Infinite Dendrogram 切断王イシュトール (イシュトール)
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オリ主設定

ストレス解消のために新作の設定を練ったので処女作も見直しました

2020年3月 変更点
エンブリオのスキル
職業構成はまだなんですジョブおおすぎぃ……
フレンドも設定に埋もれているキャラを見て変える、かもしれない
 どこかで超級職の同時就職に制限は無いと言うことで確認した所
 「本来、人間範疇生物<マスター>・ティアンの成長限界は合計レベル500であるが、その限界を突破させる外付けのリソース用の器。」
 との事らしい。元々超級二つに就職していたので上級を減らしてたがその必要が無かったということになる。
 よってジョブ設定が「超級二つ、上級二つ、下級六つ+上級または下級一つ、合計ジョブ数11、合計レベル600:550」になります。

リアル側の設定
少し言葉を足しただけですが幾分か読みやすくなったと思います
アクセサリーの追加



 通り名:【切断王】(キング・オブ・カット)

 名前(アバター):イシュトール・オルバス

 名前(リアル):剣 久遠

 性別:アバター/リアル・男性/男性

 年齢:23(本作開始時点)→25(原作開始)

 地域:日本

 

 

 メインジョブ:【切断王】

 サブジョブ:【始末剣】(ポーサル)

 【暗黒騎士】(ダークナイト)【】()

 【武士】(サムライ)【料理人】(コック) 【剣士】(ソードマン)【暗殺者】(アサッシン)【騎士】(ナイト)【呪術師】(ソーサラー)

 【】()

 フレンド原作キャラ シュウ・スターリング フィガロ

 フレンドオリキャラ レオニダス・スパルタ カイト・ウォーツ タツヒ・ウォーツ

 【霊鳥 ビヨンアール】

 

 

 

 頭 【竜鱗額目 シナバードラゴン】

 上半身 切断王の小袖

 下半身 切断王の青袴

 篭手 

 ブーツ 切断王のブーツ

 外套 【白銀外装キュベレー】

 右手武器 スファルフラーメ限定→刀剣限定

 左手武器 スファルフラーメ限定→刀剣限定

 アクセサリー×5 疫病王の護符

 

 特殊装備品(煌玉馬や<マジンギア>)

 

 

 

 

 

 疫病王の護符

 嘗て医者として活躍していた【疫病王】(キング・オブ・プレェグ)が作った紫色の小さなお守り。家や物を無菌状態にして病毒系状態異常を防いでくれる。装備すると病毒系状態異常を無効化して悪性の生物(菌類や寄生虫)にも非常に強くなる。ただし装備していると骨などが脆くなりやすくなり、複数装備すると体内の菌が悪性の物から消えていき最終的に無菌状態となり死亡する。

 骨は破壊する細胞と再生する細胞を持ち、それを繰り返して強くなる。それも抑えてしまうため実際のENDよりも脆くなる。上級になるころにはあまり気にならなくなるが、医者が作ったと言うのに少々不健康な生活を送っているぐらいがちょうど良い装備となった

 

 

 

 

 

 

 <エンブリオ>:【夢想神姫 スファルフラーメ】

 紋章:壁にもたれる人影

 備考:アルター王国討伐ランキング入り、特典武具は武器なし・装備補正なしスキル特化・必ず召喚付き縛り、メインジョブレベル1000オーバー、LUCが非常に低い、リアルチート、エンブリオ効果もあり技量において<Infinite Dendrogram>で上位に入る

 

 アバターは赤眼金髪に変えて鼻を少し高くしただけ。普面以上イケメン以下の顔で少し印象に残り辛い方、身長は180以上ある。目はタレ目よりで髪は肩にかかる長さ。手入れはしっかりしてる。服装は黒を基調として空色を加えた和服。

 荒れていた時期に小説を書いてこれはダメだと一周回って冷静になった。それ以来は書いていないがしっかり学べば出版できる様になる。

 相性次第では《SUBM》を一人で相手取ることができる。

 

 

 

 内と外で態度が違い、外は真面目な好青年、内はだらけ気味な怠惰な男。元々は芯のある真面目な人間でボケが増えるとツッコミ回る。堕落して一時とはいえ自己を無くした所為か、明確な目的などがないと上手く動けない。甘やかすとダメになるが孤立してもダメになる面倒な男。

 殆ど全ての物にプロ・達人並の素質を持ちその殆どの力を才能として開花させているリアルチート。それ故に満たされることは無く、己を理解してくれる友人、己を満たせるだけの何かを追い求めている。燻っていたためか価値観は比較的一般人に近い。

 生まれ落ちた時から優れているからこそ、彼は導き続けるか利用され続けるしか道が無いと誤認してしまったのだ。無限の道は何もしらぬ赤子には広すぎるだけ。一部分しか認識できないのも道理であり彼は未だその檻に囚われている。

 

 少年時代いじめにより塞ぎこんでいたがオタク文化で少しずつ前を向いていた。そこからいろいろなゲームに手を伸ばし、自作のファンタジー小説を書いてみたりした。そのキャラへ自らの怒りも悲しみも含めて描き自分の分身の様に感じていた。だがそこには田川玖音という自作の主人公のようになりたいという願望もあった。それがこのエンブリオになった理由の一つである。またいじめの経験から先入観による決めつけを避ける様に気をつけている

 

 

 

 ゲーム開始直後モンスターの群れに囲まれ痛みとか心情的な理由でゲーム中に本気で死の恐怖と生への渇望を抱き、強い力を求めた。その感情は一時とは言え「現実なのでは」ではと言う疑問を「現実」と思わせるのには十分だった。エンブリオがメイデンなのもあの体験からだろうと思っている。それから漸く特別になる事を求めた理由を考えたりいろいろして、UBMとの戦闘でこの世界に残る覚悟が定まった。

 殺さずに済むならそれでいいと考えるが集団を相手にする等の生死を考慮できない状況や行わなければならない時は殺す。自分や仲間のが大事だから。死地と定めた場所では自爆技も使う。

 

 

 

 そこそこVRゲームはやっているがデンドロ以外はクソゲーが殆どなので不意打ちや座標ズレなどには強い。エンジョイ勢のゲーマーとして、神ゲー糞ゲー問わずプレイしている経験も含む。その他軍隊に蹂躙されたり動物になるというVRクソゲームでリアルスキルも合って動物の動きや戦いを、数の暴力を学んだ。戦闘への慣れも含めて普通に生活していればまず発揮される機会はまずないのだが、デンドロでは関係ない。4足歩行だのキャラメルスピンみたいな動きだの口に武器を銜えたり本当に獣染みている。獣の精神も染みついているのではないだろうか

 同時にそんなクソゲーによって御都合主義にもある程度寛容。「世界平和を主軸にした話をして置きながら行き成り気に食わないから殺す」とかもあるので。

 どうしようもない絶望に見舞われ己の無力を嘆き、誰にもどうすることが出来ない状況、そんな時「神様助けてください」と祈る困ったときの神頼み。悲劇より喜劇が好きなのもあり、御都合主義を授かり、御都合主義で解決して誰もが笑顔で迎えられるハッピーエンドも悪いものじゃないと思ってる

 

 

 

 恋愛に関してはヘタレ。絶世の美女に気のある振りをされても「(俺が好かれるとか)ないな」と素通りしていくが女性の相手は慣れていないので初心な所が見える。それもどう返せばいいか分からないからであり緊張していると言うことではない。

 女性の好みは巨乳より。許容範囲は幼女から熟女までそこそこ広い。幼女に引かれたのは取引先の会社の社長が原因。その社長が男女どちらも幼子から老人までいける凄い社長だった。食事中話を聞いてる内に変態の道に引きずり込まれ女体化(TS)幼体化(ロリ化)した幼女とかいう業の深い者に欲情できるようになり、それに連られて大人びた幼女もいける様になってしまった。直後その扉を何とかして閉じられないだろうかと現実逃避するも時既に遅し。最近周りにいる人間の大半は世間一般で言う普通とはかけ離れた者なのではないかと思い始めている。

 

 リリアーナは初対面とその後の関係で既に壁が作られミリアーヌも自身の娘や歳の離れた妹の様に思っているので恋心も無ければ欲情もしない

 

 

 余談:初期の頃から変えていない所属国家のアルター王国の秘宝を知った際、自分の必殺スキルを人前で使わなくて良かったと心底安心した。難癖とか冤罪とか嫌だし。鞘による防御の本質を今代の【聖剣姫】アルティミア・A(アズライト)・アルターに見抜かれたことで彼女と関わりを持つようになる。今は武人としても友人としても親しい関係にある。ただし男女の関係は存在しない。そういう相手として見れないから。これにより彼女達のマスターへの態度が少しだけ軟化している。

 

 

 余談の余談

 <AETL連合>の中でアルティミア・リリアーナのファンクラブ会員との関係

 

 アルティミアファンクラブ

 陰に日向に「こうすれば国のために、延いては陛下のためになる」と黙々と人助けのクエストを実行する集団。

 パトリオットを筆頭に不言実行で勤勉。

 

 イシュトールはアルティミアと武人としても友人としても関係を持つ。

 陛下への忠誠心を持つマスターからは友人として仲良くして上げてほしいと言われている。アイドルのファンと似た立場のマスターからは<リリアーナFC>におけるレイと同じく蛇蝎の如く嫌っている

 

 

 リリアーナファンクラブ

 一番世間との距離が近いリリアーナのファン。

 それゆえにあわよくば付き合いたいと思っている者もいるが、抜け駆けした者は制裁を受ける。

 ファンクラブ外ながら抜け駆け筆頭のレイを蛇蝎の如く嫌っていたが、色々あって連合から離脱。独立して<リリアーナFC>となった。レイ・スターリングお断り。

 

 イシュトールは食客として居候にある。

 本人達は男女の関係は無いと明言し、実際二人の関係は歳の離れた兄妹の様。リリアーナとミリアーヌはプライベート時には兄と呼び慕っているため、特別に見逃されている。むしろ悪い虫が付かないよう見張っていてくれと頼まれている

 

 

 オリジナルジョブ

 【切断王】(キング・オブ・カット)

 ①生涯刀剣など刃のついた武器以外を装備したことがない

 ②刀剣を主武器とする戦闘職で二つ、刃物を扱う非戦闘系職で一つ以上、下級職のレベル50を達成する

 ③生物・非生物の両断回数がどちらも十万を超える

 ④ソロで純竜級以上のモンスターを両断する

 ⑤ヒヒイロカネ以上の硬度を持つ武具や生物・オブジェクトを両断する

 ⑥【元始聖剣 アルター】と接触し一定評価を得る

 就職クエスト

 無形の剣士を突破する(失敗した場合、一ヶ月後に再挑戦となる)

 就職クリスタル

 各国にある刃物を扱う職系統のクリスタル

 

 

 剣士・武士・騎士系統といった刀剣を主武器とする戦闘職と料理人等の刃物を扱う非戦闘系職の混合超級職。万物を断ち切るためジョブのため非戦闘系も条件に含まれている。刀剣の剣鞘はセットの扱いであるため打撃武器として装備しても問題はない。

 【聖剣姫】(セイクリッド・プリンセス)【斬神】(ザ・セイバー)他エンブリオの必殺スキルなどと比べて低く見られがちのロストジョブ。一対多や長期戦に成程に有利になるジョブ。

 

 

 主に切れ味とステータス増加に力を注いでおり職業のステータス補正はSTR・AGI・DEXを上昇させる。敵を切る度に武器の切れ味、ステータス、ダメージ上昇。長期戦になれば、何気ない一振りも強力無比な一撃となり、全てが必殺の一撃となりうる。最終奥義は使用者が死んだ後も相手に部位欠損を強いることができる。

 

 デメリットとして、まず刃の付いた武器しか装備できなくなる。斬撃と刺突が主となり打撃などは刀剣の鞘や道具・技術・格闘を使うか、ハルバードやバトルアックスと叩き斬る武器、もしくはとんでもなく切れ味の悪い武器を使わなければならない。

 ステータス補正もSTR・AGI・DEX以外の上昇値が極めて低い。それどころかEND・LUCは永続的に5%マイナスとなる。

 エンブリオが決定打に欠けているため、どちらかと言えば対応の幅が広がったと考えるべき。エンブリオとのシナジーは上昇ステータスと低下ステータスが被ること、アームズのため武器破壊を警戒する必要が低い、ジョブスキルがいつでも使用できる、範囲攻撃持ちであること。

 

 専用装備の装備スキルは歴代で最技高の切断王の持つ技が付与されている。その技を身につければ刀武器スキルとして使用、継承できる。

 

 

 

 スキル《切断》:パッシブスキル

 液体や気体など通常切断しても効果がない対象も切断によって影響を与えることができる。これにより、スキル効果を解除するまで液体の体でも元の姿に戻ることができなくなる他、《物理攻撃無効》などのスキルであっても、攻撃力がそのスキルの強度を上回れば、物理攻撃で“切断”が可能となる。

 また、自身の攻撃力以下の耐久力である物にダメージを与える。特に首を狙った攻撃は必ず《物理攻撃無効》や防御スキルを突破する。当然だが頭部と胴体を繋ぐ首を持つものにしか効果が無い

 

 

 スキル《血刀強化》:パッシブスキル

 敵を倒す・ダメージを与えるたびに、武器の切れ味上昇、ステータス微上昇、ダメージボーナス付与。ダメージによる補正は一定時間の間が空くとリセット、どちらも戦闘終了後に追加効果は全て消える。武器の切れ味を常に保ち続ける効果もある

 

 

 奥義《縮地・極》

 瞬時に相手との間合いを詰める技術。多くの武術、武道が追い求める歩法の極み。単純な素早さではなく、歩法、体捌き、呼吸、死角など幾多の現象が絡み合って完成する。

 最上級ともなると、もはや次元跳躍であり、技術を超え仙術の範疇となる。当然だが仙術、そうでなくとも魔法関連のジョブについていなければ真の力を発揮できない。

 

 

 最終奥義《この命賭して天地を裂け(乖離一刀)》:アクティブスキル

 デスペナルティと引き返えに対象を切断する。邪神と言うひとつの世界の在り方さえも切断する。これこそ代替品扱いされた最大の原因。

 切断した物を乖離させる性質を持つこの一撃は傷を繋ぎ直すことも正常な状態に戻すこともできなくする。最高峰の魔術的結合、または時間操作のみで元に戻せる。

 エンブリオの必殺スキルと違い、そこに「存在するもの」を斬るスキルであるため既に過ぎ去り「残った結果」などを斬ることができない

 

 細かい原理としては命と言うリソースを消費して一時的に切断能力をアルターと同じレベルに引き上げる。イレギュラーに分類される剣と同じ力を人の身に宿すためスキル化して「始まり」を「終わり」に変えても命を対価にするしか無いと言うのが正しい。発動後に対象を切断することで対価が支払われ心不全や心筋梗塞を引き起こし死亡する。そのタイムラグにより一つぐらいならば置き土産が残せるかもしれない。

 

 

 

 昔の切断王の遺品

 装備スキル(無形の剣技)

 歴代最高の切断王が着用していた物。無形の剣士の振るう技は正しく神技でありそれは魔力の関わらない純粋な剣技であった。

 消費SPは重く上下セット装備時にしか使用できないが、技を磨く程に消費SPは減少し、刀武器スキルとして習得できる。しかし習得には神に就職できるだけの相応の技術が必要

 

 

 《秘剣「燕返し」》:アクティブスキル

 歴代最高の切断王が着用していた装備白い着物と青い袴のセットスキル、無形の剣士の使う技。

 円弧を描く3つの軌跡と、愛用する太刀の長さが生み出す不可避の剣技。その秘剣は限定的ながら多重次元屈折現象すら引き起こし、並列世界から呼び込まれる3つの異なる剣筋が同時に(わずかな時間差もなく、完全に同一の時間に)相手を襲う。ただし、攻撃としては「ただの3つの斬撃」であるため、鎧などでの防御は可能である。とはいえ、彼の技術を持ってすれば鎧程度であれば鎧ごと斬られる。

 

 無形の剣士の技を完全に自らの物にするのが目標。平行世界の自らを此方側に置換するこの技は無形を旨とする剣士が唯一決まった型を持つ。居合でも使える程にはなったが斬撃の数を変化させられるわけではない現状、まだ使いこなせたとは言えず装備スキルがないと使えない。技術として身に付くのはいつになるのだろう。このスキルと下記の《明鏡止水》を完全に己の物にできれば《無形の剣技》として統一、継承可能な刀武器スキルに追加される。

 

 ツバメを斬ろうとした際、空気の流れを読まれてことごとく避けられたため、打ち落とそうとして編み出された秘剣らしいのだが「別に、分身したり時間逆行したり空間を裂くような獣ではないでござろう?」とはそのツバメは一体…

 

 

 

 《明鏡止水》:アクティブスキル

 昔の切断王が着用していた装備白い着物と青い袴と草履のセットスキル。剣の極み、また邪年がなく澄み切って落ち着いた心の形容。いかなる物事、それが己の死であっても動じる事はない。

 本来であればあらゆる隙を見抜くことを可能とし、圧倒的な技術を持って龍の一撃すらも流す。その派生として模擬的な気配遮断や精神への干渉を無効化する。

 

 無形の剣士の技を完全に自らの物にするのが目標。このスキルと上記の《秘剣「燕返し」》を完全に己の物にできれば《無形の剣技》として統一、継承可能な刀の武器スキルに追加される。

 装備に込められた力を借りている現在は「なんとなく隙が分かる」「如何なる状況でも冷静な自分もいる」「少しだけ周りの気配に合わせられる」「精神系状態異常耐性」

 

 

 上書き《明鏡止水》:アクティブスキル

 剣の極み、また邪年がなく澄み切って落ち着いた心の形容。いかなる物事、それが己の死であっても動じる事はない。

 本来であればあらゆる隙を見抜くことを可能とし、圧倒的な技術を持って龍の一撃すらも流す。その派生として模擬的な気配遮断や精神への干渉を無効化する

 

 瞑想をしたり、全体を俯瞰したり外から見る事を心がけて、その果てにゲーム内で一度だけ至った。自力で至ったが常時発動ができない今はSP消費によって発動する

 「なんとなく隙が分かる」「如何なる状況でも冷静な自分もいる」「気配を溶け込ませられる」「精神系状態異常耐性」

 

卓越した技術の持ち主は自らの存在を自然と同化させる。極みの先ともなれば、それは単なる技術ではなく仙術その物である。

 

 

 

 

 

 

 

 【始末剣】(ポーサル)

 ①生涯刀剣以外の武器を装備したことがない

 ②一定以上の剣技の持ち主

 ③剣士・武士系統と暗殺者・忍者系統の下級職Lv50を達成する

 ④お願いやクエストなどの依頼内での人間範疇生物の累計殺害回数が1000回以上(殺害依頼以外も含める)

 ⑤守る・仕えると思える存在がある・いる

 就職クエスト

 浪士風の剣士を倒す(失敗した場合、一ヶ月後に再挑戦となる)

 就職クリスタル

 各国にある剣士・武士・暗殺者・忍者系統のクリスタル

 

 剣士・武士系統と暗殺者・隠密系統の混合超級職。【大~】・【超~】の職に含まれている。刀剣の剣鞘はセットの扱いであるため打撃武器として装備しても問題はない。現地でUBMの情報を集めるのにかなり苦戦したのと、何れ人と争うことになると考えて対人用に暗殺者系についたことで条件を満たした。

 

 対人特化型。AGIを大きく上昇させ次いでSTR・DEXの上昇値が高い。隠密性もそこそこあり、特に食いしばりや、急所を攻撃しやすくするスキルは便利。

 極々限定された相手と状況を揃える必要性から、その力を引き出せば特化型でも強力なジョブに分類される。

 

 デメリットは刀剣しか装備できないこと、スキル発動条件が依頼であること、相手が人間範疇生物・人型でなければならない。状況が限定されるため普段の狩りでは殆ど役に立たない。

 

 

 

 スキル《忠義の剣》:パッシブスキル

 依頼の最中、または依頼に伴う出来事での戦闘では全ステータスに補正が入る。また依頼中に一回のみ自身の残りHPを上回る攻撃を無効化する。その性質のため残りHPや最大HPと同値のダメージを与える即死攻撃は無効化できないことがある。

 

 スキル《人斬り》:パッシブスキル

 人間範疇生物、人型との戦闘に入るとHP・MP・SP・LUC以外の全てステータスを上昇させる。人間範疇生物、人型への特効効果を持つ

 

 スキル《暗殺剣》:パッシブスキル

 他生物に感知され難くなる、攻撃に移ると効果が弱くなる。また卓越したその技術によって「相手の急所を攻撃しやすい」状況を形作る

 

 奥義《始末剣》:アクティブスキル

 対象に強力な一撃を与える。人間範疇生物、人型生物に限り超強力な一撃を放つ。10万を優に超えるその一撃は大抵のマスターでは即死する。

 【伏姫】(ダウン・プリンセス)【奇襲王】(キング・オブ・レイド)と比べて一撃のダメージは低く耐性や防御無視の効果も無く対象は極めて限定的。しかしSP消費は控えめで連発可能な程クールタイムは短く、特効効果も合わさり条件を満たせば三つ超級職の中で最大ダメージを叩きだす。ここに他ジョブや装備のステータス補正やスキル補正が加わる模様。二十万ダメージぐらい与えると余裕で死ぬらしいと言う言葉を言える様になるのだろうか

 

 

 

 

 

 継承スキル《朝潮》

 掴みからの投げ技。掴んでから投げられ、地面に叩きつけられるまでが恐ろしいほど速く、掴まれたと気付いた時にはすでに地面に叩きつけられている。スキルを獲得したことで素手での行動にも補助が入る

 

 不安定な体勢からでもしっかり動ける体幹。大太刀を使用するために体の捻りが非常に広く速く鋭い。小技も使って習得とした。ただ使い手が魔法系メインなのが不思議に思う。魔法より投げた方が早いし確実だからとか本当に魔法使いだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 【夢想神姫 スファルフラーメ】

 <マスター>:イシュトール・オルバス

 TYPE:メイデンwithルール・アームズ 到達形態:Ⅶ

 能力特性:空想具現化

 スキル:《紋章偽装》

 隠しスキル:《縁結び》《精神汚染》

 必殺スキル:《勝利と守護の聖剣(スファルフラーメ)

 モチーフ:北欧神話に登場する魔剣ティルフィングを元にオリ主が妄想した聖剣

 食癖:分かりやすい「肉」を食べないこと。「魚肉」等はたべる

 概要:無より生まれし幻想の乙女。主に合わせて刀剣となっている。

    夢想の力は主のためにある……たとえ世界を滅ぼそうとも

   「いつか願いが叶わんことを 私はそのために生まれたのですから」

 

 備考:金髪碧眼巨乳のエルフ耳とド定番属性。腰も細く綺麗な括れで美人とも可愛いともとれる高スペックはエンブリオだからだろうか。

 服装は緑を基調とし黒や白を使った薄手の物。スカートや外装は明るい緑。黒の肘当てや膝当て、羽が付いた灰色のサンダルや緑の外装やオープンフィンガーグローブと、明らかに弓兵仕様だったりするが剣士である。そのため彼女用の着替えが常備されている。

 

 イシュトールの考えを尊重し彼を後押ししたり、相談に乗ってくれたりと頼れる相棒。自称頼りになるお姉さんだが時折見せる妖艶な様には少し困っている。

 他者と壁を造る様になりながらも誰かと共にいたいという久遠の願望から形作られた姿。普段の姉兼友人の様な態度は主がお互いに遠慮のいらない関係を求めたため。

 種類問わず綺麗なものへの関心が高い。ストレスをため込みやすいので適度にリフレッシュさせてあげないと倒れてしまう

 

 

 モチーフは現代の逸話・神話等。魔剣ティルフィングを理解し、想像・解釈してスファルフラーメへと発展させた物。同人誌に出した所、絵も構成もよかった、ただし文字の使い方が下手すぎて作品をダメにしている勿体無い作品として有名になる

 

 

 エンブリオの根本にあるのは「田川玖音」になりたいと言う自身への諦めと遠まわしな英雄願望、「生きたい」「一人は嫌だ」という危機感。現在では彼女との生活でこの考えは無くなっているが彼女は気付いていない。

 モンスターに襲われ「生きたい」と思った際に「自作小説キャラなら…」とか考えていた中でも最も強い感情が「自らが戦い、切り抜けるため力」への欲。そこで己の分身として描いていた「田川玖音」の持つ「自身の小説に登場するオリジナルの聖剣スファルフラーメ」が選ばれた。

 

 

 「空想具現化=願いを叶える」性質という、いかにも英雄が持っていそうな力でありそのためならばリソースを多少越してでも叶えられるが、それを越えればイシュトールの持つ「何か」が消費される。最も良いのはアイテムだがステータスが消費されることもある。極稀に理性と言う重要な代物等が消費されることもある。

 主に成長時やスキルに影響する効果であり、直接的に発揮される事は少ない。お金や装備が欲しい等の願いは分母が少し減って確率が上がるか厄介事に巻き込まれるかであるため急を要する事態になった場合に少し大きいコストによって使用される。直接効果が現れるのはいつの日か無限に到達したときとなる

 

 ※「夢想」の名を冠する彼女が持つ唯一の力。アームズとしての切断能力もこの力から派生した物に過ぎない。fate的な能力は無い、あちらはマーブル・ファンタズムとして別に表記する。

 この世界で過ごす内に剣久遠は田川玖音になることを諦めた。しかし、彼女は原初の願いを叶えるべく情報収集は行っている。このすれ違いが隠しスキル《精神汚染》が消えない理由である。能力へのリソースが少ない理由がこのスキルのためだとは主にとっては予想外だろう

 

 

 

 能力特性の影響により、装備としての形は常に第一形態のまま。進化を重ねるごとに剣の基本性能が上昇し、さらにイシュトールやスファルフラーメの強化や特殊能力等を身につける。ステータス補正はかなり低く、途中から上昇どころか低下する。

 第四形態から能力がスファルフラーメでなく「田川玖音」に寄り始める。第四形態からステータス補正が最大でGとなるが装備制限の緩和とジョブ上限数一つ増加、そして必殺スキルが解放される。装備制限の緩和やジョブ上限の増加はスファルフラーメの能力特性と基本何でもできる久遠を元に作られた「田川玖音」の万能性に由来する。更にジョブ上限数増加に下級・上級の指定は無い

 

 また非常に強力なエンブリオだが装備制限や隠しスキルの存在によって釣り合いを取っている。精神汚染=自己の消失はデメリット足り得ると判断した。

 その他デメリットは、精神汚染に含まれる他2スキル、上級になって能力補正最低値とLUCの更なるマイナス補正、特典武具の縛り

 ちなみに条件付きジャイアントキリング大好きなTYPE:メイデンなのに願いを叶えることに力を注ぎすぎて万能型になったためジャイアントキリング要素は一部のみ。そこに関しては「願えば勝率の分母は上がる」「この剣は何でも切断できるから最強」の暴論でできているのでマスターと剣の性能高めるだけという結果に終わった

 

 

 

 総評

 序盤中盤はスキルもステータスも決定打に欠ける器用貧乏、終盤は全ステータスが特化型職に並び所有スキルを活かせる万能型になる超大器晩成型。

 

 接近戦での万能性に優れていて空間切断は極小規模ながら破壊王の破界の鉄槌と同じ性質の攻撃ができる。更にはダメージの共有、死亡を引き換えとした呪いを持つ。防御スキルや耐性を持ち集団戦闘や長期戦などに向いている。パーティでは前衛の切り込み隊長、全体のフォローを行う中衛が妥当。

 第七形態では基礎ステータスが上昇、それに比例しても補正の効果大きく上昇。結果として他エンブリオと比較してもステータスが大きく上昇している。再生能力や魔法耐性も持ち空中戦もできると対応の幅も広がった。

 

 しかし空間切断は刀身にしか効果が無く1mm程度の文字通り極小規模な範囲。空間系のスキル等に干渉する以外、実質的には防御無視の効果しか持たない。

 決定打に欠けるため単体での戦闘は、短期決戦か敵の攻撃を凌いで長期戦に回る、罠を仕掛けて正々堂々戦わない。

 そもそも隠しスキルの自身へのデバフが死亡誘導という恐ろしいスキル持ち

 

 

 万能型であるが故に第七形態まではジョブ、装備品、アイテム、スキル、持てる全てを活かしていく柔軟な対応を求められる。それができれば格上のUBMでも戦闘を行える、逆に言えばそれが出来ない場合格下にも負ける。

 第七形態からは特化型のステータスによるゴリ押しができる。取りあえず腕を振るうだけで衝撃波が発生するほど。部位欠損もなんのその、再生により怪我は即座に治癒される。

 持ち前の万能性と超級職の性能から人間・人型との一対多の長期戦には滅法強い。敵にダメージを与える程に強くなり、敵を倒せばもっと強くなり、人間・人型特効を持つ。具体的には戦争イベントの戦場などで活躍できる

 

 

 アームズ派生でテリトリーとのハイブリッドカテゴリーの一つ

 

 

余談:生き残るためならばデンドロをしなければいい。戦闘に関わらなければいい。ただ戦いの運命がこない事を願い続けて一生を追えることもできる。だが彼は生きるために自らの命を危険にさらした。ガードナーに守られることも、キャッスルやテリトリーに逃げる事もせず、アームズのエンブリオを顕現させ状況を打開する事を選んだ。その道を選択し矛盾を受け入れた時点で既に芽はあったと言うことだろう。

 その道を選らばなかった場合は他のエンブリオを持つ。その時の精神状態などにもよるが高確率でガードナー、中確率でチャリオッツ、低確率でキャッスル。その時点でゲームを続ける気があるならばアポストルは確定となる

 

 

 

 

 TYPE:メイデンwithルール・アームズ

 

 装備攻撃力:50

 装備防御力:10

 

 ステータス補正

 HP補正:F(30%)→G(10%)

 MP補正:F(30%)→G(10%)

 SP補正:F(30%)→G(10%)

 STR補正:F(30%)→G(10%)

 AGI補正:F(30%)→G(10%)

 END補正:G(10%)→G(10%)

 DEX補正:F(30%)→G(10%)

 LUC補正:-G(-10%)→-F(-30%)

 ※装備可能武器がスファルフラーメのみに制限される→刀剣のみに制限される

 良縁悪縁問わず様々な縁を引き寄せる(特典武具の召喚縛りの原因)

 常時痛覚オンになる。強弱の設定は可能

 (彼方からの声を聞き取る)

 (精神を浸食する)

 特典武具が武器なし・装備補正なしスキル特化・必ず召喚付き

 

 

 

 隠しスキル《縁結び》《精神汚染》

 エンブリオのステータスの下に簡単に説明されている。完全に隠されている場合もある。スファルフラーメのスキルであるためコピーすればこれらのスキルも付いてくる。これを知って尚もコピーしようとするのは【犯罪王】ゼクス・ヴュルフェルくらいだろう

 

 《縁結び》良縁悪縁問わず様々な縁を引き寄せる、と記されている。

 隠し説明欄(縁という概念を必要とする場合は成功率が極めて上昇する。特に顕著なものとして召喚が上げられる。近接万能型エンブリオが個人でパーティを持てるのは強みと言える。加えて、どれも特典武具を媒体に召喚するため、召喚されたUBMは成長する。しかしその代償なのか、LUCには一切影響は無くはっきり言って悪縁の方が多く結ばれる)

 

 

《精神汚染》このスキルの名は隠されている。複数スキルを内包する統括スキルだが単体でもその場にいる全員の精神系状態異常の効果、及び耐性を低下させる能力がある。もちろん自分も対象となる

 内包するスキルはそれぞれ《痛覚》《呼び声》《浸食》の三つ、その中で痛覚のみが常に表示されている。

 スキル名を含め存在そのものが秘匿されている場合、専用スキルやアイテムを使わぬ限り基本的に確認することはできない。

 

 

《痛覚》常時痛覚オンになる。強弱の設定は可能

 

《呼び声》発動中に限り、彼方からの声を聞き取る、と記されている。

 隠し説明欄(聞き耳ができるわけでもなく、その正体は「心が弱くなると死へ誘う声がする」デメリットのみの概要詐欺。

 声を聞いた者を最悪の展開へと誘導して殺しにかかる。この声はあらゆる耐性・無効効果を無視して意識に直接語りかけてくる。また強い催眠効果があり、理解していても抗いがたい力を持つ。対抗手段としては強い心を持つ、外から衝撃を与える。

 スキルの発動中は直感、未来予知などの予測、予知スキルは発動しなくなる。またスキル「破滅」の効果が対象と発動者、その周辺人物にも現れる。

 

 このスキルを消滅させる方法は一つ、第六形態以降に現れる深淵の魔術師を討伐すること。消滅した場合《語り声》となり、なぜか深淵の魔術師が話かけてくる。次元的な意味で下に下ろうとして間違えて深淵に落ちたとか、そういう側面を持たされただの昔話が聞ける。スファルフラーメへの対応は辛辣である。クトゥルフ関連に関わるとこのスキルは封印され場合によっては呼び声のスキルに入れ替わる、討伐からのやり直し)

 

 

《浸食》原初の願い。一定以上の変化によって精神系状態異常を無効化する。全文が秘匿されている

 「浸食率」の隠しパラメーターが追加される。久遠にとって精神的に非常に大きなストレスとなる経験をすることで浸食率が上昇する。

 浸食率は「剣久遠がどれだけ田川玖音に塗り替えられているか」を示す値で浸食率が高くなるほどその在り方も「田川玖音」へと寄って行く。「生きたい」という願いより「戦い・強者への挑戦」が強くなり正常な危機管理能力を持っていながら自ら危険に飛び込むことが増えていく。同時に必要ならば殺しや拷問等も躊躇い無く使用するようになる。

 

 主従間の勘違い、すれ違いを象徴するスキル。どれだけ早くとも第五形態になるまでは消滅することはない。エンディング分岐システムでもあるので番外編でも活躍する。

 

このスキルが封印、消滅されたとしてもスキルの影響を無くすことはできない。スキルが消滅した場合、浸食率に応じたスキルに変更される。

 

 

 

 

 第一形態:

 初期装備より少し良い黒い大太刀。1m程の長さを持つ。強化内容は直感。

 正確には自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。知識や本能や経験に左右される第六感を感覚で理解できるようなるのは大きく、強化された第六感はもはや未来予知に等しい。また視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ

 

 固有スキル1《祝福》

 能力特性を由来とするスキル。固有スキル以外の強化はこのスキルから派生している。逆に言えばこのスキルを封じればそれらの強化が消え去る。

この性質からゼクスのエンブリオにコピーされると第一形態から第四形態の祝福が全てコピーされる

 

 固有スキル2《虚鏡》

 常時発動型でその達筋を読ませず、如何なる状況に置いてもその剣技を十全に発揮できる。

 剣技限定で常にゾーンに入っているのに等しく行動が最適化されすぎてステータスの数値そのままの能力が完全に引き出された状況になり同ステータスの人間の1.1~1.3倍の能力は出ている。その分カロリーの消費は激しく肉類を食べたり大食いになったりする。また剣技に関わるスキルをどの職でも使えるという効果もある、超級職の奥義や最終奥義、装備スキルも適用圏内。管理AI的にはエンブリオの能力ならOKらしい

 

 実はこのゾーン効果にかなりのリソースが割かれている。これって他スキルやアイテムで補強した方が効率が良いしリソースを他に回せると言うか空想具現化によるリソースの補助が他に回せたし、第二形態も微妙に強くなるしぶっちゃけこの能力残すぐらいなら他の能力に回した方がよかったのではないかと言う代物でもある。ただし代わりを用意できなければイシュトールの死亡率が割と洒落にならないレベルで上がるけど

 

 

 

 第二形態

 鋼鉄性並みの刀。強化内容は自身の使用するエンブリオに限り攻撃・防御という行為への補正。攻撃は攻撃力・STR・AGI・DEXが強化され、防ぐ際はSTR・END・DEXが強化される。装備自体も大体ワンランク上の装備の性能程に強化される

 ミスリル鎧が硬くて斬れなかったが、斬れない物があるのが納得いかないなと攻撃に補正が入った。ついでにと言わんばかりに防御にも補正が入った。

 「自身の使用する」と言うのが重要であり、他人のエンブリオでも補正対象となる。使い方を誤れば強化されたエンブリオに対応できず殺される

 

 

 

 第三形態 

 高品質ミスリル性並みの刀。強化内容は鞘の強化。

 鞘は所有者に降りかかる災いを切断する。主に範囲攻撃対策。発動時間は10秒、再発動に60秒、発動者にのみ効果あり、発動中は移動できない。刀と鞘が5cm以内にあれば発動時間が短縮される。0で10秒、1で12秒、2で13秒、3で20秒、4で30秒。

 最大HP依存の状態異常耐性もある。エンブリオ等は状態異常の効果が少し低下する。

 LUCの補正が一段階低下する。「不運で死ぬ」のが日常になる可能性は空想具現化の対価に値するらしい。可能性なあたり英雄願望の補正が入ってると思われる。例え1%の可能性だろうと掴んで見せる、ありそうだよね。掴めない可能性もあるけど

 

 

 

 第四形態

 オリハルコン性並みの刀。強化内容は切断範囲拡大

 剣の切断範囲が拡大。霊的存在や空間などの実態ないものも切れるようになった。物理的に切れる距離も伸ばせられ、巨大な剣みたいに射線上であれば斬れる。そのため、通常は干渉が難しい「TYPE:テリトリー系列」も破壊対象となる。

 しかし液体や気体、《物理攻撃無効》スキル持ちなどを直接切ることはできない。更に空間切断は刀身にしか効果が無く1mm程度の文字通り極小規模な範囲。空間系のスキル等に干渉する以外、実質的には防御無視の効果しか持たない。それでも近接一辺倒のエンブリオにとって破格の効果に違いはない

 

 装備制限が刀剣類にまで緩くなった。武器を投げる際は構えて投げて戻して取り出す・抜いて構える→取り出して構えて投げるになって相手の意識を向けさせたり抜く際の隙も減った。後はエンブリオ壊れたら殆ど何もできない、エンブリオ封じのエンブリオがあったら何もできないかららしい。ジョブ上限が一つ増加(下級・上級の指定は無い)、ステータス補正は全て上限G、LUCの補正は-G(-10%)から-F(-30%)となった。

 

 

 

 第五形態

 アダマンタイト性並みの刀。強化内容は固有スキル《破滅》

 効果は二つ。一つは自らの傷や痛み状態異常などを対象と共有する力。発動にはSPの一割消費、発動対象から与えられたものである必要がある。

 一つは自らの死と引き換えに対象に呪怨系特殊状態異常【破滅】を付与する力。発動には対象への何らかの強い感情が必要になる。

 

 破滅させる方法は多岐にわたり聖なる武具が周囲の怨念を集めて呪い武具になったり、一時的にLUCがマイナスになったりする。

 【破滅】は発動時には因果の混乱が発生し、まず破滅したという「結果」が発生し、次に対象が破滅する「原因」が生まれ、最後に破滅に至るまでの「理屈」がやってくる。その特殊性によって最低でも特典武具レベルの怨系状態異常耐性でなければ軽減すらできない。

 自分で死ぬか傷を負ってそれを残すことが前提という実用レベルとは言えない技。元々破滅の呪いは《精神汚染》に現れていたがその影響を受けたスキル。不死身の存在に近づいたことで多少動けなくてもいいや、と生きたいとは思いながらも周りと比べ自身の命への価値観が低くなった事がエンブリオに暴露されたと言ってもいい

 

 デスペナルティ中に【破滅】で殺されたUBMの特典武具は貰えるが、それによってUBMを討伐したのに特典武具が手に入らなった、イシュトールって誰だよ、という事態が発生する。「殺した結果」を発生させる呪い故の悩みである。

 

 

 

 第六形態

 ヒヒイロカネ性並みの刀。強化内容は固有スキル《深淵への干渉》

 せっかくだからと、「精神汚染と破滅」の属性性質を活かした。そのため能力の使い勝手に比べてリソースが安く済んでいる。精神汚染の力を利用したからか特定条件を満たすと自らが闇に襲われる。

 闇に潜り移動できる、深淵の正体を見抜く、呪われたアイテムの影響を受けない、激痛でも動けるようになる、闇属性・光属性と病毒系・呪怨系状態異常への耐性

 

 

 ※闇について

 襲撃条件:裏切り、信に反するものでもそれ以外の明確な理由のない離反。深淵への強い拒絶。死の概念への強い嫌悪(嫌悪であり拒絶は異なる)

 この闇は非常に弱いが倒せば倒す程に数が増える、一定数の討伐で死へ誘う声がするがこれに対処することで【彼方の声 深淵の魔術師】が現れる。上級から準超級のモンスター。超級なら油断しなければ簡単に倒せる相手。倒しても経験値が入ったりはしない。

 病毒・呪怨系状態異常耐性、物理攻撃無効、闇属性吸収、。闇の中であれば自由に移動し、自身の能力を強化、光属性を無効化する。

 

 討伐することで隠しスキル《呼び声》が《語り声》へ変化する。効果としては深淵の魔術師が語りけてくる他、深淵に関わる知識を貸してくれるがスキル習得はできない。スファルフラーメへの対応は辛辣。クトゥルフ関連に関わるとこのスキルは封印され場合によっては《呼び声》のスキルへ入れ替わる、討伐からのやり直し

 

 

 

 第七形態

 スペリオル・メタル性並みの刀。強化内容は固有スキル《吸血鬼化》

 「田川玖音」は死に際に神の手により伝承の吸血鬼へと転生して途中で弱点も消え去った。良い所だけ貰ったと思えばいい。死ねないと言う致命的な特性が消えたよ、そんな特性まで残ってたらバッドエンド直行する。第七形態に至るまでの間に「精神汚染のスキルを対処する」ことが鍵になる、と言うよりすれ違いを解決して《浸食》を消滅させれば後は即効で第七形態に至れる。

 吸血鬼化の最大の利点は飛行能力と元の初期ステータスの上昇、それに伴う上昇値の増加。ステータスにない魔法への耐性と強力な自然治癒力強化はおまけみたいなものです。再生も傷は直るが回復はできないから

 

 ※初期(合計レベル0の時の)ステータスはHPが100前後で、それ以外は10~20程度だが、吸血鬼化でHPは300前後、それ以外は50~60程度となっている。

 特化型超級職ではレベルにもよるが、HP・MP・SPは数十万、それ以外は1万~2万にもなるが吸血鬼化でHPは100万に迫り、STR・AGI・DEXが3万~6万になる。これは切断王と吸血鬼化によるものでそれ以外の補正等が入ればステータスが10万を超える。ジョブやエンブリオのステ補正合わせればHP300万、物理三種は10万を優に越える。具体的なレベルや装備は除く。

 完結に言うと素の状態では総合的に見て【獣王】のメイデン形態以上、単独全力戦闘形態以下。パッシブスキルやら装備やら含めれば全力戦闘可能なレベル。技巧最強にはそのステータス差も含めて同じぐらい。そうだよ、技量で負けてるんだよ

 

 

 

 必殺スキル:《勝利と守護の聖剣(スファルフラーメ)

 黄金の柄を持った剣となり対象を切断する絶対切断能力。

 竜も神も概念も切断する。距離を切断し遠距離攻撃し、オブジェクトの未来を切断し風化させ、マスターとエンブリオの縁を切断しエンブリオを一時的に無くすこともできる。

 「凄まじい切れ味」と「狙ったものは外さない力」伝承が「切断」として具現化された力であり実態のないものも切断できる。最終奥義と違い、「狙ったもの」を斬るスキルであるため「概念」や「残った結果」などでも斬ることができる。

 

 スファルフラーメの能力は全て空想具現化からできているため最終奥義の使用にも対象に応じたコストを必要とする。何をどれだけ消費するかも決めることができ、コストとしては一に付きHP>MP=SP>経験値の順となる。ステータスや最大値、命や素材なども消費できるが割に合わないことが多い。コストストックは出来ないが複数を同時に消費することはできる。

 コストを下げるために調べてみると実態のある方がコストは少ないし、触れてるか触れてないかなら触れてる方が少ない。物を投げた事実を斬るより、物をそこに向かって投げられた事実を斬る方が少ない、と言った結果が出ている。

 《燕返し》と併用すると斬撃を呼び出す性質から一番重いコストを払えば追加は《燕返し》単体のコストのみで済む

 

 柄の色が変わるため警戒される上、抜刀時にしか効果がない、概念や結果の切断はコストが高すぎて一時的になりがち、邪な考えを持っていると自分がダメージを受けてLUCが一時的にマイナスになる。願望はよくて欲望はダメな様だがその基準が曖昧すぎるため余り当てにならず、あくまでも参考程度にしかならない。

 エンブリオは一時的に繋がらないだけで確かに内側に存在している。エンブリオとの絆によって復活時間が変わりどれほど長くても通常の4/1に短縮される。

 どこをどの様に切断するかは決められるため、明らかに横に切断したのに頭から縦に切断され困惑する者もいる

 

 

 使用自体は第四形態からも可能だったがコストの問題からあまり人前で使用することはなかった。アルターと斬り合えばより使い手の実力が高いが勝つ。それでも折れたりはしないアルターはやはりイレギュラー

 

「切断」の能力が選ばれなかった場合は対に当たる「不死身」の能力を獲得します。防御重視の性能、ガードナー・キャッスル・テリトリー系列ではこちらが出やすくなっています。またアームズ系列でもカリキュレーターでは不死身になります。

 「死と縁が結ばれない」、つまり「死なないという事であり死ぬ事がおかしい、だから生きている」というふざけた理屈により復活します。

 

 

 

 余談

 無限(現状では番外編でしか出番がない)

 超級金属以上の性能を持つ刀。強化内容は固有スキル《幻想乙女》

 効果は二つ。スファルフラーメ人間形態でのステータスが主と同値になる。コストと引き換えに【聖剣の加護】を付与。

 【聖剣の加護】は主が望んだ効果を齎す。最上級の素材を求めればアムニールの素材が風で飛んでくる、相手が死ぬ事を望めば心不全などを起こして死亡する。

 更に主への危機を察知すると体制を崩した事で攻撃を回避した、という偶然が発生することも。自動回避。三回まで重ねがけ出来るが、効果を発生させれば【聖剣の加護】は消える。

 

 何でこっちが必殺スキルじゃないんだと思うかもしれませんが、元ネタが魔剣ティルフィングのため剣の形に拘った事、より強い神秘によってスファルフラーメに上書きされた事(ダンボール(剣)に黒紙(魔剣)を張り付けてその上から白紙(聖剣)を張った様なもの)、オリ主の記憶に強く残っていたのが万物を切り裂く能力だった事が理由です。

 更に魔剣は願いを三回叶えると持ち主は破滅する運命にあります、最後の持ち主はなぜか生き残っていましたが。そうした破滅は隠しスキルに出して救済も用意、魔剣と聖剣の混ざった性能を通常スキルに出して、聖剣スファルフラーメの真の能力は無限エンブリオに、という話。元々聖剣として作られていたらこうなっていない、つまり無理やりテクスチャを張り付けた神が悪い

 メタ的な理由は空想具現化や固有結界を最大出力で出すとタイプ・ムーンと同じレベルになる。そんな能力を複合させることなんてできないから、出すなら専門のエンブリオ・UBMを用意します。エミヤ・シロウとか、ナーサリー・ライムとか、真祖の吸血鬼とか

 

 

 fate型月的な空想具現化

 マーブル・ファンタズム。読んで字の如く、自らの空想を具現化し、世界を変化させる能力。精霊種が持つ自然への干渉能力。

 ただし、変化させることのできるのは自身(精霊)と自然物のみという制限があり、自然から離れてしまった、例えば人工物を変化させることはできない。

 精霊の住むとされる異界(別世界ではない)であるところの隠れ里や常春の国といったものは、精霊の描いた空想が具現化したものであるとされる。アルクェイド・ブリュンスタッドの居城「千年城ブリュンスタッド」も同様。

 

 

 

 

 

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【霊鳥 ビヨンアール】

種族:エレメンタル・怪鳥

主な能力:???

最終到達レベル:-

討伐MVP:-

MVP特典:-

発生:?

作成者:???

備考::<SUBM>級の<イレギュラー>。<サウダ山道>地下に暮す怪鳥種最高の<UBM>。昔の人々の信仰によって精霊の域にまで昇格していた。サーヴァントに近いので現在はエレメンタルとしての側面が強い

殆どの存在を「飛ぶ」力を持ち、法則にステータスやジョブをも飛び越える。イシュトールとスファルフラーメなら己と戦える存在になるのではと目にかけている。

勝利と守護の聖剣(スファルフラーメ)》を使って戦える状況に持ちこめるがそれだけ。

 

 

 

 

 

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イシュトールが討伐に参加した<UBM>

逸話級 上級職のマスターのパーティーと同程度

 

【岩石幼竜 シナバー・ドラゴン】

種族:ドラゴン

主な能力:宝石・再生・魔法

最終到達レベル:---

討伐MVP:【武士】イシュトール・オルバス

MVP特典:【竜鱗額目 シナバードラゴン】

発生:認定型

作成者:なし

備考:9メテル程度の岩の様なアルマジロと言うべき見た目だが食べた岩や鉱石で出来ていて潤沢な魔力で補強されているためかなり固い。体中に宝石が埋まっており全てで100個存在、宝石一つ一つが岩石幼竜の力を高めている。額に辰砂が埋まっておりこれが力の源となる。表に見える宝石のいくつかは既に壊れている。魔力による光が失われていることに気付ければ有利に立ちまわれるだろう

 

最近【霊鳥 ビヨンアール】の巣の上が排泄物である岩や宝石で埋まってきたので【霊鳥 ビヨンアール】は殺すか追い払うかを考えていた。【地竜王 マザードラグランド】の血を引いている。彼女の血が大きく出ているため【竜王】の<UBM>になれたかもしれない存在。

 

《宝石》体中に宝石が埋まっており全てで100個存在、宝石一つ一つが岩石幼竜の力を高めている。額に埋まっている辰砂が力の源となる。これを破壊されると全ての強化がなくなる。3%強化されているため、1000程あると3000にまで強化される

 

《再生》HP、傷や疲労の回復速度が速まる。辰砂の保有で異常に速く再生する。体に埋まっている宝石は再生できない

 

《魔法》岩などを生成して飛ばす。額の辰砂は賢者の石の材料とも言われ、成長すればあらゆる魔法を最高位の状態で使用できた。必殺の一撃は魔法のエネルギーを用いて発生した爆発的なエネルギーで攻撃する技。最早制御を捨てているようなものだが自身が影響を受けない距離であればどの属性にもない高位力の攻撃を可能とするのでマスターや強敵に使用される。天属性や海属性が多様されているらしい

 

9メテル程度岩の様なアルマジロと言うべき見た目だが食べた岩や鉱石で出来ていて潤沢な魔力で補強されているためかなり固い。辰砂があると甲羅は切れないし肉も再生される。

バランスの取れた<UBM>で適正レベルではかなり固いためでは打撃が有効手段。宝石を砕いて力を弱めて行くのが適切だろう。

攻撃には長い舌や爪《魔法》で岩石を飛ばしたり丸まって轢き殺しにくる。

額にある辰砂を加熱すると水銀蒸気が発生するため振戦、感覚障害、死の原因となりうるので非常に危険

 

 

【孤狼群影 フェイウル】【絶界虎 クローザー】【霊鳥 ビヨンアール】がいたから逸話級で収まってた。時期と環境が悪かったんだ

 

 

 

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伝説級 伝説級は準超級、上級エンブリオと超級職をもつマスターと同程度

 

【鉄風 エアー】

種族:アンデット

主な能力:自己修復・風壁・祈りの旗槍・無念の結晶

最終到達レベル:---

討伐MVP:【騎士】レオニダス・スパルタ

MVP特典:【鉄風武具 エアー】

発生:認定型

作成者:なし

備考:無念の思いを抱いた男。高品質ミスリル製の旗槍と鎧を身に付けた死体。武具には風の力が宿っていて、重量に頼った叩きつけか風による攻撃を行う。生前はレジェンダリアで冒険者をしていた。地元では英雄として称えられている

 

《自己再生》武具がひしゃげて殺されたことから武具と肉体を修復する力を得た。秒間1%

 

《風壁》風の壁で攻撃を逸らしたり軽減できる。集まった風が臭い・音・熱・光を曲げ不可視の鎧となる。風を打ち出して攻撃することもできる。消費された風は集め直す必要がある

 

《祈りの旗槍》本来は味方に守りと回復を与えるが守る者がいなくなった今この力が使われることはない

 

《無念の結晶》HPが0になっても一度だけ完全回復する

 

《風壁》により姿が見えず音も聞こえない厄介な敵。風を打ち出す攻撃は威力範囲の調整が可能だが、纏う風が減るので姿や場所がばれやすくなり攻撃も弱まる。

鎧であるため一度体制を崩すと復帰が難しい。風を集められない水中に入れるとほぼ完封できる

生前は魔物の群れから故郷を守ろうと前線に立ち続けた。その奮闘により多くの魔物が倒されたが一体の竜によって故郷は滅びた……と思い込んでいるので故郷は守られたことを気付かせると《自己再生》《無念の結晶》が発動しなくなり大幅な弱体化もするがアンデットに気付かせるのはかなり難しい

【霊鳥 ビヨンアール】の巣にレオニダス・スパルタと共にアクシデントサークルで飛んできた。なぜ一か所にこんなにも集まってしまったのか管理AIにも分からない

 

 

 

 

 

伝説級

【蟲要塞 メガハイブ】

種族:魔蟲

主な能力:自己修復・卵強化・配下限定バフ

最終到達レベル:---

討伐MVP:【】カイト・ウォーツ

MVP特典:【蟲蔓壺 メガハイブ】

発生:認定型

作成者:なし

備考:旧レーヴ果樹園地下にて放棄された蜂の巣。多くの魔蟲や植物達が新たに住居として改造し魔力を蓄えたことで生まれた伝説級<UBM>。巣の周りは【エッグフラワー】系列も植物モンスター【キラーバインド】【エビルバイン】【マッドフラワー】【スターフラワー】とそれに従う【フライ】系列、その他メガハイブを住居とする魔蟲モンスターで埋め尽くされている。

 新王は卵(種子)ではあるが将来が非常に期待できるモンスターと言うことで逸話級に認定されていたのだが核の中に保存していたため巣と一緒に倒されてしまった。

 

 

《自己修復》魔力や周辺の素材で自動で修復される。魔蟲の協力もあるのでそれなりに速く修復される

 

《卵強化》自らの魔力を使って内部の卵を強化する。生まれてくる個体は基礎能力が上昇する

 

《配下限定バフ》己を住居にしているモンスターのステータスを5倍化する。動けないことと場所の問題で亜竜クラスが多い。どこかから来た 【亜竜甲蟲】デミドラグワームのように純竜級になるかもしれない蟲もいるにはいるが、植物だったり巨体過ぎたりで動けない奴が多い

 

 

 

かなり巨大な蜂の巣で全長は王都の城壁ほど。伝説級の中でも上位に位置するに硬さ以外はバフ特化<UBM>。全てのモンスターを倒すと魔力を使って耐え忍ぶしかできない

自己修復ですぐに修復されるので倒すなら奥の本体を破壊するべき。巣ごとやっても殺れなくないが旧レーヴ果樹園や王都の中にまで被害が及ぶ危険があるため、それ以外の選択が取れなかった。残った巣は研究、訓練用に国が管理している

 

広域制圧型

 

 

【偽蟲花 ラッフルズ】

種族:エレメンタル

主な能力:---

最終到達レベル:---

討伐MVP:【】カイト・ウォーツ

MVP特典:【蟲蔓壺 メガハイブ】

発生:認定型

作成者:なし

備考:誕生する筈だった【メガハイブ】の新王。植物モンスターで要塞の如き堅牢を誇る。攻撃能力も再生能力も持つ

【エッグフラワー】の系列植物のモンスターで将来性への期待として先行投資したことで卵(種子)の状態で逸話級モンスターであったのだが核と一緒に討伐されてしまった。

 モチーフはラフレシア。誕生すれば地に埋まったことで得た圧倒的巨体と触手を使った重い攻撃や、不退性と再生能力を活かした物理攻撃を行う。病毒系・精神系・制限系状態異常によって敵対者を殺し、それらに対する耐性も持つ。更に光属性の魔法によって地下空間で光合成をしてHPや状態異常の回復、溜めこんだ光エネルギーによる砲撃をも行う。

 配下は数が多く、飛び回り、羽音が鬱陶しい、見た目も不快なハエ。

 

 今となっては討伐したマスターにアジャストした特典武具に受け継がれている

 

 純粋性能型

 

 

 

 

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古代伝説級 古代伝説級は準超級複数人によるパーティーと同程度

 

 

【巨塔舞踏会 トラップマスター】

種族:魔蟲

主な能力:蜘蛛糸・ビートステップ・トラップ

最終到達レベル:---

討伐MVP:カイト・ウォーツ

MVP特典:【迷宮保管 巨塔舞踏会】

発生:認定型

作成者:なし

備考:放棄された元研究塔にやってきた悪戯好きの蜘蛛。どこかで魔法と機械の知識を身につけたようで、塔に様々なトラップを仕掛けた。UBM化とともに塔内も迷宮となっている

 

《蜘蛛糸》長さ・太さ・粘着性の調整が出来る。丸めて投げたり罠にしたり捕獲ネットにしたり使い勝手は良い。素材として織れば良質な布が出来上がる

 

《糸織物》自分の糸で器用に着ぐるみを作る。羽を作って空を飛べるようになった。現在の着ぐるみは一定回数だけ攻撃を防いでくれる

 

《ビートステップ》塔内でのリズムに乗って行動しなければ何もできない。後半ではダメージも受ける

 

《トラップ》大量のトラップ。毒・炎・電気・水・氷・雪・跳泡・包泡・溶岩・岩・穴・剣・振り子・ベルトコンベア・床壁回転・壁移動・押しつぶし・隠しボタン・隠し部屋・重力変化・モンスターハウス

 

トラップは多岐にわたるが全て固定ダメージ。後半になると初見殺しが混ざりだす。

リズムに合わせて行動しなければ動きを止められ、ダメージを食らう。リズム感のない者にはとことん相性の悪い敵。彼が死ぬとき塔もまた終わりを迎える。

最近は直接戦闘してないので着ぐるみが無くなると逃げだす。自分で仕掛けたトラップのことも忘れて

 

条件特化型

 

 

 

 

 

【爆裂悪魔 マザーシップ】

種族:悪魔

主な能力:砲撃・浮遊・ボマー種強化・ボマー種誕生(ボマー・ポイズボマー・属性ボマー・クリエイトボマー)・自爆

最終到達レベル:---

討伐MVP:【切断王】イシュトール・オルバス

MVP特典:【爆撃機 マザーシップ】

発生:デザイン型

作成者:なし

備考:円盤形UBMで、内部はボマー誕生空間になっている。内部でボマーが爆発してもダメージになったりはしない。神話級に届く硬さだが単体ではただの作業と化す。

ボマーと呼ばれる50cmの小さな悪魔で保有スキルが《自爆》。殆どは自爆で死に成長した個体も自爆で死ぬが、このボマーは自爆をせずに生き抜いた。集団爆発で現界するが海上の離れ島にしたので誰も気づかなかった。現在の人間はボマーの存在を忘れた。多重技能・広域殲滅型

 

《砲撃》内部のボマーを飛ばせる。マザーシップのどこからでも砲撃できる。同時砲撃も可能だが連射能力はあまりない

 

《浮遊》空中に浮かび移動できる。ただの風などでは影響を受けない

 

《ボマー》物理・火属性(3・1)ダメージと【火傷】【炭化】の状態異常をしてくる。爆発範囲は2mもない。5秒ほど爆発の待機時間がある。倒されても自爆する

 

《ポイズボマー》物理・毒(1・4)ダメージと【猛毒】【衰弱】の状態異常をしてくる。毒がかなり臭い。爆発範囲は2mもない。5秒ほど爆発の待機時間がある。倒されても自爆する。

 

《ルギウィボマー》物理・音(1・4)ダメージと【混乱】【気絶】【難聴】の状態異常をしてくる。爆音範囲は3mもない。5秒ほど爆発の待機時間がある。倒されても自爆する

 

《属性ボマー》各属性のボマー。火・雷・風・土・水・氷・光・聖・闇と種類が多い。爆発範囲は2mもない。5秒ほど爆発の待機時間がある。倒されても自爆する

 

《クリエイトボマー》爆発すると何かを生成する。火柱や暴風、岩や鉄柱、氷塊に木々や溶岩やら種類が多い。爆発自体にダメージはないが生成された物質に埋まったり押し潰されたりする危険がある。爆発範囲は2mもない。5秒ほど爆発の待機時間がある。倒されても自爆する

 

《自爆待機》ボマー種の《自爆》待ち時間が増える変わりに自爆能力が上昇する。最大5秒

 

《自爆》1000万固定ダメージ

 

 

見た目は赤い円盤でUFO形。学校一つ覆うの程の大きさだが内部空間は倉庫街に匹敵する広さ持ちそこでボマーを誕生させて、爆発を砲撃に使ったり、ボマー自体を飛ばしたり投下したりする。ボマーは5秒ほど爆発の待機時間があるが準超級の盾でも即死する威力。状態異常やら集団でやって来たりするので上を取られたら終わりと思うべし。

最近になって神話級になりそうだった。行動範囲の制限が無ければ<SUBM>になるのも近かったし、ボマーを返されて撃ち落とされることもなかった

 

 

 

 

 

 

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神話級 神話級は〈超級〉と同程度

 

【守護精霊 フロートスフィア】

種族:エレメント

主な能力:身代わり・浮遊・再生・HP増大・状態異常無効・魔法攻撃完全耐性・ダメージ減少・ダメージ軽減・反射

最終到達レベル:---

討伐MVP:【切断王】イシュトール・オルバス

MVP特典:【橙宝石 フロートスフィア】

発生:デザイン型

作成者:なし

備考:昔に誕生したエレメント。意思を持ったが戦闘能力がないために誰かに守ってもらおうと思い、その誰かを守る力を手に入れた。守護する者が経験値を手にすると同じ経験値を得る。【ヒュージー・ヒヒイロカネ・スライム】が守護していた。防御特化にして多重技能型

 

《身代わり》一定空間内に存在する味方への攻撃を全て自らへの攻撃とする

 

《浮遊》空中に浮かび移動できる。ただの風や重力などの影響を受けない

 

《再生》HPや傷の回復速度が速まる。MP・SPの消費で目に見えて速く再生する

 

《HP増大》HPを割合で増加させる。Lv1では10%増加させる。

 

《状態異常無効》状態異常を無効化する

 

《魔法攻撃完全耐性》あらゆる攻撃魔法を無効化する

 

《ダメージ減少》ダメージを割合で減少させるスキル。四割減少できる

 

《ダメージ軽減》ダメージを数値で減らすスキル。数値以下のダメージは0になる。700軽減できる

 

《反射》受けたダメージを相手にも与える。身代わりでも発動する。HP上限以上のダメージは受けない。《反射》と《反射》は打ち消される

 

防御に特化していてその性能は神話級の中で上位になる。特化しすぎていてレベルが上がればそこだけは<SUBM>級に届いた。自分が死なず、フロートスフィアが再生しない程度に調整して攻撃し続けなければならないので討伐は只管に時間がかかる。

 

 

 

 

【亡霊騎士団 ダークナイツ】

種族:アンデット

主な能力:亡霊軍団・物理攻撃無効・浮遊・アイアンメイデン・ダークナイト・スぺクター・反射・ショックアブソープ

最終到達レベル:---

討伐MVP:タツヒ・ウォーツ

MVP特典:【亡霊 ダークナイツ】

発生:認定型

作成者:なし

備考:化身に壊滅させられて海底に沈んだ騎士団。全て実態を持たず空を飛ぶことなどから物理職に対して絶対的な強さを持つが、それ以外は神話級<UBM>としてはあまり強力では無かった。多重技能型

 

《亡霊軍団》アンデット配下のみという条件下で、配下の大幅増加と強化をする。十万体

 

《物理攻撃無効》非実体のアンデッドなどが保有するスキル。多くの物理攻撃を無効化する。

 

《浮遊》空中に浮かび移動できる。ただの風などでは影響を受けない

 

《アイアンメイデン》生前は部隊長をしていた。ダークナイト、ブラッドナイト、スぺクターズを生み出す。放置すると奴等がひしめき合う。HPも多く防御が高く再生できるが、状態異常への耐性がない。

 

《ダークナイト》ハルバードで物理ダメージを与える。霊体だからこそ止まったり、重なったりできて<準超級>でもすぐにやられる。異常効果だろうと攻撃を受けると一瞬動きが止まる

 

《ブラッドナイト》HPも何もかも低い雑魚だが一番数が多い

 

《スぺクターズ》MPへの直接攻撃を行う。戦士職などニ秒もすればMPが空になる。そのMPで魔法攻撃をする

 

《反射》受けたダメージを相手にも与える。HP上限以上のダメージは受けない

 

《ショックアブソープ》アイアンメイデンの体やダークナイトの武具など石臼の化身のために作られた衝撃軽減・吸収・放出の専用装備だったが強すぎる衝撃に耐え切れずに壊れ散弾の如く広がり、吸収しきれなかった衝撃は周囲に広がり味方を殺し、生き残りも直後に化身に轢かれてすり潰された。霊体となった今、衝撃で死ぬことはなくなり斧などでは攻撃側が死ぬ

 

物理職への圧倒的強さを誇る。出現地域は黄河と天地の海辺、または海上。

軍団の配下は増えてくる、浮遊で届かない、物理無効で攻撃が効かない、効いても衝撃吸収される、衝撃が通っても放出されて反撃される、霊だから重なってダメージが分散する、反射で自分も同じだけダメージを受ける、すぐにMPが空になる、魔法も飛んでくる、物理も高ダメージ。更に本体は実態を持つ。

 これほどまでの戦士泣かせの能力だが、そもそも本体が硬いだけのただの死体でしかないので本体さえ潰せば戦士でも相手ができる

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

超級 超級は〈超級〉複数人と同程度。

【寄形神 ヒルコ】

種族:エレメンタル・蛭

主な能力:吸収結界・吸血・病床・異常共有・異常付与・放電火炎激流暴風・不吉な子・寄生

最終到達レベル:--

討伐MVP:【】

MVP特典:【白蛭 ヒルコ】

発生:認定型

作成者:なし

備考:神とされた者達から生まれ、捨てられた奇形児。古代級の際には土中や水中に潜み周囲から力を吸い続け縄張り周辺を砂にしていた。古代伝説級になる直前、古代級だった蜂型<UBM>キュベレーに寄生し、レジェンダリア北端の<西海>よりに位置する<南西境界海域> 付近の森と海岸において活動していた。死と再生の女神の名を冠したキュベレーに守護してもらう代わりに、自らの力を貸した。お互いに共生して生き抜くことで二体で一体の<イレギュラー>となった。多重技巧型で条件特化型

 

 

《吸収結界》からの吸収で環境は悪化し弱小生物は何もできずHPMPSPが尽きて死ぬ。結界外の攻撃無効、結界内でのステータス低下、攻撃力防御力の低下、状態異常無効・状態異常耐性の無効化、味方の防御力上昇。

 

《吸血》は接触対象から血を吸う。HPMPSP及びステータスを吸収し【猛毒】【衰弱】【風邪】【麻痺】の状態異常を与える。これは結界と重複する

 

《病床》は多くの状態異常を保有する。 周囲にいるだけで状態異常になるかかりやすくなり、必ず【毒】または【風邪】になる

病毒系【毒】【猛毒】【溶解毒】【出血毒】【神経毒(激痛)】【酩酊】【衰弱】【風邪】

精神系【混乱】【魅了】【恐怖】【睡眠】【強制睡眠】

傷痍系【火傷】

制限系【凍結】【石化】【麻痺】【脱力】【飢餓】

呪怨系【呪縛】【呪詛】【死呪宣告】【劣化】

 

《異常共有》は味方が状態異常攻撃と同じ耐性の獲得、味方と状態異常耐性の共有をし、適用範囲内の者の攻撃に低確率で耐性と同じ状態異常を与える効果を付与する。

 

《異常付与》は結界攻撃時、結界突入時、攻撃命中時、攻撃被弾時、結界内にいる累計時間が一定時間を超えることを条件に状態異常への抵抗判定を行う。抵抗できなければ状態異常となる

 

《放電》は電気そのものを操る。空気など簡単に絶縁破壊をさせる電力で、防御にも攻撃にも使用可能。お互いに体が丈夫であるため身体能力の上昇も可能とする。水中では広範囲にダメージが届く。上手く使えば水や氷、水蒸気に風、金属と多くものを操ることも可能。

他の力と併用すれば天気を操ることができ、雨や雪を降らそうものならその範囲全域が結界の範囲に含まれる。

 

《火炎》は炎を操る。オリハルコンも時間をかければ溶かせる。

他の力と併用すれば氷や水蒸気、天気を操ることができ、雨や雪を降らそうものならその範囲全域が結界の範囲に含まれる。

 

《激流》は水そのものを操る。竜の鱗を切断するほどの精密な操作や森や山を飲み込むほどの量を操れるが、この力自体には水を生み出す力はない。

他の力と併用すれば氷や水蒸気、天気を操ることができ、雨や雪を降らそうものならその範囲全域が結界の範囲に含まれる。

 

《暴風》は風のみを操る。竜巻を発生させられる。他の力と併用すれば氷や水蒸気、天気を操ることができ、雨や雪を降らそうものならその範囲全域が結界の範囲に含まれる。

 

《不吉な子》は周囲の者のステータス一つをランダムで半減させる。LUCのみはマイナスに逆転させる。水上・水中ではステータスを増加させる

 

《寄生》

対象に寄生し、全ステータス・スキルを共有する。自身より格下の相手は操ることができる。

 

 

見た目はただの白い蛭。頭ほどの蜂の体内に寄生できるほどには<UBM>の中では小さい部類。最小にも程遠い

状態異常耐性を0にされ、常に状態異常であることを強要されるためヒーラーは必須。

攻撃しても傷とHPMPSPも回復され結界で吸収から回復をされ、多くのステータス低下や、高い攻撃力と俊敏性に多様な攻撃手段から相手にするならば長期戦を覚悟するべき

接触すれば吸血によって回復され確実に状態異常を受け、さらにステータスも吸われる。

LUCがマイナスなると「不幸が立て続けに起きて死ぬ」

 

 

 

 

【流星魔弓 キュベレー】

種族:魔蟲

主な能力:大地母神・射出・射撃・量産・バウンド・分身・死の瘴気・獅子化

最終到達レベル:--

討伐MVP:【切断王】イシュトール・オルバス

MVP特典:【白銀外装 キュベレー】

発生:認定型

作成者:なし

備考:死と再生の女神、大地母神、知識の保護者の名を冠した魔蟲蜂。古代級の際には土中や樹上に潜み一匹で活動していた。古代伝説級になる直前、古代級だった蛭型<UBM>ヒルコを寄生させ、レジェンダリア北端の<西海>よりに位置する<南西境界海域> 付近の森と海岸において活動していた。において活動していた。神とされた者達から生まれた白い蛭であるヒルコを守護する代わりに、その力を借りた。お互いに共生して生き抜くことで二体で一体の<イレギュラー>となった。純粋性能型で多重技巧型

 

 

《大地母神》は森や大地の近くにいるだけで傷が癒され、HPMPSPの自然回復速度の上昇、全ステータスの上昇、ステルス化、大地を操る力を得る。地震や噴火も引き起こせる

 

《射出》は《放電》や針の速度と威力を上昇させる。針は瞬時に再生されるため、ただのウェポン系エンブリオなど凌駕する連射を誇る。《異常共有》《死の瘴気》で状態異常が、《放電》等で電気ダメージや着弾地点の炎上などが追加された

 

《射撃》は溜め時間と引き換えに威力の倍化。1秒に10倍され、最大3秒溜めることができる。《異常共有》《死の瘴気》で状態異常が、《放電》等で電気ダメージや着弾地点の炎上などが追加された

 

《量産》一度に制作にかかる速度の短縮と制作量を増加する。針は射撃武器扱いなので針の再生速度の上昇と、一度の《射出》・《射撃》において針が前方に16本同時射出される。

 

《バウンド》は射出・射撃した針が4回まで跳ねる

 

《分身》は自身の分身を生み出す。普通は本体ほど強くはないのだがキュベレーが死と再生の女神で大地母神であるため、分身が脆いこと、《量産》付きで同時に7体まで、その場から動けないの条件付きでステータスは本体と同等となる。固定砲台として利用される

《射出》《量産》《異常共有》《放電》等の影響を受ける

 

《死の瘴気》は近づく者を【呪詛】の状態異常にし【毒】【猛毒】【衰弱】【恐怖】【強制睡眠】【脱力】【死呪宣告】にかかりやすくする。攻撃に極低確率で、接触で高確率の【即死】を引き起こす。

 

《獅子化》 対象を狂った獅子に変える。呪怨系状態異常なので呪いを解くこともできる

 

 

見た目はただの白い蜂。頭ほどの蜂だが<UBM>の中では小さい部類。最小にも程遠い

状態異常耐性を0にされ、常に状態異常であることを強要されるためヒーラーは必須。

攻撃しても傷とHPMPSPも回復され結界で多くのステータス低下や、高い攻撃力と俊敏性に多様な攻撃手段から相手にするならば長期戦を覚悟するべき

<SUBM>級の中でも恐らく最もHPが低いだろう存在だが、<SUBM>級の中でであり古代伝説級の上位~神話級レベルのHPを持つ。

キュベレーは非常に見つけづらく 高い攻撃性能により気づかないうちにやられることが多い。またキュベレーはこちらを察知する範囲も広く地形を飛び越えていつの間にか、時には視界の外から攻撃されていることが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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特典武具。イシュトールは武器なし・装備補正なしスキル特化・必ず召喚あり

逸話級

 

【竜鱗額目 シナバードラゴン】

シナバー・ドラゴンの概念を具現化した逸品。魔法が使えたり、MPタンクを作ったりできる装備。媒体としてシナバー・ドラゴンを召喚できる。媒体があるので成長する

形状:頭(額当て)

装備補正:なし

装備スキル:《宝石》《シナバー・ドラゴン召喚》《ハイ・シナバードラゴン召喚》

シナバー・ドラゴン保有スキル:《宝石》《再生》《賢者の石》

ハイ・シナバー・ドラゴン保有スキル:《宝石》《再生》《賢者の石》

所有者:イシュトール・オルバス

備考:辰砂の埋まった額当て。竜種の特典武具だけあってランクの割にかなり丈夫。《宝石》スキルでMP貯蔵や《賢者の石》の牽制も嬉しいスキル。成長するとハイ・シナバー・ドラゴンを召喚できるようになる

 

《再生》傷や疲労の回復速度が速まる。MP・SPの消費で目に見えて速く再生する。体に埋まっている宝石は再生できないので召喚し直す必要がある

 

《宝石》体中に宝石が埋まっており宝石一つ一つがステータスを1%高める。額に埋まっている辰砂が力の源となる。これを破壊されると全ての強化がなくなる。ハイ・シナバー・ドラゴンでは2%。

装備スキルとしては宝石にMPを溜めることができる。ジェムとは違いMPタンクとなる。ジェムの代わりにならないわけでもないが、スキルを封じられないため効率は非常に悪くそもそも自力で魔力を扱えなければならない。ジェムにするならばスキル不使用の自由度をいかした支援用になる

 

《賢者の石》あらゆる属性の魔法を使用でき、魔法の威力を増幅させる。数と属性と攻撃速度、纏うか攻撃か、球か壁か波か選べる状態異常攻撃などはできない。シナバー・ドラゴンの威力は上級。ハイ・シナバーー・ドラゴンは準超級。装備スキルとしては牽制に使える程度

 

 

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伝説級

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

古代伝説級

 

【爆撃機 マザーシップ】

マザーシップの概念を具現化した逸品。自爆でしか攻撃できない悪魔ながら生き抜いてきた。ボマー投下による爆撃を行う。討伐前より自爆に力を注いでいるようだ

 

形状:特殊装備品(飛行円盤)

装備補正:なし

装備スキル:《砲撃》《ボマー種強化》《浮遊》《ボマー種召喚(ボマー・ポイズボマー・ルギウィボマー・クリエイトボマー)》《縮小》《自爆》

ボマー種保有スキル:《自爆》

所有者:イシュトール・オルバス

備考:乗れるし空を飛べて速く移動できる優秀な逸品。移動手段、雑魚処理、強敵への使い捨てアイテム。戦争など集団相手では大活躍しような性能だが、強敵相手には《自爆》以外ほぼ使えない。

ボマー達は召喚して補充しなければいけない。ボマー種の召喚コストはかなり安く大量召喚できる。しかし内部にしか召喚できず自爆しかできないのに加え待機時間もいるのでコスパが悪い。小さくなっても自爆させなければ保管出来る。現在の《自爆》は《自爆待機》を使えば討伐前を凌駕する。

【彗星神鳥 ツングースカ】に落された経験あり

 

 

《砲撃》内部のボマーを飛ばせる。マザーシップのどこからでも砲撃できる。同時砲撃も可能だが連射能力はあまりない

《浮遊》空中に浮かび移動できる。ただの風や重力などの影響を受けない

《ボマー》物理・火属性(2・1)ダメージと【火傷】【炭化】の状態異常をしてくる。爆発範囲は2mもない。倒されても自爆する

《ポイズボマー》物理・毒(1・3)ダメージと【猛毒】【衰弱】の状態異常をしてくる。毒がかなり臭い。爆発範囲は2mもない。倒されても自爆する。

《ルギウィボマー》物理・音(1・3)ダメージと【混乱】【気絶】【難聴】の状態異常をしてくる。爆音範囲は3mもない。倒されても自爆する

《クリエイトボマー》爆発すると何かを生成する。火柱や暴風、岩や鉄柱、氷塊に木々や溶岩やら種類が多い。爆発自体にダメージはないが生成された物質に埋まったり押し潰されたりする危険がある。爆発範囲は2mもない。倒されても自爆する

《縮小》《浮遊》《自爆待機》以外なにもできない変わりに自分の体積を小さくできる。調整もできる

《自爆待機》ボマー種の《自爆》待ち時間が増える変わりに自爆能力が上昇する。現在上限25秒

《自爆》自爆範囲は都市程、100万固定ダメージ。

 

待機時間を長くすることで威力と範囲の底上げが可能。5秒当たり100万XのX値が2上昇する。追加25秒待てば上限2000万になるが<SUBM>やレオニダスは耐える。

時間さえあれば<UBM>も即死する危険があるが使う程の相手には待ってもらえないし押しけられないので殆ど使われない。範囲内に居るとイシュトールも爆発に巻き込まれる。この技を使うと修復に5日ほどかかる。

2000万固定ダメージがレオニダスはフルバフで179000ダメージになる人

必殺スキルがないと3315000ダメージなのでやっぱり耐える

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神話級

 

 

 

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超級

【白蛭 ヒルコ】

死したヒルコそのもの。周囲の者の力を落とし、電気の力を貸してくれる。媒体としてヒルコを召喚できる。

 

形状:アクセサリー(死体)

装備補正:なし

装備スキル:《放電》《不吉な子》《ヒルコ召喚》

ヒルコ保有スキル:《吸収結界》《病床》《異常共有》《異常付与》《放電》《不吉な子》

所有者:

 

備考:特典武具では珍しいステータス補正のない完全なスキル特化型。

アクセサリーであり蛇の抜け殻や孤毒の様にヒルコそのものが特典。召喚媒体となり召喚するとこちらの支援を行ってくれる。寄生させ体内に納めることもできる。

 

《吸収結界》周辺のHPMPSP吸収するドレイン効果、結界外からの攻撃弱体化、結界内での敵ステータス低下、敵状態異常無効の耐性化、敵状態異常耐性の無効化を持つ

 

《病床》は多くの状態異常を保有する。周囲にいるだけで状態異常になるかかりやすくなり、必ず【毒】または【風邪】になる

病毒系【毒】【猛毒】【溶解毒】【出血毒】【神経毒(激痛)】【酩酊】【衰弱】【風邪】

精神系【混乱】【魅了】【恐怖】【睡眠】【強制睡眠】

傷痍系【火傷】

制限系【凍結】【石化】【麻痺】【脱力】【飢餓】

呪怨系【呪縛】【呪詛】【死呪宣告】【劣化】

 

《異常共有》は味方が状態異常攻撃と同じ耐性の獲得、味方と状態異常耐性の共有をし、適用範囲内の者の攻撃に低確率で耐性と同じ状態異常を与える効果を付与する。

 

《異常付与》は攻撃命中時、結界内にいる累計時間が一定時間を超えることを条件に状態異常への抵抗判定を行う。抵抗できなければ状態異常となる

 

《放電》は電気そのものを操る。電気への耐性を得る。水中では広範囲にダメージが届く。上手く使えば水や氷、水蒸気に風、金属と多くものを操ることも可能。

他の力と併用すれば天気を操ることができ、雨や雪を降らそうものならその範囲全域が結界の範囲に含まれる。

 

《不吉な子》は周囲の者のステータス一つをランダムで4/1低下させる。LUCのみはマイナスにまで低下させる。

 

 

アクセサリー枠を複数消費する。さらに一日の召喚可能回数が3回まで

 

 

【白銀外装 キュベレー】

キュベレーの概念を具現化した逸品。キュベレーの化身の一つは蜂でありそれによって神の化身として崇められた存在。美しい白銀のマントで所有者の傷を癒す他、攻撃や媒体にも使える

形状:外装(マント)

装備補正:なし

装備スキル:《大地母神》《射出》《キュベレー召喚》

キュベレー保有スキル:《大地母神》《射出》《量産》《分身》《死の瘴気》

所有者:イシュトール・オルバス

 

備考:特典武具では珍しいステータス補正のない完全なスキル特化型。召喚媒体となり召喚するとこちらの支援を行ってくれる。キュベレーを召喚している間、装備スキルは使用できない

 

 

《大地母神》は森や大地の近くにいるだけで傷が癒され、HPMPSPの自然回復速度の上昇、全ステータスの上昇、大地を操る力を得る。

 

 

《射出》は《放電》や針の速度と威力を上昇させる。針は瞬時に再生されるため、ただのウェポン系エンブリオなど凌駕する連射を誇る。《異常共有》《死の瘴気》で状態異常が、《放電》等で着弾地点への電撃がある

 

《量産》一度に制作にかかる速度の短縮と制作量を増加する。針は射撃武器扱いなので針の再生速度の上昇と、一度の《射出》において針が前方に12本同時射出される。

 

《分身》は自身の分身を生み出す。普通は本体ほど強くはないのだがキュベレーが死と再生の女神で大地母神であるため、分身が脆いこと、《量産》付きで同時に3体まで、その場から動けないの条件付きでステータスは召喚された身と同等となる。固定砲台として利用される

《射出》《量産》《異常共有》《放電》等の影響を受ける

 

《死の瘴気》は近づく者を【呪詛】の状態異常にし【毒】【猛毒】【衰弱】【恐怖】【脱力】【死呪宣告】にかかりやすくする。攻撃と接触で極低確率で【即死】を引き起こす

 

 

一日の召喚可能回数が3回まで




fateクロスとして英霊の設定

超級UBM 無限  最上位サーヴァント
神話UBM     上位サーヴァント
古代伝説UBM   平均サーヴァント
伝説UBM 超級職 下位サーヴァント

地球の偉人・英雄は伝承等からデンドロ内でも記録として保存されていてその記録が英霊の座になる。そんな記録に過去・現在・未来・平行世界に置いて最も似た・らしい存在が死後、デンドロ内の英霊の座に迎えられ英霊と呼ばれる。
サーヴァントは座に存在する英霊を召喚するため英霊の側面のみを切り出したコピーの事を指す。サーヴァントの中でも人類の滅ぶ原因を排除するために星が在り余る魔力を用いて召喚する存在を守護者(カウンターガーディアン)と呼び、デンドロ世界内部の人間が英霊を憑依させその英霊の力を行使できる場合は模擬サーヴァントと呼ばれる。そのため英霊は生物としてサーヴァントは非生物として扱われる特殊な状態にあり、召喚されていない英霊がマスターのエンブリオとして限定展開(インクルード)される事もあるが、それには英霊への思いや媒体となる道具・逸話・縁を必要する。
プリヤの様な弱体に弱体を重ねた存在がクエストに出てくることがあるが就職クエストでも出てくることから先代管理者がいたころから存在していると思われる。

最弱レベルのサーヴァントは人間一人換算で数千から数万人、超級職でも倒せるレベルがいる。平均的なサーヴァントは人間一人で数万から十数万人、上位のサーヴァントは神話級UBM級。ギルガメッシュは平均の三倍かつ数十万人。彼と彼に対抗できる最上位の者は人間一人換算で数十万人、アルター級のイレギュラーや無限エンブリオ級、若しくはそれ以上。

就職クエストに置いて、サーヴァントが召喚されても達成するのは不可能といえるため、切断王ではサーヴァント佐々木小次郎が更に弱体化した無形の剣士がいる等の処置が取られている

その他fateや型月の繋がりはあります。その文明の力で再現出来る奇跡である魔術等


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オリ主自作小説の設定

 主人公を田川玖音として隠れ里での日々を描いたもの。魔法や人外が出てくるのは特別に対する憧れなどが、熱中できる何かがなかったり家族を避けたり友人がいなかったので日常多めのファンタジー作品となった。

 

 ちなみにこの設定は剣 久遠が田川玖音を描くために考えた作品。元々はよくある異世界ファンタジーだった。

 デンドロで言うと超級職が溢れた世界でそれを容易く殺せるイレギュラー級が「皆死んじゃえ」って暴れまわって世界を滅ぼしにかかり、それに対処するため同レベルの力を手にするという作品である。チートを殺せるチートがやってくるから同じくらい強くなる、単純なんだけど莫大な量とスケールの設定を詳細まで練るのが今の自分じゃ無理だと諦めた経緯がある

 作者が実際に書いてしまった作品じゃないですよ?

 

 

 

 田川玖音

 剣 久遠が作ったキャラ。性格等は同じ。

 身長は高めの黒髪黒目の日本人だったが吸血鬼化後は赤眼になった。大体和服(小袖 ・袴)を着ている。エルフォルン神が用意したものは嫌だと言って新しく自分で作ったりした。

 妹がいる、孤児院暮し、親友が四人いる、祖母でなく両親が亡くなった。倒壊事故で死亡

 妹は田川雪音。親友は万能千尋、闘藤翔、降魔仁、神無月神楽。今の所は名前のみ

 

 倒壊事故で死亡した後に転生した。その転生の際に田川玖音たちはエルフォルン神の手により吸血鬼へと転生した。縁結びの神の干渉で短時間の間に死んで生まれのループを経験し続けるが縁切りの神によって救助される。それ以降「死と縁が結ばれない」存在となり弱点も消え去った。それと同時に死ねない存在にもなった。親友達は時代は違えど同じ様に転生した。妹は縁切りの神と少し会話したらしい

 

 彼を殺すなら不死殺しの権能を持つ術や道具を必要とする。fateひいては型月作品の権能とは神などが持つ七面倒くさい理屈や理由を抜きにして、『出来るのだから出来る』を成り立たせてしまう能力である。不死とは、本当に死なないから不死なのである。故に不死殺しは、相手の不死性にケチをつける所から始まる。不死はそのシステムが完全である限りはどうしようもないものだ。FGOの魔神フェニックスでは死と再生というサイクルを狂わせ、制御不能とすることでその不死性を剥奪した。永遠という完全に、濁りを混ぜることで不完全な存在へと堕とす。

 彼は死と縁が結ばれない、『死なないから生きている』というシステムを機能できなくすれば殺せる。死んでないだけの道を蹴飛ばして生きようとしている彼はそのシステムを隠している。

 

 

 転生して行き着いた先は超常の存在や絶滅した生物が跋扈する太古の世界。ただ視界に入ったとか理不尽な理由で死ぬなど当然のことでそのループから抜けるべく強くなった。食料は何でもいいけど吸血鬼だからか血液が一番よく味が分かる。一番美味しかったのは神木に貯蓄されてた女神の血液。

 吸血鬼の特性を使い隠密を、刀と短剣を貰い、闇と氷系統の魔法を習熟をした。武器や魔法は他にも扱える物はあったが一番得意なものを選んだ。武器がある理由は太古にいた神様が面白そうだからと手を貸してくれたから。自分の体の一部が材料になってるけど。

 危険すぎる神の遊びに付きあわされたり、生物実験から逃げ出したり、深淵=クトゥルフ系が接触してきて合うたびに心が死んで蘇り、魔獣に襲われたりしながら生きた。その後もエルフォルン神の手で自分への評価が最悪になりこの世全ての悪の様に怪我も不作も災害も全部自分の所為にされたり、煽られてやってきた天使に殺されたり、ハーデスとの仲がかなり悪くなってタナトスがやってきたり、神の遊びはスケールが大きい。

 スファルフラーメを受け取って以降は安定しだしたので雪原の秘境に定住し始めた。妹に親友達や、昔に助けたりした者や周辺を彷徨っていた者達が集まっていつの間にか隠れ里となった。

 現在は地球外からの来訪者への対処に明け暮れている

 

 剣 久遠は家族との仲や友達に憧れた。辛くとも楽しく生きて、強い意思や目標のある彼の様になりたいと思った。多くの思いで作られた存在。全てに手を出しては彼に届かないと考えて魔法は一つに絞り、他を物理系で固めた

 

 

 

 エルフォルン神

 時間や空間に関わる神。死にそうな玖音達を見つけて転生させてみた。縁結びの神に狙われた彼等を面白いと思い、裏で手を引いて騒動を引き起こしたり、騒動へ巻き込んでいく。よく隠れ里にいるのを目撃されている。スファルフラーメを持ってきた者。

 

 

 

 

 縁結びの神

 全てを愛するから全てを殺す者。死が最上の幸せであると確信し悪縁を結び死へ導く者。

 望まれるがままに縁を結んでいたが、他者の死を望まれてから疑問を持ち始めた。疑問は変化し苦しみ悲しい怒り嘆き、笑いや喜びや幸せも訪れぬ一生を、なぜ生きようとするのか理解ができずにいた。しかし自ら命を絶つ者を見たことで確かに苦しむ者がいると、死こそが救いになると思った。その果てに生きること自体を可愛そうだと思い生きる者を皆殺しにしようと思った。最近は深淵によっていくようになった。自殺者の自殺原因はエルフォルン神

 

 縁切りの神

 全てを拒絶することで生まれた神。望まれるままに縁を切るが、自ら生物を殺しにいくこともある。何か明確な基準があるようだが、会話ができず文字も書こうとしないので知ることができない

 

 

 

 聖剣スファルフラーメ

 金の柄を持つ刀。切断の力、所有者への祝福の力、願いを叶える力、呪いの力を持つ。エルフォルン神が呪いをかける以前の魔剣ティルウィングに似たような力を与えてできた剣

 切断の力は凄まじい切れ味と狙ったものは外さない力を一つとして得た。外さない概念を持つことから実態のない存在や概念も切断できる。害を切り裂く鞘は切断の力が限定的に込められたもので祝福は所有者の力を強めたり、魔法の補助をしてくれたり様々な効果を持つ

 願いを叶える力はティルウィングより弱くなり必ずとは言えない。しかし悪しき願いを叶えることはなくなった

 呪いの力は願いを叶える力の弱体化に伴い変化し、報復の力に近くなった。ただし命を使えば破滅を与えることができる

 

 

 

 深淵

 クトゥルフ系統の神。悪神とは異なる邪神。人の感性からかけ離れているので人でなしが多い。神性が上がる程に宇宙や世界の真理に近づくためか強大な力を持ち見ただけその存在の差を理解させられる。彼等を前にして少しでも臆してしまえば、その瞬間にその狂気に飲み込まれて戻ってこれなくなるだろう。

 目視は愚か、その存在を認識しただけで狂気、冒涜、醜悪という人間にとって忌避すべき物を脳髄に直接に叩き込まれた様な衝撃で廃人になることもある。

 玖音は死ねないために消滅したとしても蘇るので、毎回神性に捩じ伏せられ正気を捨てていたが、見るたびに心が死んで蘇るので段々と慣れてしまった。

 最近はこいつ等の活動が激しくなってきたので玖音達も対処に追われている

 自分が擬人化されて触手に絡まれたりする同人誌なんかに狂気を感じているらしい

 「ジャパニーズサブカルチャーって偉大だよな」

 「…あれこそが新たな狂気の産物だ」



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序章
ログイン


取りあえず第一形態までの展開は出来てるけど、骨組みだけで中身ができないのでこれだけ短時間にはできないです
ログインに関しては殆ど同じだけど勘弁してください


 あの頃の俺は馬鹿だった。小学生になって2年目の梅雨、クラスメイトに殴られて正直に先生に伝えに行った

 

「先生、あいつ殴ってきた」

 

 でも、そいつ嘘を付いた

 

「怒られたくない」「嫌われたくない」

 

 理由としてはそんな所だろう。俺は「嘘付き」になりそいつに謝ることになった

 

「俺は何も悪いことなんてしてないのに」

 

 そんなことを思いながらも頭を下げた。そしてふと目線を上げる

 

……………

 

 それを見た時、俺は思考を停止させた。そいつは笑っていたのだ。面白い物でも見たかの様にニヤニヤと。今までその様な者は見たことがなかった。悪戯ではない、明らかな悪意を感じさせる顔だった。

 

 それからそいつは「嘘付き」について広めていった。影で、密かに、ゆっくりと。俺はクラスの中で避けられ、影で噂された。それ以上は起きなかった。別の大きな話題に話しを持って行かれ噂もすぐに収まったから。

 だが当時の俺にはそれは大きな傷を与えた。人という存在が恐ろしくなり、関わりを避けるようになった。家族との挨拶すらなく、必要最低限のことだけを話すのみ。インターネットへとのめり込み、授業はだらけて宿題もさぼりだし、当然成績も下がり、それを繰り返すのみ。

 オタク文化に影響され少しずつ前を向き、家族や教員の手もあり親しい者もできた。しかし、それだけだ。勉強はしない、外に出ようともしない。妄想に自分を重ねて夢想し、親しい者はいたが友人と言うことは一度もできず、それでも…と俺はその友人の様な者達と日々を過ごした。幸い不登校にはならなかったが学校側にも、家族にも大きな負担をかけた。

 

 中学に進学して部活でいじめられ、冬になってようやく仲を深めあい、春になろうとするころには軽口を叩ける様になった。それから宿題には取り組む様になり勉強やろうと思えた。

 

「死んだ…?」

 

 しかし二年の秋から鬱病になり不登校となった。祖母がガンで亡くなったのだ。家族もそちらに付きっきりで、友人と言える存在が見当たらず、外での態度だけは良い俺は遊びも部活もその時にしか表面上だけのやる気しかでない奴だ。インターネットにのめり込んでもそれは心を覆い隠すかの様なことで本気で「これだ!」という何かに熱中できたことがない。どこかへ出かけることなど出来ない。家族はアレルギーで動物などは飼えないし飼っても飼育放棄してしまいそうだ。俺に安らぎをくれる存在はいない。俺が頼れる者はいない。

 家族に甘えてるか?確かにそうかもしれない。だがどこかで拒絶している。一定のラインを超えることは決してない

 

 中学卒業後、俺は高校へ進学しなかった。バイトしながらもニ年を怠惰に過ごしてそれから高校へ入学した。卒業と同時に資格を取り大企業に努め、本社のある東京へと出てマンション借りた。凄いだ何だと言われることはあるが、それだけで俺に対して言葉がかけられたことなど在っただろうか。俺の能力は評価されても俺個人は何もない。俺はいらないのではないだろうか、必要ないのではなかろうか。そんな考えが頭をよぎる。

 人生における失敗らしい失敗と言えば宝くじを引いたことだろうか。一等が当たって知らない友人がやってきたりして警察のお世話になり裁判になって賠償金もらったり、上司に無理やり退社させられ、大金を切り崩しながらニートの生活を送り続けて、管理人があの椋鳥修一だったり。俺を見てくれる修一と出会えたのはよかったと思う。

 だけど詰まらない、溜まるのに、満されない。心が満たされることはなかった。そんな趣味を作ろうと多くの事に手を出して心引かれるものは何もなかった。ただ普通を演じて過ごすだけで己はただ空虚にあるだけ

 

 そんな人生だからこそ引かれてしまったのだろう

 

InfiniteDendrogram(インフィニットデンドログラム)

 

 

□■□

 

「ようこそいらっしゃいましたー」

 

 真の意味で無限の可能性とオンリーワン

 色違いでもパーツ違いでもなく、固有スキルも含めて真の意味で無限のパターン

「そう、<Infinite Dendrogram>は新世界とあなただけの可能性オンリーワンを提供いたします」

 そんな言葉に釣られこのゲームを買った。

 VRを起動しダイブする。暗転した視界が明るくなるくなるとそこはまるで洋館の書斎を思わせる部屋だった。目の前では見知らぬ猫が木製の揺椅子に座りながらこちら声かけてきた

 

「あー、こんにちは?」

「こんにちはー。僕は<Infinite Dendrogram>の管理AI13号のチェシャだからー。よろしくねー」

 

 見たことのない猫が人語を解して話しかけてくる、そんな状況に少し戸惑いながら挨拶をする。返ってきたのは語尾が伸びていること以外は上手な日本語だ。名前を名乗られたからには名乗り返すべきなのだろうが、どちらを名乗るべきだろうか

 

「よろしく。俺は…本名を名乗るべきか?」

「プレイヤーネームでいいよー」

「なら、俺はイシュトール・オルバス。よろしくチェシャ」

 

 挨拶を終えてゲームの設定を行う。描画選択は現実、CG、アニメがある様だが俺は現実を選んだ

 

「オッケー。次はプレイヤーネームなんだけど、もう聞いてるし容姿を設定しようかー」

 

 チェシャがそう言うと、目の前にマネキンと、沢山の画面が現れた。画面の中には「身長」、「体重」、「胸囲」などの項目が並んでおり、目や鼻などもあるようだ。非常に細部まで調整できるが故の数でこれには圧倒され声が詰まってしまった

 

「これは……」

「そこにあるパーツとスライダー使って自分のゲーム内での姿アバターを作ってねー。あ、僕みたいに動物型にも出来るよー」

 

 キャラメイクをそこまでやり込むつもりはないし、この膨大なパーツを一つ一つ見て行くのは骨が折れそうだ

 

「んー…さすがに多すぎるかな。現実の姿を元に弄れないか?」

「できるよー」

 

 チェシャの言葉とともにマネキンだったものが俺の現実の姿そのものになる。あまり違いが大きすぎても体が動かしづらいだけだろう。それを元に赤眼金髪に変えると鼻を少し高くして終わらせた。鼻だけでも骨格が違うなら分かりにくいはず。多分大丈夫、うん

 

「オッケー。じゃあ他の一般配布アイテムも渡しちゃうねー」

 

 チェシャが空へ手を振ると、カバンが一つ落ちてきた。そこには確かに何も存在していなかったのに。

 目の前にはある収納カバン、所謂アイテムボックスを貰い解説を受ける。教室一個分サイズの空間に一トンまで入る、自分の物以外は入らない、PKでランダムドロップしたのを拾われたり、《窃盗》スキルで盗まれたり。盗まれにくい物に小さい物、容量が大きい物など種類も豊富。ただしアイテムボックスの類は全壊すると中身ばらまかれるとか

 

「次は初心者装備一式ねー。どれにするー?」

 

 チェシャは本棚から取り出したカタログを見せる。

 そこには色々な武具が載っている。まず防具をみると世界中の民族衣装からファンタジーにSF物まで多く存在する様だ

 

「じゃあこれ」

 

 俺は普段は着ることのない着物を選んだ。色は黒色で小袖と袴だから動きやすいはず。選んだ後になって自作小説の「あのキャラ」が着物を普段着にしていることを思い出した

 

「オッケー。じゃあ初期武器はどれにするー」

 

 カタログの別のページを開く。こちらもやはり和洋中と場所、時代を問わず多くの武器が載っている。

 うわっ、針とかボーラとか大鎌にソードブレイカ―まである。しかし選ぶ武器はすでに決まっているのだ

 

「刀で。打刀の方」

「オッケー。じゃあ装備と武器を……とりゃー」

 

 気合が入っているのかいないのか分からない掛け声と共に俺の姿は一変し、先ほど選択した着物と刀を装備していた。それから忘れていたと言わんばかりにチェシャは銀貨を五枚、手渡してきた。5枚で5000リルらしい。これ以降お金はくれないらしいので上手く使わねばなるまい

 

「さて、いよいよだけどエンブリオを移植するねー」

「おお、エンブリオ」

 

 事前に話しを聞く限りこのゲームの最大の特徴らしい。

 プレイヤーによって真の意味で千差万別化するオンリーワン。アイテムや装備という枠を超えた相棒。そこまで詳しいわけでもないから説明は聞いておくことにした

 

「オーケー。エンブリオは全プレイヤーがスタート時に手渡されるけれど、同じ形なのは最初の第0形態だけー。第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げるよー」

 

 ふむ、第0形態はある意味で観察期間と言えるわけか

 

「千差万別だけど、一応カテゴリーはあるよー。大まかなカテゴリーで言うとー。

 プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ

 プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー

 プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ

 プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル

 プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー

 かなー」

「多いな種類」

「ちなみにこれらのカテゴリー以外にレアカテゴリーや、<エンブリオ>が進化すると成れる上位カテゴリーもあるからー。オンリーワンカテゴリーもあるしー。成れたらいいねー」

「…それ、キャラデリするやついないか?」

 

 その質問に対しての答えは簡単だった。どうやらこのゲームキャラの作り直し出来ないらしい。ユーザーの脳波データが登録されているらしく、もう一つ機器を買って始めても、その人は一つ目と同じキャラでログインして<エンブリオ>もそのままだとか。仮にリセットできても結局はその人のパーソナルだから同じような<エンブリオ>になるそうだ

 

「じゃあ二重人格だったりすればどうなるんだ?」

「エンブリオは一種だけだよー。ただし…」

 

 ただし…何なのだろうか。俺はその先の言葉が紡がれるのを待った。沈黙から5秒ほど経ちチェシャが口を開く

 

「話している間にエンブリオ移植完了ねー」

「おい……えッ!?」

 

 気がつくと、俺の左手の甲には淡く輝く卵形の宝石が埋め込まれていた。同意していたとはいえ気が付くと異物が埋め込まれているのは中々に衝撃的だ。このままだと話が進まなそうだし、今は聞けなくても良いだったからそのまま流されようかな

 

「それがエンブリオねー。第0形態はそんな風にくっついているだけなのだけど、孵化して第一形態になったら外れるからー」

「つまり卵埋め込まれてるようなもんか。がんばって孵化させろと」

「孵化後の第一形態からは普通に傷ついたり壊れたりするけどねー。それも時間掛けて自己修復するけどー」

 

 じゃあ今はまだこっちが全部受け持つことになるじゃん。やっぱりパートナーは一心同体って言いたいのか。まるで分からない俺は一体今までの人生で何を学んできたのかと自分自身に問いたい

 

「ちなみに卵のくっついている場所は第一形態になると紋章の刺青になるよー。それがこの世界でのプレイヤーの証明書みたいなものだからー。じゃないとプレイヤーとの見分けつかないからねー」

 

 見分けが――ああいや、チェシャはどう見ても猫だし人間も見分けがつかなくてもおかしくはないか。家具は分からないけどカタログも装備も触り心地は本物だし

 

「あと紋章には<エンブリオ>を格納する効果もあるよー。用事がないときは左手にしまっておくのー。このゲームをプレイする限りはずっと一緒ですのでー。大事に扱ってくださいねー」

 

 最後に所属する国を選択するらしい。チェシャは書斎の机の上に地図を広げる。地図上の七箇所からは光の柱が立ち上り、その柱の中に街々の様子が映し出されている。

 

「この光の柱が立ち上っている国が初期に所属可能な国ですねー。柱から見えているのはそれぞれの国の首都の様子ですー」

 

 詳細は省くが、白亜の城を中心に、城壁に囲まれた正に西洋ファンタジーの街並み、騎士の国『アルター王国』にした

 

「オッケー。ちなみに軽いアンケートだけど選んだ理由はー?」

「森っぽい奴とぬいぐるみと着ぐるみに釣られてしまいました!」

 

 先程までとは違い声量があり早口で丁寧語だ。素のままだと俺とか私とかタメ口とか丁寧語や似非関西弁だのとキャラが安定しないから意識していたと言うのに

 

「可愛らしい物に釣られたねー。じゃあアルター王国の王都アルテアに飛ばすよー」

「待った。このゲーム、ストーリーなんかを一切聞いていないんだが。何をすればいいとかあるのか?」

 

 ホームページに世界観の設定はあったがあまりにも長すぎるものだから流し読みしていた。プレイヤー=マスターとかエンブリオを持たない者=ティアンとかが設定として組み込まれているのは見たが。折角の機会なので管理AIさんに国への貢献とか邪神討伐とか主だった目的はないのかと尋ねてみる

 

「何でもー」

 

 と、返された

 

「何でも、か?」

「だから、何でもー。英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、<Infinite Dendrogram>に居ても、<Infinite Dendrogram>を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい」

 

 チェシャの口調が変わった。纏う雰囲気も先程までのふんわりしたガイドといったものから真面目なそれに変わっていた

 

「君の手にある<エンブリオ>と同じ。これから始まるのは無限の可能性」

 

 間延びした喋りから、語るような口調に

 

「<Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」

 

 その言葉の直後、視界が蒼くなった。俺は空に浮かんでいるのだ。眼下には先程見たばかりの世界が見える。あの地図と同じ形の大陸だ。そして俺の体は吸い込まれるようにアルター王国へと向かって――高速で落下していた

 

「ちょッ!? まてまてまてまてまてまてまてまてまてまてええええええええええええええええええええええッ!!」

 



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王都アルテア

元々クマさんを使う気はなかったんだけどね、気が付いたら彼を出していたんだ。どうしてだろうね


 初期地点を選んだと思ったら天空に蒼穹に大空に上空高くに放り出されたでござる。あ、王都アルテアて結構大きい。それにすっごくキレイ。映像で見るとのでは全然違うな。ってそんな現実逃避してる場合じゃねえ!このままだと死ぬぞ、ログインして早々に死ぬぞ、こんな形で落下死とか経験するとか嫌だぞおい!ってまてまてまてまてまてやばいやばいやばい着ぐるみのクマさんがいる!暢気に現実逃避してるからだぞ馬鹿!

 

「ど、どいてくれえええええぇぇえええええッ!!」

「えっ?」

 

 ぶつかる―――

 

「大丈夫クマ?」

 

 ―――なにも、ない…?

 いくら待っても来るべき衝撃はこない。困惑しながらも呼吸を整えよう、心を落ち着けようと激しく呼吸をする。

 どういうことだ、さっきまで落ちていただろう

 

「はぁ、はぁ……だ、だいじょう、ぶ、なのか」

「ログインで落ちてくる分には問題はないクマ」

「…そ、そう、か。よかった」

 

 無事だったことに安堵し荒い息を整える。一度大きく深呼吸をしてから、ゆっくりと立ち上がる

 

「イシュトール・オルバスだ。さっきはすまなかった」

「シュウ・スターリングだ」

 

 クマの着ぐるみを着た者と名乗り合う。そして、お互いに無言となり静寂が広がった。話が進まない。よくシュウを観察してみる。左手に砲の様な物を嵌めている以外はただのクマさん着ぐるみを着た人だ。声と体格からして男だと思われる。そんな無言の空間が続き暫くてシュウは口を開いた

 

「もしかして剣 久遠か?」

「は?」

 

 俺のリアルネームを知っている?色を変えて鼻を高くしただけだが印象は大きく変わるはずだぞ。ならこいつは俺の名を知ることができる相手なのか。それとも顔を覚えられるような相手、よほど印象に残ったか記憶力がいい奴か。

 そんな考えを巡らせているとシュウは着ぐるみを脱いだ。それはイシュトールに、剣久遠にとても見覚えのある顔だった

 

「俺だよ、椋鳥 修一だ。お前の住んでるマンションの管理人をしている」

「ああ、管理人さんか」

 

 管理人の発言にのって管理人と呼ぶ。だが少し距離感が遠すぎる気がしてすぐに止めた。普段は名前で呼び合うのに管理人なんて呼びづらかった

 言葉にのった結果自分で自分の足を引っかけたかのような失敗をした所で、思い出したことがあった。「椋鳥の英名がスターリングだから、プレイヤーネームは兄弟で本名とスターリングにしてる」とか言ってたような気がする

 

「何やってるんだ、こんな所で」

「デンドロだ」

 

 そうじゃない、分かってて言ってるだろこいつ

 

「わかってるよ。狩りだ、狩り。イシュトールは少し言葉足りないことがあるから気を付けた方がいいぞ」

「気を付けてはいるんだがな。弟さんはどうした」

 

 シュウが言うには弟、椋鳥玲一はT大へ向けて受験の真っ最中だそうだ。それでなくなく諦めたそうでログインは恐らく2年後とのこと。文科Ⅲ類の予定らしいがⅢ類って文学部と教育学部と教養学部だった気がするが。教師にでもなるのかな。

 余談だが受験を忘れていてつい弟のために購入してしまったデンドロは街で出会った女性の手に渡った。弟が絡むとポンコツになる事の多いシュウはそうした行動からイシュトールの中ではブラコン疑惑が生まれている

 

「紐なしスカイダイビングしてたってことは始めたばっかりだな?分かる範囲でなら王都を案内するぞ」

 

 初期地点のマップは埋まっているそうだが、そこがどのような場所なのか細かい所は自分で確認しないといけない。首都映像で見たが王都アルテアはとても広く一人で見て回るのはかなり苦労する。案内がつくならありがたい

 

「じゃあ頼むわ」

「そういうわけで何度もゴメンクマ」

 

 シュウは俺の後ろへと声をかける。振り替えると目の前には見上げるほどに大きな白色の城壁がある。王都への門はその中に組み込まれていた。門衛をしているのは西洋風の鎧を身につけた兵士、かっこいいな。あ、門番さん苦笑いしてる。騒がしくてすいませんでした。

 その大きさに圧倒されながらもシュウの後に付いて門を潜る

 

「わぁ…」

 

 そこには正しくファンタジーと言うべき中世ヨーロッパに似た風景が広がっていた。石造りの首都は現代とは違う街並みだが美しいと断言できる

 

「どこか行きたい場所はあるクマ?」

「着ぐるみ屋とぬいぐるみ屋と森っぽい所。それに釣られてアルターを選んだ」

「…そうか」

 

 森っぽい所<旧レーヴ果樹園>以外は王都中央通りの大噴水の近くにあるらしい。大噴水ってどのくらいの距離なのだろう。と言うか着ぐるみ屋の一言で少しだけシュウの気分が沈んだのは何でだろう?

 イシュトールが心の中で『メインメニュー』と唱えると彼の前にウィンドウが出現する。ウィンドウは二分されており、RPGのパーティウィンドウのように右側には自身の簡易ステータス、左側には『装備』や『道具』、『詳細ステータス』など様々なメニュー項目が並んでいる

 

「マップーマップーは、あったな」

 

 マップの項目を見つけ、起動する。

 新たなウィンドウを開き、王都アルテアの地図を表示する。マップは自分で歩いて埋めるか、地図屋で地図を購入しマップに取り込んで増やしていく。しかしスタート地点の所属国の首都や、首都周辺の地図に限って最初からインプットされている。

 王都アルテアは円形の城壁に囲まれた街だ。東西南北に門があり、四方の門からは国の中心部へ向かい真っ直ぐ大きな石畳の道が敷設されている。シュウによると王都の中央にも城壁があり、貴族専用の街となっている。貴族街に入るには許可証が必要で、その中心に王城が建てられているらしい。

 ふむ、たしかに大噴水は近いな。ただマップでこの大きさだと実物は凄い大きさだろうな

 

「しかしほんっっと綺麗な街だよなぁ」

「だろ?」

「何でお前が得意げなんだ」

 

 王都は歩道もしっかりと整備がされているし一つ一つが綺麗だ。人が多いから物が集まるし、それによって商人が来てさらに人がくる。人々の活気もこの王都の良さを表している。それだけ多いのだから少し横道に入った程度では活気は衰えない。といってもそこから更に外れると人も減るが。門前から中央通りを逸れる、そこから大噴水から伸びる大きな道への細道だ。この辺りになると店よりも住宅が増えてくるからな

 

「まあまあ、ほらあそこが着ぐるみ屋クマ」

 

 シュウの指差す先には首都映像で見た風船が飾られたファンシーな店があった。店の中にはクマ以外にペンギン、フラミンゴ、角の生えた兎など多くの着ぐるみのが置いてある。

 あの兎ジャッカロープとは違うな、一本角の兎だ。あれは鹿みたいな角だった

 

「おっ、この前の兄ちゃん!アドバイスありがとうよ」

「自分のためだから気にしなくていいクマ。それより今日は知り合いが着ぐるみに興味があると聞いて紹介しにきたクマ」

 

 店に居たのは魚を売っていそうなガタイの良いおっちゃんだった。とっても親しみやすくてかっこいいのだがなぜ着ぐるみを売っているのだろう。そしてなぜ仮面や浮輪を置いている。

 おっちゃんはイシュトールが着ぐるみに興味があると聞いて嬉しそうにしている

 

「とりあえず一番安いのを見せてください」

「そりゃそこの兄ちゃんの着てる奴だ。4980リルだぜ」

「高っ!?」

「ちなみに防御効果は皆無のネタ装備クマ」

「そりゃ着ぐるみだからな」

 

 4980リルと言えば20リルしか残らねぇじゃなねぇか。一番安くてこの値段とか普通は買わないぞこれ。今後の武具や道具の購入を考えてお金の都合から購入は見送ろう。

しかし装備を買うのだから高いのは当然、そう思ったそこの貴方ッ!何とのこの着ぐるみシリーズは装備枠の頭・上半身・下半身・篭手・ブーツ・外套を埋め、右手武器・左手武器・アクセサリー5個と特殊装備品しか残らないのだ。唯一の利点は単品の値段だろうが装備枠の大半を埋める着ぐるみを買う者がいるのだろうか。

 

「すみませんがお金を稼いでからまた来ます」

「そうか。うちは買い取りもしてるからそのときは頼むぜ」

 

 うむ、この親父さんは金を誤魔化す真似はしないだろう。機嫌を損ねるとお店を利用できなくだけだと思う。その後は大変だろうな、この人は人脈広そうだし。

 ただ着ぐるみ屋で買い取りができる余裕と利点があるのだろうかと思い店内を見回すと、ある物が目に入り質問をする

 

「ではお店の奥は買い取った物を置いているのですか?」

 

 この店は表の雰囲気とは対照的に店の奥にある扉の先には欠けた皿等が多く見える。おっちゃんは奥の扉を閉めながら質問に答える

 

「ああ、そうだ。俺の趣味で年代物の道具も置いてあるがな」

「だから欠けた皿が」

 

 話題に出した途端に扉を閉めに行くから何か見られたら困る物でも置いてあるのかと思った。しかし残金20リルじゃ不安すぎるというのに何だってこのクマはこんな高い着ぐるみを…

 初期資金5000リルで買った理由を問うとまるでおとぎ話を読み聞かせるような言葉とともに語りだした

 

「それはそれは語るも涙、聞くも涙の話クマ」

「なんかこの時点でもうオチが読めてきたんだが」

 

 お前は察し良すぎるんだよ…とぼそぼそと呟いてから語り始める。着ぐるみ屋のおっちゃんはシュウの言葉に興味が引かれたようで耳を傾けている

 

「あのさ、キャラクタークリエイトあるだろ?」

「キャラクタークリエイト?」

「えーと、一様こっちの世界にくるのに仮の体をデザインするんだ。常にマスクをかぶってるようなもんだ」

「あれを一から作るのも面倒だから、自分ベースにやろうとしたのな」

「あの量で一から作るのはな。俺もそうしたし」

「そのときちょっと間違ってな…」

 

 ああうん、もはや確信になった。この流れで失敗するなんて一つしかないよな。だがおっちゃんは何も知らないのですぐに尋ねる

 

「間違ったって、どうしたんだ?」

「うっかり何もカスタムしないまま決定した」

「うわぁ…」

「クマー」

 

 つまりこの着ぐるみの中は先程にも見た通り誤魔化しも何もない椋鳥 修一その人なのだ。似ているとは思ったがまさか一切手を出していないとは。オンラインで素顔プレイとか危険すぎる。特にこいつはスターだからな。着ぐるみ着てもおかしくはない、というか着ないとプレイできない。別人レベルではっちゃけたりしてれば違うのだろうがな

 

「ちなみにこの国選んだのは首都映像でこの店が見えたからなんだ」

 

 

 理由は同じでも中身がまるで違うじゃねえか。それで行き先を告げたときに気分が下がっていたのか。

 ほぼ全てのお金を使い果たしたシュウがどう生活しているのか疑問に感じた彼はどうお金を稼いでいるのか聞いてみた

 

「依頼こなしながら要らない素材を売ったりしてる。前は無理を言って牢屋に泊めてもらった」

「お前…」

 

 牢屋に泊めてもらったって……この辺りの物価はどうなってんだ。まさか最高レベルに高いとかッ!

 しかしおっちゃん曰く王都は様々な物が集まるため物価は安い模様。じゃあどうやった牢屋で寝るはめになるんだ。その疑問は本人が答えてくれた

 

「俺のエンブリオのバルドルが原因だ。手に嵌める形の大砲でな、玉の材料は別だから金がかかるんだ。材料になる素材は売れないしな。それでアドバイスやクエストで稼いだ金がパァになった。スキルもSTR依存で使いにくいから今も殴って使ってる」

 

 あの大砲を何時の間にしまったのか思ったらエンブリオだったようだ。しかし殴って使うとは大砲の意味がない。

 というか今もって何だ今もって。20もないSTRじゃ殆ど威力が出ないのは分かるが。俺のエンブリオは大丈夫だよな?

 

「なぁ、何でそのキャラクタークリエイトってのは素顔じゃダメなんだ?」

 

 先程の話しが再び蒸し返された。シュウは大きなダメージを受けたのかどこか遠くを見ている。この流れは俺が説明するしかないか

 

「俺達が頻繁に別世界に行ったりしてるのは<DIN>?って言う情報組織が広めてるんだっけ?それで何かあった時に相手側が癇癪起こしたりして帰ったとする。で、たまたま同じ世界にいたりすれば揉め事になって大惨事に発展したりする。だから別世界に問題を持ち込まない様に素顔は晒さない。エンブリオを持ってるからマスターで同士揉め事を起こしたら危険だろ?だからどんなに手を抜いても髪や目の色を変えるぐらいはするんだが…」

「この兄ちゃんはそれをしなかった、と」

 

 死傷するなんて大惨事になった事例はあまり聞かないがシュウの場合はかなりの有名人だから間違いというわけではないのだ。それにこちらではマスターであることも考慮すると多少大きく言ったほうが納得してくれるだろうと推測した。その話を聞いておっちゃんはシュウへと言葉を投げかける

 

「うちの店の宣伝してくれるなら泊めてもいいぞ」

「ほんとか!?」

 

 顔を使うにも時間が時間がかかるのは必然、店の規模と在庫を考えればほぼ利点の無いこの話を引き受けたのは今まで接客での人柄と中の顔を知っているからだろう。おっちゃんの懐の広さが分かるこの話にシュウは身を乗り出して聞き入る。

 凄い食い付きようだな、どんだけ金に困ってんだか。現実だと一生遊んで暮らせるだけの大金を持ったニートだというのに。あ、それは俺もか

 

「おう。ただし毎日と欠かさずにやれよ。そうでなきゃこの話はなしだ」

「もちろんクマ!」

 

 彼は即答した

 

 

□■□

 

「いやぁ、親切な人でよかったクマー」

 

 無事に住み込み先を見つけて上機嫌なクマがいる。

 着ぐるみを着たお兄さんが大噴水前で小躍りをしているため非常に注目を集めている。特に子供の興味を引いている。

 ショーか何かと勘違いしていないか子供たちよ

 

「せやな。何だってそこまで信用したかは分からんが」

「それは簡単クマ。《真偽判定》って言う嘘を見抜くスキルのおかげクマ」

 

 嘘発見器みたいなスキルが存在した。すでにこのスキルで嘘を見抜かれて捕まった者がいるらしいが速すぎると思うぞ。

 せっかくだからタップダンスでもしておくか

 

《真偽判定》:パッシブスキル

対象の生物の発言の真偽が分かる。

スキルレベルが高くなると、偽装することがかなり難しくなるため、司法裁判で証拠として大きな力を持つ。ただし、本質は「“偽証しよう・偽ろうとする意志・思念”を感知し“真偽”を判定するスキル」であるため、嘘を対象が真実だと信じている場合は“真”と出る

※薬物が粉末状になっていると小麦粉の様に見える。質問されても「粉を王都で売る」と言えば嘘にはならないので質問の内容はよく考えないと騙される

 

「あの人は司祭系統と商人系統のジョブらしいから習得は必須みたいなもんクマ」

「司祭系すげぇな。就いてみようかな」

「それとデンドロは職業ごとにレベルがあるからにジョブにつかないとレベルが0のままクマ」

 

 ノリで始めたタップを刻みつつ確認してみるとたしかに職業:なしのレベル:0だった。しかしステータスよ、できるだけ切りのいい数字でないといけない決まりでもあるのかね。これならSTR型、AGI型、魔法職、生産職もいけるな。避けタンクはともかく間違っても幸運戦士などはやらない方がいい

 イシュトール・オルバス

 レベル:0(合計レベル:0)

 職業:なし

 HP(体力):99

 MP(魔力):19

 SP(技力):19

 STR(筋力):15

 END(耐久力):10

 DEX(器用):15

 AGI(速度):16

 LUC(幸運):10

 

 

「で、どのジョブに就いたらいいとかあるの?」

「基本はどのジョブに就いても良い。王道に【剣士】や【魔術師】も万能な【魔法剣士】も良いし、生産職の【鍛冶師】や【薬師】、【大工】なんかもやり方次第では戦闘でも役立てる」

「突然剣や足場が現れたりするのか、怖っ」

「俺の【壊屋】はSTR極だったりその場の環境で使える属性が変わる【精霊術師】みたいにピーキーなジョブもあるから好きなジョブに就くと良いクマ」

 

 説明を受けて親切な王都の番兵から貰ったアイテムを選択する。スクロールを見てどれだけあるんだとキャラクタークリエイトと同じ事を考えげんなりする。こう絞り込みが出来ると楽なんだが、と不便さに文句を言うと気になるジョブを見つける

 

「この【武士】って【剣士】と何が違うんだ?」

「お前も【武士】があったのか」

 

 シュウのその言い方に疑問を覚えた。まるで本来は【武士】が表示される事はおかしく、その内二人がここにいると言っているかのようだ。

 

「そのアイテムは先々期文明の残した遺産で先々期文明って言うのは約2000前に“化身”侵攻により崩壊した文明の事らしい。それ使う事で使用者が就く事のできるジョブを示すアイテム何だがそれで【武士】ってのは東側の国で付けるジョブだ」

「アルター王国は西側なのにか?」

「マスターである俺達は全てのジョブに適正があるが、どの土地でも付けるジョブ以外にもその土地固有のジョブも合ってそうしたジョブはそこに辿りつかなければ示されない。例外はそもそもジョブクリスタルの存在しない特殊なジョブだ。俺達の場合は西方三諸国を選んだから西側のジョブしか示されないはずなんだ」

 

【ジョブクリスタル】

使用すると、既に就いているメインジョブとサブジョブの入れ替えをすることが出来る。新たなジョブに就く場合は特定の場所に設置されたクリスタルを使用する。

またセーブポイントではジョブリセットや同じくメインジョブとサブジョブの入れ替えなどを行うことができる

 

「それなら東のジョブが表示されるのはおかしいな。転職はジョブクリスタルがいるんだろ。どうやるんだ」

「類似ジョブのクリスタルから転職できる。【武士】なら【剣士】が該当するな」

「【剣士】のジョブクリスタルってどこだ、場所知らねえんだが」

「そこのクリスタルクマ」

 

 シュウの指?の先には剣士ギルド、と隣の武具屋に挟まれたクリスタルの姿があった。

 そしてこう考えた。「このまま移動するのも詰まらねえな」と。そうと決まればさっそブレイクダンスに切り替えて移動を始める

 

「ええっ!?」

 

 その声の主は小さな子供だった

 

「ほっやっ」

 

 頭で地を回り、指で全身を支え、流れる水の如く動く。前へ後ろへ、右へ左へ、時に大きく、時に小さく、されどその動きは止まることはなく渦巻くように辺りを魅了する

 

「乗ってるなぁ」

 

 

 

 

 タップダンスからジョブクリスタルで転職、観客もいるなら楽しませないとな?

 あ、おひねりどうもどうも。ありがたく山分けさせてもらいます

 

「んで、ぬいぐるみ屋も見て行きたいんだがどこにあるんだ」

「そこにあるから行ってみるといいクマ」

 

 指差す先では先程の会話を聞いていたのか美人の女性がこちらに手招きをしている。かなり人気があるのか男達からの視線が強まった。睨まれても如何しようもないのだが。しかし大噴水広場の中心から50メテルぐらいは距離がありそうだがよく聞こえたな。

 視線を受けながら店の前に行く。多くのぬいぐるみが並んでいてモンスターや動物、車などもあるようだ。中には女の子のぬいぐるみもあり藍色の髪をしていた。しかし他の客は若い女性か子連れの親子で一人だけ浮いているようだ

 

「狐のぬいぐるみが欲しいのですが」

「では、こちらはいかがでしょうか」

 

 そう言って店員が持ってきたのは狐と言われて真っ先に思い浮かぶだろうキタキツネに似たぬいぐるみだ。全体に体色は黄色みが強くて前後肢の全面にある黒の斑紋は大きく目立っている。女性から手渡された狐のぬいぐるみを受け取るとまず手触りを確かめる様に揉む。続いて頭を撫で、耳、首、背中と全身を撫でていく。手足の先まで触り、フッと動きを止めると大事そうにぎゅっと抱きしめる。うわぁ、かわいい。もふもふだぁ………えへへ―――

 

「はッ!?」

「お気に召された様で何よりです」

 

 いつの間にか他の人からも注目されていた。凄く恥ずかしい。これではどんなに高くても払わざるおえないじゃないか。おいそこニヤニヤするな、子供とはいえ失礼な行為だぞ。いくら心の中で言っても無意味だが

 

「526リルになります」

「どうも」

 

 少し優しくなった気がする視線から逃げるようにシュウの下に帰ると何となくだが少し雰囲気が変わった気がする。からかいに来たなこいつ

 

「ぬいぐるみ好きなんだな」

 

 そんなことはないと否定するも、いまだぬいぐるみを抱きしめていることを指摘されると何も言えない。うん、確かに今もぬいぐるみを抱きしめたままだ。ままだが、これは、いや、その、うん、これは、その…

 

「…取りあえず果樹園にも行きたい」

「もうぬいぐるみはいいクマ?」

「うっさい!」

「ははは、じゃあさっそく<旧レーヴ果樹園>に行ってみるクマ」




 この主人公達の広場での行動
 小躍りした上機嫌なデフォルメされた可愛いクマさん着ぐるみきた人と一緒に大噴水前の広場にやってきて子供達の注目を集める。恵まれすぎた才能を生かし世界を狙える素晴らしいタップダンスを踊り注目を更に注目を集める。クマさんに寄ってきた子供達の前で流れるように《真偽判定》についての解説を始め「あの人」こと着ぐるみやの店主のジョブも話題に出すことで周りにも信用できる商人だと印象付ける。
 さらに広場のど真ん中でクマさんからジョブについての説明受けいろいろなジョブがあって好きなジョブ=将来を選ぶと良いぞと人生に関係するような話をして更にマスター達は凄い人だと覚えてもらう。頭で周ったり、指だけで逆立ちしたり、L字をえがくような態勢を取り、渦の様に全身で回り、ブレイクダンスをしながらクリスタルでジョブに就くと決めポーズ。
 更に人形を抱きしめ顔を顔を緩めて大好きアピールで人形人気の上昇を狙う
 一体どこのパフォーマーだ?その後二店とも売り上げが上昇したらしい


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<旧レーヴ果樹園>

 そこは南門から20分もかからぬ距離にあった。金属柵で囲まれ、入り口に立てられたボロボロの看板には『<レーヴ果樹園>へようこそ』と書かれている。しかし果樹園は既に放棄され、看板は色褪せている。植物がそこにもあそこにもこちらにも伸びている。足跡があることから人は訪れているようだが出てこれたのは僅かしかいないようだ

 

「ここが旧レーヴ果樹園だ」

 

<旧レーヴ果樹園>

 アルテア南門近くに位置する廃棄された果樹園。色々あって昆虫型のモンスターが住み着くようになった結果、魔窟と化した自然ダンジョンの一種。

 アルター王国の王都にある初心者<マスター>のスタート地点に程近い場所にあるせいで、初心者用だと勘違いした初心者<マスター>が真っ先にぶっ殺されるトラップダンジョンとして名高い。別名“初心者殺し”

 

「いや名高いもなにも一日しかたってないだろ」

「アルター王国の初日組みは全員引っ掛かったらしいクマ。俺はゲーム内時間二日目に引っ掛かった」

 

 牢屋から出て次に向かった場所がここか。

 旧果樹園は入口から見ても小道と言うよりも薄暗い森に見える。並んだ鉄柵や辺りに響く虫の鳴き声が不安を煽る。入口の整備すら行われていないと言う事が国内での危険度と優先順位が窺える

 入る気が失せてきていたが新しい果樹園は5000リル必要らしく大人しく<旧レーヴ果樹園>に入ることになった。もちろんここに向かう前に南噴水前のセーブポイントをログイン場所にしておくのは忘れていない。また空から落ちるのはごめんだからな

 

「んじゃ、行くか」

「がんばれよ」

 

 んん?がんばれってことは

 

「お前は?」

「行かないクマ。すぐ殺されるからな」

「この流れは付いてくるべきじゃないか?」

「抵抗しても状態異常と数の暴力で殺されるのを身を持って体験しているクマ。今は行くべき場所じゃないクマ」

 

 このリアルチートが殺されるか。抵抗しても死ぬまでの時間が延びるだけで生存の可能性は無いから死に行きたくないと。加えて暗に俺にも行かないように進めてきてる。普段は頼りがいがあるのにレベル差の暴力って怖いな。それとも状態異常、数の暴力か。ゲーマーとして攻略を優先しているだけかもしれない。

 後に振り替えると本当はここで帰るのがベストだったのだろうが、まだ<旧レーヴ果樹園>の怖さを知らない俺は突入することを選んだ。シュウは暫くこっちで待ってる、と噴水へと向かってしまった

 

「…行ってみる、か」

 

 腰に差した刀を抜いて金属柵の中へ足を踏み入れる。廃棄された施設に虫の鳴き声が響渡る。今は使われていない施設から放たれる不気味な雰囲気に何でも無いただの鳴き声すらも恐ろしく感じられる。そんな<旧レーヴ果樹園>内部は林に似ている。植物の屋根はあるが植樹された自然公園といった所で薄暗いと言うほどでもない。嘗ての道はがまだ残っておりそれに沿って進む。道を外れれば植物に覆われた鬱蒼とした森、いや樹海だからそこを通るしかないのだが。果樹園の中を進んでいると足の下から奇妙な感覚を感じて後ろに下がる

 

「おっと。これはモンスター、か?」

 

 足下の蔓を踏むとぐねぐねと蠢いた。独りでに起き上がった蔓の太さは4cm程度、先端は赤い口のような場所がある。これは蔓と言うより触手だ。除草も兼ねて試しに刀を振る。引いて切るんだよな。昔に少しだけやった程度だから細かい所も確認しないと。

 触手は問題なく斬れた。しかしその刀身の一部は地面に刺さっている。いくら立った状態から足下への攻撃を殆どしたことがないからと言ってこれはダメだ

 

「後で下への攻撃を練習しておかないと。どうせ一日もせずに思いだす。こいつの根元はそこか」

 

 触手の本体が視界に入った所で【エッグプラント】の名が見えた。全体は緑に覆われ茎に当たる部分は下が見ないほどに大きく膨らんでおり、葉は発芽したばかりの様に二枚のみだ。茎の上部、葉に当たる場所には3本の触手を持ちそれは根元に近づくほど大きくなっている。一本は足下にあるから実質2本か。警戒しているのか此方に触手を伸ばしてこない。足下の触手切る、今度は感触なども確かめるようにだ。特に刀への強い抵抗はない、刃を押しつけると途端に切れなくなるのは刀らしい

 

「刀が手に合わないな。凄く違和感がある」

 

 問題は初期装備の打刀は握った際の違和感が強いことだ。戦いにおいて武具とは己の体の一部とも言うべき存在だ。僅かにでも体に違和感が感じられるならば気にかけるのは当然の事であり、それは武具であっても変わらない。こっちも後で買い直す必要があるか。さて、それじゃあ2mもないし倒しにいくか。

 邪魔をする触手を切りながら前へ歩みを進める。背後から襲われることを防ぐため一定距離毎に足下の触手も切る

 

「むぅ、上手く流せない」

 

 剣術をしたときは小刀も大太刀も流したのだが。経験のない鞭に似た触手だからか、それとも久しく触れていないからか。流すのは諦めて切るが無駄に細かいな。下手に刺激するのは良くない。下から攻撃が来ないから足下を気になくて良いのは楽だが。

 自分の感覚との違いに苦戦しながらも少しずつ目の前の触手を斬って進んでいると、奥にあった一本の触手がその先から更に細い触手を出そうしていた。それを確認すると目の前の触手とともに纏めて斬るが刃先が触手の中に残ってしまった

 

「ととっ、あぶね」

 

 斬れなかったのは長く握っていないからか、それとも蛇やミミズの如き動きをする触手だからか。しかしどれだけ言い訳をしようと刃が残ると言うことは刀が上手に振るえていない証拠だ、今後は気をつけなければ。

 触手の動きに多少引っ張られながらも刀を引き抜き、改めて近づく。十分近づいた所で安全のために触手は根元から切り離す。周辺に敵の姿はないことを確認すると次は葉を切り落とすが何もできないのか変化はない。最後に残った膨らんだ場所を下まで両断する。その直後【エッグプラント】は光の粒子となりその場に残るのは【蠢く触手】となぜか瓶に入った【毒腺】のみだった

 

「毒腺って、こいつ毒持ちだったのか」

 

 恐らく触手の先から毒を出すのだろう。触手の先から更に触手をだそうとしていたのでその前に切ったが間違ってはいなかったようだ。もしくは茎を両断していなければそこから毒を飛ばしていたかもしれない。

 というか【エッグプラント】なのに茄子っぽくなければ白くもないな、茄子の英名を使っているというのに。もしかしてそれを知らなかったのか。しかしここはあのリアルチートが死に戻る場所、こいつが特別弱いだけだろう。状態異常の存在を示すアイテムを得た所で元いた道へと戻り先へと進む

 

「【エッグプラント】ばっかだな」

 

 見える敵の殆どは道の端にいる固まっている【エッグプラント】のみで稀にそれへ近づく頭程の大きさを持つ蝿のモンスター【フライ】がいる程度だ。その【フライ】にしても別段すばしっこいわけでもなく刀を振るっていると勝手に当たりにくる。数で押されそうな集団を避けながらそのモンスターを相手にし続けていればすぐにレベル上がった。

 レベル3になってしまったな。他を知らないから分からないが強さのわりに経験値が多いと思う。こんなに簡単でいいのか?取りあえずは戦闘慣れしないと、実戦での打ち刀の振り方とか避け方とか探ろう。帰ったら他の武器も探して見るか。

 そんなことを考えながら進んでいると、この果樹園で初めて視界の開けた場所についた。その奥には植物の屋根が消えた広場の様な場所がある。広場に出て周囲を確認しているとすぐ近くでガサガサガサッ!と大きく草木の揺れる音がした

 

「ッ!?」

 

 ビクッと体を震わせながらそちらを見ると木の実が一つ落ちていた。それは先程市場で見た人気の果物だ

 

「【レムの実】か、果樹園で収穫できるが5000リルが必要な高級果実だな。市場にも出るが値段はお察しって奴だ」

 

【レムの実】

アルター王国の特産品。苺の味と林檎の食感を合わせたような果実

※原作開始時点で一つ500円相当。1リルは凡そ10円

 

 レムの実をポケットに仕舞うと改めて見ますがやはり何もない。【エッグプラント】がいたりしないだろうか。そんなことが考えられる程に余裕がある。

 

「何で“初心者殺し”なんて呼ばれてるのか全く分からんな」

 

 本当に何もない開けた場所だった。森を見ても先を見ても何も見つからない。蟲の声も大きくなってきた。

 もう帰ろうと足を上げようとしたその瞬間、刀が光を反射させた。まだ体は動いてはいない、太陽だってそんなに早くは動かない。その異常に気付き光の原因を見ようと振り返った

 

 視界に黄色い何かが映った

 

 直後、右腕に痛みを感じた。傷跡を抑えながら奥の広場へ顔を向ける

 

「蜂か…」

 

 そこにいたのは猛禽類程の多きさをした巨大な蜂だった。羽も針も模様も幼いころから見てきた蜂だと分かる。

 【ギガントビー】、ね。さっきの突撃コースは心臓直撃だぞ。振り返ったおかげで死なず済んだ訳か。光が反射した時点で回避すべきだったな。

 体格通り人の肉なら容易く噛み千切ってしまうだろう大きな牙をカチカチと鳴らしている。非常に警戒しているのを見ると知らず知らずの内に奴等の縄張りにでも入ってしまったのかもしれない。ブブブブと羽音を立てながら細く鋭い針の付いた尻を持ち上げる。

 それを攻撃の予兆だと判断し横へ跳ぶと【ギガントビー】がすぐ横を通る。振り返る【ギガントビー】は変わらず羽音を立てながらこちらを見ているのみ。己の命を狙う存在、命を奪える力を持つ存在を知覚して今更になって恐怖を覚える。今までのVRとはかけ離れてた光景にモンスターの殺気さえも感じとってしまったのだ。

 再び羽音を立てこちらへ飛んでくる。今度は予備動作もなく突撃を見て認識した後に跳んだ。そのためか右肩を掠めはしたものの入口の方へ跳べた。蜂であるなら集団で動くはずだ、既にフェロモンも撒かれている可能性を考えると逃げるのが最善手か。こんな奴等を数百も相手にできるかよ

 

「くそッ!」

 

 己に奮い立たせるように叫ぶと入口へと駆けだした。今までの攻撃を見るかぎり【ギガントビー】は直線にしか突撃できない、普通に飛んでる時は分からないが少なくとも中に入れば攻撃は当たりにくいはず。必死に走に走り、後ろの【ギガントビー】は狙いを誤ったのか大きく前へ飛び出した。

 全力で逃げてるのにあいつは軽々と追い越しやがった。俺の敵う相手ではない、相手にするべきではない。蟲のモンスターは集団で襲いかかってくる種が多いし蜂なんてその筆頭だ。ここに状態異常が加わればそりゃあいつも死ぬだろうな。

 【ギガントビー】はその勢いのまま此方へ旋回し突撃する。奴の機動は直線だ、修正するのには俺が考えていられるだけの時間がかかる。この角度なら少し横に動けばいい。その読み通り【ギガントビー】は機動を変えることができず横の木に突き刺さった。その直後に黒い何かが正面を横切って行った。あ、危ないな。驚いて少し速度を落としたが問題はな―――

 

「がっっあぁぁ…!」

 

 突如身に訪れた激痛に立ち止まった。熱い、熱い、熱い。見れば左の脇腹に幾度となく斬られたかのような穴ができている。それは小さくともされど奥の景色が見えてしまう穴、そこははっきりと赤より紅い血化粧で覆われた自身の肉があった。足元には片羽を紅く染めた【ギガントビー】が地面に突き刺さっている。さっき失速で狙いを付けられたのか。なんで痛覚オフにしておかなかったかなぁ。

 痛みの中でも、いや痛みの中だからこそ冷静になっている。死への恐怖が、生への渇望が生きろと叫び、冷静を得ている。さっきの広場での襲撃が無ければ襲いかかる恐怖へ立ち向かう覚悟も決まらず、生きようと言う決心もなく、炎に、溶鉱炉に、太陽に飛び込んだかのようなこの激痛を受けて尚動く意思などなかっただろう。ただただ叫び、喚き、泣き、恐怖と痛みと絶望を受け入れて潰されていたことだろう

 

「ぐぅぅぅ…」

 

 蜂は集団で襲いかかるのを理解していながらその一匹のみしか意識していなかった自分を愚かに思う。熱く激しくなってくる腹部の痛みを耐えて歩みを進めようとするが前方からまた別の【ギガントビー】が現れ此方へ牙を見せつけてくる。それを見て咄嗟に刀を振るうがそれは素人でも下手だと分かる物だ。それは体に命中したが弾かれてしまう。しかしその一撃により【ギガントビー】の機動は変化して先程までの様に体を掠めていくことはなかった。

 後ろから【ギガントビー】達の声がする。迫る奴等から逃げるために痛みに耐えながらも再び駆け出していく。避けるの精一杯で今の俺では攻撃など通りもしない、そんな状態だというのに今死ぬ気がしないのはなぜだろうか。【ギガントビー】を見てもう一つ気付いたのは、突撃しかしてこない変わりに恐ろしく飛行速度が増している。見てからでも反応できないほどでもないが避けきることもできない。恐らくスキルによる効果だ。俺は持っていないというのに羨ましいことだ。今なら確信を持って言えるが怪我がなければ直線に飛ぶこいつらなら流せる。パニックになった結果か、この状況でもあいつらみたいなスキルがあれば変わるかもしれないのに。無い物強請りをしてもしょうがないか

 

「どんだけ、いんだよ」

 

 再び【ギガントビー】が現れるが今度は3匹だ。しかしご丁寧に3匹とも尻を持ち上げている。まともに振るえない今は素早く立ち上がれる様に刀を逆手に持って今度も地面に倒れる様にして避ける。倒れた衝撃と地面との強い摩擦で横腹が激しく痛むが気にしてる暇は無い。そんなことを気にしてれば【ギガントビー】に殺される。痛む体に鞭を打ち急いで立ち上がる。【ギガントビー】の姿がないことを確認すると立ち上がる際に見えた何かを確認する。左前方に見えた黒い奴はどう見ても此方へ転がってきている。一見岩のように見えるが体に存在する節と僅かに跳び出している足を見るに小さな岩ほどに大きなダンゴムシのようだ。だがこれ以上速度は上げられない、止まれば追いつかれる、道を逸れれば【フライ】や【エッグプラント】が邪魔をしにくる

 

「くッ!」

 

 敢えて道を逸れて行くことを決めた。一番弱く対応も簡単なのは奴等だ。【エッグプラント】の根元を避け【フライ】を追い払い時折襲いかかる【エッグプラント】の触手を切りながら駆けて行く。ダンゴムシは【ギガントビー】の前足に鎌を付けた様な見た目の蜂を跳ね飛ばしながら俺の前を通り抜けていく。

 これであのダンゴムシは避けた。道の方へ戻ろう。そう思った時に後方からゴロゴロという何かが転がる音が聞こえた。振り返ると先程のダンゴムシ、【ブラックロール】が転がってきている。僅かにだが傾いている斜面で速度が上がっているのか加速していてこの距離では避けられない、そうと判断して少しでも逃げようと後ろへと跳ぶ

 

「ッ、アぁああァッ!!」

 

 しかし相手は小さな岩程もあるのだ。避けることなどできず衝突した。その体を蹴る事は出来たからか衝突による大きなダメージはなかった。跳んだ、これなら距離を取れるぞ。だが衝撃が無く、だというのに大きく後ろに飛んだと言うことは【ブラックロール】の持っていた運動エネルギーがこちらに流れてきたとも考えられるのではないだろうか。それに気付いた時にはもう遅かった

 

「かはッ…!」

 

 俺は武道や乗馬での経験を生かして受け身を取ろうとするも今までのどの経験よりも速く強く横へ飛ぶという状態と激しい痛みによって綺麗に受け身を取ることできなかった。なにより直前まで安堵をして気づいたのは直前だ。実戦を知っていればまた違ったのだろうが今の日本の一般人が殺し合いを経験しているはずもない。足を付けるが勢いを殺せず後ろへ転がる。転がり転がり、流しきれなかった衝撃は大きく傷だらけの体は強く根を張った木へと打ち付けられる。

 いっ、いた……い……痛い、が…痛いが、だが出れた、道へ出れたんだ。距離も取れたんだ。ならば立て、立てば逃げれる、逃げ、れ……

 

「は、ははは…」

 

 まるで距離など取れていなかったようだ。【ギガントビー】の集団が少しずつにじり寄って来ている。痛みの所為か体もまるで動かない。いや、動いてはいるのだ。ただそれが地べたを這いずる虫の如くあまりにも遅いだけで。そして、ついに追いつかれてしまったようだ。目の前でホバリングをしながらこちらを見ている。内一体がこちらに牙を向け襲いかかる

 

「ッ…!」

 

 大きく穴を開けた腹に容赦なく牙を突き立て、体を振り回して肉をえぐろうとする蜂。腹の中に収まっている臓器に噛みつかれるという経験したくもない激痛に声なき悲鳴を喉の奥で鳴らす。それでも無事なのは惨めな抵抗によって刀が蟲の攻撃を臓器の隅に逸らした事だろう。痛みでその事に気付けなかった今の俺が己の肉に噛みつく蜂を見て思うのはただ一つ

 

 ―――クワレル

 

 腹に憑りついた蟲を噛みつかれた肉ごと引き離しこの地獄を抜けだす方法を考える。最早痛みなど感じていない。俺が感じているのは食い付いた巨大な蟲に対する喰われると言う背筋が凍る【恐怖】だけだ

 

 ―――死にたくない、死にたくない、死にたくない

 

 考えて考えて新たに噛みつく蟲を逸らして離して考えて、目に入ったのはこの身に埋め込まれ未だに眠っている存在。この状況に似合わず青く煌めく一つの宝石、一つの卵

 

 

「<エンブリオ>は皆様の行動パターンや得られた経験値、バイオリズム、人格に応じ、無限のパターンに進化いたします」

 

「色違いでもパーツ違いでもなく、固有スキルも含めて真の意味で無限のパターンに」

 

「それこそが――<Infinite Dendrogram>です」

 

「そう、<Infinite Dendrogram>は新世界とあなただけの可能性(オンリーワン)を提供いたします」

 

 

 あの男は確かにそう言った。これなら、これならこの状況を打破できる何かが手に入る。強大な力、この絶望を切り裂く力。

 そうして思い浮かんだのは椋鳥修一と、かつてに描いた己の小説。自分の妄想を吐き出し自分の欲望を書きとめただけの酷くくだらない自分の自分だけの作品。不死なんて物に憧れた昔の自分も、死にたくないのに死がない人生を嫌がる今の自分も、本当の自分が持ち得ぬ特別に憧れそんな舞台と力を。彼なら、彼女なら、今の状況をどうにかできる。

 修一はこんな状況でも諦めない。そこに強い意思があるならば、どうしても手に入れたい、辿りつきたい何かがあるならばそれが1の遥か遠くにあろうともあの天才は決して諦めない

 

 こんな所で死ぬなんていやだ。生きたい、生きたい、死にたくない

 

「いぎ、だい…ッ!」

 

 苦しい、痛い、嫌だ、生きたい。あぁ、生きたい、生きたい。痛いのに、苦しいのに、生きたい、生きたい、生きたい!

 同時に、頭の中に浮かび上がった言葉を無我夢中に紡ぎだす。このねぼすけ卵に俺の求める姿を言い聞かせるように

 

「エンブリオは……マズダーに、あわぜて…づがたを、がえるんだろ………だったら…がしてぐれよッ!」

 

 俺が叫んだことで蟲達はまだ激しく抵抗する力があると判断したのか一斉に襲いかかる。今の俺は正しく死にかけ獣だ、数で押せばどうにかなるかもしれない。だが同時に痛みのないいまは、希望を持ったいまは何時死んでもおかしくない瀕死の状態で、生物が最も力を発揮できる時だ。あまり人を舐めるなよ

 

「おれに、あいづのような、かのじょのような、ずごいぢがらを…このじょうきょうをどうにができるちがらを、おれが…いぎのごるごとが、できるちからをおれに…」

 

 満身創痍の体を動かし刀を持って駆けだして、襲いかかる蟲達を追い払いその場を情けなく逃げ出していく。だがそれがどうした、今俺ができることなど逃げることのみ。だからこそ叫ぶのだ、心の底から俺が求める力を、俺が生き残るための力を!

 

「まだ死ねない!」

 

 蟲は数を増やしていく、俺如きを殺すために群れを集めて全力を持って仕留めようとしている。俺は死ねない、生きて生きて、元気に暮したい。縮小でくだらないこの命を、与えられたこの名前を残してみせる

 

「俺はまだ認められてない!」

 

 お前を求めるのは期待なんかじゃない、お前は必ず力を貸してくれる。依存なんてしない、俺から生まれたお前を必ず使いこなして見せる。俺自身がやってみせる、やり遂げてみせる。だから、だから俺が戦える力を、奴等どうにかできる力を俺にッ!

 

「俺にくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それが、貴方の願いならば』

 

 スコンッ

 

「……え?」

 

 目の前に誰かがいる。それは一人の女性の後ろ姿だった。俺と【ギガントビー】の間に立つその強く大きな姿を見て安心感で力が抜けていく。既に重くなり始めた体を動かすと横の木に蟲が、【ギガントビー】が刺さっていくのが見える。一匹、また一匹と【ギガントビー】が突き刺さっていき仲間を刺してしまったものもいる。そして音が聞こえなくなった

 

「まだ生きてるわね?」

 

 女性がこちらを覗きこんでくる。彼女の顔を見て最初に飛び込んできたのは先に行くに連れて細く長く伸びた耳だった。共に映るのは海の如き碧い瞳と木漏れ日を受け輝く金の如き髪。それはまるで神話に出るエルフの生き写しだった

 

「ああ、よかった」

「あ、あんたは…?」

「それは歩きながら話すわ」

 

 少しずつ戻る痛みを鬱陶しく感じながら、彼女に体を貸して貰い立ち上がると再び出口へと歩き出す。

 改めて彼女をよく観察する。実際に見るのは初めてな金髪碧瞳、エルフ耳と呼ばれる細長く伸びた耳を持つその姿はRPGなどで見るエルフそのものだ。体に触れる感触からしてに美肌でさらに胸も豊かなようだ。服は緑を基調とし黒や白を使った薄手の物を着ている。スカートや外装は明るい緑の様だ。これは黄緑じゃないな、正確な色は分からないがライトグリーンだがシーグリーンだかミントグリーンだかそんな色だったと思う。白く透き通るような肌によく映えている。腰にはいつの間にか手放していた俺の刀を挿していた

 

「無事かイシュトール!」

 

 見覚えのあるクマがこちらに向かって来ている。あのゲーマーなら既にレベルを上げていると思うが以外と足が遅い。レベルやステータスはジョブ依存だからAGIの上昇値がかなり低いジョブなのかもしれない

 

「何で、ここに?」

「デンドロは凄くリアルな世界で実際に戦闘をして死の恐怖でトラウマにマスターも多いらしい。それでどうしても不安になって戻ってきたらお前の叫び声が聞こえて急いで来た」

 

 嬉しいことを言ってくれる、がなぜだろうな。シュウが相手でもこれが出るのは。こいつが素で良い奴なのは分かるが、どうしても「恐怖」を感じる。そんな俺の様子に違和感を覚えたのかシュウはこちらに確信を持った言葉をかける

 

「お前…痛覚オフにしてないのか」

「……おう」

 

 シュウは察しもいいのだが、気付いていないのか。それとも敢えて触れなかった。気付いていたとしてもこの状況では後に回すべきだ。右側は彼女の体を貸してもらっていて左側は腹に穴が空いている。シュウは着ぐるみも着ているため体重をかけられるように胸や肩の辺りを支えることにしたらしい

 

「それで、そっちの女性は?」

「私は【夢想神姫 スファルフラーメ】、メイデンwithアームズのイシュトールのエンブリオよ」

乙女(メイデン)、そういうエンブリオもあるのか」

 

 今になって気付いたが左手の甲からは<エンブリオ>が消失し、その代わりにと紋章が残っている。だが突然、私のエンブリオ名乗られても困る。理解はしているが実感ができない。こんなに綺麗な女性がなぁ。女性との関係とか学校や職場の人ばかりで買い物のときに店員と話すだけだし。それに良い匂いがするし美人とも可愛いともとれるその顔で至近距離で微笑まれると、ちょっと

 

「そうハッキリと言われると少し恥ずかしいわね」

「聞こえッ!つぅ…」

「もう、重症なんだから大声出したりしちゃダメよ」

 

 うんまぁ、腹は穴あいてるし、地面に叩きつけられて内臓も傷ついてるし、骨折でもしたのか右足上手く動かないし。思い直すと酷い怪我だ。途中から痛覚が麻痺していたのが幸いだった。いやしかし、人間って結構丈夫なんだね

 

「丈夫なんだね、じゃないの。今回は掠り傷ばっかりで大きな怪我は左腹だけだったから無事だったのよ」

「ああ」

「いくら死なないからってもうこんな無謀なことはしないように」

「ああ」

 

 なんというか、世話焼きだな。ただ親と言うより姉と言うか。お姉さん、のほうが近いか?こんな人は傍に居なかったから凄く嬉しい。こうも自然体で接することができる人は珍しい

 

「お嫁さんの間違いじゃないクマ?」

「ふふ、そう言われるとなんだか嬉しいわね。さぁ、もう私のステータスが確認できるはずよ」

 

 そう言われて『詳細ステータス画面』を見ると、『<エンブリオ>』という項目が増えている。チラッと見えたステータスウィンドウには【疲労】【出血】【骨折】の状態異常が見える。かなりの大怪我だな。HP少しずつとはいえ勝手に減ってるのが気になるけど。【骨折】か【出血】、まあ【出血】だろうな。これ見ると死にかけたと実感してくるな、あー腹痛くなってきた、まるで走りすぎて横腹が痛くなってきたかのよう。

 状態異常への考察をしつつ気になっていたエンブリオの項目を開いてみると、スファルフラーメの姿とパラメーターが並んだウィンドウが表示された

 

 スファルフラーメ

 TYPE:メイデンwithアームズ

 到達形態:Ⅰ

 

 装備攻撃力:50

 装備防御力:5

 

 ステータス補正

 HP補正:F

 MP補正:F

 SP補正:F

 STR補正:F

 AGI補正:F

 END補正:G

 DEX補正:F

 LUC補正:-G

 ※装備可能武器がスファルフラーメのみに制限される

 良縁悪縁問わず様々な縁を引き寄せる

 常時痛覚オンになる。強弱の設定は可能

 

 TYPE:メイデンwith~

 基本形態が人間の女性型、必ず他のカテゴリーを一つ併せ持つハイブリッド型の<エンブリオ>で、傾向として、初めから「頭では理解していても、心のどこかで<Infinite Dendrogram>の世界をゲームだと思っていない」人や「<Infinite Dendrogram>の世界の命が現実と同じ重さを持つ」と考えている人に発現することが多い。

 装備攻撃力、防御力は通常武具と同じくスファルフラーメを武器として使ったときの数値。武器としての形は刀。ステータス補正は<エンブリオ>、つまりスファルフラーメがいるだけで常に掛かるステータス補正。固定値でなく%の補正で普通ならばGが最低ランクの補正とのこと。レベルアップ時に成長するステータスもこの補正を受ける、と言うのが本人談。

 うん、死にかけて「生きたい」と願ったんだからメイデンになるのは当然といえば当然だな。装備補正は極端、ステータス補正はマイナスか

 

「<エンブリオ>はステータスかスキルのどちらかに比重が傾いているわ。スキルに片寄っていると数が多くなったり強力になるけどそれがあまりにも強力になるとステータスにマイナス補正がかかることもあるの。私もその将来的にはそうなるのでしょうね」

「そんなに酷いのか?」

「LUC補正がマイナス、装備可能武器が私だけ、とかかしら」

「装備可能武器の制限はかなり大きいな」

 

 スキルが強力だから武器制限やマイナス補正があるのか。それが載っているだろう『保有スキル』という項目も見つかった…んあ、奥に人影がある。結構速いな。所で痛みが本当に鬱陶しくなってきたんですけど、腹痛とか風邪のダルさとか今後は気にならないだろうレベルなんですけど。そこで漸く俺は疑問を覚えた。

 あれ?そういえば肩を借りながら歩いてきたけどモンスターが一体もいないっておかしくないか?

 

「言われてみれば、この辺りは【エッグプラント】の群生地だから何もいないのはおかしいわね」

「そうなのか?俺が来た時には何もいなかったから気にしてなかった」

「ッ!!」

 

 その時、言葉に言い表せない様な強い危機感を覚えた。逃げなきゃ、そう必死に動こうとするが重症を負った今の俺では認識ができたとしても体追いつかない。時間が遅くなったかの様な世界を中で視界の端に白く光る何かが映る。それは2mを超える長さを持つ巨大鎌だ。死神の鎌は俺の、俺達の首目掛けて迫りくる。あぁ…結局死ぬのかぁ……

 

「イシュトール!」

 

 ここで死ぬのかと諦めかけたそのときスファルフラーメが俺を突き飛ばした。世界は元の時間を取り戻し俺は地面に血溜まりを作る

 

「ぐう、ぅぅぅぅ…」

「【キラーマンティス】か」

 

 さっきの人影の正体だろうか、声が聞こえる。痛みの中どうにかその声の主を見ようと重い体を動かして顔を動かすと何かが光の粒子に変わっていくところだった。恐らく【キラーマンティス】と呼ばれたモンスターだろう

 

「無事ですか!?」

 

 光が収まりこちらへ影が駆け寄ってきた。しかしスファルフラーメやシュウの姿が見えない

 

「お、お腹が……ッ《ファーストヒール》!」

「《フォースヒール》」

 

 その代わりに目に飛び込んで来たのは柔らかな金色の髪を持った少女だった。彼女と後ろの影が何らかスキルを使ったのか体が軽くなったのが分かる。恐らく回復系のスキルだ、傷が直っていくのが分かる。でもお腹が苦しいなあ

 

「あい、つらは?」

「…今は貴方の治療が先決です」

 

 後ろの影からするのは男の声だ。うん、あいつらは動けないか死んだかか。【キラーマンティス】はレベルが違いすぎたようだ。俺の反応にスファルフラーメが気づいたから俺は無事だったのだろう。彼女は逃げようと思わなかったのかな

 目の前の彼女を見る。スファルフラーメより幼さの残る可愛らしい少女だ。防具を身につけているのはそういう仕事だからだろうか。まるで自分のことの様に凄く辛そうな顔をしている彼女を安心させようとに声をかける

 

「……きれ、いな、かみだ」

「そんなことを言ってる場合ですか!?」

 

 本当に自分のことの様にしているな。今初めて会った男だろうに。ああでも、何でだろう。彼女を見ていると心が安らぐというか、安心するというか。娶ってくれる人がいるのがこんなに嬉しいとは。同時に純粋で優しい彼女を悲しませたことが凄く悔しくて悲しい

 

「すぐに治療してもらいますから待っててください!」

 

 少女は俺を持ち上げると外へと駆けだしていく。想像していたより彼女は力持ちで、でも体に痛みは感じない。彼女の細く小さな腕の中は先程よりも安心する。だけどHPがもう駄目だと伝えている

 

「死ぬ、やつに…なに、言ってんだか」

「死なせません、絶対にしなせません!」

 

 また御大層な願いだ。だが、良い娘だ…でもな、自分がもう間に合わないことなんて自分がよく分かるさ。それこそ蘇生や巻き戻しの様な技でも使わない限りな。病気みたいに猶予も無いし意思を強く持っても意味はない。今は生きたいとか死にたいとかでもない。自分が薄れ消えてゆくような。そんな薄れゆく意識の中でポケットの中に仕舞われた【レムの実】を弱弱しく握る

 

「ダメです!眠ってはいけませんッ!!」

 

 その違和感に気付いた彼女が目を閉じてゆく俺へ大声で呼びかける。今も生きてるその木の実を彼女へ差し出す。彼女が受け取ればアイテムの権利は彼女の物となり、俺が死んでも回収されることはない。

 己も気付かぬ合間にこの世界に来ると、この世界に居たいと思ってしまっていた。強い眠気の中その事実に気付く事はなく、先の決意を果たせなかった事に対する謝罪をして彼はその最後を迎えた

 

―――ごめん…君、シュウ、スファルフラーメ。俺……何もできなかったよ

 

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 

 

□■□

 

【パーティ全滅】

【蘇生可能時間経過】

【デスペナルティ:ログイン制限24h】




 死因:出血ダメージ
 お腹の傷は塞がってもそれ以外は塞がってませんから
 騎士団入団して殺害経験どころか人死を目撃した事が無い設定の彼女にはそこそこ深い傷ができた模様。必死に助けようとした相手が目の前で死ぬ、助けたくても助けられず握った手から零れ落ちていく光景は14歳の少女の心には大ダメージだ。
 これで一月以内に山道で行方不明になるのが確定している主人公に、騎士団という殉職率高いだろう職に、この作品でも結果的に戦争で死ぬ父親がいるため肉親を失うことが確定していて、幼い妹という生きていて嬉しいけど生活の負担になる、むしろ負担を背負いに行くだろう彼女にこの仕打ちとは。文字に起こしてみると重い設定だな?


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リリアーナ

前回エンブリオが生まれてなかったらアームズは絶対に出てこなかった。ガードナーが出た場合はエンブリオへ依存しだしメイデンもアポストルになってた。チャリオッツ、テリトリーでは内側へのひきこもりが悪化してさらに本心を隠すようになる。キャッスルは特に変化なし。初っ端から地雷が埋まってるという。元から武器にすることが決まってなかったらアンケート機能使っていたかも?という裏話



「………」

 

 うん、死んだな。

 横になった体を起こしそう呟く

 

「ふぅ…」

 

 しかしディスプレイに、【ペナルティ期間中です。あと23時間54分56秒】と表示されるのみだった

 <Infinite Dendrogram>にログインしようとするが当然の反応である。ログイン制限を受けてなぜすぐに入れると思ったのか。

 

「出血死か、ショック死か。致命傷の腹は治療してもらった、他の要因は病原菌か。あんな蟲がいんならウイルスやらバクテリアやら寄生虫だって馬鹿げた強さを持っててもおかしくないか。もしくは植物の方か?」

 

 死因となりうる物が多すぎるんだよなぁ。治療しきれていなければ出血死するし、驚きや恐怖のあまり血圧上昇したりアドレナリン分泌されすぎてショック死したり、傷口や呼吸による吸引で他の物を体内にいれたり。フライとかデカイ蝿だし病気とか寄生虫持っててもおかしくないしエッグプラントとか毒が気化して散布されたり根で苗床にするとかありえそうだし、繁殖の仕方は種とか胞子ならいつ吸っててもおかしくないし、まさか分け身とか。低レベルだとほんと何もかもが死因になるな

 

 一通りの死因の考察を終えると次に出てくるのはスファルフラーメと防具を付けていた人たちだ。スファルフラーメにはまた助けて貰った恩があるし後でお礼を言わないと。少女にも治療してもらったりとか恩があるしお礼をしてこないとなぁ、でも目の前で死んだ事になるんだろうけど大丈夫だよね?男性の方はこう言っちゃあれだけど見慣れてるだろうけど少女の方は引きこもりになったりしないよね?今後の地雷を踏み抜いたりしないように気をつけないと。

 シュウはたぶん大丈夫だよね?あいつだしたぶん生還能力も高いだろ。あの状況なら即死さえ回避できればたぶん生きてる可能性は高いと思うんだけど

 

 一度深呼吸をして、ベットの側面に腰をかける。ログイン制限を受けて入れないなら今の内に考えを纏めて、次のログインに対する準備をしよう、と思ったがこのままでは暫くベットから出ないだろうからカーテンを開けよう

 

「眩しい」

 

 目に注がれる陽光から逃れようと再び寝具へと倒れ込む。時計を見るとまだ朝だ。時間に余裕はある。その日の朝に入ってその日の朝にログイン制限を受けるとは

 

「スファルフラーメ、か」

 

 ベットから下りてデスク脇にある箱へ向かう。今まで放置されていた使わなくなった教材の下から取り出したノートは私の恥ずかしくて封印したくなるほどのノートだ。設定は酷いしキャラ作りは滅茶苦茶だし、自作小説と言うのも憚られるような普通に設定纏めた方が面白いと思える代物だ。なんでこれを同人誌に出したのだろうと思う。たぶんこの後また封印されて数年後ぐらいに発掘されるんだろう

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やぁやぁ元気だったかい?」

「何の様だ、エルフォルン」

 

 

白い肌に白い翼に白い服、天使の如き姿をした彼は玖音を吸血鬼として転生させた者だ。幼い少年の姿をしているが今までの苦労のほぼ全ての原因を担うほどに力の強い神だ

 

「ぶー、そんなに怒らないでもいいじゃないか」

「ついこの間、戦争の真っただ中に出されたのは忘れてないぞ」

「平行世界の自分は見れたでしょ?」

「見せてと言った覚えはない」

 

苦しそうに仲間に死ねと命じる自分の姿など見ていて楽しいものか。そう文句を言うが彼はそれさえも楽しんでいる様に見える

 

「それで様は何だ。ないなら帰れ」

「そうそう、これだよこれ。はい」

 

彼が懐から取り出したのは金色に輝く刀を取りだした。彼は鞘から抜いて玖音に見せつける

 

「これは?」

「魔剣ティルウィングの原典だよ。ちょっと手を加えたから聖剣になっちゃったけどね」

「…性能は?」

「祝福によって所有者を守る力を持つよ。凄い切れ味とか狙ったものは外さない力は切断っていう性質になってる。後は願いを叶える力かな。」

 

それだけならばただの凄い刀で終わるだろう。だがあの剣は悪魔の契約と同じだ。

ティルヴィングは黄金の柄によって装飾され、決して錆びることはなく、岩や鉄をも布のように容易に裂く切れ味を誇り、狙ったものは外さない。しかし制作者たる二人のドヴェルグはその剣にある二つの呪いをかけた。

一つ。この剣は一度鞘から放たれれば、誰かを殺さなければならない。

一つ。この剣は所有者の願いを三度叶えるが、必ず所有者の命を奪う。

即ち神話のドワーフの手によって呪われた魔剣なのだ。その剣の原典など赤子が振るっても神殺しができそうだ

 

「安心して、必ず願いを叶えるわけじゃないから呪いの力は弱くなってる。精々が所有者の命と引き換えに相手を殺す程度だよ」

「それ方向性が変わっただけだろ」

「大丈夫、君なら扱える!」

「そんなことは聞いてない」 

「狙ったものは外さないから概念も切れるんだよ。聖剣だから祝福があるんだよ。いらないの?」

「要らないな」

「でもでも、鞘はあらゆる害を切り裂く力を持つんだよ」

 

その言葉にピクリと耳を動かした。そしてそれを見逃すエルフォルンではない

 

「これがあれば今までの生活とはおさらばだよ」

「…何が目的だ」

「何も。今まで楽しませてもらったお礼に休暇をあげたいだけだよ」

 

この刀の鞘は害を切り裂く。刃は概念さえも切り裂く。願いを叶える力に呪いの変化。そうした力が無くともこれが良い刀であることは分かる。だがエルフォルンが持ってきたという事実によって一気に胡散臭くなる

 

「じゃ、そういうわけだから!!」

 

そういい残して返ってしまった。原典を置いていったまま

 

「他のやつが持っていっても面倒だし保管しとくか」

 

刀の保管のため刀を手に取ると刀は大きな魔力を放出した。魔力は次第に形を取り一人の女性となった

 

「初めましてマスター。私はこの刀に宿る精霊よ」

 

その精霊はエルフの姿をしていた。耳は長く金髪の碧眼であった。

魔力の質も同じ、放出量ともつりあうか

 

「マスターになったつもりはないのだが」

「そう…ならせめて私に名前付けてくれないかしら」

「まぁ、保管するにしても名前はいるか。名前は、そうだな―――」

 

―――スファルフラーメ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 パタンっと、ノートを閉じて元の位置へと戻す。改めてこれは酷い作品だと言える。彼の神を警戒してるのにその神の手が加えられた剣を警戒しない所とかもうちょっと話を広げられたんじゃないかなと思う。しかもここで終わりで先は一気に時間が飛ぶという

 

「スファルフラーメ容姿、なんで書かなかったかな」

 

 俺のエンブリオになるって分かってたら絶対書いてたよ。

 ああ、エンブリオと言えばメイデンの名を冠するだけあって女性型だったな。別に当時の男尊女卑を考えれば男装した王もありえなくはないからそこはいいが。気になるのは原典のスファルフラーメは王の事だがあの王にあんな能力はない。もちろん魔剣ティルウィングにも存在していない。

 じゃあなんでそんな能力を持ってるか。そこにエンブリオの特性が加わるんだろうな。空想具現化、後は種類や誕生の経緯か。記憶も精神も経験も、あらゆるものを参考に生まれるのがエンブリオだ。現実の神話や伝承に関わる事なら、根本が覆され完全に別物になっていないなら、記録に無い伝説の武具もエンブリオとして具現化されるのかもしれない。それとも空想具現化で成りたたせているのか?

 

「いろいろ気にはなるがとりあえず飯にするか。腹減った」

 

 そう呟いて先に昼食を用意しようと冷蔵庫へ向かおうとした瞬間、インターフォンが鳴った。あの音を聞き間違えるほど耳は衰えてはいないがタイミングが良さに疑ってしまった。

 インターフォンと言えば修一の家は長女の手によってフ○ミマの入店音だった時があったな。管理人室に行き呼び鈴鳴らすと入店音、中でドタバタと焦った音が聞こえてきてあれは笑ったぞ。返玄関へ向かい相手が椋鳥修一であることを確認するとドアを開ける

 

「お、やっぱりいたか」

「飯おいてけ、あと何の用だよ」

「冬眠できなかったクマかよ」

「そのネタはもういいから」

 

 修一の飯は美味しいの一言ですまないときがある。つい最初に出てくる言葉が飯になるぐらいには美味い。初めて修一の作った餃子を食べた時はご飯とみそ汁もセットで四人前だか食ったんだったか。その所為で今もクマネタ使われるが、クマはお前じゃねえの?

 リビングへ戻り机の上に料理を置いてもらうとそれを口に運ぶ。うん、美味いな餃子。なんでこうなるのかまるで分からん。焼く炒める揚げる煮る蒸すと一通りできるがなぜこうも違うんだ。やっぱり下味とか下ごしらえとかかな。芸術とも言うべき料理を味わっている所で修一が声をかけてきた

 

「それで、あの後どうなったんだ」

「見ての通り死んだよ。目の前でな」

「救助に来た人達の目の前でか」

「そういえば蟷螂は?」

 

 【キラーマンティス】の攻撃避けたのか、という意味で聞いたがうまく伝わったようだ。攻撃は見えたが体が追いつかず回避できなかったとか。ちなみに着ぐるみを着ていなければ反対からの攻撃は避けれたらしい。それつまり着ぐるみ着てなくても避けれなかったことじゃないですかやだー。

 そう言ったら攻撃は先読み出来ていたが足下に穴を空けた蟲達に殺されたという事実を聞けた。【キラーマンティス】の位置低いのは切られたとか考えてたけど穴に落ちたからかよ。つまり【キラーマンティス】を足場にしても足下の蟲に集られて一緒に喰い殺されると。こいつ殺すなら二段・三段構えの罠がいるな。

 そして修飾語が抜けていたのにあの人達だと分かった修一の理解力も凄い。あの状況で誰の目の前で死んだかなんて彼女等しかいないけどさ

 

「すぐ治療してもらうとか、絶対に死なせないとか言ってくれたんだが…」

「治療が間に合わなかったと」

「ああ、それで彼女随分と酷い顔をしていてな。こっちが悲しくなるよ」

 

 あの子、結構精神ダメージあると思うけど大丈夫かな。復帰できてるといいんだけど。死んだりしてないよね。まさか…いや、でもなぁ

 

「どうした?」

「死ぬ直前に渡したレムの実どうしたのかなって」

 

 誤魔化で言ったけどそういえばレムの実はどうなったのかな。もしマスターだと気付いてなかったらあれが遺品として墓に飾られてしまうのだが。気付いたら自分の名前が墓に刻まれていてその目の前にポツン、とレムの実が一つ置かれている。悲しいなそれ

 

「掲示板、見てこいよ」

「掲示板?」

 

 修一に進められるがままに掲示板を覗く。あれって公式掲示板がないから良いサイト探すのが大変なんだけど。この掲示板の、アルター王国のスレ―――

 

「俺、後であの子に会いに行くわ」

 

 小さく静かに、だが確かな意思の籠められた言葉を発した。そこには、こう記されていた

 

 

 

 ティアンの少女が泣いてるから保護者らしき人から話を聞いたら治療が間に合わずマスターを見殺しにしたってんで泣いてるらしい。腹に向こうの景色が見える程の大穴なんて開ければ普通諦める所なんだが、必死に救命しようとして…

 でもこれはクエストとかじゃなくて、彼女自身が悲しいと感じて悲しいと思って泣いているんだ。ただNPCにこんな事できるか。俺、もうただゲームとは思えなくなってきたんだが

 

 

 

 

 

 昼、早めの昼食を済ませた久遠は次のログインに備えて冷蔵庫を覗く。野菜、肉、魚は十分な量が保存されている。

 お茶と卵と調味料が少ないな。それに缶詰やレトルトみたいな保存食の類も買っておくか。努力はするがこの生活が続くとなれば調理時間も限られてくるだろう。馴染みのお店でセールが行われるのはもう少し後だ。今の内に他の物を済ませよう。

 ログインのために早々に動き出す。靴下や襟汚れへの下洗いをして洗濯機を動かす。部屋の掃除をしてゴミ箱からゴミを集める。 少し散らかった物を整理をして、いらないと断言できる物はゴミ袋に直行。空いた時間に久しぶりに木刀を取り出して振るったりして、洗濯物を干して、また木刀を振るい。セールに向かう。追加で安くなってたお米とパックご飯を買って晩御飯を食べて風呂に入る。その日は早々に眠ると翌日ペナルティが解除された<Infinite Dendrogram>へログインする。

 俺は確かに死を体験しあの世界に行くのは非常に怖い。だがそれ以上に彼女に礼の一つも言えないのか、と思うと勇気が湧いてきた。いや、この表現は少しおかしいのかもしれない。お礼を言うだけ、そう考えてこうなるなら俺は戦闘が無いと思っているから、死ぬことが無いからと考えているからかも知れない

 だからいつもの言葉を言う。分からないときは、見失いそうなときは、己を奮い立たせるときは、この言葉を使うことが多い

 

「あまり一つの向きに拘るな。死はあくまでも一側面、こちらでもそれは変わらない。下ばかりでは地面しか、後ろばかりでは過去しか見えないんだ」

 

 後ろを見ぬ者は過ちを繰り返し、前を見ぬ者に先はなく、今を見ぬ者は無知である。そのために全体を俯瞰して外から見る力がいる。

 今も逃げている。他人から逃げて、現実からも逃げようとして、あの世界からも逃げようとしていえる。生物として死を避けるのは当然と言える。だがそれは全てから逃げるための大義名分にはなりえない。いずれ向き合わなければならないのことだ。だからといってそう簡単に死ぬつもりなどない。俺はこの世界でもあの世界でも生きるのだから

 

 

 

 <Infinite Dendrogram>では三日過ぎていると聞く。場所は大噴水広場、時間は昼のようだな。昨日より人が増えてる気がする

 

「デスペナルティ明けだとセーブポイントからのスタートか」

「……イシュトール」

 

 俺の足下まで伸びた人影の先には人間形態のスファルフラーメが立っていた。少し間を開けて立つ彼女の顔が以前より暗く見えるのは日差しだけによるものではないだろう

 

「その、ただいま」

「……ええ」

「………」

 

 その言葉に対する返答には間があり出てきた言葉も非常に弱々しいものだった。

 どうしよう、かなぁ。身を捨てて助けてくれたのに直後に死んだとか。あーうー、どう声をかけたらいいんだろう。ああでもなぁ

 人生を通して大勢との関わりが少なかったイシュトールには半身と呼んでも過言では無い彼女にどう声をかけていいのか分からなかった。そんな中、その空気を破る一声がかかった

 

「あ、あの!」

「え?あっ…」

 

 その少女は昨日の死に際に見た少女だった。暗い顔ではないがどう接すればいいか困っている顔だ。

 どう対応すればいいんだろう。掲示板民の熱心な情報収集によると、リリアーナという名前らしいが。って現実逃避してる場合じゃねぇ

 

「その…この前の方々ですね」

「あ、ああ」

「ええと、あの…」

 

 彼女も話辛いのか口籠ってる。そう思うと少し気が楽になった。冷静になると周りから注目されている事に気が付いた。ここではまずい、場所を移さなければ

 

「えっと、どこか落ち着いて話せる場所を知らないか?」

「こ、こちらです」

 

 少女はこちらの手を引いて案内をしてくれる。いや、それ自体は構わないのだが周りからの視線が痛い。浮気とか隠し子とかそんな昼ドラ的な展開を期待されてるような気がする。その目を本当にやめてくれ

 

 

 

 そうして連れられてきたのは貴族街に近い場所にある飲食店だ。なぜか自分より幼い子に支払われる状況になっているが、店員は特に何も言わなかった。変な誤解されてないよね?

 奥の席に座るも何をどう話せばいいか出てこずに無言となってしまった。カフェとか本当に一度も行ったことないし余計にどうすればいいかわからない。どうしよう、取りあえず昨日の事を話せばいいのかな。あーどうすればいい。

長い長い沈黙の後俺は意を決して口を開いた

 

「…先日は申し訳なかった。二人とも、俺達を助けようとしてくれたのに無駄に終わらせてしまった」

「い、いえ、それは私が至らなかったからでその、こちらこそ申し訳ありませんでした」

「私も貴方のエンブリオでありながら突き飛ばすことしかできなかった」

 

彼女たちもそのことを気にしていた。少女は辛そうに悲しそうに俯き、スファルフラーメは自らの無力さを攻めるように唇を噛み締める。俺はスファルフラーメから声をかけた

 

「まず、スファルフラーメ。俺はお前がいなかったら既に【ギガントビー】の群れに蜂の巣にされていた、もしくは【ブラックロール】に引き殺されていただろう。あそこまで生き延びることできたのはお前のおかげだ。ありがとう、スファルフラーメ」

「で、でも私は! 私は…貴方の生きたいという思いに、応えることができなかった……」

 

今のスファルフラーメにあの時の頼りになる姿はどこにもなかった。自らの分身たる彼女のそんな姿を見ていられずさらに声をかける

 

「俺はお前に助けられた。「あの時の生きたい」という願いは叶えられた。その後に「生き残れなかった」だけだ。願いは叶えられた」

「でも、貴方は生きて帰りたいと」

「それにな、俺は力を求めたが守ってほしいと願ったわけじゃない。俺自身が戦う力を求めた。痛覚を弱めれば戦えたはずなのに、俺は見ていることすらできなかった」

 

その言葉にスファルフラーメは言葉を詰まらせてしまった。助けてほしいと願ったならばガードナーのエンブリオになるはずだ。だが、彼女はアームズのエンブリオとして生まれた

 

「お前が気にしてるのはわかる。俺から生まれたんだ、全てでなくとも分かる。自分は何もできなかった。だからこれは自分の所為だ、と。」

「はい」

「だが、俺はあそこまで生き残れたのはお前のおかげだと、せっかくお前がくれた機会を無駄にしてしまったと考えている。だから、これは俺達が至らなかったということにしよう。そして今後も俺に手を貸してくれ、支えてくれ。俺は「力を貸してくれ」と願っただろう?」

「…ええ、そうね。貴方はそう願ったんだもの。必ず貴方の力になるわ」

 

スファルフラーメは力強く返事をした。元気になってくれてよかった。実は俺が離れてたら犠牲なくいられたのではと思ってたことは言わないでおく

 

「それで君の方だが…」

 

女の子の方を向き声をかけたが、声をかけたが…どう切りだしたものかな。初対面があんな形になるとなぁ。あんな形なんて初めてだし。そう考えていたらスファルフラーメが仲裁に、仲裁なのか?に入ってくれた

 

「まずは自己紹介からしてみてはどうかしら」

「そう、だな。俺はイシュトール・オルバスだ。彼女はスファルフラーメ」

「イシュトールのエンブリオ、スファルフラーメよ」

「リリアーナ・グランドリアです」

 

マジで合ってるよ、掲示板民すげーな。よく実名を聞き出せたものだ。その努力はちょっと別の場所に向けて貰えると嬉しい。俺が死んですぐの上たいから聞き出すとか口が上手いと言えばいいのかリリアーナ達の口が緩いのか。ってそうだよ、もう一人いたじゃんその人どこに行ったんだ

 

「昨日、じゃない、三日前に男の人もいなかったか?」

「彼は父の同僚です。父がアルティミアの護衛をしているのでその間お世話になっているのです」

「護衛?」

「えっと、この国の騎士団長で第一王女の留学のためにドライフ皇国にいるのですが…」

 

騎士団長って……凄い人の娘だった。しかも今第一王女と思われる人を呼び捨てで呼んだぞ。俺、首飛んだりしないよね

 

「三日前に初めてこの世界にやってきたから、それ以前の事情はそれほど詳しくないんだ」

「そうですか。三日前に…」

「納得してないか。俺達が死んだことに」

「分かりますか?」

「分かりやすいな、とっても」

 

リリアーナも自分は俺を救えなかったと思ってるのだろうか。そうだとしたらそれは違うと伝えてやらねばならない。

 

「俺はさ、死にたくないと思った。生きたいって走って足掻いて大怪我しても、それでも必死に足掻いてきた。【キラーマンティス】に襲われて死にかけて」

「ッ……」

「けどさリリアーナが助けに来たときは凄く安心した。嬉しくて嬉しくて、安心したんだ。死にたくない死にたくないって必死こいて生きようとしてたのにさ、自分の死を受け入れられた。俺はお前に救われた。体じゃねぇ、俺の心が救われた」

「そう、でしたか」

「リリアーナは確かに俺を救ったんだ。それなのにそんな顔されちゃ俺の方が申し訳なくなってくる。お前にそんな顔させちまったのが問題なんだ。だから笑ってくれ。その、お前は笑って方がいいからさ」

 

その言葉にリリアーナは暗い顔を上げて小さく笑うと言葉を返す

 

「ふふっ、それ口説いてるんですか?」

「そうじゃない。俺に幼女趣味はない」

「私はもう14ですよ」

「俺は19だよ」

 

もうってなんだ。子供が大人になりたいって表れか、それともこっちでは14が成人なのか

 

「俺があっちで世界で20になるとお前は17か」

「あちらの世界ですか?」

 

あっ、設定は“マスターは頻繁に別世界に飛ばされる”しか書いてないんだった。ティアンはゲームの謳い文句で来てるとは知らないからマスターと同じ対応をしても通じないよな

 

「マスターが飛ばされる世界は大体同じなんだよ。ただ時間の流れが違うんだ」

「へぇ、そうなると6年後には一つしか違いませんね」

 

この当たりの時間の差が暮らしにくいだろうな。今後もこっちにいるとなるとそれには慣れないといけないな

 

「こっちでも生きるつもりだが、死ぬなよ。お前みたいな奴が早死にしたら目覚めが悪い」

「イシュトールさんも死なないでくださいね。ってマスターに言っても本当の意味では死ねませんよね」

「ああ、今は死ぬつもりはない。この世界のことを知りたいと思えたしスファルフラーメともいたいからな。死にはせん」

「えっ、それはつまり…お付き合い、とか?」

 

なぜそこまで飛躍したし。その疑問は否定しておかなければならない

 

「異性として付き合ってるとかじゃないぞ。パートナーというか、姉いうかそんな感じだ」

「私も大事な存在であるとは思うけど、そういう感情ではないわね」

「そ、そうですね。ははは」

 

こういう年代だとそうした話に興味があるのだろうか。青春は流れゆくままに過ごした感があってそういうのはよくわからん。そういったものだという認識があるだけなんだよ。

しかしこの感覚は妹、じゃないな。姉、家族…友達、かな、うん。友達か、そっか。口籠りもなくなってるし凄く気楽と言うか楽しいし、友達か。

俺は意を決して口を開く

 

「なぁ、リリアーナ」

「何ですか?」

「俺の友達になってくれないか」

「はい」

 

あまりにもあっさり了承を得られて拍子抜けだった。何も言わなくなった俺を不思議に思ったのかリリアーナはこちらに尋ねてくる

 

「どうしました?」

「あ、いやそれは」

「彼、友人と呼べた相手がいないのよ」

「ちょっおま!」

 

友人がいないことをばらすとはっていうか何で知ってんだお前!?

 

「私は貴方のエンブリオよ。貴方が私のことを知っている様に私も貴方のことを知っているわ」

「ぐぬぬ…」

「そう言うわけで、親しい相手はいるのだけれど友人がいないのよ。それでも大丈夫?」

「はい、構いません。私もアルティミア以外は友人と呼ばれる相手いなくて」

 

これは、よかったと言っていいのだろうか。騎士団長の娘となると知人は多くても友人は少ないようだ。あれ、そうなると一般市民でありながら友人のいない俺は………これ以上はやめておこう

 

「イシュトールさんは三日前に来たばかりなのですよね」

「そうだけど」

「なら、私の家に来ませんか?」

「はい?」

 

この娘は何を言っているのだろうか。襲われるとか考えないのか。親がいないというのに男を家に招くなんて何を考えている

 

「こちらの事情には明るくないそうですし、妹の世話にも手をかしていただければと」

「いや待て待て待てその理由で男を理由にはならないマスターだしそれは別にいい!」

「それにお友達を家に呼んだことがなくて、是非イシュトールさんをお呼びしたいなと」

「三日前を含めて出会ってから一時間もたってないぞ、そこはせめて食事にすべきだ」

「既に食事に来てるわよ。ここは彼女の厚意に甘えさせてもらったらどう?」

 

スファルフラーメが正論を言ってきたぞ。それによく考えたらリリアーナは俺より強いよな。ってなんだその顔、そっちに何かあると……

その視線の先にいた存在に思わず叫びながら指を刺してしまった

 

「おいクマてめぇそこで何やってる!!」

「見ての通り食事クマ」

 

シュウめ、すでに20リルしかなくて金欠の癖になぜこんな所にいる

 

「俺も一度は会いに行く予定だったんだがイシュトールが連れられてるの見たから後をつけてきた」

「お前金欠だろ、というか着ぐるみ屋はどうした」

「店のほうはこれ着てる時点で既に宣伝になってる」

「貴方もマスターだったんですね。先日は申し訳ありませんでした」

「シュウ・スターリングだ。そのことは気にしなくていい」

 

着ぐるみだもんな分からないよな普通。マスターの証も見えないしティアンだと思ってもおかしくはない

 

「折角の厚意を何だから泊めて貰ったらいいクマ。宿なしは辛いぞ」

「金欠で牢屋に泊めてもらった奴が言うと説得力が違うな」

「それは言わない約束だろ」

 

した覚えねえよ。そして店の奥がざわつき始めた。先ほどの会話など既に牢屋のインパクトに持って行かれてしまったようだ。さすがに牢屋に泊めてもらったというのは衝撃が大きかった様だ。牢屋に泊めてもらったマスターとして有名になるがいいわ

 

「やはり無理でしょうか」

「女だけの家に行くのは問題だ。勝手に婚約者だのと噂にされると家族も困るだろ」

「ロリコン扱いされるのも、でしょう」

 

その通り、勝手に婚約者扱いされても困るしロリコン扱いも困る。俺とリリアーナの今後に問題が出るからな

 

「食客として泊めればいいクマ。マスターならその手が使えるクマ」

「おいこら何言ってやがる」

「宿に泊まるとなるとお金がかかるクマ。でも食事を取らないと【空腹】になるクマ。牢屋がいいクマ?」

「お前がクマって言うときは大体からかってるときだよな。そんなに俺をいかせたいか」

「もちろんクマ」

 

たしかにティアンであればマスターを先行投資の意味合いで食客として泊めるのもいいだろう。恩を売れるし、食客の時点で宿を対価に雇ってるものだし

 

「その家の主がいないのにできるのか?」

「今は私が代理の主ですので」

 

母親でなくリリアーナが主なのか。それってつまり……いややめておこう

 

「ほら、そういってるしお邪魔するといいクマ」

「はぁ、分かったよ」

「本当ですか!」

 

【クエスト【食客――リリアーナ・グランドリア 難易度:ニ】が発生しました】

【クエスト詳細はクエスト画面をご確認ください】

 

これ、クエストになるのか。だから進めてきたわけだ。チラリとシュウを見るとがんばれと言ってきた。

こうして俺の居候先は決まった

 

 

□■□

 

「どうぞ、上がってください」

「お邪魔します」

 

ポーチ、玄関、ホール、廊下だ。玄関からホールに下駄箱がある。ホールの横に天地風の襖がある。そのすぐ前に階段と廊下に扉が二つ。外はファンタジーって感じなのに、中は現代日本の家だな。スファルフラーメは暫く俺の中にいてもらおうか

 

「こちらの部屋が天地の和室と呼ばれる部屋です。奥の右手がリビングで反対がお手洗いになります」

 

二階は書斎と父とリリアーナと妹の自室と空き部屋の四部屋。この家は5LDKだったらしい。

借りる部屋は二階の空き部屋になった。玄関から一番遠くで彼女達の自室と反対の位置だからな。本音を言うと和室の布団で寝たかったが、玄関のすぐ横は問題だなと。トイレ等を除いてバルコニーが二階の全部屋に繋がってるのは諦めるか。同僚の騎士には和室で寝てもらおう。

 

妹、ミリアーヌ・グランドリアに会いに行った。ミリアーヌは今年で2歳だが0歳の時から子供部屋ってなるとやっぱり日本と違うなここ。そして可愛い

 

「あっ、カルロスさん」

「リリアーナ」

 

この声は、あの時の声だ。噂の同僚騎士さんだな

 

「おや?先日の…」

「今日から食客としてお部屋をお貸しすることになったイシュトールさんです」

「マスターのイシュトール・オルバスです。前日は助けに来てもらい感謝いたします」

「王国近衛騎士団の聖騎士カルロス・ルラルです。騎士として当然のことをしたまでです」

 

カルロスってどこの王だってイメージが強い。今更だけど父親の名前知らな―――ッ!

以前と同じ危機感を感じた。己の勘に従い横へ動くとともにスファルフラーメを取り出す

 

「この程度は避けるか」

「カルロスさん!?」

 

危機感の正体はカルロスからだった。ただのパンチだが十分に脅威だ。推定【キラーマンティス】を軽々倒せる実力の持ち主、そうでなくとも格上なのは分かりきっている。ともすれば敢えて避けれるようにしたか

 

「何のつもりだ」

「私はリリアーナの父、ラングレイ・グランドリアより彼女達を任されている。食客と言うならばそれ相応の実力を見せてもらおうと思ったまでのこと。どうやら素質はあるようだな」

 

マスターならばエンブリオがあるから戦闘職も悲戦闘職も一定以上の将来性は見込まれる。昔のマスターも強かったらしいとシュウや掲示板民が言っていた。なら気にしているのはそれ以外だ。家の顔か男女の関係かな。だから自分の実力を見せつける。一定の実力があれば差は分かるし、実際に助けられてているなら分かって然るべき。となると俺はカルロスがチラついて手を出せない。それすらも見抜けない未熟者か浅ましい考えの持ち主ならお帰りいただこうと、優良物件ならなんとか引き留めようってことか

 

「抑止力にでもなるつもりか」

「頭の回りもいい様だ」

「買いかぶり過ぎだ。この程度しかできんのだよ」

「十分だ」

 

カルロスは構えを解いた。なんとなく大丈夫な気がしたがまだスファルフラーメを構え続ける

 

『平気よイシュトール、これを見て』

 

スファルフラーメが開いたウィンドウには彼女のスキルが記されていた

 

 

《祝福》

所有者に祝福を与え、その力を引き上げる

直感

直感 感覚でこうした方がいいと分かる

 

《虚鏡》

達筋を読ませず、如何なる状況に置いてもその剣技を十全に発揮できる。

 

 

前から感じていた感覚は直感の効果か。《虚鏡》の問題は剣術の範囲が体捌きも含まれるのかだな

 

『敢えて言うなら剣術は対戦時の哲学、思想を含み、戦略的なもので地形効果や心理作戦も含む。剣技は対戦時の剣のテクニックを主眼にしている。《虚鏡》は剣技に効果があるスキルだから体捌きも含まれているわ』

 

そうか、ありがとう。

スキルの効果も分かったのでスファルフラーメを仕舞う

 

「言っておくが、彼女への劣情や恋愛感情は皆無だ」

「今後のためだよ。抑止力は知られなきゃ抑止力にならないからね」

『ねえイシュトール、横を見て』

 

スファルフラーメが急にそんなことを言い出した。横に何があると言うんだ

 

「そんなに私は魅力がありませんか?」

 

あー、うん。まずいなこれ。女の子の目の前で言うことじゃなかった。これは下手に誤魔化すと面倒な奴だ、なのに正直に言ってもダメな奴だ

 

「先程口説いてきましたよね」

「それ否定したよな、それっぽい言葉になっただけだよな」

 

嘘ですさっきから散々否定してるけど実は幼女にも反応できます、特に女体化(TS)ロリ化(幼体化)した幼女と大人びた幼女。ただ既に恩人とか良い子とか友人とかで壁が作られたためにそういう対象としてみれなくなっただけです。あの社長は本当に面倒な扉を開かせやがって…

だからと言ってリリアーナに欲情している訳ではない。恩人や優しい子としての印象が強すぎて欲情できないから。だからその発言はカルロスの目が怖くなるからやめてくれマジで

 

『どれだけ言い訳を述べて目を逸らせても貴方がロリコンであると言う事実からは動かないのよ』

 

ロリコンじゃない、ロリ(幼女)も行けるだけだ。全部あの取引先のエロ親父が悪い。この囲いから逃げるためにはカルロス話を振るしかない

 

「魅力はあると思うぞ。ただもう少し成長してくれないと対象として見れないと言うか、ねぇ、カルロス」

「えっ私ですか?」

「カルロスさん、本当ですか」

 

ふふふ、お前も苦しむがいいわ。そして私の身代わりを果たすがいい。

このタイミングで自分に話しを振られるとは思っていなかったのか多少驚いているがそこはベテラン騎士、否定しつつも彼女を傷つけない言葉を選んで発言する。だがカルロスが当たり障りのない発言をするなど予測済み、ここで会話も主導権を握り彼を後手に回らせる

 

「私も魅力的だとは思いますが、娘の様に思っていますから」

「幼女趣味?」

「ま、まさかミリアーヌを…」

「違います、私はすでに結婚しています」

「つまり奥さんが大変魅力的なのでリリアーナに強い魅力を感じないという惚けか」

 

幼女趣味だと言えば彼は否定する、結婚を名目に。妻の事出させれば勝ちだ

 

「カルロスさんはとってもお熱いのですね」

 

私とスファルフラーメに男女関係があるのでは疑ったほどなのだ。惚け話だと言ってそっちに意識を向けさせれば彼女はそちらに釣られてしまう。私はこのまま離脱させてもらう、すぐに入ってきたから一度ログアウトしないといけないしな。【アナウンス 尿意】と気がきいている

 

「少し部屋で寝てくるよ。別世界に置いてきた体があるからね」

「イシュトール!」

「15分くらいで戻ってくるから」

 

ふははははさらばだカルロス、強く生きろ!

 

『逃げられたわ…』

 

やはりこいつは俺のエンブリオだったようだ。そんな所まで似なくてもいいって

ちなみにこの後やり返されて幼女もいけることがバレそうになった




家が漫画番と違う?知らなかったんだ。戦争前後辺りに変わったことにしてください



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