保存してある分だけなので、コレともう一話のみです。
続くかは未定。
転生。俺はそれを体感したりしなかったりした。
いや……したはずなのだ。たしかに前世として“人間”の記憶がある。
わざわざ強調したのは……まぁ俺の姿を見ればわかるであろうな。アッハッハッハッハ。
◇◇◇
「クゥン……」
なんでジンオウガ(しかも子犬サイズです)に転生しているんだよ!?
母より生まれ、三年あまり……例の虫達の力をなぜか借りることの出来ない俺は兄弟たちと違い、ずっと小さいままです。
なんで!? このままだとハンターにやられてしまいますよ!?
だがしかし、ここで諦める俺ではない。
小さいときはうまく動けない(よく考えたら当たり前。そして今も小さい)ことが続いたが、今はこの子犬ボディを自由自在に操れるのだ!!
さあいざ往かん。目の前に見えるモンハンでおなじみのあの塔へ…………
ぶっちゃけ、いつまでたっても小さいから捨てられたんです。
家族に見限られるとか悲しいです。
なので俺が生きるために培ったスネーク技術で旅をしています。
人に見つかるとアウトというトンデモミッション。体が小さいから助かったけど。
あとは体質的にあの虫が寄り付かない。戦力が……
なんでだよ……塔にいる虫も逃げていく。あ、普通の虫は平気ですよ。たんぱく質の摂取源ですからそうじゃなかったら死ねる。このサイズだと色々と狩りとか無理です。
「ワンワンッ」
通訳しよう。ガブラスこっちくんな!!
毒は嫌だ。当たり前だが死ねる。死んでまう……こうなれば。
「グルワンッ!」
塔を昇りきってやろう!!
◇◇◇
昇っていくうちに強いのが沢山いた。
マジでやばかった……戦えませんよ。逃げるだけですし。
「……――」
白い馬みたいなお方がいます……あれね、キリンさんですね。
電気がバチバチいってますね。
アプトノスさんたちとは会話できる(敵意が無いからなのか、こっちが弱いからなのか。大方いい人?ばかりです)のに奴には話が通じない。
仕方がない。ここは作戦『命を大事に』しかあるまい。
いや、それしかないけど。
「キャーン!!」
「――!!」
なんで追いかけるんですか?!
俺、何か悪いことしましたか!?
というかなんで鼻息荒いんですか!?
ちょっとまて、段々何を言っているかわかってきたぞ……
『ショタっ子ショタっ子ショタっ子』
…………ふむ、逃げよう。
◇◇◇
頂上に到達しました。
あれですね。いやぁ、絶景です。
キリンさんも結局追いついて逃げ場無しだよ……だれか、助けてください……
その祈りが天に通じたのか、空から何かが降ってきた。
白い体に、雄雄しき姿。
紅い雷を纏った白銀の竜。
……あれですね、名前はあえて言いませんが俺終了のお知らせですか。
「――!」
「――――!!」
え、通訳が欲しい?
まあ、ここまできたら普通に翻訳版でいきましょうか。
『童にショタっ子を渡しなさい!』
『いきなり出てきて邪魔しないで!!』
童とか……キリンさんよりも危ないニオイがするんですけど……
いや、だからってあの迫力のキリンさんに立ち向かうのもねぇ。
『おぬしのようなガキが童に勝てるとでも?』
『ガキじゃない! 私コレでも三歳だよ!! なったばかりだけど』
『え、俺と同い年なの!?』
『……それはそれでアリです!!』
『だめだ! 結構末期だ!!』
『童としては食べごろ』
『それは文字通りなのか比喩なのかで俺の気持ちが変わります』
『両方じゃ』
『私は比喩だけで』
白い竜のほうはアウト!
キリンさ――同い年ぐらいだからキリンちゃんのほうは、ギリセーフか?
いや、なんかアウトって言ったほうがいい気もするけど。
『グヌヌヌヌ、こうなれば本気でぶっ潰す!!』
『『なんで!?』』
『嫌じゃ、思い通りにならぬのは嫌じゃぁぁぁ!!』
『思いのほかワガママだ!?』
『そしてその力の渦はナンデスか!?』
力が渦巻く。それはもう理不尽に。
空間が歪むほどに渦巻く力は、ついに――
『『空が割れたぁぁぁぁ!?』』
『……あ』
そして、その場の三体は穴に飲み込まれてしまった――
◇◇◇
痛い……どうやら体中に傷を負ったらしい。
何とか立ち上がる……ふむ、無理だ……
ここで死ぬのだろうか…………それでもいいかもしれない。
短い人生もといジンオウガ生であったが、ゲームの中であった世界に生きれたのだ、ハンターに狩られるとかものすごい痛そうな最後ではなくてよかったかもしれない。
だけども、神様はこういうふうになることにしたのだろうか?
誰かが近づいてくるのがわかる。
アレは……人間の女の人?
「えっと、キミ……大丈夫?」
「クゥン?」
よく見えないが、眼鏡をかけているのがわかる。髪は後ろで縛っている……というか三つ編み?
段々と目が見えるようになってきた。というかこの声、何処かで聞いたような……思いだせん。
「えっと、犬かな……角?」
セーラー服か。学生かな……セーラー服?
というか日本語? え、なんで!?
そいうえばこの人何処かで見たような……いや、なんていうか、みたような気がするけどこんな感じではないというか……なんだろ?
二次元と三次元の違いといえばわかるかね?
「鱗まであるし……犬? えっと、トカゲ?」
いえドラゴンです。違うかもしれんが一応、そう思って生きてきました。
なんなら電撃出しましょうか……忘れてた。俺、無理だったんだ。
生命力は凄いので意識はいまだに飛ばないが……できれば怪我の手当てをして下さい。
「わわっ!? 凄い怪我……」
「おい、どうしたんだ美由希?」
「あ、恭ちゃん」
ふむ、そちらの男性も何処かで見たような……思い出せない。
「……なんだこの生き物?」
「ど、どうしよう……」
「犬に見えるが……絶対に違うよな」
「う、うん……この子凄い怪我してるし、どうしよう」
「そのままにしておくのも忍びないが……大丈夫なのか?」
基本的にたんぱく質は虫からとるので大丈夫。危害は加えません。
というか虫ばっかり食っていたせいか、血なまぐさいのは嫌です。
「とりあえず家につれて帰って手当てをしよう。美由希のことを嫌がっていないようだし、たぶん大丈夫だろう」
「う、うん……さあ、おいで」
手当てしてくれるようなのでついていく。
とりあえず頭を下げて感謝を。
「……お前、言葉がわかるのか?」
「ワウ」
たまに判別つかなくなりますが、大体は。
心の中では漢字表記でも、今となっちゃ読めるか怪しいですけどね。
そしてここが日本なら、せめてひらがなは読めるように訓練したい所存。
◇◇◇
判明したことがあります。
俺を拾ったのは高町家という家で、美由希さんと恭也さんは修行中だったようです。
どうも、お父様が怪我をなされていたらしいのですが、先日退院したばかりとか。
包帯を巻いてくれてありがとうございます。
「礼儀正しい子ねぇ。ビーフジャーキー食べる?」
「クゥン」
「あら、お肉嫌いなのかしら?」
コチラは高町桃子さん。いやぁ、お若いですね。
とても三児の母には見えませんよ。
「私、高町なのは。よろしくなの」
「ワウン」
末っ子のなのはちゃん。何故だろう、この子を見たとたんに俺の胸の辺りが反応した。
……まて、なのは? 何故だか俺の記憶がものすごい警告というか、いい加減気がつけ的な音を鳴らす。
「誰かに飼われていたのかな?」
お父上の士郎さん。それにはノーと答えよう。
そういえばお仕事は喫茶店だそうです。翠屋っていうらしい。
とういうかモンハンっぽい世界から日本に飛ばされるって……世界移動とかすごいです。
なんかSFっていうか魔法っていうか…………魔法?
あああああああああああああああああ?!
◇◇◇
その後、リリカルなのはの世界だと気がつきビックリ仰天。
心配かけましたがもう大丈夫です。
いえ、タイトルは思い出したのですが他の知識が出てこない。
かろうじて魔法に必要な内臓的なものがあるなぁって所だけは思い出した。
鬼の手的なアレのインパクトが強かったからだ。使い手を忘れたが。
しかも今までの子犬生活が長いせいでなんというか……
「オーガ君ハウスなの!」
「ワンッ!!」
しっかり飼われています(笑)
もはや人の思考ではないようです。きっテレパシーが出来ても会話は出来ない。
アレ以来普通に高町家で飼われています。今日はなのはちゃんの入学式。
あと、オーガというのは俺の名前です。名付け親は美由希さん。
角が生えているからってそれかい。オウガではなくオーガって所がポイント。
「それじゃあ行ってきます!」
美由希さんと俺はお留守番。いえ、今年は受験生だから美由紀さんって自宅で勉強しろと家からあまり出してもらえないそうです。
嘆いていたよ。恭也さんとは本来は従兄妹だそうで、明らかに狙っていますからねぇ。
今年中に決着をつけられてしまうと焦っている。
そんなあなたに俺は手をのせる。
「お、オーガ君?」
人間諦めが肝心です。またいい出会いがありますよ。
「……グスッ」
たまにこうやって通じ合うことがあります。
高町家は色々と規格外。あと、ハンター以上に強いかもしれない。
◇◇◇
入学式から一ヶ月がたつ。
なのはちゃんにも友達が出来たそうな。
アリサ・バニングスちゃんと月村すずかちゃん。
ふむ、すずかちゃんは少し人間とは違うニオイを感じるが、まぁ、人畜無害な感じ出しまあいいか。
「えっと、ワンちゃん?」
「……なんか、色々と大丈夫なの?」
大丈夫ですよ。基本的に大豆しか食べません。
虫を捕食するのは喫茶店の飼い犬?としてマズイかなと思い、たんぱく質は大豆からとっています。
果物もおいしいですね。相変わらず大きくはならないですが。
今の大きさはゴールデンレトリバーより少し小さいくらい。
この大きさのせいか顔も怖くないので助かった。
「オーガ君、お手なの」
「ワンッ」
「普通に従順ね」
「えっと、私もいいかな?」
「あ、私も!」
順番に遊ばれました。今度はボールを持ってきてください。
◇◇◇
最近、野良猫と野良犬が喧嘩をしているのでまとめ役をしています。
いやぁ、毎日が充実している。首輪がしっかりついているから俺は捕まらんよ。
「おーオーガ久しぶりなのだー」
ねこまたの陣内美緒さんです。
この人とは少しだけ喋れますのでうれしいです。
「にゃははは!」
「ワフワフ!」
しばらく戯れてからお別れする。
俺がこの街で普通に出歩けるのもこの街のカオスさにある。
結構人外おおいのよね。それが海鳴が海鳴である証拠なり。
◇◇◇
今日は凄いお知らせです。
あの恭也さんに彼女が出来ました。
お相手はすずかちゃんのお姉さんの忍さん。
…………美由希さん。落ち込まないでくださいよ……敵が強大すぎただけです。
「……しばらく、一人にして」
そうはいわれても、命の恩人ですから……ふむ、とりあえずお菓子を置いておきます。
桃子さんが色々察して作っておいてくれましたから。
「うう、ありがとう」
◇◇◇
そういえば翠屋のバイトの方々は最近ウチに住み込みですね。
離れに泊まっているので俺と顔を会わせるのは少ないのですが。
朝会えば挨拶はしますよ。
「オーガ君散歩にいこうなの!」
「ワン」
今日は神社のほうへ行こうということで、やってきましたよ那美さん。
「なのはちゃんいらっしゃい!」
「おはようございます! くーちゃんいますか?」
くーちゃんこと久遠は妖怪のお狐様です。人に変化できるのでうらやましいです……
ちなみに、なのはちゃんは今二年生です。
そろそろコレがとらハなのかリリカルなのか判別が……だって、とらハっぽいよここ。
士郎さんが生きているから判別がつかないんだ。
色々と凄い方々をみてそっちのタイトルだけは思い出した。二次で見ただけだから名前とか全然わからないけどね。
士郎さんがいるかいないかの違いだけは覚えていて助かった。
「くーちゃん!」
「くぉん!!」
「……」
「えっと、ご主人様がうらやましいの?」
「……ワウ」
「違う? えと、神社の中……ああ、気にしないで上げて。恥ずかしがっているだけだから」
うむ、ならば放っておこう。
人の気配がしたのと……幽霊的な何かがいた。
まあ、那美さんがそういうのであればよしとしよう。
◇◇◇
最近、なのはちゃんは久遠と遊ぶので一人で寂しいのぅ……
そういえばあのキリンさんと白い竜はどうなったのであろうか?
今更だが彼女らも何処かで生きているとか……見つかりたくはないな。特に竜のほうは。
とりあえず鍛えるか……まずはジャンプ百回!
「何をしているんだオーガ」
「ワンッ」
「いや、ワンではなくて……」
恭也さん、来るべき戦いに備えているだけです。
「ふむ、その眼はいいな……よし、俺も付き合おう」
「ガウッ!!」
恭也さんの木刀と俺の角で打ち合う。
当然負けましたが(笑)
というか無理ゲーだった……下手したら折れるぞ角。
「すまん、思わず本気を出しそうになった」
「キャウン」
木刀でレウスを狩れるのではないだろうか、この人。
神速とかいうモンスターでも見えないぞこの速さ!?な技を使えばきっといける。
ところでデートではなかったのではないですか?
「しまった!?」
「恭也ぁぁ……何しているのかな?」
恭也さん終了ですね。
◇◇◇
なのはちゃんが三年生になりました。
去年は久遠と幽霊のアリサちゃんと遊んでいたりしたらしい。
俺、おいてけぼりかよ……
「元気だしや」
居候のレンさん。ありがとうございます。
だがしかし、同じく居候の晶さんがやってきてそのまま喧嘩に突入。
ああ、フィアッセさんがいてくれたら……現在、諸事情によりいません。詳しくは知らない。
だがしかし、地獄に仏とはこのことで――
「二人とも、喧嘩はだめよ」
「「は、はい!!」」
高町家真の最強。桃子さんによって止められましたとさ。
イエス。イエスですよ桃子さん。
「オー君、ご飯よー」
それは俺の大好物の豆腐ハンバーグではないですか!?
わーいごちそうだー
「相変わらずおかしな狗?だよな」
「いや、トカゲ?」
「オー君はオー君よ」
そうです。桃子さんの言うとおり俺は俺でいいんだ。
堂々と俺という存在として生きればいいのだ。
◇◇◇
ある日、変な声が聞こえました。
なんか助けてとか……はて、俺の記憶が何かを訴える。
仕方がない……無視するか。こういうのは無視したほうがいい。何かに巻き込まれては敵わん。
だがしかし、運命は残酷である。
夜中になのはちゃんがフェレットっぽいのをつれてきた。というかいつの間に家から出て行ったんだ?
……フェレットから人のニオイがするのですが?
「オーガ君? どうかしたの?」
「ワンキャン!」
「あらぁ?」
ふむ、どうやら高町家の方々はなんとなーく把握しているのですね。
久遠で耐性ついたからか?
電話があったのだが、槙原さんとこの動物病院が壊されたらしい。
……なんだと?
「オー君が許すまじって言ってるわね」
《ど、どうしようユーノ君……オーガ君って怒ると怖いんだよ!?》
《ねえ、なんでなのはの家に竜種がいるの!?》
《あ、やっぱりドラゴンさんだったんだ》
《ノリが軽い!?》
少年?よいいツッコミの腕をお持ちだ。
ときに士郎さんや、早々に正体を明かしてもらったらどうですか?
「そうだなぁ……それでユーノ君、君はどこから来たんだい?」
「あ、はい……あ」
「あ」
ユーノと申すか。なのはちゃんもいい顔だのぅ。
それにしても一段とカオスですな。
ちなみに最近はなんとなく意思疎通が出来ます。士郎さんと桃子さんは特に凄いぜ。
逆になのはちゃんはあまり通じないな。国語の成績が悪いからだろうか?
大人びた思考をするが、引き出しが少ないというか……
その後、ユーノの事情説明。
どうやら魔法の世界からやってきたらしい。言葉の端々がSFチックだが。
……ああ、原作開始って奴か。もうほとんど忘れているけど。
そしてとらハキャラがここにいるのにユーノ君までいるとか、それなんてカオス?
彼の説明によるとリンカーコアという魔力器官がないと魔法は使えないとかなんとか。
なのはちゃん以外に持っている“人”はいないため、ユーノ君の探し物、ジュエルシードは封印が出来ないとか。
恭也さんも士郎さんも手伝えなそうなことが悔しそうです。ただ、なのはちゃんは父親に似ている気がするので止まりませんよ。
お二人もそれをわかってらっしゃるのですね……あ、さっき人って強調したからわかるように、俺にはリンカーコアがあるようだ。
念話というのは聞くだけならいくのだが、喋ると普通に犬の言葉ですからお二人には理解できませんという状況。
とりあえず、リンカーコアがあるのならということでなのはちゃんのおもりを任されたです。
「でも、オーガ君は魔法つかないと思うよ」
ふむ、ならば物は試しだ。ちょっと外に出てくれい。
今まであの虫の力を借りれなかったのは普通のジンオウガよりかなり小さいからであった。
ならば、魔力で再現してやろうではないか。力を借りれないなら、自分が強くなればいいのだ!!
「ウオォォオオオオオオオオオオン!!」
これぞ! 雷撃形態!!
「……キャワン」
「え、もう終わり?!」
「燃費悪っ!?」
魔力ってかなり消耗早いね。
ジンオウガの特性上、吸収も早いんだけど、消耗も早かった……
しかもリスティさんより弱い電気って……泣いていいですか?
◇◇◇
まあ、いないよりはマシなので封印に同行。
恭也さんたちが暇な時は手伝ってもらうことに。
魔力がないから不安だったらしいが、神速とか見た瞬間にユーなのコンビは絶句。
なのはちゃんも見た事がなかったっけ?
ユーノ君曰く、魔道師でもアレに勝てるのはごく一部だそうだ。
やっぱり高町家って……
「グルルルル……」
「キャワン」
「くぉん……」
なのはちゃんの学校が終わるまで、神社で久遠と戯れていたのですが、いきなりジュエルシードの暴走と遭遇。
俺と同じ子犬(ジンオウガとしてはサイズ的に子犬なんだよ)が化け物になっちゃった。
飼い主が倒れてさぁ大変。とりあえず、那美さん。守ってあげて。
「え、ちょ、救急車ぁぁぁ!?」
気絶しやがった……久遠、頼む。
なのはちゃんがくるまで持ちこたえてください。
『お姉ちゃんに任せて』
『まあ、任せるけど……』
自分でお姉ちゃんって言うのはどうかと思う。
年齢的にはおばあ――
ジュッ(ジンオウガビックリの雷撃)
『……お姉ちゃん』
『それでいい』
――はい、スイマセンでした。
「ひ、人が倒れてるのぉぉぉ!?」
「ワン!」
「あ、オーガ君!」
なのはちゃん。いいところにきた。
コレでいけるよ!
「なのは、セットアップを!」
「え、えと……呪文なんだっけ?」
「えええええええええ!?」
「……ワウーン!!」
「あ、オーガ君?!」
一瞬でもいいから吹き飛ばせ!
秘儀! ボル○ッカー!!
だがしかし、怪物は弾き飛ばした。
「ギャワン!?」
「え、竜種なのに負けた!?」
「ちょ、オーガ君?」
「……クゥン」
「オーガ。使えない」
「グワン!?」
「くーちゃんが毒舌だ!?」
心が痛いです……痛いよ、痛いよぉ…………
◇◇◇
その後、なのはちゃんが力技でセットアップ。いわゆる魔法少女に変身して見事封印。
俺、いらないよね。
ユーノ君が久遠――お姉ちゃんに驚いていたけど割合。
この程度で驚いていたらこの街では生きていけないぞ。とりえずとっとと魔力を回復させて人の姿に戻れるようにしなさい。
と、思ったらなのはちゃんが友達にフェレットとして紹介してしまいましたね。
ユーノ君、コレで戻るに戻れない……合掌。
とまぁ、ここから先色々あるわけだが……今いえるのは唯一つ。
「グォォォオオオオオオンッ!」
自分の弱さに涙がでてくるよ。
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その2
前回のあらすじというか、コレまでの俺の功績。
一つ。モンハン的な世界で子犬なジンオウガとして生きてきた。
二つ。ショタコン古龍に追いかけられて、なぜかリリカルな世界の海鳴にワープ。
三つ。命の恩人美由希さんの妹。なのはちゃんの護衛で戦ってます。
「オーガ弱すぎ」
「ギャワン!?」
最近、久遠お姉ちゃんが毒舌で生きているのがつらくなってきました。
◇◇◇
オーガです。ジンオウガやってます。大きさはレトリバーぐらいです。
サイズはジンオウガ的に子犬です。寿命とかわからんから大人なのか子供なのかわからないけど、性欲とか一切ないし、子供だと思っています。
大体、6~7歳です。まあ、頑張って生きています。
今日はなのはちゃんたちがプールに行っています。美由希さんも一緒です。
おれは……お留守番だよコンチクショウ。
「くぅん……」
寂しくて、涙が出ちゃうよ……
ちなみに、最近なのはちゃん達が集めているジュエルシード。ユーノ君が回収したものをあわせて3個。
全部で21個あるそうですが……全部集まるのにいつまでかかることやら……
「あら? オーガ何しているの?」
「ワン? ……ワォォオオン!!」
「キャァッ!? もう、分かった分かった。私も会えて嬉しいわよ」
フィアッセさん! 今まで何していたんですか! いや、もう嬉しくて尻尾が凄いことになっていますよ。
とりあえず話してくれたが、よく分からなかった。人間の言葉が一部理解できないというより、外国語を聞いている感じで意味が分からないのです。
ただ、翠屋に顔を出したらすぐに出発するそうです。
寂しいが、なにかやりたいことでも見つかったのだろうか?
「また何年か顔を出せないかもしれないけど、また会いましょうね」
「ワンッ!!」
再見。必ずまた会いましょう!!
◇◇◇
なのはちゃん達が帰ってきて、ビックリ。
どうやらプールにジュエルシードがあったらしい。
何とか封印したそうだが、ユーノ君曰く、なのはちゃんは才能の塊みたいな子だそうな。
さすが高町家……規格外だ。
「オーガってドラゴンなんだよね?」
「ワン」
「えと、飛ぶことは出来ないの?」
美由希さん、竜が全部飛べるわけではないですよ。
リンドヴルムって知ってます? 翼のない竜ですけど。
いや、アレは飛べたんだっけ? なんとなく共通点多いかなぁって感じで覚えていたのですが。
まぁフィアッセさんが本を読んでくれたから覚えていられるんだ!
「というか犬みたいな反応しかしないよね」
「ワン!」
自分、犬だと思って生きています。
狛犬とクリソツだと考えていたりしますよ。
「はーい、豆腐ステーキよ」
「ワォン♪」
大豆は最高でござる。
◇◇◇
数日がたつ。ジュエルシードの反応がないのでもう海鳴にはないのではなかろうか。
そう思っていた時期が俺にもあった。
「わぉおん」
「ええと、オーガ君?」
夜中の学校。ジュエルシードの反応はここからしていた……
っていうか、嫌な予感がびんびんです。
「ハーッハッハッハ! ついに召喚できるのだぁ!」
「あの人何をしているんだろう?」
なんか、黒いローブに身を包んだ眼鏡をかけた変な人がジュエルシードを持って変な魔法陣を書いている。ユーノ君曰く、ジュエルシードの影響で何かを召喚しようと動かされているらしい。
「さあ、僕の前に姿を現してくれドラゴォォン!! きっと、きっといるはずだ! オカルトマニアとかバカにされたくないから早く出てきておくれェェ!!!」
色んな意味で逝っちゃっていますね。
というか、何を召喚しようと……
――空が割れ始めた。穴が開く。その中から俺をじっと見るあの眼の持ち主は――
「ワ、ワワワ」
「お、オーガ君?」
「どうかしたのかい?」
二人はまだ気がついていない……だけど、あれは――目があってしまった。
そして、言葉が伝わる……
『見つけたぞ、童のカワユイ子犬ちゃん』
「……ギャオオオオオオオオオオオオオン!!」
「え、キャァア!?」
「凄い……魔力が増大している!?」
覚☆醒! ぶっ飛べオカルトマニア!!
◇◇◇
オカルトマニアがヒョロヒョロのモヤシで助かった。
儀式を中断したから召喚は中止され、穴は閉じていった。
出鱈目な召喚なのに成功するとか勘弁してくれジュエルシード。
アイツが『ふふふ、次は逃がさぬからな』って眼で語っていたぞ……居場所特定されていないよな?
しばらく抜け毛で悩みそうです……
「オーガ、大丈夫?」
「……クウン」
「よーしよーし」
美由希さんに頭撫でてもらっています。
涙がでてくるよ……
ちなみに、ジュエルシードはなのはちゃんが砲撃で封印しました。
◇◇◇
そして、日曜日がやってきた。
ふっふっふ、元気いっぱいで張り切っていこー!!
「お、おぉぉなの」
「なのは大丈夫?」
「ダイジョブ大丈夫なのぉぉおええぇぇぇ」
二日酔いのサラリーマンっぽいですね。
って、色々と人様には見せられない光景である。
仕方がない。今日は士郎さんが監督をやっている少年サッカーチームが試合をするから見に行く約束であるが、今日はしっかりと休んでもらおう。
だがしかし、今日はなのはちゃんを看病できる人は……あ、一人目の前いるではないか。
「ワオン」
「えっと、何が言いたいの?」
「ワフワフ、ワオーン。ワオワオ。ワン」
「いや伝わるわけないからね!?」
美由希さーん! 通訳お願いしまーす!
「んー、ユーノになのはの看病をお願いしたいみたいだね」
「なんで伝わっているんですか!?」
「なのは以外は大体みんな分かるよ」
「普通、伝わるほうがおかしいと思うの」
そういうわけで、なのはちゃんの看病はユーノ君にして貰うことに。
高町家のバックアップがあったのでなのはちゃんは頑張りすぎたようです。
いいところを見せようとしてしっぺ返しがきたってことだね。
そして、魔力がたまっていたのでユーノ君は変身魔法を解いて人の姿に戻ったけど……
『女の子?』
「違うよ!!」
どうやら気にしていたようで伝わったのです。
というか美少年だっただと……あ、そういえばそうですね。
まあ、あとは看病を任せたが……何故になのはちゃんは顔を紅くしているのだろうか?
ああ……弱っているからか? なんか一概にそうとは言えない。
◇◇◇
しかし、俺はどうして電気を纏えないのかね……
なんていうか体質的にも違う気がするし。
「ワオーン」
今日は俺一人で見回りとかさびしいっす。
とりあえず、サッカーの様子を見に来ています。
そこで、見知った顔を発見。とりあえず近づきましょうか。
「あ、オーガ君」
「あら? なのはは一緒じゃないの?」
そこには首を横に振っておきます。
なのはちゃんは男の子に看病してもらうというリア充展開を満喫しています。
「へぇ……それは“お話”を聞かなくちゃだねぇ」
「えっと、すずか? なんで会話できるのよ」
「ワン!」
「うふふ、そうだね。アリサちゃんはツンデレさんだよね」
「一体なんの話をしているのよ!? そしてツンデレって何よ!?」
「ワオン?」
「あ、アリサちゃんはストライカーじゃないのかって? ほら、実家がお弁当屋さんじゃないから」
「だからなんの話をしているのよぉぉぉぉ!?」
今日もアリサちゃんのツッコミは冴えています。
さて、もう一人のリア充の恭也さんを探しにいきましょうか。
今日はなんとなーく嫌な予感がするのですが……なのはちゃんは動けそうにないですし、封印とはいかなくても戦力は欲しいですからね。
「なのはちゃんとユーノ君によろしくって言っておいてね。あと、“お話”も聞かせてもらうって」
『了解。ところですずかちゃんはあのことに気がついているんですか?』
「うふふ」
『ああ、言わなくても分かるだろということですか……』
「もうなんで会話できているのか聞かないわよ……ああ、私の平穏は何処に」
今年中はそんなものないと思ったほうがいいですよ。
リリカルな事件があるのなら今年中は退屈しませんからね。
内容は覚えていませんが、なのはちゃんが3年生の間は退屈しないと思うのです。
もはやうろ覚えだからなんとなくの感覚でしか分からない。
「ワオン」
「あ、始まったよアリサちゃん」
「そうねぇ。なんか気力がなくなってきちゃった……温泉とか行きたいわね」
なんかお疲れですね。
そのうちいい事ありますよ。
「なんか。アンタにツッコミを入れなきゃいけない気がしてきたわ」
「く、くうん」
目が血走っているので怖いです。えっと、スイマセンでした。
◇◇◇
試合も終わりましたね。キーパーとマネージャーがイチャコラしていやがった。
士郎さんに連れられて翠屋で打ち上げみたいなことやるっぽいです。
あ、そういえば今までご飯食べてねえや俺。
ああ、おなか空いた……何処かに竜殺しの実落ちていないかな……いや、あるわけないか。
あれ、結構美味しいのですけどね……みんな食べないから俺だけが食べているのかもだけど。
ジュエルシードに願っちゃおうか…………またアイツがきたらと思うとやりたくは無くなった。
「あ、オーガ。散歩してたの?」
「ワン」
美由希さん。今日も麗しゅう……あ、今暇ですね。
ならばジュエルシード集めに付き合ってください。
「えっと、なのはは?」
「ワン」
自分の目で見てきたほうがいいですよ。
貴女にはつらい光景ですけど……
◇◇◇
家に走って戻り、美由希さんはなのはちゃんの部屋の中の光景を見てしまった。
朝は看病を始める光景だけを見ていたから大丈夫だったのだろうが……
「うう、グスッ」
「ワン」
見事にリア充な光景が広がっていた。
健全ではあるが、美由希さんにはダメージが大きかった。
むしろそのほのぼのした感じが自分達の汚れた部分を感じさせ、ダメージを増大させてきやがった。
まあ、あとは妹に先を越される光景が頭に浮かんだんだろう。
あちゃぁ……こりゃジュエルシード集めは出来ないかもですね。
と、そのとき地震が起こった。
『キャア!?』
『な、なのは!』
部屋ではユーノ君がビックリしてベッドから落ちそうになったなのはちゃんを助けていたが……
なのはちゃんは体がうまく動かなかったようで、ユーノ君を押し倒した。
って、普通逆じゃない? いや、あっているのか?
とにかく、動けないようなので美由希さんをつれて外に出る。
◇◇◇
遠くのほうにでかい樹があった。
とても多きな樹があった。
「えっと、なにあれ?」
「……?」
ジュエルシードだろうけど……今までで一番被害が大きいよね?
根がビルに刺さりそうになったり、かなり気険だけど……ときどきバリア的なのが出て、街を守っているみたいなんだけど……
んーさざなみ寮の人たちとか、そこらへんの方々かな?
人外が多数住んでいるからねアソコ。
「ワンワン!」
「もしかしてジュエルシードって奴?」
|Exactly!(その通り!) さあ、皆が守ってくれている間にちゃっちゃと原因を探しましょう。
とりあえず、魔力のニオイを嗅ぐことができるっぽいのでそれを頼りに進みましょう。
「えっと、コレのぼるの?」
「ワン」
何を当たり前のことを。
ロッククライミング的な感じでいけますよ!
「無理無理無理!!」
「クゥン……」
そんなぁ……でも、どうすれば……
「あ、オーガ君」
「ワン!」
「あ、那美さん?」
「あら、美由希さんもどうかしたの?」
「えっと、オーガと一緒にあの樹をはやしている原因の落し物を探していたんだけど……できればこういうことになる前に拾いたかったっていいますか……まあ、見ての通り間に合いませんでした」
「私達もいきなりでビックリしているんだけど、リスティさんとか、薫ちゃんとかみんなが頑張って街を守っているの」
おかげで助かりました。
ただ、根っこがいきなり切れたり、電撃で焼かれたり。
あ、なんか狐耳の方が大部分の根っこ吹き飛ばした……オーバーキルっぽいよ?
なんかそういうふうなことを考えていたら、俺の横を何かが掠めた……って危なっ!?
「あ、矢文だね」
「なんで矢文……」
「えっと……なんかこの樹の核になっている部分にはカップルと思しき小学生くらいの男女が……えっと、美由希さん?」
「なにかな。那美さん」
美由希さんから黒いオーラが噴き出しています。
正直、無茶苦茶怖いです。
「またカップルか……アハハ、最近の小学生はまったく」
「えっと、オーガ君。美由希さんどうしたの?」
「ワオン」
妹に先これそうで焦っていたところに、今回の原因がカップルと聞いて、何かが壊れました。
「えっと、どういうことかな?」
「……なのはに続いて…………」
「そっか、なのはちゃんが……ええぇぇ!?」
那美さん。俺の言葉が分からないならなぜ俺に聞いた?
まあ、美由希さんのセリフで察したけどね。
「えっと、えっと……手伝うよ!!」
「ワ!?」
「じゃあ、さっさとアレ止めましょうか」
「ウン!!」
何考えているんですか二人ともぉぉぉ!?
◇◇◇
樹を止めている人には男の人も結構いたんだ。
だけど、美由希さんをはじめ、独り身の女の人たちが暴走を始めた。
ちょっと怖かった。間違えた。ものすごく怖かった。
ジュエルシードを弾き飛ばした時にはビックリダヨ……封印されていないのに、封印状態みたいになっているのは何故? お前も怖かったのか?
…………
そうか、頑張ったな……
無機物?と一時的ではあるが会話してしまった俺であった。
あと、なぜか三つほど竜殺しの実を拾った。
今回の騒ぎで紛れ込んだのか、さっきの樹に偶然発生したのか。
あ、俺がこっちに来たときとかに種が飛ばされていたのか?
それがジュエルシードで成長……いや、無いか。
とにかく、手に入ったからよしとする。
二つは植えて、一つ大事にとっておく。すぐに食べたらアカンよ。アカン。
◇◇◇
なのはちゃんはダウンしていて回収できなかったことを悔やんだが、カオス具合を見て、関わらなくてよかったのとか言っていました。
ユーノ君もどこか遠いところを見ていたよ。
そんなこんなで今日は月村家にお邪魔しています。
ユーノ君はフェレットに変身中だけど……アリサちゃん以外にはバレているからね。
ノエルさんとファリンさん。相変わらず人間と見分けがつかないロボットさんですね。
「お褒めに預かり光栄です」
「ワン」
「ふふ、そうですか。それはよかったですね」
好物を見つけた喜びを語っています。
ノエルさん。なぜか意思疎通がほぼ完璧に出来てスゴいっす。
「もうツッコまないの。もう気にしないの……」
「えっと、なのは?」
「うふふ……ユーノ君なんで怯えてるのかなぁ?」
(なんか危ない予感が……)
すずかちゃん? なんで捕食者の目なの?
ちょっと怖いんですけど……
と、そこでいいタイミング。
ジュエルシードが発動した気配!
(よし、僕が行くからなのは!)
(うん!)
(ワンワン)
(あ、うん大丈夫忘れてないよ)
ウソ言うな。素で忘れていただろ。なのはちゃんも!!
◇◇◇
とりあえずユーノがアリサちゃんたちを巻き込まないように結界をはる。
さて、反応があった所に来てみたはいいが……
「えっと、大きいネコさんだね」
「いや大きすぎだから!!」
「ワン」
「ニャァ」
ジュエルシードが願いをかなえた結果。
大きくなりたいニャー。ならばよろしい。でかくしてやろう。
そして像並みの大きさの子猫曝誕☆
自分でも意味不明だが、とりあえず色々とアレだからさっさと封印していただきたい。
「そ、それじゃあ――」
そのとき、皮膚にビリッと来る感覚。
電撃がきた!?
「キャア!?」
「なのは!!」
電撃の雨あられ。土煙がおさまると、ジュエルシードが封印されていて、黒い斧を手に持ち、レオタードのような服。ツインテールに縛った金髪の少女が経っていた。
「同系統の魔道師……ロストロギアの探索者か」
「わ、ワン?」
「すみませんが、ジュエルシードいただいていきます」
「……」
見ると、電気で痺れたのか、なのはちゃんは動けないようだった。
幸い、ユーノ君が防いでくれたから意識はとんでいないけど、ユーノ君も結構ダメージが大きいようだった。
「……グルゥ」
「!? 竜種が何故ここに!!」
ちょっと、やり過ぎかなぁ……自分、弱いっすけど本気で戦っちゃいますか。
とりあえず、毛の中に隠した竜殺しの実を食べる。
「グォオオオオオ!!」
「ウッ……色が変わった?」
電撃が黒くなっていく。というか、竜属性っぽい。
相変わらず魔力を使用しているみたいなので、燃費は悪いが、今のところの最強モードだね。
「グルガァアアアアアアアアア!!」
大気が震える。少女よ、次であったらそのときは――
「ッ、今はひきます……ですが、次はあなたたちの持っているジュエルシードをいただきます」
そして、少女は飛び去った。
あのままだと回収したやつ全部取られていたかもしれないから良かった。
だって、最強モードっていってもこれ……
「……ガウッ」
ぶっちゃけハッタリ専用なのだよ。
◇◇◇
別名亜種モード。どうやらジンオウガには亜種がいるようで、俺はそっちに近いらしい。
いや、兄弟とか親は普通のジンオウガだし、俺も毛並みは普通だぞ。
ただし、竜殺しの実を食べた後は少しの間だけ変色していた。
昔、一度だけ転移前に亜種を見たことがあるが……俺が生きているうちはゲームで見たことないからなぁ。
まさか竜属性とは思わなかった。電撃っぽいが、色的にそう判断。
ドラギュロスも似たような感じだが、実装された時はフロンティアやってなかったし。
ベルキュロスはやった。アイツはやばい。こっちでも、転移前に遠くから見たことがあるんだが、戦いたくない。
ハンターでも下手したら一撃で葬るんだぞ。怖すぎだよ。
まあ、話を戻すと……どうやら、亜種に進化途中の通常種が突然変異かなんかを起こして、魔力を持ったのが俺。ということになる。
……弱くなっているから退化な気もするけど。
「私、あのことお話したい……なんであんな悲しそうな眼をするのか。もっと強くなってお話がしたいの!」
「なのは……うん。僕も教えられることは教えるよ。協力してもらっている身でこう言うのはアレだけど……」
「ううん。そんなことないよ」
あ、後ろで二人が何かやっているが……まあ、気にしないでおこう。
ところで、ジュエル“シード”って言うくらいだから、植えたら何か生えるのか?
もしかして、あの多きな樹の種だったりして……
とりあえず、後ろのリア充のオーラから逃げるように俺は眠りにつく。
考えることが一つ……俺超弱い…………
俺を狙う古龍との決戦もあるかもしれないし……なにか方法を探そう。
あ、リンカーコアがあるなら俺にも魔法使えるんじゃね?
とりあえず魔法を使おうと決心するも、後日、俺じゃあ専用に組み込んだデバイスが無いとまともみ発動は出来ないことが判明。
ユーノ君普通に使っているのに……コイツも才能の塊かい。
攻撃魔法がほとんど使えないって嘆いていたのに、別の方向でとんでもなかった。
とりあえず、つかるようになったのはオーラっぽい防御膜と、電撃のコントロール。
実戦では使えるレベルじゃないし、封印も出来ない。非殺傷とかいう便利機能も使えないことに涙。
というわけで、受難の日々を送ったりするちっこいジンオウガの話でした。
自分の中でイメージする大きさは小さいクックぐらい。
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