日本バカ昔話 –凍結– (Etsuki)
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桃太郎編
桃太郎 その1
むかーし、昔、ある所に、ジムを経営しているおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山にブートキャンプに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で筋肉の塊どもが着ていた服を洗っていると、川から
マッスォ!↓マッスォ!↑マッスォ!↓マッスォ!↑マッスォ!↓マッスォ!↑
と、雄叫びをあげながら巨漢のマッスルたちが胸筋をピクピクさせながら肩に新発売の桃味の巨大プロテインを担ぎ、川を下っている所に遭遇しました。
おばあさんはたまらずその場から逃げたくなりましたが、よく分からない意地で洗濯を続ける事にしました。
すると、マッチョたちはおばあさんの前で停止し、全員おばあさんの方へ向きました。
「あなたは古き良き筋肉を守る会の会員ですね!!」
「そんな貴女は幸運です!今キャンペーンで、この超巨大プロテインを無料で配っているんです!貴女にこれを授けましょう!!」
といっても、マッチョはおばあさんにプロテインを渡して、またマッスォマッスォ言いながら川を下って行きました。
困惑しっぱなしのおばあさんですが、プロテインはおじいさんの好物なのでとりあえず60Kgはあるプロテインを家に持って帰る事にしました。
家にプロテインを持って帰ると、野山を駆け回りながらブートキャンプと称した柴刈りに行っていたおじいさんが運動後のプロテインを飲んでいました。
「な!なんじゃその巨大なプロテインはああああああああ!!?」
おじいさんは今まで見たこともないような巨大プロテインを前に驚愕することしかできませんでした。
「よくわからんが、川を下りながらきゃんぺーんをしていた筋肉たちにもらったのじゃ」
「川を下りながらきゃんぺーん???」
字面にすればするほどなんとも不思議な話でした。
「と、とりあえず、開けてみるかの?儂、地味に桃味のプロテインというのが気になるわい」
そう言って、おじいさんは自身の身長程もあるプロテインのふたを取りにかかりました。
おじいさんがプロテインの蓋を開けると、そこには普通にプロテインの粉があるだけでした。
おじいさんはとりあえずプロテインを飲むために粉を取ろうと手を伸ばしました。
すると……、粉の中からオギャー!!とオー〇マイトばりの巨大なマッチョな赤子が飛び出してきました。
おじいさんはその赤子?に腰を抜かしてしまい、おばあさんはちびりそうになってしまいました。
巨大な赤子??はそんなことおかまいなしにオギャーと泣き続けます。かなりの低音ボイスです。いい声です。
「こ、これは、天からの送りものじゃあ!!?」
「そ、そうじゃな、子供のなかったわしらの為に天から授かった贈り物じゃあ!!」
そう、子供のいなかったおじいさんとおばあさんはこの赤子???を天からの贈り物と考え、桃味のプロテインから生まれた桃太郎と名付け大事に大事に育てました。
赤子?はすくすく??と育ち立派な筋肉をその身に纏い、どこに出しても恥ずかしくない立派な青年になっていました。
ある日桃太郎は、村の掲示板で鬼ヶ島で筋肉を競う大会があることを知りました。
「おじいさん、おばあさん、僕は鬼ヶ島へ行ってベストオブ筋肉になってくるよ!!」
おじいさんとおばあさんはその桃太郎の志に感動し、ベストオブ筋肉への道の手助けしてあげることにしました。
おじいさんたちの経営するジムでひとしきり筋肉を磨いていた桃太郎にも旅立ちの日がやってきました。
「おじいさん、おばあさん、行ってきます!!」
「待つんじゃ、桃太郎、これを持っていけ」
そう言っておじいさんはきび団子味のするプロテインバーを差し出しました。
「わしとばあさんが一生懸命に作ったものじゃ、旅で役立つだろう」
桃太郎は感極まって、実は190㎝もある筋肉もりもりマッチョマンなおじいさんと熱いハグをしました。
「それでは、行ってまいります!」
そう言って桃太郎は鬼ヶ島へ旅立ちました。
つづく……
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桃太郎 その2
桃太郎はベストオブ筋肉になる為、鬼ヶ島への道を歩いていました。今の目的地は隣町です。
なんと隣町には、鬼ヶ島までの無料シャトルバスがあります。
「筋肉!筋肉ぅ!筋肉!」
桃太郎はマッチョポーズをしながら街道を歩いていました。
すると、街道の横から目が掘りの影でみえない威圧の強い犬がでてきました。
犬はその立派な胸筋をピクピクさせながら桃太郎にその目を向けました。立派です、犬の胸筋は一目で分かる程膨れ上がっており、余りにも立派です。
桃太郎も負けじと胸筋をピクピクとさせます。
桃太郎は胸筋の大きさでは負けていますが、犬にはない二足歩行ゆえの筋肉美の見せ方で犬を打ち負かそうとします。桃太郎も自然と目に影が差し目が見えなくなりました。
犬もそれに反応したのかおもむろに立ち上がって、桃太郎の前に立ちます。二人とも180㎝以上はある程デカイです。胸筋はピクピクです。
二人は無言でメンチをきりあいます。すごい重圧です。
その重圧を吹き飛ばすかのように、犬が桃太郎の胸にエルボーを放ちます。しかし、桃太郎、怯みません。
桃太郎も負けじとエルボーを放ちます。犬は避けるつもりは無いらしく、どうやらどちらが最初に根をあげるか、チキンレースをするつもりのようです。
桃太郎もその勝負にノリノリのようで、その辺りにはしばらく筋肉を撃つ鈍い音が鳴り響いていました。
一人と一匹が胸をエルボーで数百回撃ったところ、息も絶え絶えでボロボロになっていました。
すると一人と一匹は同時にエルボーを突き出し、お互いのエルボーをエルボーで受け止めます。
次の瞬間、ピシガシグッグッと、二人はハンドシグナルをして熱い握手を交わしました。
まるで、アームストロング少佐とシグのような感じです。
熱い筋肉の友情で結ばれた一人と一匹はお互いに協力してベストオブ筋肉になることにしました。
こうして、桃太郎は犬と一緒に旅をする事になったのです。
こうして桃太郎と二足歩行の犬が街道を歩いていると、
「あら、良い筋肉じゃな〜い」
そんなオネェ言葉が聞こえてきて、一人と一匹?は声の出所に顔を向けました。
そこには、立派な大腿二頭筋を持ったキジが現れました。
「ふたりとも、なかなか良い筋肉ヨォ〜、まあ私の専門は脚の筋肉ですけどね」
一人と一匹?ああ、もうっ(面倒臭い)!二人は向かい合い、脚の筋肉を最大限に魅せるポーズをとります。しかし、脚の筋肉のエキスパートキジ、二人の脚の筋肉は勝てそうもありません。
仕方がないと、桃太郎はここで自分が持っている秘技の一つを魅せつける事にしました。
自身の一番自信のある、腕周りの筋肉を最大限魅せるポーズ。
そのあまりの美しさに犬やキジには桃太郎が輝いて見えました。
「な、なんて美しい鳥口腕肉、上腕二頭筋、上腕筋なの!!?」
キジは初めてみた、包み込むような美しい筋肉の輝きに魅せられ、戦意を失ってしまった。
「ああ、私もあなたたちと共に鬼ヶ島へ行くわ、あなたたちのベストオブ筋肉への道を見てみたいわ」
こうして、キジも旅の仲間に加わったのである。
サルはデカイ筋肉よりも、スリムでしなやかで柔らかい筋肉、簡単に言えば細マッチョを目指していました。
そう、桃太郎たちデカマッチョと違い、サルはスマートが好きだったのです。
しかし、そんなサルの持つ威圧などトラの前に佇むダニにも劣るものです。
一人と一匹と一羽の持つ筋肉と胸筋ピクピクの持つ威圧には耐えきる事などできるはずもなく、なぜかサルは桃太郎たちに首根っこを掴まれ引きずられていきました。
こうして、桃太郎は一人と二匹と一羽を連れ、鬼ヶ島行きの無料シャトルバスへと乗り込むのでした。
桃太郎たちはベストオブ筋肉になれるのか?
桃太郎たちの筋肉は鬼にも勝てるほどの美しさがあるのか?
それはまだ、誰にも分からないのでした。
つづく……
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