このふたりの男女に祝福を!番外 (大トロ)
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魔王討伐前
出会い


ある意味では
こちらを最初にやりたかったです。

とりあえずこれで晴れてカズアクの話を作れます。

まあそれもまだ先なんですけどね。

ヨホホホホホホ(泣笑)


カズマ「さて、どうしょうかなあ」

 

俺は今、馬小屋の藁の上に寝転がっている

 

ダクネスをパーティーに入れて2日たつが、現在はクエストを受けていない

 

何でも最近、近くの廃城に魔王軍の幹部が住み着いているそうだ

 

おかげで弱いモンスターはめっきり姿を現せなくなりクエストも高難易度の物ばかり

 

どうするかはもう少したってから決めることにし、現在はそれぞれのやりたいようにしている

 

アクアはクエストを請けれないため

八百屋で売り子のバイトをしている

 

めぐみんは捜しものがあるようで今朝から出かけている

 

さっきまで俺と筋トレしていたダクネスは

クリスの所に行くと行って

現在、馬小屋にいるのは俺一人だ

 

正直退屈で仕方ない

 

何かないか

 

 

 

カズマ「あ、そうだ。俺この街の全部見てなかった」

 

俺がこの街で知っていることと言えば

 

ギルドの場所や、本屋とか、雑貨とか、後は工事現場に、草原と森

 

まだ行ったことないとこがあるなあ

 

カズマ「そうと決まれば行くとしますか」

 

そう言って俺は着替え始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「そういえばアクアのやつ、売り子のバイトやってるみたいだがちゃんとやってるのか見に行ったほうがいいのかこれ」

 

そう考えた俺は八百屋の方に行くと

 

カズマ「ああ、やってるやってる」

 

アクアが売り子をしてる店を見るとたくさんの人が集まってる

 

よく見ると八百屋の入り口でアクアが手品してるな

 

手に持った大根が突然小さくなって手からなくなったかと思えばアクアが耳に手を当てると、耳に手を当てた手から元の大きさに戻った大根が……まじでどうなってるのか

あいつの手品は

 

そういえばいつかの悪魔討伐の祝いの席で宴会芸スキル使って盛り上げてたな

 

なんていうか

 

カズマ「そっちの道で生きていったほうがいいんじゃないか?」

 

もうあれはスキル以外の才能だと思ってしまう

 

カズマ「ちょっとギルドに行って街の地図もらえないか確認しに行ってくるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「なんであいつがいるんだ!」

 

俺がギルドの扉を開くと、いつか俺とアクアに絡んできたチンピラ系の冒険者、名前なんだっけ、ダクトだっけ、ダストボックスだっけ、が仲間達と一緒に依頼が貼られた掲示板の前で嘆いていた

 

関わりたくないから中まで入らず外に出ることにした

 

もう昼食の時間だから近くの店にあるサンドイッチを買って食べようとしたが

 

カズマ「うん?」

 

俺がサンドイッチを買った店の前に1匹の猫がいた

 

黒い毛をしたどこにでもいる様な猫

 

ただ俺の目に止まったのは他にある

 

それはこの猫、背中に羽根があるのだ

 

カズマ「背中に羽根がある猫……異世界って感じだな」

 

黒猫「なーお」

 

黒猫が俺を見て鳴いたかと思うと

 

近くの路地に入っていった

 

カズマ「あ、まて」

 

黒猫に心惹かれた俺は、黒猫を追って路地に入って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「どこまで続いてるんだ。この路地は」

 

路地に入って黒猫を追ってそろそろ3分位たったが未だに黒猫に追いつけてない

 

時折黒猫は、まるで俺が付いてくるのを確認するかのように後ろを見てくるがすぐに走っていく

 

何だかあの黒猫に誘導されてるみたいな気分になってきた俺だが、興味が湧いて更に付いて行き、やがて

 

カズマ「やっと、路地から出れた。うん?」

 

路地に出た俺が最初に見たのは、少し薄暗い、いかにも怪しい感じのある店だった

 

カズマ「《ウィズ魔道具店》?店の名前か」

 

よく考えたら魔道具店なんて、異世界に行かないと見れないような店を見たのは、これが初めてか

 

俺が店の看板を見ていると

 

黒猫「なーお」

 

さっきまで俺が追いかけてた黒猫が店の中に入って行った

 

カズマ「これも何かの縁か。少しお邪魔させてもらおうか」

 

そう言って俺は店の扉を開け、中に入った

 

カズマ「へ〜え、これが魔道具店か」

 

店の中は少しこじんまりとした雰囲気で溢れかえっており、魔道具店と言うだけあって様々な魔道具やポーションがあった

 

カズマ「そういえばあの黒猫はどこ……!?」

 

俺はさっき店に入っていった黒猫はどこか、店の中を見渡すと、店のカウンターに頭を付ける形で倒れている人がいた

 

カズマ「おい!大丈夫か!」

 

カウンターに入った俺はカウンターに倒れている人を軽く揺すると

 

???「う……ん」

 

倒れていた人が声を出した

 

???「……か…ま……た」

 

カズマ「え?」

 

???「お…なか…すき…まし……た」

 

カズマ「………」

 

あまりにもお腹が空いた様子だったので、俺は持ってたサンドイッチを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ありがとうございました!見ず知らずの方に助けて頂いただけに飽き足らず、あなたの昼食までいただいて!」

 

俺の前でカウンターに倒れていた人……女性がペコペコ頭を下げている

 

俺は目の前の女性を見る

 

 

髪は茶色で見た目が20代くらいで顔が整っている美女だ

 

そしてでかい、胸が

 

仲間の中では、アクア、ダクネス

 

知り合った人の中では、ルナ

 

あいつらよりもでかい

 

ウィズ「申し遅れました。ウィズ魔道具店の店主のウィズといいます」

 

カズマ「あんた店主だったんだ。ていうか店の店主が空腹で倒れるって、あんまり儲かってないんじゃないか?」

 

ウィズ「う……うちは魔道具の種類は豊富なんですが、なぜか買う人がいないんですよ、お恥ずかしい話。実はもう5日ほど何も食べてなかったので5日ぶりに固形物を口にできたので助かりました」

 

と、ウィズは苦笑いした

 

黒猫「なーお」

 

カズマ「あ、さっきの」

 

さっき店の中に入って行った黒猫が出てきた

 

ウィズ「猫ちゃん!」

 

ウィズが黒猫に近づくと黒猫はウィズに飛び乗ってきて

ウィズはそのまま黒猫を抱き上げた

 

うわ黒猫のやつ、ウィズの胸を肉球でつっついて遊んでやがる

 

とても他のやつに見せられるやつじゃないな

 

ウィズ「この子、今から数日前に店の近くにぼろぼろになっていたのを保護したんです。それからこの子、店から離れないのでこうして住み着いているんですよ」

 

カズマ「へ〜え、懐かれた訳か。あ!」

 

そうか、そういうことか

 

ウィズ「どうかしましたか?」

 

カズマ「いやなこいつ、昼ごはんを食べようとした俺に鳴いたかと思ったら路地に行くから付いて行ったんだよ。何度か、俺を見ながら路地を進んで行って、この店についたんだ。もしかしたらこいつ、俺をこの店まで連れてきたんじゃないかって思うんだ」

 

ウィズ「え、そうなんですか」

 

カズマ「多分自分を助けてくれたウィズに恩返しがしたかったんじゃないかこいつは」

 

猫が恩返しをするって、ひと昔前の映画にありそうなのが現実にもあるんだな

 

ウィズ「……そうだったんですね……ありがとう…猫ちゃん」

 

黒猫「なーお」

 

ウィズのお礼に黒猫は気にするなと言わんばかりに鳴いた

 

カズマ「さて、結構話したな、俺もうそろそろ帰るわ」

 

ウィズ「あ、そうですか。本当にありがとうございました」

 

黒猫「にゃーん」

 

俺が帰ると言うと、ウィズがまたお礼を言ってきた

 

黒猫も多分お礼のつもりで鳴いたんだろ

 

ウィズ「あ、そういえばまだあなたのお名前、聞いてませんでした。あの、お名前は?」

 

俺は店の扉に触ろうとしたが、ウィズに名前を聞かれて手を止めた

 

カズマ「……和真、サトウカズマ。それが俺の名前だ」

 

ウィズ「カズマさんですね。あなたの名前、覚えておきます」

 

そう言って俺に笑顔を見せる、やっぱり美人だな

 

カズマ「また来るよ、ウィズ」

 

そう言って俺は店を出た

 

カズマ「今度来る時は、何か食べ物持っていこうかなあ」

 

そう考えながら俺は来た道を戻るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが後に、自分の友であり、自分の師匠となる

ウィズとの出会いになる事を、この時の俺は知らなかった



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本当は





 

ウィズ「あの…カズマさん…本当にすみません。店員でも無いのに手伝って頂いて…」

 

カズマ「ん?なあに言ってんだウィズ。俺はお前に教えてもらっている立場なんだぞ。これくらいの事なら、いくらでもやるさ」

 

俺佐藤和真は、リッチー兼魔王軍幹部兼魔道具店店主兼師匠のウィズの店の手伝いをしている

 

普段ウィズに魔法の事を色々教えてもらっているからこういう手伝いは何回かしている

 

カズマ「ふう〜、ウィズ、これはこっちでいいんだよなあ?」

 

ウィズ「あ、はい。それを置いたら次はこれを一箇所にまとめて下さいね」

 

カズマ「あいよ」

 

しかし、この店は客が来ない割に商品が多すぎんだよ

これは後でウィズに言って商品を減らすように言うべきだな

 

カズマ「あれ?何だこれ」

 

商品が置いてある棚の後ろにある隙間に何かある

 

カズマ「……スクロールか?」

 

ウィズ「あれ?こんな所にスクロール何てあったんですね。ですが何のスクロールだったのか覚えてないんですよ」

 

カズマ「ウィズでも分からないのか。それにしても……ずいぶんぼろぼろだな……今でも使えるのか?」

 

そう思ってスクロールを開いてみると

 

スクロールから強い光がでて俺を包み込む

 

カズマ「うわ――」

 

ウィズ「カズマさ―――」

 

強い光に包まれてウィズの声が途切れていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「……一体どこなんだここは?」

 

光に包まれて見えなくなったが光が消えて目を開くとそこは見知らぬ部屋だった

 

部屋は石造りになっていて薄暗い所だ

 

カズマ「さっきのスクロールはさしずめテレポートのスクロールってところか!!」

 

急に俺の『敵感知スキル』が反応した

 

カズマ「(……結構な数の敵がいるな……しかも特にでかいのが下にいるな)」

 

まずいな…俺剣と弓矢置いてきてるから戦いになったら勝ち目ないな

 

ここにいるのは危険だと思った俺は、場所確認のためにこの部屋に唯一ある窓に行き外を見る

 

カズマ「……ここからアクセルが見える……と言う事はここは廃城……ヤバ!そういえば廃城には今魔王軍の幹部がいるんだった!!」

 

ますますここにいるのは危険だと思い速く廃城からの脱出を試みたが

 

 

 

カズマ「(……下に降りようにも敵がたくさんいる。かと言って窓から脱出しようにもかなり高い所にいるからな……こういう所には秘密の抜け道とかあるのか?)」

 

俺は近くにある壁や本を触った

 

カズマ「(……なんて……そう都合よくあるわけ無いかッ!?)」

 

俺は壁に掛けてある額縁の裏をめくるとそこには隠し扉があった

 

カズマ「……あったよ抜け道…」

 

俺は隠し扉を開けて中に入った

 

そこは真っ暗で何も見えない部屋だった

 

カズマ「……『ティンダー』…」

 

俺は人差し指に小さい火を出して明かり代わりにした

 

そして周りを見るとそこには

 

カズマ「なッ!!」

 

そこにあったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大量の下着類だった

 

ブラジャーやら女物のパンツがたくさんあった

 

カズマ「(ま、まさかここの主は女装趣味が…ん?)」

 

よく見るとそれぞれの下着は分けて置いてある

 

そしてその下着の上には

 

 

 

  ウィズ

 

 

  ウォルバク

 

 

  セレスディナ

 

  

  ミズキ

 

分かりやすく名前入りの板が貼ってある

 

カズマ「(ホッ……なんだ…ただの下着泥か……ウィズのも集めてやがる……と言う事はここにあるのは同じ魔王軍のやつから盗ったのか……それにしても最後の奴だけ名前が日本人だったが……まさかだと思うが魔王側に寝返ったなんてことは……ないよな?)」

 

色々思うところはあるがいつまでもここに居るのは危ないから速く出たほうが

 

カズマ「!」

 

突然扉が開いた

 

カズマ「(ヤバ!誰か来た)」

 

俺はすばやく近くのテーブルの下に身を隠した

 

??「……なんだ?…今誰か居たような気が…」

 

声の主は、周りを確認したが誰もいない事を確認すると扉を閉めて

 

??「ふふふ…さあて、今日はどの下着を嗅ごうか……一番若いセレスディナにしようか…それともここは神であるウォルバクのにして神の下着を嗅ぐという背徳感に浸りながら興奮するか……いやいやここはやっぱり一番付き合いの長いウィズにしようか……ああここは俺のエデンだ……それにしてもウィズの奴…アクセルに店を出すとか言って魔王城から出ていってから下着の入手が出来なくなってしまったぞ…あいつのは特に欲しいというのに…」

 

カズマ「(何で酷え会話だ)」

 

声の主、もといこの廃城に住み着いている魔王軍の幹部が変態の会話にしか聞こえない

 

逃げたい所だが、今逃げてもすぐに感づかれる…どうすれば

 

カズマ「(かくなる上は)」

 

俺は近くにあった本を部屋の隅に投げた

 

幹部「うん?なんだ、今の音は」

 

姿は見えないが、これで幹部の気をそらすことが出来た

 

後は

 

カズマ「!」

 

バレる覚悟で突っ切る!!

 

幹部「む!な、何奴」

 

カズマ「『ティンダー』!」

 

俺は手から火を出して近くの下着に火を付ける

 

幹部「どこに向かって撃って、ああ!!お、俺の宝が!!」

 

下着に火をつけたことで狼狽えた声を出している幹部の姿を見ず

俺はそのまま扉を開けて部屋から脱出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「はぁはぁ!!クソ!下に降りたはいいが敵が多すぎてこれ以上降りるのは危険で上に戻ろうにも」

 

幹部「待てええええ!俺の秘密を知ったお前は!決して生きて返さんぞ!!」

 

カズマ「あいつが迫ってきてるからな」

 

どうするか……こうなったら窓から飛び降りて……だがここは高い

 

地面に落ちる前にバインドで木にぶら下がればあるいは

 

けどそれも出来るかどうか

 

下からは魔王軍幹部の配下

 

上からは魔王軍幹部

 

どうするか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドオォォォォォォォンンンンンン!!」

 

グラッ

 

カズマ「うわッ!!」

 

幹部「グウッ!なんだ今のは!?」

 

突然の爆音と衝撃が廃城にぶつかり、廃城が揺れた

 

突然の出来事に上の階からこっちに来ようとした幹部の驚いた声が聞こえた

 

もう、迷っている暇はないな

 

カズマ「アイキャンフラーイ!!」

 

俺は城の窓から飛び降りた

 

だいたい6階ほどの高さがあった

 

地面に落ちる寸前に

 

カズマ「ッ!『バインド』!」

 

近くの木にバインドで飛ばしたロープを枝に巻き付いて、地面への衝突は免れた

 

カズマ「はあはあイッ!やっぱり…慣れないことはするもんじゃないな」

 

少しロープで手を切ったが大したことはない

 

カズマ「さあって、ここも奴らが来るかもしれないからな、速く逃げよっと」

 

そう言って俺はアクセルに向かって走って行った

 

カズマ「(それにしてもあの爆音と衝撃……どこかで聞いたような)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュラハン「ききき昨日、おお俺の城に、無断で侵入した不届き者と、爆裂魔法を撃った大馬鹿者は、どこのどいつだああああ!!!」

 

カズマ「(うおおおおおお!!ヤあっべえええええ!!俺だあああああ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、ベルディアが言っていた侵入者の正体です

 

 



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この銀髪のお頭と女神に誕生祭を!

クリスマスに間に合わなかった上に

サブタイトルに誕生祭をなんて書いてますが

6割クリスマスネタです

すみません
クリスもといエリス様(TдT)


ダクネス「そういえばもうすぐクリスの誕生日だな」

 

カズマ「え?そうなのか?」

 

ダクネス「ああ、クリスがそう言っていたんだ。それにクリスの誕生日の日はエリス様の誕生日でもあるんだ」

 

めぐみん「へえ〜、そうなんですか」

 

クリスとエリス様の誕生日は一緒か

 

まあそりゃあそうだな

なんたって二人は同一人物だからな

 

でも待てよ

 

カズマ「なあ、確かお前ら女神は〔この素晴らしい駄女神様に誕生日会を!参照〕自然に生まれて来るんだよな?なら何でエリス様の誕生日は分かんだよ(小声)」

 

アクア「いえ、エリスの生まれた日も分かってないわ。ただこの日はエリスがこの世界に初めて降り立った日なの。その日をエリス教はエリスの誕生日にしていて、それが今では世界規模で伝わっているわけ(小声)」

 

カズマ「あれ?ならお前の誕生日はアクシズ教にはどう伝わっているのか?(小声)」

 

アクア「伝わってないわよ。私も自分の誕生日分からなかったし、そもそもエリスと違って私はこの世界担当の女神じゃなかったから降りる機会がなかったのよ……まあ今は違うけどね」

 

カズマ「ん?」

 

アクア「だって…今はこうして地上に降りられてるし……私の誕生日も出来たから……」

 

そうアクアは

 

嬉しそうな、優しい表情をしている

 

カズマ「アクア……そういう似合わないキャラ作りしないでくれないか、お前がやっても変なんだよ」

 

アクア「『ゴッドブロー』!」

 

カズマ「『魔装ガード』!」

 

めぐみん「あの、ふたりは何やっているんですか」

 

ダクネス「またいつものやつだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「そういえばその日はクリスマスでもあるな」

 

めぐみん「クリスマス?なんですかそれは」

 

アクア「ええっとね、クリスマスって言うのはね」

 

俺とアクアはクリスマスの事を簡単に説明した

 

ダクネス「カズマの地元ではそんな行事があるんだな」

 

めぐみん「そのさんたくろーす?という人がプレゼントを配るというのは魅力的でした。私の家にも来てくれませんかね」

 

アクア「あら、クリスマスプレゼントは別にサンタだけがプレゼントを渡す日って訳じゃないのよ。知人や親しい人にもプレゼントを渡す日でもあるの」

 

めぐみん「あ、それならクリスの誕生日の日は、私達の屋敷で誕生日会をやる予定ですよね」

 

カズマ「ああそうだが」

 

めぐみん「それならその時クリスに、誕生日プレゼントとは別でクリスマスプレゼントを渡しませんか?」

 

ダクネス「それはいい考えだな」

 

アクア「それでクリスの誕生日会が終わった後は、私達もお互いにプレゼント渡さない?」

 

カズマ「それはいいがお前、それはお前も出さなきゃいけないって事だが自分の貯金は大丈夫か?」

 

アクア「ふふふ、見くびらないでよカズマ。足りない場合はカズマの財布から」

 

カズマ「出さねえよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズ・アク・めぐ・ダク・ゆん「「「「「誕生日おめでとう!!!」」」」」

 

そしてクリスもといエリス様の誕生日当日

 

俺達の屋敷にクリスを招き誕生日会を開いた

 

そして俺達だけじゃ人数が足りないとめぐみんの配慮により、ゆんゆんも参加している

 

クリス「皆、今日はあたしの誕生日を祝ってくれてありがとうね」

 

ダクネス「何礼には及ばない。私の誕生日もクリスは祝ってくれたんだ、お互い様さ」

 

ゆんゆん「あ…あの…今日は私も呼んでくれて、あ…ありがとうございました」

 

めぐみん「何緊張してるんですかゆんゆんは」

 

ゆんゆん「だ…だって…と…友達の…た…誕生日会に、呼ばれることなんて…め…滅多にないから……もしかしたらこれで最後になるかも知れないし…」

 

めぐみん「なりませんよ!!間違っても誕生日会に参加できるのは一生に一度何て考えないでください!!」

 

う〜ん、これは誕生日会があるたびにゆんゆんは誘った方がいいかも知れないな

 

ダクネス「クリス」

 

クリス「うん?」

 

ダクネス「これは私からのプレゼントだ」

 

そう言ってダクネスは二つの包装された箱を渡した

 

クリス「ダクネスありがとうね。けどどうして二個も渡すの?」

 

ダクネス「ああそれは」

 

カズマ「今日は俺の国ではクリスマスなんだよ」

 

クリス「クリスマス?あ、聞いたことあるよ。確かサンタクロースって言う赤い服を来たおじいさんがソリに乗ってトナカイに引いてもらってクリスマスの夜に子供の家にプレゼントを配るんでしょ?」

 

クリスいや、エリス様の先輩は日本担当のアクアだったからか詳しかった

 

ダクネス「だからそれにそって、もう片方はクリスマスプレゼントにしたんだ」

 

めぐみん「これは私からです」

 

ゆんゆん「あ…あの、これは私からです」

 

クリス「う…う〜ん…嬉しいんだけど、多すぎると持ち帰りが…」

 

クリスがなんか言ってるけど無視して

 

カズマ「これは俺からな」

 

クリス「あ、ありがとうね……あれ?」

 

カズマ「どうした?」

 

クリス「いや、あのね助手君(小声)」

 

カズマ「何だ?お頭(小声)」

 

クリスが小声で盗賊団している時の呼び方をしてきたので俺も盗賊団してる時の呼び方をした

 

クリス「どうして助手君のプレゼントは二個じゃなくて三個なの?(小声)」

 

カズマ「ああ、一個目はお頭用……二個目はクリスマスプレゼント用……三個目はエリス様用(小声)」

 

クリス「え?」

 

カズマ「いつも世界の為にあちこち周って神器集めをしているクリスにちゃんと渡してやりたかったんだ。でもただ渡すんじゃなく、盗賊団のお頭として…女神様として…それぞれのアンタに渡そうって思った(小声)」

 

クリス「カ、カズマさん…あ!じゃなかった助手君」

 

ちょっと今エリス様出てたな

 

アクア「じゃあ後は私だけね」

 

そう言ってエリス様の先輩女神の青髪がプレゼントを渡した

 

クリス「あ、ありがとうアクアさん、あれ!?」

 

クリスがプレゼントを見て驚いた

 

俺はアクアがクリスに渡したプレゼントを見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

プレゼントは三個だった

 

クリス「あ、あのアクアさん…どうしてあたしへのプレゼントが三個なの?」

 

アクア「う〜ん、なんでかしらね、なぜかクリスにはクリスマスプレゼント用とクリス用とは別で渡したくなっちゃったのよね」

 

こいつはクリスがエリス様なんて分からないはずだ

 

なのになんで

 

アクア「クリス…アンタはね…私の後輩とよく似ているの。私の後輩はね、真面目で一生懸命で、いつも世界が平和になりますようにって思う位世界を思っているの。クリス、アンタも世界の為にって真面目にしてるけどたまにはゆっくり休みなさいね。これは友達としての忠告よ」

 

そっか

 

例えクリスがエリス様なのかなんて分からなくても、感じる物はあるんだな

 

クリス「せ…先輩」

 

おいまたエリス様出てるぞ

 

カズマ「さ、さてこれでプレゼントは全員渡したな。今日は夜遅くまで騒ぐぞ!!」

 

クリスの発言を誤魔化すため、俺は皆にそう言った

 

ダクネス「そうだ、今日の主役はクリスだ。存分に飲んで騒いで盛り上がろうか!」

 

こうして俺達はそのままクリスの誕生日会を大いに楽しんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「さて、クリスの誕生日会は終わった。じゃあ後は恒例のクリスマスプレゼント渡しをするか」

 

めぐみん「恒例と言うか、今回が初めてなんですが」

 

時刻は深夜にさしかかっている

 

ダクネス「まずは私からだな」

 

そう言って、ダクネスは俺とアクアとめぐみんに箱を渡した  

 

めぐみん「ありがとうございますダクネス。では開けますね」

 

めぐみんはダクネスにお礼を言って箱を開けた

 

めぐみん「ぬ、ぬいぐるみ?」

 

中身はぬいぐるみだった

 

アクア「あ、私のもぬいぐるみね」

 

アクアに渡した箱の中身もぬいぐるみだった

 

と言う事は俺へのプレゼントもぬいぐるみってことか

俺は安心した

 

ダクネスのことだから

SMプレイ用の縄とかだと思ったが俺の杞憂だった

 

めぐみん「それにしてもプレゼントがぬいぐるみとは、さすがはぬいぐるみ好きのダクネスですね」

 

ダクネス「なっ!ち、違う、私はぬいぐるみ好きなのでは」

 

カズマ「嘘つけ、俺知ってるんだぞ!実は裏でお前がぬいぐるみ作りをしている事を知ってるんだからな」

 

ダクネス「なっ!なんでそれを…あいや、それは…」

 

めぐみん「よく見ると、縫い目が少し出てますね」

 

アクア「つまりこれはお店で買ったものでは無く、ダクネスの手作りって事ね」

 

ダクネス「わ、悪いか…私がぬいぐるみ作りなんてやって…」

 

自分の秘密がばれた事に少しいじけたようにダクネスが言ってきた

 

めぐみん「いえ、そんな事はありません」

 

アクア「むしろパーティ随一の不器用のダクネスがこんな手作業してた事に驚きと頑張りを感じたわ」←パーティ随一の器用な奴

 

カズマ「お前の性癖よりは遥かにマシだって思った」

 

ダクネス「み、皆…」

 

アクア達が褒めたことでダクネスの機嫌が治った

 

カズマ「それにしても……」

 

俺はめぐみんとアクアの箱に入っていたぬいぐるみをみた

 

 

 

めぐみんのぬいぐるみ

 

ジャイアントトード

 

 

 

 

アクアのぬいぐるみ

 

色違いのジャイアントトード

 

 

 

カズマ「なんでこのチョイスにした」

 

こいつらからしたらトラウマになったりしたモンスターのジャイアントトードのぬいぐるみを渡すとか悪意しか感じねえ

 

ダクネス「あ、その…すまない…そこまで考えてなかった」

 

ダクネスには悪意はないようだ

 

カズマ「このぶんだと俺のもジャイアントトード……か」

 

俺も箱を開けたが中身は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマのぬいぐるみ

 

冬将軍

 

 

カズマ「おいダクネス!なんで俺のだけ冬将軍なんだよ!!」

 

よりによって俺へのプレゼントのぬいぐるみは過去に俺を殺しかけた冬将軍のぬいぐるみだった

 

ダクネス「だ、だってカズマは男だからジャイアントトードよりもカッコいいモンスターの冬将軍にしたほうがいいと」

 

カズマ「確かにジャイアントトードよりも冬将軍がカッコいい事は認めるが俺からしたら、殺されかけた事がある冬将軍のぬいぐるみを渡してくること自体に悪意しか感じねえよ!!」

 

せっかく手作りのプレゼントを渡してきてこんな事は言いたくないが文句しかない

 

ダクネス「す、すまない。ジャイアントトードのぬいぐるみと同じで…そこまで考えてなかった、」

 

カズマ「はあ…もういいよ。たかがぬいぐるみにここまで熱くなった俺も悪かったよ」

 

めぐみん「えっと、私もプレゼント渡していいですか?」

 

めぐみんが恐る恐るとした様子で言ってきた

 

カズマ「あ、ああ」

 

そしてめぐみんは俺とアクアとダクネスに箱を渡した

 

ダクネス「ありがとう、それじゃあ開けるな」

 

ダクネスがめぐみんにお礼を言って箱を開けた

 

ダクネス「お守り?」

 

中には日本とかでよく見るお守りが入っていた

 

めぐみん「これはですね、紅魔族に代々伝わる魔術的なお守りです。このお守りの中に強い魔力を持つ者の髪の毛を入れて仲間に渡すんです」

 

髪の毛を入れるって、日本のオカルト儀式にありそうな事を平然とこいつは

 

ダクネス「そのお守りにはこう、多ければ多いほど効果があるのか?」

 

めぐみん「多いほうが良いですよ。魔王軍打倒の遠征に出るものに持たせるお守りは、里の者全員分の髪の毛がギッシリと詰め込まれ、中からはみ出すほどです」

 

カズマ「怖!!呪いの道具みたいになってんじゃねえか!!」

 

めぐみん「そんなことないですよ!!それぐらいのお守りにもなると確かな効果を発揮するんですよ!持ち主の身を守るだけじゃなく、その辺にポンと荷物を置いても中の物が盗まれなかったり、荷物を落としたのにそれがすぐに届けられたりと、効果は絶大なんですよ」

 

カズマ「前半のはともかく後半のは髪の毛がはみ出てるお守りを見て、祟られそうだからそうしてるだけだと思うんだが」

 

アクア「あそれでね、どうりで一昨日めぐみんが髪の毛頂戴なんて言ってきたから何なのかなあって思ってたんだけど、そういう事だったのね」

 

アクアの髪の毛も入ってるのか

 

アクア「それじゃあ次は私ね」

 

今度はアクアが俺とめぐみんとダクネスに箱を渡してきた

 

めぐみん「ありがとうございます。開けていいですか?」

 

アクア「ええ、どうぞ」

 

めぐみんが最初に箱を開けた、中身は

 

 

めぐみん「い、石?」

 

めぐみんの箱には石が入っていた

 

ダクネス「私のも石だ」

 

ダクネスのも石だった

 

プレゼントが石とは

これはひどいな

 

アクア「ふふふ、よくその石を見なさいな」

 

アクアが指摘して来たのでめぐみんとダクネスの石を見ると

 

めぐみん「あれ?石に何か、赤いのが出てますね……!ア、アクア、もしかしてこれって…」

 

アクア「気づいたみたいね、それは原石よ。私の石コレクションの中にはこうした鉱石の原石が混ざっているの、それはルビーの原石よ」

 

ダクネス「じ、じゃあ私のこれは」

 

アクア「それは金の原石よ」

 

うわ、こいつにしては中々のプレゼントをしてきたな

 

しかもよく見るとふたりに渡したプレゼントの鉱石はそれぞれの色に沿ったのを渡してるな

 

と言う事は、俺の奴は緑色の……エメラルドの原石か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川で水切りする時によく使われる平らな石

 

 

 

カズマ「なんでだよ!!」

 

俺は思わず石を地面に叩きつけた

 

アクア「ちょ、ちょっとカズマ!何をそんなに怒っているのよ」

 

カズマ「何をじゃねえだろ!!この流れなら普通は俺へのプレゼントも原石の筈だろ!なのになんで俺のだけ川で水切りする時に使われそうな石何だよ!!」

 

一体何の差なんだこれは

 

めぐみん「あの、私達にプレゼントした鉱石は、私達の色に沿った物なんですが、カズマのはなかったんですか?」

 

めぐみんが疑問を感じたのかアクアに聞いてきた

 

アクア「いいえあるわ」

 

あるのかよ!

なら何で

 

アクア「ただカズマなんかに渡すのはもったいないって思ったから私の石コレクション、水切りシリーズの中で一番いいのを渡すことにしたの」

 

カズマ「やばい、今すぐお前の顔に水切りしたくなってきた」

 

こいつの顔だと何回石が飛ぶか?

 

一回だろうな

ならその一回に全ての力を込めて

 

ダクネス「待て待てカズマ、アクアの顔で水切りするな!どうしてもやりたいなら私の顔で…」

 

カズマ「……萎えた」

 

さっきまであった殺る気がなくなった

 

めぐみん「では最後はカズマからのプレゼントですね」

 

カズマ「はいよ」

 

俺はめぐみんとダクネス…そして本当は渡したく無いアクアにも箱を渡した

 

ダクネス「ありがとうカズマ」

 

めぐみん「ありがとうございます…カズマ」

 

アクア「ねえ、最後に皆で同時に開けない?」

 

アクアがダクネスとめぐみんに提案してきた

 

めぐみん「そうですね。私は良いですがダクネスは?」

 

ダクネス「私も構わないぞ」

 

アクア「じゃあ3.2.1で開けましょ」

 

そう言ってアクアは箱の蓋を掴む

 

遅れてダクネスとめぐみんも同じ事をする

 

アクア「じゃあ行くわよ…3」

 

めぐみん「2」

 

ダクネス「1!」

 

同時に三人は箱を開けた

 

めぐみん「わあ〜」

 

めぐみんの、普段は紅い目がさらに紅くなっている

 

めぐみんへのプレゼントは、杖の装飾品

 

もちろんただの装飾品と言う訳ではなく

爆発系統の魔法の威力を上げるというものだ

 

ダクネス「これは…」

 

ダクネスのは、新しい剣のさやだ

 

今使っているものはそれなりに使い込んでいるのかかなりボロボロになっているから新しいのにすべきだとこのプレゼントにした

 

アクア「なんでよおおおお!!」

 

そしてこの青髪へのプレゼントは

 

空箱だった

 

カズマ「いやあお前なんかにクリスマスプレゼントを渡すのはもったいないと思ったから何も入れなかっただけだ」

 

この後涙目になったアクアが掴みかかって来たので

アクアと乱闘になって今日はお開きになった

 

 

めぐみん「まさかの」

 

ダクネス「同じ考えをしていたという」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「たく、あの野郎。人の好意を無下にするようなことしやがって」

 

俺はイライラした気持ちのまま、部屋に入った 

 

カズマ「イライラするな、明日あいつの顔で絶対水切りしてや……うん?」

 

俺はベットに入り、布団の中に入ると、足元に何かがあった

 

カズマ「……何だこれ」

 

俺は足元にあったソレを取った

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水色と緑色の模様の手袋だった

 

カズマ「……」

 

俺のイライラはどこかに消えていって、変わりに笑みを浮かべた

 

こんな事をする奴なんてあいつしか居ない

 

カズマ「…明日の晩ご飯……あいつの好きなやつでも作ろうかな」

 

俺はそう考えながら

 

手袋を着けて

眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「全く!カズマったら、せっかく人がびっくりクリスマスプレゼントをしたのにこんな事するなんて!!」

 

私はカズマにやられたことを思い浮かべながらイライラして部屋に入った

 

アクア「明日絶対カズマに仕返ししてやるわ!!……後が怖いけど……けど絶対仕返ししてやる……わ…」

 

私はそう考えながら布団をめくった

 

そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高級のお酒があった

 

アクア「え、ええ!こ、これって」 

 

私は驚きながらも布団の中にあったお酒を取る

 

アクア「…これって…」

 

お酒には、小さいメッセージカードがついていた

 

そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メリークリスマス

          アクア

 

そう書いていた

 

 

アクア「……フフッ…」

 

私のイライラしていた気持ちはどこかに消えていって、笑みが浮かび、喜んでいた

 

こんな事する人なんて私

 

一人しか知らないわ

 

アクア「明日になったら……謝って…一番良い原石あげよう……うん…そうしよう」

 

そう思いながら私は

お酒を抱きしめながら

 

眠りについた



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この素晴らしい世界の終わりと始まりを!

アクア「ねえねえカズマさん」

カズマ「うん?なんだアクア」

アクア「あのね…なんで私…今膝に重しを乗せて動けなくしちゃってるの!!」

カズマ「……なあアクア…お前……先日までやってたこのすばキャラクター総選挙で無事一位取ってたな」

アクア「え、ええ…それがどうしたの」

カズマ「お前……自分の投票だけ✕50にしていたな。それで一位を取ったな」

アクア「カ、カズマさん…な、なんでカズマさんの右手に後数十話後の本編で手に入れる武器を持っているの!」

カズマ「これはあれだ。仮面ライダーの映画とかにある先行登場とかいうやつだ。それでアクア……最後に言い残す事は?」

アクア「不正はしていなあああああああああ!!!」









本編スタート


アクア「今年も今日で終わりね」

 

カズマ「そうだな」

 

王都で買い物を済ませ、テレポートで街に戻った帰り

 

俺達は雑談しながら屋敷に向かっている

 

アクア「それにしても、こんな寒い時に私を連れ出して荷物持ちさせるなんてカズマ、リーダーのすることじゃないと思うんですけど〜」

 

カズマ「年越しそば食べたいなんて言った奴に言われたくねえよ。そもそも俺が買い物しに行く理由を作ったのは、お前が原因だろうが」

 

アクア「だって、日本人と言ったら年越しそばを食べるものでしょ」

 

カズマ「お前は日本担当の女神であっても日本人ではないだろ」

 

こいつが今朝年越しそば食べたいなんてワガママ言うから王都まで材料調達しなきゃいけなくなったんだがわかっているのかこいつは

 

カズマ「とにかく、帰ったら年越しそば作るからお前も手伝えよ」

 

アクア「え〜、カズマさんが一人で作ってくれるんじゃないの〜?」

 

カズマ「俺としては手伝ってくれない方が助かるんだけどな、一人分作らないだけでも楽だからな」

 

アクア「ああ!手伝います!手伝いますから、私にも年越しそば作ってください!!」

 

そんなこんなで俺達は屋敷に帰った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「アクア、そこの包丁取ってくれ」

 

アクア「はい」

 

屋敷に帰った俺達は早速年越しそば作りを始めている

 

元々年越しそばどころかそばの作り方さえ知らないのに作れるようになったのは料理スキルのおかげだな

 

こういう所で偉大だと感じる

 

ちなみにダクネスとめぐみんは実家に昨日から帰っており、今日の夜までには帰ってくると言っていた

 

カズマ「こうして年越しそば作りをしていると、今年あったことが頭に鮮明に浮かんでくるな」

 

アクア「そうね、私もダシ汁作りしていると思い浮かべるわ」

 

そう俺達は作業をしながら今年あった事を思い浮かべた

 

(カズマ)魔王軍幹部と戦ったり、商品開発したり、国家転覆罪とか言われて裁判にかけられたり、あの豚領主にダクネス盗られて金ぶちまけたり、めぐみんが爆裂魔法で物を壊して謝罪に行ったり、アクアが問題起こしてそれの後始末したり、アクシズ教徒を再教育したり……

 

(アクア)借金たくさん作ったり、私が転生させた日本人が起動要塞作ってそれの処分をしたり、カズマに怒られたり、殺されかけたり、焼かれたり、カズマにアクシズ教を再教育させるか滅ぼされるか選べなんて脅されたり……

 

カズマ「……」

 

アクア「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「(あれ?ろくな思い出がない!?)」

アクア「(あれ?ろくな思い出がない!?)」

 

カズマ「(ほとんどが馬鹿共の後始末しかしていない!?)」

 

アクア「(ろくな事しか無かったけどほとんどがカズマにやられた事ばかり!?)」

 

カズマ「……」

 

アクア「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「よし!忘れよう。今年あった事は忘れて来年の事だけ考えよう!」

 

アクア「そ、そうね、そうしましょう!私もカズマさんにやられた事は忘れて来年の事だけ考えることにするわ!」

 

とにかく

来年の事だけを考えよう

 

俺達はそう心に決めたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズ・アク・めぐ・ダク「「「「いただきます!」」」」

 

年越しそばを作リ終えた俺とアクアは

実家から帰ってきたダクネスとめぐみんと一緒に年越しそばを食べ始めた

 

ダクネス「ん、この年越しそばと言う料理は美味いな」

 

めぐみん「ええ、さっきまで外にいましたから身体の芯まで暖まります」

 

カズマ「そうかそうか、それはよかった。アクアはどうか?」

 

アクア「うん。初めて食べたけど美味しいわ」

 

カズマ「え?お前食ったこと無かったのにあんなこと言ったのか?」

 

アクア「だって食べてみたかったんだもん」

 

こいつは……

まあいいか

めぐみん達も美味そうに食ってるんだしな

 

もしかしてこいつ

めぐみん達にも年越しそばの初体験させたかったんじゃ……

 

考え過ぎか

 

カズマ「こいつ食った後は酒を飲みながら今年が終わるのを待つだけだ」

 

めぐみん「カ、カズマ、私は……」

 

カズマ「ん、そうだな。いつもだったら駄目だが、今日だけ特別に飲んでいいぞ」

 

めぐみん「ほ、本当ですか!!」

 

カズマ「ただし、飲みすぎるなよ」

 

めぐみん「はい、分かってます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみん「ん、お酒はこれくらいにしますか」

 

カズマ「お、自分で適量を判断できる辺りアクアとは違うな」

 

アクア「ちょっとー、それどうゆうこと!」

 

ダクネス「アクアは普段、『このくらいで』って判断できなくて酔いつぶれているではないか。カズマはその事を言っているんだろう」

 

カズマ「そういうこと」

 

アクア「う…」

 

めぐみん「実は一つだけ、安心している事があるんですよ」

 

カズマ「ん?なんだそれ?」

 

めぐみん「ゆんゆん……いるじゃないですか。ゆんゆんは見てわかる通り、普段からボッチですから年末とかは実家に帰るしか無かったんですが…」  

 

カズマ「ああ、あいつ今はテイラー達のパーティに入ったから」

 

めぐみん「はい。ですから今年は年末ボッチにはならずにすんで安心してるんです」 

 

カズマ「お前は…普段あいつにやたら厳しいこと言ってる割にはあいつの事気にかけるんだな」

 

アクア「アレよカズマ、めぐみんって、たまにツンデレになるじゃない。それをゆんゆん相手にそう接しているのよ」

 

めぐみん「な!そ、そうじゃなくて…」

 

ダクネス「まあまあふたりとも、めぐみんの反応を楽しむな」

 

めぐみん「え?ダクネス、ふたりは私の反応を見て楽しもうとしてたんですか!?」

 

ダクネス「ああ、もっと言うと私も楽しもうとしていたんだが」

 

めぐみん「あなた達は!!」

 

カズ・アク・ダク「「「ハハハハハハ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「3.2.1」

 

アク・めぐ・ダク「「「ハッピーニューイヤー」」」

 

カズマ「いや〜これで新しい年を迎えることが出来たな」

 

めぐみん「はい。とりあえず今年の目標は」

 

カズマ「『目指せ爆裂魔法1000発!』とかか?」

 

めぐみん「……」

 

カズマ「分かりやすい奴」

 

ダクネス「わ、私の目標は(カズマ)『素手で一撃熊を引き裂くか』か、勝手に決めるな!!」

 

アクア「ちなみに私の目標は(カズマ)『却下で』なんでよおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……い……きろ………お………ア……ア

 

お…………おい……起きろ!アクア!!

 

アクア「ふぇ!?」

 

カズマ「やっと起きたか」

 

アクア「え?カ、カズマぁ〜?なんで私の部屋にいるの?はっ!も、もしかして!し、新年早々私の事お」

 

カズマ「おい、それ以上言うと屋根から落とすぞ。まだ寝ぼけてるのか」

 

アクア「え?屋…根?あ!!」

 

アクアは驚いたように辺りを見渡す

 

周りはまだ暗く少し肌寒い

 

そう

俺達は今屋敷の屋根の上にいる

 

アクア「え、ええ!?な、なんで私、屋根の上に…」 

 

カズマ「おい、お前寝る前俺に言ったこと忘れてないか?」

 

新年を迎えた後、俺達は直ぐに眠りについた

 

寝る前にアクアが

 

アクア「私ね、初日の出が見たいの。だからねカズマさん、私より先に起きたら私の部屋に来て私を起こしてくれない?」

 

そうお願いされたんだがこいつは全然起きないから止む終えず

 

屋根まで担いで登った

 

アクア「あ、そうだったわ。昨日寝る前だったからちゃんと記憶に残ってなかったのよ」

 

この鶏頭が

 

カズマ「はあ…全く」

 

アクア「ねえカズマ…出来ればだけどね…今年は去年みたいに過ごせないかなあ」

 

カズマ「去年みたいにって……お前またあの苦労を背負いたいのか?」

 

アクア「そ、そうじゃなくてね……去年は大変だったけど……それ以上に楽しい事も…嬉しい事もあったじゃない……そういうことがあるとね……あんなに苦労しても……全部乗り越えきれるって思っちゃうの……」

 

カズマ「乗り越えきれる……か」

 

確かにこいつの言うとおりかもしれないな

大変だが…乗り越えのは俺一人じゃない……アクアやめぐみん…ダクネスもいる

 

この先もこれからも……こいつらが一緒にいれば…乗り越えきれない困難はない……そう思いたい

 

アクア「あ、カズマカズマ!!」

 

アクアが俺を呼び前に指をさす

 

指した先には

太陽が……初日の出が登ってきている

 

この世界に来て初めて見る初日の出だ

 

アクア「カズマカズマ」

 

カズマ「うん?」

 

アクア「今年も面倒をかけると思うけど……よろしくね」

 

カズマ「……フッ…しょうがないな」




去年はありがとうございました。今年もよろしくお願いします!!


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蟹漁とアンデットホイホイ

アクア「ああ!来てる来てる!《アンデットホエール》が来てるわ!!カズマさんどうにかして!!」

 

カズマ「うるさい!こっちは取り巻きの《アンデットフィッシュ》の相手で忙しいんだよ!」

 

漁師「クソ!どうなってんだ!!海に出て、アンデットとは、何度か遭遇したことはあるが、こんな数で来ることなんて無かったぞ!!」

 

俺達の乗っている船の持ちである、漁師が話しながら船に突っ込んで来ようとしてるアンデットフィッシュの相手をしている

 

カズマ「ああクソ!!なんでこうなったんだあああああ!!」

 

俺は海に出るまでの事を思い返した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ああ〜、美味かった」

 

めぐみん「本当、美味しかったですね」

 

ダクネス「高い食材はあらかた食べた私だが、これは本当にいつ食べても美味いな」

 

アクア「流石は霜降り赤蟹ね。高級食材なだけあるわ」

 

俺達は晩ごはんに、以前ダクネスの実家から送られてきた霜降り赤蟹を食べていた

その旨さと言ったら、地球の蟹を上回るくらいに旨いな

 

カズマ「けど食い足りないな。まだ食いたかったなあ」

 

アクア「四人で食べるとそこまで食べられないからねえ」

 

めぐみん「私は実家が貧しくて食べれるだけで満足ですが……やっぱり食べ足りませんね」

 

ダクネス「まあ霜降り赤蟹じたいが高級食材で、市場にもあまり出てこないからな」

 

カズマ「うーん、けどまだ食べたいなあー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「と言う訳で蟹漁行くか」

 

アク・めぐ・ダク「「「行動力がすごい!!」」」

 

翌日、朝食を食べ終えた俺はアクア達の前で蟹漁宣言をした

 

ダクネス「まさか蟹が食べたいからと言って」

 

めぐみん「翌日に蟹漁に行こうと考えて動くとは」

 

アクア「蟹漁大変なのにね」

 

行動力がすごいって、単に海まで行って船に乗って蟹漁をするだけなのにそんなに大変か?

 

カズマ「じゃあ準備したら行くか」

 

ダクネス「あ、今日は実家に用事があるからすまないが私は行けない…」

 

めぐみん「私はゆんゆんと約束があるので…」

 

む、ふたりは予定があるのか

なら仕方ないな

なら後は

 

カズマ「アクア(アクア)「嫌よ」……まだ何も言ってねえよ」

 

ある程度予想はしていたがやはりか

 

アクア「言われなくても分かるわよ。私も行けっていうんでしょ?嫌に決まっているでしょ!だいたい蟹漁がどれだけめんど(カチャ)……え?」

 

俺は、話しているアクアを無視してアクアの両手を掴むと手錠を掛けた

 

アクア「え?ええ!?」

 

カズマ「悪いがお前に関しては拒否権はない。お前にはこのまま連行してもらう」

 

アクア「い、嫌よ!だいたい手錠なんてどこで仕入れて来たのよ!」

 

カズマ「んなもん裏に決まってんだろ?じゃあ行くか」

 

アクア「い、嫌あああ!めぐみん!ダクネス!助けてえええ!!」

 

めぐ・ダク「「グッドラック!アクア」」

 

アクア「見捨てられたああああああ!!」

 

こうして俺は喚くアクアを引きずりながら

蟹漁の出来る海に向かった

 

 

必ず霜降り赤蟹を食うために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と意気込んでいたは良いものの

 

カズマ「海にまでアンデットが出てくるなんて聞いてないぞ!」

 

海についた俺達はまず、蟹漁をする漁師の元にいき、手伝うかわりに蟹を分ける事を条件に船に乗せてもらったが

 

蟹が取れるポイントにつく頃には日は沈んでおり、そこから蟹漁を始めようとしたがそこに、海に生息するアンデット達に出食わし戦っている

 

カズマ「なんで海にアンデットがいるのか!?ふざけんな!」

 

アクア「カズマ、この世界では、死んだ生き物は時間が経つとアンデット化するの。あの水中アンデット達は海で死んで、すぐに他の生き物に食べられなかったからアンデット化してるのよ。昼間は日の光が届かない所まで潜っていて、夜になるとこうして出てくるわけ」

 

そういうことか

海も安全では無いわけか

だとしてもこの数は多すぎる

このままだと船が沈められてしまう

どうすれば

 

アクア「ああ!!私の周りだけ多すぎよおぉぉぉぉ!!」

 

……そういえばこいつはアンデットが寄ってくる体質だったの忘れてた

これは……連れてくる人選間違えたか

というか原因はこいつか!

 

アクア「も、もう怒ったわ!!覚悟なさい!」

 

おお、アクアのやつ浄化魔法を使う気だな

というか、初めからさっさと出せ

 

アクア「『セイクリッド・クリエイトウォーター』!」

 

カズマ「そっちかよふざけんなあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「と言う事があって蟹、取れませんでした」

 

めぐ・ダク「「災難(だったな)でしたね」」

 

アクアの起こした水が津波に変わって、水中アンデットはどうにかできたものの船が沈みかけた

 

カズマ「ただ」

 

めぐ・ダク「「?」」

 

カズマ「こんな物が採れた」

 

俺は屋敷まで引いてきたリヤカーの上に被せてあるものを取って、ふたりに見せる

 

めぐみん「え!?」

 

ダクネス「カ、カズマ!こ、これって、ま、まさか!」

 

カズマ「そのまさかだよ」

 

リヤカーの中には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でかいマグロが2匹置いてある

 

カズマ「こいつは『ブラックジュエルマグロ』だ」  

 

ダクネス「ブラックジュエルマグロだと!?海で採れる食材の中では最高クラスの食材で王族ですら、滅多にお目にかかれないと言われている最高級の食材を採ったのか!?」

 

めぐみん「べ、別名『海の黒い宝玉』とも言われていて、わずか1キロでも数百万はすると言われている物を2匹も!?」

 

カズマ「いや、正確には3匹だ」

 

そもそも俺がマグロを採れたのはアクアが起こした津波のおかげだ

 

たまたま近くを通っていたマグロの群れが、アクアの津波に巻き込まれて、その波が船にぶつかった際に船の中に入ってきた

 

俺は船に乗せてくれた漁師に迷惑料としてマグロを1匹あげた

漁師はものすごく喜んで、また乗せてくれるそうだ

 

ダクネス「だが、これだけの量、私達だけではとても食べ切れないんじゃ」

 

カズマ「ああ、分かってる。だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「こいつらをさばいて料理を作ったら、ギルドでこれを食いながら宴会しようか。アクアには先にギルドに行って、宴会会場を設けに行かせた」

 

ダクネス「……ずいぶんと贅沢な宴会になりそうだな」

 

めぐみん「ええ……まあ…私達が採ったわけでは無いので何も言いませんが」

 

カズマ「さて、さっさとさばくか」

 

その後俺は、宴会で出す用の料理を大量に作って、ギルドに持って行って、大いに騒ぎながら飲み食いしまくった

 

カズマ「(それにしても、二度とアクアとは海に行きたくねえな)」

 

その日出したマグロの料理でアクセルの冒険者達からの評価が大きく上がった

 

後日、あのマグロが1匹数億エリスで取引できた事を知り、ショックを受けるのだった



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4年に1度の幻の日!!ボッチの誕生日!!

カズマ・アクア・めぐみん・ダクネス・クリス・ウィズ・バニル・ダスト・キース・リーン・テイラー「「「「「「「「「「「誕生日おめでとう!!!」」」」」」」」」」」

 

ゆんゆん「……ふぇ?…」

 

ある日の夕方

ゆんゆんに俺達パーティの住んでる屋敷に食事に来るように言った

ゆんゆんは誘われた事自体に驚き、何度も誘い間違いじゃないですよねと聞いてきた

その言動から察するに、誰かとまともに食事を一緒に食べる事がなかったんだなあと思わず泣きそうになった

 

そしてゆんゆんが屋敷に来る当日

ゆんゆんが屋敷の扉を開いた先にいたのは、この屋敷の住人でいる俺達のパーティといつも街で世話になっているクリスとウィズとバニルに、自分の所属パーティであるテイラー達がいた

 

俺達がゆんゆんに誕生日おめでとうと言った通り、今日はゆんゆんの誕生日だ

 

ゆんゆんの誕生日はめぐみんから教えてもらった

その誕生日の日を聞いた時は俺達は思わず可愛そうだと思った

なぜならゆんゆんの誕生日の日は

俺がいた地球で言う所の2月29日

そう、4年に一度のうるう年にだけある2月の29番目の日に当たるのだという

つまりゆんゆんだけは今まで生きてきて誕生日を今日を含めて4回しか迎えてないという

 

そのくせ歳だけは増えていくからなんだか納得行かないと感じる

 

ゆんゆん「……え……えっ…と……皆さん………き、今日は嘘をついてもいい日でしたっけ?…」

 

カズマ「いやエイプリルフールはまだ先だろ!お前好魔族の中ではめぐみんの次に賢いのに自分の誕生日を忘れてしまったのかよ」

 

多分忘れてないだろうが、今までまともに祝われた事がないから疑ったんだろうな

どんだけこいつはボッチこじらせてるんだ

 

ゆんゆん「う…うぅぁ……うぅっ……」

 

突然ゆんゆんが泣き出した

 

ダスト「おい、どうしたゆんゆん」

 

と、テイラーパーティの中で一番ゆんゆんに絡んでいて俺の中ではこのふたりはお似合いのカップルになるなと日々思わせるダストがゆんゆんに近づいて声をかける

 

ゆんゆん「ダ…ダストさん………ヒック…今まで…家族以外に誕生日を祝われた事が無かった私が…こんな大勢に祝われるなんて……こんなに嬉しい事は……ありませんよ……ふぐっ…私……明日には死んでしまうんでしょうか…もし明日…本当に死ぬ事に…なって地獄に堕ちた…としても…後悔はありません…」

 

めぐみん「縁起の悪い事言わないで下さいよ!!これだからボッチは…」

 

ゆんゆん「め…めぐみんこそ…こんな日にホッチとか言わないでよ!」

 

ゆんゆんには悪いが俺もめぐみんと同じ気持ちだ

 

というか誕生日祝われただけでここまでという事は、プロポーズとかされればショック死不可避だろ

 

クリス「落ち着いてゆんゆん、心配せずともゆんゆんは死なないし死んだとしてもエリス様がきちんと天国に連れてってくれるからね」

 

バニル「フン、天国などとインチキ臭い場所にボッチ娘を連れて行かせるものか……よいか、死んだら地獄に来るのが吉、汝は我輩の友だから特別待遇してやるから是非来るがいい」

 

クリス「あのね、本当は悪魔の君はこんな所に来て欲しくないしできれば滅して欲しいんだけど今日は友達の誕生日の手前、見逃してあげてることを理解してくれると助かるんだけど(イラ)」

 

バニル「おやおや胸のサイズを誤魔化しているインチキ女神を信仰している男と思われてる盗賊娘よ、汝がどれだけの強者だろうと我輩を滅ぼすことはインチキ女神の胸が成長するより困難である事を理解するおっと、無言でダガーで斬りかかってくるとはこれだから狂犬女神共を崇める教徒共は野蛮で嫌なのだ」

 

クリス「ねえ、今日ここで君の命日にしてあげてもいいんだよ?君さえ良ければだけど」

 

めぐみん「ふたりとも!ここで喧嘩はしないで下さい!喧嘩するにしてもせめて今日ではなく明日にして下さい!」

 

めぐみんの言葉にふたりは向かい合うと

 

バニル「……爆裂娘に救われたな」

 

クリス「それはこっちのセリフだよ」

 

お互い睨み合っているもののそれ以上の干渉は無かった

 

カズマ「あー、とにかく今日はゆんゆんの誕生日だ、酒も料理もたくさんある!ジャンジャン飲んで食って騒げ!」

 

こうしてゆんゆんの誕生日が無事始めることができた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆんゆん「はあ〜」

 

私は今カズマさん達が住んでいる屋敷の庭に出ている

 

料理もたくさん食べて、今日は特別にお酒も飲んで少し気分が高揚していた

 

少し風に当たりたくて外に出てきたのだけど

 

ゆんゆん「はあ〜あ、こんなにも楽しい日なのに4年に1度だけなんて……」

 

私は自分の誕生日が嫌いだった

祝われる回数が少ない事もそうだが何より、家族以外の人に祝われる事がなかったから

 

ダスト「ここにいたのか」

 

と、後ろからダストさんの声が聞こえた

ふと振り返るとある事に気がついた

 

ゆんゆん「……ダストさん…あまりお酒飲んでないんですね」

 

いつもは酒を飲んで顔を赤くしているが今日は珍しく顔が赤くなってない

 

そういえば今日はお酒をチビチビと飲んでいた事を思い出した

 

ダスト「あーその、アレだ、酔いすぎて渡すもん渡すの忘れちまわない様にしてただけだ」

 

ゆんゆん「え?」

 

そう言ってダストさんはポケットからなにかを取り出した

 

ダスト「えっと……俺、女にプレゼントとか渡した事なかったから何が良いのか分からなかったが俺なりに考えたんだ…」

 

ダストさんの手には小さな包み紙に何かが巻かれていた

 

ゆんゆん「えっと、開けていいですか」

 

ダスト「あ、ああ」

 

私は包み紙を剥がして中を見た

 

中身は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かの動物の爪でできたネックレスだった

 

ゆんゆん「あの、これって」

 

ダスト「女に贈るものではないとは思うが、これはドラゴンの爪で作ったネックレスだ」

 

ゆんゆん「ええ!!」

 

私は驚いた

それはそうだ

ドラゴンは全ての部位という部位が様々なものに使われなおかつ高い素材だ

それを万年金欠のダストさんがわたしに!?

 

ゆんゆん「ダストさん………今ならまだ間に合います

……自首してください…」

 

ダスト「いや盗んでねえよ!お前もひでえな!」

 

私の言葉を聞いてダストさんが怒鳴り声を上げて私に言ってきた

 

ダスト「ちゃんと自分の金で買ったから安心しろ!」

 

ゆんゆん「あの…本当にこれ…盗難品では無いですのね」

 

ダスト「お前もしつこいな!ちげえって言ってんだろ!いつもはともかく仲間の誕生日に盗難品をプレゼントするほど落ちぶれてねえよ!」

 

ゆんゆん「今『いつも』は、っていいませんでしたか?」

 

ダスト「言ってねえよ」

 

言ったと思いますがそう言う事にしてあげますよ

それにしても

ネックレスを眺めていた私は笑みを浮かべた

 

ダスト「なんだ?俺が真面目にプレゼント渡したことがそんなにおかしいのか?」

 

ゆんゆん「い、いいえ、そんなんじゃないです。ただ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆんゆん「私の為に、普段は不真面目のダストさんが真面目にプレゼントしてくれた事が嬉しくてつい……」

 

とそんなこと言ってすぐに恥ずかしい事を言っていると気づき顔を赤くしてしまった

 

私はチラッとダストさんの顔を見て驚いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのダストさんが顔を赤くしてこちらと目を合わせないようにしている

 

照れてるのね

 

ダスト「そ、そうか、プレゼントは気に入ったのか…なら早く屋敷に戻って思いっきり酒飲んでこねえとな」

 

ゆんゆん「あ、待って下さいダストさん!お顔をもっと見せて下さい」

 

ダスト「だあー!うるせえ!とにかく飲みまくってやる!忘れるくらいにな!」

 

ゆんゆん「あ!待って下さい」

 

私は逃げるように屋敷に歩き出したダストさんを追いかけた

 

そしてこの時私の心は、いつもとは違うドキドキ感を感じていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方2階のベランダから二人の様子を覗いていたカズマとアクアは

 

カズマ・アクア「「あのふたり、絶対くっつけさせよう(使命感)」」



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この皆に愛されし主人公に祝福を!

今日は最強最弱冒険者カズマの誕生日だ!!

祝え!!


〘ある日の夜〙

 

アクア「カズマカズマ」

 

カズマ「ああ?何だ?」

 

アクア「明日暇?」

 

カズマ「暇っちゃあ暇だがどうした急に?」

 

アクア「うん、あのね…明日私とデートしよ?」

 

カズマ「……はあ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「…眠れねえぇぇ…」

 

突然昨日アクアからデートの誘いが来てなんやかんやあって結局承諾してしまった

 

人生初のデートのお誘い

だが相手はあのアクアだ

 

これまで女性と見た事はない奴からだ

 

なのに昨夜は全然眠れなかった

相手がアレでも初デートって事で脳内がパニクっていたから眠れなかった

 

しかもこのデートのまちあわせ時間も変わっていた

 

朝6時に屋敷の外でって、普段寝坊ばっかしてるあいつが起きそうにない時間帯だ

 

まああいつが6時に来るように言ったからには6時に屋敷の外に居なきゃいけない

約束の時間までまだ30分あるが全く眠れなかったから約束の時間30分前だが外で待っとこうと思い外に出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「……で?何でお前までいんのかアクア?」

 

アクア「……ふぁー、昨日私全然眠れなかったから3時間位前から外で待つことにしたのよ」

 

………お前もかよ

しかも俺より前に来てんじゃん

 

まさかこいつもこいつでデートに行くので脳内がパニクっていたのか?

 

カズマ「…なあ、無理せずまた今度ってことにしないか?」

 

アクア「駄目よ!どうしても今日デートじゃないと駄目なのよ!」

 

本当どうしたんだこいつ

 

眠そうにしてるのにデートを優先するとかこいつ本当にアクアか?あの怠惰で勤勉のきの字もないこいつからは想像もつかないな

 

カズマ「はあ…」

 

アクア「何よ、ため息なんてついて」

 

カズマ「いや、俺にとっては人生初のデートなんだが、その相手がお前だということにな」

 

アクア「はあ!?何文句言ってんのよ!私だって初デートなのに相手がアンタって事に色々言いたい事があるのに我慢してんだから文句言うんじゃないわよ!」

 

カズマ「言ってんじゃねえか!やっぱやめるか」

 

アクア「駄目よ!これは決定事項よちなみにどこに行くかは私がもう決めたから」

 

カズマ「初デートでアクアにリードされんのかよ」

 

アクア「とにかく行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「さあ着いたわカズマ!早速デートに」

 

カズマ「帰らせて頂きます!!」カズマは逃げ出した

 

アクア「待ちなさい!」だが回り込まれた

 

俺はアクアに連れられてテレポート屋に来た

 

行き先は秘密と言われたが、この時点で俺は嫌な予感がしたが、アクアが強引に連れて行こうとしてそれについのってしまった

 

だがその行き先は

 

 

カズマ「何で初デート先がアルカンレティアなんだよ!!俺への嫌がらせか!?それともこの間俺が言ってた通りアクシズ教徒を滅ぼしても言いのか!?」

 

アクア「良くないに決まってんじゃないの!それと安心して、今日だけアルカンレティア全体にいるアクシズ教徒全域に渡って勧誘活動と問題を起こす事は絶対に禁止にしてるから、それとアルカンレティアにいるアクシズ教徒は今日だけカズマの言う事に従う事になってるから…」

    

へえ〜、()()だけ………

 

ああ、そういう事ね

なら乗ってやるか

 

 

 

カズマ「……分かった、ただし…一度でも問題を起こしたりしたら速攻でアクセルに帰るからな」

 

俺はそう念押ししてアクアと一緒にアルカンレティアをまわった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「どうカズマ、アルカンレティアをあちこち見て回った感想は?」

 

カズマ「……正直普段からこうだったらなあって思った。一応この世界をあちこちの街を見て回った中でアルカンレティアは特に綺麗な所だとは思っていたがお前の教徒のせいで色々台無しになってたからな」

 

アクアと共にアルカンレティアを回るデートをしてかれこれ数時間が経ったまだまだ回ってないところはあるが

それなりに楽しんだ

 

そして驚くぐらいにアルカンレティア中にいるアクシズ教徒達は全く勧誘活動や問題を起こしてない

 

普段からこれなら信者も少しは増えるだろうに

 

カズマ「っと、そろそろ腹が減ってきたな」

 

アクア「だったらあそこのカフェで昼食にしましょ。私奢るから」

 

カズマ「いや待て、普通逆じゃねえか。というか今日やたらお前にリードひかれてんだが…」

 

アクア「いいから、早く行きましょうよ」

 

やれやれ

俺の初デートは、女子にリードひかれんのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「う〜ん、美味しかったわねさっきのカフェで食べたクラブサンドは」

 

カズマ「確かに美味かったが……なんか俺のだけ多くなかったか?」

 

アクア「サービスでしょ…それよりカズマ、だいぶ汗かいたんじゃないかしら」

 

カズマ「ああ…あれだけ歩き回ればな」

 

アクア「だったら、あそこの温泉に入って汗流しましょうよ」

 

カズマ「そうするか」

 

確かあの温泉でハンスとあのお姉さんが話ていた混浴があるんだったよなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ふぅ〜、いい湯だなあ」

 

アクア「そうね〜、でも私が入ったらただの湯になるのよね…」

 

カズマ「出ろやバーカ」

 

俺とアクアはアルカンレティアにある温泉に入っている

 

そして俺の隣でアクアも入っている

 

異性同士で入っていると言う事はここは混浴だということが分かる

 

なぜ俺とアクアが混浴に入っているのかは至って単純な理由だ

 

女湯も男湯も、どちらも立ち入り禁止になっている

 

残ったのは混浴だけなんだが入り口に『本日のみサトウカズマ様とアクア様専用』と書かれた立て札があった

 

色々ツッコミたいとこだったが、温泉に入りたい気持ちが優先してしまって俺達は入った

 

当然アクアはタオルを巻いていて俺の正面には立たないようにしている

 

あとさっきアクアが背中洗うとか言って背中を洗ってもらった

 

……今日のアクアはリードを引くだけでなく尽くしてくるな

 

アクア「カズマ…はい」

 

アクアはどこからか酒と酒用の木の器を二つ持っていた

 

そのうちの一つを俺に渡してた

 

カズマ「ありがとよ……温泉に入って酒飲むの、一度やってみたかったんだよなあ」

 

アクア「フフッ分かるわ。私も天界の上から日本を見ていた時何度もやってみたいって思っていたんだもん」

 

カズマ「日本で思い出したんだが…アクア、お前って『三保の松原』って知ってるか?」

 

アクア「ああ……知ってるけどそれがどうかしたの?」

 

カズマ「いやな、ガキの頃親から聞かされて、日本にいた時は迷信だと思ったが、お前に会って実話だったんじゃねえかって思うようになったからさ」

 

アクア「あれは実話よ………だってその天女って私だもの」

 

カズマ「はあ?」

 

アクア「ええっと、あれは確か……いつもみたく天界から下界の日本を見ていた時なんだけどね、その時羽衣落としちゃって急いで降りて取ろうとしたら丁度その時、地上の漁師に取られちゃって返してくれないか言ったら天上の舞を見せたら返すって言ったから、ダンスを見せたわ。そしたら返してくれておかげで帰れたわ。一応無くても帰れはするけど女神の証である羽衣を地上に落として無くしたら色々まずいことになるから助かったわけ。あとそれから時々羽衣を地上にわざと落として拾いに行くふりして地上を堪能したわ。ただいつの間にか伝説になっちゃったけど」

 

カズマ「……知りたくなかったその事実。ちなみにその時の格好は」

 

アクア「今と一緒よ?」

 

俺が聞いた伝説に伝わる格好も見た目も、長い時をえて随分変わったな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄の悪い冒険者「オラオラ!どうしたお前ら!今日はいつもみたいな狂気的な宗教活動しないんだな!!」

 

柄の悪い冒険者2「日頃の恨みをここで晴らしてやんぜ!」

 

温泉から出た俺達が見たのは

柄の悪そうな冒険者2名が周りでおとなしくしているアクシズ教徒達に威張り散らし、暴言を吐いている

 

更に

 

柄の悪い冒険者「オラ!これは俺達に散々しつこく勧誘活動してきた罰だ!」

 

そう言って一軒の店の前にある野菜の入ったカゴを蹴り飛ばす

 

あいつらも色々ここのアクシズ教徒達にやられた鬱憤が溜まってんだろうが、やりすぎないか少し不安になる

 

そしてそういう輩に対しても周りのアクシズ教徒達は決して騒がずにいる

 

それに調子乗ったのか

 

柄の悪い冒険者2「オラ!散々そのエロい体を見せつけてきながら勧誘活動してきたそこの姉ちゃんも今日は無抵抗なんだな!」

 

その冒険者は近くにいるプロポーションのいいアクシズ教徒の女性の尻を揉んだ

 

これは止めたほうがいいか

 

アクシズ教徒の少女「止めて!お姉ちゃんに触らないで!」

 

そこに、いつかダクネスに入信書をビリビリにされたアクシズ教徒の少女が止めに入った

というか姉妹なんだな

 

柄の悪い冒険者「あッ?邪魔すんじゃねえよこのクソガキが!」

 

そう言って柄の悪い冒険者はなんと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクシズ教徒の少女「アアッ!」

 

その少女を蹴り飛ばした

 

カズマ「!」

 

俺は気がついたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄の悪い冒険者「グハァァッ!!」

 

少女を蹴り飛ばした冒険者を殴り飛ばしていた

 

柄の悪い冒険者2「て、てめぇ!何しやがる!」

 

カズマ「……何しやがる…か……それはこっちのセリフだ。……まだ十にも満たない子供を蹴り飛ばすとは……お前らこそなんだ?」

 

口調こそ穏やかでも

 

俺の内心は物凄く怒っていた

 

柄の悪い冒険者2「だ、黙れ!日頃から散々目障りな事ばっかしてくるこいつらに仕返ししてやる絶好のチャンスだったからそうしただけだ。そこのガキはそれの邪魔をしてきたから蹴ったまでだ」

 

カズマ「黙れ…どんな理由が有ろうと、ガキに暴力を振るやつは絶対許さん」

 

柄の悪い冒険者「う、うるせえ!俺達の邪魔すんじゃねえ!」

 

カズマ「……一度だけチャンスをやる。その子に謝れ。そしてさっさとこの街から出てけ」

 

柄の悪い冒険者「黙れ!誰か謝るか!こうなったら俺らふたりでお前をボコボコにしてya」

 

カズマ「そうか…残念だ」

 

俺はすぅーと息を吸い込み

 

カズマ「アルカンレティアにいるアクシズ教徒達!こいつらを捕らえろ!!」

 

大声でそう言った

 

すると周りからぞろぞろとアクシズ教徒達が出て来て冒険者2名を捕らえた

 

柄の悪い冒険者「な!何しやがる!!離しやがれ!!」

 

カズマ「……こいつらを教会に連れて行ってアクシズ教徒になるように調……洗礼をやれ、俺が許す」

 

そう言うとアクシズ教徒達は2名の冒険者を連れてアクシズ教の教会に連行して行った

 

柄の悪い冒険者「ま、待ってくれた、頼む!!助けてくれ!」

 

柄の悪い冒険者2「お、俺達が悪かった!!だから止めてくれ!!」

 

カズマ「……だから一度だけチャンスをやるって言ったのにな…」

 

結局ふたりは連行された

 

カズマ「アクア…その子の怪我は?」

 

アクア「大丈夫よ…怪我は大したことないし、回復魔法掛けといたから」

 

そう言ってアクアは少女を立たせた

 

プロポーションの良いアクシズ教徒「あ、あの…」

 

さっきあの柄の悪い冒険者に尻を揉まれたアクシズ教徒が来て

 

プロポーションの良いアクシズ教徒「さっきは…私と妹を助けて頂いて、ありがとうございました!」

 

アクシズ教徒の少女「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう」

 

礼を言われた俺達は礼はいいといってその場を去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「……」

 

カズマ「……」

 

結局あの後何事もなくデートを続けた俺達は

アクセルに帰ってきた

 

たださっきからアクアが黙りこくっていた

どうしたんだ

 

アクア「ごめんね」

 

カズマ「あん?」

 

突然アクアに謝われた

 

アクア「……せっかくの初デートに…あんな面倒なことに巻き込んじゃって…」

 

カズマ「別に…お前が謝ることじゃねえだろ?」

 

アクア「ううん……私がデート先をアルカンレティアにしたから、あんな面倒なことにカズマが巻き込んじゃったから…」

 

どうやらさっきの事を気にしていたようだ

 

アクア「……今日だけはカズマには…面倒事には巻き込まれないようにしたかったのに失敗しちゃった…」

 

結構落ち込んでんな

 

気にしてない…そう言おうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「カズマの初デート……楽しくしたかったのに…失敗しちゃった……やっぱり…私が相手じゃなかったら…」

 

カズマ「……」

 

俺は無言でアクアの頭を軽く小突く

 

アクア「ッ!」

 

カズマ「自分からデート誘っちゃって、何言っちゃてんの………失敗なんかじゃない………少なくとも俺は楽しかった……初デートの相手がお前だって思った時は気分が萎えたけど…デートしてみたら思いのほか楽しかった

……だから……初デートの相手がアクア……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「お前だっていうのも……案外悪くなかったよ」

 

俺は笑みを浮かべてそう言った

 

アクア「!」

 

アクアは驚いた様子だったがやがて…アクアも笑みを浮かべた

 

カズマ「それはそうと……俺を今日デートに誘ったのは………今日が俺の誕生日だから……準備の間…外に連れ出すためのものだろ?後、デートの最中色々俺に尽くしてきたのも、誕生日だからだろ?」

 

アクア「やっぱりバレちゃってたか……ええそうよ。でもね……最初はそのためだったけどね……私も楽しんじゃってたわ!」

 

アクアが笑顔でそう言ってきた

 

カズマ「……なあアクア……」

 

アクア「なあに?」

 

カズマ「今日のデート…本当に楽しかった……けど今日はずっとお前にリードをひかれてたからどこか満足してねえんだよ。だからさ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「またデートする時は、俺がリードをひくからな」

 

そう俺が言うとアクアは…キョトンとした顔から急に笑いだした

 

アクア「アッハハハハ何それ!デートのお誘いのつもりハッハハハハハハ!!」

 

ひとしきり笑った後

 

アクア「でもそうね……色々奢るならまたデートしてあげるわ!」

 

そういった

 

カズマ「へいへい」

 

いつの間にか俺達は屋敷の前に来ていた

 

アクア「あっ!そうだこれ!はい」

 

そう言ってアクアが俺に布に包んだものを渡してきた

 

俺はその布をめくってみた

 

中には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水色と緑色の星の形をしたお守りが入っていた

 

アクア「カズマが私の誕生日の時……手作りのプレゼントを渡してきたから私も手作りのプレゼントを渡すことにしたの……どう?」

 

俺は笑みを浮かべると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ありがとう……相棒」

 

そう言って大事に懐にしまった

 

そして屋敷の中に入った瞬間

 

めぐ・ダク・ウィ・ダス・リー・キー・テイ・ゆん・クリ「「「「「「「「カズマ(さん)(君)!誕生日おめでとう!!」」」」」」」」

 

中で待機していた俺の仲間達が祝いの言葉を投げてくる

 

アクア「ああ…私も言い忘れてたわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「誕生日おめでとう…カズマ…」

 

カズマ「ああ…ありがとう…皆…アクア」




次回【このふたりの男女に祝福を!】
第51話 主人公が行くところではいつも事件が起こる


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この素晴らしい駄女神様に誕生会を!〘リメイク版〙

はい。今年もやって来ました。

みんなの駄女神様の誕生日!

これは、去年に短編で投稿した
【この素晴らしい駄女神に誕生日会を!】をリメイクしたものです。

本当は全く違う話にしたかったです。

そして最後に

駄女神様 誕生日おめでとうございます!!


カズマ「はいめぐみん、ダクネス集合」

 

夕飯にはまだ早い時間帯

アクアが出掛けたのを見計らい

 

めぐみんとダクネスを居間に集めた

 

カズマ「集まったな?……集めたのは他でもない。もうすぐアクアの奴の誕生日が……それでその話し合いをしようって思ってな」

 

めぐみん「え?もうすぐアクアの誕生日なんですか?」

 

ダクネス「アクアは言わなかったから知らなかったな」

 

カズマ「それでな、誕生日に出す料理やプレゼントをどうするか、お前らの意見を聞きたい…」

 

めぐみん「料理ですか……アクアはジャイアントトードの唐揚げが好物でしたね……それと、私が作ったザリガニ料理もたくさん食べてましたね」

 

ダクネス「それと霜降り赤ガニに………後カズマの作ったチャーハンも好物だったな」

 

カズマ「あいつよく食べるからな……それと酒……誕生日だから特別に高いシュワシュワでも用意するかな……」

 

めぐみん「あの……特別な日ですから私も飲んで」

 

カズマ「駄目」

 

めぐみん「ですよね…」

 

カズマ「と言いたい所だが……呑まれない程度なら許してやる」

 

めぐみん「ほ、本当ですか!やったです!」

 

ダクネス「それで…誕生会には誰を呼ぶか……私はクリスを誘おうかと思う」

 

めぐみん「なら私はゆんゆんを……あの子、友達の誕生日会に呼ばれる機会が片手で数えられるくらいでしたから必ず来ますよ…」

 

カズマ「俺はゆんゆんを誘うならダスト達も一緒だな、それにウィズとバニルは……喧嘩になるだろうからウィズだけにしようか」

 

話し合いは実に順調に進んだ

 

あんまり時間掛けてたらあいつが帰ってきちまうから急ごう

 

カズマ「後はプレゼントか……」

 

ダクネス「プレゼント……アクアが喜びそうな物と言ったら」

 

めぐみん「お酒…」

 

ダクネス「変わった石」

 

めぐみん「宴会芸の小道具」

 

……改めて思うが、酒はともかく他の2つにも喜びそうなアイツっていったい

 

ダクネス「……なんというか……アクアが喜びそうな物はどれも女らしくないな」

 

めぐみん「アクアですしね…」

 

その納得の仕方は酷えな

この場にいないアクアを不憫に思う

 

カズマ「お前らさ……なんか勘違いしてねえか?」

 

めぐみん「勘違い…ですか?」

 

カズマ「ああ……時にお前らはさ……貰うプレゼントに希望とかあるか?」

 

めぐみん「そうですね……私は爆裂魔法をより大きく、より強く撃てる様になりたいですから、爆発系統の魔法の威力をあげる杖……いえそれよりもダイナマイトや爆発系のポーションでも……ああ!でも爆裂魔法を何度も撃てるようマナタイトというのも捨てがたいですね…」

 

ダクネス「わ、私は……可愛い縫いぐる…いや何でもない……もっとモンスターの攻撃をうけても耐えられるような頑丈の鎧を……頑丈ということは、攻撃をいくら受けても平気というから攻撃を受ける大義名分が……ハァ…ハァ…」

 

カズマ「オーケー分かった、お前らにプレゼントの希望を聞いた俺がバカだったわ…」

 

お前らの喜ぶ物だって、ダクネスの言いかけたヌイグルミ以外は女子らしさのかけらもねえな

 

途中から性癖出してる奴も居るしな(それは無論ダクネス)

 

カズマ「それじゃあ逆に……それ以外のプレゼントを貰っても嬉しくないのか?」

 

めぐみん「いえ、そういう訳では……ただ気持ちのこもった物を貰うのは嬉しい……あ!」

 

ダクネス「余程困ったものでは無ければ……あ!」

 

どうやらふたりとも気づいたみたいだな

 

カズマ「そ……大事なのはあげる側がもらう側に何を贈ろうが、気持ちをこもった物あげること……そもそもプレゼントって言うのは、有形無形に関係なしに、相手に気持ちを贈る物のことを言うんだ」

 

て、日本にいた時に読んでた本に書いてあった事をそのまま言った

 

めぐみん「そうですか……それなら当日までに決めておきます」

 

ダクネス「ああ、私もそうする」

 

じゃあこれで終わりか

そう思っていると

 

アクア「ただまー」

 

まるで狙っていたかの様に、女の子らしさの無い認定されてる奴が帰ってきた

 

カズマ「おかえり、今から丁度晩飯の用意をしようと思った所だ」

 

アクア「あ、それなら今日鍋にしようよね……またエリス教徒に嫌がらせをしていたアクシズ教徒を止めていたらお礼に鍋に使えるお野菜貰ってきちゃったわ」

 

マジでなにしてんの

 

お前の信者は……だから人類と魔王軍の第二の敵なんて言われんだよ

 

カズマ「……そのうち滅ぼそうかな…」

 

アクア「それはやめて頂戴…」

 

まあアクシズ教徒が一人も居なくなれば、信仰心が力の元になっている神……この場合はアクアの力が弱体化するし、最悪この世界から存在が消えてしまうかもしれないからな

 

カズマ「……」

 

俺はアクアの顔をじっと見た

 

もうすこしで……

 

アクア「うーん?どうしたの、私の顔なんて見て」

 

カズマ「いや、ダクネスとめぐみんの言うとおり女らしくないのかなあって思ってな」

 

アクア「なんですって!めぐみん!ダクネス!そんなこと言ったの!?」

 

めぐみん「ご、誤解ですよアクア!」

 

ダクネス「そうだ!私達はただ、アクアの好きそうなものが皆女らしくないと言っただけで…」

 

アクア「それ言ってるようなものじゃない!」

 

めぐみん「ちょっとカズマ!余計な事を言わないでくださいって、耳ふさいで台所に逃げないで下さい!ちょっ!カズマ!カズマあああああああああああ……!」

 

俺は耳を塞ぎながら今晩の晩飯を作ろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【数日後】

 

 

アクア「……ふぇ……ここは…」

 

私は気がついたら、自分の部屋にいた

 

窓を見ると外はもう夜だった

 

えっと……たしか…

 

カズマが部屋に呼んで、寝ろとか言ってきて

私が アクア『カ、カズマ!あ、あんた!私が眠かせて人には言えないことをするつもりね!エロ同人みたいに!』

 

て言ったらカズマが恐ろしく早い手刀をしてそこで……

 

アクア「!」

 

私は驚いて体中を触った…幸いなにかされた形跡がなかった事に安心した

 

アクア「何よカズマめ!…必ず仕返ししてやるから覚悟なさい!」

 

そう言って私は部屋を出て1階に降りた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズ・めぐ・ダク「「「おめでとう(ございます)!!!」」」パーンパーン(クラッカー音)

クリ・ウィ「「おめでとう(ございます)!!」」

ダス・キー・テイ・リー・ゆん「「「「「おめでとう(ございます)!!!!!」」」」」

 

ふぇ…?

 

あれ…今日って何かの記念日だったかしら…

 

1階に降りたらカズマ達が私におめでとうと言ってきた

 

あるとすれば今日は…

 

めぐみん「アクア、お誕生日おめでとうございます」

 

アクア「へ?」

 

誕生日…私の?

 

ダクネス「カズマから聞いたぞ。今日が誕生日だったんだな。何だ、全然言わないからカズマが言うまでアクアには誕生日がないかと思ったぞ」

 

キース「まあ俺達はカズマに誘われて来たわけだが」

 

 

ダスト「ちゃんと祝うぞ」

 

リーン「後日頃のお礼も兼ねてね」

 

テイラー「今日は呼んでありがとな」

 

ウィズ「アクア様、おめでとうございます」

 

アクア「えっと……」ポリポリ(頬をかく)

 

クリス「ちょっとゆんゆん、そう固くならないでよ」

 

ゆんゆん「だ、だって、……、お、お友達の誕生日会に、……よ……、呼ばれるだけじゃなく……こ、…こうして、参加も……で……、できる……なんて……」

 

めぐみん「ゆんゆん、ボッチが出てますよ」

 

 

 

………

 

 

 

こういう時どうすればいいか私分かるわ

 

 

 

アクア「もう!とにかく楽しんじゃえ!!」

 

 

 

そう言って私はお酒の入ったグラスを持った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うんうん、楽しんでるみたいだな

 

アクア「ん、美味しい。出されてる料理皆好物の物ばかりで幸せ♡」

 

カズマ「お前…分かっていたが、よく食うな」

 

ウィズ「あ、あのアクア様」

 

アクア「ふご?」

 

料理を食べていたアクアにウィズが近づく

 

ウィズ「お誕生日おめでとうございます。これ……私からのプレゼントです」

 

そう言ってウィズは包装紙を巻いたプレゼントを渡した

 

アクア「あ、ありがとうウィズ。じゃあ開けるわね」

 

アクアがそう言って包装紙を剥がすと中身は

 

銀色のブレスレットだった

 

アクア「うわ〜、キレイ。本当にありがとね」

 

ウィズ「いえ、喜んでもらえて良かったです」

 

カズマ「あれ?ウィズ、お前今週赤字って言ってたけど、生活大丈夫か?」

 

ウィズ「だ、大丈夫です!当分砂糖水で生活すれば何とか生きられます」

 

カズマ「いや無理するな!」

 

プレゼントの為に生活が苦しくなるって、もう少し自分の所持金考えてプレゼント選びしろ

 

アクア「と、とにかくありがとね(汗)。これほんと大事にするからね」

 

自分の為に生活が苦しくなった事への罪悪感とプレゼントを貰った事への感謝の念があるようで、苦笑いして受け取るアクア

 

ダスト「うんじゃあ、次はこっちな」

 

ダストがそう言うと、包装紙に巻かれた酒をアクアに渡す

 

アクア「わあ、ありがとう。これで私のお酒のストックが増えるわ。でもこれ高かったんでしょ?」

 

ダスト「なあ〜に、気にすんなって」

 

ダストがどうってことないと言うが、後ろにいるダストのパーティメンバーがダストを睨んでる

 

 テイ・キー・リー「「「(調子のんな!カスが!)」」」

 

後から聞いたが

 

プレゼントを買う金が無いバカの為にゆんゆんを除いた全員(ゆんゆんは別のプレゼントがある為)で金を出してプレゼントを買うことにしたらしい

 

なおそのバカはこのあとパーティメンバーにボコボコにされたみたいだ

 

クリス「じゃあこれはあたしからアクアせ……、さんに」

 

一瞬先輩って、言おうとしたクリスもといエリス様はすぐに言い直し、包装紙に巻かれた箱をアクアに渡す

 

アクア「わあ〜、何が入ってんだろ」

 

アクアが楽しみとばかりに箱を開けると

 

アクア「……銀ナイフ?」

 

クリス「うん。あたしが普段使ってるダガーと同じく、エンチャントが出来て、女神エリス様の加護のお陰で持ち主の運気を上げてくれる代物何だ」

 

カズマ「運が絶望的に低いお前にはピッタリな代物じゃん」

 

クリス「アクアさんって、そんなに運が悪いの?」

 

カズマ「悪いなんてもんじゃねえぞ。よくダンジョン行くと俺達は罠に掛からないのにこいつだけ掛かったり、2択でこいつが選んだ所だけ何かしらの不幸があったり、限定販売してたケーキ、コイツの番になった時には売り切れてたり、クエスト請けたら最低1回以上の不幸にあったり、1人だけ爆発に巻き込まれたり、アンデット引き寄せて迷惑かけたり、他には」

 

めぐみん「カズマ、そのへんにしてあげて下さい」

 

めぐみんに止められアクアの方を見ると

 

アクアが床にうずくまっていた

 

俺が言ってた自分の不幸を思い出して

 

心にグサグサきたんだろ

 

クリス「と、とにかくエリス様の加護が付いてるそのナイフが、アクアさんを守ってくれるよ」

 

アクア「ほんと?クリスありがとうね」

 

少しは運気が上がると聞いて嬉しそうに笑うアクア

 

カズマ「なあ、これ本当に効果あるのか?」

 

クリス「効果あるよ………多分」

 

多分さっき俺が言ってたアクアの不幸を聞いて

 

自信が持てなくなった様だ

 

なおアクアの運気は上がらなかった模様

 

ゆんゆん「あ、あの、……ア…アクアさん…」アセアセ

 

めぐみん「ゆんゆん、落ち着いて下さい。ほら、一緒に渡しましょう」

 

緊張してるゆんゆんと一緒にめぐみんが箱を渡してきた

 

アクアが、礼を言って開けると中身は

 

アクア「アクセサリーだ。キレイ〜」目がキラキラ♫

 

赤色の

いや、紅色をしたアクセサリーを持ってアクアの目がキラキラしている

 

めぐみん「ゆんゆんと一緒に選びました。いつもアクアが使ってる杖につけると、魔法の効果が高まります」

 

装備品か

 

めぐみんが選ぶプレゼントにしてはまともだな

 

あ、ゆんゆんが一緒だからか

 

めぐみん「本当は爆発系のポーションをプレゼントしたかったんですが、ゆんゆんに止められて」

 

ゆんゆん「当たり前でしょ!誰しもめぐみん見たく爆発バカじゃないのよ!」

 

ナイスだゆんゆん

略してナイゆん

 

てかめぐみんはなんてものをプレゼントしようとしてた

 

ダクネスが貰っても困らない物にしろって言ったのに、危険物プレゼントするな!

 

気持ちが込もった物なら爆薬でもいいってかあ?

 

ふざけんな!

 

ダクネス「では最後は私だな」

 

今まで会話に入って来なかったダクネスが、冬将軍の人形を持ってきた………うっ……

 

ダクネス「これは、私からのプレゼントだ、受け取ってくれ」

 

アクア「ありがとうダクネス!……カズマ?」

 

冬将軍の人形を見て顔をしかめた俺に声を掛けてきた

 

めぐみん「あ〜、そういえばカズマ、昔冬将軍に殺されかけたことがありましたね」

 

アクア「あ〜、だから顔色が悪くなったのね」

 

カズマ「別に冬将軍が怖い訳じゃない。ただ、……あの時は本当に殺されかけたから苦手意識が、おのれ冬将軍め…俺の心に傷をつけた恨みは、生涯かけてでも晴らしてやるからな…」

 

アクア「うーん、わかっては居たけどカズマは結構根に持つタイプね…無理はないけど…」

 

そんなこんなでアクアと軽く雑談しながらも、俺達は誕生日会を過ごしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「う〜〜ん、誕生日会は成功だったな」

 

そう言って腕を天井に伸ばして言った

 

今俺は、自分の部屋にいる

 

あの後俺達はバースデーケーキを食べたり酒飲んだりして満喫していたが

 

誕生日会を初めて4時間経つ頃にはダスト達のパーティとウィズは帰っていった

 

片付けが凄く大変だったが、クリスとゆんゆんも手伝ってくれたお陰で片付けが早く終わった

 

ちなみにクリスとゆんゆんは屋敷に泊まると言う事で

現在互いの親友の部屋に寝ている

 

カズマ「おっと、そういえば俺、渡すの忘れてたな」

 

後でプレゼントを渡すつもりだったのに忘れてた

 

仕方ない

 

明日にでも渡そうか

 

そう思って寝る準備をしようとしたが

 

 

 

コンコン

 

 

 

カズマ「ん?」

 

俺の部屋のドアに誰かがノックしてきた

 

アクア「カズマ、今いい?」

 

アクアか

 

もう寝てる頃だと思ったが起きてたのか

 

カズマ「ああ、鍵開いてるから勝手に入れ」

 

俺がそう言うとアクアが部屋に入ってきた

 

カズマ「それで、……俺に何か用か?」

 

アクア「カズマ、………いろいろ言いたい事はあるけどまず私の質問に答えてくれる?」

 

アクアが改まった様子で俺に言ってきた

 

アクア「どうして、…………今日、………私の誕生日会を、………それ以前に、……なんで今日が私の誕生日なの……?」

 

アクアが恐る恐ると聞いてきた

 

カズマ「アクア、…………俺達が、この世界に来てしばらく経った時の事覚えてるか?」

 

アクアの質問に俺は目をつむり

 

あの日のことを思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ん?なあアクア。お前の冒険者カードには、お前の誕生日が書かれてないんだが?」

 

アクア「ああ私、自分がいつ生まれたのか分からないの」

 

カズマ「いつ生まれたのか分からないって……そんな事があるのか?」

 

アクア「大体の神は、自分がいつ生まれたのか分からないわよ。自然発生みたいに生まれるから」

 

カズマ「自然発生って、……雑な生まれ方だな」

 

アクア「どうでも良いじゃない。それより早くギルドにいきましょ」

 

カズマ「あ、まてってアクア!…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「あの時の俺は、そんなに深く考えなかった。けどな、後になって思ったんだ。お前みたいなバカでも誕生日がないのはなんか……、かわいそうだなあって、思ってしまったんだよ」

 

アクア「……」

 

アクアがした質問に俺は答える

 

アクアは黙って聞いていた

 

カズマ「誕生日って言うのは、そいつが生まれた事に感謝して、祝う日でもある。お前にも、そんな日があった方がいいって、俺の勝手で決めた事だけどな」

 

アクア「……そう」

 

これまで俺の話を聞いていたアクアが返事をした

 

カズマ「今日をお前の誕生日にしたのは、俺にとっても特別な日だからな」

 

俺はしみじみとアクアに言った

 

アクア「……それって、……今日は、私とカズマがこの世界に来た日だから?」

 

カズマ「お前、覚えてたんだな。普段覚えてる事が苦手なお前が」

 

俺は少し苦笑して言った

 

カズマ「お前の言うとおり、今日は俺とお前がこの世界に来て丁度1年たった日。もっと言うと、冒険者登録をして冒険者になって、パーティを結成した日でもある」

 

さらに俺は言い続ける

 

カズマ「今まで日本に住んでた俺と、今まで女神をやってたお前にとっては、二度目の人生だ。俺は日本に居た時の記憶があるから、この世界での俺の誕生日は日本基準。誕生日が分からないお前は、二度目の人生が始まった1年前の今日って事にした」

 

まあ、ちょっと誕生日の極め方が単純な気がするけどな

 

アクア「カズマも、……祝いたかったの?……私が生まれた事に」

 

カズマ「祝いたかったって、言うより俺は、お前にも誕生日があった方が良いって思っただけだ。ただ、……まあ、少しは、……思ったけど」

 

少し恥ずかしいな

 

こんなこと言うのは

 

アクア「ぷふっ」

 

アクア「ふあっはははははははは」

 

カズマ「な、何がそんなに可笑しい!」

 

突然笑い出したアクアに思わず怒った

 

アクア「だ、だって、あれだけ建前言っといて、本音をボソっと言っちゃうんだもん。ツンデレ!カズマのツンデレ!滅多に見れないからかなりレアね!」

 

こいつ今すぐ3階の窓から突き落としてやろうか?

 

カズマ「ど、どうだっていいだろ、俺の本音なんて。それよりどうだったか。初めての誕生日に誕生日会は」

 

アクア「うん、もうすっっっっっごく楽しかったわ!誕生日の人はあんな感じで過ごすんだなって、思ったわ」

 

カズマ「もう今からでも来年の誕生日が待ち遠しいだろ?」

 

アクア「うん!」

 

カズマ「そうだろ。誕生日が終わると来年が待ち遠しくなるのは誕生日あるあるだからな」

 

アクア「そういえば今更だけど、なんで私を眠らせたの」

 

カズマ「いやだって当日、お前がでかけたら誕生日会の準備しようと思ったのにお前が家に残るから無理やり眠らせてから準備を」

 

アクア「だからって、もうちょっと他になかったの!」

 

カズマ「いやほんとに悪かったって」

 

睡眠薬でも飲ませるべきだったか?

 

カズマ「ああそうだ、忘れるとこだった」

 

俺はそう言うと机に置いてあるプレゼントを巻いてある布を取る

 

カズマ「お前に渡すはずのプレゼント、渡すの忘れてたわ」

 

そう言ってアクアにプレゼントを巻いた布を渡す

 

アクア「カズマが、私に?」

 

カズマ「開けてみてくれ」

 

俺がそう言ってアクアは布を取る

 

アクア「……これ、髪飾り?」

 

アクアにあげたプレゼントは水色の羽衣を模した形をしている

 

カズマ「俺の手作りだ。気に入ってくれたか?」

 

柄にもなく手作りをプレゼントした

 

そもそも手作りのプレゼントなんて初めてだ

 

アクア「これ、……、手作りなの?」

 

カズマ「ああ、どうせプレゼントするなら、送る相手に気持ちを込めた物にしようって、思ってな。気持ちを込めるって言ったら手作りが一番だ」

 

よくもまあこんな恥ずかしい事普通に言えたな俺

 

カズマ「お前さ、女の子らしくないって言われてたからこれ付けて、女の子らしくなれよな。ってあれ?」

 

アクアの方を見るとアクアがうつむいている

 

カズマ「どうしたアク……」

 

うつむくアクアに近づいて顔を見ると

 

 

 

 

 

アクア「うっ、ふっ、うぐっ、ううぅ」

 

アクアが泣いていた

 

カズマ「どうしたアクア。……もしかして、気に入らなかったのか?」

 

アクア「ふぐっ、違うの、ふっ、ひぐ、……カズマがくれた、ふぐっ、プレゼントが、うっ、……、凄く、ひっ、嬉しくて、ううぅ、涙が、ひぐっ、止まらないの、…、あぐっ、」

 

どうやら俺があげたプレゼントを大変気に入ったようだ

 

作ったかいがあって良かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「落ち着いたか?」

 

アクア「うん」

 

しばらくアクアは泣いていたが泣き止んだ

 

アクア「カズマ、ありがとうね。この髪飾り、大切にする」

 

プレゼントにあげた髪飾りをつけてアクアが言う

 

アクア「ど、どうかな?」

 

 

カズマ「ん、良いじゃん、似合うよ、さすがは俺が作った物だ」

 

普段自画自賛なんかしないが

自画自賛するくらい似合ってた

 

アクア「あ、そうだ。ちょっと待ってて」

 

そう言うとアクアは部屋から出て行った

 

しばらくすると、アクアが戻って来た

 

片手には酒瓶を持ってた

 

アクア「本当はね………今日、パーティを結成して1年が経った記念日だから、皆でお酒飲もうって思ってたけど、いろいろあったからすっかり忘れてたから………、今から飲もう」

 

そう言って俺に湯呑を差し出して来た

 

カズマ「今からか?明日で良くないか?皆で飲むなら」

 

まあめぐみんはまだだめだが、特別に一杯くらいは飲ませても良いかもしれないが

 

アクア「いや、今飲みたいのよ、私は」

 

カズマ「そもそも今日はお前の誕生日って、事で飲んだからもういいんじゃないか」

 

アクア「あれは私の誕生日って、事で飲んだ訳だから、パーティ結成記念日って事で飲んだ訳じゃないからノーカンよ」

 

ただ飲みたいだけじゃないか?

 

俺はそう口にしょうとした

 

アクア「それに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「今は…………カズマと………二人っきりで飲みたいの………………だめ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「………はぁ…」

 

俺はアクアが差し出した湯呑を受け取ると

 

カズマ「さっきたくさん飲んだから、少しだけ飲むくらいで良いなら………飲んでやるよ」

 

酒瓶をとって酒を入れる

 

アクア「ええ………それでもいいから………一緒に飲みましょう」

 

アクアが嬉しそうに笑う

 

 

 

はぁ〜

 

 

 

我ながら自分の甘さには呆れるな

 

 

 

こいつのこんな顔を見たらなんかもう、どうだって良いって思ってしまうな

 

こんなの、ダクネス達に知られたら『カズマはアクアが好きなんだな』とか『やっぱりアクアが好きなのですね』とか言われるだろうな

 

そういえばいつだったかめぐみんに

めぐみん『普段雑に扱いますが、なんやかんや言って、カズマはアクアに甘いですね』

って言われたな

 

俺はアクアの事を異性として意識してないんだけどな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど

 

 

俺はアクアの湯呑に酒を注ぎ

 

お互い湯呑を持って

 

カズマ「じゃあ、アクアの誕生日改めパーティ結成記念日に」

 

アクア「……乾杯…!」

 

 

俺はこいつのバカみたいに笑った顔が

 

本当に 

 

         好きなんだよな

 

 

 

 

屋敷の中は静まり返り

 

屋敷の一室だけ明かりがついている

 

向かい合ったふたりの男女は、互いの湯呑を

 

カチン

 

ぶつけ、酒を飲む

 

湯呑をぶつけた事で出た音は

 

暗く広い屋敷中に、広まった

 

まだ今日は終わってない

 

湯呑を持って、酒を飲むふたりの男女は

 

日付が変わっても、飲み続けるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねえカズマ

 

私ね…この世界に来て…色々なひどい目にもあったし、死にかけた事もあったわ

 

けどね、それ以上に楽しかったことや、うれしかった事もたくさんあったわ

 

今日だってそうよ

 

誕生日なんて…私には縁のないもの、なんて思ってたけど……この世界に来て 

生まれて初めて自分の誕生日を迎えた事を

私は決して忘れないわ

 

アンタは

 

意地悪で鬼で容赦ない策士だけど……心の底は、誰よりも優しい男ね…

 

 

 

ねえカズマ

 

恥ずかしいし、今の私の気持ちを言ったら『何言ってんだお前』って言われそうだけど

 

あえて言うわ

 

 

 

 

 

 

  カズマ

 

 

 

私の誕生日を作ってくれて

 

私の為に誕生日会を開いてくれて

 

私を……この世界につれてきてくれて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「ありがとうね!」

 



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