BanG Dream ~Be the one~ (ENDLICHERI)
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第1章
第1話 チュートリアル


初めまして、ENDLICHERIです。・・・・・・そうでない方はお久しぶり(?)です。

今作は以前書いた『GEEDream』のリメイク版です。・・・・・・どうせ人気無いだろうけどな!

そして、申し訳ありませんが、リメイク前の『GEEDream』は非公開にします。前回のを読んでいた方は、記憶を探りながらお読みください。

それと、次回からはここの枠は原作(ビルド)で定番のあらすじ紹介になります。

この作品は、基本キャラ視点で戦闘シーンはキャラ視点じゃなくなります。『第三者視点』ってやつです。


それでは、色々内容いじった本編をどうぞ!







 何も無い真っ白な空間。ここにいるってことは、夢の中ってことだけは分かる。でも、目の前に1つの絵が浮かんだ。

 

 

『Ready Go!』

「ハァァ!!」『ボルテックフィニッシュ!Yeah!』

 

 

赤と青の戦士『仮面ライダービルド』だ。しかも、丁度ライダーキックのシーンが出てきた。

 

 

100(ワンハンドレッド)! フルバレット!』

「行っけー!!」

 

 

横を見れば、空を飛びながら銃を連射してるシーン、

 

 

『分身の術!』

「ハッ!」

 

 

紫と黄色の姿で分身したシーン等、色んなビルドの戦闘シーンが映像のように流れていた。

 だが、急に真っ黒な空間に変わり、目の前に赤く光る怖い眼が現れた。

 

 

「ふふふ・・・。」

 

 

その眼は巨人の眼となり、巨人はこっちに目掛けて手を伸ばしてくる。その手には、全てを切り裂く鋭き爪があり、小さな俺を掴もうとする・・・・・・。

 俺は怖くなり、目を瞑った・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 目を開けると、見慣れた天井が目に映った。

 

 

「・・・・・・はぁ・・・、最悪だ。またあの夢か・・・・・・。」

 

 

俺はベッドから足を降ろして、記憶している戦士の名を呟いた。

 

 

「仮面ライダー・・・・・・、ビルド・・・・・・。」

 

 

ただ、夢でしか見たことがないから、記憶がうろ覚えだった。

 俺はふと目覚まし時計を見ると、その時間に驚いてしまった。

 

 

「・・・・・・げっ!まだ6時かよ!?はぁ・・・、ホンット、今日は最悪だ・・・。」

 

 

 朝からテンションが低すぎる俺の名前は『桐生蒼空』。確か今年度で16歳・・・・・・ってことは、高校1年生か。なんでその辺が曖昧な言い方するかって?そりゃあ、こういう小説特有の『記憶喪失』だからだよ。でも、色んなテストしてみたら全問正解だったから、俺結構天才らしい。

 つうか、普段なら朝7時に起きて身支度して・・・ってするんだけど、なんで早く起きちまったんだろうな?

 

 

\コンコン/

 

主様(あるじさま)、起きていらっしゃいか?」

「うん、今ちょうど起きた所だよ。」

 

 

着替えていると、部屋の扉をノックして入ってくる1人の大人っぽい女性。・・・・・・見た目はそうなんだが、実際には俺と同い年の少女。名前は『切姫夜華』。私服がいつも黒メインで、ロングカーディガンとショートパンツが印象的で、俺のことを『主様』と呼ぶ家の居候(?)だ。

 

 

「今日は珍しく早起きなのですね。」

 

 

それともう1つ。余計な一言を毎回と言っていいほど言ってくる。

 

 

「自分でもビックリだよ・・・・・・。」

「では、早急に朝食を用意しますわ。」

 

 

そう言って部屋から出て行く夜華。・・・・・・なんかメイドっぽいんだよな、振る舞いが。なんて話をしていたら、『では、わたくしの正装をご覧になりますか?着物ですが。』って言って見せてくれたけど、胸元が見えて、若干着崩して着物を着てきたから、俺は速攻で『その恰好はしないで!』と言った。・・・・・・意外と胸があって、世間的にヤバそうだったからな。

 

 さて、1人で頭の中で何語ってるんだか・・・・・・。まぁ、ナレーションってことでいいか!

 とりあえず着替えて2階の自室から1階に降りてリビングの扉を開けると、キッチンの方からトーストの良い匂いが漂ってきた。

 

 

「おや主様、丁度いいタイミングですわね。」

「みたいだね。」

 

 

俺はダイニングスペースの椅子に座って机の上に用意された朝食をいただく。

 

 

「Buon giorno! 蒼空君!」

「うおっ!?ビックリした・・・。朝から元気だな、マスターは。」

 

 

他人の家なのに堂々上がってきては優雅な朝食の時間を邪魔したこの男は『石動惣一』。この家は俺の家(らしい)でもあり、喫茶店『nascita』でもあって、石動惣一はそこのカフェのマスターをやっている。

 

 

「なんだ、珍しく起きるのが早かったみたいだな?いつもこのくらいの時間に起きるのに。」

「たまたまだよ。それに見ての通り、まだ朝食食べてる最中だから。」

「それもそうか!じゃ、先に準備してるぞ~?」

「どうぞ。」

 

 

そうして、我が家のようにカフェスペースに向かうマスター。

 

 俺は今から1ヶ月前の3月16日から前の記憶が無い。そして、何故か路地裏で倒れていた。そこにマスターが現れて、拾われて、夜華が来てくれて家を教えてくれた。夜華は名前と誕生日だけを教えてくれたけど、後は何も分からないんだと。ただ俺に仕えていただけって言うだけ。

 マスターは、『見つけたけど、その後が不安で』と言うから、家のカフェで働くようになった。・・・・・・ただし、コーヒーはゲロ不味。

 

 店を開けて、俺とマスターはほとんど客が来ないカフェを営業していた。・・・・・・正直言って、退屈である。俺が記憶喪失になる前からこの店はやってたみたいだけど、最近はめっきり客足が減った。・・・・・・原因は、

 

 

「・・・・・・ん?なんだよ。」

「いや、何でもない。」

 

 

この人のコーヒーだろうなぁ~。最近はあらぬ噂もすぐ広がるから。・・・・・・マスターのコーヒーの不味さは本当なんだが。

 

 

「こんにちは~。」

「いらっしゃいませ。」

「あ、今日は蒼空君いるのね!良かったわ~!」

「あはは・・・、どうも。」

 

 

お客様、その言葉はちょっと・・・。ってかマスター、凹んでないで仕事しなさい!

 

 

「こんにちはー!」

いらっしゃい・・・。

凹んでないで仕事しろって。いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」

「はーい!」

 

 

元気な娘だなぁ。後ろの娘は大人しそうだけど。きっと姉妹なんだな。・・・・・・普通その性格逆じゃない?ってか(多分)お姉ちゃんの方、あの髪型は何!?猫耳!?

 

 さて、そんなこんなで営業していき、営業終了間近。

 

 

(あの姉妹長いなと思ったら、勉強中か。)

 

 

悪いけど、店を閉めたいから帰ってもらおう。

 

 

「お客様、そろそろ閉店の時間なので。」

「へ?・・・・・・あ!もうこんな時間!あっちゃん、早く帰らないと!」

「ご迷惑をお掛けしました。」

 

 

いや別に迷惑じゃないけど、時間は守ろうね。・・・・・・なんか、妹さんの方、変な感じがしたな。

 

 

「夜華、ちょっと出かけてくる。店閉めといて。」

「かしこまりました。」

 

 

俺はこっそりとあの姉妹を追いかけていった。

 

 

(・・・・・・やっぱり、気のせいか?)

 

 

帰ろうとしたその時、

 

 

「「キャアアア!!」」

 

「!?どうした・・・・・・って、なんだ、アイツ!?」

 

 

突然、その姉妹の前に変な人物が現れた。まるで、兎みたいな赤い・・・・・・怪物だった。

 

 そんな怪物の手には鋭い爪があって、それで姉妹に襲い掛かろうとする。

 

 

「危ない!!」

 

 

俺は咄嗟に身体が動いて、姉妹を助ける。

 

 

「大丈夫?」

「はい・・・。あ、さっきの!」

「どうしてここに・・・?」

「説明は後!早く逃げるよ!」

 

 

とりあえず、怪物から逃げるように走り出した。その途中、公園が視界に入ったからそこで隠れようとしたら、

 

 

\ズドーン!/

 

「「キャッ!!」」

「くっ!・・・・・・さっきの!?どこかに隠れてて!!・・・・・・この!!」

 

 

どれだけ高くジャンプしたか分からないが、上から降りてきた怪物。俺は姉妹に隠れるよう言って、怪物を殴ってみたが、

 

 

「効いてない!?ぐはっ!!」

「店員さん!!」

 

 

ヤッベーな・・・。万事休すか!?

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空が怪物にやられているのを見ていたのは、この姉妹だけでは無かった。

 

 

「そろそろ、頃合いだな。」

 

 

全身赤いスーツの人物が、手に持っていた()()()()3()()を蒼空の元に投げる。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 さて、あの姉妹を助けるためには、コイツを何とかしないとな。

 そんなことを思っていたら、目の前に3つも謎の物が飛んできた。いや、『謎の物』って表現はおかしいか。よく見たら知ってる物だし。

 

 

「これって、夢で見る『ビルド』の・・・・・・?」

 

『そいつを使えば、目の前のスマッシュを倒せるぞ。』

 

「誰だ!?・・・・・・ってか、スマッシュ!?」

 

 

なんとなく嫌な予感はしてたけど、まさか的中するとは・・・!

 

 

「・・・・・・ここでやられるよりはマシか!!」

 

 

俺は『ビルドドライバー』を手に取り、腰に巻きつけた。

 

 

「・・・・・・なんのボトルか分かんないけど・・・!」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

2本の『フルボトル』を何回か振り、左手に持ったボトルを右のスロットに、右手のボトルを左のスロットにセットした。

 

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

 

「?・・・・・・まぁいいや。」

 

 

夢と若干違うようなボトル名に疑問を抱きつつ、ドライバーのレバーを回す。すると、ドライバーから俺の前後に2人の戦士が現れる。前には赤と白をメインとした戦士。後ろには、今日夢に見た恐ろしい眼をした戦士だった。

 

 

『Are You Ready?』

 

「え!?・・・あ、へ、変身!」

 

 

戦士たちが俺に合わさり、俺の姿を変えた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「何、あれ・・・?」

「あの眼・・・。」

 

 

姉妹が見る先には、『初代ウルトラマン』と『ウルトラマンベリアル』に重なり、変身した蒼空がいた。

 

 だが、その眼はやや恐ろしい形で青く光っていて、その身体は赤と白をメインとした色合い。そして、両腕にはヒレのような物が付いていた。

 

 

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

 

蒼空は自分の腕を見て疑問を抱いた。

 

 

(あれ?ビルドって、手足は左右で色が違ったはず。なのに、色が左右一緒・・・?)

「・・・・・・ん?」

 

 

視線をスマッシュに向けた時には、蒼空はスマッシュに蹴り飛ばされていた。

 

 

「がはっ!・・・・・・イッテーな・・・。ん?痛い?」

 

 

先程よりダメージが少ないことに気付き、

 

 

「これで、イケるか?」

 

 

今度は蒼空が攻撃を仕掛けた。飛び膝蹴りにパンチ、キック様々な攻撃をした。

 

 

「おお!効いてる!これなら・・・!」

 

 

思った矢先、スマッシュが力強いキックをして蒼空を吹き飛ばす。

 

 

「ぐっ、やっぱりイテェ・・・!」

 

『言い忘れてた。』

 

 

突然また謎の声が聞こえる。

 

 

「・・・あ?」

 

『ダメージを受けすぎると、強制的に変身が解除される。その時に変身してたフォーム全ては20時間以降にならないと、身体に相当の負担を抱えながら戦うことになるぞ。』

 

「それって、今のうちに倒さないとヤバいじゃねぇか!!・・・・・・あ!」

 

 

気付けばスマッシュは姉妹の方にゆっくりと歩いていた。

 

 

『なら、必殺技でも使うか?』

 

「ああ!この姿の必殺技はなんだ!?キックか!?パンチか!?」

 

『それはお前が一番知っている。』

 

「はぁ!?お前何言って・・・・・・っ!」

 

 

その瞬間、蒼空の脳裏に必殺技のイメージが浮かんだ。

 

 

「・・・・・・いや、今頭に浮かんだ!!」

 

 

蒼空は高くジャンプして、姉妹を守るようにスマッシュの前に立つ。

 

 

「勝利の法則は・・・・・・決まった!!」

 

 

蒼空はドライバーのレバーを回すと、両腕を体の前でクロスして、その腕を頭の上まで上げる。

 

 

『Ready Go!』

 

「はぁぁぁ・・・・・・!!」

 

 

スマッシュはトドメを刺そうと蒼空目掛けて走り出す。

 

 一方、蒼空の周囲には赤と黒の雷のようなオーラが溢れていた。蒼空はそれを気にせずに腕を左右に広げ、

 

 

『プリミティブ フィニッシュ!』

 

「ハァァァ!!」

 

 

広げた腕を体の前で十字にクロスさせ、そこからスマッシュに光線を放つ。スマッシュは光線を受け、爆発した。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、倒した・・・。」

 

 

 ふと、公園の滑り台を見ると、運良く鉄の部分だけ自分の姿が映っていた。

 

 

「・・・・・・あれが、俺?」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺はドライバーからボトルを抜いて、変身を解く。そして、スマッシュがいた場所に行くと、

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、ボトル?」

 

 

そこには赤色のボトルが落ちていた。とりあえず回収して、さっきの姉妹のところへと向かう。

 

 

「大丈夫だった?」

「はい!助けてくれて、ありがとうございます!」

「ありがとうございます。」

「そう・・・。なら良かった。家まで送っていくよ?」

「いえ、ここから結構近いので・・・。あっちゃん、帰ろ?」

「うん・・・。」

 

 

ん?なんで妹さんはずっとこっちを・・・?ああ、さっきの姿見た後だと、戸惑うよな・・・。姉の方も、逃げるための口実だろうし。

 

 

「そっか。じゃあ、気を付けてね。」

 

 

俺は姉妹と別れ、nascitaに帰った。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「まずは、()()()()()()()()()()ってところか。」

 

 

赤いスーツの男・・・・・・いや、怪人はぶつぶつと独り言を呟いていた。

 

 

「まだまだ、お前には強くなってもらうぞ。」

 

 

怪人は、煙で姿を消した・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?色々変わってますね。・・・・・・いきなり夜華が出ていたりね。
前作を見ていた方からすると、『随分書き方や内容変わったな~。』って思う方がいるかもしれません。・・・・・・だからと言って特にはありませんけど。

本編の事を触れると、『あの姉妹』は誰でしょうね~?・・・・・・まぁ『猫耳』って言ってる時点で分かってるかもしれませんが。

それと、スマッシュですが、姿は皆様のご想像におまかせします。自分のイメージでは『アナザービルド』の兎のみって感じですが。


では、また次回!感想待ってま~す!


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第2話 目覚める星

「記憶喪失の少年の桐生蒼空は、普段学校へ行かずに自宅のカフェ『nascita』で働いていた。ある日、カフェに来ていた姉妹を襲う怪物を倒すために、なんと!仮面ライダーになったのだった!!」
「随分と夜遅くまで外出していたそうですね?」
「え!?よ、夜華さん!?いや、これには事情が・・・!?」
「今夜はお楽しみですわね?」
「怖い怖い怖い怖い!!とりあえず、どうなる第2話!?」







スマッシュとの戦いを終え、出掛ける時には無かった物を持ち、家に帰ってきた。

 

 

「ただいまー。」

「お帰りなさいませ、主様。」

 

 

とりあえず、疲れたから早く寝ようかな~?

 

 

「主様。」

「ん?」

 

 

何か説教か?俺早く寝たいんだけど・・・・・・。

 

 

「そちらの所持品は何でしょうか?」

 

 

ん~・・・、これ、夜華に教えても理解するだろうか?

 

 

「えっと・・・、これは『ビルドドライバー』って言って」

「変身したのですね。」

「そうそう。変身する・・・・・・ん?え?なんで知ってるの?」

「少し・・・・・・お話しませんか?」

「え?あ、はい・・・。」

 

 

そんな訳で、コーヒー片手に会話が始まる。

 

 

「主様が戦った相手は『スマッシュ』ですわ。主様が手に入れたボトルからして、『ラビットスマッシュ』と言ったところでしょう。」

「確かに、足癖は悪かった。」

 

 

失敬とか言うなよ。本当にあのスマッシュ、ほとんど蹴りしかしてこなかったんだから。

 

 

「そして、主様が変身した姿は、ある意味『ビルド』と言えますわ。」

「『ある意味』って・・・。確かにビルドっぽく無かったな・・・。」

 

 

ビルドでもあんな恐ろしい目のフォームは見たことが無い。・・・・・・夢で、だけど。

 

 

「だったら、俺が変身するビルドは『ジード』って名前にするのはどう?」

「・・・・・・その辺はご自由にしてくださいませ。」

 

 

名前の由来?う~ん・・・、何となく頭に浮かんだ。

 

 

「それと、スマッシュに襲われたその姉妹ですが、どちらかが『リトルスター』を所持していると考えた方が良さそうですわね。」

「リトルスター?」

「わたくしも、詳しいことは分かりませんが、どうやら特殊な力が宿るのと、スマッシュ等の怪物を引き寄せしまうのが特徴だと言う噂ですわ。」

「ふ~ん。・・・・・・とりあえず、明日あの姉妹に会うか。」

「流石は主様です。ところで、所在は分かるのですか?」

「・・・・・・あ。」

「・・・・・・前言撤回しますわね。」

「そんなことより、なんで夜華はそんなに知ってんの?」

「裏の事情には詳しいので。」

「へ~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその夜。

 

 

「・・・・・・ってか、この2本のボトルはなんだ?」

 

〈解。『スペシウムボトル』と『ジードボトル』です。〉

 

「・・・・・・。え!?何!?今の何!?」

 

 

なんか変な声が聞こえてきた!?

 

 

〈・・・・・・解。あなたの体内にある遺伝子が活性化したため、能力が1つ発揮されました。〉

 

「能力?・・・・・・この声か。」

 

〈はい・・・。〉

 

「なんか呆れた感じで言うなよ・・・・・・。なぁ、呼び名とかあんの?」

 

〈ありません。〉

 

「そっか。・・・・・・じゃあ、『大賢者』って呼んでいいか?色々知ってそうだし。」

 

〈・・・・・・ご自由に。〉

 

 

返事が雑!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、次の日。

 

 

「こんにちはー!」

「こんにちは。」

 

 

なんということでしょう!その姉妹がやって来たではありませんか!

 

 

「昨日の・・・。何か飲むか?」

「あの!昨日のこと、知りたいんですけど・・・・・・。」

 

 

あっちゃ~、そう来たか。

 

 とりあえず、飲み物用意して会話を始める。最初に自己紹介をしてもらった。姉は『戸山香澄(とやまかすみ)』で、妹が『戸山明日香(とやまあすか)』って名前だ。そして、俺からは昨日夜華から聞いた話を話した。

 

 

「という訳で、君たちのどちらかにそのリトルスターってのがあると思うんだ。何か心当たりはある?」

「そんなのあったら逆に自慢しますよ!」

 

 

そこの猫耳黙ってなさい!!

 

 

「・・・・・・あります。」

「あっちゃんあるの!?」

「ごめん、今から明日香ちゃんと話すから君は静かにしてて。」

「最近、熱とは違う感じで体が熱くて、たまに手から炎が出たりもするんです。」

 

(特殊な力・・・。この子の場合は火を出す力ってことか・・・?)

 

 

そんな時だった。

 

 

(!?・・・・・・なんだ、この嫌な気配は?)

 

「蒼空さん?」

 

 

外に出てみれば、自宅から少し離れたところに怪物がいた。

 

 

「スマッシュ!?なんでこんなところに!?」

「おそらく、妹さんのリトルスターに惹かれたのでしょう。」

「なるほど・・・・・・。って、夜華いつの間に!?」

「それと、あの姿は『タンクスマッシュ』でしょう。」

「タンク・・・・・・。」

 

 

ふと横を見ると、戸山姉妹が心配そうに見ていた。

 

 

「ここでじっとしてろ。」

「え?蒼空さんは?」

「俺が何とかする!俺は、ジードだから!」

 

 

ビルドドライバーを巻き、みんなより一歩前に出る。

 

 

「主様「夜華、みんなを頼む。」ですが!」

「命令だ!」

「・・・・・・かしこまりました。」

「・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

懐から昨日変身に使ったボトルを取り出し、昨日と同じように変身する。

 

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

 

・・・・・・ちょっと変身ポーズも考えて、やってみたけどね。

 

 

「さぁ・・・、行くぞ!!」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空・・・・・・いや、ジードは獣のように構えて、スマッシュに立ち向かう。そして、最初の一撃は飛び膝蹴りだ。

 

 

「オリャア!!」

 

 

ジードの飛び膝蹴りが決まった後、何度かスマッシュを殴ったりするが、スマッシュが足についたキャタピラでジードを蹴り飛ばす。

 

 

「ぐっ!?・・・・・・イッテーな!!」

 

 

スマッシュはさらに追い打ちをかけるかのように、上に向いてた肩の砲台をジードに向けて放つ。

 

 

「ぐっ・・・!?はぁ!?そんなのアリかよ!?」

 

〈バリアが展開出来ます。〉

 

「マジで!?」

 

 

ジードは頭の中に聞こえてくる声に従い、バリアを張って砲撃を防ぐ。バリアを解除すると、目の前までスマッシュが迫って来ていた。

 

 

「え!?グワッ!?」

 

 

そのまま肩の砲台からの砲撃を受けてしまった。

 

 

「・・・・・・クソッ!それなりにダメージ与えてるはずなのに!?」

 

(大賢者さん!アイツに大ダメージ与える方法は!?)

〈解。至近距離で『レッキングバースト』を放てば大ダメージを与えられます。〉

(レッキングバースト?・・・・・・あぁ、昨日の光線か!)

〈警告。タンクスマッシュがあなたへの追撃を止めて、戸山明日香に向かいました。〉

 

「はぁ!?」

 

 

視線をスマッシュの方へ向けると、スマッシュの視線の先には戸山明日香がいた。

 

 

「蒼空君!!」

「・・・!!」

 

(リトルスターが原因か・・・。だったら!)

 

 

ジードがスマッシュの前に立ちはだかり、止めようとする。だが、スマッシュが止まることはなく、むしろ足のキャタピラを回転させて進む。

 

 

「頑張って・・・!」

 

 

明日香は祈る、ジードが勝つことを。

 

 

「くっ!この・・・!」

 

 

一瞬だけ右手でドライバーのレバーを回し、必殺技の準備をする。

 だが、スマッシュもそれを感づいたのか、肩の砲台をジードに向ける。

 

 

「はぁ・・・!!」

 

『Ready Go!プリミティブ フィニッシュ!』

 

「レッキングバーストーーー!!」

 

 

エネルギーが溜まったジードは、スマッシュの砲台を上に向かせて攻撃を当たらないようにした後、わざと地面に倒れて光線を放つ。その光線は決まり、スマッシュを倒した。

 

 

「やったー!」

「流石は主様ですわ。」

「ありがとう、蒼空さん。・・・・・・え?」

 

 

その瞬間、明日香の胸から光が離れていき、ジードの元へ。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

〈お疲れ様でした。スマッシュは消滅しました。〉

(それはいいけど、よく考えると至近距離で光線はある意味危険でしょ・・・・・・。)

 

 

大賢者の提案に少々文句を言ってると、後ろから何か気配を感じた。

 

 

「ん?光?」

 

〈解。戸山明日香の体内にあったリトルスターです。〉

 

「・・・・・・でも、これどうすればいいの?」

 

 

多分新しい宿主を見つけたんだろうけど、留まる場所が無くてウロウロしてる。

 

 

〈・・・・・・告。ドライバーのボトルホルダーに空のボトルがあります。〉

(あ、そうなの?)

 

 

何故かラビットボトルと一緒に空のボトルが2本あったから、そのうちの1本をリトルスターに向ける。すると、リトルスターがボトルに入ってきた。

 

 

〈告。『ブーストボトル』が起動しました。〉

 

「新しいボトル・・・。・・・・・・ん?」

 

 

スマッシュがいた場所に青いボトルが落ちていた。これは流れ的にタンクボトルだろうな。

 

 

〈解。タンクボトル(いや、分かってるよ。)・・・・・・。〉

 

 

とにかく、今回はボトルを2本ゲットできたから良しとしますか。俺は変身を解いてみんなの元に向かう。

 

 

「大丈夫だったか?」

「はい!」

 

 

うん、一番心配してるのは香澄ちゃんじゃないけど・・・・・・。

 

 

「本当にありがとうございます!体も熱くなくなりました。」

「おそらく、彼女からリトルスターが消えたからですわ。」

 

〈確認しました。戸山明日香からリトルスターの反応が消失しています。〉

 

「そっか。うん、良かったな。」

「はい!!」

 

 

彼女が素敵な笑顔を見せてくれた。これで不安も無く生活できるだろう。そう思ったら、俺も嬉しくなった。

 

 

「ん?蒼空君。」

「うん?」

「なんか、すっごい良い笑顔だったよ!」

「え?そ、そうだった?」

「うん!なんか、『クシャッ』って感じだった!」

「ふふっ・・・。」

 

 

なんか、恥ずかしいな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「初勝利、おめでと~。」

 

 

家の建物の屋根に赤い怪人が座っていた。

 

 

「さて、次はどうなるかな~?」

 

 

そう言って、屋根から降りると、

 

 

「何をしている、『()()()()』。」

「ん?」

 

 

スタークと呼ばれた怪人は、声のする方を向くと、黒い怪人がいた。

 

 

「・・・・・・俺の行動をちくいち報告しないといけないのか?『()()()()()()』さん。」

「・・・・・・あのライダーは何だ?」

「さぁね。俺も初めて見た。」

「・・・・・・。」

「知りたかったら、自分で調べろ。じゃあな!」

 

 

それだけ言って、『()()()()()()()()』は去っていく・・・。

 

 

 

 

 




さて、第2話いかがでしたか? (あらすじ紹介も含めて)

色々変更点があります。リメイク前では中盤で出てくる蒼空の能力の一つ『大賢者』をこのタイミングで出させていただきました。原作(ジード)の『レム』変わりとしてね。

そして、ビルドのベストマッチが1つ揃いました!!いつ使うのかな~?

今回のタンクスマッシュ、『タンクタンクフォーム』のアナザーライダー版って感じです。・・・・・・アタシのイメージでは。


それでは、また次回~。


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第3話 勇気の炎

「記憶喪失の少年『桐生蒼空』は戸山香澄と妹の明日香を助ける時に手に入れたビルドドライバーで仮面ライダーになった。そして、明日香の中にあったリトルスターを回収し、新たなボトルを入手、明日香をスマッシュから狙われないようにした。」
「ねぇねぇ蒼空君、もう一回クシャって笑って!」
「嫌だ。」
「え~~~!?なんで!?」
「嫌なものは嫌なの!!さ、どうなる第3話!?」







「主様、そろそろ起きてくださいませ。」

 

 

 夜華が蒼空の部屋の扉をノックしても、反応が無かった。

 

 

「・・・・・・まさか!」

 

 

夜華は急いで外に出て、

 

 

「・・・・・・まだ()()は使わない方がいいですわね。」

 

 

ボソッと一人言を言うと、ポケットから1本の()()()()()とスマホのような物を取り出し、ボトルをスマホにセットする。

 

 

『ビルドチェンジ!』

 

 

すると、スマホが変形してバイクになった。夜華はそれに乗ってある場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜華が向かう先には・・・・・・。

 

 

「「「きゃあああ!!」」」

 

 

黒い怪人が街を襲撃していた。そこに、

 

 

「レッキングリッパー!」

 

 

両手から刃状のエネルギーを怪人に放ったジードがやって来た。・・・・・・屋根の上から。

 

 

「ふっ!・・・・・・行くぞ!!」

 

 

ジードが怪人を殴ると、

 

 

「ハッ!!・・・・・・イッター!!?」

 

 

殴った拳をぶんぶん振って痛みを消そうとしつつ、怪人に隙を見せないように蹴るが、

 

 

「オリャ!!・・・イッタ!?なんだよ、この硬さ!?」

 

〈解。個体名『ダークロプスゼロ』の体組織は機械で出来ています。『プリミティブフォーム』では相性が悪いようです。〉

 

「それ先に言えよ!!・・・・・・グワッ!?」

 

 

脳内に聞こえてくる声に文句を言うも、怪人『ダークロプスゼロ』が殴り飛ばす。

 

 

「くっ・・・、これがダメなら・・・・・・、これでどうだ!?」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

ジードは立ち上がり、赤と青のボトルを取り出して数回振る。

 

 

『ラビット!』『タンク!』『ベストマッチ!』

 

「・・・・・・よし!」

 

 

ドライバーにボトルをセットして、レバーを回すとジードの前と後ろにそれぞれのボトルから作られるハーフボディが形成された。

 

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ。」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

 

ジードの姿がビルドの『ラビットタンクフォーム』へと変わった。そして、ドライバーから武器を形成した。

 

 

『ドリルクラッシャー!』

 

「一週間騒ぎが無くて良かったよ~。おかげで天っ才的発明品が完成したからな!」

 

〈別世界のビルドの武器を模しただけですが。〉

 

「余計な事言うな!!」

 

 

脳内に聞こえてくる声にツッコミを入れつつ、ドリルクラッシャー片手にダークロプスゼロに挑む。

 

 

「オリャア!!」

 

 

ドリルクラッシャーで何回か攻撃したが、その攻撃は・・・・・・効いていた。

 

 

「よし、これならイケる!!」

 

 

だが、ダークロプスゼロが猛攻撃を始めた。

 

 

「ぐっ!うっ!ぐわーっ!」

 

 

頭部に搭載されていたスラッガーを手に持ち、その刃に倒れてしまう。

 

 

「くっ・・・!?」

 

 

ダークロプスゼロがゆっくりとジードに歩いていく。その時、2人の間に赤い炎が巻き起こり始めた。

 

 

「ふぅ・・・。」

 

 

炎から現れたのは、2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

 

「ダークロプスゼロ・・・。()()()()はここにいるようね・・・・・・。」

 

 

ダークロプスゼロが標的を赤いライダーに変更して、眼から光線を放つ。その行動に対して、赤いライダーもビルドドライバーのレバーを回す。

 

 

『Ready Go!フレイムフィニッシュ!』

 

「フレイムスフィアシュート!」

 

 

炎の光弾(フレイムスフィアシュート)光線(ダークロプスメイザー)が激突して、周りには煙が巻き起こる。

 

 

「くっ!?・・・・・・あれ?」

 

 

赤いライダーが周りを見渡すと、ダークロプスゼロの姿が無かった。

 

 

「逃げられた。・・・・・・大丈夫?」

 

 

赤いライダーは自分の後ろに倒れていたジードに体を向ける。

 

 

「っ・・・、お前は、一体・・・・・・。」

 

 

そのまま変身が解け、気を失ってしまう。

 

 

「その眼!?・・・・・・って、え!?あなたは!?」

 

 

赤いライダーが変身者の正体に驚いていると、横から1台のバイクが赤いライダーの前に立ちはだかる。ほんの数秒立ちはだかるとすぐに走り去っていった。そして、蒼空の姿は無かった。

 

 

「・・・・・・まさか・・・!」

 

 

その場には、謎の赤いライダーだけが残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺が目を覚ました時、自室のベッドの上にいた。

 

 

「お目覚めですか?主様。」

「・・・・・・なんで横にいるの?」

 

 

そして、何故か夜華が添い寝していた。

 

 

「主様はこの方が喜ぶかと思いまして。」

「うん、男としては嬉しいけど、あんたとの関係知ってるとドキドキしないんだよな~。」

「はぁ・・・、そうですか。」

 

 

ため息つきながらベッドから降りる。

 

 

「イテテ・・・。」

「見事にやられましたわね。」

「あぁ。あの体硬すぎるからなぁ・・・。ラビットタンクでしか対応出来ないか・・・。」

 

 

この前明日香から手に入れたリトルスターで作られたボトルはベストマッチでしか使えないらしいからな~。

 

 

「・・・・・・主様。1つ、渡したいものがありますの。」

「ん?・・・・・・これって。」

 

 

渡されたのは夢に見た『ビルドフォン』と『ライオンフルボトル』だった。

 

 

「おお!これなら、あのロボットにも少しは対応出来るな。」

 

〈解。ラビットより少しパワーのあるライオンがある方が勝率は高くなります。〉

 

 

・・・・・・そんな悲しい報告はいらんよ・・・。

 

 

「それより、なんであのロボットが出てきたんだ?」

「最近の事を考えると、『どこか近くにリトルスター所持者がいた』と考えるべきでしょうね。」

「だったら、教えてあげるよ?」

「ん?」

 

 

振り向けば、()()()が扉にもたれていた。・・・・・・ん?

 

 

「なんでいんの!?」

「下にいた陽気なおじさんが入れてくれた。」

「アイツ・・・!」(怒)

「あの人ですか・・・!」(怒)

 

 

なんだろ?多分夜華もそうだろうが、あの陽気なおっさんがメッチャ笑顔で「Ciao!」って言ってるのが想像出来る・・・。

 

 

「それから、しばらくこの家に住む事にもなったから♪」

「アイツ・・・!!」(怒)

「あの人・・・!!」(怒)

 

 

俺も怒りが膨れ上がっているが、横を見ると夜華が俺を見て「あのおっさんを殺してきてよろしいでしょうか?」と訴えていた。

 

 

「・・・・・・ほどほどにな。」

「かしこまりました。」

 

 

・・・・・・誰か止めろって思うでしょ。その辺は世の中上手く出来てるから大丈夫よ~。

 

 

「・・・・・・そうでした。主様、」

「ん?」

「この後コーヒーをご用意致ししますが、どちらにお持ちいたしましょうか?」

「あぁ。・・・・・・そうだな~、()()()に持ってきといて。」

「かしこまりました。・・・・・・それでは。」ギラーン

 

 

アッハッハ・・・・・・。()()なオーラが見えてる・・・。

 

 

「あの・・・、アレはいいの?」

「まぁ気にすんな。それで、・・・・・・えっと・・・?」

「あ、まだ自己紹介してなかったね。私はみ・・・・・・。」

「み?」

「えっと・・・、『鳥羽海璃(とばかいり)』。海璃って呼んでね♪」

「海璃ね、よろしく。それじゃ。」

「え!?ちょっと!さっきの探してる人の話は!?」

「明日案内してくれ。」

「・・・・・・信じるの?私を。」

「・・・・・・どういう理由でここにいるかは知らんけど、悪い奴には見えないから。それが理由じゃダメか?」

「っ!・・・・・・ずるいよ・・・。

 

 

なんか小さい声で言われたけど、聞こえなかったでいいや。

 

俺の自室は2階。そこから1階に降りてある扉を開ける。1歩踏み込めばそこは階段になっていて、()に繋がっていた。そして、階段を降り終えると、研究室に到着ってわけ。

 

 

「さてと、」

 

 

俺は研究室にあるパソコン机に行き、パソコンを起動させる。そして、このパソコンに入ったいる『ビルド』に関連する特別なソフトを起動させた。

 

目的は、ボトルの解析だ。先日手に入れたボトル、成分を解析した結果、『ブーストフルボトル』という結果となった。・・・・・・読者の言いたいことは分かる。今から調べるのは『ブーストボトルと相性の良いボトル』だ。

 

ただ、これが少し問題で・・・・・・、どれだけ調べても『ERROR』としか出なかった。

 

 

「はぁ・・・。大賢者さん、このボトルと相性が良いボトルって分かる?」

 

〈・・・・・・。〉

 

 

返事無し。大賢者さんでも分かんないか~。

 

 

「はぁ~・・・。・・・・・・そういやあのライダー『べリアルが・・・』とか言ってたなぁ・・・。」

 

 

べリアルと検索しても、結果は・・・・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ERROR』

 

 

「マジか~!これでもダメか~。」

 

 

座っている回転椅子でクルクル回りながら頭を抱える。

 

 

\ピンポーン/

「ん?」

『主様、コーヒーをお持ちしました。』

「サンキュー!入っていいよ。」

 

 

実は、この部屋に入る扉にはインターホンがあって、夜華はそこから話していた。・・・・・・なんで付いてるのかは俺も知らん。

 

 

「また、何か調べていたのですか?」

「まぁね~。」

「っ、・・・・・・べリアル、ですか。」

「ん?夜華、べリアル知ってるの?」

「・・・・・・いえ、名前だけなら聞いたことがあるようなと思いまして・・・。」

「・・・・・・そっか。それはそうと!」

 

 

俺はブーストボトルを夜華が見せつけて、

 

 

「これのベストマッチって分かる?」

「分かりません。」

「ですよね~!はぁ~・・・。」

 

 

即答だったよ・・・・・・。

 

 

「ですが、リトルスターを手に入れれば相性の良いボトルが見つかると思いますわ。」

「・・・・・・リトルスターねぇ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、次の日の午前中。ちょうど日曜日だったから、海璃に案内されてリトルスター所持者の下に向かう。

 

 

「・・・・・・何も聞かないの?」

「何が?」

「私がリトルスターのことを知ってるとか、色々・・・。」

「昨日も言っただろ。お前は悪い奴には見えないって。でも、また今度聞かせてもらうことにするよ。」

「・・・・・・ふ~ん。あ、いた。」

「ん?・・・・・・あの子か?」

 

 

見てると少年が腕でそこそこ大きな岩を砕いた。

 

 

「ネットで上がってたの。『バリアを使って瓦礫から身を守る!?』って。」

「・・・・・・なるほど。目立つからってことか。」

 

 

俺たちは河川敷にいるその少年の下に向かう。が、

 

 

「あの!」

「ん?」

「うちの純に何かようですか?」

「え?えっと・・・・・・?」

「私たち、あの子に話があるんです。あの力について。」

「あの力・・・・・・。あれが何か知ってるんですか!?」

 

 

はい、なんか上手いことに交渉成立。・・・・・・お前何してた?って言うなよ!!

 

少年の名は『山吹純(やまぶきじゅん)』。2日ほど前から熱は無いけど体が熱くなっていて、昨日能力が発揮したらしい。

 

そして、先ほど俺たちを止めたお嬢さんは『山吹沙綾(やまぶきさあや)』で、純の姉だって。

 

 

「リトルスター・・・ですか。」

「弟さんは、昨日怪人の近くにいた?」

「はい。」

 

 

これは、確定だな。あのロボットは間違いなく純を狙っていた。そして、狙って来る。

 

 

「おい、えっと・・・純。」

「・・・・・・何?」

「いいか、その内お前を狙っ・・・・・・っ!」

「ん?・・・・・・蒼空?」

「来やがった・・・!」

 

 

俺が視線を純から河川敷の先に向ける。みんなもそっちに視線を向けたせいか、この場が一気に緊張感に包まれた。

 

 

「あれって!?」

「俺がみんなを守る!」

「待て!お前はここにいろ!ここで・・・・・・お姉ちゃん守ってろ!」

「でも!「いいな!?」・・・・・・分かった。」

「海璃、コイツらを頼む。」

 

 

俺がロボットの前に立つと、

 

 

「お兄ちゃん!」

「安心しろ!俺は・・・・・・、」

 

 

ドライバーを純に見せつける。

 

 

「仮面ライダー、ジードだ!」

 

 

そのままドライバーを巻き、2本のボトルで変身する。

 

 

『ラビット!』『タンク!』『ベストマッチ!』

 

 

さて、出来る限りの努力をしますか!!

 

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

『ドリルクラッシャー!』

 

 

ロボットに少しは有効なフォームに、武器も持った。

 

 

「・・・・・・行くぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

突如蒼空たちの前に現れたダークロプスゼロ。そして、それに勇敢に立ち向かうジード。

 

 

「ハァ!」

 

 

ドリルクラッシャーの攻撃は効いていた。ジードは先日の戦闘を研究して、一番倒せる確率の高い攻撃パターンでダークロプスゼロと戦っていた。

 

 

「ハッ!よっ!・・・・・・これでどうだ!」

 

 

ドリルクラッシャーでダークロプスゼロを突き飛ばし、ドライバーのラビットボトルをドリルクラッシャーにセットする。

 

 

『Ready Go!』

 

「ハァ・・・、」

 

 

ボトルがセットされたドリルクラッシャーは高速でドリルを回転させ、ジードはそのドリルで敵を斬りつける。

 

 

『ボルテックブレイク!』

 

「ハァァ!!」

 

 

攻撃を受けたダークロプスゼロは一度倒れる。だが、すぐに立ち上がろうとするがダメージがあるせいか少しもたつく。

 

 

「次はコイツだ!」

 

\シャカシャカ・・・/

 

『ライオン!』

 

 

ジードは追い討ちをかけるようにライオンボトルを現在空いてるドライバーのスロットにセットしてフォームチェンジする。

 

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

 

ベストマッチではないため、変身音声は流れないが、右手のライオンで力強く攻撃、ドリルクラッシャーを銃モードにして遠距離からも攻撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな光景を橋の上から見ている人物が1人。

 

 

「なんだ、()()()まだ渡してないのか・・・。」

 

 

その人物―――ブラッドスタークは取り出した()()()に紫色のボトルをセットする。

 

 

『ダークロプスゼロ!』

 

「これなら・・・、」

 

『リアライズ!ダークロプスゼロ!』

 

 

スタークは銃口をジードの方へ向け、引き金を引く。そして、引き金を引いた瞬間ボトルは無くなっていたが、スタークは気にせず同じボトルをもう1本セットして同じ行動をする。

 

 

『ダークロプスゼロ!』

 

「どうだ!?」

 

『リアライズ!ダークロプスゼロ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!これで・・・・・・ん?」

 

 

ジードが異変に気付いた時には既に遅かった。

 

 

「え!?増えてる!なんで!?」

 

 

目の前には先程まで戦っていて、現在倒れてるダークロプスゼロ。そして、ジードの左右には全く同じダークロプスゼロが2体出現した。

 

 

「どうなってんだ!?」

 

〈解。同個体が近くに潜んでいたか、今新たに複製されたと考えられます。〉

 

 

左右にいるダークロプスゼロがジードに攻撃を仕掛ける。

 

 

「!?この・・・・・・!ぐわっ!」

 

 

1体だけでも厳しかった相手が3体になり、一気に不利になった。

 

 

「くっ!・・・・・・だったら!」

 

『Ready Go!』

 

「これで、どうだ!!」

 

『ボルテックブレイク!』

 

 

ジードはドリルクラッシャー銃モードにタンクボトルをセットして3体それぞれにエネルギー弾を撃つ。そして、その隙に別のボトルでフォームチェンジをする。

 

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『プリミティブ!イエーイ!』

 

 

ジードは両腕を口の前でクロスさせ、叫ぶように衝撃波を放つ。

 

 

「レッキングロアー!!」

 

 

ダークロプスゼロたちの前で爆発が起こる。だが、

 

 

「・・・・・・っ!ぐわーっ!!」

 

 

紫色の光線(ダークロプスメイザー)が煙の中からジードを攻撃し、ジードは吹き飛ばされる。

 

 

「くっ!・・・・・・このままじゃ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この戦いを少し離れた所で見ていた海璃、沙綾、純は、

 

 

「このままじゃ負けちゃうよ!」

「・・・・・・2人は早く逃げて。」

「でも・・・・・・!」

「ヤダ!!」

「・・・?」

「純・・・?」

「俺は知ってるんだ!仮面ライダーは、ヒーローは絶対に負けないって!!」

 

 

純は少し前に行き、

 

 

「立って!仮面ライダージード!!」

 

 

そう、何度も叫ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!・・・・・・っ!」

 

〈警告。このままでは負けます。一時撤退を・・・〉

 

「待った!・・・・・・声が、聞こえる・・・。」

 

 

ジードには聞こえていた。

 

 

「立って!仮面ライダージード!!」

 

 

そう何度も叫ぶ純の声が。

 

 

「名前を、俺の名前を呼んでる!」

 

立って!!

 

 

その瞬間、純の身体からリトルスターが離れ、ジードの下に向かう。

 

 

「っ!リトルスター!」

 

 

ジードはすぐさま空のボトルを取り出し、リトルスターを手に入れる。

 

 

「これは・・・・・・。」

 

〈解。成分を解析、『スラッガーボトル』解析完了。〉

 

「・・・・・・よし!」

 

 

ジードは立ち上がり、

 

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

ボトルを振る事によって、ジードの頭の中に流れるのと同じ方程式が、ジードの後ろから突然現れた。

 

 

『スラッガー!』『ブースト!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

 

前後に現れた『ウルトラセブン』と『ウルトラマンレオ』がジードと1つになり、鋼鉄の鎧を纏う真紅の戦士『仮面ライダージード ソリッドバーニングフォーム』へと姿を変えた。

 

 

『勇気のブーストスラッガー!ソリッドバーニング!イエーイ!』

 

「勝利の法則は・・・・・・決まった!」

 

 

 ビルドの決めセリフと動作を行い、ダークロプスゼロに攻撃を仕掛ける。

 

 

「ふっ!はぁ・・・・・・、()()()!!」

 

 

ジードの声が少し低音で加工されたが、そんなことは気にせずに攻撃の結果に驚く。

 

 

「スッゴイ!大賢者さんの解析通り、鎧着てるみたいだ!」

 

 

そんなことを考えてるとダークロプスゼロ1体が胸の装甲を変えて、『ディメンジョンストーム』の劣化版を放とうとする。

 

 

「っ!だったらコレだ!」

 

 

ジードは胸の装甲にエネルギーを溜めて、

 

 

「ソーラーブースト!!」

 

 

2つの光線がぶつかる。だが、すぐにジードが力を加えてダークロプスゼロの光線を押し返し、破壊した。

 

 

「よし!まず1体!・・・・・・次は・・・。」

 

 

 そして、別のダークロプスゼロが頭部のスラッガーを手に取り、ジード目掛けて攻撃を仕掛ける。ジードも頭部にあるスラッガーを手に取り、攻撃する。

 

 

「ふっ!ハッ!」

 

 

スラッガーの数はジードの方が少ないが、ジードの方が優勢だった。

 

 

「お前にはコレだ!」

 

 

足にスラッガーをセットして、ダークロプスゼロを蹴る(斬る)

 

 

「ブーストスラッガーキック!!」

 

 

蹴られた(斬られた)ダークロプスゼロは爆発し、破壊された。

 

 

「ふぅ・・・。・・・・・・っ!」

 

 

一息つくも、最後の1体が攻めてきた。ジードは肉弾戦で対応し、身体のあちこちに付いてる噴射口からブーストの炎を出して、距離を取る。

 

 

『Ready Go!』

 

 

ジードはドライバーのレバーを回し、右手にエネルギーを溜める。

 

 

『ソリッドバーニング フィニッシュ!』

 

「ストライクブースト!!」

 

 

炎纏うエネルギー光線がダークロプスゼロに直撃、破壊する。

 

 

「やった!!」

「やったね!」

「・・・・・・ねぇ純君。」

「何?」

「彼は、ジードはヒーローだと思う?」

「もちろん!ジードは仮面ライダーで、ヒーローだよ!!」

 

 

ジードは純たちの方を見て、その笑顔で蒼空の顔もクシャっと笑う。・・・・・・マスクで見えないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺は変身も解かずにダークロプスゼロがいた所を見る。すると、1本だけ水色のボトルだった。他は紫色のボトルだったけど。

 俺は水色のボトルを拾う。

 

 

「・・・・・・なんでロボットからボトルが?」

 

 

その瞬間、

 

 

「っ!?」

 

 

突然他の紫色のボトルが破壊された。

 

 

「今持ってるボトルは良いが、他を持って行かれるのは困るんだよな~。」

「誰だ!?」

 

 

辺りを見渡すもいなかった。偶然上を見たら赤い怪人がいた。

 

 

「・・・・・・コブラ?」

「惜しい!正解はブラッドスタークだ。」

「ブラッドスターク・・・?」

 

 

俺はその姿に見覚えがあった。夢で見た『ロケットパンダの登場シーン』でビルドと戦っていた相手だった。そして、ある事も思い出した。

 

 

「・・・・・・っ!『ファウスト』の幹部!」

「今度は正解!ご褒美に遊んで・・・・・・」

「っ!?」

 

 

手に持っていたライフルを俺に構えるが、すぐに下げた。

 

 

「・・・・・・止~めた。遊ぶ代わりにコイツをやるよ。」

 

 

スタークは2つのアイテムを投げる。

 

 

「おっと!・・・・・・これは?」

「そのプレゼント2本と戦利品は、()()()()()()で出来たボトルだ。」

「何っ!?」

「上手く使えよ。じゃあな!」

 

 

俺には疑問が残った。何故スタークが俺にボトルを渡したのか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「何故モンスターボトルを破壊した?」

「ん~?・・・・・・奴らに調べられたく無かったからだ。」

「ならば、取られる前に回収すれば良かっただろ?」

 

 

暗いアジトでナイトローグとブラッドスタークが話し合う。

 

 

「用はそれだけか?じゃあな~。」

 

 

ブラッドスタークはどこかへ向かう。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

今までで一番の文字数書きましたよ~、約8000字。読んでて『なっげ!!』って思ったでしょ?アタシも書き終えて試しに読んだけど『なっげ!!』って思ったよ。

それと、原作では出なかった『ライオンタンク』のご登場で~す。


それでは、また次回!


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第4話 衝撃のWライダー

「仮面ライダージードで天っ才頭脳を持つ桐生蒼空は、スマッシュと呼ばれる怪物からリトルスター所持者を守っていた。そんな中、新たなリトルスターのボトルを手に入れた蒼空は『仮面ライダージード ソリッドバーニングフォーム』となりリトルスター所持者だった山吹純を救ったのだった。」
「ね、ねぇ・・・、改めて確認なんだけど、あのライダーは蒼空君なんだよね?」
「俺が変身したの見たでしょ?」
「見たけど・・・・・・実感わかなくて。」
「・・・・・・分かる。そんじゃ、どうなる第4話!?」







新しいリトルスターのボトルを計4本手に入れて数日、今日の朝はのんびりと過ごせる。だから、

 

 

「さて、そろそろ聞こうかな?・・・・・・俺の正体を知ってここに来たんだろ?」

「その事だけど・・・・・・コーヒーでも飲みながら話そうよ。はい、どうぞ。」

「どうも。・・・・・・って、俺の家だよ!!」

「淹れたのはわたくしですが。」

 

 

初っ端からなんの茶番劇を見せてんだろうな、俺たちは。

 

 

「う~ん、でも確かに蒼空のことは知ってたよ。ジードのことも、()()()()()()ってことも。」

「へぇ~。・・・・・・うん?幼馴染?」

「そだよー。ちなみに、夜華も知ってるよー。」

「マジで!?」

「黙っていて申し訳ありません。」

「マジか~!!記憶無いんだからそういうの止めてよ!!」

 

 

まさか海璃と知り合い・・・・・・どころか幼馴染だったとはな・・・。

 

 

「じゃ、昔の俺も、・・・・・・。」

「・・・・・・ん?どしたの?」

「・・・・・・夜華、店の準備よろしく。」

「かしこまりました。」

「え!?もしかしてスマッシュ!?ちょっと待ってよ!?」

 

 

うるさい海璃を置いといて、気配がする場所へ向かうためにバイクに乗ろうとする。

 

 

『ビルドチェンジ!』

 

「主様。」

「ん?」

「こちらを。朝ポストに入っていたので。」

「おっと!ってボトルじゃん!」

 

 

ゴリラにダイヤモンド、ハリネズミか。でも、なんでポストに・・・?

 

 

「ま、いっか。行ってくる。」

 

 

海璃をほったらかして現場(?)に向かう。

 

 だけど、この時知らなかった。海璃が何で現場に向かっていたのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 場所は変わって、花咲川女子学園の近くの公園。

 

 

「「「きゃあああ!!」」」

 

 

周りの木々等に銃弾が沢山当たっていた。

 

 

「スマッシュ!!」

「え!?香澄、なんでその事を!?」

「いいから!早く逃げるぞ!!」

 

 

逃げようとする香澄と沙綾、そして、市ヶ谷有咲(いちがやありさ)の3人に、スマッシュが右腕に付いてるガトリング砲を向けた。

 

 

「・・・・・・あ!」

 

 

そのガトリング砲から銃弾が放たれ—————

 

 

「・・・・・・ん?」

「・・・・・・何も、来ない?」

 

 

ることは無かった。何故なら、スマッシュは地面に倒れていたからだ。

 

 

「・・・・・・ふぅ。大丈夫?って香澄に沙綾かよ・・・。」

「あ!蒼空君!」

「香澄とも知り合いだったんだ・・・・・・。」

「とりあえず、そこの金髪連れて逃げるか隠れてろ。」

 

 

バイクでスマッシュを吹き飛ばした蒼空は、香澄たちにそう告げると、バイクから降りてドライバーを巻く。

 

 

「ジーっとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「決めるぜ、覚悟!変身!」

 

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

「さて!」

 

〈告。先程のセリフ『決めるぜ、覚悟!』はいらないと思います。〉

 

「・・・・・・行くか!」

 

 

 大賢者のコメントを頑張って無視してスマッシュに立ち向かう。近接戦ではジードの方が優勢だった。が、

 

 

「ぐっ!・・・・・・弾多すぎだろ!?」

 

〈解。スマッシュの性質上『ガトリングスマッシュ』と推測されます。〉

(だろうな・・・。)

 

 

ジードがしばらく考えると、ある案が思い浮かぶ。

 

 

「・・・・・・そうだ!これなら!」

 

『ラビット!』『ダイヤモンド!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

 

ジードはラビットダイヤモンドフォームにフォームチェンジした。

 

 

「ふっ!よっと!」

 

 

ダイヤモンドの腕で銃弾を防ぎつつ、ドリルクラッシャー銃モードで反撃する。

 

 

「これならイケる!」

 

 

ドリルクラッシャーのモードを切り替え、攻撃する。

 

 

「よっと!ハァ!」

 

 

近接に弱いガトリングスマッシュにドリルクラッシャーを使い、ダイヤモンドで銃弾を防ぎつつ攻撃し続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなジードの戦いを見ているのが、2人・・・・・・。

 

 

「・・・・・・あれがジードか。スターク、スマッシュをさらに出せ。」

「はいよ。」

 

 

スタークは赤い銃を取り出し、2本のボトルをスマッシュ化する。

 

 

『海賊!』

『リアライズ!海賊!」

 

「それと、」

 

『コミック!』

『リアライズ!コミック!』

 

「さて、・・・・・・どうするかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガトリングスマッシュと対峙するジードはすぐに別の気配に気付いた。

 

 

「ハッ!・・・・・・っ!?なんで!?」

 

 

突如現れた2体のスマッシュとも対峙するも、前回のダークロプスゼロの時と違い別々のタイプのスマッシュが相手のせいか劣勢を強いられる。

 

 

「くっ!・・・・・・マズイなぁ・・・。」

 

 

そんな時、香澄たちの方からバイクのエンジン音がしてきた。

 

 

「・・・?」

「ふぅ・・・、お待たせ、蒼空!」

「え!?海璃さん!?」

「鳥羽さん!?」

「あ、市ヶ谷さん。どうも~。」

 

 

銀色のバイクに乗ってきた、花咲川女子学園の制服姿の海璃だった。

 

 

「お前、バイクあるのかよ!?」

「当たり前でしょ!だって私・・・・・・()()()()()()なんだし!」

 

 

そう言って取り出したのは、『ビルドドライバー』と『2本の赤いフルボトル』だった。

 

 

「なんで海璃がドライバーを!?」

「蒼空君と同じドライバー!」

 

 

海璃がドライバーを腰に巻く。

 

 

『ロッソ!』『フレイム!』『ベストマッチ!』

 

 

海璃がドライバーにボトルをセットしてレバーを回すと、海璃の足元から赤い炎が海璃を囲むように現れた。

 

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

 

炎は海璃を包み、炎が消える頃には()()()()()()()()()()()()()が、そこにいた。

 

 

『紅蓮の炎!ロッソ フレイム!イエーイ!』

 

「アイツ、あの時の・・・!?」

「あれは・・・・・・!?」

「・・・・・・ロッソ。」

 

「仮面ライダー・・・・・・ロッソ。」

 

 

名前を言うと共に構えるロッソ。

 

 

「お前があの時のライダーだったんだ・・・・・・。」

「まぁね。とにかく行くよ!」

 

 

ロッソは頭部の角に手を添えると、角が光り、光が両手に宿る。その光は刃へとなり・・・。

 

 

「ルーブスラッガーロッソ!」

「ウソ・・・、角から武器が!?」

「いいから!」

 

 

ロッソは武器を構え、海賊スマッシュと忍者スマッシュと対峙する。ジードは改めてガトリングスマッシュと戦う。

 

 

「ハッ!」

 

「オリャアアア!!」

 

「ん?」

 

 

ふと別の場所から聞こえてきた声の方を見ると、1人の男子生徒が()()()()に襲われていた。

 

 

「アイツ、なんでライダーに!?」

「蒼空!!」

「なんだよ沙綾、こんな時に!?」

「あのライダー、花咲川でよく見るライダーだよ!!」

「は!?・・・・・・じゃあなんで!?」

 

 

その疑問は、大賢者でも花咲川の生徒でもない者が答えてくれた。

 

 

「そいつにはネビュラガスが投与されてる。」

「っ!スターク!!」

「早くそのスマッシュを倒して、『万丈龍哉(ばんじょうりゅうや)』を助けないとそっちが先に死ぬぞ。」

「何っ!?」

「だが、あのライダーを倒して変身解除すれば、あのライダーの命も無いがな。」

「っ!?・・・・・・スターク・・・!!」

 

〈告。まずはスマッシュを倒してください。〉

(・・・・・・分かってる!)

 

 

ジードは大賢者からの提案で、あるフォームで倒すことにした。

 

 

『ゴリラ!』『ベストマッチ!』

 

「・・・・・・大賢者さんがネタバレしてくれたから、喜びが半減だ。」

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イエーイ!』

 

 

 ジードは『ゴリラモンドフォーム』に姿を変えた。

 

 ガトリングスマッシュが銃弾をジードに向け乱射するが、ジードは左手を突き出して銃弾をダイヤモンドに変換する。

 

 

『Ready Go!ボルテックフィニッシュ!』

 

「はぁ・・・、ハァァ!!」『イエーイ!』

 

 

ある程度大きく作ったダイヤモンドを右腕のゴリラの力で壊しつつ、ダイヤモンドの欠片をスマッシュに飛ばす。強度の強いダイヤモンドの欠片を何度も受けたガトリングスマッシュはダメージが溜まりすぎ、爆発して消滅した。

 

 そして、スマッシュが消滅したことによってボトルがジードの下に飛んできて、ジードはそれをキャッチする。

 

 

「よっと!・・・・・・よし!。ビルドアップ!」

 

『ラビットタンク!イエーイ!』

 

「ハァ!・・・・・・隠れてろ!!」

「あぁ!?何がどうなってんだよ!?」

「いいから、早く!!」

「龍君!こっち!それと、久しぶり!!」

「え!?香澄!?」

「くっ!・・・・・・え!?知り合いなの!?」

 

 

万丈龍哉は香澄たちの下に向かう。ジードはドリルクラッシャーでネビュラガスによって暴走してるライダーと対峙する。

 

 

「・・・・・・さて、どうすっかな・・・、危ね!」

 

〈解。量産型戦極ドライバーで変身した『黒影トルーパー』が『オレンジロックシード』で変身した姿です。〉

(いやいや!あのライダーの情報は聞いてないよ!対処法を教えてよ!)

〈・・・・・・・・・・・・。〉

(黙りやがった。)

 

「方法ならあるぞ。」

「!?」

 

 

ジードが悩んでいる時にスタークが声をかけた。

 

 

「ヒントをやろう。『俺のプレゼント』だ。」

「プレゼント?・・・・・・あのボトルか!」

「上手く使えよ。じゃあな~。」

 

 

スタークはどこかに行ってしまった。

 

 

「っ!・・・・・・アイツの言いなりってのは癪だけど、仕方ない。」

 

『ナイト!』『ムーン!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

 

 

ジードの前後には青色の戦士『ウルトラマンヒカリ』と『ウルトラマンコスモス』が現れ、ジードに重なり青色のジードが現れる。

 

 

『衝撃のムーンナイト!アクロスマッシャー!イエーイ!』

 

「はぁ・・・。」

 

 

ジードは『アクロスマッシャーフォーム』になると、すぐさまに暴走している黒影トルーパーに技を仕掛ける。

 

 

「アトモス・・・・・・インパクト!!」

 

 

ジードは腕を十字に組み光線を放つが、今までの光線とは違い、相手を吹き飛ばすだけの衝撃波だった。

 

 

「ウゥゥ・・・、ウオオオオ!!!」

 

 

吹き飛ばされた黒影トルーパーはオレンジアームズの武器『大橙丸』を構えてジードに攻める。対するジードは、

 

 

「スマッシュビームブレード!」

 

 

手首辺りから光の刃を出し、高速で黒影トルーパーに近付き、大橙丸ごと斬った。その結果は、大橙丸は真っ二つ、黒影トルーパーにはそこそこのダメージを与えた。

 

 

「そろそろ楽にしてやらないとな。」

 

 

振り向き、腕を体の前でクロスして数回腕を回しながら上に、そして大きく腕を広げて胸の前にエネルギーを溜める。

 

 

「スマッシュムーンヒーリング。」

 

 

胸の前に溜めたエネルギーを腕で押し出すように黒影トルーパーに放つ。その技は攻撃技では無く癒しの技なため、黒影トルーパーは落ち着いた。そして、体からガスのような物が抜けていって、変身が解けた。

 

 

「ふぅ・・・。」

「うっ、ここは・・・・・・?」

 

(生徒だったんだ・・・・・・。)

 

「君、早く逃げて!」

「え?・・・・・・は、はい!」

 

 

ジードは被害者の女子生徒を逃がすと、まだ戦っているスマッシュたちの方を向く。

 

 

(大賢者さん、俺にもあんな感じで武器って出せる?)

〈解。現在ジード専用武器『ジードクロー』を生成するだけのレベルに達しています。生成方法はこちらです。〉

 

「・・・・・・なるほど。」

 

 

ジードは右手を前に突き出し、名前を叫ぶ。

 

 

「ジードクロー!!」

 

 

すると、右手に青を基調とした2本の刃が目立つ武器『ジードクロー』が現れた。

 

 

「おおー!・・・・・・今の自分を飛び越える!」

 

 

ジードは持ち手部分にあるトリガーを1回握り、ジードクローの刃を1回転させる。そして、クローの中心部分の赤いボタンを押して、

 

 

「ハァ・・・・・・、クローカッティング!」

 

 

クローの刃部分と同じエネルギーの塊をコミックスマッシュに飛ばす。

 

 

「ハァ・・・・・・、フッ!」

 

 

ジードはアクロスマッシャーフォームの戦法である高速移動を使い、コミックスマッシュを何度もすれ違いながら斬りつける。

 

 

「ハァ!!・・・・・・流石蒼空!負けてられないね!」

 

 

ロッソはルーブスラッガーを上空へ投げて、()()()()()()()()()2()()()()()()()()()()()()2()()()()()()()()

 

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

「それじゃ、こっちで決めますか!」

 

『ブル!』『アクア!』『ベストマッチ!』

 

「ハッ!・・・・・・ん?」

 

 

ドライバーのレバーを回しているロッソの周りには、大量の水が出てきていた。

 

 

『Are You Ready?』

 

「セレクト。」

 

『紺碧の海!ブル アクア!イエーイ!』

 

「ウソ・・・!?一本角の青色になった・・・!?」

 

 

ロッソ改め『仮面ライダーブル アクアフォーム』になった。ブルは変身完了と同時に落ちてきたルーブスラッガーを手に取り、それを合体させた。

 

 

「ルーブスラッガーブル!」

「そっちも!?」

「蒼空!一気に決めるよ!」

「お、おお!!」

 

〈ジードクローの真ん中のシフトスイッチを押し、トリガーを3回握ってください。〉

 

「・・・・・・こうか?」

 

『シフト・イントゥ・マキシマム!』

 

 

真ん中のスイッチを押すと、ジードクローの刃が左右に開く。そのまま大賢者に言われた通り3回グリップを握り、赤いボタンを押した。

 

 

「セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラセブン!』

 

「これでフィナーレよ!」

 

 

ブルもルーブスラッガーに丸い物体『ルーブクリスタル』をセットして、必殺技を放つ。

 

 

「ハァ・・・、ディフュージョンシャワー!」

「ワイドショットスラッガー!」

 

 

ジードはコミックスマッシュに、ブルは海賊スマッシュに技を放ち、倒す。

 

 

「よし、コミックに海賊ボトル、ゲット!」

「・・・・・・あれ?コウモリ男がいない。」

「え?そういやいないな・・・。」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

俺と海璃は変身を・・・・・・解かずに香澄たちを見る。

 

 

「さて、どうしたものか・・・?」

 

 

問題なのは、香澄と幼なじみと言う万丈龍哉だ。ボロボロの制服姿ってことは、なんかあったんだろうなぁ・・・。

 

 

「彼、学校での立場を悪くさせられて、終いには()()()()()の男たちに()()()()させられたみたい。」

「ガスマスク・・・・・・、人体実験・・・・・・!?」

「・・・・・・それって・・・!?」

 

「万丈龍哉!!」

 

「ん?」

 

 

誰かが叫んだからその声のする方を見ると、どっかの教師たちと護衛ロボット『ガーディアン』たちがいた。

 

 

「学校に戻るぞ!」

「嫌だ!!俺は戻らない!!」

「・・・・・・。」

「戻ったら、また奴らに何かされる!!」

 

 

万丈龍哉はさらに言葉を続けた。

 

 

「俺はバカだよ・・・。でも、誰かを傷つけたりする程バカじゃないんだよ・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「なんで、誰も信じてくれないんだよ・・・・・・。」

「龍君!私は信じてるよ!」

 

 

万丈を捕らえようと、ガーディアンがこっちに来た。

 

 

「・・・・・・はぁ~!最悪だ!」

「・・・・・・?」

「俺は今日という日をきっと後悔するだろう。」

 

『ビルドチェンジ!』

 

 

俺はビルドフォンにライオンボトルをセットしてマシンビルダーに変化させた。

 

 

『プリミティブ!イエーイ!』

 

「乗れ。」

「・・・・・・???」

「・・・・・・ん?乗れよ!!」バンバンバン

「っ!」

 

 

俺はマシンビルダーから出したヘルメットを万丈に投げ渡し、俺の後ろに乗せる。

 

 

「あちゃ~・・・。」

「何がどうなってんだよ!?」

「・・・・・・どうしよう?」

「私の後ろに隠れてて。」

 

 

海璃はアクアの力で周りに水をまき散らして香澄たちと共に姿を消した。

 

 俺は俺で、万丈を連れて逃走した。原作とは違い、すぐに巻けた。

 

 

 

 

 

 バイクで自宅に向かっている途中、変身を・・・・・・もちろん解いた。

 

 

「・・・・・・なぁ、なんで助けた?」

「・・・・・・俺はお前を信じた。ただそれだけだ。」

「っ・・・・・・。」

「本当のバカは自分のことをバカって言わないんだよ。」

 

 

俺はこの雰囲気にあった言葉をさらに言う。

 

 

「ズボンのチャックは全開だけどな。」

「え!?マジか!?いつから!?」

「俺がお前を見た時から。」

「・・・・・・そんな前!?なんで言ってくんないんだよ!?」

「どのタイミングで言うんだよ。自分で気付け、バーカ!」

「バカってなんだよ!?今バカじゃねぇって言ったよな!?」

「うおっ!?お前揺らすなよ!このバカが!」

 

 

俺は筋肉バカ(万丈龍哉)に揺らされながら、帰宅した。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

筋肉バカこと万丈龍哉がご登場!そして、武器を使うボトルをいくつもゲットしたけど・・・・・・、そのベストマッチはいつゲット出来るのやら。

それと、さらっとリメイク前で中盤に出た『仮面ライダーロッソ』と『ブル』という名のライダー。『ウルトラマンロッソ』と『ブル』のライダー版です。


それでは、また次回!


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第5話 覚醒し始める力

「天っ才頭脳を持つ桐生蒼空は、仮面ライダージードとしてリトルスターを狙うスマッシュからリトルスター所持者や市民を守っていた。人体実験をさせられたとわんわん泣いてすがる万丈龍哉を庇うため、蒼空は万丈を連れて逃走した。」
「泣いてねぇよ!」
「いやいや、あのシーン明らかに泣いてたでしょ?それにしても、お前はそんな極悪非道な奴だったとは」
「俺は何もやってねぇよ!」
「はいはい、後でカツ丼食わせるから今は黙ってろ。それでは、どうなる第5話!?」
「刑務所じゃねーだろ!?」







さてと、

 

 

「ちょっとちょっと!」

「いきなりなんだよ。今ナレーションしようと思ってたのに。」

「なんで知らない奴を家に連れてきて泊めようとしてんだよ!」

 

 

お前が言うか!?

 

 

「主様。」

「どうぞ。」

「では。」

「え?・・・・・・え!?ギャアアア!!」

 

 

さてと、改めて話を進めるか。

 

 

「ただいま~。」

「おかえり。」

「・・・・・・ま~たマスターは殺されかけてるの?」

「お!ちょうど帰ってきたか。なら・・・。」

 

 

俺は万丈に話を聞くことにした。

 

 

「おい。」

「ん?」

「・・・・・・遊んでんじゃねぇよ。」

 

 

何を考えてんのか、保護メガネかけてやがった。

 

 

「とりあえず、お前の話を聞かせてくれ。」

「話ってなんだよ?」

「全部よ。」

「・・・・・・あぁ、分かった。」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

俺が生まれたのは、横浜の産婦人科だった。3203gの元気な

 

「誰が生い立ちから話せって言ったよ!?」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

このシーンは映像ごと投げ飛ばすに決まってんでしょ!

 

 

「全部話せって言ったのはそっちだろ!?」

「なんとなく流れで分かれよ、バーカ。」

「バカってなんだよ、バカって!!」

「バカバカバカバカ・・・・・・」グラグラ

 

 

揺らすな!!

 

 

「あーもう!とにかく!あなたがなんで人体実験させられたのか、その理由を考えるために・・・・・・あなたの評判が悪くなった辺りから話して。」

「あぁ、そっちね。」

「なんで分かんないんだよ・・・・・・。」

「学校でボクシング部に入ってて、ある日同級生が虐められてたんだ。そいつを守るために、ダメだと分かっていても虐めた奴を殴ったんだ。そこまでならなんとか良かった。」

「ん?『なんとか』って?」

「そっから、学校での評判が悪くなって・・・。気付けば『学校の不良』って呼ばれるようになった。」

「たかだか1ヶ月も経たない間に、ねぇ・・・。」

「そして、教師に呼ばれて行った場所が、」

「人体実験させられた場所、と・・・・・・。」

 

 

これは意図的としか言い様が無いなぁ・・・。・・・・・・ちょっと強引だが。

 

 

「それで、お前の家はその学校に知られてるのか?」

「あ?なんでそんなこと聞くんだよ?」

「学校がお前の家の住所を知っていたら、お前はまた実験場に連れていかれるぞ。」

「・・・・・・そっか。多分知ってる。」

 

 

・・・・・・あの香澄の幼馴染ってだけのことはある。見事なまでのバカだ。

 

 

「しばらくここに住め。部屋は後で案内するから。」

「お、おう。」

 

 

言っておいてだが、また俺の家に住人を増やしてしまった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

万丈を匿ってから2日目の朝、私は学校が休みだから街を散歩していた。・・・・・・蒼空?お店は任せてきたよ。

 

 

「ふ~ふふん、ふ~ふふん♪・・・・・・ん?」

 

 

呑気にビーザワン♪ってしてたら、視界に若干怪しい男がいた。ちょっと目を凝らして見ると、最近家でやかましい万丈だった。

 

 

「はぁ・・・。ちょっと、そこのお兄さん?」

「ん?・・・・・・うおっ!?って海璃かよ・・・。」

「そんな格好で何してんの?」

「見りゃ分かんだろ?変装だよ。」

「いや、あんたがただの変人としか思えなかったよ。」

 

 

ちょっと怪しいおじさんの変装してる万丈に、一応・・・・・・一応ね。なんの目的でここにいるのか一応聞いてみた。

 

 

「さっき、あいつから『香澄がライブするから行ってこい。』って言われたから。」

 

(なるほど、蒼空の提案なのね。)

 

「それは良いけど、場所分かるの?」

「・・・・・・あ。」

 

 

はい、おバカさん!もう・・・!

 

 

「・・・・・・ん?おい、誰に連絡してんだ?」

「香澄。」

「あぁ~、香澄ね。・・・・・・ん?香澄!?」

「もしもし、香澄?・・・・・・うん、・・・・・・うん、は~い。」

「・・・・・・おい?」

「さ、行くよ~。」

「え!?どこに!?」

「ライブ会場。」

「・・・・・・マジかよ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

なんとなく、昨日香澄から連絡があったライブに万丈送りつけたけど、・・・・・・そういや場所教えてなかったな~。

 

 

「あれ?・・・・・・夜華、マスターは?」

「そういえば、見ませんね・・・。」

「また金稼ぎのためにバイトか?・・・・・・っ!」

「・・・・・・また、ですか?」

「ガトリングボトルの成分を最大限生かした武器はほぼ完成してるんだけどな~。行ってくる!」

「主様!これを!」

「ん?」

 

 

夜華が渡したのは黄色のボトルだ。

 

 

「今日もまたポストに入っていたので。」

 

 

またかよ!?

 

 

「・・・・・・まぁいいや。サンキュー!」

 

 

俺は急いでマシンビルダーを用意して、いつも通りの嫌な・・・・・・スマッシュの気配がする方へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

私たちが、香澄とおたえ、りみに有咲の、蔵でのライブ『クライブ』が成功して、帰ろうとした時だった。

 

 

「ずいぶん、お楽しみだったようだね~?」

「あ?」

「っ!スターク!?なんでここに!?」

「お前たちにちょっとしたゲームを提供しようと思って、な。」

「何?・・・・・・その赤い銃は?」

「コイツは『ライザースチームガン』。コイツにボトルを挿せばボトルごとスマッシュに変えることが出来る。」

 

 

なるほど、今までのスマッシュはそうやって呼んだのね。

 

 

「とりあえず、今この場所で倒されてくれない?」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

私はドライバーを巻き、ブルとアクアボトルで変身することにした。

 

 

「みんな、こっち!」

「またかよ!?」

「どうなってるの・・・!?」

「これ、ヒーローショー?」

「んな訳あるかー!!」

 

 

『ブル!』『アクア!』『ベストマッチ!』

 

「水が出てきたけど、やっぱりヒーローショー?」

「違うわ!!」

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『紺碧の海!ブル アクア!イエーイ!』

 

「残念だが、お前の相手は俺じゃない。」

「ハァ!」

 

 

私が手の形を拳銃のようにして、屋根上にいるスタークに水のビームを放つけど、かわされた。

 

 

「お前()()には、このゲームがお似合いだ。」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ!そこか!」

 

 

蒼空はスマッシュの気配がする方へバイクで走ってきた。ただ、先日2体のスマッシュに対して不利な状況にならなかったブルが押されていたのが気になっていたが。

 

 

(海璃、万丈、沙綾・・・・・・あれ?香澄がいない?ま、いっか。)

 

「ウッ!・・・・・・ぐっ!」

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

「フッ!」

「グオオオオ!」

 

 

 

ジードは変身しつつ、マシンビルダーでスマッシュを吹き飛ばした。

 

 

「全く、何やってんだよ?海璃さん。」

「蒼空・・・?」

「なんでここに!いるんだよ?」

「話は後だ。・・・・・・ドラゴンっぽいな。」

 

 

ジードはバイクから降りて、スマッシュの見た目からして記憶している限りのボトルの中から成分を予想した。

 

 

「だったら、これで行くか。」

 

\シャカシャカ・・・/

 

『ライオン!』『ライト!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ。」

 

 

ジードはライオンとライトのトライアルフォームに変身し、予想通りの『ドラゴンスマッシュ』に挑む。

 

 

「ハァ!タァ!よっと!・・・・・・ハァ!!」

 

 

ライオンを模した右手で殴ったり、左腕のライトで敵を目眩ませたりしていた。

 

 

「グゥゥ・・・!!」

「ほらよっと!!」

「グワァァァ!!」

「っ!?」(まさか、蒼空の奴!?)

「さぁ、これでフィニッシュだ!」

「待ってくれ!!」

 

 

ジードがトドメを刺そうとした時、龍哉がジードの前に立ちはだかった。

 

 

「ちょっ!?どけよ!スマッシュを倒さないと」

「待ってくれ!!あいつは()()なんだ!!」

「え!?・・・・・・香澄!?本当なのか!?」

「万丈の言ってることは本当よ。私もこの目で見た。・・・・・・いえ、スタークが見せつけるように香澄をスマッシュにした。」

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、ブルがスタークと戦闘を開始した時のことだった。

 

 

「残念だが、お前の相手は俺じゃない。」

「ハァ!」

 

 

スタークはブルの放つ水の光線をかわしつつ、拳銃でいうスライド部分を操作して、ドラゴンボトルを銃口近くのスロットにセットする。

 

 

『スチームモード!』

 

『ドラゴン!』

 

「お前たちには、このゲームがお似合いだ。」

 

『スチームライズ!ドラゴン!』

 

「っ!香澄!!」

「え?ぐっ!?・・・・・・うぅ・・・!?」

「香澄ちゃん!?」

「みんな!とりあえず、香澄から離れて!」

「香澄!!」

「待てって!!危ねぇぞ!!」

 

 

ボトルを煙状に変えて香澄に成分を撃ち込んだスタークは、クスクスと笑いながらその場を去ろうとした。

 

 

「スターク!!」

 

『Ready Go!』

 

 

もちろん、ブルはそれを許すはずも無く、ドライバーのレバーを回した。

 

 

「ん?」

「アクアストリウム!!」

『アクア フィニッシュ!』

 

「っ!フッ!・・・・・・クゥ・・・!グワァァァ!!」

「ハァ・・・、ハァ・・・。」

「ふぅ・・・。()()()()()()()3.8か。まぁまぁの数値だな。」

 

 

そう言うと、スタークは別の()()()を取り出し、

 

 

「期待してるぞ。じゃあな!」

「待ちなさい!!」

 

 

ブルの言葉を聞かずに、銃から煙を出して姿を消した。

 

 

「うわあああ!!」

「っ!香澄!」

 

 

ブルが香澄たちの方を見た瞬間、香澄は叫びながらスマッシュへと姿を変えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「香澄が・・・・・・!?」

「おい!何か無いのか!?香澄を助ける方法は無いのか!?」

「・・・・・・倒して体内から成分を抜き取れば、香澄は助かる」

「それは不可能だ。」

「っ!?」

 

 

ジードたちは声のする方を見た。その方向にはスマッシュがいて、その後ろから、ナイトローグが歩いてきた。

 

 

「アイツは・・・!?」

「蝙蝠男・・・・・・。」

「・・・・・・ナイトローグだ。」

「そんなことはどうでもいい!!」

「・・・・・・本来スマッシュは、ボトルごと実体になるか、人体にボトルの中の成分のみを注入するか、が普通だ。だが、その女はボトルごと体内に成分を注入されてスマッシュとなった。倒せば、その女は()()()()。」

「香澄が死ぬって言うのか!?ふざけんな!!」

「・・・・・・。」

「香澄をこんな目に遭わせておいて、ふざけたこと言ってんじゃねぇ!!」

「万丈!落ち着きなって!」

「けど!!・・・っ!」

 

 

龍哉がブルを見ると、既に『仮面ライダーロッソ フレイムフォーム』へと変身して、ルーブスラッガーまで用意していた。

 

 

「怒ってるのは、私も同じだから・・・!」

「海璃・・・・・・。」

「ナイトローグ!!」

 

 

ロッソはジードたちを飛び越え、ローグと対峙する。

 

 

「・・・・・・?おい、何ボーッと立ってるんだよ!?香澄が危険な状態だってのに!!」

「うるさいな~。・・・・・・なるほど、これなら・・・!」

「は?」

「こいつで!」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

ジードが取り出したのは、『ナイトボトル』と『ムーンボトル』だった。

 

 

『ナイト!』『ムーン!』『ベストマッチ!』

 

「うわっ!ちょま!?」

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ。」

 

『衝撃のムーンナイト!アクロスマッシャー!イエーイ!』

 

 

ジードは『アクロスマッシャーフォーム』に姿を変える。

 

 

「海璃!()()()()()()()()()()()()()!」

「はっ!?」

「え!?」

「お前、何言ってんだよ!?そんなことしたら香澄が!!」

「俺を信じろ!」

 

 

ジードの発言に一同驚愕するも、

 

 

「・・・・・・分かった!ハッ!!」

「ぐっ!?」

 

 

ロッソは了承した。ローグを遠くまで蹴り飛ばし、スマッシュの方を向き、ドライバーのレバーを回す。

 

 

『Ready Go!』

 

「よし・・・!」

 

 

ジードはそれを確認すると、自らのドライバーのレバーを回す。

 

 

「フレイムスフィアシュート!」

 

『フレイム フィニッシュ!』

 

「今だ!!」

 

『Ready Go!』

 

 

 

ロッソの必殺技(フレイムスフィアシュート)がスマッシュに決まり、スマッシュはジードの方に飛ばされる。

 

 

 

「アトモス・・・・・・インパクト!!」

 

『アクロスマッシャー フィニッシュ!』

 

「グワアアア!!」

 

 

 

ジードも、衝撃波(アトモスインパクト)をスマッシュに放つ。そして、衝撃波によって()()()()()()()がまた吹き飛ばされ、ジードはスマッシュと分離した香澄を受け止める。

 

 

「よっと!」

「っ!・・・・・・香澄!!」

「香澄?・・・・・・香澄!?」

「うっ・・・・・・ん?あれ?龍君、有咲も。」

「ふぅ・・・、実験成功だな。」

「何故だ・・・!?あの条件でスマッシュにされた者は、倒されれば消滅するはず・・・!」

 

 

ローグは驚いていた。本来消滅するはずの香澄が後遺症も何もなく、平気にしていることを。

 

 

「残念だったな。俺の中の力と『ムーンボトル』の力を使って、香澄とスマッシュを分離させたんだ。」

「・・・っ!」

「なんだと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローグがスマッシュの説明をしている最中、蒼空は大賢者と方法を模索していたのだ。

 

 

(大賢者さん、香澄を助け出す方法はあるか!?)

〈・・・・・・解。『アクロスマッシャーフォーム』の技『アトモスインパクト』に体内のエネルギーを乗せ、ムーンボトルの威力を上げてスマッシュに放ってください。〉

(体内の・・・?どんなの?)

〈・・・・・・よろしければ、『体内のエネルギー』はこちらで対応出来ますが。〉

(うん、よろしく!あと、ボトルの方も!)

 

 

そして、それを実行して香澄とスマッシュを分離したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカな・・・!?」

「後は、お前を倒すだけだ。」

「さっすが蒼空♪それじゃ、こっちも()()()で行きますかね!」

 

 

ジードは2本、ロッソは1本ボトルを取り出しフォームチェンジする。

 

 

『スラッガー!』『ブースト!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『ソリッドバーニング!イエーイ!』

 

 

『アクア!』

 

『Are You Ready?』

 

「セレクト!」

 

『紺碧の海!ロッソ アクア!』

 

 

ジードは『ソリッドバーニングフォーム』へ、ロッソは『アクアフォーム』へと変身した。

 

 

「・・・・・・ん?あれ?ロッソでもアクアになれるの!?」

「まぁね♪それじゃ、行こっか!」

 

 

ジードはまだ立ち上がるドラゴンスマッシュに、ロッソは再びローグと対峙する。

 

 

「素早いあんたには、これでどう!?」

「くっ!?」

 

 

ロッソは水のエネルギー球を下投げでローグに投げ飛ばす。

 

 

「・・・・・・ふん、そんな攻撃は通用しない。」

「さぁ?それは、どうでしょう!」

「フフフ・・・、ん?これは・・・!?」

 

 

ローグは気付いた時には遅かった。ロッソが何度も投げた水のエネルギー弾は霧散せずにローグの体に付いて、動きを鈍らせていた。

 

 

「あら?思ったより頭は回らないみたいね~?」

「くっ!・・・・・・貴様ァ!」

「え?図星?・・・・・・まぁいいけど。セレクト!クリスタル!」

 

 

ロッソは減らず口を叩きながら、ルーブスラッガーに『ゼロクリスタル』をセットする。

 

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

「はぁ・・・!ゼロツインスライサー!!」

「グワァァァ!!・・・・・・くっ!?」

「ふふっ♪まだまだ行くよ!」

 

 

そして、ジードは・・・、

 

 

『ジードクロー!』

 

「ハッ!よっと!はぁ・・・、ハァ!!」

 

 

スマッシュを圧倒していた。香澄が離れたせいか、一切喋らないが。

 

 

「これでフィニッシュだ!」

 

 

ジードはクローのグリップを2回握り、技を発動する。

 

 

「はぁ・・・、コークスクリュージャミング!!」

 

 

体を高速回転させてスマッシュに突撃、スマッシュは爆発し消滅、ジードはドラゴンボトルをゲットする。

 

 

「よっと!ドラゴンボトルゲット!・・・・・・後は・・・!」

 

 

ジードはターゲットをナイトローグに定め、ロッソと共に攻撃する。

 

 

「くっ!?このままでは・・・!」

 

 

ローグはライフルのような武器を取り出しオレンジ色のボトル『タカフルボトル』をセットする。

 

 

『フルボトル!』

 

「フッ!」

 

『スチームショット!フルボトル!』

 

 

ジードとロッソは、ローグが放った弾丸の威力が高いことをすぐに察し、それに対応出来る技で対抗する。

 

 

「サイキックスラッガー!」

「スプラッシュボム!」

 

 

ジードは頭部のスラッガーを投げつけ、ロッソは下投げで水のエネルギー弾を投げつける。ローグの攻撃はロッソの弾と衝突し相殺され、ジードのスラッガーはローグに直撃した。

 

 

「ぐっ!・・・・・・まさか!?」

「蒼空!一緒に行くよ!」

「ああ!!」

 

 

ロッソはルーブスラッガーを構え、ジードは帰ってきたスラッガーを右腕の取り付け部分に取り付けて、ローグに斬りかかる。

 

 

「「クロススラッガー!!」」

「グワァァァ!!」

 

 

攻撃が決まり、ローグはその場に倒れた。

 

 

「くっ!・・・・・・覚えてろ!!」

 

 

ローグは黒い銃から煙を出して、姿を消した。

 

 

「・・・・・・ん?これって、タカボトルか!」

 

 

先程ローグが使ったタカボトルをゲットしたジードは変身を解き、龍哉たちの下に向かう。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

俺は、香澄のことを心配してた万丈に近付いた。

 

 

「っ!蒼空・・・。」

「・・・・・・。」

「その・・・、さっきは・・・。」

「ほれ。」

「うおっ!?・・・・・・これって?」

「ドラゴンボトルだ。お前が持ってろ。」

「・・・・・・そっか!『ドラゴン』ボトルと、万丈『龍』哉にかけて渡したの?」

「そんな訳あるか。・・・・・・まぁ、半分正解だけど。そのボトルとは何かの縁だと思ってな。」

「・・・・・・。」

「俺は仕事があるから先に帰る。お前は、香澄を送ってから海璃と帰ってこい。」

 

 

そんだけ言って、マシンビルダーに乗って俺は帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

さっきの戦い、蒼空は『俺の中の力』って言ってたけど、まさか・・・・・・あの力を・・・・・・!?

 

 

「・・・・・・ちゃんと導かないと・・・!」

 

 

私は万丈と香澄の護衛って形で一緒に帰っている時、()()()そう誓った・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

香澄はスマッシュになってしまうのは、仕方ないよ!原作もそうだったし。・・・・・・『香澄』違いだけど。
それと、ほんの少し見せた蒼空の中にある『力』とは・・・?

どうでもいいけどさ、今大阪の万博公園にいるんだよね~。


では、また次回!


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第6話 夜の青春

「天っっ才頭脳を持つ桐生蒼空は仮面ライダージードとしてスマッシュたちから人々の平和を守っていた!スタークが香澄をスマッシュにしてしまい、スマッシュを倒せば香澄が消滅すると言われた蒼空は、ボトルや自身の力を使ってなんとか香澄を救いだしたのだった。」
「なぁ、この前なんで俺の話をカットしたんだよ?」
「こっちは『なんで人体実験されたんだ?』って聞いてんのになんで出産からのエピソードするのかが逆に聞きたいわ!」
「『全部話せ』って言ったからだよ!」
「バカはやっぱりバカか。じゃ、第6話どうぞ!」







香澄がスマッシュになって、蒼空が助けてくれた次の日。

 

 

「ふわぁ~・・・。」

「ずいぶん眠そうだな。」カチャカチャ

「そりゃそうよ~。ブルとロッソになって、どっちも強力な技使ったんだから、疲れが残ってるんだよ~。ってことで、カフェでのんびりしてきま~す。」

「勝手にどーぞ。」

 

 

蒼空のやつ、パソコンいじりながら返事してやがる・・・・・・。ボトルとパソコン横のボトルが挿せる装置も一緒に。

 

 

「・・・・・・なぁ、」

「ん?」

「前から思ってたんだけど、ボトル(それ)ってなんだよ?」

「そいつはな・・・、」

 

 

俺の問いに答えたのは、研究室に入ってきたマスターだった。

 

 

「ベストマッチだ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「もう一度言う。・・・・・・()()()()()()だ。」

「いやいや、何回も言われても分かんないし。」

 

 

分かりやすく教えてくんないかな~?

 

 

「ボトルにはそれぞれ相性がある。」

 

 

あ、教えてくれるんだ。

 

 

「例えば、『ラビット』と、『タンク』。これをドライバーに挿すと、」

 

『ラビット!』『タンク!』

『ベストマッチ!』

 

「相性の良い組み合わせなら、こうやって反応する。」

「ふ~ん。でも、ベストマッチになるとどうなるんだ?」

「ベストマッチだとボトルの性能が上がるんだよ。」

 

 

話聞いてたんだ・・・。

 

 

「例えるなら、『ラビットタンク』と『ラビットダイヤモンド』。この2つのフォームのラビットのジャンプ力なら、断然『ラビットタンク』の方が強い。」

「へ~。」

「ハァ・・・。バカに言っても分かるかどうか知らんけど、このドライバーは元々変身だけのアイテムだったが、ベストマッチを調べる装置が追加されていた。」

「お前が作った訳じゃないんだ。」

「俺がこれをゲットした時のエピソードなら、第1話を見てこい。」

「おい!」

 

 

メタ発言するなよ!?

 

 

「ただ、中々ベストマッチが見つからなくて苦戦してんだよ。」

「へ~。ま、まぁ・・・、俺なら一発だけどな!」

「ほぉ~、言うじゃねぇか筋肉バカ。」

「あ!?」(怒)

「だったら探してもらおうか。」

 

 

すると、蒼空は作りかけの銃を見せつけてきた。

 

 

「これはガトリングボトルの成分を最大限に活用した最強の武器・・・・・・『なんとかガトリンガー』。」

 

 

名前決まってないのかよ・・・・・・。

 

 

「ガトリングボトルのベストマッチが見つかればなぁ・・・。」

 

 

ガトリングボトルって・・・・・・これか。だったら、これか?

 

 

『タカ!』『ガトリング!』『ベストマッチ!』

 

「うそーん!?」

「ブラボー!!」

「どうよ!俺の第・六・感!!

「・・・・・・タカガトリンガー?・・・・・・ホークガトリンガー?・・・・・・あ、ホークガトリンガーがいいな。」

「なんで分かったんだよ!?」

「まぁ、強いて言えば・・・・・・『生き物』と『機械』!」

 

「「ふぅ~!!」」

 

「そんなガキみたいな発想で分かるわけ無いだろ!?」

「あん?」

「これは、ベストマッチを解明するために、量子力学のパラドックスを」

 

\ヒュン!/

 

「「「・・・・・・・・・・・・。」」」

 

 

なんか、銀色の物体が俺たちの前を過ぎ去っていったけど・・・。

 

 

「皆様、仕事をほったらかして・・・・・・楽しそうですね。」ギラーン

 

 

なんで日本刀がここにあるの!?しかも投げた1本と、手に持ってる1本と、って2本あんのかよ!?・・・・・・でも、とりあえず、

 

 

「「「すいません・・・・・・。」」」

「それでは惣一様、万丈様、仕事に戻ってください。」

「蒼空は無しかよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・、このカフェは落ち着くね~。」

 

 

ってか、さっき夜華さんに蒼空たちのことを話したら若干殺気を漂わせながら向かっていったけど。

 

 

「こんにちはー!」

 

 

うわぁ~・・・、香澄たち(うるさいの)が来たわ~。

 

 

「あ、昨日の!」

「こんにちは。昨日はありがとうございます!」

「いいの、いいの~。・・・・・・ただ、今日ははしゃがないけどね。」

「え?遊んじゃいけないの?」

「折角ギター持ってきたのに・・・。」

「昨日の見てたら分かんだろ。」

 

 

なんだろう。・・・・・・既にうるさい。

 

 

「は~あ、・・・・・・お!?お客さんがいる!!」

「あ?・・・・・・お、香澄じゃん。」

「なんだよ、香澄ちゃんじゃない・・・・・・。」

 

 

マスター、ガッカリしないの。

 

 

「あ!龍君!」

 

 

・・・・・・あれ?香澄ちゃんって万丈目的で来たの?

 

 

「龍君、ちょっと公園までお散歩しない?」

「ん?・・・・・・まぁ、いいけど。」

 

 

・・・・・・出てったけど、なんだろう・・・?青春の匂いがする!

 

 それでは!万丈視点で私が気になるシーンをどうぞ!!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 なんか、香澄に呼ばれて公園まで来たけど・・・・・・。ここまで会話も無かったけどな。

 

 

「あ、そこのベンチに座ろ?」

「あぁ。・・・・・・あ、ちょっとそこの自販機で飲み物買ってくるわ。」

 

 

香澄の分も買って、香澄が座っているベンチに戻る。

 

 

「なんか、懐かしいな。・・・・・・昔はこうやって公園で遊んでたよな?」

「そうだね・・・・・・。」

 

 

・・・・・・なんか、今日の香澄、様子がおかしいような・・・?

 

 

「・・・・・・ありがとね。」

「あ?急になんだよ?」

「みんなから聞いたんだけど、私がスマッシュになって、『倒されたら消滅するかも』って時に、私を庇ってくれたんだよね?」

「・・・・・・あの時は、なんか『スマッシュを倒したら香澄が死んでしまうかも』って思っちまって・・・。」

「でも、敵の言葉を信じるとそうだったんでしょ?・・・・・・だから、お礼を言いたくて・・・。」

「・・・・・・そっか。」

 

 

なんか、照れくさいな・・・。

 

 

「・・・・・・ねぇ龍君。」

「ん?」

「あのね、前から思ってたんだけど・・・・・・、」

「・・・・・・ん?・・・・・・あ、アイツは!?」

「ん?・・・・・・あ!」

 

 

なんと、目の前にスマッシュがいるんですけど!?

 

 

『万丈龍哉、発見!』

 

「あ!?ヤベッ!」

 

 

マジかよ!?(多分)俺がいた学校のガーディアンだよ!

 

 

「香澄は隠れてろ!」

「うん!」

 

 

とりあえず昨日蒼空から貰ったドラゴンボトル握って、ガーディアンを1体殴ったら、

 

 

「オリャ!!・・・・・・え?」

 

 

スゲー勢いで殴られたガーディアンが飛んでいった。

 

 

「スッゲー・・・!」

 

 

ボトルの力か・・・。

 

 

「よし!これなら楽勝・・・・・・。」

 

 

・・・・・・ガーディアンがいっぱいいる・・・。

 

 

「・・・・・・では、無いよな・・・。」

 

 

でも、公園の入口側のガーディアンが突然倒れた。

 

 

「?・・・・・・お前、なんで!?」

「しゃがめ。」

 

 

犯人は蒼空だった。俺は素直に従うと、アイツはオレンジ色の銃でガーディアンを倒した。

 

 

「どーよ?俺の、発・明・品!ん?ん!?」

「そんなことより!アイツ何とか出来ないのか!?」

 

 

俺はガーディアン相手に暴れてるスマッシュを指差す。

 

 

「大丈夫だ、アイツの気配を感じてここに来たから。」

 

 

蒼空はドライバーを巻いて、変身する。

 

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

『スラッガー!』『ブースト!』『ベストマッチ!』

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『勇気のブーストスラッガー!ソリッドバーニング!イエーイ!』

 

 

俺も気合入れて、香澄に良いとこ見せるか!!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「ガーディアン共はなんとかする!お前はスマッシュをなんとかしろ!!」

「・・・・・・ふっ、筋肉バカが。」

 

『ジードクロー!』

 

 

ジードクローを手に取り、スマッシュに攻撃を仕掛けるジード。ジードの戦いをサポートするかのようにガーディアンを倒していく龍哉。

 

 

「ハァ!!・・・・・・あれ?」

 

 

スマッシュをクローで斬ったと思ったら感触が無かった。周りを見ると、

 

 

「え!?増えてる!?」

 

 

スマッシュがあちこちにいて、全てのスマッシュが光弾を放つ。

 

 

「危なっ!!ちょっと待てって!!・・・・・・え?グワッ!!」

 

 

光弾をなんとか躱しながらいると、突然後ろにスマッシュが現れどこから出したか分からない剣で斬られた。

 

 

「マジかよ・・・・・・。」

 

〈解。スマッシュの成分を解析。『忍者ボトル』のスマッシュです。〉

(なるほどね。)

 

「だったらこれだ!」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

 

ジードはオレンジ色と灰色のボトルを取り出し、

 

 

『タカ!』『ガトリング!』『ベストマッチ!』

 

 

ドライバーに挿し、レバーを回す。

 

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『天空の暴れん坊!ホークガトリング!イエーイ!』

 

 

ジードは『ホークガトリングフォーム』に変身し、ドライバーから銃を取り出す。

 

 

 

『ホークガトリンガー!』

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

 

ジードはタカボトルの力である羽根を上手く利用して、地面を滑ったり、逆さになって回転しつつ銃でガーディアンとスマッシュを攻撃している。

 

 

「よっと。・・・・・・ん?」

 

 

スマッシュが分身しながら上空に上がった。

 

 

「あ~・・・、やっぱ本体倒さんとダメか・・・。」

 

〈告。忍者スマッシュは上空から先程の光弾を放とうとしてます。〉

 

「だったら、ここで決めますか!」

 

10(テン)!』『20(トュエンティー)!』『30(サーティー)!』『40(フォーティー)!』

 

 

ジードはタカの力でスマッシュの真ん中に目掛けて飛びながら、ホークガトリンガーのリボルマガジンを回す。

 

 

50(フィフティー)!』『60(シックスティー)!』『70(セブンティー)!』

 

「まだまだ!!」

 

80(エイティ―)!』『90(ナインティー)!』『100(ワンハンドレッド)!』

『フルバレット!』

 

 

分身したスマッシュたちを球状のフィールドで隔離して、

 

 

「行っけー!!」

 

 

ホークガトリンガーを連射してスマッシュたちに1発も外さずに倒した。

 

 

「ふぅ・・・。」

 

 

地面に降りたジードは変身を解き、スマッシュ状態から元に戻ったボトルを回収した。

 

 

「よし、ボトルゲット♪」

「どうよ!?俺も結構倒したぜ!」

「・・・・・・ドラゴンボトルのおかげだろ。」

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「ってか、お前らいつの間に出掛けてたんだよ?」

「・・・・・・別に良いだろ!」

「まぁな。勝手にくっついていればいいさ。」

「おおおお前、いきなり何言い出すんだよ!?」

 

 

・・・・・・ん?なんか、コイツの反応・・・、まさか・・・!

 

 

「・・・・・・万丈。」

「な、なんだよ・・・。」

お前、香澄のこと好きなの?」コソコソ

 

「な!?そんな訳・・・・・・!」コソコソ

 

 

あるんだな。

 

 

「とりあえず帰るか。香澄!帰るぞ~!」

「は~い!」

 

 

これから、ちょっとからかっていくかな~?(ワクワク)

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

万丈と香澄・・・・・・ドキドキしちゃいますね~、この展開!これからどうなるのやら?

相変わらずどうでもいい事だけど、一昨日の夜に仕事終わりに大阪行って、昨日の夜に大阪から帰って来て、今日仕事はしんどい。・・・・・・高校の部活に呼ばれて行ったんですけど。
ただ、連日で休み取ろうと思ったら『なるべく希望休みを入れないように』って言われたから・・・・・・。


では、また次回!



・・・・・・アンケートするね。内容は、今ガルパでやってるイベントを『GEED Dream』風に少しアレンジして、2~3話くらいで投稿します。ただし、ベースはあくまでガルパがメインなので、今投稿してる本編から約1年後のストーリーです。相当ネタバレ含みます。それでもよろしければ・・・・・・って感じです。期間は・・・・・・票がほとんど増えなくなったら。


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第7話 秘密の片鱗

「天っっっ才頭脳を持つ桐生蒼空は、仮面ライダージードとして人々の平和を守っていた。ナイトローグやブラッドスタークが送り込んでくるスマッシュたちから市民を守りつつ、万丈龍哉が人体実験をされた謎を突き止めようとする。」
「なぁ、最後の一行は要らなくね?」
「なんでだよ?」
「だって!今まで俺が人体実験をされた真実を突き止めるシーンなんて一度も無かっただろ!?」
「・・・・・・鋭い男は嫌われるって夜華が言ってたぞ。」
「知るか!?」
「どうなる第7話!?」







『忍者!』

 

「忍者ボトルか~!相性が良いのは・・・・・・ライト?それともダイヤモンド!?あーどっちだろう~!?」

 

 

こいつ、帰って早々にベストマッチ探しかよ・・・・・・。

 

 

「なぁ、そろそろ俺が人体実験された理由を「うるさいなぁ。」・・・・・・あ!?」

「ベストマッチ探しは、お前のためでもあるんだぞ。」

 

 

うわ~、嘘くさ~。

 

 

「敵はローグやスタークたちがいる『ファウスト』だ。敵の力はまだ未知数。だから、ジードを強化しないとファウストには対抗出来ないかもしれない。そのためにも、」

 

 

あ~もう!面倒くさい!これでどうだ?

 

 

『コミック!』『ベストマッチ!』

 

「・・・・・・うそーん・・・。」

「これでいいだろ。とっとと俺の「うわあああ!!」うおっ!?」

「こうなったら武器だ!!」

「・・・はぁ!?」

「忍者コミックでぐうの音も出ない武器を創ってやる!」

「ふざけんなよ!」

「忍者とコミックだから、やっぱり剣だな!煙とか炎とか、あと風も出したり・・・・・・」ブツブツ

 

 

・・・・・・ダメだ、完全に自分の世界に入りやがった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 とある日の夜、人気の無い工場跡地では2人程の人の気配があった。

 

 

「まだお前に渡した()()()を、アイツに渡してなかったのか・・・。何を躊躇っている?」

「・・・・・・あの方に全て渡すのは、抵抗があるのですよ。()()はまだ起きないはずでは?」

 

 

スタークともう1人、『黒いコートを見に纏う人物』がいた。・・・・・・声は女性のようだが。

 

 

「俺が、指揮していればな。だが、()()を起こすのは、残念ながら俺じゃない。」

「・・・・・・でしたら、()()()()()()()()()を早くいただけませんか?」

「・・・・・・良いだろう、『早めに』と伝えておくよ。」

 

 

次の瞬間、スタークと黒コートは姿を消した。

 

 

 

 

 

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「ふわ~、良く寝た~。」

「出来た!!」

 

 

うわっ!?・・・・・・蒼空!?

 

 

「どうした、の・・・・・・って発明ね。」

「その名も、『4コマ忍法刀』!クゥ~!!」

 

 

楽しそうね・・・。

 

 

「早く試したいな~!!」ブンブン

「ちょっと!振り回さないの!!」

「っ・・・・・・はっ!」キラーン

 

 

ん?・・・・・・あ!

 

 

「試したい・・・・・・、試したい・・・・・・、」

 

 

蒼空が寝ている万丈に・・・!?

 

 

「試したらタダじゃおかないぞ。」

「なんだよ、起きてたのかよ。」

 

 

ガッカリしないの。

 

 

「ふわぁ~!ヤベ、一気に眠くなった・・・。」

「おはようございます。主様、眠そうですね?」

「うん・・・、徹夜で創ってたからな・・・。今から寝る・・・。」

「かしこまりました。」

「夜華さんはどうするの?お店あるんでしょ?」

「私の務めは、主様の付き従うことなので。」

 

 

つまり、お店には出ないと?

 

 

「・・・・・・ハァ・・・。さ、学校行こっと!」

 

 

この緩い空間にいると時間を忘れそうだから、私は登校することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 とある実験施設。そこは、『スマッシュ』を研究する施設だった。また、『ファウスト』の秘密基地でもある。

 

 

「・・・・・・スターク・・・!」

 

 

そこの幹部『ナイトローグ』は空のケースを見ていた。その中には10本程フルボトルが入っていた。

 

 

「盗まれたのですか?」

「・・・・・・犯人はスタークだ。奴がどこにボトルを持っていったのかは予想がつく。」

「でしたら、お手伝いしましょうか?」

 

 

どこからともなく現れたスーツ姿で杖を突く男は、以前スタークが使った『ライザースチームガン』をローグに見せつける。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ~~~!」

「おはようございます、主様。よく眠れましたか?」

「あぁ、おかげさまでぐっすりと。・・・・・・万丈は?」

「厨房で働かせています。お食事です、どうぞ。」

「ありがとう。・・・・・・男共だけでなんとかなるのか?」

「さぁ・・・。」

 

 

いやいや、それでよくアイツらに任せれたね!?

 

 

「・・・・・・とりあえず、身支度済ませたら俺も店に、・・・・・・またか。」

「・・・・・・スマッシュ、ですか。」

「あぁ、行ってくる。」

「お待ちください!」

 

 

え!?・・・・・・何?

 

 そんな事を思った矢先に夜華が何かのケースを取り出した。それを開けて俺に見せてくる。

 

 

「黙っていて申し訳ありません。」

「これ、フルボトルじゃん!しかも、今まで集めた分含めてビルド用のボトルが20本揃った!」

「・・・・・・今まで、主様が強くなることを躊躇っていました。もし、主様が・・・・・・っ、主様?」

 

 

俺は夜華の話を一応聞きながら、大賢者に今すぐ必要なボトルを教えてもらい、『パンダ』と『ロケット』に『掃除機』、それと『ロック』を持って出かけようとした。

 

 

「ん?どうしたの?」

「その・・・・・・怒らないんですか?」

「なんで怒る必要があるんだよ?」

「っ!それは・・・!」

「俺には夜華を怒る理由はない。・・・・・・行ってきます!」

 

 

それだけ言い残して、スマッシュの気配がするほうへ向かう。

 

 

「・・・・・・ずるいですよ、主様・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大賢者さん、最短ルートを。」

 

〈解。『パンダボトル』と『ロケットボトル』を使用してください。〉

 

「・・・・・・飛べってことね?」

 

 

大賢者さんの言う通り、『パンダ』と『ロケット』で変身する。

 

 

『パンダ!』『ロケット!』『ベストマッチ!』

 

「・・・・・・でしょうね。」

 

 

ベストマッチを言わない辺り、大賢者さんのご配慮なのかな?

 

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『ぶっ飛びモノトーン!ロケットパンダ!イエーイ!』

 

「・・・・・・っし、フッ!」

 

 

俺は左腕のロケットを使って大賢者さんが指定する場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 スマッシュが現れた場所は花咲川女子学園。現状は()()()()()()()()()()()()()だった。

 

 

「おい!変身しないのかよ!?」

「いや~、この前夜華さんにね・・・・・・、」

 

 

「これ以上、他人の前で正体を晒さないようにしてください。さもなくば、刻みますよ?」ギラーン

 

 

「って、日本刀持って脅されました・・・・・・。」

「あ~・・・。」

「じゃあ隠れて変身するの?」

「そうしたいけど、ねぇ・・・。」

 

 

海璃は周りを見渡す。香澄、有咲、たえ、りみも周りを見渡すと、他の生徒たちが逃げ回っていた。

 

 

「なかなか厳しいのよ・・・。」

「「「「あ~・・・。」」」」

「ん?何、あれ?」

 

 

りみの言葉で、他の4人が空を見上げる。そこには白いような水色のような物体が煙を吹き出しながら花咲川女子学園の上空に飛んできた。

 

 

「飛行機?」

 

『Ready Go!』

 

「・・・・・・違う、あれは・・・!」

 

 

その物体は花咲川の近くに来た瞬間、スマッシュに近付いてきた。

 

 

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

 

「ハァァ!!」

 

 

スマッシュに向かってきた物体・・・・・・ではなく、『ジード ロケットパンダフォーム』が右腕に力を込めて、その爪でスマッシュを切り裂いた。

 

 

「あ!蒼空君!」

「コラ!」

「香澄!名前言うなよ!!」

「ん?・・・・・・あ!」

「ん?・・・・・・まぁいいや!」

 

 

後ろでガヤガヤしてる5人を無視して、ジードはスマッシュに挑む。・・・・・・相変わらずスマッシュは何も声を発しなかった。

 

 

「フッ!ハッ!!」

 

 

ロケットの腕で殴ったり、パンダの爪で切り裂いたりしていた。

 

 

(大賢者さん、このスマッシュの形態って・・・・・・?)

〈解。基本的なスマッシュの形態『ストロングスマッシュ』です。〉

(ボトル20本は俺たちのとこにあるから、ガスを注入されたのか?)

〈恐らくは。〉

 

「だったら、早く助けないと!」

 

 

するとジードは左腕のロケットをスマッシュに向けて飛ばし、距離を置く。そして、

 

 

「よっと、これで!」

 

『忍者!』『コミック!』『ベストマッチ!』

 

 

先日、()()()()()()()()()()()()()()()()()を選び、変身する。

 

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イエーイ!』

 

 

『ニンニンコミックフォーム』に変身したジードは、ベルトから今朝完成した新武器『4コマ忍法刀』を取り出す。

 

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

『分身の術!』

 

 

ジードはスマッシュの周りに分身体を作り出し、スマッシュを困惑させる。スマッシュはジードの予想通り目を回す程に困惑していて、

 

 

「ハッ!」「ヨッ!」「フッ!」

 

『火遁の術!』

 

 

・・・・・・分身したジードは声を発せるため、若干うるさいけど、本体のジードの刀に炎を纏わせ、

 

 

「はぁ・・・、」

 

 

ジードはスマッシュの頭上に飛び上がり、炎の刃でスマッシュを切り裂いた。

 

 

『火炎斬り!』

 

「ハァァ!!」

 

 

スマッシュはその場に倒れた。

 

 

「よっと。・・・・・・ん?」

 

 

倒れたスマッシュに向けて空のボトルを突き出したジード。本来ならこうしてスマッシュから成分を抜き取り、浄化してボトルを生成するはず。だが、

 

 

「あれ?成分が吸収出来ない。なんで・・・?」

 

「そこまでだ!仮面ライダービルド!」

 

「うん?」

 

 

 

スマッシュから成分を抜き取れない事を考えてると、後ろから野太い声で呼ばれた。・・・・・・何故か『ジード』ではなく『ビルド』の方だが。

 

 

「君が噂の仮面ライダーか。」

「・・・・・・多分な。後、俺はビルドじゃなくてジードね。」

「・・・・・・花咲川女子学園教頭の氷室幻徳(ひむろげんとく)だ。悪いが、君のドライバーとボトルを回収させてもらうよ。」

「はぁ!?・・・・・・ん?」

 

 

氷室幻徳の言葉で周りにいる銃を持った武装隊がジードに銃口を向ける。だが、その標的のジードは武装隊より今後ろにいるスマッシュに気が向いてしまう。

 

 

「え?スマッシュが・・・・・・立ち上がった!?」

「何?」

 

 

立ち上がったストロングスマッシュはその身体にヒビが入り、

 

 

「ギャアアア!!」

 

 

翼を生やした白色の怪物へとなった。

 

 

「なんだコイツ!?・・・・・・スマッシュか!?」

「これは・・・!?」

 

 

その場にいた人物全員が驚いた。スマッシュの姿が変わったからだ。

 

 

(大賢者さん、コイツは・・・?)

〈・・・・・・解。残念ながら、現時点ではまだ解析出来ません。〉

 

「っ!・・・・・・今なら。」キョロキョロ

 

 

その状況を見ていた海璃はこっそり隠れて・・・。

 

 

「ギャアアア!!」

「っ!?危なっ!」

「グワァァァ!!」

 

 

ジードはかわしたが、白い怪物の叫び声と共に羽根から放たれた竜巻は武装隊を襲い、吹き飛ばした。

 

 

「っ!?だったら!!」

 

『風遁の術!』

 

「はぁ・・・、ハァ!!」

 

『竜巻斬り!』

 

「ギャアアア!!」

 

 

互いに作り出した竜巻がぶつかり、消滅した。だが、

 

 

「ギャアアア!!」

「なっ!?ぐわっ!!」

 

 

怪物が羽根を使って突撃、それによってジードは吹き飛ばされた。

 

 

「ギャアアア!!」

「ぐっ!?」

 

「フレイムバーン!!」

 

 

ジードに飛びながら迫っていた怪物は炎の光線を受けて、ジードにダメージを与えることなく地面に落ちた。

 

 

「っ!・・・・・・かい・・・じゃない、ブル!で合ってるよね?」

「うん、角1本だからね。」

「ってか、やっぱりそっちでも炎のフォームになるんだ・・・。」

「そこはいいから、行くよ!」

「お、おう。・・・・・・了解。これで決める!」

 

\シャカシャカ・・・・・・/

 

『ライオン!』『掃除機!』『ベストマッチ!』

 

『ウィンド!』『ベストマッチ!』

 

 

ジードは『ライオン』と『掃除機』で、ブルは『フレイム』を抜き、今まで見せなかった紫色のボトル『ウィンドボトル』を使ってフォームチェンジする。

 

 

『『Are You Ready?』』

 

「ビルドアップ!」

「セレクト!」

 

 

『たてがみサイクロン!ライオンクリーナー!イエーイ!』

 

『紫電の疾風!ブル ウィンド!イエーイ!』

 

 

ジードは『ライオンクリーナーフォーム』に、ブルは『ウィンドフォーム』にフォームチェンジする。

 

 

「改めて・・・、勝利の法則は、決まった!」

 

 

決めポーズをしたジードはすぐさまドライバーのレバーを回す。ブルもそれに合わせてドライバーのレバーを回す。

 

 

『『Ready Go!』』

 

 

 怪物は危険を察したのかその翼を使って何処かに逃げようとする。が、

 

 

「逃がすか!!」

「イイ感じに頼むよ!」

 

 

ジードは左腕の掃除機を利用して怪物を引き込もうとする。怪物は頑張って逃げようとするが、なかなか逃げられずにいた。

 

 

「はぁ・・・ハァ!!」

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

 

「はぁ・・・、ストームシューティング!」

『ウィンド フィニッシュ!』

 

「ギャアアア・・・!!」

 

 

攻撃を受けた怪物は地面に落ちて爆発、消滅した。

 

 

「ふぅ~。・・・・・・ん?それ何?」

「まぁまぁ。それよに、早く逃げなよ。じゃあね~。」

「え?・・・・・・あ。あ!?」

 

 

ジードはブルが指差した方を見ると、武装隊が迫ってきていて、またブルを見ると既に何処かに逃げていた。

 

 ブルの『ウィンドフォーム』はどのフォームよりも高速で移動出来るため、その力を利用して既に逃げていたのだ。

 

 

「ヤッベ!」

 

『ロケットパンダ!イエーイ!』

 

「フッ!」

 

 

ジードは『ロケットパンダフォーム』になってその場を離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな時、nascitaでは、

 

 

「・・・・・・ん?万丈様、どちらへ?」

「ん?なんか、嫌な気配がするからちょっと出かけてくる。」

 

 

そう言って、ある程度の変装をして出かけて行った。

 

 

「・・・・・・気配?・・・・・・まさか・・・!」

 

 

龍哉の発言を聞いた夜華の中には、龍哉の発言に何か思い当たる節があった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、飛んで花咲川にいた武装隊から逃げてきたジードは、とある公園に降りて変身を解いた。

 

 

「よっと。ふぅ~・・・、なんとか逃げれた。」

「待っていましたよ、桐生蒼空君。」

「っ!?」

 

 

何処かから呼ばれた蒼空は気を緩めずに声をかけてきた人物を見る。

 

 

「・・・・・・。」(誰だ、アイツ・・・?)

 

〈解。有名な小説家『伏井出(ふくいで)ケイ』です。〉

 

「あなたに用事があって来ました。」

「俺に、ですか?」

「えぇ。」

 

 

そんな伏井出ケイは、赤い銃『ライザースチームガン』を取り出した。

 

 

「あなたの、『リトルスター』を回収します。」

「っ!?」

 

 

ケイは紫色のボトルを2本取り出し、

 

 

『フュージョンモード!』

『キングジョー!』

 

 

ボトルを銃に挿した後、すぐに抜いてもう1本のボトルを挿す。

 

 

『ゼットン!』

『フュージョンライズ!』

 

「蒸血・・・。」

 

 

トリガーを引くと、煙が銃口から吹き出し、その煙がケイを包む。

 

 

『キングジョー!ゼットン!ペダニウムゼットン!』

 

 

煙が消える頃には金色のロボットのような姿に変身していた。

 

 

「さぁ、始めましょうか?()()()()()()()()()()()()()よ。」

「っ!・・・・・・ベリアル!?」

 

 

この時から、伏井出ケイとベリアルへの因縁の対決が・・・・・・本格的に始まった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

今回出てきた『翼を生やした白い怪物』はなんでしょうね~?・・・・・・次回、答え言います。

次回から、伏井出ケイとの戦闘が始まります。


では、また次回!


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第8話 覚醒と消失

「仮面ライダージードで、天っっっっ才物理学者の桐生蒼空は、スマッシュから人々を守るため、日夜武器の開発をして、ジードを強化していた。そんな中、蒼空の前に現れた男は謎のボトルと赤い銃で、見たことのない怪物に変身した・・・・・・。あれ、今日は誰もいないのね。・・・・・・じゃあ、どうなる第8話!?」







『ペダニウムゼットン!』

 

「さぁ、始めましょうか?()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「っ!・・・・・・ベリアル!?」

 

 

なんで、アイツがベリアルの名前を・・・・・・!?ってか、今『ベリアル様』って・・・!?

 

 

「ククク・・・!不思議でしょう?何故、私が『ベリアル』という名前を知っているのか?・・・・・・知りたければ、かかって来なさい。」

「・・・・・・っ!」

 

 

やるしかないか・・・!

 

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

 

「変身!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は何か嫌な気配がしたから、居ても立っても居られなくてnascitaを飛び出した。・・・・・・一応怒られたりバレたりしないように変装はしてるけど。

 

 

「ハァ!!」

「ゥウアア!!」

 

「あ?・・・・・・蒼空!?」

 

 

聞き覚えのある声がしたからそこに行くと、蒼空がジードに変身して、金色のロボットみたいな怪物と戦っていた。

 

 

「万丈・・・、アイツの邪魔はするなよ?」

「スターク!!」

 

 

俺と蒼空たちの間にスタークが立ち塞がる。

 

 

「思ったより予定が早いようだが・・・・・・まぁいい。こっちも楽しもうか?」

「・・・・・・どけよ。って言いたいが、まずはテメェをぶっ潰す!」

 

\シャカシャカ・・・/

 

 

俺はドラゴンボトルを振って、スタークを殴りに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ!」

「フン!ゥラァ!」

 

 

龍哉とスタークが戦い始めた頃には、ジードとペダニウムゼットンの戦いに変化が表れていた。

 

 

「ゥゥアアア!!」

「っ!?ぐわあああ!!」

 

 

ペダニウムゼットンの拳がジードを吹き飛ばす。

 

 

「ぐっ!?・・・・・・強い・・・!」

「フッハッハ・・・!やはり、君はベリアル様の遺伝子を持つだけで他には何も価値が無い存在だなぁ?」

「・・・・・・ベリアルって、なんだよ・・・!?」

「ベリアル様は、全世界を支配、破壊する最凶のお方だ!君が変身したその姿、そこにベリアル様の遺伝子を持つという証が存在する。」

「・・・・・・この目が・・・?」

「そうだ!君が赤ん坊の頃、私はベリアル様の命に従い、君を誘拐してその身体にベリアル様の遺伝子を注入したのだ!そして、見事に君は成長して『仮面ライダー』となってリトルスターを回収してくれた。私の実験は成功という訳だ!」

「っ!・・・・・・お前が・・・!!」

 

 

ジードは『自分の身体を実験台にした』という怒りを覚え、怒りに身を任せつつフォームチェンジする。

 

 

『ゴリラ!』『ダイヤモンド!』『ベストマッチ!』

 

「ビルドアップ!!」

 

『ゴリラモンド!イエーイ!』

 

 

ゴリラモンドフォームとなったジードは、その右腕でペダニウムゼットンを殴る。

 

 

「ハァァ!!」

 

 

そのパンチは見事にペダニウムゼットンの体に直撃した。・・・・・・だが、

 

 

「その程度の攻撃が効くと思ったか?」

「何っ!?」

「ふんっ!!」

「っ!・・・・・・ぐわっ!?」

 

 

なんとか攻撃される前にダイヤモンドの腕を前に出して攻撃を防いだが、相手の力が強すぎてそのまま突き飛ばされる。

 

 

「作られた模造品が、私に勝てると思うな!!ベリアル様の恩恵を受けるのは私だ!!」

「ぐっ!・・・・・・なら!!」

 

『スラッガー!』『ブースト!』『ベストマッチ!』

 

 

左腕のみで器用にボトルを入れ替え、リトルスターのボトルで変身した。

 

 

『Are You Ready?』

 

「ビルドアップ!!」

 

『勇気のブーストスラッガー!ソリッドバーニング!イエーイ!』

 

『ジードクロー!』

 

 

ジードはソリッドバーニングになり、ジードクローを構えてペダニウムゼットンに挑む。

 

 

「ドゥア!!」

「グゥゥ・・・!!」

「よし、イケる!!」

「・・・・・・フフフッ、その程度の力で私に勝てると思うな!!」

 

 

ブーストの力を生かしたジードクローの一撃を受けたペダニウムゼットンは、自ら士気を高め、ジードに挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ジードは気付いているが、龍哉とスタークが戦っている場所。・・・・・・実際にはスタークは余裕な感じで龍哉の、ドラゴンボトルの力が乗った拳を受け続けていた。

 

 

「オリャ!オリャ!!」

「グッ!?・・・・・・ハザードレベル2.6、2.7!?予想以上のハザードレベルの上がり具合だな~!」

「あぁ!?何ブツブツ言ってやがる!!オリャー!!」

 

 

スタークの言葉に耳を傾けることなく、龍哉は殴り続ける。

 

 

「おーおー!ハザードレベル2.8、2.9!いいぞ~!もう少しだ~!!」

 

 

 そして、

 

 

オリャーーー!!

ハザードレベル3.0ーーー!!?

 

 

左腕で龍哉の拳を受けたスタークは、龍哉の力が思ったより強くて後ろに吹き飛ばされてしまう。

 

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、」

「くっ・・・・・・、ハザードレベル3.0・・・。遂に覚醒したか、万丈ーーー!!

 

 

スタークは龍哉に向かって叫ぶ。その声はジードにも届き・・・・・・。

 

 

「っ!万丈!!」(覚醒?・・・・・・3.0?・・・・・・まさか!)

「よそ見をするな!」

「っ!ぐわあああ!!」

 

 

龍哉とスタークの方に気を取られていたら、ペダニウムゼットンの(いなずま)のような光線がジードを襲う。

 

 

「ぐっ・・・・・・っ!」

「うぅ・・・・・・ゥアアア!!!」

 

 

ペダニウムゼットンは隙を作らせまいと炎纏わせた強力な光線を放つ。

 

 

『Ready Go!』

 

「ストライクブースト!!」

『ソリッドバーニング フィニッシュ!』

 

 

ジードも負けじと必殺技を放ち、互いの中心で衝突する。

 

 

「ハァアアア!!」

「ゥアアアア!!」

 

 

中心でぶつかり合う光線は、中心から火の玉が飛び散り、火の玉が落ちた場所では被害が起きていた。2人の光線が続く限り、その被害は拡大していく・・・・・・。

 

 

「ハハハ・・・!君が『グエバッサー』を倒した力は認めよう。だが!そもそも君が仮面ライダーにならなければ、スマッシュが街で暴れることは無かった!周りに被害が起きることはなかったんだ!!」

「っ!スマッシュが暴れるのはお前たちのせいだろ!?俺が悪いとでも言うのか!?」

「そうだ!その証拠を今から見せてやる!!ハアアアア!!

ハァアアア!!

 

 

2つの光線のエネルギーが中心で溜まりすぎて、2人を包むほどの爆発が起こる。

 

 

「ぐっ!?な、なんだ!?」

「くっ・・・!マジか・・・・・・!」

 

 

近くで戦っていた龍哉とスタークはその爆発に意識が向く。そして・・・・・・、

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・っ!蒼空!」

 

 

変身が解け、意識を失い倒れている蒼空がいた。周りにはボトルが数本・・・・・・リトルスターのボトル6本とパンドラボックスのボトルが数本落ちていた。そして、蒼空の側には変身を解いた伏井出ケイがいた。

 

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、リトルスターは全て回収する・・・・・・。」

 

 

ケイはパンドラボックスのボトルは拾わず、リトルスターから作られたボトルのみを拾っていった。

 

 

「ん?6本のみ?・・・・・・まぁいい、私に勝てる訳がないからな・・・・・・。」

 

 

ケイは6本のボトルを持ち去ってどこかに行ってしまう。

 

 

「蒼空!!」

 

 

ケイが去った後、龍哉は蒼空に駆け寄る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺は爆発に巻き込まれて意識を失った蒼空に駆け寄った。

 

 

「蒼空!・・・・・・おい!蒼空!」

 

 

どんなに体を揺らしても、声をかけても起きなかった。

 

 

「さすがに、あの戦いの後だと簡単に起きないか・・・。」

「っ!スターク!?」

「心配するな。今お前たちを攻撃するつもりはない。」

「あぁ!?」

 

 

散々俺たちに色々してきた奴の言うことは信用できるかよ!?

 

 

「とにかく、早くソイツを連れてけ。・・・・・・あぁ!それとコレを、起きたら渡してやれ。」

「うおっ!?・・・・・・これって?」

 

 

渡されたのは、あまり見ないボトルだった。でも、それは生き物でも機械でもなかった。まるで『スペシウムボトル』のような模様で色は水色だった。

 

 

「その『エメリウムボトル』は誰にも取られないようにしろよ。じゃあな!」

 

 

スタークはどこかへ行ってしまった。

 

 

「・・・・・・あっ!そうだ!えっと・・・とりあえずnascitaに連絡しないと!」

 

 

俺はnascitaに連絡して、夜華に状況を伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ~、・・・・・・蒼空、ちゃんと逃げれたかな~?

 

 

「鳥羽さん。」

「?」

 

 

えっと・・・・・・、どちら様?

 

 

「あなた、『仮面ライダー』よね?しかも、ビルドドライバーで変身する。」

「っ!?」

 

 

なんで、正体を知ってるの!?

 

 私の中に緊張感が走る。

 

 

「あたしはただの花咲川女子学園の校長よ。あなたにお願いがあるの。」

「・・・・・・っ!」

 

 

今気づいたけど、この人の手にはそれなりに大きな紙袋が入っていた。

 

 

「あなたに、・・・・・・いえ、()()()()()に、この学園を守ってほしいの。」

 

 

この提案に『Yes』と答えることが、この先、取り返しのつかないことになるとは、この時の私は知るはずも無かった・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

ジードのリトルスターのボトル『スペシウム』『ジード』『スラッガー』『ブースト』『ナイト』『ムーン』の6本が蒼空の手元からケイの手元に渡ってしまいましたね~。

それと、前回の『羽根を生やした白い怪物』の名前は『グエバッサー』です。原作『ルーブ』から出しました。


さぁ、それではまた次回!



ラウクレ行きたかったーーー!!


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第9話 R/Bの新装備

「仮面ライダージードで、天才頭脳を持つ桐生蒼空は、スマッシュの脅威から人々を守っていた。そんな中、蒼空の体内に最凶の存在『ベリアル』の遺伝子を注入した伏井出ケイが現れ、蒼空は負けてしまう。更に、リトルスターから形成されたボトルまで奪われてしまった・・・・・・。」ガクッ
「話す体力まで無くなったってか?じゃあ代わりに俺が!さぁ、どうなる第9話!?」







 私の前に現れた校長。

 

 

「・・・・・・どこで私の正体を?」

「それはもちろん、学校の監視カメラで。」

「っ!?」

 

 

ウソでしょ!?カメラが無い所で変身してたはずなのに・・・!?

 

 

「ってのは、冗談♪」

「おい。」

「監視っていうより、個人的に設置した監視カメラでね。」

「それ、いいの・・・・・・?」

「まぁまぁ。それより、・・・・・・そろそろお客様が来るの。」

 

 

お客様?

 

 

「そのお客様、もうすぐ()()()()()と思うから。」

「・・・?」

 

 

その瞬間、学校に爆発音が鳴り響く。

 

 

「っ!何!?」

「ほら。」

「・・・・・・スマッシュ!?」

 

 

私は自然と体が動き出していた。

 

 

「・・・・・・あ!渡すの忘れてた!」

 

 

・・・・・・・・・・・・何も聞かなかったことにしよう!

 

 

『ブル!』『ウィンド!』『ベストマッチ!』

 

 

走りながら、高速移動出来る組み合わせを選んだ。

 

 

『Are You Ready?』

 

「変身!」

 

『ブル ウィンド!イエーイ!』

 

 

私は変身した瞬間、ウィンドの力でお客様(スマッシュ)の下に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 花咲川女子学園の校門付近では、スマッシュが暴れていた。

 

 

「グォオオオ!!」

「なんで1日で2回も怪物見るんだよ!?」

「スマッシュだよ、有咲!!」

「知ったことか!!」

 

 

まだ残っていた香澄と有咲は、怪物騒動にまた巻き込まれていた。

 

 

「グォオオオ!!」

「ハァ!」

「「ん?・・・・・・あ!」」

 

 

スマッシュが香澄たちに近付こうとした瞬間、スマッシュは紫の疾風を纏った刃に襲われた。香澄たちはその紫の存在を見て、誰かすぐに分かった。

 

 

「海璃ー!」

「・・・・・・あ!ちょっ、香澄!正体!」

「はっ!」

「ハァ・・・。」(なんでか知らないけど、校長にはバレてたんだけどね~・・・。)

 

 

香澄と有咲の夫婦漫才を冷めた目で見てるブルは、夫婦漫才を無視してスマッシュに意識を向ける。

 

 

「このスマッシュ・・・・・・普通っぽいんだよな~。とにかく、倒すしかないか!」

 

 

ルーブスラッガーブルを逆手に持ち、スマッシュに戦いを挑む。軽やかな動きで翻弄しつつ、敵を斬りつける。

 

 

「これで決める!」

 

 

ブルは赤色のクリスタルを取り出し、クリスタルの角を1本展開させてスラッガーにセットする。

 

 

「セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

 

刃がクリスタル同様赤色に染まり、逆手にスラッガーを持ったブルは刃をスマッシュに突き出す。

 

 

「はぁ・・・、ダイナマイトスラッシュ!!」

「グァアアア!!」

 

 

炎纏った光線を受けたスマッシュはエネルギーが体内に集結し、爆発した。

 

 

「ふぅ~。」

「やった~!」

「よっし!」

 

 

その光景を見ていた者全てが安心したと思ったが、

 

 

「・・・・・・ん?」

「グゥゥ・・・、グゥアアア!!」

 

 

『プレススマッシュ』が殻を破り、炎のような角を持ったスマッシュとは言えない姿に変わった。

 

 

「っ!?何、コイツ・・・!?」

「そいつは『インベス』と呼ばれるものだ。」

「っ!ナイトローグ!?」

 

 

ブルの疑問に、ナイトローグが答えた。

 

 

「おかげで良い実験が出来た。」

「実験・・・?」

「人間以外の生物にネビュラガスを投与するとどうなるか、その実験が出来て満足だ。せいぜいそいつに苦しめられることだ。」

 

 

ローグは身体の装甲から煙を出して姿を消した。

 

 

「っ!・・・・・・うわっ!?」

「グォオオオ!!」

 

 

ローグに意識を向けていたら、スマッシュから姿を変えた『シカインベス』が突進してきた。

 

 

「危なっ!!・・・・・・ったく!」

 

『ロッソ!』

 

 

ギリギリ突進をかわして、『ブルボトル』を『ロッソボトル』に入れ替えた。

 

 

『Are You Ready?』

 

「セレクト!」

 

『紫電の疾風!ロッソ ウィンド!』

 

「ふっ!ルーブスラッガーロッソ!」

 

 

2本角の紫色の姿『仮面ライダーロッソ ウィンドフォーム』に変身して、『ルーブスラッガーブル』を『ルーブスラッガーロッソ』に分離させた。

 

 

「グォオオオ!!」

「このっ!!」

 

 

突進してくる『シカインベス』に対して、スラッガーで受け流しつつ、体力が疲弊しきるのを待っていた。そして、

 

 

 

「も~!!しつこい!!」

 

『Ready Go!』

 

 

痺れを切らしたロッソはドライバーのレバーを回し、

 

 

『ウィンド フィニッシュ!』

 

「ハリケーン・・・・・・バレット!!」

 

 

野球の投球のように風のエネルギー弾を飛ばし、シカインベスの動きを止める。さらに追い打ちをかけるように、

 

 

「セレクト、クリスタル!」

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

「必殺!ゼロツインスライサー!!」

 

 

風のエネルギーに押されているシカインベスに向けて思いっきり刃を投げ飛ばした。だけど、

 

 

「・・・・・・グゥアアア!!」

「あれ?倒せてない・・・・・・。」

 

(やっぱり、スマッシュと違うから・・・・・・かな?)

 

 

・・・・・・正確には、慣れてない相手に弱点を上手くつけていなかっただけだが。

 

 

「っ!・・・・・・イテッ!?ん?・・・・・・ん!?」

 

 

インベスが再び戦闘態勢になり、気を引き締め直した瞬間、頭部に若干の衝撃が加わる。辺りを見渡すと1つの白い箱が落ちていて、上空には何故かドローンが飛んでいた。

 

 

「なんで?」

 

 

そして、ロッソのスーツ内の携帯に着信が入る。

 

 

「もう誰よ?・・・・・・もしもし?」

『あなた、どこから携帯出してるの?』

「それより!一体なんですか?戦闘中に!」

『その箱の中にあなた用の武器『ルーブシューター』が入ってるから、上手く使ってね!』

「えっ!?ちょっ!?・・・・・・切れた!?」

 

 

そして、電話が切れる。

 

 

「全くあの人は・・・・・・。とりあえず!」

 

 

大人の事情で携帯をしまい、インベスの攻撃をかわしながら箱を広い、

 

 

「・・・・・・ちょっ、なんでテープ付いてるのよ!?あ、取れた。・・・・・・これね、私の新しい武器って!」

 

 

まるで『怪盗VS警察』みたいな銃をロッソは手に取る。

 

 

「これ?本当に使える?おもちゃ感凄いけど。」

「グォオオオ!!」

「っ!?・・・・・・やってやろうじゃない!!ハァ!!」

 

 

銃口をインベスに向けトリガーを引くと、ルーブシューターからエネルギー弾が放たれ、インベスに直撃する。

 

「グワアアア!!」

「お?・・・・・・おお!なかなかイケるね!」

 

 

その攻撃は効いていた。

 

 

「・・・・・・ん?これ、ボトル挿せるかな?」

 

 

ロッソは片側にある2つのボトルホルダーを見つけ、試しにフレイムボトルのみを挿してみた。

 

 

『フレイム!』

 

「で、これ?」

 

 

銃の後ろにある大きなグリップを引きながらボトルが上に向くように銃身を動かす。

 

 

『Ready Go!』

 

「おお!これね!」

 

 

試してる最中になんとか立ち上がったインベスに銃口を向け、トリガーを引いた。

 

 

「はぁ・・・・・・ハァ!!」

 

『ルービウムシュート!』

 

「ッ!?グワアアア!!」

 

 

銃口から放たれた炎の弾丸がインベスに命中し、吹き飛ばす。

 

 

「こういう感じね。・・・・・・だったら、これで決めますか!」

 

 

ロッソはフレイムボトルを一度抜き、アクアボトルと共に再びセットする。

 

 

『フレイム!』『アクア!』『Ready Go!』

 

「はぁ・・・・・・!」

 

 

グリップを引きながら銃身を動かす。そして、その銃口から炎の力と水の力を同時に収束していく。そして、

 

 

「アデュー!」

 

『ルービウムバースト!』

 

 

炎の弾丸と水の光線が交わった一撃がインベスに当たり、爆発して消滅した。

 

 

「ふぅ~。・・・・・・これ凄いな~!」

 

 

新たに手にした武器『ルーブシューター』に感動していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「・・・・・・ら!・・・・・・蒼空!」

 

 

・・・・・・万丈の声がする・・・。

 

 

「・・・・・・ん・・・、ここは・・・?」

「目が覚めたか・・・。」

「・・・・・・っ!アイツは!?グッ!?」

「傷が開くぞ。・・・・・・アイツならどっか行ったよ。」

 

 

・・・・・・あれ?

 

 

「ボトルが足りない。しかも、リトルスター・・・・・・そうか、持ってかれたのか・・・。」

 

 

アイツ・・・・・・伏井出ケイが持って行ったんだ。なんで『リトルスター』を求めてたんだ・・・?

 

 

「主様、起きられましたか。」

「あぁ、心配かけてごめん。」

 

 

・・・・・・そうだ。

 

 

「夜華、話がある。万丈、ちょっと席を離してくれ。」

「お、おう・・・。」

「・・・・・・かしこまりました。」

 

 

俺は自室に夜華だけを残した。

 

 

「・・・・・・話とは?」

「さっきの戦いで、俺の体の事を聞かされた。」

「・・・!?」

 

 

俺はさっきの戦い、伏井出ケイとの戦いで奴から聞かされた話を夜華に話した。

 

 

「・・・・・・そこまで知ったのですか・・・。」

「っ!知ってたのか!?」

 

 

そして、夜華は覚悟を決めたのか、

 

 

「主様とベリアルの関係、私が出来る限り話します。」

 

 

俺の中に『ベリアルの遺伝子』がある理由を話し始めた・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

今回の敵は『シカインベス』でした。・・・・・・でも、前に戦極ドライバー出したから、出てきてもおかしくないでしょ?


では、また次回!


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第10話 新たなベルト

「仮面ライダージードで、天才頭脳を持つ桐生蒼空は、日々スマッシュと戦い、人々を守っていた。伏井出ケイとの戦いに敗れ、ボトルを奪われた蒼空。
その間、鳥羽海璃は新たな武器『ルーブシューター』を手に入れ、スマッシュ化されたインベスを撃破した。」
「え!?私の説明これだけ!?」
「だったら、お前が言えばいいだろ?」
「なんで私が説明する事になるの!?」
「さあ、どうなる第10話!?」
「いいよ!だったら次活y」







 夜華が静かに、俺の昔話を話し始めた。

 

 

「その前に、コーヒーはいかがですか?」

「・・・・・・俺の静かに真剣に語ったナレーションはなんだったんだ?」

 

 

改めて!

 

 

「そうですね。まずは、あの話から始めましょうか?」

 

 

・・・・・・俺たちの手にはコーヒーがある。これ飲みながらする会話なのかが不安だ。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 これは、主様がまだ赤ん坊の頃のお話。・・・・・・私も聞いた話なのですが

 

 

「そこから始めるの!?」

 

 

そこから主様とベリアルの関係が始まったんですよ。

 

 生まれて間もない頃にとある人物が主様を攫いました。

 

 

「それって、伏井出ケイか?」

 

 

・・・・・・はい、彼は人間ではありません。『ストルム人』と呼ばれる異界人です。ベリアルが別の世界からこの世界に連れて来たのです。

 

 伏井出ケイはベリアルの指示に従い、主様を攫いました。そして、その身体にベリアルの遺伝子を注入しました。本来なら拒絶反応を起こすはずですが、主様には適応しました。ですが、遺伝子を注入した直後に主様のお父上が助けだしたのです。

 

 

「俺の親父?どうやって化物のとこから助けたの?」

 

 

それは・・・・・・分かりません。この話は主様のお父上から聞かされた話ですが、この辺の話は詳しく聞けなかったのです。

 

 主様を救出した後、ベリアルたちは何も仕掛けてくる事はありませんでした。

 

 主様の体内のベリアルの遺伝子は特に活性化する事なく、主様は穏やかに過ごしました。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?終わり!?」

「はい。」

「いやいや、他にも絶対何かあったでしょ!?」

()()()()()()()()はこれで終わりですよ。・・・・・・この先の事は知りませんが。」

 

 

はっは~!そう来たか~!この腹黒が!!

 

 

「だったら、別の事を教えてくれよ。・・・・・・他にもあるんだろ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

しばしの沈黙。・・・・・・そして、

 

 

「申し訳ありませんが、これ以上の事はネタバレになるので今はお伝え出来ません。」

「おい!」

 

 

何よ!?ネタバレって!!

 

 

「今は辛抱ください、主様。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

悲しそうな顔で俺に頭を下げる夜華。こんな事されると、何も言えないよな・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~!?リトルスターが全部奪われた~!?」

「うるさいうるさい。」

「いやいや!?なんで冷静でいられるの!?」

 

 

現在、海璃に状況を説明中。

 

 

「・・・・・・でも、その伏井出ケイに勝つ方法はあるの?」

「・・・・・・正直、勝てる確率は低い。」

 

 

俺はあの時の戦いを思い出していた。

 

 ゴリラとダイヤモンドのベストマッチの攻撃は全然効かなかったのに、何故かスラッガーとブーストのベストマッチの攻撃は効いていた。

 

 

「なんでゴリラとダイヤモンドの攻撃が効かなかったんだよ?マジ強そうなのに・・・。」

「万丈の言う通りだ。このベストマッチの方が、ソリッドバーニングの一撃より強い一撃を繰り出せる。」

「・・・・・・もしかして!」

「あ?」

 

 

頭の悪い万丈には分からないか・・・。

 

 

「もしかすると、奴にはリトルスターから作られたボトルを使った攻撃が有効なんだと思う。」

「・・・お!なるほど!」

 

 

黙ってて、筋肉バカ。

 

 

「でも、リトルスターのボトルってもう無いんでしょ?」

「・・・・・・あ!」

「うっさいなぁ、筋肉バカは!!」

「誰が筋肉バカだ!?・・・・・・これ。」

 

 

筋肉バカが見せてきたのは、無いと思っていたリトルスターのボトル『エメリウムボトル』だった。

 

 

「お前、なんで?」

「スタークから渡された。」

「「スタークが!?」」

 

 

・・・・・・一体、何を考えているんだ?

 

 

「・・・・・・とりあえず、リトルスターのボトルは1つ手元にある事は分かった。そんな万丈に、コイツをやるよ。」

「あ?・・・・・・うおっ!?」

 

 

工具箱を持ってきて開けると、青色の龍のようなガジェットが飛びまわり始めた。

 

 

「なんだよあれ?」

「見張り役のペットだ。お前が暴走しないためにもな。」

「いらねーよ、そんなの。」

 

 

万丈がドラゴンを払おうとしたら、ドラゴンに炎を吐かれていた。

 

 

「アッチ!・・・・・・何すんだよ!?」

 

「ハァ・・・。さてと、どうすれば伏井出ケイ(アイツ)に勝てるのか?」

「確かに。リトルスターのボトルが、ベストマッチが分からないんじゃ、武器にセットするしか方法が無いよね~。」

 

 

すると、俺の携帯・・・・・・というか、ビルドフォンに着信が入る。

 

 

「・・・・・・ん?誰から?」

「分からん、『非通知』だ。」

 

 

とりあえず、電話に出てみよう。・・・・・・嫌がらせなら速攻で切るだけだし。

 

 

「もしもし?」

『桐生蒼空だな?』

「・・・・・・誰だ?」

『今から言う場所に来い。そこに、スマッシュが現れる。場所は・・・・・・』

「何!?お、おい!!」

 

 

電話が切れちまった。・・・・・・いや、奴が切ったのだろう。

 

 

「そ、蒼空・・・?」

「・・・・・・ちょっと行ってくる。」

「どこに?」

「すぐ戻ってくる。」

 

 

それだけ言って、俺は変音機で声を変えて伝えられた場所に向かう。・・・・・・もちろん、バイクで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ここ、だよな?」

 

 

 伝えられた場所に来たけど、誰もいなかった。・・・・・・夜遅いしな。

 

 

「・・・・・・ん?夜華?」

 

 

でも、そんな場所に1人だけいた。目を凝らして見たら夜華だった。

 

 

「夜華、なんでこんなとこにいるんだ?ってか、いつ家から出たんだよ?」

「お待ちしておりました、主様。」

「え?」

「私ですよ、主様を呼んだのは。」

「・・・え?」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「さて、どうしようかな~?」

「何がだよ?」

 

 

・・・・・・ってか、なんで万丈と一緒なんだよ~!?

 

 

「・・・・・・おバカな万丈さん、一応私たちに関係ありそうな事なんだけど、聞く?」

「一言余計だけど、一応聞きたい。」

 

 

それでは、お聞きください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回インベスを倒した後、花咲川の校長に呼ばれてある場所に連れていかれた。

 

 

「校長先生。」

「ん?・・・・・・どうしたの?氷川さん。」

「彼女をどこに連れていくんですか?」

「あら、気になるの?」

「1年生と校長が一緒にいるのに気にならない訳ありませんよ。」

「まぁまぁ、急いでるからまた後でね。」

 

 

なんか厳しそうな人を振り払い、連れてこられたのは・・・・・・厳重に警備されている保管室だった。・・・・・・なんで学校に?って思ったよ、さすがの私も。

 

 

「ここに何があるんですか?」

「ここには、危険な代物が保管されているの。」

「危険?」

 

 

扉が開かれ、中には小さい棍棒のような岩が飾られていた。

 

 

「・・・・・・あれは?」

「『ギガファイナライザー』。通称『赤き鋼』と呼ばれている。」

「赤き鋼・・・?」

 

 

ただの岩ですけど?

 

 

「あれはただの岩ではないわ。あれは人を邪悪にする力がある。」

「・・・・・・え?」

 

 

あんなただの岩が?

 

 

「あれは、10年前に空から降ってきた地球上には存在しない物質で作られているのよ。これは実際に調べて分かった事なんだけどね。」

「・・・・・・じゃあ、なんでさっき『人を邪悪にする』って?」

「そうね・・・・・・。あれは花咲川の近くに落ちてきたの。それを、花咲川と近くの学校の『羽丘女子学園』と『星導館学園』のトップの人物がそれの研究会で見る事になったの。・・・・・・その時ちょうど私は別の用事があって休んだの。その時に、説明された内容の1つがこんな内容だったの。」

 

 

 

 

『この物質を扱える者には、強大な力が与えられる。』

 

 

 

 

 

私はその言葉に詳しい意味が理解出来なかった。・・・・・・いえ、なんとなく分かってはいる。

 

 

「なんとなく分かった?このギガファイナライザーは主を選ぶ。選ばれない者が触れても何も起きない。でも、研究会の時に来た中の1人がそれに触れて・・・・・・強力な光を発したの。その作用は、『人間のある感情を増幅させる』こと。」

「ある、感情・・・?」

「人の『強欲』な部分。・・・・・・いえ、『野心』と言った方がいいかな?」

「野心・・・。」

「この作用が今も続いているのは、一番近くで光を浴びた羽丘女子学園と星導館学園の校長。それと、私の代わりに研究会に出た花咲川女子学園の教頭、この3人よ。3人がこの物質とその中の力を求めている。」

「求めてるってことは・・・・・・。」

「そう。もしかすると、()()が始まるかもしれない。」

「・・・っ!」

 

 

戦争・・・!そんな事になったら・・・!?

 

 

「大丈夫。私がそんな事はさせない。」

「・・・・・・でも、なんで私に見せるんですか?」

「最悪、戦争になったりギガファイナライザーが狙われたりしたら・・・・・・あなた達『ビルドシステム』を使うライダー達に守ってもらいたいの。」

「・・・・・・分かりました。私は良いですけど、ジードの答えは少々待っていただけます?」

「ええ。良い返事を期待してるね!・・・・・・それと、他の人には内緒ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってことがあったの。」

「・・・・・・マジかよ・・・。」

 

 

万丈は分かってるんだろうか・・・?

 

 

「・・・・・・とにかく、花咲川女子学園にある『赤き鋼』を守れって話よ。分かった?」

「そこは分かった!」

 

 

・・・・・・ならいっか、とりあえず。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 今、なんて・・・!?

 

 

「理解出来ていませんか?わたくしが主様をこちらにお呼びしたんですよ。」

 

 

マジかよ・・・。

 

 

「・・・・・・でも、なんでこんなとこに呼んだんだ?別に家で話せるだろうに。」

「確かに、主様の自宅でも話せますが・・・・・・主様だけに話したいことなので。」

 

 

あっそ・・・。

 

 

「まさかこんな所にジードがいるとは・・・。」

「「っ!?」」

 

 

俺でも夜華でもない。声を発したナイトローグが少し離れた所から歩いてきた。

 

 

「ナイトローグ!?」

「貴様のボトルを回収させてもらう。」

「くっ・・・!?」

 

 

一応ボトル18本(ドラゴンとロック以外のビルドのボトル)持ってきてるけど・・・・・・ん?

 

 

「・・・・・・っ!夜華?」

 

 

俺の前に夜華が立った。まるで、ローグを俺に近付けさせないかのように。

 

 

「主様に牙を向けた。・・・・・・そういう解釈でよろしいでしょうか?」

「・・・・・・誰だ、貴様は?」

「主様に付き従う・・・・・・『凶刃』ですよ。」

 

 

そう言って夜華は水色のドライバーを取り出し、腰に巻いた。

 

 

『スクラッシュドライバー!』

 

「何!?」

「何?・・・・・・『スクラッシュ』って・・・?」

 

 

そして夜華は1本のボトルっぽいのを取り出し、蓋を正面に合わせると音声が鳴り響いた。

 

 

『ダーク!』

 

「覚悟はよろしくて?」

 

『デコード!』

 

 

夜華はボトルっぽいのをドライバーにセットすると、レンチの形をしたレバーに手を添えて・・・・・・、

 

 

「変身。」

 

 

ドライバーのレバーを下ろす。

 

 すると、夜華の周りにビーカーのような物が現れ、その周りにワニの口のようなのが紫色の液体で満タンになったビーカーを割る。

 

 

『割れる!流れる!溢れ出る!』

 

 

ビーカーが割れた後、夜華は銀色のスーツに包まれていたがその身体に紫色のラインが入り、その紫のエネルギーが水のように体中から溢れて装甲を作り、1人のライダーを作り出した。

 

 

『デコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

「何者だ、貴様は!?」

 

 

変身した夜華は右腕を大きく広げ、

 

 

「祝え!!(あるじ)に付き従い、主に(あだ)なす者を滅する従者。その名を『仮面ライダーイグニス』!新たな歴史の1ページである!!」

 

 

・・・・・・なんか分からんセリフと共に、『仮面ライダーイグニス』と名乗った・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

夜華がとうとう変身しました!・・・・・・いや~このセリフ言わせたかったのよ!理由?『ジオウ』のウォズが好きだから!
あ、変身シーンは『仮面ライダーローグ』とほぼ一緒だよ。


では、また次回!


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第11話 従者の務め

「仮面ライダージードで、天才頭脳を持つ桐生蒼空は、万丈を人体実験した組織『ファウスト』の秘密に迫っていた。だが、蒼空は伏井出ケイにリトルスターのボトルを奪われ、ローグに他のボトルを奪われようとしてた時、なんと夜華が仮面ライダーになったのだった!」
「・・・・・・気になる事があるだけど。」
「なんでしょうか?海璃さん。」
「夜華さんが言ってたあのセリフ、何?」
「・・・・・・知らん。とにかく、第11話どうぞ!」







『割れる!流れる!溢れ出る!

 デコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

 新たなドライバー『スクラッシュドライバー』と夜華用に作られた『デコードクラックフルボトル』を使い、夜華は『仮面ライダーイグニス デコードモード』へと変身した。

 

「主様。」

「?」

「しばらくお待ちくださいませ。すぐにあの不届き者を始末してきますので。」

 

イグニスは手に紫色のデータ状の刃を出した刀を持ち、ローグに迫る。

 

「ふん、誰だか知らないが・・・・・・私に勝てると思うか?」

「勝てますよ。何故なら・・・・・・、」

 

次に言葉を発する瞬間、

 

「・・・っ!?」

「あなたの力では、わたくしに及ばないからです。」

 

斜め下から斬り上げる一撃がローグを襲った。

 

「グアァァ!?・・・・・・何が起きた!?」

「いつの間に・・・!?」

 

その場にいたローグと蒼空には理解が追い付かなかった。気が付けばかなり離れた位置からローグの目の前にいて、紫の刃で斬りつけたのだから。

 

「そうですね~、『刻撃(こくげき)』とでも名付けましょうか。」

イグニスは先程の説明を始める。

 

「意識というのは呼吸と同じです。どんなに集中させていても必ず途切れる瞬間がございます。」

「・・・・・・っ!?」

「その瞬間を狙う!」

「いつの間に!?」

 

集中しつつイグニスの話を聞いていたローグの後ろに立ち、再び攻撃するイグニス。

 

「くっ・・・!それが、そのボトルの能力か!?」

「残念ながら、これはボトルの能力ではありません。わたくし自身の力ですよ。」

「夜華の・・・・・・力?」

 

イグニスの言葉に蒼空は疑問に思った。

 

「なら・・・!」

『アイススチーム!』

「でしたら・・・・・・このフォームの力を見せましょう。・・・・・・フッ!」

 

氷のエネルギーを宿したローグのスチームブレードが力を放とうとした瞬間、イグニスが掌をローグに向けた。

 

「フッ!・・・・・・っ!? 何!?」

「おや、『何故力が発動しない!?』って思われているのですか?」

「っ!?・・・・・・貴様の仕業か!?」

「えぇ。『対象の力を無効化する』のが、『デコード』の力です。」

「なんだと!?」

 

イグニスは再び剣を構え、ローグに迫る。ローグはイグニスの力に恐怖を覚えたのか、後退りをする。

 

「・・・・・・っ!?」

「あら、どうされましたか?体が震えていますよ?」

「っ!・・・・・・この私が、怯えているのか・・・!?」

「その震えを押さえてあげましょう。」

 

歩みを止めないイグニスは再びローグに掌を向けた。

 

「・・・・・・っ!?これは・・・!?」

 

ローグの身体半分が地面に・・・・・・いや、影に埋まっていた。

 

「これも、わたくしの力の1つです。それでは、ごきげんよう。」

『クラックアップブレイク!』

 

ドライバーのレバーを下ろし、剣にエネルギーを込め・・・・・・、

 

「フッ!」

「グワアアア!!」

 

ローグを下から切り上げた。

 

「グッ・・・、バカな・・・・・・!?」

 

大ダメージを負ったローグはトランスチームガンを使って姿を消した。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「お待たせしました、主様。」

 

夜華は変身を解くことなく、蒼空に頭を下げた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺に頭を下げてきた夜華だが、俺は今この瞬間多くの疑問を夜華に聞きたたくなっている。

 

「・・・・・・夜華、色々聞きたいことがある。」

「・・・・・・そうですよね、まずはどこから説明しましょうか・・・?」

 

「なんでお前が既にドライバーを持ってるんだ?」

 

「・・・っ!?」

「・・・・・・何の用ですか?スターク。」

 

俺たちの前に堂々とスタークが現れた。

 

「まさか俺を介さずにドライバーを手に入れるとは・・・・・・。」

「『俺を介さずに』?・・・・・・どういう事だ!?」

「言葉通りの意味ですわ、主様。わたくしは、彼からこのドライバーを()()()()したら頂く予定でした。」

 

なんとなくその辺は分かったけど、なんで夜華とスタークが繋がっているのか・・・・・・そこの疑問を晴らしたい。

 

「・・・・・・その事は、後で話しましょう、主様。」

「その前に、そのドライバーとボトルを俺に預けろ。」

「お断りしますわ。」

 

夜華の足元の影が広がり、

 

「・・・・・・ん?え!?夜華さん!?」

「では、ごきげんよう。」

「うおっ!?」

 

俺ごと影の中に入っていった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空たちが影の中に入ったことにより、その場所にはスタークのみとなった。

 

「・・・・・・厄介な奴だな、相変わらず。」

 

「ねぇリサ。この辺からなの?」

「うん、確かにこの辺だよ。鉄同士がぶつかるような音があったのは。」

 

「・・・・・・はぁあ~。今日はずらかるとするか~。」

 

スタークはトランスチームガンを取り出し、その場から姿を消した。

 

「・・・・・・あれ?何も無い・・・。」

「リサ、さっきの音は気のせいだったんじゃないかしら?」

 

誰もいなくなったその場所に、新たな客人がやって来た。銀髪のクール系女子と、茶髪のギャル系女子の2人が、会話をしながら。

 

「気のせいじゃないって!!()()()と同じ音が聞こえたんだもん!」

「・・・・・・私には聞こえなかったわ。()()()の・・・・・・()()()()()()()()の音なんか・・・。」

 

2人の発言は高校生らしからぬ発言だった。・・・・・・例え、『仮面ライダー』等の事を知っていても、『ビルド』という単語が出てくるはずが無かった。

 

「う~ん・・・・・・気のせいじゃなかったはずなんだけどな~。」

「帰りましょ、夜遅いし。」

「そうだね~。」

 

最後にやって来た『湊友希那(みなとゆきな)』と『今井リサ(いまいりさ)』は何も無いことを確認して、その場を立ち去る。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「くっ・・・・・・ここは?」

「ここは、わたくしが作り出した『影の空間(シャドーゾーン)』です。」

 

シャドーゾーン?・・・・・・そういや、夜華と共に影の中に落ちて・・・・・・って!!

 

「そうだ夜華!色々説明しろ!!」

「・・・・・・そうなりますよね?」

「なりますね!普通は!」

 

意外と夜華が話してくれた。・・・・・・既に変身は解いていたけど。

 

「まず、わたくしとスタークの関係は・・・・・・記憶喪失の主様を助けた辺りからです。スタークがわたくしにやって来て、『ドライバーとボトルを修理するから、蒼空をずっと見守っていて欲しい。』と言ってきたのです。」

「・・・・・・まさか、その為に俺に付いてきたのか?」

「そんな理由で主様に付いてのではありません。それだけは断言出来ます。」

「そ、そこは・・・・・・真面目に即答するんだな・・・・・・。」

「わたくしが主様に付き従っているのは、主様が幼き頃からです。」

 

さらっと凄いこと言ったよ!?幼い頃から!?

 

「それと、このドライバーは元々わたくしが所持していたプロトタイプの『スクラッシュドライバー』です。それを、どこかでスタークが手に入れ、完成品同様の状態に修理しました。おかげで、先程の性能を発揮出来るようになりました。」

 

そう言って、ドライバーを見せてくる。

 

「・・・・・・質問、いいか?」

「お答え出来る範囲で。」

「なんで、夜華がスクラッシュドライバーのプロトタイプを持っていたんだ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・え?なんで沈黙する訳!?

 

「・・・・・・その答えは、主様の過去と深く関係がありますので・・・・・・お答え出来ません。」

「またそれか・・・・・・。なんで教えてくれないんだ?俺の・・・・・・過去の事を。」

「スタークにも言われていますが、わたくし自身も出来る事なら主様に過去を知られたくないのです。」

「・・・・・・分かった。今は我慢する。」

「ありがとうございます。それでは、こちらを差し上げます。」

 

夜華が渡してきたのは1つのUSBメモリーだった。

 

「研究室のパソコンでお使いください。それでは、ご自宅へお送りします。」

「分かった。・・・・・・え?うおっ!?」

 

夜華が力を使って、俺をシャドーゾーンから追放した・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気付けばnascitaにいた。

 

「・・・・・・夢?」

「蒼空!いつ帰ってきたの!?」

 

あれ?海璃だ。・・・・・・ってことは、夢じゃないんだ。

 

「・・・・・・あれ?それ何?」

「ん?・・・・・・あ、夜華がくれたのだ。」

 

とりあえず、研究室に行きパソコンを立ち上げる。

 

「それなんだ?」

「さぁな。夜華がくれた物だけど。」

「・・・・・・とりあえず、中身を見ない事には始まらないか。」

 

パソコンにUSBメモリーをセットする。

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

その声と共にUSBメモリー内のデータを開く。

 

「これって・・・・・・。」

「なんだよ、これ・・・・・・。」

「・・・・・・プロジェクト、ビルド・・・?」

 

画面には、『PROJECT BUILD』と書かれていた・・・・・・。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

第11話なのに、『ボトルの力で相手の武器の能力を消す』『本人の力で影を操る(影の中に入れたり、敵を影で拘束したり)』『本人の力で超高速(一般人からすれば瞬間移動)で攻撃する』なんて力で戦うライダー、ちょっとチートかしら?


では、また次回!


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第12話 ビルドの創造主

「仮面ライダージードにして、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉に人体実験をした組織『ファウスト』の謎に迫っていた。伏井出ケイにリトルスターのボトルを奪われるが、海璃は新たな武器を手に入れ、夜華が『仮面ライダーイグニス』に変身したり、夜華から謎のUSBメモリーを貰ったりして、バンドリ感が一切無かった。」
「・・・・・・それ、必要あるか?」
「あるよ!お前な、この小説の原作、『BanG Dream!』って書いてあんだよ!なのに、展開が思いっきり『ビルド』なんだよ!!そろそろ『バンドリ感』出さないとマズイだろ!?」
「・・・・・・確かに。」
「だろ!?・・・・・・じゃ、どうなる第12話!?」







 俺たちは、パソコンの画面に映る『PROJECT BUILD』のデータ内にある動画を見ている。

 

〈やあ!俺は、葛城映司。今から話すのは、究極の防衛システムとして僕が一から開発したライダーシステム:『ビルドシステム』について教えるよ!〉

 

「葛城、映司・・・。こんなそこそこのイケメン様がビルドシステムを作ったのか・・・・・・。」

「『そこそこ』って、お前な・・・・・・。」

「どうせ、『自分がイケメン』って思ってるんじゃない?」

「たっだいま~!って何見てるんだ?」

「あ、マスター。今葛城映司が作った『ビルドシステム』の動画を見てるんだよ。蒼空が夜華さんにくれたらしいけど?」

「へ~。・・・・・・葛城映司って確か、今から2~3ヶ月前に死んだ男だぞ。」

「ん?2,3ヶ月前?」

 

俺はマスターの言葉に疑問を持った。今から2,3ヶ月前に、俺はマスターに拾われた。・・・・・・まさかな。

 

〈これは、ビルドの力の源である『ビルドドライバー』だ。ある一定の条件を満たして装着すれば、『仮面ライダービルド』に変身出来る!〉

 

葛城が画面から見えなくなると、中心にラビットタンクフォームのビルドがホログラムとして現れた。

 

〈これがビルド。『創る』『形成する』って意味のビルドだ。〉

 

すると、ビルドの周りにガーディアンが現れた。そのまま、ビルドとガーディアンが戦闘を始める。

 

〈ビルドは、このビルドドライバーに挿すボトルによってその能力が変わる。組み合わせによっては必殺技も使える。〉

 

「それって、ベストマッチのことだろ?」

「あぁ。・・・・・・ただ、俺が手に入れた時から既にベストマッチを探せる機能はあったんだけどな。」

「それって、誰かが蒼空に渡す前に付けたってこと?」

「・・・・・・さぁ?」

「ですよね~。」

 

海璃さん、分かってたなんて顔しないの!

 

〈ビルドは無限の可能性を秘めている!・・・・・・以後、お見知りおきを。See you!〉

 

あ、終わった。

 

「なるほどね。」

「マジで鬼ビックリなんだけど!?ガチでヤバい!!」

「なんだよ、そのイラつく喋り方!?」

 

確かにウザい。

 

「バイト先の娘に教えてもらったんだよ。マジ、イケてるっしょ?」

「マスター、人気減るよ。」

 

海璃様、ごもっともな答えで。

 

「なぁ、」

「なんだ、おバカさん。」

「毎回『バカ』って言うなよ!・・・・・・ビルドドライバーが使える条件ってなんだ?」

 

あら、意外とまともな質問だ。

 

「このデータだと、『ハザードレベル3.0以上』って書いてある。」

「「ハザードレベル?」」

「あぁ。体内にネビュラガスを注入し、スマッシュにならなかった者だけが到達出来る数値だ。」

「それが、お前たち3人って訳か。」

「・・・・・・そう言えば、私も言われたな・・・。『ハザードレベル3.8』って。」

 

へ~。・・・・・・多分、結構高いんだろうな。多分。

 

「それはそうと、万丈はともかく蒼空と海璃はどうやってネビュラガスを注入されたんだ?」

「っ!?・・・・・・確かに。失った記憶に関係してるのか・・・?」

「私は・・・・・・企業秘密で。お休み!」

「あ!・・・・・・逃げやがった。」

 

俺は、いつガスを注入されたんだ・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空の話が本当なら、

 

『ハザードレベル3.0・・・。遂に覚醒したか、万丈ーーー!!

 

スタークが言ったのも本当なら、俺もビルドドライバーを使って仮面ライダーになれる。だけど・・・。

 

「あぁ、香澄。たまにはお前に会いたいよ。・・・・・・そうだ、会いに行けばいいんだ。住宅街の「何人の心の声みたいに言ってんだよ?」・・・・・・なんだよ、聞いてたのか。」

 

いつの間にいたんだか・・・?

 

「お前に言っておく。お前とあのドラゴンがシンクロすれば、ビルドドライバーを使って仮面ライダーになれる。」

「っ!・・・・・・これで、スタークたちとまともに戦えるって訳か。」

「その前に1つ。」

「・・・・・・なんだよ?」

「お前、なんのために戦うんだ?」

 

なんのために?

 

「・・・・・・そりゃあ、スタークとローグを倒して、俺に人体実験した理由を吐かせるためだよ。」

「ハッ、そんなんじゃ無理だな。」

「んだと・・・!?」

「今のお前なんか、ボトルを振ってるのが関の山だ。」

「テメェ・・・!!ふざけ──「力を手に入れるのはな、それ相応の覚悟が必要なんだよ!!」・・・!!」

 

蒼空がさっきまでラフな雰囲気だったのに、急に俺の服を掴んで真剣に言った。俺は何も言えなかった。

 

「半端な気持ちで仮面ライダーになれると思うな!!」

 

俺は何も言い返せなかった。俺は、ただ自分の事だけ考えて、ライダーになろうとしていた。でも、蒼空(アイツ)は違う。俺や、他の全く関係ない人たちのために戦っている。

 

「・・・・・・クソッ!」

 

今の俺の頭の中には、アイツから言われた言葉がずっと残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 万丈の奴に強く言い過ぎたかもしれないが、バカにはこれくらい言っとかないとな!・・・・・・それはそうと、

 

「ふんふんふ~ん♪・・・・・・あれ?蒼空君?」

「よぉ、香澄。夜遅くに悪いな。」

「ううん、大丈夫だよ。でも、どうしたの?」

「これ。」

 

俺は1枚のDVDを渡す。

 

「何、これ?」

「そこに、お前の知ってる人が映っている。その人に、感想を伝えてくれ。じゃあな。」

「あ、蒼空君!」

「ん?」

「明日、文化祭があるから、龍君も連れて来てね!」

「・・・・・・あぁ、あのバカにも伝えてくる。」

 

そんな会話をして、俺は帰った。・・・・・・後は、アイツが動くだけだ。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

あ、ごめん。まだ俺のナレーションだった。

 今日は休日だからカフェをメインでやろうと思ってたけど・・・・・・、花咲川で文化祭があるのが今日だ。だから、香澄に言われた通り、行かなければいかない。それと、

 

「蒼空!ちゃんとお店休みにして来てね!」

 

と、海璃に釘を打たれたから・・・・・・そこの筋肉バカと共に花咲川に行くことになった。

 

「・・・・・・で、その変装はなんだ?」

「マスターがくれたんだよ・・・。『これ着てけ!』って。」

 

『バカ』が『ガリ勉』の恰好してるよ・・・。想像してみな?原作の万丈をちょっと高校生風にして、ソイツがガリ勉の恰好してんだぜ?おもろくない?

 

「・・・・・・なぁ、」

「なんだ?昨日のことか?」

「あぁ。・・・・・・お前の戦う理由ってなんだ?」

「フッ、そんなの『Love&Peace(ラブアンドピース)のため』に決まってるでしょ!」

「嘘くせー。」

 

失敬な!

 

「・・・・・・きっと、今のお前には分からないだろうな!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ほら、着いたぞ。」

 

黙っちゃった万丈と共に花咲川女子学園に到着した。・・・・・・ここにはロケットパンダで飛んできた時以来だな。

 

「あ!龍くーん!」

「・・・・・・ほら万丈。()()がお呼びだぞ?」

「・・・・・・ん?あ!?誰が彼女だ!?」

 

あ、聞こえてたんだ・・・。

 

 ここから、俺たちは香澄とたえとりみの3人と合流して文化祭を回ることになった。

 

「あ!ここが有咲のクラスだよ!」

「そういや、海璃って有咲と同じクラスだっけ?」

「そうだよ。・・・・・・でも、私もこの前海璃ちゃんから聞いたんだけどね。」

 

それじゃ、入ってみますか・・・・・・ん?

 

「・・・・・・どうした、蒼空?・・・・・・有咲?」

「有咲、綺麗~!」

「・・・・・・っ!?見んな!!」

 

まぁ綺麗なお嬢様で。

 

「ん?・・・・・・お、みんな来たんだ!」

「海璃、有咲ってあんなにお人形感あったの?」

 

花園さん、その質問はちょっと・・・・・・。

 

「そうなのよ~。あんな感じの衣装が似合っちゃって~!」

「うっせー!!」

 

吠えるな吠えるな。・・・・・・それと海璃さん、口調がおばちゃんよ?

 

 

 

 

 

「有咲~、待ってよ~!」

「うっせーな!」

 

満更でもないな。

 

「はい。」

「止めろー!」

 

花園さん、上手い。

 

「・・・・・・香澄。」

「何~?」

「ちょっと離れる。」

「?・・・・・・分かった。」

 

俺はその場を離れて、・・・・・・学校を出た。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空、どこ行ったんだろう・・・?

 

「蒼空、もしかしてトイレ?」

 

おたえ、女の子でもその発言はアウトよ。

 

「怪物が出たりして・・・?」

「りみ、いくらなんでもそれは・・・・・・。」

「あ?どうした?」

「・・・・・・ごめん!私もちょっと!」

「あ!ちょま!?・・・・・・海璃!!」

 

アイツがこういう感じで私たちから離れるなんて、スマッシュとかしかない!!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 海璃まで・・・・・・。まさか、スマッシュか!?

 

「・・・・・・龍君。」

「・・・・・・ん?な、なんだ?」

 

クッソ!今からでも行きたいのに!

 

「あの・・・・・・カッコ良かったよ!」

「・・・は?」

「だから!・・・・・・試合の時、カッコ良かった。」

 

試合の時?・・・・・・一番新しい試合は香澄は来てなかったはずだぞ?

 

「昔言ってたでしょ?『負ける気がしねぇ!』って。」

 

・・・・・・うん、言ってた。幼い頃から言ってた。

 

「試合の時も、そんな感じがしたの!・・・・・・それでね、もしも龍君が怪物と戦う時は、応援するね!」

「え・・・?」

「だって、龍君の拳がみんなを幸せにするんだよ?それって凄いことだと思う!・・・・・・だから、応援するね!」

 

俺の拳が・・・・・・。

 

「香澄、告白みたい。」

「え!?お、おたえ!?いきなり・・・!?」

「香澄ちゃん、私もそう思った・・・・・・。」///

「りみりんまで!?」

「わりぃ、私も。」

「あ~りさ~!」

「くっつくな!?」

 

俺の拳で・・・・・・。よし!

 

「香澄、ちょっと行ってくる!」

「っ!・・・・・・うん、ライブまでには帰ってきてね!」

「おう!」

 

俺は、蒼空たちを追った。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 花咲川女子学園から少し離れた場所で、スマッシュは暴れていた。そして、そこに蒼空、少し遅れて海璃がやって来た。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・」

「はぁ・・・、はぁ・・・、蒼空、いきなり過ぎ・・・!」

「・・・・・・そういうのは、スマッシュかローグに言え。」

「・・・・・・だね。」

 

視線の先にはスマッシュ、それとスマッシュを観察しているローグがいた。

 

「・・・・・・来たか。ボトルを全て回収させてもらう。」

「いいだろう。・・・・・・やれるもんなら!」

 

2人はビルドドライバーを腰に巻いた。

 

(大賢者さん、この状況で最適なボトルは?)

〈解。『ドラゴンボトル』と『ロックボトル』です。〉

(ベストマッチって意味でいいか?)

〈・・・・・・・・・・・・。〉

(黙んのかい!?)

 

『ドラゴン!』『ロック!』『ベストマッチ!』

『ブル!』『フレイム!』

『『Are You Ready?』』

「「変身!」」

『封印のファンタジスタ!キードラゴン!イエーイ!』

『紅蓮の炎!ブル フレイム!』

 

蒼空は龍哉からこっそりぱちっていたドラゴンボトルと持っていたロックボトルで『仮面ライダージード キードラゴンフォーム』に、海璃はブルのフレイムフォームに変身した。

 

やっぱりベストマッチか・・・。

「何言ってんの?ほら、行くよ!」

 

ブルはルーブスラッガーを構え、スマッシュに挑む。ジードは素手でローグに挑む。

 

「フッ!・・・・・・まだそんな姿を隠してたとはな・・・。」

「うるさい!リトルスターはどこにある!?」

「・・・・・・ふん!」

「だったら、伏井出ケイの居場所を吐かせてやる!!」

 

ジードは怒りに身を任せた攻撃でローグと対峙する。

 

 

 

 

 

 一方、ブルもスマッシュと対峙する。ジードとローグはほぼ互角の戦いを繰り広げる中、こっちはブルの優勢だった。

 

「よっ!ハッ!・・・・・・これで決める!」

 

ブルは紫色のクリスタルを取り出し、角を1本展開させてルーブスラッガーにセットする。

 

『ウルトラマンティガ!』

「ハァ・・・・・・、ブリンガーフラッシュ!」

 

紫色の刃で×印を作り、それを横に斬るように飛ばす。すると、スマッシュに3本の紫色刃が回転して直撃する。スマッシュは爆破し、消滅した。

 

「ふぅ~。・・・・・・うわっ!?まだいる!?」

 

決まったと思ってスマッシュがいた場所を見ると、また別のスマッシュが立っていた。

 

「もう!何体用意してんの!?」

 

・・・・・・文句を言いながら2体目のスマッシュに挑む。

 

 

 

 

 

「ハッ!くっ!?・・・・・・うっ!?なんだ!?」

「っ!・・・・・・ん?」

 

その頃、ジードの体にはある異変が起き始めていた。ジードの装甲の青い部分:ドラゴンボディから炎が上がり出していた。

 

「体が・・・・・・熱い・・・!?」

『エレキスチーム!』

「ハァ!!」

「ぐわっ!!」

 

ドラゴンボディからのダメージと、ナイトローグのスチームブレードによる攻撃で、変身が解け、倒れてしまう。

 

「くっ・・・、なんで変身が・・・・・・!?」

「ボトルを回収させてもらう。」

「っ!」

 

蒼空の視線の先には先程変身で使った『ドラゴン』と『ロック』の2本が落ちていた。ローグはまずそれを狙うが、蒼空はすぐに察したのか、ボトル2本を手に取る。

 

「悪あがきを・・・・・・。」

 

「蒼空ー!」

「・・・・・・っ!?」

 

蒼空を呼ぶ者──龍哉が走って駆け付けてきた。

 

「ボトルをよこせー!!」

「くっ・・・!万丈!!」

 

蒼空はローグの腕を振り払い、龍哉に2本のボトルを投げ渡す。万丈はそれをキャッチした。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

龍哉は右手に持つドラゴンボトルを見ていた。

 

「くっ!?・・・・・・万丈?何してんの!?」

「貴様こそ、よそ見をしてていいのか?」

「アンタらがスマッシュを用意しなければね!!」

 

龍哉は思い出していた。先程、香澄に言われたことを・・・・・・。

 

「万丈龍哉、貴様にはコイツがお似合いだ。」

 

そう言って、どこかに潜んでいたであろうスマッシュ1体を龍哉に仕向けるローグ。

 

「・・・・・・やってやるよ。」

 

龍哉が顔を上げた瞬間、スマッシュの腕が龍哉の頭に目掛けて振られるが、

 

「くっ!・・・・・・うおおおお!!」

 

それを左腕で受け止め、右の拳で殴る。

 

 何度もスマッシュをボトルの力が乗った拳で殴る龍哉。だが、それを見ていたローグがライフルを構える。

 

「やるなぁ。・・・・・・だが、所詮は生身・・・。」

「っ!止めろ!!」

「くっ!・・・・・・邪魔だ!」

「ぐはっ!!」

 

ローグはビルドドライバーを蒼空から奪い、蒼空は殴り飛ばす。

 

「蒼空!ぐわっ・・・!?」

 

龍哉もスマッシュに殴られ、倒れてしまう。

 

「これで、貴様は変身出来ない。」

「っ・・・!」

 

龍哉は少し考えて、ローグに目掛けて走り出す。

 

「っ!・・・・・・何!?」

「くっ!?・・・・・・っ!」

 

ローグにダメージは無かった。だが、ローグが持っていたドライバーも無かった。そのドライバーは、今龍哉の手にあった。

 

 龍哉は、そのドライバーを腰に巻いた。

 

「・・・・・・力を貸してくれ。」

 

飛んできたドラゴンを手に取り、ボトルを振ってドラゴンにセットする。

 

『Wake Up!』『クローズドラゴン!』

 

ボトルを挿したドラゴンをドライバーにセットして、レバーを回す。ドライバーからはドラゴンハーフボディが2()()現れ、

 

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!ハァ!」

『Wake Up Burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』

 

龍哉は、ドラゴンボトルをドラゴンの力で2本分にして、専用装甲も付けて変身した。

 

「あのバカ・・・!」

「なんだと・・・!?」

「万丈、変身しちゃった!?」

 

その場にいる者全員が驚いた。

 

 ローグはスマッシュに指示し、龍哉に攻撃を仕掛ける。

 

「オリャ!」

 

だが、左の拳を受けて後ろに下がってしまうスマッシュ。龍哉はドライバーのレバーを回し、

 

「オラオラオラオラァ!!」

『Ready Go!』

「ハァ・・・・・・、」

 

龍哉の後ろにはドラゴンの力がエネルギー体となり、龍哉のライダーキックに合わせて炎を放つ。龍哉はその炎に乗り、勢いよくスマッシュを蹴り倒す。

 

『ドラゴニックフィニッシュ!』

「おりゃあああ!!」

「なっ!?一撃で・・・・・・!?」

 

今この瞬間、万丈龍哉が仮面ライダーになった瞬間だった。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

龍哉、初変身!・・・・・・それと、バンドリ感を出すがために1期の文化祭を絡ませたけど・・・・・・、バンドリ感出てない気がする・・・・・・。


では、また次回!


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第13話 燃え上がるドラゴン

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉に人体実験をした組織『ファウスト』の秘密を探っていた。切姫夜華がくれたUSBメモリーを解析し、『葛城映司』がビルドシステムを創ったことを知り──」
「葛城映司はガチの天才!・・・・・・それに比べて()()()()は──」
「分かってねーなぁ!休日の朝に投稿される作品でシュワルツシルト半径とか熱弁しても面白くねぇだろ!?あえて隠してんだよ。」
「じゃあ・・・・・・4コマ忍法刀はどうやって作ったんだよ?」
「そりゃ『ガガー!』ってやって『キュイーン!』で『ゴー!』だよ!」
「擬音ばっかじゃねーか!!」
一言で語れないのが天才なの!!・・・・・・どうなる、第13話!?」







 スマッシュを一撃で倒した龍哉・・・・・・が変身したライダー。

 

「一撃だと・・・!?」

 

「万丈、思ったより凄いなぁ~。こっちも負けてられないね!」

 

その光景を見ていたブルは、気合を入れ直してスマッシュを倒す作戦を決める。

 

「行くよ!!」

 

ブルはウィンドの力でスマッシュの周りを紫色の残像を出しつつ風でスマッシュを閉じ込める。

 

「よっと!」

『ルーブシューター!』

 

ドライバーから銃を取り出し、ボトルスロットに『ロッソ』と『アクア』をセットして銃身の位置を変える。

 

『ロッソ!』『アクア!』『Ready Go!』

「これで・・・!」

『ルービウムバースト!』

 

アクアの力だけなら水の弾丸か光線を放つ。だが、ロッソのボトルもセットしたからロッソの特性を活かしたアクアの攻撃を放てるようになる。

 今回はスマッシュの頭上に巨大な水の塊を作り、そのままスマッシュに落ちていく。風の壁と混ざって、スマッシュの周りには水と風の壁が完成した。・・・・・・若干スマッシュが水浸しになってるけど。

 

「セレクト、クリスタル!」

『ウルトラマンエックス!』

 

緑色のクリスタルを取り出し、角を1本展開させてルーブスラッガーにセットする。刀身が緑色で電撃が宿る。

 

「これで決める!」

 

ブルはスマッシュ目掛けて走り出し、手前で高くジャンプする。そのまま逆手に持ったスラッガーで水と風の壁ごとスマッシュを斬る。

 

「スパークアタッカー!!」

 

水の影響でスマッシュが浴びる電撃の力が増し、スマッシュは倒された。

 

「ふぅ~。・・・・・・さて、万丈は?」

 

 

 

 

 

 ブルの視線の先には、ローグと龍哉が向かい合っていた。龍哉はドライバーから蒼空が創った新しい武器『ビートクローザー』を取り出した。

 

『ビートクローザー!』

「行くぜ!」

 

ビートクローザーを手に取った龍哉はすれ違いざまにローグを斬る。

 

「ぐっ!?」

 

そして、龍哉はビートクローザーの仕組みを理解したのか、グリップを1回引っ張る。

 

『ヒッパレー!』

「おりゃあ!!」

『スマッシュヒット!』

 

振り向きざまに刀身に力を宿してローグを斬った。

 

「ぐっ!?」

「まだまだ!」

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

グリップを2回引っ張った龍哉はすぐに攻撃を発動せずに刀身をローグの肩にぶつける。

 

「なんだ、この力は・・・!?」

「ツエ―だろ?俺だけの力じゃないからな!!」

『ミリオンヒット!』

 

そのままビートクローザーを振り下ろし、ローグには何発ものダメージが与えられる。それはまるで、『ミリオンヒット!』の名にふさわしく・・・・・・。

 

「今の俺は・・・・・・、」

 

龍哉は右の手首を左手で掴む。そして、ボトルホルスターから『ロックボトル』を手に取り、ビートクローザーにセットする。そして、技を繰り出すためにグリップを2回引っ張る。

 

『スペシャルチューン!』

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

負ける気がしねぇ!!

 

・・・・・・まるで野球のバットを振るかのようにビートクローザーを振り、その溜めたエネルギーをローグに飛ばす。

 

「おりゃあ!!」『ミリオンスラッシュ!』

「ぐっ!?・・・・・・ぐはぁっ!?」

 

攻撃を防ごうとしつつも、そのエネルギーに負けたローグは膝をついてしまう。

 

「バカな・・・!?」

 

その一言だけ残し、ローグは装甲から煙を出して姿を消した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

凄い・・・!万丈がドラゴンボトル1本で変身して、ローグを倒しちゃったよ!とにかく、倒れている蒼空の下に変身を解除して向かった。

 

「蒼空!大丈、夫・・・・・・。」

「・・・・・・ほら。」

 

私が駆け付けた時に、龍哉は変身を解いて蒼空に手を差し伸べていた。

 

「・・・・・・イテテッ!」

「ハァ・・・、蒼空、大丈夫?」

 

力づくで起こされた蒼空はちょっと肩を痛そうにしてた。

 ここまでは良かったけど、この後だよ。

 

「香澄に俺の試合映像を渡したのはお前だろ!?」

「・・・あ!」

「どこで手に入れた!?」

 

あっちゃー、バレちったー。

 

「・・・・・・イテテ・・・!」

 

うっわ!誤魔化すの下手!

 

「まぁいい。ありがとな。

「・・・・・・え!?」

「・・・・・・え!?ちょっと待って!?」

 

まさか、あの万丈から『ありがとう』って言葉が出てくるなんて・・・!?

 

「さっきなんて言ったの!?もう一回!!」

「ああもう、うっせーな!それより、早く香澄たちのライブ行くぞ!」

 

そして、スタスタと学校へ行く万丈。

 

「・・・・・・ん?海璃、電話鳴ってないか?」

「ん?・・・・・・あ、本当だ。もしもし?」

 

これね、さらっと電話に出てるけど、相手は花咲川の校長だよ。

 

「はい。・・・・・・え!?分かりました!すぐに戻ります!」

「?・・・・・・なんかあったのか?」

「うん。花咲川に保管してあった『赤き鋼』がファウストに盗まれたって!」

「ファウストに!?・・・・・・ってか、赤き鋼って何?」

「・・・あ、話してなかったね。道中で説明するね。」

 

ってことで、ナレーション変えます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 海璃の奴、そこまでメタ発言を言うか・・・・・・。後で作者にシバかれてしまえ!

 

「おお!Poppin'Partyが5人になったぞ!」

「そうだな。」

「やっぱりこの5人の組み合わせ最高だな!」

「・・・・・・良かったな、万丈。」

 

さて、・・・・・・良い音出してんな、香澄たち。心から楽しんでるのが音楽を通して分かる。

 それはそうと、とりあえず体育館の後ろで話してる海璃と・・・・・・花咲川の校長だっけ?そっちに向かう。

 

「あら?あなたが桐生蒼空君ね?」

「は、はい・・・。あの、なんで俺のことを?」

「これ、あなたでしょ?」

 

スマホの画面を見せてくれたけど、そこに映る絵に驚いてしまった。

 

「なんでこの(ジードの)写真を!?」

「ひ・み・つ♡」

 

・・・・・・良い年してよく言うよ。

 

「さて、『赤き鋼』のことは知ってるかしら?」

「海璃から聞いた話なら。」

 

『赤き鋼』:別名『ギガファイナライザー』は、宇宙から落ちてきた謎の物体。今は岩に包まれて封印されているが、その状態でも力の一部を発揮出来る。その1つは、赤き鋼に適さない人間が触れると強力な光を発してその光を浴びた人間の野心をさらけ出す、というもの。・・・・・・って話は聞いた。

 

「その『赤き鋼』が、『ファウスト』のリーダーの1人とされる『ブラッドスターク』に奪われてしまったの。」

「・・・・・・その事を生徒には?」

「もちろん伝えてないわ。そもそも、この学校にそんな物が置いてあること自体教えてないから。」

「・・・・・・それもそうか。」

 

秘密裏に保管していたのなら隠して当然だな。

 

「校長、部外者に我が校の秘密を教えるとはどういう事ですか?」

「あら?氷室教頭ではありませんか。」

 

そう言って俺が見た方には、髭を生やした男性がこっちに向かって歩いて来ていた。

 

「彼に協力してもらおうと思って、ここに来たのよ。彼は桐生蒼空、全ての問題が解ける天才物理学者よ。」

 

え!?俺、そんな設定なの!?・・・・・・確かに、問題なら全部解けるけど。・・・・・・誰だ、今『大賢者の力を使えば当然だろ?』って考えた奴!?

 

「・・・・・・校長の考えなら。ファウストに奪われた『赤き鋼』が、『難波重工重要保管施設』にある事が分かった。」

「難波重工?」

「花咲川のガーディアンを作ったりした場所よ。」

 

海璃の疑問をすぐに校長が答えた。・・・・・・正直、俺も知りたかった事だから、ありがたい。

 

「ぜひ、君の知恵を拝借したい。」

「・・・・・・分かりました。しばらく時間をください。そしたら・・・・・・校長にお伝えます。」

 

なんで教頭に教えないかって?そりゃあ、怪しいからだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてと、場面は変わって夜の蒼空宅だ。・・・・・・なんで俺の家なのに『蒼空宅』って言わなきゃいけないのさ。

 

「どう思う?」

「あ?何が?」

「万丈はしばらく黙ってて。」

「え!?・・・・・・はい。」

 

どうすっかだよな~。

 

「ちょっと1人で考えていいか?」

「?・・・・・・どうぞ。」

 

とりあえず、研究室に入り、とある人物の名前を呼ぶ。

 

「夜華、いるか?」

「いますわよ。」

 

返事があったが、能力を知らない人間からすると驚く『影から出てくる』だ。

 

「・・・・・・失礼だけどさ、便利だな。」

「主様の要望にお応えするのがわたくしの使命ですので。」

「・・・・・・あっそ。それでさ、頼みたい事があるんだけど。」

「『赤き鋼』の詳しい保管場所と侵入ルートですね?」

「・・・・・・その通りです。」

「保険も兼ねて、2日いただけますか?」

「2日!?」

 

セキュリティが厳しそうなのを2日でイケんの!?

 

「わたくし、色々出来ますので。」

「ほどほどにしてよ・・・。」

「善処しますわ。」

 

すぐさま影に潜り、気配が消えた。

 

「・・・・・・ホント、便利な能力だな。」

 

それじゃあ、2日後の報告を待つとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・だからと言って、なんでバイトしなきゃいけないんだ?」

「仕方ないでしょ。香澄たちから『手伝って』って言われたから。」

 

・・・・・・ってことで、今現在SPACEでバイトをさせられています。

 

「お~い!手伝えよ~!」

 

「・・・・・・なんで万丈は乗り気なんだ?」

「香澄からのお願いなら従って当然でしょ?」

 

・・・・・・確かに。

 

〈告。影の中から夜華が呼んでいます。〉

(夜華が?)

 

「ん?どうしたの?」

「・・・・・・海璃、ちょっと来い。万丈!お前もちょっと来い!」

「?・・・・・・分かった。」

「あ?・・・・・・香澄、ちょっと離れる。」

 

 

 

 

 

 俺たちは夜華が先に出ている控え室に向かった。

 

「さてと、夜華さんに色々話を聞きたいんだが・・・・・・、」

 

部屋の中には俺と海璃、万丈、夜華、そして、香澄と有咲がいた。

 

「なんでいんの?」

「面白そうだから!」

「香澄の監視。」

「お前ら外にいろよ。」

「なんで!?」

「当たり前だ!!」

 

・・・・・・出てく気が無いため、諦めてそのまま会話を始める。

 

「それでは、・・・・・・ここが『赤き鋼』が保管されている場所です。」

 

そう言って、机の上に広げられた見取り図を指差す夜華。

 

「・・・・・・ずっと気になっていたけど、罠って可能性はない?」

「え?なんで?」

 

猫耳黙ってなさい。

 

「確かに、聞いた話だけど龍哉たちにこの情報を流すってことは、仮面ライダーだって事を知った上での行動だよな?」

「あぁ、俺もそれは分かってる。そして、この情報を流したのがスタークだってこともなんとなく察する。だからこそ、罠にかかりにいくんだ。」

「ん?・・・・・・どういう事?」

「俺も分からん。」

 

このバカ共・・・。

 

「情報源がスタークだってことは、俺たちが『赤き鋼』を取りに行けば必ずスタークが現れる。」

「・・・・・・なるほど!そこでスタークを捕まえるんだな!」

 

やっと理解したか・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜華、ちょっと話があるんだ。

 

作戦実行する前に、夜華に気になる事を話した。

 

 

 

 

 




現在はまだ、万丈の変身するライダーの名前はございません。←ここ重要!

そして、原作(ビルド)の流れを知っている方は察するかもしれませんが、次回『あれ』をやります。


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第14話 奪還、赤き鋼!

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉に人体実験をした組織『ファウスト』の秘密を探っていた。そんな中、ナイトローグが用意したスマッシュたちによって絶体絶命のピンチを迎えるが、万丈がなんと仮面ライダーに変身したのだった!」
「とうとう俺も仮面ライダーになっちまった!!」
「あ、名前どうする?」
「え?原作通り『クローズ』じゃないの?」
「俺だって『ビルド』の時も『ジード』って名乗ってるからな。」
「そっか。」
「ちなみに、俺のイチオシは『仮面ライダー筋肉バカ』!」
「なんでそれがイチオシなのか逆に聞きてーよ!」
「じゃあじゃあ、『仮面ライダープロテイン』は?」
「海璃も乗るなよ!」
「それじゃ、万丈が変身するライダーの名前は、第14話の中で発表しますか。」







 本日は、いつも通りの朝を迎えて、

 

「夜華さん、おかわりー!」

 

・・・・・・訂正。いつものメンバー+香澄で朝食を取っている。

 

「香澄、なんで蒼空の家にいるの?」

「龍君たちが心配で!」

 

だからって朝ごはんをここで食べる必要は無いと思うよ?

 

「それより香澄、学校はいいのか?」

「え?・・・・・・あ!もう時間だ!」

 

すぐさまご飯を口の中に流し込む香澄。・・・・・・女の子なんだから、ちょっとは行儀良くしなさい。

 

「・・・・・・ぷはっ!行ってきまーす!」

 

Youの家じゃないよ~。

 

「・・・・・・準備出来たか?」

「ツッコミもしたからオッケーだよ。」

「なんだそれ?」

「それじゃ、行くぞ。」

\ゴトッ!/

 

・・・・・・ん?あれって、ビルドドライバーだよね?

 

「おい、ドライバー落としてるぞ。」

「・・・・・・お前のだ。」

「・・・は?」

「ライダーシステムは、兵器じゃない。人を守るためにある。その事を忘れるな。」

 

それだけ言って蒼空はリビングから出ていく。

 

「そんなもん、お前を見てたら嫌でも分かるよ・・・。」

「・・・・・・だね。行くよ。」

 

私たちも、蒼空に続いてリビングを出ていく。

 

「これで俺も、いつでもビルドに「お前はビルドじゃねぇ。」あ!?」

「・・・・・・クローズだ。」

「・・・・・・え?」

「『仮面ライダークローズ』。それが、お前のライダーの名前だ。」

「クローズ・・・。悪くねぇな!」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 SPACEでは、Poppin'Partyがバイトをしたりオーディションをしている間、

 

「ここだ。」

 

蒼空、龍哉、海璃は『難波重工重要保管施設』の潜入地点に来ていた。

 

「・・・・・・おい、警備が厳重なんだけど?」

「蒼空~、どうやって入るの?」

 

・・・・・・いらない事を言えば、龍哉だけが変装をしている。

 

「罠にかかりに来てるんだぞ。正面突破に決まってんだろ?」

 

ドライバーを取り出し、笑顔で言う蒼空。そして、少し2人から離れて変身しようとする。

 

「全く・・・、笑顔で言っちゃって!」

「ふっ・・・、上等だ!」

 

そんな海璃と龍哉も、笑顔でドライバーを取り出した。

 

『海賊!』『電車!』

『ベストマッチ!』

   『ブル!』『アクア!』

    『ベストマッチ!』

『Wake Up!』     

『クローズドラゴン!』   

 

3人はそれぞれポーズを取り、あの言葉を叫ぶ。

 

『『『Are You Ready?』』』

「「「変身!!」」」

『定刻の反逆者!海賊レッシャー!イエーイ!』

『紺碧の海!ブル アクア!イエーイ!』

『Wake Up Burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

蒼空は『ジード 海賊レッシャーフォーム』に、海璃は『ブル アクアフォーム』に、『龍哉は『クローズ』に変身した。

 

 変身し終えたジードは、入口に通じるルートのど真ん中に立つ。ブルはジードから見て左側に立つ。そして、クローズは・・・・・・、

 

「よっしゃー!」

「邪魔。」ベシッ

「どいて。」バシッ

「イテッ!」

 

何故かジードの前に立った。そのおかげでジードに右後頭部をはたかれ、その流れでブルにも右後頭部をはたかれた。

 気を取り直して、3人は施設に突入する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 今日は龍君たちが大変な事をしている。私も・・・・・・、SPACEのオーディションに受からないと!オーナーに、今度こそ認めてもらうために!

 

たと・・・・・・に・・・・・・っ!

 

その時、気付いた。私の歌声をマイクが拾ってないことを。

 

「あ、あれ・・・?もう1回・・・!」

 

それでも、どんだけチャレンジしても、マイクが私の声を拾わなかった。・・・・・・ううん、

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 ジードたちは、それぞれの刃を持つ武器で次々とガーディアンたちを破壊し、目的の場所に向かっている。

 

「オリャ!ハァア!!」

「よっと!・・・・・・ふっ!」

『フレイム!』『ウィンド!』

「これで片付ける!」

『Ready Go!』

 

ブルは、今取り出した『ルーブシューター』に『フレイム』と『ウィンド』のボトルをセットして、銃身を変えた。

 

「よっ!ハッ!・・・・・・この武器の威力、見せてやる!」

 

ジードは偶然見つけた『海賊』と『電車』のベストマッチに合わせて作った弓型の武器『海賊ハッシャー』に付いている電車のパーツを後ろに引っ張る。

 

『各駅電車!』『急行電車!』『快速電車!』『海賊電車!』

「ハァ!」『発射!!』

「ファイヤートルネード!!」

 

ジードとブルが遠距離攻撃を放つ。ほんの少し先に行ってたクローズはギリギリ攻撃を避けた。

 

「危ね!!」

「おっ先~。」

「早く来なよ~。」

「あっ!おい待てよ!!」

 

そして、先に進むと、目的の場所である保管場所にたどり着いた。

 

「あっ!あったぞ!」

「蒼空、パスワード覚えてる?」

「当然。」

 

ジードとブルでロックを解除しようとする。・・・・・・クローズは追いかけてきたガーディアンたちの相手をしている。

 

「・・・・・・あぁ!・・・・・・っ!」

「おい!早くやれよ!」

「指が太くて打ちづらいんだよ!!」

「小指でやれよ!小指!」

「「え?・・・・・・あぁ。」」

 

気を取り直して、パスワードを打ち込む。だが、

 

『ERROR』

 

「え!?なんで!?」

「パスワード合ってたのに・・・!?」

「おいどけよ。」

 

ガーディアンたちを破壊したクローズが、ジードたちをどかし、扉に手を触れ・・・・・・、

 

「こういうのはぶち壊すぞ!」

 

筋肉バカだけあって、力ずくでこじ開けようとする。

 

「ちょっ!?止めなさい筋肉バカ!!」

「この!なんでもかんでも力で解決しようとしないの!!」

「ちょまっ!!見えねぇ!見えねぇって!!前が見えねぇ!!」

 

扉の前でごちゃごちゃしてると、ロックが解除された。

 

「「あ!」」

「・・・・・・あ!」

 

ジードたちにマスクを抑えられていたクローズがワンテンポ遅れて反応するが、静かに扉が開き、そこには石に包まれた『赤き鋼』が置いてあった。その横には赤い怪人:『ブラッドスターク』も・・・・・・。

 

「この部屋のパスワードは3時間毎に変わる。夜華はこの事は知らなかったようだな。」

「わざわざそれを伝えるために開けてくれたのか?」

「例には及ばない。お前たちとじゃれ合うのは俺にとって大きな意味を成すからな~。」

「この・・・!ハァ!」

「ふっ!」

 

クローズとブルがそれぞれ武器を構えてスタークに挑む。ジードはワンテンポ遅れて挑む。

 

「よっと!ハァ!・・・・・・こんなもんか?」

「くっ!・・・・・・なら!」

『各駅電車!』『出発!』

 

ジードの新たな武器:『海賊ハッシャー』は弓の部分で敵を斬ることも出来て、矢の部分にある電車を引っ張れば光弾を撃つことも出来る万能な武器だ。そして、矢の部分の電車を引っ張る時間によって、4段階の攻撃パターンが発動できる。4段階目の『海賊電車』では、電車型のエネルギー弾を放つ。それ以外は、光弾の数が変わるだけだが。

 

「ふっ!ハァ!」

「っ!?何・・・!?」

 

だが、その光弾をスタークはスチームブレードで弾き飛ばす。

 

『快速電車!』『出発!』

「よっと!」

『急行電車!』『出発!』

「ふっ!・・・・・・ハァ!!」

「ぐわっ!!」

 

スタークは光弾をかわし、ジードを斬り倒す。

 

「蒼空!・・・・・・スターク・・・!」

『ウィンド!』『ベストマッチ!』

「セレクト!」

『ブル ウィンド!イエーイ!』

 

ブルは『アクアフォーム』から『ウィンドフォーム』に姿を変え、改めてスタークに挑む。

 

「くっ!・・・・・・これで!」

『ハリネズミ!』『消防車!』

『ベストマッチ!』

 

ジードも、ボトルチェンジをする。

 

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!!

『レスキュー剣山!ファイヤーヘッジホッグ!イエーイ!』

 

白色のハリネズミと、赤色の消防車のボトルで創られたベストマッチの1つ:『ファイヤーヘッジホッグフォーム』は、右手がドライバーを回す以外使えなくなる代わりにいくつもの針が付いている。

左腕には消防車に付いているハシゴがあり、先端からは水か炎を出す事が出来る。

 

「ふっ!」

「危ねっ!!」

「ちょっ!蒼空さん!?」

 

右手から針をスタークに向けて飛ばす。・・・・・・その場にいたクローズとブルにも被害があったが。

 

「アッブナイな~。・・・・・・とにかく、蒼空!」

「わりわりぃ。・・・・・・行くぜ!」

 

ジードとブルは並び、

 

「ストームシューティング!」

「それに合わせて・・・・・・、ストロングブリザード!」

 

・・・・・・本来は必殺技として発動させる技だが、威力が下がる代わりにレバーを回さずに使用できる。それに合わせてジードが水を発射する。そうして、名前通り『吹雪』と化した。

 

「ほぉ~?そんな技を・・・・・・。だったら!」

『アイススチーム!』

「これでどうだ!?」

「っ!海璃!」

「分かってる!」

 

スタークはその吹雪ごと凍らせる。それは発動者たちにまで来て、発動者たちは技を中断、回避した。

 

「この氷、借りるぞ!」

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

「オリャアアア!!」『ミリオンヒット!」

 

クローズはその氷をビートクローザーで砕きつつ、スタークにぶつける。

 

「チッ!」『ライフルモード!』

『エレキスチーム!』

 

スタークは飛んできた氷を破壊しつつ、ジード、ブル、そしてクローズに銃撃を与える。

 

「ぐわっ!!」

「キャッ!?」

「くっ!」

 

〈告。『忍者』と『コミック』で対応してください。〉

 

「・・・・・・分かった!」

 

ジードは大賢者の提案に乗り、『ニンニンコミックフォーム』になる。

 

『ニンニンコミック!イエーイ!』

「ハァァ!!」『分身の術!』

 

ジードは『4コマ忍法刀』の力で分身を作り、

 

『火遁の術!火炎斬り!』

「ハッ!」「よっ!」「ハァ!」

 

刀に炎を纏わせ、スタークを攻める。・・・・・・が、

 

『スチームショット!コブラ!』

「・・・・・・ふっ。」

「ぐわっ!!」

 

その攻撃も、スタークには効かず、スタークの攻撃を受けてしまう。

 

「何をやっても無駄だ。貴様の攻撃は全て見切っている。」

「・・・・・・あぁそうかよ・・・。なら、これでどうだ?」

 

ジードは『ライトボトル』と、今まで使ってこなかったピンク色のボトルを取り出した。

 

『オクトパス!』『ライト!』

『ベストマッチ!』

 

「オクトパス・・・?」

 

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『稲妻テクニシャン!オクトパスライト!イエーイ!』

 

ジードは新たな姿、『オクトパスライトフォーム』に変身した。

 

「あ!?そんなベストマッチ聞いてねーぞ!?」

「あれ?そんなのあったっけ?」

 

先程の『ファイヤーヘッジホッグフォーム』は、作戦前に話していたが、このフォームは誰にも話してなかった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「っ!?」

 

ジードが顔を上げると、左肩の電球型の装甲が光り、スタークの目を眩ませる。

 

「ハッ!」

「くっ!・・・・・・うっ!?」

 

スタークの目が回復する頃にはジードの拳が迫っていた。スタークは上手くかわすが、左腕の装甲を光らせてまたスタークの目を眩ませる。そのまま肩のタコの触腕でスタークを巻き付け、

 

「よっ!」

「ぐっ!?」

「ハッ!」

「ぐあっ!?」

「ハァァァアアア!!」

「ぐわあぁぁぁ!?」

 

部屋のあちこちにぶつけ、そのまま投げ飛ばす。

 

「スゲー・・・。」

「万丈!海璃!行くぞ!!」

「え?・・・・・・う、うん!」

「お、おう!」

 

ジードの掛け声で、クローズとブルも立ち上がる。

 

「セレクト、クリスタル!」

『ウルトラマンギンガ!』

 

『スペシャルチューン!』    

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

「はぁ・・・!」      

 

ブルの刀身は青色に、クローズの刀身は黄色に纏われる。

 

「ギャラクシーセイバー!」

「ぐっ・・・!?」

 

先にブルのエネルギーの刃がスタークに直撃する。

 

『Ready Go!』

「ふっ!」

 

攻撃が当たってすぐに、ジードの必殺技が発動される。オクトパスの肩の装甲からタコ墨を飛ばし、スタークを包む。

 

『ボルテックフィニッシュ!』

「ハァ!!」

 

そのスタークを触腕で近づけて、左腕で殴る。

 その時に光と共にタコ墨が弾け、

 

『メガスラッシュ!』『イエーイ!』

「オリャアアア!!」

 

横からクローズの一撃が決まる。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺たちの連携でスタークを倒した。・・・・・・と言っても、変身解除までは至ってないが。

 

「ぐっ!?・・・・・・くっ!?」

 

思ったよりダメージがあるようだな。

 俺は変身を解いた。

 

「アンタにはこの攻撃を読めないと思ったよ。」

「まさか・・・、奥の手を隠してたとはな・・・・・・。」

 

スタークは立ち上がり、

 

「だがこれで、全てのボトルが確認出来た。目的は達成だ。」

「っ!?待て!!」

 

スタークは黒い銃を構え、煙を出しながら胸のコブラのマークからエネルギー体のコブラを出して、姿を消した。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

残されたのは、変身をしている万丈と海璃、変身を解除した俺。そして、『ギガファイナライザー』だけだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家に着いた俺たちを出迎えたのは、ポピパの5人と、コーヒーを淹れていた夜華だった。

 俺は手に入れた『赤き鋼』とフルボトルを全て机の上に置いて、カウンターで夜華からコーヒーを貰う。

 

「お帰りなさいませ、主様。」

「・・・・・・ただいま。マスターは、いないんだな・・・。」

「えぇ、今日もバイトですから。」

「・・・・・・あれ?夜華以外は・・・・・・なんか暗いね?」

「それが・・・・・・。」

 

口を開いた沙綾が香澄の方を見る。・・・・・・その香澄は、元気が取柄なのに元気が全然無かった。

 

「実は、香澄・・・・・・歌えなくなったの・・・。」

「え?」

「はぁ!?」

 

皆の視線が香澄に行く。

 

「・・・・・・っ!」

「おい!香澄!」

「っ!万丈、香澄を追え!海璃、万丈についていけ!」

「分かった!」

 

香澄は視線に耐えられなくなったのか、家を出て行った。ポピパの4人は香澄を追いかけ、俺は万丈と海璃も向かわせた。

 残ったのは、俺と夜華だけだった。

 

「・・・・・・それで、帰ってきて早々にバイトか?・・・・・・()()()()。」

 

俺は、机の上の『赤き鋼』を持っているマスター:『石動惣一』に向けて喋った。

 

「あれ?・・・・・・バレてた?気配は消してたつもりだったけどな~?」

「・・・・・・アンタが、『ブラッドスターク』なんだろ?」

「根拠は?」

「・・・・・・スタークはことごとく俺の攻撃を見切っていた。でも、実践データがほぼ無かった『オクトパスライト』にだけはまるで対応出来ていなかった。」

「なるほど~!それで()()()()()()()()()()を仕掛けたのか~!・・・・・・だが、なんで俺がスタークだと思ったんだ?」

「俺の側近に、ね。」

「・・・・・・ほぉ~。夜華が騙している可能性があるんだぞ?」

「だから、あのバトルを仕掛けたんだ。」

 

この場にいる3人は向きを変えずに、沈黙していた・・・・・・。そして、俺が口を開いた。

 

「アンタがスタークなんだろ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・答えろよ!!

 

その答えは・・・・・・、

 

「・・・・・・ふっ!」

「おい!待てよ!!」

 

『ギガファイナライザーとフルボトルを持ってこの場から逃げる』だった・・・・・・。

 

 

 

 

 




今回はビルド13話とバンドリ1期のSPACEオーディションをベースに書きました。・・・・・・バンドリ側は多分ナレーションくらいで終わるかも・・・。

それと、目次にもありますが、タイトル変えました。・・・・・・こっちの方が読まれやすいかなと思って。
略称は、誰か考えて。(丸投げ)


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第15話 偽りのヒーロー

「はぁ・・・、はぁ・・・!」

(なんで走りながらあらすじ紹介しなきゃいけないんだよ!?・・・・・・仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、スタークが盗んだ『ギガファイナライザー』を奪還したが再び盗まれた。)

「はぁ・・・、はぁ・・・!」

(その犯人は、今追いかけているあの男だった・・・。さぁ、どうなる第15話!?)



「はぁ・・・、はぁ・・・!」

 

追いかけている男は、壁にもたれ座り込んでしまった。俺は止まったのを確認して、足を止めた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、年だな・・・!」

「はぁ・・・、はぁ・・・、なんで、アンタが・・・?」

「・・・・・・俺には大きな目的があってな・・・。だから見逃してくれない?」

「する訳ないだろ・・・!」

「だよな!」

 

手を合わせてお願いされてもダメだ!

 

「残り2本、ボトルを回収しなきゃいけないし。」

「っ!・・・・・・ここに来たのも計算の内ってか?」

「人目につかない方が、戦いやすいだろ?」

 

確かに、夜の橋の下なんて人目につかない場所としては絶好の場所だ。

 しかも、隠していた2本のボトルの事まで気付いていたとはな・・・・・・。

 

『コブラ!』

 

コブラのボトル!?・・・・・・やはり・・・。

 

「蒸血。」

『ミストマッチ!』

 

ボトルをセットした黒い銃から煙を出し、散々見てきた赤い姿へと、姿を変えた。

 

『コブラ・・・!コ、コブラ・・・!』

 

そして、変身完了を意味するかのように、角部分からささやかな花火が上がった。

 

『ファイヤー!』

「俺がブラッドスタークだ。・・・・・・()()()()()()()()()()()()()()?」

 

声を自由に変えられるのか・・・。

 

〈解。ブラッドスタークの機能の1つです。〉

 

「・・・っ!」

 

俺は残されたボトル・・・・・・その中のベストマッチだけで戦うしかない。

 

『オクトパス!』『ライト!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身!」

『オクトパスライト!イエーイ!』

「フッ!」

 

俺は変身してすぐに右肩のタコの触腕である程度距離を取りながら攻撃する。

 

「ちっ!・・・・・・厄介なボトル残しやがって・・・!」

『Ready Go!』

「俺、タコ嫌いなんだよ!!」

 

知るか!!

 すぐさま必殺技を決める。

 

「ぐわっ!!」

「はぁ・・・、はぁ・・・フッ!」

「食らえ!」

 

スタークはギガファイナライザーをこっちに見せつけると、その力のごく一部が発揮された。

 

「ぐっ!・・・・・・うわっ!?」

 

その力を受けた俺は吹き飛ばされ、変身が解除、ボトルが手元から離れ、スタークの手に渡ってしまった。

 

「これで、ボトルは全て回収できた。」

 

すると、変身を解いたマスターは、

 

「Chao!」

「っ!おい、待てよ!!」

 

ボトルとギガファイナライザーを持って、どこかに行ってしまった。

 

「・・・・・・ぅわあああああ!!」

 

この場には、俺の叫び声だけが響いて、日差しが昇ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が家に帰ってきた時には全員が起きていた。『どこに行ってた?』と聞かれたから、さっきまで起きていた出来事を話した。

 

「「っ!?」」

「マスターが・・・!?」

「・・・・・・スターク!?」

「・・・・・・俺も、夜華から聞いた時には驚いたよ。でも、スタークがマスターなら、今までここで働いているシーンがほとんど無かった理由も納得が行く。」

 

夜華が初めて俺の前で変身した後、1人で貰ったデータを調べている時に話された事だから。

 

「・・・・・・これからどうするんだよ?」

「俺は、対スターク用のアイテムを開発する。」

「?・・・・・・蒼空、それ何?」

 

取り出したのは、変わった模様が書かれたボトルだ。

 

「この中には、赤き鋼の残留物質が入っている。」

「赤き鋼の・・・?」

 

スタークとの戦いの時、偶然手元から離れ、地面に落ちた空のボトルの中に赤き鋼の残留物質が入ったのだ。

 

「これで、ジードの強化アイテムを創る。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 ここは、『難波重工本社ビル』。一部の学校に支給されている護衛ロボット:『ガーディアン』は全て、この『難波重工』が作っている。そして、この『本社ビル』は全てを統括している場所であり、会長である『難波重三郎』がここにいる。

 

「ギガファイナライザーを開放するためのボトルは全て揃った。」

 

そこには、難波重三郎以外に、()()()()がいた。そして、難波重三郎の前の机の上には『ギガファイナライザー』と『フルボトル20本』が置かれていた。

 

「会長は、この赤き鋼を開放させてどうするおつもりですか?」

「中に眠る強大な力を使って、核兵器を超える軍事兵器を作る。それが、我々の仕事だ。」

 

すると、難波はボトルを手に取り、

 

「蓋を正面に合わせて、赤き鋼に当てればいいんだったな?」

 

パンドラボックスから生成されたフルボトルを当てると、ギガファイナライザーがそれを吸収、60本吸収したら周りの岩が消える仕組みとなっている。

 難波がボトルの蓋を正面に合わせた瞬間、

 

『ミスマ~ッチ!』

「ん?」

「っ!?」

『ミスマッチ!』『ミスマッチ!』『ミスマッチ!』

 

手に取ったラビットボトルから蒼空の声が聞こえると、それに反応して、他のボトル19本も反応して、衝撃で飛んだり、小さい『はずれ』と書いた旗を出したりしていた。

 

「・・・!」

『ミスマッチ!』

「偽物・・・。・・・・・・やってくれるじゃない。」

 

ギガファイナライザーは本物だったが、ジードを倒して手に入れた『オクトパス』と『ライト』までもが偽物だった事に、石動惣一は蒼空に怒りではなく賞賛を送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「まさか偽のボトルにすり替えてたとはな・・・。」

 

 私たちは研究室でギガファイナライザーの残留物質を使ってスタークに対抗する、ジードをアイテムを創っている。

 

「マスターは必ずボトルを取りに来る。その前に強化アイテムを完成させないと・・・!」

 

残留物質の入ったボトルを繋げた実験装置も完成したみたい。

 

「・・・よし!さぁ万丈君!ギガファイナライザーの残留物質と相性の良いベストマッチを、その装置で探すんだ!」

 

一応私は女子だからって理由だろうけど、なんで万丈?

 

「う~ん・・・・・・、『パンダ』、『ロケット』。」

 

へぇ~、まずは『パンダ』と『ロケット』か。

 万丈がボトルをセット出来る場所にそのベストマッチをセットする。すると、

 

「うおおぉぉ!?」

「パンダロケットは、ダメ・・・と。」

 

相性が合わなければ、何らかの形で爆発するんだね~。万丈1回転したし。

 にしても、蒼空はどこからそんな警察が使う盾みたいのを持ってきたの?

 

 続いて『ゴリラ』と『ダイヤモンド』。

 

「~~~・・・!!」

「ゴリラダイヤモンドもダメ~。」

 

うわ・・・、顔に直接ダイヤモンドが当たったよ・・・。・・・・・・頭叩いたらダイヤモンドが顔から落ちてくるほどなの!?

 

 そして、『ライオン』と『掃除機』。

 

「イテテテ・・・・・・!!」

「ライオン掃除機、ダメ~。」

 

掃除機だから、電気?

 

 4回目、『ラビット』と『タンク』か~。基本フォームのボトルか~。・・・・・・ベタだね~。

 

「・・・・・・お、光った!!」

「おお!!」

 

マジで!?

 

「どうよ!?俺のd「発・明・品!ダメなお前の第・六・感!!」

 

・・・・・・楽しそうね。

 

「・・・・・・あ、万丈。香澄、話せるまでに落ち着いたって!」

「お、本当か!?」

「・・・・・・行って来い。海璃、ついて行ってやれ。」

 

・・・・・・そっちはそっちで、何かありそうね~。

 

「とりあえず万丈、着替えてきてよ。」

「え?・・・・・・あ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 龍君たちがやって来た。でも、今の私には喋る事が出来ない。

 

「香澄、大丈夫か?」

「・・・・・・うん・・・。」

 

・・・・・・出ても、凄く小さな声しか言えない。

 

「・・・・・・ごめんな、香澄。」

 

・・・・・・え?

 

「お前がこんな状況になっても、俺には何も出来ないから・・・・・・。」

 

龍君・・・。

 

「・・・・・・ばって。」

「・・・?」

龍君皆のために仮面ライダーとして頑張って。」

「・・・・・・香澄。」

私も頑張ってSPACEのオーディション受かるから・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

私は、ほんの僅かな声量で、龍君に想いを伝えた。

 

「・・・・・・香澄、無理しないの。」

 

海璃ちゃんに怒られたから、頭だけ下げておこう。

 

 

 

 頑張って!龍君!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 その日は、午後から強い雨が街に振り始めた。

 

「・・・・・・マスター。」

 

そんな誰も外に出ないであろう時に、誰も来ない路地裏に蒼空と夜華がやって来た。・・・・・・蒼空は手に何も持っていない。夜華が『従者だから』と言って傘を差している。

 そして、2人の目線の先には赤き鋼を持った石動惣一がしゃがんでいた。

 

「・・・・・・懐かしいな~。ここでお前を見つけて、それからこの数ヶ月、濃密な時を過ごせたよ。」

「石動惣一・・・。」

「俺たちにしてくれた事は、全て嘘だったのか・・・?」

 

蒼空は1歩前に出て、さらに石動惣一に語りかける。

 

「俺たちの過ごした時間は、全て偽りだったのか!?」

「・・・・・・全部が全部嘘って訳じゃない。」

 

惣一は立ち上がり、蒼空に向いた。

 

「たまに感動してウルってしたし、『騙して悪いな~。』って思ったよ。」

 

言葉の割には、申し訳なさそうな顔はしてなかった。

 

「・・・・・・ふざけるな・・・!」

 

蒼空はその態度に怒りを覚えたのか、力強くドライバーを装着した。

 夜華は状況をすぐに把握して、頭を下げながら蒼空から離れた。

 

  『ラビット!』『タンク!』
『コブラ!』     

    『ベストマッチ!』

 

      「変身。」
「蒸血!」      

 

 

ここまでは少し遠くの位置でも聞こえたが、そこから先は何も聞こえなかった。静かに2人は変身した。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ジードが顔を上げると同時に、2人が拳を合わせる。

 

「・・・っ!」

「フッ!」

 

2人は戦いながら廃工場跡に戦いの場を移動した。

 

「フッ!・・・・・・ハァ!!」

「グワッ!!」

 

スタークはスチームブレードを出して、ジードを斬りつける。そして、追撃をするが・・・・・・、

 

「フッ!」

「・・・!?」

 

ジードはドリルクラッシャーを取り出し、スチームブレードを受け止める。さらに、

 

『Ready Go!』

「くっ!・・・・・・ハァ!!」

「ぐっ!?」

 

忍者ボトルを取り出し、数回斬りつける。

 

 そんな時に、ジードの脳裏には石動惣一との・・・・・・楽しい思い出が浮かんできた。

 

 振り返ってすぐに顔をぶつけるも、平然とするフリをしたり、

 つまらないギャグを言って、周りをシラケさせたことや、

 帰ってきた時に、『おかえり』と言ってくれて嬉しかったこと、

 

そんな他愛のない事が嬉しかった蒼空の手は・・・・・・ジードの手が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 動きが止まったジードに関係なく、スタークは『エレキスチームモード』で斬りつけて、最後に『トランスチームガン』で連射する。

 

「ぐっ!?・・・・・・くっ・・・!」

 

ダメージが蓄積し、変身が解除されその場に倒れた。

 

「主様!!」

「・・・・・・出来る訳ねぇだろ・・・!?」

「・・・?」

 

倒れた蒼空は、顔を上げて言葉を並べる。

 

「今の俺を創ってくれたのは、アンタだ!アンタのおかげだ!!アンタが俺を救ってくれたから・・・!」

 

蒼空の声は、震えていた・・・・・・。

 

「・・・・・・勝負あったな。」

 

スタークはトランスチームガンの銃口を蒼空に向ける。

 

「主様!!・・・っ!」

 

夜華がドライバーを取り出した瞬間、スタークの銃に誰かが物をぶつけ、弾き飛ばした。

 

「・・・ん?」

「だったら・・・・・・俺がぶっ倒してやるよ!!」

「万丈・・・?」

 

びしょ濡れの龍哉が、ビートクローザーを投げたのだった。

 

『Are You Ready?』

「変身!」

 

 

龍哉はドライバーにクローズドラゴンをセットして、走り出した。そのままクローズに変身した。

 

『Wake Up Burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

「俺はアンタが許せねぇ!!でも、許せねぇのは、俺を人体実験した事じゃねぇ!!」

 

変身完了してすぐにスタークに殴りかかった。そのままスタークを倒して馬乗りになる形で殴ろうとする。

 

「今の俺が許せねぇのは、蒼空の思いを踏みにじったことだ!!」

『コブラ!』

「あっ!?」

「・・・・・・。」

『スチームブレイク!コブラ!』

「ぐわあぁぁぁ!!」

 

ゼロ距離でトランスチームガンの一撃を受け、吹き飛ばされるクローズ。その影響で変身が解けてしまう。

 

「ぐっ・・・、あぁ・・・・・・!?」

「万丈!!」

「なぁ・・・、不思議だと思わないか?」

 

龍哉を吹き飛ばしたスタークは、静かに語り始めた。

 

「何故、お前を仮面ライダーにしたのか?」

「・・・・・・っ!?」

「リトルスターを回収するためだ。」

 

スタークは立ち上がり、

 

「リトルスターは思ったより厄介でな。『ビルドシステム』を使う者に強い信頼を持って、祈ることでリトルスターは体内から飛び出していく。最初は上手く行ってたんだが、意外と情報が広がるのが早くて、回収出来なくなった。」

 

スタークは蒼空に歩み寄り、話を続ける。

 

「だから、お前を使ってリトルスターを回収することにした。都合良く、ベリアルの遺伝子を持っていたお前を。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「お前は俺に創られた偽りのヒーローなんだよ。お前は、正義のヒーローを演じていたにすぎない。」

 

スタークは口を蒼空の耳に近づけ、石動惣一の声でトドメの一言を発した。

 

「『仮面ライダーごっこ』をしていただけなんだよ。」

「っ!?」

 

その一言は、蒼空の動きを完全に止めた。

 

「ふぅ~。・・・・・・フッ!」

「ぐっ!?」

 

立ち上がったスタークは蒼空の顔を膝で蹴り飛ばした。

 

「これで分かっただろ?いかに自分たちが踊らされていたのかを。・・・・・・お前たちでは、俺には勝てない。」

「・・・・・・最悪だ。ここまでこけにされてたとは・・・。けど、」

 

蒼空は上半身を起こしつつ、言葉を並べる。

 

「俺たちが信じた正義は、幻なんかじゃない。俺も、万丈(こいつ)も、誰かの力になりたくて戦ってきたんだ・・・・・・。」

 

蒼空は、自分の思いを言葉にしつつ立ち上がった。

 

「誰かを守るために、立ち上がってきたんだ・・・!」

 

そんな蒼空の言葉に、龍哉は顔を背けてしまう。・・・・・・自分は違うと思いつつ。

 

「・・・・・・アンタがいなくても、俺には守るものがある。自分の信じる正義のために・・・・・・」

 

蒼空は覚悟を決め、

 

()()を倒す!!」

 

新たなアイテムを取り出した。

 そのアイテムは、赤と青、そして白でデザインされた、まるでジュースの缶のような形。そして、まるで『ラビットタンク』の複眼のようなデザインが描かれていた。

 

「うん?・・・・・・っ!?」

 

たまたま後ろを向いていたスタークが振り返ると、見たことのないアイテムを持っていることに気付き、驚いてしまう。

 蒼空はその缶:『ラビットタンクスパークリング』を数回振り、上部のプルタブを開ける。すると、炭酸ジュースの開く音と共に、下部からビルドドライバーにセットするための、ボトルの蓋のようなパーツが出現。そのままビルドドライバーにセットする。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

ドライバーにセットすると、音声が鳴った。それを確認すると、ドライバーのレバーを回し始める。

 今までのドライバーの待機音声に追加して炭酸のような音も鳴り、いつも変身の時に現れる『スナップライドビルダー』にも、ビルドのマークが追加されていた。

 

『Are You Ready?』

 

両手を大きく広げ、いつもの変身ポーズを取った蒼空は、その覚悟と共にあの掛け声を放った。

 

「変身!!」

『シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

 

ラビットタンクスパークリングのハーフボディが蒼空で合わさると同時に泡が飛び散り、蒼空は『仮面ライダージード ラビットタンクスパークリングフォーム』へと変身完了した。

 

「・・・っ!?」

「すげー・・・!」

 

スタークはいまだに驚いており、龍哉は感嘆していた。

 

祝え!ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を受け継ぐ新たなる王者!その名も、『仮面ライダージード ラビットタンクスパークリングフォーム』!今まさに、新たなビルドの力を継承した瞬間である!

 

・・・・・・戦いを見守っている夜華が何故か祝っていたが、そんな事は気にせず、

 

「はぁ・・・、フッ!」

 

左足のラビットでスタークに近付き、すぐさま右足のタンクの能力であるキャタピラをスタークにぶつける。

 

「ハァ!」

「ぐっ!?・・・・・・デヤァ!!」

「フッ!ハッ!ハァ!」

 

スタークがいくら攻撃をしても、ジードはそれを受け止め、逆に自分の攻撃を当てる。その攻撃には全て泡が含まれている。これは、ラビットとタンク、そして赤き鋼の残留物質を意味している。

 

「くっ!・・・・・・なら!」

 

スタークはスチームブレードを取り出し、攻撃するが、

 

「フッ!ハァ!」

「ぐっ!?」

 

ジードは武器をはたき落とし、攻撃を続けた。

 

「・・・・・・やるなぁ。()()()()()()()()()()()()()

 

スタークも本気を出したのか、声を変えて、胸のコブラの装甲から2体のコブラ型エネルギー体を繰り出し、ジードに仕掛ける。

 

「っ!?フッ!・・・・・・ぐっ!?」

「っ!?蒼空!?」

「ご安心を。」

 

2体のコブラに身体を巻き付けられ、身動きが取れなくなったジード。それを見て『大丈夫か?』と言わんばかりの声をかける龍哉だが、夜華の言葉通り、コブラたちの隙間か泡が溢れ出し、ジードはコブラたちを『弾ける』ように吹き飛ばす。

 

「ハァ!・・・・・・フッ、ハァァァ!!」

 

吹き飛ばしてすぐにコブラたちの尾を掴み振り回しながらあちこちにぶつけ、ダメージを与える。そのまま2体合わせて上空に投げ、逆さになりながら天井を貫通させるまで力を込めて蹴り飛ばす。

 

「マジかよ・・・・・・。」

 

外に出たスタークは、上空で行われている事に驚愕している。

 そんな、コブラたちを蹴り飛ばしたジードはドライバーのレバーを回し、コブラたちの後ろにワームホールのような図形を形成する。そこに、コブラたちを吸い込ませ、

 

『Ready Go!』

「ハァァ!!」

『スパークリングフィニッシュ!』

 

そのワームホールでコブラたちを破壊、そこからスパークリングから創られる泡をスタークにぶつける。

 

「っ!?ぐっ!?ぐぅぅ!?・・・・・・ぐわぁ!!」

 

スタークは防御をするが量が多すぎるため、吹き飛ばされる。そして、ジードたちからすれば初めて変身解除させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺は石動惣一が吹き飛ばされた場所、先程の待ち合わせ場所に降りてきた。

 

「ぐっ!?バカな・・・・・・!?」

 

俺は変身を解除して、奴に一言放った。

 

「たった今、俺の中で石動惣一は死んだ。」

「まさか、そんな物を創っていたとは・・・・・・!?お前なら、アレを完成させれるだろうな・・・・・・。

「・・・・・・っ!?」

 

奴がこそっと何を言ったのか、『アレ』しか分からなかった。そんな時に夜華と龍哉がやって来て、夜華が俺を持っている傘に入れてくれた。

 

「最後にお前たちに忠告しておく。まずは、氷室幻徳に気を付けろ。」

 

氷室幻徳?・・・・・・花咲川の教頭、だよな?

 

「奴が本当のナイトローグだ。」

「っ!?」

「んだと・・・!?」

「それともう1つ。もうすぐベリアルが伏井出ケイを使って何か始めるだろう。お前が伏井出ケイに勝つには、新しくリトルスターを手に入れるしかない。」

 

伏井出ケイが・・・・・・。しかも、遠回しに『今の俺には勝てない』って・・・・・・。

 

「ギガファイナライザーはくれてやる。それより、今大事なのは、()()()()の成長だ。せいぜい強くなれよ!Ciao!」

 

それだけ言って、石動惣一はどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 




今回は知っている方もいるかもしれませんが、『スパークリング』登場回をオマージュしております。バンドリ側は、『香澄大変』な時です。


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第16話 新たなリトルスター

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉を人体実験した組織:『ファウスト』の謎に迫っていた。石動惣一がスタークだった事を知り、蒼空は愕然となるも、新たな覚悟を決め、スタークを退け、ギガファイナライザーを奪還するのだった。」
「まさかマスターがスタークだったとは・・・・・・。ってか、夜華さんが言ってたあの『祝え!!』ってなんだよ!?」
「『何』と言われましても、主様の成長を世に喧伝しなければなりませんので。」
「恥ずかしいな・・・。とりあえず、第16話どうぞ。」







 前回から数日が経ち、

 

「ふんふんふ~ん♪」

「んだよ、香澄。機嫌良いな?」

「うん!だって声も戻ってSPACEでライブが出来るんだよ!」

「そうか。・・・・・・万丈、必ず行かないとな。」

「なんで俺だけなんだよ!?」

「じゃあ、私も~!」

 

バンドリで言うと、SPACEラストライブのちょっと前くらいだ。

 

「主様、本日の夕食はどうされますか?」

「そうだな~。・・・・・・仕事中に話す内容じゃないけど。」

「確かに。でも夜華さん、なんで私たちの要望を聞かないの?」

「それは、わたくしが主様の従者だからです。」

「・・・・・・どうしよう、私すっごい納得してるんだけど・・・。」

 

・・・・・・うん、俺も。

 

「そうだな~。・・・・・・とりあえず、()()を何とかしてくるよ。」

「・・・・・・かしこまりました。今回はわたくしもお供しますわ。」

「万丈、とりあえずお前も来い。」

「え!?おい、どこへ行くんだよ!?」

「え?蒼空!?ちょっと待ってよ!?」

 

俺はいつも通りの行動に出た。・・・・・・やっぱり、エピソードに書かれるぐらいになると、こうなるよな~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 街はパニックに陥っていた。その理由は、突如現れた怪物:『ペダニウムゼットン』が暴れていたからだ。

 

「いた!」

「はぁ・・・、はぁ・・・、っておい!あれって!?」

「ペダニウムゼットン・・・・・・!」

「え?何?2人知ってるの?」

「以前、主様のボトルを奪った男が変身した怪物です。」

「じゃあ、あいつが蒼空のボトルを!?」

「いえ、あの銃はハザードレベルが規定の数値を超えていれば誰でも使えますから、あの怪物が『伏井出ケイ』とは限りません。」

 

海璃に説明をする夜華。その光景をよそに、とにかく街を破壊するペダニウムゼットン。

 

「・・・・・・とにかく行くぞ!」

『ラビットタンクスパークリング!』

 

「おう!」『Wake Up!』

『クローズドラゴン!』

 

「うん!」

『ブル!』『フレイム!』

 

「かしこまりました。」

『ダーク!』『デコード!』

 

4人はそれぞれのドライバー、ボトルを使って変身する。

 

『『『Are You Ready?』』』

「「「「変身!」」」」

 

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

『ブル フレイム!』

『デコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

4人が変身を終え、クローズとジードが真っ先に攻める。ブルとイグニスはそれぞれの剣を構え、攻める。

 

「止めろ!!」

「オリャ!!」

「グオオオオ!!」

「「ぐあっ!!」」

 

素手で挑んだジードとクローズは敵の動きを抑えようとしたが、力負けして吹き飛ばされる。

 

「よっ!・・・・・・ハァ!」

「フッ!ハッ!」

 

一方、女性陣は敵の攻撃をかわしつつ、斬撃を決めていく。

 

「くっ・・・!」

 

(大賢者さん、アイツは伏井出ケイなのか!?)

〈解。現時点では分かりません。正体を知るためには一定時間以上相手に触れる必要があります。〉

(マジかよ・・・・・・。アイツ、強すぎるんだけど!?)

〈・・・・・・解。敵のエネルギーの源は、先日奪われた()()()()()()()()()()です。〉

(リトルスターのボトル!?)

 

「ぐわぁ!!・・・・・・おい!コイツ、かなりツエーぞ!?」

「みたいだな。・・・・・・アイツの体内に『リトルスターのボトル』があるからな。」

「え!?まさか、そのボトルで変身してるってこと!?」

「それは、かなり厄介ですわね・・・・・・。」

 

敵のエネルギー源を知った頃には、ペダニウムゼットンが光線を放とうとしていた。

 

「っ!?」(相打ちで留めれば・・・・・・!)

『Ready Go!』

「フッ!」

「ちょっ、蒼空!?」

「主様!?」

 

ジードは光線が放たれる前にこちらの必殺技を決めようと、ブルとイグニスの声を聞かずに、ライダーキックを発動する。

 

『スパークリングフィニッシュ!』

「ハァァ!!」

 

光線とキックがぶつかり・・・・・・キック(ジード)が負けてしまった。

 

「ぐわっ!?」

「蒼空!・・・・・・大丈夫!?」

「っ!・・・・・・主様、あちらを。」

「え?・・・・・・え!?」

「くっ!・・・・・・っ!?どういう事だ・・・?」

 

視線の先では、先程光線を放ったペダニウムゼットンが吹き飛んで、倒れていた。

 

〈解。自身の強大な力の反動で吹き飛ばされました。〉

 

「・・・・・・ん?おい、ピクリともしねーぞ?」

「あ、本当だ・・・・・・。」

「しばらくの間、行動が止まったようですね。」

「・・・・・・あ!夜華さん、今のうちに皆を!」

「・・・・・・仕方ありません。主様のためです。」

 

イグニスは自身の影の範囲を広げて、3人を影の中へ引きずりこんだ。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 夜華のおかげで、あの場から逃げ出すことが出来た。

 

「・・・・・・ニュースになってるね、『謎の怪物が・・・・・・』って。」

「アイツ、俺たちの攻撃が効かねぇぞ?」

「いえ、1人だけ攻撃が効いていましたわ。・・・・・・そうですわよね、海璃様。」

「はぁ!?」

「えぇ。私のボトルは、別の世界では『光の巨人』と呼ばれる者の力を再現したものだから、かな?」

「・・・・・・そういう事か。だからビルドのボトルだと適わなかったのか。」

「あ?・・・・・・どういう事だ?」

 

仕方ない、このバカに1から教えるか。・・・・・・分かるかどうか知らないけど。

 

「俺が持ってた『リトルスターのボトル』と、海璃のボトルは、両方とも『光の巨人』の力を宿している。そして、ペダニウムゼットンの成分も、出所は同じだ。」

「・・・・・・?」

「つまり、ペダニウムゼットンとまともに戦える成分を持つライダーは、『ジード』か、『ロッソ/ブル』しかいないって事。」

 

でも、『大賢者』無しでも分かった内容に、1つ疑問が生じた。

 

「そういや、夜華もダメージを与えてたよな?海璃と一緒に。」

「・・・・・・そういえば。」

「わたくしの場合は、ハザードレベルをかなり上げたり、戦闘訓練もかなりこなしましたので。」

「「あぁ~。」」

 

ま~た納得しちまった・・・・・・。

 

「お邪魔しま~す!」

 

ポピパ来た~・・・・・・。

 

「・・・・・・じゃ、そろそろ~。」

「あれ?蒼空、どこ行くの?」

「ちょっと散歩にな。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「行ってらっしゃい。」

 

俺は、()()()()()()()()()()()を持って、nascitaを出た。そのまま『マシンビルダー』を用意して、乗って走り出した。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

(どちらに行かれるのですか、主様?)

「え!?」

 

俺はいきなり夜華の声が聞こえてきたから、少し走ってすぐにバイクを止めた。

 

「夜華!?・・・・・・え!?どこに!?」

(主様の()の中にいるからに決まっていますわ。それで、わたくしの質問に答えてくださいませ。どちらに行かれるのですか?)

「・・・・・・ポストの中に、俺宛に手紙が届いていたんだ。」

(差出人は?)

「『桐生錘(きりゅうすい)』って人なんだけど、夜華知ってる?」

(・・・・・・そうですわね、少し前の町長だとしか・・・。)

 

ん?なんか間があった気がするんだけど・・・・・・?

 とにかく、『話したい事がある、家まで来てくれ。時間が無いから、出来るだけ早く。』と書かれていたから、その住所に向かう。

 

「・・・・・・この辺、だよな?」

(住所からすると、この辺りですわね。)

 

すると、ある家から1人の老人が出てきた。

 

「うおっ!?」

 

危ないな~!飛び出し注意!・・・・・・だな。身をもって経験したよ。

 

「君、こっちにおいで。」

「え?・・・・・・俺?」

 

とりあえずバイクから降りて、押しながらその老人の下に歩く。

 

「君が探しているのは、私だよ。」

「え?・・・・・・じゃあ、あなたが桐生さん?」

「君が家からここに来るまでの間、()()()()()()()んだ。」

「え?見てた!?」

「いや~よく来たね~!」

「うおっ!?・・・・・・って、熱っ!?」

「え?・・・・・・あぁ、ごめんごめん。」

 

手紙の差出人であるこの『桐生錘』は、呑気に自宅内に案内してくれた。

 

「お邪魔しま~す・・・・・・って、ゲーム機?」

 

しかも、PS4だよ・・・・・・。

 

「ささ、まずは座って、これを食べなさい。」

 

え?ポテチ?

 あ、さすがにこんなリアクションしたら怒られると思って、心の中でしてるけど・・・・・・。

 

「それと、()()()()()()()も、一緒にどうかな?」

「っ!?」

(いかがなさいますか、主様?)

(・・・・・・夜華、出てきてくれ。今更この人に隠しても無駄みたいだから。)

(かしこまりました。)

 

すると、夜華は俺の影の中から出てきた。

 

「・・・・・・桐生様、申し訳ありませんが、わたくしは主様の従者です。主様のお世話をする事がわたくしの務めです。台所をお借り出来ますか?」

 

おい、違うでしょ?

 

「構わないよ。」

「では。」

 

おい!?

 

「変わった娘だね?」

「なんで知ってるんですか?色んな事を。」

「3ヶ月ほど前からだったかな?妙に感覚が鋭くなってね。この、()()()()宿()()()、それが原因だろう。」

「それって、リトルスター・・・・・・。」

「うん、それからはずっと遠くの、遥か彼方の宇宙まで見えるようになった。1歩も動かずに、だ。」

 

・・・・・・なるほど。だからさっき『ずっと見てた』なんて言ったのか。

 

「もちろん、君の家の隅々までも。君が()()()()()()まで。」

「っ!?隠している物なんて、何も──」

「研究室の棚の中。」

「・・・っ!?止めてください!」

 

・・・・・・夜華には、聞かれてない、よな?

 にしても、まさかそこまで見えるとは・・・・・・。

 

 その後、俺は錘さんと共に格闘ゲームをしている。

 

「君が、仮面ライダーだって事も知ってるよ。」

「っ!?・・・・・・あ!」

「戦いに負けて、自分を見失いかけていることも。」

 

ってことは、あの戦いを見てたのか・・・・・・。ってか、意外とゲーム強いんですけど!?

 

「だから手紙を書いて、知人に送ってもらったんだ。」

「でも、手紙には『時間が無い』って?・・・・・・あ、ちょっ!?」

「大病を患っていてね。私はあと数ヶ月で死ぬんだ。だから、どうしても君と話がしたかった。」

 

・・・・・・だから『時間が無い』って。でも、なんで俺と?

 

「私たちが会うのはね、実は初めてじゃないんだよ。」

「くっ!?・・・・・・え?」

「約15年前と3ヶ月前に2回、君と会っているんだ。」

 

それって、俺が生まれた時と、記憶を失った時・・・・・・。

 

「今の君の名前、『桐生蒼空』って名前を付けたのは・・・・・・私なんだ。」

「・・・・・・え?」

 

錘さんの口から、まさかの事実を聞かされた・・・・・・。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 それにしても、蒼空・・・・・・じゃなくて、私の()()()()()()()()()()はどこに言ったのかな~?

 

「・・・・・・おい、夜華はどこ行った?」

「え?・・・・・・そう言えば。」

「龍君、海璃、蒼空君と夜華さんはどこ行ったの?」

「俺が知るかよ・・・・・・。」

「私も分からないな~。・・・・・・うん?」

 

そんな時、私の耳に聞き慣れなくて、今さっき聞いた音が聞こえてきた。

 

「この音って・・・・・・?」

「海璃さん!」

「さーや?」

「テレビでやってるの!さっきの怪物が!」

「っ!?」

「怪物って、アイツが!?」

 

私の頭の中によぎった答えが、当たってしまった・・・・・・。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「君が生まれた時、君の()()()()()()に頼まれて、()()()()()を付けたんだ。それと、『石動惣一』・・・・・・もしくは、『ブラッドスターク』に頼まれて、名前を付けたんだ。最初は、記憶を失った君を預かろうと思ったのだが、数年前に妻の奏恵が亡くなってしまったから、私1人で育てるのは君のためにならないと思い、仕方なく石動惣一に預けたんだ。」

 

それが、記憶を失った後の俺・・・・・・。

 

「うちには、子供がいなくてね。だから、奏恵と『男の子が生まれたら付けよう』って決めてた名前を君に名付けたんだ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「遠くが見えるようになった瞬間、君が見えた。記憶を失って、路地裏に倒れていた君がね。まさか、体内に人外の遺伝子があるとは、思わなかったがね?」

 

その時、俺が・・・・・・いや、『家ごと』が揺れた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 蒼空たちの話が一段落ついた時、ペダニウムゼットンが意識を取り戻し、立ち上がり、暴れ始めた。その視線の先には、桐生錘の家が・・・・・・。

 それを見た錘は、

 

「あっ!ここが気付かれたかもしれないな・・・・・・!?」

「えっ!?」

「主様!ペダニウムゼットンが!」

「っ!?」

「この3ヶ月間、バリアのおかげで隠し通せたが、どうやら限界のようだね・・・・・・。」

「っ!・・・・・・あ!錘さん、アレに乗って!」

 

蒼空は錘の家にあるリアカーを見つけ、荷台に錘を乗せてその家から離れた。蒼空と夜華がリアカーを押している。

 

「いや~、すまないね~。」

「呑気だな・・・・・・。」

 

そんな感想を聞こえない程度にボソッと言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、テレビでペダニウムゼットンが起き上がったことを知った海璃たちは、

 

「行ってくる!」

「・・・・・・行っても意味ねぇだろ?」

「万丈・・・・・・?」

「スタークたちだっていねぇし、頼まれてもねぇのに・・・・・・。」

「・・・・・・確かにね。あれを倒したとしても、誰かに感謝されることは無いと思う。」

「だったら──「でも!」・・・っ!」

 

海璃は、今心に思っていることを話した。

 

「最近思うんだ。アイツが、『Love&Peace』のために戦っているけど・・・・・・それも悪くないなって。」

 

それだけ言って、海璃は出ていった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「龍君・・・・・・?」

 

香澄は龍哉を心配している。龍哉は、自分に言われた海璃の言葉がずっと心に残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、蒼空たちは・・・・・・。

 

「いずれ君は、ラスボス(ベリアル)と戦うことだろう。君が負ければ、この世界は終わる。その結果は、君次第ってことだ。」

「・・・・・・っ!?主様!」

「あっ!?」

 

ペダニウムゼットンが放った光線が、蒼空たちの周りに当たった。その衝撃がリアカーを破壊、3人は吹き飛ばされた。

 

「くっ・・・!主様!」

「大丈夫だ!・・・・・・錘さん、大丈夫か!?」

「イテテ・・・!」

 

ペダニウムゼットンは、ただリトルスターを狙って歩み始めた。

 

「くっ・・・!錘さん、ここにいてくれ!夜華!」

 

蒼空はドライバーを取り出した。夜華もそれに従い、ドライバーを取り出すが・・・・・・。

 

「・・・・・・主様、手が震えてますわよ。」

 

スパークリングを持つ蒼空の手は、震えていた。

 

「・・・・・・気にするな。行くぞ。」

『ラビットタンクスパークリング!』

「・・・・・・かしこまりました。」

『ダーク!』『デコード!』

 

2人は変身する。

 

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

『デコード・イン・イグニス!オラァ!』

「・・・・・・ハァ!」

 

ジードは『ドリルクラッシャー』と『4コマ忍法刀』を持ち、ペダニウムゼットンに挑む。

 

「くっ!やっぱりダメか!?・・・・・・ぐはっ!?」

「主様!?・・・・・・この・・・!」

 

イグニスも『デコードモード』用の武器:『デコードブレード』で攻撃を始める。

 

「くっ・・・!」

「蒼空君!」

「ん?・・・・・・はっ!」

 

声をかけられた時には、既に遅かった。ペダニウムゼットンの光線が、ジードを襲った。

 

「ぐわぁ!!」

「主様!」

 

ジードは変身を解き、錘の近くまで飛ばされた。イグニスはまだペダニウムゼットンと挑む。主に近づけさせないためにと・・・・・・。

 

「蒼空君、早く逃げなさい!」

「・・・・・・え?」

 

 

 

 

 

「蒼空!」

 

遠くから海璃が走ってきて、

 

『ロッソ!』『フレイム!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身!」

『紅蓮の炎!ロッソ フレイム!イエーイ!』

「蒼空、隠れてて!」

 

ロッソに変身し、『ルーブスラッガーロッソ』を構えてペダニウムゼットンに挑む。

 

 

 

 

 

 だが、それをよそに錘は蒼空に話しかける。

 

「君は、逃げなさい。」

「でも・・・・・・!」

 

錘の言葉に、蒼空は躊躇った。

 

「しっかりしろ、蒼空!」

 

錘は蒼空の頬を押さえつけ、しっかり言い聞かせた。

 

「『蒼空』・・・・・・この名前は、奏恵と一緒に考えた名前だ。『いくら倒れたとしても、再び立ち上がり、またこの広い蒼空(あおぞら)へ飛び上がる』、そんな想いを込めた名前なんだ。君の名前は、私たちの勝手な想いを、赤の他人の君に名付けたんだ。」

 

 

 

 

 

「くっ・・・!相変わらず、強いなぁ・・・!」

「さすがに、この姿では厳しいですわね・・・・・・。」

「いい加減、隠すのも限界だから・・・・・・思う存分使おっと!!」

「では、わたくしも!」

 

ロッソは『黄色の(今まで使わなかった)ボトル』を、イグニスも『新たな(白いクラック)ボトル』を使い、

 

『グランド!』『ベストマッチ!』
『ライト!』『エンコード!』

   『Are You Ready?』

    「セレクト!」

琥珀(こはく)大地(だいち)!ロッソ グランド!イエーイ!』
『割れる!流れる!溢れ出る!   

エンコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

ロッソは一番パワーのある『グランドフォーム』に、イグニスは白い盾を持つ『エンコードモード』にフォームチェンジした。

 

「行くよ、夜華さん!」

「主様のためです。・・・・・・この場は仕方なく!」

 

 

 

 

 

「君は、この世界にとって必要な存在だ。だけど、私はもう長くない。だから、早く──」

「嫌だ!俺は逃げない!」

 

蒼空はそれでも逃げなかった。

 

「生き残れ!こんなところで命を粗末にするな!」

「だったら錘さんも生きてよ!またゲームしようよ!」

「これはゲームじゃないんだ!死んだらおしまいなんだよ!」

「分かってるよ!だからほっとけないんだ!」

 

蒼空の想いは、強く・・・・・・硬かった。

 

「仮面ライダーになれなかったとしても、こんなとこで錘さんは死なせない!」

 

2人のライダーがペダニウムゼットンを押さえつけていても、その攻撃の欠片が蒼空たちの周りの飛んできていた。

 

「くっ・・・!頼む、蒼空!生きて、生きてくれー・・・・・・!」

「・・・・・・っ!」

 

そんな時、錘の胸から()が溢れ出した。その光は錘から離れ、蒼空のズボンの左ポケットに入っていた空のボトルに入り、新しいボトルが形成された。

 

「・・・・・・これは・・・。」

「おぉ!?」

 

〈解析完了。このボトルは『バスターボトル』です。相性の良いボトルは、現在所持している『エメリウムボトル』です。〉

 

大賢者の説明が、蒼空をまた戦いの場に向かわせる。でも、その前に蒼空は、錘とアイコンタクトを取った。

 

「・・・・・・絶対に、守ってみせる!」

 

蒼空は手に持った『バスターボトル』とポケットから取り出した『エメリウムボトル』で変身を始める。

 

『バスター!』『エメリウム!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

前に『ウルトラの父』、後ろに『ウルトラマンゼロ』が現れ、中心で重なる前に蒼空は駆け出す。

そして、重なった瞬間、人の拳ではなく・・・・・・『銀色の拳』がペダニウムゼットンの顔に直撃、吹き飛ばした。

 

「っ!?・・・・・・蒼空?」

「主様・・・・・・そのお姿は!?」

 

蒼空は、胸部と腕、それと足に銀色の装甲を纏い、耳付近から特徴的な2本の大きな角が生えた新たな姿へと変身した。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・うん。」

「・・・・・・あぁ。」

 

錘と言葉無く頷きあった。そして、蒼空の視線は・・・・・・希望を守るためにペダニウムゼットンを向いた。

 

 

 

 

 




さ、この蒼空の新たな姿は・・・・・・なんでしょうか?

この後15時から、変身音と共に発表しますね!・・・・・・知ってる人もいると思うけど。

あ、15時にまた更新しますね、最新話を。


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第17話 名前

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉に人体実験をした組織:『ファウスト』の謎に迫っていた。蒼空の過去を知る、リトルスター所持者:『桐生錘』との出会いが、蒼空の揺れかかっていた覚悟を固めた。そして、新たな姿となって暴れ回るペダニウムゼットンと戦う。」







『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

 蒼空が駆け出すと同時に、ドライバーから『ウルトラの父』と『ウルトラマンゼロ』のエネルギー体が現れ、蒼空と重なる瞬間、蒼空の拳がペダニウムゼットンを襲った。

 

「デヤァアアア!!」

 

だが、その拳は人の拳ではなく、『銀色の鎧を纏った拳』だった。

 

『希望のエメリウムバスター!

 マグニフィセント!イエーイ!』

 

新たなジード:『マグニフィセントフォーム』が立っていた。

 

「蒼空・・・・・・その姿は・・・?」

「これは、やらねば!」

 

イグニスはジードの側に行き、

 

祝え!ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を受け継ぐ新たなる王者!その名も『仮面ライダージード マグニフィセントフォーム』!今ここに、希望を守る崇高な戦士の力を継承した瞬間である!

 

新たなるジードの誕生を大声で祝った。

 

〈告。『マグニフィセントフォーム』の解析、完了しました。〉

(・・・・・・あぁ。)

 

「蒼空。」

「・・・・・・?」

 

ジードを呼ぶロッソ。その声はとても優しい声だった。

 

「・・・・・・おかえり。」

「・・・・・・あぁ、ただいま。」

 

ジードはペダニウムゼットンに意識を向け、ただ一言、戦う覚悟を口にした。

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

ジードは自身からペダニウムゼットンに歩もうとしたが、それより先に、敵の方から光線(攻撃)を仕掛けてきた。

 

「フッ!」

「くっ!蒼空!?」

「主様!?」

 

2人の心配をよそに、ジードはバリアを出し、光線を防ぐ。今までは耐えきれなかった攻撃も、今のジードなら耐えきれるだけの力を備えていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ただの叫び声しかあげないペダニウムゼットンは、静かに佇むジードに苛立ちを覚えてなのか、火炎弾を何発も撃ち込む。

 

「フッ!・・・・・・ハァ!・・・・・・ハァ!」

 

その弾をジードは素手で跳ね返した。

 

「はぁ・・・・・・、デヤァ!!」

 

お返しとして、緑色の光輪(メガスライサークロス)をペダニウムゼットンに命中させた。

 

「・・・・・・くっ!?」

「え!?ガーディアンがなんで!?」

「このタイミングでこんなにものガーディアンが現れるとは・・・・・・っ!」

 

イグニスの視線の先に、陰からこの戦いを見ている『ナイトローグ』がいた。

 

「・・・・・・夜華、任せる!」

「っ!?・・・・・・かしこまりました。」

 

イグニスは主の命に従い、ナイトローグに先制攻撃を仕掛けた。

 

「なっ!?貴様は・・・・・・!?」

「覚えておいでですか?イグニスでございます。」

 

イグニスは盾から刃を出し、ローグを圧倒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジードたちが戦っている中、遅れてやって来た龍哉。それと一緒に、香澄と有咲、そして沙綾が来た。

 

「・・・・・・有咲、あそこに老人が!」

「あぁ、分かってる!」

「龍君、戦わないn──「なんでだよ・・・・・・。」──え?」

 

龍哉の言葉に、香澄は疑問を浮かべた。

 

「誰に頼まれた訳でもねぇのに・・・・・・、誰に感謝される訳でもねぇのに・・・・・・、なんでそんなボロボロになるまで戦えるんだよ!?皆バカばっかじゃねぇか!!

 

息を少し切らせながら、龍哉は自分の中にある疑問を叫んだ。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・。・・・・・・でも、悪くねぇかもな。」

「うん?龍君?」

「・・・・・・俺は、俺のために戦う。」

 

龍哉はドライバーを腰に巻く。

 

「俺の信じる・・・・・・俺を信じてくれる者のために戦う!」

『Wake Up!』『クローズドラゴン!』

『Are You Ready?』

「はぁ・・・・・・、変身!!」

『Wake Up Burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

龍哉は新たな覚悟を胸に、クローズに変身した。

 

「俺は、仮面ライダー・・・・・・」

 

クローズは、戦いの場に走り出した。

 

クローズだーーー!!

 

クローズもガーディアンたちと戦う。ジードも、クローズに気付いた。

 

「っ!万丈!?」

「蒼空!お前はペダニウムゼットン()を!」

「でも!」

「蒼空、ここは私たちに任せなさいって!」

「行けっ!!」

「・・・・・・頼む!」

 

ジードは飛び上がり、今立ち上がったペダニウムゼットンを、腕の装甲の刃にエネルギーを溜めて切り裂いた。

 

「お前なのか、伏井出ケイ!?」

 

飛び降りてすぐに別の腕の装甲で切り裂いた。さらに、頭部の角からの電撃攻撃(メガエレクトリックホーン)でペダニウムゼットンを吹き飛ばした。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

だが、倒れたペダニウムゼットンは上半身のみを起こして、角から赤い電撃を放った。

 

「なっ!?くっ!?・・・・・・ぐわぁ!!」

 

バリアが間に合わず、腕で防ぐが・・・・・・あまりの量に防ぎきれなかった。

 

「くっ!・・・・・・ん?」

 

ゆっくり立ち上がるペダニウムゼットンに、ジードは違和感を覚えた。

 

「はぁ・・・、ベリアル様!あのような者に何が出来ましょうぞ!?・・・・・・くっ・・・!?」

 

ジードとペダニウムゼットンが遠距離で攻防を繰り広げる。

 

造られた道具が、創造主に歯向かうというのか!?

 

攻撃を防がれたペダニウムゼットンは、遠距離がダメだと知り、近接戦に持ち込む。

 だが、ジードは拳に強大なエネルギーを纏い、押し返す。

 

跪け!地を舐めろ!額をこすり付けろ!・・・・・・はぁ、終わる時が来たのだ!貴様の首を、ベリアル様の手土産とする!!

 

暴れ回るペダニウムゼットン・・・・・・いや、伏井出ケイに、ジードは大賢者に疑問をぶつけた。

 

「くっ・・・!」

 

(大賢者さん、様子がおかしいぞ!?)

〈解。強大な力に、精神が負荷をかけているようです。〉

 

その大賢者の回答は、正解だった。・・・・・・伏井出ケイは、ベリアルから『残りのリトルスター2本を回収しろ』としか命令されていなかった。だが、彼は『ジードを殺す』と言うくらい、精神が正常では無かった。

 

貴様の価値は、ベリアル様の遺伝子を持っている事!!それ以上の何者でもない()()()()()だ!!

「・・・・・・っ!」

 

ジードは・・・・・・いや、蒼空は思い出した。

 

(『うちには、子供がいなくてね。だから、奏恵と『男の子が生まれたら付けよう』って決めてた名前を君に名付けたんだ。』)

 

蒼空の心に残った、錘の言葉を・・・・・・、そして、想いを・・・・・・。だから、

 

(違う、俺は・・・・・・。)

『モルモット』なんかじゃない!!

 

その怒りと共に、ペダニウムゼットンを圧倒し始めた。

 

 

 

 そのジードの発言に、ライダー全員の意識が一瞬、ジードに向いた。

 

「フッ!・・・・・・蒼空?」

「オリャ!・・・・・・あ!?」

「主様?・・・・・・くっ!ハァ!」

 

 

 

 そしてもちろん、香澄たちにも・・・・・・。

 

「蒼空君、なんか・・・・・・凄い感情的・・・・・・。」

「大丈夫、だよね・・・?」

「・・・・・・信じるしかねぇだろ?」

 

 

 

 蒼空の怒りは、収まらない。

 

俺は蒼空!『桐生蒼空(きりゅうそら)』!それが、今の俺の・・・・・・名前だーーー!!

 

拳にエネルギーを纏わせ、ペダニウムゼットンの顔を殴る。だが、

 

「くっ・・・!?貴様の人生に価値などなぁい!!赤ん坊の時に貴様を消す(殺す)ことも出来たんだ!!

 

ケイも、蒼空を『ただの模造品(モルモット)』と認めさせるために、拳をジードの顔目掛けて放つ。

 

「くっ・・・!?・・・・・・お前には分からないんだ!人の幸せがーーー!!

 

ジードも負けじと相手の顔を目掛けて殴る。さらに、

 

俺には、仲間がいる!!帰る場所も!!

 

追撃で、左拳で殴った。・・・・・・その光景を見る者は、何も言葉が出なかった。

 ジードとペダニウムゼットンは、互いの肩を掴み、取っ組み合いを始めた。

 

俺は俺の人生を生きている!誰にも『価値がない』なんて言わせない!!

貴様が『価値あるもの』と信じているものは全てクズだ!!もっとも、薄っぺらい貴様にはお似合いだがなぁ!!

「・・・・・・可哀想な奴だ。」

「なん・・・・・・だと・・・・・・!?

 

蒼空の発言に、ケイの怒りは膨れ上がった。

 

「お前には()()()()。・・・・・・空っぽだ。」

 

すると、怒りで力が増しつつあるペダニウムゼットンの腕を掴み、上に上げるジード。

 

「空っぽのお前に・・・・・・俺が、負ける訳ねぇんだよ!!

 

ジードはペダニウムゼットンの腕を離し、その両手はペダニウムゼットンの体に触れ、エネルギーを込めて吹き飛ばした。

 

「ぐわぁ!!・・・・・・貴様・・・!?

 

それを見て、ジードは・・・・・・いつものセリフを発した。ポーズも一緒に。

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

そして、ドライバーのレバーを回し、ジードは両拳を体の前で合わせた。

 

「フッ!はぁ・・・・・・!」

『Ready Go!』

 

その拳を離すと、間に電気のようなエネルギーが生まれ、ジードは腕をL字に組んだ。

 

『マグニフィセント フィニッシュ!』

 

そのドライバー音声と共に、ジードは必殺技を叫んだ。

 

ビッグバスタウェイ!!

 

ジードの腕から緑色の光線が放たれ、バリアを張っていたペダニウムゼットンに命中させた。・・・・・・その威力は、『最強のバリアを持つ怪人』の力で作られたバリアをいともたやすく貫くほどに。

 

「ぐ・・・!?ぐぅぅわああああああ!!?

 

そして、ペダニウムゼットンは爆発四散するのだった。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

ジードの視線の先には、倒れる伏井出ケイと、奪われた『リトルスターのボトル』が落ちていた。

 

 

 

 

 

 ジードたちの戦いに決着がつく頃、

 

「これでも味わったら!?『グラビティホールド』!」

 

ロッソが右手を地面につけると、ガーディアンたちが重力によって押しつぶされそうになった。

 

「万丈、決めるよ!」『Ready Go!』

「おう!」『スペシャルチューン!』

 

そんなガーディアンたちを一気に破壊するべく、ロッソとクローズは同時に技を発動した。

 

「はぁ・・・、『グランドエクスプロージョン』!」『グランド フィニッシュ!』

「はぁ・・・、オリャアアア!!」『ミリオンスラッシュ!』

 

正面からは無数の斬撃、上空からは巨大な岩の塊に襲われたガーディアンたちは、ひとたまりもなかった。

 

 

 

 そして、イグニスも・・・・・・。

 

「参ります。」『クラックアップブレイク!』

 

盾から出した刃に光のエネルギーを集め、ローグを斬りつけた。

 

「ぐわぁ!!・・・・・・ここまでか・・・!?」

 

体が限界を迎えたのか、『トランスチームガン』から煙を出し、戦いの場から姿を消した。

 

「・・・・・・ふぅ。主様!」

 

イグニスはローグの事をすぐに忘れ、ジード()の下に向かった。

 

「お体は大丈夫でございますか?」

「あぁ。・・・・・・・・・・・・。」

「あん?・・・・・・あぁ。」

 

ジードの視線が錘に向いている事を知ったクローズは、

 

「・・・・・・蒼空、行って来いよ。」

「え?」

「大事な人なんだろ?こっちはなんとかするから。」

「でも・・・・・・?」

「そ~ら!ほら、行ってきて!」

「うおっ!?・・・・・・海璃も・・・・・・。」

「主の面倒事を引き受けるのも、従者の務めですわ。」

「夜華まで・・・・・・。ありがとう、行ってくる。」

 

ジードは変身を解き、錘の下に向かった。

 

「・・・・・・どうして来たの、万丈は?」

「あ?・・・・・・新しく戦う理由を見つけたからな。」

「へぇ~、どんなの?」

「俺は・・・・・・俺の信じる者、俺を信じてくれる者のために戦うって。そう、決めたんだ。」

「それでも、まだ『自分のため』なんだね?」

「・・・・・・悪いかよ?」

「ううん、別に~♪」

 

変身を解いた龍哉たちは、蒼空を見送りながら話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺は錘さんの下に来た。

 

「錘さん、大丈夫か?」

「・・・・・・大丈夫だ。君たちのおかげでね。」

「心配かけてごめん。」

「気にするな。それでは行こうか?」

「・・・・・・あぁ。肩、貸すよ。」

 

俺は錘さんに肩を貸して、まずは病院へと向かった。

 

「・・・・・・さすがは、『蒼空』だな。」

「錘さんの想い通り、また飛び立つさ。」

「さすがだね、私の()()は。」

「『息子』ってより・・・・・・『孫』じゃないのか?」

「そうかもね?」

「だったら・・・・・・俺からは『爺ちゃん』って呼んだ方がいいか?」

「ん~、なかなか良い響きだね~。」

「・・・・・・そうかい。それじゃ行くぞ、爺ちゃん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、家に帰ってきた俺は、

 

「つっかれた~!」

 

そのままベッドに入った。

 

「・・・・・・で、お前は過去の事を聞かなかったのかよ?」

 

・・・・・・なんで女の子じゃなくて、(万丈)が横にいるんだよ・・・。

 

「今日はそんな気分じゃなかったんだよ。錘さんとこにはまた行くから、そん時に聞こうかなって・・・・・・。邪魔。

「・・・・・・そういや、葛城映司なんだけど・・・?」

「うん?・・・・・・うっ!?」

 

誰だよ、枕投げたの?

 

「そ~ら、『ガーディアンが暴れている』って、ネットで上がってるよ!」

「はぁ~!?勘弁してくれよ・・・・・・。」

 

さすがにあの戦いの後はしんどいって・・・・・・。

 

「何言ってんだよ。『ラブアンドピース』じゃねぇのか?」

 

・・・・・・え?

 

「ほら行くぞ。行っくぞ~!」

「ふふっ、変わったね。それじゃ、行こ!」

「・・・・・・随分とイイ(ツラ)になったじゃねぇか。」

 

仕方ない、正義のヒーローが行かない訳にはいかないな!

 

Love & Peace(ラブ アンド ピース)!」

 

愛と平和のために、俺はこれからも戦う。・・・・・・ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を持って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 人目の付かない所で、ファウストのガーディアンたちと戦っているジード、クローズ、ロッソ。

 

「フッ!ハッ!」

「オリャ!」

「ハッ!ハァ!」

 

だが、

 

「っ!・・・・・・ぐっ!?」

「うわっ!?」

「きゃっ!?」

 

黄色のような影が高速でジードたちの近くを通りすぎ、ガーディアンたちを破壊した。

 

「・・・・・・ん?今のって・・・?」

「う~ん・・・・・・仮面ライダー?」

「仮面ライダー!?いる訳ねぇだろ、こんな夜に!?・・・・・・ぅはっくしょん!!」

「ちょっ!?唾飛ばさないでよ!」

「はぁ!?マスク着けてるんだから、飛ぶ訳ねぇだろ!?」

「こっちに来んなよ!風邪移されたくねぇから!」

「お前もかよ!?」

 

 

 

そんな光景を近くのビルの外階段から見ている・・・・・・金色のライダーが1人。

 

「ほぉ~、あれが『ビルドシステム』のライダーか。」

 

腰には、イグニスが使う『スクラッシュドライバー』を巻いていた。

 

「ま、すぐに会えるから挨拶は無しでもいいか。・・・・・・また会いに行くさ、()()でな。」

 

 

 

 

 




今回は『マグニフィセントフォーム』の初戦闘シーンがメインでした。それと一緒に、『平ジェネFINAL』の万丈の『戦う理由』の部分も入れました。

・・・・・・後、同映画の最後のシーンも。

本当なら、朝投稿した分含めて1話にしようと思ったのですが・・・・・・1万文字超えそうだったので、分割しました。すんません。

あぁ、後1つ。別の投稿作品でも言ってますが、12月30日~1月5日(1月1日は別)は、活動を一時停止します。・・・・・・正月休みが欲しいから。


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第18話 悪魔のサイエンティスト

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉を人体実験した組織:『ファウスト』の謎に迫っていた。リトルスターのボトルを使って暴れる伏井出ケイを、俺は新しい力でなんとか倒したのだった。」
「錘様、まだ元気ですわよね?」
「まだ数日しか経ってないし、昨日ゲームもしに行ったしさ。」
「結局、惨敗されたのですか?」
「悪いけど、俺は負けた相手を研究するタチなんでね。そんなことより、第18話どうぞ!」







 今日も今日とて、ファウストのガーディアンたちが暴れていた。それを対応しているのが、毎度のごとくジードとブルだった。

 

『『Ready Go!』』

「ストライクブーストー!」『ソリッドバーニング フィニッシュ!』

「ストームシューティング!」『ウィンド フィニッシュ!』

 

同時に光線を放つが、倒せたのは半分くらいだった。

 

「まだいるのか!?」

「だったら、これでどう!?」

 

2人はそれぞれボトルを取り出してフォームチェンジをしようとするが、

 

「っ!?ぐっ!」

「ちょっ!?」

 

ガーディアンたちが砲撃を放ち、ジードたちの周りで爆発した。その衝撃で、2人の手からボトルが離れてしまう。

 

「あっ!よっと!」

「危なっ!」

『スペシウム!』『ERROR!』

「うん?『エラー』?・・・・・・って、え!?」

 

ブルがドライバーにボトルを『アクアボトル』をセットしたはずだが、実際にはジードの『スペシウムボトル』だった。

 

「これ、蒼空のボトルじゃん!!」

 

そんな蒼空・・・・・・じゃない、ジードは、

 

『ジード!』『アクア!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!・・・・・・って、え?」

 

ジードはいつものノリでそのままレバーを回してしまった。ベルトに挿したボトルが違うことに気付くのが遅かったため、周りから水が現れたのに気付き、それが腕と足と胸に纏わりついた。

 

『紺碧の海!ジード アクア!』

「え?・・・・・・何、これ?」

 

その姿は『プリミティブフォーム』をベースに、ロッソとブルが纏う手足や胸の装甲を付けた新たな姿だった。その名は、『仮面ライダージード アクアフォーム』。

 

「ちょっと!なんで私がダメで蒼空がOKなの!?」

「まぁいいや。物は試しだ!」『ドリルクラッシャー!』

 

ジードは武器を持ち、ガーディアンたちに近付くが・・・・・・、

 

「ハァ!・・・・・・おっ!?」

 

突然姿を消した。・・・・・・気付けば後ろから飛び込む形でガーディアンたちを攻撃、そして、再び姿を消した。

 

「え!?・・・・・・何それ~!?」

 

ジードは姿を消したのではない。()()()()()()()()()()()()()()かのようにガーディアンたちを攻撃していた。

 その姿はまるで、『指輪の魔法使いが古の魔法使いのイルカの指輪を使った時』のようだ。

 

「私そんな能力使えないよ!?」

「よっ!・・・・・・お~、これイイな!海璃、このボトル、俺にくれない?」

「もう~!」

 

ブルは別のボトルを取り出して左のスロットにセットした。

 

『グランド!』

『Are You Ready?』

「セレクト!」

『琥珀の大地!ブル グランド!』

 

変身した姿は、軽やかな動きが得意なブルでもパワーがある『仮面ライダーブル グランドフォーム』だ。

 

「後で絶っっっ対返してよ!!」

「ったく、仕方ねぇな・・・・・・。」

 

2人共武器を持ってガーディアンたちを圧倒する。

 

「そろそろ決めますか!」

「・・・・・・そうですね!!」(怒)

 

ブルだけちょっと怒り気味だが、2人同時にレバーを回す。

 

『Ready Go!』

「はぁ・・・、レッキング・アクア・バースト!』

「アース・・・・・・ブリンガー!!」

 

ジードは『レッキングバースト』のように水を纏った光線を放ち、ブルは両腕を地面に叩きつけてエネルギーで地中から衝撃波を与える。そして、ガーディアンたちを破壊する。

 

「ふぅ~。」

「・・・・・・蒼空。」

「え?うおっ!?・・・・・・どうも。」

「いやいや、あなたもボトル返しなさいよ!」

 

プリミティブフォームに戻ったジードとブルが漫才っぽいのをしているが・・・・・・。

 

「そこまでです!」

「「・・・・・・ん?」」

 

声をかけてきたのは、花咲川女子学園の生徒だった。

 

「え?誰?」

「げっ!?」

 

〈解。花咲川女子学園の風紀委員、『氷川紗夜』です。〉

(風紀委員?)

 

「あなた達が、『ビルドシステム』のライダーですね?」

「?・・・・・・だったらなんだ?」

「でしたらそのライダーシステム、回収します!」

「「・・・え?」」

 

紗夜が取り出したのは、戦極ドライバーと、緑色の錠前:『メロンロックシード』だった。ドライバーを腰に巻き、錠前を開けた。

 

『メロン!』

「変身!」

『ロックオン!』『ソイヤ!』

 

紗夜の上空にメロンのような物が現れ、それが紗夜の頭に振ってきた。それが展開され、白い鎧武者の姿へと変身した。

 

『メロンアームズ!天下御免!』

「仮面ライダー・・・・・・斬月。」

 

紗夜は『仮面ライダー斬月 メロンアームズ』に変身したのだった。

 

「嘘だろ・・・!?」

「また面倒な人が・・・・・・。」

 

斬月は腰に装備されている『無双セイバー』を手に持ち、2人に襲いかかる。

 

「行きます!!」

「っ!?」

 

〈告。『ラビットタンク』で対抗してください。〉

(分かった!!)

 

『ラビット!』『タンク!』『ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

『ラビットタンク!イエーイ!』

『アクア!』『ベストマッチ!』

「セレクト!」

『ブル アクア!イエーイ!』

 

ジードは『ラビットタンクフォーム』に、ブルは『アクアフォーム』に変身して、武器を構えて斬月と交戦する。

 

海璃、どうするんだよ!?

とりあえず、逃げよう!

分かった!

「何をコソコソと話してるんですか!?」

「っ!?」

「危なっ!」

 

無双セイバーの一太刀をかわし、ブルは携帯型のガジェットを操作した。

 ジードはボトルチェンジをする。

 

『パンダ!』『ロケット!』『ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

『Are You Ready?』

『ロケットパンダ!イエーイ!』

「そのボトルは・・・!?」

「ハッ!」

「くっ・・・!?何故、そのボトルを持ってるんですか!?」

 

そんな問いには、()()()()()()()()()が答えた。

 

「くっ!?」

「危なっ!?・・・・・・何、今の!?」

 

その撃った張本人は、()()()()()()()だった。ジードはその場から逃げて、斬月はメロンアームズの武器:『メロンディフェンダー』で防いだ。

 

「私のバイクだよ。」

「はぁ!?お前の!?」

 

ブルはそのロボットに近付き、胸の部分のボタンを押した。

 

『VEHICLE MODE』

「よっと、それじゃあね~。」

 

さらっと『オートバジン:ルーブモデル』に乗ってその場を去っていく。

 

「「・・・・・・・・・・・・。」」

「何、今の・・・?」

「さ、さぁ・・・。」

 

その光景をただただ見ているジードと斬月。

 

「・・・・・・はっ!そのライダーシステムを回収します!!」

「え?・・・・・・あ!ヤベッ!?」

 

そんなジードさんは颯爽とロケットで飛んで行った。

 

「くっ・・・!?逃げられましたか・・・・・・。」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 逃げ出してきた俺たちは、()()()()()nascitaでのんびりくつろいでいた。

 

「お前・・・・・・あのバイクなんだよ・・・・・・?」

「あれは・・・・・・なんやかんやあってゲットしたの・・・・・・。」

 

・・・・・・訂正、さっきの戦いでだいぶ疲れていた・・・・・・。

 

「まぁいいや。とりあえず、()()を創るかな。」

「アレ?・・・・・・ってちょっと待って~!」

 

俺はコーヒー片手に研究室にやって来た。

 

「・・・・・・おい、万丈。」

「ん?どうした?」

「お前、このトレーニングアイテムはなんだよ?」

 

最近錘さんのとこに行ってゲームとかしてるけど、その間、あまり研究室に入ってなかったけど・・・・・・まさかこの部屋にトレーニングアイテムが3~4個くらい置いてあるとは知らなかったよ・・・。

 

「いや、俺の部屋だと狭いからさ。ここが一番広いから置いても問題ない――「あるよ!」うっ!?」

「万丈、そりゃ怒られるよ・・・・・・。」

 

まぁいいか。とにかく、今は()()()()()()を創らないとな。

 

「・・・・・・なぁ蒼空、それなんだよ?」

「実はな、葛城映司の最強アイテムの設計図が完成したんだよ!凄いでしょ?最高でしょ!?天才でしょ!?」

「・・・・・・ねぇ蒼空、葛城映司ってどんな人物か知ってるの?」

「え?・・・・・・『ビルドシステム』を開発した物理学者ってことくらいかな?それがどうしたの?」

「えっと・・・・・・、」

「わたくしがお答えしますわ。」

 

俺の影から夜華が現れた。

 

「うおっ!?いつの間に!?」

「いい加減慣れろよ・・・・・・。」

 

俺がさらっとツッコむけど、夜華がそれを無視して会話を続ける。

 

「『葛城映司』は、幼い頃に『赤き鋼』から生成された『フルボトル』と、継続的に放出されている謎のガスを解析し、『ビルドシステム』を開発しました。」

「頭良かったんだな。」

「万丈黙ってろ。」

「そして、数年前から学業よりも謎のガス:通称『ネビュラガス』を使って人体実験を行いました。」

「人体実験・・・・・・!?」

 

それって、まさか・・・!?

 

「主様のご想像の通りです。政府等の許可も得ずに『スマッシュ』の人体実験をしました。そして、ローグやスタークたちと共に『ファウスト』を創りました。そんな彼は『悪魔の科学者』と呼ばれるようになりました。」

「コイツが・・・・・・スマッシュを・・・・・・!?」

「確かに、ネビュラガスの副作用を無視して人体実験に踏み切ったのは問題だ。でも、『科学の発展』っていう観点で言えば、これだけのシステムを構築した功績は大きい!」

「・・・・・・は?何言ってんだよ?コイツは、大勢の人を犠牲にしてきたんだぞ?俺を人体実験のモルモットにしただけじゃなく、香澄を危険な目に合わせたんだぞ!?この『ビルドドライバー』だって、今頃は戦争の兵器になってたかもしれねぇんだぞ!?」

「科学を軍事利用しようとするのは周囲の思惑だ!科学者の責任じゃない!」

「悪魔の科学者の肩入れをするのか?ふざけんな!!

「ちょっと待って、2人共!!」

 

海璃が俺たちの間に入り、言い合いを止めた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、こんな時に喧嘩したってどうしようもないでしょ!?」

 

そんな時に、海璃の携帯が鳴りだした。

 

「・・・・・・はい。・・・・・・はい、分かりました。」

「誰から?」

「校長から。『指定する場所に来て。』だって。ギガファイナライザーを回収するみたい。」

 

 

 

 

 

 それから、俺たちは街外れの工場の中に来ていた。

 

「・・・・・・ここでいいのか?」

「らしいけど・・・・・・あ!」

 

そこに花咲川の校長がやって来た。

 

「ごめんね、こんな所に呼んじゃって。」

「いえ。でも、なんでこんな所に?」

「それがさ~、教頭の行動がちょっと怪しくてね~。」

 

口調がおばちゃんなんだけど?

 

なぁ、教頭って・・・・・・。

あぁ、多分『ナイトローグ』の事だろう・・・・・・。

 

「まさか、こんな所で取引してたとは・・・・・・。」

 

「っ!?」

「あら、氷室教頭先生もこんな所で何してるんですか?警備やガーディアンたちを引き連れてさ。」

「『赤き鋼』を回収しに来たのですよ。行け。」

 

その行動は、『回収』というより『奪い取る』と言った方がいいだろう。

 

「3人共、お願い出来る?」

「もちろんです。」

『海賊!』『電車!』『ベストマッチ!』

「任せとけ!」

『Wake Up!』『クローズドラゴン!』

「校長は『赤き鋼(これ)』を持っていて。」

『ブル!』『アクア!』『ベストマッチ!』

 

俺たちはそれぞれのアイテムで変身する。

 

「「「変身!!」」」

 

『海賊レッシャー!イエーイ!』

『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

『ブル アクア!イエーイ!』

 

そして、それぞれ武器を持ってガーディアンたちに挑む。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 ジードは『海賊ハッシャー』を、クローズは『ビートクローザー』を、ブルは『ルーブスラッガーブル』を持って挑む。

 

「とっとと片付けるぞ!」

 

ジードの言葉で、3人が技を発動させる。

 

『海賊電車!』

「ハァ!」『発射!』

「オリャアアア!」『ミリオンヒット!』

「ファイヤートルネード!」『ルービウムバースト!』

 

3人の攻撃がガーディアンたちを全て破壊した。

 

「はっはっは・・・!さすがは()()()が作ったライダーシステムだ!」

「・・・・・・?」

 

だが、そんな光景を見ていた氷室幻徳は悔しむどころか、絶賛していた。そして、

 

『バット!』

「蒸血!」

『ミストマッチ!』

『バット・・・!ファイヤー!』

 

ナイトローグへと変身した。

 

「教頭が!?」

「怪人に!?」

『ライフルモード!』

 

ローグはライフルで側にいた兵隊2を撃った。だが、その弾丸は・・・・・・。

 

『デビルスチーム!』

「ぐっ!?ぐわぁぁあああ!!」

「うっ!?うおおぉぉぉ!!」

 

実験装置無しで人間をスマッシュに変えるものだった。

 

「万丈、スマッシュは私たちが。」

「分かった。蒼空、お前はローグを頼む!」

 

ブルとクローズはスマッシュ2体を相手をしながら外に出る。

 

「まさかお前がな・・・・・・。」

「ん?」

「石動の話が本当なら、お前がいる場所は・・・・・・ここじゃない。」

「なんの話だ?・・・・・・お前に『赤き鋼』は渡さない!!」

 

ジードはボトルチェンジして、外でローグと戦う。

 

 

 

 

 

「おりゃあ!」

「フッ!・・・・・・ハァ!」

「ハァ!ぐっ!?・・・・・・このっ!」

「万丈!!」

 

スマッシュの連携によって、ブルと戦っているスマッシュはクローズにも手を出し、1体は『ギガファイナライザー』を持っている校長の下に向かう。

 

「あ!?・・・・・・あ!」

「全く、もう!!」

 

ブルは、その身軽さを利用して校長とスマッシュの間に入り、スマッシュと対峙する。

 

 

 

 

 

『アクロスマッシャー!イエーイ!』

「ハッ!・・・・・・っ!?邪魔だ!」

 

ジードも、ローグと対峙しながらその光景を見て、スマッシュ目掛けて、『ジードクロー』から技を発動させる。

 

「何やってんだ!?」『スペシャルチューン!』

「あんたのせいでしょ!?」『ウルトラマンビクトリー!』

「いいから行くぞ!クローカッティング!」

「オリャアアア!」『ミリオンスラッシュ!』

「グラビティスラッシャー!」

 

ブルが使う技は、V字に土のエネルギーを作り出し、それを複数の刃にして相手に飛ばす技。ジードとクローズの攻撃も加わり、スマッシュに技を当てて倒し、人間に戻した。

 

「よそ見をするな!」

「ぐっ!?・・・・・・ビルドアップ!」

『ライオンクリーナー!イエーイ!』

 

スマッシュを倒した直後に、背中からローグに狙撃されたジードは、さらにボトルチェンジして挑む。

 

「ハッ!くっ!このっ!」

「ぐっ!・・・・・・っ!?」

 

ローグが気付く頃には、体がジードの掃除機の腕に吸い寄せられていた。そして、

 

『ボルテックフィニッシュ!』

「ハァ!」

「ぐわぁ!!」

 

ライオンのオーラがローグを襲った。

 

「くっ・・・!俺は、『赤き鋼』の力を得て、()()()()の頂点に君臨する!」

 

ここまでのセリフなら、何も疑問に思わなかった。『ギガファイナライザー』の力で、彼は醜い欲望が剝き出しになっているからだ。だが・・・・・・。

 

()()()()()()()()()()()はずだ!!」

 

この発言が、蒼空の思考を狂わせ始めるのだった。

 

「っ!?何を言っている?・・・・・・そんな訳あるか!?」

『ラビット!』『タンク!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!!」

『ラビットタンク!イエーイ!』

 

ジードはさらにボトルチェンジをした。そして、ドリルクラッシャーを取り出してスロットに『ロケットボトル』をセットする。

 

『Ready Go!』

「はぁ・・・・・・フッ!」『ボルテックブレイク!』

 

エネルギーを飛ばすとかではなく、ロケットの力でドリルクラッシャーが勝手に飛んで行った。

 

「ぐっ!?・・・・・・思い出せ!」

「なっ!?くっ!」

 

意外にも威力のある攻撃に、ローグは少し怯んだが、銃と剣を使ってジードを圧倒する。

 

「お前の本当の姿を!狂気を!野心を!!」

「ぐわぁ!!」

「全て・・・・・・思い出すんだ!!」

 

その言葉と共に、ローグは背中から蝙蝠のような羽根を生やし、飛びながらジードを攻撃する。

 

「がぁ!?・・・・・・くっ!ごちゃごちゃうるさいんだよ!!」

 

ジードもだいぶイライラしてきたのか、スパークリングを取り出して、フォームチェンジする。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

「勝利の法則は・・・・・・決まった!」

 

ドリルクラッシャーを左手に持ち変え、右手に4コマ忍法刀を持って、勝利宣言をした。

 

「なんだと・・・!?」

「フッ!」

 

飛びながら迫ってきたローグを、倒れつつ斬りつけるジード。

 

「ぐっ!?」

「はぁ・・・・・・ハァ!フッ!ハッ!」

「ぐわぁ!!・・・・・・っ!?」

「フッ、ハァ!!」

「ぐっ!?・・・・・・くっ!」

 

さらに斬りつけ、そして2丁拳銃で連射するジード。

 

 

 

 

 

 そんな時、ブル──ではなく、『ロッソ グランドフォーム』とクローズは、

 

「万丈行くよ!」

「おう!」

 

クローズのみドライバーレバーを回し、

 

『Ready Go!』

「それじゃ、グランドジェット!」

 

ロッソは掌を地面に触れて、地面から土が吹き出した。それに巻き込まれたスマッシュは怯むが、その隙にクローズがライダーキックを決める。

 

『ドラゴニックフィニッシュ!』

「オリャアアア!!」

 

攻撃を受けたスマッシュは倒され、人の姿に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 そして、ジードとローグの戦いも終わろうとしていた。

 

『Ready Go!』

「フッ!」

「くぅぅ・・・!ハァ!」

 

ジードはラビットの力で高く飛び上がる。ローグは再び羽根を広げ、飛び上がる。

 

「ハァア!!」

『スパークリングフィニッシュ!』

「ぐぅ・・・!ぐわあぁぁ!!?」

 

ローグはライダーキックを受け、建物の壁に飛ばされた。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 俺のちょっとしたミスがあったけど、なんとかこの場を切り抜けた俺たち。

 

「くっ・・・!?」

「さて、氷室幻徳さん。後で詳しく聞きましょうか?」

「っ・・・・・・。」

 

教頭は、校長に手を縛られて連れていかれる。

 

「待ってください教頭!」

 

蒼空が何故か教頭に話しかけてた。

 

「あなたは何か知ってるんですか、俺のこと・・・・・・?」

「石動は俺にこう言った。『葛城映司は生きている』・・・・・・『姿()()()()()』、とな。」

「・・・っ!?」

 

マジかよ・・・!?1年前に死んだんじゃなかったのかよ・・・・・・。

 

「・・・・・・()()()()()()()()。」

 

・・・・・・え?

 

「お前が悪魔の科学者、『葛城映司』だ!」

「・・・・・・え?」

 

俺たちには信じ難い真実を、突き付けられた・・・・・・。

 

 

 

 

 




今回は、ビルド15話をメインに書きました!

・・・・・・暗くなったね。じゃ、また!


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第19話 正義のヒーロー

(仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉を人体実験した組織:『ファウスト』の謎を探っていくと・・・・・・、)

「お前が悪魔の科学者、『葛城映司』だ!」

(なんか凄い事になっちゃったよ!まさかの衝撃展開に新年早々バンドリのNEWシングル連続発売でヒャッハー!ってテンションが台無しだよ!せっかく作者のお気に入りの歌詞ぐらい書こうかなって思ってたのに・・・・・・。もう、早く第19話見せて!!)







 俺たちに突き付けられた真実は、信じられないものだった。

 

「コイツが葛城映司だと・・・?そんなはずねぇだろ!!

「俺も驚いたよ。葛城は1年前に死んだものだと思い込んでいたからな。」

「・・・・・・じゃあ、なんで?」

「石動は俺の前でありえない行動をした。」

 

マスターが?

 

他人(ひと)の顔を変えたんだよ。トランスチームシステムを初めて使用した時に身に付いたらしい。」

 

人の顔を?そんな能力、知らねぇぞ?

 

「・・・・・・っ!?」

 

蒼空の反応からしても、蒼空に見せた事は無いみたいだな。

 

「そして、石動は1年前の葛城映司を含めた『葛城家殺人事件』の真相を語り始めたんだ。」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 場所は、葛城の家だった。

 

「考えを改める気はないのか?」

「何度も言ったはずだ。僕はファウストを抜ける!」

「今更後戻りできないのはお前も分かってるはずだろ?」

 

葛城はファウストを抜けようとしていたが、スタークは脅しながら葛城を止めようとしていたそうだ。

 葛城の頭脳なら、スマッシュや『赤き鋼』の研究を(はかど)らせることが出来るから、だそうだ。

 

 だが、そんな時にある人物が葛城の家にやって来た。

 

「兄貴、行ってらっしゃーい!」

「へへ~、夜は焼き肉っしょーーー!?」

 

その人物が、桐生蒼空(お前)と同じ顔の『佐藤紫閻(さとうしえん)』だ。

 

 そして、葛城はある発言をした。

 

「僕に何かしてみろ!洗いざらい全て話すぞ。もう既に、研究データは第三者の手に渡っている!」

「はぁあ~、しょうがない。ハァ!」

「ぐっ!?・・・・・・。」

 

スタークは葛城を気絶させたそうだ。そして、タイミングよく『佐藤紫閻』が2人の部屋にやって来た。

 

「ハッハ―!佐藤紫閻でーす!新薬のバイトに──」

「・・・・・・・・・・・・。」

「うえぇえええ!?」

「全く、人の顔を見て逃げ出すなんて、心外だね~。」

 

そして、サバイバルナイフを佐藤紫閻に投げ、殺害した。

 

「ぐっ!?・・・・・・ぁ・・・!」

「それじゃ、まずはコイツから。」

 

そして、その男の顔を葛城に変え、

 

「続いて、天才物理学者の葛城映司君~。」

 

葛城の顔を殺害された男の顔にした。

 

「何事だ!?・・・・・・っ!?映司君!」

「ほぉ~、今日は親父までいたのか。」

「貴様・・・!?」

「悪いな。」

「ぐっ!?ぐぅぅ・・・!」

 

そして、葛城の父親に毒を注入し、消滅させた(殺した)

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 それが、葛城の事件の真相・・・・・・。

 

「そして、既に『ビルドドライバー』が使えるレベルに達していたが、さらにネビュラガスを注入してレベルを少し上げたんだ。」

「・・・・・・ちょっと待て!ネビュラガスを投与されてたなら、アンタに助けを求めることも出来たはずだ!」

「残念だが、それは無理だ。その時から既に記憶は無かったんだ。」

「なんでだよ?」

「石動が消したんだ。実験場に連れてくる前にな。」

 

蒼空が記憶喪失の理由は、マスターが原因だったのかよ・・・・・・。

 

「これで分かっただろ?お前は、正義を嘲笑(あざわら)い、科学に憑りつかれた悪魔、葛城映司なんだよ!!

「・・・・・・・・・・・・。」

「俺は必ず戻ってくる!その時は、また俺の下でまた働いてもらうぞ!」

 

それだけ言って、教頭は連行されていった。

 

「・・・・・・てめ──」

「今の、本当なの?」

 

何故かここに、香澄たちPoppin'Partyがいた。

 

「香澄・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

そして、終始海璃は無言だった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 私たちは、蒼空の研究室にいた。香澄たちと一緒に。蒼空は冷静に葛城映司が作った最強システムを作っていた。

 

「よくそんな冷静でいられるな!?」

「龍君!」

「お前は黙ってろ!!これは俺とコイツの問題だ!」

 

まさか、万丈が香澄に怒鳴るなんて・・・・・・。それだからか、香澄がシュンとしちゃったよ・・・・・・。

 

「・・・・・・おい!」

 

万丈が蒼空の工具等を腕を振り飛ばした。

 

「お前が、香澄を傷つけたんだ・・・・・・。お前が、スマッシュやファウストを創って・・・・・・大勢の人を傷つけたんだ!!

「・・・・・・・・・・・・。」

なんとか言えよ!!

「・・・・・・俺にどうしろって言うんだ?」

「・・・・・・俺と戦え。」

 

万丈は、蒼空にそう告げた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 俺は、万丈に連れられて、人気の無い河川敷に来ていた。ポピパも来たが。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、龍君!」

「これで解決するなんて思ってねぇ。でも、お前を1発殴らねぇと気が済まねぇ!!」

 

そう言って万丈は変身した。

 

「変身!!」

『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

俺も、()()のために変身した。

 

『海賊!』『ガトリング!』

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身。」

 

俺は遠距離と近距離に対応出来るフォームに変身した。

 

「・・・・・・行くぞ!ハァ!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「オリャア!ハァ!」

「・・・・・・くっ!?フッ!」

 

万丈の手数は、俺の予想を超えていた。手で受けきるだけでは済まなくなった。

 

「オリャ!」

「フッ!」

 

そして、互いの拳が体に当たり、互いに吹き飛ばされた。

 

「この!」『ビートクローザー!』

「っ・・・・・・。」『海賊ハッシャー!』

 

 

 

俺は、愛と平和のためにライダーシステムを使ってきた。

 

《「約15年前と3ヶ月前に2回、君に会ってるんだ。」》

 

錘さんは、俺の事を知っていた。つまり、『映司』って名前も付けた・・・。

 

《「確かに蒼空のことは知ってたよ。ジードのことも、()()()()()()ってことも。」》

 

そして、海璃も夜華も知ってたってことか・・・・・・。

 

《「科学を軍事利用しようとするのは周囲の思惑だ!科学者の責任じゃない!」》

《「悪魔の科学者の肩入れをするのか?ふざけんな!!」》

 

俺があんな事を言ったのは・・・・・・自分が葛城映司だから・・・・・・。

 

《「お前は正義を嘲笑い、科学に憑りつかれた悪魔、葛城映司なんだよ!!」》

 

いや、それは違う。いくら『ビルドシステム』を開発したとしても、それを戦争や戦いの道具として創ることなんて──

 

《「君が仮面ライダーにならなければ、スマッシュが街で暴れることは無かった!周りに被害が起こることはなかったんだ!!」》

 

俺が・・・・・・『ギガファイナライザー』を研究しなければ・・・・・・仮面ライダービルドを創らなければ・・・・・・。

 

 

 

『Ready Go!』

「・・・っ!?」

「オリャアアア!!」『ドラゴニックフィニッシュ!』

「ぐわぁ!!」

 

そんな事を考えていたら、万丈の攻撃を受けてしまった。

 

「・・・・・・本気だせよ!!」

「くっ・・・・・・!」

 

本気、か・・・・・・。

 

『バスター!』『エメリウム!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「・・・・・・ビルドアップ。」

『希望のエメリウムバスター!マグニフィセント!イエーイ!』

「・・・・・・行くぞ!!」

 

万丈は攻めてくるが、あいつがこのフォームの力を知らないはずがない。

 俺は万丈の拳をかわし、レバーを回す。

 

「くっ・・・!この・・・!」

『Ready Go!』

「はぁ──ぐっ!?」

「ビックバスタブレイク。」『マグニフィセント フィニッシュ!』

「ぐわあぁぁ!!」

 

俺は後ろから来る万丈を見ずに、ライダーキックをお見舞いした。ライダーシステムのセーフティー機能が働き、変身が強制的に解除された。

 

「龍君!大丈夫!?」

「おい、いくらなんでもやり過ぎなんじゃねぇのか!?」

「有咲、落ち着いて!」

 

俺は、変身を解いた。・・・・・・皆を見ないけど。

 

「・・・・・・俺が、お前や香澄を傷つけた。」

「え・・・?」

「俺が、大勢の人を傷つけた!!」

 

それだけ言ってこの場を立ち去った。・・・・・・後ろでは、万丈の叫び声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空が万丈たちとどこかへ行ってすぐ、私は夜華さんに尋ねた。

 

「なんで氷室幻徳が蒼空の・・・・・・映司のことを知っているの?『石動から聞いた』って言ってたけど?」

「・・・・・・海璃様は、わたくしと石動惣一がまだ繋がっているとお考えなのですか?」

「散々影で繋がっていたくせに・・・・・・。」

「確かに繋がっていましたが、今は違いますわよ。」

「・・・・・・そう。」

「それより、海璃様はやるべき事があるのでは?」

「え?」

「わたくしはカフェの仕事がありますので。」

 

私のやるべき事・・・・・・そういう事ね。

 

 私は家を出て、蒼空を探した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、街を見渡せる公園で、蒼空を見つけた。

 

「・・・・・・な~にしてるの?」

「海璃・・・・・・。お前は知ってたんだろ、俺が『葛城映司』だって事を?」

 

蒼空の問いに、ベンチに座りながら私は答えた。

 

「・・・・・・まぁね・・・。でも、幼い頃にあなたが引っ越しちゃって、それっきりはきちんと会えなかったの。」

「前は、記憶が無い事に怯えていたけど、・・・・・・こんな過去、背負っていける自信ねぇよ・・・。」

 

私には分からない気持ちだった・・・・・・。でも、自分なりに蒼空を励ましたかった。だから・・・・・・。

 

「・・・・・・今の私が知ってるのあなたは、ナルシストで自意識過剰な、正義のヒーローの蒼空だよ。」

「・・・・・・褒めてるのか?」

 

これで、少しでも気が楽になればいいなと思った・・・・・・。

 

「私ね、最初は言いにくかったけど・・・・・・今は『蒼空』って名前も好きだよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

そんな言葉をかけても、無言の蒼空に、これ以上何も言えない自分が情けなく思えてしまった・・・・・・。『蒼空の力になれない』自分を・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 場所は変わり、花咲川女子学園の一室。そこでは、花咲川の校長と蒼空たちから返してもらった『赤き鋼』、そして、通信で姿を映している羽丘女子学園の校長と星導館学院の校長がいた。

 

「ご覧の通り、『赤き鋼』は回収しました。この度はご迷惑をおかけしました。」

「いえ、回収出来ただけでもこちらとしては感謝の言葉を述べるしかないわ。」

 

そう言いつつもどこかにやける羽丘の校長。

 

「これからは、この三校の共用財産とし──」

 

もう狐と狸の化かしあいは辞めにしませんか?

 

星導館の校長を遮って大声を上げたのは、無断で部屋に入ってきた氷室幻徳だった。

 

「氷室さん・・・・・・何故ここに!?」

「ここにいる全員が、この『赤き鋼』のエネルギーに触れて、醜い欲望を剥き出しにした。この三校が争う理由の1つだ。」

 

花咲川の校長は氷室幻徳を睨む。もちろん、他2校の校長も。

 

「ならば、どの学園がこの『赤き鋼』を手に入れるに相応しいか、決めようじゃないか!?」

「・・・・・・っ!」

 

幻徳の言葉に返事する者はいない。ただ、2校の校長が消えただけだった。

 

「ふっふっふ・・・!」

「氷室さん、どういうつもり?」

「あんたにこの学園は任せられない。今、俺を教頭に戻すなら、この学園は守られるが?」

「そんな事言って、あなたも『赤き鋼(これ)』が欲しいんでしょ?」

「・・・・・・分かっているじゃないか。」

 

すると、幻徳は『トランスチームガン』と『バットロストフルボトル』を取り出し、

 

「蒸血!」

『ミストマッチ!』

『バット・・・!バ、バット・・・!ファイヤー!』

「言葉で無理なら、力ずくだ!」

「っ!?」

 

ローグは弾丸を校長目掛けて放ち、校長は・・・・・・。

 

「・・・・・・ん?」

「なっ!?」

「レディの扱いがそれでは、一生独身ですわよ?」

 

校長は無傷だった。弾丸を防いだのは、影から現れ、白色の盾で守った『イグニス:エンコードモード』だった。

 

「また貴様か・・・!?」

「どうしてここに?」

「主様の命です。」

「チッ!貴様が相手では・・・・・・。フッ!」

 

ローグは今までのイグニスとの戦いを思いだし、煙を出して姿を消した。

 

「・・・・・・逃げましたか。」

「夜華さん、でいいのかしら?」

「はい、なんでしょう?」

「お願いがあるのだけど。」

「・・・・・・主様以外の命は受け付けませんが、『ギャラ』をいただけるのなら、受けますわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 結局、蒼空は昨日帰って来なかった。私は、追いかけなかった。・・・・・・いや、『追いかけれなかった』が正しいかな?

 それはそうと・・・・・・。

 

「ねぇ、万丈は何に怒ってるの?」

「あ!?」

「蒼空が本当は『葛城映司』だったことを怒ってるの?」

「そうじゃねぇよ。」

「じゃあ、腕立てしながら怒っている理由は何?」

「・・・・・・上手く言えねぇけど、蒼空(アイツ)を許せねぇ自分が許せねぇって言うか・・・・・・。」

 

・・・はい?どゆ事?

 

「確かに、アイツは人体実験を考えた張本人だ!・・・・・・でも、記憶を失っているのにアイツを責めてもどうしようもねぇだろ・・・・・・。それが分かってんのに、感情が抑えらんねぇ!!」

 

そう言って、また筋トレを始める万丈。・・・・・・でも、蒼空の事を考えてたんだね?

 それにしても、

 

「万丈って・・・・・・ホントバカだよね~?」

「うっせー!」

 

そんな時だった。

 

「大変だ!!」

「あれ?有咲、どうしたの?」

「今、ネットで――」

 

またネットサーフィンしてたね~?

 

「スマッシュが暴れてるって!!」

「っ!万丈!」

「おう!」

 

私は気持ちを切り替え、万丈と共にすぐ、スマッシュが暴れている場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 結局、思い当たる所に行っても・・・・・・石動惣一(マスター)に踊らされていた事、俺が葛城映司だった事しか思い出せなかった。・・・・・・記憶があるだけの。

 

『きゃあああああ!!』

「っ!」

 

いつもの癖か、悲鳴を聞いた瞬間にすぐ体が動き出した。

 そして、周りが見える場所に来たら、スマッシュ2体と複数のガーディアンが人を襲っていた。

 

「きゃあ!」

「っ!つぐみ!」

 

「蘭!」

「早く逃げて!!」

 

スマッシュの視線の先にいる・・・・・・(多分)女子高校たちを見つけた。すぐにビルドドライバーを巻いて、

 

『タカ!』『ガトリング!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身!」

『天空の暴れん坊!ホークガトリング!イエーイ!』『10!20!』

 

変身し、すぐに飛びながらスマッシュとガーディアンを攻撃しつつ、一番近くにいた2人を救出し、安全な場所に連れていった。

 

「早く逃げろ!・・・・・・フッ!」

「蘭!つぐ!」

「大丈夫!?」

「うん!なんとか・・・・・・。」

「なんで、()()()()()()があたしたちを?」

 

後ろで何か話しているが、俺は気にせず、すぐにスマッシュたちに向け走り出し、

 

『忍者!』『コミック!』『ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

 

近接戦に向いている『ニンニンコミックフォーム』へフォームチェンジした。

 

『ニンニンコミック!』『分身の術!』

「ハッ!」

 

3人に分身し、スマッシュ2体と戦うが、すぐに分身の1体が消滅してしまった。

 

「くっ!ハァ!・・・・・・っ!」

 

《「お前が、スマッシュやファウストを創って・・・・・・大勢の人を傷つけたんだ!!」》

 

「・・・・・・!」

 

昨日、万丈に言われた言葉を・・・・・・スマッシュを見ていて思い出してしまった。

 

「っ!フッ!ぐっ!?ぐわぁ!?」

 

「万丈、あそこ!」

「・・・・・・あ!いた!」

 

スマッシュの人体実験を考えたのは俺だ。・・・・・・だから、スマッシュ(コイツら)は俺のせいで苦しんでるんだ。

 そう思ったら、スマッシュを攻撃する事に抵抗が出来てしまった・・・・・・。気付けば分身体はいなくなっていた。

 

「・・・・・・あ!」

 

すると、スマッシュたちが攻撃を放ってきた。

 

「ぐわあぁぁ!!」

 

俺は攻撃を受けて、倒れる。・・・・・・そして、変身が強制的に解除された。

 

「蒼空!」

「何やってんだ!?」

『『Are You Ready?』』

「「変身!」」

『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

『紅蓮の炎!ロッソフレイム!イエーイ!』

 

このタイミングで、万丈と海璃が戦いに参戦していた。

 

「蒼空、大丈夫!?」

「なんで攻撃しねぇんだよ!?」

 

なんでって・・・・・・。そんなの、決まってんだろ・・・。

 

「俺がコイツらを創ったんだ、人の命を弄ぶように・・・・・・ガスを注入して・・・・・・。俺がいなければ、誰も傷付かずに済んだのに・・・・・・。」

「フッ!蒼空・・・・・・。ハァ!」

「お前が創ってきたのは、スマッシュだけじゃねぇだろ!?」

「ハッ!・・・・・・万丈?」

「・・・・・・?」

 

「お前は、そのドライバーを巻いて、大勢の人の明日を・・・・・・未来を・・・・・・希望を・・・・・・創ってきたんじゃねぇのか!?」

 

俺が、ビルドドライバーを巻いて・・・・・・?

 

「誰かの力になりたくて、戦ってきたんだろ!?誰かを守るために、立ち上がってきたんだろ!?それが出来るのは・・・・・・葛城映司(かつらぎえいじ)でも、佐藤紫閻(さとうしえん)でもねぇ。・・・・・・桐生蒼空(きりゅうそら)だけだろうが!!

「・・・・・・っ!」

 

そういや、そうだった・・・・・・。

 

「・・・・・・フッ、最悪だ・・・。まさかお前に(さと)されちまうとはな・・・・・・。思い出したよ。」

 

俺は立ち上がった。今までの事を、誰かのために戦っていたことを・・・・・・。Love&Peace(ラブアンドピース)のために戦っていた事を思い出しながら・・・・・・。

 

「俺は、ナルシストで自意識過剰な・・・・・・正義のヒーローだってな!

「ハァ!・・・・・・ふんっ!」

「蒼空・・・・・・!よっ!」

 

俺は再びボトルを取り出し、

 

「さぁ、実験を始めようか?」

『ジード!』『スペシウム!』

『ベストマッチ!』

 

俺は初めて変身したボトルを・・・・・・初めて『仮面ライダー』になったボトルをセットした。

 

『Are You Ready?』

 

その音声は、いつもより響いて聞こえた・・・・・・。その分、覚悟も強く固まった。

 

「・・・・・・変身!!」

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

光の戦士(ウルトラマン)闇の戦士(ウルトラマンベリアル)を重ね、『仮面ライダージード プリミティブフォーム』に変身した。

 そして、ビルドの力を受け継ぐ者として、あのセリフを放ち、あのポーズを取った。

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 再び変身したジードは、気付けば先程救っていた4人の所に向かっていたスマッシュに目掛けて走り出し、

 

「この・・・!離れな、さい!」

 

4人から突き放すように蹴り飛ばし、

 

『Ready Go!』

「よっ!ハッ!ハァア!!」『ボルテックブレイク!』

 

ドリルクラッシャーに『ゴリラボトル』を挿し、さらにフライングスマッシュを突き飛ばす。

 

 

 ライダーが3人になったからか、ガーディアンの増援がやってきた。

 

「ガーディアンは私に任せて!」

『ブル!』『グランド!』

『Are You Ready?』

「セレクト!」

『琥珀の大地!ブル グランド!』

 

ロッソは、身軽ながらパワーのある『ブル グランドフォーム』に変身した。

 

 

 そしてジードも、

 

「なら、俺も!」

『オクトパス!』『ライト!』『ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

『オクトパスライト!イエーイ!』

 

フォームチェンジして、スマッシュと・・・・・・ブルが捕らえられなかったガーディアンを圧倒する。

 

 

「オリャア!このっ・・・!ハァ!!」

 

フォームチェンジが無いクローズはビートクローザーを使ってずっと戦っていた。

 

 

「ハッ!よっ!オリャア!・・・・・・これでフィニッシュだ!」

『ラビットタンクスパークリング!』

 

ジードはさらにフォームチェンジをする。

 

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

 

ジードは海賊ハッシャ―でガーディアンたちを次々倒し、

 

『各駅電車!急行電車!快速電車!海賊電車!』

「ハァ!」 『発射!』

 

その攻撃は、気付けばフライングスマッシュではなくプレススマッシュと戦っていたせいで、プレススマッシュに直撃した。そして、プレススマッシュは戦闘不能となった。

 

 

「こっちも終わりよ!」

『Ready Go!』

「アース・・・・・・ブリンガー!!」

 

ブルも必殺技を繰り出し、ガーディアンを一掃した。

 

 

『スペシャルチューン!』

「オリャアア!!」

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

「はぁ・・・!」

 

クローズはビートクローザーにボトルをセットし、必殺技の準備をした。

 ジードは、クローズの次の行動を察知して、レバーを回した。

 

『Ready Go!』

「フッ!」

「ハァ!・・・・・・オリャアアア!!」

『ミリオンスラッシュ!』

 

クローズは剣からチェーンを作り出し、それをフライングスマッシュに巻きつけ天高く放り投げる。ジードはそれより高く飛び、ライダーキックを決める。

 

「ハァアアア!!」

『スパークリングフィニッシュ!』

 

攻撃はヒットし、スマッシュは戦闘不能となった。

 そして、戦いが終わり、3人は変身を解いた。

 

「・・・・・・言っとくが、まだ許した訳じゃねぇからな。」

「分かってるよ。」

 

蒼空は流れ作業のようにスマッシュの成分を回収する。そこには、真っ赤な服を着た男性2人だった。

 

「・・・・・・っ!?」

「誰にスマッシュにされたんだよ・・・・・・!?」

 

「羽丘女子学園よ!」

 

万丈の問いに答えたのは、1人で蒼空たちに来た花咲川の校長だった。

 

「え?・・・・・・校長先生!?」

「今日ね、羽丘女子学園の校長があたしたちに宣戦布告をしてきたの。」

「え・・・?」

「そう。・・・・・・残念ながら、()()()()()()()が始まったの。」

 

その場にいたライダーたちは、固唾を呑む事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空たちの戦いを遠くから見ていたローグ。

 

「俺がいなくなった事を、後悔するがいい・・・・・・。」

「残念ながら、主様がいる限り・・・・・・『後悔』はしませんわよ。」

 

そこに1人の()()()()()()がやってきた。

 

『ダーク!』

「貴様・・・!?」

『デコード!』

「変身。」

『割れる!流れる!溢れ出る!デコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

夜華は『イグニス デコードモード』となり、ローグに挑んだ。

 

「貴様の戦い方は記憶した。」

「ハッ。」

 

イグニスの攻撃をかわしたローグ。

 

「『デコード』も『エンコード』も、もう通用しない。」

「そうですか。・・・・・・でしたら、こちらはいかがでしょうか?」

 

そう言って、イグニスが取り出したのは、新しい『緑色のクラックボトル』だった。

 

『ウィンド!』

 

ボトルの蓋を正面に合わせれば、また別の属性を告げた。そして、ボトルをドライバーにセットすれば、

 

『エクスコード!』

 

新たなフォームの名前を発した。

 そして、イグニスはドライバーのレバーを下ろした。

 

『割れる!流れる!溢れ出る!

 エクスコード・イン・イグニス!オラァ』

 

イグニスは緑色の『エクスコードモード』へと変身した。『デコード』や『エンコード』に比べて、肩の装甲が大きいのが特徴的だ。

 

「・・・・・・また新しいフォームを・・・!?」

 

ローグはスチームブレードを構えるが、

 

「残念ながら、一瞬で決めますわ。」

 

イグニスが手をかざした瞬間、ローグの周りに緑色の風が球体となってローグを閉じ込めた。

 

「なっ!?これは・・・!?」

「『グラスプゾーン』。対象の動きを封じる、風の結界ですわ。」

「なん・・・だと・・・!?」

「それでは、ごきげんよう。」

『クラックアップブレイク!』

 

イグニスがレバーを下ろすと、両腕に盾のような大きな物体が現れ、その先から緑色のエネルギーが、2本の爪のような形で形成された。

 

「くっ・・・!貴様ァアア!!」

「ふふっ。・・・・・・ハッ。」

 

イグニスがX字にローグを切り裂く。その一撃は、『グラスプゾーン』を通り越して、ローグにダメージを与える。

 

「ぐわあぁぁ!!」

 

攻撃を受けたローグは、強制的に変身が解除された。

 

「くっ・・・!まだ、だ・・・!」

「いえ、もう終わりですわ。・・・・・・貴方様の出番は。」

 

イグニスが再び掌をかざすと、幻徳の下の影が広がりだした。

 

「な、何を・・・!?」

「主様の許しが出るまで、永遠に深淵の牢獄にいなさい。」

「ぐっ・・・!きさ――」

 

ローグが何か言いかけたが、そのセリフがだいたい察しが付く夜華からすればどうでもいい事だったため、すぐに影の中に落とした。

 イグニスは、先程幻徳がいた場所に落ちている『トランスチームガン』と『スチームブレード』、そして、『バットロストフルボトル』を手に取る。

 

「ホントに依頼を果たしてくれるんだ~。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

変身している夜華(イグニス)にお構いなくやって来た1人の女性。

 

「一応、依頼ですのでね。・・・・・・それでは、ご要望の品を。」

「どうも~。」

 

その女性は、イグニスから『ローグから手に入れた物』を全て渡した。

 

「・・・・・・それで、主様の邪魔をするのですか?」

「さぁね~。・・・・・・アタシの邪魔をしないなら、だけどね。」

 

すると、その女性はトランスチームガンにバットロストフルボトルを挿した。

 

「・・・・・・ネビュラガスは投与されていないのでは?」

「『ネビュラガスは』ね。既に、()()は投与しているから。」

『ミストマッチ!』

『バット・・・!ファイヤー!』

 

女性は『ナイトローグ』に変身した。

 

「アナタも邪魔しないでね、夜華。」

「・・・・・・紫音(しおん)様も、わたくしと主様の邪魔をしないようにしてくださいませ。」

「・・・・・・そうね。」

 

『紫音』と呼ばれた、ローグに変身した女性は煙を使ってその場から消えた。

 

「・・・・・・面倒事にならなければよろしいのですが。」

 

夜華も、変身したまま影の中に姿を消していった。

 

 

 

 

 




って事で、名前出しちゃったよ・・・・・・。新キャラの名前を。

そんな事で、次回から新展開(?)です。

それと、『佐藤紫閻』は、『ドレガイザードファブニル』様の小説『今井姉弟とバンド物語』のオリキャラ『今井紫閻』を参考にしています。・・・・・・性格は違いますよ。名前だけね。


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第20話 スクールウォーズ、開幕

 とある場所では・・・・・・。

「突撃ー!」
「くっ!?守れー!」

花咲川に支給されている『ロックシードシステム』で変身したライダー護衛部隊が戦う。その相手は、羽丘に支給されている『ガシャットシステム』で生まれる量産型のライダー:『ライドプレイヤー』隊だ。

「撃てー!」
「ぐわあぁぁ!!」

ライドプレイヤー隊が使う『銃』や『弓矢』、さらに『赤い拳』や『車輪』が飛んできて、黒影トルーパー隊は劣勢を強いられていた。

 そんな事が、至る所で行われていた・・・・・・。







 各地で花咲川と羽丘の戦いが勃発している中、俺たち『ビルドシステム』のライダーは、花咲川女子学園の校長室に呼ばれていた。

 

「・・・・・・なんで戦争が起きたんですか?」

 

俺は正直に、そして、単刀直入に言った。

 

「それは・・・・・・カクカクシカジカ(詳しくは第19話)って事があったのよ・・・。」

「略したね~。」

「俺、これの意味が分からない・・・。」

「筋肉バカはちょっと黙ってな~。」

「んだと、コラァ!?」

 

お前ら、喧嘩すんなよ・・・。

 

「それで、その元凶は?」

「わたくしが『やりました』わよ。」

「夜華。・・・・・・『やりました』って、お前まさか!?」

「はい、わたくしの作り出した『シャドーゾーン』内の牢獄に閉じ込めました。」

「あ、そうなんだ・・・・・・。」

 

こいつの事だから、『()りかねない』んだよ・・・・・・。ちょっと安心した。

 

「だけど、羽丘の多治見校長は止まらないわ。・・・・・・『赤き鋼』を手に入れるまでは。」

「・・・・・・あれはどうやったら岩が消えるとかあるんですか?」

 

解析してないから、あれがどういう仕組みで真の力が解放されるのかは、俺は知らない。

 

「『赤き鋼』は、パンドラボックスから生成されたフルボトル60本を吸い込ませる事で解放されるの。」

「はっ!?60本もあんの!?」

「ちょっ、万丈黙ってなさいよ!!」

 

正直、俺は以前にボトルについてを調べていて、その時に分かった。そして、他の40本の所在も、大賢者の能力で知っている。

 

「あなたが持っていない他40本は、何故か羽丘と星導館がそれぞれ20本ずつ持っている。」

「・・・・・・普通に考えて、スタークの仕業でしょうね。(まっと)うな考え方をすれば、3校が協力して、これを解放する。だけど、『赤き鋼』の影響を受けた人間なら、それを『奪う』に変える。」

「えぇ。今まさに羽丘がそれよ。星導館は動いてないけど、いずれそうするかもしれない。」

「それで、俺たちには『この学園を守る軍事兵器になれ』って言うために呼んだんですか?」

「ちょっ、蒼空!?」

「海璃さん。・・・・・・あなたの予想通り、そう言うつもりだったわ。もちろん、言い方は悪いけど『軍事兵器』ってこともね。何せ、羽丘に『秘密兵器を持っている』って聞いたから。」

 

やっぱり・・・・・・。

 花咲川のライダーシステム:『ロックシードシステム』は、使用するロックシードによってその力が変わる。ライダーシステム自体、変身者の感情に左右されるが、ロックシードシステムは使う錠前によってほぼ決まる。

 

 それに対して、情報で分かった羽丘の『ガシャットシステム』は、メインとなる『ライダークロニクルガシャット』で変身、最初から常備されている専用武器で戦う、レベルとしては1ともカウントされないシステムだ。

 だけど、いくつかの『量産型ミニガシャット』からそのゲームの武器(もしくは装甲)を使って敵を圧倒する事が出来る。レベルが高いゲームや、個人の能力が高いほど強くなるシステムだ。

 

 自衛目的で使ってきた『ロックシードシステム』の方は『マツボックリロックシード』のみ。圧倒的に花咲川が不利だ。そこに、俺たち『ビルドシステム』を導入するつもりだろう。

 

「・・・・・・悪いが、俺は戦争の兵器にはならない。」

「元々の原因の一部はあなたにもあるのよ。」

「・・・っ!」

「・・・・・・何言うんですか?葛城映司はそうかもしれないけど、蒼空は正義のためにライダーとして戦っているんですよ!!」

「それは分かっているわ。でも、ごめんなさい。花咲川を守るためなの。」

 

ビルドを創った、俺のせい・・・?

 

「それと、あなたたちにはこの通信機を渡すわ。」

 

見せたのは、ブレスレット型で銀色の通信機だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 校長室を後にした蒼空たちは人気の無い場所に来ていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「うん?・・・・・・蒼空?」

 

蒼空は、さらっと付けていた通信機を外した。

 

「・・・・・・それ、特殊な鍵が無いと外れないって言われてたのに・・・?」

「こんなもん付けてられるか。お前らも手を出せ、外してやる。」

「・・・・・・それより、これからどうするんだよ?」

「言ってるだろ?俺たちは、戦争の兵器にはならない。」

 

気まずい雰囲気が流れる中、空気を読まない発言がその場に聞こえてきた。

 

「ターゲット、発見!」

「「「ん?」」」

 

視線の先には、黄色のジャケットにそれぞれ赤、青、黄色の衣類を付けた3人が立っていた。

 

「なんだよ、()()じゃねぇのか。」

「ってことは、こいつら被験者か。」

 

すると、青の衣類を付けた男が蒼空たちに問いかけた。

 

「おい!お前ら、ネビュラガスを投与されてるだろ?」

「っ!?」

「なんで知ってるの!?」

 

すると、赤の衣類を付けた者が前に出てきた。

 

「ふっふっふ!俺たちは、『羽丘三羽ガラス』!言っとくが、そう簡単に正体は明かさないぜ!」

「っておーい!もう明かしちゃってるじゃん!」

「・・・・・・ん?」

 

茶番劇を見せられた龍哉から笑顔で素敵な一言が。

 

「さては・・・・・・お前ら、バカだな?」

「なっ!?初対面の人に向かって失礼だな!?・・・・・・こういう奴には、体で教えてやらねぇとな~。」

 

笑顔で言った万丈に向かって、赤の衣類を付けた者:『赤羽(あかば)』は『紫色のボトル』を取り出し数回振り、左腕に挿した。

 

『キャッスル!』

 

「嘘でしょ・・・・・・!?」

「スマッシュに変身した・・・・・・!?」

 

赤羽は『キャッスルロストフルボトル』を使って『キャッスルスマッシュ』に変身した。

 

「そんなに珍しいか?」

「なんで意識があるんだよ!?」

 

普通のスマッシュは、人体にガスを投与されてスマッシュになった時点で自我が失われる。だから、意識がある『キャッスルスマッシュ』に驚くのは当然だ。

 

「それはな、俺たちが『ハードスマッシュ』だからだ!」

 

すると、『キャッスルハードスマッシュ』は龍哉目掛けて突撃した。

 

「ぐわあぁぁ!!」

 

ドラゴンボトルの力でなんとかダメージは最小限で抑えられた。だが、このままではマズイと思ったのか、

 

『Wake Up!』

「変身!!」

「おい!?」

「ちょっと万丈!?」

 

龍哉は変身し、キャッスルハードスマッシュに挑む。

 

『Get CROSS-Z DRAGON!』

「オリャア!」

 

「なんだ、仮面ライダーじゃねぇか。」

 

キャッスルとクローズが戦っている時、後ろの『青羽(あおば)』と『黄羽(きば)』も『ロストフルボトル』を取り出し、腕に挿した。

 

『フクロウ!』『クワガタ!』

「っしゃあ・・・!」

「行っくよ~!」

 

青い『スタッグハードスマッシュ』と、黄色い『オウルハードスマッシュ』も戦いに加わり、一気に3対1になった。

 

「どうなってるんだ・・・・・・!?」

「・・・・・・蒼空、とにかく行こう!」

「・・・・・・あぁ!」

 

蒼空たちも変身し、ジードはスタッグハードスマッシュと、ロッソはオウルハードスマッシュと交戦する。

 

『ロッソ フレイム!』

「離れなさい!万丈、大丈夫!?・・・・・・この!」

 

『プリミティブ!』

「この・・・!離れろ!」

「ぐっ・・・!?よりにもよってジードかよ?・・・・・・こいつは都合が良い!!」

「何っ!?」

 

スタッグはたじろぐどころか、寧ろ喜んでいた。

 

「花咲川のボトルを、根こそぎいただこうか!?」

「なんだと!?」

 

そう。三羽ガラスの目的は、『花咲川に支給されたフルボトルの回収』だった。

 なんとかドリルクラッシャーを持って対抗するジード。

 

「ドーン!」

「きゃっ!?ちょっと、なんでこんなに強いの!?」

 

「ぐわっ!!全然効かねぇ・・・!?」

「そんなもんか~?」

 

そして、苦戦するクローズとロッソ。

 そして、トドメと言わんばかりに背中の盾型の装甲を前に動かすキャッスル。

 

「オゥラアァァァ!!」

「ぐわあぁぁ!!」

 

キャッスルの突進に吹き飛ばされ、強制的に変身解除させられた龍哉。

 

「この!っ、万丈!!」

「くっ・・・!蒼空!!」

「どうし―――しまった!?」

 

気付いた頃には、3体のハードスマッシュがジードとロッソを囲んでいた。

 

「「「ハァァアアア!!」」」

「ぐわあぁぁ!!」

「きゃあああ!!」

 

3体の突進攻撃を受けた2人も吹き飛ばされ、変身解除させられた。

 

「くっ・・・!」

「そんな・・・!?」

「「「決まったーーー!!」」」

「さ!ボトルをよこしな!」

「待てよ、俺の手柄だぞ。」

「ノンノーン!僕の手柄だよ~!」

 

・・・・・・突然『手柄は誰のものか』で言い争いを始める三羽ガラス(バカ共)

 

「この・・・!ん?」

「うん?」

「うん??」

「「「・・・・・・ボトルをよこせ!!」」」

 

・・・。

 

「「「あ・・・。」」」

 

ライダーたちは既に逃走していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 俺たちはあのハードスマッシュたちから逃げて、今は自宅の研究室にいる。

 

「ハードスマッシュ。・・・・・・あれが羽丘の秘密兵器か。」

「明らかに俺たちより強かったぞ。・・・・・・どうするんだよ?」

「・・・・・・俺たちには関係ない。」

「またそれかよ・・・・・・。そういや、昨日だかに『葛城が残した最強システムが完成した』とか言ってなかったか?」

 

そう言って、万丈は作業台の方に向かった。そして()()を探し始めた。

 

「お!・・・・・・これは、夜華が持ってた・・・?」

「・・・・・・『スクラッシュドライバー』。本来の性能としては、ボトルの成分をゼリー状にして、その力を最大限に発揮する。」

「これか?・・・・・・ドラゴン・・・!ってことは俺の――」

「勘違いすんな!・・・・・・唯一反応したのが、ドラゴンだっただけだ。」

 

俺は万丈の手からドライバーとゼリーを取った。

 

「でも、これは使えない。」

「なんでだよ・・・?」

「スクラッシュドライバーは、間違いなく戦争の兵器になる。葛城は――俺は、それが分かってて、あえて作らなかったんだ。」

 

本当にそうなのかは、今の俺には分からない。・・・・・・だけど。

 

「戦争なんて間違ってる!」

 

俺はスクラッシュドライバーとドラゴンゼリーをしまう。

 

「そう言って逃げ出してるんじゃないのか?」

「・・・・・・んだと・・・!?」

「別に戦争に対して乗り気じゃないけど、こうなった責任はお前にもあるんじゃねぇのか?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「俺はやる。羽丘の攻撃を防いで――」

「でも、そんな事しても――」

「他に方法はねぇんだよ!!・・・・・・香澄は、俺が守るんだよ・・・。」

 

コイツにも、そんな理由があったのか・・・・・・?

 そんな時、研究室に夜華がやって来た。

 

「主様、海璃様はまだ帰って来てないのですか?」

「え?・・・・・・そういや・・・。」

 

帰ってきた時に海璃の声が聞こえなかった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空は真っ直ぐ帰ったけど、私は真っ直ぐ帰らなかった。・・・・・・いや、帰れなかった。

 

「お母さーん!どこ行ったのー!?」

「おがぁさーん!おがぁさーん!!」

 

帰る途中に、子供を庇って傷付いた大人や、親を見失った子供たちが目に入ってしまったから。至る所で行われている戦争の被害を受けた人たちだ。

 

(やっぱり、私が・・・・・・。)

 

 私は、()()()()を思い出しながら、再び被害を受けた場所を見て回った。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空は、帰って来ない海璃を探しに再び街に来ていた。

 

「っ・・・!どこ行ったんだ・・・・・・!?」

「あの・・・・・・。」

「・・・・・・あっちか?」

「あの・・・!」

「え!?・・・・・・えっと~、どちら様?」

「あたし、美竹蘭。この前助けていただいた・・・・・・。」

「・・・・・・あ、あの時の!」

 

この前助けた相手の事を思い出した蒼空。

 

「何か、探してるんですか?」

「え?・・・・・・あぁ、ちょっと人探しをね。」

「もしかして、あの2人ですか?」

「・・・・・・そこまで見てたのね。そう、そのうちの1人。・・・・・・あ、女子の方ね。」

 

蘭も察した、海璃を探している事を。

 

「その人なら確か、あっちの方で見ましたよ。」

「本当か!?」

「一緒にいって、案内しますよ?」

「・・・・・・分かった。もしも戦いになったらすぐに逃げるんだ。」

「・・・?分かりました。」

 

蒼空は蘭と共に、海璃探しを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、龍哉も別場所で探していた。

 

「ったく、海璃のやつどこ行ったんだよ・・・・・・。」

 

「納得いかねぇな・・・・・・。」

 

「ん?」

 

避難所に来ていた龍哉は、何故かそこの玄関の屋根の上にいる人物に目が行った。

 

「こんなの、ボクが求める祭りじゃない。」

「・・・・・・?」

 

『きゃあああ!!』

 

「っ!?」

 

すると、ストロングスマッシュが避難所に来て、暴れる。

 

「スマッシュ!?」

 

ドライバーを巻いた龍哉の前に、先程上にいた人物が降りてきた。

 

「心の火・・・・・・心火(しんか)だ・・・・・・。」

 

先程降りてきた女性・・・・・・いや、身長的に言えば女子と言った方が正しい。その女子は、スマッシュを睨みつけ、

 

「心火を燃やしてぶっ潰す・・・・・・!」

 

すると、スマッシュを・・・・・・、

 

「オリャアアア!!」

 

殴り飛ばした。

 スマッシュはその一撃で消滅した。

 

「スマッシュを・・・・・・一撃で・・・・・・!?」

「ふふっ♪あ、イッテーーー!!ぜってー骨折れたー!・・・・・・と思ったら折れてなーい。」

 

こそっと殴った拳に持っていた()()をしまって、何処かへ行ってしまった。

 

「ったく、アイツらのせいだよ。ボクを置いてけぼりにしやがって・・・・・・。」

「なんだ、アイツ・・・・・・。」

 

彼女が見えなくなると同時に、龍哉の体のどこかから謎の音が鳴りだした。

 

「ん?・・・・・・?あ、これか。」

 

鳴っていたのは、花咲川の校長から貰ったブレスレット型通信機だった。

 

『もしもし、万丈君?』

「校長!?」

『桐生蒼空君と連絡がつかないんだけど?』

「・・・・・・あいつになんか用か?」

『あまり頼りたくはないけど、新しいドライバーが完成したのか知りたくてね。』

「なんでそれを・・・!?・・・・・・あるにはあるけど、今の俺たちには使えないって。」

『・・・・・・とにかく、羽丘のハードスマッシュに勝つには新しいドライバーが必要なの。あなたなら、そのドライバーを使えるはずよ。』

「何言ってるのか分かんねぇけど、その頼みはお断りだ!」

 

龍哉は通信機を叩き、通信を遮断した。

 

「・・・・・・はぁ。」

 

そして、龍哉は静かに・・・・・・ある決意をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 街を見渡せる高台の公園。その入口に来た蒼空と蘭。

 

「あれ?蒼空君と・・・・・・蘭ちゃん!?」

「え?・・・・・・あ、香澄。」

「知り合いなの?」

「うん。蒼空君は何か用事があるの?」

「あぁ、海璃を探しにな。」

「それだったら、さっき上のベンチがある所にいたよ。」

「ありがとう!」

 

蒼空は感謝の言葉を告げ、すぐに走り出した。

 

「・・・?蘭ちゃん、何かあったの?」

「分からない。でも、何があるのか知りたい。」

「だったら行こ!」

「え?ちょっと!?」

 

香澄は蘭の手を引っ張り走り出した。

 

 

 

 

 

 そして、蒼空はなんとか海璃を見つけることが出来た。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、いた・・・!海璃、こんなとこにいたのか・・・!」

「私ね、昔蒼空と離れてから、不思議な力が一時期身に付いていたの。そんな時に、ある場所から『実験の手伝いをしないか?』って言われたの。」

 

海璃は静かに、街を見下ろしながら語り始めた。

 

「その実験は・・・・・・『フルボトル』の開発。」

「っ!?」

 

海璃の口から告げられたのは、先日告げられた『蒼空の衝撃の真実』の続きだった。

 

「私は、その力で成分をボトル内に入れていった。そして、60本入れ終わった時には力も失われ、普通の生活を送った。でも、私はフルボトルの開発を・・・・・・『兵器(ビルド)』の開発を手助けした事に変わりはないの。私がボトルの成分を生み出したから、街の人たちが傷ついてるの。」

「・・・・・・違う。」

「しんどいよ・・・・・・。苦しいよ・・・・・・。」

 

そして、海璃はビルドドライバーを取り出した。

 

「こんな力があるから・・・・・・。っ!」

 

そして、ドライバーを地面に叩きつけた。

 

「なんで・・・?なんで・・・!?なんで壊れないの!?」

「海璃・・・・・・。止めろ!」

 

ドライバーを叩きつける海璃を蒼空は抱きしめる形で止める。

 

「頼む・・・!止めてくれ・・・・・・!」

「うぅ・・・、蒼空・・・!」

 

2人の瞳は潤んでいた。

 

「お前は悪くない・・・・・・悪いのは俺だ・・・・・・!」

 

 

 

 

 

「蒼空君・・・・・・。」

「香澄、なんで蒼空さんは『自分が悪い』なんて言うの?」

「・・・・・・蒼空君が、ビルドドライバーを作った悪魔の科学者だから。」

「そう、なの・・・?でも、あの人は優しいよ?」

「今は、だよ。記憶を無くしてるから。」

 

蒼空たちがそれぞれ自分を責めている時、香澄は蘭に状況を・・・・・・蒼空が自分を責める理由を話した。

 

 

 

 

 

 だが、そんな空気を壊すように、拍手の音が聞こえてきた。

 

「・・・?お前らは!?」

「へ~、泣けるね。」

 

拍手音の出所は、いつの間にか近くまで来ていた三羽ガラスだった。

 3人はすぐにロストボトルを取り出し、体に挿した。

 

『フクロウ!』『キャッスル!』『クワガタ!』

 

「ッシャアア!!ボト――」

「ボトルを全て渡しな。そうすれば命だけは助けてやる。」

 

キャッスルが言おうとした事をスタッグが遮るように言った。

 

「くっ・・・!」

「最悪だ・・・。」

 

蒼空が口を開いた。

 

「俺はこの惨状から目を背けていた。『戦争は俺のせいじゃない』、『俺には関係ない』って思っていた・・・・・・。だけど、お前が気付かせてくれた。もう綺麗ごとじゃ済まされない。」

 

蒼空は立ち上がり、自分のドライバーを取り出した。

 

「俺は戦う。お前や、この街を守るために。」

 

そして、ドライバーを巻いた。

 

「ライダーシステムは兵器なんかじゃない。《正義》のためにある。・・・・・・俺がそれを証明してみせる!」

「蒼空・・・・・・。私も!」

 

海璃も立ち上がり、いくら叩きつけても傷一つ付かなかったビルドドライバーを巻いた。

 

「海璃・・・・・・。」

「私も、ビルドを創った責任は・・・・・・必ず償う。だから、今はこの戦争を終わらせよう!蒼空?」

「・・・・・・あぁ。俺たちが、この不毛な争いを終わらせる!!」

 

2人はそれぞれのアイテムを使い、

 

『ラビットタンクスパークリング!』
『ロッソ!』『グランド!』『ベストマッチ!』

『『Are You Ready?』』

「「変身!!」」

『シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』
『琥珀の大地!ロッソ グランド!イエーイ!』

 

2人は変身し、3体のハードスマッシュと戦う。そして、香澄と蘭は隠れつつ2人の戦いを見ていた。

 

「フッ!ハァ!」

「くっ!ヤァ!」

 

ジードは4コマ忍法刀と海賊ハッシャーの二刀流で、ロッソはルーブスラッガーロッソで対抗する。

 

「ヨッ!まだまだ~!」

「っ!ハッ!」

「ぐっ・・・!」

 

ノリノリで飛んでくるオウルをドリルクラッシャーとホークガトリンガーで撃ち飛ばすジード。

 

「蒼空!」

「あぁ!」

 

ロッソもルーブシューターを使い、銃三丁で攻撃する。

 

「「ハァ!!」」

「フン!」

 

だが、キャッスルが盾で銃弾を防ぎ、

 

「っ!?」

「「「ハァアアア!!」」」

「ぐわあぁぁ!!」

「きゃあああ!!」

 

3体の突進攻撃を再び受け、吹き飛ばされるジードとロッソ。

 

「「「決まった・・・!!」」」

「ぐっ・・・!」

「まだ、よ・・・!」

「嘘だろ・・・!?」

「完全に決まったのに・・・・・・!?」

 

決まったと思ったのに、再び立ち上がったジードとロッソに困惑する3体。

 

「大事なもん守るためなら・・・!」

「何度だって立ち上がるよ・・・!」

「それが、()()()が創った・・・・・・」

 

 

 

 

 

「「・・・・・・ビルドだ!!」

 

 

 

 

 

2人の覚悟は、強く硬かった。

 

「ふん!2人だけで何が出来る?俺たちは3人だぞ?」

 

「2人じゃねぇ!!」

 

「・・・・・・あ?」

 

声をあげたのは、龍哉だった。

 

「・・・・・・3人だ。」

 

そして、()()()()()()()()を取り出した。

 

「スクラッシュドライバー・・・・・・。」

「なんで万丈がそれを・・・!?」

 

「・・・・・・借りるぞ。」

『スクラッシュドライバー!』

 

そして、ドライバーを巻いた。

 

「ダメだ!!止めろ!!」

「え?どういう事・・・・・・?」

「コイツらを倒すには・・・・・・」

 

龍哉はドラゴンゼリーを、

 

「これしか()ぇんだよ!!」

『ドラゴンゼリー!』

 

ドライバーにセットした。

 

「・・・・・・変身!!」

 

そしてレバーを下ろすと、強いエネルギーが龍哉の体に流れ始めた。

 

「ぐっ!?ぐわあぁぁ!!」

「万丈!」

「あぁ!」

「龍君!」

 

その場にいた者全員が驚き、龍哉と仲が良い者たちは心配の声をあげる。

 

「ぐっ・・・!」

 

すると、周りにビーカー状の物が現れ、中では水色の液体がビーカー内を満タンにして、万丈をねじりながら固まり、新たなライダースーツを生成した。

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!』

 

そのスーツの頭部には穴があり、そこから水色のゼリーが溢れ出し、龍哉の装甲となった。

 

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

 

顔も水色の龍の顔になって、『仮面ライダークローズチャージ』へと変身完了した。

 

「マジかよ・・・・・・!」

「嘘でしょ・・・・・・!?」

 

「ブワアアアァァァ!!! 

なんだよこの力・・・!

 負ける気がしねぇ!!」

 

 

 

 

 




ってことで、ここでお終いです。知ってます?今回約8600字なのよ。この続きは、明日出しますから。

それと・・・・・・さらっと書きました、海璃の事。色々ありそうね~?


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第21話 危険なドライバー

「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈に人体実験をした組織『ファウスト』の秘密に迫っていた。自身が悪魔の科学者『葛城映司』だった事を知り、愕然となる。そんな中、羽丘との戦争が始まり、蒼空は戦う事を決意した。」
「・・・・・・なぁ、ちょっといいか?」
「あれ?今日有咲なの?」
「悪いかよ?」
「いや、全然。」
「この辺なら原作で『氷室首相と呼べ!』とか『じゃあ言わない』とか無いのかよ?」
「どこをネットサーフィンしたらそんなのが出るんだよ?その担当だった奴は先週に退場したからこの作品ではしません!ってことで、どうなる第21話!?」







『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

 

龍哉は『使えない』と言われたスクラッシュドライバーで、『仮面ライダークローズチャージ』に変身した。

 

「ブワアアアァァァ!!! 

なんだよこの力・・・!

 負ける気がしねぇ!!」

 

原因は分からないが、龍哉の言い方がいつもと違った。

 

「・・・・・・なんだよ。外面が変わっただけで、調子に乗ってんじゃねぇよオラァ!」

 

スタッグを筆頭に、3体のハードスマッシュがクローズチャージ・・・・・・長いのでいつも通りクローズと書くが、3体はクローズと戦う。

 

「オラァ!オラァ!!」

「ぐわぁ!!」

 

クローズの力に圧倒されるハードスマッシュたち。1対1なら勝てないかもしれない。

 だが、今は3対1だ。

 

「オラァアア!」

 

キャッスル目掛けて殴ったが、その拳はキャッスルの後ろにあった木に刺さった。

 

「あっ!?抜けねぇ!!」

「・・・・・・オリャア!」

「ぐわっ!あ、抜けた!!」

 

オウルの横殴りを受けて、なんとか腕が抜けたクローズ。

 だが、そんな戦いを見て、『止めなきゃ』と思ったジードとロッソ。

 

「くっ!あのバカ・・・!」

「かなり暴れてるね・・・・・・。」

 

・・・・・・訂正。ロッソは混じりたくないと思い、少し離れていた。

 

「おい、落ち着け!」

 

3対1の戦いに混ざるジード。ハードスマッシュたちを攻撃しつつ、クローズを落ち着かせようとする。

 

「どけ!」

「ぐわっ!」

「蒼空!大丈夫!?」

「イッテ~・・・!」

 

そんなジードを戦いから外し、戦いを続けるクローズ。

 

「どうするの・・・?」

「・・・・・・あ、そうだ。万丈!『ツインブレイカー』を出せ!」

「ハァ!あ!?『ツインブレイカー』!?」

 

すると、クローズの左腕にゼリーが現れ、武器になった。

 

『ツインブレイカー!』

「おお!これか~!」

『アタックモード!』

「うおっ!?」

 

クローズがツインブレイカーを触っていると、白色の銃口の位置を(偶然)変えてしまい、モードチェンジした。

 

「オリャアアア!!」

 

ツインブレイカーのアタックモードの使い方を理解したのか、金色のパイルバンカーのような物で次々と攻撃した。

 

「この!」

『シングル!』

 

スタッグが突撃してくるが、クローズは武器にドラゴンボトルをセットして、

 

『シングルブレイク!』

「オリャア!」

「ぐわぁ!!」

 

スタッグに向け技を放ち、吹き飛ばす。

 

「この~!」

『ツイン!』

 

クローズは更に、ドライバーのドラゴンゼリーを武器にセットして、上空を飛びまわるオウルに向けてエネルギー弾を放つ。

 

『ツインブレイク!』

「ハァ・・・、ハァア!!」

「うわぁ!」

「なっ!?てめぇ・・・!!」

 

撃ち落されたオウルを見て怒りを見せるキャッスル。そして、クローズを攻めるが、

 

「ふっ、ハァ!」

『クローズドラゴン!』『Ready Go!』

「ハァ・・・!」

「くっ・・・!ヤバッ!?」

 

クローズはツインブレイカーにクローズドラゴンをセットして、また別の技を発動させる。キャッスルはそれを察したのか、盾を体の前に持ってきて、攻撃に耐えようとする。

 

「オリャアアア!!」

『レッツブレイク!』

「ぐわぁあああ!!」

 

その一撃は、先程攻撃を通すことの許されなかった盾ごとキャッスルを殴り(?)飛ばす。

 

「赤ちゃん!」

「おい、立て!」

「ちょっ、ちょっと待て!」

 

盾が大きすぎて中々起き上がれないキャッスル。急いでスタッグとオウルが立たせようとする。

 そんな光景を見つつ、ジードとロッソはクローズの下に来た。

 

「・・・・・・この野郎。」

「イテッ!イッテぇな・・・!」

「ほらほら、2人共行って!グラビティホールド!」

 

ジードはクローズの尻を蹴りながら・・・・・・。

 ロッソはグランドの力を使って三羽ガラスの動きを封じる。その隙にジードとクローズは飛び上がり、

 

「ぐっ・・・!なんだ、これは・・・!?」

「って、ヤバッ!?」

 

「ハァ・・・、ハァアアア!!」

「ハァ・・・、ハァアアア!!」

 

「「「ぐわぁあああ!!」」」

 

2人のライダーキックを(上手い事)受けた三羽ガラスは蹴り飛ばされ、スマッシュ体から人間体に戻された。

 

「・・・・・・うん?ハッ!?」

 

三羽ガラスは手元にあるボトルはロストボトルだけだった。

 持っていた()()()()()はジードたちの足元にあった。

 

「よっと。これが羽丘のボトルか~。」

「私たちの持ってるのとはちょっと違うね~。」

 

「見~つけた~。」

 

「・・・・・・ん?」

 

ジードたちや三羽ガラスでもない。ましてや香澄と蘭の声でもない別の声が聞こえてきた。その声が聞こえてきた方を見ると、少し背の低い少女が歩いてきた。

 

「アイツ・・・・・・。」

「え? 万丈知ってるの?」

 

「お嬢・・・・・・。」

 

龍哉の知る、三羽ガラスが『お嬢』と呼ぶ人物は、

 

「ボクに内緒で何楽しんでるんだよ?コラァ・・・。」

 

ニヤけながら、青色のドライバー(スクラッシュドライバー)を見せつける。

 

「あれは・・・・・・!」

「なんであのドライバーを持ってるんだよ!?」

「蒼空が創ったのと、夜華さんの分しかないはずだよ!?」

 

少女はライダーたちの会話を気にせずドライバーを巻いた。

 

『スクラッシュドライバー!』

「もしかしてお嬢、機嫌悪い?」

「・・・・・・みたいだね。」

「お嬢!どこ行ってたんですか?」

「アンタたちが方向音痴のボクを置いてくのがいけないんでしょうが!!」

「え?」

 

その言葉で顔を合わせる三羽ガラス。そして、誤魔化すかのように・・・・・・。

 

「お嬢~、ボトル取り返してよ~!」

「ったく、仕方ねぇな・・・。とっとと取り返すか。」

 

取り出した『ロボットの絵が描かれたゼリー』をドライバーにセットした。

 

『ロボットゼリー!』

 

そして、左手を拳銃のようにして相手に向けて、

 

「変身!」

『潰れる!流れる!溢れ出る! 

ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

クローズチャージと同じ仕組みで変身した。だが、スーツは金色で、装甲もロボット感があった。・・・・・・少しシステム補正で身長も上がっているが。

 

「嘘でしょ!?」

「変身しやがった・・・・・・!?」

 

「仮面ライダーグリス・・・・・・見参。」

 

少女は自身のことを『仮面ライダーグリス』と名乗った。

 

「仮面ライダー・・・・・・グリス・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 あたしは、蒼空さんに言われた通り・・・・・・ではないけど、香澄と共に隠れつつ、この戦いをずっと見ていた。だけど、

 

「今変身した娘・・・・・・どこかで見たことある。」

「え!?蘭ちゃん、それ本当!?」

「うん。・・・・・・確か、中等部だったかな?」

 

私服だから分からないけど、記憶には確かにあった。でも、どこであったかは・・・・・・。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心の火・・・・・・心火だ・・・・・・。」

 

 グリスは静かに語り始めた。

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す・・・!」

「ほぉ~、上等じゃねぇか!!」

 

その言葉に挑発されたクローズはグリスを攻撃する。

 

「ハァ!オリャア!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 その戦いを見ていたジードとロッソは・・・・・・。

 

「ねぇ、何か様子がおかしくない?」

「・・・・・・確かに。グリスが全然反撃しない・・・?」

 

 

 

 

 

「どうしたどうした!?偉そうなこと言ってる割には、手も、出ねぇじゃねぇか!!」

 

力を込めたツインブレイカーの一撃は、グリスには当たらなかった。

 

「こんなもんか?」

『ツインブレイカー!』

「フッ!」

「ぐわっ!!」

 

右手でパイル部分を右手で掴み、攻撃を防いだグリスは、自身の左手にツインブレイカーを出し、クローズに銃攻撃をする。

 

「全然足りねぇな・・・・・・。」

 

グリスはフルボトルを取り出し、ロボットゼリーと入れ替える形でドライバーにセットした。

 

『ディスチャージボトル!』

 

ビルドドライバーとは違い、ボトル名を言わないが、その力はきちんと発揮される。

 

『潰れな~い!』

「ほ~ら、行くぞ~。」

『ディスチャージクラッシュ!』

 

グリスは右の掌から『ヘリコプター』のプロペラをゼリーで形成し、飛び上がる。

 

 スクラッシュゼリーで変身するライダーは、身体のあちこちにゼリーを出す噴出口がある。変身の時には頭部のてっぺんからだったり・・・・・・。

 

 今回のプロペラは噴出口のある掌から出している。そのプロペラは、ドライバーにセットした『ヘリコプターフルボトル』の能力である。

 

「ぐっ!?ぐわっ!!」

 

ホバリングしながら『ツインブレイカー ビームモード』でクローズ目掛けて連射する。

 

「よっと。まだまだ行くぞ!!」

 

ドライバーにセットしてるボトルをゼリーに変え、肉弾戦に入る。

 

「オラァ!ハァ!うりゃあ!!」

 

プロレスのような戦いに、クローズは手も足も出なかった。

 

「ぐっ!?この・・・!」

「はぁ~・・・・・・。」

『スクラップフィニッシュ!』

 

レバーを下ろすと共に、グリスはまるで衝撃に備える体制を取る。その理由はすぐに分かった。

 肩の装甲が角度を変え、噴出口が後ろに向き、勢いよくゼリーが噴出。グリスはその勢いで飛ばされる・・・・・・いや、自らその勢いに乗り、クローズ目掛けてライダーキックを決める。

 

「ウラアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

「っ! 万丈!!」

「龍君!」

 

「はぁあ~。・・・・・・っ!」

 

蹴り飛ばされたクローズは変身解除までには至らなかったが、立ち上がれなかった。

 ジードとロッソ、そして香澄はクローズを守ろうとクローズの下に行く。・・・・・・蘭は、1人でいるのは危ないと思い、香澄についていく。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

グリスは動きを止め、ジードたちをずっと見ていた。

 

「お嬢!トドメだ!!」

「・・・・・・帰るぞ。」

「え・・・?」

「途中参戦して、相手から戦利品を貰うわけにはいかねぇ。」

「何その自分ルール!?本当勝手だな~!」

 

グリスは変身を解いた。

 

「そのドライバー、どこで手に入れた?」

「あぁ、これ?()()()()()()()から貰ったんだ。」

「っ!?」

「それって・・・・・・!?」

 

ジードの問いに、まさかの答えが返ってきた。

 

「次は容赦しねぇから、複眼洗って待っとけよ。」

「覚えてろー!」

 

グリスは三羽ガラスを連れてこの場を去っていく。

 

「・・・・・・あの()、どっかで・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 戦いから帰ってきた私たちは、研究室ですぐにスクラッシュドライバーのデータを調べた。

 

「・・・・・・やっぱり、研究データがコピーされている。」

「いつ来たんだろう・・・?」

「さぁな。でも、用心してなかった俺が悪い。・・・・・・それより!」

 

急に蒼空が立ち上がった!?・・・・・・え?何?

 

「お前はもうこれ(スクラッシュドライバー)を使うな!」

「なんでだよ!?ピンチを救ってやっただろ!?」

「それが問題なんだよ。」

「あぁ!?」

 

え?何かあるっけ?・・・・・・万丈がちょっと好戦的だったけど・・・?

 

 

 

 

 

「・・・・・・俺のヒーロー感が薄れるだろ!?」

 

 

 

 

 

「・・・・・・はぁ!?」

「えぇ!?」

「はぁ・・・。」

 

そんな事かい・・・。

 

「花咲川の仮面ライダーと言えば『ジード』なの!サブキャラのお前が、俺より目立ったら、花咲川周辺で応援してくれる子供たちが悲しむでしょうが!!」

 

・・・・・・ごめん、蒼空の味方になりたいけど・・・・・・今回は無理だわ。だって・・・・・・『ビルド』ならまだしも、『ジード』は怖いもん。・・・・・・特に目が。

 

「サブキャラってなんだよ!?自分の活躍しか頭にねぇくせに――」

「はいはい、もういいだろ?筋トレでもしてろ。」

「ったく・・・!」

 

あ、筋トレするんだ・・・・・・。

 

「あの・・・・・・、」

「何?・・・・・・えっと、蘭さん、でいいの?」

「『蘭』でいいですよ。」

「じゃあ、私のことも『海璃』でいいよ。後、敬語も無しで。」

「分かった。あの、いつもこんな感じなの?」

「う~ん・・・・・・うん、こんな感じ。」

 

すると、蒼空の『ビルドフォン』に着信が鳴った。

 

「・・・・・・っ!」

 

蒼空は画面を見て、すぐに研究室を出て行こうとする。

 

「ちょっと蒼空、どこ行くの?」

「おいおいおいおい~! 野暮な事聞くんじゃないよ~!」

 

なんか言い方がウザ~い。

 

「これだよ。」

「ん?」

 

小指立てるって、なんの意味だっけ?

 

「こ・れ♪」☆

 

いや、ウィンクしても分かんないって。

 

「ねぇ、あたし彼のことは詳しく分からないけど――」

 

そりゃそうでしょうね!・・・・・・これで『あんな事やこんな事』を知ってたら驚きよ!?

 

「蒼空さんって、()()いるの?」

 

・・・かのじょ?

 

「・・・・・・ウソ!?

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 まさか()()()から連絡が来るなんてな・・・・・・。

 俺はその電話に出る。

 

「・・・・・・なんだよ?」

『相変わらずクールだね~?』

「ちょうどお前の話をしていた所だ。」

『スクラッシュドライバーの件か?悪かったな、データをいただいて。』

 

電話をかけてきた人物は、『石動惣一』だ。

 

「あのデータがあっても、それを創るのには相当の腕が必要だ。誰が創った?」

『難波重工だよ。それより、スクラッシュドライバーは万丈が使ったんだって?』

「・・・・・・アイツにはもう使わせない。」

 

俺は話を続ける。

 

「スクラッシュドライバーは、ボトルの成分を最大限使える代わりに、ネビュラガスの影響をもろに受ける。その副作用は、『ギガファイナライザー』の影響を受けた時と同じ、変身し続ければ好戦的な気質が剝き出しになって、どんどん戦いに憑りつかれていく。」

『でも、スクラッシュドライバーが無いと羽丘の連中には勝てねぇぞ?』

「だから俺が使う。アイツらは、何があっても俺が守る。」

 

だが、コイツにはもう一つ聞きたい事があるんだ・・・・・・。

 

「お前こそ、羽丘に寝返ったのか?」

『まぁな!でも、安心しろ。 お前たちの居場所は羽丘の連中には教えていない。』

「・・・・・・お前の目的はなんだ?」

『何度も言わせんなよ!・・・・・・お前たちの成長だ!Chao!』

 

それだけ言って、電話が切れた。

 

「はぁ・・・・・・。」

 

〈告。龍哉や海璃たちが盗み聞きしています。〉

(・・・・・・でしょうね~。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちは翌日、再び花咲川の校長室に来ていた。・・・・・・通信機を付けて。

 

「ようやく決心してくれたんだ。」

「あぁ。・・・・・・ただし、『人々を守るため』だ。」

「それで良いわ。」

 

話に入るかと思ったけど、急に万丈の電話が鳴った。

 

「あ、ごめん!」

「電源切っとけよ・・・。」

「・・・・・・もしもし?・・・・・・え!?・・・・・・分かった!」

「うん?どうしたんだよ?」

「テレビあるか?」

「俺の携帯で良ければ?」

「お前の携帯はなんでもアリだな?」

 

俺の携帯でテレビを見る。・・・・・・けど、何があるんだ?

 すると、

 

『コホン!Ladies and Gentleman!羽丘の、仮面ライダーグリスだ。』

 

「コイツ!?」

「なんでグリスが・・・!?」

 

テレビ局のアンテナを使ってグリスが出演してる。

 

「あの子は・・・!」

 

テレビでグリスが話してるのに、俺は『あたしは知ってるの、この娘。』って感じの雰囲気があるんですけど?

 

「・・・・・・校長、何か知ってるんですか?」

「あの娘、あたしの娘なの。」

「へぇー。・・・・・・ん?えぇ!?」

「あいつが校長の娘!?」

 

まさかの衝撃事実!!

 

「あの娘、何してるのよ・・・・・・?」

 

こっちでは校長の娘がグリス:『朝倉和美(あさくらかずみ)』の話題で持ち切りだ。・・・・・・テレビでは、グリスが『自分たちが戦争の兵器だ。目的はギガファイナライザーとジードのボトルを回収する事。そして、外に出なければ戦争の被害は受けない』と説明している。

 

「・・・・・・ガーディアンをテレビ局に向かわせて!あの娘に喝を入れないと!」

「俺も行きます。」

「お願いね。」

 

俺もテレビ局へと向かう。

 

「スクラッシュドライバーで戦う気か?」

「・・・・・・当たり前だろ? ヒーローの座はそう簡単に譲らねぇよ!」

「・・・・・・!」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空が駆け付けてきた頃には、グリスがガーディアンたちを圧倒していた。

 

「あ?・・・・・・まさかそっちから来るとはな~?」

「・・・・・・・・・・・・。」

『スクラッシュドライバー!』

 

蒼空はスクラッシュドライバーを巻いて、ドラゴンゼリーをセットした。

 

『ドラゴンゼリー!』

「ぐっ・・・! ぐわぁあああ!!」

 

だが、反動に耐えきれず、ドライバーが地面に落ちた。

 

「蒼空!」

「俺には・・・・・・まだ無理なのか・・・・・・!?」

「・・・・・・!」

 

龍哉はドライバーに手を向けるが、蒼空がその腕を握った。

 

「ダメだ!お前には使わせない!」

「・・・・・・海璃のためだ。」

 

龍哉の心の内を告げる。

 

「海璃には、お前には必要なんだよ。それに比べて、俺には失うものは何も無い。香澄にも適当な嘘を言っておけばなんとかなる。死んでも誰も文句は言わねぇ。」

 

そう言って、龍哉がスクラッシュドライバーを巻いた。

 

「悪いな。ヒーローは俺だ!」

 

笑顔で蒼空に言うと、変身する。

 

「変身!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

『ツインブレイカー!』

 

そして、『ツインブレイカー アタックモード』を装備して、

 

「負ける気がしねぇ!!」

「面白れぇ!」

 

クローズとグリスが戦いを始める。

 

 

 

 

 

 そして、蒼空の周りには三羽ガラスがスマッシュとなって取り囲んだ。

 

「よっと!」

「俺たちが相手だ。」

「ボトルを返してもらおうか?」

「・・・・・・はぁ・・・。」

 

蒼空は溜息をつきながらドライバーを巻き、ボトルを取り出した。

 

「このボトルの事か?」

 

取り出したのは、三羽ガラスから手に入れた『フェニックスボトル』と『ロボットボトル』だった。

 

「折角のベストマッチだ。使わない手はない。」

『フェニックス!』『ロボット!』

『ベストマッチ!』

 

蒼空はそのボトルをドライバーにセットした。

 

「あ!俺たちのボトル!」

『Are You Ready?』

「変身!」

 

使われる前に取り返そうとしたら、『スナップライドホルダー』に遮られ、変身を許してしまった。

 

『不死身の兵器!フェニックスロボ!イエーイ!』

 

蒼空は、『仮面ライダージード フェニックスロボフォーム』に変身した。

 

「この・・・!勝手に使うんじゃねぇ!!」

 

キャッスルたちは、自分たちのボトルを使った事に怒りを覚え、ジードと戦闘を開始する。

 

「フッ!ハァ!」

「ぐっ・・・!俺たちの攻撃が・・・!?」

 

 不死鳥や火の鳥と言われる『フェニックス』と、機械の体で作られる『ロボット』。この2つが合わさった『フェニックスロボフォーム』は、左腕のアームで敵に強烈な攻撃を与えたり、右手からは強力な炎を繰り出したりと、まさに『不死身の兵器』に相応しい戦い方をするフォームだ。

 ジードは初めて使うボトルだが、彼の能力である『大賢者』のおかげで、その力を瞬時に理解した。

 

「これで、どうだ!」

 

オウルが能力を使って空中から攻撃を仕掛けるが、

 

『Ready Go!』

「フッ!」

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

 

ジードは身体に不死鳥の炎を纏い、オウルを攻撃し、地面に落とした。

 

「ぐわぁあああ!!・・・・・・も~~~!!」

 

変身が解けた黄羽は凄く悔しそうに、子供のように手足をジタバタさせる。

 

「あぁあ~・・・・・・。」

「よっと。」

『ウルフ!』『スマホ!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ。」

 

ジードはそんな事を気にせず、新たなフォームに変身した。

 

『つながる一匹狼!スマホウルフ!イエーイ!』

 

変身したのは、銀色のウルフボディと青のスマホボディを合わせた『スマホウルフフォーム』。右手には狼をイメージした爪と、左腕には『ビルドフォン』のようなスマホが付いている、ちょっと変わったフォームだ。

 

「また俺たちのボトルかよ・・・!?ふざけんな!自分の使えよ!」

 

スタッグがそういうのも無理はない。この戦いでジードが使っているボトルは全て、先の戦いで三羽ガラスから手に入れたボトルだからだ。

 

「俺たちのボトルは・・・・・・置いてきた!!」

「なんだと・・・!?」

「お前たちに渡すわけにはいかないからな!!」

 

そう、今のジードに手持ちのボトルは、三羽ガラスから手に入れたボトルしかないのだ。ジードが持っていたボトルは自宅にあり、万が一の事を考えて、海璃が自宅で待機している。

 そして、再びレバーを回すジード。

 

『Ready Go!』

「ハァ!」

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

「ぐわぁあああ!!」

 

スマホボトルの力でジードの周囲にアプリのアイコンを作り出し、キャッスルには自身の周囲から遠ざけた。アプリアイコンの中にいるスタッグには、影のような狼をアイコン内から襲わせ、戦闘不能の状態にする。

 

「ぐっ・・・!」

「え?青ちゃん・・・?」

「なんでこんな技を・・・・・・?」

 

青羽は疑問に思って当然だ。自分たちから手に入れたボトルを、たった1日で解析し、ベストマッチでの戦い方をマスターする事なんて不可能なはずだ。

 だが、ジードはそれをマスターしている。

 

「よっと!ハァ!」

「ぐっ・・・!この・・・!イテッ!?」

 

「これが、ジードか・・・・・・。」

 

ジードに完全に遊ばれているキャッスル。そんな光景を見ながら、青羽は納得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、危険なドライバーを付けて戦っているクローズとグリスは・・・・・・。

 

「ハァ!」

「ぐっ・・・!この・・・!」

「よっと!オラオラァ!」

 

クローズは『アタックモード』だが、完全にグリスに踊らされ、劣勢だった。

 

『アタックモード!』

「ハァ!」

「ぐっ・・・!オラァ!」

 

2人の武器がそれぞれの胸に当たり、ダメージを追うが・・・・・・。

 

「これだよこれ!()()が求めてたのはこういうバトルなんだよぉぉぉ!!」

 

むしろ、グリスは痛みを感じるどころかこの戦いを楽しんでいた。

 スクラッシュドライバーの副作用である『好戦的な気質』が出ているせいか、更に戦いを続ける。

 

「ハァ!オラァ!」

「フッ!ハッ!」

 

普段は『ビームモード』メインの戦いをするグリスも、今は近接戦を求め、クローズと対峙する。そして、クローズに自分の強さを証明するかのように攻撃する。クローズはその強さにやられ、倒れる。

 そしてグリスはツインブレイカーをビームモードに変え、

 

「最大!」

『シングル!』

「無限!」

『ツイン!』

「極致!」

 

ツインブレイカーに『ヘリコプターボトル』と『ロボットゼリー』を装填。クローズに技を放つ。

 

「これがオレの力だぁぁぁ!!」

『ツインフィニッシュ!』

「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

そして、クローズの変身が解除されてしまった。

 

戦友(とも)よ・・・・・・最期の時だ。」

『スクラップフィニッシュ!』

「くっ・・・!・・・・・・っ!?」

 

変身が解けた龍哉に向かってライダーキックを放とうとする龍哉。

 

 

 

 

 

「フッ!・・・・・・万丈!!」

 

その戦いが目に入ったジードはすぐに龍哉の前に立ち、

 

「オラァアアア!」

「フッ!・・・・・・ぐわっ!!」

 

左腕に付いているスマホでライダーキックを防ぐが、そのエネルギーに耐えられず、変身が解け、ボトルはグリスの足元に落ちた。

 

「・・・・・・なんで?」

「『死んでも誰も文句は言わねぇ』だと・・・?なら俺が言ってやる・・・・・・ふざけんな!」

 

龍哉が蒼空に思った疑問を言ったら、戦いが始まる前に蒼空に言った事を言われた。

 

「俺は誰も死なせない!敵も・・・・・・味方も・・・・・・!それが、俺の戦い方だ・・・・・・!」

 

ボトルを拾ったグリスは、蒼空の下に行き、立ち上がろうとする蒼空を踏み、地面に押し付けた。

 

「ぐわっ!!」

「蒼空・・・!」

「何寝言言ってやがる?『戦争』の意味が分かってんのか?オレたちはな・・・・・・()()()()をしてんだよ!!」

「ぐはっ!」

 

そのまま蒼空の腹を蹴った。その衝撃で、蒼空が持っていたボトルは全て三羽ガラスに回収されてしまった。

 

「やった!全部取り返した!」

「さすがお嬢ー!」

 

だが、グリスはここで終わらなかった。

 

「おい。」

 

蒼空の顔を掴み、自身の顔しか見えないように覗いた。

 

「花咲川のボトルはどこだ?」

「はぁ・・・、はぁ・・・。」

「・・・・・・チッ。」

 

何も答えない蒼空から手を離し、

 

「コイツらを片付けてさっさと花咲川に向かうぞ。」

 

三羽ガラスにそう告げるが、彼らの足元に銃弾が被弾した。

 

「・・・・・・あぁ?」

 

バイクでやって来たのは、紫色で1本角が特徴の、『ブル ウィンドフォーム』と後ろにヘルメットを付けて乗っている1人の女性だった。

 

「ふっ!」

「蒼空さーーーん!!」

 

後ろに乗っていたのは、美竹蘭で、手には『パンダ』と『ロケット』のボトル。

 

「あっ!」

 

蘭がボトルを蒼空に向けて投げる。そのラインでは、明らかにグリスの手に渡ってしまうが、グリスはボトルより投げた蘭たちの方をずっと見ていた。

 

「くっ!・・・・・・っ!」

『ロケットパンダ!イエーイ!』

「フッ!」

「うおっ!?あああああーーーーーー!!」

 

『ロケットパンダフォーム』に変身し、すぐに龍哉を抱えて戦線離脱した。

 

「・・・・・・っ!」

 

一瞬、ジードたちを見るが、すぐ目の前を通っていくブルと蘭に再び目が行く。

 

「あっ!逃がす――」

「っ!おい!」

「痛い!!」

 

ビームを放とうとするキャッスルを蹴りで止めたグリスは、変身を解除した。

 

「どうしたんですか、お嬢?」

 

三羽ガラスたちの声も聞いてない和美は、懐にあるスマホを取り出し、電源を入れた。

 

「あの女・・・・・・間違いない・・・・・・。あの人は・・・・・・。」

 

その画面には、ライブ中で、歌っているであろうシーンの()()()が表示されていた。・・・・・・しかも、ロック画面で。

 

「蘭先輩だ~~~!!」

 

・・・・・・三羽ガラスしかいないけど、この瞬間、和美の若干(?)のヲタク感が溢れ出た瞬間であった・・・・・・。

 

 

 

 

 




はい、グリス無双回でした。・・・・・・今回、10400文字だって。『長ぇ~。』って思ったでしょ?・・・・・・アタシも思った。

それとね、最後の『ボトルはどこだ?』のシーン。リメイク前は『昔一緒に遊んでいた蒼空がなんでライダーに!?』って感じだったけど、今回は『ただの美竹蘭ヲタク』にしました。・・・・・・花咲川の校長の娘って設定は変えてないけど。


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第22話 禁断のアイテム

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川と羽丘で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘の仮面ライダーグリスや、三羽ガラスと死闘を繰り広げるのだった。」
「あの娘、なんであんなに強いのかしら・・・?」
「娘さんとは連絡取ってないんですか?」
「取ってるわよ!・・・・・・でも、そんな話一切聞いてないのよ、こっちは。」
「・・・・・・反抗期とか?」
「15歳で!?・・・・・・まさか。」
「15歳でも反抗期になる人もいますよ。作者もその辺でなったけど、親の怖~い一言で表面で反抗するのを止め、減らず口が増えたって言ってたし。」
「・・・・・・じゃあ、あたしもそんな風に──」
「ライダーシステム持ってるから、止めとけ。では、第22話どうぞ!」







 俺たちは海璃や蘭のおかげでなんとかグリスたちから逃げきれた。

 

「仮面ライダーグリス・・・・・・あの強さは本物だ。」

「同じドライバーなのに、なんで龍君が負けちゃったの?」

「・・・・・・それだけ、向こうが場数を踏んでいるってことだろう。」

「だったら、こっちもどんどん戦って──」

「止めとけ。」

「あ?」

 

バカ含め、全員に伝えないとな。・・・・・・スクラッシュドライバーの副作用を。

 

「スクラッシュドライバーは、闘争本能を極限まで引き出すために、アドレナリンを過剰に分泌させる。その分身体にかかる負担も大きい。」

「ですが、主様。スクラッシュドライバーを使わなければ羽丘のライダーたちには勝てないのでは?」

「・・・・・・葛城が残したビルドのデータの中に、隠しコマンドを見つけた。」

「・・・・・・っ。」

「多分、ビルドドライバーの強化アイテムだろう。」

 

・・・・・・なんか夜華が変な反応をしたけど、まぁいいや。

 

「その鍵を開くパスワードを探し──」

「そんなことやってる暇ねぇだろ?」

 

・・・・・・確かに、時間はないさ。だけど──

 

「今度こそ俺がぶっ倒す。」

「・・・・・・俺たちが戦っているのは、『相手を倒すため』じゃない。『花咲川周辺の街を守るため』だ。」

「はぁ・・・、戦う事には変わりねぇだろ?」

 

このバカが・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 一方、羽丘女子学園周辺にある小さなアパートに住んでいる三羽ガラスと朝倉和美は・・・・・・。

 

「はぁ・・・、蘭先輩~・・・・・・。」

 

和美は昨日からずっと膝を抱えて携帯を眺めては、そう呟いていた。それを、ただ黙って聞いていた赤羽。

 

「・・・・・・はぁ~、なんでジードとつるんでんだよ~・・・・・・?」

 

これも、昨日からだ。

 ここで、アクセントを入れようと赤羽が発言する。

 

「ジードの彼女だったりして~?」

「んな訳ねぇだろ!!」

「うわっ!?」

 

突然起き上がり怒鳴る和美。・・・・・・驚くのも無理はない。

 

「蘭先輩はな・・・・・・みんなのカッコイイ先輩なんだよ!!」

 

・・・・・・ナレーションで言うのもアレだが、なんやねんそれ。」

 

「たっだいま~!・・・・・・あれ?どうしたの?」

「なんでもないよ。」

「あはは・・・。」(面倒くさ~い。)

 

黄羽と青羽もこのアパートに住んでいる。ここは、羽丘の校長から用意された場所だ。・・・・・・ただ、男3人と女子1人が1つの部屋なのはどうだろうか・・・?

 

「それより、ジードはいたのか?」

「収穫なしだ。」

「どこか地下にでも潜ってるんですかね~?」

 

そして、和美はある作戦を考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 世間は夏休みだが、俺たちはまた花咲川に来ていた。もちろん、状況を報告するため。だが、俺は中庭で夜華と話をしている。

 

「ほれ、頼まれてた武器(ビートクローザー)だ。」

「お手を煩わせて申し訳ございません。」

「別にいいさ。その代わり、聞きたいことがある。」

「なんでございましょうか?」

「あのビルドのデータ内にあった隠しコマンドのキーワードが知りたい。夜華なら何か知ってるんじゃないのか?」

「・・・・・・一度だけ、昔の主様は言ってました。『禁断のアイテムを創ってしまった』と。」

「禁断のアイテム?それって──」

 

詳しく聞こうとした時、腕の通信機が音を出した。

 

『和美たちが正門前に現れた。至急向かって!』

「・・・・・・話は後だ!」

「・・・・・・かしこまりました。」

 

俺はすぐに正門に向かった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 正門前ではキャッスルが光線を校舎に向けていた。

 

「もう一発かましとくか?」

「了解!」

 

グリスの指示で、再び校舎に放とうとするが・・・・・・。

 

「・・・・・・あぁ!アレ!」

「うっ、なんだよ?」

 

オウルが声を出し指を差した。その方角から、蒼空と海璃、龍哉が駆け付けてきたのだ。

 

「何しにきた!?」

「本丸に挨拶しに来たんだよ。・・・・・・ちょうどいい、お前に聞きたいことがあったんだ。」

「ん?」

 

グリスが聞きたかったこと、それは・・・・・・。

 

「蘭先輩とはどういう関係だ!?」

 

・・・。

 

「「「えぇ~!?」」」

「「「え~!?」」」

「この前のバトルで蘭先輩が助けに来たろ!?」

「あぁ~!アイツは・・・・・・別人だ。」

「別人?」

 

グリスの問いに他全員驚けば、蒼空の返事には龍哉と海璃が(バレない程度に)驚いた。

 

「うん。アイツ、蘭の事が好きでかなりマネしてるからさ、よく間違えられるんだよ。」

「なんだよ、ドキドキさせやがってよ~!」

 

凄く安心し、『蘭先輩』コールをするグリスたち。その隙に、

 

『海賊レッシャー!イエーイ!』

『ブル フレイム!』

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

 

3人はそれぞれのフォームに変身した。

 

「・・・・・・スッキリしたわ。」

 

じゃれ合いを終え、気持ちを切り替え、

 

「心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

戦いを開始した。

 

「万丈、ヤバくなったら必ず変身を解除しろよ。」

「蒼空はグリスを。私は万丈をフォローしながら。」

「・・・・・・頼む。」

 

クローズとブルは三羽ガラスと、ジードはグリスと戦いを始める。

 

「フッ!よっと、ハァ!」

「オラァ!ハァ!・・・・・・力がみなぎる!!」

 

 

 

 

 

「フッ!ハァ!」

「くっ!・・・・・・あん?」

『海賊電車!発射!』

「なっ!?・・・・・・ぐっ!」

「ビルドアップ!」

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

 

ジードはグリスを海賊ハッシャーで斬りつけて間合いを取り、必殺技を放った。グリスは若干だけ怯むが、ジードはその隙を逃さずにスパークリングに変身した。

 

「ぐっ!さすがはジード!色んな引き出し持ってんな!!・・・・・・今度はこっちから行くぞ!!」

 

ジードの技のバリエーションに感心したグリスは、『ツインブレイカー ビームモード』で反撃に出る。

 

「激昂!過激!陶酔!」

 

グリスが二字熟語を3種類言いながらジードを攻撃し、

 

『シングル!』

「行くぞぉぉ!!」

『シングルフィニッシュ』

「ぐっ!・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

ロボットゼリーを装填して放ったツインブレイカーの一撃が、ジードを襲う。ジードは武器などを使って攻撃を防ごうとするが、その威力に耐えきれず吹き飛ばされる。

 

 

 

 

 

 そして、クローズたちは・・・・・・。

 

「オラ!ハァ!」

「・・・・・・っ!万丈!そろそろ変身解除しないと!?」

 

「ぐっ!」

「俺たちの攻撃が効かねぇ!?」

「あ?・・・・・・何やってんだ?」

「え・・・?」

「・・・・・・オレが相手だ。」

『Ready Go!』

「上等だ!!」

 

ブルの静止を振り切り、グリスと技をぶつけようとするクローズ。

 

『レッツブレイク!』

「ハァァ!」

「ウラァァ!」

 

2人の攻撃は衝突したが、ぶつかった『もの』は相手の技ではなく、『全身赤の人物』だった。

 

「・・・・・・っ!アイツは・・・!?」

「ふっふっふ~!やってるな~?」

 

その人物は、スタークだった。

 

「スタークさん!どうしたんすか!?」

「スターク!?」

「お前たちのハザードレベルを整理しようと思ってな~。」

 

すると、スタークは高速で移動しつつ、全員の体のどこかに触れていった。

 

「よっと!お前(キャッスル)のハザードレベルは、3.7!3.6(オウル)3.7(スタッグ)4.2(グリス)!」

 

羽丘陣のハザードレベルを言うと、次はジードたちのハザードレベルを言う。

 

3.9(ロッソ/ブル)3.9(ジード)4.0(クローズ)!それが、お前たちの現在のハザードレベルだ!・・・・・・蒼空!万丈に超されちまったな!万丈(こいつ)を止めるのは至難の業だぞ?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「今日はお開きだ!羽丘校に戻るぞ!」

「・・・・・・何言ってんだ?帰るなら1人で帰れ。」

「俺の命令は校長の命令だ!」

「・・・・・・チッ!」

 

スタークは普通に歩いて帰っていく。

 

『ディスチャージボトル!』『潰れな~い!』

「・・・・・・・・・・・・。」

『ディスチャージクラッシュ!』

「あっ!お嬢待って!」

 

グリスは『ケシゴムボトル』を使ってその場から(三羽ガラスと共に)姿を消した。

 

「・・・・・・ふぅ~。」

 

ジードたちも変身を解除した。

 

「・・・・・・っ!」

「・・・・・・ん?おい、大丈夫か?」

「問題ねぇ・・・・・・!」

 

龍哉はふらつきながら蒼空の家に帰っていった。

 

「・・・・・・やっぱり、スクラッシュドライバーのせい?」

「・・・・・・だろうな。」

 

蒼空と海璃は校舎内に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 俺たちは街の大きな施設のあちこちにボトルを隠した、花咲川女子学園の校長と協力して・・・・・・。

 だが、情報がどこからか漏れていて、ボトル保管場所に必ずグリスたちが現れた。俺たちは駆け付けるがボトルは奪われてしまう。

 そんな時に起きたのは、ボトルを奪われるだけではなかった。

 

「これからは、『ハードスマッシュ』改め『()()()()スマッシュ』だ!」

 

三羽ガラスは何かしらの力を得て、『ハードスマッシュ』から『ハザードスマッシュ』にパワーアップしていた。その力は、『スパークリング』でもギリギリなんとか戦えていたのに、対処出来ない力にまで成長していた。

 

 

 

 そして、万丈にも・・・・・・。

 

「俺が戦争を終わらせる!!俺が!・・・・・・俺がーーー!!」

 

万丈は『戦争を終わらせる』の一点張りでスクラッシュドライバーを使って戦い続けていた。

 

 

 

 そして、俺にも・・・・・・。

 

「あ~あ~!やっぱろこうなっちまったな~。」

「・・・・・・っ!スターク・・・!?」

「予想通り暴走しちまったな~。」

 

万丈を止められずに立ち尽くしていた時、スタークが現れた。

 

「どうすればあいつの力を止められるか、教えてやろうか?」

 

そう言って、スタークは赤い装置を取り出した。

 

「葛城が残した()()()()()()()・・・・・・『ハザードトリガー』。」

「・・・・・・っ!」

「よっと。」

 

スタークはその装置を俺に投げ渡した。

 

「っと!?これが・・・・・・禁断のアイテム?」

「それをビルドドライバーにセットすれば、今より強大な力が手に入る。暴走した万丈も止められる!」

「・・・・・・『禁断のアイテム』ってことは、その代償もあるんだろ?」

「ふっふ~ん。正解!」

 

笑顔で言うな。

 

「それを装着し続ければ、自我を失う。」

「・・・・・・っ!?」

 

そして・・・・・・それを持ち帰り、研究データでハザードトリガーを調べた。

 

『戦闘が長くなれば脳が刺激に耐えられなくなり理性を失う。その瞬間、()()()()()()()()()()()()()。』

 

まさかの能力だった・・・・・・。

 

 

 

 さらに。今現在、教頭だった氷室幻徳を崇拝していた者たちが羽丘女子学園へ独断で攻め入っていた。その中には、万丈もいた。

 

「俺が戦争を終わらせるんだ・・・・・・!」

 

万丈は、『自分のせいで戦争が始まったんだと思っている蒼空のために、俺が早く戦争を終わらせる』という理由で戦っている。

俺はそれでも身体に負担をかける万丈を止めるため、俺は出来る限りの行動を取る。

 

『ホークガトリング!イエーイ!』

「フッ!」

「ぐわっ!」

「止めろ!もう止めるんだ!」

「うっせぇ!邪魔だァ!」

 

頑張って止めようとするも、万丈を止めることは出来なかった。

 

「俺は勝つ!戦争を終わらせるために、勝ち続ける!!」

「っ!万丈!!」

 

どれだけ言っても、万丈には届かなかった。そして、暴走した花咲川軍を倒してきたハザードスマッシュ3体と戦う。

 

 

 

 俺の脳裏に、万丈との思い出が思い出されていた。その記憶内には、喧嘩した記憶が少しと、楽しかったり、協力したりした記憶が大半だった。

 

「・・・・・・筋肉バカが・・・・・・泣かせる事しやがって・・・・・・!」

 

俺は、暴走した万丈を()()()止める事が出来る力を使う。

 

『ハザードオン!』

「・・・・・・俺がお前を止める。・・・・・・この身をかけても!!」

 

俺はハザードトリガーをドライバーにセットし、2本のボトルをセットする。

 

『ラビット!』『タンク!』

()()()()ベストマッチ!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 ガタガタゴットン!ズッタンズタン!・・・・・・』

 

レバーを回すと、いつも鳴らなかった音声が鳴り響く。そして、前と後ろに黒いプレス機が現れた。

 

 

 

『Are You Ready?』

「変身。」

『アンコントロールスイッチ!

ブラックハザード!

ヤベーイ!』

 

 

 

 

 

この変身が、取り返しのつかない最大の分岐点となっていた事を、この時の俺は知る事は出来なかった。

 

 

 

 

 




ごめんなさい、(リメイク前にもやりましたが)今回はだいぶカットしました。・・・・・・このフォームまで出すのにまだ数話かかるから、書いてたら。・・・・・・多分、3話くらい?

それに、今回は5000字以下です。

面倒だから、説明します。
グリスは現在少々動けなくなっていて、海璃は花咲川で護衛をしています。

それでは!・・・・・・次回、必ず暗くなります。察するはずですが・・・・・・。

それとさ、『FIRE BIRD』のフルがムズい。・・・・・・ハードすらフルコン出来へん!


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第23話 ハザードは止まらない

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園と羽丘女子学園で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘の仮面ライダーグリスや三羽ガラスからの進行を防いでいたが、万丈の暴走を止めるため、禁断のアイテムを使うのだった・・・・・・。」
「花咲川の軍が羽丘に進行中とは本当なの!?」
「羽丘の多治見校長!?ソンナジジツハ、ゴザイマセン!」
「私にそんなセリフが通用すると思ってるの!?」
「第23話で何とかしますから!!」







『Are You Ready?』

「変身。」

『アンコントロールスイッチ!

ブラックハザード!

ヤベーイ!』

 

悲劇の引き金を引いた蒼空は、『仮面ライダージード ラビットタンクハザードフォーム』へと変身した。

 

「あぁ!?」

「何なの、あの黒いジードは!?」

 

戦いを繰り広げていたクローズと三羽ガラスも、聞きなれない音の方を見ると、全身黒で、赤と青の複眼が付いたジードが目に入った。その姿は、まるで実験に失敗し、ボロボロの恰好をしている科学者・・・・・・のようだった。

 

「あれが・・・・・・禁断のアイテム・・・・・・?」

 

クローズは察した。あのアイテムを一度だけ見ていたから、あのアイテムが『葛城が残した禁断のアイテム』で、それを使って蒼空が変身した事も・・・・・・。

 

「行くぞ、黄羽!」

「おう!」

「・・・・・・っ、ハァア!」

 

キャッスルとオウルが黒いジードに攻撃を仕掛ける。ジードも、『それに迎え撃つ』と言わんばかりに拳を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、氷室幻徳を崇拝していた『花咲川過激派グループ』の罠にかかり、一撃必殺の技を使った和美は、なんとか体が動くようになった。

 

「くっ・・・!ようやく動ける・・・・・・。」

 

その瞬間、何かを感じ取った。

 

「何、この感じ・・・・・・?凄く、嫌なことが起きそうだ・・・・・・。」

 

和美はすぐさま羽丘方面へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、廃棄された建物内で戦いを繰り広げるライダーたち。クローズ対スタッグ、ジード対キャッスル&オウルで交戦している。クローズとスタッグはほぼ互角の戦いを繰り広げるが・・・・・・。

 

「フッ!ハッ!」

「ぐわっ!!」

「ぐっ!このーーー!!」

「・・・・・・フッ!」

「ぐわぁあああ!!」

 

今までより力が増したジードの前に、2体のハザードスマッシュは手も足も出なかった。

 

「オリャア!!・・・・・・っ!」

「っ!?・・・・・・くっ!」

 

スタッグを怯ませたクローズはすぐさま羽丘に向かおうとするが、ジードがクローズの前に立った。

 

「羽丘には行かせない!!」

「俺が戦争を終わらせるんだ!!」

 

すると、クローズの拳がジードを襲う。

 

「俺の邪魔をする奴は、誰であろうと、容赦しねぇ!!」

「くっ・・・!目を覚ませ!!・・・・・・あっ!?」

 

クローズを足で押し返したジードだが、その直後、頭痛が襲い始めた。

 

「うっ・・・・・・意識、が・・・・・・!?」

 

この頭痛の原因は、ハザードトリガーだ。

 

 ハザードトリガーを使い続ければ、脳が刺激に耐えられなくなり理性を失う。

 

「っ・・・・・・。」

『ビームモード!』

「オラァ!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

その瞬間、目に映るもの全てを・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《破壊》する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クローズが放ったビームは、ジードや、ジードの上にあった電球に当たり、電球はきしむような音を上げながら揺れていた。

 そして、ジードも静かに顔を上げる。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あぁ!?」

 

スクラッシュドライバーの影響からか、蒼空のために戦っていても、その蒼空を攻撃してしまっていた。だが、喋るどころか、ピクリとも動かないジードには疑問を持った。そして、ジードが顔を上げた瞬間・・・・・・

 

 

 

 

 

蒼空(ジード)破壊兵器(ジード)として、

活動を開始する。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「っ!?ぐわっ!!」

 

突如走り出したジードは、油断していたクローズの腹部を殴り、宙へ浮かせた。

 

『マックスハザードオン!』『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Ready Go!』

 

だが、1発だけでは終わらなかった。ジードはトリガーの出力をさらに上げて、クローズに3回、パンチとキックを叩きこみ、変身解除させた。

 

『オーバーフロー!ヤベーイ!』

「ぐわぁあああ!!がぁ・・・・・・くっ・・・!?」

 

これで当初の・・・・・・蒼空(ジード)の目的は達成された。だが、破壊兵器(ジード)の使命は・・・・・・ハザードは止まらなかった。

 

「ひっ!?」

 

オウルが一瞬悲鳴を上げた。それもそのはず。先程、仲間だったクローズをたった4回の攻撃で変身解除させたライダーが静かにこちらに向いたからだ。

 キャッスルたちも、目の前の『黒き破壊者(ハザードフォーム)』に恐怖を覚えた瞬間、ジードはスマッシュたちを襲った。

 

「「ぐわぁあああ!!」」

「なんだよ、この強さ・・・!?」

「この前どころか、さっきと全然違う!?」

 

吹き飛ばされたキャッスルとオウルは、ハザードの力に驚きながら、後退る。

 

 ハザードトリガーは、装着し続ければ暴走する。だが、その分ハザードレベルが上がる。今のジードは、時間が経てば経つほど、ハザードレベルが上がっていく。

 

「オラァア!!」

 

静かにキャッスルたちに近付くジードの背後を取ったと思ったスタッグを上から攻撃を仕掛けるが、

 

「ぐおっ!?がはっ!?」

 

ジードはスタッグを見ずに拳を後ろに突き出し攻撃、そのまま3体を破壊し始める。

 

「ぐわっ!!」「がはっ!?」「「ぐわぁあああ!!」」

 

ジードの連撃によって強制的にスマッシュ体が解除される赤羽と黄羽。

 

「危ねぇ・・・!!」

「死ぬとこだった・・・!」

 

ハザードトリガーの成分を体内に取り込んだハザードスマッシュたちは、倒されれば肉体が消滅する。・・・・・・つまり、『負ければ死ぬ』のだ。和美と『必ず死なない』と誓った三羽ガラスにとって、『死ぬ』ことは『和美を裏切る』ことを意味していた。

 

 そして、今この場にやって来た和美。だが、和美はすぐに理解した。変身しているジードとスタッグ、膝をついている赤羽と黄羽、ふらつきながら建物に手を付いている龍哉。

 

「ぐっ!は、放せ・・・!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

『マックスハザードオン!』

 

だがここで、和美が先程抱いた嫌な感じが・・・・・・現実に現れようとしていた。

 スタッグの頭部を持ち、動きを封じるジードは、無言でトリガーのスイッチを押し、ドライバーのレバーを回す。

 

「マズイ!逃げろーーー!!」

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!・・・・・・』

『Ready Go!』

 

和美の声はきっとスタッグとジードに届いている。スタッグは逃げることが出来ず、『誰も死なせない』と言っていたジードは、まるでトドメを刺すかのような行動をしていた。

 

「くっ!」

 

和美はスタッグを守るため、走りながら変身をする。

 

『オーバーフロー!ヤベーイ!』

「ぐわぁあああ!!」

 

左腕からスタッグにエネルギーを流すジード。その効果は、『体内に電流を流し込み、敵の装甲を体内から破壊する』というものだ。そして、(見た目では分からないが)装甲が薄くなった相手に、

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!・・・・・・』

「止めろーーー!!」

「ぐっ・・・!」

『Ready Go!ハザードフィニッシュ!』

「ぐおっ!!」

 

ライダーキックを放つ。・・・・・・そして、狙った場所は、元々装甲の薄く、攻撃でさらに装甲が薄くなった首元だった。

 

「はっ!?」

「あ・・・・・・。」

 

スタッグはそのまま仰向けに倒れた・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あっ!?」

「っ!」

 

破壊兵器(ジード)は留まる事を知らず、変身解除された赤羽と黄羽に向け、歩き始めた。

 

「止めろ!!蒼空!!」

 

怯える2人の前に龍哉が入り、ジードを止めようとするが、

 

「っ!?ぐわぁ!!」

『ディスチャージボトル!』

 

呆気なく投げ飛ばされるが、

 

『ディスチャージクラッシュ!』

「ウラァアアア!!」

 

その隙にグリスが、奪った『ロックボトル』でジードを攻撃し、変身解除させた。

 

「・・・・・・ぐっ!?」

「そ、蒼空・・・・・・!?」

 

意識を取り戻した蒼空は、状況を知ろうとしたが、

 

「おい!」

「・・・・・・?」

「おい!・・・・・・おい!!しっかりしろ!!」

「・・・・・・し、心配だなぁ・・・。」

「え・・・?」

「お、お嬢は・・・・・・俺がいねぇと何にも出来ねぇから・・・・・・。」

「・・・・・・!」

「何があっても・・・・・・一緒ですよ・・・・・・。」

 

和美はスタッグ・・・・・・青羽からドッグタグを受け取ったが、青羽は青色の粒子となって、消滅した・・・・・・。残されたのは、ドッグタグと『スタッグボトル』だけだった・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「嘘だろ・・・・・・!?」

「うぅ・・・・・・!」

 

和美はドッグタグを握ったまま、動かなかった・・・・・・。

赤羽と黄羽は、仲間を失った悲しみを顕わにした・・・・・・。

 

 そして、自我を失いながらスタッグにトドメを刺した蒼空(ジード)は・・・・・・。

 

「・・・・・・っ!」

 

状況を知ろうとする前に、状況を思い知らされた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

「・・・・・・っ。」

 

息が荒くなりながら龍哉を見ても、龍哉は目を背けてしまう。思い知らされた現実の中で、蒼空が自我を取り戻して放った一言が・・・・・・、

 

「・・・・・・俺がやったのか・・・!?」

「・・・・・・うわあああ!!」

「うおおおおお!!」

 

赤羽と黄羽の感情を、『悲しみ』から『怒り』に変わった。すぐさま蒼空に殴りにかかる。

 

「放せ、お嬢!!放せよ!!」

「ふざけんな!・・・・・・ふざけんな!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

だが、2人の怒りを和美が止めていた。

 

 花咲川の過激派グループの羽丘への進行は、ハザードスマッシュやグリス、ジードの乱入によって阻止された。だが、この戦いに勝利者がいたとしても・・・・・・誰も喜ぶ者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 私たちビルドシステムのライダーたちは、花咲川の軍事兵器としての起用を解除されて、1週間が経った。・・・・・・蒼空がハザードトリガーを使ったあの日から。リトルスター以外のボトルは、校長に渡した。だけど、羽丘はボトルの強奪という進行は止まらなかった。

 

「・・・・・・蒼空さんって、もうライダーにならないの、かな・・・?」

「変身しようにも、ビルドのボトルは花咲川に返しちまったからな。」

「・・・・・・それに、今の蒼空は、戦える状態じゃないから・・・・・・。」

 

沙綾の問いかけに万丈と私が答える。

 

 蒼空は、あの戦いの後、部屋に籠り続けている。何も食べずに。・・・・・・きっと、睡眠すら取ってないと思う。

 

「・・・・・・俺が自分の力を制御出来ていれば・・・・・・あいつを傷つけずに済んだのに・・・・・・。」

「龍君・・・・・・。」

「・・・・・・っ、目撃情報!あ、ごめん・・・。」

 

有咲が携帯で、グリスたちの目撃情報を見つけたらしい。・・・・・・でも、この空気を察したのか、申し訳なさそうにする。

 

「・・・・・・何処だ?」

「万丈?」

「教えろ・・・・・・。」

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ボトルの保管場所である博物館に、グリスたちはいた。・・・・・・主に、赤羽と黄羽が暴れているが。

 

「・・・・・・!」

 

そこに、龍哉はやって来た。

 

「ジードはどうした?」

「・・・・・・お前らの相手は、俺だけで十分だ!」

『ドラゴンゼリー!』

「変身・・・!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

「青ちゃんの仇ー!!」

 

和美は奪ったボトルを片手に、スマッシュとクローズの戦いを見ていた。

 

「花咲川は、俺が守る!俺が!・・・・・・俺がーーー!!・・・・・・っ!」

 

その時、クローズの脳裏に一週間前の戦いがよぎった。

 

 ジードがスタッグにライダーキックを決め、スタッグが消滅した事を・・・・・・。

 スタッグが消滅した事によって、蒼空の心が壊れてしまった事を・・・・・・。

 自分が力を制御出来ず、蒼空を傷つけた事を・・・・・・。

 

「はっ・・・、くっ・・・!」

 

クローズの攻撃が、止まった。

 

「「ハァアアア!!」」

「ぐわぁあ!!」

 

キャッスルたちの強力な一撃で、変身が解除された。

 

「なんで攻撃を止めた!?舐めてんのか!?」

「止めろ!・・・・・・行くよ。」

 

和美はキャッスルたちに止めるように言って、この場を去ろうとする。

 

「・・・・・・悪かった・・・!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「俺のせいで・・・・・・お前たちの仲間を・・・・・・!」

 

その言葉を聞いた和美は、龍哉の下に行き、蹴った。

 

「ぐっ!・・・・・・っ!?」

「半端な覚悟で戦場に戻って来ないで。」

 

それだけ言って、和美たちは立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 万丈がまたグリスたちと戦った次の日。蒼空の家に花咲川の校長がやって来た。『蒼空と話がしたい』と。

 

「っ・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

校長は目を疑っていた。・・・・・・無理もないよね。私だって驚いたよ。蒼空が、痩せていた。それも、悪い意味で。

 

「・・・・・・代表戦ですか?」

「・・・・・・え、えぇ。」

 

すると、校長はボトルを取り出し、机の上に置いた。

 

「あなたから預かったボトルよ。・・・・・・あなたの気持ちは察するけど、これは花咲川のみんなのためなの。お願い、わたしたちに力を貸して!」

もう・・・・・・戦いたくないんです・・・・・・。

 

弱々しく言葉を発した蒼空は、静かに外に出て行った。

 

「主様・・・・・・。わたくしはこれで、失礼いたしますわ。」

 

夜華さんは蒼空を追いかけていった。

 私たちは、ただ立ち尽くすしかなかった・・・・・・。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 主様に声をかけずにひたすらついていき、辿り着いたのは、スタッグスマッシュ・・・・・・青羽が消滅した場所でした。

 

はぁ・・・、はぁ・・・、

 

少し後ろで見ていますが、手だけではなく、体全体が震えながら手を合わせています。

 

「・・・・・・っ、わぁあああ!!?」

「主様?・・・・・・大丈夫ですか!?」

「うぅ!?・・・・・・はぁ・・・、はぁ・・・、ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!俺は、なんてことを・・・・・・!」

 

多分、幻覚でも見たのでしょう。わたくしからは何も見えませんでした。ですが、嘔吐をしようとするが、何も口に含んでいない主様は、吐き気だけで終わってしまいまして、ずっと謝っていました。

 

「・・・・・・なんだ、先客がいたんだ。」

「っ!・・・・・・仮面ライダー、グリス・・・!?」

「安心しな、今日は戦いに来たんじゃない。」

 

その手には、青色の花がありましたので、戦いに来たのではないと理解出来ました。

 

「・・・・・・っ、殴ってくれ・・・!」

 

主様はグリスの服を掴み、謝りの言葉を並べ始めました。

 

「俺は、お前の仲間を殺した・・・・・・!謝って許されることじゃない・・・・・・!だから、好きなだけ殴ってくれ・・・・・・!」

「・・・・・・代表戦のことは聞いたでしょ?そこで思う存分殴ってあげる。」

「俺は出ない!!」

「だったら花咲川はボクたちが、赤き鋼ごと貰うよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

グリスは花を添え、手を合わせた後、立ち上がりました。

 

「『哀川修也(あいかわしゅうや)、それがスタッグ(アイツ)の名前だよ。他人のために涙を流せる仲間思いの良い人だった。・・・・・・アナタは何も悪くない。修也さんが弱かったから負けた、それだけだ。戦争なら誰かが死んでも誰も文句は言えない。・・・・・・アナタより年下だけど、ボクは戦争の意味は分かる。」

 

主様は未だに顔を上げません・・・・・・。

 

「・・・・・・でも、アイツがボクたちにとって大切な仲間だった事には変わらない。だから・・・・・・」

 

グリスは主様の横でしゃがみ、主様の腕に拳を当てます。

 

「・・・・・・ボクは心火を燃やしてアナタを倒す・・・・・・!」

 

グリスはその場を去っていく・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、わたくしたちは人のいない公園に来ていました。その理由は・・・・・・。

 

「よぉ!代表戦、辞退したんだって?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

石動惣一に呼ばれたから、という理由でした。

 

「・・・・・・ふっ。」

「・・・・・・何がおかしい?」

「まだ分からないようだな。いいか?消滅した青羽もお前も、ネビュラガスを注入された時点で既に人間じゃないんだよ!だから、お前は兵器を壊したにすぎない!・・・・・・それとも、本当に誰も死なせないと思っていたのか?だったら、能天気にも程がある。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・確かに、ネビュラガスは人体には凄く悪影響を及ぼすものです。わたくしたちはそれに対応出来たので、変身出来る状態となりました。

 

「お前が代表戦に出ないのは勝手だ。その代わり、誰が代表戦に出ると思う?・・・・・・万丈だ。」

 

なるほど、確かにハザードレベルを考えると、海璃様より万丈様の方が適任ですわね。

 

「あいつは、今回の件でお前に負い目を感じているはずだ。だが、今の万丈ではグリスには勝てない。そうなったら、花咲川の連中は寄ってたかってクローズを責めるだろう。」

「っ・・・・・・。」

「お前が戦うしかないんだよ。・・・・・・お前にも分かってるはずだ。だから何かを期待してここに来たんだろ!?」

「・・・・・・うっせぇー!」

 

主様が石動を殴りかかるが、今の主様では拳を当てることは出来なかった。逆に腹部に拳を受けてしまった。

 

「・・・・・・どうすればいい・・・?どうすればいいんだよ!?」

「お前がグリスに勝てばいい。」

「・・・・・・無理だ・・・!」

「また自分を失うのが怖いのか?・・・・・・安心しろ、勝つ方法はある。」

 

石動は持ってきていたアタッシュケースを開け、主様に見せた。

 

「フルボトル!?」

「このボトルを貸してやる。代表戦が始まるまでの1週間で、このボトルを完璧に使いこなせ。」

『コブラ!』

 

すると、石動はスタークに変身しました。

 

「立て。俺と戦えばボトルの成分を活かした戦い方を見つけることが出来て、ハザードレベルも上がる。レベルが上がれば、ハザードトリガーも使いこなせるかもしれない。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「何を躊躇っている!?お前には守るものがあるんじゃないのか!?自分が信じた正義のために戦うんじゃないのか!?それとも全部嘘だったのか!?」

 

主様・・・・・・。

 

「・・・・・・最悪だ・・・。こんなに痛くても・・・・・・苦しくても・・・・・・戦うしかないのか・・・・・・?」

 

主様はドライバーを巻き、

 

『フェニックス!』『掃除機!』

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

とても、重い気持ちを抱え込む形で、変身しました。

 

「・・・・・・うおぉぉおおお!!」

 

今日この瞬間から1週間、主様のハザードレベルを上げる訓練が、始まりました。

 

 

 

 

 




リメイク前はね、クローズとキャッスルたち2体のハザードスマッシュの戦闘シーンは無かったんです。

それとさ、元凶からの説教シーン、ビルド21話とリメイク前のその回を見ながら書いてましたけど、リメイク前の内容が酷かった!・・・・・・全然、読んでて『なんやねん、これ!?』って思いましたよ・・・・・・。


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第24話 Tearsビクトリー

昨日、Rausch見てきたよー!

色々ネタもゲットできたし。・・・・・・今月リアルの休みが少な過ぎるアタシなんだから、これくらい許して?サボりたくてサボってる訳じゃないから!・・・・・・昨日投稿しなかった理由は、後書きにあります。

ついでに、今日はAfterglowのイベント行ってきます!

それでは、本編どうぞ!




















「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園と羽丘女子学園で戦争が勃発した!仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘のスマッシュを消滅させて、戦意喪失していたが、花咲川を守るために、羽丘の仮面ライダーグリスとの代表戦に挑むのだったぁぁあああ!!」
「なんでマスター(スターク)があらすじ紹介するんだよ?」
「良い声してんだろ?へへっ、声の仕事は得意なんだよ!」
「仕事とか言うなよ・・・・・・。」
「さぁどうなる第24話!!」







 あれから1週間、花咲川女子学園の運動場には1つのリングが建てられていた。その中には、桐生蒼空と、朝倉和美が向かい合っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

『これより、花咲川女子学園と羽丘女子学園の代表戦を開始する!勝負の結果は、降参、戦闘不能、ライダーシステムの解除によって決める!』

 

リングに一番近い審判が、大声で試合のルールを説明している。

 

 

 

 

 

 この戦いに、リング付近に海璃とPoppin'PartyとAfterglow、赤羽と黄羽がいた。

 

「蒼空君・・・・・・。」

「あいつ、大丈夫かよ?」

「きっと大丈夫だよ・・・・・・。」

 

「蘭ちゃん、あの人って・・・・・・?」

「うん、あの時助けてくれたライダーだよ。」

 

そして、各学校のサイトからこの戦いを中継している。

 

龍哉・・・・・・。

 

「蒼空・・・・・・。」

 

友希那とリサも・・・・・・。

 

「・・・・・・彼が、ビルド。」

「へ~、この人なんだ~。」

 

その他、各学校の生徒たちがこの戦いを見ていた。

 

 

 

 

 

『それでは両者、構えて!』

 

その合図と共に、2人はドライバーを装着した。

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

「変身!」

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

「っ・・・・・・。」

『ロボットゼリー!』

「変身!」

『ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

和美は青いドッグタグを見て、グリスに変身した。

 

そして・・・・・・

 

『始めぇ!!』

 

「うおおおおお!!」

「オラァアアア!!」

 

2人のライダーによる戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 この戦いに蒼空が出た理由は、前日に遡る。

 

「どういう事だよ!?」

 

この時、蒼空が『代表戦には俺が出る』と言った後だ。

 

「代表戦は俺が出るはずだろ!?なんでお前が出るんだよ!?」

「万丈落ち着きなよ!!」

「落ち着いてられっか!!」

 

nascitaにいる蒼空、龍哉、海璃の3人で会話をしていた。

 

「・・・・・・お前じゃ勝てない。」

「んだと・・・!?」

「スクラッシュドライバーが怖いんだろ?制御が効かない恐怖を克服しない限り、勝ち目はない。」

「それはお前だって同じだろ!・・・・・・ハザードトリガーを使えば、また暴走す──」

「だから使わない!」

 

蒼空は龍哉の言葉を遮った。

 

「別の方法で勝利の法則を導く。」

「そんな上手くいく訳ねぇだろ!?」

「ったく、キーキーうるさいねぇ。ほら、コーヒーでも飲むか?」

「誤魔化すなよ!・・・・・・人の気も知らねぇで・・・。

 

龍哉はボソッと言ってスカジャンを持ってどこかへ出かけてしまう。

 

「勝手にしろ!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「蒼空、万丈は蒼空の事を思って──」

「分かってるよ!」

 

そして、海璃の言葉さえも遮った。

 

「・・・・・・痛いくらい。」

 

何故なら、その理由が分かっていたからだ。

 

「・・・・・・海璃、お前に頼みがある。」

 

そして、蒼空は銀色の・・・・・・謎のアイテムを海璃に渡した。

 

 

 

 

 

 海璃は、昨日の夜蒼空から貰った銀色のアイテムを握りしめ、この戦いを見守っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

海璃の視線の先には、『ツインブレイカー』と『ジードクロー』をぶつけ合いながら、戦いを繰り広げているジードとグリス。

 

「オラァア!」

「フッ!」

「くっ!?・・・・・・っ、何!?」

 

グリスから距離を取ったジードは、赤と緑のボトルを取り出した。

 

『ローズ!』『ヘリコプター!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『情熱の扇風機!ローズコプター!イエーイ!』

 

「あれは!?」

 

「・・・・・・っ!?」

 

ジードが使ったボトルは、元々羽丘に支給されたボトルだから、羽丘の三羽ガラスやグリス、校長までも驚きを隠せなかった。

 

「フッ!」

「くっ!?・・・・・・なんでお前がオレたちのボトルを持っている!?」

『トラ!』『UFO!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

『未確認ジャングルハンター!トラUFO!イエーイ!』

 

ジードはさらにボトルチェンジをした。

 

「・・・・・・フッ!」

「くっ!?・・・・・・っ!?」

「ハァア!!」

「ぐわっ!?」

 

『ローズコプターフォーム』ではバラの棘とヘリコプターのプロペラで攻撃、『トラUFOフォーム』ではエネルギー体のUFOに乗り、トラの爪で攻撃。ベストマッチだから出来る攻撃パターンで、グリスを圧倒していく。

 グリスは疑問に思った。こちらは花咲川からボトルを盗んだ。だが、こっちは1本も盗られていない。それに、戦争に入って来てない星導館のボトルまで持っている。・・・・・・答えはすぐに出た。

 

「くっ!?今度は星導館のボトルかよ!?・・・・・・スタークか。」

 

 

 

 

 

「ビンゴー!」

 

羽丘の校長室で中継を見ているスタークと多治見校長。スタークはグリスの予想に答えていた。・・・・・・もちろん、グリスには聞こえていないが。

 

「なんでうちのボトルを・・・・・・!?」

「まぁいいじゃねぇか!グリスが勝てば全部アンタのものだ。」

「・・・・・・っ!」

 

 

 

 

 

 グリスはカメラ越しにスタークを睨むが、まだ戦いは終わっていない。

 

『クジラ!』『ジェット!』『ベストマッチ!』

「・・・・・・っ!」

「ビルドアップ!」

『天駆けるビッグウェーブ!クジラジェット!イエーイ!』

 

ジードは『クジラジェットフォーム』に右手を床に付ける。グリスはそれより先にツインブレイカーから銃撃を放つが、ジードに届く前に、床から噴き出した水によって阻まれた。

 『クジラジェットフォーム』は、クジラの力で水を操ることが出来る。

 

『ビームモード!』

「ウラァ!」

「ハァ!」

 

さらに水を地面から噴き出させ、グリスを宙に浮かせる。さらに、水の塊をジェットの力でグリスに向け放つ。

 

「ぐわぁあああ!!」

『キリンサイクロン!』

 

さらに追撃するために『キリンサイクロンフォーム』に変身したジードは、『扇風機』の力で空を飛び、

 

『Ready Go!ボルテックフィニッシュ!』

「ハァア!!」

「ぐはっ!」

 

右腕に付いたキリンの首を模したアームでリングに叩き落とす。

 

「ふっ。」

「ぐっ・・・!強いな・・・・・・!」

 

「お嬢!!」

 

「・・・・・・でもな、オレも半端な覚悟じゃねぇんだよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ボクが3人に出逢ったのは、この前の3月だった。場所は病院だった。なんで病院にいたのかは分からない。疑問のまま、2週間入院していた。

 

 ボクはその病院で、あの3人に出逢った。3人は難病を抱えていて、余命はあとわずからしい。入院中の間、ボクは3人と仲良くなった。ボクより年上で確か24歳とか言ってたな・・・・・・。

 

 ボクはその内に退院したけど、それからも3人のお見舞いに行っていた。だけど、その内、学校・・・・・・羽丘女子学園から兵器になれと言われた。ボクはその代わりに、学校に要求を出した。

 

「3人のことはなんとかしてくれるんだよね?」

「あぁ。学校が政府に言って、責任を持って対応する。」

「・・・・・・これで、ボクは学園戦争の兵器になるのか。」

「どうする?記憶も消すことも出来るが──」

「必要ない。・・・・・・ボクが全部背負う。」

 

そして、ボクは人体実験を受け、記憶を失くしたフリをして、今日まで戦ってきた。

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ジードは反撃の隙を与えないように、さらに攻撃を仕掛けるが、

 

「フッ!ハッ!」

「くっ!」

「っ・・・・・・何!?」

「逆襲!反撃!・・・・・・復活の狼煙だーーー!!」

 

ここからグリスが、反撃に出る。

 

 グリスが戦う理由、その中には『自分に言わずに人体実験をして、戦う道を選んだ3人を守る』だった。

 

「熱情!激情!無情!」

『スクラップフィニッシュ!』

「オレの前にひれ伏せーーー!!」

「ぐわぁあ!!」

 

ビルドシステムは、他のライダーシステムより変身者の感情=ハザードレベルに関係している。そのためか、ベストマッチによりハザードレベルで測れない力を持っているジードを退ける力で対抗する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして。この戦いを見ている羽丘女子学園の多治見校長とスターク。

 

「やっとエンジンがかかったようね~。」

「・・・・・・そう言えば、羽丘の軍はどうした?」

「あなたの言う通り、花咲川へ向かわせたわ。・・・・・・もしもグリスが負けたら、全勢力を持って、花咲川を潰す。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Ready Go!』『Ready Go!』

 

ジードは『スパークリングフォーム』に変身、ドリルクラッシャーに『カブトムシボトル』を装填して、床からカブトムシの角のエネルギーをグリスにぶつける。それには、スパークリングのエネルギーも加わっている。

 

「ハァアアア!!」

『ボルテックブレイク!』『スパークリングフィニッシュ!』

「ぐっ!ぐっ・・・・・・ぐはっ!」

 

グリスはそれをもろに受けた。

 

「くぅ・・・・・・これだよ、これ・・・!これがオレの求めてた祭りだーーー!!」

 

グリスは叫びながら天高く飛び上がる。

 

「っ!フッ!!」

 

「ハァアアア!!」

「ウラァアアア!!」

 

ジードも飛び上がり、ライダーキックを放ち、互いにダメージを負い、リングに落ちる。

 

「くっ・・・!」

「っ・・・・・・灼熱!発光!照射!まだまだ燃えたりねぇえええ!!」

「・・・・・・っ!」

 

ジードはグリスに勝つ最後の力を引き出すアイテムを取り出した。そのアイテムの名は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハザードトリガー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、蒼空には不安があった。

 

「・・・・・・俺に使いこなせるのか・・・?」

 

この一週間、ハザードレベルを上げてきたが、ハザードトリガーを制御出来るのか、ということを・・・・・・。

 

「・・・・・・蒼空・・・!」

「あれって・・・・・・!」

 

そのアイテムは、遠くからでも見えた。

 

「あ・・・! っ?・・・・・・海璃ちゃん、それは・・・?」

 

りみが気付いた、海璃の手に持っている物。それは、今まで見たことのないアイテムだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海璃、お前に頼みがある。」

 

 それを手に入れたのは、前日の夜──龍哉がnascitaを出て行った後の事だ。

 

「何、これ・・・・・・?」

「・・・・・・明日の代表戦でもしも、ハザードトリガーを使うことになったら、また暴走するかもしれない。その時はそのスイッチを押してくれ。俺の動きを止められる。」

「動きを止めるだけ?」

「・・・・・・あぁ。」

 

海璃の質問に、蒼空は顔を見せずに答えた。

 

「・・・・・・ムカつく。そんな嘘で騙せると思ってるの?」

 

だが、海璃には蒼空が嘘を付いてると見透かされていた。

 

「本当の事を教えて。これは何なの?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・ちゃんとこっちを見てよ!!」

 

振り向いた蒼空の目は涙ぐんでいた。

 

「・・・・・・そのスイッチを押せば、トリガーが破壊されて俺は消滅する。」

「・・・・・・っ!」

「ハザードトリガーは、一度作動したらもう止められない。出力を最大にして、トリガー自体を壊すしかない。」

 

代表戦までの一週間、蒼空は自分のハザードレベルを上げるだけではなく、ハザードトリガーのデータを取り、そこからハザードトリガーの制御装置の開発もしていた。

 ハザードトリガーを使用して分かった事。それは、自らトリガーをドライバーから外すか、変身解除させられるほどのダメージを受けること。自らトリガーを外すことも出来るけど、副作用が襲ってきた時には、体が思うように動かず、トリガーを外せずに暴走状態になってしまう。

 

「・・・・・・私に、『人殺しになれ』って言うの?」

「俺はもう人間じゃない。兵器だから殺しにはなら──」

「ふざけないで!!」

 

蒼空にとっての苦し紛れの言い訳は、海璃に一蹴された。

 

「そんな訳ないでしょ!!」

 

海璃は蒼空に近付き、蒼空に言い聞かせる。あなたは人間だと、兵器じゃないと。

 

「あなたは人間なの・・・!自分より他人の幸せを願うバカでどうしようもない人間なの!!」

「・・・・・・!」

 

2人の瞳には、涙が見えていた。

 

「・・・・・・私は押さない。絶対に押さないから。」

「頼む・・・・・・!」

「出来る訳ないでしょ!!」

「俺とお前で創った『ビルド』だ!!」

「・・・・・・っ!」

「・・・・・・お前には、その責任がある・・・!」

「・・・・・・ズルいよ、そんな言い方・・・!」

「・・・・・・ごめん、でもお前にしか頼めないんだ。」

 

これが、『ハザードトリガー制御装置』を手に入れた時の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その話を聞いた香澄たちは・・・・・・。

 

「ジードが、消滅・・・・・・?」

「・・・・・・っ!」

「さーや・・・?」

「万丈連れてくる!」

 

沙綾は咄嗟に蒼空の家に向かった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ!」

(もしもの時は・・・・・・海璃が・・・・・・!)

 

ジードは覚悟を決めて、禁断のアイテムを使う。

 

『ハザードオン!』

『ラビット!』『タンク!』『スーパーベストマッチ!』

 

そして、必要なアイテムをドライバーにセットしたジードは、レバーを回した。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!──』『Are You Ready?』

「ビルドアップ。」

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

漆黒の、悲劇を生む『ハザードフォーム』に変身した。

 

 

 

 

 

 

「やっぱり出すしかないよなぁ・・・!」

 

羽丘の校長室で見ていたスタークはその身を乗り出した。

 

 

 

 

 

「・・・・・・!」

 

龍哉もその映像を見ていたが、その時に沙綾がやって来た。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・!万丈、蒼空がハザードトリガーを使った・・・・・・!」

「・・・・・・俺にはどうしようもねぇよ。」

「・・・・・・!蒼空が死んでもいいの!?」

「え・・・!?」

 

 

 

 

 

 ハザードフォームとなったジードは、先程と変わって、グリスを圧倒する。

 

「フッ!ハァアアア!!」

「ぐわぁ!」

 

その力を猛威に奮う中、夕方に始まった代表戦は夜となっていた。

 

「フッ!オラァ!」

「フッ!ハッ!・・・・・・っ!?」

 

夕方終わりから戦っていたからか、このタイミングでハザードトリガーの副作用が襲ってきた。

 

「っ・・・・・・ぐっ・・・・・・!?止めろ・・・! 止、めろ・・・! 止め、ろ・・・・・・!!」

「・・・・・・?」

 

蒼空(ジード)破壊兵器(ジード)へと変わり果ててしまった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あ・・・・・・?」

「・・・・・・蒼空・・・!」

 

ジードはグリスを破壊のターゲットにして、活動を始める。

 

「ぐっ・・・!とうとう本性を現したな!」

 

グリスは距離を取るため、リングの柱に飛び上がる。

 

『タカ!』『ガトリング!』

『スーパーベストマッチ!』

 

前回の変身時にはしなかったフォームチェンジを始める。

 

「ハァ!」

『ブラックハザード!ヤベーイ!』

「ぐわっ!」

 

敵の戦い方を見て『ホークガトリングハザードフォーム』に変身したジードは、飛び込んできたグリスを殴り落とす。

 

『マックスハザードオン!』

『ガタガタゴットン!──』『Ready Go!』

 

トリガーの出力を上げたジードは背中にタカの羽根を生やし、空中から『ホークガトリンガー』で攻撃する。

 

「ぐわっ!・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

高速で飛びまわっていたジードは、グリスのすぐ横に来て、グリスを蹴り上げる。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

『ガタガタゴットン!──』『Ready Go!』

『ハザードフィニッシュ!』

「ぐわぁあああああ!!」

 

空中に浮かされたグリスは、『ホークガトリング』が必殺技の時に出す球体の中に閉じ込め、最小限の銃弾を放った。

 

「がはっ!?・・・・・・くっ・・・!」

 

そして、変身が解けた。

 

「「お嬢ーーー!!」」

 

『ライダーシステムの解除により、勝者:花咲川!!』

 

 

 

 

 

 この結果に、花咲川の生徒、羽丘の中でも戦争に反対していた者や早く戦争を終わらせてほしかった者、学校周辺の者が喜んでいた。

 だが、羽丘の校長や戦争に乗り気だった者は悲しんでいた。

 

「そんな・・・・・・!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

多治見と一緒にいたスタークは、喜ばず、悲しまず、ただ黙っていた。

 

 

 

 

 

 戦いを終えたリングに立ちすくむジード。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

戦いを終えたジードは和美に近付き、

 

「くっ・・・!うっ!?」

 

服の首元を掴んで無理やり立ち上げる。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

「蒼空君!!」

「蒼空・・・・・・!」

 

香澄の声も聞こえないジードは、和美に向けて拳を構える。

 

「だめ・・・・・・。」

 

ジードはその拳を放った。

 

「ダメーーー!!蒼空ーーーーー!!!

 

叫ぶ海璃。だが、拳が当たった瞬間、目をつぶってしまった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・?」

 

結末に怯えながら目を開けると、和美は床に倒れていた。恐る恐るジードの拳の先を見ると、

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

「・・・・・・調子良さそうじゃねぇか、蒼空・・・?」

 

「・・・・・・万丈・・・!?」

「龍君!!」

 

クローズチャージがその拳を受け止めていた。

 

「お嬢!!」

「大丈夫ですか!?」

「止めて!今のあなたでは無理だ!!」

「うるせぇ!!やるしかねぇんだよ!!」

 

クローズはスクラッシュドライバーの力を無理やり抑えつつ、ジードを攻撃をして止めようとしている。

 

「目ぇ覚ませーー!この野郎ーーー!!──っ!?」

 

だが、ジードは破壊対象をクローズに変え、壊し始める。

 

「ぐぅ・・・!ぐはっ!?」

 

ジードの反撃によって膝をついてしまったクローズが、再び立ち上がろうとした時、

 

「ぐぅ・・・!ふっ──ぐわぁあ!?・・・・・・来やがった・・・!うわぁああ!!抑えが、効かねぇ・・・!うおぉおおお!!」

 

スクラッシュドライバーの副作用が襲ってきたのだ。龍哉は、ドライバーの副作用に抗いながらジードと戦っていたのだ。

 

「うおおおおお!!」

 

副作用にやられつつ、ジードと拳をぶつけ合う。

 

「止めて!!死んじゃうよ!!」

 

「龍君!!」

 

(俺しか・・・・・・俺しかいねぇ・・・・・・!蒼空を助けられるのは・・・・・・!!)

 

クローズはジードを殴ろうとしてた右腕を左手で掴み、

 

「俺しかいねぇだろーーーーー!!!」

 

そのまま、右拳を自分の体にぶつけたのだ。

 

「ぐっ!?・・・・・・ぐはぁああ!」

「龍君!?」

「・・・っ!」

「はぁ・・・、はぁ・・・、イケる・・・・・・!自分の意志で動かせる!!」

 

副作用が消えたクローズは、『ツインブレイカー アタックモード』に『クローズドラゴン』をセットして、

 

『Ready Go!』

『スクラップブレイク!』

 

さらにドライバーのレバーまで下ろした。

 

「はぁ・・・・・・、オリャアアアアア!!!」

『レッツブレイク!』

「目を覚ませーーー!!」

 

クローズはツインブレイカーから炎のエネルギーによる遠距離攻撃を放つ。だが、ジードはその攻撃をなんとか相殺して、クローズを殴ろうとする。

 

「蒼空ーーーーー!!」

 

クローズもジード目掛けて殴った。2人のダメージ蓄積量が限界を迎え、2人の変身が解除された。

 

「くっ・・・・・・!」

 

龍哉は膝をつき、蒼空は仰向けに倒れた。

 

「・・・・・・殻、破りやがった・・・!」

 

 

 

 

 

 この光景は、配信されてはいなかった。この場にいる人間だけが2人の戦いを見守っていた。

 

「あのドラゴンのライダー、スゲェな!!」

「うん、エモかったよ~。」

「龍君・・・・・・。」

「海璃、やったね!」

 

この場にいたメンバーが、この展開に凄く安堵していた。

 沙綾は涙ぐむ海璃を抱き締めた。

 

「ありがとう、万丈・・・・・・!」

 

海璃は蒼空が消滅せずに済み、誰も死ななくて済み、龍哉には蒼空を止めてくれた事に感謝していた。その気持ちから、『制御装置』が手から滑り落ちた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 そして、その激闘を繰り広げた2人は──

 

「・・・・・・っ! ここは・・・?」

「勝ったんだよ。」

 

意識を取り戻した蒼空は現状を理解し始めた。

 

「・・・・・・お前が止めてくれたのか?」

「いや・・・・・・()()()のおかげだ。」

 

龍哉は香澄たちを見てそう言った。

 

「・・・・・・っ!」

 

蒼空は腕で目を隠し、涙を流していた。

 

 

 

 

 

 それに、和美たちも──

 

「完敗だな・・・・・・。」

「・・・・・・お嬢、あの世で修也が笑ってますよ。『やっぱり、お嬢は俺がいねぇと何にも出来ねぇな!』って。」

「誰よ、修也って・・・・・・。」

「嘘下手だな~・・・・・・。」

 

和美は青色のドッグタグを見て、みんなで空を見上げた。

 

「何があっても、ずっと一緒だよ。バカヤロー・・・。」

 

その空は、とても綺麗に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時間で、代表戦の結果に納得いかない多治見校長は──

 

「ギガファイナライザーを手に入れるのは、この私よ!」

 

携帯を取り出し、

 

「今すぐ花咲川を──」

「そいつはルール違反だ。」

 

だが、それをスタークが遮った。

 

「え・・・?何言って──」

 

すると、部屋の扉が開き、花咲川でも羽丘でもない()()()()()()()()()()が突撃してきた。

 

「・・・・・・星導館のガーディアン!?」

「あぁ~!そう言えば、羽丘の軍は全て花咲川に送ってたんだったな~!」

「・・・・・・裏切ったのね・・・!」

「勘違いするな!・・・・・・俺は、始めからお前の味方じゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花咲川女子学園の周辺にいた羽丘のガーディアンは、半分くらいは夜華(イグニス)が破壊していた。

 

「・・・・・・何故、半分ほどが既に破壊されていたのでしょうか?」

 

『エンコードモード』で、紫色でアレンジした『ビートクローザー』でガーディアンを破壊していた夜華は、疑問に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!放せ!!・・・・・・放しなさいよ!!」

 

ガーディアンたちに捕まった多治見は抵抗するが、突如部屋に入ってきた者に気を取られることになった。

 

「ん~?手際がいいな~。」

「誰よ、そいつは・・・・・・!?」

 

その姿は、紫と黒がメインのボディで、所々『ワニ』のようなデザインが描かれた、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「星導館の()()()()()()だよ。」

 

そしたら、そのライダーは多治見に手をかざし、

 

「な、何する、の・・・・・・。」

「そんな事も出来るのか?」

「まぁね。この女からネビュラガスを吸収したんだけどね。」

 

多治見は気絶し、スタークとライダーはただ互いに見合うだけだった。

 

 

 

 

 




この回、苦労した~。リメイク前のも疲れたけど。・・・・・・あ、Tearsって『涙』って意味ですよ。
そして、皆さんご存知、あの『オラァ!』『キャー!』なライダー出ましたね~。

さて、謝りますね。すみません。
1月終わりからリアルが忙しくなり、この作品はしばらく毎週日曜日だけの投稿とします。・・・・・・最悪、7連勤させられるかもしれないから。

次回・・・・・・色々どうしよ~?


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第25話 星のファントム

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園と羽丘女子学園で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、仮面ライダーグリスとの代表戦に勝利するが・・・・・・。」
「お!ここがあらすじ紹介の場所か~!」
「あれ?沙綾、どうしたの?」
「蒼空を助けるために万丈を連れてきたお礼、まだ貰ってないんだけど。・・・・・・はい、5万円。」
「え!?お金取るの!?」
「当たり前でしょ!親しき仲にも礼儀有。うちも結構大変なんだから──って、ちょっと!逃げないでよー!ちょっとーーー!!・・・・・・あ、第25話どうぞ!」







 俺は代表戦が終わった後、グリスたちに話をすることにした。

 

「・・・・・・暴走して悪かった。」

「謝って済むかよ!?この前の青羽と同じじゃねぇか!!」

「ガタガタ言わないの。」

「・・・・・・っ!」

「・・・・・・気にしないで。もう終わったことだし。」

 

それだけ言って、和美たちは帰っていく。俺より年下なのに、器が大きいな。俺も見習わないと。

 

「蒼空・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

海璃たちがやって来て、制御装置を渡してきた。

 

「本当に使わなきゃダメかと思ったよ!・・・・・・ハラハラさせた罰として、今日の料理当番お願いね!」

「・・・・・・あぁ。」

 

「良かったね、蘭ちゃん!」

「うん。これで、《いつも通り》の毎日を送れそうだよ。」

 

「・・・・・・っ、蘭先輩?」

 

蘭が『いつも通り』と言った瞬間、和美がこっちに来て蘭を動きながらジロジロ見た。

 

「でゅふ!・・・・・・やっぱりそうだ・・・!」

「え・・・・・・?」

「蘭先輩だ!」

 

「「あ・・・!」」

 

「んふっ♪」

「え?」

「え?」///

「何?」

「あ!・・・・・・朝倉和美。15歳中学3年生、羽丘の中等部所属。ライブハウスであなたを見てから、心火を燃やして応援し続けてきました!」ペラペラ

 

よう喋るな~。

 

「あ、ああ握手してください・・・!」

「あ、ちょっと待って!」

 

沙綾さん?

 

「なんすか、なんすか?」

「蘭と握手したかったら、整理券買ってね。はい、5万円。」

「・・・・・・5万!?」

「・・・・・・金取るのかよ!?」

 

しかも、中学生には払えないような額を──

 

「安いっすね。」

「「えっ!?」」

「あ。だったら、10万とか払ったら・・・・・・」

 

「出すのかよ・・・・・・。」

 

俺も万丈も、海璃までもが驚きだよ・・・。

 

「ちょっとお嬢!それ僕らの生活費!!」

「はぁ!?いいじゃない!!・・・・・・あ!だったらよ、生活費と彼女だったら──」

 

勝手にやってろ・・・・・・。

 

「・・・・・・あれ?蒼空、電話鳴ってない?」

「ん?・・・・・・あ、本当だ。」

 

だが、かけてきた人物は・・・・・・

 

「校長?」

「え?」

「はい。・・・・・・っ!分かりました、すぐ行きます!」

「どうした?」

「蒼空・・・?」

「羽丘が星導館の襲撃を受けて、制圧されたらしい。」

「え・・・?」

「そんな・・・!」

「嘘でしょ・・・!?」

 

俺の言葉を聞いてすぐに和美が誰かに連絡をする。

 

「・・・・・・校長、羽丘が乗っ取られたって本当ですか!?」

 

どうやら、校長にかけたようだ。だが・・・・・・、

 

「っ、スターク・・・!初めから星導館とグルだったって訳か・・・!?」

 

スタークが絡んでるとなると、ただ事じゃない。

 ポピパとAfterglowは帰って、戦える俺たちライダー組はすぐに花咲川に向かった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 スタークの奴、随分と悪趣味なことを・・・・・・。羽丘に星導館の教師を数人送り付け、支配するなんてさ。

 

「ふっふっふ・・・!後は、お前の仕事だ。・・・・・・()()()。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ライダーにしてもらったから、ある程度は従わないといけないんだけどさ、()()()も。

 

「・・・・・・はいね。」

 

アタシは羽丘の校長室を出て、ある場所に向かう。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 俺たちは花咲川の校長室で、羽丘の襲撃の詳細を聞いた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・和美、あなたはしばらく学校に行かないで。」

「・・・・・・なんでだよ?」

「さっき、みんなが来る前に星導館の御堂校長から連絡があったの。『花咲川へ宣戦布告する。そして、我々からの被害を抑えたければ、グリスたちを我々に渡せ。』と。」

 

つまり、グリスたちを星導館の兵器にするってことか・・・・・・。

 

「・・・・・・!」

「和美、あなたは絶対に渡さない。」

「なんでだよ・・・!?自分の学校守るために努力しちゃいけないのか?」

「これは罠よ。」

「だったら、星導館の連中を倒すだけだ──」

「行かせない!・・・・・・あなたの母親として・・・!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

この親子の会話には、誰も入れなかった。

 だが、その沈黙を破る爆音が聞こえてきた。

 

「なんだよ!?」

「誰かが校舎に攻撃してきたんじゃない!?」

 

〈解。校門より、星導館のガーディアンが砲撃をしています。〉

 

「・・・・・・っ!海璃、万丈、来い!」

「分かった!」

「おう!」

 

「ボクたちも行くよ!」

 

俺たちはすぐに部屋を出て、ガーディアンがいる場所に向かった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 校門から砲撃しているガーディアンたち。だが、すぐ近くには指示している者はいない。

 そして、準備が整ったため、もう一度砲撃を放つが、

 

『ボルテックブレイク!』

『ルービウムシュート!』

 

いくつものタカっぽい銃弾(スパークリングの攻撃)岩石(ロッソの放つ銃弾)が、砲弾に当たり、相殺された。

 

「なんだよ、このガーディアンたちは!?」

「星導館のガーディアンでしょ?」

「あぁ。マークを見れば分かるけどな。」

 

クローズの問いに、ロッソとジードが答えた。

 そして、

 

「とにかく、こいつら倒すぞ!」

「おう!」

「えぇ!」

「お嬢、俺たちも!」

「あぁ・・・!」

 

羽丘組と一緒に戦いに参戦する。

 

 

 

 そして、ガーディアンたちを全て倒した時だった。

 

「何してくれてんだよ!?」

「っ!」

「誰、一体・・・?」

 

現れたのは2人の男。その者たちは、紫の銃と、ボトルのような物を取り出し、

 

『ギアエンジン!ファンキー!』

『ギアリモコン!ファンキー!』

「「潤動!!」」

『リモートコントロールギア!』

『エンジンランニングギア!』

 

歯車を付けた姿に変身した。

 

「なんだよ、あれ・・・!?」

 

〈解。ビルドシステムと同時期に作られていた『カイザーシステム』だと思われます。〉

(カイザーシステム?)

 

「俺がエンジンブロスで、兄貴がリモコンブロスだ。」

「くっ・・・!お前たちが、羽丘をーーー!!?」

「・・・・・・っ!おい!?」

「黄羽!?」

 

オウルが怒りに身を任せ、突っ込んで行った。

 

「あいつ・・・!」

「・・・・・・っ!蒼空!!」

「何っ!?・・・・・・なんだ、あいつは・・・!?」

「あぁ!?」

 

そして、ジードたちの視線の先には、ラフな格好でやって来た1人の女性。だが、その腰には私生活の中では見られない物があった。

 

「おい!あれって・・・!?」

「なんであの人がスクラッシュドライバーを!?」

「・・・・・・スタークが絡んでるんだから、スクラッシュドライバーを星導館が持っててもおかしくはないだろ・・・!」

 

そして、その女性は・・・・・・一般的には聞かない言葉を放った。

 

「・・・・・・久しぶり、()()()()。」

「・・・・・・っ!?」

「なんで葛城映司の名前を・・・・・・!?」

「さぁね~。・・・・・・アタシに勝てたら教えてあげる。」

 

すると、紫色の『クラックボトル』を取り出し、その蓋を正面にする。

 

『デンジャー!』

『クロコダイル!』

 

そのボトルをドライバーにセットし、レバーを下ろす。

 

「変身。」

『割れる!食われる!砕け散る!

 クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

 

そして、女性の叫び声が聞こえ終えた時、変身が完了した。

 

「仮面ライダー、ローグ・・・・・・。」

「ローグ・・・・・・?」

「なんでその名前を・・・!?」

「さぁて、・・・・・・遊ぼうか?」

 

ローグはジードたちと、エンジンブロス・リモコンブロスはグリスたちと戦いを始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、地球・・・・・・ではない、宇宙のどこかでは。

 

「・・・・・・っ!!」

 

闇のような空間の亀裂が現れ、その中から黒い者が現れた。

 

「ふっふっふ・・・、ようやく力が回復したか・・・・・・!」

 

その者の瞳は、ジードより恐ろしい鋭い目をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ローグとブロス兄弟たちとの戦いは激しい戦いとなっていた。・・・・・・だが、花咲川・羽丘のライダーたちが劣勢だった。

 

「ぐわぁ!」

『クロコダイル!』

「っ!万丈!」

「くっ・・・!はっ!?」

『ファンキーブレイク!クロコダイル!』

「フッ!キャアアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

ローグはクローズを地に伏せ、紫色の銃(ネビュラスチームガン)に『クロコダイルクラックボトル』をセットして、銃弾を放つ。

 ロッソはすぐにクローズの前に立ち、バリアを張るが、そのバリアごと、クローズと共に吹き飛ばされてしまう。

 

「海璃!万丈!」

「・・・・・・その程度?」

「くっ!ハァアア!!」

 

ジードはスパークリングの力で拳を打ち込むが、その攻撃は効いてなかった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

『クラックアップフィニッシュ!』

「なっ!?」

「・・・・・・ふん。」

 

ローグは両足でジードを挟み、吹き飛ばす。ただの蹴り飛ばすだけではなく、ワニのようなオーラまでも纏った一撃は変身解除させるだけの力があった。

 

「嘘だろ・・・・・・!?」

「私たちは、2人で受けたから変身解除されなかったけど、蒼空は・・・・・・!」

「くっ・・・・・・!?」

「その程度?・・・・・・ん?」

 

 

 

 

 

 ローグが見た先には、ブロス兄弟と羽丘組が戦っている場所だ。そこでは、変身解除させられた和美と黄羽、まだ変身が解けてないキャッスルがいた。

 

『ギアエンジン!』

「っ!・・・・・・お嬢・・・、逃げて・・・!」

「っ、ふざけ、ないで・・・!」

「どっちにしろ、終わりですよ。」

『ファンキーショット!ギアエンジン!』

 

リモコンブロスが銃弾をグリス目掛けて放つ。そしてその弾丸は・・・・・・

 

「うおおおおお!!」

「くっ!・・・・・・っ!?」

「っ、黄羽!!」

「ぐはっ!」

 

再びオウルに変身した黄羽が、和美の身代わりとなって受けた。

 

「おい!・・・・・・バカ野郎、なんでこんな事を・・・!?」

「・・・・・・だって、こうでもしないと、お嬢逃げてくれないでしょ・・・・・・?」

「・・・・・・聖吉さん・・・!」

「・・・・・・あ、やっぱり記憶、消えてないじゃん・・・。嘘、下手だな~・・・・・・。」

「うっさい・・・!」

 

黄羽・・・・・・いや、聖吉は、和美の腕の中で少しずつ消えつつあった。

 

「お嬢・・・・・・天国で・・・・・・青ちゃんと、見守ってますね・・・・・・。」

 

それだけ言って、聖吉は・・・・・・消滅して(死んで)しまった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「聖吉・・・・・・。」

 

「あっ!?」

「そんな・・・!?」

「黄羽が・・・・・・!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

その光景は、蒼空たちの瞳にも焼き付いていた。

 

「・・・・・・テメェ!!」『ロボットゼリー!』

「お嬢!!」

「よせ!強制解除からの再変身は危険だ!!」

「うっせぇ!!コイツらは・・・・・・オレがぶっ潰す!!変身!!」

『ロボット・イン・グリス!』

「ぐっ・・・!心火を燃やして・・・・・・ぶっ潰す!!」

 

グリスに再び変身し、痛みに耐えながらブロス兄弟に攻撃しようとした瞬間、

 

「・・・・・・っ!」

「なんだ、この感じ・・・・・・?」

「なんか、嫌な感じがする・・・・・・。」

「この気配・・・・・・まさか!?」

 

上からローグ、蒼空、クローズ、ロッソと、この4人がけが気付いた気配。その正体は、空を分厚く、黒い雷雲で覆いながら、空から降りてきた。

 

「ふん!」

「なんだ・・・・・・この嫌な気配は・・・・・・!?」

「なんで、ここに・・・・・・!?」

「貴様、何者だ?」

「ハァ・・・・・・、ハァ!!」

 

首を鳴らして、手に持っている黒い棍棒(ギガバトルナイザー)を振りかざし、ブロス兄弟に斬撃を飛ばした。

 

「ぐはっ!」「ぐわっ!」

「ふっふっふ・・・・・・。」

 

ブロス兄弟は呆気なく吹き飛ばされ、すぐには立てずにいた。黒い者は蒼空の方を向き、

 

()()よ、迎えに来た。父:ベリアルの下に来い!」

「なっ!?・・・・・・ベリアル、だと・・・!?」

 

黒い者:ベリアルは、蒼空にそう言った。

 

「ふっふっふ・・・!」

『Ready Go!』

「ん?」

「フレイムスフィアシュート!!」『フレイム フィニッシュ!』

「くっ・・・!この攻撃、懐かしいなぁ~。」

「久しぶりね、ベリアル・・・!」

 

奇襲を仕掛けたのは、ロッソだった。

 

「その声は・・・・・・ブルか。ロッソは無事か?」

「そんなの・・・・・・あんたが一番知ってるでしょ!!」

『グランド!』『ベストマッチ!』

「セレクト!!」

『ロッソ グランド!イエーイ!』

 

怒りのこもった声で、『グランドフォーム』に変身した。

 

「蒼空・・・・・・悪いけど、手は出さないで。」

「ふん、来い!」

「言われるまでもない。・・・・・・『朱菜(しゅな)』の仇は、私が討つ!!」

 

ロッソは『ルーブスラッガーロッソ』を持ち、ベリアルと戦う。

 

 

 

 

 

「くっ!・・・・・・っ!」

「退くよ。」

「何っ!?」

「あのベリアルには、勝てないからね。」

 

ローグたち星導館組はネビュラスチームガンを使ってその場を離脱した。

 

 

 

 

 

 ロッソとベリアルの戦いの中、グリスは戦う相手を見失い、今行われている戦いを見ていた。

 

「・・・・・・なんなんだよ、アイツは・・・?」

「あれは、『破壊の使者:ベリアル』でございますわ。」

「っ!?いつの間に・・・!?」

「貴方様方は休んでいてくださいませ。変身。」

 

ドライバーを装着して、グリスの横に現れた夜華は、()()ボトルで変身する。

 

『ファイア!』『パワーコード!』

『割れる!流れる!溢れ出る!パワーコード・イン・イグニス!オラァ!』

『ビートクローザー!』

 

イグニスはビートクローザーを持ち、力に特化した赤い姿:『パワーコードモード』でベリアルに挑む。

 

「ふっ!」

「くっ!・・・・・・ほぉ~、『凶刃(きょうじん)』か~。」

「その名で呼ばれるのは久しぶりですわね。ですが、あなたはもう呼べなくなりますよ。」

 

凶刃と呼ばれたイグニスは、その刃をベリアルに向ける。

 

「・・・・・・あいつが・・・!」

「蒼空!大丈夫か!?」

「あいつが・・・!!」

「あ?・・・・・・おい、蒼空?」

『ハザードオン!』

 

クローズが蒼空の下に来て心配の声をかけたが、蒼空の手には『ハザードトリガー』があった。

 

『ラビット!』『タンク!』

『スーパーベストマッチ!』

「変身・・・!!」

「あっ!?ちょまっ!?」

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

クローズは危険を察知し、すぐに離れた。蒼空は『ハザードフォーム』に変身した。

 

「・・・・・・うおおおおお!!」

「おい、蒼空!!?」

 

ジードはロッソやイグニスをどかし、ベリアルとの一騎打ちに挑む。

 

「・・・!主様!?」

「蒼空!!」

「ベリアルは、俺がやる!!」

 

ハザードフォームによって力が上がってるジードだが、ベリアルはそれを素手で相手する。

 

「立派になったな~。父親として誇らしく思うぞ、息子よ!」

「くっ!俺はジードだ!その口で、俺の事を『息子』って呼ぶな!!」

「その反抗心、さすがはベリアルの遺伝子を受け継ぐ者だ!」

「うるさい!!」

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Ready Go!ハザードアタック!』

「ハァアアア!!」

「ぐぅ・・・!?」

「っ!ハァ──っ!?」

 

ライダーパンチを決めてすぐに、ジードにはハザードトリガーの副作用が襲ってきていた。

 ハザードトリガーの力を暴走していない状態で最大限引き出したため、今までよりも早く副作用が来てしまった。

 

「くっ!こんな、時に・・・・・・!?」

「っ!万丈、トリガーを撃って!」

「っ!?分かった!! ハァ!」

 

クローズがビームモードで撃ったため、一発はベリアルに当たり、もう一発は、ジードのハザードトリガーに()()()()()()で当たった。

 

「・・・・・・っ!仕留められないか・・・!」

「貴様ら・・・!」

「ビルドアップ!」『プリミティブ!イエーイ!』

「セレクト!」『ブル ウィンド!イエーイ!』

「っしゃぁああ!!」『アタックモード!』

「参ります・・・・・・!」『ダーク!』『スペシャルチューン!』

 

ジードは『プリミティブフォーム』に、ロッソは『ブル ウィンドフォーム』に、クローズはツインブレイカーをアタックモードに変えて、イグニスは『デコードボトル』をビートクローザーにセットして、ベリアルに挑む。

 

「ならば、これでも使うか?」

『エボルドライバー!』

 

ベリアルが取り出して巻いたのは、『ビルドドライバー』と同じ形状の赤いドライバーだった。

 

「ビルドドライバー・・・・・・じゃないよね?」

「蒼空、あのドライバーはなんだよ!?」

「俺にも分からない・・・・・・。」

「なぜ貴方がそれを持っているのですか!?」

「ストルム人・・・・・・『伏井出ケイ』に星導館へ作らせ、奪わせておいたんだ。」

 

すると、鋭い爪で器用にボトルを振り、蓋を合わせてドライバーにセットする。

 

『恐竜グリード!』『ゲムデウス!』

『エボルマッチ!』

 

そして、ドライバーを回すベリアル。その前後には、『プテラ・トリケラ・ティラノ』の力を1つにしたような怪物と、ゲームのラスボスのような怪物が現れ、

 

『Are You Ready?』

「変身。」

『キメラベロス!フッハッハッハッハッハ!』

 

ベリアルと1つになる。

 ベリアルの体をベースに、背中に赤い羽根、長い尾まで生え、爪が黒から赤く変え、本当に『キメラ』のようだった。

 

「なんだよ、あれ・・・!?」

「素晴らしい、この力・・・!さすがはボトルと『エボルト』の力だ!」

「エボルト・・・・・・?」

「・・・・・・とにかく、ここでベリアルを消しますよ!」

『クラックアップブレイク!』

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

イグニスがドライバーのレバーを下ろし、武器のグリップを3回引っ張って、攻撃を繰り出す。

 

「ふっ!」『メガスラッシュ!』

「ふん!」

「・・・・・・っ!?そんな・・・!?」

「その程度か?・・・・・・はぁ!」

「ぐっ・・・!」

 

『パワーコードモード』で力を上げた『メガスラッシュ』でさえ受け止めたベリアルの力に驚き、吹き飛ばされるイグニス。

 

「貴様たちには用はない。消えろ。」

『Ready Go!』

「っ!お嬢!!」

「ぐっ・・・!? おい!!」

 

ベリアルは邪魔者を消そうと、グリスたちに狙いを定めながらドライバーのレバーを回す。

 キャッスルは危険を察知し、グリスを突き飛ばし、肩の装甲の盾を前に移動する。

 

『エボルテックアタック!』

「ハァアアア!!」

「ぐわぁあああ!!?」

「っ!勝さーーーん!!」

 

ベリアルが放った黒い光弾はキャッスルに直撃、キャッスルは防ぎきれずにダメージを受け、変身が解けた。

 

「ぐっ・・・! お嬢、今まで・・・・・・ありがとう、ございました・・・・・・。」

「勝さーーーん!!」

 

赤羽──『大山勝』はグリスに感謝の言葉を述べ、消滅した。残ったのは、『キャッスルボトル』と赤いドッグタグだけだった。

 

「っ!ベリアルーーー!!」

「ちょっ、蒼空!?」

 

プリミティブの状態で強化されているベリアルに挑むジード。

 

「このっ!」

「ふっ!息子よ、俺の下に来い!」

「ぐっ!は、放せ・・・!」

 

ベリアルは、そんなジードを体内に取り込む。

 

「放せ・・・!ぐわぁあああ!!」

「蒼空!!」

「テメェ!!」

『Ready Go!』『スクラップブレイク!』

 

ジードが取り込まれたという現実を知り、クローズはとっさにツインブレイカーにクローズドラゴンをセットして、ドライバーのレバーを下ろす。

 

「はぁ・・・!」

「万丈待って!!」

「あっ!?どけよ!!」

「蒼空が・・・!」

「・・・・・・っ!」

 

技を放とうとするクローズを止めるブル。その隙にベリアルが背中の羽根で飛んで行った。

 

「くっ!・・・・・・主様・・・。」

「蒼空・・・・・・!」

 

この時、ジードを失ったこの世界は絶望(ベリアル)に包まれた・・・・・・。

 

 

 

 

 




え~・・・・・・最後雑になってすんません。
とりあえず、
『ベリアル復活&強化』
『赤羽&黄羽消滅』
『蒼空がベリアルに捕まる』
『和美が大金を払おうとする』
だけ覚えていただければ・・・・・・。

今回はね、ちょっとややこしいのよ。最初はビルドの『西都宣戦布告』を少しアレンジした内容でして、後半はジードの『ベリアル登場』の内容です。

それと、ベリアルさんが変身した『キメラベロス』、アタシのイメージとしては、原作通りなんですけど、読者のイメージに任せます。なんせ、『恐竜グリード』と『ゲムデウス』だからね~。


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第26話 美剣海璃

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川と羽丘で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘との代表戦に勝利するが、その隙に星導館が羽丘を制圧、さらにベリアルまで復活した。そして、ベリアルはジードを取り込んでどこかへ去っていった。」
「ってか、なんで蒼空があらすじ紹介してるの?」
「え?だって、しばらく俺の出番無いから。」
「悲しい現実・・・・・・。私はだいぶ出番があるからね~。」
「でもね、海璃さん。あなたの戦闘シーン、しばらく無いらしいよ?」
「・・・・・・え!?」
「そりゃあ、『今回の重要人物』ですからね~。じゃ、第26話どうぞ!」







 ベリアルが蒼空を取り込んだ次の日。私たちは最近ポピパが通っているライブハウス『CiRCLE』に呼び出されていた。

 

「っつうか、なんでここに呼ばれたんだよ?」

「香澄と蘭ちゃんたちに呼ばれたのよ。」

「そんな事より、どうやってアイツからジードを引っぺがすんだよ?」

「そうね・・・・・・って、グリスも手伝ってくれるの!?」

「アイツは赤羽の命を奪った。その仇を打つだけだ。」

「・・・・・・そっか。」

「話を始めてよろしいでしょうか?」

「夜華さん、何か良い方法があるの?」

「えぇ。」

 

夜華さんは、蒼空を救い出す作戦を話し始めた。

 

「グリス様も戦うのであれば、わたくし(イグニス)万丈様(クローズ)、グリス様の3人でベリアルに挑みます。戦いつつ、主様が戻ってくるのを待ちます。」

「ロッソはどうするんだ?」

「海璃様には、()()()()()()の力で主様の心に問いかけてください。」

「・・・はぁ!?」

 

ちょっと夜華さん、なんでさらっと言っちゃうかな・・・・・・?

 

「海璃にリトルスターって・・・・・・マジか!?」

「海璃様、そろそろ話されてもよろしいのでは?」

「・・・・・・隠す必要もなくなったね・・・。」

 

「あ!みんな~!」

 

「海璃様の本名は、『美剣(みつるぎ)海璃』、この辺では有名な『美剣財閥』のご令嬢でございます。」

 

「・・・え? えぇ~~~!!?」

「海璃さん、お金持ちだったの・・・!?」

 

あ、うるさいのに聞かれた。

 

「どうして黙ってたんですか!?」

「い、色々あってね・・・・・・。」

「そして、海璃様には双子の姉がいらっしゃいました。」

「そうなの!?」

「有咲、香澄止めて。」

「任せとけ。」

 

「蘭先輩!?」ドキドキ

(どうしよう・・・!?蘭先輩と同じ建物内にいるよ・・・・・・!蘭先輩と同じ建物内にいて、同じ空気吸ってていいのか・・・!?)ドキドキ

「・・・・・・・・・・・・。」ジー

 

あのヲタクはどうしようか・・・?

 

「おい、グリスの様子がおかしいけど・・・・・・?」

「・・・・・・無視しよう。」

 

私の頭の中で、『放置』という意見に決まった。

 

「双子の姉の名前は『美剣朱菜(しゅな)』、海璃様と共にビルドドライバーを巻いて、『仮面ライダーロッソ』として戦っていました。」

「そ、そうなの・・・?」

「・・・・・・夜華さん、どこまで知ってるの?」

「そうですね、今までに海璃様に起きた大きな出来事全て、と言っておきますわ。」

 

・・・・・・仕方ない、話すか。

 

「・・・・・・ベリアルとは、一度戦ったことがあるの。」

「え・・・?」

「ベリアルは、美剣財閥で保管していたフルボトルの技術を手に入れようとしていた。私は朱菜と共に変身してベリアルに挑んだの。あの時は、朱菜が捨て身の一撃でベリアルに大ダメージを与えて、その場はしのげたけど朱菜は・・・・・・。」

「・・・・・・もう、いないのか・・・?」

「・・・・・・ううん、一命は取り留めている。だけど、意識は回復していない。そして、私は朱菜の持ってた『ロッソ』と『フレイム』、『グランド』を持ってここに来たの。」

「だから、2つのライダーに変身出来るんだ・・・・・・。」

 

だから、私はベリアルを倒さないといけないの・・・・・・。

 

「・・・・・・あ!そういや、海璃になんでリトルスターがあるんだよ?」

「え?・・・・・・あ、そういやそこは話してなかったね。」

 

「・・・・・・なぁ、リトルスターってなんだ?」

「え?・・・・・・あ、そういえば知らなかったね。」

「海璃、私が教えとくね。」

 

ってことで、グリスには沙綾がリトルスターについて説明中・・・。

 

「実は私、いつからリトルスターがあるのか分かんないんだよね~。」

「・・・は!?」

「気付いた頃からリトルスターがあったの。でも、ほとんどその症状が出てないんだ。」

「ですが、花咲川女子学園にスマッシュ等が現れる理由は分かりましたね。」

「え?なんで?」

「確か、怪物共ってリトルスターを狙ってるんだろ?」

「有咲君、正解よ。」

「ふざけてんのか?」

「いやいや、たまにボケを入れておかないと読者が飽きちゃうでしょ?」

 

ただでさえお気に入りが少ないのに、お気に入り減ったら作者凹むよ~?

 

「でも、このリトルスターの本当の能力が分からないんだ。ボトルの成分を生み出したりしてるけど、実際にどういう力なのかは・・・・・・。」

「なんだよ、それ・・・・・・。」

「残念ですが、海璃様のリトルスターがどういう力かは既に分かっております。」

 

マジで!?さすが夜華さん・・・・・・。

 

「今までリトルスターを発症した者には、その成分と同じ能力を持っていました。」

 

リトルスターと同じ成分?

 

「あ!あっちゃんは炎が出てた!」

「純にはバリアみたいなものが・・・・・・。」

「はい。どれも、リトルスターの力の持ち主である戦士の特徴です。炎の格闘家や、鉄の体を持つ戦士など。」

 

確かに、そう言われれば納得する・・・・・・。

 

「海璃様のリトルスターは、『全てを超越した力を持つ戦士』の成分です。別次元では『ウルトラマンキング』と呼ばれております。」

「全てを超越って・・・・・・。」

「マジヤベーってことか・・・・・・。」

「龍君、バカっぽいよ。言い方が。」

 

バカだからね。

 

「なので、海璃様はボトルの成分を生み出すことが出来たのです。」

「じゃあ、なんでも出来るキングの力で、蒼空の心に呼びかけるの?」

「はい。そうすれば、中からも出られるはずです。」

「それじゃあ、決まりだな!!」

「みんなでジードを助け出す!」

 

私は花咲川女子学園に向かい、夜華たちはベリアルがいる荒野へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 夜華の影の中を移動する力を使ってベリアルの前に現れた夜華、龍哉、和美。

 

「・・・・・・ん?ほぉ、力の差を思い知らされながらも挑んでくるとは・・・・・・愚かだな。」

「こちらとしては、勝ち目があるから来ているのですが?」

「さっさと蒼空を返してもらうぞ!」

「勝の仇も取らせてもらうぞ・・・!」

 

そして、キメラベロスとなっているベリアルと戦うために3人はスクラッシュドライバーを腰に巻いた。

 

『アース!』『トランスコード!』

『ドラゴンゼリー!』『ロボットゼリー!』

 

夜華はまた新しい『橙色のボトル』を使っていた。

 

「「「変身!」」」

 

『割れる!流れる!溢れ出る!

トランスコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

『『潰れる!流れる!溢れ出る!』』

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!』
 『ロボット・イン・グリス!』

『『ブラァ!』』

「ッシャアア!!」

 

夜華が変身した姿は、今までの『紫色(デコード)』『白色(エンコード)』『緑色(エクスコード)』『赤色(パワーコード)』に続いて、橙色の姿の『トランスコードモード』へと変身した。その手には、蒼空が創ってくれた紫色に塗装された『ビートクローザー』を装備している。

 クローズとグリスも、得意とするモードの『ツインブレイカー』を装備して、ベリアルに挑む。

 

「お前なんかには、負ける気がしねぇ!!」

「心火を燃やして、ぶっ潰す!!」

「さぁ、お覚悟はよろしくて?」

 

3人がそれぞれの決め台詞を放つが、どれも強い想いが込められている。

 

「うおおおおお!!」

「うらあああ!!」

「ふっ!」

「ふん!・・・・・・っ!?」

 

ベリアルは何か異変に気付いた。

 

(何故クローズとグリスの力が上がってる・・・!?)

 

その答えは、イグニスだ。イグニスが変身している『トランスコードモード』は、自身が味方と認識する者の力を上げる能力がある。その力で、3人の身体能力は上昇しているのだ。

 

「・・・・・・だが、グオオオオ!!」

「なっ!?ぐわぁあああ!!」

「ぐはぁ!?」

「ぐっ・・・!」

 

ベリアルはそれを叫び声を衝撃波に変え、吹き飛ばした。

 

「なんだよ、これ・・・!?」

「昨日より、パワーが上がってんぞ!?」

「まさか、主様を吸収したから・・・!?」

 

驚きを隠せない3人だが、負けじとベリアルに挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 私は、誰もいない花咲川女子学園の体育館に来ている。ここでなら、キングの力に深く接する事が出来るらしい。

 

「ここで・・・・・・っ!」

 

すると、私の目の前が光で包まれ、その中に1人の人物がいた。普通の人間ではなく、マントを羽織った『人のような者』だった。

 

「待っていた。」

「もしかして、あなたがキング?」

「そうだ。君の中にあるリトルスターの力の本だ。」

 

この戦士が、キング・・・。私のリトルスターの力の本来の持ち主。

 

「お願いがあります。」

「・・・・・・あのライダーを、助けたいと?」

「はい。彼は私にとって、大切な人なんです。だから、助けたいんです。」

「・・・・・・いいだろう。君の言葉で、彼を助けるといい。」

 

すると、私の周りの景色が変わった。そこは、赤い空で、『万丈たちと戦っているジード』がいた。

 

「蒼空!?」

 

私は、ここが蒼空の心の中だと分かった。

 

「蒼空!目を覚まして!!」

「・・・・・・ん?キングか、余計な事を・・・。ふん!」

「っ!?きゃっ!?」

 

ジードの後ろにいたベリアルが私に光線を放ったけど、キングが守ってくれた。

 

「・・・・・・っ!蒼空!思い出して!あなたは、自意識過剰でナルシストで、自分よりも他人の幸せを優先する正義のヒーローなんだよ!!・・・・・・蒼空!!

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 海璃の声は、蒼空に届いていた。

 

「・・・・・・か、いり・・・?」

 

そこは、ベリアルですら入ることが出来ない深層心理の場所。そこで蒼空は横たわっていた。

 

「くっ・・・!海璃、どこだ・・・?」

「ここにいるよ。」

「っ!・・・・・・ここって?」

「あなたの心の奥底、ベリアルでも入れない場所。」

「・・・・・・でも、なんでお前が・・・?」

「私の中のリトルスター:『キング』の力のおかげ。」

「そっか・・・。」

「・・・・・・あのね、蒼空。私、蒼空に謝らないといけない事があるの。」

「え・・・?」

 

海璃は自分の中のリトルスターについて、双子の姉のこと、本当の名字を隠して蒼空に接したことを話した。

 

「だから・・・・・・ごめんなさい。」

「・・・・・・とりあえず、どうやって脱出出来るか教えてくれる?」

「え?」

「別にお前は悪くないよ。俺のことを思ってやった事なんでしょ?だったら、そんな事に怒る必要がないじゃん。」

「蒼空・・・・・・。」

「だから、既に許してる。逆に許さない理由がないよ。」

 

涙を流す海璃の涙をぬぐう蒼空。

 

「・・・・・・だったら、早くベリアルを倒して、蒼空のご飯を食べさせてよ!」

「ふっ・・・・・・あぁ!!」

 

すると、上空に謎のゲートが現れる。

 

「あそこからベリアルの外に出れる。」

「分かった。・・・・・・海璃。」

「うん?」

「・・・・・・ありがとう。」

「うん!」

 

そして、蒼空はゲートを見つめ、

 

「ジーっとしてても、ドーにもならねぇ!!」

 

そのゲートに飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐわぁあ!!」

 

クローズたちは、ベリアルの圧倒的な力に押されていた。時間が経つに連れて力が上がる、つまり、ジードが浸透されつつあるという事だった。

 だが、

 

「ぐっ!?」

「あぁ!?」

「なんだ・・・!?」

「ベリアルの様子が・・・?」

「グオオオオ!!?」

 

苦しみだしたベリアルの体の中心から黒いもやが飛び出してきて、クローズたちの前で形を成した。

 

「・・・・・・ふぅ~。」

「っ、蒼空!!」

「ジード、復活か。」

「復活・・・・・・これは、やらないといけませんね。」

『デコード・イン・イグニス!』

 

イグニスはすぐに『デコードモード』へと変身し、

 

祝え!!ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を受け継ぐ新たなる王者!その名も『仮面ライダージード プリミティブフォーム』!まさに再誕の瞬間である!!

 

いつものように祝った。

 

「ったく、遅ぇんだよ!!」

「よく言うだろ?『主役は遅れてやって来る』って。」

 

ベリアルから解放されたジードは、すぐさまベリアルに挑んだ。

 

「ハァ!」

「ぐっ!?フッ!」

「ぐっ・・・!?」

 

だが、力が弱くなったベリアルでも、プリミティブフォームではまだ勝てなかった。

 ベリアルはジードを体に寄せ、腕でジードの首を絞める。

 

「俺の呪縛からどうやって抜け出せた!?」

「俺には・・・・・・仲間がいたからだ!!」

 

すると、ジードはドライバーのレバーを回した。

 

『Ready Go!』

「はぁ・・・!!」

 

すると、両腕に力を溜めて、

 

『プリミティブ フィニッシュ!』

「レッキングバーストーーー!!」

 

光線を放つ勢いで、ジードはベリアルと共に街の方へ飛んで行った。

 

「どこに行くんだよ!?」

「2人とも、行きますわよ。」

「うん。」

 

3人のライダーは、イグニスの影を使ってジードを追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 私は、蒼空がベリアルから解放された後、体育館に戻っていた。

 

(君のやるべき事は、まだあるはずだ。)

「はい、リトルスターを蒼空に届けます。」

『ロッソ!』『フレイム!』『ベストマッチ!』

「変身!」

『紅蓮の炎!ロッソ フレイム!イエーイ!』

 

蒼空の研究室にあった空のボトルを取り出し、台の上に置いた。

 

「朱菜、あなたの力も借りるよ。・・・・・・私の力を、想いを、蒼空に届けるために!!」

 

変身した状態で、キングの力と共にボトルに力を流し込む。

 

 

 

 

 




え~、この流れがだいたい分かる方は分かると思いますが、ジードの原作としてはあのフォームが出ます。ですが!・・・・・・文字数的に厳しいので、16時からもう1話出します。


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第27話 キングの奇跡

本日更新の回を見に来た方の中で、この回から見られる方はすぐにブラウザバックしていただいて、26話を見てください。
そして、今回はほぼバトルです。







 一方、街では香澄と蘭が心配の顔をして歩いていた。

 

「龍君たち、大丈夫かな・・・?」

「あの人たちなら、大丈夫でしょ?」

 

「お、香澄~!」

「あ!リサさん!」

 

香澄たちに気付いて声をかけてきたのはRoseliaの今井リサ。横には湊友希那もいる。

 

「・・・・・・今日は、あの人はいないのかしら?」

「湊さん、あの人って?」

「仮面ライダージード・・・・・・だっけ?代表戦の時にビルドドライバーで変身してた人。」

「あ、蒼空君は・・・・・・。」

「・・・・・・ねぇ、あれって・・・?」

 

蘭が指差す先には、赤と黒のようなのが、光線を出しながら街に落ちてきた。

 

「行ってみよう!」

「うん!」

「友希那、アタシたちも!」

「えぇ。」

 

4人は奇妙なものが落ちた場所に向かった。

 

「よっと!」

「うわっ!?ビックリした~!・・・・・・って、龍君!?」

「香澄!?なんでここに!?」

「蘭先輩も!?」

「なんでここにみんながいるの!?ベリアルは!?」

「ベリアルでしたら、そこに。」

 

香澄たちのところに、影から変身解除した龍哉たちが現れた。蘭の問いに答えるように夜華が指差した場所では、ベリアルが立ち上がった。

 

「ちょっ、なんで怪物がいるの!?」

 

突然現れたベリアルに街の人々は悲鳴を上げつつ逃げ出す。

 

『ソリッドバーニング!イエーイ!』

「ふっ!」

 

そして、ベリアルに立ち向かう戦士が1人。ベリアルと同じような眼をした仮面ライダー、ジードだ。

 

「行くぞ!」

「ふん!」

 

ベリアルの突進攻撃を腕で跳ね返し、自らのキックやパンチを撃ち込むジード。

 

『Ready Go!』

 

わずかな隙間で、すぐにドライバーのレバーを回し、

 

「ストライクブーストーーー!!」

『ソリッドバーニング フィニッシュ!』

「ぐっ・・・!ぐわぁあああ!!」

 

防ぐことが出来ず、まともに攻撃を食らうベリアル。ジードはすぐに距離を取り、

 

『アクロスマッシャー!イエーイ!』

「はぁ・・・!」

 

スピードに特化した『アクロスマッシャーフォーム』に変身した。

 

「くっ!紅蓮爆龍剣!」

「っ!」

 

ベリアルが爪から赤い斬撃を放つが、

 

「ふっ!」

 

ジードはその身軽さを利用して、前宙で回避する。

 

 

 

 

 

 その戦いを見始めた街の人々は・・・・・・、

 

「・・・・・・頑張れ!仮面ライダージード!!」

「頑張れー!」

 

花女代表のジードではなく、ただの仮面ライダージードを応援し始めた。

 

「・・・・・・凄い!みんなが蒼空君を応援してる!」

「蒼空、聞こえるか?この声が!」

 

「私たちは、(ジード)に対する考えを改めないといけないみたいね。」

「そうだね。少なくとも、ジードはあの時のビルドとは別人っぽいしね。」

 

 

 

 

 

『ジードクロー!』

「ふっ!ハァ!」

 

ジードクローを持ち、高速移動でベリアルに連続ダメージを与える。

 

「ぐわぁ!!」

「ふっ!はぁ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、花咲川女子学園の体育館では、ロッソが空のボトルにフレイムとグランドの力を注ぎ終えた。

 

「ふぅ・・・、次は、これ!」

『ブル アクア!イエーイ!』

「よし・・・!」

 

そして、『アクアフォーム』となったブルが、力を注ぎ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ベリアルは怒りに身を任せ、自身が得意とする『デスシウム光線』を放つ。

 

「ふん!!」

「コークスクリュージャミング!!」

 

ジードはクロー用いて発動できる技を使うが、その技もむなしく光線は当たり、ジードは煙に包まれた。

 

「蒼空!」

「主様・・・!」

 

他の者も不安そうに見るが、

 

『Are You Ready?』

「ん!?」

 

煙の中からビルドドライバーの音声が聞こえ、そのドライバーの持ち主が歩いてきた。

 

『マグニフィセント!イエーイ!』

「はぁ・・・。」

 

「うおおおおお!!」「頑張れー!」

 

「よっしゃあああ!!」

「さすが、主様ですわ!」

 

ジードは『コークスクリュージャミング』で光線の軌道をずらしていたのだ。そして、『マグニフィセントフォーム』に変身した。

 

「『ケン』の力か・・・!その力を使うからには、容赦はせんぞ!!」

 

ベリアルが再びジードに攻め込むが、

 

「ふん!」

「ぐっ・・・!はぁああ!!」

「ふっ!」

 

ジードはベリアルを足で押し返したりと、何度も攻撃を防ぎ、

 

「っ!はぁあああ!!」

「ぐおおおお!!?」

 

そのままベリアルを投げ飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ブルは最後のウィンドの力を注ぎ終えると、その中で4種の成分とキングの力が交わり、『キングボトル』が完成した。

 

「出来た!!」

 

それは同時に、海璃の中からリトルスターが消滅することを意味していたが、今の海璃にとってはどうでもいい事だった。

 

「すぐに行かないと!」

 

ブルはすぐさまウィンドの力でジードの場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!貴様・・・!?」

「・・・・・・!」

 

再び立ち上げるベリアル。ジードも、並大抵の攻撃では勝てないと改めて痛感し、頭の中でスパークリングかハザードフォームで決めようと考えていた。

 

「蒼空ーーー!!」

「・・・・・・っ!」

「これ使ってーーー!!」

 

ブルがやって来て、ジードにボトルを投げ渡した。

 

「おっと!・・・・・・っ!これは・・・?」

 

ブルは体力が限界なのか、変身が解けて、海璃の姿になった。

 

〈告。ボトルの成分を解析、成功。ボトル名『キングボトル』。相性の良いボトルは──〉

(いや、大丈夫。合わせるボトルなら、良いのがある。)

 

そう思い、取り出したのは、ベリアルの力が他のより一番組み込まれている『ジードボトル』だった。

 

「俺は・・・・・・お前(ベリアル)を超えてみせる!!」

 

そう言って、ジードは『ジードボトル』と『キングボトル』を振り始めた。その周りには、いくつもの方程式が流れていた。

 

「さぁ、実験を始めようか?」

『ジード!』『キング!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!!」

 

ジードの前にはベリアル、後ろにはウルトラマンキングが現れ、ジードと1つになった。

 

『運命のキングジード!

 ロイヤルメガマスター!』

 

ジードは、金色の装甲に金色のマントを身に着けた新たなる姿『ロイヤルメガマスターフォーム』に変身した。手には剣にも杖にもなる専用武器『キングソード』がある。

 

「これは、祝わねばなりませんね!!」

「夜華さん!?」

 

「まさか、選ばれたというのか!?キングに!?」

「王の凱旋である!!」

「っ!?」

 

走り出したベリアルを止めたのは、生身で2人の間に入ってきた夜華だった。

 

「祝え!!ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を受け継ぐ、新たなる王者!その名も、『仮面ライダージード ロイヤルメガマスターフォーム』!!究極の存在であるキングに認められ、新たなる歴史が創世された瞬間である!!」

「・・・・・・今回は結構気合入ってるね。」

「ふふっ。では、主様、存分に戦われよ。」

「・・・・・・あぁ!」

 

攻撃を仕掛けるベリアルに対し、ジードは『キングソード』を剣として持ち、迎え撃つ。

 

「ふっ!・・・・・・お前は強い。だけど、間違っている!!」

「なんだと・・・!?」

「フッ!ハァ!ハッ!」

「ぐぅ・・・!?」

 

ベリアルが爪で攻撃しようとするが、ジードは剣で受け止め、逆に『キングソード』で斬りつける。

 

アン(1)ドゥ(2)!』

「スウィングスパークル!」

 

杖の部分に2回手をかざし、身体を1回転させながら斬撃を放つ。

 

「ぐわぁあああ!!」

「ふぅ。・・・・・・っ!」

 

『キングソード』を杖状に持ち変えて、ベリアルの次の一手に備えた瞬間、ジードの脳内にあるヴィジョンが浮かんだ。

 

(ベリアルが・・・・・・光線を?でも──って、俺がやられる!?なんだ、この映像は!?)

〈告。リトルスターがブランクボトルに入り、フルボトルが完成しました。〉

(っ!?いつの間に!?)

〈・・・・・・今さっきです。名前は『87(エイティセブン)ボトル』『ランスボトル』『バーチカルボトル』『ストリウムボトル』が生成されました。続いて、『スペシウムボトル』『スラッガーボトル』と共鳴して、新たに『ブラザーズボトル』が形成されました。〉

(ブラザーズ?なんの成分だよ・・・?)

〈『ブラザーズボトル』をキングソードにセットして、ベリアルの攻撃を防いでください。〉

(?・・・・・・分かった!)

 

ジードは言われた通りに、キングソードに『ブラザーズボトル』をセットして、杖の状態で技を発動する。

 

「ハァアアア!!」

 

(っ!?この光景は!?)

 

『ウルトラ6兄弟!』

「ブラザーズシールド!」

 

技を発動したジードは、杖から6人の戦士が現れ、バリアを張ってベリアルの攻撃を防ぐ。

 

「くっ!・・・・・・ハァ!!」

「っ!」

 

〈告。このフォームなら空を飛ぶことが出来ます。〉

 

「・・・・・・ハァ!!」

 

ジードはベリアルを追いかけるように空へ飛び、空中戦を始める。

 

「貴様がどれほど俺を否定しようとも、貴様はベリアルの遺伝子を持つ者!俺の名前からは逃れることは出来ない!!」

「逃げるつもりはない!!この力が、お前から貰ったものかもしれないけど・・・・・・この力を使うのは、この気持ちは、俺のものだ!!」

「変えられることは出来ない、運命は!!」

「変えてみせる!!俺の運命は・・・・・・俺が決める!!フッ、ハァアア!!」

 

ジードは杖から光線を放ち、ベリアルを撃ち落した。

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

決め台詞を放つと、ドライバーからキングボトルを抜いて、キングソードにセットする。

 

『ウルトラマンキング!』

『アン!ドゥ!トロワ(3)!』

「はぁ・・・、ロイヤルエーーーンド!!!」

 

杖から放たれる光線は、今までの必殺技の中でも強大な力で規模も大きかった。ベリアルを覆いつくすほどに。

 

「ぐっ!なんだ、この力はーーー!!?」

 

ベリアルはそのエネルギーの光線に耐えられず、爆発した。爆煙が消えた後、そこには何も残ってなかった。

 

「ふぅ・・・。」

 

「ぃよっしゃー!!」

「・・・・・・強いな、叶わない訳だ・・・。」

「さすが蒼空だね。・・・・・・やったよ、朱菜。」

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 ようやく、ベリアルとの因縁に決着がつけれたな・・・。

 

「・・・・・・っ!」

 

この映像は・・・・・・カイザーシステムで変身した2人と、変身していないローグ?場所は・・・・・・花咲川女子学園!?

 

「お疲れ様です、主様。・・・・・・どうかなさいました?」

「・・・・・・ごめん、ちょっと行ってくる。」

「どちらに?」

「花女。」

「花咲川女子学園に?」

 

俺はボトルを入れ替えて、目的地まで飛んで行く。

 

『ホークガトリング!イエーイ!』

 

「え!?ちょっ、蒼空!?」

「おい!?どこ行くんだよーーー!?」

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 場所は変わって、花咲川女子学園。そこには、何事もないかのようにエンジンブロスとリモコンブロス、変身していないローグが歩いていた。目的は、『赤き鋼』だった。

 

『10!20!』

「くっ!」

「・・・・・・?」

「フッ!」

 

その前に、ホークガトリングフォームのジードが降りてきた。・・・・・・銃弾を相手の足元に撃ちながら。

 

「あら?ベリアルは放置してていいの?」

「悪いが、ベリアルなら今さっき倒してきた。」

「へ~。じゃあ、アンタ1人でアタシたちの前に立つんだ?」

「・・・・・・悪いが、他にもいるらしい。」

 

その言葉通りに、上から『ヘリコプターボトル』で飛んできたグリス、ジードの後ろからは高速移動してきたブル。最後に、普通に走ってきたクローズ。

 

「・・・・・・って、お前、走ってきたのか!?」

「万丈、移動に向いてるボトル持ってないからね~。」

「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ~~~!!」

「・・・・・・ま、いいや。やっぱりそうだったんだ、()()()()()。」

「「「・・・え!?」」」

 

まさかの衝撃展開に、ジードたちは驚きを隠せなかった。

 

「・・・・・・久しぶり、和美。」

「ちょっ、どういう事!?」

「・・・・・・『朝倉(あさくら)紫音(しおん)』、オレの2つ年上のたった1人の姉だよ。」

「せっかくだから、アンタもこっち(星導館)に来ない?」

「・・・・・・仲間を殺した奴らの下に、行くわけねぇだろゴラァ!!」

「そ。じゃあ、仕方ないね。」

 

紫音はクラックボトルを取り出し、変身した。

 

『クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

「大義のための、犠牲となりな。」

「心火を燃やして、ぶっ潰す!!」

「ビルドアップ!」『ラビットタンクスパークリング!』

「負ける気がしねぇ!!」『ツインブレイカー!』

「ルーブスラッガーブル!」

 

ジードはスパークリングに変身し、ローグと戦う。ブロス兄弟にはクローズたちが相手をしている。

 

「なんでグリスの姉が仮面ライダーになったんだよ!?」

「アタシにはやらなければならない事があるの。」

「ぐっ!?」

「そのために、難波が開発したこのライダーになったの。」

「ぐはぁ!?」

「難波のやりたい事にもある程度協力しながら、だけど。この3校を1つにするため。」

「だからって、関係のない人を傷つけるな!!」

 

ジードとローグの戦いは、ローグが優勢だった。

 

「・・・・・・っ!ハザードトリガーを使え!!暴走したら止めてやる!!」

「・・・・・・っ!分かった!!」

 

ジードはグリスの言葉を信じ、ハザードトリガーを使う。

 

『ハザードオン!』

「・・・・・・ほぉ~。」

『ラビット!』『タンク!』『スーパーベストマッチ!』

「ビルドアップ・・・・・・。」

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

ハザードフォームに変身すると、ジードは再びローグと戦う。

 

「学校を纏めることと、支配することは違う!お前たちがどれだけ力で支配しても、誰も『愛と平和』を胸に、幸せに生きることは出来ない!!」

「っ・・・・・・詭弁だね。」

「ハァ──ぐっ!?」

 

ハザードフォームの攻撃なら少々のダメージを与えれたが、ローグの一撃が、ジードの連撃を止めた。

 

「愛だの平和だの仲間だの、理想だけを追い求めるアンタなかには分かんないよ。」

「ぐはぁ!?」

「悪いけど、アンタなんかにアタシは倒せない。」

『クラックアップフィニッシュ!』

 

すると、ローグの必殺技がジードに炸裂、花咲川女子学園の建物まで蹴り飛ばされた。

 

「ぐわぁあああ!!」

「っ!蒼空!!・・・・・・っ!きゃあああ!!」

 

ブルが心配の声を上げたのも束の間、ブロス兄弟の一撃で変身が解けた。

 

「海璃!!・・・・・・っ!?」

 

クローズが海璃の心配し、その後にジードの方を見ると、ジードの変身が解けていた。

 

「ハザードトリガーでも勝てねぇのか・・・!?」

 

だが、危険はクローズたちにも迫っていた。

 

「「ふっ!はぁ・・・!」」

「行くぞ!」『シングル!』

「分かってる!」『シングル!』

 

ブロス兄弟がそれぞれの腕の歯車から強力な一撃を放とうとする。クローズとグリスは『ツインブレイカー ビームモード』にそれぞれのゼリーをセットして迎え撃つ。

 

「オリャアアア!!」『シングルフィニッシュ!』

「ウラアアア!!」『シングルフィニッシュ!』

 

「「はぁあああ!!」」

 

だが、その結果は・・・・・・

 

「「ぐわぁあああ!!」」

 

クローズたちの攻撃は、ブロス兄弟の攻撃に跳ね返され、クローズたちの変身までもが解除された。

 

「くっ・・・!」

「終わりみたいだね。」

「・・・・・・っ!」

 

その時、蒼空のポケットにあるキングボトルが輝き出した。

 

「・・・・・・行けるのか・・・!?」

「うん?」

 

蒼空は立ち上がり、2本のボトルをセットする。

 

『ジード!』『キング!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身!」

『運命のキングジード!ロイヤルメガマスター!』

 

本来、変身してから強制解除されるまでの間に変身したフォームに再変身すると、体への負担が大きい。だが、ジードにはその負担がなかった。

 

(・・・・・・これならイケる!)

 

ジードが再び変身したタイミングで、ブロス兄弟がジードに攻撃をしてきた。

 

「フッ!ハァ!」

 

すると、ジードの脳内にまたヴィジョンが流れる。

 

(・・・・・・また、これか!?)

 

そして、ブロス兄弟の攻撃をかわしつつ攻撃して、ジードは1つ理解した。

 

(やっぱり、このフォームだと未来が見えるのか・・・。)

 

先程の攻防も、さっき流れたヴィジョンと同じ状況だった。

 

「だったら、新しいボトルも試してみるか!」

 

取り出したのは、新しく手に入れた『ランスボトル』だった。

 取り出した『ランスボトル』をキングソードにセット、手を1回かざし、技を発動させる。

 

『ウルトラマンジャック!』

「フッ!はぁ・・・、ランススパーク!!」

「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁ!!」

 

その攻撃は、エンジンブロスを変身解除させる程の力があった。

 

「お前にはこれだ!」

『ウルトラマンエース!』

 

2本目のボトルは、『バーチカルボトル』だ。同じような手順で再び技を発動する。

 

「はぁ・・・、バーチカルスパーク!!」

「ぐはぁ!?」

 

2種類共、斬撃技の部類だが、パターンが違う攻撃に星導館組は翻弄されていた。

 

「へ~、厄介な力だね。」

「フッ!」

 

スチームブレードを構えたローグを見て、自動的に発動していた『未来予知』を発動しようと試みる。結果は・・・・・・成功した。

 

「見えた、ローグの未来!」

「ハァ!」

「フッ!ハァ!!」

「ぐふっ!?・・・・・・っ!?」

 

何度も攻撃をするローグだが、一度見た光景を実体験しているジードからすれば、いとも簡単に攻撃を防いで、反撃することが可能だ。

 

お前(ローグ)には、これだ!」

 

取り出したのは、『ストリウムボトル』だった。

 

『ウルトラマンタロウ!』

「フッ!はぁ・・・、ストリウムフラッシャー!!」

「っ!?」『クラックアップフィニッシュ!』

 

炎を纏ったキングソードの光線の前にローグも拳にエネルギーを集め、必殺技を発動するが、

 

「ぐぅ・・・!?」

「っ!」

 

ローグの方が負けてしまう。

 

「思った以上に厄介だな・・・・・・。フッ!」

 

変身解除される程ではなかったが、ダメージがかなりあるようで、ブロス兄弟と共に煙を使って姿を消した。

 

「・・・・・・未来予知、か・・・。」

 

変身解除した蒼空は、キングボトルを見てそう呟いた。

 

 

 

 

 




ってことで、まさかのバトル2本でした。・・・・・・疲れた~。書いといて言うのもアレだけど。

改めて、『ロイヤルメガマスター』の力は、
・原作『ジード』のロイヤルメガマスターと同じ能力。
・原作『ジオウ』に登場する『ジオウⅡ』の未来予知能力。

こう言えば、分かるでしょ?


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第28話 新たな心火

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川・羽丘・星導館の3校で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、復活したベリアルをキングの力で倒したが、星導館の勢いはとどまることは無かった。」
「夜華さん、あの盛大な『祝え!』は何?」
「キングの力は究極の力です。その力で変身した主様の姿は世に喧伝しないわけにはいきませんよ!」
「はいはい。じゃ、第28話どーぞー。」
「蒼空、軽く流していいの?」







 

 

 

 

 

 ベリアルとの戦いから1日が経った。

 

「あなたには聞きたいことがあるの。」

 

・・・・・・なんでか分かんないけどさ、正座させられてんのよ・・・。圧って怖いね。

 

「半年ほど前、私とリサの前にビルドが現れたの。」

「え、ビルドが!?」

「そーだよ。確かに、『仮面ライダービルド。《創る・形成する》って意味のビルドだ。』って言ってたし。」

 

・・・・・・もしかして、葛城映司?っていうか、昔の俺?

 

「その・・・・・・ビルドは何かしたのか?」

「えぇ。私の胸に宿っていた光をボトルで奪っていったわ。」

「っ、リトルスター・・・?」

「?・・・・・・それがなんなのか分からないけれど、それが奪われる前まで体が熱かったのに、その後何もなかったの。」

「だったら、リトルスターが友希那さんの中にあったんだ。それをビルドが回収した・・・・・・。」

「それで、ビルドが誰か分かるかしら?」

「・・・・・・それは、多分俺だ。」

 

俺は椅子に座りながら話す。・・・・・・予想の話だけど。

 

「どういう事かしら?」

「俺は、記憶を失くしている。だが、記憶を失くす前の俺は、『葛城映司』なんだ。」

「・・・・・・それが、どうかしたの?」

「葛城映司がビルドとなって、あなたのリトルスターを回収したんだと思います。自分の実験のために。」

「じゃあ、もしも友希那のリトルスター?を奪ったのが葛城映司だとしたら、アナタが葛城映司だから自分のせいだと?」

「・・・・・・はい。それに、これがそのボトルではないでしょうか?」

「・・・・・・あぁ!!これだよこれ!!」

 

やっぱり、『スペシウムボトル』だったか。これと『ジードボトル』は、使える状態になってからしばらく経ってたから、もしかしてと思ったけど・・・・・・。

 

「・・・・・・あなたの言っている事は大体分かったわ。あなたに悪気はなさそうだから、許すわ。」

「・・・・・・っ!」

 

・・・・・・って、俺はYouたちからしたら悪者だったの?

 

 

 

 

 

「ねぇ、湊友希那ってかなり怖いね。今井リサも、『優しい』って聞くけど、怒ってる雰囲気が出てると凄く怖いし・・・・・・。」

「香澄が、『友希那さんは怖くないよ!格好いいよ!』って言ってたけど、全然違うじゃねぁか・・・!」

「確かに、蘭先輩も『湊さんは怖くないよ。』って言ってたけど・・・・・・。」

「確かに、怖くはないですね。」

「・・・・・・私としては、今一番怖いのは平然と皿を洗ってる夜華さんなんだよ。」

「「え?・・・・・・あ!」」

「そろそろ我が主様を解放しないと、わたくしの気がどうにかなりそうで・・・!」『ビートクローザー!』

「ちょっ、夜華さん!ストップ、ストーップ!!」

「ヤベー!!こいつを止めろー!!」

 

 

 

 

 

・・・・・・あっちは何してんだ?

 

「ん?」

「あ!海璃、手を放すなよ!」

「蒼空!ガーディアンが!」

「っ!」

 

そんな事言われたら、すぐに体が反応しちゃうでしょ・・・。

 俺と海璃、万丈、そして夜華でガーディアンが暴れている場所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 蒼空たちが着いた場所では、校章のないガーディアンが街を破壊していた。

 

「校章がないってことは、ファウスト?」

「だと、良いがな。」

 

憶測を立てつつ、変身する。

 

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

『ロッソ ウィンド!』

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

『デコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

「っしゃあああ!!」

「ふっ!」

 

そして、すぐさまガーディアンたちを破壊していく。だが、

 

「ふっ!ぐわっ!?・・・・・・え!?」

「ぐはっ!?・・・・・・あぁ!?どうなってんだ!?」

「くっ!・・・・・・まさか、ガーディアンたちにわたくしたちの戦闘データをインプットしているようですね・・・。」

「道理で、私たちがガーディアンに負けそうになる訳だ・・・・・・。」

「だったら、これで!」

 

そうして、ジードが取り出したのは『ジード』と『キング』のボトルだった。

 

『ジード!』『キング!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!』

『ロイヤルメガマスター!』

「・・・・・・よし。」

「お待ちください、主様。」

「うおっ!?・・・・・・な、何?」

「戦いの前に、やっておきたいことがあります。」

 

戦いに行こうとしたジードを止めたイグニス。そして、その『やりたいこと』が、こちら。

 

「ひれ伏せ!彼こそは『仮面ライダージード ロイヤルメガマスター』!究極の存在であるキングと、破壊の『ベリアル』、創造の『ビルド』。3つの力を1つにし、未来を切り開く新たなる王者である!」

 

『ヤベーイ!』

 

・・・。

 

「ん?・・・・・・である!」

「ちょっと!・・・・・・夜華、今の何?」

「『何?』とは?」

「あなたはどういう気持ちで──」

「静かにしていただけませんか?」

「何をぉおお!!?」

「海璃、落ち着けって!!」

この姿(ロイヤルメガマスター)は、主様の覇道の証。世に喧伝しなければなりません。」

「えぇ・・・、恥ずかしいんですけど。」

 

と言いつつ、ガーディアンたちとの戦いを再開するジードたち。徐々にガーディアンたちを減らしていく中、

 

「どうだ?俺からのプレゼントは?」

「っ!」

「スターク!」

「なんでアンタがここに!?」

「ボトルを回収しに来たんだよ。」

「渡すと思うか?」

「・・・・・・だろうな。ま、俺がやらなくてもローグがやるさ。」

「その前に、お前を倒すさ!」

 

ジードは突如現れたスタークと対決する。他の3人のライダーたちは、ガーディアンたちと戦う。

 

「ふっ!くっ!?・・・・・・キングの力とやらはそんなものか?」

「なめるな!」

 

そしてジードは、スタークの未来を予知する。

 

「見えた、お前の未来!」

「ん?・・・・・・なんの事だ!?」

 

そう言いつつ、スチームブレードで攻撃するスターク。だが、ジードは全て見切っているかのように、攻撃をかわしたり防いだりして、

 

「くっ!?なぜ攻撃が・・・・・・!?」

「ハァアアア!!」

「ぐっ!?・・・・・・っ!」

 

強力な一撃を与える。

 

「これで決める!」

 

ジードは『87(エイティセブン)ボトル』を取り出し、キングソードにセットする。

 

『ゾフィー!』

87(エイティセブン)フラッシャー!」

「ぐぅ・・・・・・ぐわぁあああ!?」

 

その攻撃に、スタークは吹き飛ばされる。だが、変身解除までには至らなかった。

 

 

 

 

 

 一方、イグニスは、

 

「そろそろ決めますよ?」

 

そう言って、イグニスは『青色のクラックボトル』を取り出し、ドライバーにセットする。

 

『ウォーター!』『シューティングコード!』

 

そして、レバーを下ろすことで、青色のイグニスへと変身する。

 

『割れる!流れる!溢れ出る!

 シューティングコード・イン・イグニス!オラァ!』

 

羽根があり、左腕には弓が収納されている新たなイグニス、『シューティングコードモード』。その能力は、

 

「はぁ・・・・・・ふっ!」

 

弓矢による遠距離攻撃だ。さらに、背中の羽根で飛び、空中から狙撃する。

 

「それでは、ごきげんよう。」

『クラックアップブレイク!』

 

『シューティングコードモード』の必殺技は、無数の矢を相手に放つこと。そしてその威力は、対象が多いほど強くなる。

 この能力で、無数の矢が雨のようにガーディアンたちに降り注ぎ、対象は全て破壊される。

 

 

 

 

 

 そして、クローズは、

 

「こっちも負けてらんねぇ!!」

『Ready Go!』

 

ツインブレイカーにクローズドラゴンをセット。それに加えて、

 

『ビートクローザー!』『スペシャルチューン!』

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

ビートクローザーにロックボトルをセット、2つの武器から必殺技を放つ。

 

『メガスラッシュ!』『レッツブレイク!』

「オリャアアア!!」

 

ビートクローザーから放たれたエネルギー弾をツインブレイカーから放たれたドラゴンが咥え、そのままガーディアンたちに突撃していって、破壊した。

 

 

 

 

 

 残り数体となったガーディアンたちには、

 

『Are You Ready?』

「セレクト!」

『琥珀の大地!ロッソ グランド!イエーイ!』

 

ロッソが相手をしていた。

 

「グラビティ・・・・・・ホールド!!」

 

ロッソは重力操作でガーディアンたちの重力を重くして動きを止める。

 

『ルーブシューター!』

『フレイム!』『ウィンド!』

『Ready Go!』

「アデュー♪」

『ルービウムバースト!』

 

ルーブシューターに2本のボトルをセットして放った技は、風のエネルギーに炎を乗せることで威力を上げた火炎攻撃だ。

 その技には、ガーディアンたちも対応出来ず、破壊されるしかなかった。

 

 

 

 

 

 ガーディアンたちの暴走は、暴走させた張本人のスタークが乱入してもライダーたちには敵わず、『全て破壊』という形で事を終えた。

 

「・・・・・・これがキングの力か。予想以上だな・・・。」

 

そしてスタークは、トランスチームガンを取り出し、

 

「っ!」

「逃がすか!!」

「Ciao~。」

 

姿を消した。

 

「・・・・・・このフォーム(ロイヤルメガマスター)でも、本気のスタークを倒しきれないか・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 帰ってくると、しばらく俺の家に住むこととなって、今はいるはずのグリスがいなかった。

 

「・・・・・・あれ、グリスは?・・・・・・っていうか、なんでYouたち(ポピパ)がいるの?」

「遊びに来た!」

 

帰れ。

 

「和美なら、どこかへ行っちゃったよ。」

「・・・・・・ちょっと探してくる。」

「行ってら~。」

 

俺はマシンビルダー(ライオンボトルを奪われたから、バイクにするために作った仮のボトルをセットしてる。)に乗って、和美を探す。

 

(・・・・・・どこ行ったんだ?)

〈告。『朝倉和美』の反応を確認。マップを脳内に表示します。〉

(・・・・・・ほんと、俺ってどうなってんの?)

 

自分の能力・・・・・・特に『大賢者』なんだが、未だに理解できない。ただの人間のはず・・・・・・じゃないか。既に、体内にベリアルの遺伝子があるんだし。それに、『ネビュラガス』も。

 

 でも、それだけでこんな能力が身に付くのか?こんな能力、ベリアルも持っていたなら納得がいくが、そんな様子はなかった。だったら、俺の体には、まだ何かあるのか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(それは、君の中の魔王因子が活性化しているからだ。)

 

 

 

 

 

「っ!・・・・・・誰だ!?」

 

・・・・・・誰もいない?一体、今の声は・・・?

 

「っ!?ジード・・・・・・。」

「よ、よぉ。どこ行くんだ?」

「・・・・・・止めても無駄だよ。」

 

謎の声でバイクを止めたけど、それがタイミングよくグリスの横だったとは・・・。とりあえず気になったのは、こいつの手に3枚のドックタグが見えた。

 

 確かドックタグは、戦争とかで遺骨が残らなかった場合に代わりに埋める物だったっけ?

 じゃあ、こいつ・・・・・・。

 

「・・・・・・分かった、乗れ。」

「は?何が分かったって言うんだよ?」

「それを埋めるんだろ?候補があればそこまで走るから、乗れ。」

「・・・・・・近くの海辺まで。」

「了解。」

 

グリスを後ろに乗せ、近くの海辺に走った。

 

「・・・・・・ここでいいか?」

「あぁ。」

 

とりあえず、グリスについて行った。

 

「・・・・・・いつまでついてくんの?」

「お前が何しでかすか分かんないからな。」

「・・・・・・見りゃ分かんだろ?墓作んだよ。」

 

やっぱりか・・・。

 

 それからはグリスをただ見守っていた。木で十字架のように組み、それに赤と青と黄色の布を巻き付け、その下に3枚のドックタグを埋めた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「な~に勝手に墓作ってんだよ?」

「・・・・・・万丈。って、海璃も?」

「・・・・・・これくらい良いだろ?」

「それは・・・?」

「三羽ガラスの墓だと。」

「・・・・・・そっか。」

 

後に来た2人も、事情を理解した。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

「想い出に浸る時間はおしまいだよ。」

 

そこに、突如紫音が現れた。

 

「っ!ローグ!?」

「なんでテメェがここに・・・!?」

「『赤き鋼』を回収しに来たんだよ。」

「なんでその事を!?」

 

海璃のカバンの中には、花咲川女子学園にあるはずの『ギガファイナライザー』が入っている。そして、それを知るのは蒼空、龍哉、海璃、校長だけだった。

 

「さぁね?じゃ、『赤き鋼』をいただこうか?」『デンジャー!』

『クロコダイル!』

「変身。」

『割れる!食われる!砕け散る!クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

 

紫音はローグとなり、戦闘態勢を取った。

 

「万丈、アイツを追い返すよ!」

「分かってる!」

『ブル!』『ウィンド!』『ベストマッチ!』

『ドラゴンゼリー!』

「「変身!」」

 

海璃は『赤き鋼』の入ったカバンを地面に置き、龍哉と共に変身した。

 

『Are You Ready?』『ブル ウィンド!イエーイ!』

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

 

「しゃぁあああ!!」

「ハァアア!!」

「2人だけ?」

 

クローズたちはそれぞれ武器を持って挑むが、ローグは素手で相手をしている。

 

「っ!俺も!」

「待って!」

「っ!?・・・・・・グリス?」

 

蒼空がドライバーを腰に巻こうとした瞬間、和美が蒼空の前に立った。

 

「・・・・・・ボクと、一緒に戦ってくれる?」

「・・・・・・?」

「なんでお姉ちゃんが星導館にいるのかは分からない。でもジード・・・・・・蒼空さんたちと一緒に戦えば、ボクの心火は更に燃やせれる・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「頼む!ボクと一緒に・・・・・・戦ってください!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

頭を下げる和美に、蒼空は手を差し出した。

 

「っ!・・・・・・?」

「和美って呼んでいいか?」

「・・・・・・!うん!」

 

(うわ~、キャラが変わった~・・・・・・。)

 

「その代わり、蒼空って呼んでくれ。」

「蒼空・・・・・・。そら・・・・・・そら、にぃ・・・・・・蒼空兄(そらにぃ)!」

「はい?」

「ボクのクラスメイトが年上の人をそんな感じで呼んでるの。ボクも、蒼空兄って呼んじゃダメ?」ウルウル

 

(大賢者さん、和美ってこんな性格なの?)

〈・・・・・・解。調べてもそんな情報は出ません。〉

(ですよね~。)

 

「・・・・・・良いよ。」

「・・・っ!ありがとう!」

 

ちょっと呆れるように言いながら。和美と並んでドライバーを巻く蒼空。

 

『ロボットゼリー!』

『ラビットタンクスパークリング!』

『Are You Ready?』

「「変身!」」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

「心火を燃やして・・・・・・ぶっ潰す!!」

 

そして、変身をした2人はローグとの戦いに参戦する。

 

「っ!・・・・・・へぇ~。和美、そっちに付くんだ?」

「あぁ、最速で戦争を終わらせて、羽丘を元に戻すためにな!!」

「だけど、アタシには勝てない。」『ライフルモード!』

 

ローグは『ネビュラスチームガン』に『スチームブレード』を合体させ、ライフルを完成させた。そして、ライフルに『クロコダイルボトル』をセットして、

 

『クロコダイル!』

「・・・・・・ふっ!」『ファンキーショット!クロコダイル!』

「っ、ハァ!・・・・・・ぐぅ・・・!!」

「「ぐわぁあああ!!」」

「ぐはぁ!?」

「きゃあああ!!」

 

ブルがバリアを作って、ローグの放った強力な銃撃を防ごうとするが・・・・・・力が足りず、他のライダーたちと共に吹き飛ばした。

 

「うぅ・・・!」

「っ、海璃!!」

「テメェ・・・!」

「だったら、これで!」

 

ジードは『ロイヤルメガマスター』の組み合わせを取り出す。・・・・・・が、

 

「させない!」

「くっ!・・・・・・しまった!?」

 

ローグは上手く『キングボトル』を撃ち飛ばした。

 

「あのフォームにはさせないよ。」

「っ、ヤベー!!」

 

ローグのライフルの銃口は・・・・・・海璃に向いた。何故なら、海璃が『キングボトル』を回収したから。だが、その銃弾は、

 

「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁ!!」

「万丈!大丈夫!?」

「なんとか、な・・・!」

 

クローズが身体を張って防いだが、すぐに動ける状態ではなくなってしまった。

 

(こうなったら、あれで行くしかない!!)

 

「和美、ハザードを使う!・・・・・・フォローを頼む!」

『ハザードオン!』

「っ・・・・・・分かった・・・!」

 

ジードは覚悟を決めて、『ロイヤルメガマスター』以外でローグと渡り合える唯一のフォーム『ハザードフォーム』になることにした。

 

『ラビット!』『タンク!』『スーパーベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

「・・・・・・フッ!」

「くっ!」

 

ハザード対ローグの戦い。互いに素手で相手をするが、前はジードが劣勢だったが、今はほぼ互角のところまでの力となっていた。だが、

 

「フッ!」

「っ!・・・・・・また強くなってる・・・!」

「・・・・・・!」

 

拳を放ったポーズのまま、動かないジード。

 その理由は、紛れもないハザードトリガーの副作用だ。今のジードの脳への刺激が限界を迎えていた。

 

「・・・・・・くっ!?あぁ・・・・・・。」

 

ジードの腕が力の抜けるように下がった。そして、その腕が上がり、その手はトリガーのボタンを押した。

 

『マックスハザードオン!』

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

「ヤベー・・・!?」

『Ready Go!オーバーフロー!ヤベーイ!』

 

何も喋らなくなったジードは高速で移動し、ローグの銃弾を避けつつ、

 

『Ready Go!』

「フッ!」

『ハザードフィニッシュ!』

「ぐはぁ!?」

 

ライダーキックを決める。そのキックを防げなかったローグは、今までの中で一番のダメージを受けて、吹き飛ばされた。

 

「っ!ダメージを与えた!?」

「くっ・・・!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

変身解除までには至らなかったため、ジードの標的は未だにローグに向いていた。

 

「・・・・・・だが、自我を失ったアンタには、勝ち目はない。」

 

走り出したジードに対し、ローグは攻撃を一度かわしてグリスへと走り出す。

 

「なっ!?このっ!!」

「よっと!」

「っ!?」

「ふふっ。」

「ぐわぁ!!・・・・・・ちょっ、蒼空兄!?」

 

ジードの破壊対象は、気付かぬうちにローグからグリスに変わっていた。

 

「ちょっ、蒼空兄!?止めて!!」

「・・・・・・今のうちに。」

 

ジードがグリスを破壊している時に、ローグは『赤き鋼』に向かいだした。

 

「っ、させるか!」『スクラップブレイク!』

「・・・・・・。」『クラックアップフィニッシュ!』

 

ローグを止めようと、クローズはライダーキックを放つが、

 

「オリャアアア!!」

「ハァア!」

「ぐわぁあああ!!」

「っ!?万丈!!」

 

ローグがクローズを蹴り返した。クローズの変身は解けてしまった。

 

「・・・・・・遂に、手に入れた・・・。」

『フルボトル!』

 

『赤き鋼』を持ったローグは、ネビュラスチームガンにフェニックスボトルをセットして、火の鳥となってどこかへ飛んでいった。

 

『ファンキーアタック!フルボトル!』

 

「ぐはぁあああ!!?」

 

ローグが飛んでいったとと同時に、ジードにやられて、グリスの変身が解けてしまった。

 

「グリス!!・・・・・・っ!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

和美を心配して立ち上がったのが、不幸の続きを生んでしまった。

 ジードの破壊対象が、海璃に向けられた。

 

「・・・・・・っ!ヤベー・・・!!」

「はっ・・・!キャア!!」

「止めるぉぉおおおお!!!」

 

龍哉の叫びも虚しく、ジードは海璃の首を絞め上げる。

 

「ぐっ・・・!?」

「くっ・・・!うわあああああ!!!」

 

このまま、また1つの命が失われようとしていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ・・・!?」

「・・・・・・!」

 

海璃の手にあったキングボトルが輝き、ジードの右目(タンク)赤く(ラビット)するまでは・・・・・・。

 

 

 

 

 




ってことで、ビルド25話をベースに書きました。・・・・・・ハザードの目が両方とも赤くなったよ。あとは、分かるっしょ?

それと、和美がようやくデレました!年上を『兄』とか『姉』って呼ぶ人って誰かね?ヒントは、『羽丘』で『中学3年生』。みなさん検索出来ました?


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第29話 新たなビルドの可能性

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園、羽丘女子学園、星導館学院で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、復活したベリアルを倒すが、星導館の勢いは留まることを知らなかった。・・・・・・ってマズイ!!オーバーフロー状態だ!!あぁギガファイナライザーが!?・・・・・・あ~あ、奪われちゃったよ・・・。ってなんで俺、海璃に襲い掛かってんだよ!?・・・・・・もうどうなっちゃうの第29話!?」







 

 

 強制変身解除させられて、動けずにいる龍哉と和美。そして、奪われないように持ってきていた『赤き鋼』もローグに奪われてしまい、そのローグはどこかへ飛んで行った。

 

 そして、海璃はオーバーフロー状態のジードに首を絞められ、足を浮かせられている。

 

「・・・・・・!」

 

だが、ジードの右目(タンク)赤色(ラビット)になって・・・・・・、

 

「・・・・・・っ!え・・・?っ、海璃!!」

 

自我が戻り、変身が解けた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、っ・・・・・・今のは?」

「なんで、勝手に変身解除したんだ・・・!?」

「テメェ・・・!何しでかしたのか分かってんのか!!?」

「落ち着け!!」

 

龍哉が蒼空に掴みかかろうとした時、和美が大声を上げてそれを止めた。

 

「そんな事より・・・・・・なんで星導館が『赤き鋼』をボクたちが持ってるって分かった?それどころか、この場所まで・・・?」

「・・・・・・っ!?」

「・・・・・・確かに・・・。」

 

俺たちにしか知らないはずの情報が星導館のローグが知っていた。この場所については校長だけ知らない。和美は『俺たちが『赤き鋼』を持っている』ってことを知らなかった。だとすると、残りの選択肢は・・・・・・。

 

「こん中に・・・・・・()()()()がいる・・・・・・。」

 

選択肢は、俺と海璃、万丈の3人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 学校の夏休みが終わり、花咲川女子学園と星導館学院の校長たちは、

 

「ついに・・・・・・『赤き鋼』が星導館のものに・・・!」

 

それぞれの校長が通信で話していた。

 

「早く・・・・・・これに眠る強大なエネルギーが見たい・・・!!」

「・・・・・・!」

「後は、花咲川女子学園のボトルさえ揃えば・・・・・・。」

「ボトルを、渡すつもりはない。」

「我々が本気を出せば花女をすぐに崩壊させることができる!それを阻止したければ、我々の提案をご検討いただきたい。」

 

不穏な空気が流れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 あの戦いの後、

 

「あぁん!?あぁん!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

あの筋肉バカがず~~~っと和美を睨んでやがる・・・。ってか、ガン飛ばしてやがる・・・・・・。

 

「ちょっと、本当にこの中にスパイがいるの?」

「テメェには関係ねぇ。引っ込んでろ!」

「何先輩に当たってんだよ、バカ。」

 

お~お~、先輩()の事になると眼がマジになるな~。

 

「あぁ!?バカって言うなよ!せめて『筋肉』付けろよ!」

「筋肉どこにあんの?」

「着痩せするタイプんなんだよ!」

龍兄(りゅうにぃ)何食ってんの?」

 

・・・・・・そんなバカのトークよりも、今気になってるのは・・・・・・なんであの時、ハザードの目が両方ラビットになって、暴走が止まったのか?

 

「おい!お前も候補の1人なんだぞ!?」

「はぁ・・・、あの──っ!?」

 

突然、ブレスレット型の通信機が鳴りだして、花女の校長室に呼び出された。ちなみに、この文より前が家で、この後は校長室な。

 

「代表戦・・・・・・ですか?」

「えぇ。我々が負ければ、花咲川女子学園は星導館学院が取り込み、ボトルを全て渡さなければならない。でも勝てば、花咲川女子学園への侵攻を辞めるだけでなく、羽丘女子学園を元に戻すと言っている。」

「・・・・・・それ、ほんとうなの!?」

「うん。・・・・・・ただし、今回は3対3の総当たり戦で行うって。」

「3対3・・・!?ってことは・・・・・・!」

「ハザードレベルの数値から言えば、俺と万丈と──」

「・・・・・・ボクが出る。」

「「・・・・・・!」」

「あなた・・・・・・。」

 

和美の発言に、俺と万丈は驚いたが、海璃は声を出すくらいだった。

 

「この戦いに勝って、この戦争を終わらせてほしいの。お願い!」

 

だったら、その準備をしないとな。・・・・・・ってことで、次のセリフからはまた家で~す。

 

「おい、星導館のスパイは探さなくていいのかよ?」

「あぁ。その件は任せてくれ。」

「は?」

「それよりも、今はジードの強化アイテムの開発だ。」

 

その鍵は、『ハザードトリガー』だ。

 

 ハザードトリガーは、オーバーフロー状態になるとハザードレベルが急激に上がる。だが、自我を失うのが欠点だ。

 

「・・・・・・で、ハザードトリガーをどうするんだよ?」

「そこで、オーバーフロー状態でも自我を保てる装置を創る。」

「ふ~ん・・・・・・。」

「でも、そんなのどうやって創るの?」

「前の戦いの時、何故か意識が戻った。キングの力が作用して。」

 

あの時、海璃が持っていた『キングボトル』が輝いていて、俺の意識が戻った。

 

「つまり、『キングボトル』の力ならそれが可能だ。」

「ん?」

「海璃、これからジードの映像を流す。それと、『キングボトル』も。」

 

俺は『キングボトル』と・・・・・・分かりやすく言えば、『PSVR〇』みたいなのを渡した。

 

※著作権等がありそうなので、文字を一部隠しました。

 

「これで私に何しろって?」

「それで、『お願い、キング様。イケメン天才物理学者のために、ハザードトリガーの特性を活かしたボトルを作って』って念じてみて。」

「なんで私が!?」

「言ってくれたでしょ?|『私も、ビルドを創った責任は・・・・・・必ず償う!』《モノマネ中》って。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ほらほら!そういう訳で、よろしく!」

「ちょっと!?も~~~!!」

 

言った事なかった気がするけど、ビルドにもあった浄化装置が俺の家の研究室にもある。この装置でスパークリングも創った。

 海璃にはこの装置に入ってもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 まんまと蒼空に言いくるめられて、装置の中に入れられてしまった私。仕方ないから、この・・・・・・なんか変なの付けますか。

 

「・・・・・・はい。」

「行くよ!ポチっと。

 

・・・・・・って何これ!?周りが全てジードの戦いの映像なんだけど!?

 

 これは・・・・・・蒼空の初変身?こんなのだったんだ・・・。

「やっぱ俺ってイケメンだな~。」

 

「そんな事より、こんな映像どこにあったんだよ?」

・・・・・・ん?男共は何言ってんの?

「それは・・・・・・。

お!やっぱり『レッキングバースト』は破壊力あるな!」

 

「誤魔化したよ・・・・・・。」

これは・・・・・・色んなベストマッチのバトルシーンだね。

「なぁ、ジードってベストマッチのボトルで変身するよな?」

 

「それが?」

 

「そもそもベストマッチってなんだよ?

 

『生き物と機械の組み合わせがマジサイキョー!』って感じ?」

 

「『有機物と無機物』って言ってくれない?

2つの成分をイイ感じにしてるのがベストマッチなの。」

・・・・・・ちょっとうるさいかな~?

「なんだよ、『イイ感じ』って!?」

 

「そこはスルーしなさいよ。

『ウサギと戦車』とか、『ゴリラとダイヤモンド』とか、

なんでこれが相性良いのか未だに解明出来てないんだから。」

 

「解明出来てねぇのかよ!?

・・・・・・ま、俺の天才的第・六・感!!なら、

一発でベストマッチが分かるけどな!」ドヤァ

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「そこはスルーするなよ!」

いや、別に万丈のことは・・・・・・あ、クローズだ。

「お!クローズ~!マジサイキョー!!」

 

「はい、早送り~。」

 

「え!?なんで!?」

あ、こっちも早送りされた。・・・・・・そっか、蒼空が再生してるから、あっちで再生できるんだよね?

 

「ってか、俺のクローズって『ドラゴン』1本だけだろ?

なのに、なんであんなにツエーんだよ!?」

 

「天才物理学者の俺が、

ドラゴンの成分を2本にする画期的なアイテムを発明したからだよ。」

「ふ~ん。・・・・・・あ!じゃあ、

『有機物と有機物』の組み合わせって出来るってこと?」

「それは・・・・・・。」

確かに、クローズは『ドラゴンボトル×2』で変身してるもんだからね。

「スパークリング、弾けてるな~!」

「また誤魔化したよ・・・・・・。」

そろそろ限界だな・・・!

「お前はほんと都合が悪く──」

「うるさーーーい!!!」

「「うおっ!?」」

「いい加減に黙らないと、脳天撃ち抜くよ!!

「「さーせん・・・。」」

全くもう・・・!!

 それにしても、ハザードトリガーはリトルスターのボトルには反応しないから、基本はビルドのボトル60本が反応するってことになる。その中で基本フォームは・・・・・・『ラビットタンク』。ギガファイナライザーの残留物質に反応したのも、『ラビットタンク』。ハザードトリガーはベストマッチを強化するからその基本フォームも・・・・・・。

 あの時、ジードの目が両方ともラビットになったから・・・・・・。

 

「・・・・・・ラビットタンクに意味があるのかな~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

「さーや~!早く~!」

「はいはい。・・・・・・あ、ちょっと先行ってて。」

 

誰だろう、こんな時に・・・?って知らない番号?

 

「・・・・・・はい。」

 

「沙綾ちゃん?どうしたの?」

「・・・・・・う、ううん。なんでもない。」

 

もしかしてと思ったけど・・・・・・どうしよう・・・?どうすればいいの・・・・・・?

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ま~だ出来ないかな~。

 

『チン!』

 

「「っ、出来た!!」」

「どけ!」

「あ!」

「あ?・・・・・・あ!」

「最っ高だ!!」

 

装置のボトル入れが爆発音と共に開き、中のボトルが完成した。

 

「・・・・・・って、あれ?ラビットボトル?」

「でも色が違うな。なんで?」

「知らないよ・・・。ちゃんと祈ったし。」

 

と、中から海璃が出てきた。・・・・・・まぁ、白色のラビットボトルを知るはずはないだろうな。念じてただけだし。

 

「『お願いキング様。イケメンぶってる天っ才物理学者のために、ハザード・・・・・・なんちゃらかんちゃらして~。』って。」

「念じ方が雑だろ!?」

「うん?」

 

ニカッじゃないよ・・・。

 

「・・・・・・ラビット・ラビット・・・?同じで組み合わせた事なかったな・・・。」

 

試してみるか。

 俺はすぐさま作業台に置いてあるドライバーに今出来た『ラビットボトル』と、前から持ってた『ラビットボトル』をセットする。

 

『ラビット!』『ラビット!』

『~~~♪』

「・・・・・・光った!!」

 

ドライバーが反応した!ここで・・・・・・。

 

『ハザードオン!』

『ドンテンカン!ドンテンカン!』

 

ハザードも反応した。俺はレバーを回し、結果を確かめる。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

「「・・・・・・!」」

 

結果は・・・・・・。

 

「うおっ!?」

「うっ!?」

 

白色のラビットボトルが破壊されただけだった。

 

「ダメだったか・・・・・・。」

「・・・・・・いや、同じ成分だから強い干渉が起こった!全ての成分が1つの状態へと凝縮した・・・!」ペラペラ

「・・・・・・何言ってんだかさっぱり分かんねぇ。」

「・・・・・・ラビットラビットに耐えられる装置を創れば、イケるかもしれない。」

 

とりあえず、机の上を綺麗にしないと。

 

「お、香澄。それにみんなも。」

「っ・・・・・・。」

「みんなどうしたの?」

「学校も終わったし、遊びに来たんだ!」

「・・・・・・あ、あの蒼空!私に手伝えることない?」

 

沙綾・・・?

 

「・・・・・・あれ?そういやうるさいのは?」

「カズミン?」

 

カズミンって何よ、香澄さん?

 

「カズミンなら上のカフェでなんか磨いてたよ。」

「あぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 代表戦は、羽丘の文化祭当日。それまでに、星導館の奴らに勝てるようにハザードレベルを上げないと。

 

「よぉ、何してんだ?」

「・・・・・・アイツらのタグを磨いてんだよ。」

「・・・・・・おい、ちょっと来いよ。」

 

言われて、連れて来られてきたのは、人通りの少ない公園だった。

 

「こんなとこに連れてきて、なんの用?」

「・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

「・・・は?」

「俺たちは、戦えば戦うほど強くなる!」

 

・・・・・・確かに、ボクも最初はスタークと戦ってハザードレベルを上げてたな。

 

「だったら、代表戦までにガンガン戦って、ハザードレベルを上げてやろうじゃねぇか!!」

「・・・・・・面白いじゃん。後で吠え面かくなよ。」

「それはこっちのセリフだ!」

 

さて、ボトル・・・・・・どうしようか・・・?

 

「・・・・・・あ?」

「ん?」

 

あっちのボトル、なんか変な音したけど。

 

「よっと。・・・・・・なんだこれ?」

「・・・・・・っ、盗聴器!?」

 

これで、星導館に情報が漏れていたのか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 沙綾が新アイテムの開発を手伝ってくれている。

 

「・・・・・・案外器用だね。」

「うん、自分でもビックリ。」

「・・・・・・そういや、お前の家族の事なんだけど。」

「・・・・・・うん。今ね、みんな旅行に行ってるんだ。」

「・・・・・・実は、お前の家族について調べたんだ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

黙ってるけど、まぁいいか。

 

「ここ数日、誰も『旅行に行ってくる』って聞いたことがなく、見たこともないって。」

「それは・・・・・・こっそり行ってるからさ。」

「・・・・・・そっか。」

 

まぁ、そういう事にしておこう。

 

「この代表戦は必ず勝つ。大勢の人の明日を創ってあげられるように、この戦争を終わらせるんだ。」

「っ・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらく経って・・・・・・。

 

ふぅー!ふぅー!・・・・・・出来た・・・!!」

 

俺は強化アイテムを2()()完成させた。

 

「ハザードの力を最大限活かした、ボトルと武器!」

 

目の前にはボトル。そして、部屋の中央には大剣。

 

「凄いでしょ!?最高でしょ!?天っ才でしょ!!?・・・・・・っ、最っ悪だ・・・!」

 

もう文化祭始まってる時間じゃん!!

 

「早く会場に行かないと!」

「・・・・・・ねぇ。」

「うん?」

 

この家にいるのは、俺と海璃と・・・・・・沙綾だけだった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 あたしたちは、星導館学院の教師の支配下の下、文化祭を迎えていた。みんな、いつも通りに過ごしているけど、内心はきっと、午後から行われる『花咲川・羽丘合同チームVS難波重工提供の星導館選抜チームによる代表戦』が気になってるんだと思う。

 

「ふざけんな!!」

 

「・・・・・・今の声って・・・?」

 

聞き覚えのある声だった。その声のする場所に行くと、

 

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

「ちょっ、龍兄!!」

「グリス!」

「あ、先輩!」

「何、これ・・・?」

 

そこには、ギアを付けた2人組と万丈が戦っていた。

 

「龍兄が敵の挑発に乗っちゃって・・・・・・。」

「・・・・・・バカ。」

 

でも、戦いは・・・・・・。

 

「「はぁあああ!!」」

「ぐっ!?ぐわぁあああ!!」

 

万丈が負けて、変身解除されてしまった。

 

「ぐっ・・・!」

「龍兄大丈夫!?」

「これであなたは、代表戦に出れませんね。」

「っ、最初から・・・!!」

 

それだけ言って、ギアを付けた2人は去ってしまった。

 

「お~い!・・・・・・って、どうしたんだ?」

「ちょっと、万丈!何、この怪我は!?」

「・・・・・・くっ!?」

 

このタイミングで蒼空と海璃がやって来た。

 幸先悪いな・・・。みんな、代表戦に勝って、羽丘を元に戻してくれるよね・・・?

 

 

 

 

 




さて、万丈が代表戦に出れなくなりました。ただ変身解除されただけだけど、『それだけなら出れるでしょ?』って思ってる方、この作品のライダーシステムの特徴は、『強制変身解除後、20時間の間は解除前に変身したフォームに再変身しようとすると、強い負荷がかかる』って設定があります。
普通のクローズで勝てないし、クローズチャージになれば負荷はかかる。・・・・・・無理でしょ?
ってことで、万丈の代わりは誰になるのか!?・・・・・・リメイク前を知ってる人は察すると思うけど。


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第30話 波乱のデスマッチ

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園、羽丘女子学園、星導館学院の3校で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、星導館との代表戦に万丈と和美で挑むはずだったが・・・・・・。」
「何万丈やらかしてんのよ!?」
「まぁまぁ。・・・・・・後で尋問すっか。」
「そだねー。」
「ってことで、万丈の命はどうなる!?第30話!?」
「違う違う。『代表戦はどうなる!?』でしょ?それでは、第30話どうぞ!」







 

 

 代表戦直前。羽丘の体育館では薫先輩がゲストを招いて劇をしていた。でも、今はボクたちが代表戦をするためのステージになっていた。

 でも・・・・・・ここで問題が・・・。

 

「なるほど~。」

「そういう事か・・・。」

 

・・・・・・控え室を真っ暗にして龍兄を尋問している蒼空兄と海姉(うみねぇ)。どう考えればそうなるの?

 

「悪い!」

 

実は、龍兄はあのギア兄弟に蒼空兄の悪口を言われてカッとなってしまって戦いを挑んでしまった。結果、強制変身解除されて、万全な状態で代表戦に出れなくなった。代わりに、海姉が出る事になったけど。

 

「・・・・・・ま、万丈らしいっちゃらしいけどね~。」

「最っ高だな!」

「は?」

 

あ、明るくなった。

 

「サブキャラのお前が、これ以上ないお膳立てをしてくれたんだ。ここはやっぱり、正義のヒーローがビシッと勝たないとな!」

「お前な~!?」

「心配すんな。俺たちは必ず勝つ。・・・・・・お前の気持ちの分もな。」

 

そう言って蒼空兄は言った。・・・・・・ボクも行くか。でも、さっき蒼空兄に言われたことが気になって仕方ない。

 

 

 

 

 

「和美。」

「何?」

「万丈が出れなくなったから、代わりに海璃が出る事になった。」

「海姉が?」

「あぁ。そこで、お前には海璃と共に『カイザーシステム』のどちらか・・・・・・分かりやすく言えば、ギア兄弟のどちらかと戦って、倒してほしい。」

「ギア兄弟を?」

「最悪、相打ちでも構わない。」

 

 

 

 

 

『倒す』までならいいけど、なんで『相打ち』ってワードを出したんだろう?

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 万丈には申し訳ないけど、この代表戦の美味しい所は貰ったね~。蒼空からさっき言われた事通り行けば、上手くいくはず。

 

 

 

 

 

「海璃、1つ聞きたいことがある?」

「何?」

「お前の強化アイテムってあるか?」

「あるよ。・・・・・・『極』がね。」

「だったら、合図があるまで倒さないでくれ。」

「なんで?」

「それは──」

 

 

 

 

 

蒼空の作戦なんだから、上手くやらないとね・・・!

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

『これより、花咲川・羽丘合同チーム対星導館選抜チームの代表戦を行う!』

 

その言葉が体育館に響く。その中心にはリングがあり、それぞれから3人が立ち並んでいた。

 

『花咲川・羽丘合同チーム』側は、ジードに変身する蒼空・ロッソ&ブルに変身する海璃・グリスに変身する和美。

『星導館選抜チーム』側は、ローグに変身する紫音・リモコンブロスに変身する鷲尾(わしお)(ふう)・エンジンブロスに変身する鷲尾(らい)

 

「これで終わりだ・・・!」

「その通り。アタシたちが勝って3校は新たな歴史を迎える。」

「そんなことはさせない!」

「兵器と兵器がぶつかり合って、互いの力を競い合う。アンタが望んでた事よね~?・・・・・・葛城・・・!」

「ライダーシステムは『兵器』なんかじゃない!」

 

「お姉ちゃん・・・・・・。」

「カズミン、行くよ。」

「・・・・・・うん。」

 

それぞれが変身を開始する。

 

『ラビットタンクスパークリング!』
『クロコダイル!

「変身!」
「変身。」

 

『ロッソ!』『フレイム!』『ベストマッチ!』
『ギアリモコン!』『ファンキー!』

「変身!」
「潤動。」

 

『ロボットゼリー!』
「ギアエンジン!』『ファンキー!』

「変身・・・!」
「潤動!」

 

 

 

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』
『クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

 

『ロッソ フレイム!イエーイ!』
『リモートコントロールギア!』

 

『ロボット・イン・グリス!ブラァ!』
『エンジンランニングギア!』

 

 

 

6人が変身を終えた。

 

『始め!!』

 

ジードは二刀流、ローグは『ネビュラスチームガン』を構えて、対峙する。

 

「ハァー!!」

「フッ!」

「ハッ!フッ!」

「ッ!・・・・・・本当に『兵器じゃない』と言い切れるの!?」

「っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ロッソ対リモコンブロスは・・・・・・。

 

「ハッ!」

「ふっ。この程度ですか?ハァ!」

「うっ!?・・・・・・あんただって、武器を全部弟に渡してるけど、それで私に勝てるのかしら・・・!?」

「あなたのデータなら、ちゃんとありますよ。」

「だから勝てるって?・・・・・・ライダーシステムは数値では語れない力があるって、教えてあげる!!」

 

素手で戦ってるリモコンブロスに対して、ロッソも素手で挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さらに、グリス対エンジンブロスでは・・・・・・。

 

「オラァ!」

「くっ!ハァ!」

 

スチームブレードとツインブレイカーがぶつかり合う。

 

「ハァ!・・・・・・勝利以外は許されない!俺たちは、兵器として生きることで存在を証明してきた・・・!相手を倒すことが、生き残る唯一の術だった!」

「ぐっ!ぐはっ!!」

「難波会長のために命をかけることが・・・・・・生きる証!!」

「ぐわぁ!!」

 

エンジンブロスの勢いに、グリスは押されるだけだった。

 

「俺たちは1人で戦ってきた・・・!その覚悟が・・・・・・お前に分かるか!?」

「ぐはぁ!!」

 

強い意志を証明するかのように、グリスを蹴り飛ばした。

 

『ライフルモード!』

『ギアエンジン!』

「はぁ・・・・・・フッ!」

『ファンキーショット!ギアエンジン!』

「ぐはぁあああ!!」

 

強いエネルギー弾を撃ち込まれたグリスは、その場に倒れた。・・・・・・まだ、変身は解けていないため、戦う意思があれば、まだ戦闘可能だ。

 

 

 

 

 

「グリス!!」

「カズミン!!」

 

そして、グリスの戦いを見ていたAfterglowの5人とRoseliaの宇田川(うだがわ)あこが、グリスを心配していた。

 

 

 

 

 

「くっ!?・・・・・・っ、カズミン!」

「よそ見している場合ですか!?」

「うっさい!」

 

ロッソはリモコンブロスと接戦を繰り広げながら、グリスを心配していた。

 

 

 

 

 

 倒れたグリスは、再び立ち上がった。

 

「分かるわけ、ねぇだろ・・・!」

 

右手に、三羽ガラスのドッグタグを持ちながら・・・・・・。

 

「仲間のありがたみを知らねぇ奴の気持ちなんてなぁ・・・・・・知りたくも、ねぇんだよ・・・!!」

 

グリスの右手にあるドッグタグが、グリスに更なる力が漲ってきていた。その力の源は、『仲間の絆』だった。

 

「テメェとはな・・・・・・背負ってるもんが違ぇんだよ!!」

 

グリスはツインブレイカーからビームを放ちながら走り出し、右の拳でエンジンブロスを殴った。その拳の中には、『仲間の絆の証』であるドッグタグが握られている。

 

「ぐっ!?」

「うおぉおおお!!」

 

そして、グリスの感情が高ぶっていく。

 

「友情!」

「ぐふっ!?・・・・・・フッ!」

「厚情!!」

「うっ!?がはっ!?」

「激情!!!」

「ぐはぁ!!」

 

先程とは打って変わって、グリスがエンジンブロスを圧倒していった。途中、ライフルを投げ飛ばしたり、頭突きをしたりして・・・・・・。

 

「今のオレはな・・・・・・負ける気がしねぇ!!

 

 

 

 

 

「クローズのセリフパクった~。」

「すごいね、グリス。さっきはあんなに不利だったのに・・・。」

 

見守っているAfterglowたちは、グリスの戦いの状況に驚いていた。

 

「・・・・・・ねぇ、グリスって、あたしたちより年下なんだよね?」

「あぁ、あこと同い年なんだって。」

「聞いた話だけど、取り巻きの3人が笑顔で逝ったのか、分かる気がする・・・・・・。」

「だな。アイツになら、アタシたちの想いを受け継いでくれるって思えるよ。」

「カズミーン!頑張れーーー!!」

「カズミーーーン!!」

 

あことひまりは熱狂的にグリスを応援している。

 

 

 

 

 

「オラァアアア!!」

「ぐはぁ!!」

 

エンジンブロスの顔面を殴ったグリス。怯むエンジンブロスを前に、

 

「覚悟を決めろよ、ゴラァ・・・!!」

 

レバーを下ろした。だが、ドライバーからはすぐに音声が流れなかった。そして、ツインブレイカーにアイテムをセットした。

 

『シングル!』『ツイン!』

『ツインフィニッシュ!』

 

セットしたアイテムは『ロボットボトル』と『ロボットゼリー』だった。

 グリスは、『ロボット』の成分で変身するライダーだ。そんなグリスが、『ロボットゼリー』でドライバーから必殺技を発動させ、さらにツインブレイカーに『ロボット』の成分が含まれた2つのアイテムをセットすると、放たれる技の中で1番強い『一撃必殺』の技が発動される。

 

「はぁ・・・・・・オリャアアア!!」

 

肩の装のジェット噴射で飛び出したグリスは、すれ違いざまにツインブレイカーでエンジンブロスにダメージを与える。さらに、ビームを数回撃ち、近付いてアッパーで天井まで殴り飛ばす。

 

「ぐはぁあああ!!」

「はぁ・・・・・・食らいやがれーーーーー!!!

『スクラップフィニッシュ!』

 

打ち上げられたエンジンブロスより高く飛んだグリスは、ライダーキックを決める。

 

「グハッ!!」

 

その結果、地面に打ち付けられたエンジンブロスは、変身が解けてしまった。

 

『エンジンブロス、変身解除!星導館選抜チーム、残り2名!』

「はぁ・・・、はぁ・・・、見たか、ゴラァ・・・?」

 

だが、グリスは『一撃必殺』の技を使ったため、その反動が襲ってきた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、ぐっ!?」

 

その反動とは、『強制変身解除』だった。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、やっべ・・・!」

「このっ!・・・・・・カズミン!」

「っ、バカな・・・!?」

 

『仮面ライダーグリス、変身解除!花咲川・羽丘合同チーム、残り2名!』

 

リモコンブロスとの戦いが一時中断し、ロッソが和美の下に向かった。

 

「大丈夫!?」

「う、うん・・・・・・。ごめん、変身解けちゃった・・・・・・。」

「気にしないで、後はなんとかするから。」

「・・・・・・うん。」

「今は休んで。ちょっと、Afterglow!」

 

ロッソは和美をAfterglowたちに預けた。

 

「カズミン、大丈夫!?」

「カズミンの事、頼んだよ!」

「海姉・・・!」

「うん?」

「・・・・・・後は、任せた・・・!」

「うん、お姉ちゃんに任せなさい!」

 

ロッソは和美の想いを受け継いで、再びリモコンブロスとの戦いに臨む。

 

「・・・・・・仇は、取ったよ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リモコンブロスは、先程グリスが投げ飛ばしたライフルを持ち、『ネビュラスチームガン』と『スチームブレード』に分離した。

 

「さぁて、そろそろ本気を出すのかしら?」

「えぇ。ここから本気・・・・・・いえ、()()を見せますよ。」

 

スチームブレードをしまい、『ネビュラスチームガン』に『ギアエンジン』をセットした。

 

『ギアエンジン!』

「っ!だったら、こっちは!」

『ルーブシューター!』

「っ・・・・・・ん?」

 

だが、そのまま攻撃をするのかと思ったが、リモコンブロスはセットした『ギアエンジン』を抜いてしまった。そして、

 

『ギアリモコン!』『ファンキーマッチ!』

「・・・はい?」

 

リモコンブロスはすぐさま『ギアリモコン』をセットしたのだった。

 

「潤動。」

『フィーバー!』

 

そして、いつものように変身動作をすると、白と青のギアがリモコンブロスの周りに現れ、1人の体に集まった。その姿は、『エンジンブロス』・『リモコンブロス』を合わせた、新しい姿だった。

 

「合体しちゃったよ・・・・・・。」

「ヘルブロス、参上。」

 

新たな姿の名は、『ヘルブロス』。カイザーシステムの最終形態だった。

 その姿を見たロッソは、

 

「・・・うそーん!?」

 

驚くだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は、グリス対エンジンブロスをメインに書きました。・・・・・・次回は、()()()の戦いを出しますよ。


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第31話 逆襲のヒーロー

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園・羽丘女子学園・星導館学院で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、戦争を終わらせるために代表戦に挑む。まずは、仮面ライダーグリスの朝倉和美が捨て身の一撃で1人を倒し、互いに残り2名となった。」
「星導館校長の御堂だ。残り2名だが我々は必ず勝つ!」
「だったらこっちは、『ギュインギュインのズドドドド!』なアレを使うしかない!」
「なんだそれは!?擬音ばっかでさっぱり分からん!」
「一言で語れないのが天っ才なもので!・・・・・・どうなる、第31話!?」







 

 

 残り2名ずつとなった両チーム。ロッソと対峙しているリモコンブロスは、『ギアエンジン』を使って、『ヘルブロス』へと変身した。

 

「ヘルブロス、参上。」

「・・・うそーん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この戦いを映像で見ていた星導館学院の校長『御堂政邦』は、同じ部屋にいる『難波重三郎』に問いかける。

 

こんなもの(ヘルブロス)を隠していたなんて・・・。難波会長も人が悪い。」

「ヘルブロスは強すぎるから、他の商品が売れなくなる。」

 

そう言いつつも、笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相手の姿が変わった事で混乱しているロッソは・・・・・・。

 

(こいつ、2人分の力だけじゃないよね・・・?)

 

「どうしました?」

「・・・・・・仕方ない、こうなったらなんとかするしか──」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「うわっ!?」

「っ!?」

 

ルーブシューターを取り出し、リモコンブロス改め、ヘルブロスとの戦いに気を引き締めたロッソ。その前を、紫色の人物が体育館の外まで吹き飛ばされていった。

 

「え?何!?・・・・・・っ!」

 

紫色の人物を追うように、黒いボディーに赤い装甲を纏った、『ビルドドライバー』を装着する者が歩いていった。

 

「なんだ、あのジードは・・・!?」

(あれが、ハザードの・・・・・・。)

 

話は、ほんの数分前・・・・・・試合開始時に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!・・・・・・本当に『兵器じゃない』と言い切れるの!?」

「っ!」

 

『ネビュラスチームガン』を持ったローグと戦う、『ドリルクラッシャー』と『4コマ忍法刀』を持ったジード。2人は、語り合いながら戦っていた。

 

「葛城はそう思ってなかったよ!」

「くっ!?・・・・・・なんで分かるんだよ!?」

「アタシは昔、アンタのビルドドライバー開発に手伝っていたからね。 ハッ!!」

「ぐっ!?・・・・・・何っ!?」

 

左手に『スチームブレード』を持ったローグの猛攻が、ジードを追い詰める。

 

「人は争いを繰り返して今を創ってきた。葛城は・・・・・・アンタは、幼いながらも科学の発展が争いを生む事を知りながら!!」

「ぐはっ!?」

「ライダーシステムを創ったんだよ。」

 

ローグの猛攻は、ジードの武器を手放させ、膝をつかせた。

 

「くっ・・・・・・戦争に加担したい科学者なんて、1人もいない!!」

『Are You Ready?』『ロイヤルメガマスター!』

 

ジードはローグの猛攻に、言葉に対抗するために、現時点で最強のフォーム(ロイヤルメガマスター)に変身した。

 

「人々の幸せを願って、平和利用のためにその力を尽くしてる!!」

「ッ!・・・・・・ふん。フッ!」

「ぐっ!?」

「だったら、『ハザードトリガー』はどう説明するの?」

「っ!?」

 

反撃していたジードの・・・・・・『キングソード』の動きが止まった。

 

「自我を失い、破壊兵器になるあんな物をどう平和利用しろって言うの!?」

「あれは禁断のアイテムだ!本当は『創っちゃいけない』と分かってて──」

「だったらなんで創ったの!?そのせいで多くの人間が傷つく事は簡単に想像出来たはずでしょ!?」

「・・・・・・っ!」

 

ローグの怒りの気持ちは、ライフルから放たれる火の鳥が代弁してジードを襲った。

 

『ファンキーショット!フルボトル!』

「ぐわぁあああ!!・・・・・・がはっ!?」

 

永遠と吹き飛ばされるかと思えば、リングには普通は見えない電気で形成されたロープがあり、ジードはそこで電撃を浴びながら止まり、倒れた。

 

「アンタは分かってたんだよ、こうなる事を・・・・・・。」

「戦争は・・・・・・悲しみを生むだけだ・・・・・・。」

 

ジードは静かに立ち上がった。

 

「もし、葛城が──記憶を失くす前の俺が、本当に悪魔の科学者だったとしたら・・・・・・この戦争を引き起こす原因を創ったんだとしたら・・・・・・()()()がそれを終わらせる!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ジードはキングソードを杖状に持ち、1回かざした。

 

(アン)!』

「・・・・・・はぁ・・・。」『クラックアップフィニッシュ!』

「バルカンスパークル!」

 

キングソードから王冠の形をしたエネルギーから無数の矢が放たれる。だが、ローグは右手に宿ったエネルギーでそれを防ぎ、

 

「くっ!・・・・・・フッ!」

「ふっ。ハァアアア!!」

「ぐわぁあ!!」

 

ジードの上を飛び越え、ライダーパンチを決めた。ジードは吹き飛ばされ、ボトルが手元から落ちた。ローグはボトルを回収する。

 

「スパークリングも、キングの力の対抗手段もある。今のアンタでは、アタシには勝てない。アンタでは・・・・・・葛城には勝てない。」

「くっ・・・・・・っ!」

 

ジードが顔を上げた時に、ローグの奥にいた龍哉が目に入った。

 

「・・・・・・最悪だ。こんな時に思い出しちまうなんて・・・。」

 

思い出したのは、自分が『葛城映司』だと知らされた時に龍哉に言われた一言だった。

 

「あいつに言われたあの言葉が、今の俺を創った・・・。あいつだけじゃない、」

 

ジードは再び立ち上がる、自分の想いと共に。

 

「沢山の人の想いに触れ、俺は『桐生蒼空』として正義のためにライダーシステムを使ってきたんだ!」

 

ジードはアイテムを取り出した。・・・・・・そのアイテムは、先程話題に出た禁断のアイテム(ハザードトリガー)だった。

 

「俺は俺のやり方で、葛城映司を超えてみせる!!」

『マックス ハザードオン!』

 

ボトルを抜いたドライバーに、ハザードトリガーをセットした。

 

「・・・・・・はぁ、結局葛城の道具に頼るのね・・・?」

 

だが、さらに取り出したのはボトルだけどボトルではない、『ボトルのような物』だった。その名は、『フルフルラビットタンクボトル』。ジードはそれを振った。聞こえてきたのは、軽快な跳ねるような音だった。そして、金色の方のボトルの蓋みたいなのを回転させると、すぐ下の画面に赤い兎のようなマークが現れた。

 

『ラビット!』

 

 

 

 

 

「・・・・・・?」

 

「兎!?」

「おたえ、うるさい。」

 

ローグはこれから何が起きるのか理解できず、たえは新しいアイテムから聞こえてきた音声に目を輝かせてた。・・・・・・それにツッコむ有咲。

 

 

 

 

 

 ジードは新しいアイテムの形を変えて、ビルドドライバーにセットする。

 

『ラビット&ラビット!』『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!──』

「ビルドアップ。」

 

ドライバーを回して、フォームチェンジをした。だが、その姿は『ラビットタンクハザードフォーム』だった。

 

『Are You Ready?』『オーバーフロー!』

 

だが、その後に起きた事がいつもと違った。どこからともなく、赤い兎が跳んできた。

 

 

 

 

 

「兎!!有咲、兎だよ!!」

「お、おう・・・・・・。」(兎に見えねぇ・・・。)

 

 

 

 

 

たえは無視して、跳んできた赤い兎は、ジードの頭上で5つのパーツに分離した。

 ジードはそのパーツを右腕・左腕・右足・左足・胸部の順で自ら装着しに行き、最後に顔に赤いパーツが追加されて、床に降りた。

 

『紅のスピーディージャンパー!

 ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

自我を失う代わりにハザードレベルが急上昇する『オーバーフロー状態』、その力を制御するために開発したこの鎧は、『オーバーフロー状態』でも自我を保つもので、力を抑えるものではなかった。

 

 

 

 

 

「兎だよ!!有咲、兎!兎!!」

「うっせぇな!分かってるよ!!」

 

・・・・・・流そう。

 

 

 

 

 

 ジードは変身を終えてすぐにローグに攻撃を仕掛ける。互いに素手で戦う。

 

「くっ!?」

「フッ!ハッ!ハァ!」

「ぐっ!?この力は、自我を失った状態と同じ・・・・・・だけど、なんで意識が!?」

 

先程もドライバーから『オーバーフロー!』とも言っていた。だから、暴走状態だと思ったが、どうやら違っていた。

 

「俺はもう自分を見失ったりしない。この力(オーバーフロー状態)は、完全に俺のものだ!!」

 

今のジードは、ハザードトリガーの副作用を気にせずに戦っている。そして、『ラビット』の成分がフルで活用されているため、動きが今までよりも早い。だから、ローグの攻撃を素早くかわしたり、防いだりして反撃している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジード対ローグの戦いを見ている龍哉・Poppin'Party(山吹沙綾以外)Roselia(宇田川あこ以外)は・・・・・・。

 

「いいぞ~!兎、頑張れ~!!」

「あ~もう!おたえうるせぇー!!」

 

「花園さん、テンションが高いわね・・・。」(私も、あれが猫だったらああなってたのかしら・・・?)

「そうですね・・・。」(あれが犬だったら、私もああなっていたのかしら・・・?)

「お~い、2人とも~?」

「ちょっと・・・・・・ニヤニヤしてませんか・・・・・・?」

 

「早ぇ・・・!」

「凄いね、蒼空君!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一気に劣勢に追い込まれたローグ。

 

「ぐっ・・・!?どこまで強くなるの・・・・・・!?」

「これが正義の力・・・・・・『桐生蒼空』の力だ!!」

 

そして、ジードは『ハザードトリガーの力を最大限活かした武器』の名前を叫んだ。

 

「『フルボトルバスター』!」

 

名前を叫ぶと、ドライバーから武器が現れた。黒いボディに黄色い剣先に赤いグリップの大剣。ジードは武器を持ち、グリップを90度動かした。その形は大剣から大砲へと変わった。

 

「ッ!?」

 

その新たな武器にも驚くローグ。葛城映司だった頃には無かった物が多すぎるため、驚きを隠せなかった。

 ジードは、そんな事を気にせず『ラビットボトル』を、『フルボトルバスター』の赤いグリップを動かす事によって開かれたボトル装填口に入れた。

 

『ラビット!』

「ハァ・・・・・・フッ!」『フルボトルブレイク!』

「ハァ──ぐっ!・・・・・・そんな・・・!?」

 

ボトル1本の力ならたかが知れてると思ったローグは、大砲から放たれた砲弾をパンチで打ち返そうとしたが、思ってた以上に威力があり、拳に一瞬ながらダメージによって発生した火花が散っていた。

 

『ラビット!』

『パンダ!』『ジャストマッチデース!』

「ッ!?」

 

ローグは、ジードから聞こえてきた音声によって、防御の態勢を取った。だが、

 

「フッ!」『ジャストマッチブレイク!』

「ぐわぁ!?」

 

その威力は、防ぎきれない力だった・・・・・・。

 

『ラビット!』

『パンダ!』

『タカ!』『ミラクルマッチデース!』

「ハァ・・・・・・。」

 

ジードはさらに追い打ちをかけるため、今度は3本セットした。

 ローグはライフルで迎え撃つ。

 

「ハァ!」

「ハッ!」『ミラクルマッチブレイク!』

「ぐわぁあああ!!?」

 

だが、二度あることは三度あるように、ローグの予想を超える砲撃によってローグは吹き飛ばされてしまった。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Ready Go!』

「フッ!」

 

ジードはドライバーを回した後、高く飛び上がり、足を《バネのように伸ばして》足をローグまで伸ばした。

 

『ハザードフィニッシュ!』

「うっ!?・・・・・・ッ!」

 

その足は、ギリギリローグに届かなかった。

 

「ハァ──」

『ラビットラビットフィニッシュ!』

「ハァアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

ローグはその足を蹴り飛ばそうとしたが、タイミングが遅かったためか、ジードがゴム人間のように飛んできて、逆に蹴り飛ばされた、体育館の外まで・・・・・・。

 

「っ!ふぅ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スッゲェ・・・!」

「さすが兎様!」

「つーか、ルールどうなってんだよ!?」

 

ジードの強大な力に驚く龍哉、兎だからといって拝むたえ、ローグが体育館外まで飛ばされてルールを再確認したくなった有咲。他のメンバーは、たえ以外のどちらかだった。

 

『勝負の結果は、『降参・変身解除・戦闘不能の場合』のみ。場外でも試合は続行します!』

 

「だってさ。」

「うるせぇ。」

 

ジードはローグが飛ばされた方──運動場へ歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 って感じです、海璃さん!

 

「へぇ~。」

「・・・・・・?」

(今のうちに・・・・・・。)

 

さ、海璃に話したから・・・・・・ナレーションに戻って!

 ロッソはこっそりとヘルブロスが体育館の外に飛んでいく角度に立ったら、ルーブシューターに『ウィンドボトル』と『グランドボトル』をセットした。

 

『ウィンド!』『グランド!』『Ready Go!』

「ん?・・・・・・しまった!?」

「ハイブリットシュート!!」『ルービウムバースト!』

 

風のエネルギーに乗って、いくつもの岩がヘルブロスを襲い、外へ吹き飛ばした。

 

「へっへ~!これで戦いやすくなる!」

 

ロッソも外に向かった、本当の戦いを始めるために・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、『ラビットラビットフォーム』出ましたよー。
それと、『ロイヤルメガマスター』はそんなに弱くありません。色々あるのでこうしました。

おたえなら、これくらいなってもおかしくないって思わな~い?


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第32話 天才たちは究“極”の“タンク”でやって来る

「強大な力を秘めたギガファイナライザーを狙って花咲川・羽丘・星導館で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、星導館との代表戦に挑む。互いに残り2名となった代表戦。ジードは仮面ライダーローグと、ロッソはヘルブロスと戦うが──」

「なんでお前(和美)があらすじ紹介してんだよ!?」

「蒼空兄は今戦ってる最中だよ!・・・・・・それに、ボクはこれでも周りから『カズミン』って呼ばれてんの!とりあえず、その『お前』呼びは止めて!」

「ゼッテーあだ名で呼ばねぇ!こんな奴放っておいて第33話どうぞ!!」

「32話ね!何間違えてんの・・・?」















※作者の気分により、今回から海璃の変身するライダーの武器『ルーブスラッガー』と『ルーブシューター』の音声を変えています。ご了承ください。

そして、投稿日の設定を間違えていたため、今回のみ10時に投稿しました。







 

 

 

 

 

 ローグを追って運動場に来たジード。途中、横でヘルブロスが飛ばされていったが、一応かわし、気にしないように歩いていた。

 

 

「よっと!おぉ、蒼空~!上手くかわしたんだね?」

 

「やっぱりお前が犯人か。もう少し飛ばす方向考え──っ!」

 

「どうし、た・・・・・・っ!」

 

 

2人の会話は止まった。そして、同じ方向を向いた。そこには、

 

 

「一本取られましたね・・・。」

 

「やるね、葛城・・・。」

 

 

無言のヘルブロスと、先程の攻撃を嫌味のように言うローグが立ち上がっていた。

 

 

「やっぱりね・・・・・・。」

 

「こちらの強化アイテム対策として、防御力は上げていたか・・・・・・。」

 

「うん?・・・・・・ふっ。」

 

 

周りには分からないが、難波重三郎の側近の科学者がローグのドライバーを経由して、『ラビットラビットフォーム』の攻略方法を送信した。その結果として、ローグはあるボトルを取り出した。

 

 

「っ、ダイヤモンド!?」

 

「なんで星導館が持ってるの!?あれって羽丘に盗られたはず・・・・・・!?」

 

「・・・・・・そうか、羽丘に奪われたボトルは星導館が抑えていたのか!」

 

「反撃の狼煙は、上がった。」

ディスチャージボトル!』『潰れな~い!

 

 

ドライバーにダイヤモンドボトルをセットしたローグは、拳にそのエネルギーを溜め、

 

 

「ハァアアア!!」

ディスチャージクラッシュ!

 

「っ、ふっ!」

 

「よっと!」

 

 

ジードたちに放ったのだ。

 2人は上手くかわし、ジードはローグと、ロッソはヘルブロスとの戦いを再開した。

 

 

「海璃、()()()()に!」

 

「オッケー!」

 

「無意味な事を。」

 

「無意味かどうか、その目で確かめろ!ハッ!!」

 

 

『ラビットラビットフォーム』の特徴として、手足が伸ばす事が出来る。その能力を利用して、遠距離で拳を2~3発ぶつけるが、ダイヤモンドによって防がれる。

 

 

「だったら!・・・・・・ハッ!!」

フルボトルバスター!

 

「フン!」

 

 

先程、ローグに大ダメージを与えたフルボトルバスターの基本攻撃でさえ、ダイヤモンドによって跳ね返されてしまった。

 

 

「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

「こんなもの?」

 

「完全に読まれてる・・・!?」

 

 

ジードはこの状況に違和感を覚えた。先程までこちらが優勢だったのに、急にローグの方が優勢になってしまった事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、この状況に疑問を持ったのはジードだけじゃなかった。外まで観戦しに来た龍哉やポピパ、Roselia、Afterglow、そして先程変身解除してしまった和美も、その違和感には気付いていた。

 

 

「どうなってんだよ!?」

 

「なんで蒼空君が押されてるの!?」

 

 

 

 

 

「相手のドライバーに、『ラビットラビットフォーム』のデータがインプットされたの。」

 

 

 

 

 

「え・・・?」

 

 

龍哉たちの疑問に答えたのは、先程までいなかった沙綾だった。

 

 

「さーや・・・?」

 

「攻撃パターンを学習した今、ジードの動きは完全に封じられた。」

 

「え・・・!?」

 

「何故、あなたがそんな事を知っているのかしら?」

 

 

友希那がここにいる者全員が思った疑問を沙綾に問いかけた。

 

 

「・・・・・・私が、敵にデータを渡したから。」

 

 

そして、沙綾の口から衝撃の事実が告げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ロッソとヘルブロスは、

 

 

「フッ。」

 

「危なっ!」

グランド!』『ベストマッチ!

Are You Ready?

「セレクト!」

琥珀の大地!ロッソ グランド!イエーイ!

 

「貴方のデータは、全てありますよ。そんな私に勝てるとでも?」

 

「こんな私があなたに勝てないと思っているのかしらぁ~?」

 

 

少し挑発的な言葉を発するロッソ。

 

 

(なんて言ってみたけど・・・・・・なんとかなるよね?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、龍哉が代表戦に出れなくなった時にあった蒼空との会話での事だった。

 

 

「海璃、1つ聞きたいことがある。」

 

「何?」

 

「お前、()()()ってある?」

 

「切り札?あるよ。」

 

 

そう言って、海璃は水色の顔が描かれたクリスタルと、スパークリングのような缶状のアイテムを見せた。

 

 

「・・・・・・なら、万丈の代わりに、お前が代表戦に出てくれ。」

 

「まぁ・・・・・・良いけど。」

 

「それと、条件として・・・・・・()()があるまで決着をつけないでくれ。」

 

「え?わ、分かった・・・・・・。ただ1つだけ!誰が合図をくれるの?」

 

「合図を出すのは・・・──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・・・・それまでは、意地でもこの戦いを続けないとね・・・!!)

 

「いい加減、貴方の行動に乗るのも飽きましたので、こちらから行きますよ。」

 

「まぁまぁ!『縄文土器作戦』、見せてあげるから!!」

 

 

すると、ロッソは左手から土の塊をいくつか出して、右手でその土を纏めて、ヘルブロスに投げた。

 

 

「グランド・・・・・・コーティング!!」

 

「くっ!・・・・・・ん?」

 

「まだまだ!!」

 

「くっ!そんなダメージの無い技では、私を倒──っ、これは!?」

 

 

ヘルブロスが気付く頃には、体全てが土で覆われていた。

 

 『ロッソ グランドフォーム』が使える技の1つ、『グランドコーティング』は土の塊を敵に投げて動きを封じる技だ。

 

 

「それに追加して・・・!」

フレイム!』『シュートフィーバー!

「フレイムバーン!」

ルービウムシュート!

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「よっし!『縄文土器作戦』成功!!」

 

 

ロッソが考えた『縄文土器作戦』とは、土で相手を覆い、炎で熱して動きを封じる事だ。・・・・・・土は火で熱すると固まるから。

 

 

「後は、ある程度ダメージを負ってくれればいいけど・・・・・・!」

Ready Go!

 

 

ロッソはドライバーのレバーを回し、『ロッソ グランドフォーム』の最大威力の技を放った。

 

 

「グランドエクスプロージョン!!」

グランド フィニッシュ!

 

 

周りの土の力を集めて、巨大な球体にして敵に投げつける大技だ。多勢相手によく使われていて、海璃が変身出来る全フォームの中では最大火力かもしれない。

 

 

「やりきって・・・・・・はないよね?」

 

「・・・・・・この程度ですか?」

 

「ありゃ~・・・・・・。まぁ、そりゃ耐えますよね~?」

 

 

ヘルブロスはまるでダメージが無いようだった。

 

 

「こちらから行きますよ。」

 

「くっ、上等!」

 

 

ヘルブロスは素手で、ロッソは『ルーブスラッガーロッソ』で戦う。

 

 

「うぅ・・・!思ってたより強い・・・!?」

 

「私と弟の力を合わせただけだと思ったら、大違いですよ。」

ギアリモコン!

 

「うん?」

 

「フッ。」

ファンキードライブ!ギアリモコン!

 

「え・・・?消えた!?」

 

 

ヘルブロスは『ネビュラスチームガン』に『ギアリモコン』をセットして地面に銃口を向けると、ヘルブロスは姿を消した。

 

 

「どこに──きゃっ!?・・・・・・え!?」

 

「見えなければ、攻撃出来ませんよね?」

 

「そうかしら?私だってそういうのには対抗手段があるんだけど?」

 

 

透明になったヘルブロス相手に、ロッソは地面にスラッガーを刺した。

 

 

「グラインドロックス!!」

 

「っ・・・・・・これは?」

 

ブル!』『ウィンド!』『ベストマッチ!

「セレクト!」『Are You Ready?

紫電の疾風!ブル ウィンド!イエーイ!

「くっつけて・・・・・・サンドストーム!!」

 

 

風を纏った、スピードに特化した『ブル ウィンドフォーム』に変わり、スラッガーを1つにして『ルーブスラッガーブル』にした。

 

 そして、先程の『グラインドロックス』で巻き上がった砂埃を、野球のバットを振るようにスラッガーを振って、周囲に軽い砂嵐を発生させた。その影響で、周りの色に同化できないヘルブロスが姿を現した。

 

 

「いた~!セレクト、クリスタル!」

ワイドショットスラッガー!

「これでもどう!?・・・・・・ワイドショットスラッガー!!」

 

「ぐぅ・・・!?」

 

「ついでに、これも!」

スパークアタッカー!

 

 

スラッガーにクリスタルをセットして、技を待機状態にすることで刀身に雷を纏わせたまま、ヘルブロスを攻撃する事が出来る。

 

 

「ぐっ!・・・・・・こんな攻撃パターンは、データに無かったはず・・・!?」

 

「データだけが全てじゃないんだよ!!スパークアタッカー!!」

 

「ぐぅ・・・!!」

 

 

振り切るように高速移動で雷を纏った斬撃を放つブル。ヘルブロスは想定していない攻撃パターンに翻弄されていた。

 

 

「まだまだ!!」

アクア!』『ベストマッチ!

Are You Ready?

「セレクト!!」

紺碧の海!ブル アクア!イエーイ!

 

「また姿を・・・!?」

 

 

さらにフォームチェンジしたブルは、『ルーブシューター』を取り出した。

 

 

「こんな攻撃パターンはご存知かしら?お坊ちゃん?」

ロッソ!

ウィンド!』『バーストフィーバー!

「ハリケーンバレットー!!」

 

「ぐっ!?この風は・・・!?」

 

 

『ルーブシューター』で『ロッソ ウィンドフォーム』の強力技を発動させる。そして、武器を左手に持ち、右手を銃の形にして・・・・・・。

 

 

「そして、アクアジェットブラスト!!」

 

「ぐぅぅ!?この攻撃は・・・!?」

 

 

風に乗せて放った水の光線は、合わせる事で吹雪のようになりヘルブロスを襲う。

 

 

「ですが・・・・・・この威力なら!!」

 

「わっ!?ちょままっ!?」

 

 

だが、ヘルブロスも負けじと腕からギア状のエネルギー弾を放った。ブルはギリギリでかわしたが、その影響で吹雪は止んだ。

 

 

「じゃあ、これ!!」

グラビティスライサー!

「これならどう!?グラビティスライサー!!」

 

「くっ!ハッ!ハァ!」

 

 

岩の斬撃を何発も放つ技も、ヘルブロスにはイマイチ効いてなかった。

 

 

「あはは・・・。」

(これ、合図があるまで持つかな・・・?)

 

 

そして、ちょっと不安になりつつあるブルであった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、場面は再び変わり龍哉や香澄たちの方へ。

 

 

「なんでだよ・・・。なんで敵にデータを渡したんだよ!?」

 

「ちょっと巴・・・!?」

 

「答えなさい、なんで敵にデータを渡したの?」

 

 

敵にデータを渡したことを問い詰める巴と友希那。

 

 

「・・・・・・難波重工から連絡があったの、『私の家族を預かった』って。」

 

「さーやのお母さんたちが?」

 

「うん。無事に解放する条件として、『ジードの強化アイテムのデータを渡せ』って言われたの。」

 

「人質にされたんだ・・・・・・。」

 

「・・・・・・ごめん、沙綾。」

 

「・・・・・・なぁ、俺のボトルに盗聴器を仕込んだのは・・・?」

 

「え・・・?」

 

 

龍哉から放たれた言葉は、和美以外には初耳の内容だった。

 

 

「それは、学校の護衛隊の人の仕業だって。前に、蒼空君が青羽を倒したショックでボトルを全て学校に渡したでしょ?その時に仕込んだみたい・・・。」

 

「マジかよ・・・・・・。」

 

「でも!その人は夜華さんが学校から追放したって!」

 

「それでも・・・・・・これままじゃ打つ手なしかよ・・・?」

 

 

皆、絶望に陥り始めていた。このままでは代表戦に勝てないという絶望に・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ジード対ローグは、

 

 

「フッ!!」

 

「甘い!ハァ!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

『ラビットラビットフォーム』の攻撃パターンを覚えたローグは、『スチームブレード』を使ってジードを圧倒していた。

 

 

「アタシは昔、怪物に親を殺された!!」

 

「ぐわぁ!!」

 

「でも、復讐目的でライダーをやっている訳じゃない。アタシは、昔から思っていた『弱者が踏みにじられない世界』を作るために、『赤き鋼』の力を手に入れる。」

 

「くっ・・・・・・。」

 

「そのためにはまず、アンタを倒して更なる力を手に入れる。」

クラックアップフィニッシュ!

 

「っ・・・・・・。」

 

「・・・・・・フッ!」

 

「っ!?」

 

 

ローグは、ジードにライダーキックを決める。

 

 

「ぐっ!?ぐわぁあああ!!」

 

 

ライダーキックをもろに受けたジードはそのまま倒れてしまった。だが、まだ変身は解けていない。

 

 

「アンタの言う『愛と平和』は、理想に過ぎない。」

 

「ぐっ・・・!?」

 

「理想で、世界が救えない事を・・・・・・アタシの強さを持って証明してあげるよ。」

 

 

ジードはただ黙っていたが、ずっと劣勢のままだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 劣勢の状態のまま戦いを続けているジードとブルの戦いを見ている龍哉たちは、

 

 

「このままじゃ・・・・・・ん!?」

 

 

そんな時、沙綾のスマホが鳴りだした。

 

 

「もしもし夜華さん!?」

 

「夜華!?」

 

『全く・・・・・・主様の命とはいえ、こんな所に女子1人を行かせるなんて、人使いの荒い()()ですね。』

 

「それより、お母さんたちは!?」

 

『全員無事ですよ。』

『お姉ちゃん!』

『おれたちは無事だよ!』

 

「良かった・・・!」

 

「お母さんたち、無事なの!?」

 

「うん!夜華さんが助けてくれた!」

 

 

すると、沙綾は少し前に出て・・・・・・。

 

 

「蒼空ーーー!!海璃ーーー!!」

 

「っ・・・!」

 

「え・・・!?」

 

「・・・・・・っ!」

 

 

沙綾はその後叫ぶことなく、ただ大きく腕で丸を作った。

 

 

「っ!・・・・・・はぁ~!ようやくGoサインが出たか~!」

 

「やっと出た~!ようやくアレが使えるよ~!」

 

 

2人は少し相手から離れて、それぞれドライバーからアイテムを抜いた。ジードは『フルフルラビットタンクボトル』を、ブルはボトル2本を。

 

 

マックスハザードオン!

「さぁ、実験を始めようか?」

タンク!

 

 

ジードは新アイテムを数回振り、ボトルの画面をタンクの青色にして、再びボトルにセットし直した。

 

 

タンク&タンク!

ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

 

すると、どこからともなく青色の動く砲台が現れて、ローグ目掛けて何発も撃ち続ける。

 

 

「なんだよ、あれ!?」

 

「何が起きるの・・・!?」

 

Are You Ready?

「ビルドアップ。」

オーバーフロー!

 

 

すると、ジードが纏っていたラビットラビットのアーマーが吹き飛び、頭上に配置されたタンクの装甲を装着していく。

 

 

鋼鉄のブルーウォーリアー!

 タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!

 

「何っ・・・!?」

 

「凄い・・・!」

 

「兎・・・・・・。」(´;ω;`)

 

「おたえ、諦めろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ブルも、

 

 

極クリスタル!

 

 

水色の顔が描かれたクリスタルを起動させて、スパークリングのような缶状のアイテムの上にセットして、ドライバーにセットする。

 

 

ロッソ!ブル!

フュージョンアップ!

Are You Ready?

「セレクト!」

 

 

ドライバーのレバーを回し終えると、ブルの周囲には金色のオーラが現れ、1つになると同時に海璃が変身するライダーの中で『ロッソ』でも『ブル』でもない、新たなライダーになった。

 

 

金色(こんじき)の宇宙!

 極ルーブ!イエイ!イエーイ!

 

「なんだ、それは・・・!?」

 

 

その姿の名は、『仮面ライダールーブ』。ロッソとブルの力と4つの属性の力を1つにした究極の姿だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、変身を終えた2人は・・・・・・同じ言葉を放った。

 

 

「「勝利の法則は、決まった!」」

 

 

いつもの決め台詞を言ったジードは、ローグとの戦いを再開する。

 

 

「ハァアアア!!」

 

「フッ!」

 

 

ローグの拳を右腕のタンクの装甲で受け止めたジードは、そのキャタピラを回転させてローグを近くの壁まで殴り飛ばしつつ、肩の砲台の角度を変えて撃ち込む。

 

 

「ハァ!」

 

「ぐわっ!!」

 

 

そして、勢いよく飛ばしたせいで跳ね返ってきたローグをさらに別方向に殴り飛ばした。

 

 

「ぐっ!?なんだ、あのフォームは・・・!?」

 

 

ローグはドライバーに組み込まれている『ジードの攻略データ』を探すが、いくら探しても見つからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 龍哉たちの会話内でも、見たことないフォームの話題となっていた。

 

 

「なんだよ、あれは・・・!?」

 

「うさぎ・・・・・・。」(´;ω;`)

 

「あれは、『タンクタンクフォーム』。蒼空君は、『ラビットラビットフォーム』の他に、あれも開発したの。」

 

「そうなのね。」

 

「あれを使うタイミングは、私の家族の安否が確認出来た時に使うことにしたの。」

 

「じゃあ、敵にデータを渡すのは蒼空の考えだったんだ!」

 

「はい、私の家族を助け出す時間を作るために。」

 

「あのヤロー!」

 

「ウサギ・・・・・・。」(´;ω;`)

 

「諦めろって・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ブル──改め『ルーブ』は、

 

 

「どんな姿になろうが、この私に勝てる訳がない!」

ギアエンジン!

「ふっ!」

ファンキードライブ!ギアエンジン!

 

 

ヘルブロスが技を使ってルーブに放つが・・・・・・、

 

 

「・・・・・・フッ!」

 

「何っ!?」

 

 

そのエネルギー弾を片手で受け止め、粉砕するルーブ。

 

 

「こんなもの?」

 

「くっ・・・!」

(この私が、怯えている・・・!?)

 

 

静かに歩いてくるルーブに、少し恐怖を覚えるヘルブロス。

 

 

「くっ・・・、ハァアアア!!」

 

「フッ。・・・・・・ハァ!」

 

「ぐわぁ!!」

 

 

ヘルブロスがルーブに向けてパンチをしても、ルーブには届かなかった。逆に、ルーブのパンチがヘルブロスにヒットした。

 

 そしてルーブは、胸の装甲に手を当て、『ルーブ』専用の武器を取り出す。

 

 

ルーブコウリン!

「ハァ・・・、ルーブコウリン!」

 

 

金色のリング状に、水色の刃がいくつも飛び出した、新たな武器。それが、『ルーブコウリン』だ。

 

 

「なんだ、あれは・・・!?」

 

「ルーブコウリン・ロッソ!」

 

 

ルーブは『ルーブコウリン』のグリップ部分付近の赤いボタンを押して、ロッソのような構えを取り、ヘルブロス目掛けて走り出した。

 

 

「ハァアアア!!」

 

「ぐっ!?」

 

「フッ!ハッ!ハァ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

『ルーブ』は、『ロッソ』と『ブル』の2人のライダーの力を合わせたライダー。2人の力を使ったり、2人の戦闘スタイルで戦ったりしてもおかしくはない。

 

 

「次は・・・・・・ルーブコウリン・ブル!」

 

 

今度は『ルーブコウリン』の青色のボタンを押して、ブルのような構えを取る。

 

 

「行くよ。フッ!」

 

「っ、早──ぐわぁ!!」

 

 

その後、数回すれ違いざまにコウリンで斬りつけ、動きが止まると同時に、『ルーブコウリン』で与えたダメージがヘルブロスを一気に襲った。

 

 

「ぐぅ・・・!?なんだ、この強さは・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ルーブが再びロッソの戦闘スタイルで戦いに挑むと同時に、ジードも『フルボトルバスター』の大剣モードを手に持っていた。

 

 

「くっ・・・!?どこにこんな強さが・・・!?」

 

 

ヘルブロスとローグの問いに、ジードとルーブは同じ答えを言った。

 

 

「「理想を掲げて、何が悪い!?」」

 

「うぅ・・・!?」
「ぐっ・・・!」

 

「“Love&Peace”が、この現実でどれだけ脆く弱い言葉なのか分かってる!」
「それでも、私たちは謳い続ける!」

「“愛と平和”は、俺がもたらすものじゃない。」
「1人1人がその想いを胸に生きていける世界を創る!」

 

「「そのために・・・・・・俺(私)たちは戦う!!」」

 

 

ジードは『フルボトルバスター』を大砲モードに変えて、4本のボトルをセットした。

 

 

タンク!

ジェット!

ガトリング!

ロケット!』 『アルティメットマッチデース!

「ハァ・・・!」

 

「っ、マズい・・・!!」

ディスチャージボトル!』『潰れな~い!

ディスチャージクラッシュ!

 

 

ローグは『ダイヤモンド』の力で盾を作った。

 

 

アルティメットマッチブレイク!

「ハァ!!」

 

「ぐわぁあああ!!・・・・・・そんな・・・!?」

 

 

だが、4本のボトルを使った技の前には、その盾は無意味だった。

 

 そして、トドメを決めるために、ジードは『フルフルラビットタンクボトル』をドライバーから抜き、『フルボトルバスター』にセットした。

 

 

フルフルマッチデース!

 

「ぐっ・・・!」

 

「フッ!・・・・・・ハァ!!」

 

 

ジードは下半身を戦車にして、まるで『○○タンク』のようになってローグを攻撃していく。

 

 

フルフルマッチブレイク!

「ハァア!!」

 

「うわぁあああ!!」

 

 

その結果、ローグは強制的に変身が解除されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ルーブもまた、トドメを決めようとしていた。

 ルーブは、スパークリングのような缶状のアイテム:『ルービウムジャイロ』から『極クリスタル』を外し、クリスタルの下にあるボタンを押した。

 

 

高まれ!究極の力!

「これで決める!」

 

 

ボタンを押す事によって、顔が描かれている面が展開、中には大きく『極』と書かれていて、それを『ルーブコウリン』の中心の黒いくぼみにセットした。

 

 

「ハァ・・・・・・、ルーブ ボルテックバスター!!」

 

「ぐっ・・・!ぐわぁあああ!!」

 

 

クリスタルから放たれた光線に、ヘルブロスは耐えきれずに吹き飛ばされ、変身が解除された。

 

 

「アデュー♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この瞬間、代表戦の終了のゴングが鳴った。

 

 

『仮面ライダーローグ、ヘルブロス、変身解除!星導館選抜チーム、残り0名!

よって勝者は、『花咲川・羽丘合同チーム』!』

 

 

「ヨッシャーーー!!」

 

「やったーーー!!」

 

 

この場には、ジードたちが勝って喜ぶ者しかいなかった。

 

 

「うーさーぎー・・・・・・!」(´;ω;`)

 

「まだ言ってんのか?」

 

 

先程から嘆いているたえ以外は・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 変身を解除した蒼空の下に、同じく変身を解除した海璃がやって来た。

 

 

「蒼空、お疲れ。」

 

「海璃。・・・・・・あぁ、お疲れ。」

 

「これで、戦争が終わったんだね?・・・・・・もう、終わるんだよね?」

 

「あぁ。・・・・・・これで皆が、笑って暮らせる世界が訪れる。」

 

 

2人は、綺麗な夕日に染まった空を見て、安堵していた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、これで終わりではなかった・・・・・・。

 

 

「負けた・・・!?」

 

 

星導館学院の校長室では、校長の『御堂正邦』と難波重工の会長『難波重三郎』と、難波の研究員兼秘書の3人がいた。

 

 

「どうしてくれるんだ!?」

 

 

この代表戦では、星導館学院が負ければ『侵攻の中止』、『羽丘を元通りにする』、『赤き鋼を3校共通の財産にする』という事になっていた。

 負けてしまったため、このルールを守らなければならない。そして、負けたのは難波重工が渡したシステムが相手より劣っていた。そんな考えから、御堂は難波を責め始めた。

 

 

「うろたえるな。」

 

「ぐぅ・・・!何もかも、終わりだ・・・!」

 

「まだこれからだろう?」

 

 

 

 

 

「いいや、ここで終わりだ。」

 

 

 

 

 

「・・・・・・誰だ?」

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

難波がドアの方を見ると、そこには生徒でも教師でもない、ましては難波重工の者でもない1人の女性がドアにもたれかかっていた。

 

 

「会長、小説家の石狩アリエです。」

 

「小説家・・・?」

 

「うん?・・・・・・あぁ、()()()()はな。」

 

 

アリエは1つの赤いアイテムを取り出した。その形は、まるで『ビルドドライバー』のような・・・。

 

 

エボルドライバー!

「ふふふ・・・!」

 

「お前は、何者だ・・・・・・。」

 

「・・・・・・良いだろう、教えてやる。」

 

 

すると、2本の紫色のボトルを取り出して、それをドライバーにセットした。

 

 

ルギエル!』『エンペラー!

デモニックフュージョンマッチ!

Are You Ready?

「・・・・・・変身。」

 

 

すると、身体が黒いオーラに包まれた。オーラが消える頃には『綺麗な女性』から『死をもたらす悪魔』へと姿が変わっていた。

 

 

アトロシアス!フッハッハッハッハッハッハ!

 

「その姿は・・・!?」

 

「どうだ?悪魔(ベリアル)を間近で見た感想は?」

 

 

石狩アリエは、『仮面ライダーベリアル アトロシアスフォーム』へと変身したのだ。・・・・・・ジードとの戦いの後、偶然生きていたベリアルが『石狩アリエ』という人間の体を乗っ取ったのだった。

 

 

「この難波重三郎を愚弄する気か・・・?」

 

「愚弄?・・・・・・そんなものに興味はない。」

 

「何だと・・・!?」

 

「お前はもう要らん、消えろ。」

 

 

そう言って、ベリアルはギガバトルナイザーを難波に向け、銃弾を放った。難波は権力者とはいえ、ただの人間。しかも老人だ。1発の弾丸でその命は消え去った。

 

 

「会長ーーー!!」

 

「さぁ、お前たちにはチャンスをやろう。俺の下で働くか、ここで死ぬか?」

 

 

マスクでどういう顔をしてるか分からないが、ベリアルは高笑いをするのだった。

 

 この瞬間、『難波重工』はベリアルに乗っ取られたのだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい、厄介なのが出ました。・・・・・・ちょいちょいリメイク前とは変わってますよ。ローグの戦う理由とか、代表戦終了後の星導館学院の校長室のイベントとか。

 知らない人のために言うと、代表戦の所はリメイク前と変わらず、ルーブもジードも勝っちゃった☆って感じでした。


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第33話 新たなウォーズ

「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川・羽丘・星導館で学園戦争が起きた。仮面ライダージードの桐生蒼空は、星導館との代表戦に勝利し、戦争に終止符を打ったのだが・・・・・・。」
「なぁ、最近俺の影薄くない?俺の戦闘シーン少ないし・・・。」
「心配すんな、元から薄いから。」
「そんな訳ねぇだろ!?俺の強さは()()()()()()だろ!?」
「う~ん?()()()()の事かな~?
 ま、こんな筋肉バカの万丈がいなくても全く問題のない第33話をどうぞ!」












 

 

 

 

 

 代表戦も終わり、戦争も終わった。これからは平和な日々が訪れる。『赤き鋼』は花咲川に渡り、ボトルも戻ってきた。

 今は、『ハロー、ハッピーワールド!』と『Poppin'Party』、そして『Roselia』がnascitaに来ていた。・・・・・・テスト勉強なんだと。

 

 

「・・・・・・ってか、俺が見た感じ、問題児しかいないのは気のせいだろうか?」

「う~ん・・・・・・そう、だよね~。」

 

 

眼前に広がる光景は・・・・・・

 

 

「美咲!外に行くわよ!」

「テスト勉強してから。」

「はぐみも気分転換に走ってくる!」

「テスト勉強してから!!」

 

 

 

 

 

「・・・・・・リサ。」

「何~?」

「少し外の空気を吸ってくるわ。」

「ダメ。」

「な、なぜかしら・・・?」

「そう言って逃げる気でしょ?」

「っ・・・・・・。」ギクッ

 

 

 

 

 

「も~あこ限界~!」

「宇田川さん、まだ半分ですよ?」

「も~限界ですって~!!」

「あこちゃん・・・・・・一緒に、頑張ろう・・・・・・!」

 

 

 

 

 

「香澄、そこ違う。おたえはそこが違う。」

「「うぅ・・・、有咲の鬼ーーー!!」」

「「あはは・・・。」」

 

 

逃亡者を押さえつける看守みたいなコントが全バンド起きてるんだが・・・。

 

 

「残念ながら、わたくしたちがこのコントを見る時間はおしまいのようですよ。」

「え?」

「どうして?」

「・・・・・・こちらを。」

「「うん?・・・・・・っ!?」」

 

 

夜華が見せてくれたのは、ニュースのリアルタイム映像で、そこには街を破壊するロボットが映っていた。

 

 

「海璃、夜華、行くぞ!」

「オッケー!」

「かしこまりました。」

「あ!私も行くー!」

「お前らは全員勉強しろーーー!!」

「「「鬼ーーー!!」」」

「横暴だわ・・・。」

 

 

なんか、猫耳と天然と中二病が叫んでたけど、それは無視していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 街ではガーディアンのようでガーディアンではないロボットが、暴れていた。

 

 

「見つけた!」

「あれって・・・・・・ガーディアン?」

「では、無さそうですよ?」

 

(大賢者、分かるか?)

《解。ガーディアンの強化型ロボット:『ハードガーディアン』です。》

(ハードガーディアン・・・。)

 

「とりあえず、あれはハードガーディアンって言って、ガーディアンの強化版みたいだ。」

「ふ~ん。ま、とりあえず止めないとね!」

 

 

3人はドライバーを取り出し、それぞれのライダーに変身する。

 

 

マックスハザードオン!』『ラビット!

ラビット&ラビット!』『ビルドアップ!

Are You Ready?

 

「変身!」

 

ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!

 

極クリスタル!』『ロッソ!ブル!

フュージョンアップ!

Are You Ready?

 

「変身!」

 

極ルーブ!イエイ!イエーイ!

 

ダーク!』『デコード

 

「変身。」

 

割れる!流れる!溢れ出る!

 デコード・イン・イグニス!オラァ!

 

 

変身を終えた3人は得意の武器を持ってハードガーディアンたちに挑む。

 

 

「行くぞ!」

 

フルボトルバスター!

 

「うん!・・・・・・ルーブコウリン!」

 

「かしこまりました。」

 

ビートクローザー!

 

「おーーーい!!」

「うん?」

「え、万丈?」

 

 

戦い始めようとした瞬間、後ろから龍哉が走ってきた。・・・・・・イグニスはスルーしてハードガーディアンたちと戦っている。

 

 

「俺を忘れるなよ!」

 

ドラゴンゼリー!

 

「あ・・・・・・悪い。」

「ごめんごめ~ん♪」

「謝る気ねぇだろ!?変身!!」

 

潰れる!流れる!溢れ出る!

 ドラゴン・イン・クローズチャージ!

 

「ったく、負ける気がしねぇ!!」

 

 

・・・・・・改めて、4人でハードガーディアンを破壊していく。

 

 

「っつうか、なんでコイツらが暴れてるんだよ!?」

「知るかよ!?」

「口動かす暇があったら、とっとと倒してよ!」

 

高まれ!究極の力!

 

「全く・・・・・・こちらでもコントですか・・・。」

 

クラックアップブレイク!

 

 

ルーブはクリスタルの角を展開させて『ルーブコウリン』にセット、イグニスもドライバーのレバーを下ろし、必殺技を発動する。

 

 

「ルーブ コウリンショット!!」

 

 

この技は『ルーブコウリン・ブル』に『極クリスタル』をセットして放たれる斬撃を飛ばす技で、光線を放つ『ルーブ ボルテックバスター』と使い分ける事が出来る。『ルーブ コウリンショット』でいくつものハードガーディアンを胴辺りから真っ二つにしていった。

 

 イグニスもビートクローザーに『デコード』の成分を乗せて何体も破壊していった。

 

 

「俺たちも行くぞ!」

 

フルフルマッチデース!

 

「おう!」

 

Ready Go!

 

 

ジードはフルボトルバスターにボトルをセット、クローズはツインブレイカーにクローズドラゴンをセットしてハードガーディアンを破壊する。

 

 

「ハァ!!」

 

フルフルマッチブレイク!

 

「おりゃあああ!!」

 

レッツブレイク!

 

 

これで、ハードガーディアンは全滅した。

 

 

「随分と強くなったな~!」

「あ?・・・・・・スターク!?」

「お前がこのガーディアンたちを送りつけてきたんだろ?・・・・・・スターク。」

「残念ながら、俺はもう難波とは関わってない。」

「何・・・?」

「何故貴方が難波から離れたのですか?」

「んな嘘、信じれるワケねぇだろ!?」

 

 

クローズは突然現れたスタークと戦い始めた。

 

 

「おりゃ!ハァ!!」

「ぐっ!?ハザードレベル4.7か・・・。初めと比べれば随分と上がったな~!」

「強がんなよ!ハザードレベルなら俺の方が上だ!!」

「確かにな・・・。だが、俺にはこれがある!!」

「ぐわぁ!!」

 

 

スタークは掌から赤い炎を放った。

 

 

「ぐっ!?なんだよ、それ・・・!?」

「これでも・・・・・・食らっとけ!!」

「っ!ぐわぁあああ!!」

「「万丈!!」」

 

 

スタークは『トランスチームガン』に謎のエネルギーで出来た炎を纏わせ、クローズの《ドラゴンゼリー》目掛け放った。その銃弾は見事命中、ドラゴンゼリーは岩のようになり、スクラッシュドライバーが使えない状態になってしまった。

 

 

「ふっふっふ・・・。」

「万丈、大丈夫!?」

「ぐっ・・・!?」

「スターク!!」

「主様、お待ちを!」

「え!?」

「そろそろ、時間か。」

「は?・・・・・・なんだ!?」

 

 

スタークがボソッと呟いた後、建物の1つが謎の岩を纏いつつ、形が変形していった。その建物は『難波重工』の本社ビル。

 

 

「なんだ!?」

「・・・・・・っ、夜華さん!」

「仕方ありません、では。」

 

 

スタークが変形していくビルを見ているうちに、ライダーたちはその場から影を使って離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 一体、どうなってるんだ?なんでビルに岩の外壁が出来たんだ?

 

 

《解。あれは、パンドラタワーと同じ仕組みの、地球上に存在しない成分で作られた建造物です。》

(パンドラタワー?・・・・・・それって確か、パンドラボックスがないと出来ないものだろ?)

《はい。だから、パンドラボックスによって作られるパンドラタワーと同じ仕組みの建物と答えました。》

(ってことは、あれを作り上げた大元を奪えばこれ以上被害が出ることはないってことか・・・。)

 

「さっきから何を難しい顔をしているのかしら?」

「っ、友希那さん・・・。テスト勉強はいいの?」

「えぇ。問題ないわよ──」

「あるよ!!」

 

 

あれ?リサさん?

 

 

「リサ!?」

「さて~、『お手洗いに行く』って言ったのに研究室にいる理由をどうそ♪」

 

 

顔が怖いよー。

 

 

「っ・・・・・・迷った・・・。」

「そんな中の人ネタはいらないから。早く勉強に戻るよ、友希那!」

「ちょっ、リサ!?」

 

 

連行されたー。・・・・・・なんのコントを見せられたんだ、俺は?

 

 

「蒼空!大変だ!」

「今度はなんのコントだ?」

「そんな事より、これ!」

「は?え、ボトル・・・!?」

 

 

真っ黒で、蓋が岩か何かで固着しているボトルを万丈が持ってきた。

 

 

「さっき、スタークの攻撃でゼリーが岩になっただろ?それがこうなったんだよ!」

「さっきの?」

 

(・・・・・・大賢者さん、万丈のことって調べれる?)

《解。万丈龍哉の情報を全て調べ終えるのに2日かかります。》

(構わない、頼む。)

 

「・・・・・・どうした?」

「・・・・・・いや。とりあえず、今からクローズの強化アイテムを創る。」

 

 

きっと、このボトルがヒントになるはずだ・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 参ったな~、万丈はスクラッシュで戦えないから・・・・・・私と蒼空と夜華でなんとかしていかないとな~。

 

 

「海姉!」

「え?・・・・・・カズミン!?」

「お母さんが『蒼空兄たち呼んできて』って言われたから・・・・・・って、これはどういう状況?」

「あ、カズミーン!」

「今、この3バンドがここでテスト勉強中なのよ。」

「へ、へぇ・・・。」

 

 

ま、バカがいるバンドは置いといて・・・・・・今は私と蒼空、万丈、カズミン・・・・・・と、何故かポピパとRoseliaで校長室にやって来た。全員は部屋に入れないから、おバカそうな人は入口手前に置き去り。

 

 

「・・・・・・Youたち、テスト勉強は?」

「まぁまぁ~。」

「良かねぇけどな。・・・・・・頭は。」

「それより、俺たちを呼んだ理由は?」

「実はね、難波重三郎が亡くなったの。」

「え?・・・・・・誰?」

 

 

難波重三郎って・・・・・・確か、難波重工の会長だよね?

 

 

「難波重工の会長よ。今の難波重工のトップは『石狩アリエ』という元小説家だけどね。」

「え?小説家!?なんでそんな人が?」

「それはこっちが聞きたいよ。あたしだって御堂校長に言われたんだから。」

「星導館の?」

「それってどういう──」

 

 

でも、蒼空の言葉は遮られた。・・・・・・校舎から聞こえてきた爆発音によって。

 

 

「みんな、校門にロボットの軍勢がいる!」

「ってことは、ハードガーディアンか!?」

 

 

私たちはすぐさま校門に向かった。

 

 着いた時、そこには無数のハードガーディアンとエンジンブロスとリモコンブロスが待ち構えていた。

 

 

「テメェら、何しに来た!?」

「ちょっと万丈、うるさい。」

 

 

 

 

 

「お前たちの顔が見たくてな~!」

 

 

 

 

 

「っ、誰だ・・・?」

 

 

私たちの前に現れたのは、1人の男。だけど、何か凄く嫌な気配を感じる・・・。

 

 

「俺は、()()()()様に仕える『四魔卿(よんまきょう)』が1人、『獄炎(ごくえん)のブラムザンド』だ。本当なら、俺の本当の姿を見せたかったが、この世界の影響でその姿になれる事が出来なくてな~。」

「ベリアルだと!?」

 

 

なんでもういない奴の名前を!?

 

 

「っつうか、お前はまともに戦えねぇんだろ!?」

「だ~か~ら~!・・・・・・これを使うんだよ。」

 

 

そう言って出したのは、見たことのないベルトだった。

 

 

「蒼空、あれって何だと思う・・・?」

「・・・・・・ライダーシステムの1つ、『ライナーシステム』だ。」

「ライナーシステム?」

「変身。」

ガオウフォーム!

 

 

ベルトの中心に金色のパスっぽいのをかざすと、『ブラムザンド』と名乗る男が金色の牙みたいな装飾が沢山あるライダーに変身した。

 

 

「なんだよ、あのライダーは!?」

「仮面ライダーガオウだ、よろしくな!」

 

 

とりあえず、あいつはヤバいって事は分かる。私たちはドライバーを取り出した。

 

 

「万丈。」

「あぁ?」

「お前はみんなの避難誘導を香澄たちと頼む。」

「なんでだよ!?」

「スクラッシュドライバーが使えない以上、お前はあいつに勝てない。」

「・・・・・・お前が言うなら。」

「私も戦います。」

「紗夜さん!?」

「・・・・・・あなたをこの戦いに参加させる訳には──」

「一応、それなりに戦えます。」

 

 

紗夜さんが赤色のドライバーを見せつけてきた。

 

 

「・・・・・・分かりました。海璃、和美。紗夜さんとガーディアンたちを。」

「オッケー!」

「夜華、行けるか?」

「行けないとでも?」スッ

 

 

ま~た影から出てきた・・・。

 

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

ジード!』『キング!』『ベストマッチ!

 

「了解!!」

 

極クリスタル!』『ロッソ!ブル!

フュージョンアップ!

 

「かしこまりました。」

 

ファイア!』『パワーコード!

 

「はい!」

 

メロンエナジー!』『ロックオン!

 

「心火を燃やして・・・・・・!」

 

ロボットゼリー!

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 

私たちはそれぞれのライダーに変身して、私は紗夜さんとハードガーディアンを、蒼空はガオウと、夜華はギア兄弟との戦いを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ジードの『キングソード』とガオウの『ガオウガッシャー』がぶつかり合い、火花を散らす。

 

 

「ぐっ!・・・・・・なんて力だ!?」

「元々俺は、パワーだけは誰にも負けないんだよ!!」

「ぐわぁ!!」

「フッ!・・・・・・主様!!」

「っ!夜華!?」

「ほぉ~!お前が相手か!?」

「この不届き者はわたくしが!主様はあちらを!」

「・・・・・・分かった!」

 

 

ジードの相手は、イグニスと代わってエンジンブロスとリモコンブロスになった。

 

 

「とは言っても、2対1はな・・・!」

 

(大賢者さん、何かいい方法ないの!?)

《解。この状況に最適な攻撃パターンを検索・・・・・・成功しました。》

 

「何を考えてる!?」

「うっさい、邪魔すんな!」

 

 

『ロイヤルメガマスターフォーム』は王のように優雅に戦うスタイルが特徴なのだが、口調は一切変わってなかった・・・・・・。安心してください、変わってないのは口調だけです。イメージしているか知ったこっちゃないけど原作通りのバトルスタイルです。

 

 

(って、それを俺にやれって!?出来るわけねぇだろ!?)

《・・・・・・では、もう1つ提案です。》

 

「そろそろこちらにも集中していただきましょうか・・・!」

 

ファンキードライブ!ギアリモコン!

 

「だからうっさいって言ってんでしょうが!!」

 

 

見事なまでに文句を言いながら、リモコンブロスの技をキングソードで軌道を逸らしてかわした。・・・・・・万丈っぽい言い方だよね?

 

 

(・・・・・・それ良いじゃん!それで頼む!)

《了解しました。》

 

「このっ!」

「フッ!」

 

(・・・・・・頼むぞ、大賢者──)

 

「後はお前に託す!さっさと敵を打ち倒せ!!」

 

《了。自動戦闘状態(オードバトルモード)に移行します。》

 

「あぁ!?」

「うん?」

 

 

次の瞬間、ジードの動きが止まった・・・。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 さてと、ナレーションは俺に代わって・・・・・・ここから大賢者のお手並み拝見と行きますか~!

 

 

《告。技を使うので、イメージが崩れないように技名だけは言ってください。》

 

 

え?・・・・・・あ、はい。

 

 って考えた瞬間、俺の体がギアたちに向かって走り出した。・・・・・・中身、大賢者さんだからね。

 

 

「ぐっ!?」

「ぐわぁ!!」

「くっ・・・・・・急に動きが!?」

 

 

フォームのバトルスタイルは無視か!!・・・・・・ま、仕方ないか。だって大賢者が提案した攻撃パターンが多すぎて覚えられないんだもん。

 

 っつうか、結構走りながら斬ってるけど・・・・・・。

 

 

ウルトラセブン!

 

 

おっと、もう喋る時間!?

 

 

「スラッガースパーク!!」

「ぐぅ・・・!?」

 

 

おお!思ったよりダメージあるなぁ~!続いては・・・!

 

 

「ふん!!・・・・・・捉えたぞ!!」

 

ウルトラマンエース!

 

「何っ!?」

 

 

敵に剣先当てながらボトルをセットする事なんて無いんだけどな~。まぁいい。

 

 

「バーチカルスパーク!!」

「ぐわっ!!」

 

 

どうよ、エンジンブロス!

 

 『バーチカルスパーク』は、斬撃を飛ばす技だけど・・・・・・その『斬撃を飛ばす』を利用してエンジンブロスを吹き飛ばすなんてな~。

 

 

ゾフィー!

 

 

え!?・・・・・・あ、はい。次ですね、はい、言います。

 

 

87(エイティセブン)フラッシャー!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

 

よっしゃ!まずはエンジンブロス、撃破!

 

 

「こうなったら・・・・・・兄貴!!」

「っ!」

 

ギアエンジン!』『ファンキーマッチ!

 

「潤動!」

 

フィーバー!パーフェクト!

 

 

おっと、ヘルブロスのご登場か。・・・・・・残念ながら、この辺はなんとなく覚えてるから分かんだよね~。

 

 

「バルカンスパークル!」

 

 

確か、相手がヘルブロスになったらこっちは『バルカンスパークル』を放って・・・・・・。

 

 

「ぐっ!?・・・・・・どこだ?」

「兄貴、上だ!!」

「っ・・・・・・なっ!?」

 

ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!

フルボトルバスター!

 

「ぐわっ!?」

 

 

すぐに『ラビットラビットフォーム』に変身して、『フルボトルバスター』を使って攻撃する・・・・・・だったらしい。

 

 

忍者!』『フルボトルブレイク!

 

「ぐっ!?」

 

 

へぇ~、『忍者ボトル』の成分を使ってフルボトルバスターを斬撃を増やす考えは無かったな~。

 

 

「本当に、ジードなのか・・・!?」

 

 

はい、ジードです。・・・・・・だって、今ジードが戦ってるんだから、『はい、ジードです』って答えが正しいでしょ?

 

 

タンク&タンク!』『ビルドアップ!

ガタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

 

あれ?もう『タンクタンクフォーム』なの?・・・・・・まぁいいや。

 

 

「ビルドアップ!」

 

Are You Ready?』『オーバーフロー!

タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!

 

「何っ!?」

 

ガトリング!』『フルボトルブレイク!

 

「ぐっ!?ぐわっ!!」

 

 

なるほど~、『ガトリングボトル』を使って連射か~。・・・・・・ドリルクラッシャーならよくやってたけど、この武器では初めてだな~。

 

 

フルフルマッチデース!

 

「くっ・・・・・・っ!?」

 

フルフルマッチブレイク!

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

よっし!ヘルブロスも撃破!

 

 

《作戦終了。自動戦闘状態(オードバトルモード)を終了します。》

 

「・・・・・・お疲れさん。」

 

 

さてと、あっちはどうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 はい、急に振られました。

 

 って事で、ジードが無言で戦っている時に、ガオウとイグニスはそれぞれの剣をぶつけ合っていた。

 

 

「ふん!・・・・・・中々のパワーだ。だが、俺には勝てない!!」

「くっ!?」

 

 

いくらパワー自慢の『パワーコードモード』でも、ガオウには敵わなかった。

 

 

「なら・・・・・・これを使うしかないようですね。」

「あぁ?」

 

 

イグニスが取り出したのは、ボトルの柄がある部分に円盤が付いた新たなアイテムを取り出した。

 

 

「主様がアイテムを開発している時に手に入れたこの力で、対応しますか・・・・・・。」

クアンタム!

 

 

その円盤を180度回転させて、白い龍の顔が描かれた絵柄にして、ドライバーにセットした。

 

 

サイバースドラゴン!

割れる!流れる!溢れ出る!

 

 

レバーを下ろすと、今まで通りの変身モーションが起こるが、イグニスが纏った装甲は白色の龍のように、背中には羽根のような形のマントが着いた新たな姿へとなった。

 

 

クアンタム・イン・イグニスファイナリー!オラァ!

 

「祝え!!紫電一閃!『イグニス・クアンタム』!!・・・・・・緊急時につき、短縮版でございます。」

「なんだ、それは!?」

 

 

ガオウは力任せに攻撃するが、今のイグニスにはその攻撃スピードが遅く見えて、全てかわしていた。

 

 

「何っ!?」

「その程度でございますか?」

「くっ!?ちょこまか避けやがって・・・!!」

「そろそろ、終わりにしましょう。」

 

 

新たなアイテム『サイバースクラックボトル』で変身した『クアンタムモード』は、スピードに長けた姿だ。

 

 イグニスはレバーを下ろすことで必殺技を発動させる。

 

 

クアンタム・エクスプロージョン!

 

「なっ!?ぐわっ!?」

 

 

その必殺技は、背中の羽根のような装甲を広げて衝撃波を敵に放った。吹き飛ばされた敵目掛けて、イグニスはその羽根で飛びながらライダーキックを放つ。

 

 

「ふっ、ハァアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

 

蹴り飛ばされたガオウは変身が解除され、人間の姿に戻った。

 

 

「くっ!?・・・・・・覚えてろ・・・!?」

 

 

ブラムザンドはその場を去っていった。

 

 

「・・・・・・ふぅ。ま、この程度でしょう。」

「夜華!」

「主様。お怪我はありませんか?」

「あぁ。・・・・・・なんか、すげぇ姿だな。」

「主様ほどでは。」

「って!そんな事より、海璃たちが!?」

「はい?・・・・・・あぁ、そうでしたね。」

 

 

2人がルーブたちを見ると、そこには1人見馴れないライダーが1人いた。

 

 

「うん?・・・・・・あれ、誰?」

「あれは・・・・・・?」

 

 

 

 

 

『カイガン!ベンケイ!

 アニキ!ムキムキ!仁王立ち!』

 

「フッ!」

 

『ダイカイガン!』

 

「ハァアアア!!」

 

『オメガボンバー!』

 

「うっ!?・・・・・・このライダーは・・・?」

「少なくとも、花咲川のライダーではありませんね。」

 

 

ルーブたちの下にジードとイグニスもやって来た。

 

 

「あんたは一体・・・?」

 

『オヤスミー!』

 

「俺は深海(ふかみ)(たける)()()()の生徒です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




え~、後書き読んでる奴・・・・・・じゃない、読んでる方がいるかどうか知りませんが、先週更新出来なくてすみませんでした。

さて、本編のことを触れると・・・・・・最後に出たライダー、ここで出す予定はなかったんです。
ちなみに、このキャラは新キャラであって新キャラではありません。・・・・・・察する人は察するかな?
そして、夜華の新アイテムは、『ギンガウォッチ』の回る部分をクラックボトルに付けた感じって思ってください。


あと、さらっとアンケートします。


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第34話 マリシャスタワー

「強大な力を秘めたギガファイナライザーを巡って、花咲川・羽丘・星導館の3校で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘のグリスと共に花咲川代表として星導館との代表戦に勝利し、戦争に終止符を打ったのだが・・・・・・。」
「おい!前回の俺のシーンってなんだよ!?」
「なんだよ、うっさいな・・・。」
「出番があったけど、全然活躍してねぇだろ!?」
「まぁまぁ、この後原作通りの活躍するから。じゃ、第34話どうぞ~。」







 

 

 

 

 

 俺たちは花咲川の校長に挨拶をした後、nascitaに戻ってさっき現れた『深海尊』と話をする事となった。・・・・・・尊は席に座り、俺たちライダー組とRoseliaは彼の前で床に座っている。ビルドの『30話』スタイルだ、分かりやすく言えば。

 

 

「・・・・・・で、改めて君の事について教えてくれ。」

「うん。俺は『深海(ふかみ)(たける)』。仮面ライダーゴーストで、星導館学院の生徒です。」

「あの~、ゴーストのお口に合うかどうか分かりませんが・・・・・・。」

「『ゴーストのお口』ってなんだよ?」

「知らないよ・・・・・・。」

 

 

バカ共(万丈・カズミン)うるさい。

 

 

「・・・・・・うん、あまり美味しくない、ね・・・・・・。どちらかと言えば、不味い。」

「え・・・?ちょっとちょっと蒼空!なんで私のコーヒーが不味いの!?」

「まぁ、面白いからいいじゃん。」

「っ!むぅ・・・。」

「つうか、コイツ本当に幽霊なのか?」

「失礼なこと言うんじゃないよ。」ベシッ

「イッテーな。」

「急に私たちの前に現れたから、その可能性が高いですね。」

「ボクは先輩に手を出す輩じゃなければ別に構わないよ。」

「そういう事じゃないよ・・・。」

「だいたい幽霊がライダーなんておかしいだろ!?」

「それは()()ですよ!」

「「あぁ?」」

 

 

・・・・・・えっと・・・?大賢者さん!

 

 

《・・・・・・・・・・・・。》

 

 

答えろよ!!

 

 

「・・・・・・えっと・・・なんでですか?」

「俺もよく分からないけど、どうやらそういうドライバーで変身するかららしい。」

「へぇ~、じゃあバカなんですね。」

「止めろバカ(カズミン)。」

「「あん?」」

「っ、お前(万丈)じゃねぇよ。」

「おう。」

 

 

・・・・・・って、あの不味いコーヒー飲んでるし。ってか、なんで海璃が淹れたコーヒーが不味いんだよ!?

 

 

「ふふっ。」(笑)

「っ、なんで笑うんだよ!?」

「・・・・・・バカが増えた。」

「なんで不味いの・・・・・・?」

 

 

 

 

 

「この状況は・・・。」

「面白いね、りんりん!」

「う、うん・・・・・・?」

 

 

ほっとけ。

 

 

 

 

 

「あの~、話をしていい?」

「あ、はい。どうぞ。」

 

 

えっと・・・・・・なんの話するんだ?さすがに『私は万丈龍哉です。』が出るとは思えないけど・・・?

 

 

「俺たちの学校の校長:御堂校長の性格が変わって、ライダーシステムやガーディアンは防衛手段にしか使わないって宣言しました。でも、俺()()ライダーにはそうなった真実を伝えられました。」

 

 

え?『たち』って何?他にもいるのか?

 

 

「難波重工に、『赤き鋼』の影響を消されたらしいけど、どうやら『ベリアル』が難波重工を乗っ取ったらしいんだ。更なる力を手に入れて・・・。」

 

 

ベリアルが!?・・・・・・そういや、あの新しいライダーも『ベリアル様』って言ってたしな・・・。でも、『ロイヤルエンド』を受けて生き延びられるのかな・・・?

 

 

《解。その可能性は限りなく低いかと。》

 

 

だよな~。

 

 

「・・・・・・だったら、早くクローズの強化アイテムを創らないと!」

「クローズって、龍兄の?」

「そうだよあこ。龍兄のドライバーの1つが使えなくなったの。」

「それって・・・・・・大丈夫なの?」

「うるさいなぁ。・・・・・・今ならベリアルの力も定まってないはずだから。」

 

 

万丈連れてとっとと研究室に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 その頃、元『難波重工本社ビル』の現『マリシャスタワー』内では、

 

 

「スターク、お前にはこの塔を思うがままに操る事が出来る。その力を思う存分、俺のために使え。」

「・・・・・・はいよ。」

 

 

嫌そうに返事をしたスタークの手には、黒色の『ハザードトリガー』のような物が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 私は、夕食が出来たから蒼空と万丈を呼びに研究室に入った。

 

 

「蒼空──きゃっ!?」

 

 

ビックリした~、急に爆発音が聞こえ・・・・・・たどころじゃないよね!?部屋中煙が酷いんですけど!?

 

 

「海璃、大丈夫か!?」

「大丈夫、だけど・・・・・・これ、何?」

「実は、クローズの強化アイテムが完成したんだ!凄いでしょ!?最っ高でしょ!?天っ才でしょ!?」

 

 

う、うん・・・・・・それは凄いけど・・・・・・?

 

 

「万丈は?」

「え?・・・・・・あぁ、万丈~。万丈~?」

 

 

察するかもしれないけど、万丈気絶してたわ~。・・・・・・蒼空、万丈のでこに『ごめん 蒼空』なんてメモ紙張らなくていいから・・・・・・って、もう遅いか・・・。

 

 

「・・・・・・明日か・・・。」

「うん?蒼空、何か言った?」

「いや、何でもない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝のニュースで発表された緊急速報は、近隣の人たちを驚かせる内容だった。

 

 

『ここで緊急速報が入りました。花咲川女子学園は、『仮面ライダージード』に対し、()()()()()を適用することを宣言しました!』

 

「はぁ!?」

「う、そ・・・!?」

「どういう事だよ!?」

 

 

 

 

 

そんなニュースが世間を騒がす中、一台のバイクがマリシャスタワーが見える位置に止まった。その運転手は、『桐生蒼空』。先程、国家反逆罪が適用された仮面ライダージードの変身者だ。

 

 

「・・・・・・ふぅ。」

 

『ラビット!』『タンク!』『ベストマッチ!』

 

 

蒼空はバイクにまたがりながら、ドライバーを巻き、ボトルをセットして変身した。

 

 

『Are You Ready?』

 

「・・・・・・変身!!」

 

『ラビットタンク!イエーイ!』

 

 

変身を終えると、ジードは再びバイクを走らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、そんな蒼空がいないnascitaでは・・・・・・。

 

 

「龍兄!海姉!蒼空兄が反逆罪ってどういう事!?」

「知るかよ!?」

「・・・・・・もしかして、あの塔に・・・?」

「あん?」

「うん?・・・・・・海姉、電話が・・・。」

「え?・・・・・・校長先生?」

「「っ!?」」

 

 

海璃の携帯に、花咲川女子学園の校長から電話がかかってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、

 

 

「ジードが国家反逆罪って・・・?」

「蒼空兄何かしたの!?」

「分かってたら驚かないって・・・・・・うん?」

「こんな時に誰から電話なの、リサ?」

「分からない、知らない番号。・・・・・・もしもし?」

 

『今井リサさん、朝早くにごめんなさい。羽丘女子学園校長です。』

 

「え!?」

 

 

リサの携帯には、羽丘の校長から電話がかかってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、マリシャスタワー前では、ハードガーディアンたちがジードを待ち構えていた。

 

 

「ふっ!・・・・・・やっぱ構えてますよね~!」

 

 

ハードガーディアンたちはバイクに乗ってマリシャスタワーに突っ込んでくるジードに向けて、射撃を開始した。だが、移動しているジードには全然当たっていなかった。

 

 

「ハァア!!」

 

 

ジードは代わりにバイクを宙に浮かせて、そのバイクをハードガーディアンたちにぶつけていった。さらには前輪を浮かせて、ドリルクラッシャーを銃にしてハードガーディアンたちを撃っていった。

 

 

「よっと!ハァ!!」

 

 

だが、ハードガーディアンたちは戦法を変えて、合体して3体になってジードを襲う。

 

 

「え、ちょまっ!?合体すんなよ!?」

 

 

驚くジードはなんとか合体ハードガーディアンをかわしつつ、壁にまで飛んで駆けていくが、残念ながら地面に叩きつけられた。

 

 

「ぐわぁ!?イッテーな・・・!?」

「よぉ。」

「え?イッテ!」

「ボクたちに内緒で何楽しんでんだよ、コラァ?」

 

 

そんなジードに声をかけたのは龍哉と和美、その隣には海璃と()()()()がいた。

・・・・・・いらない事を言うと、ジードのでこには『ごめん 蒼空』のメモ紙が張られている。張った犯人は龍哉だが。

 

 

「お前ら、どうして!?」

「『どうして』じゃねぇよ──イッテ!?」

「カズミン何してんのよ?・・・・・・花女の校長から1円パチッたんだって?」

「っ・・・・・・。」

 

 

実は、前回の最後から今回の最初までの間に、蒼空は花女の校長から1円をいただき、この作戦を伝えていた。

 

 

「学校や政府の組織から外れれば国を背負う必要がなくなります。」

「だから、何をしようと勝手だってね?ね~♪」

「な~♪・・・・・・ふざけんな!」

「っ!ふざけてるのはお前たちの方だ!!これは──」

「犯罪行為なのは知ってるよ~☆」

「え・・・?」

 

 

ジードの言葉を遮って、リサが青色のドライバーを巻いて前に出た。

 

 

「ですが、こちらは花咲川と羽丘の両校長からの指示なんですよ。」

「『花咲川から1円を盗み、マリシャスタワーに突入したジードを花咲川の校長室に連行してこい』ってさ。」

「母さんも粋だよね~!」

「だから俺たちは犯罪行為ではありませ~ん!!」

 

 

リサに続いて紗夜、海璃、和美、龍哉が各々のドライバーを巻きながらジードの前に立った。そして、変身をし始める。

 

 

『シグナルバイク!』『ライダー!』
『メロンエナジー!』『ロックオン!』

『ロボットゼリー!』
『ロッソ!』『フレイム!』『ベストマッチ!』

『Wake up!』『クローズドラゴン!』

 

『『Are You Ready?』』

「「「「「変身!」」」」」

 

『マッハ!』
『メロンエナジーアームズ!』

『ロボット・イン・グリス!』
『ロッソ フレイム!』

『Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

 

こうして、一度に6人のライダーが勢揃いした。

 

 

「・・・・・・あ、そうだ。」

 

 

唐突に何かを思い出したグリスはジードに近付き、

 

 

「オイ!」ゴンッ

「イッタ!?・・・・・・何すんだよ!?」

「それは先輩たちの分だよ!相当怒ってたよ。・・・・・・それ以上にみんな祈ってたよ、蒼空兄の無事を。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「さっさと終わらせてずらかるよ。・・・・・・ハァ!!」

「どこで覚えたのさ、カズミン?・・・・・・フッ!」

「ふん。ッシャァアアア!!」

「アタシだって心配してたんだから、きっちり連行するからね☆行こ、紗夜!」

「えぇ。・・・・・・1人ではないって事を忘れないでくださいね。」

 

 

ジードを置き去りにして5人は合体したハードガーディアンたちに挑む。

 

 

「・・・・・・はぁ、最悪だ・・・。俺のヒーロー感が薄れるだろ・・・。」

 

 

龍哉に貼り付けられたメモ紙をくしゃくしゃポイして、戦闘に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、マリシャスタワー内では・・・。

 

 

「そろそろ、()()を使う時が来たか~。」

「・・・・・・それで、アタシを呼んだ理由は、『保険』ってコト?」

「『万が一』は必要だろ?」

「・・・・・・そうね。」

 

 

黒い『ハザードトリガー』のようなアイテムを持つスタークと、青色の銃を持つ『ハーフっぽい女子』が会話をしていた。

 

 

「今のお前なら、四魔卿共と対等以上に戦えるだろ?」

「まぁ、それなりにイイ感じの()()も持ってるしね~。」

 

 

そう言って女子が見せつけたのは、ガトリングが付いた青色の四角いアイテムだった。

 

 

「・・・・・・しっかり仕事してくれよ。」

「出番があればね。」

 

 

女子はそのままどこかへ行ってしまった。そして、入れ替わるように星導館学院の制服を着た男子高校生がスタークの前に現れた。

 

 

「・・・・・・あれが、希望か?」

「どちらかと言えば、ジードの方だがな。」

「なら、その希望を守ればいいんだな?」

「あぁ、それがお前を雇った理由だ。」

「大変だったんだよ、千聖を説得させるの。」

 

 

その男子高校生の右手には、少し大きめの()()がはめてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マリシャスタワーの外でハードガーディアンたちと戦っている6人のライダーたちは・・・。

 

 

「よっと!」

 

『シューター!』

 

「・・・・・・ってちょっと!遠距離が効かないんですけど!?」

「初陣にしては上手く戦えてると思いますけど!」

 

『ブル ウィンド!イエーイ!』

 

「喋ってる余裕があるなら十分でしょ!」

 

 

 

 

 

「オリャアアア!!」

 

『スマッシュヒット!』

 

「ウラァアアア!!」

 

 

 

 

 

「ビルドアップ!」

 

『ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

「っ!ハァア!!」

 

 

こんな感じで出来る限り戦っていた。そして、ブルの風の力でグリスとクローズたちに合流したブル・マッハ・斬月。

 

 

「くっ・・・・・・で、どうやって入んだ?」

「あ?簡単だよ。ぶっ壊せばいいんだよ!」

「正気ですか?」

「ま、それもアリかもね。」

「それしかないっしょ!」

 

「フッ!・・・・・・ちょっと、なんでも力で解決しようとするんじゃ──危なっ!?」

 

「「ハァ!!」」「「「フッ!」」」

 

「ったく、もう!!」

 

 

ジード以外が先に飛び、ジードもその後を追うかのように飛んだ。そして、

 

 

「「「「「ハァアアア!!」」」」」

「話してる・・・・・・途中でしょーがーーー!!」

 

 

6人でタワー目掛けて突っ込むようにライダーキックをする。その前に合体したハードガーディアンたちが立ち塞がるが、ライダーたちは見事にガーディアンを全て破壊。次にタワーの壁を破壊しようとするが、突然壁に穴が開き、そこに吸い込まれるように突っ込んでいく6人。

 

 

「「「「「「えぇえええーーーーー!!!??」」」」」」

 

「イッターイ!!」

「お、お尻が・・・!?」

「それにしても・・・・・・何故・・・?」

「なんで勝手に開いたんだよ!?」

「・・・・・・マジか・・・!?」

「ぐっ・・・・・・うん?」

 

 

ライダーたちが入ってきた壁から視線を変えて部屋の中心部分を見ると、4つのブロックが床から組み上げられ、展開していく。その中からハードガーディアン2体、鷲尾風(リモコンブロス)鷲尾雷(エンジンブロス)、そしてブラムザンド(仮面ライダーガオウ)が姿を見せた。

 

 

「あの人たちは・・・・・・!」

 

「大きなネズミがまさか6匹もいるなんて・・・・・・。駆除しないといけませんね~!」

「さぁ、俺を楽しませろよ。・・・・・・変身!」

 

『ガオウフォーム!』

 

『ギアエンジン!ファンキー!』

『ギアリモコン!ファンキー!』

 

「「潤動!」」

 

『エンジンランニングギア!』

『リモートコントロールギア!』

 

 

3人が変身して、戦闘態勢を取った。

 

 

「・・・・・・和美、俺たちでギア兄弟を。」

「うん。」

「紗夜さん、私たちでガオウを。」

「・・・・・・出来る限り努力します。」

「じゃあ、アタシは万丈とハードガーディアンを、だね?」

「あぁ、頼むぞ。」

 

 

そして、戦闘が開始された。

 

 

「フッ!ハァ!」

「フッ!」

「ぐっ!・・・・・・こんなもんか!!」

「うっ!?」

「ちょっ!?・・・・・・力有りすぎっしょ!?」

「その程度で俺に勝てると思うのか?」

「言ってくれるじゃない?」

 

『極クリスタル!』

 

「ベリアルの部下と言うなら、必ず倒します!!」

 

 

ブルからルーブへと変身し、斬月と共にガオウに挑む。

 

 

 

 

 

「フッ!ハッ!」

「オラァ!ハァ!!」

 

 

ジードはフルボトルバスターを大剣モードで、グリスはツインブレイカー ビームモードでリモコンブロス、エンジンブロスに挑む。

 

 

 

 

 

「オラァ!ハァ!」

「行っくよ~!」

 

『ゼンリン!』

 

「よい・・・・・・しょ!!」

 

「オリャア!・・・・・・ぐわっ!!」

 

 

マッハはある程度戦えてるが、クローズは初期フォームのせいか少し劣勢に陥っていた。

 

 

「ぐっ!」

「万丈。」

「あぁ!?」

「俺が使うために持ってきたんだけど、お前に貸してやるよ。」

「うん?・・・・・・おお!!完成したのか~!!」

 

 

背中合わせになったジードとクローズ。ジードは前日に完成した新アイテムをクローズに()()()。そのアイテムは赤い拳のようなものがある『マグマナックル』という名前のアイテム。それを手にしたクローズは、やる気に満ち溢れた。

 

 

「よっし・・・・・・!負ける気がしねぇ・・・!!」

「ふぅ・・・・・・ハッ!」

 

 

ジードもリモコンブロスに再び挑む。

 

 クローズは走りながらナックルに『ドラゴンゼリー』だった黒いボトルをセットして、ハードガーディアンを殴る。

 

 

『ボトルバーン!』

 

「オリャアアア!!・・・・・・あぁ!?」

 

 

その成果は、ハードガーディアンの装甲で『ボフッ』っと火花をほんの少し散らすだけだった。

 

 

「おう・・・・・・おう?」キョロッキョロッ

「・・・・・・・・・・・・。」バンッ

「ぐへっ!?」

「えぇ・・・・・・ダッサ。」

 

 

互いにナックルの結果を確認した後、ハードガーディアンはクローズの顔面目掛けて撃った。見事命中したクローズはお笑い芸人ばりに倒れた。そして、クローズはナックルから黒いボトルを取り出し、ジードに文句を言い始める。

 

 

「うぅ・・・・・・全然使えねぇじゃねえか!!」

「お前が気絶したから試せなかったんでしょうが!!・・・・・・いいから()()()()()使いなさいよ!!」

 

『タンク!』

 

「あ、おい!!・・・・・・ったく、負ける気しかしねぇ・・・!」

 

 

 

「何をごちゃごちゃ言っている!?」

 

 

寸劇を繰り広げるクローズに苛立ちを覚えたのか、エンジンブロスがグリスを放置してクローズをスチームブレードで攻撃する。

 

 

「ぐわぁ!!・・・・・・このっ!」

 

 

『喧嘩上等』スタイルでナックルを押して、エンジンブロスと殴り合うように拳を放つ。

 

 

「オリャアアア!!」

「ぐはぁあああ!!」

 

「うっわ!何それ凄~い!」

「っ!おぉ~!」

 

「なんだよ、以外と使えるじゃねぇか~!オリャア!!」

 

 

新アイテムの力を再確認したクローズはテンションが上がって再びナックルで攻撃しようとする。

 

 が、そんなクローズの前に謎の石の棒が現れ、レーザーを放った。

 

 

「オリャア──おお?・・・・・・うおっ!?」

 

「っ!危ねぇ!!」

「フッ!」

 

「うぎゃあああ!!」

 

「万丈!・・・・・・って、何っ!?」

「リサ先輩、上!!・・・・・・ぐっ!?」

 

「なっ──ぐわっ!!」

「フッ!・・・・・・ハァ!!」

「ぐわぁ!!」

 

「蒼空!!・・・・・・うわっ!?」

「きゃっ!?・・・・・・こっちも!?」

「奴の仕業か・・・。ハァ!!」

「うっ!?」

「きゃぁ!!」

 

 

レーザーをかわした後、クローズは横から引き出しのように出てきた岩に吹き飛ばされ、ハードガーディアンと戦っているグリスとマッハは足を固定されて上空から無数の岩が落とされてダメージを受ける。ジードは下から飛び出した岩で上空に上げられて、飛び上がったリモコンブロスに蹴り落とされる。ガオウと戦っているルーブと斬月も下から上空に上げられ、地面に落ちる瞬間にガオウガッシャーに斬り飛ばされる。

 

 

「なんなんですか、この部屋は・・・・・・!?」

「まるで、生きてるみたいだ・・・・・・!」

 

 

 

 

 

『気に入ってもらえたかな?仮面ライダー諸君。』

 

 

 

 

 

「この声・・・・・・!」

「スターク・・・!?」

「なんでスタークが!?」

 

『この部屋は俺の力で変幻自在に操ることが出来る。ここから出ることが出来るかな~?』

 

「「ぐわっ!!」」

「「「きゃっ!?」」」

「ぐっ!?・・・・・・上等じゃねぇか!?オリャアアア!!

 

 

クローズ以外の5人は岩で吹き飛ばされ、クローズは4方向から岩で身動きが出来なくなった。だが、クローズはその岩を叫び声と共に破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リサたち、大丈夫かしら・・・・・・?

 

 

「いいなぁ~、あこも変身したいな~。『闇の力』みたいなの!」

「そんな事より、なんでみんなここ(nascita)にいるのかしら?」

「え?だって龍君たちがここに帰ってくるからですよ~!」

 

 

 

 

 

「随分と人が多いね~。」

 

 

 

 

 

 

「うん?・・・・・・っ、ローグに変身する・・・!?」

「・・・・・・()()たちはいないんだね?」

「なんの・・・・・・用ですか・・・・・・?」

「葛城たちの()()を手に入れたんでね~。」

 

 

何故、ローグ(?)に変身する人がここに・・・?

 

 

「『蒼空君たち』って、他にもいるんですか?」

「えぇ。葛城と、()()と、()()と、()()の4人が特にその可能性が高いんだけどね。」

「・・・・・・どういう事かしら?」

 

 

確か、桐生さんは記憶喪失で顔を変えられているって聞いたけど・・・・・・?

 

 

「葛城たちは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()かもしれない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「あ、きょ~へ~さん♪プ・レ・ゼ・ン・ト♪」

『ヒッサツ!フルスロットル!』『キケーン!』






























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前回アンケート取ったけどさ、アンケート取るほどの数じゃなかったね。・・・・・・もうこっちじゃアンケートしねぇぞ?

本編の事を触れると・・・・・・リサ姉、変身したね~!しかもマッハだよ~!なんかね、基本軽いノリのライダーにしようと思ってたんですよ。もう1つの候補はバースです。・・・・・・あの、伊達さんバージョンのプロレススタイルの方です。

そして、新キャラ(どっかで出しているキャラ)が出ましたよ~。変身するライダーのヒントは、指輪と青色の『キー』と言う名の四角い物で~す。


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第35話 燃え上がるマグマ

「『赤き鋼』をめぐる戦争が終わった後、倒したはずのベリアルが更なる力を手に入れて復活し、難波重工を乗っ取った。仮面ライダージードの桐生蒼空は、政府の力を利用している難波重工に乗り込むのだが・・・・・・。」
「どぉどぉ?アタシの初変身?」
「いや、どうって言われてもな・・・。」
「まさか、見てなかったの!?」
「う~ん・・・・・・あんまり興味がない。」
「酷っ!?」
「では、第35話どうぞ~!」







 

 

 

 

 

 感情が高ぶっているのか、力がどんどん増しているクローズはエンジンブロスを劣勢に追い込んでいく。

 

 

「なんだ!?何故急激にハザードレベルが・・・!?」

「ガタガタうるせぇなぁ!!」

 

『ボトルバーン!』

 

「これで終わりだ!!」

 

『ボルケニックナックル!』

 

「オリャアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

『アチャー!』

 

 

クローズはジードから借りた『タカボトル』をセットして、ナックルでエンジンブロスをアッパーで倒した。

 その光景を目にした他の者が、『普通のクローズがエンジンブロスを倒した』ことに疑問を浮かべるが、目の前の相手に集中することにした。

 

 

「こうなったら・・・・・・兄貴!!」

 

『ギアエンジン!ファンキーマッチ!』

 

「・・・・・・潤動。」

 

『フィーバー!』

 

 

そして、リモコンブロスは『ヘルブロス』に変身した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

「ちょまま!?蒼空たちが人間じゃないってどういう事だよ!?」

「知りたい?・・・・・・じゃあ、全員パソコンに集合~。」

 

 

ローグに変身する人は、何を企んでいるのかしら・・・・・・?

 

 

「それで、なんで龍君たちが『人間じゃない』っていうの?」

「まぁ、アタシはほんの少ししか見てないから確証はまだないけど・・・・・・可能性は高いよ。」

 

 

可能性が高いって・・・・・・?

 

 

「みんな、『魔王』って聞いたことある?」

「魔王?」

「有咲、『まおう』って・・・・・・?」

「し、知らねぇ・・・・・・。」

「・・・・・・あ。私、一度聞いたことがある。確か、ちょっと前の代表戦の時に夜華さんから。」

「へぇ~。・・・・・・アタシが言った4人は、その『魔王』になる可能性がある人間たちだよ。」

 

 

?・・・・・・どういう事かしら?

 

 

「じゃあ、データの中身を見ましょうか?」

 

 

そう言って、彼女はデータが入ってるであろうUSBメモリーを桐生さんの自宅のパソコンに差し込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 一方、そんな噂になってることも知らないライダーたちは・・・・・・。

 

 

「もう!いい加減ウザい!!」

 

『高まれ!究極の力!』

 

「美剣さん、そんな口調で言わなくても・・・・・・。」

 

『ロックオン!』

 

「なんだと・・・・・・!?」

 

 

ルーブは『極クリスタル』を『ルーブコウリン』にセット、斬月は『メロンエナジーロックシード』を『ソニックアロー』にセットし、技を発動する。

 

 

「ルーブ コウリンショット!!」

「はぁ!」

 

『メロンエナジー!』

 

「ぐっ!?ぐわぁあああ!!」

 

 

・・・・・・怒りに身を任せて放ったルーブの一撃が思ったより大きな一撃を与えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ジードとクローズはヘルブロスと戦っているが・・・・・・。

 

 

「ハァ!」

「ぐわぁあああ!!」

 

 

いくらハザードレベルが上がっていても、初期のクローズではヘルブロスの一撃に耐える事が出来なかった。

 

 

「万丈!」

「次は・・・・・・あなたの番ですよ。」

「くっ!・・・・・・ハァ!!」

 

 

ジードはフルボトルバスターを大砲モードにしてヘルブロスに挑む。

 

 

『フルフルマッチデース!』

 

「・・・・・・ふっ!」

「はぁ・・・・・・ハァ!!」

 

『フルフルマッチブレイク!』

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

これで、見事ヘルブロスを撃破した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて・・・・・・ハードガーディアン対マッハ&グリス。

 

 

「オラァ!!」

「よっと!・・・・・・カズミン、なんか口調おかしくない?」

「気にすんな!!」

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

「あはは・・・・・・りょーかい!」

 

『ヒッサツ!フルスロットル!』

 

「「ハッ!!」」

 

「ウリャアアア!!」

「ハァアアア!!」

 

 

・・・・・・見事、ハードガーディアンたちを撃破しました。

 

 

 

 

 

 そして、全ての戦いが終わった時に、部屋に扉が突然現れた。

 

 

「・・・・・・っ!みんな、行くぞ。」

 

 

ジードたちは変身を解いて、その扉をくぐって先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 マリシャスタワーにはハードガーディアンが保管されている。そのうちの2体が蒼空たちに向かって進んでいた。だが、その進路をふさぐ者が1人・・・・・・。

 

 

「ちょっとちょっと~、アッチの邪魔しないでよ~。・・・・・・って言ってもムダか、ロボット相手じゃ。」

 

 

腰には青色の銃がドライバーのようにセットされていた。・・・・・・先程、スタークと話していたハーフの女性は、ポケットから灰色っぽい四角いアイテムを取り出して、

 

 

「通るんだったら、この美人で可憐なウィズ様を倒してから通りなさい。」

 

『パワー!』

 

「ふっ!ぐぬぬ・・・・・・はぁ! 開いた~!」

 

『オーソライズ!』

『Kamen Rider. Kamen Rider.』

 

 

こじ開けたアイテムをドライバーみたいになってる銃にセットして、それを手に持つ。まるで自分が『仮面ライダーだ』と主張するような待機音声が流れる銃の銃口をハードガーディアンに向けて、引き金を引いた。

 

 

「変身!」

 

『ショットライズ!』

 

「ふぅ・・・・・・はぁ!!」

 

『パンチングコング!

 Enough power to annihilate a mountain.』

 

 

銃口から飛び出した弾丸は普通と違い、発射されると同時に『ウィズ』と名乗る発射した人間にUターンした。ウィズはその弾丸を裏拳で殴る。すると、その弾丸から装甲が現れウィズに纏う。そして、仮面ライダーに変身したのだった。

 

 

「さ~て、始めますか!」

 

 

ゴリラのような剛腕を持った仮面ライダーは、ハードガーディアンを倒すために、戦い始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 俺たちはさっきの集団を倒して、次の場所に向かっている。

 

 

「で、なんでここに入ったの?」

 

 

知らずに突っ込んで来たのかよ?・・・・・・まぁ、教えてないんだけどな。

 

 

「・・・・・・難波重工を乗っ取ったベリアルの野望を止めようと思ってな。上手くいけば、倒せれたら良いなと思ってる。」

「なるほど。・・・・・・ですが、ベリアルが難波の力を利用しているので、学校に所属している限り乗り込めなかったんですね。」

「へぇ~。」

 

 

 

 

 

「面白いこと言うんだな~!」

 

 

 

 

 

「っ!?」

「え!?急に何っ!?」

 

 

俺たちが歩いている通りの前に、1人の男が立っていた。

 

 

「俺は、四魔卿の1人『獄風(ごくふう)のヴァンディール』だ。よろしくな。」

 

『ドライバーオン Now!』

 

「え?何、あれ・・・?」

 

『シャバドゥビタッチヘンシーン・・・!シャバドゥビタッチヘンシーン・・・!』

 

「変、身。」

 

『チェンジ Now!』

 

 

男がなんか、黒っぽいような金色っぽいような仮面ライダー?に変身した。・・・・・・魔法使いっぽいような・・・?

 

 

「仮面ライダー、ソーサラー。」

 

「くっ・・・!」

「ここはアタシに任せて!」

「皆さんは先に行ってください。」

「ちょちょっ!リサさんに紗夜さん!」

「お前たちが勝てる相手じゃない!」

 

「でしたら、わたくしが残りますわ。」

 

「え?・・・・・・うわっ!?」

「夜華さん!?」

「お前、いつの間にいたんだよ!?」

「わたくしに不可能はございません。」

 

 

あっそ・・・・・・。

 

 

「・・・・・・では、行きましょう。」

 

『メロンエナジー!』『ロックオン・・・!』

 

「オッケ~!」

 

『シグナルバイク!』『ライダー!』

 

「「変身!」」

 

『メロンエナジーアームズ!』

『マッハ!』

 

「それでは、わたくしも。」

 

『エクシード!』『サイバースドラゴン!』

 

 

紗夜さんとリサさんが変身した後に、夜華が新しいアイテムから全く聞いたことのない音声に疑問が起きた。

 

 

「変身。」

『割れる!流れる!溢れ出る!

 エクシード・イン・イグニスファイナリー!オラァ!』

 

 

あのアイテムで変身したのは、確か白だったよな?・・・・・・なんか、黒っぽい青の姿で、なんか×(バツ)マークが胸に付いてるし・・・・・・。ってか、後ろのあの赤っぽい浮遊物は何っ!?

 

 

「主様、先に行ってください。」

「っ!あ、あぁ!」

 

 

俺たちはこの場を夜華たちに任せて先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

「・・・・・・ふん、弱そうなお前たちが俺に勝てるとでも?」

「勝ちますよ。」

「夜華さんもついてるしね!」

 

 

斬月とマッハの射撃は、ソーサラーには効かなかった。

 

 

『コネクト Now!』

 

「そんなもんか?」

「では、本番と参りましょうか。」

 

『ビートクローザー!』

 

「紗夜!」

「えぇ!」

 

 

4人のライダーがそれぞれ武器を構えて、火花を散らしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行き止まり・・・・・・?」

 

 

蒼空たちは先に進むと、そこは壁だった。が、突然壁が変形していき、その壁の奥に部屋があった。そこにはあぐらをかいているスタークが、静かに待っていた。スタークの裏には円形の机があり、その上に黒いハザードトリガーのような物が置いてあった。

 

 

「うん?・・・・・・よぉ、早かったな。」

「スターク・・・・・・。」

「難波を止めたんじゃなかったの?」

「あぁ、『気持ちとして』はな。どうにも、お前たちの力をこの目でじっくりと確かめたくなった。」

 

 

すると、スタークの前の床が変形して立方体となり、その中から真っ黒なスマッシュが現れた。

 

 

「・・・・・・っ!」

「・・・・・・? おい、後ろにも!」

「なっ!?」

 

 

そして、挟み撃ちになるように、蒼空たちの後ろにはハードガーディアンが2体立っていた。

 

 

「私がハードガーディアンを相手する。みんなはスタークのスマッシュを!」

 

『極クリスタル!』

 

「分かった。・・・・・・行くぞ!」

 

『マックスハザードオン!』『ラビット!』

『ラビット&ラビット!』『ビルドアップ!』

 

「あぁ。」

『Wake Up!』『クローズドラゴン!』

 

「オッケー!」

 

『ロボットゼリー!』

 

「「「「変身!」」」」

 

 

4人はそれぞれのフォームに変身し、ルーブはハードガーディアン2体、ジードとグリスはスマッシュ、クローズはスタークと戦い始める。

 

 

「オラァ!ハァ!」

「ぐっ!?・・・・・・クローズでその強さか・・・!成長したな、万丈!!」

「また強がりやがって・・・!」

「あぁ・・・!俺には()()()があるからな!」

「ぐわっ!!」

 

 

肉弾戦だけならクローズは勝てるが、スタークに不思議な力がある限り、互角かスタークが一枚上手となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うりゃあああ!!ハァ!」

「ふっ、ハァ!」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「っ、何っ!?」

 

 

 

「おっと、言い忘れてたな~!ソイツら(スマッシュ)には感覚がない、難波重工の新兵器:『クローンスマッシュ』だ。破壊されるまで戦い続けるぞ!」

 

 

 

「なんだと!?」

 

『タンク!』

 

 

ジードたちの戦っている相手の情報を得た瞬間、ジードはフォームチェンジをして倒そうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ハードガーディアンたちと戦っているルーブも、少し戦いにくそうにしている。

 

 

「やっぱり、今までのガーディアンって思っちゃいけないね!」

 

 

喋った瞬間独り言扱いされるが、そんなのお構いなしに口に出しては戦い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、スターク対クローズの戦いは思ったより早く決着がつこうとしていた。

 

 

「お前の力はそんなもんか!?」

「くっ・・・、うっせぇ!!」

「その程度なら、俺には勝てないし、まだ足りない!!」

 

 

クローズから一度離れると、スタークは机の上のトリガーに手を触れる。すると、トリガーから赤い光線がクローズ目掛けて発射された。

 

 

「ぐわぁ!!」

 

「っ!?何あれっ!?」

「あのアイテムはなんだ!?」

「スタークーーー!!」

 

 

クローズがやられたのを見た3人だが、その内のグリスがスタークの名を叫びながら攻撃を仕掛ける。

 

 

「っ、フッ!なかなか腕を上げたようだな!だが・・・・・・お前も、まだ足りない!!」

「ぐわっ!」

「フッ!」

「うわぁあああ!!」

 

「カズミン!!」

 

「この部屋を操れるのか!?」

 

 

スタークがアイテムからのレーザー攻撃と部屋の岩を使った攻撃でグリスを強制変身解除されて、気を失わせる。

 

 

「これが俺の力だーーー!!」

「っ!?ぐわぁあああ!!」

 

 

スタークがさらにアイテムからレーザーを放ち、クローズの変身を解除させた。

 

 

「万丈!!」

 

「どうした万丈?もう一度聞く。お前の力はそんなものか?」

「くっ・・・!?」

「・・・・・・違うよな?」

 

止めろーーー!!

 

「ちょっ、蒼空!!」

 

 

スタークは変身解除された龍哉に向けて再びレーザーを放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ!蒼空・・・!」

「くっ・・・!」

 

 

だが、その攻撃は龍哉に当たらず・・・・・・その前に立ち塞がったジードが攻撃を代わりに受けた。だが、その攻撃を受けたせいでジードも変身解除された。

 

 

「蒼空!!」

 

「ったく、そんなに死にたいのか?・・・・・・しょうがねぇな、だったら望み通りにしてやるよ。」

 

「スターク!!ぐっ!?・・・・・・邪魔しないでよ!!」

 

 

スタークは蒼空の服の襟を掴んで引きずっていく。ルーブはすぐに蒼空を助けようとするが、ハードガーディアンがそれを妨げる。

 

 

「ぐっ!?」

「・・・・・・お前は、大事なものを守ることが出来ないんだな・・・?」

 

 

スタークは近くの壁に蒼空を押し付け、首を持って持ち上げる。

 

 

「ぐっ・・・・・・なんで、体が動かねぇんだよ・・・・・・!なんで、立ち上がれねぇんだよ・・・・・・!」

 

 

倒れている龍哉は、目の前で首絞められている蒼空を助けようとしても、ダメージが溜まっている龍哉の体は動かなかった。

 

 

「あいつは・・・・・・こんな俺を信じてくれたんだぞ・・・・・・!俺の明日を、創ってくれたんだぞ・・・・・・!なのに、俺は何も出来ねぇのか・・・・・・。こんなんで、いいのかよ・・・・・・。」

 

「蒼空!万丈!・・・・・・あ!」

 

「・・・・・・うん?」

 

「良いわけ・・・・・・、」

 

 

ルーブが蒼空たちの方を見た時、そしてスタークが何か気配を感じて龍哉の方を見た時、力を振り絞って立ち上がった龍哉がそこにいた。そして、龍哉の眼が赤く光った。

 

 

「良いわけ、ねぇだろーーー!!」

 

「万丈・・・・・・。」

 

「良いぞ~、良いぞ万丈ーーー!!」

 

 

すると、スタークは蒼空を離し、机の上のアイテムに触れて龍哉にまたレーザーを放った。だが、

 

 

「万丈!うわっ!?」

 

 

そのレーザーは人を傷つけるものではなかった。レーザーを受けた龍哉はそのレーザーのエネルギーを全身に渡らせ、懐にあった黒いボトルが突然宙に浮かんだ。そこにエネルギーが集まり、蓋の部分の黒い岩が取れて、オレンジ色の蓋が見えた。

 

 龍哉はそのボトルを手に取った。

 

 

「っ!万丈、ナックルに挿せ!」

 

 

龍哉は返事をすることなくボトルをマグマナックルに挿し、ナックルごとドライバーにセットした。

 

 

『ボトルバーン!』

『クローズマグマ!』

 

 

レバーを回すことによって変身するためのライドビルダーが現れるのだが、今回は変身者の後ろにナックルのような形のマグマの入った器が現れた。

 

 

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

 

龍哉がそう叫ぶと、器が90度傾いて龍哉にマグマをかけた。だが、そんなマグマから8体ほどの龍が現れ、すぐにマグマごと乾いた。

 

 乾いて固まったマグマは、後ろの器が元の位置に戻ってナックル状になって押し割った。するとそこには、オレンジと黒の姿の新しいクローズに変身完了していた。

 

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!

 アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

「・・・・・・あ、クローズマグマ。」

 

「何、あれ・・・・・・?」

 

 

蒼空が思い出したように言ったが、新たなクローズ:『クローズマグマ』は、スクラッシュドライバーの代わりとして開発された新しい強化フォームだ。

 

 

「力がみなぎる・・・・・・。

 魂が燃える・・・・・・!

 俺のマグマが、ほとばしる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ハードガーディアン2体と戦っているウィズ・・・・・・が変身するライダーは、

 

 

「フッ!ハァ!・・・・・・これで決めてあげる!」

 

『パワー!』

 

「はぁ・・・・・・行っけー!」

 

『パンチングブラスト!』

 

 

銃撃と共に両腕のナックルが撃ち放たれ、2体のハードガーディアンを破壊した。

 

 

「ふぅ。さ~て、()()()はどうかな~?」

 

 

変身解除したウィズは、どこかへ向かって歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、蒼空たちを先に行かせたイグニスたちは、

 

 

『エクスプロージョン Now!』

 

「ハァ!」

「ぐっ!」

「きゃあああ!!」

「うっ!?」

「っ、今井様!氷川様!」

「・・・・・・気にしないで!」

「私たちは・・・・・・大丈夫です・・・・・・!」

「・・・・・・かしこまりました。」

 

 

イグニスは周りを飛ぶ赤っぽい球体の力も借りて攻撃を最小限に防げたが、斬月とマッハは変身解除させられた。

 

 

「次は、お前だ・・・・・・!」

 

『Yes!キックストライク!Understand?』

 

「残念ですが、こんなところで遊んでいる暇はないんですよ。早く主様の下に行きたいので。」

 

『エクシード エクスプロージョン!』

 

「すぐに行かせてやるよ。地獄で落ち合え!」

「結構です。ふっ!」

 

 

ソーサラーは右足に魔法陣を纏わせて、イグニスは右足に浮遊している球体を纏わせて、同時にライダーキックを放つ。だが、イグニスはその球体をまるでどこかの『クリムゾンスマッシュ』のように変形させて威力を上げ、ソーサラーを押し返した。

 

 

「ぐわぁあああ!!」

「ふっ。・・・・・・お2人共、しばらくわたくしの影の中にいてください。」

「え?・・・・・・って、ちょ──」

「切姫さ──」

「・・・・・・さて。」

 

 

イグニスは変身解除されて倒れているヴァンディールをほっといて、自身の能力である影の中(シャドーゾーン)に紗夜とリサを入れて、蒼空たちの下に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、クローズとスタークの戦い。

 

 スタークはルーブと戦っているスマッシュたちに指示を出して、対象をルーブからクローズへと変えて戦わせる。

 

 

「おっと!・・・・・・え?あ、蒼空!」

 

「・・・・・・オリャア!ハァ!」

 

 

痛覚を含めた感覚がないクローンスマッシュ相手に一歩も引かずに立ち向かうクローズ。劣勢どころか圧倒的な力でスマッシュたちをねじ伏せ、破壊してしまった。

 

 

「オリャアアア!!・・・・・・もう誰にも、止められねぇ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「蒼空、大丈夫?」

「あぁ・・・・・・。」

「主様!」

「夜華!?」

 

 

蒼空の下には心配してやって来たルーブ。そして、先程戦いを終えて合流したイグニス。

 

 クローズはスタークに再び戦いを挑む。

 

 

「オリャア!ハァ!」

「良いぞ~!お前の本気を見せてみろーーー!!」

「オリャ!上等じゃねぇか!!」

 

 

余裕そうに相手をするスタークだが、クローズの力が予想以上だったらしく、余裕が見せられず、一瞬膝をついてしまった。

 

 

「ぐっ・・・!?」

「今の俺は・・・・・・負ける気がしねぇ!!」

 

『Ready Go!』

 

 

レバーを1回回したクローズはマグマの龍と共に上の壁を何階も突き破るほど高くジャンプして、龍と共にライダーキックをスターク目掛けて放つ。

 

 

『ボルケニックアタック!アチャー!』

 

「オリャアーーー!!」

「ぐぅ・・・ぐわぁあーーー!!」

 

 

スタークは変身解除されなかったが、すぐに動くことが出来ないほどのダメージを負った。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・、ぅ・・・・・・アッチ!熱っ!ちょっ、熱いんすけど!?アッチアッチ!?」

 

 

・・・・・・クローズは、そんな雰囲気をぶち壊すクローズの新フォームの感想を体全体で表現している。

 

 

「・・・・・・あ、万丈!あの黒いアイテムを!」

「あぁ!?ったく、アッチアッチ!?」

 

「くっ・・・・・・それは渡すか・・・!」

 

「アッチ!」

 

「ぐわーっ!!」

 

 

『熱い熱い』言いながら、クローズが黒いアイテムに触れると、周りの岩がスタークを押さえつけ、脱出口を作り出した。・・・・・・その力はまるで、先程スタークが見せた能力と同じだった。

 

 

「うん?・・・・・・え? おい? おい???」

「変形した・・・・・・。」

「どういう事・・・・・・?」

「よく分かんねぇけど、行くぞ!・・・・・・おい、起きろバカズミ!」

「え?ちょっと!ベリアルの情報は!?」

「その辺は大丈夫だ。行くぞ。」

 

 

クローズたちは全員脱出口に走っていった。・・・・・・動けない和美はイグニスの影の中に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく、2人が完成した・・・・・・。残るは、あと1人・・・・・・。」

 

 

スタークの独り言は、誰にも聞こえていなかった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、クローズマグマ登場でした。

そして、最近の日曜朝9時のライダーを見ている方は分かりますよね?名前はわざと出さなかった、あの『ライダー』は。
そして、それに変身した人間の名前を聞いたことがある・・・・・・というか、見たことある方、アタシが書いたあの作品のあの人です。『あ~、ゴリラ出るんだ。』って思ってボケに対応できる方、是非ともあのお嬢さんに『パンチングブラスト』で『フィーバー』されちゃってください。

さて、こっからのストーリーは・・・・・・どうしましょうかね~?





あ、そういやあの『四魔卿』のブラムザンドと今回から出たヴァンディール、元ネタあるんだよ。知ってる?
アンケートはしないけど。答える奴いねぇから。


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第36話 狂い始めた世界

「新たな力を得て復活したベリアルは、難波重工を乗っ取って更なる力を振るっていた。仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルの野望を阻止するためにベリアルが作り出した巨大な塔:『マリシャスタワー』に乗り込むが・・・・・・。」
「・・・・・・蒼空。」
「うん?」
「前回の途中に出てきたあの人って誰?」
「え?・・・・・・あ、『ウィズ』って人?」
「うん。」
「俺が知ってると思う?」
「・・・・・・思わない。」
「だろ?じゃ、第36話どうぞ~。」







 

 

 

 

 

「・・・・・・まさか、そんな真実があったなんてね~。」

「そんな・・・・・・。」

「マジかよ・・・・・・。」

 

 

まさか、桐生さんたちにそんな秘密があったなんて・・・・・・。

 

 

「・・・・・・じゃ、アタシは帰るね~。じゃあね~!」

「・・・・・・ってあれ!?これ(USBメモリー)は・・・・・・って、行っちゃった…。」

 

 

音楽以外はあまり分からない私でも、これだけは分かる。今桐生さんたちが帰ってきても大きな騒動にはならないってこと。そして、彼らが・・・・・・()()()()()()()()()()()()()を・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの塔、『マリシャスタワー』内の情報を花咲川の校長室で、侵入したメンバーと校長に話した。

 

 

「・・・・・・そうだったのね。」

「はい。・・・・・・それに、このアイテムがあのタワーを造り上げたんだと思います。」

「それは?」

「・・・・・・あ、それって万丈に盗らせたやつ。」

「あぁ。スタークはこれに触れることであのタワーを操っていた。」

「なるほど。・・・・・・蒼空くん、それはあなたが預かっていて。」

「え?」

「こちらには『赤き鋼』も存在する。厳重に保管する物が2つもあると、さすがにね~・・・・・・。」

 

 

・・・・・・確かに。

 

 

「・・・・・・分かりました。」

「でも、今回のあなたの行動は政府の下にある学校としても容認できないよ~?」

「・・・・・・分かってます。全部俺が勝手にやったことですから。」

「そう、ね・・・・・・。危険な役回りをさせてしまってごめんなさいね。」

 

 

とりあえず、俺は校長室を後にして、nascitaに帰ることにした。

 

 

「・・・・・・あ、リサさんたちはどうする?家まで送ってくけど。」

「いえ、このままnascitaまで行きます。」

「友希那たちはまだそこにいるって連絡があったから。」

「そっか。」

「・・・・・・あれ?カズミンは?」

「夜華に頼んで家に帰らせた。・・・・・・かなりのダメージを受けてたからな。」

 

 

 

「見つけた・・・・・・。」

 

 

 

「うん?・・・・・・っ!」

 

 

俺たちの前に2人組の男が現れたが、何故かそいつらから危険な気配を察知した。・・・・・・まるで、四魔卿のような・・・?

 

 

「ベリアル様の命だ。貴様らを消し、『エボルトリガー』を回収する。」

「エボルトリガー?」

「オマエらが盗んだ黒いアイテムだヨ!」

「黒いの?・・・・・・あぁ、あれか!」

 

 

バカでも分かる説明で助かるよ・・・・・・。

 

 

「ここは私と万丈が行く。」

「っ!でもお前たちだけじゃ──」

「みんなはこの状況で必要なフォームは、強制解除の影響で変身できないでしょ?」

「・・・・・・分かった。」

 

「図に乗るなよ。」

「コッチだって遊びで来てねーんだヨ!」

 

 

俺は紗夜さんとリサさんと共に少し後ろに下がった。・・・・・・ロイヤルメガマスターがあっても、今は体に残ってるダメージでどれだけ本調子が出せれるか分かんないしな。

 

 

「ふん。」

「オレたちに勝とうなんて、ジョークもその辺にしろヨ。行くぞ、獄土(マグナマイザー)。」

「分かってる、獄海(イル・イマージョ)。」

 

 

すると、『イル・イマージョ』と呼ばれた方は紗夜さんも使っていた『戦極ドライバー』を、『マグナマイザー』と呼ばれた方は見たことないドライバーを取り出し、腰に巻いた。

 

 

『ブラッドオレンジ!』『ザクロ!』

「ヘンシン。」

『『ロックオン!』』『ソイヤ!』

『ブラッドザクロアームズ!狂い咲き・サクリファイス!』

『ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道・オン・ステージ!』

 

 

 

『フォースライザー!』

『ポイズン!』

「変身。」

『フォースライズ!

 スティングスコーピオン!Break Down!』

 

 

片方は左右非対称の戦極ドライバーで変身する赤い装甲のライダーと、全身紫のいかにも『悪』って感じのライダーに変わった。

 

 

「行くよ。」

『極クリスタル!』

 

「おう!」

『ボトルバーン!』

 

「「変身!」」

 

『極ルーブ!イエイ!イエーイ!』

『クローズマグマ!

 アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

 

対する正義のヒーロー(?)チームは、ルーブとクローズマグマが対抗する。

 

 

「行くぜ!」

「オッケー!」

 

「さ~てオマエら、死ぬ覚悟は出来てんだナ!」

「貴様らは、滅びゆく定め・・・・・・。」

『アローライズ!』

 

 

俺たちが見守る中、タワーでの戦いの延長戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 ルーブとクローズが戦いを始めた頃、そこから少し離れた場所には2人の男女がいた。その2人は少し前にスタークと話していた『ウィズ』と名乗る者と指輪をはめた者だった。

 

 

「あのグループの、変身していない男子を守るんだっけ?」

「そ。アイツがこの戦いを終わらせるカギだからね。」

「・・・・・・これで、ベリアルの下で過ごさなくて済むんだね?」

「アレ?寂しいの?」

「いや、逆に嬉しく思うんだ。ようやくの出番で、人々の希望になれるんだから。」

「ソダネー。」

「君こそ、彼が『重要人物』って言われてなんとも思わなかったのかい?」

「う~ん・・・・・・思う所はあったよ。でも、記憶がないんじゃ、アタシを見てもね~・・・・・・。」

 

 

ウィズの目は、少し遠くを見ていた。

 

 

「・・・・・・とにかく!アタシたちはあの紫の方をやるよ!」

「・・・・・・分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場面は戻り、クローズたちの戦闘シーン。

 

 

「オリャア!」

「ッ!・・・・・・こんなものか。」

「なっ!?ぐわぁ!」

「万丈!」

「よそ見はすんナ!」

「きゃっ!」

 

 

(大橙丸)(セイヴァーアロー)の二刀流のイル・イマージョが変身するライダー:『仮面ライダーセイヴァー』はルーブを、紫のカバンから弓矢に変形させた武器(アタッシュアロー)を持つマグナマイザーが変身するライダー:『仮面ライダー(ほろび)』はクローズを圧倒する。

 

 

「うっ・・・・・・いくら見たことあるライダーシステムでも、錠前2つは初めてだよ・・・!」

「こっちなんか、知らねぇのだから戦いずれぇよ・・・!」

 

 

2人が愚痴を言ってる間でも、敵は待ってくれなかった。

 

 

「そんな雑談してていいのかナ~?」

 

『ロックオン・・・!』

 

 

セイヴァーは黒い弓矢:『セイヴァーアロー』に『ザクロロックシード』をセットした。

 

 

「貴様らが、我々に勝てる訳がない。」

 

『ストロング!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

『Hercules Beetle's Ability.』

 

「ヤバッ!?」

「ぐっ・・・!?」

 

「ハァ!」『ザクロチャージ!』

「ふっ。」『アメイジング カバンシュート!』

 

「ぐわぁあああ!!」

「うわぁあああ!!」

 

 

2つの矢が2人を襲い、変身解除までには至らなかったが、地に伏せてしまった。

 

 

「亡き者となれ。」

 

「万丈!海璃!」

 

 

滅がもう一発放とうとした時、蒼空たちの後ろから幾つもの弾丸が飛んできて、その矢は放たれなかった。

 

 

「っ!?」

「グッ!?・・・・・・オイオイ、どういうつもりダ?お二人さんヨ~?」

「我々を・・・・・・ベリアル様を裏切るのか?」

 

 

「え?・・・・・・誰だ?」

「あの人・・・・・・確か・・・・・・。」

「え?紗夜、知り合い?」

 

 

「無理やり学校から引っこ抜いといて、よく言うわ~。」

『ショットライザー!』

 

「それに、僕たちはあなたたちの仲間じゃない。」

『ドライバーオン プリーズ!』

 

 

「あれって魔法使い!?」

「それに、銃がドライバーって・・・・・・?」

 

 

男の方は赤色の顔っぽいデザインの指輪を左手の中指にはめて、ドライバーの手の向きを変える。・・・・・・だが、その横で女の方(ウィズ)が青色のアイテムを無理やりこじ開けようと頑張っている。

 

 

「ふん!ぐぬぬ・・・・・・ダァ!」メキメキ…パカッ

「・・・・・・雰囲気壊れるから、それどうにかならない?」

『シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!──』

 

「アンタのドライバーの音声よりかはマシだよ!」

『バレット!』『オーソライズ!』

『Kamen Rider.Kamen Rider.──』

 

「「変身!」」

 

『フレイム プリーズ! ヒーヒー ヒーヒーヒー!』

 

『ショットライズ!』

「ハァ!!」

『シューティングウルフ! The elevation increases as the bullet is fired.』

 

 

『雰囲気を壊す変身音』対『雰囲気を壊す変身方法』の勝負なんてどうでもいいが、2人は『仮面ライダーウィザード』と『仮面ライダーバルカン』に変身し、滅に向かって走りだした。

 

 

「アタシたちは紫の方を相手するから──」

「君たちはアーマードライダーを頼む!」

 

「お、おう!」

「ま、2人ならなんとかなりそうだね!」

 

 

クローズとルーブはセイヴァーに戦いを挑む。

 

 

「2対1なら勝てると思ってんのカ!?」

「このフォームならね!!」

「グッ!?」

「万丈!」

「おう!力が漲る!魂が燃える!!」

「グフッ!?」

「俺のマグマが・・・・・・迸る!!」

「グワッ!」

 

 

決め台詞を言いながらセイヴァーを圧倒するクローズ。そんなクローズはドライバーからナックルを抜き、ボトルを一度抜いて再セットする。

 

 

『ボトルバーン!』

「もう誰にも・・・・・・止められねぇ!!」

「そう来なくっちゃ!」

 

 

ルーブはウィンドボトルの力が宿るクリスタルを取り出し、2本の角を展開させてルーブコウリンにセットする。

 

 

『ウィンドクリスタル!』

「万丈、この風に乗って!ウィンド ボルテックバスター!」

「おぉ!!」

 

 

ルーブコウリンから放たれたもの凄い風に乗って、クローズはセイヴァーにナックルからの強力な一撃を放った。

 

 

「おりゃあああ!!」

『ボルケニックナックル!アチャー!』

 

「グハァ!!・・・・・・覚えてろ・・・!!」

 

「おととい来やがれ!」

「乗らなくていいよ・・・・・・。」

 

 

なんとかセイヴァーを退けた2人。だが、滅と2人のライダーはまだ終わってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フレイム ドラゴン! ボーボー ボーボーボー!』

「ふっ!」

 

 

敵の強さを知ったからか、ウィザードは強化形態の『フレイムドラゴンスタイル』にフォームチェンジした。

 

 

「これならどうだい?」

『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!』

『エクステンド プリーズ!』

 

 

ウィザードは(ウィザーソードガン)に魔法陣を纏わせて、剣先を伸ばしながら滅を攻撃する。

 

 

「よっと!ふっ!はっ!」

「っ!」

「だったらコッチも!」『ショットガンライズ!』

『リボルバー!』

 

 

ウィザードが滅を押している合間にバルカンは深緑色のアイテム(ガトリングヘッジホッグプログライズキー)を起動させて青色のカバンから銃になったアイテム(アタッシュショットガン)にセットした。

 

 

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

『チャージライズ!』『フルチャージ!』

 

 

さらに『アタッシュショットガン』をアタッシュモードに戻し、再度ショットガンモードに変形させて強力な一発を放つ。

 

 

「行っけー!」

『ガトリング カバンバスター!』

 

「っ!ぐっ・・・!?なら・・・・・・。」

『ストロング!』

『Hercules Beetle's Ability.』

 

「っ!」

『ディフェンド プリーズ!』

 

「あ!魔法使い様、よろしく!」

『パワー!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

 

「えっ!?ちょっと!」

 

 

滅が『アタッシュアロー』から再び技を発動とする。それを察したウィザードは防御の魔法を使う。バルカンはそんなウィザードの後ろに隠れて『アタッシュショットガン』に灰色の四角いアイテム(パンチングコングプログライズキー)をセットした。

 

 

「フッ。」

『アメイジング カバンシュート!』

 

「ったく・・・・・・はぁ!!」

「おっ!さっすが魔法使い様~!よっと!」

 

 

攻撃を防いだウィザードを飛び越え、バルカンは滅に狙いを定める。

 

 

「これでも食らっとけ!」

『パンチング カバンショット!』

「うわっ!?」

 

「ぐっ!?・・・・・・貴様ら・・・!」

「・・・・・・大丈夫?」

「なんとかね~。威力強すぎでしょ?

「とりあえず行くよ。」

『ルパッチマジックタッチゴー!』

『チョーイイネ!スペシャル!サイコー!』

 

「オッケー!」

『バレット!』

 

 

台詞だけで察するような光景が起きているが、ウィザードとバルカンはそれぞれのフォームの必殺技を発動させる。まずは、バルカンが4つ狼の頭の形をしたエネルギー弾を放ち、滅を捕らえる。その後、ウィザードが上に上がり、胸から飛び出したドラゴンの顔から炎を放つ。それに合わせるようにバルカンはトドメの一撃を放つ。

 

 

「フィナーレだ。ふっ!」

「ハァ!!」

『シューティングブラスト!』

 

「ぐわっ!」

「これで退いてくれる気になった?」

「アタシとしては完膚なきまでに叩き潰す気になれるけど?」

「・・・・・・いいだろう。」

 

 

変身解除されていない滅はそのまま立ち去っていった。

 

 

「・・・・・・じゃあ、アタシはこれで。」

「ちょっと待ってくれ!」

「え?・・・・・・何かしら?」

「お前、そのライダーシステムをどこで手に入れた?」

 

 

すぐさま立ち去ろうとするバルカンを呼び止める蒼空。そんな蒼空は、見たことなかったライダーシステムの事を問い詰めようとした。

 

 

「ん~・・・・・・アンタなら分かるんじゃない?葛城映司くん?」

「っ!?」

「なんで、蒼空の正体を・・・・・・!?」

「さぁね~。じゃ!」

 

 

バルカンはノリの良い感じで立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 ったく、あのライダーは一体何なんだ?・・・・・・それより、

 

 

「あの・・・・・・なんであなたはついてくるんですか?」

「え?・・・・・・あ、僕はこのままついていこうと思っていたので。ダメ、ですか?」

「いや、男が男にウルウルって感じで言っても『気持ち悪い』としか思わないけど・・・・・・別に構わないぞ。」

「あはは・・・・・・、どうも。」

 

 

この魔法使いは一体何なんだよ・・・・・・。

 

 

「ただいま~。」

「・・・・・・あ、おかえり。」

「腹減った~。カップ麵あったっけ?」

「・・・・・・なぁ、灯りも付けないでどうかした?」

「えっと・・・・・・。」

 

 

うん?なんか、燐子がうちのパソコン持ってきたけど・・・・・・何?

 

 

「さっき・・・・・・ローグの人が、来たの・・・・・・。」

「ローグが・・・!?」

「そうだよ~!」

「それに、アイツが信じらんねぇデータを残していったんだよ・・・・・・!」

「データ?」

「これです・・・・・・。」

 

 

あこと有咲も来たけど、とりあえず燐子が見せてきたパソコンの画面を見る。でも、その内容は俺にとっても信じられない事実だった。俺だけじゃない、万丈と海璃、さらに夜華にとっても・・・・・・。

 

 

「蒼空~、カップ麵食う~?」

「う~ん・・・・・・万丈お前人間じゃないって。」

「ちょまっ!?」

「はっ!?・・・・・・アッチ!熱っ!?」

 

 

あ、ごめん。お湯かかったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 さてと、紫音にもあのデータを拾わせるようにしたし、堂々とプログライズシステムも見せたから・・・・・・

 

 

「次は、アイツをどうにかしないとだね~。・・・・・・うん?」

 

 

ハードガーディアンか・・・・・・。多分、ベリアルかな~?ま、いいや。

 

 

『ショットライザー!』

「とりあえず、破壊しときゃいっか!」

『アサルトバレット!』

「ぐぬぬ・・・・・・やっぱ、硬い・・・・・・!?」メキメキ

 

 

ホント、なんでロックしてくれんのよーーー!!

 

 

「ぐぬぬ・・・・・・ハァ!!はぁ・・・、はぁ・・・、よっと!」

『オーバーライズ!』

『Kamen Rider.Kamen Rider.』

「変身!」

『ショットライズ!』『Ready Go!』

「フッ・・・・・・ハァ!!」

『アサルトウルフ! No chance of surviving.』

 

 

変身するのに体力がいるライダーって何なのよ・・・・・・。

 

 

「ま、考えたってしょうがないか。まずは・・・・・・このポンコツロボット共をぶっ潰す!!」

 

 

では、かなり銃声響いたりするけど、近所の方々許してね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

「どどどどういう事だよ!?俺が人間じゃないって!?」

「思い当たる節はある。」

「あぁ!?」

「この、黒いアイテム・・・・・・スタークが触れることであのタワーの構造を変えていたアイテムだ。お前が触れた時、その力が発動された。・・・・・・あれはスタークと同じ力だ。」

 

 

蒼空、なんで急にそんな事・・・・・・って、まさかあのパソコンに、()()()が書いてあるの!?

 

 

「ちょちょちょっ!?だ、だったら!俺も、人体実験の時にその力を得たんじゃ──」

「それはない。俺と海璃、それに夜華もそうなんだから。」

 

 

・・・・・・やっぱり。

 

 

「俺が幼い頃にお前たちに会って、無意識にお前たちに人外の遺伝子を渡していた。それが月日を得て、ビルドシステムの影響で活性化した。万丈はその中でも感情の高ぶりがとても強く──」

 

 

さすがに、その『遺伝子』が何なのかは書いてなかったの・・・・・・かな?って、万丈?

 

 

「俺たちの中で1番早くハザードレベル5.0に達成──イッタ~!」

「何言ってんのかサッパリ分かんねぇよ・・・・・・。」

「龍くん!」

 

 

混乱してるだろう万丈は、nascitaを出て行ってしまった。

 

 

「・・・・・・俺のせいで、皆に()()()()()を与えてしまったとはな・・・。」

「そうね。でも、私はそれでも──って、今なんて・・・・・・!?」

「・・・・・・ここに書いてあるんだ、『葛城映司の体内には《全てを支配する魔王因子》が存在する』って。」

「そ、そう・・・・・・。」

「・・・・・・知ってたのか?俺の・・・・・・魔王因子の事を。」

 

 

・・・・・・嘘をつく方が、難しいかな。

 

 

「・・・・・・えぇ。でも、私も夜華さんに聞いたんだけどね。」

「そっか・・・。」

 

 

それより、今は万丈かな・・・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、狼(ウルフ)が2つ出ました。・・・・・・ロックは原作通りです。

あとね~、もう1つ出さなきゃいけない設定があるんねんけど・・・・・・いつ出そうかな~?ってかどう出そうかな~?


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第37話 乱戦・激動・大騒動

 
 
※今回アンケートさせていただきます。6票分しか来ないだろうけど、お待ちしてます。










「更なる力を手に入れたベリアルは難波重工を乗っ取り、巨大な塔:『マリシャスタワー』を造り上げた。仮面ライダージードの桐生蒼空は、仮面ライダーローグが置いていったデータを見て今まで明かされなかった真実を知った。」

「でもさ、この前後書きでもう1つ出さなきゃいけない設定があるって言ってたよ。」

「誰にそんな設定の餌食を食らうんだろうね~?」

「それは・・・・・・作者の気分次第!」



※誰にその設定を付けるかは決まっています。




「・・・・・・らしいよ。」

「へぇー。」

「さぁ!海璃さんからの『どうでもいい』って感じの返事も出たことで、第37話どうぞ!」







 

 

 

 

 

『アサルトチャージ!』

「これで、最後じゃ~!」

『マグナテックストームブラストフィーバー!』

 

 

 前回の最後の方にあったシーンの続きで、残り3体となったハードガーディアンに向かって、必殺技を放つ。

 

 

「オリャアアア!!」

 

 

と言っても、右足に狼のエネルギーを纏った回転キックなのだが。そして、それを軽いノリで放つバルカンに変身するウィズ。そして、敵がいなくなった事を確認して、変身を解いた。

 

 

「・・・・・・ふぅ。もういいや、アイツのとこに行くのは明日にしよ。」

 

 

ウィズは真っ直ぐ自宅に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、龍哉は近くの河原に腰を下ろしていた。そんな龍哉の横に、香澄が座る。

 

 

「どうしたの、龍くん?」

 

「・・・・・・知ってんだろ?俺にこんな力を与えたのが蒼空だってことを。」

 

「う、うん・・・・・・。でも、私もあのパソコンで知ったんだけどね。」

 

 

少し気まずい空気が2人の中を流れていた。

 

 

「・・・・・・どうすりゃいいんだよ?」

 

「う~ん・・・・・・龍くんは龍くんらしく、やりたいようにやればいいんじゃない?」

 

「俺、らしく・・・・・・。」

 

「私だって、よく有咲に怒られるよ。『こら香澄~!また勝手に変なこと言いだしやがって~!』って。」

 

「はははっ、そんな事してんのかよ・・・・・・。」

 

 

龍哉の顔は強張っていたが、この会話で少し和らいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 次の日の朝、俺は誰にも言わずにのんびりと散歩している。・・・・・・さすがの俺も、あんな事実をさらっと受け入れられる事が出来なかった。まさか、俺が・・・・・・魔王だっけ?その遺伝子を持ってたなんてな。ってか、なんで俺にその遺伝子があるわけ?おかしいだろ?だって、俺の中にベリアルの遺伝子が入ってたり、ネビュラガスが入って・・・・・・んだよな?

 

 

 

 そういや、俺が『人体実験をしていた』話が詳しく出てきてないけど、なんか怪しくなるんだよな・・・・・・。だって、魔王因子の力が『全てを支配する力』って能力だよ?そんな能力だから、ビルドシステムすらも支配したりしないかな?・・・・・・大賢者さん、どう思う?

 

 

《解。その可能性はゼロではないです。》

 

 

ですよね~。さて、どうしたもんかな~?

 

 

「見つけたぞ。」

 

「うん?・・・・・・お前は!?」

 

「ベリアル様の命だ。貴様を滅ぼす。」

『フォースライザー!』

 

 

マジかよ、急に四魔卿とご対面だなんて・・・・・・!?でも、戦い方は覚えたからなんとかなる・・・・・・か?

 

 

『ポイズン!』

「変身。」

『フォースライズ!

 スティングスコーピオン! Break Down.』

 

 

向こうは万全だな・・・・・・。

 

 俺はトリガーを既にセットさせたドライバーを巻いて、最新フォームに変身した。

 

 

『マックスハザードオン!』

『ラビット!』

『ラビット&ラビット!』『ビルドアップ!』

「変身!」

『オーバーフロー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

「ふん。」

『アローライズ!』

 

 

隠し玉が無ければ、勝てるかもしれない・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 蒼空が戦いを始める頃、あこと和美はある人を探していた。

 

 

「カズミン、誰を探してるの?」

 

「おねーちゃん。」

 

「『おねーちゃん』って?」

 

「えっとね・・・・・・『ローグ』って言った方が分かりやすいかな?」

 

「そうなんだ~!・・・・・・そうなの!?」

 

「うん。」

 

 

まさかのって感じの会話をしていると、和美の視線の先に探していた(紫音)を見つけた。

 

 

「おねーちゃん!」

 

「?・・・・・・カズ、どうしたの?」

 

「おねーちゃんにお願いがあるの!」

 

「あたしに?」

 

「うん。・・・・・・ボクたちと一緒に戦ってほしいの。」

 

「えぇ!?カズミン、ほんとに言ってるの!?」

 

 

和美の衝撃発言に再び困惑するあこ。そんな第三者を無視して会話を続ける姉妹。

 

 

「このままだとベリアルがこの世界を・・・・・・なんかするかもしれない。」

 

「なんか?」ポカーン

 

「だから、あたしに『映司たちと共にベリアルを倒してほしい』って言いたいの?」

 

「・・・・・・うん。」

 

「悪いけど、あたしには無理だよ。」

 

「え、どうして!?」

 

「そうだよ!みんなでばーんってやれば大丈夫だよ!」

 

「ごめんあこちん、黙ってて。」

 

 

あこのアドバイスを和美が一蹴した。

 

 

「あたしは色々罪を重ねた。そんなあたしが、あんたたちと組めるわけないでしょ?」

 

「えぇ・・・・・・。」

 

「おねーちゃん・・・・・・。」

 

 

 

「だったら、アタシも一口噛ませてよ!」

 

 

 

「「え・・・?」」

 

「・・・・・・あんた、確かスタークの下にいた・・・?」

 

 

そんな姉妹の会話に口を挟んだのは、前々回からちょいちょい出てくるウィズだった。

 

 

「お?知ってるんだ~!アタシ、『葛城(かつらぎ)ウィズ』だよ。ヨロシクね~!」

 

「『葛城』って・・・・・・映司の知り合い?」

 

「え、蒼空兄の?」

 

「まぁ・・・・・・『姉弟』ってとこかな?」

 

「えぇ!?」

 

「そんな事より!」

 

 

あこの驚きをも無視して、ウィズは話を進める。

 

 

「アタシが勝ったら、アンタは映司たちと共に戦ってもらうよ!」

『ショットライザー!』

 

「・・・・・・分かった。だったら、あたしが勝ったらこれから絡まないでよ。」

『デンジャー!』『クロコダイル!』

 

「ちょっとおねーちゃん!?」

 

「変身。」

『割れる!食われる!砕け散る!

 クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

 

「そう来なくっちゃね~!」

『アサルトバレット!』

「フッ、ぐぬぬ・・・・・・ハァ!!」メキメキ…パカッ

 

 

ウィズは相変わらずのこじ開けで四角いアイテムを起動させた(アサルトウルフプログライズキーを開けた)

 

 

『オーバーライズ!』

「変身!」

『ショットライズ!』

『Ready Go!アサルトウルフ! No chance of surviving.』

 

 

ウィズも『仮面ライダーバルカン アサルトウルフ』に変身して、ローグの持つ銃を相手に、火花を散らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ジード対滅は・・・・・・。

 

 

「ふっ。」

 

「ぐっ!」

(やっぱりすぐに対応出来ねぇか・・・・・・!)

 

「俺はラーニングすることで強くなる。貴様の戦闘データは全てラーニング済みだ。」

 

「ラーニングって、お前はロボットか!?」

 

「悪魔だ。」

 

「ぐわぁ!」

 

「魔王の貴様こそ、人の事を言えるのか。・・・・・・ふっ。」

 

「ぐっ!・・・・・・魔王・・・?」

 

 

アタッシュアローによる攻撃でかなり追い詰められているジード。戦闘データはジードより滅の方が上手だった。その結果、何度も斬撃を受け、最後に矢を撃たれてしまい、倒れるジード。手に持つフルボトルバスターを杖のようにしていた。

 

 

「・・・・・・お前は、別の世界から来たんだろ・・・?俺が、魔王の力を使わなければ・・・・・・この世界に来ることはなかったはずだ・・・・・・。」

 

「・・・・・・あぁ。ブラムザンドもヴァンディールも、イル・イマージョもな。俺たちの元居た世界で静かに暮らすはずだった。

 だが、貴様が世界を融合させたことによって俺はベリアル様に会ってしまった。だから、ある意味貴様には感謝している、俺たちをベリアル様に会わせてくれて。おかげでこの力を手に入れて、世界を滅ぼすことが出来る。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

ずっと黙っていたジードに、滅はプログライズキーを取り出して、アタッシュアローにセットした。

 

 

『ストロング!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

 

「・・・・・・っ!」

 

「滅びよ。」

『アメイジング カバンシュート!』

 

「ぐっ!ぐぅ・・・・・・ぐわぁ!」

 

 

ジードはフルボトルバスターで防御するが、威力が高すぎてフルボトルバスターごと吹き飛ばされる。その影響で、変身が解けてしまった。

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「ここで終わりのようだな。」

 

 

 

「ずいぶんと楽しそうなことしてんだな~。」

 

 

 

「っ!お前・・・・・・!」

 

「何をしに来た?・・・・・・スターク。」

 

 

突然別の声が聞こえてきた声の方を見ると、そこにはラフそうに歩いてくるスタークがいた。

 

 

「な~に、ちょっとこの場所をかき乱しに来ただけだ。」

 

「・・・・・・そのドライバーは・・・?」

 

 

スタークは、ベリアルが使っていた赤いドライバー:『エボルドライバー』を取り出し、腰に巻いた。

 

 

「・・・・・・何故貴様がそのドライバーを持っている?」

 

「元々、俺のドライバーだ。それを人間用に1本作ったのをベリアルが使っているだけだ。」

『エボルドライバー!』

 

「・・・・・・まさか、貴様があの『エボルト』だと言うのか?」

 

「正解~!」

 

 

スターク・・・・・・改め『エボルト』は赤と黒のボトル状のアイテムをドライバーをセットした。

 

 

『コブラ!』『ライダーシステム!』

『エボリューション!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『コブラ!コブラ!エボルコブラ! フッハッハッハッハッハ!』

 

 

エボルトは『ブラッドスターク』から『仮面ライダーエボル』に変身した。

 

 

「・・・・・・まぁいい。ベリアル様の命の邪魔をしなければ、構わない。」

 

 

滅はエボルの変身を見た後、視線を蒼空に戻してアタッシュアローの矢を引く。

 

 

「ふっ───何っ!?」

 

「悪いが、蒼空は()らせない!」

 

「貴様・・・・・・!」

 

「言っただろ?『かき乱しに来た』って!」

 

 

 

「・・・・・・どうなってる・・・?」

 

 

エボルは滅の放とうとしていた矢の進路を逸らし、滅に拳を放つ。

 

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

「そろそろ消えろ。」

『Ready Go!』

 

「スターク・・・・・・!」

 

「エボルトだ。」

 

 

エボルはドライバーのレバーを回し、必殺技の準備をする。滅もプログライズキーを開閉するレバーを操作し、必殺技を放とうとする。

 

 

「デヤアアア!!」

『エボルテックフィニッシュ!』

 

「ふっ!!」

『スティングディストピア!』

 

 

どちらもジャンプしてキックはしないが、それぞれの足をぶつける。勝負の結果は・・・・・・、

 

 

「ハァ・・・・・・デヤァ!!」

『Ciao!』

 

「ぐぅ・・・・・・!?」

 

 

エボルの勝ちだった。この勝負に負けた滅は変身解除はされなかったが、倒れてしまった。

 

 

「・・・・・・さてと!蒼空~、行くぞ~。」

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

 

「ずいぶん楽しそうだな、エボルト。」

 

 

 

「っ、まさか・・・・・・!?」

 

「・・・・・・何しに来た、ベリアル?」

 

 

謎の気配がする方を見ると、そこには黒と白の姿(アトロシアスフォーム)のベリアルが歩いてきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、些細な理由で戦っているローグ対バルカンは・・・・・・。

 

 

「ふっ!」

 

「アッブネ!!・・・・・・ハァ!!」

 

「ぐっ!?・・・・・・強い・・・!」

 

「フゥ~。ッ・・・・・・まさか・・・!?」

 

「よそ見してる暇があるんだね!」

『クラックアップフィニッシュ!』

 

 

バルカンがローグとは別の方を見ていると、ローグはその隙を見てドライバーのレバーを下ろす。

 

 

「・・・・・・ちゃっちゃとキメますか~。」

『ショットガンライズ!』

『テリトリー!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

 

 

飛び上がってライダーキックを決めようとするローグに向けて、ショットガンからの一撃を放つ。

 

 

「よっと!」

『トラッピング カバンショット!』

 

「うっ!・・・・・・何っ!?」

 

「どぉ~、クモの巣のお味は?」

 

「ぐっ!?動けない・・・・・・!?」

 

「ついでにコレも、プレゼント♪」

『パワー!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

『チャージライズ!』『フルチャージ!』

 

 

バルカンは別のプログライズキーをアタッシュショットガンにセットして、武器のモードチェンジを一度して武器の中で一番強い状態の技を放つ。

 

 

「はい、どーぞ!」

『パンチング カバンバスター!』

 

「ぐふっ!?」

 

 

ローグの腹に目掛けて放たれたナックルのような一撃は、叫び声を上げることが出来ないほどの威力だった。勢いよく当たったため、その衝撃でクモの巣(トラッピングスパイダーの力)から抜け出すことは出来た。だが、隙を作らせることなくバルカンはドライバーから銃を取り出した。

 

 

「じゃ、コレで最後。」

『アサルトチャージ!』

「はぁ・・・!」

 

「うぅ・・・・・・っ!?」

 

 

ローグがふらふらと立ち上がった時にはもう遅かった。バルカンのドライバー兼銃の『ショットライザー』から狼のような弾丸が放たれていた。

 

 

「ハァ!!」

『マグナテックストームブラスト!』

 

「ぐはっ!?」

 

 

 

「おねーちゃん!!」

 

 

 

「ふぅ~。」

 

 

バルカンの必殺技を食らって変身解除されてしまう紫音。和美とあこは心配して紫音の下に向かう。バルカンはウィズの姿に戻って紫音の下に向かう。

 

 

「っ!まだやるなら次はボクが!」

 

「いや、もういいよ。・・・・・・約束、守りなよ。守ってなかったら、今度はその脳天をぶち抜くから。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「・・・・・・バーン。じゃあね~。」

 

 

撃つ素振りをして、ウィズはその場を去っていく。

 

 

「・・・・・・ちっ。」

 

「おねーちゃん、ボク待ってるよ。今すぐじゃなくていい。ボクは・・・・・・ボクたちは、待ってるから。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 恐怖の象徴ともいえる存在は、普通は存在しない。だが、蒼空の目の前にはまるで『恐怖』そのものが存在している。『ベリアル』という名の・・・・・・恐怖という悪魔が。

 

 

「・・・・・・貴様は何がしたいんだ、スターク?・・・・・・いや、エボルト。」

 

「何って、俺がやりたい事をやってるんだよ。」

 

「それは、俺たちを倒すことか?それとも、ジードを守ることか?」

 

「半分正解!・・・・・・お前たちを倒すことはな。」

 

「なら、貴様は俺たちの敵でいいんだな?」

 

「そう言ってるだろ?」

 

 

エボルはそう言いながら青色のボトルを取り出した。

 

 

『ドラゴン!』『ライダーシステム!』

『エボリューション!』

 

「ドラゴン!?」

 

『Are You Ready?』

『ドラゴン!ドラゴン!エボルドラゴン! フッハッハッハッハッハ!』

「フェーズ2、完了。」

 

 

エボルは『ドラゴンフォーム』に変身した。エボルのマスクはまるでクローズのようだった。

 

 

「なんで、あんたがドラゴンを・・・・・・!?」

 

「この前万丈と戦った時に創ったんだよ。さて、楽しもうぜ?」

『ビートクローザー!』

 

 

エボルはクローズがよく使う『ビートクローザー』を持ち、ベリアルに挑む。そんな時に蒼空の下に海璃と紗夜、燐子がやって来て、蒼空を心配していた。

 

 

「蒼空、大丈夫?」

 

「あぁ、なんとか・・・・・・。」

 

 

 

「くっ・・・・・・ベリアル様──うっ!?・・・・・・誰だ・・・!?」

 

「ヤッホ~。」

 

「貴様・・・・・・!」

 

「悪いけど、アタシと遊んでもらうよ!」

 

 

ベリアルとエボルの戦いをサポートしようと立ち上がった滅に1発の銃弾が当たった。撃った犯人は、先程紫音と戦っていたウィズだった。

 

 

『アサルトバレット!』

「ふん!ぐぬぬ・・・・・・ホントに、もう!!」メキメキ…パカッ

『オーバーライズ!』『Kamen Rider.Kamen──』

「変身!」

『ショットライズ!』『Ready Go!アサルトウルフ!』

「フッ!・・・・・・ハッ!!」

『No chance of surviving.』

「さ~て、ぶっ潰してやる!!」

 

 

放った弾丸を握り潰して変身したバルカンは、滅に攻撃を仕掛ける。

 

 

「ぐっ・・・・・・前の姿より強い・・・?」

 

「当ったり前でしょ?アタシ、強いんだから~!」

『バレット!』

『Progrise key comfirmed.Ready to utilize.』

『アサルトチャージ!』

 

 

ショットガンとショットライザーの二丁拳銃で、滅に狙いを定めるバルカン。

 

 

(腕もつかな~?・・・・・・ま、後のことは後で考えよ!)

『シューティング カバンショット!』

『マグナテックストームブラスト!』

「行っけ──イッテッ!?」

 

「ぐぅ・・・・・・ぐはっ!」

 

 

2頭の狼が左右から滅を噛みつき、戦闘不能にさせて変身を解除させた。・・・・・・一方、そんな滅を変身解除させたバルカンは、

 

 

「痛った~!やっぱ二丁はヤバかったわ~!ちょっと腕が・・・・・・!」

 

 

自分で行った大技に反省していた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、エボル対ベリアル。ベリアルはエボルを一撃で仕留めようとドライバーのレバーを回した。それに対して、エボルはビートクローザーのグリップを3回引っ張った。

 

 

『Ready Go!』

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

「はぁ・・・・・・ハァ!!」

『アトロシアス フィニッシュ!』

 

「チッ!」

『メガヒット!』

 

 

ベリアルはジードの『レッキングバースト』のような感じで光線を放った。エボルはトリガーを引いた後、剣をベリアルに向けて投げたのだった。光線と剣が衝突して爆発、辺りはその衝撃で起きた煙に包まれた。

 

 

「ちょっと!?」

 

「これは・・・・・・!?」

 

「なんて、威力ですか・・・・・・!?」

 

「ぐっ!?・・・・・・っ!?」ガクッ

 

 

 

「・・・・・・フゥ、ようやく痛みが─って、ちょっと!?」

 

 

 

「ちっ、余計なことを・・・・・・うん?奴は、何処に行った!?」

 

 

煙が風に乗って何処かへ消える頃には、エボルのみがいなかった。

 

 

「・・・・・・蒼空?大丈夫?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「そ、蒼空?」

 

「桐生さん?」

 

「どうか、しましたか・・・・・・?」

 

 

 

「うん?・・・・・・まさか、もうやったの!?」

 

 

 

「蒼空?・・・・・・って、その白いメッシュはいつから・・・?」

 

「あ~あ!ったく、折角の計画が台無しだ~。」

 

「え・・・?」

 

「今の声って・・・・・・?」

 

「あなた・・・・・・まさかっ!?」

 

 

一度気を失っていた蒼空は、急に立ち上がった。・・・・・・『エボルトの声』で喋りながら。そして、蒼空(?)は()()()()()()()を腰に巻いた。

 

 

『エボルドライバー!』

 

「そのドライバーって・・・・・・!?」

 

「・・・・・・まぁ、いい。」

『ラビット!』『ライダーシステム!』

『エボリューション!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『ラビット!ラビット!

 エボルラビット! フッハッハッハッハッハ!』

 

 

蒼空は、エボルドライバーを使って『仮面ライダーエボル ラビットフォーム』に変身した。

 

 

「さっきのドラゴンはフェーズ2、このラビットはフェーズ3。」

 

「そんな・・・・・・蒼空が・・・!?」

 

 

 

「もうその段階に進むんだ・・・・・・。アタシも段取りを進めないと、だね?」

 

 

 

「貴様、エボルト・・・・・・なのか?」

 

 

エボルに変身した蒼空は、マスクの下で不敵な笑みを浮かべるように言葉を発した。

 

 

 

 

 

「フェーズ3、完了。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、蒼空がエボルになりました。・・・・・・ビルド見てる奴は、なんとなく察するでしょ?その中で、リメイク前のを見ていた人はさらに察するでしょ?この後どうなるか?・・・・・・ってか、この作品はリメイク前とは全然違う展開になってんだけどな。バルカンとか出てなかったし。


それにしても、最近頭の中ではこの作品の事は結構思い浮かぶんですけど・・・・・・だいぶ先のエピソードなんですけどね。『このシーズンの後』のエピソードだよ。


アンケート内容ですが、ライダーアイテムの音声を一時期太文字『ラビット!』みたいにしてたけど、どっちがいい?

上が『ラビット!』で、下が『ラビット!

お願いしや~す。


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第38話 復活の正義のヒーロー

 
 
「更なる力を得て復活したベリアルは、難波重工を乗っ取り、手下の『四魔卿』と共にこの世界を破壊しようとしている。仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルを倒そうとするが『四魔卿』たちとの戦いでは劣勢を強いられてしまう。さらに、蒼空はエボルトに体を乗っ取られてしまう。」

「お前、ほんとに蒼空か?それともエボルトか?」

「蒼空に決まってるでしょうが。」

「だったら俺にコーヒー淹れてみろよ!」

「いいぜ。・・・・・・ほらよ。」

「・・・・・・不味っ!お前エボルトだろ!?」

「バレちまったら仕方がない!第38話、どうぞ~。」







 

 

 

 

 

 蒼空の体を乗っ取ったエボルトは、その体で『仮面ライダーエボル ラビットフォーム』に変身した。

 

 

『ラビット!ラビット!

 エボルラビット! フッハッハッハッハッハ!』

「フェーズ3、完了。」

 

「そんな・・・・・・!?」

 

「スターク!なんであんたが蒼空の体を!?」

 

「・・・・・・教えてなかったっけか?俺はスタークじゃない。『エボルト』だ。それに、この体を乗っ取ったってなんら問題はないだろ?」

 

 

 

「・・・・・・厄介なことになったな。マグナマイザー、退くぞ。」

 

「ぐぅ・・・・・・はい。」

 

 

 

「帰ったか。・・・・・・ちょっと早いんじゃない?」

 

 

この状況を察したのか、ベリアルとマグナマイザー、そしてバルカンはその場を去った。

 

 

「・・・・・・じゃ、こいつは預かる。」

 

「ちょっ、ふざけないでよ!!」

 

「Ciao~。」

 

「待ちなさい!!・・・・・・もうっ!!」

 

 

海璃はまんまとエボルに逃げられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 さてと、これからどういうようにしていこうかな~?・・・・・・うん?誰だ、足下に弾丸を撃ったやつは?

 

 

「・・・・・・なんだ、お前か。」

 

「なんでもう映司の体を乗っ取ったわけ?」

 

 

・・・・・・なるほど、俺の足下に銃弾を撃ったのはウィズか。

 

 

「・・・・・・『ああするしかなかった』って言えば、どうする?」

 

「確かに、あのベリアルのことを考えればそうだろうけど、だからってもう映司の体を乗っ取るの?」

 

「残念ながら、こいつの体を乗っ取ってよく分かった。こいつの力は()()を使うまでに高まっている。」

 

「・・・・・・でも、()()は晴斗が持ってるよ。」

 

「だから、お前に頼みがあるんだよ。」

 

「アタシに?」

 

 

ウィズには想定としての段取りを教えて、こいつ(蒼空)にはあれを話さないとな。・・・・・・ちょっと話を盛ろうかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 俺は香澄と話した後、蒼空のことを一晩考えて、とりあえず蒼空と話そうってことになった。ってことでまたnascitaに戻ってきた。

 

 

「すぅ・・・・・・はぁ。よし───」

 

「龍く~ん!」

 

「───っととと!?香澄~、タイミング考えろよ~。」

 

「えっ?」

 

「せっかく気持ちの準備をしたのによ~!」

 

 

・・・・・・まぁいいや。行くか!

 

 

「おはよー。」

 

「おっはよーございまーす!」

 

「「・・・・・・って、あれ?」」

 

 

何、この雰囲気?・・・・・・空気が、重い。

 

 

「うん?・・・・・・蒼空は?」

 

「万丈・・・・・・蒼空は、エボルトに体を乗っ取られた。」

 

「はぁ!?・・・・・・って、『エボルト』って誰?」

 

「はい?・・・・・・あ、そっか。いなかったね。」

 

「エボルトとは───」

 

 

・・・・・・あ、この場には今来た俺と香澄、そして元からいた海璃と夜華、紗夜さんと燐子さんがいる。今喋ってるのは紗夜さんだ。

 

 

「───スタークです。」

 

「エボルトが、スターク・・・。ってことは、蒼空はスタークに体を乗っ取られたのか!?」

 

「はい・・・・・・。その後、エボルトは蒼空さんと共に・・・・・・どこかに行きました・・・・・・。」

 

「蒼空くんは、大丈夫なの?」

 

「分かりません・・・・・・。」

 

「主様の身に何が起きるかは分かりません。・・・・・・何故なら、魔王因子がエボルトとどう反応するのかも、分かりません。」

 

 

マジかよ・・・・・・こうしちゃいられねぇ!!

 

 

「万丈!」

 

「あぁ!?」

 

「・・・・・・どこ行くの?」

 

「あいつを探しに行く。」

 

「龍くん、待って!!」

 

 

俺と香澄で外に出て、蒼空を探しに行った。

 

 

「それで、アテはあるの?」

 

「あ?・・・・・・どっかいんだろ!!」

 

 

『バカ』とか言うなよ!言うならせめて『筋肉』付けろよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

「・・・・・・うぅ・・・。」

 

「よぉ、目が覚めたか?」

 

「え?・・・・・・スターク・・・。いや、エボルトか?」

 

「正解。」

 

 

 目を覚ました俺の前には、『仮面ライダーエボル』に変身しているエボルトが俺の前であぐらをかいて座っていた。

 

 

「・・・・・・ここは、どこだ?」

 

「『マリシャスタワー』の中だ。もっとも、ベリアルが来ることが出来ない場所だ。」

 

「マリシャスタワー?・・・・・・あの塔か。」

 

「それも正解!」

 

 

俺の中で、エボルトへの警戒心が高まっていく。確かにここは、あの塔の中だってこともなんとなく分かった。

 

 

「・・・・・・俺に何をし───なんだ、この記憶は?」

 

 

 俺の中に、『葛城映司』の記憶がある・・・・・・。記憶は全て失ったはずだ!

 

 

 

 

 

(別に不思議なことではない。原作のビルドがエボルトに乗っ取られて葛城巧の記憶が戻ったように、君の記憶の中にも僕の・・・・・・葛城映司の記憶が戻ったんだ。)

 

 

 

 

 

「っ!?・・・・・・誰だ!?」

 

「・・・・・・葛城映司の記憶が戻り、お前の中に葛城映司の人格が出てきたみたいだな。」

 

「葛城映司の・・・・・・!?」

 

 

そういや、この声を聞いたのはこれが初めてじゃない。前にも1回聞いた覚えがある。

 

 

(そう。僕の人格は、君がキングボトルで変身した時に覚醒している。だから、それ以降の出来事は全て、君の中から見ていた。)

 

 

なんだと・・・・・・?

 

 

(これで分かっただろ?君は・・・・・・いや、()()()はライダーシステムを創った科学者だってことも、あの狼のライダーに変身するのが僕たちの姉である『葛城ウィズ』ってことも。)

 

 

・・・・・・確かに、あのウィズって人が俺のことを知っているのも納得だ。

 

 

「さぁ、お前の意見を聞かせてもらおうか?」

 

「俺は・・・・・・。」

 

 

これが、俺の本当の過去・・・・・・なら、俺は・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 あれから1日経ったけど・・・・・・エボルトのヤツ、ちゃんとしてるんでしょうね~?

 

 

「・・・・・・って、あれ?映司?」

 

 

なんか、映司が前にいるけど・・・・・・って、なんで四魔卿がいんの!?でも3人?・・・・・・あ、この前アタシがかなりフルボッコしたからか!

 

 

「「「変身(ヘンシン)!」」」

 

『ガオウフォーム!』

『チェンジ Now!』

『ブラッドザクロアームズ!』『ブラッドオレンジアームズ!』

 

 

アッチャ~、かなり本気モードかな?仕方ない、アタシが・・・・・・って、あれ?映司が持ってるベルトって・・・・・・?

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

『エボルドライバー!』

『ラビット!』『ライダーシステム!』

『エボリューション!』

 

 

なんでアイツ、ソッチのドライバーなワケよ!?・・・・・・確かに、エボルの方が勝てるかもしれないけど!

 

 

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身。」

『エボルラビット! フッハッハッハッハッハ!』

 

「行くゼ~!」

 

「・・・・・・来い。」

 

 

あのまま戦い始めちゃった・・・・・・。エボルトさんやい、あの段取り通りにしていいんだよね?だったら、()()()()もらいますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 四魔卿のうちの三体と戦うエボル(蒼空)は、3対1でもなんとか優勢を保っていた。

 

 

「グッ!?オレたち相手にここまでやるとはナ~!?」

 

「・・・・・・これで終わりだ。」

 

「ヤベェぞ!・・・・・・ヴァンディール!!」

 

「分かっている!」

 

 

エボルはドライバーのレバーを回し、四魔卿たちはその内の一体であるソーサラーに防御をさせることにした。

 

 

『バリア Now!』

 

「・・・・・・無駄だ。」

『Ready Go!エボルテックフィニッシュ!Ciao!』

「・・・・・・ふっ。」

 

 

エボルは高くジャンプして、ソーサラーが生み出したバリア目掛けてライダーキックを放った。

 

 

「はぁあああ!!」

 

「「「ぐわぁあああ!!」」」

 

 

エボルはそのバリアごと、三体を蹴り飛ばした。

 

 

「・・・・・・ぐっ!?」

 

「ヤッホ~、仮面ライダーエボル。」

 

 

着地したエボルを撃ったのは、蒼空(映司)の姉であるウィズだった。

 

 

「っ、ウィズ・・・・・・。」

 

「その声・・・・・・映司、だね。蒼空だの映司だの、そんなのどうでもいいけど。なんでその姿で戦ってるワケ?」

 

「っ・・・・・・。」

 

 

ショットライザーを構えるウィズの問いに、エボルは何も答えなかった。

 

 

「・・・・・・そう。アタシは、全ての悪をぶっ潰すために戦っているの。仮面ライダーエボルもその対象。その意味が・・・・・・分かるよね?」

 

 

ウィズはベルトを巻いて、ショットライザーをベルトにセットした。そして、グリップが付いた(アサルトウルフ)プログライズキーを取り出し、変身する。

 

 

『アサルトバレット!』

「ふん!うぅ・・・・・・ハァ!!」メキメキ…パカッ

『オーバーライズ!』『Kamen Rider.Kamen Rider.』

「変身!!」

『ショットライズ!』

「ふん!」

『Ready Go!』

「ハァ!!」

『アサルトウルフ! No chance of surviving.』

 

「・・・・・・!」

 

「覚悟しなよ。」

 

 

バルカンに変身したウィズは、四魔卿そっちのけでエボルに戦いを挑む。

 

 

(ウィズは俺を倒しに来る。なら、俺は・・・・・・。)

 

「ハァ!!」

 

「ぐっ! ぐはっ!?」

 

 

エボルはただバルカンの攻撃を受けるだけで、反撃や防御、かわすなんて行為は一切しなかった。

 

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

「・・・・・・はぁ・・・、もう後が無いよ?」

『アサルトチャージ!』

 

「・・・・・・・・・・・・。」

(これで、俺は・・・・・・。)

 

 

バルカンのショットライザーの銃口には、エネルギーが溜まっていく。それに対して、エボルは・・・・・・蒼空は棒立ちだった。

 

 

「・・・・・・じゃあね、エボルになった事を悔やんでな!」

『マグナテックストームブラスト!』

 

「・・・・・・くっ!」

 

 

バルカンから見れば、狼の銃弾が当たり爆発した。バルカンから見れば倒したと思ったが・・・・・・

 

 

「・・・・・・は!?」

 

「なんで主役を()ろうとしてんの?」

 

「・・・・・・海璃・・・?」

 

 

バルカンの銃弾を、ルーブに変身した海璃が『ルーブコウリン』で防いでいたのだった。

 

 

「何してんの?今のソイツはダークライダーの一人なんだよ?」

 

「知らんがな!・・・・・・蒼空は蒼空だよ。私の好きな人を傷つけるなんて、許す訳ないでしょ?」

 

「・・・・・・頭湧いてんちゃいます?」

 

「お嬢さんに言われたくないよ。」

 

 

ショットライザーを構えるバルカン対ルーブコウリンを構えるルーブの・・・・・・ちょっと激しい女の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 女の戦いが始まった頃、龍哉と香澄、そして紗夜がその場にやって来た。

 

 

「蒼空・・・・・・!」

 

「・・・・・・ねぇ、あれ!」

 

「桐生さんが危ないですよ!!」

 

 

龍哉たちの視線の先には、ガオウがエボルに攻撃していくのが映っていた。

 

 

「ちっ!」

『ボトルバーン!』『クローズマグマ!』

 

「え?・・・・・・あ、ちょっとちょっと!?」

 

「万丈さん、待って!!」

 

『Are You Ready?』

「変身!」

 

 

龍哉が変身をする時に、横にいた香澄と紗夜が大急ぎでそこから離れた。・・・・・・みんなも、マグマは浴びたくないでしょ?

 

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!

 アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

「・・・・・・うおおおおお!!」

『Ready Go!』

 

 

変身を終えて、クローズはエボルに目掛けて走りながらレバーを1回回す。

 

 

「はぁ!!・・・・・・あ、万丈!?」

『ウィンドクリスタル!』

 

「はっ!・・・・・・おりゃあああ!!」

 

「・・・・・・っ、万丈!?」

 

「蒼空ぁあああ!!」

 

「っ・・・・・・。」

 

「まさかあの万丈が!?」

 

「あんたは邪魔!!」

 

「グッ!?」

 

 

クローズはエボルに目掛けてライダーキックを放つ。そんなエボルは、クローズに気付いても避けようとも防ごうともしなかった。

 

 それを見たルーブはバルカンを一閃して距離を取らせ、風のクリスタルの力でエボルに光線を放つ。

 

 

「ウィンド ボルテックバスター!」

 

「っ!?ぐわぁあああ!!」

 

 

 

「何っ!?」

 

「おりゃあああ!!」

 

「グハァーーー!!」

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、蒼空・・・・・・。」

 

「ぐっ・・・・・・なんで・・・?」

 

 

ルーブの光線は風の力しかなかったが、あくまでも攻撃技。エボルにもダメージはあり、変身が解除された。クローズは変身が解けた蒼空の下に行った。

 

 

「なんで避けようとしなかったんだよ?」

 

「っ・・・・・・。」

 

「海璃がお前を飛ばしてくれなかったら、今頃は挟み撃ちで死んでたかもしれねぇんだぞ?」

 

「・・・・・・みんな、それを望んでるんじゃないのか?」

 

「はぁ?」

 

 

蒼空は座りながら今まで攻撃を受け続けた理由を話した。

 

 

「俺が魔王因子の力を使わなければ、みんな傷つくことなんてなかった・・・・・・。俺のせいで───」

 

「確かに、俺は今お前に怒ってるよ。」

 

「っ!」

 

「でも、俺が怒ってんのは・・・・・・そんな事でウジウジ悩んでるお前に対してだよ。・・・・・・前に言ったよな?『そのドライバーを巻いて、正義のために戦ってきたのは、葛城映司でも佐藤紫閻でもない。桐生蒼空だ』って。もう一回目を覚ましてやろうか?今度は言葉だけじゃなくて拳で!」

 

「万丈・・・・・・。」

 

「過去のことなんて今はどうでもいい!今やるべき事はなんだよ?・・・・・・ベリアルを倒す事じゃねぇのかよ!?」

 

 

そして、ルーブも蒼空の下にやって来た。

 

 

「蒼空。私もね、蒼空のおかげでこの力を手に入れたの。蒼空の隣に立ち、蒼空を守る力を。だから、自分を責めないで。私は、正義を信じて戦う桐生蒼空が好きなんだから。」

 

「海璃・・・・・・。」

 

「お前、ようこんな時に告白出来るな?俺には絶対無理だぞ?」

 

「え?・・・・・・あ!ちょちょちょちょっと!万丈、あんたは忘れなさい!!」///

 

「うっせぇな~、顔赤いんだろ?」

 

「赤くなってない!!いいから忘れろ~!!」

 

「・・・・・・ふっ、最悪だ・・・。」

 

 

海璃に告白され、ルーブとクローズの茶番劇を見せられた蒼空は立ち上がり、エボルドライバーを外した。

 

 

「・・・・・・2人のおかげだな。俺は、ナルシストで自意識過剰な正義のヒーローだったな!!」

 

 

蒼空は、再び正義のヒーローとしてビルドドライバーを巻いた。

 

 

「蒼空~!」

 

「ようやく戻ったか!!」

 

 

 

 

 

「決心はついたかい?」

 

 

 

 

 

「あぁ?」

 

「・・・・・・黒崎晴斗?」

 

「そう。君のヒーローとしての決心はついたのかい?」

 

「あぁ。俺は、もう絶対迷わない。」

 

「・・・・・・そうか。なら、これを渡すよ。」

『コネクト プリーズ!』

 

 

歩いてやって来た晴斗が魔法を使ってビルドドライバーに使うアイテムを取り出し、蒼空に渡した。

 

 

「僕はよく分からないけど、『ジーニアスボトル』って言うらしいよ?」

 

「ジーニアス・・・・・・?」

 

《解。ジーニアスボトルを解析・完了。ビルドの最強フォームに変身出来るアイテムです。》

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

 

蒼空はジーニアスボトルを構え、起動させた。

 

 

『グレイト!』『オールイエイ!』

『『ジーニアス!』』

『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』

 

 

ドライバーのレバーを回すと、蒼空の足下から土台が現れる。さらにボトルを乗せたベルトコンベアまで現れて・・・・・・

 

 

『Are You Ready?』

「変身!」

『完全無欠のボトルヤロー!』『ビルドジーニアス!』

『スゲーイ!』『モノスゲーイ!!』

 

 

黄金のビルドマークが蒼空の胸元に付くと白いスーツが蒼空を包み、体のあちこちにベルトコンベアの上のボトルが白いスーツに刺さって変身が完了する。

 

 

「スゲェ・・・!」

 

「これが・・・・・・最強のビルドのフォーム・・・!」

 

 

クローズとルーブは、蒼空の新たな姿に驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

 

「映司・・・・・・もう、()()()()かな?」

 

 

バルカンも、少し離れた所でその変身を見ていて、驚いていた。そして、さらっと変身を解除した。

 

 

 

 

 

「貴様がどんな姿になろうとも・・・・・・、」

 

「俺たちに勝てると思ってんのか?」

 

「甘く見られたもんだナ~?」

 

 

四魔卿たちはそれぞれ武器を構えて、攻撃態勢へとなる。

 

 

 

 

 

「どうだろうな。・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

 

「へっ、俺たちも行こうぜ!」

 

「オッケ~!・・・・・・蒼空、行くよ!」

 

「あぁ。 はぁ!!」

 

 

3対3のライダー同士の戦いが始まった。・・・・・・もっとも、片方は『ダークライダー』だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 変身を解いたウィズの下には晴斗が歩み寄っていた。

 

 

「どう?君の弟さんの成長は?」

 

「・・・・・・ホント、羨ましく思うよ~。姉より成長スピードが速いんだから~。でも、さすがは魔王!って言うべきだよね~。」

 

「・・・・・・どうするの?」

 

「もちろん! やることは決まってるよ。・・・・・・ちょっと手を貸してくんないかしら、魔法使いさん?」

 

「・・・・・・喜んで、お嬢様。」

 

 

ウィズは新たな決意を胸に、晴斗と共に戦闘に参戦しようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ジードたちはというと・・・・・・少しジードたちが劣勢だった。

 

 

『ザクロチャージ!』

「ハァ!!」

 

「ぐはっ!?」

 

『エクスプロージョン Now!』

「ふっ!」

 

「きゃあああ!!」

 

『フルチャージ!』

「ふん!!」

 

「ぐぅ・・・!!くっ!?」

 

「ぐっ・・・、やっぱ半端ねぇな・・・・・・!?」

 

「蒼空は同等くらいだけど、私と万丈のハザードレベルはちょっと低いかもね・・・・・・!?」

 

 

 

強力な一撃を食らって膝をつくクローズとルーブ。ジードはまだ立っているが、すぐさま1対3の状況になってしまい、劣勢となる。

 

 

「「「ハァ!!」」」

 

「ぐわっ!・・・・・・さすがに、この姿でもあいつら相手は厳しいぞ・・・・・・!?」

 

「フッフッフ・・・・・・ぐっ!誰だ!?」

 

「・・・・・・ア・タ・シ♡」

 

「僕もだけどね。」

 

 

四魔卿たちに銃弾を放ったのは、まだ変身していないウィズと晴斗だった。

 

 

「アタシは、弟を守る。弟が闇に染まろうとも、弟だけは絶対に守る。・・・・・・誰かさんに教えられたからね。」

 

「っ・・・・・・!」

 

「だから、アタシはアンタを守るよ・・・・・・()()。」

 

「ウィズ・・・・・・!」

 

「晴斗先輩、よろしくね?」

 

「はいね。」

『ドライバーオン プリーズ!』

『シャバドゥビタッチヘンシーン!』

「変身!」

『インフィニティー プリーズ!

 ヒー・スイ・フー・ドー! ボー・ザバ・ビュー・ドゴーン!』

 

 

晴斗は先に、ウィザード最強のフォーム『インフィニティースタイル』に変身した。勿論、手には『アックスカリバー』がある。

 

 そして、ウィズはガトリングが付いたプログライズキーを取り出した。

 

 

『ランペイジバレット!』

「ふっ!ぐぅ・・・・・・ハァ!!」メキメキ…パカッ

『オールライズ!』『Kamen Rider.Kamen Rider.』

「変身!」

『フルショットライズ!』

『Gathering Round!』

 

 

ガトリング部分を回転させ、無理矢理キーをこじ開けてショットライザーにセットした。銃を手に持ち、相手に向けて銃弾を放つウィズ。だが、その銃口からは10体の動物のオーラが出現し、動物たちが装甲となってウィズの体を包む。

 

 そんな変身者のウィズは・・・・・・

 

 

「ヨッ!ハッ!・・・・・・ハァアア!!」

『ランペイジガトリング!

 Mammoth!Cheetah!Hornet!Tiger!Polarbear!Scorpion!Shark!Kong!Falcon!Wolf!』

 

 

動物の中にいる狼が弾丸を放ってきたから、普通に殴ったり裏拳したり回し蹴りしたりと、暴れ回るように体を動かして、変身を完了させた。

 

 

「あのアーマードライダーは僕たちが相手をする。」

 

「アンタたちは、他の2体を頼むよ!・・・・・・それぐらいは出来っよね?」

 

「・・・・・・当たり前だ!」

 

「なら、よろしくね~!」

 

 

バルカンとウィザードは、セイヴァー(アーマードライダー)に挑む。

 

 

「万丈、私たちは魔法使いを!」

 

「おう!蒼空、牙の奴は任せた!」

 

「あぁ!」

 

 

クローズとルーブはソーサラー(魔法使い)に挑み、ジードはガオウ(牙の奴)に挑む。

 

 

「はぁ!!」

 

「チッ! ふっ!・・・・・・お前1人で俺に勝てると思ってんのか!?」

 

「前の俺ならそんな事思ってなかったさ!でも、今の俺なら話は別だ!!」

 

「ぐぅ・・・!?」

 

「俺は・・・・・・この仲間たちと共に、愛と平和に満ちた世界を創る。そのために、ベリアルを倒す!!」

 

 

ジードの・・・・・・蒼空の心は、もう壊れるほど脆くなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Hornet's Ability.』

 

「ハァ!!」

 

「グッ!?なんだ、このハチはヨ!?」

 

「はぁ・・・・・・はぁ!!」

 

「グハッ!?」

 

 

バルカン・ウィザード対セイヴァーの戦い。『ランペイジバルカン』の能力の1つ、『ライトニングホーネット』の力で、セイヴァーを翻弄し、ウィザードの『アックスカリバー』の一撃を浴びせる。そんな戦法に、セイヴァーは劣勢に陥る。

 

 

「コノ・・・・・・!!」

 

「させないよ!!はっ!」

 

「グッ!?・・・・・・なら、オマエからダ!!」

 

 

バルカンに刃を向けようとしたが、その剣がウィザードによって弾かれ、怒りの矛先がウィザードに向いた。

 

 

「ハァ!!」

 

「・・・・・・。」

 

「アァ!?・・・・・・ウリャア!!」

 

「・・・・・・どうした?」

 

「グッ!?・・・・・・んだよ、ソレ・・・!?」

 

「なら、こっちから行くよ。」

 

 

ダイヤモンドのような防御力を持つ『インフィニティースタイル』の力で、セイヴァーの大橙丸を防いでいた。セイヴァーの手が止まった途端、ウィザードの刃がセイヴァーを襲う。

 

 

「ふっ、はっ!」

 

「グハッ!?」

 

「ウィズさん、これ。」

 

「サンキュ~!」

『Cheetah's Ability.』

 

「・・・・・・ふっ。」

『インフィニティー!』

 

「ナッ!?」

 

 

ウィザードがバルカンにウィザーソードガンのソードモードを渡し、2人が高速移動をしながらセイヴァーを斬りつける。

 

 

「はっ!」「ヨッ!」「ふっ!」「セイ!」「はぁ!」「ハァ!」

 

「グッ・・・・・・!?」

 

『ターンオン!』

「フィナーレだ!」

『ハイタッチ!』

 

「じゃ、アタシも乗って!」

『パワー『スピード『エレメントランペイジ!』

「ヨッ!」

 

 

ウィザードが武器をアックスモードにして、高くジャンプしつつ武器を魔法で大きくする。バルカンはガトリングを3回転させて、炎と氷と毒のエネルギーを同時発動させる。

 

 

「・・・・・・何ッ!?」

 

「ヨッ、ハッ、ハァアアア!!」

 

「グハッ!?」

 

『ランペイジエレメントブラスト!』

 

 

炎の玉を数発当て、足を氷で動けなくして、左手から毒針をセイヴァーに刺して、ダメージを与える。そして、毒針を抜いた瞬間、

 

 

『シャイニングストライク! キラキラ!キラキラ!』

「はぁ・・・!」

 

「ッ!?」

 

「だぁあああ!!」

 

「グワッ!?・・・・・・ベリアル様ーーー!!」

 

 

必殺技を受け、セイヴァーは爆発し、消滅した。

 

 

「・・・・・・まずは、1体。」

 

「ふぃ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃあああ!!」

 

「ぐっ・・・!」

 

「ルーブコウリン・ブル!はっ!!」

 

 

クローズがソーサラーを殴りつつ、その隙を狙ってルーブが高速移動しつつ斬っていく。

 

 

「力が漲る!」

 

「ぐっ!」

 

「魂が、燃える!!」

 

「ぐはっ!?」

 

「俺のマグマが・・・・・・ほとばしる!!!」

 

「ぐわっ!・・・・・・こいつ、どこまで強くなるんだ!?」

 

 

一言言う度に殴るクローズのハザードレベルは上がっていた。その証拠に、今は一人で戦っている状況でもソーサラーを押していた。そして、クローズはドライバーのレバーを4回以上回す。

 

 

『Ready Go!』

「もう誰にも、止められねぇ!!!

『ボルケニックフィニッシュ!』

「うおお・・・・・・おりゃあああ!!

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

クローズマグマの状態の時、レバーを回す回数によって繰り出す技が変わる。4回以上回した時にはパンチを連続で繰り出す。

 

 

「万丈、これでキメよ!」

 

「おう!」

『ボトルバーン!』

 

 

ルーブはドライバーのレバーを回し、クローズはナックルをドライバーから取り出してボトルを再セットする。ルーブは高くジャンプしてライダーキックを、クローズはそのまま走り出してナックルを使ったライダーパンチをソーサラーに放つ。

 

 

『Ready Go!』

「はぁあああ!!」

『ルービウムフィニッシュ!』

 

「おりゃあああ!!」

『ボルケニックナックル!アチャー!』

 

「ぐっ! ぐわぁあああ!!」

 

 

2人の必殺技が当たり、ソーサラーは爆発、消滅した。

 

 

「ぃよっしゃー!!」

 

「意外と私たちでも勝てるもんだね?」

 

「・・・・・・って、アッチ!?熱っ!熱いんすけど!?」

 

「ま~たやってんよ~・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?まさか、あの2人が・・・!?」

 

「よそ見してんじゃねぇ!!」

 

 

ソーサラー(ヴァンディール)セイヴァー(イル・イマージョ)がやられ、動揺するガオウ(ブラムザンド)。その隙をついて、ジードが攻撃をする。

 

 

「ぐっ!・・・・・・こうなれば、貴様を消す!」

 

「やれるもんならやってみろ!」

『ワンサイド!』

 

 

『ガオウガッシャー』を構えるガオウに対し、ドライバーのレバーを1回回して赤いボトル部分を光らせるジード。

 

 

『Ready Go!』

「・・・・・・ふっ!」

 

「・・・・・・ハァ!!」

 

『ジーニアスアタック!』

「ハァ!!」

 

「ハァ───何っ!? ぐはっ!!」

 

 

ジードのパンチが、ガオウガッシャーを破壊しつつガオウに大ダメージを与えた。

 

 

「ふっ!」

『ワンサイド!』『逆サイド!』

 

 

今度は2回回して、装甲に付いているボトルのうち、青色系のボトルのみを光らせて、右足にエネルギーを溜める。

 

 

『Ready Go!』

「ハァ!!」

『ジーニアスブレイク!』

 

「ぐっ・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

 

武器を失ったガオウを蹴り飛ばし、変身解除までは行ってないが動けない状態になった。

 

 

「蒼空兄!!」

 

「?・・・・・・和美。」

 

 

そんなジードの下に、和美が走ってきた。

 

 

「そんな物があったとはな・・・。」

 

「っ、ベリアル!?」

 

 

突然和美とジードの間に、ベリアルが入ってきた。

 

 

「何しに来た!?」

 

「何、()()()の回収に来たんだよ。」

 

「ボトル・・・?」

 

「そう、『ロストボトル』を・・・・・・な!」

 

「うっ!?」

 

「和美!!」

 

 

ベリアルは和美の腹部を殴り、3本のロストボトルが落ちたのを確認すると、和美をジードの方へとどかした。

 

 

「和美!大丈夫か!?」

 

「う、うん・・・。テメェ・・・!?」

 

「お前たちの相手は、俺じゃない。」

 

「・・・・・・?」

 

「蒼空!!」

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

ベリアルの言葉の意味は、すぐに分かった。海璃がジードを呼ぶから一瞬そっちを見ると、今まで見たことのないタイプのスマッシュがクローズとルーブを襲っていた。

 

 

「あれは難波重工の研究データにあった、ロストスマッシュだ。」

 

「ロスト、スマッシュ・・・!?」

 

「人体に高濃度のネビュラガスを投与して、ロストボトルとクローンスマッシュ2体を合わせることで生まれるスマッシュの最終形態だ。」

 

「何だと!?」

 

「早く助けないと、奴の命は無いぞ?もっとも、倒しても消滅するがな。」

 

「そんな・・・・・・!?」

 

「くっ・・・・・・って、待ちなさい!!」

 

 

ベリアルは話しながらガオウに近付き、話し終えると同時にガオウを連れてその場を離れた。バルカンが追おうとしたけど、既に追いつけるような状態ではなかった。

 

 

「蒼空君、今はあのスマッシュを。」

 

「色々気になるけど・・・・・・分かった!」

 

 

ジードはウィザードたちと共にクローズとルーブに合流する。

 

 

「うわぁあああ!!」

 

「蒼空!あのスマッシュ、苦しんでるんだけど・・・?」

 

「え・・・?」

 

 

 

(大賢者、あのスマッシュの正体は分かるか?)

 

《解。スマッシュの成分が多いため、変身者は分かりません。》

 

(・・・・・・そうか。なら、ネビュラガスを中和するしかない!)

 

 

 

「おい、なんか手はあるのかよ!?」

 

「原作通りなら、ジーニアスフォームでなんとかなる!」

 

 

悲鳴のような叫び声を上げるゼブラスマッシュに対し、ライダーチームからはジードが前に出た。方法があるのか、ドライバーのレバーを何回も回す。

 

 

『ワンサイド!』『逆サイド!』『『オールサイド!』』

「・・・・・・やっぱり、これならイケる!!」

 

 

ジーニアスフォームが原作通りと分かったのか、勝利を確信した時のセリフを放つ。

 

 

「勝利の法則は、決まった!!」

『Ready Go!』

「ふっ!」

 

 

ジードが高くジャンプすると、ゼブラスマッシュを虹色のグラフ線で動きを封じ、ライダーキックを放った。

 

 

『『ジーニアスフィニッシュ!』』

「はぁあああ!!」

 

「ぎゃあ・・・・・・アアアアア!!!」

 

 

ジードが足からジーニアスの成分をスマッシュに流し込み終えると、足をスマッシュから離した。スマッシュはその場に倒れるとその姿が人間の姿に戻る。近くには黒くなったロストボトルが1本転がっていた。

 

 

「ふぅ・・・・・・って、燐子さん!?」

 

「白金さん!!」

 

「・・・・・・あれ?ここ、は・・・・・・。」ガクッ

 

 

気絶をしてしまう燐子。

 

 蒼空の中には、決して揺らぐことのない決意と、いくつもの疑問が残った・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 長かったわ~。今回ね、11665字なんだって。・・・・・・本編が。過去最多よ。見る気失くしてるでしょ?

 最近書いてて思ったの。書きながら色々変えてるし、この後の展開も大体固まったけど・・・・・・これより下にあるネタバレ回をだいぶ変えないといけなくなってる。まずは和美の呼び方だよね、『僕』→『ボク』にしたりとか。


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第39話 白の女優と黒のウィザード

 
 
「更なる力を得て復活したベリアルは、難波重工を乗っ取り、世界を破壊しようとしている。仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルの野望を阻止するべく、新たな想いと共に『ジーニアスフォーム』へと変身する。」

「それで、蒼空くんは燐子さんの胸元にライダーキックをしたんだけど、どんな気持ち~?」

「ウィズさんやい?その弄りはないんじゃないか?全国の燐子ファンの殺意が俺に向くから。」

「それもそうだけど~、まずは目の前の『告白してきた彼女さん』を気にした方がいいんじゃな~い?」

「あ。・・・・・・とりあえず、第39話をどうぞ!」







 

 

 

 

 

 前回の最後から3日が経った。あの後、ベリアルたちは目立った動きを見せなかった。テレビで難波重工が取り上げられれば、『石狩アリエ』を演じて何もないようにしている。

 

 

 

 俺たちは戦いの傷を癒しつつ、この世界の事をウィズから聞いた。

 

 

 この世界は元々、5つぐらいの世界に分かれていた。俺とウィズがいた世界、香澄たちの世界、ベリアルのいた世界、四魔卿がいた世界、ライダーの世界、この5つの世界が俺の魔王因子の力によって1つになった・・・・・・らしい。俺が自分の意志でやったのではなく、ベリアルに操られて行ったんだと。

 

 

 

 そして、俺とウィズは姉弟ではあるんだが、異父姉弟ってやつらしい。母親が魔王因子を持っているらしく、俺たちにはその魔王因子が受け継がれている。

 

 ちなみに、俺とウィズ以外に魔王因子を持っているのは、万丈、海璃、夜華、そして紫音。・・・・・・紫音がそれを持ってる理由は、朝倉一家がライダーシステムの研究に手を貸していたからだと。ようは、人体実験を受けていたんだって。

 

 

 こんなとこか?世界のこと、ウィズのこと、魔王因子のこと、あとは・・・・・・とりあえず燐子さんのことかな?燐子さんは俺の家で泊めている。さすがに病院で『この状態を治せ』っていう方が無茶だから、なんでも使える魔王因子を頼って身体の状態は治した。あとは、意識が回復するのを待つだけ。

 

 

 

 

 

 そうだ!燐子とのシーンに入る前に、こちらをどうぞ!

 

 

「そうだったんだね・・・。」

 

「そう!そういう事~!」

 

「何がなんだかサッパリ分かんねぇ・・・!!」

 

 

ウィズからさっき省略した世界のこととかの説明を聞いた後の話だ。海璃は理解したけど、相変わらず万丈は理解してなかった。他には紗夜さんとリサさん、香澄と有咲がいるけど。

 

 

「質問なんですけど・・・?」

 

「何かね、有咲くん?」

 

 

ウィズ、楽しそうだな・・・。

 

 

「アレ、何・・・?」

 

 

『アレ』とは、やる気が無くなったようにグテ~っとしている和美のことだ。

 

 

「あぁ、ベリアルに三羽ガラスのロストボトルを奪われたんだよ。なぁ?」コツン

 

「・・・・・・。」ズルッ

 

「ロストボトル?」

 

「ビルドドライバーで変身する時に使うボトルとは違って、人工的に創られた紫色のボトルだ。」

 

「ベリアルのやつ、今さらそんなの使って何するんだろう・・・?」

 

「おそらくは、『ロストスマッシュ』を創ることだろ?」

 

「白金さんが変身させられていた姿ですね?」

 

「え?燐子がなってたの!?大丈夫なの!?」

 

「今井さん、落ち着いて。」

 

 

知らなかったんだ・・・・・・。

 

 

「ロストスマッシュは、高濃度のネビュラガスを投与した人間にロストボトルとクローンスマッシュ2体の成分を合わせて創られる、最強のスマッシュだ。」

 

「んなことはどうでもいい・・・・・・。」

 

 

和美・・・?

 

 

「あのボトルは、アイツらの形見なんだよー!」

 

「何すんだー!」

 

「バカ共喧嘩しないの!!」

 

 

万丈(バカ)和美(バカ)の戦い、興味ないな。興味が起きる訳もないが。

 

 

「・・・・・・そういや、紫音さんは?」

 

「紫音?・・・・・・なんで?」

 

「アタシが勝ったら蒼空たちと一緒に戦ってもらうってヤツをやって、アタシが勝ったから。」

 

「そっか・・・。ん?」

 

 

あれ?なんで部屋が暗く・・・・・・?

 

 

「お待たせ♪」

 

「・・・えぇ!?」

 

 

ししし紫音さん!?何、その格好は・・・!?しかもテンション高ぇ・・・!

 

 

「おおおおねーちゃんの私服、久しぶりに見たけど・・・!」

 

「想像の上を行く破壊力だ・・・!」

 

「もはやどっからどうツッコんでいいか分かんねぇ・・・!」

 

 

しかも、中のTシャツ・・・・・・達筆な感じで『威風堂々』って・・・?

 

 

「そ、その服・・・・・・どこで手に入れたんですか・・・?」

 

 

有咲、よく行った!のよく言った!

 

 

「全てオーダーメイドだけど。何、羨ましいの?」

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

有咲、即撤退!

 

 

「ヤバいよあれ、本人気付いてないパターンだよ!?」

 

「有咲、よく頑張ったよ~。」

 

「か、香澄・・・、すげぇ怖かった・・・!」ブルブル

 

「こ、ここは、傷付けないようにオブラートに──」

 

ダサッ!!

 

「ひっ!? 海姉・・・!?」

 

「ダサすぎる~!」

 

 

海璃さん、言ったーーー!!

 

 

「これもう放送事故レベルだよ。よくそんな格好でみんなの前に出てこれたよね~?」

 

「ダサい?誰が?誰?あたし?」

 

「うん。」

 

「ふっ、見る目ないね。」

 

「えっ・・・?」

 

 

嘘だろ・・・!?

 

 

「動じてねぇーーー!!」

 

「あ、ちょっ──」

 

「葛城、昔の記憶が戻ったの?」

 

 

ヤッベ、ロックオンされた・・・!?しかも、全員固まってたのにすぐ逃げやがった・・・!!

 

 

「あ、えっと・・・・・・そうなんですけど、その格好のままだとまともに会話できる自信ないんで・・・・・・一旦休憩!!」

 

 

ってことがあったの。紫音のことはみんな受け入れてくれたけど、あのファッションセンスは誰も受け入れてなかったな・・・。

 

 

 

 

 

 さっきのが2日前で、時間を燐子さんが目覚める時にして、どうぞ!

 

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・うぅ・・・?」

 

「・・・・・・燐子さん?」

 

「あれ?・・・・・・ここ、は・・・・・・?」

 

「俺の家です。燐子さん、大丈夫ですか?」

 

「え?・・・・・・あ、そういえばわたし・・・・・・。」

 

「はい、スマッシュにされていました。でも今は、ネビュラガスも中和されて、元に戻ってますよ。」

 

「そう、ですか・・・・・・ありがとう、ございます・・・・・・。」

 

 

燐子さん、そんなに動じないんだな?ってことは、記憶の整理が出来たんだろうな。

 

 

「・・・・・・燐子さん、教えてくれるか?」

 

「・・・・・・?」

 

「どうしてスマッシュにされたのか、を。」

 

「・・・・・・敵が街で暴れているのを聞いて──」

 

 

あー・・・こっからは俺のナレーションで、燐子に何が起きたのか話そう。いや、『・・・・・・(これ)』が多くなりそうだからさ。

 

 俺が『仮面ライダーエボル』に変身して四魔卿たちと戦っている時、その情報を見た海璃たちと共に俺が戦っている場所へ行こうとしていた。でも、思ったより他の奴らの足が速く、遅れて向かっている最中に突然目の前にベリアルが現れて気を失ってしまった。気が付けば人体実験の施設で高濃度のネビュラガスを投与されて、すぐさまロストボトルを挿されたらしい。・・・・・・そっからは記憶がないんだと。

 

 

「・・・・・・そっか。」

 

「迷惑をかけて、ごめんなさい・・・・・・。」

 

「いいよ、気にしないで。・・・・・・それに、ジーニアスを手に入れた後だから燐子さんを助けられたしね。」

 

「その・・・・・・桐生さんは、大丈夫なのですか・・・・・・?」

 

「え・・・?」

 

 

俺、何かやらかしたっけ?

 

 

「その・・・・・・過去の事とか・・・・・・。」

 

「え?・・・・・・あぁ、今は大丈夫。もう、『俺のせい』とか考えるのはもう止めた。今はとにかく、ベリアルたちを倒して、愛と平和にあふれた世界を創ることにしてる。俺はもう、迷うつもりはない。」

 

「そう・・・・・・なんですか・・・・・・。」

 

「・・・・・・しばらくここで休んでてください。身体が回復するまで居ていいので。」

 

「あの・・・・・・!」

 

「はい?」

 

「あの・・・・・・敬語、失くしてもらえませんか・・・・・・?」

 

「え?・・・・・・いや、年上だから──」

 

「わたしがそうしたいんです・・・・・・。対等の・・・・・・友達に、なりたくて・・・・・・。」

 

 

・・・・・・そういうお年頃?世間の若者はそういうのが多いのかしら?

 

 

「・・・・・・分かった。よろしくね、燐子。」

 

「はい・・・・・・!」///

 

 

さてと~。

 

 

「(シーッ)・・・・・・。」ガチャッ

 

「「うわぁ!?」」

 

「え!?・・・・・・あ!」

 

 

こっそりとドアを開けると、海璃とあことリサが盗み聞きしてた。さ~て、お楽しみの時間だ~♪

 

 

「な~にしてんのかな~?」

 

「え!?えっと・・・・・・?」

 

「お三方、Are You Ready~?」パキパキ

 

「「ひぃ!?」」

 

「だ、ダメって言ったら・・・?」

 

「答えは聞いてない。」ゴンッ×3

 

 

いや~良い音したな~!さぁて、下に行こ~っと。

 

 

 

 

 

 それで、下に降りると、万丈と紗夜さんとウィズが夜華の淹れたコーヒーを飲んでいる。・・・・・・友希那も飲んでいるが、多分甘いだろう・・・。

 

 

「あら、もういいの?」

 

「あぁ。・・・・・・ウィズ、ちょっと散歩しないか?」

 

「ふぇ?・・・・・・いいけど・・・。」

 

 

俺はウィズを連れて散歩に行く。・・・・・・まぁ、散歩は建前だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 桐生さん、何故葛城さんを連れていったのでしょうか?

 

 

「そういや、海璃たちはどこ行った?」

 

「白金さんのお見舞いに行ったそうですが・・・・・・?」

 

「おそらくは主様と白金様の会話を盗み聞きして頭部にたんこぶを作っている頃かと。」

 

「・・・・・・よくそんな予想が出来るわね?」

 

 

湊さんの言う通りですね。まさか、『たんこぶを作る』まで予想しているとは・・・。そんなの、本当にあるのでしょうか?

 

 

「そんな海璃様は、これから大丈夫なのでしょうか?」

 

「あぁ?」

 

「白金様まで主様に恋心を抱いたら、かなり苦戦するかもしれませんよ?」

 

「そういうものなの?」

 

「・・・・・・さぁ?」

 

 

推測でしたか・・・・・・。でも、もしも私の好きな相手が、白金さんが好きな相手だったら、勝てる気がしないって思えますね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

「それで、お姉さんを連れてどこにお散歩するのかしら~?」

 

 

そういや、話してなかったな。

 

 

「散歩っていうか、案内してほしいんだ。」

 

「はい?」

 

「黒崎晴斗のいる場所に。」

 

「また何故晴斗くんのとこに?」

 

「ジーニアスを持っていてくれたんだ。そのお礼がしたくて。」

 

「マジメだね~。」

 

 

悪かったな、真面目で。

 

 今、俺の身体の中にはエボルトはいない。いるとすれば、葛城映司と大賢者ぐらいだ。でも、その2人(?)は滅多に口を出してこない。

 

 

「でも~、アタシの出番はないかもね~?」

 

「はい?・・・・・・いやいや、案内してよ。」

 

「ムリよ~、ムリムリ。だって()()()()んだもん♪」

 

「え?・・・・・・あ、いた。」

 

 

なんてことでしょう~!目の前に何かを探している素振りをしている黒崎晴斗さんがいるじゃありませんか~!

 

 

「晴斗さん!」

 

「うん?・・・・・・あ、蒼空君。どうしたの?」

 

「先日は、ありがとうございました。」

 

「え?・・・・・・え、ちょっ!?何、急に!?」

 

 

彼が戸惑うのも無理はない。俺は彼の前に来てすぐに頭を下げたんだから。

 

 

「晴斗さんがジーニアスボトルを預かってくれたおかげで、俺はジーニアスフォームになれたんです。だから、そのお礼をしたくて。」

 

「いいよ、そんなの。僕はエボルトに頼まれて預かっただけだし。」

 

「それでも、お礼をしたくて・・・・・・!」

 

「・・・・・・分かった。それじゃあ、運搬費を払ってもらっていい?」

 

「はい。・・・・・・はい?」

 

 

え?あれ費用かかんの?魔法にもお金って発生するの?

 

 

「まず1つ目ね。」

 

「1つ目!?」

 

 

えっと・・・・・・何ヶ月払いがよろしいかしら!?

 

 

「敬語禁止!」

 

「・・・・・・は?」

 

「あんまり敬語使われたくないんだよね。だから、敬語禁止ね。」

 

「は、はぁ・・・。」

 

 

これは、何ヶ月じゃ済まないね。もう何十年のローンだね。しかも、解約が一切出来ない永久ローンの。

 

 

「続いて2つ目。・・・・・・これが最後ね。」

 

「は、はい・・・・・・っ!」

 

 

今度こそ、真面目に真剣に考えないといけないやつか!?

 

 

「人探し手伝って。」

 

「・・・・・・はい?」

 

 

おっと、これはまた斜め上の方から来たな~・・・・・・。

 

 

「実は、僕の幼馴染が行方不明になっててね。その子の友達が手伝ってくれてるんだけど、なかなか見つからなくて・・・・・・。」

 

「携帯とかは?」

 

「連絡しても、圏外だって言われて繋がらないんだ。」

 

「えっと・・・・・・ちなみに、その人の名前は──」

 

はーるーとーくーん!!

 

 

言葉を遮るほどの大きな声。誰だ・・・・・・って、紗夜さん?

 

 

「日菜ちゃん、彩ちゃん、いた?」

 

「い、いないよ・・・・・・!」

 

 

おい、ピンク頭の方がかなり息切れしてっけど?その割には紗夜さん(?)は全然息切れしてないんだよな・・・。

 

 

「蒼空蒼空。あの紗夜さんっぽい人は紗夜さんの双子の妹の『氷川日菜』さんだよ。」

 

「へ~。・・・・・・うん?え?はぁ!?双子の妹ぉぉおおお!?」

 

「へ?・・・・・・あぁ、うん。氷川日菜だよ~。よろしくね~!」

 

 

紗夜さん(あっち)と違って日菜ちゃん(こっち)はラフだな~。

 

 

「ハルトさ~ん!」

 

「うん?・・・・・・また増えた。」

 

 

今度は普通っぽい眼鏡の人と、ハーフっぽい人が来たな・・・。その2人も、同じ人を探してるんだ。見つかってないだろうけど?

 

 

「・・・・・・ちなみに、誰を探してるんですか?」

 

「うん?・・・・・・あ、ごめんね。まだ話してなかったね。探している人は『白鷺千聖』って言って、女優兼アイドルバンド『Pastel*Palettes』のベースの人だよ。」

 

「へ~。・・・・・・うん?はぁ!?女優!?」

 

 

マジかよ・・・・・・色々初耳だよ!?

 

 

「・・・・・・まぁいいや、手伝うよ。それじゃあ、俺は──」

 

「蒼空兄~!何してるの~?」

 

「おっ!和美、良い所に!」

 

 

これでなんとか出来る~!

 

 

「改めて・・・・・・俺は晴斗と、ウィズは日菜さんたちと、和美は麻弥さんたちと探しましょう。」

 

「え?蒼空、どういうつもり?」

 

「この前の燐子の事があるからな。突然ベリアルに連れ去られて、人体実験をさせられたらしいから。」

 

「そういう事ね。オッケ~!」

 

 

俺たちは各チームに分かれて、白鷺千聖を探すことにした。・・・・・・女優って探して見つかるもんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから10分も経たない頃、

 

 

「・・・・・・あれ?あの人、もしかして・・・?」

 

「え?・・・・・・あ、千聖!」

 

 

あ、千聖さんは呼び捨てなんだ・・・・・・。

 

 

「?・・・・・・晴斗・・・!」

 

「良かった~、心配したんだよ?」

 

「ごめんな、さい・・・・・・っ!?」

 

「千聖・・・?」

 

 

うん?顔色が変わった・・・。俺か?俺が原因か!?

 

 

「なんで・・・・・・なんで、晴斗がその人と・・・!?」

 

「え?なんでって・・・・・・って、千聖!?」

 

 

え!?なんで逃げるんだよ!?

 

 

「・・・・・・って、おい!待てよ!!」

 

 

考えてたら出遅れちまった・・・!って、そうだ!

 

 

「・・・・・・もしもし、ウィズか!?」

 

『おやおや、蒼空くん?随分と忙しそうだね~?』

 

「千聖さん見つけた!場所は──」

 

『あ、オッケ~オッケ~!大丈夫~!魔王因子たどればすぐに着くから!」

 

「了解!」

 

 

さっすが魔王因子だ!

 

 

はぁ・・・はぁ・・・やっと追いついた・・・!」

 

「千聖・・・・・・どうしたの・・・?」

 

「どうして・・・・・・貴方が桐生蒼空(その人)といるの・・・!?」

 

「え?・・・・・・なんでって・・・?」

 

 

なんで戸惑うんだよ・・・?しかも、俺が明らかに犯人だよな・・・?

 

 

「どうした?早くボトルを挿せ。」

 

「っ、マグナマイザー!?」

 

「え!?・・・・・・千聖、『ボトル』ってどういう──」

 

「ベリアル様の命を実行しろ!」

 

「うぅ・・・・・・いやぁあああああ!!?」

 

「そんな・・・・・・千聖が・・・・・・!?」

 

 

千聖さんは、ロストボトルとクローンスマッシュの成分を投与されてロストスマッシュになってしまった。しかも、黄羽の(オウル)スマッシュに・・・・・・。

 

 

「・・・・・・やるしかない!」

 

 

俺はドライバーを巻き、ジーニアスボトルを起動した。

 

 

『グレイト!オールイエイ!』『ジーニアス!』

『Are You Ready?』

「変身!」

『ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!!』

 

「ぅわぁあああ!!」

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

 

俺は千聖さんを元に戻すために、自我を失った千聖さんに拳を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 ジード対オウルロストスマッシュ。いくら最強のスマッシュと言えど、最強のビルドの力を手にしたジードの前では、力一歩及ばずの状態だった。だが、ジードはそんな最中に、まだ変身していない晴斗に声をかけた。

 

 

「晴斗!あんたは見てるだけか!?」

 

「・・・・・・っ!?」

 

「ここでネビュラガスを中和しても、あんたが体を張らなきゃ千聖さんの心は悲しんだままだ!!」

 

「でも、僕の力で千聖を救うことは・・・・・・。」

 

「ネビュラガスを中和するのは俺がやる!でも、少しは体を張って幼馴染を助ける努力ぐらいしろよ!!」

 

「・・・・・・分かった!」

 

 

ジードの喝を受けて、晴斗はドライバーを起動した。

 

 

『ドライバーオン プリーズ!』

『シャバドゥビタッチヘンシーン!』

「変身!」

『フレイム ドラゴン! ボーボー ボーボーボー!』

 

 

晴斗は『仮面ライダーウィザード フレイムドラゴンスタイル』に変身して、オウルスマッシュの動きを止めようと努力する。

 

 

「ぐっ!・・・・・・千聖、目を覚まして!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを見ていた獄土の四魔卿(マグナマイザー)は、ドライバーを巻いた。

 

 

「・・・・・・。」

『ポイズン!』

「変身。」

 

 

マグナマイザーはたった1つの姿『仮面ライダー滅』に変身して、武器を持って2人のライダーに襲い掛かる。

 

 

「ハァ!!」

 

「ふっ。」

 

「ぐわっ!・・・・・・お前・・・!?」

 

『スティングスコーピオン! Break Down!』

「あのスマッシュは倒させない。」

 

「何っ──ぐわっ!」

 

 

滅はアタッシュアローの刃でジードを襲う。スペックは滅の方が低いが、蒼空の戦闘スタイルをラーニングしている滅にはある程度対応出来る。

 

 

「こっちはお前の相手をしてる暇ねぇんだよ!」

 

「なら、俺が相手をしてやろう!」

 

「っ!・・・・・・石狩アリエ・・・。いや、ベリアル・・・!」

 

「ベリアル様・・・・・・。」

 

 

石狩アリエという人間の身体を乗っ取っているベリアルが人の姿で現れた。

 

 

『ルギエル!』『エンペラー!』『デモニックフュージョンマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『アトロシアス!フッハッハッハッハッハ!』

 

 

エボルドライバーで変身し、黒い武器(ギガバトルナイザー)を持ったベリアルまでもが、この戦いに参戦した・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今日はここまで!・・・・・・いや、千聖さんを救うとこまで書くと、1万字は軽く越えるから、書きません。

これからは多分、バンドリキャラとのコントを沢山入れれるかもね~?


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第40話 ジーニアス・パワー・フォーメーション!

 
 
「更なる力を手に入れたベリアルは、この世界を破壊するために動き出した。葛城映司の記憶を取り戻した仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルの野望を阻止するべく、ジーニアスボトルの力を使ってベリアルが送り込むスマッシュたちを倒していく。」

「ねぇ、なんでボク出たのに出番あんだけだったの?」

「今回は原作並みに出番あるから安心しろって。」

「しゃーないな~。」

チョロ。それじゃ、第40話どうぞ!」







 

 

 

 

 

 オウルロストスマッシュに変身してしまった白鷺千聖を元に戻すために戦っている蒼空(ジード)晴斗(ウィザード)。だが、そんな戦場にマグナマイザー()とベリアルまで参戦してきた。最初は優勢だったジードとウィザードも、劣勢に陥っていた。

 

 

「ぐっ!・・・・・・これじゃあ、成分を中和出来ない・・・!」

 

「どうするんだよ・・・!?」

 

「ふっふっふ──ぐっ!・・・・・・誰だ?」

 

「アタシだよ!」

 

「ウィズ!?」

 

「ウィズさん!?」

 

 

ベリアルに弾丸を撃ち込んだのは、ショットライザーを構えるウィズだった。その隣にはスクラッシュドライバーを装着している和美、その後ろには千聖以外のパスパレの4人がいた。

 

 

「蒼空兄、ボクたちが滅をなんとかするよ!!」

『ロボットゼリー!』

 

「Youたちはベリアルと、そのスマッシュをなんとかしなよ!」

『ランペイジバレット!』

「・・・・・・そんくらいは出来るよね?」

 

「当たり、前だ・・・!」

 

「僕だって、倒れてるだけじゃないから・・・!」

 

「じゃあ、ヨロ~!」

『オールライズ!』

 

 

ウィズは気の抜けた言葉を送った後、和美と共に変身した。

 

 

「「変身!」」

 

『フルショットライズ!

 Gathering Round! ランペイジガトリング!』

 

『ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

「行くよ、カズミン。」

 

「あぁ!心火を燃やして・・・・・・」

 

「アンタたちは・・・・・・」

 

「「ぶっ潰す!・・・・・・うん?」」

 

 

決め台詞がほぼ同じせいか、最後だけ揃った。

 

 

「滅ぶのは、貴様らだ。」

 

「やれるもんなら・・・・・・」

 

「やってみやがれ、ゴラァ!」

 

 

アタッシュアローを構える滅に、素手のグリスとショットライザーを構えるバルカンが挑む。

 

 

「蒼空君!」

 

「何?」

 

「千聖のこと、任せるよ。」

 

「・・・・・・分かった。でも、ベリアルはどうするんだ?」

 

「なんとかする!」

『ルパッチマジックタッチゴー!』

 

 

ウィザードは立ち上がり、右手に着けた指輪をドライバーにかざして、魔法を使う。

 

 

『コネクト プリーズ!』

「ふっ。」

『ドラゴタイム!』

 

「え?何、そのアイテム?」

 

 

取り出したのは、時計のような形のアイテムだった。ウィザードはそれを右手に着けて、針を赤いゲージの中心に合わせた。

 

 

『セットアップ!』

「さぁ・・・・・・ショータイムだ。」

『スタート!』

 

 

時計のようなアイテム:『ドラゴタイマー』のボタンを押したウィザードは、地面に転がっているウィザーソードガンを持ち、ベリアルに挑む。

 

 

「あ、俺も!」

 

 

少し出遅れたジードは、高速移動でスマッシュに近付き、ベリアルと距離を置いた位置で戦い始める。

 

 

「フッ!ハァ!」

 

「くっ!」『ウォータードラゴン!』

 

「ハハハッ!ハァ──」

 

「はぁ!」

 

「ぐっ!?」

 

「「はぁ!!」」

 

「ぐわっ!?・・・・・・なんだと!?」

 

 

ベリアルと武器をぶつけ合ってるタイミングで『ドラゴタイマー』のボタンを押したウィザード。新たに魔方陣から現れた青いウィザード(ウォータードラゴンスタイル)が2人の間に割って入って、ベリアルを攻撃する。

 

 

「ふっ!・・・・・・え、増えた!?」

 

 

スマッシュを圧倒するジードは、ウィザードたちの戦いを見て驚いた。

 

 

「ふん!2人になったところで、俺に勝てる訳がない!!」

 

「さ~て、「2人かな?」」

『ハリケーンドラゴン!』

 

「ハァ──」

 

「ふっ!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「よっと。残念でした。」

 

「ぐっ・・・・・・3人だと!?」

 

 

上空の魔法陣から、今度は緑のウィザード(ハリケーンドラゴンスタイル)が銃を持って現れ、ベリアルを攻撃する。

 

 

「ふざけやがって・・・!」

 

「もう1人いたりして?」

『ランドドラゴン!』

 

「ハァ!!」

 

 

ベリアルは怒りに任せて黒い武器(ギガバトルナイザー)からエネルギー弾を放つ。だが、弾が放たれる前にウィザードがボタンを押したことによって、弾はウィザードたちに届かなかった。

 

 

「僕もいるんだけど?」

 

「なんだと・・・!?」

 

 

弾丸は、岩の壁と共に現れた黄色のウィザード(ランドドラゴンスタイル)が防いだのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ジードはと言うと・・・・・・。

 

 

「スッゲーな、あの魔法! ふっ! こっちも負けてられないな!」

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!』

 

 

ウィザードの魔法に感動しつつ、ドライバーのレバーを4回以上回した。

 

 

「勝利の法則は、決まった!!」

『Ready Go!』

 

「ウワァアアアアア!!」

 

「ふっ!」

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

「うっ!?うぅ・・・!」

 

 

悲鳴のような叫び声を上げながら攻撃してきたスマッシュに、キックを放ったジード。少し苦しそうに倒れたスマッシュは、体内からボトルを放出し、白鷺千聖の姿に戻った。

 

 

「千聖さん!」

 

「うぅ・・・。」

 

「意識がある。ってことは無事だな。・・・・・・おい!パスパレさん!早く来い!」

 

「え!?わ、私たち・・・!?」

 

「いいから来いって!!千聖さん預けるから!!」

 

「あ、そっか。」

 

「そりゃそうっすよね、ジブンたち呼ぶ理由は。」

 

 

ジードはパスパレ4人を呼び、千聖を渡した後、ベリアルたちの戦いに参戦する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、グリス・バルカン対滅の戦いは・・・・・・。

 

 

「ふっ。」

 

「ぐわぁ!!」

 

「よっと!・・・・・・カズミンは下がってなって!コイツに勝つのは難しいよ?」

 

「今はね・・・・・・。」

 

 

グリスだけが、この戦いのレベルに達していなかった。バルカンから『下がれ』って言われるほどに・・・。

 

 だけど、グリスはそれでも立ち上がり、戦う姿勢を取った。

 

 

「なんで、あの戦争からこうなったのか、オレには分かんねぇ。でもな、今は誰が相手だろうと関係ねぇ!・・・・・・戦ってやるよ・・・!」

 

 

グリスは唐突に『ドラゴンゼリー』を取り出し、ドライバーにセットした。

 

 

『ドラゴンゼリー!』

「グッ!?グワアアアアア!!?」

 

「ハァ!・・・・・・ッ!カズミン!?」

 

「・・・・・・?」

 

 

ドラゴンゼリー・・・・・・いや、ドラゴンの成分は今まで龍哉にしか適応してこなかった。ビルドドライバーで『キードラゴンフォーム』に変身した蒼空でさえ、完全に扱えてなかった。そんなドラゴンの成分を凝縮した『ドラゴンゼリー』をセットしたグリスの身体には、今まで感じたことのないエネルギーが流れ込んでいた。

 

 

「ぐぅぅ・・・・・・ウオオオオオ!!」

『『ツインブレイカー!』』

「はぁ・・・、はぁ・・・、愛と平和のためにーーー!!

 

 

グリスは、気合いでドラゴンの力を自分の物にした。その象徴として、両手にツインブレイカーを装着した。

 

 本来、『ツインブレイカー』は左手に1つのみ装備されているスクラッシュドライバーで変身するライダーの武器だが、『ロボットゼリー』と『ドラゴンゼリー』の2つのスクラッシュゼリーに凝縮した成分をその身に宿すグリスは、2人分の『ツインブレイカー』が使えるようになった。

 

 

調子乗ってんじゃねぇぞゴラァアアア!!

 

「っ、ぐわぁ!」

 

「ウオッ!?ビックリした~!」

 

足りねぇなぁ!全然足りねぇなぁ!!

 

「ぐはっ!」

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、心火を燃やしてぶっ潰す!!

 

「ぐはぁあああ!!」

 

 

グリスの変化は武器だけでなく、自身の能力も飛躍的に向上していた。滅を圧倒するほどに。

 

 

「荒れてるね~、カズミン。」

 

 

バルカンがそんなコメントを放つのも無理ではない。暴れるように『ツインブレイカー』を振り回し、滅を攻撃していた。

 

 

「強靭!剛毅!不屈!誰がオレを満たして、くれるんだよーーー!!?

 

「カズミン、アタシがアイツを蹴り上げるから、ウマく決めてよ!」

 

「おう!」

 

 

バルカンはグリスのパワーアップを認め、サポートに徹することにした。そんなバルカンはショットライザーに付いてるガトリングを1回回し、トリガーを引く。

 

 

「よっと!」

『パワー ランペイジ!』

「フッ!」

『ランペイジパワー ブラスト!』

 

「ぐぅ・・・・・・ふっ!」

 

「ハァ!」

 

「何っ!?」

 

 

ふらふらと立ち上がった滅は、矢を1発放つも、バルカンが左腕でそれを打ち砕いた。

 

 

「そ~らよっと!」

 

「ぐわぁ!」

 

 

さらに、左足でかかと落としをするように地面にすると、滅の上部に巨大な機械の足が出現、滅を地に伏せた。

 

 

「カズミン、次行くよ!」

 

「あぁ!」

 

「ぐっ・・・・・・っ!」

 

「よっと!」

『ランペイジパワー ブラスト!』

 

「ぐっ!?」

 

「飛んでけーーー!!」

 

 

バルカンは起き上がった滅を足で挟み、空高く蹴り上げた。そして、空に飛ばされた滅に、

 

 

『スクラップフィニッシュ!』

食らえぇーーー!!

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

滅より高く飛んだグリスがライダーキックを叩き込む。

 

 

「ふっ!はぁ・・・、はぁ・・・。」

 

「さっすがカズミン♪」

 

「まぁね・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少しだけ時間を遡って、ベリアル対ウィザード&ジード。

 

 

『ファイナルタイム!』

「一気に決める!」

『ドラゴンフォーメーション!』

 

 

針が一周した『ドラゴタイマー』のボタンを押すことで4人のウィザードの身体には、体内に眠るドラゴンの身体の一部を解放できる。フレイムドラゴンはドラゴンの顔、ウォータードラゴンは尾、ハリケーンドラゴンは羽根、ランドドラゴンは爪を解放する。

 

 

「なんだありゃ!?・・・・・・ドラゴン祭りか?」

 

「はぁ・・・・・・、ふっ!」

 

「ぐっ!?」

 

「はぁ!!」「ふっ!」「だぁあああ!!」

 

「ぐわぁ!・・・・・・貴様ら・・・!」

 

 

各ドラゴンスタイルが得意な攻撃を繰り出した後、ウィザーソードガンのソードモードで必殺技を発動させる。

 

 

「フィナーレだ。」

『『『『キャモナスラッシュシェイクハンズ!』』』』

『フレイム!』『ウォーター!』『ハリケーン!』『ランド!』

 

「よし、俺も!」

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!』

『Ready Go!』

「ふっ!」

 

「・・・・・・。」

 

 

ウィザードが必殺技を放とうとしている時に、ジードも必殺技を発動させる。それを、ベリアルは黙って見ていた。

 

 

『『『『スラッシュストライク!』』』』

「「「「はぁ!!」」」」

 

「ハァアアア!!」

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

斬撃を受けた後にライダーキックを受けたベリアルは、予想通り吹き飛ばされた。

 

 

「ぐぅ・・・!」

 

「ベリアル様・・・!」

 

「・・・・・・退くぞ。」

 

 

ベリアルは滅を連れて、姿を消した。

 

 

「意外としぶといな~、獄土は。」

 

「蒼空君、千聖は?」

 

「・・・・・・あっち。」

 

「うん?・・・・・・蒼空兄、上手くいったんだね?」

 

「あぁ。」

 

「良かった~!」

 

「・・・・・・行って来い。」

 

「・・・・・・ありがとう、蒼空君。」

 

 

4人は変身を解いて、晴斗はパスパレの下に向かう。他の3人は、それを見守ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 やっぱり、ジーニアスの力じゃなきゃロストスマッシュは対応できないか・・・。でも、これならベリアルにも勝てる。もしかしたら、俺だけでもベリアルに勝てるかもしれない・・・!

 

 

「蒼空兄、1人で抱え込まないでよ。」

 

「え?・・・・・・急になんだよ?」

 

「ベリアルたちを倒したいのは、ボクだって同じだから。」

 

「そ~そ~、アタシだって戦うから~♪」

 

「・・・・・・ありがとう。ってか、お前はいつも軽い感じだな?」

 

「そ~?」

 

 

とぼけやがって・・・!

 

 ま、こっちは良いとして・・・・・・問題は()()()だよ。

 

 

「あ、晴斗くん!」

 

「千聖・・・・・・千聖・・・!」

 

「う・・・・・・はる、と・・・?」

 

「千聖、大丈夫?」

 

「大丈夫、だけど・・・・・・?」

 

「良かった・・・。」

 

「それはそうと!!」

 

「え?ち、千聖・・・?」

 

 

え、何?急に立ち上がったけど・・・?

 

 

「あなた、一体今までどこに行っていたのかしら?」(圧)

 

「え?・・・・・・あ、いや・・・それは・・・。」

 

「私に会いに来ないで何をしていたのかしら~?」

 

 

あ・・・・・・これは、ヤバいやつだ・・・。

 

 

「蒼空兄、どうしよ~?」

 

「・・・・・・帰ろ。」

 

「そだね~。」

 

「Youたちにさんせ~。」

 

 

蒼空、和美、ウィズ、撤退!

 

 

「えっとね・・・・・・って、蒼空君どこ行くの!?助けてよ~!!」

 

 

知~らねえ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 頭痛~い・・・!さっきの蒼空のげんこつがかなり響いてるのよ・・・!

 

 

「だ、大丈夫・・・・・・ですか・・・・・・?」

 

「痛いけど、大丈夫だよ・・・!」ヒリヒリ

 

「あこ、説得力ないよ・・・!」ヒリヒリ

 

「リサちゃんもね・・・!」ヒリヒリ

 

 

私たちよりかなり重症だった燐子ちゃんに心配されるなんてな・・・。

 

 

「・・・・・・それより燐子ちゃん、もしかしてさっき、蒼空のこと好きになっちゃった?」

 

「え・・・・・・?」///

 

「そうなの、燐子!?」

 

「正直に答えて。別に、私の前とか関係ないから。」

 

「りんりん・・・?」

 

「・・・・・・好きに、なった・・・・・・かもしれません・・・・・・。でも、美剣さんには迷惑かけませ──」

 

「別にいいよ。」

 

「・・・・・・え?」

 

「好きになったんだったら、全力で蒼空を奪いに来てよ。私、負ける気ないから。」

 

「・・・・・・美剣さん・・・。」

 

 

・・・・・・って言ったけど、燐子ちゃんの包容力に勝てるかって言われると「うん」って答えれないんだよな~!でも、必ず蒼空の隣にいるようにしてみせるさ!

 

 それにしても、蒼空もなかなかの色男よね~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のタイトル、なんも思い浮かばなかったから『ランペイジガトリング』と『ジーニアスボトル』と『ドラゴタイマー』の音声から取ったのよ。

さ~て、次回は・・・・・・どうしよっかな~?誰をロストスマッシュにさせようか・・・?


それより!そろそろ感想かなんかくんな~い?コッチが暇すぎるのよ~!


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第41話 奪われる力

 
 
 ベリアル・アトロシアスフォームに立ち向かう1人のライダー。その姿は、赤や黄色のラインが入った白いスーツにジーニアスフォームのような装甲を纏った、怖い眼を持つライダー。それは、ジードだった。


『フルボトルバスター!』
「ふっ!ハァ!」

「ぐわっ!」

『マックスディバイダー!』
「ディバイダーモード。」

「ぐぅ・・・何っ!?」


ジードは『フルボトルバスター』で攻撃した後、右手に鋸が付いた武器を召喚した。ジードはそれを操作し、緑のボタンを押した。


「行くぞ、ソニックディバイダー!」

「ぐっ、ぐぅ・・・・・・っ!?ぐわぁあああ!!」


鋸に溜めた風のエネルギーをベリアルに向けて放ち、大ダメージを与える。さらに、ジードの猛攻は続く。


『マダンダガー!』
「よし、ダガースパイラルチェーン!」

「ぐぅ・・・、なんだ、この鎖は!?」


新たに召喚した短剣から放った文字の鎖がベリアルの動きを封じる。


『イチガンバスター!』『ソウガンブレード!』
「ふっ。」
『It's TIME FOR SPECIAL BUSTER.』
「はぁ・・・・・・はぁ!!」

「ぐはっ!?・・・・・・ぐぅ・・・!」


2つの武器を合体して完成した銃の一撃で、ベリアルに膝をつかせた。


「祝え!全てを支配する魔王の力を解放し、究極の王となった桐生蒼空!その名を『仮面ライダージード ウルティメイトファイナル』!』

『ウルティメイトファイナルジード!スゲーイ!モノスゲーイ!!』





________________________________________






「おっと、わたくしとした事が、かなり先の未来をお見せしてしまったようですね。忘れてください。それでは、本編の方をどうぞ。」








































「更なる力を得て復活したベリアルは、この世界を破壊するために、ロストスマッシュを街に解き放つ。仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルの野望を阻止するべく、ジーニアスの力でスマッシュを元の姿に戻しつつ、ベリアルたちと戦っていた。」

「・・・・・・ねぇ蒼空、さっきの何?」

「何って・・・・・・何?なんかあったか、海璃?」

「いや、これの前になんか戦闘シーンがあったでしょ?あれの事!」

「え?そんなにあった?」

「え・・・?覚えてるのって私だけ・・・?」

「何言ってるのか分かんないけど、とりあえず第41話どうぞ!」







 

 

 

 

 

 今日も燐子の様子を見るために、燐子が泊まっている部屋に来た。・・・・・・千聖さんは、晴斗が診ているようだけど、あんだけ元気なら大丈夫そうなんだよな・・・?

 

 

「燐子、調子はどう?」

 

「はい・・・・・・もう、今まで通りに動けます・・・・・・。」

 

「そっか、それなら良かった。」

 

「それじゃ、後はゆっくり私生活を送れるように、リハビリしていくだけだね?」

 

「そう・・・・・・ですね・・・・・・。」

 

 

・・・・・・うん?あれ、なんか落ち込んでる?いやいや!逆じゃないの!?

 

 

「とりあえず、自分のペースで頑張ってね。」

 

「はい・・・・・・。」

 

 

ひとまず、そそくさと部屋を出て夜華に話に行った。

 

 

「夜華~?」

 

「なんでございましょうか?」

 

「ちょっと良いか?」

 

「構いませんよ。」

 

 

これだけの会話で夜華も察したんだろう。出掛ける支度をし始めた。

 

 

「・・・・・・あれ?蒼空、どこ行くの?」

 

「ちょっと散歩に。」

 

「・・・・・・ふ~ん、気を付けてね。」

 

「お、おう・・・。」

 

 

海璃さんのセリフ、ちょっと圧がかかってたような・・・?まぁ、特になさそうだでいいんだけど。

 

 とにかく、夜華を連れてある場所に向かっていた。・・・・・・いや、ある人物のいる場所に向かっていたって言う方が正しいんだろうな。

 

 

「それで、どちらに向かっているのですか?随分()()()()()()がする方に向かっているようですが?」

 

「・・・・・・察しがいいな。()()()がいるとこに向かっているんだよ。」

 

「何を聞きに行くんですか?」

 

「・・・・・・攻略法だよ。」

 

 

そして、俺たちの目の前に目的の人物が見えてきた。

 

 

「・・・・・・よぉ~、久しぶりだな?」

 

「エボルト・・・・・・この前はありがとな、おかげで前に進むことが出来た。」

 

「礼には及ばない。それで、なんの用だ?」

 

 

目的のエボルト・・・・・・の石動惣一に会いに来た俺たち・・・・・・というか、俺。エボルトに会いに来た目的は1つ。

 

 

「ベリアルを倒す方法だ。ただ攻撃を当てても倒せないんだろ?」

 

「倒せるには倒せる。・・・・・・ただ、お前たちでは倒せない。」

 

「誰なら倒せるんだ?」

 

「そうだな~・・・・・・グリスかウィザード、ゴーストだな。」

 

「主様たちは全員ダメなのですね?」

 

「あぁ、今の奴に『魔王因子』を持つ者の攻撃は全て無駄だ。」

 

 

どういう事だ?・・・・・・確かに、ベリアルと戦っていた時、俺の攻撃はかなりのダメージを与えてたけど、少しベリアルが強くなっている気がした。

 

 

「あいつはな、伏井出ケイの体内にあった『人間には存在しない器官』を奪い取り、自分のものにしたんだよ。」

 

「器官?」

 

「あぁ。知っての通り、この世界はいくつもの世界が合わさっている。その中の1つに存在していた異星人の伏井出ケイは、『いかなるエネルギーも、自分に有利なエネルギーに変える』っていう器官が存在する。ベリアルはそれを奪って自分のものにしている。その器官のせいで、お前たちの攻撃はダメージを与えているが、倒すほどの力になっていない。」

 

「それでか・・・・・・。」

 

 

晴斗の攻撃の方が痛がっていたような気がしたんだよな・・・。

 

 

「その器官の対処をしない限り、お前たちに勝ち目はない。」

 

「・・・・・・なら、奴との戦いで勝つ方法はないのか?」

 

「・・・・・・どういう意味だ?」

 

「申し訳ございませんが主様、魔王因子を吸収されるのでは勝てませんよ?」

 

「ベリアルは倒さない。倒さずに勝てる方法を聞いているんだ。例えば・・・・・・ベリアルを別の世界へ飛ばす、とか?」

 

「面白いことを言うな~。」

 

 

他の世界を犠牲にはしたくないんだけどな・・・。

 

 

「方法ならあるぞ。」

 

「あんの!?」

 

「あぁ。俺の技とジードの技、2つの技をぶつけて亜空間へのゲートを作る。そこに、ベリアルを放り込む。それで、一件落着。」

 

「・・・・・・1つ質問です。」

 

「夜華?」

 

「『亜空間』とは、どういう場所ですか?」

 

 

・・・・・・確かに、並行世界ではなさそうだよな。

 

 

「亜空間は、出口のない空間の狭間だ。ゲートさえ閉じれば、ベリアルは一生亜空間を彷徨うことになる。」

 

「それなら、倒せなくても勝てますね。」

 

「・・・・・・それだけ聞ければ十分だ。」

 

「そう言うなって。お前たちに1つお知らせだ。」

 

「うん?」

 

 

エボルトは俺たちの足を止めさせた。・・・・・・もちろん、言葉でだが。

 

 

「商店街付近でロストスマッシュが暴れている。」

 

「何っ!?」

 

「早く行ってやれ。・・・・・・俺の力の片鱗、上手く使えよ。」

 

「片鱗?」

 

「あぁ、俺のドライバーをお前の魔王因子に学習させた。エボルになれるぞ。」

 

「・・・・・・なるほど、それは都合がいい。」

 

「では、わたくしも。」

 

 

俺たちはドライバーを巻いて、スマッシュのいる場所へ向かうために変身する。

 

 

『エボルドライバー!』

『ラビット!』『ライダーシステム!』『エボリューション!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『エボルラビット!』

「・・・・・・よし。」

 

『スクラッシュドライバー!』

『ダークフルード!』『サイバースドラゴン!』

「変身。」

『割れる!食われる!砕け散る!

 ダークフルード・イン・イグニスファイナリー!』

「では、参りましょう。」

 

 

俺は『エボル ラビットフォーム』に、夜華は黒がメインの『イグニス ダークフルードフォーム』に変身した。そして、俺は高速移動、夜華は影の中からスマッシュがいる商店街に向かった。

 

 

「さ~て、お手並み拝見しますか~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 スタッグロストスマッシュが暴れている商店街。

 

 

「ゥァアアア!!」

 

「「「「きゃあああ!!」」」」

 

 

そこに、海璃とウィズがやって来た。

 

 

「ウィズ、あれって・・・!?」

 

「予想通り、ロストスマッシュだね。」

 

「ッ!? ここは、アタシが守るーーー!!」

 

「「変身!」」

『フルショットライズ!』

 

「ぐはっ!?」

 

 

スマッシュが2人を襲おうとした瞬間、ウィズがショットライザーから変身用の銃弾を放ち、スマッシュを吹き飛ばした。それと同時に、海璃も変身を行う。

 

 

『ランペイジガトリング!』

 

『極ルーブ!イエイ!イエーイ!』

「ルーブコウリン!」

 

 

2人共、変身完了と同時に武器を構えてスマッシュに挑む。

 

 

「ねぇ!これって、蒼空がいないとスマッシュを倒せないんでしょ!?」

 

「倒せるけど、変身者は消滅しちゃうよ!」

 

「なら・・・・・・ギリギリで、留めないと!」

 

「アタシが、みんなを・・・・・・ここを守るんだーーー!!」

 

「きゃっ!?」

 

「うっ!?・・・・・・何よ!?Youは何を守るのさ、そんな身体で!?」

 

「・・・・・・この声って・・・?」

 

「ウオオオ──ぐぅ・・・!」

 

「・・・っ!?」

 

「アイツ・・・・・・蒼空・・・?」

 

 

バルカンが疑問に持つのも無理はない。暴れるスマッシュにダメージを与えてきたのは、『仮面ライダーエボル』なのだから。

 

 

「お待たせ!」

 

「わたくしもいますよ?」

 

「うわっ!?夜華さん、また影から・・・?」

 

 

イグニスは、半ばいつも通りの勢いで影から姿を見せた。

 

 

「後は俺たちに任せろ。」

 

「そうはいかない。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「ベリアル・・・!?」

 

「このタイミングで来ますか・・・・・・。」

 

 

その場に、スマッシュを守るように現れるベリアル。今回は既に変身している。エボルとイグニスからしたら、『さっきベリアルとあまり戦わない方がいいって話したのに・・・。』って思っている。

 

 

「まずは、()()()()()()()()を貰おうか?」

 

「ライダー・・・・・・以外?」

 

 

エボルの脳内には疑問が浮かんだ。ここにライダー以外って考えると、スマッシュしかいなかった。だが、ベリアルが手を上にあげた瞬間、ベリアルの言葉の意味を理解することになった。

 

 

「うっ!?な、何・・・!?」

 

「わたくしの力が・・・!?」

 

「海璃!?夜華も!?」

 

「ウソ・・・、変身が解けた・・・!?」

 

 

ルーブとイグニスの変身が解けたのだ。・・・・・・いや、ルーブとイグニスの力がベリアルに奪われてしまったのだ。

 

 

「どういう事・・・!?」

 

「ベリアル、何をした!?」

 

「その2人の力は、現実のライダーとして存在していない。だから、俺がその力を奪い、魔王因子へと変換して俺の物にしたんだよ。」

 

「そんな・・・!?」

 

「これでは、主様を守ることが・・・!?」

 

「とりあえず、お前たちは休んでろ。」

 

「ここは、葛城姉弟にお任せあれ~。」

 

 

軽いノリで言うバルカンだが、気持ちは軽くなかった。

 

 エボルはボトルを挿したままのドライバーを外し、ビルドドライバーに付け替える。

 

 

「ふっ。」

『グレイト!オールイエイ!』『ジーニアス!』

「ビルドアップ!」

『Are You Ready?』

『ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!!』

 

 

エボルからジーニアスフォームへとフォームチェンジしたジードはバルカンと並び立ち、ベリアルとスマッシュに挑もうとする。

 

 

「・・・・・・蒼空、スマッシュをお願い。」

 

「1人で行けるか?」

 

「これでも、意外と強いのよ?」

 

「・・・・・・分かった。」

 

会議を終えると、ジードはスマッシュに挑み、バルカンはベリアルに挑む。

 

 

「ハァ!!」

 

「ぐぅ・・・!今回はお前が相手か。」

 

「ハッ!オネーサンが相手よ、ありがたく思いなさい!」

『Kong's Ability.』

「ヨッと!!」

 

「ぐっ!なら、俺を楽しませろよ。」

 

「危なっ!?・・・・・・もう、そんな長いモン振り回しちゃって・・・!」

 

 

拳銃(ショットライザー)棍棒(ギガバトルナイザー)だと、いくら遠距離攻撃が出来るバルカンでも、戦い辛かった。

 

 だが、そこに夜華が武器を1つ、バルカンに投げ渡す。

 

 

「ウィズ様、これを!」

 

「ッ!それ、借りるね!」

『ビートクローザー!』

 

 

渡したのは、紫色で塗装されたイグニス用の『ビートクローザー』だった。

 

 

「ついでにコレも!」

『Tiger's Ability.』

「ヨッ!ハッ!オリャアアア!!」

 

「ぐっ!」

 

「オ~!こりゃイイ!使えるわ~!」

 

 

右に炎を纏った『ビートクローザー』、左に『ショットライザー』を持ったバルカンは、ベリアルを圧倒していく。近距離になれば斬撃を、遠距離になれば銃撃を放ち、ベリアルを苦しめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ジードの方は、既に必殺技を放とうとしていた。

 

 

「勝利の法則は決まった!」

『ワンサイド!』『逆サイド!』『『オールサイド!』』

 

「ぐっ・・・、ウアアアアア!!」

 

『Ready Go!』『ジーニアスフィニッシュ!』

「はぁ・・・・・・ハァ!!」

 

「ぐわっ!?」

 

 

ジードは、過去にハザードフォームでスタッグスマッシュを倒したように、首元にライダーキックを決めた。だが、今回はただ破壊するためじゃない。ジーニアスの成分を送り込み、ネビュラガスの成分を中和するためだ。

 

 

「うっ、うぅ・・・。」

 

「ふぅ・・・・・・って、あれ?どっかで見たことあるような・・・?」

 

「あ、やっぱり!巴ちゃんじゃん!!」

 

「え?・・・・・・あぁ、確かAfterglowの。って、なんで?」

 

「そんなの私が聞きたいよ!」

 

「まぁいいや。海璃、夜華、巴を頼む。」

 

「りょーかい!」

 

「かしこまりました。」

 

 

海璃と夜華は気を失っている巴を連れて、安全な場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場面を戻して、バルカン対ベリアル。そこまで距離が離れてないから、ロストスマッシュがやられた事も見えていた。

 

 

「また、消滅しなかった・・・!?」

 

「よそ見しないの!!」

『パワー『スピードランペイジ!』

「よっと!」

『ランペイジスピード ブラスト!』

 

 

バルカンはガトリングを2回回して、銃口からハチの針を何本か放つ。

 

 

「ぐっ!」

 

「行っくよ~!」

 

 

針の攻撃でふらふらしているベリアルに追撃をするため、チーターの能力で高速で近付き、その勢いのまま何回も蹴りながら上がって、すぐさま姿を消した。

 

 

「がはっ!?この──何っ!?どこに行った・・・!?」

 

「上だよ!!」

 

「っ!?」

 

 

バルカンは姿を消した訳ではなく、ファルコンの力で高速移動してベリアルの上空に移動、そこから一直線に降りて『ビートクローザー』で一閃する。

 

 

「セイハー!!」

『ランペイジスピード ブラスト!』

 

「ぐはっ!?」

 

 

『ギガバトルナイザー』で防ごうとしても、勢いには勝てず、ダメージを受けてしまった。

 

 

「ぐっ・・・!なら・・・・・・ふっ!」

 

「うん?ぐわっ!」

 

「ッ、蒼空!!」

 

 

ベリアルは『ギガバトルナイザー』でロストボトルを回収したジードを狙撃した。バルカンは狙撃されたジードを第一に心配して駆け寄る。ベリアルはふらふらしながら今までジードが回収していったロストボトルを回収した。

 

 

「じゃあな。」

 

「くっ、待て・・・!」

 

「・・・・・・なんでロストボトルを・・・!?」

 

「でも、一番厄介なのは・・・・・・ベリアルがかなり強化されたってことだよ。」

 

「え?・・・・・・どゆ事?」

 

「あいつ、俺たちの攻撃のエネルギーを吸収して力を蓄えてるんだよ。特に、魔王因子を持ったライダーの攻撃にな。」

 

「マジか・・・・・・。」

 

 

ジードとバルカンは、ベリアルの情報を共有して、バルカンは少しヤバいと思った・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ってことで、オリジナルライダーがジードだけになりました。どうせね、イメージ出来ないだろうと思って。・・・・・・ネタバレ回を見た奴らは知ってるだろうけど、そっちにイグニス出てんねんな~。・・・・・・夜華と海璃には、いずれ別の原作のライダーを送ります。まぁね、決まってるんだけどね。

 そろそろ最終決戦書こっかな~?・・・・・・え?序盤に何かありましたっけ?存じ上げないな~。


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第42話 開幕・最終決戦!

 
 
「更なる力を得て復活したベリアルは、この世界を破壊するために動き出す。葛城映司の記憶が戻った仮面ライダージードの桐生蒼空は、ベリアルを倒すための作戦を考える。」

「もぉ~!なんで私戦えないのよ~!?タイトルからして最終決戦が今回から始まるのに!」

「しゃーないよ。オリジナルライダーは読者にイメージ出来ないから。」

「簡単じゃな~い、原作のルーブにビルドドライバーを付けるだけじゃない!」

「それが分かればこうならねぇよ。んじゃ、第42話どうぞ!」







 

 

 

 

 

 前回の後、俺は1人で研究室にいた。だが、脳内では騒がしかった。

 

 

《解。最適な攻略方法を検出しました。》

 

(・・・・・・教えてくれ。)

 

《了。まず、ベリアル内の魔王因子とストルム器官を消します。続いて、エボルと協力して亜空間へのゲートを作り、ベリアルをその中へ送ります。》

 

(なるほどな~。・・・・・・ん?『魔王因子とストルム器官を消す』って、どうすんの?)

 

《解。魔王因子とストルム器官を分解する成分を表示します。》

 

 

・・・・・・なるほど。随分と創りやすい成分だな。とりあえずそれを完成させて・・・・・・万丈か誰かにその成分でベリアルを攻撃して、俺とエボルトで次元送りにする。これが正解かな?

 

 

「蒼空兄。」

 

「うん?どうした、和美。それに紫音も。」

 

 

頭の中でだいたい整理がついたとこで、和美と紫音が研究室に入ってきた。

 

 

「・・・・・・ボクたちに、強化アイテムを創ってくれない?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「時間がないのは分かってる!」

 

「でも、あたしたちだってあなたたちの足を引っ張りたくないの!」

 

「・・・・・・はぁ。」

 

 

俺は2つのアイテムを2人に見せた。

 

 

「それは・・・・・・ナックル?」

 

「それに、ワニのアイテムも・・・?」

 

「ナックルの方は、グリスのために開発した強化アイテム。もう1つはローグの強化アイテムだ。」

 

「これが・・・!」

 

「だけど、これで変身はしないでくれ。」

 

「え・・・?」

 

「どういう事・・・?」

 

 

ま、そういう反応するよな・・・。俺はグリスの強化アイテム(グリスブリザードナックル)ローグの強化アイテム(プライムローグフルボトル)に共通するデメリットを説明することにした。

 

 

「まず、どっちもビルドドライバーで使用するアイテムだ。」

 

「マジかよ?」

 

「そして、それで変身するとハザードレベルが急激に上昇して人間の限界値を超える。そして、身体が耐えられなくなり消滅する。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「一応、紫音にはビルドドライバーを渡しておく。」

 

「なんで、そんなアイテムをあたしに渡すの?」

 

「魔王因子を持つお前なら、ある程度は耐えられる。だが、変身しても短時間にしてくれ。長時間変身すると、さっきの副作用に襲われる。」

 

「「・・・・・・・・・・・・。」」

 

 

やっぱり、黙るよな。正直、このアイテムを渡したくなかった。ベリアルたちと戦うってことになると、短期戦は絶対に無理だ。和美に至っては魔王因子もないから、変身した瞬間に消滅は免れない。

 

 

「・・・・・・それでも構わない。命をかけて戦うのが仮面ライダーでしょ?」

 

「和美・・・・・・。」

 

「それに、ボクがいなくても何も問題は──」

 

「お前がいなくなったら、俺たちが悲しむ。」

 

「蒼空兄・・・・・・。心配しないで、これはビルドドライバー用でしょ?ボク、スクラッシュドライバーしかないからさ!」

 

 

なら、いいんだけどな・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空は研究室に籠りっぱなし。私は万丈を連れて公園のベンチでちょっと会話しよ~ってなって、今公園にいんのよ。

 

 

「・・・・・・どうしたんだよ?」

 

「知ってるかもしれないけど、今の私には変身して戦えない。だから、蒼空の事を頼むよ。」

 

「んなもん分かってるよ。」

 

「それと!香澄を心配させないでよ~!」

 

「させっかよ!」

 

 

も~ムキになっちゃって~!

 

 

「龍~くん!」

 

「あれ?香澄じゃな~い!どしたの?」

 

「龍くん、必ず帰ってきてね。」

 

「・・・・・・当たり前だ。」

 

 

いや~青春してんな~。・・・・・・私も、蒼空とイチャイチャしてこよっかな~?・・・・・・あれ?告白の返事もらったっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『ランペイジガトリング!』

『Falcon's Ability.』

 

 

もぉ~!ベリアルを倒すために、()()()()()の力を借りようと思って動いてるのはいいんだけど・・・・・・1人目からなんで連絡先を教えてくれないかな~?しかも、前に住所だけ渡されたけど、か~な~り遠いんですけど!?

 

 

「そろそろ~・・・・・・あった!!」

 

 

着いた~!もう~、どこに住んでのよ~!?探すの苦労したわ~!

 

 

『ピンポーン♪』

 

「はい。・・・・・・あ、ウィズさん。」

 

「どうも~。尊くんやい、Youはなんでこんな断崖絶壁に住んでんのよ?」

 

「いや、実家がここで・・・・・・。」

 

「大変だったよ~!なんで蒼空の家からここまで飛んで来なきゃいけないのさ~!?」

 

「あの・・・・・・?」

 

「・・・・・・あれ?You、後ろの()は誰?」

 

「え?・・・・・・あぁ、今度高校生になる倉田(くらた)ましろです。」

 

「こ、こんにちは・・・・・・。」

 

「ハロ~!ちょっとこのダーリン借りるね。」

 

「だ、ダーリン・・・!?」///

 

「ウィズさん、ましろは純粋なんだから、茶化さないでくださいよ。」

 

 

え~!?面白そうなのにな~!?

 

 

「だったら、Youから説明してよ。『ベリアルとの最終決戦に行く』って。」

 

「・・・・・・上手く誤魔化して言いますよ。」

 

「じゃ、ヨロ~!」

 

 

さて、次はアイツらだから・・・・・・住所をスマホに登録してっと。

 

 

「遠いな・・・。」

『ランペイジバレット!』『オールライズ!』

 

 

まぁ、断崖絶壁の家から向かうんだから、遠いよね~?

 

 

「変身。」

『フルショットライズ!』『ランペイジガトリング!』

『Falcon's Ability.』

「それじゃ、行きますか~!」

 

 

・・・・・・これ、便利だね。なんでバルカンに飛行フォームないんだろ~?どのライダーにすれば、この『ファルコン』が使えたんだろうな~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 ・・・・・・よし、対ベリアルの成分は完成だ。これを万丈か和美のナックル、もしくは俺の武器にセットしてベリアルを攻撃すれば・・・・・・。

 

 

「蒼空、くん・・・・・・。」

 

「ん?・・・・・・燐子。もう身体は大丈夫になったでしょ?」

 

「うん・・・・・・でも、無理してない・・・・・・?」

 

「え?急にどうしたんだよ?」

 

「なんとなく・・・・・・周りがピリピリ、してたから・・・・・・。」

 

 

意外と鋭いな。みんなも、もうすぐベリアルとの最終決戦が始まるってことが分かってるんだ。・・・・・・実は、夜華が『ベリアルが次の戦いで世界を破壊しに来る』って聞いたから、急いで準備をしている。それは、みんなにも伝えたのか察したのか?

 

 

「大丈夫!俺はこの通り、平気だからさ。」

 

「・・・・・・なら、いいんですけど・・・・・・。死なないでくださいね・・・・・・!」

 

「・・・・・・ふふっ!燐子さんよ、あなたが不吉な事言ってどうすんの?」

 

「え?・・・・・・あ、ごめんなさい・・・・・・!」

 

「いいよ、気にしないで。」

 

「あ・・・・・・!」///

 

「俺は・・・・・・俺たちは、必ず勝つから。」

 

「うん・・・・・・!」///

 

 

俺は燐子に安心してもらうために、燐子の頭に手を置いて、そんな言葉をかけた。

 

 最悪の場合は・・・・・・魔王の力を使うだけだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 そして、和美と紫音は2人である話をしていた。・・・・・・いや、和美が紫音にお願いをしようとしていた。

 

 

「・・・・・・どうしたの?」

 

「・・・・・・魔王因子ってどこにあるの?」

 

「・・・・・・死ぬ気?」

 

「正直、死ぬつもりはないよ。でも、そうでもしないと勝てそうにないから・・・・・・。だから、教えて。魔王因子はどこにあるの?おねーちゃんが注入した場所は?」

 

「・・・・・・んじゃ、これをどうぞ。」

 

 

紫音がポケットから出して渡したフルボトル。その色合いは、パンドラボックスのボトルでも、ロストボトルでもなかった。サンプルのような色合いだった。

 

 

「これって・・・・・・?」

 

「その中には、蒼空から採取した魔王因子が入ってる。」

 

「・・・・・・ありがと。」

 

 

朝倉姉妹は、言葉数が少なくても分かった。自分たちがこの後最終的にどうなるかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 さて、次の場所は・・・・・・あった。あそこだ!

 

 

「・・・・・・よっと!着いた~!」

 

「うわっ!?」

 

「ビックリした~!」

 

「あぁ~、ごめんね~。」

 

 

目的のお2人さんがもう見つかったわ~。とりあえず、変身を解いて、と。

 

 

「ごめんごめん、Youたちに頼み事があってね~。」

 

「僕たちに、ですか?」

 

「そそ!『宝生唯兎(ほうじょうゆいと)』と『葛葉昂汰(かずらばこうた)』にね。」

 

 

後は、晴斗にもオファーしたら、完璧ね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 そして、次の日。街にハードガーディアンを引き連れて現れたベリアル。

 

 

「ここに宣言する!今から、このベリアルがこの世界を破壊する!!」

 

 

その宣言と共に、ハードガーディアンが一斉に街を攻撃し始めた。

 

 

「ベリアル!!」

 

「あぁ?・・・・・・ほぉ、今回は貴様らか?」

 

「あんたは、ここで退場してもらうよ。」

 

「ボクたちがあんたをぶっ潰すからね!」

 

「この世界は、俺たち仮面ライダーが守る!!」

 

 

目の前に現れた龍哉、和美、紫音がそれぞれのアイテムを使って変身する。

 

 

『Are You Ready?』

「「「変身!!」」」

『クローズマグマ!』

『クロコダイル・イン・ローグ!』

『ロボット・イン・グリス!』

 

「・・・・・・行け。」

 

「行くぜ!!」

 

「心火を燃やしてぶっ潰す!!」

 

「大義のための、犠牲となりな!!」

 

 

ベリアルはハードガーディアンに指示をしてハードガーディアンたちは攻撃を開始する。クローズたちはハードガーディアンたちを倒しに挑む。

 

 

「万丈、ここはあたしたちに任せて!」

 

「龍兄はベリアルを!」

 

「おう!」

 

 

クローズはビートクローザーを持ち、ハードガーディアンを破壊しつつベリアルに近付く。

 

 

「おりゃ!はぁ!・・・・・・ベリアル!!」

 

「ふん、来い!」

 

「おりゃ!」

 

「ふんっ!!」

 

 

ビートクローザーとギガバトルナイザーをぶつけ合い、火花を散らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この戦いは、花咲川学園に避難してきた者全員に各携帯から配信で見ることが出来た。校長の計らいだが。

 

 そのおかげでクローズの戦いを見ることが出来る香澄たち。

 

 

「龍くん・・・・・・!」

 

「大丈夫だ、なんてったってあの筋肉バカだぞ。簡単にはやられないさ。」

 

「有咲・・・・・・ありがと~!」

 

「ちょまっ!?抱き着くな~!」

 

 

 

「雑談もそこまでだ。」

 

 

 

「え?・・・・・・アイツは・・・!?」

 

 

有咲が聞きなれない声のする方を見ると、そこには『仮面ライダー滅』がアタッシュアローを持って避難所になっている体育館に入ってきた。

 

 

「皆さん、早く別の場所に──」

 

「ふっ。」

 

「きゃっ!?くっ・・・!?」

 

 

紗夜が全員の前に立ち、滅に立ち向かおうとドライバーを巻こうとしたが、滅はそれを察知して矢を放ち、ドライバーを破壊した。

 

 

「・・・・・・聞こえるか、クローズ。攻撃を止めろ。」

 

『あぁ!?・・・・・・なっ!?』

 

「龍くん!!」

 

 

滅は空中にスクリーン映像を映し出し、そこに見えるクローズに声をかける。

 

 

『なんでテメェがそこにいるんだよ!?』

 

「そんな事を気にしている場合か?武器を捨てて、ベリアル様の攻撃を受けろ。」

 

『んだと・・・!?』

 

「出なければ、こいつらの命は無いぞ。」

 

『止めろ!!』

 

「なら、武器を捨てて抵抗せずに滅びよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その間、グリスとローグはハードガーディアンを全て破壊出来た。

 

 

『スクラップフィニッシュ!』

「オリャアアア!!」

 

『クラックアップフィニッシュ!』

「ハァアアア!!」

 

「龍兄!」

 

「・・・・・・今から、花咲川に行っても・・・!?」

 

 

ここから花咲川は少し遠かった。だから、今から花咲川に向かえば犠牲が出るかもしれない。・・・・・・いや、1人でも犠牲が出ることは明白だった。

 

 

「獄土か・・・。甘いな、仮面ライダー共!」

 

「っ!ぐわっ!」

 

「ぐっ!」

 

「うわぁ!」

 

「お前たちが『守るもの』は、弱点になる。それが、貴様らが甘く、滅びる原因だ!!」

 

「ぐっ!・・・・・・んだと・・・!?」

 

 

いつもならここから反撃をしているが、人質がいるため反撃できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、人質が多い花咲川には、怪奇現象が起きていた。

 

 

「なんだ、これは・・・!?」

 

「何、あれ・・・?」

 

「上着が・・・・・・敵を・・・?」

 

 

黒いパーカーのお化けが、滅を攻撃していたのだ。

 

 攻撃されつつ、体育館の外に追い出された滅。その前に、オレンジ色のラインを身体中に纏う1人の戦士が現れた。

 

 

『カイガン!オレ!

 レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

「あれって・・・・・・あの時の・・・!」

 

「仮面ライダー・・・・・・。」

 

 

紗夜は特にだが、その戦士はこの前現れて紗夜たちの手助けをした『仮面ライダーゴースト』だった。

 

 

「これ以上、お前の思い通りにさせない!」

 

「・・・・・・ふん、貴様1人で何が出来る?」

 

「1人じゃないんだよね~。」

 

「っ!」

 

 

滅を中心とした場所に何発かの銀色の銃弾が被弾した。そして、撃った張本人は緑色の風に乗ってきて、地面に着地した『仮面ライダーウィザード(ハリケーンスタイル)』だった。

 

 

「行こうか?」

 

「あぁ。」

 

『ハリケーン・ドラゴン!

 ビュービュー! ビュービュービュービュー!』

 

『闘魂カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト!

 ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!』

 

 

片方は全身赤い姿(闘魂ブースト魂)、もう片方は全身緑の龍を纏った姿(ハリケーンドラゴンスタイル)に変身して、滅に挑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ベリアルや滅とは別行動で羽丘に来ていたガオウ。目的は、羽丘の生徒内でライダーになれる者の排除だった。だが、

 

 

「・・・・・・ぐっ!?誰だ!?」

 

「あら、久しぶりね?」

 

「貴様・・・!?」

 

 

校内に入ろうとするガオウに銃撃を撃ち込んだ濃い青色のバルカン(アサルトウルフフォーム)が、ガオウに喧嘩を売る。

 

 

「Youちょっとアタシの相手をしなよ!」

『オールライズ!』

「フッ!」

『フルショットライズ!ランペイジガトリング!』

「ハァアアア!!」

 

「今度こそ、噛み砕いてやる!!」

 

 

夜華から借りたビートクローザーと、ガオウガッシャーが火花を散らす。バルカンは剣だけじゃなくショットライザーも持っているから、一歩有利だったりする・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ、万丈!マグナマイザーが香澄たちから離れた!」

 

「っ、よし!!おりゃぁあああ!!」

 

「ぐっ!」

 

 

ローグが向こうの状況を映しているスクリーンを見て、攻撃可能な状況をクローズに伝えると、クローズの拳が猛威を奮う。

 

 

「香澄たちは、弱点なんかじゃねぇ!!守りたいもののために戦う、俺たちはそうやって強くなるんだよ!!」

 

「なんだと・・・!?」

 

「うおおおおお!!」

 

 

クローズは勢いに任せて、ベリアルを殴りまくる。・・・・・・武器はさっき手放したから。

 

 

「力が漲る!魂が、燃える!!」

 

「ぐっ!?」

 

「俺のマグマ迸る!!」

『Ready Go!』

「もう誰にも、止められねぇ!!」

 

 

レバーを4回回したクローズは両手にマグマのエネルギーを込めて、ベリアルを何発も殴る。

 

 

「おりゃあああ!!」

『ボルテックフィニッシュ!』

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「和美!!」

 

「あたしたちが押さえるから、()()を!!」

 

「おう!!」

『ボトルキーン!』

 

 

クローズとローグがベリアルの腕をそれぞれ押さえつけ、グリスは水色のナックルに『対ベリアル用のボトル』をセットして、攻撃を放つ。

 

 

「っ、させるかぁあああ!!」

 

「ぐわぁ!!」

 

「うっ!?」

 

「はぁ!!」

 

「ぐはっ!」

 

 

ベリアルは2人を振り払い、自身の長い爪でクローズとローグを斬り裂き、続いて殴ってきたグリスのナックルをかわしながら、爪で斬り付ける。

 

 

「ふん、何を企んでるのか知らないが・・・・・・これで終わりだ。」

 

「ぐっ・・・!?」

 

 

ベリアルは鋭い爪をクローズに目掛けて突き刺す。

 

 

「はぁ──何!?」

 

「ふっ、はぁ!!」

 

「ぐわぁ!」

 

 

だが、そんな一撃は大剣によって防がれた。防いだのは、ベリアルの体内から魔王因子とストルム器官が消滅してから出てくる予定だったジードだった。・・・・・・姿は『ラビットラビットフォーム』だから、大剣はフルボトルバスターを意味するんだけどね。

 

 

「蒼空・・・!?」

 

「なんで出てきたの・・・!?」

 

「ジーっとしてても、ドーにもならねぇからな。」

 

 

ジードはフルボトルバスターを構えて、ベリアルに挑む。

 

 

「ふん!俺の遺伝子を持ちながら、俺に逆らう愚か者が・・・!」

 

「ベリアル・・・・・・俺が相手だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 書けた~!なんかさ、イメージ出来る?原作のジードの最終決戦をベースに書いてんのよ。

 リメイク前はね、万丈とベリアルの戦いにカズミンと紫音はいなかったんよ。・・・・・・いらん事言うと、紫音はTシャツ以外はまともな格好になりました。上着の前を開ければ『オラァ!』って感じでボケTシャツが見えちゃうよ~!


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第43話 希望のカケラ

 
 
「最凶の力を持つベリアルはこの世界を破壊するために動き出す。仮面ライダージードの桐生蒼空は、他のライダーたちと共にベリアルたちを倒そうとする。だが、ベリアルたちの策略や力に翻弄されてしまう・・・・・・。」







 

 

 

 

 

 蒼空が考えた作戦は、龍哉・和美・紫音がベリアルの体内にある魔王因子とストルム器官を消滅させる。その後、蒼空がエボルトと共に現れてベリアルを亜空間に送り込む。

 

 だが、未だにベリアルの体内から魔王因子とストルム器官は消えてなかった。だが、今ベリアルと対峙しているのは、蒼空(ジード)だった。

 

 

「ベリアル・・・・・・俺が相手だ!」

 

「ふん、俺に勝てるのか?」

 

「勝ってみせる!」

 

 

ジードは一度距離を置き、ハザードトリガーとフルフルラビットタンクボトルをドライバーから外し、2本のボトルをセットした。

 

 

『ジード!』『キング!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『ロイヤルメガマスター!』

 

「ほぉ・・・、その姿か。」

 

 

以前ベリアルを倒したフォームで戦うジード。そして、強化されているベリアルに対抗するため、前回持っていなかった『ジードクロー』も装備している。

 

 

「ふっ、はぁ!」

 

「ぐっ・・・!」

 

『シフトイントゥマキシマム!』

「これでも食らえ。ディフュージョンシャワー!」

 

 

ジードは『ジードクロー』の形を変えて、ベリアルに上空から注がれる光の矢の雨を放つ。今までその攻撃を受けた敵は全て倒せている。だが・・・・・・。

 

 

「ふふふ・・・。これで終わりか?」

 

「何っ!?」

 

「こちらから行くぞ!」

 

「ぐっ!ぐわぁ!」

 

 

攻撃によって発生した煙から現れたベリアルが、爪を使ってジードを攻撃する。ジーニアスフォームに比べれば身体能力が弱いロイヤルメガマスターフォームでは、歯が立たなかった。

 

 

「やっぱり、これしかないか!」

『グレイト!オールイエイ!』『ジーニアス!』

『イエイ!』『イエイ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!!』

 

「確かに、前の俺ならそれで勝てるかもしれないが・・・・・・今の俺にそんな小細工は通用しない!」

 

「っ・・・・・・!?」

(悪いけど、ちょっと厳しいから・・・・・・来てくれ、エボルト!)

 

 

テレパシーを使ってエボルトに応戦してもらうように言うジード。

 

 そんなエボルトは・・・・・・。

 

 

「ったく、仕方ねぇな。」

『コブラ!』『ライダーシステム!』『エボリューション!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『エボルコブラ!フッハッハッハッハッハッハ!』

「さて、行きますか~!」

 

 

作戦待機場所で変身し、高速移動でベリアルとジードの下に向かう。

 

 

「ハァ!」

 

「ぐっ・・・!エボルトか・・・・・・。」

 

「正解!」

 

「行くぞ、エボルト。」

 

「・・・・・・よっし!」

 

 

ここから、ジード&エボル対ベリアルの対決が開幕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、花咲川女子学園で滅と戦ってるウィザードとゴースト。

 

 

「そろそろ決めましょう!」

 

「うん。」

『シャバドゥビタッチヘンシーン!』

『フレイム ドラゴン! ボーボー ボーボーボー!』

 

「みんな行くよ!」

『グレイトフル!』『ガッチリミナー!コッチニキナー!』

『ゼンカイガン!

 ケンゴウハッケンキョショウニオウサマサムライボウズニスナイパー!大変化!』

 

 

ウィザードは全身赤の『フレイムドラゴンスタイル』、ゴーストは15の英雄の力を1つにした『グレイトフル魂』に変身した。

 

 

「ここは、退いた方がいいか。」

『ポイズン!』

『Progrise key comfirmed. Ready to utilize.』

 

 

危険を察知したのか、滅はドライバーにセットしていた『スコーピオンプログライズキー』を武器にセットして、斜め上に矢を放った。

 

 

「ふっ。」

『スティング カバンシュート!』

 

「っ!」

『ディフェンド プリーズ!』

 

「これは・・・!」

 

 

上空に放たれた1本の矢は、無数の矢へと変換され、2人のライダーに降り注ぐ。だが、ウィザードは防御魔法を、ゴーストは『ガンガンセイバー ハンマーモード』を使い、無数の矢が自分に当たらないようにする。

 

 

「ふぅ~。」

 

「・・・・・・晴斗さん!」

 

「うん?・・・・・・あれ?いない・・・。」

 

 

滅はこの場から姿を消していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、羽丘女子学園で戦っているバルカンとガオウ。

 

 

「これで決めてあげる!」

『パワーランペイジ!』

「よっと!」

『ランペイジパワー ブラスト!』

 

「あぁ、決めてやる。」

『フルチャージ!』

 

 

2人共、必殺技を発動させる。ガオウはガオウガッシャーの剣先を飛ばし、バルカンを遠距離で斬ろうとする。が、バルカンは左腕でその剣先を殴り落とした。

 

 

「ほらよっと!」

 

「ぐわっ!」

 

 

そのまま、左足でかかと落としをその場でするバルカン。ガオウの頭上には機械の足のようなエネルギーが現れ、ガオウを踏み潰した。

 

 最後にバルカンがサメのオーラを纏い、ガオウを蹴りに行く。

 

 

「ハァアアア!!」

 

『ゼツメツ ディストピア!』

 

「ハァア──キャッ!!・・・・・・え、何ッ!?誰ッ!?」

 

 

キックを決めようとしたバルカンに“雷”の斬撃が襲い、キックが決まらなかった。そして、斬撃を放った人物は・・・・・・ガオウの後ろに立っている赤いライダーだった。手にはライダーが持つとは思えない羽根のような剣を持っている。

 

 

「・・・・・・あれって、獄土と同じベルト・・・。」

 

「・・・・・・マグナマイザーが作ったやつか。じゃあな!」

 

「ちょっ!?逃がすと思ってんの!?」

『パワー『スピードランペイジ!』

『ランペイジスピード ブラスト!』

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

ガオウがこの場を去ろうとするが、バルカンはスピードに長けた能力を発動させる。だが、その場に現れた赤いライダーがドライバーを操作して、技を発動した。

 

 

「ハァアアア!!」

 

『ゼツメツ ユートピア!』

「ハァ!!」

 

「ウッ!?・・・・・・この──あれ?」

 

 

ハチの能力で放った弾丸を破壊しつつバルカンにダメージを与えた雷撃を放ったライダーは、バルカンが一度倒れて立ち上がった時にはガオウと共に消えていた。

 

 

「・・・・・・次こそはぶっ潰してあげるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ジードとエボル対ベリアルの戦い。エボルはまだ『フェーズ1』だが、魔王因子をかなり吸収したベリアルには敵わなかった。

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「蒼空・・・・・・どうするんだ!?」

 

「お前たちに、俺を倒すことは出来ない。お前たちには、ここで終わってもらう。」

 

 

ベリアルは爪をジードに向け、攻撃をしようとしていた。

 

 だが、ベリアルの意識していない所で、“ボトル”を武器にセットして、ベリアルを殴りに行っていた。

 

 

「っ・・・!」

 

「終わりだ、ジード。」

 

ベリアルーーー!!

 

「っ!?」

 

オリャアアアアア!!

『ボルケニックナックル!アチャー!』

 

「ぐっ!?なんだ、力が・・・!?」

 

 

クローズが放った『ボルケニックナックル』は、マグマの力だけではなくベリアルの体内にある魔王因子とストルム器官を消す力がこもった一撃となっていた。

 

 

「まさか・・・・・・俺の、力を・・・!?」

 

「・・・・・・まさか、万丈が使ってるのって・・・!?」

 

「ぐぅ・・・・・・うおおおおお!!

 

「うぅ・・・・・・このままで、終われるかーーー!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「っ、万丈!!」

 

「龍兄ぃ!!」

 

 

クローズはベリアルの強力な爪の一撃を受けて吹き飛ばされ、変身が解除されて倒れてしまう。

 

 だが、龍哉のおかげでベリアルの体内から魔王因子とストルム器官が消滅していた。

 

 

「・・・・・・万丈のおかげで、なんとかなりそうだな・・・!」

 

「だが・・・・・・俺の体力もそろそろ限界かも・・・!?」

 

「ぐっ、貴様ら・・・!」

 

『ハイパークリティカルスパーキング!』

 

「っ!?」

 

「なんだ・・・?」

 

「ハァアアア!!」

 

「っ、ぐわぁあああ!!」

 

 

どこからともなく聞こえてきたハイテンションな音声と共に、どこからともなく現れた全身金色の戦士がベリアルを蹴り飛ばした。

 

 

「誰だ、貴様は!?」

 

「・・・・・・あれは・・・?」

 

「仮面ライダーエグゼイド・・・・・・なんでこの戦いに?」

 

「どっかのお嬢さんにスカウトされたからな。」

 

「え?・・・・・・って誰!?」

 

「仮面ライダー鎧武・・・・・・お前もか?」

 

「え?エボルト、知り合いなのか?」

 

 

突然ジードの隣に現れたのは、銀色の装甲に黒いマントを着けた将軍のような姿だった。

 

 

「ここは俺たちに任せてくれ。」

 

「ジードたちは、一旦退いて態勢を立て直せ!」

 

「え・・・!?」

 

「そういう事か。蒼空、一旦退くぞ!」

 

「ちょっと待てよ!俺はまだ──」

 

「万丈たちが上手く戦えないんだ、それぐらい察しろ!」

 

 

エボルは高速移動を使ってジード、ローグ、グリスと変身解除された龍哉と共に姿を消した。

 

 

「行くぞ、鎧武!」

 

「おう!」

『ソイヤ!極スパーキング!』

 

 

エグゼイドはベリアルの動きを止めるように腕を掴んだりしている。鎧武はドライバーの刀を3回動かして、光のドーム型のエネルギーを作り出して、自身とエグゼイド、そしてベリアルを包み込んだ。外からは光のドームしか見えないようになっている。

 

 ここで、一時戦闘が停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 俺たちはエボルトに半ば強制的に戦線離脱をした。

 

 

「ぐっ・・・・・・しんどかった~!」

 

「万丈、もう平気なのか?」

 

「全然、ウッ・・・・・・痛くな~い・・・!」

 

 

痛そうにしてるのは気のせいだろうか?・・・・・・いや、気のせいじゃないな。無理すんなよ。

 

 

「でも、どうするの?ベリアルの体内から魔王因子とストルム器官が消えたんだよね?」

 

「あぁ、万丈のおかげでなんとかな。」

 

「でも、問題はまだ他にもあるんだよね~。」

 

 

問題?

 

 

「アタシの方は獄炎に逃げられたんだよね。しかも、獄土と同じドライバーを巻いたライダーまで現れたし~。」

 

「黒崎様の話では、花咲川女子学園に現れた獄土は逃げたようです。」

 

「そっか・・・。そんな晴斗は?」

 

「今は尊が付き添って体力を回復してるよ~。」

 

 

・・・・・・うん?タケルって誰?今思いっきり“初めまして”の名前出たけど?

 

 

「・・・・・・明日、もう一度ベリアルたちに挑もう。俺と万丈はベリアルに、他のみんなは四魔卿共を頼む。」

 

 

頼むから、明日までは結界、持ちこたえてくれよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 その翌日、光のドーム型エネルギーの中。

 

 

「フッフッフ・・・、どうした?もう限界か?」

 

「さすがに、一晩もこれだとしんどいなぁ・・・!」

 

「俺も、いくらムテキでも体力に限界が・・・!?」

 

 

自身のエネルギーを放出し続けるベリアルに対し、エグゼイドと鎧武の体力は限界を迎えていた。そして・・・・・・。

 

 

「これで・・・・・・終わりだ!!」

 

「「ぐわぁ!」」

 

 

ドーム型エネルギーが消滅した。

 

 そして、そこに近付きつつあった蒼空と万丈はその光景が見えてしまった。

 

 

「おい、あれって・・・!?」

 

「・・・・・・万丈、俺が倒れるまで手を出すなよ。」

 

「・・・・・・分かった。ヤバかったらすぐに手を出すからな。」

 

「・・・・・・ありがとう。」

 

 

蒼空はドライバーを巻き、歩きながらボトルをセットした。

 

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

 

蒼空は変身し、ベリアルが気配を感じ取れる場所まで歩いていった。

 

 

「フッフッフ・・・・・・っ!」

 

「・・・・・・っ!ジード!?」

 

「来たか・・・!」

 

「まだ俺の邪魔をするか、息子よ!」

 

「俺は桐生蒼空。仮面ライダージードだ!!」

 

 

ベリアルとジード、同じ遺伝子を持つ者同士の戦いが、再び始まった。

 

 そして、戦いが始まると同時に、

 

 

「・・・・・・さて、行きますか。」

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

 

石動惣一の姿をしたエボルトがドライバーを巻いて変身しようとしていた。

 

 

『コブラ!』『ライダーシステム!』

『レボリューション!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!

 フッハッハッハッハッハッハ!』

 

 

エボルトは完全体とされる『仮面ライダーエボル ブラックホールフォーム』へと変身して、瞬間移動でジードたちの下に移動した。

 

 そして、ジードたちの下に現れた完全体のエボル。それに気付いたジード。

 

 

「っ!よし、今だ!!」

 

「行くぞ、蒼空!」

『Ready Go!』

「はぁ・・・、ハァアアア!!」

『ブラックホールフィニッシュ!』

 

「レッキングバースト!!」

『プリミティブフィニッシュ!』

 

「っ!?」

 

 

距離を取ったジードはベリアル越しに見えるエボル目掛けて光線を放つ。そして、ベリアルの反対側にいるエボルも光線をベリアル越しのジードに目掛けて放った。

 

 挟み撃ちになりそうなベリアルは1歩下がって相打ちさせることにした。だが、ぶつかった2つの光線は渦を巻いて上空へ行き、異次元への扉を形成した。

 

 

「これは・・・・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、花咲川女子学園にはまたベリアルの配下が現れた。今回は獄炎のブラムザンドが変身する『仮面ライダーガオウ』だった。

 

 

「・・・・・・。」

 

「君の相手は・・・・・・。」

 

「ボクたちだよ。」

 

「貴様ら・・・!」

 

「「「変身!」」」

 

 

ガオウの前に立ちはだかったのは、和美と晴斗、そして尊の3人だった。

 

 

『インフィニティー プリーズ!

 ヒースイフードー!ボーザバビュードゴーン!』

 

『チョーカイガン!ムゲン!

 Keep on Going!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

『ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

「ふん、貴様らが相手では俺1人は無理だな。」

 

「だったら降参する?」

 

「逃がす気なんてねぇけどな・・・!」

 

「あぁ、貴様らの相手は・・・・・・“コイツら”だ。」

 

「あれって・・・?」

 

 

ゴーストが見たのは、紫色のボトル(ロストボトル)だった。しかも3本。ガオウの前に3体のクローンスマッシュが現れ、1本ずつ挿した。すると、クローンスマッシュは、“喋る”スマッシュへと変わった。姿は、『キャッスル』『オウル』『スタッグ』という、三羽ガラスのスマッシュたちだった。

 

 

「・・・・・・!」

 

「じゃあな~。」

 

「っ、待て!」

 

「・・・・・・2人は行ってくれ。」

 

「っ・・・・・・和美ちゃん、あのスマッシュは──」

 

「ベリアル共は!!・・・・・・オレの逆鱗に触れた。」

 

「・・・・・・分かった。行こう、尊くん。」

 

「・・・・・・うん。」

 

 

ウィザードとゴーストは、ガオウを追っていった。そして、グリスは水色のブリザードナックルを手に、かつての仲間の姿をしたスマッシュに挑む。

 

 

『ボトルキーン!』

「・・・・・・かかって来いやーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、羽丘女子学園では人間体のマグナマイザーがロボットを連れてやって来た。

 

 

「・・・・・・この拠点を滅ぼせば・・・。」

 

「お客様~、部外者は立ち入り禁止ですよ~?」

 

「・・・・・・バルカンか。」

 

「それと、ローグさんもね。」

 

 

門から入ろうとしたマグナマイザーたちに話しかけたのは、ウィズと紫音だった。

 

 

「なら、貴様らから滅びろ。」

 

「それより、そちらのロボットさんは?」

 

「・・・・・・ヒューマギアの『(いかづち)』だ。」

 

「ヒューマギア?」

 

「これ以上話す気はない。」

『ポイズン!』

 

「人類は・・・・・・滅びろ。」

『ドードー!』

 

「「変身。」」

『『フォースライズ!』』

『スティングスコーピオン!』

『『Break down!』』

 

「・・・・・・ウィズさん、獄土をお願い。」

『デンジャー!』

 

「・・・・・・死なないでよ。」

『ランペイジバレット!』

 

 

紫と赤の『フォースライザー』で変身した2人のライダーがウィズと紫音の前に立つ。そして、ウィズと紫音もライダーの姿へと変わった。

 

 

「「変身!」」

 

『フルショットライズ!ランペイジガトリング!』

『クロコダイル・イン・ローグ!オラァ!』

 

「それじゃ、(アッチ)は貰ってくね。」

『Cheetah's Ability.』

 

「ぐっ!」

 

 

バルカン(ウィズ)は高速移動で滅を羽丘女子学園のグラウンドへ連れていった。

 

 

「さて・・・・・・始めよっか?」

 

「・・・・・・人類よ。」

 

「うん?」

 

「人類よ・・・・・・滅亡せよ。」

 

「言うね・・・・・・。はぁ!!」

 

 

ローグと雷は拳を交え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっと!」

 

「ぐっ・・・!」

 

「ここでなら、思う存分暴れられるでしょ?」

 

 

バルカンは高速移動で滅をグラウンドに連れてきた。

 

 

「・・・・・・貴様・・・!?」

 

「さぁ、ここで思う存分・・・・・・アンタをぶっ潰してあげる。」

 

「滅ぶのは・・・・・・貴様の方だ。」

『アローライズ!』

 

 

ここでショットライザーが銃弾を放ち、アタッシュアローが矢を放ち始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝利の確立が少ないこの状況で、わずかな希望に期待をして戦いを始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 今回はここまでっす。もうね、しばらくバンドリキャラは出ないかもしれません。

 来週は・・・・・・多分、悲劇のフォームが盛りだくさんかな?『○○○ブリザード』とかね。


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第44話 ゼロ度の炎・最後の大義

 
 
「世界を破壊するために動き出したベリアルたちの前に、仮面ライダージードの桐生蒼空は他のライダーたちと共に戦う。四魔卿たちも各地で暴れているが、ウィズ達がそれを防ぐ。だが、万全の状態で挑んでいる蒼空たちでも、ベリアルたちには一歩及ばずだった・・・。」







 

 

 

 

 

 上空に出現した亜空間への扉、それを創り出したのはジードとエボルだった。今の状況を理解したベリアルは・・・・・・。

 

 

「俺を次元の狭間へ追放する気か・・・。思い通りにさせるか・・・!」

『Ready Go!』

 

 

ベリアルはドライバーのレバーを回し、まるで『ジード プリミティブフォーム』の技『レッキングバースト』のように技をエボルに放った。

 

 

「ハァ!!」

『アトロシアス フィニッシュ!』

 

「ぐっ!? ぐわぁあああ!!」

 

「っ、エボルト!!」

 

「ぐっ、しくったぁ・・・!」

 

 

ジードとエボルの光線は途絶えたが、上空では亜空間の扉が開いたままだった。

 

 

「エボルト、俺の中に戻れ!」

 

「そうさせてもらう・・・。」

 

 

エボルは粒子状になってジードの体内に入った。

 

 

「ふん、後はお前だけだ。」

 

「後は俺がやる。ベリアル・・・・・・この世界から、出て行け!!」

 

 

ジードとベリアル、似たような姿の戦士たちが戦いを始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、花咲川女子学園の校門ではグリスが三羽ガラスのスマッシュたちと戦っている。

 

 

「オラァ!」

 

「ぐっ!?」

 

「どうしたどうした!?そんなもんかーーー!!?」

 

「た、助けてくれ・・・!」

 

「っ・・・!?」

 

「隙ありーーー!!」

 

「ぐあぁあああ!!」

 

 

だが、三羽ガラスの声を発するスマッシュが、まるで本人たちのように話すせいで、グリスはまともに戦えてなかった。

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「あぁ?どうしちゃったんですか、お嬢?」

 

「変身解いちゃって~?」

 

「・・・・・・なんか、覚悟が足りなかったからさ・・・・・・っ!!」ゴンッ

 

 

変身を解いて膝をついた和美は、思いっきり地面に額を打ち付けた。

 

 

「あぁん?」

 

「本当にどうしちゃったんですか、お嬢~?」

 

「おかしくなっちゃったんですか~?」

 

 

ヘラヘラと喋るスマッシュたちに対し、和美は静かに顔を上げた。

 

 

「イテテ・・・・・・ごめんなさい、蒼空兄。約束、破るわ・・・。」

 

 

フラフラと立ち上がった和美の左手には、海璃が使っていたビルドドライバーがあった。ボトルを全て奪われた海璃はドライバーを持っていても意味はなかったため蒼空の家に隠していたのを、和美はこっそり持ってきていたのだった。

 

 そして、和美はドライバーを巻いて、ナックルを構えた。

 

 

「・・・・・・。」

『ボトルキーン!』

『グリスブリザード!』

 

 

ナックルに水色の『ノースブリザードボトル』を装填し、ドライバーにセットする。そして、レバーを回し・・・・・・静かに右手を突き出す。

 

 

『Are You Ready?』

「・・・・・・できてるよ。」

『激凍心火! グリスブリザード!

 ガキガキガキガキガキーン!』

 

 

和美は、“変身すれば命は助からない”とされる『仮面ライダーグリスブリザード』へと変身してしまった・・・。

 

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す・・・!」

 

 

心を鬼にして、死ぬ覚悟を決めて、最後の戦い(祭り)を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、姉である紫音(ローグ)は、マグナマイザーが作り出した雷に苦戦していた。

 

 

「ぐっ!?なんなの、コイツ・・・!?」

 

「ローグ、絶滅せよ。」

『ゼツメツ ディストピア!』

 

「『絶滅』なんて、ごめんだね!」

『クラックアップフィニッシュ!』

 

 

ローグは飛び上がり、雷にライダーキックを放つ。それに対し、雷は2本の刀を持って飛び上がったローグに斬撃を放った。

 

 

「はぁあああ!!」

 

「はぁ!!」

 

「うぅ!?」

 

 

結果は、キックが決まる前に斬撃を受けてしまったローグの負けだった。そして、ダメージ量がかなり蓄積されたせいか、変身が解除されてしまった。

 

 

「くっ・・・!」

 

「これで、終わりだ。」

 

「ぐっ、まだよ・・・!」

 

 

紫音は巻いていたスクラッシュドライバーを捨てて、蒼空から貰っていたビルドドライバーを巻いた。

 

 

「・・・・・・覚悟を決めますか。」

『ガブッ!』

『プライムローグ!』

 

 

紫音は『フルフルラビットタンクボトル』の形に似た新しいアイテムを起動させて、形を変えてドライバーにセットした。

 

 

『Are You Ready?』

「変身。」

『大義晩成! プライムローグ!

 ドリャドリャドリャドリャドリャー!』

 

 

紫音は、“長時間変身すれば命の保証はない”姿、『仮面ライダープライムローグ』へと変身した。

 

 

「・・・・・・行くよ。」

 

 

ローグも強化フォームへと変身し、命をかけて雷を倒そうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、立ち去ったガオウに追いつくウィザードとゴーストは・・・・・・。

 

 

『インフィニティー!』

 

「・・・・・・何っ!?」

 

「ふっ!」

 

「ぐっ!?」

 

 

少し離れた位置から高速移動してきたウィザードがガオウを攻撃して足を止めた。そして、ゴーストは普通の速度で走って追いついた。

 

 

「なら、コイツらでもくれてやる!!」

 

 

再び突然現れたクローンスマッシュが現れて、ガオウは6本のロストボトルをスマッシュに挿した。

 

 

「・・・・・・まだいるのか?」

 

「晴斗君はガオウを、俺はこのスマッシュたちを倒すから!」

 

「分かった!」

 

 

ウィザードは『アックスカリバー』、ゴーストは『ガンガンセイバー』を構えて敵に挑む。

 

 

「ふっ!はぁ!」

『イノチダイカイガン!』

 

 

攻撃しながらドライバーのレバーを引いて押した時、ドライバーからエネルギーが溢れ出てくる。

 

 

「はぁ・・・・・・!」

カナシミ(悲しみ)ブレイク!』

「はぁ!!」

 

 

この攻撃で、スマッシュを1体倒した。だが、他のスマッシュたちは怯まずにゴーストに攻撃を仕掛ける。

 

 

『イノチダイカイガン!』

「次はこれ!」

 

 

次に、ガンガンセイバーを左手に持って、右手に赤い剣(サングラスラッシャー)を持ち、二刀流で2体のスマッシュを斬りつける。

 

 

イカリ(怒り)スラッシュ!』

「ふっ、はっ!はぁ!」

 

 

続いて2体を撃破して、残り3体。

 

 

「次は・・・!」

『イノチダイカイガン!』

「これでも・・・・・・食らえ!」

タノシー(楽しい)ストライク!』

 

 

次にガンガンセイバーをアローモードにして、スマッシュを1体撃ち抜いた。

 

 

『イノチダイカイガン!』

「ふっ!・・・・・・はぁ!!」

シンネン(信念)インパクト!』

 

 

さらにライフルモードとなったガンガンセイバーで1体を狙撃した。そして、残り1体となり・・・・・・

 

 

『チョーダイカイガン!』

「人間の可能性は、無限大だ!!」

『ムゲン! ゴッドオメガドライブ!』

 

 

その最後に残ったスマッシュをすばやくライダーキックで倒した。

 

 

「晴斗君、こっちは終わったよ!」

 

「な、なんだと・・・!?」

 

「了解。こっちもすぐに終わらせる!」

『インフィニティー!』

 

「ぐぅ・・・!そう簡単にやられるかーーー!!」

 

 

剣を構えるガオウだが、

 

 

「ふっ!」「はっ!」「はぁ!」

 

「ぐっ!?こんな、ところで・・・!?」

 

 

高速移動をしながら攻撃をするウィザードに圧倒されてしまう。

 

 そんなウィザードは、武器を180度持ち変えて、必殺技を発動させる。

 

 

『ターンオン!』

「フィナーレだ。」

『ハイ『ハイ『ハイ『ハイ『ハイタッチ! プラズマシャイニングストライク!』

「ふっ!」

 

 

武器の手の部分にハイタッチをして、武器を上空に投げる。だが、投げられたアックスカリバーは光を纏っていて、ウィザードは武器を遠距離でコントロールしていた。

 

 

「はぁ!」

 

「ぐわぁ!」

 

「ふっ!」

 

「ぐっ!?」

 

「だぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

上から・左から・右からの順で斬りつけられたガオウは、膝をついた。ウィザードは武器を手に持った。ウィザードの横にはゴーストがやって来た。

 

 

「ぐっ・・・、ベリアル様・・・!ベリアル様ーーー!!」

 

 

ベリアルの名前を叫びながら、爆発して消滅したガオウ・・・・・・もとい、ブラムザンド。別世界の者であっても、その忠誠心はかなり高かったようだ。

 

 

「これで、四魔卿は全滅したかな?」

 

「さぁね、()()()がどうなったかは分からないけど。」

 

「それより、和美ちゃんが心配だ。」

 

「そうだね・・・・・・って、あれ?尊くん、あれって・・・?」

 

「うん?・・・・・・あれは、Afterglowの美竹蘭ちゃん?」

 

 

2人が偶然見つけた蘭は、和美が戦っている場所に向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、晴斗たちに協力をお願いしたウィズは・・・・・・。

 

 

「ハァ!」

 

「ぐぅぅ・・・・・・!」

 

 

『仮面ライダーバルカン ランペイジガトリングフォーム』に変身して『仮面ライダー滅』に変身したマグナマイザーと戦っていた。

 

 

「俺がいなくても、ベリアル様がこの世界を破壊する・・・。ここで俺の相手をしていても意味はないぞ・・・・・・?」

 

「知ってるよ。でもね、アンタたちを放っておいたら後々大変なのよ。だから、ここでアタシがアンタをぶっ潰すんだよ!」

 

「ほぉ・・・。なら、先にお前を滅ぼすだけだ。」

『ポイズン!』

『Progrise key comfirmed. Ready to utilize.』『Scorpion's Ability.』

「ふっ。」

『スティング カバンシュート!』

 

『Kong's Ability.』

「ハァ!!」

 

「何っ!?」

 

 

滅が強力な矢を放つが、バルカンは左腕に大きな腕のエネルギーを纏わせて矢を破壊した。

 

 

「残念だけど、滅ぶのはアンタよ。」

『パワー『スピード『エレメント『オール ランペイジ!』

 

「くっ・・・。」

『ストロング!』

『Progrise key comfirmed. Ready to utilize.』『Heracules Beetle's Ability.』

 

 

バルカンはショットライザーに付いてるガトリングを4回回して、銃口に今までの中で一番強力なエネルギーを溜める。それに対抗するかのように、滅は別のプログライズキーをアタッシュアローにセットして再び矢を放つ。

 

 

「ふっ。」

『アメイジング カバンシュート!』

 

「イッケーーー!!」

『ランペイジオールブラスト!』

 

「ぐあぁあああ!!」

 

 

バルカンが放った弾丸が矢を破壊しつつ滅に当てた。変身は解けてないのだが、力尽きようとしていた。

 

 

「ベ、ベリアル様・・・・・・ベリア──」

 

 

『ア』で止まった滅。次に放った言葉は、違和感でしかなかった。

 

 

「ア、アークの・・・・・・意思のままに・・・!」

 

「え?」

 

 

次の瞬間、滅は爆発して消滅した。これで、四魔卿は完全消滅した。

 

 

「『アーク』って、どういう事・・・?」

 

 

だが、そんな考えよりも先に気をかけなければいけない事を思い出して、行動に出た。

 

 

「・・・・・・あ!紫音忘れてた!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、一番世界の命運を握る戦い(ジード VS ベリアル)が行われている場所では・・・・・・

 

 

「ぐわぁ!!」

 

「ふっふっふ・・・!」

 

「ぐっ・・・!」

 

 

 

《告。ベリアルは『プリミティブフォーム』とスタイルは同じですが、能力はベリアルの方が10倍程高いです。》

 

(だとしても、ここで逃げるわけには・・・!)

 

 

 

「ふっ。」

 

「っ!はぁ・・・・・・!」

 

「ハァ!!」

 

「レッキングロアーーー!!」

 

 

2つの咆哮のような衝撃波がぶつかるが、ベリアルの方が強く、ジードの咆哮がかき消され、吹き飛ばされてしまう。

 

 

「ぐわぁ!!ぐっ・・・!」

 

「・・・・・・ふっ!」

 

「っ!レッキングリッパー!」

 

「ハァ!!」

 

「がはっ!?」

 

 

今度は斬撃を同時に放ったが、結局ジードの方が負けてしまった。

 

 

「ふん、貴様では俺を超えられるわけがない。諦めろ。」

 

「俺は・・・・・・諦めない!お前との決着は、俺がつける!!」

 

 

何度も倒れても立ち上がるジード。それに答えるかのように、手元にあるボトルが数本光り出した。そのボトルは、リトルスターから生成されたボトルだった。

 

 

『Are You Ready?』

 

「え・・・?これは・・・・・・?」

 

 

光り出したボトルはジードから勝手に飛び出して、スラッガーとブースト・ナイトとムーン・バスターとエメリウム・そしてキングにはジードボトルの代わりに87・ランス・バーチカル・ストリウムで、4人の仮面ライダージードを作り出した。

 

 

『ソリッドバーニング!』
『アクロスマッシャー!』

 『マグニフィセント!』『ロイヤルメガマスター!』

 

「すげぇ・・・!」

 

「なんだと・・・!?」

 

「・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

 

 

ジードの前に4人のジードが現れ、肩を並べてベリアルに挑む。

 

 

「はぁ!」

 

「ふん!」

 

「ドゥア!」「はぁ!」

 

「ちっ・・・!はぁ!!」

 

「ふん!・・・ぐぁあ!」「ふっ!・・・ぐぅ!」

 

 

ベリアルは、ジード(プリミティブ)のジャンプしながらのパンチ攻撃をかわす。続いてジード(ソリッドバーニング)の回し蹴りもかわして次に来るジード(アクロスマッシャー)には自身の爪で攻撃しようとするが、側転しながらかわされた。その後に攻撃を仕掛けてきたジード(マグニフィセント)ジード(ロイヤルメガマスター)は同時に来たから、同時に拳で押し返した。

 

 

「この・・・!」

 

「フン!」「ふっ!」

 

「っ!?なら・・・!」

 

「フッ!ドゥア!!」「ふっ、はぁ!」

 

 

ベリアルは攻撃しようとした瞬間、後ろにいたジードジードがベリアルの腕を掴み攻撃を阻止した。だが、すぐにジードたちを振り払い、攻撃しようとするが逆に攻撃されて後ろに後退る。

 

 

「ぐぅ・・・!」

 

「ふん!」

 

「ぐはっ!?」

 

「はぁ!!」

 

「ぐわぁ!!・・・・・・この、お前ら・・・!」

 

 

後ろに下がったベリアルにはジードが殴って、振り向いたらジードに斬られてしまう。

 

 そして、距離を置いたベリアルはギガバトルナイザーを取り出して、ジードを攻撃するためにエネルギーを溜める。だが、ジードたちは横一列に並び、

 

 

「Ready Go!」

 

 

一斉に必殺技を放つ。

 

 

「ストライクブーストーーー!!」「ロイヤルエーーーンド!!」

「レッキングバーストーーー!!」

「ビックバスタウェイ!」「アトモスインパクトーーー!!」

 

「ぐっ・・・!ぐはぁ!?・・・・・・っ、なんだと・・・!?」

 

 

必殺技を受けたベリアルは、ギガバトルナイザーとエボルドライバーを失う。さらに、その攻撃によって体を乗っ取られた石狩アリエは地面に倒れていた。ベリアルは元の姿に戻された。

 

 

「今だ!!」

『ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

「ぐっ・・・!」

 

「はぁ!」

 

「っ、蒼空!!」

 

 

ジードはジードボトルとスペシウムボトルを投げ捨てて『ラビットラビットフォーム』にフォームチェンジして、ベリアルと共に亜空間へ飛んで行った。

 

 さっきまでジードがいた場所にはリトルスターのボトルが全て落ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィズ(バルカン)獄土()を倒した後、急いで紫音の下に向かった。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、えっと・・・・・・いた!って、え!?」

 

 

バルカンは紫音を見てすぐに驚いてしまった。彼女が着けているドライバーが、ビルドドライバーだったから。蒼空から『スクラッシュドライバーメインの2人がビルドドライバーで変身すれば、命はない。だから、フォローしてくれ』って言われてたウィズ。だが、さすがに雷相手なら問題ないと思っていたウィズはどうやら考えが甘かったと考えていた。

 

 

「待ってて、今行くから!」

 

「待った!!こいつはあたしが倒す!」

 

「でも!」

 

「ぐっ・・・!大丈夫・・・・・・必ず倒すから・・・!」

 

 

そう言って、雷に敵対心を見せるローグ。だが、ローグの身体から紫色の光の粒子が出始めた。

 

 

「・・・・・・そろそろ限界かも・・・。」

 

「よそ見をするな!!」

『ゼツメツ ユートピア!』

 

「っ!? ぐはっ!!」

 

「紫音!!」

 

「うぅ・・・!あたしは、弱者が踏みにじられない世界を創ろうとした・・・。でも、葛城が・・・・・・蒼空が創る世界もありだと思った。だから・・・・・・。」

『ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!・・・・・・』

 

 

雷を浴びて膝をついたローグは立ち上がりながら、ドライバーのレバーを回して、必殺技を発動させる。

 

 

「大義のための、犠牲となれ・・・!」

『Ready Go!』

 

「負けるかーーー!!」

 

「はぁあああ!!」

『プライムスクラップブレイク!』

 

 

拳にエネルギーを込めた一撃を雷が放つが、ローグは必殺技を込めたライダーキックを放つ。

 

 

「はぁあああ・・・!」

 

「ぐっ・・・!ぐぁあああ!!」

 

「これで、終わりよ!はぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「ぐっ・・・!はぁ・・・、はぁ・・・。」

 

「ぐっ・・・!ア、アークの意志のままに・・・!」

 

 

 

「っ、またアーク・・・?」

 

 

雷はライダーキックを受け、爆発して消滅した。バルカンは雷の放った言葉に再び疑問を持ったのは、また別の話。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、倒せた・・・・・・うっ!?」

 

「一体、『アーク』ってどういう事・・・・・・って、紫音!!」

 

 

変身を解いてローグに向かうウィズ。そんなローグは、苦しみながら変身が解け、倒れてしまった。

 

 

「紫音!アンタ・・・・・・もう・・・!?」

 

「・・・・・・へへっ、無茶しちゃった・・・。」

 

 

倒れている紫音の上半身を抱えるウィズ。そんなウィズの目には、そこまで仲良くない人には見せない涙があった。

 

 

「・・・・・・そうだ・・・、これ、蒼空に渡して・・・。」

 

「これって、ドライバー・・・?」

 

「それと、代わりに謝っておいて・・・・・・。」

 

「謝るなら、生きて自分で謝んなよ・・・!」

 

 

紫音はビルドドライバーと、ドライバーに挿さったままのプライムローグフルボトルをウィズに渡した。

 

 

「少しは、理想に近付けたかな・・・?」

 

「・・・・・・え?紫音・・・?ちょっと待ちなよ!?紫音!!」

 

 

ウィズの叫び声も虚しく、朝倉紫音は消滅してしまった・・・・・・。残ったのは、紫音が使ったドライバーとボトルと武器だけだった。

 

 

「・・・・・・こんな結末のために、蒼空たちと組めって言ってないのに・・・!」

 

 

その後、気持ちを切り替えれたウィズは、蒼空の下に向かった。紫音のドライバーを、学校の物陰に隠して・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し前に遡り、グリスブリザード対キャッスル・スタッグ・オウルロストスマッシュの戦いの始まりから。

 

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す・・・!」

 

「はぁ!」「ふっ!」「おらぁ!」

 

「・・・・・・ウラァ!!オリャア!!」

 

 

さっきは劣勢だったグリスだが、覚悟を決めたグリスは1対3でも優勢だった。

 

 

「どうした!?どうした、どうしたーーー!!?」

 

「ぐぁあああ!!」

 

「足りねぇなぁ!全然足りねぇなぁ!!誰がオレを満たしてくれるんだよーーー!!?」

 

「ぐっ、このーーー!!」

 

「ガハッ!?・・・・・・ぐっ、やるじゃねぇか・・・!?アァ!?・・・・・・ッ!?」

 

 

3体のスマッシュの連携攻撃をもろに受けてしまうグリス。だが、身体も限界が来たのか、グリスの身体から黄色の光の粒子が現れてきた。

 

 

「グリス!!」

 

「っ!?蘭先輩・・・。」

 

「もう止めて・・・・・・これ以上戦うと、死んじゃうよ・・・!?」

 

「・・・・・・へへっ、心配してくれるなんて、嬉しいね~。でも、どの道助かりそうにないんだよ・・・。」

 

 

そう言って、グリスは1本のボトルを取り出した。その中には、蒼空が記憶を失う前に採取した魔王因子が入っていた。和美に渡したのは、紫音だった。

 

 

「・・・・・・後は任せた。」

 

 

遺言のように言った後、そのボトルを体内に挿して、成分を体内に注ぎ込んだ。これで、和美は人間を完全に卒業することとなったのだった。

 

 

「ぐっ!?これが、魔王の力・・・!?グゥウアアアアア!!」

 

「・・・・・・っ!」

 

「蘭ちゃん!・・・・・・あの姿は・・・!?」

 

「確か、変身したら命が・・・・・・。」

 

 

グリスは体内に魔王因子を入れても、既に身体が限界を迎えているせいで、光の粒子が止まることはなかった。

 

 

「ハァ・・・、ハァ・・・、先輩が最後の大舞台を見てくれてるんだ・・・!全力でカッコつけねぇとなぁあああ!!」

 

「・・・・・・うおおおおお!!」

 

「死闘!!」

 

「ぐわっ!」

 

「渾身!!」

 

「ぐっ!?」

 

「全霊!!・・・・・・これが最後の、祭りだーーー!!

 

 

グリスは襲い掛かってくるスマッシュたちを返り討ちにしつつ、戦いを続行する。

 

 

 

 

 

 そんな戦いを見ているゴーストが、自分も参戦してグリスを止めつつスマッシュを倒そうとする。

 

 

「あのままじゃ和美ちゃんが危ない!!」

 

「待ってくれ!」

 

「っ!・・・・・・晴斗、君・・・?」

 

「和美ちゃんの戦い、最後まで見守ろうよ・・・・・・。」

 

「・・・・・・でも!!」

 

「・・・・・・頼む!」

 

「・・・・・・分かりました。」

 

「・・・・・・グリス・・・。」

 

 

ライダーの2人は変身したまま、3人はグリスの戦いを見守っていた。

 

 

 

 

 

 そして、グリスの戦いは終わりを迎えようとしていた。

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、うおおおおお!!」

 

「フッ!」

『グレイシャルナックル!カチーン!』

「オリャアアア!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「フッ!」

『シングルアイス!』

「ダァアアア!!」

『グレイシャルアタック!バリーン!』

 

「うわぁあああ!!」

 

「ぐっ!ハァ・・・、ハァ・・・。」

 

 

ナックルを使ってオウルスマッシュを倒した後、ドライバーにセットしてレバーを1回回したグリスは、左腕のロボットアームでスタッグスマッシュを破壊した。だが、エネルギーの消耗もかなりのもので、膝をついてしまう。

 

 

「そろそろ、潮時かもな・・・。蒼空兄・・・、龍兄・・・、海姉・・・、おねーちゃん・・・、先輩・・・!みんなのせいで、この世にだいぶ未練が残っちまったじゃねぇか・・・!ありがとね・・・・・・。」

 

 

膝をついていたグリスは静かに立ち上がり、

 

 

「ラブ&ピースを胸に生きていける世界を、向こうで3人と祈ってるよ・・・・・・心火を燃やして・・・!」

 

 

ドライバーのレバーを回した。4回以上回したグリスブリザードの必殺技は、高く飛び上がってライダーキックを放つ。

 

 だが、かなりのエネルギーが込められている技なのに、音が聞こえていなくなった。

 

 

『グレイシャルフィニッシュ!』

「オリャアアアアアーーー!!」

 

「ぐっ!」

 

「食らえーーーー!!」

『バキバキバキバキバキーン!』

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

グリスのライダーキックを受け止めようとしたキャッスルスマッシュは耐えきれずに破壊されてしまった。

 

 そして、スマッシュたちを倒したグリスは、苦しみながら変身を解除した。

 

 

「グリス!」

 

「ぐっ・・・!」

 

 

倒れそうになった和美はなんとか自力で踏みとどまった。

 

 

「先輩・・・・・・これを・・・!一緒に消えたら、困るからさ・・・。」

 

「・・・・・・グリス・・・。」

 

 

和美は、自身の名前が彫られたドッグタグを蘭に渡した。

 

 

「へへっ、結局最後まで『グリス』なんだ・・・?」

 

「・・・・・・当たり前でしょ?名前を呼んだら、もうあたしの前に現れない気がして・・・・・・だから呼べなかった。だから・・・・・・ずっと会いに来なさいよ・・・!何度もライブに来て、何度もバカやってよ・・・!」

 

「・・・・・・幸せだな・・・!推しに看取ってもらえるなんて、幸せ者だな~・・・!向こうで、3人に、教えてやらないと・・・!」

 

 

3色のドッグタグを握る和美は、自分の終わりを理解出来たのか、静かになっていった。

 

 

「・・・・・・グリス・・・?グリス!・・・・・・グリス!!」

 

 

蘭は、どこにも行かせないために和美の名前を何回も叫ぶ。だが、和美はその叫び声が届かない所へ・・・・・・逝ってしまった。2本のドライバーとボトルを残して・・・。

 

 

「グリ、ス・・・・・・!カズミン・・・!」

 

「蘭ちゃん・・・・・・。」

 

 

変身を解いた晴斗と尊は、蘭が泣き終えるのを待った後、3人で蒼空の下に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 はい、原作通りグリスとローグが死にました。・・・・・・ここまで来ると、『リメイク』もクソもねぇな?リメイク前はこんなんじゃなかったもん。

 次が、最終回かな?今までありがとうございました!


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第45話 ラブアンドピースな明日へ

 

 

 

 

 

 ここは次元の狭間。人によっては『亜空間』と呼ばれる、普通なら誰も入れない場所。だが、そんな空間に穴が開き、そこから2人の人がやって来た。・・・・・・いや、その姿は『人間』とは呼べなかった。

 

 

「ぐっ!・・・・・・ここは・・・!?」

 

「ここが・・・・・・亜空間・・・。」

 

「貴様・・・!」

 

 

1人は全身黒で赤いラインが入った、悪魔の眼を持つベリアル。もう1人は、黒いスーツに赤い鎧を着けた、蒼空(ジード)だった。

 

 

「ここで、お前(ベリアル)を倒す。倒せなくても、あの世界には帰さない!」

 

「ほざくな!ドライバーもギガバトルナイザーも無くなったが、貴様ごときに負けるような俺ではない!」

 

「どうだろうな?ここで決着をつける・・・!」

 

 

ジードは拳を握り、ベリアルに挑む。

 

 

「はぁ!」

 

「ふっ!・・・・・・甘い!!」

 

「ぐわっ!!」

 

 

だが、そんなパンチをベリアルは簡単に受け止め、返り討ちにする。

 

 

「ふん!はぁ!!」

 

「ぐっ!?・・・・・・なら!!」

 

「はぁ──」

 

「ふっ!」

『タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!』

 

 

ベリアルは追撃をするが、攻撃力と防御力に特化した『タンクタンクフォーム』に姿を変えたジードが逆に返り討ちに仕返した。

 

 

「その程度の力・・・!はぁ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

だが、怒りによって力を高めるベリアルの攻撃に耐えきれず吹き飛ばされてしまうジード。そのせいで・・・

 

 

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

「ぐっ・・・!ふっ!」

 

「何っ!?」

 

「はぁ!!」

 

「ぐっ・・・!まだそんな力が・・・!?」

 

 

1つ下のフォームに変わってしまうのだが、『スパークリングフォーム』の特性を活かし、ドリルクラッシャーとホークガトリンガーを手に持ち戦うジード。

 

 

「ぐっ!いくら姿を変えようと、俺に勝つことは出来ない!!」

 

「ぐわっ!!」

『ラビットタンク!イエーイ!』

 

 

自身の爪にエネルギーを込めて切り裂いた攻撃は、ジードを『ビルドの初期フォーム(ラビットタンクフォーム)』へと変えてしまう。

 

 

「これで、終わりだ。」

 

 

すると、ベリアルは腕を十字にクロスさせて光線を放つ。

 

 ジードはふらふらしながら立ち上がっていた最中だったため、その光線が放たれた時には気付けず、気付いたのは身体に当たった瞬間であった。

 

 

「っ!ぐわぁあああ!!」

 

 

その攻撃を受けてしまったジードは遠くまで吹き飛ばされ、変身が解除されてしまった。

 

 

「その程度の力で、俺に勝てる訳がない。」

 

「くっ・・・、だとしても、俺は諦めない・・・!」

 

 

倒れながら取り出したのは、まだ変身していない『ジーニアスボトル』だった。

 

 

「・・・・・・だとしても、今の貴様の状態で、俺に勝てるとは思えないな。所詮は、俺の遺伝子を体内に宿したからライダーになれた実験体(モルモット)だ。その力だって、俺の遺伝子を宿さなければ手に入れなかったんだ。」

 

「確かに・・・・・・お前のおかげでこの力(ライダー)を手に入れたのかもしれない・・・。でも、この力を正しいことに使ってこれたのは、かけがえのない仲間がいたからだ・・・!」

 

 

『ジーニアスボトル』を片手に立ち上がった蒼空は、今まで出逢った人たちのことを思い出していた。記憶を失った後からずっとそばにいてくれた夜華、助けた後もずっと家に遊びに来ていた香澄、自分が『悪魔の科学者』だったとしても一緒に戦ってくれた龍哉、こんな自分に告白してきた海璃、他にも沢山の人たちとの出逢いが、蒼空という人間をここまで育てたのだった。

 

 

「みんなが、桐生蒼空を・・・・・・仮面ライダージードを創ってくれたんだ・・・!」

 

「・・・・・・?」

 

「愛と平和を胸に生きていける世界を創る。そのために・・・・・・この力を使う!!」

 

 

そう言って前に突き出した『ジーニアスボトル』が、突然光り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蒼空が亜空間でベリアルと戦っている時、次元の狭間につながる裂け目の近くでは、龍哉がいた。だが、そこにCiRCLEを拠点に活動する5バンドと海璃、夜華、ウィズがやって来た。

 

 

「万丈!」

 

「海璃!?」

 

「蒼空は!?」

 

「・・・・・・あの中だよ。」

 

「え・・・?」

 

「・・・・・・中の状況を映しましょう。」

 

「「え!?」」

 

 

夜華の唐突な発言に驚く龍哉と海璃。・・・・・・喋っていないが、他のメンバーも驚いている。

 

 夜華は手を空にかざす。すると、魔王因子を使って上空に映像を出した。そこには、どこかの採掘場かのような場所でジードを消そうとしているベリアルと、ベリアルを倒すために立ち上がる蒼空が映っていた。

 

 

「っ、蒼空!!」

 

「これは・・・・・・相当厳しい状況ですね。」

 

「アイツ、どうすんだよ・・・!?」

 

 

『愛と平和を胸に生きていける世界を創る。そのために・・・・・・この力を使う!!』

 

 

映像の中で、蒼空のジーニアスボトルが光り出した。それと同時に、近くに落ちていたボトル全てが光り出した。

 

 

「これって・・・?」

 

「おい、なんかボトルが光ってんぞ!?」

 

「・・・・・・っ!?あれは・・・?」

 

「あの形は・・・・・・『赤き鋼』・・・!?」

 

 

花咲川女子学園の方から裂け目の中に『赤き鋼(ギガファイナライザー)』は飛んで行った。それと同時に、下に落ちていたボトル全ても裂け目の中に飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベリアルの前に立ちはだかる存在。ベリアルを倒そうとする存在。その正体は・・・・・・

 

 

生まれた時から全てを我が物に出来る力を持つ『魔王因子』を持つ者、

 

ベリアルの遺伝子を無理矢理体内に入れられた者、

 

宇宙(そら)から飛来した謎の物質を調べて『悪魔の科学者』と呼ばれるようになった者、

 

微量ながらに全てを破壊する地球外生命体『エボルト』の遺伝子を持つ者、

 

記憶を失ったが『愛と平和』のために『仮面ライダー』として戦ってきた者、

 

そして今、使う者を選ぶ『赤き鋼』に選ばれた者、

 

 

それが・・・・・・

 

 

桐生(きりゅう)蒼空(そら)

 

 

またの名を、『仮面ライダージード』と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蒼空の手に持つジーニアスボトルは蒼空の手元から離れ、蒼空の頭上で『ジーニアスボトル』と『赤き鋼(ギガファイナライザー)』と『リトルスターのボトル』が全てが1つになって蒼空の手に戻った。

 

 

「なんだ、それは・・・・・・?」

 

「・・・・・・よし!」

 

 

形としては『ジーニアスボトル』だが、中の液晶にはビルドのマークの他にジードの眼が映っていた。

 

 蒼空はそのボトルのボタンを押して、起動した。

 

 

『ウルティメイト!オールイエイ!』

『ジードファイナル!』

 

 

そして、ボトルをドライバーにセットしてレバーを回す。

 

 

『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』

 

 

レバーを回していると、本来現れるはずの土台は現れなかったが、蒼空の周りにはベルトコンベアから出てくるはずのボトルが沢山飛びまわっていた。

 

 

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身。」

 

 

蒼空が決意の台詞を発した時、蒼空の身体を白いスーツが包み、スーツに赤と青ではなく赤と黄色のラインが入った。そして、装甲に宙を舞っているボトルがあちこち挿さっていく。

 

 

『完全無欠のサイキョウマオウ!

 ウルティメイトファイナルジード!スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

 

完成された姿は、装甲は『ジーニアスフォーム』で、スーツは『ウルトラマンジード』の『ウルティメイトファイナル』のスーツだった。そしてマスクには、ジーニアスフォームのマスクに加えて、ジードの眼が付けられている。

 

 見た目は『ジーニアスフォーム』をしていて変わらないようなジードだが、中身はだいぶ変わっていた。・・・・・・能力だが。

 

 

《告。新しいフォームの分析を開始。・・・・・・完了。新しいフォーム『ウルティメイトファイナルフォーム』の能力は、『ジーニアスフォーム』の能力に加えて、『変身者が知っている武器という武器を全て具現化する能力』が備わっています。》

 

(え?・・・・・・いや、ビルドシステムの武器ぐらいしか知らないよ?)

 

《・・・・・・全ての武器を検索して、説明と共に画像を脳内に出力しますが?》

 

(あ、じゃあよろしく。)

 

《了。全ての武器の検索を始めます。》

 

(あ、あと武器の出し方は?)

 

はぁ・・・。出したい武器をイメージすれば、魔王因子が自動的に具現化させます。》

 

(ため息つかなかった!?・・・・・・まぁいいや。)

 

 

・・・・・・この会話は、現実世界ではわずか0.1秒の出来事です。

 

 

(ちょっと、作者まで呆れ気味に言わないでよ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、蒼空が『仮面ライダージード ウルティメイトファイナルフォーム』に変身した時、亜空間の外では夜華が震えていた。

 

 

「ジーニアス・・・?」

 

「っぽいよな・・・?」

 

「これは・・・・・・あの姿は・・・・・・!?」

 

「え?・・・・・・よ、夜華さん・・・?」

 

 

それでは見ましょう、夜華さんの台詞を。

 

 

祝え!!・・・・・・いえ、もはや言葉は不要です。ただこの瞬間を味わいなさい!!

 

「祝わんのかい!?」

 

「『言葉は不要』って・・・?」

 

 

・・・・・・以上です。このシーンも以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蒼空(ジード)は大賢者との脳内会話後、『知ってる武器を使える』ということで一番知ってる武器から出した。

 

 

「・・・・・・よし、まずはこれだ!」

フルボトルバスター!(※仮面ライダービルド)

 

「っ!?」

 

「ふっ。・・・・・・はぁ!!」

 

「ぐっ!」

 

 

使い慣れている『フルボトルバスター』を使って、まずはベリアルを斬り、大砲に切り替えて3発ほど撃ち込む。

 

 

「・・・・・・お!それ良いな!次はそれ!」

マックスディバイダ―!(※トミカヒーロー レスキューフォース)

「ディバイダ―モード!」

 

「ぐぅ!?・・・・・・何っ!?」

 

「はぁ・・・・・・ソニックディバイダ―!」

 

 

続いて、風のエネルギーで出来た鋸をベリアルに飛ばす。

 

 

「ぐっ!ぐあっ!・・・・・・くっ!?」

 

無双セイバー!(※仮面ライダー鎧武)

「ふっ!はぁ・・・!」

 

 

鋸のせいで膝をつくベリアルに、ジードは追撃するかのように刀を具現化して攻める。

 

 

「はぁ!ふっ!はっ!はぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

「次はこれ!」

マダンダガー!(※魔弾戦記リュウケンドー)

「ダガースパイラルチェーン!」

 

「ぐっ!この、鎖は・・・!?」

 

「ふっ!」

イチガンバスター!(※特命戦隊ゴーバスターズ)』『ソウガンブレード!(※特命戦隊ゴーバスターズ)

『It's TIME FOR SPECIAL BUSTER.』

「はぁ・・・・・・はっ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

文字を繋ぎ合わせた鎖でベリアルの動きを封じた後、2つの武器を合わせた銃の必殺技でベリアルに銃撃を撃ち込んだ。ぶつかると同時に鎖は砕かれ、ベリアルは倒れた。

 

 

「次はこれだ!」

ギガファイナライザー!(※ウルトラマンジード)

 

「貴様・・・!」

 

「はぁあああ!!」

 

 

ベリアルの『全てを斬りさく(破壊する)爪』と、ジードの『赤き鋼(ギガファイナライザー)』がぶつかる。

 

 

「ふっ!・・・・・・もうこれ以上、あんたが辛い想いを背負う必要はない。」

 

「なんだと・・・!?」

 

「疲れてんだろ?もう、終わりにしよう・・・・・・。」

 

「分かったことを言うなー!」

 

 

互いに少し距離を取って、ベリアルは足に力を込め始めた。

 

 

「これで終わらせる!!」

『ビルドサイド!』『ジードサイド!』

『オールサイド!』

 

 

ジードはギガファイナライザーを投げ捨て、ドライバーを沢山回して右足にエネルギーを溜める。

 

 

「ふっ!」

 

『Ready Go!』

「ふっ!」

 

「はぁあああ!!」

 

『ウルティメイトフィニッシュ!』

「だぁあああ!!」

 

「はぁあああ!!」

 

「これで最後だ!ベリアルーーー!!」

 

「ぐぅ・・・ジードーーー!!」

 

 

互いのキックがぶつかるが、ジードのキックの方が威力が高くて、ベリアルを貫いて、ベリアルは爆発して消滅した。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、さよなら、()()()・・・。」

 

 

ベリアルにトドメを刺したジードは、最初で最後の父親呼びをしたのだった。

 

 そして、変身を解除して・・・・・・その場に仰向けに倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映像でベリアルが倒されたシーンが映った時、その場にいた全員が喜んだ。『ベリアルが倒された』と。

 

 

「ィよっしゃー!!」

 

「蒼空・・・!」

 

「・・・・・・お待ちください、あれを・・・!」

 

「え?・・・・・・あ、蒼空!!」

 

 

そこに映っていたのは、力尽きて変身を解除して倒れている蒼空だった。その瞬間、映像が消えてしまい、亜空間内の状況が見れなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その場に倒れた蒼空は、1歩も動けずにいた。

 

 

「ちっ、ここまでかよ・・・。」

 

「ここで終わられると困るんだよな~?」

 

 

ここには蒼空以外いないのに、別の声が聞こえてきた。その正体は、先程蒼空が変身していた『仮面ライダージード』だった。しかも、『ウルティメイトファイナルフォーム』だ。

 

 

「俺?俺は並行世界の俺だよ。それより、お前の中のエボルトは貰ってくぞ。」

 

「え?うっ・・・!?」

 

 

蒼空の身体からエボルトの遺伝子が全て吸収された。そのせいで、蒼空は脱力感に襲われた。

 

 

「その代わり、動けるだけのエネルギーをくれてやる。」

 

 

代わりに、ジードが自身のエネルギーを渡したことによって、蒼空には力が湧いてきていた。その証拠として、蒼空の身体が再び『ウルティメイトファイナルフォーム』へとなっていた。

 

 

「・・・・・・これ以上、海璃を悲しませんなよ。俺みたいにな。」

 

「え?それってどういう意味?」

 

「いいから行けって!」

 

「うおっ!?」

 

 

蒼空はジードのせいで飛ばされて、亜空間の外に・・・・・・海璃たちがいる場所に降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、亜空間に残ったもう1人のジードは・・・・・・、

 

 

「これで今度は、海璃を悲しませずに済みそうだな?」

 

 

そして、亜空間の扉は閉ざされた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、元の世界に戻ってきた蒼空(ジード)は・・・・・・

 

 

「蒼空!」

 

「・・・・・・ただいま。」

 

「ようやく終わったんだな?」

 

「あぁ。・・・・・・あれ?和美と紫音は?」

 

 

蒼空(ジード)の発言で、蘭とウィズが前に出てきた。

 

 

「蘭?それにウィズも・・・?」

 

「実は・・・・・・。」

 

「和美が・・・・・・。」

 

「そっか・・・。」

 

 

事情を知った蒼空は、ふとベリアルが建てたマリシャスタワーを見た。

 

 

「・・・・・・破壊するのですか?」

 

「あぁ・・・・・・()()()()を、破壊する。」

 

「はい・・・?」

 

 

蒼空(ジード)の発言に全員が驚く中、蒼空は躊躇なく力を発揮した。

 

 

「蒼空!?」

 

「そうだ。海璃、新しい世界でもしも逢えたら・・・・・・今度はちゃんと、付き合おう。」

 

 

蒼空のその言葉が、この場・・・・・・いや、この世界にいる全員の最後に聞いた言葉であった。

 

 そして、世界は光に包まれ・・・・・・1つの世界がそれぞれの世界に分離していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は3月のとある公園。この人通りが少ない場所に、1人の少年が倒れていた。

 

 

「・・・・・・うっ、ここは・・・?」

 

 

その少年は桐生蒼空。先程ベリアルを倒して、世界を破壊して創り変えた人物である。

 

 

「・・・・・・うん?あれ?ベリアルが建てた塔がない・・・?」

 

 

蒼空は景色が開ける場所に来て辺りを見たが、ベリアルが建てた塔はなく、さらには敵のような気配が一切感じられなかった。

 

 

「・・・・・・そうか、成功したのか。」

 

(そうだ、君の行った行為は成功した訳だ。)

 

 

蒼空の一人言に答えたのは、脳内にいる別人格の『葛城(かつらぎ)映司(えいじ)』だった。

 

 

(だけど、君の事を覚えている者は誰もいない。あの世界の出来事とは別の時間を送っているからね。)

 

 

その言葉の通り、蒼空の目の前を三羽ガラスが通っていったが、全く蒼空に見向きもしなかった。

 

 

(ここでお別れだ。楽しかったよ、君との時間・・・。)

 

 

すると、葛城映司は蒼空の中から消滅した。・・・・・・いや、この世界の住人になったのだった。

 

 

「・・・・・・。」

 

「あそこにめっちゃ涼しい場所あったから、めっちゃ涼しいぜ?」

 

「っ、万丈、香澄!無事だったのか!?」

 

 

蒼空には聞きなれた声が聞こえてきて、そっちの方を見ると香澄と龍哉が歩いていた。

 

 

「・・・・・・あんた、誰?」

 

「え・・・?」

 

「う~ん・・・・・・あ、私たちのファンとか?」

 

「あ~!そういうとこか!・・・・・・握手でいい?」

 

 

蒼空は渋々、龍哉と握手をした。

 

 

「・・・・・・お前が無事なら、それで充分だ。」

 

 

蒼空は自分のことを覚えてなかった悲しみを隠すように、笑顔で龍哉に一言発して、その場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、蒼空は自分の家・・・・・・だった場所に来ていた。そこは、世界が変わっても『喫茶店nascita』として営業していた。もう自分の家じゃない、この世界の住人じゃないから、そんな言葉で自分に言い聞かせながらも、ほんの少しだけ期待をして、店に入った。

 

 

「・・・・・・。」

 

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」

 

「はい・・・。」

 

 

そこには石動惣一と美剣海璃が店員としていた。だが、惣一はともかく、海璃が自分のことを覚えていないことに再びショックを覚えた。

 

 蒼空はカウンターに座って、普通の客として注文をする。

 

 

「コーヒー1つ。」

 

「かしこまりました。」

 

 

声を発しても、彼女は自分には気付かない。

 

 

「はい、お待たせ~。」

 

「あ、どうも・・・・・・っ。」

 

「うん?どうかしたのかい?」

 

「い、いえ・・・いただきます・・・。」

 

 

コーヒーを出してきたのは、まさかの『コーヒーが不味いイメージしかない石動惣一』だった。

 

 

(まさか、エボルトじゃないから不味くはないよな・・・?)

 

「っ・・・・・・ウマっ。え、普通に美味しい!」

 

「でしょ~?実はさ、豆からこだわってて──」

 

「はいはいマスター!仕事よ、し・ご・と!」

 

「いや、でもさ──」

 

 

蒼空は、世界が元に戻って嬉しく思いつつも、自分はそんな世界の住人ではないことを改めて思い知らされてしまう・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 nascitaを後にした蒼空は、噴水が目印の公園に来ていた。今日は休日なのか、子供連れで遊びに来たりしている人が多かった。だが、蒼空は1人噴水の近くのベンチに座っていた。

 

 

「この前までは俺だけ記憶がなかったのに、今は俺しか記憶がないのか・・・。」

 

 

望んで行ったことなのに、少し悲しく思えてしまう。

 

 

「はぁ・・・。」

 

「いつまでも落ち込んでる主様を見るのはもう飽きましたね。」

 

「え・・・?今の声って・・・?」

 

 

突然聞きなれたような声が聞こえてすぐ、蒼空の影が伸びて1人の女性が影から現れた。

 

 

「夜華・・・?」

 

「お久しぶりです、主様。」

 

「どうして・・・?」

 

「わたくしがどうして主様のことを知っているのか、ですか?答えは簡単ですよ。魔王に覚醒した主様が魔王の力を使ってこの世界を創り直したのだから、わたくしは魔王因子の力でその影響を受けずにこの世界に飛んできたのですから。・・・・・・どうされました、主様?」

 

「・・・・・・いや、最高だな!」

 

「これからどうされます?」

 

「そうだな~、とりあえずは家かな?」

 

「お金はあるのですか?」

 

「だいたい。」

 

「・・・・・・それと、バイト先を探しましょうか?この後の資金のために。」

 

「そだねー。とりあえず、CiRCLEに殴り込み?」

 

「全てを破壊しないようにしてくださいね。」

 

 

ようやくまとも(?)な話相手が見つかった蒼空は、とても笑顔だった。

 

 

 

 

 

 これは、記憶を失った少年『桐生蒼空』が様々な人に触れて、愛と平和(Love&Peace)のために『仮面ライダー』として戦っていく物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、街の中にいる1人の男が、顔が描かれた丸いアイテムのボタンと、四角くて黄色いアイテムのボタンを押した。

 

 

『ジオウ!』

 

『ジャンプ!』

 

「・・・・・・時は、満ちた・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 11月から始まった今作は、これにて終了となります。今までありがとうございました。では、また次回作でお会いしましょう。







































・・・・・・って言うと思った?残念ながら第2期が始まっちゃうんですよ~!じゃなきゃ、この下の4話を何のために書いたか分かんないでしょ?

 次回からは、不定期に更新しようと考えています。書き終えて、その後の○○時ジャストの時間に。・・・・・・パクるようだけど、『ボーカルでヴァイオリニストな彼は』と同じ感じに。

 それじゃあ、おつモ二~。


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第2章
第1話 魔王・再臨


 
 
 今回から新章突入!バンドリ2期からの世界をお届けするよ♪・・・・・・オッサンが音符マーク使って喋るのは『気持ち悪い』以外の何物でもないな。

 では、次回からまた緩~いあらすじ紹介をするとして、ひとまず本編に・・・・・・Youたち行っちゃいなよ!

 あ、『第2章』は後で入れるね。







 

 

 

 

 

 桜が満開になりつつある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?桐生蒼空です。・・・・・・今は夏?知るか、そんなリアルな話。こっちは世界を新しくしたら急に4月1日だったんだぞ?嘘かと思ったよ。エイプリルフールだけにな。ただな、前回から2日しか経ってないんだよ。

 

 それじゃ、そんな2日間の成果をお伝えしよう。まずは・・・・・・これかな。バイト先は決まった、場所の名前は『ライブハウス さーくる』。

 

 

「主様、それでは崩壊して温泉が出来てしまいます。呼び方は『さーくる』で構いませんが、文字としては『CiRCLE』にしなければわたくしたちの稼ぎ場がなくなってしまいます。」

 

 

・・・・・・それもそっか。とにかく!まりなさんにバイトしたいって言ったら二つ返事でOK出たんだ。・・・・・・人手不足なのか、頼みに行ったその日から働かされたよ。しばらくは機材の準備がメインなんだろうけどな。ちなみに、夜華もここで働いている。

 

 そして、『衣食住』の案件だが・・・・・・これがまた酷い。

まずは『衣』。2日分の服しかないため、着替えたらすぐに洗濯して次の日に着れるようにしないといけない。

続いて『食』。金はあるが・・・・・・この後話す内容のせいで、基本はコンビニで済ませている。

最後に『住』。・・・・・・無い。まさかのアパートに住む分の金が無かった。ほんの少し足りなかっただけなんだが。

 

ってことで、今は野宿生活をしている。洗濯はコインランドリー、風呂は近くの安い銭湯、そして、近くの公園で寝泊まり中。

 

だが、こんな時に『魔王の力』が役に立つ。魔王因子を持たない人間には視認できない空間の入り口を作って、その中に寝れるだけの場所を作った。しかも都合が良いことに、『魔王の力を使っていても疲れない』って能力で何時間その中で寝てても疲れないんだよ。だから、夜は難なく過ごせる。

 

 

「本当ですよ。おかげさまで主様は疲れ知らずを良いことに、わたくしに────をしたり、────な体制で────をしたりと、わたくしの方が疲れ──」

 

 

してません!!何を『通常検索』枠で出してる作品で言えないことを言ってんのよ?それに、俺がいつそんな事をしたんだよ?逆にお前がなんかしてきそうで怖いんだよ、こっちは!

 

 

「例えば、────して主様の────を────したりすることですか?」

 

 

だーかーらー!!この作品にはR-18も、R-17.9も付いてないんだから、そういうの言わないでよ。

 

 とにかく!!・・・・・・俺たちはせめてアパートに住むためのお金を貯めるために、日々『CiRCLE』でバイトをしているのだった。

 

 

「仮面ライダーとして活躍していた主様は一体何処(いずこ)に・・・?」

 

 

やかましいわ。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

「はい、今日の予約表ね。」

 

「ありがとうございます。・・・・・・って、常連バンド全組入ってるじゃないですか!?」

 

「そうだよ。今日も頑張ろうね!」

 

 

いつもなら数組で終わってたのに、今日はポピパにアフロ、パスパレにRoselia、ハロハピの5バンドがスタジオ使うのかよ・・・。それを出勤してすぐに言いますか!?ここって、ブラック企業じゃねぇだろうな?

 

 

「脳内での会話は終わりましたか?」

 

「はい、今終わってしまいました・・・。」

 

「そうですか。それでは、『ハロー、ハッピーワールド!』のスタジオのセッティングに行きますわよ。」

 

「はいはい・・・。」

 

 

5バンドのメンバー全員とも顔を合わせたが、誰一人俺のことを覚えてなかった。・・・・・・そりゃそうだよな?この前の世界のことを全てリセットして、本来流れるべき時間に戻したんだから、覚えてなくて当然だよな。前の世界のことを『旧世界』って呼んで、今の世界を『新世界』って呼んでるけど・・・・・・俺は本来存在しない人間だ。葛城映司の脳に佐藤紫閻の身体で創られた人間なんだから・・・。そういや、新世界に『佐藤紫閻』っていないな。・・・・・・ちょっと設定が変わっているのか?

 

 

「主様、そろそろ休憩のお時間です。」

 

「え?・・・・・・あ、ほんとだ。」

 

「まりな様には事前にお伝えしてありますので、今から行けますよ?」

 

「分かった。・・・・・・これだけ運ばせて。」

 

「かしこまりました。」

 

 

また1人で考え事をしていたら、既に3組も終わっていた。残すはパスパレとRoseliaだけだ。その前に、カフェで昼休憩をすることになった。

 

 

「はぁ~!疲れた~!」

 

「親父臭いですよ。」

 

「仕方ねぇだろ?この2日間ずっと働きっぱなしだったんだから・・・。」

 

「それで老けたと?」

 

 

罵られながらのんびりとくつろいでいると、時間はあっという間に過ぎていった・・・。

 

 

「・・・・・・主様。」

 

「う~ん?」

 

「また、考えていたのですか?」

 

「・・・・・・なんの事だ?」

 

「誤魔化さないでください。旧世界で仲の良かった方々との記憶についてまた考えていたのか、と聞いているのですが?」

 

「・・・・・・悪いかよ?」

 

「悪い訳ではありませんが、そろそろ切り替えていただけませんか?接しづらいです。」

 

「ストレートに言うね~・・・。切り替えれてたらとっくに切り替えてるよ・・・。」

 

 

顔とか性格が少し違えば良かったんだが、全く同じだからついつい旧世界でのことを思い出しちまうんだよな・・・。

 

 

「・・・・・・そろそろお時間です。」

 

「あぁ。・・・・・・なんだ、この気配・・・?」

 

「はい?・・・・・・確かに、変な気配がしますね。」

 

 

俺はすかさずカフェエリアから道路へ出て行こうとした瞬間、ちょっとした殺意の塊が近くに来たから咄嗟に顔を下げた。

 

 

「・・・・・・あっぶな。」

 

「ですが、危ないのは()()()()かと?」

 

「あれは・・・・・・フィクション、じゃねぇよな?」

 

 

視線の先には、()()()()()()()()()()()()()()()たちが槍を持って白鷺千聖を襲っていた。

 

 

「はぁ・・・、どうなってんだよ・・・?」

 

 

俺は溜息を1つ吐いて、走って千聖に近い奴らを蹴り飛ばした。

 

 

「きゃっ!?」

 

「・・・・・・大丈夫か、千聖?」

 

「え?あなた・・・・・・CiRCLEのスタッフさん・・・?ってか、なんで呼び捨てなのよ!?」

 

「そこツッコみますか?」

 

 

俺は千聖との会話をそこそこにして、灰色の者共に視線を向ける。

 

 

「ほぉ~、我らの姿を見て恐怖に怯えるのかと思えば、まさか歯向かう者がいるとは・・・・・・愚かだな。」

 

「お前ら・・・・・・何者だ?」

 

 

俺の問いかけに、灰色の者共の中央から牛のような角を付けた怪物が現れた。・・・・・・『ユカイツーカイ怪物くん』じゃないな。

 

 

「我はファントムの『ミノタウロス』。ある人間を絶望させるためにやって来た。」

 

「絶望?」

 

 

・・・・・・考えても分かんないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大賢者さん、あいつらの事教えて。

 

 

《・・・・・・。》

 

 

あれ?大賢者さん?なんか言ってよ!!

 

 

《告。2日前にも申しましたが、現在、スキル『大賢者』は進化して『智慧之王(ラファエル)』へとなっています。》

 

 

そうでしたね・・・。めんどいから名前付けてあげるよ!

 

 

《名前、ですか・・・?》

 

 

『スキルに名前付けるの?』とか言うなよ。そうだな・・・・・・『シエル』はどうだ?

 

 

《シエル・・・・・・良い名前ですね。》

 

 

あれ?言葉使いが・・・?

 

 

《スキル『智慧之王(ラファエル)』は名前を得たことによって、人格を形成しました。》

 

 

え?そうなの?・・・・・・やっぱり、最近アニメになった『名前を得ると強くなる作品(転生したらスライムだった件)』が元ネタなだけあるね。

 

 あ、それよりもさ~!あいつら何なん?

 

 

《はぁ・・・。今目の前にいるのは『ファントム』と呼ばれる、魔力の高い人間『ゲート』が絶望した時に生まれる魔力の塊です。ちなみに、周りの灰色は『グール』と呼ばれる戦闘員のようなものです。》

 

 

そうなんだ・・・。ってか、いきなり溜息ついたよな!?

 

 

《してません。》

 

 

いやいや、してたって!

 

 

《してません!それより、早くファントムたちを追い払わなくていいのですか?》

 

 

え?・・・・・・あ、はい。シエルさん、ちょっと冷たい・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様を絶望させても、新たなファントムは生まれない。なら・・・・・・今ここで死んでもらう。」

 

「悪いけど、簡単に死ぬ気はねぇよ。」

 

「主様?」

 

「夜華、千聖連れて下がっててくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

「ちょっとちょっと~!なんの騒ぎなの!?」

 

「まりなさん、店の中に入っててくれ。」

 

「え?・・・・・・分かった。」

 

 

さてと、これで思う存分戦えるな~。

 

 

「人間が我らファントムに勝てるとでも?」

 

「勝てないって思ってたら前には出ないさ。」

 

 

俺はビルドドライバーを取り出し、装着した。

 

 

「・・・・・・なんのつもりだ?」

 

「見て分かんない?お前らみたいなのと遭遇した時の対処法だよ。」

 

 

そして、手を開いてボトルをイメージする。そうすれば、今から使いたいボトルが《元》ジーニアスボトルから具現化する。これ、本物と同じように使えるんだよ。おかげで、ボトルを持ち歩く必要がなくなったんだよ。

 

 

「ジード!」「スペシウム!」「ベストマッチ!」

「Are You Ready?」

「変身!」

「覚悟のスペシウムジード!

 プリミティブ! イエーイ!」

 

 

久しぶりの変身・・・・・・な気がするな。

 

 

「祝え!!光と闇を超越し、全てを支配する最強の王者!その名も、『仮面ライダージード プリミティブフォーム』!今まさに、新世界に降り立った瞬間である!!」

 

「・・・・・・久しぶりに聞いたな、それ。」

 

「なんだ貴様は!?」

 

 

いや、今さっき言ってたじゃん。・・・・・・仕方ない、自己紹介しちゃおっかな。

 

 

「仮面ライダージード、遺伝子(Gene)運命(Destiny)をひっくり返すって意味のジード(GEED)だ。以後、お見知りおきを。」

 

 

さてと、戦闘開始だ。・・・・・・ってことで作者さん、ナレーションよろしく!

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 そんな事をナレーションで言うなよ・・・。それでは、キャラ視点で戦闘シーンを書くのが苦手な作者が書く戦闘シーンをどうぞ~。

 

 

「え!?何それ!?カッコイイ~~~!!」

 

「ちょっとあこ、あんまり近付かない方がいいんじゃない?」

 

「っとっと・・・!あのさ、ちょっと離れててくんない?」

 

 

・・・・・・出だしからカッコよく決まらないのが、ビルドを受け継ぐジードです。

 

 

「さてと・・・・・・気を取り直していきますか!」

「ジードクロー!」

 

「あなたたち、こんなとこで何をしているんですか!?」

 

「紗夜さんもちょっと下がってて!!」

 

「な!?なんで私の名前を・・・!?」

 

「いいから!さーくるの中に入ってて!!」

 

 

紗夜に邪魔されつつも、ちゃんと気を取り直して戦いに挑むジード。ジードクローを持って、槍で攻撃をしてくるグールたちの攻撃をかわしつつ自身の斬撃をグールに与えるジード。それを見てイライラし始めるミノタウロス。

 

 

「ったく、面倒くせぇほどいるなぁ!!夜華、手伝ってくれ!!」

 

「残念ながら、ドライバーがございませんので変身出来ません・・・。」

 

「そういやそうだった・・・。」

 

 

旧世界でライダーの能力を奪われた夜華は、ライダーに変身出来ない。

 

 

 

 

 

(どうしよう、シエル?)

 

《すぐに終わらせたかったら、『ウルティメイトファイナルフォーム』で行くのはどうでしょう?》

 

(う~ん・・・・・・それでいっか。)

 

 

 

 

 

 ジードはグールたちから離れて、《元》ジーニアスボトル:現『ウルティメイトファイナルボトル』を取り出して、起動させてドライバーにセットした。

 

 

「ウルティメイト! オールイエイ!」

「ジードファイナル!」

「イエイ!」「イエイ!」「イエイ!」「イエイ!」

 

 

ドライバーのレバーを回せば、ジードの周りにはボトルが飛び交い、攻撃してくるグールたちをジードに近付けさせなかった。

 

 

「Are You Ready?」

「ビルドアップ。」

「完全無欠のサイキョウマオウ(最強魔王)

 ウルティメイトファイナルジード! スゲーイ! モノスゲーイ!」

「勝利の法則は、決まった。」

 

「なんだ・・・・・・その姿は・・・?」

 

「魔王になった証、って言えば分かるか?」

 

 

白をメインとしたスーツにカラフルなボトルが挿さった姿に『魔王』は似合わないと思うが・・・。

 

 

「それじゃ、始めますか!」

イチゴクナイ!(仮面ライダー鎧武)

 

「なっ!?なんだ、これは・・・!?」

 

 

ミノタウロスは驚愕した。ジードが手を上に上げた瞬間、自身やグールたちの上空を無数の短剣が覆ったことに。短剣の数は・・・・・・千は超えているだろう。

 

 

「ではでは皆さん、グッドラック。」

 

 

手を勢いよく振り下ろした瞬間、上空にあったクナイが全てファントムたちに一斉に降り注いだ。この雨の中生き残ったのは、ミノタウロスだけだった。

 

 

「ぐっ・・・、なんだ、これは・・・!?」

 

 

ミノタウロスは苦し紛れにグールの種を巻いて、グールたちをさらに生み出した。

 

 

「え~、まだいんの~?・・・・・・しゃーない、これで終わらせますか。」

忍者一番刀!(手裏剣戦隊ニンニンジャー)超絶勝負チェンジャー!(手裏剣戦隊ニンニンジャー)

「それじゃ、()()()()()と行きますか!!」

「ザ・勝負!」「 N!I!N!I!」

 

 

刀に手裏剣状のアイテムをセットして、その手裏剣を回す。

 

 

「N!I!N!I!ニンニニン!」

 

「なっ!?ま、まずい・・・!」

 

「逃がすか!!」

 

 

ジードの持つ刀が炎を纏って刀身を伸ばす。そして、ジードはその刀身を振り回してグールたちを全て斬った後、その刀身は戻ることなくミノタウロスを襲った。

 

 

「一番勝負!」

「おりゃあああ!!」

 

「「「グァアアア!!」」」

 

 

炎を纏った斬撃は、派手にグールたちは消滅させたが、ミノタウロスは倒せていなかった。だが、ミノタウロスの角だけは落ちていた。

 

 

「・・・・・・逃げられちゃった。」

 

 

そして、敵がいなくなったことを確認したジードは、変身を解いた。そこに夜華はやって来た。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 とりあえず、ファントム共がいなくなったけど・・・・・・なんであいつらがこの世界にいるんだ?

 

 

「主様、お怪我はありませんか?」

 

「あぁ、大丈夫だ。だけど・・・・・・。」

 

「何故、怪物がこの世界にいるのでしょうか?」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

「ちょっと~!2人とも休憩終わりだよ~!早く戻ってきて~!」

 

 

 

「・・・・・・とりあえず、仕事するか?」

 

「仕方ありませんね、こんな事で給料が減ったら困りますから。」

 

 

俺たちはひとまず仕事に戻った。

 

 だが、この戦いが、この先の大きな戦いのほんの一部だとは想像出来なかった。・・・・・・きっと大きな戦いが起きるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 いかがでしたでしょうか?なかなか酷かったでしょ?自分で書いてても酷いって思ったもん。

 ちなみに、ウルティメイトファイナルはオリジナルフォームです。『ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル』と『仮面ライダービルド ジーニアスフォーム』を脳内で良い感じに合わせればオッケーっす。

 そして、何かジードに使ってほしい武器があれば、活動報告にこの作品のリクエストボックスあるから書いて~。


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第2話 魔王、捜査中・・・?

 
 
「仮面ライダージードで天っ才物理学者の桐生蒼空は、ベリアルを倒して新世界を創った。だが、新世界では存在しないはずの怪人たちが現れ──」

「主様、1つ訂正したいことが・・・。」

「え?な、何・・・?」

「主様はそもそも、能力によってその天才的頭脳を発揮していたのですよね?他人の力を使っておいて『天才物理学者』はどうかと思いますが。」

「うるさい!シエルは元々俺の能力なんだから、俺の一部でしょうが!」

「ですが、前回『人格が形成された』って言ってましたよね?」

「もういいよ!!早く新シリーズ第2話始めて!」

「逃げましたね。」








 

 

 

 

 

 バイトの時間が終わる頃、俺と夜華は何事もなかったかのようにバイトをして、片付けをしている。そこで、夜華が聞いてきた。

 

 

「主様、先程の出来事ですが・・・?」

 

「あぁ、()()ね。あいつらは『ファントム』っていうらしい。」

 

「ファントム・・・・・・。」

 

 

まぁ、聞きなれない言葉だよな。

 

 

《変わりましょうか?》

 

 

え?そんな事出来るの?

 

 

《前に蒼空の身体を借りて戦いましたよね?それと同じ要領で行けますよ。》

 

 

んじゃ、よろしく。

 

 

「《・・・・・・。》」

 

「主様・・・?」

 

「《初めまして、桐生蒼空の能力『智慧之王(ラファエル)』として存在している『シエル』と申します。》」

 

「主様の能力、ですか・・・。人格をお持ちとは、少し驚きました・・・。」

 

「《それでは早速、『ファントム』について説明させていただきます。》」

 

「その前に1つ質問なのですが・・・。」

 

「《どうぞ。》」

 

「今、主様はどうされているのですか?」

 

「《今は『シエル』という人格の後ろで聞き耳を立ててnこの会話を聞いていますよ。》」

 

 

言い方!!盗み聞きしてるみたいな言い方止めてくれません?

 

 

「《良い例を挙げれば、2人の会話を盗み聞きしているものです。》」

 

 

シエルーーー!!?

 

 

「主様・・・。」

 

 

夜華さん、ガッカリしないで!俺だってファントムの情報を聞きたいんだから!!

 

 

「《では、気を取り直して・・・・・・ファントムとは、魔力の高い人間『ゲート』と呼ばれる者が絶望した際に生まれる魔力の塊です。》」

 

「絶望・・・?」

 

「《はい。ですが、『ファントムによって絶望させられた時』のみです。勝手に絶望してもファントムは生まれません。》」

 

「そうなんですね・・・。」

 

 

だから、あのファントムが絶望させようとしたのか・・・?

 

 

「《では、そろそろ盗み聞きしている蒼空に戻りますね。》」

 

 

おいシエル、言い方があんだろ!?

 

 

「あ、戻った。」

 

「あら、お帰りなさいませ。」

 

「とりあえず、盗み聞きの件は置いといて・・・・・・千聖がゲートって線は考えられないんだよな~。」

 

「何故ですか?」

 

「もしも千聖がゲートだったら、『そこの女を絶望させに来た』とか言うだろ?でも、あの牛は『ある人間』って言ったんだ。」

 

「では、千聖様の関係者がゲートだと?」

 

 

関係者ね・・・・・・ゲート、ゲート・・・・・・うん?ファントムは魔力の塊。ってことは・・・?

 

 

「・・・・・・なぁ、旧世界で会った『ウィザード』ってさ、力の源ってなんだっけ?」

 

「ウィザード?・・・・・・確か、体内にファントムを宿すことで魔力を魔法に変換して使うと聞きましたが──まさか?」

 

「俺の予想だけど、旧世界のウィザード『黒崎(くろさき)晴斗(はると)』が怪しいんじゃないか?」

 

「確かに、その可能性は高いですが・・・・・・確率は低いですよ。新世界で『ゲート』自体が存在しているかどうか・・・?」

 

「・・・・・・調べてみるか。」

 

 

俺は右手を開いて、魔王の力を込めた。そして、缶型のアイテムを創りだした。

 

 

「そちらは?」

 

「なんか、『カンドロイド』っていうらしいんだよ。」

「タカカン!」

 

 

ブルタブを開けると、缶がタカみたいになって宙を舞い始めた。俺は近くの窓を開けて、

 

 

「黒崎晴斗を探してくれ。」

 

 

それだけタカカンドロイドに言うと、言葉を理解したのか首を縦に振って、外に飛び出した。

 

 

「・・・・・・便利なものですね。」

 

「俺も創ればよかったな~。」

 

「他人の力ばかり借りる魔王とは一体・・・?」

 

「やかましいわ。・・・・・・まぁ、『全てを支配する魔王』だからな。」

 

「そんな魔王がバイトとは・・・w」

 

「笑うなよ。帰るぞ。」

 

 

帰り支度を済ませて帰ろうとしたら、店の外にパスパレとRoseliaの計10人がカフェエリアで待ち構えていた。

 

 

「・・・・・・どうする?」

 

「そうですね・・・・・・裏口から帰りますか。」

 

「そうだね。帰ろ帰ろ。」

 

 

気付かれないようにコッソリと帰りました。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 街が夜に覆われた頃、蒼空と夜華が姿を消した公園に1人の女性が来ていた。その姿は半袖ほどのロングTシャツに見えづらいがショートパンツを履いた、女子高校かのような背丈のハーフっぽい女性だった。

 

 

「・・・・・・うん?」

 

 

ふと鳥のような声がしたと思い、上を見上げた女性は、空をグルグル飛び回っているタカカンドロイドを見つけた。

 

 

「・・・・・・やっぱりココか。」

 

 

女性は一言呟いた後、ポケットから四角い物を取り出し、ボタンを押してその場を去った。

 

 

「バレット!」

「明日、会えるかな~?変身してるから、分かるよね~?」

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 今日はバイトが休みだから、朝から俺たちを探していたタカを追って、黒崎晴斗を見つけた。

 

 

「やはり、高校生なのでしょうか?」

 

「いくら学年が上がっても、千聖と同い年ならまだ高校生だろ?」

 

「ですが、性格は変わりませんね。」

 

「・・・・・・そりゃそうだろうな。」

 

「もちろん、主様のことを知っているわけもありませんが。」

 

「言うなよ・・・。」

 

 

余計な一言を・・・。

 

 

《黒崎晴斗が蒼空を知っている確率は0%です。》

 

 

シエルも、要らん事言うなよ。

 

 

「・・・・・・動きましたよ。」

 

「あぁ、俺たちも行こう。」

 

 

現在、俺たちは晴斗を尾行して、情報収集している。魔王の力で、他人には視認されることはない。・・・・・・魔王の力ってほんと便利だな!

 

 

「・・・・・・って、CiRCLEかよ。」

 

「ここで休憩されるのでしょうか?」

 

 

 

 

 

「・・・・・・千聖、大丈夫だった?」

 

「えぇ。ごめんね、心配かけちゃって・・・。」

 

 

 

 

 

「・・・・・・仲良さそうだな。」

 

「ですが、これ以上離れられると会話が聞こえなくなりますよ?」

 

「確かにな~。」

 

 

そう言いつつ、俺は両手を開いて再び缶状のアイテムを2つ創りだした。

 

 

「次はなんのカンドロイドですか?」

 

「バッタだって。通話が出来るらしい。」

「バッタカン!」

 

 

バッタカンドロイド2つのうち1つは千聖たちのとこに行って、もう1つは俺の手元に残った。

 

 

「これで、向こうからの会話が聞こえる。」

 

「・・・・・・思ったより便利な機能ですね。」

 

 

俺たちは近くのベンチに座ってバッタを通して聞こえてくる会話を聞くことにした。のだが・・・・・・

 

 

「何をしているのですか?」

 

「え?・・・・・・あ。」

 

 

まさかのCiRCLEに向かおうとしているRoseliaに見つかっちった・・・。

 

 

「あぁ!昨日変身したスタッフさんだ!」

 

「あぁ~、そういえば。」

 

 

ヤバい、Roselia5人が寄ってきた。

 

 

「ちょっ、夜華、どうしよう?

 

「えぇ・・・、どうしようも何も、それくらい自分で考えていただけませんか?

 

「お2人は、こんなところで何をしているのですか?」

 

「「・・・!」」ギクッ

 

「そうですよ!それに、昨日のことも教えてください!」

 

「いや、えっと・・・?」

 

「そのハナシ、アタシも聞きたいな~?」

 

「え?・・・・・・っ!」

 

「貴方様は・・・・・・っ!」

 

 

右側からやって来たRoseliaが問い詰めてくるが、それに便乗して事情を聞こうとする声が左側から聞こえた。そこには、見慣れない女性が立っていた。・・・・・・いや、見慣れない訳ない。確かに新世界では見慣れないが、旧世界では何度も会っている人物、『葛城(かつらぎ)ウィズ』だった。

 

 

「ヤッホ~、久しぶりだね~?」

 

「・・・・・・誰だか知らないけど、あなたにも関係ないことだ。」

 

 

ウィズは俺たちのことを知っているような口調で話してくるが、万が一のことも兼ねて知らないフリをしてみる。

 

 

「えぇ~、知らないワケないでしょ~?・・・・・・あ、そうだ。」

 

「・・・・・・?」

 

「ねぇりんりん、あの人誰?」

 

「わたしも、分からない・・・・・・。」

 

「アタシ、どっかで見たことあるんだよね・・・。」

 

「奇遇ね、私もよ。」

 

「湊さんと今井さんが知っている人物、ですか・・・。」

 

 

ウィズがポケットから何かを取り出そうとしている最中に、Roseliaの5人が『ウィズを知っているか?』と話していた。そして、ウィズが目当ての物を見つけたらしく、取り出した()()()()()()()を見せつけてきた。

 

 

「コレ!見覚えあるでしょ?」

 

「っ!?」

 

「ちゃんと作動するよ。」

「バレット!」

「ね?」

 

「・・・・・・ちょっと来い。」

 

「え?え、ちょっと何!?怒っちゃった!?ゴメンって・・・!」

 

 

明らかにおもちゃとは思えない物を持っているウィズを連れて、俺はRoseliaから少し離れた位置に移動した。

 

 

「お前、本当にウィズなのか?」

 

「?・・・・・・ウィズだけど。」

 

「いや・・・・・・質問がおかしかったな。お前、旧世界の記憶が残ってるのか?」

 

「残ってるって言うか・・・・・・あの世界のアタシだよ。」

 

「え?」

 

「アンタや、後ろの夜華ちゃんみたいにね。」

 

 

そう言えば、ウィズにも魔王因子があったんだな。ってことは、本当に夜華と一緒で旧世界から新世界に来たのか?

 

 

「あの、話は終わりましたか?」

 

「え?あ、いや・・・?」

 

「いいや、まだ話してすらないよ。それじゃ、みんなでおハナシしましょうか?」

 

 

なんでウィズが仕切る?そう思いながらも、諦めて話をしようと思っていた。だが、

 

 

「楽しそうだな、俺も混ぜてくれよ。」

 

 

また別の方から今度は男の声がした。俺の頭の中では『万丈』か『晴斗』辺りだと思ったが、全くの別人で、黒いコートに帽子を被り、サングラスをかけた怪しい人だった。

 

 

「ちょっとオジサン、高校生の会話に入るにはもうちょい若者文化を知った方がイイよ~?」

 

「安心しろ、俺は約1名に用があって来たんだよ。」

「アームズ!」

 

「はい?」

 

「あれは・・・?」

 

 

おっさんが取り出したのは、形が禍々しいUSBメモリーだった。それを、左手の甲に挿した。すると、おっさんは怪物へと姿を変えた。

 

 

「そこの変身する奴、貴様を消しに来た。」

 

「え、アタシ?」

 

「笑顔で反応すんな。恐らくは俺だろ?」

 

「また、怪物・・・!?」

 

「リサ、危ないんじゃない・・・!?」

 

「みんな、早く逃げよう!!」

 

「夜華、みんな連れて下がってくれ。」

 

「かしこまりました。」

 

 

怯えているRoseliaと共に下がる夜華。俺は逆に怪物の前に出た、あの怪物──

 

《解析完了。あれは『ドーパント』と呼ばれる怪人です。ちなみに、種類としては『アームズ・ドーパント』で、左腕を色んな武器に変更出来ます。》

 

──解説どうも。あのドーパントを倒すために。

 

 

「あっれ~?オネーサンには何かないの?」

 

「あんたは戦えるんだろ?四魔卿を倒せるぐらい強いんだし。」

 

「まぁね~。」

「ショットライザー!」

 

 

俺はいつも通り、ビルドドライバーを腰に巻いて、ウィズは銃の付いたベルトを腰に巻き、付いている銃を手に取った。そして、俺は2本のボトルを、ウィズは1つのプログライズキーを持ち、変身する。

 

 

「ラビット!」「タンク!」「ベストマッチ!

 

「フッ!・・・ッ!」パキッ

「バレット!」「オーソライズ!」

 

 

とうとう片手で堅そうなプログライズキーを開けるウィズに少し驚いたが、それを気にしていたらキリが無さそうだったから気にしないことにした。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 1人の異形な者を相手に、まだ高校生の男女2人は怖がるどころか、戦う姿勢を見せていた。

 

 

「Kamen Rider.Kamen Rider.──」

「Are You Ready?」

 

「「変身!」」

 

「鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イエーイ!」

「ショットライズ!シューティングウルフ!

 The elevation increases as the bullet is fired.」

 

「そちらのお嬢さんも!?聞いてないぞ!」

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

「それじゃ、ハデに行くよ!!」

 

 

ウィズまで変身したことに驚くアームズ・ドーパント。だが、変身したバルカン(ウィズ)は銃を回して決め台詞を言った後、何発もドーパントを撃って走り出した。

 

 

「・・・・・・どこぞの宇宙海賊かよ・・・?」

 

 

微妙にツッコミを入れたジード(蒼空)はドリルクラッシャーを片手にドーパントに挑む。

 

 

「ぐっ・・・、ダァアアア!」

 

「ふっ!よっ、ハァアア!!」

 

「ソリャア!!」

 

 

片腕を剣に変えてライダーを倒そうとするが、その剣はドリルで受け止められ、逆に相手のドリルが自分の身体に痛みを与えてきた。更に頭上から青い狼が銃弾を放ち、ドーパントは膝をついてしまう。

 

 

「ここまで、とは・・・!?」

 

「フゥ~、さっすが姉弟!連携バッチシだね!」

 

「はいはい。一気に決めるぞ!」

「Ready Go!」

 

「も~、しょうがないな!」

「バレット!」

 

 

ジードはドリルクラッシャーを銃モードにして、それぞれ必殺技を放とうとする。だが、

 

 

「フォーゼ!スレスレシューティング!」

 

「っ!?ぐっ・・・!?」

 

「え!?ちょっ・・・!?」

 

 

突如、謎の音と共に飛んできたミサイルによって必殺技は放たれなかった。

 

 

「もう~誰よ、こんな時に!!」

 

「くっ・・・・・・っ!あいつは・・・!?」

 

「あぁ!?」

 

 

異形の者たちの視線が全て同じ場所に行った。そこには、明らかにジードとバルカンに銃を向ける1人の人物がいた。いや、()()()()と言った方がいいだろうか。

 

 

「えっと・・・・・・『カメン』、『ライダー』?」

 

「うわ・・・、答えが顔に書いてあるよ・・・。」

 

「また別の奴か・・・!」

 

「僕は、仮面ライダージオウ。」

 

「ジオウ?」

 

 

顔に『ライダー』と書いてあるジオウは、ジードの方に顔を向けた。

 

 

「君がジード、魔王だね?」

 

「・・・・・・だったら?」

 

「君の力を、見せてもらう。」

「ケン!」

 

「っ!ウィズ、ドーパントを頼む!」

「ラビットタンクスパークリング!」

 

「・・・・・・オッケー!」

「パワー!」「オーソライズ!」

 

 

「ビルドアップ!」

「ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!」

 

「ハァ!」

「ショットライズ!パンチングコング!

 Enough power to annihilate a mountain.」

 

 

ジードは『ラビットタンクスパークリングフォーム』に、バルカンは『パンチングコングフォーム』へと変身した。それに対し、ジオウは『ジュウ』から『ケン』へモードチェンジして、ジードに挑む。

 

 

「ハァ!」

 

「ふっ!・・・・・・これが、スパークリングの力か。」

 

「澄ました声出しやがって・・・!だけど、お前の今の姿が基本フォームだってことは分かってる!」

 

「だろうね。でも!」

 

「ぐっ!?」

 

 

剣でジードを武器ごと吹き飛ばしたジオウ。そして、ジオウは腕に付いている赤と青の丸いアイテムを手に持った。

 

 

「これならどうかな?」

「ビルド!」

 

「ビルド、だと・・・!?」

 

 

その丸いアイテムを左側のドライバーのスロットにセットして、ドライバーを回転させた。

 

 

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!

 アーマータイム!〈ベストマッチ!〉ビルド!」

「これなら、対等になるかな?」

 

「ほぉ~?」

 

 

ジオウの右腕に付いたドリルと、ジードのドリルがぶつかり合う。

 

 

「ふっ!」

 

「ちっ!なんか面倒な能力だな!?」

 

「魔王と言えど、そんな余裕があるのかな!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

そんなジードは、ジオウの攻撃に押されていた。

 

 

「この・・・!?」

 

「これで、決めてあげるよ。」

「フィニッシュタイム!」「ビルド!」

 

「だったら・・・!」

「Ready Go!」

 

 

両者同時にドライバーを操作し、そして同時に飛び上がった。

 

 

「ふっ!」

「ボルテック・タイムブレーク!」

 

「はぁ!」

「スパークリングフィニッシュ!」

 

 

そして同時にライダーキックを放ち・・・・・・

 

 

「ぐっ!?」

 

「ぐわっ!?」

 

 

相打ちという結果に終わった。ジードの姿は変わらなかったが、ジオウの姿は基本フォームに戻った。

 

 

「相打ち、っぽくはなさそうだが?」

 

「やっぱり、魔王にこの程度の力では勝てないか・・・。なら、これでどうだい?」

「グランドジオウ!」

 

 

なんなく立ち上がったジードと、ふらふらと立ち上がったジオウ。そんなジオウは金色のアイテムを取り出して、起動させた。それをドライバーの左側にセットして、ドライバーを回した。

 

 

「グランドタイム!」

「祝え! 仮面ライダーグランドジオウ!」

 

「なんじゃそりゃ?」

 

 

後ろに20人のライダーを出現させ、それを身体に着けた最強の姿『仮面ライダーグランドジオウ』は、身体の左側に描かれている1人のライダーの姿を押した。

 

 

「・・・・・・。」

「ビルド!」

 

 

それを押した瞬間、金色のゲートから『仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム』が出現した。

 

 

「なっ!?どういう事だ!?・・・・・・ぐっ!ぐわっ!?」

 

 

出現したビルドは、ジオウの指示もなくジードを攻撃し始める。

 

 

「この力、初期のビルドどころじゃねぇ!しかも、スパークリングより強い・・・!?」

 

魔王(ジード)に対抗するために用意した、魔王(ジオウ)の力だ。」

 

「ぐわっ!?」

 

 

最強の姿となったジオウの呼び出したビルドに劣勢を強いられるジードだった。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 その頃、読者が忘れかけている《バルカンVSアームズ・ドーパント》の戦いだが、

 

 

「オリャアアア!!」

 

「ぐっ!なんなんだ、この馬鹿力は・・・!?」

 

「『馬鹿力』言うなー!」

 

「ぐはっ!?」

 

 

バルカンの『パンチングコングフォーム』が、アームズ・ドーパントを圧倒していた。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 戦闘シーンは再び、《ジードVSジオウ》へと戻る。

 

 

《報告します。今の相手は最強フォームです、こちらはウルティメイトファイナルで対抗してください。》

 

(分かった、シエルが言うなら!)

 

 

ジードは立ち上がり、『ウルティメイトファイナルボトル』を取り出した。・・・・・・分かりやすく言えば、元『ジーニアスボトル』だ。

 

 

「ウルティメイト! オールイエイ!」

「ジードファイナル!」

「ビルドアップ!」

「完全無欠のサイキョウマオウ!

 ウルティメイトファイナルジード! スゲーイ! モノスゲーイ!!」

 

「それが、魔王の姿・・・!」

 

 

究極とも言えるジードを前に、ジオウの緊張感が増した。その証として、身体に描かれたライダーのイラストをもう1つ押した。

 

 

「これならどうだい?」

「電王!」

 

「デヤァアアア!!」

 

「ハァ!」

 

「・・・・・・。」

 

 

ビルドと電王の剣が、ジードを襲った。・・・・・・のだが、

 

 

「・・・・・・っ!?」

 

「ぐっ・・・!?」

 

「なっ・・・!?」

 

「・・・・・・この程度か?ふっ、はっ!」

 

 

ジードはそれぞれ片手で剣を受け止めた。そして、それを自分から逸らし、自分の拳をぶつける。そして、右手を背中に持って行き、武器を具現化する。

 

 

ハヤテ丸!(忍風戦隊ハリケンジャー)4コマ忍法刀!(仮面ライダービルド)

「まずはこれだ。」

「分身の術!」

「超忍法・影の舞!」

 

 

ジードは『4コマ忍法刀』の力で6人に分身した後、障子(しょうじ)型のフィールドにビルドと電王を閉じ込め、縦横無尽に斬りつけて、フィールドの外に吹き飛ばす。

 

 

「なっ!?」

 

「次はこれだ。」

ゴウリュウガン!(魔弾戦記リュウケンドー)マダンマグナム!(魔弾戦記リュウケンドー)

「ふっ!」

 

 

次に赤い銃を2丁具現化させたジードは、ビルドと電王目掛けて連続射撃。その後、2丁の銃を合体させた。

 

 

「マグナパワー!」

「ふっ。」

「ビルドサイド!」「Ready Go!」

「吹き飛べ!」

「ウルティメイトアタック!」

 

「ぐわぁあああ!!」「ぐはっ!!」

 

 

龍の形となったエネルギー弾がビルドと電王を襲い、消滅させた。

 

 

「これほどとは・・・!」

「サイキョウフィニッシュタイム!」

 

「ほぉ、それなら!」

ギガファイナライザー!(ウルトラマンジード)

 

「はぁああ!!」

「キングギリギリスラッシュ!」

 

「ふっ!」

 

 

2人の最強武器がぶつかり合う。ジオウの武器が時々『ジオウサイキョウ』という文字を出しながらジードを襲うが、ギガファイナライザーは何も技を発動させてない状態で迎え撃っていた。

 

 

「ぐっ!?はぁ!!」

 

「よっ!おりゃあ!」

 

「ぐわっ!・・・・・・なら!」

「フィニッシュタイム!」「グランドジオウ!」

 

 

技を発動させていないジードの方が優勢になっていた。ジオウは武器を捨てて、最終手段としてドライバーを使って必殺技を発動させる。それを見たジードも、武器を捨ててドライバーのレバーを回して必殺技を発動する。

 

 

「ならこっちも!」

「ビルドサイド!」「ジードサイド!」「オールサイド!」

「Ready Go!」

 

「ふっ!・・・・・・はぁ!!」

「オールトゥエンティ タイムブレーク!」

 

「はぁあああ!!」

「ウルティメイトフィニッシュ!」

 

 

2人のライダーキックが炸裂し、そのエネルギーが衝撃波として辺り一帯を襲った。

 

 その衝撃波はただの衝撃波ではなく、ある人物たちに影響を及ぼした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その衝撃波の影響を受けたのは、CiRCLE付近にはいないPoppin'Partyと万丈。

 

 

「っ・・・・・・今のは・・・?」

 

「龍、くん・・・?」

 

「なんだよ、今の記憶は・・・!?私たちのこの記憶、本当なのか・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 影響を受けたのはPoppin'Partyだけではなかった。羽沢珈琲店にいるAfterglowや、

 

 

「っ・・・!」

 

「なんだ、今の・・・?」

 

「和美・・・・・・。」

 

「蘭?」

 

 

 

 

 

 CiRCLEにいる千聖や、他のPastel*Palettesにも・・・・・・

 

 

「え?今の、何・・・?」

 

「これ、あたしの記憶なのかな~?」

 

 

 

 

 

 そして、弦巻邸にいるハロー、ハッピーワールド!にもその影響はあった。

 

 

「あら?なにかしら、この思い出?」

 

「はぐみも。これなんの思い出なんだろう?」

 

 

 

 

 

 そして、

 

 

「っ、これは・・・・・・?」

 

 

旧世界で魔王に告白した人物にも・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グランドジオウ対ウルティメイトファイナルジードのライダーキック対決は、

 

 

「はぁ・・・・・・だぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

ジードが勝利した。ジオウは倒れるが、姿は変わっていない。ジードはちゃんと着地したが、一瞬ふらついた。

 

 

「っ、ちょっと堪えるな・・・!」

 

「もう!もうちょっと静かに戦えないの!?」

 

「無茶言うなよ!」

 

 

衝撃波によって横たわっているバルカンがジードに叫んだ。

 

 

 

 

 

 だが、後ろではRoseliaの5人が自分の記憶に疑念を抱いていた。

 

 

「何、この記憶は・・・?」

 

「私が、変身・・・!?」

 

「っ!蒼空くん・・・・・・!」

 

「・・・・・・あ、りんりん危ないよ!」

 

 

記憶について考えている時に、燐子がジードの方に向かった。

 

 

 

 

 

 だが、読者にも忘れ去られているであろうアームズ・ドーパントがジードに強力な弾丸を放つ。

 

 

「今だ・・・!」

 

「え?うわっ!?・・・・・・ッ、蒼空!!」

 

「あぁ?・・・・・・っ、燐子!!」

 

 

銃弾はジードの方へと放たれたと思ったが、前に出てきた燐子が銃弾を受けてしまう形になってしまった。

 

 

「燐子、逃げて!!」

 

「え?・・・・・・きゃっ!?」

 

(間に合え・・・!!)

「燐子ーーー!!」

 

 

銃弾が燐子に当たる直前、ジードが燐子を抱きかかえる形で燐子を銃弾から守る形を取ったが、次の瞬間銃弾は当たり爆発した。

 

 

「蒼空ーーー!!」

 

「りんりーん!」

 

「燐子!!」

 

「主様・・・・・・っ!」

 

 

爆煙が消える頃、みんながジードと燐子の安否を確認したが、2人共()()()()()()()()

 

 

「そんな・・・!?」

 

「とりあえず、ミッション達成だな。じゃあな!」

 

 

ドーパントはどこかへ逃げてしまった。

 

 変身を解いたウィズは、先程ジードと燐子がいた場所に来ていた。

 

 

「そんな・・・・・・蒼空が・・・!?」

 

「りんりん・・・。」

 

「残念ながら、2人共死んでいませんよ。」

 

「「「えっ!?」」」

 

「どういう事かしら?」

 

 

夜華の発言に、全員が疑問を浮かべた。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

「うっ・・・!ここは・・・?」

 

 

 あれ?なんで気を失ってるんだ・・・?しかも、変身解けてるし・・・・・・ってか、暗っ!!どこよ、なんでこんな暗いとこに!?もう、何がどうなってんだよ・・・!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 いかがでしたか?『まさかのジオウ!?』って思ったやろ?この後色々考えてんのよ。さて、ジオウの正体は誰でしょうか?正解は・・・・・・いつ出すか分かんない次回です。


 では皆さん、おつモ二~!


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第3話 ゼロからイチを

 
 
(夜華)この小説によれば、一見普通の高校生の桐生蒼空、彼は全てを支配する魔王でありながら仮面ライダージードとして、怪物が存在しない新世界を創りました。

 ですが、そんな世界に現れたファントムやドーパントに疑問を抱きながら、再び戦いに身を投じます。そんな中、ウィズ様が現れ、白金様の身が危険な目に遭ってしまい、主様が庇いました。

 そして、目を覚ました主様は、ある人物と出会い、新たな──っと、失礼しました。ここから先は、皆様にとっては未來のお話でしたね。」







 

 

 

 

 

 ドーパントやジオウと戦った後、燐子に銃弾が当たると思って守ったんだが・・・・・・気が付いたら見知らぬ暗いとこに飛ばされた俺。

 

 

「どこだよ、ここ・・・?」

 

「蒼空くん・・・・・・大丈夫・・・・・・?」

 

「あぁ、燐子こそ大丈夫か?」

 

「うん・・・・・・蒼空くんのおかげで・・・・・・。」

 

「そっか、なら良かった。・・・・・・うん?」

 

 

俺はふと思ってしまった。目の前にいる燐子が俺のことを「蒼空くん」と言ったのだ。さっきまでは会話すらなく、呼ばれても「桐生さん」だった。そんな燐子が急に俺のことを・・・?

 

 

「燐子、今俺のことを『蒼空』って呼んだ?」

 

「うん・・・・・・もしかして、『葛城映司』の方・・・・・・?」

 

「いや、桐生蒼空だけど・・・・・・なんで?」

 

「それは僕が答えよう。」

 

「っ!?」

 

「誰・・・・・・?」

 

 

突然大人しそうな男の声が響き渡り、俺たちは身構える。さらに、足音まで聞こえてきて、俺は足音のする方を見た。そこには、さっき俺と戦っていた『ジオウ』が歩いてきた。

 

 

「お前はさっきの!?」

 

「落ち着け、僕はもう君と戦うつもりはない。それに、今の君には戦う力はないはずだ。」

 

「なんだと・・・!?」

 

《確かに、ジオウの言うとおりです。》

 

 

突然俺の脳内にシエルの声が広がった。

 

 

(シエル?)

 

《先程の戦いの際、蒼空が燐子を守ることに必死だったので、こちらでテレポートを発動しました。》

 

 

テレポートって・・・・・・そんなことまで出来るのか・・・。

 

 

《蒼空か自分、どちらかの意識が表に出ていて、その者の意思で発動すれば、少量のエネルギーでなんとかなります。ですが、表に出ていない者が発動すれば、色々な諸事情により大量のエネルギーを消費します。》

 

(諸事情って・・・。で、俺のエネルギーって?)

 

《まずは、ジードになるためのエネルギー。そして、魔王のエネルギーの一部です。これにより、蒼空はしばらくジードになれません。》

 

 

マジすか・・・。これじゃあまともに戦えないじゃねーか!

 

 

(・・・・・・ちなみに、変身できるまでどれくらいかかる?)

 

《約3ヶ月です。》

 

 

1シーズン主役のジードが出番無しなの!?じゃあ、最強のウルティメイトファイナルも無しなのかよ・・・。

 

 

「能力との会話は終わったかい?」

 

「っ!・・・・・・あぁ。っていうか、まだ俺に用があるのか?」

 

「君というより、君のその能力に用がある。」

 

「・・・・・・ずいぶんと詳しいな。何者だ?」

 

「僕は・・・・・・」

 

 

すると、目の前のジオウはドライバーの時計みたいなアイテムをドライバーから外して変身を解除した。

 

 

「・・・・・・もう一人の君だ。」

 

「っ、葛城映司・・・!?」

 

「葛城映司って・・・・・・蒼空くんの・・・・・・?」

 

「あぁ、記憶を取り戻した後、二重人格っぽい感じで俺の中にいたんだ。でも、新世界になった後に俺の中からいなくなったんだが・・・・・・。」

 

「今は君の能力に用があるんだ。」

 

「そんな事より、なんでお前が変身出来るんだ?ここはどこなんだ!?この世界はどうなってる!?」

 

「落ち着け、順に説明するさ。その代わり、僕についてきてくれ。」

 

「「・・・・・・。」」

 

 

俺と燐子は一度見合わせた後、先を行く葛城についていくことにした。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 アタシは変身が解けてしまい、ドーパントを見逃してしまった。でも、いなくなった蒼空たちのことを心配していると、従者の夜華ちゃんが予想しそうで出来なかった言葉を発した。

 

 

「残念ながら、2人共死んでいませんよ。」

 

「「「えっ!?」」」

 

「どういう事かしら?」

 

「まずは、ウィズ様。」

 

「ヘッ?」

 

「先程の攻撃で死んでいませんよね?なら、あの魔王様があの程度の攻撃では死にません。」

 

「確かに・・・。」

 

「それに、白金様までも亡くなっていたら、その辺りに血痕が残っているかもしれません。」

 

 

なかなか聞かない・聞きたくない言葉を連発する夜華ちゃんに、みんなちょっと引いてる・・・。

 

 

「そ、それじゃあ・・・・・・燐子と蒼空は・・・?」

 

「おそらく、爆発の直前にどこかへ飛んだんでしょうね。」

 

「飛んだ?」

 

「ゲームっぽく言えば、『テレポート』と言ったところでしょうか?」

 

「テレポート!!」

 

 

確か、あこちゃんってゲームやってるんだっけ?そりゃ『テレポート』ってワードに反応するワケだ。

 

 

「ウィズ様、黒崎様の護衛をお願い致します。わたくしは、主様と白金様を探します。」

 

「オッケー。」

 

「夜華さん、燐子をお願いします!」

 

「・・・・・・主様のついでに、連れてまいります。それでは。」

 

 

リサちゃんのお願いを『ついで』として了承した後に、いつも通り影に入って姿を消した。

 

 

「リサ、燐子は無事なのよね?」

 

「切姫さんなら、必ず連れてきますよ。」

 

「そそ、夜華ちゃんを信じないと!それより、アタシは晴斗くんを・・・・・・あれ?」

 

 

晴斗くん、さーくるのカフェにいるって聞いたけど・・・・・・いない。

 

 

「・・・晴斗くん、どこ行ったーーー!?」

 

「あ、待って!あこも行くーーー!!」

 

 

アタシが晴斗くんを追っかけて走り出すと、その後ろをあこちゃんが追いかけてきた。

 

 

「宇田川さんだけだと心配です。私も行って──」

 

「おねーちゃーーーん!!」

 

「ひ、日菜!?」

 

「おねーちゃん、おねーちゃんが変身してみんなを助けたのって本当!?」

 

「え、えぇ!?」

 

「・・・・・・友希那、ごめん。代わりにアタシが行ってくる。」

 

「えぇ、気を付けて。」

 

 

もう1人、リサちゃんが追っかけてきた。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 スタスタと歩く葛城を追いつつ、燐子のペースに合わせて歩く俺に、葛城は喋り出した。

 

 

「僕が変身できるのは・・・・・・蒼空くん、君のせいだ。」

 

「っ!?」

 

 

蒼空のせい・・・・・・そんな台詞を聞くと、異様なまでに罪悪感が沸いてきた。

 

 

「新世界に来た僕は、君の中からいなくなった後、『新世界の葛城映司』として生活するはずだった。でも、君の魔王の力が僕に残っていたせいか、すぐに旧世界の記憶を取り戻した。そして、残った魔王の力はこのドライバーへと変わった。」

 

 

そう言って、さっきまで腰に巻いてたベルトを見せてきた。

 

 

「だから、変身できると?」

 

「元をたどれば僕が原因なんだけどね。でも、今の僕はただの人間だ。変身できるのは偶然ってものだよ。」

 

「ほぉ~?」

 

 

こいつ、俺にケンカ売ってんのか?今の俺でもこいつになら勝てるぞ。・・・・・・変身されなければ。

 

 

「次に、『ここはどこだ?』だったね。ここは、僕の隠れ家の近くさ。」

 

「そんなんあんの!?」

 

「と言っても、記憶が戻ってから急ピッチで作ったから、地下にこっそりとセキュリティ無しの広間があるだけだけど。」

 

 

やっぱりこいつ、ケンカ売ってるよな!?

 

 

「蒼空くん・・・・・・手・・・・・・。」

 

「え?・・・・・・あぁ、ごめん・・・。」

 

《蒼空の怒りが葛城映司のおかげで上昇。ですが、白金燐子のせいで減少。》

 

 

やかましいわ!ってか、『おかげ』と『せい』が逆じゃねーのか!?

 

 

「・・・・・・最後に、『この世界』についてだね。確かにここは、君が創った世界だ。でも、この世界のどこかに次元の裂目がある。ファントムやドーパントはそこからやって来た。」

 

「また面倒事勃発かよ・・・。」

 

「正直、裂目は外部からの干渉が原因だから、君のせいじゃない。・・・・・・ちょうどいい。ここが僕の隠れ家だよ。」

 

「うわぁ・・・。」

 

「秘密基地って、感じだね・・・・・・。」

 

「衣食住に関しては、特に問題ない。」

 

 

いやいやいやいや!『衣』と『食』は良いかもしんないけど、『住』は圧倒的にアウトだぞ!なんなら 、地下の広間にパソコンと机置いただけじゃんかよ!?

 

 

「なぁ、ここ本当に隠れ家か?」

 

「それともう一つ、気になることがあってね。」

 

「聞けコラ。」

 

「上と下から広大なネットワークが広がっているんだ。でも、普通のネットワークじゃないんだ。」

 

「ったく、こっちの話は無視かよ・・・・・・って、普通じゃないネットワーク?」

 

「うん。上からのは『衛星ゼア』と呼ばれるものだ。下からのは・・・・・・正直分からない。」

 

「分かんないって・・・・・・まさか、シエルに用があるって、それを調べさせることか?」

 

「シエルって・・・・・・?」

 

「あぁ、俺の能力だ。色んなことを教えてくれる素晴らしい能力だ。」

 

 

燐子には教えてなかったな。・・・・・・ってか、俺の能力って誰かに教えたことあったっけ?

 

 

「いや、君の能力に用があるのはそれじゃない。このネットワークはほとんど繋がってないが、まるで人間の悪意に満ちたネットワークなんだ。」

 

「悪意・・・?」

 

「そして、このネットワークはさっき話した次元の裂目から来ているんだ。」

 

 

次元の裂目からの悪意に満ちたネットワークが出ているって・・・・・・それに、上にある衛星も、普通はないよな・・・?

 

 

「・・・・・・さて、僕の用事を済まさせてもらおうか。」

 

 

そう言って、葛城は隠れ家(?)にある棚から2つのアタッシュケースを取り出して、俺の方に見せながらケースを開けた。

 

 

「君の能力に調べてほしいのは、これだ。」

 

「なんだこれ?・・・・・・うん?この四角いのは・・・?」

 

「そう、ウィズが使っているライダーシステムだ。だけど、変身に使うベルトが違う。それに、このベルトは僕には使えないから、気になってるんだ。」

 

 

まぁ、そりゃそうでしょうな!

 

 

「・・・・・・まぁいい。シエル、頼む。」

 

《了。その代わり、身体を借ります。》

 

「どうぞ。・・・・・・っ!?」

 

 

俺の身体は今、シエルが使っている。シエルはあのドライバーを手に持って、ジッと見つめる。

 

 

「そ、蒼空くん・・・・・・?」

 

「白金さん、今の蒼空は蒼空じゃない。」

 

「《・・・・・・解析、終了しました。》」

 

 

手に持って5秒ぐらいでもう調べ終えたんだ。さすがだな。

 

 

「《この『ゼロワンドライバー』は、衛星ゼアと繋がっています。が、このドライバーで変身できる人間は、ある条件が必要です。》」

 

「条件・・・・・・?」

 

「シエル、だったかな?その条件を教えてくれ。」

 

「《残念ながら、力を使っても条件を調べることは出来ませんでした。それでは、失礼します。》」

 

 

ドライバーをケースに置いたシエルは、強制的に俺と身体の所有権を入れ換えて、俺が前に出てきた。

 

 

「っ!・・・・・・これで満足か?」

 

「・・・・・・あぁ。」

 

「んじゃ、そろそろ帰・・・・・・りたかったな。」

 

「え?」

 

 

通路の方を見ると、真ん中にチャックが現れて、それが開くとその奥から赤い怪物が飛び出してきた。そして、チャックは閉まり、見えなくなった。

 

 

「グルルゥゥ・・・!」

 

「今度はインベスか・・・。」

「ジクウドライバー!」

 

「インベス?」

 

「ジオウ!」

「変身。」

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」

「2人共、下がってて。」

「ジカンギレード!ケン!」

 

 

ジオウに変身した葛城は、剣を持って、赤い怪物に挑む。

 

 

(シエル、あいつは?)

 

《解析完了。あれはインベスと呼ばれる地球外生命体です。基本は本能で動いているため、会話は出来ません。ちなみに、あれは上級タイプの『ライオンインベス』です。》

 

(ライオンって・・・・・・地球外なのに?)

 

《そこは原作に文句を言ってください。》

 

 

まぁ、あの怪物ぐらいなら、勝てるだろうな?・・・・・・って、おいおい!?

 

 

「ガウ!!」

 

「ぐっ!?ぐわっ!?」

 

「蒼空くん・・・・・・葛城さんが・・・・・・!」

 

「なんでやられてんだよ!?」

 

「蒼空くん・・・・・・?なんで変身しないの・・・・・・?」

 

「変なとこで力使ったから、しばらくジードになれないんだよ。・・・・・・そうだ!」

 

 

俺はある物のことを思い出して、棚からアタッシュケースを取り出した。

 

 

「ちょっと、蒼空くん・・・・・・それって・・・・・・?」

 

「ものは試しだ。」

 

 

そのアタッシュケースから『ゼロワンドライバー』と黄色のプログライズキーを手に取って、葛城にも見えるとこに立った。

 

 

「ぐっ!?・・・・・・っ、蒼空くん!それは使えないはずだよ!?」

 

「ものは試しだ!やってみんと分かんねぇだろ!」

 

 

そう言って、俺はドライバーを腰に巻いた。

 

 

「ゼロワンドライバー!」

「っ!?」

 

 

腰に巻いた瞬間、俺の意識は別場所にあった。そこはまるで、データの中だった。

 

 

「あれ?ここは・・・?」

 

「《ここは、先程話にあった衛星ゼアのようです。》」

 

「衛星ゼア・・・・・・って、誰!?」

 

 

顔を横に向けると、声を発した人間がまるで俺の姿をしていた。・・・・・・って、俺だった。だけど、俺の姿の割には声がシエルだった。

 

 

「《改めまして、シエルです。よろしくお願いいたします。》」

 

「シエルなんだ・・・。うん?何、これ?」

 

「《・・・・・・ゼロワンドライバーの使い方をラーニングできるようです。》」

 

「それじゃ、さっさとラーニングしますか。」

 

 

俺は2時間ぐらいあるゼロワンドライバーの使い方を頑張って見て、ほぼ完璧に覚えた。・・・・・・現実には0.1秒ぐらいらしい。

 

 

「ラーニング完了。」

「ジャンプ!」「オーソライズ!」

 

 

現実に戻ってきた俺は、使い方を覚えたゼロワンドライバーとプログライズキーを使って、変身する。・・・・・・目の前のバッタがちょっと邪魔やった。

 

 

「変身!」

「プログライズ!」

「飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 A jump to the sky turns to a rider kick.」

 

「嘘でしょ・・・!?」

 

「蒼空くんが・・・・・・別のライダーに・・・・・・!?」

 

「お前を止められるのはただ1人・・・・・・俺だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 いかがでしたか?ジオウは映司、最近のゼロワンはまさかの蒼空が変身します!

 それと、あらすじ紹介どうだった?ジオウ風にしてみたけど。そして、さらっと「(←これ)に名前付けてみたけど、どう?いる?試しにアンケートしてみるな。


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第4話 プログライズ・フィーバー

 
 
(夜華)この小説によれば、一見普通の高校生の桐生蒼空は、全てを支配する魔王でありながら、仮面ライダージードであった。主様は新世界という、怪物が存在しない世界を創り、平和な日常を取り戻しました。

 ですが、そんな平和は一瞬にして消え去り、ファントムやドーパントが現れ、主様は再び戦いに身を投じます。

 そんな主様ですが、新たに『仮面ライダーゼロワン』の力を手に入れて、ジオウに変身する葛城映司と共闘。さらには、仮面ライダーバルカンに変身する葛城ウィズと──っと、失礼いたしました。ここから先は、皆様の眼でご覧ください。」







 

 

 

 

 

 地下通路にある葛城映司のアジト。その近くで戦う仮面ライダージオウこと葛城映司と『ライオンインベス』。だが、彼らの前に現れた黒と黄色のライダー。その正体は、『魔王』と呼ばれる、仮面ライダージードに変身する桐生蒼空だった。

 

 

「飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 A jump to the sky turns to a rider kick.」

 

(燐子)蒼空くんが・・・・・・!?」

 

(映司)嘘だろ・・・!?あのドライバーで・・・!?」

 

(蒼空)これが、『ゼロワン』か。」

 

 

仮面ライダージードに変身する桐生蒼空は、『ゼロワンドライバー』を使って『仮面ライダーゼロワン』へと変身したのだった。バッタをモチーフとした装甲に、右手には黒に黄色の線が入ったカバンみたいな物を持っている。

 

 

(蒼空)お前を止められるのはただ1人・・・・・・俺だ!!」

 

 

左手でインベスを指差した後、親指を立てたゼロワンは、両足に力を込めて、一瞬でインベスの近くまでジャンプして、

 

 

(蒼空)おりゃあああ!!」

 

(インベス)ガウゥ!?」

 

 

手に持っているカバンで、インベスの頭を思いっきり殴った。

 

 

(インベス)グルル・・・!?」

 

(蒼空)へっへ~!」

 

(映司)・・・・・・って、蒼空くん!その使い方は間違ってるよ!」

 

(蒼空)えっ!?」

 

(映司)その『アタッシュカリバー』を変形させるんだよ!」

 

(蒼空)変形?・・・・・・そういや、ウィズもしてたな。」

「ブレードライズ!」

(蒼空)なるほどな。これなら・・・!」

 

 

ジオウに言われた通り、カバンを変形させることで剣にしたゼロワン。その剣を使って、ライオンインベスに挑む。

 

 

(蒼空)よっと!おりゃ!はぁあああ!!」

 

(インベス)ガァアア!?」

 

 

ライオンインベスは、ゼロワンの戦いに圧倒されて、膝をついてしまう。

 

 

(映司)全く、君って人は・・・。」

 

(蒼空)うっせぇな~!いいから、行くぞ!」

 

 

そう言うと、ゼロワンはドライバーから『ライジングホッパープログライズキー』を取って、武器にセットした。同じように、ジオウも『ジオウライドウォッチ』を武器にセットする。

 

 

「ジャンプ!」

(蒼空)よっと。」

「Progrise key comfirmed.Ready to utilize.」

「Grasshopper's Ability」

 

(映司)ふっ。」

「フィニッシュタイム!」

 

 

2人のライダーの刀身には強い力が込められている。その力を振るい、ライオンインベスを斬りつける。

 

 

(蒼空)はぁあああ!!」

「ライジング カバンストラッシュ!」

 

(映司)はぁ!!」

「ジオウ ギリギリスラッシュ!」

 

(インベス)ガァァアア!!?」

 

(映司)ぐっ!?」

 

(蒼空)ちょっ、爆発デカくねぇか!?・・・・・・うん?」

 

(映司)なっ!?」

 

(蒼空)おいおいおいおい!?」

 

 

インベスを倒し、爆発した瞬間、その影響で地下通路の天井の一部が崩れ落ちて、ジオウとゼロワンが下敷きなってしまった。

 

 

(燐子)蒼空くん・・・・・・!!」

 

 

燐子が叫んでも、何も返事がなかった。だが、

 

 

(燐子)え?・・・・・・何・・・・・・っ!?」

 

 

突然ドリルかなんかが地面を掘るような音と、地面が揺れ始めて、燐子が戸惑い始めた。そして、

 

 

「〈ベストマッチ!〉ビルド!」

(映司)ふっ!」

 

(蒼空)よっ!」

 

 

瓦礫を突き破って、ジオウとゼロワンが飛び出してきた。

 

 

(蒼空)っと!助かった・・・!」

 

(燐子)蒼空くん・・・・・・大丈夫・・・・・・?」

 

(蒼空)あぁ、なんとかな。燐子も大丈夫だったか?」

 

(燐子)うん、大丈夫・・・・・・。」

 

(???)こちらにいましたか。」

 

(蒼空)うん?」

 

(燐子)きゃっ!」

 

 

突然下から夜華が飛び出してきた。・・・・・・驚いたのは燐子だけだった。

 

 

(夜華)見つけましたよ、主様・・・・・・って、なんですかその姿は?」

 

(蒼空)久しぶり、これは色々あってな。」

 

(夜華)・・・・・・まぁいいです。それより、帰りますよ。白金様も、ご一緒に。」

 

(燐子)は、はい・・・・・・!」

 

(映司)待ってくれ!」

 

 

夜華が変身を解いた蒼空と燐子を連れて影から帰ろうとすると、まだ変身を解いていない映司が声をかけてきた。そして、3人の前に立った時に変身を解除した。

 

 

(映司)・・・・・・このドライバーも持って行ってくれ。」

 

(蒼空)でも、これはお前の・・・?」

 

 

渡したのは、先程まで映司が変身するのに使っていたジクウドライバーだった。

 

 

(映司)正直、僕はもう戦う気はない。これからは普通の生活を送るよ。」

 

(蒼空)・・・・・・分かった。じゃ、またな。」

 

 

燐子がドライバー以外のアイテムが入ったカバンを持って、夜華の能力でその場を離れた。

 

 

(映司)・・・・・・君の心が命じるままに。」

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 夜華の能力のおかげで、俺たちはCiRCLEに戻ることが出来た。3人共、今は影の外にいる。

 

 

(夜華)それでは、わたくしは他のRoseliaのメンバーの所へ行って参ります。」

 

(蒼空)あぁ、頼む。」

 

(夜華)それでは、主様もお気を付けて。」

 

 

夜華は再び影の中に入り、Roseliaのとこへ行ったんだろう。

 

 俺は、横にいる燐子が抱えているゼロワンとジオウのアイテムが入ったアタッシュケースを手に取ることにした。

 

 

(燐子)・・・・・・!」

 

(蒼空)っと、え?燐子さん?」

 

 

持って行くのを察したのか、燐子がケースごと身体を逸らして、俺にケースを取らせないようにした。

 

 

(燐子)約束、してください・・・・・・何かあったら、相談してください・・・・・・戦えないですけど・・・・・・相談相手には、なれますから・・・・・・。」

 

(蒼空)・・・・・・俺に絡むと、ろくな人生送れないぞ?」

 

(燐子)蒼空くんが1人で苦しむより・・・・・・ましです・・・・・・!」

 

 

そんなにキリッと言われてもな・・・。

 

 俺は仕方なく、燐子にケースを持たせたまま、シエルに選んでもらって、赤と水色の2つのプログライズキーを取り出した。

 

 

(燐子)え?ちょっと・・・・・・蒼空くん・・・・・・っ!?」

 

(蒼空)これだけ先に貰ってく。あとは、あの怪物共を倒してから、ちゃんと話し合って貰う。燐子もそれでいいか?」

 

(燐子)蒼空くん・・・・・・うん・・・・・・っ!」

 

(蒼空)じゃ、失くすなよ!」

 

(燐子)っ・・・・・・!」///

 

 

俺は燐子の頭を軽く2回ポンポンと叩いて、さっきからガンガン感じている嫌な気配の下へ走る。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空くんが、わたしの頭をポンポンしてくれた・・・・・・!前の世界の時は、美剣にもそんなのをしてるとこは見たことないから、わたしが初めて、だよね・・・・・・?

 

 

(あこ)りんりーん!」

 

(燐子)っ、あこちゃん・・・・・・!みなさんも・・・・・・!」

 

(リサ)燐子、無事!?」

 

(燐子)はい・・・・・・蒼空くんのおかげです・・・・・・。」

 

(紗夜)さすが桐生さん、ってとこですね。」

 

「・(友希那)・・・・・そんな桐生さんはどこへ行ったの?」

 

(燐子)蒼空くんなら・・・・・・あっちに・・・・・・。」

 

 

わたしは、みんなが心配してくれる中、巻き込んだ張本人の行方を聞いてくる友希那さんに、わたしは蒼空くんが走っていった方を差しました。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 まだ日が明るい街中で1組の男女が異形の者から逃げていた。

 

 

(晴斗)千聖、こっち!」

 

(千聖)う、うん・・・!」

 

(ミノタウロス)逃がさないぞ──ぐっ!?」

 

(ウィズ)それはコッチのセリフだってーの!!」

 

 

ファントムの『ミノタウロス』から逃げている千聖と晴斗、それを追うミノタウロス、そんなミノタウロスを青い銃で撃ったウィズ。

 

 

(ウィズ)アンタたちは早く逃げて!」

 

(晴斗)は、はい・・・!行こう・・・!」

 

(千聖)え、えぇ・・・!」

 

(ミノタウロス)貴様・・・!」

 

(ウィズ)今度は逃がさないからね!」

 

 

ベルトを腰に巻いて、プログライズキーを取り出した時、ウィズは後ろから気配を感じて動きが止まった。

 

 

(蒼空)お待たせ!」

 

(ウィズ)蒼空!?無事だったの!?」

 

(蒼空)まぁな。行くぞ!」

「ゼロワンドライバー」

 

(ウィズ)オッケ~!」

「バレット!」

「・・・・・・うん?何、そのベルト?」

 

(蒼空)お前と同じシステムだよ。」

「ジャンプ!」「オーソライズ!」

 

(ウィズ)さっすが魔王様~。」

「オーソライズ!」

「Kamen Rider.Kamen Rider.──」

 

蒼空はドライバーにプログライズキーをスキャンすることで、上空からバッタを降ろしてきて周りでジャンプさせる。ウィズはプログライズキーをショットライザーにセットして銃を構える。

 

 

(ウィズ)・・・・・・ちょっとうるさいんですけど。変身!」

「ショットライズ!」

 

(蒼空)俺に言うなよ。変身!」

「プログライズ!」

 

「シューティングウルフ!」

(ウィズ)よっと!」

「The elevation increases as the bullet is fired.」

 

「ライジングホッパー!

 A jump to the sky turns to a rider kick.」

 

 

2人はそれぞれのライダーに変身完了した。バルカンはショットライザーをドライバーにセットして、『アタッシュショットガン』を取り出し、銃へ変形させた。ゼロワンも変身完了と同時に手に持っていた『アタッシュカリバー』を剣に変形させた。

 

 

「ショットガンライズ!」

「さぁ、ハデに行くよ!」

 

「ブレードライズ!」

「さぁ、実験を始めようか?」

 

 

2人は武器を構えて敵に向かって走り出した。

 だが、標的となったミノタウロスの前に1人の男が現れた。

 

 

「アームズ!」

(アームズ)ここは俺に任せろ。」

 

(ミノタウロス)頼む。」

 

 

ミノタウロスは晴斗たちを追い、アームズ・ドーパントはライダーたちの相手をすることになった。

 

 

(蒼空)はっ!」

 

(アームズ)ふんっ!・・・・・・この程度か?」

 

(ウィズ)このっ!」

 

(アームズ)食らうか!!はぁ!!」

 

(ウィズ)ちょっ!?イテッ!」

 

(蒼空)危なっ!?イッテッ!!」

 

 

ドーパントはゼロワンの剣を左手に作り出した剣で受け止めて弾き返し、バルカンの弾丸を避けて、左手を機関銃に変えてゼロワンごと狙いを定めて連射した。

 

 

(ウィズ)もう!だったらこれで!」

「パワー!」

「Progrise key comfirmed.Ready to utilize.」

「Kong's Ability.」

「はぁ!!」

「パンチング カバンショット!」

 

(アームズ)ふっ!」

 

(ウィズ)ウッソっ!?」

 

(蒼空)お前のゴリラ外れてるぞ!?」

 

(ウィズ)ゴリラ言うな!!」

 

(アームズ)何をごちゃごちゃと!!」

 

「うわ(蒼空・ウィズ)っ!?(きゃっ!?)」

 

 

バルカンの攻撃をかわしたドーパントは、自身の機関銃でライダーたちを攻撃する。

 

 

(アームズ)これで、終わりだ。」

 

(蒼空)っ!」

 

 

左手を剣にしたドーパントを見て、ゼロワンは1つの作戦を思い付いた。まずは、ゼロワンが2つのプログライズキーを取り出し、水色の方をバルカンに渡した。

 

 

(蒼空)ウィズ、ほい。」

 

(ウィズ)ちょちょちょっ!?何これ?」

 

(蒼空)それを武器にセットしろ。」

「ファイヤー!」

「Progrise key comfirmed.Ready to utilize.」

「Tiger's Ability.」

 

(ウィズ)え?うーん・・・?」

「ブリザード!」

(ウィズ)ブリザード・・・・・・ファイヤー・・・・・・そういう事か!!」

「Progrise key comfirmed.Ready to utilize.」

「Polarbear's Ability.」

 

 

2人のライダーは武器にそれぞれの属性の力を込める。

 そして次の瞬間、ゼロワンがジャンプしてドーパントの目の前まで飛んだ。

 

 

(アームズ)なっ!?」

 

(蒼空)はぁ!!」

 

(アームズ)ぐぅ・・・!」

 

 

炎を纏った刀身を左手の剣で受け止めたドーパント。だが、そんなドーパントの剣に、いつでも氷の銃弾が放てる状態のバルカンの武器を当ててきたバルカン。

 

 

(アームズ)な、何を・・・!?」

 

 

炎の剣と氷の弾丸を受け止めているドーパントの剣にヒビが入った。

 

 

(蒼空)っ、今だ!!」

 

 

そんなヒビが入った剣を確認したゼロワンは、武器のトリガーを引いた。それと同時にゼロワンが声を上げたことでバルカンも武器のトリガーを引いた。

 

 

「フレイミング カバンストラッシュ!」

(蒼空)はぁ!!」

 

「フリージング カバンショット!」

(ウィズ)オリャア!!」

 

(アームズ)ぐわぁあ!!」

 

 

そんなヒビの入った剣に斬撃と銃弾を叩き込んだことで、その剣を粉砕した。

 

 

(ウィズ)ついでに!」

「チャージライズ!」「フルチャージ!」

「行っけーーー!!」

「フリージング カバンバスター!」

 

(アームズ)食らうk──」

 

 

砕けた剣を機関銃に変えて銃弾を放とうとするドーパントだが、それよりも前に先程より強力な氷の弾丸がドーパントに当たり、弾丸どころか全身が凍った。

 

 

「チャージライズ!」「フルチャージ!」

(蒼空)こっちも!」

「フレイミング カバンダイナミック!」

「はぁ!!」

 

(アームズ)──ぐっ!?ぐわぁあ!!」

 

 

炎の剣撃を受けたドーパントは、氷漬けから解放されると同時にその炎を受けて、大ダメージを受けた。

 そして、2人のライダーは武器からキーを取り外して武器を捨て、ドライバーを操作した。

 

 

(ウィズ)さて、フィニッシュよ!」

「バレット!」「シューティングブラスト フィーバー!」

 

(蒼空)勝利の法則は、決まった!」

「ライジング インパクト!」

 

 

2人は飛び上がり、同時にライダーキックを放つ。

 

 

(アームズ)このっ!」

 

「はぁ(蒼空・ウィズ)あああ!!」

 

(アームズ)ぐわぁあああ!!」

 

 

なんとか機関銃で撃ち落そうとするが、その努力は無駄に終わり、ライダーキックを受けてしまう。

 

 

(蒼空)よっと。・・・・・・よし、倒せた~!」

 

(ウィズ)ふぅ~、これで一件落着だね~。」

 

 

ライダーキックを受けたドーパントは人の姿に戻り、地面で気を失っていた。それを見て、安堵する2人。

 

 

(???)蒼空~!」

 

(蒼空)うん?リサ・・・・・・ってか、Roselia全員かよ・・・。」

 

 

そんなライダーたちの下に、Roseliaのみんながやって来た。

 

 

(紗夜)桐生さん・・・・・・ですよね?」

 

(蒼空)そうだけど?・・・・・・あ、そっか。この姿は初めてか。」

 

(リサ)それじゃ、もう2体の怪物を倒し終えたんだね?」

 

(蒼空)うん?『2体』?」

 

(ウィズ)・・・・・・あ!牛の方忘れてた!!」

 

(蒼空)あぁ!!急いで探さないと!」

 

(ミノタウロス)ぐわぁあああ!!」

 

 

2人のライダーがミノタウロスのことを思い出した時、建物の陰からミノタウロスが飛ばされてきた。

 

 

(ウィズ)うおっ!?」

 

(蒼空)どっから・・・・・・うん?あれは・・・?」

 

「キックストライク!サイコー!」

(???)だぁあああ!!」

 

(ミノタウロス)ぐ、ぐわぁあああ!!」

 

(蒼空)ぐっ!・・・・・・あれは・・・!?」

 

(ウィズ)ウィザード・・・・・・。」

 

(ウィザード)ふぃ~。・・・・・・っ!」

 

(蒼空)お前、黒崎晴斗なのか?」

 

(ウィザード)・・・・・・。」

「テレポート プリーズ!」

 

(蒼空)っ!待て!」

 

 

ファントムのミノタウロスを倒した『仮面ライダーウィザード』は、魔法を使って姿を消した。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 敵の気配も失くなり、主様は変身を解きました。・・・・・・ついでにウィズ様も。

 

 

(蒼空)とりあえず、しばらくは安心だな。」

 

(ウィズ)そうやね~。」

 

(蒼空)ってことで燐子、ジオウとゼロワンのアイテムを渡せ。」

 

(燐子)嫌、です・・・・・・。」

 

(蒼空)おいっ!!」

 

 

燐子様、まさかの発言でしたね・・・。

 

 

(燐子)だって・・・・・・渡したら、関わらせなくしますよね・・・・・・?」

 

(蒼空)当たり前だろ?あんな現実とかけ離れた生活を送らせる訳ないだろ?」

 

「燐(友希那)子、ダメよ。」

 

 

おや、友希那様が口を出すとは・・・。

 

 

「蒼(友希那)空が諦めるまで渡しちゃダメよ。」

 

(蒼空)おいコラ!」

 

 

まさかのそちらでしたか・・・。

 

 

(紗夜)湊さん、それはいけません!」

 

(蒼空)おぉ!紗夜さん、言ってやれ!」

 

(紗夜)私にもライダーシステムを渡すように言ってください!」

 

(蒼空)違ぇわ、ボケェ!!いいから、アイテムを渡せ!」

 

(燐子)い、嫌です・・・・・・!」

 

 

はぁ・・・、何をかけっこしているのやら?ですが、久しぶりに見ましたね、主様の笑顔。

 

 

(夜華)・・・・・・ん?」

 

 

今誰か、こちらを見ていたような・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 そんな訳で、桐生蒼空くんはジオウとゼロワンの力を手に入れた。テッテレーン♪

 次回は、花咲川の入学式をテーマにしや~す。


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第5話 波乱の入学式

 
 
(夜華)このデータによれば、仮面ライダージードに変身する桐生蒼空は全てを支配する魔王の力を持つ、一見普通の高校生でございます。主様は創造主として世界を創り変え、怪物が存在しない世界を創り出しました。

 ですが、新世界に次元の狭間が生じ、そこからファントムやドーパントが出現、主様も色々の事情でジードへの変身が不能となりますが、新たなドライバーを手に再びライダーへと変身して、ドーパントを倒すのでした。

 そんな主様は──」

(蒼空)おい、これなんだよ?」

(夜華)何、と申されましても主様のこれまでの活躍を──」

(蒼空)いらねーよ。次回からは前のあらすじ紹介するぞ。じゃ、第5話どうぞ!」

(夜華)またあのふざけたコーナーをするんですね・・・。」







 

 

 

 

 

 季節は春、今日は花咲川女子学園の入学式。新しい制服に着替えた新入生たちが期待と不安を胸に、門をくぐって行く。

 

 そしてまた1人、受付にやって来た。

 

 

(有咲)ようこそ、花咲川へ──って香澄かよ・・・。」

 

(香澄)いえ~い!」

 

(有咲)早く荷物置いてこい。」

 

(香澄)うん!・・・・・・お?燐子先輩?と蒼空くん!?」

 

(燐子)ひゃっ!?」

 

(蒼空)久しぶりだな?そこのしゃがんでるお嬢さんはスピーチの練習なんだと。」

 

(香澄)スピーチ?」

 

(燐子)せ、生徒会長・・・・・・なので・・・・・・。」

 

(香澄)おぉ~!有咲もやるの?」

 

(有咲)私はただの書記。」

 

(紗夜)戸山さん。」

 

 

・・・・・・ナレーションだけならまだしも、俺がここにいることには何もツッコまないんだな?

 

 

(香澄)紗夜先輩!おはようございます!」

 

(紗夜)おはようございます、今日はよろしく。リボンが曲がっているわ。」

 

(有咲)へへ~ん。」

 

(紗夜)行儀が悪いわよ。」

 

(有咲)っ!?」

 

 

紗夜と燐子には事前に伝えてあるけど、有咲にはなんで俺がいる理由を話したのか?

 

 

(紗夜)もうすぐ新入生が来ます。先輩として、自覚ある態度でお願いします。」

 

(有咲)は、はい・・・!」

 

(香澄)先輩だって!」

 

(有咲)お、おう・・・。」

 

 

って、もう1組来たぞ。

 

 

「あの・・・?」

 

(香澄)おはよう!・・・・・・あ、ございます。」

 

 

今のはダメだろ・・・?

 

 ちなみに、今の俺は香澄と有咲、紗夜と燐子にしか見えない状態になってるから、新入生には見えてないんだよな~。なんて、便利な魔王の力でしょうか!

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 さ~て、バイトしてる魔王サマを見に来ちゃった♪

 

 

(ウィズ)おっはよ~ございま~す!」

 

(リサ)あれ?ウィズじゃん。どうしたの?」

 

(ウィズ)ちょっと蒼空をからかいに──って、あれ?」

 

「今(友希那)日は休みらしいわよ。」

 

(ウィズ)えぇ~!?せっかく来たのに~・・・。」

 

(リサ)そういえば紗夜が、『蒼空に花女の入学式の手伝いをしてもらう』とか言ってたよ。」

 

(ウィズ)何それ!?アタシ、聞いてない!!」

 

 

もぉ~、今は花咲川にでもいるのかな~?

 

 

「い(まりな)らっしゃ~い。」

 

(ウィズ)うん?・・・・・・っ!」

 

(リサ)もしかして・・・・・・海璃・・・?」

 

 

CiRCLEに入ってきた人を見たら、アタシは声が出なくなってしまった。その人こそ、魔王サマの恋人になる予定だった美剣(みつるぎ)海璃(かいり)だった。

 

 

(海璃)・・・・・・。」

 

 

海璃は言葉を発さずにただキョロキョロしてた。

 

 

(ウィズ)海璃、久しぶり。」

 

(海璃)・・・・・・ここじゃないか。」

 

(ウィズ)うん?海璃?・・・・・・って、ちょっと!?」

 

 

アタシが話しかけても無視して見渡すと、そのままCiRCLEを出て行っちゃった。

 

 

(ウィズ)・・・・・・何なのよ・・・?」

 

「そ(友希那)れよりあなた、蒼空に何か用があったんじゃないのかしら?」

 

(ウィズ)へっ?・・・・・・あ!忘れてた!!ちょっと花咲川行ってくる!」

 

(リサ)行ってらっしゃ~い。」

 

 

そうだったそうだった!蒼空・・・・・・の側近に用があったんだった!全くもう、映司も自分で届ければいいのに・・・!

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 入学式も終わり、俺たちは生徒会室に来ていた。・・・・・・周りには見えなくても、身体が幽体みたいにならないから、当たらないようにするのも大変だな・・・。ちょっと疲れた・・・・・・。

 

《やろうと思えば、幽体になることも出来ますよ。》

 

言えよ!!なんでそれを言わねぇんだよ!?

 

《言われなかったからです。》

 

うっわっ!?それ言う!?うわぁ・・・・・・それ言うか・・・。

 

 

(紗夜)白金さんはいつまで反省しているつもり?」

 

(燐子)す、すみません・・・・・・。」

 

(蒼空)あ~あ・・・・・・。」

 

 

まさかの『生徒会長挨拶』で盛大に人見知りを発動。目をぐるぐる回して声が小さくなるという見事な成果を上げてしまいました~。

 

 

(香澄)それより、なんで蒼空くんいるの?」

 

(蒼空)そこの生徒会長さんに頼まれたの。『緊張をほぐしてほしい』って。どうすればいいのか分かんなかったけど、『側にいるだけでいい』って言われたから、姿を消してここにいたの。」

 

(夜華)ですが、その努力は全て水の泡に終わりましたけどね。」

 

(燐子)うっ・・・・・・。」

 

(香澄)うわっ!?夜華さんもいたんだ!」

 

(有咲)ほんと、この辺は相変わらずだな・・・。」

 

(紗夜)ですが、桐生さんがここに来たのはそれだけではありませんよね?」

 

(有咲)はい?」

 

 

やっぱりバレてるか・・・。ま、隠してるわけでもないからいいや。

 

 

(蒼空)そ。燐子が持ってるライドウォッチとプログライズキーを回収って目的もあるの。」

 

(香澄)ライド・・・・・・何?」

 

(有咲)もしかしなくても、またライダー系だよな?」

 

(蒼空)正解!」

 

 

俺はなんで燐子がライダーのアイテムを持ってるのかを話していると、生徒会室の扉が勢いよく開いた。

 

 

(ウィズ)蒼空ーーー!!」

 

(蒼空)うっ!?なんだよ、ウィズか・・・。」

 

(紗夜)葛城さん、静かにしてください。ってか、学校に来るなら制服で来てください!」

 

(ウィズ)もぉ~、風紀委員さんは頭が固いな~?この石頭め♪」キュピーン

 

(紗夜)喧嘩を売っているんですね?」ゴゴゴ

 

 

あいつ、すげぇな・・・。恐れ知らずもいいとこだよ。

 

 

(ウィズ)あ、そういえば。夜華にお届けで~す。」

 

(夜華)わたくしに、ですか?」

 

(ウィズ)そそ。映司がね、夜華にピッタリのライダーシステムを作ったから、って。はい。」

 

 

ウィズはそこそこの大きさのアタッシュケースを夜華に渡した。夜華はそれを机の上に置いて、ケースを開けた。

 

 

(夜華)・・・・・・これは・・・?」

 

(ウィズ)えっとね、『ビヨンドライバー』と『ミライドウォッチ』って言ってたよ。」

 

(蒼空)この形・・・・・・ライドウォッチに似てる。」

 

 

形は違うけど、顔が書いてあるのとか、雰囲気とかが似ていた。

 

《説明が曖昧です。》

 

やかましい!!

 

 その後、普通のテンションの有咲と紗夜と夜華、ハイテンションの香澄とウィズ、ローテンションの燐子と共に学校を出ようとしていた。

 

 

(香澄)蒼空くんってこの後予定あるの?」

 

(蒼空)一応、CiRCLEでバイトを入れてるけど。」

 

(夜華)・・・・・・っ!主様!」

 

「っ!(蒼空・ウィズ)?」

 

 

夜華が叫んでくれたおかげで、すぐに燐子を守る態勢を取れた。ウィズは紗夜を、夜華は香澄と有咲を守っていた。

 

 

(蒼空)燐子、大丈夫か?」

 

(燐子)は、はい・・・・・・!」

 

(蒼空)あいつは・・・?」

 

 

振り返ると、また変な化物がいらっしゃった・・・。

 

 

(???)見つけたぞ、魔王。」

 

(蒼空)俺のこと、でいいんだよな?」

 

 

なんだ、あの姿は?なんか・・・・・・スナイパーみたいな?右手が銃だし・・・。

 

《解析完了。『リボルバグスター』、人に感染するウィルス『バグスターウィルス』から生み出された怪物です。》

 

バグスター、か・・・。

 

 

(リボル)貴様を葬り去る!」

 

(蒼空)ほぉ・・・。」

 

(ウィズ)蒼空、行くよ!」

 

(蒼空)ウィズ、みんなを守っていてくれ。」

 

(ウィズ)えっ?」

 

(蒼空)頼むぞ。・・・・・・行くぞ、夜華。」

「ジクウドライバー!」

 

(夜華)かしこまりました。」

「ビヨンドライバー!」

 

(ウィズ)お預け、ね。みんな、アタシから離れないでね。」

 

 

俺と夜華はドライバーを巻いて、みんなよりも1歩前に出た。

 

 

(蒼空)お望み通り、相手してやるよ。」

「ジオウ!」

 

(夜華)「せめて、即死だけは止めてくださいね。わたくしたちはきっと、加減ができませんので。」

「ウォズ!」「アクション!」

 

「変身(蒼空・夜華)。」

 

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」

「投影!フューチャータイム!

 スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!」

 

(夜華)すみませんが、まずはわたくしから。

 

 祝え!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者。その名も、『仮面ライダーウォズ』!新たな歴史の1ページであります!

 

 そして、

 

 祝え!!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も『仮面ライダージオウ』!今まさに、新たな歴史の幕が開いた瞬間であります!

 

(蒼空)はい、お疲れ様。行くぞ。」

 

(夜華)・・・・・・かしこまりました。」

 

 

俺と夜華は顔に『ライダー』と文字を付けて、リボルに挑む。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 普通に変身するんだ。しかも、あのライダーシステムなんだね。

 

 

(蒼空)はぁ!」

 

(夜華)ふっ!」

 

 

あれが基本フォームか・・・。

 

 

(リボル)ぐっ!?なら・・・・・・全員、突撃ー!」

 

(蒼空)えっ、増えた!?」

 

(夜華)普通に考えて、戦闘員でしょうね?」

 

(リボル)行けー!」

 

 

2体・・・・・・何人だろう?結構いるよね?さすがに出ないとマズいかな~?

 

 

(蒼空)・・・・・・了解。エグゼイド、エグゼイド・・・・・・うん?・・・あっ!あっちだった!!」

 

(夜華)はぁ・・・、しっかりしてくださいよ。」

「シノビ!」「アクション!」

 

 

夜華のドライバーは、ウォッチを付け替えるんだ。

 

 

(夜華)行きます。」

「投影!フューチャータイム!

 誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!」

 

(リボル)なんだ、その姿は!?」

 

(夜華)参ります。」

 

(リボル)なっ、消えた!?」

 

(夜華)こちらですよ。」

 

(リボル)いつの間に!?」

 

(夜華)遅いですね。」

「ジカンデスピア!」「カマシスギ!」

 

 

へぇ~、あの紫の姿は忍者みたいな瞬間移動が出来るんだ。

 

 そして、あの魔王様は・・・・・・何してんの?

 

 

(蒼空)おい燐子!エグゼイドウォッチを渡せ!早く!!」

 

(紗夜)分かってます!ちょっと待ってください!!」

 

 

なんで香澄たちがライダーのアイテムを持ってるのよ・・・?

 

 

(蒼空)あーもう・・・!」

 

 

あ、自分で行った。

 

 

(蒼空)えっと・・・・・・あった、これ!!・・・・・・え?これも?・・・・・・分かった。」

 

 

戻ってきた。

 

 

(蒼空)それじゃ、実験を始めようか?」

「エグゼイド!」

 

 

・・・・・・なるほど、追加のライドウォッチは左に付けるんだ。おかげで、このドライバーの使い方がよく分かったよ。

 

 

(蒼空)よっと!」

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」

「アーマータイム!〈レベルアップ!〉エグゼイド!」

(蒼空)さて、ノーコンティニューでクリアしますか!」

 

 

あの腕のデカいのは何よ?・・・・・・あいつは・・・?ちょっと準備しとくかな。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 リボルバグスター率いる銃撃隊を忍者のような動きで翻弄しつつカマで切り刻んでいく夜華(ウィズ)と、エグゼイドのようにピョンピョン飛びながら腕のハンマーみたいなので殴っていく蒼空(ジオウ)

 

 

(リボル)なっ!?我が軍が全滅だと・・・!?」

 

(蒼空)あとはお前だけだ!」

 

(夜華)ご退場の準備はよろしいですか?・・・・・・うん?」

 

(蒼空)え?・・・・・・危ねっ!?」

 

 

残りがリボルバグスターだけとなった時、2人のライダーに青色の光弾が襲い掛かってきた。

 

 

(蒼空)誰だよぉぉぉ降りてきた・・・。」

 

(夜華)セリフはどちらか1つにしてください。」

 

(???)やぁ、仮面ライダー諸君。」

 

(蒼空)あん?俺ら・・・・・・のことだよな?」

 

(夜華)今、わたくしたち以外に誰がいるんですか?」

 

 

笑いを取ろうとしないストレートなツッコミがジオウを襲った。・・・・・・んなことより、今真剣に考えなければいけないことは、突然リボルバグスターの前に降りてきた銀色の剣を持った青色の怪人が何者なのか、ということだ。

 

 

(蒼空)えっと・・・・・・どちら様?」

 

(???)君たちを初めて見た時から、ずっと思っていたんだ。」

 

(蒼空)話し聞け、ボケェ!」

 

(夜華)見るからに敵なお方に言っても・・・。」

 

(???)その文字を(えぐ)り出してみたい、とね!」

 

(リボル)何者か分からないが・・・!」

 

 

なかなかにエグいことを言う青色の怪人は剣を構えて2人のライダーに襲い掛かって来た。それを見たリボルバグスターは体を粒子状にして姿を消した。

 

 

(蒼空)危ねっ!?イテっ!!だから、お前誰だよ!?」

 

 

 

《解析完了。以前現れたドーパントと同類ですが、ドーパント内でも幹部の立場に存在する『ナスカ・ドーパント』です。剣と高速移動に気を付けてください。》

 

(蒼空)なるほどね!で、対処法は!?)

 

《・・・・・・・・・・・・。》

 

(蒼空)おい!!無言は止めろよ!!)

 

 

 

(夜華)くっ・・・!この姿なら、対抗できるはずです・・・!」

 

(ナスカ)超高速。」

 

(蒼空)えっ?うおっ!?」

 

 

対処法が分かってないジオウを置いて、ウォズとナスカが超高速対決を繰り広げる。

 

 

(蒼空)もう!シエルさん、なんでもいいから教えてよ!!」

 

 

 

《・・・・・・ジオウ(ツー)ウォッチを使ってください。》

 

 

 

(蒼空)ジオウⅡ?・・・・・・さっきのこれか!」

「ジオウⅡ」

「ジオウ!(ジオウ!)」

 

 

取り出したウォッチを2つに分解させて、ドライバーの左右にセットした。

 

 

(蒼空)はぁ・・・・・・ふっ!」

『ライダータイム!』「仮面ライダー!」「ライダー!」「ジオウ!」「ジオウ!」『ジオウⅡ!』

(蒼空)よし!・・・・・・って、なんだこの武器!?顔付いてるし・・・?」

 

 

 

《いいからその姿で未来予知をして、あの高速移動に対抗してください。》

 

 

 

(蒼空)ねぇ、最近冷たくない!?・・・・・・また黙った・・・。まぁいいや!」

 

 

顔に4本の時計の針を付けたジオウ。シエルの冷たい言動を一度無視して、『ジオウⅡ』の特殊能力を発動させる。

 

 

(蒼空)キングと同じか。・・・・・・見えた、お前の未来!」

 

 

その瞬間、超高速で襲い掛かってくるナスカ・ドーパント。

 

 

(蒼空)1・・・!2・・・!」

 

 

その超高速攻撃を数を数えながら受けるジオウ。そして・・・・・・

 

 

「ジオウサイキョウー!」

(蒼空)3!!」

「覇王斬り!」

 

(ナスカ)ぐっ!?」

 

(夜華)・・・・・・!お見事です。」

 

(蒼空)よぉし・・・!」

 

 

未来予知をしているのに自慢気にガッツポーズをするジオウ。ちなみに、顔が付いた武器の顔文字は『ライダー』から『ジオウサイキョウー』に変わっている。

 

 

(ナスカ)だが、これならどうだい!?」

 

(蒼空)なっ!?ぐわぁ!!」

 

(夜華)さすがに、この数は・・・!?」

 

 

反撃するかのように青色の光弾をいくつも作りだして、それをライダーたちに放つ。その数に圧倒されて、手も足も出ないジオウとウォズ。使い慣れていないのもあるせいだが・・・。

 

 

(夜華)主、様・・・!」

 

(蒼空)ぐっ・・・っ!」

 

(ナスカ)これで、最期だ。」

 

 

 

 

(香澄)蒼空くん!?」

 

(有咲)やべーぞ!?」

 

(紗夜)葛城さん!!」

 

(ウィズ)分かってるって!変身!!」

「ショットライズ!」

 

 

 

(ナスカ)はぁ──ぐっ!?」

 

(蒼空)っ!?」

 

「シューティングウルフ!」

(ウィズ)えっ?今のは・・・?」

 

 

ジオウにナスカ・ドーパントの剣が当たる直前、ナスカ・ドーパントに突然ダメージが襲い掛かってきた。そのダメージは青い残像によって与えられていたことに気付いたのは、ジオウから離れた後だった。

 

 

(ナスカ)誰だっ!?」

 

(蒼空)あれは・・・・・・ジクウドライバー!?」

 

(夜華)今度はひらがなですか・・・。」

 

 

青色の残像は姿をはっきりと見せて、ジオウたちを見た。その姿は青色の装甲で羽根みたいなのが付いた、顔に『らいだー』と付けたジクウドライバーのライダーであった。

 

 

(ナスカ)誰だか知らないが・・・・・・はぁ!!」

 

(???)・・・・・・。」

「パワードタイム!」

 

 

ナスカ・ドーパントは再び光弾を作り出し、突然現れたライダーに放った。

 

 

(ウィズ)蒼空!・・・・・・えっ!?」

 

(???)・・・・・・。」

「リ・バ・イ・ブ 剛烈~!剛烈!」

 

(ナスカ)何っ!?」

 

(夜華)姿が・・・!?」

 

(有咲)ってか、あの羽根の形が変わっただけだろ!?」

 

(蒼空)・・・・・・っ!?このライダー、まさか・・・!?」

 

(ナスカ)どうやら、立て直した方がよさそうだな・・・。」

 

(ウィズ)あ、ちょっと!!・・・・・・あぁ、もう!逃げたよ・・・。」

 

 

ナスカ・ドーパントは、新たに現れたライダーに困惑し、超高速でこの場を去った。

 

 そして、ふらふらと立ち上がり変身を解除した蒼空と夜華。そして、走って蒼空たちの下に行きながら変身を解除するウィズ。その後ろからライダーではない香澄たちもやって来る。いまだに変身を解除していない『らいだー』は蒼空たちの方を・・・・・・というか、蒼空を見ていた。見た目は分からないが。

 

 

(香澄)蒼空くん、大丈夫!?」

 

(燐子)蒼空さん・・・・・・!」

 

(蒼空)大丈夫、だけど・・・・・・。」

 

(夜華)主様、どうされましたか?」

 

 

蒼空の意識は、先程のバグスターやナスカ・ドーパントではなく、目の前の『らいだー』にしか向いていなかった。

 

 

(蒼空)お前・・・・・・海璃なのか?」

 

(香澄)えっ?」

 

(有咲)海璃・・・・・・って、ちょままっ!?マジかっ!?」

 

(紗夜)そんな、美剣さんが・・・!?」

 

(夜華)・・・・・・確かに、この魔王因子の気配は海璃様の気配と同じ。」

 

(燐子)ほんと、なんですか・・・・・・?」

 

(???)・・・・・・さすがだね。」

 

 

ようやく喋った『らいだー』はドライバーからウォッチを外し、変身を解除して姿を見せた。

 

 

(香澄)はぁ・・・!」

 

(有咲)マジかよ・・・・・・。」

 

(燐子)・・・・・・っ!」

 

(紗夜)本当に・・・・・・!」

 

(海璃)さすがは、魔王様だね。・・・・・・蒼空。」

 

(蒼空)海璃・・・。」

 

 

その姿は、旧世界で魔王となった蒼空に告白して、答えが聞けずに新世界に変わってしまった『美剣(みつるぎ)海璃(かいり)』だった。

 

 

(海璃)やっほ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 おひさ~。

 ようやくオリキャラ4人目が登場!さてさて、どうやって海璃はあのドライバーをゲットしたんでしょうね~?

 ちなみに、海璃と夜華が変身するライダーが違うのは、1期ではオリジナルライダーだったけど、「どうせテメェらイメージ出来ねぇだろ?」ってことでイメージがとてもしやすいライダーにしました。

(海璃は『ウルトラマンR/B』の主役をライダーにしただけで、夜華は『遊戯王』の『コード・トーカー』シリーズをライダーにしたのでした。)


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第6話 緊急事態

 
 
「全てを支配する魔王で、仮面ライダージードに変身する桐生蒼空は、怪物が存在しない新世界を創った。だが、そんな世界に次元の狭間が現れて怪物が押し寄せてきた。
 そんな時、俺たちの前に現れたのは、新しいライダーに変身した海璃だった・・・。」

「海璃ちゃん、ようやく新シリーズに登場です!」

「はい、おめっとさ~ん。」

「こっからは私が大活躍して──」

「しばらく戦闘ないから、ってことで、日にちが5日ぐらい飛ぶらしい。」

「──・・・えっ!?」

「それじゃ、本編どうぞ。」

「じゃあ、Galaxyのライブシーンもカット~?」







 

 

 

 

 

 あらすじ紹介で言った通り、前回から5日も経ってしまっている。

 

 まずは、あの後俺は、燐子たちを戦いから避けないと約束して、ライドウォッチとプログライズキーを貰った。ライダーシステムは、緊急事態の時に渡すと約束した。

 

 そして、海璃は俺と葛城が戦った時に記憶を取り戻して、そんな葛城を脅して『ジクウドライバー』と『ゲイツライドウォッチ』と『ゲイツリバイブライドウォッチ』をゲットしたんだって。

 

 そんでもって、今は海璃が「連れていきたい場所がある」って言うから一緒に向かっている。

 

 

「そういや、夜華はいいのか?」

 

「夜華には先に用を済ませたから。あとは蒼空だけだよ。」

 

「へぇ~。・・・・・・で、なんでいんの?」

 

「えっ?だって面白そうじゃん!」

 

「モカちゃんも同じ~。」

 

 

俺と海璃だけかと思ってたんだけど、何故かリサとモカもいるんだよな・・・。

 

 

「何?問題でもあるの?」

 

「・・・・・・一応無ぇよ。」

 

「でしょ~?」

 

 

リサ、なんでお前が圧出すんだよ?

 

 

「いや~、蒼空くんも大変ですな~?」

 

「そんなお前も大変にさせてる1人なんだぞ?」

 

「知りませ~ん。」

 

「テメェ・・・!」

 

「ほら、着いたよ。」

 

 

・・・・・・ここ?誰の家?ずいぶんとご立派なお家だことで~。

 

 

「『桐生』・・・・・・桐生さんって、蒼空とは別の人だよね?」

 

「だろうな。俺の『桐生』はエボルトが勝手に付けた名前だからな。」

 

「それがそこの桐生さんなんだよね~。」

 

「へぇ~。・・・・・・ん?俺?」

 

「そそ。そちらの桐生さんだよ。」

 

「俺かよ!?・・・・・・って、なんで俺?」

 

「だって蒼空、家無いんでしょ?」

 

「無いけど。じゃあ、もしかして夜華にも?」

 

「うん。右の家が夜華の家だよ。」

 

「えっ!?」

 

「ほんとだ~。『切姫』って表札があるよ~。」

 

 

それじゃあ、この話はマジなんだ・・・。そうなると、1つ気になることが出来てしまう・・・・・・。

 

 

「なぁ、この家ってさ・・・・・・一から作ったのか?」

 

「そうだよ。」

 

「あの・・・・・・費用はどっから出た?」

 

「うん?うちのお金を思う存分使って出しただけだけど?」

 

 

キョトン顔をすんな、怖いから・・・・・・ある意味。

 

 

「それ、大丈夫なのか・・・?」

 

「大丈夫大丈夫!こっちでも結構なお金持ちのお嬢様だったのよ。」

 

「それでも、この家かなりの物だろ・・・?」

 

「そうね・・・・・・2階建てに、地下には魔王因子まで組み込んで作った何があっても破壊されない訓練場に地下工房、家は全て防音機能を付けてあるぐらいかな?」

 

「えっ・・・!?」

 

 

それって・・・・・・一体なんぼ使って建てたんすか・・・!?全部防音って、相当金かかるよな!?なぁ!?

 

 

「それじゃ、入ろっか。」

 

「は、はい・・・。」

 

「蒼空、アタシ・・・・・・海璃がちょっと怖くなっちゃった・・・。歯向かったら、なんかされそうで・・・。」

 

「モカちゃんも、海璃ちゃんには頭が上がりませんな・・・。」

 

 

本当よ~・・・・・・。

 

 俺の家・・・・・・だと言われる家に入り、内装を確認している。

 

 

「はぁ・・・。」

 

「うわ~・・・。」

 

「・・・・・・ねぇ、蒼空。」

 

「なんだ?」

 

「アタシ、ここに住んでも──」

 

「ダメだ。」

 

「──えぇえええ!!?」

 

「・・・・・・リサ先輩、ちょっとこの家を見て回りません?」

 

「お前な・・・。」

 

「そうだよモカ。他人の家──そうだね、行こっか!」

 

「えっ、おい!!」

 

 

行っちゃったよ・・・。まぁいいや・・・・・・いや、良くないよな?主人よりも先に家の中を全て見るなんて、普通はあり得ないよな・・・?

 

 

「・・・・・・蒼空。」

 

「っ・・・・・・。」

 

 

そっか、今この部屋には俺と海璃しかいないのか・・・・・・。なんか、嫌な予感がするな・・・?

 

 

「あ、あのさ・・・・・・そろそろ、答えを聞かせてくれない・・・?」///

 

「答え・・・?」

 

「その・・・・・・前の世界での・・・・・・わ、私の・・・・・・こ、告白の答えを・・・・・・。」///

 

 

・・・・・・だよな。正直、海璃と二人きりになるとこの話になると思っていた・・・。

 

 

「・・・・・・お前は良いのか?この新世界になっても、俺は仮面ライダーで、しかも魔王。それに、怪物が現れる限り即座に戦いに行く。そんな男を恋人にしたいか?」

 

「前にも言ったと思うけど・・・・・・私が好きになったのは、仮面ライダージードの蒼空でも、魔王の蒼空でもなく、ただの人間の桐生蒼空だから。それに、今さら蒼空に「戦わないで」とか言わないよ。そこは諦めてるから。だから・・・・・・ね?」///

 

 

・・・・・・やっぱり勝てないな。しょうがない、こっちも諦めるとしよう。

 

 俺はポケットにずっと入っていた小さな四角い箱を取り出し、海璃に見せる。

 

 

「結婚前提で、その・・・・・・よろしくお願いします・・・。」///

 

「っ・・・・・・うん!それじゃあ・・・・・・はい!」

 

「うん・・・?」

 

「だから・・・・・・早く着けてよ・・・。」///

 

「・・・・・・っ!それは、卒業してからだろ・・・?」

 

「正式な結婚はね・・・。でも、これぐらいなら、大丈夫でしょ・・・?」

 

「・・・・・・はぁ・・・。あんまり見せびらかすなよ・・・。」

 

 

俺は箱から指輪を取り出し、海璃の左手の薬指にはめる。

 

 

「・・・・・・ふふっ、ありがとう!それじゃ、蒼空もちゃんと着けてよ。」

 

「え?・・・・・・あ、はい・・・。」

 

 

俺も、海璃に渡した指輪と同じ指輪を・・・・・・仕方なく左手の薬指にはめた。

 

 ちなみに、この指輪は新世界を創る前に別世界のジードがこっそりとくれた物だ。・・・・・・多分、海璃とちゃんと結ばれろよ、って意味でくれたんだろうな。

 

 

「ヒュ~、凄いですね~。」

 

「燐子、かなり頑張らないと、蒼空の心は動かないぞ~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家を一通り見終えた俺は再びリビングに戻ってきた。リサとモカは既に外にいるんだが、俺の中で謎の疑問がリビングに来た時に生まれた。

 

 

「・・・・・・なぁ海璃。俺、あんなに荷物ないぞ。」

 

 

そう、リビングに大きなダンボールが5つぐらい置いてあるんだよな・・・?

 

 

「あぁ、あれ?あれは私の荷物だよ。」

 

「あれが?・・・・・・あれが!?ってか、なんでお前の荷物が俺の家にあるんだよ!?」

 

「なんでって、そりゃ私もここに住むから。」

 

「はぁ!?」

 

「だって、結婚するんだから、ここに住んだっておかしくないでしょ?」

 

「そうだろうけども・・・・・・。」

 

「だから、よろしくね♡」

 

「はぁ・・・、最悪だ・・・・・・。」

 

 

幸先悪そうだな・・・。

 

 それから、俺たちは外に出て、CiRCLEへ向かうことにした。

 

 

「蒼空兄ーーー!!」

 

「うん?ってなんだ、和美かよ。」

 

「なんだって何よ!?ボクだって記憶取り戻して、今年度から高校生なんだよ!だから、はい!」

 

「『はい!』ってなんだよ・・・?ってか、あこじゃん。それに明日香も!?」

 

「蒼空兄、お久しぶり!」

 

「蒼空さん、お久しぶりです。私も、記憶を取り戻しまして・・・。」

 

 

明日香も記憶を取り戻したんだ。・・・・・・でも、人体実験はしてないよな?リトルスターのせいか?

 

 

「で、そっちの娘は初めましてか──」

 

「そんなことより!!はい、ドライバーちょーだい!!」

 

「お前な・・・・・・人がせっかくお前の友達に挨拶しようとしてるのに、邪魔すんなよ。」

 

「蒼空兄が悪いんだよ!」

 

「そうだ、貴様が悪い!」

 

「あぁん!?・・・・・・あ。」

 

 

横から変な声が挟んできたと思ったら、この前取り逃がしたバグスターじゃんか!

 

 

「久しぶりに一緒に戦おう、蒼空兄!」

 

「あぁ。」

 

「あ、その中にドライバーが!?」キラキラ

 

「取ってこい、ポチ。」ブンッ

 

「あぁーーー!!蒼空兄!?」

 

「早よ行けって。」

 

「ぐぬぬ・・・後で覚えておいてよ!!」

 

「あ、カズミーン!」

 

「ちょっと!?すみません、あこたちを追います。」

 

「あぁ、早く行け。」

 

「あ、あの・・・!わたし、朝日六花と言います!」

 

「六花、ね・・・。和美と仲良くしてくれよ。」

 

「はい!」

 

 

ドライバーを入れた袋を思いっきり後ろへ投げ飛ばして、1年生組はこの場から離れた。

 

 

「・・・・・・さて、行くか。」

「ゼロワンドライバー!」

 

「させるか!撃てーぃ!」

 

「痛って!?うん?・・・・・・あっ!?」

 

 

俺はゼロワンドライバーとバッタのキーを取り出したんだけど、リボルが俺のドライバーとキーを撃ち飛ばしやがった・・・!

 

 

「テッメェ・・・!」

 

「次は、お前の番だ・・・!」

 

「仮面ライダーゲイツ!」

 

「ぐっ!?何者だ!?」

 

「私もいるんだけど?」

「ジカンザックス!」「おーのー!」

 

 

って、いつの間に海璃は変身してたんだよ!?

 

 

「モカちゃんは避難してま~す。」

 

「じゃあ、アタシも・・・・・・。」

 

「リサは残れ。」

 

「えぇ!?なんでよ!?」

 

()()()を渡すから、一緒に戦え。前にも使ったことのあるライダーシステムだ。」ポイ

 

「ちょちょちょっ!?・・・・・・これ、いいの!?」

 

「デメリットは一切ない。思う存分戦え。」

 

「オッケ~!」

 

 

俺はもう一つのドライバーを取り出して、腰に巻いた。リサに渡したのは、魔王因子で創った『マッハドライバー炎』と『シグナルバイク』一式だ。

 

 

「ジオウ!」

 

「シグナルバイク!」「ライダー!」

 

「変身!」

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」

 

「Let's変身!」

「マッハ!」

 

「それじゃあ、行っくよ~!」

「ゼンリン!」

 

「さて、とっとと倒して、ゼロワンドライバーを取りに行くか!」

「ジカンギレード!」「ケン!」

 

 

3人もライダーがおれば、このアホみたいにいる雑魚とリボルは倒せるか。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 主様、本日は確か、海璃様に家を頂く予定でしたね。もう家は全て見られたのでしょうか?

 

 

「ちょっと夜華さ~ん?仕事してくれます~?」

 

「・・・・・・おや、いたのですか?」

 

「お客さんにする態度がそれかい!?」

 

 

さすがのわたくしも、主様がいないとあんまりやる気が起きませんので。

 

 

「・・・・・・それでは、一度失礼します。」

 

「えっ?」

 

「わたくしも、仕事がありますので。」

 

「えっ!?・・・・・・あ、ちょっと待ちなよ!!」

 

 

・・・・・・まぁ、ウィズ様がいても問題はありませんね、むしろ、いた方が少しは楽が出来ますからね。

 

 

「どうせ、怪物騒ぎなんでしょ!?」

 

「おや、気配は感じないのですか?」

 

「アタシの魔王因子、そっちは無いのよ。」

 

「・・・・・・そうですか。」

 

「悲しい顔をすんな!!」

 

「それより、来ましたよ。」

 

 

まさか、そちらからお出ましになられるとは・・・・・・。

 

 

「それじゃ、行こっか。」

「バレット!」

 

「わたくしに命令できるのは、主様だけです。」

「ウォズ!」

 

「もう、文句言わないの!変身!」

「オーソライズ!」「ショットライズ!」

 

「変身。」

「フューチャータイム!」

 

 

では、バグスターの皆様。楽しい楽園(地獄)へご招待いたしますわ。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 まったくもう、蒼空兄ったら!ボクのドライバーを投げ飛ばすなんて・・・!

 

 

「カズミン、あったよ!」

 

「あこ、ナイス!」

 

「見つかったの?」

 

「良かったね、和美ちゃん。」

 

「うん!」

 

 

さて、ちょっと蒼空兄をお仕置きしつつ、あの変な怪物共と戦うかな~?

 

 

「・・・・・・うん?」

 

「どしたの~?」

 

「あの制服・・・・・・どこのだっけ?」

 

「え?・・・・・・あぁ、あれはお嬢様高校の『月ノ森』だよ。」

 

「へぇ・・・・・・。」

 

 

あの子の持ってた四角いの、どっかで見たような・・・?

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 リボルバグスターが現れた場所では、その近隣の家に住むことになった蒼空と海璃、そして、遊びに来たリサが変身してバグスターたちと戦っている。

 

 

「ふっ!はぁ!」

 

「ピッ!?」「ピィィィ!!」

 

「多過ぎだっての!なら、これで行きますか!?」

「ウィザード!」

 

 

斧と弓になる『ジカンザックス』を使ってバグスターたちを倒していた海璃(ゲイツ)は、ライドウォッチホルダーにあった『ウィザードウォッチ』を起動させ、ウィザードのアーマーを纏った。

 

 

「ふっ!」

「アーマータイム!〈プリーズ!〉ウィザード!」

「さぁ、ショータイムよ。」

 

 

ゲイツは纏ったウィザードのように、華麗に回ったりしながらバグスターたちを倒していった。

 

 

 

 

 

「シューター!」

「よっ!」

 

「「ピィィィ!!」」

 

「まだいるの~!?じゃあ、これ!」

「シグナルバイク!」「シグナル交換」

「カクサーン!」

 

 

リサが変身した『仮面ライダーマッハ』は、専用武器の『ゼンリンシューター』で戦っている。そして、多人数相手に有利な『シグナルカクサーン』へシグナル交換した。その証拠に、右肩の丸い装甲に『カクサーン』のマークが現れた。

 

 

「行っくよ~!」

「シューター!」

「よっ!」

「タクサン・カクサーン!」

 

「「「ピィィィ!!?」」」

 

 

一発の弾丸をかなり多い数に増やして、バグスターたちを一掃する。

 

 

 

 

 

 そして、親玉のリボルと戦う蒼空(ジオウ)は、ジカンギレードで戦っている。

 

 

「ふんっ!」

 

「ぐっ!?こいつ、どんだけ玉持ってんだよ・・・!?」

 

「貴様に負けるような我輩ではない!」

 

「だったら、これを使ってみるか!」

「ダブル!」

 

 

剣と銃になるジカンギレードでは勝てないと思ったジオウは、『ダブルウォッチ』を使い、ダブルアーマーを纏う。

 

 

「ふっ!」

「アーマータイム!〈Cyclone!Joker!〉ダブル!」

「さぁ、お前の罪を・・・・・・教えろ。」

 

「貴様・・・、ふざけてるのか!?」

 

「え?ちょっと違った?・・・・・・まぁいいや。」

 

 

右から緑色の鎧、左から黒色の鎧を纏った『ジオウ ダブルアーマー』は、本家とはちょっと違う決め台詞を言った後、手足に風を纏わせながら、リボルの銃撃を防ぎつつ、リボルを攻撃していく。

 

 

「ふっ!はぁ!よっと!」

 

「ぐわっ!?何故だ、たかが鎧を纏っただけで・・・!?」

 

「そーいうもんなんだよ!」

 

「ぐっ!?」

 

 

 

 

 

 そして、それぞれの場所で、戦いが決着がつこうとしていた。

 

 

「フィニッシュタイム!」

「さて、フィナーレよ。」

「ウィザード・ザックリカッティング!」

「はぁあああ!!」

 

 

ゲイツはジカンザックスにウィザードウォッチをセット、武器を魔法で大きくして、相手していたバグスターたちをまとめて一掃した。

 

 

「ヒッサツ!」

「これで、おしまい!」

「フルスロットル!」「カクサーン!」

 

 

マッハはゼンリンシューターに『シグナルマッハ』をセットして、バグスターに向けて一発放ち、それを『カクサーン』で何発にも拡散させて倒した。

 

 

「フィニッシュタイム!」「ダブル!」

「これで決める。」

「マキシマム・タイムブレーク!」

「だぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!?」

 

 

Wの字でリボルにライダーキックをして倒した。だが・・・・・・。

 

 

「・・・・・・うん?」

 

 

リボルが倒されたところに、まるでブラックホールのようなものが現れた。

 

 

「なんだ、これ?」

 

「蒼空、何それ?」

 

 

マッハがジオウに駆け寄った瞬間、ブラックホールのようなものが突然周りを吸収し始めた。

 

 

「なっ!?ぐっ・・・!?」

 

「蒼空!リサ!早く離れて!!」

 

「ぐっ・・・、きゃあああ!!?」

 

「リサ!」

 

 

だが、その吸引力が強すぎるせいで、マッハがブラックホールに吸い込まれてしまう。それを助けようとしたジオウも、その吸引力に負けて、飲み込まれてしまった。

 

 

「蒼空!リサ!」

「ゲイツリバイブ・疾風!」

「間に合え・・・!!」

「ライダータイム!」

「リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!リバイブ疾風!疾風!」

「ふっ!」

 

 

超高速移動できるフォームに変わったゲイツは、ブラックホール内に向かったが、ブラックホールは直前で消滅してしまった。

 

 

「えっ・・・!?蒼空・・・・・・リサ・・・・・・っ!」

 

 

この場に残されたゲイツは、ただ立ち尽くすしかなかった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蒼空たちの身に何か起きたのは、従者である夜華(ウォズ)にも伝わった。

 

 

「ツエスギ!」「フィニッシュタイム!」

「では、ごきげんよう。」

「不可思議マジック!」

 

「ド派手に行くよ!!」

「バレット!」

「ハァ!」

「シューティングブラスト!」

 

 

ウォズは『フューチャーリングクイズ』へと姿を変え、ウィズ(バルカン)と共にバグスターの残党を倒した。

 

 

「・・・・・・っ!?」

 

「夜華?」

 

「主様の気配が、消えた・・・?」

 

「えぇ!?なんで蒼空が!?」

 

「分かりません、急いで行きましょう。」

 

「オッケー!」

 

 

2人は蒼空の気配があった方へ急いで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人の通りが少ない公園で、1組の男女が倒れていた。その2人は、先程ブラックホールのようなものに吸い込まれた蒼空とリサだった。

 

 

「ぐっ・・・・・・ここは・・・?リサ、大丈夫か!?」

 

 

蒼空が目を覚ました。先程は住宅街だったのに、景色が違うことに疑問を覚えた。だが、その疑問を一度しまい、横に倒れているリサを心配した。

 

 

「うぅ・・・・・・蒼空・・・?」

 

「リサ、無事か?怪我は・・・!?」

 

「大丈夫。多分、ライダーのおかげ。」

 

「そっか。・・・・・・にしても、ここはどこだ?」

 

「ここって・・・・・・確か、花女の近くだよね?」

 

「えっ!?なんで姉さんがここに・・・!?」

 

「「うん?」」

 

 

後ろの方から声が聞こえたと思い、2人は後ろを向いた。そこには、まるで今井リサのようなスタイルの良く、綺麗な女性がいた。

 

 

「え?・・・・・・リサが・・・!?」

 

「・・・・・・ふぇ?」

 

 

蒼空は一瞬、ドッペルゲンガーかと思ってしまっていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 さて問題です!最後に出てきたキャラは誰でしょう?アタシの作品を感想欄まで見ていたら、分かると思うけど。


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第7話 パラレルワールド with 紫閻

 
 
「全てを支配する魔王にして、仮面ライダーの桐生蒼空は、怪物が存在しない新世界を創った。だが、その世界では、次元の狭間から色んな種類の怪物たちが現れていた。そんな怪物たちを倒していると、突然ブラックホールが現れ、蒼空とリサを吸い込んでしまった。」

「ねぇ、本編だと私のセリフないんだけど?」

「そりゃそうだろ。お前はあん中に吸い込まれてないんだから。」

「だからって!私、これでも蒼空の彼女よ!?なんで出番がないのさ!?」

「知るかアホ。いいから本編見るぞ。」

「今、アホって言った!?」







 

 

 

 

 

 俺とリサは、ブラックホールもどきに吸い込まれて、何故か花咲川の近くの公園にいた。だけど、そこで(多分)リサのことを『姉さん』と呼ぶやつに出会った。・・・・・・リサそっくりなんだけど?

 

 

「なんで姉さんがここに・・・!?」

 

「ふぇ?」

 

ちょいちょいちょいちょい!おまっ、妹とかいんの!?」コソコソ

 

いないよ!だいたい、アタシとほぼそっくりな時点で妹って線はないでしょ!?」コソコソ

 

じゃあ、ドッペルゲンガー?」コソコソ

 

ちょっと、怖いこと言わないでよ!!」コソコソ

 

「ってか、なんで俺をヤむほど好きな姉さんが、男の人と一緒にいるんだ?」

 

「えっ!?」

 

「・・・・・・ちょっと来い。」

 

「えっ、ちょっと!?」

 

「えっ!?ちょっ、姉さん!?どうなってんだ・・・・・・?」

 

 

どうにも変だと思ったから、俺はリサの腕を引っ張ってリサの妹(?)から離れた。

 

 

「ちょっとちょっと!?蒼空、どうしたの!?」

 

「え?あ、ごめん。まぁ、この辺ならいいか。」

 

「どういう事?」

 

「一旦整理しよう。まず俺たちは、バグスターを倒した後に現れたあのブラックホールみたいなのに吸い込まれた。」

 

「うん。」

 

「そして、目が覚めたら花咲川近くの公園に倒れていた。」

 

「うん。」

 

「そして、お前とほぼそっくりな妹がいた。」

 

「そこだよ!」

 

「いや、そこじゃないな、おかしいのは。」

 

「元をたどれば、バグスターの時点でおかしいけどね。」

 

 

そこはツッコむなよ。

 

 

「・・・・・・おそらく、俺たちはあのブラックホールもどきのせいで、別の世界へ飛ばされたんだ。俺たちの世界と似た、並行世界に。」

 

「並行世界?・・・・・・それって、『パラレルワールド』とか言うの?」

 

「あぁ。」

 

「ちょちょちょちょっと待って!?え、何!?もしかして、アタシたちは同じようで違う世界に今いるってこと!?」

 

 

さっきからそう言ってるでしょうが・・・・・・。

 

 

「おそらく、この世界は『今井リサに妹がいる』が特殊な部分として出ているんだ。」

 

「なるほど・・・・・・。」

 

「だってお前、『妹はいない』って言ってたけど『弟はいる』って言ったら炎上しただろ?」

 

 

 

 

 

※過激なメタ発言が出ます。ご注意ください。

 

 

「そうなんだよ。『妹はいない』って言ったのに『弟がいる』なんて言ったら過激なバンドリーマーが運営に文句言い始めてさ~。そしたら、運営も謝罪しながらアタシの『弟がいる』設定を消しちゃってさ~、セリフも取り直したんだよ~。」

 

「たかがそんな事で過剰に反応する奴らは面倒くさいからな~?」

 

「そーだよ!そーいう人たちがよく協力ライブでアホみたいに『天下トーイツA to Z』と『Jumpin'』を選ぶんだよね~?」

 

「そうね。そして、キャラのスキルがスキルアップだけじゃなかったら切ったりな?」

 

「あとね、気に入らないユーザーや曲が出たら切ったりね~?」

 

「ほんとですよね~奥さ~ん?・・・・・・何なん、これ?」

 

「分かんない・・・・・・。」

 

 

※過激なメタ発言がやや多くありました。一応、申し訳ございません。

 

 

 

 

 

「さて、気を取り直して!とりあえずこの世界を調べますか!」

 

「そんなんでいいの?」

 

「ま、焦ったってしょうがないだろ?・・・・・・ひとまず、お前の恰好をどうにかしないとな。」

 

「ふぇ?」

 

「この世界のお前の妹がお前を見て『姉さん』って言うぐらいだ。多分この世界のお前もいるだろ?全く同じやつが2人もいたら、色々マズイっしょ?」

 

「確かにね。」

 

「それじゃ、まずはお前の変装からだな。」

 

 

最初の予定が決まったタイミングだった。

 

 

「おい、どうした!?だいじょうぶ!?」

 

「うぅ・・・、頭痛い・・・!」

 

 

 

「うん?・・・・・・どうしたんだ?」

 

「ちょっと行ってみよう!」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「あ、あの・・・!急に友だちが・・・!?」

 

「うっ!?うあああああ!!」

 

「うおっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

 

苦しんでる少年からオレンジ色の粒子が飛び出して、人型へとなった。

 

 

「我の名はリボル!レベル20(トゥエンティ)!」

 

「「うわぁあああ!?」」

 

「またお前かよ・・・。」

 

「さっきの!?」

 

 

 

「大丈夫か~!?・・・・・・って、怪物!?しかも、『仮面ライダーエグゼイド』の『リボルバグスター』じゃねーか!?」

 

「・・・・・・?」

 

「君たちは早く逃げろ!うおおお!!」

 

 

あいつ、バカだろ・・・。あれは本物だぞ・・・?

 

 

「リサ、2人を安全・・・・・・は、いいや。俺が吹き飛ばすから。」

 

「えっ!?」

 

「お前は隠れて変身しろ。あの妹さんにバレない程度にな。」ボソッ

 

「・・・・・・オッケ~。

 

 

俺はリボルへ向かって走り出し、蹴り飛ばした。

 

 

「痛って~!?」

 

「これで、終わり──」

 

「おりゃ!!」

 

「ぐわぁ!!誰だ、貴様は!?」

 

「うっせぇ、アホ!!・・・・・・勇気と無謀は違うぞ。」

 

 

俺はリサの妹に一言言って、蹴り飛ばしたリボルの前に立った。

 

 

「覚えてないなら思い出させてやるよ。」

「ジオウ!」

 

 

なんか、このシステムにも慣れてきたな~。・・・・・・そういや、ゼロワンドライバー大丈夫かな・・・?

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空の世界が『怪物がいる』世界なら、今蒼空たちがいる世界が『今井リサに妹がいる』世界で、本来なら怪物は存在しない。だが、そんな世界に現れたリボルバグスターはフィクションでもなんでもない、実際に存在する怪物だった。本来なら、対抗手段が存在しないはずだが、今この世界にはバグスターと対抗できる者が存在する。

 

 

「変身!」

「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」

 

「じ、ジオウ・・・!?本物・・・!?」

 

「いいから、早く逃げろ。」

「ジカンギレード!」「ケン!」

 

「・・・・・・っ!?」

 

 

ジオウに変身した蒼空は、剣を持ってさっき戦ったばっかのリボルバグスターと戦う。

 

 

「ふっ!はっ!」

 

「ぐっ!?なんだ、貴様は!?この勢いは一体・・・!?」

 

 

ジオウの狙いは、戦いつつ、身体の痛みを訴える少年から遠ざけることだった。

 

 

「もうちょい飛ばすか!」

「フォーゼ!」

「よっと!」

「アーマータイム!〈3・2・1!〉フォーゼ!」

 

 

周囲を飛び回りつつ、ジオウにくっついたフォーゼアーマー。その力を纏ったジオウはロケット噴射に合わせてリボルを殴った。

 

 

「はぁ・・・・・・、おりゃあああ!!」

 

「ぐはっ!?」

 

「・・・・・・結構飛ぶな~?さすがロケット。」

 

「お待たせ~!」

 

「お、ようやく変身できたか。」

 

 

かなりの距離を殴り飛ばしたジオウの下に、こっそりとマッハに変身したリサがやって来た。

 

 

「・・・・・・って、何それ!?」

 

「えっ?いや、フォーゼアーマーだけど。」

 

「ずいぶんとゴッツいね~?」

 

「んな事より、とっとと倒すぞ。」

「ジオウⅡ」

 

 

吹き飛ばされたリボルが起き上がった時には、目の前にライダーが2人になっていた。

 

 

「ぐっ!?こんなとこで・・・!」

 

「ジオウⅡ!」

「待たせたな。だけど、これで終いだ。」

「サイキョウ フィニッシュタイム!」

 

「シグナルバイク!」「シグナル交換!」

「トマーレ!」

「蒼空、サポートするね!」

「シューター!」「トマーレ!」

 

 

ジオウが2本の剣を1つの大剣にして、必殺技を発動させる。それが発動する前にマッハが『シグナルトマーレ』でリボルの動きを止めた。

 

 

「ぐっ!?か、体が・・・!?」

 

「これで決める。」

「キング ギリギリスラッシュ!」

「だぁあああ!!」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

動きを封じられたリボルは、ジオウの必殺技をもろに受けて倒された。

 

 

「ふぅ~。・・・・・・お。」

 

 

ジオウは先程の少年の方を見て、ライダーシステムにある視覚強化を使い、少年の状態を見た。

 

 

「良かった、治ったんだ。」

 

「ほんと!?良かった~!」

 

「・・・・・・とりあえず、一旦離れよう。少年は、警察に任せるとして、さ。」

 

「うん?・・・・・・うん、そうだね。」

 

 

ジオウとマッハは変身を解きながらその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、先程の少年の近くにいたリサの妹は・・・・・・。

 

 

「『勇気と無謀は違う』って・・・・・・んな事、分かってるよ・・・。」

 

 

先日、偶然手に入れた2本の水色っぽいボトルと緑色の機械を見て、1人呟いていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ジオウたちの戦いを見ていたのは、リサの妹だけではなかった。黒いスーツの男が1人、木陰から見ていた。

 

 

「ほぉ~、あれが魔王か~。まだ、予定のレベルまでは達してないか~。さぁて、どんな手を使おうかな~?」

 

 

不気味な笑みを浮かべる男は、どこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 上手くあの場を逃げ延びたけど、とりあえずショッピングモールに来た。最初は簡単にこの世界で活動できるように、リサの変装をするためな。

 

 

「それじゃ、次はあの店に行こ~!」

 

「・・・・・・なぁ、お前の変装は終わったろ?なのに、まだ寄るのか?」

 

「当ったり前でしょ~!ショッピングはもっと楽しまないとね~!」

 

「はぁ・・・。」

 

「ため息つかないの!そんなんじゃ、海璃とも上手く付き合えないよ~?」ニヤニヤ

 

 

なんで、海璃が出てくんだよ・・・。

 

 

「海璃と恋人なんでしょ?だったら、こういうデートも慣れないとね~?」

 

「・・・・・・ほっとけ。」

 

「それじゃ、今からおねーさんがエスコートしてしんぜよう~!」

 

「・・・・・・はいはい、ご教授どうも。」

 

「それじゃ、しゅっぱ~つ!」

 

 

リサのコミュニケーション能力、本当に凄いよな・・・。

 

 

「それじゃ、今から洋服選ぶから、どれが似合ってるか選んでね!」

 

「えっ・・・?」

 

「え・ら・ん・で・ね?」(圧)

 

「は、はい・・・。」

 

 

怖えぇえええ!!

「ヤベーイ!」

 

 リサが着替えている間、俺の脳内でシエルが話しかけてきた。

 

 

《報告があります。》

 

(ん、どした?)

 

《現在、ビルドドライバーで変身できるまでの状態に戻りました。ですが、現在変身出来るのはボトル2本で変身出来るフォームのみです。》

 

(ってことは、スパークリングとハザード関連、ウルティメイトファイナルはまだってことか・・・。)

 

 

 

「おっ待たせ~!どう?・・・・・・あれ、蒼空?」

 

「えっ?あ、あぁ・・・・・・ごめん。似合ってんじゃない?」

 

「う~ん・・・・・・28点。」

 

「はい?」

 

「コメントの点数!そんなんじゃ、海璃にも怒られるよ~?」

 

「んな事言われても、俺にファッションセンスがあると思ってんのか・・・?」

 

 

今でさえも、上着が黒で下がジーパンなんていう『お前、ファッションセンスあんのか?』って恰好だしな・・・。

 

 

「では改めて・・・・・・どう、この服?似合ってる?」

 

「・・・・・・肌出しすぎじゃねぇか?」

 

「0点。」

 

「おい!!」

 

 

この先生厳しい・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ようやくショッピングモールを出ることが出来た・・・!

 

 

「それじゃ、どこ行く?」

 

「とりあえず、この世界にバグスターが出てる理由を探らないとな。だけど、何が原因なんだか・・・?」

 

「いた、さっきの!」

 

「うん?・・・・・・あ。」

 

 

うわ~、また来よった・・・・・・リサの妹。

 

 

「お前・・・・・・そういや、姉さんは?そっちの女の人は?」

 

「えっ!?あ、えっと・・・・・・ユキって名前だよ!なぁ、ユキ?」

 

「う、うん!アタシ、ユキって名前。よろしくね!」

 

「まぁいいや。あんた、ビルドドライバー持ってんの?」

 

「えっ!?な、何のこと・・・・・・!?」

 

 

しまった・・・!俺、コイツの前で堂々と変身しちまったんだよな~!?隠しきれるかな・・・?ビルドドライバーは使ってないから、大丈夫だよな・・・?

 

 

「誤魔化すな!あんたが変身出来るのは知ってるんだ!だから、ビルドドライバーも持ってるんだ──うっ!?」

 

「お、おい・・・?どうした・・・?」

 

「ぐぁあああ!!」

 

「うおっ!?って、またかよ・・・!?」

 

 

今度は・・・・・・赤い、ロボット?

 

 

「ウィーンガシャン、ウィーンガシャン、システム起動、レベル30(サーティ)。」

 

「うっ、またバグスター!?しかも、ガットン・・・・・・!?」

 

「なんでお前が知ってんだよ?・・・・・・まぁ、いい。リ──じゃない、ユキ、行くぞ。」

 

「オッケ~!」

 

 

俺とリサ(ユキ)はは妹さんの前に立って、ドライバーを巻いた。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空はビルドドライバー、リサはマッハドライバー炎を巻いて、それぞれの基本フォームへ変身する。

 

 

「さて、実験を始めようか?」

「ラビット!」「タンク!」「ベストマッチ!」

 

「よぉ~し!」

「シグナルバイク!」「ライダー!」

 

「Are You Ready?」

「変身!」

 

「Let's変身!」

「マッハ!」

 

「鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!」

 

「なっ!?ビルドにも・・・・・・!?」

 

 

普通に考えたら、1人の人間が2本以上のドライバーを持ってるのはおかしい。同システムならまだしも、別作のライダーを2本持ってるのは普通じゃない。

 

 

「はぁ!」ガンッ

 

「・・・・・・?」

 

「・・・・・・痛った~!?」

 

 

ドリルクラッシャーで攻撃した瞬間、蒼空(ビルド)の腕がかなり痺れていた。

 

 

「こいつ、ウィルスなんじゃねーの!?」

 

「ガシャン!」

 

「ぐほっ!?・・・・・・すいません、なんとかしてもらえませんか・・・?」

 

「アタシに振らないの!・・・・・・ハッ!!」

 

「・・・・・・?」

 

「効いてないじゃん!!」

 

 

新たに現れた『ガットンバグスター』は、思いっきりビルドの腹部を殴った。そんなビルドさんは、マッハに振った。振られたマッハも銃で応戦するがあんまり効いていない。・・・・・・というか、全然効いてない。

 

 

「こういう時は、ゴリラかソリッドバーニングで・・・・・・うん?」

 

「ちょっ、蒼空?」

 

「・・・・・・ちょっと任せる!」

 

 

ビルドはふと視線をリサの妹に向けたら、近くにハザードトリガーのような物とボトルが2本落ちているのを見つけた。そこに行って、そのアイテム3つを手に取った。

 

 

「か、返せ・・・!」

 

「大人しくしてろって。・・・・・・ってか、これ本物じゃん!?なんで!?・・・・・・まぁいいや。改めて・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

 

 

ビルドはハザードトリガーのような形をした緑色のアイテムのボタンを押して起動させた。

 

 

X(エックス) ユナイト オン!」

「ふっ。」

 

 

それをビルドドライバーにセットして、手に持つ2本のボトルを振り、ドライバーにセットした。

 

 

「ギンガ!」「オーブ!」

「スーパーベストマッチ!」

 

 

トリガーをセットしてるから、ビルドドライバーからはハザードトリガーをセットした時のような音声が流れる。

 

 

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Are You Ready?」

「ビルドアップ。」

 

 

そこからはいつも通りドライバーを操作して、ビルドは新たなフォームに変身した。

 

 

(つど)うキラ星!ギャラクシーライジング!イエーイ!」

 

「ぐぅ・・・・・・蒼空、まだ!?って、えっ!?」

 

「うっ・・・、ビルドじゃ、ない・・・!?」

 

 

新しいアイテムで変身したビルドは、青く怖い眼をしていて、身体を青っぽい装甲で纏った、『ビルドドライバーを巻いたビルドじゃない者』へと変身した。まぁ、ジードなんだけどね。

 

 

「・・・・・・うん?ビルドじゃない?えっ?・・・・・・お、本当だ!ジードじゃん!顔がプリミティブだけど、身体は何!?鎧!?・・・・・・とりあえず、解析よろしく。」

 

 

蒼空にしか聞こえないシエルに今変身してるフォームの解析を頼み、ガットンへ挑む。

 

 

「はぁ!!」

 

「ウィーン!?ガシャンガシャン!!」

 

「はっ!だぁ!!ぐっ!?」

 

 

いつものジードのように飛び膝蹴りをして、その後も休むことなくパンチの連打をするが、一度振り返った瞬間にガットンの腕に捕まれてしまう。

 

 

「ぐっ・・・・・・っ、それ使う!!ギャラクシーカッティング!」

 

 

シエルが脳内に『ギャラクシーライジングフォーム』のデータを表示していく中で、両腕に付いた黄色い刃を光らせ、斬り裂き攻撃をしていく。ジード自体が強化されているからか、その攻撃はガットンバグスターに効いていた。

 

 

「はぁ!!よっと!」

 

「ウィーン!?ガシャン・・・!」

 

 

ガットンを飛び蹴りしながら後ろへ飛び下がったジード。蹴られたガットンはそのまま倒れてしまう。

 

 

「勝利の法則は、決まった!」

「MaX ユナイト オン!」

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Ready Go!」

「ふっ!はぁ・・・・・・!」

 

 

ジードはトリガーのボタンを押してレバーを回すと、プリミティブフォームの技『レッキングバースト』の要領で腕をクロスして叫ぶように腕を広げる。その周りにはいつも通り赤い稲妻が走り、後ろには今までなかった火の鳥が浮かんでいた。

 

 

「ふっ!レッキング・・・・・・フェニックス!!」

 

 

その後、腕を体の前で折り曲げて、その腕を後ろへ振り、体の横へ大きく広げて、L字腕を組み光線を放つ。

 

 

「ウィ、ウィーン・・・!!」

 

 

攻撃を受けたガットンバグスターは爆発して消滅した。

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・・・・疲れた~!」

 

「お疲れさま。」

「オツカーレ!」

 

「あぁ・・・。」

 

 

2人は変身を解き、状況を確認した。

 

 

「妹さんの症状は治ったようだな。」

 

「そうだね。・・・・・・うん?」

 

「あぁ?・・・・・・どうした?」

 

「・・・・・・!」

 

「痛った!?・・・・・・あ!?お前・・・!?」

 

 

なんと、リサの妹が蒼空の手元にあったボトル2本とトリガーを無理やり奪った。

 

 

「これは俺の物だ。」

 

「はっは~。悪いな、お嬢さん。それは君が使える代物じゃないんだ。それを返しな。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「あん?イテテ・・・!?」

 

「蒼空!?」

 

「イッテ・・・、何すんだよ・・・!?」

 

「俺はこれでも男だ。それと、この世界は俺が守る!」

 

 

蒼空の腕を後ろへ無理やり回し、痛がっている間に蒼空の腰からドライバーを奪ってしまった。

 

 

「「えっ、男!?」」

 

「・・・・・・っ!」

 

「あっ!ちょっ、待て!」

 

「ちょっと待ってy──痛っ!?」

 

「この──痛てっ!?おまっ、何こけてんだよ!?」

 

「ごめん~!」

 

「あ、逃げられるだろうが!!」

 

 

定番ネタかのように、追いかけようとしたらリサがこけてしまい、そのまま蒼空を押し倒してしまう。まぁ、妹さんの姿は見えなくなってしまい、2人が起き上がった頃にはもう遅い・・・。

 

 

「俺のビルドドライバー、返せーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 新フォーム、『ギャラクシーライジングフォーム』登場!元ネタは『ウルトラマンジード ギャラクシーライジング』です。だって、ジードだもん。

 それと、これはコラボ回です。お相手は、『ドレガイザードファブニル』さんの『今井姉弟とバンド物語』です。・・・・・・もちろん、許可は貰ってるよ。紫閻だけど、名前知らないからいまだに『妹さん』です。


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第8話 ジャグラス・ジャグラー

 
 
「魔王でありながら、仮面ライダーに変身する桐生蒼空は怪物が存在しない新世界を創った。だが、そんな新世界に次元の狭間から怪物が現れていた。再びライダーとして戦っているが、ある時、蒼空とリサは別世界に飛ばされてしまった。」

「まさか別世界で主様が新しいフォームを手に入れるとは・・・!」

「え、なんで悔しそうにしてんだよ?」

「主様が新しいフォームを手に入れた時、それを祝うのがわたくしの役目です。その出番が無くなるなんて・・・・・・わたくし、もういらない娘?」

「可愛く言わないの。もうとっとと本編行っちゃって。」

「もういらない娘?」

「やかましいわ。」







 

 

 

 

 

 蒼空から『ビルドドライバー』とボトル2本とトリガーを奪ったこの世界の今井リサの妹は、デートにピッタリな公園を歩いていた。

 

 

「これがあれば、俺がこの世界を守れる・・・!」

 

「紫閻く~ん!」

 

「彩!ごめん、お待たせ。待ったか?」

 

「ううん、大丈夫だよ。」

 

「それじゃ行こっか?」

 

 

妹さんはこちらの世界の丸山彩と合流し、公園を歩いていく。

 

 

「紫閻くん、まだ女の子なの?」

 

「作者をいい加減──(規制音)ないといけないな~?」

 

「紫閻くん、怖いよ・・・?」

 

「大丈夫、この殺意は作者だけだから。」

 

 

そんな若干恐ろしいことを言いながら歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな2人を木陰から見ている黒スーツの男が1人。前回、ジオウたち対リボルの戦いを見ていた男だった。

 

 

「・・・・・・。」

 

「ジャグラスジャグラー、状況はどうだ?」

 

「・・・・・・今のとこ、予定通り。」

 

「そうか。・・・・・・あの男は?」

 

「あの男・・・・・・は、この世界で一番能力が高い者です。」

 

「ほぉ。なら、あいつを器にすることにしよう。」

 

「・・・・・・あぁ。」

 

 

後からやって来たもう1人のスーツの男と、何やら不気味な会話をしていた。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 いない・・・。ったく、さっきのリサ妹、どこ行きやがった・・・!

 

 

「・・・・・・っで、なんで俺たちは羽沢珈琲店(ここ)に来てるんだ?」

 

「まぁまぁ、情報収集ってことで、ね♪」

 

「はぁ・・・。コーヒー美味しい。」

 

「やっぱり、この辺は変わらないんだね~?」

 

「エボルトのコーヒーより断然美味しい!」

 

「それはそうでしょ・・・。」

 

 

あれ?なんで飽きられてる・・・?

 

 

「・・・・・・とりあえず、『なんでこの世界にバグスターがいるのか?』ってとこだが、正直それは分かんないんだよな・・・。」

 

「えっ、蒼空でも分かんないんだ・・・?」

 

「あぁ。でも、この世界には必ずバグスターを操ってる黒幕がいるはずだ。」

 

「そっか・・・。でも、どこに現れるんだろう?」

 

「・・・・・・ヒントは、お前の妹だろうな?」

 

「えっ?・・・・・・あ、そっか!」

 

「そう、あいつはバグスターが現れる度にその近くにいた。」

 

 

俺たちはこの世界に来てからの事を思い出した。

 

 

「確かに、1回目はあの娘の近くにいた男の子。2回目はあの娘自身。でも、あの娘が狙いなら、あの娘に感染させないよね?」

 

「バグスターは感染者にストレスを与えて、感染者を消滅させつつ完全体になる。リサ妹のストレスは分からないが・・・。」

 

「・・・・・・あ、あの男の子は知ってるよ。なんでも、『仮面ライダーに会いたかった』って。もしかして、蒼空の事を知ってる子なのかな?」

 

「いや、この世界のライダーならお前の妹だろ?」

 

「えっ!?あの娘、仮面ライダーだったの!?」

 

「ほら。」

 

 

俺はこの珈琲店に来る前に見つけたチラシをリサ──じゃなくて、今はユキか。まぁ、リサでもいいけど。チラシをリサに見せた。

 

 

「・・・・・・仮面ライダー役なんだ。って、男じゃん!・・・・・・そういえば、言ってたね。『俺は男だ』とか?」

 

「そう。『今井(いまい)紫閻(しえん)』、それがあいつの名前だ。」

 

「そっか、仮面ライダー役の紫閻に会えると思っていったら──」

 

「偶然にも俺たちが出てきてしまい、標的を俺たちに変えたんだろうな。」

 

 

そんな時だった。

 

 

「いらっしゃいませ~。あ、リサ先輩。」

 

「こんにちは、つぐみ。空いてる?」

 

「どうぞ~。」

 

 

 

「ぶふっ!?」

 

「ちょっ、蒼空!何してるの!?」

 

「いや、だって・・・!」

 

「あ、あの・・・!アタシだって驚いたよ!

 

だって、このタイミングでこっちのリサが来るとは思わないだろ・・・!?

 

 

まさかのこの世界のリサがやって来てしまった・・・!おかげで口に含んだコーヒー吹いちゃったよ・・・・・・。

 

 

「今日は、紫閻(しえん)くんとは一緒じゃないんですか?」

 

「今日は彩とデートなんだって。アタシモ行ケバ良カッタカナ?

 

「あ、あはは・・・。コーヒーです・・・・・・。」

 

 

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

「う、うん・・・。」

 

 

俺たちは会計を済ませて、そそくさと店を出た。

 

 

「・・・・・・怖かったな、お前。」

 

「ちょっと、アタシとは思えなかった・・・。」

 

「お前、ヤンデレとか言うのに絶対なんなよ。」

 

「ならないって!!とりあえず、紫閻くんだっけ?妹・・・・・・じゃない、弟の名前。」

 

「あぁ。紫閻を探して、俺のビルドドライバーを取り戻す。」

 

「それに、彼の近くにいれば、バグスターの行動も分かるんでしょ?」

 

「多分な。」

 

 

この世界のリサが言っていた、紫閻のいるデートスポットを探すか。

 

 

「・・・・・・ところで、デートスポットってどこだ?」

 

「はぁ・・・、ほんとそういうのに疎いんだね・・・・・・。」

 

「教えてあげましょう。」

 

「「うん?・・・・・・誰?」」

 

 

突然蒼空たちの後ろに黒スーツの怪しい男が現れた。

 

 

「そこの道を左に曲がって、しばらく真っ直ぐ進んだ所にデートにピッタリな公園がある。だが気を付けた方がいい。そこには、怪しい人がうろついているらしい。・・・・・・おっと、人かどうか怪しい、って噂もあったな~?」

 

「・・・・・・リサ、急ぐぞ。」

 

「うん・・・!」

 

 

そのスーツの男の話を聞いて、嫌な予感がした俺は、リサと共にその公園に走り出した。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空と別世界のリサが探している紫閻は、まだ公園を彩と歩いていた。

 

 

「あ、こんなとこに売店が出来たんだ~!」

 

「ほんとだ。寄ってみよっか?」

 

「うん!」

 

 

そんな2人の前に、スーツの男が立ちはだかった。

 

 

「こんにちは。」

 

「こ、こんにちは・・・。」

 

「こんにちは・・・。もしかして、バレちゃったかな・・・?」

 

「ニヤニヤしないの。」

 

「今井紫閻さん、君に用がありましてね。まずは・・・・・・。」

 

 

そのスーツの男は、紫色のアイテムを手に持ち、それに付いている銃口(?)を彩に向けた。

 

 

「君には()()に感染してもらいましょう。」

 

「えっ?うっ・・・頭が・・・!?」

 

「彩!?お前、何をした・・・!?」

 

「簡単なことですよ。彼女にはバグスターウィルスに感染してもらっただけなので。」

 

「なんだと・・・!?お前だけは、絶対に許さない・・・!」

 

 

彩の身体がバグスターウィルスに感染してしまった。それを見た紫閻は、蒼空から奪ったビルドドライバーを取り出し、腰に巻いた。

 

 

「うっ!?うわぁあああ!!」

 

「彩っ!!」

 

 

ドライバーを巻いた瞬間、彩が苦しみだし、彩から飛び出したバグスターウィルスが1体のバグスターに成った。

 

 

「己が名はカイデン、位は四十段なり。」

 

 

「彩は、俺が守る・・・!」

「X ユナイト オン!」

「ギンガ!」「オーブ!」「スーパーベストマッチ!」

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Are You Ready?」

「変身!」

 

 

本来なら、ドライバーからトリガーの力を含めたボトルの成分が現れ、変身者の前後に現れるのだが、それも現れず、紫閻の身体に電流が走っただけだった。

 

 

「・・・・・・っ!?ぐわぁあああ!?な、なんで・・・!?」

 

「そりゃあ、お前はネビュラガスを浴びてねぇからな!」

 

「っ・・・・・・!?」

 

 

紫閻は後ろから聞こえてきた声の主を見ると、そこには走ってきた蒼空とリサ・・・・・・だけど今はユキがいた。

 

 

はぁ・・・、はぁ・・・、やっと見つけた・・・!」

「シグナルバイク!」「ライダー!」

「変身・・・!」

「マッハ!」

「行くよ!」

 

 

ユキはマッハに変身して、カイデンに挑む。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「ジオウⅡ!」

「変身。」

「『ライダータイム!』」

「ジオウ!」『ジオウ!』「『ジオウⅡ』」

 

 

蒼空も、『仮面ライダージオウⅡ』に変身した。

 

 

「また、お前・・・!」

 

「・・・・・・よっと。」

 

「っ、返せ・・・!」

 

 

ジオウは紫閻たちの下に行き、落ちていたビルドドライバー一式を回収した。

 

 

「前に言ったろ?『勇気と無謀は違う』って。」

 

「そんなの、分かってるさ・・・!」

 

「いいや、分かってない。『自分も大切にしながら、大事な人を守れ』って話。こんなの使おうとする暇があるなら、今出来ることだけをやれ。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「それが分からない訳ないだろ?・・・・・・さて。」

「ジカンギレード!」「ジュウ!」

「フィニッシュタイム!」

 

 

ジオウは紫閻にそう問いかけると、『ダブルウォッチ』をジュウモードのジカンギレードにセットした。

 

 

「ふっ!」

「ダブル・スレスレシューティング!」

 

「っ、危なっ!!」

 

「っ、ぐっ・・・!」

 

 

ジュウから放たれた風の弾丸は、カイデンバグスターにのみ当たった。

 

 

「ユキ、頼む。」

 

「オッケ~!・・・・・・経験者は語る、ね~?」

 

「なんだよ?」

 

「別に~。」

「ズーット マッハ!」

 

 

マッハは紫閻と彩を連れてこの場から離れた。

 

 

「・・・・・・さて、待たせたな。」

 

「ほんとだよ~。」

 

「うおっ!?・・・・・・誰だ・・・!?」

 

「へぇ~、案外普通なんだな?」

 

 

カイデンたちの方を向いたジオウだったが、突然肩に顔を置いた怪人に驚いてしまい、後退った。だが、問題はその怪人の手に持っている物だった。右手には日本刀、左手には見慣れた物が・・・・・・。

 

 

「・・・・・・あっ、ビルドドライバー返せ!」

 

「おっと。悪いな、これを返す訳にはいかないんだよな~?」

 

「よくやった、『ジャグラス・ジャグラー』。」

 

「『ジャグラス・ジャグラー』・・・・・・?」

 

「そう、それが俺の名前だ。よろしくな、魔王。」

 

 

不敵に笑う黒い怪人『ジャグラス・ジャグラー』はビルドドライバーを見せつけながらジオウを挑発しているようだった。

 

 

「テメェ・・・!」

 

 

ジオウは2本の剣を手に持ち、遊びのように攻撃を仕掛けてくるジャグラーと、殺意満載のカイデンバグスターと戦い始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、感染者の彩とビルドドライバーで負傷した紫閻を高速移動で安全な場所へ連れてきたマッハ。

 

 

「・・・・・・ここなら、大丈夫かな?」

 

 

安全な場所で膝をついて、2人を下ろしたマッハ。

 

 

「彩、大丈夫?」

 

「う、うん・・・。」

 

「なんで、彩の名前を・・・?」

 

「それより!何をしたのか分かってるの!?」

 

「っ!?」

 

 

彩の安全を確認出来たマッハは、すぐさま紫閻の方を向いて、説教を始めた。仮面ライダーとしてではなく、1人の姉として。別の世界だとしても、『リサの弟』ということに変わりないのだから。そんな思いが、リサのお節介を発動させていた。

 

 

「いい?助けたい人を助けても、自分が助からなかったら、その人は安全になっても心は・・・・・・。」

 

「っ・・・・・・。」

 

「これからは、人を助ける時もそれ以外の時でも、自分が出来ることをしなさい!今は、彩の側にいる事!いい?」

 

「・・・・・・でも──」

 

「い・い・ね!?」

 

「・・・・・・分かった・・・。」

 

「それで良し!それじゃあ、またね!」

 

 

マッハは立ち上がり、ジオウたちがいる場所へ向かった。

 

 

「・・・・・・なんで、あの人の言う事には逆らえないのだろうか・・・?」

 

 

紫閻は、マッハの言動に凄く疑問を覚えた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぉら!」

 

「ぐっ・・・!?」

 

「隙あり!」

 

「ぐはっ!」

 

 

 ジオウは2本の剣を持っていても、2人の剣豪相手には劣勢を強いられてしまう。

 

 

「さすがにあんな奴2人が相手だと、厳しいな・・・。」

 

 

仮面の下で苦い顔をしたジオウは、シエルの提案で2つのウォッチを取り出した。

 

 

「だったらこれで!」

「ジオウ!」「グランドジオウ!」

 

 

ジオウは白いウォッチと金色のウォッチをドライバーにセットすると、すぐさまドライバーを回転させた。

 

 

「グランドタイム!」

『祝え!』「仮面ライダー グランドジオウ!」

「そして、これだ!」

「ブレイド!」「電王!」「鎧武!」

 

 

グランドジオウとなり、3人のライダーを召喚した。その3人は出てきてすぐにジャグラス・ジャグラーを攻撃し始めた。

 

 

「おいおい、俺には手下共で対応すんのかよ?」

 

「後で相手してやるよ。」

 

 

そんなジオウは『サイキョージカンギレード』を手に取り、カイデンに挑む。

 

 

「姿が変わろうと、己が剣を防ぎきれるものか!?」

 

「うっさい!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

 

大剣が相手なら余裕と思っていたカイデンはさっさと倒そうとしたが、ジオウの『サイキョージカンギレード』の前にあっけなく反撃されてしまった。

 

 

「一気に決める!」

「サイキョーフィニッシュタイム!」

 

「ぐっ・・・・・・何っ!?」

 

「キング ギリギリスラッシュ!」

「はぁあああ!!」

 

「ぐわっ!?こんなとこでーーー!?」

 

 

『サイキョージカンギレード』を構えなおし、その必殺技を発動させる。立ち上がったカイデンがジオウを確認した時には、ジオウの剣は光のエネルギーと『ジオウサイキョウ』を纏っていた。ジオウはそのままカイデンを斬り裂いた。そんなカイデンは爆発し消滅した。

 

 

「ふぅ~。」

 

『ぐわぁあああ!!』

 

「・・・・・・っ!?」

 

「よぉ~、終わったか~?」

 

 

叫び声が聞こえた方を見たジオウは、その光景に驚いた。召喚したライダーたちがジャグラス・ジャグラーにやられてしまったのだ。

 

 

「こいつ・・・!」

 

「さぁて、遊ぼうぜ~?魔王さんよぉ~。」

 

「・・・・・・はぁ!!」

 

「ふっ!遅いな~。」

 

「何っ!?」

 

「はぁ!」

 

「ぐわっ!」

 

 

大剣を持ってジャグラス・ジャグラーに挑んだジオウだったが、身軽に攻撃をかわされ、日本刀で攻撃してくるジャグラーには一歩及ばなかった。

 

 

「これで、終わりだ。」

 

「くっ・・・!」

 

「邪心剣・抜刀斬!」

 

「ぐぁあああ!!」

 

 

そして、ジャグラーの強力な一撃を受けたジオウは強制的に変身解除されてしまう。

 

 

「ぐっ・・・!?」

 

「はっはっは~!案外楽しかったぜ~、お前さんとの戦いは。」

 

「ジャグラス・ジャグラー、早くやれ。」

 

「・・・・・・はいよ。」

 

 

ジャグラーは蒼空の襟を掴んで体を持ち上げた。

 

 

「ぐっ、何する・・・!?」

 

「さぁて、実験を始めようか~?」

 

「ライドウォッチ・・・!?」

 

 

ジャグラーの手にはブランクライドウォッチがあり、そのウォッチは蒼空のジクウドライバーにセットされた。

 

 

「・・・・・・っ!ぐっ・・・!?ぐわぁあああ!!」

 

 

蒼空のドライバーにセットされたライドウォッチから、とてつもないぐらいのエネルギーが蒼空に流れてきた。

 

 

「な、何を・・・・・・ぐあああ!!」

 

「そのライドウォッチには、あちこちから集めた魔王因子が入っている。そして、その量はとてつもないんだから、そんなのを体内に入ったら・・・・・・命は無いな~?」

 

「蒼空!!」

 

「あ~ん?」

 

 

蒼空が体内に入り込んだ大量の魔王因子に苦しんでいる中、マッハが走って戻ってきた。

 

 

「邪魔しないでくれよ~。」

 

「はぁ──ぐっ!?な、何・・・!?」

 

 

ジャグラーの剣が地面に刺さった時、マッハの身体は重力で押しつぶされてしまった。

 

 

「・・・・・・さて、これでお前さんの思い通りに──」

 

「ふざ、けんな・・・!」

 

「──あぁ?」

 

 

苦しみながらも反抗の意を言葉にした蒼空に、ジャグラーは顔を向けた。

 

 

「この遺伝子は・・・・・・俺の物だ・・・!俺の物に、支配されるわけないだろ・・・!俺が、全てを支配するんだ・・・・・・俺の思い描く世界に・・・!」

 

「最期に聞いてやるよ。お前さんの望む世界はなんだ?」

 

「・・・・・・へっ、愛と平和に、満ち溢れた世界だよ・・・!だから、こんなのだって・・・・・・支配してやるさ・・・!うおおおおお!!

 

 

蒼空は力を振り絞り、身体に入った魔王因子を支配しようとする。その結果・・・・・・

 

 

「だぁあああ!!」

 

「・・・・・・っ、何っ!?」

 

 

蒼空のドライバーにセットされていたブランクライドウォッチが飛び出して、金と黒のライドウォッチへと変わった。

 

 

「ふっ!・・・・・・っ!」

 

「ジャグラス・ジャグラー、どういう事だ!?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・なら、このウォッチで!」

「オーマジオウ!」

「変身!!」

「キングタイム!仮面ライダージオウ オーマ!」

 

 

蒼空は金色の身体に、背中に時計の針を2本付けて、顔に『ライダー』と『ジオウライドウォッチ』を付けた、『仮面ライダージオウ オーマフォーム』へと変身した。

 

 

「くっ・・・・・・ジャグラス・ジャグラー!何とかしろ!!」

 

「はいはい。さぁ、俺と遊ぼうぜ~?」

 

 

剣を地面から抜いて、その刃をジオウに向けたが、

 

 

「はぁ──な、何だ・・・!?身体が、動かない・・・!?」

 

「お前と遊んでいる暇はない。どけ。」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

ジオウは手をかざしただけで、ジャグラーの身体を宙に浮かせ、吹き飛ばした。それと同時に、そのかざした手にはビルドドライバーが握られていた。

 

 

「だが、これは返してもらう。」

 

「・・・・・・ぐっ!?」

 

「次は、お前だ。」

 

「ふざけるな!!」

 

 

ウィルスが入っているアイテムを持つスーツの男は、周囲にウィルスを撒き、無数のバグスターを呼び出した。当の本人は、すぐにその場から逃げたが。

 

 だが、ジオウは冷静に『サイキョージカンギレード』を取り出し、力を込めた。

 

 

「無駄だ。」

「サイキョーフィニッシュタイム!」

「ふっ。」

「キング ギリギリスラッシュ!」

 

 

剣を一振りしただけで、バグスターを全て倒した。

 

 

「蒼空!大丈夫?」

 

「あぁ、どうって事は──ぐっ!?」

 

「っ、蒼空!?」

 

 

突然苦しみだし、変身が解除されて、倒れる蒼空。それを心配して、変身を解きながら蒼空へ駆け寄るリサ・・・・・・じゃない、ユキ。

 

 

「蒼空?・・・・・・蒼空!?」

 

「ちょっと待て。」

 

「えっ?・・・・・・って、あなたは・・・!?」

 

 

ユキに声をかけたのは、先程蒼空に吹き飛ばされたジャグラーだった。

 

 

「何の用!?」

 

「・・・・・・安心しろ、ただの過労だ。大事を考えて、一度俺のアジトへ来い。」

 

「・・・・・・なんのつもり・・・?」

 

「なぁに、ただの人助けだ。ついてこい。」

 

 

ジャグラーは蒼空を担いで歩き始めた。ユキも、ジャグラーについていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 タイトル通り、ジャグジャグさんのご登場~。そして、ジャグジャグのせいで『オーマフォーム』も登場~。


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第9話 魔王、本領発揮

 
 
「魔王でありながら、仮面ライダーに変身する桐生蒼空は、新世界を創った。別の世界にリサと共に飛ばされた蒼空は、何故か存在しないはずのバグスターと戦いながら、何故か存在しないはずの新アイテムを使って『ギャラクシーライジング』と『オーマフォーム』を手に入れた。」

「そんな蒼空は戦い過ぎて、深い眠りについてしまったのだった。南~無~。」チーン

「おいコラ、勝手に殺すなよ!俺まだ気絶しただけだろ!?」

「あ、生きてた。」

「てっめぇ~・・・!?」

「それじゃ、アタシがヤられる前に本編どうぞ!!」

「その字は止めろ!!」







 

 

 

 

 

 気を失った蒼空を担いでアジトへ着いたジャグラーと、その後ろをついてきたリサ。2人は蒼空をベッドに寝かせ、額に水で濡らしたタオルを乗せて、安静にさせた。

 

 

「魔王の力を活性化させるのに、相当の体力を使ったんだ。しばらくは目を覚まさないだろうな。」

 

「う、うん・・・。」

 

「お前はこの金を使って、2~3日分の飯を買って来い。」

 

「わ、分かった・・・。」

 

 

怪人の姿を保ちながら、リサに色々話すジャグラーは、蒼空を介護していた。

 

 そして、買い出しを終えて戻ってきたリサは、いまだに目を覚まさない蒼空を一度確認した後、食材をジャグラーに指示された場所に置いた。

 

 

「・・・・・・おぉ、戻ってたのか。」

 

「えっと・・・・・・どちら様?」

 

「おいおい~、俺の声をもう忘れたのか~?」

 

「もしかして・・・・・・ジャグラー?」

 

「あぁ。」

 

「って、あなた!さっき公園のことを教えてくれた・・・!」

 

 

ジャグラーは人間の姿をしていた。その姿は、羽沢珈琲店を出てすぐに公園を教えてくれた黒スーツの男だった。

 

 

「それで、あなたは何者なんですか?」

 

「おいおい、そんな目で俺を見るなよ~、お嬢さん?」

 

「確かに、俺も気になるな・・・?」

 

「・・・・・・っ!蒼空、大丈夫なの!?」

 

 

気を失ってしばらく目を覚まさなかったはずの蒼空が、目覚めてジャグラーに問いかけた。

 

 

「お前さん、身体は大丈夫なのか?」

 

「俺にあんなことをさせたのに・・・・・・心配するんだな・・・?」

 

「・・・・・・まぁな。改めて、俺はジャグラス・ジャグラー。正義に目覚めた宇宙人、って言ったら、信じるかぁ~?」

 

 

悪そうに笑うジャグラス・ジャグラーを不気味と思ってしまう蒼空とリサ。

 

 

「ひとまず、お前の魔王因子を完全に活性化できたから、俺の目的の一つは達成できた。」

 

「もしかして・・・・・・このライドウォッチを覚醒させることが目的だったのか?」

 

 

ジャグラーに、先程手に入れた『オーマジオウウォッチ』を見せる蒼空。そんなジャグラーはそのウォッチを奪おうとはしなかった。

 

 

「そのウォッチというより、お前さんの魔王の力を完全に活性化させる、だ。」

 

「俺の・・・・・・確かに、ジードの全てのフォームに変身出来るようになった。さっきは無理だった『ウルティメイトファイナル』にも・・・。」

 

「それじゃあ、今の蒼空ならどんな相手もかかって来い!って感じ?」

 

「だが、変身出来てもそこまでのフォームは扱えない身体だろ、お前さんは?」

 

「そうなの?」

 

「・・・・・・そう、らしい。」

 

 

2人には聞こえない、蒼空の中にいるシエルが色々教えてくれている。

 

 

「しばらくはここを拠点に、安静にしてろ。もう一つの目的のために、しばらくはここで安静にしてろ。」

 

「まぁ、休める場所があるのはありがたいが・・・・・・もう一つの目的ってなんだ?」

 

「時が来たら、話してやるよ~。」

 

 

不気味に笑いながらアジトを出て行くジャグラー。2人は「変な奴・・・。」と思いつつ、寝床が見つかったことにほんの少しだけ感謝するのだった。

 

 

「蒼空、ちょっと休んでて。」

 

「・・・・・・分かった、そうするよ。」

 

 

そして、蒼空はしばらく眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 蒼空が寝てから、アタシは夜に自分の家へ向かった。・・・・・・と言っても、ほんとのアタシの家じゃないけど。

 

 

「・・・・・・不思議な感じだな。」

 

 

見た目はアタシの家なのに、横には幼馴染の友希那の家なのに、中はアタシの家じゃないなんて・・・。

 

 

「あんたは、昼間の・・・!」

 

「うん?あ、ヤバ・・・。」

 

 

どうしよう、まさかの紫閻くんに会っちゃった・・・!やっぱりここは、逃げた方がいいよね?

 

 

「えっと・・・・・・じゃあね!」

 

「ま、待ってくれ!」

 

「えっ・・・?」

 

 

ヤバい、呼び止められちゃったよ・・・・・・。

 

 

「あの、ありがとう・・・。」

 

「えっ!?い、いや・・・・・・アタシは、何もしてないけど・・・?」

 

「でも、あんただって助けてくれただろ?」

 

「・・・・・・移動させただけなんだけどね~。」

 

 

出来るだけ関わりたくないんだよね・・・・・・色々やらかすと、アタシが蒼空に怒られるんだよ・・・。

 

 

「それだけ?アタシはもう行きたいんだけど・・・?」

 

「・・・・・・1つ、聞きたいんだけど?」

 

「な、何よ・・・?」

 

「なんであのライダーは、俺にあんな事を言ったんだ?覚悟、とか・・・。」

 

「そうね~・・・・・・蒼空も、前に自分の命を犠牲にしてでも世界を守ろうとしたから、かな?」

 

「犠牲に・・・・・・?」

 

「そう。『世界を守るため』、って言って、大切な人たちを泣かせるような結果のためにね。でも、今は違うよ。蒼空、なんでも出来るようになっちゃって、今は守れないものなんてない!って感じだもん。」

 

「・・・・・・そうだったのか・・・。」

 

「だからね、あなたには『自分が出来る範囲の事をしろ』って言ったんだと思う。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

紫閻くんも、賢くないわけじゃないから、アタシの言葉を理解出来ないわけないよね?

 

 

「それじゃあね。」

 

 

帰るって言うのに家とは別の方向に帰らないといけないなんて、やっぱり変な感じ・・・。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 いや~!3日も寝れたなら、だいぶ体力は回復するよな~?身体も、かなり軽くなったな~!

 

 

「ただいま~。蒼空、もう大丈夫なの?」

 

「あぁ、寝始めた頃に比べれば、だいぶ良くなったな。」

 

「そっか、良かった。三日三晩寝てたから、途中から心配だったよ~。」

 

「あぁ、本当に良かったよ~。」

 

「うん?」

 

「あぁ?」

 

「よぉ~。」

 

「「・・・・・・うわっ、出た!?」」

 

「人を指差すな。」

 

 

リサが帰ってくるならまだしも、なんでジャグラーまで・・・?

 

 

「俺のアジトなんだから、ここに来てもおかしくはないだろ?」

 

「た、確かに・・・・・・。」

 

 

そういやそうだな・・・。

 

 

「お前さん、身体はもう大丈夫なのか?」

 

「あぁ、おかげさまでな。」

 

「そうか。なら、早速お仕事だ。」

 

「いきなりかよ・・・?」

 

 

そう言いながら、ベッドに座っている俺と、その近くの椅子に座るリサに、立ちながら話を始めるジャグラー。

 

 

「お前さんに、今から『財前(ざいぜん)』を倒してきてもらいたい。」

 

「財前?誰だ、そいつは・・・?」

 

「アタシも、その名前は知らない。」

 

「財前ってのは、お前さんたちの前に現れた時にもう一人いた『スーツの男』がいただろ?そいつだ。」

 

「あいつか・・・。」

 

 

あの紫色のアイテムを持ったあの男、バグスターを撒き散らした奴か・・・。

 

 

「財前は、あと3時間後に花咲川女子学園を襲う。バグスターを引き連れて、な。」

 

「そんな・・・!」

 

「狙いは?」

 

「花咲川には今、今井紫閻の恋人の『丸山彩』がいる。そいつを何かしらの形で紫閻の前から消して、紫閻の精神を支配しよう、って狙いだろうな~?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「蒼空、どうするの!?」

 

「・・・・・・なら、迎え撃つだけだな。」

 

「行けるのか?あの紫のアイテム『バグヴァイザー』は無限にウィルスを撒き散らせるぞ?」

 

「ウソ・・・!?2人でどうするの・・・!?」

 

「おいおい、俺は無視かよ~?」

 

「どうせお前は財前の前に立つ気はないんだろ?それにリサ、お前の今の相方は・・・・・・最強の魔王なんだぞ?」

 

 

俺は立ち上がり、リサに微笑んだ。少しでも気を和らげるために。

 

 

「・・・・・・そうだね、何でもありの魔王様なら、アタシだって万が一の時は守ってくれるもんね?」

 

「あぁ。」

 

「・・・・・・決まりだな。」

 

 

俺とリサは3時間後の戦いに備えて、何かしらの・・・・・・ほぼ無いけど、作戦を練ったり、気持ちを整えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして2時間半後に、俺たちは花咲川へ歩いて向かっていた。ジャグラーの言葉を信じれば、まだ30分は余裕がある。そんな時だった、俺たちの前に見たことある奴が現れた。

 

 

「・・・・・・なんの用だ?」

 

「紫閻くん・・・・・・。」

 

「2人で、どこに行くんだ?」

 

 

毎度のごとく、絡んでほしくない奴が絡んで来やがった・・・・・・。

 

 

「・・・・・・人の行く先を、いちいち教えないといけないんだ?」

 

「2人が並んで、何かを覚悟した顔で行くってことは、戦い事なんだろ?」

 

「はぁ・・・。」

 

 

ここまで絡んでくると、もうため息しか出ないわ・・・。

 

 

「俺にも手伝わせてくれないか?この世界の住人として、頼む!」

 

「・・・・・・。」

 

「ちょっと、蒼空!?」

 

「・・・・・・っ、これは・・・?」

 

「まずは、自分を優先しろよ。」

 

「・・・・・・分かった。」

 

 

紫閻の腹に『ジクウドライバー』と『ジオウⅡウォッチ』を押し付け、渡した。こいつを入れたプランをシエルが組んでいてくれて助かったぜ。

 

 

「・・・・・・で、このドライバー俺にも使えるの?」

 

「最強の魔王様を信じなさいよ。」

 

「ふふっ。ほら、行くよ紫閻くん!」

 

「・・・・・・あぁ!」

 

 

さてと、張り切って行きますか~!

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 花咲川女子学園の近辺に一人、紫の端末(バグヴァイザー)を持ったスーツの男『財前道彦(みちひこ)』は歩いていた。周りには、人は誰もいなかった。

 

 

「・・・・・・っ、何故ここに・・・?」

 

「さぁな~。お前の気配を感じ取った、からかな?」

 

 

そんな財前の目の前に、蒼空とリサと紫閻が立ちはだかった。

 

 

「蒼空から事情は聞いてる。わざわざ彩を狙う必要性が無くなったな。」

「ジクウドライバー!」

 

「悪いけど、花女には行かせないよ~?」

 

「もちろん、お前にはここで永久退場してもらうけどな。」

 

 

蒼空たちは各自のドライバーを腰に巻いて、ドライバーにセットするアイテムを手に取った。

 

 

「そうか。なら・・・・・・培養。」

 

「っ!?」

 

「INFECTION!」

「Let's Game!Bad Game!Dead Game!What's Your Name!?」

「THE BUGSTER!!」

 

 

財前はバグヴァイザーを手に持ったグリップに付けて、ウィルスを体内に取り込み、バグスターへと変身した。

 

 

「なんだ、あのバグスターは・・・?」

 

「あれって、確か『ゴースト&エグゼイド』で出てきた、赤い・・・・・・名前なんだっけ?」

 

「知るかよ。とりあえず、倒せばこの先出てくることはないさ。行くぞ、紫閻。リサ。」

「X ユナイト オン!」

 

「オッケ~。・・・・・・あ、蒼空!!」

 

「えっ!?リサ!?本当に!?」

 

「・・・・・・こっちのアタシには黙っておいてね☆」

「シグナルバイク/シフトカー!」

 

「えぇ・・・・・・ってか、こんなに緩くていいのか?」

 

「いいから行くぞ!」

「ギンガ!」「オーブ!」「スーパーベストマッチ!」

 

「・・・・・・はぁい。」

「ジオウⅡ!」

 

 

それぞれがアイテムをドライバーにセットした時、蒼空のドライバーがいつもの音声を発した。

 

 

「Are You Ready?」

 

「レ~ッツ、「「変身!」」」

 

「集うキラ星!ギャラクシーライジング!イエーイ!」

 

「『ライダータイム!』」

「仮面ライダー!」『ライダー!』「ジオウ!」『ジオウ!』「『ジオウⅡ!』」

 

「ライダー!」「デッドヒート!」

「追跡!撲滅!いずれも~マッハ~!仮面ライダー、マッハ~!」

 

「・・・・・・一応、姉さんって呼んだ方がいいのかな?原作通りのことをするんだ・・・。」

 

「旧世界でもやってたな、そういや・・・。」

 

「ほら2人とも、行っくよ~!」

「ゼンリン!」

 

「・・・・・・だってさ。」

「ビートクローザー!」

 

「・・・・・・こんな感じなんだ、この人たちって。」

 

 

マッハ(リサ)は『ゼンリンシューター』を、ジード(蒼空)は『ビートクローザー』を、ジオウ(紫閻)は『サイキョーギレード』を手に取り、戦う態勢を取った。

 

 

「この俺に、勝てると思うのか?」

 

 

財前改め『ゲノムスバグスター』は、バグヴァイザーから体力のバグスターウィルスを撒き散らし、低級バグスターを大勢生み出した。

 

 

「げっ!?こんなに多いなんて、聞いてないよ・・・!?」

 

「そりゃそうだろ?言ってないんだし。」

 

「もっと多いのをイメージしてて良かった~!」

 

「蒼空、テメェ・・・!?」

 

「へへっ。さぁ、実験を始めようか?」

 

「行け!」

 

 

大勢を相手に3人は怯むことなく挑んでいった。もっとも、蒼空とリサは半ば呑気に戦っている。

 

 

「よっと!はぁ!それじゃ、これで行ってみますか~!」

「シグナルバイク!」「シグナル交換!カクサーン!」

「それじゃ、お姉さんからのプ・レ・ゼ・ン・ト♡」

「シューター!」「バースト!カクサーン!」

 

 

だいぶマッハのシステムにも慣れたのか、大勢相手の攻略法を即座に実行して、ほぼ一瞬で大勢の低級バグスターを倒した。

 

 

「ふっふ~ん。良い絵だったでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、使い始めて1分経ったか怪しいジオウこと紫閻は、サイキョーギレードで何度もバグスターを斬っていた。

 

 

「やっぱり、テレビ通りなんだな!だったら・・・・・・!」

「ジカンギレード!」「ケン!」

「ついでにこれも!」

「ジオウサイキョー!」

「サイキョーフィニッシュタイム!」

 

 

ジオウは2本の剣を1つにして、大技を発動させた。

 

 

「はぁ・・・!」

「キング ギリギリスラッシュ!」

「ハァアアア!!」

 

 

横に1周、大きく大剣を振って低級バグスターを倒した。

 

 

「これ、意外と使いやすいかも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、問題児にして最強・・・・・・ならぬ、発想が最凶なジード様はというと・・・・・・。

 

 

「よっと!おりゃ!面倒だな~。」

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Ready Go!」

「行くぜ・・・!」

 

 

ジードは『ビートクローザー』の刀身にエネルギーを溜め、標的を周りの低級バグスター全てに定めた。

 

 

「ギャラクシーバースト!」

「ギャラクシーライジングアタック!」

 

 

剣を周りに振り回し、バグスターを全て倒した。

 

 原作なら、変身アイテムを武器にして、それで『ギャラクシーバースト』を放つのだが、それが出来ないので、他の武器で対応してま~す。

 

 

「あとはお前だ、赤ロボット。」

 

「変な名前を付けるな!」

 

「危なっ!?ならこっちも!」

「ホークガトリンガー!」

 

 

ゲノムスとジードは互いに遠距離武器で攻め合っているが、

 

 

「あーもう、ウザい!!」

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Ready Go!」

「ギャラクシーバースト!」

「ギャラクシーライジングアタック!」

 

「なっ、ぐわぁあああ!!」

 

 

自身のフォームの力をホークガトリンガーの銃口に溜め、それをゲノムスに放った。まぁ見事にゲノムスは吹き飛ばされたけどね。

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「へっへ~・・・・・・えっ?」

 

 

ゲノムスは自身にバグヴァイザーの銃口を突き付けて、体内にウィルスを投与している。そしたら、ゲノムスが回復しているのが目に見えて分かった。

 

 

「何それ~!?」

 

「もしかしたら、体内にウィルスを入れて回復してるんじゃ・・・?」

 

「んなもん見りゃ分かるわ、アホ。」

 

「なっ!?」

 

「紫閻くん、実の姉じゃないけど、お姉さんが愚痴の相手になるよ?」

 

「姉さん・・・・・・優しい・・・!」

 

「大丈夫、相談とかも乗るから、安心して言ってね?」

 

「姉さん・・・!」

 

 

マッハ(リサ)のセリフに感動しているジオウ(紫閻)

 

 

「蒼空・・・・・・。」

 

「んだよ?」

 

「こっちのリサとそっちのリサを変えてくれないか?」

 

「もちろん却下だ。そっちのヤンデレ感満載のリサはいらん。」

 

「え・・・!?」

 

「ご、ゴメンね~。世界の住人が変わるのはご法度みたい・・・。」

 

「そっか・・・。」

 

 

一気にシュンとなるジオウ。

 

 

「貴様らに、この俺は倒せない!このバグヴァイザーがある限りな!」

 

「へぇー。なら、良いのを思い付いたわ。」

『ウルティメイト!』「オールイエイ!」

「ジードファイナル!」

 

 

何を思い付いたのか、元『ジーニアスボトル』をセットして、変身する。

 

 

「Are You Ready?」

「ビルドアップ。」

「ウルティメイトファイナルジード!」

『スゲーイ!』「モノスゲーイ!」

 

「ジーニアス!?・・・・・・えっ、目がジードだっけ?ジードなんだけど、どっち?」

 

「ビルドとジード、2つの力を合わせた、俺の一番のフォームだ。」

 

「へぇ~!・・・・・・グランドジオウは?」

 

「はぁ?」

 

「だから!俺はジオウⅡ(これ)しかないんだけど!?」

 

「あぁー確かに。・・・・・・あ、じゃあこれを使え。」

 

「おっと、ありがとう!・・・・・・って、『オーマジオウウォッチ』じゃんか!?」

 

 

ジードが渡したのは、3日ほど前に手に入れた『オーマジオウウォッチ』をジオウに渡した。

 

 

「あ、知ってるんだ。だったら、その力を詳しく見せてくれ。」

 

「分かった!」

「オーマジオウ!」

「・・・・・・って、実験台かよ!?」

 

「いいから行けって。」

 

「っ・・・・・・何かあったら責任取れよ!」

 

 

若干の不安感を持ちながら、『仮面ライダージオウ オーマフォーム』へと変身する。

 

 

「キングタイム!」

「仮面ライダージオウ オーマ!」

「・・・・・・すげぇ、力がみなぎる・・・!」

 

「良かったな。行くぞ。」

「キングソード!」(ウルトラマンジード)

 

「分かった!」

 

 

ジードはたまに使っている『キングソード』を、ジオウは『サイキョージカンギレード』を持ってゲノムスに挑む。

 

 

「はぁ!」

 

「ぐわっ!」

 

「おりゃ!」

 

「ぐっ・・・!無駄だ・・・!」

 

 

2人共剣で斬りつけて大ダメージを与えるが、ゲノムスは再びウィルスを投与して回復する。

 

 

「やっぱりダメか・・・。」

 

「・・・・・・それじゃ、行きますか。」

「VSチェンジャー!」(ルパンレンジャーVSパトレンジャー)

 

 

ジードはゲノムスを見て、左手に白い銃を創り出した。

 

 

「・・・・・・それって、どっかで見たような・・・?」

 

「予告する、お前のお宝(バグヴァイザー)・・・・・・頂くぜ!」

「Good Striker!」「3-2-1! Action!」

「メイク ア ゲーム!」

 

 

ジードは白い銃に黒色のアイテムをセットして、3人に増えた。

 

 

「ウソだろ・・・!?」

 

「蒼空が、3人に・・・!?」

 

「なんだと!?ど、どれが本物だ・・・!?」

 

「「「知りたかったら、やられる前に当ててみな。」」」

 

 

そんな言葉を放つと、ジードAは既にセットしてあるグッドストライカーで攻撃しようとする。そして、ジードBは・・・・・・。

 

 

「これで行くか。」

「サイレンストライカー!」

「超・警察チェンジ!」

「名付けるなら、スーパーウルティメイトファイナルジード、ってとこか?」

 

 

青色の戦車を白い銃にセットして、その戦車を金色の大砲付鎧に変えて、見に纏った。

 

 最後のジードCは・・・・・・。

 

 

「それじゃあ、俺はこいつだな。」

「ルパンマグナム!」(ルパンレンジャーVSパトレンジャー)

「そして、これを・・・・・・こう!」

「ルパンフィーバー!」「Un!(アン!) Deux!(ドゥ!) Trois!(トロワ!)

 

 

赤い銃をさらに創り出して、白い銃と合体させた。

 

 

「ふっ!」

「イタダキ!ド・・・、」

 

「スーパースペリオルストライク!」

 

「ド・・・!」

 

「はぁ・・・!」

 

ド・・・!

 

「「「ハァ!!」」」

ストライク!」「イタダキ ストライク!」

 

「ぐっ・・・、ぐはっ!!」

 

 

3人のジードの強力な銃撃がゲノムスを襲い、かなりの距離まで吹き飛ばす。そして、ゲノムスの手にあったバグヴァイザーは宙へ放たれた。

 

 

「っ!」

「バイカー!」「警察ブースト!」

「紫閻!」

 

「おっと!」

 

「Cyclone!」「3-1-9! 怪盗ブースト!」

「リサ!」

 

「オッケ~!・・・・・・で、どうするの?」

 

「それを財前に向かって撃て!」

 

「「了解!」」

 

 

ジードは1人に戻り、別の武器を創り出した。

 

 

「Xロッドソード!」(ルパンレンジャーVSパトレンジャー)

「これで行くか。」

「Xタイム!」「一手!二手!三手!・・・十手!一騎当千!」

「これなら・・・!」

 

「「はぁ!!」」

 

「ハァ!」

「イチゲキ エックス ストライク!」

 

「バグヴァイザーが・・・・・・っ、ぐわぁあああ!!」

 

 

ゲノムスはバグヴァイザーを心配したが、目の前まで来てたバイクのタイヤとヘリコプターのプロペラが襲い掛かってきた。もちろん、気付くのが若干遅かったからもろに受けてしまった。

 

 そして、金色の無数のビームがバグヴァイザーを攻撃し、中のウィルスと共に微塵も残さずに消滅した。

 

 

「これで、回復は出来ないだろ?」

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

「蒼空~、かなり魂が抜けてそうだけど~?」

 

「この後、ライダーキックとかするんだろ?オーバーキルじゃねぇのか?」

 

「・・・・・・まぁ、大丈夫だろ?」

「ビルドサイド!」『ジードサイド!』「『オールサイド!』」

 

「魔王って、こんな感じか・・・。」

「キングフィニッシュタイム!」

 

 

ジードとジオウは高く飛び上がり、同時にライダーキックを放つ。マッハは敵の動きを『シグナルトマーレ』で止めようとしたが、ボロボロだったから手を出さずに見ていた。

 

 

「ウルティメイトフィニッシュ!」

 

「キングタイムブレーク!」

 

「「はぁあああ!!」」

 

「ぐわっ!」

 

「「はぁ・・・・・・、はぁあああ!!」」

 

「こんなはずじゃ──」

 

 

ゲノムスは何か言いかけたが、言い切る前にライダーキックが決まりきってしまい、消滅した。人間がバグスターウィルスを浴びたことでバグスターになってしまったため、身体は残らなかった。

 

 

「ふぅ~。」

 

「終わった・・・・・・。」

 

「2人とも、お疲れ~。」

 

 

3人は変身を解き、リサは蒼空と紫閻の下に向かった。

 

 

「・・・・・・姉さん、俺、蒼空(この人)と一緒に戦うのは絶対無理・・・。」

 

「うん、大丈夫だよ。こんな問題児を気にしちゃいけないから。」

 

「ありがと、姉さん・・・。今井リサがただただ優しくて泣けてくる・・・!ヤンデレじゃないリサが目の前にいる・・・!」

 

「お前、一体どんな生活を送ってんだよ・・・?」

 

「・・・・・・知りたい?」

 

「いや、知りたくない。」

 

「姉さん、やっぱりこの世界に──」

 

「そこはごめんなさい!」

 

「うぅ・・・!?」

 

 

そんな事を話していたら、蒼空とリサの身体が光り始めた。

 

 

「・・・・・・うん?」

 

「えっ、蒼空どうしよう!?身体が・・・!?」

 

「まぁ、元の世界に戻るんだろうな?」

 

「えっ、もう帰るの・・・?」

 

「そこまで長くは居られないからな。」

 

 

蒼空は紫閻に渡したジオウセットを全て回収した。

 

 

「もうこの世界には怪物が現れることはないだろう。思う存分、普通の生活を送ってくれ。・・・・・・まぁ、女体化してる時点で、普通の生活は送れてないだろうがな。」

 

「あはは・・・・・・頑張りま~す・・・。」

 

「・・・・・・それじゃ、アタシたちは行くね。」

 

「またな、今井紫閻。」

 

 

別れの言葉を告げた蒼空とリサは、この世界から光となって消えた。

 

 

「・・・・・・あの姉さんの方が良かったな・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

「うっ・・・・・・ここは・・・?」

 

「蒼空の家の近く、だよね・・・?」

 

「あぁ。・・・・・・戻れた~!」

 

 

 ようやく俺の創った世界に戻って来れた~!

 

 

「蒼空~!」

 

「リサ!」「リサ姉~!」

 

「うん?おぉ!みんな、久しぶり~!」

 

 

海璃と友希那とあこがやって来た。またやかましい奴らが・・・。

 

 

「久しぶりじゃないよ!もう、心配させないでよ・・・!」

 

「リサ姉、大丈夫なの!?」

 

「うん、ごめんね~、心配させちゃって~。」

 

 

やっぱり、リサは人気者だな~?

 

 

「それじゃあリサ、3日ほど練習に参加していなかったのだから、今から練習するわよ。」

 

「えっ?アタシ、向こうで色々あったんだけど──」

 

「いいから行くわよ!」(圧)

 

「えぇ~!?蒼空~!?」

 

 

リサ、グッドラック~。

 

 

「それじゃ、俺は帰る~。」

 

「えぇ!?」

 

「色々あって疲れたんだよ。しばらく寝かせてくれ。」

 

「はぁ・・・・・・分かった。ご飯何がいい?」

 

「お任せするわ~。」

 

「りょ!」

 

 

俺と海璃は自宅に帰ることにした。

 

 そういや・・・・・・俺、なんか忘れてるんだよな~?なんだっけ?ジャグラーだっけ?・・・・・・そういやジャグラーはどうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 とある画家のアトリエで、1人の女子高校が誰にも言えない物を持っていることについてコッソリと悩んでいた。

 

 

「これ、どうしたらいいんだろう・・・?」

「ジャンプ!」

「っ、音もなるし・・・。」

 

「シロ~、行くよ~?」

 

「う、うん・・・・・・!」

 

 

『シロ』と呼ばれた少女は、カバンにまだ入っている黒がメインのドライバーと黄色の四角いアイテムを悩みと共にしまい、あだ名を呼んだ者たちの方へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 はい、見てる奴らはいないだろうけど、ドレガイザードファブニル様の作品『今井姉弟とバンド物語』とのコラボは終了で~す。

 そんじゃ、『次元の狭間が発生して、色んな世界に行ける』って設定があるから、他の方ともコラボが出来るんで、期待しないでお待ちしてま~す。


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第10話 新しい職

 
 
「魔王でありながら、仮面ライダーに変身する桐生蒼空は、新世界を創った。だが、そんな新世界でも怪人たちは現れ、蒼空は再び、安息の地になるはずだった場所で戦いに身を投じるのだった・・・。」

「何故に今日はそんなにローテンションであらすじ紹介してるわけ?」

「海璃、今日の台本見たか?」

「えっ?見たけど・・・・・・それが?」

「ド頭から疲れるんだよ・・・。」

「えっ?・・・・・・あぁ、分かる~。」

「はい、第10話どうぞー。」

「最期くらい元気に言ったら?」

「漢字が違う!!」







 

 

 

 

 

 別世界での騒動も終わり、俺はしばらくの間、平和に一般市民としての生活を送れていた。

 

 だが、そんな平和を脅かす者は、必ずこの世界のどこかにいる。一般的には『犯罪者』がすぐに思い浮かぶ。だが、この世界では『ドーパント』や『ファントム』といった怪物も、この平和を脅かす存在である。

 

 そんな『平和を脅かす存在』が今、俺の目の前に現れたのだった。

 

 

「蒼空、大変なんだよ!もう、どうすればいい!?」

 

 

そう、この極悪非道な筋肉バカ(万丈龍哉)も、平和を脅かす者の1人・・・・・・。

 

 

「誰が極悪非道だ!?」

 

「人のナレーションに茶々入れないの。んで、どうしたんだよ?」

 

「実は、香澄たちがよ~・・・・・・」

 

 

どうやら、Roseliaが主催ライブをするって聞いて、香澄がそれに釣られてポピパもライブをするって言ったものの・・・・・・色々上手くいってないようだ。Roseliaの主催ライブに出て、主催ライブの難しさをかなり痛感したようだし。

 

 

「で、どうすりゃいいんだよ・・・?」

 

「んなもん、知るか。」

 

「はぁ!?お前、もうちょい考えろよ!!」

 

「バンドのことなんだろ?だったら、バンド内で解決しないと意味ないだろ。それに・・・・・・。」

 

「あぁ?」

 

「・・・・・・いや、なんでもない。」

 

 

俺は魔王の力を使って、香澄たちの過去を見た。どうやら、この前和美の友達として会った『朝日六花』のおかげで、ポピパは前に進めるようになったしな。

 

 

「そんな話してないで・・・・・・はい、蒼空。」

 

「ありがと。」

 

「・・・・・・って、なんで海璃もいるんだよ!?」

 

「そりゃあ私、蒼空の奥様だもの♡」

 

「お、奥様!?」

 

「気持ち悪いからその言い方は止めろ。」

 

「もぉ~照れちゃって~♡」

 

 

こいつ、こんなキャラだったか?

 

 

「お前ら、そろそろ学校はいいのか?」

 

「「えっ?・・・・・・あー!!」」

 

「ヤッベ!もう行ってくる!」

 

「蒼空、行ってきます♡」

 

「お前、外では絶対にハート付けて話すなよ!」

 

 

・・・・・・そっか。夜華の家は別だから、今この家には俺しかいないのか。

 

 

「もしかして、新世界になってから1人が心細くなってしまいましたか?」

 

「夜華か・・・。」

 

「おはようございます、主様。」

 

「こういう時ぐらい、普通に玄関から入って来いよ・・・。」

 

「心細くなってる主様を支えるのが従者の務めですので。」

 

 

若干失敬だな。でも、俺の心も若干弱くなったんだろうな。こんな事で寂しさを覚えるなんてな・・・。

 

 

「主様、そろそろ出勤のお時間でございます。」

 

「あぁ、飯食い終わるの待ってくれ。」

 

「では、先に準備をしておりますので。」

 

 

夜華は俺の家の地下に向かった。俺は呑気に飯を食べて、食器を洗って片付けた後、地下に向かい、その中の1つの扉を開けた。

 

 

「時間ギリギリですよ?」

 

「間に合えば問題ないだろ?それに、俺は『ジオウ』の力を持ってるからな。」

 

「ギリギリスラッシュのことを言ってるのですか?」

 

「さぁね~。」

 

 

家の地下の扉から、別場所の・・・・・・俺の『新しい職場』の裏口の扉へ移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、何故にこんな事をしているのかと言うと、事の始まりは昨日に遡る。俺の家に一通の手紙が届いていた。内容には、『指定の場所へ来い』と、その住所しか書いてなかった。

 

 

「ここ、だな・・・。」

 

「私、何か嫌な予感がする・・・。」

 

「俺としては、若干嫌で、感じ慣れた気配だ・・・。」

 

 

海璃と一緒に来て、俺はその場所の扉を開けた。その場所の名前は『不可思議探偵事務所』、ずいぶんとトチ狂ったアホが付けそうな名前だ。

 

 

「お、お邪魔しま~す・・・。」

 

「・・・・・・来てやったぞ。」

 

「おいおい~、いくらなんでも、俺をトチ狂ったなんて言われる筋合いはねぇぞ。」

 

「やっぱりお前かよ、ジャグラー・・・・・・。」

 

「えっ、何?蒼空、知り合いなの?」

 

 

一応、海璃にこの不審者(ジャグラス・ジャグラー)のことを教えた。

 

 

「へぇー、そんな・・・・・・危ない人なんだ・・・。」

 

「そんな風に見んなよ。お前さんは何を教え込んだんだ?」

 

「お前のあんな悪行からこんな悪行まで?それより、俺をここに呼んだ目的はなんだ?」

 

「なぁに、お前さんにここで働いてもらおうと思ってな。」

 

「悪いな、俺は『CiRCLEでバイト』っていう庶民的な職場があるんだ。」

 

「もちろん、タダじゃないさ。給料は高いぞ?」

 

 

でないと困る。名前からして見るからに普通じゃないんだから・・・。

 

 

「・・・・・・一応、仕事の内容だけ聞いてやる。」

 

「この世界で起きてる不可思議な現象、お前さんにはそいつを調べてもらいたい。依頼は、相手から直接来たり、俺が持ってくる。お前さんはそれをこなせばいい。」

 

「・・・・・・ようは、怪物退治だろ?」

 

「せいか~い。」

 

 

ニヤニヤすんな、気持ち悪いし気味が悪い。

 

 

「お前さん、今ボロクソに言ってないか?」

 

「気のせいだ。・・・・・・しゃーない、転職してやるよ。」

 

「助かる。ちなみに、CiRCLEとは既に話はつけてある。」

 

「用意周到だことで。・・・・・・そういや、どうやってこっちの世界に来た?」

 

「それは、企業秘密だ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんてことがあり、今はこんな場所で呑気に・・・・・・ソファに座りながら依頼を待つ日々を過ごしている。

 

 

「ですが、ずいぶんと楽な仕事ですね?」

 

「ライダーの力を使うんだ。休める時に休んでおかないとな。」

 

「そうですね。・・・・・・ですが、休憩時間はもうおしまいのようです。」

 

「えっ?」

 

「いつの間にか、依頼書が届いておりました。」

 

 

あのトゲトゲ星人・・・!

 

 

「内容は、『○○事務所付近に最近ボロボロのような黒い服を着た男を調べてほしい。』だそうです。」

 

「・・・・・・場所は分かった、ちょっと行ってくる。留守番よろしく!」

 

「お気を付けて。」

 

 

俺は『マシンビルダー』を起動させて、そのアイドル事務所へ向かう。ただ、そのアイドル事務所って、パスパレがいる場所なんだよな・・・。

 

 

「さて、到着っと。」

 

 

パスパレは・・・・・・今日は学校か?事務所に出入りしているのは大人ばっかだし。

 

 

「・・・・・・これ、事務所の人とかに話した方がいいのかな?」

 

「本来なら、した方がいいわよ。」

 

「そっか。・・・・・・うん?千聖!?なんでここに!?」

 

「ここの事務所のアイドルよ、今日は学校も休みでここに来ているのだから。あなたこそ、こんなとこに何しに来た・・・・・・と言っても、あなたは『不可思議探偵事務所』の人として来ているのよね?」

 

「まぁな。」

 

 

まさか千聖がいるとは思わなかったが、話が早くて助かる。

 

 

「最近、この事務所付近に現れるのよ。」

 

「ほぉ~。・・・・・・そういや、晴斗とはまだ会ってるのか?」

 

「会ってるけど・・・・・・この仕事とは関係ないでしょ?」

 

「関係ないけど、気になってな。」

 

 

こいつから()()()が聞けるのかは怪しいけどな。

 

 

「晴斗は、また魔法使いになったのか?」

 

「・・・・・・最近、手品は上手くなったわよ。」

 

「そうじゃなくて!仮面ライダーになったのかを聞いてるんだよ。」

 

「それは・・・・・・あ、あの人!」

 

「えっ?」

 

「あの人よ!依頼した調べてほしい人!」

 

 

あいつか・・・。フード被って、全身黒で、ちょっとボロボロな感じの服だな・・・。でも、あいつは・・・・・・?

 

 

「・・・・・・千聖、中に入ってろ。ちょっと行ってくる。」

 

「分かったわ。ついでに、あなたの事を事務所に話してくるわ。」

 

「頼む。」

 

 

路地裏に入っていった怪しい奴を追って、俺も路地裏に入っていった。

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 路地裏に入っていった怪しい男は、事務所の裏から建物を見上げていた。

 

 

「今日はいるのかな~?」

 

「誰を探してるんだ?」

 

「っ!誰だ・・・!?」

 

「不可思議探偵事務所の者で~す。・・・・・・人、じゃねぇな。」

 

「なっ、なんで分かるんだよ・・・!?」

 

「ロボット・・・・・・というより、アンドロイドか?」

 

 

蒼空はすぐさま怪しい人物の正体を見破った。

 

 

「・・・・・・そっか、お前が人類滅亡の障害だな?」

 

「へぇ~、また随分と大それたことを。」

 

「僕のことを知ったとこで、僕を止められるわけがないよ。」

 

 

怪しい人物は、少し小さなドライバーを取り出し、腰に巻いた。

 

 

「フォースライザー!」

 

「あのドライバーは・・・?」

 

「ウィング!」

「変身!」

「フォースライズ!」「フライングファルコン!」

「ぐっ、ダァ~!」

「Break Down!」

 

「変身、した・・・・・・。」

 

「僕は仮面ライダー(じん)、人類を滅ぼし、ヒューマギアを救済するものだよ。」

 

「ヒューマギア?」

 

「知らなくてもいいことだよ!」

 

 

その言葉と共に、迅が蒼空を襲い始めた。

 

 

「危なっ!ったく、しゃーない!」

 

「おりゃ!もう、逃げんな!」

 

 

迅は何度も蒼空を襲うが、蒼空は上手いことかわしつつ、ドライバーを付けて、ボトルもセットした。

 

 

「ジード!」「スペシウム!」「ベストマッチ!」

 

「何してる!?」

 

「いい加減邪魔すんなよ!」

「Are You Ready?」

 

「この・・・!」

 

「変身!」

 

「ぐわっ!何・・・!?」

 

 

変身時の衝撃を利用して、迅を吹き飛ばしつつ『仮面ライダージード プリミティブフォーム』へと変身した。

 

 

「決めるぜ覚悟!プリミティブ!イエーイ!」

「よし。・・・・・・うん?あれ?変身音声違った気が・・・?」

 

《恐らく、魔王の力が完全に活性化したことで、ドライバーにまで影響したのだと思います。》

 

「なるほど。それじゃ、行くか!」

 

 

姿勢を一度低くして、迅に目掛けて飛び膝蹴りをした。

 

 

「はぁああ!!」

 

「ぐっ!?」

 

「っと~!やっぱり、こっちの方がしっくり来るな。」

 

「お前、何なんだよ!?」

 

「何って、仮面ライダージードだよ。遺伝子(Gene)運命(Destiny)をひっくり返すって意味の、ジード(Geed)だ。以後、お見知りおきを?」

 

「仮面ライダー?・・・・・・そうか、お前も僕の邪魔をするんだな!?」

 

「お前《も》・・・?」

 

「ハァ!」

 

 

迅の放った一言を気にしつつ、攻撃をかわして自分の攻撃でダメージを着々と与えるジード。

 

 

「こいつ、強い・・・!」

 

「まぁな。」

 

「だったら!」

 

 

接近戦では勝てないと察した迅は、背中に羽を生やし、空高く飛んだ。

 

 

「あいつ、飛べるのかよ・・・。」

 

「食らえ!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

羽を器用に動かし、ジードに羽根のエネルギー弾を放つ迅。かなりのダメージを与えるであろう枚数放った後、空中でジードの様子をうかがっている。

 

 

「シフトイントゥマキシマム!」

 

「うん!?」

 

「ディフュージョンシャワー!」

 

「あっ!?・・・・・・って、えぇえええ!?」

 

 

ジードがいた場所から大きな光の弾が放たれ、迅はそれをかわしたが、それが空中から光の矢を無数に降らせる技だとは知らずに、矢をほとんど受けてしまった。

 

 

「ぐわぁあああ!!ぐっ・・・!?」

 

「大丈夫か?」

 

「くっ・・・・・・!?」

 

「残念だったな。」

「見せるぜ衝撃!アクロスマッシャー!イエーイ!」

 

 

迅が放ったエネルギー弾で巻き起こった煙の中から、青色の姿『アクロスマッシャーフォーム』へと変身していたジードが現れた。

 

 

「次はこれだ。」

「スラッガー!」「ブースト!」「ベストマッチ!」

「Are You Ready?」

「ビルドアップ。」

「燃やすぜ勇気!ソリッドバーニング!イエーイ!」

 

「また変わった・・・!?」

 

 

全身にブースト噴射口を付けた真紅の姿『ソリッドバーニングフォーム』になったジードは、ゆっくりと迅の下へ歩いていった。

 

 

「この・・・!ハァ!」

 

「ふっ、はぁ!!」

 

「ぐっ!?」

 

「だぁああ!!」

 

「ぐわぁあ!!」

 

 

ブーストによって攻撃力がかなり上がったソリッドバーニングの攻撃に防いでも防ぎきれず、ダメージを受けてしまう。後退りをしつつも膝をついてしまう迅。それを見たジードは、

 

 

「それじゃ、これも使うか。」

「X ユナイト オン!」

 

 

ボトルを2本ドライバーから抜いた後、つい最近ゲットしたアイテムを取り出した。

 

 

「ギンガ!」「オーブ!」「スーパーベストマッチ!」

 

「今度は、なんだよ・・・!?」

 

「Are You Ready?」

「ビルドアップ。」

「集うぜキラ星!ギャラクシーライジング!イエーイ!」

「ホークガトリンガー!」

「よっと!」

 

「危ねっ!」

 

 

『ギャラクシーライジングフォーム』になったジードは『ホークガトリンガー』を手に取り迅を狙い撃つが、迅は背中に羽根を生やしかわした。

 

 

「もう!今日は止めた!」

 

「はぁ?」

 

「帰る!」

 

「あっ!?おい、待て!!・・・・・・ったく、一体なんだったんだ・・・?」

 

 

迅は飛んで何処かへ逃げていった。

 

 取り残されたジードは、懐から手元に残された数あるプログライズキーのうち1つを取り出して、ボタンを押した。

 

 

「ウィング!」

「・・・・・・なんでこれが2つあるんだ?・・・・・・考えても分かんねぇならどうしようもないか。」

 

 

ジードは変身を解いて、アイテムを全てしまって千聖たちの事務所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 ってことで、ちょっとゼロワン感を入れてみました~。ただ、ゼロワンはもうしばらく出ませ~ん。


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第11話 月ノ森女子学園

 
 
「魔王でありながら、仮面ライダーに変身する桐生蒼空は、怪物やライダーが存在しない新世界を創った。だが、そんな新世界に次元の裂け目を通って怪物が押し寄せてきた。万丈や海璃たちもライダーの力を取り戻したり手に入れたりして、日々平和のために戦っていた。」

「そういや、今日の台本見た~?」

「あぁ、見たぞ。とうとう新キャラの変身シーンがあるらしいな。」

「これで、私たちオリキャラの出番がかなり減るね~。」

「なぁ~。俺は主役だからまだ平気だけどな♪」

「・・・・・・()ね。」

「待て待て待て待て!海璃さん、伏字になってるよ!!そんな事言わないの!!」

「・・・・・・ちぇ。」

「海璃さんコエー・・・。では、シーズン2の第11話どうぞ!」







 

 

 

 

 

 作者がB型なため、めんどくさくなって、今回からは『BanG Dream! 2nd Season』の最終回後になった。・・・・・・なんでこうなんのかな~?

 

 

 

 一応、前回から今回までの間にあった出来事は・・・・・・。

 

 

・ハロハピがポピパのために開いたライブで、俺と海璃はパラシュートを付けてないこころとミッシェルを見て慌てて変身したけど意味なかった。

 

・パスパレがライブをするって時に現れた『仮面ライダー迅』と悪意を持ったアンドロイド『マギア』が邪魔してきたけど、『仮面ライダーウィザード』に変身する晴斗と一緒に逆に妨害してやったぜ!

 

・Afterglowとポピパが参加した商店街でライブをする時に現れた『マギア』を、突然乱入してきた『仮面ライダー鎧武』に変身する『葛葉昂汰』と共に倒した。

 

・ポピパの主催ライブの時にも邪魔しようとした『マギア』を、こん時は『エグゼイド』に変身する『宝生唯兎』と共に倒した。・・・・・・あと海璃と万丈もいたわ。

 

 

って感じだな。・・・・・・書くのめんどいんだも~ん♡(by作者)

 

 

 

 で、今は新しい職場という『不可思議探偵事務所』でぐ~たらしております。

 

 

「主様、コーヒーです。」

 

「ども~。」

 

「・・・・・・お前ら、仕事する気あんのか?」

 

「あんたがこんなとこに就職させるからだろ?」

 

 

蛇暗(へびくら)名義でこの世界にいるジャグラス・ジャグラーが、事務所にやって来た。

 

 

「ったく、面白い情報を持ってきてやったのに・・・。」

 

「面白い情報?」

 

「最近、『夜にとある公園で突然大きな黄色いバッタが現れる』って噂があってな。」

 

「黄色い大きなバッタ?・・・・・・なんか、知ってるような・・・?」

 

「ゼロワンに変身する時に現れるあのバッタのでは?」

 

「ゼロワン?・・・・・・あぁ!!そうだ!!ゼロワンになる時現れるヤツだ!」

 

 

そういや、あの『男を自称する紫閻というの女子が主役の世界(現在は色々設定が変わっているようです。)』に行く前に『ゼロワンドライバー』と『ライジングホッパープログライズキー』をどっかに落としたんだった。ってことは、誰かがゼロワンに変身できたのか・・・?

 

 とりあえず、あのドライバーを回収しないとな。

 

 

「どうする?これがそのバッタが現れた公園のリストだけど。」

 

「よこせ、行ってくる!」

 

「お供します。」

 

 

俺はジャグラーからメモを奪い取り、外に出て『マシンビルダー』に乗って出掛けた。夜華はすぐさま俺の影の中に入った。

 

 やって来たのは、最初にゼロワンに変身する時に現れるバッタが目撃された公園。

 

 

「・・・・・・放課後狙って来たけど・・・。」

 

(誰もいませんね。)

 

 

学生の誰か一人、いると思ったんだけどな・・・。

 

 

「お前、Poppin'Partyの主催ライブにいた・・・・・・。」

 

「うん?確か、レイズ・ア・スイレンの・・・?」

 

「『RAISE A SUILEN』な。まぁ、長いから『RAS』でいいけど。」

 

「略していいのか?」

 

「チュチュだって略してんだ。構わないだろ?」

 

 

学生はいたんだが・・・・・・確か、『佐藤ますき』だったか?『マスキング』って方は覚えてんだが・・・。

 

 

「それより、こんなとこで会うなんて偶然だな。」

 

「まぁな。この辺でちょっと調べものしててな。」

 

「それって、噂の巨大バッタのことか?」

 

「知ってんのか?」

 

「あぁ。私が前にここに来た時には見なかったけど、光が離れていく女子高生なら見かけたぞ。」

 

「女子高生?」

 

「あぁ。確か・・・・・・月ノ森の制服で、髪が銀髪で、小っちゃくて可愛かったぞ。」

 

「可愛い?・・・・・・まぁいいや、情報ありがと。」

 

「月ノ森でも行くのか?」

 

「そうだけど?」

 

「一応、あそこ女子校だぞ?」

 

 

マジか・・・。

 

 

「・・・・・・ま、なんとかするか。これ、情報料。じゃあな!」

 

「おっと。ありがと・・・。」

 

 

俺はますきに缶コーヒーを渡して、すぐさまマシンビルダーで月ノ森へ向かった。・・・・・・バイクの液晶部分にナビ画面を出して。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 蒼空はマシンビルダーに乗って、月ノ森女子学園の前にやって来た。

 

 

「さてと、ここでのんびり待つか?」

 

「それも一つの案かもしれませんが、こちらの生徒に聞いてみるというのも手かと。」

 

「だよな~。」

 

 

何事もないかのようにバイクをスマホに変形させつつ、影から現れる夜華。その光景は2人にしてはいつも通りかもしれないが、他の人からすれば異様な光景だ。

 

 異質な2人に近づく者はほとんどいない。いるとすれば・・・・・・

 

 

「何それ?すご~い!」

 

 

好奇心旺盛で怖いもの知らずだろう。

 

 

「えっ?何・・・?」

 

「探している人ではないですね。」

 

「何なに?折り畳みできるバイク?スマホなの?面白~い!」

 

「ずいぶんと好奇心旺盛だね~?」

 

「ちょっと透子(とうこ)ちゃん!ごめんなさい、勝手に・・・。」

 

「いや、ちょうどいい。あのさ、この学校に『身長が小さめで銀髪の娘』っている?」

 

 

蒼空は話しかけてきた2人に探している人物の特徴を聞いてみた。

 

 

「それって・・・・・・ふーすけ、シロの特徴に似てない?」

 

「確かに・・・・・・。」

 

「えっ?『ふーすけ』に『シロ』?」

 

「どちらに動物が・・・?」

 

「え?ふーすけは横にいるよ。」

 

「あ、『二葉(ふたば)つくし』って言います。透子ちゃんなりのあだ名なので、気にしないでください。」

 

「はぁ・・・。で、その『シロ』ってあだ名の娘が俺たちが探してる人でいいのか?」

 

「多分!」

 

 

あだ名の時点でどんな人物か想像できていない蒼空に、ふと変わった声が聞こえてくる。

 

 

「面白そうな匂いのヤツがいるな~。」

 

「・・・・・・さっきから変な気配がしてると思ってたんだよ。」

 

「えっ?・・・・・・何、あの黒いの!?」

 

「ちょっと、逃げた方がいいんじゃない・・・!?」

 

「そうだな、とりあえず是非とも逃げていただいて──」

 

「フッ!」

 

「──の前に伏せろ!!」

 

 

現れた黒い怪人は、手に持っている黒い剣を振って、蒼空たちへ斬撃を飛ばした。

 

 

「きゃっ!」

 

「・・・・・・危ないヤツだな。」

 

「わたくしがお2人を連れていきます。」

 

「よろしく。」

 

 

周りの生徒たちは全員、突然起きた怪奇現象で逃げ回り、蒼空と近くにいたつくしと透子は夜華が連れて行った。

 

 

「・・・・・・やっとマシに剣を振れるな。」

 

「ほぉ~、人を襲うために来た訳じゃないんだ。」

 

「まぁな。お前から強そうな匂いがしたんでな~。」

 

「ちゃんと風呂には入ってるんだが・・・・・・しゃーない、相手してやるよ。」

 

 

そう言いながら、蒼空はビルドドライバーを装着して、2本のボトルをドライバーにセットした。

 

 

『忍者!』『コミック!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「変身。」

『ニンニンコミック!イエーイ!』

 

「へぇ~、お前()仮面ライダーか。これは楽しめそうだ!」

 

(お前、『も』・・・?)

 

「ハァ!!」

 

「っ!」

『分身の術!』

 

 

黒い怪人対ジードの戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 ジードが怪人と戦い始める少し前。廃墟で2人の男が1つの本のようなアイテムを持って話していた。

 

 

(ほろび)、本当に開けるの・・・?」

 

「あぁ、人類滅亡のために必要な力だ。」

 

「・・・・・・分かったよ。」

 

「行くぞ、(じん)。」

 

 

(ほろび)』と呼ばれた男は、手に持ったアイテムを開いた。そして、アイテムから本のような物体が人型となり、黒い怪人へとなった。

 

 

デザスト

 

「うわっ、出た・・・!」

 

「・・・・・・匂うな、強そうで嫌~な匂いだ。」

 

「デザスト、人類を滅亡させよ。」

 

「・・・・・・なんでお前から命令を受けなきゃいけないんだ?俺は俺のやりたいようにやる。」

 

「ふざけるな・・・・・・!」

『フォースライザー!』

「っ!」

 

 

滅がドライバーを装着して紫色のプログライズキーを手に持った瞬間、滅の首元に黒い剣先が向けられていた。

 

 

「お前からも強そうな匂いがするが、面白そうな匂いはしないなぁ・・・・・・。じゃあな。」

 

「っ・・・・・・。」

 

 

デザストと呼ばれた者はどこかへ行ってしまった。

 

 

「滅、やっぱりヤバかったんじゃ・・・!?」

 

「・・・・・・だが、あいつが魔王とぶつかれば、問題はない。」

 

「あの魔王だけをなんとか出来ればいいもんね。僕たちに害がなければいいんだけど・・・・・・。」

 

 

滅と迅はデザストが歩いていった方を見ていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 時は戻り、場所は月ノ森女子学園前。そこで、異形の者たち2人が刃を交えていた。片方は分身してるんだが・・・・・・。

 

 

「ふっ!」「はっ!」「よっと!」

 

「ちょこまかと!!」

 

「「「ぐわぁ!!」」」

 

「面白い手品だったぞ。」

 

「っ()ぅ・・・!この野郎、余裕かましやがって・・・・・・!」

『火遁の術!』

「これでどうだ?はぁ!」

 

「へぇ~、まだそんな技を?フッハッハッハ!」

 

 

本来ならすぐに技を発動させて『火炎斬り』を放つが、趣向を変えて、待機状態にすることで刀身に炎を纏わせてデザストと対峙する。

 

 

「ふっ!はっ!」

 

「ヨッ!ハァ!」

 

「ぐわっ!この・・・!」

『火炎斬り!』

「はぁあああ!!」

 

「ぐぅ・・・!まだまだぁーーー!!」

 

「なっ!?」

 

「次の手はあるかぁ?」

 

 

ジードの攻撃をすべて剣で跳ね返した。

 

 

「・・・・・・よし、だったらこれだ!」

『風遁の術!竜巻斬り!』

「はっ!」

 

「ぐっ!?これは・・・・・・!?」

 

 

ジードが創り出したのは風の斬撃ではなく、竜巻だけだった。その力でデザストの動きを一時的に封じた。

 

 

「よし、今のうちに。」

『隠れ身の術!ドロン!』

「頑張りたまえ。よっ!」

 

「すぐに追いつくさ!!」

 

 

デザストは剣を一振りしただけで竜巻を破った。

 

 

「・・・・・・匂いはまだ近い。・・・・・・そこだ。ハァ!」

 

「甘い。」

『《ライダータイム!》』

 

 

デザストが放った斬撃は、ジードがドライバーから飛ばした『ライダー』という文字によってかき消された。そして、『ライダー』という文字は、姿を変えたジードの顔にくっついた。

 

 

『ジオウ!』《ジオウ!》『《ジオウⅡ!》』

 

「まだベルトを持っていたのか。・・・・・・カラミティ・ストライク。」

 

「・・・・・・見えた、お前の未来。」

『ジオウサイキョウー!』

 

「フッ!」

 

「っ!はぁあああ!!」

『覇王斬り!』

 

「グアッ!」

 

 

『ジオウⅡ』へとなったジードは、『サイキョーギレード』のモードを変えて、未来予知をして、攻撃してきたデザストをカウンター攻撃をした。

 

 

「まさか、この俺の攻撃を見破るなんて・・・・・・ッ!?」

 

「お褒めに預かり光栄だよ。」

『キング・ギリギリスラッシュ!』

「だぁあああ!!」

 

「ヤバい・・・!」

 

 

ジードの光の刃が地面にぶつかった時、デザストがいた場所で爆発が起きた。

 

 

「ふぅ~。」

 

「残念だったなぁ~。」

 

「うん?・・・・・・えっ?あれっ!?いつの間に!?」

 

「お前との闘いは楽しい、続きはまた今度だ。じゃあなぁ~。」

 

「あっ!?ちょっと──行っちまった・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 変身を解いた俺の下に夜華がやって来た。

 

 

「主様、お怪我は?」

 

「大丈夫。それより、さっきの娘たちは?」

 

「安全な場所へ。・・・・・・先程の怪人は?」

 

「さぁな~。」

 

 

 

《先程の怪人は『デザスト』という名の『メギド』です。》

 

(また面倒なのが・・・・・・。)

 

 

 

「・・・・・・とりあえず、その『シロ』って人を探してみよっかな?」

 

「そうですか。では、わたくしも──」

 

「いや、俺だけでなんとかする。夜華は・・・・・・事務所の留守番でもしておいて。」

 

「・・・・・・承知しました・・・。」

 

 

夜華には悪いけど、ここは俺だけでなんとか出来るしな・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺は放課後に月ノ森女子学園前にまたやって来た。今度は、ちょっと周りには見えない所でバイクに乗って。

 

 

「・・・・・・あれは・・・。」

 

 

俺の眼に、昨日話した透子ちゃんとつくしちゃんが映った。

 

 

「ってことは・・・・・・あの銀髪の娘が『シロ』って娘か。」

 

 

さすがにバイクで行くと怪しまれるから、マシンビルダーはしまって、バレないように追いかける。

 

 

「・・・・・・で、なんでいんの?」

 

「偶然見かけたから。」

 

「だからって、俺の監視っぽいことはしなくてもいいだろ?」

 

「だって、女子校を見張ってる時点で怪しいじゃん。」

 

 

俺を監視しているお嬢さんは、なんとあの美竹蘭。そう、あの噂の赤メッシュだ。

 

 

「悪かったな、昂汰の学校じゃなくて。」

 

「なっ!?こ、昂汰は関係ないでしょ・・・!」

 

「そうか~?」

 

「そ、それより!早く行かなくていいの?」

 

「えっ?あ、そうだ!」

 

 

赤メッシュの相手をしてる場合じゃなかった!早く追いかけないと!

 

 

「・・・・・・って、なんでMorfonica(モルフォニカ)を追いかけてんの?」

 

「えっ、なんで知ってんの?」

 

「この前一緒に花見したから。」

 

「あーそー。じゃあ、あの銀髪の娘の名前とか知ってんの?」

 

「『倉田(くらた)ましろ』さんのこと?・・・・・・って、だからなんでMorfonicaを追いかけてんの?」

 

「その『ましろ』って娘が、俺が手に入れた新しいドライバーを持ってるかもしれないんだよ。」

 

「へぇ~。・・・・・・ねぇ、Morfonicaの前に怪物がいるんだけど?」

 

「えっ!?・・・・・・うわっ!?ほんとだ!」

 

 

赤メッシュと話してる場合じゃねーや!

 

 

「行ってらっしゃい。Morfonicaは任せて、後で蒼空をシバくから。」

 

 

あぁ・・・・・・後が怖いから、出来ればこの後は蘭に構わず逃げよう。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「人間ハ、皆殺シダ!」

 

「また怪物ー!」

 

「これって、普通・・・・・・じゃないよね?」

 

「とりあえず、逃げましょう。」

 

「皆殺シダー!」

 

「させっか!」

 

 

 下校中に襲ってきた怪物を目の前に、目を輝かせている透子や、キョトンとしている者、正論を言う者と様々だったが、そんな5人の上を蒼空は軽く飛び越えて怪物を蹴り飛ばした。

 

 

「あ!昨日の人!」

 

「よ、昨日ぶりだな。とりあえず後ろの赤メッシュの指示に従って、安全な場所にいてくれ。」

 

「赤、メッシュ・・・?」

 

「蒼空、後で覚えておきなさい・・・・・・。」

 

「美竹さん!」

 

 

蘭を見つけた5人はすぐさま蘭の下へ向かった。

 

 

「人間ゴトキガ、ヒューマギアニ勝テルト思ッテイルノカ?」

 

「残念だが、人間は愛と平和のために科学を発展させることが出来るんだぜ。」

『ジクウドライバー!』

 

「何ダト?」

 

「行くぜ、カマキリ野郎。」

『ジオウ!』

《違います。あれは絶滅した生物がモデルとなっているので、カマキリではありません。》

「・・・・・・変身!」

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

『ジカンギレード!ケン!』

 

 

何故かライドウォッチを起動させた後、ちょっと間を置いて変身した蒼空。剣を手に持ち『ベローサマギア』に狙いを定めた。

 

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

「人間ハ絶滅スル!」

 

「どうぞ、やれるもんならな!」

 

 

ベローサマギアの手に持つ鎌とジオウの剣が火花を散らす。が、

 

 

「おりゃ!」

 

「グワッ!」

 

 

敵の力量を知った途端にジオウが優勢になった。

 

 

「こりゃ、簡単に終わりそうだな。」

 

「つまらないだろ?俺と遊ぼうぜ~。」

 

「あ?・・・・・・また来た。確か、『デザスト』だったか?」

 

「へぇ~、俺のことを調べたのか?」

 

「そこそこな。ったく、こっちはちゃんとした予定があんのに・・・・・・。」

 

「なぁに、すぐに終わるさ。」

 

 

黒い怪人『デザスト』まで乱入して、ジオウが若干劣勢になりつつあった。

 

 

「フッ!ハァ!」

 

「ぐっ!?だったら・・・!」

『鎧武!』

 

「今度は何を見せてくれるんだ?」

 

「あんま期待すんな。」

『アーマータイム!《ソイヤ!》ガイム(鎧武)!』

「その方が、驚きの量が多いから。」

 

「そいつは楽しみだ。ハァ!」

 

 

鎧を纏い、剣の扱いに特化したジオウだったが、やはりまだ劣勢のままだった。

 

 

「ぐわっ!?」

 

「その程度か。もう少しマシな物を見せてくれよ。」

 

「ヤロォ・・・!」

 

「フフフ──ぐっ!?」

 

「グッ!?」

 

「っ!?今のは・・・・・・?」

 

 

突然銃撃を受けたデザストたちを見たジオウは後ろを向いた。

 

 

「久しぶり、でもないかな?」

 

「さぁな。」

 

 

向いた先には、銀色の銃を持った『仮面ライダーウィザード』に変身する『黒崎晴斗』がいた。

 

 

「晴斗さん!?」

 

「蘭ちゃん、久しぶり。ごめんね、昂汰くんじゃなくて。」

 

「なっ!?なんで晴斗さんまでそう言うんですか!?」

 

「お前、最近名前の通り黒くなったんじゃねぇのか?」

 

「そうかな?僕はいつもと変わらないと思うけど。」

『ドライバーオン プリーズ!』

 

「あっそ。」

『ジード!』『キング!』『ベストマッチ!』

 

 

晴斗はドライバーを出現させて、左手に指輪を付ける。ジオウはドライバーを『ビルドドライバー』へ付け替え、2本のボトルをセットした。

 

 

『シャバドゥビタッチヘンシーン!』

「それに、魔王の君には言われたくないよ。変身。」

 

「俺はまだかわいい方だと思うぞ。ビルドアップ。」

『Are You Ready?』

 

『フレイム プリーズ!ヒーヒー ヒーヒーヒー!』

 

『変えるぜ運命!ロイヤルメガマスター!イエーイ!』

 

 

晴斗は『仮面ライダーウィザード フレイムスタイル』に変身して、ジオウは『仮面ライダージード ロイヤルメガマスターフォーム』にフォームチェンジした。

 

 

「さぁ、ショータイムだ。」

 

「それじゃ、行きますか。」

 

「さっきよりかは楽しめそうだな。」

 

 

ジオウ改めジードと戦っていたデザストたちも構え直した。

 

 

「・・・・・・はぁ──」

 

ちょっと待って・・・!

 

「──っとっと!」

 

「・・・!ねぇ、蒼空くん、あの娘誰?」

 

「えっ?・・・・・・あ、確か倉田ましろ・・・。」

 

 

ジードとウィザードの後ろから聞こえてきた声は、蒼空が尾行していた倉田ましろの声だった。

 

 

「わ、私も・・・戦います・・・!」

『ゼロワンドライバー!』

 

「えっ?・・・・・・あっ!」

 

「なんでベルトを持ってるの!?」

 

 

そして、倉田ましろは懐から、蒼空が失くしたと思われていた『ゼロワンドライバー』を腰に装着した。

 

 

『ジャンプ!』『オーソライズ!』

「へ、変身・・・!」

『プログライズ!』

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 A jump to the sky turn to a rider kick.』

 

「変身、した・・・!?」

 

「シロちゃんが・・・・・・!?」

 

「変身した・・・・・・!?」

 

「シロ、すご~い!!」

 

「とりあえず、もう帰るわ。」

 

「うそ~ん・・・。」

《あのドライバーで変身できるのは、驚きですね。》

 

 

倉田ましろが、『仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー』に変身した。

 

 

「か、仮面ライダーゼロワン・・・・・・それが、私の名前です・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 ってことで・・・・・・何時ぶりやっけ?さっき見た、ほぼ2ヶ月ぶりだって!!いや~、2ヶ月も温めた甲斐がありましたかな~?・・・・・・ごめんなさい、嘘です。文にしてたら全然書けなくてね・・・。

 ってことで、どっかのアホ共は察してたかもしれないが、ましろがゼロワンになれました。ってか、なりました。っていうより、しました。

 こっちだとなかなか日常パートが書けなくて、次回はバトルパートからだけど、頑張って日常パートも書きます・・・!

 んじゃ、また~。


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第12話 世界の修正

 
 
「仮面ライダージードに変身する桐生蒼空は『全てを支配する魔王』でもあった。新世界を創った蒼空の前に、存在させなくなったはずの怪物たちが再び現れたため、蒼空はまた戦いに身を投じる。
 そんな蒼空の前に、蒼空が手に入れたはずの『ゼロワンドライバー』で変身した倉田ましろが現れた。」

「ヤッホー!」

「えっと・・・・・・どちら様?」

「あたし、桐ヶ谷(きりがや)透子(とうこ)!これからよろしくね、怖い眼のライダーさん!」

「怖い眼で悪かったな。んじゃ、本編どぞ~。」







 

 

 

 

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!

 A jump to the sky turn to a rider kick.』

「か、仮面ライダーゼロワン・・・・・・それが、私の名前です・・・!」

 

 

 突然ジードたちの戦場に入ってきたましろは、『仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー』へと変身した。

 

 

「い、行きます・・・!」

『ブレードライズ!』

「やぁああ・・・!」

 

 

ゼロワン(ましろ)は手に持っていた『アタッシュカリバー』を展開させて、『ベローサマギア』に攻撃をし始めた。

 

 

「あの目撃情報はやっぱりましろだったんだ・・・・・・。」

《武器の使い方を知ってる事も含めると、間違いないかと。》

「だよな・・・・・・。」

 

「あのライダー、意外と面白そうだな。」

 

《蒼空、デザストが動き出しました。》

「えっ?・・・・・・っ、させるか!」

 

「っ!?また魔王か・・・・・・まぁいい、その姿との戦い、楽しませてもらおうか?」

 

「キングの力をなめるなよ。」

 

「・・・・・・僕、もしかしなくても余り者だよね?・・・・・・まぁ、2人とも頑張れ。」

 

「じゃあ、ゼロワンでも見ててくれよ!!」

 

「はいはい、ヤバかったらサポートするから。」

 

 

ジードもデザストと戦い始め、ウィザードは置き去りにされていた。そんなウィザードは、ゼロワンを見守ることにした。

 

 

「ふっ!はぁ!」

 

「グッ!?案外強ぇな!」

 

「無駄口をたたく余裕はあるんだな!」

1(アン)!』

「バルカンスパークル!」

 

「グワァ!!」

 

 

ジードは『キングソード』を使い、デザストを圧倒する。さらに、『キングソード』に手を1回かざすことで、杖の状態で光弾を何発も撃ち込んだ。

 

 

「もう一発。」

『1!』『2(ドゥ)!』

「スウィングスパークル!」

 

「グッ・・・・・・グワッ!!くっ・・・!?」

 

 

さらに2回かざすことで発動する斬撃『スウィングスパークル』を放ち、デザストに大ダメージを与える。

 

 

「もうおしまいか?なら、とっとと決める。」

『ウルティメイト!オールイエイ!』

『ジードファイナル!』

 

「何を、する気だ・・・・・・!?」

 

「なぁに、トドメを刺すに決まってんだろ?ビルドアップ。」

『Are You Ready?』

『ウルティメイトファイナルジード!スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

 

ジードはデザストが怯んでいる隙に、ジードは自身が変身できる中で最強のフォームに変身した。

 

 

「勝利の法則は、決まった。」

 

「へッ、ころころ変わりやがって・・・・・・。」

 

「変わる理由を教えてやろう。」

Xロッドソード!(ルパンX・パトレンX)

「行くぜ。」

『怪盗!』

 

 

ジードは青色の刀身の剣を持ち、デザストに攻撃を仕掛ける。

 

 

「ふっ!」

 

「グッ!ッ、テメェ・・・!?」

 

「甘い。ふっ!はぁ!」

 

「グハッ!?」

 

「面倒だ、そろそろ決める!」

オーブカリバー!(ウルトラマンオーブオリジン)

 

 

ジードはさらにもう一本の剣を創り出して、技を発動させる。

 

 

「俺だからの、特別版だ!」

『Xタイム!カウントダウン・・・!』

「ついでにこれも!」

 

 

『Xロッドソード』は剣の状態で必殺技を発動。『オーブカリバー』は真ん中の円盤を回転させて、『オーブカリバー』の中で最強の必殺技を発動する。

 ジードは自分の前に左手に持つ『Xロッドソード』でX字に斬撃を作り出し、『オーブカリバー』で頭上に円を描き、そのエネルギーを『オーブカリバー』に纏わせ、X字の中心目掛けて光線を放つ。

 

 

「行くぜ!名付けて・・・・・・そうだな。オーブスプリーム・スペリオル・カリバー!!」

 

「グッ・・・・・・グワァアアア!!」

 

 

ジードは、『ウルトラマンオーブオリジン』の『オーブスプリームカリバー』と、『ルパンX』の『スペリオルX』を合わせたオリジナルの合体技でデザストを倒した。

 

 

「ふぅ~、ようやく倒せた。」

《一息つくには、まだ早いですよ。》

「あ、そうだった!・・・・・・って、あれ?」

 

 

武器をしまったジードが向けた視線の先では、何故か優勢になってるましろが変身するゼロワンがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ!」

 

「グワッ!」

 

 

アタッシュカリバーでの一撃を与えたゼロワンは、武器を地面に置いた。

 

 

「あなたを止められるのはただ一人・・・・・・私です・・・!」

『ライジングインパクト!』

「はぁ!やぁあああ!!」

 

「グワァアアア!!」

 

 

ゼロワンのライダーキックがベローサマギアに直撃し、破壊した。

 

 

「ぐぬぬ・・・・・・!」

 

ゴキッ!

 

()っ!?痛たたたた・・・・・・ぐはっ!?」

 

「あ、着地ミスった。」

 

「ぷは~!と、止まった・・・・・・!」パタンッ

 

「不安だな・・・。」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 なんとかあのロボットと黒怪人を倒せた~。それじゃ、そろそろあの娘に色々質問を──ん?

 

 

「なんだ、この羽・・・?」

 

「蒼空くん、後ろ!」

 

「うん?・・・・・・っ!?」

 

 

晴斗に言われ、俺は後ろを向いた。そこには、黄金の色をしたライダーがいた。

 

 

「あれは、ライダーなのかい?」

 

「・・・・・・。」

《あれは、『仮面ライダーオーディン』です。強力なライダーなので、お気を付けください。》

(あぁ、分かった。)

 

「この世界を、修正する。」

 

「えっ!?」

 

「んだと!?」

 

「・・・・・・。」

『タイムベント!』

 

 

その瞬間、俺を含む・・・・・・いや、この世界の時が止まった。

 

 

「時が・・・・・・止まった!?」

 

「何故貴様の時は止まらない?」

 

「・・・・・・さぁな。とりあえず、お前を倒せば、みんな戻るってことでいいんだな?」

ビートクローザー!(仮面ライダークローズ)

「はぁあああ!!」

 

「なら、貴様にはこれだ。」

 

「ぐっ・・・・・・っ!?」

 

 

オーディンが放った攻撃を俺は剣で受け止める。だが、その攻撃に何故か違和感があった。

 

 

「これは・・・・・・!?」

 

「『四次元怪獣プルトン』だ。貴様は次元の狭間に取り残されるがいい。」

 

「ぐっ!?ぐぁあああ!!」

 

 

 

俺はそのまま、攻撃の力を支配できずに四次元の中に飲み込まれた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 今日も、私は制服に着替え、月ノ森女子学園に向かう。Morfonicaのメンバーと、バンドをするために・・・・・・。

 

 

「・・・・・・あれ?こんなの?家にあったっけ?」

 

 

家を出かける時に偶然目に入ったのは、黒色のバックル(?)みたいなのと、青色の小さな本っぽいのだった。こんなの、確かヒーロー系のアイテムだったような・・・?

 

 

『ライオン戦記!』

「・・・・・・っ!」

 

 

なんなの!?これから、色んなイメージが頭の中に入ってきた・・・・・・!

 

 

「・・・・・・蒼空、さん・・・?」

 

 

私が自然に発した名前は、今まであったことない人の名前だった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 突然ではありますが、今回を持って今作は終了となります。いままでありがとうございました。


 ってことで、また別のライダーとバンドリのクロス作品を書きます。まぁ、ライダーは何なのかヒントを出してますけどね。

 あと、これを無理やり終わらせた理由は、色んなライダー出し過ぎてごちゃごちゃになったから、です。自業自得だけどね~。それから、アタイB型だから、気分がそうなっちゃったんだよね~。


 では、またいつか~。


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番外編
番外編:ゼロに咲く花 ~1~ (ネタバレ注意)


ここから先は、作者の現在考えているかなり先の事を含めた内容になっているので、ネタバレが嫌な方は即刻・・・・・・言葉悪いけど、150行スペースがあるうちに出て行ってください!

これは、本編がこのお話の状態と同じくらいになったら、普通の状態に戻します。























































































































































「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は・・・・・・えっと・・・。」
「ん?蒼空兄、どうしたの?」
「これ書いてる時、まだ15話までしか書けてないから多分50話ぐらい後だから、『蒼空は』の後が浮かばないんだよ。」
「ずいぶんメタいこと言ってるよねー。でも、台本見れば書いてあるんじゃないの?」
「その台本を書いてる作者がその部分の書いてないから無理なんだよ。」
「あちゃー・・・・・・。」
「ってことで、第何話(?)どうぞ!」
「そこは番外編で良いんじゃない?」







 今日は少し遠い場所に・・・・・・

 

「へぇ~、ここか~。」

「実際に来てみると圧巻だね~!」

「石畳にレンガ作りの家、大きな噴水。西洋の」

 

この辺はガルパ本編を見てね♪今はRoseliaと俺:桐生蒼空と朝倉和美の7人で来ている。

 

「あら?あそこにいる人・・・・・・頭に猫の耳みたいなものがついているけれど・・・・・・。」

「あれは・・・・・・キャストの方だと、思います・・・・・・。」

「へぇ~キャストがファンタジー?世界の住人をね~。蒼空兄、面白そうだね!」

「確かにな。・・・・・・お前を連れてきて正解かもしれないな。」

 

近くにたまたまいた和美に、あこから誘われていた今回の件を伝えたら『行きたい!!』と言ったから、この際和美のチケット代は俺が持つことにしてこの体験型テーマパークにやって来た。

 

「なんていうか、物語の主人公になったような気分っていうか?散歩してるだけでワクワクしちゃうな~♪」

「リサが主人公・・・・・・。幼稚向け番組の話になりそうだな?」

「ちょっと蒼空~!?」

 

「あそこにあるのはレストランでしょうか?」

「ローストされたドラゴンとか出てきちゃったらどうする?」

「ローストされたドラゴン?・・・・・・龍?・・・・・・万丈?」

「蒼空兄、龍兄がローストされてたらこの作品に『R-18G』とか付くからストップね。」

「しねぇって。・・・・・・罰ゲームにどう?」

「「アウトー!!」」

 

あこと和美に怒られちった。

 

「そうしたら・・・・・・あの建物で、参加手続きをしているようなので・・・・・・皆さん、行きましょう・・・・・・。」

「ん?」

「え?参加、手続き・・・・・・?」

「蒼空兄、どよ事?」

「・・・っ!あ、あのね、それはあの・・・・・・なんて言うか・・・・・・。」

「あこちゃん・・・・・・もしかして・・・・・・皆に説明、終わってないの・・・・・・?」

 

友希那の圧のシーンいる?大体このシーンはゲームと同じだから、カットしちゃうけど。

 にしても、1回ミッションを失敗したら0からやり直しって・・・・・・ハードどころか『エキスパート』レベルでしょ?・・・・・・ガルパやってる奴はどういうネタか大体察するでしょ?

 

「このイベントだって、私たちなら乗り越えられるはず。行くわよ。」

 

う~ん・・・、ゲームとリアルはちょっと違うと思うよ・・・?

 

「ゆ、友希那さん・・・・・・!カッコイイ~~~~~!」

 

うん、カッコイイだろうけど・・・・・・アイツのポンコツ具合覚えてるよね?

 

「白金さんも、行きましょう。限定装備が待っています。」

 

あ、ガチ勢だ。

 

「氷川さん・・・・・・本当は、欲しいんですか・・・・・・?」

 

欲しいと思うよ~。誰かさんが『超強力なアビリティ』とか言うから・・・・・・。

 

「あははは☆よーし!皆、頑張ろ~~~~♪」

 

リサ、色々頑張れー。

 

「はいはい蒼空兄、行くよ!」

「・・・・・・お前も楽しそうね。」

「心火を燃やして、クリアしてやるぜ!」

 

・・・・・・あの人、一応あこと同級生で女子だよ。

 

「っ・・・・・・。はぁ・・・、()()()()が起きなければいいのだが。」

 

これで、フラグは立ったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「今回も、大勢のお客さんが来たものだ。」

 

いくつものモニターがある部屋。その中で1人、モニターに映し出されているイベントステージを眺めていた。

 

「悪いけど、今回からはそう簡単にクリアさせないさ。」

 

部屋の中にいる人物は、悪い笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そっから、あこが率先して参加受付をしてくれて・・・・・・、

 

「コラボイベントの参加申し込み、無事終了~!皆にも地図配りまーす!」

「ありがと~。」

「あ、このタブレットはリサ姉、持っててくれる?」

 

地図って・・・。

 

「グループごとに・・・・・・専用のタブレットを貸してくれるなんて・・・・・・凄いね。」

「だな。随分と張り切ってこのイベントを開催してるのが分かるよ。あ、どうも。」

「受付の人の説明だと、タブレット(ここ)に『ミッション』が表示されるって言ってたよね?

 

・・・・・・ん?なんか鳴った。

 

「わ!タブレットになんか出てきたよ?」

「つまり、これがやるべき『ミッション』ってことだよね?」

「リサさん、なんて書いてあるの?」

「えっと・・・・・・『郷に入っては郷に従え』・・・・・・だって。」

 

えっと・・・・・・以上?

 

「それだけ!?他にヒントは?」

「・・・・・・何もなさそうですね。」

 

マジか・・・。

 

「しかし、『郷に入っては郷に従え』とは、一体どういう意味なのでしょうか・・・?」

「あれ?また何か出てきたよ。・・・・・・ってえぇ!?『制限時間:15分』!?」

「マジか!?これだけで答えろってか!?」

「蒼空兄!・・・・・・さっきの、どういう意味?」

「和美・・・・・・お前はかなり勉強した方がいい。」

 

コイツがバカなのを忘れていたよ・・・。

 

〈告。このイベントの本日のミッションを検索しますか?〉

(・・・・・・ごめん、今回は無し。これは、俺たちの手でクリアしないと。)

〈・・・・・・承知しました。〉

(その代わり、緊急の事があったらよろしく!)

 

大賢者さんとの話もついたし・・・・・・、

 

「わわっ!?なんか、いきなりカウントダウン始まってるんだけど!?」

 

・・・・・・いきなりパニクってるし・・・。

 

「てゆーか、15分しかないの!?何をしたらいいか全然分かんないよ~~~!」

「落ち着きましょう、宇田川さん。急いてはことを仕損じます。」

「急いては・・・・・・え?なんて?」

 

お嬢さん、ちょっと黙って。

 

「『郷に入っては郷に従え』・・・・・・。この『郷』とは、つまり・・・・・・この世界・・・・・・ということですよね?」

「それは間違いないと思います。」

「そういや、ここってファンタジーの世界を再現しているんだっけ?」

 

俺も、紗夜と燐子の会話に入る。

 

「は、はい・・・・・・。」

「だとしたら、私たちも『その世界の住人』として振る舞えばいい。そういう事ではないでしょうか?」

「なるほど~、確かにそれはあるかも・・・・・・。」

「つーか、絶対そうだと思うんだけど?」

「宇田川さん、こういうゲームを始めた場合、一番最初にする事とは、一体なんですか?」

「ゲームを始めて一番最初にする事は、えっと・・・・・・。」

 

『攻略情報を読む』とか?

 

「・・・・・・あ!街の人に話を聞く!」

 

あ、そっちか・・・・・・。

 

「なるほど。では、とりあえずそれを試してみましょう。」

 

え?紗夜さん?あなた、ガチ勢ですよね?なんで知らないの?

 

「間違っていたら、また別の事を試せばいいだけです。」

 

おい、俺は聞き逃さなかったぞ!!

 

「さっき宇田川さんは『失敗すると最初からになる』と言っていました。つまり、1問目で失敗する分には、ゼロに戻るだけで何度でもチャンスがある。・・・・・・そういう事になります。」

「そっか!そう言われたら確かに・・・・・・。」

「じゃ、やる事が決まったな。」

「でも・・・・・・『街の人』っていうのは?」

「多分、さっき見た・・・・・・この世界の住人を演じている、キャストの方々では・・・・・・ないでしょうか?」

「皆さん、あそこ!あそこになんか、騎士みたいな恰好の人が!」

「・・・・・・おい、向こうには執事(?)みたいな人もいるぞ。」

「あの人たちも、多分キャストの方だと・・・・・・思います。」

「なるほど~。ボク、ようやく分かったよ!」

 

長かったな・・・。

 

「オッケー。そしたら、手分けして皆に話しかけてみよ!きっと何かしらヒントが貰えるんじゃないかな?」

「確かにな。」

「あの・・・・・・リサ?1つ質問してもいいかしら・・・。私には、何が起こっているのかさっぱり分からないのだけれど・・・・・・。」

「・・・・・・あ。」

「あははは・・・・・・。」

 

忘れてた・・・。()()はすっごいゲームするのに、()()()は全然だってことを・・・。

 

「まぁ、友希那は皆と一緒にいれば大丈夫!それじゃあ、皆行こう!」

「「おおー!」」

「分かったわ。・・・・・・なるべく、はぐれないようにするわね。」

 

妹キャラ2名は元気だな~。・・・・・・友希那、迷子は()()だけにしろよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから10分。だから10行開けた。・・・・・・そろそろ『メタ発言し過ぎ』で誰かに怒られそうだな。

 

「で、皆どうだった?何かヒントは貰えた?」

「いえ・・・・・・特に何も・・・・・・。」

「俺たちもだ。」

「そっか~。アタシたちも特にヒントみたいな話は聞けなかったんだけど・・・・・・。」

 

燐子、あこ、和美のチーム。リサ、友希那のチーム。紗夜と俺のチームでキャストの人たちに聞き込みしたんだが・・・・・・。

 

「もしかしたら、まだ話を聞いていないキャストの方がどこかにいる・・・・・・とか?」

「マジで言ってます?」

「でも、このエリアにいた人には大体聞いたはずなんだけど~・・・・・・ん?んんん?あそこの建物の中、誰かいない?」

「え?・・・・・・あこ、どこ?」

「小さい和美さん、見えます?」

「失敬な!!」

「ほら。あそこの果物屋さんみたいなところ。」

「・・・・・・あ、ホントだ!暗がりでよく見えないけど、中に誰かいるみたいだよ!」

「確か、あそこは見てなかったなぁ。・・・・・・行ってみるか!」

 

・・・・・・俺、このイベントを思いっきり楽しんでるなぁ・・・。

 そして、その果物屋に到着した俺たち。

 

「あのー、すみませーん!」

「いらっしゃいませー!美味しいカットフルーツはいかがですかー?」

「こんにちは!あこたち、ちょっと聞きたいことがあるんですけど!」

「こんにちは。お話は買い物の後で。まずはお買い上げのフルーツを選んでくださいね。」

 

・・・・・・ん?

 

「多分これも・・・・・・ヒントを貰うために・・・・・・必要な手順・・・・・・なんだと思います・・・・・・。」

「そっか!なるほど!そしたらあこが買います!・・・・・・ってあれ?」

「あこ、これ見たこと無い字で書いてあるよ。」

「どうやらこれも、作り込まれた世界の一種みたいですね。」

 

随分と手の凝った事を・・・・・・。

 

「ねぇ、あこ!?どれにするの!?早くしないと制限時間が来ちゃいそうだよ!?」

「そ、そっか!それじゃあ・・・・・・あこ、このリンゴにします!!」

「ふふふ、旅人さん。それはリンゴじゃなくて『リンガ』だよ。」

「わ、言葉もちょっと違うんだ・・・・・・。」

 

俺には普通のリンゴに見えるけど・・・・・・。

 

「ボクにはただのリンゴに見えるんだけど・・・・・・。」

言っちゃったよ・・・。

 

「それじゃあ、その『リンガ』をください!」

「かしこまりました。それじゃあこの()に包んでおくね。」

 

さてと、この選択が合っているのか・・・。

 

「ところで旅人さん、この街には観光で来たの?もし観光なら、街の奥にあるお屋敷がオススメだよ。」

「お屋敷?お屋敷ってもしかしてあれかな・・・?」

「あぁ、遠くの方に見える、お城みたいな建物のこと?」

「はい、旅人さんには特に人気の観光スポットらしいですよ。」

 

あこと和美の疑問に、店員が答えた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「ん?・・・・・・皆?」

「・・・・・・あら?タブレットが反応したわよ。」

「わ!見て見て!『MISSION CLEAR』だって!!」

「やったねあこ!!」

「ってことはつまり、『街の人に話しかけて、次に行くべき場所を見つける』ってことだったわけ?」

「確かに・・・・・・RPGの一番最初にやるべき事・・・・・・ですね。」

「なるほど。『郷』は、これをRPGにしたら、ってことか・・・。」

「見てください。残り時間、あと1分でしたよ。」

「あっぶなかった~!」

「ギリギリセーフって感じ!!」

「このレベルの問題がこの後も続くってことか・・・・・・。」

「なかなか、手強いイベントだな・・・。」

 

クリア出来た人、本当に凄いと思うよ・・・。

 

「ん?またなんか出てきた!『目的の地へ向かう者、その手に徽章を掴め』・・・・・・だって!」

「きしょう・・・?何それ?」

「ボクも分からない・・・。」

「『徽章』といえば、普通は身分や階級を示すための印ですが・・・・・・。」

「確かに・・・・・・RPGでも・・・・・・紋章などが、描かれたアイテムとして・・・・・・登場しますね・・・・・・。」

「でも、この文だと、屋敷に入るための通行証って意味にならないか?」

「あの・・・ちょっと良いかな?『制限時間:60分』だって~。」

「60分か・・・。」

「それじゃあ、とにかくその『徽章』を探してみましょう!!」

「うん!ボクも皆と一緒にクリアしたい!!」

 

ゲームはしないのにな。

 

「もちろんです。限定装備は私たちのものです!」

「氷川さん・・・・・・絶対・・・・・・欲しいですよね・・・・・・?」

「やっぱりアイツ、ガチ勢だよね?ね!?」

「私には、何が起こっているのか、いまだに分からないのだけれど・・・・・・。」

 

このポンコツが・・・。

 

「いいのいいの!友希那はついてくればいいから!それじゃあ、『徽章』を探しに、しゅっぱーつ!!」

「「おおー!」」

 

相変わらず、あこと和美は元気あって、仲が良いな。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ネタバレ覚悟で読んでいる方。(ここも、いずれ消します)

今回はアタシの頭の中で『やりたい!』ってなって色々内容が浮かんでしまった番外編をお送りいたしました。・・・・・・メタ発言多かったね。


では、また次回!


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番外編:ゼロに咲く花 ~2~ (ネタバレ注意)

今回も、イベントコラボの回となります。
そして、今回も・・・・・・150行開けるので、見たくない方は今すぐブラウザバック!!






















































































































































「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、Roselia全員と和美で、体験型テーマパークに来ていた。難題なミッションの1つ目をなんとかクリアして、2つ目のミッションを開始するのだが、友希那がなんと!まい「はい蒼空兄ストップ!!」・・・・・・なんだよ?」
「この先のことは、皆にとっては未来の話だよ?」
「でも、これ投稿した時は、本編から見ると未来の話だけど?」
「・・・・・・確かに。」
「では、続きをどうぞ!」







「・・・・・・はぁ・・・。」

 

私はは1人、テーマパークの市場でため息をついていた。

 

「はぐれてしまった・・・・・・。」

 

これを、迷子と言うみたいね。

 

「全く、なんでこんなことに・・・・・・。」

 

 何故こうなったのか?・・・・・・それはほんの10分前に遡るわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こうして歩いてみると、かなり広いテーマパークですね。」

「けど、その『徽章』ってどこにあるんだろ?」

「さすがにヒント無しのただ歩き回るはしんどいぞ。」

 

紗夜がテーマパークの広さに実感していて、リサと蒼空は『ミッション』について口にしていた。

 

「う~~、なんかすみません・・・・・・。」

「あ、違う違う!別に謝ることじゃないって!」

「そうだよあこ!ボクたちもかなり楽しんでるよ!」

「リサ姉、カズミン、ありがと~~~!」

「ただ・・・・・・少し喉が渇いたわ。どこかに飲み物が買えるお店はないかしら?」

 

私はただ皆に質問しただけなのだけど・・・・・・。

 

「友希那さんの喉って言ったら、Roseliaの命みたいなものですよ!」

 

ちょっと、言い過ぎよ。

 

「あこ、ちょっと探してきます!」

「あ、あこ!ちょっと待って!!」

「リサさん、もう行っちゃったけど・・・?」

「ん~、あこ1人じゃ心配だし、アタシも行ってくる!」

「ボクも行ってくる!」

 

あこを筆頭に、リサと和美さんが飲み物を買いに行って・・・・・・。

 

「それでは、私は周りを少し見てきますね。何か手掛かりがあるかもしれませんし。」

「あ、それじゃあ・・・・・・私も・・・・・・。」

 

紗夜と燐子が、周りの散策に行くようね。

 

「それなら、私はここに残っているわ。そうすれば、リサたちが戻ってきても大丈夫でしょう。・・・・・・蒼空、あなたも行ってきてもいいわよ。」

「そうか?・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えて。」

「ありがとうございます。すぐに戻ってくるので、湊さんはここにいてくださいね。」

「お前、絶対に動くなよ!」

「行ってきます・・・・・・。」

 

こうして、紗夜と燐子、そして蒼空は周りの散策に向かった。・・・・・・なんで蒼空はあんなに釘を刺したのかしら?

 

「・・・・・・ふぅ。思った以上に大変なのね、こういうイベントって・・・。」

 

だけど、景色も良いし、たまにはこういうのも悪くないものね。

 

「・・・・・・あら?」

 

今、あそこの小道に猫が見えた気がするけど・・・・・・あまり見たことがない毛並みだったわね・・・・・・。

 

(凄く・・・・・・・・・・・・撫でたい。)

 

そんな感情に負けて追いかけたのだけれど、猫は見つからず、・・・・・・皆とはぐれて、分からない場所に来てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 やっぱり見つからなかった・・・。ん?

 

「そ、蒼空君・・・・・・?」

「どうかしましたか?」

「いや・・・・・・ここって、友希那がいて、リサたちと待ち合わせにする場所、だよな?」

「はい、そうです・・・が・・・・・・。」

「友希那さん・・・・・・いませんね・・・・・・。」

 

あのバカ!どっか行きやがった!!

 

「紗夜と燐子はリサたちに連絡!俺は先に友希那を探してくる!」

「分かりました!」

「気を付けて・・・・・・。」

 

しばらく走って、とりあえず小道の方にも入っているか調べていると、

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、お、いた!ゆ・・・きな・・・・・・。」

 

その光景に目を疑った。

 

「にゃ・・・・・・にゃーん。な、泣かないで、お嬢さん・・・・・・にゃ~ん。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

なんという事でしょう!友希那が持っていた猫のキーホルダーを使って、(多分)迷子の女の子と遊んでいた。

 

 

 

 

 

 それから数分、友希那と合流して、しばらく女の子のことを聞いていると、リサたちがやって来た。

 

「ちょっと友希那~、どこ行っちゃってたの~?あそこから動いちゃダメだって~。」

 

さすが『慈愛の女神』、優しいね~。

 

「そ、それには仕方のない事情があったのよ・・・・・・。」

 

ほほぉ~、それはどんな『猫』事情かにゃ~?

 

「それよりリサ、ちょうど困っていたところなの。」

 

はいはい、この辺の事情説明はゲームで見ていただいて(作者が面倒くさいというので)、ちょっと飛ばす!

 

「ね?ちょっとお姉さんと一緒に行こっか?」

「・・・・・・っ。」

「ちょっと、どうして私の後ろに隠れるの?」

「へ~、ちょっと意外。小っちゃい子って、だいたいリサ姉にべったりになるのに。」

「リサさん、フラれた~。」

 

こらこら和美、煽るな煽るな。

 

「もしかして・・・・・・友希那さんのカバンに付いてる、猫のキーホルダーが・・・・・・気になるんじゃないですか・・・・・・?」

「こ、これ?・・・・・・ええ・・・・・・この子、猫が好きみたい。」

 

まぁね・・・・・・ちょっとした『猫』事情があんのよ・・・・・・。

 

 さてね、面倒くさい(※メタ発言)からこの辺もカット。じゃ、友希那が迷子の子を親に渡しているシーンからどうぞ。

 

「見て見て、友希那もすっごい嬉しそうな顔してるよ!」

 

・・・・・・結構飛ばしたと思ってるだろ?・・・・・・俺もだ。

 

「ご両親がとても感謝していたわ。皆にもお礼を言ってほしいって。」

「ん?その手に持ってるものは何?」

「これはあの子がくれたの。花のブローチね。」

「わ~、すっごい可愛いじゃん!んん?真ん中に猫のシルエットが描いてあるよ。」

「え?・・・・・・あ、ホントだ。」

「やったじゃん、友希那~。猫だよ~。」

 

・・・・・・『慈愛の女神』っていうか、ただのからかいギャルになってる・・・。

 

「・・・・・・もう!」///

 

ほ~ら、顔を赤くしちゃったじゃん!

 

「あ、それとあの親子もイベントに参加していたそうなのだけれど、『諦めて帰るから』と、これも・・・・・・。」

「それは・・・・・・地図でしようか?」

「ボクたちが持っているのと少し違う気がするけど・・・・・・。」

「ホントだ!周りにさっきの果物屋さんで見た変な文字が書いてあるよ!」

 

え?・・・・・・本当だ。

 

「ん?ここのところ見て!」

「もしかしたら・・・・・・これは『徽章』を意味しているのでは・・・・・・ないでしょうか?」

「そうだよ!絶対そうだと思う!!」

「つまり、この地図の場所に行けば『徽章』が・・・・・・ある!」

 

やっと答えが見えてきたな。

 

「わー!やっぱり友希那すごーい!大活躍じゃん!」

「そうなの?全く分からないけれど、皆が喜んでいるということは、良い事のようね。」

 

いやいや!ただただ『猫を追っかけてきた』だけの人間を褒めて良いの!?

 

「時間はあと15分。この場所に急ぎましょう!」

 

紗夜の掛け声と共に、地図で記された街外れの場所に来た俺たち。おおよその場所は来たけど、後は目的地を探すだけだった。

 

「あれじゃ・・・・・・ないですか・・・・・・?あそこの、大きな扉・・・・・・。」

「わ、すっごいおっきな扉。巨人でも出入りしているのかな?」

 

近付いて確認したり、あこが扉を開けたりする。・・・・・・俺と和美が開けようとすると、ちょっと・・・・・・テーマパークのスタッフさんたちを困らせるから止めておく。

 

「ダメだ~、全然この扉開かないよ~?看板もあの変な文字で読めないし・・・・・・。あこたちなんか間違っているのかな~?」

「それは考えにくいよ、あこちゃん・・・・・・。このルートしか、選択肢は・・・・・・なかったと思う。」

「なんか、燐子のゲーマーの血が騒いできちゃった?」

 

おいギャル、その横のストイックお嬢さん見てみなさい。開幕当初からゲーマーの血が騒いでいるから。

 

「ねぇ!見て見て!タブレットになんか表示されたよ!えっと・・・・・・『合言葉を入力せよ』だって!!」

 

へ~。・・・・・・おい、ひらがなのボタンまで出てるけど!?

 

「・・・・・・なるほど。この扉を開けるためには、そのタブレットに『合言葉』を打ち込まなければいけない、とういことね。」

「でもさ、見たところ『4文字』、『4文字』の合計『8文字』打ち込まないといけないけど、そんな合言葉知らないぞ?」

 

「・・・・・・ふぅ~。よく分からないけれど、私は少し疲れたから休憩するわ。」

「・・・・・・マイペースだな~。」

「仕方ないじゃない。」

 

開き直らないの。

 

「あ、そういえばあこ。飲み物はあったのかしら?さっき探しに行ってくれたけれど・・・・・・。」

「あ!そうでした!それが、すみません・・・・・・結局、見つからなくて・・・・・・。」

「そうそう、意外となかったんだよ・・・・・・。」

「あ!それじゃあ、あれは?さっき貰ったリンゴ・・・・・・じゃなかった『リンガ』・・・・・・だっけ?あれを食べたら?」

 

そういや、お前のカバンの中にあったな。・・・・・・俺と和美はカバン持ってないよ。

 

「ありがとう、リサ。これで少し喉も潤いそうね。」

 

蒼空兄、リンゴ(?)って喉潤せれるの?

知るかよ・・・・・・。

 

「・・・・・・あら?その包み紙・・・・・・。ちょっと見せてくれますか?」

「ん?どうしたの?」

「そこに何か書いてあります。それってもしかして・・・・・・。」

「・・・・・・あ、ホントだ!ここにあの変な文字が書いてあるよ!!」

「しかも文字数が一緒!」

「わわわ!それだよ!絶対それが合言葉だよ!!」

「やっぱりそうだよね!!友希那すご~~~い!!友希那のおかげでまた一歩前進したよ!!」

「そうなの?私にはよく分からないけれど・・・・・・。」

 

分からない事にはもう何も言わない。・・・・・・言うとすれば、あのギャルだ。甘やかしすぎるだろ!?

 

「私は最初に貰った地図で、飲み物が売っていそうな場所を探しているわね。」

「自由だな・・・・・・。」

「あの・・・・・・ただ1つ、問題が・・・・・・あります・・・・・・。」

「ですね、白金さん。」

「え?何、問題って?」

「どうした廃人ゲーマーズ。」

「そ~ら~に~ぃ~?」

 

ごめんごめん、悪いとは思ってないけど。

 

「ここに書いてあるのは、あの謎の文字。しかし、タブレットにあるのは、『ひらがな』です。つまり・・・・・・。」

「その文字を・・・・・・解読しないと・・・・・・いけない。」

「ん?・・・・・・ねぇ皆!制限時間があと5分切っちゃったよ!」

「おいおい、早くしないと!」

「何かひらがなと、この文字が対応している物があるといいのですが・・・・・・。」

 

「・・・・・・あれ?蒼空兄、いつもならなんか答え言うのに今日は静かだね。」

「今は『大賢者さん』には頼らないようにしてるんだ。・・・・・・こういうのは、自分たちの力で解かないと。」

「それもそーだね。」

 

「せめて・・・・・・あの看板だけでも、解読できれば・・・・・・。」

 

だけど、必死に考えても、そんな答えはどこにも・・・・・・。

 

「ねぇ、リサ。今いる場所は『巨人の店』という場所かしら?」

「うん、多分そうじゃないかな?あの扉の大きさからして、間違いないと思う・・・・・・けど・・・・・・って、ええ!?」

「なんで、この店の名前を湊さんが知っているんですか?」

「失礼だけど、紗夜に1票!」

「追加でボクも!」

「知っているも何も、最初に貰った地図にそう書いてあるじゃない。」

 

『えぇ!?・・・・・・ホントだ・・・・・・。』

 

全員ビックリ!・・・・・・最初、あまり地図を使わないミッションだったからなぁ~。

 

「さっき手に入れた地図には、全てあの謎の文字で書かれていました。」

「だとすると、この2枚の地図を照らし合わせれば・・・・・・、」

「この文字が・・・・・・読める・・・・・・!」

 

それじゃあ、この辺は原作キャラたちに任せて・・・・・・。

 

「和美。」

「ん?どしたの~?」

 

俺は和美を呼んだ。

 

気配を感じる。ちょっと構えとけ。

「ん?・・・・・・ボクも感じた。アレだね。

頼むぞ。

 

「わ!扉が開いたよ!!」

 

お、()()()の打ち合わせが終わったらそっちも開いたんだ。グッドタイミ~ング!

 

「・・・・・・見て見て!中になんかあるよ!」

「どうやらそれが『徽章』で間違いなさそうですね。」

「やったーーー!!『徽章』ゲットーーー!!」

「おおお!!『MISSION CLEAR』だって!!」

「あこ、やったね!」

「うん!これでまま限定装備に近付いたね、りんりん!!」

 

「やったな、紗夜。限定装備に近付いて。」

「な、何故桐生さんは私にだけ言うのですか!?」

 

「それもこれも・・・・・・友希那さんの、おかげです・・・・・・。」

 

紗夜をからかってる間に友希那を褒める燐子様。この人はただのまぐれでここにいるのよ。

 

「やっぱり友希那さんって凄いな~~~♪」

 

だから、その『友希那さん』はただのまぐれでここにいるんだって!

 

「ふぅ・・・・・・少し疲れたわ。」

 

ほ~れ!!こう言ってるでしょ!!

 

「・・・・・・ん?また出てきた!なになに~?・・・・・・何これ?」

「ん?どうしたリサ。」

「なんか、『緊急MISSION』って出てるんだけど?」

「『緊急MISSION』?・・・・・・『5分間徽章を守り抜け』って・・・・・・。」

「一体、どういう事かしら・・・・・・?」

 

「それは、こういう事だ!!」

 

「ん?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

出口付近を見ると、全身白い・・・・・・()()みたいな奴がいた。俺はコイツが何者かすぐに分かったが。

 

「我から5分間、その『徽章』を守りきれば、このMISSIONはCLEARとなる!さぁ、覚悟しろ!!」

「・・・っ!あこ!」

「宇田川さん!!」

「わわっ!?」

 

白い奴があこ目掛けて走ってきたが、俺は・・・・・・、

 

「よっと!・・・・・・フッ!」

「イテッ!?」

「・・・・・・大丈夫か?あこ。」

「・・・・・・っ!蒼空兄~~~!!」

 

あこの前に立ち、回し蹴りを決めた。

 

「君~!キャストを蹴るとは、どういう神経をしてるんだ!?」

「それはこっちのセリフだ!キャストが()()()()()になって客を襲うなんて、どういう神経してるんだ!?」

 

『えぇ!?』

 

「蒼空君、それってどういう事!?」

 

燐子さん、めっちゃ勢いのある言い方だね。・・・・・・俺だけに対して『・・・・・・』が無いのは、本編で確認して。

 

「参加した時から感じてはいたんだ、『ドーパント』の気配を。」

「き、貴様・・・!?」

「和美!」

「うん!」

 

さて、こっからは作者さん!実況を頼むよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 はいはい、それじゃあやりますよ!

 

 蒼空は『ビルドドライバー』を、和美は『スクラッシュドライバー』を取り出し、腰に巻いた。そして、それぞれの基本フォームになるボトルとゼリーを取り出し、

 

『ジード!』『スペシウム!』
『ロボットゼリー!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「「変身!!」」

『覚悟のスペシウムジード!
『潰れる!流れる!溢れ出る!   

 プリミティブ!イエーイ!』
ロボット イン グリス!ブラァ!』

 

2人はそれぞれ、『仮面ライダージード プリミティブフォーム』と『仮面ライダーグリス』に変身した。

 

「なっ!?貴様らも同類か!?」

「んな訳あるか!?・・・・・・さぁ、実験を始めようか?」

「心火を燃やして、ぶっ潰す!」

 

決め台詞を言った2人のライダーはすぐさまドーパントに挑む。

 

「オラッ!ハッ!」

「ハァ!よっと!オリャッ!」

「ぐっ!?・・・・・・同類でなければ、なんだと言うのだ!?」

「あぁ!?何言ってんだテメェ・・・!?」

「『仮面ライダー』だよ。・・・・・・俺の方は『魔王』って言った方が分かりやすいか?」

「仮面ライダー?・・・・・・魔王!?・・・・・・なんだそれは!?」

 

(ん?・・・・・・なんでコイツ、知らないんだ?)

 

「訳が分からん!」

 

ドーパントはすぐさま自身の頭上にいくつもの氷の槍が現れ、

 

「っ!?」

「マジかよ・・・!?」

「食らえ!!」

 

それらが一斉に、ジードとグリスに向け、放たれた。

 

「多すぎだろ!?」『ジードクロー!』

「対処しきれねぇ!!」『ツインブレイカー!』

 

2人は武器を取り出し、ジードは『ジードクロー』で斬りつけて破壊、グリスは『ツインブレイカー ビームモード』で撃ち落していた。・・・・・・が、

 

「・・・・・・これで、どうだ!!」

「「っ!?ぐわぁ!!」」

 

真っ直ぐに放たれた氷の槍に気づかずに、その一撃を受けてしまった2人。

 

「桐生さん!!」

「カズミン!」

 

「ちっ!・・・・・・和美、俺が隙を作る。その隙にこれで。」

「おっと!?・・・・・・オッケー!」

 

ジードが渡したのは『ラビットタンクスパークリング』だった。そんなジードは紫色と黄色のボトルを取り出し、

 

『忍者!』『コミック!』『ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

『ニンニンコミック!イエーイ!』

『分身の術!』

 

『ニンニンコミックフォーム』になって、『4コマ忍法刀』の能力である分身を行い、ドーパントを翻弄する。

 

「な!?増えた、だと・・・!?」

『火遁の術!』

「これで、どうだ!!」『火炎斬り!』

「ぐっ!?」

 

そのまま刀に炎を纏わせ、ドーパントを斬りつける。

 

「和美!!」

「おう!」

『Ready Go!』

 

グリスは、ジードから預かった『ラビットタンクスパークリング』を『ツインブレイカー ビームモード』にセットして、技を放つ。

 

「お返しだゴラァ!!」

『レッツフィニッシュ!』

 

ラビットタンクスパークリングは、強大な力が秘められている『ギガファイナライザー』の残留物質に『ラビット』と『タンク』の成分を合わせた強化アイテム。

 その力を使った攻撃は、泡を何発も撃ち込む攻撃となり、ドーパントはかなりダメージを受ける。

 

「ぐっ!?・・・・・・なんだ、その力は・・・!?」

 

「カズミンすごーい!」

「さすが、朝倉さんですね!」

「ありがとー!」

「・・・・・・ん?なぁ!俺は!?」

「蒼空兄、ほれ。」

「あ、はい。・・・・・・誰か俺も褒めてよ・・・。」

 

悲しみつつ、ジードはグリスから返してもらった『ラビットタンクスパークリング』を使って変身する。

 

「ビルドアップ・・・。」

『ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!!』

 

「まぁ、蒼空はね・・・・・・。」

「いつもながらに凄いから、慣れちゃってね~。」

 

・・・・・・書くのが面倒くさいから、音声は一部カットしました。

 ジードの『褒めて』に関しては友希那とリサがボソッと答えた。

 

「・・・・・・蒼空兄。悲しんでないでさ、行くぞ!!」『ツインブレイカー!『アタックモード!』』

「誰か褒めてよ・・・・・・。」『ドリルクラッシャー!』

 

グリスは『ツインブレイカー アタックモード』を左右に持ち、ジードは『4コマ忍法刀』を左手に持ち換え、『ドリルクラッシャー』を右手に持って・・・・・・悲しみながらドーパントに挑む。

 

「オラァ!!まだまだ足りねぇぞー!!」

「はぁ・・・、気を取り直して行くか。よっと!ハッ!ハァ!!」

「ぐわあぁぁぁ!!」

 

ジードとグリスはそろそろトドメを決めようとし始めた。ジードはドライバーのレバーを回すために、武器を投げ捨てた。グリスはそのまま武器を持っているが。

 

「和美、決めるぞ!」

「おう!」『スクラップフィニッシュ!』

『Ready Go!』

「・・・・・・くっ!?そろそろか・・・!」

 

ドーパントは周りに氷を出し始めるが、それが完成する前に決めようとするジードとグリスは飛び上がり、

 

「「ハァァ!!」」『スパークリングフィニッシュ!』

 

ライダーキックは決まったが、それは・・・・・・

 

「フッ!・・・・・・ん?」

「あぁ!?・・・・・・いねぇ・・・。」

 

ドーパントが出した氷の身代わりだった。

 

「・・・・・・逃げられたか・・・。」

「どうする蒼空兄。これ、スタッフさんたちに言う?」

「いや、・・・・・・これは俺に任せてくれ。」

 

ジードたちは変身を解いて、Roseliaの下に行く。

 

「リサ、MISSIONはどうなってる?」

「え?・・・・・・あ、更新されてる。『LASTMISSION:お屋敷のパーティを開催せよ』だって。」

「あ、ホントだ!」

「でも・・・・・・蒼空君、どうするの・・・・・・?」

「このまま続けよう。俺たちがこれを全てクリアすることは、アイツらにとって一番悔しいことだろうからな。」

「ですが!」

「心配するな。その辺は、お任せあれ。」

 

こうして蒼空たちは、このままイベントを続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、蒼空~。ちょっと頼みたいことがあるんだけど~・・・・・・いいかな?」

「口を猫にしてどうした、ギャル?」

 

 

 

 

 




いかがでしたか?ネタバレ覚悟で見ている方?・・・・・・これも後で消すけど。
ようやくライダーが入れました。・・・・・・ツインブレイカーにスパークリングセットしたら、相当なことになりそうだよね。

それから、ドライバー音声が一部抜けてますが、これは『わざと 』です。・・・・・・原作でもあったでしょ?


では、また次回!


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番外編:ゼロに咲く花 ~3~ (ネタバレ注意)

今回もです。・・・・・・書き飽きたから察して。150行以内に見たくない奴は帰れ!

言葉悪くてすいません。





















































































































































「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、Roseliaのみんなと和美の7人で、体験型テーマパークのイベントに挑戦していた。難題なMISSIONとドーパントに苦戦しつつも、俺たちは遂にラストミッションに挑むのだった。」
「・・・・・・あらすじ紹介の内容薄いね。」
「仕方ないだろ。散々メタ発言もしてるからな。」
「これ、投稿日から考えて本編よりだいぶ先の話だけど、これのせいで『メタ発言』ってタグが追加されちゃうよ?」
「まぁ・・・・・・追加させたかったら感想欄で言ってくれればいいだろ?そしたら作者も『仕方ない、入れるか・・・。』って入れるだろうから。」
「・・・・・・こんな事ばっか言ってるから怒られるんだよ。それじゃ、本編どうぞ!」
「誰か前回の戦い褒めてーーー!!」







 さて、・・・・・・また俺がナレーション?・・・・・・はい、やります。

 

 俺たちはLASTMISSIONのため、屋敷に来ていた。

 

「ここがお屋敷の中か~。天井高~い!」

「ホント、良く出来てるよね~。」

 

和美様、あなたは何様のおつもりで?

 

「あの、蒼空君。」

「ん?どうした、燐子。」

「さっきの件、本当に大丈夫?」

「任せとけって。誰も褒めないから、ここで頑張るしかないでしょ?」

「まだ、引きずるんだ・・・・・・。」

 

ほっとけ!!

 

「でも、ここでパーティを開催するってどういう事なのかなぁ?」

「皆、向こうで誰かがこっちに向けて手を振ってるけど?」

「あれはキャストの方・・・・・・でしょうか?」

「あ、ホントだ!メイド服着てるよ!すっごく可愛いね!!」

 

「桐生さん、メイド服ですよ。」

「なんで俺に言うのさ?」

「男性はああいうのが好きと聞きましたので。」

「残念ながら、あれよりインパクトの強いメイドを見たことあるから、なんとも思わないよ。」

「・・・・・・そうですか・・・。」

 

へっへ~!残念で~した!

 

「お客様。あまりに来るのが遅くて待ちくたびれてしまいましたよ。」

「お客様がパーティの準備をお手伝いしてくれる方達ですね?」

 

「え?これは・・・・・・どういう事?」

「おそらく・・・・・・この方達からの注文をこなせば、パーティの準備が整う、という設定なのかもしれませんね。」

「なるほど・・・・・・。」

 

なんとなく分かった。・・・・・・俺は。

 

「ん~・・・・・・ごめん。やっぱりよく分からない。」

 

でしょうね。その間が答えだ。

 

「友希那は分かる?」

「おいおい、リサさん・・・・・・?」

「私に、分かるはずないじゃない。」

「でしょうね~。」

「蒼空兄、煽らないの。」

 

「それではご案内させていただきます。」

 

あ、はい。

 

「まずは厨房から。」

 

ってことで、厨房に来たけど・・・・・・

 

「ここが厨房か~。お鍋とか食器が並んでて本物っぽいね!」

 

「こちらでは料理についてのクイズに答えてもらうわ。それに答えられたら、パーティの準備の1つ目はクリアよ。」

 

蒼空兄、ずっと気になってるんだけど・・・・・・こっちのメイドさんってとげとげしてるよね~?

あぁ。・・・・・・夜華ほどではないけど、『The・メイド』って感じじゃないな。

「ちょっと、お2人さ~ん?」

 

「問題は全部で10問になります。1つでも間違えたら、この課題は失敗とみなします。」

 

「え?全問正解って、それちょっと厳しすぎない!?」

「そーだそーだ!」

「今井さん、朝倉さん、今更ルールに文句を言っても仕方ありません、私たちはそれに従うだけです。」

 

それもそーだ。

 

「それにこっちには料理の得意なリサ姉がいるんだもん!絶対大丈夫だよ!!」

「う~、プレッシャーが半端ないんだけど・・・・・・。」

 

リサ姉ガンバ!

 

「けど!まぁ紗夜の言う通り、ルールに文句を言っても仕方ないもんね・・・・・・!」

 

「・・・・・・蒼空、今日は随分と大人しいわね。いつもなら答えを先に言うのに。」

「今はこの力を使わないようにしてるんだ。こういうのは、自分たちの力で突破しないと、な?」

「・・・・・・そうね。」

 

「よし!頑張ろう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分が経った。現状は・・・・・・。

 

「リサ姉、やっぱり凄い!!8問目まで全部正解だよ!」

「リサさん、あとちょっと!頑張って!!」

「う~ん、さすがに9問目ともなると難しい問題になってくるな・・・・・・。けど・・・・・・うん!多分これはBだと思う!」

 

おっ?これが噂のBの力か?

 

「・・・・・・って間違えたらゴメン!」

「今井さんなら・・・・・・大丈夫です。自分を・・・・・・信じてください・・・・・・!」

「・・・・・・うん、分かった、それじゃあ、自分を信じてB!!えい!」

 

\ピンポーン!/

 

「やったーーー!!凄い、凄いよリサ姉!!次、正解したらこの課題はクリアだよ!!」

「もう神がかってるね!」

 

・・・・・・和美さん、『神がかってる』って何?(※作者はその作品をタイトルと表紙等で見るキャラしか知りません)

 

「ふぅ~、良かったぁ~~!もう心臓が破裂しちゃいそうだよ~・・・・・・。」

 

それは止めて!?

 

「次がいよいよ・・・・・・最後の問題、ですね・・・・・・。」

「・・・・・・あ、出たみたい。えっと、最後の問題は・・・・・・って、え?何これ・・・・・・?」

 

え?

 

「こ、これはちょっと・・・・・・分からないかも・・・・・・。」

「・・・・・・え?どうしちゃったの、リサ姉?」

「それが、『ジャガイモを、最も美味しくふかす際の正しい手順を選択せよ』・・・・・・って問題なんだけど・・・・・・。」

「なんだそれ?・・・・・・あ。」

 

ヤッベ!心の声が漏れてた!

 

「時間とか、温度とか、とにかく細かくって・・・・・・。こんなこと今まで一度も考えたことないって・・・・・・。」

「確かに、これは問題として成立していませんね。そもそも『最も美味しく』など、個人的な感想ですし。はっきり言って、答えようがないと思います。」

 

「蒼空兄、思いっきりハッキリ言ったね・・・・・・。」

「あぁ、さすが風紀委員だ・・・・・・。」

 

「そ、そうだよ!これは抗議しようよ!コーギ!」

 

え?コーギー?

 

「え?コーギー?」

「カズミン違うよ!コーギ!」

 

ほら~、口に出すから・・・・・・。

 

「それはダメよ。」

「え?友希那さん・・・・・・?」

 

急に口を出してどうした!?

 

「問題に不備があるとはいえ、ルールはルール。今更それを言っても仕方がないわ。そう言ったのはあなたよ、紗夜。」

「それは確かに言いましたが・・・・・・。」

 

何故マジメモードに?さっき散々『分からない』って言ってたの──はい、黙ります。(※圧に負けた)

 

「私たちはRoselia。今までどんな逆境に立ったとしても、必ずそれを乗り越えてきた。今回だってそれは同じよ。」

「友希那さん・・・・・・。」

 

うん・・・・・・うん、そうかもしれないけど、これはゲーム──はい!黙ってます!!(※圧に負けた)

 

「この問題は、紗夜・・・・・・あなたが選びなさい。」

「わ、私、ですか・・・・・・?」

 

「「何故!?」」

 

「ベースのコード進行が崩れた時、真っ先に手を差し伸べるのは、ギターであるあなたの役目よ。」

「・・・・・・っ!?」

「それに・・・・・・ジャガイモ料理に関する問題なのでしょう?・・・・・・答えられるのは、あなた以外にいないわ。」

「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」

 

どうしよう、俺と和美だけこの展開についていけない。・・・・・・いや、内容は分かるけど・・・・・・分かりたくない、かな?このボケの嵐に飲まれたくない気がして・・・・・・。

 

「あ、あの・・・・・・友希那・・・・・・?『ふかし芋』と『フライドポテト』だと・・・・・・話が全然違うんだけど・・・・・・?」

 

「「お、救世主がいた!!」」

 

「どちらも同じジャガイモ料理。大差ないわ。」

 

「「少しくらいあるわ!!」」

 

「い、いや、けどね──」

「今井さん・・・・・・大丈夫です。私が・・・・・・答えます!」

「えぇぇぇぇ!?な、なんかやる気になってる・・・・・・!」

 

「「なんで!?」」

 

「今井さんのピンチを救えるのは、私しかいません。」

 

「カッコイイ!・・・・・・けど・・・・・・ね~・・・・・・。」

「あぁ、この展開でそれは・・・・・・。」

 

「も、もうこーなったら、紗夜さんを信じるしかないよね。りんりん!」

「氷川さん・・・・・・頑張って、ください・・・・・・!」

 

「「・・・・・・もう、知ーらね。」」

 

「必ず・・・・・・限定装備、手に入れましょう!」

「いい笑顔だわ・・・・・・。」

 

ホント、清々しいほどにな・・・・・・。

 

「やっぱり・・・・・・欲しかったんですね・・・・・・。」

 

当たり前ですよね・・・・・・。だって、ゲーマーだもん!

 

「待ってなさい、限定装備・・・・・・!」

 

そんなセリフ、滅多に聞かんわ!!

 

「この問題・・・・・・正解は・・・・・・これよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ピンポーン!/

 

あ、当たった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

『ご報告です。警戒していましたグループが、LASTMISSIONの1つ目をクリア。』

『いかがなさいますか?』

 

テーマパーク内の・・・・・・蒼空たちがやっているイベントのステージのみが映されているモニター室では、管理人みたいな者が、配下からの連絡を聞いていた。

 

「・・・・・・やむを得ん。何が何でもクリアさせるな。」

『『はっ!』』

 

部屋の中では、不吉な言葉が聞こえていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・そういう事でしたか。」

 

そして、管理人が気付かない所で、女性が1人・・・・・・。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 なんと、紗夜の見事(で偶然だろうけど)正解した事で、次のステージに向かっている俺たち。

 

「紗夜さん、ホント凄かったです!!よくあの問題を正解出来ましたね!!」

「ホントホント!やっぱアタシたちって持ってるよね~!」

 

ホントホント・・・・・・ドキドキし過ぎた・・・・・・。心臓に悪いよー・・・。

 にしても、Bの力ってスゲー。・・・・・・本当にBなのかは知らないけど。え?なんでって?そりゃあゲームだと何も言わなかったからさ!!とりあえず『Bの力』って言っとけばなんとなく察するだろ!?(※逆ギレ)

 

「お客様、喜んでいるところ悪いけど、次の課題はここよ。」

 

・・・え?ここ?廊下がステージなの?

 

「廊下にたくさん扉が並んでいますけど・・・・・・どんな課題なのでしょうか?」

 

「この扉の1つがパーティルームにつながる書庫となっています。その扉を当てる、というのがここでの課題です。」

 

「なーんだ!そんなの簡単じゃん!だってただ選べばいいだけでしょ!?」

 

あこさんあこさん、そんなフラグ立てると後が怖いよ~!

 

「ただしチャンスは2回まで、その2回で当てられなかった場合、この課題は失敗となります。」

 

「え?2回だけ!?」

「ボク、ざっと見た感じ、扉は20くらいあるんですけど!?」

 

ほら~!こうなった~!!

 

「うわ~、かなり厳しいけど・・・・・・ま、ルールはルールだもんね。」

「だな。・・・・・・諦めてどれが正しい扉か考えるか。」

「ここはあこ・・・・・・あなたが選ぶべきよ。」

「え!?あこ、ですか!?な、なんであこなんですか!?」

 

「まーた始まったよ・・・。」

「感が良いのか悪いのか、ボクには分からないよ・・・。」

 

「あなたがバンドを始めた時、あなたはライブハウスに出演する多くのバンドの中から、このRoseliaを選んだ。あなたのその目に、間違いはなかった・・・・・・。」

 

うわ~、感動的なセリフ~!・・・・・・ここで言うことか?

 

「あなたならきっと、正しい選択が出来る。・・・・・・違うかしら?」

「ゆ、友希那さん・・・・・・!!」

「確かに・・・・・・。アタシも友希那の意見に賛成だな~。あこ、お願い!」

「むぅ~~~、そこまで言われちゃったら・・・・・・。ここは、あこが頑張るしかないよね!!」

 

「・・・・・・本当に友希那の意見に乗るよね~、Roseliaって。」

「あこ、頑張れー!!」

「お前もかよ・・・・・・。」

 

「あこちゃん・・・・・・頑張って!」

「うん!任せてりんりん!あこ、絶対に正解の扉、選ぶからね!!」

 

はい、大きな深呼吸をして・・・・・・。

 

「我に──」

 

面倒だから、この中二台詞はカットな。

 

「見えた!!そこだ~!ソイヤーーーーー!!」

 

うわっ、本当に当てやがった!?

 

「あこちゃん・・・・・・凄かったよ・・・・・・。本当に・・・・・・カッコ良かった・・・・・・。」

「でしょ~!なんかね~、扉が1つだけ光って見えた感じがしたんだ!」

 

「・・・・・・蒼空兄、ボクもあこみたいに中n「止めとけ。後々痛い目に合うから。」

 

そんな、喜んでいる最中に話しかけるメイドのスタッフさん。タイミングが良いのか悪いのか・・・。

 

「おめでとうございます、お客様。いよいよここが最後の課題となります。」

「今日ここまで来たのは、お客様たちが初めてよ。」

 

「えー、本当に!?なんか今日のあこたち、神がかってない!?っていうかひょっとしたらそれ以上かも!!鬼がかってるって感じ!!」

 

何それ?

 

「それはよく分かりませんが、ここは一体・・・・・・?」

「部屋の中央に大きなテーブルが1つだけ。確か『最後の課題』って言ってたけど・・・・・・。」

「蒼空兄、テーブルの上に食器が並んでるよ!なんか、フレンチレストランみたい!」

「・・・・・・わ、タブレットになんか表示された!・・・・・・え?なにこれ?」

「どうした?」

「なんか、料理のメニュー表みたいなのが出てきたけど・・・・・・。」

「『本日のコース』・・・・・・と、書いてありますね・・・・・・。」

 

それだけ?

 

「それでは、最後の課題。よろしくお願いします。」

 

それだけ言って出ていくメイドのスタッフさんたち。

 

「え?何なに??」

「なんか、出てったけど・・・・・・。」

 

うん?またタブレットが反応した。

 

「『制限時間:10分』って、何これ!?どういう事!?意味が分かんないって!!」

 

え!?マジでヒント無し!?

 

「もう最後の課題は始まってるの!?」

「ってか、何をしたらいいか全く分かんないんだけど!?」

「とにかく落ち着きましょう。特に今井さん。」

 

名指しかよ。

 

「あなたはRoseliaの支柱。あなたが乱れると皆が乱れます。」

「そ、そっか。そうだよね・・・・・・!」

 

ナイス、紗夜。・・・・・・さて、()()()()()()()()()

 

「えっと、そしたらとりあえず・・・・・・この部屋の中、調べてみよっか?今までの感じだと、ここになにかしらヒントがあると思う。」

「うん、分かった!」

 

「・・・・・・っ!」

「ん?蒼空兄?」

「蒼空、大丈夫かしら?」

「え?・・・・・・あぁ、問題ない。」

 

今は、だいぶ頑張んないとな・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 一方、蒼空たちがいる部屋の扉の前では、

 

「・・・・・・行くわよ。」

「えぇ。」

 

2体の、()()()()()()()()()()()2()()が、何かをしようとしていた。

 だが、そんな2体の前を、

 

\ヒュン!/

「っ!?・・・・・・危ないな・・・!」

「誰!?」

 

1本の()()()()が通り過ぎていって、()()()()()()()()がタイミング良く現れ、剣をキャッチする。

 

「・・・・・・あなた方より、メイド力が高い者でございますわ。」

「っ!?」

 

「さっすが夜華さん!タイミング良いな~!」

 

「「っ!?」」

 

2体が別の声がする方を見ると、現在部屋の中でミッションをこなしているはずの蒼空だった。

 

「何故貴様がここに・・・!?」

「中でミッションをしているのは、俺の本体。今、お前たちの前にいる俺は、ただの分身だ。」

「なんですって・・・・・・!?」

「夜華、行くぞ!」

「かしこまりました。」

 

蒼空の掛け声で、2人はドライバーを巻き、

 

『フレイム!』『パワーコード!』
『バスター!』『エメリウム!』

『ベストマッチ!』   

「「変身!」」

『パワーコード・イン・イグニス!オラァ!』
『マグニフィセント!イエーイ!』

 

夜華は『仮面ライダーイグニス パワーコードモード』に、蒼空は『仮面ライダージード マグニフィセントフォーム』に変身した。

 

「夜華、頼む!」

「承知しました。フッ!」

 

ジードの合図で、イグニスは自身の影を2体の怪人:ドーパントとジードにまで広げ、そのまま自分も一緒に影の中に入る。そのまま、外に通じるようにして、ドーパントたちを影から押し出す。それを追うようにジードとイグニスも影から出てくる。

 

「これなら、戦いやすいだろ?」

「お覚悟は、よろしくて?」

 

ジードはドーパント2体のうち、鉄球を持つ方に挑む。イグニスは何も持っていない方と戦う。

 

「フッ!ハッ!」

「くっ!?わたしのパワーと同等ですって!?」

 

鉄球に対して『ジードクロー』で対抗するジード。・・・・・・そもそも、『マグニフィセントフォーム』はジード内では初期の強化フォームなため、かなり能力が高い。

 

 

 

「フッ!ハッ!」

「・・・・・・その程度ですか?」

 

イグニスと戦っているドーパントは、風の刃をイグニスに投げ飛ばして戦っているが・・・・・・『パワーコードモード』のイグニスは名前の通り他のフォームに比べて力自慢のフォームのため、その程度の攻撃ではビクともしない。

 

「それでは、行きますよ。」

 

先程投げた剣:『ビートクローザー(イグニスカラー)』を手に持ち、ドーパントと戦う。

 

 

 

「コークスクリュージャミング!」

「くぅぅぅ・・・・・・ぐはっ!?」

 

ジードは『ジードクロー』の技の1つを発動し、ドーパントに大ダメージを与える。

 

『ヒッパレー!』

 

「フッ!」『スマッシュヒット!』

「きゃっ!?」

 

イグニスも『ビートクローザー』の技の1つを発動し、ドーパントを圧倒する。

 その後、2人は並び、

 

「主様、そろそろ・・・・・・。」

「だな。このままならミッションが終わる前に倒せそうだ。」

「ですわね。」

 

ジードは2本ボトルを、イグニスはクラックボトルの底部に半円の形が付いた特殊な形のアイテムを取り出した。

 

『ジード!』『キング!』『ベストマッチ!』

 

ジードは2本のボトルをそのままセットして、ドライバーを回す。

 

『エクシード!』『サイバースドラゴン!』

 

イグニスは半円に描かれたイラストを左に動かし、ボトルの蓋を正面に合わせる。そのままドライバーにセットして、

 

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『ロイヤルメガマスター!イエーイ!』

『エクシード・イン・イグニス!オラァ!』

 

ジードは『ロイヤルメガマスターフォーム』、イグニスは『エクシードドラゴンモード』にフォームチェンジした。

 

「ひれ伏せ!彼こそは、『仮面ライダージード ロイヤルメガマスター』!究極の存在である『キング』に、破壊の『ベリアル』、創造の『ビルド』。3つの力を1つにし、未来を切り開く究極の王者である!!」

「「「・・・・・・・・・・・・。」」」

 

イグニスの唐突な発言に、この場には沈黙が訪れた。

 

「・・・・・・ん?」

「・・・・・・あの~夜華さん、それ恥ずかしいから止めてくんね?」

「何を言いますか!そのお姿は主様が──「はいはい分かった分かった!分かったからとっとと倒すぞ!」・・・・・・ネタバレ覚悟で読まれている方は初めて読むと思いますが。」

 

ジードは『キングソード』を、イグニスは『ビートクローザー』を構えてドーパントたちと対峙する。

 

「フッ!・・・・・・ハァ!ハッ!ハァア!!」

 

ジードは優雅な戦い方でドーパントを圧倒する。

 

「くっ!なんなの、こいつ!?」

「どうされましたか?」

 

一方、イグニスの周りにはX状の光の物体があり、それが敵の攻撃を防いでいた。

 

「そろそろ決めませんとね。」

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

「フッ!」『ミリオンヒット!』

「くっ!?」

「それでは。」『ダーク!』

 

イグニスは『デコードクラックボトル』を『ビートクローザー』にセットする。

 

『スペシャルチューン!』

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

「ついでにこちらも。」

『エクシード・エクスプロージョン!』

 

イグニスはさらにドライバーのレバーも倒して、エネルギーを溜める。

 

 

 

「これでフィニッシュだ!」

『ウルトラマンエース!』

「フッ!はぁ・・・・・・。」

 

ジードも、『バーチカルボトル』を『キングソード』にセットして、剣のように持って手を1回かざす。すぐさま剣を腰に構え、エネルギーを溜める。

 

 そして、2人同時に技を放つ。

 

「フッ!ハァ!」『メガスラッシュ!』

「バーチカルスパーク!」

 

ジードは光の刃を1本、イグニスはX状にエネルギーの刃を放った。

 ドーパントに当たった瞬間、爆発が起こった。

 

 

 

 

 




今回はバトルの途中で終わりです。

・・・・・・申し訳ないっすね~。途中、『セリフしかないやん!』って思ったでしょ?ナレーションが入れにくいのよ~。


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番外編:ゼロに咲く花 ~4~ (ネタバレ注意)

今回もです。では、150行以内に(略)























































































































































「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、Roseliaと朝倉和美と共に体験型テーマパークのイベントを楽しんでいた。そんな中、ドーパントが現れイベントを中止にするかと考えたが、イベントは続行。ドーパントの件は蒼空が受け持つこととなった。」
「なんでボクは戦闘シーンなかったの!?」
「いやいや、流れで察しなよ。」
「ボクも祭りをしたかったー!」
「大丈夫。今回は派手な戦闘シーンあるから、本編どうぞ!」







 ジードとイグニス、それぞれの攻撃がドーパントたちに直撃し、爆発した。

 

「・・・・・・決まってないだろうな~・・・。」

「主様、何故そのような事を?」

「だって、これで『やったか!?』とか言うと『実は生きていました!』的な展開になるだろ?」

 

爆発によって起こった煙が消える頃には・・・・・・。

 

「・・・・・・っ!リーダー!!」

「何故、ここに!?」

 

2体のドーパントの前に、先程現れた白色のドーパントが氷の壁を作って攻撃を防いでいた。

 

「・・・・・・ほら~。」

「これは、主様が『やったか!?』と言ったから成り立った出来事ですわよ。」

「・・・・・・え!?俺のせい!?しかも、『例え話』もカウントされるの!?」

 

「いくら君たちがクリアしようとしても、このミッションがクリア出来る訳がない!」

「何・・・!?」

 

白いドーパントは高笑いをしながら姿を消した。

 

「・・・・・・随分と()()()方でしたね。」

「だな。・・・・・・でも、アイツの顔が悔しさで歪むんだろうな~。」

「と、言いますと?」

「今、最後のミッションをクリアした。」

「そうですか、お疲れ様です。」

「・・・・・・そろそろ限界かもしれんな。」

 

そう、ジードの体が消え始めていた。

 

「それでは、わたくしはもうしばらく・・・・・・。」

「あぁ。また・・・・・・本体で。」

 

イグニスは影に消えて、ジードはエネルギーが切れたせいか、光の粒子になって消えた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 さてと、俺たちは屋敷を出て・・・・・・あぁ、俺は蒼空だよ。・・・・・・もちろん、本体だ。

 屋敷を出た俺たちはスタート地点の広場まで戻ってきた。

 

「それで、後は受付でシリアルコードを受け取るだけか?」

「うん!」

「これで限定装備が・・・・・・!」

「さ、紗夜~・・・?」

 

な、なんだと~!?

 

「うん?」

「何々~?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「蒼空兄、あれって・・・・・・。」

 

視線の先にはこのイベントの裏方スタッフと思われる人たち3人がいた。

 

「あの・・・・・・あのミッションをクリアした、だと・・・!?」

 

「何、あのスタッフ・・・・・・。」

「ごめんね~、あの人実は、このイベントを計画した張本人なんだけど、全くお客様をクリアさせる気がないミッションばっかり用意するから、こっちである程度難易度を下げてるんだけど・・・・・・。」

 

そんな事を言いつつ、俺たちの近くに来た偉い感じのスタッフ。

 

「それだけではありませんわ。」

「え!?夜華さん!?」

「い、いつからいたの!?」

「わたくしは主様の従者。ずっとそばにいるのは当たり前ですわ。それより、」

「「え?無視・・・?」」

 

夜華はタブレットを偉い感じのスタッフに見せる。

 

「こちらをご覧くださいませ。」

「・・・・・・なんだこれは!?」

 

多分、夜華が見せているのはあのスタッフが白いドーパントになってあれやこれやと悪さをしている映像だろう。

 

「・・・・・・お前たちは・・・!」

「くっ!こうなったら仕方ない!やるよ、リーダー!」

「あぁ。行くぞ!」『エミリア!』

「はい!」『ラム!』

「えぇ!」『レム!』

 

3人はガイアメモリを体内に挿した。そして、先程戦ったドーパントたちへち姿を変えた。

 

『きゃあああ!!!』

 

その光景を見た他のお客さんは悲鳴を上げて逃げ回る。俺たちの後ろに下がったチーフスタッフも・・・・・・。

 

「おい、チーフさん!」

「な、なんだ!?・・・・・・ってなんでチーフって知ってるんだ!?」

「いや、名札に書いてあんだよ・・・・・・。それより、このイベントは中止にするなよ!」

「え・・・?」

「俺たちがアイツらに説教するから!」

 

俺はチーフスタッフさんにドライバーを見せ、前に行く。

 

「あの~、蒼空さ~ん?」

「・・・・・・なんでしょうか?」

「さっきの話なんだけど~・・・・・・?」

「・・・・・・分かったよ。はい、あこと燐子も集合~。」

 

リサの提案を実行するため、リサと、ついでにあこと燐子も呼んだ。

 

「何々~?」

「なんでしょうか・・・・・・?」

「私は省かれ者ですか?」

「あなたには既に()()()だから。」

 

俺は3人に、俺の魔王因子の力で創った『3種のドライバー』をそれぞれ渡した。

 

「そのドライバーは?」

「俺の力で創ったドライバーだ。本来なら副作用とかあったりするが、それは全部無しにしてある。」

「さっすが蒼空~。」

「これで、あこの闇の力が・・・・・・!」

「わたしでも、大丈夫なの?」

「あぁ。燐子でも使えて、燐子に適した物を用意したからな。それに、ドライバーを装着すれば自然と使い方が分かるようにしてある。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

どーしよー?あそこで『いいなぁ~。』って目で見てる奴が・・・・・・。

 

「・・・・・・紗夜、お前には、お前に最適なドライバーがあるだろ?」

「・・・・・・そうですね。このドライバーを信じないと!」

「ちょっと!」

 

はい、なんか来た。

 

「なんだよ、友希那?」

「なんで私のが無いの?」

「お前も戦うの?」

「当たり前でしょ!これは、Roseliaの戦いなのよ!」

 

だってさ・・・・・・お前に似合いそうなサブライダーの強化フォーム、無いんだよ・・・・・・。

 

「・・・・・・仕方ない、これで戦え。」

「あるなら早く渡しなさいよ。」

 

面倒くせ~!

 

 こっからは、またまた作者よろしく!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 そういう事言わなくていいから・・・・・・。

 

 蒼空はいつも通りビルドドライバーを、夜華もスクラッシュドライバーを装着する。そして、和美はスクラッシュドライバーではなく、『ビルドドライバー』を装着した。

 

「それでは行きますわよ。」『ダークフルード!』

「え?」

「夜華!?」

「変身!」

『割れる!流れる!溢れ出る!

 ダークフルード・イン・イグニス!オラァ!』

「さぁ、お覚悟はよろしくて?」

 

・・・・・・さらっと夜華がフライングで変身した。

 

「全く・・・・・・、お前らも、行くぞ!」

「えぇ!」『ジクウドライバー!』

 

友希那はジクウドライバーを装着して、赤い時計型のアイテム『ゲイツライドウォッチ』と砂時計型の『ゲイツリバイブライドウォッチ』を起動させた。

 

『ゲイツ!』

『ゲイツリバイブ!剛烈!』

 

友希那はそのままウォッチをドライバーにセットする。

 

 

 

 紗夜は自身の持つ『ゲネシスドライバー』を装着し、『メロンエナジーロックシード』を開錠した。

 

『メロンエナジー!』

 

そして、ロックシードをドライバーにセットし、ロックした。

 

『ロックオン!』

 

 

 

 リサは『マッハドライバー炎』を腰に巻き、『シフトデッドヒート』をドライバーにセットする。

 

『シグナルバイク・シフトカー!』『ライダー!』

 

そのまま、シグナルバイクをセットするスロットを閉じた。

 

 

 

 あこは『ゴーストドライバー』を巻いて、『ディープスペクターゴーストアイコン』のボタンを押し、ドライバーにセットする。

 

『ダイブ・トゥ・ディープ!』『アーイ!』

『ギロットミロー!ギロットミロー!』

 

ドライバーからは『パーカーゴースト』も現れ、変身の準備が整う。

 

 

 

 燐子は『ゲーマドライバー』を腰に巻きつけ、『ガシャットギアデュアルβ』のダイヤルを回し、ゲームを選択した。

 

「第伍十戦術・・・・・・。」

『バンバンシミュレーションズ!』

『I ready for Battleship!I ready・・・・・・』

 

燐子はガシャットを前に突き出す。その上にはゲーム画面から現れた『シミュレーションゲーマ』が準備していた。

 

 

 

 和美は普段使わない『ビルドドライバー』を巻いている。そして、手には三羽ガラスの力が取り込まれている『グリスパーフェクトキングダム』があった。そこに、『グリスフルボトル』をセットし、ドライバーに挿した。

 

『ウェルカム!』『一致団結!』

『グリスパーフェクト!』

 

そして、ドライバーのレバーを回し、周りに『キャッスル』、『スタッグ』、『オウル』の3体のスマッシュのエネルギー体を出現させる。

 

 

 

 蒼空は『ジーニアスボトル』をさらにパワーアップさせたアイテム『ウルティメイトファイナルボトル』を取り出し、上部のスイッチを押してドライバーにセットする。

 

『ウルティメイト!』『オールイエーイ!』

『ジードファイナル!』

『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』『イエイ!』

 

レバーを回すと、ジーニアス同様の待機音声が流れる。

 

 そして、

 

『『Are You Ready?』』

「レ~ッツ、『変身!』

 

ビルドドライバーの音声に全員が答え、いつもの掛け声を全員で発した。そして、全員が変身を始め、

 

『ライダータイム!』

『仮面ライダーゲイツ!』『リ・バ・イ・ブ剛烈! 剛烈!』

 

友希那は『仮面ライダーゲイツリバイブ 剛烈』に変身した。そして、

 

 

『ソーダ・・・!』

『メロンエナジーアームズ!』

 

紗夜は『仮面ライダー斬月・真』に、

 

 

『デッドヒート!』

 

リサは『仮面ライダーデッドヒートマッハ』に、

 

 

『ゲンカイガン!ディープスペクター!

 ゲットゴー!覚悟!ギ・ザ・ギ・ザ!ゴースト!』

 

あこは身長補正されつつ『仮面ライダーディープスペクター』に、

 

 

『デュアルガシャット!』『ガッチャーン!』

『デュアルアップ!』

『スクランブルだ!出撃発進!

 バンバンシミュレーションズ!発進!』

 

燐子は『仮面ライダースナイプ シミュレーションゲーマーレベル50』に、

 

 

『ファーマーズフェスティバル!グリスパーフェクト!

 ガキン!ゴキン!ガコン!ドッキングー!』

 

和美は『仮面ライダーグリス パーフェクトキングダム』に、

 

 

『完全無欠のボトルマオー(魔王)!』

『ウルティメイトファイナルジード!』

『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

蒼空は『仮面ライダージード ウルティメイトファイナルフォーム』に変身した。

 

「いくらライダーが増えても、我らに勝つことは・・・・・・出来ない!!」

 

白いドーパント:『エミリアドーパント』が氷の兵隊を数え切れないほどに作った。

 

「それくらい、今の私たちなら問題ないわ。・・・・・・あなたたち、この戦いに全てをかける覚悟はある?」

 

友希那はジカンジャックローを構えながら、決め台詞を発する。それに釣られてか、

 

「私が、このイベントを守ります!」

 

紗夜も決め台詞・・・・・・っぽい事を発する。

 そしてリサは、

 

「追跡!撲滅!いずれも・・・、マッハ~!

 仮面ライダー・・・・・・マッッッッッッッッハ~~~!!よっろしく~!」

 

思ったよりノリノリだった。

 

「あこの生き様、見せてあげる!!」

 

あこも、パーカーのフードを取りながら、決め台詞を言う。

 

「ミッション、開始します・・・・・・!」

 

燐子も、原作のスナイプ同様のセリフを言う。

 

「仮面ライダー・・・・・・なめんじゃねぇぞ?」

 

和美も、決め台詞を言う。

 

「わたくしはもう言いました。」

 

夜華はさっき言ったから・・・・・・こんなセリフでした。

 

「さぁ、実験を始めようか?」

 

蒼空は、みんなに問いかけるように決め台詞を言った。

 

「かかれー!」

 

ドーパント軍が突撃する。それに合わせるように、仮面ライダーたちも、

 

「これが最後の・・・・・・祭りだーーー!!」

 

和美(グリス)の言葉で他のライダー全員が走り出す。

 紗夜はソニックアローを上手く活用しながら氷の兵隊を破壊していく。そんな紗夜の目に、両手に銃口がある燐子が映った。若干戦いにくそうだったから、助っ人に入った。

 

「白金さん!大丈夫ですか!?」

「はい・・・・・・!このシステム、コツを掴み始めましたから・・・・・・!」

 

その言葉通り、ゲーマーだからか、『バンバンシミュレーションズ』の特徴を理解して、氷の兵隊を沢山破壊していく。

 

「さすがは燐子様ですわね。」

「切姫さん、一緒に白金さんのフォローを!」

「本来は主様の指示しか受け付けませんが、今回は仕方ありませんわね。」

「よろしく・・・・・・お願いします・・・・・・!」

 

こうして、イグニスと斬月・真、そしてスナイプが共闘を始める。

 

 

 一方、リサの変身したマッハは・・・・・・、

 

『ゼンリン!』

「よっと!・・・・・・ついでにコレも!」

『シグナルバイク!』『シグナル交換!』

『カクサーン!』

 

上手くライダーシステムを活用していた。

 

「行っくよ~!」『シューター!』

『カクサーン!』

 

撃ち放たれた弾丸は、ドライバーのボタンが押された瞬間にいくつもの弾丸へと変わった。

 

「ふぅ~!これ、使える~!」

 

その近くで、あこと和美も戦っていた。

 

『ディープスラッシャー!』

「クックック!今、わらわの闇の力が・・・・・・ドーンっと解放される時だ!」

 

「行くぞゴラァ!」『ブルー!イエロー!』

『Ready Go!』『オウルアタック!』

 

あこは武器で兵隊を何体も破壊し、グリスも『オウル』の力で兵隊を破壊する。

 

 

 そして、蒼空と友希那は・・・・・・。

 

「フッ!ハァ!」

「・・・・・・これ、どう使うのかしら?」

「あぁ!?お前、なんで説明を見ないんだよ!?」

 

蒼空は友希那に寄り、武器の説明だけをする。

 

「・・・・・・なるほど。これの仕組みが分かったわ。」

「ようやくか・・・。頼むよ!」『フルフルマッチでーす!』

 

2人は武器にエネルギーを込め、技を放つ。

 

「ハァァ!!」『フルフルマッチブレイク!』

「ハァ!」『のこ切斬!』

 

この瞬間、氷の兵隊は全て破壊された。

 

「貴様ら・・・!」

「行くぞ、友希那。」

「えぇ!」

 

蒼空(ジード)友希那(ゲイツ)は『エミリアドーパント』を、紗夜(斬月・真)たちは『ラムドーパント』を、リサ(マッハ)たちは『レムドーパント』と戦い始める。

 

 

「とりゃあああ!!―――あ、ぐへぇ!?・・・・・・グフッ!?」

「フン!所詮は子供か・・・・・・。」

 

「あっちゃ~、あこったら~!」

 

突っ込んでいったあこがコケて、レムドーパントに踏みつけられる。

 

「リサさん、俺を飛ばせ!」

「え!?でも・・・・・・。」

「イイから!!」『ブルー!』

「・・・・・・後で文句言わないでよ!!」『ゼンリン!』

 

リサは『ゼンリンシューター』で和美の背中を殴り飛ばし、

 

「イッテ!!」『Ready Go!』

「うぅ・・・・・・、あ、カズミン!」

「食らえー!!」『スタッグスラッシュ!』

 

斬り上げる形でドーパントを斬りつけ、その場で飛ばされた勢いも止まった。

 

「くぅ・・・!」

「カズミン、大丈夫・・・?」

「あはは・・・、威力ありすぎた?」

「ホントだよ!・・・・・・ちょっと威力強すぎだって!」

 

・・・・・・和気あいあいと戦っていた。

 

 

 その頃、紗夜たちは・・・・・・。

 

「フッ!」

「くっ!白金さん!」

「はい・・・・・・!」

 

紗夜と夜華が近接、燐子は遠距離で攻撃していた。

 

「くぅ・・・!なら、これでどう!!」

 

ラムドーパントも負けじと風の刃を無数に作り、夜華たちに目掛けて放つが、

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

「させませんよ。」『ミリオンヒット!』

「わたしも・・・・・・!」

 

夜華と燐子がそれと同じ数の斬撃と弾丸を放ち、相殺した。そして、

 

「ハァァ!!」『メロンエナジースカッシュ!』

 

紗夜がソニックアローにエネルギーを込め、ドーパントを斬り飛ばす。

 

「うわぁ!?・・・・・・なんなの、この連携は・・・!?」

 

こっちは上手く連携しつつ、敵を圧倒していた。

 

 

「これでも、食らえーーー!!」

 

 一方、エミリアドーパントは上空に無数の氷の槍を作り出し、蒼空と友希那に攻撃を仕掛ける。

 

「またこれかよ!?」

「何か手はあるの?」

「あぁ、あるね。お前はその砂時計を180度回転させろ。」

『ゴウリュウガン!』『マダンマグナム!』

「・・・・・・なるほど、分かったわ。」『スピードタイム!』

 

蒼空は赤い銃を2丁、魔王因子の力で創り出す。

友希那は『ゲイツリバイブライドウォッチ』を回転させる。

 

『リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!

 リバイブ疾風! 疾風!』

 

友希那は『仮面ライダーゲイツリバイブ 疾風』にフォームチェンジした。その能力である『高速移動』を駆使して、氷の槍を破壊していく。

そして、蒼空も2丁の銃で氷の槍を撃ち、破壊する。

 

「何!?」

「フッ!」

「ついでにコイツも食らえ!」『マグナパワー!』

 

友希那は空中に飛び上がり、『ジカンジャックロー』のボタンを何回も押す。

蒼空は、2丁の銃を1つにして、銃口にエネルギーを溜める。

 

『ファイナルクラッシュ!』

「行っくぜ~?」

「はぁ・・・、ハァ!」『つめ連斬!』

「マグナドラゴンキャノン、発射!」

 

上空からは友希那の攻撃が無数の数で、目の前からは蒼空の龍の一撃がドーパントに直撃した。

 

「ぐぅぅ!?なんだ、こいつらの威力は・・・!?」

「ついでに、出血大サービスだ!」

 

蒼空は青い龍のデザインが描かれた2種類の剣を創り出し、それを薙刀のように1つにした。

 

『ツインパワー!』

「ツインエッジゴッドゲキリュウケン!」

 

そのまま、蒼空はドライバーのレバーを2回回す。

 

『ビルドサイド!』『ジードサイド!』

『Ready Go!』

「行くぜ!超龍王魔弾斬り!」『ウルティメイトブレイク!』

「ぐわぁ!!」

 

蒼空の強力な一撃がドーパントを襲う。

 

 

「行きますわよ。」

「えぇ。」『ロックオン!』

「はい・・・・・・!」『ガッチョーン!』『キメワザ!』『ガッチャーン!』

 

夜華たちはこの戦いを締めるため、必殺技を決めようとする。

 夜華はドライバーのレバーを下ろし、紗夜は『メロンエナジーロックシード』を『ソニックアロー』にセット、燐子はドライバーのレバーを一度閉じて再び開く。

 

『バンバンクリティカルファイヤー!』

「はぁ・・・・・・、ハァ!」

「フッ!」『メロンエナジー!』

「ぐぅぅ!?・・・・・・っ!?」

 

ラムドーパントは、2人の遠距離必殺技を受け、ダメージ蓄積量が限界を迎えるが、そのシメとして・・・・・・、

 

「ハァ!!」『ダークフルード・エクスプロージョン!』

「うわぁぁぁ!!」

 

そのライダーキックが直撃した。ドーパントは限界を迎え、変身が解除。ガイアメモリが破壊された。

 

 

「行くよ~!」『ゲンカイダイカイガン!ゲキコウスペクター!』

 

 一方、あこはさらに力を開放させる。それに釣られてか、

 

「それじゃあ、アタシも!」『バースト!キュウニ デッドヒート!』

 

リサもボタンを何回も押し、タイヤをわざとバーストさせて、さらに力を高める。

 

「それじゃ、2人共行こっか!」

「うん!」

『ヒッサツ!バースト!フルスロットル!』

『ゲンカイダイカイガン!ゲキコウスペクター!』

 

2人は必殺技を発動させる。そして、和美も・・・・・・。

 

『ブルー!イエロー!レッド!ゴールド!』

「俺たちの前に、ひれ伏せーーー!!

『Ready Go!』

 

ビルドドライバーの音声で、3人が同時にライダーキックをする。

 

食らえーーー!!

「「ハァァ!!」」

『パーフェクトキングダムフィニッシュ!』

『ギガオメガドライブ!』

『デッドヒート!』

 

「ぐぅぅ!?・・・・・・うわぁぁぁ!!」

 

思ったよりも威力が高く、少しオーバーキル気味だった。

 

 

 そして、蒼空と友希那も・・・・・・。

 

「行くわよ。」『フィニッシュタイム!』『リバイブ!』

「あぁ。勝利の法則は決まった!!」

『ビルドサイド!』『ジードサイド!』

『オールサイド!』

 

2人はドライバーを操作し、ライダーキックを発動させる。

 

『Ready Go!』

「「はぁ・・・・・・、ハァァ!!」」

『ウルティメイトフィニッシュ!』

『百烈 タイムバースト!』

「ぐっ!?・・・・・・ぐはっ!?」

 

友希那は、蒼空のキックが直撃する前に数発蹴り、蒼空と共に最後の一撃を決める。ドーパントはダメージを受けすぎて、変身が解除、ガイアメモリが破壊された。

 

「・・・・・・これで、お前たちのくだらない企みはお終いだ。」

 

蒼空はそれだけ言って、スタッフたちに後を任せた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 ドーパント騒動も終わり、イベントは滞りなく続けられた。俺たちも、イベントクリアの報酬を貰った。

 

「このシリアルコードを送信したら・・・・・・わ、やったー!装備ゲット~!」

「これが、あこたちが欲しがっていたものなのね。」

「ゲームやってないアタシたちにもくれるんだ。友希那、これを機にまたチャレンジしてみる?」

「遠慮しておくわ。前にやった時、喋るのも大変だったもの。」

「そういえばそうでしたね。」

 

へぇ~、・・・・・・どうしよう、イメージ出来ちまった。

 

「・・・・・・和美、やってみるか?」

「ボクでも分かる?」

「・・・・・・知らん。」

 

「帰ったら、早速使い心地を確認してみないと。これで貰えるのは確か、『ナイト専用騎士装備』・・・・・・。」

あーーー!!

「わっ!ビックリした~!」

「急に大声を出してどうしたの?あこ。」

 

・・・・・・なんか、嫌な予感がする・・・。

 

「こ、これは・・・・・・このコラボ装備は・・・・・・『騎士装備』!?」

 

・・・・・・あ、察した。

 

「なんで!?今日からは、『魔法使い』とか『ネクロマンサー』でも使える『魔女装備』がもらえるはずじゃ・・・!?」

「『魔女装備』は・・・・・・確か・・・・・・明日からのはず・・・・・・。」

「えぇ、公式ホームページにもそう書いてあったと思いますが。」

「あこちゃん・・・・・・まさか・・・・・・?」

「参加する期間、間違えちゃったーーー!!」

 

だよな・・・・・・。

 

「蒼空兄、今回はボク・・・・・・ここからのイベントはパスする・・・・・・。」

「同感だ。帰るぞ。」

 

「蒼空兄ー!カズミーン!」

 

ヤッベ、来た・・・・・・。

 

「明日か、期間中にでも良いです!もう1回このイベントに参加して!」

「あこ・・・・・・今回はボク、パスするよ・・・・・・。」

「チビに同じく。」

「そこをなんとか~!次は蒼空兄の()()を存分に発揮していいから!!」

 

(どうする、大賢者さん?)

〈解。『自業自得』とお伝えください。〉

 

「・・・・・・自業自得だ。帰るぞ。」

「そんな~!?」

 

・・・・・・はい、このお話はこれでお終い!!

 

 

 

 

 




このイベントを読んだ時、『これでRoselia変身させるのアリだな』って思っちゃったのよ~。ただね、友希那はマジで考えた。・・・・・・プロレスなら『バース』かなって思ったけど、『遠近対応』か、『ライダーキックが出来るライダー』って考えて、『ブレイブ』と『パラドクス』、そして選んだ『ゲイツ』のどれかと思ったのよ~。


番外編はまたいつかやります!


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