異世界で目覚めたら時の王 (覇邪轟麟)
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ライダータイム ソノイチ 世界一無駄な初変身

目覚めたらそこは、知らない場所だった。

 

「ん・・・?」

 

俺は起き上がり、座ったまま辺りを見回した。

 

どうやら、ここは森らしい。

 

が、こんな場所に来た覚えはない。

 

俺の住んでいた辺りにも、森なんてなかった。

 

取り敢えず移動しよう。そう思い、立ち上がるが腹に違和感をがあった。

 

何かが巻き付いているような感じ。

 

俺は何かと思って、腹を確認すると。

 

そこにはベルトが巻かれていた。

 

(コイツは・・・)

 

妙に見覚えのあるベルト、そこに巻かれていたのは、ジクウドライバーだった。

 

「え、なんで。」

 

触ると、カチャカチャと音が鳴った。

 

(テレビみたいだな。)

 

テレビ本編で鳴るベルトやアイテムのカチャカチャ音を聞いて、少し楽しかった。

 

(なら・・・・・・)

 

周りの地面を探すと、案の定あった。

 

(ライドウォッチ・・・)

 

うん、やっぱりカチャカチャいうね。

 

俺はいつも部屋でやるように、変身ごっこをしてみた。

 

「変身。」

 

ベルトを回転させると。

 

『仮面ライダー!ジオウ!!』

 

とベルトが鳴った。と、同時に俺の体は二つのリングに囲まれた。

 

「え・・・えっ?」

 

徐々に体が光っていく。

 

そして、次の瞬間。前方から"ライダー"という四文字が飛んできて。

 

俺の顔にぶつかった。

 

「うっそぉ・・・・・・」

 

思わず、身体中を見回した。

 

うん、俺ジオウに変身してる。

 

何で?どうして?ってかここどこ?何で俺変身してんの?

 

と、頭の中に様々な疑問が浮かんだが、取り敢えず変身を解除した。

 

(取り敢えず、移動しよう。)

 

森を歩き、数分ほど進んだところで街のようなものが見えた。

 

それは日本の街とは思えないような洋風建築ばかりだ。

 

(行ってみるか。)

 

行ってみると、そこは日本ではなかった。

 

まず、文字自体は日本語だが、漢字が使われておらず、全てカタカナだった。

 

会話を盗み聞きしてみても、日本語だった。

 

しかし、服装は見たことがないものだった。

 

ワンピースのような服に皮のベルト巻いたものだった。

 

服はハイカットだった。

 

それに、馬車が走っていたり、鎧を着た騎士が歩いていたりと。外国とも言えなかった。

 

(どこの異世界アニメだよ。)

 

と思ったが、どうやらドンピシャらしい。

 

そりゃ、エルフが歩いていたらそう思うさ。

 

すごく耳が長かった。横に。

 

(ああ。俺、異世界来たんだな~。)

 

なんと清々しいのだろう。気のせいか目から汗が出てきそうだ。

 

(どうしようか、これから。)

 

一応無一文であったため、何も買えなかった。

 

(ウ~ム。)

 

ここ、怪人とか出るのかな?

 

ゴブリンとかいそう。

 

俺は街の周りを散歩することにした。

 

 



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二にんがゴブリン

夜。すでに夜。何も見つからない。

 

(やっぱ洞窟とかかな?)

 

しかし行く気にはならない。

 

どこか、寝場所を探さなければ。

 

と言ったところで地形も知らないし、地図なんて持っていない。

 

腹が鳴る。そういえば、何も食べてない。

 

店はすでに閉まっている。

 

(24時間営業とかないのか?)

 

何かもう、寝なくてもいいような気がした。

 

(今何時?)

 

スマホを確認すると、時計は23時だった。

 

そもそも時計があっているのか。

 

「はあ・・・」

 

と、ほっつき歩いていると。

 

騎士が松明を持ちながら歩いていた。

 

(何してんだろ、巡回かな?)

 

特に気にはしなかった。

 

「そこのお前、止まれ!」

 

声掛けられた。まさか、警察と同じ?

 

騎士が歩み寄ってきた。

 

「貴様子供だろう、こんな真夜中に何をしている!」

 

いや、俺身長187なんですけど。そして高校生なんですけど。

 

普通に見ても子供には見えない筈なんだがなあ・・・

 

そして何故か胸ぐらを掴まれた。

 

「さては、盗賊だな!貴様!!」

 

思いっきり投げ飛ばされた。そんなことあんのかよ。

 

「イデデデデ・・・」

 

腰を打った、あ~ジンジン痛む。

 

「盗賊?ちげーよ・・・」

 

「黙れ!その身なり、異国のものだろう!」

 

何で異国イコール盗賊なんだい。

 

何かこの騎士、抜刀してんですけど。

 

わ~キレイな西洋剣。

 

「待てって、俺は盗賊じゃないってば。」

 

「うるさい、ならば何故ここにいる!」

 

「え?どういうこと??」

 

「ここは男人禁止区域だろうが!!」

 

何それ初耳。てか男人(だんじん)って・・・。

 

というか、あんた(騎士)はいいのかよ。

 

「このぉ!!」

 

騎士が剣を振り上げる。

 

(オワタ。)

 

しかし、反射的に剣を避けてしまった。

 

あれ?これ逆に疑われない?

 

しかし死ぬわけにはいかない。うん、逃げよう。

 

俺は立ち上がって全速力で逃げた。

 

「待てー!!」

 

めっちゃ追いかけてきてる。

 

しかし、俺こんな足速かったっけ?

 

気がついたら森にいた。スタート地点に戻ってきた。

 

そして、何ですかねぇこの唸り声は。

 

ガサゴソガサゴソと。

 

スマホのライトで照らすと、あ~。ハイハイ。

 

ゴブリンでした。マジでいんのかよ。

 

取り敢えず変身。

 

『仮面ライダー!ジオウ!!』

 

着心地の良いライダースーツだこと。

 

ゴブリンが棍棒や槍を振り回しながら飛び出してきた。

 

反射的に殴る。ゴブリン飛んでった。

 

(案外強いんだな。)

 

俺はジカンギレードをどこからか取り出した。

 

(本当にさっと出てきたな。)

 

ゴブリンを斬る。スッパスッパ斬れた。

 

まだまだ出てくるゴブリン達。俺を捕まえてどうすんだか。

 

面倒くさいから、タイムブレイクしよう。

 

ウォッチのボタンを押して、ベルトを回転。

 

『ターイムブレーイク!!』

 

右足にキックと形取られた文字が集まってくる。

 

俺はその場で回転蹴りをした。

 

「グヒャッ!!」

 

ゴブリン達は盛大に吹っ飛んだとさ。

 

 



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三ッドナイトフェスティバル

ゴブリン達を倒してから、変身解除して森と町の間を彷徨っている。

 

(ん?そういや・・・)

 

ジオウライドウォッチを取り出す。

 

ボタンを三回押した。ジオウライドウォッチで遊んだ時、

 

三回ボタンを押すと、『タイムマジーン』と鳴ったことを覚えている。

 

『タ~イム!マジ~ン!』

 

やっぱり鳴った、そして空からジオウのタイムマジーンが飛んできた。

 

テレビ通りだ。実際に見てみると、めっちゃ金属で造られている。

 

一瞬でもCGかなと思ってしまった自分が恥ずかしい。

 

タイムマジーンの中に入り、操縦席に着いた。

 

(再現度たけぇ。)

 

実際に操縦できるのかは分からないが、今日はここで寝よう。

 

布団や枕はなかった。だから座って寝た。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「イテテ・・・」

 

ゴッツゴツの金属やプラスチックで造られているため、寝返りであっちこっちにぶつかった。

 

お陰で身体中が痛い。

 

外へ出て、スマホで時刻を確認。

 

午前9時。早い。

 

暇だしする事なんてないから、タイムマジーンを動かしてみる。

 

テレビの見よう見まねだが、動いた。

 

(おお、飛んでる。)

 

ほんの数メートル動かして停めた。

 

なんせ、昨日みたいな騎士がいたら面倒くさいし。

 

タイムマジーンは道に停めたまま、再び町へ出向く。

 

どうせいつでも呼び出せるし。

 

町は賑やかで、住人達は日常会話を繰り広げている。

 

俺はトコトコ歩いて町の端と端を行ったり来たり。

 

「う~。」

 

夜、何も食べれないまま夜になってしまった。

 

だが、今日はいつもと違っていた。

 

今日は祭りがあるらしい。店も出るらしいから一応行く。

 

来た。結構騒いでいる。夏祭りみたいだ。

 

そして忘れていたが、俺金持ってないじゃん。

 

あ~腹が減った。

 

と、よろよろしながら帰ろうとすると。

 

ツンツン、と誰かに腰をつつかれた。

 

「ん?」

 

そこにいたのは、スタイルの良い、少し肌が焼けた可愛い猫耳少女だ。

 

「何か用?」

 

別に知った顔でもなかったから、ただの人違いかと思ったが。

 

「もしかして、劉?」

 

「え・・・?」

 

何でこの娘俺の名前知ってるの?

 

え、俺猫耳に知り合いはいないよ。

 

「私、テトだよ。」

 

「テトぉ?」

 

テトは俺が飼っているメス猫の名前。

 

そして黒猫。

 

バステトにちなんでテトと名付けた猫。

 

「いやいや、んなわけ・・・。」

 

俺は猫耳少女の首に、"TETO"と書かれた首輪が付けられているのを発見した。

 

(あれ、俺がテトに付けたやつと同じじゃん。)

 

なら、この娘は本当にテト?

 

でも、何故か少女に?

 

「なあ、だとしたら何で擬人化してんの?」

 

「さあ、目が覚めたらヒトになってた。」

 

「ああそう、ってか。それって・・・」

 

俺は、テトの右中指に嵌められている指輪を指した。

 

そこには、ウィザードリングが・・・・・・。

 

 



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初四事は柵作り

「つまり、目覚めたら人形になってて、ウィザードリングが指に嵌まってて、変身できるようになっていた、と?」

 

俺はテトとベンチに座り、テトが出店で買ったらしい焼きそばのようなものを食べている。

 

なんせ紫色の焼きそば(?)だ、最初は疑ったが、味はまさに焼きそばだ。

 

「うん、変身できたし、劉君が見てた"かめんらいだーうぃざーど"に似てたから、そうかなーって。」

 

そうかなーってか、そうなんだけどな。

 

実際、俺もジオウに変身できたし。

 

「・・・・・・。」

 

それにしても。まあ可愛くなりやがって。

 

紺髪黄眼で身長は、162とちょうど良い辺りらしいが。

 

それにしてはスタイルが良く、顔も可愛い。

 

あれだ、例えで言うと、ネ○ぱらのショ○ラだな。

 

まあバストは突っ込まないでおこう。

 

と、どうしてもジロジロ見てしまう。

 

(ふ~ん、あの黒猫が、テトがねぇ。)

 

「・・・?どうしたの?」

 

「別に。」

 

焼きそば(?)うめぇ。

 

「この世界って、アナザーライダーとかいないの?」

 

「田舎や山奥とかにはいないらしいよ。いて、都会?」

 

この世界にも田舎都会があったのか。

 

「しょっちゅう人間を襲ってはすぐ逃げていくらしいって、皆が言ってた。」

 

テトは一足先に、この町に馴染んでいるようだった。

 

「それに"しょっかー"とか"ますかれーどどーぱんと"とかもいるらしいよ。」

 

(めっさおるやん。)

 

「劉君は、これからどうするの?」

 

どうするの、と言われても。何にもすることはない。

 

「テトは?」

 

「ん?私は、劉君に着いていくよ。」

 

ああ、俺にもヒロインができたんだな~。

 

しかし、結局俺はこの世界で何をすればいいんだ?

 

怪人討伐?クエストやダンジョンの攻略?

 

そもそもクエストやダンジョンがあるかは知らないが。

 

「ならさ、1つお願いしていい?」

 

「お願い?」

 

「うん。劉君さ、ゴブリン見た?」

 

あ~大体分かってきた。

 

「見た、ってか。倒した。何匹か。」

 

「倒したの!?」

 

うん。もう既にね。

 

「あのね、それでお願いっていうのは。」

 

「うん。」

 

「この町の周りにね、柵を作ってほしいの。」

 

ほらねやっぱり。柵だと思ったよ。

 

まあ、ゴブリン○レイヤー見てた人なら分かるだろう。

 

要はゴブリンが入ってこないようにしてくれってこと。

 

「あ~うん。だろうと思ったよ。」

 

「お願い!皆が困っていて、いつ襲われるか分からないって言ってて。」

 

合掌しながらずーーっとお願いしてくる。こりゃあ断れんな。

 

「わーかったから、柵を作ればいいんでしょ?」

 

「うん、皆も手伝ってくれると思うから。よろしくね、劉君!」

 

飼い猫に君付けされるのは、やっぱり違和感があるね。

 

「あ、でも材料とかh・・・」

 

いなかった。何かいつの間に他の人の場所へ走ってった。

 

何やら話している。ゴツい男と話している。男は何故か喜んでいる。

 

あれ?ここ男入っちゃ駄目とか言ってなかったっけ。

 

話終えたのか、走って戻ってきた。

 

「あのね、材料とか道具とかはくれるって。」

 

ああ、そう・・・聞くまでもなかったか。



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じっと見つめる五ブリンさん

作業は明日かららしい。まあ切って打って嵌めるだけなんだろうけど。

 

今日はテトの部屋で一緒に寝る。

 

何やら部屋を借りてるとか。

 

「ほぉ~。」

 

良い木の匂い、新築じゃないらしいけど、それにしては片付いてる。

 

「意外と広いんだな。」

 

「でしょ~。住み心地良いんだよ~。」

 

嬉しそう。そんなに気に入ったのか。

 

ベッドを確認。うん、テト以外使ってないね。

 

もしテト以外の臭いが付いていようものなら、俺は暴走したるで。

 

「何してるの?」

 

気付けばベッドに顔を埋めていた。

 

テトよ、お願いだからそんな冷たい目で見ないでくれ。

 

「どうやら、この世界に変態はいないようだ。」

 

「ああ、うん。」

 

まあこの話はここで終らすとして。

 

「ウィザードに変身できるってことは、魔法も使えたりして?」

 

「ん、使えるよ。」

 

『コネクト』

 

ウィザードの赤い魔方陣が出てきた。おー本物じゃん。

 

「ほいっ。」

 

テトがコーラを二本取り出した。どっから?

 

「この世界、コーラなんてあったの?」

 

と疑いつつも飲んでしまう。本能には抗えない。

 

「ないよ、元の世界から持ってきた。劉君、冷蔵庫に大量に入れてたじゃん。」

 

元の世界と繋がってるとは。ん、ってことは・・・。

 

「じゃあ、あっちにもいけるんじゃあ。」

 

「行けるよ~。」

 

「ソルェヲファヤクイエエエエエーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

 

つい叫んでしまった。あ、因みに「それを早く言え」って言ったさ。

 

「あ~ごめんごめん。うっかり忘れてた。」

 

てへぺろと言わんばかりに舌を出すテト。全く・・・

 

「そろそろ寝よう?」

 

あ~、明日早起きだった。ヤバいヤバい。

 

「オヤス。」

 

「お休み~。」

 

結局同じベッドで寝る。狭い。けど、テトと添い寝。

 

ラッキー。

 

(まさか、擬人化しかペットと添い寝するなんてな。)

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

朝。いや、早朝。

 

日の出とほぼ同時に起きた。

 

現在午前3時47分。

 

いつもなら寝る時間。

 

「おはよ~劉君。」

 

もう起きてやがった。こっちの人間は早起きだねぇ。

 

「ぁあ、ふぁぃよ。」

 

朝は呂律が回らない。

 

顔を洗って着替えて。飯あるかな?

 

「テト~。食い物ある?」

 

「その箱ん中だよ。」

 

木箱をあけたら、冷蔵庫だった。

 

これ箱まで冷えてやがる。ヒ~冷たい。

 

魚ばっか入ってる。さすがニャンコ。

 

刺身やら缶詰めやら焼き魚やら。

 

冷やす必要のないものまで入ってた。

 

朝飯は刺身。やっぱりコネクトで取り寄せた物。

 

まあ変わらない味だった。

 

外へ出てみると、既に準備が始まってた。

 

皆めっちゃ元気。オタクにとっては辛い時間制。

 

「ざーす。」

 

手当たり次第挨拶してって。地図を見せてもらう。

 

森側を重点的に作るらしい。結局は町全体を囲むんだけど。

 

というか今更だけど、これ町じゃなくて村じゃない?

 

地図に"ムラ"って書いてあるし。

 

「そこには触れないであげて。」

 

テトは察したらしい。

 

俺もノコギリや金槌を貰って作業に入る。

 

作業自体は苦じゃないけども、あちぃ。

 

夏ってのは分かるけどあちぃ。

 

そら汗もだらっだら出るよ。

 

そして遠くにちゃっかり見えるゴブリン。

 

バレバレ。

 

(こりゃあ襲ってくるな。)

 

一応ドライバーは装着しておこう。

 

 



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ゴブリン六双

「ふぃ~。」

 

暑い。気温は39度、死んでまうやろ。

 

さっきからノコで切っては金槌で打っては重くて乾燥してる木どうしを嵌めては、の繰り返し。

 

一時間半で約20%の完成率。はあ、もう。

 

ゴブリンはどうかな?ってか、まだいるかな?

 

いた、凄い汗かいてるじゃん。

 

何か双眼鏡のレンズが曇っている。

 

ハハハ。

 

というか、何か増えてません?

 

さっきまで一匹だったのが、二匹、三匹、四匹。

 

え?囲まれてない??

 

高台に登ってぐるっと見回す。

 

あ~。こりゃ完全に囲まれてんな。

 

(こんのクソあちぃ時に。)

 

取り敢えずテトに報告。

 

えーと、あ。いたいた。

 

「あ~。こりゃもう襲ってくるね~。」

 

テトも汗がだらだら。

 

色々と透けて見えるのは黙っておこう。

 

「あれ、テト。猫耳と尻尾は?」

 

テトは普通の人間と同じ姿に。

 

「ああ、それなら邪魔だからしまったよ。」

 

「しまった?」

 

「そうそう、ほら。」

 

頭上を指差すテト。見ると、耳が出たり入ったり。

 

何その機能。おもしれー。

 

・・・じゃなくって。

 

「テト、ドライバー出しとけよ。」

 

「ん、そうだね。」

 

『ドライバーオン!』

 

テトの手形のベルトがウィザードライバーに変形。

 

ついでにフレイムウィザード(以下略)リングも嵌めさせた。

 

俺は持ち場に戻った。

 

何で湿ってんの?この木の棒。

 

「ゴ、ゴブリンだああ!!」

 

町人、ってか村人の一人が気づいた。

 

(仕方ねぇ・・・)

 

「テト!皆を中心部に!」

 

「うん!劉君、すぐに戻るから!」

 

テトは皆を引き連れて村の中心部へ。

 

さ~て俺も一仕事、っと。

 

「変身!」

 

『仮面ライダー!ジオウ!!』

 

うっし、相変わらず、良い着心地。

 

「さってと。」

 

ゴブリン達へ向かって素手で突撃。

 

「ほっ!」

 

先行してきた一匹に一発、拳を食らわす。

 

「ベヒッ!」

 

何か叫んでたが無視。

 

綺麗に吹っ飛んだもんだ。

 

「ふん。」

 

ニヤっとしてしまった。

 

まあ、ここで調子に乗るのが俺なんだが。

 

(いっくぞ~。)

 

ガスッ!ボゴッ!グシャッ!

 

ゴブリンが弱くて助かった。

 

雑魚キャラ扱いだそうで。

 

つっても背は高い。

 

オスの平均身長は169、メスは166らしい。

 

他の世界よりは大きめかな。

 

粗方倒した。

 

「ふぅ。」

 

ライダースーツの上から汗を拭っても意味がないな。

 

「ん?」

 

ふと、森の方を見る。木が揺れてる。

 

(それに、この足音。)

 

「まさか・・・」

 

ベキッベキッ!!

 

来た。やっぱり、そうだ。

 

そこにいたのは、恐らく群れの長。

 

「ゴブリン、ストラ。だっけか。」

 

ゴブリンストラ。

 

ストラティオティス(戦士)にちなんで付けられた。

 

右手には柄付きの鉄球。「ふぃ~。」

 

暑い。気温は39度、死んでまうやろ。

 

さっきからノコで切っては金槌で打っては重くて乾燥してる木どうしを嵌めては、の繰り返し。

 

一時間半で約20%の完成率。はあ、もう。

 

ゴブリンはどうかな?ってか、まだいるかな?

 

いた、凄い汗かいてるじゃん。

 

何か双眼鏡のレンズが曇っている。

 

ハハハ。

 

というか、何か増えてません?

 

さっきまで一匹だったのが、二匹、三匹、四匹。

 

え?囲まれてない??

 

高台に登ってぐるっと見回す。

 

あ~。こりゃ完全に囲まれてんな。

 

(こんのクソあちぃ時に。)

 

取り敢えずテトに報告。

 

えーと、あ。いたいた。

 

「あ~。こりゃもう襲ってくるね~。」

 

テトも汗がだらだら。

 

色々と透けて見えるのは黙っておこう。

 

「あれ、テト。猫耳と尻尾は?」

 

テトは普通の人間と同じ姿に。

 

「ああ、それなら邪魔だからしまったよ。」

 

「しまった?」

 

「そうそう、ほら。」

 

頭上を指差すテト。見ると、耳が出たり入ったり。

 

何その機能。おもしれー。

 

・・・じゃなくって。

 

「テト、ドライバー出しとけよ。」

 

「ん、そうだね。」

 

『ドライバーオン!』

 

テトの手形のベルトがウィザードライバーに変形。

 

ついでにフレイムウィザード(以下略)リングも嵌めさせた。

 

俺は持ち場に戻った。

 

何で湿ってんの?この木の棒。

 

「ゴ、ゴブリンだああ!!」

 

町人、ってか村人の一人が気づいた。

 

(仕方ねぇ・・・)

 

「テト!皆を中心部に!」

 

「うん!劉君、すぐに戻るから!」

 

テトは皆を引き連れて村の中心部へ。

 

さ~て俺も一仕事、っと。

 

「変身!」

 

『仮面ライダー!ジオウ!!』

 

うっし、相変わらず、良い着心地。

 

「さってと。」

 

ゴブリン達へ向かって素手で突撃。

 

「ほっ!」

 

先行してきた一匹に一発、拳を食らわす。

 

「ベヒッ!」

 

何か叫んでたが無視。

 

綺麗に吹っ飛んだもんだ。

 

「ふん。」

 

ニヤっとしてしまった。

 

まあ、ここで調子に乗るのが俺なんだが。

 

(いっくぞ~。)

 

ガスッ!ボゴッ!グシャッ!

 

ゴブリンが弱くて助かった。

 

雑魚キャラ扱いだそうで。

 

つっても背は高い。

 

オスの平均身長は169、メスは166らしい。

 

他の世界よりは大きめかな。

 

粗方倒した。

 

「ふぅ。」

 

ライダースーツの上から汗を拭っても意味がないな。

 

「ん?」

 

ふと、森の方を見る。木が揺れてる。

 

(それに、この足音。)

 

「まさか・・・」

 

ベキッベキッ!!

 

来た。やっぱり、そうだ。

 

そこにいたのは、恐らく群れの長。

 

「ゴブリン、ストラ。だっけか。」

 

ゴブリンストラ。

 

ストラティオティス(戦士)にちなんで付けられた。

 

「また、重そうな・・・。」

 

「ドゥブァア!!」

 

低い雄叫び。

 

五月蝿いな~全く。

 

とか油断しまくってたら鉄球に吹っ飛ばされた。

 

え?いつの間に。

 

「ぐはぁ・・・。」

 

俺は咄嗟にジカンギレードのジュウモードでゴブリンを撃った。

 

「まだ終わってねーからな。」

 



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七転び零回転

撃ちまくる。

 

寝転びながらだから狙いにくい。

 

も~、イライラする~。

 

それでも、効いてはいるようで。

 

弾が当たるたびに「ギュウウ。」って言ってるし。

 

ってかこれ酷い絵だな~。

 

だって寝転んでる仮面ライダーがゴブリンストラを蜂の巣にしてんだぜ?

 

チビッ子の憧れるカッコ良さは最早ないね。

 

「アデデデデ。」

 

立てるようにはなった。

 

ドォォン!

 

鉄球が真横に飛んできた。あぶね~。

 

ゴブリンストラが目を押さえて悶えている。

 

あ、目に当たった?ごめんねストラ。

 

足が痛いけど突撃。

 

ジカンギレードをケンモードに変形。

 

距離はそんな離れていないからすぐに攻撃。

 

奴は目を押さえているから気付いていない。

 

「あああっ!」

 

一斬り。腹がスッパリ斬れたストラだけど、まだまだ奴はピンピンしている。

 

「劉君!」

 

「えっ?」

 

『バインド、プリーズ!』

 

ゴブリンストラの体が鎖で封じ込まれた。

 

「テト!?」

 

すっかり忘れていた。

 

「早く!今のうちに!」

 

ん?ああ、そういうことね。

 

『タイムブレイク!!』

 

跳んで~、キィィィーック!!

 

ゴブリンストラに直撃、それと同時に奴は爆発。

 

ふぅ、終わった。

 

「はぁ、はぁ。」

 

ガクッと跪く。

 

ライドウォッチを取り外して変身解除。

 

「はあぁ~。」

 

脱力して、その場に寝転んだ。

 

いきなりこんなハードな戦いは辛い。

 

「大丈夫?」

 

テトが背中を支えて起こしてくれた。

 

癒しじゃあ~。

 

「あ~もう。疲れた・・・。」

 

「お疲れ~。」

 

テトのなでなでだ~。

 

もう死んでもいいかも。

 

「村の皆は?」

 

「ん、全員生きてるよ。」

 

せめて、助かったと言って欲しかった。

 

「行くか。」

 

「足大丈夫?」

 

「なんとか・・・」

 

しかし、引きずってしまう。

 

まあ仕方ないや。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「皆~生きてるか~?」

 

ついた早々に生存確認をしたが。うん、皆いるね。

 

「あらら、大丈夫?」

 

ガタイの良いおばさんに支えられる。

 

あ~どもども。

 

「劉君、しばらく座ってて。」

 

「あ、りょうか~い。」

 

おばさんに肩を貸してもらいながらベンチへと移動。

 

本当にガチガチの筋肉やん、この人。

 

村の皆が何やら話している。

 

テトもはしっこだけど混ざっている。

 

輪の中心には若いマッチョが。

 

(リーダー的な?)

 

話がおわったのか、皆が仕事へと戻っていく。

 

輪の中心にいたマッチョのお兄さんが近寄って来た。

 

「やあ、さっきはご苦労様。今日はもう、休んでくれて構わない。また明日、頼むよ。」

 

「ん。」

 

お兄さんが去っていく。

 

帰るか。

 

「テト~。」

 

「ん、どうしたの~?」

 

「俺は先に帰るけど、どうする?」

 

「ん~。じゃあ私も一緒に帰るよ、おばさんも良いって言ってたし。」

 

さっきのおばさんらしい。

 

色んな知り合いがいるんだね~。

 

「じゃあ劉君、行こう。」

 

「ん。」

 

余談だが、この夜は筋肉痛に襲われた。ヒ~。

 

 

 



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八すみも束の間

チュンチュンチュンチュン。

 

鳥の鳴き声で起床。ちょっと優雅っぽい。

 

「ふょ。」

 

やっぱり呂律が回らない。う~ん。

 

「っぱぁ。」

 

洗顔、呂律が回復。

 

ここまでは元いた世界と変わりなし。

 

「おはよ~劉君。」

 

テトは早起きだな~。

 

なお現在は午前9時。

 

今日の朝飯はコーンフレークらしい。こっちの世界じゃ主食だとか。

 

(うめ~。)

 

何これ、めっちゃ美味い。

 

「これ美味しいよね~。」

 

テトは笑顔でぱくぱく、いとおしい。

 

テトが言うに、柵作りは殆んど終わっているらしい。

 

俺達がゴブリンストラを倒したことで今までの脅威が去ったらしい。

 

「あ、そうだ。劉君、これ。」

 

テトが見せてきたのは、ウィザードライドウォッチだ。

 

「ライドウォッチ?どうして?」

 

これってゲイツが使うものじゃあ・・・。

 

そもそもゲイツがいるのかどうかが分からない。

 

「私じゃ使えないっぽいし、劉君が持ってた方が良いんじゃない?」

 

「でも、アナザーウィザードが出てきたら、テトは変身できないんじゃない?」

 

「そうなの?そしたら、それを使えば倒せるんじゃなかったっけ。」

 

いや、まあそうだけど。

 

取り敢えず持っておこう。話がのらりくらりだし。

 

(だとしたら、後18個のウォッチを集めるのか?)

 

そうしたらグランドタイム出来るんだろうけど。

 

アナザーライダーが出てこないことには、他のライダーとも出会えまい。

 

「なあ、テト。アナザーライダーって、都会じゃないと出ないんだっけ?」

 

「う~ん。目撃情報はまだ一回だけだし、多分いると思うけどね。」

 

じゃあそっちに行った方が良いのかな?

 

「もしかして、劉君そっちに行きたいの?」

 

テトには隠せないか。

 

「そうだな。でも、だとしたらテトは?」

 

「前にも言ったけど、私は劉君に着いてくよ。」

 

「村の皆はいいの?」

 

「っても、いつでもコネクトで移動できるし。」

 

ああ、そんな使い方も出来るんだっけ。

 

「なるほどね、じゃあ、行ってみるか。」

 

「一応、柵作りが終わってからにしよう?」

 

「あ~、そうだな。」

 

今日も作業場に。毎度思うけど皆元気だね~。

 

暑いとか、感じないのかな?

 

「おお、劉君じゃないか。今日もよろしくな!」

 

元気の良いおっさんに肩ポンされた。

 

どうやら後数メートル分だけらしい。

 

「ならまあ、いっちょやりますか。」

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

一時間後、作業効率の良さもあってか、たった三日間で完成。

 

結構しっかりした柵だ。

 

いくら強く殴っても蹴ってもビクともしない。

 

「これなら安心だな。」

 

「そうだね~。心配になったら帰ってくればいいし。」

 

「そうだな、じゃあ行くか。」

 

村の皆に挨拶して、俺達は魔方陣で都会へと移動。

 

「ほぉぉぉ。」

 

デカイ。

 

何が?壁が。

 

門番の兵士に通行料を払って、壁の中に入る。

 

「おおお。」

 

「凄い・・・。」

 

そこは、東京にも匹敵するほどの大都会だった。

 

 

 



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九襲魔法使い

「へぇ~。」

 

都会町を散歩中。

 

高層ビルが建ち並んでいたり、西洋建築のマンションや住宅がずら~り。

 

そして奥に見えるのは、これも巨大な城。

 

シンデレラ城を思い出すような。ちょっと違うけど。

 

ビルと城の組み合わせってのに、基本関わりがないから違和感がある。

 

「なんつーか、近未来だな。」

 

「うん、私もここまで都会だなんて、思ってなかった。」

 

二人揃ってポカーン。

 

というか、サラリーマン歩いてんですけど。

 

ここ本当に異世界?

 

城壁の前まで来た、ここにも甲冑を着た門番騎士が。

 

俺達はすでに、こっちの世界での普段着に着替えている。

 

変に疑われない筈だ。

 

こっちの世界だと、基本半袖半ズボン。女子だとスカートも見かける。

 

元いた世界と然程変わらないが、唯一、長ズボンだけがない。

 

こっちじゃ、しょっちゅう化け物が襲ってくるらしいから、

 

長ズボンだと逃げにくかったりするらしい。

 

「何か用か?」

 

ずっと城を眺めていたものだから、さすがにおかしいとでも思ったんだろう。

 

「ああ、いや別に。ただ、デカイ城だなぁって思って。」

 

「そうか。」

 

それだけ確認して、騎士は前を向きなおした。

 

「テト、他も回ってみようぜ。」

 

「うん、そうだね。」

 

その後、俺達はショッピングセンターらしき建物や、ゲーセンらしき建物や公園らしき施設を回った。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「広すぎじゃ~。」

 

粗方回ったため公園で休むことにした。

 

ベンチに座ってグッタリ。

 

「今日は、宿にでも泊まる?」

 

もう夕方だし、風呂にも入りたい。

 

「そうだね~。この近くのとこでいっか。」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

(ん?)

 

あそこのベンチに座っている奴等、見覚えがあるな。

 

私はスーツの胸ポケットからハンカチを取りだし、空中に投げた。

 

空中を舞うハンカチに、ライドウォッチが映る。

 

(そうか、奴がジオウか。)

 

ならば、ここで殺すというのも良い。

 

『ウィザード!』

 

不気味な音声が流れる、そのライドウォッチを私は体に埋め込む。

 

体が重い、視界が遠退いていく。

 

しかし、それは一瞬で消え去った。

 

今度は、体が更に軽く、視界も良好だ。

 

私はビルの屋上から飛び降りた。

 

「フフフ・・・。」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

「あっ・・・!」

 

いきなり、何かが上から落ちてきた、と思ったが、物じゃないようだ。

 

「アナザーウィザード?」

 

「えっ・・・?」

 

テトが驚いた表情で、一歩後退りしたがテトはすぐに変身を始める。

 

が、何度ベルトに指輪をかざしても、ウィザードライバーが出ない。

 

「まさか、こんな早く出てくるとはな。」

 

アナザーウィザードが出現した限り、テトはウィザードの力を失ったまま。

 

なら、俺が戦うしかない。

 

「テト、下がってろ。」

 

「あ、う、うん。」

 

「いきなりは困るんだがな。」

 

「私も正面から戦うバカではないのでな。」

 

「ああそうかよ、変身!」

 

『仮面ライダー!ジオウ!』

 

 



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十分の一区切り

「グフッ!」

 

壁に強く打ち付けられた。

 

「どうした、仮面ライダー。その程度か?」

 

ククッ、っと嘲笑うアナザーウィザード。自我は残っているらしい。

 

「ったく。」

 

打撃を繰り返す、が何度突いても手応えがない。

 

そして、アナザーウィザードがフッと消えた。

 

「まさか、分身?」

 

そんな、忍者じゃあるまいし。

 

と、思っていると背後から二体のアナザーウィザードに蹴飛ばされた。

 

「私は魔法使いだ、自分の分身を見せることなど容易い。」

 

グロテスクで赤い魔方陣が俺、ジオウの周りに出現する。

 

そこから出てくる、大量のファントム。

 

(マジかよ。)

 

まさかファントムまで産み出せるとは。

 

誰が想像するんだか・・・。

 

俺はジカンギレードを取り出して応戦。

 

さすがにゴブリンとは違い、一撃では倒せない。

 

「クッソがあ!!」

 

エネルギーを溜めてからの、回転斬り。

 

周りにいたファントムが一斉に爆発した。

 

「はっ!」

 

またも背後から襲われた。

 

「ぐぅ・・・。」

 

押されているから、防戦一方で太刀打ちできない。

 

「ふんっ!」

 

アナザーウィザードが俺に蹴りを放った。

 

ジカンギレードでギリギリ防げたものの、このままじゃ蜂の巣だ。

 

「劉君!ウォッチ使って!!」

 

テトの声に、俺はハッとした。

 

(そうだ、ウォッチを使えば。)

 

『ウィザード!』

 

『アーマーターイム! プリーズ! ウィザード!!』

 

ウィザードアーマーを装着する。

 

それと同時に体の中に何かが溜まっていくような気がした。

 

(これは、魔力?)

 

試しに炎を放ってみる。

 

魔方陣で出現し、そこから炎が放射される。

 

「ぬわぁ!!」

 

アナザーウィザードが焼けていく。

 

しかし、奴はすぐに立ち上がり、また炎を放った。

 

俺は魔方陣を潜り、アナザーウィザードから上空に離れる。

 

下前方には、奴が見える。

 

『ストライク!ターイムブレーイク!!』

 

俺は地面に降り、右足に炎を纏う。

 

そして、舞うようにして、アナザーウィザードへと近づく。

 

「はああっ!!」

 

一回転し、そのままキック。

 

「ううあああ!!」

 

悲鳴を上げながら、アナザーウィザードは爆発した。

 

「はあ・・・はあ・・・。」

 

変身を解除して、その場に座り込む。

 

痛い、ってより動けねぇ。

 

「大丈夫~!?」

 

テトが駆け寄ってくる。

 

それを見て安心した。フワッと、脱力感に襲われた。

 

「おっと。」

 

テトが俺の頭を支えて、倒れそうになったのを防いだ。

 

肩と背中を支えられながら、何とかベンチに座れた。

 

「アナザーライダーってつえぇんだな。」

 

背中がズキズキ痛む。

 

どうやら背中に食らった時の衝撃で、背骨の一部に傷が入ったらしい。

 

「無理しないでよ~。」

 

テトが泣いてる。ああ、すまん。

 

「ありがとな~テト。」

 

あの一声がなかったら、俺はウォッチの存在を思い出せないまま死んでいた。

 

テトには感謝し足りない。

 

「うん・・・戻ろっか。」

 

泣き止んだらしい。ニコッと笑ってくれた。

 

こんな時なのに、にやけそうになってしまう。

 

ま、いいか。

 

俺達はその後、宿に戻ってぐっすり休んだ。



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レベル&マッチ ソノニ カシャカシャアクション・1

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ。

 

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ。

 

(・・・何してんだろ、私。)

 

登校中だっていうのに。

 

家から今までずっと振り続けている。

 

この赤と青の・・・ボトル?

 

でも中身は固体。

 

赤い方にはウサギ、青い方には戦車が。

 

共通点が無さすぎる。

 

暇だからって歩きながらずっと振っているけど。

 

多分響いてうるさい。もう止めとこ。

 

「おっす癒衣~。」

 

何だ、ただの脳筋か。

 

「朝から元気で羨ましいくらいね。」

 

「そりゃど~も~、何持ってんの?」

 

「ん、これ?」

 

さっきのボトル(?)を取り出す。

 

やっぱりボトルにしては小さいような。

 

「何これ、買ったの?」

 

「起きたらベッドに散乱してた。」

 

しかも何種類も。

 

「何となくウサギっぽいのと戦車っぽいのを持ってきた。」

 

「何で?」

 

「学校で調べられるかもしれないし。」

 

図書室とか、パソコン室とかで。かな。

 

「朝起きたらね~。あ、そういや・・・。」

 

栄士が何やら・・・何これ。

 

ピンクの・・・ピンク・・・の・・・。

 

「えっと、マイティアクションX?」

 

カセット?にしては大きい。

 

「部屋の机に置いてあったんだけど、音が鳴るだけで何に使うのかさっぱり。」

 

「栄士まで?何なんだろう。」

 

「そういやさ、癒衣はベルトなかった?」

 

「ベルト?」

 

「うん、こんなの。」

 

栄士がリュックから蛍光色の物体を出した。

 

「これを、腹に当てるとさ。」

 

ガシャーン。

 

物体の両端から何かが出てきた、と思ったら栄士に巻き付いてる。

 

そんな都合よく巻き付くの?

 

「そこの穴にそれを挿すんじゃない?」

 

「あ~。そういやそうかも。」

 

あ、私もあった。

 

(え~と、ここに。)

 

やっぱりあった、けど私のは黒っぽいベルト。

 

それに、レバー付いてる。

 

こっちには挿し口が二つ。じゃあ、これを。

 

「・・・ちょっと待って。」

 

「ん?」

 

「これ、爆発しないよね・・・。」

 

よく考えれば、得体の知れない物。

 

もし爆発でもしたら、一貫の終わり。

 

「・・・止めときましょう。」

 

「あ、うん。」

 

咄嗟にベルトをお腹から離す。

 

一瞬でベルトが吸い込まれていった。

 

やっぱり不思議。こんな物、今の技術で作れるの?

 

「そういや、今日テストだな。」

 

「あ~そうだったわね。」

 

「帰りて~。」

 

「門にまで来て引き返さないの。」

 

引き返そうとする栄士の襟を引っ張って戻す。

 

これ以上成績を落とさせるもんですかっ、てのよ。

 

ぐにゃぐにゃ歩く栄士を支えながら教室へ向かう。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

結論、楽勝だった。

 

栄士は・・・あ、死んでる。

 

気のせいか顔が真っ白。

 

「生きてる~? 生きてたら帰るわよ~。」

 

「ぇふ。」

 

あ、生きてた。

 

ふにゃふにゃ歩く栄士を支えながら下校。はぁ疲れる。

 

「ちょ~い、そこのカップルさ~ん!」

 

話し掛けられた。

 

勧誘かと思ったけど、多分違う。

 

格好で見るに、他校の生徒でしょう。

 

「何か用?」

 

「君達さ、大きいUSBメモリとか、持ってない?」

 

はい?メモリ?何言っんだろうこの人?

 

「ほら、こんなのだよ。」

 

彼が大きいUSBメモリを見せてきた。

 

真ん中に、紫色で"J"と書かれている。

 

「実際は、もうちょっとグロテスクな見た目の物だけどね。もし見つけたりしたら、ここに連絡して。」

 

「あ、うん。」

 

名刺(?)を渡された。信用していいのかな。

 

「翔ちゃん、早く~!」

 

「ん、ああ。じゃあ俺はこれで、見つけたら宜しくね~!」

 

というか、私達付き合ってないんだけど・・・。

 

栄士は、と。あ~、まだ駄目かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ドラゴンボトル・2

ガシャッ! ガシャッ!

 

(こんな感じ?)

 

ベルトとやらにボトルを二本挿してみた。

 

だけど、うんともすんとも言わない。

 

「はあ~・・・。」

 

ベッドに身を投げる、疲れた。

 

ピロン。

 

「ん?」

 

ラ●ン? 栄士から?

 

「「癒衣! 見てこれ!」」

 

写真も送られてきた。んんん??

 

栄士がピンクのブロックの上に乗ってる。

 

何でこのブロック、空中に浮いてんの? 合成?

 

「「何やってんの?」」

 

「「ピンクいやつのボタン押したら出てきた。」」

 

ああ、うん?

 

「「ピンクいやつって、今朝のアレ?」」

 

「「そうそう、これっしょ。」」

 

ピンクのゲームソフト擬きの写真が。うん、これこれ。

 

っていうか、ゲームのカセットじゃないの? これ。

 

「「ねえ、それってさ、ゲームのカセットじゃないの?」」

 

「「カセット? 何で?」」

 

「「似てるし、ベルトにSDって書いてあるし。」」

 

「「なるほど~、じゃあカセットなのか。」」

 

「「多分よ、多分。」」

 

「「そっかー、サンキュー。じゃーなー。」」

 

(・・・・・・。)

 

結局、何の用だったの?

 

まあいいや、眠いし。

 

「お休み、私・・・。」

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「んん・・・。」

 

ゴン! ゴン! ゴン!

 

「何よ、朝から・・・。」

 

窓に何かがぶつかってくる。しかも何回も。

 

鳥? 違うな。えっと、何これ玩具?

 

青くて、ドラゴンっぽい物体が何度も窓に向かって頭突きをしてくる。

 

「止めてよ・・・。」

 

入りたそうだったから、窓を開けてあげた。

 

ドラゴン(?)は、私の上を通って、机の上に置いてあるボトルの上をくるくる。

 

「何? どうしたの? これ?」

 

ドラゴン柄のボトルをツンツン。ドラゴンだからかな?

 

「はい。」

 

ボトルをあげるけど、多分持てないな。

 

長い首で背中を指す。そこには、穴があった。

 

「入れろってこと?」

 

コクコクと頷くドラゴン。

 

「はい、これでいい?」

 

取り敢えず、ボトルを挿してあげた。

 

喜んでる、のかな?

 

犬みたいにくるくる回ったと思ったら、空へ飛んでった。

 

(なんだったんだろう・・・。)

 

休日初っぱなから、私は何をしているんだろうか。

 

「・・・・・・寝よ。」

 

バサッ。

 

ベッドに身投げ。う~。

 

テレビをつけてニュースを見る。

 

(ふ~ん、行方不明ね~。)

 

男子高生と猫一匹が、どこかへ消えて、今も見つからないらしい。

 

ピッ。

 

「「癒衣! 見てこれ!」」

 

栄士が送ってきた画像。そこには、変なコスプレした人が公園を荒らしているものだった。

 

「「変なコスプレだね~。」」

 

「「コスプレじゃないって~!!」」

 

「「どういうこと?」」

 

栄士が動画を送ってきた。

 

怪物コスの人が遊具を破壊している。

 

え? 遊具って、こんな脆いの?

 

「「とにかく、いつもの公園に来て!!」」

 

何でこんな慌ててんだろう。仕方ない、行くか。

 

「ふぁああ~。」

 

「ギャース!」

 

昨日のドラゴンが、ベルトをツンツンしている。

 

「持ってけってこと?」

 

コクリ。

 

う~ん、よく分かんないけど。

 

「持っていくか~。」

 

 

 

 

 



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ラビットタンク・3

「ブルゥゥゥゥゥゥ、ゴォォォォォ!」

 

ゴンッ! ガンッ!

 

「止めろ~!」

 

咄嗟にしがみついたけど、怪物と俺とじゃ、力の差が大きい。

 

「グゥゥゥゥゥッ!」

 

「うはっ!」

 

吹っ飛ばされて、背中を思いっきり打った。

 

(いってぇ・・・。)

 

痛い、というより熱い。

 

視界が揺れてきた。クラクラする。

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

「ギャース! ギャース!」

 

「はぁ、はぁ、え、そっち?」

 

ドラゴンに着いて行きながら、というものの。

 

家から走りっぱなし。

 

「ギャオギャオ!」

 

「んぁ? うん・・・。」

 

公園への入り口まで辿り着いた。

 

「えっ、栄士?」

 

そこには、怪物と倒れている栄士がいた。

 

「栄士、大丈夫?」

 

「ん。癒衣?」

 

意識はあった、木陰に運んでおく。

 

「何よアレ・・・。」

 

「アイツ、すっごい固いし、強い・・・。」

 

「ゴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。」

 

「ん・・・。」

 

「ギャス~!」

 

ドラゴンが私の腹周りをグルグル回っている。

 

(? ああ、ベルトか。)

 

お腹にベルトを当てると、両端から帯が出てきた。

 

「巻き付いた・・・?」

 

「ギャーオ! ギャーオ!」

 

ドラゴンがジェスチャーを始めた。

 

えっと、ボトルを振って、キャップっぽいのを正面に合わせて

 

それをベルトに挿して、レバーを回して・・・ポーズをつける?

 

あんまり理解は出来なかったけど、取り敢えずやってみよう。

 

「んーと。」

 

カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ。カチッ。

 

『ラビット! タンク! ベストマッチ!!』

 

音楽が流れ始めた、本当にこれどうなるの?

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン。

 

レバーを回していると、ベルトから二本の管が出てきた。

 

(赤と、青?)

 

『Are You Ready?』

 

「えっ、どうするのこれ?」

 

管がそれぞれ前後で人型になった、けど。

 

赤い方には顔半分と、右腕、左脚。

 

青い方にはもう半分の顔と、左腕、右脚。

 

何で分かれてんだろう?

 

「ギャオ。」

 

ドラゴンが土に何か書いている。

 

「えっと、へんしん。って言えばいいの?」

 

コクリ。

 

ポーズ、もかぁ・・・。

 

取り敢えず、昨日ボクシング番組で見たポーズを取った。

 

「へ、変身!!」

 

ピコーン。

 

『鋼のムーンサルト、ラビットタンク!! イェーイ!』

 

ガッシャーン。

 

・・・・・・え?

 

赤と青の人型が、私に迫ってきて、合体した。

 

「えっ、何これ、どうなってんの?」

 

ガサゴソ。

 

「ビルド、っていうの? これ。」

 

コクリ。

 

ビルド、ビルドねぇ・・・。

 

よく分かんないけど、これだと怪物と戦えるのかな?

 

「一か八かだなぁ。ま、いっか。」

 

 



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ボルテックフィニッシュ・4

「グロォォォォォォォォォォォォォォ。」

 

ドスッ! ボコッ! ガスッ!

 

「いたたた・・・。」

 

どうやって戦えっていうの?

 

戦い方なんて知らないし、殴り合いなんてしたことないし。

 

「癒衣! 何でもいいから、取り敢えず攻撃してくれ!」

 

「ええ、あ~うん。えっと。」

 

「ブゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

「んっ!」

 

ゴッ!

 

「ンゴォ!?」

 

かなり力を溜めてから殴ったから、多少ダメージは大きかったらしい。

 

怪物がヨロヨロと後退りする。

 

「凄い・・・本当に強くなってる・・・。」

 

っていうか・・・。

 

「ふん、ほっ。」

 

「グゥゥ・・・。」

 

逆に戦力差が開きすぎじゃない?

 

大丈夫? 逆に心配になってきた。

 

「う~ん。」

 

ゴォォォォォォォォ。

 

『ボルテックフィニッシュ! イェーイ!』

 

おお、やっぱり。

 

「って、ええ!?」

 

地面から白くて図太い線が出てきた。

 

それが、何かの図みたいな形になっている。

 

しっかし、私は何でこの上にいるんだろう。

 

「癒衣! キックのポーズ! 多少、キック!」

 

(ええ、キックって、こうかな?)

 

映画で見るような飛び蹴りのポーズを取る。

 

「うぇ!?」

 

体が勝手に前に進んでいく。

 

ドォーン!

 

キックが当たった瞬間、怪物が爆発した。

 

「おっとと。」

 

着地失敗、コケた。

 

「あててて、ん?」

 

栄士の後ろに、さっきと同じ怪物が何体も。

 

「栄士、後ろ!」

 

「ん? えええっ!!?」

 

栄士もびっくりして、大口を開けている。

 

なるほど、開いた口が塞がらないってのはこのことか。

 

(じゃなくって。)

 

さっと立ち上がって、栄士の元まで走る。

 

「栄士、あんたのそれも、変身できるんじゃない?」

 

「えっ、ああ、これね。」

 

「ゴゥゥゥゥゥゥ。」

 

「ゥゥゥゥゥ。」

 

奴等が目の前まで。

 

私は怪物達を追っ払おうと戦うが、いくらなんでも7体はキツい。

 

「栄士、やってみて!」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

「変身、変身かぁ。」

 

どうやるんだろう。

 

このカセットみたいな物のボタンを押して、ベルトに挿せばいいのかな?

 

挿し込み口が二つある。どっち?

 

「内側でいいか。」

 

早く変身しないと、癒衣が殺られる。

 

(おし、やってみよう。)

 

『マイティアクションX!!』

 

俺の回りにブロックが沢山出てくる。

 

ここまでは分かる。

 

「変身!!」

 

『ガシャット!』

 

『レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!?』

 

『アイムアカメンライダー!!』

 

よし、出来た。

 

「癒衣、今行くぞ!」

 

「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ。」

 

走りにくい、てか首が回らない。

 

それに、俺身長縮んだ?

 

「おっと、んぉりゃ!」

 

怪物を掴んで投げる。

 

思ったほど力が出ない。

 

「栄士!? あんた、それ何!?」

 

「えっ? どうって。」

 

自分の手を見る、妙に太い。

 

顔を触ってみても、デカい。

 

「もしかして俺、今二等身・・・?」

 



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マイティアクション・5

「えっ、栄士!?」

 

そこに、変身そた栄士がいた。

 

確かに栄士、栄士なんだけど。

 

(二等・・・親?)

 

「ゼェ、ゼェ。」

 

動きづらそう。というより、負けてない?

 

動きづらそうなのを良いことに、怪物達は束になって栄士を襲う。

 

「ああっ、ちょっ・・・。うはぁ・・・。」

 

(ああ、もう・・・。)

 

ドカッ!

 

周りの怪物達を追っ払って、栄士の助けに入る。

 

「うんっ! ほっ! 栄士、大丈、夫っ!?」

 

「ああ、わりぃ。」

 

「その体、どうにかなんなの!?」

 

「えっと、あ、コイツかも。」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

俺はレバーを開いた。

 

『ガッチャーン! レベルアーップ!』

 

「えっ、おおぅ!?」

 

体が勝手に動いて、ブロックを次々と伝って跳んでいく。

 

『マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションX!!』

 

シュタッ。

 

「え、どうなったんだ? んん?」

 

手足を見る。身体中を触る。

 

あれっ、これ・・・。

 

「癒衣、俺どうなってる?」

 

「えっと、今度は、ちゃんとした人形になってるよ。」

 

「なるほど、道理で動きやすい訳だな。」

 

「これで一安心ね。」

 

「そうだな、よっしゃ! うおぉ!」

 

おお、ちゃんと動ける。

 

ガスッ! バスッ! グシャッ!

 

「喧嘩なら、得意だからな!」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

栄士もどうにかなったし、私も戦いに戻る。

 

 

「しっかし、まあ。」

 

(いつ終わんのよ・・・。)

 

「ギャース!」

 

「えっ? それ、ベルト?」

 

コクコク。

 

「何で、あんたがそれを、持ってるの?」

 

戦いながらだから会話しづらい。

 

「ああっ、もう!」

 

突然、ドリルのようなものが出てきた。

 

「はああ!!」

 

思いっきり振る。怪物達が、次々に爆発した。

 

「ふぅ。それで、何をしろっての?」

 

スッ。

 

(ベルトの上に、立った?)

 

グイグイ。

 

「押し込めばいいのね? なら。」

 

ガシャ!

 

『ウェイクアップ! クローズドラゴン!』

 

(あ、また音楽流れ始めた。)

 

しかも、私の時とは少し違う。

 

ベルトを持ち上げて、レバーを回す。

 

「うわああっ、っと。」

 

レバーが勝手に回り始めて、青一色の管が出てきた。

 

『Are You Ready?』

 

(ヘンシン!)

 

「んっ?」

 

今、頭の中で知らない声が聞こえた。

 

ピコーン。

 

『Wake Up Burning! Get Cross-z Dragon!! Yeah!』

 

「えぇ、うっそぉ。」

 

理解が追い付かない。

 

何せ、三人目が出てきたんだから。

 

「えっと、ゲットクローズドラゴンって言ってたし、クローズなのかな?」

 

三人目がサムズアップした。正解らしい。

 

クローズは、さっさと怪物達に殴りかかって行った。

 

「ワケ分かんないってば、はぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ドラゴニックフィニッシュ・6

「ヴゥ! ガァ!」

 

クローズが荒い攻撃を繰り出して、怪物達を次々に倒す。

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォ。

 

『Ready go! ドラゴニック! フィニッシュ!!』

 

「ガァ!」

 

ドォーン!

 

「嘘ぉ・・・。」

 

一気に全員倒してしまった。

 

クローズは、戦闘慣れでもしているのかな?

 

ピチュン。

 

ボトルを引っこ抜いたら、元通りの姿に戻った。

 

栄士も変身を解除した。

 

「はぁ、いたた・・・。」

 

戦っている時に怪我でもしたのか、腕には痣が。

 

「癒衣、大丈夫?」

 

栄士もボロボロだった。

 

「うん、大怪我じゃなくて良かったけど。」

 

「ギャァオ!」

 

同じく変身解除したドラゴン、クローズが寄ってきた。

 

クローズの背中から、ボトルが飛び出てきた。

 

「え、これ入ってなくてもいいの?」

 

コクリ。

 

じゃあどうして、あの時挿さしたんだろう。

 

「ん?」

 

ふと、私と栄士のズボンのポケットが光りだした。

 

光っている物を取り出すと、懐中時計のような物が出てきた。

 

「何、これ。」

 

針も数字も無く、黒色の枠に、灰色と銀色で中央に模様が描かれている。

 

「一応持っとく?」

 

「そうね。」

 

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

既に夕方、家に着いたのは6時過ぎだった。

 

「はぁ、疲れた~。」

 

未だにボトルで部屋は散らかっているし、クローズは着いて来たし。

 

(寝てるよ。)

 

クローズは私の机で寝ている。

 

「ん?」

 

知らない物が1つあった。

 

(缶?)

 

炭酸ジュースでも入っているのか、耳を当てると中からシュワシュワと音がする。

 

(でも、これ。)

 

よく見れば、"ラビットタンクスパークリング"と書かれている。

 

(ラビットタンクって、私が使ったボトルじゃん。)

 

ゲームとかによくある、強化アイテムってやつなのか。

 

それかどうかは分からないが、使う機会があれば使うとする。

 

(ボトルに、缶ねぇ・・・。)

 

「ビルドって液体で変身するのかな?」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

「う~ん。」

 

多分だけど、これはガシャットっていうんだろう。

 

変身する時にそう鳴ってたし。

 

(まるでマ●オだな。)

 

「ふぅ。」

 

ガシャットをテーブルに置いて、ベッドに飛び込む。

 

ガッ!

 

「イッテ。」

 

何かが枕の上にある、黄土色ガシャットだ。

 

「ん~何々?」

 

(ドラゴナイトハンターZ?)

 

もしかして、もう片方用かな?

 

ドラゴンの頭っぽい物も付いている。

 

(カッケー、今度使ってみよ。)

 

「ふぁぁ・・・。」

 

俺はそのまま寝落ちした。



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ドラゴナイトハンターZ・7

ドスッ! ガッ! ボスッ!

 

『ボルテック! フィニッシュ!』

 

「はああっ!」

 

ドォーン!!

 

「ふぅ。」

 

今日も怪物退治をしている。

 

クローズが怪物を感知できるらしく、現れた瞬間からギャースギャース鳴く。

 

(お陰で疲労困憊だっての。)

 

1週間前の初戦からほぼ毎日戦っている。

 

休めて1日程度。

 

(あ、また使うの忘れてた。)

 

1週間前、部屋にあった謎の缶。

 

強化アイテムとしては確定しているんだけど、使い方がどうも分からない。

 

前に試した時。

 

その時は、何も考えずベルトに挿しただけだったが、無反応だった。

 

(何か特別なことでもするのかな?)

 

缶特有の口は開けることができた。しかし、どうも何かが足りないよう。

 

(振るのは、炭酸っぽいから駄目だろうし。)

 

「難しいなぁ、もう。」

 

 

王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王王

 

 

「ふぅ。ほっ!」

 

今日も今日とて戦闘中。

 

最近は、ピコピコハンマーみたいな武器が使えるようになり、

 

戦闘が少し楽になった。

 

「ブルァァァァ!!」

 

「うおおお!?」

 

空から竜が飛んできて、俺の頭上スレスレを通った。

 

「ゴォォォ!!」

 

「うぅあ! あっつ!! ぐはぁ!!」

 

竜の火炎放射で、俺は吹っ飛ばされた。

 

(あの野郎・・・。)

 

攻撃しようにも、仕掛けると空を飛んで逃げるし。

 

火炎放射は避けきれないほど規模がデカいし。

 

(あ。)

 

竜なら、あのガシャットが使えるかもしれない。

 

「ふう、それじゃ試させてもらうか。」

 

『ドラゴナイトハンターZ!』

 

(モ●ハンかな? あれって4人プレイじゃ・・・ま、いっか。)

 

『レベルア~ップ!!』

 

『ド・ド・ドラゴ! ナ・ナ・ナ・ナ~イト! ドラ! ドラ! ドラゴナイトハンターZ!!』

 

「おお、うぉ!?」

 

ドラゴン型の鎧が俺に向かって飛んできて、それを装着した。

 

だけど、異常に辛い。

 

動けないことはないが、身体に謎の負担がかかっている。

 

長時間は戦えない。

 

「こりゃもっと鍛えなきゃな。」

 

「ヴォォォォォォォォォォ!!」

 

竜が空から突進してくる。

 

「ああ、えっと。これか!」

 

ドォン!!

 

やっぱり、俺の左腕の装備は銃だ。

 

翼に被弾している。

 

竜はよろけたが、落ちることはなかった。

 

(んで、右側は剣だな。)

 

高度が低くなり、地面スレスレを飛んでいたので、俺の攻撃は届いた。

 

どうやら、この竜はそれほど強くない。

 

というか、この装備が強いんだろう。

 

(っしゃ、決めるぞ!)

 

ガシャットをスロットに装填。

 

ボタンを2回押す。

 

『ドラゴナイト!クリティカルストライク!!』

 

「おおおおおおおおっ!!」

 

胸部の顔装備から、火炎放射。

 

それはあっという間に竜を飲み込み、灰に変えた。

 

「っしゃあ!」

 

思わずガッツポーズ。

 

変身を解除したが、まだ動きにくい。

 

「早く、帰りてぇ・・・。」

 

 

 



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スパークリング・8

「う~~ん。ん~?」

 

やっぱり、スパークリングの使い方が分からない。

 

以前、口を開けてからベルトに挿した。

 

でも、無反応だった。レバーを回しても、何も起きない。

 

(何かと混ぜたり?)

 

「あっと。」

 

弄っているうちに床に落としてしまった。

 

『シュワ・・・。』

 

「ん?」

 

(今、シュワって。)

 

衝撃を与えたから? それとも、やっぱり振ったから?

 

「まあ、また試せばいいや。」

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

ジリリリリリリリ!!

 

「ギャース!! ギャース!!」

 

(んんん。)

 

「何もう、うるっさいなぁ。」

 

クローズがテレビの音量を上げていく。

 

「ああ、もう分かったから!」

 

慌てて音量を下げる。

 

テレビには、朝のニュースが。それも、いつもより騒がしい。

 

「えっこれ。学校!?」

 

学校で大量の怪物が暴れているらしい。

 

「行かなきゃ!!」

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「変身!!」

 

『鋼のムーンサルト! ラビットタンク!!』

 

「はああ!!」

 

見たところ、敵は同じ見た目をした奴が多い。

 

雑魚って言うやつ、なんだろう。

 

「んああ! っ、雑魚でも、こうも密集してるとな・・・。」

 

グラウンドを埋め尽くす程の軍勢。

 

恐らく数百体。

 

「なら・・・!」

 

『タカ! ガトリング! ベストマッチ!!』

 

「ビルドアップ!」

 

『天空の暴れん坊! ホークガトリング!!』

 

「よし、ほっ。」

 

私は、空からの攻撃で奴等を一掃する。

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!

 

ホークガトリンガーで、怪物達を手当たり次第に攻撃していく。

 

攻撃の当たった怪物から次々と爆発していく。

 

ガンッ!

 

「んあっ!」

 

怪物にも遠距離攻撃の出来る奴がいるらしい。

 

「いたた・・・。あっ、スパークリング!」

 

落ちた拍子に転がってしまったらしい。

 

怪物が、何これ? と言わんばかりにスパークリングを振っている。

 

「あっ、ちょ。返して!」

 

ボコッ! ドスッ!

 

怪物からスパークリングを取り返す。

 

『シュワアアアアアアア。』

 

(やっぱり。)

 

昨日、部屋で聞こえたこの音は本物だった。

 

(やっぱり振るんだ。)

 

口を開けて、ベルトにセット。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

やっぱり。名前は間違っていなかった。

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング!!』

 

「おお。」

 

ラビットタンクにギザギザを足した感じだ。

 

「体が軽い、イケるかな。」

 

試しに、蹴りを1つ。

 

「ほっ。」

 

ドォーン!

 

怪物が一気に爆発した。

 

「凄いな・・・。でも、これなら。」

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン。

 

『Ready Go!』

 

「ふっ。」

 

空中に跳び、必殺技を打つ。

 

『スパークリングフィニッシュ!!』

 

「はああ!!」

 

急降下し、怪物達の丁度真ん中に向かう。

 

「ゴォ!?」

 

怪物の1体に当たる。

 

「あああっ!!」

 

更に力を加える。

 

「グゥゥゥゥゥゥ!」

 

ドォォォォォォォォォォォォォン!!

 

周りの怪物達も釣られて爆発し、やがて1体残らず消えた。

 

「ふぅ。つっかれた~。」

 

「お、癒衣~!」

 

「栄、士?」

 

エグゼイド。だが、何か重そうな鎧を身に付けている。

 

まるで、ドラゴン。

 

「栄士、それどうしたの?」

 

「ああ、これか。いやさ、部屋に落っこってたから、何となく使ってみた。」

 

「ああ、そう。」

 

(私と同じか。)

 

そこへ、クローズもやって来た。

 

どうやら、皆も戦っていたらしい。

 

変身を解除すると、何やらポケットが光り出した。

 

「またこれ?」

 

あの時に光った時計のような物。

 

しかし、今度は少し違った。

 

そこには、ビルドとエグゼイドの顔が描かれていた。

 

「何だこれ?」

 

「さあ、おおっ。」

 

時計のような物が、勝手にどこかへと飛んで行った。

 

「何だったんっだろ。」

 

「さあな。」



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J・まず1人

「・・・フッ。」

 

心地良い夜風が体に染み付く。明日は晴れだ。

確証はないが、この風の暖かさなら、多分そうだろう。

 

俺は暫く夜風と横浜の海を楽しんだ。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「あ、今日登校日だ。」

 

すっかり忘れていた。

夏休みはどうも気が抜けてしまう。悪い癖だ。

 

「やっべ時間が。」

 

後5分で家を出なければ遅刻だ。

朝飯を食べる間もなく家を飛び出す。

 

「ああっ、と。違う違う。」

 

ついつい癖でバイクを出してしまう。

バイクで学校に行ったら校則違反になってしまう。

 

思いっきり走る。

限界まで走り、すぐに学校が見える。

 

複雑な道だが、近いことだけが頼りだ。

 

 

時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時時

 

 

「ゼェ、ゼェ、ゼェ、ハァ。」

 

猛ダッシュで教室に飛び込み、ギリギリ5分前に着いた。

 

「全く、朝からハードだな。ん?」

 

シャツのポケットに何か入っている。

 

「何だ、メモリか。何で入ってんだろ。」

 

見れば、ポロシャツの下が普段着だった。

 

(そりゃ入ってるわな。)

 

Jのガイアメモリ。

 

俺は表向きで高校生をやっている。

しかし、裏では仮面ライダーと呼ばれている。

 

最近、横浜で頻発している、怪物による様々な事件。

強盗、殺人、闇取引など。

 

それは全て、ドーパントによる犯行だ。

 

奴等が現れたのは、つい1週間ほど前。

最初のドーパント事件を担当したのは、俺の兄。

 

佐賀野宗一。兄の名だ。

 

兄は仮面ライダースカルに変身し、ドーパントと戦った。

しかし、戦闘中に起きた事故に巻き込まれて死んだ。

 

俺に、ロストドライバーとジョーカーメモリを残して。

 

それ以来、兄の代わりとして、俺が仮面ライダージョーカーとして

ドーパントと戦っている。

 

(ってもなぁ~。)

 

昔、兄から聞いた話では。

ロストドライバーの2倍の力を出せるダブルドライバーがあるらしい。

 

それは家で保管されているらしく。

それを使えば、ジョーカーより強い力を引き出せる仮面ライダーに変身できるらしい。

 

が、変身には二人分の力が必要らしい。

 

俺が現時点で持っている、ジョーカー、メタル、トリガー。

その3つと、サイクロン、ヒート、ルナ。

 

それを1つずつ組み合わせて、ダブルに変身する。

 

「誰かいねぇかな~。」

 

条件としては、サイクロンメモリとの適合率が高いこと。

らしいが、そんなのは確かめようがない。

 

兄はスカル、俺はジョーカーメモリとの適合率が高かった。

いざという時、ロストドライバーで戦えなければいけない。

 

ロストドライバーで変身するには、適合率もそれなりに必要だ。

 

「俺にも、スカル使えるかな。」

 

 

 

 



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