超えそしてこれからも超えられないトップのヒーローになります!」
士が言い切ると根津は相澤に「彼にあれを」というと、相澤はまた何処からか封筒を出し俺に渡した。「開けてみろ」と相澤に言われ士が封筒を開けてみるとそこには、
"合格"
合格と書かれた1枚の紙が入っていた。
「こ、これは一体?」
「見ての通り合格通知さ」
「お前の個性はとても強力、そしてお前自身も正義感に溢れている。そんなお前を放置しておく方がこちらとしたは危険と考えた。まさに合理的趣向だ」
「それに我々は元々君の事はこの前の試験で、目を付けていたのさ」
しばらく軽い説明を受けて士は応接室を後にし廊下を歩いていると、いきなり目の前に突風が吹いた。まだ校内だというのに、士が目を開けるとそこに居たのは巨大な筋肉質の大男その名も、
「オ、オールマイト!!」
「やあ、門矢少年!私が来た!!どうやらその様子だと無事合格出来たみたいだね!
それならこの前言った事を本当の意味で言おう。来いよ門矢少年!
その姿はとても眩しかった。士の前世の記憶は生活と仮面ライダーの事そして色々欠けている一部の事のみ。そんな色々あやふやな士でも理解出来たこれが一流のヒーロー何だと。それから自分が目指さなければいけない存在なんだと。脚がふらつき早くも挫けそうになるが士は前を向いた。
「オールマイト、貴方はいえ貴方達ヒーローは俺にとって憧れです。それは今もそしてこれからも変わる事はないでしょう。ですが、今日からただ憧れるのは辞めにします。今日からヒーローも、ここに通っている先輩方もそしてこれから一緒に学ぶ同期たち全てが俺のライバルです!必ず追い抜いてみせます!!」
士が宣言をするとオールマイトは大声で笑い士の肩をガシっと掴んだ。
「いいじゃないか!
オールマイトの言葉を聞き士は雄英を後にした。士の背を見送ったオールマイトは、士たちが先ほどまで居た応接室へと向かった。そこには既に相澤の姿はなく根津だけがタバコを吸って一服していた。
「彼を合格にしたんですね校長」
「元々彼を合格にするつもりだったさ、今回はそれを確かめただけさ」
「ふふふ、校長のウソつき。不合格にする気だったクセになる」
根津は「フフフ」と笑うと開けられた封筒を手にした。それは先ほど士に渡した封筒だ。あの後「正式な書類は後日学校へ送るよ」と言って回収したのだ。そしてなんとその裏には大きな字で「不合格!」と書かれていたのだ。
「ふふふ、救出活動0Pで実技次席の爆轟君、逆に実技0Pで救出活動次席の緑谷君、そして実技に救出活動ともに主席の門矢君。今年は凄い年になりそうじゃないかオールマイト」
根津はタバコを吸い笑みを浮かべながら雄英を去る士を眺めていた。
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第6話 入学
その事件も理由の一つとして遂に念願の高校、雄英高等学校ヒーロー科に入学することが出来た!さあこれからどうなる!?第6話スタート!
翌年4月、士は真新しい制服に袖を通すした。その姿は今までも少し大人びていた雰囲気が更に増し、また一歩大人に近づいた雰囲気を出していた。
「ある人が言っていた、仕事は納豆の様に粘り強くするものだと。だったらまだ学生の俺は納豆よりも粘り強くしないとな、それじゃあ父さん母さん行ってきます」
士は両親の仏壇に挨拶を早々に済ませて学校に向かった。もちろん向かうのは今まで通っていた中学ではなく今日から通う雄英高等学校に。雄英高等学校ヒーロー科、毎年300を超える倍率の正体は一般入試定員36名、1クラス18人ずつで2クラスしかないという事だ。今年はなぜか合格者39名でA組だけが19名となっている。
「やっぱり大きいな~」
雄英に着いた士は聳え立つ門や扉に感心しながら廊下を歩いていると気づけば士の新生活を送る場1年A組の前に立っていた。
「しゃあ!」
士も少なからず緊張していたのか胸元で拳を作り小さな声で気合を入れ、教室に入るともう殆どの生徒がクラスに居た。仕方のないことだ、士の自宅からは雄英は離れている為どうしても他の者たちより遅れてしまう。だが、
「机に足を掛けるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が!」
(流石雄英、すでにカオスだ…)
士がその光景に少し圧倒されていると後ろからトンと何かがぶつかった。士の後ろに居たのは縮れ毛で緑色の髪をした少年だった。「あ、わりぃ」と士が声をかけると少年は「ご、ごめんなさい!」と何故かビビっていた。教室の中を見ると少年は更に顔色が悪くなった。
「(確か試験会場に居たな、ここに居るって事はクラスメイトか)門矢士だ、1年間よろしくな」
「え、あ、み、
「ボ…俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」
「聡明~~!?くそエリートじゃねえか。ぶっ殺し甲斐がありそうだな」
「ブッコロシガイ!?君ひどいな、本当にヒーロー志望か!?……ハッ!」
士と緑谷が出入り口で自己紹介をしていると、試験の時にプレゼント・マイクに質問し、今の今まで爆豪と喧嘩?をしていた少年が2人に気づき2人の元まで近寄ってきた。
「俺は、私立聡明中学の…」
「聞いてたよ!あ…っと僕、緑谷よろしく飯田くん…」
「門矢士だ、よろしくな飯田」
飯田に自己紹介を終えた士はようやく自分の席に着くと、
「よお、久しぶりじゃねえかピンク野郎!」
「ああ、覚えててくれたんだな嬉しいよツンツンヘドロ君!」
「……!!だから俺をヘドロって呼ぶんじゃねぇ!って前にも言っただろうがピンク野郎!!学習能力0か!!」
「その言葉、そっくりそのままお返ししてやるよヘドロ君。前にも言ったが俺の色はマゼンタだ!俺の事を色で呼びたいならまずはキチンと色を把握してから呼べ!」
士と爆豪が口論をしていると、緑谷たちが立っている教室の出入口から「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け」という声が聞こえてきた。そこに居た、というか寝袋で寝そべっていたのは長髪で無精髭を生やした男性、相澤消太だった。
「ここは…ヒーロー科だぞ」
((((なんか!!!いるぅぅ!!!))))
(へ〜、相澤先生が担任だったんだ…)
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。担任の相澤消太だよろしくね。早速だが
相澤が教師で自分たちの担任だというのに士以外の生徒たちは驚き、相澤から渡された体操服を手に取り更衣室に向かった。荷物をまだ置いたなかった者たちは机に置いて向かった。
「「「「個性把握…テストォ!!」」」」
全員が更衣室で体操服に着替えてグラウンドに向かうと相澤からいきなり伝えられた。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間ないよ」
先ほど緑谷と喋っていた女子生徒の疑問はシレッと答えられたのだった。
「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"も然り」
相澤の言葉に殆どの生徒たちが頭に疑問符を浮かべているが気にせず相澤は話を続けた。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まあ文部科学省の怠慢だよ。
門矢、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
「じゃあ"個性"を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいいよ。思いっきりな」
士は言われて歩きながら軽くストレッチし円の真ん中に立ち、ネオディケイドドライバーを腰に付けた。
「変身!」
Kamen Ride Decade!
士はディケイドに変身するとすぐにライドブッカーからライダーカードを取り出した。だがそのライダーカードは何時もライダーカードとは少し違う黒いライダーのライダーカードを取り出しドライバーに読み込ませた。
Kamen Ride Kuuga Ultimate!
士は漆黒のライダー、仮面ライダークウガアルティメットフォームに姿を変えた。
「先生、みんなも少し危ないかもだから離れて!」
士の言葉で全員少し離れると士の身体に電気が走った。
(プラズマを身体全身へ、特に右腕に集中…そして右手にパイロキネシスで炎を…プラズマで反応を早くした腕を振りかぶり、炎でボールをロケット噴射の容量で一気に放つ!!)
BOOOOOM!!!
DOON!!
((((ドーン?))))
「ますば自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
相澤が手に持っている計測器そこには"計測不能"の文字が書かれていた。
「なんだこれ!!すげー
「ていうか計測不能つてなんだよ!?どうやったらそんなの出せるんだよ!」
「"個性"思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」
士はクウガからディケイドに戻った。士の結果を見て全員が喜んだり、驚いたり、顔を青ざめたりと反応はそれぞれだ。相澤も士の結果を見て驚いていた。結果の計測不能はボールが測定範囲内で消失した事を意味するのだから。だが、先ほどの「面白そう」という発言で我に帰り顔付きが変わった。
「……面白そう…か。ヒーローになる為の3年間をそんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう」
「「「「はあああ!?」」」」
「生徒の如何は
入学初日に1年A組を襲う大試練、彼ら彼女たちはこれを突破する事が出来るのか!?
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第7話 テスト
まあ、この作品というか作者にはよくあることなので気長に待ってくれるとありがたいです。
さて、今回の話は遂に始まった個性把握テスト!士はどうなるのか?まさか除籍なんてこと…さあこれからどうなる!?第7話スタート!
「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!!」
「自然災害、大事故身勝手な
相澤の言葉に反応はそれぞれだった。士の様に自信がある者、飯田の様に冷静にこの場を分析する者、緑屋の様に緊張して震えている者。だが、雄英の理不尽は容赦なくそんな彼らを襲った。
第1種目:50m
『3秒04!』
(50mじゃあ3速までしか入らんな…)
(まあ…水を得た魚、他がどうするか見物だな)
(靴を軽くして…服も軽く…)
今朝緑谷と喋っていた少女は体中をポンポンと触り結果
『7秒15』
その次が士の順番が回ってきた。士はスタートラインに立つと横には少しチャラそうな男子生徒が立っていた。
「俺、
「門矢士だ、よろしく。俺の事は気にせず自分の事に集中しておいた方がいいぞ」
「お、おお…」
計測用ロボから『よーい』と音声が鳴ると士はライドブッカ―から先程とは違うカードを取出しベルトに装着した。
Form Ride 555 ACCEL!
ディケイドから姿を変え士は仮面ライダー555アクセルフォームに変身した。中腰の体制で構えるのと同時で『START!』と鳴ると素早くスタータースイッチを押した。『start up!』士から別の音声が聞こえると同時にスタートラインには上鳴だけがおりゴールラインに士が立っていた。
『0秒00、測定不能』
その記録に他の者達も驚きを隠せない者たち、悔しがる者たち反応は様々だった。その後、第2種目、握力測定でも全力で握ると装置を破壊し測定不能。第3種目、立ち幅跳びでは空を飛んだ為測定不能。第4種目、反復横跳びでは平均より多めの60点。第5種目のボール投げは先程行ったので測定せずそのまま結果は測定不能、現在までの結果、個性把握テスト総合順位では堂々の1位となった。
「緑谷くんはこのままだとマズイぞ…?」
「そうだな、全て平均か平均より少し高いくらいか、あいつはどうやって合格したんだ?」
「知るかよ!無個性のザコだぞ、何か汚い手でも使ったんだろ!!」
「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」
「は?」
「ほ~、何をしたのか知らないが、少なくともあいつは汚い手何かは使ってないさ。目を見れば分かる、緑谷は純粋なくらい真っ直ぐさ」
緑谷はボールを持って円の中心に立った。その時の顔は覚悟と決意のある顔、どうなっても良いこれに全てを賭ける!そう言った顔である。緑谷の右腕が一瞬光りボールを投げた。結果は、
『46m』
結果は普通の、個性を使わない少年の飛距離だった。
「な…今確かに使おうって…」
「”個性”を消した。つくづくあの入試は…合理性に欠くよ。お前の様な奴も入学出来てしまう」
「消した…!あのゴーグル…そうか!」
「抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッド。メディア嫌いでほとんど表には露出してこないヒーロー、個性は他者の個性を抹消する個性。ただし常時発動してる個性、そこの透明女子みたいなのは消す事が出来ない」
「え!?透明女子って私!」
相澤は緑谷に近づき何かを話しているが、士たちには何を話しているのかは伝わらなかった。当然だ、士を含め測定者以外は測定場所から離れている為、耳がかなり良い者にしか聞き取る事が出来ないだろう。緑谷に話終わった相澤は、目薬を指すと円から離れた。緑谷は何かブツブツと呟くと再び右腕を大きく振りかぶり、手からボールが離れる瞬間、人差し指に一瞬光り先程までとは違いボールが風を切り跳んでいった。
「SMASH!!!」
「あの痛み…ほどじゃない!」
『705.3m』
その一振りはは力任せの一振りではなく、指先にのみ力を集中させた最小限の負傷で最大限の力を発揮させた一振りであった。
「先生……まだ…動けます!」
「こいつ…!」
「やっとヒーローらしい個性が出たよー!」
「指が膨れ上がっているぞ、入試の時といいおかしな個性だ」
「まるで個性をコントロール出来てないみたいだな」
緑谷の記録での反応はそれぞれだった。友人として安堵している者、冷静に緑谷の個性について分析している者、記録に驚いたりする者、無関心や当然といった反応の者。だが、1人だけまるで有り得ない物を見た、発見した様な反応をした者が居た。
「………!!」
その人物とは爆豪だった。
「どーいう事だコラ!!ワケを言えデクてめぇ!!」
一頻り驚いた爆豪は掌から出す爆破の勢いで緑谷に迫って行った。緑谷は怯えながら「うわああ!!」と叫んでいると、爆豪の掌から爆破が消え布の様な物で拘束された。
「ぐっ…んだ、この布、固…!」
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ特殊「捕縛武器」だ。ったく、何度も個性使わさなよ…俺は、ドライアイなんだ!」
(個性凄いのに勿体ない…)
相澤消太、視た者の個性を消す個性。瞬きすると解ける!
相澤に止められた爆豪は渋々緑谷に詰め寄るのを諦めた。緑谷は士たちの所へ行き、先ほどの結果を労ってもらったり、怪我の心配をしてもらったりしていた。止められたが爆豪の顔に疑問符と汗を浮かべ、そしてどこか焦りを感じさせるのだった。
その後、持久走、上体起こし、長座体前屈を行い士は全てが平均より高い数値か測定不能となり結果、個性把握テスト総合順位では堂々の1位となった。全てのテストが終わる頃には時間はもう昼になろうとしていた。
「んじゃあパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示するちなみに、除籍はウソな」
「「「……!?」」」
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽。ハッ」
「「「ハーーーーーーー!!!???」」」
「あんなの嘘に決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」
「そゆうこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから目ぇ通しておけ。それから緑谷、
そう言って相澤は緑谷に保健室利用書の紙を渡し、気怠そうに校舎へと戻って行った。その姿を大半が「なんなの…」と見つめるのだった。そして何故か校舎の陰にオールマイトが居たという。
「お前、八百屋だったか?」
「ええ、そう言う貴方は門矢さんでしたわね。よろしくお願いしますわ」
「ああ、こちらこそよろしく。さっき除籍の話で嘘に決まってるって言ってたけど、何でそう思ったんだ?」
「その事でしたか。簡単ですわ、あんな感じの人でも教師。そう易々と生徒を除籍処分にする訳…」
「ハハハ!なるほどな、さてはお前素直で良い奴だな?」
「どういう事ですの?」
「相澤消太先生、彼は去年受け持った1年の1クラス全員を除籍処分にしてるんだよ」
「「「「!!!???」」」」
八百万だけでなくバラバラと更衣室に行こうとしていた者も、話が聞こえ戻って来た。
「その話は本当なのか門矢君!というかどうして君はそんな事を知っているんだい!!」
更衣室に向かおうとしていた飯田は、個性を使って士の元へ戻って来た詰め寄って来た。他にも聞こえてた者達の何人かは戻って来た。
「話すから飯田ちょっと離れろ。話しは本当だよ、正確な数字は知らないけど今までで100 人以上の生徒を除籍処分にしてるらしい。それから、何で知っているのかだったな。こんな新しい生活だ、これから通う学校やその教師がどんな人が居るのか調べるのは当然だろ?ネットに裏サイトみたいなチャットが有ったぜ。ヒーロー科やこの学校に合格出来なかった負け犬や、除籍処分された負け犬どもが互いに傷を舐め合ってる場所がな。だから、相澤先生が「何か出来なかった奴は除籍する」って言ったら本当にすると思った方が良いぞ八百万?」
「…分かりましたわ。御忠告痛みあります」
下校時間。士や他の生徒たちが帰宅の準備をしていると後ろから背中を突っつかれた、誰かと思い振り返るとそこに居たのは当然後ろの席の
「なあなあ、門矢って個性2つ以上持ってんのか?」
「あ、あたしも気になってた!姿替えたり、手から炎出たり、すっごく足が速かったり!!」
「私も教えてほしいわケロ」
話しに入ってきたのは隣の席の芦戸にその後ろの蛙吹だった。他にも教えて教えてと周りに集まってきた。青山と轟は我関せずと帰ったが爆豪は席に座り何故かイライラしており、緑谷は目をキラキラしながら話を聞こうとしていた。
「はぁ~、分かった説明するよ。どの道、先生たちには説明しないといけないからな…」
そう言って士はドライバーとカードを取り出し、カードを4種に分けて机の上に並べた。
「まず上鳴の質問、俺の個性は複数あるのかってのだが答えはNOだ。俺の個性は1つだけだ」
「あ゛~!?嘘つけ変身野郎!テメェさっきあんだけ色んな個性使ってただろうが!!」
「(あ、渾名変わってる)あれは俺の力じゃなくてカードの力だ」
「ど、どういう事?」
「俺の個性はあくまでこのドライバーとカードの能力を使う事が出来る個性だ。試しに緑谷ドライバーを腰に当ててみろ」
緑谷は少しおどおどしながら腰にドライバーを当ててみるが、特に何も起きなかった。「次八百万やってみろよ」と言ってドライバーを渡すと、渋々腰に当ててみるとドライバーからベルトが出てきて腰に巻かれた。
「え!?え!?ま、巻けてしまいましたわ!どういう事ですの!?」
「後で説明するからドライバー外せ、腰から外す感じでドライバーを引っ張ればいいから」
そう言われて八百万はドライバーを腰から引っ張るとドライバーが外れた。
「じゃあ今度は上鳴付けてみろよ」
「お、おう」
少し緊張しながら八百万からドライバーを受け取り腰に付けるとベルトが巻かれた。
「おお!俺も巻けたぞ!」
「じゃあ、このカードを入れてみろ。入れ方はサイドハンドルを引いて、中央のバックルにカードを入れてサイドハンドルを戻せばいい」
「よっしゃ!変身!」
Kamen Ride…Error
エラー音が鳴るとドライバーが電気な様な物が流れ上鳴が後方へ吹き飛び、ドライバーは上鳴の腰から外れてその場へ落ちた。
「痛っ~!!何だよ今の!」
「それじゃあ説明するぞ」
「心配とか無しかよ!」
「まず、このドライバーを腰に巻きドライバー、ディケイドライバーにカード、ライダーカードを挿入して変身する」
「ケロ?でもさっき上鳴ちゃんは変身出来なかったわよね?他の人じゃ変身出来ないのかしら?」
「ああ、蛙吹の言う通り「梅雨ちゃんと呼んで」蛙す「梅雨ちゃん」つ、梅雨ちゃんの言う通り、ドライバーは他者でも巻く事は出来る、出来ない奴もいるけどな。他者でも巻けてたとしても、どの種類のカードを挿入したらさっきの上鳴みたいになる」
「分かってたんなら最初に言っておけよー!」
「言ったらしないだろ?普通。そしてカードの種類はこの4種類、ライダーに変身する為のライダーカードのカメンライドカード、各フォームに変身する為のライダーカードのフォームライドカード、各ライダーの能力や武器等を発動させる為のライダーカードのアタックライドカードちなみにこれを使わなくても発動できる能力もある、ライダーの必殺技を発動する為のライダーカードのファイナルアタックライドカードだ」
「なるほど、なるほど色々種類があるんだね。ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ」
関心していたのは緑谷だけじゃないが、緑谷はぶつぶつと何か呟きながら必死にノートに書き留めていた。士を含めて全員その様子に驚きながら引いていた。
「み、緑谷、だ、大丈夫か…?」
「あ、ご、ごめん。それにしても1種類のカードでこれだけ量あるなんてすごいね、色んな場面で応用が利きそうだよね!な、何か無敵って感じだよねハハハ…」
「いや、無敵でもないさ」
「制限時間でもあるのか?」
「いや、特にそんなのは無いが、ただ異常なまでに大量の体力を消耗するから、あんまり長時間の活動は出来ない事かな」
「おい、さっきから出てきてる“ライダー”って何だなんだコラ!?バイクに乗ってる奴の事じゃねーんだろうが!」
爆豪の言葉に聞いていた全員がそういえばって顔をしていた。そして士は爆豪のその質問に凄く面倒くさそうな顔をした。
「その質問は凄く面倒何だが、簡単にざっくり答えると、まだ個性が超能力とか言われてた時代に世界征服とか企んだ悪の組織とか、何処からともなく現れた化け物たちから、世界や地球、市民たちを守ってたヒーローかな」
これが最後の質問コーナーの回答になった。理由はこの後すぐに相澤が現れ帰るよう怒られたのだった。
「んーーーー!!」
士は腕を頭の上で手を組み伸びをしながら下校していると、クラスメイトではないが見覚えのある人物が校舎門に居た。
「拳藤?拳藤じゃないか!」
「え?門矢くん?」
見つけたのは入試試験の時に知り合った女子、拳藤一佳だった。その後2人は駅まで並んで歩いて行った。
「へ~、お前はB組なのか。受かって良かったな」
「何よその上から目線、お陰さまでね。あんたは…って聞くまでもないか」
「まあな。で、そっちのクラスはどうだ?」
「まあ~ハハハ…変な奴は居るわよ、やたらと人を煽ってくる奴がさ…そっちはどうなの?」
「ああ~、今日は個性把握テストやったからあんまりクラスメイトと喋ってないからあんまり分かんないけど、あーでも変わった奴なら居たぞ。ほら去年ヘドロ
「へ~、じゃあ私はどんな感じ?」
「うん?拳藤は…明るい感じ?」
「あっさ!!もうちょっと何かないの?!」
「無い!というか、俺はおまえとそこまで喋ってわけじゃあないから」
2人はまるで幼馴染か古い友人かの様に談笑しながら駅まで帰って行った。余談だがこの時の2人を見た者たちは口を揃えて言ったらしい「リア充爆破しろ」
こうして初の、いや門矢士の2度目の高校生生活その初日が幕を閉じたのだった。
今回も読んで下さり有難うございます。ちなみにファイナルフォームライドカードは敢えて書いてません。書き忘れではないので悪しからず。
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