戦姫絶唱シンフォギアLBX (ドットブレイズ)
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プロローグ

新しく始めました大目に見てください


それは突然の出来事だった

そこはどこかの研究施設でそこの奥深くで怪物と特殊な衣装を身にまとった少女が対峙していた

 

「駄目よ!!セレナ!!」

 

その少女はセレナと呼ばれていた

そしてその名前を叫んだのは姉であるマリア・カデンツァヴナ・イヴであった

 

「ごめんね・・・姉さん・・・でも私はみんなを守りたいんだ・・・」

 

そう言ってセレナは怪物に向き直り絶唱を唱えようとする

 

「Gatrandis babel ziggurat……」

 

「駄目・・・駄目・・・お願い・・・誰か・・・誰か妹を・・・セレナを助けて!!」

 

その声がどこかに届いたのか歌を遮るように空から何かが降ってきた

 

「「!?」」

 

それによりセレナは絶唱をやめ辛うじて命は助かった

そして落ちてきたその何かに二人は目をこらす

・・・そしてそこから出てきたのは

 

「・・・騎士?」

 

そうそれは白と青の色をした騎士だった

その騎士は目の前にいる怪物に向き直ると手に持っている槍と盾を構えて

怪物に向かっていく

その騎士は怪物の攻撃を躱しその槍で攻撃を食らわしていく

 

「すごい・・・」

 

それを見ていたセレナは思わず呟いてしまった

それほどまでにあの騎士の戦いは綺麗で鮮やかなものだったのだ

そしてある程度怪物が弱ると騎士は距離をとる

 

『アタックファンクション!ライトニングランス!!』

 

機械音とともに騎士の槍が青く輝き鋭い一撃が怪物を貫いた

その後騎士はこちらを見て近づいてくる

 

「っ!?」

 

セレナは思わず身構えるが

その騎士は特に何かをするわけでもなく横を通り過ぎて行き

そのまま姿を消した

 

「あの騎士は一体?」

 

セレナはそのまま硬直していたが

 

「セレナ!!」

 

「!?姉さん!!」

 

姉であるマリアの登場でセレナは我に返る

そして泣きながら抱きついてくるマリアを見てセレナは

 

「ごめんね姉さん・・・ごめんね・・・」

 

泣きながら謝った

それもそうだろう後もうちょっとでマリアは肉親を失うところだったのだ

もし自分が同じ立場だったらおそらくそんなことは耐えきれないだろう

だからこそセレナは謝るしかなかった

ひとしきり泣き終わった二人は冷静になって施設を脱出しながら先ほどの騎士について考える

 

「あれって一体何だったのかな・・・?」

 

「わからない・・・でもあの騎士のおかげで私は妹を失わずに済んだ」

 

「姉さん・・・」

 

「今度会った時はちゃんとお礼をしないとね」

 

「うん・・・そうだね・・・」

 

そう言って二人は騎士が去っていった方を見る

そしてこれが人類が初めて会ったLBX<アキレス>である




・・・主人公一言も喋らず!!


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運命の出会い

主人公の名前は山野 ダンにしました


オス!おら山野ダン!

・・・何言ってるんだろう・・・俺

まぁいいや・・・唐突だが俺は前世で死んだ後神様にバッティングセンターの要領で転生させられた

その特典としてLBXになれる能力を手に入れたのだが

悲しいかな・・・LBXになると喋ることができないんだ

おかげでこの前にあった女の子に何も言えなかったよ〜(T ^ T)

とまぁこんな感じで俺は日々を過ごしています・・・てかこの世界って何の世界なの?

 

 

人型になって町をぶらついているとすれ違う人全員が何か騒いでいた

 

「早く行かないとツヴァイウィングのライブに間に合わなくなるぞ」

 

(ツヴァイウィングのライブ?・・・はて?何かで聞いたことがあるような・・・ないような・・・

 まぁいいや・・・どうせ暇だしそのライブを見に行ってみるか・・・)

 

 

ライブ会場に着くとすごい満員になっていてとてもじゃないが誰が歌っているか確認できなかった

しばらくライブを眺めていると急にステージが爆発しそこからノイズが現れ始めた

そしてステージにいた二人が何かを纏いノイズと戦い始める

 

(へぇ〜結構やるじゃん・・・しばらくは見学しているかな・・・)

 

そう思って俺はとあるビルの上に飛び乗り二人の戦いを見ていた

だが二人で対処できる数ではなく二人は徐々にだが押され始めていた

そしてその場にいた少女に鎧の破片が突き刺さった

 

「おい!死ぬな!生きることを諦めるな!」

 

そう言って一人はその少女に必死で呼びかける

そして何かを覚悟したのか一人でノイズの前に立つ

 

(なんかやばそうだし・・・しょうがない・・・行きますか・・・)

 

俺はビルから降りてその二人のところに向かった

 

 

 

三人称視点

 

 

天羽奏は最後の手段として絶唱を使おうとしていた

 

「奏!絶唱はダメだ!使っちゃダメェェェェェ!!」

 

そう言って叫ぶのはパートナーである風鳴翼

だがその言葉を聞かずに奏が歌おうとしたその時だった

 

「「!?」」

 

目の前に何かが降ってきた

 

「・・・騎士?・・・」

 

翼はそれを見てそう呟いた

その騎士はノイズに向かって走り出し次々と倒していく

 

「そんな・・・シンフォギアでもないのにノイズを倒してる!?」

 

二人はあまりの強さに驚愕していた

だがノイズの数はあまりに多く助太刀しようかと思ったその時だった

その騎士は一旦下がり

 

『アタックファンクション!ライトニングランス!!』

 

その機械音が聞こえた瞬間騎士の持つ槍が青く輝きそこから青き一撃が放たれた

その一撃によりその場にいた全てのノイズは消滅した

 

「スゲェ・・・」

 

奏は思わずそう言ってしまった

そのままその騎士を見ていると急に体の至る所から火花を散らして倒れた

 

「ちょっ!?おい!?大丈夫か!?」

 

奏は心配して近づくが何の反応もなかった

 

「おいおい・・・せめてお礼くらい言わせてくれよな・・・」

 

奏は嬉しいような恥ずかしいようなそんな感じでそのよこたわる騎士に言った

 

 

これが奏者たちとLBXとの始めての出会いだった




主人公が倒れた理由・・・どうしよう・・・


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覚醒の時

今回から原作開始です


ライブから二年後・・・

 

 

とある地下施設・・・

 

 

「どうですか?あれから解析の方は進んでいますか?」

 

「残念ながら内部構造どころか何でできているのかすらわかっていません」

 

「そうか・・・」

 

そう言って赤いシャツの男とメガネの女性が見ているのは

二年前、唐突に現れそしてノイズを殲滅した騎士アキレスだった

 

そしてその肝心の主人公は

 

(・・・どうしよう・・・)

 

すごく焦っていた

 

(まさかあの後日本に移動してきたダメージが残ってた所為で倒れるなんて考えてなかったな〜・・・)

 

そうダンは一番最初に怪物と戦闘し勝ったのだが

その後自力で海を渡り日本まで行くことになってしまった

さすがのLBXでも国を自力で渡るほどの力はないので

結果として海の中を潜って渡ることになったのだ

そしてそのダメージを負った機体が必殺ファンクションの衝撃に耐え切れず

こんな結果になってしまったというわけだ

 

(ここからどうやって脱出するかな・・・)

 

そんな事を考えていると

 

「司令!!ノイズが出現しました!」

 

「なんだと!?わかったすぐ行く!!」

 

先ほどまでそこにいた二人はそのまま出て行ってしまった

 

(今がチャンス!!)

 

俺は人間態に戻りその場を脱出した

 

 

 

 

三人称視点・・・

 

 

 

「状況は!?」

 

「ノイズの出現地帯を確認!

 いえちょっと待ってください!・・・これは?・・・!

 アウフヴァッヘン波形を確認!

 波形識別は・・・!ガングニールです!!」」

 

「なんだと!?」

 

 

 

響視点

 

 

私はノイズから取り残された女の子を連れて逃げていた

だがノイズに囲まれてしまい私は死を覚悟した

その瞬間頭に歌詞が浮かびそれを歌う

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

その歌を歌った瞬間私の体は光に包まれ

そして私は・・・シンフォギアを身に纏っていた

 

「何これ!?」

 

「お姉ちゃんかっこいい!!」

 

何が起こっているかわからず戸惑ってしまう

だがそんな状況をノイズが待ってくれるわけもなく

 

「まずい!!」

 

私はノイズの攻撃を飛んで躱す

 

「えぇぇぇぇぇ!??」

 

だがその跳躍はあまりに高くもはや人間ができる範囲を超えていた

そして地面に着地してすぐに私はノイズに攻撃されそうになる

 

「っ!?ええい!!」

 

私は無我夢中でそのノイズを攻撃すると

 

「えっ?」

 

そのノイズは灰になって消えた

 

「どうして?」

 

私はどうしてノイズが倒せたのか考えるが

今の状況ではそんな余裕などもなくノイズはゾロゾロと現れる

 

(さすがにこの数は・・・!)

 

私は今度こそ死を覚悟したがそんな時だった

奥側のノイズを倒しながら進んでくる者がいた

そしてそれはすぐに私のところまで来た

 

「・・・騎・・・士?」

 

それは白と青の騎士だった

そしてその騎士さんは私たちを守るようにノイズと戦い始める

 

「すごい・・・」

 

その騎士さんは次々とノイズを倒していき

数分でノイズは全滅した

 

「・・・・・」

 

ノイズを倒し終わった騎士さんはその場を後にしようとするが

 

「そこを動くな・・・」

 

それを阻む者がいた

 

(翼さん!?なんで!?どうして!?)

 

私はもう何が何だかわからなかった

すると騎士さんはすぐさま動き出し何かを取り出す

その瞬間・・・突如騎士さんの周りが爆発し黒い煙に包まれる

 

「ちぃ!?」

 

翼さんはすぐさま引いて怪我はなかったが

騎士さんにはまんまと逃げられてしまった

 

(一体何が・・・)

 

その一部始終を見ていた私を黒服の男たちが囲み

手錠をかけられる

 

「へ?」

 

「すみませんね。万が一のために、貴女の身柄を拘束させていただきます」

 

「えぇぇぇぇぇ!!??」




主人公が最後に使ったのはスモークグレネードです


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対立

今回は主人公対翼さんです


あれから何とか逃げ切った俺は人間態になって公園のベンチに座る

 

「ハァ〜・・・しゃべれないってきついわ〜」

 

俺はどうにかアキレスの状態でもしゃべれないか考えていると

 

「ん?」

 

気づけば手にオリジナルサイズのアキレスを持っていた

 

「・・・マジか・・・」

 

あまりのことになぜと思うが何か改造できないかと思い

いろいろいじってみることにした

 

「ほぉ〜・・・アニメで見てたのまんまか〜・・・ってことは音声機能つけれんじゃね?」

 

アニメの中ではLBXを通して会話などができていたので同じくできるはずだと思い

どうしたらできるか色々と考えてみるが

 

「あっ・・・そもそも工具持ってないじゃん・・・俺」

 

むしろ今の所暮らすところすらないことに今気がついたのだった

 

「やっべ〜・・・どうしよう・・・」

 

とりあえず俺はその公園でその日を過ごした

翌朝になっても俺はまだ寝ていたが

 

「うぉぉぉぉぉ!??」

 

急なサイレンの音に驚き思わず飛び上がる

 

「なんだ?急に?」

 

俺は気になってそのサイレンのする方へ行ってみると

 

「あら〜・・・これまた大量で・・・」

 

そこには大量のノイズが出現していた

だがそこにはすぐに翼ともう一人あの時の少女がやってきていた

 

「おぉ〜!あの子も戦うことになったのか〜・・・ほんじゃま高みの見物と洒落込みますか」

 

俺はすぐに懐にあったアキレスを取り出しLBXの状態になる

 

「よっと!」

 

そして木の上で二人を見守っていると

 

「おぉおぉ・・・こりゃまた・・・危なっかしいねぇ〜・・・」

 

翼の方は相変わらずノイズを綺麗に倒しているが

もう一人の少女の方はおそらくこう言った戦闘は初心者なのだろう

危うい場面がいくつも見えていた

 

(てかあいつも助ければいいのに・・・)

 

俺は翼がフォローしないことに呆れていたが

なんとか二人ともノイズを倒し終わったようでお互いに駆け寄っていた

 

「こりゃあ出番なかったかな・・・!?」

 

俺はすぐに帰ろうと思ったがその瞬間翼が少女に向かって剣を振ろうとしたので

俺は思わず止めに入ってしまった

 

「なっ!?貴様はっ!!」

 

「えっ!?騎士さん!??」

 

どうやら助けられた張本人はいまいち状況がわかっていないらしい

 

「まぁいい・・・予定は変わってしまったがお前から先に叩き斬ってやろう!!」

 

そう言って翼が剣を構えて来たので俺も仕方なく剣を出して構える

 

(ん?剣?・・・・・剣んんんんん!?!?)

 

俺はなぜか持っていた剣に対して思わず二度見してしまった

 

「行くぞ!!」

 

だがそんなリアクションなど相手がわかってくれるはずもなく俺と接近戦を始める

俺は盾を使って防御するが剣は使っていなかった

 

「どうした!攻めてこないのか!!」

 

翼はどうやら自分が有利だと思っているらしいが残念だったな

俺はわざと攻撃を食らって必殺ファンクションのゲージを溜めていたのだ

 

「なっ!?」

 

俺は盾をぶつけて隙を作り

 

『アタックファンクション!ソードサイクロン!!』

 

回転しながら切りつけた

 

「がはっ!?」

 

翼はその後倒れこみ俺はその場を後にした




主人公が持っていたのはライトソードで山野バンがアングラビシダスで使っていたものです


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新たなるLBX

新しいLBXはハンターにしました


あの後すぐに逃げ出した俺は再び公園に来ていた

すぐにLBX状態を解除してベンチに座ると

 

「・・・なんだこれ?・・・」

 

なぜか俺の手にはケースが握られていた

俺は気になって中を開けてみると

 

「?!」

 

その中には青島カズヤのLBXであるハンターが入っていた

 

「マジかよ・・・これで二つのLBXが手に入ってしまった」

 

俺はこれをどうするか考えるが特にいい案が思いつかなかったので考えるのをやめた

するとそこへノイズの現れたサイレンが鳴り響いた

 

「マジか・・・こんな時でも出るんだな・・・」

 

俺は仕方なく立ち上がってノイズがいるであろう場所へと向かった

 

「おお・・・これはまた大量で・・・」

 

遠くから様子を見ているとかなりの数のノイズがいてそこでは奏者たちも戦っていた

 

(この前あんなことしたばっかりだからな〜・・・どうしようかな〜・・・)

 

前に戦ってしまった手前なかなか行くことのできない俺はどうしようか考えていると

 

「あ・・・そういえばハンターがあったじゃん・・・」

 

俺は新しく手に入ったLBXのことを思い出してそれを使うことにした

 

「ハンター!」

 

俺はハンターになって奏者たちを襲おうとしているノイズを倒していく

 

「えっ!?一体何が起こっているんですか!?」

 

どうやら奏者の一人である女の子は突如倒されていくノイズに驚いているようである

 

「落ち着きなさい!誰かが遠距離から狙撃しているのよ!」

 

もう一人は冷静になって俺の居場所を突き止めようとしているが

 

(残念だったね・・・俺は人の視覚で捉えることができる距離にはいないんだよね・・・)

 

俺は十キロ以上離れた場所から狙撃しているのでバレることは絶対になかった

 

「それにしても・・・なんか出過ぎじゃありません?」

 

俺は続々と出てくるノイズを見て不思議に思っていた

 

「・・・もしかして・・・誰かがノイズを呼び出しているのか?・・・」

 

俺はノイズは呼び出されているのではと思い一旦狙撃をやめて周辺を見ると

 

「・・・なんだろう・・・あの格好はむしろエロいんじゃないか?・・・」

 

なぜか下乳スタイルの鎧を着た女の子がそこにはいた

 

「どうやらあの子がノイズを呼んでいるみたいだな・・・あっ二人と接触した・・・」

 

俺はしばらく観察を続けているとその女の子が二人の奏者に向かって襲いかかっていた

 

「あれま〜・・・どうしようかな・・・さすがに人を撃つわけにはいかないからな〜・・・」

 

俺はどうしようか考えているとその女の子はノイズを出して撤退し始めた

 

「おっ!ラッキー!それじゃあ俺も置き土産だけして帰ろ!」

 

『アタックファンクション!スティンガーミサイル!!』

 

俺は必殺ファンクションを放ってノイズを倒しそのまま元の公園に帰った




・・・ぶっちゃけ雪音クリスちゃんは好みです・・・でも未来ちゃんも好きです・・・


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接触?!

先ほどの戦闘を終えた俺はいつもの公園に帰ってきていたのだが

 

「・・・今更だけど・・・公園で暮らすとかホームレスじゃね?」

 

この世界に来て俺はほぼ全て最初に来たこの公園で過ごしていた

 

「かと言ってどこかに住むだけ金なんてないしな・・・」

 

生憎働いてすらいないのでどこかに住む金すらなかった

 

「・・・ん?・・・金がない?」

 

俺はこの時点で不思議に思った

金がないのに俺はどうやって飯を食えばいいのかと

そしてその答えは簡単だった

 

 

 

 

 

「そんなもん無理に決まってるだろうがぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

「腹・・・減った・・・飯・・・欲しい・・・」

 

さすがの俺にも限界がきたらしく公園のベンチで餓死しそうになっていた

 

(ああ・・・俺はこのまま死ぬのかな・・・あれ?川の向こうで手を振ってる人が・・・)

 

あわや三途の川の向こうへとスキップをしながら行こうとしていたその時だった

 

「あの〜・・・大丈夫ですか?」

 

そう言って声を掛けてくれたのはこの物語の主人公である

立花 響とその友達の小日向 未来だった

 

「声掛けてくれたのは嬉しいけど・・・

 こんな怪しいお兄さんに近づかない方がいいぞ?」

 

俺は必要以上の接触は避けるべきだと思い二人を突き放そうとしたが

 

「いや〜さすがに

 川の向こうで誰かが手を振ってるとか言ってる人を放っておいたらまずいと思って」

 

どうやら先ほど見ていたことを俺は口に出していたらしい

そしてその瞬間にお腹の虫が凄まじい音を立てた

 

「・・・もしかしてお腹空いてるんですか?」

 

その音を聞いて未来ちゃんは察してしまったらしく

 

「それじゃあ私コンビニで何か買ってきてあげますね!」

 

そう笑顔で言って近くにコンビニへと走って行ってしまった

 

 

 

「お兄さん若いのになんで公園にいるの?」

 

響ちゃんと二人っきりになるとなぜ俺がここにいるのか聞かれてしまった

 

(さすがに本当のことを言うわけにはいかないよな・・・)

 

「・・・実は俺・・・最近リストラしちゃってさ・・・」

 

俺はあまり触れられたくないような話にしてみた

 

「・・・ごめん・・・」

 

それを聞いた響ちゃんは申し訳なさそうにしていたが

 

(すいません・・・一番罪悪感あるの俺なんだけど・・・)

 

そんな俺の思いも束の間未来ちゃんがおにぎり等を持って帰ってきた

 

「う〜ん!久々に飯にありつけたよ〜ありがとうね二人とも!」

 

俺は久々の飯に思わず涙してしまい二人に感謝した

 

「これくらいなら別にいいですよ!

 ・・・でもちゃんと働いてくださいね?」

 

「うぐっ!」

 

未来ちゃんにそう言われてはさすがに働くしかないだろう

 

(・・・LBXで遊園地のマスコットでもするか?)

 

そんな俗物のような事を考えながら再びおにぎりを食べるのだった



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暴走

とりあえず俺は二人に言われたのもあり

色々な場所でバイトをし続けていた

 

 

「のは・・・よかったんだが・・・」

 

そして俺は今・・・なぜか私立リディアン音楽院に来ていた

 

「まさか配達のバイトで楽器を届けるためにここにきてしまうとは・・・」

 

さすがの俺もこの事態は予想外であり

とにかくすぐにこの仕事を終わらせて帰ろうと思っていたのだが

そんな簡単にことが進まないのが人生である

 

「あれ?もしかしてこの前の公園の人ですか?」

 

そう・・・まさかの二人にバレてしまった

 

「いえ・・・人違いでぶ・・・」

 

思わず声を変えおまけに噛んでしまい

より不自然さが出てしまった

 

「いや・・・それでごまかされないよ・・・お兄さん」

 

響ちゃんにそう言われて俺は恥ずかしさのあまり顔を赤くした

 

「そっそれにしてもバイトし始めたんですね?」

 

すると未来ちゃんが空気を読んでくれて話を逸らしてくれた

 

(でも・・・年下に気を遣われる年上って・・・)

 

俺はその未来ちゃんの優しさを身に染みて感じながら

二人に今どんな事をしているのか話した

 

「色んなバイト?!それって大変じゃないの?!」

 

響ちゃんは俺の話を聞いて大変なのではないかと言っていたが

 

「そうしないと生きていけないからね〜・・・

 贅沢は言ってられないかな〜・・・」

 

実際にお金はどうにかなっているが住む場所はまだ公園なので

ぶっちゃけ何も進んではいなかった

 

「お〜い!サインもらったから次行くぞ〜!!」

 

そこへ先輩に次に行くぞと呼ばれた

 

「それじゃあまたね!」

 

俺はそう言ってその場を後にした

 

 

 

その夜・・・

 

 

「・・・暇だな・・・」

 

そう思って海辺をのんびり歩いていた時だった

 

「?!」

 

突如として爆発音が聞こえその場所に向かうと

響ちゃんともう一人の奏者

そしてこの前見たエロい鎧の娘がいた

 

「えっと・・・これってどういう状況?」

 

俺は訳も分からずにそれを見ていると何やらトラックから

剣のようなものが飛び出て響ちゃんがそれを掴んだ瞬間

急に暴れ出した

 

「さすがにあのまま放っておくわけにはいかないよな!」

 

俺はアキレスに変身して響ちゃんの前に立つ

 

「ガァァ!!」

 

(グォ?!なんつう威力だよ?!これじゃあこっちがモタねぇぞ?!!)

 

暴走した響ちゃんの力は想像以上で

俺はその威力に吹っ飛ばされた

 

(仕方ねぇ!)

 

『アドバンスドVモード!』

 

その機械音がなると同時に俺の体は黄金に輝き始めた

 

(これでどうだ?!)

 

俺はそのまま響ちゃんを抱きしめた

 

「ガァァァァァ?!!」

 

響ちゃんも必死で抵抗するがVモードの力には敵わないらしく

力尽きたのかそのまま気絶してしまった

 

(よかった・・・けど・・・俺も・・・限・・・界)

 

しかし俺もノーガードであの衝撃を受け続けていたので

所々から火花を散らしその場に倒れた



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狩る者

(・・・またか・・・)

 

あれから俺はまたあの地下施設へと運びこまれてしまっていた

 

「・・・直りますよね?」

 

響ちゃんは自分がこれをやってしまったのだと罪悪感を感じながら

俺が直るのか聞いていた

 

(すいません・・・実際はもう治ってます・・・)

 

「そうね〜・・・ぶっちゃけこれが何でできているのか

 全然わかっていないから何とも言えないのよね〜・・・」

 

(いやそこは何かしてくれよ!じゃないと俺罪悪感で潰れそうだよ!!)

 

するとそこに二人の少女が入ってきた

 

「大丈夫だって響!こいつは私を助けた時もぶっ倒れたけど目を覚ましたんだぜ?

 きっとそのうちに目覚めるさ!!」

 

(その通り!だからそんな顔しないで!)

 

「でもあの時は目覚めるのにかなりの時間がかかったぞ?」

 

(ちょっと?!余計なこと言わないでくれる?!せっかく明るくなったのに

 また響ちゃん暗い顔しちゃったじゃん!!)

 

俺は入ってきた二人・・・翼と奏に対してヤキモキさせられていた

 

「「「?!!」」」

 

すると基地内でアラームのようなものがなり急いで全員がその場から去っていった

 

(今のうちでござる!!)

 

 

 

 

 

「はぁ〜・・・マジで危なかった〜・・・」

 

なんとか脱出できた俺は公園で一息ついていた

 

「ん?」

 

すると未来ちゃんが見慣れない女の子と歩いているのが見えた

 

(あの髪と胸・・・もしかしてあのエロい鎧の娘か?)

 

俺はその女の子が響ちゃんと戦っていたエロい鎧の娘ではないかと思っていた

 

(・・・さすがに見て見ぬ振りはできないか・・・)

 

 

 

 

そのまま俺はその女の子を尾行していると地下施設で見たことのある

大柄の男がその子に話しかけていた

 

(う〜ん・・・会話の内容は分からないけど・・・

 とりあえず仲間にしようと思っているのかな?)

 

俺はその男が仲間にするべく説得をしているのではないかと思っていると

 

「!!」

 

ノイズ出現の警報がなった

しかもノイズは二人のすぐ近くで出てきたのだ

 

(これは・・・あの女の子の口封じに送り込まれた狩人ってところか・・・)

 

「おもしれぇ・・・どっちが狩られる側か思い知らせてやるよ・・・ハンター!!」

 

 

 

 

 

雪音クリスは自身の嫌っていた歌を歌いイチイバルを身に纏ってノイズを倒していた

 

「チクショオ!何でこんなにいやがるんだ?!」

 

しかしノイズの数はあまりにも多かった

 

「しまっ?!」

 

そして弾幕から抜け出たものたちがまっすぐに向かってきてもうダメかと思った

その時だった

 

「?!」

 

突如ノイズが消滅したのだ

クリスは何が起こったのかと思っていると

 

「あいつは?!」

 

上空から落下しながら狙撃をするおおよそ人ではない者がいたのだ

その者はすごい勢いでノイズ達を倒していく

 

『アタックファンクション!スティンガーミサイル!』

 

そして機械音と同時に両肩からミサイルが発射され

残りのノイズを全て撃滅させた

しかしその場にはすでにその者の姿はなかった

 

 

 

「あいつは一体・・・」



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白と黒の共闘

あの女の子を助けた後

俺は一人で何をするでもなくただ公園のベンチに座り空を見上げていた

 

「・・・さすがにきついよな・・・」

 

そう思っている理由は敵の出現ではなく住み場所の問題だった

今はバイト先の先輩の部屋に泊めてもらっているのだが

さすがにこのままでは申し訳が立たず

どうにか部屋を見つけられないかと考えていたのだ

 

「はぁ〜・・・マジでどうするかな〜・・・」

 

そんな事を考えながらぼーっとしていると

 

「?!」

 

ノイズが現れた事を知らせるサイレンが鳴り響いた

 

「全く・・・もうちょっと俺に暇をくれよ・・・」

 

そう思いながら俺はとりあえずその現場に向かうのだった

 

 

 

 

「おお〜!みんな元気にやってるね〜!」

 

現場に着いてみると奏者のみんなが戦っており

その中には例の女の子も混ざっていた

 

「どうやらあのおっさんスカウトに成功したみたいだな」

 

俺はあの子に仲間が増えたことを大いに喜んでいるが

 

「あっ・・・さすがに戦わないと」

 

何もしてないことを思い出し俺は急いでアキレスに変身して戦いに参戦する

 

 

 

 

「あっ!あのロボットは!」

 

響はアキレスを発見してホッとしていた

自分があんなに破壊してしまい

もう動かないのではないかと不安になってしまっていたのだ

しかし彼がいつもと同じく華麗にノイズを倒していく姿を見て

本当に全快したのだと確信していた

 

「なんだ?!あいつは知り合いなのか!!」

 

するとつい最近仲間になったクリスが彼について聞く

 

「へっ?!そういえば名前も知らない!!」

 

しかし響は彼のことを何も知らないことに気づき

クリスの答えには何も答えられなかった

 

「二人とも!戦闘中だぞ!!」

 

そんな中、翼に叱られて二人は真剣に戻る

 

「?!」

 

するとアキレスはどうしたのかその場から急いで去ってしまう

 

「あいつ一体何を?!」

 

『大変です!学園にノイズが出現しました!!』

 

「「「なっ?!」」」

 

それを聞いたみんなは急いで学園へと戻っていくが

 

「・・・なに・・・これ?」

 

そこにはノイズの姿はなく戦闘の後だけが広がっていた

 

「響!」

 

「未来!なにがあったの?」

 

「あの黒い騎士さんが・・・!」

 

「へ?」

 

そう言って未来の指を差した方向を見ると

そこには大きなハンマーを持ち黒い巨体とマントを翻した

 

 

 

 

LBX ジ・エンペラーが立っていた

 

 

 

 

「まさかここで計画が狂わされるとはね」

 

「「「?!」」」

 

さらにそこへアキレスと了子が現れた

しかし二人は仲良くしているわけではなく

むしろ戦闘を行っているようだった

 

「なんで了子さんと・・・」

 

みんなは何でアキレスが了子と戦っているかわからなかったが

すぐにその理由がわかった

 

「仕方ない・・・私も本気を出しましょう!」

 

そう言って了子はネフシュタンの鎧を召喚して

それを身に纏い髪の色が変わっていく

 

「そんな・・・了子さんが・・・フィーネ?」

 

響達はみんな驚いていたが

アキレスだけは変わらずにフィーネと戦いを続ける

それにジ・エンペラーが参戦し白と黒の共闘し

最後のラスボスとの戦闘が始まった




装甲娘でデータが初期化・・・唯一の星5オーディンがぁぁぁぁぁ!!


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絶望の瞬間

アキレスとジ・エンペラーの共闘!
しかし結果は最悪の方向に・・・


今・・・敵のボスであるフィーネと対峙する俺はめちゃくちゃ驚いていた

 

(まさかこの人が敵の親玉だったとは・・・完全に予想外・・・)

 

念のために基地に最近手に入れたジ・エンペラーを置いていたのだが

まさか本当に使うとは思っておらず

思いの外、苦しい状況になっていた

 

(確かにジ・エンペラーもいて数的には有利だけど・・・!

 この二体同時操作は想像以上に疲れる!!)

 

なぜならこの二体同時操作は

自分の体を二つ動かしているようなものなのだ

なのでいつもの倍以上に脳に負担がかかってしまい

長期戦には絶対に不向きだった

 

(こうなったらすぐに決着をつける!!)

 

俺は真正面からフィーネに攻撃をする

 

「フッ!」

 

もちろん敵の親玉ともなればこんな攻撃を避けるのは造作もなかった

 

「!?」

 

しかしこちらは二対一・・・反撃の隙は絶対に与えない

俺とジ・エンペラーはお互いをカバーしながら

徐々にフィーネを追い詰めていく

 

「!くそっ!!」

 

するとようやく壁際まで追い詰め俺とジ・エンペラーは止めを刺しに向かう

 

『アタックファンクション!ライトニングランス!』

 

『アタックファンクション!インパクトカイザー!』

 

俺とジ・エンペラーの必殺技を受けてフィーネのいる場所は大爆発を引き起こす

 

「やった!?」

 

響はそれを見て倒したのかと思っていたが

俺は全く警戒を解いていなかった

 

「全く・・・想定外にもほどがあるな・・・」

 

なぜなら全くと言っていいほど手応えがなかったからだ

 

「なんで!?確かに攻撃は当たったはずなのに!?」

 

響はなんで倒れていないのかと思っていると

クリスはフィーネの足下にかすかだがノイズが倒れているのを目撃した

 

「杖だ!杖でノイズを召喚して盾にしやがったんだ!!」

 

そう・・・フィーネは杖の力を使い俺達の攻撃が当たる瞬間に

ノイズを召喚して盾に使ったのだ

 

「ええ・・・でもさすがの威力ね・・・無傷では済まなかったわよ・・・!」

 

しかしそれでも完全に防ぎきったわけではなく

少しだけだがフィーネの腕から血が流れていた

 

「でもこれで時間を稼ぐことはできたわ!」

 

フィーネがそう言うと何やら地響きが起き始めた

 

「何が起こっている!?」

 

「簡単よ・・・カ・ディンギルが起動したのよ!」

 

「カ・ディンギルだと!?」

 

どうやらその兵器はかなり危険なものらしく

しかもそれは彼らの基地の中に作られていたようだ

 

「これで月を壊す!それで初めて私の計画が始まるのだ!!」

 

そしてついにカ・ディンギルが発射されてしまった

 

(させるか!!)

 

『アドバンスドVモード!』

 

『アタックファンクション!超プラズマバースト!』

 

俺はVモードを起動させ

カ・ディンギルの射線上に飛び出し必殺ファンクションを放つ

最初はお互いの力は拮抗していたが

徐々に俺が押され始めていた

 

(クッソ!?さすがに無限のエネルギー相手は辛いか!!

 でもここで退くわけにはいかねぇんだよ!!)

 

俺は持てるすべての力を使ってカ・ディンギルの弾を上空で爆発されることに成功した

 

 

 

 

 

それと同時に俺は弾の爆発に巻き込まれて

半壊の状態になり地上へと落ちていった




主人公・・・死す!?


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希望の英雄

主人公は不死身だ!


・・・あれ?・・・俺どうしたんだっけ?

ああ・・・確か、カ・ディンギルの弾を上空で爆発させて

その爆発に巻き込まれたんだっけ?

・・・ダメだ・・・体が言うこと聞かないや・・・

・・・なんか歌が聞こえてくるな・・・

とても優しく・・・それでいてとても元気の出る歌だ・・・

そうか・・・これはみんなの思いの歌なのか・・・

 

 

「だったら俺もこんな所で寝ているわけにはいかないな・・・!」

 

 

 

 

 

「さすがに驚いたわね・・・まさかエクスドライブに到達するなんて・・・

 でも・・・まだ私には届かないわ!!」

 

響達はみんなの思いを受けてエクスドライブへと至った

しかしそれでもデュランダルの無限のエネルギーにはまだ敵わない

 

「くっそ!これでもまだ足りないのかよ!!」

 

「諦めるな!何かあるはずだ!何か!」

 

「そうです!私達はみんなの想いを持って戦っているんです!

 みんなが諦めない限り私達は絶対に倒れません!!」

 

「ああ・・・生きてみんなの場所に帰ろうぜ!!」

 

だがそれでも響達は諦めてはいなかった

 

「そう・・・そんなに死に急ぎたいのならいいわ・・・

 ここで朽ち果てなさい!!」

 

フィーネの一撃が響達に向かって襲いかかる

響達はダメージを覚悟したが

 

「・・・あれ?」

 

そのダメージが彼女らに届くことはなかった

 

「馬鹿な!?何故貴様がここにいる!!?」

 

そしてフィーネが何かを見て驚いていた

 

「・・・そんな・・・どうして・・・!」

 

彼女らの目の前には希望の英雄

 

 

 

 

 

アキレスⅡが立っていた

 

「何故だ!?あの爆発でお前は完全に壊れたはずだ!!

 それに何だその姿は!?まさかお前もエクスドライブに至ったというのか!?」

 

フィーネはまさかの増援に驚愕を隠せないでいた

しかしアキレスⅡは何も答えない

代わりに彼女らの方をじっと見ていた

 

「「「!」」」

 

それを見て言葉を交わさなくても彼女らは理解した

 

 

 

 

 

一緒に戦うぞ

 

 

 

 

 

「行くぞ!!」

 

クリスの援護射撃で三人はフィーネに突っ込んでいく

 

「これでどうだ!?」

 

そして翼がフィーネの腕を切り裂いていく

 

「私も忘れんなよ!!」

 

次に奏が胸に罅を入れる

 

『アタックファンクション!超プラズマバースト!!』

 

最後にアキレスⅡがその罅を貫く

それによりフィーネの心臓であるデュランダルが姿を現した

 

「今だ!!」

 

響はデュランダルを手に取り引き抜く

 

「グゥゥゥゥゥ!??」

 

しかしデュランダルを引き抜いた瞬間

響は破壊衝動に飲まれそうになっていく

 

「!?」

 

するとアキレスⅡが響の手を取り代わりに破壊衝動を抑えてくれる

 

「行きましょう!一緒に!!」

 

「(コクッ)」

 

「ハァァァァァ!!」

 

響とアキレスⅡは一緒にデュランダルを振るった

 

「ガァァァァァァ!??」

 

フィーネの纏うネシュタンの鎧はデュランダルと対消滅して行き

残されたのはフィーネだけとなった

 

「・・・負けちゃったか・・・」

 

「了子さん・・・」

 

「悲しまないでよ・・・私は悪者よ?」

 

「それでも・・・私には悲しいです・・・」

 

「・・・全く・・・私の完敗じゃない・・・

 頼んだわよ・・・この世界のこと・・・」

 

そう言い残して了子は灰となり消えていった

 

「・・・おい?あいつはどこいった?」

 

「えっ?」

 

そしてもう一人・・・アキレスⅡもその場から姿を消してしまった




装甲娘リリースおめでとう!
でも50回くらい回して星3一つだけって・・・悲しい・・・


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再び降り立つ英雄

装甲娘のサービスが終了してやる気が無くなっていましたが
続きを書いてほしいとの声があったので書いてみました
続くかどうかは今後の気持ち次第ですが温かい目で見てくれると嬉しいです


あれから三ヶ月の月日が経ちしばらくの平穏を保っていた

しかしノイズの脅威が完全に去ったわけではなかった

そんな中で人類が最も痛手だと思っていたのは謎の英雄アキレスの消失だった

あの戦いから全くと言っていいほど姿を見せる事はなく

もしかしたら役目を果たして消えてしまったのか

それともあの戦いで完全に壊れてしまいもう動けなくなってしまったのか

理由は定かではないがもう彼が助けに来てくれないのは事実だった

そして奏者達もそれに対して思うところがあったようで

ずっと彼の行方を気にしている様子だった

 

「私まだ・・・お礼も言えてなかったのに・・・」

 

「そりゃあ私もだ・・・」

 

「そんな顔しなくても大丈夫だろ?その内また姿を表すって!」

 

「そうだな・・・あいつは神出鬼没だからな

 おそらく今は体を休めているのだろう」

 

なんとかクリスや翼のフォローがあるお陰で

響達のモチベーションが下がる事もなく日々を過ごせていた

そして肝心のアキレス・・・山野ダンこと俺は何をしているのかと言うと・・・

 

 

 

 

 

「・・・やっべ・・・マジでアキレスが直らないんですけど・・・!」

 

実はあの戦いの後でアキレスⅡは元のアキレスに戻ってしまい

しかも破損状態のままだったのでどうにか修復しようとしているのだが

残念ながら内部のコアパーツまでも破壊されてしまっており

替えのパーツもこの世界には存在していなかった

 

「こういう時に神様もパーツを送ってくれてもいいじゃん!

 はぁ〜・・・おまけにハンターやエンペラーまで動かなくなるし・・・」

 

更に言うのならば何故かあの戦いから他のLBXまでもが沈黙した状態になっており

今の俺にはもうノイズと戦うだけの力は残されていなかったのだ

 

「・・・はぁ〜・・・とりあえず仕事でもしますか・・・」

 

俺はアキレスの修理を諦めて新しく始めた仕事をする事にした

実はあの三ヶ月前の戦いの後でデザイン関係の仕事を始めたのだが

思った以上にこれが成功してしまい今では影の有名デザイナーとなってしまった

 

(まぁ・・・正体を明かすわけにはいかないからね・・・)

 

しかしこのお陰でかなりの資金も集まってきたし

そろそろ家を買おうかと考えてすらいた

 

(でも本当にどうするかな〜・・・このままじゃずっと響ちゃん達に迷惑を掛けるし

 もうそろそろ彼女が来てしまう時期になるんだよな〜・・・)

 

そう言って俺が見ていたニュースは世界的に有名な歌手マリアの来日するというものだった

転生する前の記憶では彼女が来日すると同時に物語は再び動き出す事になる

それまでにはどうにかしてアキレスを元に戻したいと考えていたのだが・・・

 

(結果はこの様・・・なんというか・・・俺って奴は本当に・・・)

 

そんな事を考えてついため息を吐いていると頭上に何かが落ちてきた

 

「痛っ!?なんだよ急に!?・・・ってこれは!?」

 

 

 

 

 

一方その頃、響達はマリアが来日する同日に別の任務があってその説明を受けていた

 

「というわけでだ・・・ソロモンの杖を移送するにあたり二人には警備を頼みたい

 もしかしたらノイズが引き寄せられる可能性もゼロではないからな」

 

「「はい(おう)!」」

 

「なんだか申し訳ないな・・・私らはその日は何も出来ないって言うのに」

 

「何言ってるんですか!?お二人はライブをするんですからこっちの事は心配しないで

 どうかみんなに元気を届けてください!」

 

「そうだぜ先輩!それとも私らだけじゃ不満だって言うのか?」

 

「全く・・・随分と生意気な後輩を持ったものだ・・・」

 

「響くんの言う通りだ!この移送も大事な事だが

 それ以上に今はこの街の人々を安心させる事こそがお前達の役目だ!」

 

「「はい!」」

 

こうして刻一刻とその時が迫っていきいよいよライブ当日・・・

そしてソロモンの杖が強奪させる日になってしまった

マリアはステージで歌を歌い切りそして皆の前で色々と話していた

そんな中で彼女が台本にない事を喋り出しそして・・・ノイズが現れた

 

「そんな!?ノイズだと!?」

 

「まさか・・・貴様が!?」

 

「そうだと言ったらどうするの?貴方達に何か出来るのかしら?」

 

そう言ってマリアはゆっくりとステージの前へと歩いていく

 

「狼狽えるな!」

 

その一声に逃げ惑っていた観客達はステージの前を向いた

そして同じくノイズも完全に動きを止めており奏と翼もその姿に見入っていた

 

「私たちはノイズを操る力を持ってして・・・この星の全ての国家に要求する!」

 

そしてマリアはマイクを上空へと投げると何かを取り出した

それは遠くから見ていた二人ですらもすぐにそれがなんなのかを悟った

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl」

 

そして予想通りに彼女は二人のよく知っている歌を歌い出すと

漆黒に染まっているガングニールを身に纏っていた

 

「私は・・・私達はフィーネ!そう・・・終わりの名を持つ者だ!!」

 

マリアはフィーネを名乗りそして全世界に向けて脅しを掛けた

その言葉に二人は驚いているが同時に何も出来ない自分達を恥じていた

しかし・・・そんな二人を更に驚かせる出来事が直後に襲い掛かった

 

『アタックファンクション!JETストライカー!』

 

突如として何かがライブ会場へと突撃しノイズを一瞬で殲滅してしまったからだ

 

「「「なっ!?」」」

 

これには二人だけではなくマリア自身も驚いていた

あれだけのノイズを一瞬で倒されたのだからそうなるだろう

そしてその何かは空中でその姿を変えるとマリアの前に降り立った

 

「あれは・・・!?」

 

そう・・・彼女達の前に降り立ったのは

新たなる体を手に入れた英雄オーディーン



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再び出会う少女達

大体一週間に一回のペースで頑張りたいと思います
アンケートもやっているので是非、投票してください


会場に現れた俺の姿を見てマリアはとても驚いている様子だった

しかし自分達の敵が現れたというよりも別の意味で驚いている感じだった

 

「・・・まさかとは思っていた・・・事件の話を聞いて・・・

 でも・・・本当に貴方だったのね・・・あの時の騎士は・・・」

 

どうやらマリアは俺の事を知っているようなのだが全く覚えがなく

どこで会った事があっただろうと考えているとマリアは俺に対して頭を下げる

 

「あの時は妹を・・・セレナを助けてくれて本当にありがとう・・・!

 でも・・・ここから先の戦いに貴方は関係ない・・・!」

 

そう言いながらマリアは再び大量のノイズを呼び出した

 

「お願い・・・私達は貴方を傷つけたくはない・・・!」

 

彼女は泣きそうになりがらそう答えていたが

正直な話、俺はそんな彼女を見逃すような性格ではない

 

(それに・・・彼女がどうしてこんな事をするのか聞かないとね)

 

「そう・・・やっぱり貴方は私達の邪魔をするのね・・・

 なら・・・!ノイズ達よ!敵を殲滅せよ!」

 

マリアはノイズに指示を出して俺を襲おうとしてきた

しかし俺に向かってきたノイズは現れた二つの影に倒される

 

「待たせて悪かったな!アンタが気を引いてくれたおかげで纏う時間が出来た!」

 

「悪いがここから先は私達も相手だ・・・!」

 

どうやら俺が時間を稼いでいる間に奏と翼がシンフォギアを纏ったようで

後ろを見ると既に観客の避難は完了しているようで俺も存分に戦える気がした

 

「・・・どうやら時間をかけ過ぎたみたいね・・・

 でも目的の物は手にいれる事が出来たみたいだしここは退かせてもらうわ」

 

マリアはそのままノイズに命令してこちらを襲わせている間に逃げてしまった

ノイズの数はそこまで多くはなく直ぐに倒す事は出来たのだが俺はそれ以上に困っていた

 

「さて・・・今度こそは一緒について来てもらってもいいよな?」

 

「ああ・・・感謝の言葉を述べたいのは奏だけではないしな・・・」

 

何故かやる気満々といった感じの二人が俺の隣におり

俺はすぐさま飛行形態になってその場を後にした

 

「あっ!空を飛んで逃げるなんて卑怯だぞ!!」

 

「流石の私達も空までは飛べないからな・・・迂闊だった」

 

こうしてなんとか二人を撒いた俺はマンションへと戻ってきた

そしてLBXの状態を解除して人間の姿に戻るとオーディーンが手元にあった

 

「ふぅ〜・・・試し無しでの実戦だったからかなり不安だったけど

 どうにか戦えたな・・・てか飛行形態になるのめっちゃ怖かった・・・」

 

今考えてもだいぶ無茶な事をしたと考えていた

オーディーンの飛行形態は明らかに人の関節では実現出来ない体制になる

それを行う事が本当に出来るのかと思っていたがそれは普通に可能だった

どうやら俺はLBXを纏っているのではなくLBXそのものになっているようで

それこそ腕が引きちぎれたりしても実際の体には問題がないようだ

 

(・・・そういえば・・・俺って半壊した事があったっけ・・・忘れてたわ)

 

つい三ヶ月前の事なのにそんな事をすらも忘れており

俺は改めて自分がどれだけ忙しかったのかを理解する事になった

 

「それにしても・・・これからどうするかな〜・・・

 やっぱり拠点は必要になってくるし・・・てかまずは工房だよな〜・・・」

 

とにかく俺は自分だけの拠点が必要になると考えて

前から考えていた自宅建設計画を実行に移そうと考えていた

 

「まずは土地が必要だよな〜・・・

 ノイズの影響でそのままになっている廃墟とかも多いし金も問題はない

 となると次の条件はどこに住むのが一番なのかって事だよな〜・・・

 流石にリディアンの近くだけは避けたいな〜・・・」

 

あそこは色んな意味で近づきたくない場所であり

その近くじゃない場所で家を持ちたいと考えていたのだが

 

「・・・まぁ・・・なんとなくそんな事になると思ってたよ・・・」

 

予想通りと言うべきなのか残っていたのはリディアンの近くにある廃墟だけだった

どうしてこんな予想が当たってしまったのか・・・その理由はとても単純な事だった

 

「あんだけの事があったんだしな・・・普通に学生が通っているから気にしてなかったけど

 ノイズがあんなに現れた場所の近くに住みたい人間なんていないか・・・」

 

そう・・・この周囲に人がいない理由は三ヶ月前の事件が原因だった

流石にあれだけのノイズが出たのは人々にとっても相当な恐怖だったようで

もうここに現れる事はないだろうがそれでも不安に感じるてしまうのだろう

それによってこの周囲もこうして誰もいない廃墟に変わってしまったという事だ

 

「なんとも悲しい事だが・・・まぁせっかくここまで立地のいい条件はないんだし

 しゃあない・・・諦めてここに決めるとするか・・・」

 

俺はここを自分の拠点にしようと決めて早速、工事を進めてもらう事にした

といっても作ってもらうのは表側の家だけであり重要な施設は後で作るつもりだ

 

「あれ?誰かここに住むのか?てかすごい豪邸!?」

 

「本当だ・・・あれ?あそこにいるのって・・・」

 

そこへ何やら知っている声が聞こえてきて振り返るとそこには響と未来の姿が会った

 

「おっ!二人とも久しぶりだね」

 

「はい!てかお兄さんすごいですね!

 いつの間にこんな豪邸を建てられるほどお金持ちに!?」

 

「まぁ最近始めた事業に成功してね・・・流石にマンション暮らしもキツくなってきたし

 思い切って家を建ててもらおうと思ってこの土地を買い取ったんだよ」

 

「へぇ〜・・・出来たらここに遊びに来てもいいですか!?」

 

「・・・年頃の女の子が男の家に来ちゃダメでしょ・・・」

 

「あはは・・・まぁそこは響ですから・・・」

 

「未来ちゃんも苦労してるんだね・・・」

 

「あれ!?なんで二人してため息吐くんですか!?」

 

「それよりもどこかに行くんじゃないの?」

 

「あっ!そうだった!!それじゃあお兄さん失礼します!」

 

「失礼します!まっ待ってよ響!そんなに慌てたら転ぶよ!」

 

「二人とも気をつけるんだぞ〜!!」

 

こうして俺は再び二人と出会う事になってしまい

少しだけ後悔しながらもここに家を建てる事を楽しみに待つのだった



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新しい我が家とみんなでお買い物

今回はオリジナルの日常回です


土地を手に入れて整備を行ってもらい

家を建造してもらう事になって一週間ほど・・・

 

「・・・いやどう考えても早すぎだろ!!」

 

まさかの完成を迎えてしまい俺は家の受け取りに来ていた

ぶっちゃけた話、家の建造には半年以上の時間を必要とする

それにも関わらずこの早さはおかし過ぎると思っていたのだが

どうやら理由は思った以上に簡単な事だった

 

「そもそもこの世界は技術力が現代と違うのか・・・」

 

似ていて直ぐに忘れてしまいそうになるが

実際はこちらの世界の方が少しだけ技術力が上なのだ

だからこそ人手と材料さえあれば家を建てるにも時間はそこまで必要はない

 

「・・・何か・・・自分の常識が間違ってるって教えられそうだ・・・

 まぁいいや!とにかく急いで荷物を入れないとな!」

 

詳しい事は後で考えようと思いながら俺は荷物を直ぐに運んで行った

そしてそれだけではなく色々と自分好みに家を改造していく事にした

 

「まずは地下室を作らないとな・・・幸いな事に近くに家もないし

 騒音の心配はないから・・・じっくりと作る事ができるな!」

 

そう言って俺は自前の地下室までも作りそこをラボにする事にした

更にはそれだけではなくお風呂も少しだけ改造させて貰った

 

「ふっ・・・!熱源探知などを使えば温泉を掘り当てる事さえ可能なのだよ!」

 

LBXに搭載されている機能をフルに使って温泉までも掘り当てると

俺はそれを自分のお風呂として利用する事にして水道を繋いだ

こうして見た目だけではなく本当の意味で俺の家が完成したのだった

 

「いや〜!改めて見ると大きいな!・・・てかデカすぎたな・・・」

 

どう考えても二十人以上の世話係と一緒に暮らしそうな豪邸であり

作ってくれと頼んだ俺としても正直な話、やり過ぎたと感じていた

 

「・・・俺・・・この家に一人で住むんだよな・・・大丈夫かな?」

 

流石にこの屋敷で住むなど心が折れるのではないかと思いながらも

とりあえずは荷物を整理しなくてはいけないと家に入ろうとした時だった

 

「あっ!もう家出来たんですね!?」

 

「・・・流石に早過ぎませんか?」

 

「ありがとう未来ちゃん・・・俺と同じ感性の人がいて少しだけ安心した」

 

「あっ・・・お兄さんもおかしいと思ってたんですね?」

 

「それよりも中に入っていいですか!?」

 

「だから年頃の女の子が一人暮らしの男の家にそんな簡単に入ろうとしちゃダメ!」

 

「えぇ〜・・・」

 

響は少しだけ不貞腐れながらもそれでも諦めていないようで

何やら俺に対して涙目&上目遣いのおねだりみたいな事をしてきていた

 

「・・・響ちゃん?それ誰から教わったの?」

 

「えっ!?どうして教わった事だって分かったんですか!?」

 

「響ちゃんがそんな事を思いつくとは思わないから」

 

「うぅ・・・実は友達に男の人に

 これをすれば言う事を聞いてもらえるって聞いたので・・・」

 

「・・・それ・・・完全に揶揄われてるからね?」

 

「うぅ〜・・・やっぱり〜・・・」

 

俺達のやりとりを見て隣にいた未来ちゃんは苦笑いしていた

そんな時に俺はそもそもどうして二人が外にいるのか疑問に思った

 

「そういえば二人はどうしてここに?

 どこか出かける用事でもあるんじゃないの?」

 

「あぁ・・・実は・・・私の友達のクリスちゃんって女の子がいるんですけど・・・

 つい最近になってからですかね・・・あまり服を持っていない事を知りまして・・・」

 

「ああ・・・それで一緒にその子の服を買いに行く事にしたんだね?」

 

「はい!そうだ!お兄さんも一緒に行きませんか!?」

 

「・・・響ちゃん・・・君はどうあっても俺を社会的に消したいのかい?」

 

「お兄さん・・・これが響ですから」

 

「??」

 

どうやら本当に響は気づいていないようだが

正直な話をするのならば二人は間違いなく美少女だ

そんな彼女らとこんな風に話をしているだけでも嫉妬の目を向けかねないのに

更にそこからもう一人増えてしかも服の買い物をするなど

もはや世間からしてみれば完全なハーレム状態と言ってもいいだろう

そうなれば俺の世間の評価はあり得ないほど落ちてしまうと考えた方がいい

未来もそれを察してくれたのか苦笑いしていたのだがここで問題が発生する

 

(と言っても・・・俺も引っ越したから色々と買いに行かなくちゃいけないんだよな〜・・・)

 

そう・・・引っ越しを終えた俺も色々と必要な物を買いに向かわなくてはいけないのだ

そしておそらくその買い物をする場所は彼女達と同じであり

もしもこの誘いを断って一人だけ向かってしまえば彼女達の心を傷つけかねないだろう

仕方なくて俺は妥協案として彼女らと一緒に向かい

それぞれに分かれて行動すればいいと考える

 

「しょうがない・・・俺も一緒に行くけど別行動になるからね?」

 

「えっ?お兄さんは一緒に回らないんですか?」

 

「俺が必要なのは服とかじゃなくて別の物だからね

 ちょっと待ってて今レンタカー持ってくるから」

 

「えっ!?お兄さん運転出来るんですか!?」

 

「免許はあるよ?車は持ってなかったけど」

 

そう言って俺は二人を乗せてそのお友達と待ち合わせている場所に向かった

そして待ち合わせの場所に着いたのだがそこには更なる試練が待ち構えていた

 

「お兄さん!こちらが雪音クリスちゃんです!」

 

「雪音クリスだ・・・よろしく頼む・・・」

 

 

「・・・あっうん・・・それよりも響ちゃん?そのお二人は・・・」

 

「えっえっと・・・」

 

「まぁ隠しても仕方ないし・・・ツヴァイウィングの天羽奏だ

 こっちは同じくツヴァイウィングの風鳴翼だ」

 

「よろしく頼む」

 

「いやそっちじゃなくて・・・何でお二人が一緒に居るんですか?」

 

「響は私らの可愛い後輩だからな!」

 

「ああ・・・そういえばお二人もリディアン生徒でしたっけ?」

 

「そう言うこと!それじゃあ早速、行こうぜ!」

 

俺は正直、二人の存在にビクつきながらもとりあえずお店の中で分かれて

自分の必要な物を買いに来ていたのだが・・・

 

「・・・何で二人は俺と一緒に行動を?」

 

「いや〜・・・一緒に買い物を頼まれたのはいいんだけどさ〜・・・」

 

「恥ずかしい話・・・私達はそう言った事に疎いんだ・・・」

 

「・・・だからと言って見ず知らずの俺と一緒に行動しなくても・・・」

 

「何だよ〜!私らと一緒じゃ嫌だってか?」

 

「ええ・・・メチャクチャ目立ってますからね・・・お二人共・・・」

 

俺にそう言われて二人が周りを見ると

明らかに正体がバレているような感じがしていた

 

「あ〜・・・確かにこりゃあマズイかな?」

 

「まぁしばらくは大丈夫じゃないですか?

 俺と一緒にいる間は本物そっくりの人だと思われているだけでしょうし」

 

「なぜそう思うんだ?」

 

「俺が男だからに決まってるじゃないですか・・・」

 

「「あぁ〜・・・」」

 

あの人気な二人が男と一緒にいるなど普通はあり得ないと考えるのが普通

だからこそ俺と一緒にいる間はそんなわけはないと考えて別人だと思われる事だろう

 

「アンタ・・・意外と賢いな?」

 

「意外とって・・・まぁいいや・・・」

 

俺はどうにか二人をやり過ごしながら買い物を終えて

同じく買い物を終えた響達と合流する事になったのだが

 

 

 

 

 

 

「それじゃあこれからお兄さんの家にしゅっぱ〜つ!」

 

「えっ?




アンケートありがとうございました
結果としましては原作キャラの強化は無しになりました
ありに投稿してくれた方には申し訳ありませんが
それでもこの先も見続けてくれると嬉しいです


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正体バレ危機からのネフィリム大暴れ

本編の話に戻ります


結局あの後で抗議しても響は話を聞いてくれず

みんなを連れて俺は自分の家まで帰ってきてしまった

 

「・・・先に聞いておきますけど尾行とか大丈夫ですよね?

 男の家に二人が入ってくるのってだいぶ問題なんですからね?」

 

「いや立花達もいるしそこまで問題じゃねぇだろ?」

 

「確かに・・・一人なら問題だが複数人なら問題はないな」

 

「いや開き直らないで・・・出来れば否定して」

 

とりあえず俺はみんなを中に入れる事にしたのだが

ここで大きな問題がある事に気が付いてしまった

 

(そういえば・・・家の改造に熱中して荷物片付けてないな・・・

 って事はダンボールの中にLBXが入ったままじゃねぇか!!)

 

そう・・・まさしく俺の正体でもあるLBXの存在を完全に忘れてしまっており

俺はどうやってみんなをやり過ごしながらアレらを隠そうかを考える

しかしそんな考えながら俺はとりあえずみんなをリビングに案内した

 

「とりあえずここでお茶でも飲んでゆっくりしていてよ

 俺は荷物とかを整理しなくちゃいけないからさ」

 

「それなら私達も手伝いますよ?」

 

「大丈夫!大丈夫!迷惑を掛けるわけにもいかないし問題ないって!

 気にしないでとにかくここでゆっくりしていてって!」

 

「そうだぞ〜?こうやって取り乱している時の男は大抵やましい何かを隠している時だ

 そしてその大体は・・・エロ本とかそういった系の物だよな?」

 

するとここで更なる爆弾を奏が投下してしまい

それを聞いた響が悪戯を思い付いた子供のような顔をする

 

「お兄さん・・・そんなのを私達に見せないようにしていたんですね〜?」

 

「えっえっと・・・」

 

「どのダンボールの入ってるか探しちゃお!」

 

「ちょっと待ってぇぇぇええ!!」

 

まさか響と奏の二人がダンボールを捜索しに向かってしまい

それに絶望する俺の肩に未来と翼の手が置かれるのだった

 

「あれ?そういえば雪音ちゃんは?」

 

「そこで顔を真っ赤にしてます」

 

「ああ・・・そういう事に免疫がないんだね」

 

とにかく俺は二人を止めようとするとみんなの携帯が一斉になった

 

「すみませんが急な用事が出来てしまいました!

 片付けも出来ずに申し訳ありませんがこれで失礼します!」

 

「あっああ・・・急な用事なんだろ?ここはいいから早く行きなよ」

 

「ありがとうございます!」

 

こうしてみんなは急いで俺の家を後にしてどこかに向かってしまい

なんとか俺はやり過ごす事が出来たと少しだけ安心していた

 

「ふぅ〜・・・出来る事ならもう来て欲しくないな〜・・・

 てかかなり急いでるみたいだったけど何かあったのかな?」

 

しかし後片付けがあるので俺は尾行する事をやめて大人しく家の片付けをするのだった

 

 

 

 

 

そしてその夜、響達はとある廃病院までやってきていた

というのも実はダンの家から招集を受けて本部まで向かうと

ここで奇妙な反応が出た事を聞いてその調査をする事になったのだ

 

「ノイズではないってダンナは言ってたけど・・・他に何の反応があるんだ?」

 

「分からない・・・だが今回の事件と無関係ではないだろうな」

 

「はん!どんなのが出てこようと蜂の巣にしてやる!」

 

「流石クリスちゃん!頼りになる!」

 

「・・・その割には足が震えてないか?」

 

なんて事を話しながら歩いて行くと何かが蠢いている音が聞こえてきた

そして次の瞬間に扉を破壊して何かが飛び出して来てクリスはそれに対してミサイルを放つが

 

「なっ!?ミサイルを食ってやがる!?」

 

クリスの放つミサイルはただのミサイルではなくシンフォギアが作り出した物である

それを食べる事など普通の生物は愚かノイズにすらも不可能な事だった

それに恐怖しているとその触手の奥から何者かが姿を現した

 

「お前は!?ドクター・ウェル!?」

 

「・・・やはり貴様は彼女達とグルだったというわけか・・・!」

 

「その通り!そしてこれはネフィリムという生物の細胞を元に作り出したものだ

 美しいだろ?こいつはシンフォギアを餌とするまさしく神のような生物・・・!」

 

「シンフォギアを食べるだと!?まさか・・・!!」

 

「その通り!これは完全聖遺物!とある実験のおりに暴走してしまい

 その一部を私が研究しこうやって培養する事に成功したという訳だ」

 

「なるほどな・・・!私らにとってはまさに天敵のような相手ってわけか・・・!」

 

「その通り!さて・・・それでは君達も餌になってもらおうかな?」

 

そう言ってドクター・ウェルがネフィリムに命令を出して響達を襲おうとした瞬間だった

彼女達の後ろから何かが飛び出してきてネフィリムの触手を切り裂いたのだ

 

「なっ!?馬鹿な!?ネフィリムの触手を切り裂くだと!?そんな事はありえない!!」

 

「あれは・・・!」

 

その突如として現れたのは高速戦闘を得意としているパンドラだった

パンドラは襲い掛かってくる触手を廊下という狭い空間の中で見事に躱し

全てを斬り落としながら凄まじい速度でドクター・ウェルの元へと向かっていく

 

「くっ!まさかここであいつの仲間に出くわすとは!

 だがこれも性能実験!おかげで良いデータは取れた!さらばだ!」

 

ドクター・ウェルは触手を自爆させてその隙に逃走してしまい

そして残されていたパンドラもどこかへと姿を消してしまった

 

「クッソ!結局は謎が増えただけかよ!!」

 

「いや・・・少なくともドクター・ウェルは敵で

 ネフィリムという完全聖遺物の力を持っているという事は分かった・・・

 今回はそれだけでも収穫と考えるべきだろう」

 

「そうですね・・・それよりもさっきのって」

 

「ああ・・・前にも姿を現したあのロボットの仲間だろうな・・・

 初めて見る形状だが・・・一体どれだけの数がいるんだ?」

 

こうして謎は謎になったまま響達は撤収するのだった




来週はもしかしたら休むかもしれません


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文化祭にご招待!

廃病院での事件を終えてパンドラの姿になっていた俺は家に帰って来ていた

 

「ふぅ・・・まさかパンドラの試運転をしている時にあんな場面に遭遇するとは・・・

 俺ってトラブル体質でも付いてるのか?」

 

実を言うとあの場面に出会したのは全くの偶然であり

響達を助ける事が出来たのも偶々だと言ってもいいだろう

 

「それにしても・・・神様も送って来すぎじゃ無いですかね・・・」

 

俺の目の前には大量のLBXの箱が散乱していた

実は響達が急いで出て行った後でLBXを片付ける為に地下室に行くと

そこにはフェンニルやプロトゼノンを始めとした数々のLBXが置かれていたのだ

お陰で整理するのにかなりの時間を必要としてしまったのと同時に問題が発生した

 

「流石に俺一人じゃコレを作り切るのとか無理なんですけど・・・」

 

何故かLBXは前までのように組み上がった状態で送られて来ておらず

未開封のまま送られて来ていたのだ

お陰でこれまでに必要なかった組み上げ作業が必要になってしまい

仕事の時間などもあるのでその作業を続ける時間もあまりなく

ようやく先ほどパンドラだけは組み上げる事が出来たという訳だった

 

「なのに他にも沢山って・・・これ出来上がる自信がないんだけど・・・」

 

なんて事を考えながら夜が明けてき

どうにかフェンニルとプロトゼノンを作り上げた俺はそのまま寝ようかとした時だった

玄関からチャイムの音が聞こえてきて下に降りて玄関を開けると

そこには響と未来の姿があった

 

「どうしたの?今日は平日だから学校があると思うんだけど?」

 

「はい!だからその前にどうしてのお兄さんに渡したいものがあって」

 

そう言って響はその渡そうとしていたものを探すが何故か見当たらず

未来はため息を吐きながら予備として用意していた招待状を俺にくれた

 

「コレって文化祭の招待状?あの俺・・・関係者じゃないんだけど・・・」

 

「そうなんですけど・・・私も響も保護者が来れないので

 どうせ無駄にしてしまうのなら知り合いに渡そうかと・・・」

 

「そうだったんだ・・・分かった・・・ありがたくコレは受け取らせてもらうよ

 それで?その文化祭っていつからやるの?」

 

「明日です!」

 

「明日ね・・・明日!?」

 

まさかの事態に俺は思わず来ていく服などあったかと色々と気になってしまい

もっと早くに言って欲しかったと思いながら二人を見送った

 

「マジで勘弁してくれよ・・・明日って言われてもそんなオシャレな服なんて持ってないぞ?

 今から買いに行くとしてもそんなの売ってないだろうし・・・あれ?やばくね?」

 

結局、俺は服を買う事を諦めていつものような私服で文化祭に向かう事にした

そして当日になり招待状を持ってリディアンに向かったのだが

どこもかしこも女生徒だらけであり自分が浮いているのではないかと感じていた

 

「・・・女学院とか初めてだからどうすればいいのか全く分からん・・・!」

 

「ん?あれ?そこにいるのはダンじゃねぇか!」

 

「ん?あっ!奏さんに翼さん!よかった〜・・・知り合いと出会えて・・・」

 

「あん?」

 

俺は女学院に来た事がないのだと改めて事情を説明すると

奏がどうやらツボに入ってしまったようで大きな声で笑っていた

 

「モテそうな顔して女生徒が怖いって初めて聞いたぜ・・・!

 あ〜・・・腹イテェ・・・!」

 

「女の子が腹とか言うんじゃありません!

 翼さ〜ん・・・響ちゃん達の教室に案内してくれませんか〜?」

 

「すまないが私も今回は参加している側なんでな

 これから自分のクラスの出し物に出なくてはいけないんだ」

 

「おぉう・・・しょうがない・・・自力で探すとするか・・・」

 

「悪いな!何か奢るから勘弁してくれ!」

 

俺はトボトボと二人と別れてどうにか響達の教室を探そうとしていた時だった

 

「・・・えっと・・・何しているの雪音ちゃん・・・」

 

「みっ見るんじゃねぇ!!///」

 

クリスちゃんがメイド服で客引きを行っておりその現場を目撃してしまった

しかもメイド服はなかなかに露出が多く胸の谷間が強調されスカートもかなり短かった

 

「・・・よくそんな露出が多いの着る気になったね・・・」

 

「コレはアイツらが無理やり・・・///」

 

「随分とクラスメイトの子と仲がいいんだね?」

 

「・・・そう・・・思うか?」

 

「違うのかい?」

 

「・・・違わないけど・・・」

 

「ならそれでいいんじゃないの?」

 

俺は何故か落ち込んでいるクリスの頭に手を置いてその頭を撫でる

 

「雪音ちゃんが何を悩んでいるかは知らないけど

 それは結局過去だ・・・今の事には関係ないはずだよ

 だから・・・いつまでも孤独を選ばなくてもいいんだよ・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・あれ?雪音ちゃん?」

 

「プシュ〜・・・///」

 

「なんか顔真っ赤にして気絶してる!?ちょっと!?雪音ちゃん!?」

 

『ご馳走様でした!!』

 

「いや何言ってるの!?てかなんでもいいけど保健室!!」

 

クリスはそのままクラスメイトの女の子達が面倒を見てくれる事になり

そして彼女が起きると同時に俺との関係を聞かれまくった事は言うまでもない・・・



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いや歌ってる場合か!?

雪音ちゃんをクラスメイトに任せて

俺は再び響と未来のクラスへと向かおうと思ったのだが

実はそのまま雪音ちゃんのクラスメイトに捕まってしまい

彼女との関係を色々と聞かれ続けていたのだが

そこで何やら中央の広場がかなり騒がしくなっていた

 

「何か中央が賑やかだね?何かあるの?」

 

「それなら多分中央のステージで歌唱大会があるので

 それに出ている誰かがすごい上手なんじゃないかと」

 

「歌唱大会?なるほど・・・そこなら二人も居るかな?」

 

俺はそこに響と未来がいると信じてそこに向かったのだが

そこには自分の目を疑ってしまうような光景があった

 

「・・・あそこで歌ってるのって・・・確かマリアさんと一緒に居た子達じゃね?」

 

前の犯行声明に使われていた動画に彼女達が映り込んでおり

流石の俺もそんな大胆な事はしないだろうと思っていたのだが

その予想を大きく外れて彼女達はまさかの文化祭に乱入していた

 

(流石にここで騒ぎを起こすわけにはいかないよな〜・・・

 一般人も多いわけだし・・・いや待てよ?逆に考えればいいのか!)

 

俺は急いで物陰へと隠れると懐から持ってきたLBXを取り出す

 

(一般人を逃すのならここはやっぱりこいつがいいよな!)

 

 

 

 

 

「いや〜!久しぶりに歌ったデス!」

 

「そうだね・・・でも私達の役目も忘れちゃダメだよ?」

 

「分かっているデス!・・・?向こうがなんか騒がしいデスね?」

 

切歌は自分達の会場よりも騒がしい場所を発見しその場所を見てみると

そこには驚くべき光景が広がっていた

なんとそこに居たのは悪魔のようなデザインをしたLBX・プロトゼノンが立っていたのだ

しかもそのLBXはゆっくりとこちらに向かってきており

自分達の正体がバレているのだとすぐに気がついた

 

「どうやら歌っている場合ではなかったみたいですね・・・!」

 

「どどどどうするデスか!?」」

 

「そんなのすぐに逃げるに決まってるじゃないですか!」

 

「了解デス!」

 

二人は急いで会場を後にしたのを確認して俺もリディアンから逃走

そして森の中でプロトゼノンからフェンニルに切り替えて

遠距離から彼女達を見張りながらその後をついていく事にした

 

(それにしても・・・文化祭を台無しにしちゃって申し訳なかったな〜・・・

 正体がバレたら何か言われそうだけど・・・まぁ大丈夫だろ!)

 

なんとも気楽な感じで考えてしまったが今はそんな場合では無いと思い

そのまま二人を尾行しているとどうやら彼女らの本拠地にたどり着いたようだ

 

(さてどうしたもんか・・・居場所を突き止めたところで何も出来ないし・・・

 ん?あれは・・・おそらく別の国の人間か?って事は取引に来たって事だろうが

 タダで要求を飲むなんてあり得ないだろうな・・・マジでどうするか・・・)

 

俺はここに居ても特にやるべき事はないだろうと判断し

同時に自分が居なくなって探している人間がいるかもしれないと

一度、家へと戻る事にした

 

「ん?あれは・・・響ちゃんか?」

 

家に帰る途中で何やら思い悩んでいる姿の響を見つけた

いつもならば彼女には未来の姿があるはずなのだが今回はその姿も見えない

かと言って今の響を放っておく事は出来ないので彼女の元に向かった

 

「どうしたの?随分と元気な無いみたいだね?」

 

「お兄さん・・・実は・・・」

 

どうやら響の話では自分の命がそこまで長くは無いかもしれないとの事だった

原因は分かっているのだが治す方法がなくてどうしようもないのだと

しかもそれはまだ未来にも教えてはいないようでどうしようか迷っているとも

 

「そっか・・・確かにそんな残酷な真実を未来ちゃんには言えないよね・・・」

 

「はい・・・未来はきっと私以上に心を痛めると思います・・・

 だからどうすればいいのか分からなくて・・・」

 

「・・・響ちゃんがしたいようにしなよ・・・

 でもこれだけは言える・・・言っても言わなくても・・・

 未来ちゃんは響ちゃんの死を悲しむのだけは間違いないよ

 たとえ響ちゃんが悲しまないでほしいと思ってもね?」

 

「お兄さんも・・・同じですか?」

 

「そりゃあね・・・でも今の話を聞いたら出来るだけ響ちゃんが幸せに生きていてほしいと俺は思うよ・・・」

 

「・・・ありがとう・・・ございます・・・!」

 

「・・・帰ろうか・・・」

 

俺は涙を流す響の手を繋ぎながら彼女を連れて帰った

未来には詳しい話を言わず響を慰めて欲しいとお願いし

俺も彼女の事を支えなくてはいけないと自分の家に作業を開始する

 

(彼女が死ぬと言っていたのはおそらく胸に食い込んでいるシンフォギアの所為だろう

 あれは俺もよく分からないからなんとも言えないが・・・可能性がないわけじゃない)

 

要は胸のシンフォギアを取り除きさえすれば問題はないのだ

この世界ではあれを分離させる為の方法はないだろうが

ダンボール戦機の技術力はそれを遥かに凌駕している

だからこそ何か方法があるのではないかと考えていたのだが

 

「・・・駄目だな・・・あれを完全に取り除くにはもう一つの問題がある・・・」

 

 

 

 

 

「あれを取り除いてしまえば・・・響ちゃんは戦えなくなる・・・!」



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悲劇と悲劇

(響ちゃんを助ける為には響ちゃんから戦う力を奪わなくちゃいけない・・・

 でも・・・それは同時に彼女から生き甲斐を奪ってしまう事でもあるし・・・

 それに・・・あの放って置けない性格の女の子が

 これだけ関わって自分だけ何もしないなんて出来ないよね〜・・・)

 

これまで立花響という女の子を見ていたが彼女はまるで自己犠牲の塊のような存在だ

いや・・・そんな生ぬるい言葉ではおそらく済まないだろう

彼女はもはや自分の命を命とすら思ってはいない

だからこそ自分の身が危険だと分かっていても彼女は戦おうとしているのだ

それはおそらくは彼女から戦う力を奪ったとしても同じだろう

つまり完全に聖遺物を除去出来ても彼女は死ぬ可能性があるのだ

 

(何かないのか!?

 響ちゃんの命を失う事もなく響ちゃんが戦う力を得られる方法は・・・!?)

 

俺は必死でそんな理想的な方法がないかと考えるが現実はそんなに甘くはない

どんなに頑張ってもどちらかの方法しか取れる事はなかった

 

「・・・ダメだな・・・俺だけじゃ完全に手詰まりになってきた・・・

 やっぱり協力した方がいいのかね〜・・・でもな〜・・・」

 

やはり姿をバラすには覚悟が必要になってくる

俺は誰のものになる気もないし誰にも利用されたくはない

だからこそこれまでも素顔を隠して行動してきたのだが・・・

 

「もしかしたらそれも限界に来てるって事なのかな〜・・・ん?

 なんだこの邪悪な気配は・・・!?」

 

俺は急いでオーディーンを持ち出して外に飛び出した

そして高速飛行形態で空を飛んでいくとそこには何故か暴走状態の響と

何やらかなり巨大になっている醜い化け物の姿があった

 

(・・・なんかどっかであいつを見た事があるんだけど・・・どこでだ?

 ってそんな事を言ってる場合じゃねぇや!まずは響ちゃんを止めないと!)

 

「こちらは私達に任せろ!お前はそこの怪物を頼む!」

 

「響は必ず私らでなんとかするから!信用しろ!」

 

「その代わり!私達の分までそいつをぶっ飛ばしてやれ!」

 

(三人共・・・!分かった・・・そこまで言うのなら・・・!)

 

三人の言葉を聞いて俺は暴走する響の方ではなく

ネフィリムの方へと向かっていくとそこにはもう一人の姿があった

 

「ようやく来たか!貴様を待っていたぞ!ネフィリムはシンフォギアを食べて成長した!

 もはや貴様ですら止める事は出来ないぞ!は〜はっはっはっ!」

 

(・・・それは俺が一人だけの話だ・・・!)

 

「なっ!?」

 

ネフィリムが俺に突っ込んできた瞬間、俺は他に三体のLBXを呼び出した

その三体とはゼノン、ルシファー、イフリート

かつてオーディーンと共に最強のLBXと囁かれていた三体だ

 

「馬鹿な!?この後に及んでまだ仲間が居ただと!?

 そんな事はありえない!ネフィリム!奴らを食い尽くせ!」

 

『アタックファンクション!ヴァルゾダース!』

 

『アタックファンクション!デビルソード!』

 

『アタックファンクション!ブレイクゲイザー!』

 

ネフィリムは突っ込んできたが三体の必殺ファンクションで半身を吹き飛ばされる

しかし圧倒的な回復力で体を再生させていたがそれでも先ほどの攻撃が効いたのか

怯えるように後退しておりそしてウェル博士も驚いている様子だった

 

「そんな・・・!?これほどまでの回復力を持っているネフィリムですら怯えるだと!?

 貴様は一体・・・一体どこまで規格外だと言うのだ!?」

 

(意外とそうでもないんだよな・・・!俺の体力もそろそろ限界が近い・・・!

 こうなったらぶっ倒れるのを覚悟であれを使ってやらぁ!!)

 

『エクストリームモード!』

 

『オルタナティヴモード!』

 

『セラフィックモード!』

 

『インフェルノモード!』

 

俺は特殊モードで全てのLBXは輝きを強く放ち始める

その凄まじいまでのオーラはネフィリムを完全に怯えさせていた

しかしそれほど時間を取らせるわけもなく俺はネフィリムに突っ込んでいく

 

『アタックファンクション!Ωエクスプロージョン!』

 

最初はゼノンがネフィリムの下半身を吹き飛ばしながら空叩く浮かび上げる

しかしネフィリムも黙っているわけでもなく触手を伸ばして攻撃してくるが

 

『アタックファンクション!プロミネンスレイド!』

 

『アタックファンクション!セラフィックウィング!』

 

そこへイフリートとルシファーが飛んでいって触手ごとネフィリムの両腕を吹き飛ばした

 

『アタックファンクション!グングニル!』

 

最後は俺自身がネフィリムの頭部を貫いて跡形もなく破壊した

 

(ヤッベ・・・もう・・・体力の限界・・・)

 

しかしそれと同時に俺の体力は尽きてしまい

ゼノン達はそのまま消滅し俺も地面に落下し機能停止してしまった

薄れゆき意識の中で俺は響が元に戻っている事を祈るのだった

 

 

 

 

 

「馬鹿な・・・!?ネフィリムが負けただと・・・!?ありえない!?

 そんな馬鹿な事・・・認めるものかぁぁぁぁぁああ!!」



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変わってしまう太陽と正体

二度ある事は三度あると誰かが言っていた

今の俺はまさにその言葉通りの事が起こっていた

そう・・・二度も捕まってしまいその度に脱獄したのだが

今回もまた・・・俺は捕まってしまったのだ

 

(しかも今回は逃げられないように拘束されてるし

 何故か雪音ちゃんとかに見張られてるし・・・厳重過ぎませんかね!?)

 

まさかここまでの事態になるとは思っていなかったが

それでも捕まって解剖されていないだけマシと言うものだろう

 

「・・・あの〜・・・やっぱりこの拘束って必要なんですかね?

 別に悪い人じゃないんだし要らないと思うんですけど・・・」

 

「確かにこいつが悪い奴じゃないのは私達も理解はしているが・・・」

 

「そうだな〜・・・でもこいつには二度も逃げられているから

 こうでもしないとまた逃げられる可能性があるんだよ」

 

「まぁもしもその拘束まで破って逃げ出そうものなら私が撃つけどな!」

 

(ちょっ!?なんかめちゃくちゃやばい事、言ってませんか!?)

 

このままでは絶対に逃げられないと思った俺は

どうにか事件が起きてくれないかと不謹慎ながら思ってしまった

そしてその祈りが届いたかのように事件は発生しみんなはその現場に急行する

俺のその混乱に紛れて拘束を解いて脱出に成功したのだが

その後で俺は最悪の結末を知る事になった

そう・・・未来が攫われてしまったという最悪な事実を・・・

 

「まさかあいつらがこんなに早く一般人に手を出すとは・・・

 いや・・・もしかして未来が響の友達だと知っていて手を出したのか?

 それとも何か別の目的があって?・・・ダメだな・・・色々と考えても埒が明かない

 ここはもう一度、彼らの秘密基地に向かって色々と調べた方が良さそうだな」

 

俺はパンドラに変身してすぐさま彼らの秘密基地へと向かい

フェンニルに変身して遠くから彼らの動向を観察する事にした

どうやら彼らはとある国と取引をしたらしいのだが交渉は決裂

その場に偶然居合わせた未来をあのウェルと言う博士が誘拐したそうだ

 

(なるほどな・・・それにしてもあのウェルと言う男・・・

 まさかここまで歪んでいるとはな・・・

 それにあのマリアと言う女性・・・何をそこまで焦っている?)

 

事情はよく分からないがどうやら向こうは一枚岩では無くなってしまったのだと知り

それならばどうにか彼女を助ける事が出来るかもしれないと考えた俺だったが

どうやら現実はそこまで甘くはないようだ

 

「なっ!?」

 

なんと船の上部に未来の姿を見つけたのだが

同時に彼女はシンフォギアを身に纏ったのだ

そしてこちらにやって来た翼達と対峙していた

 

(完全に洗脳されている・・・!ウェル・・・貴様という人間は・・・!!)

 

俺は急いでオーディーンに変身して翼達の元へと向かい

意識なくただ命令をこなしている未来の前に降り立つ

 

「ようやく現れたか・・・!貴様にはありとあらゆる屈辱を飲まされてきた!

 だが!それもこれまでだ!この神獣鏡の力があれば貴様も敵ではない!」

 

(悪いが貴様の言葉など今の俺には響かん・・・!

 俺がここへやって来た目的はたった一つ・・・!彼女を助ける事だけだ!!)

 

『エクストリームモード!』

 

俺は金色の光を放ち神獣鏡を身に纏った未来と戦う

しかし戦いはかなり一方的なものになってしまった

それもそのはず俺は未来を傷つけないように攻撃はしないようにしており

逆に意識のない未来はウェルに言われた通り的確に俺を攻撃してくる

拘束をしようにも神獣鏡の強烈な攻撃力の前では近づく事すら容易ではなかった

 

(可能性があるとすれば相手の虚を突く事だけだが・・・どうすれば・・・!!)

 

こんな時に全くと言っていいほど回らない自分の頭を恨めしく思いながら

俺が戦っているとそこへ本来ならば戦ってはいけないはずの響が来ていた

 

「立花!?何をしている!?今のお前の状況が分かっているのか!?」

 

「はい!でもやっぱり未来の事を誰かに任せるなんて私には出来ません!

 未来は必ず・・・私の手で取り戻してみせます!」

 

「響・・・!分かった!そこまで言うのならお前に任せる!」

 

「あの寝坊助の頭を叩いてしっかり起こしてこい!」

 

「はい!」

 

どうやら響は今の自分の状況を理解してそれでもなおここへ来たようだ

それを聞いてやはり響らしいと思いながら少しだけ笑みが溢れていた

そして同時に・・・俺も全てを捨てる覚悟を決める事が出来た

 

(こいつはマジで一か八かの作戦だ・・・!どっちにしても俺の命はないが・・・

 それでも未来ちゃんを助ける手助けが出来るのなら・・・やってやる!)

 

俺は高速形態となって未来の上空へと飛び上がりその姿を太陽で隠す

もちろん命令で動いている未来にこんな小技が通用するわけはないが

俺がこの小技を使いたかったのは未来ではなく彼女に命令を出しているウィルに対してだった

 

「なっ!?」

 

「あれは!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「でも・・・そんな・・・!?」

 

何故ならばその一瞬の隙こそが俺の狙っていた瞬間

そしてウィルが俺を俺と認識出来ない瞬間

 

 

 

 

 

「・・・お兄・・・さん・・・?」

 

 

そう・・・俺がLBXの状態を解除して生身を晒す瞬間だったからだ



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一瞬の賭け

やはりみんなは俺の姿を見て驚いているようだったが今はそれどころではない

俺は落下しながら未来の元へと向かいそのまま生身で彼女を押さえ付ける

 

「今だ!未来ちゃんはこのバイザーにある装置で操られてる!

 俺が抑えている間に響ちゃんはそれを引き抜くんだ!!」

 

そう・・・先ほどから戦っている時に気づいたのは

未来の頭にあるバイザーから特殊な電磁波が出ていたと言う事

それはつまり彼女を操っている装置は頭にあるという事だった

それを戦いながら調べるのは困難を極めたし

調べ終わっても彼女の猛攻を躱しながら装置を引き抜くのは不可能だった

だからこそ俺は最後の最後を響に任せる事にして捨て身の作戦を敢行した

 

「!?はい!!」

 

「させるか!今すぐにしがみついている男を殺せ!!」

 

ウェルはすぐさま俺を攻撃するよう未来に命令するが

流石の操られていても自分を攻撃するのには躊躇があったのか

狙いを絞るのにかなりの時間を使っておりその間に響は未来に取り付く事が出来た

 

「私の未来を返してもらう!うぉぉぉおおぉお!!」

 

響はどうにか未来に取り付けられていた洗脳装置を外す事に成功した

しかしそれと同時にシンフォギアも解かれてしまい俺はそのまま落下してしまう

 

(・・・ですよね〜・・・今回ばかりはもう無理だよな〜・・・)

 

今からLBXに変身してダメージを防ぐ事は出来ても俺が絶対に助からない理由があった

それは・・・水中から浮上する方法を持っていないという事だった

浅瀬に近い場所ならばどうにか地面を歩いて陸を目指せるのだが

ここは海の真上でありしかもおそらくこの下は深海になっている可能性がある

つまり・・・今回ばかりはどんなに頑張っても俺は助からないという事だ

全てを諦めて俺は自分の死を受け入れようと思ったその時だった

 

「・・・ん?なんかすごいスピードでこっちに向かってくるのがあるんですけど・・・何あれ?」

 

何かとんでもないスピードでこちらに向かってくる何かの存在をキャッチし

俺はもしかして別の意味でLBXにならないとまずいのではないかと思っていると

案の定、その何かはこちらに凄まじい勢いで向かってきており俺は急いでオーディーンへと姿を変える

 

「これって・・・!ライディングソーサか!?」

 

なんと俺の命を間一髪で助けてくれたのは他でもないライディングソーサだった

なんでこんな物がここにあるのだと俺は驚いていたが今はそれどころではなく

まずは未来の力を使って浮上してしまったフロンティアを抑える方が先だったのだが

 

「ぐっ・・・!」

 

(なんだ!?急に体が重く・・・!もしかしてさっきの急降下の影響か!?)

 

どうやら生身での急速降下のGに体が耐えきれなかったようで

フロンティアを追いかけようにも体が言う事を聞いてくれなかった

そこへ周囲にいたノイズとフィーネのメンバーであった調を倒した響達がやってきた

 

「・・・まさかお兄さんが伝説の英雄の正体だったんですね・・・」

 

『・・・まぁね・・・』

 

「・・・どうして・・・もっと早くに教えてくれなかったんですか?」

 

『理由は色々とあるけど・・・一番の理由は偉い人達に目をつけられたくなかったからかな?

 それに正体を隠していないと先に狙われてしまう可能性もあったからね

 そう言った意味では俺はずるい大人なんだって思ってもらっても構わないよ』

 

「なんですかそれ・・・でも・・・確かにずるいです・・・

 ずっとお礼を言いたいと思っていたのに・・・ずっと謝りたいって思ってたのに

 驚き過ぎてもう言葉が出て来ないじゃないですか・・・」

 

『そりゃあ悪かったな・・・それと悪いついでにもう一つだけいいかな?』

 

「もう・・・なんですか?」

 

俺は変身を解いてゆっくりと響へと近づいていき

 

「・・・もう無理なんで後はお願いします・・・」

 

「ちょっ!?お兄さん!?お兄さぁぁぁああん!!」

 

 

 

 

 

「・・・いやこいつ・・・普通に寝てるだけだぞ?」

 

「へっ?」



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なんか寝ている間に色んな事が解決していた

あれから俺は響に運ばれて病院の病室で寝かされていた

これまでの戦いの疲労などもあって体力の限界に来ていたのだろう

しかしどうにか回復した現在の俺は・・・

 

「・・・あの・・・許してもらえないでしょうか?」

 

「ダメです♪そのまま話を聞かせてもらいます♪」(ゴゴゴゴ!)

 

「・・・あい・・・」

 

凄まじい笑顔の響と未来に病室のベッドの上に正座させられて

これまでについての色々を聞かれる羽目になっていた

 

「いやだからね?前にも言ったと思うけど正体を言わなかったのは

 大人の面倒事に巻き込まれたくなかったからで・・・」

 

「でも私達は大人じゃないですよね?

 それなら話しても良かったんじゃないですか?」

 

「いやいや!二人に話したら必ず危険に巻き込まれるじゃないですか!?」

 

「話を聞いていなくても危険に巻き込まれています!」

 

「・・・ですよね・・・」

 

言い訳を思いついてはそれを凄まじい勢いで論破されて

結局、今の俺は二人に対してひたすらに謝るしかなかった

 

「はははは!伝説の戦士様も女の子には形無しだな!?」

 

「笑ってないで助けてもらっていいですかね!?」

 

「悪いがお前の自業自得だから普通に怒られてろ」

 

「雪音ちゃんが冷たい!?」

 

「残念ながら今回は私も雪音の意見に賛成だ」

 

「翼さんまで!?俺に味方は誰一人としていないのか!?」

 

あまりにも平和な光景で先ほどまであんな激戦をしていたのがまるで嘘のようだった

そしてそれを最も感じていたのは敵であった調と切歌の二人だろう

 

「・・・本当に・・・あの人が前にセレナを救ってくれた人なんだよね?」

 

「その筈デスけど・・・とてもそうは見えないデス・・・」

 

「あ〜・・・二人とも?出来ればこっちに来て君達の話を聞かせてもらえないか?」

 

俺に言われて二人はベッドの側まで来ると

自分達がどうしてこんな事をしたのか教えてくれた

どうやらかつて俺がセレナという少女を助けたネフィリムの事件

それは全て何者かによって仕組まれていた事だったそうだ

それを知った彼女達は世界に対して復讐する事を決意したそうなのだが

マリアはそれとは別にセレナを救いたいという気持ちがあったそうだ

セレナはネフィリムとの戦いで絶唱を使わなかったが

それでも途中まで歌ってしまった影響であれからすぐに意識を失ってしまい

今のあのフロンティアの中で眠ったままになっているそうだ

 

「あのウェルという男はそんなセレナを救う方法があると言っていました・・・

 それでマリアは仕方なくあの男の言う事を聞いているのです・・・」

 

「実質的には人質ってわけか・・・英雄を自称する割には随分と姑息なやり方だな・・・」

 

「はい・・・ですがマム・・・ナスターシャ博士の病の件もあり

 どんなに姑息なやり方であっても・・・従うしかありませんでした・・・」

 

調はまるで悔しそうに拳を握りしめていたがその手を切歌がそっと包み込んだ

そして俺はそんな調の頭に手を置いて優しく撫でた

 

「辛かったな・・・家族を人質に取られ自分のやりたくない事をやらされて・・・

 でも大丈夫だ・・・もうそんな事はしなくていい・・・

 その二人は必ず救ってみせる・・・約束だ・・・!」

 

「!はい・・・!」

 

俺の言葉を聞いてようやく調の顔に笑みが戻り俺が一安心していると

 

「何を一人で背負い込んでいるんですかね?お兄さん?」

 

「そうですよ?それに今の自分の立場を分かっているんですか?」

 

「すっ・・・すいません・・・」

 

こうして俺は再び二人の長い説教を受ける事になってしまい

その後でやってきた彼女らの長官である弦十郎が現れて話を聞きたいからと部屋から出されてしまい

俺は助かったと思いながら真剣な顔で彼と向かう会う

 

「一応は初めましてだな・・・風鳴弦十郎だ」

 

「山野ダン・・・それで?話って言うのは俺もあんたらの組織に入らないかって事か?」

 

「その通りだ・・・だが君は私達の組織に対して何か思うところがあるようだね?」

 

「ああ・・・確かにあんたらの組織は優秀だし正義感もあると言ってもいいだろう

 しかし・・・本当に自分達の思い描いた正義を実行し続けていられるのか?」

 

「・・・それは・・・」

 

「それが組織に属したくないって理由だ

 俺は自分の正義を貫きたいからこそどこにも属したりはしない

 たとえそれで犯罪者と言われようと世界を敵に回そうともな・・・!」

 

「・・・なるほど・・・どうやら私には君の信念を変える事は出来ないようだ・・・

 だが彼女達には協力してもらえる・・・と言う事でいいのだろう?」

 

「それはもちろんだが・・・響は大丈夫なのか?」

 

「それなら問題はない。実は・・・」

 

弦十郎の話ではなんと未来が神獣鏡の力を完全に制御出来るようになったそうで

その力を使い響の体を侵食していた聖遺物を消し去ったらしい

それにより命を助ける事は出来たのだが俺が考えていた一つの問題が出てきてしまった

 

「えっ!?でもそれじゃあ響ちゃんは!!」

 

「ああ・・・もう戦う力は残されていない・・・

 それでも本人はまだ戦うつもりのようだ・・・」

 

「はぁ・・・やっぱりか・・・」

 

俺の予想していた通り戦う力を失っても彼女は戦いを止めるつもりはないようだ

そしてそれがどれだけ危険な事なのかも理解した上での発言なのだから余計にタチが悪い

 

「まぁ響くんに関してはおそらく他のみんながなんとかしてくれるだろう

 そして私達は・・・これより最後の作戦を決行しようと思っている」

 

「了解・・・!なら俺も寝ている場合じゃないな・・・!」

 

 

 

 

 

一方その頃、フロンティアのとある部屋では・・・

 

「セレナ・・・私は一体・・・どうすればいいの?」

 

そう言ってマリアは目を閉じて眠っているセレナのそばで泣いていた

それ故に少しだけ指が動いたという事に気が付く事はなかった



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ハッピーエンドに手を伸ばして

弦十郎さんの話を聞いて俺は急いでその日のうちに退院を果たした

しかし問題はそのすぐ後でみんなにそれがバレてしまったと言う事だった

 

「それで?どうしてお兄さんがここにいるんですか?

 今日だけは絶対安静にしてくださいって言われてましたよね?」

 

「お兄さんを退院させたのは師匠だって聞いたんですけど・・・

 これは私に対する試練だと受け取った方がいいのでしょうか?」

 

「あれだけ心配させておいてまだ足りないって言うのか?」

 

「だとしたら・・・私達もそれ相応の対応をしなくてはいけないな」

 

「まぁ多少は痛い思いをするかもしれないけど・・・別に構わないよな?」

 

(・・・なんかめちゃくちゃ怖いんですけどぉぉぉおおお!!??)

 

何故か目の前には修羅の如く怒っている響達の姿があった

本当ならばこっそりと事を済ませるつもりだったのだが

勘のいい未来が気づいたようでこうして異端審問が開かれてしまった

 

(ってか俺を強引に退院させたのはアンタなんだからなんとかしろよ!)

 

(残念だがこうなってしまっては私でも無理だ・・・!

 ここは潔く彼女達からのお怒りを受け入れるしかない!)

 

(それでもOTONAなのか!?最強って言われてるんだろ!?)

 

残念ながらOTONAでも完全に怒っている奏者の前では無力のようで

俺達は自らの死刑宣告を受け入れようとしていたら未来に肩を掴まれる

 

「そういえば・・・お兄さんが退院して何をするつもりだったのかまだ聞いてませんでしたね?」

 

「(ギクッ!)べべべ別に何もするつもりはなかったよ!?ただ今後の戦いに備えて

 色々と司令官と一緒に作戦なんかを考えておこうと思っていただけだよ!!」

 

「そそそその通りだ小日向君!彼を早急に退院させてしまった事は申し訳なかったが

 精密検査でも異常はなかったしドクターウェルの事を考えたら早く彼と打ち合わせをしたかったんだ!」

 

相変わらず未来の勘の良さはずば抜けており俺達がこれから何をしようとしていたのか

その本当の内容にすら勘付いてしまったようで俺達は必死で弁明をするのだが

先ほどの一件があるからなのか信用してもらえず俺は仕方なく覚悟を決める

 

「・・・本当は宇宙に行こうと思ってたんだよ・・・一人でな」

 

『っ!?』

 

そう・・・俺がやろうとしていた事は自分一人だけで宇宙に向かおうと考えていたのだ

いくら奏者といえども宇宙空間で行動する事は出来ないが俺は違う

LBXの体になるが故に呼吸などは必要なくライディングソーサがあれば

真空状態でも行動する事が出来るのでみんなが戦ってしまう前に

どうにかしてドクターナターシャとマリアの妹であるセレナを救出しようと考えていた

そしてもちろん・・・みんながこれに反対する事も分かっていた

 

「お兄さん・・・!分かっているんですか!?さっき自分がどうして倒れたのかを!?」

 

「分かってるよ・・・でもだからって二人を放ってなんておけないだろ?」

 

「それは分かっています!でも何でお兄さん一人で行かないといけないんですか!?」

 

「シンフォギアだって万能じゃない・・・

 前に宇宙空間でも活動が出来たのはエクスドライブに至ったからだ

 それに響ちゃん・・・君はもうガングニールを持ってないんだろ?」

 

「っ!!」

 

「だからこそ・・・これは俺一人でしか出来ないし俺一人でやらなくちゃいけない事なんだ」

 

セレナという少女はかつて俺が助けた事のある少女だと調と切歌は話していた

ならばこれは俺が背負わなくてはいけない運命というものなのだろう

何よりも・・・そんな運命がなかったとしても俺は二人を放ってはおけない

そしてもう一つ・・・俺一人で行かなくてはいけない理由がもう一つある

 

「それに響・・・お前にはマリアさんを止めてもらわなくちゃいけないんだ」

 

「私が・・・ですか?」

 

「ああ・・・お前にはシンフォギアとは違う別の力がある

 それは目に見えない物であり言葉にするには難しい力だ

 だが・・・人の心を動かす力がお前にある・・・!

 だから今回だけは俺を・・・自分の可能性を信じてほしい!」

 

響には俺が転生特典としてもらったLBXの力とは違う人の心を動かすだけの何かを持っている

そしておそらくはその何かがマリアを救う光となってくれるはずだと俺は信じていた

しかしそれも人質という物があってしまってはマリア自身が否定してしまうかもしれない

それだけはたとえどんな事があっても絶対に阻止しなくてはならない

俺はその為に彼女達を救うと決めたのだ

 

「・・・分かりました・・・!納得はしてませんけど・・・お兄さんを信じます!」

 

「いやそこは納得して送り出してもらいたかったんだけど・・・まぁいいや

 それじゃあ・・・後の事は頼んだよ・・・!みんな!」

 

「おう!そこまで言うのなら必ず救出してこいよ!」

 

「ウェルの野郎には一発お見舞いしてやらないとな!」

 

「こっちの事は私達に任せておけ!」

 

「私も・・・まだ新米ではありますけど響の手助けをします!」

 

「・・・本当に・・・頼りになるよ・・・!」

 

こうして俺は後の全てを響達に任せて一人、宇宙へと向かう事にした



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宇宙からの帰還

先週は風邪を引いてお休みしてしまいました
次回からは更新日をずらしたいと思います


地上の事を響達に任せて俺は一人で宇宙空間へと旅立った

フロンティアから電磁波が出ているので探すのは簡単だったのだが

何故か電磁波が出ていた場所にあったのはフロンティアの残骸だけだった

 

(もしかして既にウェル博士は逃げたのか?それとも最初から宇宙には来ていなかった?

 ・・・だが・・・この中から生命反応がある・・・放っておけないか)

 

フロンティアの残骸に入り込み生命反応のする方へ歩いていくと

そこには完全に弱り切っている車椅子の女性とそれを心配している少女の姿があった

おそらくはナスターシャ博士ともう一人はかつて自分が助けたセレナという少女だろう

 

「あなたは!お願いです!どうかマムを助けてください!」

 

「・・・セレナ・・・無理を言っては・・・いけません・・・」

 

「マム・・・」

 

俺はオーディーンのセンサーを使ってナスターシャ博士の体を確認するが

確かにこのままでは確実に死んでしまうのは間違いなかった

しかしそれはあくまでもこの世界の技術では無理というだけであり

俺の頭の中にある知識を使えば助ける事は出来るだろう

 

(問題はこんな弱っている人をどうやってここから助け出すかって事か・・・

 ライディングソーサに乗せるのは簡単だがこの人の体がGに耐えられるか・・・)

 

問題はナスターシャ博士の体がここから脱出する衝撃に耐えられるかどうかだった

おそらく少しでもGが掛かってしまえば間違いなく倒れてしまうのは目に見えていた

だからこそどうしようかと悩んでいるとどうやら二人は俺に何の手立てもないのだと思ってしまったようだ

 

「・・・セレナ・・・あなたには私の元にいるよりもやるべき事があるでしょう?

 ・・・マリアの元に向かないなさい・・・そして彼女を・・・救ってあげなさい・・・」

 

「マム・・・でも・・・!」

 

(・・・このままにしてたら確実に俺だけが悪者になりそうだな〜・・・

 でもマジでどうしたらGの負荷を与えずに地球まで降ろす事が出来るのか・・・ん?)

 

どうにか彼女らを逃そうかと考えた時に俺はふと思い出した事があった

そういえばこう言った時に使える物が一つだけ存在していた事を思い出した

それはかつて山野バン達がサターンに乗り込む時に使った物・アンブレラという防御装置だ

 

(アレならもしかして衝撃とかも防ぐ事が出来たりするんじゃないか?

 ・・・てかむしろそれ以外、特に思い付かないのが現実なんだよな〜・・・)

 

こうなったらそれに賭けるしかないと俺はオーディーンにアンブレラを搭載する

そして何も言わずに二人を抱えて俺はライディングソーサの元へと向かう

 

「えっ!?騎士様、一体何を!?」

 

「まさか・・・!こんな状況で尚も我々を助けようというのですか!?」

 

二人は俺の行動に対して驚いていたがそれと同時にセレナだけは少しだけ思い出していた

かつて自分が絶唱を使おうとした時に彼は名前も知らぬ自分を助けてくれた事を・・・

 

(そうだ・・・この人はいつだって誰かを助ける為に行動してくれている・・・

 損得なんて彼には関係ないんだ・・・ただ自分の心に従っているだけ・・・

 それがこの人の心の優しさなんだ・・・)

 

そんなこんなをしている内に俺達はライディングソーサの元へと辿り着き

二人を中へと入れて席に座らせて俺は上に乗りフロンティアの残骸から脱出する

そして地上に向かって下降していきアンブレラを展開してGを防いでいく

どうやら本当に衝撃を防げているようで中の様子を見ると大丈夫そうだった

大気圏を無事に抜ける事が出来た俺はそのままゆっくりと地上へと降りて無事に二人の救出は成功した

 

(はぁ・・・はぁ・・・どうにかなったな・・・後はこの二人を保護してもらうだけか)

 

そう思って俺がライディングソーサから降りようとした瞬間

 

 

 

 

 

背後にいたネフィリムが俺の事を掴みそのまま海へと投げ捨てられた



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覚醒するは炎の戦士

完全にネフィリムにしてやられてしまった俺は現在、海の底で埋もれていた

 

(・・・完全にしてやられた・・・これじゃあもう体すら動かせん・・・

 救助を待つにしてもここがどこか分からないし・・・てか俺も分からん!)

 

不意に海へと投げられてしまったのでもはや自分がどの辺りにいるのか

レーダーすらも機能しておらず完全に遭難してしまった状態になっている

そしておそらく響達は今頃、ネフィリムと激闘を繰り広げている頃だろう

 

(それにしても・・・まさかネフィリムがあんな奇襲をしてくるとはな・・・

 今までの戦いで完全に俺が一番の障害だって判断したって事なんだろうな・・・)

 

流石の俺もまさかネフィリムにあんな奇襲をされるとは思っていなかったが

これまでの戦いを考えるのならば俺が一番の障害だと思われてもおかしくはないだろう

だからこそあんな奇襲を仕掛けてきて真っ先に俺を無力化したのだ

 

(・・・頼むぞみんな・・・!どうかネフィリムに勝ってくれ・・・!)

 

その頃、響はマリアからガングニールを貰いみんなでネフィリムと戦っていた

しかしそんな中でたった一人、マリアだけはその戦いを見守るしかなかった

響にガングニールを託した彼女はもう戦う力が残っていないのだ

 

(・・・私にはもう・・・戦う理由がない・・・守るべきものすらも・・・

 マム・・・セレナ・・・!私は一体・・・どうすればよかったの・・・!?)

 

マリアは後悔していた

自分は守りたいと思っていたものの為に戦っていたはずなのに

いつの間にかそれを自分の手で失う事になってしまった事を・・・

そして同時に彼女は戦う意味も見失ってしまい

何故、自分がここにいるのか分からなくなってしまった

しかしそんな彼女にとってまるで希望とも言えるような声が聞こえてきた

 

「お姉ちゃん!」

 

「セレナ!?それにマム!?

 どうして・・・ウェルが宇宙に捨ててきたって・・・!」

 

「うん・・・でもあの人が・・・!あの騎士さんが助けてくれたの!」

 

「騎士が!?・・・そう・・・私達はまた・・・彼に助けられたのね・・・!」

 

マリアはいつの間にか涙が溢れて止まらなくなってしまった

かつて助けられた騎士に自分達はもう一度、助けてもらったのだと・・・

しかしそんな中でセレナはもう一つ・・・残酷は真実を告げる事になる

 

「でも・・・その騎士はネフィリムの襲撃にあって・・・海に・・・」

 

「そんな・・・!」

 

「大丈夫よ・・・彼はこんな事で命を落とすような存在ではないわ・・・

 それよりもマリア・・・貴方にはまだやるべき事があるのじゃないかしら?」

 

ナスターシャ博士はそう告げるとセレナが手に持っていた何かをマリアに渡す

それはかつて彼女が身につけていた聖遺物であるアガートラームだった

 

「今の私はもうこれを使うだけの力はない・・・だからお姉ちゃん・・・

 どうかこれを使って・・・お姉ちゃんがやりたいと思った事をして・・・!

 私の為でも誰の為でもない・・・自分の為に戦って・・・!」

 

「セレナ・・・!分かった・・・!私は私の為に戦う!

 私は・・・マムとセレナと幸せになる為に・・・その敵を倒す!」

 

マリアはアガートラームを見に纏い響達を追いかけて行った

その後ろ姿を見て二人は心から安心したような顔をしていた

 

「なんだ?お前まで来たのか?」

 

「ええ・・・!これは私の贖罪でもあり・・・私の戦いでもあるから・・・!」

 

「随分といい顔をするようになったじゃねぇか!そっちの方が歌姫の顔よりもいいぜ!」

 

「はい!ようやくマリアさんの顔を見れた気がします!」

 

「皆!そんな悠長な事を話している場合ではないぞ!」

 

ネフィリムはこれまでとは違いフロンティアを取り込んで

かなり巨大な体に変貌しておりその体はまさしく怪物にふさわしかった

 

「こんな怪物!どうやって倒せばいいんデスか!?」

 

「大丈夫です・・・!きっとあの人が助けに来てくれるはずです・・・!」

 

「・・・そうね・・・!必ず・・・あの騎士は来てくれる・・・!

 だからその間、私達でこの怪物と戦うわよ!」

 

『おお!!』

 

響達の必死に抗おうとする姿を見てネフィリムは恐怖を覚えていた

それはかつてとある騎士によって初めて覚えた感情であり

同時にどうしても許す事が出来ない醜い感情だとも言えるだろう

そしてネフィリムはそんな恐怖を振り払うかのように叫び響達に攻撃を開始する

響達も全身全霊で攻撃していくがネフィリムの回復力の方が圧倒的に上だった

 

「くっ・・・!これではどんなに攻撃をしてもキリがない・・・!」

 

「いや・・・!一つだけあいつを倒す・・・封印する方法があるぜ・・・!」

 

「もしかして・・・!ソロモンの杖を使うのか!?」

 

「そうだ・・・!あれでネフィリムをバビロニアの宝物庫に封印する・・・!

 でも一つだけ問題がある・・・今のソロモンの杖じゃ宝物庫へのゲートを開けねぇ・・・!」

 

クリスの作戦はとても良い物だったがソロモンの杖はだいぶ前に機能を停止しており

バビロニアの宝物庫へと繋げるだけの出力を出す事は出来なかった

 

「・・・ならば絶唱を使うわ・・・!」

 

「!?ダメですマリアさん!それじゃあマリアさんの命が!」

 

「言ったでしょ?これは私にとっての贖罪なの・・・

 これは私の罪・・・だから使うのならば私の命を使う・・・!」

 

「・・・いえ・・・もしかしたらその必要はないかもしれません・・・」

 

「?未来?それってどういう・・・」

 

響は一体、未来が何を言っているのか分からなかったが

すぐにその理由を彼女達は知る事になった

 

『!?』

 

なんと突如としてネフィリムの目の前に炎の渦が発生したのだ

そしてその渦が消し飛ばされるとそこから姿を現したのは

オーディーンに次ぐ次世代機として開発された幻のLBX

 

 

 

 

 

イプシロンの姿がそこにはあった



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希望を掴む手

みんなが必死にネフィリムと戦っている頃

俺はどうにか脱出する事は出来ないかと必死に模索していた

すると何やら頭の中に声が響いているような感じがした

 

『おっ!やっとワシの声が聞こえるようになったか!

 全く!あれしきの攻撃を躱せないとは随分と油断したのう!』

 

いやそう言うのは後でいいんで

なんで連絡してきたのだけ教えてもらってもいいですか?

 

『おぉそうじゃった!実はお前さんに新しいLBXを届けに来たんじゃった!

 なんと〜・・・じゃじゃ〜ん!イプシロン〜!』

 

・・・なんかその某猫型ロボットみたいな言い方が腹立つ・・・!

 

『そんな事を言っていいのか?これを渡してあげないし

 なんだったらそこから助けてあげる事もせんぞ?』

 

・・・この神・・・!マジで腹立つ・・・!

でもここは背に腹はかえられない!頼みます神様!

 

『それじゃあこれからはワシの言う事をちゃんと聞くのじゃぞ?

 あっ因みにイプシロンには原作にはない特殊モードを搭載しておる

 それとお前さんに女難の相とか付けておいたから頑張るのじゃぞ?』

 

あのバカ神ぃぃぃいい!!後で覚えてやがれよぉぉぉおお!!

 

しかし彼のお陰でどうにか海中の中から脱出し

俺は新しいLBXであるイプシロンを纏ってネフィリムの前に姿を現す事が出来た

・・・が・・・どうあってもこの心の中での怒りは消えないぃぃぃぃいい!!

 

(と言うわけで・・・ネフィリム!ここからはお前に八つ当たりだぁぁぁああ!!)

 

俺は武器を剣に持ち替えると即座に必殺ファンクションを放つ

 

『アタックファンクション!ドラゴンインフェルノ!』

 

「ギャオォオオォオ!!??」

 

俺が放った炎の龍はネフィリムの半身を消し飛ばすほどの威力を見せた

しかしフロンティアを取り込んでいるネフィリムの回復力は早くすぐに回復してしまう

それでも俺はそんな事は関係ないと言わんばかりに今度はオノに武器を持ち替える

 

『アタックファンクション!アイスバーグアックス!』

 

(オンドリャアァァァアア!!)

 

巨大な氷の斧を使って今度はネフィリムを一刀両断する

流石のネフィリムもここまで立て続けに大きなダメージを受けてしまうと回復が間に合わなくなっていくようで

先ほどとは明らかに回復スピードが変わっているのが目に見えてわかった

しかしそれでも俺は手を止める事なく次の武器に持ち替える

 

『アタックファンクション!アクエリアスレーザー!』

 

今度は巨大なレーザーを放つとネフィリムの体に巨大な大穴が開けられる

この瞬間にもうネフィリムが回復力を完全に失っており回復する事が出来なくなっていた

 

「マジかよ・・・!あいつ力技でネフィリムの回復力を突破しやがった・・・!」

 

「全てがネフィリムにとって致命的なダメージを受ける一撃・・・!

 それを連発されては流石の回復力でも追いつかないか・・・!」

 

「それ以前にそんな技を連発できるアイツの方がおかしいだろ・・・!」

 

「・・・でもお兄さん・・・なんか様子が変じゃない?」

 

「うん・・・まるでなんか八つ当たり?してるみたいな感じかな?」

 

響達は気付いていなかった・・・八つ当たりみたいではなく

実際に八つ当たりしているのだと言う事を・・・

 

(どうせだ!神様の言っていた特殊モードを使って一気に決着をつけてやらぁ!)

 

『バーストモード!』

 

特殊モードを発動するとイプシロンの体はまるで爆発するかのようなエネルギーに溢れ

その体が真っ赤に染まっていく

それを見たネフィリムは再び自分が滅ぼされる恐怖が芽生えていた

しかもこれはどうあっても抗う事の出来ないものだという事も理解していた

 

(こいつで・・・終わりだぁぁぁああ!!)

 

『アタックファンクション!クリムゾンスラッシュ!』

 

特殊モードの状態で放たれたイプシロンの一撃は巨大な炎の斬撃を作り出し

その一撃はネフィリムを飲み込んでそのまま消滅し残ったのは心臓だけだった

俺はその心臓を握り潰し完全にネフィリムの活動を停止させた

 

(・・・終わったな・・・ようやく・・・)

 

こうしてネフィリムとの戦いは幕を閉じて俺達はみんなのところに帰っていった

そこからは大人達の事情による色んな事が行われていった

ナスターシャ博士は体調の事もありそのまま病院に入院する事になった

と言ってもすでに俺が治療を施しているので病で亡くなる事はない

今回の入院はあくまでも体調が安定するまでのものだ

そして次にウェル博士だが国家反逆罪と殺人などによる罪によって捕まった

まぁ彼の刑に関しては当然の事だろうが問題はマリア達だ

結果的にではあるが彼女達もウェルに協力していた事だけは間違いなく

本人達が罪を受け入れた事もあり大人達はその裁きを下す事になった

 

 

 

 

 

「・・・で?保護観察付きになった事は分かったけど・・・

 なんでウチに住む事になってんだよ!?」

 

そして彼女達は何故か・・・俺の家で一緒に住む事になってしまった

しかも既に荷物は運び込まれており彼女達は荷解きをしている真っ最中だった

 

「まぁ私達は奏者だから抑止力になれるのは同じ奏者か貴方ぐらいしかいないのよ

 保護観察をするのなら貴方が頼られるのは不思議ではないと思うわよ?」

 

「俺は警察に協力するなんて一言も言ってねぇっての!それに響達もなんでいるんだよ!?

 お前らに関してはちゃんとここ以外に住む場所があるだろうが!!」

 

しかもマリア達だけではなく何故か響達も俺の家で暮らす事になっており

彼女達も自分の荷物を持ち込んで既にそれぞれの部屋へと荷物を運んでいた

 

「私達もマリアさん達の保護観察を依頼されたんです!ここならみんなで住めますし!」

 

「ああ・・・俺の平穏な日々が一気に壊れていく・・・」

 

せっかく取り戻したはずの平和な日々だったが

どうやらそれとは別のかなり厄介な日々が訪れる事になりそうだ・・・とほほ・・・

 

 

 

 

 

『だから言ったじゃろうに・・・女難の相を与えると・・・

 まぁ本来の彼女達には過酷なまでの運命が待ち構えておる・・・

 それこそ自分達の幸せを求めてはいられないほどの運命がな・・・

 少しはお主が彼女達の支えになってやれ・・・山野ダン・・・』



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女の覚悟

響達が俺の家で暮らす事になってから数日が経った

しかし・・・やはりと言うべきなのか俺はまだ彼女達のいる生活に慣れない

 

「マリア!何度も言ってるが風呂上がりはバスローブだけでうろつくな!

 ここが男の家だって事を忘れるんじゃねぇよ!!」

 

「仕方ないでしょ?私の寝巻きはこれしかないんだから」

 

「だったら買ってこいよ!?この家に来て何日経ったと思ってるんだ!?」

 

「別に見られて困るわけでもないし・・・貴方だって嬉しいでしょ?」

 

「俺は困ってるんだよ!!主に他の視線が怖くてな!!」

 

正直な話、マリアの胸に視線が誘導されてしまうのは仕方ないのだが

それに気がついた響や未来の視線がとんでもなく怖いのだ

しかも時折、なんかシンフォギアを纏おうとする瞬間もあるし

 

「なんつうか・・・あの二人ってここまで嫉妬深い感じだったか?」

 

「一緒に暮らし始めておそらくはタガが外れてしまったんだろう」

 

「まぁこれも美少女と一緒に暮らせる役得だと思うこったな!」

 

「いや思えねぇよ!?そしてお前らもそんな格好でリビングを彷徨くな!

 響や未来を見習ってもっと普通のパジャマに着替えてこいよ!!」

 

まるで自分は関係ないと言わんばかりに話を逸らしているが

クリス、翼、奏の格好も明らかに普通のパジャマとは訳が違っていた

大人の女性が身につけていそうな下着姿でリビングにおり

俺が余計に二人に対して睨まれる事になるのは目に見えていた

 

「そうは言われても・・・私の胸だと入るパジャマがそこまでないんだよ・・・」

 

「私も普段は着物を身に付けるのだが・・・今は生憎となくてな」

 

「私はこっちの方が楽だからって理由だけどな!なんだったら全裸でもいいんだぜ?」

 

「やめい!お前らは本当に乙女としての自覚はあるのか!?」

 

「いや乙女って・・・」

 

「それをお前が言うのかよ・・・」

 

本当に彼女達との暮らしに落ち着くというものは全くと言っていいほどなく

安心して視線を向けられるのは可愛らしいパジャマに身を包んだ

響、未来、セレナ、調、切歌の五人くらいだろう

 

(・・・年上組がここまでダメで年下組の方がちゃんとしてるって・・・

 あれか?この世界の大人は基本的に脳筋しか存在していないのか?)

 

「・・・なんか失礼な事を考えられた気がするな・・・」

 

「まぁ冗談は置いておいたとして・・・確かに着替えは持ってきていても

 寝巻きはそこまで用意していなかったからな・・・明日はみんなで買い物に行くか」

 

「そうね・・・私も新しい下着とか無いと不便だし」

 

「・・・先に言っておくけど俺はついていかないからな?」

 

こうして俺に文句を言われた女性陣は翌日、服を買いに街へと出掛けていった

 

 

 

 

 

「・・・てかもうちょっと変装とかしろよ・・・お前らは有名人なんだからさ・・・」

 

「むしろこれでもかなり変装している方なのよ?

 普段はサングラスだけでやり過ごしたりもしてるんだから」

 

「逆にサングラスだけでどうやってやり過ごせていたんですか・・・」

 

「これには認識を阻害する機能があるのよ」

 

「そんな夢みたいな機能が!?」

 

「・・・翼・・・明らかに騙されてるぞ・・・」

 

そんなこんなで楽しい買い物をしながら休憩の為にファミレスに入ったみんな

そこで響と未来の二人は意を決したようにとある話をする事にした

 

「・・・みんなは・・・異性としてお兄さんの事をどう思っていますか?」

 

『ぶぅ!?///』

 

まさか響からこんな質問を受けるとは思っていなかったみんなは思わず飲み物を吹き出してしまう

そしてそんな中で一番最初に復活したのはクリスであり怒りながら響を問い詰める

 

「おっお前な!?いきなりなんて事を聞いてくるんだよ!?

 そりゃあ私らは今、あいつの家に住んでるしお前らがあいつの事を好きだって知ってるけど

 なんで私らにまでそんな事を聞くんだよ!?」

 

「・・・それは・・・みんなに協力してもらおうと思ってるから・・・お兄さんの事を・・・」

 

「・・・響?」

 

「そこから先は私が説明しますね」

 

響が言いづらそうにしていたので

未来が代わりにどうしてあんな事を聞いたのかを教えてくれた

 

「お兄さんの家にやってきてから私と響は色んな事を話したんです・・・

 そして私達は不安に思ったんです・・・

 このままではお兄さんが遠くに行ってしまうんじゃないかって・・・」

 

「いっいや流石のあいつだってそんな簡単にいなくなるなんて事は・・・」

 

「本当に無いと言いきれますか?これまでのお兄さんを見て・・・」

 

未来の言葉にその場にいた全員が否定する事は出来なかった

これまでのダンは響達を助ける為に己の体を犠牲にしてくれた

同時にまるで自分の事はどうでもいいかと考えているかのようで

自分達で言うのもなんではあったが響達はその事を心配していたのだ

 

「私はお兄さんと離れたくない・・・!だから決めたんです・・・!」

 

「響・・・」

 

「たとえどんな方法を使ってもお兄さんを繋ぎ止めて見せると・・・!

 その為ならたとえ強引にでも既成事実を作ってみせます!」

 

「さっきまでの感動を返せ!!」

 

明らかに発想の観点がズレている響に頭を痛めるクリスだったが

未来があながち響の考えも間違いではない事を指摘する

 

「響のは流石にいきすぎだとは思いますけど・・・正直、最終手段として使うつもりです

 その時の為に少しでも味方は多い方がいいと思って皆さんにこの話をしたんです」

 

「なるほどね・・・正直な話、私やセレナは彼の事を異性として愛しているわ

 貴方達の作戦に協力してあげてもいいとも思っている」

 

「マジかよ!?」

 

「私達も同じデス!お兄さんと一緒にいるとポカポカして・・・とても幸せな気分デス!」

 

「はい・・・なので私達も立花先輩達に協力させてもらいます・・・!」

 

「後輩達まで!?」

 

「もちろん私らも賛成だぜ!なぁ翼?」

 

「うっうむ・・・正直、そっち方面の知識は全くないが努力はする」

 

「おいおい・・・先輩達もかよ・・・!?」

 

まさかまさかの展開に一人だけついていけていないのはクリスだけであり

彼女も実際にダンの事は好きなのだがそこまでするほどの覚悟は持っていなかった

しかしみんなにここまで言われて自分だけが引き下がるわけにはいかないだろう

 

「わっ分かったよ!私もその作戦に参加してやるよ!」

 

「これで全員、参加は完了したわけね?それで具体的にはどうするつもりなの?」

 

「昨日の時点でお兄さんにお色気作戦は通用すると思います

 なので・・・ここは思い切って攻めの姿勢に出ようかと・・・

 作戦内容としては・・・寝ているお兄さんの部屋に侵入してそのまま・・・」

 

「いやいきなり飛ばし過ぎだろ!?もっと色々と段取りがあるだろ!?」

 

果たしてダンの貞操は一体どうなってしまうのか!?

 

 

 

 

 

「ヘックション!・・・なんだろう・・・凄まじく悪寒がする・・・風邪でも引いたか?」



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男の苦労

みんなが服や寝巻きなどを買いに行っている頃

俺は自分の家でとある作業を開始していた

 

「始めるか・・・!我が平穏な生活の為に・・・!」

 

そう・・・今日、俺がやろうと思っていた事は

自分が平和な生活を過ごせるように家をリフォームする事だった

 

(と言ってもそこまで本格的に改築するわけじゃないけど・・・

 とりあえず色々と共有している感じになっているのはまずいからな・・・)

 

特に洗濯物に関しては男女兼用になっていたりするものが多いので

干す場所を分けたり洗濯機を増やしたりなどしなくてはいけない

既に洗濯機に関しては注文しているので届くのを待つだけで

本日の俺がやらなくてはいけないのは洗濯スペースの拡張である

 

「日曜大工に関しては久しぶりだな・・・

 最近は戦いばっかりで平和な日々がなかったからな〜・・・」

 

俺は作業をしながらこれまでの事についてを思い出していた

転生した事やそれで最初のネフィリムを倒してセレナちゃんを助けた事

そこから日本に渡り響ちゃんを助けてまさかの気絶

しかもそこから二年も経っていたという展開

そして結果、自分がニートになっていたという件

 

(・・・今にして思えばよく家とか持てたな・・・俺・・・)

 

それほどまでに今の状況は奇跡的な感じがしており

俺は本当によく頑張ったと少しだけしんみりとしてしまった

 

 

「・・・そして今は美女、美少女とのハーレム生活か・・・

 前世の俺なら想像もしてなかっただろうな〜・・・

 ・・・ここまで苦労する事も・・・考えてなかっただろうな〜・・・」

 

正直な話、ハーレム展開になっている自覚は自分の中でもあるのだが

そこまで羨ましい状況ではなくむしろ男としてはかなり苦労する状況だった

 

(調ちゃん、切歌ちゃん、セレナちゃんは妹みたいな感じだし・・・

 響ちゃん、未来ちゃん、クリスちゃんも親戚みたいな感じだからな〜・・・

 マリアさん、翼さん、奏さんに関してはな〜・・・なんというか・・・

 ダメな大人すぎてそう言った感情よりもオカン的な感情の方が・・・)

 

どちらかというと恋愛的な感情よりも親族的な感情の方が芽生えてきており

そんな彼女達が自分に対して迫ってくるのだから大変である

特にいけない事をしているのではないかという罪悪感がかなり強かった

 

「はぁ・・・なんというか・・・俺がこんな感情を誰かに抱くなんてな・・・

 それを考えると俺って恋愛もした事ないから恋の感情とかも分からないんだよな〜・・・

 みんなには悪いけど・・・果たして俺は誰かに恋をするなんてあるのかね〜・・・」

 

これまでは生きていく事に必死で考えた事もなかったが俺も既に二十歳を過ぎており

それこそ恋人がいたりしていてもおかしくはないし下手をすれば結婚を考える時期でもある

それを考えると今の状況は羨ましいと思う状況であると同時に不思議と想像が出来なかった

 

「・・・まぁなんにしてもまずはこれを片付けないとな・・・!

 てか急がないとあいつらが帰ってきちゃうからな」

 

こうしてどうにか響達が帰って来るまでに俺は作業を終わらせて

その間に洗濯機もきて洗濯問題は解決したと安心していたのだが・・・

 

(・・・なんか・・・帰ってきたあいつらの様子がおかしかったんだが・・・何かあったのか?)

 

何やら帰ってきた響達の顔は覚悟を決めたような顔をしており

俺は嫌な予感がしながらもとりあえずみんなと一緒に晩御飯を食べて

みんなが風呂に入った後で俺は最後に風呂に入り寝室へと向かった

 

「・・・風呂に入るなりすぐに全員・・・部屋に戻っていったけど・・・

 なんだろうな・・・めちゃくちゃ嫌な予感しかしねぇ・・・!)

 

そして自分の寝室の扉を開けた瞬間、とんでもない光景が目に入ってきた

 

「ぶぅぅぅうう!!??おっお前らぁ!!何やってんだぁぁぁああ!!??」

 

寝室で待っていたのは響達だったがのだが問題はその格好だった

何故かみんなはこれまでとは比べ物にならないほどセクシーな下着姿になっており

しかも恥ずかしそうにしているから尚更、背徳感が増していた

 

「こっこれは私達の覚悟の表れです・・・!きょっ今日は寝かせませんよ!?」

 

「まっまぁそういう事だ・・・!かっ覚悟はいいか!?」

 

「いやなんでキレてんのクリスちゃん!?

 そんな風になるんだったら今すぐに服を着ればいいじゃん!」

 

「うっうるせぇ!!元はと言えばお前が原因なんだよ!!

 だから大人しく私らのいう通りにしやがれ!!」

 

「なんで俺が責められなくちゃいけなんだよ!?

 って未来ちゃん!?なんでいつの間に俺の服を脱がしにかかってるの!?」

 

「はぁ・・・はぁ・・・!だっ大丈夫ですよお兄さん・・・!

 優しく・・・優しくしますから・・・!」

 

「ちょっ!?マジで勘弁してください!!

 えっ?他のみんなもなんで手をわきわきさせているのかな?

 マジで?これは俺、逃げられないやつなの?

 えっと・・・少しは話し合いをしませんかね?

 せめてそういうのはみんなが大人になってからにしませんかね?

 だから諦めてその手を退けてくれぇぇぇええ!!」

 

 

 

 

 

「いぃぃぃいいやぁぁぁああ!!」

 

こうして俺の夜は明けていくのだった・・・



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幼女に求婚された

来週は予定があるのでお休みします


フロンティア事件から数ヶ月が過ぎて世の中には平穏が戻っていた

特異災害対策機動部二課もあれから国連直属の部隊となり名前をS.O.N.G.と改め

基本的には災害救助などを主な役割として行動しているようだった

俺の方も仕事は順調であり色々と忙しい日々を送っていた

えっ?例の九人との関係はどうなったのかって?

 

 

 

 

 

そりゃあ全力で逃げさせてもらいましたよ!!ええ!!

 

 

 

 

 

LBXへと姿を変えて自分の家の天井を破壊して脱出するという

なんとも悲しい結末を迎えましたよ!おかげで財布が軽くなったわ!!

それでも響達は中々に諦めてくれず本当に色んなハニートラップを仕掛けられた

もうね・・・正直ね・・・理性が限界突破して逆に悟りを開きそうになったよ・・・

そんな時に仕事で海外出張の話が出て俺はしばらくの間、海外で仕事をしていた

そして今日・・・俺は再び日本へと帰ろうと空港に向かっていたのだが

 

 

 

「お前が例の機械人形か・・・お前を俺の物にしてやる・・・!」

 

 

 

・・・なんか幼女が現れて俺の物にする宣言を受けたんだけど・・・

 

 

 

「えっと・・・お嬢ちゃん?

 そういうのはもっと大人になってから言うべきだと思うんだけど・・・」

 

「・・・何を勘違いしている?確かに俺はお前の事が欲しいが

 別にお前自身には興味はない・・・欲しいのはお前の遺伝子だけだ・・・!」

 

「なんかもっとヤバい事言ってない!?

 ちょっと本当に大丈夫なの!?親にどんな教育をされたらそんな風になるの!?」

 

「っ!うるせぇ!俺の前で親の話なんてするんじゃねぇ!!」

 

どうやら俺の言葉がその少女の勘に触ってしまったようで

その幼女から突如として攻撃が飛んでいて俺はイプシロンに変身しその攻撃を防ぐ

 

「おいおい・・・普通の幼女じゃないと思ってたけど

 本当に普通じゃないのかよ・・・で?お前は一体何者なんだ?」

 

「俺の名前はキャロル・マールス・ディーンハイム・・・

 錬金術師にして・・・奇跡の殺戮者だ・・・!」

 

「おぉう・・・厨二病まで発症してしまった幼女かよ・・・」

 

「さっきから幼女幼女うるせぇんだよ!!」

 

「どぉ!?やっぱり自分の容姿は気にしていたのね!!」

 

なんてバカなやりとりをしているとそこへ何やら四人の人影が姿を現した

しかし俺は彼女らと似ているからこそ違和感に気が付く事が出来た

 

「・・・なるほど・・・俺と同じ・・・いや・・・

 俺とは別の造られた人形ってわけか・・・ほとんど人と見分けが付かないな」

 

「ほう?俺の人形達に気づくとは・・・流石と言うべきか?」

 

「褒めてもらって光栄だけど・・・えっと・・・これからどうするの?

 俺としてはこのまま全員で家に帰ってもらえるとありがたいんだけど・・・」

 

「そんな事の為に全員を呼び寄せたと本気で思っているのか?」

 

(ですよね〜・・・しかしマジでどうしたもんか・・・

 流石に五人を相手にして戦えるほどの実力なんて俺にはないし

 逃げるにしても何か隙とかが出来ないと・・・)

 

俺はこの場をどうやって乗り切ろうかと考えていると

先ほど現れた四人の人形の内の一体がキャロルの耳元で何かを話していた

 

「・・・そうか・・・なら予定は変更だ。こいつの相手は後回しにする」

 

キャロルは何を聞いたのかは知らないが本当に大人しく帰ってしまい

俺は助かったのかと思っていたが同時に何やらとても危険な匂いがしていた

 

「・・・こりゃあ早く日本に戻った方がいいかもしれないな・・・」

 

 

 

 

 

一方その頃、響達は家主の居ないダンの家に友達を招待して

これから行われる翼、奏、マリアのコンサートツアーの鑑賞会をしようとしていた

 

「へぇ〜・・・ここが二人の言ってたお兄さんの家なんだ・・・

 やっぱり同居とかって緊張したりするの?襲われたりとかしてない?」

 

「いっいや普通に大丈夫だよ!?おっお兄さんは優しい人だから!!」

 

「むしろ襲おうとしていたのはそこにいる二人だからな」

 

「なんですって!?そこんところ詳しく聞かせてもらいましょうか!?」

 

「えっえぇ!?///そそそそんな事よりもライブ始まるよ!!」

 

(((露骨に話を逸らしたな・・・)))

 

しかし響の言う通りライブが開催されて三人の歌っている映像が流れる

その映像を見て複雑な心境を抱いていたのは調、切歌。セレナの三人だった

 

「・・・やっぱり不満か?マリアがこんな風にツアーをするのは・・・」

 

「・・・正直に言うと複雑です・・・マリアがこんな風にアイドルを続けるのは・・・」

 

「デス・・・でもお兄さんが協力してくれなかったら

 もっと酷い事になっていたかもしれません・・・」

 

「それに姉さんもこれ以上はダンさんに迷惑を掛けられないと受けた提案でしたから・・・」

 

そう・・・マリアがアイドルを続けているのは他でもないダンの為だった

彼は国に対して彼女達への追求を不問にして欲しいとお願い(脅迫)しており

それでも被害が出た国としてはどうにかその分の負担はして欲しいと考え

こうしてマリアはアイドルとして国への奉仕をする事になったのだ

 

「でも・・・姉さんは言ってました・・・

 こうして今もアイドルを続けているのはもう一つの理由があるからだって・・・

 だからきっと・・・今は姉さんも楽しんで歌えていると思います」

 

「・・・そうだな・・・」

 

こうして彼女達は三人の歌う姿に見惚れながら最後までライブの映像を見るのだった

 

 

 

 

 

しかし彼女らはまだ気づいていなかった・・・

その平穏な日々が崩れようとしている事を・・・



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力と責任

なんとか日本に帰ってきた俺だったが

どうやら事態は思った以上に深刻だった

 

「・・・翼とクリスがやられましたか・・・」

 

「ああ・・・本人達は無事だが・・・シンフォギアがな・・・」

 

突如として現れたアルカ・ノイズと呼ばれる新しい敵

それによって翼とクリスのシンフォギアは壊されてしまった

残されている戦力は響と未来の二人だけなのだが

その二人も新しい敵を前にして気持ちを切り替えられないでいた

 

「なるほど・・・つまりまともに戦える戦力は残ってない・・・か」

 

「ああ・・・だからこそ君に帰ってきてもらって助かったと思っているよ

 と言っても・・・慎重には慎重を重ねたいんだが・・・」

 

司令官である弦十郎がそう告げた瞬間

基地のアラームが鳴り響きモニターには

とんでもない数のアルカ・ノイズが映し出されていた

 

「はぁ・・・帰ってきて早々に仕事をしなくちゃいけないとはな」

 

俺はその光景を見て急いで現場に向かおうとすると

更にアラームが鳴り響き更に二箇所でもアルカ・ノイズが発生していた

 

「・・・おいおい・・・これは流石に多すぎるだろ・・・」

 

「なら・・・私達も一緒に行きます・・・!」

 

「響ちゃん・・・未来ちゃん・・・」

 

これは俺も厳しいのではないかと思っていると

そこへ響と未来が現れて自分達も戦うと話していた

しかし俺はそれを首を振って遠慮した

 

「二人はここに居て・・・

 そしてモニター越しに俺の戦いを見ていろ・・・!」

 

「お兄さん・・・」

 

俺は基地を後にして作り出したばかりのLBXを三体取り出す

 

「こいつらの力を借りる事になるとはな・・・

 いずれにしても俺が見せつける必要がある・・・みんなに・・・!

 力を持つって事はどういう事なのか・・・その意味と・・・責任を・・・!」

 

そして俺はそのLBXを身に纏い

急いでそのアルカ・ノイズ達が現れた場所へと向かう

 

 

 

 

 

その頃、アルカ・ノイズを出現させたキャロルはモニター越しにその光景を見ていた

その理由はもちろん・・・そこに映るであろう彼を待っているからだ

そして・・・その待ち人はド派手にアルカ・ノイズを倒しながらその姿を現した

そう・・・完成された次世代型LBXの三体、ペルセウス、エルシオン、ミネルバの三体が

 

「・・・また新しい姿・・・やはりお前は・・・!」

 

 

 

 

 

(思った以上に数が多いな・・・しかしアルカ・ノイズか・・・

 シンフォギアに対して絶対的な耐性があるって話だったが・・・

 どうやらLBXには当てはまらないみたいだな・・・なら・・・!

 なんの憂いもなくぶっ潰させてもらおう!!)

 

俺は別々の場所で三体のLBXを同時に操作してアルカ・ノイズを倒していく

徐々にその数を減らしていくとそこへ突如として攻撃が飛んできた

それぞれの攻撃を防御すると目の前に現れたのは三体の自動人形

 

「お久しぶりです・・・英雄殿?改めまして私はファラ・スユーフ」

 

「ガリィ・トゥーマーンです」

 

「ミカ・ジャウカーンだぞ!」

 

ペルセウスの前にはファラ

エルシオンの前にはガリィ

そしてミネルバの前にはミカが立ち塞がった

その光景を見て一番に驚いていたのは

他でもないモニター越しにそれを見ていた響達だった

 

「あいつら・・・!やっぱり出てきやがったか・・・!」

 

「奴らの強さは人間のそれを軽く超えている・・・!まさしく怪物だ・・・!」

 

「ええ・・・ダンには悪いけど・・・勝ち目はかなり薄いわ・・・!」

 

実際に対峙した彼女らだからこそ自動人形の強さをよく理解していた

たとえ相手が俺であったとしても勝ち目はかなり薄いという事も・・・

そんな中でたった二人・・・響と未来だけはモニターから視線を外していなかった

その理由は彼があそこに行く前、自分達に言っていた言葉の事があったからだ

そしてダンと三体の自動人形との戦いは苛烈を極めていた

 

(やっぱり強いな・・・!初めて会った時にも感じていた事ではあるが・・・

 果たしてどこまで食いついていけるか・・・問題だな・・・)

 

三体同時LBX操作は俺の頭をかなり酷使するので正直な話、かなりキツイ

それこそ限界も近いがこんなところで倒れるわけにはいかない

だからこそ俺は最後の力を振り絞って必殺技を放つ事にした

 

『アタックファンクション!コスモスラッシュ!』

 

『アタックファンクション!ホーリィランス!』

 

『アタックファンクション!炎崩し!』

 

三体のLBXから放たれた必殺の一撃は流石の自動人形でも受け止めきれなかった

しかし倒すまではいかず損傷はあるもののまだ戦うのは問題なさそうな感じだった

 

(マジか・・・これでも倒れないのは流石にチート過ぎるだろ・・・

 おまけに俺の方もマジで限界になってきたし・・・どうする・・・?)

 

『・・・ファラ・ガリィ・ミカ・・・撤収だ』

 

「「「はっ!」」」

 

三人はキャロルの声が聞こえたのか命令通りに撤退していき

どうにかアルカ・ノイズも全て倒し終わって戦いは終結を迎えた

そして俺も限界を迎えてその場に大の字で倒れてしまう

 

「はぁ・・・はぁ・・・マジでキッツイ・・・!

 でも・・・これでアイツらに見せてやれたかな・・・力と責任ってやつ・・・」



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魔剣ダインスレイフ

体調が悪くで期間が空いてしまいました
まだ本調子ではないので
もしかしたらまた期間が開くかもしれません


基地へと戻ってきた俺は三体同時操作を行った影響なのか

思わず倒れてしまいそのままベッドで寝ており

後の事は全てみんなに任せる事にした

 

「僕の名前はエルフナイン・・・皆さんにこれを託しに来ました」

 

「これは?」

 

「・・・魔剣・・・ダインスレイフ・・・!」

 

「なっ!?ダインスレイフだと!?」

 

「・・・聖遺物か・・・それをどこで手に入れたんだ?

 いや・・・そもそもお前はキャロルと名乗る少女とどういった関係なんだ?」

 

「・・・僕はキャロルの影・・・それ以上でもそれ以外でもない・・・

 でもこれだけは言えます・・・僕はキャロルを止めたい・・・!

 だからどうか皆さんの力を貸してください・・・!」

 

その後も彼女の話は続きどうやら魔剣ダインスレイフの欠片である

聖遺物・ドヴェルグ=ダインの遺産を使って

壊れたシンフォギアを修理・強化してくれるそうだ

そうすればもうアルカ・ノイズともまともに戦えるようになるらしい

 

「なるほどな・・・俺が寝ている間にそんな事になっていたとは・・・

 それで?俺はこれから何をすればいいんだ?」

 

「彼女の話ではシンフォギアが修復されるには時間が必要らしい

 それまで君にはおそらくその邪魔をしに来るであろう

 アルカ・ノイズと戦って欲しい」

 

「ちょっと待ってください!」

 

その言葉を聞いて一目散に反応したのは響達だった

どうやら彼女達は俺一人に戦闘をさせるのはダメだと考えているようだ

 

「ただでさえあの数を相手にしてお兄さんは倒れたんですよ!?

 次もこれだけで済むなんて保証はどこにもないじゃないですか!!」

 

「まぁな・・・だがやらなくちゃいけない事ならやるさ・・・

 それにな響ちゃん・・・これは俺が倒れた時を考えての事でもあるんだ」

 

「・・・お前・・・この戦いで死ぬつもりなのかよ・・・!」

 

雪音ちゃんの言葉を聞いてみんなは驚きの顔を露わにするが

俺はそれを否定しちゃんとした理由を説明する

 

「確かに俺の三体同時操作はとんでもなく脳に負担が掛かる

 それこそ次も使えば・・・下手をしたら障害が残るかもしれない・・・

 まぁ流石に死ぬ事はないと思うけど・・・戦うのはキツイかも・・・」

 

そう・・・実を言うと俺の体は度重なる戦闘と同時操作の関係から

すでに限界を迎えようとしており次も三体同時操作なんて事を行えば

おそらくは脳に何らかの異常が発生し障害が出てくる可能性が高かった

それこそ・・・今後は戦えないかもしれない可能性も・・・

 

「そんな・・・!」

 

「だからこそみんなにはもう一度、俺がいなくても戦えるようになって欲しいんだ

 それがおそらく・・・俺に出来る最後の事だからね・・・」

 

もはや戦う力すら残す事の出来ない俺にとっては

これくらいしか彼女らにしてあげられる事はないのだ

それを聞いた響達は涙を流しそうになっていたが

先ほどの状況で俺の覚悟を見たからなのか何も言う事はなかった

その代わり自分達も同じような覚悟を決めたのかそれぞれ準備を始める

 

「・・・さてと・・・それじゃあ俺も準備を始めるとするか」

 

俺もベッドから起き上がって部屋から出ようとすると

そこには調と切歌の姿があり何事かと思っていると二人が口を開いた

 

「・・・お兄さん・・・実はお願いがあるんです・・・」

 

「・・・もしかしてLiNKERを使うって話か?・・・実はそれなんだけどな」

 

俺は懐からとある薬を取り出してそれを二人に渡した

 

「前に使われていたLiNKERをこっちで調べて改良した物だ

 副作用はないし効果は一日持つように設定されている

 これを使えばお前らも戦う事が出来るだろうさ」

 

「本当デスか!?それじゃあ」

 

「但し!・・・無茶はするな・・・そして二人一組で動け

 それが俺が出すお前らへの条件だ・・・いいな?」

 

「・・・分かりました・・・」

 

俺の言葉を聞いて納得したのか二人は薬を受け取り

そのまま司令室まで向かうとそこで説得をしている様子だった

 

「・・・本当にもしかしたらこれが最後の戦いになるかもな・・・

 まぁ無茶しすぎたのもあるけど・・・体が限界なんだろうな〜・・・」

 

しかしここから原作通りに動くのならば

ここから先はシンフォギアが壊れる事はないだろうし

俺が戦わなくてもきっと大丈夫だろうと考えていた

 

「・・・だけどここからが正念場だ・・・!頑張るとしますか!」

 

そう言って俺は先ほどの三体とは別のLBX達を取り出すのだった

 

 

 

 

 

一方その頃、キャロルは自動人形を集めて報告を聞いていた

 

「・・・そうか・・・やはり障害となるのはあの騎士だけか・・・」

 

「はい・・・ですがあれだけの力を使っているのならば・・・

 おそらくその代償があるはずです・・・もしかしたら・・・」

 

「ああ・・・おそらくは次の戦いで奴の最後を迎えるかもしれないな」



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六体のLBX

エルフナインがシンフォギアの修理を始めている頃

俺は彼女の元へと向かおうとしている人物を目の前にしていた

その人物とはエルフナインを作り出した張本人であり

今回の事件の元凶でもある錬金術師・キャロル本人

 

「・・・まさかご本人がやってくるとは思ってなかったな」

 

「・・・お前の最後の時だと聞いてな・・・

 それなら俺様が直々に引導を渡してやろうと思っただけだ」

 

「そりゃまた・・・俺一人に随分と過大評価してくれるな」

 

「過大評価じゃねぇよ・・・純粋に興味があるってだけだ

 それよりお前の方こそいいのか?

 こっちはそれぞれの施設に自動人形を送り込んだ・・・

 いくらお前でも四つの施設を同時に守るなんて出来ねぇだろ?」

 

確かにエルフナインの前には

エルシオン、ペルセウス、ミネルバの三体がいる

普通に考えたら彼女はここに全戦力が集まっていると言えるだろう

しかし・・・もはや俺は戦えないのを覚悟している人間だ

だからこそ・・・出し惜しみなどない

 

「残念だけどその施設には他の奏者もいるし・・・

 なんだったらここにいるのが最後の戦力だと思うんじゃねぇぞ?」

 

「何?」

 

キャロルは他の施設の映像を見ると

そこには彼女すらも知らない三体のLBXが自動人形と戦っていた

 

「馬鹿な・・・!?こいつらは一体・・・!?」

 

「だから言っただろ?別に俺が使えるのは三体だけじゃねぇってな・・・!」

 

その頃、ガリィは目の前にいるLBXとの激闘を繰り広げていた

 

「なんなのよこいつ!?なんでそんな巨大な武器を持っているのに

 動きが私よりも早いのよ!?」

 

ガリィが戦っているのはかつてゼノンと呼ばれていたLBXの後継機であり

処理速度に関してはそれを凌駕するLBX・トリトーンだった

武器に反して体こそは小さいが反応速度が上なのでガリィの攻撃を躱し

カウンターとして重い一撃を相手に当てる事が出来ている

その巧みな戦い方によってガリィは苦戦を強いられていた

別の場所ではファラが激しい剣戟を繰り広げており

相手は剣と盾を巧みに使いこなすLBX・リュウビだった

 

「まさかこの私と互角の戦いを繰り広げるとは・・・

 まさに剣を極めていると言えますが・・・果たして私に勝てますか?」

 

ファラの能力は剣と定義されている物を破壊する能力があるのだが

リュウビは片手に盾を持っておりそれで攻撃を受け止めている

つまり完全に対策はされているという事でありファラは忌々しそうな顔をしていた

そして更に別の場所ではレイアと呼ばれる誰も見た事ない自動人形が撃ち合いをしていた

その相手はかつての戦乙女と同じ名前を持つLBX・ジャンヌDだった

 

(まさかここまで撃ち合いで私が押し込まれるとは・・・

 地味は似合わないのですが・・・こればかりは仕方ないですね・・・)

 

レイアとしてはあまり地味な戦いは好まない性格ではあるのだが

ジャンヌDの射撃能力はとても正確で今のまま攻撃をやめてしまえば

自分の方が押し込まれていると理解しているからこそ敢えてこの地味な戦いを挑んでいる

しかしそれが相手の思い通りに動かされているという事も理解しており

どうすればいいのか考えながら相手の動きを冷静に見極めていた

その様子を見ていたキャロルは今の状況に対して苦虫を潰したような顔をしていた

 

「テメェ・・・!死ぬ寸前の癖にここまでの事をしてくれるとはな・・・!」

 

「別に死ぬほどじゃねぇっての・・・それよりも俺達も始めようぜ?

 お前の本気・・・俺にも見せてもらおうじゃねぇか・・・!」

 

「・・・いいだろう・・・そこまで言うのなら見せてやる・・・!

 これが俺のファウストローブだ!!」

 

キャロルは大きな竪琴を召喚しそれを奏ると

彼女の体にそれが装着されていき完全な戦闘形態へと姿を変えた

目の前でそれを見ていた俺は今のままでは勝てないと判断し

限界ギリギリの体に鞭を打って特殊モードを発動する

 

『ナイトモード!』

 

『ストライクモード!』

 

『バーニングモード!』

 

エルシオン、ペルセウス、ミネルバの三体はそれぞれ光を放ち始め

性能を限界ギリギリまで発動させているが

おそらくこの状態で戦えるのは持って十分が限界だろう

そして錬金術を極めていたキャロルもそれが最後の抵抗だという事を理解していた

 

「さぁ・・・それじゃあ始めようぜ・・・お前の最後をな・・・!」

 

「来いよ・・・!これが俺の最後の戦いだ・・・!」

 

こうして俺とキャロルの激しい戦いが幕を開けた



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抜剣

来週は予定があるのでお休みします


ファウストローブを身に纏ったキャロルは弦を使って俺を攻撃してくる

その弦はダインスレイヴの力が宿っているという事もあり

LBXの武器ですら傷つかないほどの強度を持っていた

 

「どうした!?そんなんじゃ俺を倒すなんて出来ねぇぞ!?」

 

(あの弦・・・LBXの武器ですらビクともしないとか卑怯だろ・・・

 あれで攻撃されたら流石のLBXの装甲でも無事じゃ済まなそうだな・・・)

 

一応はナイトモードになっているエルシオンの盾で

キャロルの攻撃を防いではいるが突破されるのは時間の問題

おまけに六体同時操作を行なっている影響もあるので

そこまで時間を掛けているわけにはわけにはいかなかった

 

(こうなったら・・・一気に必殺ファンクションでケリをつける・・・!)

 

俺がそう決意すると同時に各戦場にいるLBX達の動きが変わる

ガリィと対決しているトリトーンは強烈な一撃を当てて彼女を空中に吹き飛ばす

 

『アタックファンクション!オーシャンブラスト!』

 

「キャァァァアア!??」

 

そして更にその上へとジャンプして必殺ファンクションを放った

もちろん空中で身動きの取れないガリィはこの攻撃を躱せず

直撃を受けてそのまま地面に激突する事となった

 

 

 

一方その頃、ファラと戦っているリュウビは一気に距離を詰めると

彼女の持っていた剣を弾き飛ばし無防備な状況になった瞬間

一気に後方まで下がって距離を取った

 

『アタックファンクション!白虎衝波斬!』

 

「くぅぅぅうう!!??」

 

白き虎の如き斬撃がリュウビから放たれファラに直撃する

もちろん彼女にこれを受け切るだけの力はなく

防御した両腕は損傷し自身も後方のビルに激突した

 

 

 

そして最後のレイアと戦っているジャンヌDは

先ほどまでの真正面からの撃ち合いから一変し

凄まじい速度で動き始めて四方八方から弾丸を放っていく

 

『アタックファンクション!サイドワインダー8!』

 

「ぐっ!?」

 

最後は空中で八発のミサイルが放たれてレイアに直撃する

しかしダメージは軽微であり戦闘を続行する事は出来るのだが

他の自動人形は違う事を理解したレイアはその場から撤退し

彼女達を回収しに向かいそれを確認した三体のLBXも元の場所に戻って行った

 

 

 

「馬鹿な・・・!オートスコアラーが負けたのか・・・!?」

 

「よそ見している場合か?こっちも一気に行くぜ!」

 

『アタックファンクション!炎崩し!』

 

「ちぃ!!」

 

ミネルバの一撃をキャロルは弦の盾を作り出して防御するが

その背後からペルセウスが迫っており彼女は反応が遅れてしまう

 

『アタックファンクション!コスモスラッシュ!』

 

そしてペルセウスの一撃は見事にキャロルを捉えるが

ファウストローブの耐久力は思った以上でダメージはほとんどなかった

しかし俺もこれくらいで倒せるとは思っておらず最後は空中から一撃を放つ

 

『アタックファンクション!ホーリィランス!』

 

「はぁぁぁああ!!」

 

「負けるかぁぁぁああ!!」

 

俺の一撃が放たれると同時にキャロルも迎撃の一撃を放ってきた

二つの強力な一撃は周囲のものを吹き飛ばし地面に巨大なクレーターを作り出す

そのぶつかり合いを制したのは・・・キャロルの方だった

 

「ぐぁぁぁああ!!」

 

(クッソ・・・!こんな時に限って時間切れかよ・・・!)

 

そう・・・俺の敗因は制限時間が来てしまったのだ

それにより強制的にパワーダウンしてしまい結果として打ち負けてしまった

ペルセウス、ミネルバはその場から消滅してしまい

残されたのは肩で息をするキャロルとボロボロに破損したエルシオンだけだった

俺はどうにか体を動かして起き上がるがもちろんもう戦う力は残されていない

それでも出来るだけ時間を稼がなくてはならないと考えていた時だった

 

「お待たせしました!ここからは私達に任せてください!」

 

「特急で私、立花、雪音、奏の調整だけ済ませてもらった!

 ここより先は私達が相手だ・・・!」

 

「もうお前だけには良い格好はさせねぇよ!」

 

「そう言う事だ!お前は大人しくそこで待ってな」

 

「・・・随分と頼もしい限りだな・・・」

 

どうやらエルフナインが特急で仕事を終えてくれたようで

シンフォギアの改修を終えた四人が俺の前に降りてきた

その様子を見て安心した顔をしているとキャロルは不満そうな顔をしていた

 

「たとえシンフォギアが復活したとしても俺には勝てねぇ・・・!

 その可能性があった騎士はその様だ・・・どうやって戦うって言うんだ!?」

 

「・・・確かに貴方は強い・・・私たちじゃ勝てないかもしれない・・・

 でも・・・!お兄さんが命を掛けてくれたこの希望を・・・

 私達は無駄にはしない!」

 

『抜剣!!』

 

響達は胸についていたイグナイトモジュールを発動すると

彼女達は暴走状態へと陥りそうになっておりそれを見ていたキャロルは笑っていた

 

「馬鹿が!ただの人間如きがその力を扱い切れるものか!!」

 

「・・・人は獣にあらず・・・」

 

「あ?」

 

「人は神にあらず・・・俺の知っているとある世界を呪った男の言葉だよ

 その男は世界に対して人とは何かを問おうとしていた・・・

 そして人として何をするべきなのか・・・それを考えさせようとしていた・・・」

 

「・・・それがなんだって言うんだ?」

 

「分からないか?確かに響達は人だ・・・お前みたいな力はない・・・

 だけど・・・彼女達が人であり続けようとする限り・・・

 希望は必ず生まれる・・・!」

 

「!?」

 

俺の声に応えるかのように響達は見事にイグナイトモジュールの制御に成功し

キャロルはその光景を見てあり得ないと言った顔をしていた

そしてその光景を最後に・・・俺の意識はそこで途絶えてしまった・・・



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出陣!Σオービス

「・・・んで?なんでまたアンタと一緒なわけ?」

 

「別にいいじゃろ?たまには話し相手が欲しいんじゃ

 それにしても・・・随分と無茶をしたのう?」

 

俺は今、何故か神と対話をしており

爺さんの話では俺は現在死にかているらしい

その話を聞いて俺は何でだと思っていた

どうやらその原因はこの神にあるようだ

 

「いや実はお前さんの体を更新するのを忘れておっての!

 それでまぁしばらくの間、眠ってもらう事にしたのじゃ!」

 

「ふざけんな!お前の勝手で俺は死にかけてんのかよ!?

 てかそれ以前に響達はどうなったのか結末を見てないんだけど!?」

 

「それなら安心せい・・・彼女らならちゃんと無事じゃよ

 と言ってもキャロルと呼ばれる少女も無事じゃがな・・・

 おそらく・・・近いうちに決戦になるじゃろう・・・

 だからこそお主の体を作り変えておるのじゃ」

 

神の話では次に目を覚ます時には

LBXの同時操作のデメリットも無くしており

更には特別な機能も盛り込まれるそうなのだが

 

「・・・でもそれって爺さんが忘れてたんだよな?

 本当はもっと早くに俺の体って更新されてるはずなんだよな?」

 

「・・・まぁまぁ細かい事は気にせんで!

 しばらくここで大人しくしていようじゃないか!」

 

完全に話を逸らされてしまったがとりあえず俺はやる事もないので

目を覚ますその時まで爺さんの話に付き合う事にしたのだった

 

 

 

 

 

一方その頃、現実世界では響達が持ち回りで俺の看病をしており

その間にもキャロルについての対策についてをみんなで話し合っていた

 

「とにかく響君達のシンフォギアの改修は終わった・・・

 これでアルカ・ノイズにも対抗出来るようにはなったが・・・」

 

「はい・・・問題はキャロル本人とその側近である自動人形・・・」

 

「!?馬鹿な!?キャロルはあの時、私達が倒したんだぞ!?」

 

「まさか・・・!あいつも自動人形なのかよ!?」

 

そう・・・響達は初めてのイグナイトモジュールを制御し

キャロルを圧倒、彼女を敗北まで追い込み最後は自爆されたのだが

実は彼女は生きている事がエルフナインの口から明かされた

 

「キャロルはホムンクルスの体に記憶インストールを繰り返して生きてきました

 おそらく今頃はファラ達が復活を行なっている頃だと思います・・・」

 

「つまりただ倒すだけじゃ無意味って事か・・・!」

 

「勝つ為には最低でも自動人形をまず先に倒さなくちゃいけないって事ね・・・」

 

エルフナインのおかげで響達はアルカ・ノイズに対抗出来るようになったが

もちろんそれだけで勝てるほど甘い相手ではなかった

キャロル本人は響達と同様・・・いやそれ以上の力を持ったファウストローブを手にしており

そして彼女の付き従う四人の従者・・・自動人形という存在もいる

更にはキャロル本人がホムンクルスの体を使って復活が可能だと分かれば

もはや今の戦力では対抗するには足りないだろうと彼らは考えていた

キャロルに対抗する為には全員のシンフォギアを改修しなければならないが

ここで問題になってくるのはその時間を彼女らが与えてくれるかどうかだった

流石に二度目の失敗はしないだろうと思っていたがエルフナインの考えは違った

 

「確かにキャロルはホムンクルスの体を使って復活は可能です・・・

 ですが何のデメリットもなくそれが使えるわけではありません・・・

 おそらく・・・まだ本人は戦える状況ではないと思います・・・」

 

「つまり出てくるとしたら自動人形だけという事か・・・」

 

「こちらとしては嬉しい情報ではあるが・・・彼女らの実力は折り紙つきだ

 無傷で勝つのは難しいだろうな・・・」

 

自動人形相手にどうやって戦えばいいのか考えていると

ここでアルカ・ノイズが現れた警報が鳴り響き響達は急いで現場に向かうと

そこには巨大なアルカ・ノイズとガリィ、ファラの姿があった

 

「お久しぶりですわね?防人さん?」

 

「また貴様か・・・!何度も何度もしつこい奴だ・・・!」

 

「てか今回はまだ随分と巨大なのを連れてきたな・・・!」

 

「この前の戦いでもう普通のアルカ・ノイズじゃダメだって判断しましたので

 今回は特別製のものをご用意させていただきました・・・ですが

 あなた方が相手をするのはこの子ではなく私達ですがね!」

 

そう言ってファラは翼、奏に斬り掛かり

ガリィも同じく響、クリスとの戦闘を開始する

 

「くっ!?まさか私らの足止めをする為に自ら出てきたのか!?」

 

「その通り・・・!さぁ私としばしの間、踊ってくださいな!」

 

「クッソ!このままじゃアイツが街に・・・!」

 

どうにかして響達はアルカ・ノイズを迎撃しようとするが

ガリィとファラに阻まれてしまい全く手が出せず

そしてアルカ・ノイズが近くで遊んでいた子供達を発見し

そのまま彼らを踏み潰そうとしていたまさにその時だった

 

『アタックファンクション!ホーリーランス!』

 

「「「「!??」」」」

 

アルカ・ノイズは謎の攻撃を受けて地面に倒れ込み

その間に未来が先ほどの子供達を避難させていた

 

「やはりあれくらいでは死にませんでしたか・・・伝説の騎士・・・!」

 

「お兄さん!!」

 

「悪いな?あれくらいで死ぬようなタマじゃないんだよ!

 てか・・・なんか随分と仰々しいのが出てきたな?」

 

復活した俺は高層ビルに匹敵するであろう巨大アルカ・ノイズを見上げていると

ファラはまるで自慢するかのように説明を始めた

 

「このアルカ・ノイズは百匹以上のエネルギーを合体させたもの

 いくら貴方といえどもこれに勝つのは不可能・・・!」

 

「・・・別に不可能ってわけでもないぜ?そっちが合わせ技なら

 こっちも・・・とっておきの手を見せてやるからよ!」

 

『ドッキングシークエンス、スタート』

 

その機械音が鳴ると共にエルシオン、ペルセウス、ミネルバが上空へと飛び上がる

 

『プロセス1』

 

次にエルシオンとミネルバが分離しそれぞれのパーツへと変形を開始する

 

『プロセス2』

 

最後はペルセウスを中心に二体のパーツが合体していき

スーパーLBX・Σオービスがアルカ・ノイズの前に立ち塞がった

 

「さぁ・・・!ここからが本当の勝負だ・・・!」



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スーパーLBXの力

指令室から現場の様子をみていたマリア達も驚きを隠せなかった

それほどまでに俺が合体した瞬間は凄かったらしい

しかし自動人形である彼らはすぐに冷静さを取り戻していた

 

「ふっ!いくら合体したところで所詮は三体分の強さ・・・!

 この巨大アルカ・ノイズの前では無力だと思い知りなさい!」

 

巨大アルカ・ノイズは体を膨張させると

体から砲身のような物が出てきて俺に向かって一斉に弾丸を放ってきた

 

「・・・三体分だけだと?悪いがLBXの合体はそんなに単純じゃねぇんだよ!」

 

俺は背中のバックパックからミネルバの腕を展開し全ての弾丸を叩き落としていく

これには流石の自動人形達も動揺を隠せないようで初めて恐怖という感情を覚えていた

そんな中、俺はゆっくりと歩いて巨大アルカ・ノイズに近づきながら

その手に持っていたΣツインブラスターで砲台を破壊していく

 

「馬鹿な・・・!?たった三体が合体しただけのはず・・・!

 キャロル様の計算ではこのアルカ・ノイズに倒せない存在など・・・!!」

 

「さっきから言ってるだろ?LBXの合体はそんなに単純なもんじゃねぇ・・・!

 こいつで・・・トドメだ!」

 

『アタックファンクション!Σドライブソード!』

 

Σツインブラスターから巨大なエネルギーの刃を展開

そしてそのまま全速力で突っ込んでいき巨大アルカ・ノイズを両断した

 

「さてと・・・次はお前らの番だな?」

 

「・・・いえ・・・切り札が無くなった以上・・・もはや戦いは無意味です

 ここは大人しく撤退させて頂きます・・・

 またお会いしましょう・・・伝説の騎士・・・!」

 

巨大アルカ・ノイズという切り札を失ったファラとガリィは即座にその場から撤退し

響達もこれ以上、街に被害を出すわけにはいかなかったので追いかけようとはしなかった

そして変身を解除した俺はそのまま地面に膝をついてしまうと響達が心配して近づいてきた

 

「大丈夫だ・・・流石に起きてすぐにΣ・オービスを使ったのはキツかった・・・」

 

「もう・・・!心配させないでくださいよ!!」

 

「本当だぜ・・・またぶっ倒れたりしたらどうするつもりだったんだよ?」

 

「まぁ・・・その時はそのと・・・ごめん・・・謝るからその顔はやめて」

 

響達は俺が自分の事をあまり大切にしていない事を告げると

怒りのオーラが滲み出て来ておりこのままではまずいと思って即座に謝った

しかしそれでも許してもらえなかったようで強制的に基地まで連れて行かれ

俺はそこでみんなからお説教を受ける事になるのだった

 

(・・・俺・・・一番年上なんだけどな・・・)

 

 

 

 

 

一方その頃、帰還したファラとガリィから俺の生存を聞いたキャロルは驚いていた

 

「まさか・・・!?あそこから復活しただけではなく新しい力まで・・・!

 あいつは一体何者なんだ・・・!?どうして俺の邪魔ばかり・・・!!」

 

「キャロル様・・・どうか私達にかの者の抹殺を命じてください・・・」

 

どうやらレイア達も伝説の騎士と呼ばれる存在を危惧し始めたようで

自分達にかの者を抹殺する命令を出してほしいとお願いするのだが

キャロルは彼女らだけでも決して倒せないと判断しそれを拒否した

 

「今のアイツはもはや完全聖遺物よりも遥かに厄介な存在になった・・・!

 お前達が束になったとしてもおそらくは勝てないだろう・・・

 それならばまずやるべきなのは・・・奏者達を倒す事だ・・・!」

 

自動人形達はキャロルの言葉に対してなんの疑問の抱かなかったが

明らかに普段の彼女とは何かが違うのが感じ取れていた

そう・・・彼女がどうしてダンではなく響達を狙うと宣言したのか

その理由は他でもない・・・彼女らの諦めない心に自分が負けたからだった

その事実は彼女にとって最も受け入れたくない事実だからこそ

まずは響達を先に倒すべきであると考えたのだ

 

(立花響・・・!俺はお前という存在を否定する・・・!)

 

 

 

 

 

一方その頃、響達を説教を終えた俺はマリア達に呼び出されていた

 

「・・・なるほどな・・・例の薬が欲しいってわけか・・・」

 

「ええ・・・!あれがあれば私達も戦う事が出来る・・・!

 それにもう・・・見ているだけなんて我慢出来ないの・・・!」

 

「お願いデス!もう一度だけ私達に戦う力を下さい!」

 

「今度は私達も一緒に戦わせて下さい・・・!」

 

三人の必死な言葉を聞いて正直な話、俺は迷っていた

本当に彼女達を再び戦場に戻してもいいのかどうかを

彼女らは言うならば響と同じく巻き込まれて戦いの道を歩んだ者

だからこそ戦いを止めたとしても別にいいのではないかと・・・

しかし彼女らの目はそんな事を一切、考えておらず

むしろ自分達に出来る最大限の事をしたいと訴えていた

 

「・・・はぁ・・・分かった・・・エルフナインの作業が終わったら

 例の薬をお前らにも提供してやるよ・・・だが分かってるよな?

 決して無理はしない事・・・命を粗末にしない事・・・それが条件だ」

 

「・・・それ・・・貴方が言える事じゃないと思うんだけど・・・」

 

(・・・正論過ぎて何も言い返せません・・・)



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真夏のビーチ

巨大アルカ・ノイズの襲撃をどうにか退ける事が出来た俺達

そんな俺達は街中を外れて・・・海へとやってきていた

 

「・・・いやなんで?」

 

「司令がこれからの戦いに対しての英気を養う為だと言ってな

 それともう一つ・・・彼女との交流も含まれている」

 

そう言って翼が見ていたのは他でもないエルフナインだった

確かにここまで戦い尽くしであった為

彼女との交流はほとんどしていない

だからこそこの場を設けたのだろうが

 

「・・・これ・・・俺まで連れて来られる必要あったか?」

 

「何を言ってるんですか!?

 むしろ一番に休息が必要なのはお兄さんじゃないですか!!」

 

「おぉう!?」

 

どうして自分まで来る羽目になっているのだと思っていたら

突如として響が目の前に現れてもっとも休息が必要なのは俺だと告げられる

確かにこれまで戦いばかりで体はまだしも心が疲れていると言えるだろう

しかし・・・これはこれで心が休まる暇がないのも事実だった

 

(本当に・・・自分達が魅力的な女の子だって事をもっと自覚してほしいよ・・・)

 

「?」

 

そう・・・今の響達の姿はもちろん海に来ているのだから水着になっており

その姿はとても魅力的で正直、目のやり場に困っているからこそ帰りたかった

しかし彼女達の目を見るからにそれは無理そうなので俺は仕方なく諦めて

浜辺に置かれているビーチチェアで少し仮眠を取る事にした

 

「全く・・・お兄さんったら少しは水着の感想を言ってくれてもいいのに・・・」

 

「いや・・・あんなに顔を真っ赤にしてたら感想を言っているようなもんだろ?」

 

「それよりも彼は本当に大丈夫なのか?あれだけの戦闘をしたのに

 体だけじゃなく精神まで無事とは・・・」

 

「・・・ううん・・・多分ですけど心はあんまり無事じゃないと思う」

 

未来の言う通り実際にダンの心はかなり疲労していた

もちろんそれは戦闘によるものが大きいのだが

一番の理由は響達の事を裏で手助けしている事が大きい

マリア達が戦えるようにする為の道具作り

それ以外にもナスターシャ博士の治療など

やらなければいけない事は山ほどとしてあった

それをすぐに終わらせたダンの精神はかなり消耗しているだろう

 

「だからこそ今日はとことんまでお兄さんを休ませないと!」

 

「そうだね!それじゃあ私達で今日はおもてなしをするよ〜!」

 

『おぉ〜!!』

 

((・・・逆にアイツが死ぬんじゃないかって不安になってきた・・・))

 

こうして響達によるダンへのおもてなし作戦が実行されるのだった

おそらくはそれがある意味でとんでもない地獄だとも知らずに・・・

 

「・・・何してんの?お前達・・・」

 

そしてようやく目を覚ました俺を待っていたのは

何故か水着でエプロンをつけている響達の姿だった

 

「あれ?了子さんの話では男の人はこれで喜ぶって言ってたんですけど・・・」

 

「アイツかよ!?そんな余計な知識を教えた馬鹿野郎は!!」

 

まさかの名前が出てきて俺はおそらく天国で笑っているであろう女性の顔を思い浮かべ

なんて余計な事を教えてくれたんだと怒りを募らせていると

響達が調理してくれたであろう物を持って俺の元に持ってきてくれた

 

(・・・まぁ・・・下心はないしいいか)

 

俺はせっかく響達が料理を作ってくれたのでそれを味わう事にした

しかしそれを満足に楽しむ事なく俺は謎の存在を感じ取った

 

(この気配・・・間違いない・・・!自動人形だが・・・

 一緒にいるこの気配は・・・マリアか?)

 

正直、助けに行こうとも思ったのだが彼女の強い覚悟を感じ取り

俺はその覚悟に応える為、敢えて向かわず彼女の無事を祈る事にした

そしてその後、マリアは戦いの覚悟を決める事でイグナイトモジュールを制御し

見事に自動人形の一体であったガリィを倒したのだった

 

「・・・ありがとうダン・・・貴方のおかげで勝てたわ」

 

「俺は何もしてないと思うんだけど・・・」

 

「いいえ・・・貴方は私に戦う為の力をくれた

 そして誓うは・・・この力を今度こそ・・・誰かの幸せの為に使うと・・・」

 

「・・・なら俺が言える事はたった一つだ・・・

 誰かの為にじゃなくて自分の為にってのも加えておけ」

 

そう言って俺は響達の元に戻ろうとすると突如としてマリアに腕を引かれ

一体何事だと思っていると頬に柔らかい感触が伝わってきた

 

「それなら・・・貴方も覚悟を決めた方がいいわよ?

 こう見えても私・・・熱い女だから」

 

(・・・マジかよ・・・)



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絡み合う運命

それは海でも交流を終えて俺達が家へと帰ろうとした時だった

俺は出会ってはいないのだがどうやら響達は彼女の父親とあったらしく

聞いた話ではその父親は家族を捨ててしまった人間だそうだ

もちろん響もそれを分かっているのか彼の姿を見た瞬間、逃げてしまい

そして現在、明るく振る舞ってはいるがその様子はどこかぎこちなかった

 

(う〜ん・・・正直、こんな状態の響を戦わせるのは不安だな・・・

 しかしこれは家族の問題・・・俺が口を出していいわけじゃないか・・・)

 

俺はどうしようかと考えながら家を後にすると

何やら交番で道を尋ねる人の姿が見えた

その雰囲気から俺はすぐにその人が何者なのか分かった

 

「あの〜・・・もしかして立花の父親ですか?」

 

「えっ?もしかして君は・・・未来ちゃんの話していたダンさんか!」

 

立花の父・洸と俺は近くの公園に向かいそこで話を聞く事にした

彼の話ではどうやらあのツヴァイウィングのライブ事件以降

会社を退社させられ世間からの誹謗中傷に負けてしまい

家族を捨てて逃げてきてしまったらしい

 

「・・・こんな話を貴方には分からないでしょうね・・・

 でも僕は耐えられなかった・・・!仕方なかったんだ・・・!」

 

「・・・仕方ない・・・ですか・・・随分とズルい言葉ですね?」

 

洸は俺の口からまさかこんな言葉が出るとは思っていなかったのだろう

しかし俺はどうしても彼の言う仕方ないと言う言葉が許せなかったのだ

何故ならば仕方ないという言葉は本当に選択肢を失った人間が出す言葉だからだ

だが・・・彼は違う・・・彼は自ら選択して家族を捨てたのだ

それを仕方ないなんて言葉で済ませていいはずがない

 

「アンタは自分で選択するだけの自由があった・・・

 だが響は違う・・・!あいつはそんな自由なんて一つもなかった・・・!

 それでもあいつは誰かを守る為に・・・人々を笑顔にする為に行動している・・・!

 アンタは・・・そんな彼女を見ても仕方ないと言えるのか!?」

 

「っ!!」

 

「俺から言える言葉はもうありません・・・

 後は自分の耳で響から聞くのが一番でしょう・・・

 ですがこれだけは言っておきます・・・

 アンタはどんなに逃げようとも響の父親だ・・・!」

 

俺はそれだけを告げて公園を離れるとそこには切歌と調の姿があった

 

「・・・あれが・・・響先輩の父親ですか・・・」

 

「ああ・・・どうやら昔の事で相当に消耗しているみたいだな・・・

 だが・・・たとえどんな理由があったにしても彼はそれを選択した・・・

 ならその選択に対して責任を取るのが大人の務めってもんだ・・・」

 

「・・・お兄さんもそうなんデスか?」

 

・・・そう・・・切歌の言う通り俺はこれまで多くの事を選択してきた

おそらく後悔や失敗した事がほとんどでありそれ故に俺は理解している

人生なんてものは思い通りにならない事が当たり前であり

どんなに最善を尽くしたとしても結局は最悪な事に繋がるのだと

だからこそ俺は今度の人生でその最悪な結末を迎えたとしても

そんな中で自分の責任だけは果たす事だけを決めたのだ

たとえそれで自分の命が削れるような結果になったとしても・・・

 

「・・・お兄さん・・・」

 

「・・・大丈夫デスか?なんだか凄い怖い顔をしてます・・・」

 

「悪い・・・少しだけ考え事をしてた・・・

 とりあえず家に・・・帰れそうにないな・・・

 この感じ・・・自動人形か・・・!」

 

自動人形の反応を感じ取った俺達は急いで現場に向かうと

そこでは自動人形の一体であるミカが何かの作業をしていた

 

「チィ!邪魔をするな!いけ!アルカ・ノイズ!」

 

「お兄さん!アイツの相手は私達に任せてください!」

 

「分かった・・・それじゃあ俺は雑魚の相手だな!

 今日はこいつで行かせてもらうぜ?ヴァンパイアキャット!」

 

俺はマスコットのようなLBXであるヴァンパイアキャットを装着

そのまま三人の邪魔をさせないようにアルカ・ノイズを潰していく

一方で向こうの方はミカが何か奥の手を使ったようで

これまで以上に出力が上がり二人の事を圧倒していた

 

(だがあの出力・・・おそらくこの戦闘が終われば彼女は消滅する・・・!)

 

「キャハハハハ!これで終わりだ!奏者ども!!」

 

「負けません・・・!私はまだ切歌ちゃんやお兄さんと一緒に生きるんです!」

 

「デス!だから・・・必ずこの力を使いこなしてみせるデス!」

 

「「イグナイトモジュール!抜剣!!」」

 

二人はイグナイトモジュールを制御すると

そこから更にユニゾンと呼ばれる戦法でミカを圧倒

そして・・・二人の同時攻撃によりミカは撃破された

力を使い果たした二人はシンフォギアを解除すると

そのまま倒れそうになり急いで俺は二人を抱き止めた

 

「お疲れ様・・・見事だったぜ?二人共」



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狂気の科学者

自動人形の内、二体を倒した俺達だったが

いまだに油断は出来ない状況にあると考えていた

何故ならば俺達は未だに彼らの目的を把握していないからだ

それが分からなければこの先も結局は後手に回ってしまう

そんな中でようやく弦十郎達は情報を得る事が出来たらしい

 

「敵の狙いは日本政府の重要拠点か・・・

 そしてその候補は二箇所・・・

 一つ目の『深淵の竜宮』と言われている場所は理解出来るんだが

 もう一つの『風鳴 八紘邸』に関しては狙われる理由が分からないぞ?」

 

「これは他のみんなにも内緒にしていた事ではあるが・・・

 あそこにはレイラインを制御する為の要石が置かれている

 それを破壊されてしまえば日本はとんでもない事になる・・・」

 

「なるほどな・・・逆を言えばそのどちらかを襲ってきた時点で

 あいつらの狙いがなんなのかはっきりするってわけか」

 

そう・・・深淵の竜宮を狙ってきた場合は聖遺物などが目的になるだろうし

逆にレイラインを制御する要石が狙いならば彼らの目的は日本の破壊

どちらにしてもあまり良い結果にはならないだろうが

それでも目的がハッキリすれば今後の対処法も変わってくるだろう

 

「しかし問題は響と未来を検査入院中だって事か・・・」

 

「ええ・・・あの二人は何せ他の方々と違って異例の奏者ですからね・・・

 特に響さんの場合は侵食の件もありますから尚更・・・」

 

今回の作戦には響と未来の二人は参加出来ない事になっていた

その理由は彼女達の体に異常がないかどうかを調べる検査入院の為だった

響はガングニールをその身に埋め込まれ未来は操られる形で神獣鏡の奏者となった

二人とも異例の形で奏者になった事もありこの前の抜剣の影響がないかどうか

特に響の場合は体が侵食されていた事もあるのでみんなは慎重になっていた

 

「はぁ・・・本来ならば君にも検査入院をしてもらいたいんだが・・・」

 

「こんな人手が足りないような状況で俺まで外れていいのか?」

 

「・・・すまないな・・・君にばかり負担をかけてしまって・・・」

 

実は俺にも検査入院の話自体は来ていたのだがずっと拒否していた

主な理由としては別に不調と呼べるようなものはどこにもなかったし

そもそも神様がアップグレードした体に異常が出るわけがないと思ったからだ

 

(いや・・・むしろ人外の体になってて異常出まくりかもしれないけど・・・)

 

「とっとにかく今はキャロルと自動人形達を優先しないとな!

 それで?チーム分けに関してはどうするんだ?俺が一つを担当して

 もう一つもみんなに担当してもらうのか?」

 

「いや・・・もしも屋敷での戦いとなった場合

 君の火力では相手に要石を破壊される前に自分で壊してしまう可能性がある

 それと同じ理由でクリス君も今回は除外される事になるので

 二人には深淵の竜宮を防衛してもらう事になる」

 

どうやら俺とクリスの二人は火力の問題で要石を破壊する可能性があり

屋敷の警備には向かないとの事で深淵の竜宮を守る事になった

 

「デス・・・本当なら私達もお手伝いしたかったのに・・・」

 

「しょうがないよ切歌ちゃん・・・

 私達はこの前の戦いでシンフォギアにだいぶ負担をかけちゃったんだから」

 

実は今回の作戦には響と未来だけではなく調と切歌も含まれていなかった

その理由はミカとの戦闘がシンフォギアにダメージが残っていたからだ

外見ではダメージはないように見えるがエルフナインの話では壊れる可能性もあるので

修理しなくては自動人形とまともに戦う事は出来ないだろうとの事だった

 

「まぁまぁ!ここは先輩達に任せておけ!」

 

「そうだね〜・・・でも・・・なんか知らないんだけどすごく嫌な予感がするんだよね〜・・・」

 

そんな事を思いながら俺達は深淵の竜宮へと向かったのだが

まさかその予感が完全に的中するとは思ってもいなかった

 

 

 

 

 

「ハ〜ハッハッハッ!また君に会えるとは思っていなかったよ!伝説の騎士!」

 

「・・・俺も出来る事なら会いたくなかったよ・・・Dr.ウェル!!」



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滅びの時

先週は夏バテで休んでしまい申し訳ありません
正直、体調があまり良くはないので
更新は完全に不定期になってしまいそうです
楽しみにしている方々には申し訳ありませんが
それでも楽しんで読んでくれると嬉しいです


ファラが倒された頃と同時刻

深淵の竜宮へとやってきた四人の前に立ち塞がったのは

フロンティア事変の関係者の一人であり

英雄思想によって世界を破壊へと導こうとした

恐怖のマッドサイエンティスト・ウェル博士だった

 

「まさかもう一度、この目でその忌々しい顔を拝む日が来るとはね・・・!」

 

「俺としてもアンタの顔はもう二度と見たくなかったよ・・・

 それで?ロリ娘に良いように使われてる博士はここに何をしに来たんだ?」

 

「貴様ぁぁぁああ!!

 相変わらずこの私を侮辱すると言うのかぁぁぁああ!!??」

 

「いや事実を言ったまでだし」

 

やはりウェルの中では計画を台無しにした俺という存在は目障りなようで

ちょっとした挑発行為にすらも乗って来てくれて正直、助かっているのだが

問題はそんな彼と一緒にいた最後の自動人形・レイア

彼女は先ほどから俺達のやり取りを見ながらも警戒は解いていなかった

いや・・・それどころかどこにも隙を感じさせない佇まいをしていた

 

(こいつ・・・今まで見てきた自動人形の中でも一番、隙がねぇな・・・

 本来なら俺が相手をするのが妥当なんだろうが・・・

 目の前のコイツがそれを許してくれるとは思えねぇし・・・)

 

「コウ・・・悪いがあいつの相手は私がやらせてもらうぜ・・・!」

 

「・・・分かった・・・だが先に言っておくぞ?

 あいつは今まで戦ってきた自動人形の中でも・・・別格だ・・・!」

 

「そんなもん・・・分かってるよ!」

 

クリス達はそのままレイアの元へと向かっていき

残された俺は久しぶりにイプシロンへと姿を変えてウェル博士に向かい直す

 

「・・・本当に忌々しいな貴様は・・・!よもや数ある姿の中から

 私の計画を阻んだその姿へと変わるとは・・・!!

 どうやら貴様はよほど残酷な死に方をしたいらしいな・・・!!」

 

(・・・言えねぇ・・・本当は持ってたのがコレだけだったなんて・・・)

 

実を言うとウェルがここへ来るからという理由とは関係なく

俺の手持ちとして持っていたLBXはイプシロンだけだった

それには理由がありこの前の戦闘でΣオービスは負荷が酷かったのか修理に出しており

それ以外で強い機体がこのイプシロンしかなかったのだ

故にこれは単純な嫌がらせや挑発ではなくただの失敗である

 

(・・・まぁ敵を前にしてそんな事を言うつもりはないけどな!)

 

「そういうお前はどうやって俺に対抗するつもりなんだ?

 見たところ・・・ネフェリムの力もないみたいだし・・・

 もはや英雄にすらなれない一般人程度の力しかないぞ?」

 

「舐めるなよ!!確かにネフェリムの力は失われてしまったが

 別に私の科学者としての優秀な頭脳が消えたわけではない!

 つまり君への対抗策は既に準備してあるという事だ!!」

 

ウェル博士の声に反応したかのように彼の周りから正体不明のアルカ・ノイズが現れた

俺はそいつらが現れた瞬間から普通とは違う気配を感じ取っていた

そう・・・まるでウェル博士のように俺に対する憎しみのような感情を・・・

 

「・・・なるほどな・・・コイツらはネフェリムの細胞が入っているのか・・・」

 

「へぇ?見ただけでそれを判別してくれるとは嬉しい限りだ

 そう!この子達には私が特別に培養したネフィリムの細胞を移植した!

 つまり!この子達は聖遺物を破壊する特性を持ちながら聖遺物の回復力を兼ね備えている!

 そして・・・本体を倒した君に対して増悪という感情を抱いているのだよ・・・!!」

 

(どうりでさっきから憎しみの感情をぶつけられるわけですね

 そういえば本体は俺が八つ当たりで倒してましたわ

 ・・・これ・・・絶対に言ったら怒られるんだろうな〜・・・)

 

なんてバカな事を考えていると改造されたアルカ・ノイズが向かってきた

確かに再生能力があるのは厄介な事ではあるが俺の前では関係ない

要はカケラも残さず消滅させればいいだけなのだから

 

『アタックファンクション!クリムゾンスラッシュ!』

 

炎の斬撃に飲み込まれて全てのアルカ・ノイズはそのまま消滅

ウェル博士はありえないという顔で驚いていた

するとどうやらクリス達の方でも決着がついたようで

俺はそのままウェル博士を拘束しようとした時だった

 

「「!??」」

 

突如として巨大な力を感じ取った俺達はその場から離れると

そこに現れたのはファウストロープを身に纏ったキャロルだった

しかもその手にはウェル博士が捕まっておりそのまま逃げられてしまう

 

(やられたな・・・これであいつの計画が終わるのも時間の問題になってきたか・・・!)



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踏み出された一歩

ウェル博士を連れて行かれて

いよいよキャロルの計画は最終段階を迎えようとしていた

しかもキャロルはご丁寧にレイアの妹を残し

S.O.N.G.本部が襲撃されてしまう

それによりエルフナインが負傷してしまい

更にクリス達もその時の戦闘で体力を使い切ってしまった

つまり現在、キャロルを追いかける戦力は俺だけしかいなかった

 

「と言ってもここから日本までだと時間が掛かるな・・・

 残ってくれている響と未来が耐えてくれる事を祈るしかないか・・・!」

 

俺はオーディーンに変身して飛行形態になり日本へと急いで飛ぶ

一方その頃、日本では響が父親との再会を果たしていたのだが

やはりと言うべきなのかあの時の後悔がある所為なのか

洸は一歩を踏み出せず響もそんな父親を許すつもりになれなかった

そんな状況が何も進まない中で突如、空が割れてそこから巨大な塔が姿を現した

 

「あれは一体・・・!?」

 

「あれはチフォージュ・シャトー・・・この世界を滅ぼす最終兵器だ・・・!」

 

「キャロル!?」

 

響の前にファウストローブを身に纏ったキャロルが姿を現した

どうやら彼女は響と戦う為にわざわざ姿を現したらしい

 

「お前はこの手で倒してやろうと思ってな・・・!

 それに・・・今回ばかりはお前に邪魔されるわけにはいかねぇからな!!」

 

「私だって・・・!もう貴方の好きにはさせないよ!」

 

響とキャロルが戦闘を繰り広げる中

アルカ・ノイズも姿を現し未来はそっちの対処に追われる

 

「流石にこれだけ数が多いと・・・!抑えきれない・・・!

 せめて他のみんなが戻ってくるまで粘らないと・・・!」

 

必死にアルカ・ノイズを倒していると

下の方で逃げる人達の中に響の父親である洸の姿を発見

するとキャロルと戦っている響がそっちに迫っており

未来はそれを教えようとするが時すでに遅く二人の戦闘に洸は巻き込まれてしまった

 

「なっ!?お父さん!?」

 

「隙ありだ!」

 

「しまっ!キャァァァアア!!」

 

「響!!」

 

洸の存在に気を取られてしまった響はキャロルの攻撃を受けてしまう

その一撃は重く響は壁に激突して起き上がれなくなってしまう

もちろんキャロルはそんな隙を逃すわけもなく響に向かっていく

すると二人の間に入ったのは他でもない洸だった

 

「私の娘に手は出させない!!」

 

「っ!?」

 

洸が出てきた瞬間、キャロルは攻撃する事を躊躇してしまった

それは他でもない・・・彼の姿が似ていたからだ

自分が唯一尊敬する人物・・・そう・・・父親という存在と・・・

 

(なんで・・・俺は今更こんな事を・・・!?)

 

「お父さんに・・・手を出すなぁぁぁああ!!」

 

「ぐっ!?」

 

キャロルが迷いで動きを止めている間に響は復活し

その無事な姿を見て洸は安心したのか腰を抜かしてしまう

そして響もまた洸の姿を見てようやく少しではあるが笑顔を取り戻せた

 

「クッソ・・・!まだ・・・俺は・・・負けてねぇ・・・!」

 

「確かに負けてはないけど今は二人の邪魔をしてほしくはないかな?」

 

「ちっ!やっぱりお前は来たか・・・!伝説の騎士・・・!」

 

キャロルが吹き飛ばされた先には既に俺が待ち構えており

せっかく親子が仲直りをしようとしているのを邪魔させるわけにはいかないと

俺はキャロルの足止めをする為に彼女と戦う決意をする

 

「・・・戦う前に一つだけ聞いていいか?

 なんで響の父親を攻撃する時・・・躊躇ったんだ?」

 

「っ!随分と真っ正面から聞いてくるじゃねぇか・・・

 別に・・・ただ捨てたはずの記憶を思い出しただけだよ・・・

 どっちにしたって私はもう止まれねぇし止まるつもりもねぇ・・・!

 この世界を助けたいのなら・・・俺を殺してみろ!伝説の騎士!!」

 

「・・・そうか・・・本当はお前の気持ちを聞いてからにしたかったが・・・

 そこまで言うのなら・・・お望み通り・・・本気で戦ってやるよ・・・キャロル!」



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潰える夢

もはや世界が分解されるのに一刻の猶予もない中

俺はチフォージュ・シャトーを操るキャロルと対峙していた

彼女は自分に残っている全ての力をつもりのようで

体を再構築し大人の姿になると同時にその力も強まる

俺はそれに対してΣオービスで対抗するのだが

彼女の力はその力にすらも劣らぬほど凄まじかった

 

「どうした!?この俺を倒すんじゃなかったのか!?

 それともお前の力はそんなものなのか!?伝説の騎士!!」

 

「言ってくれるな・・・こちとら女性相手に手加減してるのに・・・

 それに・・・後ろにある馬鹿デカい塔も気にしてんだよ・・・!」

 

(本当ならアレも止めに行かなくちゃいけないけど

 コイツの相手を響だけに任せるわけには・・・)

 

俺は必死にどうにかこの状況を打破する術はないかと考えていた

すると何やら塔の方で動きがあったのか動きが鈍くなっていった

しかもそれだけではなくなんと分解したはずの世界が元に戻ろうとしていた

もちろんそれはキャロルの意思ではなく彼女も驚いていたが

すぐにその原因が誰なのかを理解し怒りで顔を歪める

 

「まさか・・・用済みの分際でまだ抵抗するのか・・・!

 いいだろう・・・!ならば貴様らを倒して

 私が直接、破壊すればいいだけの話だ・・・!」

 

「そんな事させるわけねぇだろうが!!」

 

「二人共!待たせてしまってすまない!」

 

「ここからは私らも混ぜてもらうぜ!」

 

「みんな!」

 

そこへタイミングよくクリス、翼、奏の三人もやってきた

彼女の話ではどうやら塔にはマリア達が侵入したようで

彼女らが止めてくれるはずだと信じてこちらに来たらしい

これならば彼女を止められると思ったのだが何故か俺は響に止められた

 

「お兄さんは塔の方に向かってください・・・!

 きっとマリアさん達が力を貸して欲しいと思ってるはずです・・・!」

 

「・・・いいのか?今のコイツはお前らにとって強敵だぞ?」

 

「はい・・・!今の私は大丈夫です!

 それに・・・彼女ともっと話をしてみたいんです」

 

どうやら響はキャロルの心を救いたいと考えているようで

その為には彼女の憎しみと絶望を理解してあげる必要があると

そしてそれに必要なのは拳で分かりあう事だけだと感じていたようだ

 

「・・・分かった・・・それじゃあ俺はマリア達の方に向かう

 後で戻ってくるからちゃんと最後くらいは残しておけよ?」

 

「はい!」

 

俺はその場を響達に任せて塔の方へと向かった

するとそこではマリア達とあのウェル博士の姿があったのだが

なんとそこにはもう一人、怪我をして動けないはずのエルフナインの姿もあった

 

「・・・まさかお前がこの世界を救おうとするとはね・・・」

 

「私は英雄だぞ!?それにアイツの捨て駒になるつもりはない・・・!

 だが・・・思ったよりも演算が複雑で再構築には時間が・・・!」

 

「そういう事なら俺に任せてもらおうか・・・!」

 

俺は二人が操作していた端末に触れるとLBXのCPUをフルに使い

二人が苦戦していた演算を凄まじい速度で終わらせていく

それにより世界は元の状態へと戻りキャロルの野望は潰えた

 

「まだ終わりじゃありません・・・!この塔を破壊しないと・・・!」

 

「だな・・・もう二度と悪用されるわけにはいかねぇもんな・・・!

 それじゃあいくぜ!イカロス・フォース!ウェポンフォーム!」

 

俺はイカロス・フォースを呼び出しそのまま武器へと変形させる

 

『アタックファンクション!メテオブレイカー!』

 

そして渾身の一撃で塔を粉々に破壊した

するとそれを見ていたキャロルは全てに絶望したような顔をしていた

 

「・・・そうか・・・お前らもそうやって・・・俺の邪魔をするのか・・・!

 いいだろう・・・!ならばもう何もいらない・・・!

 命も・・・記憶も・・・思い出も・・・!

 全部、捨てて・・・お前らを殺してやる・・・!」

 

「っ!?なんだこの凄まじい怨念は!?」

 

「ありえねぇ・・・!人が出せるようなフォニックゲインじゃねぇぞ・・・!」

 

「これで・・・終わりだぁぁぁああ!!」

 

キャロルは己の全てをエネルギーに変えたフォニックゲインを響達に向けて放った

しかし彼女は避ける素振りを見せず受け止める覚悟を決めていた

するとそんな彼女を支えるかのように他の奏者達も集まる

 

「うぉぉぉおお!!」

 

「無駄だ!人間であるお前らに受け止められるものか!!」

 

「確かに一人じゃ無理だよ・・・でも私は一人じゃない!

 皆が・・・支えてくれるみんながいるから・・・私達は負けないんだ!!」

 

そんな響の思いに同調したのか彼女の放ったフォニックゲインは

響達の中へと宿り奇跡のエクスドライブを発動させた

 

「馬鹿な・・・!?アイツらが・・・俺のフォニックゲインを取り込んだだと!?」

 

「それだけじゃないよ・・・君はさっき、アレに全てを消費して放っただろ?

 だからこそ・・・君を止めて欲しいと願った人物が響達に力を貸したんだよ」

 

「っ!?」

 

俺の言葉を聞いてキャロルはもう一度だけ響達の方を見ると

その後ろに自分の父親の姿が映ったように見えた

そう・・・彼女を止めようとしているは響だけではなく

彼女の記憶の中で存在していた父親も止めて欲しいと思っていたのだ

 

「・・・たとえそうだったとしても・・・俺はもう止まれない・・・!

 この憎しみを終わらせる事なんて出来やしないんだよ!!」

 

「だったら俺達が断ち切ってやる・・・!お前の憎しみを・・・!」

 

しかし今のキャロルはもはや止まる事は出来ない

彼女は血の涙を流しながら湧き上がる感情を否定し最後の戦いに挑む



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繋ぐ手

今回でGX編は最後なのですが
次回は来月からを予定してます
しばらく期間が空いてしまいますが
楽しみに待ってもらえると嬉しいです


自分の全てを力に変えたキャロルと人々の想いを力に変えて戦う響達

まさに相反する二つの力のぶつかり合いは

世界に何かを伝えているようだった

 

「俺はもう戻れねぇ!世界を呪って世界を殺し壊す!

 もうそれ以外に俺が生きている意味なんてねぇんだよ!!」

 

「本当にそう思ってるのか!?

 その割には親父さんの事をずっと考えたじゃねぇか!!

 本当はお前だってこの世界を変えたいって思ってるんじゃねぇのか!?」

 

「たとえそうだったとしても!俺は破壊する!

 もうこの衝動を止める事なんて出来やしねぇんだよ!!」

 

「いいえ!私達が必ず貴方を止めてみせる!」

 

キャロルの猛攻に対して

エクスドライブへと至った響達は互角の戦いを披露する

このままでは勝てないと判断したキャロルは最後の手段に出る

それは自分の全存在を力に変えて糸を織り込み作り上げた最強の兵器

碧色の獅子機・・・それが今の彼女の出せる最後の技だった

 

「こいつは言うならば俺自身だ・・・!この世界を壊すまで止まらねぇ・・・!

 お前らが本当に俺を止められるって言うのなら・・・こいつを止めてみろ!!」

 

「止めてみせます・・・!必ず・・・!」

 

奏者達は全エネルギーをアームドギアに集中させて

渾身の一撃を碧色の獅子機に叩き込む

しかしそんな彼女達の一撃を持ってしても

碧色の獅子機に罅を入れるだけで破壊するまでには至らなかった

 

「だから言っただろ!?こいつは俺自身だってよ!!

 たとえエクスドライブに至ったからって止まるわけねぇだろうが!!」

 

「確かに一人一人の攻撃じゃお前を止めるなんて出来ないだろうよ・・・

 だがな・・・!全員の力を合わせればお前を止める事だって不可能じゃねぇ!!

 来い!イカロス・ゼロ!ウェポンフォーム!!」

 

『アタックファンクション!00ソード!』

 

俺はイカロス・ゼロを呼び出しウェポンフォームへと変形させ

必殺の一撃を碧色の獅子機に叩き込み破壊寸前まで追い込む

これには流石のキャロルも苦い顔をしていたが

それでも覚悟を決めた彼女が止まる事はない

しかし俺もここで彼女にトドメを刺すつもりはなかった

何故ならばその役目を担うのは俺じゃないと確信していたから

 

「残念だったな・・・!これでお前らも終わりだ・・・・!」

 

「・・・やっぱりお前は何も見えていないんだな・・・

 絆を断ち切ってしまい・・・家族との繋がりすらも絶ってしまったお前には・・・」

 

「!?一体何を言って・・・・!!??」

 

キャロルの視線の先には

シンフォギア全てのエネルギーを拳に集中させている響の姿があった

 

「いけ・・・!響・・・!」

 

「うぉぉぉおお!!」

 

「舐めるなぁぁぁああ!!」

 

両者の一撃は天候を一変させるほどのエネルギーを放ったが

衝突はほんの一瞬だけであり勝利したのは他でもない響の方だった

そして最後のその拳が当たる直前・・・響はその拳を収めた

 

「・・・どうして・・・トドメを刺さない・・・」

 

「・・・私のこの手は誰かと誰かを繋ぐ為にあると思うから・・・

 だから・・・私はこの拳を振うんじゃなく・・・伸ばしたいんだ・・・

 キャロル・・・私と・・・友達になろう・・・!」

 

「っ!?・・・本当にお前は甘いな・・・今更・・・そんな手を伸ばされても無駄だ・・・

 私にはもう・・・何も残されてなんてないんだからな・・・」

 

それは全ての繋がりを絶ってしまったキャロルにとって新しい繋がりとなった

しかし今更そんなものを受け入れられるはずもなく彼女はそのまま姿を消してしまった

 

「・・・分かって・・・くれたかな?」

 

「さぁな?少なくとも響が手を伸ばした意味は理解してもらえたと思うぜ?

 それよりも帰るとしますか!みんなも待ってるだろうしな?」

 

「はい!」

 

こうして俺達と錬金術師の戦いは幕を閉じた

しかし代償は大きく特に瀕死の重傷を負ったエルフナインの体は酷かった

もう治る事はないと医者にも判断され誰しもが絶望していたのだが

後日、重症だったエルフナインは新しい体を得て復活していた

彼女の話では瀕死の重症だった自分の元にキャロルが現れて

彼女のデータを自分の体に写したらしい

 

「彼女は言ってました・・・自分の代わりに世界を見てほしいって・・・

 憎しみの心だけしか持てなかった自分じゃなく

 ただ単純な好奇心に溢れた目で世界を感じて欲しいって・・・」

 

「・・・そうか・・・それが彼女が本当にやりたかった事なのかもな・・・

 世界を見る・・・か・・・確かに俺達の世界はまだまだ狭いのかもな〜・・・」

 

「はい・・・でも私は手を伸ばします!

 いつかみんなと繋がれるって信じてますから!」

 

「そっか・・・それじゃあ俺も応援するとしますかね・・・!」

 

 

 

 

 

・・・それがいつか誰かを救う事を信じて・・・



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