バカとテストとブレイブルー (ぶるらー)
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プロローグ

タッグバトルからブレイブルーを知った新参者がラグナのかっこよさとノエル達のかわいさに惚れ込んで作った作品です。良ければよんでやってください。


「ラグナさん、起きてください!」

 

「ラグナ、起きて」

 

「ねえねえ、ラグナ~!」

 

ゆさゆさ

 

聞きなれた3人の声の主達が俺の体を揺らす。たく、もう少し寝かせろよ...

 

「おい、何だってんだ朝っぱらから。もう少し寝かせ...」

 

「何を休みボケしてるんですか!」

 

「今日から、新学期」

 

「ニュー達二年生になるんだよ、ラグナ!」

 

「...は?」

 

おいまて、今日ってまさか...

 

「始業式か!?」

 

「全く、マコトから電話がありましたよ?またハザマさんと朝までオンライン対戦してたって」

 

「いや、よく徹夜でゲームしてるあいつにだけは言われたくねーわ」

 

「ラグナもハザマも、始業式のこと忘れてた。マコトもハザマを叱ったと言ってた」

 

あの野郎、俺の事道連れにしやがって....

 

「目が覚めないなら、ニュー達がおはようのチューしてあげるよ?そしたら起きれるよね!」

 

「ば!?バカかてめえ!?」

 

ああもうくそ!このままペース握らせとくにはいかねえ。とっとと起きて着替えるか。

 

「わかったわかった。着替えるから、とりあえず部屋から出てろ。ノエル、今何時だ?」

 

俺はこの顔がそっくりな三姉妹の次女、ノエルに今の時間をきいた。

 

「えっと、今七時半過ぎです」

 

ヤバいな、結構ギリギリか...

 

「ラグナの分のご飯、暖め直してくる」

 

もの静かな感じの長女ラムダ。普段はこいつと俺とで飯を作ってる。

 

「ニューもなんか手伝うよ!ほら、ノエル姉もいこ!」

 

そして、末っ子のニュー。他の二人は金髪だがこいつだけは銀髪である。言動が少し幼いのは...いや、また今度の機会にしておこう。

 

 

下に降りると掃除をしていた人影があった。

 

「あら、おはようラグナ。昨日はだいぶ夜更かししたって?」

 

この人はセリカ=マーキュリー。俺や三姉妹達が住むこの孤児院の経営者だ。といってもすんでるのは俺とこの人、あと三姉妹だけだがな。何年か前まではあともう1人いたが。とても若く見えるがすでに40を越えてるという。俺たちの母親のような存在である。

 

「今日から二年生でしょ?そんなんじゃまたミツヨシ義兄さんに叱られるわよ?」

 

「勘弁してくれよ。ただでさえ鬱陶しいやつらが多いんだからな、うちの学校」

 

そうは言いつつも、実際世話かけてるから文句は言えねえし気に入ってくれてるやつもいるがな。

 

「ほら、せっかくご飯ラムダたちが作ってくれたんだから。あの子達が着替えてる間に食べておきなさい」

 

そうだな、さっさとくっちまうか。時間もあまりないので一気に飯をかきこみ終わった頃にあいつらも降りてきた。

 

「んじゃ、行ってくるわ」

 

「ええ、行ってらっしゃい。義兄さんとココノエによろしくね?」

 

 

 

 

 

 

「どうしたんですか?ラグナさん」

 

「ん?いや、桜がきれいだなと思ってな」

 

今年は花見をしてないなと思いつつ通学路を歩いてたが...春は出会いと別れの季節とはよくいうな。この腕を一度無くしてあいつが孤児院を離れたのも、あいつらと出会ったのもこの季節。さて、今年はどんな出会いがあるやら。

 

 



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キャラクター紹介

加筆して再投稿させて頂きました。今後もメインキャラクターを追加したり既存キャラクターも加筆していきます。

9月25日

三章のネタバレを含めた設定の加筆をしておりますのでお気をつけを


キャラクター紹介

 

ラグナ=マーキュリー(ラグナ=ザ=ブラッドエッジ)

 

文月学園に通う高校二年生で本作の主人公。周囲からは「なんだかんださん」と呼ばれるほど面倒見がいい性格。幼い頃に親を無くし孤児院に引きとられる。そこでジンやノエル達三姉妹に出会い義理の兄弟となる。

小学生の頃に事故にあい右腕を無くすが当時高校生でありながら発明家として名を馳せていたココノエに義手を送られ怪我のリハビリをしつつ右腕を馴染ませる訓練を一年間行い本来の腕と遜色ないほどに使いこなすようになった。それにより留年してしまうが特に気にしておらずむしろより近くでノエル達を見守れると考えていた。明久とマイは小学生の頃からの付き合いでそういった事情を全て知っている。

腕っぷしも相当な実力を持っており料理が出来て秀才と呼べるほど成績も高いがかなりのゲーマーで中学生の時に出会ったハザマとはしょっちゅうゲーム対戦をしている。

実はノエル達公認の三股?状態で三姉妹三人ともと付き合っている。

ブレイブルー本編ラストで門の向こうへと姿を消したラグナが生まれ変わった存在。本来二度と現世には戻ってこれないはずだったが「サヤ」によりラグナやナオトを求める人々の元へ彼らを帰すためノエル達と共に生まれ変わらせた。

召喚獣はブレイブルー本編の修行時代の服装で武器はなく素手で戦う。腕輪を使うと赤いコートと大剣荒正を装備する。攻撃力は大幅に上昇するが常点数を消費するため長期戦には向かない。

 

ノエル=マーキュリー(ノエル=ヴァーミリオン)

 

三姉妹の次女で、まとめ役。趣味は料理とポエムで料理はブレイブルー本編のデスディナーとまでは行かずともかなりひどい腕前であり純粋にまずい。長年のラムダとの特訓によりギリギリ食べれるくらいの腕前にはなった。ラグナと三姉妹で付き合っていることは公言しておらず近しい間柄の者にしか話していない。姉妹揃ってラグナより成績は上である。

元の世界ではラグナの妹、サヤのクローンだったが彼の事を異性として意識しており生まれ変わり義理の兄弟となってからも兄ではなく一人の男性としてラグナを好きでいた

召喚獣の服装はブレイブルー本編のコンティニアムシフトまでの服装で二丁拳銃を装備。腕輪を使うとクロノファンタズマ以降の服装に代わり、武器がベルヴェルクにかわる。ラグナと同様のデメリットを持つ。

 

ラムダ=マーキュリー(Λ=11)

 

三姉妹の長女。普段から無表情だがラグナや家族には穏やかな笑顔を見せる。料理が得意で普段はラグナやセリカと交代で食事を作っている。

運動神経が悪く保険のテストで保険体育の成績をまかなっている。姉としての自覚からかラグナ程ではないが面倒見がいい。

ノエル同様サヤのクローンであり妹に当たるニューの魂の影響でラグナを意識していた面があったがテルミ破壊され蘇ってからは自身の意思でラグナを求めるようになっていった

召喚獣の服装は非武装時の格好で武器は大剣。腕輪を使うと武装時の姿になる。

 

ニュー=マーキュリー(ν=13)

 

三姉妹の末っ子。ブレイブルー本編の病んでる部分はほぼなくなっておりラグナや姉達に敵対心を向けた相手にのみ過激な言動をみせる。ラグナが右腕をなくした事故に直面してしまいその心の傷により一般教養等は問題ないが幼い一面をみせる。眼帯をしておらず容姿はラムダと髪色以外は一緒になっている。ラグナへのスキンシップの取り方はかなり大胆だが姉二人も姉妹とラグナだけになったりしたときはニューに劣らないくらいスキンシップをとるようになる。

以前の世界ではラグナと融合して黒き獣となろうとし幾度もループを繰り返す原因のひとつだった。何度もラグナと戦う内にその感情は確かな愛となった。ラグナが消えてからはテルミの精神支配とラグナの記憶が消えた後遺症でしばらくの間はノエル達がシスターとなった教会で意識が混濁した状態になっていた

召喚獣は腕輪の使用前、後供にラムダと同様である。

 

如月ジン(ジン=キサラギ)

 

ラグナや三姉妹の義理の兄弟。かつてはラグナ達と同じ孤児院で育ったが中学生に上がる少し前に如月家にひきとられる。その後もラグナを兄として尊敬しノエル達三姉妹を妹として大事に思っている。引き取られてから出会ったツバキとはお互い一目惚れし結婚前提に交際している。性格はかなり落ち着いているが兄弟やツバキに何かあると豹変レベルで切れる。学力は翔子や姫路にわずかに劣る程度。召喚獣はブレイブルー本編の服装で武器は日本刀。腕輪を使用すると刀がユキアネサに変わる。

 

弥生ツバキ(ツバキ=ヤヨイ)

 

ジンが引き取られた如月家の親戚にあたる弥生家のお嬢様。ノエル達姉妹とは中学生の時に出会いそれ以降親友の間柄である。如月家にジンが引き取られた後挨拶に行った際にお互い一目惚れし交際しはじめる。生真面目な性格でラグナや明久、ハザマの事は最初はかなり嫌っていた。学力はAクラスのトップ10に入るほど。召喚獣の服装は白い時の十六夜。腕輪を発動するとイザヨイに変化する。

 

結城ハザマ(ハザマ)

 

中学生以来のラグナの親友。飄々とした人を食ったような言動はブレイブルー同様だが基本的に紳士でゲーマーかつオタク。ラグナ達と出会う前から幼なじみであるマコトと付き合っており、彼女の事を大切に思っている。かなり裕福な家庭の生まれであるがラグナと親友と呼べる間になった頃に兄の策略で家を追い出され(高校を卒業するまでの援助はあり)独り暮らしを始め、高校に入ってからはマコトと同棲し始める。

以前の世界では極悪人とも呼べる性格だったがテルミとの肉体の共有が原因であり今の人格がハザマの本来の性格。

召喚獣はブレイブルー本編のハザマそのままの姿で腕輪は一回につき50点消費しウロボロスを呼び出す。

 

七谷マコト(マコト=ナナヤ)

 

ハザマ同様中学生の頃にノエル達と出会い親友になる。重度のオタクかつコスプレイヤーでハザマとはそれがきっかけで仲を深めた。小学生の頃からオタク全快で過ごしていたため回りから距離を置かれることが多くノエル達に会うまではハザマが家族以外の唯一の心の拠り所であった。高校入学と共にハザマと同棲しはじめる。

記憶が戻ってからも今のハザマと以前のハザマは別人と割りきっており彼への愛情は変わらずである。

召喚獣はブレイブルー本編の黒ポンチョの服装で武器はトンファー。腕輪を発動すると戦闘時の服装になり攻撃力とスピードが一時的に上昇するが防御力が大幅に下がるため使いどころが難しい。

 

吉井明久(黒鉄ナオト)

 

ラグナ達の幼なじみでもう1人の主人公。原作に比べればかなり成績は良くなっており真面目にやればDクラス程で得意教科の日本史や世界史ではAクラスのトップレベルのメンバーとも操作能力込みで互角に戦えるほど。マイとは幼稚園の頃から一緒で小学生の時に告白し付き合っている。

ブラッドエッジエクスぺリンスの主人公である黒鉄ナオトの容姿と声をしている。

以前マイとはエンブリオの中で出会い恋仲になっていたが滅日の影響で消滅してしまいそれが今生の別れになってしまう。ラグナによって世界が救われた後もブレイブルー世界には行けなくなっていた。自分に好意を持っていたハルカ、キイロともその思いを理解しながらも受け入れることは出来ず最後はキイロの手により命を落とす。

生まれ変わった際にバカテス主人公の明久と魂が混ざりあい性格や趣味趣向が共有していた。以前の記憶を取り戻してからはマイと二人きりの時はナオトとして振る舞うようになっている。召喚獣は原作の明久と同じで腕輪は使用するとドライブ発同時のナオトと同じ姿になる。

 

夏目マイ

 

ラグナ達や明久の幼なじみ。巨大財閥の葉月家の令嬢であったが祖父や親戚の人間達がマイの意思を無視し政略結婚の話が持ち上がった際に現会長の父から勘当という形で葉月家から解放される。それ以降母の旧姓を名乗り明久の家に世話になっている。(母親同士が学生時代からの親友だったことが起因している)

明久と二人暮らしをはじめてからは熟年夫婦のようなやり取りを見せることが増えている。

葉月家が厳しい家風だったこともあり、高い学力並びに格闘術を身に付けている。一年生の頃に誤解から雄二をあいてにケンカを仕掛け油断があったとはいえ打ち倒している。

以前の世界ではエンブリオ内でナオトと出会う。ノエル達と別行動するようになった後滅日の影響で消滅してしまい、元に戻った後ノエル達がラグナの事を忘れているように彼女もナオトの記憶を無くす(ラグナを除いた人物もナオトの記憶は無くなっている)その後第七機関を離れノエル達の教会に身を寄せる

召喚獣は士官学校時代の服装で武器は槍。腕輪を使うと服装がヴァリアブルハートやセントラルフィクションの服装になり、槍がガリアスフィラに変化する。

 



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第一章 試験召喚戦争勃発!
一話


先の展開をまとめてたら結構遅くなってしまいました。こちらを投稿後キャラクター紹介を追記しようと思います


通学路の途中、見覚えのある二人を見かけた。あれは...

 

「よう、明久。マイ」

 

「あ、ラグナ!」

 

「ノエル、ラムダ、ニュー!おはようみんな!」

 

この一見、いや実際馬鹿なこの男は吉井明久。小学生の頃からの付き合いでこいつの馬鹿正直な優しさには何度も救われてきた。

女の方は夏目マイ。ちょいと訳ありで去年から明久と二人暮らしをしている。こいつも小学生の頃からの付き合いだ。

「それにしてもどんなもんなんだろうな?Fクラスって?」

 

「相当ひどい設備ってのは聞いたけど、どうだろうね」

 

俺たちが通う文月学園は一年の終わりに次の一年で勉強するクラスの振り分け試験というものがある。AからFまでの六クラスがありAから順にいい設備になっているらしい。

 

「......ごめんなさい、わたしのせいで」

 

「気にすんなって何度もいったろラムダ」

実はその試験当日ラムダが高熱を出して倒れるというアクシデントがあった。俺を含めた3人はラムダ1人Fクラスにさせるくらいならと(再試験もないため欠席=強制にFクラス)そのまま欠席し看病していた。

 

「...ありがとう。マイの方は大丈夫だった?」

 

「うん、私の方は明久が看病してくれてたから」

 

てことは今ここにいるやつら全員Fクラスか。まあ、知ってる顔があるだけでも気楽にやれるわな。

 

「おはよう、お前たち。遅刻ギリギリだぞ」

 

「うす、すんません」

 

「鉄、西村先生おはようございます」

 

「鉄人先生おはよー!」

 

「ニュー!?」

 

「それいっちゃだめ!」

 

「...すみません先生」

 

今鉄人と呼ばれたこのでかい強面の先生は西村先生。まあこのごつい見た目からほとんどの生徒から鉄人と呼ばれている。俺が尊敬している数少ない人間の1人だ。

 

「はあ、まあいい。とりあえず受けとれ」

 

そういって封筒を俺たちに渡してくる。

 

「これなんですか?」

 

「その封筒のなかにお前達の所属クラスが書いてある紙が入っている。欠席したお前たちは既に決まっているがまあ形式状のようなものだが。」

 

面倒なことをするもんだな。合格発表みたいに張りだしゃいいものを。

 

 

 

 

 

 

さて、Fクラスにたどり着いた訳だが。

 

「「「「なにこれ?」」」」

 

「...廃墟?」

 

そう言いたくなるのも無理はない。俺たちの目の前に有るのは明らかに今にも潰れそうな廃墟の一角にしかみえないFクラスの教室だ。

 

「まさかここまでとはな」

 

「ほんと、これは酷いよね」

「と、とりあえず入りましょうよ!中はもう少しましかも知れませんよ?」

 

ガララっ

 

「ニューしってるよ!これおんぼろ屋敷ってやつだよね?」

 

「...この場合おんぼろ教室」

 

ガタがきそうな、いや既にガタがきているであろう教室を見てのニューの発言はまさにぴったりとしかいいようがない。

 

「机がちゃぶ台、椅子の替わりに座布団...これはすごいね。悪い意味で。」

 

「マイ、大丈夫?これじゃまた体壊すんじゃない?」

 

「私よりもノエル達が心配だよ...」

 

確かにこれはあいつらが心配になるな。妙に埃っぽいというか。しかも窓が割れて風が思いっきり入ってきてるな。

 

「よう、やっときたかお前ら」

 

その声の主は本来此処にはいないはずの...

 

「雄二!?」

 

「坂本、なんでお前がここにいるんだ?お前なら余裕でAクラスだろうが」

 

こいつは坂本雄二。以前は悪鬼羅刹とかいう中二病くさい異名を持ち暴れていたらしい。元々は神童と呼ばれる程の天才的な頭脳を持ってたらしいが...まあ、何かがあったんだろうな。そこらへんはまだ一年そこらの中の俺たちじゃどうともいえないな。

 

「いや、色々あってな。まあ一応クラスの代表だから覚えとけよ?」

 

「...まあ、よろしく頼むわ」

 

何か妙だな。

 

「「「異端者発見!!」」」

 

「うお!?」

 

「ちょちょちょ、なになになに!!??」

 

なんだこのドラクエかなんかの雑魚でいそうなやつらは?

 

「我らはFFF団!男は哀に生きるもの!そのように女子を侍らせるなど言語道断!有罪!死刑執行!総員、構え!」

 

そういうとFFF団とやらはカッターを構えはじめる。こいつら、ようは俺と明久がノエル達と一緒に行動してるのが面白くねぇってか?

 

「ラグナをいじめるの?ふーん。じゃあニューが相手してあげるよ」

 

「待てニュー。ノエル、ラムダ。ちょっとこいつつれて下がっててくれ」

 

「は、はい!」

 

「...やり過ぎないでね。」

 

「言われなくてもわかってる。さてお前ら、先に構えたのはそっちだからな。覚悟しとけよ。」

 

「ふん!命乞いならむ」

バキ!

 

「ぶほ!」

 

ふん。だいぶ手加減してやったのにパンチ一発か。まあ、こんなもんだろ。

 

「さあ、どうする?もっとやろうか?」

 

「「「「すみませんでした!」」」」

 

はぁ、朝から疲れる。

「なんじゃ、騒がしいかと思ったらお主らか」

 

「・・・・・・廊下まで聞こえてきた」

 

「ん?おお、土屋に・秀吉か」

 

「ラグナよ、一瞬間が空いたのはわしの気のせいか?」

 

こいつらは土屋康太と木下秀吉。土屋は普段から女子をカメラで撮影したりしてるわりに否定するからムッツリーニという酷いあだなをつけられている。

秀吉はそっくりな双子の姉貴がいるんだがそいつか秀吉か今でも一瞬わからなくなるからな。男子から告白されまくってるらしく最近では小学生にまで告白されとか。

 

「・・・・・・」

 

「ムッツリーニ、もしマイのパンツ撮ろうとしたら、わかるよね?」

 

「・・・・・・そんなことしない」

 

「え!ちょ、スカートめくれてた!?」

 

「マイ、大丈夫だから!確認しようとしないで!」

 

「......土屋のおもうつぼ」

 

「ラグナ~、ニューのみる?」

 

「とりあえず、お前らいっぺん黙れ!」

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?戦争をしかけるだと!」

 

その後、HRで自己紹介を終えた後(担任の先生は妙にいい声した地味なおっさんだった)坂本は試験召喚戦争、試召戦争をEクラスに仕掛けることを持ちかけてきやがった。

 

「ああ、そうだ。ラグナ、明久。お前らのつれをこのクラスに置いておくことが出きるか?」

 

「そ、それは...」

 

確かに、あいつらの事を考えるとそうするしかなさそうだな。

 

試験召喚戦争。それはこの学園独自のシステム、試験召喚獣システムに大きく関係している。まずここの学園のテストは問題数、得点に制限がなく時間以内なら可能な限り解いて点数を獲得することができる。そしてその点数がオカルトと科学が融合して生まれた偶然の産物、召喚獣の体力や攻撃力にそのまま換算される。そしてその召喚獣を操りクラス単位で戦う事を試召戦争という。

 

「でもさ、ラグナ達ならともかく僕とか他のクラスの連中でどうやって戦うのさ?足手纏いもいいとこだよ」

 

「いや、明久。お前も十分過ぎるほどな戦力だ。ラグナとお前は観察処分者だろ?まあ誤解からきてるものだとはいえそれのおかげで何度も召喚獣を操っているわけだ。その操作能力を俺は買ってるんだよ」

 

観察処分者てのはようは悪いことしたから、学園のために雑用やれよ?て感じだ。俺と明久は去年不良どもに絡まれてたノエル達を助けたさいにどういうわけか俺たちが自分から襲いかかっていたという風に話が伝わりそんな処分をうけた。まあ、俺たちの事をよく知ってる先生たちから弁護があったおかげでそこまできつい作業はさせられてないがな。

内容は召喚獣を使っての肉体労働。召喚獣が受けた疲労やダメージが幾らか操作してる俺たちに返ってくるというやつだ。

 

「まあ、お前が俺らを買ってくれてるのはいいとしよう。」

 

「ああ、まずはEクラスを攻めて最終的にはAクラスを」

 

がっ!

 

「おい、なんのつもりだ?」

 

「ら、ラグナ!?」

 

全く、笑えねえこと言いやがる。つい胸ぐら掴んじまったじゃねえか

 

「おい、坂本。お前、それが俺にとってノエル達とジン達をはかりにかけろと言ってるのと同じだとはおもわないのか?」

 

「そ、そっか。Aクラスにはジン君たちが」

 

「それにそれを聞けばあいつらもまともに戦えなくなるぞ。弥生や七谷もいるんだしな」

 

「そこらへんは大丈夫だ。別にAクラスの設備は奪わない」

 

全く、問題はそこだけじゃねえんだよ。

 

「いいか?他にも問題はあるんだよ。設備はどうにかするとしても勝算がまずない。負けましたじゃ済まねえんだよ。てめえ、ジン達を舐めてんじゃねえのか?」

 

「それ、どういうこと?ジン君達を舐めてるって?」

 

「一年しか付き合いがないとはいえ曲がりなりにもジンにハザマと同じクラスだったんだ。あいつらの成績の高さは知ってるはずた。おまけに学年首席の霧島、次席の姫路までいるんだ。Fクラスのばか連中じゃお前の盾にもなりゃしねえよ」

 

「そんなことはわかってる。まともな戦争で今の俺たちに勝算なんてない、戦いかたは考えてあるさ」

 

「.......そうか、まあいい。とりあえずまずはEクラスの設備を奪うってわけでいいのか?」

 

「まあな。しかしお前関係ないやつだったら気にしないのか?」

 

聞かれるまでもない。

「当たり前だ。そこまで俺はお人好しじゃねえよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、昼休み。あの後坂本は俺や明久達をばか連中に紹介し戦争を仕掛けることを宣言した。幼なじみ連中と坂本、秀吉、土屋で作戦会議兼昼飯を食いに屋上に来たんだが......

 

「ねえツバキ!この卵焼き私が作ったんだけど食べてみて!」

 

「そうなの?じゃあおひとつ。!?美味しい!ノエル、料理上手くなってきたじゃない。」

 

「ありがとう、ラムダお姉ちゃんに教えてもらってたから少しずつだけど良くなってきたんだよ。」

 

「ねえねえ、ノエルん!私にもちょうだい!」

 

全くなんでこんなことになってるんだか。

 

「おやおや、どうしたんですかラグナくん?あまり食事が進んでないようですが。」

 

「大丈夫だとは思うが具合が優れないなら休んでおいた方がいいんじゃないのかい?兄さんはすぐ無茶をするからね」

 

「あのなあ、なんでお前らも一緒に飯くってんだよ」

 

どういうわけか屋上にAクラスのジンにハザマ、弥生に七谷まで来やがって作戦会議どころじゃなくなっちまった。

 

「なんでって、以前から私たちここよく使ってたじゃないですか?」

 

「大方、試召戦争の作戦会議でもしようとしてたんだろ?だがEクラス相手なら楽勝じゃないのかい?雑魚はFクラスの連中と大差ないだろうしそんなやつらなら兄さんや明久1人でも余裕で倒せるはずさ」

 

「なんでそれを。いや、他のクラスはもう自習の連絡がいってるだろうからそれでか」

 

「ああ、まあね。そうだ明久。今後また料理を教えて欲しいんだがいいかい?」

 

「うん、いいよ。どうしたの、また弥生さんに作ってあげるの?」

 

「この間君に教えられた料理を作ったらツバキに喜ばれてね。それでまたなにかをと思って」

 

「ああ、でしたら明久くん。出来ればまた私にも御教授お願い出来ませんか?実は今朝マコトさんの機嫌を損ねてしまいまして、どうにかしたいと。」

 

「それはいいけど、何があったの?」

 

「いやーそれが起こされた際に寝ぼけてあの立派なものを掴んでしまって。」

 

「顔がちょっと腫れてると思ったらそういうことかよ。そういや今朝七谷から電話があったとかノエル達が言ってたがそんときか。」

 

「ええ。まあ、痛み以上にすばらしい感触だったので役得でしたがね」

 

バキ!

 

「ごはっ!」

 

「なにいってんのさ!もう!」

 

そういって切れながら戻って行く七谷。しかし見事な蹴りだったな。

 

「だ、大丈夫ハザマくん?」

 

「え、ええ。これくらいなんともないですよ。マコトさんとはラグナくんとジンくんたち程ではないですが長い付き合いですので。夜はもう少し素直なんですがねぇ」

 

 

「おい、ハザマ。」

 

「ん?なんですかラグナくん」

 

「歯、くいしばっとけ」

 

「......おやおや、なんだか嫌な予感がしますねぇ。デシャブというやつでしょうか。」

 

「このばか!」

 

 

ぎゃあああああああ!!!!

 

 

 

 

まあ色々カオスな展開はあったが飯も終わりいよいよ戦争が始まる。とりあえず腹ごなしに暴れさせてもらうか!

 

「あ、お前ら先に補給試験な」

 

「「「「「「先に言え!」」」」」」




観覧頂いた方、ありがとうございます。原作からかなり綺麗になったハザマやジン。ハザマとマコトはバカテス原作の明久と島田さんのようなケンカップルなイメージでかいています。ちょっと危ないワードが飛び出したりしていますがそこらへんについては活動報告で話そうと思います。ではまた。


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二話

さて、第二話Eクラス戦になります!


カリカリカリカリ

 

今教室の中に響くのは俺たちが鉛筆を動かす音だけ。既に戦争が始まって15分はたつが俺たち6人はまだ戦いに行かずこうしてテストを受けている。補給テストは本来戦闘で減らした点数を回復するために受けるものだが俺たちは最後に行われたテスト、振り分け試験を受けなかったたため今は全ての教科の点数が0点扱いになっている。そのためまず補給テストを受けてある程度点数を稼いでから出撃する手筈になっている。まあ、Eクラス相手ならそろそろ終わらせちまってもいいか。

 

「先生、私ここまででお願いします!いこ、明久!」

「え、もう!?まあ、100点は取れてるだろうけど。」

 

「マイ、大丈夫なの?もう少しだけ解いていけば?」

 

「いや、早く行かないといけないというか...」

 

そういってマイが目を反らすように廊下に目を向けると...

 

ぎゃああ!

 

やめてくれー!

 

戦死者は補修ーーーー!!

 

と、そんな声が聞こえてきた。

 

「聞くに耐えないというか」

 

まあそうだろうな。戦闘中0点になればその時点で戦死となり補修室で鉄人監視のもと戦争が終わるまで補修受けさせられるという地獄を味わうはめになる。

 

「しょうがない、ラグナ達の補給の時間を稼ぐ為にもこれいじょう秀吉たちだけじゃ厳しいしな。頼むぞ二人とも!」

 

「任せてよ、じゃあいこうマイ!」

 

「うん!」

 

しかし、あの二人が行くならもう俺たちの出番無さそうな気がするな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、戦場にたどりついたのはいいけど結構みんなやられてるな。よし、マイたちのために頑張らないとな!

「あ、秀吉!」

 

「おお、明久に夏目!救援にきてくれたのか!」

 

「秀吉くん、状況は?」

 

「ある程度互角じゃがだんだんおされてきている、といったところかのう。やはり上位クラスじゃの。」

 

「そうか。あれ、ところでムッツリーニは?」

 

Aクラスどころか教師並の成績の保健体育のムッツリーニならこんな状況簡単にひっくり返せそうなきが。

 

「あやつは今は情報収集にでておる。ラグナ達のように元よりAクラス級なものならともかく単教科特化のムッツリーニの情報が敵に漏れるのはまずいというのもあるらしいからの」

 

「なるほどね」

 

「おお、そこにいるのは我らが女神の1人、夏目マイさん!」

 

「本当だ、夏目さんだ!」

 

「もしや、我々の救援に!?」

 

「え?あ、ああ、そうなんだよ!ここからは私たちも一緒に戦うよ!」

 

「うおおおお!よし、いくぞ者共!夏目さん並びにマーキュリーさんたちにEクラスの設備を献上するぞ!」

 

「「「「おおおおおおお!!!!」」」」

 

悲しくなってくるくらい単純だね。まあ、同じ男だからその気持ちはわかるけど。

 

「あ、あの人って夏目マイさん!?」

 

「そんな、俺たちで勝てるわけないじゃないか!」

 

あれはDクラスの人たちか。よし、なら早速いくとしようか!

 

「いこう!マイ!」

 

「うん!」

 

「「サモン!」」

 

夏目マイ 日本史 175

 

吉井明久 日本史 119

 

僕達がデフォルメされコスプレしたような姿をした召喚獣が頭の上に点数を表示しながら現れた。マイはどこかの学校の女子制服に武器は槍。僕は、学ランに木刀か。....どうしよう、あまりに貧相で泣きたくなってくる。

 

「おい、あの吉井ってやつ 本当にFクラスか!?Cクラスくらいはあるぞ!」

 

日本史は得意科目だからね。あれくらいの時間でも100点くらいは余裕でとれるよ。

 

「くそ、これじゃ押しきられるぞ!」

 

「それが狙いなんだけどね。」

 

ある程度拮抗してたところに100点越えが二人現れたからか向こうが動揺し始めた!Eクラスの教室は僕達Fクラスの隣。このまま一気に攻めて勝負をつける!

 

「ま、まずい教室に!」

 

Eクラスに突入するとそこにいたのは代表の中林さんだった。

 

「あ、あなたは夏目マイ!それと、馬鹿代表の観察処分者の吉井明久!」

 

「誰が馬鹿代表だよ!これでも最近は総合でDクラス狙えるくらいはあるんだよ!」

 

「明久、古典何点だっけ?」

 

「...32点です」

 

「帰ったら勉強会ね」

 

「くそ!こうなったら勉強会のストレスを中林さんに!」

 

「おいおい、そりゃねえだろ明久。俺たちにも戦わせろよ」

 

「え?」

 

振り向くとそこには......

 

「ラグナ!」

 

「ノエルにラムダ、それにニューも!」

 

「あ、あなた達はマーキュリー三姉妹!?それと.......ナンダカンダ=マーキュリー?」

 

ずこー!

 

その発言についずっこけてしまった僕達。

 

「てめえ馬鹿か!なんだその変な名前は!俺はラグナ、ラグナ=マーキュリーだ!」

 

「...ここからは私たちも戦う」

 

「いきましょう、皆さん!」

 

「えへへ!ニュー達が遊んであげるよ!」

 

「「「「サモン!」」」」

 

四人が呼び出した召喚獣は教室にいたEクラスの召喚獣を次々と撃破していった!す、すごい!ラグナの召喚獣なんて素手なのにあの強さ!

 

「そ、そんな!ここまであっさり負けるっていうの!?」

 

「悪いな、代表さん。あんたに恨みはねえがここで終わらせてもらう!でぇやぁぁ!」

 

ラグナの召喚獣のパンチが中林さんの召喚獣に決まったと同時に表示されていた点数が0に変わった。これってつまり...

 

「勝者、Fクラス!」

 

戦死した人たちを抱えていた鉄人が宣言をかけた!勝ったんだ、僕達!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんですって!設備をかえないの!?」

 

「ああ、そうだ。悪くない提案だろ?」

 

戦後対談の中で雄二は中林さんに出した提案。これは元々設備自体変える予定じゃなかったから僕達はともかく、他のクラスの連中のやる気を保つためでもあるらしい。でも、肝心の僕達の設備はどうするつもりなんだろうか。と、いつのまにか対談も終わったみたいだ。

 

「じゃ、そういうわけだ。じゃあな」

 

がらら

 

「おやおや、終わったみたいですね?」

 

「お前、Aクラスの結城?」

 

ハザマくん?

 

「ハザマだと?何のようだ?」

 

「いえいえ、たいしたことじゃないんですよ。ただ...」

 

「ん?」

 

「宣戦布告をしにきたんですよ、あなた達Fクラスに」




さて、次回らAクラス戦!といきたいところですが......詳しくはこれが上がってる頃には出してるだろう活動報告で!


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三話

さあ今回からAクラス戦です。どうぞ!


あれから3日後、今日俺たちは補給テストを終えAクラスに来ている。Eクラス戦の後ハザマにより宣戦布告を受けた時にやつは戦争の内容を少し特殊な形にしたいということで2日間補給テストの期間を設け当日まずはAクラスにこいとの事だった。

 

「よう、Aクラス諸君。で?どういうつもりだ、上位クラスが下位クラスに宣戦布告なんて」

 

「......理由は色々ある」

 

あいつは確か学年主席の霧島か。しかし色々って、ほんと一体どういうつもりなのか

 

「まあまあ、そこら辺はおいおい話していきますので」

 

「全く代表も結城くんも何を考えてるんだか」

 

あの女は木下優子だったな。秀吉とそっくりな双子の姉だったはずだ。

 

「それでルールなのですが一騎討ちの5回戦で科目選択権はこちらが二回でそちらが三回,三回勝利したクラスの勝ち。というルールで行きたいのですがよろしいでしょうか?」

 

なんだと!?

 

「おいハザマ。そりゃどういうことだ。そんなルールあまりにもこっちにメリットがあるんじゃねーのか?」

 

「ええ、確かにそうですね。ですがこれは代表の提案なのですよ。私や皆様はそれに乗っただけです」

 

「......」

 

なんだ、坂本のやつ苦いかおしやがって。

 

(おい、どうした)

 

(今あいつが言ったルール、元々Aクラスに戦争を申し込んだとき俺が提案するはずだったんだよ)

 

(なんだと?)

 

(実際は俺と翔子の一騎討ち一回のつもりだったがな、実は昔あいつに歴史で間違えた年号を教えちまってな。それが出てくるまで小学生レベルのテストで粘りまくって勝つつもりだった)

 

(まさかそれを読まれたのか)

 

(さあな、だがこっちが優位なのに変わりはない。当然受けるさ)

 

そう言ういと坂本は霧島とハザマに向き直る。

 

「わかった。そのルール受けようじゃねえか」

 

「......雄二、私と一騎討ちしてほしい。」

 

「ほう、お前から言い出すとはな」

 

「......それともうひとつ」

 

「ん?」

 

「.......私が勝ったらひとつだけ頼みを叶えてもらう」

 

「ふむ、まあ良いだろう。それもうけよう」

「あ、そうそう!私からもいいでしょうか?」

 

「なんだ?物によっては受けてやる」

 

「私とジンくん、それから弥生さんもそれぞれご所望のお相手が居ましてねぇ」

 

ジンや弥生もだと?あいつ、何を企んでんだ。

 

「ツバキはノエル、ハザマは明久と、僕は兄さんと戦いたいんだ」

 

「ええ。それでなんですがね、私たちのうち二人が勝った暁には...ラグナくんと明久くん、それとFクラスのお嬢さん方をこちらに頂きたいのですよ」

 

「はあ!?ラグナ達ならともかく明久なんて連れてってどうする気だ?」

 

「そりゃあ友達ですからねぇ。どうせ勉学に励むなら本当の意味で気を許せる友達と一緒にしたいじゃないですか」

 

「ふざけるなー!野郎ならともかく我らが女神様達まで奪う気か!」

 

「そうだそうだ!お前らAクラスはただでさえ美少女揃いなのに!」

 

ばか連中が言ってることはともかく、何を言い出してんだこいつは

 

「いやいや、でもハザマくん。いくらAクラスだからって生徒が勝手にそんな事...」

 

「心配は無用だ、明久。僕の如月家とツバキの弥生家はこの学園のスポンサーでもある。父さん達に頼んでみたらあっさり掛け合ってくれてね、既に許可は降りてる。むしろまともにわがままを言ってくれたのが初めてだと泣かれたけど...」

 

「ノエル、ラムダ、ニュー、マイ。それと...ラグナお義兄様、吉井くん。あなた達はそんなクラスにいるべきではないわ。」

 

「そうだよ!まあ、単純にみんな同じクラスになりたいだけなんだよねー。」

 

はあ、全くわがままなやつらだ。

 

「なるほど。で、こっちが2勝したらどうすんだ?いくらこっちに有利なルールの戦争とはいえいくらなんでも主戦力全部寄越せってのは気に入らねえからな。」

 

まあ、そうだろうな。一応坂本達とは一年間だけとはいえそこそこ仲良くやってるほうだ。もし負けたとしてはいさよならってのはな。

 

「勿論考えてありますよ?ラグナくんたちが勝った際には私とマコトさん、ジンくんと弥生さんがFクラスに入らせて頂きます。」

 

「おいおいおい、本気か?あんな教室じゃなく豚小屋レベルの所で一年間やってけんのか?」

 

「ええまあ。ま、その点についてはご心配なく。我々勿論、勝つつもりですから。」

 

そう言って普段寝てるんじゃねえかって位の薄目を開き不適な笑みを見せてくる。ほお、ずいぶんな自信だ事で。

 

「上等じゃねえか。こうなりゃクラス移動なんてどうでもいい、掛かってこいよ。返り討ちにしてやる」

「はあ。まあいい、こいつらが2勝すれば最悪戦争に負けたとしても戦力大幅強化は出来るしな」

 

「では、受けて貰えるということで?」

 

「ああ、良いだろう」

 

「ありがとうございます。では、そろそろ始めるといたしましょうか?西村先生、お願いします」

 

「はあ、全く。こんなこと前代未聞だぞ。学園長もよく許可を出したものだ。それにあんなことまで...」

 

「あ、先生それはまた後程...」

 

ん?なんだ、まだなにかあるのか?

 

「む?そうか、ではこれよりFクラス対Aクラスの試験召喚戦争を始める!では、一回戦出場者は前に」

 

「よし、行けムッツリーニ!まずは一勝してこい」

 

「......まかせろ」

 

「おー君がムッツリーニくんか!じゃあ私がいくね!」

 

あいつは......確か工藤だったか?一年の三学期の頃に転校してきた。ノエル達と同じクラスだったはずだ。

 

「ふふん、君保健体育が得意なんだよね?僕も得意だよ......実技でね」

 

「.......!!!」ブシヤーーー!!

 

おい!鼻血出してぶっ倒れたぞ!

 

「おい、大丈夫か土屋!」

 

「.......我が生涯に一辺の悔いなし」

 

いや絶対あるだろ!

 

「あちゃー、ごめんね?」

 

「おい、どうすんだ坂本」

 

「しょうがない、すまない夏目。頼めるか?」

 

「...うん」

 

「やめときなよマイ!さっきから調子悪そうじゃないか!」

 

どうした、マイのやつ。そう言えばAクラスに来てからずっと顔が青ざめてるが。

 

「マイ、無理しちゃだめ。」

 

「そうだよ!ニューが変わるよ!」

 

「坂本くん!どうしてマイを出すんですか!こんな状態なのに!」

 

「それでもだ。お前達姉妹よりも夏目のほうが全体的に点数が勝ってんだよ。」

 

くそ、まあ坂本も本当は出したくないようだな。だが

一体どうしたんだ?

 

「すみません、工藤さん。出場変わってもらってもいいですか?」

 

「姫路さん?うーん。まあムッツリーニくん脱落しちゃったしいいよ」

 

「瑞樹!あの女ぶったおしてよね!」

 

「任せて下さい、美波ちゃん!」

 

あれは姫路に...島田?あいつ本当に成績あげたな。一年の頃は日本語ぜんぜんダメな帰国子女だったのにな。しかし、マイの事をあの女だと?それが元クラスメイトに言うことか?

 

「...!?うぅ」

 

おい、あの二人をみた途端明らかに怯え始めたぞ

 

「先生、科目は総合でお願いします!」

 

「うむ、それではフィールド展開!」

 

「サモン!」

 

「さ、サモン...」

 

姫路瑞樹 4382

 

夏目マイ 4451

 

ほぼ互角か、だがこのままじゃまずいな。今のマイでまともに戦えるのか?

 

「では、始め!」

 

「う、うう!」

 

「マイ、本当にどうしたっていうの?」

 

「ねえ、やばいって!明らかに普通じゃないよあの状態!」

 

「...どうも、姫路さんと島田さんに対してストレスをかんじているようですね」

 

「ハザマ、君もそう思うか」

 

「どうしたのでしょうか、夏目さんは」

 

あいつらもヤバそうなのに気づいたか。

 

「く!うぁぁぁ!!」

 

「そんな攻撃ききません!」

 

ズバ!

 

「そこまで!勝者、姫路瑞樹!」

 

 

マイが、あんなあっさりやられただと?

 

「そ、そんな...い、いや、いかないで、あき、ひさ...」

 

ばた!

 

「おい、ぶっ倒れたぞ!」

 

「お、おい夏目!」

 

「マイ!」

 

明久が駆け寄って抱き起こして呼び掛けてもまるで反応しない。完全に気絶してやがる

 

「マイ、起きてマイ!」

 

「つ、ツバキ!どうしよう、マイが!」

「マコト、落ち着きなさい!」

 

「マイ、ねえ!」

 

「保健室に、連れていく」

 

「ニューも手伝う!いこ、ラムダ姉!」

 

「じゃ、じゃあ僕も!」

 

「だめ、明久は残って」

 

「で、でも!」

 

「マイの分も明久が勝つの!いい!?」

「...わかった」

 

「明久...」

 

全く、本当にどうしたんだマイのやつ。

 

「ふん、何よわざとらしく倒れて」

 

「全くです。あんなことで吉井くんの気を引こうだなんて」

 

なんだと?あの二人......

 

「おい、てめぇら!いい加減にっ」

 

「...うぜーんだよ、黙れこのアホが」

 

「「!!??」」

 

そうか、お前もあいつのために切れてくれるか。

 

「ハザマ...」

 

「ハザマ、くん」

 

あいつはいつも妙に高めの声色で喋るがぶちギレると素の低い声になるんだったな

 

「なんですって!」

 

「なんでいきなりそんなこと言うんですか!」

 

「聞こえなかったか?黙れって言ったんだよ、このメス豚が」

 

そこまで言われてようやく二人は引き下がった。ったくなんなんだあいつら。

 

「いやーすみません皆様方。不快な思いをさせてしまって。では明久くん、始めるとしましょうか」

 

「...う、うん」

 

当たり前だが、心ここにあらずだな。これじゃああっという間に...

 

「...マイ...」

 

「ふむ......こうなったら真剣勝負は次にしますか。先生すみません、科目は古典でお願いします」

 

なんだと!

 

「くそ、結城のやろうあんなこと言ってた割に弱点をついてくるとはな」

 

「いや、あいつまさか...」

 

「「サモン!」」

 

結城ハザマ 439

 

吉井明久 104

 

「ほう!すごいですね明久くん!この短期間でそこまであげましたか!」

 

「うん...マイが教えてくれて。」

 

「そうですか...」

 

「では、始め!」

 

前より遥かに高くなっているが...

 

「どうだラグナ、明久のやろう勝てそうか?」

 

「無理だな」

 

「ほう、即答か」

 

「当たり前だ。普段のあいつならあれぐらいの点数差でも勝つ可能性はあるがな」

 

今のあいつじゃハザマには絶対に勝てない

 

「くそ、何としてでも勝つ!」

 

「...明久くん、今あなたがいるべきなのはやはりここではありません...ウロボロス!」

 

ハザマの野郎、あいつやはりそういうことか。いきなり腕輪使ってくるってことは。

 

「ぐ!ぅぅ!」

 

「隙あり!」

 

ドシュ!

 

「ぐぁぁ!」

 

「そこまで!勝者、結城ハザマ!」

 

「ぐ、くそ...」

 

「あーーー!!これは大変です!すみません、明久くん!やりすぎてしまったようですね!そんなにひどい顔色で!先生、私彼を保健室に連れていってきます。では!」

 

「お、おい!はぁ、まあ良かろう。ならそいつを横にしてきたらお前はすぐ戻ってこい」

 

「はい、もちろんです!」

 

(おい、ハザマ)

 

(ん?なんですか、ラグナくん?)

 

(すまないな)

 

(ハザマくん、君まさか僕をマイの所に連れて行くために...)

 

(おやおや、なんの話ですか?)

 

「さあ、行きますよ。明久くん」

 

「う、うん。ハザマくん...」

 

「はい?」

 

「ありがとう」

 

「いえいえ、お気になさらず。あなたは大切な友達ですから」

そう言い残しハザマは明久を保健室に連れていった。

 

「しかし、これで2敗か。もう後がねえな」

 

「任せとけ坂本。おい、ジン!」

 

「兄さん、すまない。うちのクラスのバカが。」

 

別にお前のせいじゃないってのに

 

「気にすんな。それと勝負は勝負だ。一切手は抜くなよ?」

 

「当然さ」

 

「先生、教科は世界史で頼む」

 

「「サモン!」」

 

ラグナ=マーキュリー 491

 

如月ジン 483

 

「ジン様より上!?」

 

「いやー、すごいねラグナくん!」

 

「さあ、やろうか兄さん!」

 

「いくぜ、ジン!」

 

ここからFクラスの逆転を見せてやる!




いきなり2連敗で後がなくなったFクラス!次回はAクラス戦決着!?の前にもうひとつの方の作品を投稿予定です。


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四話

さて、時間がかかってしまいましたがAクラス戦並びに第一章完結!そして最後にあいつが!?


「マイ...」

ハザマくんにフィードバックのダメージがあるからという名目で保健室に連れてこれられた僕はマイが寝ているベッドの横に座っていた。ラムダとニューは僕達が来ると先生に帰されてAクラスに戻っていった。

 

「明久くん、夏目さんは何があったんでしょうか。」

 

「わからない...ただ」

 

「ただ...なんですか?」

 

「ここ数日妙に夢見がわるいのかうなされてるみたいなんだ。さっきみたいに怯えてるようすで...」

 

「なるほど...」

 

「一応その場は収まってたんだけどね、事情を聞いても教えてくれなくて」

 

「...ああ、ようは」

 

彼は僕の耳元に顔を近づけて

 

「普段は君が夏目さんを甘やかしてあげてたわけですね?」

「ん?...な!?」

 

彼の言葉の意味がわかった僕は驚いてしまった

 

「ちょ、ハザマくんここじゃちょっと...」

 

「おや、これは失礼。」

 

「ハザマくん、あなたは付き添いでしょ?早く戻りなさい」

 

「これはすいませんライチ先生。では、明久くん。私は戻りますね」

 

そう言ってハザマくんも保健室を出ていった。

 

「あの、ライチ先生。僕はいていいんでしょうか?」

 

「当然よ。とりあえず落ち着いたとはいえ目が覚めた時にあなたがいてくれたら夏目さんも嬉しいはずだからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし夏目さんのあの怯えかた、まさかとは思いますが夢の中で姫路さんと島田さんに明久くんを...逆の立場だったら私の場合憎しみで相手を殺してしまいそうですね。

 

「と、危ない。教室をスルーしそうになるとは」

 

さて、今はどうなってるんでしょうか?

 

ガララ

 

「あ、お帰り!」

 

「はいただいま。さて、ラグナくんとジンくんですか。状況は...」

 

ラグナ=マーキュリー 274

 

如月ジン 194

 

「ほほう、やはりラグナくんがおしてますね」

 

「うん、ジンくんの攻撃全部当たってないんだよね」

 

それにしては点数が低い気が...あ、なるほど

 

「彼らの腕輪はたしか私のような攻撃型ではなく強化型でしたね」

 

「ええ、だからジン様にも十分勝機はあるはずなんですが...」

 

「...ふむ」

 

ガキン!

 

「しまった!」

 

おや、ジンくんの剣が弾き飛ばされましたね。これは...

 

「おぉぉらあ!」

 

ズバ!

 

「そこまで!勝者ラグナ=マーキュリー!」

 

「はぁ、やはり兄さんは強いね。僕じゃ敵わなかったよ」

 

「そんな事はねえよ。お前だってもし弥生とかが先に戦ってやられてでもしたら結果は逆だったりしたかもな」

 

「そうだね...彼らは大丈夫かな」

 

「とりあえず夏目さんは今は大丈夫そうでしたよ?」

 

「そうか...ってハザマ!?」

 

「貴様、いつのまに!」

 

おやおや、人を虫みたいに。

 

「ハザマ、あいつらどうだった?」

 

「明久くんの方は夏目さんと居させてるから問題ないようですが実際問題は夏目さんですね」

 

「やはりか、彼女の様子は異常だったからな」

 

「私的には姫路さんと島田さんは遠ざけたほうがいいかと。どうもあの二人が原因というか」

 

「ならあの二人をFクラスにいってもらうか?ちょうどFクラスのバカ達は不満を言ってたからね。」

 

「おい、そりゃノエルが負けるって言いてぇのか?」

 

「おい、お前達!フィールドの真ん中で何をしている?」

 

っと、流石に話し込みすぎましたかね

 

「まあ、そこら辺は後にでも」

 

「はぁ、そうだな」

 

私達は注意されたこともありそれぞれの陣営にもどることにしましたがさて、弥生さん達の戦いはどうなることやら

 

「すまないツバキ、後は任せた」

 

「お任せください、相手がノエルでも手加減はしません!」

 

「でもノエルんもツバキも苦手教科とかないから点数もほぼ互角だよね」

 

「まあ、気負わずに行ってくださいよ。私達が行くか、彼らが来るかの違いですし」

 

「あなたにアドバイスされるのは癪だけど...素直に受け取っておくわ。ありがとうハザマくん。」

 

弥生さんがフィールド中央に向かうと同時に向こうからはノエルさんがやって来ましたね。

 

「ツバキ、本気で行くからね!」

 

「こっちも本気で行くわ。覚悟しなさい、ノエル!」

 

おおう、なかなか修羅場な感じですね

 

「先生、科目は数学でお願いします!」

 

「うむ、フィールド展開!」

 

「「サモン!」」

 

ノエル=マーキュリー 511

 

弥生ツバキ 508

 

おお、これは中々規格外ですね

 

「負ける訳にはいかない!マイと明久くん、そして二人の為に勝ったラグナさんのためにも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...んっ...ここは...」

 

「マイ!良かった、大丈夫?」

 

「明久?ここは?」

 

「保健室だよ、あの試合の後倒れて...」

 

良かった、本当に良かった...

 

「私、また...」

 

「ねえ、マイ。姫路さん達と何かあったの?」

 

「それは私も聞きたいわね、夏目さん」

 

「ライチ先生!?」

 

「あ、でも無理ならいいよ!?もう少し落ち着いてからでも」

 

「...明久」

 

「ん?」

 

(今日の夜、二人の時でもいい?)

 

(...わかった)

 

「あの、先生。倒れた理由についてなんですが...」

 

「分かってるわよ。流石に私には話しにくいわよね」

 

「すいません、先生。あ、試合はどうなったの?」

 

「いや、実はあのあと僕も負けちゃって。その時ハザマくんが連れてきてくれたんだけど今どうなってるかは...」

 

「そっか...わかった。戻るよ私」

 

「え!大丈夫なの?」

 

「私だけいつまでも寝てられないよ。この戦争事態元々ノエル達や私の為に起こしてくれたんでしょ?」

 

「う、それは...」

 

マイが気にすると思って内緒にしてたのに、鋭いな。

 

「吉井くん、連れてってあげなさい」

 

「...わかりました。いくよマイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?ツバキ達や私たちのクラス移動がかかってるの?」

 

「そこまで聞いてないくらいやばかったのか...」

 

「ごめん、後でちゃんと話すから...」

 

さて、早く教室に戻らないといけないわけだけど今どういう状況なんだろうか

 

ガララ

 

「すみません!戻りました!」

 

「明久!」

 

「マイ!大丈夫なの?」

 

「いやーよかった!お二人ともいいところで帰ってきましたよ!」

 

あれ、ハザマくん達がFクラス側にいる?

 

「よう、なんとか」

 

「勝ちましたよ!」

 

そう言ってVサインをするラグナとノエルさん。ってことは...

 

「もしかして、最終戦の途中!?」

 

「はい!ギリギリでしたがなんとか勝てました!」

 

「全く、ダメージを受けながら懐に飛び込んで来るとはね。あなたがあんな捨て身な戦法で来るなんてね」

 

「そっか、じゃあ」

 

「私達、今日からFクラスでーす!よろしくね、マイ!」

 

「負けたのは悔しいがここからは坂本を応援させてもらうよ。一応彼がリーダーなわけだし」

 

「今ちょうど小学生レベルの社会テストが終わって採点中ですのでもうそろそろかと」

 

「まあ、兄さん達が戦争に賛成してる時点で設備交換はしないだろうと踏んでるから僕達もあんな賭けをしたんだけどね」

 

「恐らく、設備自体のレベルアップといったところでしょうね」

 

「詳しくは聞いてねえが多分そうだろう。」

 

なるほどね。でも、これでマイ達をまともな設備で勉強させてあげられる!雄二が元々仕掛ける予定だったてことはそれだけ自信があるってことだし

 

「待たせたな、これより結果発表だ」

 

鉄人が教室に入ってきた!いよいよか!

 

「Aクラス代表、霧島翔子。97点」

 

ざわざわざわざわ

 

ほ、本当に霧島さんが間違えた!?てことは!

 

「Fクラスが!」

 

「ああ、Aクラスに!」

 

「Fクラス代表、坂本雄二。76点」

 

見事に負けて設備がミカン箱になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいこら雄二!」

 

「てめえバカか!なんだあの点数は!」

 

「すまん、俺の実力だ」

 

「「「「ふざけんな!」」」」

 

「はぁ、全く。保健を打っておいてよかった」

 

「ん、保険?なんのこと?」

 

「いえ、実はですね。Fクラスの教室がどうもホコリっぽすぎるなと一度来たときに思いましてね。実は先生に頼んで調べてもらったら畳が腐ってたらしいんですよ。なのでFクラスの勝敗に関係なくこちらの交換はして欲しいと頼みましてね」

 

そういえば鉄人が何か言ってたな。そのことか

 

「まあ、これで何とか体調を崩すような事はないはずよ」

 

「てかあたし達来週からミカン箱で勉強か。いやだなー」

 

ガララ

 

「おい、入るぞ」

 

そういってFクラスの教室に入ってきたのは

 

「ココノエ!?」

 

げし!

 

「いって!てめえなにしやがる!」

 

「先生をつけろ。それと敬語もだ馬鹿者」

 

あれはココノエ先生!たしかラグナ達とはいとこに当たる人だったはず

 

「あの、ココノエ先生はどうしてこちらに?」

 

「ああ、今度から私がこのクラスの担任になるからだ。覚悟しておけ、馬鹿者ども」

 

ま、まじか。鉄人とかになるよりかはましだけど

 

「あ、それと霧島も来てるぞ」

 

「な!」

 

「...雄二、私と付き合って」

 

え!?もしかして言うことを聞いてもらうてその事!?

 

「お前、やはり諦めてなかったのか」

 

「...うん、私はずっと雄二が好き」

 

「そうか、翔子ちゃんの好きな人って坂本君だったんだ...」

 

「え、てか二人とも知り合い!?」

 

「あれ、言ってなかった?」

 

そうか、霧島さんて霧島グループの令嬢だったような。だからマイともそれで...

 

「...これからデート」

 

「お、おいちょっとまて!」

 

ぎゃあああ!!

 

そのままアイアンクローしながら霧島さんは雄二を連れて行った

 

「ま、まあ何はともあれこれから私達はクラスメイトですね!よろしくね、ツバキ、マコト!」

 

「ったく、締まらねえ結果だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっへっへ。こいつが召喚獣のデータか!」

 

学園のサーバールーム。本来そこは教師しかはいれないはずのそこに忍びこんでいるものがいた。

 

「いきなり記憶が目覚めて驚いちまったな。あいつらが仲良くやってるとはなぁ!」

 

「まあ、それもあと少し。最後に...」

 

「祭りまでは楽しませてやるか!ヒャッハーーー!!」




「皆さんこんにちは、ノエルです!」

「ラムダ」

「ニューだよ!」

「マイです!」

「ツバキ達がFクラスに来て二週間。もうすぐ清涼祭ということで私達はコスプレ喫茶をすることに!」

「まてこらー!!」

「いやですよー!」

「「「「!!??」」」」

「な、なんでしょうか今の?」

「ラグナとハザマ?」

「でも変なスーツきてたよ!?」

「私達もだけどみんな召喚獣のコスプレしてたはずだよね?」

「ご、ごめん、今、ラグナ達来なかった?」

「あ、明久、て、ええ!?」

「明久くんも!?」

「あ、これ?いやココノエ先生にハザマくんが作ってもらったって。と、あの二人追いかけなきゃ!あとよろしく!」

「え?あ、と、とにかく次章!清涼祭開幕、ラグナと明久、ヒーローになる!?」

「「「「よろしくお願いいたします!」」」」


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第二章 清涼祭開幕 ラグナと明久、ヒーローになる!?
五話


いよいよ第二章開始!18禁版を読んで下さってるかたは男面子のしてくるコスプレがどんなものかなんとなく予想がつくと思います。


「じゃあ明久、夏目。後は任せた。俺は寝てるから勝手にやってくれ」

 

「はーい、行こうか明久。」

 

「あいつ、全部僕達に押し付ける気だな...」

 

俺たちのクラスの設備がミカン箱になりジン達がFクラスに来て二週間、今日は来週末の金曜日から日曜日までの三日間行われる清涼祭の出し物について話し合いをすることになったわけだ。とはいえ坂本のやつは進行を明久たちに任せて寝やがったが。まあ正直いえばココノエのやつが一日目と二日目にある召喚獣大会で優勝すれば売上を設備購入に当てられるよう許可を取ってきてくれてなきゃ俺もふて寝してるとこだがな

 

「さて、じゃあなにか意見ある人!」

 

「......」スッ

 

「はい、土屋くん」

 

「......写真館」

 

「ムッツリーニ、それエロい写真飾るよね絶対」

 

「......そんなことはない」

 

絶対そんなことあるだろ

 

「はい!」

 

「はいノエル」

 

「私はウェディング喫茶をしてみたいです、女子はウェディングドレス、男子はタキシードで!」

 

「私もやりたい」

 

「ニューも!ねえラグナ!」

 

「だぁもう!抱きついてくんな!」

 

全く。最近ニューだけじゃなく上二人も大胆になってきやがって

 

「俺もあるぞ」

 

「はい、須川くん」

 

「中華喫茶はどうだろうか?うまい飲茶をだしたりするんだ。やはり食文化は中華が一番だと俺は思うし」

 

「中華喫茶か...おもしろそうだね!」

 

(夏目さんに誉められた!)

 

「「はーい!!」」

 

「えっとじゃあまずはマコト...」

 

「「コスプレ喫茶がしたいでーす!」」

 

二人揃っていいやがったぞ

 

「え!?二人とも一緒?」

 

「マコト、あなたまたハレンチな格好するき?」

 

「ハザマ、貴様二日目と三日目は生徒の身内以外も見に来る一般公開するんだぞ。大丈夫なのか?」

 

「大丈夫ですよー。私とマコトさんは巷では有名ねレイヤーですから。儲けのこともあるのでそこはちゃんと考えてますって。ねえマコトさん?」

 

「当然!それにちょっとくらいセクシーな格好した方がインパクトあるって!」

 

「ごめん七谷さん、とりあえず説明いい?」

 

「まあそのまんまだよ。コスプレして色々な料理出したり飲み物出したり。女性陣と明久くんとかラグナくんとかで分担してさ!」

 

「さらっと厨房班にぼくが入るの確定してるね」

 

たく俺もじゃねえか、面倒くせえな

 

「まあ俺はともかく明久はまず確定だろ?お前料理の腕プロ級じゃねえか。紅茶も淹れるの上手だろ?」

 

「そう?てかやるとしてもコスプレはどうするの?」

 

「そこは我々にお任せを!」

 

「......俺も手伝う」

 

「お、土屋くん裁縫できるの?ならお願いするね!」

 

「......任せろ」

 

「よし、じゃあこれくらいで多数決にいこっか。まずは...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、コスプレ喫茶に決まったわけだが本当に大丈夫なのか?」

 

帰り道、いつもの面子でいるところやはりコスプレ喫茶をやることに不安があったためハザマの野郎に聞いてみることにした

 

「大丈夫ですって!それに実はもうココノエ先生に話をしてご協力をお願いしてるんですよ」

 

ココノエに?

 

「どうしてココノエ先生に?ハザマくんやムッツリーニでも作りづらいコスプレとかあるの?」

 

「あっと、まあそんな所ですね。まあ数人分だけだったのでOKしてもらいました」

 

「後の分はあたし達に任せてね!」

 

どうも不安だな。妙なもんが来ないといいが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから約二週間、今日からいよいよ清涼祭!マコト達が作ってくれたコスプレは私達の召喚獣の服装になっててすごい!マイやマコトは腕輪使用後の服装もつくってあったらしいけど余りにも...な服装だったので全員腕輪使用前のもので統一されることになりました。マコトは残念そうにしてましたがマイはほっとしてたな。まあ流石にあれは明久くん以外にみられたくはないよね。更衣室で着替えて教室に戻ってきたけどまだラグナさん達が帰ってきてないのが気になるなぁ。

 

「ノエル達のやっぱりかわいかったりカッコいいなあ!私だけ学校の制服ってかんじだもんなぁ」

 

「あたしあの服装気に入ってたのにー!もぅ先生たちのいじわる!」

 

「マコト、あなたあれは流石にまずいわよ。言ったでしょ?明日と明後日は一般公開もあるのよ」

 

「ニューも腕輪使ったあとのがよかったー!ラムダ姉もそう思うでしょ!?」

 

「私は、こっちも好き。動きやすいから」

 

ひそひそ

 

(やっぱりみんなかわええ!)

 

(Fクラスになって最悪だったけどあんな美少女たちのコスプレ姿を近くでみれるとは!)

 

なんだか視線がきになるなぁ。私は背中が結構空いてるからかな。

 

ガララ

 

「おい、あんま変な目でノエル達みるんじゃねえぞ?」

 

「あ、わ、わるい!って......どちら様でしょうか?」

 

あ、誰かもどってきたかな?...だれ?喋り方で一瞬ラグナさんかと思ったけど声が違うかと思ったらなんか顔にバーコードみたいな装飾がついた特撮番組のヒーローみたいなコスプレした人が男子に詰め寄ってるけど

 

「すみません、どちら様でしょうか?」

 

「はぁ?お前何言って...そうか、そういや」

 

カチ

 

喉の所にあるスイッチのような物をいじると

 

「俺だノエル」

 

「ラグナさん!?」

 

全然違う声でしたよ!?マスクにボイスチェンジャーでも入れてあるのかな、さっきのスイッチでオンオフしてるとか

 

「すごーいラグナ!」

 

「どうしたの、それ?」

 

「ハザマの野郎がココノエに頼んだとかどうとか言ってたろ?明久達の分も作らせてたらしい。そろそろ戻ってくるだろうが」

 

ガララ

 

今度は...ひらがなやカタカナでライダーてマスクに書いてる三人と白いスーツに黒いマントを身につけたのが一人。

 

「それにしてもすごい出来だね、これ!ベルトもつくってもらったの?」

 

「いえいえ、そちらは私の私物でね、我が魔王」

 

「なんかすごいなりきってるね、ハザマくん」

 

「全く何故ぼくがこんな格好を」

 

「お前はまだましだぞ如月?俺なんかこのバカとオタクと似たデザインの妙にダサいやつなんだからな」

 

やっぱり明久くんたちみたい。みんなも声は変わってるけど会話の内容と喋り方でなんとかどれが誰かなんとかわかるかな。

 

「それって確か仮面ライダー?だっけ?買い物してるときにお菓子のコーナーで見たような気が...」

 

「そうそう!近所の子がたまにオモチャで遊んでたりしてるの見たことあるからなんとなく見覚えあったんだよね」

 

「おいハザマ、俺のってこれ相当昔のだろ?」

 

「いやいや、最近またテレビで大活躍してますよ!あ、それとそのベルトネット通販限定の高いやつですから扱いにはきをつけてくださいね!」

 

な、なんだかすごい光景。

 

「でもハザマさん、どうしてこのコスプレを?」

 

「良く聞いてくれましたノエルさん!女性陣のコスプレはやはり男を引き付けるのと私たちのは召喚獣バージョンの場合は女性客、こちらの仮面ライダーのコスプレは年少のお子さんたちを引き寄せるための物でしてね。せっかくなら楽しくコスプレしたいですしさらに利益を出すことも可能とまさに一石二鳥ですし!」

 

確かに清涼祭には進学を考えてる中学生だけでなく召喚獣システムに興味がある小学生とかも一般公開のときに沢山来られますもんね。ハザマさんの考えは利にかなってると言えますね

 

「...」

 

「えっと、ジン様、ですよね?」

 

ジン兄さま?どうしたんだろう

 

「ツバキ、その...似合ってるぞ」

 

「は、はい!ありがとうございます!その、ジン様もお顔が見れないのは残念ですがとても格好いいですよ!」

 

「ありがとう、ツバキ」

 

(あれ悪役だってばれたら私ただじゃすみませんね)

 

「さて、一回戦はもうすぐか。明久、ラグナ。早くいくぞ」

 

「雄二、このまんまで大丈夫?」

 

「もうこうなったらやけだ。少しでも翔子の目を欺けるかもしれないし....」

 

「おい、坂本。」

 

「なんだ?」

 

「一個だけ忠告しとく。あんまり女をほっとくなよ、強そうにみえるやつでもな...」

 

「なんだ、藪から棒に」

 

「そうですよ、あんな素敵な女性ほっておくなんて」

 

「ハザマまでなんだってんだ...」

 

そういって坂本くんはラグナさん達をつれて出ていきました。

 

「さて、ではお仕事しましょうか!」

 

「ハザマ、すまないがやはり召喚獣のほうに着替えていいか?流石に蒸し暑い...」

 

「そうですか?ふむ、なら私も着替えておきますか。すみません、私たちもまた少しでてきます。その間お願いしますね」

 

「はーい、どうせ始まってすぐは少ないだろうし。」

 

「では、また後程」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、あれでやばそうなのは全員だよな?」

 

「ああ、妨害するだけでいいとはな。これだけで推薦してくれるなら美味しいバイトだぜ。」

 




最後に出てきた二人、当然やつらです。さて、一応わからない方のために説明するとラグナ達のコスプレはそれぞれ

ラグナ→ディケイド

明久→ジオウ

雄二→ゲイツ

ハザマ→ウォズ

ジン→エターナル

となっております。


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六話

さて、今回はあのコンビが登場です!


試合会場にきたけどやっぱり人が少ないな。まあ今日は生徒の身内しか外部の人間は入れない上に一回戦だしね。

今年の清涼祭で行われる召喚獣大会は一日目で準決勝まで行われるらしい。まあ去年までは二人組で二日目いっぱいまで使ってやってたらしいけど今年は三人一組の変則的な形だからか参加組が少いみたいだしね。

 

「ほう、これはこれは試召戦争で無様に負けたFクラスのトリオじゃないか?」

 

「あら、本当ね。そんな人たちがいきなり私たちとなんてうんが悪いわね」

 

「三上さんの仇、ここで討たせてもらうぞ!ラグナ=マーキュリー!」

 

「えっと...あれ誰だっけ?」

 

「Bクラスの代表の根元、Cクラスの代表の小山、それとDクラスの代表の平賀だ。まさか代表同士で組んでくるとはな」

 

 

なるほど。一応はクラスの最上位点数持ちだからね、小山さんと根元くんはちょっと僕からしたら手強いかな?

ってその前に

 

「ラグナ、三上さんって知ってる?」

 

「いや、知らん。おい平賀とやら。その三上ってのは誰だ?」

 

「貴様がEクラスの試召戦争の時に倒した女子の...

俺の彼女の事だ!」

 

 

まじか!?あー、そうなると絶対覚えてないよなラグナ。あの時ノエルさん達共々無双してたし。

 

「悪いな、覚えてない。」

 

 

やっぱり...

 

 

「点数に差があろうが関係ない!ここで倒してやる!」

 

「...自分の女のためにか。なかなか熱い奴じゃねえか。いいぜ、来いよ。叩き潰してやるぜ」

 

「おい、一ついいか?」

 

 

ん、なんだろう根元くん

 

 

「お前ら本当に俺たちの対戦相手の吉井達であってるよな?」

 

「何言ってるのさ?」←ジオウ

 

「全く、妙な事言いやがる」←ゲイツ

 

「自分のカッコみて言え」←ディケイド

 

 

あ、そういえばコスプレしたまんま来ちゃってたんだ。

 

 

「まあいい、勝つのは俺たちだしな」

 

「そうはいかないね!僕達だって負けるわけには...」

 

ガッ グルン!

 

あ、腕がベルトに当たっちゃった

 

【ライダーターイム!仮面ライダー!ジオウ!!】

 

「「「「「...」」」」」

 

やめて!そんないい年してオモチャで遊んでる大きなお友達を見るような目で僕を見ないで!

 

「観戦にきたやつが少ないのが救いだな、ドンマイ明久。」

 

イラッ

 

グルン!

 

【ライダーターイム!仮面ライダーゲイツ!】

 

「てめえなにしやがる!」

 

「さっきのでなんとなく使い方が分かったんだよ!お前も同じ辱しめを受けろ!」

 

「お前らいつまでやるつもりだ...」

 

「っと、雄二の馬鹿にかまってる暇じゃない!」

 

「バカの明久と遊んでる場合じゃなかったな」

 

「「あぁ?」」

 

こいつまじでぶっとばしてやろうか?

 

「はぁ、あのな?」

 

「なにラグナ。根元くん達の前にまずこいつを...」

 

「試合、もうけり着けたぞ?」

 

「「え?」」

 

気が付くといつの間にか試合が始まり既に終わっていた

 

「え!いつの間に!?」

 

「さっさと終わらせて一回着替えたかったしな、腕輪使って全力でいったら瞬殺しちまった」

 

「あなたたち、この屈辱はいずれ返すわよ!」

 

「覚えてやがれ!」

 

「くそ、すまない三上さん...」

 

やば、明らかに怒らせちゃったよね

 

「はぁ、とにかくさっさと戻ろうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後更衣室で召喚獣のコスプレに着替えた僕達は教室に戻ることにした

 

「おお、お前たちここにおったのか!」

 

あれ、秀吉?

 

「どうした秀吉」

 

「実はお主らがいない間にのぅ...」

 

 

 

 

少しさかのぼりFクラスの教室ではモヒカンとハゲ頭の男二人が騒いでいた

 

『おいおいなんだよこれ!ミカン箱にクロスかけただけじゃねえか!』

 

『ここ食事するところだろ!?こんなんでいいのかよ!』

 

ざわざわ

 

『どうしよう、みんな帰り始めちゃってるよ』

 

『許さない...ニュー達の邪魔するやつ...』

 

『落ち着いて』

 

『まさか明久達やジンくん達がいないときに限ってこんなことになるなんて...』

 

ガララ

 

『戻りましたよー』

 

『何かあったのか?』

 

『ジン様!』

 

『もうー!遅いよ二人とも!』

 

『おやおや、何かあった...ようですね』

 

『なんだやつらは?』

 

『おそらく私たちの妨害なのではないかと思うのですが...』

 

『なるほど...』

 

呟くとハザマは二人のもとへ歩いていった

 

『責任者だせやこぶふぅ!』

 

ハザマにパンチをくらったハゲ頭は吹き飛んだ

 

『お客様、なにかございましたか?』

 

『なにかも何もいま連れの夏川が殴り飛ばされたんだが...』

 

『それは私のパンチから始まる交渉術でしてね』

 

『な、なるほど。じゃあ俺はこのへんで...』

 

『おいまて常村!俺を見捨てるつもりか!』

 

『おやおや、時間がおありでない?では最後に』

 

『お、おい!俺はもう何も!』

 

『蛇翼崩天刃!』

 

『ぐほぉ!』

 

ハザマの蹴りがモヒカン頭の顎に入り宙をまい床に激突した

 

『格ゲーの必殺技で締める交渉術でございます』

 

帽子をかぶり直しながらキメ顔で彼はいい放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「といった事があってのう」

 

妨害?わざわざそんなことするなんて暇なやつもいるなぁ

 

「そうか、で?例の件はもう進めてるのか?」

 

「机のことじゃろ?何とか先生達に事情を話して借りれたぞ。じゃがそれからやつらは来てないのになかなか人が来なくてのう」

 

ガララ

 

教室に戻ると...うわ、もうそこそこ時間たつのに全然人がいないな。少しテーブルがあれでも正直マイ達美少女揃いのクラスならこないてはないのに

 

「明久!お帰り、どうだった?」

 

「勿論勝ったよ!」

 

「ラグナさん、お疲れ様です」

 

「ニューもみたかったー!」

 

「残念」

 

「そうか、まあ優勝するつもりだし明日の決勝のときにでも来いよ」

 

「ずいぶん気が早いな。しかしこの状況はどうにかしないと...」

 

ガララ

 

「マコトおねぇちゃーん!遊びにきたよー!」

 

「あ、ハザマにいちゃーん!」

 

ん?小学生くらいの子が何人か入ってきたな。あれは...

 

「おお!弟妹たちよ!よくきたなー!」

 

「おやおや、皆さんいらっしゃい。今日はお友達も一緒ですか?」

 

「こんにちはです!」

 

「君は...確か葉月ちゃん!」

 

七谷さんの弟くん達と入ってきたのは島田葉月ちゃん。あれから島田さんと姫路さんと話す機会があり事情を聞くと二人とも以前から僕に好意があったらしくそれで僕と付き合っているマイに対して冷たい発言をしてしまったらしい。例の夢の件も僕に相談してからスッキリしたのかマイも彼女達を許し今では仲良くしている。そのこともあって葉月ちゃんとも面識が出来たんだよな

 

「ねえねえハザマにいちゃん!いつになったら本当のにいちゃんになってくれるの?」

 

「ちょ、なに聞いてんのさあんた!?」

 

七谷さんの弟がハザマくんに肩車されながら彼になかなかすごいことを聞いている。そりゃ七谷さんも慌てるよな

 

「さぁ、何時でしょうかねー?」

 

「ハザマお兄ちゃん、だっこしてー!」

 

「はいはい、全く甘えん坊ですねーあなたたちは」

 

そういいながらも笑顔を浮かべながら弟くんを下ろした後帽子を被せ今度は妹さんを抱っこするハザマくん。なんだろう、彼は将来絶対子煩悩になりそうだ

 

「わー!ハザマにいちゃんの帽子かっけー!」

 

「そうでしょう、そうでしょう!これなかなか気に入ってるんですよ!流石マコトさんの弟だ、お目が高い!」

 

帽子を誉められてテンションが上がったのか興奮して弟くんに話すハザマくん。抱っこしながらも目線を合わせる所をみると本当に彼は子供がすきなんだな。

 

「あ、そうだ!葉月お兄ちゃんたちに伝えなきゃいけないことがあったんでした!」

 

「どうしたの?」

 

「男の人二人がFクラスにいくなーって。」

 

「え!?」

 

誰がそんなことを!もしかして...

 

「さっきのやつらだな、恐らく」

 

「全く暇な人たちですねえ」

 

「葉月ちゃん、その人達の所に案内してくれないかな?」

 

「はいです!」

 

「ジン、俺たちはここに残っておくぞ。入れ違いでやつらがくるかもしれないしな」

 

「わかったよ、兄さん。ハザマ、七谷。せっかくその子達も来てくれてるんだ。様子見ついでに遊んでくるといい」

 

「おや、そうですか?では、お言葉に甘えて」

 

「なら後俺と明久、夏目でいくか」

 

「じゃあ案内しますね!」

 

僕達は葉月ちゃんの案内で妨害行為をしてるやつのところに向かった

 




葉月ちゃんとマコトの兄弟達と一緒に向かったのはどこか?勿論あそこです。次回更新は恐らくもう一つの作品の方になります。ではまた次回


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七話

さて、今回第七話なんですが、今までより大分長くしてしまいました。終盤、彼が入場する場面ではジオウのあのBGMを脳内再生して読んでみてください!


「なあ、明久。ここはやめよう!」

 

「今さら何言ってるのさ、早くいくよ!」

 

「頼む!ここだけは、Aクラスだけは勘弁してくれ!」

 

葉月ちゃん達に連れてこられたのはAクラスの教室だった。よく考えてみれば島田さんがAクラスだったんだから最初にそこにいって妨害の事を知った可能性もあるっていうのに雄二の奴はそこに気づかずのこのことやって来たわけだ

 

「それにしても...」

 

「メイド喫茶、御主人様とおよび!ですか」

 

「これ、誰が考えたんだろう...」

 

「まあ、愛子ちゃんだろうね」

 

なかなか攻めたタイトルだな...

 

「はいはい、坂本くんあきらめて。あいつらまだいるかもしれないんだから」

 

「ハザマにいちゃん、あの人どうして入りたがらないの?」

 

「ここにですね、あの人の彼女さんがいるんですよ。だから照れ臭いんですねきっと」

 

「くそ、もう行くしかないか...」

 

諦めたのか項垂れながらAクラスに向かっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...お帰りなさいませ」

 

「「「「おお!」」」」

 

す、すごいキレイだな霧島さんのメイド姿。マイにもしてほしいな...と今はそんな場合じゃなかったな

 

「はぁ」

 

雄二のやつまだ諦めきれてないみたいだな

 

「...お帰りなさいませ、今夜は帰らせませんダーリン」

 

霧島さんは逃がす気はさらさらないみたいだ

 

「誰か助けてくれ...」

 

「断る」

 

「いい加減翔子ちゃんに向き合ったら?」

 

「...お席にご案内します」

 

僕達は霧島さんの案内でテーブルに着いた

 

「...メニューになります」

 

すごい立派なメニュー表だな、流石Aクラスだ

 

「ふむ...霧島さん、すみませんがオススメはありますか?」

 

「...食べ物はシフォンケーキがオススメ。飲み物はミルクティー」

 

「じゃあとりあえずシフォンケーキ七個で!」

 

「飲み物は...皆さんどうされます?」

 

「僕はミルクティーで」

 

「私も明久と一緒で」

 

「俺は何でもいい」

 

「あたしもミルクティー!あんたたちは?オレンジジュースとかにする?」

 

「「うん!」」

 

「ではミルクティーを五つとオレンジジュースを二つで」

 

「...かしこまりました、ご注文を繰り返します。シフォンケーキを七つ、ミルクティーを五つとオレンジジュースを二つ。それと...」

 

ん?後何かたのんだっけ?

 

「メイドとの婚姻届一つで宜しかったでしょうか?」

 

「宜しくねぇよ!」

 

「大丈夫だよ、んじゃ霧島さんそれでお願いね!」

 

「おい!」

 

「...かしこまりました」

 

「かしこまるな!」

 

「...では、食器を用意します」

 

雄二の目の前には朱肉と印鑑、僕達の所にはフォークが置かれた

 

「おい、これうちのじゃねえか!?」

 

どうやらまじで雄二の家の物らしい

 

「...お義母さんが渡してくれた」

 

「なにやってんだお袋は!」

 

ガララ

 

 

「おい、二人なんだが真ん中の席はあいてるか?」

 

「...うげ。はい、大丈夫です」

 

「今うげ、とか言わなかったか?」

 

ん?今のは島田さんか。なんだろ、今の反応?

 

「明久くん」

 

「なに、ハザマくん?」

 

「やつらですよ、例の妨害野郎共」

 

「え!?」

 

あの坊主頭とモヒカン野郎が例の...

 

「ほう、おい翔子」

 

「...どうしたの雄二」

 

「あいつら、さっきも来なかったか?」

 

「...来た。雄二達の出し物の悪口ばかりいってた」

 

そう言うとものすごく不機嫌なオーラを出す霧島さん

 

「なるほど、さてどうやって叩き潰すか」

 

ガララ

 

「ようやく見つけましたよ、常村くんに夏川くん」

 

ん?あれは...

 

「...うわ」

 

「マイ、どうかした?」

 

なんかものすごい嫌な物でも見たような顔だな

 

「あの人、三年生の高城先輩っていうんだけど最近明久が居ないときに限って話しかけてくるんだよね。正直ちょっと...気持ち悪いっていうか」

 

おおう...マイからそこまで言われるとは。ぱっと見イケメンだからあんまりそんな風にみえないけど

 

「ほう、あの常夏コンビも三年生てことになるのか」

 

「常夏コンビ?」

 

「あんなやつらわざわざ名前で呼んでやる必要ないだろ?」

 

まあたしかに

 

「おや、そこにいるのは夏目マイ嬢ではありませんか?」

 

「あ~、気づかれちゃった」

 

「あの二人を探しに出てこんな幸運があるとは!よろしければご一緒にお茶でも...」

 

「嫌です」

 

わお、ストレートに言ったね

 

「私は明久と付き合ってるんです、貴方とお茶する気なんて微塵もないのでとっとと消えてください」

 

普段のマイからは考えられないほどの拒絶っぷりだ。僕と雄二が口喧嘩してるときのような口調になってるよ

 

「おいおまえ!あの悪いやつの仲間だろ!早くどっかいっちゃえ!」

 

「そうだよ!マコトお姉ちゃんやハザマお兄ちゃんに迷惑かけた人のお友達でしょ!?」

 

「ちょ、弟くんたち!?」

 

「なんですか、随分躾のなってないが...お子さまですね?君たちには関係無いことでしょ?君たちが帰ればいいのではないですか?」

 

「(イラ)あー、すみません先輩。ほら、一旦下がっとこうね?」

 

「ほう、三年生の高城先輩でしたか?確か貴方Aクラスの代表、つまり学年主席ですよね?それを子供相手に随分と大人げない発言ですねぇー。みっともないですよ?」

 

「貴方たちは確か元Aクラスの結城くんと七谷さんでしたか、これはどうも。みっともないのは貴方たちもではないですか?自分たちが仕掛けた賭けに負けてFクラスに入って。ここには居ませんが如月くんや弥生さんもでしたね。結城くんはお兄さんのこともあるのですから...」

 

「黙れ、私の前であいつの話題を口にするな」

 

お兄さん...そういえばハザマくんはお兄さんと仲が悪いんだったな。確か三年生にその兄がいたはずだ

 

「とりあえず高城先輩とやら、出来ればその常夏コンビの妨害行動を止めさせてもらえないか?こっちもこれ以上なにかされるならそれ相応の対応に出させてもらわないといけなくなるんでな、例えば鉄人に報告するとか」

 

「おや、貴方たちそんなことをしていたのですか?すみません皆さん。私がよくいって聞かせておきますので。夏目マイ嬢、今回のお詫びということで今度お食事でも奢らせていただけませんか?」

 

「お断りします」

 

「あの、高城先輩?」

 

「はい?」

 

そろそろ僕もイライラしてきたな

 

「マイは僕の彼女なんです。あまり手を出さないでもらえますか?」

 

「...ああ、君が吉井明久くんですか?なるほど。果たして君が彼女を幸せに出来るんでしょうかね?」

 

「なんですって?」

 

「いえいえ、では失礼します。行きますよ、もうすぐ召喚大会の時間ですから」

 

そういって高城先輩は常夏コンビを連れていった。

 

「おい、明久。どうもあいつらとはもう一度会うことになりそうだな」

 

「やっぱり気のせいじゃないよね、召喚大会がどうのって聞こえたし」

 

まさかあいつらと戦うことになるとは

 

「面倒なことになってきたな...」

 

「...はぁ」

 

「マイ、大丈夫?」

 

「あいつ、まじでキモかったよね」

 

「なんとか、大丈夫かな」

 

「...ちっ、あの野郎まじでむかつくな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はあの先輩がちゃんとしてくれたのか特に妨害行為もなくコスプレ喫茶も順調に営業でき大会も準決勝を勝ち抜き後は明日の決勝だけだ!

 

「で、またこのコスプレか?」

 

「ええ、ちょっと練習しておきたいことがあるので」

 

「練習?もう今日の開催時間も終わるってときに着替えると言い出したかと思えば何をする気だ?」

 

「その事ですが坂本くん、霧島さんも呼んでありますので教室についてからで」

 

今僕達五人はまた仮面ライダーのコスプレをして教室に戻っている。どうもハザマくんがまだなにかやるようだ

 

「おいハザマ」

 

「なんですか、ラグナくん?」

 

「ジンのコスプレ、確か悪役じゃないか?」

 

「(ギク)あ、あはは!すみません、似合いそうなのがそれくらいなものでして」

 

「貴様...まあいい、ツバキに知られた後は知らないがな」

 

ガララ

 

「ただい...え!?」

 

「なんだ、どうしって、こりゃどういうことだ!」

 

僕達の目の前に広がっていたのはぼろぼろにされた教室だった

 

「これは酷いですね」

 

「...ちょっと待て、ツバキ達はどうした?何故いないんだ!?」

 

「...まさか」

 

「う、うう...」

 

物陰からうめき声が聞こえてきた、あの声は!

 

「ムッツリーニ!」

 

「土屋!おい、しっかりしろ土屋!」

 

そこには怪我をしたムッツリーニが倒れていた

 

「おいムッツリーニ、何があった!」

 

「......す、すまない。女子と秀吉、それと七谷の兄弟を連れていかれた。霧島翔子も...」

 

「なんですって!?」

 

「ねえ、それって誰?常夏コンビ!?」

 

「......いや、わからない。恐らくどこかの高校の不良かなにかが10人ほどきた。だが、発信器を付けれた。場所はわかる」

 

「そうか、発信器については今回は見逃そう。兄さん、みんな。当然行くだろ?」

 

「たりめーだ。土屋、お前はココノエに事情を説明して置いてくれ。俺たちはノエル達を助けにいってくる」

 

「さて、んじゃ行くかお前ら。お姫様達を助けに」

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし情報通りガキを人質にしたらあっさり捕まってくれたなぁ!」

 

ここは文月学園近くの廃ビルの一室、そこには20人を越える不良とノエル達女性陣が捕らえられていた

 

「まさかこんな簡単に出来て一人百万も貰えるとはな!いやー、太っ腹なことしてくれるよな!」

 

本来この不良達程度の実力ならばマイ一人で簡単に叩きのめせたのだがマコトの弟達を人質に取られてしまい女性陣も捕まらざるを得なかったのであった

 

「ごめん、みんな。私のせいで...」

 

「マイのせいじゃないよ!」

 

「あいつらが、卑怯なことをしたから」

 

「後で全員ぶっ殺す...」

 

不良の何人かがにやつきながら近づいていった

 

「でも、こいつらどいつもこいつも美人じゃねえか。なあ、ちょっとくらい...やっちまってもいいよな?」

 

「「「「「「!!??」」」」」」

 

「それいいな!じゃあ俺はガキ達がいいなぁ」

 

「達ってお前、男のほうもかよ。そんな趣味だったか?」

 

「ひひひ!だってよう、結構可愛い顔してんじゃん?それにどんな風に泣き叫ぶのか聞いてみたいしな!」

 

「ふざけんな!この子達には一切手出しさせないからね。大丈夫だよ、姉ちゃんが守るからね?」

 

そういってマコトは弟達を抱き寄せる

 

「とんでもない外道ね貴方たち」

 

「ね、姉ちゃん...」

 

「お、お姉ちゃん。怖いよぅ」

 

「ぎゃはは!安心しなぁ、みんな平等にやってやるからよう!」

 

ドガン!

 

突如ドアが吹き飛び人影が不良に飛びかかってきた!

 

「ぶはぁ!」

 

「ぐへ!」

 

不意を付かれた不良たちはそのまま何人か気絶し人影は不良と女性陣の間に並んだ。それをみたマコトの弟は目を輝かせて叫んだ

 

「か、仮面ライダーだぁ!」

 

「よう、なかなかとんでもない事をしてくれたなぁ?」

 

ラグナは周りを見渡しながら不良達に言った

 

「もう大丈夫だよ、みんな」

 

「ストレス貯まってたんだ、いい発散相手が出来てちょうどいいぜ!」

 

「我が魔王、私もここは暴れさせて頂こう」

 

明久は女性陣に呼び掛け雄二は指を鳴らしながら楽しそうに言っている。ハザマは怒りを抑えるためかあえて役になりきっている

 

「貴様ら、どうやら地獄を見たいようだな?」

 

一方ジンは怒りを抑えきれず知らず知らずのうちに微妙に役が言いそうなセリフを言ってしまっている

 

「な、なんなんだこのコスプレ集団!?」

 

「てめえら一体なにもんだ!」

 

「...そうだな、まああえていうなら」

 

 

 

 

 

 

「通りすがりの仮面ライダーだ!いくぞお前ら!」

 

「「「「おう!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二時間後、日がくれ始めたなかFクラスには誘拐騒ぎに巻き込まれたメンバー(ハザマとマコト兄弟は先に帰ったため除く)とココノエが集まっていた

 

「全く貴様は...無茶しすぎだ!」

 

ココノエはラグナの右腕の義手を調整しながらぼやく

 

「たく、悪かったって」

 

「ごめんね明久、大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫!あのスーツ結構丈夫に出来てたからあんま怪我してないし。でも、僕の結構ぼろぼろになっちゃったな」

 

明久の目線の先には傷が目立つジオウのスーツがあった

 

「そういえばあの人達百万貰えるとか言ってましたよね?」

 

「誰か、黒幕がいる?」

 

「それならそいつを見つけないと!...どうやって探そうか?」

 

姉妹たちは黒幕がいることを勘づき探す方法を考えている

 

「.......」

 

「...雄二、どうしたの?」

 

「ん、ああ。ババアがくるのをまってんだよ」

 

「ほう、坂本雄二。やはりお前も学園長が怪しいと睨んでいたか」

 

「え?どういうこと?」

 

「妙だと思わないか?設備購入の為に大会で優勝しないといけないなんて。お前を指名してきたんだぞあのババアは」

 

「そこに今回の件、明らかにお前達をピンポイントで狙ったとしか考えようがない。」

 

ガララ

 

「全く勘のいいやつらだね」

 

そこに学園長である藤堂カオルが入ってきた

 

「ようやくきたかババア、今回の件てめえが関係してるんだろ?」

 

「はぁ、あんたらに大会で優勝しろって言ったのは商品の腕輪を回収してもらうためだったのさ」

 

「そういや、そんなもんが商品にあるって言ってたな」

 

「実は不具合があってね、ある程度の点数の教科で使うと暴走しちまうんだよ」

 

「なるほど...僕はまだ古典とかなら100点くらいだしそれで使えば暴走しないのか。ってそれ僕のことバカっていってるよね!?」

 

「まあそこは置いとくとして例の常夏コンビの妨害や誘拐騒ぎもそれに関係してるんだろ?」

 

「置いとかないでよ!」

 

騒ぐ明久を無視して雄二たちは話を進める

 

「恐らくそいつらは教頭の竹原に雇われたんだろうね。近隣の高校に出入りしてるらしいしまず間違いないね」

 

そこまでいうと学園長は頭を下げた

 

「すまなかった、腕輪の調整さえ出来てればあんた達をこんなことに巻き込む必要もなかった」

 

「ババア長...」

 

「とりあえずあんたは一発はたいとくかね」

 

「なんで!?」

 

「流石にこの状況で失礼なこといったらそうなるよ」

 

「とりあえず、俺たちは明日負けられねえな。決勝の相手、常夏コンビと例の高城先輩らしいからな」

 

「ちょっとまって、まさか高城先輩も教頭の手先?」

 

「いや、どうだろうな。あの時は妨害行為については知らなかったような口振りだったがな」

 

「とにかく強敵には間違いねえな」

 

「ラグナさん...」

 

「安心しろ、俺達にまかせとけ」

 

「そういえばハザマくんが言ってた練習って何だったんだろう?」

 

「そういやそんなこと言ってたなあいつ、まあ明日聞けばいいだろ。ガキどもの事があったから先に帰らせたし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、清涼祭二日目。一般公開もあり初日よりも人が多く賑わっている。そして、召喚大会の入場口では仮面ライダーのコスプレをしたラグナと雄二が明久を待っていた

 

「全く、なにやってんだ明久の野郎」

 

「あいつのコスプレ結構ぼろぼろになってたからまさか着替え直してるのか?」

 

プルルル

 

「ん?俺の携帯か。なんだ、ハザマか」

 

ピ

 

「もしもし?」

 

『ああ、ラグナくん。明久くんの準備はもう少しで終わるそうなのでもう入場しておいて下さい。ちょっとしたパフォーマンスかあるので』

 

「パフォーマンス?まあいい、わかった」

 

ピ

 

「なんだって?」

 

「明久のやつは後から来るから入場してろとよ。何かやらかすつもりらしい」

 

「ほう?まあここまで来ちまったしもう何でも勝手にすりゃあいい」

 

「んじゃ行くか」

 

二人は入場するとすでに試合フィールドには高城と常夏コンビが待ち構えていた

 

「ようやくきたか、Fクラスの雑魚が!」

 

「雑魚とは随分な言いようだな、姑息な手や誘拐までしやがって」

 

「...誘拐?なんだそれ?」

 

常村は演技ではない明らかに素で驚いている

 

「まさか、知らないのか?」

 

「坂本、どうやらこいつらは妨害しか指示されてないみたいだな」

 

「あのう、誘拐とか物騒な話題が出ていますがなんの話でしょうか?」

 

「あんたには関係ないことだ」

 

「ふむ、そうですか。しかし吉井明久くんはきていないのですか?それとも貴方たちのどちらかが吉井くんですかね?」

 

「ちっ」

 

カチ

 

「俺はラグナ、こっちは坂本だ。明久のやつはもう少ししたら来る」

 

「なるほど、ボイスチェンジャーですか。しかし夏目マイ嬢にカッコ悪い姿を見られたくないから逃げたのかと思いましたよ」

 

「なに?」

 

「だってそうではありませんか。彼では、勿論あなたたちでも私たちには勝てませんしね」

 

「てめえのそんな所はかわってねえな、高城。喋り方は随分紳士的になったが」

 

「なんだ、お前ら知り合いか?」

 

「...まあな」

 

「しかし、早く試合を始めさせて貰えませんかね」

 

バン!

 

突然スポットライトが司会席を照らした。そこにいたのは...

 

 

「ハザマ!?それにジンも!?」

 

コスプレをしたハザマとジンのふたりであった。

 

「よう、会場の諸君。俺は、仮面ライダーエターナル。そして横にいるのが仮面ライダーウォズ。今日は俺達が司会をさせてもらう」

 

やけになっているのか役になりきり司会進行をするジン。それにテンションが上がったのか会場に来ていた大勢の子供が騒ぎ始めた

 

「会場のちびっこ諸君、今日は召喚獣を見に来てまさか仮面ライダーまで見れるとは思わなかっただろうね。だけど...足りないと思わないかい?」

 

それに反応し声をあげる子供たち。

 

「ジオウがいないよね、姉ちゃん!」

 

「はいはい、そうだね」

 

「明久、どうしたんだろう」

 

観客席では明久がいないことに不思議がるFクラスメンバーがいた。その時突然会場に音が鳴り響いた

 

【ライダーターイム!】

 

【仮面ライダー!ライダー!】

 

【ジオウ、ジオウ、ジオウⅡ!】

 

スポットライトが今度はラグナ達が入ってきた入場口を照らした。そこにはジオウに似たコスプレをした明久が立っていた

 

「祝え!あれこそまさに平成ライダーの力を継承し、時空を越え過去と未来をしろしめす時の王者!」

 

その紹介の中ゆっくりと彼はステージに向かって歩いてくる

 

「その名も仮面ライダージオウⅡ!まさにここ文月学園に降臨した瞬間である!」

 

「ノリノリだなあいつ...」

 

「確かにそうだね」

 

ステージについた明久がラグナの呟きに返事をした

 

「お前、なんだそれ?」

 

「これ?ハザマくん、もう一着作って貰ってたらしいんだよ僕用のコスプレ。昨日着てたのはぼろぼろにされちゃったし」

 

「なるほど、それ着てて遅れたのか」

 

「それと今のパフォーマンスでね。今のでインパクトは取れたからあとは勝てばお客さんが沢山来るはずって言ってたね。ババアも宣伝の材料に出来るとかいって司会も許可したらしいし」

 

「ハザマの野郎...」

 

「ほう、面白い格好ですね。しかし格好つけても実力差はうまりませんよ?悪いことは言いません、マイ嬢に無様な姿をさらす前にとっとと消えてください。彼女のことは私に任せて」

 

「それはどうですかね、先輩。あんたがマイをどうしたいのかは知りませんが少なくとも僕はマイの為なら努力出来る」

 

そこまで言ったところで召喚獣の説明をしていたハザマが試合開始の宣言をしようとしていた

 

「今回、教科は日本史です。それでは我が魔王、貴方の実力皆さまにお見せください!」

 

「僕は最近本当にそう感じてますよ、いくよ二人とも!」

 

「ああ! 」

 

「見せてやるとしようぜ!」

 

「「「サモン!」」」

 

「ふ、どうせ大したことはありません」

 

「「「サモン!」」」

 

高城雅春 462

 

常村勇作 215

 

夏川俊平 201

 

vs

 

坂本雄二 419

 

ラグナ=マーキュリー 452

 

吉井明久 411

 

「な、何ですって!?」

 

明久の点数に驚愕する高城。それは観客席のメンバーたちもであった。

 

 

 

「な、なんですかあの点数!」

 

「完全Aクラスのトップレベルじゃん!」

 

「明久くん、いつの間に...」

 

「最近、勉強頑張ってた?」

 

「マイ、知ってたの?」

 

「日本史にまた力いれてたのは知ってたけどあそこまでなのは...明久、頑張ってたんだね」

 

 

 

「おい、てめえ!カンニングしただろ!?」

 

「出来るはずないじゃないですか?まあ、これと世界史以外はまだ全然ですけどね」

 

「では、試合開始!」

 

「「腕輪発動!」」

 

明久とラグナは試合開始と同時に腕輪を発動、ラグナはコートと大剣を装備、明久は...

 

「明久、お前それ、ラグナに似てないか?」

 

雄二が言ったように明久の召喚獣は服装こそ変わってないもののその髪の色はラグナと同じ銀髪になっていた。そして木刀も血の色をした液体を纏いリーチが伸びている

 

「あ、本当だ。なんでかなぁ」

 

「まあ、後でいいだろそんなこと。」

 

「そうだね、今はとにかく...」

 

 

 

 

「あいつらを倒す!覚悟しろよ!」




一気に決勝戦まで来てしまいました!さて、キャラクター紹介では明久が原作とは容姿、声共に違うことを書いていましたが腕輪使用時の描写で明久が'誰'の姿をしているか、ブレイブルーを知っているかたは予想がつくと思います。それが何を意味するのか...それはまた少し先で。では、次回!清涼祭編完結!並びにあいつらが本編に!?


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八話

さて、今回で第二章完結です!


「くそ、ふざけんな!なんでこんなやつらに俺達が押されなきゃ!」

 

「俺達三年生が二年のバカどもに!」

 

試合が始まり明久は高城と、俺と坂本は常夏の二人と戦っている。しかし、こっちは正直あっという間にけりがつきそうだ。技術こそ二年生よりは高いがそれでも俺や明久には遠く及ばねえ。それに点数も倍ほど差がついてる。そんなやつらに!

 

「こっちのセリフだな、そいつは」

 

「ああ、てめえら馬鹿か!人の店邪魔するどころか、誘拐まで指示するくそ野郎に協力するやつに俺達が負けるわけねえだろうが!」

 

「おらあ!」

 

坂本に吹き飛ばされてきたモヒカンの召喚獣がハゲの召喚獣に激突した、今がチャンスだ!

 

「くたばれぇぇぇ!」

 

ズバ!

 

「夏川俊平、常村勇作戦闘不能!」

 

「そんな、ばかな!」

 

「へ、だけど高城に勝てるわけがねえ!あいつがかちゃいい!」

 

「はっ、こっからは三体一だ。それに腕前を使える今のあいつなら...」

 

「...坂本、明久の助けに行くぞ」

 

「なに?」

 

俺の目線の先には...高城に苦戦している明久の姿があった

 

吉井明久 211

 

高城雅春 362

 

「なに!?明久を圧倒してるだと!」

 

あいつの腕輪も俺と同じ強化タイプとはいえこの短時間であそこまで消耗するとは思えねえ。つまり...

 

「高城!てめえ、まさか明久と同等...いや、それ以上の操作能力もってんな?」

 

「おや、ばれてしまいましたか」

 

「はぁはぁ...やっぱりね、どうりでなかなか攻撃が当たらない訳だよ」

 

「そんなことはありませんよ、君も100点ほど私の点数をけずっているではありませんか。ある程度の努力は本当にしていたようですね。そういうところは素直に称賛させて頂きますよ。マイ嬢のそばにいれる程の資格があるかどうかは別にして」

 

...ずっと気になってたが

 

「おい、てめえ何故そこまでマイにちょっかい出そうとしてんだ?」

 

「そりゃあ...好きだからですよ?」

 

「「「!!??」」」

 

「いけませんか?」

 

はぁ、いけませんかじゃねえよ

 

「おい、うちのクラスのバカどもでさえ嫉妬で付き合ってるやつらに襲いかかるような真似やめる事ができたんだぞ?明久とマイが付き合ってるの知っててまだなんかするならてめえの頭はFクラス以下ってことになるが?」

 

「あんなおばかさん達と一緒にしないで下さい。それにただの幼ななじみというだけで付き合えてるような吉井くんよりも遥かに優秀な私が彼女の相手に相応しいとはおもわないのですか?」

 

「...まあ、一理あるよね」

 

「明久?」

 

「だから僕はここまで点数を上げてきたんだよ、それでもあんたからしたら低いかもしれないけどね」

 

「そうですね。しかし貴方のようなバカでも考えついたんじゃないですか?夏目マイ嬢いや...葉月マイ嬢の家に取り入ろうと」

 

「葉月?島田の妹じゃないよな、名字か...いや、どこかで聞いたような」

 

「!?なんで、マイの事を!」

 

「そうか、やっぱお前と多分マイもこいつの事覚えてねえか」

 

「え?どういうこと?」

 

「...後で話してやる。今はこいつの事を片付けるぞ!」

 

「そうは行きませんよ!」

 

高城の召喚獣が剣を構えて突っ込んできた!

 

ズバ!

 

「ら、ラグナ!?」

 

「ほう、フィードバック覚悟で庇いましたか」

 

俺の召喚獣は右腕を剣で貫かれていた。右腕で防御していた

 

「...な、何故そこまで落ち着いているんですか!あんな攻撃受けてまともでいられるはずが!」

 

「わりいな、俺の右腕はちょいと特別でね。あいにくフィードバックを受けねえんだよ」

 

まあフィードバックがあったとしてもこんな奴に隙を見せるわけねえけどな

 

「おおらあ!」

 

俺はそのまま上空に高城の召喚獣をぶん投げた

 

「坂本!」

 

「おう!」

 

ドガン!

 

坂本の召喚獣に殴られ落ちてきた高城の召喚獣。さて、見せてやるか。こいつらにも内緒にしてた...

 

「くらえ!」

 

必殺技をな!

 

「デッドスパイク!」

 

地面を這わせるように剣を振り表れた化け物の頭のような衝撃波が高城の召喚獣を飲み込んだ

 

「止めをさせ!明久!」

 

「うおぉぉ!!」

 

「簡単にやられませんよ!」

 

その言葉と共に高城の召喚獣がデッドスパイクの残留から飛び出してきた!まだ動けたのか!

 

「ふん!」

 

高城の攻撃が明久の左肩を貫いた、まずい!

 

「明久!」

 

「......」

 

ぐ、ぐぐ

 

「な、なんで、もろにくらって、何故むかってこれる!」

 

明久の召喚獣は刺し貫かれながらも高城の召喚獣に向かって行っている

 

「...止まれるかよ」

 

「なんですって?」

 

「この程度で、は止まれねえんだよ!」

 

その言葉と共に明久の木刀を纏っていたものが鎌の形になった

 

「でぇぇぇりゃぁぁ!」

 

その一振りで高城の召喚獣は真っ二つになった

 

「ば...ばかな」

 

「そこまで!吉井明久、ラグナ=マーキュリー、坂本雄二チームの勝利!」

 

ワァァァァァァ!!!

 

その言葉は観客の声援にかきけされた。...勝ったのか...だが

 

「明久...」

 

「はあ、はあ。ごめん、僕があいつを一人でなんとか出来てれば良かったんだけど...」

 

「いいさ、どうせお前ひとりじゃ無理だろうと思ってたけどな」

 

「な!雄二、お前そんなこと言う?」

 

「...」

 

僕...か。さっきのあの気迫と俺って言い方...どこかで...

 

 

 

 

 

「勝ったわね、明久くんたち」

 

「...ああ」

 

「行くんでしょ?あの子たちの所に」

 

「勿論だ、その為に来たんだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、今日は忙しかったね」

 

その日の夕方、清涼祭二日目が終了し僕達はいつものメンバーで教室で休憩していた

 

「そうだね、明久やラグナ達が活躍してくれたからね」

 

今日は昨日とはうってかわって大盛況だった。料理の評判が広まったのと子連れのお客さんが多く来て更にハザマくん提案で写真撮影までやったことでかなりの儲けが出たはずだ。まあおかげで今日は1日ずっとライダーのコスプレのままだったけどね

 

「さて、では練習しますか!」

 

「練習?」

 

「あ、そういえば昨日のごたごたで言えてませんでしたね。優勝したら明日皆さんであるダンスを踊る予定でしたんですよ」

 

「おい、聞いてないぞそんな話」

 

「だって話してませんもん」

 

「はあ、で?なんのダンスなんだハザマ?」

 

ガララ

 

「...お邪魔します」

 

「し、翔子!?」

 

「霧島さん、ナイスタイミング!よくきてくれました!」

 

「...雄二と踊れるって聞いたから。どんなの?」

 

確か昨日霧島さんがどうのって言ってたね。このことか

 

「それなんですがね...」

 

そういってハザマくんはスマホである動画を見せた

 

「...ねえ、ハザマくん?」

 

「はい?」

 

「このダンス、やるなら絶対コスプレ変えた方がいいよね?」

 

「大丈夫ですよ、特撮つながりってことで!」

 

「おい、まさかここにいるやつら全員で踊る気か?」

 

「ええ、そうですが?」

 

「おいおい、コスプレの次はこんなガキがやるようなダンスかよ...」

 

ガララ

 

「あれ、だれかな...」

 

「マイ~ー!!」

 

「ぐふ!」

 

ばたん!

 

突然誰かが入ってきたと思ったらマイに飛び付いてきた!ん、あれって...

 

「...え?おかあ、さま?」

 

「久しぶりね、マイ」

 

「お母様!」

 

「な、なんだあの人?」

 

「...マイのお母さん」

 

「あら、貴方明久くんよね?」

 

「あっ、ちょっと待ってください」

 

僕はマスクを外した

 

「お久しぶりです、4年半ぶり、ですかね?」

 

「そうね、マイもこんなに綺麗になって明久くんもすっかりイケメンになって」

 

「リン、あまり見苦しいところをみせるな」

 

「あら、ごめんなさいあなた」

 

今度は男の人が...まああの人だよな

 

「明久よ、この人たちはもしかして夏目のご両親なのかのう?」

 

「うん、そうだよ」

 

「...申し遅れました。そこにいる夏目マイの父の葉月ホウイチロウと言います。そこにいるのは妻のリンです」

 

「お父様...」

 

「マイ、すまなかった」

 

そういってホウイチロウさんはマイに頭を下げた

 

「お前を守るためとはいえ、勘当までして...」

 

「葉月...勘当...そうか、夏目お前あの葉月家の娘だったのか」

 

「そういえば雄二達には話してなかったっけ...」

 

話が話だったから時期をみて話そうとはマイが思ってたらしいけどね

 

「うん...小学生の頃にちょっと色々ね」

 

「だがようやく父や親戚連中を一人を除いて納得させる事ができた」

 

「......納得?」

 

「えっとね、私実は明久と付き合い始めた頃に...政略結婚させられそうになってたの」

 

「小学生でそれってことは...許嫁ってことか?」

 

「まあね、でもお父様は私を葉月の名から解放するために私を勘当して明久の家に預けたの」

 

「お前と明久くんの中は知っていたからな、お前達を引き裂くような事はしたくなかった」

 

「なあ、マイの親父さん」

 

「...ラグナくんか」

 

「さっき一人を除いてっつったがそのあと一人って」

 

「ああ、高城雅春だ」

 

高城先輩!?どうして?

 

「どういうこと?」

 

「あいつ、その政略結婚の候補のひとりだったんだよ。腕をなくす前はあいつとずっと同じクラスだったからな、多分その話が出た頃だろうな。俺がマイと知り合いだったことをしるとべらべら話してきたからな」

 

そうか、ラグナと同じクラスってことは僕たちにとっては小学生の頃からの先輩でもあったわけか。だからラグナはあんなことを...

 

「彼だけが唯一未だにその話を持ちかけてくる。ご両親も納得してるというのにだ」

 

「でもどうしてまだ諦ようとしないんでしょうか」

 

「ついにストーカーになった?」

 

「あいつマイの事口説こうとしてたんだよね?」

 

ノエルさんたちも呆れているみたいだ

 

「まあ、彼一人なにか言ったところでどうすることも出来んからな。マイ、もう少ししたらお前を戻してやれる」

 

「...お父様、お母様。私、このまま明久と一緒に暮らして生きたいんです。ダメ、でしょうか?」

 

「...そうか。分かった、ならばもし気が変わったら言え。そのときは明久くんも連れてな」

 

「お父様...」

 

「明久くん」

 

「は、はい!」

 

「...マイを頼むぞ」

 

「はい!」

 

「良かったら...今度ウチにこい、二人でな。一緒に食事でもしよう。帰るぞ、リン」

 

「ええ、ホウイチロウさん。あ、ふたりとも?」

 

「「?」」

 

リンさんはおいでおいでしながら僕とマイを近寄らせる

 

「...孫の顔、早くみせてね?」

 

その言葉を聞いた僕たちは真っ赤になった

 

「それじゃあねー」

 

それだけ言って二人は帰っていった

 

「おい、どうした?」

 

「え?あ、いやなんでもないよ!ねえ明久!」

 

「う、うんそうだよ!喧嘩しないようにねって!」

 

「?」

 

その後、僕たちはダンスの練習を二時間ほどやってから帰った。

そして翌日、召喚大会で優勝したチームがやる出し物と言うことで僕たちが踊ったリュウソウジャーという番組のケボーンダンスを沢山の人が見に来てくれて宣伝に一役買いコスプレ喫茶はまたまた大盛況。したんだけど...

 

 

 

 

 

「「まてこらー!」」

 

「すみませーん!!」

 

 

ハザマくんがココノエ先生につくってもらったコスプレ衣装がかなり費用がかかってしまい結局全員分の新しいちゃぶ台と座布団くらいしか買えないことになってしまったというオチが付いたけどね。

 

 

 

 

 

 

「もうー私のほうがおねえさんなんだぞー!わかってんのかー!」

 

後夜祭の最中、僕はマイに、向こうではラグナが姉妹三人に囲まれている。...酔っぱらい状態というおまけ付きで。

 

「らぐなさーん」

 

「らぐな...」

 

「らーぐなー」

 

「たく誰だ、間違えて酒買ってきたばかは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たちは気づいてなかった。このすぐ後に、多くの真実と向き合う事になるとは

 

 

 

 

 

 

 

「よう、無様に負けたみてえだな、高城ちゃんよう」

 

「まさか、彼があそこまでやるとは...」

 

「まあ、花持たせてやったと思えばいいぜ!今回の件、教頭に責任押し付けることが出来たしなぁ、あんたのおかげで...レリウス=クローバー」

 

「ふ、お前たちが面白い物を見せてくれるというからな、これくらいお安いごようだ」

 

「さあ、はじめるとしようぜ!世界の終わりをよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

「お久しぶりね、英雄さん」

 

「...道化か」

 

「どうするつもりなの?このままじゃ...」

 

「...わかっている。このまま奴等を野放しにしておくわけにはいかない。私一人でも...」

 

カツンカツン

 

「...いえ、一人ではありません」

 

「なんだ、お前は?」

 

「かつての世界で六英雄と呼ばれた貴方でも一人では無理です。ですから...」

 

金髪の髪と蒼い瞳の少女はアタッシュケースを取り出し中身を見せた

 

「これを彼らに託すんです。未来を...救うために」

 

その中には明久達が身につけていたものと同じベルトが入っていた

 

「なるほどね...なら彼らに期待するしかないわね。あなた達を待ち受けている運命はとても過酷よラグナ、そして...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒鉄ナオト」

 

 




「かつて、世界を救った男がいた」

「そして、世界を救う可能性のその男を救った少年がいた」

「そして、世界を去ったその二人を愛した女達がいた」

「記憶をなくしながらもその思いは」

「魂に刻みこまれた」

「この世界は」

「この物語は」

「愛する者に会いたいという願いが叶った物」

「次回、第三章。ナイトメアオーバーワールド~破壊者と魔王、20××~」














「お前が選ぶ未来はどんな歴史をたどる?過去の私よ」


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第三章ナイトメアオーバーワールド~破壊者と魔王、20××~
九話


さて、時間がかかってしまいましたが今回から三章です。いよいよ世界の真実が明かされて行きます


「それでね明久、ここは...」

 

「明久くん、ここはですね...」

 

「アキ、ここは...」

 

「ごめん、三人とも。一人ずつお願い」

 

週末の土曜、本来休みであるがここAクラスではA及びFクラスの一部メンバーが合同で勉強会をしている。主戦力の更なるレベルアップを図るため雄二が企画していたがそれを聞き付けた翔子がAクラスのメンバーも集め現在に至るわけである。実際は雄二が浮気をしないだろうかという監視が目的ではあったが

 

「しっかし、あいつらずいぶん仲が良くなったな」

 

「...今じゃ二人は吉井よりもマイと仲がいい」

 

「そういや翔子、お前夏目と知り合いだったんだな」

 

「...うん、雄二以外とでは一番の友達だった」

 

「そこに俺が入ってくることにはつっこまないでおこう」

 

「...吉井のことも名前は知らなかったけど聞かされていた」

 

「ふーん、世間てのは以外と狭いもんだな」

 

「おや、何の話ですか?」

 

「あたし達もまぜてよ」

 

「ハザマに七谷か」

 

「...マイ達の話をしていた」

 

「あー、そういえば霧島さんは夏目さんとお知り合いでしたもんね」

 

「あたし達は中学に入ってからだもんね、後...」

 

「私もよ、マコト」

 

「ツバキ!」

 

「何の話だ?」

 

「いえいえ、私達もそこそこな付き合いでしたよね、という話ですよジンくん」

 

「そういえばお主らは小学生や中学生の頃からの付き合いだったのう」

 

「.......長い付き合い」

 

ラグナ達と明久達を除いたメンバー達が集まり彼らを見ていた

 

「ねえラグナー、ここ教えてよー」

 

「お前俺より成績いいだろうが、自分でやれ自分で」

 

「ふふ。ほら、ニュー。どこなの?」

 

「お姉ちゃん達が教えるから」

 

「......」

 

「...雄二、どうかした?...まさか浮気の算段...」ゴゴゴ

 

翔子が黒いオーラを纏い雄二に迫っていく

 

「ちげえよ馬鹿!ただ...末っ子が妙にガキっぽいなと改めて思ってな」

 

「ニューか...だがあれがああなのはしょうがないんだ、気にしないでくれ」

 

「なんだ、病気か何かか?」

 

「...例えば貴様の大事な相手が自分を庇い大怪我をするところを見たとしたらどう思う?」

 

「...言いようがねえな、謝罪だったり自分への怒りだったり...」

 

「...奴の場合はそれが自分に向いたということだ」

 

「まさか、ラグナの右腕って...」

 

雄二は合点がいったような顔つきになる

 

「ああ、事故の時あの三人を庇って...」

 

ラグナ達がまだ小学生の頃、それは起こった。

学校の帰り道暴走したような走りをするトラックが目の前に表れとっさにラグナはノエル達を突飛ばし自分も避けようとしたがそのまま彼は...右腕を引き潰された。その時ニューは仰向けに倒れていてラグナを助けようと立ち上がった時にその瞬間を見てしまい精神に異常をきたしてしまった。

 

「...そんな事が」

 

「すまない、せっかくの勉強会だというのに...」

 

「気にすんな、逆にこれからサポート出来たりするかもしれないからな」

 

「ただ、一つ妙な事があって...」

 

「妙な事?」

 

その後警察による運転手の捜索がなされ一週間後見つかった...自殺した状態で。それも死亡したのは恐らくラグナを引いたすぐ後と思われるとの事だった

 

「まあ随分とミステリーじみた事がおこってんな...」

 

ガララ

 

「ようよう、頑張ってるねぇ二年生のがきども!」

 

「!!てめぇ...」

 

「なんだあいつ?」

 

「な!何で奴が...」

 

「知り合いか?」

 

「...ハザマの兄貴だよ」

 

「何!?」

 

「マコトさん、私はあんな奴を兄だとは認めていませんよ」

 

Aクラスに突然入ってきたのはハザマの兄、結城テルミであった。

 

「おうおう、久しぶりだなぁラグナちゃん。元気してたかー?」

 

「うっせえよ。さっさと帰れテルミ」

 

「なんだよ、つれねー事いうなよ」

 

「そうですよラグナくん」

 

「「!!」」

 

 

「先輩の言うことは聞くものですよ」

 

「高城...先輩」

 

「またあんたですか...」

 

「俺達もいるぞ」

 

「よう、観察処分者ども!」

 

「...誰だっけあんたら」

 

「なんだと!」

 

「このやろ先輩にむかって!」

 

「常川先輩と夏村先輩でしたっけ?」

 

「「ちげえよ!」」

 

「ハゲとモヒカンだったか?」

 

ちなみに明久達は名前は覚えているがわざと間違えて挑発しているだけである

 

「こいつら...」

 

「け!まあいいじゃねえか夏川、どうせこいつらも...」

 

「ああ、そうだったな」

 

怒っていた常夏コンビだが突然不適な笑みをうかべる

 

パシン

 

突然乾いた音が響き明久が振り返ると高城がマイにビンタされていた

 

「マイ、大丈夫!?」

 

「ラグナ、明久!こいつやっぱへんたい!」

 

「マイを無理やり連れていこうとしていた」

 

「なんだと!」

 

「大丈夫じゃったか夏目よ」

 

「うん、大丈夫だよみんな...」

 

「......代表が聞いてあきれる」

 

「ちょっと犯罪者っぼいですよ先輩?」

 

「全く、これじゃあなた方のほうがこの学園の品位を落としかねませんよ」

 

秀吉やムッツリーニ、工藤や優子もテルミ達に敵意を向ける

 

「貴方は相変わらずですねぇ、テルミさん」

 

「よおハザマちゃん!」

 

「たく、随分ひまなんだな」

 

「いえいえ、別にひまではありませんよ?さあ夏目さん、早く参りましょう」

 

「お断りです」

 

「おいおいおい、このお馬鹿にご執心ならもう無駄だと思うぜ?」

 

「なんですって?」

 

「だってよぅ...」

 

テルミは懐から何かを取り出し腰に巻きカードをそれに入れた

 

『カメンライド』

 

「その馬鹿も今から死ぬんだからよー!」

 

『ダークディケイド!』

 

「な、なんだありゃ!」

 

テルミは以前ラグナがコスプレしたディケイドによくにた姿に変身した

 

「あれは、ダークディケイド?」

 

「何あれ!?」

 

「どうよ!言っておくが...」

 

 

バゴン!

 

テルミがシステムデスクを放り投げパンチすると一発でそれは粉々になってしまった

 

「まじもんだぜ?お前らなんかそれこそゴミみたいにぐちゃぐちゃになるくらいのパワーはあるなぁ」

 

「仮面ライダーてのは作りもんだろ、なんでそれを...」

 

「ふふ、何故でしょうね?」

 

そういうと高城達は時計のような物を取りだしベルトに装填すると回転させた

 

『仮面ライダー!』

 

『バールクス!』

 

『ザモナス!』

 

『ゾンジス!』

 

常村は緑、夏川は青、高城は黒いスーツの仮面ライダーへと姿を変えた

 

「あの先輩達まで!?しかも今度は僕や雄二がしてたコスプレのやつに似てる!」

 

「おいハザマ!てめえの兄貴もだが、なんかしってるか!?」

 

「あの黒いディケイドはダークディケイド。まあ、悪のディケイドと言えば分かりやすいですかね。...しかし、あの三人については全く分かりませんね。」

 

「え!?ハザマくんも知らないの!?」

 

「残念ながら...もしかしたら映画などで出てくるやつ、だとしても何故そんな者に姿を...しかも、恐らく本物の仮面ライダー並の力を持っているとなると...」

 

先程のテルミの発言からすれば彼らの目的は...

 

 

「俺達を殺す、てことか」

 

「大正解だぜ、ラグナちゃん!ヒャーハハハ!」

 

「ココノエも真っ青の発明品だな、どこでそんなもんてに入れた?どっかから本物の仮面ライダーが現れてくれたってか?」

 

「関係ねえよ」

 

「そうだぜ、お前らは...」

 

「ここでくたばるんだからなぁ!」

 

「あ、女性の方はご安心を。私達が保護し...可愛がってあげますから」

 

「させるかよ!」

 

そう叫んだ明久はテルミ達の前に立ちふさがる。それに続くようにラグナ達も。

 

「ノエル、お前らはとにかく誰か呼んでこい。俺達が時間を...」

 

シュバ!

 

「稼ぐのは、私の役目だ。蒼の男よ」

 

更にラグナ達のの前に彼らを守るように白い鎧の男が表れた

 

「な!てめぇ、ハクメンちゃんじゃねえか。てめえも居やがったとはなぁ!目障りな英雄さんよう!」

 

「テルミ...貴様が大人しく生きていれば私もわざわざ来ることはなかった。スサノオユニットの次はそのような鎧を着るとはな」

 

「おい!なんだこのお面野郎は!てめえら知り合いか!?」

 

「記憶をなくしてもその呼び名は変わらずなのね?」

 

そこに現れたウサギの耳のように見えるリボンをした女性を見たラグナは驚愕する

 

「てめえ...いつかのウサギ!」

 

「こ、この人が!?」

 

「前、ラグナが言ってた...」

 

「ニュー達のキューピットさん?」

 

彼女は以前ラグナの前に現れて彼がノエル達と付き合うように後押しをした人物でもある

 

「英雄さん、ここは任せてもいいかしら?」

 

「行け、レイチェル=アルカード。猫達もあそこで待っているのだろう?」

 

「あなた、その呼び方止めろといわれなかったかしら?」

 

「ふん、どのような姿になろうとあれは私にとって猫だ」

 

「まあいいわ、貴方達。私の近くによりなさい。ここを脱出するわ」

 

「待ってください!」

 

「他の人たちはどうするのさ!あたし達以外にも学校には人が...」

 

「...今この教室にいる貴方達いがいは全ての物が止まっているわ。...世界さえも」

 

一同はもうなにが何やらといった状態だった。

 

「とにかく、行くわよ!」

 

次の瞬間、ハクメンとテルミ達を除く人物は全てその場から消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

「うお!...ここは、どこだ?」

 

一同は研究室のような場所にいた

 

「お、ようやく来たかラグナ」

 

「全く、随分待たせるわね」

 

「げ!」

 

「ラグナ、さすがにげ!は不味いって。まあ僕もここに鉄人がいたらそうなるけど...」

 

ラグナ達より先にそこにはココノエの両親であるミツヨシとコノエ、二人の教師がいた

 

「先生までここに?」

 

 

「まあ、色々あってな。...そろそろお前達も来るだろう」

 

「あ?何言って...!!」

 

その瞬間ラグナ達の頭に突然言葉響いてきた

 

『お前らの願望、もらってくぜ』

 

『止めて下さい兄さま!』

 

『ラグナは、ラムダが守る』

 

『ニューは、ラグナと一つになれるの?』

 

『兄さん、止めろ!』

 

『ラグナザブラッドエッジ、あなたは!』

 

『ラグナ君、楽しい可能性を期待していますよ?』

 

『私の仲間が、ラグナくん達がどうにかしてくれるよ』

 

そこからまるで走馬灯のように頭の中に映像が流れ込んでくる。それはまるでゲームやアニメの世界で自分達が生きていたかのような記憶。夢だと言うにはあまりにリアルだった。辛く悲しい事が多くしかし、僅かながらも心安らぐ物もあった。しかし、その結末は...

 

「今のは...」

 

「どうやら、思い出したようね」

 

「おいおい、なんなんだ!」

 

「どうしたのさ、みんな!?」

「ノエル、皆、大丈夫!?」

 

 

雄二と明久、マイが皆に呼び掛ける

 

「あ、ああそれが...いや、ちょっとまて」

 

「マイ、あなたたちはなんともないの?」

 

ラグナたちは明久とマイに対して疑問を投げ掛ける

 

「え?」

 

「どういうこと?」

 

「私から説明する、その方が早そうだ」

 

奥から今度はココノエが現れた

 

「ココノエ先生!」

 

「どういうことなのじゃ?」

 

「......こいつらになにが起こった」

 

「言っておくが私が今から話すことは空想話でも何でもないぞ」

 

「ココノエ、お願いするわ」

 

「ふん、その為に先に私や母様の所に来たんだろうが。レイチェル=アルカード」

 

 

 

 

 

ココノエが説明したのは確かに空想とよばれてもおかしくない内容だった。ラグナを中心にここにいるほとんどの人間はかつて『蒼』を巡る戦いが巻き起こった世界で生きていたのだという。その最中世界の真実にたどり着いたラグナは自分の存在と引き換えに悪夢を終わらせ世界を救ったのだという。今のラグナ達は生まれ変わった存在なのだという。ラグナの事は誰もが忘れてしまったがノエル達の魂にはその存在が刻み込まれておりラグナに再び会いたいという願いが時を越えて叶った事により多くの人間と共にこの世界で生まれ変わったとの事だった

 

「......どこかでみたような設定」

 

「やかましい、話の腰を折るな」

 

「ミツヨシ先生は猫じゃったのか...」

 

ミツヨシはかつての世界で獣兵衛という猫の獣人でラグナの師匠でもあった

 

「あのー...」

 

「なんだハザマ?」

 

「いや、ここまで話して後結構な人が思い出してる筈なんですが、私相当な悪人ですよ?」

 

「お前なぁ、そりゃ昔の話だろが。...まずお前の横にいるやつに聞いてみろ」

 

「え?」

 

「ふん!」

 

バキ!

 

「ぶほ!」

 

ハザマは突然マコトに殴り飛ばされた

 

「な、なにするんですか!」

 

「それでチャラ、でいいでしょみんな?」

 

「はい、ラグナさんも言ってましたね。昔の話だって」

 

「マコトが殴り飛ばしてスッキリしたし、私ももういいわ」

 

「皆さん...」

 

レイチェルによるとかつての世界でハザマは元々精神体だけのテルミの躰として造られた人間だったがその悪性はテルミと融合した事による物が原因だった事による物だったたのとマコトを始めとする多くの人物と出会ったことにより以前のハザマとは別人のようになったとのことらしい。

 

「しかし、本当にファンタジーな話だな」

 

「何が一番ファンタジーかって私の父ちゃんがカグラさんってことだよ...」

 

「同情する。恐らく違う事象世界の影響を受けたのだろう」

 

「事情知らんやつらに説明してくれたのは有り難いんだがどうして記憶が戻ったんだ?」

 

ラグナがココノエに問いただす

 

「ここは私が作った召喚獣の研究室なんだが研究用で恐らく常に張っている召喚フィールドが原因かもしれん。実際私が記憶を取り戻したのは一年以上前だしな」

 

「はぁ!!??」

 

「おかげで私が事情を話しやすかったわ」

 

「後気になっていたのだが...お前達は何ともないのか?」

 

「「え?」」

 

明久とマイに尋ねるココノエだが、二人はなんのことか全くわかっていない

 

「なるほどね、恐らくだけど...」

 

レイチェルの説明によれば明久はかつて黒鉄ナオトとして生きていたが彼だけはかつての世界の更にパラレルワールドの人間だったため本来吉井明久として生まれてくる魂と混ざりあい生まれ変わってしまったとの事。その為記憶が戻っていない可能性があると。マイはそのナオトと深い繋がりにより生まれ変わったことでその影響かあるのではないかと

 

「じゃあ僕とマイもその戦いに関わってたの?」

 

「うん、しかも君マイと恋人だったらしいよ?」

 

「え!?」

 

「私と、明久が!?」

 

「うん、だって直接聞いたし」

 

マコトはナオトと一時的に行動を共にしていたときがありその時に聞いたのだという

 

「なるほどな...まあロマンチックな話は、ここまでにしてどうして三年生どもが襲ってきたのかそろそろ聞きたいんだが?」

 

「それは、僕たちから。ほら姉さん」

 

「ええ」

 

今度は金髪の少年と少女が表れた

 

「マイ、あの女の子!」

 

「うん、いつかあったあの子だよね!」

 

「君達...エスちゃんにカルルくん!?」

 

「「??」」

 

「ああ、この子達はね...」

 

カルル=クローバーとEsという二人に瓜二つな子供二人だが間違いなくその二人の生まれ変わりだがより大きな力の影響か記憶が全く戻ってないらしい。それどころか...

 

「未来から来ただあ!?」

 

「はい...あの人達と貴方方は仮面ライダーの力を使って戦う事になっているんです」

 

「むう、しかし仮面ライダーとは空想のものじゃろ?」

 

「...まさか、とは思いますが仮面ライダーが現実にある世界もある、なんてこと...」

 

「あるぞ。喜べハザマ、オタクのお前としては嬉しいだろ」

 

「でなきゃ説明がつきませんからねぇ」

 

何者かによりテルミ達は普通の人間でありながらその仮面ライダーの力を使い世界を破滅させようとしているのだという。高城達も何らかの報酬のためにそれに協力しているのだと

 

「ですが...」

 

「どうしたの?」

 

「本来の歴史ではこの戦いはまだ先のはず...実際の歴史ではココノエ=マーキュリーがレイチェル=アルカード並びにハクメンの協力で作り上げたベルトを使い彼らと戦ったのですが...」

 

「テルミの記憶が戻るのが本来の歴史より数年レベルで早かったらしい。だから奴らはこのタイミングで仕掛けてきたんだ」

 

「だから私達は未来からこれを持ってきたのです」

 

少女達が差し出したのは以前コスプレでラグナ達が身につけたのと同じベルトだった。

 

「これって...」

 

「未来であなた方が使ったベルトのコピーです」

 

「組み合わせまでコスプレの時と一緒とは...」

 

「そして、未来ではその戦いの日をこう呼んでいます...『オーマの日』と」

 

「なんですって!」

 

ハザマは驚くとベルトと明久を見比べる

 

「ハザマくん?」

 

「吉井明久、あなたは...この戦いで魔王と呼ばれる存在になります」

 

「...魔王?」

 

「そう、愛する人、仲間、世界を守るために...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オーマジオウとなるのです」




今章が終わり次第まとめてキャラクター紹介を更新予定です。次回はなるべく早く更新します


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10話

さて、遂に二桁まできたのですが...今回、かなりエグい描写が有ります。苦手な方はお気をつけを。


「オーマジオウ...ってなに?」

 

ズコ

 

真剣な空気をぶち壊すかのように聞き返したためほぼ全員がこけそうになった

 

「明久、頼むからもうちょい真面目に返せ」

 

「スマホ大丈夫ですかね...お、動きますね。これですよ」

 

ラグナが突っ込むとハザマがスマホの画面を明久に見せる

 

「あの子が言っているのと同じものならこれのはず...」

 

「これが、オーマジオウ...」

 

そこにはどこか威厳を感じさせるような姿のジオウが写っていた

 

「ジオウが最低最悪の魔王になった姿...と言われていますがこれに明久君が?」

 

「最低最悪...その表現は間違いです」

 

オーマジオウの説明をしたハザマに食ってかかるように少女はいう

 

「未来において貴方は...オーマジオウは間違いなく世界を救った英雄です。皆さんも...」

 

「英雄...ハザマくん、オーマジオウって実際なんなの?」

 

「えっとですね...」

 

オーマジオウとは平成ライダーの力を全て継承したジオウがたどり着いた魔王としての姿との事。荒廃した世界で最低最悪の魔王として君臨しているが現代のジオウの人格からしてそこには何か深い理由があるのではないかという考察がされていると説明がされた

 

「こんな馬鹿が王様ねぇ、それこそ世界が滅亡しそうだな」

 

「一言余計だよ!」

 

いつものやり取りをする明久と雄二、しかし...

 

「「...」」

 

姉弟はおもしろくなさそうに雄二を睨み付けている

 

「おい、坂本。謝っとけ。あの二人すげえ睨んでるぞ?」

 

「うっ、ま、まあお人好しなこいつだから人からは好かれただろうな!」

 

慌てて取り繕う雄二

 

「気になっていたんだがウサギ、お前やお面野郎はまさかあの頃のままなのか?」

 

「一応はね。私はあれから長い時間をかけてしまったけどあなたの事を思いだし再び彼を境界から引き上げたの。だけど今の英雄さんはエンブリオに取り込まれた時より更に力を落としてしまっているわ、だから貴方達の力が必要なのよ。...私にも残されたのはもう転移魔法くらいな物よ」

 

「なるほどね、俺らはもうドライブも魔導書、アークエネミーもないからな。...こいつが必要になるわけだ」

 

そういいラグナはディケイドライバーを手に取る

 

「まさかテルミと再び戦うことになるとはな、奴もドライブを無くしているとはいえどれほどの物なのか...」

 

ジンはロストドライバーとエターナルメモリを手に取る

 

「オタクとしては最高の体験ですねぇ。そこだけはテルミさんに感謝するとしますか」

 

「はぁ、まさか俺まで巻き込まれるとはな」

 

ハザマはビヨンドライバーとウォズミライドウォッチ、雄二はジクウドライバーとゲイツウォッチを手に取る

 

「やるしかないさ、僕たちが」

 

そして明久は同じくジクウドライバーとジオウウォッチを手に取る

 

「あのう、お二方。つかぬ事をお聞きしますが...」

 

「なんですか?ハザマおじ...ハザマさん?」

 

少年は一瞬ハザマにおじさんと言いかけていた

 

「おや、今おじさんって...あ、えっとですねまさかとは思いますがこれだけで戦えと?」

 

「...すみません、時間がなく最低限の物しか用意できなかったのです」

 

「ディケイドも実は他のライダーのカードがなくて...」

 

「なるほど、それはなかなか厳しいですね...」

 

「どういうこと?」

 

ディケイドは他のライダーに変身しての能力行使、ジオウ、ゲイツ、ウォズは他のライダーのウォッチを使うことでの強化、エターナルは複数のメモリを使うことでその真価を発揮するがそのどれもが欠如している状態であった

 

「でも、まだ小さいのに私達の為に持ってきてくれたんだから。ありがとう二人とも」

 

そういってマイは二人の頭をなでた

 

「あ...」

 

「...さん」

 

「ん?」

 

「あ、ううん!なんでもないです!」

 

その時爆音が響いてきた

 

「な、なに!?」

 

「やはり、彼だけじゃ厳しかったわね。校舎を破壊してあぶり出そうってことね。」

 

「なんだと!」

 

「動けないでいる他の人たちもいるのに!」

 

「どこまで卑劣なの、彼らは!」

 

「ドライブが使えればあたしらだって戦えるのに!」

 

「ラグナ...」

 

マコトやツバキ達が悔しさを滲ませているなかミツヨシはラグナに話しかけた

 

「ミツヨシさん、いや、今は師匠か」

 

「結局またお前達に押し付ける事になってしまったな...かつては六英雄と呼ばれた俺も今はただのおっさんだとはな」

 

「ラグナ、死ぬんじゃないわよ。せっかく平和に過ごせる世界に生まれてセリカも幸せに生きてるのにあんたが死にでもしたら...」

 

「わーってるよ、まさかあんたに心配されるとはな」

 

かつてナイン=ザ=ファントムとしてラグナと協力、敵対した彼女も純粋に義理の甥であるラグナを心配していることにラグナは奇妙な感覚を覚える

 

「翔子...」

 

「...雄二、なに?」

 

「すまない、今まで。お前の想いを勘違いと言って遠ざけて...俺も、お前の事が好きだ。本当ならお前に勝ってから言いたかったがな」

 

「...っ、雄二!」

 

「...坂本、貴様随分素直になったな」

 

「当たり前だ、これから死ぬかもしれねえって時だ。せめてちゃんと想いは伝えておかねえとな」

 

「...帰ってこなきゃ許さない」

 

そういいながら翔子はアイアンクローを決める

 

「ぎゃああ!な、なぜ!」

 

「お約束というやつだな」

 

「ジン兄さま、お気をつけて」

 

「ああ」

 

「あたしらの分までぶん殴ってね!」

 

「はいはい、お任せを」

 

「ラグナさん...」

 

「気をつけて...」

 

「もう、ニュー達を置いていかないで!」

 

「当たり前だ、手前の女泣かせる趣味はねえよ」

 

「...レイチェルさん、私達も連れていってくれませんか?ここで待ってるだけっていうのは...」

 

マイはレイチェルに自分たちも戦場に連れていってほしいと頼む

 

「俺からも頼む、せめてこいつらの戦いを見届けたい」

 

「ええ、隠れてるなんて趣味じゃないし」

 

他の者も頷いている

 

「全く、しょうがないわね。なら、行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転移した先は校庭だった。そしてそこには変身したテルミ達とハクメンが戦っていた

 

「来たか...」

 

「よう、待ちかねたぜ!」

 

「テルミ...今度こそけりつけてやるぜ!」

 

「ほう、思い出しか子犬ちゃんよう!」

 

「マイ嬢、あなも来てくれたのですね!」

 

「っ!」

 

「マイ、下がってて」

 

(なんでだろう、今の高城、まるで前から知ってたような感覚が...これも黒鉄ナオトの記憶なのか?)

 

「さて、では行きますか皆さん」

 

「「「「「変身!」」」」」

 

『エターナル!』

 

『フューチャータイム!スゴイ、ジダイ、ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

 

『ライダーターイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

『カメンライド!ディケイド!』

 

『ライダーターイム!仮面ライダージオウ!』

 

五人はライダーに変身し、ラグナとジンはテルミ、明久と雄二、ハザマは高城達に向かっていった。

 

「おい、お面野郎。お前まさかとは思うが...」

 

「安心しろ、もうあの素体の少女達には罪はない。故に私が手を出すこともない。愛する者の記憶を奪われ生きたのだ、既に裁かれているも同然」

 

「ハクメン...」

 

「ジン=キサラギ、いつかの問いに答えよう。私は恐らく、最初の事象の時のお前だ」

 

「やはりな...」

 

「てめえ、やっぱジンなのか」

 

「貴様も気付いていたのか」

 

「半信半疑だったがな」

 

戦いながらラグナ達は語り合う

 

「へ!随分余裕だな、お前ら」

 

「テルミ...全ての元凶である貴様を捨て置けん。再び悪となるなら人間となったとしても貴様を切り捨てる!」

 

「我は空、我は鋼、我は刃!我は一振りの剣にて全ての罪を刈り取り悪を滅する!」

 

「我が名はハクメン!推して参る!行くぞ、ラグナ=ザ=ブラッドエッジ、ジン=キサラギ。いや、仮面の戦士よ!」

 

 

 

 

「はぁ!」

 

「ふん、その程度ですか?」

 

一方明久達は高城達に苦戦していた

 

「どうしたの、圧されてんじゃん!」

 

「いえ、本来あれで正しいのです。バールクス、ザモナス、ゾンジスはジオウ達よりも基本スペックが上なのです」

 

「...それはつまり」

 

「最初から明久達が不利って決まってるってこと!?」

 

「本来の歴史では、ある程度の追加装備もあったのですが...このままでは...」

 

 

 

「不味い、このままじゃ...」

 

「くそ、ただの喧嘩ならどうにでもなるんだが。このスーツの性能に差がありすぎる!」

 

「この三人が揃ってるならトリニティが使えれば...」

 

 

その時ラグナの武器、ライドブッカーが光りカードが二枚出てきた

 

「なんだ、こりゃ?」

 

そのカードには腕時計にマスクがついたようなゲイツとウォズがそれぞれ描かれていた

 

「...ジン、ハクメン。ちょいとだけ任せる、向こうもほっとけねえ」

 

「そのカード...なるほど、行ってこい。元より私だけでけりをつけたかったのだ」

 

「そうはいかない、奴にはツバキが世話になったからな。兄さん、なんなら向こうに合流してくれてもいいんだよ?」

 

「テルミぶっ飛ばしてぇのは俺もだよ、行ってくる」

 

「はっ、なめてくれちゃって糞が!」

 

 

 

ラグナは明久達の所にやって来た

 

「ラグナ!」

 

「おい、どうした?助けにでも来てくれたか?」

 

「気持ちは嬉しいのですが一番厄介なのはテルミさんですよ?」

 

「ちょいとだけ手伝いにな。ハザマ、確かディケイドには他のライダーを変形させたりできたろ?そんときなんて言ってたっけ?」

 

「え?ちょっとくすぐったいぞ、でしたが...」

 

「なるほど...」

 

『ファイナルフォームライド、ゲ、ゲ、ゲ、ゲイツ!』

 

『ファイナルフォームライド、ウォ、ウォ、ウォ、ウォズ!』

 

「ちょっとくすぐったいぞ坂本。ハザマ」

 

「「え?」」

 

「ふん!」

 

ラグナが二人の背中に手を当てると二人は腕時計に変形した

 

「「「「「えーーー!!!!???」」」」」」

 

「あらあら、面白い格好ね?」

 

それを見ていた全員は驚愕する

 

『三つの力、仮面ライダージオウ!』

 

「うわ、なになになになに!?」

 

そのまま明久の肩に取り付くと同時にジオウのスーツが変わり始めた

 

「うわ!」

 

『ゲイツ、ウォズ!』

 

「な、なんですかあれは!」

 

「知るかよ!」

 

「吉井ども、なにする気だ!」

 

『トーリーニーティー!トリニティ!』

 

ジオウはその姿を大きく変えジオウトリニティへと進化し、ベルトには新たにトリニティウォッチが付いていた

 

「こ、これは?」

 

「なんなんだ!」

 

「うわ、雄二!?」

 

「これは、あれをやらねば!」

 

「ハザマくんも!?」

 

「祝え、多分未来を創出する新たなジオウ、ジオウトリニティ!きっと、新たな時間が作られた瞬間である」

 

「「「「「「...........」」」」」」

 

今にもしーんという擬音が聞こえてきそうなほど場は静まり返った

 

「それ、絶対祝ってないよね?」

 

「こんな時までオタク全快かよ」

 

「本当にお前変わったな、ハザマ」

 

「では、いきますよ!」

 

ラグナはジン達と合流、ジオウトリニティはバールクス達と戦闘を再開した

 

「どうなってんだ、いきなりめちゃくちゃ強くなったぞ!」

 

「まさかここまでとは」

 

「こんなガキに俺らがまたまけるのか!」

 

ジオウトリニティは先ほどとは逆にバールクス達を圧倒していた。しかし...

 

「「「!!??」」」

 

三人は、自分たちの体に違和感を感じた

 

「な、なんだ!?」

 

「なんか、違和感が」

 

「まさか、ファイナルフォームライドで無理やり変身したから長時間もたないのですか!」

 

「どうしよう!」

 

「...お二方、ちょっといいですか?」

 

ハザマは小声で二人に提案をだした

 

「なるほどな」

 

「いつまで持つかわからないならそれありだね」

 

「ええ、明久くんお願いしますよ!」

 

「ああ!」

 

『トリニティ!タイムブレーク!バースト!エクスプロージョン!』

 

ジオウトリニティは飛び上がり必殺キックを繰り出した

 

「ふ、隙だらけですよ」

 

バールクス達は銃を取りだし光線を同時に放った

 

「「「はぁぁぁぁ!!」」」

 

キックと光線がぶつかり合うが...

 

「「「!!」」」

 

光線に打ち負けジオウトリニティは爆炎に包まれた

 

「......終わりですね」

 

「「「はぁぁぁぁ!!」」」

 

「なに!?」

 

爆炎の中から今度は分離したジオウ達が表れた

 

「油断すると思ったよ!」

 

「この瞬間を!」

 

「待っていた!」

 

『タイムブレーク!』

 

『タイムバースト!』

 

『タイムエクスプロージョン!』

 

不意をつかれ反撃するまもなくバールクス達は必殺キックを受け爆発した

 

「はぁ、はぁ...やば、結構食らったからかな...」

 

「肉を切らせて骨を断つ、ですよ。こちらもかなりのダメージをおってしまいましたが...」

 

「奴らもこれで倒せたはず...」

 

その瞬間だった

 

「ぐはぁ!」

 

「うぁ!」

 

「雄二、ハザマくん!」

 

爆発の煙の中から表れたバールクスは銃をうちゲイツと

ウォズを攻撃。二人はダメージにより倒れ伏してしまう

 

「く、どういう、ことだ。あれをまともに食らったくせに...」

 

「ふふ、これが役に立つとは。備えあれば憂いなしとはよく言いますね」

 

バールクスは仮面ライダーブラックRXの形態のひとつ、バイオライダーのウォッチを持っていた。しかしそのウォッチは既に壊れていた

 

「あれは、バイオライダー!?なるほど、みずからの体を液状化させてダメージを無効にしたのですね...なるほど、バールクスとはブラックRXのアルファベットのアナグラムということですね」

 

「でも、もう使えないはず!」

 

明久は剣モードのジカンギレードを構えバールクスに向かっていく

 

「...愚かですね。リボルケイン!」

 

バールクスはベルトの中心から光り輝く剣を取り出した

 

「はぁ!」

 

「ふん!」

 

(...え?どうして剣が振り下ろせないんだ?)

 

振り下ろそうとした剣が現れず困惑する明久。見ればいつの間にか敵が持っている剣は先が赤くなっていた。まさかと思い右側を見ると...

 

(!!)

 

 

 

 

 

右肩から先がなくなっていた

 

「っ!うぁぁぁ!!」

 

『フィニッシュタイム!タイムブレーク!』

 

明久は襲ってきた痛みを払いのけすぐさまベルトを操作、そのまま左腕でパンチを繰り出す

 

「な、なにぶほぉあ!」

 

まさかの行動に面食らいまともに顔面にパンチをくらい吹っ飛ぶバールクス

 

「まさか、腕を切り落とされてなお向かってくるとは...」

 

振り返ればそこには剣を握った右腕が落ちていた。肩と切り落とされた腕から流れる血に吐き気を覚えるがそれを必死に押さえ込む。痛みよりそちらの方が彼には慣れていなかった

 

「...ぅぅ」

 

その状況に見守っていたマイをはじめとするメンバーは顔面蒼白となっていた

 

「明久ぁ!」

 

「ちっ、まさか奴があそこまでとは!」

 

「糞が...」

 

「あ、明久くん...く!」

 

ラグナとジンはテルミの相手に手間取り救援に行けず、雄二とハザマはダメージから起き上がれない自分たちな歯がゆさを覚える

 

「しかし、惨めですねぇそんな姿」

 

「前にお前にされたときよりはましだと思うぜ?腕を無くすのは何もこれが初めてじゃないしな」

 

問いかけに答える明久。しかし一同はその口調に違和感を感じた。何故なら普段の彼とは全く違う物だったからだ。しかも腕を無くすのは初めてではないというとんでもない発言付きで

 

「久しぶりだな...スピナースペリオル」

 

「ほう、貴方も思い出しましたか?...黒鉄ナオト」

 

「あいつ!記憶が!」

 

スピナースペリオルとは、かつてナオトが戦った魔術師であり当時ナオトと行動していたラケルという少女を狙い行動していた。ナオトを死の縁に追い込むも『ブラッドエッジ』を覚醒させたナオトに敗北し、境界に吸い込まれていった。しかし、その魂の一部が明久と同じように高城雅春と同化し生まれ変わったのであった

 

「お前、まさかマイを狙ってるのはまた『蒼』を?」

 

「いえいえ、単純に愛ですよ愛。彼女からわずかに『蒼』を感じはしましたがそれ以前から彼女への想いはありましたからねぇ」

 

「...そうか、なら尚更お前の好き勝手にさせるか!」

 

「よせ、明久!」

 

雄二の静止を無視し右腕が持っていたジカンギレードを取り向かっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ヒャーハッハッハ!こりゃいいもんができあがったなぁ!」

 

「嫌...嫌...明久ぁ!」

 

テルミの下衆な笑い声とともにマイの叫びごえが響きわたる

ハクメンとジンもダメージが限界まできて膝をつきラグナも息絶え絶えとなっているがそんな彼らの視線の先にあるのはテルミではなく...

 

 

 

 

 

 

「...が、はぁっ!」

 

 

 

 

 

 

 

四肢を切り落とされ血の海に沈んだ変身が解けた明久の姿だった

 

 

 

 

 

 

「なんで、こんな、あそこまで酷いことを!」

 

親友の想い人の悲惨な姿にノエルは叫ぶ

 

「明、久...」

 

「く、我ながら、情けないですね...」

 

雄二とハザマは五体満足ではあるが明久を助けようと挑むも返り討ちにあい既に変身は解けていた

 

「さて、そろそろ貴方には消えて頂こう」

 

明久を掴むとともに上空に裂け目のようなものが出来た

 

「馬鹿な、まさかあれは!」

 

ココノエはそれを見て驚愕する

 

「そう、境界だ、化け猫!これから、どうなると思う?えぇ?ラグナちゃん!」

 

「て、めぇ!やめろぉぉぉ!」

 

「やめて...私の事が欲しいならもう好きにして構わないから...お願い、やめて...やめてぇぇぇ!」

 

「それは残念ながら出来ません、マイ嬢。...お別れです、吉井明久。...黒鉄ナオト」

 

 

「く、そうは!」

 

「問屋が下ろさねぇよ」

 

「そうだぜ、金髪の嬢ちゃん」

 

レイチェル転移魔法を使い助けようとしたのを邪魔したのは倒したはずの常夏コンビだった

 

「離しなさい!」

 

「無理だなぁ!」

 

「このまま吉井がくたばってくれりゃ俺たちもスッキリするしなぁ」

 

逆恨みがきっかけとはいえここまで外道に落ちた二人にレイチェルは憤りを感じた

 

「ふん!」

 

そして、明久は裂け目に向かって投げ飛ばされ...吸い込まれていった

 

「......そん、な...」

 

愛するもの、仲間、友達を目の前で奪われたマイ達は絶望に顔を歪める

 

「......す」

 

しかしラグナはただ一人ちがった

 

「...ろす...殺す!殺してやる!うぁぁぁぁ!!!!」

 

かつてのように憎しみに囚われながらも友の仇を討とうとするラグナのそのマスクは禍々しく歪んでいた

 

「へ、てめえの相手は俺だぜラグナちゃん!」

 

激情態となったディケイドをテルミが迎え撃つ。その間に高城はマイの元に向かっていた

 

「さあ、マイ嬢。私と共に...おや?」

 

マイを守るように立ちはだかったのは未来からやって来た姉弟だった

 

「貴方の好きにはさせません」

 

「だ、駄目だよ!」

 

「貴方たちは、下がって」

 

「マイは!」

 

「私達が手を出させません!」

 

ラムダたちが姉弟を遠ざけようとするも二人は退こうとしない

 

「全く、貴方達にはようはありません。消えて頂けませんか?」

 

「そうはいくもんか。この人は...お母さんは僕たちが守る!」

 

「「「「!?」」」」

 

少年の発言に一同は目を向ける

 

「な、なに!?」

 

「私は、葉月マユ。この子は葉月ユキ。夏目マイ、いえ葉月マイと...」

 

 

 

 

 

 

 

 

「葉月明久の子供です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side明久

 

ここは、どこだ?僕は、死んだのか?...ごめん、マイ、皆。僕じゃ何も出来なかった...

 

「いや、まだ終わってはいない。ここは、天国でもなければ地獄でもない。お前は、たどり着いたんだ」

 

...だれ、だ?

 

「え?腕と足が、ある!?」

 

切り落とされたはずの四肢が付いていた。なぜ?

 

「ここは、蒼の境界線。かつてラグナ=ザ=ブラッドエッジもたどり着いた場所だ」

 

「あ、あんたは?」

 

僕の目の前にいたのは....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は、20年後のお前だ」

 

「若き日の私よ」

 

魔王となった未来の自分、オーマジオウだった

 




かつてラグナがたどり着いた場所へ到達したナオトもとい明久。そこにいたのは未来の自分、オーマジオウ。怒りに囚われたラグナを救うのは、あの通りすがり!?


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十一話

さあ、今章も半分を切りました。11話です、どうぞ


「うぉぉぉあぁぁ!!」

 

「ヒャーハッハッハ!そのままその力に食われちまえ!」

 

暴走し続けるラグナはテルミに翻弄されている。ジンとハクメンが抜けた穴は激情態になった程度では埋められないでいた。カードも使わずただ獣のように剣をふりまわすラグナをまるで遊ぶようにテルミは攻撃を切り返す

 

「あーあーあー!せっかくの力がもったいないねー?」

 

『アタックライド、ブラスト』

 

テルミは皮肉るようにわざわざカードを使い攻撃してくる

 

「さーて、お友達も消えたし...今度は人形どもでもぶっ壊すかねー?本当のお人形みたいに裸にひんむいてから...ヒャーハッハッハ!」

 

「!!...テルミぃぃぃ!!」

 

かつて弟を利用し妹を奪い、母のように暖かく見守ってくれた恩人を殺した男の下衆な言葉は更にラグナの怒りを激しくしていく。一方....

 

 

 

「ほう、子供...ですか。なら今日から君たちのお父さんは私ですねぇ。大丈夫ですよ、あんなゴミの血が流れているとしてもマイ嬢のお子さんならたっぷり愛情を注いであげますよ」

 

高城は仮面の下で笑顔を浮かべながらユキ達に話しかける

 

「貴方みたいな下衆野郎をを父さんと呼ぶ気はさらさらありませんね、変態さん」

 

「お母様に近づかないで下さい、変態」

 

「...おや、何か暖かいものが顔に...」

 

二人の罵倒につい高城は怯む

 

「はぁ、やはり彼の血が入ってしまっているからですかね。残念ですが...貴方達もぽいですね」

 

「!?」

 

その言葉を聞いたマイはユキ達を抱き寄せる

 

「おやおやマイ嬢、どうされたのですか?あ、もしかして母性本能が目覚めました?いやぁ、素晴らしい。なら早くそのゴミを片付けて私との愛の結晶にその母性を注いであげてくださいね?ですから早くそこを退いてください」

 

「...退くわけないじゃないですか。だって...私はこの子達のお母さんだから!」

 

「お母さん...」

 

「お母様...」

 

「マイ!その子達を連れて逃げて!」

 

「ノエル、みんな!でも...」

 

「....はぁ、邪魔するならしょうがない。ゴミ捨てついでにあなた達もだるまさんにしてしまいましょうか」

 

「うぉぉらあ!」

 

「はぁぁ!」

 

そこに再び変身した雄二とハザマが飛び掛かってきた

 

「ほう、まだ動けましたか?」

 

「はっ、そいつらに手を出させるわけにはいかねえな!後でラグナや...あのバカになに言われるかたまったもんじゃねえからな。おい、早く夏目とガキ連れて下がれ!」

 

「...何を言っているんです?」

 

「貴方こそ馬鹿のようですねぇ、この子達は『未来』から来た明久くんたちの子供。...それが何を意味するか分かるはずです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オーマ、ジオウ。...未来の僕」

 

明久は蒼の境界線と呼ばれる場所でオーマジオウと対面していた

 

「なあ、ここっていつかあのEsて子が門番をしてたあの門の先なのか?」

 

「...どうやらまだ記憶が安定していないようだな」

 

明久はナオトとしての記憶が甦ったものの情報に圧倒され口調が落ち着いていない

 

「...本来なら確かにあの門をくぐったさきがこの場所だ。だがお前の手にする、いや、既に手に入れた力によってあの裂け目が門の代わりになりここへたどり着いた」

 

「力?」

 

「そう、あらゆる平行世界に実在する平成ライダー、そしてかつて蒼を巡り戦ったお前達自身の力によってな」

 

「...なあ、皆は?」

 

「安心しろ...既に助っ人が向かっている」

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぉあ!...はぁ、はぁ」

 

激情態ながらなんとか冷静さを取り戻しつつあったラグナだったが....

 

「さてさてー?ラーグナくん、これはなんのカードかなー?」

 

テルミが見せたカードの絵を見たときラグナは戦慄を感じた。なぜならそれは、

 

「スサノオだと!」

 

「そういうこと!」

 

『ゴッドライド、スサノオ!』

 

テルミはダークディケイドの姿から黒いハクメン、スサノオへと変わった。かつてスサノオと戦ったことがあるラグナだがその戦いもスサノオに勝ったとは言えないものだった

 

「な、何故あの姿に!」

 

「テルミめ、まさかあのカードでスサノオユニットを新たに生み出したというのか」

 

「...ふん、残念だったなラグナ=ザ=ブラッドエッジよ。これで貴様には万にひとつも勝機はない」

 

「くそ...」

 

スサノオ。かつてマスターユニットアマテラスの守護をしていたユニットのひとつである神のような存在。それはダークディケイドの強さを遥かに越えている。ジンとハクメンが動けない今、もはやラグナが勝利することはないとスサノオは確信した

 

「はぁ!」

 

「ぐぁぁ!」

 

強力な一撃を腹部に叩き込まれ吹き飛ばされるラグナ。変身を解除した彼の目の前には砕けたディケイドライバーがあった

 

「ラグナさん!」

 

「「ラグナ!」」

 

マイを連れて離れたノエル達がラグナに駆け寄る

 

「お、おまえら...くんな、逃げろ...」

 

「ほう、人形どもか。そうだな、やはり人形を先に壊すとするか。貴様の絶望した顔をまた見るのが楽しみだ!」

 

「でめえ...」

 

スサノオの言葉に怒るラグナだが、彼にはもはや戦うすべは残されていなかった。...その瞬間までは

 

『ファイナルアタックライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!』

 

「そうはいかねえな、はぁぁぁ!!」

 

「なんだと!」

 

スサノオは何者かに蹴り飛ばされた

 

「く、何者だ貴様は!」

 

「俺か?おいおい、たった今まで見てたんじゃないのか?」

 

「...な、なに!」

 

「あ、あんた一体!?」

 

そこに立っていたのは

 

「俺は、門矢士」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ」

 

〝本物〝の仮面ライダーディケイドであった

 

「馬鹿な!何故貴様がここに!」

 

「おいおい、お前俺の姿真似してた癖に俺の事あまり知らないな?俺には世界を越える力がある、当然この蒼の力があった世界が生まれ変わったここにも来れるに決まってるだろ?」

 

「あんたが、本物のディケイド?」

 

「まあ、そうなる...しかし、情けない姿晒すなよ。俺が負けたみたいじゃないか」

 

「くそ、俺だって好きでやられたわけじゃ...」

 

「安心しな、お前のお友達は無事だ」

 

「なに!」

 

「そこの姉妹、早くこの世界の魔王の嫁さんに伝えてこい」

 

ノエル達は驚いた

 

「よ、嫁さん?もしかしてだけど、貴方!」

 

「ああ、俺は〝未来のお前ら〝とも知り合いだ。それとお前にはこれを」

 

門屋士が渡してきたのはディケイドのライドウォッチだった

 

「こいつは?」

 

「そいつにディケイドの力が込められている、起動すればもう一度だけ変身が出来るはずだ」

 

「だが、俺が変身したところで...」

 

「諦めるのか?」

 

「...」

 

「少なくとも俺が知ってるお前は可能性があるなら死に物狂いでしがみつく男だったがな」

 

「可能性...」

 

「お前は、可能性を救ったんだろ?だったら自分の可能性も救って見せろ!」

 

「ラグナさん...」

 

「「ラグナ...」」

 

ラグナは、かつて世界を救うためとはいえノエル達から自分の記憶を奪った事を思い出していた。あれは本当に最善の選択だったのかどうかと。もしかしたら自分が去る必要がない可能性があったのではないかと。世界を救うためと言いながら最初から自分の可能性を諦めていたのではないかと。自分を愛してくれた少女達を本当に救ったのかと

 

「そうだな、ならやってやろうじゃねえか。今度は、俺自身の可能性の為に!」

 

『ディ、ディ、ディ、ディケイド!』

 

ウォッチを起動するとラグナの腰に再びディケイドライバーが装着された。しかし今度のそれは白でもピンク「マゼンタだ」失礼、マゼンタでもなく赤い色をしていた

 

「このベルト...それに、このカードは!」

 

「やはりな。ラグナ、それがお前の可能性だ」

 

カードに描かれていたディケイドの姿は違う物になっていた

 

「...これが、俺の可能性」

 

「何を今更、貴様らは我が破壊してやろう!」

 

「ふん、何が破壊だ」

 

「...貴様、我に対してそのような口を聞くとは」

 

「悪いが、俺も破壊者だの悪魔だの散々言われてきたんでね。お前の破壊はな、ただのガキの癇癪みたいなもんだ。だがこいつがした破壊は愛するものを救うための破壊だ。例え全てを敵に回そうとも、人々の、世界の、あらゆる可能性を救い新たな世界を創りあげた。そんなこいつにお前が勝てるはずがないだろ?」

 

「なんなんだ、貴様らは一体なんなんだ!」

 

「言ったはずだ、テルミ...俺は、いや俺たちは!」

 

「通りすがりの...」

 

「仮面ライダーだ!変身!」

 

『ファイナルカメンライド、ディ、ディ、ディ、ディケイド!ブラッドエッジ!』

 

その姿はブラッドエッジのコートを纏い、荒正を持ち右目が赤、左目が緑のかつてのラグナのようであった。それこそまさにラグナがたどり着いた可能性。その名も仮面ライダーディケイド ブラッドエッジフォーム!

 

「な、なに!?」

 

「ん?これは...」

 

驚くスサノオをよそに更に新しいカードがライドブッカーから出てくる

 

「なるほど、これが俺たちの力か!」

 

『アタックライド、ベルヴェルク!』

 

『アタックライド、ムラクモ!』

 

「あれは、アークエネミー!?」

 

ノエル達姉妹が使ってた武器を呼び出したラグナはそれを昔から使ってたかのように使いこなしスサノオに攻撃を当てていく。信じられない程にパワーアップした能力に加え複数のアークエネミーの同時攻撃にスサノオは大きなダメージを受けている

 

「ば、ばかな...何故貴様が...」

 

「まだまだこんなもんじゃないぜ」

 

『アタックライド、イザヨイ』

 

今度は封印兵装十六夜の剣と盾を呼び出し攻撃していく

 

「あれは、十六夜!?」

 

「お次はこいつだ!」

 

『アタックライド、ユキアネサ!』

 

『アタックライド、ザンマオオカミ!』

 

今度はジンとハクメンの武器の二刀流で攻撃していく。いくらスサノオでもここまで変幻自在な攻撃には対応しきれず追い詰められていく

 

『アタックライド、ウロボロス!』

 

「ぐぁ!」

 

ウロボロスでスサノオを拘束し、更にカードを使う

 

「更にこいつだ」

 

『アタックライド、インパクトトンファー!』

 

「あれって、あたしの!?」

 

マコトのトンファーで強烈な一撃を叩き込み、スサノオは吹き飛ばされる

 

「まさか、ここまでやれるとはな。まだまだ行くぜ、テルミ!」

 

 

 

 

 

 

 

「英雄などと呼ばれているが私の時間ではこの戦い、完全に勝利することは出来なかった...」

 

「どうして?」

 

「私以外が倒れ伏したその光景に...自分の中の憎しみと怒りが、そして蒼の力が時空を越えて全ての平成ライダーの力を取り込みオーマジオウとなった私は奴らを殲滅した。...だがそれが奴らの狙いを把握できなかった原因となってしまった」

 

「皆って、、まさか!」

 

「安心しろ、誰一人死んでいなかった。だからこそ自分の愚かさに腹が立つ。...奴ら...いや、レリウス=クローバーの狙いは私をオーマジオウにする事だった」

 

「レリウス=クローバー!?」

 

レリウス、それはナオトにとっては因縁深い人物であった。スピナースペリオルとの戦いで腕と足を無くした彼に新たに作ったそれを付けてくれた恩人でもあったが。そして...

 

「なあ、あの子達って...もしかして...」

 

「...ああ、皮肉なものだな。...あの男の息子に、あの女の姉妹。...それが自分の子供なのだから」

 

「レリウス=クローバーの息子のカルルに、キイロの妹同然のEs...でも、あの子らみてればわかる。あいつらが誰の生まれ変わりだろうが...あんたがどれだけあの子達を愛しているか」

 

「当然だ。と、少しそれたな。レリウスの狙いは私をオーマジオウにして、世界の壁を破壊させ怪人をやってこさせる事だった。私がオーマジオウとして戦ったさいに起こった余波で完全ではないものの壁は壊れ、怪人がやってくるようになってしまった。...ほんの数年前までな」

 

「ん?今はもう平和なのか?」

 

「『今』はな。だが、ここ数ヶ月で私は自分の存在が安定していないことに気がついた。...この時間で暗躍しているのは、私の時間にいたレリウスだ」

 

「な!」

 

「当時まだ100%力を使いきれていなかったからか、奴が逃げ延びていることに気がつけなかった...奴はこの時間の自分と同化し更に実験を重ねようとしているのだろう。...ラグナの右腕を潰してまでな」

 

「じゃあ、あの事故は!?」

 

「奴の仕業だ...ラグナの腕に関しては歴史の改変が追い付いていないのか私の時間のラグナはまだ無事だがな。以前の世界と同じ状況にしてどのように歴史が変わるのかを確かめたい、おそらくそんな所だろう」

 

「...」

 

「私は以前、オーマジオウの力の使い方を理解したときある選択肢があることを知った」

 

「選択肢?」

 

「...歴史を破壊し、オーマの日をやり直す事...もしくは私の『歴史』をお前に継承させること...」

 

「...」

 

「...私の時間の戦いを無かったことにし、平和な世界を目指す。...だが、そのどちらも...」

 

「マイや皆、子供達も巻き込み犠牲にしかねない。ってとこ?」

 

「しかねないではない、確実にあの子達は私の巻き添えになり...歴史から消える」

 

「...」

 

「だから、私は家族や仲間を守るために平和な世界が続いていく歴史を創ることをあきらめ戦い続けた...私はまさに最低最悪の魔王というわけだ」

 

「別にいいんじゃないの?」

 

「なに?」

 

「誰だって自分の周りの人間が一番大切でしょ?知らない人たちはついででもいいんじゃないのか?」

 

「.......ふ、はーはっはっ!」

 

オーマジオウは高笑いをした。しかしそれは馬鹿にしたような笑いではなく晴れやかな笑いだった

 

「私は、何をしていたんだろうな?英雄と呼ばれ、子供達の為にもそうあるべきではないかと自分に問いかけ自分の周りの為だけに戦う事が罪であるような考えまで持って...本当に、馬鹿だな俺は。そんな開き直った考えだってあったろうに」

 

その声はオーマジオウではなくいつもの明久の声になっていた

 

「なら、俺がたどり着いて見せるよ。あんたが目指した未来に」

 

そういう明久の腰にはオーマジオウと同じベルトが巻かれていた

 

「...そうか。なら、頼むぞ」

 

「ああ」

 

明久は暗闇の中を歩いていく。自分がいるべき場所へ戻るために

 

「...だが、奴とのけりは俺がつける。...オーマジオウとしての私がな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無事...明久が、生きてる!」

 

「そうだよ、お母さん!」

 

「あんな男にお父様が負けるはずがありません」

 

マイ達は門矢士の伝言をノエル達から聞き喜んでいた

 

「うぉ!」

 

「うぁ!」

 

そこに雄二達が吹き飛ばされてきた

 

「坂本くん!」

 

「雄二おじさん!」

 

「おい、そのおじさんはやめろ。ってー、しかしやっぱ生きてたかあのバカ」

 

「当たり前じゃないですか」

 

「...なんと、本当に生きていると言うのですか」

 

高城は驚いた様子を見せる

 

「しかし、あんな状態でどうやって...まあ、今度は確実に殺して差し上げますか。それが彼へのせめてもの敬意ですし」

 

「誰を殺すって?」

 

一同はその声に振り向く。そこにいたのはまさしく明久であった。腕と足も何事もなかったかのように付いていた

 

「よかった...よかった...」

 

泣き崩れるマイを子供達やノエル達が支える

 

「あの野郎、心配かけやがって」

 

ラグナは戦いながら安堵の声を出す

 

「...あのベルト、まさか!?」

 

ハザマは明久の腰に巻かれていたベルトをみて驚く

 

「お父様...」

 

「お父さんの目が、いつもの色になってる!」

 

「いつも?」

 

明久の目は蒼い輝きを放っていた

 

「...みんな、心配かけてごめん。...行くぜ、高城。いや、スピナースペリオル。...変身!」

 

明久はベルトのボタンを押す。すると禍々しく感じる時計のような紋様が地面に浮かび上がりやがてジオウのマスクを思わせる形になった

 

『祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!』

 

光が明久を取り囲み彼の姿を...

 

『オーマジオウ!』

 

オーマジオウへと変えた

 

「......これが、魔王の力か」

 

「な、なんだ、あれは...」

 

「この時間のお父様もたどり着いたのですね...」

 

「あれは...」

 

「お母さん、あれがオーマジオウ。...お父さんがたどり着いた力なんだよ」

 

「...いいや、まだ終わりじゃない」

 

ユキとマユの言葉を否定するようにオーマジオウは言う

 

「「え?」」

 

「俺は、約束した。未来の俺と。未来の俺が本当に目指した未来にたどり着くってな!」

 

オーマジオウが手をかざすと鎧が光となってその手の中に集まり...ウォッチとなった

 

「ね、姉さん!?」

 

「あれが、オーマジオウの可能性?お父様が本当に求めた力なのですか?」

 

『オーマジオウ!』

 

明久はオーマジオウの力が込められたウォッチを起動し元に戻ったジクウドライバーにはめた

 

「見せてやるよ...これが蒼の力、そして...最高最善の王の姿だ!変身!」

 

『キングターイム!』

 

『仮面ライダー、ジオウ、オーマー!』

 

その姿はオーマジオウを思わせる新たな姿だった

 

「明久...」

 

「あれが、真のオーマジオウ?」

 

「最高最善の、王様...」

 

「そうだ」

 

するとそこに再びオーマジオウが表れた。しかし、新たな姿になった明久とは別に。それはつまり

 

「ま、まさか!」

 

「久しぶりだな、高城雅春。いや、この時代でははじめてか」

 

「ユキくん、マユちゃん。あの人は...」

 

「はい、あの人が...」

 

「未来の、僕達の時代のお父さんだよ!」

 

「あれが明久だと?随分雰囲気変わったな」

 

「お祖父様を意識してるそうですから、変わるはずです」

 

「...マユ、明日からしばらくプリン抜きだ」

 

「そ、そんな!お父様、どうかそれだけは...」

 

「冗談だ」

 

しかし内心ばらして欲しくなかったと考えていたオーマジオウだった

 

「さて、おふざけはここまでにして...せっかくだ、私がやるとするか」

 

「「「「「??」」」」」

 

「祝え!あれこそまさに時空を過去と未来をしろしめす、真なる刻の王者!」

 

オーマジオウは宣言した

 

 

 

 

 

 

 

 

「仮面ライダージオウ、オーマフォーム!今、新たな世界とそこに君臨する王が誕生した!」

 

新しい世界の始まりを

 

 




破壊者と魔王が最強の姿へ!次回、最強チーム結成と新時代を告げる戦士誕生!


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十二話

「新たな世界?何を言っているのですか?」

 

高城は馬鹿にしたように問いかける

 

「そのままの意味だ。あれこそ新たな世界の王者、私とは違う可能性を手にした証だ」

 

「なら、その可能性と共に貴方も滅びるといい!」

 

そういうと突然オーロラのような物から大勢の怪人が現れ、オーマジオウとジオウオーマフォームを取り囲む

 

「...その力、やはり奴と関わりがあるようだな」

 

「おや、あの方を知っておられる?まあ、そんなことは関係ありませんねぇ。どうせ死ぬんですから!」

 

「まずいですね...」

 

「どうしたの、ハザマくん」

 

少し焦ったようにいうハザマにマイが聞く

 

「あれ、平成仮面ライダーのラスボス怪人オールスターなんですよね」

 

「??」

 

「いやいや、いくら魔王二人でもまずいのではってことですよ!?」

 

「...そうでもないみたいだよ」

 

そこにはラスボス怪人を雑魚同然にパンチやキック一発で倒す魔王コンビがいた

 

「...わお」

 

「私、よく分からないんだけどあの怪人てそんなに強いの?」

 

「うーん、説明すると長くなるんですがまあとにかく最強フォームのライダーでも苦戦するような恐ろしいパワーを持つ事がほとんど...のはずですが」

 

「ば、ばかな!」

 

「どうした、この程度か?」

 

「魔王の力、ここまですごいのか...」

 

ジオウ二人はあっという間に怪人を倒してしまい、明久はあまりの強さに驚いている

 

「若き日の私よ」

 

「ん?」

 

「お前は何のために、その力を使う?」

 

「...決まってるじゃないか。皆や、マイと一緒に未来を創るためだ」

 

「...私は、守るために力を使おうとした。だが、守るだけではダメだった」

 

「...」

 

「並び立ち、共に歩むことで見えるものがある。その姿はその証明だ。お前は、『蒼』の力の先へとたどり着いた」

 

「『蒼』の力の先?」

 

「可能性を可能にするのが『蒼』、それが具現化したのがこのオーマジオウだ。だがオーマフォームはその先を行く。無から可能性を生み出す力だ」

 

「...じゃあ、これは『蒼』そのものでもありその先を行く力...」

 

「お前は私を越えた...その力で、お前達自身の未来を掴みとれ」

 

「お話中すまないが、この子を忘れてやしなかったかい?」

 

「...全く」

 

そこに青い仮面ライダーに連れられてレイチェルがやって来た

 

「...すまん、作者が描写し忘れてたらしい」

 

「大分メタいこと言い出した!?というかあんた誰!?」

 

「...海東、お前なんでここに」

 

そこにディケイド(士)が表れた

 

「やあ、士。ちょっと気まぐれでやって来たらこのお嬢さんが捕まっていてね。彼らをのしてやったよ」

 

視線の先にはベルトを破壊され気絶している常夏コンビがいた

 

「ディエンドか、貴方まで来てくれるとはな」

 

「言っただろ?気まぐれさ」

 

彼は仮面ライダーディエンド、海東大樹。士と同じく世界を越える力をもつ仮面ライダーだが基本は泥棒として活動している

 

「それにこのお宝を君の息子に渡さなければならない」

 

「そのベルトは?」

 

「おいおい海東、お前が宝物を人に渡すなんて気前がいいな」

 

「確かに僕はお宝を集めている、だが誰かの手にあることで輝くお宝があるのならそうあるべきだ。お宝とは輝いてこそ価値があるものだからね」

 

ディエンドが持っていたのは黒と蛍光色のような黄色が目立つベルトだった

 

「ん?」

 

そのやり取りを見ていたラグナは再び表れた新しいカードを手に取った

 

「こいつは、無兆鈴?」

 

アークエネミー、雷轟・無兆鈴。それは物質を具現化できるアークエネミーであり六英雄のトリニティ=グラスフィール、彼女と肉体を共有していたルナ、セナという少年少女が所持していた

 

「...使ってみるか」

 

『アタックライド、ムチョウリン!』

 

ラグナの手元に魔法少女のステッキのような武器、無兆鈴が表れた

 

「なんだ、それ?」

 

「まあ見てろ...はぁ!」

 

ラグナが空に無兆鈴を掲げると光輝き消滅してしまった。しかしその光はマイ、ノエル、ラムダ、ニュー、ジン、ハクメン、ツバキ、ハザマ、マコト、雄二、翔子の元にやって来て彼女達の姿を変えていった

 

『ギンギンギラギラ、ギャラクシー!宇宙の彼方のファンタジー!ギンガ、ファイナリー!ファイナリー!』

 

『エターナル!エクストリーム!』

 

『リ・バ・イ・ブ!剛烈!』

 

『仮面ーライーダーツクーヨーミー、ツークーヨーミー!』

 

ハザマはウォズギンガファイナリー、雄二はゲイツリバイブ、翔子は仮面ライダーツクヨミ、ジンはハクメンの鎧を纏った新しいエターナル、エターナルエクストリームへと変身し、マイ達は『蒼』を巡る戦いの時の服に変わって、その頃使っていた武器を持っていた

 

「ベルヴェルク...それにこの服は」

 

「すごい!」

 

「ラムダ達のドライブが戻った」

 

「イザヨイ、また私に力を貸してくれるのですか」

 

「よっしゃー!七谷マコト、いっきまーす!」

 

「...私も、雄二と一緒に戦える」

 

「力がみなぎる、こりゃすげえな」

 

「これは、スサノオユニットを纏った時と...いや、それ以上だ!」

 

『ジン=キサラギよ、我も共に...』

 

「ハクメン...貴様の力、使わせてもらうぞ!」

 

「見よ!これこそ仮面ライダーギンガの力を受け継いだ仮面ライダーウォズ最強の姿、仮面ライダーウォズギンガファイナリーである!」

 

「お前は相変わらずだな」

 

「よし、私達も行こう!」

 

マイが全員に号令をかける。しかし...

 

ぐわし

 

「...雄二は見ちゃダメ」

 

「ぐぉぉぉぉ!!なぜアイアンクローを!」

 

「翔子ちゃん!?」

 

「ま、マイ。自分のかっこ見てみようか...」

 

ノエルに言われマイは自分の姿を確認すると

 

「......うわぁぁ!!??」

 

それはマイが親友であるカジュンから貰った戦闘服であった。...背中はほぼ丸出し、臀部、胸と露出がかなり激しい物だった

 

「あーもう!やっぱカジュンに別の作ってもらうんだった!」

 

「あはは...え?今カジュンって...」

 

「...うん、私も思い出したよ。皆やカジュン...ナオトの事も」

 

「マイ...ただいま」

 

そこに明久がやって来た

 

「お帰り、明久。それと...ようやくまた会えたね、ナオト」

 

「...ああ、待たせちまったな」

 

明久はマイを抱きしめ、マイもそれに応えるように背中にてを回した

 

「お父様とお母様、ラブラブですね」

 

「うん!」

 

「「あ!」」

 

子供達やノエル達にも見られていることを思いだし、明久達は離れた

 

「やあ、少年。久しぶりだね」

 

「怪盗さん!」

 

「なんか引っかかるがまあいい、これを使いたまえ。そして君にはこれだ」

 

ディエンドはユキに先ほどのベルトとカセットのような物を渡した。そしてマユには大剣を渡した

 

「これは君たちがもつべきお宝だ。それを使えば君たちも戦える」

 

「私達が...」

 

「お前達...後悔はしないか?」

 

「お父さん...」

 

「お父様...」

 

オーマジオウが膝をつきユキ達に話しかける

 

「力を持てば相応の責任をもつことになる。お前達はまだ幼い。私は、お前達には戦わせたくない...」

 

「僕たちに出来ることがあるなら、何かしたいんだ!これからはもう父さんだけには戦わせない、この時代の父さんは皆と一緒に戦う選択をしたんだよ?だから父さんも僕たちを頼ってよ!」

 

「お父様、私も同じです。それにこの子は私が守ります。そして、何か会ったときはこの子が私を助けてくれます...ですから」

 

「...そうか、ならお前達の力を父さん達に貸してくれるか?」

 

オーマジオウは子供達の頭を撫でる。その姿は魔王というより優しい父親の物だった

 

「当たり前だよ!」

 

「勿論です」

 

「ありがとう、二人とも」

 

マユは剣を構え、ユキはカセットのボタンを押しベルトに当てた

 

『jump!』

 

『オーソライズ』

 

するとカセットと同じ色のメカバッタが現れユキの周りを跳び跳ねていく

 

「.......変身!」

 

『プログライズ!』

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a riderkick』

 

メカバッタは粒子になり肉体が急成長しスーツを着たユキに纏われていく

 

「あ、ウォズくんいいかい?」

 

「...あ、私ですか?...なんですと!?」

 

ディエンドがウォズに耳打ちをする

 

「ふむ、では!祝え!あれこそ令和という新時代を駆け抜ける令和ライダー1号!その名も仮面ライダーゼロワン!」

 

「これが仮面ライダー...」

 

ゼロワンとなったユキは自分の体をみて驚く

 

「...」

 

「どした、ウサギ」

 

ゼロワンを見つめるレイチェルにラグナが聞く

 

「いえ、なんでもないわ。...あの坊や、遂に物語の中心となるべき時が来たということね」

 

「ほう、まさかあれがカルルとはな」

 

「「!!」」

 

二人のすぐそばに突然現れたのは目元に仮面をつけた男性だった。二人はその人物をよく知っていた

 

「久しぶりだな...レリウス=クローバー」

 

オーマジオウは怒りを滲ませながら話す

 

「ああ、久しぶりだ。どうだ?魔王の力は」

 

「...今となっては文字通り手足のように容易く扱える」

 

「そうか、カルルはどうだ?あれは中々優秀なはずだからな。見事仮面ライダーの力を手にしたようだが」

 

「気安く私の息子を呼ぶな!」

 

それまでは魔王やマイの父、ホウイチロウを意識した落ち着いた立ち振舞いをしていたオーマジオウだがレリウスに対して突然怒号を放つ

 

「...カルルって確か」

 

「昔の僕の名前です、雄二おじさん」

 

「だからおじさんはやめろ...」

 

「...え?ユキ、あなたまさか...」

 

「うん、お母さん。...思い出したんだ。姉さんもだよね?」

 

「...ええ。でも大丈夫です、私達は貴方達の子供であることにかわりないです」

 

「ユキ、大丈夫か?」

 

明久はユキを心配する様子を見せる

 

「うん...二人ともすっかり僕たちの事受け入れてくれてるけど嫌に思わないの?」

 

「何でだ?そりゃ少し驚いたけど大切な家族だしな」

 

「でも、僕たちと父さん達の時間はもう別の道を歩み始めてる。将来子供が産まれたとしても僕たちとは限らないかも...」

 

「それでもだよ。貴方達が大切な家族にはかわりないから」

 

違う世界の住人となったとしても明久とマイにとっては未来から来た自分達の子供であることには違いなかった

マユとユキはそんな二人に自分達の時間の両親が重なって見えた

 

「...面白い輝きを見せるな、今のカルルの魂は。それにあの門番の娘も」

 

「言ったはずだ、気安く私の息子を呼ぶなと。それに今のあの子の名前はユキだ。マユも門番などではない、私の大切な娘だ」

 

「ふむ、そうか。まあいい、これもようやく完成したんだ。君にもみてもらいたかったところだ」

 

そういうとレリウスはゲーム機のようなベルトを腰に巻きゲームソフトを取り出した

 

『仮面ライダークロニクル!』

 

「変身」

 

『天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!』

 

「仮面ライダークロノス。時の神の名を持つこのライダーは魔王にどこまで通じるかな」

 

レリウスは仮面ライダーエグゼイドを初めとするドクターライダー達の強敵、仮面ライダークロノスへと変身した

 

「......」

 

「高城くん、まだ怪人は呼べるだろう?」

 

「当然だ...やつらを皆殺しにしろ、怪人ども!」

 

「そうは行くか!」

 

「レリウスは私に任せて貰おう、行くぞ!」

 

明久とオーマジオウは再び現れた怪人やクロノス達にに突っ込んでいく

 

「あ、明久!」

 

「あのバカ!」

 

「さあ、皆様参りましょう!お父様達に...我らの王に続くのです!」

 

 

「祝え!時空を越え集まった最強チームの誕生を!」

 

 

 

 

 




第3章も次回でラスト!ゼロワンやブレイブルー女性陣も加えてのラストバトルの先にあるのは?


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十三話

ついに始まったラストバトル、最初からクライマックスと言わんばかりに全員が必殺技を繰り出し怪人軍団を蹴散らしていく

 

『ファイナリー!ビヨンドザタイム!スイキンチカモクドッテンカイ!エクスプロージョン!』

 

「お願いしまね、マコトさん」

 

「オッケー!プラネットクラッシャー!」

 

ウォズギンガワクセイが作り出した小型の月にマコトがアストラルヒート、プラネットクラッシャーをかまし次々と叩きつけていく

 

「...雄二、一緒に」

 

「無茶すんなよ?」

 

『一撃!タイムバースト!』

 

『タイムブレーク!』

 

ジカンジャックローと光の剣で攻撃していくゲイツリバイブ剛烈とツクヨミ

 

「今度はこいつだ!」

 

『スピードタイム!リバイリバイリバイブ!リバイリバイリバイブ!リバ・イ・ブ、疾風!』

 

『疾風!』

 

『百烈!タイムバースト!』

 

ゲイツリバイブ疾風にチェンジするとのこモードからつめモードにしたジカンジャックローを使い連続攻撃を仕掛けていく

 

「虚空陣奥義、雪風!」

 

「ジャッジオブ、デスティニー!」

 

斬魔鳴神を使いハクメンの技を放つエターナルエクストリームとアストラルヒートを発動したツバキことイザヨイ。二人の必殺技に怪人は一撃で消滅していく

 

「ヴァルキリーペイル!」

 

「「次元干渉虚数法陣展開、全てを無に帰する刃を我が前に示せ 」」

 

「恐ろしいコラボレーションだな...」

 

ノエル、ニュー、ラムダの姉妹同時攻撃にちょっとびびったラグナ。この姉妹は怒らせないようにしようと密かに決意した

 

「はぁ、はぁ。くそ野郎が!」

 

「テルミ、てめえとの因縁もここでしまいだ」

 

『ファイナルアタックライド!ディ、ディ、ディディケイド!』

 

カードの効力が切れダークディケイドに戻ったテルミにラグナは荒正を鎌に変形させ切りかかる

 

「恐怖を教えてやる...」

 

「ぐはぁ!」

 

「てめえには地獄すら生ぬるい」

 

「うがぁ!」

 

「あるのは...無だけだ」

 

「ら、ラグナ=ザ=ブラッドエッジぃぃ!」

 

「今の俺は、ラグナ=マーキュリーだ!」

 

とどめにキックを叩き込むとテルミは地面に叩きつけられ変身が解除された

 

「これが俺の、俺達の力だ!」

 

 

 

 

 

「これに全てを掛ける!緋蓮蒼、朔耶 !」

 

「うぉ!」

 

上空からガリアスフィラを撃ち込むマイの必殺技、緋蓮蒼朔耶が高城に向かって放たれるが避けられてしまう

 

「ま、マイ嬢!?な、何故そこまで殺気全開で攻撃してくるのですか!?」

 

「...自分の胸に手を当てて見てください。後、よそ見してる余裕でもあるんですか?」

 

「はい?」

 

ニヤリとするマイの視線の先にはガリアスフィラを構えた明久の姿が

 

「はぁ!!」

 

「あぶな!貴方、卑怯ではありませんか!?マイ嬢とタッグで来るとは!」

 

「あんなふざけた数の怪人呼び出しといてよくいうよ」

 

更に明久が投げたガリアスフィラを回避し文句を言う高城だが呆れたように明久は返す

 

「なら、これはどうですか?」

 

今度は仮面ライダーゴーストの敵、アイザージャイアントやブレイドの敵、14が呼び出された

 

「な、何あれ!?」

 

「最早違う作品のサイズだよね...」

 

驚くマイと突っ込む明久。しかし、焦っている様子はない

 

『ジオウサイキョウ!』

 

ジオウの最強武器、サイキョージカンギレードを呼び出し構えると空中に舞い上がる

 

「喰らえ!」

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

ジオウサイキョウと書かれた光の刃が巨大怪人を切り裂く

 

「...ばかな」

 

「うわー...」

 

「チートってレベルじゃねえなありゃ」

 

次元の違う強さに高城とマイは遠い目をしラグナは突っ込まずにはいられなかった

 

「これで、最後だ!」

 

「なに!?」

 

いつの間にか真後ろにワープしていた明久の攻撃をくらいベルトを破壊された高城は変身を解除した

 

「さて、こいつはどうするか...スピナーの記憶を取り戻したなら相当な危険人物だしな...」

 

「さあな、未来のお前にでも相談するか?」

 

 

 

 

「はぁ!」

 

「ふん!」

 

ゼロワンに変身したユキとマユ姉弟は見事なコンビネーションで敵を倒していく

 

「行きますよ、ユキ」

 

「うん!」

 

『ライジングインパクト!』

 

「...対象を殲滅します。アルトリウス!」

 

「くらぇぇ!」

 

二人の必殺技が炸裂し、怪人達は消滅していく

 

「やりましたね」

 

「うん!そういえば姉さんその服は?」

 

マユが着ていたのは『蒼』の門を守っていたときのEsとしての服だった

 

「いつの間にか着ていましたね、どうです?」

 

「う、うん似合ってる...」

 

「ありがとうございます」

 

ユキは仮面の下で顔を赤くしながら答える。そして、オーマジオウ側の方では...

 

 

 

 

「どうした、その程度か?」

 

「ふっ、ゲムデウスとやらの力を加えてもまるで次元が違うな...素晴らしい力だ」

 

ゲムデウスクロノスに進化したレリウスだったがオーマジオウの強さに圧倒されていた

 

「レリウス、何故貴様はそこまで狂気の道に落ちた?あの子や家族と穏やかに暮らす選択もあったはずだ」

 

「ほう、あの事象を見たのか?面白い世界ではあったがあれでは実験が思うように出来んのでな」

 

「...やはり貴様は救いようのない外道だな。ここでけりをつける」

 

「かつて腕と足を造ってやった貸しで見逃して欲しい所だな、お前の強さは身に染みている」

 

「そんな借り、とうの昔に消えている」

 

「そうか、ならば...」

 

レリウスはゲムデウスクロノスから超ゲムデウスへと姿を変えた

 

「これならばどうだ?」

 

「...愚かな」

 

「...よう、未来の俺。手伝おうか?」

 

明久がその場にやって来た

 

「そうだな...お前もやつとはけりをつけたいはずだな。ならば、行くぞ!」

 

『終焉の刻!』

 

『キングフィニッシュタイム!』

 

「レリウス=クローバー!」

 

「これで終わりだ...これはせめてもの敬意だと知れ」

 

『逢魔時王必殺撃!』

 

『キングタイムブレーク!』

 

オーマジオウとジオウオーマフォームのダブルキックが超ゲムデウスを貫いた

 

「...去らばだ、レリウス=クローバー」

 

「じゃあな、レリウス」

 

「...ふふ、これが私の結末か。...イグニス...エイダ...カルル...」

 

最期にレリウスの脳裏をよぎったのは家族の顔だった

 

「まさか、家族を思い浮かべるとはな...ふっ」

 

超ゲムデウスは爆散し跡形も無く消えた

 

「......何故、もっと早く気づけなかった。お前には愛する家族がいたことを」

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔王の力ってすごいな...」

 

戦いが終わり、オーマジオウによって破壊された周辺の物が修復された様子をみて明久はつぶやく

 

「なあ、あいつらはどうするんだ?」

 

雄二は高城達を見ながらいう

 

「安心しろ、今回の件と前世についての記憶を消しておいた。まあ何かあったとしても大丈夫だろう?」

 

オーマジオウは明久に視線を向けた

 

「...ああ、任せろ」

 

「ならば、帰るとするか」

 

「はい」

 

「うん!」

 

「そういえばユキ、お前今回の事母さんに黙って来たな?」

 

「う!」

 

「あまり母さんに心配をかけるなよ?」

 

オーマジオウは再び明久の声になり諭すように言う

 

「はい、ごめんなさい父さん...」

 

「わかってくれればいいよ」

 

「本当に明久なんだな」

 

「それでは若き日のお父様、お母様。またいつかの未来で...案外早く会えたりするかもですが頑張り過ぎないように...」

 

「「うおぉぉぉーーい!!??」」

 

大慌てでマユの口をふさぐ過去と未来の父親コンビ。一瞬考えたマイはその言葉の意味に気付き顔を真っ赤にし両手で顔を覆う

 

「苦労、してるんだな」

 

「ああ...けど楽しいぞ?子供達と過ごす毎日は」

 

「バカなお前も未来じゃ親バカってか?」

 

「...その言葉そっくりそのまま返すよ」

 

オーマジオウは軽口をたたく雄二に返す

 

「は?」

 

「そのうち分かる」

 

「姉さん、さっきのってなに?」

 

「帰ったら教えてあげますよ」

 

手を繋ぐユキ達姉弟。しかしマイはその繋ぎ方に違和感を感じる

 

「ごめん、えっと...明久、でいいのかな」

 

「...ん、私か。どうした」

 

オーマジオウは再び魔王ボイスになり答える

 

「帰る前にちょっとだけ二人と話していい?」

 

「ああ、構わないが...」

 

「ありがとうね」

 

ふたりをつれ少し離れた所で会話をするマイをみてオーマジオウはつぶやく

 

「やはり、母親のほうが鋭いのか...」

 

「ん?」

 

「...ちょっと耳を貸せ」

 

オーマジオウの耳打ちに明久は驚く

 

「まじ?」

 

「まじだ」

 

「...そっか、まあいいんじゃないか?お互いがいいなら」

 

「まあな」

 

「さて、俺は帰らせて貰うか。魔王、またお前のとこの飯奢れよ?」

 

「オススメは天玉うどんだぞ?」

 

「もっと別のやつで頼む、じゃあな」

 

そういって士はオーロラの中へ姿を消した

 

「ごめん、終わったよ」

 

「そうか、なら今度こそ帰るか」

 

「じゃあね、過去の父さんに母さん!」

 

「お元気で...」

 

「ん?そういえばどうやって帰るんですか?もしかしてタイムマジーン...」

 

「ああ、これだ。ふん!」

 

ハザマが聞くとオーマジオウが手をかざすと空間に裂け目ができそこには違う景色が広がっていた

 

「おお!」

 

「じゃあね、未来の明久くん達。そっちのマイやあたし達と仲良くね」

 

「お気をつけて」

 

「無理をするなよ」

 

「...吉井、じゃあね」

 

「あばよ、未来のバカ魔王」

 

「バイバイ!明久!」

 

「家族と仲良く」

 

「明久くん、マイとケンカしたりしたら駄目ですよ!」

 

「...明久!」

 

「...?」

 

「...気張っていけよ」

 

「ふっ...」

 

ラグナの呼び掛けにサムズアップを返すオーマジオウ。未来の魔王とその子供達は裂け目に消えていった

 

「さて、私も行くとするわ」

 

「うむ」

 

レイチェルとハクメンはその場を立ち去ろうとする

 

「おいレイチェル、ハクメン。どこ行くんだ?」

 

「まあ、この世界を色々見て回ろうと思ってね」

 

「ヴァルケンハインからこいつの事を頼まれているからな、私も共に行くだけだ」

 

「そうか、また顔見せにこい。セリカにもいつか会っていけ」

 

「...そうだな。では、さらばだ」

 

レイチェルの転移魔法で二人は何処かへと消えていった

 

「...さて、俺達も帰るか?」

 

「そうだね」

 

その後、時間の静止が解けた事を確認したメンバーは帰路へとついた。まるで夢の中のような体験をした事を胸に秘めて

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、こんなものですわね」

 

「マイ、また貴方と会える日、楽しみにしていますわよ」




「呼ばれて飛び出て、皆大好きココノエ先生だ」

「さて、今回で第三章が完結したわけだがこんな駄文小説を読んで下さって感謝の言葉を作者に代わって言わせて頂く。ありがとうございます」

「次回だが、本作ではなくもうひとつの作品、恐らく待ち望んでいた方もいらっしゃった18禁ストーリーの更新に専念するらしい」

「現代のメンバーや未来の魔王とその嫁、もしかしてその子供達の話も語られるかも?といった予定だ」

「では、次章予告だ。今回の事件、かなりブレイブルー本編や別のルート未来に深く関わっていることが多かったのだがそこら辺の説明をしきれていなかった」

「という訳で今回の章で登場したキャラや出てきた設定等を纏めてこの私が解説しよう」

「あ、ラグナ達の設定はキャラ紹介に追加予定だから気を付けろよ?」

「では次章、『教えて、ココノエ先生!バカとブレイブルーと別の未来!』楽しみにしててくれ」


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教えて、ココノエ先生!バカとブレイブルーと別の未来!

「呼ばれて飛び出て、皆大好きココノエ先生だ」

 

「さて、今回は三章で明らかになった設定を含めた解説パートになる。助けて、ココノエ博士的のようにちょっとゆるーい感じの等身でイメージして読んでくれ」

 

「さて、まずはブレイブルー本編のストーリーについてざっくり解説しよう。バカテスは知ってるがブレイブルーはあまり知らない、という方のためにな」

 

ブレイブルー カラミティトリガー

 

ブレイブルー本編一作目のこの作品ではブレイブルーと呼ばれる強力な力をもつ主人公ラグナがカグツチと呼ばれる山の上に作られた都市にやって来た所から始まる。妹のクローンであるニューが作られるのを止めるために釜と呼ばれる場所を目指すが賞金首のラグナを狙い様々な人物が奴を襲う。しかしその結末は必ずニューにラグナが敗北するというもの。二人は過去に行き融合し黒き獣となり世界を破滅に導こうとする。そしてその時代まで世界は時間が巻き戻っていた。何度も繰り返していくがノエルによりラグナが助けられるとそのループは終わりを告げ世界はようやく新たな時代へ進む

 

ブレイブルー コンティニュアムシフト

 

蒼の継承者、カラミティトリガーとなったノエルの力を利用し復活したユウキ=テルミ。ノエルをさらいその力を使い神であるアマテラスを破壊しようとするテルミにラグナは戦いを挑むが劣勢に追い込まれる。ラムダの助けと彼女の形見といえるイデア機関によりラグナはテルミを撃退、μ=12となってしまったノエルを救うも冥王イザナミが現れその場を退却することになる

 

ブレイブルー クロノファンタズマ

 

イカルガにやってきたラグナは自分の育ての親の過去の姿であるセリカ=A=マーキュリーと出会う。彼女との出会いで自分の意思で初めて守るために力を使う事を学んだラグナは過去へと行きオヤ...失礼、獣兵衛や若き日の母様、ナインと出会い暴れ続ける黒き獣を一年間の間止めることに成功する。六英雄との出会いと別れを経てラグナは元の時代に戻りイザナミに戦いを挑むも黒き獣の力を暴走させられてしまい行方不明になる

 

ブレイブルー セントラルフィクション

 

ラグナは記憶を失いエンブリオという閉鎖空間の中にいた。ナイン=ザ=ファントムとの戦いで記憶を取り戻し世界を救う為の方法を考えつくもののそれは自分の存在を世界から消すものだった。イザナミを倒しスサノオとなったテルミとの戦いをなんとか制したラグナ達だったがそれまでにラグナはツバキやマコトを始めとした資格者と呼ばれる人物の願望を集めていた。そして最後に再び兄弟として暮らしていけるようになると考えていたノエルを攻撃、ジン共々二人から自分の記憶を奪っていった。自分が何度も世界がループする最大の原因であり自分が消えることでしか真に世界は救われないことに気づいたラグナは門の向こうへと姿をけした。その後世界は再生されるものの英雄の姿はそこにはなかった...

 

 

 

「かなりざっくりとしたものだがこれが一応本編のまとめだ。この後、生まれ変わったラグナ達の物語が今作品というわけだ」

 

「さて、お次は今作品の設定について解説だ」

 

「三章で未来の明久ことナオト、オーマジオウが出てきた訳だが...実はプロットを組んでいた段階ではここまでがっつり仮面ライダーが関わってくる予定ではなかったの事だ」

 

「作者は特撮がかなり好きでブレイブルーには仮面ライダーに関わっている声優さんが結構いたりしたからそれ繋がりで清涼祭でラグナにコスプレさせたりする予定はあったがな」

 

「きっかけは夏の映画『Over Quartzer』を観賞しその考察を見たことによるらしい。世界を救うためにオーマジオウとなり魔王の汚名を着せられながらも孤独に闘った常盤ソウゴ。そのような考察をみた瞬間作者はこれを取り入れたいと思い今に至るわけだ」

 

「未来の黒鉄ナオト=オーマジオウといった仮面ライダーネタはこれがきっかけだが元々のプロットはある程度一緒だったようだ」

 

「ラグナの中の人も出ていた1万年と二千年的なロボットアニメのように生まれ変わったラグナとナオト達が再びヒロイン達と出会いテルミ達と戦う!というのがその部分だ」

 

「では、次はオーマジオウルートの世界についての解説だ」

 

「この世界線ではオーマの日と呼ばれるようになった今作品の三章にあたるエピソードはラグナ達が高校を卒業してから数年後に起こった」

 

「ここではレイチェルやハクメンの強力で仮面ライダーの装備を開発しテルミ達と戦った訳だが...こちらでは門矢士等の介入がなくラグナ達は敗北、ベルトを破壊されあわや、というところで...」

 

「オーマジオウになったナオトが姿を現した。皆が殺されてしまったと思い込んだナオトはテルミ達を...手に掛けた」

 

「レリウスにはその場で気付けなかったが逃げられてしまい、奴の狙いである世界の壁の崩壊。それに気付くことが遅れてしまった」

 

「なんとかオーマジオウの力を使い食い止めたもののそれ以降仮面ライダーの世界から怪人が現れるようになってしまった」

 

「一人しか戦える人間がいないなか戦い続けたオーマジオウはやがて自分の蒼の力、破壊と創造に気づく」

 

「その力を使えば世界をオーマの日からやり直し、平和が続く世界を作れる事に気付くが...もうやつにその選択は出来なかった」

 

「自分や友にはすでに守るべき家族がいた。こんな世界でも必死に生きてきた彼らの全てを無かったことにしてしまうことは出来ないと世界の平和を諦め自分を魔王と言うようになった」

 

「ただ今の本編の時代から二十年後の時間では復興も世界の壁の修復もディケイドを始めとした平成ライダーの力を借りることができなんとかなったようだがな」

 

「戦い続けた奴にようやく訪れた平和な時間というわけだ」

 

「では、オーマジオウのキャラ設定だ」

 

 

 

オーマジオウ/葉月明久

 

二十年後の未来の明久。マイと結婚し葉月家に婿入り。その後esの生まれ変わりのマユ、カルルの生まれ変わりのユキを授かる。マイと結婚する前にオーマの日の事件が起こりオーマジオウになる。その後はそれ以前にハザマに見せられていたオーマジオウとマイの父親のホウイチロウを意識した言葉づかいや立ち振舞いを変身してる間はするようになる。仮面ライダージオウに出てくる五十年後の時代のオーマジオウとの最大の違いは基本的な人格は現代の本人とあまり変わらないということ。素の性格は今もツッコミキャラの優しいイケメンタイプで優しい父親。現在は喫茶店(という名のほぼレストラン)を経営しておりラグナ達は常連。天玉うどんはラグナ用のメニューだったが正式にメニュー入りしている

 

「さて、こんな所だ。では設定解説はここまでだ。次回からは通常のストーリーに戻るぞ。では、本編でまた会える事を願っている」




「皆さんこんにちは!カジュン=ファイコットですの!」

「か、カジュン!君も生まれ変わってたんだね!」

「また会えて嬉しいですわマイ!実は私またココノエ博士の元で今度は召喚獣の研究をしていますのですがマイ達に協力して欲しいですの」

「協力?」

「はい!自分の意思で喋ったり二人で一緒に呼び出したりするんですわ!」

「うわー!面白そう!」

「...あれ、俺がやるの?えっと次回!本音と子供と未来の俺達!」

「何故わたしがここに...」

「え!?未来の俺!?」


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教えてココノエ先生!パート2

仕事の時間帯が変わりちょっとずつR18エピソードの執筆をしていたら大分説明不足な所があったのでこちらも追加...実はそのうち三章についても大幅に加筆予定です。


「呼ばれて飛び出て、みんな大好きココノエ先生だ」

 

「さあ、今回は教えてココノエ先生パート2だ」

 

「前回説明し忘れていた事が沢山あったことに作者がr18エピソード執筆中に気がついて今回急遽挟むことになった。大変申し訳ない」

 

「まずは今小説でのオーマフォーム及びオリジナル形態のライダー二人を紹介だ」

 

仮面ライダージオウオーマフォーム

 

現代の明久(ナオト)が変身したオーマジオウの力を宿した形態。原典では未来のオーマジオウから継承したような描写だが今作品では現代の明久がオーマジオウに変身後その力をライドウォッチに凝縮させて変身した。今作品のオーマジオウは『蒼』の可能性を可能にする能力がライダーの力を元に具現化したものだがこのオーマフォームは更に無から可能性を生み出す事が出来る能力を併せ持つ為原作でラグナが言っていた文字通り不可能を可能にする事が出来る。

この姿に変身した事がきっかけとなりオーマジオウ(未来明久)が存在する未来と本編世界はパラレルワールドとなり世界の壁が崩れるのを回避しながらも未来世界の消滅を免れることになった。

スペックはオーマジオウと同等で仮面ライダージオウ最終回で見せたラスボス軍団をワンパンしていったのと同様の事が容易に出来る

 

 

仮面ライダーディケイド ブラッドエッジフォーム

 

ラグナが変身した今作品オリジナルのディケイドの形態。ブレイブルー本編でラグナが来ていた赤いコートと荒正を装備し、目が赤と緑のオッドアイになっている。

それ以外は通常形態のディケイドと変わらないが全体的なスペックはネオディケイドの倍以上でありブレイブルー本編では勝利したとは言えなかった対スサノオに置いても圧倒的に優位に立っている。

カメンライド能力はないがブレイブルーキャラの武器をアタックライドカードを使い呼び出すことが出来る。ブラッドエッジフォーム覚醒の影響で力を返却後もディケイドの力や他のメンバーのライダーやドライブ能力も消滅せず残っている。オーマジオウルートでは現れなかった形態の一つである。

 

 

仮面ライダーエターナルエクストリーム

 

ジンが変身した仮面ライダーエターナルのオリジナル形態。

ハクメンと合体した姿であり肩アーマーと膝下のアーマーがハクメンの物に変わっている。

武器はユキアネサと斬魔鳴神の二刀流。

暗黒大戦時の全盛期のハクメンを遥かに凌駕する強さを持っている。ブラッドエッジフォームと同じくオーマジオウルートでは現れなかった形態。

 

「さて、お次は未来の明久とマイの子供達だ」

 

葉月ユキ/仮面ライダーゼロワン

 

未来の明久とマイの息子。カルル=クローバーの生まれ変わりであるが、記憶はほとんどなくレリウスがかつての父であったことと今は母親のマイが士官学校の先輩であったことをゼロワンに初変身した際に思い出した程度。性格はシスコンで紳士。姉のマユとは実の姉弟ながら恋人である。三章時11歳。三章以降もゼロワンとして父親やある人物が変身した仮面ライダーバルカンと共に再び現れ始めた怪人達と戦っている。名前のユキはカルルの声優である沢城みゆきから。

 

 

葉月マユ

 

未来の明久とマイの娘。かつて蒼の門の門番であったEsの生まれ変わり。Esよりは表情豊かであるが基本的には物静か。三章時13歳。好物は父親の作ったプリン。超がつくほどのブラコンで両親はマユからみて叔母に当たるある人物を彷彿とさせたと感じたほど。ユキと付き合っていて更に「色々」済ませてしまっている。名前の由来はEsの声優の野村まゆかから。

 

 

 

「お次は高城とレリウス、テルミ、門矢士だ」

 

高城雅春/仮面ライダーバールクス

 

バカテス原作のラスボスポジションの人物。今作品では相手が小学生等の子供相手でも見下したような発言をしたりする等原作以上にゲスな部分がある。更に姫路ではなくマイを狙ってきてその理由は本人は愛と言っているが実際は境界に吸い込まれたはずのスピナー=スペリオルの魂が混ざっているためその影響がある(マイはリミックスハートの頃に蒼の波動を受けたため生まれ変わってもそれがスピナーの魂を惹かれさせた)

バールクスは原作では平成ライダーの能力無効という力を持っているが今作品ではそれはなく戦闘能力もジオウⅡと同等。敗北したあとオーマジオウに記憶を消される。その際にスピナーの魂も消されていた。

 

レリウス=クローバー/仮面ライダークロノス

 

ブレイブルー原作同様今作品においても全ての元凶。明久をオーマジオウにしたてあげ世界の壁を崩壊させようとしていた。結果不完全ながら達成し後に過去に行き過去の自分と同化し歴史を繰り返そうとする。仮面ライダーの力を手に入れクロノスに変身するが自分の介入がきっかけとなり明久はオーマジオウを越えたオーマフォームに変身。二人の魔王の攻撃をうけ最期を迎えた。

 

 

結城テルミ/仮面ライダーダークディケイド

 

かつて六英雄のひとりとして黒き獣と戦った一人だがその本性は邪悪としか言いようがなく融合したハザマが悪になったのがテルミの影響を受けたため。テルミとしての自我が目覚める前は破壊の神、スサノオとしてマスターユニットアマテラスを守護していたが絶対的な力であると同時に檻でもあるスサノオユニットを放棄した。これがきっかけでブレイブルー世界の人間は「蒼」の存在に気付いた。レリウスと同様テルミも元凶の一人である。生まれ変わり普通の人間になっても極悪な部分は全く変わっておらず中学時代からラグナ達とは因縁じみたものがあった。ダークディケイドの能力でハクメンと同時にスサノオとして存在する事が出来るようになった。スペックもそのままで違うのはあくまでダークディケイドから変身するため腰にベルトが巻かれていること。ブラッドエッジフォームになったラグナの前には手も足も出ず倒される。

 

 

門矢士/仮面ライダーディケイド

 

ジオウ最終回後の士本人。世界を旅する内にオーマジオウルートのバカブル世界にやってくる。他の平成ライダーに協力を仰ぎ数年に渡り怪人の出現を抑えることに成功。再び現れるようになったものの一月に4〜5体現れる程度にまでなった。それ以降も度々この世界を訪れ明久の店にきている。自分と同じく妹がいて性格もどこか似ているラグナを気にかけている。ジオウ本編のようにライドウォッチに力の半分を入れてラグナに渡した。

 

ブレイブルーキャラについて

 

「キャラ紹介等には出てない私や母様を始めかなりのブレイブルーのキャラ達は生まれ変わっている。語られていないやつで言うと...あ、テイガーは体育教師、アズラエルはまさかの家庭科の教師だ。そう、声優ネタだ。まあ、他にも実は作者の頭の中にアウトプットされてないことはいっぱいあるがな」

 

「さて、こんなところだな。では次回はちゃんと本編に戻る。ではまたいつか教えてココノエ先生でまた会おう。さらばだ!」




次回は前回の予告どおり実験召喚獣編です。頑張って書かないと...


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4章本音と子供と未来の俺達
十四話


久しぶりの本編更新なのに短い...


「やっぱり静かだな...」

 

「だな。まあバカどもが誰もいないから当たり前だな」

 

先週あった合宿で二年生男子のほとんどが起こした覗き騒ぎ。いつもの面子とAクラスの久保とDクラスの平賀以外の男子はその処分として今週いっぱいまで停学処分を食らっている。Fクラスはほぼ男子だったため大分がらーんとしている

 

「はぁ...」

 

「どうしたよ?登校んときから随分テンション低いじゃねえか」

 

「そりゃあな...」

 

「ん?なんかあったか?」

 

「姉さんが帰ってくるってさ」

 

「まじか...どうりでマイのやつもテンションが低いわけだ」

 

ガララ

 

「よう、Fクラス諸君。といってもほぼいないがな」

 

お、ココノエ先生だ

 

「今日からここのクラスに転入してくるやつがいる。まあ、何人かは知ってる奴だ。入ってこい」

 

「はーい!皆さん今日からよろしくお願いしますわー」

 

誰だ?あのお嬢様っぽい感じの...いや、なんか見覚えが...

 

「「「「カジュン!?」」」」

 

「カジュンファイコット!?」

 

「あの女!」

 

なんだ?ラグナ達の知り合いか?やっぱり前の世界の...

 

「あら、あなたが黒鉄ナオトくんですわね?あ、今は明久くんでしたか?」

 

「え?俺の事知ってる?」

 

...あ!

 

「確かマイの友達の...カジュンさん!」

 

「そうですわ!」

 

「カジュン!」

 

「皆、久しぶりですわね」

 

そういえば以前一度写真を見せられたんだった。でもこの様子もしかして...

 

「カジュン、あなたまさか記憶が...」

 

「ええツバキ。私も記憶が戻っていますわ」

 

 

 

 

 

そこからはしばらく昔話に花が咲くことになった。ココノエ先生もどうせこの状況じゃ自習だからと一時間ほど話す時間をくれた

 

「それにしても...あなたがいますとはねー」

 

「わりーかよ、俺がいたら」

 

「いえいえ、ノエル達を苛めたりしてませんよね?」

 

「妹だぞ?誰がするか」

 

「それならいいですわ。マイの方は彼とは仲良くしてますの?」

 

「うん。カジュンは初対面だったよね」

 

「よろしく、カジュンさん」

 

「それでマイとはどうですの?」

 

「どうって?」

 

「営み的なものは...」

 

「「わぁぁぁぁぁ!!」」

 

とんでもないことを言おうとしたカジュンさんをマイと二人がかりでおさえ教室の住みに連れていく

 

(カジュン!?なに言おうとしてたの!)

 

(だって二人で暮らしていると聞いたものですから。健全な高校生なら毎日イチャラブしてるのかと)

 

(人にそんな事聞くならカジュンはどうなの?)

 

「あ、そうだ!皆さんにお頼みしたいことがありますですの!」

 

((逃げた!))

 

こりゃしばらく色々きかれそうだ

 

「頼み?ファイコット、そりゃなんだ?」

 

「召喚獣の実験に協力してほしいですの」

 

「召喚獣の?」

 

何故生徒のカジュンさんがそんなことを?

 

「私一応ココノエ先生の助手としても在籍することになっていまして。それで新しい召喚獣のデータが欲しいのですの」

 

「新しい召喚獣か...それは一体どんなものなんだ?」

 

「キサラギ先輩、じゃありませんでしたわね。キサラギくん、聞いて驚きますわよ。なんと自分で喋ったり動いたりする召喚獣ですの!」

 

...何故だろう、凄く嫌な予感がする

 

「ちょっとまて、何故俺達がそんな事しなきゃいけないんだ?」

 

「どうせ自習時間も真面目に勉強するはずがないからと学園長からのお達しですわ」

 

あのババァ...

 

「ふん、覗き騒ぎや清涼祭の件で向こうには貸しがあるくらいだってのによ」

 

「勿論ただではありませんわ。今度皆さんにお食事を奢っていただけるそうですわ!まぁチェーン店の食べ放題ですが」

 

「「「「おお!」」」」

 

それは俺達食い盛りの高校生にとってはありがたい!

 

「あのババァにしては気が利いてるな、雄二!」

 

「ふむ、まぁいいだろう」

 

この時俺たちは気がついていなかった。その召喚獣がどれ程恐ろしい物なのか...



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十五話

今回は本音召喚獣の後編ですどうぞ


「で、どうやればいいんだ?」

 

「普通に召喚すればいいですの。後はそのままでいいですわ」

 

がらがら

 

「やっほー!遊びにきちゃった!」

 

「...雄二、その人は?」

 

ん?霧島に工藤、あいつらも来たのか

 

「こいつは転入生のカジュンファイコットだ。てか、お前らなんでここに?」

 

「...授業もないしせっかくだから皆と勉強しようと思って」

 

「まあ、それでしたら...」

 

 

 

 

「おお!そんな報酬あるなら僕もやろうかな」

 

「...雄二とご飯」

 

報酬を聞いた二人は乗り気のようだ

 

「じゃあお願いしますわ、皆さん」

 

サモン!

 

全員の召喚コールが響くとそこにはいつもの服ではなく制服をきた召喚獣がいた

 

『なんだ、制服に変わってるだけか?』

 

『何がかわったんただろうね?』

 

「...本当に召喚獣がしゃべってる」

 

「凄いね...」

 

「でもこれってどういう仕組みなんだ?」

 

「カジュン、説明ってしてもらえるのかな?」

 

「もちろんオーケーですわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ということですの」

 

ファイコットの説明だと今の召喚獣は俺たちが無意識に思ったことや感じた事を喋るようになっている。しかもその影響で幼稚園児ていどの自我ももっているらしい

 

『それにしてもまた男子に告白されるとはのう。しかもこの間はとうとう小学生にまでされるとは』

 

今の、秀吉の召喚獣か?

 

「またって、秀吉くんよく男子から告白されるの?」

 

「な、何を言うのじゃ夏目よ!わしは男...」

 

『さっきいった小学生の子に至っては男でもいいから僕の彼女になってくださいじゃぞ?男じゃからそこは彼氏じゃろうて』

 

そういう問題じゃない

 

『それにわしには既に将来を誓ったおなごもいるというのに』

 

...What?

 

「お、お主は何を言っておる!」

 

「おい。ま、まさか...」

 

「秀吉くん、彼女いたんですか!?」

 

「意外」

 

「ねーねー!誰々ー!」

 

『それはじゃなー』

 

「させん!」

 

秀吉が召喚獣の口をふさぎ離脱した

 

『......この視点の低さ、素晴らしい。覗き放題』

 

「「「「「したらどうなるかわかってるな?」」」」」

 

「......まだ死にたくないからしない」

 

こいつはいつも通りだ。だが間違いない!

 

「こいつら勝手に頭の中に浮かんだ事喋るぞ!」

 

「え!?」

 

『明久、どうしよう!?』

 

『うん、この間のコスプレの事がばれたら...』

 

「「ぎゃぁぁぁぁ!!」」

 

明久達は叫びながら召喚獣を抱え口を押さえる

 

「「し、心臓に悪い...」」

 

すまん、コスプレでなんとなく察した

 

『コスプレか...』

 

『『『私達もこの間...』』』

 

「「おりゃぁぁぁ!!」」

 

俺とノエルのキックが召喚獣に炸裂した

 

「っておい!」

 

「二人もとめてよ!」

 

「どうして?」

 

「えー?面倒だよー」

 

ラムダとニューは全くこの状況がわかってない

 

「うわー、やばくない?」

 

「会話で頭に言葉が浮かんでしまい自爆、このままでは...」

 

『我々もなにか喋り恥ずかしい目に合う...まずいですね』

 

「自分と会話してるような気分ですね...」

 

お?ハザマはまだ大丈夫そうだな

 

『えー!やだよー!』

 

『自爆し悶える姿...ふむ、ありですね』

 

「...えっと...」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!そんな目で見ないでくださぃぃ!」

 

こいつじつはバカじゃないのか?

 

「しかし凄いな、この召喚獣...」

 

「でも、これじゃ下手なことを考えると...」

 

『まるで嘘発見機のようですね、ジン兄さま』

 

『なるほど、確かにそうだな』

 

...何故だ、汗が止まらない

 

「へぇー、嘘発見機かー」

 

まずい!工藤が反応した!

 

『えへへ、皆に色々聞いちゃおうかなー』

 

「マーキュリーくんに吉井くん」

 

「な、なんだい工藤さん?」

 

「お、俺達に何のようだ?」

 

恐らく一番ヤバそうなやつに興味を持たれた!ちっ、こうなりゃ...

 

『来るなら来い!返り討ちにしてやる、構えろ明久!』

 

『さあ工藤さん!何を聞きたいんだ!』

 

ここはあえて戦闘態勢をとる。少しでも気を紛らわせて...

 

「二人は彼女さんにどんなコスプレさせたい?」

 

『『そうだな〜』』

 

「「おりゃぁぁぁ!!」」

 

俺達は召喚獣をゴミ箱にダンクした。俺達にはフィードバックがあるため相応のダメージがくるが...

 

「ふ、二人とも!?」

 

「痛くないんですか!?」

 

「「フィードバックなんか気にしてられるかぁぁ!!」」

 

こんなことを喋られたら俺達の社会生命は断たれる!

 

「...雄二、どんなのしてほしい?」

 

「何を聞いてんだ!」

 

『なんでもしてくれるのか!?』

 

『...うん、雄二が望むならなんでもしてあげる。裸エプロンとか...』

 

「うなれ俺のシュート!」

 

雄二の召喚獣もゴミ箱に消えていった

 

「...雄二、まだ聞いてる途中」

 

「聞かせられるかぁ!」

 

「なら直接...」

 

ミシミシ

 

「何故アイアンクロー!!」

 

お約束だからだ

 

「あ、吉井くん。こんどはぁ...」

 

「残念だったな、工藤さん。俺の召喚獣は...」

 

「ここにいるよ?あとマイちゃんのも 」

 

『抱っこされるならマイのほうがいい』

 

『じゃあ後でしてあげるね!』

 

「いつの間に!?」

 

「お願いだから変なこと言わせないでー!」

 

あー...終わったな

 

「ど、どうすれば...ん?」

 

「...」

 

『...』

 

秀吉のやつ、座禅してやがる。召喚獣もか?なるほど、頭を空っぽにすればいいのか!

 

「明久!」

 

「おう!無心になれ、無心に...」

 

「マイちゃんのパンツで一番お気に入りなのは? 」

 

『赤い毛糸のやつが...』

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

ゴミ箱ダンク再び

 

『明久!』

 

マイの召喚獣が明久の召喚獣を引っ張り出す。なるほど、さっきぶちこんだ時もそんな風に助けてたのか

 

『ありがとう、マイ』

 

『ううん、気にしないで。あ、毛糸のやつ好きなら今度はこうか?』

 

「油断したぁぁ!」

 

自爆の連鎖が続いていく...

 

「さーて、じゃあ次は...如月くん達かな?」

 

「「...」」

 

『『...』』

 

いつの間にかジン達は座禅を組んでいた

 

「ありゃ?んー、どうしよっかな〜...あ!」

 

工藤がツバキに近づいていく

 

「どうしよっかなー、弥生ちゃんにチューでもしよっかなー」

 

「なに!?」

 

「く、工藤さん!?」

 

『そんな事していいのは僕だけだ!』

 

「屑がぁ!」

 

ついにジンもゴミ箱ダンク

 

ぽん

 

「ん?」

 

「「「「ようこそ」」」」

 

「最悪だ...」

 

にしても...

 

「たく、ココノエのやつなんてもんを...」

 

「あら?今回の召喚獣の発案はココノエ先生ではなく学園長ですわよ。あくまでココノエ先生と私は最終調整ですわ」

 

......

 

「つまり元凶は...」

 

「クソばばぁ、ってわけか」

 

すると突然召喚獣達が教室をでていった

 

「...さらばだ、ババァ」

 

ぎゃぁぁぁぁ!!

 

数分後、叫び声が聞こえてきたが俺達は無視して勉強することにした

 

 

 

 

(な、なんだと!?)

 

(だ、大丈夫なのじゃ!おぬしのことはばれておらん!)

 

(はぁ...いや、それでもいいか...)

 

(なんじゃと?)

 

(あいつらくらいには話してもいいだろう。私は特にだが短い付き合いじゃないからな)

 

(そう、じゃな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ココノエよ)

 




さて、ラストでまさかのカップリング判明ですが、二人の馴れ初めは18禁のストーリーで...


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十六話

今回は子供召喚獣編!さて現れるのは勿論...


 

「はぁ、昨日は酷い目にあった...」

 

「ああ、たくあのばばあ」

 

昨日の召喚獣の実験、頭の中を無理矢理暴かれたようなもんだったもんなぁ

 

「もう俺完全に変態じゃん昨日ので...」

 

「...明久、とりあえず忘れよう」

 

そうだな、真面目に勉強して忘れるしか

 

(ねえ、明久...)

 

(ん?)

 

マイ?なんだ、こそこそ話てきて

 

(昨日聞きそびれたんだけどなんで赤い毛糸のやつって答えたの?)

 

まさかの答え合わせを求めてきた

 

(あっと...去年の冬、道端でおもいっきりこけたじゃん?)

 

(受け止めてくれたやつ?)

 

(あん時ちらっと見えたのが...印象に...)

 

(そ、そうなんだ...)

 

カキカキ

 

ん?紙になんか書いてる?

 

《家に帰った後みる?》

 

それに即答したら完全に俺はド変態なんですが?

 

《帰ってから言うわ...》

 

《うん》

 

流石にここじゃ言えん。18禁ならともかく(メタい)

 

「あららん?何のお話ですの?」

 

「あ、カジュン」

 

「な、なんでもないよカジュンさん」

 

「そうですの?あ、マイ?ちょっと明久くん借りますわ」

 

「え?う、うん」

 

カジュンさんにつれられ教室の隅にいく

 

(なに?)

 

(ぶっちゃけマイとはどこまでいきましたの?)

 

まだ聞くか

 

(ご想像にお任せするよ)

 

(ふふ、その言葉はずるいですわね)

 

ニヤニヤとしながら言ってくる

 

(マイの側に居てあげてくださいね)

 

(...あいつがそれを望む限り絶対離れないよ)

 

(ふふ、愚問でしたわね。戻りますか)

 

「何の話?」

 

「なんでもないですわー」

 

「???」

 

「やっほーまたきたよー!」

 

「...雄二、今日も一緒に」

 

「......工藤愛子か」

 

「翔子のやつ、またきたのか...」

 

「さて、今日も召喚獣実験しますわよー!」

 

...はい?

 

「「「「「「またやるの!?」」」」」」」

 

「あら?昨日だけとは一度も言ってませんわよ?」

 

まあそうだけど...

 

「ねえカジュン、今日は大丈夫なのかねぇ?」

 

マコトさんが不安そうに聞く。比較的ダメージは少ないマコトさんだが昨日の皆の惨状を見てちょっとびびってるみたいだ

 

「今日は大丈夫ですわ」

 

「私がフィールドの管理をするからな」

 

あ、ココノエ先生だ

 

「それってどういうことですか?」

 

「昨日は学園長がフィールドの管理をしていただろ?しかも学校全体に張ってたからフィールドの外に出られなかったからな。今日は私が管理するからなにかあればすぐ消せる」

 

なるほど

 

「まあ安心しろ、今日は酷い目に会わないだろうし今日を乗り切れば金曜の夜飯に連れてってやる。さて、フィールドを張るぞ」

 

「あの、今日はどんな召喚獣で?」

 

「ああ、今回は二人で召喚と操作をする」

 

「二人で、ですか?」

 

「ああ、二人の性格をシステムが読み取り昨日の召喚獣のようにある程度の自我をもたせ自動行動を取るようにしてある」

 

自動行動、ねぇ...

 

「あの〜...」

 

「なんだマイ?」

 

「変なことしはじめたらフィールドって消してもらえるんでしょうか?」

 

マイと俺は特に被害がでかかったからな、そこら辺はきっちりしてもらわないとな

 

「ああ、無論だ。では、誰からやる?」

 

...........

 

当然だが手が上がらない

 

「...じゃあ、私と明久で。いいかな?」

 

「え?お、俺はいいけど...」

 

「よし、ならどちらでもいいから相手に触れて召喚してみろ」

 

「はい、じゃあいくよ?」

 

「おう」

 

マイが俺の肩に触れる

 

「サモン!」

 

いつもの幾何学模様が現れ召喚獣の準備をしているらしくなかなか現れない

 

「あれ?二つ?」

 

二人で一体じゃないの?

 

「そんな馬鹿な!あり得ん!」

 

「え!?」

 

「あくまで二人で一体のはずだ!それが何故2体分の召喚準備が!」

 

ぽん!

 

するとようやく召喚獣があらわ、れ...

 

「え?」

 

そこにいたの幼児の姿だったが...

 

「ん〜?あ!おとうさん、おかあさん!」

 

「おとうさま、おかあさま!」

 

未来の俺達の子供、マユとユキだった

 

「おい、このがきどもって!」

 

「...マイ達の子供?」

 

「どういうことだ?」

 

「おい、ココノエ!」

 

「はぁ、呼びだしてから説明するつもりでいたが...この召喚獣は召喚者二人の子供が見れる占いみたいなものだったはず、なのだが...」

 

「どうみてもあの二人、だよな...」

 

「......」

 

マイは膝立ちになり両手を前に出すように広げた

 

「二人とも、おいで...」

 

その表情は今まで見たことない...いや、どこかで...そうか...リンさんがマイを見るときの顔に似てるんだ

 

「おかあさま!」

 

「おかあさんだっこー!」

 

二人が側までくるとマイは抱きしめた

 

「!!??ぅぅ...ぐすっ」

 

な!どうしたんだ、急に泣き出して!

 

「マイ!?どうかしたの!?」

 

ノエルさんが駆け寄る

 

「わか、んない...でも、突然...」

 

「どうしたの?」

 

「おかあさま?大丈夫ですか?」

 

子供達が不安そうにマイを見上げる

 

「ううん、なんでもないよ」

 

マイが笑顔を浮かべると二人は安心したように甘え始める

 

「甘えん坊なのはやっぱりお前に似たんだな」

 

「そ、そうかな?」

 

はっ!

 

にやにや

 

後ろを振り返ると皆がにやにやしてこちらを見ている

 

「あっちゃー...」

 

「お父さん、だっこしてー」

 

「ん?お、おういいぞ!」

 

ちょっと恥ずかしかったが子供には関係ない。俺はユキを抱き上げた

 

「わーい!お父さん、今日お仕事おやすみー?」

 

ん?

 

「え?あ、ああ!今日はたくさんユキ達と遊べるぞ!」

 

「やったー!」

 

...今日は?まさかとは思うが...

 

「おい、今のって...」

 

「もしかしてですがこの子達...」

 

《本当に未来からきた子供!? 》

 

皆が叫ぶ。確かにそうとしか考えられない

 

「ココノエ先生、これって...」

 

「...これは一体...なるほど、そういうことか」

 

「ココノエ、もしかしてこいつら...あの時のセリカみたいなんもんか?」

 

セリカさん?

 

「ああ、恐らくな」

 

「おい、俺らをおいてけぼりにするな」

 

確かに前の世界の話を持ち出されちゃ雄二達はなんのこっちゃだよな

 

「簡単に言えばこいつらは召喚獣の体に未来の本人の記憶を転写した存在ということだ。確証はないが」

 

「......」

 

俺はユキを見る。未来からきたとかは正直本当かどうかはわからない。ただ...

 

「お父さん!」

 

「んー? 」

 

「今日は何してあそぶ?」

 

「そうだなー。皆と遊ぶか!」

 

俺はこの子の父親、それだけは真実だ




はい、ということで現れた子供召喚獣は三章で登場したカルルことユキ、Esことマユの二人でした。そして次回は残りのメンバーの子供も?


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十七話

子供召喚獣後編です。ちょっと切ないお話かもです


「...?」

 

「マユ?どうしたの?」

 

「...アヤたちがいない」

 

「??あ、もしかして...明久、マユの事お願い」

 

「ん?おう」

 

マユがノエル達の方を見て言ったことに気付くと私は一旦マユを預け皆に小さな声で話した

 

(なんだと!俺らのガキを呼び出せって!?)

 

(うん。やっぱりあの子達は未来から召喚獣に意識だけ来たんだと思う。だから皆の事みて他の子達がいないのを不思議におもってるみたい)

 

(そ、そうなんだ...ラグナさん、私達もよびませんか?気に、なりますし...)

 

(ラグナとの、子供...)

 

(ニュー達も会ってみたい!)

 

(ジン兄さま、私達も)

 

(...そう、だな)

 

(自分たちの未来の子供ですか...)

 

(まあ、気になるよね)

 

(...しょうゆに会える?)

 

(お前、その名前まじでやめろよ?)

 

(どんな子がでるんだろうね?)

 

(......興味ない)

 

(では、秀吉くんは私とやってみますか?本来は占いみたいなものですし)

 

(え?あ、いや...)

 

(カジュン...)

 

(ココノエ先生?なんですの?)

 

(...私が、やろう)

 

(ふふ、やっぱりそうですのね?)

 

....え?ココノエ先生が秀吉くんと?それって...まさか!?

 

サモン!

 

皆の間にそれぞれ召喚獣が現れた。この子達が、皆の未来の子供...

 

「あ!ミツキくんたちだー!おーい!」

 

ユキが皆の事をみて呼び掛ける。名前まで呼ぶってことはやっぱり...

 

「あ、ユキくん...お父さんたち、みんなそろってどうしたんですか?」

 

ラグナとノエルの間に現れたミツキと呼ばれた男の子がラグナに訪ねる

 

「ん?え〜っとな...今日は皆仕事休みでな!たまには揃って遊ぶか!って話になってな!」

 

「そうなんですか!?凄いですね、姉さんたち!今日は皆であそべるそうです!」

 

「わーい!戦いごっこしよー!どんなぶきがいいかなー!あーでもおもちゃがないよー!」

 

「そこらへんにあるものできっとおとうさんたちがつくれるさ」

 

ねえさんたち...ラグナとノエルの子が末っ子なんだね。...あれ?あのミツキって子、なんとなく見覚えが...って、まさか!?

 

「ね、ねえノエルん。そのこってさぁ...もしかして」

 

「ま、まさか、コハク大尉!?」

 

ツバキとマコトが驚いたように言う。そうか、ヒビキさんだ!あの人、ラグナ達の子供として生まれ変わったんだ...

 

「あ、ユキ」

 

「なに?おとうさん?」

 

「皆の名前、ちゃんと言えるか?」

 

「うん!あの子からミツキ、ミサ、アヤ、それと...」

 

「ふんふん...あ、ユキ?マユや皆と遊んでてな?お父さんの友達とちょっとだけお話してくるから」

 

「うん!みんなー!あそぼー!」

 

明久はユキ達をおろし子供達の所にむかわせこっちにくる

 

「ほれ、皆の子供の名前のメモ」

 

「ん?なんでわざわざそんなもん」

 

「雄二、馬鹿だろお前」

 

「よし、表でろ」

 

なにやってるの...

 

「あのなぁ、親に名前聞かれるってどう思うかそれぞれだろ?ちゃんと自分の名前言えるのか聞かれたと思うか、自分の事忘れられたと思うかも知れねーだろ?」

 

そっか...それで聞いたんだね

 

「...せっかくなんだ、ちゃんと遊んでやれよ」

 

 

 

 

 

 

 

子供達の声が漏れる事を配慮してココノエ先生が防音ネットを張ってくれたので皆おもいおもいの時間を過ごしていた

 

「お父さん、抱っこしてください!」

 

「うっ...はぁ、少しだけだぞ?」

 

「うわー!お父さん凄いです!」

 

「お、そうか?なら今度はこうだ!」

 

「わーい!」

 

坂本くんは以外と子煩悩だったようですっかりオリエちゃんにメロメロでした

 

にやにや

 

「はっ!」

 

ただ本人は忘れたいようです

 

「「「お父さん!」」」

 

「おい、1人ずつこい...」

 

ノエル達の子供はひとしきり母親達と遊ぶと一斉にラグナにとびかかっていきました

 

「あーくそやけだ!まとめてかかってこい!」

 

「「「わーい!」」」

 

ラグナはいつものなんだかんだ面倒見がいいところが出て相手をしてあげてました

 

「パパ、ママ!」

 

「さぁ、何して遊びましょうか?ね、パパ?」

 

「あ、ああツバ...ママ...」

 

ツバキも幸せそうにしてジンくんや子供と触れあっている

 

「ねーパパ!お祝いのやつやって!」

 

「祝え!これこそ仮面ライダーウォズである!」

 

「パパかっこいー!」

 

「あんたいつの間に変身してんの!?」

 

「ママ、パパのかっこいーやつ嫌い?」

 

「え、いや...好きだよ」

 

「我が生涯に一片の悔いなし...」

 

マコト達もすごく楽しそうにしてる。何故かハザマくんは片手を突き上げて真っ白になってるけど

 

「ねえママ!わたしもママみたいに可愛くなれる?」

 

「なれるなれる!わたしよりもずーっとね!ね、ムッツリーニくん?」

 

「......知らん」

 

「パパ...ママや私の事、嫌い?」

 

「......き、嫌いじゃない」

 

「じゃあ好きなんだね!?わーい!」

 

「えへ、僕もムッツリーニくんの事好きだよ?」

 

「......!?」

 

ブシャァァァ!!

 

「ママ!パパがまた鼻血だしちゃった!」

 

未来でも土屋くんは相変わらずなんだね

 

「ははさま...ととさま...」

 

「...ふっ、ははさまか...私が親になるのか...」

 

「お主に似て仏頂面じゃのう。しかし、そこがまた可愛らしいのう」

 

「やかましい」

 

「なんじゃ?未来の夫に冷たいのう」

 

なんと秀吉君が付き合っていた相手とはココノエ先生だった。まさかここでわかるとは...

 

 

 

皆遊び疲れたのかうとうとしはじめていた

 

「ふわぁぁ...なんか眠くなっちゃったね」

 

「すこし、お昼寝しますか」

 

さんせー!

 

マユの提案で皆眠り始めた

 

「...時間もそろそろ頃合いだな...」

 

時計を見るともう三時を過ぎていた。...もう、終わりなのか...

 

「...」

 

ぎゅう

 

「マイ...」

 

「ごめん、あとちょっと...ちょっとだけ、こうさせて」

 

この前の事件の時にも言われたけど、私のなかには母性が目覚めているのかもしれない。確かにこの子達はあくまで召喚獣。わかってる、そんなのはわかってる。それでも...

 

「離れたくない...この子達と離れたくない...」

 

「...俺もだよ。でもさ...また会えるさ。いつかの明日で、またこの子達に」

 

「...うん。すみません、ココノエ先生...」

 

「構わん...私も、短い時間だというのに情が移ってしまった。お前達にも酷な事をしてしまったようだ...」

 

「みんな...」

 

振り返ると皆も惜しむように子供達の側にいる

 

「ははさま...うにゅ」

 

「!?...解除...」

 

 

 

その言葉とともにフィールドが消え、子供達も消えてしまった

 

「...ぅっ!うぁぁぁぁん!」

 

「マイ...」

 

わかっていた。でも、耐えきれず泣き出してしまった私を明久は慰めてくれた

 

「...ん?これは...」

 

「ぐすっ、どうか、した?」

 

「いや、なんかポケットに.これって?」

 

それは3つのライドウォッチだった。それぞれ何かのマークと2008、2014、2015という数字が書かれていた

 

「ユキ、マユ、皆...お前達がくれたんだな。ありがとう...」

 

 

その日の帰り、男子達とは一旦別れてから帰ることにした

 

 

 

「...マイ、落ち着いた?」

 

「ごめんね、泣き出しちゃって...」

 

「気にしないで、マイ」

 

「ええ。私も未来の子供と会えて嬉しかったし、別れは悲しかったわ」

 

「...それにしても...」

 

「カジュン?」

 

「いえ、なんでもありませんわ...ふふ...」

 

どうしたのかな?

 

「お、みんな来たな 」

 

校門の前に明久達が、待っててくれたんだ

 

「なら、帰るか。みんな、また明日な」

 

 

 

 

その日の夜

 

「マイ、これ...」

 

「あ...」

 

明久が見せてきたスマホにはあのこ達が写っていた写真や動画があった

 

「気休めくらいにしか、ならないかもだけどさ...」

 

「...ううん、十分すぎるよ。また、会えるよね?」

 

「ああ...」

 

 




さて、次回はいよいよ未来編、だけどくるのは召喚獣じゃなくて!?


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十八話

今回は未来から再びあの魔王が!?


「......こんなもんか?」

 

「うん、合ってる。どうしたの?今日は特に真面目に勉強やってるけど」

 

「......あいつらやお前に、誇れる自分でありたいだけだよ。...それにこんなもんまでもらっちまったしな」

 

昨日の召喚獣の実験の際に現れた子供達との出会い、それは俺に父親になるという自覚をくれた。何年後かは分からないが俺はあのこ達のよき父親として...マイにとってはよき夫になりたいからな。まあ、だいぶ気が早いけどな。ライドウォッチを見つめながらそう思う

 

「ただなぁ...」

 

「どうしたの?」

 

「これ、俺が前から持ってた2つと違って紋章と年号は書いてあるのに変形しないんだよ。色もついてないし」

 

この3つがユキ達との出会いがきっかけで現れたのは間違いない。この年の仮面ライダーと何か関係があるのか?

 

「昨日聞きそびれたしハザマに...」

 

キーンコーン...

 

「ん、休み時間かー。ふぅ...」

 

「明久、調子いいみたいだな。これなら期末テストはいい点数取れそうだな」

 

「ああ、これで今度Aクラスにリベンジだ」

 

「ま、今の戦力でも通常の戦争じゃかなり厳しいがな」

 

確かに4月の戦争の結果四人もAクラスのメンバーがこっちにきたけどマイ達や保険特化のムッツリーニ、演技で敵を撹乱できる秀吉などを除くとAクラスに太刀打ち出来るやつは全くといっていいほどいないのが現状だ

 

「もう少しで宣戦布告の停止があける。そうなったら訓練ついでに...」

 

ブォン

 

「「「!?」」」

 

なんだあの裂け目!いや、なんか見覚えが...

 

「よっと!ふぅ...」

 

「っとと!」

 

そこから現れたのは...

 

「オーマジオウ!?」

 

「と、あの人もしかして未来の私!?」

 

それは未来の俺、オーマジオウと恐らく未来のマイであろう女性だった

 

「また会ったな、若き日の私よ...なーんてな」

 

「始めまして、でいいのかな?」

 

「よ、よろしく...」

 

マイは若干緊張している

 

「な、なんだ!またなにかあったのか!」

 

「久しぶり、でもないか。いや、今日はそういう訳じゃない」

 

「だったらなんだ、ったく。今日はほかの連中がいないからいいような物を」

 

「どうせ停学中だろ?」

 

「...まさかそっちでも覗き騒ぎあったの?」

 

マイがげんなりした様子で聞く

 

「あはは...しかもねぇ」

 

「?」

 

ばつが悪そうに未来のマイがオーマジオウを見る

 

「...どこぞのばかの作戦のせいで男子全員停学だったな」

 

オーマジオウが雄二を見て言った

 

「はぁ!?」

 

「まあその話は置いておこう」

 

「気になるだろが!」

 

確かにな

 

「今日は...何か起こってないか気になって見にきただけだ」

 

ズコ!

 

「何故ためる!?」

 

「悪い悪い、いや実はな...」

 

 

 

 

「まじか...また怪人が...」

 

未来では再び怪人が現れ始め戦っているという未来の俺や皆。しかも...

 

「ユキ達皆も!?」

 

ゼロワンになったユキだけじゃなくラグナの子供のミツキも仮面ライダーになり皆の子供もドライブが目覚め戦っているのだという

 

「だからこっちでも何か起こってないかと思ってな」

 

なるほどな...

 

「...」

 

「どうした、翔子」

 

「未来のマイキレイ...」

 

霧島さんが未来のマイをみながら言う。

 

「...気になってたんだけど...」

 

「ん、どうしたの翔子?」

 

未来のマイは霧島さんの呼び方が変わってるみたいだ

 

「...三人目?」

 

「「な!?」」

 

「「...あ!」」

 

確かに見てみると...少しお腹が膨らんでるように見える

 

「あはは...ま、まあね...」

 

赤くなりながら答える未来のマイ

 

「ね、ねえ...未来の私」

 

「なに?」

 

「あの、触ってみても、いい?」

 

「うん、どうぞ」

 

「あ、ありがと」

 

未来の自分のお腹を触るってどんななんだ?

 

「この中に赤ちゃんが...」

 

昨日の件があるからかそういう事に興味が出てきたのだろう

 

「うん、そうなんだ。不思議だよね。あ、みんなも触る?」

 

「...」

 

「あ、女子だけで」

 

一瞬感じた殺意は間違いないなかったようだ。男が触ったら殺す!といった感覚が感じられたからだ。お隣のオーマジオウから

 

「あ、そうだ。お前ならこれの事分かるか?」

 

「ん?」

 

俺はオーマジオウに例の3つのウォッチを見せた。

 

「これは、レジェンドのウォッチか?だけど中途半端にブランクだな。ライダーズクレストと年号だけか」

 

「おや、明久くんなんですかそれ!レア物の玩具ですか!?」

 

ハザマがだいぶ食いついた

 

「あーと...まず昨日の件から説明させてくれ」

 

「昨日の...ああ、子供の召喚獣ですか?」

 

「...なに?」

 

オーマジオウの声色が少し低くなった

 

「ちょっとまて、今6月だよな? 」

 

「ん?ああ、そうだけど」

 

「...マイ」

 

「ん?」

 

「確か本音を喋る召喚獣の件が8月くらいだよな? 」

 

ん?

 

「おい、どういうことだ?」

 

「こっちでも召喚獣の実験て何回かあったんだよね?」

 

未来マイがきく

 

「ああ」

 

「私達のほうでは夏休みにあったの」

 

夏休み!?

 

「だいぶ先じゃねえか!」

 

「歴史が相当おかしくなっているな。まあそれはともかく子供の召喚獣がなんだ?」

 

 

 

 

「......相当どころじゃないな」

 

頭をかかえたオーマジオウ。なるほど、未来じゃココノエ先生が言ってた占いみたいにどんな子が生まれるかの予想なだけだったようだ

 

「なるほど...そうなるとこのウォッチの組み合わせも合点がいきますね」

 

組み合わせ?

 

「...そうか、このウォッチのライダーは...」

 

ん?なにかわかったのか?

 

「...そのウォッチ、大切にしろよ」

 

「ああ、勿論。でも何なんだこれ?」

 

「その内分かるはずだ。何故その三人なのかもな」

 

「ねえねえ、やっぱり産むときって大変だった?」

 

「まあ、ね?」

 

突然そんな話が聞こえてきた。生々しい...

 

「...そういえばマイ達はどれくらい先の未来からきたの?」

 

「あれ、いってなかったっけ?」

 

「...あ、そうだ。俺にしか言ってないのか」

 

オーマジオウがふと思いだしたように言う。そうか、蒼の境界線で会ったときの

 

「確か、20年後だったか?」

 

「...未来の私達は何をしてるの?」

 

霧島さんは雄二との将来がかなり気になっているようだ

 

「...まあ、違う世界になったから少しならおしえてもいいか」

 

「いいの?」

 

「その前にこっちの世界の事情も話しておくか。...教えてもあまり意味がないということもあるしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「...そんな、事に」

 

皆少し暗くなってしまった。未来世界が一時期怪人が大量発生した頃があった話も俺しか聞かされてなかったからな

 

「でも、意外ですね。ラグナさんが刑事だなんて」

 

「ま、そうだな」

 

あまり驚いた様子がないラグナ。将来は警察を目指していたことは実は俺も知っている。本人から聞いたことあるしな

 

「ノエルは料理研究家、ニューは幼稚園の先生、ラムダはセリカの後を継いだのか」

 

「ジンくんも刑事で、ツバキは婦警さん」

 

「マコトさんと私は声優...」

 

「 職業一緒はなかなかだね...」

 

「それ言うなら私とムッツリーニくんもお医者さんだしね?」

 

「......ありえん」

 

「わしは演劇の役者ではなく俳優か...」

 

「俺が副社長ねえ...」

 

「雄二じゃ私には勝てない」

 

「上等だ!首洗って待ってろ!」

 

「...なぁ、俺とマイはどうなんだ」

 

「一応、二人で喫茶店をやっている」

 

「そ、そうなのか」

 

前に喫茶店をやってみたいとは言ったが叶えてるとは..

 

「まあ、参考にならないかもだけどな」

 

「...そろそろ、帰る?」

 

「ああ、そうだな」

 

「また、会えるのか?」

 

「多分、もうないだろうな。俺達の世界からこの世界に脅威でも来ない限り」

 

「そっか」

 

「...」

 

カチャ

 

オーマジオウはマスクを外して素顔をだした

 

(おお、未来の吉井くんもやっぱりイケメンだね...てかあんまり変わんないね)

 

「ここから先の未来は本当にどうなるか分からない。それでもお前達なら何とかできるはずだ。お前達が作る未来、楽しみにしてるぜ」

 

「おう」

 

ガチャ

 

再びマスクをつけたオーマジオウ

 

「去らばだ、若き日の私よ」

 

「じゃあね、皆!」

 

そう言って再び現れた裂け目に飛び込むと二人は消えていった

 

「俺達の未来...そこにあいつらもいるんだよな」

 

「うん...」

 

俺達の未来がどうなってるかはわからない。だけど、大切な家族が未来で待っている。それだけは確かだ

 

 

 

 

 

 

noside

 

「さて、行くとしますか」

 

「気を付けろよ」

 

オーロラのような物を目の前に赤い線が入った白いパーカーを着た青年と警察官の男性がいた

 

「大丈夫、俺の強さ知ってるだろ?」

 

『彼が言っていたあの男には用心したまえ』

 

青年に対し男性の身につけたベルトが声をかける

 

「すまねえな、戻ってきて早々俺のほうがいなくなっちまって」

 

『気にすることはない。君ももう先輩戦士だ。頑張ってきたまえ』

 

「ああ、行ってきます!」

 

 

 

 

 

「進兄さん、クリム!」

 




「皆さんこんにちは、マイです」

「カジュンですの!」

「...翔子」

「未来、どうなってるんだろうね」

「...雄二がいてくれればいい」

「さて、明久くんたちがプール掃除を頼まれたようですの」

「え!?お母様がくれたのって如月グランドパークのプレミアムチケット三組!?」

「...雄二と結婚式体験!」

「レディース&ジェントルマン!イッツターイムフォースーパーアクション!」

「おい剛!まだ早い!」

「とと、わりい明久!じゃあな読者諸君!」

「次章!プールと結婚と来訪者!〜マッハなあいつは何のためにきたか?〜」

「お楽しみに!」


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第五章プールと結婚と来訪者!〜マッハなあいつは何のためにきたか?〜
十九話


今回からあのレジェンドライダーがレギュラーに!?


「「プール掃除!?」」

 

「なんでそんなこと!」

「断る!」

 

「観察処分者だろうがお前ら」

 

停学期間が空け二年生男子が戻ってきて一週間がたちまさかの指令が下された

 

「はぁ...しょうがないか」

 

「ちっ、めんどくせえ」

 

「...すまんな、お前らの観察処分を解ければいいんだが」

 

「気にしないでくださいよ」

 

「ああ...別にてめえのせいじゃねえよ」

 

俺とラグナが観察処分者になったあの一件、今にして思えば出来すぎているような気がする...

 

「「...」」

 

「やはり、気になるか」

 

「まあな」

 

やっぱりラグナも気になってたらしい

 

「まあとりあえず今度の土曜は頼むぞ?せめてもの報酬として好きに使わせて貰えるようにテイガーが手配してくれている」

 

「あの赤鬼が体育教師か...まあみたまんまだな」

 

 

 

 

「で?どうよ、マイの家での暮らしは」

 

「まあ少しは慣れたかな。...」

 

「ん?」

 

「まだ、終わってないのかもな...」

 

俺は懐から以前の実験の際に手に入れたレジェンド?ウォッチを取り出す。オーマジオウの力を手にした以上あまり意味がないはずなんだがユキ達との出会いで手に入ったこのウォッチ。何か意味があるはず...

 

「ま、今は考えても仕方ねえだろ」

 

「...そうだな。とりあえず今日は帰るか」

 

 

 

 

帰り道、カジュンさんも入れてマイと三人で帰っている。実は先週からカジュンさんもマイの家に住むことになった。話を聞けば今一人暮らしをしていると聞きリンさんからカジュンも家にすめばいいとの事で親御さんに話して許可を貰えたというわけだ

 

「マイ、これはどうですの?」

 

「あ、これ美味しそう!今度皆で食べに行く?」

 

二人は期末テストの後に女子会をやるとかで何がいいかの候補を探しているらしい

 

「ねえ、明久はどれが食べたい?」

 

「ん?えっと、これかな?」

 

ぱっと見て一番好みのやつを指さす

 

「じゃあこれお土産に買ってくるね」

 

「お、じゃあ頼むわ」

 

「明久くんもくればいいですの」

 

「俺男なんですが?」

 

「女装すればいけますの!」

 

「しないからな!?」

 

女装と聞いて姉さんを思い出す。あの人は小さい頃よく女物の服を着せようとしてたからな

 

「...はぁ、どこにいんのかねー」

 

その時道端でコーラを飲みながらため息をついている白いパーカーを着た人がいた

 

「ここらじゃ見ない人だね」

 

「というかこの季節にパーカーですの?」

 

「確かに...」

 

でも、なんだろう。ほっておけないというか、気になる...

 

「ねえ、話聞いてみない?困ってるみたいだし」

 

「だな。あのー...」

 

「ん、俺?」

 

「なんか困り事ですか?」

 

「まあね。探してるやつがいるんだけど俺ここらへん着たばかりなんでね。どこ探せばいいのか」

 

「よかったら、手伝いましょうか?ね、カジュン。明久」

 

「ああ」

 

「全く...まあ、わたくしも手伝いますわ。袖振り合うも多生の縁といいますもの」

 

「いいの!?サンキュー!...ん、てか明久っつったか?」

 

「え、はい」

 

「えっと、吉井明久君?」

 

...ん?まさかこの人が探してるのって...俺?

 

「はい、そうですけど」

 

「まじか...えっと、そうなると青い髪のお嬢さんが夏目マイさん?」

 

「え?私の事知ってるんですか?」

 

俺だけじゃなくマイまで?

 

「まさか、マイのストーカー?」

 

「いやいやいや、俺そんなんじゃないから!えーっと...あ、俺こういうもんです」

 

彼はバイクのマフラーのようなベルトを取り出した

 

「...?」

 

「あ、わかんないかね?」

 

...まさか!

 

「えっと、じゃあ俺はこういうもんです」

 

俺はジクウドライバーを取り出した

 

「やっぱり...あんたがこの世界のジオウ、吉井明久か」

 

「え!?」

 

「あなた、何者なんですの?」

 

「俺は詩島剛、またの名を...」

 

「仮面ライダーマッハだ」

 

 

 

 

 

「どうぞ、剛さん」

 

「あ、ども。ん、この紅茶美味い!」

 

話を聞くことにしてとりあえず一緒に家まで来ることに。リンさんには例の事件の際に世話になったひとの一人ということにしてある

 

「わりいな、変な嘘付かせちゃって」

 

「いえ、気にしないでください。それに似たようなもんですし」

 

「で、話ってのは?」

 

「えっと、もしかしてそこのお嬢さんも事情を知ってらっしゃる?」

 

剛さんはカジュンさんの方を向いて言った

 

「ええ、わたくしも大体の話は聞いてますの」

 

「なるほどね...んなら単刀直入に言うぞ。この間の事件の黒幕...レリウス=クローバーはまだ生きている」

 

「「「!!??」」」

 

なに!?

 

「そんなわけない!あいつはあの時確かに...」

 

レリウス=クローバー。仮面ライダークロノスに変身して化け物へと姿を変えた奴は俺とオーマジオウによって...

 

「オーマジオウから聞いてないか?あの時のレリウスはこの世界とオーマジオウの世界のレリウスが同化した存在だって」

 

確かそんな事言ってたような

 

「実際にはレリウスはあの時死んではいる。だけどそれはあくまでオーマジオウの世界のレリウスが死んだだけだとよ」

 

「じゃあこの世界に元々いたレリウスのほうがまだ...」

 

「そういうこと。あ、紅茶お代わり貰ってもいい?」

 

「ええ。はい、どうぞ」

 

「あ、どうも。ま、ざっとだけどこんなとこだ」

 

二杯目の紅茶を飲みながらまとめてくれる

 

「そういえばどうして貴方がきたんですの?」

 

すると剛さんの雰囲気が一気に変わった

 

「...門矢士からレリウスに関しての話を聞かされた時に俺が志願したんだ。君と一緒に戦う仲間としてな。オーマジオウは長期間こっちにはいれないからな」

 

「志願?」

 

頼まれたんじゃなく自分から?

 

「話を聞いてみればよーっく似てるんだよ。俺が一番嫌いなくそ野郎と、そのレリウスがな」

 

その顔は怒りに満ちていた

 

「...その相手って? 」

 

「...蛮野天十朗。俺の親父さ」




仮面ライダードライブから仮面ライダーマッハこと詩島剛が参戦!さて、そのお相手は?


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二十話

ついに20話...お気に入り登録してくださってる方ももうすぐ50人、これからも頑張って書きます


「蛮野天十朗?」

 

仰々しい名前だな

 

「お父さんと、レリウスが似てるって...」

 

マイが不安げに聞く

 

「人をまるでいや、物としか見てない...そんな奴が俺の実の親父だよ。話を聞けば聞くほどそっくりだと思ったよそのレリウスって奴と」

 

「...」

 

スッ

 

ずっと黙っていたカジュンさんが膝の上で震えている剛さんの手を握りしめた

 

「...辛かったですのね。自分のお父さんに、友人を、お姉さん達まで傷つけられて...」

 

「「え!?」」

 

「あんた、どうして...」

 

「すみません、話を聞きながら貴方の事調べていましたですの」

 

カジュンさんの持っていたスマホには仮面ライダードライブと表示されていた

 

「そうか...俺達の戦いはこの世界では作りもんとして出てたんだったな」

 

「えっと...何があったか聞いても?」

 

俺は恐る恐る聞く

 

「ああ、いいぜ」

 

 

 

 

 

詩島剛、仮面ライダーマッハ。彼は仮面ライダードライブや仮面ライダーチェイサーと共に父親、蛮野天十朗が作り上げたロイミュードという機械生命体を相手に戦ってきた戦士だった。だけどその戦いのなか、データとなり生き延びた父親の裏切りにあい更には友人(当時は認めてなかったらしい)であったチェイスというロイミュードを殺されてしまったそうだ。今は一度復活を遂げ人のために戦ってくれた三人のロイミュード達とチェイスを甦らせるために研究をしているらしい

 

「...ん?」

 

話をある程度終えるとカジュンさんが不思議そうな顔つきになる

 

「どうしたのカジュン?」

 

「あ、えっと、剛さんは今お付き合いしてる女性はいらっしゃいませんの?」

 

「え?いや、いねぇけど?」

 

「...んー?西堀さんというかたは?」

 

「...あいつのこと?」

 

すると剛さんは不思議そうな顔をした

 

「んー???おかしいですの。お二人はお付き合いしてると書いてありますの」

 

「はぁ?ちょ、見せて見せて!」

 

ぽよん

 

「あん♥」

 

「「あ...」」

 

剛さんの肘がカジュンさんの胸に...

 

「あ!?これは、その!」

 

「うふふ、けだものさんですね剛さんは。あったばかりのわたくしにこんなことを...」

 

「ご、ごめん!わざとじゃ」

 

「なーんて、わかっておりますの。ごめんなさい、ちょっとからかっただけですわ」

 

「カジュン...」

 

マイが若干呆れている

 

「まあ恐らく創作物の仮面ライダードライブの歴史とはちょっと違うのでしょうね」

 

「まあそんなんだろうな」

 

なるほど...

 

(カジュン、もしかして剛さんの気を紛らわせるために?)

 

(だろうな)

 

 

 

「いやー、なんか悪いな。色々世話になって」

 

「いえ、全部お父様が決めたことですし」

 

あの後泊まる場所とこっちでの仕事探し(ある程度の資金援助はあるが世間体のため)があると帰ろうとした際にホウイチロウさんから勧められ仕事は当分葉月グループの系列の店のバイク便、すむ場所は使ってない場所がまだあるため家に泊まっていけばいいと

 

「それでも、ありがとな」

 

「気にされるのでしたらわたくしと同部屋にすればいいですの」

 

「いや、それは駄目だろ」

 

「あら、いけずですの」

 

何だろう...

 

(ねえ、明久)

 

(ああ、カジュンさん妙にぐいぐいいってるよな)

 

さっきの事を気にしてるのだろうか?

 

「あ、そうだ。他の面子にも話しとかないとな」

 

「なら明日学校でする?」

 

「でしたら今日はパジャマパーティーでもしませんこと?勿論皆で!」

 

「なら、なんか茶菓子でも買いにいくかな」

 

「と言う名のスナック菓子ですわね」

 

「まあそうともいう」

 

 

 

 

 

 

 

「さて、こんくらいでいいかな。帰るか」

 

「そうだね」

 

「「ん?」」

 

「明久?」

 

「剛さん、どうされましたの?」

 

「いや、なんか違和感が...」

 

「...まさか!?」

 

その時だった

 

「ふん!」

 

「はぁ!」

 

「「危ない!」」

 

「「きゃあ!」」

 

突然2体の怪物が現れて襲いかかってきた。俺と剛さんはマイ達を抱えてよけた

 

「ふん」

 

「へっ」

 

その2体を見た剛さんの目付きが鋭くなった

 

「ロイミュード...」

 

「あれが!?てかなんで怪人が...なるほど、レリウスの差し金か」

 

「だろうな」

 

「あ、あの...苦しいですの」

 

(でもなんだか、ほっとしますの。どうしてですの?)

 

「明久、大丈夫だから、ちょっと...恥ずかしいし」

 

うめくように言われ力が入りすぎていたことに気づいた

 

「わ、わりい!」

 

「ごめん、マイ!っと、二人とも離れてて」

 

「さて、んじゃお手並み拝見させてもらうついでに暴れますか」

 

俺達はそれぞれベルトを装着し構えた

 

「変身!」

 

「レッツ、変身!」

 

『ライダーターイム!仮面ライダー、ジオウ!』

 

『シグナルバイク!ライダー!マッハ!』

 

「よし!行くか!」

 

「追跡!撲滅!いずれもマッハ!」

 

「仮面ライダー、マッハー!」

 

変身した俺達はロイミュードに向かっていく

 

「おらあ!」

 

「ぐぅ!」

 

「ふん!」

 

「ぐぉ」

 

「あれ、大したことないな」

 

思ったよりも弱い?

 

「そりゃ当然、こいつらはまだ進化態じゃないからな」

 

「えっと、進化態...なるほど、このハートやブレンという個体のように独自の姿に変身できる者ですね」

 

「カジュン、この状況で調べるんだ...」

 

「よっしゃ、じゃあ一気に決めますか!」

 

「おう!」

 

『ヒッサツ!フルスロットル!』

 

『フィニッシュターイム!タイムブレーク!』

 

俺達の必殺技がきまりロイミュードは爆発した

 

「楽勝楽勝!」

 

「凄いですね、剛さん!」

 

「んー...なぁ、敬語つけなくていいぜ?」

 

「え?」

 

「いや、なんかなぁ。俺周りが年上ばっかだったから呼び捨てになれてるっつーか。まあその、あったばっかだけどお前いいやつだしさ...ダチってことで」

 

「...そっか。じゃあ改めてこれからよろしく、剛!」

 

「おう!」

 

俺達は握手を交わした

 

「なんかすっかり仲良くなっちゃってるね」

 

「ですわね、まるで兄弟みたいですの」

 

(なんだか、羨ましいですの...この、感じは、わたくしはまさか...)

 




ジオウとマッハのコンビ結成!剛はこの小説の三人目の主人公キャラの位置付けになっていきます。さて、その剛にフラグが...


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二十一

今回は剛目線、他メンバーとの顔合わせです


「どうもー、バイク便です」

 

「おお、すまんな。初めて見るが...」

 

「ええ、俺今日からなんですよ」

 

文月学園。そこの職員室で俺は西村先生という人と話していた。今日はこれからラグナというこの世界のディケイドを始めとした仮面ライダーや関係者たちと話す、今後の事を

 

「あの、すみません。ここの二年Fクラスに連れがいるんですが...場所ってどこすかね?」

 

「む?うーん、部外者はあまりうろうろしてほしくないがまあいい。案内しましょう」

 

「ありがとございます!」

 

 

 

俺は西村先生の案内でFクラスにきた

 

ガララ

 

「おい、お前たち。お客さんだ。あまり遅くならないうちに帰れよ?」

 

「よっ!」

 

「お、剛!」

 

「待ってましたの」

 

そこにはカジュン、明久やマイを含め結構な人数がいた

 

「では、私はこれで」

 

「どうも〜」

 

西村先生が立ち去るのを確認すると俺は教室に入る

 

「ふぅ、おっかねぇ先生だな。あれだろ、鉄人って人」

 

言いながら俺はカジュンの隣の空いてる座布団に座る

 

「そ、まあいい人だけどな」

 

苦笑いしながら明久が答える

 

「んじゃ、まずは自己紹介。詩島剛、仮面ライダーマッハです!宜しく!」

 

「うす」

 

「いやーまさかまた本物のライダーに会えるとは!」

 

白髪頭と緑髪の男が返事をする

 

「えっと、少し話した?」

 

「はいですの」

 

「剛が俺達の手助けに来てくれた事くらいは」

 

「後、わたくしの彼氏だという事も」

 

「...え!?それいっちゃったの!?」

 

カジュン=ファイコット。彼女とは昨日が初対面だったが、色々あり付き合う事になって。なるほど...

 

「どうりで何名かの視線が鋭いわけだ...」

 

恐らくカジュンの親友であるという女性陣だろう

 

「だって、元の世界に彼女がいるのでしょう!?」

 

「仕事先での浮気...だめ」

 

赤い髪の子と金髪のどこかチェイスに似た喋り方の子に言われる

 

「いやいや!俺この子としか付き合ってないから!誰情報よそれ!」

 

「あ、私です」

 

「「ハザマ!(くん!)」」

 

「貴方わたくし達が席を外している間に何か余計な事言いましたわね?」

 

あ~、きっとあいつだ。仮面ライダーオタクだっての。多分この世界でのドライブの歴史を言ってしまったんだろう

 

「はぁ、なら自己紹介ついでに俺の辿った歴史を話してやるか...カジュンから少し聞いたけどとりあえずこっちでのドライブの歴史も聞かせてくれる?」

 

 

 

 

「まあ、こんな所だ」

 

話ながらハザマとやらの説明と照らし合わせると少なくともゴースト事件までは一緒、そのあとのロイミュード005の復活や西堀親子に関する事件が俺の方では起こってないようだ。ハートの復活は数ヶ月前に実際にあったが

 

「なるほど、だから西堀令子さんとの繋がりもほとんどないわけですね」

 

ぼこぼこにされたハザマがいう

 

「申し訳ありません...」

 

「僕からも謝る、すまない」

 

ツバキちゃんとその彼氏のジンくんから謝られる

 

「いいって、気にすんな」

 

「それでそれで!?」

 

「ん?」

 

マコトちゃんがテンション高く話しかけてくる

 

「カジュンとはどこまでいったの!?」

 

...

 

「ノーコメントで」

 

流石に言えない

 

「でもその蛮野って人、ほんとにレリウス=クローバーそっくりですね」

 

「ああ...」

 

蛮野、やつの事を思い出すと憎しみの感情が沸いてくる。だけど最近は抑えられるようになった。負の感情の憎しみで戦うのは真の仮面ライダーではない。俺はこの数年でそれを学んだ

 

ぐぅぅぅ

 

「...誰かお腹すいた?」

 

「ごめん、俺...」

 

翔子ちゃんの発言に俺は返す

 

「剛、昼飯食ってないのか?」

 

「ああ、なるべく早く上がれるようにしたから暇がなくてな」

 

「あら、でしたら無駄にならなくてよかったですの」

 

「ん?」

 

「はい、どうぞですの。今朝サンドイッチを作ってきたので」

 

カジュンは弁当箱に入れられたサンドイッチを出してきた。てか、俺のためにつくってくれてたのか!?

 

「剛さん、早くから出ていかれてましたから...」

 

「作ってるの気づかなかったろ?」

 

「まじか...ありがと、頂くよ」

 

「はい、召し上がれですの」

 

もぐもぐ...

 

「ん、うまい!」

 

腹減ってたからより進む

 

「おやおや、早速ラブラブですなー」

 

「ええ、まったく」

 

ハザマ達がニヤニヤして茶化してくるが無視して飯をくう

 

「ふう...ごちそうさん」

 

あっという間に平らげる

 

「お粗末様ですの」

 

「うまかったよ、カジュン」

 

「...雄二、今度私も作ってくる」

 

「余計な物入れなければ食ってやる」

 

「...さて、んじゃライダー面子にはこいつを渡しとかないとな」

 

そういって俺はバイクとかかれたライドウォッチを渡した

 

「これは、ライドストライカーですか?」

 

「おう、お前らバイク持ってないからな。ただし、使うのは変身してるときだけな...にしても」

 

ふと周りを見渡してみれば...

 

「まじですげー教室だな...」

 

「ん?この学校についても知ってるのか?」

 

「ああ、昨日教えてもらってな。まあ落ち着けるから俺はいいと思うけどな。あ、そういや明久」

 

「ん、なんだ?」

 

「昨日土曜日にプール掃除あるとか言ってたろ?俺も行こうか?」

 

「いや、悪いって。それに仕事あるだろ?」

 

「ああ、大丈夫。そこらへんはホウイチロウさんが色々口利きしてくれてるから」

 

「なんだ、あんたも来るのか?」

 

「さっき丁度我々も手伝おうと話してた所なんですよ」

 

「だってプール自由に使えるしね!」

 

「なら、剛も水着買わないといけませんの」

 

「そういや俺最低限の荷物しか持ってきてないしな」

 

(マイ)

 

(なに、カジュン?)

 

(ここは一つセクシーなのを買って驚かせますの!)

 

(ええ!?)

 

(せっかくですもの。ね?)

 

(う、うん)

 

「???」

 

なんだ、こそこそと?

 

「んじゃ、頼むよ剛」

 

「おう、皆と親睦を深めるいい機会だしな」

 

「あ、すみませんが...」

 

「ん?なんだ、えっと...ハザマだよな?」

 

「はい、そうです。実は一度変身を見せて頂きたいなと...」

 

「お!いいねー。せっかくだ、皆にも格好いいとこ見せてやる!」

 

俺は教壇の前に立つとマッハドライバーを装備した

 

「皆、行くぜ!」

 

俺のその声と共にシグナルバイクがやってきた

 

「「「「「おお!」」」」」

 

「お楽しみは、俺からだ!」

 

『シグナルバイク!』

 

俺はシグナルマッハを装填する

 

「レッツ、変身!」

 

『ライダー!マッハ!』

 

「追跡!撲滅!いずれも~マッハー!」

 

「仮面ライダー、マッハー!」

 

「改めて聞くと...微妙な名乗りですのね」

 

ガク

 

「えー!?そりゃないぜカジュン!」

 

「冗談ですの」

 

ははははは!!

 

皆が笑いあう様子をみて俺は特状課の皆を重ねた。いい画だな...

 

 

 

 

「あら、皆土曜用事あるの?」

 

晩飯を終えマイちゃん達とリンさんが何か話している

 

「どうかしたんすか?」

 

「実はね、如月グランドパークのプレミアムペアチケットが三組も手に入ったのよ。それで、二組は貴方達に上げようと思ってね」

 

どこかの遊園地の無料券かなにかか

 

「なら、日曜日にみんなでいく?」

 

「じゃあそうするか、剛とカジュンさんもどう?」

 

「剛さえよければいきますわ」

 

「いいねー、遊園地なんていつぶりかな」

 

「後一組はどうしようかしら...あ、そうだ!」

 

リンさんは良いことでも思いついたようだ

 

「翔子ちゃんにあげようかしら、あの子最近付き合い始めたんでしょ?」

 

 

 

 

 

「へっくし!」

 

「...雄二、大丈夫?」

 

「ああ、なぜか悪寒が...」



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二十二話

今日は土曜日、いつものメンバーでプール掃除の日だ

 

「とは言っても...」

 

「自分の女の水着姿を見れるご褒美付きだがな」

 

正直これだけでプール掃除の報酬としては十分すぎる

 

「剛は水着ちゃんと用意したのか?」

 

もう更衣室に入っているのでここで忘れたなんて言うはずはないと思うが

 

「勿論、ほれ」

 

そういって白いトランクスタイプの水着を出してきた。なるほど、マッハカラーか

 

「土屋、君は大丈夫なのか?流血沙汰はごめんだぞ」

 

ジンがムッツリーニに聞く。確かにプールが血まみれになったら大変だな

 

「......大丈夫だ、108パターンの予行演習を済ませた」

 

「なんでロイミュードと同じ数なんだよ」

 

「煩悩の数じゃなくて?」

 

「...あ、ロイミュードは109か」

 

「......そして108パターンの出血を確認した」

 

「だめじゃないか...」

 

ジンが呆れている、そりゃそうだ

 

「おいこら明久」

 

「ん?」

 

明らかに不機嫌な様子の雄二だ

 

「なんだよいきなり」

 

「お前如月グランドパークのプレミアムチケットを翔子に渡したろ!」

 

「あー、そういえばリンさんがそんなこと言ってたような...」

 

「お前あそこがどんなとこかしってんのか!?」

 

「何だよ、そんなにキレて」

 

「あそこのプレミアムチケットにはな、ウェディング体験っていうのがついてくるんだよ」

 

「ウェディング体験?」

 

「どうせ簡単に結婚式を体験できるってんだろ?」

 

「確かにそうだがその後が問題なんだよ!あそこはジンクス作りのために体験したカップルを無理矢理入籍しようとしてるって噂があるんだよ!」

 

「お前それが今更なんだよ?」

 

「別にあいつと一緒になるのが嫌なんじゃない...この年で人生の墓場に突っ込みたくないだけだ!」

 

「お前進兄さんが人生の墓場に突っ込んだって言いてえのか!」

 

ヤバい、剛も興奮してきた!

 

「言っとくが今一番ヤバいのはあんただぞ?」

 

「は?」

 

「俺や明久達はともかく...」

 

「...」

 

剛、23歳。カジュンさん、16歳

 

「あ、ホントに入籍させられかねない」

 

「しかも年齢差的にロリコン扱いだぞ?」

 

「...だ、大丈夫だろ!」

 

まだ運動してないのに剛は汗だくになっている

 

「通報されんことを祈る」

 

「うるせえ!」

 

 

 

 

 

「お、きたきた!」

 

外に出て少しまつと水着姿の女性陣達がやってきた

 

「お待たせー!」

 

「みんなー!」

 

ぴちゃ...

 

「ねえ、剛。足に凄い違和感があるんだけど」

 

「...だな」

 

振り返るとそこにはムッツリーニが鼻血の海に沈んでいた

 

「「「「ムッツリーニぃぃぃ!」」」」

 

 

 

とりあえずムッツリーニを寝かせ皆遊び始めた

 

「はぁ、ひどい目にあった」

 

「土屋くん、大丈夫かな」

 

「工藤さんに任せたから大丈夫だろ」

 

「ねえ明久、どうかな?」

 

そういってマイは水着を見せる

 

「うん...似合ってる」

 

髪の色に似た青いビキニタイプ...いかん、俺も鼻血が出そうに...

 

パシャ

 

「二人とも、いい画だね~?」

 

「早速イチャラブですのね~」

 

そこにはカメラを構えている剛とカジュンさんがいた

 

「剛、お前なんでカメラなんか...」

 

「せっかくだし、思い出を形に残しとこうと思ってな」

 

「売ったりするなよ?」

 

「しねえよ!」

 

カメラを見るとムッツリーニのイメージが浮かんできてしまうな

 

「お義兄さんやお義姉さんに見せますの?」

 

「まあな。今の件が片付いたら一度戻る気だし」

 

「...剛」

 

「ん?」

 

「絶対カジュンさんを置いていくなよ?」

 

「言われなくとも」

 

先程の言葉を聞き以前の事を思い出した俺は剛に忠告をせずにはいられなかった

 

「なんならカジュンも紹介したいからな」

 

「あら♥」

 

「既にお義兄さんやお義姉さんって言ってたけどしもしかして...」

 

「いえ、まだお話もしていませんですの」

 

「問題は姉ちゃんだな...未成年に手をだしたって怒られそうだ」

 

「確か夫婦で警察の人なんだったよね?」

 

「ああ、今や伝説の人だからな進兄さん達は」

 

「ね、ねえカジュン...」

 

「あらん、どうしましたの?」

 

「は、派手すぎない?」

 

「確かに...」

 

「そうですの?」

 

(リミックスハート、二巻参照)

 

ムッツリーニも鼻血の海に沈むわけだ

 

「マイ~カジュン~バレーボールやろー!」

 

向こうでマコトさん達が呼んでいる

 

「はーい、行きますわよマイ」

 

「うん、明久達はどうする?」

 

「いや、俺はやめとく」

 

「俺も。のんびりしとくよ」

 

「なら写真撮っておいてほしいですの」

 

「おう、いってらー」

 

二人は皆のところに行った

 

「なあ剛」

 

「ん?」

 

「お前、こっちに残るのか?」

 

「...まあな。さすがに向こうに置いてきた研究機材は持ってこようと思うけどな」

 

「例のチェイスとかハートって人たちの?」

 

「ああ、あいつらにも紹介したいしな。カジュンやお前らの事」

 

「そっか...」

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、遊んだ後皆で掃除をした帰り道

 

「そうだ、剛に聞きたいことがまだあったんだ」

 

「なんだ?」

 

俺は2014と車のエンブレムのような紋章が書かれたウォッチを見せる

 

「これって、もしかしてドライブのウォッチなのか?」

 

「...いや、どうだろうな。進兄さんのかもしれねえし俺やチェイスの可能性もなくはないな。三人ともライダーズクレスト一緒だし」

 

こいつが使えるようになるとき...そう遠くないのかもしれない




仮面ライダードライブの新展開がくるのはいつなのか...


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二十三話

今回は如月グランドパークへ遊びに!


「遅いな...」

 

「まさかギリギリになって逃げたとか...は、さすがにないよね?」

 

「わかりませんですのよ〜」

 

「だな、あいつ昨日嫌がってたしな」

 

今日は日曜日、俺とマイ、剛とカジュンさん、雄二と霧島さんの六人のトリプルデート?で最近出来た如月グランドパークという遊園地に行くんだが...待ち合わせ場所のコンビニに雄二達がまだ来ない

 

「それにしても剛って車の免許持ってたんだな」

 

今俺達は剛が運転するレンタカーの中にいる。

 

「まあな、一応特例4輪の免許も持ってたから簡単だったしな」

 

「「特例?」」

 

なんだ、トラックとかか?

 

「特例4輪...ああ、トライドロンという車ですのね?」

 

「「トライドロン?」」

 

なんだそれ?

 

「ああ、進兄さんからせっかくだから取っとけって言われたしな」

 

「なぁ、トライドロンってなんだ?」

 

「ん?ああ、知らないのか。トライドロンってのはドライブが使うスーパーカーみたいなもんかな」

 

「ああ、ドライブって車に乗る仮面ライダーだったな。でもそれ仮面ライダーじゃなくて仮面ドライバーじゃ...」

 

「一応ドライブもバイクのライダーだった時があるしな」

 

ややこしいな

 

「えっと...あ、これだ」

 

「どれどれ?へぇ、これか」

 

その免許証には確かに特例4輪(トライドロン)と書かれている

 

パサ

 

「ん、何か落ちたぞ?」

 

それは焦げ付いた免許証だった。それに書かれているのは剛ではなく眩しい位の笑顔を浮かべている青年だった

 

「これ...前言ってたチェイスって人か?」

 

拾い上げ剛に渡す

 

「ああ。こいつ普段すげえ仏頂面なのに笑えって言われたからこんな顔してんだぜ?ほんとくそ真面目っていうか天然っていうか...」

 

「そっか...」

 

「いつかあいつを復活させてやれたらお前らの事も紹介してやりたいな、俺の新しい大切なダチだって。後、俺の彼女も」

 

「剛...私も会ってみたいですの」

 

「会えますよ、きっと...」

 

マイが励ますように言う

 

「ん、また何か落ちたぞ?」

 

ふと目を向けるとそれは...車の鍵?

 

「お前元の世界に車置いてきたのか?」

 

「いや、こいつはトライドロンのスペアキーだ。こいつにはドライブの戦闘データが全て詰まってるんだ。お守り代わりに持ってけって言われてさ。進兄さんもこいつのおかげでピンチを脱したって言ってたしな」

 

コンコン

 

車のドアを叩く音が聞こえ見てみると雄二達がいた

 

「よう、やっときたか。ほれ、後ろのれ」

 

顔を出すと剛は後ろを指差し乗るように促す

 

「悪い悪い、ちょっとひと悶着あってな...」

 

「...雄二がエロ本なんて持ってるから悪い」

 

「だからって燃やす奴があるか!?」

 

「「「「うわー...」」」」

 

「なぜ俺を見てドン引きする!?」

 

「いやお前ないわー。そんな美人さんの彼女いてエロ本燃やされて怒るって...」

 

「「「あ、まじでドン引きしてたんだ」」」

 

俺とマイ、カジュンさんはいつもの事だみたいなのりだったが剛はほんとに引いてたみたいだ

 

「はぁ、とりあえず乗るぞ翔子」

 

「...うん」

 

 

 

 

 

それから一時間後、俺達は如月グランドパークの中にいた

 

「さて、まず何から行こうか?」

 

「その前に翔子の関節技を止めろ!」

 

雄二は霧島さんに腕の間接を変な方向に曲げられながら文句を言う

 

「だって、恋人はこうするもの」

 

「霧島ちゃん、腕組むのと関節技は違うと思うぜ」

 

「ほら、こんな風にしますの」

 

「うお!」

 

カジュンさんが剛と手を繋ぎ霧島さんに見せる

 

「...こう?」

 

カジュンさんのアドバイスでなんとか普通の腕繋ぎになった

 

「お、お二人さんいい画だねぇ!」

 

パシヤ

 

そんな二人の姿をカメラに撮る剛

 

「おい、何を!?」

 

「せっかくの機会だ、思い出を形にってね?後で加工して送るからな」

 

「...幸せになれそうな奴でお願い」

 

「りょーかい」

 

歩いていく二組をマイが羨ましそうに見る

 

「...ねえ明久。私も、したいな...」

 

「あ、ああ。なら、するか」

 

俺とマイも手を繋ぎ歩いていく

 

 

 

 

「で、まずはジェットコースターか」

 

「翔子ちゃんやカジュンってこういうの大丈夫なの?」

 

「...平気だと思う」

 

「わたくしも大丈夫ですのよ」

 

「剛や雄二は言わずもがなだよな」

 

「当然、危険は大好物だしな」

 

「だったらこいつと毎日一緒にいるか?」

 

「あ、それは遠慮します」

 

「...浮気の相談?」

 

ズプ!

 

「ぎゃああ!何故目潰し!?」

 

 

 

ゴォォォォ!!

 

「ヒャッホォォ!!」

 

「な、なかなか速いですのぉぉ!!」

 

「目が回るぅぅ!!??」

 

「だ、大丈夫かマイぃぃ!?」

 

「...きゃああ?」

 

「一番冷静だぞこいつぅ!?」

 

 

 

「お化け屋敷、なのはいいんだが...」

 

「「「「「「いらっしゃいませ」」」」」

 

マーキュリー兄妹、更にジンとツバキさんだ

 

「なんでお前らが...」

 

「さて、何の話でしょうか?」

 

眼鏡をかけたジンが笑顔でとぼける。リンさんあたりから頼まれたんだろうな

 

「まあいいや。じゃあ早速入るか?」

 

「う、うん。はぁ、おばけっていやだな」

 

「ですの...」

 

おや、カジュンさんもか

 

「大丈夫、もっと苦手な奴知ってるから」

 

笑いながら眼鏡をかけたラグナを見る

 

「いい度胸だな明久、ええ?」

 

「なんだ、やるか?」

 

「ほらほら、早くいこ?」

 

「さっさと行け」

 

「はいよ、なら行くか」

 

「後の二組はとっくに行ってる」

 

「いつの間に!?」

 

 

 

「......」

 

「...静かだね」

 

「ああ」

 

俺達は今度は観覧車に乗っていた。それぞれ二人きりで

 

「明久...」

 

「...わかってる」

 

ぎゅ

 

「この甘えん坊」

 

チュ

 

「おい...」

 

「ふふ...」

 

 

 

 

色んなアトラクションを俺達は楽しんだ。そしてレストランの前を通りかかると...

 

「「いらっしゃいませ!」」

 

今度はハザマとマコトさんか

 

「あの、ハザマにマコトさん?」

 

「いえいえ、私はハザマではなくカズマともうします!」

 

「私はともみちゃんでーす!」

 

「すみませんがチケットを...おお、これはプレミアムチケット!」

 

「それでは、特別サービスのランチにご案内しますね!」

 

特別サービス?そんなのあるのか

 

「ん?」

 

「どうしましたの、剛?」

 

「いや、なんか視線を感じてな」

 

 

 

 

 

noside

 

「さて、ランチの後は...ふふ、まさかここでするとは思わないだろうね、皆」

 

マコトは少しゲスじみた笑いを浮かべながらレストランを見る

 

「さて、皆さんに連絡して準備を...」

 

「...すまない、少しいいか?」

 

「は、はい?」

 

紫色のライダースジャケットを着た男が二人に話しかけてきた

 

「俺も入ることはできるか?」

 

「え?あ、もちろんどうぞ!ランチサービスはありませんが。その後今のお客様が参加される催しもございますのでよかったらご観覧を」

 

「催し?なんだそれは?」

 

「はい!実は...」

 

「...そうなのか。剛は大切な女性をみつけたのか」

 

「あの、つかぬことをお聞きしますが...」

 

「なんだ?...仮面ライダーウォズ」

 

「「!!??」」

 

「や、やはりあなたは!?」

 

 

 

 

side剛

 

それから一時間後

 

「ふぅ、旨かったぁ。こんなサービスあるなんてな」

 

「剛、お行儀悪いですの。せっかくちゃんとしてたのに」

 

「剛ってテーブルマナー知ってたんだな」

 

明久が意外そうに言う

 

「まあね、そういうパーティーにも何回か参加したことあるしね。明久もその口だろ?」

 

「昔お母様がね」

 

マイが答える。なるほどね

 

「さて、なら行くとするか。...このまま何事もないのか?」

 

バン!

 

なんだ、急に暗くなったな

 

『本日は当如月グランドパークにご来場頂きありがとうございます。なんと本日はご結婚を前提に交際をされてるお客様がここにいらっしゃいます!』

 

アナウンス席のような所でスタッフらしき人が話している

 

「これ、まさか俺達か?」

 

パッ!

 

ライトが俺達の座っていたテーブルを照らした

 

「みてーだな」

 

『今回そんなカップル三組の為に当方はウェディング体験をプレゼントさせていただきます!お客様達が望まれるのでしたらそのまま入籍もできます!』

 

「俺とカジュン以外はできねえだろ...」

 

「ちょっとおかしくなーい?」

 

「俺らも結婚する予定なんだぜ?なんでそいつらだけなんだよ!」

 

なんだありゃ?ヤンキーみたいなカップルだな

 

『い、いえ。こちらプレミアムチケットのお客様のみのサービスでして...』

 

「ああん!?俺らお客様だぞこるぁ!」

 

「なんか、感じ悪いひとたちですのね」

 

「...ちょっと待ってな。俺に任せてくれ」

 

(明久、坂本)

 

(なんだ?)

 

(どうする気だあんた)

 

(女性陣は任せた)

 

俺はヤンキーカップルの前に立つ

 

「ようお兄さん方、俺らがウェディング体験するのが面白くないなら勝負しないか?」

 

「勝負だ?」

 

「そ!空気の読めないヤンキーカップルVS俺のな!で、俺が勝ったら俺と連れ達でウェディング体験、あんたらが勝ったらそっちがウェディング体験。な、簡単だろ?」

 

「へっ、面白い。で、どうするんだ?」

 

「勝負のルールはいたって簡単。俺とあんたらがそれぞれパフォーマンスをする。で、今このレストランに来てるお客さん全員が審査員だ。面白かったら拍手してもらって、より多く拍手されたほうが勝ち。な、簡単だろ?司会のお姉さんもいい?」

 

『は、はい...』

 

司会の人が小走りでこっちにくる

 

(申し訳ありません、一応は向こうもお客様なのでこちらも強くはでれず...)

 

小声で謝られる

 

(いいっすよ、俺も彼女の前でカッコつけたいんで)

 

「さて、じゃあ...お楽しみは、俺からだ」

 

俺は回転飛びでステージ前に移動する

 

おおおおおお!!

 

「レディース&ジェントルマーン!」

 

今度はステージ真ん中に飛ぶ

 

「イッツターイム、フォー、スーパーアクショーン!」

 

(どうしたの明久?)

 

(いや、まさかあいつ...)

 

俺はマッハドライバーを腰にまいた

 

(あらら、ここでやるつもりですの?)

 

ポケットからシグナルマッハを取りだし装填する

 

【シグナルバイク!】

 

「レッツ、変身!」

 

【ライダー!マッハ!】

 

「や、やりやがった...」

 

「追跡!」

 

「撲滅!」

 

「いずれも~、マッハー!」

 

「仮面ライダー!マッハー!」

 

おおおお!

 

すげー!

 

どうやったんだー!?

 

会場中から拍手喝采、いやー気持ちいいねー!特にあのヤンキーカップルが悔しそうに見てるのがこれまたいいね。パフォーマンスするまでもなく勝負ありだ

 

「さ、次はあんたらだぜ?」

 

「けっ!こんなしょぼいとこの体験なんかくれてやる!」

 

そういうと男は女を連れ席に戻った

 

「負け犬の遠吠えってね」

 

 

 

 

「はぁ、結局こうなるのか...」

 

「タキシードなんてきたの俺初めてだな。剛は?」

 

「俺は何回か。でも堅苦しいよなこれ」

 

見事ウェディング体験を勝ち取り今俺達は着替え終わった所だ

 

「ここまできたら覚悟決めるか。しかしまさか秀吉やムッツリーニまで来てたとはな」

 

「視線がどうのってムッツリーニじゃなかったのか?」

 

「いや、なんか違うんだよな。まあ今はウェディング体験を楽しむとするか」

 

 

 

 

「「「...」」」

 

すげえな、会場のセット。俺が参加したことのある結婚式の会場とはちょっと違う感じだがとにかく豪華だ

 

『本日は、ウェディング体験のご観覧にお越し頂きありがとうございます。申し訳ありませんが本日は時間の都合上、プロフィール紹介は省略させて頂きます。誠に申し訳ありません』

 

「やば、これもしかして俺のせい?」

 

「いや、元はあのカップルのせいだろ?」

 

「ん?司会やってるのマーキュリー姉妹の次女じゃないか?」

 

「なんか結構セクシーな感じの声になってるな」

 

「おい、そんなのいいからとっとと先進めー!」

 

「そうそう!わざわざ見に来てるんだからさー!」

 

さっきのヤンキーどもじゃねえか

 

『他のお客様のご迷惑になるので大きな声はお控え下さい』

 

早速注意されてやんの

 

『それでは、いよいよ新婦の入場です』

 

「「「...」」」

 

そこにやってきたのはドレス姿の三人だった

 

「キレイ...」

 

会場に来てる人が言ったその言葉に同意させてもらう。いや、キレイとかそんなレベルじゃない

 

「お、おいどうしよう明久!?今になってすげえ緊張してきた!」

 

「ここで!?いや俺もだけど!」

 

改めて自分等の彼女がどれ程美しいっていうのかがよく分かる

 

「ど、どうかな...」

 

「え!?あ、き、キレイだぞ!」

 

すんげえ裏返ってるな声

 

「あはは、私も緊張しちゃってるんだよね。...今日は一段とカッコいいし」

 

「マイ...」

 

「...雄二、ずっと夢だった」

 

「翔子...」

 

こいつら、揃っていい画してるな...

 

「剛...」

 

ぎゅ

 

「うお!?」

 

「確かにあなたと過ごした時間はマイ達に比べると短いです。でも...わたくしは今凄く幸せです」

 

「カジュン...」

 

今カメラに納められないのがほんとに悔やまれる。少し涙で潤んだその笑顔を見た俺は抱きしめながらそう思う

 

「おい、ノロケとかいいから先進め!そんなガキの恋愛とか興味ねえんだよ」

 

「そうそう!生意気なのよ、ちょっとかわいいからってさ!そんな尻軽そうな女のドレス姿とか興味ないから演出とか見せなさいよ!」

 

「「「...」」」

 

「あ、明久、わ、私は大丈夫だよ?」

 

怒りに顔を歪めた明久にマイは心配そうに言う

 

「...雄二、私の夢っておかしいの?」

 

「そんなことはねえ、お前の夢はとても誇らしいもんだ。気にするな」

 

「剛...わたくし...」

 

「...」

 

こんなに怒りが沸き上がってきたのは...『あれ』以来だ。あの時もだった、ダチを侮辱され...

 

「もう、だめだ...」

 

俺が怒りのままステージを降りようと思った時だった

 

「...そこまでだ」

 

「ああん!?」

 

「誰よあんた?」

 

「何故お前たちはそうまで邪魔をする。結婚式とは愛し合う者がそれぞれの愛を誓い合う物だ。ならば、それに参加する者は祝福をしなければならない」

 

そこにいたのは、俺の家族の幸せ、俺の命、その両方を救い今隣にいる大切な人や新しいダチ達に紹介してやりたかった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それが、人間のルールのはずだ」

 

最高のダチ、チェイスだった




チェイス参戦!今章が終わったら剛とカジュンも含めてキャラクター紹介を更新予定です


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二十四話

チェイスがやってきたウェディング体験の結末は?


「チェイス?」

 

そこにいたのは間違いなくチェイスだった。パラレルワールドのそっくりさんとかじゃなく。あの紫のライダースジャケットは間違いなくあいつだ

 

「さて、お前達をつまみ出すとしよう。俺のダチ、そしてその更にダチの結婚式を台無しにするわけにはいかない」

 

チェイスはヤンキーカップルの首根っこを掴むと軽く持ち上げ運んでいく

 

「な、なにしやがる!」

 

「離しなさい!」

 

「断る」

 

『...えっと、では...え?』

 

カンペを読むノエルちゃんの表情が曇る

 

『そ、それでは、最後に愛し合う二人のキスで、幕を閉じようと、おもいましゅ』

 

あ、かんだ。...ん?

 

「「「「「え?」」」」」

 

「...ちょっと、照れる」

 

ちょっとどころじゃねえよ!

 

(おい!知り合いだけならいざ知らず、こんな大勢の他人の前でキスなんて出来るか!)

 

(お、俺もさすがにこれは)

 

(ノエル、いや、皆知らなかったっぽいね)

 

(ですのね)

 

明久のクラスメイトが他にも何人かあちらこちらで見える。恐らく皆でイベントを手伝おうと思って来てくれたんだろうが皆どこか苦い顔をしている。いくらウェディング体験とはいえまさか知らない人間の前で見せ物のようにキスさせられるとは思ってなかったらしい

 

(どうすりゃいいんだ...)

 

バサァ!

 

その時だった。ステージの上にあったカーテンの大部分がちょうど俺達を隠すように降ってきた

 

「...カジュン」

 

ぐい

 

「ん!」

 

チュ

 

「マイ...」

 

「うん...」

 

チュ

 

「雄二...」

 

「...わかったよ」

 

チュ

 

そのカーテンが俺達を隠すと同時に俺達は...自分達の大切な人を一生愛すると誓う口づけをした

 

『と、トラブルはありましたが無事誓いのキスをすませられたようです!それでは、ウェディング体験はここまで。ありがとうございました!』

 

若干無理矢理だがノエルちゃんがなんとか収めてくれた。これで終われるな...

 

「...サンキュー、チェイス」

 

俺は会場の入り口のそばで肩にプロトシフトスピードを乗せ腕をくんで立っていたチェイスに礼の言葉を呟いた

 

 

 

 

 

 

 

それからスタッフに紛れていた連中と合流した

 

「...チェイスだ、よろしく頼む」

 

相変わらずの仏頂面で挨拶をするチェイス

 

「し、しかし、本物、なんですか?失礼ですがあなたの復活はかなり先になると...」

 

ハザマが信じられないように言う。実際俺だって今も信じられない。なんたってコアの修復作業は他の三人はもうすぐ復活出来る所までだったのに対してチェイスは1割も満たない物だった。一体何があったんだ...

 

「剛、お前がこの世界に来たあとハート達が復活した。三人は自分達のエネルギーを注ぎ込み俺のコアの修復の手助けを行ってくれた。そのおかげで修復が一気に進み復活できた」

 

「そう、だったのか...」

 

「事情は進ノ介やクリムから聞いている、これからは俺もお前達と一緒に戦う」

 

「ほう、なら宜しく頼むぜ」

 

ラグナがチェイスに手を差し出す

 

「確かお前は、ラグナと言ったな。お前も以前は死神、と呼ばれていたらしいな」

 

握手をしながらチェイスは言う

 

「お前、まさか中二病...」

 

「ちげえよ馬鹿!前の世界の話だし自分で名乗ってた訳じゃねえ!」

 

雄二にからかわれて慌てて否定してる

 

「チェイスも昔はロイミュードの死神ってポジションだったからな。親近感でも沸いたか?」

 

「ああ、そんな所だ」

 

「チェイスさん、か...宜しくな、俺は吉井明久」

 

今度は明久がチェイスに手を差し出す

 

「ダチ兼弟分って感じだ、こいつは」

 

「...なるほど、かつてのお前と進ノ介のようなものか。さんはつけないでいい。明久、俺とお前がダチになれるならな」

 

「当然、じゃあダチで!」

 

「...ああ、宜しく頼む」

 

握手を交わす二人。うん、以外とこいつらも仲良くなれそうだな

 

「それと...」

 

「わたくしですの?」

 

カジュンを見つめるチェイス。なんだ?

 

「...君が剛の妻か」

 

ぶ!

 

ほぼ全員が吹き出した

 

「ち、チェイス?」

 

「なんだ剛」

 

「あのな、さっきの結婚式、マジのやつじゃないんだ」

 

「なん...だと?つまり、お前達は付き合っている訳では...」

 

「そうじゃねえって!」

 

「チェイスさん、じゃないチェイス。俺達はまあ...結婚したいとは思ってるよ?」

 

「結婚を前提にお付き合い、っていうやつで。さっきのは結婚式を体験出来るやつなんです」

 

「それにわたくしと剛以外は今は年齢の決まりで結婚出来ませんの。それが、人間のルール!というやつですの」

 

「...なるほど。確かにまだ学生のお前と剛が結婚するのはあまりよくないのかもしれない。...剛がロリコン扱いをされかねない」

 

「お前どっからそんな言葉覚えた!?」

 

相変わらず疲れるな、こいつの相手は

 

「すまん、お前が結婚式を行うと聞いて驚いていたからかもしれん。...俺は進ノ介と霧子の結婚式を見届けることが出来なかったからな」

 

すこし残念そうにうつむくチェイス

 

「...まあいい。なら、数年後を楽しみにする」

 

「...チェイス、こいつをお前に返す」

 

俺はチェイスにあるものを渡した

 

「これは、俺のシグナルバイクと免許証...」

 

「お前の宝物だろ?」

 

「すまないな、こいつだけに頼らずともすみそうだ」

 

そういってチェイスはブレイクガンナーを見せる

 

「なるほど。てか、そのシフトカー使えないのか?」

 

プロトシフトスピードを見ながら思った事を述べた。マッハドライバーの特性ならそれを使ってプロトドライブになることも出来るだろうと思うが...

 

「プロトドライブでは、この先を戦っていけん。そう思っただけだ」

 

「そういやお前マッハドライバーは?」

 

「ある、それと何かあったときようのスペアドライバーもりんなから預かっている」

 

「準備万端だな」

 

「あ、寝泊まりはどうすんだ?」

 

「よかったらうちに来ませんか?お母様、また賑やかになるって喜びそうだし」

 

明久とマイが気がついたように聞く。確かにどうすんだ?

 

「...なら、お言葉に甘えさせてもらう。既にテントの準備をしていたからしばらくはそちらで過ごす」

 

野宿するつもりだったのか。

 

「なら、お母様達には伝えておきますね」

 

「チェイスさん、これから宜しくですの」

 

 

 

 

 

 

 

sideチェイス

 

「...なに!」

 

深夜、テントで休んでいた俺は何かを感じた。いや、何かではない

 

「重加速...だと」

 

それはロイミュードが発生させる重加速の反応だった

 

「やはり、コアドライビアの技術を手に入れているようだな、レリウスとやらは」

 

剛達からすでにロイミュードが襲撃してきたという情報は聞いていたが俺を狙ってきたか

 

「...あれは」

 

テントを出ると3体のロイミュードを発見した。しかしロイミュード達の目の前にいたのは...

 

「...こ、な、い、で」

 

紫の髪をした少女だった

 

「まさか、やつらの狙いはあのこか!」

 

俺は少女の元にプロトシフトスピードを向かわせる

 

「あ、え?動ける?」

 

シフトカーのコアドライビアにより重加速の影響がなくなった少女は元のように動けることに驚いている

 

「逃げろ、そいつを離すな。また動けなくなる」

 

「は、はい。あなたは?」

 

「話は後だ」

 

マッハドライバーを装着ひシグナルチェイサーを装填...

 

ガッ、ガッ!

 

「は、入らない?何故だ、ドライバーが不調なのか?」

 

「ふ、仮面ライダーよ、とっとと消えろ。そのガキを置いてな。そうすれば命は助ける」

 

「断る、人々を守るのが俺の使命だ」

 

今度はブレイクガンナーを取り出す

 

『ブレイクアップ!』

 

ブレイクガンナーを使い俺はロイミュードとしての戦士、魔進チェイサーに変身した

 

「行くぞ!」

 

『ガン!』

 

ガンモードにしたブレイクガンナーで銃撃を打ち込む。進化体ではないからかこれだけでも十分ダメージが入っている

 

「俺や他の者に倒されるであろうとは考えなかったのか...やはりあの少女を狙うために形振り構っていられないようだな。一気に決める」

 

『チューン!チェイサー、スパイダー!』

 

『エグゼキューション!』

 

スパイダーバイラルコアを装填しファングスパイディーを装備した俺は一気に必殺技の準備にはいる

 

「はぁ!」

 

「「「ぐぁぁ!!」」」

 

爆発の中からコアが現れるが...

 

「あの数字...新しく作り出したということか」

 

そのコアの数値は111・112・113だった

 

「さて...大丈夫か? 」

 

変身を解除し少女に近づく

 

「は、はい...」

 

「何故奴等に襲われていたかわかるか?」

 

「...わかりません。だって自分が誰かも分からないのに...」

 

「なん、だと?」

 

彼女は記憶喪失なのか

 

「取り敢えず、そのケガを治療しよう。知り合いの所に行く、少し待っててくれ」

 

剛に電話をかけるが出ない。時間も時間だ、寝てるのだろう。なら明久に...

 

『はい、もしもし...』

 

「...すまん、明久。起こしたか?」

 

『いや、大丈夫だ。どうした、こんな時間に。剛なら多分寝てるはずだけど...』

 

「じつはお前に頼みが...いや、この場合は夏目マイか。すまないが彼女に代わってくれるか?」

 

『ああ、わかった』

 

『もしもし、チェイスさん。どうかしましたか?』

 

「すまないな、こんな時間に。実はロイミュードに襲われていた少女がケガをしてな。すまないが今から向かってもいいだろうか?病院も開いてないだろうし俺の方には手当て出来る道具がないからな」

 

『え!?あ、あの、いきなり色んな情報がいっぱい来たんですが...取り敢えず今から来られるんですよね?分かりました』

 

「すまん、礼を言う」

 

『いえ、気をつけて下さいね?』

 

ピッ

 

「待たせた、今から少しバイクで走る。後ろに乗ってくれ」

 

「は、はい」

 

俺はライドチェイサーの後ろに少女を乗せ夜道を走らせる

 

「そういえば名乗っていなかったな。俺の名はチェイスだ」

 

「チェイスさん...わたし、は......そうだ」

 

「どうした、思い出したか?」

 

「......ヤ」

 

「...」

 

「サヤ...それが私の名前」

 

これが、俺と彼女の出会いだった




「チェイスだ」

「詩島剛です、ってテンション低いなチェイス」

「...吉井明久です」

「お前もかよ!?」

「姉さんが帰ってくるんだぜ?どうやって話すか悩んでて」

「どうしました、皆様」

「ああ、何でもないぞサヤ!?」

「すまん、心配させて」

「...チェイス様」ポッ

「おいチェイス、この子お前の事を...」

「だが、俺は彼女を愛していいのだろうか...」

「チェイス、お前自身の気持ちはどうなんだよ!サヤをどう思ってるんだ!」

「次章、期末と恋と家族の絆~追跡者と少女は何故互いを愛したか」

『ライダー、チェイサー!』

「使命だからではない、守りたいから守る!それが俺の選択だ!」



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